春日井市議会 > 2019-12-12 >
12月12日-03号

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  1. 春日井市議会 2019-12-12
    12月12日-03号


    取得元: 春日井市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和 1年 12月 定例会(第5回)             令和元年第5回          春日井市議会定例会会議録第3日-----------------------------------                      令和元年12月12日(木曜日)◯出席議員(32名)            1番  堀尾国大君            2番  奥村博史君            3番  奥村昇次君            4番  安達保子君            5番  小林宣子君            6番  前田 学君            7番  石田裕信君            8番  梶田正直君            9番  金澤陽貴君           10番  石飛厚治君           11番  長谷和哉君           12番  鈴木秀尚君           13番  伊藤貴治君           14番  原田祐治君           15番  伊藤杏奈君           16番  田口佳子君           17番  末永 啓君           18番  加藤貴章君           19番  加納 満君           20番  鬼頭宏明君           21番  村上慎二郎君           22番  梶田高由君           23番  長谷川達也君           24番  小原 哉君           25番  熊野義樹君           26番  伊藤建治君           27番  長縄典夫君           28番  田中千幸君           29番  佐々木圭祐君           30番  林 克巳君           31番  宮地 隆君           32番  友松孝雄君-----------------------------------◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者      市長        伊藤 太君      副市長       早川利久君      副市長       加藤達也君      教育長       水田博和君      監査委員      森 鋭一君      企画政策部長    加藤裕二君      総務部長      長谷川 透君      財政部長      加藤俊宏君      市民生活部長    野村英章君      文化スポーツ部長  上田 敦君      健康福祉部長    山口剛典君      青少年子ども部長  勝 伸博君      環境部長      大橋弘明君      産業部長      石黒直樹君      まちづくり推進部長 前川 広君      建設部長      高氏泰史君      市民病院事務局長  丹羽教修君      上下水道部長    小久保健二君      会計管理者     梶田岳宏君      消防長       大谷雅人君      教育部長      松原眞一君      監査事務局長    小西史泰君-----------------------------------◯事務局職員出席者      事務局長      長谷川 晃君      議事課長      冲中 浩君      議事課長補佐    長縄友美君      議事担当主査    安田和志君      主事        柴田一志君-----------------------------------◯議事日程  令和元年第5回春日井市議会定例会(第3号)                       開議 12月12日 午前10時  日程第1 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  1 一般質問                    午前10時 開議 ○議長(長谷川達也君) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は,お手元に配付の議事日程のとおりであります。よろしく御協力のほどをお願いいたします。 日程第1 一般質問を行います。 通告者は14人であります。通告順に発言を許します。11番 長谷和哉君。     〔11番 長谷和哉君 登壇〕(拍手) ◆11番(長谷和哉君) それでは,さきに通告いたしました当市の大型台風に備える水害対策などについて,順次質問をいたします。 令和元年9月9日,台風15号は関東地方に上陸し,千葉県を中心に1都6県で死者1名,重軽傷者151名という甚大な被害を及ぼしました。特に千葉県では,被災した住宅の屋根を補修する際の転落事故などでも多くの人的被害が発生し,送電塔2本と電柱1,996本が倒壊し,約60万戸で停電が続くことにより,熱中症による高齢者の死者も確認され,主に,強風による被害が大きかったことなどが明らかにされています。 また,引き続き,10月上旬に台風19号が全国20都県に甚大な被害を及ぼしました。土砂災害が962件で過去最高,豪雨による災害は特にひどく,国が管理する河川での堤防からの越水などによる氾濫が14水系30河川で確認されたほか,都や県が管理する河川では,16都県の61水系274河川で越水などによる氾濫が発生し,浸水被害は床上浸水が17都県で約1万8,000棟,床下浸水は20都県で約2万8,000棟となりました。死者・行方不明者101名,重軽傷負傷者は484名という悲惨な被害となり,福島・長野・宮城県ほか合計11都県で,いまだに約2,000名の避難所生活が続いているということであります。 国は,この台風の被害に対し,直ちに,激甚災害,特定非常災害,大規模災害復興法の非常災害の適用を行い,災害救助法適用自治体は11月1日時点で14都県の390市区町村であり,東日本大震災を超えて過去最大の適用となりました。今回,当市を含む近隣市では,これらの台風に関する甚大な被害の報告は挙がっておりませんが,昨年,一昨年の西日本豪雨や本年の台風被害から,市民の不安も大きくなるものと推察されます。国・県も,従来の対策について今後見直しに取り組むことが予想されますが,当市において,幾つか気になる部分について質問させていただきます。 最初に,地蔵川ポンプ場整備計画の進捗についてお伺いします。 この件につきましては,平成28年3月に私の一般質問でお尋ねをいたしました。平成27年度から,愛知県尾張建設事務所用地課床上浸水対策用地グループ4名の方が,当市庁舎8階にてプロジェクトを組み,その当時の用地買収は38%を超え,早ければ平成29年度前半ぐらいに用地買収のめどがつくのではというお話だったと思います。 そこで,質問であります。用地グループは,ことしの春に,当市庁舎から県のほうへ戻られましたが,ある程度のめどがついたとお聞きしています。名古屋市側,八田川の川幅の拡幅工事の経過・進捗,また,ポンプ場建設のための用地買収や工事開始の見通し,そして何よりも,完成までの道筋はどうなっているのか,詳細をお尋ねいたします。 次に,その他の水害対策についてお伺いします。 当市においては,ゲリラ豪雨対策を考慮し,予定を早め,本年春に南部ポンプ場を完成させ,また,平成12年の東海豪雨後に雨水調整池整備を,新川流域水害対策計画に沿って,建設部においては,直近10年以内にも,主に平成22年の篠田公園から勝川公園,はなのき公園,細木公園,勝川駅南公園に合計4万7,158立方メートルの雨水調整池を建設し,上下水道部も八田川流域の朝日出公園,大手小学校に続き,平成30年度に地蔵ヶ池公園に6,300立方メートルの雨水調整池を完成させました。従来から計画的に水害対策を推し進めてきたことについては評価するものであります。 そこで,質問として,今後の雨水調整池についてはどのような計画をお持ちになっているのかお尋ねいたします。 続いて,本年の台風15号を一つの教訓として,雨だけではなく,風の風害に対する点検・対策について伺います。 当市においては,道路や公園において,電柱や電線,樹木の状態について,仮にあの規模の台風が直撃した場合でも大丈夫なのか。具体的には,秒速40メートルクラスの強風が長時間襲来した場合にも安全と言えるのか。それらの安全性を担保する点検等はどのようにされているのかをお伺いいたします。 最後に,災害備蓄品の見直しについて伺います。 本年の15号台風被害の新聞・テレビなどの報道の際に,青いビニールシートが防災備品としてよく目にとまりました。実際,当市の防災備品の中にビニールシートはあるのかという市民からのお尋ねを受けております。ビニールシートを含め,土のうとか食料,飲料水ほか,内容とか数量の再点検が必要であると思うが,どのようにお考えでしょうか。場合によっては,予算を見直し,中身をもっと充実させる必要があるのではないかと思いますが,市の御所見を伺います。以上で,壇上からの質問といたします。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) 私からは,当市の大型台風に備える水害対策などについての3点の御質問にお答えをいたします。 初めに,地蔵川ポンプ場整備計画の進捗についてでございます。 現在,愛知県では,八田川の堤防工事と地蔵川のポンプ場整備を進めておりますが,八田川の拡幅及び堤防かさ上げ工事につきましては,平成30年度より御幸橋のかけかえ工事や八田川右岸の築堤工事に着手し,現在,橋梁の下部工事を行うとともに,築堤・護岸工事を進めており,進捗率は69%とのことでございます。 次に,地蔵川ポンプ場の整備につきましては,現時点での用地買収率は86.7%で,残る3件と交渉中であり,うち2件につきましては,間もなく契約の見込みと聞いております。また,取得済みの用地部分の土木本体工事は既に契約済みで,機械・電気工事も年度内の契約を予定しており,床上浸水対策特別緊急事業の計画どおり,令和3年度末の完成に向けて進めているとのことでございます。 次に,その他の水害対策についてでございますが,雨水調整池につきましては,現在,熊野桜佐土地区画整理事業地内において3カ所,合計約3万9,000立方メートルの整備を進めております。また,西部第一・第二土地区画整理事業地内においては4カ所,合計で約2万3,000立方メートルの整備を区画整理事業の進捗に合わせ進めてまいります。その後の雨水調整池整備につきましては,春日井市排水基本計画や下水道基本計画,新川流域水害対策計画に基づき,計画的に進めてまいります。 3点目の風害に対する点検・対策についてでございますが,道路上の占用物件である電柱や電線につきましては,その管理責任を有する各事業者が常に良好な状態の維持に努めております。また,街路樹については,毎年行う剪定・除草等の際に業者による点検を実施し,公園や緑地内の樹木については,毎年危険木点検を行っております。これらの調査の際,倒木の危険があると判断した樹木については,その都度伐採を行い,安全の確保を図っております。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 私からは,小項目4,災害備蓄品の見直しについての御質問にお答えいたします。 本市には,現状,被災した住宅用に配布するためのブルーシートの備蓄はございませんが,ことし発生しました台風による他自治体の被害状況から備蓄が必要と判断し,来年度からの備蓄に向け,既に検討を進めているところでございます。大規模災害により多数の屋根等の被害が発生した場合には,市が備蓄するものに加え,国からのプッシュ型支援や全国施行時特例市など,他自治体との相互応援協定,ホームセンター等との物資調達に係る支援協力の協定により,できる限り必要数を確保し,被災された方々への支援を行ってまいります。 その他の備蓄品につきましても,必要に応じて,内容や数量について随時見直しを行っているところですが,今後も引き続き,他市の導入事例等も参考にしながら実施をしてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) それぞれお答えいただきました。 第1に,地蔵川ポンプ場整備計画については,令和3年度末完成に向けて進行中であるという御答弁をいただきました。常に地蔵川の越水の不安に気を病んでみえます柏井町,杁ヶ島町,篠田町,小野町,町田町,松新町,勝川町の周辺に居住の市民にとっては,朗報であると思います。令和2年,令和3年の2回の台風シーズンで,今後被災することがないよう願うとともに,愛知県尾張建設事務所用地対策グループの皆様の地道な御努力に感謝するものであります。この件は以上です。 第2に,今後の雨水調整池など整備については,現在進行中の土地区画整理事業地内のものとあわせて今後も引き続き進めていくとの回答をいただき,少し安心をいたしました。よろしくお願いをいたします。 ところで,当市には,国が管理する庄内川を初め,県が管理する地蔵川,内津川,八田川,繁田川のほか7つの河川,合計すると12の河川と2つの放水路が存在するわけですが,それらの河川に繁茂する樹木などの伐採に関して,市民からの要望をよく耳にいたします。また,もう一つ,市内には側溝がいろいろあるものの,その側溝がごみで詰まっており,全く役に立っていない箇所も多々見られます。そのような箇所の点検や実施について,これは,地味ではあると思うんですけれども,大変必要なことと思います。 そこで,2回目の質問として,今の繁茂する樹木,そして側溝の整備,この件に関して市の御所見を伺います。 次に,風害に対しての対策につきましては,電柱や電線,樹木の維持管理の中で,日常業務として点検を実施しているという御回答でありました。特に,道路に関しては,市民からの要望も多く,日ごろから大変煩雑な業務をこなされているものと承知しておりますが,本年発生した台風による他市の被害は尋常なものではなく,2回目の質問として,各事業者の想定を超えた被害が当市でも起こり得るという懸念から,市内全域に配置されている電柱などについて,道路管理者及び事業者が実施している具体的な安全対策についてお伺いしたいと思います。 最後に,災害備蓄品の見直しにつきましては,ブルーシートなど,現状はないが,来年度から備蓄に向け既に検討いただいているとの回答をいただきました。また,本年の台風被害からの検証として,台風被害などに関する市民の意識が高まっていると思われるため,従来から対応していただいている土のうの準備なども,町内会を通じて,配布方法・配布量など,さらなる周知の徹底をお願いをいたします。この件は以上であります。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) その他の水害対策について,風害に対する点検・対策についての2回目の御質問にお答えいたします。 初めに,水害についてでございますが,市としては,河川に繁茂する樹木については,大きな阻害要因と考えており,かねてから,国・県に伐採の要望をしてきたところでございます。国においては,国土強靱化計画のもと,庄内川の樹木伐採に着手し,現在,松河戸グラウンド上流部の伐採を進めていると聞いております。また,県においても,今年度は既に新繁田川,うぐい川及び生地川の伐採を行っており,加えて,繁茂の著しい八田川と内津川についても伐採に取りかかる予定と聞いております。また,道路側溝の詰まりなどについては,常日ごろからのパトロールに加え,台風等大雨が予想される場合には,地下道や低い場所などの点検・清掃を実施しております。 次に,風害についての御質問でございますが,電柱を管理する事業者に対しては,毎年占用者会議を実施するなど,占用物件の安全性を確保するため,適正な維持管理等について周知しており,事業者は,日ごろから点検を行い,強風時の倒壊や断線を防ぐため,電線の保護,周辺樹木の剪定などを実施しております。 次に,市の対策につきましては,道路パトロール時などに占有物件の損傷や支障となる樹木等を発見した場合には,速やかに各事業者へ連絡し,占有物件の補修,樹木の伐採などを行うよう指示しております。また,既に交通に支障を来している場合など緊急性の高い場合には,市が伐採を行い,道路空間の安全の確保に努めているところでございます。 ○議長(長谷川達也君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) それぞれお答えいただき,大変よく理解できました。 私は,先週国土交通省中部地方整備局庄内川河川事務所に出向きまして,庄内川に関する取り組みについてお話を聞いてまいりました。現在は,昨年発生した西日本豪雨後,平成30年度,国の第二次補正予算により,3か年緊急対策の,今が2年目とお聞きいたしました。堤防強化,河道掘削,樹木伐採を主眼として現在取り組んでおり,堤防強化は,今年度,吉根橋から500メートルの熊野桜佐土地区画整理事業の東側,庄内川右岸を工事しており,来年は,さらにそこから五反田橋までの工事を予定しているとのことでした。樹木伐採についてもお聞きいたしましたが,先ほどの答弁のとおりだったと承知しております。松河戸グラウンドのあたりへ行きますと,本当にきれいに刈っておりまして,びっくりいたしました。 庄内川については,平成23年の台風で名古屋市志段味地区の越水後,護岸強化工事を数年間かけて実施してきたのをつぶさに見ておりますけれども,その前提となる災害規模は,平成12年の東海豪雨であったと思います。しかし,庄内川河川事務所で聞いた話ですけれども,東海豪雨ではなく,ことしの台風19号の被害事例から,現在,その規模の雨量を想定して全般を調査しており,今年度中にそれをまとめることにしていると。今後必要な対策・予算要望を国に対してしていくとのお話を伺いました。 今回,当市の大型台風に備える水害対策などについて順次お聞きいたしましたが,年々自然災害の規模が大きくなっている現状で,市民の安心・安全を担保するためにも,現実的な対策の周知をしていくことが重要であると申し上げまして,私の質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。     〔17番 末永 啓君 登壇〕(拍手) ◆17番(末永啓君) それでは,通告に従いまして,順次質問させていただきます。 まず,大項目1,グルッポふじとう敷地内駐車場増設と運動場改修案,周辺公共用地について伺います。 グルッポふじとう敷地内の駐車場増設については,9月議会で一般質問し,引き続いての質問になりますが,この間,市は,10月にグルッポふじとうの運動場改修案を示す中で,市民意見募集を行いました。改修案では,正面駐車場の拡張という内容が入っており,図面において,わずかながら敷地内駐車場を増設する内容と見受けられます。市民生活において大きな懸案となっている敷地内駐車場の不足問題について,一筋の光が差し込んだと言えます。これは,ひとえに,多くの市民の皆様がグルッポに不便を感じ,その現状を憂い,危機感を持ってグルッポの意見箱や市長ホットラインなど,各所で敷地内駐車場の増設を望む声を上げたことで,市は,当初の考えの変更を余儀なくされたと言えます。 そこで,(1)運動場改修案の基本方針に対する意見募集の結果についてです。 先日,グルッポの運動場整備意見募集の結果が公表されました。募集期間は令和元年10月11日から25日,募集方法としては,グルッポふじとうに設置してある投書箱へ投函,春日井市ホームページの意見募集専用フォームということで実施され,回答総数としては250件に上ったとのことです。たった2週間で250件も集まるということは,グルッポの運動場活用に関して,市民の関心は非常に高いということがわかります。 改修案に示された各機能に対して,選択肢を設けた質問への回答については円グラフで集計されております。正面駐車場の拡張につきましては,「非常によい」が56%,「よい」が30%で,合わせて86%を占めており,これまで私が再三にわたって指摘してきました敷地内駐車場への市民・利用者のニーズは,この結果をもってしても証明されています。 また,この意見募集では自由記述意見欄も設けられていましたので,駐車場に関する各記述の件数と内容の詳細についてお尋ねいたします。 (2)改修案における優先順位についてです。 これまで,グルッポの意見箱や市長ホットライン,グルッポに勤務している職員へのアンケートなどにおいて,敷地内駐車場の増設を求める意見が圧倒的多数を占めていることは,これまでに何度も取り上げており,周知の事実です。しかし,今回の意見募集で市民に示された改修案は,正面駐車場の拡張とその他の項目は,いわば並列で扱われており,これまでの市民の声が十分に反映されていないように見受けられ,大変遺憾です。つまり,改修案では,市民が切に望んでいる敷地内駐車場について気持ち程度しか拡張されていないのです。この期に及んで,運動場の活用方法について,なぜ市の中で市民の声を適切に反映した形で優先順位がつけられていないのか,甚だ疑問に感じております。 市が優先順位をつけられないのであれば,運動場をどう活用すべきか市民の皆様に優先順位を答えてもらう意見募集の仕方にすべきではなかったのか,所見をお尋ねいたします。 (3)改修案における敷地内駐車場増設台数についてです。 意見募集時点で,改修案の図面において想定していた駐車場増設台数をお尋ねします。また,増設台数がどれだけになるのかは,市民の皆様にとって一番の関心事であります。なぜ,増設台数を示した上で意見募集を行わなかったのでしょうか。お尋ねいたします。 続いて,(4)です。11月22日の記者会見についてです。 市は,11月22日の記者会見で意見募集の結果を発表していますが,記者会見には誰が出席していたのか,記者や市職員の出席者の内訳の詳細をお尋ねします。また,グルッポの運動場整備に関してどのような質疑応答があったのかお尋ねします。 (5)敷地内駐車場増設についてです。 これまでの市民の皆様の声や,私が提起してきた過去の議論,そして今回の意見募集の結果を踏まえ,市は,敷地内駐車場の台数をどのようにしていこうと考えておられるのか伺います。また,その敷地内駐車場の台数で本当に市民がグルッポを快適に利用できるようになるのか,お尋ねしたいと思います。 続いて,(6)周辺の公共用地についてです。 そもそも,リ・ニュータウン計画では,藤山台東の旧小学校施設周辺を含めた整備のイメージが描かれております。つまり,グルッポの周辺にはほかにも公共用地があり,今回,運動場改修案が単独で示されているのですが,本来は,周辺の公共用地を含めて一体的に検討されるべきものです。 そこで,現在グルッポ周辺には公共用地としてどこがあり,それぞれの活用方法はどのようになっているのかお尋ねいたします。 続きまして,大項目2,市内各地区の移動ニーズと対応した交通の導入についてです。 公共交通網形成計画については,私は,市が策定の意向を表明する以前より提案してきておりますが,現在,担当課や地域公共交通会議において新しい交通システムやシティバスのあり方の検討などとあわせて策定作業が進められています。公共交通は,将来にわたって広く市民生活にかかわることであり,市民や議会からも,適宜これらの進捗状況の検証や提案が必要でありますので,フォローアップする趣旨で質問をします。 (1)牛山地区交通の検討についてです。 去る10月21日の地域公共交通会議において,牛山区のかすがいシティバスに関するアンケート調査結果が示されていますが,牛山区でアンケートがとられた経過について伺います。 (2)他地区についてです。 他地区においても牛山区のような動きはないのかお尋ねいたします。 (3)各地区の移動ニーズについてです。 中身のある公共交通網形成計画の策定と,昨今の市民ニーズの変化にしっかり対応した公共交通の仕組みを構築していくためには,各地区での移動ニーズを,顕在化しているものも潜在化しているものも含めて把握する作業が非常に重要です。市は,各地区における市民の移動ニーズをどのように調査を行っているのかお尋ねいたします。 続いて,(4)事業者ヒアリングについてです。 公共交通網形成計画を策定するに当たって,既存の統計調査からはわからない具体的な利用特性や交通サービスを維持する上での供給者側からの問題点等を把握するために,交通事業者に対してヒアリングを行っているとのことですが,どの事業者にどのようなヒアリングを行っているのか,また,そのヒアリングの結果についてお尋ねいたします。 (5)かすがいシティバスの目的についてです。 先般より,市は,シティバスにおいて実証実験を行っているところですが,春休みと夏休みの実証実験の結果を受け,中学生などの子どもへの利用促進は効果が少ないことが判明したため,今後はバスに興味を持ってもらえるような啓発活動が必要。大人1日乗車券,小人1日乗車券の販売が増加しなかったことから,新たな客層の取り込みができなかったなどと,市は考察しています。 現在のシティバスは,そもそも,どのような政策目的で実施されているのかお尋ねいたします。 続いて,(6)定額乗り放題券についてです。 今後のシティバスの実証実験として,定額乗り放題券の発行を考えているようですが,その目的や概要についてお尋ねします。 最後に,(7)近隣市町との連携についてです。 公共交通会議では,近隣市町も課題があると思うので,お互いの状況を確認するなどの接点を持ってほしいといった意見が出ています。広域的な視点で他の市町との地域課題や交通ニーズの共有をして,公共交通網形成計画や公共交通に反映させていくことも重要なアプローチであります。 そこで,近隣市町との公共交通の連携について,近隣市町へのヒアリングを行っているのかどうか,どこの市町とどのような内容でヒアリングを行っているのか伺います。以上で壇上からの質問といたします。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 2点の質問に順次お答えいたします。 大項目1,グルッポふじとう敷地内駐車場増設と運動場改修案,周辺公共用地についての御質問ですが,初めに,駐車場に関する意見につきましては,「広場のスペースを縮小しないよう,駐車場の拡張は反対」が3件,「改修案のとおり駐車場の安全性向上と広場のスペースを同時に確保してほしい」が25件,「改修案の考え方には賛同するが,より多くの駐車場を設置してほしい」が34件,「改修案では駐車場が足りず,運動場部分にさらに多くの駐車場を設置してほしい」が10件,「駐車場の出入り口の幅が狭いため拡張してほしい」が6件でした。なお,正面駐車場の拡張につきましては,提示しました改修案イメージ図で,「非常によい」56%,「よい」30%,合わせて86%の方から改修案を支持する評価をいただいております。 次に,改修案における優先順位についてでございますが,意見募集では,全体のイメージを示して,導入機能について評価してもらいました。「非常によい」「よい」の回答を合わせると,各項目ともに約9割程度となり,一定の評価を得たと考えております。 次に,敷地内駐車場増設台数につきましては,駐車場の安全性向上の観点より,駐車場の増設範囲をイメージ図面に表現いたしました。イメージ図に対し,概略の検討では,敷地内正面駐車場について,現状24台から,少なくとも15台以上の増は確保できると想定しておりました。実施設計を現在進めているところでございますが,詳細な駐車台数は実施設計により把握するため,意見募集の時点では公表しておりません。 次に,11月22日の記者会見について,出席者に関しましては,記者は市政記者クラブ加盟の読売新聞社を初め5社と,市は市長を初め11人が出席しております。 また,グルッポふじとうの運動場整備に関する質疑に関しましては,正面駐車場の拡張について質問があり,現時点においては,現在の駐車台数の約2倍の50台程度になる見込みであると回答しております。 次に,駐車台数については,現在実施設計を行っているところであり,正確な台数についてはお答えできませんが,安全性の確保をした上で,駐車升の配置を工夫することで,先ほどお答えしました50台程度に増設できないかと検討しております。 増設した後の駐車台数で足りるのかという点につきましては,通常時は敷地内駐車場と北部駐車場で確保できると考えております。イベント開催時には,従来運動場を開放して駐車していたものが,芝生化により駐車できなくなりますので,不足する場合に備え,隣接する烏洞公園を臨時駐車場として活用することも検討しております。 次に,周辺の公共用地としましては,烏洞公園,藤山台中学校,北部駐車場がございます。北部駐車場につきましては,今年度舗装工事を実施し,利便性の向上を図ります。また,烏洞公園につきましては,先ほどお答えしましたとおり,イベント時は臨時駐車場としての活用を検討しております。 次に,大項目2,市内各地区の移動ニーズと対応した交通の導入についての御質問でございますが,初めに,牛山区でアンケートが行われた経緯でございますが,牛山区がシティバス北部線の利用状況を危惧し,みずからアンケートを行われたものです。 次に,他の地域での取り組みでございますが,高蔵寺ニュータウンにおいては,自動運転カートや相乗りタクシーの実験を行うに当たり,ワークショップを開催して協議が行われました。 次に,各地域における移動ニーズの調査でございますが,シティバスや公共施設の利用者,無作為抽出した市民へのアンケートを初め,各地区における地区懇談会やバスの乗降調査などにより調査をいたしました。 次に,交通事業者へのヒアリングにつきましては,名鉄バス,市内タクシー会社全社が加入する組合,サンマルシェ循環バスを運行する高蔵寺ニュータウンセンター開発に対し,直接お伺いし,ヒアリングを行いました。特に,乗務員不足に悩まされている現状が把握できました。 次に,現在のシティバスの運行目的でございますが,昼間帯における高齢者の市内の移動手段の提供,公共交通空白地域の解消,市民病院や市役所など公共施設への接続でございます。 次に,シティバスにおける定額乗り放題券販売の概要及び目的につきましては,いわゆる定期券のようなものをお買い求めいただいた上で,数カ月間シティバスが乗り放題になる取り組みでございます。地域公共交通会議において,シティバスの一部路線に長大化しているものがあることが指摘されており,分割なども検討する必要があることから,新たに乗り継ぎが必要になる場合も想定し,実験を行うことにより課題の抽出などを図っていくものです。 次に,近隣市へのヒアリングでございますが,名古屋市,瀬戸市及び小牧市に対し,直接お伺いし,ヒアリングを行いました。その内容といたしましては,先方から当市への移動ニーズや広域連携の可能性などでございます。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) それぞれお答えいただきました。 それでは,大項目1の(5)の2回目に入りたいと思います。 現状においても敷地内駐車場が不足しており,市民が非常に不便を感じている状態にあるにもかかわらず,改修案によれば,新しい機能が運動場にふえ,グルッポを利用したい方は今よりもふえていくということが想定されます。ですので,正面駐車場を現状の24台から50台程度にふやすだけで足りるのかなと,強い懸念を持っております。 そこでお尋ねですが,現在のグルッポの1日当たりの利用者数はどれくらいか。また,市がお示ししている改修案で運動場を整備することによって,利用者の将来増加予測をどのように見積もっておられるのか。さらに,比較として,図書館を有する類似施設として,文化フォーラムの1日当たりの利用者数と駐車場台数はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。
    まちづくり推進部長(前川広君) 大項目1の(5)の2回目の御質問にお答えいたします。 グルッポふじとうでは,平成30年度の利用者としては,48万3,419人,1日当たりの平均利用者数は約1,570人,駐車場台数は,敷地内が44台,北部駐車場が97台,合わせて141台,正面駐車場の増設を倍程度とすると165台程度となります。運動場整備による具体的な利用者の増加人数は予測しておりませんが,児童館利用者や図書館利用者が屋外にも滞在することで,これまでより滞在時間は長くなるものと考えております。 文化フォーラムでは,平成30年度の年間利用者は50万4,647人,1日当たりに平均すると約1,640人,駐車場については168台です。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (5)の3回目です。 グルッポと文化フォーラムの1日当たりの利用者数は,ともに約1,600人で,同じぐらいの利用者数だということがわかりました。 しかし,駐車場の合計台数も大体同じぐらいと思いきや,グルッポの駐車場については,調理場跡地97台を含んだ台数とのことです。調理場跡地は市民にはとても使い勝手の悪いものですので,やはり,正面駐車場を現状の24台から50台ぐらいにふやす程度では,文化フォーラムと比較しても,市民がグルッポを快適に利用できる状態にはならないということが想像できます。 そこで,次の(6)の2回目に移ります。3点質問します。 今回,運動場改修案が単独で示されていることにも,そもそも違和感があります。なぜなら,運動場改修案は公園機能になっており,東側の烏洞公園と機能が重複しているからです。本来は,グルッポ周辺の公共用地と一体的に考える中で,運動場の活用方法を考える必要があるのではないでしょうか。所見を伺います。 また,そうした視点に立てば,公園機能は既に烏洞公園にあるのですから,運動場においてこんなに公園スペースを広くとる必要はなく,最も今市民に望まれている敷地内の正面駐車場をもっと広く整備することができるのではないでしょうか。所見を伺います。 それから,リ・ニュータウン計画では,烏洞公園を「保育園の移転を検討」,調理場跡地を「まちづくり用地として活用」としていますが,烏洞公園や調理場跡地は今後どのようにしていくのでしょうか。活用用途はリ・ニュータウン計画のとおりという理解でよろしいのでしょうか。それぞれ伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (6)の2回目の御質問にお答えいたします。 運動場整備に当たっては,より魅力的な施設となるように,建物と運動場を一体で考え,広場空間で屋外活動が幅広い用途に活用できるよう検討してまいりました。調理場跡地は,現在北部駐車場として利用しており,今年度舗装工事をすることで,より利便性の向上を図ります。 烏洞公園につきましては,今後の土地利用の流動性を確保し,先ほどもお答えしましたが,イベント開催時に駐車場が不足した場合には,臨時駐車場として一時的に利用することを検討しております。 グルッポふじとうについては,周辺一帯も含め,施設開所以来,高蔵寺まちづくり株式会社とともに,多くの人が集い,楽しんでいただける施設を目指して運営してまいりましたが,今後もさらなる魅力の向上に努めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (6)の3回目です。 烏洞公園を一時的な駐車場として活用するという選択肢もあるのでしょうが,やはり,市民・利用者からしたら,グルッポの正面敷地内の一番近い場所に駐車場があるのが,最も利便性が高いと思います。 そこで,最後に市長にお尋ねしますけれども,運動場の活用だけを単独で考えた改修案ではなく,周辺の公共用地を含めた活用方法の検討を行えば,市民・利用者が最も望んでいるグルッポの正面駐車場をもっと広く増設することができると思いますし,そうするべきだと強く思いますが,所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) 市長 伊藤 太君。 ◎市長(伊藤太君) 何度もお答えしていますけれども,全体を見て,さらに,グルッポふじとうは,あれだけ皆さんに親しまれている建物の中がああいう形になったということで,運動場をどう活用すると,より高齢者も若者も,また,子どもたちも楽しんでもらえるかという視点を大きな目で見ながらやっているわけでありまして,そして,いろいろな形で,いろいろなところで,私自身もいろいろな人たちの意見も聞いてきました。中には,全くひとりよがりの意見の人もおりましたけれども,そういうことも含めて,今の形で進めていると,そういうふうに思っております。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) それでは,大項目2の(1)の2回目に移りたいと思います。 牛山区では自主的にアンケートが行われたとのことで,市としては,どのような支援を行ったのか,また,今後はどのような支援を考えているのか伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 大項目2の(1)の2回目の御質問にお答えいたします。 牛山区に対する市の支援でございますが,区が自主的に行ったアンケートの集計を支援いたしました。今後,牛山区が自主的に設立されました交通検討会に参加し,地域の皆様とともに,地域にふさわしい交通のあり方について考えてまいりたいと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (1)の3回目です。 牛山区が,みずからアンケートを行って,交通検討会も設立されたということで,市民協働の観点からも大変意義のあるすばらしい動きだと感じております。他の市町では,住民主体でデマンド交通や地域公通のPDCAを実施しているところもありますので,住民がみずから地域課題に取り組む地区については,その意欲を尊重し,行政としても効果的な支援のあり方を積極的に検討していただきたいと思います。牛山区とは現在どのような協議をしているのかについて伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (1)の3回目の御質問にお答えいたします。 牛山区との協議状況でございますが,去る11月29日に第1回の検討会が開催され,市も参加いたしました。まずは,シティバスの利用状況などといったデータの提供や事例の紹介など,地域の皆様の議論が深まるよう情報提供を行ったところでございます。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(2)の2回目であります。 他地区の動きについてなんですけれども,市がどれだけシティバスの路線を改編しても,恐らく,全ての地域の要望を満たすということは困難であります。やはり,市内各地区における細かい交通ニーズを満たす仕組みを構築するには,地区住民と協力していくことが不可欠であります。今後,各地区において住民による主体的な取り組みが始まるように導く考えについてお尋ねします。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (2)の2回目の御質問にお答えいたします。 今後,地域での取り組みを市内各地に広げていく方策につきましては,地域公共交通会議の御意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (3)の2回目であります。 (3)は,各地区の移動ニーズについてなんですが,市は,市民の移動ニーズについて各種調査を行っておりますが,平成29年10月から11月のアンケート調査では,地区別のデータはとれているのかどうか伺います。また,昨年度の地域懇談会は,都市マスを策定するに当たって行われたものでありますが,交通に関するニーズ把握はできているのか。2点について伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (3)の2回目の御質問にお答えいたします。 平成29年度に実施したアンケートにつきましては,それぞれ,住所等を御回答いただく欄を設けております。また,都市計画マスタープラン改定のために実施した地域懇談会でございますが,既に,昨年度,マスタープラン改定にあわせて公共交通ネットワークについても検討を進めていたことから,地域懇談会におきましては,交通に関しても十分な御意見がいただけるよう実施いたしました。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (3)の3回目です。 平成29年のアンケート調査では,住所等を回答する欄があったということで,それを地区ごとに集計・分析はできているのかという点について伺います。 それから,牛山区で独自にシティバスに関するアンケートが行われていることからしても,まだまだ各地区ごとでの移動ニーズの把握や課題の洗い出しは必要であると考えますが,その点について市の所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (3)の3回目の御質問にお答えいたします。 アンケートの居住地区別分析は,現時点では行っておりませんが,さらなる地域ごとのニーズ把握につきましても,地域公共交通会議の意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続きまして,(4)事業者ヒアリングについての2回目です。 公共交通の供給者側にもヒアリングを行うことは,大変有意義なことでありまして,1回目に説明のあった事業者のほかにも,市内には,あおい交通やゆとりーとライン,そして,鉄道事業者などの交通事業者も乗り入れております。また,地域公共交通会議においては,委員の方から,鉄道事業者の地域公共交通会議への参加の提案や鉄道事業者との連絡調整をしてほしい旨の意見が出ており,利用者の乗り換えの円滑化を図るなど,各交通事業者による連携はとても重要になってきますが,鉄道事業者は本市の公共交通会議には参画していないことからしても,鉄道事業者などにもヒアリングは行ったほうがいいのではないでしょうか。所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (4)の2回目の御質問にお答えいたします。 鉄道事業者などへのヒアリングにつきましては,地域公共交通会議の意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(5)の2回目です。 (5)は,シティバスの目的についてでありますが,シティバスには,当初3つの目的があったという御説明でございました。市民生活や社会環境の変化,市民の声や実際の利用者実績を見聞きする限り,利用者ニーズとの乖離も出ていると考えられます。公共交通会議では,後期高齢者の方はシティバスや公共交通を利用すること自体が非常に困難な状況である。シティバスなどの公共交通を利用できる人も,高齢化が進むに従ってだんだん少なくなるのではないかといった意見が出ています。つまり,高齢者の市内の移動手段の提供という従来の目的をシティバスでは達成できなくなっている状況があり,現在のシティバスにかわる他の公共交通の仕組みが市民生活に求められている側面があると思います。したがって,シティバスの実証実験を行うのであれば,従来のシティバスの目的にとらわれず,将来的によりよい公共交通の仕組みを構築するためにも,従来のシティバスの政策目的やそのあり方を見直していく柔軟な姿勢が求められていると考えますが,所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (5)の2回目の御質問にお答えいたします。 シティバスの目的の見直しにつきましても,地域公共交通会議の意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(7)近隣市町との連携についての2回目でございます。 近隣の3市にヒアリングをしたということで,少し気になっているのが,近隣市との市境において,交通の不便に関する意見などが出ていたのでしょうか。その点について伺います。 それから,本市としては,近隣市町と公共交通において連携するということについてはどのように考えているのかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) (7)の2回目の御質問にお答えいたします。 近隣市のヒアリングにおける市境付近の交通に関する意見についてでございますが,3市とも,特に,市境付近における交通の不便に関する意見や,当市との連携に関する具体的な検討はございませんでした。しかしながら,広域的な連携の必要性などにつきまして,既に検討を始めているところでございます。 ○議長(長谷川達也君) 5番 小林宣子君。     〔5番 小林宣子君 登壇〕(拍手) ◆5番(小林宣子君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,中学生の居場所としての公共施設の活用について,3点質問させていただきます。 高齢化・核家族化が急速に進む中,女性の社会進出により共働き家庭が増加し,本市におきましても,子どもたちの放課後や休日の居場所の確保に関して,これまでさまざま議論・提案がなされ,積極的に取り組んでいただいております。放課後児童クラブやなかよし教室の拡充に加え,本年度はサマー・スクールかすがいを開設。夏休み中に200名以上の子どもたちの居場所を確保していただきました。こういった安全な居場所の提供は,保護者の方々の安心につながっております。大変に喜ばれ,助かっているといったお声も多数お聞きしています。 放課後児童クラブ,なかよし教室,サマー・スクール,これらは小学生を対象とした居場所となります。また,高校生は,市外に通学する方も多数おり,それぞれの居場所をより広い範囲で探し,見つけることが可能となっています。では,中学生はどうでしょうか。ほとんどの中学生は,市内に通学し,ふだんの行動範囲も高校生ほど広くはありません。中学生がショッピングセンターの一角やファーストフード店を居場所としている姿を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。 先日,中学生の保護者の方より御相談を受けました。お子さんが定期テスト前に勉強をしようと図書館へ行ったけれども,同じくテスト勉強をしている高校生でいっぱいで,座ることができずに帰宅してきた。何とかできませんかとのことでした。また,別の日,今度は近くのショッピングセンターのフードコートで勉強している子どもたちがおりましたが,やはり,図書館で席がなかったため,やむを得ずそこで勉強しているとのことでした。中学生の居場所としては,ほかに,公園,児童館,学習塾などの施設も考えられますが,気軽に行けて身近な場所であるフードコートなども居場所としているのが現状です。 新かすがいっ子未来プランには,放課後児童の居場所の確保として,児童館事業の実施,「小中高生に放課後や休日などの安全で安心な居場所を提供します」とあり,中学生の居場所として児童館を確保しております。 そこで,小項目1,子どもたちの居場所について。市内4カ所の児童館それぞれにおける中学生の利用状況をお伺いします。 昨年オープンしたグルッポふじとうでは,学習室を設置し,多くの中高生が利用しています。また,春日井図書館では,混雑が予想される時期は読書席の整理券を配布したり,文化フォーラムの会議室を開放するなど,それぞれが工夫した形で,中高生が安心して学べる場を提供していただいております。しかし,中学生は,主に,それぞれ居住している地域周辺で行動しております。さきの中学生も,図書館が満席だったからといって,グルッポふじとうまで自転車で移動することは困難です。 中学生の行動範囲内で考えると,地域の方々がさまざまな活動をされている公民館やふれあいセンターがあります。公民館について,春日井市のホームページでは,「公民館は,市民講座,短期講座,高齢者学級など各種の事業を行っています。また,地域のみなさんの仲間づくり,知識・教養や生活文化の向上を図る会合,研修の場として利用していただく施設です」とあります。いろいろな講座が中心だと思いますが,地域の方々の使い方として,ほかにもさまざまな可能性があると思います。 そこで,小項目2,公民館・ふれあいセンターの利用状況について,利用率,内容,また,利用している世代についてお伺いします。 また,地域によっては差異があると思いますが,時期や時間帯によっては,使われずにあいている集会室もあるのではないでしょうか。 続けて,小項目3,公民館・ふれあいセンターの空いている部屋の開放について,あいている集会室を中学生の学習の場として開放していただくお考えはないでしょうか。以上3点質問させていただき,私の壇上からの質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 私からは,小項目1,子どもたちの居場所についての御質問にお答えいたします。 各児童館における中学生の利用状況についてでございますが,平成30年度実績で,子育て子育ち総合支援館が1,079人,交通児童遊園が481人,児童センターが1,705人,グルッポふじとう児童館が1,094人となっております。 ○議長(長谷川達也君) 文化スポーツ部長 上田 敦君。 ◎文化スポーツ部長(上田敦君) 私からは,小項目2,小項目3についての御質問に順次お答えいたします。 まず,小項目2,公民館・ふれあいセンターの利用状況についてでございますが,公民館等の集会室の利用状況につきましては,集会室により差がありますが,平成30年度における平均利用率の最も高い集会室で,午前が80%,午後が71%,夜間が45%となっております。 利用内容につきましては,市民団体による絵画や俳句,コーラスなどの生涯学習活動,町内会などの地域団体やグループによる打ち合わせ,企業による研修や会議など多岐にわたっており,市主催事業として各種講座などにも利用しております。 利用世代につきましては,60歳代以上の皆さんに多く利用いただいております。 次に,小項目3,公民館・ふれあいセンターの空いている部屋の開放についてでございますが,図書館などの学習室では,日によっては利用希望者が定員を上回り,満席で利用できないときがあることは承知しており,公民館等の利用予約のない集会室を中学生などの学習の場として活用することは,そのような課題を解決する方法の一つであると考えます。また,中学生などの若い世代が市政情報にふれる機会がふえることで,市政への関心につながることが期待できます。 しかし,通常は有料で利用されている施設であることから,どのような利用の仕方がよいかを考えていく必要がございます。今後,利用予約のない集会室の活用のあり方につきまして,他の自治体の実施状況を参考にしながら検討してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 5番 小林宣子君。 ◆5番(小林宣子君) それぞれ御答弁いただきました。 本市における中学生の児童館の利用状況として,4カ所それぞれに一定の利用があることがわかりました。引き続き,よりニーズに合った使いやすい児童館にしていただきますよう,よろしくお願いいたします。 また,公民館やふれあいセンターの空き集会室を中学生の学習室として活用していただく件につきまして,前向きな御答弁をいただきました。利用状況をお聞きする限り,これまでは,中学生にとっては余り身近な場所ではなかったかもしれません。しかし,そこでの学習は,地域社会の中で見守られ,育てられるという安心感を持つことができると思います。そして,そこに集う,親でも先生でもない第三者である地域の方との,よい斜めの関係を築くことができれば,地域の一員として,さらに中学生も活躍するきっかけにもなるはずです。一日も早く学習室として空き集会室の開放を進めていただけることを御期待いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 10番 石飛厚治君。     〔10番 石飛厚治君 登壇〕(拍手) ◆10番(石飛厚治君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い順次質問させていただきます。 初めに,大項目1,ロタウイルスについて質問させていただきます。 ロタウイルスは,乳幼児の胃腸炎の中では最もひどくなりやすく,感染すると,2日から4日の潜伏期間の後,水のような下痢や嘔吐が繰り返し起こります。その後,重い脱水症状が数日間続くことがあり,小まめに水分を与えているつもりでも,下痢や嘔吐がひどいと水分補給が間に合わなかったり,口から何も受け付けなくなったりします。こうなると,体の小さな赤ちゃんなどは急激に脱水が進み,すぐに適切な処理をしないと命にかかわる場合があります。発熱や腹部の不快感などもよく見られます。合併症として,けいれん,肝機能異常障がい,急性腎不全,脳症,心筋炎などが起こることがあり,こちらも命にかかわる場合がございます。 ロタウイルスは,感染力が強く,10から100個ほどのロタウイルスが口から入ることで感染します。ロタウイルスは,患者の便に大量に含まれ,患者の便を処理した後,たとえ十分に手洗いをしても,手や爪に数億個ものウイルスが残っていることがあり,ロタウイルスがついた手などから感染が広がっていきます。石けんや消毒用アルコールにも強いため,塩素系漂白剤や哺乳瓶用の消毒液などでしっかり消毒しなければ死滅はしません。保育施設などで一たび誰かが感染すれば,どんなに手洗いや消毒をしていても,全員がロタウイルス胃腸炎にかかってしまうことさえあります。 世界中のほぼ全員が5歳までに一度は経験すると言われていますが,体が小さなうちに初めて感染すると重症化しやすく,入院による治療が必要になることもあります。日本では,ロタウイルスで入院する乳幼児の3割がゼロ歳児,4割が1歳児です。一方,一度感染すると免疫がつくため,その後は感染しても胃腸炎の症状は軽くなっていきます。今のところ,ロタウイルス自体に効く薬はなく,根本的な治療はまだありません。病気の回復をおくらせることがあるので,下痢や嘔吐を薬でとめることはしないことが望ましいということです。そのため,感染したときは小まめな水分補給で脱水を防ぎ,自然に治っていくのを待つしかありません。 予防としてロタウイルスワクチンがありますが,現在,希望者が自己負担で打つ任意接種であり,接種率は全国平均で7割から8割程度です。接種には総額で2万円から3万円前後かかるので,地域の経済格差によっては接種率に差が出てしまう可能性があります。そのため,保護者から負担軽減を求める声が上がっていました。公明党としても,定期接種化や費用の負担軽減に国・地方を挙げて取り組んできました。また,世界保健機構が,同ワクチンなどを定期接種化するよう勧告しているとして,予防接種の体制強化をと主張していました。 このようなことを受け,厚生科学審議会でさまざまな検討がなされ,このほど,ロタウイルス感染症の予防ワクチンを2020年10月から定期接種化する方針が決まりました。しかしながら,定期接種が開始されるまでに,日本ではロタウイルスが最も流行する季節に差しかかります。定期接種の開始前に任意接種を希望する方は多数いると考えられ,自己負担も大きいです。ロタウイルス感染は子どもの命にかかわる重要な事案ですので,少しでも早く,低負担な予防ワクチン接種の利用が可能になることが望まれます。 そこで質問ですが,定期接種が開始されるまでの間に任意接種を希望される方へ,一日でも早い本市独自の助成を希望しますが,本市の方針をお伺いします。 次に,大項目2,糖尿病性腎症重症化予防について質問させていただきます。 この質問は,2018年7月に一般質問をした内容になりますが,その後の進捗について伺ってまいります。 国は,2016年4月に,日本医師会・日本糖尿病対策推進会議・厚生労働省の三者で糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定いたしました。このプログラムは,糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関の未受診者,そして,受診中断者について,関係機関から適切な受診勧奨を行うことにより治療に結びつけること,それとともに,リスクの高い通院患者に対し保健指導を行い,人工透析等への移行を防止することを目的としています。 そして,2018年度より,国保医療費の適正化に向けた取り組み等を支援する保険者努力支援制度が本格施行されました。その中で,糖尿病等の重症化予防の取り組みは配点が最も高い項目となっており,国保医療費適正化のための最重要課題と位置づけられました。さらに,2018年6月15日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2018において,健康寿命を延伸し,平均寿命との差を縮小することを目指すために,「糖尿病等の生活習慣病や透析の原因にもなる慢性腎臓病及び認知症の予防に重点的に取り組む。糖尿病等の生活習慣病の重症化予防に関して,県・国民健康保険団体連合会・医師会等が連携して進める埼玉県の取組など,先進・優良事例の横展開の加速に向けて今後3年間で徹底して取り組む」とされています。 しかし,プログラムを推進する中で,事業実施対象者の抽出にレセプトを用いている保険者が少ないなど,具体的な取り組みに自治体間でのばらつきがあるとの指摘の声があり,関係者の連携や取り組み内容等,実施上の課題に対応し,さらなる推進を目指すため,市町村等の実例を踏まえ,記載の充実を図る。あわせて,研究班で得た科学的知見を加えるとともに,全国の自治体における取り組みがさらに広がるよう,実施の可能性を考慮しつつ,同時に,質の高い取り組みとなるよう留意点を整理するとして,2019年3月に,厚生労働省保険局国民健康保険課から糖尿病性腎症重症化予防に関する事業実施の手引きが発表されました。自治体の糖尿病対策の対象者の選定基準や選定方法などがわかりやすく解説されています。さらに,2019年4月25日に,近年の取り組み状況を踏まえ,改訂版の糖尿病性腎症重症化予防プログラムが発表されています。 前回の質問では,今後,愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラムや他市が行っている事業などを参考に,現在行っている生活習慣病の重症化予防事業との関連を含め,より効果的な対策を検討してまいりますとの回答をいただいております。 そこで質問ですが,本市においても,糖尿病性腎症重症化予防事業がことし10月から始まっていますが,どのような方が対象になっているのか,また,具体的にどのように勧奨し,これまで何人の方が事業を利用されているのかをお聞かせください。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 私からは,大項目1,ロタウイルスについての御質問にお答えいたします。 本市の任意予防接種支援につきましては,これまで,疾患の発生及び集団での蔓延予防を目的とするA類疾病に対して,国が重篤性を鑑み接種を緊急促進することとした場合,あるいは,市内での感染拡大などの緊急性のある状況を市が慎重に判断した場合に限り実施をしているところでございます。 ロタウイルスにつきましては,こうした場合とは異なっており,また,現在,来年10月からの定期接種実施に向け,国において詳細が審議されておりますことから,任意予防接種について実施する予定はございませんが,定期接種につきましては,国の方針に基づき,適切に実施をしてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 市民生活部長 野村英章君。 ◎市民生活部長(野村英章君) 私からは,大項目2,糖尿病性腎症重症化予防についての御質問にお答えいたします。 糖尿病性腎症重症化予防につきましては,医療機関での受診につなげる受診勧奨事業及び生活習慣の改善を目指すおおむね6カ月の保健指導事業の2種類の事業を行っております。対象者は,特定健康診査の受診者で,血糖検査などの値や質問項目の回答内容が選定基準に該当した方としております。該当の方には,リーフレットを送付するとともに,受診勧奨事業の場合は,医療機関受診を強く勧めるため,職員が電話等で直接説明いたします。 11月末時点での事業実績は,受診勧奨事業の対象はなく,保健指導事業は,20人にリーフレットを送付し,利用申請があった3人のうち2人が保健指導を開始しております。 ○議長(長谷川達也君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) それぞれ御答弁いただきました。 初めに,ロタウイルス感染症の予防ワクチンについて,本市の方針について理解いたしました。予防接種には,個人を守ると社会を守るの2つの役割があります。ワクチンの接種によって,自身の感染だけでなく,周囲の人への感染も防ぐことができます。特に,大人は,自分が感染して重症化しなくとも,小さな乳幼児にうつしてしまい,命にかかわるような重い症状が出る場合もございます。そのため,社会全体でワクチン接種率を上げる必要があります。一人一人のワクチン接種によって,多くの子どもの感染率を下げることができます。定期接種が開始される来年10月までの間に任意接種を受けられる方への助成がないことは残念ですが,10月からの定期接種の接種率の向上なども含め,今後の予防接種行政のさらなる推進を期待いたします。この質問に関しては以上で終わります。 次に,糖尿病性腎症重症化予防については,本市の事業に関して,健診を受けていることが前提になっていることを理解いたしました。先ほども触れましたが,国のプログラムが改定された背景には,受診勧奨の対象者の抽出において,レセプトを用いている保険者が少ない,また,健診未受診者への対応ができていないという課題があります。レセプトを活用することで,健診未受診の人たちの中から糖尿病治療を中断している人を見つけることができるそうです。また,透析を導入される患者は定期的な健診を受けていないという調査結果もあることから,健診受診者だけを受診勧奨の対象とすると,多くの透析のリスクの方を見逃してしまう可能性があります。本市においても,受診勧奨の対象に健診未受診者や治療中断者が含まれていないのが現状でございます。 そこで,2回目の質問といたしまして,本市の糖尿病対策をさらに一歩前進させるため,国の糖尿病性腎症重症化予防に関する事業実施の手引き及びプログラムの改定に沿って,レセプトデータを活用した治療中断者への受診勧奨を実施してはどうでしょうか。本市の見解を伺います。 ○議長(長谷川達也君) 市民生活部長 野村英章君。 ◎市民生活部長(野村英章君) 大項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 糖尿病性腎症重症化予防事業を始めるに当たっては,まず,特定健康診査の受診者を対象としましたが,糖尿病と診断された方が治療を中断したままにしておくと,腎症,網膜症などの合併症を引き起こすリスクが高まることから,今後,治療中断者も対象とするよう,選定基準の検討や関係団体との調整を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) 大変前向きな御回答をいただきました。 かすがい健康計画の中にも「市民一人ひとりが健康であることは,本市の大きな財産です。市民一人ひとりの健康は,家庭の幸福や活気ある地域づくりにもつながり,ひいては健康で明るく活力ある都市,春日井を築くことにもなります」とあります。糖尿病対策を充実させることは,市民の健康寿命延伸につながるだけでなく,透析導入を減らすことによる将来の国保医療費の適正化につながる大切な取り組みであります。レセプトデータを活用した治療中断者への受診勧奨の早期実現を御期待いたしまして,質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 8番 梶田正直君。     〔8番 梶田正直君 登壇〕(拍手) ◆8番(梶田正直君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問いたします。 質問事項は,古代の製鉄遺跡であります西山遺跡,別名西山製鉄遺跡についてです。 今回取り上げました西山製鉄遺跡ですが,市民の一部にしか知られていない遺跡です。なぜ,製鉄遺跡をピックアップしたのか,その理由と魅力を簡単にお伝えします。 まず,全国的に見て,この種の遺跡は数が少ないということです。埴輪や須恵器をつくった古窯や二子山など,古墳は春日井市でも数多く発見されておりますが,製鉄遺跡におきましては,愛知県で2例しか発見されておらず,春日井市においては1つしか発見されておりません。もう一つは,小牧市の高根で発見されましたが,都市開発によって完全に消滅しております。現在,現存している製鉄遺跡は春日井市の西山町にしかなく,愛知県を含めた東海4県,岐阜県,三重県,静岡県において,現時点で古代の製鉄遺跡は一つも発見されておりません。春日井市の西山町にしか現存していない,唯一の製鉄遺跡であります。たった一つしか現存していない,圧倒的に数が少ない遺跡なのであります。 さらに,西山製鉄遺跡のすばらしい特徴として,全国的に見ても大変大型であり,かつ,製鉄炉の原形が極めて美しくとどめられております。そのことから,大変貴重な製鉄遺跡であるということが理解できると思います。 時代が進み,全国的に製鉄遺跡への研究が進んできたこともあり,史実に一歩ずつ近づいてきている今日ですが,ただ,東海地方での古代製鉄遺跡についての研究は,まだまだ進んでいない分野で,春日井市においても例外ではありません。よって,我が市の西山製鉄遺跡に対する対応は,土に埋めて保存する埋土保存という方法で,現在も土の中に埋めてあります。遺跡が発見されてから16年ですが,現在も土に埋まったままなのです。どこにあるのか,どんな形で保存されているのかということは,現地へ行っても何もないため,確認することはできません。遺跡が発見された場所は個人の所有地であることから,なかなか行動に移せないようですが,その土地の権利者・所有者は,製鉄遺跡に理解を示しており,その土地を16年間もの間そのままの状態にし,何も利用せず,年五・六回草を刈り,みずから保存に協力していただいている現状でございます。 歴史的な背景から見た場合,古代において鉄を持つということは,その時代の権力を握るとても重要な素材でありました。武器や農具などを製作する上で,大変必要不可欠な素材でありました。そして,それらを統治することができたのは,当時の支配者でもあった大和朝廷だと考えられ,この地との関係を示している証と言っても過言ではありません。日本の律令体制の初期の段階で,既に,この地と大きくかかわりがあったと言えます。古代の製鉄遺跡の研究が進み,少しずつ判明してきた,紛れもない事実であります。 現在,古代における鉄の歴史の研究が全国的に脚光を浴びています。それは,皮肉にも,あの東日本で起きました震災と関係があります。震災による復興が進む中,東北地方で数百という古代製鉄遺跡が大量に発見されました。その発見された数や内容から,東北の製鉄遺跡は全国的に注目を集めるだけでなく,高い評価を受けております。その製鉄遺跡発掘に対して大いに参考とされた報告書がありました。それは,我が市から刊行されました西山遺跡の報告書です。 2014年12月に,同僚議員より西山製鉄遺跡についての一般質問がありました。その内容は,西山製鉄遺跡に関する正規報告書の刊行についてでした。その約2年後,2017年3月に,春日井市により正規報告書が刊行されました。その報告書は,まさに,全国的に波紋を広げ,西山遺跡が重要な遺跡であることを世間に知らせ,全国の研究者から注目を浴びるようになりました。その報告書は,古代製鉄遺跡の権威でもあります元名古屋女子大学教授丸山竜平先生も,立派な報告書と賛美しておられます。 春日井の西山製鉄遺跡を経て東日本へ,関東へ,東北へと波及していったと考えられ,あの千葉県にあります成田空港にも多くの製鉄遺跡が存在しており,当時,空港整備に伴い多くの製鉄遺跡が発見されました。これらの遺跡は,春日井市の西山製鉄遺跡と大いに関係があると考えられております。我が市の製鉄遺跡は,みずからその存在意義を語り始めている現状であります。 また,2022年には,愛知県長久手市にあります愛・地球博の万博公園にジブリパークが開業される予定になっております。ジブリといえば,老若男女,幅広く知れ渡っている作品を世間に多く輩出していることで有名だと思います。2023年には,そのエリアの拡大整備に伴い,もののけ姫の里エリアが追加で開業される予定です。「もののけ姫」の映画の中に,たたら場というシーンがあります。そこで,女性たちが,三日三晩,ふいごという炉に風を送る大型の踏み板を踏み作業をしている情景が描かれています。まさに,それが古代の製鉄方法で,たたら製鉄なのです。そのたたら場に関する体験学習施設がもののけ姫の里エリアに登場するようです。春日井市の製鉄遺跡をアピールするチャンスのような気もします。春日井市には,小野道風伝説・サボテンなど,セールスポイントがありますが,せっかく東海地区で1つしか現存しない遺跡なので,活用しないのももったいない話と思います。 遺跡は,消滅すれば史実を解明できなくなります。それだけでなく,正確な史実を未来に伝えることができなくなります。間違った歴史を伝えてしまうおそれもあります。学術的な観点から見ても,我が市の遺跡は資源として価値を見出せるような取り組みをしていただきたく,願うばかりです。 そこで,今回の西山製鉄遺跡に対する展開や発展などを考慮し,質問させていただきます。 小項目1の関係団体との連携について質問させていただきます。 地域の古代製鉄の歴史を理解するには,全国にある製鉄遺跡を広い範囲で総合的に比較検討しながら進めていく調査・研究と,地域に密着した地元の研究者・団体による調査・研究によって理解が深められていきます。春日井市内には,独自で勉強や研究会・講習会・講演会などを開催し,遺跡の保護活用や歴史の探求を行っている団体があります。地域の郷土に関する事柄は,地元の研究者や地元の関連団体などが,遺跡や遺物などを発見し,研究されることが多く,西山製鉄遺跡も例外ではありません。そのような有意義な情報をたくさん持っている団体と連携し,協力し合うことで,春日井市における古代の歴史・文化を史実に近づけることができるのではないかと考えますが,市としては,そのような関連団体との連携はどのような形でかかわっているのか,さらに,今後どのような形でかかわっていくのか,そして,どのような団体が春日井市にはあるのかお聞かせください。 続きまして,小項目2の市内外へのPRについて質問させていただきます。 東海4県に1つしかない貴重な,そして重要な製鉄遺跡が春日井にはありますが,その遺跡は,市民の大切な文化遺産です。そして,春日井市のアピール資源として,市内外に活用し得るものだと思います。貴重な春日井の遺跡を,市として市内外に向けたアピールをしていただけるのか,また,していただけるとしたら,どのような形でアピールをしていただけるのかお尋ねしたく思います。 さらに,春日井市民の中には,遺跡の存在は知っているものの,どこに遺跡があるのか全くわからないとの意見も出ております。目印となる看板が設置してあると理解もしやすく助かるとの声も出ています。案内板などの看板があれば,誰が訪問してもここに遺跡があることがわかりますが,そのような市民に優しい工夫やアイデアがあれば,そのお考えも教えていただけないでしょうか。以上,小項目1と2についてお尋ねし,私の壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 西山遺跡についての御質問について,順次お答えをいたします。 初めに,小項目1,関係団体との連携について。 春日井市には,歴史や文化財について調査・研究をしている市民団体として,春日井郷土史研究会,春日井市文化財友の会,春日井たたら研究会の3団体があると承知しております。春日井郷土史研究会には,春日井のむかし話など数多くの春日井に関する書物を執筆していただいており,春日井市文化財友の会は,「下街道を歩く」などの,春日井を通る下街道を紹介するガイドブックの出版,春日井たたら研究会には,ハニワまつりに御協力いただくなど,春日井の歴史や文化財の普及啓発にも尽力いただいております。また,春日井郷土史研究会には,市制80周年に刊行予定の春日井市史への編集協力をお願いしており,今後も,各団体と春日井の歴史や文化財に関して連携を深めていきたいと考えております。 次に,小項目2,市内外へのPRについて。 西山遺跡につきましては,春日井の歴史において重要な遺跡の一つであることから,現在,中央公民館にある民俗考古展示室で出土遺物やパネルを展示しており,今後も,春日井の歴史を語る遺跡として紹介し,活用を図ります。 また,遺跡を示す案内看板につきましては,遺跡は公道から奥まった民有地で,遺跡周辺も民有地のため,遺跡の南側を走る国道155号線沿いの西山町地内には,「願いをかなえる鉄の薬師様」という鉄にまつわる伝承があり,伝承を伝える看板があります。その看板の利活用をするなど,周辺を含めた西山遺跡のPRを検討してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 8番 梶田正直君。 ◆8番(梶田正直君) 小項目1の回答,ありがとうございました。大変参考になりました。 市として,この先も協力体制をしっかり確立していただき,引き続き,地元研究者や団体のフォローをお願いし,春日井の史実に一歩でも近づけるようお願いしたく思います。 続きまして,小項目2の回答についてですが,看板が設置されれば,一般市民,また研究者にとって大変ありがたいものになります。今後,看板だけでなく,春日井市のマップにも落としていただけると,その存在意義が上がると思います。市として,周辺の整備や地域住民の協力を積極的にとりながら,市民に我が市の文化遺産に誇りを持てるようにしていただき,また,親しみを持てるよう努力していただきたく,お願いいたします。 また,現在西山遺跡という名称になっていますが,実際には,市民の意見として,西山遺跡という名称は,どんな性格の遺跡なのかわからず,古墳なのか,住居跡なのか,はっきりしません。特徴がつかめない名称だと言われています。よって,以前使用していた西山製鉄遺跡に名称を戻していただきたいという意見が出ております。この先,遺跡を告知していく場合においても,何の遺跡なのかすぐ理解できるような名称にしたほうが混乱せずによいのではないかと思いますが,いかがでしょうか。せっかく東海4県に1つしか現存していないのですから,市民目線で,何の遺跡なのかはっきり示したほうがよいと考えます。 そこで,小項目2の2回目の質問です。 市民目線で,誰でも理解できるよう,西山遺跡を以前使用していた西山製鉄遺跡に名称を戻すということはできないでしょうか。誰が変更し,どのようにしたら変更は可能でしょうか。また,東海地区に1つしか現存していないのですから,「春日井たたら遺跡」など,春日井の名称をつけることはできないのでしょうか。小項目2の2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の御質問にお答えいたします。 西山遺跡は,当初西山製鉄遺跡として登録されていましたが,発掘調査により,鉄原料から鉄を取り出す製鉄だけでなく,鉄鍋などをつくる鋳型などが出土し,製鉄と鋳造が行われた遺跡と判明したため,公称として,遺跡名から製鉄を取り,西山遺跡といたしました。また,遺跡名は地名をつけるのが考古学では一般的であることから,西山遺跡の名称が適切と考えております。 ○議長(長谷川達也君) 8番 梶田正直君。 ◆8番(梶田正直君) 小項目2の2回目の回答,ありがとうございました。 西山製鉄遺跡は全国的に注目を浴びている遺跡です。そして,東海4県において1つしか現存していない貴重な遺跡です。よって,ぜひとも学術的な見地からも十分な対応をお願いしたく思うとともに,春日井の古代における研究が進み,史実が明らかになっていくことを期待します。 また,さきにも回答をいただきました春日井のむかし話の中にあります西山町の「願いをかなえる鉄のお薬師様」という伝説の中に登場する鉄の仏像についてですが,実際に存在していましたし,現在,その鉄仏の所在地も大まかにわかってまいりました。 また,西山遺跡が現存している現在の地名は,昔,金屋浦と呼ばれ,製鉄にかかわる工人が住んでいたところと言われています。古墳時代の埴輪や須恵器を生産した下原古窯も近くにあり,また,尾北古窯,現在の小牧市の桃花台に広がる大きな古代の古窯など,この地域は古代の大工業地帯と言っても過言ではない重要な地域だと考えております。古代の大工業地帯がこの地域にあったことを,春日井に伝わる伝承とも絡め,市民の多くの皆様に親しみを持っていただける文化財としてその地位を築いていただき,文化・スポーツ都市宣言をしている我が市でありますので,歴史文化においても引き立てていただき,そして,ふるさとに誇りの持てる我が市でありますよう,告知活動や保護活動をお願いしたく思います。 我々は,過去から受け継いだ文化遺産を未来へとつないでいく大切な使命を持っています。過去の歴史,または文化を未来へしっかり伝えていかなくてはなりません。それには,学術的なことだけではなく,市民目線で,広く存在を知っていただき,理解を深めていくことが必要だと思います。学術と市民目線のバランスをとりながら,春日井市の一つのセールスポイントとなるよう,ふるさとに対する誇りを伝えながら,いにしえからのメッセージに耳を傾けていただき,今後の活動に期待をしながら,私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ○議長(長谷川達也君) 12番 鈴木秀尚君。     〔12番 鈴木秀尚君登壇〕(拍手) ◆12番(鈴木秀尚君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして,春日井市子ども会活動補助金について質問させていただきます。 私自身,昨年度までは,PTAやスポーツ少年団,子ども会など,役員としてや保護者として参加をしてまいりました。そんな中,地元町内の子ども会の会長さんから,子ども会をことしで解散しようと思うと,ことしの春相談を受けました。 この子ども会は,小学校区で唯一残っている子ども会ですが,年々会員数は減少しており,ことしの6年生が卒業すると市から補助金をもらえる会員数10人の要件を下回ってしまうことや,町内会から補助をもらっているが,町内会に入っていない家庭の子もいて町内の一部から批判が出ていることなど,さまざまな要因も重なり,少ない人数で運営していくのも大変だということで,今年度で解散をしたいとのことでした。話を伺ったのがまだ5月でしたので,存続に向けてできることをした後に判断をしましょうということになり,その後,小学校にも協力をしてもらい,子ども会の会員募集のチラシを学校で配布してもらうなど,会員をふやすために動きましたが,なかなか会員増加にはつながらず,今年度で解散することとなりました。子ども会の数が減少していることは,感覚として認識はしておりましたが,実際に目の前でなくなっていく子ども会を目の当たりにし,ショックを受けました。 地域には,町内会・自治会のほかに,老人会,地区社協,体育振興会のグラウンドゴルフやソフトバレー,スポーツ少年団,ボーイスカウト,ガールスカウトなど,さまざま活動している団体や組織があります。子ども会もそのうちの一つであり,地域にとっては必要な団体であると認識をしております。地域のコミュニティづくりには,その核となる人の集まりや人の結びつきが重要だと思います。そのためには,全ての年代の方がそれぞれの年代で参画することのできる団体や組織づくりをし,活動していくことが大切であると考えています。 子どもたちの地域での活動を支える世代としては,やはり,親世代が中心になってくるのだと思いますが,価値観や働き方,ライフスタイルの多様化,また,少子化などにもより,子ども会などの活動が年々減少してしまっていることは残念に思いますが,やはり,子どもたちが学校や家庭では体験できないさまざまな活動を通して,自主性や創造性など,将来たくましく生きていくために必要な心と体の能力を身につけていくことが大切ではないかと考えます。また,その活動を地域で行うことにより,地域を大切にするという気持ちを育むことも,大変大切なことではないでしょうか。 まず,小項目1,1回目の質問として,子どもたちが地域の中で活動することの意義を市としてどのように考えているのか,御所見をお伺いいたします。 次に,小項目2の子ども会の現状についてです。 現在でも活発に活動されている地域があることも承知しておりますが,かつては,子ども会というのは,ほとんどの地域において子どもたちの活動の中心であったと思います。 1回目の質問として,本市における子ども会の団体数,会員数,加入率がどうなっているのか,現在と比較ができるよう,平成元年から10年,20年,30年と,10年ごとの数字をお伺いします。 小項目3,補助金の交付についてですが,冒頭にお話ししましたが,子ども会には,活動の補助として春日井市子ども会活動補助金があり,各子ども会からの申請を受け,交付されていると思います。これは,春日井市子ども会育成連絡協議会,いわゆる市子連への補助金ではなく,各団体へ直接交付される補助金だと承知しております。 1回目の質問として,子ども会活動補助金の交付基準について,その詳細と金額についてお伺いします。また,その他,ボーイスカウト,ガールスカウト,スポーツ少年団など,子どもたちの活動の場はほかにもあると思いますが,子ども会と同様に各団体や組織へ直接交付されている補助金がありましたら,同様に詳細をお伺いいたします。以上で,壇上からの1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,3点の御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,子どもの地域活動に対する市の考えについての御質問について,子どもたちが地域の中で活動することにつきましては,地域社会の一員として必要な知識,技能及び態度を学び,子どもたちの自主性と社会性を高めるとともに,地域への愛着を育み,日常生活を健全で豊かにするものと考えております。 次に,小項目2,子ども会の現状についての御質問について,本市における子ども会の状況についてでございますが,団体数,加入している子どもの人数,加入率につきましては,平成元年度は297団体,1万6,999人で,加入率は78.6%,平成10年度は158団体,7,438人で,加入率は45%,平成20年度は126団体,6,107人で加入率は32.5%,平成30年度は107団体,4,849人で,加入率は27.6%となっております。 次に,小項目3,補助金の交付についての御質問についてでございますが,子ども会については,子どもたちとその活動を直接支える指導者のほか,地域住民の方など,側面から援助する育成者の方で構成する団体でございます。 子ども会活動補助金の交付基準につきましては,子ども会の会員の要件としまして,満3歳児から中学生までで,会員数が10人以上であること,次に,活動の要件としまして,子どもたちの余暇を利用してレクリエーション,その他集団活動をすること,年間を通じて恒常的かつ計画的に活動し,おおむね60%以上の会員が常時参加できるよう計画すること。年間を通じた子どもの事故等を補償する保険に加入することなどを定めております。 補助額につきましては,子どもの人数に500円を乗じて得た額に5,000円を加えた額と規定しております。補助総額につきましては,平成元年度につきましては,現在とは異なり低い補助単価でありますが,総額が437万1,400円,平成30年度は,現在の基準で,総額が295万9,500円となっております。 子ども会以外の地域の子どもの活動に関する補助金についてでございますが,各地域活動の連絡調整及び全体事業を実施している市子ども会育成連絡協議会や市スポーツ少年団本部,市青少年団体連絡協議会に対するもののほか,音楽会など各種文化活動など特定の活動を対象とするものがございます。 ○議長(長谷川達也君) 12番 鈴木秀尚君。 ◆12番(鈴木秀尚君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず,小項目1についてですが,子どもたちが地域の中で活動することについて,総論をお伺いしましたが,子どもたちの日常生活を健全で豊かなものにするとの答弁,私自身も同様に考えており,認識については,ずれはないということを確認させていただきました。小項目1については以上です。 小項目2について,子ども会の現在の状況がわかりました。昭和の時代はもっと高かったのだろうと推察しますが,平成元年の時点で297団体,1万6,999人,78.6%の加入率,昨年平成30年が107団体,4,849人,27.6%の加入率ということでした。私自身が想像していたよりかなり低くなっており,驚きました。 ここまで団体数が減り,加入率も下がってしまったのには,さまざまな要因があると思います。20%台まで落ちてしまった加入率が再び50%,60%に戻るのは,かなり難しいのではないかと思いますし,逆に,そこまでの加入率は必要ないのではとも考えています。私が子どものころと比べても,恐らく,今のほうが,市を初め,さまざまな団体により,子どもたちが休日を有意義に過ごせる活動をより多くしていただいていると思っています。そういった方々の活動のおかげもあり,結果として,子ども会の加入率が下がってしまっているのではとも考えることもできると思います。休日の子どもたちの過ごし方が,昔と比べ多様化しているのではないかと考えています。とはいうものの,地域にとって,子ども会のような子どもたちを中心とした団体の存在は大変大切であります。 そこで,小項目2,2回目の質問ですが,子ども会の会員減少の要因についてどのように考えられているのか,御所見をお伺いいたします。 次に,小項目3についてですが,子ども会の補助金については,子ども1人に500円と団体ごとに5,000円が交付されており,平成元年度では,現在よりも低い補助基準で437万1,400円,平成30年度では295万9,500円が補助金として交付されているとのことでした。また,子ども会以外の地域の子ども活動に関する団体への補助金については,各上部団体への補助金はあるが,子ども会のように各団体へ直接交付されている補助金はないとのことでした。 春日井市子ども会活動補助金の交付は,地域子ども会育成基準に適合する地域子ども会を対象に交付がされていますが,先ほど答弁いただいた人数や年齢のこと,活動内容のこと,保険への加入など,実際には,交付基準に沿った活動をしている子ども会以外の団体や組織も存在していると思います。大前提として,補助金の名称に子ども会とあるため,子ども会以外からは申請もなく,補助金は交付されていないと思います。平成元年の時点では8割近い子どもたちが加入していた子ども会ですが,現在では,逆に,7割以上の子どもたちが加入をしておりません。その子どもたちが休日に何もしていないというわけではなく,ほかの団体に所属し,活動している子どもも一定数いるのだと思います。 小項目3の2回目の質問として,そういった団体にこの補助金の交付を可能にすることで,今よりも多くの子どもたちにより有意義な活動を経験させてあげることができると思いますが,子ども会以外の団体へこの補助金の交付が可能かどうか,また,できない場合,子ども会以外の団体へ交付可能な補助金を拡充する考えがあるのかお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,小項目2及び小項目3の2回目の御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目2について,会員が減少している要因につきましては,保護者が子ども会への行事に参加することや役員になることに負担を感じたり,また,子どもたちも,習い事やスポーツクラブ等に参加するなど,休日の過ごし方の変化があると考えております。 次に,小項目3について,子ども会活動補助金の交付についてでございますが,現在の補助金は子ども会育成基準に沿った団体として,みずからを子ども会と称する団体に交付しております。しかしながら,子ども会の名称がなくとも,子ども会活動補助金の要件を満たす場合があるものと考えております。補助金の交付につきましては,子どもの健全育成を目的とし,子どもが主役となり,かつ,地域で取り組む活動であることが前提となっておりますので,個々の活動内容の適合性を判断してまいりたいと考えておりますが,より活動しやすくなるよう,要件のあり方についても今後調査研究してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 12番 鈴木秀尚君。 ◆12番(鈴木秀尚君) 3回目です。 それぞれ御答弁ありがとうございました。関連しておりますので,小項目2,3について一括して意見を述べたいと思います。 子ども会の会員の減少について,保護者の負担,子どもたちの休日の過ごし方の多様化が要因として考えられるとのことでしたが,恐らくそのとおりなのだろうと思います。共働き世帯の増加や女性の社会進出の増加なども要因の一つとして考えられるのではないでしょうか。 補助金の交付については,子ども会活動補助金の要件を満たしており,一定の基準を満たしていれば,現状の制度の中でも子ども会以外の団体へも補助金の交付は可能であるとの答弁をいただき,理解をいたしました。その一定の基準というのが,子どもの健全育成を目的とし,子どもが主役となり,かつ,地域で取り組む活動ということですので,すぐにはどんな活動のことを指しているのかわかりにくいところがあると思います。 時代の変化,社会の変化とともに,地域コミュニティのあり方もどんどん変化をしており,町内会などへの加入率も年々減少し,加入率減少には歯どめがかかっておりません。今回は,子ども会への加入率を質問の中でお伺いをしましたが,子ども会の加入率も急速に減少しておりました。子ども会への加入率が高いうちは,子ども会への補助という形で十分だったのだと思いますが,しかし,現在の状況を鑑みたとき,新たな子どもたちへの補助制度があってもいいのではないかと思います。そうすることが,子どもたちのために何かをしたい,してあげたいと思う方の背中を押すことにもつながり,市民活動・地域活動の裾野を広げることにもつながっていくのだと思います。 子どもたちが地域の中で活動することは,とても大切なことで,意味のあることだと思います。その子どもたちの活動を支える方に対して,行政としてどんなサポートができるのか,御答弁いただいたように,より活動がしやすくなるような補助制度とはどんなものがいいのか,十分に議論,検討をしていただくことをお願いしまして,私の質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) この際,暫時休憩いたします。                    午前11時59分 休憩-----------------------------------                    午後1時 再開 ○議長(長谷川達也君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。15番 伊藤杏奈君。     〔15番 伊藤杏奈君 登壇〕(拍手) ◆15番(伊藤杏奈君) 議長より発言の許可をいただきましたので,通告に従い,離婚時の養育支援について質問をいたします。 厚生労働省によると,平成30年の離婚件数は約20万7,000件で,このうち未成年の子がいる夫婦の離婚の8割が,妻が子どもの親権を持つとのことです。また,平成28年度全国ひとり親世帯等調査によると,母子世帯で養育費に関する取り決めをしていたのは42.9%,実際に養育費を受け取っているのはわずか24.3%にとどまっています。さらに,子どもと離れて暮らしている父母が子どもと定期的・継続的に交流する面会交流の実施率は3割程度という状況です。この調査結果を見ても,離婚は夫婦間の協議が中心で,親の都合で,子どもは後回しにされがちです。そこで,両親の離婚後,子どもに対してしっかりと支援の手を差し伸べていくという視点から,また,離婚後でも,親双方ともに子どもを育てていくという共同養育の観点から質問をいたします。 まず,養育の支援について話す前に,離婚についての社会的背景,変化する離婚観を理解いただきたいと思います。明治まで時代をさかのぼると,我が国の離婚は,現在よりもはるかに多く,内閣統計局の記録では,離婚率は3.38%あり,平成30年の離婚率が1.68%ですので,今よりはるかに離婚率が高い時代がありました。その背景として,庶民の意識の根底に,結婚は生涯続けなければいけないものという意識が乏しかったと言われています。 しかし,明治31年7月に施行された民法によって一変し,離婚数が20%減,翌32年には33%減と急降下し,半分近くまで落ち込みました。また,この明治民法と同日に公布,施行された新しい戸籍法も離婚減少に影響を及ぼしたと言われており,この法律によって離婚は届け出制になったということが大きく,離婚した事実が厳格な戸籍謄本に記されることが,離婚行為の持つ意味合いを重くしたと考えられています。その後,大正,昭和前期まで,離婚率は低下し続けました。 昭和前期,20年ごろは,地域の労働者の階層によって貧富の差が大きく異なっており,毎月安定した給料をもらえるサラリーマンは少なく,男女とも一人で生きていくのが困難であるから,結婚が生活の手段としてあり,すなわち,離婚は,貧しいがゆえに,件数が少なかったと言われております。特に,農村では,不作不況の時代が連続して起きており,とても離婚などしていられる環境ではなく,たとえ離婚をしたとしても,女性が自立して食べていけない労働事情や,子どもを手放さなくてはならない民法の規定であったことなどから,離婚を断念せざるを得ない状況があったといいます。 そして,戦後時代を迎え,家族の典型が核家族に変わり,そこでは横の家族関係が優先され,夫婦の愛情とプライバシーが重要視されるようになるのとともに,高度成長期を迎え女性の就業機会がふえ,社会保障も充実し,女性が生きていくための手段としての結婚の意味が大きく変化していきました。 次に,離婚観です。夫婦関係を破綻に導きやすい社会的状況変化があるのではないかという問題です。夫婦関係がうまくいかなくなったとき,簡単に離婚という結論を導きやすい社会背景となってきており,離婚に対する価値観が変わってきております。例えば,夫婦関係がうまくいかなかったとしても子どものために我慢するといった自己犠牲的な価値意識は弱くなっており,かわって,夫婦が個々に自分の幸福を優先させる個人主義が強まってきました。また,かつてのように離婚をタブー視する傾向は弱まっており,社会的に離婚が否定されるような状況ではなくなっており,逆に,今では,破綻した夫婦関係を解消して新しい人生を目指す女性に対して,同じ経験を持つ女性がエールを送るなどといった状況が起こっております。 このように,離婚に対するネガティブなイメージは,マスコミやテレビ,あるいはインターネットを介したインフルエンサーたちによって払拭され,自己実現のために離婚するという選択が社会的に肯定されてきたかのように感じる時代となっております。 こういった背景があり,本来であれば,離婚は個人間の問題であるため,行政としてかかわることではないとされてきましたが,時代の変化とともに考えを改めなくてはいけなくなってきております。それは,子どもの貧困問題,特に,ひとり親世帯の貧困率が高いという点で,これまで,その貧困に陥る理由として注目されることが少なく,十分な対応がされていない養育費の未払いが,放置できないほど深刻化していると考えるからです。 子どもがいる夫婦が離婚した場合,子どもを引き取らなかった側は,子どもが大人として自立できる年齢になるまで,衣食住費や教育費,医療費などの養育費を支払う義務があります。離婚によって夫婦の関係は切れても,親と子の関係は切れません。養育費の負担業務は,自己破産した場合でもなくなることはありません。 しかしながら,現在養育費を支払われることのほうが少ないのが現状です。厚生労働省の調査では,養育費を現在でも受け取っている,または受け取ったことがある世帯のうち,額が決まっている世帯の平均月額は,母子世帯で4万3,707円となっており,養育費の額として十分ではないという議論もありますが,母子世帯の平均年収が243万円であり,貧困世帯の多い母子世帯にとっては,養育費は貴重な収入であります。この養育費があれば,貧困状態の解消にもつながり,仕事を減らし,子どもと向き合う時間をふやすことが可能となります。このようなことから,私は,子どもの貧困対策として,養育費の問題は極めて重要だと考えます。 そこで,小項目1の1回目の質問です。 平成24年4月の民法改正で,離婚届に面会交流と養育費の取り決めについて記入欄が設けられましたが,離婚届受け取り時,この欄についての説明,また,届け出時,「まだ決めていない」とチェックされていた場合はどのように御案内をされているのかお伺いいたします。 また,養育費に関する相談窓口は,どこが窓口となっていて,どれぐらいの相談件数があるのかをお伺いいたします。 続いて,小項目2の1回目の質問として,児童扶養手当受給者の中で養育費をもらっているひとり親家庭の人数と割合についてお伺いをし,壇上からの質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,2点の御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,本市の離婚状況・離婚届提出時の確認についての御質問について,市民課や各出張所窓口へ離婚届の用紙を取りに来られた場合につきましては,養育を必要とする子の有無について確認し,その用紙に記載された子の監護に必要な養育費の取り決めなどの事項を説明するとともに,法務省が作成している「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」,子ども政策課が作成しています「ひとり親家庭のしおり」をお渡ししております。また,離婚の届け出時におきましても,「まだ決めていない」とチェックされた場合など,必要に応じてしおり等を配布することにより,養育費の取り決めなどについて周知しております。 次に,養育費に関する相談窓口と相談件数につきましては,平成30年度の実績で,子ども政策課の母子・父子自立支援員への相談が12件,男女共同参画課の女性の悩み相談,女性のための法律相談等が合わせて32件,市民相談コーナーが36件,合計で80件となっております。 次に,小項目2,養育支援についての御質問について,児童扶養手当の受給者のうち養育費を受けている人数と割合についてでございますが,本年8月時点での人数につきましては,離婚や未婚を理由として児童扶養手当を受給している方が2,242人に対し,養育費をもらっている方が635人で,割合につきましては28.3%となっております。 ○議長(長谷川達也君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) 御回答いただきありがとうございました。 受け取り時,届け出時ともに,御説明や,法務省が作成した「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」を手渡していただいているとのことですので,養育費の必要性を知ってもらう機会をつくっていただいていることに感謝いたします。 しかし,それでも養育費の取り決めをしないまま離婚する人が多く,厚生労働省の調査で,母子世帯の母で養育費の取り決めをしているのは42.9%であり,半数以上が養育費の取り決めさえしておりません。また,養育費の取り決めをしている中でも,文書ありが73.3%,文書なしが26.3%となっております。この養育費の取り決めをしない理由は,「相手とかかわりたくないから」が最も多く31.4%,続いて,「相手に支払う能力がないと思った」が20.8%,「相手に支払う意思がないと思った」が17.8%となっております。養育費は子どものための費用にもかかわらず,相手とかかわりたくないという親の身勝手な理由から取り決めをしないというのも問題ではありますが,離婚がもたらすこの先の影響を考えることが難しい状況をつくり出している時代ということでもあります。 このような状況を踏まえ,離婚時の養育費の取り決め状況を改善するためには,2つのポイントがあると考えます。1つ目は,離婚時や市民からの相談時に,養育費は子どもの権利であり,親の義務であることを伝え,養育費の取り決め方法を伝えること。そして,2つ目は,養育費の取り決めをしない最大の理由が相手とかかわりたくないということから,離婚時の養育費の取り決めに対して弁護士などの第三者をかかわらせることです。 兵庫県明石市では,離婚時に夫婦間の話し合いにおける参考資料としてもらうために,養育費や面会交流などについて記載された「こどもの養育に関する合意書」「こども養育プラン」及び「合意書・養育プラン作成の手引き」を離婚届の受け取り時や相談時に配布しております。この明石市のように,養育費の取り決めについて市民からの相談を受けやすい体制を整えることが必要であると考えます。 そこで,小項目1の2回目として,現在,養育費の相談があったときは,子ども政策課の母子・父子自立支援員への相談,市民相談,男女共同参画課の女性の悩み相談や女性のための法律相談など,いろいろな部署でそれぞれ対応していただいておりますが,もっと相談先を明確化するために,そして,相談する場所があるということをわかっていただくために,明石市のように,養育に関する専門の相談窓口,子ども養育専門相談を開設する考えがないかお伺いいたします。 続いて,小項目2です。 養育費をもらっている件数ですが,2,242人中635人で,割合が28.3%ということでした。数字で確認し,改めて,養育費をもらっていない人が多いということに驚かされます。 先ほどから養育費の必要性について申し上げておりますので,次の問題として,養育費の取り決めはしたものの,養育費が未払いとなっていくケースについてです。 未払いになっていくケースでは,口約束で取り決めを交わしており,最初は払われていたのが,後に払われなくなっていくということです。「養育費実態調査 払わない親の本音インタビュー」という本が出ており,これを読みましたが,何ともあきれてしまう実態が多く書かれてありました。つい払うきっかけを失い年数がたってしまった,子どもが使うのではなく元嫁が養育費を使うのではないかと思うと腹が立つ,意識的に親の責任を放棄したなど,倫理観が欠如しているとしか思えないことが実際に起こっているということに心が痛くなりました。 母子及び寡婦福祉法を改正し養育費支払いの責任を明記したり,民事執行法を改正して養育費の強制執行がより利用しやすくなったところで,罰則があるわけではないため,今なお未払いが後を絶ちません。養育費が未払いになったとき,口約束や私的書面での約束だった場合は,一度裁判を行い,判決が出てから仮押さえなどの強制執行ができますが,裁判を行うというのは,労力や費用がかなりかかり,ハードルが高いものです。せっかく取り決めをしていても,断念せざるを得ない人たちが多くいるのも理解ができます。 ですが,公正証書で取り決めをきちんと残してあった場合は,裁判を行わなくても,申し立てれば強制執行を行うことができます。そして,公正証書を作成するということは,逃げることができないという証でもありますので,未払い抑制にもつながります。 しかし,ここでまた問題なのが,公正証書です。ふだんの生活の中で公正証書を使うことがないため,そもそも,公正証書の存在を知らない方が多くいると考えます。また,公正証書を作成するにも,費用もかかりますので,二の足を踏んでしまう要因の一つであるとも言われております。大阪市では,養育費の取り決め内容の債務名義化を促進し,継続した履行確保を図るために,公正証書等作成にかかる費用を補助する制度を設けられています。費用負担について,そして制度として整えることにより,公正証書の必要性を伝えるきっかけともなります。 そこで,小項目2の2回目の質問として,春日井市においても公正証書作成にかかる費用に対して補助制度を実施する考えはないかをお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,小項目1及び小項目2の2回目の御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1について,明石市のこども養育専門相談について確認しましたところ,市民相談室の弁護士による離婚等の相談に加え,公益財団法人家庭問題情報センターの職員による相談を実施しており,離婚の制度や手続に関する相談,養育費に関する相談,面会交流の相談など,弁護士相談を要しない気軽な相談窓口として機能している様子がうかがえ,専門相談の相談件数は,本年4月から11月までで18件と聞いております。 本市では,現在,市民相談コーナーの弁護士相談のほか,母子・父子自立支援員による相談や女性の悩み相談等において養育費に関する相談を受けているところであり,現時点では専門相談窓口を設けることは考えておりませんが,今後,相談件数の状況を踏まえ,より効果的な相談のあり方を検討してまいります。 次に,小項目2についてでございます。 養育費に関する公正証書の作成費用に対する補助につきましては,大阪市や滋賀県湖南市が,養育費の継続した支払いを確保することを目的として実施しているものと承知しております。 本市におきましても,さきにお答えしたとおり,市民課等の窓口において各種参考資料を配布することにより,公正証書の有効性についても周知に努めているところでございます。公正証書の作成費用に対する補助制度につきましては,補助金交付の目的及び公益性の観点において,なお整理が必要であることから,今後,他市の動向も踏まえ調査研究してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) 御回答ありがとうございました。 現在の相談窓口ですが,現在は各部署でそれぞれ対応しているところですけれども,いろいろなところで相談を受けているということは,相談窓口がどこにあるかわからないということでもあります。インターネットで離婚相談と検索すれば,多くのサイトが出てきて情報は得られます。しかし,その一方,気軽に悩み相談やアドバイスができるように装い,営利目的で,いかにも女性の離婚を支援するかのようなプロパガンダが起こっています。これも社会問題の一つでもありますが,春日井市に住んでいる方が,自分の今後,人生をどうしていくか考えるときに,頼れる窓口が行政にあるというのは,とても大きな心の支えとなります。そして,そういったときに受けた恩というのは,人の心に大きく響きます。ですので,相談件数に左右されるのではなく,ぜひ御検討を進めていただきたいと思います。 公正証書作成に関する補助ですが,まだこの取り組みをしている市町村は数少ない状況ではあります。親の義務である養育費を支払うべき人が支払わないことで,児童扶養手当や生活保護費に頼らざるを得ない状況になっているのは,春日井市にとっても負担が大きいことです。平成30年度決算で,児童扶養手当は10億5,792万2,100円であり,本市の負担額は3分の2の約7億円となっております。手厚くすべき人に手厚い支援を進めていくためにも,本来あるべき姿にならなければいけないと思っております。そして,何よりも,子どもにとって,別れても自分のことを心配してくれる親がいると思えることは,子どもの成長にとっても大切なことだと思います。離婚に対する価値観や倫理観が変わってきている現状を考え,今から動いていくことが,今後の春日井市のためにも必要であると考えます。 今回この問題を取り上げるに当たり,私自身が離婚するとなったらと仮定して行動してみました。まず,どこで誰に相談すればよいのだろうと考えてしまいましたし,公正証書のこともよく知りませんでしたので,どうやって作成すればいいのか,一体どのような流れで,費用が幾らかかるのかわからないので,とても不安に感じました。そんな中で,親権について,これからの生活について,子どもとのこれからの環境についてなどを考えていくと,頭がいっぱいになり,冷静に判断していくことは非常に難しいことであると感じました。離婚は結婚よりも大変だということはよく耳にしますが,話し合い,手続,次の生活への準備等々,本当に大変ですので,心身ともに疲れてしまうことです。それも覚悟の上で離婚を決断されていると思いますが,その中で子どもの存在が後回しになってしまうことは,あってはならないことです。 今回は,養育支援として,養育費の問題について取り上げましたが,ひとり親家庭の問題や面会交流についてなど,まだまだ眠っている問題がたくさんあることに改めて気づき,何でこんな世の中になってしまったのかとため息が出てしまうところでありますが,本来あるべき姿,親としての考え,責任など,理解ある社会になるように,行政としてできることには手を差し伸べていただけるようお願い申し上げ,質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 28番 田中千幸君。     〔28番 田中千幸君 登壇〕(拍手) ◆28番(田中千幸君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してあります災害時の支援策の拡充について質問をいたします。 地震・台風・水害などの災害直後は,情報収集に始まって,準備していた施策が他分野にわたり一気に動き出すため,大変混乱します。そういう状況の中で,食物アレルギーの方や人工透析患者の方への支援は,そのマイノリティさゆえ,どうしても行き届きにくくなります。一般的に,各自治体の避難場所において準備・支給される非常食には,透析患者が余り食べてはいけないものが多いようです。すなわち,塩分を初め,リン・カリウム・水分などの管理が必要な中,バナナや牛乳,塩おにぎり,野菜ジュース,カップ麺などは不適当なので,各個人での準備が不可欠になります。 2016年の熊本地震の折には,新潟の米メーカーによる支援が行われました。このメーカーが製造する小麦などのアレルギー物質27品目を含まないライスクッキー約6,000食や,食事制限が必要な患者が食べられる加工米「はんぶん米」600食が配布されました。リンやカリウムが少ないアルファ米で,そのまま食器となるパウチの上部を切り取り,お湯を注いで20分,水でも1時間で食べられるようになり,保存期間も5年と長いものです。これまでの震災では,支援物資が必要な場所に届きにくかったということを経験されたため,SNS情報を発信して潜在化している需要を探り,配布先を決めていかれたとのことであります。このメーカーの方が被災地入りした際に,全国腎臓病協議会からの要請を受けて,はんぶん米700食を被災地の病院に届けられたそうです。 さらに,この新潟のお米メーカーは,ご当地愛知県の大治町とも2016年12月に協定を結ばれています。大治町では,アレルギーを引き起こす原因物質を含まない非常食を備蓄しており,この協定では,さらに,同メーカーや大治町近くの被災していない自治体が備蓄する同社製の非常食を提供してもらうことになっています。 また,透析患者数ですが,市の障がい福祉課の登録者を見ると,本年3月末現在約850人,老人施設などにいらっしゃる方を含めると1,000人弱ぐらいかと推測されます。 そこで,非常用備蓄品に,このようなアレルギーをお持ちの方や人工透析の方でも安心して食すことができる製品を加えることができないか,当局のお考えを伺います。 次に,人工透析の方に焦点を当てて申し上げます。 まず,透析について簡単に述べます。透析は,医療行為の一つで,腎臓の機能を人工的に代替することで,腎不全を患った患者さんが尿毒症になるのを防止するため,外的な手段で血液の老廃物除去,電解質維持,水分量維持を行うものです。血管に針を通し,血液回路のチューブにつなぎ,その血液をダイアライザーというろ過装置の役割をする機器に通し,内側を血液が流れ,外側に浸透膜を介して透析液を通すことで,この透析液に余分な水分や老廃物を移し排出するという仕組みになっています。おおむね週に3回,1回につき4時間をかけて行い,4時間の透析にきれいな水120リットルほどの大量の水が必要となります。つまり,電力と水が不可欠となる治療であります。 では,災害時の実際の状況はどうなるかということですが,市内には7カ所の透析を行っている病院があるのですが,停電時にも対応できる非常用の発電設備を装備している病院は,市民病院と大手の民間病院の2カ所に限られます。ふだん,その他の5カ所で治療を行っている方は,どちらかの病院で行うことになります。 本年9月・10月,最も記憶に新しい台風15号・19号の被害を受けた千葉県ではどんなことが起きたのか。愛知県の腎臓病協議会の方を通じて,全腎協代表者シンポジウム資料「災害対策委員会からの報告」という資料を入手いたしました。以下,抜粋して引用させていただきます。 最初の台風15号の被害により,県下17施設で停電が発生,透析ができなくなり,最寄りの病院において実施するも,ほとんどが3時間透析に短縮され,また,一部の病院では,遠くの病院施設にバスを利用して透析するなど不自由を強いられた。また,一部の病院では,東電等の電源車,あるいは自衛隊の給水車を利用して透析用の水を確保しながら,ほぼ1週間から10日間続いたが,徐々に停電が復旧し,約1カ月を要しもとに戻ったと記載されています。 そこで,2つ目の質問として,透析患者さんがふだん御利用になられている最寄りの病院で透析を受けられるのが最も望ましいと思いますので,本市の非常電源が設置されていない民間の透析病院が非常電源を設置しようとする際には,市からの補助金を受けられる制度を創設するお考えはないかお尋ねして,壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) それでは,災害時の支援策の拡充についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,食物アレルギーの方,人工透析患者の方への非常食についてでございますが,本市における災害時の非常食といたしましては,クラッカー4万6,880食を初めとして,アルファ化米1万2,650食,缶入りパン3,240食,粉ミルク100缶を備蓄しております。そのうち,全てのアルファ化米と一部の粉ミルクにつきましては,食物アレルギー対応の商品を採用しております。 人工透析患者の方への非常食につきましては,現状,備蓄はございませんが,他の自治体での事例などからも必要と考え,御提案がございました商品のような備蓄に適したものが流通していることから,今後におきましては,備蓄に向け,商品の選定や必要な数量などを検討してまいります。 しかし,全ての方に応じた非常食の備蓄は困難なことから,食品に配慮が必要な方がお見えの各家庭における自助として,年齢や病状などに応じた食品の備蓄を進めていただけるよう,地域での防災講話や訓練時など,さまざまな機会を捉えて,今後とも啓発をしてまいります。 次に,小項目2,透析病院の非常電源設置費補助についてでございますが,災害により大規模停電が発生した場合におきましては,春日井市地域防災計画において,医療機関への電力の優先的な復旧を行うことと定めております。 議員御質問の透析病院への非常電源装置設置費用に対する補助制度の創設につきましては,現在のところ考えておりませんが,国による補助制度がございますので,非常電源装置設置を希望される透析病院に対しましては,本補助制度を紹介させていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 28番 田中千幸君。 ◆28番(田中千幸君) 非常食の備蓄充実につきましては,大変前向きな御答弁をいただきました。常温保存可能で,そのままでもおいしく食べられるアレルギー対応のレトルト商品が,市内のお弁当屋さんでも開発されたということを最近伺いました。こうした支援策が広がっていくことに期待をしております。 2つ目の透析病院の非常電源設備設置費補助につきましては,国の制度に期待することになりそうですが,患者さんの最寄りの非常電源を装備した病院をふやすことができないようであれば,移動手段の確保を考えてはどうかと思います。 豊橋市では,民間のバス会社3社と災害時におけるバス利用に関する協定を締結されています。大規模な災害が発生した際には,負傷者の医療機関等への搬送や帰宅困難者の避難所への輸送,また,透析患者や定期的な治療が必要な被災者を診療可能な遠隔地の医療機関への移送,そのほか物資輸送なども視野に入れた内容で,豊橋市からの要請で搬送に協力する仕組みです。本市におきましても類似の仕組みを構築するお考えはないかお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 当市におきましても,民間バス会社2社と災害時における支援協力に関する協定を締結しており,人員の輸送が必要な場合は,当市からの要請により協力いただくことになっております。また,県や自衛隊などとも連携して,人工透析患者の方の移動手段の確保に努めてまいります。
    ○議長(長谷川達也君) 29番 佐々木圭祐君。     〔29番 佐々木圭祐君 登壇〕(拍手) ◆29番(佐々木圭祐君) 議長のお許しをいただきましたので,通告どおり,受動喫煙防止対策について質問いたします。 望まない受動喫煙をなくすため,平成30年7月25日に健康増進法の一部を改正する法律が公布され,多数の方々が利用する施設などの区分に応じ,一定の場所を除き喫煙を禁止する内容になりました。施設などの管理については,権限を有する者が講ずるべき措置などが定められており,法律が全面施行される令和2年4月までに段階的に施行され,国や県,市において,未成年者の喫煙防止や喫煙が及ぼす健康への影響について正しく理解することを目標として,受動喫煙防止に対するさまざまな取り組みが行われています。 喫煙や受動喫煙は,がんや循環器疾患,糖尿病などの疾患の原因となることから,基本的には,望まない受動喫煙をなくす,受動喫煙による健康影響が大きい子ども,患者等に特に配慮し,施設の類型,場所ごとに対策を実施するものです。特に,今回は,家族や教育機関において,人に重きを置いて取り組みを一歩進め,市民の健康増進はもとより,2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて,IOCとWHOが進めている「たばこのない五輪」の実現を目指していることからも,我が国として,健康増進法の一部改正など,オリンピックを通じて同様のスタンスであると認識しています。 ことし7月1日に改正法の一部施行となり,特に,受動喫煙による健康影響が大きい子どもたちや患者等に配慮して,小・中学校,高等学校,保育園,幼稚園など,学校・保育施設等,行政施設などが,原則敷地内禁煙となりました。また,令和2年4月1日からは,飲食店,ホテル,工場など,対象施設ごとに喫煙の可否を講ずることとなり,喫煙を認める場合は,喫煙専用室などの設置が必要となります。 改正の趣旨は,屋内において受動喫煙にさらされることを望まない方がそのような状況に置かれることがないよう,望まない受動喫煙をなくす。子どもなど二十歳未満の方,患者などが主に利用する施設,学校や病院や屋外において受動喫煙対策を一層徹底するとあります。施設の類型・場所ごとに,主な利用者の違いなどに応じ,禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに,掲示の義務づけなど,必要な措置を講ずるとあります。 そこで,1問目,改正法に基づく各施設の受動喫煙防止についてどのように対応されているのか,現状の取り組みについてお伺いいたします。 次に,屋外における受動喫煙についてお伺いいたします。 今回の改正法では,多数の方が利用する屋内施設が規制対象となっており,屋外施設については特に規制が設けられていません。皆さんが利用する各駅の出入り口横,利用者が必ず通る場所,公衆トイレのすぐ横に,灰皿だけが設置してあり,駅に向かう際に必ず通らなければならないところもあり,規制が必要と考えます。駅周辺には公衆喫煙所が設置されておらず,こうした状況から,公衆喫煙所における受動喫煙防止対策,分煙化については,まだまだ不十分であると考えます。 このことから,市でも,特に路上喫煙を禁止する区域と特別に喫煙できる場所に分けて,喫煙区域には公衆喫煙所の設置が必要と考えます。現状,各施設周辺での喫煙者を見ると疑問が浮かんでまいります。また,公園では,ベンチやあずまやなどで喫煙をしている人を見かけることもあり,周りにいる通行人や遊んでいる子どもたちがたばこの煙を吸うことになり,受動喫煙による健康影響が心配されます。 そこで,2問目ですが,道路や公園など,改正法の規制対象外となった屋外の場所における受動喫煙の考え方について,場合によっては公衆喫煙所を設置することも必要と思いますが,市の考え方についてお伺いし,壇上からの1回目の質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,受動喫煙防止対策についての質問に順次お答えいたします。 初めに,(1)の改正健康増進法に基づく取組みについての現在の各施設における受動喫煙防止対策でございますが,健康増進法の一部改正に基づき,市役所本庁舎などの行政施設や学校・保育園などの教育・児童福祉施設,市民病院など174の施設は,原則敷地内禁煙としております。そのうち,市役所本庁舎,ふれあいセンター,総合体育館,総合福祉センターなど,喫煙者の来庁も多いと見込まれる40施設につきましては,施設管理者が周辺環境や安全管理に配慮する中で,受動喫煙の影響がない場所を特定屋外喫煙場所と定め,分煙対策を実施しております。なお,職員が常駐しない老人憩いの家などの集会施設や施設管理を行う公園の管理事務所など117の施設は,改正法の規定に基づき,原則屋内禁煙となっておりますが,このうち,ルネックビルなど2施設におきましては,喫煙専用室を設置し,分煙を行っております。 次に,(2)屋外における受動喫煙についてでございます。 道路や公園など,屋外での受動喫煙に対する本市の考え方としましては,屋外施設は今回の健康増進法の改正に伴う規制対象ではありませんが,望まない受動喫煙の影響を少なからず受けるものと認識をしており,子どもや妊婦などには,特に配慮する必要があるものと受けとめております。そのため,屋外であっても望まない煙にさらされることがないよう,喫煙マナーの向上や受動喫煙の機会を減少させる取り組みが必要であると考えております。 次に,公衆喫煙所に対する本市の考え方でございますが,喫煙所は,周囲に煙が及ばない隔離した場所になる一方で,設置場所周辺でのにおいや利用者の健康面への悪影響などの課題も懸念がされます。設置をするということに対しましては,喫煙禁止区域の設定や他の効果的な受動喫煙対策を十分に検証しながら進めていくべきものと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 29番 佐々木圭祐君。 ◆29番(佐々木圭祐君) 現状については理解いたしました。改正法に基づき,適切な対応をお願いします。 改正法の中で,対象施設における屋内の受動喫煙防止,分煙等に対する規定も定められていますが,公衆喫煙所を設置することで,分煙化については一定の効果が見られることは認識されていますが,受動喫煙防止の観点も盛り込んで整備する必要があると考えます。 分煙化,受動喫煙防止についての取り組みは,喫煙者と非喫煙者の双方に利益があることが望ましいと考えます。公衆喫煙所等を喫煙者にとって気兼ねなく喫煙できる場所など,工夫が必要だと思います。高速道路サービスエリアや観光地,また,大きな駅周辺では,半透明のパネルで囲われた公衆喫煙所が整備されています。喫煙所の設置に当たっては,一目でわかるように,利用者の意見等も反映させて設置場所が選定され,パネルで囲われた空間,もしくは完全な箱型で,喫煙者であれば,喫煙所はここですとわかりやすい表示が必要と考えます。 7月1日から,第1種施設は敷地内禁煙となり,受動喫煙を防止するため必要な措置がとられた場所には喫煙所を設置することもできるようになりました。せっかく庁舎敷地内に喫煙所を設置,対応されたのに,ある市民の方から,市役所に来たときどこに喫煙場所があるのかわかりづらいといった声を聞きました。 小項目1の2回目の質問として,各施設でのわかりやすい禁煙表示や喫煙場所への誘導案内等の表示が大切であると思いますが,いかがでしょうか。お伺いします。 次に,対象施設における屋内の受動喫煙防止では,分煙等に対する規定を定める内容となっていますが,公園等の屋外施設における受動喫煙防止対策については,各自治体の判断によるものと考えます。国の改正健康増進法において,屋外についても触れられており,子どもなど二十歳未満の者,患者等は受動喫煙による健康影響が大きいことを考慮し,こうした方々が主たる利用者となる施設や屋外について,受動喫煙対策を一層徹底するという趣旨が盛り込まれています。 健康増進法第25条に規定された受動喫煙の防止について,受動喫煙防止対策については,厚生労働省健康局長通知では必要な措置の具体的な内容及び留意点が示されており,多数の人が利用する公共的な空間については,原則として全面禁煙であるべきであると言われております。また,屋外であっても,子どもの利用が想定される公共的な空間では,受動喫煙防止のための配慮が必要であるとしています。 そこで,小項目2の2回目の質問として,市内の受動喫煙防止対策について,令和2年4月1日の改正法の全面施行に際し,受動喫煙に対する取り組みや道路・公園などでの屋外対策を推進していくべきと考えますが,今後の取り組みについてお伺いします。 ○議長(長谷川達也君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 小項目1の2回目の質問にお答えいたします。 小項目1の各施設における禁煙表示や喫煙場所の案内表示につきましては,施設の状況に応じた利用者にわかりやすい表示に心がけ,受動喫煙の防止を図ってまいります。 次に,小項目2の今後の市の取り組みについてですが,子どもたちがたばこの害を正しく理解し,将来喫煙しないという選択もできるよう,小学校・保育園などでの防煙教育を実施していくとともに,保健師による禁煙相談や禁煙を希望する者への支援,健康講座など,生涯にわたって健康であり続けることができる受動喫煙防止・禁煙対策を推進してまいります。 屋外での対策につきましては,元気に遊ぶ子どもたちを望まないたばこの害から守るとともに,人通りが多い場所での清潔な環境や安全を確保していく観点から,公園や駅前において喫煙マナーの向上を呼びかける立て看板,歩きたばこの防止を周知するポスターを掲示するなど,屋外施設を利用する誰もが快適に安心して過ごすことができるよう,啓発活動に取り組んでまいります。 ○議長(長谷川達也君) 29番 佐々木圭祐君。 ◆29番(佐々木圭祐君) 対策の御答弁ありがとうございました。 中には,分煙や分煙場所,公衆喫煙所における受動喫煙防止対策の全面禁煙が極めて困難である場合もあると思います。厚生労働省健康局長通知では,喫煙所から非喫煙所にたばこの煙が流れない適切な受動喫煙防止措置を講ずるように努める必要があるとも言われております。しかし,民間事業者における受動喫煙防止対策では,喫煙所から非喫煙場所にたばこの煙が流れない適切な受動喫煙防止装置などの設置がなかなか進まない状況にもあります。禁煙マークなどの周知啓発も進んでいない現状でもあります。 国と東京都では,規制対象の中小飲食店等における分煙策,禁煙専用席等を整備する場合に係る費用を支援する方針があり,区市町村に対し,住民などから規制内容の相談に応じる専門相談窓口の設置や屋内・屋外に公衆喫煙所を設置する場合に係る費用の補助,さらには,禁煙外来の医療費を助成するなど,支援が検討されているそうです。受動喫煙防止対策では,分煙コンサルタントを無料で派遣する事業の支援や,厚生労働省が受動喫煙防止対策に助成金制度などを設けて支援を図っています。 公園における受動喫煙防止の取り組みの一例として,新宿区では,条例により,公園の面積を基準に喫煙・禁煙を分けて,空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止や公園,広場,公開空地,その他の公共の場所を管理する者は受動喫煙の防止のため適切な措置を講ずるよう努めなければならないという規定に基づき,面積が2,000平方メートル以下の公園は禁煙,2,000平方メートル以上は分煙,ただし,面積が2,000平方メートルを超えていても,駅や学校に近い公園,子どもの利用が多い公園や公園の形態上分煙ができない公園は禁煙とする場合もあるという対応をとっております。 本市においても,こうした事例等を参考に,公衆の場における受動喫煙防止対策を講じていただきますようお願いいたします。特に,公園は子どもたちの遊び場であり,子ども同士のコミュニケーションの場でもあります。まずは,大人が公園内で子どもたちに見本を見せていただき,きれいに楽しく公園を利用できるよう,マナー周知,取り組みをお願いします。 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たり,国と東京都は,たばこのない五輪を目指しています。受動喫煙対策については,世界最低レベルとまで言われている日本の状況を,世界の祭典であるこの機会に東京から変えていこうというのが今の流れであります。 国・県からの支援事業について,助成・補助された際には,スピード感を持って実施検討していただき,本市における受動喫煙防止対策のさらなる推進,そして,吸う人と吸わない人が共存できる環境へ,望まない受動喫煙を防止するための取り組みを強く要望して,質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 18番 加藤貴章君。     〔18番 加藤貴章君 登壇〕(拍手) ◆18番(加藤貴章君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問させていただきます。 高蔵寺リ・ニュータウン計画先行事業について。 (1)グルッポふじとうについて。 高蔵寺リ・ニュータウン計画の先導的プロジェクトとして,旧藤山台東小学校の施設を活用し,子ども,子育て世帯,高齢者等を初めとした多世代が交流する拠点を整備し,近隣のセンター地区と連携しつつ,隣接する中学校・高校と一体となった学びと交流センターとして,平成30年4月に,ニュータウンの新しい拠点となる施設としてグルッポふじとうが開設されました。 これまで,設置までの過程として,藤山台地区小学校の3校1校統合の際,地域の説明会,懇談会,利活用に関する検討会,まち語りサロン,各地域7カ所で行われた意見交換会,リ・ニュータウン計画におけるワークショップ,市民意見公募など,さまざまな形で御意見を伺い,整備が進められました。このワークショップについては,私も全て傍聴させていただいておりますが,ニュータウン内で地域活動をされているNPOの方や,この地域で育った方,子育て世代の方など,日ごろよりニュータウンになじみの深い方が多く参加され,施設基本方針となる骨格を決める段階で,施設のあり方,運営方法,駐車場,運動場についても多種多様な意見を出し合っていただいております。 地域の前町内会長からは,全て徒歩とし,駐車場自体が全く要らないという御意見,また,近隣の地域住民の方からは,車の乗り入れ数が多過ぎることのない静かな住環境整備の維持を求める御意見,比較的遠い位置にお住まいの方からは,駐車場を広くとることを求める御意見,子育て世代の方からは,遊ぶスペースを多くしてほしい,スポーツ団体の方からは,グラウンドを残してほしいなど,参加者約30名の方が,さまざまな生活環境の違う立場で,180度違う意見を出されております。 また,これまでの意見公募やワークショップの内容をリ・ニュータウン通信に掲載し,ニュータウン内の御家庭に毎回回覧板等でも配布がされ,周知が図られております。さまざまな市民の御意見を参考に,慎重に合意形成が図られ,整備が進められました。 グルッポふじとうには,東部市民センターの図書室が移転し,図書館として,これまでの閉館時間も1時間延長され,学習室についてもスペースの拡充がされ,使用時間も20時まで延長されたことや,図書の入れかえも行われ,図書サービスの充実がされてきました。図書貸し出し数も昨年の1.3倍,利用者数も増加しております。その他,多くの御要望をいただいていた施設のバリアフリー化や歩道改良も行われました。また,地域包括支援センター,児童館,その他コミュニティカフェ施設,展示スペース,各種講座など催し物も定期的に行われており,平成30年度の来館者数は延べ48万人と報告がされております。 多くの方が訪れる施設として高評価をいただいていることは,大きな前進であると感じております。ニュータウンと周辺の春日井東部地域の市民サービスの向上が図られてきました。これまでの御意見を伺いながら積み上げてきた基本方針のもと整備が進められ,グルッポふじとう開設から1年半が経過して,現状の改善点についてどのようにお考えかお伺いいたします。 続いて,(2)高蔵寺駅周辺再整備の検討状況についてです。 近年,高蔵寺の隣接する上志段味地区の大型区画整理が進んでいることや,高蔵寺駅に直結するゆとりーとライン,また,愛知環状鉄道の利用者数の増加から,昨年は,1日当たりの平均乗降者数が,JR約4万1,000人,愛知環状鉄道で約1万1,000人となっており,年々高蔵寺駅の利用者数もふえております。 このJR高蔵寺駅周辺の再整備についても,リ・ニュータウン計画のもう一つの先行事業として早急に取り組むべき課題として計画がされています。こちらも,意見公募やワークショップ,利用者アンケートなどを実施し,課題が抽出され,高蔵寺駅北口周辺は,立ち寄る魅力的なお店や施設が少ないといった意見が多いことや,人々にとって通過駅となっているといったことが挙げられております。この玄関口であります高蔵寺駅周辺の整備については,駅周辺の機能向上,にぎわいの創出,高蔵寺ニュータウンと周辺地域の再活性にも欠かせないものであると感じております。 この高蔵寺駅北口は,ロータリー広場部分1万1,000平方メートルと駐輪場部分は春日井市の所有する土地でありますが,その周辺については民間所有者の土地であり,どれだけの範囲で再整備計画が立てられるのかを検討する必要があります。これまで,地権者勉強会,民間事業者とのヒアリング,イベント開催ほか,地権者・民間事業者の意向を踏まえた商業施設等の事業モデル,実施手法等の検討が重ねられてきました。現状の高蔵寺駅周辺再整備の検討状況についてお伺いします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 高蔵寺リ・ニュータウン計画先行事業についての御質問にお答えいたします。 初めに,グルッポふじとうの改善が必要な点につきましては,グルッポふじとうの運動場には,藤山台東小学校当時の小学生向けの遊具はありますが,幼児を対象とした遊具はなく,児童館に来館した親子連れが屋外で過ごす場所がないといった声をいただいております。施設のより一層の魅力向上のために,幼児が屋外で遊ぶ施設の設置,ベンチや日陰などの休憩スペース設置による見守りや親子がともに過ごせる空間の整備が必要と認識しております。また,正面駐車場が満車時には,北部駐車場へ向かうため,駐車場内で切り返しをして転回する必要があり,安全性についても改善を図る必要があると認識しております。今回意見募集をした運動場整備案は,これらを改善するものとしております。 次に,高蔵寺駅周辺再整備の検討状況についてですが,今年度の取り組みとしては,昨年度に引き続き,地元関係者の意向確認を行っております。しかし,権利者全員の同意を得ることに相当の時間を要することが想定されるため,地元関係者との折衝を継続するとともに,公共用地のみで先行的に再整備が成立するかの検討を並行して進めております。 ○議長(長谷川達也君) 18番 加藤貴章君。 ◆18番(加藤貴章君) 御答弁いただきました。 グルッポふじとうについてですが,供用開始から見えてくる改善箇所に対し,市民意見を取り入れ,今回の改修案を考えていただいていることを理解します。運動場整備についても,これまでの基本方針や詳細な導入施設の検討を行った上で,多世代が交流する拠点として方向性を示し,この10月にグルッポふじとう改修案の意見募集を実施していただきました。 御説明にもありましたが,私自身もグルッポふじとうの敷地内駐車場の利用のされ方について調査を行ったところ,多くの車が,まず,建物前の駐車場に入り,満車であることで切り返しをする車が多くありました。改修案に示されている,一部動線のスペースがふえることで,切り返しをすることなく,安全性が向上されると感じております。また,公園などの屋外施設で,利用者からの要望の多い日よけ用大屋根についても考えられていることや,敷地内に駐車場と広場スペースが分離されている形であることから,子どもたちが安全に遊ぶことができ,保護者としても安心ができる構想となっています。 今回示されております改修案のコンセプトについて,質問としてお伺いいたします。 続いて,駅周辺整備の2回目です。 検討状況をお答えいただきました。土地の所有者さんのお考え,御都合,意向もあり,時間を要していると考えますが,早い段階で方向を示してほしいと感じております。 現在の高蔵寺駅の地下道部分は,昭和60年から今の形で供用が開始されており,地下道通路は幅10メートル,全長160メートルと長い形状となっており,自然採光も取り入れにくく,常時薄暗くなっている状況となっております。バス停留所やロータリー広場へと続くこちらの地下道についても,広場への動線,にぎわい創出,集客を促すよう,今後の計画を進める上で手を加えていく必要が出てきております。 駅を,単なる通過点でなく,にぎわいのある場所にできるよう,質問として,駅南北地下道,広場整備,商業施設についてどのようにお考えかお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 2回目の御質問にお答えいたします。 初めに,小項目1でございますが,運動場整備のコンセプトについては,芝の運動場は,天然の芝で,憩い安らげる空間を創出し,遊具・休憩施設は,未就学児から小学生までの幅広い年齢の子どもたちが楽しめ,保護者が安心して遊ばせられる空間を創出。散歩道は,外周部分に園路を設置し,ウォーキングなどの利用促進機会の創出。大屋根は,屋外で天候に左右されない利用が可能となる空間の創出。正面駐車場の拡張は,広場としての空間を確保した上で,安全性の向上と多世代交流施設としての魅力向上を図ることを目指したものでございます。 次に,小項目2,地下道広場整備,商業施設についてでございますが,これまで検討を進める中で,商業事業者へのヒアリングでは,鉄道による地域分断や周辺の住居や事業所が少ないことなどを理由に出店には慎重な御意見をいただいております。北口広場に商業施設を誘致し,地下道を高質化することにより,通勤や通学で駅を利用される方々が滞留し,にぎわい空間となることを目指すとともに,再整備によって周辺地域への波及効果も期待しております。 ○議長(長谷川達也君) 18番 加藤貴章君。 ◆18番(加藤貴章君) それぞれ御答弁をいただきました。 運動場改修案コンセプトについて御説明をいただきました。今回のコンセプトについても,これまでの基本方針のもと,利用者の御意見を参考にし,方向性を示していると理解いたします。 今回公表されていますアンケートの結果から見てとれるように,9割方に賛同をいただいているとのことでございます。その他,イベント開催時などの駐車場等の対応,広場のイベント等の有効活用も考えられております。隣接する烏洞公園は,道路を挟んでおり,施設と一体化する公園機能としては,安全面から不安が残ります。こちらは,臨時の駐車場という形で考えていただいておりますが,今後,利用者の状況を見ながら,常時利用も考えていただければと思います。今後も,地域や市民意見を取り入れながら進めていただきたいと思います。 好評をいただいておりますグルッポふじとう施設が,今回の改修整備により,さらに魅力的で,便利で,ニュータウンと東部地域の発展に寄与する施設につながるよう御期待いたします。 最後に,市長に御質問をさせていただきます。 グルッポふじとうの整備,魅力向上を実施されてきたわけですが,当初の計画からどのようなお考えで整備されてきたのか,今後どうされようとしているのかお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) 市長 伊藤 太君。 ◎市長(伊藤太君) まず,グルッポについて質問をいただきましたけれども,その前に,高蔵寺周辺ということからいきますと,今,部長が答弁したとおりであります。そういうことを進めるためにも,いろいろと苦労しているところ,意見集約にもありますけれども,やはり,地権者の方,あるいは,バスやタクシー,そして,地下道はJRのところですので,そういうことも含めてしっかりと話をしながら,また,その意向も聞くということが必要だろうと,そんなふうに思っております。 そして,グルッポふじとうですけれども,今質問議員が壇上で言われたとおりです。これは,前も話したと思うんですけれども,藤山台中学校区3校の統合の前から始まっておりまして,3校統合が決定した後に,服部先生を市政アドバイザーとしてお願いし,リ・ニュータウン計画をまとめる。その最初のお願いというか,検討課題として,2つの小学校のあり方,あるいは有効活用というのを大きなテーマでお願いしたことを覚えております。そういう経緯の中で,今話がありましたように,いろいろな御意見がある中で今の形になってきたとそんなふうに思っております。 そうした中で,駐車場につきましては,今ある北の駐車場ですけれども,あそこは,当初駐車場としては計画をしておりませんでした。しかし,建物をいろいろ改修したり,いろいろな御意見を伺う中で,やはり,駐車場としてあそこを生かす必要があるだろうということで,先ほど,自分が質問したから方針転換したんだというような御質疑がありましたけれども,そういうことでは全くなくて,そういう経緯の中で北の駐車場を駐車場にしたという経緯があるわけであります。 そして,今の体育館,運動場につきましては,今説明があったとおりです。体育館の機能,あるいは運動場の機能をしっかり生かす中で,まず,建物を整備しようではないか,そして,体育館を有効活用する,そして,運動場の機能を生かす中で再整備しようではないかということの中で進めたわけであります。また,駐車場につきましては,北の駐車場を整備するに当たりまして,歩道橋の拡幅等も行ってきたという経緯があります。そうした中で,今回構想案で示したように,今部長が説明したとおりのような案が一応でき上がって,お示しした。それに対して基本的に好評をいただいている,そんなふうに考えております。 と同時に,やはり,駐車場ということを全く無視するわけではなくて,これについては,当初は,イベント等は運動場で使っていましたけれども,やはり,運動場に車が入るということに対する危険性等々が非常に見受けられます。そういうことに対しても,やはり,そこに駐車場を置くのではなくて,イベント時には,すぐ隣なんですけれども,烏洞公園等を臨時駐車場に使ったほうが,より安全性の面でいいのではないか。と同時に,当初の計画の運動場を含め,運動場の機能を生かして,今説明したような,芝生をやったり,散歩したり,遊べたりという形で,総合的な,まさにまなびと交流,そして,子どもさんから高齢者まで使えるような施設になるだろう,そのように期待しています。 そういうことで,ここがより活発になり,活性化することによって,高蔵寺ニュータウン,さらには,春日井市の魅力が向上する,そんなような思いを持って,たまたま一つだけのことに注目するのではなくて進めたいなと,そんなふうに思っています。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。     〔26番 伊藤建治君 登壇〕(拍手) ◆26番(伊藤建治君) 議長の許しがございましたので,通告に従い一般質問を行います。 最初の質問事項は太陽光発電設備の設置についてです。 2017年,2018年,それぞれ12月議会で取り上げた案件でございます。大規模な太陽光発電設備の設置に関するルールを春日井市においてもつくるべきという趣旨です。 市内のあちこちに設置をされている大規模な太陽光発電設備の多くは,構造物・建築物に該当せず,何の法規制も受けず,とりわけ,開発行為が禁止をされている市街化調整区域の農地や雑地,山林の中を狙って無秩序に設置され,周辺環境への影響も出ています。 これまでの質問への答弁は,太陽光発電の電力買い取り価格が下がっており,今後は新たな太陽光発電施設は設置されないだろうからルールづくりはしないというものでしたが,大規模太陽光発電所はふえ続けています。 そこで,(1)発電所の設置状況について,春日井市内の状況をお尋ねいたします。 これまでの質問において,近隣にできた大規模太陽光パネルから出る雨水で,雨が降るたびに床下浸水になるお宅があることを紹介しましたが,そのお宅では,今なお雨水流入は軽減されておらず,自宅敷地内に雨水排水の工事を行い,被害をしのいでいる状況です。 別の事例も紹介いたします。先月11月,大泉寺町の方から,近所の山林が大規模に伐採され,整地されているが,何をつくるのか調べてほしいという声が寄せられました。森林の伐採を所管している農政課に問い合わせてみますと,太陽光パネル設置のための森林伐採届が出されているとのことでした。問い合わせをいただいた方にその旨をお伝えしますと,降雨時の水被害がさらにひどくなるのではないかという強い懸念を示されました。 この場所には,今回大規模に伐採された場所のすぐ南側にも,2014年に約6,500平米の森林が伐採され,太陽光パネルが設置されています。その後,この地域の生活道路は,まとまった雨が降るたびに冠水し,川のような状態になってしまうようになりました。そのたびに,五,六軒ほどの集落が孤立してしまっています。ことし10月25日の雨の際には,近隣のお宅が家屋浸水の一歩手前,水位は敷地境界の低いブロック塀をあと数センチで乗り越えるところまで上がりました。市民安全課に確認したところ,この日,市域内では冠水の被害は一切出ていませんでした。 この場所をめぐっては,ことしの4月にちょっとした事件がございました。付近の道路側溝に何者かが鉄板をはめ込み,モルタルで固めてせきとめてしまったのです。たまたまその作業をしているところに犬の散歩をしていた住民の方が出くわし,見とがめたところ,ここに太陽光発電所をつくるので,水が入ってこないようにしているんだと答え,作業をしていた男性はバイクに乗って立ち去っていったとのこと。道路側溝は市の施設です。私は,道路課にすぐ連絡し,対応をお願いし,道路側溝がせきとめられてしまった場所の手前に緊急的に浸透ますを設置していただきました。 このように,太陽光発電設備をめぐりさまざまな問題や事件が発生していることは,看過できるものではありません。 そこで,(2)市内で発生している問題について,市当局においてどのように把握なさっているのか。また,把握している事柄について説明を願います。また,大泉寺町内で起きた道路側溝の改造について,市の対応の状況と現在の状況をお尋ねいたします。 大規模太陽光発電設備は,開発行為が禁止をされている市街化調整区域の山林などにおいては,パネルを取りつける杭を地面に差し込むという工法により,構造物に該当せず,開発行為ではないという体裁をとっています。太陽光パネルは,100%水をはじきます。地面にも雨水流出抑制の構造は設けられず,降った雨のほぼ全量が瞬時に敷地外へ流出します。雨水流出係数は,建物やアスファルトの駐車場よりもはるかに高い。 これまで山林や農地として保水能力を発揮していた場所が,広大な面積において,いきなり貯水能力ゼロ地帯になる。今述べた大泉寺の1カ所だけでも,先月11月に伐採された面積は7,600平米,5年前に伐採された面積と合わせると1万4,000平米にもなる。このようなものが市内の至るところにつくられているわけですから,少しの雨量でも排水能力を上回る事態となる。雨水流出抑制の手だてを講じなければならないことはおわかりいただけると思います。この点についての市のお考えをお尋ねいたします。これが,(3)雨水流出抑制についてです。 そして,(4)について。 現況を見れば,太陽光発電設備の設置に関する指導要領やガイドラインなどのルールづくりの必要性は明らかです。改めて,この点についての市のお考えをお尋ねいたします。 また,太陽光発電所は,無人で,事業者や管理者の所在が表示をされていないものがほとんどです。被害を受けている方が連絡をとろうにも,手だてがありません。事業者の公表を行うべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。 続いての質問事項,リニア中央新幹線工事について伺います。 春日井市内4カ所で行われているリニア新幹線工事のうち,西尾非常口においては,ダイナマイトによる発破作業を行う工程に入りました。すなわち,それは,岩盤層に到達したということを意味し,現在排出をされている土砂は岩盤層を掘削したものです。この岩盤層というのが,これまで何度も話題にしています美濃帯と呼ばれるものです。 JR東海もこれについて,東濃地域に特徴的に見られる堆積岩で,黄鉄鉱が含まれることがある。過去に,東濃地域のトンネル工事の掘削土から黄鉄鉱に起因する酸性水や重金属が流出した事象が発生している。事業区域内を現地踏査した結果,文献どおり分布していることを確認したと説明しています。黄鉄鉱を含む土砂に雨や地下水が浸透すると,水が硫酸化し,土壌に含まれるカドミウムや六価クロムなどの重金属を溶かしてしまう。その水が地域に流出すれば,深刻な環境汚染となります。 2003年,平成15年に,可児市で東海環状自動車道トンネル工事の発生土により河川が汚染されるという事件が発生しています。発生土のストックヤードは,現在も可児市に置かれたままで,重金属を含む浸出水を水処理プラントで処理して放流しています。ヤード地下の状態はいまだ未掌握で,いつまで処理が続くのかがわかりません。1970年代には,犬山市で採石場から汚染水が発生し,周辺の水田でとれる米がカドミウムに汚染されたという事件も発生しています。 西尾非常口から出されている発生土は,まさに,この危険性を含む土砂です。発生土の処分先はどこなのかお尋ねいたします。これが(1)です。 今申し上げたとおり,美濃帯の土は,そのまま捨てれば周辺を汚染する可能性が高いものです。土砂の汚染状況の確認方法について伺います。これが(2)です。 (3)は,発破作業についてです。 9月議会では,これから発破作業を行う,そのための試験発破を行うタイミングでございました。現在は,本格的にその作業に入っています。この発破作業は,昼夜を問わず行うとのことで,11月11日には,夜10時に夜間の試験発破が実施されました。私は,ふれあい農業公園のところでその音を確認しました。距離も離れているし,国道19号を行き交う自動車の音もしているし,大した音はしないだろうとたかをくくっていましたが,ガガンという金属がぶつかり合うような硬質の爆発音がとどろき,体が反射的に身構えてしまいました。こんな音が昼夜を問わず発生するのは,住んでいる人にとっては困るだろうとも感じました。 そこで,西尾非常口で行われている発破作業の状況,発破の回数や時間帯の計画についてと騒音対策についてお尋ねいたします。 続いての質問事項,下水道事業についてです。 11月15日の閉会中の建設委員会で,春日井市公共下水道事業経営戦略の中間案が示されました。下水道使用料単価については,今戦略の中で,現在の100円から150円にまで引き上げる方向が記されています。この150円という額は,汚水処理原価から分流する経費を差し引いた額で,生活雑排水の処理にかかる経費とされている額です。 私は,ことしの3月議会において,この150円には数字の根拠がないと申し上げました。根拠がない理由については後に明らかにしたいと思いますが,その額にまで使用料単価を引き上げることについては,私は同意ができません。この一般質問にて矛盾点を明らかにしたいと思います。 まず,(1)汚水処理原価について,分流式下水道に要する経費控除前の170円について,その内訳を伺います。 そして,(2)分流式下水道に要する経費について,その算出の方法について伺います。 3月の一般質問において,汚水処理に実際にかかっている経費は181円(この額は戦略期間では170円です)なのに,国は,150円までを原価とし,足りない分は地方が税金で補填してもいいという。原価全てを使用料で取ることもできない。これらどこを切り取っても無理がある。だから,適正な下水道使用料は,市民が無理なく払える額にする以外にないのだと申し上げました。現在の1.5倍にまで引き上げるのは,余りにも無謀だし,その道理も根拠もございません。あえて参考にするならば,公共下水道以外の汚水処理方法にかかわる経費や県内他市の使用料であろうかと思います。 そこで,(3)他の処理方法にかかる経費との比較について,(4)県内他市の使用料について,それぞれ状況をお伺いします。 そして,(5)春日井市の使用料の在り方について。 経営戦略中間案に示されたとおりに値上げをすると,多くの御家庭が該当する一月20立米使用した場合の使用料は約900円の値上げになります。年間1万円を超える値上げです。増税があり,社会保障の負担増がある中で,下水道使用料まで値上げとなれば,家計にとってはトリプルパンチです。値上げすべきでないと思いますが,これについて市の所見をお伺いいたします。 続いての質問事項,学校へ行けない子ども達への支援について伺います。 これも,何度も質問している事項でございます。 11月の文教経済委員会で報告がございました教育に関する事務点検評価では,2018年度の不登校者数は545人とのことでした。対して,春日井市が唯一不登校対策として運営をしている適応指導教室,あすなろ教室の利用者数はわずかに21人でした。余りに少ない数字です。不登校に至った大半の子どもたちが,何の対応もされないままになっている現状を重く受けとめる必要があります。 そこで,(1)適応指導教室の在り方について。 学校復帰を前提とする今の運用では,さまざまな困難を抱えた多くの子どもたちには対応できていない。その結果が,この利用人数にとどまっている大きな原因です。文部科学省における適応指導教室の位置づけは,学校復帰が前提ではなくなっています。不登校を問題行動と判断してはならない。不登校児童が悪いという根強い偏見を払拭し,寄り添わなければならない。学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく,児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があるとし,適応指導教室を学校に行けない子どもたちの居場所として位置づけています。 春日井市においても,そのように適応指導教室の運用を見直す必要がありますが,御所見をお伺いします。ここまでが(1)です。 学校に行けない理由はさまざまで,本人の努力だけでは学校に行けない子どもたちもたくさんいる。発達障がいや感覚過敏により学校生活の場に身を置けない子ども,病気や医療ケアの必要性で学校には行けない子,いじめなどのトラウマで来られない子ども。学校だけが子どもの居場所として正解だという今の春日井市のあり方の中では居場所がないわけです。 全国的には,フリースクールという子どもの居場所づくりの取り組みが進んでいます。以前の質問では,放課後児童デイサービスを運営しているNPO法人が,学校に行けない子どもの学習支援に取り組んでいることを紹介しました。私は,春日井市においてもこうした取り組みがもっと広がればいいな,フリースクールのような場がもっとたくさんあればいいなと感じています。 そこで,(2)学校へ行けない子どもたちの居場所づくり,学習支援について,春日井市における現状をお尋ねいたします。 文部科学省は,相談業務と適応指導教室などの居場所づくりの取り組みに特化した教育支援センターの設置を推奨して,実践研究も行っています。不登校対策は,その子その子に応じた対応をすべきで,相談から対応までを総合的に行う専門機関が大きな役割を発揮します。春日井市も,適応指導教室,いじめ・不登校相談室,そして,民間の不登校支援の情報も含めて包括的に取り組むべきです。その役割を担う教育支援センターを春日井市にも設置すべきと考えますが,いかがでしょうか。これが(3)です。 続いての質問事項,農業行政について伺います。 2015年,平成27年に成立した都市農業振興基本法は,都市農業と都市部の農地の役割について,食糧生産のみならず,防災空間や緑地空間など多彩な機能を持っていることなどを再評価し,農地の保全と担い手の育成を進める方向を打ち出しました。2018年,平成30年には都市農地貸借法が制定され,農業従事者の減少や高齢化など担い手不足に対応すべく,市街化区域内の生産緑地の貸し借りがスムーズに行えるようになりました。法律が整備をされたとしても,自動的に農地が活用されるわけではありません。春日井市においても,法の後ろ盾のもと,効果的で具体的な施策展開が求められています。 まずお伺いしたいのは,春日井市内の農地の面積の推移です。市全体の農地面積の推移,そしてその内訳について,市街化調整区域の農地,市街化区域の農地について,さらに,市街化区域内の農地については,生産緑地とその他の農地についてそれぞれお伺いします。これが(1)です。 都市部の農地の保全に最も役割を発揮していたのが生産緑地です。30年営農することを条件に,500平米以上まとまった一団の農地を指定し,宅地並み課税でなく,調整区域と同じ農地課税とする税制措置がとられています。これまでの一般質問でも,市街化区域においては生産緑地ではない農地の減少が著しかったのに対し,生産緑地は宅地化の歯どめになっていることを示す状況が示されています。 この生産緑地は,生産緑地法に基づき1992年から適用された制度で,間もなく,2022年には30年の営農条件の期限を迎えます。春日井市内の生産緑地の大半もこれに該当します。2022年になれば,営農の意思がなければ,無条件で市への買い取り申し出ができるようになり,簡単に転用できるようになります。ですから,2022年には大量の転用が発生し,生産緑地が大幅に減少してしまうという心配がなされています。これが2022年問題です。 その後も営農を希望される方のために,生産緑地法が改正され,特定生産緑地の制度が設けられました。生産緑地を引き続き保全するには,特定生産緑地への移行を促す必要があり,その手だてが必要です。 (2)生産緑地については,まず,この制度の概要と流れをお伺いいたします。 市域内の農地,市街化調整区域内の農地も,都市部の農地も,従事者の高齢化や後継者不足に悩んでおり,農地の維持について将来的な不安を抱える農地や不耕作地がふえています。一方,農に親しみたいという市民のニーズがあることは,これまでに明らかになっています。農地保全のために,これらの農地とニーズをマッチングさせていく取り組みが求められていますが,市の考えと今後の取り組みについてお伺いいたします。これが(3)です。以上,壇上からの質問といたします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 私からは,質問事項1,太陽光発電設備の設置についての小項目1と4,質問事項2,リニア中央新幹線工事についての小項目1と2の御質問に順次お答えいたします。 初めに,質問事項1,小項目1,発電所の設置状況につきましては,資源エネルギー庁の再生可能エネルギー発電事業認定情報の公表用ウエブサイトによると,春日井市内において発電出力20キロワット以上の太陽光発電設備の認定件数は平成28年度は31件,平成29年度は12件,30年度は23件であり,令和元年8月末現在の合計は303件とされております。 次に,小項目4,太陽光発電設備の設置に関する指導要綱などの作成につきましては,既に,資源エネルギー庁が事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)を作成していることなどから,新たに市の指導要綱等を策定する考えはございません。しかしながら,春日井市生活環境の保全に関する条例では,公害の発生のおそれがある工場・事業場を設置しようとする場合には,事業者は,市に対し環境保全計画書を提出し,環境への負荷の低減及び公害の防止に向けた取り組みを協議しなければならないことが規定されており,一定規模以上の太陽光発電事業は,公害が発生する可能性が懸念されることから,今後,太陽光発電事業を事前協議の対象事業に加えることを検討してまいります。 また,事業者名等の公表につきましては,資源エネルギー庁では,発電出力20キロワット以上の太陽光発電設備について,発電事業者名及び連絡先,発電設備の所在地などの情報をウエブサイトで公表していますので,この情報を市のホームページにリンクするなど,市民の皆様が情報をわかりやすく入手できるよう対応してまいります。 次に,質問事項2,リニア中央新幹線工事について。 小項目1,西尾非常口の工事で発生した土壌の搬出先につきましては,搬出事業者が土壌汚染の有無を確認し,その状況によって搬出先を区分しており,汚染がないことが確認された土壌は,瀬戸市と多治見市及び市内内津町地内の事業所に搬出しています。 次に,小項目2,搬出土壌の汚染状況の確認につきましては,一定期内のトンネル掘削作業で発生した土壌ごとに一定量を検査し,その結果が土壌汚染対策法に基づく基準値以内であれば,全量に汚染がないものとし,搬出しています。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) 私からは,質問事項1の2点についてお答えいたします。 初めに,小項目2の市内で発生している問題についてでございます。 把握している事例についてでございますが,降雨による土砂の流出等の被害が発生した場合,その都度迅速に対応しているところでございますが,職員が現場で対応したものなど,記録がない場合もあるため,全ての事例について把握しているわけではございませんが,議員質問の事例のほか,平成26年に北城町で太陽光発電設備の整備に起因すると思われる土砂の流出があったことは把握しております。 次に,大泉寺の件の対応でございますけれども,4月に地元からの要請を受け,現地を確認したところ,道路側溝から事業用地に流れ込むヒューム管が塞がれている状況であったため,雨水浸透ますを設置し,経過を観察いたしましたが,8月の大雨時に再び路面が冠水したため,さらに,浸透ますから下流の舗装横に素掘りの水路を設置いたしました。 次に,小項目3の雨水流出抑制についてでございます。 雨水流出抑制対策につきましては,現在,都市計画法等に基づく開発行為・建築行為について,雨水の流出を抑制し,水害を未然に防止・軽減するため,春日井市雨水流出抑制に関する基準に基づき,事業者の協力を求めているところでございます。今後につきましては,雨水流出抑制が必要と考えられる行為,事業に対しましては,関係部局と連携し,この基準の適用について検討してまいります。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 私からは,質問事項2のリニア中央新幹線工事についての小項目3についての御質問にお答えいたします。 西尾工区の夜間における発破については,去る11月11日の夜間にJR東海が試験発破を行い,地元区長や近隣住民に対しては,事前の連絡とともに,事後のヒアリングなどを実施し,現在は,終日,トンネル1カ所当たり4回程度の発破を用いた工事を行っているとJR東海から聞いております。 また,夜間における発破の騒音対策としては,火薬量の調整により騒音の軽減に努めるとともに,今後,必要に応じて防音扉を二重に設置する対策も行うと聞いております。 ○議長(長谷川達也君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) それでは,私からは,質問事項3,下水道事業についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,汚水処理原価170円の内訳につきましては,委託料や修繕費など維持管理費が約78円,企業債利息が約20円,減価償却費が約72円となっております。 次に,小項目2,分流式下水道に要する経費の算出方法につきましては,汚水処理原価170円に平成17年度の全国の使用料水準である150円の使用料を充てても不足する部分を,分流式下水道に要する経費として国が繰り出し基準としていることから,170円と150円の差である20円としております。 次に,小項目3,他の処理方法にかかる経費との比較につきましては,改定後の下水道使用料が一般家庭に多い一月当たり20立方メートル使用した場合に2,650円になるのに対しまして,合併処理浄化槽の維持管理費は,電気代を含め一月当たり約3,900円と試算しております。 次に,小項目4,県内他市の使用料につきましては,供用開始時期や普及率などで使用料の設定に違いがあり,単純に比較はできませんが,一月当たり20立方メートル使用した場合の名古屋市を除く県内37市では,1,438円から3,000円となっております。その平均は1,912円となります。また,名古屋市では1,640円となります。 次に,小項目5,使用料の値上げについての御質問につきましては,公営企業は独立採算で経営を行い,汚水処理費用は受益者負担が原則となっていることを前提とする中で,現在の基準外繰入金に依存した経営状況から脱却し,自立した経営を行うためには,収支ギャップを早急に解消すること。そのためには適切な使用料を受益者に御負担いただくことが必要であると上下水道事業経営審議会におきましても御意見をいただいておりますので,使用料の見直しを進めるものでございます。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,私からは,質問事項4,学校へ行けない子ども達への支援についての御質問について順次お答えいたします。 初めに,小項目1,適応指導教室の在り方について。 不登校児童生徒に対して,新学習指導要領の解説では,個々の状況に応じた必要な支援を行うことが必要であり,登校という結果のみを目標にするのではなく,児童や保護者の意思を十分に尊重しつつ,児童がみずからの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があるとしています。 この考えに基づき,本市の現在の適応指導教室では,義務教育期間での学校復帰のみを目標とするのではなく,長期的な視点から,社会的に自立する教育支援を実施しており,短期的な学校復帰を前提としない柔軟な対応をしております。 次に,小項目2,学校へ行けない子どもたちの居場所づくり,学習支援について。 現状として,市内で学習支援を受ける施設は,各種民間団体が運営する学習支援に力を入れているものから,学習支援とともに社会とのつながりを重視した居場所的支援に力を入れているものなどがあります。 最後に,小項目3,教育支援センターの設置について。 現在,本市では,教育研究所に適応指導教室といじめ・不登校相談室を設置するとともに,学校との連携も進めるなど,不登校支援に努めております。しかしながら,さらなる不登校支援の充実のために,多様な不登校の状況と背景により,その支援策もさまざまである現状を踏まえ,1カ所で必要な情報を得て,適切な相談や支援につながる包括的な不登校支援を担う窓口の設置については,新たに研究する必要があると考えております。 ○議長(長谷川達也君) 産業部長 石黒直樹君。 ◎産業部長(石黒直樹君) 私からは,質問事項5,農業行政についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,農地面積の推移についてでございます。 市内の農地面積の推移について,生産緑地法に基づく指定後の平成5年と平成31年を比較しますと,本市全体の農地面積は1,574ヘクタールから869ヘクタールに,率にして45%減少。そのうち市街化調整区域内の農地面積は973ヘクタールから676ヘクタールに,率にして31%減少。次に,市街化区域内の農地面積は601ヘクタールから193ヘクタールに,率にして68%減少。そのうち生産緑地の面積は59ヘクタールから31ヘクタールに,率にして47%減少。生産緑地を除いた市街化区域内の農地面積は542ヘクタールから162ヘクタールに,率にして70%減少いたしました。 次に,小項目2,生産緑地についてでございます。 平成29年に生産緑地法が一部改正され,生産緑地の指定から30年を迎えるもののうち,市が引き続き生産緑地が保全されると認めた場合に指定するという特定生産緑地制度が平成30年4月1日から始まりました。特定生産緑地の指定を受けた場合は,10年間現行の生産緑地制度と同様の税制特例措置が継続され,10年ごとの指定の延長や相続税の納税猶予などを受けることができます。一方,特定生産緑地の指定を受けない場合は,固定資産税などが5年間で段階的に宅地並み課税となり,次の相続発生時点で納税猶予を適用することができません。 次に,小項目3,農地や不耕作地の活用についてでございます。 本市では,農地の有効活用に向け,生産緑地の買い取り申し出の相談の段階で,農地の保全を希望する所有者に対し,JA尾張中央が管理する市民農園としての活用を提案しており,現在,市民農園20カ所のうち4カ所が生産緑地として利用されております。今後も,JA尾張中央などと連携しながら,優良農地の活用や不耕作地の防止を図ってまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) それぞれお答えをいただきましたので,一問一答で進めていきます。 まず,太陽光発電設備の設置について,(1),(2)については一括して意見を述べます。 20キロワット以上の太陽光発電設備が2016年31件,翌年12件,その翌年が23件とふえ続けている現状を確認いたしました。買い取り価格が下がっているので,今後設置はほとんどないだろうという目測は誤りだったということでございます。 大泉寺の道路側溝の改造箇所についても,被害が出ないように対応したということでございました。また,さまざまな問題が生じていることも御認識なさっているということでございました。 それを踏まえて,(3)の2回目です。 雨水流出抑制について,春日井市雨水流出抑制に関する基準の適用を検討するということでございます。これは,何のルールも規制も該当しなかったものを既存のルールに当てはめていくということでございまして,大きな一歩となる答弁だと受けとめました。御期待を申し上げたいと思います。 もう一つお伺いしたいのが,既に太陽光パネルが設置されている場所についてです。実際に被害が発生している,本当に困っているわけで,その対策を求めることが必要だと思いますが,その点,お考えをお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) 春日井市雨水流出抑制に関する基準につきましては,施設などを新設する事業者に対しまして,雨水貯留施設,または雨水浸透施設などの設置の協力をお願いするものでございます。したがいまして,現在既に設置されております施設について,現在のところ,基準の適用について検討するという,そういった考えは持っておりません。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 既存のものへの対応は難しいということなんですけれども,今求められている対策の一つがここでございます。排水計画を全く無視した広大な保水能力ゼロの場所が,春日井市内にたくさん持ち込まれてしまった。本当に困っている。既存のものに対する雨水流出抑制も,これは技術的には難しい話ではありません。太陽光発電所の敷地内に雨水がたまるようにすればいいだけなので,敷地境界に低い壁をめぐらすとか,あるいは,敷地の中に穴を掘るとか,その程度のことでいいわけでございます。何とか既存のものにもそうした働きかけができないものかということについては,お考えをいただきたいということは,御要望申し上げておきます。 (4)の2回目でございます。 太陽光発電設備の設置に関する指導要綱やガイドラインなどのルールづくりについては,既にある生活環境保全のための条例を適用できるようにするとのこと。こちらも,今回真摯に受けとめていただいたことを感謝申し上げます。 条例を適用するに当たって肝となるのが,春日井市が環境保全のための手だてを事業者にきちんと求められる仕組みであります。太陽光発電設備は,市街化調整区域でも,砂防でも,どのような規制がかかっていてもスルーしてしまうため,その案件ごとに必要な環境保全の対策は異なります。ですから,市が適切に干渉できるようにしなければなりません。新城市の太陽光発電設備設置に関する指導要綱では,市との事前協議の上,環境保全協定を結ばなければならない仕組みになっています。春日井市においても同様の手だてが必要だと思いますが,御所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目4の2回目の御質問にお答えいたします。 春日井市生活環境の保全に関する条例では,環境を保全する上で必要があると認めるときは,事業者と公害の防止の方法,その他の環境の保全に関する事項について協定を締結することができると規定されていますので,太陽光発電事業を実施する事業者との協定の締結について,必要に応じて検討してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 太陽光発電設備の設置について,そのルールづくりに腰を上げていただいたことは,本当に大きな一歩だと感じておりますし,今回このような答弁を賜りましたことを感謝申し上げたいと思います。今,事件が進行しておりまして,市民の生活が脅かされている状況は続いております。それらの軽減ができるような手だても含めて,速やかに対応いただきますようお願い申し上げて,この件は終わります。 続いて,リニア中央新幹線工事について,(1)の2回目です。 発生土は,春日井市内にも搬出をされているとのことです。これは今まで説明がなかったもので,大変驚いています。多治見市の処分先についても,春日井市に近接した場所で,庄内川の支流でもあります。冒頭申し上げたような環境被害が出ないか心配です。 汚染がない土壌を搬出しているということでございますけれども,その処分方法はどのようなものでしょうか。汚染がない前提で,そのまま野積みされているのか,万が一,汚染物質が混じっていることも想定し,下にシートを敷くとか,浸出水の水処理を行うなどの対策を講じているのかお尋ねいたします。 また,これまでの搬出回数と搬出量,市の受け入れ状況の確認手法についてお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 工事発生土について,受け入れ事業者は,汚染がない土壌の受け入れであるため,水処理設備の設置などの対策はしておりません。 また,市内事業者への搬出状況につきましては,本年11月中に4回,合計約900立方メートルが搬出されています。受け入れ状況の確認につきましては,搬出事業者からは搬出した土壌ごとの検査結果について報告があり,全て基準値以内であることを確認しています。また,受け入れ事業者から春日井市土砂等の埋立て等に関する条例の規定により事業計画書が提出されており,今後受け入れ量が5,000立方メートルに達するごとに状況等の報告があるため,確認できるものと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (1)の3回目です。 処分方法をそのまま野積みということでございました。後でも申し上げますけれども,現在の汚染確認方法では,全量が安全だと言い切れません。にもかかわらず,汚染がない前提で,何も対策がされていない方法での処分に対し,大きな不安を感じております。シートなどで土砂からの浸出水が周辺に出ることを防ぐ手だてでありますとか,水処理の設備を設けることなどを事業者に対して求めるべきだと考えますが,御所見をお伺いいたします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目1の3回目の御質問にお答えいたします。 一定期間内の掘削作業で発生した土壌に異なった地層の土壌が混在する可能性は低いことから,一定量の土壌検査で汚染状況は確認できると考えております。今後,受け入れ事業者からの報告等において対策が必要であると考えられる場合は,指導してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の2回目です。 汚染の確認は,サンプル調査をしているということでございますけれども,これは,どの程度の量の発生土に対してどの程度の量をサンプリングしているのかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 汚染状況の調査方法につきましては,発生した約200から300立方メートルの土壌に対し200グラム程度を採取し,検査することで,汚染状況を確認しております。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) サンプリングの量は200グラム程度ということです。これはコップ1杯程度です。200立米,300立米という発生土の量からすれば,ほんのちょっとということです。パーセントでも示すことができないぐらいの量でございます。このサンプリング調査では,必ずしも全量安全確認ができるものではないということは申し上げておきたいと思います。 そして,それが野積みで処分されるのであれば,環境への影響の懸念は排除ができない。周辺の環境を監視・確認をしていく必要性があると思いますが,いかがでしょうか。答弁願います。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目2の3回目の御質問にお答えいたします。 搬出先の敷地内には雨水等を貯留する調整池が設置されておりますので,その水質の重金属検査を実施することで,周辺環境への影響について確認してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (3)の2回目に移ります。 ダイナマイトによる発破作業について,現在1つのトンネル当たり1日4回ということですから,8回の発破が実施をされているということになります。周辺への配慮としては,火薬の量を減らすとか,今後防音扉は二重にするということでございます。 私は,その状況を付近にお住まいの方に伺いました。夜の発破を初めて聞いたときは,地震が来たかと思ってびっくりした。今まで聞いたことがない音だったので鳴るたびに不安になるということでございました。国道を走る自動車の音でかき消されたりということはないんですかとお尋ねしましたが,全然質が違う音で,家の中まで聞こえるということでございます。現場周辺には,貴重な鳥など野生の生き物もたくさんおり,これらの生態系にも影響しないか心配という話もお伺いいたしました。そして,せめて夜間は大きな音の出る発破はやめてほしい,それが切実な思いです。これを事業者に対して求めるべきだと思いますが,御所見を伺います。 ○議長(長谷川達也君) まちづくり推進部長 前川 広君。 ◎まちづくり推進部長(前川広君) 小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 夜間の発破を用いたトンネル工事については,近隣住民の方々に適宜状況を聞き取りしながら進めているとJR東海からは聞いておりますが,今後も引き続き近隣住民の皆様の生活環境に十分配慮するよう,JR東海に対して要請してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 公共下水道事業の内容に移ります。 (1)の2回目でございます。 公共下水道は,実質的な処理原価,3月の質問時点では2017年度決算ベースで申し上げておりまして,181円でした。直近の数字は,2018年度決算で174円です。策定中の経営戦略では170円とされておりまして,経営戦略の最終年,2029年には165円になる見通しで,少しずつ減っていくということになります。答弁では,170円の内訳は,維持管理78円,企業債利息20円,減価償却72円とのことでございます。経年で減少していくのはどの部分でしょうか。お尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 経営戦略の10年間におきまして減少する見込みのものは,企業債利息のみとなります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 企業債利息のみが減るということなんですけれども,この企業債は何に対する起債なのかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) 小項目1の3回目の御質問にお答えいたします。 汚水処理原価に含まれる企業債利息に係る起債対象につきましては,浄化センターや汚水管など汚水施設の取得によるものとなります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の2回目です。 経営戦略に書かれていることと今までの答弁を突き合わせますと,いろいろ矛盾がございます。汚水処理原価が徐々に減っていくにもかかわらず,分流経費控除後の原価は150円のまま。企業債は汚水処理設備全体に対するものであるのに対し,経年で減っていくのは分流式下水道に要する経費だけというシナリオです。これは,シナリオ設定を間違えています。仮に,汚水処理原価が150円を下回ることになったら,例えば,企業債を返し終えて150円になったら,分流式下水道に要する経費はどうなりますか。分流式下水道にかかる経費は存在しないということになると思うんですが,いかがですか。 ○議長(長谷川達也君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 汚水処理原価が150円を下回った場合につきましては,国の繰り出し基準となる分流式下水道に要する経費は,議員が申されましたとおり,ございません。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 経営戦略に示されている内容は,経年により分流経費だけが減るという図式で,汚水処理原価が150円以下になれば,分流式下水道にかかる経費は存在しなくなる。たまたま今は170円ほどの汚水処理原価なので,シナリオにはまっているように見えますけれども,額が異なれば分流経費が消えてなくなる。この150円という金額は,150円を超える部分は,分流経費ということにして税金を投入してもいいという国がつくったルールであるだけで,そこには根拠はございません。シナリオが間違っているということは,はっきり申し上げます。 建設委員会では,使用単価を150円にまで引き上げる理由として,雨水公費・汚水私費の受益者負担の原則により,使用者の方から適切な使用料を負担していただくという答弁がございました。3月議会では,この財源についても御意見を申し上げました。分流経費への充当財源は,主に都市計画税が当たり,汚水処理本体の足らない経費への充当財源は一般財源が当たっているということ。汚水私費というのであれば,汚水処理本体部分には都市計画税を充てるのが妥当であろうということです。 都市計画税は目的税でございまして,限られた地域の方からしかいただいておりません。市街化区域内でも公共下水の未整備地域がありまして,その中のギャップを埋める手だては別に必要だと思いますけれども,目的税としていただいている都市計画税を充当財源にすれば,使用料をむやみに値上げしなくてもいい。充当財源についての考え方を伺います。 ○議長(長谷川達也君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) それでは,小項目2の3回目の御質問にお答えいたします。 公共下水道事業として持続可能な事業経営を目指すためには,使用料対象経費につきましては,受益者に御負担していただくものとし,一般会計からの基準外繰入金に依存しない事業運営を行うものと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (3)の2回目です。 他の処理方法との比較では,合併浄化槽との比較をお示しいただきました。私も合併浄化槽を使っています。イニシャルコストがこれにさらに乗りますので,公共下水道のほうが,こちらと比べると安いのだということがわかりました。 そして,答弁にはございませんでしたけれども,市内にある開発団地などが管理をしている集中浄化槽,私は独自の資料から求めて見ましたところ,こちらは1世帯平均で月2,200円程度。処理場の建設費を乗せても2,360円程度でございました。こちらは,値上げを実施した場合の公共下水道の2,650円より安い。 そして(4)の内容に移ります。 県内他市の使用料,20立米使用時の使用料は,名古屋が1,640円,県内平均1,912円ということでございまして,市が値上げをした場合,2,650円とのギャップ,かなりございます。閉会中の建設委員会では,1立米当たりの単価についても答弁がありまして,こちらは県平均122.51円ということでございました。 繰り返しになりますけれども,150円には根拠がございません。参考にするのであれば,今述べましたことを総合的に考慮して価格設定をしていくほうが道理があると思います。 それを踏まえまして,(5)の内容を述べたいと思います。 これまでの議論を受けとめて,値上げについては再考すべきだというふうに強く感じております。公共下水道は公共サービスです。かかる経費の不足する部分,下水道整備を地方に求めてきた国が責任を持つべきもの。基準内繰り入れという言葉は,国が責任を放棄するための口実で,要は,地方自治体が出せということです。この部分が解決されないままの現状においては,面整備の規模とテンポはどうしても制約を受けてくる。その負担を市民に求めることは違うということは,強く申し上げておきます。この点については以上でございます。 続いての質問事項,学校へ行けない子ども達への支援について。 (1)の2回目です。 短期的な学校復帰を前提としない柔軟な対応としているという御答弁でした。委員会のときの答弁は,学校復帰を前提としていることには変わりがないという御答弁でございましたので,ニュアンスが違うという印象を持ちましたが,ともかく,今の答弁の方向で進めていただければと思います。 ただ,利用人数が一貫して少ないという状況でございます。東部方面にもう1カ所,適応指導教室を設けることを検討しているという文章を点検評価から削除された理由についても,定員に対して利用が下回っているからということでございました。学校へ行けない子どもたちの多くが適応指導教室にはつながっていないというのが,厳然たる事実であります。この理由をどのようにお考えか,対策をどのようにお考えかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 適応指導教室の利用者は,本年度11月末時点での13人であり,東部地区在住者は4人となっていることから,適応指導教室の定員にはまだ余裕があり,東部地区出身者も在籍していることから,単純な適応指導教室の増設は効果が薄いと考えております。 また,本年度11月末時点での適応指導教室体験入級者数は14人,東部地区出身者4人,見学・相談者が46人,東部地区出身者14人であることから,相談・見学,体験入級が入級につながらない現状があります。相談・見学,体験入級をした者が入級に至らなかった原因を聞くと,発達障がいを抱えた児童生徒とその保護者が,静かに学習する様子を見て,落ち着きがない自分には適さないと判断していたケースもありました。このようなケースに対しては,運用方法の見直しといった教育的支援だけではなく,医療・福祉的視点からの支援も必要である中,今後は運用の仕方について検討していきたいと考えております。 一方,不登校が増加した最大の原因は,毎年不登校から復帰する者よりも新たに不登校となる者が多くなってきていることにあります。既存の適応指導教室が,不登校になってしまった児童生徒の支援という性格が強く,新たに不登校となる者への対応が不足していたと考えております。現在,教育委員会は,学校とともに,不登校の未然防止,早期対応の視点を持った新たな不登校対策を検討しております。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の内容に移ります。2回目です。 不登校のうち,何もフォローアップできていない子どもたちが大半であるということを鑑みれば,支援の選択肢をふやす必要があると感じております。不登校の原因はさまざまでございますので,問題解決のために選べる選択肢が多ければ多い方がいい。1カ所しかない適応指導教室では全く足りていないし,民間との連携もしたほうがいい。これらについてお考えをお尋ねします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 不登校の状況は多様なことから,個々の状況に応じるために多様な支援策が必要であると考えております。現在検討しております新たな不登校対策において,家庭引きこもりなどの重症化防止の視点,適切な時期に教育支援をつなぐ居場所としての視点など,支援の選択肢をふやす方向で進めております。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 選択肢をふやす方向で進めているということで,前向きに踏み込んだお答えでございました。評価をして,今後に期待したいと思います。 続いて,(3)の教育支援センターについても,新たに研究する必要があるという御回答でございましたので,こちらも積極的に受けとめていただいたと思っていますので,今後に期待したいと思います。 次の質問事項に移ります。 農業行政についてでございますけれども,(1)については面積の推移をお示しいただきました。 踏まえて,(2)の2回目です。 特定生産緑地は,10年ごとの指定の延長ができる制度となるなど,これまでの生産緑地とは異なる面もありますけれども,引き続き,農地保全の役割を発揮するであろうと思われます。この事業スキームについてもう少しお尋ねいたします。 特定生産緑地は,これまで生産緑地であったところしか指定できないのか,あるいは,新たな場所も指定できるのか,面積などの要件は緩和されるのかということと,その面積設定は市が独自にできるのかどうか。そして,特定生産緑地に指定できる期限について。そして,より多くの生産緑地を特定生産緑地に移行できるように,所有者への周知を図る必要性があります。その進め方についてお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 産業部長 石黒直樹君。 ◎産業部長(石黒直樹君) 小項目2について,2回目の御質問にお答えいたします。 初めに,特定生産緑地につきましては,これまで生産緑地であった農地以外は指定できません。 次に,面積要件につきましては,市で緩和することもできますが,当市においては,現状をベースに方針を検討しているところでございます。 また,特定生産緑地に指定できる期限につきましては,平成4年12月当初に生産緑地に指定された方は,30年が経過する令和4年12月が期限となります。 なお,今後生産緑地の所有者に制度の周知や意向調査などを行い,令和4年度から始まる特定生産緑地制度の運用に向け,円滑に事務を進めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 特定生産緑地の指定については,申し出の期限があり,それを過ぎると指定ができないということでございます。速やかに手続ができるように事務を進めていただくようにお願い申し上げます。 また,冒頭に申し上げましたとおり,都市農地貸借法によって生産緑地の貸し借りがスムーズにできるようになりました。この特定生産緑地についても同じでございます。少しでも多くの生産緑地を特定生産緑地にできるよう,所有者の方が自分で耕作ができなくても大丈夫だということをきちんと知らせていただくようにお願いを申し上げます。 もう一つ意見を申し上げたいのが,特定生産緑地の面積要件について。市町村が面積要件を緩和できるということ。春日井市がどうするかについては,現状をベースに方針を検討中ということでございますが,より多くの農地を保全していくという観点からすれば,緩和をすべきです。都市部においても農地が必要というのが国の考え方でありまして,聞けば,隣接する名古屋市も小牧市も,法の定める下限値であります300平米にする方針ということでございます。春日井市もこの面積要件の緩和を検討していただくように申し上げます。 そして,(3)についてでございますけれども,JAの管理する市民農園としての活用を提案し,既に20カ所で市民農園として利用されているということでございました。生産緑地も含まれているということでございます。農地をめぐる課題は多く,保全のためには,さらに積極的な取り組みを進める必要がございます。今後に期待を申し上げまして,質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) この際,暫時休憩いたします。                    午後3時11分 休憩-----------------------------------                    午後3時24分 再開 ○議長(長谷川達也君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。31番 宮地 隆君。     〔31番 宮地 隆君 登壇〕(拍手) ◆31番(宮地隆君) それでは,議長の許しを得ましたので,通告しました3つの事項について順に質問いたします。 まず,質問事項の1つ目は,都市緑化植物園の展示室に関わることについてであります。 この質問のきっかけは,市民からの情報提供でありまして,業務を改善すればいいのになかなか改善されていないというような内容でございまして,あれこれお尋ねをする次第であります。 小項目1の1回目ですけれども,緑の相談所内の展示室について。 都市緑化植物園利用案内を見ますと,第1研修室,第2研修室,展示室というふうに書かれています。現場に行ってみましたけれども,展示室というのがどの部分なのかと。きょろきょろ見ましたけれども,展示室という表示は見当たりませんでした。第1研修室と第2研修室というのは表示がありまして,これはわかりました。相談所の中は,私が行ったときはミニ盆栽の展示が行われていまして,これは楽しく見学できましたけれども,この展示が行われていたので,ここが展示室なのかと。ここは,普通展示室とは言わないだろうなと思いまして,ここがなぜ展示室なのかという疑問でありまして,まず,この点についての説明を求めます。 次に,小項目の2で,展示室の利用について。 この展示室について,ホームページを見ますとグリーンピア春日井展示会の御案内というのがありましたので,これだろうと思います。毎週の利用予定がありまして,日曜日は毎週利用されているようです。3日間とか4日間とか,ずっとスケジュールがいっぱいでございました。そこで,わかる範囲で,年間とか長い間の利用状況はどうなっているのか,この説明を求めます。 次に,小項目の3ですが,展示室の使用料です。 この展示室の使用料は,見ますと,入場料を徴収しない場合で,午前が3,600円,午後が4,800円,全日で7,500円となっております。そこで,これまで過去5年間,展示室の使用料収入は幾らぐらいになっているのか,この点についてお尋ねいたします。 次に,質問事項の2です。各種補助事業に代理受領制度を導入することについて。 この質問も,情報提供をいただきまして,話のポイントは,木造住宅の耐震改修がなかなか進まない。その理由の一つに,工事の費用が高いということがあるのだろうと。それならば,代理受領ができるようにすれば促進できるのではないかと,こういったお話がございまして,この方はいろいろ調べている方でございまして,こういった代理受領のやり方は,高知県が先駆けで,徐々に広がってきていると。こんなようなお話をいただきました。 代理受領制度と受領委任払い制度と,似たような制度でございますけれども,どこが違うかということでございますけれども,代理受領制度というのは,請求するのは市民本人で,事業者はその代理をする。似たような受領委任払いは,医療機関での受領委任払いとよく言われますけれども,それは,本人が事業者に受領を委任すると。そのようなところで,実質的には同じような形ですけれども,若干違うという制度でございまして,工事をやった場合に,後からいろいろな補助を受けるというのは,後から補助金を申請する場合は,一度全額自己資金で支払いをしなくてはならない。補助が差引されれば,自己負担だけで済めば,制度を利用しやすいだろうということであります。 ちなみに,11月から急発進抑制装置設置費補助事業が始まりましたが,この事業では代理受領が可能となっております。他の補助事業でできないのはなぜなのかということで,これは,総論としてこのことをお聞きしたいということでございまして,市の補助事業はたくさんあると思いますけれども,代理受領払いなど利用できる助成・補助制度について説明を求めます。 次に,小項目の2で,各種補助事業で代理受領を可能にすること。 これは,総論を聞いて,各論のほうで,各種実施したほうがいいと思いますけれども,特に,耐震改修補助事業では,金額が大きくて,自己資金がそれなりに必要としておりますので,今,県内他市で代理受領を実施している市があるのか,ふえてきているのか,この動向についてお尋ねしたいと思います。 次に,質問事項の3であります。戦争遺跡の保存・活用について。 私も,これまで何度か戦争遺跡の保存について質問してきております。議事録を探しますと,2002年の代表質問で,当時の鵜飼市長が答えられております。戦争遺跡の保存について,いろいろな調査の実態というものを知った上で判断する必要があるとか,戦争の記録というのは後世に受け継いでいかなくてはならないと,こう言われましたけれども,具体的には,御所見として承っておきたいというものでございました。 その後,2012年9月議会では,1996年に,当時の文化庁文化財保護部記念物課長通知というのがありまして,これは近代遺跡の調査の実施についてと。これが県の教育委員会文化財主管課長宛てに出ていると,こういうことを取り上げました。この対象は幕末・開国から第二次世界大戦の終結ごろまで。遺跡の分野の中には軍事の項目があって,軍事施設,空襲被災建物,遺構,残された構造物,戦跡などの戦争遺跡も近代遺跡の一部として保存していく対象となっている。こういった内容の話をしました。これが,ここへ来て大きな変化が起きたと思っております。 今回の質問は,11月10日の新聞記事で,名城大学の鷹来農場にあります名古屋陸軍造兵廠鷹来製造所,いわゆる鷹来工廠。ここにあります旧指令棟の保存が内定したと,このように書かれた新聞記事がございました。建物について,解体するのではなく,改修して使い続けるということでございます。私は以前に,この建物の会議室で,関係者の皆さんがお集まりになって建物の保存について話し合われました。そのときに参加させていただきました。当時,この会議の様子から,保存の期待を大きくして待っておりまして,なかなか実現しないなと思っていましたけれども,いよいよ期待した方向へ進むようなので,これはうれしく思っております。 そこで,名城大学農学部のこの建物について,このたび,所有者が保存の意向ということでございましたが,市としてどのように受けとめているのかお尋ねしたいと思います。これが小項目1。 次に,小項目の2は,国道155号線に架かる,鉄橋の保存でございます。 これも,あそこの旧指令棟の建物が保存されてますと関連してくるので,この鉄橋の周囲は,夏になりますと草ぼうぼうで,今は枯れ草の中にありますけれども,75年以上超えていると思いますので,放置されてきたと,いつまでもつのかと,もうそろそろ危険な状態ではないかと心配になります。この鉄橋についても,同様に,どう評価しているのかお尋ねしたいと思います。 現状では,耐用年数というのはどうなのかと,この辺の状況についてもお尋ねしたいと思います。 当面,周囲を手入れして,鉄橋のいわれを書いた看板などを立てて維持管理をすることについての考えをお尋ねしたいと思います。 次に,小項目の3です。戦争遺跡を活用して平和教育を進めること。 たまたま,この名城大学の保存の話の新聞記事を見まして,それで,ネット上で名城大学の経済・経営学会会報というのを読みました。ことしの7月末日付ですけれども,渋井さんという方が,「鷹来工廠と私たち」と題して,鷹来工廠に関していろいろ書かれており,戦争中には多くの学生たちが動員されて働いていた。今の学生たちに,学びは平和の中でこそ保証されるのだということを,70年以上の時を越えた両者のつながりの中から感じ取ることができるでしょうと,このように書かれておりました。13ページにわたって,いろいろな歴史,そして,建物の問題とか,それから,8月14日に,長崎に投下された原爆と同じ形,大きさ,重さ,いわゆる模擬原爆が鳥居松と鷹来工廠に投下された,このこともきちんと書かれておりました。 そこで,戦争遺跡を活用して,こういった流れとなってきておりますので,平和教育を進めることについてのお考えをお尋ねいたします。以上で,1回目の壇上からの質問といたします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,私から,質問事項1,都市緑化植物園の展示室に関わることについて,質問事項3,戦争遺跡の保存・活用についての2項目の御質問について順次お答えいたします。 初めに,質問事項1,小項目1の緑の相談所内の展示室について。 緑の相談所は,昭和59年当時の施設基本設計において,親しみやすい,入りやすい建物とのコンセプトのもと,ホールから研修室まで広がりを持たせ,必要に応じ一体として利用ができるよう,部屋を仕切ることなく,より多くの方に来場していただけるような開放型の施設とし,展示室もそのコンセプトを踏襲しております。展示室の表示はありませんが,場所につきましては,回廊に面し,外部扉と研修室と倉庫の3方向に囲まれたところであります。 次に,小項目2,展示室の利用について。 利用状況は,平成26年度から平成30年度までの5年間の平均では年間40件を超える利用状況であり,平成30年度においては,169日間,全利用日の約55%の利用状況にあります。また,展示内容としましては,バラ,カンアオイ,盆栽,サツキなどの植物の展示及び植物・植物園に関する写真並びに絵画などの展示を行っております。 次に,小項目3の展示室の使用料について。 平成26年度から平成30年度の過去5年間,使用料の徴収はありませんでした。 次に,質問事項3の小項目1,鷹来町にある名城大学農学部の建物等について。 名城大学農学部附属農場本館につきましては,平成14年度から平成16年度にかけて行われた愛知県近代化遺産総合調査で軍事施設として報告されており,建物を活用しながら保存するという登録有形文化財制度の対象となりえるものです。登録有形文化財は,所有者等の申請を受け国の登録原簿に登録するもので,所有者の意向が示されれば,県への申請手続を行ってまいります。 次に,小項目2,国道155号線に架かる,鉄橋の保存について。 戦争遺跡につきましては,遺跡の取り扱いに関する国のガイドラインが定まっていないため,現時点では,鉄橋を維持し,国の考え方が示されていないことから,今後の状況を注視してまいります。 小項目3,戦争遺跡を活用して平和教育を進めることについて。 市内小中学校においては,平和教育に特化したカリキュラムを行ってはおりませんが,社会科の時間等に戦争について学ぶ機会があるため,御質問の戦争遺跡は活用しておりませんが,本やインターネットを使って戦争について調べたりするなど,平和についての理解を深めております。今後も,平和な社会の実現に向けて教えていきたいと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 財政部長 加藤俊宏君。
    ◎財政部長(加藤俊宏君) それでは,私からは,大項目2,各種補助事業に代理受領制度を導入することについての小項目1の代理受領が可能な市の補助事業についての御質問にお答えいたします。 現在代理受領を可能としている補助金は,任意予防接種費用補助金,配食サービス利用助成金や本年11月から施行いたしました,質問議員が言われました急発進抑制装置設置費補助金,特定子ども・子育て支援における副食費補助金など,一般会計では7件となっております。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 私からは,小項目2,各種補助事業で代理受領を可能にすることについての御質問にお答えいたします。 耐震事業の補助制度における代理受領制度の県内他市の導入状況につきましては,平成31年4月の時点で,名古屋市を初め9市が導入をしております。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) それぞれお答えをいただきましたので,ここからは一問一答で進めます。 まず,1の小項目1の2回目で,緑の相談所内の展示室について。 もう一つ,関連すると思いますので,都市緑化植物園の中には,花と緑の休憩所というのがあります。この中にエレベーターが設置されておりますけれども,これを2階に上がって出たところに,いわゆるエレベーターホールというのではないかと私は思いますけれども,空間があって,そこには展示室の表示がやってあるんです。こちらのほうも,私は表示はしてあるけれども,展示室とは言えない空間だと思います。今度は,ここがなぜ展示室となっているのか。これは料金表には書かれていないものだから,何なのかなということで,説明を求めます。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 質問事項1,小項目(1)の2回目の御質問にお答えいたします。 展示室の表示のある空間は,開設当初は花や木などを飾る展示の用途で使われていたようでしたが,現在では,ちょうど緑と花の休憩所の1階を見おろせる位置にあることから,机や椅子などを置き,訪れる市民の皆さんにくつろいでいただけるように活用している状況でございます。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 3回目です。 これを2つ合わせますと,私の想像では,建設当初に,展示室というよりも,展示コーナーというようなところを展示室としてしまったのではないかとしか思えないんです。単なるコーナーの形態であるので,そもそも部屋でないから,名称を変えたほうがいいと思いますけれども,どうでしょうか。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 3回目の御質問にお答えいたします。 相談所内の展示室については,さきに答弁しておりますとおり,展示内容が,緑や花などの植物に関した展示を年間通じて行っております。また,形態につきましては,施設のコンセプトとして,誰でも気軽にお入りいただけるようにしており,さらに,展示用の移動スポットライトを装備し,展示形態に合わせることのできるパーテーション,移動式の壁なんですけれども,備え,機能的な表示が行えるようにしております。こうしたことから,現時点においては展示室としておりますが,他の類似施設の名称と比較する中で考えてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) それでは,小項目2の2回目です。 展示室の利用についてですけれども,こちらの面から見ますと,ホームページに「グリーンピア春日井展示会のご案内」というのがありまして,この中に表がありまして,「表中の展示会は市の展示会事業として実施します」というふうに記載があるんです。この意味が何なのかと。そのまま読みますと,展示室の利用が全て市の事業として行われているように思えるんですけれども,こういった扱いはどういうふうにいつからしているのかと,この説明をお願いします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 都市緑化植物園の施設をPRすることを目的に,展示室を活用いたしまして植物に関する展示をする団体を募り,花や木などの植物の展示並びに植物園に関する写真や絵画などを展示することを実施しております。これは,平成20年度ごろより,展示室の利用率を上げ,植物園の魅力を発信するために行っておるものでございます。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 3回目であります。 利用率を上げるためということなんですけれども,いま一つ理解がしづらいというこの扱いについて,どういった,いろいろあるでしょうけれども,具体的に,このような扱いにしている理由をもう少し詳しく説明をお願いしたいと思います。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 先ほども答弁をしておりますけれども,植物園の魅力を発信する手だてとして,植物に関する展示を行う団体さんの中で,さきに申し上げました,花や木などの植物の展示並びに植物園に関する写真や絵画などを展示することにより,活用を図りたいということでございます。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 小項目3の2回目であります。展示室の使用料。 これまで5年間,使用料の収入はないということでありまして,これをとやかく言うつもりはございません。本庁舎の市民サロンとか,高蔵寺駅のアスティ高蔵寺というのは,使用料無料ということでございます。この緑の相談所内の展示室も,実質的に無料にしていると。料金設定はしているけれども,よく使われているけれども,使用料収入はないと,こういったことでございます。 やり方は,今いろいろ説明がございました。使用料を徴収していないということからすると,これは展示室としては廃止すると。そうなれば,料金設定もなくなると思う。扱いはこれまでどおり行えばいいので,わざわざ,いろいろ無駄な事務処理もなくなる,すっきりすると。ですから,何もああだこうだ言うつもりはありませんけれども,無料にして,展示室というふうにすると,いろいろ料金設定が出てくるんだとしたら,これもやめればいいというふうに,すっきりとすれば,利用される方もこれまでどおりできるし,丸くおさまると思いますけれども,このあたりはどうでしょうか。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 相談所内の展示室は,植物園の設置趣旨であります都市緑化を進めることを目指して,市民の方に御利用いただいているものでございます。そういった趣旨のもと,主催事業や多くの方々に見ていただけるような展示につきましては,実質無料として利用いただけるようにしておりますが,その他の利用についても利用していただけるよう,施設利用の手続を行っているところでございます。 しかしながら,昨今,展示室の利用をされる方は,花や木などの植物の展示並びに植物園に関する写真や絵画などを多くの方々に見ていただく展示をされる方々の利用であり,今後の利用動向並びに他の展示室の設備面など,さまざまな観点から検証していく中,市民の皆さんにとってより魅力ある植物園の運営をしていく視点に立って,植物園相談所内の展示室使用料のあり方について検討する時期にあると考えております。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) いろいろお聞きをいたしまして,実態がおわかりいただけたかと思いますけれども,先ほども言いましたように,実態を変えよというわけではございませんので,これは,ぜひそういった,全て,わざわざみなしをしなくてもいいようにやって,設定を解除すれば問題が済むと思いますので,こういったことをぜひ速やかに改正されることを期待して,これは終わります。 次に,代理受領制度に関する質問で,小項目1の2回目であります。 今お答えをいただきましたけれども,補助の制度はたくさんありますけれども,代理受領等が可能なケースは多くありませんでした。これは,全体として,代理受領などのできるできないとするのは,どういったような考え方でこのようなことが決められているのか,考え方についての質問をいたします。 ○議長(長谷川達也君) 財政部長 加藤俊宏君。 ◎財政部長(加藤俊宏君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 各補助金における代理受領制度の導入につきましては,利用者の申請手続に係る負担軽減や市の受け付けや支払い事務の効率化などの観点から,各補助金を所管する課において導入の是非を決定しております。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 今お答えをいただきまして,代理受領については,各所管するところでそれぞれ決めているということでございまして,まとめてやるというようなことではない,それぞれだということなんですが,市民にとっては,支払いが実際の負担分になれば,それなりに楽になるわけでありまして,今後,事務処理もペーパーレス化で変わっていくでしょうし,支払い方法もキャッシュレスで変わっていくのではないかなと。急速に変わっていくということでございますので,制度も,利便性の向上を図っていけると考えます。 それで,全体として導入する考えについてお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 財政部長 加藤俊宏君。 ◎財政部長(加藤俊宏君) それでは,小項目1の3回目の御質問にお答えいたします。 代理受領制度の導入をさらに進めていくべきではないかとの御質問と思いますけれども,2回目の御質問で代理受領制度の導入の考え方についてお答えさせていただきました。今後につきましても,同様の考え方のもと,代理受領制度の導入につきましては,利用者の方々の負担軽減や事務手続の合理化などの観点から,引き続き,それぞれの補助金を所管する課において導入の是非を検討してまいります。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) それでは,小項目2の2回目であります。 先ほども,各種ということの中で,特に,耐震事業の補助制度についてお聞きをしております。耐震事業の補助制度におきまして,代理受領制度は,県内で既にあちこちで導入されている。代理の払いが可能でありますと,ハードルがすごく低くなって,実施件数がそれなりにふえると思います。なかなか今,耐震診断はしても,これまでも改修事業をやられる方がそれほど多くないという状況だと思います。今,地震への備えということは,いつ地震が起きるかは,いろいろ地震が起きる説がありますけれども,しかし,備えは早いにこしたことはございませんので,木造住宅耐震改修費補助事業に代理受領制度を導入するということについての考えをお尋ねしたいと思います。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) それでは,小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 代理受領制度は,申請者と契約した会社などに市が補助金を直接支払うことで,申請者は補助金を差し引いた分を契約した会社などに支払うこととなるため,金銭的な負担軽減につながり,補助事業に踏み切りやすくなると見込まれます。 このため,先ほどもお話がございましたけれども,本年11月から補助制度を開始した自動車のアクセルとブレーキの踏み間違いなどによる急発進を抑制する装置の設置費補助について,代理受領制度を導入し,多くの申請をいただいております。耐震事業の補助制度における代理受領制度につきましては,急発進抑制装置の設置費補助の申請状況からも必要であると考え,導入に向けて検討を進めているところでございます。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 今,導入に向けて検討を進めているという答弁でございましたので,これは早急な実現を期待したいと思います。 それがあったからということではございませんけれども,浄化槽の工事費も高額ですし,ブロック塀撤去費の補助事業と,こういったところもそれなりの高額な工事になりますので,こちらについても導入をされることを期待して,この質問は終わります。 ここからは,戦争遺跡の保存・活用についての2回目になります。 まず,小項目1の2回目,名城大学農学部の建物のことについて。 この中は,いろいろな時期によって写真などが残されておりますので,その後どうなっているかわかりませんけれども,旧指令棟だけでなく,ほかの建物等も残っているのではないかと考えられております。県が調査をして,基準に該当していたと。今般,所有者のほうで保存の方向が出されたと。そこで,市としては,この建物についてどのように評価をされているのか。 そうなりますと,周辺の調査も今後していくべきではないかと思います。以前も,この周辺のところは,地下にトラックなどが走れるような地下道があるというようなことも言われておりますので,いろいろ周辺の調査もやっていく必要があるのかと思いますけれども,どのように評価されるのかお尋ねいたします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 2回目の質問事項として,小項目1,市としての建物の評価につきましては,評価の基準となる国のガイドラインが示されないため,国の状況を注視しながら判断したいと考えております。 また,周辺調査につきましては,市としては,現時点で調査の意向はありません。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 長い時間がかかっておりますけれども,変化の動きが見えてきておりますので,これは,工事が2021年1月から改修工事をやられるというふうに新聞記事に書いてあります。これが具体的に進捗していけば,どのように活用されるのか,いろいろ所有者の方の活用のことも具体的になってくると思いますので,ぜひ,それに対応して,市としても,先ほど言ったように,周辺の調査などをやっていただきたいというふうに,これは引き続き求めていきたいと思っております。これは終わります。 次に,小項目2の2回目,国道155号線に架かる鉄橋の保存。 鉄橋を維持していくということになりますと,これは,既に,ときどきに点検されているかどうかは,私はわかりませんので,速やかに点検して,危険がないようにしていく必要があると思いますけれども,これはそのようにやられるということで理解してよろしいでしょうか。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目2の2回目の御質問です。 鉄橋は,さきに答弁しているとおり,維持しておりますので,現状を確認した上で,必要な安全対策を講じてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) この鉄橋の横は頻繁に通っておりますので,そのたびに心配しておりましたけれども,このように対策を講じていただけるということで,これはこれで,とりあえずは安心しておりますので,これについても,この先の対応を期待して,これで終わりたいと思います。 最後,小項目3,戦争遺跡を活用して平和教育を進めることの2回目であります。 先ほどは大学の先生の話を引用しましたけれども,教育基本法には,第1条で,教育は,人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならないというふうに書いてあります。平和ということで,先ほどの揚げ足を取るわけではございませんが,本やインターネットで得た知識で済ませるのではなくて,試験の点数を取るだけの知識ではなくて,市の成り立ちの重要な部分から,実際に見て,想像をめぐらせて,自分の頭で考えることが大切であると思います。 土地区画整理事業が進んだ春日井市ですけれども,まちの中に春日井市がスタートした当時の名残があちこちに見られます。午前中もたたらの製鉄のお話もございましたが,地域の歴史をしっかり学ぶことで,市への愛着も湧くと思います。 例えば,味美のほうでは,防衛道路と言われる道路があります。これは,今の守山の自衛隊の第10師団と小牧の基地をつなぐ道路の一部です。これが残っている。名鉄の春日井駅から北のところには,名鉄電車の小牧線から小牧基地への引き込み線の跡がある。私の住んでいる鷹来では幾つかありますけれども,もっと古くなりますと,春日井郡の田楽村絵図面に天保10年と書いてありますけれども,古い道がございまして,これは,私が毎日通っている道であります。伊多波刀神社も1552年に再建されたと書かれております。鷹来工廠から名鉄電車を走らせる予定だったという土地が,今では新しい道路になっております。このように,まだいろいろなところがございます。あと,東部中学校の横は,JR春日井駅から鷹来工廠への線路の名残が見られます。高蔵寺弾薬庫もしかり。歴史的意義を持つものであろうと思います。市の歴史としての側面から学習をやるべきだと考えますけれども,お考えをお尋ねします。 ○議長(長谷川達也君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 学校では,中学校の社会科の授業において,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させ,国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気づかせるようにしております。特に,中学校3年生の歴史の教科書には,「二度の世界大戦と日本」の単元で,身近で近くに残る史跡から地域の歴史を調べる例が「原爆ドームの保存と平和への願い」としてまとめられており,さらに,自主的な学習として,近くの史跡を訪れ,地域の歴史を調べることなどを促す教育を進めております。 ○議長(長谷川達也君) 31番 宮地 隆君。 ◆31番(宮地隆君) 3回目であります。 1945年当時ですと,市内に広大な軍事施設があちこちにあって,鉄道線路もあちこちに引かれていた。この土地は,以前から空き地があったわけではなくて,所有者がいた。地域では,憲兵に取り囲まれて,文句など言えない状況で,安い値段で売買契約書に無理やり判こを押された。こういった話を聞いております。これが歴史なんです。庶民の歴史を自主的に学ぶことができる力をつけるように教育を進めていただきたいと思います。これで終わります。 ○議長(長谷川達也君) 7番 石田裕信君。     〔7番 石田裕信君 登壇〕(拍手) ◆7番(石田裕信君) 議長の許しを得ましたので,通告に従い質問をいたします。 まずは,大項目の1,認知症の方が加入できる損害を補償する保険への補助について質問をしていきます。 8月,春日井市内で認知症の方が線路内に入り,電車と接触しそうになる事故がありました。本人は転倒して骨折をしましたが,命に別状はありませんでした。しかし,電車が停止したことから,後日鉄道会社から賠償の請求があったというお話をお聞きしました。 本来,認知症の方が事故を起こしてしまっても,損害賠償責任を負わないことが一般的となっています。しかし,家族が監督義務者として賠償責任を負うことがあります。電車の運転手が電車をとめたことの判断に間違いはありません。しかし,認知症の方を抱える御家族の方にとって,これは他人事と済まされないことです。 ここで,小項目の1についてお聞きしていきます。 市内でも線路近くに幾つか危険な箇所があります。そこから認知症の方が入り込んでしまうなど,事故が発生する可能性があります。認知症の方と電車との事故に関しての市の見解をお伺いします。 この認知症の方と電車の事故の事例を調べていきますと,2007年,愛知県大府市で認知症の方が線路内に入ってしまうことがありました。そこでは,認知症の男性が電車事故を起こされ,亡くなられました。しかし,その死を悼む中で,鉄道会社から損害賠償が家族に要求され,払えないのならばと裁判を起こされました。一審では全額賠償を命じられながらも,御遺族の方は,一瞬のすきもなく監視するなら施錠,監禁しかない。日々介護に奮闘している人たちがたくさんいるのに,こんな判決が出たらとんでもないと控訴をしました。二審では再度賠償命令が出されたものの,家族に監督義務はなかったとなり,そして,2017年に,最高裁は,家族の賠償義務を否定し,鉄道会社の訴えを棄却しました。 この事故の後,家族が監督義務などの理由で損害賠償を請求されたことを考え,認知症の方が加害者になった場合の損害を補償する民間保険が多く誕生しました。そこで注目を浴びたのが,個人賠償責任保険です。他人にけがをさせたり,物を壊すなどしたりして,法的な賠償責任を負った場合などに補償される保険です。 そんな中で,神奈川県大和市,愛知県大府市では,個人賠償責任保険への補助をする制度を導入し,神戸市では,市民に認知症の方に対する理解を求め,認知症診断助成や事故救済を行う神戸モデルをつくりました。 ここで,小項目2の質問です。 認知症の方が加入できる保険への補助を行う自治体が出てきています。県内自治体の現状を教えてください。 次に,大項目の2です。 最近は,スマートフォンに入れられるアプリが日に日に生み出されています。その中では便利なものもあります。今回は,その中から,母子健康手帳の機能のついたアプリについて質問をしていきます。 母子手帳は,妊娠時,市町村から配布され,妊娠期からのお母さんと胎児の状況,そして,出産時の状況,子どもの成長・健康の状況などを記録する冊子です。医療機関などに記録した手帳を提示することで,個人の健康状況に基づいた継続ケアを受診することができます。最近では,その母子手帳の機能のついたスマートフォンのアプリがふえてきています。実際にスマートフォンで母子手帳と検索をしますと,多くのアプリが出てきます。それぞれ,基本的な母子手帳の機能があり,身長・体重の数値を入れれば,視覚的にわかりやすいグラフ表示にしてくれるものや,複数の子どもの情報を1つのアプリで管理できたり,英語,中国語,ポルトガル語のような多国語に対応できるものもありました。 そして,この登録をした際に,IDとパスワードさえ入れれば,同じデータを家族で共有できるようになっているものもあります。夫婦や家族で子どもの情報を共有できるようになれば,育児にも参加しやすくなると思います。また,突然の急病時に病院で診察を受けようとしたときに,子どもの出生時の身長・体重を聞かれても,アプリに登録をしていれば,母親でも父親でも,すぐに答えることができます。 先日,新聞でこの母子手帳アプリと自治体が連携することで,予防接種の情報や地域の子育てに役立つ情報を配信することができるようになっていると紹介をされていました。その記事の中では,母子手帳だけだったときには,日々忙しく,予防接種を受けるのを忘れてしまった。でも,アプリがあれば画面で知らせてくれると,実際に利用されている方の声が載せられており,予防接種に関し,アプリの制作者は,子どもは,12歳までに受ける予防接種の回数は,任意などを含めれば30回近い。予防接種の制度はころころ変わるが,アプリなら常に情報が更新され,受け間違いや受け忘れを防げると言っています。 自治体によって連携するアプリに違いがあり,あるアプリでは,自治体の通知が受けられる以外にも,地域の産科医療機関とも連携して,妊婦健診の診断から胎児のエコー検査時の画像,そして,医師のアドバイスまでアプリで確認ができるようになっています。そして,もし災害等で母子手帳やスマートフォンを紛失した場合でも,アプリに入力をしていれば,サーバー上にデータが保存されており,いつでも復元が可能となっています。これは非常に便利なものだと思います。しかし,アプリと自治体が連携をしていなければ,予防接種通知やイベントのような地域の情報を得ることができません。 ここでお聞きいたします。自治体により連携する母子手帳アプリの違いはありますが,導入する自治体が出てきています。春日井市もこの母子手帳のアプリの導入を検討してはどうでしょうか。以上で壇上からの質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 私からは,大項目1,認知症の方が加入できる保険への補助についての御質問にお答えいたします。 初めに,小項目1の線路近くの危険箇所についての御質問の,認知症の方の鉄道事故の危険性についての見解ということでございますが,認知症の方は,判断能力や危険を察知する能力が低下するため,巻き込まれた鉄道事故の多くは,踏切などで警報機が鳴っていても遮断機をくぐり抜けたり,わずかなすき間から線路内に立ち入って立ち往生してしまうなど,防止策などの対応が非常に難しいものであり,こうした方をどのように見守り,支援していくかは,認知症対策の重要な課題の一つであると認識をしております。 次に,小項目2の保険への補助制度についての御質問の県内自治体の賠償保険に対する取り組み状況についてでございますが,現在,大府市,豊田市を初め,9市におきまして,認知症高齢者等への個人賠償責任保険事業が導入されており,誤って線路に立ち入り鉄道会社に遅延損害を与えた場合や,日常生活で他人の財物を損壊した場合など,認知症の方や家族が個人賠償責任を負ったときに補償される仕組みが実施をされております。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 私からは,大項目2,母子手帳アプリについての御質問にお答えいたします。 母子健康手帳の内容を含むアプリケーションにつきましては,誰でも入手できる無料のアプリケーションが複数あることに加え,アプリケーションを導入することにより可能となる情報発信の内容につきましても,本市では,乳幼児の集団健診や定期予防接種について個別に案内しているほか,イベント情報についても,子育て情報発信サイト「ハッピーマムズ」や,市が提供しておりますアプリケーション「春ポケ」で配信しており,多くの方に利用いただいているところです。現時点においては導入する考えはございませんが,今後,より利便性の高い情報発信のあり方を検討する中で,参考とさせていただきます。 ○議長(長谷川達也君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) それぞれお答えいただきました。 大項目1の小項目1の2回目です。 高齢化が進んでいけば,認知症の方もふえていくものと思います。事故を未然に防ぐためにも,課題への取り組みを強めていただければと思います。小項目1はこれで終わります。 次に,大項目1の小項目2の2回目です。 制度を導入する自治体が県内でもふえてきているのは,大府市の最高裁判決の影響もあり,認知症への理解が進んでいるものと思います。導入する自治体では,市に登録された方へ約2,000円ほどの個人賠償の保険を全額負担するなどとしています。保険に入ることにより介護の負担が減るわけではないですが,人様に迷惑をかけてしまったらどうしようという家族の心の負担軽減や,万が一の事故などが起こってしまったときの安心にもつながります。春日井市におきましても,この認知症の方が加入できる保険への補助制度をつくってはどうでしょうか。見解をお聞きいたします。 次に,大項目2の母子手帳アプリの2回目です。意見だけ述べていきます。 総務省のスマートフォンの個人保有率を見ますと,全体では約60%となっています。しかし,実際に子育てする世帯となると,平均で約90%の普及率となっています。私も,スマートフォンが出た当初はどれほど普及するものなんだろうかと思っていましたが,年々さまざまな機能がふえ便利になり,今では生活に欠かせないものとなっています。 各家庭それぞれですが,出産後,子育ての悩みや不安が高まり,精神的にも不安定なときや,育休が明け,仕事の忙しさから子育てにかかわる手紙や資料を読む暇もないこともあるそうです。そんなときに,ふとスマートフォンを見たら通知があり,そこに子どもの成育時期に合わせた子育ての情報や子どもの予防接種タイミングの通知があれば,育児の助けになるものと思います。ぜひ,アプリの導入を検討していただければと思います。大項目2は以上です。 ○議長(長谷川達也君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 大項目1,小項目2の2回目の質問にお答えいたします。 本市では,認知症の方が住みなれた地域で安心して暮らし続けられる対策として,認知症サポーター養成講座や地域での捜索模擬訓練など,理解の啓発に努めるとともに,今年度から,見守り支援事業として,GPS端末への助成やスマートフォンアプリを活用した捜索支援システムなどを導入しているところでございます。 認知症の方が加入できる保険への補助制度の導入につきましては,対象となる認知症高齢者の定義や事故の範囲,民間保険の種類など,多くの課題もございますので,先進自治体の事例を参考にしながら,必要な調査,研究を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) 大項目1,小項目2の3回目です。意見だけ述べます。 認知症の方への保険補助制度の取り組みは,導入する自治体がふえてくるものと思います。家族が絶えず一緒にいて,24時間見守り続けるのは不可能です。認知症の方が加入できる保険への補助制度を検討していただければと思います。以上で質問を終わります。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。     〔14番 原田祐治君 登壇〕(拍手) ◆14番(原田祐治君) 議長の許しを得ましたので,さきに通告してあります4件について一般質問を行います。 まず,大項目1つ目の名古屋空港周辺の騒音対策についてです。 名古屋空港周辺の民家防音の範囲は,2005年に県営化された際に見直され,その範囲は狭くなりました。しかし,範囲の外に住んでいる方からも,騒音がひどい,範囲に入らないのは納得できないという声をお聞きします。実態に合わせ範囲を見直すことが必要です。 民家防音の範囲は愛知県が定めていますが,この範囲はどのような基準によって決められているか,まず,1回目にお聞きします。 飛行場周辺の用途地域は,準工業地域,第一種住居地域,近隣商業地域があり,それぞれ騒音の環境基準は異なります。範囲を決めるに当たって,用途地域ごとの騒音基準は考慮されたものになっているのかどうかについてもお聞きします。ここまでが(1)です。 民家防音の対象となる建物は,県が定めた民家防音の範囲内にあって,1982年3月30日までに建てられた住宅に限られています。これ以後に建てられた住宅や店舗などの事業所は対象となっていません。花長町の自営業の方からは,お店は防音になっていない。飛行機の音がうるさく仕事の電話も中断しなければならないといった声をお聞きしています。また,西本町の民家防音の範囲内にお住まいの方からも,住んでいる家は1982年までに建てられたが,防音になっている部屋となっていない部屋がある。防音になっていない部屋は,飛行機が通ると地震が来たようにサッシが振動するという声もお聞きします。民家防音の対象を広げることが必要です。 1回目に,民家防音の対象となる建物についての詳細についてお聞きします。 1982年までに建てられた住宅であっても,建て増しした場合は対象となるのかどうか,また,1982年以後に建てかえした場合について,店舗と住居が同じ建物の場合はどのような取り扱いになるのか,空調機の機能回復工事の対象となる住宅について,それぞれお聞きします。これが(2)です。 続きまして,大項目2つ目の被災者への支援について。 近年,地震,台風,大雨など,大規模な自然災害が毎年のように発生し,家屋の倒壊,河川の決壊や土砂災害など,各地で甚大な被害が出ています。自然災害で住宅が損傷した際,損傷の度合いに応じて被災者の生活再建を支援するのが被災者生活再建支援制度です。しかし,この対象となるのは,4段階の被害認定区分のうち全壊と大規模半壊のみで,半壊・一部損壊は支給対象となっていません。半壊と一部損壊の住宅に対しては,災害救助法による応急修理の費用が支給されます。 支給対象となる工事内容は,屋根や壁の修理など,日常生活に必要不可欠な最低限の修理費用のみ。浸水被害の場合,1メートル未満の床上浸水は半壊,床下浸水は一部損壊となります。浸水した住宅の修理には,泥のかき出し,床下の乾燥,かびやシロアリを防ぐための消毒などが必要となり,多額の費用がかかります。しかし,これらの工事は応急修理の対象にはなっていません。 また,金額が少な過ぎるということも言われています。応急修理支援の支給額の上限は,半壊で59万5,000円,一部損壊で30万円。全国知事会の検証報告によると,被害額の平均は,半壊で約1,000万円,一部損壊で約300万円ほどで,支給額との間に大きな開きがあります。実際に,この間の災害では,屋根が少しだけ損傷し,一部損壊の判定を受けた。しかし,損傷した場所から雨漏りがして,家の中が水浸しになってしまった。修理に100万円以上かかったということも現地の方からお聞きしています。 国の支援対象とならない工事への支援や国の支援に上乗せして支給するなど,自治体が独自に支援することが必要だと考えます。この間の災害では,独自の支援制度を設ける自治体も多くあります。2016年の熊本地震の際には,当時は応急修理の支給対象になっていなかった一部損壊の住宅に対し,宇城市,玉名市など6つの市町村が復旧工事の費用を独自に支援しました。ことしの台風19号の被害に対しても独自支援が行われています。岩手県宮古市では,応急修理の費用について国の制度に上乗せして支給。栃木県佐野市,栃木市では,浸水被害に対して床下の消毒にかかった費用を補助。 春日井市として独自に上乗せして支給する必要があると考えますが,市の考えについてお聞きします。 続きまして,大項目3つ目の保育行政についてです。 春日井市では,4月1日時点では待機児童はゼロとなっていますが,年度の途中には待機児童が出てきています。私も,知人から,年度途中の入園を申し込んだが入れなかったとお聞きしたことがあります。年間を通して待機児童をゼロにすることが必要です。 まず,1回目に,春日井市の年度途中の待機児童について,2016年度以後の人数の推移についてお聞きします。これが(1)です。 続きまして,(2)の育休退園についてです。 今回は,育休退園の廃止を求めるのではなく,その現状について述べ,人数などをお聞きしたいと思います。 春日井市では,第2子以降の子どもを産み,育児休暇を取得すると,保育園に入っている3歳未満の上の子は保育園を退園することになる育休退園が行われています。保護者の方にとっては,育児休暇が終わり職場に復帰する際には,2人分の保育園探しをしなければいけない。年度途中には待機児童も発生しているので,育休明けのタイミングによっては,思うように保育園に入れない可能性があります。いつまでも悠長に復帰を待ってくれる職場ばかりではなく,保育園に入れなければ失業にもつながります。このことから,第2子をもうけるのに育休退園とならなくなるまで上の子が成長するのを待つという家庭も多くある。つまり,子どもをもうけるタイミングが行政施策によって影響されているということ。 そして,子どもにとっても大きな影響があります。現場の保育士の方にお話をお聞きしますと,毎日保育園に行って友達と楽しく遊ぶという生活習慣が身についてきたところで,育休退園によって突然保育園に行けなくなってしまい,環境が大きく変わってしまう。この状況の変化を理解できず混乱してしまうとのこと。 まず,1回目に,春日井市の育休退園の人数について,2016年度以後の推移についてお聞きします。ここまでが(2)の質問です。 保育需要は年度途中にも発生しています。その中でも,とりわけ,ゼロ歳児については,年度が始まった後に生まれ,その年度内に保育園に入るので,年度初めの時点では園児の数も少なく,徐々にふえていくということになります。このため,年度の初めには必要となる保育士の数は少ないのですが,園児の数がふえるのに伴い,必要な保育士の数もふえていくということになります。ある保育園からは,園児がふえるのに合わせてタイミングよく保育士を採用できるとは限らない。年度途中で園児がふえることを見越して,あらかじめ定員分の保育士を確保しておきたいけれど,私立保育園への委託費は園児の数に応じての支給となるため,それもできず,園の運営が安定しないとお聞きしました。私立保育園の安定的な運営のためには,定員分の保育士を配置した場合,定員分の委託費を払う制度へと改める必要があります。 まず,1回目に,私立保育園の入所の状況について,年度初めと年度の終わりの人数をそれぞれお聞きします。これが(3)です。 続きまして,大項目4つ目の生活道路の安全対策についてです。 自宅前の道路を猛スピードで走る自動車が多く危ない。速度規制がされていないので,法律上は60キロまで出しても違反とならず,取り締まることもできない。速度の規制をかけることができないかというお話をお聞きしました。また,別の方からは,通学路になっており,住民もごみ出しなどで通行する生活道路が抜け道になっている。通行する車両が減速するような安全対策はできないかということもお聞きしました。 歩行者,自転車乗車中の死亡事故のうち,約半数は自宅から500メートル以内の場所で起きています。自動車と人との接触事故では,自動車の速度が時速30キロを超えると死亡率が急上昇しています。これらのことから,生活道路の安全性を確保するには,ここを通行する自動車の速度を時速30キロ以下に抑制することが必要で,速度を抑制するための積極的な取り組みが求められます。道路の速度規制は警察が行いますが,春日井市としても,警察への働きかけのほか,道路管理者としての安全対策が求められます。 まず,1回目に,生活道路の自動車の速度を抑制してほしいという要望は年間何件ぐらいあって,どのように対応しているのかお聞きします。これが(1)です。 生活道路については,定められた区域内全ての道路の速度制限を時速30キロとするゾーン30というものがあり,春日井市内には7箇所で設定されています。このゾーン30は,2016年度までに全国3,105カ所に整備され,ここでの事故件数が23.8%減少したという効果が出ています。生活道路の自動車の速度抑制のためには,このゾーン30を積極的に広げていくことが必要です。ゾーン30に指定すべき箇所を警察に対し積極的に要望していく必要があると考えます。春日井市の考えをお聞きします。これが(2)です。以上,壇上からの1回目の質問とします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 私からは,質問事項1,名古屋空港周辺の騒音対策について,2点の御質問にお答えいたします。 初めに,小項目1,民家防音事業の対象となる区域の設定については,愛知県が時間帯ごとの離発着回数と航空機ごとの騒音レベルから,航空機による騒音の評価指標であるWECPNLの値が75以上,現在指標では,Ldenの値62以上となる地域を予測計算し,設定したものです。なお,用途地域については考慮されていないと聞いています。 次に,小項目2についてでございますが,県は,平成17年の名古屋空港の県営化に当たり,国の民家防音事業の規定を準用し補助事業を実施しており,空港周辺の3市1町は,この県の補助制度に基づき民家防音事業を行っています。民家防音工事の対象となる住宅につきましては,国の民家防音事業では,空港周辺における航空機の騒音により生じる障害を防止するために,昭和57年3月30日付の運輸省告示により騒音対策区域が設定され,告示の日までに区域に所在した住宅を対象としています。告示日以降に新築・建てかえされた住宅については対象となりませんが,店舗併用住宅の住宅部分及び告示日以降に増築された住宅の既存部分については対象とされています。 空調機の機能回復工事の対象となる住宅につきましては,既に民家防音工事が実施された住宅で,10年以上が経過しているものが対象とされています。なお,条件にもよりますが,改築,建てかえ,増築された住宅についても対象とされています。 ○議長(長谷川達也君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 私からは,大項目2,被災者への支援についての小項目1,春日井市独自の支援制度についての御質問にお答えいたします。 一部損壊に対する市独自の支援につきましては,過去の災害においても独自の支援を行っている自治体があることは承知をしております。災害が発生していない状況の中で,対象範囲の設定やその件数,損害総額の想定を行うことは困難なことから,事前の制度創設は考えておりませんが,災害が発生した場合におきましては,状況に応じた対応を検討する中で,できる限りの支援を行ってまいります。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 私からは,大項目3,保育行政についての3点の御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,年度途中の待機児童についての御質問について,各年度の10月1日現在の待機児童数につきましては,平成28年度は81人,平成29年度は73人,平成30年度は45人,令和元年度は34人でございます。 次に,小項目2,育休退園についての御質問について,保護者の育児休業に伴うゼロ歳から2歳児クラスの子どもの退園人数につきましては,平成28年度は102人,平成29年度は97人,平成30年度は102人,令和元年度の上半期は62人となっております。 次に,小項目3,私立保育園への委託費についての御質問について,私立保育園等の平成30年4月1日現在の入園者数は1,814人,平成31年3月1日現在の入園者数は1,871人となっております。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) 私からは,質問事項4の生活道路の安全対策についての2点の御質問にお答えいたします。 初めに,小項目1,春日井市の取り組みについてでございます。 生活道路の自動車の速度抑制についての要望は,平成30年度には2件あり,要望内容を県警に伝達し,対応を依頼しております。 次に,小項目2の県警への働きかけについてでございます。 通学路や歩行者の多い道路については,生活道路として速度抑制をする必要があると考えており,危険度が高い箇所,地域から要望のある箇所などについては,現地の状況を確認し,県警に働きかけ,いわゆるゾーン30として速度を30キロに規制しているところでございます。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) それぞれ答弁いただきました。 大項目1つ目の飛行場周辺の騒音対策について,(1)の2回目です。 愛知県は,Ldenの値が62デシベル以上になるであろうと思われる地域を民家防音の範囲とし,用途地域は考慮されていないということでした。1回目にも申し上げたように,周辺には第一種住居地域もあります。この地域の騒音基準はLdenで57デシベル。もし,これを上回っていたとしても,県の定めた基準である62デシベル未満であれば範囲から外れてしまうということになります。民家防音の範囲の設定に当たっては,その用途地域の騒音基準を上回っている地域も対象とすべきと考えます。用途地域にも配慮するよう,範囲の見直しを県に求める考えについてお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 春日井市飛行場周辺対策市民協議会では,毎年,愛知県に対しまして,県営名古屋空港の航空機騒音に関する実態を把握し,騒音対策を講ずるとともに,騒音区域の見直しを図るよう要望しているところです。今後につきましても,要望を継続するとともに,特に,住居地域における生活環境の確保について配慮するよう求めてまいります。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) 住居地域にも配慮するよう県に要望いただけるということでしたので,よろしくお願いします。これについては以上です。 次に,(2)の2回目です。 1982年3月30日までに建てられた住宅であっても,これ以後に建て増しした部分は対象とならない。また,店舗と住居が一体のものについては,住居として使用している部分のみ対象となるとのことでした。1982年3月30日時点で建っていたものに限られるのは,その日に運輸省の告示がされ,その時点で建っている住宅を対象とするとされたことによります。騒音が発生しているところに告示日よりも後から来た人は補償の対象とならないという,危険への接近の法理というものを適用したことによります。 しかし,2002年,厚木基地爆音訴訟の判決で,横浜地裁は,原告らが入居前に騒音の状況を正確に把握することは極めて困難であること,補償の対象となる区域に転入したのは,仕事や家庭の事情によるもので,騒音被害を積極的に容認する動機はないなどとして,この危険への接近の法理を認めない判決を出しています。厚木基地周辺では,告示日は1986年9月11日ですが,防音工事の対象は,それよりおよそ20年後の2006年1月17日までに建てられたものを対象としています。 飛行場周辺の騒音対策については,告示日以後に建てられた建物や店舗などの事業所も対象とするよう求める動きは各地であります。小松空港・自衛隊小松基地のある石川県小松市では,防音工事の対象について,告示日以後に建てられた建物や事業所にまで拡大するよう防衛省に求めており,特に,事業所への拡大については,何十年も前から要望し続けているとのこと。山口県の岩国基地の周辺では,山口県と基地周辺の2市2町が防衛省に対し要望を出しています。その中で,防音工事の対象については,告示日以後に建てられたものや事業所への拡大を求めています。これに対する防衛省の回答は,告示日以後のものについては,どのような対応が可能か検討している。事業所も対象とすることについては,将来の検討課題というものです。 名古屋空港の周辺でも,民家防音について,住宅のほか,店舗も対象とするよう見直しを求めること,1982年の告示日以後に新築,増築,建てかえした住宅も対象とすることを県に求めていく必要があると考えますが,市の考えをお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 店舗や店舗併用住宅の店舗部分につきましては,民家防音事業が,住民の生活環境確保を目的に,住宅の騒音軽減や室内の空気調和を確保できるよう実施しているものであることから,新たに対象とするよう求めていく考えはございません。また,告示日以降の新築,建てかえ,増築部分についても,求めていく考えはございません。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) 3回目です。 他の飛行場の周辺地域では,防音工事の対象となる建物の拡大を求める動きが多くあります。名古屋空港周辺についても,告示日以後に建てられた住宅や事業所にも対象を広げるよう,愛知県に対し求めていくことが必要です。大項目1つ目の質問については以上です。 続きまして,大項目2つ目の被災者への支援についてです。 実際に災害が起きたときには対応を検討ということでしたので,市民が必要とする対応を期待したいと思います。これについては以上です。 続きまして,大項目3つ目,保育行政についての(1)の2回目です。 10月1日時点での待機児童の数は減ってきていますが,年間を通してゼロにすることが必要で,そのためには,保育の受け皿を拡大することが求められます。年度途中の待機児童対策として,静岡市には待機児童園というものがあります。これは,市が設置した保育施設で,認可園に入れなかった子どもを入所できるまでの間,一時的に預かるという施設で,各行政区に1カ所ずつ設けられています。 春日井市でも,保育の受け皿を整備することで,年度途中の待機児童対策に取り組む必要があります。市の考えをお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 年度途中の待機児童の解消に向けた取り組みとの御質問ですが,本市においては,ここ数年急増する保育需要に対し,市立保育園の保育士を増員するとともに,私立の保育園及び小規模保育園の整備を促進してまいりました。 静岡市の待機児童園については,市が運営する一時預かり機能を有する3カ所の小規模保育園であると承知しておりますが,本市においては,民間事業者が設置した多数の小規模保育園が同様の役割を果たしているものと考えており,この結果,先ほど申し上げましたとおり,本市の年度途中における待機児童数は着実に減少しております。したがいまして,今後においても,年度当初及び年度途中の急増する保育需要への対応については,地区ごとの保育需要の推移を注視しながら,民間事業者による保育園等の整備などに取り組んでまいります。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) 待機児童については,年間を通してゼロとすることを目指して取り組んでいただきたいと思います。これについては以上です。 次に,(2)の2回目です。 育休退園の人数については,おおむね100人前後で推移しているということでした。育休退園については,埼玉県所沢市で来年1月から廃止するなど,他市でも見直しの動きがあります。県内でも,2歳児については育休退園を撤廃するという動きが近年広がっています。日進市は2017年度から,瀬戸市は今年度から見直されました。また,犬山市も,来年度から2歳児について育休退園を撤廃すると,ことし8月の全員協議会で示されました。 このような動きがありますが,育休退園について,春日井市の今後の考え方についてお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 いわゆる育休退園の取り扱いについては,ゼロ歳から2歳児の入園希望者が増加している状況の中,新たな保育園等の整備により,年度当初及び年度途中における新たな入園希望者への対応を優先して取り組んでいるところです。今後とも,保育需要の推移を注視しつつ,新たな保育園等の整備を進める中で慎重に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) (3)の2回目です。 2018年度,年度内に67人子どもがふえているということでした。子どもの人数に応じて保育士を配置するならば,この人数に対応するだけの保育士を年度途中に,入所のタイミングに合わせて採用する必要があるということになります。しかし,現場からは,これは現実的ではないとお聞きします。 フルタイムでの勤務であれば,正規雇用を希望する人が多く,その正規雇用ですら応募が少ない。保育士の採用はとても難しいとのこと。まして,フルタイムでありながら年度末までの有期雇用という条件となると,なおさら難しくなるとのこと。新たに採用できたとしても,契約期間は年度末まで。長い間働き続けることができず,経験を積んでスキルアップするということもできません。保育の質という観点から,本来であれば,あらかじめ定員分の保育士を正規雇用で配置しておきたいけれど,今の制度のもとではそれができないとお聞きします。 私立保育園への委託費は定員に対するものとするよう改める必要があると考えますが,市の考えをお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) それでは,小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 人件費に対する委託費の算定方法の見直しとの御質問でございますが,委託費の目的を配置基準に基づき配置された私立保育園等の職員と市職員の給与の格差是正のほか,主任保育士の専任化等としていることから,現在のところ,定員に応じた算定方法とすることについては考えておりません。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) 3回目です。 私立保育園の経営は厳しく,正規職員と同じように働くフルタイム勤務の保育士であっても,一定数は臨時職員にならざるを得ないという状況があります。保育というのは,ただ単に子どもを預かればいいというものではありません。子どもたちの健全な発達と成長を保障する責任を果たすことが求められます。子どもにとっては,保育士が正規の職員か臨時職員かということは関係ありません。保育の質の向上のためには,保育士の皆さんが経験を積んでスキルアップできるよう,安心して働き続けられる環境が必要です。 また,もし年度途中に保育士を採用できなければ,定員にあきがあるのに受け入れができなくなってしまいます。厚生労働省も,待機児童の解消には保育士の確保が必要不可欠としています。保育の質を向上させるため,保育士を確保するため,定員に対する委託費とすることが必要です。保育についての質問は以上です。 次に,大項目4つ目,生活道路について,(1)の2回目です。 速度抑制について,春日井市への要望は,昨年度は2件あったということで,警察に対して要望されているとのことでした。警察への要望とあわせて,春日井市も道路管理者として安全対策を施していく必要があります。 国土交通省は,生活道路の安全対策のメニュー例として,ドットラインやカラー舗装などのペイントや,道路の一部を隆起させるハンプや,部分的に道路幅を狭くする狭窄といった物理デバイスを挙げています。これらによって速度抑制の取り組みもされています。新潟市では,小学校付近の道路を重点対策区間に位置づけ,速度抑制として,路面のカラー舗装と狭窄を設置したところ,ここを通行する自動車の平均時速が11.3キロ下がるという結果が出ました。 春日井市としても,道路管理者として安全対策に取り組む必要がありますが,その考えについてお聞きします。 ○議長(長谷川達也君) 建設部長 高氏泰史君。 ◎建設部長(高氏泰史君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 道路管理者といたしましては,生活道路と幹線との交差点などにおいて,減速を促すため,センターラインの消去,ラバーポールの設置等で車道を狭める対策のほか,注意看板,ドットマーク,イメージハンプなどを設置するなどしております。 ○議長(長谷川達也君) 14番 原田祐治君。 ◆14番(原田祐治君) 3回目です。 春日井市としても,生活道路の自動車の速度抑制に積極的に取り組んでいただきたいと思います。これについては以上です。 次に,(2)です。ゾーン30による速度規制について,警察庁は,2009年の通知で,住民・地方公共団体・道路管理者などの意見を踏まえて選定するとしています。春日井市としても,指定すべき場所を選定し,積極的な働きかけをお願いしたいと思います。以上です。 ○議長(長谷川達也君) 以上で一般質問は全て終了いたしました。 お諮りいたします。あす13日はこれを休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(長谷川達也君) 御異議なしと認めます。よって,あす13日はこれを休会とすることに決しました。 本日はこれにて散会いたします。                    午後4時47分 散会 △(イメージ)一般質問事項
    △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項...