◆19番(
佐藤寛文君)
リサイクル率を上げるには、当然、御答弁にあったとおり、燃やすごみの中に混入されている資源物を分別するということは大前提なんですけれども、残念ながらここ数年、それがうまくいっていなかった。そんな中で今回、7月から靴と革製品の分別が始まったということで、ちょっとこれは私も知らなかったので申しわけないんですけれども、しっかりこれは啓発していただいて、前に進めていただきたいのと、それと植木の剪定枝ですが、これは今まで燃やしていたということで、当然
リサイクルに回せば、恐らくチップにするんだと思うんですが、
リサイクル率は上がるのは当然なんですけれども、そこに今まで以上にコストがかかってくるという部分があると思うんですが、参考までにその剪定枝を
チップリサイクルにしたときに、どれぐらいのコストがかかって、どれぐらい
リサイクル料が上がるのか、その点をお聞かせください。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) お答えいたします。 剪定枝を分別回収して資源化した場合に必要な経費でございますが、計画の
中間目標年度であります2025年度における
リサイクル率21%を達成するための剪定枝の
資源化目標量は約600トンになります。これを資源化するために必要な経費といたしましては、資源化に係る委託料が概算で年間に約1,000万円、それから収集運搬に係ります委託料が年間に約1,000万円、合計で1年間で約2,000万円の費用がかかると考えております。以上でございます。
◆19番(
佐藤寛文君) すごく悩ましい数字なんですよね。600トン、
リサイクル量を増やすのに2,000万円ということで、ただ目標全体で見るとあと6年で2,000トンぐらい増やさなければならないんですね。
リサイクル率というのは当然お金をかければ幾らでも上げることができるんです。恐らく三島市も
容器プラをやれば、五、六%、ぽんと上がるけれども1億円以上かかってくると。そういった中で今回の想定されている600トン、2,000万円に関して、さらに精査するんだと思いますが、大体2%ぐらいこれで
リサイクル率が上がってくる。そして、当然焼却量も減るということを考えると、これは個人的な見解ではぜひ新年度からでもやっていただきたいと考えております。 次に、
プラスチックの質問をいたします。 環境省では、
プラスチック資源循環戦略を本年5月に策定いたしました。廃プラの有効率の低さ、海洋プラなどによる
環境汚染が
世界的課題となっており、特に日本は世界で2番目に1人当たりの
容器包装廃棄量が多い国であります。レジ袋や
ペットボトルなど、人間の経済活動で1度しか使われていないまま捨てられたものが多くを占め、生態系への悪影響が懸念されております。 そこで、本市における
プラスチック削減の
取り組みについて、現状、課題、今後の
取り組みをお伺いいたします。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) お答えいたします。 本市ではこれまで、ごみの減量や資源化を推進し、
循環型社会の形成を図るため、
プラスチックごみ削減に関する
取り組みといたしまして、
買物袋持参運動の推進や
レジ袋使用量削減協力店の認定等を行い、また、
プラスチックごみの資源化に関する
取り組みとして、
ペットボトル、
白色トレイ、
白色発砲スチロールの資源化や、
スーパー等店頭回収利用の推進等を行ってまいりました。 一方、近年世界全体での
プラスチックごみの
有効利用率の低さや不
適正処理によります海洋流出など、
プラスチックごみによる地球規模での
環境汚染が懸念されております。また、日本におきましても、1人当たりの
ワンウエー容器包装廃棄量の多さや、
アジア各国による
プラスチックごみの輸入規制が拡大等の課題が生じておりまして、これまで以上に国内における
プラスチックの
資源循環が求められております。 これらの諸課題に対応するため、国では本年5月に
プラスチック資源循環戦略を策定しましたが、
プラスチックごみ削減に向けた
取り組みにつきましては、本市の新たな
一般廃棄物処理基本計画におきましても位置づけをしておりまして、これまでの
取り組みに加え、市民の皆様に対する詰め替え商品や
リユース食器等利用の働きかけ、事業者の皆様に対する耐久性のある商品開発や
リターナブル容器導入に係る
協力要請等の
取り組みを推進することとしております。 なお、
プラスチックごみの削減に向けた
取り組みは、既に事業者においても進められており、
プラスチック製ストローの廃止に向け取り組んでいる事業者、新たにレジ袋の有料化や値上げを検討している事業者、
プラスチック製のレジ袋をやめ、紙や
バイオマス素材によるレジ袋の導入を検討している事業者など、多くの事業者が
取り組みを開始しております。 いずれにいたしましても、今後は
プラスチックごみの削減を本市だけではなく、日本全体、さらには世界全体の課題として捉え、国の戦略や市の計画に基づき、国や県、さらには事業者との連携を図る中で、
プラスチックごみの削減に有効な
取り組みを推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆19番(
佐藤寛文君) 本市では
容器プラは収集がないので、なかなか減量は進まないんですが、先ほどちょっとありましたけれども、例えば世界中で
コーヒー店を展開する
スターバックスとか、国内のファミリーレストランの一部でも既にこの
使い捨てストローの廃止というのは進んでおります。当然もう我々消費者だけでなく事業者、特に今後市内の飲食店の関係の方としっかり連携してやっていただきたいと思います。 最後になりましたが、今回策定された新たな計画の達成に向けての
取り組みについてお伺いいたします。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) 新たな
一般廃棄物処理基本計画では、4つの
基本方針のもと、18の施策と75の具体的な
取り組みを掲げ、さらにその中から9つを重点的な
取り組みとしております。そのうち、新計画の実現に向けたごみの減量や
リサイクル率の向上に関する
目標達成のための
取り組みでございますが、先ほど御説明しました新たな
資源化品目の導入に関する検討を行うほか、近年世界的に問題となっております
食品ロス削減に関する
取り組み、集積所における資源物の分別徹底に関する
取り組み、
生活系収集ごみ有料化に関する検討、
事業系ごみの
適正排出と減量に向けた
取り組み、そして市民や事業者の皆様の
意識向上のためのさらなる
周知啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、廃棄物を取り巻く
社会環境の変化や諸課題に対応するためには、市民、事業者、行政がそれぞれの役割を認識し、3者が連携協働して
取り組みを推進していくことが必要でございますので、施策の推進に当たりましては市民や事業者の皆様の御理解、御協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆19番(
佐藤寛文君) 今回策定された新たな計画の達成というのは、なかなか、私はこれまでの
取り組みからすると厳しいと感じておりますので、しかしながら、焼却炉の問題とか焼却灰の問題を考えると、しっかり今後市民の皆さんにも御協力をいただきながら達成に向かわなければなりません。 冒頭にこの
ごみ減量が焼却炉の延命、
維持管理費の削減につながるという話をしましたが、やはりこの
ごみ減量を実現させることが本市にとって本当にいいことしかないという意識を、市全体で共有していく必要があるかと思います。 また、最後の御答弁にもありましたが、このさらなる減量が進まなければ、残念ながらどこかのタイミングで市民の皆さんにも御負担をいただく、つまり家庭系のごみの有料化という検討にも入らなくてはならないと思いますが、そうはならないようにぜひ一丸となってさらなる減量に取り組めればと思っております。 それでは、次に、市民の皆さんに信頼される
市政運営について伺ってまいります。 市民の皆さんに信頼される
市政運営とは、行政の公平性、透明性を確保し、市民の声に耳を傾け
市民ニーズを的確に捉えること、また、政策について十分に説明し納得していただき共感を得ることが重要だと考えます。しかし、本市においては、報道等で皆さん御承知のとおり、さまざまな問題を抱え、現状、市民の皆さんに信頼されているとは言いがたい状況かと感じております。市民の皆さんに信頼される
市政運営に向けて、過去の質問に関する進捗状況も踏まえてお伺いしてまいります。 まず、
補助金交付にかかわる
内部調査委員会の結果について伺います。 平成28年、三島市の商工連携・6次
産業創出事業費補助金200万円の支出に関して、それを審査する
審査会実施の有無と、市長協議などを含む
補助金支出の手続に関して、幾つかの問題点を昨年の議会にて私が指摘をいたしました。その後、告発をされたという報道を受け、
内部調査委員会が昨年12月に設置され、計12回の委員会が開催され、本年8月15日にようやくこの調査報告がされました。 まず、この調査結果についてお聞かせください。
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) お答えいたします。 本件について、
内部調査委員会での調査により、以下の3つの点についての結論を得ました。 まず、1つ目は、
補助金交付に関する審査会の実施についてでございますけれども、いわゆる会議形式での審査会は省略し実施されていないと判断しました。また、平成27年度において行われておりました各審査会委員に書面を送付して意見を求めるという形式での審査も、実施された形跡を確認できませんでした。 2つ目は、稟議書の記載についてでございます。上層部の職員が当時の起案者に「審査会を実施」という記述に改めるよう指示した可能性が高いと思われますが、具体的にどの職員が指示したかについては複数の証言があり、特定するには至りませんでした。 3つ目は、事務手続についてでございます。交付要領等に基づく本件補助金制度の仕組みや審査会の役割など、審査会委員に十分な説明が行われていなかったものと判断され、市側の担当部局に審査会についての認識の甘さがあったというふうに思われます。また、いわゆる会議形式での審査会を経ていない
補助金支出に関しては、直ちに違法となるような根拠は見当たらないものの、市民等に対して行政手続や公金支出手続全般の信頼を失いかねないものであり、交付要領の存在意義や審査会委員選任の妥当性についても問題があったというふうに考えております。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) まず、12回、半年以上かけて行った審査会の報告書としては余りにお粗末過ぎるという感想を受けました。 今回の
補助金支出に関しては、御答弁にもありましたが、さまざまな面でたくさんの問題があったということは明らかになったと思います。 まず、調査委員会からの報告では、審査会については実施をしていない、開催していない。にもかかわらず、公文書には「審査会を開いた」と記載するよう上層部の職員からの指示があった。そのことは確認できたと。しかしながら、具体的にどなたの指示で虚偽公文書が作成されたのかは、複数の証言があり特定できなかったというお答えだったと思います。 これ、再度質問しても答えられないと思いますから伺いませんが、これ、起案者は恐らく一人だと思うんですよ。ですから、複数の証言で特定できないという点はちょっと疑問が残るんですが。一方でちょっとお伺いしたいのは、翌日の東京新聞の記事だったと思うんですが、この調査結果を受けて今後、職員懲戒処分などの委員会を立ち上げるという記事がありました。実際にこのような委員会を設置する予定があるのか、ないのか、その点をお聞かせください。
◎副市長(梅原薫君) ただいま、職員の懲戒処分の審査委員会についての御質問をいただきました。議員から御紹介がありましたとおり、8月15日に
内部調査委員会の調査結果の報告を市長にいたしまして、その後、8月23日に記者会見を開きまして、そこで内容の報告をさせていただいたんですが、その中で、職員の処分はというような御質問をいただいたことに対しまして、職員懲戒処分審査委員会にて検討をさせていただくというお答えをさせていただきました。 その準備を進めていたところでありますけれども、実は御存じのとおり9月7日に新聞報道が複数の新聞からありまして、この件につきまして三島市の男性が職員等を対象に有印公文書作成・同行使の疑いで三島警察署に告発状を提出したという報道がございました。私どもとしましてはこれを受けまして、直ちに職員の懲戒処分の審査委員会を開いて結論を出すのではなくて、この刑事告発されたということの動向をちょっと見守っていこうという判断に変わったところでございます。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) 9月7日の三島市の男性が告発したという記事が出たと思うんですが、あれも結果的には告発されておりません。ここで今初めてお伝えしますが、そうなると、懲罰委員会は設置されるということでよろしいのか。
◎副市長(梅原薫君) 今、
佐藤議員から告発はされていないというお話がございました。ただ、私どもの情報源といたしましては、今のところ新聞報道しかないわけでございまして、実は先ほどの新聞紙3社が告発状を提出したと断言する報道をしております。その後、実は提出されていなかったという報道はされておりません。そのことを考えますと、私どもとしましては、提出されたものと受けとめざるを得ないというのが現状でございます。 仮に告発状が提出されていないとしましても、後日提出されるということを否定するわけにはいきません。可能性としては十分にあると考えておりますので、今後の動向を見ていきたいという考えでございます。
◆19番(
佐藤寛文君) そうすると、いずれにしても今後、告発された、されない、結果がでたときに、されていなかったとしても、懲罰委員会に関しては今の段階では設置しないということでよろしいですか、仮に。
◎副市長(梅原薫君) 今後一切懲罰委員会といいますか、懲戒処分審査委員会を開かないということではなくて、動向を見ながら判断していきたいということは、刑事告発ということがされるということは、いわゆるその先には裁判ということが想定されるわけです。そのことを踏まえて、しっかり事実を確認した上で処理しないと、私たちは今のところ内部調査しかしていない状況でございますので、その辺の客観的な情報をしっかりと受けとめていきたいと考えております。
◆19番(
佐藤寛文君) 答弁はわかりました。 仮に懲罰委員会をつくったとします。私、疑問に思うのは、今まで半年以上12回やってきたわけですよね。そこで、どなたが作成したか、結論に至らなかった。その中で懲罰委員会を開いたら、その結論が出るのかどうかと、ちょっとそこは疑問なんです。新たな証言が出るのか。基本的にそれはないのかなと思っています。今後、懲罰委員会が設置されたらどのようになるのか、見守りますけれども。 ちょっとこれ、梅原副市長にちょうどいい機会だから伺いたいんですけれども、委員長ですので伺いますけれども、今回の
内部調査委員会はすごく大事なものだと私は思うんです。ところが、その委員の構成が全て市の幹部職員の皆さんで構成されていたということであります。本来、こういう大事なものは外部の人間を複数名、最低2人以上入れて調査するべきだったと私は考えるんですが、その点についてのお考えをお聞かせください。
◎副市長(梅原薫君)
佐藤議員の御指摘のとおりだと思います。でも、結果といたしましては、私たち職員がメーンで内部調査を進めたわけですけれども、その中にはアドバイザーとしまして顧問弁護士の杉本先生に入っていただきまして、その都度アドバイスをいただきながら進めてきたという経過でございます。
◆19番(
佐藤寛文君) 今後そういった委員会をつくるときは、必ず外部の人を複数名入れてください。 次に、この
補助金交付審査会について明らかになった点をお聞かせください。
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) お答えいたします。
内部調査委員会では、まず1つ目として了承済みとされる審査会委員の割合、2つ目としまして審査会の手続の適正性という2つの側面から考察をいたしました。 まず審査会委員の割合という点でございますけれども、平成27年度に行われておりました書面形式による審査を実施した審査会委員は9人で、このうち市の職員を除くと6人となり、平成28年度も継続されていたというふうに考えられます。そこで、御指摘のございました点を含めて、平成28年9月14日に行われました第3回の三島市地域ブランド推進協議会の開催状況を概観いたしますと、出席した協議会委員は、代理を含めて20人でございます。この中で協議会委員を兼ねている前記6人の審査会委員のうち4人が出席、2人が欠席という状況でございました。 今回の調査では、この6人の審査会委員の方に対してもヒアリングを試みましたが、お答えが得られなかった委員の方が何人かいるものの、欠席委員へのフォローなどを含めこれらを総合すると、調査会委員といたしましては、3分の2程度の審査会委員については全体を通じた流れの中で、補助金額や使途目的についておおむね了承を得られていたのではないかと考えております。 次に、審査会の手続の適正性という点でございますが、交付要領第8条に審査会が明記されているにもかかわらず、審査会委員に対する審査の説明が十分ではなく、また審査会の設置要領などが定められておらず、審査会そのものの位置づけが不明瞭であり、さらに稟議書を初めとする事務手続についても曖昧であったことが、調査により認められました。 こうした点を踏まえまして、みなすということの妥当性については判断が難しいというふうに結論づけたものでございます。 しかしながら、いわゆる会議形式での審査会を経ていない補助金の支出に関しては、直ちに違法となるような根拠は見当たらないという判断をいたしたところでございます。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) 今、最後の直ちに違法性となる根拠は見当たらないという答弁は、もしかしたら違法でもあるかもしれないと受け取れるわけですけれども、ここもやっぱり8カ月かけて12回やった委員会ですから、しっかりとした報告をできれば上げてもらいたかったと思います。 それで、審査会そのものは開いていなかったということは冒頭でも発言がありましたが、その理由として、この審査会の明確な基準がなかったと。ほかの会議の中で話がされ、了承を得たことが、これイコール審査会とみなすという見解だったと思います。私は市民の皆さんからお預かりした税金を支出する、その支出を審査する委員会の決まりがなかったということ自体が大問題だと思うんですけれども、その設置要領もなかったということで、今回「みなす」に関してもめているわけですけれども、ちょっと一つそこで問題なのは、全ての委員の方には確認が結果的にとれていなかったんですよね。今回の審査会で、欠席の委員も含めておよそ3分の2という話がありましたけれども。そうなると、昨年11月の
一般質問のときに、私は渡辺部長に確認したんですけれども、当日欠席の委員も含めて、全ての委員に書面なりメールなり、何かしら了承を得たという答弁があったと思うんですが、その答弁は間違いなのかどうか、改めて確認を。
◎
産業文化部長兼
まちづくり政策監(渡辺義行君) 私が昨年の11月議会で
佐藤議員の質問に答弁したとおりです。 当時の職員から伺いましたところ、欠席された委員さんがいまして、その欠席された委員さんにつきましては、その後連絡をとりまして了承を得ているというふうなことで聞いておりますので、11月の答弁どおりでございます。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) そこは冒頭の答弁では、書面送付も含めて意見を求める形式ではなかったと答えられたと思うんですけれども、何かその記録はありますか。書面なりメールなり、何でもいいんですけれども、全ての方に了解を得たという記録があれば。
◎
産業文化部長兼
まちづくり政策監(渡辺義行君) 昨年11月にも同様の答弁をさせていただきましたけれども、特にその記録を残すような文書は私たちが調べたところではございません。そういった中では、今、私申しましたとおり、先ほど
企画戦略部長の答弁で2人が欠席をしているというところがございました。その2人の欠席分につきましては、当時の職員から聞いたところ、その会議が終わってから、欠席された委員さん自身に連絡をとって確認をとったということを聞いております。 それ以外の出席されている委員さんたちにつきましては、これは調査委員会の報告書の中にもありましたとおり、いろんなその協議会の中でテーマで話し合われている中で、特段反対するような意見もないというところでは、おおむね了承を得ていたと考えられるというような、そういったくだりがあったかと思いますけれども、そういったところで特段反対という意向が見受けられなかったというようなところで、そこで確認はとれているというふうに、当時の職員がみなしたというところから、あのような稟議書の書き方になったというふうに私たちは認識をしていますので、その点については私たちも理解をしたところでございます。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) そうすると、冒頭の御答弁と食い違うんですけれども、冒頭の御答弁では、審査委員に書面を送付し意見を求めるという形式の審査も実施された形跡もなかったということですが、これは平成28年はやっぱり、平成27年よりも前の話ですか。確認したらしなかったという話でよろしいのか。
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) 先ほどの私の答弁は、平成27年度は書面での形式の審査はした形跡がある。平成28年度はその形跡等はないという答弁です。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) かみ合っていないんで。平成27年はやっていない、やったけれども、平成28年はやった、やっていない。
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) やっていないというのは、会議形式の審査はやっていないというのが調査委員会の結論でございます。 〔「書面は」と呼ぶ者あり〕
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) 書面などの送付もやっておらず、要するに平成28年9月14日の地域ブランド推進協議会での説明の中で、そこに審査会のメンバーが6人のうち、市の職員以外の6人のうち4人は出席をされていた。その残りの2人には、今渡辺部長が答弁されたように、事後で確認をしたということだというふうに理解しております。
◆19番(
佐藤寛文君) 何でここにこだわるかというと、委員の方数名から、そんな書類もなければ報告も受けていないという方が実際にいらっしゃったので、ここにこだわるんです。なので、先ほど口頭で伝えましたということですが、やはり今後は必ず審査会ですから、審査員の何かしら書面で承認を残していただきたいと思います。 今回、そもそも審査会の決まりがなかったということが一つ大きな問題であったのと同時に、補助金をもらう側と審査するメンバーが同じであったということは、やっぱり市民の皆さんに説明のつかないことだと思います。 今回の調査結果を受けて、今後本市においてはどのように再発防止に
取り組み、市民の皆さんへの信頼を取り戻すのか、今後の
取り組みについてお聞かせください。
◎
企画戦略部長兼
危機管理監(
杉山浩生君) 再発防止策についてお答えいたします。 再発防止策といたしましては、報告書の中では1つは
補助金交付の決定方法、もう1つは職員倫理、公文書の取り扱いについてというこの2項目を挙げてございます。 今年4月に三島市の補助金を交付する場合の基本的なルールと位置づけます三島市補助金ガイドラインを策定いたしまして、職員に周知しております。その中で、補助金の原資は市民等から託された貴重な税金で賄われていることから、交付に当たっては公益性の高さだけではなく、公平性や有効性についても十分に考慮した制度でなければならないといたしております。申請時の慎重な審査や実績報告時においては成果の検証を行い、広く市民等へ客観的な説明ができるような支出を、なお一層心がけてまいります。 また、管理監督職への倫理研修の前段階といたしまして、9月3日に開催いたしました部課長会議におきまして、梅原副市長より本件の報告及び三島市補助金ガイドラインをもとに、補助金の適正な支出や事務執行についての講話を実施いたしました。 今後も職員への倫理研修や公文書の取り扱いに関する研修などを実施していきたいと考えているところでございます。 なお、現在の地域ブランド推進協議会では、同協議会への
補助金支出は行わず、審査会を別に開催するなどの改善を実施しているというふうに承知しております。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) これはもう職員の皆さんというか、ここにいらっしゃる皆さんを含めて、幹部の職員の皆さんにしっかりと研修を行っていただいて、副市長、1回やったらしいですけれども、さらにやっていただいて、部下の皆さんに不当な行為を指示するとか、させることがないように、しっかりそこは姿勢を正していただきたいと思います。 また、
補助金支出のガイドラインについては、たしか一昨年に私が要望したと思うんですが、交付基準が3つ、公益性、公平性、有効性というのがあります。今後、新年度においてもそうですが、この3つが満たされていないものに関しては、やはり支出してほしくないです。ですから、予算の段階からこのガイドラインに沿ったものにのみ補助金を出すようにしていただきたいと思います。 ちょっと時間の関係で順番をかえさせていただきます。 三島駅南口の再開発事業についてお伺いします。 まず、ちょっと西街区について私はお伺いしたいんですが、実は先週20日金曜日に、東京の友人から新聞広告の中で三島市の記事が出ているよということを教えていただきました。豊岡市長の「私を殺して」発言以来、1年前ですか、あれは。三島市はすごく全国的に有名になりました。しかしながら、何というかマイナスのイメージがつきまとっています。そんな中で今回、雑誌の見出しの中で「東急に肩入れ、三島市長が打ち首覚悟、担当の職員はゴルフ三昧、市民の財産の異常な売却」という見出しが、これ、全国紙に出ていました。 西街区については、土地の売却をめぐって今裁判になっていまして、来月判決が出るようなので、詳細は伺いませんが、先週石井議員からも質問がありましたが、公募の前に東急と6回ほど会っていたと。一方で今回のように、市長の側近職員がゴルフ三昧という、こういった記事が全国紙に出てしまうと、市民の皆さんがぱっと見た時に、やはりそこは不信感を抱いてしまうのではないかと感じるんです。 この記事の中には、豊岡市長の側近の職員の方が1年間で100回ゴルフに行っているという記事も書かれています。これは恐らく事実なんでしょうけれども、そうは言ってもプライベートのことなんで、それ自体は問題ないんですが、やはりこの一連の流れの中でこの記事も読ませていただくと、西街区のプロポーザル前から東急との売買契約に至る中で、この記事を読んだ方は、この職員の方が何かしら利益を受けているんではないかという連想してしまうような記事なんですよ。やはりそのあたりは、この方の名誉にもかけて言いますけれども、そうでないのであればそこをちゃんと否定しなければいけないし、そもそもこの件に関して、当局は把握をしているのか、内情ですよね、それをちょっとお伺いしたいんですが。これ、管財課だから
財政経営部長、答えられるのか。
◎
財政経営部長(鈴木昭彦君) 個人的でプライベートな部分でございますので、三島市として正式な調査はしておりません。以上です。
◆19番(
佐藤寛文君) そういう答弁しかできないと思いますけれども、来月判決が出るということですから、その後でも私はいいと思うんで、これは調査をというか、聞き取りしていただいて、何かしら報告する必要があるのかなと思っております。それは、その方のためでもあるのかなと。こういう疑いをかけられて結局このままにしてしまうのは、市民の皆さんにもそうだし、市役所の皆さんにとってもいいことではないので、ぜひそういった事実を確認して報告いただければと思います。 次に、東街区についてはちょっと1点だけお伺いします。 市民の皆さんに信頼される開発を行うために、当然今まで以上に市民の皆さんにしっかり説明をしていくという必要があると考えております。この間、議会答弁では何度も市民合意を得るとか、市民の皆さんの声を聞くとか、そういった答弁がありました。一方で、先週、村田議員からも指摘がありましたが、本当にその気があるのかと、見えないぞという声もあります。これは私も同様に考えています。当局の皆さん、担当課の皆さんの考える市民合意とは一体何なのか、その点についてお聞かせください。
◎
計画まちづくり部長(三枝邦昭君) お答えをいたします。 市民の皆様には今後も事業への御理解をいただけるよう引き続き丁寧な説明を行ってまいりたいと思います。その上で、関連する議案における市議会の皆様の議決に基づき、最終的な判断をしていくべきことと考えております。
◆19番(
佐藤寛文君) 以前、豊岡市長が市民合意とは市民に選ばれたこの議会での多数があれば、それはイコール市民合意だということを答弁されたので、それと同じ見解だと思います。そこは市長の考え方ですから、私は否定も肯定もしませんが、それを聞いて市民の皆さんがどう感じるかということが大事なのかと思います。 いずれにしましても、今後しっかり市民の皆さんに説明をしていく。今週大ホールであるようですが、その先も地域、地域、そして幅広い年代の方、多くの人に説明して伝えていくことが大事かと思います。やはり大きな事業でありますから、市民の皆さんも含めて共通の理解のもとに進めることが、今後の三島市にとって大切なことだと思います。 それは、再開発に限ったことでなく、全てのことに関して市民の皆さんを置いてきぼりにしない、市民の皆様が主役になる、そういった三島市をつくっていっていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(
大房正治君) 以上で、19番
佐藤寛文君の発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩します。 なお、再開は14時5分の予定です。
△休憩 午後1時50分
△再開 午後2時05分
○議長(
大房正治君) 休憩を閉じ、会議を再開します。
---------------------------------------
△
河野月江君
○議長(
大房正治君) 次に、10番
河野月江さんの発言を許します。 〔10番
河野月江君登壇〕
◆10番(
河野月江君) 通告に従いまして、
一般質問を行います。 初めに、三島駅南口東街区再開発事業に関して質問いたします。 三島市が現在、第4次総合計画、第2次都市計画マスタープラン、そして平成24年策定の三島駅周辺グランドデザインのもと、三島駅周辺再開発事業を進めています。東街区については、昨年8月、市は再開発準備組合、アスマチ三島プロジェクト共同企業体との3者で事業協力に関する協定を締結しました。現在、令和5年度からの建築工事着工、令和7年度の竣工を目指し、当面来年5月の都市計画決定に向け事業を進めようとしています。 この間、3回にわたり開かれてきた市民説明会では、賛成の声もある一方、高層マンション反対の声を初め、民間事業への莫大な財政投入への異論、地下水や景観など環境に対する影響への懸念の声が上げられてきました。同時に、市民合意が不十分なまま計画ありきで推し進めようとしている市の姿勢に対する批判の声も上がっています。 そうした中、市はこの7月にタワー棟の高さを約9メートル下げ、90.6メートルにするという施設計画案変更の検討状況を明らかにしたところです。9メートル下げたとしても、高層タワーであることに変わりはありません。今回の再開発事業の目的はどこにあるのか。市が準備組合、事業協力者と3者で結んだ包括協定書では、協定の目的について、三島駅周辺グランドデザインに則り、地下水や湧水を初め三島市の持つ豊かな自然環境と共生し調和するスマートウエルネスフロントとして、人々が集い、にぎわいが創出され、市民生活の文化の質の向上につながる広域健康医療拠点を整備するため、互いに連携し、事業を円滑に推進することを目的とすると述べています。 私は、高層マンション建設型、保留床中心型の再開発事業で、果たして住民本位のにぎわいの創出は可能であるのか。現案の再開発事業が本当にこの三島のまちににぎわいをもたらすのか。この点に関連して、幾つか質問をいたします。 市民にとってのまちづくりを考えるとき、どんなまちをつくるのかという理念、ビジョンは大切ですが、前提として、誰のためのまちづくりを誰が主体となって進めるのかということは、決定的に重要です。この間、地権者など関係権利者の方々の声は、第1種市街地再開発事業に関する事業協力協定が、あくまで準備組合と事業協力者、2者間の協定であるということもあり、一般になかなか届いてきていません。 そこで、まず、現在の一番町商店街の関係権利者の現状及びその方たちの権利変換等の将来的意向についてお伺いします。今回の当該区域の関係権利者の権利形態の内訳はどのようになっているでしょうか。 以上を壇上からの質問とし、続きは質問席より行わせていただきます。
◎
計画まちづくり部長(三枝邦昭君) それでは、地権者の形態についてお答えをいたします。 現時点で把握している関係権利者でございますけれども、三島市土地開発公社を除き、事業区域内に土地や建物の所有に係る権利者は24者となっており、共有により複数の権利者がいる場合は代表者を1者として数えております。なお、借地権者はいないものと認識をしているところでございます。 また、アパートなどの居住者については入れ替わりがあることから、今後把握することとなりますが、テナントとして区域内の建物に入居し店舗等を運営している借家権者は14者となっております。
◆10番(
河野月江君) では、そのうち再開発ビル内に権利変換を希望している方、逆に転出を希望している方など、再開発後の意向はどのようでしょうか。
◎
計画まちづくり部長(三枝邦昭君) 権利変換を受けるのか転出をするのかなどの御意向については、一人一人、前提となる条件を調査する前の段階であり、個人情報にかかわる内容でもありますので、詳細については申し上げることはできませんが、住居をお持ちの方は引き続き駅前の住居を希望する方が大半であり、商業ビルを所有の方は引き続き家賃収入が得られる商業床の取得を希望される方が大半となっております。借家権者につきましては、前提となる条件の調整前でありますので、今後御意向を伺っていくことになっております。
◆10番(
河野月江君) 全国の組合施工型の再開発の現状を見ますと、その後を見ますと、私は関係権利者の意向や権利が十分に守られていくのかという点を、大変懸念をいたします。改めて、指摘を申し上げたいことは、組合施工ということの実態です。 昨年8月、準備組合と事業協力者アスマチ三島が結んだ事業協力協定書。本組合の早期設立に向け、アスマチ三島が準備組合に対して協力する内容が事細かく示されています。例えば、準備組合の事務局にアスマチが人を派遣をする。都市計画決定や本組合設立に必要な経費、これはアスマチが当座立て替える。アスマチは
権利変換率の調整や経済条件に留意しながら、施設計画や事業計画の立案に協力するなどが、いわゆる協力の中身になっています。そして、アスマチ6者のうち、設計コンサルを除く5者を本組合の参加組合員の予定者とするというふうになっています。これは誰が見ても地権者主導でないことは明らかです。 さらに、令和3年に目指している本組合設立、この設立の過程にも法律上の特徴があります。都市再開発法の第1種市街地再開発事業では、都市計画決定を経た上で、区域内の地権者5人以上で区域内の宅地所有者及び借地権者の3分の2以上の同意があれば、組合を設立できるということになっています。これは言いかえますと、3分の2が同意さえすれば、行政処分権によって同意をしない地権者も再開発組合に強制的に加入をさせられ、土地建物に関する権利は御本人の意思にかかわらず、ビルの中に権利変換をさせられるか、あるいは補償金を支払われて転出をさせられるということになります。 このように本組合と一言で言っても、全ての地権者の総意とはまた異なったもので、しかも先ほど述べましたように、アスマチのうち5者が組合員です。 そこでお伺いします。今申し上げたことも含め、全ての関係権利者の皆さんに権利変換にかかわる内容や仕組み、今後のスケジュールなどについて、市は説明の状況、しっかりと把握をされているんでしょうか。
◎
計画まちづくり部長(三枝邦昭君) 三島駅南口東街区再開発事業の区域内の地権者の皆様による市街地再開発準備組合が平成21年に設立されましたが、地権者の皆様は平成2年に設立された前身の協議会時代から再開発を初めとしたまちづくりの勉強会を重ねてまいりました。この中で保有する土地や建物が、等価で新たな建物の床の所有権や土地の共有による所有権に変換されるという権利変換の基本的な考え方などについては、御理解を深めていただいた経緯がございます。 土地や建物所有者については、おおむね権利変換について御理解が得られたものと思われますが、さらなる説明が必要な場合においては、準備組合等により個別に説明がされているものと認識をしているところでございます。また、借家権者につきましては、これまで4回、権利変換に等に係る説明会を開催してまいりました。借家権者については、土地や建物所有者と比較すると入れ替わりが多いことから、新たに借家権者となった方などからのお問い合わせ等があった場合には、個別に説明を行ってまいりました。 また、家主となる建物所有者に対して、借家権者からの問い合わせが多いことを鑑み、昨年6月に賃貸借を行っている建物所有者を対象とした建物オーナー向け勉強会も開催をしたところでございます。なお、土地や建物所有者と同様にさらなる説明が必要な場合においては、準備組合等により個別に説明がされているものと認識をしているところでございます。
◆10番(
河野月江君) 権利変換一般については説明をされていて当然です。大事なのは、今も御答弁の中にありました、さらなる説明が必要な場合です。準備組合等により個別に説明がなされているものと認識している、これが今の市のスタンスです。全国の再開発の現場では何が起こっているか。本組合設立に際しては、地権者の方の十分な理解とは無関係に、あらゆる手段で同意書集めが進められている。むしろ、中身を隠して手続を進めることも日常茶飯事だといいます。インターネットの法律相談サイトを見てみますと、組合や権利変換にかかわる相談が無数と出てきます。民と民の話だからといって、市は再開発推進の立場でこの問題を不問に付すのではなく、市民の権利や財産を責任を持って守るという立場で関与をしていただくことを強く求めます。 次に伺います。そうしたもとで権利変換を望む関係権利者の営業権や居住権、将来にわたってこれらが脅かされることがないと言い切れるでしょうか、お伺いします。
◎
計画まちづくり部長(三枝邦昭君) 都市の再開発においては、既成市街地における複雑に錯綜した権利関係の再調整が必須であります。この権利関係を円滑に調整するため、権利変換などの手法を提供するのが都市再開発法であり、この法に基づき進める当該事業は、全ての権利者の権利保全がなされるものと考えております。 なお、小規模な土地や建物などを所有する地権者においては、権利変換で取得する新たな建物の床が小さくなる場合が想定されます。この場合、事業の施工者となる市街地再開発組合は、有識者からなる審査委員の同意を得て、過小な床面積の基準を定め、保留床などを減じて確保した床を該当者が優先的に増し床として取得することが可能となるような措置をすることができます。 また、該当者が希望するのであれば、権利変換をやめて、その対価を市街地再開発組合が金銭で給付し、転出をしていただくという措置も可能となってまいります。
◆10番(
河野月江君) 法律上の一般論はお答えのとおりだと思います。再開発ビルの床は、年々老朽化していく償却資産です。ビル床を主たる資産構成とする再開発ビルは、より収益力の高い床利用を求めるのが宿命です。高い収益を上げられない者は再開発ビルに入る資格がないというのが、再開発の論理です。権利床はほんのわずかで、圧倒的多くが保留床である現計画案は、まさにその典型です。全国では直接生業に携わる零細の地権者が再開発ビルに残ることができず、転出を迫られるということが起きています。特に借家人の場合、家賃が以前に比べてはね上がるため、新しいビルで借家を続けていくことができず、転出せざるを得ないケースがあります。 少し古いデータですけれども、2004年度から2009年度までに事業が完了した組合施工再開発による転出の実態を、埼玉大学の岩見良太郎教授がまとめたデータがあります。東京では土地所有者、借地権者の4分の1が転出、建物所有者や借家権者では7割から8割が転出をしています。地価の安い九州や四国など地方では土地所有者の転出の割合は半数近くに上り、借家権者については9割が転出という状況です。再開発によって、長年商売を営んできた土地、住みなれた土地を離れざるを得ないケースが決して少なくないことを示しています。 冒頭のにぎわいの創出、そして誰のためのまちづくりかというところに戻りますと、やはりまちづくりの基本は、住民本位、そして大切なのは人のつながりとコミュニティの存続です。多くの保留床を抱える高層マンションの現計画は、申し上げてきたように、従来のコミュニティを壊しかねない要素とともに、万が一、床需要が十分なく保留床が予定どおり処分できない場合には、にぎわいの創出とは全く異なった方向に転じてしまうという大きなリスクをはらんでいます。 次にもう1点、別の角度からにぎわいの創出の条件に関連して、市内の消費動向とそれへの認識をお伺いします。周辺商業の活性化の課題は、にぎわいのあるまちに直接大きく影響をいたします。まず、商業統計調査及び経済センサスにおける小売店の商店数、従業者数、年間商品販売額の推移をお伺いします。
◎
産業文化部長兼
まちづくり政策監(渡辺義行君) 国の商業統計調査及び経済センサスによる三島市内小売業の商店数、従業者数及び年間商品販売額の推移でございますが、商店数は平成16年が1,146店、平成19年が1,038店、平成24年が690店、平成26年が689店、平成28年が707店。従業者数は平成16年が6,487人、平成19年が6,166人、平成24年が4,320人、平成26年が4,075人、平成28年が4,637人。年間商品販売額につきましては平成16年が1,087億6,800万円、平成19年が1,020億4,100万円、平成24年が747億6,600万円、平成26年が758億500万円、平成28年が836億6,700万円となっております。以上です。
◆10番(
河野月江君) ありがとうございました。平成16年から平成28年までの12年間をお答えいただいたわけですが、平成16年を100としたとき、平成28年の値は小売業の商店数で61、従業者数で71、年間商品販売額で77という数字になります。 平成26年から平成28年は若干上向いていますが、今年が調査の年に当たる経済センサス、大変結果が注目をされるところです。仮に、安倍首相が言うように景気が緩やかに回復してきているとしても、10月からは消費税の増税、実質賃金も家計消費も下がり続けているもとで小売店が受ける大打撃、危惧をされます。 さらにお伺いをします。平成27年8月策定の三島市商工業戦略アクションプランが、昨年度で
計画期間を終えています。商業分野での進捗、達成度はどうだったのかお伺いをいたします。
◎
産業文化部長兼
まちづくり政策監(渡辺義行君) 三島市では平成27年8月に品格と個性を高める産業振興を目指して、三島市商工業戦略アクションプランを制定いたしました。その中で、商業につきましては、みしまぐらしの品格を高め、伝える店づくりを目標に、
基本方針として個店の活力を高める基盤の強化や差別化マーケティングの推進などを掲げ、このアクションプランを三島市の商業推進の羅針盤とし、事業者、商工会議所と市が一体となり、共同で進めているところでございます。 議員御質問の三島市商工業戦略アクションプランの商業に関する分野での進捗、達成度でございますが、商業の指標としては中心市街地の空き店舗数と地元購買率を定めており、中心市街地の空き店舗数につきましては、平成30年度の目標値は5店舗のところ、平成30年4月の空き店舗数は8店舗。三島商工会議所が行っている調査におきましては、地元購買率は目標率50.0%のところ、平成30年度の数値は45.1%と、ともにやや下回っております。以上です。
◆10番(
河野月江君) 空き店舗数と地元購買率、目標との関係では非常に厳しい状況であると理解いたしました。商店街や商工会議所の皆さんのさまざまな知恵や工夫を凝らした努力、地道な御努力には本当に敬意を表するところでございます。そういった努力の結果、踏みとどまったのが今お答えいただいた数値であろうと思います。私が申し上げたいことは、再開発そのものは何らかの形で必要だと思います。しかし、やはり、施設計画、事業計画、慎重に行わなければ、にぎわいを生むはずの再開発が、恐ろしくも地域の衰退に拍車をかける事態にもなりかねないということです。 市は、この再開発をにぎわいの創出の切り札としているように見えますが、低成長、マイナス成長のもとでは、そうした結果、効果、期待できないんじゃないでしょうか。先ほどの数字が示すように、地域経済のポテンシャルが大きく低下をしています。現案の再開発施工によって、駅周辺から少し離れた地域の活力が一気に奪われ、いずれ再開発ビル自身も採算を確保できるだけの集客ができなくなり、結果、地域の経済、地域の衰退に拍車がかかるということもあり得ます。 間近の来月4日には、沼津の郊外に三井ショッピングパークららぽーと沼津がオープンいたします。グルメ、ファッション、エンタメなど214の店舗が集合するそうです。そんな中、これからの三島には、三島の顔をしっかりと持ち、身の丈に合い、商店街とも共存し得る低層の開発こそ求められるのではないでしょうか。財政的にも56億円という潤沢な開発予算の確保が、向こう30年間の住民福祉を低下させることは必至です。 都市計画決定前の今ならば、計画案見直しの条件は全く十分に残されています。ぜひ、市民合意を得るため、大手デベロッパー主導でなく、市民主体、市民参加の計画づくりと、地権者主体での事業への転換を求め、次の質問に移ります。 学校給食の無償化について質問をいたします。 三島市は昨年度、三島市子どもの生活実態調査を実施をいたしました。生活困難度を、困窮層、周辺層、一般層の3つに分類し、各層の間で生活環境や意識にどのような違いや格差が生じているかをまとめています。調査結果によりますと、困窮層の割合は6.9%でした。判定不明19%を単純に各層の比率で案分し加えると、少なくとも8.2%程度の困窮層の存在があると考えられます。調査では、命や生きることの土台である食環境についても、同様に格差が広がっていることが明らかになりました。食のセーフティーネットの確保として、学校給食を段階的に一部からでも無料化していくことが、今切実に求められている施策であると考えます。 そこで、順次お伺いします。まず、三島市における学校給食の役割と目標についてお尋ねをいたします。
◎教育長(西島玉枝君) 学校給食の役割と目的についてお答えいたします。 学校給食法では、学校給食は児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであると定義いたしております。また、目標として、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことのできる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うことなどの7項目を掲げております。 三島市におきましても、学校給食法に沿った役割及び目標を定め、ホームページ上で周知を図るとともに、特に食に関する指導を効果的に進めるため、学校給食に地場産物を活用したり、郷土食や行事食を提供したりすることを通じ、地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めることに努めているところでございます。以上です。
◆10番(
河野月江君) 学校給食法に基づいて7つの目標のうち、3つをお答えいただきました。学校給食法は平成21年、その4年前の食育基本法成立を受けて改正され、学校における食育の推進が明確に位置づけられました。従来の目標に加え、例えば、食を通じて生命、自然を尊重し、環境の保全に寄与する態度を養うことなど、新たに3点がつけ加えられました。この改正によって、学校給食は単なる食事の提供でなく、紛れもなく教育の一環であって、一連の学校教育活動の一部だという性格がますます色濃くなったと言えます。 憲法26条は、全ての国民の教育を受ける権利を保障し、義務教育はこれを無償とするとしています。三島市における給食費保護者負担は、小学校で年間約5万1,100円、中学校で約5万7,600円、これをいわゆる受益者負担にしていることは、そもそも憲法26条の本旨ではありません。本来、国が責任を持って無償化を実施すべきです。同時にそれを国に求めつつ、住民福祉向上の役割を担う地方自治体として無償化に取り組んでいくことが求められています。その必要性をリアルに示したのが、冒頭に触れた三島市子どもの生活実態調査でありました。 そこでお伺いします。本調査では食に関連してどのような実態が明らかになったでしょうか。それへの見解も併せてお尋ねをいたします。
◎
社会福祉部長兼
福祉事務所長(荻野勉君) 昨年11月に実施いたしました子どもの生活実態調査につきましては、小学校5年生、中学校2年生の児童とその保護者を対象に実施したもので、生活習慣や学習習慣、経済的状況、悩みや困りごと等の実態が明らかとなり、取り組むべき課題や必要な支援も見えてきたところでございます。 そのうち食事に関する調査結果といたしましては、一般家庭より生活が困難な状況にあると思われる困窮層の世帯において、小学5年生の保護者では朝食を毎日用意している割合は約70%で、一般層の世帯よりも20ポイント以上下回っており、夕食の用意についても、毎日用意している割合が一般層の世帯よりも約20ポイント下回っている結果でありました。 また、子どもへのアンケートのうち、中学2年生の平日朝食を食べる頻度については、一般層は94.2%の子どもが毎日朝食を食べていますが、困窮層の子どもは20ポイント以上下回る71.7%でございました。さらに、困窮層の子どもがカップ麺やインスタント麺を週に二、三日食べる頻度は、一般層の子どもより30ポイント近く上回っていることもわかったところでございます。 このような食習慣や食生活の偏りは、子どもの体や心の健やかな成長を妨げるものであることは言うまでもないことであり、子どもの食事への支援、食事環境の改善が、子どもの健全育成にとって不可欠なものであると理解しているところでございます。以上です。
◆10番(
河野月江君) お答えいただいたとおりです。この結果は私も非常に重く受けとめました。最も重要な成長期におけるこの格差が、健全な成長はもとより、将来の疾病発症率や疾病傾向、ひいては寿命に至るまで影響を与えていかざるを得ないと考えると、やはり子どもたちの食のセーフティーネットが欠かせないと考えます。 この点で、学校給食が子どもの食生活全体に果たす役割を示した調査結果があります。本日は資料を配付させていただきましたので、ごらんください。 新潟県立大学の村山伸子教授らの調査結果です。19校の小学5年生約1,500人を対象に食事調査を行い、給食のある日とない週末の世帯年収水準別の栄養摂取量を算出いたしました。給食のない週末は、緑黄色野菜、魚介類などの摂取量が全体的に少なく、しかも年収下位層ほど少ないのに対し、給食のある日の平日は全体として摂取量が多く、しかも年収水準による差がほぼ解消しています。タンパク質やビタミン、ミネラルの摂取量も同様の傾向だったそうです。 10年ほど前、子どもの貧困白書による給食のない夏休みに体重の減る子がいるという、そういう報告が社会に大きな衝撃を与えましたが、この調査はそのことを裏づけていると思います。 学校給食は低所得世帯児童の栄養状態の改善、ひいては学ぶ意欲や健やかな成長の土台をつくるものとして大きな役割を果たしています。その給食の無料化は、例えば子ども手当などの現金給付ではなく、確実にどんな家庭の子どもであっても等しく利益を得ることができる現物給付であり、これはいわゆるばらまき政策とは異なるものです。 次に、昨年度の小・中児童生徒における要保護者、準要保護者の実人数及び給食費滞納の実人数と滞納額をお伺いします。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 まず三島市におきましては、給食費は免除ではなく、要保護並びに準要保護世帯の児童生徒を対象に支援として実施しております。平成30年度の当該児童生徒への給食費の支援状況ですが、要保護世帯につきましては、生活保護費から教育扶助費として、小学生25人に対して104万520円、中学生15人に対して81万1,200円を支給しております。また、準要保護世帯につきましては、就学援助金の中から給食費として小学生292人に対して1,346万2,530円を、中学生211人に対して1,170万2,074円を支給しております。合計いたしますと、小学生317人に1,450万3,050円、中学生226人に1,251万3,274円となります。なお、全児童生徒数との割合で申し上げますと、要保護世帯では小学生0.43%、中学生0.52%、準要保護世帯では小学生5.0%、中学生7.26%、全体で6.21%となっております。 次に、平成30年度の給食費の滞納状況でありますが、年度末における全児童生徒8,794人のうち5人と、全体の0.06%で、滞納額は8万696円となっております。以上です。
◆10番(
河野月江君) お答えいただいたとおり、生活保護世帯、就学援助世帯の児童生徒の割合は合わせて6.21%になっています。先ほど、子どもの生活実態調査から推計をする困窮層の割合8.2%のうち、残る1.99%、約2%、この2%の児童生徒175人が、少なくとも給食費の援助を必要としているという計算になります。給食の滞納の世帯は全体の0.06%ということです。国保や国民年金などより納付率が高い、その背景には子どもの給食費だからこそ、やはり必死で払っているという保護者の実態があるんじゃないかと思います。 続けて伺います。小・中学校の給食費完全無料化に伴う市の財政負担額、年間でどれくらいでしょうか。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えします。 小・中学校の給食費を完全無料化いたしますと、平成30年度決算ベースで、保護者負担分の約4億7,000万円を市が新たに負担することになります。
◆10番(
河野月江君) 完全無料化には予算は単年度で4億7,000万円。まずは先ほど申し上げました困窮層で要保護、準要保護となっていない約2%の175人。せめて、この児童の給食費を無料にした場合、小・中の平均の給食費で計算しますと、年間必要予算は約951万円です。就学援助の周知を進めつつも、まずは住民税非課税世帯周辺層の、この世帯の無料化。市長が政策判断にさえ踏み切れば不可能ではないと考えます。 そこで、最後に近年全国の自治体で広がっている学校給食無料化の
取り組みに対する見解と、今後の市の対応についてお伺いします。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 文部科学省が平成30年7月に公表した学校給食の無償化等の実施状況によりますと、平成29年度に学校給食の無償化を小・中学校ともに実施しているのは、全国1,740自治体のうち76自治体、4.4%でした。そのうち、71自治体が町村であり、また56自治体が人口1万人未満とのことです。 さらに、無償化を開始した目的として、食育の推進、人材育成、保護者の経済的負担の軽減、子育て支援、少子化対策、定住・転入の促進、地域創生などが挙げられておりました。 このように無償化を実施する自治体があることは十分に認識しておりますが、当市では学校給食法第11条の負担区分に基づき給食に係る経費を算定し、平成30年決算ベースで、約5億8,000万円を市が負担し、受益者である保護者からは食材費分の約4億7,000万円を御負担いただいております。このことから、公費の公平な市民への受益バランスという視点から見ますと、現状の受益者負担は適正であると考えております。 今後の対応でございますが、経済的に苦しい家庭に対する給食費等の援助の周知を図るため、引き続き就学援助制度のチラシを児童生徒全員に配布するとともに、給食費が滞りがちな保護者には個別に御案内を申し上げ、必要な援助を行ってまいります。
◆10番(
河野月江君) 御紹介いただいた文部省の調査は私も確認をしております。この調査から1年余りが経過し、全国では実施がさらに進んでいます。一部無償化、一部補助の実施に限っては、3分の1の自治体で実施というところまで近づいています。 ぜひ、三島市での実施に踏み切ることを重ねて要望いたします。繰り返しになりますが、この必要性は子どもの食のセーフティーネットを社会全体で負担しようという意味合いからです。食事の回数は1日3回で年間1,095食。そのうちの190食である給食は全食事の17.3%。朝御飯を食べない子にとっては730回のうちの26%、4分の1です。どんな子でもそこではしっかりとバランスのある食事をとって成長し、やがて社会を担える子に育っていく。その受益者とは、果たして本当は誰なのか。そのことを今後も市民の皆さんと一緒に考え、引き続き、この問題、取り組んでいきたいと思います。 最後に、暑さの危険から生活保護世帯を守る対応と、エアコンの法定外設置についての質問に入ります。 厚生労働省は、昨年6月、新たな通知を出し、昨年4月以降の新たな受給開始世帯で、一定の条件を満たした場合、保護開始時や長期入院、入所からの退院、退所後、住宅への新たな入居時などに、自宅にエアコンがない場合は、購入費用について上限5万円まで支給することになりました。 しかし、この対象から平成30年3月31日以前に受給開始となった世帯は除外をされています。対象とならない世帯がエアコンを購入する場合は、従来どおり保護費から貯蓄をして購入をするか、社会福祉協議会から生活福祉資金の貸し付けを受けて購入するという選択しかありません。これは明らかに制度の矛盾であり、国に制度の見直し、改善を求めていく必要があります。同時に例年の暑さのもとで、購入にも踏み切れない保護世帯にとっては、即命取りになりかねない問題です。市の独自の事業として、新制度対象外の保護世帯にもエアコンの購入助成を行うことを求めるものです。 そこで、何点かお伺いします。 まず、現在の保護世帯のエアコン設置状況についてお伺いします。エアコンが設置されている世帯数と割合、また、平成30年度と令和元年度、新規受給者のエアコン保有状況とこの新制度を使ってのエアコン設置件数をお伺いいたします。
◎
社会福祉部長兼
福祉事務所長(荻野勉君) 生活保護受給世帯のエアコン設置状況につきましては、大家さんなどが住居設備として設置済みのものや、受給世帯が個人的に設置したものなどがあり、それぞれの区別については把握しておりませんが、エアコンの有無については確認をしております。具体的に申し上げますと、現在、三島市の生活保護受給世帯は758世帯ございますが、そのうち長期入院や施設入所の136世帯を除いた622世帯のうち507世帯、約81.5%の世帯で設置を確認しております。 次に、新規受給世帯のエアコンの保有についてでございますが、平成30年度の保護開始世帯は106世帯で、うち長期入院や施設入所を除いた72世帯中62世帯、約86.1%がエアコンを設置しており、そのうちこの制度を利用して設置したものが3件となっております。また、令和元年度8月末までの保護開始世帯数は31世帯で、施設入所等の7世帯を除く24世帯中23世帯、約95.8%がエアコンを設置しており、そのうち1世帯がこの制度を利用しています。 なお、この制度については、担当ケースワーカーが家庭訪問に行った折に説明するなど周知に努めております。
◆10番(
河野月江君) 昨年11月定例会で下山議員がこの問題を取り上げた際は、設置状況は把握されていませんでした。その後把握に努めていただいたことは一歩前進であり、評価をいたします。また、新規の保護開始者では、お答えいただいた保有率からも未設置が少なくなっている状況が理解できました。制度利用による設置者が平成30年度と今年度で、それぞれ3件、1件ということで、これはさらなる積極的な周知と制度の活用をお願いをいたします。 一方、そうして見ますと、やはり気になりますのが、未設置世帯115件のうち、この制度が適用されないための未設置104件の世帯の状況です。制度の及ばないこの方々、私、実際ある生活保護世帯の方、仮にAさんとします。Aさんのお宅、70代の男性で妻と二人暮らしのAさん宅を7月に尋ね、厳しい暑さと戦う夏の毎日のお話、お伺いをしました。そして、8月の室温の実態がどうなのかと記録をお願いをいたしました。記録をもとに作成した資料を配付をいたしましたのでごらんください。 ここにある三島の最高・最低気温は、気象情報サイトのデータ。Aさん宅の気温は、Aさんにおおむね正午から2時の間で、Aさんの都合に合わせて記録をしていただいた温度計の値です。三島の最高気温が30度を下回ったのはたった1日、8月28日、あの大雨で突風被害のあった日です。ほかの日は全て30度超え、いわゆる真夏日です。そのうち35度を超えるいわゆる猛暑日が3日ありました。Aさんのお宅も同じように30度を下回った日は8月28日のみ。35度を超えた日が4日でした。 暑くて地獄だよとおっしゃいます。Aさんの妻は神経症状を伴う難病患者さんです。デイサービスに通っている平日何日かの日中は涼しく過ごせるものの、夕方帰宅後やデイのない日は扇風機しかない暑い部屋で過ごさねばならず、よく頭が痛いと訴えているとAさんはおっしゃいます。貯金してのエアコン購入も難しく、社協の貸し付けを受けて購入することにも、月々の返済が気になり踏み切れないとおっしゃいます。毎年何とか夏を越えてきたそうです。生保の受給開始時期が違うだけで、これからもずっと我慢しなければならない。そして、1年1年、確実に年齢を重ねていきます。連日30度を超え、ときに35度にも達する部屋で、高齢者、難病患者さんが過ごす、これが果たして、健康で文化的な最低限度の生活と言えるでしょうか。 制度の外にはみ出してしまった世帯は104件です。仮にその全員がエアコンを希望し5万円の補助を行っても、520万円です。健康で幸せな人々が暮らす活気に満ちた健康都市三島、その福祉の心をぜひ発揮をして、市の単独事業としての予算化を求めるものです。 そこでお伺いします。平成30年3月以前の受給開始世帯への法外扶助を市の単独事業で行うことについて、市の見解をお聞かせください。
◎
社会福祉部長兼
福祉事務所長(荻野勉君) 生活保護制度につきましては、法定受託事務として全国一律に実施しているものであることから、国が示した基準に基づき実施するものと認識をしております。 したがいまして、制度の利用対象とならない世帯に対しましては、ケースワーカーが世帯の状況を踏まえ、経常的最低生活費のやりくりへの助言を行っており、一方収入のある世帯については社会福祉協議会の貸付資金の活用を含め、相談に応じ対応しているところでございます。 生活保護基準以上の支援については、全て市の財源を用いてのものとなります。直ちに法外扶助することは難しいため、生活保護受給者それぞれの生活実態に合った対応ができるよう努めてまいりたいと考えております。
◆10番(
河野月江君) お答えいただきました。大変残念です。生活保護世帯を暑さの危険から守るための520万円の予算化、果たしてこれが潤沢な予算の確保に当たるんでしょうか。 三島の生活保護世帯の構成を見ますと、今年1月の数字では、高齢世帯が62.7%、障害世帯が9.8%、傷病世帯が11.3%、これで全体の84%です。受給世帯の84%が熱中症ハイリスクの方たちです。これらの方々は実際はその多くが地域の中で医療や介護サービス、障害福祉サービスを受ける中で、たくさんの専門スタッフからサポートやリスク予防がされているんだと思います。そんな中、行政の判断一つで、その方の病状や療養環境が好転することもあれば、逆に命まで左右してしまう、そういう現実があります。法定受託事務であるにしても、市民の実情や直面する困難に寄り添った独自の施策を実施し、住民福祉を向上させることこそ、地方自治の役割ではないでしょうか。 誰のためにどう税金を使うのか、誰のための市政なのかが、まさに今、鋭く問われています。この問題、必ず施策を前進させるために引き続き取り組んでいくことを申し上げまして、私の
一般質問を終わります。
○議長(
大房正治君) 以上で、10番
河野月江さんの発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩します。 なお、再開は15時10分の予定です。
△休憩 午後2時55分
△再開 午後3時10分
○議長(
大房正治君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。
---------------------------------------
△
甲斐幸博君
○議長(
大房正治君) 次に、17番
甲斐幸博君の発言を許します。 〔17番
甲斐幸博君登壇〕
◆17番(
甲斐幸博君) それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。 高齢者の支援について伺います。 今後、超高齢化社会がますます進んでまいります。少子化や核家族化、高齢化などが相まって、ひとり暮らしの高齢者が増加傾向にあります。以前は地域における近所づき合いなど活発に行っていましたが、最近ではこうしたつながりや家族関係ですら希薄なケースが増えてきており、孤独死の数も増加傾向にあるのが現状です。65歳以上のひとり暮らし高齢者は男女ともに増加傾向にあり、さらに国民の3人に1人が65歳以上になると言われている2025年には、男性が約230万人、女性が約470万人、高齢者人口に占める割合は男性14.6%、女性22.6%までに増加すると言われています。 三島市のひとり暮らし高齢者や老々介護の実態について伺います。現在、ひとり暮らし高齢者の人数や、老々介護の方などの把握はできているかお伺いします。ひとり暮らし高齢者の生活実態についてお伺いします。 次に、不登校児童について伺います。 日本国憲法第26条で、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」とあります。子どもが一市民として成長、発育し、自己の人格を完成、実現させるために、必要な学習をする権利を有すること。特に、みずから学習することができない子どもは、その学習要求を充足するための教育を自己に施すことを、大人、一般に対して要求する権利が保障されています。 しかし、子どもが安心して教育を受けることができないさまざまな問題が現実にはあります。不登校の子どもや、学校に来ても授業に出ることができない子どもが保健室で一日過ごしております。このことについて、教育委員会として、現在の状況について伺います。 続きまして、小・中学校教員の働き方の現状について伺います。 2019年1月、文部科学省において、中央教育審議会により学校における働き方改革についての答申が行われました。文部科学省の発表によると、小学校教員の33.4%、中学校教員の57.7%が週60時間以上勤務、つまり月80時間以上の時間外労働をしているというデータが出ていて、過労死ラインを超える時間外労働をしているとのことです。三島市小・中学校の教員の時間外労働実態について伺います。 以上、壇上での質問を終わり、残りの質問は自席にて行います。
◎
社会福祉部長兼
福祉事務所長(荻野勉君) 私からは最初の御質問、ひとり暮らしの高齢者の生活実態について把握できているかについてお答えいたします。 平成31年4月1日現在、市内65歳以上の高齢者人口は3万1,693人となっており、このうち高齢者のみの世帯数及び人口は1万4,291世帯で2万802人。さらに、このうちひとり暮らしの高齢者世帯数は7,926世帯となっており、高齢者のみの世帯やひとり暮らし高齢者の世帯は年々増加している状況でございます。 議員御質問の高齢者の生活実態の把握ですが、3年に1度、高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、施策の方向性等を定める高齢者保健福祉事業計画・介護保険事業計画を策定しておりまして、その前年度に高齢者実態調査を実施しており、今年度が実施年となっております。この調査では、健康状況や歯の数などの身体状況、さらには外出の頻度や自分で食事を用意をするかなどの生活状況等を尋ねております。 このほか、市役所関係各課の窓口等での相談や応対などを通じて、高齢者の生活実態の把握に努めているところでございます。以上です。
◎教育長(西島玉枝君) 壇上より2つの御質問をいただきました。 まず、本市における不登校の状況についてでございますが、近年、小学校、中学校ともにやや増加傾向にございます。本年7月末現在、在校生に対する不登校の割合は小学校で0.36%、中学校で2.49%で、昨年度同月と比較いたしますと、小学校0.14ポイント、中学校0.3ポイントの増加となっております。 不登校の原因といたしましては、無気力、不安など情緒的混乱が約6割を占める結果となりました。各学校におきましては新たな不登校を生じさせないように、授業改善への
取り組み、行事や人間関係づくりプログラム等を通じての児童生徒間のきずなづくり等、魅力ある学校づくりを進めることで、その未然防止に努めております。また、担任を中心に全ての教職員で一人一人の子どもを見守り、健康観察、休み時間の過ごし方、アンケートや教育相談、作文、日記等から児童生徒の心身の健康状態や不安、戸惑い等の把握に努めることで、不登校の兆しを察知し、早期対応ができるよう心がけております。 さらに、不登校が継続している児童生徒には、状況に応じて家庭と学校だけでなく、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、市の家庭児童相談室等の関係機関と連携し、個に応じて丁寧に対応をいたしております。 続きまして、三島市の小・中学校の教員の時間外労働実態という御質問でございます。 今年2月に策定いたしました三島市立学校働き方改革プラン策定時の調査では、教職員の約9割が週に1日以上は勤務時間内に仕事が終わらない、また約半数は年次有給休暇の取得日数が年間10日以下などの実態が明らかになりました。なお、校務支援ツールの出退勤システムによる勤務時間の集計は、全国の実態よりおおむね少ない状況であり、また、市教育委員会が本年8月に実施いたしました学校の働き方改革のための
取り組み状況調査では、6月の時間外勤務が45時間以下の教職員は全体の約半数、80時間以下が約4割、80時間以上が1割弱というような状況となっておりました。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) ありがとうございました。 それでは、自席より質問をいたします。 先ほど、高齢者の支援について伺いました。壇上での質問に対し、高齢者のみの世帯やひとり暮らしの高齢者の世帯は年々増加しているとのことです。高齢者人口は3万1,693人で、高齢者のみの世帯は2万802人、さらに、このうちひとり暮らしの高齢者数は7,926人です。特にこの高齢者のみの2万802人の方々の生活実態をしっかり把握していただきたいと思います。高齢者実態調査を今年度実施するとのことですので、調査結果が出ましたら再質問させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 それでは、引き続き、高齢者のごみ出しについて伺います。 三島市が行っているサービスとして、ごみ集積所に出せない粗大ごみを家まで引き取りに来てくれる粗大ごみ個別収集サービスは、高齢者でごみを出すことが困難な方に対して、とてもよいサービスと思います。現在このサービスを利用されている方は、年間でどのぐらいいるのか。また、このサービスについての評価はどうかお伺いします。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) 本来ごみ集積所に出すことができない粗大ごみは、
清掃センターに直搬入することとなっておりますが、市民の皆様の中には自家用車を持っていない、持っていても自分で車に粗大ごみを載せることができない、また平日は仕事があるなどの理由で自己搬入できない方がいらっしゃることから、本市では平成28年度からそれらの粗大ごみを各御家庭まで収集に伺う、粗大ごみ個別収集事業を実施しております。事業を開始した平成28年度の申し込み件数は1,161件で、2年目の平成29年度は1,449件、3年目の平成30年度は1,791件となっており、年々、申し込み件数は増加してきております。 御質問のございました高齢者の利用者数でございますが、受け付けの際、申し込みされた方の年齢をお尋ねしておりませんので、正確な利用者数を申し上げることはできませんが、電話でのやりとりなどから相当数の高齢者の方が利用されているのではないかと考えております。 粗大ごみ個別収集事業への評価につきましては、利用者の方からは、車を持っていないので自己搬入できず困っていたが、この制度がありとても助かっているといった声や、ごみが重くて自分では車に載せることができないのでとてもありがたいといったお声をいただいております。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) 申し込み件数がこの3年間で増加しているとのことです。評価にもありましたように、ごみが重くて自分では車に載せることができないのでとてもありがたい。とてもよい
取り組みだと思います。 2番目に、高齢者のごみ出しについてお伺いします。 粗大ごみ個別サービスは、1回につき総重量100キログラム以下のもので2,000円を、収集日の前日までに指定金融機関で手数料を納付することになっています。高齢者の方、特に外出が困難な方に対しては、前日までに指定金融機関で納付することができない方がいらっしゃいます。足が悪く外出が困難な方、家族に頼みたくても同居者がいない方、さまざまな理由で高齢者は厳しい生活をされています。 高齢者の支払い方法をいま一度考えていただけないでしょうか。例えば、収集日に現金を受け取り領収証を渡すなど。高齢者の方々は長年三島市を支えていただいている方々です。高齢者にやさしい三島市として検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) お答えいたします。 粗大ごみ個別収集では、利便性を考慮して、収集の際、申込者の立ち会いを必要としておりませんが、収集日の前日までに1回につき2,000円の手数料を指定金融機関で納付していただき、収集日当日は領収印が押されました粗大ごみ収集通知書兼収集票を粗大ごみに張り、約束した収集場所に出していただくようになっております。 この手数料の納付方法の改善をということでございますが、先ほど御回答させていただいたように、粗大ごみ個別収集の利用者には高齢の方も多くいらっしゃいます。議員のおっしゃるとおり、今後高齢化がますます進展する中、ひとり暮らしで病気などの理由により外出が困難なため、前日までに指定金融機関で手数料を納付することができない方などが増えてくることが考えられます。これら利用者の利便性の向上を図るため、収集日当日にその場で手数料を徴収することも含め、納付方法の改善を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) ありがとうございます。収集日当日にその場で手数料を徴収することを含め検討していただけるとのこと、よろしくお願いいたします。 3番目に、高齢者のごみ出しについての粗大ごみ個別収集サービスですが、ごみを集積所に出せない高齢者の方々に玄関前までに粗大ごみを出すことには、非常に無理があります。2階にある粗大ごみ、テーブルやソファーなどを足の悪い高齢者がどのように玄関先まで運べばよいのでしょうか。粗大ごみの個別収集はとてもよい事業だと思いますが、何かよい方法はないでしょうか。高齢者が安心して粗大ごみを出すことができるよう、考えていただけないでしょうか、伺います。
◎
環境市民部長(
佐野隆三君) 粗大ごみ個別収集では、原則、自宅内にある粗大ごみは収集しておりません。お申し込みされた方は戸建て住宅にお住まいの場合は玄関先などに、集合住宅にお住まいの場合は、建物1階の出入り口付近などに出していただくようになっております。 議員のおっしゃるとおり、2階にあるテーブルやソファーなどの粗大ごみを、足の悪い高齢者が1階までおろすのはとても大変な作業だと認識しております。しかしながら、市の収集作業員が行おうとした場合、現在2人1組で収集作業を行っておりますが、大型で重量のある粗大ごみを屋内から搬出するのには、通常よりも多くの作業時間を要しますので、そのようなケースが1日に複数件ありますと、その日に予定しています収集を全て終了することができなくなる可能性がございます。 また、収集作業員が2階から粗大ごみをおろす際、階段から足を滑らせてけがをする可能性があること、壁などを損傷し補償しなければならなくなる可能性があることなどから、収集作業員が対応することは現実的には難しいと考えております。 なお、市の許可を受けた収集運搬業者に御相談していただく方法もございますが、費用面で市より高額になってしまう可能性がございます。 今後、高齢化が進展する中で、2階から粗大ごみをおろすことができない、また、玄関先に出すことができない高齢者がますます増えてくると思われますので、例えば、地域で活動するボランティア団体の活用など、高齢者が安心して粗大ごみを出すことができるよう、他市の事例などを調査研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) 地域で活動するボランティア団体との協力や新たに高齢者協力隊などを立ち上げてみてはいかがでしょうか。今後の調査研究をよろしくお願いいたします。 続きまして、災害時の高齢者支援について伺います。市では、自力で避難が困難である高齢者や障がい者などを対象とした避難行動要支援者名簿を作成しており、平成31年4月1日時点で要支援者として把握している市民は6,916人で、そのうち高齢者が4,440人となっております。その4,440人のうち同意の上で名簿に掲載している方が2,865人、そのうち462人が個別支援計画策定済みと伺っております。したがって、同意していない方々が1,575人おり、また、個別支援計画では、対象となる要支援者に対し2人の避難支援者を定めることになっておりますが、残る2,403人の方々が個別支援計画を策定していない状況です。 このような状況で高齢者の安否確認をどのように行っていくのですか。また、その要支援者を避難所まで、誰がどのように避難させるのかを伺います。
◎市長(豊岡武士君) 甲斐議員に、高齢者の支援のうち災害時に高齢者の安否確認、それから避難所までの支援者はどうなっているかということにつきまして、御答弁申し上げます。 災害時の高齢者の安否確認ですけれども、議員のおっしゃるとおり、災害時に避難が困難な高齢者等を掲載した避難行動要支援者名簿を毎年作成いたしております。これは本人の同意を得た上で、各自治会、町内会の自主防災会ごとにまとめ、平常時から民生委員や各自主防災会に保管をしていただいて、災害時の安否確認に活用していただくよう対策をとっております。 また、避難所への避難につきましては、個別支援計画を策定されている方は、その計画の中で避難支援者を定めておりまして、災害時にはその避難支援者のサポートによって避難することとしておりますが、今、議員から御紹介がありましたような実態でもございます。 本人の同意を得られず、名簿に掲載していない方の安否確認につきましては、大規模災害が発生した際に自主防災会長が、普段未開封となっております要支援者名簿を開封して安否確認をすることとしております。これまでも民生委員協議会や自治会連合会の役員で、名簿記載不同意・未回答者をどうすれば減らせるのか、どうすれば個別支援計画を作成してもらえるのか、名簿を地域防災にどのように役立てるかなど、課題として協議を続けてきているところでございます。 三島市といたしましても、引き続き、高齢者だけではなく障がい者等も含めまして、要支援者名簿と個別支援計画の必要性を市民に理解していただけるよう、広報みしま、ホームページ、FM放送等で周知に力を入れるとともに、各自主防災会におきましては、名簿を活用した地域防災力の向上を、自助、共助の地域ぐるみの活動としていただき、それが個別計画の策定にもつながっていくよう、啓発に努めるなど、今後も継続して要支援者名簿への掲載と個別計画策定を推進してまいります。 市内の自主防災会の中では大変モデル的な活動を行われているところもあるわけでございます。こうしたところもモデルにいたしまして、いずれにいたしましても、今後の高齢化の進展を考えますと、災害時の個別支援はもとより、地域でさまざまな支援をしていただけるよう、行政としましても協働して理解と協力、それからまた対策をいろいろとお願いし、また検討してまいりたいと考えているところでございますので、御理解をお願いいたします。
◆17番(
甲斐幸博君) 本人の同意を得られず名簿に掲載していない方の安否確認と、個別支援計画をまだ作成していない方への避難支援について、具体的な取り決めができていないとのことです。一日も早く高齢者の皆様が安心できるよう、個別計画策定を推進していただけますようお願い申し上げます。 続きまして、不登校児童生徒の教育を受ける権利について伺います。 不登校のお子さんを抱える親御さんの中には、不登校で学校に行かなくなると教育させる義務を放棄したことになり、義務教育違反に当たるものではないかと心配される方もいらっしゃいます。そこで、国は不登校の子どもたちへの教育支援について、平成28年12月に教育の機会確保法を定めています。この法律を受けて、三島市ではどのように対応しているのか伺います。
◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 新学習指導要領では、不登校とは多様な要因、背景により、結果として不登校状態になっているということであり、取り巻く環境によってはどの児童生徒にも起こり得るものとして捉えております。また、その支援につきましては、個々の状況に応じた支援を行うことが必要であり、登校という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指すとしております。 各学校では、教育機会確保法の理念に基づき、全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう学校における環境の確保に努めております。また、本年4月、県教育委員会発行の教育機会確保法に基づいた不登校支援に関する研修支援パンフレット「子どもたちの笑顔のために」を各学校に配布いたしましたので、それをもとに研修を進めているところでございます。さらに、市不登校担当者会の中で、その内容について研修し、理解を深めているところでございます。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) 不登校については、取り巻く環境によってはどの児童生徒にも起こり得るものとのことです。家庭で、学校で、地域でしっかりと子どもを見守っていくことが重要だと思います。 それでは、不登校児童生徒の学習支援について伺います。 長期の間、不登校が継続してしまった場合には、勉強のおくれは気になるところです。ホームスクールやフリースクールなどを利用することなどが考えられますが、個別支援の状況について伺います。
◎教育長(西島玉枝君) 不登校児童生徒への個別の学習支援の状況についてお答えいたします。 不登校児童生徒の学習支援につきましては、個々の状況により異なりますが、校内に設けた別室を使い自分のペースで学習したり、放課後登校して担任や学年部の教師に教えてもらったりする児童生徒もおります。また、登校が難しい場合は、ふれあい教室、青少年相談室や民間のフリースクールへ通所をする中で、各自のペースで学習をしております。平成30年度は約40人の児童生徒がこれらの施設を利用いたしました。 また、市教育委員会では、全児童生徒に対してパソコン等を使い、家庭で各教科の単元を学習することのできるeラーニングを導入しております。これを利用することで自宅から外出することが難しい児童生徒も、各自のペースで学習に取り組むことができております。 議員がおっしゃるホームスクールにつきましては、学校教育法において保護者への学校就学義務の規定があるため、慎重に対応することが必要であると考えております。 今後も国の動向を注視し、教育の機会確保法の基本理念や個々の児童生徒の状況を見極めながら研究してまいります。
◆17番(
甲斐幸博君) パソコン等を使い家庭で各教科の単元を学習することのできるeラーニングは、不登校の児童にとってもよい
取り組みです。今後も積極的に推進していただきたいと思います。 次に、不登校児童生徒を支援するための家庭、学校、教育委員会等の連携体制について伺います。 子どもが学校を休みがちになったときや、不登校になったときは、まずは在籍している学校と連携をとることが重要と考えます。先生や学校側と状況を共有し、学校に行かない間の対応について話し合うことも大切です。また、児童生徒等に関する教育相談を行うための相談窓口が設けられています。教育委員会としてこれらの関係機関との連携体制について伺います。
◎教育長(西島玉枝君) 不登校児童生徒を支援するための連携体制についてお答えいたします。 各学校では、不登校が継続している児童生徒に対して、その状況を見きわめ、当該児童生徒及び保護者との信頼関係を構築しつつ、必要な情報提供や助言、家庭への訪問による指導を行いながら、個々の状況に応じた必要な支援ができるよう取り組んでいるところでございます。 その際、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ふれあい教室、青少年相談室や市の家庭児童相談室及び発達支援課等との連携を大切にしております。市教育委員会では、定期的に学校担当者と市関係機関担当者が一堂に会する不登校担当者会や、市の担当者間の連携を深める不登校対策連絡会を開催し、協議をいたしております。 さらに、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの合同会議、スクールソーシャルワーカーとふれあい教室、青少年相談室との合同会議等を計画的に行い、児童生徒の支援に必要な情報を共有することで、より効果的な支援につなげております。 今後も個々の状況に応じて、将来児童生徒が社会的に自立するための学校、家庭、関係機関と連携し適切な支援を行う等、多様な教育機会の拡充に努めてまいりたいと考えております。
◆17番(
甲斐幸博君) 年々増加していく不登校生徒の数は、見方を変えれば、多様性が認められつつある社会の過渡期とも言えるでしょう。学校には通うもの、不登校は問題行為という認識が改められなければならないタイミングに来ているものかもしれません。 子どもの不登校への対応では、子ども一人一人に原因や解決方法があることを把握し、親や学校は子どもを支援する側として多様な選択肢を提示、子ども自身の考えや決断を尊重することが望まれます。不登校になるきっかけとしては、全国のニュースによると、ブラック校則、受験失敗の劣等感、家庭環境の問題、教師への不信感、SNSいじめ、親からの重圧、授業についていけないなどです。一人でも不登校をなくせるよう、御支援をよろしくお願いいたします。 それでは、続きまして、教員の長時間勤務の改善について伺います。 教員の長時間勤務の改善についてどのように取り組んでいるのか、まず伺います。
◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 市教育委員会では以前より、小学校1年生の全学級を初め、通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の支援を行うため、学校支援員の配置などの人的な支援をいたしております。また、全小・中学校への校務支援ソフトや全クラスへの電子黒板の導入など、学校と連携を図る中で、教育の充実及び学校環境の整備に取り組んでまいりました。 さらに、県教育委員会においては、各学校における業務の適正化や教職員の意識改革を目的とした未来の学校夢プロジェクトに
取り組み、モデル校の成果も示されております。 このような状況を踏まえ、市教育委員会として、学校における教職員の働き方改革を総合的かつ計画的に推進するため、平成30年7月に学校現場の教職員及び行政関係課長からなる三島市教職員働き方改革プロジェクトを立ち上げ、平成31年2月に三島市立学校働き方改革プランを策定し、3つの目標と55の
取り組みをまとめました。 その目標の1つには、適切な勤務時間や休暇の確保など、健康の保持増進及びワークライフバランスの支援に向けた
取り組みの推進を掲げ、長時間勤務の改善に向けて取り組んでおります。 具体的には、ICT環境を活用した勤務時間の把握、働き方改革への意識改革を進めるための教職員を対象とした研修の実施、三島市立小学校及び中学校安全衛生協議会の実施などを進めているところでございます。以上です。
◆17番(
甲斐幸博君) 教員の負担軽減対策について伺います。 教員の負担軽減のためにどのような対策を行っているのか、部活動指導員の配置状況について、学校における留守番電話対応について、学校閉庁日の設定について伺います。
◎教育長(西島玉枝君) 御質問にお答えいたします。 三島市立学校働き方改革プランの
取り組みのうち、今年度新規で実施しております3つの
取り組みについて御説明申し上げます。 1つ目は、部活動指導員の配置でございます。教職員の部活動への負担の軽減策として、試合などの引率もできる制度化された部活動指導員を、錦田中学校、北上中学校の2校に配置いたしました。この2校の部活動指導員は、8月末までに約300時間活動しており、顧問と連携した効果的、効率的な技術指導を行っております。また、単独指導、単独引率の時間も100時間を超えておりますので、教職員の軽減負担につながっているものと捉えており、さらに生徒たちにとりましても、休日だけでなく、平日も専門的な指導を継続的に受けることができるため、充実した活動につながっていると考えております。 2つ目として、この8月28日から実施しております学校における留守番電話対応でございます。これは、勤務時間外の外部からの問い合わせ等に費やす時間を減らし、授業準備や事務作業に集中する時間を確保することを目的とするものでございます。学校が電話対応する時間帯は、小学校では午前7時半から午後6時まで。また、中学校では、4月から9月が午前7時半から午後6時半まで、10月から3月が午前7時半から午後6時までとしておりまして、この時間以外は原則、音声ガイダンスによる対応としております。 現在のところ、保護者の皆様からのお問い合わせ等はございませんが、プロジェクト会議の中でその効果等について検証していくこととしております。 3つ目は、学校閉庁日の拡充であります。教職員の健康保持増進、有給休暇取得の促進を目的とし、昨年度は夏季休業期間の2日間を実施いたしましたが、今年度は8月14日から16日の3日間とし、1日拡充いたしました。なお、小学校では、冬季休業期間中の閉庁日として12月27日を新たに加える予定でございます。 今後教職員の有給休暇所得状況等についての調査を行い、来年度に向けた検討を行ってまいります。
◆17番(
甲斐幸博君) 続きまして、スクールサポートスタッフの配置について伺います。 どのような業務を行っているのか、どのような方を配置しているのか、配置後の成果について、今後の課題について伺います。
◎教育長(西島玉枝君) スクールサポートスタッフに関する御質問にお答えいたします。 まず、業務の内容及び対象者についてお答えいたします。 本市におきましては、今年度全小・中学校にスクールサポートスタッフが1人ずつ配置されており、学習プリントの印刷、提出物のチェック、花壇管理等の環境整備等、教員でなくてもできる業務を担当しております。その任用に際しては、教員免許状が必要でないため、大学生や地域の方など、さまざまな立場の皆様に御協力をいただいております。 次に、配置後の成果についてでございますが、各学校からは教室で子どもと向き合う時間が増えた、教材研究の時間が確保できるようになった、時間と労力がかかる業務を依頼することができるため、教員の負担軽減につながっている等の報告を受けておりますので、効果的に活用されていると考えております。 今後の課題につきましては、学校がスクールサポートスタッフに担ってほしい業務量に対して、勤務時間数が不足していることや、学校の実情やニーズに応じた適切な人材を配置していくことであると捉えております。 市教育委員会といたしましては、県に対し、スクールサポートスタッフの勤務時間数の増加を要望するとともに、引き続き各学校と連携し、学校の実情に応じた適切な人材が配置できますよう努めてまいりたいと考えております。
◆17番(
甲斐幸博君) 引き続き各学校と連携し、学校の実情に応じた適切な人材が配置できるよう、よろしくお願いいたします。 次に、教員の勤務状況について伺います。 先生方は何に時間を費やしているのか。学習指導では、授業40%、授業準備30%、採点・評価30%と言われています。そのほかに行事の準備、部活動、渉外対応、研修などがあり、それらを全て加えると全ての教員が過労死ラインを超えてしまいます。これが現実です。 保護者、地域からの過度な期待、それに全てを応えようとする学校、教員側の意識習慣、将来日本を引っ張っていく大事な子どもたちです。先生たちにはゆとりのある対応を子どもたちにしていただきたいと思います。このことについて伺います。
◎教育長(西島玉枝君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、学校現場を取り巻く環境が複雑化、多様化する現在、社会に開かれた教育課程の実現を目指す新学習指導要領への対応など、学校教育の一層の改善、充実が求められ、教職員が担う業務は、質、量ともに増加いたしております。 このような実態を踏まえ、文部科学省から教職員の働き方に関するさまざまな通知が出される中、平成31年3月31日付「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」では、勤務時間管理の徹底と勤務時間、健康管理を意識した働き方の推進、学校及び教師が担う業務の明確化、適正化の
取り組みが求められております。 これを受けまして、市教育委員会は昨年度から学校現場へのアンケート調査を実施し、課題を整理する中で、教職員の働き方に関する改革を着実かつ継続的に進めていくための三島市立学校働き方改革プランを策定し、現在取り組んでいるところでございます。子どもたちの豊かな人間性を育むためには教職員がゆとりを持って子どもと向き合う時間を増やしていく必要がございます。市教育委員会及び各小・中学校は、今後とも連携、協働し、教職員が子どもと向き合う時間を十分確保でき、誇りを持って職務を遂行できるよう、教育環境の見直しを初め、健康の保持増進及びワークライフバランスの推進など、全ての児童生徒のために働き方改革を進め、三島市学校教育振興
基本計画の基本理念「豊かな感性と確かな学力を持つ、心身ともに健康な子どもの育成」の実現を目指していきたいと考えております。以上でございます。
◆17番(
甲斐幸博君) 壇上から時間外勤務の実態について質問したところ、全体の約半数が45時間以下だとのことでした。その一方で80時間以下が約4割、80時間以上が1割弱とのことですから、これはかなり厳しい現実だと思います。まずは、早急に80時間以上の時間外勤務を改善していただきますようお願いいたします。 繰り返しになりますが、将来日本を引っ張っていく大事な子どもたちです。子どもたちをしっかりと育てていくために、教職員の方々にはゆとりを持って子どもと向き合っていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○議長(
大房正治君) 以上で、17番
甲斐幸博君の発言を打ち切ります。
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