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  1. 愛知県議会 2022-09-01
    令和4年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和4年9月定例会(第3号) 本文 2022-09-28 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 58 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 2 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 3 :  ◯四番(朝日将貴君) 選択 4 :  ◯防災安全局長(坂田一亮君) 選択 5 :  ◯観光コンベンション局長(武田光弘君) 選択 6 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 7 :  ◯四番(朝日将貴君) 選択 8 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 9 :  ◯十六番(桜井秀樹君) 選択 10 :  ◯経済産業局長(矢野剛史君) 選択 11 :  ◯環境局長(水野達也君) 選択 12 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 13 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 14 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 15 :  ◯五番(中村竜彦君) 選択 16 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 17 :  ◯教育長(飯田靖君) 選択 18 :  ◯五番(中村竜彦君) 選択 19 :  ◯四十一番(山田たかお君) 選択 20 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 21 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 22 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 23 :  ◯十一番(加藤貴志君) 選択 24 :  ◯感染症対策局長(植羅哲也君) 選択 25 :  ◯福祉局長(橋本礼子君) 選択 26 :  ◯防災安全局長(坂田一亮君) 選択 27 :  ◯十一番(加藤貴志君) 選択 28 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 29 :  ◯三番(松本まもる君) 選択 30 :  ◯都市・交通局長(金田学君) 選択 31 :  ◯福祉局長(橋本礼子君) 選択 32 :  ◯三番(松本まもる君) 選択 33 :  ◯福祉局長(橋本礼子君) 選択 34 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 35 :  ◯二十九番(辻秀樹君) 選択 36 :  ◯スポーツ局長(成瀬一浩君) 選択 37 :  ◯教育長(飯田靖君) 選択 38 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 39 :  ◯四十番(南部文宏君) 選択 40 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 41 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 42 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 43 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 44 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 45 :  ◯教育長(飯田靖君) 選択 46 :  ◯警察本部長(國枝治男君) 選択 47 :  ◯防災安全局長(坂田一亮君) 選択 48 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 49 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 50 :  ◯四十九番(島倉誠君) 選択 51 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 52 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 53 :  ◯教育長(飯田靖君) 選択 54 :  ◯都市・交通局長(金田学君) 選択 55 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 56 :  ◯四十一番(山田たかお君) 選択 57 :  ◯議長(須崎かん君) 選択 58 :  ◯議長(須崎かん君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長(須崎かん君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百二十四号議案令和四年度       愛知県一般会計補正予算から第百五十六号議案       愛知県新体育館の指定管理者の指定についてま       で及び決算第一号令和三年度愛知県一般会計歳       入歳出決算から決算第十七号令和三年度愛知県       流域下水道事業会計決算まで 2: ◯議長(須崎かん君) 第百二十四号議案令和四年度愛知県一般会計補正予算から第百五十六号議案愛知県新体育館の指定管理者の指定についてまで及び決算第一号令和三年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十七号令和三年度愛知県流域下水道事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  朝日将貴議員。     〔四番朝日将貴君登壇〕(拍手) 3: ◯四番(朝日将貴君) おはようございます。  トップバッターを務めます自民党の朝日でございます。張り切ってまいりますので、よろしくお願いいたします。  初めに、海抜ゼロメーター以下地域の広域避難の具体化について質問してまいります。  先日の台風十五号では、二十三日夕方から夜遅くにかけて、三河地域を中心に線状降水帯が発生し、非常に激しい大雨となり、幸田町では河川堤防が決壊するなど被害が発生しております。静岡県では、三名の死者、行方不明者を含む人的被害、多数の床上・床下浸水などの住家被害、停電、断水などのライフライン被害など、大きな被害が出ているところであります。  そのほかにも、今年に入り我が国では、三月に福島県で震度六強、六月に石川県能登半島で震度六弱の地震が発生したほか、先月八月三日から四日にかけては、東北・北陸地方で線状降水帯が発生する猛烈な雨となり、複数の地点で二十四時間降水量が観測史上一位を更新するような記録的な大雨となりました。これにより、北海道から広島県まで、全国合わせて、死者、行方不明者三名、負傷者九名の人的被害と、床上・床下浸水を含む六千棟以上の住家被害に及ぶ大規模な災害が発生しております。
     また、六十三年前、九月二十六日には、甚大な被害をもたらした伊勢湾台風が本県を襲った日であり、被災地である私たちは決して忘れることはありません。そして、この時期はいわゆる台風シーズンとされており、引き続き気の抜けない日が続きます。  防災、減災、特に地震や台風などの大規模災害における被災者の広域避難については、令和元年度の石塚議員による代表質問に対し、知事から、海部地域をモデルに広域避難の在り方の検討を進めると答弁をいただいておりますので、本日はその具体化に向けた質問をさせていただきます。  私の地元弥富市では、南海トラフ地震が発生した場合、およそ八十分後に津波が到達し、徐々に市内の広い範囲に浸水が広がっていくことが想定されています。さらに、地震により堤防が沈下や破堤した場合には、発災直後から浸水が始まることも考えられます。  台風などに伴う高潮にも警戒が必要です。高潮の避難は、市町村から出される避難指示を合図に開始されることが一般的でありますが、準備や移動期間を考慮して避難指示が出されたとしても、数時間しか猶予はありませんし、台風の接近により交通機関の運休や避難自体が危険な場合も考えられます。  いずれにしても、発災後、あるいは避難指示が出された場合、直ちに避難行動に移ることが命を守るために大変重要であります。  また、この地域は海抜ゼロメーター以下地域が広がっており、一たび浸水すれば、市域の多くが長期間にわたり水が引かないため、市町村の区域を越えた広域避難は避けることができない喫緊の課題であります。  広域避難に関しては、東日本大震災において、居住自治体を越えた避難者が相次いだことを教訓に、平成二十四年の災害対策基本法の改正により、大規模災害が発生した際の自治体間の協議手続に関する規定が定められました。  その後、二〇一五年に鬼怒川の堤防決壊により多数の避難者が出た関東・東北豪雨で、広範囲にわたって浸水被害や土砂崩れが発生した茨城県常総市では、市役所も浸水するなど大きな被害を受け、近隣の市町村への広域避難が行われましたが、事前に計画が定められていなかったことから初動対応が遅れたと聞いております。  また、記憶に新しいところでは、二〇一九年の令和元年東日本台風において、東京都の江東五区で広域避難の実施が検討されましたが、台風の上陸まで時間が迫っていたことや鉄道の計画運休により輸送手段が確保できないことから、広域避難を断念したという事例がありました。  江東五区のうち、江戸川区の対策を紹介させていただきますと、江戸川区もゼロメーター以下の地帯でありまして、水害ハザードマップを作成されておりますが、その表紙には、ここにいては駄目ですと住民に呼びかけています。自治体自らがこうしたメッセージを発したことに大変大きな衝撃を受けました。賛否が分かれるかもしれませんが、江戸川区の危機感がひしひしと伝わり、私はこのような啓発も、住民に避難意識をしっかり持っていただくには有効ではないかと思います。  これらの事例からも、広域避難は、地震であれば発災直後から、ある程度事前予測が可能な台風など風水害ではできる限り早い時期から、避難を開始する必要があり、そのためには、あらかじめ避難の手順について、できる限り具体的に定めておくことが不可欠であることが明らかになったと思います。  このため、昨年の災害対策基本法の改正によって、実際に災害が発生した後ではなく、その前の災害が発生するおそれが高まった段階から、広域避難に関する自治体間の協議、調整を行うことができることとなったところであります。  そこでお尋ねします。  平成二十四年に災害対策基本法が改正され、今年で十年を経過することとなりますが、これまで広域避難に関し、県はどのような取組を行い、それによりどのような課題が浮き彫りになったのか伺います。  続いて、南海トラフ地震が発生した場合には被害が県全域に及ぶため、県域を越えた避難を想定していくことは必要であると考えます。六年前に弥富市で行われた津波・地震防災訓練において、弥富市民を岐阜県美濃加茂市に避難させる訓練を行ったことは、私も当日、訓練会場に居合わせた者の一人として記憶に残っており、こうした県域を越える広域避難の実効性を高める取組は、引き続きしっかりと取り組んでもらいたいと思います。  その一方、県域を越える避難は、避難する被災者にとっても負担が大きく、また、都道府県同士の被災者の受入れ調整も必要になることから、広域避難を迅速に進めるためのハードルは一層高くなります。まずは、県内での広域避難先の確保を優先して進めるべきかと考えます。  全国を見渡しますと、ほとんど毎年のように台風や豪雨により各地で大きな被害を受けており、先ほど申し上げた関東・東北豪雨のように、すぐ近くの市町村に避難先を求めるケースにもしっかりと対応していくことが必要であります。  その際には、親戚などを頼って自ら避難する方、いわゆる縁故避難者を除いた避難者数を正確に把握した上で、広域避難の具体化を進めていくべきではないかと考えております。  広域避難者数が決まっていれば、必要な避難スペースや物資の量などが決まってきますし、受入れ側の判断材料ともなります。さらに、広域避難者数の算定方法を含め、県内で統一的なルールがあれば、市町村間での調査内容のばらつきもなくなり、マッチングもより円滑に進むのではないかと考えます。  そこでお伺いいたします。  広域避難の実効性をより高めるためには、県が調整役を果たし、市町村の取組をサポートする必要があると考えますが、県は広域避難の具体化に向けてどのような役割を果たし、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  次に、ポストコロナに向けた訪日外国人旅行者の誘致についてお伺いをいたします。  二〇二〇年一月のUNWTO(国連世界観光機関)による発表では、新型コロナウイルス感染症が確認される前の二〇一九年の世界全体の国際観光客数は、前年より五千四百万人増の十四億六千百万人となり、二〇一〇年以降、十年連続の増加となっておりました。そして、二〇三〇年までの長期予測においても、今後も国際観光客数は増加していくと予測されておりました。  特にアジア・太平洋地域からの旅行者の増加が目覚ましく、過去には、爆買いなどという言葉が生まれるほど、その経済効果は非常に大きいものがありました。  一方、日本が直面する課題として、人口減少や少子・高齢化の問題があります。国立社会保障・人口問題研究所が二〇一七年四月に発表した日本の将来推計人口では、今後、人口減少が進み、二〇五二年には一億人程度、さらに二〇六五年には現在の人口から約三〇%減少し、総人口の約三八%が六十五歳以上になると見込まれております。  このような状況の中、国では、観光を地方創生の切り札、我が国の成長戦略の柱と位置づけ、観光交流人口の増大による経済効果で人口減少による消費の落ち込みを補うこととしております。  例えば、定住人口一人当たりの年間消費額は約百三十万円だそうです。この額を旅行者の消費に換算すると、外国人旅行者では八人分、宿泊を伴う国内旅行者では二十三人分、日帰りの国内旅行者では七十五人分に相当いたします。日本は、今後、人口減少により、日本人旅行者自体は増えない見込みではありますが、世界全体では国際観光客数が増加するため、これを取り込んでいく必要があるのではないでしょうか。  二〇一九年まで右肩上がりであった訪日外国人旅行者数については、二〇一九年十二月に新型コロナウイルス感染症が最初に確認されて以降、今日に至るまで大きく落ち込むこととなりましたが、先週、岸田総理が水際対策をさらに緩和する意向を示したところでありますので、観光、特にインバウンドの再開には大きな期待が寄せられているところであります。  そうした中、日本政策投資銀行と日本交通公社が二〇二二年二月に行ったアジア・欧米豪訪日外国人に対するインターネットによる意向調査では、新型コロナ終息後の海外旅行先で、次に海外旅行したい国、地域として、アジア、欧米豪の居住者はともに日本が一位で、日本に高い関心を持っていることが分かりました。  そこで、今後、日本に関心が高い旅行者を愛知県に取り込むため、ポストコロナに向けて、情報発信をいつ、どの国に、どのような方法で実施するのかが非常に重要になってまいります。  愛知県では、アメリカをはじめとする海外六か国において、県の代理人として観光プロモーションやセールス活動を展開する観光レップを設置し、渡航が不可能であったコロナ禍においても現地におけるプロモーション活動を継続しておられます。それぞれの国の特性に合わせたSNSを活用し、効果的な情報発信を行うなど、FIT(海外個人旅行)の獲得に向けて大変有意義な取組をされていると思います。  次に、地域が持つ魅力や特徴をいかにインバウンド向けの旅行商品にしていくかが重要になります。いわゆるブランディングです。  例えば、ニシキゴイの発祥地である新潟県の小千谷市では、欧米やアジアの外国人バイヤーが、外国の富裕層に人気のあるニシキゴイを現地に買い付けに来ております。そこで、外国人バイヤーだけでなく、錦鯉の里として日本庭園を再現するなど、立ち寄り観光スポットを整備し、その世界観を体現することで、インバウンドも含めた観光誘客につなげることに成功しており、地域の魅力や特徴をうまく旅行商品化した事例と言えます。  私の出身である弥富市は、金魚の取引額が日本一で、日本の金魚の約二十六種類がそろう一大産地であります。弥富にとって金魚は宝であり、並ぶもののない観光資源でもあります。  この世界に誇る弥富金魚を世界のインバウンド市場に向けた観光資源として活用できないものかと考えておりましたところ、先日、コンサルティング会社や旅行業者から、弥富金魚の旅行商品化についてヒアリングする機会をいただきました。  その際に、例えば、金魚は風水において金運をアップする生き物とされており、幸運のシンボルとして重宝されているとして、風水の盛んな地域においては人気が出るかもしれないだとか、近隣県にインバウンドが多く来る地域があれば、そこと連携してルート化する方法もあると教えていただきました。そして、マーケットインの考えの下、まずはしっかり市場調査を行い、ニーズを把握した上でターゲットにする国を選定し、商品化に向けて計画を策定する必要があるとのことでした。  このように、金魚という観光資源のブランディングを考えたときに、いろいろなアイデアがいただけたのは本当にありがたく、心強く思いました。  本県が二〇二〇年十二月に策定したあいち観光戦略二〇二一─二〇二三では、数値目標として観光消費額一兆円を掲げておられますが、うち外国人が寄与する金額を二千五百億円と、全体の四分の一としているところであります。この観光消費額一兆円の目標を達成するためにも、一人当たりの観光消費額が多いインバウンドの人数を増やすことが重要であり、積極的な対応が求められていると思います。  そこでお伺いいたします。  ポストコロナにおける訪日外国人旅行者の誘致において、県として、これまでどのようなPR、プロモーションに取り組まれてきたのか、また、今後旅行商品化を含め、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯防災安全局長(坂田一亮君) 広域避難の具体化の御質問のうち、まず、県のこれまでの取組と課題についてお答えをいたします。  大規模災害発生時には、本県域が広範囲に甚大な被害を受けるため、市町村や県の区域を越えた広域避難は大変重要であります。  このため、東海三県一市知事市長会議において、本県知事が提唱し、二〇一三年に設置した広域避難を検討する会議において、広域避難を行う際の調整方針を取りまとめました。  また、この調整方針の手順を確認するため、二〇一六年に弥富市の御協力の下、被災者を岐阜県美濃加茂市に輸送する訓練を実施し、避難元と避難先の間であらかじめ業務手順や役割分担を定めておく必要があること、高齢者の県外への広域避難には制約があることなど、様々な課題が明らかになったところであります。  これらの課題を踏まえ、県の災害情報センターに設置する広域避難プロジェクトチームの業務手順を定めた活動マニュアルを整備し、チーム内、関係市町村との共有を図ったほか、愛知県バス協会はじめ三団体と締結した緊急輸送に関する協定の中に、新たに被災者の広域搬送の協力に関する項目を盛り込み、輸送手段の確保、充実に向けた体制強化を図りました。  また、二〇二一年には、現在、県が整備を進めているゼロメートル地帯における広域的な防災活動拠点の運用について、海部地域をモデルに検討する中で、救助された方が広域避難先に身を寄せるまでの一時的な経由地が必要であるとの課題が示され、その適地等の調査を実施したところであります。  次に、広域避難の実現に向けた県の役割と今後の取組についてであります。  広域避難を実現するためには、想定される避難者数に基づく具体的な避難先や避難者を受け入れる際に必要な人員や物資の確保などに関する共通のルールをあらかじめ定めることが必要であり、そこに広域的な観点から県が果たす役割があると考えております。  その上で、実際の訓練等を通じて、避難の実施と被災者の受入れに係る手順を確認し、課題を洗い出し、さらに対策を充実させていくことが重要であります。  県では、海部地域を含む西尾張の十四市町村の間で二〇一七年に締結された愛知県西尾張市町村の災害対策に関する相互応援協定の枠組みを活用しまして、県と関係市町村による広域避難に関する訓練を昨年十月に実施いたしました。その際、多くの参加者から、あらかじめ避難元と避難先のマッチングを進めておくことが望ましいなどの意見が寄せられました。  この結果を踏まえ、今後は、市町村間の受入れ協議が円滑に進むよう、県がリーダーシップを発揮し、市町村間の協議、調整の機会を設けていくとともに、海部地域をモデルに広域避難に関する訓練を継続的に実施し、その成果を他の地域にも展開することにより、県全体の広域避難対策の底上げにつなげてまいります。 5: ◯観光コンベンション局長(武田光弘君) ポストコロナに向けた訪日外国人旅行者の誘致に向けた取組についてお答えします。  近年、外国人旅行者のニーズがますます多様化しており、誘客に向けては、国別の傾向をしっかりと把握した上で戦略的なプロモーションを実施することが必要となっております。  本県では、二〇二〇年度から、多くの訪日外国人旅行者が見込まれるタイなどの東南アジアや欧米豪の六か国に観光レップを設置し、現地の旅行博への出展やメディアに対する本県紹介記事の掲載の働きかけなど、現地でのプロモーションやセールス活動を実施しております。  さらに、今年度は、県の公式観光ウェブサイトの五言語に観光レップ設置国の言語であるベトナム語、インドネシア語、フランス語を加えた八言語において、観光情報を発信する特設サイトを作成し、今月から公開しております。このサイトでは、ビジュアルを重視するとともに、言語別に旅行者の興味、関心に合わせた本県の魅力を紹介しております。  今後は、日本への関心が高い外国人をこのサイトに誘導するため、インターネット広告を十か国地域に配信するほか、世界から注目を集めるジブリパークを含めた県内周遊ルートの情報も追加してまいります。  また、外国人旅行者の趣向に合わせた旅行商品の造成に向け、市町村や地域の観光関連団体などと連携し、県内各地の地域資源を磨き上げていくことで、外国人旅行者の本県への誘客及び周遊を促してまいります。 6: ◯知事(大村秀章君) 朝日議員の質問のうち、観光について、私からも申し上げます。  ポストコロナに向けた訪日外国人旅行者の誘致についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、大きな打撃を受けた観光産業の再生に向けては、日本人のみならず、本県の観光消費額において、コロナ禍前には約四分の一程度を占めるに至った訪日外国人旅行者の早期回復も必要であります。  岸田首相は、今月二十二日にアメリカにおきまして、十月十一日から一日当たりの入国者数の上限を撤廃し、個人旅行の受入れや短期滞在ビザの取得免除を解禁するということを表明されました。  こうした水際対策の緩和につきましては、厳しい状況に置かれた観光産業への支援として、これまでも国に対しまして、私のほうから強く申し上げてまいりました。七月末の全国知事会でもそのことを強く申し上げて、知事会からの要請にも入れさせていただいたということで、強く訴えてきたところでありまして、ようやくかなという感じはいたしますけれども、緩和するということは歓迎をしたいというふうに思っております。  また、先日、来年秋に予定される日台観光サミットの開催地が本県に決定をいたしました。台湾は、本県にとって、中国に次ぐ大きなインバウンドマーケットであります。  日台観光サミットには、我が国と台湾双方の旅行業界や観光業界のトップが多数参加する機会であります。この機会を活用して、双方の関係者が交流を深めるのはもちろんでありますが、県内各地の魅力や観光資源を体感していただくことで、本県を目的地とする新たな観光商品の造成を促すなど、台湾からの旅行者の誘致につなげていきたいというふうに考えております。  本県といたしましては、こうした取組を通じ、ポストコロナに向けて訪日外国人旅行者の誘致を促し、愛知の観光を盛り上げてまいります。 7: ◯四番(朝日将貴君) 広域避難の具体化に向けて要望させていただきます。  海抜ゼロメーター以下の地域に住む我々にとって、防災とは、まさに命に関わる関心の高い事業であります。広域避難はタイムライン上、初期段階で安全を確保できる有意義な避難行動であるにもかかわらず、現実としてはいま一つ進捗が見えないというのが現状であります。  先ほどの回答では、県がリーダーシップを発揮していただけるということですので、大いに期待したいと思います。  しかしながら、例えば、縁故避難者の数を調べてみると、中部地方整備局が取りまとめた数字や市町村ごとに出しているものも見ますと、かなりばらつきが見られました。これは統一的なルール、もしくはガイドラインたるものが定まっておらず、統一的な調査ができていないことにほかなりません。  市町村が統一的なルールに基づき避難者数を把握し、その数字を想定した市町村間のマッチングや避難計画の策定、さらには広域避難を想定した避難指示への対策などを早期に進めるとともに、その計画に基づいた広域避難訓練の実施を要望いたします。  大村知事はじめ当局には、その実現に向け、引き続き御尽力いただきますよう心からお願いし、私の質問を終わります。 8: ◯議長(須崎かん君) 進行いたします。  桜井秀樹議員。     〔十六番桜井秀樹君登壇〕(拍手) 9: ◯十六番(桜井秀樹君) 豊田市選出の新政あいちの桜井秀樹です。通告に従い、二つの項目について質問をさせていただきます。  一つ目の項目として、産業におけるカーボンニュートラルの実現に向けた取組についてであります。  私が所属をしております全トヨタ労働組合連合会では、生活者、働く者の視点での政策実現に向けて、政策を基軸とした各級議員との連携強化を図ることにより、今後の取組の活動力に生かし、また、自動車産業の発展と雇用の維持、労働諸条件の向上を図るために、自動車産業を取り巻く環境変化を踏まえた産業政策への取組をするために議員連絡会を立ち上げ、取り組んでいます。  そして、一昨年、当時の菅総理大臣より、国内外に二〇五〇年カーボンニュートラルの実現が示されたことを受け、様々な取組が求められるようになりました。  昨年の九月には、組合の代表と自民党、公明党や国民民主党など超党派の県連代表者による大村愛知県知事に対しまして、二〇五〇年カーボンニュートラルを成し遂げるための愛知県への要望項目として、愛知カーボンニュートラル懇話会の設立などを申入れされました。そのことを含め、地方議員の立場として、私たち全トヨタ労連に所属をしている地方議員連絡会においても、代表幹事である西久保ながし県議と共に、昨年の十月に知事に、カーボンニュートラルの実現を通した地域経済の活性化と魅力ある地域づくりに向けた要望をさせていただきました。  そして、今年の五月に要望項目についての回答があり、今回の質問では、御回答いただいた項目も含め、三点について確認をさせていただきます。  項目の一つ目として、蓄電池などの電動化に向けた開発における企業の枠を超えた取組の推進に加え、産官学連携によるCO2排出実質ゼロの研究開発の促進の切り口での知の拠点あいち重点研究プロジェクトを活用したカーボンニュートラルの開発支援について伺います。  愛知県では、県内の主要産業が有する課題を解決するため、大学等の研究シーズを活用し、産学行政が連携して、新技術の開発や実用化を図るために、知の拠点あいち重点研究プロジェクトを実施しております。そして、第III期の知の拠点あいち重点研究プロジェクトでは、近未来自動車技術開発プロジェクトにおきまして、加速する自動車の電動化や情報化、知能化及びMaaSなど、自動車関連技術を取り巻く環境が百年に一度の大変革期を迎える中で、産業界、大学、研究機関が一丸となり、研究開発に取り組んできたと承知をしております。  そして、先ほど触れました二〇五〇年カーボンニュートラルの実現が世界に発信されたことを受け、蓄電池などの電動化に向けた開発における企業の枠を超えた取組の推進や産官学連携によるCO2排出量実質ゼロの研究開発が加速する中で、知の拠点あいち重点研究プロジェクトの第IV期が開始をされ、この四月には公募、七月までに審査及び採択をし、八月から研究開発がスタートしております。  そこで、知の拠点あいち重点研究プロジェクトの第IV期においてのプロジェクトSDGsとして、カーボンニュートラルの実現に向けた取組も行われると思いますが、第III期に至るこれまでのカーボンニュートラルに関連する研究の成果と第IV期における計画について伺います。  また、これまでの研究成果や第IV期のプロジェクトも含め、その成果をどう県内企業の実用化、事業化に反映させていくのかが重要であると考えます。県として、研究プロジェクトに参画した企業以外の中小企業へどのように研究成果をつなげていくのか、その方策について伺います。  次に、自動車サプライヤー新事業展開支援事業について伺います。  自動車産業の電動化に伴う部品点数削減によって影響を受ける企業に対して、業態変換への支援や事業継続や雇用確保に向けた税制面や助成金支援などの支援が必要であると考えます。  愛知県では、自動車サプライヤーに向け、新規事業開発の必要性等の理解を醸成するとともに、新規事業展開に向けた具体的な行動を促進するための自動車サプライヤー新事業展開支援事業を行うとされております。その中から、ハンズオン支援について伺います。  このハンズオン支援事業は、中小自動車部品サプライヤーが取り組もうとする、例えば、EV等次世代自動車分野への進出や自社が有する強みを生かした新分野進出を支援するもので、具体的には、新事業開発に知見を有する専門家が現地調査やヒアリングにより企業の状況を把握した上で、新たに取り組む事業テーマの選定から、分かりやすいテンプレートを用いた事業計画の策定、また、新事業展開に必要な公的資金の活用までを一貫して支援するものと理解しております。  そして、多くある中小企業の中で、どの規模の企業を想定しているのか、また、現在、半導体不足等の影響を受けて、車両の生産台数はそんなに高くありませんが、今後、台数が増加され、中小企業において高負荷になることが想定されますが、どのように支援を継続していくのか伺います。  また、ティアが下がるにつれて、業態変換や新規事業展開がさらに難しくなることが想定されますが、どのように支援をしていくのか、併せて、今後どのように参加する企業の裾野を広げていくのか、この事業の目指す姿と、その方向性について伺います。  三つ目として、企業におけるグリーン水素の活用拡大に向けた支援について伺います。  水素は利用の段階で二酸化炭素を排出せず、発電、産業、運輸など幅広い活用が期待される究極のクリーンエネルギーであります。水素はそれ自体がエネルギー源であるとともに、エネルギーを貯留する手段にもなるため、カーボンニュートラルの実現には欠かせないものであります。  本県は、産業が集積し、水素需要のポテンシャルが大きい地域であるため、発電や化学工業、鉄鋼金属、窯業など幅広い産業需要に対し、それぞれの需要の特性に応じた活用を進め、カーボンニュートラル時代を見越した水素社会の構築に地域を挙げて取り組むべきであると考えます。  しかし、現在、国内で流通している水素のほとんどは化石燃料由来であり、製造段階では二酸化炭素が発生していることから、カーボンニュートラルの実現に向けては、再生可能エネルギーにより製造したグリーン水素の活用拡大が不可欠であります。  先日、同僚議員と共に、福島県浪江町にあるNEDO福島水素エネルギー研究フィールド及び山梨県グリーン水素へのエネルギー変換プロジェクト、H2─YESに視察をさせていただきました。  NEDO福島水素エネルギー研究フィールドは、二〇一八年から福島県浪江町で建設を進め、再生可能エネルギーを利用した世界最大級となる水素製造装置を備えた水素製造施設であります。この施設では、電力系統に対する需要調整を行うことで、蓄電池を使わずに電力変動の大きい再生可能エネルギーの電力を最大限利用するとともに、クリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指す実証を見させていただきました。  また、山梨県甲府市では、山梨県企業局と、先ほど触れました福島県浪江町と同様に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ら、民間企業を巻き込み、県所有の米倉山に太陽光発電などの再生可能エネルギー由来の電力で、水を電気分解して水素ガスを製造し、工場などで利用することで、CO2を排出しないエネルギーシステムの構築を実証実験でありました。  この二つの施設は、太陽光による再生エネルギーを施設内にある設備により、それぞれの施設での手法は異なりますが、水素を発生させ、工場や施設に輸送、利用する社会実証を行っております。この社会実証では、製造された水素を運搬して、エネルギーとして活用しておりました。
     私は、あるべき姿として、通常時は太陽光などの再エネを生かし、工場の生産活動を行い、そこで余る電力を工場等の空きスペースを活用して、水素を製造、一時的に貯蔵し、曇りや雨天時に太陽光による発電が弱いときに貯蔵している水素を電力化し、補うことが望ましいと感じました。  一方、愛知県では、二〇一八年より、太陽光などの再生可能エネルギー電気またはバイオマスから製造された水素をエネルギーとして活用した企業を低炭素水素認証制度として認定して、これまで六つの事業を認定したと承知し、企業におけるグリーン水素の活用拡大に向け、先駆的に取り組んでまいりました。今後、企業における水素社会の実現の加速化がさらに求められてきていることから、この認証制度の在り方も含め、さらなる取組が求められていると感じております。  そこで伺いますが、二〇一八年から行っている低炭素水素認証制度について、成果も含めた、この事業評価をどう捉えているのか伺います。  あわせて、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現が示され、その取組がますます加速化されると感じておりますが、事業を開始して五年が経過する中、当初示された国における検討状況や技術開発の動向も踏まえ、制度の見直しを検討するとされておりますが、現時点における状況をお聞かせください。  また、先ほど紹介した二つの事例、NEDO福島水素エネルギー研究フィールド及び山梨県グリーン水素へのエネルギー変換プロジェクト、H2─YESの取組などは、水素利活用の視点では大変重要であると感じております。今後の企業におけるグリーン水素の活用拡大に向け、県としてどのような支援を行っていくのか伺います。  今回の質問では、産業目線でのカーボンニュートラルの実現に向けた取組について、項目を絞った質問をさせていただきました。  私は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現については、産業だけでは達成できないことについては共有できると思っております。農業や畜産業、また、建設部門も含め、全ての分野での取組が必要であります。  あわせて、エネルギーの在り方についても深い議論が必要であると思います。国は、二年前、二〇五〇年に向けて宣言をされましたが、その後、二〇五〇年に向けた工程表、ロードマップがいまだ示されていないことは大変残念であります。  このように、関連する産業、業種が多岐にわたり、取り組む幅が大変広いことに対して、全庁を挙げて取り組む必要があり、その取組や進捗を一元的に管理し、戦略的に取り組む部署が必要であるとも感じております。  冒頭触れましたが、労働組合も五百五十万人のモノづくりの現場の雇用を守るぞといった強い信念の下、従来では考えられなかった超党派の国会議員との連携を深め、知事に要望するなど、この取組にかける本気度を私は感じております。加えて、私はこの取組の必然性、重要性に関しては、雇用を守ることに加え、市民・県民生活を守るための取組であると考えております。  全ての産業も含め、事業において、このカーボンニュートラルへの取組が遅れ、世界から取り残され、その結果、企業業績に影響が出ることで、企業からの税収の減少に加え、市民、県民からの税収減につながると捉えております。その結果、子育て政策や介護、医療など、福祉政策の財源不足により、市民・県民サービスの低下につながりかねないと考えるからであります。  この九月議会では、私たちの仲間であるモノづくり産業の代表議員が、それぞれの議会でこのカーボンニュートラルの実現に向けた取組について、一般質問や委員会質問を行っております。  愛知県は全国屈指のモノづくりの地域であります。モノづくりの地域であればこそ、脱炭素先行地域、カーボンニュートラル実現先行地域になることを期待して、一つ目の質問を終わります。  次に、二つ目の項目として、安全で快適な自転車通行空間整備について伺います。  自転車は、身近な交通手段であると同時に、自転車の活用による環境負荷の低減や、コンパクトシティーの形成など、都市が抱える課題への対応だけではなく、スポーツを通じた健康増進にも役立つことに加えて、現下のコロナ禍による通勤・配達目的での自転車ニーズも高まりつつあることからも、自転車が安全で快適に通行できる空間の整備や交通安全の確保に対する県民の期待が、今後、ますます高まっていくと考えております。  自転車通行空間の位置づけについては、二〇〇七年六月の道路交通法改正により、自転車に関する通行ルールの規定が見直されたことを契機として、自転車は車両であり、車道通行が原則ということを改めて示されました。  また、二〇一六年七月には、安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインが改定をされ、自転車の車道通行を原則とした通行空間の確保の方法が明示されております。  具体的には、自転車ネットワーク路線に位置づけられた路線の整備形態は、ガイドラインに基づき、安全性、快適性の観点から、自動車の規制速度及び交通量や道路横断面構成の状況を踏まえて、自転車と自動車を構造的に分離する自転車道、また、視覚的に分離をする自転車専用通行帯、また、車道で混在させる車道混在のいずれかの自転車通行空間を選定するものとされております。  一般的には、自動車の速度が速い道路では、自転車道や自転車専用通行帯での整備が望ましいことから、道路を拡幅したり、既存の横断構成を再配分することによって、自転車と自動車の適正な分離を推進する取組が必要であります。  しかしながら、道路の拡幅や横断構成の再配分によって、自転車通行空間に必要な幅員を確保することが当面困難であり、かつ、車道を通行する自転車の安全性を速やかに向上しなければならない場合には、暫定形態の車道混在として、法定外表示である矢羽根型路面標示、いわゆる青い矢羽根での運用をしていると認識しております。  二〇二一年四月一日時点において、愛知県が管理をする道路約四千六百キロメートルのうち、自転車通行空間として整備をされた延長は、自転車道が三・二キロ、自転車専用通行帯が一・二キロ、車道混在が十一・七キロで、ごくごく僅かであると聞いております。  そのような中、自転車と自動車を車道で混在させ、矢羽根型の路面標示として運用している区間の車道では、市道レベル、これは最高速度三十キロから四十キロでは、自転車運転時にはあまり違和感は感じませんでしたが、県道、国道、三桁国道も含む道路では、法定速度が五〇キロぐらいになると、多くのドライバーが実態として六十キロ近くで走行している状況であり、車両の速度が速い道路におきましては、自転車と自動車の距離が十分確保できないため、自転車に乗ると、かなりの風圧で身の危険を感じると言われております。  実際、私も母の自転車を借り、息子の中学時の通学で使用したヘルメットを着用して、地元の片側二車線の国道二百四十八号線を走行しましたが、大型車の風圧にハンドルが取られそうになり、かなりの身の危険を感じました。  私の地元の豊田市役所では、二〇一五年より豊田市自転車活用推進計画の前計画となる豊田市自転車利用環境整備計画を策定する中で、国、県、市と調整をし、役割を明確化し、自転車通行空間の事業を進めております。  豊田市では、市道においての効果を検証しており、自転車通行空間の利用率は増加しているものの七%と低く、安全性についても満足度が三割と、少ない状況が取りまとめられて公表されております。その理由の七割が、私も体感した自動車の通行速度が速く、危ないとされておりました。  こうした状況を改善するためにも、安全で快適な自転車通行空間整備を進める上で、道路特性に合った整備を進めることが重要であると考えます。そのためには、整備済みの箇所の整備効果の検証を行い、整備についての課題を抽出し、今年度に愛知県が見直しを行う予定の自転車活用推進計画に具体策を位置づけ、今後の整備に生かしていくべきであると考えます。あわせて、この事業の最大の目的である事故防止のため、県警本部とも連携しながら整備を進めるべきであると考えます。  そこで、本県における車道混在の整備の効果をどのように捉え、今後、安全で快適な自転車通行空間の確保に向けてどのように整備を進めていくのか伺います。  今回、この質問をするに当たりまして、先ほど申し上げましたが、法定速度五十キロメートルの道路を実際に自転車で走行すると、本当に身の危険を感じました。一方で、同じ青い矢羽根、矢羽根型路面標示がされている市道では、恐怖度も低く感じました。つまり、この青い矢羽根型整備事業においては、対応できる道路とそうでない道路があると思います。また、この事業の整備率も、県管轄道路では十一・七キロメートルと低く、実際、何人かの同僚議員にもこの事業の認知度もお聞きしましたが、全く知らない議員や知っているけど地元にはないなど、意外に知られていないことに加え、市道も含めた自転車と車の車道混在を目的とした青い矢羽根整備事業の現状の低さに、正直、驚きました。  私は、この事業は、自転車を利用する人、車を運転する人の双方の啓発に加え、相手への思いやりが重要であると思います。運転時、自転車を見ると、邪魔だなと感じたり、自転車に乗ってみると、車両はスピードが速く危なく、もう少し速度を落としてほしいなと感じます。  今後、双方の理解及び整備が進むことで、この事業の最大の目的である交通死亡事故の撲滅につながることを期待し、壇上からの質問を終わります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 10: ◯経済産業局長(矢野剛史君) 知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期までのカーボンニュートラルに関連する研究成果と、IV期における計画についてお答えをいたします。  初めに、これまでの成果の事例ですが、II期に実施をしました近未来水素エネルギー社会形成技術開発プロジェクトの中で、従来比で六倍の耐久性と一・五倍の水素製造能力を持つオンサイト水素ステーション用の新たな触媒を開発いたしました。  さらに、III期に実施をしました近未来自動車技術開発プロジェクトの中で、路面に設置して充電ができる小型ビークルのためのワイヤレス電力伝送システムの開発を行い、スタートアップ企業がその成果を活用しまして、ワイヤレス給電の製品化を行いました。  また、同じくIII期の先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクトの中で、太陽光による発電と水の電気分解による水素発生、貯蔵装置を組み合わせ、その貯蔵した水素による発電電力と受け入れる系統電力との最適化を図る中小工場向けの水素蓄電システムを開発いたしました。  次に、IV期の計画についてですが、プロジェクトSDGsの中で、廃棄物などのバイオマスを用いた小規模なメタン発酵システム、窯業・セラミックス業界の焼成炉の脱炭素化を目指すメタネーションシステムなどの研究開発テーマを採択し、八月から研究開発を開始しております。  本県としましては、引き続き産学との緊密な連携の下、知の拠点あいち重点研究プロジェクトを推進し、カーボンニュートラルの実現に取り組んでまいります。  続きまして、知の拠点あいち重点研究プロジェクトに参画した企業以外の中小企業に研究成果をつなげる方策につきましてお答えをいたします。  III期までのプロジェクトにおいて創出された様々な技術や試作品等の成果については、あいち産業科学技術総合センター内に成果活用プラザを設置しまして、展示コーナーにおける成果物の展示や成果普及セミナーによる情報提供、フォローアップ研究、技術相談、指導を通じまして、県内中小企業を中心に技術移転を進めております。  具体的に、II期の成果については、II期終了後の二〇一九年度から二一年度までの三年間、あいち産業科学技術総合センターにおいて技術移転に取り組み、中小企業を中心として、四千五百五十三件の技術相談に加え、千九百六十七件の関連する依頼試験や機器貸付けを行い、新たに二十二件の製品化を支援いたしました。  今年度からは、昨年度終了したIII期の成果の技術移転の取組を開始しておりますが、これまでに中小企業を中心として三百七十件の技術相談、二十六件の関連する依頼試験、機器貸付けを行い、中小企業に対する成果普及を図っているところでございます。  今年度開始をしたIV期プロジェクトでは、全ての研究テーマにあいち産業科学技術総合センターの職員が関わり、研究成果の技術的優位性や課題を的確に把握するなど、早い段階から地域企業への円滑な技術移転に向けた準備を行うこととしております。  幅広く県内の中小企業がプロジェクトの成果を享受できるよう、引き続きあいち産業科学技術総合センターを中心に、積極的な伴走支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、自動車サプライヤー新事業展開支援事業をどう進め、今後どのように支援の裾野を広げていくのかについてお答えをいたします。  自動車産業は百年に一度の大変革期にあり、また、政府においては、二〇三五年までに新車販売で電動車一〇〇%を実現することを表明するなど、電動化の加速が見込まれております。  さらに、新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などの影響を受けた生産調整等により、中小自動車サプライヤーは経営上も大きな影響を受けております。  こうした中、中小自動車サプライヤーが今後とも安定的に収益を確保し続けるためには、新たな事業の柱を確立することが重要であります。  こうした認識の下、自動車サプライヤー新事業展開支援事業では、CASE等に関する最新トレンドやカーボンニュートラル対応等に関する情報提供等を目的としたセミナーの開催及び自社が持つ既存の技術を活用した新規事業展開を専門家によるハンズオンにより支援してまいります。  ハンズオン支援事業の対象企業につきましては、一定以上の組織体制が整備され、生産状況に左右されることなく新事業に取り組むことができるサプライヤーを想定しておりますが、支援が滞ることのないよう、各企業の状況に応じてきめ細かく対応してまいりたいと考えております。  また、他のサプライヤーへの展開につきましては、ハンズオン支援終了後の成果報告会の開催や国が実施をしています自動車産業ミカタプロジェクトにおける地域支援拠点等との連携により、新事業展開に取り組む中小サプライヤーへの展開を図ってまいります。  自動車産業を基幹産業とする本県が関係者との連携により、この変革期をリードする取組を進め、自動車産業の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。 11: ◯環境局長(水野達也君) 企業におけるグリーン水素の活用拡大に向けた支援についてお答えをいたします。  まず、低炭素水素認証制度の事業評価についてです。  再生可能エネルギーにより製造されたCO2フリーのグリーン水素を含め、CO2の排出量が少ない水素を低炭素水素として本県が独自に認証する低炭素水素認証制度については、二〇一八年度に制度を創設して以降、毎年度、新たな事業を認定しており、取組が着実に進展しているものと考えております。  直近では、今年一月に、東邦ガス株式会社が豊田市内の二か所の水素ステーションの敷地内において、グリーン電力証書などでカーボンオフセットした都市ガス由来の低炭素水素を製造し、燃料電池自動車(FCV)や燃料電池(FC)バスに供給する事業の認定を行っており、本事業を含め、現在までの認定事業は六つとなっております。  そして、これまでに約四十一万ノルマル立方メートルの低炭素水素の製造を認証し、約六百七十トンのCO2削減効果がありました。これはFCV約六千五百台分の燃料に相当し、一般家庭約百六十九世帯分の年間CO2排出量に相当するものでございます。  続いて、低炭素水素認証制度の見直しについてです。  本制度については、低炭素水素サプライチェーンのさらなる普及拡大を図るため、二〇二〇年十月に、再生可能エネルギーによる食塩水の電気分解により、苛性ソーダ等を製造する過程において、副次的に生産される水素、いわゆる副生水素を認証対象に加えております。ちなみに、現在、副生水素の低炭素水素としての認証を目指す企業から相談を受けているところでございます。  今後の制度の見直しにつきましては、現在、国において、水素、アンモニアの商用サプライチェーンの構築に向けて、支援の対象とする水素の範囲が検討されており、今後、その検討結果と本県の認証制度との間でどのように整合性を図っていくのかが課題となってまいります。  また、今後、想定される水素需要の増加やサプライチェーンの広域化を見据え、本県の認証制度を岐阜、三重などの近隣県に広げていくことも検討していく必要があると考えております。  最後に、今後の企業におけるグリーン水素の活用拡大に向けた支援についてお答えをいたします。  水素社会の実現のためには、国や県、企業など、様々な主体がそれぞれの立場から課題解決にアプローチすることが必要です。  議員お示しの福島、山梨の事例は、最新の技術を用いた国家レベルの実証プロジェクトであり、再生可能エネルギー電力で水素を製造、貯蔵するP2G(パワー・ツー・ガス)システムの高度化等に関する取組の成果やノウハウが本県内企業にも還元され、当地域の水素関連技術の向上につながることが期待されるところでございます。  そうした実証レベルの取組と並行して、本県では既に実用レベルにあるプロジェクトを認定する低炭素水素認証制度により先駆的な取組を行う企業を支援しており、今後も、メッセナゴヤなどのイベントや新聞広告、あいちインターネット情報局など様々な機会や媒体を通じて、そうした企業や取組を発信してまいります。  一方で、グリーン水素を広く普及させるためには、まずは、水素利用の量的拡大を図り、その上で水素のグリーン化を順次進めていくという視点も重要であると考えております。  本県では、水素の利用を拡大するため、事業者によるFCVやFCバス、FCフォークリフトの購入や水素ステーションの設置に対する補助等を行っているほか、今年二月に設立した中部圏大規模水素サプライチェーン社会実装推進会議や、その下に設置したワーキンググループにおいて、大規模水素受入・供給拠点の整備や、幅広い産業での水素の需要創出に向けた検討や取組を進めております。  これらの取組を通じて、水素の調達、製造、供給に係るコストの削減や流通体制の構築など、企業が水素を利用しやすい環境を整備しながら、環境価値の高いグリーン水素を利用する社会的意義の発信や水素の製造事業者と安価な再生可能エネルギーの提供者やグリーン水素を使いたい事業者とのマッチングなどの支援にも力を入れ、企業におけるグリーン水素の活用を促してまいります。 12: ◯建設局長(道浦真君) 安全で快適な自転車通行空間整備についてのお尋ねのうち、まず、車道混在の整備の効果についてであります。  自転車通行空間の整備において、車道で混在させる場合では、自転車に車道通行を促すとともに、自動車に対しては、自転車通行の注意喚起を図るため、矢羽根型路面標示を実施しております。  その効果について、豊田市内の国道二百四十八号、県道豊田環状線などにおいて、自転車利用が多い朝七時から九時と夕方の十六時から十八時に、ビデオ撮影による利用実態の調査を実施しました。  その結果、自転車の車道通行の割合については、路肩幅員の比較的広い県道豊田環状線においては、矢羽根型路面標示を実施する前後で七%から四六%に向上する一方、路肩幅員の狭い国道二百四十八号においては、整備後も依然として五%と低くなっております。  また、自転車を自動車が追い越す際の両者の間隔については、いずれの路線においても、近いときは一メートルを下回っている実態が確認されております。  次に、今後の自転車通行空間の確保に向けての取組についてであります。安全で快適な自転車の通行には、自転車専用の通行空間を確保することが望ましく、車道混在とする場合においても、広い路肩を確保することが有効と考えております。  そのため、今後、バイパス整備や拡幅を伴う道路改築を実施する場合には、設計速度や自動車及び自転車の交通量に応じて、自転車通行空間の確保を念頭に道路計画を検討してまいります。  また、電線類地中化や植樹帯の撤去と併せて、道路全体の幅を変えることなく道路幅員構成を見直し、自転車が通行する空間を拡大する可能性を検討してまいります。  加えて、車道混在の場合には、車道の端に設ける側溝を従来よりもスリムな構造に変更し、路肩の平たんな部分を広げ、自転車の走行性向上に努めてまいります。  さらに、昨年度策定された国の第二次自転車活用推進計画に合わせ、今年度見直しを予定している愛知県自転車活用推進計画に、中央帯や植樹帯の幅員見直しによる自転車通行空間の確保を新たに位置づけ、自転車の利用環境の向上を図ってまいります。  こうした自転車通行空間のさらなる改善に向け、道路管理者、交通管理者、有識者で構成する愛知県交通安全対策推進連絡会議において多面的に議論するなど、県警察とも緊密に連携してまいります。  今後とも、安全で快適な自転車利用環境の充実に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 13: ◯知事(大村秀章君) 桜井秀樹議員の質問のうち、産業におけるカーボンニュートラルについて、私からもお答えをいたします。  二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けましては、日本一の産業県として、企業における積極的な研究開発を促進し、イノベーションを創出することは不可欠であると考えております。  とりわけ本県の基幹産業である自動車産業においては、カーボンニュートラルへの対応に加え、CASEやMaaSといった百年に一度の大変革期とも重なり、技術の改善や高度化、新技術の導入に果敢にチャレンジする企業に対して積極的な支援を行うことが重要であります。  このため、産業空洞化対策減税基金に基づく新あいち創造研究開発補助金により、企業が実施する次世代自動車の電動化、低炭素化技術等に関する研究開発や実証実験を支援するほか、付加価値の高いモノづくり技術の研究開発拠点である知の拠点あいちを核とした産学行政連携の重点研究プロジェクトにおいて、カーボンニュートラルに寄与する蓄電池や水素エネルギー、新材料等の研究開発を推進しているところであります。  一方で、自動車産業におけるカーボンニュートラルや電動化の進展は、部品サプライヤーにとりましては新事業進出のチャンスにもなり得るというふうにも考えられることから、中小自動車サプライヤーの新事業展開を引き続き支援し、より多くの企業が成長の果実を享受できるカーボンニュートラルの実現を目指してまいります。 14: ◯議長(須崎かん君) 進行いたします。  中村竜彦議員。     〔五番中村竜彦君登壇〕(拍手) 15: ◯五番(中村竜彦君) 豊橋市選出、自由民主党の中村竜彦です。あらかじめ通告をいたしました発言の要旨に従い、今回は三点について質問をいたします。  まず一つ目は、県営豊橋駅西地下駐車場、もぐらパーク西の利活用についてであります。  一九九一年に道路法及び駐車場法の一部が改正をされ、都市部の駐車場の絶対的不足や違法路上駐車防止の観点から、道路管理者が道路事業として駐車場を整備、管理できるという新たな制度が創設をされました。  豊橋駅西地区は、豊橋駅の新幹線側である西口に位置しており、県道大山豊橋停車場線が南北に、県道豊橋港線が東西に延び、交通がふくそうする地域で、違法駐車による慢性的な道路交通の支障を解消するため、本県としては、この制度を活用した初めての事業として、一九九六年に国、県、豊橋市が三分の一ずつの費用を負担し、総工費四十八億円、地下二階建て、駐車台数二百二十三台の道路附属物としての県営豊橋駅西地下駐車場、もぐらパーク西が建設、開業し、今日まで道路機能の確保と交通の円滑化に供されてまいりました。  しかしながら、開業当時と比較をし、豊橋駅西地区周辺には民間の駐車場が多数設置されたこともあり、近年では年に一度の豊橋まつりのときは混み合うものの、ふだんのもぐらパーク西の利用台数は、二〇〇八年の約六万五千台をピークに右肩下がりとなっており、加えて、外出自粛の新型コロナウイルスの影響で大幅な利用者の減少が重なり、二〇二〇年、二〇二一年の両年とも二万台を割り込み、同二〇二一年四月からは、地下一階、地下二階と二フロアある中で、利用率の少なさを理由に地下二階フロアがトラ柵で閉じられ、閉鎖されている状態であります。  先日、現地に確認に行ってまいりましたが、現在稼働している地下一階部分、百台を超えるスペースがありますけれども、平日の夕方十八時時点での駐車台数は十九台でありました。もぐらパーク西は、建設以後二十六年目でまだまだ新しく、特にトイレなどはスペースも広く、シャワートイレなども完備されていて、とてもきれいであります。  豊橋駅西口駅前という好立地な場所にあり、また、地下空間という天候の影響も受けないという利点もあることから、駐車場としての需要が今後もそれほど見込めないのであれば、今ある未利用スペースの有効活用について、柔軟な視点に立って考える必要があるのではないかと考えます。  そこで、質問の一つ目、豊橋駅西地下駐車場、もぐらパーク西における他の用途も含めた今後の利活用について、県当局の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、二問目は、学校給食費の負担軽減についてであります。  昨今、子育て環境の充実は、幼稚園、保育園の無償化、子ども医療費の無償化、高等学校授業料の無償化など、今、中学三年生の私の息子が生まれた十五年前から比べますと、大胆かつ大幅に改善をしてきております。  一方で、それらの無償化のメニューから外れてしまい、各市町村の首長選挙などでも度々争点に挙げられ、各市町村の間での対応が分かれつつある、すなわち、市町村間で差が出つつあるのが学校給食費の取扱いについてであります。  法律上、学校給食は地方公共団体が調理に要する費用等を負担することとされており、保護者は食材費のみをいわゆる給食費として支払うことが原則とされていますが、そこに各市町村が独自の単費を用いて、その給食費の一部あるいは全部を減免しているところが近年出ているというわけであります。  特に今年度は、それら給食費を取り巻く環境が大きく動き出した年でもありまして、今年の四月五日付で、令和四年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱いについてという通知が文部科学省から各都道府県、政令市等の教育委員会宛てに出されており、コロナ禍において、食材費等が高騰する中にあって、地方公共団体の判断により、高騰する食材費の増額部分の負担を支援し、保護者負担を増やすことなく、学校給食の円滑な実施のための事業にも臨時交付金の活用が可能と記されており、これにより、例えば本県の場合、市町村により差はありますけれども、中学校の給食費はおおむね一食当たり三百円程度ですが、そこへ値上がり分として四十円分、三百四十円分の食材が今までどおりの給食費で賄えるよう、この国からの地方創生臨時交付金を充てることができるということになり、本県においても、私学等に対しての補助については、さきの六月定例会、また、今定例会においても関連補正予算が出されているとおりであります。  さらに、ここからが大事なのですが、同月二十八日に文部科学省から追加で出された通知ではさらに踏み込んだものになっており、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充により創設されるコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分を活用し、学校給食等の保護者の負担の軽減に向けた取組を進めていただくようお願いしますと記されており、値上がり部分だけに限って交付金が使えるのではなくて、子育て支援のため、給食費そのものを無償化した場合であってもこの臨時交付金の対象になり得るものと国の認識が示され、臨時交付金の適用範囲が拡大をされております。かつ、この活用を進めていただくようお願いしますと、国は推奨しているわけであります。
     小中学校の給食費は、主に市町村の仕事ですから、当然県よりも反応は敏感でありまして、これにより県内では、早いところですと、設楽町が六月から三月末まで、蒲郡では七月から十月末まで、南知多町が七月から十二月末まで、犬山市が九月から十二月末まで、稲沢市が九月から十月末まで、津島市と新城市が九月から三月末まで、臨時交付金を原資に全ての小中学生の給食費を無償化することに着手しており、これからとしては、私の地元の豊橋が十月から三月末までの同交付金を原資に学校給食費を無償化するための補正予算案が、今まさに九月の市議会で審議をされているところであります。これはもちろん本県に限らず、全国の市町村でも同様の動きが出ているわけであります。  厚生労働省が発表した今年七月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比一・三%減少しており、マイナスは四か月連続で、小中学生の保護者を含め、家計の負担は増える一方であります。コロナ禍はもとより、ロシアのウクライナ侵攻など、様々な今年の世界的な環境の変化による我が国の物価高騰は来年度以降も引き続き継続することが見込まれますが、国の地方創生臨時交付金も、コロナ禍にあってはこれまで毎年交付はされているものの、原則単年度ごとに交付されているものですから、来年はどうなるか不明でありまして、今後、学校給食費の負担軽減については大変注目される全国的な課題になるものと考えます。  そこで、物価高騰を受け、本県における公立学校の学校給食費の負担軽減の取組の状況はどうなっているのか。来年度以降も引き続き物価高騰が見込まれますが、本県として、今後どのように対応されていかれるのか、県教育委員会の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、三問目として、県立高等学校における原付通学の現状と考え方について伺います。  少子化は全国的な課題であります。本県でも子供の数は減少してきており、高等学校へ通う生徒の数もピークであった一九八九年の三十一万四百十一人から、二〇二一年には十八万五千九百二十人と、約四割の減少であります。これに伴い、県立高等学校の統廃合や学科の改編、中高一貫校の導入など、県教育委員会において、これまでも様々な県立高等学校の再編について取り組んでこられているわけであります。  これらの再編により、学校の数が減るのはもとより、学科も変わることで、高校を選ぶ子供たちにとっては、行きたい、学びたい志望校がよりピンポイント化されていくことになり、そうしますと、多少距離が遠くともこの学校に行きたいというケースは、これまでより増えることが予想されます。  先日、県内の西三河地方の地方紙でしたけれども、中山間地域に居住する二人の高校生を持つ保護者の通学手段がなく、送迎に二時間以上かかっているとの悲鳴にも似た声が記事として取り上げられておりました。記事によると、高校生の原付でのバイク通学は事後的に認められるケースはあるものの、しかし、高校ごとによって対応もばらばらで、いかなる理由があろうとも原付通学は認めないとする学校もあるようであります。  そもそも原付バイクについては、PTAを中心に三ない運動というものがありまして、これが私自身も含めて、高校への原付バイク通学はイレギュラーだという固定観念を植え付けた大きな要因だと思うわけですが、この運動が始まった一九八二年、バイクブームによる事故や暴走族の増加により、バイクは危険かつ反社会的な乗り物というバイクに対する否定的なイメージから、全国高等学校PTA連合会が、高校生の命の尊厳を訴え、バイク免許を取らない、乗らない、買わないという、いわゆる三ない運動の推進を決議しており、本県においては一九八〇年に乗せてもらわないを付け加えた四ない運動として、PTAを中心に継続をされ、現在も継続をしております。  しかしながら、日本自動車工業会の調べによりますと、一九八〇年には二百四十九万台の生産台数だった日本の原付バイクは、二〇二〇年には十二万台と激減をしており、暴走族も衰退をいたしました。もはや原付バイクは反社会的な乗り物ではなく、教育の名の下に高校生から原付バイクを取り上げるのではなく、乗る際のルールや危険性を十分に教えることのほうが本来の教育の在り方ではないのかと考えられるようになり、群馬県や埼玉県では三ない運動が廃止をされ、他の都道府県でも見直しの動きが出てきております。  運動を始めた全国高等学校PTA連合会においても、二〇一二年の和歌山大会以降、マナーアップ運動への転換を掲げ、全国組織的な三ない運動は終了をいたしました。今、日本はまさに人口減少、少子化に直面をしており、学校の統廃合や路線バスの縮小が今後も見込まれるわけであります。  今後、先ほども申し上げましたように、県立高等学校の再編により、多少距離は遠くともこの学校に行きたいというケースがこれまでより増えることが予想される中、例えば、現在でさえ自転車で片道一時間以上もかけて毎日通わなければならないというケースが普通に存在をしているわけですが、中山間地域に限らず、全県的な県立高校における原付バイクの通学について、きちんと合理的な一定の要件を満たした上で、生徒たちの通学の権利として認める方向で検討するべき時期に来ていると考えますけれども、現在の許可要件はどのようになっているのかを含め、県立高等学校における原付通学の現状と考え方について、県教育委員会の見解をお聞かせいただきたいと思います。  以上、壇上からの質問といたします。(拍手) 16: ◯建設局長(道浦真君) 豊橋駅西地下駐車場における他の用途も含めた今後の利活用についてであります。  当駐車場は、周辺地域に民間の駐車場が多数できたこともあり、二〇〇八年をピークに利用者は減少しているものの、新幹線の始発、終着時刻に合わせた営業時間の拡大など利用促進も図っており、これまで一定の駐車場需要に対応してまいりました。  そうした中で、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、二〇一九年度には年間三万三千台ほどあった利用台数が、二〇二〇年度には一万七千台と半減したため、経費節減を図る目的で、地下二階部分を昨年四月より一時的に閉鎖しておりますが、駐車場需要が回復すれば再び開放する予定であります。  また、豊橋市が二〇二〇年度に策定した都市計画マスタープランには、豊橋駅周辺において、東三河の中心にふさわしい拠点の形成を図ることが位置づけられており、この冬には駅西地区において、店舗を併設した大規模マンションが竣工するなど、人や車の往来も増えてくるものと考えております。  こうしたことから、現時点におきましては、駐車場区画を使用した他の用途による利活用は想定しておりませんが、今後、地元豊橋市の意向も確認しながら、県民の皆様の利用しやすい施設となるよう努めてまいります。 17: ◯教育長(飯田靖君) 初めに、物価高騰を受けた県内公立学校の学校給食費の負担軽減の取組状況についてお答えをいたします。  県立学校では、夜間定時制高校と特別支援学校において、国の交付金を活用して、今年の四月から九月までの給食費について、一食当たり約三百円のところ、物価上昇分として四十円の支援を行う予算を六月議会においてお認めをいただいたところでございます。  その後も、現在まで物価高騰が続いていることから、今議会において補正予算の早期議決をいただき、今年度下半期分の給食費について、一食当たり四十円の支援の継続をしてまいります。  小中学校におきましても、県の取組を参考に保護者負担の軽減を積極的に進めるよう、市町村教育委員会に働きかけた結果、県内の約九割に当たる四十八市町村で、県と同様の取組や給食費を無償化する取組が行われております。  今後の対応といたしましては、議員お示しのとおり、物価高騰の状況が続く場合には、保護者負担の軽減に向けた取組の検討が必要になると思われますので、引き続き物価の動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、県立高校における原付バイクでの通学についてお答えをいたします。  県立高校においては、交通安全の観点から、原則、原付バイクでの通学を認めておりませんが、中山間地域の学校や夜間定時制高校など一部の学校では、一定の要件の下で許可をしております。  中山間地域やその周辺の全日制高校においては、バスなどの公共交通機関がなく、自宅から最寄りのバス停まで距離がある場合や通学路の勾配が急で自転車通学が難しいといった場合など、生徒の事情を踏まえまして、原付バイクによる通学を許可しております。現在、原付バイクで通学をしている生徒は数名でございます。  夜間定時制高校では、昼間に仕事をした後に通学する生徒が多いため、交通の便のよい都市部の学校を除いて、原付バイクによる通学を許可しております。  今後、中山間地域や夜間定時制以外の高校におきましても、公共交通機関の路線の廃止等で通学に困難を抱える生徒が出てきた場合は、安全面を考慮しながら、保護者の意向も踏まえ、適切な通学手段が確保できるようにしてまいります。 18: ◯五番(中村竜彦君) それぞれについて、御答弁をいただきました。要望させていただきたいと思います。  まず、もぐらパーク西についてですが、大前提として、今後、駐車場の需要が回復するのかという点で、私はさすがに満車は難しかろうという視点で、今回の質問をさせていただいております。  大型マンションが完成をし、コロナもなくなったときに思っていたより需要が回復しない、さあ、どうしようと対応するのではなくて、二〇〇八年のピーク時六万五千台、翌年一万台のダウン、そのさらに翌年一万台がダウンをし、四万台が三年続き、二〇一三年。そこから三年かけて三万台前半になり、この時点が二〇一六年。その後、ほぼ横ばいが三年間、二〇一九年まで推移し、二〇二〇年からコロナ禍で半減して、二万台を割ったまま現在に至ると。  さあ、コロナ禍が収まれば、コロナ前の三万台まではもしかしたら戻るかもしれませんが、しかし、大型マンションができるからとはいうものの、この駐車場は道路の一部という法的な立ち位置であり、一般の月ぎめ契約はできずに、車庫証明の取れない形の定期契約しか結べないそうでありまして、マンションの住人の需要は見込めず、マンションに来る来客が使用する程度の増加しか見込めません。  駐車場台数が二百二十三台ですから、三百六十五日全て一区画一台だけ止まったとしても、八万千三百九十五台。コインパーキングというのは一区画に何時間か利用があり、空いたらまた別の車が止まってと回転させるものだと思いますが、回転させなくても八万台のキャパがあり、開業以来、ピークが六万五千台でしたと。あらかじめ、どうして二〇〇八年がピークだったのかを調べましたら、豊橋駅の東口の大型駐車場が工事中であったからだということでありました。  当初から八万台の設定は多過ぎたのかもしれませんが、過去を責めたところで仕方ありませんから、これからどうしますかということが一番大事であります。もちろん、駐車場料金を取っているわけですから、もぐらパーク西が維持されていくための収益の観点は大切です。では、周辺のコインパーキングに比べて極端に安い料金設定は民業の圧迫になりますから、まず、健全な競争ラインの駐車場料金に見直すことで、新規誘客を図る必要があるのではないでしょうか。  特に申し上げたいのは、民間とはかぶらない部分での差別化の必要性です。一日打切り料金をしている駐車場は数多くあり、もぐらパーク西でも一日千八百円の打切りをしていますが、例えば、三泊、四泊と連泊をすると料金が割安になるというところはあまり見かけません。豊橋駅から鉄道でセントレアに行く際に名鉄を利用するわけですけれども、そういった盲点を探せば、こうした何日も車を止めたい空港利用の旅行者の需要を民業圧迫することなく受け止めることもできるかもしれません。  そのような工夫した料金の見直しにより新たな掘り起こしを行い、その金額から年間何台の利用があれば赤字にならないのか、そうした観点で適正な駐車台数の設定をするべきではないでしょうか。  そして、その駐車場の現実的な収益確保のために求められた台数から、余剰となったスペースは、例えば、南海トラフの地震が来れば、駅利用の帰宅困難者が雨露をしのげるスペースになります。そうしたときに、地元と協力した形で防災倉庫などを設置しておくのも、公共スペースにふさわしい利活用の一案ではないでしょうか。  コロナ禍で利用者が半減して、開けていても利用されないんだったら、電気代、経費節減のために地下二階を閉じましたと、当面の経営者側の判断としては分かりますけれども、一般の利用者目線で見れば、地下二階はトラ柵で閉じてあって、地下一階に入って、入り口のすぐのところは、ずっと一台も見えない、がらがら。奥に進んでいって、やっと駅に近い出口のほうになって、ようやっと、この間は十九台でしたけれども止まっていて、ああ、利用者がいてよかったなと感じます。これは県営駐車場なんでしょう、もう少し他の用途も含めて何とかならんもんかねと、市民や県民が思うのは、私は当然の感覚だと思います。  ぜひ地元豊橋市とも御相談をいただきながら、必ずしも現時点での考えにとらわれない、さすがだと思われるような活用、改善をいただきますように要望したいと思います。  次に、学校給食費の負担軽減についてであります。  昨年、自民党愛知県連の青年局で、子育ての支援の拡充を求めて、特に給食費の無償化について国でやっていただきたい旨の要望活動をしておりまして、私もその要望書の取りまとめ人の一人でありました。給食費はもはや国費でやるべきだというのが私の立場であります。  そこで、大きなチャンスが今やってきていると思うわけであります。地方創生臨時交付金、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分というのは、物価高に対応するために値上がり部分だけに充てるというのが本来の趣旨であります。それが、給食費全額に充てていいと、保護者の負担軽減策なんだと、国が趣旨を変えた、我々からするとウエルカムなんですが、その本来の趣旨からあえて外して、ぜひ活用してください、お願いしますと国は言っているわけです。勧められた市町村がそれに乗るのは当然の想定であります。  しかしながら、交付金は単年度なので、当面は三月三十一日まで、四月以降は分かりません。継続するかもしれないし、しないかもしれない。だから、ちゅうちょする市町村もありましょう。  一度無償化しておいて、四月からは地方創生臨時交付金の適用、あるいはその交付金そのものがなくなりましたから、給食費を再徴収しますと。そんなことをしたら、無償に慣れた保護者側にしてみれば事実上の値上げと感じますから、非難ごうごうでしょう。市町村の首長もたまりません。市町村の単費でやるには大きな負担であります。  しかし、非難ごうごう、途中でやめるなんていうことは難しいということも想定しての四月二十八日の追加通知、値上げ部分の補填だけじゃなくて、給食費全部の無償化という交付金の適用範囲拡大なんですよねということを、ここは私は国に対する最大の突っ込みどころ、押しどころだと思うわけであります。  十万円を一回配って終わりという定額給付金と違って、毎月継続する給食費を無償化できます、活用してください、お願いしますと言っておいて、途中で無償化をやめるなんていうことができるものかと、そのようにかじを切った張本人である国が最終的にこの出口の責任を負うべきだということを皆で訴えるべきであり、絶好の機会到来であると考えます。  大村知事におかれましては、少なくとも来年度は、今年度と同様の地方創生臨時交付金の継続、そして、コロナが完全に終息したら、正式に全国統一の国費による給食費無償化、これを全国知事会や様々なシーンにおいて、全国の知事や首長の皆さんを巻き込んで国への要請を行い、実現に向けて強力に御尽力をいただきたく、強く要望いたします。  最後に、県立高校における原付通学についてであります。  先ほど紹介した新聞記事にもあるのですけれども、個別の判断で事後的に認められる場合、高校を選ぶ際に、中学校の進路指導担当者や保護者に事前に認められるのかどうなのか知らされず、そのまま入学を決めざるを得ないというケースがあるようであります。個人の申請に基づいて、個別に判断するとなるとどうしてもそうなることは分かりますが、しかし、これは少なくとも事前に分かるように是正すべきだと思います。そのためには、県教育委員会の統一的な基準を設けるべきだと考えます。  昔のスポ根漫画じゃありませんが、片道一時間以上も自転車を盛り漕ぎして通学することを強要すること、あるいはそれを根性があって立派だというのは時代錯誤ではないでしょうか。といって、自転車より危険があることは間違いありませんから、しっかり安全教育を行い、自宅から学校まで一定の距離があること、私の例ですと、私が通った大学では、大学の事務局に行って、五キロ離れていれば許可するということでしたから、地図の上をコンパスで五キロ圏内がぐるっと網かけになっていて、その網かけ圏外の住所だということが証明ができれば、許可シールをもらって原付に貼って登校をしておりました。  何キロ圏外から許可していいのか、そこは合理的に考えていただければいいんですが、例えば、県の統一の基準として仮に十キロ圏外だとした場合、当該地域に住んでいる生徒が学校に原付バイクを選択することは権利ですよと、しかし、権利ですから、行使するか否かは御家庭で、保護者とよく相談して決めてくださいねと。当然、きちんと免許は十六歳になってから取ってくださいねと、このように、アウトラインだけは県教委で決めておいて、そこから先の十キロよりも短くするのかどうかということは学校ごとの判断でよろしいかと思うわけです。  答弁では、原則、原付通学を認めていないということで、誰が認めていないのかといえば、県教育委員会として認めていないということではなくて、四ない運動のPTAと校長会だと仄聞をしております。私は、あくまでアウトラインの責任は県教育委員会が持つべきだと考えます。  子供たちの安全を考えて、四ない運動に情熱を燃やす方々を否定するつもりはありません。しかし、遠距離に住まう生徒、その保護者にまで強要することは不合理です。  その原付通学の危険というリスクと、たまたま学校の近くに家がなかった、その家に生まれてこなかったことにより毎日卒業まで遠距離の自転車通学を強いられなければならない不合理をてんびんにかけて、どちらが優先されるべきか、合理的に判断されるべきです。  県教育委員会におかれましては、ぜひその県の最低限の基準、アウトラインを示していただいて、その基準を満たした原付通学は、生徒の通学の権利であるということを認め、これからの時代に適したものにしていただくよう強く要望いたします。  以上で私の発言を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 19: ◯四十一番(山田たかお君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 20: ◯議長(須崎かん君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 21: ◯議長(須崎かん君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十七分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 22: ◯副議長(佐藤一志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  加藤貴志議員。     〔十一番加藤貴志君登壇〕(拍手) 23: ◯十一番(加藤貴志君) 豊田市選出の公明党、加藤貴志です。通告に従い、三点質問してまいります。  まず一点目、帯状疱疹の理解促進と予防について伺います。  ある日、頭部にぴりぴり感を感じ、まぶた周辺にも赤いぽつぽつが出てきて痛みを感じ始めました。虫に刺されたのかな、そのうち痛みは引くだろうと思い、数日間放っておきました。しかし、一週間たっても治るどころか足もしびれてきて、寝るのもつらく何かおかしいと思い、皮膚科を受診。飲み薬、塗り薬を処方され、診断名は帯状疱疹。痛み、腫れが引くまで数週間かかりました。二度とあのような経験はしたくないです。症状を知っていて予防法も分かっていたら、迅速な対処法が取れたかもしれないですし、生活の質を落とさずに済んだのではと思います。これは、自身が罹患したからこそ言えることです。  帯状疱疹とは、多くの人が子供のときに感染する水ぼうそうウイルスが原因で起こる疾病で、水ぼうそうにかかったことがある人なら誰でも帯状疱疹にかかる可能性があり、生涯で約三割がかかると言われています。日本人成人の九〇%以上は帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜在しています。その発症率は五十歳代から急激に上がり、六十から八十歳でピークを迎え、五十歳以上の人が患者全体の約七割を占めます。つまり、いつ、何時、誰が発症しても不思議ではない疾病です。  また、合併症を起こす場合もあり、刺すような、焼けるような、絞めつけるような、電気が走るような痛みが数か月から数年継続する帯状疱疹後神経痛になる人も約二割程度いて、そのほかも、視力低下、失明、顔面神経麻痺などの重い後遺症が残る場合もあり、日常の生活の質を低下させる原因にもなります。  実は、帯状疱疹の発症率が年々増加傾向にあるようです。コロナ禍で生活様式が大きく変わり、精神的不安やストレスが高くなってきています。五十歳以上を対象としたコロナと帯状疱疹発症の関係性という観点では、コロナ感染者の帯状疱疹発症率は非感染者より一五%高く、入院患者となると、その発症率は非罹患者と比較し二一%高くなるという疫学的エビデンスもあります。  また、二〇一四年に、小児の水ぼうそうワクチンが定期接種となり、水ぼうそうにかかる子供が減る一方、ブースター効果を得られなくなったため、高齢者に加え、重症化にはなりにくいものの、二十代から三十代の罹患割合も増えてきているようです。  また、帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことがない人へ水ぼうそうとしてうつる可能性があり、特に水ぼうそうにかかったことがない妊婦にうつると胎児に水ぼうそうが感染し、先天性水痘症候群のリスクが発生することもあります。  そのような中、一方では、コロナ禍により自身の健康、ウエルビーイングやワクチン接種への意識が高くなってきていると感じます。  ところで、愛知県の状況はどうでしょうか。日本の疫学調査にのっとった推計で、令和三年十月一日時点の県内の五十歳以上、三百三十六万人の推計罹患者数として、一生において帯状疱疹にかかる人は約八十二万人、対象人口数の約二四%、帯状疱疹後神経痛にかかる人は約十八万人、帯状疱疹罹患者の二二%と言われています。高齢者が罹患しやすいということもあり、今後、高齢者人口増加の時代の到来を考えると、対象者も増加していくと考えられます。  また、年間一人当たりの直接医療費として見た場合、帯状疱疹は、一人当たり年間約四万二千円、帯状疱疹後神経痛の場合、約十二万七千円という試算結果になります。これらを県内の対象年齢層の年間医療費として見た場合、五十歳以上の場合は約二十二億円、六十五歳以上は約十五億円となり、医療費への大きな負担となっていることが分かります。つまり、これらは当事者のみならず、後遺症を抱えた人へは家族などにもよる支援も必要になることも考えられ、その社会経済的損失は看過できないと思います。  このように注目されつつある帯状疱疹ですが、社会での認知度はまだまだ高くないというのが実情ではないでしょうか。  ある調査によると、新型コロナ八〇%、インフルエンザ九〇%という認知度に対し、帯状疱疹の詳細を知っている、ある程度知っていると答えた方は六三%、さらに、予防手段としてのワクチンの認知度については、新型コロナ九〇%、インフルエンザ八六%に対し、帯状疱疹ワクチン一六%です。  また、罹患した場合の対処法として、発症後七十二時間以内の抗ウイルス療法が効果的で、痛みが早く治まるという事実にかかわらず、発症後二日以内に受診する患者が半数以下と、その症状と対処法が理解されていないという調査結果もあります。帯状疱疹のことを知らないと、医療機関への相談や接種行動は起こらないということになり、まずは帯状疱疹を正しく知ることが大事です。  結論、帯状疱疹のことを知ること、予防すること、治すことが非常に大切だと考えます。  そこでお伺いします。  県は、感染症である帯状疱疹に関する情報発信を行っているのでしょうか。行っていない場合、帯状疱疹の啓発推進をしていくべきと考えるが、その発信内容、手段を含め、今後の取組をお伺いします。  次に、予防の観点から伺います。  現在、六十五歳以上の大人向け定期接種ワクチンとしては、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンがあり、その接種率は、肺炎球菌が約一三%とインフルエンザが約五六%。一方、任意接種の帯状疱疹ワクチンは、さきに述べたように認知度が高くないため、接種率は高くありません。  低い接種率は認知度の低さが唯一の原因ではなく、その接種費用にもあります。効果の高いワクチンの場合、四万円から五万円程度かかり、全額自己負担です。  五十歳以上の人が接種対象者となる帯状疱疹ワクチンですが、ワクチン接種で発症しないというわけではありませんが、発症リスクや痛みの強度も軽減すると言われており、その予防効果が九〇%、十年程度続くと言われています。  全額自己負担が未接種のボトルネックの一つとなっている一方、実は帯状疱疹ワクチン接種助成の導入実績は愛知県が全国一で、名古屋市含め、現在七市町村で実施されています。  ワクチンについては、さきの高齢者肺炎球菌・インフルエンザワクチンの定期接種のほか、任意接種として現在定期接種になっていないおたふく風邪ワクチンや、定期接種に使用されているワクチンではあるものの、さらに追加での接種が必要とされている乳児対象の三種混合ワクチンなど他の任意接種ワクチンがありますが、対象人数や費用対効果を考えた場合、帯状疱疹ワクチンのそれは非常に高いと言えます。  医療について、今後は治療から予防の時代に入っていく流れがあります。帯状疱疹も例外ではありません。  この九月議会において、インフルエンザワクチン接種助成に関する補正予算が早期議決されましたが、二年前の助成実施時、助成ありのときと、接種率はなしのときと比較し、プラス一〇%以上とお聞きしており、助成の効果があったものと考えられます。  コロナ禍、物価上昇にある中、対象者にとって高額なワクチン接種費用を工面するのは簡単ではないと思います。さきに述べた種々の社会的要因、新型コロナ、物価高騰、高齢者人口増加などの影響を加味し、県レベルではまだどの都道府県でも実施していない本助成制度の導入は、住民の負担軽減、孤独、孤立とも関わりがある健康寿命の延伸、生活の質の低下防止に大きなプラスのインパクトを残すのではないでしょうか。  そこでお伺いします。  県内の五十歳以上の対象人数三百三十六万人という多さ、生活の質の保持、健康寿命延伸、医療費削減、経済的損失回避、高齢者人口の増加による対象者の増加への対策として、帯状疱疹ワクチン接種への助成制度導入を検討、推進していくべきと考えるが、御所見をお伺いします。  続きまして、ケアリーバー、社会的養護経験者への支援についてお伺いします。  ケアリーバーとは、直訳するとケアを離れた人という意味で、様々な事情で社会的養護を受けてきた子供たちが、その措置から離れた状態になった人、つまり社会的養護を経験した子供たちのことを指します。  社会的養護とは、要保護児童を公的に養育し、保護するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うことです。  要保護児童は、一時的に児童相談所で預かられ、ケースワーカーがその後の対処を判断します。児童が保護者と離れて養育される必要がある場合は、児童養護施設、里親、乳児院、児童自立支援施設、ファミリーホームなどで生活をすることになります。
     保護された子供のうち、約一五%弱が社会的養護施設等に入所すると言われています。そのような子供たちの支援対象年齢は現時点二十二歳までですが、児童福祉法の改正により、令和六年四月から二十二歳の壁がなくなります。  一方、令和四年四月の改正民法に伴い成人年齢が引き下げられ、十八歳となり、今まで入所中の子供に対し親権代行ができていた施設が、その権利行使が法律上できなくなったという状況もあります。  実際、ケアリーバーが抱える課題は多岐にわたりますが、とりわけ入所等の措置を解除された後の人生は進学か就職のどちらかになります。  平成二十九年、厚生労働省の社会的養護の現状に関する調査資料によると、高等学校等を卒業後の進路は、一般全国平均の大学・専修学校等進学率は七〇%、就職率二〇%に対し、ケアリーバーのうち、児童養護施設を退所した子供の大学・専修学校等進学率は二〇%、就職率は七〇%となっています。つまり、高校卒業後の進路は一般に比べ進学率は低く、就職が多いのがケアリーバーの特徴です。  また、就職後の離職率、進学後の中退率に関しては、一般全国平均の離職率、一年目一七%、二年目三〇%に対し、ケアリーバーは、一年目三二%、二年目四三%と高い割合となっています。  認定NPO法人ブリッジフォースマイルが行った全国児童養護施設の退所者トラッキング調査二〇二〇によると、ケアリーバーの中退率は約一五%、一般全国平均二%と比べ、約七倍と非常に高くなっています。  今回の質問に際し、豊橋市子ども若者総合相談支援センター、ココエール、児童養護施設、ケアリーバー当事者、埼玉県が令和四年度に始めた児童養護施設退所者等アフターケア事業の委託を受けているコンパスナビ、居住者事業を行うクローバーハウスなどと意見交換を行いました。  クローバーハウスには、現在施設入所している若者やケアリーバー、支援スタッフが気軽に集っていて、寄附された食材や服も提供される環境で、何より当事者、関係者が交流できる意味合いが強いと感じました。  運営事業者のコンパスナビでは、就労、自立、住居、資格取得支援を行っています。特に課題と感じたことは、当事者に対する社会の認知の低さ、相談場所の少なさ、退所前後の自立支援の充実、住宅支援です。例えば身寄りがいない、頼れる大人がいない当事者が、失職や大学中退などで住むところを失った場合、次のステップに進むにも、住所や一定期間自活できる場所が必要になってきます。  年々増加の傾向が見られる児童虐待において、深刻なのは、その虐待による後遺症です。それが本人の自己肯定感の低さ、精神的な傷、信頼できる大人の存在がいないという感情につながっていくことになります。これらの体験が起因となり、社会に出た際、人間関係のつまずきから孤独、孤立に陥ることも考えられます。そのような社会での転げ落ちを防ぐためには、保護中における効果的な自立支援が大変重要になってきます。また、ケアリーバーにとっては相談できる場所、人の存在が必要不可欠になると考えます。  国もケアリーバー支援に対し、令和四年三月三十一日付で、厚生労働省から都道府県などに向け、社会的養護自立支援事業等の実施についてとの件で通達を出しています。その中に、生活相談、就労相談、法律相談の実施、居住・進学・医療連携支援などが盛り込まれています。  この事業の中で、措置解除を控えた児童への継続支援計画の策定や見直しを行う支援コーディネーターと継続支援計画に基づく相談支援を行う生活相談支援担当職員の配置が義務づけられており、その役割は大変重要であると考えます。  先日、二〇二一年に、児童虐待の通報を受けて児童相談所が対応した件数は、過去最高の約二十一万人という数値が厚生労働省から公表されました。これは、三十一年連続の増加です。  本県でも児童虐待対応件数は年々増加傾向で、県児童相談センターの昨年度の相談対応件数二万九百四十四件のうち三百七十四件、児童相談では六千五百八十八件のうち百六十三件が施設入所、または里親委託となっています。つまり、一定数の子供たちが、自身の家庭で暮らすことができず、施設入所や里親制度を利用するという現状です。  さきに述べた支援コーディネーター、生活相談支援担当職員は、県内ではそれぞれ一名ずつしか配置されておらず、対象児童が毎年増加している中、寄り添い支援が最も重要とされるこれらの児童に対しては、心もとない職員配置数だと考えます。  また、課題が山積する子供たちが施設退所後、自立した生活を送ることができるよう、改正児童福祉法の施行に向けて取組の充実が求められています。  そこで、二点お伺いします。  ケアリーバーに対しては、将来の貧困や虐待の連鎖を防ぐ上でも積極的に支援いただきたいと思いますが、県ではどのような支援を行っているのでしょうか。  また、改正児童福祉法では、ケアリーバーの自立支援の充実が盛り込まれており、今後、支援対象者の増加が見込まれています。ケアリーバーの実態をしっかりと把握し、実情に即した支援を行っていくことが重要であると考えますが、県では今後どのように支援を充実させていくのか、お伺いします。  最後のテーマといたしまして、女性視点での防災、在宅被災者への支援についてお伺いします。  まず初めに、愛知県防災会議の女性委員の割合を高める取組や女性の視点を生かした防災対策に関してです。  本県においては、南海トラフ地震等の発生が危惧されるとともに、降雨の局地化、集中化、甚大化による大規模な風水害、土砂災害の発生も危惧されております。  こうした災害が発生した際に開設される避難所では、過去の被災地において、女性の方にとって様々な困り事があったとお聞きしております。例えば、着替えやトイレに女性専用のスペースがなく困った、下着を洗い、干す場所がなく、自分の体に着用して乾かした、避難所のリーダーが男性ばかりで必要な物資の要望が言えなかったなどであります。これは、過去から、避難所運営においては女性の視点が取り入れられてこなかったことが問題だと指摘されております。  このように、避難所の運営をはじめ、災害の現場では、女性の視点を踏まえた対応が必要であります。また、防災に関する様々な重要事項を審議する防災会議のような意思決定の場においても女性からの意見を聞き、女性の視点を反映させていくことは大変重要であります。  内閣府男女共同参画局では、二〇二〇年十二月二十五日に、第五次男女共同参画基本計画を策定し、都道府県防災会議の委員に占める女性の割合を、二〇二五年までに三〇%達成することを目標に掲げました。これは、新たな目標値ということではなく、当初、二〇二〇年に三〇%が未達なため、単に延期せざるを得なかった結果と聞いております。  一方、本県の防災会議の委員については、本年九月一日現在で、委員六十八名のうち、女性委員は六名、女性の割合は八・八%と聞いております。災害対策基本法により職務指定されているものに関しては、その機関の長や市町村長等に女性が登用されない限り、女性委員を増やせないなどの制約があり、女性委員を一気に増やすことは難しいことも理解しておりますが、着実に増やしていくことが必要であると考えています。  昨年十月の総務企画委員会では、当会派の岡県議から、愛知県防災会議の女性委員の割合を高める取組について質問したところ、当局からは、今後も女性委員を増やしていくため、指定地方行政機関、指定公共機関等、法令上、女性を登用する余地のある機関に対して、引き続き可能な限り女性の登用促進に配慮してもらうよう依頼することとともに、各機関から個別に意見を聴取したいと考えていると答弁していただいたところであります。  そこでお伺いします。  愛知県防災会議の女性委員の割合を高めるため、これまでの取組内容及び今後の取組について、県のお考えをお聞きします。  次に、女性の視点を生かした防災対策について伺います。  女性の視点を生かすべき防災対策の一つとして、避難所運営が挙げられます。愛知県においては幸いにも、近年、多数の県民の皆様が長期間避難所生活を余儀なくされるような大規模災害は起こっておりません。  しかしながら、いつやってくるか分からない大規模災害に対して、本県としても避難所運営について随時見直していくことが大切だと思います。他県での災害事例で指摘されている女性の避難所生活に関する課題をしっかり分析して、事前に対策を取っていく必要があるのではないでしょうか。  女性の視点を生かすべき防災対策の二つ目としては、女性を対象とした防災啓発であると考えます。  具体的には、女性自身が災害に備えて意識的に備えていただけるように、女性を対象とした防災啓発ハンドブックを作成する必要があるのではないかと考えております。  本県には、防災・減災お役立ちガイドという県民向けのパンフレットがあります。このパンフレットには、地震編と風水害編の二種類があり、それぞれの災害に合わせて、災害の特徴、気象情報に関する解説、各家庭でできる対策や備蓄品のチェックリスト等が網羅的に掲載されております。  また、一般家庭を対象にした家庭での事前対策に特化したパンフレットとして、やさしい防災・減災備Lガイド家庭編があります。この中では、各種ハザードマップによる確認、自宅の耐震化、家具の転倒防止や非常持ち出し品と、自宅での備蓄品等の事前準備に必要な項目が紹介されております。  私も、これら三種のパンフレットに目を通しましたが、啓発対象をより一層明確にし、災害時に的確に活用できるような啓発資料とすることが必要であると考えます。  他県では、特徴的な防災ハンドブックが作成されています。代表的なものが、女性視点を生かした防災ハンドブックであります。女性視点での防災情報を既存のパンフレットに単純にページを追加するということではなく、女性視点の専用ハンドブックを別途作成することにより、女性を対象に重点的に啓発ができるだけでなく、女性以外の周囲の人たちの意識も変えることができるのではないかと考えております。  実際に他県での啓発状況を聞いたところ、女性視点の防災ハンドブックは大変好評であり、企業や自治体での各種防災研修でフル活用されていると聞いております。女性視点の防災ハンドブックの作成は、過日、我が公明党県議団として、知事へ要望として提出させていただきました。  そこでお尋ねします。  女性視点での避難所運営や啓発資料については改善すべき点は多いと感じます。愛知県としても、女性の視点を重視して対策を進めるべきと考えますが、現在の取組状況並びに今後どのように取組を進めていくのか伺います。  最後に、在宅被災者への支援、特に台風等により屋根が破損した住宅の応急措置についてお伺いします。  先週の台風十五号が発生したように、来月にかけては台風の季節がやってきます。台風によってもたらされる大量の雨と風により、場合によっては屋根や瓦など屋根の一部の建材が吹き飛んでしまい、雨漏りの原因にもなることがあります。  近年に起きました台風による被害で大きかったものとしては、令和元年の房総半島台風、台風十五号があります。多数の住宅が屋根の破損等の被害を受けましたが、応急措置として、被災家屋へのブルーシート張りや住宅の修理がなかなか進まなかったと聞いております。  本県の防災担当部局に屋根の破損等があった被災家屋についての応急措置について聞いたところ、県は、ブルーシートを備蓄しており、要請のあった市町村には提供しますが、ブルーシートを張る作業への支援の仕組みは定められていないとのことでした。このため、ブルーシート張りは被災者自身が行うか、直接業者に連絡して作業を依頼することしかないとのことです。  また、消防や自衛隊は災害時には救急・救助活動に専念しており、個人住宅の修理は難しいとのことです。このため、自分で屋根にブルーシートを張る作業中に転落する事故も起きております。先ほどの房総半島台風では、転落による死者も出ています。また、ブルーシート張りで高額な請求を行う悪質な業者もいると聞いております。  こうした問題が起きる中、二〇一七年に山梨県で発足した一般社団法人災害復旧職人派遣協会では、災害ボランティア活動として、専門技術を持つ建築関係専門技術者を全国各地の被災地に要請に応じ派遣しております。  例えば、先ほどの房総半島台風では、千葉県に延べ七十八名を派遣し、五十四棟のブルーシート張りを行ったとのことであります。また、ブルーシートを使用した応急復旧の重要性と方法に関する講習会を防災職員、消防職員、警察職員に対しても行っています。  この団体は、山梨県、広島県、福岡県、東京都、山口県、宮城県と災害時において要請を受けた場合、可能な範囲において、損壊した屋根の応急復旧に必要な専門技能員を派遣するよう努める協定を結んでいるとのことです。  台風等により屋根が破損した際などに雨漏りを防ぐことは、被災者の生活の質や被災した家の躯体の強度保持につながります。  そこでお尋ねします。  近年の想定外の自然災害に備え、被災した住宅の雨漏りを防ぐため、一般社団法人災害復旧職人派遣協会のような団体と協定締結を検討してはどうかと思いますが、県のお考えをお聞きいたします。  以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございます。(拍手) 24: ◯感染症対策局長(植羅哲也君) 帯状疱疹に関する御質問のうち、まず、情報発信及び啓発についてお答えをいたします。  感染症に関する情報発信につきましては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、同法に定められている疾病について、感染症発生動向調査の結果を基に、感染状況や予防方法などを公表し、注意喚起を行っております。  お尋ねの帯状疱疹につきましては、同法の対象疾病になっていないため、これまで特段の情報発信を行ってまいりませんでした。しかしながら、帯状疱疹につきましては、議員御指摘のとおり、予防ワクチンや抗ウイルス薬等への認知度が低いことから、症状を含め県民の皆様に知っていただくことが重要であると考えております。  そのため、予防接種法に定めのない任意接種ではありますが、帯状疱疹はワクチンで予防できる疾病であること、帯状疱疹の症状、早期治療に有効な抗ウイルス薬などの情報をウェブページに分かりやすく掲載することにより、県民の皆様への情報発信を行い、啓発に努めてまいります。  次に、帯状疱疹ワクチン接種への助成制度についてお答えをいたします。  予防接種につきましては、予防接種法に基づく予防接種として、市町村が実施するもののほか、法に定めのない任意の接種があります。法に基づく予防接種の対象疾病は、A類疾病とB類疾病の二つの類型があり、このうちA類疾病は、集団予防に目的の比重を置いており、対象者には接種を受ける努力義務が課されております。また、B類疾病は、個人予防に目的の比重を置いているため、努力義務が課されておりませんが、接種費用の一部を市町村が負担することとされております。  現在、帯状疱疹は予防接種法の対象疾病になっておりませんが、国内において帯状疱疹の予防ワクチンが存在しておりますことから、国においてはB類疾病として位置づけるよう検討中であり、期待される効果や対象年齢が大きな課題とされております。  このように、帯状疱疹ワクチンについては、現在、国で、予防接種法への位置づけを検討しておりますことから、ワクチン接種への助成制度導入につきましては、今後の国の審議会における検討状況や他県の動向を注視しつつ、研究してまいりたいと考えております。 25: ◯福祉局長(橋本礼子君) ケアリーバーへの支援についてお答えいたします。  就職や進学などにより児童養護施設等を離れる子供たち、いわゆるケアリーバーの中には、家族との関係が希薄で援助が得られず、退所後の生活に不安を抱く方も少なくありません。  こうした子供たちに対しましては、まず、退所前から、それぞれの事情を酌み取った上で、入所施設職員と県が配置する支援コーディネーター及び生活相談支援担当職員が連携して、一人で生活していく上での基本的なノウハウを教えるなど支援をしているところであります。  また、大学進学を考える子供たちには、県民の皆様からの御寄附を原資といたしました子どもが輝く未来基金を活用して、大学の入学金や受験費用、施設を退所する際の転居費用を給付し、自立への第一歩を安心して踏み出せるよう、金銭面での支援を行っております。  さらに、退所後は、定期的に面談や電話で生活状況を確認し、仕事の悩みや生活の困り事をはじめ、様々な相談を受けて必要な支援につなぐほか、希望する場合には、市役所やハローワークなどの手続に同行しているところであります。  そのほか、本人の収入だけでは生活が安定しない場合や運転免許など就職に必要な資格を取得する場合には、家賃や生活費、資格取得費を貸し付ける制度を実施しております。この貸付金は、一定期間就労を継続した場合には返済免除となっており、また、昨年度からは、退所時だけでなく、退所後五年間、制度利用が可能となっております。  次に、ケアリーバーへの支援の充実についてであります。  二〇二一年三月に公表されましたケアリーバーに関する全国調査では、当事者から、仕事を続けていけるか自信がない、施設での集団生活から一人での生活になじめるか不安、奨学金が返せるか心配などの様々な声が聞かれているところであります。  ケアリーバーの困り事は、生活全般にわたる幅広いものであることが想定され、支援の充実に向け、退所後の実情をより具体的に把握することが必要であります。  県といたしましては、今年度中に当事者にヒアリングを実施し、退所後の暮らしや就職先で実際に困ったことは何か、自立に向けてどのようなサポートが必要であったか、相談しやすい相手は誰かなどをより具体的に聞き取ることとしております。  このヒアリング結果や二〇二四年四月施行の改正児童福祉法による支援対象者の年齢要件の緩和、さらには、国が策定予定の自立支援のためのガイドライン等を踏まえまして、ケアリーバーが一人で悩んだりすることのないよう、相談支援体制の充実をはじめ、ケアリーバーに寄り添った支援策を検討してまいります。 26: ◯防災安全局長(坂田一亮君) 女性視点での防災の御質問のうち、防災会議の女性委員の割合を高める取組についてお答えをいたします。  防災会議は、災害対策基本法に基づき、地域防災計画などの防災に関する重要事項を審議、決定するために設置されている機関であり、国、県、ライフライン企業、学識経験者などから構成されます。  防災対策を進める上で、例えば災害時の避難所のレイアウトや運営、災害用の備蓄物資の品目選定などにおいて、女性視点は欠かせないものと考えております。  本県の地域防災計画においても防災会議の委員に占める女性の割合を高めることを掲げており、女性委員の登用により防災対策に女性視点を取り込むことは大変重要なことであると認識しております。  本県では、従来から防災会議構成機関に対しまして、女性委員の登用促進を積極的に働きかけておりまして、特に二〇二一年度からは、各機関における役職への女性登用の状況を調査し、女性委員推薦の可能性のある機関に対して個別に働きかけをしてまいりました。また、専門的な見地から御意見を伺う学識経験者の枠には女性委員を積極的に任命してきたところでございます。  この結果、本県の防災会議の女性委員は、この五年間で四名増員し、本年九月一日現在で六名となっております。  今後も防災会議構成機関等に対しまして、可能な限り女性委員を推薦していただけるよう、防災対策における女性視点の重要性、意義を十分に説明するなど効果的な働きかけを行い、女性委員の割合を高めていくよう努めてまいります。  次に、女性の視点を重視した防災の取組状況、今後の取組についてお答えをいたします。  防災対策に女性の視点を反映させることは大変重要であると認識しておりまして、避難所運営や防災啓発についても様々な取組を進めているところでございます。避難所運営に関しては、本県が策定する市町村の避難所運営の指針となる愛知県避難所運営マニュアルについて、東日本大震災と熊本地震を教訓に、二〇一五年には女性専用スペースの設置、二〇一八年には女性特有の支援物資を配付する際の専用スペースの確保など、女性視点の対策を盛り込んだ改定を行ったところでございます。  また、防災啓発につきましては、本県、名古屋市及び名古屋大学等で設置をいたしましたあいち・なごや強靱化共創センターで女性職員が中心となって、女性のための防災啓発パネル六種類を作成いたしまして、ウェブでの掲載を通じて広く周知するとともに、パネルを貸し出して防災イベント等で活用していただいているところでございます。  多種多様な災害が日本各地で頻発する中で、防災対策において女性の視点はますます必要となってまいります。本県では、専門的な立場から防災対策に意見、助言をいただく愛知県防災対策有識者懇談会を設置しておりまして、その委員十一名のうち三名の女性有識者に委員として参画をいただいております。  今後もこうした場において、様々な角度から女性視点の御提言をいただくとともに、ボランティア団体や学校など、日頃から現場で防災活動を実践されている多様な立場の幅広い年代層の女性の方々からも改めて意見をお伺いするなど、女性目線重視の防災対策を充実、強化をしてまいります。  最後に、ブルーシートの設置等に関する民間団体との協定の締結についてであります。  二〇一九年九月の房総半島台風で最も大きな被害となった千葉県では、翌十月に発生した東日本台風とも相まって、県南部を中心に多数の住宅が被害を受け、ブルーシート設置や住宅修理のニーズが急増いたしました。このため、千葉県では、対応可能な設置事業者を県内外から募集し、被災者と結びつけるマッチング事業を行い、円滑な住宅の応急対応につなげたと伺っております。  また、議員御指摘のように、迅速な住宅の応急対応を行うため、民間の団体と協定を締結している自治体があることも承知をしております。  本県におきましても、大規模災害時には、被災住宅のブルーシートの設置や住宅修理のニーズが多数発生することが想定されることから、対応可能な民間事業者や団体等の協力を得るため、あらかじめ協定等を締結するなど連携を図っておくことが重要であると考えます。  房総半島台風では、建設業協会等もブルーシートの設置に協力をしているなど対応可能な様々な団体があると考えられることから、他県の例なども参考にしながら、こうした団体との協定、連携の在り方について研究をしてまいります。 27: ◯十一番(加藤貴志君) 答弁ありがとうございます。  私からは、帯状疱疹とケアリーバーに関して要望させていただきます。  帯状疱疹の理解促進と予防についてですけど、例えばこちらのほうに当事者の声というのがありまして、皮膚の症状が終わったと思ったら痛みがしばらく続き、精神的に参った、頭部帯状疱疹を患い、その後、ハント症候群を発症、まぶたの手術を受け、今も後遺症で治療中、ワクチン接種費用が悲しくなるぐらい高い、高過ぎて打てない、年金暮らしの私たち夫婦には手痛い額、接種費用の負担軽減をしてほしい等の声をいただいています。  帯状疱疹ワクチン接種は、中長期的視野での高齢者の帯状疱疹にかかるリスクの低下につながると想定されます。帯状疱疹にかかると、後遺症が残る割合は八十歳以上で約三割とされ、その痛みは数か月から数年にわたる場合もあります。高齢者の生活の質の維持と健康寿命の増進とともに精神的なサポートも必要であります。  なお、本テーマについては、我が公明党議員も県下の各議会で取り上げ始めています。先ほど述べたとおり、都道府県として帯状疱疹ワクチン接種費用助成を行っているところはどこにもない一方、助成制度を創設している基礎自治体が一番多いのが愛知県です。県には五十四市町村のリーダーとして、県民目線で高齢者の健康維持促進、日本一元気な愛知の実現に向け、都道府県として全国初となる本助成制度を創設に向け、前向きな検討を要望いたします。  続きまして二点目、ケアリーバーへの支援についてです。  まず、一つ目は、居住支援についてであります。  実は、埼玉県は、ケアリーバーで離職により住居を失った者、または十八歳から三十歳未満までのそのおそれがある者に対し、県営住宅を一時利用できる制度を令和三年度から実施しています。  先ほど質問でも述べましたが、国の通達では、居住支援に関して、支援の必要が高い者に対して都道府県が設置した公営住宅などの賃貸住宅に一定枠を設けること、その他の適切な方法により居住の場を提供することとしています。愛知県においてもケアリーバーへの支援を行う福祉局と公営住宅を設置する建築局が連携して、ぜひこのような取組を前向きに検討してもらいたいと要望いたします。  そして、生活、就労、自立に関する相談等の機会や措置解除等の間の相互相談等の場を提供する機会をしっかりとつくってほしいということが二点目であります。  これは、国が推進する社会的養護自立支援拠点事業に関するもので、対象者は措置解除者等や自立支援を必要とする方です。特に目に見えにくい内面的、心理的なサポートも大変重要だと考えます。これは今回の自身のヒアリングでも課題として確認できたことなので、しっかりとした支援体制を築いてもらうよう要望し、私の質問といたします。
    28: ◯副議長(佐藤一志君) 進行いたします。  松本まもる議員。     〔三番松本まもる君登壇〕(拍手) 29: ◯三番(松本まもる君) 新政あいち県議団の松本まもるでございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に添って質問をさせていただきます。  まず初めに、県営都市公園のさらなる魅力づくりについて。  近年のコロナ禍において、人々の生活はさま変わりし、コロナウイルス感染症との共存が今もなお続いており、この先も急速にコロナウイルス感染症の終息を迎えない中で、コロナ禍前の生活が完全に戻る日が来ることは、皆さんが望んでいながらも、実際はかなりの時間を要する可能性があります。生活様式が一変した中、青空の下、密を避ける意味合いにおいても、公園の利用がここ数年増えているのはある意味必然であり、御存じのとおりであります。  人と人とが接触することにナーバスになる中で、野外で存分に活動できる公園の意義は非常に大きいと感じ、中でも多くの面積を有する県営都市公園は、大勢の来園客でにぎわい、ふだんスマホやテレビゲーム、ネット回線ばかりで公園になじみのなかった子供たちや保護者からは、新たな遊び場として公園が活躍し、バーチャルではなく本物のスポーツを楽しめ、昔ながらの親子のバドミントンなどアナログな遊びやスポーツができる貴重なエリアになり、また、ふだんの地域公園では味わえない広い土地で体を動かすことは、コロナ禍で運動不足になりがちな体を癒すためにも非常に寄与しています。  改めて県営都市公園は、近隣の住民をはじめ様々な方々から見直されたと言っても過言ではなく、近年の利用者数が物語っています。その中で、新たに県営都市公園の魅力づくりができないか考えてみました。  例えば、もう既に開設されている県営小幡緑地内にオープンしたオバッタベッタのキャンプサイトなどは、民間活力を導入し、バーベキューサイト、レストランも併設され、大勢の家族連れで大盛況だと聞いており、実際、現場に赴いた際も、非常に魅力のある施設が追加されたと思いました。今の来園数に満足せず、新たな魅力づくりはリピーターの獲得や新規来園者の誘導のきっかけにもなり、非常に大きな役割を果たしています。  また、牧野ヶ池緑地も同様、視察に行った際には、多目的広場の芝生の上に多くのテントが張られ、都会の中で気軽にできるミニキャンプ気分を味わえ、ママさんグループ、いわゆる女性と子供だけでもキャンプを楽しめる新たな公園利用の在り方で、今までにないにぎわいが創出されていました。  新城総合公園内に平成三十年にオープンしたフォレストアドベンチャーは、DOS再生プランによって、地域再生認定の第一号を受けた新城市にあり、大きな山林や清流といった豊かな自然を地域資源として有効活用したアウトドアスポーツによる公園の魅力づくりの一例となっています。  それぞれの公園が工夫をし、新規来園者やリピーターの獲得に頑張っているのは、県民と県営都市公園を身近に、また、親しませることに関しては重要な取組だと考えます。しかし、ここで課題になってくるのが予算であり、ある程度民間活力を利用し、新たな集客の取組は進んでいます。  そのような中で、県営公園のさらなる魅力づくりに関して、なるべく費用をかけずにリニューアルする方法の一つに、他で使用されなくなった展示物を県営都市公園に再設置し、起爆剤にできないかということであります。  既に先ほど述べたように、コロナ禍では大勢の新規来園者でのにぎわいもありますが、世代別にいいますと、小学生以下、また上は中高年の方々が多いのではないかと考え、若者の取り込み策も今後、必要になってくるのではないか。  例えば私の地元であります県営大高緑地を例に取りますと、ゴーカートやパターゴルフが安価な価格でプレーでき、お財布に優しい公園として親しまれています。開園後五十年以上がたったこの公園は、私も小中学生の頃、友人と自転車で遊びに行き、何度も訪れ、どの世代においても昔とほぼ変わらぬ遊具で楽しんだ思い出があり、特に昨年いっぱいで閉鎖になってしまったプールは、幼児、小学生、中学生とそれぞれの世代別で楽しめ、たくさんのプールがあり、近場ながらミニテーマパーク気分で楽しめる地域で世代を超えて愛される憩いの場でありました。  しかし、プールの閉鎖に見られるように、近年は小学生以上、すなわち若者が楽しめる施設が減ってしまい、来園する入園者の年齢層に隔たりがあるように感じられ、これは八月二十五日に行われた名古屋市緑区公職者、県、市合わせて十人から出された知事要望の提出の際にも、名古屋市の市議から、若者が楽しめる施設づくりをお願いしたいと大高緑地には要望がありました。これは、この地域の公園だけではなく、どの地域からもそういった期待の声があるのが実情であります。  県営都市公園は、テーマパークではありませんので、新たな稼働する遊具や施設を積極的に導入するわけにはいきませんが、民間のテーマパークは、定期的に施設改良で新たなアトラクションを導入し、さらなるリピーターの獲得に努力をしています。  民間と行政では考え方が違い、限られた予算の中で公園そのものを維持、管理していくことは大変なことであることは承知をしています。  では、どうしたらリピーターが訪れる公園にできるかと考えると、その中の一つに、リサイクルやリユースがあり、他の公園やイベントで不要になってしまった芸術作品、特に行き場をなくしてしまった大きな作品等を移設し、新しいシチュエーションの中で生き返らせる方法も考えられます。  例えば、あくまでも一つの例でありますが、先日メディアの報道で明らかになりました名古屋駅前のシンボル、飛翔を移設する計画が事実上白紙になったことが分かりました。以下、メディアの情報によりますと、飛翔は、リニア開業に伴う駅前再整備のため撤去作業が始まっていて、ささしまライブ24地区の高架下への移設が検討されていた。しかし、当時の名古屋市の住宅都市局長が市議会で、地元から消極的な意見が上がっているなどとして、高架下への移設を断念したことを明らかにしたとありました。また、解体した飛翔の組立てに多額の費用がかかることなどから、計画自体を再検討するとしていて、事実上移設は白紙になった形だとのことです。  そして、市長からは、すぐ壊すというのはなかなか支持を受けない、ちょうど名古屋市の土地が空いているので仮置きをする。飛翔は解体後、当面、港区の市有地、市の市有地で保管される予定と聞いています。  この件について、名古屋市住宅都市局名駅ターミナル整備室の担当者に伺ったところ、飛翔のこの先については一切白紙になり、今年度いっぱいをかけて残りの下の部分を慎重に解体し、経年劣化等の検証をしながら丁寧に作業をしていくが、移設に関しては、予算、移設先すら未定であり、港区の市有地に保管され続けることも考えられ、ほかから引き合いがあり、建設費用の面など折り合いがつけばありがたいとの方向性を示されました。  しかし、基本、名古屋市をはじめ各市町が各作品等々の移設、また管理に関しては、最後まで責任を持つのが基本であり、保管したまま移設を前提に努力した結果として、移設先がどうしても見つからない場合の話であって、県有地ありきの移設提供になってはいけないことも大前提にあります。  しかしながら、そうはいっても、移設困難な芸術作品になればなるほど市町村の費用負担は大きく、様々な移設物件の価値は理解していても、実際は予算的に折り合いがつかず、そのままになっているものもあるはずで、作者の気持ちを考えると、そういった作品に光を当てて新たな場所で咲いてもらい、その地域が活性化すればウィン・ウィンになり、さらなる場所で作品が活躍し、多くの公園来園者の目に触れ、インスタグラム等々で取り上げられれば作品の価値も上がってくるのではないかと考えます。  ここでお尋ねいたします。  各県営都市公園において、県営都市公園のさらなる魅力づくりの観点から、県下の各市町等で、さきの例として取り上げた名古屋市の飛翔など移設困難な大型芸術作品の県営都市公園への移設について、県の考えをお伺いいたします。  続いて、先ほども福祉局長より話がありました、子どもが輝く未来基金について質問いたします。  先ほども申しましたが、近年のコロナ禍において、人々の生活様式はさま変わりし、今後、私たちは感染症とある程度付き合っていかなければならない選択をしています。  経済が停滞し、仕事が減り、減収や失業し、結果、路頭に迷っている方々も少なくないと感じています。それぞれが少なくなった生活費をやりくりし、工夫しながら耐えしのぎ、コロナ禍以前の生活に一刻も早く戻ることを考えながら生活をしていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。  そのような中で、それぞれの持ち物をフリマサイトなどで売却し、資金を捻出し、それが結果としてリサイクル、リユースという資源の再活用に言わば一役買っているところもあり、今回のコロナ禍で断捨離の名の下、多くの物が様々な方法で新しい持ち主の元へリレーされ、再び光を浴び利用されるのは、SDGsの目標、つくる責任、つかう責任の中の持続可能な消費と生活のパターンを確保するにまさしく一致するのではないかと考えました。  そのような中で考えたのは、フリマサイトや、先ほどの様々な方法でリサイクル、リユースされていくものがある反面、家庭の中でまだまだ眠っている様々なものの中に、各家庭には使用しない、例えば楽器等が眠っており、それに着目しました。  特に奏者がもう既に結婚や転居で、もともとあった自宅にただのオブジェとなってしまったピアノや、物置の奥にしまったままの大型エレクトーンをはじめとする大型楽器は、いずれも廃棄の運命をたどることも多いと思います。私の友人も以前、就職のため、実家から出てしまったため、ピアノを弾く機会が減り、そのまま結婚し、マンション暮らしになったのでさらに弾く機会も減り、結局調律もされず、そのまま廃棄物として事業者にお金を払って引き取ってもらったとのことでした。ピアノ自体は古いものではありましたが、そういった楽器がもう一度新しい持ち主の元で演奏され、手に入れにくかった方たちに提供できれば、大げさにいえば人生観も少し変わるのではないかと考えました。  その新しい持ち主の中で、児童養護施設の子供たちに、ふだん手に触れることのない楽器を、仕組みをつくって提供できれば、児童たちの施設で生活に新しいスパイスとなり、楽器を新しい友達の一つとして考え、孤独感がもしあったとすれば、少しでも楽器を手に取り、練習し、演奏することで新しい発見をしてくれればと思いました。  人生の中で楽器と触れ合える機会は、学校以外限られており、自身や両親の生活の環境で一生触れることのできない楽器もあり、いわゆる親ガチャ同様、育った環境で音楽に触れ合えず、特に児童養護施設や様々な事情で親と離れ離れになっている子供たちなど、物理的に音楽と触れ合い、演奏を楽しむといった機会を逃している可能性があるのではないかと考えました。  そういった子供たちに楽器を集め、調律し、施設等へ寄贈している愛の音という団体があります。グループで集めた楽器を洗浄、メンテナンスをし、児童養護施設を中心に、音楽に触れたい子供たちに楽器を無償で届けるといった活動を精力的に行っている団体です。  しかしながら、コロナ禍で彼らの活動の範囲も狭まり、集約できる楽器も限られており、楽器の収集先の発掘、寄贈先の情報、そして団体としての活動に限界が来ていて、行政の後押しでこの活動をさらに充実させたいとの相談もありました。  楽器の中には、収集に関して様々なコストがかかり、特に保管庫など家賃や調律や不足している部品のコストが負担になり、特にピアノやエレクトーンなど、実際寄贈の申出があり、それを希望する施設があっても、高額な輸送コストや運搬時の調律費用など多額の費用がかかり、双方が断念することが多く、うまくマッチングができず、行き場のない大型楽器が潜在的にさらに増加し、楽器という資源ではなく廃棄物になってしまう可能性があります。  この問題に関しては、先ほどのSDGsの観点からも、行政からの支援、応援が必要であり、楽器の収集、保管、譲渡、寄贈先の発掘等、包括的な支援が必要ではないかと考えます。  また、以前、地域の小中学校でお聞きした話の中で、現在、県下における学校施設に関し、特に音楽の授業や部活動で必要とされている様々な楽器が不足しており、特に和楽器が入手しづらいとも聞きました。和太鼓など大勢で演奏すればより迫力の出る楽器でも、部活動で所有する数が少なく、演奏時に、他校に比べ聞き劣りするといった声も顧問の先生から聞いたこともあります。そういったところにもリサイクルで提供できれば、解決にはなりませんけれども、側面からの間接支援になると思います。  現在の児童養護施設でどのぐらいの楽器が設置され、実際に施設内で音楽に触れ合っているのか、実際に県内の二か所の児童養護施設を訪問し、子供たちから直に話を聞いてまいりました。  最初に訪問した施設では、ドラムとギターを演奏したいといった児童がおられ、理由を聞くと、施設に入所する前、一緒に暮らしていた父親がドラムを演奏していたとのことで、様々な理由で施設で暮らすこととなり、ドラムの思いはありながらも演奏する機会もなくなってしまったが、ドラムをたたいてみたいという気持ちは変わらないと言っていました。もう一人の男児もエレキギターを演奏したいとのことでした。  別の施設では、五年生と二年生の入所児童と話ができました。男子児童は、ギターを弾いてみたい、そういう話から入りました。たまたまそのときに、愛の音のメンバーと一緒に寄贈ができる楽器の中に、偶然ですけれども、ギターがありました。そして、そのスタッフがコードをつないで、そして、ギターを弾いてみたいと言ったお子さんにギターを渡して、肩からかけてもらって、弦を指で実際に弾いてもらい、肩掛けベルトにかけたところ、それまでは大人の中の会話で少し緊張していたお子さんだったんですけれども、そのお子さんが、ギターを肩からかけると、非常に目を輝かせて感動しているように私は見えました。また、もう一人、二年生の女の子も学校でしか触れたことのなかった木琴に興味を示して奏でていました。  たまたま、先日九月二十二日の新聞報道で、会社内で使用しなくなったパソコンを名古屋市内の事業者が、児童福祉施設に寄贈された記事が掲載され、寄贈された施設長からは、子供たちの学習用に使用したいとのコメントが掲載されていました。名古屋市の子ども青少年局から感謝状が贈られ、行政も一緒になって応援している状況が読み取られました。  この新聞報道の施設の先が、先ほどエレキギターを寄贈させていただいた同様の施設でありました。ちなみに、後日、先ほどの児童養護施設の施設長から次のようなメールが届きましたので、お伝えさせていただきます。  ギターに触れた小学生は、その後もどんな音が出るのか、職員に聞きながら楽しんでおりました。木琴は学校で触れた子供が多く、ふだんは音楽室でしか触れ合うことのできない楽器に物珍しさを感じた子供が多く、楽しんでおりました。コロナ禍の状況で人と人との触れ合いが制限された生活に音楽は癒しを与えてくれています。その音楽を奏でる機会をつくっていただき、ありがとうございました。触れることから興味を持ち、趣味となる子供が一人でもいればと思います。早くコロナ禍が終息し、以前のような関わりができることを願うばかりですといただきました。  たとえ中古品であっても、個人で楽しめる楽器があれば施設での生活に変化ができ、潜在的に持っている音楽センスをひょっとしたら花開かせることが可能ではないかと、メールをいただきながら感じました。  例えば、県がリードし、こういった使用されずにいる楽器を集って、ニーズのある個人や施設に提供できる仕組みや既存の団体と協力し、眠っている楽器を発掘する試みはできないか、また、県主体で事業が不可能な場合、既存の団体が主体で引き続き行う場合、資金面など事業継続やさらなる拡大で今まで行き届かなかった施設等に楽器を提供できる可能性があるのではないかと考えます。  そこで、こう考えました。  本県では、二〇一九年三月、全ての子供が輝く未来の実現に向けて、子供の貧困対策をさらに充実、強化させるために、県民からの寄附を受皿とし、子どもが輝く未来基金を創設し、この基金を活用し、児童養護施設入所児童の自立支援や子ども食堂への支援、子供の学習支援の取組を充実、強化するとあります。  そこでお尋ねをいたします。  子どもが輝く未来基金には、児童養護施設入所児童の大学入学準備金の支援、大学等受験費用の支給、施設退所費用の支給とあります。基金創設後三年半を経過しておりますが、現在どのくらい基金が集まり、また、対象の子供たちにどのような仕組みを周知し、どのぐらいの子供たちが利用したのか、また、現在の基金残高も伺いたいと思います。そして、今後、児童養護施設の楽器等購入時等に基金が柔軟に運用できるメニューを追加していただくことは可能か、考えを伺います。  以上で壇上よりの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 30: ◯都市・交通局長(金田学君) 県下の市町等で移設困難となった大型芸術作品などの県営都市公園への移設についてお答えいたします。  大型芸術作品などの移設は、管理者である市町等の責任において十分な検討の上、移設先を決定していただくべきものと考えております。  県営都市公園への移設に関しては、公園として魅力向上につながるのかということはもちろんのこと、移設方法はどうするのか、誰がどのように管理するのか、実際に設置できるスペースがあるのかといった様々な課題が生じてくると思われます。  このため、仮に、県へ御相談があった場合には、こうした課題について、丁寧かつ慎重に検討した上で、適切に対応してまいります。 31: ◯福祉局長(橋本礼子君) 子どもが輝く未来基金についてお答えいたします。  子どもが輝く未来基金へ県民の皆様から寄せられました寄附金は、二〇一八年度が約三千万円、二〇一九年度は約三千八百万円、二〇二〇年度は約千五百万円、二〇二一年度は約千九百万円で合計一億円余りでございます。  大学の受験費用や入学金をはじめとする児童養護施設入所児童等の自立支援と子ども食堂の開設に要する経費等への支援に活用させていただいております。  このうち、児童養護施設入所児童等の自立支援につきましては、経済的な理由で進学を断念することがないよう、施設を通じて子供たちに制度を周知するほか、児童相談センターからも進路相談の際に積極的な活用を勧めておりまして、昨年度末までの三年間で、大学受験費用、入学準備金、施設退所時の引っ越し費用として、延べ百七十九件、千六百万円ほどを支給いたしました。  このほか、子ども食堂への助成が、三年間で延べ二百四十四件、千三百五十万円ほどありまして、運用益などを合わせますと、昨年度末時点の基金残高は七千二百十二万三千二十二円でございます。  次に、基金の支援対象の追加についてお答えいたします。  子どもが輝く未来基金は、県民の方からの児童養護施設の子供たちの大学進学に役立ててほしいという寄附の申出を契機に、二〇一八年度に造成したものでございます。基金による支援は、施設で生活する子供たちの進学など自立支援と、さらに地域において子供たちの重要な居場所となっております子ども食堂の設置促進の二つを目的といたしまして、既存の福祉施策ではカバーし切れないものに限定しております。  授業や部活動で子供個人が使う楽器は公的給付であります児童保護措置費の中の教育費で、また、ピアノなど共用の大きな楽器は必要に応じて、同じく児童保護措置費の中の施設運営費を活用して、各施設において購入することが可能でありますので、本基金の支援対象としておりません。  いずれにいたしましても、基金の支援対象の追加につきましては、県民の皆様からの善意の御寄附が有効に活用されるよう、施設で生活する子供たちや子ども食堂の運営者など、関係される皆様の声を幅広くお聞きした上で検討してまいりたいと考えております。 32: ◯三番(松本まもる君) それでは、御回答ありがとうございました。  県営都市公園のさらなる魅力づくりについては、本県の中で体力差がある市町に対し、自助努力ではどうしても賄えない場合は県として検討の余地があると理解をいたしました。  廃棄物になってしまうかもしれない大型の芸術作品やオブジェを再利用できれば、移設費用はかかるものの、物を大切にし、後世に伝えていく意味合いにおいて、最後のセーフティネットとして大切な考え方だと考えます。各市町から大型作品等移設依頼があった場合には、柔軟に対応してくださることを要望いたします。  そして、子どもが輝く未来基金に関しては、制度運用開始後、二〇一八年から二〇二一年度まで多くの寄附金が寄せられ、入所児童の退所時に、大学進学に関わる費用等に使われ、子ども食堂においても多くの援助金が基金より拠出されています。現在、基金残高は余裕を持たせながらも制度がある以上、有効に使用されれば趣旨に賛同され、寄附をくださった方々も喜んでくださるに違いないので、今後使用できる範囲を検討されながら、引き続き制度の周知と充実をお願いしたいと思いますが、実際にボランティアに取り組んでくださっている方々のことについて再質問させていただきます。  施設の子供たちの自立支援は大変重要だと考えております。基金とは別の形で地道に活動しているボランティア団体の活動に対して、直接、県として何らかの光を当てていただくことはできないでしょうか。お尋ねいたします。 33: ◯福祉局長(橋本礼子君) これまでも、児童養護施設には企業や団体から食料品、おもちゃ、イベントへの招待など様々な形で御寄附を頂いております。こうした御支援に対しまして、知事感謝状を贈呈し、記者発表もいたしております。  企業や団体からの支援が新聞やテレビなどで広く紹介され、さらに寄附の輪が広がっていくことは、県としても大変ありがたいことだと考えております。今後は県のホームページに、児童養護施設への御寄附を掲載するコンテンツを新たに設けるなど、さらに効果的な周知に努めてまいりたいと考えております。 34: ◯副議長(佐藤一志君) 進行いたします。  辻秀樹議員。     〔二十九番辻秀樹君登壇〕(拍手) 35: ◯二十九番(辻秀樹君) 通告に従い、順次質問をいたします。  初めに、第五回アジアパラ競技大会についてお伺いをいたします。  昨年の東京二〇二〇パラリンピック競技大会、その閉会式で、大会組織委員会の橋本聖子会長は次のように挨拶を述べられました。  パラリンピアンの皆さん、皆さんの圧倒的なパフォーマンスに心が震えました。確固たる信念と強い覚悟という土台の上に幾重にも努力を積み重ね、決して自らの限界をつくらない姿を見ました。皆さんが歩んできた長く険しい道はまっすぐに、そして重く、私たちの心を揺さぶりました。パラリンピアンの躍動は私たちに届けられたメッセージです、その姿に多くの人が、ここから何かを始めようと思いました。私たちはたくさんの気づきと自らを見詰め、未来を創造する力をいただきました。変化は気づきから始まります。互いの違いを認め、支え合い、いかなる差別も障壁もない、多様性と調和が実現した未来を必ずつくる、この決意が社会の変革の契機となることを誓い、私たちはさらに歩みを進めますと。  この橋本聖子会長のスピーチにあるように、多くの県民をはじめ日本国民が、そして世界の方々が、パラアスリートの姿に感動を覚え、勇気をもらい、誰もが輝き活躍できる共生社会の実現への願いに共感されたのではないでしょうか。私もその一人であり、これらの感動や共感、共生社会の実現に向けた歩みを東京二〇二〇パラリンピック競技大会から、愛知・名古屋で開催される第五回アジアパラ競技大会につないでいきたいとの思いを強くしたところであります。  本年三月、愛知県及び名古屋市は、二〇二六年の第五回アジアパラ競技大会の開催を表明しました。私自身、この大会開催の正式決定は、第二十回アジア競技大会の本県での開催決定以来長く待ち望んでいたことから、大変喜ばしく思っております。  同時に、五年前、大分県にある社会福祉法人太陽の家を訪問したとき、施設の方々からお聞きした願いを思い起こしました。その願いは、愛知・名古屋大会が開催されるのであれば、施設創設者の理念、我が国から始まったアジアパラ競技大会の起源、そして様々な違いのある多様な人々を理解しながら、今の時代に必要なことを共有し、次の目標、将来の夢へと向かっていくことの大切さをこの大会を契機に世界へと発信してほしいというものでありました。  アジアパラ競技大会は、一九七五年より九回開催されたフェスピック競技大会、旧極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会の実績を引き継ぐとともに、アジア地域におけるパラリンピックムーブメントの推進と競技スポーツのさらなる進展を図るために開催するアジア地域の障害者総合スポーツ大会であるとされています。  ここで、アジアパラ競技大会の前身であるフェスピック競技大会は、極東・南太平洋地域の身体障害者のスポーツ大会として、日本の呼びかけにより、一九七五年に第一回大会が大分で開催されました。この我が国の呼びかけにより開催されたことには、日本のパラリンピックの父と呼ばれる太陽の家創設者である、故中村裕博士によるところが大きいとお聞きしております。そこで、平成二十九年六月定例県議会の本会議において、本県の障害者雇用の促進に関する質問を行った際にも触れたところでありますが、改めて、故中村裕博士について御紹介したいと思います。  故中村裕博士は、一九二七年に大分県別府市に生まれ、九州大学の整形外科医として医学的リハビリテーションを研究。イギリスに留学し、グットマン博士に師事され、障害者の社会参加や自立支援、そして、国内外の障害者スポーツの発展に生涯を注がれました。  一九六四年の東京オリンピックの開催に合わせ、パラリンピックの開催を提唱し、その選手団長を務め、その日本選手団から、自立した生きがいと仕事を求める声から、翌一九六五年、保護より機会をという理念の下、障害者の雇用の創出と自立した生活を支える太陽の家を大分県別府市に創設されました。  さらに、アジアや南太平洋の障がいのある方にスポーツを通じた福祉の向上を目指して、フェスピック大会の開催を提案し、それが我が国での第一回大会の開催につながったと言われております。この大会には、発展途上国のパラスポーツの啓蒙、普及、福祉の発展という故中村裕博士の願いが込められていたとお聞きしており、その当初からの理念や願いは、第五回アジアパラ競技大会においても、継承、発展させていくべきものであると感じております。  国は、本年三月に第三期スポーツ基本計画を策定し、東京オリンピック・パラリンピック大会のスポーツレガシーの継承、発展を目指すとし、スポーツを通じた共生社会の実現をその目標の一つに掲げています。  本県では、二〇一三年三月に策定したスポーツ推進計画いきいきあいちスポーツプランの計画期間が今年度末に終了するため、新たな計画の策定作業が進められており、今月十五日にはその骨子案が公表されたところであります。その骨子案には、アジア・アジアパラ競技大会の開催、レガシーの創出が掲げられ、多様性を尊重し合う共生社会の実現に貢献すると明記されており、今後、県は、その目指すべき姿を実現するための具体的な取組を検討されるものと考えております。  そこで、第五回アジアパラ競技大会の開催に向けて、共生社会の実現の理念や目標を国内外に発信する取組について、一つの提案があります。  それは、第一回フェスピック大会開催の大分から第五回アジアパラ競技大会開催の愛知県へとその理念や希望をつなぐ取組、具体的には、本県には蒲郡市に、デンソー太陽の家があります。トーチリレーを実施する際には、大分県太陽の家をスタートとし、それを蒲郡市太陽の家に港と港でつなぎ、我が国のパラリンピックの父である故中村裕博士の理念と願い、それは、まさに我が国の理念と願いでもあり、これを実際につなぐことによって、本県から世界に発信していきたいと考えるものであります。  本年七月五日、第五回アジアパラ競技大会について、政府として協力する旨の閣議了解が行われました。当時の末松文部科学大臣は、閣議了解後の記者会見において、アジア最大の障害者の総合スポーツ大会である第五回アジアパラ競技大会が我が国で開催されることは、国際親善やスポーツの振興、共生社会の実現に大変有意義なものであり、先に開催される第二十回アジア競技大会と一体的に開催されるものであることから、政府としても、本大会開催の成功に向け、必要な協力を行っていく考えを表明されました。先月、スポーツ庁の担当者を訪問し、これにより、国のプロジェクトとして正式に位置づけられたことから、大村知事を会長とする愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会が決定した取組に対しては、国からの支援も期待することができることを確認してまいりました。  こうしたことから、今後、第五回アジアパラ競技大会をナショナルプロジェクトにふさわしいものとして成功に導き、東京二〇二〇パラリンピック競技大会のレガシーを継承、発展し、愛知・名古屋から多様性を尊重し合う共生社会の実現に貢献する理念や意義を発信できる大会としていくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  本県は、第五回アジアパラ競技大会において、どのような理念や意義を国内外に発信し、そのためにどのような取組を行う考えかお伺いいたします。  次に、県立高校の部活動改革についてお伺いいたします。  学校の運動部活動は、スポーツに興味、関心のある生徒が参加し、教師などによる指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツ振興と子供たちの体力や運動能力の向上を支えてきました。また、それは活動を通じた交流の中で、他学年の生徒同士や生徒と教師との人間関係や連帯感を培い、向上意欲や自己肯定感、責任感の醸成など、生徒の多様な学びや活躍のステージとして、教育的な意義を有すると考えられております。  しかしながら、近年、社会情勢の変化により、教育や学校などに関わる課題が複雑化、多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えており、特に運動部活動においては、従前と同様の運営体制では維持が困難となり、学校や地域によっては部活動の存続の危機にあると認識しております。  スポーツ庁は、生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する資質、能力を育む基盤として、運動部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じた運動、スポーツを行うことができるよう、速やかに運動部活動の在り方に関し抜本的な改革に取り組む必要があるとしており、本県においても、生徒にとって望ましい部活動を実現できる社会環境を構築していかなければなりません。  二〇二〇年九月、文部科学省は、いわゆる部活動ガイドラインを策定し、部活動の適正化を推進するとしました。一方で、教員の働き方改革に関する社会的課題があり、その働き方改革も考慮したさらなる部活動改革の推進を目指し、部活動における教員の負担軽減に加え、部活動の指導に意欲を有する地域人材の協力を得て、生徒にとって望ましい部活動の実現を図ろうとしています。
     国は、この部活動改革について、公立学校を対象とし、主として中学校を対象とするとされました。では、公立高校の部活動改革は、今後どうするのか。国は、高等学校における部活動については、学校の特色ある活動として位置づけられている場合もあることに留意しながら、高等学校についても同様の考え方の下に部活動改革を進めると付言しています。  高等学校においてもスポーツを通じた生徒の心身の健全な育成や教職員の働き方改革の観点は重要であり、また、中学校での部活動と高等学校での部活動を生徒にとって望ましい部活動としてつなぐことも重要であり、各学校や地域の実情に応じて公立高校の部活動の改善に取り組む必要があると考えます。  本県では、県立高校を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、二〇三〇年代半ばを見据えた全県的な県立高校の再編将来構想が策定されました。この構想では、今後の県立高校の魅力化、特色化に向けた取組の方向がまとめられており、部活動は県立高校の魅力化、特色化に取り組む中で重要な要素であると考えております。  そこで、スポーツ庁の担当者を訪問し、公立高校の部活動改革について、各高校の魅力化、特色化に向けて、全国的にはどのような取組が行われているのか、ヒアリング調査を行ってまいりました。  スポーツ庁の担当者からは、国に先駆ける形で県立高校における部活動改革に取り組む岐阜県のモデル授業等を教えていただいたため、先月、岐阜県教育委員会を訪問し、その調査を行ってまいりました。  そこでは部活動数の適正化や地域移行の試行的な取組が行われており、そのうち、本県においても参考にしなければならない、特に着目した取組として、一つは、持続可能な部活動の運営体制に向けて、部活動総合指導員を県立学校六十二校に六十二名を配置、すなわち全校配置が行われていること。また、人材確保の観点から、今後、その配置要件の見直しを行う考えがあること。  二つ目としては、県立岐阜総合学園高等学校の男子ホッケー部の活動の一部をぎふ瑞穂スポーツガーデンに移行するなど、部活動の地域等への移行に向けたモデル事業が実施されていることを挙げたいと思います。  これらを参考にし、まず、部活動総合指導員の活用であります。  部活動総合指導員とは、二〇一七年の学校教育法施行規則改正により、中学校、高等学校等において、校長の監督を受けながら、単独での部活動の指導や大会への引率等を行うことを職務とすることができる者であります。県立高校に部活動総合指導員を配置することによって、部活動業務に関わる顧問教員の負担を軽減することができ、これまで部活動の全てをケアしなければならなかった教員の取組を、働き方改革の中においても継続させることができる効果に期待が寄せられます。  先般、愛知県公立高等学校校長会の先生方との意見交換の機会もいただくことができましたが、県立高校の部活動改革においては、まずは学校現場の現状から部活動総合指導員の配置拡充を行ってほしいとの声もお聞きいたしました。  教員の担う学校生活の指導と部活動の指導を切り離さないこと、部活動に意欲ある教員の取組を持続可能なものとすることは、生徒にとって望ましい部活動を実現するために非常に重要であり、本県においても配置拡充を図っていくべきではないでしょうか。  そこで、まずお尋ねいたします。  各県立高校の魅力化、特色化、学校の活力として重要な部活動について、学校生活と学校部活動を教育活動として一体的に捉え、教員の働き方改革など社会的な要請に応えながら、部活動を持続可能で継続発展させていくためには、部活動総合指導員の全校配置を行うこと、さらに、その人材確保の観点から、部活動総合指導員の段階的な要件緩和が必要であると考えますが、県はこれに、今後どのように取り組む考えかお伺いいたします。  続いて、部活動の地域等への移行になります。  部活動は生徒にとって教育的意義の高い活動である一方で、教師の献身的な勤務に支えられており、県立高校への部活動総合指導員の配置拡充を行ったとしても、これまでの部活動の全てが補完されるわけではなく、今後は生徒にとって望ましい部活動を持続可能で発展あるものとするためには、困難な状況に陥ることも考えられます。部活動の全てを学校が担うのではなく、生徒への指導等に意欲を有する地域人材やスポーツ競技団体などの協力の下、生徒にとって望ましい部活動を地域や社会が支えていくことが求められると考えております。  県立高校の部活動の地域等への移行を今後検討するとした場合、県立高校は地域のつながりなどで公立中学校とは異なる状況も鑑みなければならないことから、各県立高校の自助努力のみでは困難な事情が生じることが想定されます。  こうした状況を打開するための他県の取組として、例えば徳島県のホームページでは、県内の公立学校において、運動部活動の指導が可能な方に広く協力を求めるため、徳島県公立学校運動部活動指導者人材バンクを設置し、登録希望者を募集しています。学校が運動部活動指導員、または運動部活動の外部指導者を必要とする場合に、学校体育や運動部活動の指導に必要な知識と経験のある人材を紹介できるよう、部活動指導員、または外部指導者としての活動を希望する方に登録してもらい、学校等の要望とマッチングした際に県が橋渡し役を果たすものであります。  本県には、優れた豊富で多彩なスポーツ競技団体や地域人材があるはずです。これらを活用し、学校だけでは解決できない公立学校の部活動の課題に対して、今後、県が果たすことのできる新たな役割があるのではないでしょうか。  そこで、さらにお尋ねいたします。  県立高校の部活動について、部活動を行う生徒のニーズや学校所在地域の実情に応じて、県立高校の部活動を魅力化、特色化する取組の一つとして、地域などへの移行や競技団体と連携するなどの選択もあるのではないかと考えますが、これについて、県教育委員会はどのように考えるのかお伺いいたします。  また、こうした学校部活動の移行をはじめとする県民の多様なニーズに応えていくためには、県スポーツ局が地域や競技団体などとの橋渡し役を新たに担う必要があるのではないかと考えますが、これについて、県スポーツ局はどのように考えるのか、お伺いいたします。  最後に、総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度についてお伺いいたします。  総合型地域スポーツクラブ──以下、総合クラブと言います──これは、人々が身近な地域でスポーツに親しむことのできる新しいタイプのスポーツクラブで、子供から高齢者まで様々なスポーツを愛好する人々が、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向、レベルに合わせて参加できる、いわゆる多世代、多種目、多志向という特徴を持ち、地域住民により自主的、主体的に運営されるスポーツクラブのことであるとされております。  我が国における総合クラブは、一九九五年度から育成が開始され、昨年度までに、創設準備中を含め、全国で三千五百八十三クラブが育成され、それぞれの地域において、スポーツの振興やスポーツを通じた地域づくりなどに向けた多様な活動を展開し、地域スポーツの担い手としての役割や地域コミュニティーの核としての役割を果たしています。  昨年度のスポーツ庁による地域運動部活動推進事業、休日の部活動の段階的な地域移行に関する実践研究の状況調査によれば、学校の部活動の地域への受皿としては、総合型クラブや競技別クラブなど地域のスポーツクラブや体育・スポーツ協会、民間スポーツ事業者、競技団体など様々な受皿主体を見ることができますが、地域スポーツクラブが全体の約四〇%であり、そのうちの総合型クラブは、今後の学校の運動部活動の受皿としても重要な位置づけとなるのではないかと考えております。  国は、二〇一七年に策定された第二期スポーツ基本計画において、総合型クラブの質的充実を図るために、登録・認証制度の整備に関する方針を示し、二〇二〇年に日本スポーツ協会において、登録・認証制度が制定され、本年四月から運用がスタートされました。  この登録とは、総合型クラブからの申請に基づき、制度の運用主体が登録基準に合致したと判断した場合に、総合型クラブとしての名簿に記載する手続のことをいいます。登録基準には、活動実態に関する基準、運営形態に関する基準、ガバナンスに関する基準があり、各基準にはそれぞれの個別基準が設けられ、この個別基準の適用範囲として必ず満たすべき運用ルールが定められます。  また、認証とは、当該クラブが登録手続を完了した後、当該クラブからの申請に基づき、制度の運用主体があらかじめタイプ別に用意した認証基準のいずれかのタイプに当該クラブを当てはめ、タイプに応じて当該クラブを名簿に記載する手続のことをいいます。  総合型クラブが行政などとパートナーシップを構築し、公益的な事業体としての役割を果たすことを制度整備の目的としていることから、この登録・認証制度の運用に当たっては、都道府県行政は主体的に関わることが必要であるとされております。  本県では、これまでのいきいきあいちスポーツプランにおいて、住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備の一つとして、総合型クラブの育成支援を掲げてまいりました。  具体的には、未設置の市町村に少なくとも一つは設置できるようにするために、広域スポーツセンターやクラブアドバイザーの派遣を通して、未設置の市町村への育成支援や質的な充実支援などを行ってきたものと承知いたしております。  本県においても、総合型クラブによる行政等と協働した公益的な取組の促進を図るため、関係団体との連携を図りながら、この登録・認証制度をしっかりと整備、活用し、本県の各地域の新たなスポーツ環境を創出していくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  総合型地域スポーツクラブが組織体制やガバナンスの強化といったクラブの質を高める取組を行い、地域住民や行政からの信頼性の向上やクラブの運営に対する透明性の確保を図り、地域に根差したクラブづくりを目指すため、この登録・認証制度を活用しながら、本県の総合型地域スポーツクラブの創設、育成の支援等を行うべきと考えますが、本県の現在の登録申請状況はどのようになっているのか、また、本県は、今後、これにどのように取り組む考えかお伺いいたします。  以上、理事者各位からの前向きな答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。(拍手) 36: ◯スポーツ局長(成瀬一浩君) アジアパラ競技大会についてお答えいたします。  愛知・名古屋でのアジアパラ競技大会の開催に当たっては、この大会が、障害のある方の社会参加の促進や障害への理解促進に大きな役割を果たすことが重要と考えており、大会を通じて多様性を尊重し合う共生社会の実現に貢献していくことを目指しております。  そこで、まずはパラアスリートに最高の舞台を提供するとともに、障害のある方など誰もが円滑に移動し、快適に観戦していただけるよう、競技会場及び最寄り駅から競技会場までのアクセスルートにおいて、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した環境整備を推進してまいります。このため、現在、こうした整備のための基準づくりについて、名古屋市及び組織委員会と検討しているところでございます。  さらに、二〇一九年三月に策定したアジア競技大会を活用した地域活性化ビジョンの改訂作業を進めており、パラスポーツの振興やパラアスリートとの交流事業の実施、施設のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化、さらには福祉や教育等の関係部局との連携による幅広い取組についても検討しているところであります。  こうした取組を着実に進めることで、日本、アジアの障害者スポーツをリードする役割を果たしつつ、誰もが尊重し合う共生社会の実現につなげてまいります。  次に、県立高校の部活動改革についてのうち、学校と地域や競技団体などとの橋渡しについてお答えします。  学校での運動部活動の地域移行につきましては、受け入れる地域の側で、指導者等の人材やスポーツ施設の確保が十分に対応できないことが懸念されております。このため、まずは人材や施設をはじめ、様々なスポーツに関する情報が関係者の間で十分に共有され、それがうまく活用されることが不可欠であると考えており、教育委員会における検討にスポーツ局も参画しております。  一方、スポーツ振興を図る観点から、スポーツ局では、県内で活動するスポーツ団体やスポーツ施設などの情報を収集しており、今年二月には、アイスポ!ドゥ!というサイトを立ち上げ、広く情報を発信しております。  県民のスポーツに関するニーズに応えていくことは、学校体育の観点からはもちろんのこと、競技スポーツの発展、多世代にわたるスポーツへの関わり、さらには障害者スポーツの推進など様々な点で重要なことであると考えております。  このため、スポーツ局としましては、こうしたスポーツ情報の収集と発信という取組を今後一層充実させながら、県民のスポーツに関するニーズと地域や競技団体などとの橋渡しとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度についてです。  総合型地域スポーツクラブは、地域のスポーツ活動の拠点であり、県立高校における運動部活動の地域移行の受皿の一つとしても期待されております。そのため、クラブが県内各地域に創設されるとともに、クラブが登録基準を満たし、活動内容や運営体制の質が担保されることが重要であると認識しております。  本県の総合型地域スポーツクラブの登録申請状況は、全百三十二クラブのうち二十一クラブが登録申請をしているところであり、六十六クラブが来年度の登録認定を目指し、準備をしております。  本県の総合型地域スポーツクラブの創設、育成の支援等としましては、現在、クラブアドバイザーを市町村やクラブに派遣し、クラブのさらなる創設や登録基準への適合に向けた助言、指導を進めております。また、クラブの活動内容や運営体制の充実を図るため、クラブ関係者や市町村職員などを対象にスキルアップセミナーや情報交換会などを開催しております。  今後はこのたびの登録・認証制度の導入を契機として、地域に一つでも多くのクラブが創設されるとともに、全てのクラブが信頼して、公益性が高く、永続的に充実した活動が行えるクラブとなるよう、より一層支援してまいります。 37: ◯教育長(飯田靖君) 県立高校の部活動改革に関するお尋ねのうち、まず、部活動総合指導員の配置についてお答えをいたします。  二〇一七年に国により制度化された部活動指導員は、施設の点検管理や指導計画の作成、大会等への生徒引率など、教員と同様の業務に従事することができますが、この制度を活用して、本県では、複数の部活動を総合的に担うことができる部活動総合指導員として活動をしていただいております。その部活動総合指導員には、生徒の教育面と安全面に配慮をして、現在は教員免許状を所有し、かつ部活動の指導経験が五年以上あることを本県独自の資格要件として任用しております。  県立高校への配置につきましては、国制度ができた翌年の二〇一八年度から十二校に配置をし、二〇二〇年度からは二十四校、さらに今年度からは三十六校と、順次拡充を図ってきております。  全校配置に向けましては、人材を確保していく必要がありますので、本県の事業として、百三十三校に配置をしている、主に技術指導のみを行っている部活動コーチの中から、部活動の適切な運営方法や生徒の安全等に関する研修を受講することで部活動総合指導員になれるよう、資格要件の一部を緩和してまいります。  次に、県立高校の部活動の地域移行や競技団体との連携についてお答えをいたします。  高校の部活動は、より高いレベルを目指す部活動や自分のペースでスポーツを楽しむ部活動など様々ございます。そのため、高校の部活動改革は、こうした実情に十分配慮しながら進める必要がございます。  また、今後、生徒数が減少し、学校が小規模化していくことが見込まれる地域では、一つの学校だけでは部活動の維持ができず、複数の学校で部活動を行うなど、新たな活動形態を模索していく必要がございます。  今年度、御津高校をモデルとして、民間事業者に部活動を委託する実証事業をこの秋から実施いたします。この事業では、部員が減って日常の活動に支障を来している複数の部活動を対象に、委託先の外部指導者によって合同で体力トレーニングを実施したり、季節に応じて複数の部活動に参加することができる仕組みを整えたりするなど、持続可能な部活動の試みを行ってまいります。この取組は、他の小規模校が部活動を持続していく上でモデルになると考えております。  また、競技力を向上する上で、地域の競技団体や企業、大学から指導者を招いて、専門的な指導を受けるなど、地域のスポーツ資源を生かす取組は、今後の部活動の在り方として大変重要であります。  こうした取組を通じて、各学校が特色や地域性を生かして、生徒の希望がかなえられるような部活動が展開できるよう、環境づくりを進めてまいります。 38: ◯知事(大村秀章君) 辻秀樹議員の質問のうち、私からもアジアパラ競技大会についてお答えをいたします。  障害者スポーツは、障害者の自立と社会参加の促進につながるとともに、障害への理解、促進に大きく寄与することから、共生社会の実現に貢献するものと考えております。  このため、本県では、障害のある方もない方も一緒にスポーツを楽しめる体験と交流の場を県内に広げていくとともに、愛知から世界に羽ばたくパラアスリートを発掘、育成するなど、障害者スポーツの推進に積極的に取り組んでおります。  そうした折、昨年のパラリンピックに引き続きまして、二〇二五年のデフリンピックの東京での開催が、今月決定をされました。日本における障害者スポーツへの関心が日増しに高まっていくものと考えております。  本県といたしましては、こうした機運を捉えまして、障害者スポーツを一層盛り上げるとともに、アジアパラ競技大会を成功させ、大会の意義や理念をアジア、世界に向けてしっかりと発信してまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 39: ◯四十番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 40: ◯副議長(佐藤一志君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯副議長(佐藤一志君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時四十四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 42: ◯議長(須崎かん君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  小木曽史人議員。     〔一番小木曽史人君登壇〕(拍手) 43: ◯一番(小木曽史人君) それでは、通告に従い、順次大きく三点について質問をいたします。  初めに、海部地域の地震による液状化対策、主に河川堤防と道路、ハード対策について伺っていきます。  名古屋の西側、濃尾平野が広がる海部地域は海抜ゼロメートル以下地帯です。例えば県管理二級河川の日光川下流では、平常時の水位は堤防の外側にある二階建て家屋よりも高い位置にあり、初めてこの地域に来られた方の中には、これ、大丈夫なのとびっくりされる方もいらっしゃいます。  伊勢湾台風でも甚大な被害を受けた地域であることは、皆様御存じのとおりでございますが、水害の危険性が非常に高く、有事の際に地域に住む方の命や暮らしを守るために、河道掘削や拡幅、しゅんせつ、排水機能強化など治水対策として様々な対策が実施されている地域です。  土地が低いといったリスクに併せて、海部地域一帯には重大なリスクが潜んでいます。それは液状化です。地下十メートル程度のところに緩い砂の層があり、その下に約二十センチに及ぶ粘土層がある。その上、地下水位が高いため、地盤が液状化しやすい条件がそろっている地域と言われています。  南海トラフ地震という未曽有の災害が発生する確率が高まっている今日、地震により堤防が沈下し、土地の低い海部地域一帯に河川の水が流入すれば、浸水は広範囲かつ長期にわたり、そこに津波が押し寄せればさらに被害は大きくなることは容易に想像できます。  そういった意味でも、液状化による河川堤防の沈下を抑制するためのハード対策は極めて重要であり、対策必要箇所については迅速かつ適切な対応が求められております。  では、河川堤防の液状化対策はどのような基準で実施されているのか。国土交通省は、河川構造物の耐震性能照査指針、以下、指針と申し上げますが、それを示し、これを基に対策が検討、実施されると伺っています。  この指針は、一九九五年に起きた兵庫県南部地震後に、河川堤防耐震点検マニュアルが策定され、現在に続く耐震基準の基礎となり、二〇〇七年に策定をされました。その後、東北地方太平洋沖地震を契機に、二〇一二年、さらに二〇一六年に改定され、現在に至っています。  つまり、基準が切り替わる以前、例えば東北地方太平洋沖地震以後の二〇一二年から二〇一六年までの河川堤防の液状化対策は、二〇一二年改定の指針に基づいて対策を実施しているわけです。  ただし、二〇一六年の指針改定時に耐震性評価項目の全てが厳しくなったというわけではありません。液状化による沈下の評価方法の見直し等で、想定される地盤沈下量が増加した地点もあれば減少した地点もあるため、現在の指針が示される前の対策が全て不十分というわけではないとのことです。  加えて、河川堤防に求められる耐震性能は、理論上の最大モデルである地震動レベル二において、地震後も原則平常時の最高水位となっても、河川の水があふれるのを防止する機能を保持する性能を保つとされており、それは、一九九七年の指針策定以来、現在に至るまで変わっていないことも付け加えておきます。  るる基準についてお話ししましたが、要するに、これまで海部地域の日光川水系、日光川本川と十四支川の河川堤防の液状化対策を進める中で、どの段階で調査をし、どの基準で液状化対策が必要と判断され、どこまで対策を実施したのか、また、指針の改定を経てどのように対策を実施してきたのか、そして、今後どういった計画なのかが非常に分かりにくいものになっていると思います。  そこで、改めてではありますが、海部地域の南北を縦断する日光川水系の河川堤防の地震による液状化対策を含めた耐震化の考え方及び整備の進捗状況、今後の進め方についてお伺いいたします。  続いて、道路です。  道路の液状化対策といっても、国道から市町村道に至るあらゆる全ての道路を面整備することはおよそ不可能な話ですので、ここでは緊急輸送道路における橋梁の液状化対策について取り上げます。  御存じのとおり、緊急輸送道路は、災害直後から人命救助や避難、そして避難されている方への必要物資の供給などのため、緊急車両の通行を確保すべき重要な路線です。地振動による落橋や液状化による橋脚崩壊、橋台と道路地盤との段差発生などが生じ、早期復旧がされないと人命に関わる緊急輸送道路としての機能が失われることは明白であり、その対策が重要であることは言うまでもありません。  この橋梁の耐震性能は、一九八〇年、国道交通省によって道路橋示方書に基準が定められており、兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震のたびに改定されています。性能の高い順に一から三まで三段階の基準があり、いずれの性能も、兵庫県南部地震と同程度の地震においても落橋には至らない性能を有することは当然ですが、最低限、耐震性能三、つまり地震による損傷が橋として致命的にならない程度の性能を満たしていなければ、被災時復旧に長時間を要することになります。  緊急輸送道路は、第一次から第三次までありますが、愛知県では現在、第一次と第二次まで、合計二千八百五十六キロが指定されており、耐震性能二、つまり地震による損傷が限定的なものにとどまり、橋としての機能回復が速やかに行い得る程度の性能が求められています。  そのうち、県管理道路は合計千五百三十三キロ、橋梁数は約七百二十橋で、耐震化進捗率は二〇二一年度末には八一%、道路橋示方書の改正都度、これまでの耐震対策も含めて耐震性能の保持を確認しつつ、対策を実施していると伺っております。  海部地域はというと、県管理道路は合計百二キロ、橋梁数は七十三橋あります。ただ、第三次あいち地震対策アクションプランの計画期間である二〇二三年度までの対策完了見込みを含めて、全ての橋梁で耐震性能二を確保できるわけではないようですし、また、愛知県内では、まだ第三次としての緊急輸送道路は指定されておらず、有事の際に命と暮らしを守る重要な路線として対策が必要な箇所が存在する可能性があることも忘れてはなりません。  以上を踏まえ、海部地域における県管理の緊急輸送道路の橋梁について、地震による液状化対策を含めた耐震化の考え方及び整備の進捗状況、今後の進め方についてお伺いをいたします。
     次に、県立高校の魅力化、特色化について、民間企業との連携、そして、不登校経験者や特別な支援を必要とする生徒のための学校について伺っていきます。  県立高校については、県は二〇一五年度からの十年間のグランドデザイン、県立高等学校教育推進基本計画を策定。その実施計画に基づき、現在事業を進めており、さらにその先、二〇三〇年代半ばを見据えた県立高等学校再編将来構想の中で、県立高等学校の魅力化、特色化、再編の将来的な取組の方向性を示していると承知しております。  デジタル化、グローバル化を含む社会経済状況は劇的かつ急速に変化しており、社会から求められる人材も多様化しており、基本計画では、キャリア教育と職業教育の一層の充実が掲げられ、実施計画の中で、具体的な高校別の事業や取組が示されております。  そして、将来構想の中でも、産業構造の変化に対応した専門学科の創設やビジネス現場で主体的に行動できる人材の育成を図り、大学、企業、NPOなど外部の専門機関と連携した取組を進めるとしています。  特に工業科や商業科などの専門学科の生徒は、学びを通じて、就職、専門学校への進学といった早い段階での実社会での活躍を目指している方も多く、また、その学びを通じて、大学等で高度な専門分野の探求、資格取得を目指す生徒も育成するなど、より実社会にコミットしたカリキュラムを編成していく必要があります。  そういった意味で、特に専門学科においては、民間企業との連携をいかに充実させていくかが重要なポイントになると思います。  一口に民間企業との連携といっても様々な形があり、例えば、職業を知るための座学や職業体験、実習、インターンシップなどインプット的なものももちろん重要ですが、商品開発やマーケティングを協働で手がけるなど、もう少し踏み込んだアウトプットが出せるような連携も工夫次第でさらに進めることができると思います。  それにはまず、企業側のニーズと高校側のニーズのマッチングが不可欠です。今は企業側も事業活動を通じた地域社会への貢献、いわゆるCSRに力を入れているところも多く、例えば高校とコラボした商品開発などのニーズもあると思います。多くの選択肢から、その高校に合った企業連携メニューを選べる、例えばニーズマッチングのプラットフォームがあれば、もっと幅の広い企業と高校のウィン・ウィンの実践的かつ効果的な企業連携の可能性が広がり、そこにより多くの生徒にチャレンジしてもらうことで、その学びと活動が具体化され、生徒自身の達成感やさらなる学びへの誘発にきっとつながるはずです。  そこで、まずは、この民間企業との連携、特に民間企業とコラボした商品開発など、より実践的でアウトプットを意識した県立高校と民間企業との協働活動について、教育委員会としてどのような姿勢で取り組んでいるのか、また、課題をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  加えて、県立高等学校再編将来構想の中では、まさに時代の変化を先取りした生徒の新たなチャレンジを前面的に支える学校として、犬山南高校を犬山総合高校に改編し、DX人材の育成やスタートアップマインドの育成に力を入れるとお聞きしています。  再来年、二〇二四年十月には、スタートアップ支援拠点、STATION Aiの開業が予定されています。世界レベルのかなり高度なスタートアップのため、そのレベル感から、先ほど申し上げたアウトプット的な共同研究等は困難かもしれませんが、生徒がそのエッセンスを感じられるようなスタートアップとの連携は可能だと思います。  そこで、来年度、総合学科へ改編する犬山南高校におけるスタートアップ企業等との連携についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。  続いて、不登校経験者や特別な支援を必要とする生徒のための県立学校についてです。  今年度の県内中学生の高校進学率は九八・四%、高校無償化の流れも相まって、小中学校同様、高校も現状ほぼ義務教育化していると言えます。各種資格取得等職業選択の段階でも、実際には高校卒業、これには高卒認定試験合格者も含みますけれども、それが要件となっていることもあり、高校卒業は生徒にとってその後の社会参画やキャリア形成に大きく影響します。  ただ、そういった中でも、義務教育段階から高校卒業までの成長過程や生活環境における複雑かつ多様な背景により、どうしても既存の学校になじめない児童生徒が多数存在しているため、そういった子供たちを高校卒業程度の年齢に至るまですくい取る、より個別最適な選択できる教育環境を提供する必要性がこれまで以上に高まっていると考えます。  特に小中義務教育課程では、行政の責務、学びの保障を実施すべく、児童生徒の様々な情報を把握し、必要に応じて教育、福祉の面から各種支援メニューでケアを実施する体制が少なからず整備されていますが、小中義務教育課程を修了し、いざ高校進学段階となると、選抜の名の下に行政によるケアの目から離れる、つまり行政のセーフティネットから外れる可能性が高くなります。  そんな中、県立高等学校再編将来構想の中で、特別な支援を必要とする生徒のためのインクルーシブな県立高校、御津あおば高校を設置するとし、併せて、先日、不登校経験のある子供等のための学校として、全国初の公立中高一貫の不登校特例校を設置する方向性が明らかになりました。先ほど申し上げた義務教育段階から高校卒業までの切れ目のないケアという意味では、ニーズを捉えた取組であり、その具体的な内容については今後詳細を詰めていくということですので、しっかり注視していきたいというふうに思っています。  こうした方向性は、不登校生徒や外国にルーツを持つ生徒等特別な支援を必要とする生徒にとって、自分に合った高校を選んで学べる、選択肢が広がるという意味でも有意義である一方、インクルーシブ教育の観点や、そういった子供たちは県下全域、各地にいらっしゃり、行き場を求めていることからすれば、既存の県立高校、そしてこれから生徒数減少による県立高校の統廃合が進む中での学校利活用も含め、多様な生徒を受け入れる環境をさらに整えていく必要があると考えます。  そこでお伺いをいたします。  不登校生徒や外国にルーツを持つ生徒等特別な支援要する生徒に対する高等学校教育の在り方について、県教育委員会としてどのように考えていらっしゃるのか、課題認識も含めてお聞かせください。  また、先ほど申し上げた、先日公表された公立中高一貫不登校特例校を含め、今後、御津あおば高校のようなインクルーシブな県立高校を県内全域にどのように広げていくおつもりなのか、今後の取組の方向性についてお伺いをいたします。  最後に、後部座席のシートベルト着用率向上の取組について伺っていきます。  今年の二月十二日、犬山市にて、犬山病院の職員計九人を乗せた送迎用のワンボックスカーが、右折時に横断歩道を渡る歩行者の前で停止、後部座席にいた方が停止のはずみで前のめりになり頚椎損傷、死亡するという事故が報道されました。お亡くなりになった方は後部座席でシートベルトをしておらず、僅か時速二十キロという低速での急停車によって命を落としたとのことです。  まずは、御存じかもしれませんが、改めて後部座席シートベルト着用についての現行法上の位置づけを明確にしておきます。  二〇〇八年六月、改正道路交通法の施行により、後部座席のシートベルト着用が義務化されました。未着用はれっきとした違反行為であることが明文化されているということです。ただ、高速道路においてのみ行政処分の違反点数一点が付される制度となっており、一般道においては着用義務がないと勘違いされている方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。  愛知県では、二〇一四年十月、愛知県交通安全条例が交付、施行され、県の責務として、第十三条では、家庭、学校、職場等における交通安全に関する教育の推進、第十四条では、自動車の全ての座席におけるシートベルトの着用徹底、チャイルドシートの適切な使用等々について、広報、啓発を行うと明確にうたっています。  これを受け、県及び県警察としても、チラシ等広報媒体を作成し、春、夏、秋、年末の交通安全運動期間をはじめ機会を捉え、その教育及び普及啓発を実施していると承知しております。  では、改めて、愛知県下のシートベルト着用率の推移を見ていきたいと思います。  警察による取締りの強化もあり、昨年、二〇二一年の統計によると、運転席は九九・二%、助手席九六・七%と非常に高い着用率となっており、運転手によるシートベルト着用への意識の高さがうかがわれます。  一方、後部座席はというと、取締り対象である高速道路では、先ほど申し上げた二〇〇八年の着用義務化を受け、その前年、二〇〇七年には僅か一六・三%だった着用率が、二〇〇八年には六三・二%、二〇二〇年には七九・一%となりましたが、昨年、二〇二一年は七七・四%と若干下落をしています。一般道路では、二〇〇七年には僅か一〇・三%だった着用率が、二〇〇八年には三七・三%に上昇、その後、緩やかには上昇しているものの、一昨年、二〇二〇年四二・九%、昨年、二〇二一年四四・〇%と着用率は五割に満たず、伸び悩んでおります。  こうした背景もあってか、大村知事も、昨年六月定例議会本会議にて、議案説明の前段、県政を取り巻く最近の状況の中で、特に一般道における後部座席のシートベルトの着用率が五割未満にとどまっていることに対し懸念を示し、着用の徹底を呼びかけていくといった発言をされております。  後部座席シートベルトを着用していない状態で事故に遭うと、その致死率は、高速道路では着用時の約一九・八倍、一般道路では着用時の約三・二倍に上るとも言われています。交通事故の衝撃で、車内で全身を強打したり、車外に放り出され、場合によっては運転席や助手席の人が被害を受けることもあります。今は車室三百六十度エアバッグを装備している車両もたくさんありますが、エアバッグはあくまでシートベルトの補助装置であり、特に後部座席は座席の前空間が広く、かつエアバッグを収納できる箇所が限定的であることから、交通事故時には、前座席よりもシートベルトの装着の必要性は逆に高いとも言えると思います。  改めて後部座席での交通事故について知っていただくため、私の地元で交通安全啓発活動を精力的に行っている方、御本人の承諾を得ておりますので、実名で御紹介をいたします。  その方、蟹江町の佐藤恵里さんは、後部座席のシートベルト着用が義務化されたちょうど二〇〇八年、大学三年生、二十歳のとき、後部座席に乗っていたところを交通事故に遭いました。信号交差点の矢印信号で右折中に、信号無視で直進してきた相手方が、佐藤さんの乗っていた車の左後部に衝突、その衝撃で佐藤さんは車外へ投げ出されました。  救急車で運ばれましたが、下顎等複数箇所を骨折、意識不明の重体。生死をさまよう状態が続きましたが、奇跡的に約百日後に目を覚ましました。ただ、後遺症はひどく、脳挫傷による体幹機能障害という身体不自由な想像を絶する苦しみに向き合うことを余儀なくされました。  なりたい職業の夢を奪われ、自分一人では動けない重い障害が残る体になってしまったことに打ちひしがれながらも、家族や回りの助けを借りながら懸命にリハビリを続け、少しずつ前向きな自分自身を取り戻していったそうです。  今では回りの支援員の助けを借りながら、地元で行政や警察関係の各種団体、学校等で自ら交通安全講演会を精力的にこなし、特に後部座席でのシートベルトの着用について、その重要性を訴え続けています。  私も実際に佐藤さん、そして佐藤さんを支援する皆様にお会いし、お話を伺いました。後遺症からうまく言葉が発せられない、手足も自由にならない、そういった姿でありながら表舞台に立ち、自らの経験を直接伝えることで、自分みたいな人を一人でも出したくないという純粋かつひたむきな強い信念を感じました。  後部座席のシートベルト着用は運転者のみならず、様々な機会を捉え、子供や運転をしない県民全体に広報、啓発をしていく必要があります。これから子供を産み育てる子育て世帯に対するチャイルドシート等の正しい装着を含めた後部座席の安全性確保の啓発もそうですが、特に子供は後部座席に乗るケースも多く、事故の当事者となる可能性が高いため、自分自身を守り、かつ将来のドライバーとしての責任を持ってもらうためにも、学校教育の場でさらに積極的に広報、啓発すべきと考えます。  そこで、まずは、後部座席におけるシートベルトの着用促進に向けた県警察の取組状況について伺います。  あわせて、交通死亡事故ゼロに向け、後部座席シートベルトの着用率向上に向けた取組を、県としても積極的に推進していく必要があると考えますが、現状を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  以上、明快な御答弁を期待し、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 44: ◯建設局長(道浦真君) 海部地域の液状化対策のうち、初めに、日光川水系の河川堤防の耐震化についてであります。  県が管理する河川堤防については、地震直後の堤防沈下による浸水や、その後に到達する津波での浸水により、人的被害など甚大な被害が想定される区間の耐震化を二〇一四年に策定した第三次あいち地震対策アクションプランに位置づけております。その後、国の指針が二〇一六年に改定されたことを受け、対策済みの区間を含め、最新の基準により堤防の耐震性を確認し、二〇一八年に対策区間を見直しております。  日光川水系の河川については、河口に位置する日光川水閘門で津波の遡上を防止できることから、堤防沈下により浸水する区間の耐震化を進めております。  日光川では約四・一キロメートルを実施することとしており、昨年度までに約一・三キロメートル完了しております。また、善太川では約〇・六キロメートルを実施し、昨年度までに全区間を完了しております。  残る日光川の約二・八キロメートルにつきましても、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策などを活用し、早期に完了するよう努めてまいります。  次に、緊急輸送道路の橋梁の液状化対策を含めた耐震化の取組についてであります。  本県では、阪神・淡路大震災を契機に橋梁の耐震対策を本格化し、大規模地震時に落橋や倒壊などの致命的な損傷に至らない耐震性能三を確保するため、橋脚補強や落橋防止装置の設置などの対策を進め、二〇一四年度までに県内全ての橋梁で対策が完了しております。  現在は、大規模地震時においても速やかに緊急車両を通行させるよう機能回復できる耐震性能二の確保に向け、橋脚や支承部の補強など、さらなる耐震対策とともに、橋梁取付け部の段差対策に取り組んでおります。  このうち、耐震対策としては、津波、浸水想定区域内の第一次緊急輸送道路や第三者被害が危惧される跨線橋などを、また、段差対策としては、液状化想定区域内で取付け部の大きな沈下が予想される橋梁を第三次あいち地震対策アクションプランに位置づけ、優先的に取り組んでおります。  海部地域においては、耐震対策を五橋で実施しており、昨年度末までに二橋が完了し、現在は西尾張中央道の新日光川橋をはじめとする残る三橋で対策を進めております。また、段差対策については三十七橋で実施しており、昨年度末までに三十四橋が完了し、現在、木曽川に架かる立田大橋をはじめとする残る三橋で対策を進めており、両対策とも来年度末までに完了する予定であります。  今後とも県民の皆様の安全・安心な暮らしを守るため、河川堤防や橋梁の耐震化などの事前防災対策にしっかりと取り組んでまいります。 45: ◯教育長(飯田靖君) 県立高校の魅力化、特色化についてのお尋ねのうち、まず、県立高校と民間企業との実践的な協働活動についてお答えをいたします。  産業構造の変化により、産業界では、新たな価値を生み出すことのできる創造力豊かな人材が求められております。そのため、工業科、商業科などの専門学科では、企業と連携をして実践的な課題解決型学習、プロジェクトベースドラーニングに取り組んでいるところでございます。  例えば、工科高校ではロボット関連企業と連携をし、生徒が企業の現場に行って最適な作業工程の設計やロボットの動きを制御するプログラミングなど、モノづくりの現場の自動化を担うロボットシステムインテグレータの仕事を体験しながら、ロボットシステムの構築に関する課題に取り組む学習を行っております。  また、商業高校では、大手総合スーパーの店舗に生徒が出向き、実際に販売されている商品について市場調査を行った上で、その商品の仕入れ、販売計画を立て、一定期間販売をした後に利益の算出まで行い、実績を踏まえて仕入れ、販売計画を改善するといった学習に取り組んでおります。  課題といたしましては、従来の産業分類を超えて産業の複合化が進んでいることから、今後は学科の枠にとらわれず、テーマを共有して課題解決型学習に取り組んでいく必要があると考えております。  そのため、県教育委員会といたしましても、地域企業で組織をする経済団体の協力を得て、学校と企業とのマッチングを図る機会を設けるなどして、各専門学科の特色を生かした取組が行える環境を整備し、新たな価値を生み出すことができる人材を育成してまいります。  次に、犬山南高校におけるスタートアップ企業等との連携についてお答えをいたします。  犬山南高校は来年四月から総合学科に改編をし、IT、メディアデザイン、アントレプレナーシップなどの科目を開設し、DXに対応できる人材やスタートアップマインドを持った人材の育成に取り組んでいくこととしております。  学科改編に先立ち、今年度はeスポーツ関連のスタートアップ企業と連携した授業を実施しております。世界の人々とつながるeスポーツの特徴を生かしてコミュニケーション能力を高めるとともに、競技中に行う情報収集と分析を通じた思考力の育成も行っております。また、発想力を高めるためにICT企業やモノづくり企業の方を招いて課題解決型の授業を行い、教員も企業における事業立案や製品開発のノウハウを学ぶことで指導力の向上に努めております。  今後は、STATION Aiの協力を得てスタートアップ企業との連携を深め、実際に起業した方々から物事に対する考え方や起業に至った経緯、困難をどのように乗り越えてきたかなどについて直接学ぶ機会を設けてまいります。  こうした取組を通して、スタートアップマインドにあふれ、起業家、すなわちアントレプレナーとして大きく羽ばたく可能性を秘めた若者を社会に送り出してまいります。  次に、不登校経験のある生徒や外国にルーツのある生徒の高校教育と不登校に対応した中高一貫校や、御津あおば高校のような新しいタイプの学校の今後の展開についてお答えをいたします。  近年、小中学校における不登校が増加をしていることに加えまして、愛知県では日本語指導が必要な外国人生徒が全国で最多となっております。  そのため、不登校の生徒については生徒の状況に寄り添った柔軟な学びができる環境を、そして外国にルーツのある生徒については、習熟度に応じたきめ細かな日本語指導をそれぞれ充実していく必要があると考えております。  そこで、来年四月から御津あおば高校に校名を変更する御津高校では、単位制高校に移行することで、自分のペースで学ぶことができるカリキュラムにいたします。また、昼間定時制を併置し、一日の時間割に余裕を持たせることで、授業後の時間などに中学の学び直しや日本語の習得を行えるようにするなど、生徒一人一人が抱える課題に柔軟に対応できる学校へとモデルチェンジをいたします。  こうしたタイプの学校は恐らく今後ますますニーズが高まってまいりますので、地域ニーズを踏まえ、御津あおば高校をモデルとして、その成果を生かしながら、さらなる展開を検討してまいります。  また、不登校特例校などの制度を活用した中高一貫校についても、地域のニーズを踏まえて導入を検討してまいります。 46: ◯警察本部長(國枝治男君) 後部座席のシートベルト着用率向上に向けた取組についての御質問にお答えいたします。  議員お示しのとおり、後部座席を含めシートベルトの着用率は向上しております。  しかしながら、過去五年間における四輪車の交通事故死者のうち、シートベルトをしていなかった方の割合は約五割を占めている状況にあります。そのうち後部座席に乗車していた方は約二割で、着用していれば助かったものと推定された方は約七割でございます。  県警察といたしましては、全席でシートベルトを着用することは、交通事故時の被害軽減対策として極めて重要であると認識しております。そのため、座席ベルト装着義務違反の指導取締りを推進しており、とりわけ後部座席のシートベルト非着用について、一般道路では各種交通街頭活動時において指導啓発を、高速道路等においては検挙措置を講じております。  また、シートベルト着用の重要性と被害軽減効果について、あらゆる年齢層に対しまして、衝突体験装置であるシートベルトコンビンサーを活用した参加・体験・実践型の交通安全教室の開催や県警ホームページ、SNS等を活用した情報発信のほか、広報チラシの掲出、配布など、関係機関、団体とも連携して広く県民の皆様に周知しているところであります。  このほか、子供の着用促進を図るため、県内の幼稚園等をチャイルドシート使用徹底モデル園として指定するなど、チャイルドシートの使用等について広報啓発活動を推進しております。  引き続き、シートベルトの着用促進をはじめとした被害軽減対策を着実に推進し、交通死亡事故の抑止を図ってまいります。 47: ◯防災安全局長(坂田一亮君) 後部座席のシートベルト着用率向上に向けた県の取組についてお答えをいたします。  シートベルトは、自分自身だけでなく、同乗している家族や友人の命を守り、交通事故の被害を大幅に軽減する効果があります。  中でも、後部座席においてシートベルトを着用していなかった場合、議員お示しのとおり、衝突の勢いで前方に投げ出され、前の席の人にぶつかるなど、他の同乗者にも危害を加える可能性があります。  交通死亡事故抑止のためには、高速道路、一般道路を問わず、全席シートベルト着用、とりわけ着用率の低い後部座席におけるシートベルト着用意識の向上は極めて重要であると認識しております。  このため、本県ではカチッと100!を合い言葉に、県警察、市町村、関係団体と連携し、後部座席を含めたシートベルト着用率一〇〇%を目指し、県民運動を展開しております。  具体的には、交通事故ゼロの日などにおける全席全員シートベルトと記載したサイン板等による走行車両への呼びかけ活動や後部座席のシートベルト着用を促進する内容のリーフレットによる広報、さらには毎年二月十一日から二十日までの十日間をシートベルト着用の徹底を図る強化旬間に設定し、県内各地域においてシートベルト着用に的を絞ったキャンペーンやイベント等の啓発活動を集中的に実施しているところでございます。  今後は、教育委員会等とも連携をし、児童生徒及びその保護者に対する周知に一層力を入れるとともに、季節ごとに実施する県民運動においても、家庭や職場等への働きかけを強化し、特に家族や友人同士など多人数で出かける際の着用徹底を働きかけるなど、後部座席のシートベルト着用率向上に努めてまいります。 48: ◯一番(小木曽史人君) それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、それぞれについて要望いたします。  まず一つ目、海部地域の地震による液状化対策についてです。  海部地域に住む方たちにとっては、自分たちの住んでいる地域の河川や道路が地震によりどうなってしまうのか、大丈夫だろうかと、とても不安に思っている声を多く耳にします。  対策には予算と時間がかかることは承知しています。それを理解しつつ、液状化による危険箇所や整備状況、計画を海部地域に住む人たちが知ることは、命を守る安全な避難行動を考えるのに不可欠です。  第三次あいち地震対策アクションプランの次の計画も来年度には策定されると思います。ぜひ、計画や進捗を地域に分かりやすく公表しながら、迅速かつ適切に事業を進めていただくよう要望いたします。  次に二つ目です。  県立高校の民間企業との連携ですが、先ほど答弁で例に挙げられましたように、アウトプット型のコラボをしている県立高校もありますが、連携できる企業をリサーチしてアプローチするのは、ほぼ高校側と伺っています。しかし、自校にマッチする企業を独自で探し出すには限界があると思います。ぜひ、県教育委員会として、企業側へのアプローチには、経済産業局にも協力を仰ぎつつ、ニーズの掘り起こしを行い、併せて、学校とのマッチング環境を整えていただきたいと思います。  また、文科省は来年度から特異な才能を持つ、いわゆるギフテッドの子供への支援をしていく方向性を示しました。並外れた才能を持った反面、学校生活になじめず不登校になるケースもあると言われています。例えば、まさに先ほど答弁でありましたように、スタートアップ企業と連携していく犬山南高校こそ、そうした生徒への対応を含めた環境を整えていくのがよいのではないでしょうか。  昼間定時制高校についても、県内の配置バランスが悪く、知多地区、海部地区、尾張東部には設置されておりません。  いずれにいたしましても、多様な生徒一人一人が誰一人取り残されることなく、より多くの選択肢から行きたい高校を選べるようなインクルーシブな県立高校といった観点を軸に、バランスのよい県立高校の魅力化、特色化を進めていっていただきたいと思います。  最後に三つ目、後部座席のシートベルト着用率の向上についてですが、行政処分や罰則がない以上、一般道での後部座席シートベルトの着用率の向上には、地道な教育、広報、啓発しかないと思われます。  例えば、認知症理解普及事業として、当事者の方に愛知県認知症希望大使を委嘱し広報啓発を行っているように、先ほど申し上げた佐藤恵里さんのような事故当事者に後部座席シートベルト着用を広く呼びかける広報啓発活動に御協力いただくこともできると考えます。  そうしたことも検討しつつ、交通死亡事故ゼロに向け、答弁にもありましたとおり、教育現場を含め部局横断的な県主催イベントなど様々な機会を捉え、頭打ちになっている着用率向上に向けた積極的な取組を進めていくことを要望し、質問を終わります。 49: ◯議長(須崎かん君) 進行いたします。  島倉誠議員。     〔四十九番島倉誠君登壇〕(拍手)
    50: ◯四十九番(島倉誠君) それでは、通告に従って、順次質問をさせていただきます。  初めに、中高一貫校の取組についてお伺いいたします。  中高一貫教育制度については、一九九九年に国において制度が導入され、以来、全国で既に四十一都道府県の公立高校で導入がされています。  私は平成二十八年九月議会において、鹿児島県の楠隼中学校・高等学校、福岡県の輝翔館中等教育学校の事例を紹介しながら、本県でも中高一貫校を導入すべきではないかとの思いで一般質問をさせていただいたところであります。  当時の平松教育長の答弁では、六年間の継続的な指導により生徒の個性を伸ばしたり、中学校一年生から高校三年生までの異年齢集団による活動により、生徒の豊かな社会性を育てることができるなどの成果がある。一方で、課題として、在籍する六年間の間に生徒の学力差が大きくなること、高校入試がないため目標が定まらず、学習のモチベーションを維持できない生徒が見られること、中学校の通学区域を越えた生徒募集が行われるため、周囲の既設の中学校に生徒の減少などの影響があるとし、今後引き続き他県での成果や課題を踏まえ、引き続き研究を進めるとの答弁でありました。  その後、この六年余り、教育委員会として成果や課題をどのように整理して、今年度、中高一貫校の導入に至ったのか、初めにお伺いいたします。  本県での県立高校への併設型中高一貫教育制度の導入の可能性については、本年四月六日の発表以降検討が進められ、七月二十六日に第一次導入校四校の決定が発表されました。名古屋地区からは明和高校、尾張地区からは津島高校、半田高校、三河地区からは刈谷高校と、いずれも併設中学校の一学年の学級数は二学級で開校し、時期は二〇二五年、令和七年四月とされています。  そして、現在は第二次以降の導入候補の選定が行われると伺っています。第二次導入校は、地域バランスを考慮し、三河地域を中心に数校、地域と高校との連携強化や地域課題への対応など、地域の教育ニーズに対応した中高一貫校の設置を目指し、二〇二六年、令和八年四月の開校を目指すとされています。  そこで、改めてお伺いいたします。  第二次導入校は具体的に何校で、開校時期はいつ頃を目標にしているのか伺います。  また、今後も地域からの要望や環境が整えば、さらに中高一貫校を拡大していく予定はあるのか、お伺いをいたします。  本県では、県立高校改革として、二〇一五年三月に県立高等学校教育推進基本計画を策定し、基本計画を具体化するために、計画期間を二期に分けて実施計画を策定し、時代のニーズの変化を踏まえた新たな学科、コースの設置など、様々な取組を展開してきたところであります。  このたびの中高一貫教育導入も、あいち教育ビジョン二〇二五の取組の柱の一つと理解をしています。グローバル化の進展やAIの発達など、社会を取り巻く環境は加速度的に変化しており、未来を担う子供たちへのこれからの教育には、生徒の探求心に応える深い学びを通して、生徒一人一人の個性や能力を最大限に伸ばしていくことが求められており、探求学習を重視した中高一貫教育を導入するとされています。  私は、今回も質問をするに当たって、冒頭でも述べさせていただきました福岡県の輝翔館中等教育学校に再度訪問し、山口英明校長先生から現状について伺ってまいりました。  ここで、改めて輝翔館中等教育学校の概要を少し御紹介させていただきます。  輝翔館中等教育学校は福岡県南端部の山間地に位置し、平成十六年四月に福岡県で唯一の中等教育学校として開校いたしました。校訓は自ら物事を進んで行い、新しいものをつくり出すことができる人間になってほしいという願いから、進取創造であり、社会の様々な分野で、領域での専門性を持ったスペシャリストや総合的な力を持ったゼネラリストなど、未来のエースとなる人間の育成を目指し、学力の伸長はもちろん、マナー教育、夢づくり、知的チャレンジ体験などの教育を行い、生徒一人一人の力を伸ばしているとのことでありました。  六年間の教育課程は、前期課程である一年、二年生時に中等教育学校の基礎、基本の習得を目指した学習を行い、三年生で学び直しをするとともに、高校の学習も取り入れながら、後期課程の四年、五年生で高校の学習を先取りし、六年生では進路に応じて適切な学習指導を行っているとのことでありました。  卒業生の進路は、国公立大学をはじめ私立大学、専門学校や短期大学、就職など多様でありました。校長先生は、六年間を計画的、継続的に学ぶことによって、幅広い知識、教養と柔軟な思考力に基づいて自ら考え選択し、行動をする結果、このような進路選択になったとおっしゃっていました。  一方で、この数字には表れておりませんが、課題もあるとおっしゃっていました。その課題とは、生徒が自ら考え行動することができるようになった結果、約一割の生徒が農業や工業分野へ進路変更するとのことでありました。前期課程修了後の進路変更は問題ありませんが、後期課程後に進路変更するためには、転校制度がないために、一度学校を退学し、新たに受験して学ばなければならないということだとおっしゃっていました。  本県が既に導入を決定している四校の学科も、明和高等学校では音楽科があるものの、全ての学科が普通科となっています。本県の併設型中高一貫校の教育目標とする探究心を重視する理念の下、自ら考え選択し行動する力を育んでいく課程において、輝翔館中等教育学校で見られるように、他の教育分野、例えば農業や工業、あるいは商業や情報通信など、ほかの専門分野での学びを探求したいと考えたとき、他の県立学校への転校を可能にするとか、五年生からは専門学科を編成する、あるいは総合選択制の導入など、子供たちの可能性を最大限に引き出す環境づくりも大切と考えますが、見解をお伺いいたします。  二項目めに移ります。  次に、県営都市公園の魅力向上や利用促進についてお伺いいたします。  都市公園は、散策、遊び、休息、スポーツなど健康的な活動を楽しめる場であるとともに、生物多様性の保全、都市環境の改善、災害時の避難場所、災害復旧の活動拠点など、多様な機能を有している貴重な屋外空間であります。  本県では、愛・地球博記念公園や大高緑地、油ヶ淵水辺公園をはじめとする十一か所の県営都市公園の整備及び管理を行っております。  これらの県営都市公園のさらなる魅力向上と利用促進に向け、あいちビジョン二〇三〇では、民間活力導入施設の整備の促進と市町村等と連携したイベントの開催を進めていくとされています。  また、あいち社会資本整備方針二〇二五では、公園の利活用の促進やにぎわいの創出、財政負担の軽減など様々な効果を期待し、官民連携による県営都市公園の整備や管理運営に積極的に取り組むとともに、世代、地域を越えた県民の交友の場となるよう県営公園の運営を行っていくとされています。  そこで、まず、民間活力の導入についてお伺いいたします。  国においては二〇一七年、都市公園の今後の在り方として、公園のストック効果をより高める、民間との連携を加速する、公園を一層柔軟に使いこなすという三つの観点から都市公園法を改正しました。  この改正では、公園の再生、活性化を推進するため、民間活力による新たな都市公園の整備手法として、公募設置管理制度、いわゆるパークPFIが創設されました。  本県では、この法改正の前から民間活力の導入を積極的に進めており、二〇一六年に大高緑地においてディノアドベンチャー名古屋が、二〇一八年に新城総合公園においてフォレストアドベンチャー・新城がオープンしております。このディノアドベンチャー名古屋とフォレストアドベンチャー・新城は、いずれもこれまで未利用であった樹林地が、民間の創意工夫により、樹林の保全を図りつつ、大変魅力ある施設へ生まれ変わり、多くの来場者にお越しいただいており、大高緑地及び新城総合公園のさらなる魅力向上につながったものと考えています。  また、昨年四月には、パークPFIを本県の県営都市公園として初めて活用し、名古屋市守山区の小幡緑地では、レストランとキャンプ、バーベキューサイトを運営するオバッタベッタがオープンしております。アウトドアレジャーニーズの高まりの中、身近な場所で緑豊かな自然を満喫できる場所として大変好評であり、キャンプ場のうち、利用者が持参するテントやグリルなどを使用するテント持込みサイトが当初は十区画だったものを、今年の三月には九区画増設をして、十九区画にされたと伺っています。  さらに、昨年の十月より、大高緑地、小幡緑地、牧野ヶ池緑地、あいち健康の森公園、新城総合公園、東三河ふるさと公園を対象にパークPFIを活用した施設整備、運営に係るアイデアを募集した結果、合計十五事業者から運動施設やアウトドア施設、飲食施設などの提案があったと発表をされております。  これまでの取組に加えて、今後も魅力ある公園施設の設置や効果的なサービスの提供など、民間の資金やノウハウを活用した民間活力を積極的に導入していくことが、都市公園の魅力向上や利用促進にとって重要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  県営都市公園における民間活力の導入による魅力向上や利用促進について、どのように進めていくのかお伺いをいたします。  次に、イベントの開催についてお伺いいたします。  本県の県営都市公園では、愛知県が主催するイベントとして、大高緑地のサムライ・ニンジャフェスティバルや、一九八九年度から三十年以上の歴史を持つあいち都市緑化フェア、東三河ふるさと公園のふるさと満喫まつりなどが開催をされています。また、油ヶ淵水辺公園においても、この七月には県主催イベント油ヶ淵の夏が開催され、水辺の公園の特徴を生かし、ウナギの放流などが行われるなど、イベントの内容についても工夫がされていると伺っています。  さらに、民間が主催するイベントとしても、新城総合公園の新城ラリーや、あいち健康の森公園のウエルネスマルシェ、また、東三河ふるさと公園では名鉄ハイキング、JRさわやかウオーキングなどが開催をされ、多くの方がイベントに参加されています。  新城ラリーでは、PRのため、名古屋市の中心部で県庁を出発するラリーカーパレードを行うなど、奥三河地域の魅力発信や地域活性化につながる様々な取組も行われており、都市公園でのイベントが地域の活性化にもつながっていると感じています。  これらのイベントには、新型コロナウイルスの感染拡大等による中止や無観客での開催などもありましたが、今後はポストコロナに向けて感染防止対策をしっかり行った上で、イベントの実施が大いに期待をされているところであります。  私の地元である瀬戸に隣接する愛・地球博記念公園では、大芝生広場や野外ステージなどを活用し、四月開催のヨンフェスなどの音楽イベントやゴールデンウイークを中心に開催される全日本うまいもの祭り、先日の九月二十三日から二十五日も開催をされていましたが、春と秋に開催される全日本ぎょうざ祭りなど、食のイベントをはじめ、十月のトヨタクラシックカー・フェスティバル、十二月の愛知県市町村対抗駅伝など、通常であれば年間を通じて多種多様なイベントが数多く開催され、緑多い公園で楽しい一日を過ごすことができます。  さらに、愛・地球博記念公園では、十一月一日には、待ちに待ったジブリパークの三エリアが開園をし、来年度には残り二エリアが開園を予定しており、チケット販売が八月から開始されるなど、ジブリパーク開園への機運が大変盛り上がっているところであります。  ジブリパークは、国内外から多くの方の来園が見込まれており、愛知の魅力を効果的に発信できる絶好の機会であります。  そこで、ジブリパークの開園と併せ、十一月十一日金曜日からの六週末にわたり開催されるあいち市町村フェアでは、県内を六つのブロックに分け、それぞれ観光、飲食物、特産品、伝統芸能、武将隊などの地域の魅力を発信することが大いに期待をされています。  さらに、あいち市町村フェアのような有意義なイベントを一過性のものではなく、今後も官民が連携して定期的に開催していくことが県営都市公園の魅力向上や利用促進のためにも大変効果的であると考えます。  そこでお伺いをいたします。  県営都市公園におけるイベント開催による魅力向上や利用促進について、今後どのように進めていくのかお伺いをいたします。  続いて、ジブリパーク開園を契機としたリニモ、愛知環状鉄道の利用促進と沿線地域の活性化についてお伺いをしてまいります。  十一月のジブリパーク開園に向け、十月に入ると、オープンに先駆けた内覧会の開催や交通事業者と連携した取組として、藤が丘駅や名古屋駅、セントレアなどの交通アクセスの結節点でのジブリパークをイメージした歓迎装飾の実施や、リニモや愛知環状鉄道におけるジブリパークをイメージしたラッピング車両の運行も予定されていると伺っています。  歓迎装飾の実施やラッピングトレインの運行は、旅行者の方を迎え入れるムードを地域全体で醸成し、おもてなしの雰囲気をつくると同時に、公共交通の利用を促進し、周辺地域における渋滞を緩和する上でも大変重要であります。  二〇〇五年の愛・地球博開催時には主要なアクセスとして役割を担ったリニモと愛知環状鉄道ですが、ジブリパーク開園に当たっても、全国からの来園者の円滑な移動に向け、大きな役割が期待をされています。  改めて申し上げるまでもなく、リニモは愛・地球博の開催に合わせて開業し、藤が丘駅及び八草駅からの観客輸送を担う主要なアクセス手段として利用されました。愛・地球博後も、沿線地域における市街地整備やイオン、イケアなどの大型商業施設の開業、沿線大学の協力によるスクールバスからのリニモへの転換などにより、利用者数が着実に増加し、コロナ前の二〇一九年度の年間利用者数は愛・地球博後最多となる九百二十二万人まで増加するなど、地域における基幹的な公共交通機関として重要な役割を担っております。  ジブリパーク開園後は、ジブリパークへのメインアクセスとして利用者の増加に対応した安全、安定、安心の輸送サービスを提供していくとともに、県や沿線市においては、ジブリパークの開園効果を沿線地域全体で受け止め、広く波及させるための取組が重要になってまいります。  二〇二二年二月に策定されたあいち交通ビジョンでは、ジブリパークを生かした県内周遊観光の促進に係る取組として、リニモ沿線地域観光モデルルートの作成、PR、名古屋東部丘陵地域におけるMaaSの導入に向けた取組の推進など、リニモ利用促進や沿線地域の活性化に資する取組が掲げられており、こうした施策の具体的な進展が大いに期待されるところであります。  このうちMaaSについては、昨年度は十二月から二か月間実証実験が行われましたが、その結果を踏まえ、ジブリパーク開園により多くの来訪者が見込まれるこのエリアを中心に、今月の十五日から来年二月十五日までの五か月間実証実験が実施されています。  主要なサービスである経路検索はもちろんのこと、シェアサイクルのリニモ沿線へのポート設置による周遊観光の充実や愛知環状鉄道、リニモのデジタルチケット販売、あいち市町村フェア、沿線の商業施設を訪問した方を対象としたデジタルクーポンの提供など、利用者の拡大や採算性の向上を図る工夫が随所に見られ、期待できる内容になっていると思います。  さらに、沿線自治体と連携した地域情報も得られると伺っておりますが、現在、私の地元瀬戸市では、ジブリパーク開園に合わせて、来場者を瀬戸市に呼び込むことを目指し、現在は土日祝日に運行されている名鉄の尾張瀬戸駅から愛・地球博記念公園までのバス路線を、火曜日を除く平日に拡大する実証実験を予定しております。  MaaSの実証実験においても、今回の瀬戸市のバス実証運行とも連携が図れるよう、現在瀬戸市と調整をいただいていると伺っております。利用者の利便性の向上につながることであり、感謝を申し上げるところでもあります。  引き続き、沿線自治体と連携を密にした取組を期待しています。  一方で、愛知環状鉄道は、愛・地球博開催時にはJR中央本線からの直通列車、エキスポシャトルを名古屋駅から愛知環状鉄道の万博八草駅まで運行するなど、観客輸送に大きく貢献しました。その後も沿線開発や企業等によるマイカー通勤からの転換、複線化やダイヤの充実といった輸送力の強化などに取り組んだ結果、二〇一九年度の年間利用者数は開業時の四倍となる千八百八十四万人まで増加しております。  ジブリパークの開園効果を県内各地に広く波及する上で、愛知環状鉄道は大きな役割を果たすものと考えております。もちろん、ジブリパークへの輸送手段にとどまらず、環状鉄道の特性を発揮して、県内各地への周遊観光を促進するため、愛知環状鉄道を積極的に利用してもらう取組が重要ではないかと考えます。  このように、リニモ、愛知環状鉄道とも、二〇〇五年の愛・地球博を契機に利用促進や沿線地域の活性化などに取り組んだ結果、利用者数の大幅な増加や地域のさらなる発展につながりました。  しかしながら、現在はコロナ禍を通じて浸透したリモートワーク等の影響により、利用者が元に戻ることは難しく、いかにして観光やレジャー目的の利用を促進することが喫緊の課題となっております。  このジブリパーク開園を絶好の契機と捉え、来園者の安全・安定・安心輸送に努めながら、会社、県、沿線市が連携して利用促進や沿線地域の活性化に積極的に取り組むことが重要であります。  そこでお伺いいたします。  ジブリパーク開園を契機としたリニモや愛知環状鉄道の利用促進や沿線地域の活性化について、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  以上、三項目について質問させていただきました。御清聴ありがとうございました。(拍手) 51: ◯議長(須崎かん君) この際、お諮りいたします。  会議中、時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 52: ◯議長(須崎かん君) 御異議なしと認めます。  よって、時間は延長することに決定いたしました。 53: ◯教育長(飯田靖君) 初めに、併設型中高一貫校の導入に至った経緯についてお答えをいたします。  併設型中高一貫校については、二〇一五年三月に策定をした高等学校将来ビジョンにおいて、研究を進めるとしておりましたが、その後、具体的な進捗はありませんでした。しかしながら、ビジョン策定後、広域通信制高校や私立高校の人気の高まりなどにより、全日制の県立高校の入学時の欠員が徐々に増加をし、昨年度は二千六百人を超え、過去最大となり、また、不登校を経験した生徒や外国人生徒、特別な支援を要する生徒が増加するなど、県立高校を取り巻く状況は大きく変化をいたしました。  こうした状況の変化と今後の少子化の進行に対応するため、昨年十二月に県立高校の魅力化、特色化と再編の方向性を県立高等学校再編将来構想として取りまとめました。  この構想の策定に当たり、各地域の教育関係者と意見交換をする中で、併設型中高一貫教育についても意見を伺ったところ、これからは生徒の探求心に応える深い学びが重要になるので、愛知県でも設置してはどうかとの提案がございました。  このような声を受け、併設型中高一貫校は全国で既に四十一都道府県で設置がされていることもあり、他県の先行事例も踏まえ、この四月から明和高校、津島高校、半田高校、刈谷高校の四校を第一次導入候補校として、その導入可能性について検討に入りました。  その間、他県の中高一貫校も視察をいたしましたが、高校入試の影響を受けることなく六年間というゆとりある時間の中でより深く探求的な学習を行えることが確認できました。また、教育関係者との検討では、併設中学校の教員の確保や地元の小中学校に与える影響などを懸念する意見も出ましたが、議論を深める中、導入について理解を得ることができました。  こうした検討経過を経て、七月二十六日に第一次導入校四校を決定することに至ったものでございます。  次に、第二次導入候補校の学校数と開校時期、その後の方針についてお答えをいたします。  第二次導入候補校については、第一次導入校の決定後初めての検討部会を今月十二日に開催して検討を始めたところでございます。第二次導入候補校は第一次導入校と同様の探求学習を重視したタイプの学校を地域バランスに考慮しながら、三河エリアを中心に数校設置することを考えております。また、地域の様々な教育課題やニーズに対応する中高一貫校も設置をしてまいります。  第二次導入校の開校時期については、地域バランスや準備に必要な期間を考慮し、第一次導入校の一年後となる二〇二六年四月の開校を目指してまいります。  これによりまして、探求学習を重視するタイプの学校は、第二次導入校の追加により、地域バランスが取れることになります。また、地域の様々な教育課題やニーズに対応する中高一貫校のさらなる設置については、どのようなタイプの学校をつくっていくのがよいかを地域の声をお聞きしながら検討を継続してまいります。  最後に、中高一貫校における子供たちの可能性を引き出す環境づくりについてお答えをいたします。  議員お示しのとおり、子供たちが学びを深めていくうちに別の分野へ興味、関心が高まることは十分見込まれます。このため、第一次導入校四校では、これまでのスーパーサイエンスハイスクールや国際探求などの特色を生かしつつ、理系、文系のどちらかに偏るのではなく、これからの時代に求められる文理融合型の知性を身につけるため、幅広く学ぶことができる教育内容を取り入れてまいりたいと考えております。  また、第二次導入候補校を検討するに当たっては、普通科タイプの学校だけではなく、工科高校において中高の六年間でAIやデータサイエンスなどを深く学べるようにするなど、専門学科タイプの学校への導入についても検討をし、子供たちの多様な学びのニーズに応えてまいりたいと考えております。  さらに、入学後は生徒一人一人の学びの状況をしっかりと把握し、それぞれの個性に合った学びができるようにしてまいりますが、生徒の中には併設の高校とは異なる進学先を希望するケースが出てくることが想定されます。その際には、生徒が自分の個性に合った進路変更が可能となるよう、他県の先行事例も参考にしながら、進路変更への対応方法を検討してまいります。 54: ◯都市・交通局長(金田学君) 初めに、県営都市公園における民間活力の導入による魅力向上や利用促進についてお答えいたします。  本県では、多様な機能をもつ都市公園の魅力をさらに向上させ、利用促進を図るため、公園の持つポテンシャルを十分に生かせるよう、民間事業者の資金やノウハウを活用した施設の導入を積極的に進めております。  これまでに、大高緑地のディノアドベンチャー名古屋、新城総合公園のフォレストアドベンチャー・新城、小幡緑地のオバッタベッタの三施設で先行的に民間活力の導入を進めてまいりました。  とりわけ、愛知県の県営都市公園で初めてパークPFIを導入したオバッタベッタでは、キャンプ場に加え、木造、円形で広い内部空間を確保するなど、他の都市公園にはない特徴的なレストランが民間事業者によって整備され、公園のランドマーク的な存在となっております。  また、レストラン内で音楽イベントを開催するなど、運営面でも民間事業者ならではの創意工夫が発揮され、利用者から高い評価をいただいております。  こうした取組は、公園の魅力向上や利用促進に大変効果的であることから、さらに推進していくため、昨年度、六つの県営都市公園及び既に廃止している大高緑地プールの跡地においてアイデアを募集したところ、カフェやバーベキュー施設、スポーツ施設等の提案をいただきました。  これらの提案も踏まえ、現在、募集する施設内容や公募区域について具体化に向けた検討を進めているところであります。  このうち、大高緑地プールの跡地については、来年二月を目途に事業者公募を行い、二〇二三年度には不要なプール槽等の撤去工事を県が行った上で民間事業者が整備に着手し、二〇二四年度には民間活力を導入した魅力的な施設がオープンできるよう取組を進めてまいります。  次に、県営都市公園におけるイベント開催による魅力向上や利用促進についてお答えいたします。  県営都市公園では、音楽、飲食、スポーツ、歴史など、多種多様なイベントが開催され大変なにぎわいを見せており、公園の魅力向上や利用促進にとって非常に重要なものだと考えております。  このため、既存のイベントの継続はもとより、新たなイベント誘致にも公園の指定管理者と協力して積極的に取り組んでおります。  二〇二〇年にはあいち健康の森公園における車の愛好者が集うイベントや油ヶ淵水辺公園における犬の運動会などが新しく民間事業者によって開催され、多くの方に御参加いただきました。  さらに、来月には、あいち健康の森公園とその周辺施設を会場に、バイオリンを中心とした野外音楽イベントが地元の各種団体によって初めて開催されることとなり、多くの来園者に秋の一日を楽しんでいただけるものと期待しております。
     とりわけ、ジブリパークが開園する愛・地球博記念公園においては、その魅力をさらに高め、何度も足を運んでいただけるよう、イベントを継続的に開催していくことが必要であると認識しております。  そこで、県として十一月から十二月のあいち市町村フェアに引き続き、来年三月から四月の中部・北陸フェア(仮称)を開催するとともに、その後も民間事業者や各種団体等による地域の飲食物や特産品の販売などの催しが継続的に行われるよう、現在、民間事業者等との調整を進めております。  今後とも民間活力の導入やイベント開催により、魅力にあふれ、より一層多くの方に愛される県営都市公園となるようにしっかりと取り組んでまいります。  続いて、ジブリパーク開園を契機としたリニモ、愛知環状鉄道の利用促進と沿線地域の活性化への取組についてお答えいたします。  本県では、県内外の多くの方がこの地域を知り、周遊観光に訪れていただけるよう、沿線市と連携した取組を進めております。  まずはリニモや愛知環状鉄道沿線の観光スポットや周遊モデルルートなどを紹介したリーフレットを本年新たに作成し、多くの方に手に取っていただけるよう、県内の駅や観光案内所に備え置きました。  また、九月には首都圏で開催された日本最大級の旅行見本市であるツーリズムEXPOジャパンの愛知県出展ブースにおいてジブリパークのPRエリアを設け、このリーフレットを活用したキャンペーン活動を行ったところです。  今後の取組といたしましては、新たにジブリパーク来園者をターゲットにリニモ及び愛知環状鉄道沿線においてスタンプラリーを開催することとしております。このイベントでは、参加者が楽しんで観光施設をはじめ地域の魅力を感じられる様々なスポットを巡っていただける内容となっております。  また、昨年度より実証実験として開始いたしましたMaaSについても、リニモの利用促進に向けて、経路検索サービスにおいて、新たに愛・地球博記念公園を目的地としたパーク・アンド・ライドができるよう拡充してまいります。  さらに、地域への周遊を促すため、リニモ及び愛知環状鉄道のデジタルチケット、商業施設等のデジタルクーポン、沿線自治体と連携した地域情報などを充実させてまいります。  このような取組を通じて、ジブリパークの開園効果を広く両沿線に波及させることにより、さらなる利用促進や沿線地域の活性化を図ってまいります。 55: ◯知事(大村秀章君) 島倉誠議員の質問のうち、中高一貫校につきまして、私からもお答えをさせていただきます。  二〇一六年九月議会におきまして、島倉議員からこの中高一貫校を導入検討したらどうかという御質問をいただいたということでございますが、その後はしばらく、あまり状況の変化はなかったわけでございますが、先ほど教育長からも答弁をさせていただきましたが、ここのところの高校無償化等々で高校をめぐる状況、特に県立高校をめぐる状況が大きく変化したということがございまして、その中で昨年十二月に県立高等学校再編将来構想をまとめさせていただきましたということでございます。昨年の夏から秋ぐらいで、愛知県中全てのところに御意見をお伺いしてこの計画をまとめたのでございますが、そういう中で、高校、小中学校の教育関係者から御意見を様々にいただきました。  そうした中で、中高一貫校は全国で四十一都道府県において既に設置をされておりまして、愛知県でも導入してはどうかといった御意見がありました。  その後、地域の教育関係者からさらに意見を聞く中で、導入を進めてほしいという意見でまとまったのが明和高校、津島高校、半田高校、刈谷高校ということでありましたので、この四校を第一次導入校として検討を進め、七月に導入を決定し、この九月議会に、中学校用施設の整備費についての補正予算を提出させていただいたということでございます。  この中高一貫教育は、今年度から始まった高校の新学習指導要領の狙いにもある探求的な学びを進めていくためにも大変適したものであると考えております。  この四校のうち、明和高校に併設する中学校には、二十人で一学級の音楽コースを設置いたします。公立の中高一貫校では、この音楽コースは全国初ということになります。また、三百人規模の観客席を備えた音楽ホールも新たに造ります。充実した環境の中で個々の才能を最大限に伸ばし、世界的なアーティストが輩出することを大いに期待いたしております。もちろん、地域の皆様にも御活用いただければというふうに思います。  そして、今後は第一次導入校の準備を進める一方で、地元の声を聞き、地域バランスも考えながら、探求学習を重視する第二次導入校を幾つか追加設置したいと考えております。  また、第二次導入校は探求学習を重視するタイプだけではなくて、地域の教育課題やニーズに対応するため、不登校経験者や外国にルーツのある生徒さんがそれぞれの能力や可能性を伸ばすことができる学校など、愛知らしい中高一貫校をつくってまいりたいと考えております。  地域の皆さんの考えをしっかりとお聞きしながら、子供たちの学びの選択肢を増やすことにより、子供たちがこの愛知に生まれてよかった、学べてよかったと思えるように、地域の皆さんと共に愛知の教育をよりよいものにしていきたいと考えております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 56: ◯四十一番(山田たかお君) 本日はこれをもって散会し、明九月二十九日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 57: ◯議長(須崎かん君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長(須崎かん君) 御異議なしと認めます。  明九月二十九日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...