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県民環境委員会 本文 2022-12-09 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : 【
高木ひろし委員】
選択 2 : 【
県民総務課担当課長(情報)】
選択 3 : 【
高木ひろし委員】
選択 4 : 【
県民総務課担当課長(情報)】
選択 5 : 【
高木ひろし委員】
選択 6 : 【
県民総務課担当課長(情報)】
選択 7 : 【
高木ひろし委員】
選択 8 : 【
青山省三委員】
選択 9 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 10 : 【
小木曽史人委員】
選択 11 : 【多
文化共生推進室長】
選択 12 : 【
小木曽史人委員】
選択 13 : 【多
文化共生推進室長】
選択 14 : 【
小木曽史人委員】
選択 15 : 【多
文化共生推進室長】
選択 16 : 【
小木曽史人委員】
選択 17 : 【多
文化共生推進室長】
選択 18 : 【
小木曽史人委員】
選択 19 : 【多
文化共生推進室長】
選択 20 : 【
小木曽史人委員】
選択 21 : 【
村瀬正臣委員】
選択 22 : 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
選択 23 : 【
村瀬正臣委員】
選択 24 : 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
選択 25 : 【
村瀬正臣委員】
選択 26 : 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
選択 27 : 【
村瀬正臣委員】
選択 28 : 【国際芸術祭推進室長】
選択 29 : 【
村瀬正臣委員】
選択 30 : 【南部文宏委員】
選択 31 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 32 : 【南部文宏委員】
選択 33 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 34 : 【南部文宏委員】
選択 35 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 36 : 【南部文宏委員】
選択 37 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 38 : 【南部文宏委員】
選択 39 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 40 : 【南部文宏委員】
選択 41 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
選択 42 : 【南部文宏委員】
選択 43 : 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】 選択 44 : 【南部文宏委員】 選択 45 : 【県民文化局長】 選択 46 : 【黒田太郎委員】 選択 47 : 【統計課担当課長(管理・企画)】 選択 48 : 【黒田太郎委員】
選択 49 : 【統計課担当課長(管理・企画)】
選択 50 : 【黒田太郎委員】
選択 51 : 【統計課長】
選択 52 : 【黒田太郎委員】
選択 53 : 【統計課長】
選択 54 : 【黒田太郎委員】
選択 55 : 【神野博史委員】
選択 56 : 【文化財室長】
選択 57 : 【神野博史委員】
選択 58 : 【文化財室長】
選択 59 : 【神野博史委員】
選択 60 : 【文化財室長】
選択 61 : 【神野博史委員】
選択 62 : 【文化財室長】
選択 63 : 【神野博史委員】
選択 64 : 【文化部長】
選択 65 : 【神野博史委員】 ↑
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ヒットへ (全 0
ヒット) 1: (主な質疑)
《議案関係》
【
高木ひろし委員】
社会全体のデジタル化に対応するため、国は個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)を改正し、それに基づいて県の個人情報に関する条例も改正されると理解している。初めに国が個人情報保護法を改正した経過を伺う。
2: 【
県民総務課担当課長(情報)】
地方公共団体の個人情報保護制度は、現在、各地方公共団体が制定した個人情報保護条例により規律されている。しかし、社会全体のデジタル化に対応した個人情報保護とデータ流通の両立が要請される中、地方公共団体ごとに個人情報保護条例を規定し運用することはデータ流通の支障となり得る。そのため、昨年5月の個人情報保護法改正により、民間事業者を対象とした個人情報保護法、国の行政機関を対象とした行政機関個人情報保護法、独立行政法人等を対象とした独立行政法人等個人情報保護法の3本の法律を1本に統合するとともに、地方公共団体の個人情報保護制度について改正後の個人情報保護法において全国的な共通ルールを規定し、全体の所管を国の行政委員会である個人情報保護委員会に一元化することになった。本県においても来年度から個人情報保護法が適用されることになり、個人情報の保護に関する法律施行条例(法施行条例)を制定する必要が生じた。
3: 【
高木ひろし委員】
地方分権の立場からすると、各自治体の考え方により保有する個人情報の取扱いを定めることは当然であるが、これを全国一律に統一するのは、利便性の面で都合がいいことも理解する。
そこで、これまでの愛知県個人情報保護条例と制定予定の法施行条例では個人情報の保護の在り方について何か変わるのか。
4: 【
県民総務課担当課長(情報)】
個人情報保護法改正により変更する内容については、行政機関等匿名加工情報提供制度の導入を新たに実施しなければならないが、それ以外の取扱いは変わらない。
法施行条例では、これまで本県において取扱いをしていたことと同じような取扱いができるように、主に次のことを定めている。
まず、県の保有する個人情報の開示請求について、個人情報保護法では原則30日以内に開示決定等を行うとしているが、現行条例では原則15日以内としているため、県民の利便性を考慮し、今までどおり15日以内と規定する。
次に、開示請求手数料は現行どおり無料とし、写しの交付等の実費を現行どおり徴収する。
また、県の保有する個人情報のうち、県があらかじめ定めた試験の得点、順位について、現行条例と同様に本人から口頭により閲覧の求めがあった場合に閲覧させる制度を設ける。
さらに、県の機関等の諮問に応じて開示決定等に係る審査請求や条例の改廃の立案などについて調査、審議させるため、現行と同様に愛知県個人情報保護審議会を置く。
このように、今回の法改正が県民の不利益とならないよう、条例で必要な事項を定めるものである。
5: 【
高木ひろし委員】
現行条例における、簡便な手続で素早く県民に対して自己情報を提供するという点は、保持されていると理解した。
個人情報保護法の趣旨からすると、個人の情報を行政、組織が預かる場合、根源的にその情報は個人のものであり、本人の権利を損なうことがあってはならない。行政が保有する個人情報の基本的なものは、住民票、戸籍等が挙げられる。これは市町村が管理しており、県は間接的に総務局市町村課を通じて指導、関与する立場にあると思うが、この個人情報に関しては県内でも大量の不正取得事件があった。この事件を契機に自分の個人情報を第三者が取得しようとした場合、誰が申請して取得したということが、少なくとも本人には通知される制度が設けられ、県内の自治体に普及した。これにより個人情報の不正取得が抑制され効果はかなりあったと思う。こうした個人情報を取得された場合の本人通知制度について、県内ではどのくらいの市町村が導入しているのか。
6: 【
県民総務課担当課長(情報)】
業務を所管している総務局市町村課に確認したところ、本年4月1日時点で県内54市町村のうち、40市町村が本人に通知する制度を導入している。
7: 【
高木ひろし委員】
行政機関において、どのような個人情報を取り扱っているのか、県は県民に対して周知すべきだと考える。
社会のデジタル化に伴い、自分の情報が本人の意図とは関係なく吸い取られ、企業等に集積されることが現に起こっている。
今回の法施行条例の制度をきっかけにして、個人情報に本人が関与する仕組みをよく県民に啓発して、自分の情報は自分で守るという意識を持ってこの制度を活用することを要望する。
8: 【
青山省三委員】
第192号議案の愛知芸術文化センター愛知県図書館の指定管理者の指定について、愛知県ビルメンテナンス協同組合以外にもう一社から応募あったということであるが、なぜ愛知県ビルメンテナンス協同組合に決まったのか。決定に至った経緯を伺う。
9: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
今回、2社から応募があり、内容に関してほとんど差はなかったが、駐車場の管理に係るシステム更新について、採択した業者のほうが収入、機器に関して具体的な提案があった。
また、今回採択した業者は、第1期、第2期の事業を担当しており、これまで不都合もなく、適切な管理をしていたこともあり決定した。
《請願関係》
なし
10: 《一般質問》
【
小木曽史人委員】
先日地元の日本語教室を訪問したが、講師一人に対してトルコ人やイラン人、ベトナム人などが8人ほどおり、在日歴も2か月から10年まで様々であった。日本語の習熟度に差があるにもかかわらず、同じ教材やテーブルで日本語の勉強をしている状態だった。責任者やボランティアスタッフと話をしたが、次の2点について課題であると言っていた。
一つ目は、慢性的な人手不足である。ボランティア頼みの綱渡り運営を強いられており、善意によって運営が成り立っているのが現状である。増加傾向にある外国人に対して、今後この体制で受け入れられるのかと不安に感じていた。
二つ目は、日本語の習熟度に応じた教育の難しさである。担い手不足にも関連するが、日本語教室には子供から大人までおり、在日歴の長短、多国籍といった条件に対して、習熟度に応じた学習をしたくても、非常に難しいということであった。
そこで現在策定が進められている、次期多文化共生推進プランに盛り込む特に地域の日本語教育の取組の推進について質問する。
まず小中高の子供は学校教育現場があるため、そこでの日本語学習が主となると考えられるが、子供と大人といった主体の違いをどのように意識して外国人に対する地域での日本語学習推進に取り組んでいるのか。
11: 【多
文化共生推進室長】
外国人県民が日本語を学習する環境として、学校教育現場と地域の日本語教室があり、自治体、NPOなど様々な主体が運営している地域の日本語教室は、大人向けや子供向けなど、その対象も様々である。
学校教育現場では、児童生徒に対して学校生活や教科学習のための日本語を教えるが、地域の日本語教室では、児童生徒の日本語学習を補完したり学校に通っていない子供の就学を促進する役割を担っている。そして、地域の日本語教室の活動については、公益財団法人愛知県国際交流協会に設置した日本語学習支援基金に本県も拠出し支援を行っている。
また、大人の外国人を対象とした日本語教育では、人によって日本語の習熟度の差が大きく、ほとんど日本語が話せない人を対象とした初期日本語教育では、指導者は一定の専門知識が必要になると考えている。
12: 【
小木曽史人委員】
子供たちは学校において日本語教育を充実させることができるが、大人にはそうした場がない。そのためコミュニケーション支援という観点では、地域の日本語教室が担う役割は大きいと考える。
来日したばかりの外国人は、ほとんど日本語が話せない。そのためコミュニケーション
ツールとして基本的な日常会話程度の日本語を習得できる環境を整えるには、場所と指導を行う人材の両方が必要である。本県は、初期日本語教育に取り組む市町村を支援していると認識しているが、実際にどのような支援を行ってきたのか。また、支援の結果、市町村における初期日本語教育はどういう状況なのか。
13: 【多
文化共生推進室長】
初期日本語教育は、生活に必要な日本語を身につけることを目的としているため、行政が主体となって取り組むこととしている。本県では、市町村が主体となった初期日本語教育の体制づくりを推進するため、2018年度から毎年1市町村を対象として指導者養成や教室の開催を行うモデル事業を実施してきた。本年度は尾張旭市で、指導者養成講座と外国人県民が参加する初期日本語教室の運営を実践するモデル事業を実施し、指導者養成講座には30人が参加した。
また、これまでモデル事業を実施した4市のうち3市において、初期日本語教室が継続している。
14: 【
小木曽史人委員】
モデル事業を実施した4市のうち1市以外はモデル事業後もうまく継続して初期日本語教室を運営しているとのことだが、次期多文化共生推進プランでは、初期日本語教育に取り組む市町村数を現在実施している8市町村から20市町村に増やすという目標を掲げているが、どういった計画で増加させるのか。
15: 【多
文化共生推進室長】
外国人県民の増加に伴い初期日本語教育のモデル事業の実施を希望する市町村は増えていることから、今後初期日本語教育の取組がさらに進むよう、支援の対象となる市町村の拡充を検討している。
また、モデル事業終了後も市町村において初期日本語教育を継続できるよう、愛知県地域日本語教育推進補助金や、県が委託している地域日本語教育コーディネーターによる指導、助言等の支援を行っていく。
16: 【
小木曽史人委員】
外国人県民は増加傾向であり、20市町村という目標達成に向け、手を挙げた市町村はもちろんのこと、増加が顕著な市町村には県が積極的に初期日本語教育事業の実施を働きかけて、全市町村で実施できるよう取り組んでほしい。
ただし、市町村がこうした事業を実施するには、それを支える担い手不足の問題がある。特に初期日本語教育においては一定の専門性を持った指導者の確保が不可欠だと感じている。
そして、次期多文化共生推進プランでは、初期日本語教育指導者養成講座の修了者数について評価指標が出されており、現状の88人を2027年までの5年間で300人にするとしている。初期日本語教育指導者養成講座を受講する人を増やすことが大事であるが、講座の修了者が実際に初期日本語教室で継続して活躍することも重要である。
そこで、現在、講座を受講した88人は、実際に今でも市町村の初期日本語教室で活躍しているのか。
17: 【多
文化共生推進室長】
これまで県のモデル事業で養成した指導者は、引き続き地域で活躍している。例えば、昨年度モデル事業を実施した岩倉市では21人の指導者を養成し、このうち15人が本年6月から開始した岩倉市の日本語教室に参加していると聞く。
また、本年度モデル事業を実践している尾張旭市において、来年度以降も教室を継続するための準備が進められており、養成講座の参加者に今後の意向を確認したところ、19人が尾張旭市が行う今後の日本語教室に参加したいとのことであった。
18: 【
小木曽史人委員】
受講者の多くが実際に活躍していることは理解したが、ICTを利活用するなど効果的な指導方法が今後出てくると予想されるので、受講後も参加しない人への働きかけなども含めてフォローアップの視点も忘れずに実施してほしい。
最後に、初期日本語教室で日本語を学んだ後に、外国人の居場所でもある別の地域の日本語教室に通い、さらに学習を続けるといった日本語習熟度に応じた段階的な仕組みが確立できると考えている。次期多文化共生推進プランでは、日本語能力判定
ツールの開発を施策として掲げているが、国は既に評価
ツールを公表している。県が改めて開発する狙いは何か。
19: 【多
文化共生推進室長】
現在、国は留学生や就労者を含めた多様な日本語学習者に対する日本語能力の評価について、6段階のレベルを示す日本語教育の参照枠という共通の枠組みを作成している。評価
ツールとしては、学習者自身が自己評価できるものを作成しているが、指導する側が客観的に能力判定を行うものにはなっておらず、レベルに応じた支援につながりにくいといった課題がある。
そこで、次期多文化共生推進プランでは、教室運営者が現場で活用できる日本語能力判定
ツールを開発することとしている。この判定
ツールの活用により、外国人県民が地域の日本語教室に参加する際に、ほとんど日本語が話せない学習者を市町村が運営する初期日本語教室に案内することや、地域の日本語教室のクラス編成や指導者の人数に反映させ、学習者の日本語習得のレベルやニーズに合った支援を行うことができるなど、円滑な教室運営が期待される。
こうした取組を通じて、日本語学習を希望する全ての外国人県民に対して適切な学習機会を提供する体制づくりを推進していく。
20: 【
小木曽史人委員】
初期日本語教室の展開に本県が主体的に取り組んでいく姿勢を理解した。
ただし、初期日本語教室を市町村で実施しようとすると、不足している日本語指導者のマンパワーも傾注することになる。そうすると、初期日本語教室の対象とならない外国人の居場所を逆に奪ってしまうことが危惧される。
しかし、日本語の習熟度に応じた段階的な仕組みは必要だと考えている。今後その取組を実施する市町村を県が後押しするのであれば、継続的に仕組みが機能していくための人材確保も念頭に入れ、例えば大学の国際学部や文学部で意欲のある学生に声をかけて人材バンクに登録してもらい、人手不足の地域に派遣するなど、少しでも事業が円滑、前向きに進んでいくよう取り組んでほしい。
21: 【
村瀬正臣委員】
国際芸術祭「あいち2022」における有松会場の展示について、のれん状のものが町中にたくさん飾ってあった。ガイドマップではそれが展示作品に入っていたが、屋外の展示か屋内の展示なのかが分からず、何度も建物の中に出入りし、展示室の有無や場所についての問い合わせがあったと聞く。そこで、ガイドマップはどのような考え方で作成しているのか。
22: 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
ガイドマップについては、来場者が持ち運びしやすく会場で広げやすいように、極力軽くて薄いコンパクトなサイズにまとめることを目指した。そのため情報量も、どこに誰の作品があるのかにとどめている。
また、ガイドマップでは
推奨ルート順に展示場所ごとに番号をつけて案内したため、結果として同じアーティストの一連の作品に異なる番号がつくこともあり、分かりにくかったと考える。
23: 【
村瀬正臣委員】
現代芸術は非常に理解しづらい側面がある。そうしたときにガイドツアーなど、その作品に対する理解をより深めるための説明が非常に大事だと思う。
県民環境委員会の県内調査では飯田チーフ・キュレーターにツアー形式で作品の解説してもらったので、作品についてよく理解ができた。こうした取組をより深めることで、来場者の理解も深まっていくと思うが、来場者向けのガイドツアーはどのように行ったのか。
24: 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
来場者向けのガイドツアーについては、毎週末、各会場でガイドボランティアによる対話型鑑賞を実施した。対話型鑑賞は一方的な作品解説ではなく、ファシリテーターの下、参加者が作品について感じたことを対話しながら鑑賞する手法である。本県の国際芸術祭では、対話型鑑賞をあいちトリエンナーレ2019から導入しており、国際芸術祭「あいち2022」の会期中には、1,513人が参加した。
このほか、多様な来場者ニーズに応えるために、ベビーカーに乗った子供とその保護者向けのベビーカーツアーや、聴覚に障害のある人向けの筆談ツアー、視覚に障害のある人向けのツアー、母語が日本語以外の人向けの多言語によるツアーを実施し、合計90人が参加した。
なお、
県民環境委員会の県内調査で行ったキュレーターによるガイドツアーは、今回協賛企業に対するツアーや他の自治体からの視察が増えたこともあり、そういった人に限定した。
25: 【
村瀬正臣委員】
県民環境委員会での県内調査より前に、愛知芸術文化センターの作品を鑑賞した。その作品に対する説明の掲示板があり詳しく書いてあった。最初は立って説明を読むが、後半になると説明を読むだけの体力が残っていない。何時間もかけて見るとなると非常に体力も必要で、作品に対する理解も浅くなる。美術館の展覧会に行くと音声ガイドシステムがあり、そうしたものを導入して作品の解説を行うことで、より作品に対する理解ができるのではないかと考える。来場者も、作品を見ながら移動できるので、短い時間で国際芸術祭を楽しむことができると思うが、音声ガイドによる説明や解説は考えていないのか。
26: 【国際芸術祭推進室担当課長(調整・広報)】
音声ガイドについては、美術館の企画展で数多く導入しているが、国際芸術祭で導入する場合には様々な問題が生じる。
国際芸術祭の場合、作品については新作が多く開幕直前でなければ作品の多くは完成しないことから、音声ガイドを会期前に用意することができない。音声ガイドは、作品が完成した後に製作することとなるため、来場者に提供するのに時間がかかる。あいちトリエンナーレ2019で導入したところ、会期の後半にできたものから順次提供することとなり、かえって来場者を不便に感じさせることになった。
また、多くのアーティストが参加する芸術祭においては、全ての作品について音声ガイドを用意することができず、どのアーティストの作品を選ぶのかが大きな問題となる。
そのため、国際芸術祭「あいち2022」では音声ガイドの導入は見送り、その代わりとして会場での作家、作品解説の充実を図ることとし、パネルの文字を大きく読みやすくしたり、来場者の目につく位置に配置するなど工夫をした。
27: 【
村瀬正臣委員】
来場者が作品をより理解するための取組は様々な形があると思うが、今回の取組を踏まえ、次回に向けてどのように取り組んでいくのか。
28: 【国際芸術祭推進室長】
来場者に対する取組であるが、国際芸術祭「あいち2022」では展示作品だけでなく現代アートに関する理解を深めてもらうよう、ガイドツアーのほか様々なラーニング・プログラムを実施した。
一方、コロナ禍での開催ということもあり、会期中の対人イベントを縮小せざるを得ず、例年であれば開催できていたアーティストによるトークイベントを、今回は十分に開催できなかった。国際芸術祭では、アーティストと直接対話できることも魅力の一つであるので、次回の開催に当たっては、アーティストによるトークイベントを積極的に開催したいと考えている。
現在、来場者アンケートの分析、有識者からのヒアリングを行っている。来場者に対して展示作品や現代アートへの理解が一層深まるような取組を提供できるよう、今後決定する芸術監督、キュレーターとも相談しながら検討していきたい。
29: 【
村瀬正臣委員】
国際芸術祭のボランティアについては、多くの人が楽しみにしている。どのような形で国際芸術祭に関わるかは人それぞれだと思うが、現代芸術の知識が乏しい人がそこに入り込もうとすると、何らかの形で説明を受けないと入り込めないところも多いと感じている。1人でも多くの人が国際芸術祭のファンになってもらえるようにこれから取り組んでほしい。
30: 【南部文宏委員】
本県の
文化芸術の振興に関する基本的な計画として2018年7月に策定した、あいち
文化芸術振興計画2022が本年度で計画期間の満了を迎える。現在、次期計画を策定中とのことだが、どのようなことが課題となっているのか。また、次期計画では何を変えようとしているのか。舞台芸術分野に絞って伺う。
31: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
あいち
文化芸術振興計画2022では、国際芸術祭をはじめとする愛知発の
文化芸術の魅力を一層高め、国内外に余すことなく発信するため、「世界・未来へ“愛知発”の創造・発信」を三つの基本目標の冒頭に掲げている。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響などにより舞台芸術分野においても以前のように公演を開催したり鑑賞することが困難となり、文化団体が大きなダメージを受けたことや、芸術家、舞台技術者をはじめとした舞台芸術を担う人材の育成が危ぶまれることについて、県の取組への期待が大きくなっている。
こうした状況を踏まえ、あいち
文化芸術振興計画2022で、基本目標の2番目としていた県民が等しく
文化芸術に関わり、心を豊かにすることができる環境の整備を、あいち
文化芸術振興計画2027では冒頭に掲げ、一層の取組を推進していく。
また、新たな基本目標である、愛知の
文化芸術を未来につなぐ人づくりを追加し、
文化芸術の担い手となる人材の継承、育成などに重点的に取り組んでいく。
32: 【南部文宏委員】
基本目標の県民が等しく
文化芸術に関わり、心豊かにすることができる環境の整備とは、どのような取組なのか。
33: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
県民が等しく
文化芸術に関わることができる環境を整備するため、住んでいる場所、障害の有無、国籍などにかかわらず、
文化芸術を創造し享受し得ることを目指す取組である。
具体的には、舞台等をより深く楽しむための鑑賞講座やアーティストトーク、赤ちゃんと親子で楽しむダンスワークショップなど、情報通信技術を活用してオンラインで開催し、遠方に住む人や親子連れが参加しやすくすることで、居住環境にかかわらず
文化芸術に接することができる環境を整備していく。
また、本県は
文化芸術団体が行う文化活動に対し、文化活動事業費補助金として補助を行っており、そのメニューの一つとして、誰もが参加・鑑賞可能な
文化芸術事業がある。これは、子供、障害者など多様な人が
文化芸術に親しむための工夫や配慮がある事業に幅広く支援を行うものである。
さらに、障害のある人が講演を楽しめるようオペラ公演の際に舞台袖に字幕表示板を設置したり、出演者のマイクの音声を直接補聴器に伝える装置を活用した公演を増やすなどしていく。
外国人向けには、ホームページやチラシに英語やポルトガル語など外国語の表記を入れるなど、文化施設や公演情報などを多言語で提供していく。
これらの取組により、障害の有無や国籍にかかわらず、
文化芸術に接する機会を提供していく。
そして、
文化芸術によって心の豊かさを育むため、子供が優れた
文化芸術に触れる機会を提供していく。愛知県芸術劇場では、劇場と子ども7万人プロジェクトとして、次代を担う子供たちに
文化芸術の魅力や劇場の楽しさに触れてもらうため、県内市町村のホールと共に様々な公演に学校単位で子供たちを招待しており、昨年度は、県全体で1万838人の子供が参加した。今後とも、県内市町村の劇場などと一体となって、子供たちの
文化芸術体験の充実を図っていく。
34: 【南部文宏委員】
次に新たな計画では、基本目標に愛知の
文化芸術を未来につなぐ人づくりという目標を追加しているが、どのような取組を推進するのか。
また、愛知の
文化芸術を未来につなぐ人づくりというのは、未来につないでいく人をつくっていくという意味でよいのか。
35: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
愛知の
文化芸術を未来につなぐため、
文化芸術の担い手を支援し育成する取組を行っていく。具体的には、愛知県芸術劇場において芸術家の養成プログラムを行う。例えば、劇場のパイプオルガンを活用した一般公募の受講生を対象とした、劇場の専属オルガニストによるオルガンのレッスンや、ダンサー養成のためダンス経験のある人を対象としたワークショップなどを実施していく。
また、劇場運営や舞台技術に関する専門人材の育成のため、実践的な研修を行っていく。舞台芸術の基礎から実際の公演実施までを一通り体験する、主に大学生を対象としたインターンシップや、舞台技術や企画制作、アートマネジメントなど県内市町村ホールをはじめ、現役の劇場職員を対象とした劇場運営全般にわたるテーマでの研修やセミナーも実施していく。
さらに、将来、劇場や舞台芸術の仕事に関わりたいという希望を持っている学生を対象に、舞台芸術に関わる仕事にはどのようなものがあるかについて、オーケストラ運営や興行会社をはじめとしたスタッフが、直接、仕事の面白さや魅力を紹介する事業を行っていく。
36: 【南部文宏委員】
次に、本県の文化活動事業費補助金の審査基準はどのようなものか。また、次期計画では、この補助金の上限額を引き上げ、支給要件を緩和して、より多くの舞台芸術に携わる個人や団体を支援できればと思うが、どのように考えているのか。
37: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
文化活動事業費補助金は
文化芸術の振興を図るため、県内で活動する文化団体が行う各種文化活動に対して助成する制度である。この補助金では申請に基づき、事業が独創性に富んでいるか、本県の
文化芸術を広く発信しているか、次代を担うことが期待される芸術家などの
文化芸術活動かなどの観点から、外部委員で構成する審査会において審査し、交付事業を決定している。
補助金の支給要件については、2020年度から新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、感染防止のために事業を中止した場合であっても、既に準備などで支出したものがあれば補助の対象としている。また、消毒液や関係者の抗原検査、PCR検査をはじめとした感染症対策に関する費用も補助対象としている。
補助金額については、厳しい財政状況もあり、2004年度以降上限額を100万円としている。補助金全体の予算額も、コロナ禍で増額した2020年度を除き、2017年度以降2,500万円である。より多くの団体への支援の必要性や支援金額、財政状況を勘案すると、現状の上限額を維持していきたいと考えている。
今後とも、新型コロナウイルス感染症の状況など社会情勢を勘案しながら、支給要件を適宜見直すなど工夫を重ね、
文化芸術団体を支援していきたい。
38: 【南部文宏委員】
劇場と子ども7万人プロジェクトは、直接オペラを見るなど第一級の芸術に触れることができるよい機会だと思う。コロナ禍により学校に出向いて芝居を提供する機会が激減しているとも聞くので応援してほしい。
もう一つは、新型コロナウイルスの検査キットを補助金の対象にしているが、まだ足りないと思うので考えてほしい。
次に、本県の後援名義について伺う。
本年10月に日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで開催された詩吟の全国大会に一般客として参加した。
この詩吟の団体は東京都に本部があるが、本年は本県において全国大会が行われ、パンフレットには愛知県知事のメッセージも記載されていた。本県では文化団体を支援するため、後援をすることがあると聞くが、その審査基準について伺う。
39: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
文化芸術団体などにより開催され、広く一般の
文化芸術の振興を図る目的で行われる行事については、申請に基づき審査の上で後援名義の使用を承認している。
主な審査基準は、
文化芸術の振興を目的としているか、これまでに開催実績があるか、特定の会員だけでなく広く一般県民が参加する行事か、営利目的の行事ではないか、県内で行われる行事か、個人ではなく団体が主催する行事であるかなどである。これらについて、申請書や予算書、過去の開催実績の確認、主催者への聴取などを通じて審査した上で決定している。
40: 【南部文宏委員】
最後に、本県が
文化芸術活動に対して賞状や盾を進呈する条件について伺う。
41: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
文化芸術団体が実施するコンクールや大会で知事賞を授与する場合に、本県から賞状や盾を支給している。支給に当たっては、申請に基づき後援名義の使用承認と同様に営利目的でないかを審査するとともに、コンクールに応募する人などが知事賞にふさわしい参加数であるかなどについても確認している。
42: 【南部文宏委員】
賞状や盾の支給について、新規に申請をしてもなかなか交付されないという話を聞く。既得権のある団体ばかりが賞状や盾をもらっているように思うが、新たに申請する団体に行き渡っていないのではないか。
43: 【
文化芸術課担当課長(
文化芸術)】
賞状や盾を支給する団体については、これまでの開催実績も判断材料としているので、結果として過去から申請が続く団体が受け取ることが多くなる傾向にある。しかし、あくまでも申請の都度、1件ずつその妥当性を判断して決定している。
44: 【南部文宏委員】
本年は、県政150周年を迎えるため、審査基準を少し緩和してもよいのではないか。
45: 【県民文化局長】
文化団体への支援については様々な方法があると思うが、コロナ禍で非常に先行きが難しく、一度支援が途絶えると復活するのが難しいということを感じている。引き続き文化の伝承が絶えないようしっかりと支援していく。
46: 【黒田太郎委員】
統計課ではどのような統計調査を実施しているのか。また、統計調査をどのくらいの人員で実施しているのか。
47: 【統計課担当課長(管理・企画)】
統計調査には、総務省など国の行政機関が実施する調査と県独自に実施する調査があり、国が実施する統計調査の中でも特に重要な調査は、基幹統計調査とされている。
統計課では国勢調査など14の基幹統計調査と、県独自の3調査を所掌している。
県独自調査は、国勢調査の間における本県の人口を把握するため、人口動向調査、鉱工業の生産、出荷、在庫の動向に関する基礎資料を得る鉱工業生産統計調査、産業連関表作成のための基礎資料を得る商品流通調査の三つである。
本年度は、八つの基幹統計調査と三つの県独自調査を実施した。
これらの調査は、県が直接実施する調査ばかりではなく、大規模な調査については事務の一部を市町村が行っているものもある。
また、調査の実施に当たっては、統計課66人の職員のほか統計調査員が調査票の配布や回収の業務を担っている。この統計調査員については、昨年度は延べで約4,200人が従事した。
48: 【黒田太郎委員】
国の調査を県や市町村が実施しているとのことだが、なぜそのようになっているのか。
49: 【統計課担当課長(管理・企画)】
基幹統計調査の事務の一部、具体的には調査票の配布、取集、審査などの事務については、統計法第16条及び同法施行令第4条に基づき地方公共団体が実施することとされており、これはいわゆる法定受託事務となっている。
なお、これらの実施に要する事業費については、人件費も含め国から交付されている。
50: 【黒田太郎委員】
次に、統計調査は数字を集めるだけでは意味がなく、数字を見えるようにしなければ意味がない。そこで、統計調査の成果物はどのようなものがあるのか。
51: 【統計課長】
国の調査については、国が回答を集計、分析した上でその結果をウェブページで公表している。本県でも国から本県分のデータの提供を受け、そのデータを基に県としての結果を分析した上で公表を行っている。
本県の独自調査については、人口動向調査は毎月1日現在の推計人口を、鉱工業生産統計調査は本県の鉱工業指数を毎月公表している。また、この二つの調査については、1年分の結果を取りまとめて年報という形で公表を行っている。本年度実施した商品流通調査については、2025年度に公表予定の産業連関表の基礎資料となるものである。
52: 【黒田太郎委員】
この調査結果はどのように活用されているのか。
53: 【統計課長】
統計課では人口、雇用、賃金など、県民の生活に関わりのある様々な統計調査を実施している。その調査結果については、県庁内の各局が利用しやすい形で提供するとともに、ウェブページで県民に広く利用してもらえるように公表している。
県政での活用例としては、国勢調査や県の人口動向調査の結果については、愛知県人口ビジョンの基礎数値となるなど様々な行政計画で活用している。
54: 【黒田太郎委員】
統計実務は大切な実務だと思っている。国・県が政策立案する上で、統計は基盤となっており、統計資料を使う側は、これが正確であることを前提として活用する。そのため、統計実務を行う側は常に正確であり続けることが求められる。したがって、より一層体制整備を図り、正確性や適時適切な発表、伝達等を心がけてほしい。
55: 【神野博史委員】
ユネスコ無形文化遺産に登録された風流踊について伺う。
本年11月30日にモロッコで開催されたユネスコの無形文化遺産政府間委員会において、日本が提案した風流踊の登録が決定した。風流踊とは、華やかな人目を惹くという風流の精神を体現して、衣装や持ち物に趣向を凝らし、歌や笛、太鼓、鉦などの囃子に合わせて踊ることで、安寧な暮らしを願う民俗芸能である。
今回登録された風流踊は、全国24都府県の41件の民俗芸能で構成されており、その中に豊田市の綾渡の夜念仏と盆踊が含まれている。
そこで、綾渡の夜念仏と盆踊とはどのようなものなのか。また、なぜ今回のユネスコ無形文化遺産登録に含まれたのか。
56: 【文化財室長】
綾渡の夜念仏と盆踊は、豊田市綾渡町において伝承されている民俗芸能で、綾渡夜念仏と盆踊り保存会によって保存継承されている。綾渡の夜念仏は、地域の人々が行列となって手に持った小さな鉦を打ちながら念仏を唱和するものである。綾渡の盆踊は、三味線や太鼓などの楽器を使わず、歌に合わせて下駄の足拍子だけで踊るものである。
綾渡の夜念仏も盆踊も昔ながらの形態を伝承してきたもので、少なくとも江戸時代から伝わる民俗芸能だと言われている。昔は1年のうちに亡くなった人の家を回って夜念仏と盆踊を披露していたが、現在では綾渡町内にある平勝寺境内において8月10日と15日にお盆の行事として実施されている。
次に、ユネスコ無形文化遺産に登録された風流踊の一つとして綾渡の夜念仏と盆踊が含まれた理由について、国はユネスコに風流踊の登録を提案する際に、国の重要無形民俗文化財のうち風流踊として位置づけられている41件を束ねて提案しており、この綾渡の夜念仏と盆踊も、1997年12月に国の重要無形民俗文化財に指定されていることから、今回ユネスコ無形文化遺産登録に含まれた。
57: 【神野博史委員】
本県に昔から継承されている綾渡の夜念仏と盆踊がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは大変喜ばしいことであり、本当に誇らしく思う。ユネスコに登録されたのであれば、行政もこれを支援してほしい。
そこで、ユネスコ無形文化遺産に登録された綾渡の夜念仏と盆踊の支援については、どのように取り組んでいくのか。
58: 【文化財室長】
綾渡の夜念仏と盆踊については、国の重要無形民俗文化財に指定されているため、国の補助金を活用して、用具の修理や新調などを行うことができる。過去5年間は補助金の活用はないが、今後は保存団体の希望があれば国の補助金の活用を提案し、その際には本県も補助金を交付する。
また、本県では2020年に愛知県文化遺産保護功労者表彰という表彰制度を新設し、県内の文化遺産の保護活動において顕著な功績を収めた個人または団体を表彰しており、過去にはユネスコ無形文化遺産に登録された山・鉾・屋台行事の保存団体などを表彰している。綾渡夜念仏と盆踊り保存会についても、表彰を行う方向で調整を進めていく。
今後の支援については、現時点で具体的な支援は決まっていないが、保存団体の意向を聞きながら、国や豊田市とも連携して保存や継承に向けた取組への支援を検討していく。
59: 【神野博史委員】
保存団体等の意向をよく聞いて、保存、継承を支援してほしい。
続いて、山車まつりへの支援について伺う。
風流踊と同様に、山車まつりも2016年に山・鉾・屋台行事としてユネスコ無形文化遺産に登録されている。全国で33件の山車まつりが登録されているが、本県は5件と全国最多である。ユネスコ無形文化遺産登録の5件を含めて、県内では40市町に150以上の山車まつりが所在しており、山車の数も400輌以上あるなど、本県は山車まつりが大変盛んな地域である。東海市でも毎年秋に大田まつりと尾張横須賀まつりが開催され、合計9輌の山車をひき回すなど地域の祭りとして大切に継承されている。
一方、山車の維持には多額の費用がかかる。東海市の山車まつりでは山車の構造物そのものに対しては行政から補助を受けることができるが、提灯の修理等については補助がない。
そこで、県内に所在する山車まつりの維持に対し、どのような補助があるのか。
60: 【文化財室長】
山車まつりの補助については様々なメニューがあり、金額の上限や補助を受けるための条件がある。
まず、国、県、市町村の文化財として指定された山車まつりへの補助制度について、国指定の山車まつりには、修理等に対して補助対象経費の2分の1の補助を国から受けることができ、この場合、県も補助対象経費の10分の1以内の額を国に随伴して交付している。県指定の山車まつりには、修理等に対して補助対象経費の3分の2以内の額を補助している。市町村指定の山車まつりについては各市町村で対応が異なるが、東海市の場合は山車本体の修理に対して補助対象経費の3分の2以内の額を補助しており、また、山車1輌当たり毎年12万円の維持管理費や、まつりの開催に伴う警備や保険料に対して毎年20万円の補助をしている。
次に、指定、未指定を問わず受けることができる補助や助成制度についてである。
国の補助事業に地域文化財総合活用推進事業というメニューがあり、その中の地域伝統行事・民俗芸能等継承振興事業では、用具の整備や後継者の養成等について、補助対象経費の85パーセント以内の補助金の交付を受けることができる。また、伝統文化親子教室事業では、次代を担う子供への継承活動について、例えば参加者が50人以上であれば、最大50万円の補助を受けることができる。
そのほか、民間団体の助成制度としては、一般財団法人東海東京財団や公益財団法人明治安田クオリティオブライフ文化財団などが修理等に対して助成している。
また、あいち山車まつり日本一協議会では、修理等に必要な資金調達を支援するクラウドファンディング活用サポート事業を実施している。
今後も国及び県指定の山車まつりに対しては保存団体の財政的負担を軽減できるよう県費による補助に努めるとともに、未指定を含めた県内全ての山車まつりの保存団体に対しては、市町村を通じて、国や民間の補助、助成制度について周知、情報提供を徹底していく。
61: 【神野博史委員】
民間助成やクラウドファンディングは別として、基本的には国、県、市の指定文化財にならないと補助制度が使えないと思う。
山車まつりを保存、継承するためには、市町村指定と未指定の山車まつりを、全て県の無形民俗文化財に指定してはどうかと考える。
県の文化財に指定されれば、保存団体もこれまで以上にやる気が出ることが考えられ、そうした人々の力が結集されれば、地域の原動力にもなると思う。実際、全ての山車まつりを県指定の無形民俗文化財に指定することは可能なのか。
62: 【文化財室長】
県指定文化財として指定されるためには、まず候補となり得る文化財について、文化財室と文化財保護審議会委員による調査を行い、その後、審議会に諮問する。審議会での詳細な調査や審議の結果、指定にふさわしいとなれば審議会から知事へ答申がされ、県が指定、告示を行う。
また、文化財保護条例では、本県にとって重要なものを県指定文化財として指定できることとなっていることから、重要かどうかを判断するための詳細な調査が行われていない山車まつりを含めて、県内全ての山車まつりを一律に指定することは難しい。
現在も幾つかの山車まつりを県指定候補として調査しているが、今後も調査を進め、その結果、県指定文化財にふさわしい価値付けが整理できたものから、順次審議会に諮問していきたい。
県指定ではない山車まつりへの支援については、あいち山車まつり日本一協議会に、県内の多くの山車まつり保存団体が加入しているので、引き続き同協議会の事業を通じて各山車まつりの保存や継承を支援するとともに、魅力の発信に努めていく。
63: 【神野博史委員】
県内全ての山車まつりを県指定文化財にすることは難しいと理解した。しかし、要件を満たす山車まつりについてはできるだけ県指定文化財にし、補助制度が使えるようにしてほしい。
最後に、あいち山車まつり日本一協議会について伺う。
本県では山車まつりを支援するため、2015年12月にあいち山車まつり日本一協議会を立ち上げ、山車文化を県内外に広く発信し、保存、継承にも取り組んでいる。県が事務局となり、県内の山車まつりのネットワークをつくる取組は他県にはないものであり評価している。同協議会を立ち上げたときは、会員が45保存団体、22市町だったが、現在は88保存団体、32市町と規模も拡大している。
そこで、あいち山車まつり日本一協議会では本年度どのような取組を行っているのか。
64: 【文化部長】
あいち山車まつり日本一協議会では本年度、祭再考-保存から活用へをテーマとしたシンポジウムや祭の保存と継承について考える研修会、経験豊富な協議会役員がアドバイザーとして保存団体の相談に対応する山車まつり支援アドバイザー相談事業やクラウドファンディング活用サポート事業などを行っている。
さらに現在、本県の山車文化の魅力を紹介するPR動画とハンドブックの制作を行っており、本年度中に配信、配布する予定である。
また、県内の山車まつりのネットワークを強固なものとし、相互の情報交換などを通じてさらに高め合っていくためには、まずは県内の多くの保存団体に協議会に加入してもらうことが大切であるので、引き続き粘り強く加入を働きかけていく。
今後も本県を代表する無形民俗文化財である山車まつりの保存、継承を図るため、文化庁の補助金も活用しながら、保存団体や市町と連携して各山車まつりの支援や山車文化の魅力発信に取り組んでいく。
65: 【神野博史委員】
山車まつりは本県の宝であり、地域の元気の源であると思う。
まず、山車を維持するためにこれまで以上の支援を検討すること、次に1件でも多くの山車まつりを県の無形民俗文化財に指定すること、最後に、あいち山車まつり日本一協議会の事業によって保存団体に寄り添いながら、市町村とも連携して山車文化の保存、継承をしっかりと図ることの3点を要望する。
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