体育館などに設営される避難所の環境について触れてまいります。
地震や台風などの
自然災害対策として、建築物の強靱化事業が進む中で、おくれてはならないのが災害時における避難所対策であります。申すまでもなく、小中高の学校施設や公園等が大規模避難所に指定されているわけでありますから、被災した多くの市民が数百人、数千人規模で避難所に殺到することが想定されるのであります。余震が終息する数日後には、避難所から自宅や仮の住宅に移動が始まり、避難所生活にも落ち着きを取り戻す状態になりますが、これまでの
東日本大震災や熊本大震災などを振り返りますと、短期、長期を問わず避難所の環境になじめない避難者たちがマイカーやテント生活をするなど、避難所生活における厳しい現状を真摯に受けとめなければなりません。
私たちは、あすは我が身であります。
防災先進地静岡市らしい詳細な対策を講ずる必要があると思うのであります。西日本各地が豪雨に見舞われ甚大な被害が発生し、広範囲に及ぶ避難指示や避難勧告が出される事態が、
テレビ報道等で赤裸々に知らされたわけであります。避難指示と避難勧告によって、全国で約360万世帯、3,779カ所の避難所に約2万8,000人が避難をしたと言われております。体育館に毛布を敷いて大勢がひしめき合うこの情景は、議員各位、皆さん、脳裏にあることと思います。
避難所の環境対策には課題山積でありますが、ここでは、私は一点に絞って伺ってまいります。不特定多数の人が集団生活する場合には、特に衛生面への配慮が必要だと思うのであります。とりわけ、食べ物やトイレの対策についてはどのような取り組みをしているか、お伺いいたします。
次に、
学校給食センターの活用についてであります。
静岡市
地域防災計画では、
食料供給計画の中で食料の供給について、
学校給食センターや
小中学校給食室の活用のほか、
民間給食施設や
食品製造業者等に協力を要請するなど、被災状況に応じて実施すると記載されているのであります。本市のおのおのの
給食センターの
食料供給能力は、一日当たり一万食以上を賄える施設であります。このような施設が整備されていることから、多くの市民がこういう被災をした場合には、この食料の供給を
給食センターに大きな期待を寄せると思うのであります。
ここで伺いますが、
学校給食センターの施設は災害時の炊き出しなどに活用できるのか、大規模災害時の
学校給食センターの役割はどうなっているのか、お伺いいたします。
〔36番安竹信男君質問席へ移動〕
5 ◯経済局長(池田文信君)
クラウドファンディングについてですが、
クラウドファンディングは民間事業者などが行う事業に対し、インターネットなどを利用して不特定多数の人から資金を集める仕組みであり、この手法を活用することにより、事業実施者の思いや理念を広く伝えることができ、事業に対する理解を得ることにもつながります。このことから、自己資金の少ない民間事業者などが新しい事業の立ち上げや商品の開発に取り組む際に、必要な資金を調達するための有効な手法の1つであると考えています。
6
◯危機管理統括監(海野剛幹君) 避難所生活の食べ物やトイレの対策について、どのような取り組みをしているかについてですが、避難所における衛生環境の保持は重要と考えております。まず、本市が備蓄している食料についてですが、
アルファ化米など、1食分が個別に袋分けされた包装食となっており、食器を使わないで食べることができるなど、衛生面に配慮したものとなっております。
次に、トイレ対策についてでございます。
本市においては、平成29年度より仮設トイレから順次携帯トイレへの移行を進めております。携帯トイレは男女別に区切られた既存のトイレにおいて使用するため、仮設トイレでは気兼ねする女性も抵抗なく使用でき、また、使い切りであるため、衛生面においてもすぐれております。これら以外にも、施設内の小まめな清掃や手指などの
アルコール消毒を徹底することで、避難所における良好な衛生環境を整えてまいります。
7 ◯教育局長(遠藤正方君) 大規模災害時の
学校給食センターの役割についてですが、
学校給食センターには食材なども備蓄されておらず、人員や調理器具なども学校の子供に昼食を提供するためのものしかないため、発災後速やかに避難者に食料を供給することは困難であると考えています。このため、災害時には、まずは学校再開時の給食を提供できるように施設を維持することが第一の役割だと考えていますが、調理や配送などの条件が整えば、可能な範囲で避難者などの食料供給に協力する計画となっています。
8 ◯36番(安竹信男君) 経済局長の答弁があったわけでありますが、既にこの
クラウドファンディングというこの事業は、もう大分世間に広まっているわけであります。特に私のような、田舎にいて、山間地振興という非常に厳しい中で、この制度というのは非常に大切だと。特に、事業を起こそうとする者の思いや理念ということを言われましたけれども、全くそのとおりだと思っています。ただ、本当にやる気があるんですが、なかなか取り組むまでの形が整わない、こういうことで悩んでいるわけであります。
特に、自己資金が少ないという民間事業者を支援する有効な資金調達だということはもう間違いありませんので、これからまた少し、質問を展開したいと思います。
給食センターの関係で、今、その内容がここで述べられたわけでありますが、特に子供を対象とした施設であるということ、もちろん我々は常識的に知っているわけであります。それを、いざ多くの避難者が出たときの食料を供給、提供する場所として期待しているんだということを、今回はしっかりと訴えたい。こういう質問態勢であります。ちょっと心もとない感を強めたわけでありますけれども、この食料供給に協力できるという考えは、今ここで示されたわけでありますので、それについてもう少し深掘りしていきたいと思います。
教育の立場でお願いしたいのは、思い出していただきたい、タイの洞窟で少年12人と教師1人があの長い期間、暗闇の洞窟の中で命をつないだ。少しばかりの食料を分け合ってという、分け合いの精神、これがないような行政ではだめですよ。そのこともこれから指摘したいと思います。
まず
クラウドファンディングについてであります。
本市の特性の1つに林業、農業、水産業で経済が成り立ってきたという長い歴史を振り返りたいと思うのであります。あまたの神社、お寺、あるいは薬師堂、観音堂など、この祭りが多いわけでありますが、これは地域住民の心のよりどころとして伝承されてきたわけであります。数百年の歴史の重みは建屋や薬師如来像、観音像のお姿にもお見受けするわけでありますが、崇敬者たちの寄附行為によって修繕、修復された形跡が数多く見受けられるのであります。まさしく崇高な寄附行為、
クラウドファンディングの原点ではないでしょうか。
私は少子高齢化が進む中山間地域における諸問題の1つとして、地域住民による共同作業や勤労奉仕、あるいは祭り、今で言う各種イベントでありますが、こういった諸活動が持続可能でなくなってきたということを憂いているのであります。何をしようにも先立つものは人と金。資金調達の手段としてこの
クラウドファンディングが急速に普及していくことを、中
山間地域住民は今、期待しているのであります。
第11回まち・ひと・し
ごと創生会議が平成28年12月に行われておりますが、その資料から一例を参考にいたしますと、奈良県明日香村では
明日香ニューツーリズム協議会を設立して、
クラウドファンディングで1,500万円を調達し、古民家を活用した宿泊施設整備と、その地域のファンづくりに成功しております。
ここで伺いますが、中山間地域における
クラウドファンディングの活用については、どのように考えるか、お伺いいたします。
9 ◯経済局長(池田文信君) 中山間地域では地域資源を活用した新商品の開発を初め、加工所や民宿等の整備、体験ツアーの開催など、多くの地域活性化の取り組みが行われています。これらの取り組みにおいて、
クラウドファンディングによる新たな資金調達の手法を取り入れることは、より多くの人の事業参入が可能となるものと考えています。
さらに、
オクシズ地域以外の人々が
クラウドファンディングに参加することによって、オクシズへのかかわりが強まり、
地域イベントへの参画や新たな起業につながるなど、外部の活力がオクシズで展開されることが期待されます。
10 ◯36番(安竹信男君) ただいまの答弁で、今までも当局には地域振興のためにいろいろな手で協力をしていただいているということは十分承知しています。地域の人たちが展開しようとするこれからの事業、特に開発行為について、今示したとおり、多くの市民、あるいは地域外の人々が関心を深めるきっかけにもなるわけでありますので、期待をしています。
もう一点注目するのは、
地域再生プランナーの久繁氏が一例を挙げて、
クラウドファンディングを仲介する
プラットホーム自体がビジネスとして高い手数料をとっているということを指摘しております。特にアメリカでは、手数料はゼロから5%、ところが、日本では8%から20%強だと言われているのであります。私は、地域に根差している歴史文化の保存、伝承活動や食品開発などの1次産業の6次化事業等には
クラウドファンディング活用促進を行政がむしろ手数料抜きで積極的に指導していく、その部分もあっていいのではないか、こう批判してきたわけであります。
焼き畑農法の伝承活動や在来作物の種の保存活動等は潤沢な利益が伴うものではありません。特に、中山間地域における商品開発など物づくりでは、行政が
プラットホームの担い手を果たしてほしいと期待するものであります。
現在、静岡市は中山間地域における取り組みについて、幾つかの補助制度により支援を講じておりますけれども、地域住民が
クラウドファンディング活用のノウハウをしっかり会得するならば、より効果的な事業展開が可能になると思うのであります。
ここで伺いますが、
クラウドファンディングの活用に向けどのような支援策が考えられるか、お伺いいたします。
11 ◯経済局長(池田文信君)
クラウドファンディングを成功させるためには、実施者の熱い思いや
プロジェクトに係る理念に共感する人をいかに多く集めることができるかが重要であり、支援したいと思ってもらえるよう、
プロジェクトをより充実させ、魅力的に見せるノウハウが求められます。
新たな資金調達の手法として
クラウドファンディングの活用を考えている人たちに対して、ノウハウを持った専門家の派遣など、
プロジェクトの魅力を高める支援を今後検討していきたいと考えています。
12 ◯36番(安竹信男君) ぜひ、今のようなお考えを一日も早くしっかりと庁内で御検討いただいて、地域の皆さんとの接点の中で、この
クラウドファンディングを広めていただければありがたいと思います。
鳥取県の大山町では
クラウドファンディングを活用して創業する事業者を支援する制度を創設しております。どういうことかと言いますと、町内に住所があること、町内で創業すること、町内に事業所を設置し、5年以上事業継続をすることを条件として、目標想定額を達成すれば50万円を上限として目標達成金額の2分の1を補助するというものであります。こういう事例もたくさんあるわけでありますが、ぜひとも中山間地域で多くの開発事例がこれからどんどん発掘されるよう、行政支援をお願いしておきたいと思います。
次に、避難所生活の問題です。
静岡市
地域防災計画の発災後の
災害応急対策第13節には、
食料供給計画があります。災害のため物資の流通機能が麻痺し、食料を確保することが困難で、また、住宅の被害などにより自宅での炊飯が不可能になることを想定し、日常の食事に支障がある者に対して、災害時における炊き出し、その他必要な食品を確保し支給するため、市の実施事項を定め、食料供給に支障のないよう措置することを目的とするものであります。
ここで伺いますが、避難者の快適な環境は関連死の減少につながることは申すまでもありません。また、心身ともに傷ついている避難者に、自論でありますが、温かい手づくりの食事が提供されれば、それは癒やしにもつながると思っているのであります。本市にはどのような取り組みがあるのか、現状をお示しいただきたいと思います。
13
◯危機管理統括監(海野剛幹君) 季節や時期にもよりますが、避難者の心情に配慮した温かい食事の提供は必要なものと考えております。本市においては、発災後3日間程度は
アルファ化米やビスケットなど、備蓄してある食料で対応することになります。発災後4日目以降になれば、国の
プッシュ型支援によるパン、
インスタント麺、米や缶詰などを拠点となる物資集積所で受け入れ、各避難所へ配分します。この時点から温かい食事の提供が可能となります。
本市においては、炊き出し用の釜を522基備えており、
地域防災訓練などで炊き出し訓練も実施しております。災害時にこれらを実践することで温かい食事が提供できるものと考えております。また、複数の協定業者から食料品の提供を受けるなど、偏ったメニューにならないよう、避難所における食のストレス軽減に努めてまいります。
14 ◯36番(安竹信男君) 温かい食事提供が大事だということは、今お示しいただいたわけであります。国の
プッシュ型支援、これもまた期待されるところであります。とても心強いわけであります。ところが、被災地は我がまちだけではないわけであります。この
東南海トラフ地震は高知県のほうに至るまで、瀬戸内海も含めて広域になるわけでありますので、私たちはむしろ、自前で大丈夫だからほかへ行ってくれと言うぐらいのことをするのが、政令市の役目だと私は思っています。私たちのところに早く物が来い、そんな態勢じゃなくて、私たちのほうは十分だ。ほかにも協力するという、この態勢を進めるぐらいの政策能力が欲しいと思うのであります。
今、脳裏をよぎるのが、昨年7月に熊本大地震の復興状況を視察した際に、
社会福祉法人千寿会悠優かしまの職員さんの体験談であります。実は、この視察の目的は幾つかありました。その1つが、静岡市が今進めている新清水庁舎、あるいは桜ヶ丘病院を津波浸水区域に移転するという考え方が本当に正しいのか、問題はないのかということを確かめるため意識をしての視察でございました。
震災直後の状況について、施設の管理者がこういう話をされました。夜勤者のみとなり、停電や断水でパニック状態に陥った中で電話は通じず、LINEで一部、連絡がとれたのみだったと。余震が続いて道路や橋が寸断し、全ての職員が被災者となり、職員が施設に集まらないという人的な問題が生じて、消防団や地域住民の応援で入所者69名をやっと屋外へ避難させることができたということであります。
社会福祉法人千寿会悠優かしまは、市役所や
給食センターは全く別かもしれませんけれども、人の命を預かる公設の施設でありますので、私はこれは無視できない事例だと思っているのであります。
ここで伺いますが、発災直後での
給食センターの職員配置はどのようになっているか、お伺いいたします。
15 ◯教育局長(遠藤正方君) 発災直後は所長など一部の職員が参集し、施設の被害状況を確認し、
給食提供再開に必要な対策を講じることになっています。
また、
学校給食センターの調理員は、災害時職員配置基準に基づき、各区の地区支部に参集し、避難所活動などの支援を行う業務に従事します。
16 ◯36番(安竹信男君) 発災直後は、先ほどの事例もありましたが、なかなか人が集まらない、こういう環境であることも含めて、調理員が
学校給食センターに集まるという時限的な問題、いろいろ課題はあろうかと思いますけれども、やはり私はそれぞれの部署、病院に勤められている方は病院にまず行くことを考えなければいけないだろうし、それぞれの学校の先生たちは、子供たちはどうだろう、学校はどうだろうということで学校に行くべきだろうし、
給食センターも全く同じだと私は思うのであります。ですから、できるだけ
給食センターが復興するために、一日も早く職員を
給食センターに集めるのが私は順当ではないかと思うのであります。
ここで、災害時における関連死についてちょっと注目していただきたいと思います。
2月9日の静岡新聞の朝刊に、災害関連死4,958人という新聞報道がありました。この数は阪神・淡路大震災で921人、新潟中越地震で52人、
東日本大震災で3,701人、熊本地震で218人、
西日本豪雨災害で28人、この間には幾つかの地震、豪雨災害があったわけでありますが、必ずそこに数名の災害関連死があったわけであります。その記事の内容は、阪神・淡路大震災から20年以上もたっているのに、避難所環境の改善といった対応策が不十分だということが記されているのであります。
危機管理体制下における指揮命令系統こそ、私はしっかり強靱化すべきではないかと思うのでありますが、ここで伺っておきます。
大規模災害時に
給食センターを活用する場合、どのような流れで指揮命令が動くのか、教えていただきたいと思います。
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◯危機管理統括監(海野剛幹君)
市災害対策本部では、各部各班や区本部からの被害に関する情報に基づき、災害対応の対策方針や優先順位等を定めることとしております。
学校給食センターを活用する場合には、
食料供給計画に基づき、炊き出しに必要となる職員の招集及び食材・運搬手段の確保などの処置を
災害対策本部で決定した上で、所管の各部各班に指示し、対応することとなります。
18 ◯36番(安竹信男君) やはり、災害にこそしっかりとした統制がとられなければ大変な混乱を生ずるわけでありまして、本市の
災害対策本部の指揮命令、これはトップに市長がいるわけでありますが、この優先順位の中で食料供給対策、ぜひ順位を高く上げていただきたいと思うのであります。避難生活が3~4日続いたころ、やっといろいろなものを食べたいという気持ちに駆られるわけであります。炊き出し釜が今522基ですか、これも大変心強いことではありますけれども、やはり1日1万食を提供できる
給食センターの能力をいかに活用するかということを、ぜひ御検討いただきたいと思います。
ここで1点申し添えますが、これまでも何回か、市長を初め多くの人たちにお願いしてきた件であります。一般社団法人全国プロパンガス協会は、災害時にも強いプロパンガスということで、学校や病院、公民館、消防署、防災センター、介護施設、福祉施設、
給食センター等へのLPガス導入事例集を発行しております。分散型エネルギーとして国が進める国土強靱化の取り組みの中で、LPガス導入経費については国の補助制度もありますので、避難所対策事業として関係部局で前向きに検討されたく強く要望させていただきます。
最後に、本市行政の発展に尽くされて、今年度退職される方が多いわけでありますけれども、その長年の労に対し、心から感謝を申し上げたいと思います。私も議員生活27年。40年ここで勤務された方、30数年勤務された方、その半分を時として激論を交わし、時として握手もしてやってきた、そういう仲間の形も私は整えてきたつもりであります。そういう皆さんが退職なさるわけでありますが、ぜひ、一般市民にまた戻られた中で、本市発展のために御尽力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、労をねぎらって御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
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19 ◯議長(田形清信君) 次に、望月賢一郎君。
〔1番望月賢一郎君登壇〕
20 ◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。
ことしは花粉症がひどくて、多少お聞き苦しいかもしれませんが、おつき合いください。
私は、本年度駿河湾フェリーと生涯学習施設という2つの問題で質問を行ってまいりました。
駿河湾フェリーについては、県と本市を含む関連市町による一般財団法人が運航を継続するということが決まり、発着場の江尻への移転も県が計画を持って進めていくことが明らかとなりました。
今回は生涯学習施設に絞って質問したいと思います。
去る2月1日、田辺市長は定例記者会見の席上、記者の質問に答える形で、2月議会に予定していた生涯学習施設の利用方法の見直しに関する条例改正案の提出を延期すると表明いたしました。私は、この本会議において何度も、この条例改正案の提出時期について質問してきましたが、当局は年度内と言っておりました。当初の予定からなぜ2月議会での条例改正を見送ったのか、その理由について最初に質問いたします。
次に、生涯学習施設の利用目的について質問します。
生涯学習施設というからには、本来は生涯学習のための施設だというのが普通の考えだと思います。生涯学習交流館の本来の設置目的は何か、伺います。
続いて、生涯学習交流館の指定管理者である清水生涯学習交流館運営協議会について質問します。
この団体の平成29年度貸借対照表によりますと、利益剰余金が5,800万円あります。市長は2月1日の記者会見で、利用者に使用料負担を求める考えは変わらないとしています。利用者に新たな負担として、年間3,400万円ということですが、こうした負担をお願いしようとするときに、当該施設の指定管理者にこれだけの剰余金があるということについて、どのように説明するのか、当局の考えを伺います。
次に、大項目の2、指定管理料の債務負担行為について伺います。
契約が複数年に及び、確実に支出が予定されている清水区の生涯学習交流館の指定管理料について、債務負担行為が設定されるべきだと思いますが、これが設定されているかどうかを伺います。
以上、第1回目の質問です。
〔1番望月賢一郎君質問席へ移動〕
21 ◯市民局長(豊後知里君) 生涯学習施設に関する4点の質問について、一括してお答えします。
まず、2月議会での条例改正をなぜ見送ったのかについてですが、施設利用方法の見直しに当たり、昨年8月から11月にかけて実施した利用者の皆さんへの説明会や、12月中旬からのパブリックコメントなどを通じ、さまざまな御意見をいただきました。これらの意見を受け、生涯学習の推進のために、より利用しやすい仕組みを考える必要があると判断し、その検討を行うためには時間が必要であることから、2月議会での条例改正を見送りました。
次に、生涯学習交流館の本来の設置目的についてですが、静岡市生涯学習施設条例第1条において、生涯学習施設は、市民の自発的な学習活動を支援することにより、学習活動を通じて地域の交流及び連携を図り、もって市民主体のまちづくりを推進するものと規定しており、この学習活動には、地域の課題解決に向けた活動やまちづくり活動も含まれております。
本市の生涯学習の方向性を示した静岡市生涯学習推進大綱においても、まちづくりと人づくりが繰り返され、発展していくことで豊かな生涯学習社会が実現するものとしております。こうした考えを踏まえ、平成29年度に策定した生涯学習施設の配置適正化方針では、生涯学習施設の将来像を「学びの場+地域コミュニティによるまちづくり活動の場」と位置づけております。
次に、清水区生涯学習交流館運営協議会の剰余金についてですが、この剰余金は指定管理者が指定管理業務の運営を適正に行い、経営努力の結果、毎年度発生したもので、平成24年度からの1期目5年間と平成29年度からの2期目初年度の1年間、計6年間で積み上がったものと捉えております。
また、この金額は指定管理を行う21施設の6年間の指定管理料総額の2%程度、1施設当たりにすると1年で46万円程度であり、不当に高い利益を得ているとは考えておりません。
最後になりますが、清水区の生涯学習交流館の指定管理料について、債務負担行為は設定しておりません。
22 ◯1番(望月賢一郎君) まず、なぜ2月議会での生涯学習施設の利用方法の見直しを見送ったのかについてですが、今の答弁によりますと、昨年の説明会やパブリックコメントなどを通じてとのことでした。私は、この見送りについては、利用者の皆さんの運動が非常に大きかったのではないかと思います。特に有料化反対の市議会に向けた請願署名、昨年10月の後半、実質的には11月から署名がスタートしたわけですが、12月の初旬、私がこの議会の席上で紹介しましたが、1カ月余りで7,000の署名が集まりました。その後、年末に1万を超えて、1月末には1万2,000に達したということであります。1万を超えた時点での記者発表は地元紙にも写真入りで取り上げられました。
しかも、この署名の集め方が従来の方法とは全く違っています。今回の見直し案、特に利用料の有料化に反対するために立ち上がった利用者団体連絡会が、集めた署名はここに郵送で送ることになっている。つまり、郵送料は署名を集めた人が自腹で出すということになっております。こうした条件のもとで1万2,000の署名が集まったということは、いかに利用者の皆さんの思いが強いかがよくわかります。
実は、私の住む草薙のアパートのポストにも15名ほどの名前が記載された署名が投げ込まれておりました。近所に住む、今まで全く知らなかった方が、私が議会で有料化反対の質問をしているということを知って、投函をしてくれたんだと思います。私は、昨年の3月に清水のLNG火力発電所の問題が終わって、この問題に取り組むことになりました。この中で清水で活動するさまざまな生涯学習交流館の利用団体の皆さんの話を聞き、実際に活動現場を見せていただきました。こうした中で、清水の生涯学習運動がいかに地域にとってかけがえがないものかを実感いたしました。
田辺市長は記者会見で、利用者に負担を求める考えは変わらないとしたわけですが、今後、有料化を含んだ条例改正案が提出されるならば、利用者団体連絡会としてもさらに署名の上積みを目指すということであります。現在、利用料有料化の対象になっている静岡市生涯学習施設条例第9条による施設利用の許可を受けた団体が約850団体あります。このうち、これまでにこの署名に協力していただいている団体はまだ150団体程度だということであります。まだまだこの署名の伸びしろはあるということをここで御報告させていただきます。
そこで、次の質問に移ります。
利用者団体の皆さんは有料化反対とともに、予約制度の見直しにも反対をしておりました。清水区の生涯学習交流館で行われてきた、これは正式名称ではありませんが、優先予約制度というものがあります。これは前年の12月に使用希望日を出しますと、翌年4月から決まった曜日、例えば毎月第2、第4木曜日の午後6時からといったように、年間を通じて使用日を固定することができる。ほかの団体と重なった場合には抽せんになる場合もありますが、たとえ希望日でなくても年間を通じて同じ日程がとれるというのが清水の場合は団体を運営する上で非常に大事なわけです。
昨年、市の利用者団体への説明会で出された見直し案では、この優先予約を旧静岡の生涯学習センターにあわせて3カ月ごとに抽せんにするということが出されました。年間を通じて使用日が固定されないというのは、清水の利用団体にとって非常に利用しづらいわけです。昨年12月には清水区の最大利用団体である清見潟大学からも、この点を改善してもらいたいという意見書が出たと承知しております。
質問ですが、市長が記者会見で言った、より利用しやすい仕組みとはこうした利用方法の見直しも含まれるのか、お答えください。
23 ◯市民局長(豊後知里君) 昨年の説明会や12月中旬から行ったパブリックコメントなどを通じて、市の見直し案における利用申し込み時期では、計画的な学習活動に支障があるとの意見を初め、利用者からさまざまな御意見をいただいていることから、より利用しやすい仕組みを考える必要があると考えております。
24 ◯1番(望月賢一郎君) より利用しやすい仕組みというのは、清水の交流館の場合は、現在の予約方法の継続がどうしても必要になってくると思います。今後の検討に際しては、清水の交流館における従来の予約方法の継続が盛り込まれるよう強く要望いたします。
さて次に、見直し案を見直す検討期間についてですが、一体どれぐらいの期間を設けるつもりなのか、お伺いします。
25 ◯市民局長(豊後知里君) さまざまな御意見をいただいていることから、現在の見直し案をもとにより利用しやすい仕組みについて、現在検討しております。したがいまして、検討期間については現時点では未定です。
26 ◯1番(望月賢一郎君) 現時点では未定ということでした。先ほど述べましたが、予約方法については静岡と清水で今まで全く違ってきたわけです。それぞれの地域が今の方法でなれ親しんでいる。ですから、予約制度に関する利用者の意識も全く違うと言えます。先ほども言いましたように、清水の利用者は年間予約が当たり前だと思っています。しかし、例えばこれを静岡に無理やり導入しようとすれば、特定の団体が年間を通して同じ時間に同じ会場を使用するのは会場の占有だという声が出る可能性もあります。こうした点を十分に配慮して、じっくりと時間をかけて、双方が納得できるような検討を当局にはお願いしたいと思います。
次に、生涯学習施設の利用目的についてです。
前回の見直し案にあった仮称地区公益団体。自治会や関連する団体ですが、仮に利用方法の見直し案を上程した場合、自治会等の無料化の方針は変えないのか、この点についてお伺いします。
27 ◯市民局長(豊後知里君) 少子高齢化の進展に伴う世帯の高齢化、地域コミュニティの希薄化が進む中、地域における支え合い、住民みずから地域課題の解決のための活動を行うことが、今後一層必要になっております。そこで、地域における住民主体のまちづくり活動を積極的に進めていただくため、各地区の自治会、防犯協会、社会福祉協議会などの地域コミュニティによるまちづくり活動を行う団体の活動を、全市的に支援することの考え方には変更はありません。
なお、ここで言う団体は、具体的には地区を基盤として設立され、地区住民を構成員とし、地区の住民自治、社会福祉の推進について必要性の高い公益的な活動を行うことを目的とする団体を要件として考えております。
28 ◯1番(望月賢一郎君) 地域コミュニティによるまちづくりを行う団体の活動を全市的に支援する、この考えに変更はないということでした。生涯学習団体の有料化の方針は変えないということであります。ここで1つ疑問が湧くわけです。生涯学習交流館と言いながら、生涯学習団体は有料、一方で生涯学習団体ではない自治会等は無料ということは、この施設の名称自体がおかしいのではないかということです。いっそのこと生涯学習交流館ではなく、連合自治会館と名称を変更したほうがいいということになるのではないでしょうか。そんなことはできないということであるならば、今回上程予定であった生涯学習団体は有料で自治会が無料という施設の利用の仕方、これは施設の利用目的の変更になるんじゃないですか、どうですか。
29 ◯市民局長(豊後知里君) 市民主体のまちづくりを推進するという設置目的を実現するため、生涯学習施設を「学びの場+地域コミュニティによるまちづくり活動の場」と位置づけておりますので、設置目的の変更には当たらないと考えております。
30 ◯1番(望月賢一郎君) 私はこの本会議で、清水区のある現役の連合自治会長さんの静岡市が行った、この見直し案の説明会での発言を一度紹介したことがあります。この自治会長さんがおっしゃったのは、自治会活動というのは自治会活動単独で成り立つものではない。地域の人たちが集う幅広い生涯学習活動があってこそ成り立つものだと、地域の生涯学習活動が裾野になって、その上に自治会活動があるんだということをおっしゃっていました。
実はこの話を、今は引退をされておりますが、長くある地域の別の連合自治会長を務められた方に話したところ、全くそのとおりだと言っておられました。生涯学習活動と自治会活動というのは切っても切り離せない関係にあると、有機的に関連したものとして捉える必要があるのだと思います。担当の職員の皆さんには、ぜひともこうした現場の声を丁寧に検討していただいて、新しい見直し案を出していただきたいと思います。
続いて、次に清水区生涯学習交流館運営協議会についてです。
この団体の問題は剰余金だけではないわけです。この5,800万円の利益に対して3,000万円を超える法人税を払っています。さらに、前回私が指摘した1,100万円余りの特別損失、合計すると6年間で1億円を超える税引き前利益を上げていることになります。こうした指定管理者の剰余金があるならば、生涯学習施設の利用者に使用料を負担させるより、指定管理料の見直しを先にすべきではないでしょうか、いかがですか。
31 ◯市民局長(豊後知里君) 指定管理料の積算は全庁共通のルールに基づき適切に行っております。指定管理業務の適正な執行が確保された上で、経営努力の結果、指定管理者に利益が生じるとしても、それはいわゆる企業努力の結果として評価すべきものであり、指定管理料の見直しにはつながらないと考えております。
また、もう1つ、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担増にならないのかどうか、これについても確認しておきたいと思います。
あとわずかになりましたので、意見・要望をあわせて申し上げます。
先ほど言いましたようにコンセッション方式は導入しないことをこの議会の中でも明言しておりますので、これは今後も引き続き確認していきたいと思っております。本市の方針を評価すると同時に、今後も公営企業による直営方式堅持を続けていくように、改めて要望したいと思います。
それから、経営戦略、水道編に掲載の財政シミュレーションでは、先ほど言いましたように2020年、2024年、2028年と3回にわたる料金値上げを示唆するかのような表現がされております。2020年の15%程度の値上げを3回にわたって行えば、先ほど言いましたように5割以上になります。これは、やはり慎重にやっていただきたいということと、あわせて当市財政計画についてやはりきちんと再検討する必要があるのではないかということを改めて申し上げます。
幼保無償化の財源については、これは先ほども説明がありましたけれども、今後、国が全額負担で行うべきだということも改めて申し上げたいと思います。
それから、大事なことはゼロ歳から2歳のところが無償化になっていないという問題です。無償化の対象が……
76 ◯副議長(望月俊明君) あと1分です。
77 ◯12番(寺尾 昭君)(続) ゼロ歳から2歳を置き去りにしているということは、先ほど言いましたようにまだまだ到底理解されていないということです。ぜひ、このゼロ歳から2歳までの無償化も早急に進めていくべきであるということを改めて申し上げます。
保育所で働く保育士等の処遇改善について、来年度も行われることが先ほど答弁されましたけれども、引き続き、ぜひ進めていってほしいと思います。
最後に、歴史文化のまちづくりということで、ちょっとテーマが変わりますけれども、私、駿府城公園を散歩しておりましたら、まだトイレの多くが和式なんです。外国人もたくさん来ると思います。駿府城公園のトイレリフレッシュをあわせてこの場でお願いします。
78 ◯副議長(望月俊明君) 時間になりましたので、発言を終了してください。
79 ◯上下水道局長(森下 靖君) 施設の更新に係る経費負担についてですが、地方公営企業法では、施設更新費用など事業に要する経費については、国庫補助金などの特定財源を除き、原則として、その事業収入である水道料金、下水道使用料で賄うこととされております。ただし、法に定める例外が2点あります。
1つ目は、経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費。2つ目は、能率的な経営を行ってもなお、経営収入のみで賄うことは困難な経費です。これらの具体例としては、水道事業では公共消防に係る消火栓の設置及び維持管理経費、下水道事業では雨水処理経費や一部の汚水処理経費がこれに当たります。
以上のことから、これら例外とされる経費以外の経費については、水道、下水道ともに、受益者である皆様からいただく収入によって賄うこととなります。
80 ◯子ども未来局長(石野弘康君) 幼児教育の無償化に関する2点の質問にお答えします。
まず、無償化による給食費の取り扱いはどのように変わるのかについてですが、無償化に伴い保育所等の全ての施設において、3歳から5歳の給食費が全額実費負担になります。現在、3歳から5歳の給食費は、幼稚園やこども園で教育を受けている子供については、全額実費負担となっています。一方、保育所やこども園で保育を受けている子供たちについては、給食費のうち、御飯などの主食分が実費負担で、おかずなどの副食分は利用料に含まれております。このため、無償化以降はこども園や保育所で保育を受けている3歳から5歳の給食費のうち、副食分の取り扱いが、利用料から実費へと変更になります。
なお、ゼロ歳から2歳の給食費の取り扱いについては変更がございません。
次に、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担増となることはないのかについてですが、給食費が全額実費負担になることにより、生活保護世帯やひとり親世帯等の低所得者世帯については、これまでの保育所等の利用料より負担がふえてしまうため、国の制度により給食費の実費負担が免除されます。
また、本市が独自で行っている保育所等の利用料の減額により、給食費の負担額が従来の利用料を上回る世帯に対しましては、保護者の負担増とならないよう、市独自の補助で対応してまいります。したがいまして、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担がふえることはございません。今後も、保護者の負担軽減に引き続き取り組み、子育て世帯を支援してまいります。
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81 ◯副議長(望月俊明君) 本日はこれにて延会いたします。
午後2時16分延会
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