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平成22年12月定例会(第2号12月 8日)

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  1. 御殿場市議会 2010-12-08
    平成22年12月定例会(第2号12月 8日)


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    平成22年12月定例会(第2号12月 8日)         平成22年御殿場市議会12月定例会会議録(第2号)                         平成22年12月8日(水曜日)     平成22年12月8日午前10時00分 開議  日程第  1 一般質問    1番 山 﨑 春 俊 議 員 (一括質問一括答弁方式)     * 本市における医療体制の実状と課題及び施策について   19番 石 田 英 司 議 員 (一問一答方式)     * 「行政戦略」と「財政戦略」について   17番 和 田 篤 夫 議 員 (一問一答方式)     * 市の防災対策、特に「災害応急対策」について    6番 厚 見 道 代 議 員 (一問一答方式)     * 活力ある まちづくりへ について   12番 勝 又 勝 美 議 員 (一括質問一括答弁方式)     1.高齢者インフルエンザ予防接種について     2.御殿場市営墓地について 本日の会議に付した事件   議事日程に同じ 出席議員(23名)   1番  山 﨑 春 俊 君           2番  勝 亦   功 君
      3番  内 田 敏 雄 君           4番  大 橋 由来夫 君   5番  高 木 理 文 君           6番  厚 見 道 代 君   7番  髙 田 和 美 君           8番  稲 葉 元 也 君   9番  芹 沢 修 治 君          10番  勝間田 博 文 君  11番  菱 川 順 子 君          12番  勝 又 勝 美 君  13番  杉 山 章 夫 君          14番  辻 川 公 子 君  15番  鎌 野 政 之 君          16番  勝 又 嶋 夫 君  17番  和 田 篤 夫 君          18番  佐々木 大 助 君  19番  石 田 英 司 君          20番  斉 藤   誠 君  21番  滝 口 達 也 君          22番  田 代 幸 雄 君  23番  黒 澤 佳壽子 君 欠席議員   な し 説明のため出席した者  市長                  若 林 洋 平 君  副市長                 内 山 知 三 君  副市長                 勝 亦 福太郎 君  教育長                 三 井 米 木 君  企画部長                鈴 木 信 五 君  総務部長                長 田 秀 明 君  健康福祉部長              寺 田 壽賀子 君  生活環境部長              伊 倉 富 一 君  産業水道部長              鈴 木 政 信 君  都市建設部長              杉 山   明 君  危機管理監               長 田 和 弘 君  会計管理者               鎌 野 敏 行 君  教育部長                土 屋 健 治 君  消防長                 鈴 木 平 作 君  総務部次長兼総務課長          杉 山 直 毅 君  秘書広報課長              鈴 木 洋一郎 君 議会事務局職員  事務局長                岸   泰 弘  議事課長                小宮山 公 平  副参事                 渡 邉   睦  主幹                  芹 沢   徹  主事                  池 谷 歩 美 ○議長(滝口達也君)  出席議員が法定数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 ○議長(滝口達也君)  ただいまから、平成22年御殿場市議会12月定例会を再開いたします。 ○議長(滝口達也君)  直ちに本日の会議を開きます。                         午前10時00分 開議 ○議長(滝口達也君)  本日の会議は、お手元に配付してあります日程により運営いたしますので、御了承願います。 ○議長(滝口達也君)  本日、議席に配付済みの資料は、議事日程(第2号)、以上でありますので、御確認ください。 ○議長(滝口達也君)  日程第1 一般質問を行います。  最初に、1番 山崎春俊議員の質問を許します。  1番 山崎春俊議員。 ○1番(山崎春俊君)  それでは、私は一般質問をさせていただきます。それでは、本市における医療体制の実状と課題及び施策についてであります。  まず、項目1.医師不足の実状について。  医療機関の医師不足が問われている中、厚生労働省が全国の病院、分娩を取り扱う診療所施設の1万262施設を対象に調査した「必要医師数実態調査」によれば、全国の医療機関で実際に働いている医師が16万7,000人に対し、2万4,000人が不足しているという調査結果を、この9月に公表いたしました。  本県でも同調査で861人が不足をしているとしています。また、OECD(経済協力開発機構)が5年ほど前に行った調査によれば、日本の医師数は1,000人当たり2人、ユーロ圏やアメリカは3人で、1年間に通院する、これ1人でありますが、回数も日本が12から13回に対し、ユーロ圏やアメリカは4から7回で、日本の約半分としています。  この医師不足は医療現場で働く医師の勤務条件にも大きく影響し、時間外勤務を余義なくされたり、休日も取れないといったハードな勤務実態が明らかにされてきています。10月に入って、本県の県立病院が労働基準監督署から時間外手当未払いなどで是正勧告を受け、さらに、静岡新聞社が県内の県立、公立病院に聞き取り調査を行ったところ、県東部では、沼津市立病院市立伊東市民病院など、少なくとも10病院が過去10年の間に同署より勧告を受けたことがあると答えています。  医師不足は、病院経営にも大きく影を落とし、診療科の縮減、さらには病院の閉鎖などが取りざたされています。ある調査会社、これは民間でありますが、会社によれば、ことし9月には全国の病院、診療所、歯科診療所のうち8件が倒産、上半期の累計も26件で、最悪だった昨年のペースに次ぐものだとしています。  私たち市民もふだんより病院は身近なものとし、多少の待ち時間はあったにしても、いつ行っても診てもらえることから、病院を空気みたいな存在としてとらえ、特に今まで病院に対し危機感というものを抱いている市民は少ないように思います。本市においても、医師不足が現実にあり、仮にも医師不足が加速するようなことになれば、市民の健康や生命は重大な場面に直面することになりかねません。そのためにも本市の医療環境、医療体制がどのような状況にあるのか、しっかり把握しておく必要があります。そこで、以下について質問をいたします。  まず1点目、本市の医師数の実態をどう把握されているか、また、医師不足などの問題は起こっていないのかお伺いしたいと思います。  2点目、平成21年度に市民課が受理した出生届は920件でありましたが、本市の産婦人科医院、出産を取り扱う診療所等の実態はどのような状況にあるのかお伺いしたいと思います。  続きまして、項目2であります。本市の救急医療体制の実態と各医療機関との連携についてであります。  3年前、2007年8月、奈良県で妊婦が複数の医療機関に受け入れを断られ、受診してもらえず、あげくに救急車で搬送中、胎児が死亡するという痛ましい事件が発生したことは、記憶にまだ新しいところであります。  医療機関とすれば、ベッド数が満床、ほかの患者に対応中、医師や看護師などのスタッフがそろわないなどの理由により、断る場合があると言われています。消防庁の実態調査で、2008年に救急車で搬送された重症以上疾病者の3.6%(1万4,732人)、産科・同周期疾病者の4.6%(749人)が医療機関に3回以上断られたと報告をしています。そんなようなことから、次の質問をいたします。  1点目、本市において、重症患者のたらい回しや受け入れを断られたといった事例が実際あるのかどうかお伺いしたいと思います。  2点目、市救急医療センターは、初期救急医療機関として休日・夜間の救急患者の選別や軽症患者の処置などの責務を担ってくれているわけでありますが、二次・三次救急医療機関との連携は大変重要と考えますが、この連携体制はどのようになっているかお伺いしたいと思います。  続きまして、大きな項目の3でありますが、地域医療の今後の方向性についてであります。  今や地域医療機関の維持、継続、発展をさせていくためには、医療機関がみずからの力で経営努力することはもちろんのこと、市民、行政が協働して自己完結型の医療体制を構築していくことが求められています。  本市は、市立、公立病院を持たない自治体として、これまで市内の民間病院や診療所において、その恩恵を享受してまいりました。昨今の医療環境を取り巻く環境は、前述のごとく厳しいものがあり、今では病院の8割までが赤字経営と言われ、耐震化までの余裕がない状況となり、耐震化率も全国平均でやっと56%に達したところだと言われています。  本市の拠点病院となる病院も、耐震化は避けて通れない緊迫した状況にあると認識をしております。私たち市民も、これらの課題に正面から向き合う時期が来ているように思います。特に大災害の発生時には、市の拠点となる病院、救急指定医病院などは、一刻も早く耐震化を進め、市民が将来にわたって、安全で安心して医療サービスが受けられる環境整備を図っていくことが重要であります。そのためにも市財政面からの支援は欠かせないものと判断しております。  市民感情としては、特定の医療機関に対しての財政支援には課題も多いように思いますが、現状をよく説明をし、理解をしてもらうことによって、協力や賛同が得られるものと理解をしております。  このような状況にあって、市としてことし3月、地域医療体制懇話会を設け、医療提供体制のあり方について検討をされてきました。また11月には、市議会全員協議会において当市より医療施設整備助成制度についての具体的な説明もあり、理解をしたところであります。そこで、そのようなことから、質問をさせていただきます。  1点目、市内各医療機関の耐震化はどのような状況にあると認識をされているかお伺いしたいと思います。  2点目、地域医療体制懇話会で出されました意見や提言をどう受けとめられているか、また、医療施設整備助成制度、耐震が入りますけども、今後この制度を施策にどのように反映させていくかお伺いをしたいと思います。  以上であります。 ○議長(滝口達也君)  健康福祉部長。 ○健康福祉部長(寺田壽賀子君)  それでは、大きな1点目医師不足の実状についての御質問の1点目、医師数の実態把握と医師不足の問題点についてお答えいたします。  今日の医療を取り巻く環境は、かつてないほど大きな変化に直面しております。少子・高齢化の進展、疾病構造や国民の意識の変化など、医療提供体制の充実が求められている中、静岡県において、医師の不足や偏在等に起因し、公的病院等での診療科の廃止や救急医療体制の弱体化など、命を守るのに最低限必要な医療の確保が困難な状況となりつつあります。  当市においてもこうした影響はあるものと考えております。そのため、県においても医師確保対策病院勤務医師の負担軽減、定着支援策として医学生に対する奨学金制度の拡充、県立病院への研修医の受け入れ拡大、公立病院への医師派遣等に取り組んでおります。平成22年4月現在、御殿場市の常勤医師数は89人であり、内訳は病院が47人、診療所39人、介護老人施設3人となっております。このほかに病院の非常勤の医師は、常勤換算いたしますと76.7人おります。  医師不足に関しましては、議員御案内のとおり、当市だけではなく、全国的な問題として認識をしているところです。要因の一つに、平成16年から開始した臨床研修医制度で、初期研修医みずから研修場所の選択ができ、その結果、都市部の限られたエリアと集中する状態となり、大学医局のコントロールができなくなったためと言われております。  市内各医療施設に伺ったところでは、それぞれの民間病院独自での御尽力により、診療科目の廃止までには至っておりませんが、小児科と産科は確実に不足しているのが現状です。今までは民間病院の御努力や工夫によって医師の確保をしていただいておりましたが、今後は市も積極的にかかわっていく必要があります。具体的には、市医師会と力を合わせ医師の招聘を図ることや、県市長会・全国市長会を通じて国へ臨床研修医制度の見直しや地域偏在解消の方策など、さらなる要望をしてまいりたいと考えております。  また、当市の限られた医療資源を有効に活用するために、市内にある病院の役割分担を明確にして、総合病院的な役割を果たすような体制を整え、連携を図っていくことも重要であると考えております。  2点目の本市の産婦人科医院、出産を取り扱う診療所等の実態についてお答えいたします。  市内には産婦人科診療が1施設、婦人科診療が3施設ございます。携わる医師の高齢化は否めなく、しかも産科は24時間の臨戦態勢と訴訟リスクが高いという非常に難しい課題を抱えており、医師不足に拍車をかけ、増加は見込めない状況にあります。また、大学医局の医師引き上げ等により分娩を中止する病院が出るなど、県内の分娩を取り扱う病院、診療所は、平成7年の141カ所から平成20年には103カ所に減少しております。市内唯一の分娩に携わる駿東共立産婦人科医院のデータでは、1カ月平均40件の分娩があり、そのうち市民は30件前後、市外は10件未満となっており、市外のうち里帰り出産の県外が6から7件を占めております。したがって、約半数の方が市内で分娩できないということを踏まえ、市医師会とさらなる連携をとり、問題解決を図ってまいりたいと考えております。  大きな2点目の本市の救急医療体制の実態と各医療機関との連携についての1点目、重症患者のたらい回し等についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、産科、救急医療機関の閉鎖、縮小が社会問題となり、患者のたらい回しなどの、報道がなされました。当市の状況は、救急医療センターの場合ですと、必ず医師の診察後、より専門的な診療が必要であるとか、さらなる精密検査や入院加療などの必要がある場合には、二次救急病院へ搬送をしているものです。この場合でも医師の指示のもと、受け入れ先には必ず連絡をとり、満床や手術中のときもございますので、その場合には別の受け入れ先をセンターで確保しております。平日の夜10時以降は、小児科医師が不在となりますので、内科医師にカバーをしていただいておりますが、最近は専門医の診察を望まれる患者が多く、センターから当番施設に連絡をとり、受け入れの打診をしておりますので、いわゆるたらい回しは生じていないと認識しております。  市民の皆様には、まず、かかりつけ医をお持ちいただくことと、定期的な健康診査を受けることが大切であることを認識していただきたいと考えます。その中でも特に妊産婦のように定期的な検診が必要な方は、緊急時にかかりつけ医などのデータが役立ち受け入れがスムーズにいくものと考えております。  2点目の二次・三次医療機関との連携についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、大変重要な事項であると理解しております。県では主に軽症患者の外来医療を担う初期救急医療から入院が必要な重病患者に対する二次救急医療、多発外傷等の重篤患者を受け持つ三次救急医療まで段階を追った救急医療体制の計画的かつ体系的な整備を推進しております。市救急医療センターの診療科目は、内科、小児科、外科ですが、初期治療を施し、入院加療の必要を認める患者等は、二次救急医療機関へ速やかに搬送しております。搬送先は市内7カ所の医療機関に輪番制を組んでいただき、センター開業時間内の受け入れをお願いしております。  また、当センターでは、毎日の業務に入る前に、当番に当たった医療機関へ、空きベッド数の確認を兼ねて、本日の当番であることを必ず確認しており、万が一受け入れができないときは、当番施設で別の医療機関の確保をしておくシステムになっております。  重篤な患者等につきましては、三次医療機関である順天堂大学医学部附属静岡病院沼津市立病院県立こども病院などへ搬送をしております。最近では、緊急患者の増加、初期救急医療体制の縮小等により、二次・三次救急医療機関の負担が増加しております。ここでも医師不足や病床規模の縮小、一部診療科の休止等による影響が生じつつあります。自己都合による軽症患者の安易な時間外受診、いわゆるコンビニ受診や救急車のタクシーがわりの利用により、救急医療機関の負担も増加していることも事実であり、救急医療機関の円滑な運営のためには、市民の皆様の症状に応じた適切な受診行動も必要であると考えております。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  企画部長。 ○企画部長(鈴木信五君)  それでは、大きな3項目めの地域医療の今後の方向性について、2点の御質問をいただきましたので、順次お答えします。  まず、1点目の市内の医療機関の耐震化の状況とその認識についてお答えします。  御殿場市内の医療機関のうち、病院につきましては、静岡県地域医療課において、耐震状況に関するアンケート調査を実施しております。本市では、7病院についてアンケート調査が実施され、その結果、耐震基準を満たしている病院が5カ所、一部耐震基準を満たしていない病院が2カ所でありました。また、医院等の診療所につきましては、市内に86カ所ありますが、県も市も耐震調査を実施しておりませんので、把握できていないのが現状であります。
     国では、全国の病院や診療所等を対象に、耐震強度の調査を実施し、調査結果をまとめた上で、耐震工事の支援策を検討すると聞いておりますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。  また、御殿場市では、一般的に耐震性が劣ると言われている昭和56年以前に建築された木造住宅を対象に、耐震診断の実施や状況に応じた耐震化工事の促進に努めております。この事業を通じて、診療所につきましても耐震化のための啓発活動を引き続き行ってまいります。  続きまして、2番目の地域医療体制懇話会医療施設整備助成制度につきましてお答えします。  地域医療体制懇話会は、市民の皆さんがいつでも安心して、必要な医療サービスを受けられるための医療提供体制のあり方について、市民の皆さんの意見を広く聞き、市として必要な施策を講じるために設置したものであります。現在、特に課題となっておりますのは、市の防災計画上、救護病院として位置づけられています民間病院の耐震強度が不足しており、大規模地震発生時に倒壊するおそれがあるということであります。懇話会におきましては、地域医療に対する国、県及び市の責務について意見をいただき、特に市の民間病院への公的支援につきましては、活発な御議論をいただきました。御議論を通じて、市立病院等の公的病院が整備されていない御殿場市においては、民間病院が地域の医療に大きな役割を担っているのが現状である。したがって、地域医療を守るためには、民間病院であっても民間病院が医療を継続するために実施する耐震化事業に対して、事業費の一部を補助することは必要な支援であるという意見の方向性が懇話会で示されたものでございます。  市民だれもが住みなれた地域で、いつでも安心して医療サービスを受けられることを望んでおり、そのための医療提供体制の確保に努めることは市の責務であります。大規模地震への対応が叫ばれている中で、公的な病院が未整備な御殿場市におきましては、この責務を果たすためには、耐震性に劣る民間医療機関が大規模地震発生時においても、市民の命を守る医療が継続できるよう、耐震整備を促進する必要があると認識したところであります。  このことから、懇話会で出されました意見や医療の実態を調査・検討した結果、特に大規模地震発生時における御殿場市の地域医療を守るためには、医療機関が実施する耐震整備事業に対する助成が必要と判断し、医療施設整備助成制度の創設を検討したものであります。  助成制度を検討するに当たりましては、医療を受ける人の利益の保護などを定めた医療法に、国及び地方公共団体の責務として、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならないという規定がありますこと、また、県におきましても、二次救急病院の重要性を認識した上で、耐震整備事業に対する助成の必要性、公益性を認め、制度化しておりますことを踏まえつつ、さらに市民の皆さんの御意見を広くお聞きするために、地域医療体制懇話会で出されました意見を、広報紙や市のホームページに掲載するとともに、各地区の区長会などで説明させていただいた上で、制度化したものであります。  市が実施しております類似の助成制度としましては、社会福祉法人が運営する保育園、障害者福祉施設の新増築などや学校法人が実施する学校の耐震整備事業に対しまして、補助金を交付しているところでございます。  市の防災計画で救護病院に位置づけられております医療機関の耐震化が実施されることにより、市民の皆さんがいつでも安心して必要な医療サービスを受けるための医療供給体制の整備を図ることができ、このことは総合計画の基本目標であります、健康で安全・安心な生活を築くための政策であります医療の充実につながるものと考えております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  1番 山崎春俊議員。 ○1番(山崎春俊君)  御答弁ありがとうございました。それでは、1点、再質問をさせていただきます。  項目の3の②でありますけれども、公立病院を設置していない本市におきまして、今回設置する医療設備助成制度により、補助対象病院に対しまして、どのような期待をお持ちになっているか、その辺をお聞きしたいと思います。 ○議長(滝口達也君)  企画部長。 ○企画部長(鈴木信五君)  それでは、再質問にお答えします。  現在、御殿場市におきましては、3か年実施計画において、防災対策事業を緊急事業として位置づけ、小・中学校、幼稚園、保育園などの公共施設の耐震対策を優先的に実施しております。しかしながら、医療機関につきましては、市立病院を設置していないことなどから、この部門での耐震対策につきましては、行政として積極的な対応がとれなかったことが実情であります。  市内の民間病院が、今回制度化しました医療施設整備助成制度により、病院の耐震化整備はもとより、耐震化整備を契機として、あわせて重症患者の救命率を高めるICU、CCUといった高度な医療設備を整えることになれば、休日・夜間の二次救急を初め、大規模災害時においても救護病院としての機能がさらに向上し、市民の皆さんの安心度がより高まるものと考えております。  今回、富士病院が計画している整備につきましては、耐震化のほかに補助対象以外の事業として、重症患者に対応する本格的なICUやCCU等の導入が計画されておりますことから、それらについても評価しているところであります。  また、富士病院におきましては、御殿場市救急医療センターの一次救急の代行を初め、内科、外科、小児科の3科の二次救急、さらに循環器救急を担っていただいております。こうした救急医療は、医療スタッフに係る経費が診療報酬収入を上回る、いわゆる不採算部門でありますが、富士病院におきましては、不採算部門であっても地域に必要な医療であれば、病院の地域における使命と考え、医療を継続していくと聞いております。今回の整備により、耐震化が図られることとなりますことから、大規模災害が発生しても機能を果たすことができるようになり、市民の安心度が高まるものと考えております。  ちなみに、御殿場市が市立病院を設置した場合には、一次救急、二次救急とも当然のことながら市立病院が実施することとなります。しかしながら、市立病院を運営するためには、赤字補てんとして一般的に人口1万人に対して年額1億円の負担が必要と言われておりますので、本市の場合には単純に計算しても毎年10億円以上の赤字補てんが必要となり、大きな財政負担となります。  また、公立病院の中には、医師不足から病棟の閉鎖を余義なくされ、本来の目的を達成できない病院が発生していることなどを考えますと、本市におきましては市民の皆さんが住みなれた地域で特別なケースを除き、必要な医療サービスを受けられる現状を、今後も維持していくことは、市の責務と認識しております。  市としましては、今後も市民がいつでも安心して必要な医療サービスが受けられるよう、医療機関に対しまして必要な支援策を検討し、地域医療の確保に努めていきたいと考えております。  以上でございます。  (「以上で終わります。」と山﨑春俊君) ○議長(滝口達也君)  以上で、1番 山﨑春俊議員の質問は終了いたしました。  次に、19番 石田英司議員の質問を許します。  19番 石田英司議員。 ○19番(石田英司君)  私は、「行政戦略」と「財政戦略」について一般質問を行います。  私は最近、よく言われることがあります。御殿場市は市民税が高いな、市は財政が毎年厳しい厳しいと言っているけど、市の事業は毎年同じじゃないか、名古屋市とまでは言わないけども、何か必要なんじゃないか、厳しい財政なのに地元業者を元気づける施策を展開することはいいことだ、実に多様な意見を私は伺います。確かに御殿場市のこれからの財政事情は非常に厳しいと認識をしております。市は、この財政事情を市民に説明はしているんですけども、市民に一体どこまで正確に理解されているのか考えてしまうというのが現実でございます。御殿場市の行政戦略と財政戦略が市民に見えていない、正しく理解されていないのではないのかな、こういうふうに思います。これが今回の質問の主な背景でございます。  加えて、現在、政府ではひもつき補助金を地方自治体が自由に使えるように一括交付金について、平成23年から2カ年で1兆数千億円を実現する方針を固めたことが報道されています。補助金の一括交付金化、すなわち一般財源化が進むことになりますし、少なくともこうした方向に向かっていくことは間違いありません。  地方分権が進む中で、地方自治体がそれぞれの地域の実情に応じて地域振興や地域活性化を初め将来に向けたまちづくりのために、真に必要な事業をみずから考え、積極的に実施していくことは、市民の幸せにつながることとなるものと思っております。いわゆる健全な財政を保ちながら、市民の税金を効率的に使っていく行政運営の責務が問われます。行政と財政をどのように運営していくのか、行財政運営の重要性が今まで以上に増していると考えております。  この厳しい財政事情の中では、じゃあ、一体どうするのか。まず、家庭でも企業でも節約というふうになるのが大多数ではないかなと思います。地方自治体も同じように単に節約に向かうということは、私は悪循環を招くおそれがあると思っております。一方で市民が望まない施設は、地方債の償還や維持管理に係る経費を考慮してもつくるべきではないということは言うまでもございません。逆に、地方債残高が少ない、財政の指標がいい、こういったことはイコール市民の幸せではありません。公共施設の更新、改修といった「市民の心を豊かにする」を達成する上で必要な施設というのは、必要に応じて投資を行っていかなければ、この負担は必ず将来の世代に回ってくるもんだと思っております。だからこそ、私は今のこの不況下だからこそ、行政戦略、財政戦略をしっかり確立をさせ、市民に明確に示すことが大事ではないかと思っております。  平成23年の予算編成方針において、平成22年度からスタートした御殿場型NPMの基本理念である行政を経営するという姿勢のもと、さらに行財政改革に取り組み、高度化、多様化する市民ニーズに対応するというふうに平成23年度の予算方針では述べられております。  また、市長が施政方針の中で基本姿勢としていますこの御殿場型NPMを目指す中での行政戦略について、まず、今回、順次、以下、質問をいたします。  平成23年から25年の3か年実施計画には、事業の指標と目標値が設定をされました。今後、3か年実施計画の策定事業の実施、評価、改善というシステムを確立していく中で、指標設定のルール及び市の事業展開の明確なルールづくりが必要だと考えますけども、市の見解と姿勢についてお伺いをいたします。  2点目です。第3次御殿場市総合計画を策定をしておりますけども、御殿場市を含め多くの自治体では、総花的になっているかなと感じます。行政サービスは継続という視点が多いためかもしれませんけども、当市が目指す行政経営の視点から使える総合計画ではない感がいたします。3か年実施計画の上位計画である後期基本計画は、行政経営の観点から、政策・目的の議論を充実させる必要性を感じます。政策評価の確立などの手法も考えられますけども、政策・目的の議論を充実させることについて、市の見解をお伺いいたします。  続きまして3点目です。行政サービスを提供する上で欠くことができないのは、やはり職員の質です。市は、新しい人事評価制度の試行を行い、新しい目標管理制度を導入する予定です。3か年実施計画で策定しているのは事業指標の目標であり、一方、人事評価制度では職員の個人目標となります。行政経営の観点から、事業評価と人事評価をうまく一体化させる行政戦略は非常に重要と考えます。今後の取り組みについて市の見解をお伺いいたします。  4点目です。事業展開のシステムの標準化や業績測定指標とこの人事評価制度の一体化、さらに基本計画や基本構想の見直しでは、その時々で変更するのではなく、市民に見える形で確立することが大切と考えます。その方法の一つとして、自治基本条例を制定して、これらの仕組みを制度として確立する時期に御殿場市も来ていると考えます。市の見解をお伺いいたします。  次に、財政戦略の視点から、以下お伺いいたします。  経常収支比率が84%超え、また実質公債費比率が14%を超えるなど、財政指標の急激な悪化が今予想をされています。行政経営の面から、また財政経営の面からもまさに大問題です。財政見通しでは、新東名高速道路関連の事業費などを見込んだとなっておりますけども、3か年実施計画からもわかりますように、財源不足緊急対応分を起債を相当額計画しております。市は財政の健全化の指標基準を緩めて、財政の弾力的運用を図っているように私には見えますが、これは財政健全化に対応した財政戦略が揺れ動いているように感じます。市の見解をお伺いいたします。  次に、御殿場型NPMの体系図でもととなる当市が策定をしています財政計画について、公共施設の更新など、大規模の整備計画や起債計画をはじめとする健全化計画など、従来以上に、より詳細な内容を織り込んで財政戦略を立て、活用する必要があると思いますけども、財政計画の骨子を含め、市の考え方をお伺いをいたします。  冒頭で申し上げましたけども、市の提供する行政サービスが必ずしも納税者一人一人に見えている形で反映していないと感じている市民が多いというのも事実です。納税者への感謝の気持ちを財政戦略に生かすという必要があると考えますけども、例えば市民納税満足度なる指標を設けてはいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。  財政戦略の4点目です。市は「財源の確保に努める。」と実施計画や財政見通しでは常に述べております。地域主権が進む中で自治体が勝ち抜いていくために、自主財源を確保していくことはとても重要です。自主財源確保には、今やるべきことと将来を見据えて投資をしていく方法があります。なかなか具体的な財政戦略が見えてきませんけども、市の見解をお伺いいたします。  財政戦略の最後の質問です。現在の公会計上は、備品、土地、建物といった資産額が明確に示されていません。御殿場型NPMの行動計画にもありますけども、行政経営というのであれば、やはりこの公会計改革に取り組む中で、こうした公有財産台帳を整備して、市民に公表し、さらに更新計画や売却計画などを含めた財産管理を財政戦略の一つとして確立する必要があると思いますけども、市の見解をお伺いいたします。  以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(滝口達也君)  企画部長。 ○企画部長(鈴木信五君)  それでは、1項目めの御殿場型NPMを目指す中での行政戦略につきまして、4点の御質問をいただきましたので、順次お答えします。  まず、1点目の指標設定のルール及び事業展開のルールについての御質問ですが、3か年実施計画の策定から事業の実施、評価、改善といういわゆるPDCAサイクルを機能させるためには、指標を設定する上でのルールと事業展開のルールを作成することが不可欠であり、また、事業展開の中で指標を活用し、連携させていくことが重要であると考えております。  御殿場型NPMの中では、PDCAサイクルが有効に機能する事業展開を図るため、3か年実施計画の策定過程に事業の目的や達成ぐあいを確認する業績測定指標と目標値を設定するという工程を新たに加えました。当然のことながら、この指標は事業の目的達成につながる指標であることが必要であり、また、達成度合いをはかりやすく、わかりやすいものとするために、できる限り数値での設定を基本としましたが、どうしても数値であらわすことが難しいものにつきましては、言葉で表現した指標も一部あります。  指標の設定に当たっては、まず、事業担当部署が設定し、それを企画部門でチェックし、さらに専門家や市民の目でさらに検証していただくことで、客観性や妥当性の確保に努めました。この指標設定に当たってのルールとしては、第1に、事業の目的達成につながる指標であること、次に、できる限り数値指標とすること、最後に、外部の目で検証し、客観性や妥当性を確保することを指標設定のルールとしました。  次に、事業展開につきましては、昨年度に策定しました御殿場型NPM体系図により、それぞれの作業の位置づけを明確にした上で、先ほど申し上げました指標と目標値を設定することで、PDCAサイクルを機能させることとしております。  具体的には、各事業担当部署において、設定した指標や目標値を3か年実施計画や予算要求をする際の根拠の一つとすること。また、事業を査定する部署においては、それを判断材料とすることをルールとし、計画策定から予算編成、事業実施までが一体となった事業展開を図ってまいりたいと考えております。  このようなルール、仕組みにより事業が展開していけば、庁内のコミュニケーションが円滑化し、連携が強化するとともに、指標や目標値を市民に公表することで、目的達成に対する意識を強く持ち、前向きに事業を計画的に進めなければならなくなりますことから、職員の意識改革にもつながるものと考えております。こうした事業展開が最終的には御殿型NPMが目指すところの市民サービス、市民満足度の向上につながるものと考えております。  次に、2点目の政策・目的の議論を充実させることについての御質問にお答えします。  御殿場市の総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画から構成されています。基本構想は、将来都市像実現に向けた基本目標を定めたものであり、その目標達成のために基本計画を定め、さらに実施計画により事業を効率的に実施しております。  市では現在、御殿場型NPMの構築に向けて、行動計画に掲げた各実施項目の推進に取り組んでおりまして、この中でまず、総合計画の3か年実施計画に位置づけられました事業に焦点を絞り、先ほど答弁しました業績測定指標等の設定によって事業展開の効率化、システム化を図っていくことを重点に置いて進めております。  このような状況のもと、現段階ではまだまだ政策レベルでの評価や検証は十分とは言えない状況にありますが、昨年度から2年連続して実施した緊急事業仕分けでは、今後の市道整備の方針などについては、もう一段上での施策レベルでの評価や検証も実施し、一定の成果を得ているところであります。市としても、基本計画の政策や目的の議論の充実を図ることは重要であり、今後の政策評価の導入を含めて検討していく必要がある課題と認識しております。  御殿場型NPMの第1段階としては、まず、事業のPDCAサイクルを確立し、その次の段階で政策や施策の評価につきまして後期基本計画に設定しております政策評価指標や目標値をもとにした政策評価を実施してまいりたいと考えております。  次に、3点目の事業評価と人事評価の一体化に関する御質問にお答えします。  行政サービスの充実を図っていくためには、その担い手となる職員の資質の向上は不可欠なものであります。職員の意識改革、マネジメント能力の向上は、御殿場型NPMの中においても、その基盤をなすものであり、そのための一つのツールとして目標管理制度による新たな人事評価制度を来年度から試行という形で導入することとしました。  導入する人事評価制度は、職員一人一人の業務における個人目標のPDCAサイクルの管理を行うものであり、一方、3か年実施計画に設定する業績測定指標は、事業目標のPDCAサイクルの管理を行うものであります。  事業は、職員一人一人の業務の積み重ねによって実現されるものであります。したがいまして、個人目標の達成が事業目標の達成に結果としてつながらないものになってしまうと、非常に効率の悪い事業になってしまうおそれがありますので、目標の設定に際しましては、個人の目標と事業の目標の方向性などについては、十分留意して設定する必要があると認識しております。  いずれにしましても、導入する人事評価制度は、査定としての制度ではなく、職員の資質向上を図ることがねらいで、将来的には人事異動等への活用を図っていくことを予定しております。3か年実施計画の業績測定指標による事業評価と人事評価を効果的に機能させ、連携させることは、戦略性の高い行政経営の実現につながるものと考えております。  次に、4点目の自治基本条例に関する御質問にお答えします。  自治基本条例は、北海道のニセコ町が最初に制定した後、全国的に制定する自治体が広まっております。自治基本条例に規定する内容としましては、まちづくりの理念のほか、先進自治体では総合計画の策定、予算編成、行政評価のシステムなどについても規定しております。  自治基本条例を制定し、こうしたシステムを規定すれば、制度として確立され、その実行が担保されることになります。しかしながら、このシステムが有効に、効率的に機能するためには、当然のことながら職員の意識改革やマネジメント能力の向上、さらにまちづくりに対する市民意識の醸成などが不可欠であります。この職員の資質向上、市民意識の醸成につきましては、御殿場型NPMの中でも取り上げておりまして、それを基盤とした御殿場型NPM体系も整理しております。したがいまして、まず、行政改革大綱及び行動計画に基づいた御殿場型NPMを構築し、形を整備し、システム化された後に自治基本条例の制定について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  総務部長。 ○総務部長(長田秀明君)  それでは、私のほうからは財政戦略の関係、5つの御質問がございましたので、順次、お答えをさせていただきます。  まず、財政戦略の1点目の財政戦略が揺れ動いている感があるとの御質問ですが、世界同時不況の影響を受けて、市税の急激な落ち込みにより、昨年5月に、今後、3か年の財政見通しを作成したところ、投資的経費が捻出できずに、経常経費だけでも財源が不足することが判明いたしました。そこで、小・中学校の耐震化事業など、市民の命を守る事業や、交流センターや都市計画道路など、現在進行中の完成して初めて市民サービスを提供できる事業など、今、やらなければならない事業を優先して実施しております。これらは起債を活用して投資的経費を捻出したところでございます。  この結果として、経常収支比率や公債費比率が増大し、警戒ラインとして当市の目標としていた財政指標を将来一時的に上回ることが予想されるところとなりましたが、減収となる市税相当額は、アウトソーシングなどにより事業費や人件費の削減を図り、投資的経費の不足する額は、国・県の補助金を確保し、さらに不足する分は基金を取り崩し、市債を充て、この緊急事態を乗り越えなければならないと考えております。これはあくまで100年に1度と言われる経済悪化に対する財政措置であり、人の命を守ること、市民の生活を守るという点においては、何ら揺れ動いているものではなく、この政策に対する財政措置は最優先すべきものと考えております。  次に、2点目のより詳細な財政戦略との御質問でございますが、かつて経験したことがない市税の減収の中、議員御指摘のとおり、詳細な内容を盛り込んで財政戦略を立て、活用する必要があり、先の全協でも財政見通しを説明させていただきましたが、これをもとに現在、中期財政計画を策定中であります。この計画の推計は、1人当たりの決算額をもとに、人口の推移により、今後20年間を見込んだもので、歳出につきましては、総人口を中心に高齢者の人口、15歳未満の人口の推移をもとに、将来、増加の著しい扶助費の推計を行い、人件費については、総人口に対する職員数を見込んでおります。歳入につきましては、市税は名目経済成長率を基準とし、分担金、負担金、使用料、国県支出金、財産収入なども見込み、ほぼ歳入予算に近い形の推計とし、市債につきましては平成25年度以降、20億円の想定でございます。  これらの算出方法により、将来の財政見通しにより精度の高いものができるため、今後の投資可能額の把握や不測の事態に備えての財政調整基金等の積立額の計画がさらに可能になると考えております。  次に、3点目の市民納税満足度なる指標を設けてはどうかとの御質問でございますが、市政を運営するに当たり、市民生活の実態を把握することは基本であり、経済の低迷、雇用環境などが悪化する中、市民からお預かりしている税金を有効に使うよう予算を編成し、市民福祉の向上に努めてまいりました。  予算に対するさまざまな議論は、限られた収入をいかに公平、効果的に配分することではないかと思います。当市も生活保護世帯や高齢者のひとり暮らしの増加、少子化対策など、扶助費が増大しているところですが、限られた財源の中で、市民サービスの低下を来さないよう、優先順位をつけ事業の選択をしてまいりました。市としては、財政状況の厳しい中、市民の皆様の御意見に真摯に耳を傾け、皆様に丁寧な説明を心がけていかなければならないと思っております。そういった説明を含め、市民の視点で考える心を職員全員が持つことで、サービスの心が生まれ、言葉遣いや身だしなみに注意し、お待たせせずに笑顔、あいさつを忘れない、市民の苦情に対しては誠意を持って対処する等、納税者が満足いただけるよう、現在、職員の資質向上に努めているところでございます。  これらに対する市民の皆様の御意見につきましては、定期的に行っている市民意識調査の中で御意見をいただいてまいりましたが、本年度につきましては、来年1月に市民満足度調査を実施する予定でございまして、これらの結果を今後の行財政運営に反映させてまいります。  次に、4点目の財源の確保に努めるための財政戦略についての御質問ですが、行政改革の面では、税の徴収体制を強化すべく、市税の徴収員を増員し、国保税の徴収をあわせて行うことで、徴収事務の効率化を上げるほか、コンビニ収納を実施し、納税機会の拡充を進めております。  また、静岡地方税滞納整理機構の活用や、今年度は税の滞納者に対する差し押さえ物件のインターネット公売の実施を行っております。そのほかとして、国・県の補助金や各財産区の御理解を得ながら、小・中学校の耐震化や道路整備を進める財源を確保しているところでございます。  政策面におきましては、企業誘致を推進し、雇用、税収をもって自主財源の確保に努めるとともに、経済対策としては、住宅建設、改築の補助制度を進めております。また、富士山という最大な観光資源を活用し、産業の活性化を図ることで、税収を確保していきたいと考えております。  最後に、5点目の質問についてお答えをします。  公有資産台帳の整備につきましては、公会計改革の中でも重要な事項であると認識しております。公有資産台帳に記載する情報の精度を高めることによって、今後の市所有建物の更新計画など、財政計画へより詳細に盛り込むことができることから、台帳の段階的な整備を進めており、現在は売却可能資産情報の把握と整理を行っております。今後、多少時間がかかると思いますが、個別の普通財産や行政財産などへの順次整備の範囲を広げていく予定です。  また、財政戦略の一環となる財産管理、主に建物の減価償却による資産価値変動のより詳細な情報や売却計画など、市民への公表も視野に入れた台帳整備を今後も進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  19番 石田英司議員。 ○19番(石田英司君)  御答弁ありがとうございました。「行政戦略」と「財政戦略」について、1問1答方式で再質問をさせていただきます。  戦略ということで質問しました。当然、戦略というのは、十人十色、正解というのは私もないと思っております。今の市の戦略をこうしてオープンにしていただくことがまず大事ではないのかなと思います。おおむね了解なんですけども、気になる点について幾つか確認をさせていただきます。  順不同になりますけども、まず、自治基本条例の考え方なんですけども、この自治基本条例につきましては、これだけで一般質問十分できますので、御殿場型NPMの構築後ということが、それも一つの戦略でございますので、この場ではこの質問については了とさせていただきます。  まず、行政戦略に関する質問のまず2点目、政策・目的の議論を充実させる点についてであります。事業のPDCAを確立して、その次の段階で政策は施策について検討していくよと、また事業の緊急事業仕分けを実施したという点では、評価をさせていただきます。一方で、現在の後期基本計画策定の中に、策定時に、まちづくりの課題とされた事項がございます。その中に今まで以上に効率的な行政サービスの提供という点がございます。急激に変化している社会のこの潮流に対応していくためには、政策・目的の議論を充実させる点も、先ほど来出てきますPDCAのプラン・ドゥー・チェック・アクションのこの確立についても、さらにスピードアップをさせていく必要があると考えます。当局の見解をお伺いいたします。
    ○議長(滝口達也君)  企画部長。 ○企画部長(鈴木信五君)  それでは、お答えさせていただきます。  現在、市では御殿場型NPMの構築に向けて、今年度からスタートした行動計画に基づき、段階を踏みながら計画的に進めているところであります。御殿場型NPMの各項目が連携して、全体として機能し始めるのは、平成24年度を予定しておりますが、当然のことながら、できることはすぐに実施するという姿勢で、部分的ではありますが、既に実施している項目もあります。  例えば先ほど申し上げました3か年実施計画への指標、目標値の設定、職員の意識改革やマネジメント能力の向上への取り組みとして、マナー向上計画の策定と実施、また、経営感覚を磨くための職員研修の実施など、本格的に実施している項目もございます。さらに、事業仕分けや人事評価制度を初めとして、行動計画に掲げたすべての推進項目について、本格実施に向けて現在、制度設計等を行っております。  こうした取り組みを進める中で、制度化した政策評価は、たとえ先になったとしても政策や目的の議論を充実させたり、政策や目的の評価や点検などは随時実施していくべきものと考えております。  今後も行動計画に基づき、全庁挙げて推進項目の実施に取り組んでいくこととなりますが、まず、御殿場型NPMの構築に努めていくことが、御指摘いただきました政策・目的の議論の充実やPDCAサイクルの確立のスピードアップにつながっていくものであると考えております。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  19番 石田英司議員。 ○19番(石田英司君)  ありがとうございました。行政戦略については了解をして終わりにさせていただきます。  次に、財政戦略について、先ほど5点質問しましたけども、関連がありますので、その中から再質問をまとめた形でさせていただきます。  今、行政戦略の中で質問しましたけども、この御殿場型NPMの体系図の中で、戦略的な事業展開として、まず、財政計画が出発点となっています。この3か年実施計画を中心にPDCAサイクルを機能させる体制になっているんですけども、やはりこの一番大切なことは、財政計画と3か年実施計画の連携だと思います。単にこの投資可能額をはじき出すための財政計画では、戦略的な事業展開にはなってこないではないのかなと考えます。今、新しい財政計画を策定中と思いますけども、この財政計画を3か年実施計画へ受け渡していく中で、どういった点をポイントにして、新しい観点でとらえて策定をしているのか、お伺いをいたします。 ○議長(滝口達也君)  総務部長。 ○総務部長(長田秀明君)  財政計画における3か年実施計画の考え方でございますが、健全な財政運営があって初めて予算化できるものであり、その内容は後期基本計画に基づき、市の主要事業の展開を図っていくものであります。こういった位置づけの中、財政計画は投資的計画、投資的経費を算出するものではなく、健全財政を長期にわたり維持するためのものと考えております。  そこで、現在策定中の財政計画では、必要な事業は実施することとして位置づけ、今まで財政調整基金は標準財政規模の10%程度とし、繰越金と合わせて25億円程度を目標としておりました。今回の世界同時不況による余裕資金の不足により、起債に頼らざるを得ないような状況は避けるべきであり、今後の市税の低迷を考えますと、財政調整基金と繰越金を合わせて標準財政規模の20%、35億円程度を目標として計画を立てていきたいと考えております。  起債につきましては、20億円を限度とすることで、世代間の公平性を保ち、財政の弾力性を失わない程度に公債費を抑えることが必要です。これを踏まえて、決算の黒字を保ちつつ、普通建設に係る経費を設定することが大切であると考えており、作成する財政計画のうち普通建設費用の一般財源に相当する部分が3か年実施計画に引き渡す額の位置づけとなります。  以上、答弁といたします。 ○議長(滝口達也君)  19番 石田英司議員。 ○19番(石田英司君)  ありがとうございます。財政戦略について、再度質問いたします。  今のお話を聞いてもわかるように、私ども議員も、私なんかもそうなんですけども、あれをつくってください、こんな政策入れてくださいと言ったときに、やはりついつい厳しい財政と言いながらも、要望してしまうということもあるので、当局の皆さんも大変かなとは思いますが、こういう中で、やはり厳しい経済状況というのは、実は市民も同じですよね。企業の場合ですと、やはり1円を下げる非常に努力をします。先ほどの財政戦略の中で、答弁の中で、財政の確保となりますと、どうしても税の徴収体制を強化していきますよという御答弁が聞こえてきます。これ納税満足という視点を何で私が先ほどの質問の中で入れたかというと、やはり御殿場市の行政サービスの満足に対して、その対価として納税をしていただく、こういったのが市長が言われる経営的な面、いわゆる行政経営の視点ではないのかなと思います。  歳入に見合った歳出は当然必要だと思うんですけども、扶助費を初めとする義務的経費の伸びも当然ありますし、起債で投資的経費を確保しているという状況がしばらく続くというふうに考えている中で、税の徴収体制を強化する一方で、やはり市としてもこの財政見通しで触れられているんですけども、例えばアウトソーシングや枠配分方式などを取り入れた思い切った市の経費削減の検討も実行として不可避だと考えています。見解をお伺いします。 ○議長(滝口達也君)  総務部長。 ○総務部長(長田秀明君)  経費削減の検討と実行についての御質問ですが、社会の変化と多様化する市民ニーズに対応するため、年々事業費が膨らみ続けてきました。市税が減少した現在、今までと同じような事業費を維持することは難しい状況のため、経費の縮減は絶対条件となります。このような状況の中で現在行っている事業はどれも必要とするものであり、思い切った削減が難しい現状の中、予算編成におきましては目標とすべき一般財源所要額を目ごとに財政課で算出し、各課へ指示額として配分し、予算要求を行っております。また、前年度より部局内の業務全般に最も精通した部局長による部局内の政策、事業の優先順位づけを行い、予算配分の適正化、経費の縮減を図っているところでございます。  しかし、これだけでは縮減にも限度があり、今後、御殿場型NPMの実施により、3か年実施計画による指標の設定、検証をはじめ、外部による事業仕分けの実施により、事業費の削減を図りたいと考えております。  また、経常経費の削減額といたしましては、既に実施を決定している図書館窓口業務のような定型的業務のアウトソーシング化などにより、人件費の抑制を図っていく予定です。アウトソーシングや民営化は、人件費の抑制だけでなく、民間のノウハウを活用した市民サービスの向上も期待できることなど、より市民に対価を実感していただけるようになると思われることから、経費縮減の主翼と市民満足を両立させ得るものと考えております。こういった中、職員一人一人がこの財政状況に危機感を持ち、皆様に満足いただける市民サービスに努めてまいりたいと考えております。 ○議長(滝口達也君)  19番 石田英司議員。 ○19番(石田英司君)  行政戦略、財政戦略、全体を通して再質問します。  最後に、行政戦略、財政戦略で市長にお伺いいたします。先ほど来の答弁で個別の取り組み、市の考え方というのは理解をいたしました。市長は、施政方針の中でも、行政運営の基本姿勢として、御殿場型NPMを推進していくと言われております。今後、ますます厳しい財政状況が続く中で、事業の選択や優先化、重点化を図ると言われておりますけども、一体どんな事業を選択して優先化をするのでしょうか、どこに重点化を置くのでしょうか。やはりビジョンを持って選択と集中を行っていると思うんですけども、この厳しい財政下で、この選択と集中におけるビジョンとは何なんでしょうか。御殿場型NPMを目指す中で、どのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。 ○議長(滝口達也君)  市長。 ○市長(若林洋平君)  皆様おはようございます。私のほうからお答えをさせていただきます。  地方分権改革に始まり、今、現政権下におきましては、地域主権として進められております国から地方への転換、これはまさしく国の役割と地方の役割を分離して、自主経営型の自治体機能をつくり上げていこう、そういったものであると私は認識しております。  こうした中で、私が一貫して申し上げてますことは、市民の皆様の声に耳を傾け、今、市民にとって本当に必要なものは何なのか、その優先順位を見きわめた上で、施策・事業を選択し、その成果をしっかりと検証していくことが大事である、そういうことでございます。そのためにも、これまでの行政を運営するという姿勢から、経営するという姿勢へ変革する必要があり、笑顔と活力あふれる御殿場を目指して、私の基本姿勢である御殿場型NPMの構築に向けて邁進しているところであります。  現在、置かれております本市の財政状況も非常に厳しく、市民が要望するすべてのことにお応えすることは難しい状況でもございます。しかしながら、人材や財源等の限られた行政資源を無駄なく最大限に活用していくということは、行政の義務であり、最も重要なことであると、私はそのように認識しております。  そのために行うべきことは、石田議員からも御指摘をいただいた選択と集中、これであり、これこそまさに戦略の一つだと思います。もちろん戦略を展開するには、ビジョンというものが不可欠でございます。御殿場市のビジョンは言うまでもなく、総合計画に掲げた基本構想であり、この基本計画でありますが、その行政戦略として3か年実施計画を中心とした御殿場型NPM体系を機能させていくことと考えておりますが、その中で私のビジョンと言いますか、最終的に目指すところは笑顔と活力のある御殿場を実現させる、そのことでございます。  少し選択と集中ということに触れますと、これをより効果的に行うために、既に御殿場型NPMの戦略的な事業展開として盛り込んでおりますが、3か年実施計画への指標や目標値、また今後、本格的な実施を予定しております事業仕分けの結果などを活用してまいりたいと、そのように考えております。つまり本市が今、何を実施すべきなのか、実施するのであれば、どの程度力を入れるべきなのか、そういうことをより客観的に定量的に判断した上で、事業を選択し、そこに資源を注ぎ込んでいく、集中して実施をしていく、こういった姿勢が今まさに行政に求められていると認識しております。  最後になりますが、これまでもたびたび申し上げてまいりましたが、戦略の展開には、その担い手となる職員が主役でございます。何よりも一番大切なことは、職員の意識改革やマネジメント能力の向上であります。戦略と、それを実践する職員とが両輪となって事業を展開していくことで、このビジョンの達成が実現されるものと、そのように考えております。  以上でございます。  (「よろしくお願いします。」と石田英司君) ○議長(滝口達也君)  以上で、19番 石田英司議員の質問は終了いたしました。 ○議長(滝口達也君)  この際、10分間休憩といたします。                             午前11時24分 ○議長(滝口達也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。                             午前11時34分 ○議長(滝口達也君)  日程第1 「一般質問」を継続いたします。  次に、17番 和田篤夫議員の質問を許します。  17番 和田篤夫議員。 ○17番(和田篤夫君)  私は、市の防災対策、特に「災害応急対策」について一般質問をいたします。  1978年に大規模地震対策特別措置法が制定されて以来、東海地震の発生を想定し、地震対策に力を入れてきましたこの静岡県は、1995年、阪神淡路大震災発生後もいろいろな教訓を防災行政に反映をしつつ、その後、発生した中越地震、能登半島地震、中越沖地震災害後も逐次、防災対策の強化を図ってまいってきたところでございます。それを受けて、当市の地域防災計画の逐次修正を加えて、内容的にもかなり充実したものになっているように私は思っております。  一般に防災対策と言えば、発災前の「災害の予防」、発災直後の「災害応急対策」、発災後の「災害復旧」の三段階すべてについての対策を言いますけども、当市における「地域防災計画」もこの段階区分で作成をされていますが、この中でも、施策の実行が一番困難なのが、突発的に起きた地震災害発生直後の「災害応急対策」だと私は思っております。  その理由は、私が考えるに3つあります。その1つ目は、災害発生直後の混乱している状況の中で、多くのことを時間との勝負で対処しなければならないこと、2つ目は、決心、処置がおくれ、あるいは誤ると、事後の対応に大きな影響が生じる可能性が高いこと、3つ目として、数年ごとに職務が変わる職員に、常に一定のレベルを保持させることはなかなか困難であることと思っております。  一般に災害救助は、自助、共助、公助の順に進むと言われておりますけども、災害対策基本法第5条では、「市民の生命、身体、財産を守るのは、市に課せられた責務である。」とありますが、想定されている東海地震が予知できないまま、あるいは予知できたとしても、対応のいとまがないまま発生した場合、その直後の応急対応の段階では、市民の生命、財産、身体を守るという行政の責務の遂行に限界があるということを自覚しておかなければなりません。  市の「地域防災計画」地震対策編の地震災害応急対策には、確かになすべき応急対策が事細かく記載されておりますけども、この応急対策を計画的どおり実行するには、少なくとも行政が通常どおり機能していることを前提としている計画ではないかと思います。果たして発災した場合の現実はどうでしょうか。  阪神淡路大震災での教訓情報資料集によると、自治体の非常参集状況は、職員自身の被災などにより、必ずしもよくなかったのが現状のようです。例えば芦屋市では、消防職員の発災当日の参集率は90%以上だったようですけども、それ以外の市職員の参集率は42%、3日目でも60%にとどまっていたそうでございます。つまり行政として責務を果たせる状況にあったかどうかは甚だ疑問でございます。想定されている東海地震が発生すれば、市職員も被災者となることが容易に予測でき、被災した職員自身は、職場と家庭のはざまで直ちに出勤した人、しなかった人、双方が問題を抱えることになると思います。  市職員自身が被災者で、後ろ髪を引かれる思いで登庁をし、一生懸命業務を実施しても、異常な心理状況の中では、一般の被災者から不満をぶつけられ、あるいは対応が遅いとののしられることも、阪神淡路大震災ではあったそうです。職員が全員参集できない不完全な行政機能の中で、この地震災害応急対策を遂行することは、とても困難と思います。  阪神淡路大震災の教訓の一つとして、行政の力だけでは災害対処はできないことは明確になっております。中越地震、その後発生した中越沖地震でも、被災者の生活支援の担い手は友人・隣人で50%、行政で32%、ボランティアが16%との調査結果が出ており、防災活動においては行政のみならず、市民一人一人、地域コミュニティ、ボランティア、企業、学校などさまざまな主体が支え合い、役に立ち合うことの重要性を再認識したとあります。  今や行政機能が100%稼働するとしても、被災地以外からのボランティアを含めた広域な支援活動をいかに活用するかが大きな課題であり、さらに十分な検討が必要ではないでしょうか。  そこで、最初の質問をいたします。  1点目、市は職員を対象とした「災害時初動マニュアル」の中で、大規模災害発生時の参集の判断フローチャートを定めておりますけども、参集可能かどうかの判断基準までは定めておりません。これはつまり最終的には市職員としてのモラルを信じ、参集する、しないの判断を個人にゆだねるということでしょうか、見解をお伺いをいたします。  2点目、不完全な体制で応急対策をしなければならない状況が生起する可能性が大とした場合、せっかく網羅されている現行計画の応急対策項目のどれをいつまでに実施すればよいかの判断基準が計画にはございません。実施する事柄の優先順位を定めておくことが一つの方法だと思いますが、見解を伺います。  3点目、本年9月、お隣の小山町では、台風に伴う豪雨発生のため、大変な被害が発生をいたしました。私も復旧ボランティアに参加をいたしましたが、町内及び近隣市町村から当日、約500名近いボランティアが活動をしておりました。市の計画では、ボランティア活動への支援要領を定めておりますけども、小山町での教訓を踏まう得た中で、今後の課題があればお聞かせをいただきたいと思います。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  危機管理監。 ○危機管理監(長田和弘君)  まず、1点目の市職員における参集可能かどうかの判断基準、参集するか否かの判断を市職員自身にゆだねているかについてお答えいたします。  市災害時初動マニュアルには、市職員または家族が死亡したり重症を負った場合以外は、応急対応した後、参集可能かどうか判断することと定められております。災害発生時における市職員の参集の判断基準については、災害発生時に市職員が置かれた状況によってさまざまな対応が必要となるため、明確な判断基準を示すことは大変難しいことと考えております。  しかしながら、初動体制の速やかな構築は極めて重要なことでありますので、基本的なものとして市職員防災ハンドブックには、災害発生時に市職員が行う事項が明記してあり、市職員はこのハンドブックに基づき行動することとなっております。  このハンドブックでは、災害が発生したら市職員は第1に、自分自身、家族、近隣住民などの安全を最優先に行動すること、第2に、2次災害の防止を図るため、初期消火や救出活動などに努めること、第3に、災害情報の早期入手に努め、災害の規模や状況を確認することとなっております。その後、配備体制ごとに指名されている市職員は直ちに参集し、それ以外の市職員は参集すべきかどうか判断に迷ったときは、参集することと定めております。  しかしながら、東海地震などの大規模災害が発生した場合は、それぞれの役割に対して複数配置や交代要員の確保が不可欠であり、ほぼすべての職員の参集が必要となることが想定されます。したがいまして、今後、配備体制や参集基準などについて早急に見直ししてまいります。  次に、2点目の応急対策項目のどれをいつまでに実施すればよいかの優先順位を定めておくことについてお答えいたします。  災害応急対策計画で、市の行う措置は、災害対策基本法第50条の規定に基づき、警報の発令伝達から被災者の救難、救助、その他保護に関する事項など、12項目が挙げられており、これを受けて28の実施すべき計画が策定されております。これらの計画においては、市職員や関係機関の動員に関すること、避難、救出に関すること、食料の供給に関すること、清掃や輸送に関することなど、応急対応から避難生活に必要なことまでの多岐にわたる内容が定められております。  しかしながら、大規模災害が発生した場合は、災害応急対策計画に定められた個々の計画を同時に実施することは困難であります。したがいまして、これら計画のうち、人命に関する避難救出、医療救護などを最優先に実施いたします。その後、災害の種類や被害の状況に応じて順次、避難生活や災害復旧に関する計画に取り組んでまいります。  次に、3点目の本年9月の台風9号の被害に対する小山町でのボランティア活動における教訓を踏まえての本市の今後の課題についてお答えいたします。  今回の台風9号の被害に対して、小山町では9月11日から9月20日までの10日間に延べ約1,900人の方々がボランティアとして復旧作業に従事したと伺っております。このボランティアの受け入れについては、小山町では町の社会福祉協議会が小山町災害ボランティア本部を設置し、運営に当たりました。そして、この10日間の災害ボランティア活動はおおむね成功したとのことですが、今後の課題として初期対応において情報の行き違いなどにより、小山町災害対策本部と災害ボランティア本部との情報の共有が図りにくかったこと、自主防災会との十分な連携が図れなかったこと、地元のボランティアコーディネーターなどの人材が不足していたこと、マスコミ等へのボランティア本部の正確な情報発信が必要であったことなどが挙げられております。  そこで、これらの課題を踏まえ、本市におきましては、平常時から災害ボランティア本部を構成する市の社会福祉協議会や災害ボランティアコーディネーターとの情報交換や協議を行うとともに、共同して本部運営訓練を行うなど、その活動を引き続き支援してまいります。  また、災害発生時においては、市の災害対策本部との情報を共有し、緊密に連携することにより、ボランティアの力が効率的に発揮できるよう体制づくりを進めてまいります。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  17番 和田篤夫議員。 ○17番(和田篤夫君)  御答弁ありがとうございました。災害応急対策の計画について再質問をいたします。  先ほどの1点目の話で、当局の回答のように、職員の非常参集が運よく達成した後でございますけども、これは諸所の災害対策を迅速、的確、かつ効果的、効率的に運用するための陣頭指揮、これが市の災害対策本部でございます。市は、災害対策本部条例に基づいて、災害対策本部の組織及び運営について定めており、対策本部には市長、副市長、それから各部長等の主要幹部を配置し、本部長たる市長が部長会を招集をして、災害応急対策について協議をし、各部との調整を図るために危機管理監が必要に応じて班長会議を招集すると規定されております。それぞれの事務分掌も定めてありますが、その内容をよく見ると、私はかなり不安を覚えております。
     その理由の1つ目としては、本来、危機管理体制は垂直的かつ一元的であるべきだと私は思っておりますけども、現計画では必ずしもそうなっていないのではないかと思っております。危機管理専門の幹部が災害発生時に期待される役割というものは、1つは、本部長の補佐でございます。2つ目は、対策本部各班の指揮・運営でございます。そして3つ目として、平素から存在する部局や関係機関との連絡調整でございます。  阪神淡路大震災以降、2度の地震を経験をした新潟県、防災先進県とも言われる当静岡県も、緊急時には危機管理監に関係部局等を指揮監督させ、強力なリーダーシップで全庁の応急対応の総括、調整を行える組織に改編をしておりますけども、当市の組織は危機管理の専門幹部たる危機管理監の権限や地位が強化されているとは言えません。  2つ目は、対策本部の事務を処理し、各部の対策の連絡調整を行う本部づき各班等の組織と事務分掌の内容に改善すべき点があるように私は思っております。この本部づき各班は、防災対策室、企画部、総務部の3つの部署から対策本部を立ち上げと同時に、臨時に編成されることになっております。例えば、総括班として関係機関たる自衛隊との調整連絡をと思っても、その任は渉外班が、財政班が緊急輸送に関して、情報連絡班に道路情報を確認しようとしても、交通安全班にも道路情報収集任務があり、道路河川班にも緊急輸送路の確認、あるいは道路の交通規制任務があるというぐあいに、決して一元化はされてはおりません。  想像してみてください。東海地震が予知できなくて、お昼ごろに発生したときの被害は、建物罹災世帯約1万軒、ブロック塀等の被害箇所、約1万2,000カ所、人的被害は死者・負傷者、合計1,400名というふうに予想されております。発災直後は市内各地各方面から情報、連絡、依頼、要請、問い合わせ等、直接、あるいは電話、無線等で多数、しかも途切れずにこの市役所に来ることでしょう。そして、ようやく立ち上げた対策本部では、目の前に起こっている問題の対応に追われ、本来実施すべき災害対応の全体像が見えなくなったり、情報の把握、処理は困難をきわめる状況が生起することが危惧されます。  危機管理は、部局横断的に対応を要することが多く、トップダウンの即断・即決で対処するのが最良の方法だと言われております。以上のことから、私は、災害対策本部の組織や運営要領について、見直すべきだと考えておりますが、当局の見解をお伺いをいたします。  これは危機管理監の権限強化につながる問題でもございますので、副市長からの答弁をお願いをいたします。 ○議長(滝口達也君)  内山副市長。 ○副市長(内山知三君)  お答えをいたします。  現状では危機管理監は災害対策の協議についての総合調整、災害応急対策についての各部との連絡調整などを行うとともに、緊急時には本部長である市長の命を受け、関係部局等を指揮監督し、応急対応に当たっております。大規模災害発生時には、危機管理監が関係部局を指揮監督し、強力なリーダーシップにより、全庁の応急対応の統括調整を行うことが必要です。  そこで、危機管理監の権限や立場を明確にするためには、災害対策本部運営要領に明文化する必要があります。したがいまして、静岡県の災害対策本部運営要領などを参考に、本部長である市長の命を受けた場合は、本部長にかわって本部員等を指揮し、災害対策本部の事務を処理する旨の規定を設けることといたします。  また、災害対策本部付き各班等の組織や事務分掌につきましては、本部付き各班及び本部に属さない各班が持つ初動マニュアルには、それぞれの班が行うべきことが明記されており、情報等が一元的に災害対策本部及び本部づき各班に集約されることとなっております。例えば本部付きの情報連絡班は、都市建設部から道路情報や被災情報を収集し、総括班へ報告します。その報告を受け、総括班は市内の緊急輸送路や規制状況を含む道路状況を把握することとなります。したがいまして、各班のマニュアルに沿った行動が行われれば、一元的に必要な情報が集約されると考えておりますが、さらに、きちっと集約するため、今年度から実施しております被害想定に基づいた本部運営訓練により検証を行うとともに、事務分掌の規定についてもさらに明確なものにしてまいります。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  17番 和田篤夫議員。 ○17番(和田篤夫君)  再質問をさせていただきます。  先ほどの答弁で、災害対策本部づき班に属さない班でも、マニュアルに沿った行動が行われれば、一元的に必要な情報が集約されるとの回答でございましたけども、私は、その認識は少し甘いのではないかと思っておりますので、次の1点だけ確認をさせていただきたいと思います。  先ほど私は、東海地震の被害について予測を具体的に書いてある資料の中で述べましたけども、それらの大変な被害が起こった場合、現計画の総務課長を長とする情報連絡官の構成員が基準2名ということになっておりますけども、これでは短時間に多くの情報を処理することは不可能だと私は思っております。この場合は、計画では欄外ただし書きにあるように、班長は人員の増員を判断することになるということでしょうが、一体、例えば東海地震が発生した場合、何人いれば情報連絡班としての機能、つまり本部長の状況判断に資する情報の提供が的確にできるとお考えでしょうか。あるいは情報を一元的に集約する体制を新たに構築するようなお考えはありませんか。当局の見解をお伺いをいたします。 ○議長(滝口達也君)  危機管理監。 ○危機管理監(長田和弘君)  お答えいたします。  議員の御質問の中にありましたように、東海地震などの大規模災害が発生した場合には、静岡県の第3次被害想定で示されているように、本市におきましても甚大な被害が発生することが予想されます。このような場合、災害に関する情報が数多く市に寄せられるものと思われますので、寄せられた情報を迅速かつ的確に処理する人員が必要となります。  参考に申し上げますと、平成16年に中越地震を経験した新潟県の小千谷市や長岡市では、情報処理に10人以上の職員で対応したとのことでありました。このことからも、大規模災害が発生した場合、本市でも多くの情報を処理し、本部長に的確な情報を提供するためには、少なくとも情報連絡班には10人以上の人員が必要であると思われます。また、災害に関する情報を一元的に集約できる体制をさらに強化するため、現体制の見直し、または新しい体制の構築を図っていきたいと考えております。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  17番 和田篤夫議員。 ○17番(和田篤夫君)  御答弁ありがとうございました。先ほど一番最初に非常参集についての質問をいたしましたけども、関連がありますので、最後にもう一つ質問をいたします。  御殿場市民の中には、突発的な災害発生時に、直ちに対処することが余儀なくされている市民が多くいます。市の職員はもちろん、国・県、あるいは災害発生と同時に動き出す民間企業に勤めている市民の方々でございます。市内に多く居住している自衛官を例にとると、過去に発生した災害等で国内外に派遣された自衛官は、当地区以外の出身者がほとんどで、救援派遣間の育児や扶養家族の介護に、遠くの親戚や職場の親しい友人等に何とかお願いをし、急場をしのいでいたのが現状でございます。このようなことが起こり得る職業に従事している以上、やむを得ないこととは言え、残された留守家族の御苦労は大変なものと推察できます。  これら災害復旧の任に当たる市民が、突発的な事態対処のため、国・県、あるいは会社等の命令、指示に基づく遠隔被災地等で救援活動を実施する際、今言ったような苦労を少しでも緩和をさせ、いわゆる後顧に憂いなく派遣された地において、与えられた職務に打ち込める体制を準備をしておくことは、市民サービスを一義とする自治体として、当然、必要な施策であろうと私は思っております。  特に、小さな子どもを抱えている御夫婦などが、突発的に発生をした災害に派遣をされたり、また、一方が、職務に従事せざるを得ない場合などは、緊急的にその子どもの保育は必要となります。児童福祉法第24条では、児童の保護者が災害の復旧に当たっており、当該児童を保育することができないと認められる場合、市町村は適切な保護をしなければならないと定めております。災害復旧を含め、突発的な事態対処に当たらなければない市民が、保育など、自助努力では困難となる場合の支援について、どう考えておられるか見解をお伺いをいたします。 ○議長(滝口達也君)  市長。 ○市長(若林洋平君)  市の基本的姿勢を示すということで、私のほうから答弁をさせていただきます。  災害支援等市民が、保育などで自助努力では困難となる場合においては、御殿場市保育の実施に関する条例第2条第6項において、「震災、風水害、火災、その他の災害の復旧に当たっていること」に該当し、児童の保護者のいずれもが保育に欠ける状況にあった場合、当然のことながら必要な期間を通常保育において、保育所は保育を実施をいたします。  しかし、通常保育以外の緊急時において、児童がだれからの擁護も受けずに孤立するような事態は、行政、地域、家庭、事業所等の総力を挙げて避けなければならないと考えております。公立の認可保育所の24時間保育については、緊急時においては可能であり、現在、実施に向けての具体的な方策について検討しているところでございます。また、認可外保育所の協力依頼やファミリーサポートセンターの協力に関して調整を図ってまいります。  御殿場市は、霊峰富士のすそ野に広がる広大な演習場と、滝ヶ原、板妻、駒門の3駐屯地、さらには富士学校を控える全国屈指の自衛隊のまちであり、これまでの市の発展は自衛隊とともにあったと言っても過言ではないものでございます。  自衛隊員の皆さんは、国土の防衛、国際貢献活動、また、災害時などにおいて命令一下、海外などはもとより全国へと派遣されるわけでございます。当然、留守を支える御家族や御親族の御負担というものは、議員御指摘のとおり、想像に余りあるものがございます。自衛隊とともにある御殿場市として、また、市民でもある隊員の皆さんを支えるシステムの構築をしていくということは、口先だけでなく真の共存共栄を確立する上では、極めて当然のことであり、大きな責任を負っているものと考えるところでもございます。  現在、具体的にこうした自衛隊員の皆さんを支えるシステムとして、駐屯地内にあある仮設保育施設において、要請があれば、保育士や保健師、さらには看護師の派遣が速やかにできるシステムを構築すべく検討、協議を重ねているところでございます。  以上でございます。  (「終わります。」と和田篤夫君) ○議長(滝口達也君)  以上で、17番 和田篤夫議員の質問は終了いたしました。 ○議長(滝口達也君)  この際、午後1時まで休憩いたします。                              午後0時09分 ○議長(滝口達也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。                              午後1時00分 ○議長(滝口達也君)  日程第1 「一般質問」を継続いたします。  次に、6番 厚見道代議員の質問を許します。  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  私は、活力あるまちづくりへについて質問いたします。  日本の地域や都市は、地域社会構造、産業構造の激変で、生活すること、生きることそのものが困難になってきております。構造改革によって、住民の暮らしが破壊され、あるいは近隣関係や精神状況も含めて、強度のストレス社会を生み出しました。  さらに、中心市街地の衰退、若年層の減少、高齢化などの問題が加速しています。このことは人間の命の存続、あるいは暮らしそのものの持続可能性をめぐって、新たな局面に立っていると言わざるを得ません。  こうした認識のもと、地域経済と地方の再生を考え、いかに持続可能な仕組みや構造をつくっていくかという点がクローズアップされております。  近年、地域おこし、まちづくりの理論が盛んに言われるようになりました。そうした中で、今、持続可能な地域づくりに求められているのは、地域の中でいかに主体性を強め、独自の地域づくりを行い、内需を拡大し、地域内での経済環境をつくり出していく「地域内再投資力」を強めることです。  その試みとして、各地でさまざまなまちづくりの実践が行われております。共通する点は、自治体の積極的支援が大きな力となっていることです。御殿場市の将来の姿を考え、行政と住民が手を携えて、地域振興、地域再生をどう図るか、問題点を共有し、方向性を見出したいものです。  以下、質問いたします。  第1の質問に入ります。御殿場市の地域活性化の方向性について質問いたします。  リーマン・ショックに始まる世界同時不況の影響で、法人市民税が激減し、また個人市民税の減少の中、財政好転の見通しがなかなか持てません。いかにこの困難を乗り切るかは、行政の大きな課題です。これまでの行政は、経済成長に歩調を合わせたように、社会資本の充実に努めてきました。しかし、近年、経済性や物重視指向から、人重視への傾向が強くなっています。この価値観の変化に対応した政策が求められているのです。地域の活性化と言っても、多様な意義、イメージがありますが、要は人は人の集まるところに集まります。うわさになったところに集まります。このような地域の魅力づくりではないでしょうか。  御殿場市にある豊かな自然、観光資源など、それらの特性を生かした地域の活性化に正面から取り組む、そして新しい仕事に取り組もうとする人たちを行政としてもっと積極的にバックアップするなど、いかに政策で活性化していくかということです。地域活性化の方向について、これが第1の質問です。  次に、第2の質問は、地域資源を生かした仕事おこしへの視点についてです。  今、地域経済を考える場合、いかに地域に長く住み続けることができる仕組みや構造をつくっていくかです。そのためには地域内再投資力を強めることです。地域内再投資力とは、地域の中の投資力を強めて、内需を拡大して、経済環境をつくり出していくことです。例えば、特産品開発による地域振興、地域文化の継承、富士箱根など自然地理的条件を生かすなど、御殿場市にある資源を生かしていくことです。そして、それにより、所得が生まれてくるといった仕事おこし、福祉や環境分野など、新しい産業政策による仕事おこしなどが求められてるのです。行政は、地域内再投資力を自覚的、継続的に支援していくことです。この地域資源についてが第2の質問です。  次に、第3の質問に入ります。大型店舗など事業所と地域で共に生きていくまちづくりです。  まちの顔とも言える中心市街地の衰退が進んでいます。その原因として、まちのドーナツ化現象による中心部の人口減少、高齢化の進行、大型店の進出、そして低成長による消費の抑制、産業政策などあげることができます。しかし、基本的には歩行者の通行量の増減に左右され、中でも地元定住人口が小売業に決定的な要因を与えます。地元商店街の繁盛は人の心に安らぎを与え、コミュニティに欠かせない要件でもあります。近年、大型店舗が郊外から中心部に店舗を構えるようになりました。当市においても大型スーパーの進出が目立つようになったのですが、しかし、現在は出店を拒否できる規制はありません。  そこで、大型店舗は利益を上げながらも、地域の人々に役立つ店として、社会的価値観を見出してもらうことです。また、小売店と市内の福祉法人事業所とともに生きていけるよう、アイデアを盛り上げる施策が、これからの地方自治体の使命となります。  そこで、共に生きていく3つのパターンを示します。  まず、1番目としては、大型店舗と共生についてです。  大規模地震災害のような地域社会全体に被害を及ぼす災害への対策として、食料や生活必需品の確保を図らなければなりません。現在、大量に調達が可能である大型店、大型スーパーの業者と、調達に関する協定が締結されています。しかし、その後の大型スーパーの事情変化は起こりました。対応は可能でしょうか。災害が起きた場合、一業者との協定だけでは対応が不十分です。市内にある複数の大量調達が可能である大型スーパーと支援協定を結び、被害の状況に応じた生活の確保を平時から準備をしておくことです。大型店舗の進出をプラスにとって、共に生きていくまちづくりです。これが①です。  ②は、社会福祉法人の事業所と共生についてです。  市内に社会福祉施設が、既存を含め比較的多くあります。その事業所に地元商店での食料品などを調達してもらうなど、地域貢献度を高めてもらうことです。社会福祉法人の中で食料品など本部で一括仕入れをしている事業所があるでしょうが、地元商店、小売店が、少しでも潤うよう、地元から調達、協力してもらうことはできないものでしょうか。社会福祉法人の経営の原則として、「社会福祉法人が収益性追求にならず、本来の公益性を確保することが重要になっている。」とあります。この原則を適用して、地域貢献の役割が担えると考えますが、いかがでしょう。  ③番目としまして、人と人との共生についてお伺いします。  市街地を市民の生活の交流の場として再生していくためには、大型店舗の立地などの過度の期待を払拭し、地域住民と商店街の連携で内発的まちづくりへの意欲を高めながら、その方向で政策化していくことが重要です。特に商店街の活性化のためには、より具体的な営業所の改善、工夫が必要です。例えばファクシミリによるネットサービスです。ファクシミリサービスとは、消費者、高齢者などが必要な商品を商店街の事務所に注文を入れると、各商店から調達して、一括配達してくれるシステムです。このシステムを商工会などの窓口を通して、政策化していくことです。これからは本当に地域に役立つ行政に切りかえていかなければなれません。  それぞれ3点について、地域で共に生きていくという考えで質問しました。状況などを踏まえて、当局の見解をお伺いし、第1回目の質問といたします。  以上です。 ○議長(滝口達也君)  産業水道部長。 ○産業水道部長(鈴木政信君)  それでは、お答えをさせていただきます。  まず、1番目の御殿場市の地域活性化の方向性についてお答えをいたします。  当市活性化の大きな機会ととらえておりますのは、一つには、来年4月27日に新たな観光施設として印野地区にオープンする観光交流施設「富士山樹空の森」です。富士山樹空の森は、10.6haの広大な敷地に家族や子どもたちが一日楽しく遊べる大型遊具や、芝生のふれあい広場などを備え、桜を中心とした四季の色鮮やかな木々に囲まれた施設であります。また、富士山を全国、世界に紹介する施設として、国内最新、最大級の富士山ビジターセンターを備えています。  当市の観光の核となる施設であることはもちろんですが、富士山とその周辺観光において、静岡県、山梨県、神奈川県の観光地を結ぶ重要な拠点となる施設であると考えております。このことは、先日開催されました富士箱根伊豆交流圏市町村サミットでも紹介され、大きな話題となり、期待されているものであります。この樹空の森を富士山周辺の観光活性化の起爆剤としてとらえ、御殿場市が富士山、箱根、富士五湖の観光拠点となるべく、観光ハブ都市宣言の準備をしているところでございます。  2つ目として、今年度から緊急経済対策で実施をしております緊急経済対策住宅建設等助成事業であります。この事業につきましては、市内施工業者から仕事の引き合いが多くなった、営業を存続するきっかけとなったなどの話を伺っており、市内の建築業者の事業量の増加や助成金による商品券の利用など、市内経済の活性化を目的とする本事業の効果が確実に発揮されているものであると認識しており、今後も継続をしてまいります。  3つ目として、企業誘致と雇用の促進であります。当市は、首都圏への地理的な優位性、富士山を初めとする豊かな自然環境などの地域資源を最大限に活用して、企業誘致を推進しているところであります。本年度は既に製造業の2事業所の進出が確定をしておりますが、今後、さらなる企業誘致を図り、雇用増大と地域経済の向上、産業全体の活性化を図ってまいります。  以上、これら3点を中心とした施策を展開し、地域活性化を推進してまいります。  次に、2番目の地域資源を生かした仕事おこしへの視点についてお答えいたします。  当市としましては、地域内再投資力の考えのもと、地域経済の持続的、自立的に発展していくことが大切であり、次の事業に取り組んでまいりたいと考えております。  まず、先ほどお答えしました緊急経済対策住宅建設等助成事業であります。本年5月から実施以来、既に申請受付件数334件、補助金申請受付額は1億円を超えており、工事発注額は約18億6,000万円となっております。効果として、建設事業者はもとより、多くの下請業者の活性化が図られ、商品券発行などによる各種経済波及効果が図られているものと判断しております。  次に、資源である森林を生かすための森林再生対策であります。  本市における森林総面積は3,676haであり、そのうちスギ、ヒノキの面積は2,840haで、その中で箱根側の森林面積は1,758haとなっております。そして、建築材料の中で柱材の原料となる林齢36年以上のスギ、ヒノキが97%を占めており、ヒノキの割合が75%であります。これらの状況から、本市のスギ、ヒノキ林は資源的に成熟しており、大規模所有者も多く、利用しやすい環境となっております。また、流通の便もよく、適切な施策を行えば、経済効果が期待できるととらえております。このような現状の中で、さまざまな働きを持つ森林を計画的に整備する必要が生じている時期と考えております。  そこで、県が進める森づくり森林税を使った「森の力再生事業」により、森林整備を通して地域経済の活性化に取り組むものです。この事業で伐採された材木を搬出して、製材加工し、地元の業者が使用することにより、市民の住宅などの建設材料として利用が拡大されます。さらに、荒廃している森林の整備が図れるものと考えております。このことで、地域資源を活用した地産地消の普及が進み、さらに雇用の創出にもつながっていくものととらえております。本年度は御殿場市森林組合が神山地区においてこの事業に取り組んでおり、次年度以降も継続的な実施を計画しております。  また、次に、本市の農産物などを活用した地産地消を図るものです。本市の農業は、基幹作物の水稲を中心に展開しており、御殿場コシヒカリは県内外でもその名を知られております。また、自然条件を生かして水掛菜、わさびが栽培され、御殿場のブランド品として好評を得ております。  さらに、転作作物として推進しております麦、大豆、そばのほかに、農家の方々が丹精込めてつくられたさまざまな野菜が御殿場農協のフレッシュ市などで販売され、その売り上げは年々ふえておりまして、地産地消が図られているととらえております。また、秋にそれぞれの地区や区で産業祭が開催されておりますが、出品されている農産物は大変すばらしい品が展示されております。高冷地の気候を生かしたこれらの農産物が広く市場に出荷され、地元で消費されることがさらに地産地消につながるものであります。
     後継者不足、高齢化などによる農地の遊休化などが問題となる中で、野菜栽培の普及が農家の活性化につながるものだと考えます。今後も農家や関係機関と連携を図り、生産者の確保と育成に努めてまいりたいと考えます。  また、今後、新たに印野地区に整備される「富士山樹空の森」内に地場産品の販売所を設けるなど、定期的な地場産品販売所の確保をすることにより、地産地消の推進を図り、農業の活性化を進めてまいりたいと考えております。  次に、3番目の大型店舗など事業所と地域で共に生きていくまちづくりについて、順にお答えします。  1つ目の「大型店舗と共生をする」についてお答えいたします。  現在、災害時に食糧や生活必需品の支援を受ける応援協定は、市内に工場、事業所、店舗などを有する企業など、24事業所と締結しております。締結内容は、災害救助に必要な物資の調達や大規模災害時の飲料水の供給、また災害時の応急対策業務、情報通信業務に関する協定などで、災害時に支援を受けることができます。  市との応援協定を締結することは、事業所が社会的責任を果たすとともに、当市にとっても災害時に救援物資の確保ができると認識しております。しかし、災害の規模によって救援物資の数量は異なりますので、現在の応援協定の事業所数では十分でない状況も考えられるため、今後も新たに進出した大型店舗などと災害時の応援協定の締結を積極的に取り組んでまいりたいと考えております。締結した大型店舗が撤退をした事例がありますが、災害時には近隣の同店舗からの支援を受けることができるものとなっております。  次に、2つ目の社会福祉法人の事業所と共生についてお答えします。  市内の社会福祉法人は16施設ございます。その中で主に市内より食料品などの調達が比較的多い施設は11施設でございまして、5施設が主に市外からの調達ということになっております。今後、地元商店での調達をお願いし、商工会、農協にも情報発信しまして、地産地消の推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、3つ目の人と人との共生型都市をお答えいたします。  国では、地域商店街活性化法が施行され、商店街が地域住民の生活利便の向上や住民間の交流に役立つ活動を活性化させる事業に対しての支援が始まっています。現在、当市の商店街においても、店で消費者を待つだけの姿勢から脱却し、大型店舗ではできない独自な発想で地域コミュニティの担い手として、地域住民の需要に応じた事業の推進が求められております。  こうした中で、少子高齢化に対応し、商店街単位でのファクス注文による宅配サービスやインターネットによる宅配サービスなどにより、地域に根づいた商店だからできる、大型店の対応を検討している商店街もあります。行政といたしましても、住民のニーズを把握し、住民の身近な存在としての商店街活性化を図ってまいりたいと考えております。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  質問の1の再質問をいたします。  3つの施策を展開しながら、活性化の方向を見出したいとの答弁でした。そこで、活性化の基本的な仕組みについて伺いたいと思います。  まず、資源の掘り起こしは住民参加ということについて伺いたいと思います。  これまでのまちづくりは、専ら自治体の政策に基づいて行われてきました。これからはまちづくりは地域住民の生活にかかわる面を含んだ住民自治的な取り組みの意味が含まれているのです。改めて活力あるまちづくりは市民、事業者、そして各団体などが主体となって課題を認識し、進めていくことの必要性は高まっております。もう一度足元にある地域の資源、経済環境の仕組みを見直すと、ほかにないものが発見されます。今ある魅力と潜在的な魅力を掘り起こしていくということです。そこにはまず、住民、市民の参加を拡大していく、これがなければ成功しないと言われるほど大事なことです。意見や考えを聞き、情報を共有しながら、政策提案を行い、計画策定過程においても住民参加で取り組んでいくことです。まず、この点について再質問いたします。 ○議長(滝口達也君)  産業水道部長。 ○産業水道部長(鈴木政信君)  お答えをさせていただきます。  当市における地域資源の中には、富士山や箱根外輪山といった自然資源やごてんばコシヒカリや水掛菜、金華豚、富士ヒノキといった農林業資源、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所や、市内の進出企業、御殿場プレミアムアウトレット、御殿場高原時之栖といった商工業資源、富士娘や観光親善大使といった御殿場ゆかりの人的資源、御殿場の地名など知られてはいるものの、一方でまだまだ活用しきれてない資源が数多くあります。  また、今、地域で行われている自治活動やコミュニティ活動も、広い意味でまちづくりの一つの地域資源であります。これまでも自治会活動から掘り起こされた資源として、沼田ロマンチック街道のブルーベリーの里づくりや、川沿いを植樹した永塚のもみじの里づくりなどがあります。秩父の宮記念公園や東山旧岸邸などの施設も、市民や有識者などの団体の意見により地域資源の掘り起こしでつくられたものの一つでございます。今後も地域活性化など、市民の暮らしの向上や住みよいまちづくりのため、地域資源を掘り起こし、いろいろな場面で市民の声を聞き、意見を受け入れする中で、市民と行政が一体となって共に実現化するよう努力してまいります。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  ありがとうございます。2番目といたしましては、やはり人づくりを進めていくということが非常に大事だと思うわけですけども、地域活性化のまちづくりは人づくりであると言われております。担い手の確保とともに、リーダーの養成はまちづくりの根幹です。まちづくりを担う人々をどうつなぐのか、そして、核となる仕組みをどうするかということについてお尋ねします。 ○議長(滝口達也君)  産業水道部長。 ○産業水道部長(鈴木政信君)  お答えをさせていただきます。  眠っている地域資源を掘り起こし、地域活性化や地域おこしを進めていく上で、行政の支援や参画と同時に、人と人とのつながりや市民の盛り上がりなどが必要です。また、先ほど紹介した事例や全国の地域活性化や地域おこしが成功している事例の多くに、リーダーの存在がありました。本市においてもこうしたリーダーシップを発揮する人や、一緒に活動する担い手の確保、養成は、大変重要なことと認識しております。  このため、地域活性化のまちづくりを進めるに当たり、担い手の資質向上、養成のため、市民参加のまちづくり活動を活発にする支援制度を有効に活用することが重要です。これらの人材育成につきましては、現在、市民交流センターふじざくらにある御殿場市民活動支援センターにおいて、まちづくりに実現可能な地域資源の活用と人材の育成や人材の紹介、核となる仕組みづくりの相談、また講習会、講座を開催するなどして進めておりますが、引き続きこうした事業を通して人材育成に努めてまいります。  また、人材確保、リーダー発掘の面では、区長経験者や各種団体で活躍されている方などを中心に進めていただいてまいりましたが、今後はさらにNPO、商工会青年部、青年会議所などにも目を向け、育成を含めて確保に努めてまいります。いずれにいたしましても、市民主体のまちづくりが地域活性化につながっていくものと認識しております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  では、行政の役割について質問いたします。活性化のまちづくりを進める仕組みとして、行政の持つ意義は大変大きいものがあります。縦割り行政やそのもとでの補助金行政を克服して、地域に関する行政を総合的、包括的なものに変えていくことが要請されていきます。市役所職員は、地域の中での生活者であります。情報、人脈、資金など、まちづくり活動をつなぐコーディネーターとしての役割を発揮していくことが期待されますが、行政の役割について再質問いたします。 ○議長(滝口達也君)  産業水道部長。 ○産業水道部長(鈴木政信君)  お答えをさせていただきます。  地域活性化や活性化のまちづくりを進める上で、人材、資材、財源、情報のすべてにかかわる行政が果たすべき役割は大きいものであると認識しております。市職員も長年の行政経験で培ったノウハウを持っています。したがって、地域に必要な情報提供者や地域と行政のつなぎ役として、自発的に活動することが期待されます。地域活性化や活性化のまちづくりにつながる地域資源の掘り起こしや活用は、範囲が限定している事案を除き、業務の垣根を外して全庁的な対応で取り組むべきことも必要であると考えております。  しかしながら、あくまでも地域の活性化やまちづくりの主役は市民の皆さんであり、市民活動団体であります。まちづくりのきっかけづくりや支援に当たることが行政の最大の役割と認識しております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  質問1の再質問はこれで終了にいたしまして、質問2の再質問に入ります。  今、物を生み出す第1次産業に熱い視線が集まっております。そこで、農林業連携の施策を提案したいと思います。今までのような企業誘致や大型店舗誘致頼みではなく、地域に根差した地域産業政策が大事です。当市は緊急経済対策として住宅建設等助成事業が実施されました。これは自治体として地域の産業を維持し、仕事をつくり出していく地域経済の新しい実践が示されたのです。自治体の施策によって、それがある程度、可能だということが示されたわけです。答弁で、地域資源を生かす取り組みとして、森林事業の活性化が上げられ、農産物等も活性化を図っていきたいと答えられました。  私は、農林業連携で内需型経済への施策を提案するものです。9月10日、経済対策として閣議決定されました経済危機対応・地域活性化予備費の活用です。その活用で自然エネルギーの地産地消を拡大することです。例えば御殿場市の森林は、植林されたスギ、ヒノキが多く、手入れおくれの間伐地があります。その間伐材などを利用した木質プレットボイラーによる野菜のビニールハウス温室です。当市は高冷地で野菜が育ちにくい地域です。木質ペレットボイラー導入で林業振興、農作物の地産地消となり、まさに地域経済循環の発展になると思います。期待したいものですが、課題と展望についていかがでしょうか、お尋ねします。 ○議長(滝口達也君)  産業水道部長。 ○産業水道部長(鈴木政信君)  お答えをさせていただきます。  森林の活用方法の一つとして、これまで森林に切り捨てされてきた間伐材や焼却されてきた樹皮などを木質ペレットに加工し、専用のボイラーで炊いて、この熱源を農産物のビニールハウスに利用する方法が進められています。県内では袋井市や磐田市のメロン農家6件が、木質ペレットボイラーの実証実験を兼ねて利用しているようです。現在、木質ペレットの利用は、CO2の排出など環境面から見ると大きなメリットがありますが、普及はおくれているようです。これは木質ペレットボイラーを導入する際、国の補助金があるものの、導入コストや維持管理費用が高価であること、現在、多く使用されているA重油がペレットより安価なこと、また、県内に木質ペレットの工場がなく、県外から調達をしなければならないことなどが影響しているものととらえております。  当市は高冷地であり、ビニールハウスに暖房を入れて使用している農家は現在バラなどの花卉栽培農家10数戸でございますが、普及については農家の皆さんに紹介をしてまいりたいと考えております。  また、こうした農業への利用のほかに、最近、家庭での暖房にまきストーブを利用する人がふえている中で、ペレットが環境にやさしく、気軽な燃料として普及することが考えられます。さらに、工場や温泉施設などでの利用も検討をされているようです。  なお、木質ペレットの製造工場が来年度、小山町に稼働すると聞いておりますので、これら工場をこれまで利用されていなかった間伐材の販売ルートの一つとして確保し、地産地消につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(滝口達也君)  6番 厚見道代議員。 ○6番(厚見道代君)  質問2に対しては、これで終了したいと思います。  質問3については、地元関係者の意見を聞いて、行政の積極的な指導が発揮されることを期待して、質問3については、これもまた終了したいと思います。  そして、最後になりますけど、市長にお尋ねしたいと思います。  9万市民の暮らしを守る御殿場市の市長として、地域の活性化は緊急課題です。従来のように国の指導で事業を進める手法は通用しません。自治体や職員が持っている潜在的な力を積極的に引き出す時代であります。自治体の存在価値が問われる時代でもあります。御殿場市の市民が元気になる地域まちづくりをどう進めていくのか、市長の政治姿勢について最後にお尋ねしたいと思います。  以上です。 ○議長(滝口達也君)  市長。 ○市長(若林洋平君)  それでは、私のほうからお答えをさせていただきます。  幾度となく申し上げてきましたが、あらゆる分野において市民の立場に立ち、市民との協働を図りながら市政を経営するという姿勢のもとで、元気で活力あるまちづくりの実現に向けて邁進してまいります。  来年度におきましては、引き続き小・中学校耐震化整備事業が集中する年ではありますが、限りある財源を有効に活用するため、事業の選択と集中に努め、重点的に地域資源を生かしたまちづくりの配分に努め、輝く活力・頑張る御殿場創造事業としてまちづくりに対する市民の要望、負託にこたえていきたいと、そのように考えております。  その中でも幾度となくこれも出てきておりますが、御殿場市にとりまして大きな観光施設の拠点となります富士山樹空の森が来年4月27日にオープンいたします。これを観光の拠点として育てていき、将来的には御殿場市が観光ハブ都市になるべく、整備を進めてまいります。  そして、御殿場市特有の経済対策、または企業誘致を推進することにより、雇用の確保や経済の活性化を進めてまいります。  さらに、市民協働のまちづくりを推進しながら、今ある地域資源を最大限に利用し、新しい形で御殿場をアピールし、そしてこの市特有の形で、議員がおっしゃるとおり、国だけに頼るのではなく、この市独自の施策、またそういったことを実行することによって、活気あるまちにしていきます。  以上でございます。  (「終わります。」と厚見道代君) ○議長(滝口達也君)  以上で、6番 厚見道代議員の質問は終了いたしました。  次に、12番 勝又勝美議員の質問を許します。  12番 勝又勝美議員。 ○12番(勝又勝美君)  私は、高齢者インフルエンザ予防接種についてと御殿場市営墓地について、一般質問をいたします。  まず初めに、高齢者インフルエンザ予防接種について質問をいたします。  現在、御殿場市では御殿場型NPMの構築を目指して行政運営から行政経営、つまり市民本位の視点に立った行政サービスを提供することが求められています。今回、市民の利便性をさらに向上するため、高齢者インフルエンザ予防接種について伺います。  御殿場市では、ことし9月30日、県内相互乗り入れが廃止され、急遽11月1日より沼津医師会と委託を結んだことで、御殿場市民が近隣である裾野市、沼津市、長泉町、清水町の指定された病院で予防接種を受けることができるようになり、早急な対応ありがとうございます。特に裾野市に通院している市民が多い中、近隣市での接種はかかりつけの医療機関だけに接種率向上につながるものと考えます。  しかし、現在、当市においては他市町で予防接種を受けるには保健センターにインフルエンザ予防接種希望書兼予診票を持参、受付で御殿場市予防接種実施申請書を提出し、二、三日後、郵送された依頼書を持って他市の医療機関で接種する手続となっておりますが、今後、さらに高齢化が進むと、老人のみの世帯が増加、また、運転免許証返納等により保健センターまでの移動に遠隔地ではバスを乗り継いで行かなければならず、申請に半日を要してしまいます。このままでは申請するのが面倒、バスの乗り継ぎが大変、金銭的に負担がかかるなどの理由から、高い接種率を誇っている当市にとって、これからも維持向上させることは難しい状況ではないかと考えます。  裾野市では現在、沼津医師会の2市2町だけでなく、三島医師会、田方郡医師会、御殿場医師会との委託を結んでおり、市の福祉健康会館に電話で連絡後、市発行の高齢者インフルエンザ予防接種希望書を他市に持っていくことで接種ができ、面倒な手続をなくしています。このように市民の視点に立った改善が必要ではないかと感じます。  御殿場型NPMは、市行政大綱を基本とし、スタートしてからはや1年を過ぎようとしています。効果が目に見えてあらわれるのは、体質が改善された結果として出てくるものです。言いかえれば、木の実が熟れるのをじっと待つ心構えが一部では必要でありますが、行政経営であれば、常に市民の視点から新たな創造性の発揮や新しい発想など取り組む姿勢、他市を見習うのではなく、リードしていくスピード、市民への謙虚な気持ち、常に質実剛健であることが目指す御殿場型NPMと私は考えます。そこで、3点質問をいたします。  まず、1点目ですが、申請書を保健センターで行わなくても、直接他市で接種できるよう検討すべきではないか。  2つ目に、データの一元化によって本人の確認は氏名、住所、生年月日、保険証等で可能であることから、支所や電話で依頼書交付をしていくべきではないか。  3つ目に、高齢者にとって「申請書を記入することが面倒」、「医療機関名、所在地を忘れた」など、ほかに手の機能障害を負っている方も多く、その手続は丁重な対応が必要です。申請内容は毎年変更がない、もしくは少ないことから、電子化することで高齢者の負担を軽減していく必要があると考えます。市民にとってどうあるべきか、満足度を向上するためにはどうするか、今後、多くの課題がありますが、当局の見解を伺います。  次に、大きな2点目の御殿場市営墓地について質問をいたします。本件については、2年前の12月、一般質問をいたしましたが、墓地に対する市民の要望が多いことから、質問をいたします。  御殿場市は、本年10月1日時点で、人口9万人余、世帯数は3万4,558世帯と、12年前に比べ約2.5割増加していますが、墓地については世帯の増加に比べ微少の増加にとどまっています。
     当市はここ数年、工業団地、住宅用地と誘致を進めてまいりました。また、立地条件として東京圏に近く、環境もよく、水もきれいであり、永住の地と考え、全国各地から家を求める方が多いと聞いています。しかし、永住には墓地が欠かせず、多くの市民が低価格の墓地を求めております。先回、当局からの答弁に、「市内の共同墓地の将来計画、近隣の市町にある民間墓地の拡張計画及び裾野市の公設墓地計画等を踏まえた中で、今後の墓地の需給見通しを見きわめていく必要があると考えており、市としては当面、民間による墓地の設置が望ましいと考えるが、今後、既存墓地の空き状況や販売費用等を初めとした現状調査、市民の意識調査を行った上で検討していきたいと考えております。」とのことですが、まず、近隣市町にある民間墓地は墓所使用料200万円以上、自由墓所では160万円以上と高価であります。景気の低迷、住宅ローンを考えると、とても手が出ません。また、裾野市の公設墓地は1区画間口1.5m、奥行き2mで43万円で販売、600区画が完売いたしました。2期目は3年後を予定しているとのことです。ただし、裾野市民以外の販売計画は、裾野市営墓地条例の変更が必要であり、現状では時間を要するものと考えます。また、既存墓地においては地域の墓地が多く、地域外の使用が難しい状況であることから、3点質問をいたします。  先回の答弁で、市民の意識調査を実施するとのことですが、地域別や年代別など調査結果について見解を伺います。  2つ目に、市民の共同墓地及び宗教法人墓地等の現状、及びそれぞれの将来計画等の調査結果について当局の見解を伺います。  3つ目に、今後、維持管理を考えたとき、墓地だけではなく、納骨堂も視野に入れ、検討が必要と考えるが、当局の見解を伺います。  よろしくお願いいたします。 ○議長(滝口達也君)  健康福祉部長。 ○健康福祉部長(寺田壽賀子君)  それではお答えいたします。  大きな1点目の高齢者インフルエンザ予防接種についての御質問の1点目の申請を保健センターに行かないで他市で接種できないかにつきましてお答えいたします。  高齢者インフルエンザ予防接種の対象は、65歳以上の方と身体障害者手帳1級所持者のうち内部障害者の60歳から64歳の方で、接種はみずからの意思と責任で行うものです。高齢者の発病と重症化予防のため、平成13年度から予防接種法の改正により市区町村長の責任で行う定期予防接種に位置づけられております。  当市では、対象者全員に案内通知と予診票を送り、利用しやすいように配慮するとともに、市民の健康意識の高さにより、接種率は65%前後と、県下平均51.9%に対し、非常に高い接種率を維持しております。  定期予防接種は、市区町村長の責務になっているため、御殿場市の依頼書の提出が必要になります。依頼書を提出いただければ、他市でも予防接種が受けられる体制となっております。したがって、市長名で依頼書を発行するに当たり、申請書を提出いただくことになります。手続上、必要なことですが、御指摘のとおり、ひとり暮らしの高齢者等が駅から離れた保健センターに出向くことは困難なことも理解できます。そこで、市では、来所が困難な場合は郵送での取り扱いをしております。いずれにいたしましても、県で決められた書式のため、略すことは難しいと県から指示を受けておりますので、何らかの方法で申請いただくようになります。まことにお手数で申しわけありませんが、御理解いただきたいと存じます。また、今後とも親切で丁寧な対応に心がけてまいります。  2点目の支所で申請し、依頼書の交付ができないかについて、お答えいたします。  高齢者の負担をできる限り軽減するために、身近な支所等に申請書を置くことは、今後、関係各課と協議し、検討してまいります。しかしながら、依頼書につきましては、同様の取り扱いをさせていただきます。  3点目の申請書の電子化につきまして、お答えいたします。  市外の医療機関で接種を希望される方は、毎年140名前後で、このうち御家族が代理申請される方が約7割で、窓口に御本人や高齢の御家族が申請に来られ、記入が困難な場合は、代筆を行うなど、相手の身になった対応に配慮しております。申請書の電子化につきましては、各種健診や乳幼児の予防接種等を含め、申請者本人の印鑑のみの対応で可能かなどを含め、検討してまいります。いずれにいたしましても、引き続き窓口や電話での対応は親切で丁寧な対応に心がけ、市民の皆様に御満足いただけるよう努めてまいります。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  生活環境部長。 ○生活環境部長(伊倉富一君)  それでは、2点目の御殿場市営墓地に関する御質問につきまして、一括してお答えをさせていただきます。  平成20年12月議会の勝又議員の御質問に対しまして、墓地に関する需給見通しを立てるため、現状調査、市民の意識調査等を行う旨の答弁を行ったところですが、その中で墓地に関する現状を把握するために、平成21年8月から10月にかけて、実態調査を実施しました。  その内容は、市内にある共同墓地のうち地縁団体と宗教法人が管理しているものを対象として、墓地経営に関する許可の状況及び現況をはじめ、空き区画数とそれに対する需要の状況、墓地区画の永代使用料や墓地の拡張計画等の有無について紹介した上で、市が保有する墓地台帳等との突合をいたしました。その結果、市内の墓地は地縁団体が関与するものが37施設で、総面積にして約12.3ha、区画数として7,500区画程度存在すること、また、宗教法人が管理するものは23施設で、総面積で約4.3ha、区画数は約4,200区画という状況でした。  また、墓地の需要と供給については、全体で希望者260件に対し、空き区画数が360区画あり、新たに墓地を求められている方の永代使用料については、地縁団体が関与する墓地は1区画当たり5万円から160万円、宗教法人が管理する墓地では30万円から80万円となっており、いずれも原則として地区民や檀家、信徒を対象に、墓地区画の提供をする経営方針であるものの、一般市民も対象とした区画を設けている宗教法人もあります。  一方、墓地区画の新設または増設に関する墓地管理者等からの相談は、近年、増加傾向にあり、この背景としては、墓地を求める市民が増加しているものと思われます。しかし、墓地の新設や拡張については、用地の確保や近隣住民の理解、墓地の経営計画の健全性を確保することなどが求められる中で、墓地経営事業者には墓地を必要とする方を正確に把握することや、地域住民の方々との良好な関係を構築すること、さらに、経営する墓地を維持管理する上で、すべての墓地使用者の所在を把握すること、また、墓地使用者の道徳意識の低下を招かないための手だてを講じることなど、相応の御負担をお願いすることになります。  このような状況に加えて、市内でも地域ごとに墓地の需要や墓地経営等に関する事情が異なることもあり、市が直接墓地経営に携わるよりも、従前のとおり住民に最も密接な関係にある地縁団体や宗教法人が墓地の経営を行っていくことが、これらの課題へと対応方法として最も適したものと考えます。  次に、納骨堂についてですが、都市部の自治体等で墓地用地の確保が困難な場合においては、建物内を個々に区分して納骨し、墓と同様に取り扱っていることは承知しているところですが、本市の場合はそのような需要はないものと現在のところ判断します。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  12番 勝又勝美議員。 ○12番(勝又勝美君)  御答弁ありがとうございました。  まず、1点目の高齢者インフルエンザ予防接種について、再度、質問をいたします。  1点目の申請を保健センターに行かないで他市で接種できないかについては、市長の責務となっているため、市長名の発行が必要であることは理解いたします。  また、3つ目の申請書の電子化についても、本人の印鑑のみの対応で可能か等を含め検討していくとのことで、了解いたします。  2つ目の支所で申請し、交付ができないかについて、市長に伺います。今後、関係各課と協議し、検討していくとのことですが、先ほども質問いたしましたように、高齢者のみの世帯がふえる中で、他市の医療機関での接種の希望も増加していくことが十分考えられます。当市が市民に対し、窓口で親切丁寧に応対していただいていることはよく聞いております。しかし、市長がよく言われる行政経営、つまり市民の立場に立った行政サービスを行うことにも、窓口の応対だけでなく、いかに市民の利便性を考えた申請方法になっているかが問われていきます。今後、少子高齢化社会を見据えた中で、数年後のあるべき姿、御殿場市が他市に先駆けて独自で進める市民の行政サービスなど、当局として検討されていることと考えますが、今回の質問事項といたしましては、まさしく少ない予算で大きな効果を上げるものと思います。できることから早急に取り組むことが必要と感じますが、市長の見解をお伺いいたします。  続いて、御殿場市営墓地について再度質問をいたします。  墓地の需要と供給について、希望者が260件に対し、空き区画数が360区画あり、いずれも原則として地区民や檀家、信徒を対象に墓地区画の提供をする経営であるものの、一般市民も対象とした区画を設けている宗教法人もありますとの答弁ですが、低価格で一般市民を対象とした墓地は、需要と供給のバランスが取れているか疑問が残ります。  また、住民に最も密接な関係にある支援団体や宗教法人が墓地の経営を行っていくことが、これからの課題の対応方法として最も適したものであると考えますとの答弁ですが、新興住宅地では地縁団体はないか、あっても拡張は不可能であり、需要に合わないのが現状です。墓地を低価格で求めている方々は、どこに相談すればよいのかもわからない状況です。  ここで再度質問をいたします。  1つ目ですが、当局が平成21年8月から10月にかけて実態調査を行ったことで、空き区画数と、それに対する需要の状況、墓地区画の永代使用料、一般市民も対象とした墓地を把握されていると考えますが、今後、一般市民への窓口として墓地の空き情報、場所、連絡先、永代料などを提供していただくことが、墓地で悩んでいる市民へのサービスと考えますが、当局の見解を伺います。  2つ目に、「希望者が260件、また納骨堂については需要がないと判断します。」との答弁ですが、何を基準にしたデータであるか、また今後、再度調査を行う計画はあるのか、あればいつごろ予定しているのかを伺います。 ○議長(滝口達也君)  生活環境部長。 ○生活環境部長(伊倉富一君)  それでは、私のほうから2点目の御殿場市営墓地の再質問につきまして、先にお答えをさせていただきます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、墓地を求められている方は全体で260件、その内訳は地縁団体関係が120件、宗教法人関係が140件でございます。一方、墓地の空き数はそれを上回る360ほどありますが、この数字は先に実態調査を行った市内各地で墓地を経営する側からの情報であり、これを市民に発信する手段は整っていない状況にあります。  そこで、空き区画を有する墓地の名称、場所、管理者の連絡先等の墓地情報を管理者の承諾を得た上で、市のホームページ、あるいは環境課窓口でお知らせしてまいりたいと考えます。  次に、納骨堂に関してですが、現在、市内に納骨堂と称する施設が3カ所ありますが、いずれもそれぞれの目的を持って設置されているものであります。このような状況の中で、市民の墓地需要に関しては、納骨堂形式ではなく、墓地区画の中に墓石を設けて供養する方法を望まれる方が多いこと、実態調査の結果から判断したところですが、新たに住宅を取得されて定住する方が増加するなど、市民構成が変化する中で、墓地需要に関する市民の意向を聞くための調査を、機会をとらえて実施したいと考えております。  以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(滝口達也君)  市長。 ○市長(若林洋平君)  それでは、高齢者インフルエンザ予防接種についての再質問につきまして、私のほうからお答えをさせていただきます。  議員がおっしゃるとおり、できることから早急に取り組むこと、これは当然でありまして、支所でも対応できます高齢者インフルエンザの申請書の設置場所等につきましては、早急に対応していきたいと考えております。  しかしながら、この依頼書につきましては、どうしても接種後、副反応、副作用ですね、等による重篤な症状を起こすリスクを持っていることもございますので、制度的に市長印がどうしても必要となります。それが実態となっておりますので、これはほかの市町でも同様でございます。したがいまして、今回の御質問の一連の事務処理については、郵送対応などを含めて、先ほど答弁いたしましたとおり、御理解いただきたいと考えております。  しかし、市役所全体の事務処理等におきましては、従来の事務処理等にこだわらず、合理的で市民の皆様の立場に立った前向きな検証に努め、改善できるものは早急に改善をするように、職員一人一人に周知してまいります。それが他市の先駆けとなり、何よりも御殿場型NPMではないかと考えております。  以上でございます。  (「終わります。」と勝又勝美君) ○議長(滝口達也君)  以上で、12番 勝又勝美議員の質問は終了いたしました。  以上で本日の日程は全部終了いたしました。 ○議長(滝口達也君)  次の本会議は、明日12月9日、午前10時から再開いたしますので、定刻までに議場に御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。                           午後2時07分 散会...