愛知県議会 2022-10-24
令和4年一般会計・特別会計決算特別委員会 本文 開催日: 2022-10-24
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一般会計・
特別会計決算特別委員会 本文 2022-10-24 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : 【
樹神義和委員】
選択 2 : 【
人権推進課長】
選択 3 : 【
樹神義和委員】
選択 4 : 【多
文化共生推進室長】
選択 5 : 【
樹神義和委員】
選択 6 : 【
男女共同参画推進課長】
選択 7 : 【
樹神義和委員】
選択 8 : 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
選択 9 : 【
樹神義和委員】
選択 10 : 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
選択 11 : 【
樹神義和委員】
選択 12 : 【
地球温暖化対策課担当課長(
温暖化対策)】
選択 13 : 【
樹神義和委員】
選択 14 : 【
地球温暖化対策課担当課長(
温暖化対策)】
選択 15 : 【
樹神義和委員】
選択 16 : 【日高
章委員】
選択 17 : 【
男女共同参画推進課長】
選択 18 : 【日高
章委員】
選択 19 : 【
男女共同参画推進課長】
選択 20 : 【日高
章委員】
選択 21 : 【
男女共同参画推進課長】
選択 22 : 【日高
章委員】
選択 23 : 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
選択 24 : 【日高
章委員】
選択 25 : 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
選択 26 : 【日高
章委員】 選択 27 : 【杉浦正和委員】 選択 28 : 【生活環境地盤対策室長】 選択 29 : 【杉浦正和委員】 選択 30 : 【生活環境地盤対策室長】 選択 31 : 【杉浦正和委員】 選択 32 : 【岡 明彦委員】 選択 33 : 【文化芸術課長】 選択 34 : 【岡 明彦委員】
選択 35 : 【文化芸術課長】
選択 36 : 【岡 明彦委員】
選択 37 : 【文化芸術課長】
選択 38 : 【岡 明彦委員】
選択 39 : 【文化芸術課長】
選択 40 : 【岡 明彦委員】
選択 41 : 【文化芸術課長】
選択 42 : 【岡 明彦委員】
選択 43 : 【文化芸術課長】
選択 44 : 【岡 明彦委員】
選択 45 : 【文化芸術課長】
選択 46 : 【岡 明彦委員】
選択 47 : 【文化芸術課長】
選択 48 : 【岡 明彦委員】
選択 49 : 【文化芸術課長】
選択 50 : 【岡 明彦委員】
選択 51 : 【文化芸術課長】
選択 52 : 【岡 明彦委員】
選択 53 : 【中根義高委員】
選択 54 : 【
畜産振興監】
選択 55 : 【中根義高委員】
選択 56 : 【
畜産振興監】
選択 57 : 【中根義高委員】
選択 58 : 【
畜産振興監】 選択 59 : 【中根義高委員】 選択 60 : 【岡 明彦委員】 選択 61 : 【農業振興課長】 選択 62 : 【岡 明彦委員】 選択 63 : 【農業振興課長】 選択 64 : 【岡 明彦委員】 選択 65 : 【農業振興課長】 選択 66 : 【岡 明彦委員】 選択 67 : 【農業振興課長】 選択 68 : 【岡 明彦委員】 選択 69 : 【杉浦正和委員】
選択 70 : 【園芸農産課長】
選択 71 : 【杉浦正和委員】
選択 72 : 【園芸農産課長】
選択 73 : 【杉浦正和委員】
選択 74 : 【農業振興課長】
選択 75 : 【杉浦正和委員】
選択 76 : 【農地整備課長】
選択 77 : 【杉浦正和委員】
選択 78 : 【農地整備課長】
選択 79 : 【杉浦正和委員】
選択 80 : 【農業経営課長】
選択 81 : 【杉浦正和委員】
選択 82 : 【農業経営課長】
選択 83 : 【杉浦正和委員】
選択 84 : 【おおたけりえ委員】
選択 85 : 【農業振興課長】
選択 86 : 【おおたけりえ委員】
選択 87 : 【農業振興課長】
選択 88 : 【おおたけりえ委員】
選択 89 : 【日高
章委員】
選択 90 : 【農政課長】
選択 91 : 【日高
章委員】
選択 92 : 【農政課長】
選択 93 : 【日高
章委員】
選択 94 : 【
樹神義和委員】
選択 95 : 【農地計画課長】
選択 96 : 【森林保全課長】
選択 97 : 【森と緑づくり推進室長】
選択 98 : 【
樹神義和委員】
選択 99 : 【家畜防疫対策室長】
選択 100 : 【野生イノシシ対策室長】
選択 101 : 【
樹神義和委員】
選択 102 : 【食育消費流通課長】
選択 103 : 【
樹神義和委員】
選択 104 : 【食育消費流通課長】
選択 105 : 【
樹神義和委員】
選択 106 : 【園芸農産課長】
選択 107 : 【
樹神義和委員】
選択 108 : 【園芸農産課長】
選択 109 : 【
樹神義和委員】
選択 110 : 【園芸農産課長】
選択 111 : 【
樹神義和委員】
選択 112 : 【農業経営課長】
選択 113 : 【
樹神義和委員】
選択 114 : 【農地整備課長】
選択 115 : 【
樹神義和委員】 ↑
発言者の先頭へ 本文 ↓最初の
ヒットへ (全 0
ヒット) 1: (主な質疑)
《県民文化局、環境局関係》
【
樹神義和委員】
令和3年度決算に関する報告書の30ページにある人権推進事業費について伺う。
感染症患者等への誹謗中傷、部落差別、パワハラ、セクハラ、マタニティーハラスメント、インターネット上の誹謗中傷などの人権侵害を未然に防止するための人権教育・啓発を一層推進することは非常に重要であり、県は人権啓発事業として、人権啓発の拠点施設であるあいち人権啓発プラザの運営をはじめ様々な取組を行っている。昨年度の主な活動内容と成果と課題に対する認識を伺う。
2: 【
人権推進課長】
本県では人権教育・啓発に関する愛知県行動計画に基づき、家庭、学校、地域、職場などあらゆる場において様々な人権問題について正しい理解を深め、人権意識が高まるよう取組を進めている。具体的には昨年度、あいち人権啓発プラザにおいて、図書やDVD等の閲覧、視聴及び貸出しのほか、啓発パネル等の常設展示や企画展の開催、啓発パンフレットの作成及び配布などを実施した。また、本県の人権情報誌であるあいち人権情報を年2回、各2万5,000部発行し、県内市町村、公立図書館や県内小中高校等に配布することで、人権に関する情報提供を幅広く行った。さらに、昨年12月4日から10日までの人権週間に合わせて、広く県民に人権問題への関心を高め、人権尊重の理念について理解を深めてもらえるよう、人権啓発ポスターを作成し、県内の公的機関や鉄道駅構内での掲出、新聞広告、インターネット広告による啓発を行った。加えて、地域における人権啓発の指導的な役割を担う人材を育成するため、市町村や県機関の人権啓発担当者などを対象とした人権啓発指導者研修会を3日間開催した。
こうした取組により、昨年度はコロナ禍ではあったが、人権啓発プラザでは2020年度を約18パーセント上回る1,351人に利用してもらうとともに、人権啓発指導者研修会では、参加者の約96パーセントから人権問題についての関心や理解が深まったとの回答をもらうなど、人権意識の向上に一定の成果があったと考えている。
一方、2017年度に実施した人権に関する県民意識調査では、今の日本は基本的人権が尊重されている社会であると思うと答えた県民の割合が全体の3割にとどまっており、人権に関する理解は依然として十分ではなく、一層の取組が必要であると認識している。
こうした状況を踏まえて、本年4月1日に愛知県人権尊重の社会づくり条例を施行し、新たに人権相談窓口や人権施策の推進について審議する審議会を設置した。
これまでの取組に加え、こうした新たな取組を行うことにより、全ての人の人権が尊重される社会の実現を目指していく。
3: 【
樹神義和委員】
引き続き、条例に基づく人権啓発を推進してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の49ページにある多文化共生推進事業費のうち地域における初期日本語教室実施事業について伺う。
県では、2020年度からあいち地域日本語教育推進センターを設置し、地域日本語教育関連施設を総合的、体系的に推進しており、ほとんど日本語が分からない外国人県民に対して行う初期日本語教育については、2018年度から毎年度、県内一地域でモデル的に初期日本語教室を実施しているが、昨年度の実績と評価を伺う。また、県内での大規模災害発生時に設置される愛知県災害多言語支援センターの運営を円滑に行うため、訓練を毎年実施するとともに、市町村担当職員、国際交流協会職員、ボランティア等を対象にした災害時外国人支援活動講座を開催しているが、昨年度の実績と評価を伺う。
4: 【多
文化共生推進室長】
日常生活に必要な日本語の習得を目的とした初期日本語教育のモデル事業は、昨年度は岩倉市において実施し、合計16回の教室に43人の外国人が参加した。また、モデル事業を実施した翌年度以降も同市が主体となって初期日本語教室を継続できるように、地域で初期日本語教育を行う人材の養成も実施しており、全10回の指導養成講座に25人の県民が参加した。
この事業には岩倉市の担当職員も毎回熱心に参加し、本年6月に同市が独自の初期日本語教室を立ち上げることになった。また、本年7月に県内市町村に対して意向調査を行ったところ、五つの市からモデル事業の実施希望があった。2018年度から継続してモデル事業を実施しており、初期日本語教育に対する市町村の意識は高まってきていると考えている。
引き続き、市町村が主体となった初期日本語教育の取組を県内全域に普及できるよう、モデル事業を通じて市町村の支援に取り組んでいく。
また、愛知県災害多言語支援センターは、大規模災害時に多言語による情報提供や被災市町村に対する翻訳及び通訳支援を行うために設置するもので、公益財団法人愛知県国際交流協会と共同で運営することとしている。
当センターの設置運営訓練は毎年県内市町村等と連携して実施しており、昨年は8月に小牧市を対象として行った。具体的には、南海トラフ地震の発生を想定し、市役所からの依頼を受けて様々な文書を翻訳する流れや、状況に応じて関係機関と連携して通訳者を派遣する一連の流れを訓練した。訓練には、災害時における支援協定を締結している企業や公益財団法人名古屋国際センター、公益財団法人岐阜県国際交流センター等にも協力してもらい、訓練を通じて支援ネットワークの強化も図っている。
また、災害時外国人支援活動講座には、市町村や国際交流協会の職員60人が参加した。この講座はオンラインによる開催で、市町村が開設する避難所での外国人支援を想定し、多言語による分かりやすい案内表示の作成やスマートフォンの翻訳アプリを活用するなど、実践的な内容であった。
参加者からは平時における事前準備の重要性を再認識したとの意見が多く、毎年こうした訓練や講座を行うことで、災害に対する危機意識が高まると感じている。
大規模災害の発生時に、言葉の壁により情報が届きにくい外国人県民に対する支援が迅速かつ円滑に行われるよう、今後もより実践的な訓練等の実施や支援体制の強化に取り組んでいく。
5: 【
樹神義和委員】
新型コロナウイルス感染症が落ち着くとさらに国際化は進んでいくと思うため、引き続き多文化共生活動を推進してほしい。
続いて、令和3年度決算に関する報告書の45ページにある男女共同参画推進費のうち女性の活躍魅力向上推進事業費について、県はパンフレット作成や表彰などを通して広く県民への意識啓発を行っているとともに、昨年3月に策定されたあいち男女共同参画プラン2025では、あらゆる分野における女性の活躍を重点目標の冒頭に柱立てし、一層の取組の推進を図っている。就職前の早い段階から男女共同参画への意識づけをしていく必要があると思うが、具体的な取組実績と評価を伺う。
6: 【
男女共同参画推進課長】
本県では、昨年度からキャリアプラン早期育成事業として中学校、高校及び大学などに出向き、例えば女性は理系に向かないという固定的な意識にとらわれない進路、職業及びキャリアプランについて考えてもらう出前講座を実施している。昨年度は出前講座を中学校5校、高校7校、専修学校1校、大学3校の合計16校で実施し、約2,000人の生徒及び学生に受講してもらった。
出前講座実施後のアンケートでは講座内容への満足度は非常に高く、講座を受講したことで男女共同参画に興味を持ったという結果が出ている。具体的な感想としては、男性あるいは女性はこうあるべきという考えにとらわれず一人一人の個性を尊重していくことが重要だと気づかされた、工業系の仕事は男性というイメージをなくしたいと思った、男性あるいは女性だからではなく人として考えて行動できるようになりたい、との内容であった。
こうした取組は、性別役割分担意識の払拭に効果が高いことから、本年度も継続して実施している。引き続き、若い世代に対する男女共同参画の意識づけを行っていきたい。
7: 【
樹神義和委員】
今後も、男女共同参画の実現に向けた取組を推進してほしい。
続いて、プラスチックごみによる環境問題への取組の推進について、令和3年度決算に関する報告書の70ページにある廃棄物処理計画推進費について伺う。現在、プラスチックごみによる環境問題に積極的に取り組む必要があり、県は令和2年1月に公表したあいちプラスチックごみゼロ宣言を踏まえ、昨年度は県民や事業者にプラスチックごみ削減に向けた行動を促すため、オンラインセミナー等による普及啓発を実施するとともに、プラスチックを含む海洋ごみの発生抑制に向けて海岸漂着物の組成調査を実施したと聞くが、取組実績と今後の課題を伺う。
8: 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
本県では、毎年度、県民や事業者にプラスチックごみゼロに取り組んでもらうための啓発事業等を実施している。昨年度の実績としては、8月に事業者向けのオンラインセミナーを開催してプラスチック問題の現状などを取り上げるとともに、企業の先進事例などを紹介した。当日は約130人が参加するとともに、社内研修用として編集した動画を希望した33社の約1,000人に視聴してもらった。
海岸漂着物の組成調査については、令和2年度から伊勢湾、三河湾及び遠州灘の海岸で漂着ごみの組成や重量等を調査した。3地点の昨年度の調査結果を見ると、流木などの自然物の重量が9割以上を占め、残り1割が人工物であり、人工物の内訳はペットボトルをはじめとする容器包装などのプラスチックごみが半分以上であった。この調査結果から、内陸部で発生したプラスチックごみが河川を通じて海に流出していることが推測でき、内陸部を含め県内全体でプラスチックごみを削減していくことが必要であり、重要な課題であると認識している。
こうした中、新たにプラスチック資源循環促進法が本年4月に施行されたことに伴い、プラスチックごみに対する社会の関心は一層高まっている。
県としても、こうした機運を捉え、本年度は日常生活でプラスチックごみが削減できる場面を紹介するなど、消費者向けの啓発動画を新たに作成して配信するとともに、市町村に対して新たな法律に基づく計画の策定等の支援を行うなど、様々な主体に対してプラスチックごみに関する理解が深まるような取組を継続して実施し、プラスチックごみ削減に向けた行動変容を促していく。
9: 【
樹神義和委員】
プラスチックごみに関しては県民の注目度が高いと思うので、引き続き取り組んでほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の70ページにある廃棄物処理計画推進費について伺う。
食品ロスの実態調査として、令和元年度は家庭系食品ロス量を調査し、令和2年度は事業系食品ロス量を把握するために食品関連事業者に対してアンケートを行って、食品ロス量を推計したと聞く。これらの調査結果を昨年度どのように活用し、今後どのように取り組んでいくのか。
10: 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
本県では、食品ロス量を把握するために令和元年度に家庭系の実態調査を、翌年度は事業者へのアンケートを実施した。
その結果、県内の食品ロス発生量は年間で約48万トンと推計し、そのうち家庭系の発生量は21万5,000トン、事業系の発生量は26万5,000トンであった。また、両者の割合は家庭系が約45パーセント、事業系が約55パーセントである。
この調査結果を活用して家庭系及び事業系の将来推計を算出し、昨年度、愛知県食品ロス削減推進計画を策定した。計画では二つの目標を定めており、一つ目は本年度以降5年間の計画期間における食品ロスの削減目標を設定している。具体的には、目標年度の令和8年度までに、令和元年度比で約4万7,000トン、県民1人当たり年間約6キログラムを削減する目標を掲げている。二つ目の目標は削減に取り組む県民意識の割合であり、国の目標である80パーセントを上回る85パーセントを目指すこととしている。
これらの目標達成に向けた取組として、昨年度は県民や食品関連事業者を対象とした食品ロス削減イベントの開催や小学生向けの環境学習プログラムを活用したモデル事業の実施などの普及啓発を行った。
本年度はこれらの取組を引き続き行うほか、新たに食品ロス削減に積極的に取り組む企業、団体等を認定するパートナーシップ制度を創設し、優れた事例を積極的に紹介するなど、取組の輪を広げていきたい。また、市町村に対しても、食品ロス削減推進法で定める食品ロス削減推進計画の策定を支援するため、モデルとなる市町村の家庭ごみの排出実態調査や研修会の開催などを実施していく。
食品ロス削減には消費者、事業者を問わず、食べ物を無駄にしないという意識の定着を図り、食品廃棄物の発生抑制と食品としての有効活用の取組を進めていくことが大切であるため、引き続き、県民、事業者及び行政が一体となって取組を進めていく。
11: 【
樹神義和委員】
新型コロナウイルス感染症の影響で食品ロスに対する注目度が薄まっていると感じる。引き続き、事業を推進してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の64ページにあるあいち地球温暖化防止戦略費のうち戦略推進費及び住宅用地球
温暖化対策設備導入促進費補助金について伺う。
あいち地球温暖化防止戦略2030では、2030年度の温室効果ガス総排出量を2013年度比で26パーセント削減とした目標に向けて取組を行っていると聞く。県内の温室効果ガス排出量の6割以上を占める産業部門及び業務部門における対策として、愛知県地球
温暖化対策推進条例に基づき実施している地球
温暖化対策計画書制度の昨年度の実績と評価を伺う。
また、家庭部門の対策として、環境に配慮した住宅であるスマートハウスやZEH等の普及を図るために市町村と実施している住宅用地球
温暖化対策設備導入促進費補助金の昨年度の実績と評価も伺う。さらに、カーボンニュートラルへの取組として、あいちカーボンニュートラル戦略会議で選定したプロジェクトの取組状況も伺う。
12: 【
地球温暖化対策課担当課長(
温暖化対策)】
地球
温暖化対策計画書制度は、愛知県地球
温暖化対策推進条例に基づき、温室効果ガス排出量が相当程度多い事業者に対して、温室効果ガス排出量の削減目標や削減に向けた措置を記載した地球
温暖化対策計画書を3年ごとに、その実施状況書を毎年提出することを義務づけるものである。
2019年度からは新たにその計画書等を県が評価し、その結果を公表するとともに、助言している。昨年度は、これまでに計画書を提出した729事業者から状況書が、新しく24事業者から計画書が提出された。状況書を提出した事業者のうち2019年度に計画書を提出した663事業者は、2020年度の排出量の合計が3,343万トンであり、計画書に記載された2018年度の排出量から2年で8.6パーセント減少しており、計画書制度の運用により対象事業者の温室効果ガス排出量の削減が着実に進んでいると考えている。また、提出された計画書及び状況書に基づき、目標削減率の低い事業者と削減対策が十分でない事業者を対象に、年間40件ずつ条例に基づく助言を実施している。
昨年度の具体的な助言内容については、設備の稼働状況や削減対策の実施状況、さらには赤外線サーモグラフィーなどの計測機器を用いて現地を確認した上で、温度や圧力設定の見直しなど運用面での改善や、保温カバーや蒸気ボイラーのヒートポンプ化などによる設備対策を助言した。2019年度に助言を行った40事業者の温室効果ガス排出量の推移は、2019年度に対前年比で0.6パーセント排出量が増加していたところ、助言を実施した2020年度は対前年度比で5.2パーセントの減少に転じており、助言の効果があったと考えている。
次に、住宅用地球
温暖化対策設備導入促進費補助金について、昨年度の補助実績は6,410件、1億2,887万2,000円で、このうち家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、燃料電池、蓄電池等の単体導入に対する補助実績は4,667件、6,684万3,000円であり、太陽光発電施設、HEMS、蓄電池及び電気自動車など、充給電設備等の一体的導入に対する補助実績は1,743件、6,202万9,000円であった。特に、太陽光発電施設により発電した電気の自家消費を促すために設けた蓄電池への補助実績は、単体導入と一体的導入を合わせて4,034件、9,959万8,000円で、蓄電池を補助メニューに追加した2015年度の382件、675万1,000円から急増しており、昨年度の補助実績全体のうち件数では6割を超え、金額では約8割を占めている。これは、固定価格買取制度の期間満了等に伴う県民ニーズに対応していると考えている。また、一体的導入に対する補助実績は補助メニューを追加した2018年度の256件、965万5,000円から大幅に増加しており、環境に配慮した住宅の普及に貢献していると考えている。
今後も必要に応じて補助メニューの見直しを行うなど、環境に配慮した住宅の一層の普及を図っていきたい。
次に、あいちカーボンニュートラル戦略会議で選定したプロジェクトの取組状況について、本県では、昨年6月からカーボンニュートラルの実現に資する革新的で独創的な事業、企画、アイデアを募集しており、学識経験者で構成するあいちカーボンニュートラル戦略会議では事業化すべきプロジェクトを選定している。
昨年度のあいちカーボンニュートラル戦略会議では、矢作川カーボンニュートラルプロジェクトと、アジア競技大会選手村後利用事業における街区全体で統一的に木造・木質化を図るまちづくりプロジェクトの二つのプロジェクトを選定した。
一つ目の矢作川カーボンニュートラルプロジェクトは建設局が中心となり、矢作川流域をモデルケースとして、水循環をキーワードに森林保全、治水、利水、下水処理などにおいて官民連携で総合的かつ分野横断的にカーボンニュートラルの実現を目指すものである。本年3月には28項目の取り組むべき施策を掲げて全体像を発表するとともに、8月には国、県、市、経済団体及び学識者で構成する矢作川カーボンニュートラル推進協議会を設立するとともに、四つの分科会を設置し、事業化に向けた具体的な検討を行っている。
二つ目の街区全体で統一的に木造・木質化を図るまちづくりプロジェクトは農林基盤局が中心となり、アジア競技大会選手村後利用施設の整備に当たり、都市の木造・木質化のモデルとなるように統一的に建築物の木造・木質化を図ることで、炭素を固定してカーボンニュートラルの実現に資するものである。本年3月には学識者や庁内関係課で構成する研究会を立ち上げ、建築物の木造・木質化に係る技術的事項などの専門的見地から、第20回アジア競技大会選手村後利用事業契約候補者グループに助言を行うとともに、9月には、このグループと県が本県初となる建築物木材利用促進協定を締結し、先導的でシンボリックなまちづくりに向けた取組を進めている。今後も、戦略会議で選定したプロジェクトについて、官民連携によって早期事業化を進めていく。
13: 【
樹神義和委員】
次に、令和3年度決算に関する報告書の68ページにある低炭素水素サプライチェーン事業化推進費について伺う。
再生可能エネルギー等を活用して、二酸化炭素の排出が少ない低炭素水素製造、輸送及び利用するサプライチェーンの構築拡大に向けて、あいち低炭素水素サプライチェーン推進会議を設置して産学行政の協働による取組を推進してきたと聞くが、昨年度の低炭素水素認証制度による実績と評価を伺う。
14: 【
地球温暖化対策課担当課長(
温暖化対策)】
昨年度は低炭素水素認証制度に基づき、東邦ガス株式会社が豊田市内の水素ステーション2か所においてグリーン電力証書などでカーボン・オフセットした都市ガス由来の低炭素水素を製造し、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)に供給する事業認定を行っている。また、毎年度、事業認定を受けた事業者から前年度における低炭素水素の製造実績等の申請を受け付け、低炭素水素審査会で審査の上、認証を行っている。昨年度は、2020年度の実績として約21万ノルマル立方メートルの低炭素水素の製造を認証し、約346トンのCO2削減効果があった。これは、FCV約3,400台分の燃料に相当し、一般家庭87世帯分の年間CO2排出量に相当する。2018年度に制度を創設して以降、毎年度新たな事業を認定しており、現在までに認定事業は六つである。これまでに約41万ノルマル立方メートルの低炭素水素の製造を認証し、約670トンのCO2削減効果があった。これは、FCV約6,500台分の燃料に相当し、一般家庭169世帯分の年間CO2排出量に相当する。このように着実に取組が進展していると考えている。
15: 【
樹神義和委員】
本県のCO2排出量の6割以上を産業部門と業務部門が占めており、本県は47都道府県中一番CO2排出量が多いと思う。そういったことも踏まえ、今後も産業部門及び業務部門中心に地球
温暖化対策を推進してほしい。
16: 【日高
章委員】
令和3年度決算に関する報告書の43ページにある女性の活躍企業取組支援事業費について、女性の活躍促進に向けて取組を積極的に実施する企業等を、あいち女性輝きカンパニーとして認証するとある。この事業では、認証取得企業が増えるほど企業における女性活躍が確実に促進されると考えるが、昨年度の実績とこれまでの事業成果を伺う。
17: 【
男女共同参画推進課長】
あいち女性輝きカンパニーの認証制度は2015年度に創設し、昨年度末での認証実績は1,045件である。制度発足から2020年度までの認証件数は年間で100件から200件であったが、昨年度は309件と過去最高であった。あらゆる機会で地道に働きかけてきたことで、昨年度の大幅な増加につながったと考えている。
18: 【日高
章委員】
昨年度は過去最高の認定件数とのことであり大変歓迎したいが、効果の大きさを考えると、まだ県全体の事業所数及び企業数は少ないと思う。そこで、これまでの取組における反省点や課題を伺う。
19: 【
男女共同参画推進課長】
あいち女性輝きカンパニーに認証された企業を地域別で見ると、1,045件のうち名古屋市内の企業が487件で全体の46.6パーセントを占めており、名古屋市以外の企業の割合が少ないという課題がある。名古屋市以外にある企業の多くは中小企業であるため、今後は、特に中小企業に対して働きかけを行っていく必要があると考えている。
20: 【日高
章委員】
その反省点を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか。
21: 【
男女共同参画推進課長】
今後は中小企業への働きかけが重要になると考えており、本年度の新規事業として、中小企業女性活躍推進モデル事業を豊橋市、西尾市、大府市の3市で実施している。
現在、各市役所の男女共同参画担当や商工担当、地元の商工会議所などと意見交換をしており、今後、各地域でセミナーを開催するなどして中小企業に、女性活躍に向けた取組を働きかけていく予定である。
本年度の事業を行っている中で、地域における中小企業の女性活躍を進めていくためには市町村や商工会議所などと連携して働きかけていくことが重要であると感じており、今後も商工会議所などの協力を得ながら取組の輪を広げていきたい。
また、あいち女性輝きカンパニーに認証された企業の中から、中小企業に女性活躍促進の働きかけを行ってもらえる企業をあいち女性の活躍プロモーションリーダーとして委嘱している。これまでに216の企業に委嘱しており、プロモーションリーダーの働きかけによって輝きカンパニーの制度を知ったという企業も多い。今後もプロモーションリーダーとも連携し、中小企業への働きかけを継続的に行っていきたい。
22: 【日高
章委員】
あいち女性の活躍プロモーションリーダーとして中小企業に働きかけるという考え方は非常に有効であると思う。行政から働きかけても伝わらないことが多く、企業から実体験に基づいて他の企業に有効性を説くことは重要であると思うので、引き続き実施してほしい。
また、この制度は働く女性にとって大変有意義であり、加えて企業へのメリットも非常に大きく、企業イメージが向上するとともに社内の雰囲気もよくなり、さらに企業価値が高まると聞く。このことを企業に直接働きかけ、認証取得を増やしてほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の68ページにある循環型社会形成推進費について伺う。
サーキュラーエコノミーについては昨年2月定例議会で質問し、報告書にはサーキュラーエコノミー推進プランを策定したとある。サーキュラーエコノミーとは、製品の製造から消費、リサイクルまでの各段階で、新たな資源の投入や廃棄物の発生を限りなくゼロにする経済モデルであるが、サーキュラーエコノミー推進プランとはどのようなプランで、どのような特徴があるのか。
23: 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
本県は全国に先駆けて、限りある資源を有効に循環利用し資源投入量や廃棄物発生量を最小化するサーキュラーエコノミーへの転換を図るため、あいちサーキュラーエコノミー推進プランを本年3月に策定した。本プランでは、今後10年間でサーキュラーエコノミーへの転換を進めながら、これまで培われてきた3Rの技術及び取組を高度化し、循環ビジネスの進展を図っていくことを目標としている。
このプランの大きな特徴としては、プラスチックや使用済み太陽光発電パネルなどの社会的課題を本県の地域特性や産業のポテンシャルを生かして解決していく、六つのサーキュラーエコノミー推進モデルを創設したことである。さらに、これらの推進モデルを展開するプロジェクトチームを立ち上げて民間活力による事業化を支援するとともに、県庁西庁舎7階に設置しているあいち資源循環推進センターを核として、循環ビジネスの発掘創出から事業継続、普及展開までを一貫して支援することで、県内全域でサーキュラーエコノミーの普及展開を図り循環型社会の形成を加速化していくこととしている。
24: 【日高
章委員】
サーキュラーエコノミーを推進していくためには、製品のライフサイクル全体で取り組んでいくことや、製造メーカーなどの動脈産業の企業が設計や生産の発想を変えていくことが必要であると考えるが、あいちサーキュラーエコノミー推進プランでは、産業界とどのように連携し、支援していくのか。
25: 【
資源循環推進課担当課長(循環・
一般廃棄物)】
六つのサーキュラーエコノミー推進モデルの具体化に向けて立ち上げるプロジェクトチームは、設計、生産、流通、小売、利用、回収、リサイクルの各段階を担う多くの事業者に参画してほしいと考えており、本年10月19日から公募を開始した。
県としては、プロジェクトチームをしっかりとサポートする。そして、一企業ではできない取組をバリューチェーンにより、製造メーカーなどの動脈産業と廃棄物を取り扱う静脈産業の企業が連携しながらプロジェクトチームによる事業化を進めていく。
また、あいちサーキュラーエコノミー推進プランの施策として、製造メーカーにもサーキュラーエコノミーの考え方を踏まえた設計や生産を促していくため、本県独自の補助制度である循環型社会形成推進事業費補助金の補助対象として、製品の単一素材化、容易な解体、長寿命化、軽量化などのエコデザインによる製品の製造設備を新たに加えている。ほかにも、本プランでは、大規模展示会を通じた循環ビジネスの普及展開支援やサーキュラーエコノミーの意義や取組事例を紹介するスターティングブックによる普及啓発、サーキュラーエコノミー型ビジネス創出研究会の開催などにより、産業界のサーキュラーエコノミーの普及に向けた取組を促進していく。
26: 【日高
章委員】
サーキュラーエコノミーとは、廃棄物を出さない、資源を使い続ける、自然システムを再生するという、三つの原理の上に成り立つ経済モデルであり、資源循環だけでなく経済成長と新たな雇用創出を実現する点で革新的であると聞く。しかし、サーキュラーエコノミーは企業が単独で取り組むことはできず、社会全体、産業界全体、地球規模で形成することが重要な視点となる。そのため、あいちサーキュラーエコノミー推進プランを策定し取り組んでいくことは、大変有意義だと思う。
県として企業の連携を促していくことが必要であり、産業界の各分野別でのプロジェクトチームにおいて、資源、生産、利用、リサイクルのエコシステムの理解を促進し、意欲ある企業に対して強く呼びかけてほしい。
27: 【杉浦正和委員】
令和3年度決算に関する報告書の61ページにある浄化槽対策費のうち、浄化槽台帳整備のためのデータ精査について伺う。
令和元年の浄化槽法改正により、令和2年度から県が浄化槽台帳を整備するために、市町村、浄化槽保守点検業者、清掃業者などから必要な情報を入手することができるようになった。
県が行っている浄化槽台帳データ精査について、昨年度はどこからどのくらいのデータを入手したのか。また、入手したデータを用いて浄化槽台帳データをどのように精査しているのか。さらに、精査を実施する過程において、県職員はどのような業務に携わっているのか。
28: 【生活環境地盤対策室長】
昨年度は、半田市や津島市など16市町の浄化槽台帳データを精査するため、これらの市町で浄化槽の保守点検を行っていたり、清掃業の許可を有している250業者から浄化槽約12万4,000基分の管理者氏名、設置場所、種別、規模などのデータを入手した。また、市役所及び役場から下水道等への接続情報など29万戸分のデータを入手した。
これらのデータを用いて、新たに設置が判明した浄化槽、下水道等に接続済みと判明した浄化槽について、浄化槽台帳データの追加や削除を行う。
入手データに記載された住所が不正確である場合や旧住所で記載されている場合は、県職員が建物1件ごとに、住宅地図や航空写真等を使って設置場所を確認する。その上で、汚水の処理方法が判別できない建物については、委託業者による戸別訪問や郵送調査により実際の処理方法を把握する。
県職員はデータ入手に係る市町村や業者との調整、追加や削除を行った台帳データの内容確認、戸別訪問や郵送調査を行う対象の決定のほか、浄化槽が敷地内に多数設置され委託業者のみでは対応が難しい大規模工場等への訪問調査を、近隣事務所の職員に協力してもらい実施している。
29: 【杉浦正和委員】
県職員は非常に多くの業務をしていると感じたが、浄化槽台帳データの精査業務における県の体制を伺う。
30: 【生活環境地盤対策室長】
データ精査業務は本庁主体で実施しており、生活環境地盤対策室生活環境グループの班長及び班員4人のうち浄化槽専属の担当者は2人である。浄化槽担当者は、浄化槽法や浄化槽保守点検業者の登録に関する条例に基づく業務、浄化槽設置費補助金に関する業務に加え、法改正により、浄化槽台帳の整備や浄化槽管理士に対する研修会の開催、愛知県浄化槽協議会の運営などの業務が追加されているため、浄化槽台帳データ精査業務についてはグループ全体で鋭意取り組んでいる。
31: 【杉浦正和委員】
少数の担当者が、ほかの業務もある中でデータ精査しているとのことであるが、行政職員が数人でやるべき業務であるのかと感じる。浄化槽台帳データ精査は来年まで続くため、人員を増加するなど、県職員が本来の業務に従事できるよう考えてほしい。
32: 【岡 明彦委員】
令和3年度決算に関する報告書の33ページにある文化学事振興総務費について伺う。
本県の文化芸術振興条例には、文化芸術の持つ力を社会にあまねく及ぼしていくために他分野との連携の重要性が挙げられている。そこで、文化芸術連携推進事業の内容と開始時期を伺う。
33: 【文化芸術課長】
平成30年3月に制定した愛知県文化芸術振興条例では、基本理念として幅広い分野との連携を視野に入れた施策展開を挙げている。この条例の趣旨に基づき、平成30年度から多様な文化芸術を体験する機会として、観光まちづくりや福祉など、様々な分野と連携してワークショップやシンポジウムなどを行っている。
34: 【岡 明彦委員】
昨年度の文化芸術連携推進事業の内容を伺う。
35: 【文化芸術課長】
昨年9月18日に、環境分野との連携事業としてクイズを交えた生き物と音探しのワークショップを実施した。台風のためオンライン開催となったが、17人が参加した。また、11月3日には動物愛護と連携して身近なペットをテーマとして黒板に描くチョークアートを実施し、40人が参加した。さらに、11月21日には福祉分野と連携して、名古屋市内の障害者施設において、専門家の指導の下、粘土細工の創作活動を実施し、7人が参加した。
本年3月14日には観光まちづくり分野と連携して、まちを歩いて写真を撮影しながら地域の新たな魅力を発見してもらうという趣旨で、カメラ講師と共にまちを歩くツアーを名古屋市内において実施し、22人が参加した。
また、毎年シンポジウムを行っていたが、昨年度はコロナ禍を踏まえ、日本舞踊と洋楽、和太鼓と生け花など異なる芸術分野が混ざり合った新たな芸術について動画を配信し、4,714回の視聴があった。この動画の作成の際は、先ほど紹介した環境分野のワークショップでつくった音の素材を使うなど、各ワークショップとも連携した。
36: 【岡 明彦委員】
文化芸術連携推進事業は、具体的にどのような効果をもたらしたのか。
37: 【文化芸術課長】
これまで、観光まちづくり、福祉、環境、動物愛護、アウトドア、スポーツ、教育、国際交流など、多様な分野と連携しており、文化芸術を体験するきっかけづくりを示すとともに、文化芸術の可能性を広く県民に示すことができるので、この事業により文化芸術の振興を図ることができていると思っている。
38: 【岡 明彦委員】
この事業は継続性が大事だと思うが、どのように考えているのか。
39: 【文化芸術課長】
文化芸術連携推進事業では多様な分野と連携しており、中でも観光まちづくり分野との連携については、事業を開始した平成30年度以降、毎年度行っており、歌人や写真家など様々な講師を迎えるまち歩きツアーは非常に好評である。平成30年度には、名古屋市の有松地区でまちを歩きながら短歌を読む講座を実施した。令和元年度には、常滑市のやきもの散歩道でまちを歩きながら写真を撮影する講座を実施した。令和2年度はコロナ禍のために中止になったが、昨年度は、名古屋市でまちを歩きながらスマートフォンのカメラを使った撮影講座を行った。まち歩きのコースは、あいち観光まちづくりゼミにおける公募で集まったゼミ生が企画しており、県内各地の隠れた魅力の発掘にも貢献している。
また、福祉分野との連携についても、平成30年度以降、毎年度障害者施設において創作活動を行っており、平成30年度は、専門家を障害者施設に招いた際に入所者によるロックバンドを結成し、県庁の本庁舎公開イベントで公演を行った。
文化芸術連携推進事業の一環として、令和元年度には、豊川市で開催したシンポジウムで創作作品を展示した。また、令和2年度には、あいちアール・ブリュットパートナーシップ事業においてNPO法人などが実施するはがきアートコンテストへの応募作品を、文化芸術連携推進事業において制作することとした。さらに、昨年度には、創作した粘土細工の作品を、本事業において名古屋市と豊橋市で出張展示した。
このように、他部局との連携も含め、外部に向けた成果発表を継続的に行っている。様々な分野と連携し、様々な人に参加してもらうとともに、特定の分野において継続的に連携を続け、体験機会を根づかせることも大切であると考えている。
今後も、継続性を意識した事業展開を行っていきたい。
40: 【岡 明彦委員】
文化芸術連携推進事業について各部局と連携していることが分かったが、各地域で継続していくことも重要である。今後、より積極的に事業展開してほしい。
次に、文化活動事業費補助金について伺う。
コロナ禍で2年半、文化芸術団体の多くが活動を制限された。そして、制限されたことで活動の継続に支障が出たが、ようやく新型コロナウイルス感染症が落ち着きつつあり、各文化芸術団体は積極的に活動を始めた。その一方で、各文化芸術団体が活動を制限された2年半のダメージが大きく、各団体の経営体力は大分弱っている。その中で、再開支援施策が重要になると思うが、文化活動事業費補助金の昨年度の申請及び採択状況を伺う。
41: 【文化芸術課長】
昨年度は、125団体から補助金の申請があり、このうち83団体を採択して交付決定した。
42: 【岡 明彦委員】
採択件数は83団体とのことであるが、補助件数は70団体と聞く。この差はどこにあるのか。
43: 【文化芸術課長】
採択後に、新型コロナウイルス感染症の影響などによる事業中止や規模縮小により支出した経費が補助金算定基礎額の下限を下回る事業があった。それらの団体からは事業廃止の申請が提出されたため、交付決定を取消し補助対象から外れた事例があったことで差が出た。
44: 【岡 明彦委員】
昨年度の補助金の申請件数は、令和2年度に比べてどのような状況であるのか。
45: 【文化芸術課長】
令和2年度の申請件数は88件であった。昨年度の申請件数は125件であるので、前年度比で約1.4倍増えている。
採択と補助件数については、令和2年度は88件採択し最終的に補助したのは77件であった。差が出ているのは、事業中止などにより11件が補助対象から外れたためである。
昨年度は83件採択し、最終的に補助したのは70件であった。同じく、差が出ているのは事業中止などにより13件が補助対象から外れたためである。
46: 【岡 明彦委員】
答弁を踏まえると、平成2年度は88件申請があり88件採択したのか。
47: 【文化芸術課長】
そのとおりである。
48: 【岡 明彦委員】
事業中止となる事例が多いが、不用額を伺う。
49: 【文化芸術課長】
昨年度の不用額は635万2,000円で、このうち新型コロナウイルス感染症の影響による減額及び取消しは408万8,000円であった。令和2年度の不用額は707万8,000円で、このうち新型コロナウイルス感染症の影響による減額及び取消しは459万3,000円であった。
50: 【岡 明彦委員】
新型コロナウイルス感染症の影響は、令和2年度が2年目で本年度が3年目とすると、昨年度は令和2年度より申請が増えている。これは、コロナ禍の回復途上にある中で、文化芸術活動が活発になりつつあることの表れだと思う。このような中、どのような支援を行っていくのか。
51: 【文化芸術課長】
新型コロナウイルス感染症は、公演や展示の中止及び縮小など、文化芸術団体の財政基盤に多大な影響を及ぼしている。これに対応するため、令和2年度から制度を改め、新型コロナウイルス感染症の影響による中止や廃止した事業、無観客の公演とした事業についても、準備や実施等に支出を行っていれば補助対象とするとともに、消毒液の購入や関係者のPCR検査など、感染症対策費用も補助対象とした。昨年度は、感染症を理由とした中止及び廃止事業7件、無観客事業4件に対して補助した。補助金の申請団体が増加したことは文化活動が活発になってきたと考えられるが、新型コロナウイルス感染症の影響はまだ続いており、支援を必要とする団体は多いと思う。今後も文化活動団体のニーズを捉え、必要な支援を継続していきたいと思っている。
52: 【岡 明彦委員】
本年度の補助金の申請件数は126件、交付決定が77件で、昨年度とほぼ同じ状況である。この件数は、令和2年度と比較すると明らかに増えており、多くの団体が行政への支援を望んでいると思う。個人的には、この補助金の財源は基金により運営されており不用額は基金に戻ることを踏まえると、不用額とするのではなく、改めて文化芸術団体に補助してはどうかと思う。本県の文化芸術振興に必要な補助は今必要であり、各文化芸術団体の活動がコロナ禍以前のように戻るまで、予算規模を増やしつつ文化活動事業費補助金を実施してほしい。
53: 《農業水産局、農林基盤局関係》
【中根義高委員】
令和3年度決算に関する報告書の231ページにある畜産振興費の地域飼料資源循環促進事業について、自給飼料対策費の予算額が714万7,000円で、そのうち地域飼料資源循環促進事業費の予算650万7,000円、自給飼料生産振興事業費の予算が64万円である。まず、地域飼料資源循環促進事業の取組内容及び成果を伺う。
54: 【
畜産振興監】
地域飼料資源循環促進事業は、食品製造業者等から発生する食品残さなどを畜産飼料として有効に活用し、飼料コスト低減や廃棄物排出量抑制に寄与することを目的とし、2020年度から飼料としての利用方法や保管方法、さらに給与技術の検討と実証を行っている。
昨年度は、地域で問題となっている竹林の竹を粉末にしたものに、醸造酢、醤油及びみりんの搾り粕を加えた飼料を乳用牛に給与した場合の影響や、エゴマの搾り粕を豚に給与した場合における豚の肉質への効果等を調べた。
この結果、乳用牛に給与した飼料は、ふだん利用している飼料と比較して、牛の嗜好性と生乳の生産量や乳質について、遜色ない成績が得られることが確認できた。また、豚に給与した飼料は、豚肉の中にαリノレン酸の含有量が増えるという効果が確認されている。
55: 【中根義高委員】
次に、自給飼料生産振興事業費の決算額、取組内容及び成果を伺う。
56: 【
畜産振興監】
自給飼料生産振興事業費の決算額は、54万円である。事業内容としては、県内における飼料作物の生産拡大を図るため、水田を活用したデントコーンの栽培における課題やデントコーンのサイレージを乳用牛に給与した場合の課題等について調べた。
デントコーンを栽培した水田には、転作のためにデントコーンを植えてある。再び水稲を作付する場合の影響を調べると、デントコーン生産のために用いている牛ふん堆肥の窒素分が土壌に残っており窒素過剰になる可能性があり、水稲における窒素肥料の施肥量を調整することで水稲の生育及び収量には影響がないことが分かった。また、デントコーンのサイレージを乳用牛に給与した場合について、生産性や乳質への影響は認められなかった。
この調査結果により、水田でデントコーンを栽培しサイレージとして乳用牛に付与することは、本県における自給飼料対策として有効であることが確認された。
57: 【中根義高委員】
各事業で有効性を確認ができたとのことであるが、既に一般に導入するために取り組んでいることを伺う。
58: 【
畜産振興監】
地域飼料資源循環促進事業については現在事業継続中で、本年度は豆乳の搾り粕などの素材の有効性を新たに検証している。今後は、この検証結果を取りまとめて研修会を実施するとともに、啓発資料等を作って現場で指導していきたい。
自給飼料生産振興事業については効果があることが分かったため、本年度から県内3か所の圃場でフィールド段階における実証展示を行って自給飼料生産のさらなる拡大を図っている。また、輸入飼料の高騰により、畜産農家の経営が厳しくなっている。県内に広がる水田等を利用して飼料作物の生産拡大を図るとともに、地域で未利用のまま廃棄されている資源を有効に活用することで輸入飼料に依存している本県畜産の体質を改善し、畜産経営のコスト削減及び畜産物の付加価値向上に役立て、足腰の強い畜産を目指していきたい。
59: 【中根義高委員】
様々な技術を開発し、その技術を一般に導入するときには、その技術の有効性を畜産農家に分かってもらうことが最初のハードルである。
畜産農家からは多くの課題が依然としてあると聞いており、実証により得られた成果を積極的に現場へフィードバックしながら取り組んでほしい。
60: 【岡 明彦委員】
令和3年度決算に関する報告書の207ページにある半農半X支援事業について伺う。
近年では、若者を中心に、複数の仕事を
選択するなど働き方が多様になっていると感じる。初めに、半農半Xとはどういうものであるのか。
61: 【農業振興課長】
半農半Xとは農業と他の仕事を組み合わせた働き方のことで、半Xに当たる仕事としては、ネット環境を活用したテレワークや飲食店経営などの自営業、農村地域の地場産業への従事など、様々な形態がある。また、半農半Xを実践することで、農業に関わりながら自分のやりたいことや大切だと思う仕事をすることができ、生活が健康的で充実したものになると言われている。都市部から農村地域への人の流れを生み出し多様な人材が移り住むことで、空き家や遊休農地の解消が図られるほか、様々な地域活動に参加してもらうことなどが想定されており、受け入れる地域にもメリットがあると考えられている。
62: 【岡 明彦委員】
昨年度の事業状況を伺う。
63: 【農業振興課長】
半農半X支援事業では農村地域の活性化を図るため、いわゆる田舎暮らしを考えている人に情報発信などにより半農半Xに関心を持ってもらうことから始め、半農半Xの実践につながるセミナーなどを実施していく。昨年度の取組状況としては、県内の半農半Xに関する優良な事例を調査し、有識者からアドバイスしてもらうとともに、半農半Xの魅力などを取りまとめた事例集やPR動画を作成し、ウェブなどを活用して広く県内外に発信した。具体的には、名古屋コーチンの平飼い養鶏と地元の氏神様の神主の仕事を組み合わせた半農半神主や、名古屋のクラフトビール醸造場で原料として使うホップの栽培と庭師や空き家の管理の仕事を組み合わせた半農半庭師など、5市町村9件の事例を調査した。こうした事例に加え、半農半Xという言葉の生みの親である塩見直紀氏などの有識者からのメッセージや主な市町村の支援策等を取りまとめたガイドブックやウェブページを作成するとともに、半農半X実践者のインタビューをまとめた動画を作成、公開して情報発信した。
64: 【岡 明彦委員】
ガイドブックには、時代が求める真の豊かさという視点から半農半Xを改めて定義し評価するという項目がある。そこで、農業水産局が考える、暮らしや生き方という視点から見た半農半Xについて伺う。
65: 【農業振興課長】
デジタル化や新型コロナウイルス感染症拡大などを契機に社会が変化していく中で、生き方や働き方が多様になり、都市部の若者等の間で半農半Xが
選択肢の一つとして注目されつつある。昨年の調査で出会った半農半Xを実践している人のXの部分は多種多様であり、これらの人は経済優先の生活ではなく自らの手でつくる生き方を選ぶことで、充実感や安心感を得ており、暮らしの豊かさを実感していた。このように半農半Xは、農業に関わる暮らしをベースにして多様な生き方が許容される新しいライフスタイルであると考える。
県としては、半農半X支援事業を足がかりに、希望者に本県を半農半X実践の場に選んでほしい。
66: 【岡 明彦委員】
本県を半農半X実施の場に選んでもらうために、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか。
67: 【農業振興課長】
昨年度における情報発信に続き、本県で半農半Xを実施する具体的なイメージが持てるよう、有識者や県内で半農半Xを実践している人を招き、東京都と名古屋市でセミナーを開催している。また、半農半Xに関心を持った人に本県の農村地域を選んでもらえるよう市町村と連携し、東京都、大阪府及び名古屋市で相談会を開催した。さらに、半農半Xの実践例と併せて、移住定住に向けた市町村の支援策の紹介や就農相談を行っている。
来年度も引き続き市町村と連携し、半農半Xに関心を持つ人を支援していきたいと考えている。
68: 【岡 明彦委員】
半農半Xは新しいライフスタイルであり、改めて本事業は意味のある取組であると思った。また、この事業は、都市部から農村地域への人の流れを生み出すという目標を持っており、地域活性化のために、今後も積極的に情報発信してほしい。
69: 【杉浦正和委員】
令和3年度決算に関する報告書の227ページにある、あいち型産地パワーアップ事業費補助金について伺う。
国は農業の国際競争力を強化するために、平成27年度から産地生産基盤パワーアップ事業を実施している。しかし、この事業は採択要件が厳しく、意欲があっても事業に取り組めない人がいると聞く。このため、県は意欲があっても国の事業では取り組めない農業者を支援するために、平成30年度にあいち型産地パワーアップ事業を創設した。
そこで、昨年度のあいち型産地パワーアップ事業費補助金の実績を伺う。
70: 【園芸農産課長】
国の産地生産基盤パワーアップ事業は、露地栽培で10ヘクタール以上、施設栽培で5ヘクタール以上の栽培面積から成る産地において産地全体で生産性を10パーセント以上向上することなどを目標としている。これに対してあいち型産地パワーアップ事業は、露地栽培で3ヘクタール以上、施設栽培で1ヘクタール以上の栽培面積から成る産地においてそれぞれの取組ごとに生産性が10パーセント以上向上することを目標としており、国の事業と比べて取り組みやすい内容である。
昨年度の取組実績は、八つの地区において1農協、1法人及び21戸の生産者を支援した。品目別の事業内容としては、稲・麦・大豆では田植機やトラクターなどの農業機械、野菜や花卉ではハウスの新設、果樹では自走式防除機の導入などを支援し、予算額1億円に対して執行額は1億円であり執行率は100パーセントであった。
71: 【杉浦正和委員】
農業団体からは、あいち型産地パワーアップ事業は産地からの要望が多く、採択されにくい状況だと聞いており、執行率100%は当然である。予算額に対して事業実施要望はどうであったのか。
72: 【園芸農産課長】
本県では、例年5月に市町村を通じて次年度の要望調査を実施しており、要望額は補助金ベースで2億4,000万円から3億円程度で、予算額の1億円を大きく上回っている。これまでは稲・麦・大豆では色彩選別機、野菜や花卉では園芸用ハウスの新設、果樹では自走式防除機の導入など、生産性が向上する農業用機械や施設の要望が多かった。一方、近年では生産性が向上する機械や施設のみならず、省力・省人化、燃油や肥料の削減を目的に自動操舵システムやドローンなどのスマート農業機器の要望も増えてきている。そこで、スマート農業機器も必要な支援ができるように検討し、あいち型産地パワーアップ事業の充実に努めていきたい。
73: 【杉浦正和委員】
スマート農業の発展により、例えば農薬の散布時には、ドローンで散布するよりも多く散布できるようになると聞く。そういった意味でも、引き続きスマート農業機器導入に対する支援ができるよう検討を重ねてもらうとともに、十分な予算を確保してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の210ページにある農地中間管理事業について伺う。
農地中間管理事業とは、農地中間管理機構が、農業経営のリタイアあるいは規模縮小などにより農地の受け手を探している農家から農地を借り受け、農業経営の効率化や規模拡大を考えている受け手、いわゆる担い手農家に貸し付ける制度である。まず、昨年度の農地中間管理事業の実績と担い手への集約化の状況を伺う。
74: 【農業振興課長】
本県における平成26年度から昨年度までの農地中間管理事業の実績は累計で約7,365ヘクタールで、昨年度のみの実績は約2,499ヘクタールである。
担い手への集約化の状況について数値化することはできないが、一部の地域では担い手、地域代表者、農地中間管理機構等の話合いによって賃借した農地の交換が行われた事例がある。
なお、担い手への集積率は昨年度末で41パーセントである。
75: 【杉浦正和委員】
次に、農地中間管理機構関連農地整備事業について伺う。この事業は、農地中間管理機構が借り入れている農地について、都道府県が農業者の費用負担や同意を求めることなく基盤整備できるものであり、この事業が進むことで、農地の集約集積や大区画化がより進んでいくと考える。そこで、農地中間管理機構関連農地整備事業の実績を伺う。
76: 【農地整備課長】
この事業は、事業が創設された平成30年度から昨年度までに、田原市の和地太田地区はじめ3地区において合計124ヘクタール事業着手している。
昨年度の整備実績は、20ヘクタールである。
77: 【杉浦正和委員】
県内で事業化している地区が昨年度までに三つで、昨年度実績は20ヘクタールとのことであるが、この事業は10ヘクタール以上の農地のみ整備できるという制限があるが、より多くの地区で事業着手できるのではないかと思う。
そこで、現在事業化している地区が三つという状況を踏まえ、農地中間管理機構関連農地整備事業の課題を伺う。
78: 【農地整備課長】
農地中間管理機構関連農地整備事業では、10ヘクタール以上の農地のうち営農上一体性のある範囲を整備区域として設定しており、対象となる農地では中間管理権を設定する必要がある。こうした要件を満たす必要があることが、この事業における課題であると考えている。
79: 【杉浦正和委員】
農地中間管理機構関連農地整備事業は土地改良事業と違い、各地域で農地を管理機構へ預けて、その後に整備事業が行われる。この事業における課題解決には、土地改良事業と同じように申請事業として実施する必要があると思うが、他の課題として、農業者に事業を十分に周知されていないことがある。この事業は、農業者のメリットとなる事業であるとともに、持続可能な農業を進めていくに当たって必要となる事業であり、さらに食料安全保障にも十分貢献できる事業だと思うため、今後はこの事業についてさらにPRしてほしい。
令和3年度決算に関する報告書の217ページから218ページにある農業人材力強化総合支援事業費について伺う。
新たに農業を始めた人が直面する問題として技術習得だけでなく、農地の確保、機械や施設への初期投資、地域住民との人間関係など極めて高いハードルがあると感じる。これらのハードルを非常に苦労して乗り越えようとする新規参入者の姿を見ていると、スムーズに農業を始めるには、まず農業法人に就職して技術を習得した後にのれん分けする方がよいのではと考えるようになった。
そこで、農業人材力強化総合支援事業の事業費補助金のうち準備型を交付した37人の中で、何人が雇用就職を希望したのか。
80: 【農業経営課長】
農業人材力強化総合支援事業の事業費補助金のうち準備型では、研修終了後に三つのタイプに分けられる。一つ目のタイプは自ら独立して農業経営を開始する独立自営就農、二つ目のタイプは農業法人などに正職員として雇用され農業に従事する雇用就農、三つ目のタイプは親元の経営に就農して5年以内に経営継承または共同経営する親元就農である。
昨年度は、準備型の交付を受けた37人のうち2人が雇用就農を希望していた。なお、最近5年間で多い年には11人に交付した。
81: 【杉浦正和委員】
今後、農業者の高齢化が進むと農地が余っていくと考えており、食料安全保障の観点からも余った農地の受け皿づくりが必要である。ただ、農業者の子弟が必ず経営継承するのかというと、そうではないと思う。そのため、農業経営体の法人化が推進され、独立希望者を雇って育てることが必要であると思う。
そこで、県は、農業経営体の法人化の推進について、どのように取り組んできたのか。
82: 【農業経営課長】
法人経営には経営管理の高度化、安定的な雇用確保、円滑な経営継承など、非常にメリットが多く、さらなる経営発展を図るための有効な手法の一つと考えており、県として農業経営の法人化を推進している。
具体的な取組としては国の農業経営者サポート事業があり、法人化を考えている農業者に、中小企業診断士や税理士などの専門家を派遣し、法人化を支援している。なお、この事業では、農業者が抱えている様々な課題に対する解決支援も行っており、相談を受け付けるサテライト窓口が県内8か所の農業改良普及課と県内に20か所ある農業協同組合(JA)に設けられている。昨年度の実績は、58人の農業経営者に対して経営診断や専門家の派遣などを行い、課題解決を支援した。
農業経営者の相談内容については、農業経営の法人化に関する相談が最も多く19件であった。ほかに経営継承に関する相談が12件、雇用や労務管理に関する相談が11件と多かった。相談者からは、法人化に当たり必要な知識を丁寧に教えてもらった、専門家のアドバイスで経営の不安が解消できたと聞いており、今後も本事業を活用し農業経営の法人化を進めていきたいと考えている。
83: 【杉浦正和委員】
現在、農地の流動化が進まない理由の一つとして、農地と人がワンセットになっていることが挙げられ、農業経営の法人化によって農家の子弟以外にも経営継承されていくことが解決手段の一つになると思う。食料安全保障の観点から持続可能な農業を実現するためにも、農業経営の法人化への機運を醸成し取り組んでほしい。
84: 【おおたけりえ委員】
令和3年度決算に関する報告書の210ページ、211ページ、214ページにある農業振興費うち農地中間管理事業推進費、農地集積推進事業費、中山間地域等直接支払事業費交付金、農業委員会交付金等について伺う。
本県の基幹的農業従事者の平均年齢は、農林水産省が実施した2020年の農林業センサス結果によると67.19歳であり、高齢化が進んでいる。加えて、物価高騰による農業への影響が大きいことなどにより農業をやめる人が増えるおそれがあることから、農業者の事業承継問題や農地を利用しやすくする取組を早急に加速していく必要があると考える。
そこで、県内遊休農地の現状と課題認識を伺う。また、農林水産省は、農業経営基盤強化促進法を改正して地域の話合いを重視するよう軌道修正するとともに、人・農地プランを地域計画として法制化し、農地1筆ごとに将来の利用者を特定した目標地図の作成を促していると思う。この地図の作成を通して、いかに地域の話合いを進め、実効性のある人・農地プランを計画するのかが今後問われているが、本県としてどのように取り組んでいくのか。
85: 【農業振興課長】
本県における遊休農地の現状としては、本年3月時点の遊休農地の残存面積は2,443ヘクタールで、直近5か年では横ばいである。これは、解消される農地がある一方で新規に発生する遊休農地もあるからであり、結果として同程度の残存面積で推移している。
県としては、遊休農地の解消は重要な政策課題と認識しており、積極的に取り組むべきと考えている。
農地は個人の財産であり、県が関与するには限界がある。そのため、県が関与するには、地権者の納得が前提となる。地権者に納得してもらうプロセスの中で人・農地プランは重要であり、このプランは地域で中心となる経営体への農地集積・集約化に関する将来の方針を定めている。このプランの作成や更新には、地域の話合いが必要不可欠であり、地域の範囲や話し合う内容は地域によって大きな差異が見受けられる一方、課題として具体的な人・農地プランへの合意形成が図られない地域があることが挙げられる。
先般、国は農業経営基盤強化促進法を改正して地域の話合いを重視するよう軌道修正した。また、人・農地プランの作成が努力目標から法制化され、タイトなスケジュールの中、必ず農業者同士が話し合って目標地図及び地域計画を作成することが必要となった。県としては、各地域が地図及び計画を作成していく中で生まれた相談事項を真摯に受け止めるとともに、場合によっては農林水産事務所の職員などが市町村と共に地域へ出向き、目標地図や地域計画の策定をサポートしていきたいと考えている。
86: 【おおたけりえ委員】
遊休農地の残存面積の推移が横ばいだとのことであるが、農業は割に合わない職業であると言われる状況では、農地の非農地への転用等が進むとともに雑林になる場合もあり、総じて耕作面積は減少し続けているのだと思う。食料確保の基盤となる農地をいかに優良な状態で次世代につなぐのか、一層力を入れていく必要があると感じている。目標地図を作成しても受け手がいない状況では何も変わらず、農業者からは誰が農地の受け手になるのか不安であると聞く。
各市町村では、農地をマッチングする農地バンクの機能が充実されてきていると思うが、各地域からは、地域を越えた農地の借手と貸手をマッチングすることは難しいと聞く。この点を補完する機能が一層重要であり、強化を図る必要があると思っている。そこで、広域な農地マッチングのため、県はどのようなことを取り組んできたのか。また、今後の方向性を伺う。
87: 【農業振興課長】
広域な農地マッチングは難しく、そのマッチングを一手に引き受けるのは農地中間管理機構であると認識している。農地中間管理機構には県職員のOBなどが7人おり、各地域で分担して懸命に集積集約化の事業を進めている。広域的な農地マッチングには市町村の同意も必要となるが、市町村は往々にして地元の担い手を優先する傾向がある。一方で地元の担い手が引き受けられる農地は限界があるので、県としては半農半X実践者や新規就農者も含めた様々な人に目を向けながらマッチングを進められるように、農地中間管理機構と協議していきたい。
88: 【おおたけりえ委員】
農地中間管理機構には頑張ってほしいと思うが、職員が7人と聞いて驚いた。各地域の話合いが盛んになればなるほど近視眼的になることもあり、農地中間管理機構の専門的な知見が必要となる場合もあると思う。また、農地中間管理機構には、コーディネーター機能の強化や新規就農窓口から農地を紹介する機能のサポートも行ってほしいので、職員数の増員も含めて機能強化してほしい。
89: 【日高
章委員】
令和3年度決算に関する報告書の207ページにある地産地消流通網構築事業について伺う。
この事業については、本県の特徴を非常にうまく生かした新しい取組として当該年度の新規事業として提案されたときから注目している。この事業は、本県が人口750万人を有する大消費地であると同時に全国有数の農業生産地である特徴を生かし、地産地消を推進する取組であると考える。そこで、地産地消流通網とはどのようなものなのか。
90: 【農政課長】
地産地消流通網とは、県内小売店などの事業者がスマートフォンなどを利用して県内生産者から新鮮な農作物等を購入し、共同配送により最寄りの集配所で農作物等を受け取るという新たな流通網のことであり、地産地消を推進する取組である。具体的には、生産者がインターネット上に販売可能な農作物を出品し、小売店や飲食店などの事業者がその情報を見て注文するという事業で、代金決済はネット上で行うこととしている。事業者は新鮮な農作物を生産者から直接購入することができ、生産者は新たな販路を開拓できる。農作物の受渡しについては、JAの支店など幾つかの施設に集配所となってもらい、荷物を運搬する車が各集配所を循環する中で生産者は指定時間に最寄りの集配所に出荷し、事業者は最寄りの集配所で受け取るという仕組みをイメージしており、共同配送により物流コストの低減を目指す。
91: 【日高
章委員】
この事業は、インターネット社会においてデジタル要素を活用するとともに、これまで構築された社会システムであるJAの集配所等を活用していくということで、大変有意義な事業であると感じている。こういった取組には、生産者だけでなく地元の新鮮な農産物を扱いたい事業者も関心を寄せていると思うが、この事業の取組状況や成果を具体的に伺う。
92: 【農政課長】
昨年度の取組状況としては、ニーズを把握するため、いいともあいちネットワーク会員を中心とする県内の生産者や事業者を対象に、生産量や地元農作物の使用量、流通網への参加希望の有無、希望品目等に関するアンケートを実施した。
昨年11月までに235件の回答があり、流通網への参加希望については、参加したいが約5割、興味があるが約4割と前向きな回答が約9割を占め、この事業に対する期待が大変大きいことが分かった。
また、参加希望者の中から12の生産者と事業者を抽出し、地産地消を実践する上での流通の課題などについてヒアリングを実施した。さらに、インターネット上で、生産者と事業者が取引を行うシステムにおいて本県に適したものを選定するため、既存の五つのシステムを比較検討した。こうしたアンケートやヒアリングなどの結果、システムの比較検討結果などを基にモデルルートを1ルート設計した。
本年度以降は、設計したルートを参考に実証実験を進めていく。
93: 【日高
章委員】
調査等の成果を踏まえ、より充実した流通網にしてほしい。また、各地域において地産地消が推進されることは、多義的に有意義だと思うため、今後はさらに予算を拡充して幅広く取り組んでほしい。
94: 【
樹神義和委員】
令和3年度決算に関する報告書の258ページにある土地改良諸費のうち農業農村多面的機能支払事業費について伺う。
森林や農地において、県土や自然環境の保全、水源の涵養、洪水や地球温暖化の防止など多面的な機能が発揮されるように森林や農地の整備に積極的に取り組み、その上で森林と農地は水の流れでつながっているという観点から、それぞれ整備していくことが重要であると考える。そこで、昨年度における農業農村多面的機能支払事業、治山施設費、あいち森と緑づくり事業費の森林整備事業費の実績について伺う。
また、森林が有する多面的機能を持続的に発揮させるために行う間伐等の森林整備において、あいち森と緑づくり事業の果たす役割は非常に大きいと考えるが、あいち森と緑づくり事業は森林環境譲与税とのすみ分けを行い、事業成果が得られるよう取り組むことが必要である。そこで、あいち森と緑づくり事業の森林整備事業費のうち人工林の間伐について、昨年度の実績及び計画に対する進捗状況も伺う。
95: 【農地計画課長】
農業農村多面的機能支払事業では、農地周りの草刈り、水路の泥上げなどの農地を守る基礎的な保全活動、植栽による景観形成をはじめとした農村環境を保全する活動及び農地周りの農業用用排水路や農道などの施設の補修及び更新などに対して支援している。
昨年度の実績は、44市町村で407の活動組織に対して支援しており、その取組面積は3万4,015ヘクタールである。
今後も、こうした活動組織を支援していくため、この事業の啓発普及を行って活動地域が広がるよう努めていく。
96: 【森林保全課長】
治山施設費は、山地に起因する災害から県民の生命及び財産を保全するため、国庫補助金等を活用し、荒廃地における治山施設の設置や水源地域における森林の整備等を実施している。昨年度の施工箇所は、豊田市川手町地内をはじめ県内53か所で、主に三河山間部において実施している。
設置した治山施設の具体的な内容は、豪雨により山腹崩壊が発生した箇所にコンクリート擁壁や山腹緑化工を施工したほか、落石のおそれのある箇所における落石防止工の施工、不安定土砂が堆積した渓流におけるコンクリートダムの設置等を実施した。
計画に対する進捗状況について食と緑の基本計画2025では、ダムや人家裏の擁壁などの治山施設を整備することで守られる上流の森林や下流の集落等の区域面積として5年間で2,000ヘクタール、年間平均400ヘクタールを指標としており、その実績は治山施設費のほか、単県事業の小規模治山施設費、緊急小規模治山対策事業費の合計で425ヘクタールであり、単年度当たりの達成状況は106.3パーセントである。
97: 【森と緑づくり推進室長】
あいち森と緑づくり事業における人工林の間伐は、森林が有する水源涵養や災害防止等の公益的機能を適切に発揮させることを目的に、県が主体となり林業活動では整備が困難な人工林を実施している。
令和元年度からの第2期事業計画では、防災・減災やライフライン確保の観点から、道路、河川沿い、集落周辺を重点的に実施しており、昨年度の人工林の間伐実績は1,291ヘクタールで、事業計画1,600ヘクタールに対して80.7パーセントの事業進捗である。
事業進捗が8割程度である理由は、道路や電線等への安全に配慮した特殊な工法の増加による施工単価の上昇と、特殊な工法を必要とする現場の増加などである。
道路沿い等での間伐は関係市町村や地域住民から非常に効果の高い事業であるとの評価を受けており要望も多いことから、特殊伐採作業の作業内容や手順に関する調査を基に定めた効率的な作業工程を設計に反映することで、工事費低減に努めている。
98: 【
樹神義和委員】
現在、全国各地で大きな災害が発生しており、今後も多面的機能の発揮に向けて各整備を推進してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の235ページにある家畜飼養衛生管理強化対策費補助金について伺う。県内や全国における高病原性鳥インフルエンザ及び豚熱の発生状況と、養鶏場や養豚場での対策及び野生イノシシ対策を伺う。
99: 【家畜防疫対策室長】
本県における高病原性鳥インフルエンザの発生状況は、2011年2月に新城市の養鶏場で発生して以降、発生していない。全国では、近年発生が続発しており、令和2年11月から昨年3月の間に18県で52例発生し、過去最大となる約987万羽が殺処分されている。さらに、昨年11月から本年5月までに12道県で25例発生し、約189万羽が殺処分されている。
本年9月末には神奈川県を皮切りに、5道県で高病原性鳥インフルエンザが6例確認された。さらに10月21日には、静岡県湖西市で疑い事例が1例確認されており、県内養鶏場に対して注意喚起をしている。
養豚場での豚熱発生状況については、2018年に国内では26年ぶりに岐阜県の養豚場で発生し、その後、野生イノシシの感染拡大に伴って本県でも2019年2月から12月にかけて18例発生し、6万5,296頭が殺処分された。その後は、ワクチン接種等の効果もあり、本県における養豚場での豚熱は発生していない。しかし、全国では野生イノシシの感染地域の拡大に伴い、養豚場での豚熱発生が続いている。昨年度は7県14例で発生しており、約10万頭が殺処分されている。本年度も3県12例で発生し、約7万頭が殺処分されている。
次に、養鶏場と養豚場での対策について、高病原性鳥インフルエンザや豚熱の発生を予防するためには農場や畜舎へのウイルス侵入を防止することが重要である。そのため、消毒の徹底や野生動物侵入防止柵の設置など農場が実践すべき項目を国が定めた飼養衛生管理基準に基づき、年に1回以上家畜保健衛生所が養鶏場や養豚場に立ち入って遵守状況を確認し、不備が認められた農場に対しては改善指導している。
養鶏場については、昨年度に飼養衛生管理基準が改正され、従来の鶏舎に加えて堆肥舎や飼料倉庫にも防鳥ネットを設置することが義務づけられた。そこで、基準を満たせなかった25か所の養鶏場に対して、家畜飼養衛生管理強化対策費補助金により防鳥ネット設置に係る経費を支援した。これらの対策により、県内全ての養鶏場が本基準を満たし、高病原性鳥インフルエンザの発生を予防できた。
養豚場の豚熱対策については、飼養衛生管理基準の遵守に加えて、2019年度後半から県内全ての豚を対象として計画的に豚熱ワクチンを接種している。昨年度は約73万頭に豚熱ワクチンを接種することで、豚熱の発生を予防することができた。
100: 【野生イノシシ対策室長】
野生イノシシの豚熱発生状況について、県内における野生イノシシの豚熱発生状況は2018年12月に野生イノシシで豚熱陽性が初めて確認されて以降、本年10月13日時点で4,128頭を検査し158例の陽性を確認している。また、昨年度は10月に約1年ぶりに豚熱陽性が確認されるとともに、その後も断続的に確認され、合計7例の陽性を確認している。本年度は10月13日時点で12例の陽性を確認している。
次に、昨年度の野生イノシシ対策について、野生イノシシに免疫を付与するための経口ワクチン散布、捕獲の強化及び捕獲または死亡した個体の検査に取り組んだ。
昨年度の経口ワクチン散布については、県内の野生イノシシが生息している17市町村において延べ4,091地点に8万1,820個を散布した。捕獲強化については、市町村が実施している野生イノシシの有害捕獲への国費助成に加えて、県単独補助の上乗せや指定管理鳥獣捕獲等事業を活用した委託捕獲等を実施しており、個体数の削減に取り組んだ。その結果、昨年度は前年比125パーセントの6,242頭が捕獲された。野生イノシシの検査については、捕獲個体から検体を採取及び送付した場合に、1検体当たり6,000円の補助金を交付して検体数確保に取り組むとともに、発見通報のあった死亡イノシシからも検体を採取して昨年度は合計991頭を検査して7例の陽性を確認した。
101: 【
樹神義和委員】
様々な伝染病対策を実施したことを確認できた。今後も伝染病対策を推進してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の209ページにある、いいともあいちブランド力強化事業費について伺う。
いいともあいち運動を積極的に活用して名古屋コーチン、花卉、抹茶、アサリ、ウナギ等のブランド力を強化する取組を実施するとともに、県内外で広くPRを行い、県産農林水産物のさらなる需要拡大、知名度向上、イメージアップを図っていると聞くが、昨年度の実績と評価を伺う。
102: 【食育消費流通課長】
昨年度のいいともあいちブランド強化事業費の実績としては、本県主要品目のブランド力強化を図るため、名古屋コーチンでは名古屋コーチンの日を契機としたPRイベントの開催、花卉ではフラワーバレンタイン運動のPR、抹茶では県公館での愛知県茶会の開催、アサリやウナギを含む水産物ではおさかなカードの配布によるPRなどを行った。
また、全国的な知名度を誇る名古屋グランパスエイトとコラボレーションし、オリジナルのコラボ商品として県産畜産物が使用された名古屋コーチン餃子を開発及び販売したほか、県内農業産地の紹介動画を作成し、名古屋グランパスエイトの公式SNSで発信するなど、県産農林水産物の知名度向上を図った。
さらに、県外に向けて農業団体と連携し、県産青果物の約3割を出荷する首都圏のスーパーであいちの春野菜フェアを開催するとともに、知事出演の動画を活用したトップセールスも行った。
これらの評価としては、例えば名古屋グランパスエイトの公式ツイッターでは、延べ46万人を超えるフォロワーに情報が届けられたほか、同クラブの公式ユーチューブで配信した動画については32万回を超える再生回数を記録するなど、効果的に情報発信を行うことができ、県産農林水産物のさらなる需要拡大及び知名度向上に資することができたと考えている。
103: 【
樹神義和委員】
次に、令和3年度決算に関する報告書の210ページにあるあいちの農林水産物輸出拡大戦略事業費のうち農林水産物輸出プロモーション事業費について伺う。
県産農林水産物の需要拡大には、国内にとどまらず海外への販路拡大に向けた取組も重要であると考る。県では、県産農林水産物やその加工品の輸出を行う事業者を支援するため、海外バイヤーとの商談機会の場を提供していると聞く。そこで、昨年度の農林水産物輸出プロモーション事業の実績と評価を伺う。
104: 【食育消費流通課長】
昨年度の農林水産物輸出プロモーション事業費の実績としては、本年3月3日から11日まで幕張メッセで開催されたFOODEX JAPAN2022において、愛知県ブースを設置した。ここで、販路拡大に意欲を持つ8事業者に対して海外バイヤーとの商談機会を提供するとともに、商談成立に向けた助言及び指導を行った。また、海外で開催される商談会への出展支援については、本年1月18日から19日までシンガポールで開催された、商談会ジャパニーズフードプレミアムトレードフェアにおいて、出展を希望した2事業者に対して売り込みに係る商品提案書の作成支援、輸出の取組に係る今後の進め方等についてコンサルティング活動も行った。
これらの評価として、二つの商談会を通して合計125の商談が行われ、出展した10事業者のうち5事業者の商談が成約に至った。また、商談成約に至らなかった事業者からも、交渉過程で得られたバイヤー視点の意見は今後の商品開発や改善に生かすことができるなどと聞き、海外に向けた県産農林水産物やその加工品の販路拡大に資することができたと考えている。
105: 【
樹神義和委員】
農林水産物輸出プロモーション事業では様々な取組を実施していることが分かった。引き続き生産者と行政が連携して事業実施するとともに、この事業の知名度向上をさらに進めてほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の224ページにある稲麦大豆産地整備事業費補助金、227ページにある産地パワーアップ事業費補助金及び229ページにある野菜集団産地整備事業費補助金について伺う。
全国的な農業の担い手減少や高齢化が年々進行しており、産地としての持続性確保や新たな担い手確保に向けた収益性の向上が求められている中で、AIやICTの活用による省力化や高品質な農産物生産のための施設整備に支援することは、非常に重要であると考える。
県では、国の事業である強い農業・担い手づくり総合支援交付金や産地生産基盤パワーアップ事業等を活用して農業者を支援していると聞く。
そこで、昨年度の稲麦大豆産地整備事業費補助金の実績及び評価を伺う。
106: 【園芸農産課長】
稲麦大豆産地整備事業費補助金は、国の強い農業・担い手づくり総合支援交付金を活用しており、県は農業協同組合が実施する稲・麦・大豆を組み合わせた効率的な生産体制の確立や品質向上等に必要な施設であるカントリーエレベーターの整備を支援した。
この事業の執行状況は執行額3億25万円で、執行率は100パーセントである。事業評価については、事業成果の目標年度は来年度であるが、既に令和4年産の小麦は本年5月から6月にかけて、令和4年産の米は本年8月から現在にかけて乾燥調製処理を実施しており、時間当たりの処理能力が向上したことで荷受けから出荷までの時間が短縮されたと聞く。
今後も、来年度に設定した目標達成に向けて地域と連携し、取組を進めていく。
107: 【
樹神義和委員】
昨年度の産地パワーアップ事業費補助金の実績と評価を伺う。
108: 【園芸農産課長】
産地パワーアップ事業費補助金は、国の産地生産基盤パワーアップ事業、水田麦・大豆産地生産性向上事業、園芸産地事業継続強化対策事業を活用している。
事業内容として、各産地の高収益化や品質向上を目的とした生産基盤の強化を図るため、ICTを活用した温室の複合環境制御設備などの農業機器のリース導入や資材の導入、ハウスの補強等を支援した。
執行状況は執行額1億5,127万8,500円で、執行率は76.8パーセントであった。執行残の主な要因は、繰越事業が2,668万1,000円発生したことである。
事業評価については、事業実施の2年後に設定しており現時点で産地からの報告はないが、来年度に設定した目標達成に向け、省力化や高品質化などの導入効果は確実に出ている。
109: 【
樹神義和委員】
昨年度の野菜集団産地整備事業費補助金の実績と評価を伺う。
110: 【園芸農産課長】
野菜集団産地整備事業費補助金は、国のスマート農業総合推進対策事業と産地生産基盤パワーアップ事業を活用している。
事業内容として、スマート農業総合推進対策事業では、西尾市内のキュウリ生産者、農業団体や市などで構成をする組織体に対し、ICTを活用して生産性や収益性の向上を図るために、最適なハウス内の環境改善に向けたデータや労働時間のデータの収集、分析の取組を支援した。また、産地生産基盤パワーアップ事業では、東三温室園芸農業協同組合に対し、多様化する量販店などの要望に対応できる包装機や結束機などを備えた大葉の集出荷貯蔵施設の整備を支援した。
執行状況は執行額1億7,713万3,628円で、執行率は90.4パーセントである。
事業評価について、スマート農業総合推進対策事業については、昨年産で収集したデータを分析し、その結果を本年産で活用し改善を図るとともに、広く産地の成果を共有するための研修会などを開催している。また、産地生産基盤パワーアップ事業については、事業実施の2年後に目標が設定されており、現時点で産地からの報告はないが、来年度に設定した目標の達成に向け、省力化や高品質化などの導入効果は確実に出ている。
111: 【
樹神義和委員】
農業の担い手確保に向けて若者に魅力ある産地づくりができるように、今後も各事業を活用して支援を継続してほしい。
次に、令和3年度決算に関する報告書の217ページから218ページにある農業人材力強化総合支援事業費及び218ページにある農福連携推進事業費について伺う。
多様な担い手の確保と育成に向けて、女性や障害者、企業も含めた新規参入農林業漁業者への支援と、国家戦略特区の受入れ外国人がより適正に派遣されるよう監査の充実を図ることが必要であると考える。県では、農業人材力強化総合支援事業費として就農希望者に対する就農計画書等の作成、農業大学校の学生及び研修生への栽培技術、経営手法の習得、研修中の生活安定と就農直後の経営確立のための農業次世代人材投資資金の交付など、各種支援を行っていると聞く。そこで、県の新規就農者の確保に向けた取組と昨年度の農業人材力強化総合支援事業費の実績と評価を伺う。
また、農福連携推進事業として、農福連携相談窓口を設置して農業者と障害者就労施設等の農作業の請負のマッチング等も実施していると聞く。そこで、昨年度の農福連携推進事業の実績と評価も伺う。
112: 【農業経営課長】
新規就農者の確保に向けた取組について、昨年4月に農業大学校に農起業支援ステーションを設置し、県内8か所の農業改良普及課にある農起業支援センターと連携して就農希望者の相談に対応している。そうした中で農業経験が少ない就農希望者に対しては、農業大学校で研修を実施するとともに、就農後は農業改良普及課でセミナーを開催したり、普及指導員が現場に出向き直接相談に乗ったりしている。
昨年度の農業人材力強化総合支援事業の実績として、就農希望者技術支援事業の実績では、各農林水産事務所において、新規就農希望者に対する研修計画や就農計画の作成を支援するとともに、研修状況や就農状況の確認などを行った。また、農業者育成支援事業については、農業大学校において学生の教育カリキュラムを高度化するとともに、農業以外の分野からの就農希望者を対象として研修を実施した。さらに、事業費補助金としては、就農前の研修期間に準備型として37人に、就農直後5年目までの経営開始型として200人に、それぞれ資金を交付するなど合計241人に約3億円の補助金を交付した。
事業評価については、推進事業の実施と補助金の交付に連携して取り組むことにより新規就農希望者や新規就農者の生活に対する不安を緩和することで、毎年200人前後の新規就農者の確保や定着につながっていると考える。
次に、昨年度の農福連携推進事業の実績については、相談窓口を愛知県農業協同組合中央会(JA愛知中央会)に委託して設置するとともに、農業と福祉それぞれの相談員を配置して、農福連携の相談対応及び農業経営体と福祉事業者のマッチングを進めた結果、年間で延べ291件の相談に対応し、新たに20組のマッチングが成立している。また、農福連携の啓発のために、農業者、福祉事業者、市町村担当者などを対象としたセミナーを開催するとともに、特別支援学校の生徒を対象とした農作業体験や、福祉事業所の職員を対象として農業大学校で農福連携支援研修を実施している。さらに、農福連携の現場で障害者にも取り組みやすい作業方法や作業環境の改善を提案できる人材を育成するために研修を実施し、36人を愛知県版農業ジョブコーチに認定した。
事業評価については、様々な取組により、本県で農福連携に取り組む農業者や福祉事業者の数は前年よりも34主体増えて現在164主体であり、着実に増えている。
113: 【
樹神義和委員】
多様な担い手確保と育成に向けて様々な取組を実施していることが確認できたため、今後も取り組んでほしい。
最後に、令和3年度決算に関する報告書の250ページにあるたん水防除事業費、251ページにある海岸整備事業費、252ページにある防災ダム事業費について伺う。
農業用排水機場、農地海岸や農業用ため池は農業生産を支えるだけではなく、豪雨や津波、高潮等の被害から県土を守る重要施設であり、機能が適切に維持されなければならない。
県では、県土の強靱化を図るため、農業用排水機場、海岸保全施設、農業用ため池の耐震化等を食と緑の基本計画2025に位置づけて、計画的に推進していると聞く。そこで、昨年度のたん水防除事業、海岸整備事業及び防災ダム事業の実績を伺う。
114: 【農地整備課長】
たん水防除事業の昨年度の実績は、上郷柳川瀬排水機場をはじめ38か所の整備を行い、1か所は完了した。また、海岸堤防などの海岸保全施設の耐震化を行う海岸整備事業については鍋田地区海岸をはじめ8地区海岸で、堤防補強630メートルを整備した。さらに、農業用ため池の整備を行う防災ダム事業では、孫目池をはじめ49か所のため池整備を行い、18か所が完了した。
これら3事業は食と緑の基本計画2025に位置づけており、県土の強靱化を図るため計画的に事業を推進するよう努めていく。
115: 【
樹神義和委員】
いつ大きな災害に見舞われてもおかしくない状況であるため、県土の強靱化を目指して引き続き取り組んでほしい。
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