高山市議会 > 2024-06-07 >
06月07日-03号

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  1. 高山市議会 2024-06-07
    06月07日-03号


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    令和6年第3回定例会令和6年第3回高山市議会定例会会議録(第3号)=======================◯議事日程 令和6年6月7日(金曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問      4番 益田 大輔君     18番 中筬 博之君     17番 岩垣 和彦君     19番 倉田 博之君      7番 片野 晶子君     24番 小井戸真人君  ================◯出席議員(24名)   1番              丸山純平君   2番              中村匠郎君   3番              戸田柳平君   4番              益田大輔君   5番              坂下美千代君   6番              平戸芳文君   7番              片野晶子君   8番              水野千惠子君   9番              石原正裕君  10番              西本泰輝君  11番              伊東寿充君  12番              西田 稔君  13番              沼津光夫君  14番              榎 隆司君  15番              山腰恵一君  16番              渡辺甚一君  17番              岩垣和彦君  18番              中筬博之君  19番              倉田博之君  20番              松山篤夫君  21番              上嶋希代子君  22番              車戸明良君  23番              水門義昭君  24番              小井戸真人君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長               田中 明君  副市長              清水雅博君  副市長              上田和史君  市長公室長            北村幸治君  総合政策部長           平野善浩君  総務部長             荒城民男君  財務部長             平塚久則君  市民活動部長           西永勝己君  市民福祉部長           石腰洋平君  こども未来部長          瓜田清美君  医療保健部長           石原隆博君  森林・環境政策部長        小林一正君  農政部長             林 篤志君  商工労働部長           倉畑政之君  飛騨高山プロモーション戦略部長  川原幸彦君  建設部長             中垣内一君  都市政策部長           池之俣浩一君  水道部長             山腰勝也君  会計管理者            村田景子君  監査委員事務局長         坂上和彦君  教育長              見山政克君  教育委員会事務局長        森下澄雄君  消防長              松山孝生君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長             橋本 宏君  次長               比良佳久君  自動車運転職員          櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(渡辺甚一君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(渡辺甚一君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、片野晶子議員、岩垣和彦議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(渡辺甚一君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、益田議員。   〔4番益田大輔君登壇〕 ◆4番(益田大輔君) 皆さん、おはようございます。 令和6年6月7日、みんなで未来をつくる会の益田大輔です。 通告に基づき、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まずは、救急の話題から。2023年、全国で760万件の救急車の出動がありました。これは、出動数は、年々増加の一途でして、当然、その受入れは病院がするわけですので、それだけの数が来ると、医療現場は逼迫し、悲鳴を上げています。そこに、救急車の不適切利用であるとか、そういった社会問題もあり、救急車の到着が遅れている、こういう現状があるわけです。 地域の救急医療を考える上で、まずは、3次救急、2次救急、1次救急もそうですけど、受け入れる病院があり、そこに医師を中心に医療スタッフがいて、ICUがいて、こういうような構造になっているんですけれども、救急車の迅速な搬送があってこそ、また、救急車の適正利用の市民の理解があってこそ救命率が保たれるわけで、言わばワンチームとなっています。 病院の側にも、医師不足であるとか、受入能力の動揺など、そういった事象はありますけれども、人手不足というのは、どこの業界でも話題になっていまして、これは消防においても例外ではありません。 令和6年3月、滋賀県の甲賀消防本部で全職員の1割が退職するというニュースがありました。1割退職する、また、そこに救急救命士が不足していく、救急体制が非常に危うくなっていく、こういうニュースです。これは対岸の火事でしょうか。 例えば、医療者もそうですけど、市民の皆さんも救急車を呼んで来ないということは想定していないと思います。タクシーもそうでした、かつては。10年、20年前、呼んでも来ないということは想定していなかったんですね。全国的に若手の離脱が続いており、これは消防に限りませんけれども、特に、救命士の離脱は大きな問題です。救急システムに支障、綻びが起こる可能性がある。救命士の救急車への搭乗率で救命率が変わるとも言われています。2名体制のほうが特定行為成功率が高いという論文などもありまして、いかに救命士を確保しておくか、その地域に。これは地域救急の大きな課題なんです。キャリアアップの仕組みであるとか、やりがい、モチベーションの維持であるとか、自治体によっては、特定行為手当であったり、大型免許の取得等に補助が出る自治体もありますけれども、きめ細やかな整備の中で救急救命士を確保する、そういうような戦略が必要なんです。 令和8年に、高山市でも、高機能消防指令システム及び消防救急デジタル無線システム総合整備が進みます。早く出動し、早く到着する。ただ、この大きなシステム、ハード面が整ったときに、マンパワーとして働いている人が足りない、こういう状態はとにかく避けたい。今いる人材を大事に、そして、育て、学べる環境をつくり、そういう思いを踏まえて質問に移らせていただきます。 消防職員のここ数年間、コロナもありましたけれども、退職者数と適正とされる職員数、このくらいは欲しい、運営上ということですね。救急救命士数について、市の認識をお尋ねします。   〔4番益田大輔君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕 ◎消防長(松山孝生君) おはようございます。 消防職員の退職者数は、令和3年度から令和5年度の各年度において、2名、7名、7名で定年退職や早期退職等によるものです。 高山市消防本部及び高山消防署は、白川村の消防業務受託による白川出張所を含め1本部1署3分署4出張所を有し、自然災害を始め、火災、救急、救助等の対応に当たるほか、予防業務や消防行政に係る事務を執り行うために必要な職員数を153名として運用しており、現在、消防職員152名と会計年度任用職員1名の体制としています。 高山消防署では、非常用を含め12台の救急自動車を有し、そのうち9台を通常運用するために、43名の救急救命士を搭乗させていますが、研修等で搭乗できない場合もあるため、50名を目標として、引き続き新規採用による救急救命士の確保に努めてまいります。 将来に向けては、定年引上げや男性職員の育児休業の取得、人口減少などの社会情勢の変化に適応しつつ、必要な常備消防力を確保できるよう、10年、20年先を見据えた持続可能な消防体制の在り方について、適正な職員や救急救命士の人数を含め検討していきたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 マンパワー不足は、消防に限らないことだと思いますが、年度途中であったり、白川の採用の方であったり、出張所出向者の方であったり、いろいろな形で退職者がいらっしゃると思っております。そういうふうに把握しておりますけれども、ただ、これ、数の問題というより、認識してもらいたいのは危機感になります。当然、高齢化の問題も出てきます。消防職の労働環境の特殊性もやはり大きいと思うんです。命を預かる、それこそ1分1秒を争うこの厳しさがあると、そういう文化、伝統の中で、時代の変化に伴うハラスメントであるとか、メンタルヘルスの問題というのはどうしても出やすいと感じております。そこにZ世代の価値観が入り、これは医療も同様ですけど、働き方改革といっても、医療の世界だと上司の言うことを、例えば、僕のときは、先輩の言うことはもう絶対であり、『白い巨塔』のような世界でして、大門未知子、今は、いたしませんというフリーランスの大門未知子の価値観に移ってはいるものの、当時、『ブラックジャックによろしく』という本がありましたけど、本当に、当直のときは、食べれるうちに食べ、寝れるうちに寝ろと、そういう時代でした。同級生に5月に会ったら、今日が今年最後の休日だという小児科の先生もいましたし、手術室に、地下に下りていったら手術が続いて、3日くらい地上に戻って来ない外科医の先生もいましたし、すぐに呼び出されるので、何度洗濯しても干すことがない、1か月ぐらい干せない先輩の先生もいました。こういうのは、昔は誰にでもある武勇伝だったんですけど、これは今では完全にハラスメントになってくると思うんです。研修医の自殺であるとか、過労死の問題というものも全国的にニュースになっております。 消防職の労働環境の特性を踏まえたメンタルヘルスの取組であるとか、ハラスメントへの対応の現状を教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕 ◎消防長(松山孝生君) 消防職員の労働環境の特性として、1つ目として、指揮、命令の系統が確立していること、2つ目として、安全管理のために一定の指導が徹底されること、3つ目としまして、圧倒的に男性が多いこと、4つ目としまして、長時間生活空間を同じにすることが多いことなどが挙げられます。 また、消防職員は、災害現場での活動や凄惨な光景を目撃し、時として心的外傷、トラウマ体験となるような精神的負荷にさらされ、職業的救援者として惨事ストレスを受け、健康や業務に影響を及ぼすことがあると言われています。 当市では、全庁的にメンタルヘルスケアへの取組や、ハラスメント等の職場環境を悪化させる行為の防止及び対応を図っているところ、消防本部では、先ほど申し上げました、労働環境の特性や職業的救援者であることを捉え、実情に適したメンタルヘルスケアの体制を構築するため、令和3年度から外部機関の協力を得ながら取組を進めているところであります。 具体的には、日常的に行うセルフケア、また、直属の上司が部下のいつもと違う様子にいち早く気づき、声かけや相談対応を行い、職場環境改善に努めることを啓発するとともに、メンタルヘルスケア通信の配信、メンタルヘルスケア及びハラスメントに関する研修などを行っており、今年度は、新たに外部機関と連携し、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、働きやすい職場づくりに向け、職場環境改善支援というプログラムの試験的な実施に取り組むこととしております。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 産業医学の観点から、セルフケアであったり、ラインケアであったりという中で、独自の取組をされているということでした。今、お話がありましたとおり、デリケートな問題で、過剰労働などもありますけれども、本当に命の現場に立ち会うということが、心に対してダメージを積み重ねていくような現場でもあります。ぜひ、メンタルヘルスも含めて心のケアを徹底いただければと思いますし、この前例にとらわれない意識改革というか、この尊厳を守ってメンタルヘルスを保全するような活動につなげていただければと思います。 救急救命士の特定行為について少し触れたいと思います。 医師の指示を受けて気道確保であるとか、静脈路確保ができるわけですけれども、救急車へのこの搭乗率がゼロ人、1人、2人というところの中で救命率が変わるというようなことも言われていると思います。どれだけ配置できるのかということが、ある意味地域の救急救命力であると思います。そのため、自治体としては手当を出す、例えば、給料にであるとか、特別、そうですね。特定行為手当であるとか、出勤手当の差別化であるとか、そういったことをされる自治体もありますけれども、このキャリアアップの意欲、モチベーションの維持も含めて、救急救命士の搭乗率、特定行為手当等の配慮、キャリアアップの仕組みについての市の現状、また、お考えをお聞かせください。 ○議長(渡辺甚一君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕 ◎消防長(松山孝生君) 当消防本部の救急救命士の救急自動車への搭乗率は、令和元年から令和5年の各年において、93%、96%、96%、96%、94%でその平均は95%となっています。 なお、119番通報の段階で重症感があり、分署や出張所から出動した救急隊に救急救命士の搭乗がない場合には、高山消防署から救急救命士を乗せた別車両が支援出動し、先行する救急隊とドッキングする体制としているほか、救急救命士が不在でも迅速かつ的確な救急活動ができるよう、救急隊員教育を継続的に実施しています。 当市では、救急出動など災害出動した場合、特殊勤務手当が支給されますが、特定行為等を行う救急救命士に限り支給される手当はありません。そうした中、現実的に人材確保が困難になると予測される中において、処遇改善の視点も含め研究したいと考えております。 県下消防本部に勤務する救急救命士が行う救急救命処置の質を担保するため、岐阜県メディカルコントロール協議会教育カリキュラム等を定めておりまして、基準とされている各年度64単位以上を公務として取得できるよう、病院実習や各種研修への派遣などに取り組んでおります。 また、この協議会では、救急救命士が気管挿管や薬剤投与などの特定行為を安全かつ確実に行うための教育訓練を定めておりまして、これを履修することにより、各種特定行為ができる認定救急救命士の計画的な養成など、引き続き救急救命士のキャリアアップに努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 バックアップ体制のことなど触れていただきました。 救急救命士の手当が、例えば、一般隊員との差別化が全くない自治体というのは珍しいのかもしれません。仕事は、救命士のほうが責任も仕事量も多いとなると、事務量も多いわけです。眠れないということも当然あるかもしれません。そうしたときに、一般的には月給の差を出していたり、出動手当の差別化であるとか、特定行為への手当等も考えて救急救命士の確保に当たっている自治体があるということの中で、今ちょっと研究をしたいということでしたけれども、この辺りは、やはりいなくなってから困ってはやはり遅いんですね。いかにいるうちに感謝の気持ち、それこそ、恋愛みたいなものですよね。いなくなってあのときどうしていればという話ではやはりないということを少し考えながらやっていかないといけないと思っております。 救急救命士を1人養成するのには、かなりのお金と時間がかかります。甲賀では、ここも大きな問題となっていまして、投資した時間、人が離職したため、これで非常に困っていると。ぜひ、リスペクトを持って大事に育ててもらいたいですし、また、それを応援する市民、行政が必要と考えます。 コロナの時期には、救急出動件数が本当に増加しました。出動する分、当然、病院に搬送されますけれども、都会のように病院の数があるわけではない、そういうことも踏まえて、適正利用の取組がいろいろと国を挙げて行われています。 #7119が令和5年10月1日から岐阜でも救急安心センター事業として開始されました。 先般のニュースでは、三重県松阪市において、救急搬送に伴う選定療養費を徴収することの是非がニュースになりました。この選定療養費というのは、もともと200床以上の病院を紹介状なしで受診する場合に、病院が徴収する、2016年4月から義務化されました7,700円のやつですけれども、この場合、救急搬送の患者さんも紹介状がない場合は対象になると。ただ、事故であるとか、そういうときに紹介状があるかというと普通はないわけです。ですので、ここは病院の裁量に委ねられるということになっているわけですが、適正利用でない場合、救急車で運ばれて、でも、入院じゃない、軽症であるというときは、この選定療養費を取るべきではないかという議論があります。 高山市においては、まちの規模等々違いますけれども、この質問としては、高山市における救急出動の件数の推移と救急車の適正利用の取組、#7119との連携の現状、救急搬送に伴う選定療養費についての市の今のところの考えをお聞かせください。 ○議長(渡辺甚一君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕
    ◎消防長(松山孝生君) 救急出場件数の推移は、令和元年から令和5年の各年において、4,205件、3,684件、3,864件、4,743件、4,780件で、令和元年から令和4年にかけては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響と推測される減少、増加がありましたが、令和4年以降4,700件を超えており、高止まりの状況にあります。 救急出場における軽症者の割合は、令和元年から令和5年の平均で約33%、令和5年が約35%と緩やかな増加傾向にあります。明らかに不適切な救急要請は把握していませんが、救急車の適正利用については、搬送先となる医療機関を含め、限られた医療資源であること、真に救急車が必要な傷病者への影響が懸念されることなどから、様々な機会や広報手段により啓発に努めております。 また、令和5年10月から、先ほどお話に出ました県下一斉に開始された救急安心センター事業、いわゆる#7119についても救急車の適正利用と併せて普及啓発を図っているところであり、令和5年度中の高山市内からの#7119の利用状況は、相談件数が243件、そのうち119番通報を誘導したものが22件、約9%となっており、少なからず救急車の適正利用、また、救急医療機関の受診の適正化などに役立っているものと捉えており、引き続き#7119との連携についても取り組んでまいります。 選定療養費については、議員仰せのとおり、専門的な治療ができる病院に軽症者が集中するのを防ぐことなどを目的に医療機関が徴収するものです。しかしながら、救急車の適正利用を促すため、三重県松阪市のように市民病院など一部の医療機関において、患者の状況によっては選定療養費を徴収する事例も把握しています。 当市においては、医療機関とも連携を図りながら、引き続き救急車の適正利用の促進に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 市民のリテラシーの問題かと思いますが、33%という数字に関しては、松阪市は50%等とありましたので、ここは本当に高山市民の文化の高さかと思っております。 これから職員の高齢化も進んでくると言われています。女性の消防職員も増えることでしょう。そうしたときに、やはり職業病としての腰痛、これも少し考えていかないといけないと思います。海外では、電動ストレッチャーを導入していることも多いです。例えば、患者さんが100キロを超える場合も多々ありますし、そういった産業医学の労働環境整備の観点からも、この腰痛対策は喫緊のことだと思っております。また、先ほどありましたけれども、大型免許取得の補助であるとか、こういったものも自治体によっていろいろ差が出ています。例えば、自費になっている現状から無免許運転につながりというようなニュース、そこから、しっかり公費でというような動きもある中で、最後の質問ですけれども、消防職員の業務に従事するための資格取得の個人費用負担の現状と電動ストレッチャー導入等について、市の考えを教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 松山消防長。   〔消防長松山孝生君登壇〕 ◎消防長(松山孝生君) まず、新規採用された消防職員は、岐阜県消防学校で消防士及び救急隊員として必要な教育訓練を受けるとともに、国家試験による陸上特殊無線技士の資格を取得します。次に、実際の火災、救急、救助等の災害現場に従事するのに必要な資格等としては、はしご車や消防ポンプ自動車等を運用するための各種自動車運転免許、救助工作車に装備するクレーン等を操作する技能講習、また、チェーンソーや高所での作業等に従事するための特別教育があり、さらに、岐阜県メディカルコントロール協議会が定める救急救命士の教育訓練の指導者になるための資格要件があるほか、危険物取扱者試験であるとか、予防技術検定など取得が望ましい資格等があります。 当市では、無線技士以外の資格等については、従来自己負担による取得や、高山市職員通信教育等助成要綱による助成金の交付を受けているという状況にあったことから、令和4年度において、職務遂行に必要な資格等について整理するとともに、効率的かつ効果的な行政運営と組織を支える職員の資質向上、資格取得者の育成などを目的とした高山市消防職員人材育成方針を策定、運用しており、同年度から大型自動車運転免許、クレーン技能講習など職務に必要な資格等について、公費負担にて取得できるよう取り組んでいます。 また、救急隊員の腰痛予防等の負担軽減に資する電動ストレッチャーについて、本年5月には実機による展示説明を受けたほか、7月には救急隊員自体に装着する腰痛予防装置の展示説明を予定しており、他都市での導入状況や効果等を調査するなど、救急隊員を始めとする消防職員の安全確保や身体的な負担軽減に向けて、引き続き研究してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 隊員の高齢化があり、その電動ストレッチャーも含めてですけれども、国の補助の動き等も注視していただきながら、傷病者への負担も減るというようなところも、体位変換の援助としてということもありますので、時代の変化とともにお願いしたいと思います。 本当に消防隊員さんにはすごくお世話になっていまして、ただ、これ当たり前の存在ではないということが非常に重要なことだと思います。もっとリスペクトすることは重要ですし、この使命感に委ねるだけではなくて、誇りを感じて快活に働いてもらえるような労働環境であるとか、報酬面であるとか、そうした物心ともの支援をお願いしたいと思います。 次の質問に移らせてもらいます。 障がいと認定されていない、ひきこもり状態にある方の支援についてです。 ひきこもりというと、内閣府調査で2023年には146万人が全国にいるのではないかと推察されています。でも、なかなか、これ、支援が届かない現状があります。何年、何十年のひきこもりの方もあります。相談するのは家族、でも、家族と本人さんの関係性もこじれていく、家族が疲れていく、社会的な孤立は本人だけにとどまらず、家族も疲弊していきます、孤立していきます。となると、収入が減っていくんですね。となると、いろいろな社会的な不利が出る、貧困、生活困窮の問題も出てくる。 国は、先般、就労中心から寄り添い型に転換するべきではないか、これは早い、遅いありますけれども、本人の視点に立った対応、人としての尊厳を大事にする、ごくごく当たり前のことだと思いますが、こうした現状を確認しつつ、これからの支援の在り方を考えていきたいと思います。 現在、高山市では、障がい者基幹相談支援センターがひきこもりや8050問題の相談業務を引き受けていますが、そもそも、ひきこもりが障がい者であるという考え方の根拠、その前提条件が当事者が障がい者であると規定することの是非ですね。この辺りについて、市の見解をお尋ねします。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) ひきこもりや8050問題については、障がい者基幹相談支援センターを含む福祉サービス総合相談支援センターが相談を受けております。 福祉サービス総合相談支援センターは、障がいに関する相談のほか、高齢者の総合相談窓口となる地域包括支援センターの機能、生活困窮者自立支援に関する相談窓口の機能を有しており、高山市社会福祉協議会に委託をしております。近年、これらの課題が注目されてきたことから、令和3年度にアウトリーチや伴走型ができるよう機能を拡充してまいりました。 なお、相談の対象になる方については、障がい者のみに限定しておらず、その方の状況により、生活困窮が要因と思われる場合は、生活困窮者相談支援による対応、高齢者の場合は地域包括支援センターが介護保険制度の活用も含めた総合的な対応、さらに必要な場合は医療につなげるなどしながら、福祉サービス総合相談支援センターの中の機能と市民福祉部、こども未来部が一体となり、ひきこもりや8050問題に関する相談を受け止めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 障がい者に限らず、福祉サービス総合相談センターでという話でした。ただ、病院での診断があってサービスが受けられるというのが福祉の一般的な流れになっていると思うんです。ただ、病院に行くことができないと、じゃ、サービスを利用できないのか、そうではないよという話が今あったと思うんですが、でも、現実的には漏れ出ている人たちがいることも事実だと思います。 先ほど生活困窮の話がありましたが、生活困窮者自立支援法に基づくひきこもり早期支援の可能性について少し考えていきたいと思います。 生活困窮者とは、就労の状況であるとか、心身の状況、地域社会との関係性、その他の事情により現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することできなくなるおそれがある者です。このひきこもりに関しても、長期になると将来的には8050問題としての困窮のおそれが出てくる、同じような構造があると。そういう意味でいえば、自立相談支援事業としての支援、早期支援ということの可能性が、先ほど述べていただきましたけれどもあるかもしれません。 この辺りについて、生活困窮者自立支援法に基づくひきこもりの早期支援の可能性、今の実態について御説明ください。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 生活困窮者自立支援法では、経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれがある方に対し、早期支援と包括的支援を行うこととしております。 ひきこもり状態にある方の中には、障がい以外にも貧困を始めとする複数の要因により医療機関が受診できないようなケースもあることから、生活困窮者支援などの視点により多角的にアプローチしていくことで早期支援につながる可能性が高いと考えております。 生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮相談や就労支援なども取り入れながら、早期に支援が届くようケースに合わせた対応を行っています。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 自治体に相談してもなかなかその先が見えないということが、恐らく、当事者、当事者の家族さんの実感だと思います。何らかのサポートが必要と感じている8050問題の当事者の方、本人、家族、85%、78%が感じているけれども、実際の支援につながっているのは27%、39%ぐらいであるというようなデータも先般出ておりました。 高山市においても、令和6年から令和8年度障がい者福祉総合計画の中で、分野横断的に対応する大きな社会問題であるというようなことが明言されております。 その中で、やはり障がいのあるなしに関わらず、ひきこもりの方々や家族に寄り添う継続的な支援の在り方が必要ではないかと。例えば、本人の精神科通院歴がなくても、自立訓練であるとか生活支援、B型就労も含めて、ホームヘルパーなどを利用できるような仕組み、みなし受給者証とでもいいますか、そういったものができないかと。福祉サービス受給者証としては、ひきこもりの状態の方というのは、家族からの、例えば、聞き取りのみで医師意見書を作成したり、サービス利用が必要と考えられる場合に、これ必要性は非常に重要な判断ですけれども、そういうことを寄り添う支援が必要じゃないかと考えますが、この辺りについての市の考え、この生活困窮者自立支援法でもなかなか難しい部分に関しての考えをお聞かせください。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 障がい者福祉のサービスは、誰でも利用ができるわけではなく、手帳の所持であるとか、医師の診断が必要であることから、自立訓練などのサービスには利用できないものがございます。 しかし、その方の特性により医療につながることが難しい方や、手帳を所持するまでにはいかない、いわゆるグレーゾーンの方もおみえになり、福祉サービス総合相談支援センターにおいては、来庁された方の相談を受けるだけではなく、アウトリーチによる支援なども行っています。 また、市内には、このような当事者やその御家族を支える活動を行っている団体も御活躍されているため、そのような地域の団体との連携も含めた対応が必要と考えているところであります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 市内でこういったことに取り組んでいる、活動されている方がいると、そことどうつながるかというときに、例えば、その福祉サービス受給者に関する壁があるかもしれません。ここに関しては、やはりチームとなって変えていくことが必要だと思います。 そもそも、障がいとは何でしょう。病気なのか、これは、ある意味社会現象だとも言われています。社会モデルで考えるか、医学モデルで考えるか、変わってくるんですが、病気として、医療として病院に行けばそれで終わりではない。やはり福祉である、教育であったり、地域であったり、社会である。そういったものの支えがなければ変わっていかないです。寄り添い型に変えるという国の政策ですが、継続的に利用できる制度に組み込まれていなければそれは寄り添えません。 誰一人取り残さないという言葉は非常に酷です。みんなの中に私はいない、こういうことがよくある。社会的処方という言葉があります。これは、医療ではなくてほかの資源でつなげていこうと。そこで、1つ新しい考え方が生まれています。病気の原因の原因にアプローチする、ソーシャルデタミナンスオブヘルスと言いますが、SDHというものです。健康の社会的決定要因という視点で、例えば、病院の入り口に立てない人々をどう支えるか、福祉課の窓口に立てない人をどう支えるか、学校であれば、学校の入り口に立てない人をどう支えるか、支援の入り口に立てない人をどう支えるか、こういった社会のほうから救う、こういう認識が必要だと思いますが、この辺りに関してお考えを聞かせてください。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) ひきこもり状態の方が治療を必要とする病気の状態であるのかどうか、今は病気の診断を受けていないものの、病気である可能性があり、また、ひきこもりの状態となった理由として貧困があること、さらには、貧困だけではなくて、居場所や社会とのつながりを失い、社会的に孤立することにより病気やひきこもり状態となっている可能性もあります。これらの原因や原因の原因を分析し、解決することは非常に難しいことですが、その状況を受け入れ、いろいろな視点でアプローチすることは大切であると考えます。 ひきこもり状態にある方が受診できていない原因は様々ですが、相談を受け止め、社会的要因を含め把握し、分析することで支援の方法を増やすことが可能になってまいります。 ケースに応じた対応を多様な視点で把握し、早期に支援につなげるため行政や福祉関係団体だけでなく、医療関係者、民間で支援されている皆様とも連携し、柔軟に支援ができるよう取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁をありがとうございます。 病気の原因の原因って何でしょう。例えば、糖尿病である、そして、食生活がそれは乱れていると、朝から菓子パンを食べて、ファストフードを食べて、カップラーメンを食べてと。ただ、その原因として貧困があったり、そういうことがあるわけです。なかなか病院に来ない、薬の飲み方が不安定である。でも、それも、やはり給料日前には病院に行けない事情があるかもしれません。こうしたことに目を向けるということが今注目されています。社会的に不利な立場にある人々、例えば、スペクトラムはありますけれども、グラデーションはありますけど、低所得であったり、失業している、低学歴である、非正規雇用である、こういった場合というのは、健康を害しやすいと言われています。これらの社会的な状況を先ほどのSDHと呼ぶわけですが、これは幾つもの問題が重なっている、複雑に絡み合っていると言われています。 健康の前提条件が保障されていなければ、医療にできることはごくごく限られます。障がいや病理だと社会的にカテゴライズされているから支援が届けられるということでいいのか。福祉の現場などは、障がい認定や、少なくとも医師の診断が必須ということはよくあります。これは教育現場でもそうだと思います。特別支援教育のためには、しっかり診断書をもらってきてというような認識もまだまだあるかもしれません。 ただ、この法的根拠ってあるんでしょうか。障がいだから使える、それでいいのかと。現状の社会システムにおいて、社会資源を利用するために、その障がい者という踏み絵を踏むということではない支援も必要なんだと思います。ディスオーダー、障がいと言いますが、今は、これをコンディションズ、状態群と考え、価値中立的な言葉で考えていこうという動きもあります。 健康は権利なんです。声なき声をどう拾うのか、これは、水野議員の質問でもありました、フードバンクの中で、そういった子どもたちが本当にいるのか、どこにいるのか高山に。でも、必ずいる、それは本当にいるんです。ある人に本来備わっているはずの権利が行使されない状況にあるとき、その人の代弁者となってその権利を擁護し、実現する、これをアドボカシー、アドボケイトといいます。これ、認知症の世界等々でも触れられていて、聞かれたことはあると思いますけど、健康に影響している社会的要因を見いだして、その健康を保つために状況をコントロールできるように支援するというのが、今、海外では医師の1つの資質として問われている時代です。アドボケイトは、声なき声の代弁者で、これは医療者に限らず政治であるとか、行政も代弁者になり得るはずです。耳を澄ませば、必ず声は聞こえます。 もやもやした状態で次の質問に行きます。 3番目ですが、健診・特定健診に基づく市民の健康評価についてお尋ねします。 西本議員の質問でもありましたけど、健康は権利なんです。WHOの定義として、健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなくて、肉体的にも精神的にも社会的にも全てが満たされた状態である。ただ、この解釈というのはコンプリートという文字が入っていますので、全てが満たされた状態でいいのかというところ、この状態は難しいんじゃないかという中で、日本の公益社団法人日本WHO協会では、満たされていると感じることのできる状態、主観が入っているんですね。これがウェルビーイングの話につながってくると思います。健康に生きる権利を生存権といいます。病気の大半は、社会的要因が大きく関係している。貧困と無知さえ何とかできれば、病気の大半は起こらずに済むとも言われています。マイケル・マーモットさんの『健康格差』という本の中の冒頭では、せっかく治療した人々をそもそも病気にした状況になぜ送り返すのかという一文で始まっています。赤ひげ先生で有名な『赤ひげ診療譚』の中では、病気の陰にはとてつもない不幸が隠れている。これがSDHなんですよね。ある意味、自己責任論ではなくて、病気の原因の原因である社会的要因を心にとどめた体制、そういったものが、また、アドボケイトの姿勢が重要だと考えます。 質問に戻ります。 健診・特定健診を行っていますけれども、この高山市におけるこの健診・特定健診の目的と意義、また、そのデータの活用について基本的な考え方をまずは教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 石原医療保健部長。   〔医療保健部長石原隆博君登壇〕 ◎医療保健部長(石原隆博君) 市では、中学校3年生から39歳までの方に健康診査を、また、40歳以上74歳までの国民健康保険に加入されている方に対し、特定健康診査を行っています。これらの健診の目的と意義は、健診によって得られたデータから自分の体の状態について知ってもらうとともに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、様々な病気の早期発見、早期治療です。特に、特定健康診査におきましては、内臓脂肪の蓄積に着目し、心疾患や脳血管疾患などを引き起こしやすいメタボリックシンドロームの状態を発見し、食生活や運動習慣などの生活習慣を見直すための特定保健指導を行うことを主な目的の1つとしております。 健診データの活用につきましては、受診された方が自分の体の状態がどのようになっているかを理解しやすいように個々のデータの見方を含めた説明を行うとともに、個人のデータから得られた市全体の特徴を健診結果説明会で説明し、生活習慣病の発症予防に活用するなどとともに、今後の市の健康増進施策を検討する材料としています。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁をありがとうございます。 まずは、状況を知って、そして、生活を変えるような形、また、市全体の流れとしてポピュレーションアプローチにつなげるというような話をいただきました。 本来であれば少し配りたい資料があったんです。それは、特定健診の4年分の高山市のデータと、また、中学校3年生の健診の結果です。これ、なかなかオープンなデータではないということでしたので、少し処理して、ぜひ見ていただきたいデータになっております。なぜかというと、この特定健診において、高山市、岐阜県の市がばっと並んでいるんですけど、ヘモグロビンA1cの値、5.6から6.4の割合が70%をここ4年ずっと超えているんですね。これは、時々抜かれるのは飛騨市、ということは、飛騨市、高山市、飛騨地区が有意に高いというか、全国的には50%弱ぐらいなんです。ただ、ヘモグロビンA1c、それ以上高い方というのは、中盤だったり下のほうになっています。一方、メタボリックシンドロームに関しては非常に優秀で、県内においても1位、2位ぐらいのところで推移している。でも、尿酸値はかなり高い。これは一体どういうことなのかということです。ヘモグロビンA1cが5.6から6.4以上、5.6以上の方というのは、合計しますと、なんと80%いるんですよ。ということは、これ50人の中で40人は糖尿病予備軍であるんです。これ、みんなそうなんですよ。市民の縮図で考えると。でも、そういうことを知らないですよね。となるということです。こういうことをしっかり、やはり啓発することは重要なのかもしれません。ただ、この値が危機的なものなのかどうかということの評価、すごく重要なんだと思うんですけれども、そこに関して次の質問です。 特定健診において、ヘモグロビンA1c、5.6から6.4の割合が70%と全国平均とか岐阜県内の他市と比べても突出して高い状態が続いている。このデータをどのように評価、活用しているのか、分析しているのかを教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 石原医療保健部長。   〔医療保健部長石原隆博君登壇〕 ◎医療保健部長(石原隆博君) 議員から御紹介がありましたように、国保の特定健康診査におきまして、糖尿病の指標となっておりますヘモグロビンA1cについては、糖尿病の境界領域と言われております、5.6から6.4%の方が健診受診者の70%前後を占めておりまして、県内の自治体平均おおよそ50%程度と比べると高いほうに位置しておりまして、課題であると捉えているところでございます。 この状況につきまして、健診検討会や糖尿病予防活動検討会におきまして、専門医の先生方に報告し、その原因をお聞きしておりますが、明確な理由は分かっておりません。ただし、ヘモグロビンA1cが上昇する原因として、一般的に糖の摂取状況が大きく関わっていますので、数値に応じて家庭訪問を行い、個別指導を行っているほか、各種健康教室でバランスの取れた食事や体重の管理等について保健指導を行うとともに、糖尿病専門医による講演会や食事の学習会を実施するなど、糖尿病の発症予防に努めているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 課題として捉えているけれども、原因が分かっていないと。でも、この謎はやはり解きたいところですよね。 もう一つのデータがあります。これ、中3健診です。 質問に移りますけど、中学校3年生健康診査においても、ヘモグロビンA1c5.6以上が42%なんです。これは、ほかの市と比べ、なかなか取っていない市も多いですので、これは非常に高いと思いますね。肥満が7.9%、痩せが4.6%であるが、当然、大人の食生活が、子どもにも同じ食生活が行われていると考えると大きな影響があるのではないかと、これらの、こちらのデータ、中学3年生のデータに関して、どのように評価、分析、活用しているか教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 石原医療保健部長。   〔医療保健部長石原隆博君登壇〕 ◎医療保健部長(石原隆博君) 市では、平成29年度より中学校3年生を対象に健康診査を実施しておりますが、糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cの値が5.6%以上の割合は30%から50%程度で推移しており、議員の御紹介がございましたように、令和5年度は42.0%でした。 先ほどお答えしましたように、40歳から74歳の国保加入者が受診されている特定健康診査においても、ヘモグロビンA1cの境界領域と言われている値である方の割合が高いことが市の特徴でございますが、中学校3年生の健康診査結果からも、若年層において同様の傾向があることが分かり、大きな課題であると捉えているところでございます。 肥満や痩せ、少し言いにくいので、痩せた身と書いて痩身と言わせていただきますが、肥満や痩身につきましては、全国と比べて、女子は肥満、痩身ともに国と同程度ですが、男子は肥満は少なく、痩身は多い傾向にございます。この時期は、成長の途中であることから、肥満や痩身の生徒に限らず、全ての生徒が食を選択できる力を習得し、健全な食生活を実践できるよう、バランスのよい食生活や生活リズムについて指導をしているところでございます。 これらの健診データにつきましては、精密検査が必要となった生徒につきましては、保護者にも結果を説明し、生活背景、家庭の食事状況等を把握しながら個別で保健指導を実施するほか、市内12中学校の会場をお借りして健診結果説明会を実施し、健診の意義や健診結果に基づく健康管理の重要性などに気づき、改善のための行動ができるよう支援をしております。 また、校長会や養護教諭部会において、健診結果の情報共有を行うとともに、健診検討会や糖尿病予防活動検討会においても、中3健診の結果について、専門医の先生方から御意見や御助言をいただいて指導につなげております。これからも健診データを活用した若い世代からの保健指導に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 丁寧な御説明をありがとうございます。 中学校3年生の健診をやっているということはすばらしいことだと思いますし、そのデータをいかに子どもたちに還元するか、大事だと思います。食生活、給食も含めてですけれども、やはり食べたものでできている、そして、その食べ物は、子どもたちはなかなか選択できず、そもそものやはり文化で、家庭の文化であるとか、大人の文化から引き継ぐものであることを考えると、全体のポピュレーションアプローチは非常に重要だと思います。病気の大半は、先ほどもありました社会的要因が大きく関与している、SDHの話なんですが、このヘモグロビンA1cが高いという意味があるのかないのか。これ、医学的にはひょっとしたらないのかもしれません。でも、社会的意味があるかもしれないと思うんですね。先日、意見交換した後に、少しじっくり考えてみたんですけれども、同じように飛騨地区だけ高い値、全国平均よりも岐阜県内のデータよりも高いデータというのがほかにもあると思います。自殺ですね。ひょっとすると、何らかの因果関係があるかもしれない。糖尿病と貧困の問題、つながっています。糖尿病と鬱の問題、自殺の問題、事故の問題、これは非常にデータが多いです。そうしたことを考えたときに、ポピュレーションアプローチとして、ヘモグロビンA1cが下がってきた場合、自殺率が減ってくるかもしれません。ゲートキーパー養成講座等々を含めて自殺対策をずっとしています。でも、全然変わらない。この健診も含めて、A1cが変わらないというところがありますが、ここに関して、もう少し向き合ってしっかりやっていくことが重要かもしれません。A1cという言葉はあまり害がないですよね。とげがないですよね。そう言われても、別に、自殺の問題よりも扱いやすいかもしれません。ぜひ食生活を含めて考えていくことは大事かと思っております。 子どもの肥満とADHDの問題であるとか、糖尿病と認知症の関連であるとか、いろいろな関連が言われています。予防医学の観点からも、先ほど糖の話がありましたけれども、全世代を網羅できる食育、運動も含めてですね。こうしたポピュレーションアプローチが必要と考えますが、この辺りについてお考えを聞かせてください。 ○議長(渡辺甚一君) 石原医療保健部長。   〔医療保健部長石原隆博君登壇〕 ◎医療保健部長(石原隆博君) 食生活の乱れは、特に、生活習慣病の発症に大きく影響を及ぼしてくることから、子どもの頃から食生活の大切さを理解し、健全な食を実践することは大変重要なことと捉えております。 特に、乳幼児期や学童期においては、親世代の食環境が大きく子どもに影響してくることから、母子健康手帳交付時など、妊娠期から、乳幼児健診や学校での試食会など、様々な機会を捉えて、保護者に対して食育の重要性について啓発を行っています。 また、子どもに対してだけでなく、健康診査や健診結果説明会、健康教室などの機会においても、年齢や活動量に合わせたバランスのよい食事について指導を実施したり、高齢者の健康教室などで認知症やフレイル予防のための栄養について学ぶ場を提供したりすることで、全世代を通じて健全な食生活を実践できるよう努めています。 食育は市民の健康増進に欠かせない重要な取組と考えておりますので、今後もあらゆる機会や手段を通じて、全ての世代に対しての啓発を続けていきたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 人は食べたものでできています。体もそうですし、心もそうです。脳も臓器です。体が小さいほうがお薬もそうですけど、影響を受けやすい。大人の食生活が子どもにも影響します。添加物、農薬の話等もありますが、例えば、体に合わないもの、異物を入れると、炎症が起こるんですね。炎症が起こって、それが脳にも行く、そういうような構造があります。食べ物が変われば情緒が変わるとも言われています。そういったこともあって、オーガニック給食であるとか、そうした食育に関してのお話が進んでいるんだと思います。農薬に関して、ネオニコチノイドと発達障がいの関連性というのが、これデータ出ています。韓国、日本でいっぱい使っていて、そこで発達障がいが多いというのは世界的にもデータが出ていますし、例えば、血糖値の乱高下って結構情緒が不安定になります。ですので、朝から本当に菓子パンを食べて、ショートニング、砂糖が入っているものを食べると、ばっと上がってばっと下がる、こういうような構造の中で、教室でじっとしているというのはなかなか難しい、そういう現状があります。ですので、石原議員のときに金融リテラシーの話がありまして、そのときもデータをいかに活用するか、分析評価するかという話がありました。せっかくならば、このデータをしっかりと吟味して、仮説を立てて、値が下がるような取組の中でどういう変化が起こるか、健康に近づくか、そういったことの視点が重要だと思います。 次の質問です。 学びの多様性についてです。 学びの多様性、ラーニングダイバーシティというものですが、学びの多様化教室ですね。にじ色が開設されました。誰かに合わせるのではなく、あなたが選べる新しいスタイルの居場所、学びの場というふうに書かれております。今、この開設による利用状況であるとか、この直接的、また、間接的な教育場面の意識の変化等々あれば、また、見えてきた課題等あれば、まずは教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) にじ色開設による教育場面の意識の変化や見えてきた課題についてお答えします。 この4月に開設した学びの多様化教室にじ色は、学校に足が向かないけれど学力を身につけたい生徒に対する居場所です。このにじ色という居場所が増えたことで、市内の生徒が自分に合った居場所を選べる1つの選択肢になり、保護者の中にも、我が子に合った学びの場を求める意識が高まっています。 にじ色のほかにも、各小中学校では、学校には行けるけれど教室に足が向かない児童生徒の居場所の選択肢として、相談や学習もできるスペースを設置しています。1人で学ぶ子、教室とオンラインでつなげて学ぶ子、学習指導員と一緒に学ぶ子など、その子に合った学びができるよう各学校で取り組んでいます。 今後の課題は、にじ色の運営についてです。現在、入室している12名の生徒それぞれの希望に耐え得る充実した指導を進めるための教員の配置、カリキュラムのさらなる工夫が必要と考えているところです。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁をありがとうございます。Uルーム等の居場所をいろいろな形で考えていらっしゃるということをお伺いしました。 ラーニングダイバーシティというと、本当に学びの多様化なんですが、その人なりの学びや学び方を社会全体として尊重し、促進していきたいというような意味合いになると思います。この学びの多様性って、でもなんでしょう。臨床心理士の村中直人さんという方が、第一人者として、学びの多様性を尊重できる社会をつくろうよというような話がありますけど、例えば、いつ、どこで、誰と、何を、どのように学べるか。この学びの機会、学びの方法の多様性だと思うんですね。これって振り返ってみると、大人の世界はまあまあ最近確保されているんじゃないかと。いつどこで、例えば、防災士を取りたいとか、そういうようなときに、どこで誰と何をというようなことの選択の自由はあると思います。 一方、子どもはどうですか。どの地域にいつ生まれたかによって学区が決まり、いつ、どこで、誰と、何を、どのように、ここは画一になるわけですね。同一年齢集団全員が同一の基準や方法によって画一的な教育を受けるという方法が、そもそも時代に合わないんじゃないかというようなところがあるんだと思います。 もう一つ、ニューロダイバーシティという考え方があります。これは脳、神経の多様性です。1990年代後半からの社会運動の文脈で、脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で生かしていこうという考え方です。多様性尊重社会を実現の方向に向かっているわけですが、その人の内側にあるメカニズムというのは、これ神経多様性というものは、いい悪いは本来はないと思うんですね。優劣は本当はない。ただ、よいか悪いかという価値づけは、常に環境との相互作用の中で生み出されていく現実があります。 例えば、人の内側、これ、皆さん、みんな違うんです。人の内側の、ただそこにある特徴のことを特性といいます。内側の特性が環境との相互作用において、何らかのネガティブな評価、弱みになる、この場合、障がいと呼ばれます。ただ、ポジティブな評価、強みになれば才能と呼ばれます。障がいにも才能にも評価されない違いという形であれば個性となります。つまり、障がいも才能も個性も非常に環境依存的であると言えると思うんですね。だからこその学びの多様化、学びの環境の多様化が重要なんだと思います。 このニューロダイバーシティの視点というのは、先日の教育長の理念とも一致すると思いますし、高山市小中学校教育の方針の重点として、個の多様性を尊重し、一人一人の可能性を伸ばす教育により、自分らしい花を咲かせることができる力をとあります。自分らしい花を咲かせる力は内在しています。種の問題ではなく土の問題、環境が必要、環境が重要だと考えますが、こういった視点を取り入れた教育の可能性について御意見をいただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) ニューロダイバーシティは、脳や神経に由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、社会の中で生かしていこうという考え方ですが、このような多様性を尊重する視点を学校でも取り入れています。全ての児童生徒の特性や個性に合わせた教育を大切に、今進めております。 特に、支援が必要な児童に対しては、小学校の早期の段階から適切な支援をしていくために、専門医療の立場の方と連携を図り、学校を巡回していただくなど、医療、学校、行政の連携、医学官連携による組織的な対応の可能性を検討しているところです。 また、このことが不登校対策や配慮を要する児童生徒への適切な対応などにも効果をもたらすと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 まさにそのとおりだと思います。不登校であるとか、そういったものに関して、社会問題に対して、どう教育が変わっていくかということは非常に重要なことだと思います。 最後に、こどもまんなか社会について、水野議員からもありましたけれども、本当に教育と福祉がいかに結びつくかということがこれから重要なことなんだと僕も強く思っています。真ん中って、でも、どこなのかと。今、誰が真ん中にいるのか、その人たちがどいてくれるのか、真ん中って安全なのか、みんな集めて大丈夫なのか、信じていいのか、こういう課題はありますが、このこどもまんなか社会における教育の在り方について教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) こどもまんなか社会における教育は、常々考えているところです。 これまで学校教育は、昭和から平成にかけて、ゆとりある教育の推進や確かな学力の充実など、学校段階を中心に考えた方針がほとんどでありました。しかしながら、目まぐるしい、AI、ICTなどのDXの進展やコロナウイルスのパンデミックなど変革の激しい社会、予想困難な未来社会の到来により、国も、現在の学習指導要領の趣旨に、よりよい学校教育がよりよい社会をつくると明言しております。したがって、学校教育は、子どもたちが生き抜く未来社会を予想しながら、子どもたちに必要な資質、能力を身につけていかなければならないと考えております。 特に、この高山市は、豊かな自然や文化、歴史にあふれ、インバウンド観光を始めとする観光業や地域性を生かした地場産業があり、住みやすいまち、魅力あるまちだと考えております。 この高山市の未来の担い手となる子どもたちが、必要な資質、能力を身につけるためには、地域との連携は必須の条件と考えております。現在も郷土教育や学校行事等において地域のお力を借りながら取り組んでいるところです。 教育委員会としましては、今後も学校と地域が連携を図り、地域の中にある学校としての教育を推進してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 益田議員。 ◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 学校と社会、コミュニティ・スクールの話も含めての話だと思います。 ニューロダイバーシティというのは、特に、特定の子どもたちだけの話ではありません。みんなそういう特性があるよと、そこに関して強みを生かせる、才能と言われるところに行くほうが当然幸せになりますし、そういう話なんだと思います。 半径10メートルの社会適応という言葉があります。これは、10メートルの範囲で安全で安心な場所があれば、人は生きづらさを感じにくくなる。2つあれば、より安定する。3つ以上あれば、幸福感、充足感が満たされるというものです。生きにくさを感じている当事者の方々にとっての半径10メートルの社会適応を提供するのが支援者であり、教育者であると思います。どこにもそれがないから、引き籠るわけですね。そういったことを踏まえて考えていく時代だと思います。 子どもたち一人一人に合った学び方は当然あるよね。これ、みんなそう思うと、同意すると思います。となると、学びの多様性って絶対あるよねと、存在するよねと思うと思います。となれば、自分に合った学び方を学ぶ、自分に合った学び方を選ぶ、これは当然のことで、やり方を全員に固定する学び方よりは、そういった方向に行くべきなんだと思います。 高山市も九次総においては、人を育むということがキーワードになっています。ですので、今回の質問は、全般的に人に対する、いかに投資するかということに特化してお話をさせていただきました。 人口減少社会においては、ダイバーシティの視点は必要です。日本の人口は、2055年に1億人を割り込み、2065年には8,800万人になると言われています。これからの時代を生きる子どもたちは、急激に人口が減っていく社会の中で生きていかなければならない世代です。今まで以上に、一人一人が大切にされる社会をつくる必要がある。人のありようはそもそも多様である。一人一人の在り方に寛容であることで、違いが困難や争いを生まない社会をつくっていかなければなりません。 これまで日本はなかなか多様性と向き合ってこなかったと言われています。多様性は、でも、既に存在しているんですね。多文化共生といっても、それはノンジャパニーズとの間ではなく、基本的に、今いる人とも文化が違う、そこを共生していくことが重要です。違いについて社会がどう向き合っていくのか。ただ、我々は、学校教育を受けているんですね。学校教育を受ける中で、画一性というバイアスが常にしみついているんです。多様性に対応する答えを求める中で、多様性のない形でついつい考えてしまう癖がある。ひきこもり、それ障がいじゃないのと、障がい者支援でというふうな形であるとか、ですので、そういった発想を、バイアスをいかに取りながら支援していく、教育を組み立てていくということは重要です。そこから脱却していくことが、それこそ、消防であれ、教育であれ、福祉であれ、まちづくりにも重要なことだと思います。 最後に、貧困と無知さえなければ病気の大半は起こらずに済むという言葉がありました。すなわち健康に近づいていくと、そのレバレッジはどこなのかと考えると、これは教育だと思います。その責務を担う皆さんに期待とエールを送って、一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、益田議員の質問を終わります。 次に、中筬議員。   〔18番中筬博之君登壇〕 ◆18番(中筬博之君) 冒頭に、何か気の利いたことを言おうと思っていましたが、何もないので、早速質問に入らせていただきます。 市民が市政に参加する機会を保障し、市民参加によるまちづくりを一層推進するという目的で、平成26年、市民参加条例が制定されてから10年が経過をいたしました。しっかり意見が出せる仕組み、ルールとしての条例の趣旨そのものに全く異論はないわけですけれども、仕組みはあるけれども、実際に市民の声を拾い切れているのか、市民の声が反映されているのか。前市長の時代から、高山市は、市民が主役を掲げてきましたけれども、一部の旦那衆の声で市政が動いていないのか、誰にも優しいまちと言い切れるのかという問題意識を持っております。 特に、近年、コロナ禍を経て、地域コミュニティーの希薄化が顕著になってきていて、町内会や長寿会の弱体化は存亡の危機とも言える状況にある中で、市民参加のまちづくりが後退することのないよう、市と市民の信頼関係をつなぎ留めるためにも実効性が求められると考えます。そんな視点で条例を見ていくと、第3条には、市は、市民参加を基本とした市政運営を行うものとするとして、市民の意向を的確に把握し、市の政策等に反映させるものとすると明記され、第6条に、その方法として、パブリックコメントや審議会、ワークショップ等が示されております。 確かに、市民意見の聴取にパブコメやワークショップは有効な手段ですが、意見を上げてくるのを待つ、参加してくれるのを待つという姿勢でいいのか、そこをどう促していくのかということが課題だというふうに考えております。もちろん、思いのある意識の強い市民という方もいらっしゃいますが、多くの市民の中で積極的に意見をする人、参加してくれる人、参加できる人というのは、やはり限定的で、参加者数や参加者層の偏りや固定化というのは、議会もそうですけれども、課題であり、全体最適のための市民意向の把握という視点が保たれているのか、体裁だけ整えて、あとは、参加しない方々の責任というアリバイづくりとなっていないか。また、市民の参加や関与は積極的、主体的と言えるのか。物を言わぬ多数派、声なき声をどう拾うのか。これまで取り上げられるのは、代表選手だけの意見、声の大きい人の意見だけ、利害関係者や旦那衆の意見だけと感じる場面は少なくありませんでした。もっと言えば、条例施行規則に上げられている団体要望についても、その団体内部できちんと議論された上で導かれた総意なのか、限られた上層部だけの考えではないのかと感じる場面もあります。そして、市がそこに引っ張られる傾向というものも市民は感じ取っております。 もっと市民生活や事業活動の現場に分け入って、生の声を拾う工夫や努力が必要なのではないかと、前市長にそんな質問した際には、ある先輩議員からやり過ぎと叱られたことがありましたが、的確な市民の意向の把握ということについて、市の見解を伺いたいと思います。   〔18番中筬博之君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 平野総合政策部長。   〔総合政策部長平野善浩君登壇〕 ◎総合政策部長(平野善浩君) 今ほど、議員のほうから紹介がありましたとおり、市民参加条例では、市の責務として、市民の意向を的確に把握し、市の政策等の形成に反映させることを規定しております。そのための方法として、パブリックコメントや審議会等、ワークショップ、市民説明会、アンケート調査から、対象事項の性質、影響、市民の関心度を考慮し、適切な方法を適切な時期に行うというようなこととしております。 市では、このことを十分に踏まえて、政策形成過程における市民参加の促進を図っているところでございます。 また、これらの方法以外にも、たかやま共創ミーティングや意見箱、電子メールなど様々な方法により、積極的に市民の意向等を把握し、政策形成に反映するよう努めているところでございます。 市民の意見の把握につきましては、ここまでやれば十分であるといったような判断がなかなか難しい性質のものでありますが、これからも様々な方法により、できるだけ市民意見の把握に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 様々工夫はなさっていることは私も理解しているつもりです。市民意見の把握の方法としての審議会等についても、また、また同じような顔ぶれだと感じることもあります。男女比、年齢構成、委員の再任、他審議会との兼職等に配慮しとか、公募による市民を含めるよう努めるものとする云々と規則にうたうような形で幅広く現場の声を拾っていただきたいというふうに考えます。 次ですが、条例の第2条には、市民参加とは、市の政策等の立案、実施及び評価の各過程において、市民が意見を述べ、提案することと定義されております。確かに、計画等の立案段階においては、市民の声を広く拾おうという姿勢が見られますが、実感として、実施段階や評価検証の段階における市民の意見、提案を聞く仕組みについては弱いのではないかという印象です。決める前に意見は聞いたでしょうというスタンス、もちろん、意見し、議論した上で決まったことには従うというのが民主主義のルールではありますけれども、言葉だけの説明や図面だけでは、一般市民にはイメージできないこともあって、蓋を開けてみたら、あれっということもあります。後から文句を言うということではなく、第5条に、市民参加を求める対象事項が、条例や計画等の策定または改廃と列挙されているとおり、その改廃の部分について、もちろん、中間見直し等の時期というものはあるわけですが、立案段階以外のタイミングでの日常的な市民意見の聴取、反映ということについて見解を伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 平野総合政策部長。   〔総合政策部長平野善浩君登壇〕 ◎総合政策部長(平野善浩君) 市民参加につきましては、今、議員からも御紹介がありましたとおり、市の政策等の立案時だけではなくて、実施や評価の各過程において、市民が意見を述べ、または提案することというふうに定義しております。実施または評価に関して、適宜適切な方法により、市民の意見や提案をいただく機会を設けまして、政策等に反映するという方針で進めているところです。 毎年の事業進捗や評価の段階における審議会や関係者との意見交換、それから、アンケート調査、日常的な意見の把握のための意見箱の設置やホームページによる意見聴取など、様々な方法により市民参加を図っているところですが、政策等の立案時と比較すると、広報での周知や期限を区切った意見聴取など、市民が目にしていただける機会が少ないことから、市民の皆様にとっては分かりにくいのではないかといった印象があるというふうにも捉えております。 今後も引き続き、事業の実施または評価の段階における市民意見の把握に努めるとともに、効果的な周知などによりまして、意見を出していただきやすくするための環境整備を進めてまいります。 また、パブリックコメントや市民説明会、アンケート調査など、集中的に意見をお聞きする取組が大切というふうには考えておりますが、それとはまた別に、日頃の業務や関係者とのコミュニケーションを通してお聞きするような御意見等を政策立案等に反映することも大切であるというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 立案段階が一番大事ではありますけれども、段階を分けて、日常的に声を聞くということはやはり大切だと、その意味では、議会もまた、そういう責任を負っているのだと自覚をした上でお聞きさせていただきました。 次ですが、近年は、SNS上で匿名による辛辣な言葉での意見というものも散見するようにはなりましたが、現実問題としては、やはり市民は市政に不満を持ちながらも、意外と声を上げられないでいるという感覚です。 他市の条例では、市の責務について、市民の意向を考慮するという表現にとどめているところも多い中で、高山市は、市の政策等の形成に反映させるとしていることに前向きな姿勢を感じているわけですが、先ほども申し上げたとおり、パブコメやアンケートは実施するものの、行政が一旦決めた既定路線を変える気はないのだと感じさせるほど形式的で、その回答についても冷ややかな印象を受けます。また、意見は何もなかったとして、沈黙は肯定と受け止めることについても若干違和感があります。本来は声を上げるべきだし、取るに足らない意見もあるのかもしれませんが、感じるのは、寄せられた意見は反映されているのか、反映しようとしているのか、声なき声、サイレントマジョリティーを捉えようとはしないのかということです。もちろん、物には言い方ということもあります。言っていることは正論なのに受け入れられないということもあるのかとは思います。声を聞くということは、市民におもねるということとは違いますが、市民意向の反映について、懐の深さが行政には求められるのだということですが、この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 市民の皆様の様々な御意見を政策に反映するということは、大変手間がかかることだということは感じております。これは、私が職員時代から培ってきた思いでございますけれども。まず、第一に、私は、市民の方々と接する職員の皆さんの、やはり日頃の接し方というか、物の捉え方にかかっているかなというふうに思っておりまして、常々、私、職員の方には、市民の方と接することは非常に手間がかかることですと、その手間を惜しまず、しっかりと声を聞いて、本当に、その直接言っておられる事象が行政課題なのかどうか。 例えば、本当に、街灯をつけてください。街灯をつけるだけで市民の方々の不安が解消されるのかということも含めて、その裏にあるその行政課題をしっかりと見極めた上で、政策を練っていくことが必要ではないかということは、常々、市長になってからも職員の方と共有させていただいております。恐らく、それが声なき声を聞くことにつながることだと思いますし、要するに、本当に、その市民の方が思っておられることの裏側にどんな不安があるのかとか、どういう思いがあるかということをしっかりと察しながら政策に移していくという、それが必要であるというふうに思っていますのと、あとは、私も、いろいろな場で、例えば、高齢者の方々の集まる機会とか行くんですけれども、そこにおられるのは、来られる方々ばかりです。だから、その来られない方がいらっしゃるということもやはり事実でありますので、そういったことも含めて意識をしていく必要があるのかなというふうに思っておりますし、そういう意味では、私としては、例えば、本当に、原山の公園であるとか、あるいは、最近のものですと、バスの実証実験ですか。それも最初は、当初3か月を予定していましたけれども、いろいろな方のお話を聞く中で、1か月半ということで、時期的にも皆さんとお話をして。私は、何が大切かというふうに思う中では、やはりコミュニケーションをしっかり取らせていただく。ただ、手間がかかるので、その手間を手間と惜しまずに、職員としてプロに徹して、市民の方と接していくことが一番大切じゃないかということは申し上げていますし、また後の質問、ほかの議員さんの質問、その中にも出てきますけれども、そういった思いを持った、そのことが職員の中でしっかりと風通しよくなるという組織づくりもやはり大切ではないかというふうに考えておりまして、その部分につきましては、かなり意識をさせていただいて、これからの市政運営をやらせていただきたいというふうに思っています。あと、私自身も、本当、先ほど例を出しましたので申し上げますけれども、今のバスの実証実験につきましても、やはり心配をしておられる方もいらっしゃいますし、例えば、あるたまたま医院に行って、待合所で、ある程度年を召された方が、ありがとうございますということをおっしゃった方もいらっしゃいますので、いろいろな御意見がありますので、それをどういうふうにバランスを取って市政に反映するかということは意識させていただいておりますので、制度として、パブリックコメントであるとか、いろいろな審議会であるとか、そういった聞く場はございますけれども、その場においては、それなりの回答であるとかそういったことしかできないことがあるかもしれません、ないかもしれませんけれども、私としては、職員の皆さんには、先ほど冒頭に私が申し上げたような、そういった姿勢でもって市民の方と接するという中で、声なき声を聞いていくということも大切であることをこれからも共有してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 市長から御答弁をいただきました。 やはりコミュニケーションが大事だと、寄り添う姿勢が大事だということは、本当にそのとおりだと思っています。もちろん、市の職員も優秀ですし、また、出してくる計画等の精度も高いものだということは感じております。ただ、やはり思いが伝わってこないこともあるし、議会と委員会の協議を経ているにしても、都合のいいように説明されることも過去にはあったので、言わせていただきました。 次に行きます。 市民以外の人の声にも耳を傾ける姿勢が大切ではと通告しています。 アドバイザー等を委嘱するのも有効ですが、知恵はやはり現場にありです。高山の公式ファンクラブめでたの会の都市部での交流会をやめてしまったようですが、ただ単に、懇親を深めるというだけではなく、外からの声を拾うということに意義を見いだすべきではなかったのかと感じております。市長のキャラクターにもよりますが、じわじわとファンの裾野を広げている自治体もあり、単なる経費削減なのか、付き合う職員の負担軽減なのかよく分かりませんが、思いが感じられず、残念な思いです。 条例には、市民参加における広義の、広い意味での市民の定義が示されているように、市民でなくとも市に住み、市に関わる人は多く、むしろ、そういう客観的に高山市を見てくれる人の目線こそ大切にすべきと考えます。そして、そこの部分がちょっと弱いのではないか。1つの施策や事業で1つの効果、縦割りではなく、政策をつなぐという視点が欠けているのではないかと感じるわけですが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 平野総合政策部長。   〔総合政策部長平野善浩君登壇〕 ◎総合政策部長(平野善浩君) めでたの会のお話が今ありましたが、めでたの会の会員の方にかかわらず、高山市出身の方や、深く関わりを持ち続けていらっしゃる方が多くおみえになります。そういった市外の方の視点から市や市政を見ていただき、御意見をお聞きすることは大変有意義なことというふうに捉えております。 具体的な案件にはなりますが、人材確保をテーマにして昨年開催いたしました、たかやま共創ミーティングの中で、高山市出身の学生に参加をいただいたということもありますし、現在進めております高山駅西まちづくりでは、市民に限らず御意見をいただいたところです。その中で、市出身の大学生などからも御意見をいただいているということもあります。 今後も様々な機会を設けながら、先ほど市長の発言にありましたが、あらゆるそういった市外の方と接する機会がございますので、そういったところで特定の施策や事業だけではなくて、広く御意見をお聞きするというような姿勢で、市民はもとより、市民以外の人の意見も政策立案等に生かしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) ありがとうございます。 市が有する人脈ですとか、関係人口、本当に広いものがありますし、地元を離れた大学生というチャンネルもまた、これは大事にしていただきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。 次です。 全ての子どもが将来にわたって幸福な生活を送ることのできる社会の実現を目指すとして、こども基本法が昨年4月に施行されました。子ども政策を社会全体で総合的に推進するための包括的基本法である同法に、子どもが意見を表明する機会の確保が掲げられていることは画期的なことであり、持続可能な未来を開くために一番大切にしなければならない部分だと考えます。 全国的に先進事例はたくさんありますが、愛知県新城市では、若者条例や若者議会条例を定め、13歳から29歳の若者議会を市外委員、メンター市民、メンター職員などで構成し、政策提言にとどめず、1,000万円の予算提案権まで付与しております。また、福井県鯖江市は、市民活動によるまちづくり推進条例を市民主役条例に改め、地域活性化プランコンテストの中心役となる学生団体から、まちづくりに関心のない層の代表格とも言える女子高生を誘うことで多様な市民参加を促す市役所JK課プロジェクトを誕生させたことで有名です。 今、高山の高校生を始めとする若い世代は、このまちに対する意識や関心が本当に高く、その熱量に感心させられます。そういう若い世代が活躍できるまちとなるためには、年寄りが口出ししないことが一番の要件であり、単発のイベントで終わらせないための工夫として条例に明記するなど、高山市も何らかの形で若者や子どもの参画をきちんと担保する必要があるのではないかと考えます。市の見解を伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 平野総合政策部長。   〔総合政策部長平野善浩君登壇〕 ◎総合政策部長(平野善浩君) 若者や子どもの意見を聞き、市の政策等に意見を反映させる一連のプロセスというものは、社会参加を促進させるとともに、若者、子どもの学びや成長にもつながるものと思っておりまして、大変重要であると認識しているところでございます。 これまでも、例えば、原山市民公園の大型遊具整備において、子どもを含む市民意見を広くお聞きしたほか、地元小学校に公園整備をテーマに出前講座を行い、その意見を反映させていただきました。 また、若者活動支援事業補助金を活用された団体の活動報告会を開催し、意見交換を行うなど、若者や子どもの様々な意見や思いを形にしてきたというふうに捉えております。 若者や子どもの意見を聞き、市の政策等にどう反映させるかといった取組は、これまでも案件に応じて、効果的な手法を検討して実施してきておりますが、今後は議員が御紹介いただきました若者議会のような仕組みも含めて、若者や子どもの社会参加を担保するということについて、まずは他市の事例を確認するなど研究を進めてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) スウェーデンの小学校では、給食協議会というのがあって、そこに児童が参画をしていたり、学校の授業の在り方や進め方、学びの環境改善にも子どもたちが意見を言える場があって、それを反映させる仕組みになっているとお聞きします。子ども主導であることがポイントで、大人の考えを子どもに言わせるとか、お飾り的な参画やポーズだけではないことが大切だということも申し上げておきたいと思います。 次に行きます。 市では、まちをよりよくするアイデアを募集するという中で、地域の課題解決のため、自ら主体となって実施する活動プランに対し、評価の上、支援補助金を支給するとしております。補助金がいいのか、予算措置がいいのか、お金の流れというのは、ある意味、上下関係を生むとか、いろいろ思うところはあります。 市の責務として、市民参加しやすい環境整備を条例にうたうとおり、スピード感やバランス感覚も保ちながら、幅広く、より多くの市民による、より効果的な新しい市民参加の手法を探る必要があるのだと考えます。 近年増えてきているのが、無作為抽出型市民参加という仕組みで、ワークショップや会議への参加、審議会等委員への委嘱を従来からある公募や推薦、充て職、行政からの指名等ではなく、無作為に抽出した市民の中からお願いする形で、これまで参加したことのない市民からも地域、年齢、性別を問わず幅広い意見をもらおうとする取組です。これが高山の市民風土にうまくマッチするのかという心配はありますが、何でも形から入るのが行政ということでもあり、新しい市民参加の工夫として1つのきっかけづくりにもなり、実証的に試行してみる価値はあるのかと考えますが、市民参加の新しい手法、工夫について市の考えを伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 平野総合政策部長。   〔総合政策部長平野善浩君登壇〕 ◎総合政策部長(平野善浩君) 今、御紹介いただきました、無作為抽出型市民参加の手法につきましては、価値観やライフスタイルが多様化する現代において、様々なバックグラウンドを持つ市民の意見を把握できるなどのメリットがある一方で、無作為抽出された市民が、市から強制されたと誤解を与えるおそれがあるため、当市の市民参加方法として適切かどうかも含めて慎重に判断する必要があるというふうに思っております。 なお、まちづくりアンケートであるとか、一部の計画策定のための基礎調査では、無作為抽出した市民を対象に、まちづくりに関する満足度だったり、市民ニーズなどを把握するというような取組を行っております。幅広く、これまで市政に参加していない方も含め、多様な市民意見の把握に努めていきたいというふうには考えているところです。 市民参加の新たな方法というものは、その有効性や効果を踏まえた上で、検討していく必要があるというふうに捉えておりますが、今御紹介いただきました無作為抽出というようなものについても、一定の効果があるものという判断をしてみえる自治体もあるということでございますので、しっかり研究をさせていただいて、有効な方法であれば、市としても前向きに検討はしていきたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 無作為抽出型というのは、誤解があるといけませんけれども、1,000人に案内を出して、そのうち応募して、それに答えてくれるのは数人ということだと、他の自治体ではそういうことだというふうに受け止めております。ものにもよりますけれども、第3のチャンネルとして検討の余地はあるのかなというふうに考えます。 あと、余分なことですけど、ワークショップなんかで市の職員が事務局をやると、会場の設営とか資料作成とか議事録の作成なんかに、そういう雑務に忙殺されてしまって、肝腎の議論の輪に入れないこともあったりはしないかと余分なことですが、言わせていただきました。感じております。井戸端会議のように、自由なくつろいだ雰囲気の中で、率直な意見やアイデアを出し合い、よい結論を導き出すよう、官民をつなぐ仲介役というか、ファシリテーター的な人材も必要なのだというふうに感じております。 この質問の最後に行きます。 市民参加の眼目は、プロセスにあって、行政の説明責任や透明性の確保は必須の条件です。 そして、持続可能性を高めるためのキーワードは、嫌々ではなく生き生きだとも考えます。市政に関心のない、何も知らない市民というのはやはりあって、参加という次元以前の問題ではありますけれども、市の言われる戦略的広報というのは大切な要件です。そして、また、市民参加は、自分の発言や行動に責任を持って参加というのが大原則で、市民の意識を次の世代のことを考える、責任を持って関わる、住んでいる人だけではなく、働く人たちなども含めて考えるというベクトルに向けていくのも行政の仕事だと考えます。 時に、総論賛成各論反対という民意もある中で、厳しい判断や選択を迫られる場面もあるとは感じますが、信頼感を高め、市民参加を促す、これまで以上に積極的な情報公開と戦略的な発信が必須条件だと考えますが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 北村市長公室長。   〔市長公室長北村幸治君登壇〕 ◎市長公室長(北村幸治君) 自らの意見や行動に責任を持って参加するように努めていただくことということにつきましては、市民参加条例でも、市民の役割として規定しておりまして、私どももそうあるべきと考えております。 また、市が、市民参加しやすい環境を整備することや、市政に関する情報を市民に分かりやすく、かつ、積極的に提供することということにつきましては、市民参加条例に市の責務として規定しております。 こうしたことも踏まえ、市では日頃から、職員が住民とコミュニケーションを取りながら業務を進めることを大切にするとともに、各種会議等をできる限り公開で開催したり、予算編成過程や事業評価の結果を公開するなど、市民が市政に関する情報を得やすい、キャッチしやすいということですね。こういった環境づくりに取り組んでおります。 また、市民に役立つ情報、例えば、補助金ですとかイベント、施設利用など、こういったものですとか、知っていただきたい情報、例えば、防災、ごみ処理、各種規制や届出などといったことでございますが、こういったものを広報紙やホームページを始めとした様々な媒体を活用して発信していますが、市民ニーズに合わせて効果的に提供するためには、おっしゃったように、戦略的に広報事業を展開する必要があることから、昨年度、職員が広報活動を行う上での指針となる高山市広報戦略を策定し、伝えるだけではなく、確実に伝わる広報を目指して取り組んでいるところでございます。 具体的な例としましては、各種SNS、LINEですとかインスタグラムなどでございますが、これらの特性を生かし、ターゲットを明確にした情報発信ですとか、プレスリリース配信サービス、PR TIMESというものを利用させていただいておりますが、こちらですとか、ホームページのトップページのリニューアルなどを実施しております。 今年度は、市民目線で、高山市の魅力を広く発信するインスタアンバサダーですとか、広報活動に御意見をいただく広報モニターの設置などにも取り組んでいるところでございます。また、全職員が広報担当という意識を持って適時適切な情報発信を行うことが大切であることから、全職員を対象とした研修なども実施しており、今後も、伝わる広報の実現に向け、戦略的に取り組んでまいりますので、お願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) ありがとうございます。 思いは本当に共有をさせていただいているなというふうに感じております。この質問全体を通して言いたかったのは、先ほど市長も言っていただきましたように、コミュニケーションを大切にするということです。 テレビで、水俣病患者と大臣の懇談会というものがありましたが、初めから話を聞く気などなく、ポーズだけのセレモニーだったことが露呈しております。間違ってもそういうことのないよう求めたいと思いますし、市民から信頼される市政のために、現場の意見を大切にする建設的なキャッチボールとともに、時には、対話の中で市民を説得する気概、気骨というものも必要だということを申し上げて、この質問は終わります。 2番として、耳が不自由な方への窓口対応についてと通告しております。 大音量でテレビを見るとか、必要以上に大きな声でしゃべるとか、程度の差こそありますが、自分の周りにも耳が遠くなった方が多いと感じます。 一般社団法人日本補聴器工業会の調査によると、日本の難聴者は人口の10%、高齢化の進展に伴い、今後さらに増えると見込まれておりますが、補聴器の所有率というのは、難聴者の僅か15.2%しかないとも言われております。 高山市の窓口等において、耳の不自由な方々に対しては、耳マークを表示して、ゆっくり、はっきり話すことや、筆談での対応など配慮はされているものと理解していますが、パーティション越しでもあり、十分とは言えないとも感じています。まず、現状と課題の認識について伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 現状と課題についてお答えしたいと思います。 市民課ですとか、高年介護課、福祉課や福祉サービス総合相談支援センターなどの窓口には、議員が仰せのとおりの、時々、耳の不自由な方がいらっしゃることがございます。その際には、大きな声でゆっくりと話しかけて、コミュニケーションを円滑にしようと心がけてございます。また、今も御紹介ございましたが、筆談が必要な方にはお申出いただくように耳マークを全ての窓口で表示するなど、その方に合った方法で対応もしてございます。 課題といたしまして、先ほど議員からも御紹介がありましたが、マスクを着用していたり、パーティション越しでのやり取りが聞こえにくいという方がいらっしゃることですとか、このように聞こえにくいということで、窓口で大きな声で会話すると、来庁者のプライバシー保護上よくないということ、さらには、筆談について時間がかかって少し面倒に感じる方などがおみえのことなどが課題というふうに捉えているところでございます。そういったことにつきましては、現状では、気をつけて対応するということが必要として対応しているところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) この質問に財務部長から答弁いただいたことにちょっとうれしい思いがしております。 そういう中で、軟骨伝導イヤホンというものが注目をされ、円滑にコミュニケーションを取れるよう、役所内の窓口に導入する事例が増えているようです。この軟骨伝導イヤホンというのは、耳の周囲にある軟骨組織に振動を与えることで鼓膜を震わせ、音を感じさせる仕組みで、軽く当てるだけで利用できるため、従来からの頭蓋骨を振動させて音を伝える骨伝導とは違って、装着時の痛みも少なく、通常のイヤホンのように耳の穴を塞がないので、使う人の違和感もないようです。私も使ってみましたが、イヤホンが集音器とセットになっていて、雑音を取り除く機能もあって、ピーピーというハウリングもなく、小さな声もはっきりと聞くことができます。 新しいツールを使うことで、より円滑なコミュニケーションが可能となり、大声で話すことによって個人情報を周囲の方々に聞かれることもなく、プライバシー保護の観点からも有効で、窓口業務の時間短縮も見込めるということで、金融機関等の窓口でも導入が進んでいるようです。また、補聴器が片耳で10万円、20万円と高額であるのに対し、数万円程度というのもメリットです。市役所や公共施設の窓口での接遇サービス向上の一環として、軟骨伝導イヤホンの導入を検討する余地がないか伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 庁舎管理をしております財務部長として、全ての窓口を統括的にどうするかという判断の中で回答となりましたので、よろしくお願いします。 まず、職員がマイクに向かって話して、軟骨伝導イヤホンで聞いていただくというのは、議員が仰せのとおり、コミュニケーションがよりスムーズになる方法の1つというふうに考えてございます。 県内他市、大垣市や各務原市でも導入の事例がございまして、補聴器よりも聞こえやすいと喜ばれた方がいらっしゃるとも聞いてございますし、やり取りのほうの時間短縮にもなるというようなことも確認させていただきました。 そこで、コミュニケーションの妨げになる原因というのがいろいろございますので、それぞれの窓口でどのようなお客様がいらっしゃり、どのような方法がその方にとってよいのか研究しながら、まずは、耳の遠い方、耳が不自由な方の頻度が高い、先ほど紹介した窓口におきまして、軟骨伝導イヤホンを設置させていただき、その効果を検証していきたいというふうに思って考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) ありがとうございます。 1つのツールとして試験的に導入ということで進めていただければ、誰にも優しいまちとして、さらに評価が高まるのではないかというふうに感じております。 次に行きます。 水道の業務継続計画(BCP)について伺います。 ライフラインとしての上下水道の大切さを能登半島地震の被災地を見て、改めて感じております。発災直後はともかく、避難生活が長引けば、飲み水以外のトイレや洗濯、炊事、お風呂などの生活環境がいかに大切か。人は機械とは違いますので、4か月たっても水が出ない生活というのは、生きる力にもつながる問題だと捉えております。 また、揺れがひどいところでは、耐震管であっても継ぎ手が抜けてしまったということもあるようですし、仕切り弁の破損など、これまで以上に想定外を想定して災害対応を練る必要があると感じています。 水道は、24時間稼働が求められる施設で、所管が厚労省から国交省へ移管したのも、防災、減災を強く意識してのことだと受け止めていますが、必ず起こる自然災害、人、物、情報のリソースが制限される中での業務継続について、改めて考えてみたいと思います。 公表はされていませんが、市は、水道の業務継続計画(BCP)を策定されており、中身が気になってお聞きするものです。 高山市地域防災計画には、ライフライン施設の応急対応として水道に関する記述もあり、3日までに給水拠点による給水、1人1日3リットル、10日までに幹線付近の仮設給水栓、1人1日20リットル、21日までに云々と応急復旧の目標期間も設定されており、人員体制を含む具体的なタイムライン、段階的な復旧シミュレーションというものも水道BCPの中に連動する形で示されているものと受け止めています。 まず、水道BCPの中で想定する被害やリスクと責任業務の範囲、計画の実効性ある運用など基本的な考え方、方針について伺うとともに、能登半島地震を受けての見直しはなされるのか、伺いたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 山腰水道部長。   〔水道部長山腰勝也君登壇〕 ◎水道部長(山腰勝也君) 高山市地域防災計画に基づきまして、必要な業務の継続と応急復旧に向けました体制を早期に立ち上げるための高山市上水道事業業務継続計画、以後上水道BCPといいますけれども、を策定しております。 具体的には、大規模な災害等で職員、庁舎、設備等に相当な被害を受けても、優先実施業務を中断させず、たとえ中断しても許容される時間内に復旧できるようにすることを目標に、業務の継続並びに早期復旧において、市民、職員、関係者の安全確保を第一優先とすることや、市民生活や地域経済活動に必要となります給水機能を優先的に回復することなどを基本方針としております。 震度5強以上の地震が発生した際に、3日間給水できない地域が発生するなどの被害と業務遅延による影響を想定させていただきまして、復旧と優先業務の実施に向けた、各業務ごとの対応目標時間や対応者、対策など具体的な手順及び方法を定めているところでございます。 上水道BCPの見直しにつきましては、能登半島地震におきます対応の課題について、国などからの情報を参考に、今後検討してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) BCPは、BCM(業務継続マネジメント)とされているところもありますが、計画を策定して終わりではなくして、マネジメント、継続的に体系的に取り組むことが大切です。 人工透析などを含む医療機関や学校施設など、復旧の優先順位は当然あるはずですが、それらが時間との闘いの中で、実際に、初動から機能するか、図上での訓練に加え、実地訓練や研修の状況はどうなのでしょうか。 大きな災害が発生すれば、ただでさえ全庁的に人員が不足する中で、どこまで水道BCPが機能するのかという視点ですが、水道はちょっと特殊な分野でもあり、市は、施設の管理を指定管理に出しておりますが、発災時、実際に、市職員が現場で指揮を執るための最低限のスキルは求められると考えます。マニュアルだけにとどまらない柔軟な対応力、適用力も求められます。 正月に発生した能登半島地震とともに記憶に新しいのは、羽田空港での航空機事故の炎上事故で、あれだけの事故でありながら、搭乗していた乗員、乗客379人全員が無事脱出できたことには驚きましたが、事故は必ず起こるものとして、日頃から厳しい訓練を積んできたからこそだと、常に備えることの大切さを学んだ思いです。 市も、指定管理者任せということではないと受け止めていますが、職員のスキルアップ、技術の研修や継承、人員を含む体制は整っているのか、SPCとの連携、協力体制は万全か確認させていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 山腰水道部長。   〔水道部長山腰勝也君登壇〕 ◎水道部長(山腰勝也君) 医療機関や防災関係機関、避難所などの重要施設は、優先的に給水を復旧する必要がございますので、復旧工事用資材の備蓄や調達、迅速に対応ができる体制づくりが必要であると認識をしております。 上水道BCPでは、保有している資機材の備蓄品リストや調達先のリストを整理するとともに、訓練計画を定め、市防災訓練に併せて実地訓練を行っております。 研修や訓練の内容としましては、緊急時給水拠点におきます給水訓練、指定管理者や応急給水支援組織との情報伝達訓練などを実施するとともに、ふだんより漏水など突発事案を通じまして、指定管理者と連携した対応や給水車による応急給水の実施、復旧に向けた工事店への指導指示、併せて、熟練職員によります若手職員への技術継承など、職員の対応力、適応力の向上に努めております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 業務継続計画の中には、当然、支援要請というような項目も盛り込まれているものと受け止めていますが、何度も言いますけれども、水道というのは、特殊な技術や専門性が求められる分野です。この広い市域の中で、被害が多発することも想定されますし、細かい話ですが、仕切り弁1つを取ってみても、地域によって右を回すと閉じる仕切り弁と左に回すと閉じる仕切り弁があったりして、応援に入った方にも混乱が生ずると感じております。必要となる業務を想定した上で、簡単な手引や、それに基づくレクチャー、担ってもらう役割の整理なども必要で、そういうことも勘案して、ハードもソフトも含めた支援の受入手順や役割分担、業務ごとの個別シートなどを盛り込む形の受援計画というのは別建てで策定する必要があるのではないかと考えますが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 山腰水道部長。   〔水道部長山腰勝也君登壇〕 ◎水道部長(山腰勝也君) 上水道BCPでは、被災状況の調査や復旧に関しまして、支援要請が必要かを判断し、支援要請を行う場合の連絡方法や受入場所の確保について定めております。 支援要請先となります日本水道協会では、能登半島地震におきましても応急給水支援や応急復旧活動を主に担っておりまして、当市水道部の職員も延べ18名が七尾市などの被災地において、日本水道協会の現場本部の指揮の下、応急給水を実施してまいりました。 支援の基となります、災害時相互応援に関する協定では、要請方法、応援体制、応援職員の受入れや費用負担なども定めてございまして、派遣した職員からもスムーズに支援活動に取り組むことができたとの報告を受けております。 また、日本水道協会により、地震時緊急時対応の手引きが策定されておりまして、各水道事業者による相互応援の仕組みと役割、応援活動の留意事項、報告や引継方法などが明確にマニュアル化されているところでございます。 これらの協定や手引の活用によりまして、スムーズな支援の受入れは可能であると現在のところは考えてございまして、受援計画の策定は考えておりませんけれども、必要に応じまして、業務継続計画の内容などの充実に努めてまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。
    ◆18番(中筬博之君) 市の職員が18名、被災現場に派遣されたということでした。やはり実際に管路の破損なんかが複数ある場合など、市職員の中に以前のような水道の神様のような存在がいなくなった中で、どの仕切り弁を閉めるのか、どう水をループさせて断水範囲を最小限度にとどめるかなど、その対応には、GISデジタルの力を最大限発揮させる必要もあると訴えてまいりました。導入された水道GISがきちんと生かせる状況になっているのか、データ化された台帳、管網図のバックアップ体制は万全か気になるところですし、今年度は、人工衛星からの画像データをAIで解析する漏水リスク診断に予算をつけていただきましたが、さらにもう一歩踏み込んで、AI技術による管路劣化診断による優先更新という考え方も必要と考えます。年数を経た管路であっても劣化度が低くて、まだ使えるという場合もありますし、そこをAI診断でランクづけしたマップとして作成することで、継続使用や更新の順位を決めていくという予防保全の在り方です。併せて、各戸の水道量水器を今の電気のようにスマートメーターとすることで、検針業務の省力化、効率化、早期の異常検知や使用水量の傾向把握という可能性についてもDX化の一環として積極的に検討すべきと考えます。 水道GISの有効活用と、それに連動するAI技術のさらなる活用、スマートメーターの導入について、まとめて確認させていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 山腰水道部長。   〔水道部長山腰勝也君登壇〕 ◎水道部長(山腰勝也君) 令和4年度までに整備をさせていただきました上水道GIS(上水道情報管理システム)でございますが、管路が破損し、漏水が発生した場合におきましては、仕切り弁操作による断水区域が瞬時に把握できる機能がございまして、被災時におきましても有効に機能するものと考えております。 また、データ化しました台帳や管網図につきましては、毎年データ更新を行うとともに、データのバックアップを行っておりまして、消失することのないよう安全に保管しております。 今年度実施します、AIを活用しました漏水リスク調査の結果につきましては、優先更新マップといった地図化は考えておりませんけれども、漏水調査箇所の抽出のほか、老朽管の更新を検討するに当たりまして、選定の参考に活用することとしております。 スマートメーターにつきましては、検針業務の軽減や宅内漏水の早期発見のほか、高齢者の見守りなどに活用が期待できるとされておりますけれども、整備費用及び定期的な更新費用などを考慮すると、現時点では、高山市において面的な導入は困難であると考えております。今後、技術革新により普及が進み、安価なスマートメーターが開発されることを現在のところ期待しております。 なお、スマートメーターにつきましては、現在、冬季積雪などによりまして検針困難な箇所については、スポット的な導入を行っております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) スマートメーターはスポット的な導入はされているということでした。問題はコストだということも伺いました。 あと、議会が導入を要請してもなかなか後ろ向きだったのが水道GISですし、給水車もそうですが、今は大いに役立っている状況だということだというふうに受け止めました。要は、それらが活躍する未来を頭に描けるかどうかということで、ぜひ、これからの可能性をまだ探っていただきたいなというふうに思います。 この質問の最後に確認させていただきます。 災害時の応急対応とともに、被害を最小限にとどめる予防対応としての業務継続計画の実効性担保のために、平時からのマネジメントは必須で、長寿命化や耐震化などハード面の整備、更新に加え、人の配置、点検や訓練、情報発信も含めた不断の見直しが求められます。 そして、業務継続を盤石に支えるための経営改善もまた必須の条件であり、そのために、水道ビジョン・経営戦略を策定されているわけですが、企業会計に移行して経営の見える化を図っている意味もそこにあります。現状を見れば、市民にはつらい話であっても、水道料金改定の検討も避けては通れない状況になっているのは誰の目で見てみても明らかです。積極的に値上げせよと言うつもりはありませんが、後々大きなツケが回ってこないよう、未来を見据えて大局的に判断、決断するのが議会、行政の役割であり、そこに利害関係者の声が入り込むと道を誤ることになります。 現実問題として、市がどんなビジョン、戦略を持って進もうとされているのか確認させていただきたいと思います。 ○議長(渡辺甚一君) 山腰水道部長。   〔水道部長山腰勝也君登壇〕 ◎水道部長(山腰勝也君) 水道事業を取り巻く経営環境は、急速に進む人口減少に伴います水需要の減少や、水道施設の老朽化に伴う更新需要の増加などによりまして大変厳しい状況にございますが、安全で良質な水道水を安定して供給するという責務を負っておりますので、持続可能な水道事業を構築するため、市水道ビジョン・経営戦略に基づきまして、水環境の保全、災害に強い施設づくり、経営基盤の強化に取り組んでまいっているところでございます。 かつては、3億円を超える純利益がございまして、水道施設の耐震化や老朽化施設に必要な投資財源を確保できておりましたけれども、直近の決算では、純利益が1億円弱まで落ち込みまして、来年度以降は、十分な投資財源が確保できないということや、事業運営にも影響を及ぼすという厳しい状況になるということを予測しております。 そういった中、料金改定につきましては、市民の皆様や事業者の皆様に大変な御負担をおかけすることになりますので、現在の令和2年3月に策定しました市水道ビジョン・経営戦略におきましては、計画期間の終期、令和11年でございますが、令和11年度をめどに料金改定を行うことと予定をしておりましたけれども、今後の社会経済情勢や、水道事業会計の収支状況を踏まえまして、適切に判断してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 中筬議員。 ◆18番(中筬博之君) 経営戦略・水道ビジョンには、赤字の見込みとか、資金不足の見込みという一文がもう既にあるので、言わせていただいているわけですけれども、厳しい社会情勢下の中で、高山よりコンパクトな多くの自治体が苦渋の決断として料金改定に踏み切っております。高山市の水道事業の経営基盤が盤石だというのであればいいのですが、何か大きな力が働いたのかと勘ぐりたくなります。もちろん、市民から歓迎される話ではありませんけれども、常に公平公正を口にする行政がどの声に反応するのか、アンテナの問題というか、センスの問題だとも感じるわけです。 一般会計からの繰入れでかわすということでは、何のために企業会計に移行したのかということにもなりますし、よりきめ細かな子育て支援を掲げる高山市が学校給食については値上げをされたわけですので、ここにも市民を説得する気概、気骨というものが必要なのではないかと申し上げ、私の質問を終わります。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、中筬議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 休憩します。     午前11時41分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時00分再開 ○副議長(山腰恵一君) 休憩を解いて一般質問を続行します。  ―――――――――――――――― ○副議長(山腰恵一君) 次に、岩垣議員。   〔17番岩垣和彦君登壇〕 ◆17番(岩垣和彦君) 早速でありますが、午後から1番ということで、通告をさせていただいたとおりの質問をさせていただきます。 今回、まず、1つに絞っておりますが、公契約条例の厳格な運用と補助金や委託料により事業者が発注する契約の適正確保についてということでくくっております。 最初、1点目でありますが、公契約条例の基本理念には、公正性や透明性、競争性の確保、品質確保、労働環境の確保、社会的責任の向上、地域経済及び地域社会の健全な発展に努めることが明記をされております。その上で基本理念の重要性とその認識を伺うものであります。 高山市公契約条例は、平成30年4月に施行しまして、これまで運用が図られてきております。施行当時は、公共工事等の予定価格の積算や労務単価の設定、また一般管理費の扱い等が不明瞭で、建設事業者を中心に、その関係者から市の積算の不明確さや変更契約を認めないといった市への不信も重なり、高山市が発注する工事は受注したくないといった声が上がる背景がございました。また、条例制定後も、予定価格の低さにより不落、不調も重なっております。 現在は、これらの課題を幾つか乗り越え、公共工事の予定価格の積算や地元事業者を中心に優先発注されるなど、徹底されてきたと捉えております。 公契約条例の第1条目的には、公契約に係る基本理念を定め、市及び事業者等の責務を明らかにすることにより、適正な公契約に関する施策の推進を図り、もって地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的としています。その上で、第3条基本理念に対する市の認識を最初にお伺いいたします。   〔17番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) では、お答えをいたします。 よりよい公契約制度の構築に向けた取組として、今、議員御紹介ございましたように、公契約における基本的な考え方の明確化、適正な労働環境の確保等を目的とした制度として、公契約条例における基本理念は重要であるというふうに認識をしております。 高山市では、公契約条例の基本理念にのっとり、国が設定する労務単価や経済社会情勢の変化及び市場における取引価格等を考慮した積算や、建設工事においては、価格だけでなく総合的に優れた調達を目的とする総合評価落札方式の導入といった契約方法の採用、土木一式工事などを対象に市民の安心・安全を守るための市内企業育成を目的とした市内本店優先発注、物価高騰や不測の事態に起因する適正な変更契約の実施、法令違反による指名停止の適正な実施など不正行為の排除の徹底、発注見通しや入札結果の公表など、公契約に関する情報の公開を実施してまいりました。 また、事業者におきましても、事業者の責務として労働基準法等関係法令の遵守、労働実態調査から、福利厚生の増進や適切な賃金の支払いなど労働環境の確保が行われていることが確認をされております。 また、事業者が条例に違反している場合は、申し出ることができることとなっておりますが、これまでそのような申出はなく、事業者におきましても、公契約条例の基本理念が浸透してきていると考えております。 引き続き、公契約条例の基本理念が適切に推進されるよう取り組んでまいります。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 平成30年の当時も、この公契約条例の制定に関しては、いろいろ庁内の中でも是非があったり、そして、制定をしなきゃいけないという時代背景も踏まえて、いろいろ政治政策に関わる問題が出てくると、公契約条例が好転といいますか、いい意味で、その契約が図られることと、逆のパターンもいろいろあって、庁内の中ではいろいろ議論があったことは承知をしております。 ただ、こうやって平成30年に制定をされて、もう相当な、6年、7年、そういう時間がたっておりますから、非常に完璧を求めることは当然でありますが、やはり適正な競争の上で、やはり公益に資する契約、それが一番の大前提でありますので、そういう指針だけは、いつの時代も不変であるなということを思っておりますので、ぜひその辺の認識を今後も貫かれて、対応をお願いしたいと思っております。 次に、市の責務には、適正な予定価格の積算、適正な入札方法の採用と市内事業者の積極的な活用、変更契約への対応、公契約の不正行為の排除の徹底、公契約に関する情報の公表も定めております。 その中で、市内事業者の積極的活用は、事業によって対応が様々あるというふうに私は捉えておりますが、市の責務の整合がどういうふうな果たされ方をしているのか、これは指定管理者も含めてでありますが、見解を伺っておきたいと思います。 まず、公契約条例第4条では、市の責務を掲げております。公契約に関する施策を適正かつ総合的に実施するものというふうにしておりまして、1点目には、経済社会情勢の変化及び市場における労務、その他の取引価格等を考慮した積算に基づき、適正な予定価格を定める。2つ目には、公契約の締結に当たっては、契約の性質及び目的を踏まえた適正な入札方法等を採用するとともに市内に事務所または事業所を有する市内事業者の積極的な活用を図る。3点目には、公契約の内容に変動が生じると認められるときは、変更契約を締結。4つ目には、公契約からの不正行為の排除を徹底。5点目には、公契約に関する情報を公表する。以上、5つの責務を定めております。 特に、市内事業者の積極的な活用に関しては、公共工事関連では、可能な限り厳格な運用が果たされていると捉えておりますけれども、殊さら観光関連の事業に関して言えば、市内事業者を積極的にどの程度活用されているのか。建設工事関連と比較すると乖離があるというふうに私は捉えておりますが、どういった見解をお持ちなのか、伺いたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) それでは、お答えをしたいと思います。 公契約条例におきましては、今、議員御紹介もありましたように、基本理念に地域経済及び地域社会の健全な発展に配慮するよう努めることとの規定があります。また、市の責務には、市内事業者の積極的な活用を図ることとの規定もございます。 これらの規定は、他市におきまして、市内事業者に限定した発注は違法とされた判例があることも踏まえながら、市外事業者を完全に排除するのでなく、市内事業者の活用について配慮するよう定めたものでございます。市の発注する業務におきましては、この規定を念頭に、可能な範囲において市内事業者への優先発注に努めているところでございます。 特に建設工事におきましては、災害時の対応に備えた事業者の育成という観点から、市内事業者への優先発注を行っておりますけれども、建設工事以外については、公契約条例の基本理念と市の責務にのっとった対応をしているところでございます。 指定管理業務につきましても、同様の考え方に基づき、施設の特性を踏まえ、豊富で専門的な管理、運営能力を必要とする施設に限定して全国公募を行うものとしております。そして、指定管理選考委員会にて審議の上、決定をしております。 引き続き、市内事業者の積極的な活用について適切に実施してまいります。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 建設工事関連は、非常に厳格な運用が図られているなということは、私は思っておりますし、全体にそういう印象を受けますが、当然、今、指定管理者を含めて、春にもいろいろ議論になりましたふるさと納税の仲介事業者のこともそうですけど、何かそういうよほどの瑕疵が認められるということで、これまで現存していた事業者が変わるということになれば、やはり担当をしておられた事業者の皆さんも、相当な痛手もあろうかと思うし、そこに勤められる方も、それなりの覚悟をしなきゃいけませんし、当然そこに応募される新たな人は、そういうことも含めて全体を整える責任が私はあると思っているからこそ、そこには、当然ルールで決めた、ある程度市内事業者も優先しながら、全国的な視野も持っているというお話ですので、当然全国的な事業者を排除するということは、当然法律上いかないことは分かっておりますけれど、どういった意味で地元を優先するのかと。 もし、地元にそういう対象となる事業者がいないということになれば、やはり役所も中心になって育てるということも非常に大事な視点だと思います。 ですから、そういう地域経済をどうやって行政が歯車を主軸になって回していくかということが、一番私は重要なことだと思うんですね。 ですから、そこに意図があるとかないとかということを申し上げるつもりは全くありませんけれども、そういった視点を持って地域経済を中心に整えていくという視点があっても、私はいいのではないかというふうに思わざるを得ないですが、その辺についてはどういった考えをお持ちなのでしょうか。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 今、議員がおっしゃられましたように、やはり地域経済及び地域社会の健全な発展に配慮するよう努めることということが基本理念にございますので、まずそこにのっとり、先ほども申しましたように、市の責務として市内事業者の積極的な活用を図るという規定がございますので、そのように実施をしてまいりたいというふうに思っております。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 今までもそうやって対応をされたということだと思いますし、これからもそういう対応は当然継続するというお答えだというふうに私は受け止めますが、やはり一足飛びといいますか、何かこれまでやってきていただいて、瑕疵があればやむを得ないですが、やはりそういう状況がないにもかかわらず、どういった理由で変えるのかということも含めて、本当にふさわしい説明がないと、やはり我々も理解できないし、市民の皆さんも、そこに働いておられる方も、非常に戸惑いを持たれることがあるので、そういったことを懸念して、こういうことを申し上げている状況です。 当然、この公契約条例の市内事業者に限定をするということをこの条文の中に入れることに関しても、当時様々な議論があったわけですよ。それは、私自身も、本当に市内事業者に限定していいのかということを申し上げたこともある。 ですが、当時の前市長ですけれども、やはりそれだけは公約として図りたい、やはりそこは担保したいというような意図もあって、現在のこういった条例の内容になっているわけなので、そこは、やはりそういう事情があって、条例の趣旨を皆さん今継続しておられるわけですから、やはり市長が替わろうが、担当者が替わろうが、そこは必ず不変なものであるという認識で私はおりますし、皆さんも当然そういう認識だと思うので、そういったところは本当に厳格な対応をこれからもお願いしておきたいということだけ申し上げておきます。 次に、適正な労働環境を確保するため、事業者から報告書を提出することになっております。その労働実態と適正な労働の対価の支払い実態はどうなっているのでしょうか。また、市は、報告をする考えがあるのかないのか、その辺についても伺いたいと思います。 公契約条例では、労働者の適正な労働環境を確認するための報告書、労働環境報告書を提出しなければならないことになっています。そこで、公契約条例制定後の労働実態や労働環境、賃金実態はどう変化してきたのか、その実態をどう把握しているのか、伺います。また、そうした内容については、公表する考えはないのかも併せて伺いたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 平成30年の条例施行以来、高山市公契約条例に基づき、市の発注工事や委託に対し、受注企業の労働条件や労働環境を調査しており、今までの調査で、労働者の賃金が最低賃金を下回ったことはありません。また、労働環境報告書を集計した結果、有給休暇が取りやすい事業所が増えるなど、労働環境の改善にも一定の成果があるものと捉えております。 また、事業者が適切な賃金を支給しないなど、この条例に違反しているときは、先ほども申し上げましたが、労働者が市に申出できることになっておりますが、今までそのような申出はなく、条例に定める事業者の責務である労働者の適正な労働環境の確保について、事業者において適切な実施がされていると考えております。 労働環境報告書は毎年集計し、結果は公契約懇話会で報告しております。また、市民の方々に対しては、窓口でも閲覧可能となっております。 今後も公契約条例の目的が達成できるよう、労働者の適正な労働環境が確保されるよう取り組んでまいります。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 非常に、公契約条例を制定した後は、賃金実態も、恐らく、公契約条例を制定する前と比較すれば、相当上がっているというふうに思います。先ほど部長が答弁されました、最低賃金を下回るようなことはもう全然あり得ないと思いますし。 ただ、労務単価が、やはり全国の平均の労務単価よりも、本来公契約条例を制定して高山独自でやれば、そこよりも上がってほしいというのがやはり実情なところもあります。 そのために経済の発展も含めての条例になっているわけですから、そういった趣旨で考えると、労務単価、支払いの労務単価がどの程度変化をしているのかというのは、委員会でも結構ですので、どういうふうに変化をしているのかということは示されたほうが、議会としても非常に審議がしやすいのかなということを思いますので、この辺だけはお願いをしておきたいと思います。 次に、これは指定管理の問題ですが、会計年度任用職員の一時金支給が支払われたということで、指定管理者にも同様に人件費分が増額支出をされましたが、令和6年度以降についても、人件費増額分を指定管理料に上乗せする考えはあるのかということでございます。 人件費増額分を指定管理者にも支出する予算については、指定管理者にとっても非常に意義深い施策だというふうに感じております。 1つだけ懸念するとすれば、事業を行う側の立場で考えると、やはりこれまで各事業者はそれぞれの労務管理や収益実態を踏まえて、昇給制度などを構築しております。市から単年度のみでの増額支出となれば、次年度以降の昇給に差し障りが生じる場合もあります。 3月の予算決算特別委員会でも答弁されたのかもしれませんが、次年度以降の指定管理料の積算に当たっては、先般の人件費増額分を踏まえて継続されるお考えなのか、伺っておきたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) 今ほどお話しの令和5年度の指定管理料につきましては、市の会計年度任用職員の賃金上昇等に合わせまして、指定管理者の賃金職員の処遇改善を図ることなどを目的に、令和5年度の3月補正におきまして、指定管理料の増額対応をさせていただいています。 令和6年度につきましては、令和6年度当初予算におきまして、令和5年度3月補正で対応しました増額分も反映した形で予算計上させていただいております。 加えて、令和6年度より開始する会計年度任用職員の勤勉手当の支給分につきましても、指定管理者の賃金に反映した形で予算計上させていただいておりまして、指定管理者にはその旨を通知し、賃金職員の処遇改善等に努めていただきたいと考えているところでございます。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 非常に、公契約条例ができて、ここ、本当に田中市長に代わってから特にかもしれませんが、今の指定管理者の人件費の増額や指定管理料の積算というのは、非常に厳格にしていただけるようになったなということを指定管理者の皆さんもおっしゃっておられますけれど、私自身もそういうふうに捉えております。 この公契約条例をつくるときも、当然指定管理料のところまで、どこまで反映するんだという議論があって、どこまで具体的に指定管理者の指定管理料の積算を担保できる条文をどうやって確保するんだという議論はあったんですけど、そこまで酌んで判断をしていただけるというのは、この公契約条例を基にして判断をされている時代になってきたのかなということを私も感じておりますので、非常に、今の指定管理料の積算の増額については、本当に10年前を振り返ってみると、全く議論にならないような、こちら側の言い分と行政側の言い分、全く平行線で終わってしまう議論にならないような状況だったことを思うと、非常に進歩したなというふうに思っておりますので、今後とも対応をお願いしたいなというふうに思います。 次に、5番目でありますが、補助金や委託料を市が支出し、その財源で事業者側が高額な契約を行う事例はどの程度あるのか、伺いたいと思います。 市が公金、いわゆる補助金とか委託料に限るのかもしれませんが、公金を支出している先の事業者自らが契約する事案については、予算全体でどの程度あるのか。当然、年度ごとに異なりますので、一概に額も件数も比較することはできませんが、これまで行われてきている実態について伺いたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 初めに、補助金と委託料の概要について説明をさせていただきます。 補助金につきましては、地方自治法の規定に基づくもので、市が要綱等を定め、特定の事業等に対し、これを助成するため、あるいは奨励するために、財政的な援助として公益上の必要があると認めた場合に、反対給付を求めずに支出するものでございます。 また、委託料につきましては、本質的に地方公共団体自身が行わなければならないものは別として、それ以外の事務事業について、他の機関あるいは特定の者に委託して行わせることができるもので、公法上の契約または私法上の契約がございます。一般的には地方公共団体が直接実施するよりも、他の者に委託して実施するほうが効率的であるものなどについて、委託契約により実施するものでございます。 今、議員御紹介がございました補助事業者または受託事業者側での契約の金額が大きくなるものといたしまして、補助金におきましては、施設や設備の整備、車両の購入に対する助成などがございます。 委託料にあっては、新型コロナワクチン接種会場運営業務など、複合した業務を一体的に委託する場合が考えられます。 いずれの事業実施に当たりましても、事業者において、事業の全部または一部を契約する場合や複数契約する場合など様々な形態があり、市としまして、そうした事業者同士で結ばれる契約の取りまとめまでは行ってございません。金額と件数につきましては、把握しておりませんので、御理解をお願いしたいと思います。 なお、補助金や委託料の金額については大小様々ですが、いずれも公金を支出するという性格は同じであり、補助金につきましては、補助要綱等について補助対象となる額などを定め、補助事業の実績により額を確定し、委託料については、市が必要とする仕様において適正な額を積算し契約するなど、適正な執行に努めております。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 質問の趣旨が若干伝わっていないのかもしれませんが、私が申し上げたいのは、結局、公金として市が事業者側に支出をして、その事業者側が目的を持って第三者の事業者と契約する場合、あると思うんですよ。そういう場合は、最終的に何をもって正当な金額を、当然見積りや契約書になろうかと思いますが、それだけをもって額を判断しているのか、伺いたいということなんです。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 大変失礼をいたしました。 補助事業者側での契約のことにつきましては、いわゆる実績報告をもって、それを確認させてもらっているということになりますし、委託料につきましては、いわゆる完了報告、検査の中でそれを確認させていただいているということでございます。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) たくさんあると思うんですよ、そういう事例。公金を事業者側や団体や、そういうところに支出をして、そして、その事業者側が、団体側が、第三者の民間と契約をして。 本来は、市が全て発注すればいいわけですけれども、そのほうが一番いいですが、中身的に、先ほど財務部長がおっしゃったように、民間が契約されたほうが、やはり役所よりもスムーズにいくものとか、いろいろおっしゃったので、そういう部分で認めておられるんだと私も思っているんですけど、そういったところが、結局、どこまで監視ができるのかというところがあるんだと思うんですね。 ですが、それは当然役所を1回離れてしまっているので、当然役所は、そのことの支出に対する監査や適正なのかということは当然調べざるを得ないし、そこの額だけは当然見なきゃいけないと思うんですが、渡ってしまった後の民と民の間の中というのは、やはりその額は当然適正かもしれませんが、そこで全てが終わってしまうわけではなくて、民と民というのは必ずどこでもそうですが、変な話、リベートがあったり、そういうことまでないことはないですよ。 だから、特に観光関連で言えば、やはり送客をすればするほど、そういう旅行会社からバックが来るというのは、これは何十年も前からずっと常識ですので、そういったところがどこまで適正な公金の使い方、そういうことで市として監視をしているのかということについて伺いたいということであります。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 公金といたしまして、高山市から、例えば補助事業者にお金を交付する場合には、まず事前に補助申請という形で事業計画を出していただき、その中で交付要綱に沿ったものかどうか審査をし、決定いたします。その後、事業実施をされまして、実施完了後に完了報告というものを出していただきます。 そちらにつきましては、いわゆる最初に事業実施をする状態のものがどのように実施されたかというものでございますので、今、議員が言われるように、その先の民間と民間、さらに民間と民間という形のものについて、全てを把握するということは難しいということでございますので、現在のところ、高山市としては、その事業計画、事業報告について適正なものかどうかというところを判断して、補助金等を支出しているという形になります。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 当然性善説で捉えなきゃいけない部分もあるわけで、事業をお願いするわけですから、初めから性悪説なんかでは捉えれるわけがない。 ですが、結局見方によれば、役所を離れてしまうと、結局そんな議論は、やはりここだけの議論だけで終わってしまって、そこがどこまで性善説が担保されるという保証は一切ないわけですよ。 ですから、市の監査も、当然補助金が適正に履行されているかというところまでしか見れないですし、相手先の経理内容とか、そんなところまでは監査できないわけですから、そこはどういった形で、交付金として支出をしたものが最後まで正しくといいますか、市民の血税ですので、そういったところが使われるかというのは、監視をする必要が私はあるのではないかなということを思ってやみません。 その上で、最後になりますけれど、市が補助金や委託料、こういった予算の執行に当たっては、やはり市民から徴収された税金等の貴重な財源で賄われていることに配慮しながら、そういった公金が公正かつ効率的に使用されるよう、補助金等の適正化に関する条例等の制定も必要ではないかというふうに思ってしまいます。 市では、補助金支出のための規則はあるのでしょうが、しかし、公金を支出した先の民間と民間との契約に関しては、様々な利害が発生するというふうに容易に想定ができます。 ですので、国民や市民から税を基に支出された公金で事業者間で契約する場合など、こういった契約の厳格な運用を図るためには、補助金等の適正化に関する条例の設置も検討することが必要ではないかというふうに私は考えますけれども、見解を伺いたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 平塚財務部長。   〔財務部長平塚久則君登壇〕 ◎財務部長(平塚久則君) 今ほども説明いたしましたが、補助金や委託料の予算執行につきましては、他市におきましても、補助金等の執行に関する条例制定の事例があるということは認識をしてございます。 当市におきましては、条例によらず、補助金交付規則や契約規則を設けて必要となる条項を規定し、また、公契約条例で市の責務として、市の発注する契約では適正な予定価格を定めるよう規定するなどにより、適正に執行しております。 そのため、現時点ではございますけれども、条例を制定する考えはございませんが、今、議員が言われたことにつきましては、しっかり研究させていただきたいというふうに考えております。 ○副議長(山腰恵一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今回の一般質問で議員が御指摘の点は、かなり難しい部分があると思うんです。 例えば、今、高山市が出している補助金については、いろいろな補助金がございますし、額も違いますし、あるいは、その補助金を出すことで事業自体を推奨する、例えば建設に関するものである、また、業者さんがそれを推奨する、補助金があることを推奨することでその事業を展開していく、いろいろなパターンがあると思っています。 例えば、国の観光庁なんかの補助金では、しっかりと見積りを取って、しかも複数のところから取って、それを添付して安いほうで出すというような、そういった、これは、いろいろな受託元から委託するものとか、受託する側が買う備品であるとか、それも全部含めてなんですけれども。 ただ、そういった手法は、高山はまだ取っておりません。ただ、ある程度そういった厳格な対応を求めるということは必要だと思っておりますので。 ただ、あまり求め過ぎると、逆に、今度は補助金を受け取る側が物すごく煩雑になるという。高山市が補助金の規則に従ってやろうと思うと、かなり煩雑になって、もう補助金が使いにくいというような、そういったお声も以前あったかとは思うんですね。その辺のバランスをどう取るかだと思いますので。 今後、一番の御心配は、しっかりと補助金を支出した側が、公金として、例えば物品を購入するに当たっても、ただ形式上に買うだけじゃなくて、その辺でどこかの利害につながるようなことがあるかどうかということだと思っておりますので、ちょっと研究させていただいて、今この場でどういった方策が必要かどうかというのはちょっと申し上げられませんけれども、今回貴重な御指摘ということで受け止めさせていただきますので、引き続き研究させていただいて、今、財務部長が答えたような対応をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 岩垣議員。 ◆17番(岩垣和彦君) 決して疑っているわけではないですけど、やはり公契約条例の理念であったり、市の責務であったりすることを捉えた場合に、第三者に補助金を拠出して、その補助の拠出先が、自己負担分がある場合は、そんなに問題はないわけです。全額100%そこに充てるということになると、様々な利害が役所を離れた後に出てくるということを懸念するわけですので、結局、今あるということを申し上げているわけじゃなくて、十分に考えられるということをちょっと心配するわけです。 ですから、公金を基にして、そういったことが表に出てしまったり、やはり大きな話題になってしまうと、高山市にも責任がないわけではないというふうに私は思ってしまうので、その辺の対応を予測しながら、さっきも言ったけれども、性善説で捉えるのか、性悪説で捉えるのかといったら、最初から性悪説では捉えられないです。ですが、そういうことも民と民の間に起こる事象として、やはり頭に入れながら対応していただきたいということをお願いして終わります。 ○副議長(山腰恵一君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。 次に、倉田議員。   〔19番倉田博之君登壇〕 ◆19番(倉田博之君) 質問の前段で、昨日の市の発言についてちょっと独り言をつぶやかせていただきたいなと思っていますけれども。 観光客の下水道の使用は、ホテルが使用料を払っているので、下水道会計に負担をかけておらず、宿泊税を充当する理由はないとの清水副市長の御発言。戸田議員は、毎年多額に充当される一般会計からの繰出金について語っておられたところでした。 副市長のおっしゃる理屈であるならば、一般会計からの繰出金は、ホテルが法人市民税を払っているので、観光客も十分に繰出金を負担しているということになりますよね。それなら、オーバーツーリズムなんて、このまちには何1つ存在しないということに私はなってしまうと思います。あまりに現場感覚のない発言で、スンとなりました。朝ドラを御覧になっていない方もおられると思いますけれども、本当にスンとなりました。誘客第一、行け行けどんどんの畑で長く活躍されておられるので、ある意味しようがないでしょうけれども、少し悲しいかなというふうに思っています。 そもそも必要に迫られて税を新設するのでなく、陳情があるから税を取って、さあ、何に使いましょうって、はてですよね。使途は検討中と、市長、おっしゃっていましたけれども、質問でもない締めの言葉に反応して待っていましたと登壇されたところから見ると、副市長のおなかの中はもう決めておられるのかなというふうに推察します。市や市民生活の悪影響の軽減よりは、またしてもホテルのお客さんを増やすことに使う方向性なのかなというようなふうにちょっと心配しています。 質問へ入ります。 1番、3月議会において承認された補正予算、指定管理料の人件費分増額の正しい執行及び指定管理料の公金意識などにおける指定管理受託者の適格性についてと通告をしました。 令和6年第1回高山市議会定例会において、議第34号 令和5年度高山市一般会計補正予算(第12号)により、人事院勧告を踏まえた指定管理料の人件費分の増額3,130万円が上程され、3月26日、全会一致で承認されました。 しかしながら、一部の指定管理者に対し、市が過分な金額を振り込み、相手先の被雇用者に指摘されて差額の返還請求を相手方に行っているケースがあるという、そういった情報を一般社団法人市民総合政策フォーラムが巷間から聞き及び、その真偽の調査依頼がありました。 現場の聞き取りなどを行っている中、5月28日の中日新聞岐阜県版で、飛騨高山まちの体験交流館の指定管理料の取扱いに関する事件が報じられましたけれども、まずは、その端緒である市の不手際の有無を市の口からお話をいただきたいと思います。 当初、交流館の従業員の方が金額の過分を問い合わせる中で、何度も積算根拠をお尋ねしましたけれども、市はかたくなにそれに答えることはなく、それで合っているとの一点張りだったと、そういうふうにお聞きしています。とても不思議な話です。 その時点では、人件費に増額分として、当初200万5,000円が交流館で収入されていますけれども、公共団体が何の根拠も持たずに公金を支出することはあり得ないことで、まして、計算違いだったとして返還金121万6,000円を請求し、既に返還されているとなれば、当然しっかりした根拠があるはずで、修正額となって交流館に支出されている78万9,000円の詳細な積算内訳を教えていただきたいと思います。 ちなみに、交流館の職員さんは、正規2名、非正規4名と聞いています。 また、もし市のミスがあったのなら、その原因を教えていただきたいというふうに思います。   〔19番倉田博之君質問席へ移動〕 ○副議長(山腰恵一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 今回の指定管理料の増額につきましては、昨今の最低賃金の上昇や人員不足、労働者の処遇改善等の課題に対応するために実施をさせていただいたところでございます。 その積算根拠につきましては、市の令和5年12月の会計年度任用職員の給与の増額改定に伴いまして、指定管理者の非常勤職員の給与についても、市の積算における単価の置き換えによりまして再算定をしまして、差額を増額支給させていただいたというところでございます。 飛騨高山まちの体験交流館におきまして、この増額分の人件費積算を行う際に、変更する必要のない勤務時間数を増やしてしまっていたことによりまして、増額の対象ではない費用まで誤って計上し、正しくは、先ほどお話もありましたけれども、78万9,000円をお支払いすべきところ、200万5,000円として過大に支払いを行っていたところでございます。 過大になっている分につきましては、指定管理者との協議の上、既に返還をいただいているところでございます。 このような間違いをしたことによりまして、指定管理者様を始め、関係者の皆様に御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げたいと思います。すみませんでした。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 理由とか、そういったことはお聞きしましたし、積算の根拠、会計任用職員さんの単価と合わせていったというようなお話でした。 間違いの指摘に対し、根拠を示さずに間違っていないと言い張っていた。間違いを認めたくないときに人が取る行動だと私は思いますけれども、市民のお金に関わることなんですよね。これ、公金の損失より、役所の間違いを隠すことを優先するといったようなことは、高山市では私は考えられないことであると思っていまして、本当に不思議なんですけれども、市はなぜそういった対応であったのかをお聞きしておきたいということを思います。これ、1つ目ですけれども。 また、間違いを指摘していただいたおかげで、120万円以上の市民の税金がミスで支出されてしまうことが防げたにもかかわらず、市からは、情報提供者の人物に一言の感謝も謝罪の言葉もないというふうに聞いていますけれども、むしろ煙たそうな態度で扱われていると、御本人は落胆されておりましたが、どうしてそんなんなのかなというふうに思います。不思議な対応だと思います。これ、職員云々でなく、人としての在り方だというふうに思いますけれども、お話を伺いたいと思います。 また、こういう状況を聞くにつれ、高山市は本当に不親切で無礼な印象というのを持ちますけれども、やはり契約相手先の従業員と市のお役人といったようなパワーバランス意識が市役所内にあるのかなと思ってしまいました。 また、そういった上下関係の壁なのか、2者の話合いではらちが明かないため、従業員が第三者に依頼して、市にただしていただいたところ、初めて市はそこでミスを認められたわけですけれども、その第三者は他者に口外しないようにと市から口止めされたという話を聞いています。何でそんなことをされるのかな。これも本当に不思議です。 もう一点。議会審査の提出資料が既に間違っていたものと考えられ、そんないいかげんな金額を審査させられて承認したのかと思うと腹立たしくもありますけれども、補正を承認した議会や市民に対して市から何の報告もされていないのはなぜでしょうか。 確かに市の不祥事といってよい事案ではありますけれども、振込金額の間違いだけならば、そんな大きな不始末でもなく、いつもの市長ならこういうミスがありました、ごめんなさいで、事なきてんまつとなるはずです。 教育委員会の方でお話しいただいていますけれども、行政経営課が関係していますので、これ、市長にも随分大きな関係はあるというふうに私は思っています。 新聞にも報道されましたので、私は、今議会初日に市長から何らかのコメントがあるのかと思っていましたけれども、それもありません。この件に関し、なぜ市はこんなにも隠蔽方向というか、隠蔽志向というか、隠蔽に傾いているというか、どうしてそんなふうなんでしょうね。本当に不思議なことだらけです。 市にとって何か特別なものをはらんでいる事件なんでしょうか。そうでないのなら、市役所内の、言葉は悪いですけれども、世間一般で言われるようなお役人根性とか、倫理感覚の麻痺とか、そういったことがとても気になります。 殊さらな隠蔽志向の理由も含め、市の業務を統べる市長のお話を聞きたいというふうに思います。お願いします。 ○副議長(山腰恵一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 議員お話しの、まず金額の誤りにつきましては、指定管理施設にお勤めの方からの指摘というところではなくて、別の案件のところのお話の中で、いろいろなところを精査する中で、その金額の間違いを市のほうで発見したというところから、事務の誤りというところで、私どもの事務の誤りで過大な金額を支出させていただいたというところが発覚をしたものですから、それに伴う事務をさせていただいたというところで、そこの部分については、認識の違いというか、事実はそういったところでございますので、まず御理解をいただければと思いますので、お願いをいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) この件につきましては、担当の教育委員会の担当課のほうから報告は受けました。これは議会の開会の前です。報道される前でした。 私自身、今のやり取りを含めて詳細なことは伺っておりませんでしたし、また、実際に申し出られた方がどういうふうな対応を指定管理者の雇用主となる方とやり取りされたかということも、その時点、私は承知しておりませんでしたので、改めて、後ほどの質問にも関連するかと思いますけれども、詳細を調査させていただいて、不適切なことがあれば、例えば指定管理者であるとか、あるいは職員側であれば、しっかりとそれなりの対応をさせていただく、そのつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 通報者からではなく、ほかの情報から間違いが分かったっておっしゃいますけど、それは本当なんですか。じゃ、第三者から出されたこともなかったということですか。第三者の方、口止めされたということ、私、聞き取っていますけど。 ○副議長(山腰恵一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 議員からの後ほどの質問にもありますとおり、増額をした部分の支給がされていないというようなお話をいただいたというところをもって、調査等をさせていただく中で、そういった過大な支出の誤りがあったということを発見したということでございますので、その誤りがあるということをその方から指摘をされたというわけではないというお話をさせていただいているものでございますので、お願いをいたします。 額が間違っていたところを御本人さんから指摘を受けたとか、そういったことはないというところでございます。お願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 私の調査とは全く違うんですけれども。 いろいろ市の職員さんとやり取りの様子も、私は伺わせていただいておりますけれども、一番最初というか、少なくとも、あちら側から市役所のほうへ、これ、何でこんなたくさん入っているのということを積算根拠も含めてお聞きして、会ってお話ししているはずですよ。それは、その職員さんにちゃんと確かめてください。そのときに箝口令をしかれたということもあるんですから、ちゃんとその辺を職員さんと聞き取りしてくださいよ。おかしいです、それは。 当該補正額については、議決後速やかに各施設に支出されたものと認識していますが、これ、今ほど事務局長が言われたお話ですけれども、支出先の飛騨高山まちの体験交流館において、被雇用者に給付されておらず、被雇用者から抗議が相次いでいるという情報を市民フォーラムから提供されています。その調査中に、新聞記事で同じ内容とその後の受託本社の給付意思を確認しました。 しかしながら、問題発覚以前は、給付を求める被雇用者に対し、域外本社の受託事業者は、その時点では給付を行わず、本社の社内留保とするという旨をはっきり従業員の方々に伝えたことも、私の調査で分かっています。 受託本社は、新聞で人件費として支払うべきだという市の考えを理解できていなかったと述べておられますけれども、そんなはずはないです。市は、議会の議決を前提としての変更協議書をもって、企業に金額を通知し、それを受けて、企業は市に請求書を宛てるといった手続の後、議会の議決を待って振込が行われたはずです。変更協議書に人件費増額分の記述がないはずはなく、請求書に同様の内訳記述がないはずもありません。 企業は、自ら人件費増額分と請求書に記述して、市から提示された金額を市に請求しているはずです。そうでなければ、公の文書として成立しませんし、公金の授受に関し、市がそんなずさんな取扱いをしたのなら、そのことをもって市を糾弾しなければならないというふうに思います。 受託企業は、市と協議を行って金額提示を受けています。人件費として支払うべきだという市の考えを理解できていなかったという言い訳は、逆に、自らの不正を秘匿しようとする、よくない一種の重層構造と認めざるを得ないと私思っています。 したがって、この件は、指定管理者側の指定管理料の意図的な目的外流用であり、個人に渡るべき金銭の中抜きは、労働基準法や刑法の業務上横領などにも抵触をするものではないかと考えています。 市側から相手側を見ても、明らかな公金の不正受給であり、刑事罰の対象にもなるものと考えますが、このようなコンプライアンスに関する行為に対し、市はどういった見解を持ってこの事件に当たっているのか、お尋ねをします。 市の施設の指定管理業務の中での事件です。市は一方の当事者であり、指定管理料は税金です。新聞でも指摘されていますが、支出してしまった後は市のあずかり知らぬことでは済まない大きな責任が市にはあると思います。状況把握や監督指導は当然の義務で、それについての見解もお聞きしておきたいと思います。先ほど市長はしっかり調査したいということをおっしゃってみえましたので、そこのところは期待をいたしたいと思いますけれども。 それから、この補正の審査では、中村委員の質疑に対し、林行政経営課長が非正規職員分の人件費であるというふうに答弁されましたが、変更協議書には、就労者の雇用条件の改善に御留意くださいといった記述はあるものの、非正規職員に限った記述はないということを聞き取りで確認しておりまして、さらに幾つかの施設に問い合わせたところ、市からは、非正規職員に限定したものとの説明ははっきり受けていないというようなことも聞いています。 そのことも含め、どの施設に対しても、市が積算根拠をしっかり伝えないがゆえに、公金の使途が不透明な事件となってしまったと思います。なぜわざわざ曖昧なやり方で、こういう一連の不透明な金銭の流れをつくってしまったのか。それについての弁明も求めます。これは、この件だけじゃなくて全体の中で言えることだというふうに思います。 ○副議長(山腰恵一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 指定管理施設の管理運営に当たりましては、市と指定管理者、双方の意識や考え方に差異が生じないように十分な意思疎通を図るとともに対等な協力関係の下で行うこととしておりまして、問題が発生する可能性がある場合は、早期に協議、対応することとしております。 今回の件につきましても、課題を認識した時点で、指定管理者様と協議を行わせていただきました。その結果、双方確認、理解の上で対応していただきまして、令和5年度の勤務時間に応じて一律のベースアップ分の手当を支払っていただいたという報告は受けているところでございます。 また、既に賃金の上昇に対応している状況がないか、給料の支払い状況についても確認をさせていただいたところ、賃金職員の時給が令和5年度中に増額をされておりましたり、令和4年度には支払われていなかった賞与が指定管理者独自の判断で支払われていたというようなことがありまして、雇用条件の改善が行われていたというところは確認したところでございます。 これらのことから、今回の件については、指定管理料の増額に対応していただいたものということを捉えております。ただ、議員さんがおっしゃられたとおり、しっかりその金額のところをお支払いくださいというようなところであるとか、そういった部分の確認について、怠っていた部分もあるかというところを思いますので、そういった部分は反省をさせていただいて、今後しっかり指定管理者と連絡を取り、意思疎通を図りながら、業務実施をしていかなければならないというところを思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) 今ほど議員から御指摘いただきましたように、今回の指定管理料の増額に当たって、変更協議というのをさせていただいております。その中で、やはり協議書の中では、明確に非正規職員にというような部分が確かに書いていない部分もございます。 やはりそういう部分は、担当部局には、その辺も含めて丁寧に直接のやり取りもしれということは言っていましたが、やはり文章だけでやっている部分もございます。そういう中で誤解があったり、適切な対応ができない部分もあったかと思いますので、その部分についても、市としても改めたいと思っております。申し訳ございませんでした。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 御答弁いただきました。 その後、受託事業者は、被雇用者に対する賃金反映を決めたということを先ほどもお聞きしましたし、新聞にも載っておりました。返還されたその残金、すなわち修正後の人件費増額分78万9,000円は、正しく、その後、従業員に給付されたのかを追跡調査しているかどうか、市のほうにお伺いしたいと思います。 改めて給付された金額を私は駄目元で従業員の皆さんにお尋ねをしたら、意外にも教えていただけましたけれども、その合計は35万1,765円。企業に渡った金額78万9,000円の半分にも満たないものでした。残りの43万7,235円はどう処理されたのか、把握をしておられますか。 人件費として請求され、人件費として市が支出した予算、使途を定める各種補助金と同様、他に充当しようとするようなことはあってはならない行為だというふうに思います。 なぜここまで来ても市の支出した予算が被用者に渡らないのか。本件については、その部分まで掘り下げが必要だというふうに思います。 現代社会において、コンプライアンス意識や税に対する公金意識及び経理や職場環境などに基づく企業体質の評価、これは、事業品質の評価を形成する大きな要素になっていると思います。本件に省み、市において、飛騨高山まちの体験交流館の指定管理受託事業者のコンプライアンス意識、指定管理料に対する公金意識及び経理や職場環境などを再度調査確認し、公有施設を管理する事業体としての信頼度や適格性をいま一度判断する必要を強く感じています。 また、その結果は、各種のルールに照らし、不当事実の存在を認めたときは、高山市公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例第10条及び基本協定第9章における指定の取消し等の適用など、毅然たる対応を持ってしかるべき案件だと捉えていますけれども、市の見解はいかがなものでしょうか。 ○副議長(山腰恵一君) 上田副市長。   〔副市長上田和史君登壇〕 ◎副市長(上田和史君) 今ほど御指摘のありました、今の体験交流館の市から増額として支払った額と実際に追加で支給された額の差ということについて、まずお話しさせていただきたいと思いますが、伺っておりますのが、今の御指摘の施設におけます人件費の増額分の対応といたしまして、一般論として指定管理者によっては、最低賃金が上昇した時点で既にその対応をされてみえて、要は、先んじて処遇改善を行った分については、今回の支給分の振替を認めておりますので、今の御指摘の事業者についても、年度の当初なのか途中なのか、ちょっと把握しておりませんが、私は、私どもから追加で出す以前から、既に処遇改善を行っていたと。ただ、私どもが支払ったその七十何万円に対して、そこまでの処遇改善はしていなかったので、差額については、最後に一時金として支給されたというふうに伺っているところでございます。 それから、その対応ですけれども、先ほど議員からお話のありました、例えば、例えばといいますか、給付を行わずに会社の社内留保にするというようなやり取りですとか、そういった指定管理者の方と従業員とのやり取りについては、具体的に事実確認をまだ行っておりませんので、そういったところもしっかりと確認をした上で、先ほど市長が申しましたように、しっかりと調査をいたしまして、御指摘のような対応も含めて、今後の対応については適正に対応させていただきたいと思いますし、御指摘のありました市の内部の対応についてもしっかりとちょっと調査をさせていただいて、また明らかにしていきたいと思っています。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 差額の使途については分かりました。また、いろいろな人のやり取りというのは、音声だけの時代はいろいろその場で消えてしまうのでしょうけど、こういう時代になってくると、いろいろなところにいろいろなものが残っているということもありますので、その辺をしっかり調査していただければなというふうに思っています。 そういうことを前提にして言うわけなので、ちょっと申し訳ない言い方になりますけれども、本件における受託事業者の対応から、その企業体質、先ほど言われたような人件費として支払われたものを人件費として支払うつもりはないといったような、そういった企業体質、これは業務品質を大きく損ねるもので、大変申し訳ないですけれども、この後の2の質問内容も含め、体験交流館に限っては、公有施設の管理を委ねる信頼性と適格性はどうなのかなというふうに受け止めています。 さて、少し角度を変えて市に確認しておきたいことがあります。 先ほどにまた戻るみたいですけれども、79万円のものを200万円で一旦支出して、6割以上を返還させる。もちろん計算間違いがあったと言いますけれども、計算間違いというにはあまりにも単純な事務で、優秀な高山市役所がこんなお粗末な過失を犯すものだろうかということが、私はにわかに信じられないんですよ。 一旦はかたくなにミスを認めずにそのまま済まそうとした。それは否定してみえますけれども、そういったこととか、事後策も含め、このことを知った第三者に口止めをしくといったようなことも、とても不自然過ぎる。情報提供者に対する冷ややかな対応も、これも本当に変です。 私は、何事につけ、監視という作業においては、先ほどの岩垣議員の言われたような、民間と誰かとの取引とか契約とか、そういうことじゃなくて、監視という作業については、性善説では務まらないというふうに考えています。 ましてや、権力も多くのお金も集中する行政機関に対する監視の責務を背負った者は、不適正事案は必ず起こるという前提で疑いの目から物を見て、初めてそこで機能が働かせるものだというふうに私は捉えていて、議員として為政者を見る場合、無批判でやり過ごすことは、むしろ無責任だというふうに、そういった思いが自分にはあります。 なので、こういうことを言うのは、本当は不本意なんですけれども、どうか怒らずに受け止めていただきたいですが、一連の不自然な対応というのは、市もしくは市の上層部に何か特別な恣意があって、あるいは、事業者との特別な口約束などがあって、意図的に不正な額を配分したというものでは決してないでしょうねということだけを確認しておきたいというふうに思います。これは、議員の責務として確認をしておくべきだというふうに思っていますので、お話をいただきたい。信じるに足る御回答をいただきたいと思います。 前回の定例会で、岩垣議員がある意味市長の疑念的な質問をされましたけど、それに対して、弁明できる機会をいただいて本当にありがたかったというような形で御礼を述べられる市長でありますので、私の大変失礼な問いかけにも、にっこりと感じとしてお答えをいただけるものと信じています。 ○副議長(山腰恵一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 逆に、そういった御心配をしていただくことに対して申し訳ないなというふうに思っております。全くそういう事実はございませんので。 今の指定管理者の方とは、職員時代から交流はございました。当然いろいろな意味でお話をしたりとか、ございましたけれども、それと、あと、これは正直に言わせていただきますが、私が立ち上げた会社というのは、その指定管理者の方が管理しておられるお店の2階を間借りしています。 だからといって、今回の事案に関して恣意的なものがあったということは全くございませんので、その辺は、逆に、今のこともお話しできて、先ほどの話じゃないですけれども、私としては感謝申し上げます。全くございませんので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 大変失礼なお聞きをして、申し訳ございませんでした。確認できましたので、お願いいたします。 1の質問を終わる前に、参考として少し指定管理の契約ということについてちょっと確認をしておきたいんですけれども、3月の林課長の御答弁で、協定を結ぶ際の積算において、正職員の人件費については、事務員21万6,700円、技術員24万900円、作業員19万500円を基礎額として算定する。そこに他の手当が加算されて、本人への給与月額となるといった説明がありました。 先ほど、増額というか、配付以前にもう既に給料がアップされていたのでというようなお話もありましたが、そうやって結ばれた協定の中での今の金額よりか低い金額で設定されていて、そこが増額されたとかということも、これは相手様の裁量なんですかね、解消とかというのは。 今の件に関してということではないですよ。指定管理の契約についてなんですけれども、いわゆる市で算定をする場合の一定の基準額よりか、低い金額で事業者さんが雇用者さんに賃金をお支払いしているというようなことは、こういうことがあった場合には、別にどうということはないことなんでしょうかね。 それと……。ごめんなさい。まだあるんです。すみません。2つ目なんですけれども、指定管理施設の職員として雇用された従業員が、指定管理料から支給される給料です。その管理施設以外の本社が持つ他の施設や事業に従事することを命じられると。理不尽を訴えると、雇用条件への影響を示唆されるというような行為は、企業が指定管理料を私的流用しているようなことにはならんのでしょうか。 これ、一般論としてお聞きをするんですけれども、その辺のこともお聞きしたいですし、3つ目なんですけれども、管理施設の指定管理料から親会社に移動する金銭の中に、親会社が雇用する社員さん、だけど、指定管理には直接タッチしていません。その本部雇用の社員さんの給与の一部が含まれるということは、これは名目として問題ないでしょうか。 また、本社のほうへ移動するようなお金の中に、不透明な事務経費というか、例えばコピー代が1枚200円も150円もするというようなこととか、そういった積算で本社のほうへお金が移動されていくということは、これは、いずれも企業の利潤としての間接経費に類するものと考えれば、そういう処理にすればいいことなんでしょうかね。 この3点、ちょっと教えていただきたいなというふうに思います。 ○副議長(山腰恵一君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) すみません、3ついただきました。 1つ目の指定管理者の方の賃金の単価とかが、うちの設定よりもどうこうということにつきましては、やはり指定管理というのは、ちょっと正確に言うと、契約じゃなくて協定を結ぶという中で指定管理料というのを定めます。定める中で、人件費に幾らとか、そういう使途というのは限定しないこととなっております。 そういう中では、うちが求めるサービス水準というのをしっかり担保していただいて、その中で、業務の効率化であるとか何かということで、人員体制であるとか賃金単価というのは、自由裁量ということになっております。 その中で、うちが賃金で設定したのに正職員でやられるというような、逆のようなこともやっていらっしゃる指定管理者もあるということでございますので、そこは御理解いただければと思います。 あと、2つ目の指定管理料からほかの方がみたいなことにつきましては、正確には、うちの指定管理業務に携わっている本社の職員とかがいた場合も、人工で計算するということは認めております。要するに、指定管理業務に携わっている業務量に応じて、人工で0.何人工分は指定管理料から支払いができるというようなことについては認めます。 3つ目の間接経費とか、本社職員が関わっていないのにというような部分については、それは多分認められない部分があると思いますし、コピー代とかについても、適正な説明ができる範囲ということにはなると思っております。 以上でございます。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 2点目は、そういうことじゃなくて、指定管理の仕事以外の本社業務を別給料でももらわずに命じられるのは、これはいいのかなということ。 ○副議長(山腰恵一君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) そういう形ですと、ちょっと認められる形にはなりませんので、お願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 高山市の場合、指定管理料に間接経費を認められていないので、利潤を得なければ、民間の企業は仕事をする意味がありませんよ。ですから、民間企業として様々な項目にそれを潜り込ませるというのは、ある意味当然のことだと僕は思っている。 以前、使途もそういうお話をしたときに、一般質問とかでですけれども、その辺りはある程度理解をいただいているように私は記憶があるんです。 しかしながら、そういうやり方は、在り方、本当に本来的ではなくて、間違いの温床にもなりかねないので、特に収益体質でないような施設に関して言うと、必要経費は積算根拠に基づいてかっちりとやはり算出をし、そして、不測の事態には今回のように速やかに対応をすると。企業利益分は、一定の計算式で間接経費として計上する。そういう方式で指定管理料を決定するやり方が、私は絶対的に透明性が高いと思っていますし、これは、ほかのところでもやっているところですし、指定管理協会ですか、何かそういった全国組織がありますけど、そういうところから要望が来ている話でもありますよね、総務省かどこかに。 なので、以前もそういうことを言ったんですけど、再度またそういうところのちょっと御検討をお願いしたいなというふうに思っています。 ちょっと余談ですけれども、自分の通告を見て匿名の方から励ましの連絡をいただいたんです、どなたか本当に分かりませんけれども。 まずは、よく切り込んでくれたというところから始まっているんですけれども、指定管理225施設、賃金のほか、指定管理料、会計処理、口座管理など、適正な運営がなされていない施設は、体験交流館だけではない。設置者として、市の監督責任は歴然とあるにもかかわらず、市は厳しい指導監督ができず、指定管理者は市をなめている。ちょっと言葉は悪いですけれども、そう言われたので、なめている。 なぜなら、なれ合いになって、互いに目をつぶり合っているから。団体申請が基本だが、認可後は、個人でワンマンで管理運営する独裁体制になっているものもある。各種書類は、形式だけで、公益に反し、個人利益を優先している。異論を唱えると冷遇されるというものです。もちろん225施設のほとんどは優良な運営管理という中でのお話です、これは。 公民のため、公益のため、倉田議員、頑張って闘えということでしたけれども、頑張らないかんと思っていますけれども、この人の言葉を借りれば、なれ合い関係抜きでできるのであれば、今回の事件を契機に、表面づらだけでなくて全施設の本当の内情みたいなものを調査していただければなということは思います。 私は、今は新たな公益通報情報を探していきたいなというふうには思っていますけど、そんなふうです。 2の質問に移ります。 公益通報者の保護に関し、市役所内の現行体制や取組の状況と空気感の醸成及び指定管理施設の職場環境の監視と内部への責任ある立入りについてと通告いたしました。 様々な媒体で公益通報者をどう守るのかといった視点が取り上げられています。それらによると、公益通報者保護法があるにもかかわらず、公益通報者の約3割が通報したことで不利益を被ったという訴えが各地で起きていると言います。 国は、企業が企業内の不正を早期に発見して、従業員と企業自身を守るため、組織内において不正行為に関する通報、相談を受け付け、調査、是正する内部通報制度を企業内部に設置することを奨励しており、既に積極的に取り組んだ民間企業では、むしろ通報を奨励することにより、企業体質や働き方の改善につながって業績もアップしたとの報告があるとのことです。 地方公共団体に対しても、国は、通報対応のガイドラインを示し、窓口の設置や対応業務従事者の配置や育成を進めています。ただし、これについては、既存の市民相談窓口で対応するといった形骸ではなく、様々な方面からの干渉を受けずに調査、判断が行える環境でなければ、設置の意味はないというふうに私は思います。 高山市役所内における公益通報者保護の現行体制や取組状況はどうか。また、平素より幹部が進んでその空気感を醸成させていくことが何より大切だと考えますし、加えて、通報の内容に関しても外部に開かれなくては、結局は、隠蔽の温床になる可能性は高いというふうに感じます。その見解も併せて御答弁を求めたいというふうに思います。 ○副議長(山腰恵一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 市職員の公益通報制度の体制につきましては、市内の事業所労働者の皆様と同様に、独立した行政機関である監査委員会事務局に設置はしております。同事務局、その事務局の職員に通報や相談を受け付けていただくという体制に一義的にはなっております。 監査委員事務局においては、公益通報者の保護法に基づいて、職員が内部通報したことを理由として懲戒処分のほか、不利益な取扱いとならないこととしておりまして、通報者の保護を徹底しながら相談体制を整えているというところでございます。 また、職員の不祥事防止対策マニュアルにおいても、不祥事等を発見した場合の内部通報などについて明記して、職員に対して周知を行っております。 私としましては、公益通報は組織や行財政運営の健全化のために、正義感と勇気を持って相談や通報いただくものであることから、公益通報制度をいま一度周知させていただいて奨励をするとともに、その通報者の方が不利益な取扱いがあってはならないというふうに考えております。 制度がしっかりと運用されるためには、日頃から、私を含め上司に相談や報告ができる風通しのいい職場づくりや隠蔽にならない、本当に本来であれば、通報されるというよりも、自ら、もしそういった法令に違反するようなことをやってしまったということであれば、自ら申し出るというのは、私は一番理想だと思っておりますけれども、なかなかそれがいかない場合は、恐らく周りの気づいた方がやっていただくという制度でありますので、そういった風通しのよい職場づくりや隠蔽につながらない組織づくりが重要であるというふうに認識しております。 ただ、萎縮し過ぎて仕事ができないとか、そういったことにもならないようなことについても気をつけなきゃいけないというふうに思っております。 また、職員から不適切な事案の報告や通報があった場合には、通報者の保護を図りながら、しっかりと事実の調査確認や対応について、庁内でしっかりとやらせていただいて、問題の是正や解決に向けて組織として対応してまいりたいということを改めて申し上げます。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) ありがとうございました。 企業において、様々な不正が発覚するニュースに触れるたびに、内部でなければ知り得ない情報がやはり多くて、内部通報によるものもあるだろうというふうには推測していますけれども、今言われたとおり、そのおかげで公益の保全でありますとか、あるいは体質改善につながるといったようなメリットがあるわけで、できれば全ての企業で公益通報者を守ることに取り組んでいただくべきだというふうに私は思っていますけれども、それを市役所内でも今やっておられる。今、言われたようなことで、もちろんすばらしいんですけれども、市という機関が市内全企業に働きかけていくといったようなことについては、これはちょっと条例でも何かなければ難しいことなのかなというふうに私は思っていて、今それを求めるというつもりは実はないですけれども。 ただ、現況でも、市が契約行為を行う指定管理者制度にあっては、市有施設の管理を中長期的に請け負う相手方に公益通報者の保護を求めるといったようなことは、これは、今や基本的な概念であるとともに義務的な基準でないかなというふうに思います。それができていない企業は、事業品質も低評価に値するというふうに思います。 市の公契約条例には、労働者の通報に関し不利益な取扱いを禁じている条項も存在しまして、6条から12条、そんなふうでありますので、指定管理協定にあっては、市は直接の当事者でありますので、通報事例の有事については積極的な関与を行い、適切な指導を行う責務が指定管理者の受託者のほうに向けてもあるはずだというふうに思っていますけれども、市はその辺をどう考えられるのか、お尋ねしたいと思います。 ○副議長(山腰恵一君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) 指定管理施設に関する公益通報が行われた場合の通報者の保護ということにつきましては、施設の所有者、設置者である市の責務として、しっかり当該指定管理者に対して、公益通報者保護法に規定されているように、通報者の解雇やその他不利益な取扱いということが行われないよう求めていく必要があると考えているところでございます。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) ただいま、指定管理事業全体においての問題提起を今させていただきましたけれども、実は今、完全に深刻な事案があることを市に御報告しておきたいと思います。1つ目の質問の飛騨高山まちの体験交流館の案件です。 指定管理料の人件費分の増額の事案に関し、市に間違いを報告し、スタッフへの正当な配分を求めた施設責任者が受託企業本社より不当な扱いを受けています。 公金の使用を正す提言を企業上層部が受け入れないがゆえに、従業員を守り、企業が公金の不正受給とならないよう、市や他人に相談した館長の行為を、親企業は企業に損害を与えたとして館長に解雇通告を出しました。 要らないことをするから、もらえるものがもらえなくなったといった驚くべき発言や、通報者はせっかく業績を上げていて評価が高かったのに、外部に漏らしたことがアウトといったような責めを受けてのことであるというふうに聞いています。 しかも、通報者に味方をして解雇に抗議した他の従業員に対しても、退職をほのめかす言動やハラスメントがあるというふうに聞いています。 これは、現代社会の労使関係において、あってはならない極度のパワハラで、絵に描いたような不当行為だというふうに私は捉えています。公益通報者保護法に完全に違反しています。この状況を市は把握しておられるでしょうか。 先ほど言われましたように、市はしっかり関与し、状況把握や法令に沿う指導をきちんと行い、弱い立場の公益通報者をしっかり守っていただくことを強く要望したいと思います。対処についての考えを聞きます。 指定管理の手続条例第10条、基本協定第9章、そして、公契約条例などを根拠に、指定期間満了以前の指定の取消し等のルール発動もあり得る状況であることは、先ほども述べさせていただきました。その要因に公益通報者保護法違反に伴う労働環境の保全といったことに関する義務違反というようなことも加えられるのではないかなというふうには思っています。お話を伺わせてください。 ○副議長(山腰恵一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 今回の事案におけます議員お話しの件でございますけれども、当該指定管理者の方には、内容確認と協議をさせていただいた際に、そういったお話をしていただいた方に不利益な取扱いがないようにというようなお話はさせていただいたところでございます。
    ○副議長(山腰恵一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 先ほど私も言いましたけれども、今回の指定管理料のかさ上げ分の使途についてであるとか、それがどうしてそういう計算になったとか、それに基づいて今御指摘の内部通報者と言われるような方が不当な扱いを受けたということであれば、しっかりと調査をさせていただいた上で、もし法律に違反するような、例規に違反するようなことがあれば、指定管理の契約の破棄も視野に入れた中で対応はしていきますので。 もう一度申します。今回のかさ上げについては、指定管理のところで働いておられる従業員の方々、それを思って市がやったことです。それが適切に反映されていないということであれば、制度設計が悪かったのか、それか、指定管理の本当に単なる通知が悪かったのか、それはいろいろあると思いますけれども、それを含めて、不本意でございますので、そのことにつきましては、私としてもしっかりと受け止めさせていただいた上で、適切な対応を取らせていただきますので、また、そのことにつきましては、議会のほうにも御報告はさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(山腰恵一君) 倉田議員。 ◆19番(倉田博之君) 御答弁いただきました。 今後は、市が指定管理事業者と契約を交わす際には、少なくとも公共施設の管理、先ほどしっかりした御答弁いただいていますので、それでいいのかなとは思っていますけれども、公共施設の管理に関わるその事業体の品質チェックの1つの要素として、しっかりやはり公益通報に対する企業体質といったものも評価基準に加えておくべきなんだろうなというふうに考えています。そういったことを市に求めて質問を終わります。 以上です。 ○副議長(山腰恵一君) 以上をもって、倉田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(山腰恵一君) 休憩します。     午後2時34分休憩  ――――――――○――――――――     午後2時45分再開 ○議長(渡辺甚一君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(渡辺甚一君) 次に、片野議員。   〔7番片野晶子君登壇〕 ◆7番(片野晶子君) 通告に基づきまして、大きく3つの内容について一般質問をさせていただきます。 まず、全ての子どもたちの幸せを願って、1つ目、不登校児童生徒や保護者の安心のためにできること。 昨年10月には、令和4年度の不登校児童生徒数が全国で30万人という報道がなされ、テレビや新聞、連日、対応や現状で報道されることが増えてきました。身近に、学校に行っていない、何とか行っている、そのようなお話は、私の仕事柄もあるかもしれませんが、かなりの確率で耳にいたします。 先日も、たまたま別件でお話ししていた70代の方が、近所に学校に行っていないお子さんがいる、朝、おなかが痛くなるそうだ、でも病院へ行っても原因は分からないとお母さんが困っておられた、そんなお話を聞かせてくださいました。 今年初めには、文部科学省選定の『夢みる小学校』、『夢みる校長先生』というドキュメンタリー映画の上映会のお手伝いをしましたが、参加者のアンケートから、半分は50代以上の方の御参加であったことに驚きました。帰り際に、孫が学校に行けていないんですと声をかけてくださった方もみえました。 令和6年5月時点での、不登校児童生徒及び学校が登校に配慮を要する児童生徒の数や状況はどのようでしょうか、教えてください。   〔7番片野晶子君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 令和6年5月時点の取りまとめがまだできておりませんので、申し訳ございませんが、3月末時点の数値で御答弁をさせていただきますので、お願いをいたします。 令和6年3月末時点の不登校児童生徒数につきましては、小学校が64名、全体の1.56%、中学校が109名、4.68%、合計で173名で、全体の2.7%となっているところでございます。 また、登校に関して学校の配慮等を要する児童生徒数でございますが、小学校で59名、1.44%、中学校で51名、2.19%、合計110名で、全体の1.71%となっているところでございます。 昨年、令和5年3月末の状況と比べますと、不登校の児童生徒数は、小学校では22名の増加、中学校では5名の減少となっているところでございます。 傾向としましては、小学校1、2年生の低学年における不登校について、一昨年より増加の傾向が見られるといったところでございます。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 正確な人数を教えていただき、ありがとうございます。 娘が不登校だった15年前とは、学校、地域、家庭などの周りの理解と協力体制は、随分と変わってきていると感じております。 ですが、一方で、不登校になるのは親の育て方が悪い、わがままなのだから力ずくで行かせるべきだ、というお考えをお持ちの方もいらっしゃるのは、仕方のないことなのかなと感じるところもございます。 ですが、学校に行きたくないというお子さんと継続的に向き合ったことがある保護者の代弁をすれば、それはあまりにも現状とは違っております。 学校へ行くことが当たり前であるという今の状況の中で、行かないということに対して、初めは、なだめたり叱ったり、言葉を換えて、何とか行けないか、親は向き合うことになります。相談を受ける中では、この時間が本当につらいとおっしゃいます。 精神的にはもちろんですが、朝、学校への連絡もしなくてはいけない、自分は仕事に行かなくてはいけない。子どもは泣きじゃくるか、貝のように黙るか、動かない。 私も、無理やりランドセルを押しながら、片手をぐっとつかんで、学校に歩いていたことがございます。校門に入る前に手をぱっと振り払われて、走って逃げていく娘を、周りの目を気にしながら追いかけたこともあります。 保護者が学校まで車で送って、無理やり中から引きずり出される光景も、何度となく見たことがあります。 どうしても学校には行けないから、明日は行くんだよと言って、その日は諦める。そしてまた次の日も、朝、起きてこない、怒る。朝から学校に行かせるための闘いが始まる。そして、それがまた次の日も続きます。 そんな日が毎日毎日続く中で、子ども自身に元気がなくなってきます。御飯が食べられなくなる。部屋から出られなくなる。おなかや頭を痛がる。そんな中で、毎日向き合う親は、学校に今行かせるのは無理かもしれないと思うようになる。 でも、少しでも学校に行ってほしいから、給食だけは食べに行かないか、普通の同級生は、多くの同級生は行っているんだから行かないか、この教科だけは行かないか、日々声をかける。やっと学校に行ったと思えば、途中で、迎えに来てほしいと学校から電話が来て、迎えに行かなくてはいけない。 この行事なら参加できそうと言えば、仕事を休んで付き添う。行くと言ったのに行かなくて、子どもに八つ当たりしてしまう。 自分のことは後回しに、学校にどうしたら行けるか、少しでも行けるように母親は頑張るわけです。学校に行くのがよいことだし、当たり前のことだから。 NPO法人キーデザインは、2020年より運営する子どもの不登校に悩む保護者向けのLINE相談窓口を通して、アンケート調査をし、その結果、子どもの不登校をきっかけに、7割の親の仕事に影響したという報告をしています。退職したという回答が14.8%、休職したと回答した人が6.0%、その結果、収入が減ったという回答が37.8%というデータもございます。 でも、なかなか誰にも、相談はしにくい現状がございます。相談体制はもちろんつくっていただいておりますが、実際、家庭内の夫婦げんか、祖父母との摩擦、ましてや、経済なことなどは言いにくいし、学校のことを学校で相談するというのも、実は相談しづらいと保護者の方は言われます。 あなたが行かせないからでしょうと思われるかもしれない、○○ちゃんは泣いてでも行かせた、こうしたら行くようになった、そんな話を聞けば、私のやり方が悪いのだと、ますます追い打ちをかけてしまう現状を肌で感じております。 学校からも、当然、一緒に過ごしたいという先生の御配慮で、行事や、いろいろなお誘いをもらうけど、そのたびに、行きたくない、行けない子どもと、また、家庭との板挟みになっておられます。本当につらいのは我が子のはずなのに、はざまで、保護者も本当に悩んでいます。 先ほど教えていただいた、高山市の不登校児童生徒の数と、それから、配慮を要するお子さんの数、283名ということでしたが、そのお子さんに御両親がおられる、そして祖父母の方がおられる。単純に計算して、2倍から5倍の市民が、この不登校という問題で悩んでおられると推測いたします。 そこで質問いたします。 市でも、スクールカウンセラーの配置や、であい塾、学びの多様化教室「にじ色」の開設など、対応してくださっていますが、不登校児童生徒は毎年増加しております。 1年後の状況をどのように予測しておられますか、教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 1年後の状況の予測というところでございますので、まず、ここ数年間の不登校児童生徒数の推移を少し御説明させていただきたいと思います。 不登校児童生徒数を、小中学校別の近年の推移を述べさせていただきますと、小学校では、平成27年が16名、全体の0.32%、平成28年が17名、平成29年が18名、平成30年が26名というような形で、微増でありますが、年々増加というところ。 令和に入りましても年々増加をしておりまして、直近の2年ので言いますと、令和4年が42名で0.99%、令和5年が64名で1.56%となっておりまして、こちらは年々増加している状況というところでございます。 中学校におきましては、平成27年、94名で3.31%という数字でございますが、平成28年には68名というところで減少、平成29年も61人というところでさらに減少しておりまして、平成30年が69人で、ここは増加したというようなところでございます。 令和に入りましても、小学校と比べて、数、割合等は多い状況は続いているところでございますけれども、人数につきましては、令和4年が114名で4.81%、令和5年は減少しまして109人、4.68%というような数字になっておりまして、中学校については、年々増加しているというような状況は、言い切れないというようなところでございます。 このような状況でございますので、1年後の状況の予測については、非常に困難というところでございますけれども、人数、状況に応じまして、適切に対応はしてまいりたいというふうに考えておりますので、お願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) なぜこのような答えにくい質問をしたかということなんですが、まず、教育委員会として、この不登校という今の現象を、状態をどのように捉えて、どのように向かっていかれるかなという御姿勢をお聞かせいただきたかったので、質問をしました。 不登校という、高山市だけではない、全国で増えているわけで、これが今の1つの子どもたちの状況である、また、学校現場の状況であるということを、今から質問を通してまたお聞きしたいと思います。 これまでも不登校を問題として、一般質問もしてきたわけですが、不登校児童生徒の究極の問題は何でしょうか。私は、不登校そのものは問題ではなく、不登校で悩まなくてはいけない状況があるということだと感じております。 一時的に学習が遅れるかもしれない。体力が落ちるかもしれない。コミュニケーションが取れないかもしれない。でも、学校に行けないことを、行かないことを一旦受け入れてもらうことで、自らの願いを持った子どもたちはたくましく生きていく。実際、学校に行かなかったけど、たくましく、人生を豊かに生きている人はたくさんいます。 私が、不登校児童生徒のお子さんや保護者の方と向き合い、できることから取り組む中で、見えてきたことがあります。それはきっと、この不登校のことだけではなく、全ての、課題と捉えられることに対する視点であると感じています。 それは、目の前の問題への対処と、根本的な解決のための対応の、2つの、同時の視点で取り組む必要があるということです。 お茶がこぼれたら、こぼれたお茶を拭くと同時に、倒れたコップを立てる必要があるように、今、学校に行けない、行かない子どもたちのために、その学びを保障するための環境として、にじ色や、であい塾、また、民間のフリースクールは重要な存在です。それは、そこに通うお子さんにとってはもちろん、そして、様々な理由で通えない、通わないお子さんにとっても、学びの形や居場所は学校だけではないというメッセージになります。 また、様々な理由で、どこにも通うことができないお子さんにとっては、ホームスクーリングやオンライン学習なども進めてくださっていると思いますが、様々な学びの場を含め、居場所、そして多様な学び方を、今後さらに踏み込んで進めていく必要があると感じております。 フリースクール、また、にじ色、であい塾。これは、教育全体から見たら、私は、対症療法であり、根本的な解決策ではないと感じています。 なぜ不登校児童生徒が増え続けるのか。子どもたちに原因を求めるだけではなく、学校教育の在り方そのものを見直していくタイミング、いえ、チャンスなのではないかと考えております。 その学校改革に向け、取組をしている学校は全国にあります。不登校やいじめをきっかけに、今学校に通っているお子さんたちも、そして、全ての子どもたちが、学校が楽しくなる、通うことが楽しい、そんな日々になったら、人生というものに希望を持って生きていけるはずです。 我慢をすることが教育の目的ではないはずです。不登校や、行き渋る児童生徒に原因を求めるばかりでは、見えてこない。現在増え続けているという、現状をチャンスにするには、何に今苦しんでいるのか、その声に耳を傾けていく必要があります。 日々、現場の先生方、また、教育委員会の先生方の御努力を否定するつもりはありませんし、むしろ、大変な御努力をしておられることを現場の先生方にも聞いております。 ですが、現状、こんなお話もあります。 学校に遅れて、親が送り、プリントをもらって帰ってきた。そんな場合は、早退・遅刻で出席扱いになると聞いています。また、教室には入らず授業は受けていないけど、別室で過ごした場合も、学校に登校したわけですから出席になります。このような学校との関わり方をしている児童生徒は、30日以上の欠席でなければ、不登校児童生徒の数には含まれません。 そんな、その状況は、親御さんにとっては、プリントをもらいに行けた、別室で過ごせたという、家にいるよりはずっとよかった、先生たちからも、顔が見れてよかったということになります。だから、少しでも学校に行くこと、行けたことが評価されることになります。 でも、学びの主体である、子どもたちにとってはどうなのでしょうか。学校に行きたくても行けない……。もちろん、行きたい、少しでも行きたいと感じているお子さんにとっては、少しでも行けたことに自信と喜びがありますから、出席になることはうれしいことかもしれませんが、一方で、とにかく今はしんどい、学校の教科書を見ることすらつらいと感じているお子さんにとっては、無理やり車に乗せられ、正直、見ることもない、たまったプリントをもらってくることは、プラスになっているでしょうか。どんな学びになっているでしょうか。 また、行かないと選択をした児童生徒にとっては、見ることもないプリントをもらってくることに、本当に意味はあるのでしょうか。 そんな、一人一人の子どもたちがどう感じているのか、その視点を持つこと、そして、それを私たち大人が受け止めることで、子どもたちの心や状況に、初めて変化が見えてくると感じております。 そうか、今は行きたくないんだね。今は何がつらいか分からないんだね。給食だけは食べに行きたいんだね。中には、一見わがままなのではと感じることも、まず受け止め、対話を積み重ねていく。 ひょっとしたら、一番向き合っていただきたい現場の先生は、そんな余裕は持てないのかもしれません。それもぜひ、先生方に聞いていただきたい。忙しくて余裕が持てないのだったら、どうしたら余裕が持てるようになるのか、現場の先生の声を聞いていただきたい。 児童生徒一人一人が、人生の主人公です。だから見守ってあげることで、勝手に次の目標を持ち、気づけば、ひきこもり、昼夜逆転していたお子さんが、毎日、一日学校へ通うようになったという事例もあります。大切なのは、自分で決めることだと感じております。 先ほど紹介しました『夢みる小学校』のドキュメンタリー映画は、公立小学校、中学校、民間のきのくに子ども学園の取組が紹介され、その中には、生き生きと目を輝かせる子ども、そして、そんな子どもたちを温かく、優しいまなざしで見つめる先生や、大人たちの姿がありました。 今の教育の枠組みの中で、いろいろな可能性があるということ、いろいろなことができるということを見せていただきました。 高山市の先生方が、もっとゆったりと働き、本来、お持ちの力を発揮できる職場となりますこと、これからも考えていきたいことの1つです。 では、3つ目の質問に移ります。 不登校児童生徒の意思について。学校に行きたくても行けない、学校に行く意思はないなどと、多様であると思うが、教育委員会は児童生徒の状況を把握しておられますか。 また、学校に行かない選択をした、いわゆる民間スクールや居場所で過ごす児童生徒が全国的に増えている状況と、市の状況を、どのように考えておられますか。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 不登校児童生徒の把握と、学校に行かない選択をしている児童生徒についてお答えします。 不登校児童生徒の把握につきましては、各学校は、毎月、心のアンケートで、児童生徒の心の変化や困り事、いじめなどについて把握し、問題が深刻化しないように努めています。 それを受け、毎月、各学校から、不登校傾向の児童生徒について、学校に行きたくても行けない、学校に行く意思はないなどを含め、一人一人の様子や、その対応等を教育委員会へ報告されています。 また、急な欠席が続き、気になる場合は、その都度、教育委員会へ報告、相談があります。 次に、学校に行かない選択をした児童生徒は、全国的には増加傾向ですが、高山市においては、令和4年度は11名、令和5年度は10名となっており、大きな増減は見られません。 今後につきましては、早期発見、早期対応などで深刻化しないように努めるとともに、専門医療の力を借りながら、学校、行政が連携した、医・学・官の組織的対応の可能性を検討しているところです。 また、専門医療からも、要因は多様で複合的でありますが、学業不振から入ることが多いとも聞いておりますので、常に、どの子もが分かる、楽しい授業に心がけてまいります。 なお、学校に行かない選択をした児童生徒については、現在実施しているオンラインでのつながりに加え、さらに精度を上げたメタバースによるつながりを検討しているところです。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 今、心のアンケートというお話がありました。これは、全員に行っているものですか、それとも、不登校傾向のお子さんに対してアンケートを行っておられるのでしょうか。教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 心のアンケートは、全児童生徒を対象としたものになっています。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) ありがとうございます。 毎月ということでしたので、形骸化しないように、ぜひ本当に必要な声を、子どもたちが、ああ、またか、みたいなことにならないように、必要な、またやり方も見直していただきながら、本当に子どもの声に寄り添っていただく。酌み取っていただく。 学校に今は本当に行きたくないと思っている、学校へ来ていないお子さんの声、それから、行き渋っているお子さんの声を、ぜひ酌み取っていただくと、案外、子どもたち、それだけでも元気になりますし、学校へ行ったほうがいいんですが、今は無理だねって。担任の先生も、今はしんどいんだねって。そこで、何ができるかという、次の対策が見えてくると思うんです。 だから、不登校を問題視というよりは、私は、そんな、受け止めていただける体制をということをお伝えしたいなと思っております。ありがとうございます。 あと、学業不振でというお話がございましたが、やはり1日学校を休んでしまうと、今、一斉授業でどんどんどんどん、1回休んだことで、1日お休みするとついていけなくなるというような、そういう状況も子どもたちからは聞いております。 それは仕方ないことではありますが、それが1週間、病欠の場合もですが、そこがうまくまた補完、補習していただけるようなことも、あるとよいのかなと思って、今お話を聞きました。 昨年度立ち上げた不登校対応連携会議について、今後の方針や、次回開催について、どのような議論があるか教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 今後の不登校対応連携会議についてお答えします。 高山市教育委員会が開催する不登校対応連携会議は、現在、こども未来部、市の施設である学びの多様化教室「にじ色」や、であい塾、そして、フリースクールを開設している民間団体の代表で構成し、お互いに情報提供をしながら、自分に合った居場所を求めている児童生徒について考えていく組織です。 会議は、年に2回の開催を予定しており、昨年度は、にじ色や、であい塾及び2つのフリースクールの活動内容をまとめたチラシを作成し、不登校の児童生徒や保護者に周知してきました。 今後の見通し、予定としましては、児童生徒の一人一人の自分に合った居場所を選択できるよう、さらなる教育環境の充実と整備に向けて、情報を共有しながら進めていきたいと考えています。 なお、今年度は、県でも、同様の会議を予定し、県内の施設代表者に周知すると伺っております。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 全国的にも、教育委員会、それから、こども未来部、そして、民間のフリースクール等が連携した、このような会議はまだ少ないと思っております。ぜひまた、今年度も続けていただけますことを感謝申し上げます。 先ほども申し上げましたが、子どもたちの今の不登校の問題、対処的には、子どもたち一人一人の学びを保障すること、そして、もっともっと大事なのは、不登校であっても、学校に行けなくても、行きたくないと思っても大丈夫だよというメッセージを、親御さんにも、子どもたちにも伝えていく必要があります。 それは、根拠がなく大丈夫だよではなく、今、大人になっておられる方の中にも、学校に行けなかった、こんなつらい時代があったけど、今こんなふうに働いている。そんな人たちも大勢おられること、それは確かなことでございます。ですので、そんなメッセージも伝えていけたらなと思っております。 今すぐやらないといけない対症療法と、そして、継続的に伝えていかないといけないのは、今申し上げた、大丈夫だよ、行けなくても大丈夫だよということ。 そして、その上で、子どもたちが何を求めていて、そのために何ができるのか、今お話しくださった不登校連携協議会などで、子どもたちのために話合いを進め、そして、子どもたちが生き生きと学び、育っていけるような世の中をつくっていきたいものです。 子どもたちが何を求めているのか、そんな子どもたちの話を聞くことは、わがままなことなのではないか。もっと教育は、上から、大人がしつけをしたり、教えたり、その対象なのではないか。そんなお考えもあることとは思いますが、日々、子どもたちに向き合っている実感としては、子どもたちは学びの主体であり、一人一人の人生の主人公であるということです。自らが求め、学びたいことに対しては、本当に貪欲に向かっていく力を持っています。 現在、高山市では、常設のフリースクールは1つのみ。今のところ、新たに生まれてくるお話は聞こえてきません。フリースクールを立ち上げることはなかなか労力の要ることで、岐阜県内でも、県のホームページに載っているのは、令和3年の資料として、14校という状況です。 その状況の中、フリースクールというカテゴリーであっても、活動の内容は様々であり、教育委員会としては、どのような団体と連携していくのか、なかなか難しいのだということを、その現状も見えてきたところです。 そうした中で、居場所というカテゴリーにおいては、全ての子どもたちに、そして、子どもたちにとって学校に行けない、行かないことで、大切な育ちの時期に自己卑下をしたり、つらい思いをしたりすることがないよう、居場所の環境整備は急務です。 そこで、こども未来部も、不登校児童生徒の居場所づくりに取り組むべきと考えます。そのために、まず、児童生徒の実態を調査する必要があると考えますが、どうでしょうか。 その調査を基に、居場所づくりについて、民間団体との連携協議の場、協議会など、こども未来部にもつくるべきと考えますが、どうでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 瓜田こども未来部長。   〔こども未来部長瓜田清美君登壇〕 ◎こども未来部長(瓜田清美君) 居場所づくりにつきましては、不登校児童生徒に限らず、子どもたちが心から安心でき、また、自分らしく過ごせるような居心地のよい場所や、心のよりどころとなる関係性が持てるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 そこが安心できる居場所かどうかは、子どもさん自身が決めるものであり、また、様々な要因によって学校の環境に合わない児童生徒の居場所づくりなど、個に応じた支援が求められていると認識しております。 先ほど来、教育という立場からも答弁があったように、教育委員会や学校等において一人一人の状況を把握し、子どもに寄り添いながら、丁寧に、また継続的に対応していただいております。 市でも、今年度、こども未来部を立ち上げ、こども家庭センターに教育委員会の指導主事を兼務とするなど、これまで以上に、教育委員会部局と一緒になって、切れ目のない支援に取り組んでいるところでございます。 また、現在、新たなこども計画、仮称でございますが、こども計画の策定を進めており、子どもの居場所づくりは大きなテーマの1つと捉えております。 市が設置します支援員等を置きました様々な居場所のほか、地域でも、学校以外で子どもの育ちを支える場を担っていただいているまちづくり協議会や、民間団体等が運営するサロンや子ども食堂、フリースクールなど、多様な居場所づくりの取組が行われております。 こども未来部としても、今ほどありましたような、不登校対応連携会議に関係する民間団体とともに参画しており、また、議員御提案の連携協議の場に限らず、子どもや保護者など当事者のニーズをしっかりと把握し、様々な支援者の方々と連携を深め、官民で手を携えて、子どもたちの健やかな育ちを支えられるようより一層取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 居場所は子どもにとっては大事である、そして、子どもが必要とする場をつくっていこうという、今の思いを聞かせていただきまして、大変これからの動きに期待をしております。 空き家や公民館など、地域のお年寄りが地域の子どもたちと交流できるように、子育て中のママも気楽に来れるように開放すれば、お年寄り、子ども、子育て中のお母さんにとってもプラスしかなく、お金もかからないのでは。そんな考えも、安易過ぎるのかもしれませんが、どうか、どうしたらできるかという視点で、またよろしくお願いいたします。 2つ目の質問に移ります。 前回の一般質問では、WHOが進めようとしているパンデミック条約について、IHR改正について、市が持っている情報などをお聞きしました。 WHO年次総会では、国際保健規則(IHR)改正案については、先日の総会で合意。パンデミック条約については、各国の間での意見の隔たりが埋まらず、交渉期間を最大1年延長されたと、6月2日のNHKニュースと朝日新聞デジタルで知りました。 この動きの中、国内では、5月31日に日比谷公園で、日本人100万人プロジェクトとして、大規模なWHO脱退のデモがあったようですが、主要メディアでは報道をされておりません。私はツイッターでたくさんの映像を見たところです。 さて、今回は、地方自治法の改正案です。 先日、新人議員研修に行かせていただきました。その中で、大変印象に残った講義の中で、国から下ろすとか、国に上げるとか、そういう言葉は使わないように、地方自治は国と対等であるということを意識してほしいという、新潟大学副学長、経済科学部、宍戸邦久教授のお話でした。 5月30日、感染症や重大な事態が発生したときに、国が自治体に必要な指示ができる特例を盛り込んだ、地方自治法の改正案が衆議院本会議で可決され、参議院に送られました。 この地方自治法の改正案は、感染症の蔓延や大規模な災害など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合に、個別の法律に規定がなくても、国が自治体に必要な指示ができるとした特例を盛り込んでいます。 指示を行う際は、あらかじめ、自治体の意見の提出を求める努力をしなければならないとなっています。 そこで質問です。 大規模な感染症の事態に、国が、閣議決定のみで、自治体へ対応を指示できるようにする地方自治法改正案について、地方側から、国と地方の対等な関係が損なわれるなどといった懸念が出され、全国知事会が、現場の実情を踏まえた指示となることなどを求める意見書を出しました。 この内容について、市長の考えを教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今の改正案については、今、議員が御紹介いただいたとおりでございまして、特に議論となっていますのが、補充的な指示を行う想定外の事態というのが、具体的にどのような範囲まで適用されて、その範囲や指示の内容によっては、国と地方の対等な関係が損なわれるおそれがあるのではないかということであると私は考えております。 私としては、今、衆議院に送られて、参議院で審議されているということはございますけれども、法案が可決、施行された場合は、全国市長会が加わる地方6団体、いわゆる都道府県と市町村レベルの市長、議長でつくっている団体、それが6つあるわけですけれども、そこは、今、国と協議を行っていますように、国の補充的な指示については必要最小限度の範囲として、現場の実情を適切に踏まえた措置となるような、事前に、地方に対して、適切に協議であるとか調整を行う運用とすることを望んでいるということでございます。 国も、その辺りは、慎重、丁寧に対応されるということを考えています。そう願っていますけれども、今回の法案の動向であるとか、国が示される具体的な運用方針などを注視して、必要に応じて、ほかの自治体の首長さんと一緒に連携して、適切な対応を国に求めてまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 市民に一番近い市町村のまちの状況を見て、適切な判断をするということは、とても重要なことであり、市民の安心・安全につながると思っております。 万が一、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態だと、国が自治体に指示を出してきた場合、参議院で通り、そのような事態になった場合、高山市の現状に合った要望を、また、市民にとっての最善を早急に要望として出していただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。 では、最後、3つ目の質問に移ります。 地域の在来種を含む、地域の種苗の確保について。 種苗については、近いところですと、令和3年予算決算特別委員会や、令和2年の定例会や常任委員会での議事録、また、第4回定例会には、市民から種苗法改定の取りやめを求める意見書、また、それ以前にも、質疑や答弁があったことを確認しております。 私も、この改正種苗法の施行の際は、これまでのように自家増殖ができなくなるのではと大変心配をいたしました。 改正された後の農家の方のお話は十分に聞いておりませんので、今後も調査をしていきたいところですが、制限されるのは登録品種だけで、一般品種や在来種は引き続き許諾なく自家採種でき、また、許諾を取れば、登録品種でも自家増殖ができるということなどが分かり、その面ではほっとしております。 そこで質問です。 高山市の農業生産物について、米、トマト、ホウレンソウや、在来種と言われる野菜、例えば赤カブや国府なす、縞ささげなどの種苗は、どこで生産され、調達されたものでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 飛騨地域の主食用米のコシヒカリ、モチ米のたかやまもち、酒米のひだほまれについては、県の、岐阜県主要農作物種子条例によりまして、優良な種子の必要量などを定めた生産計画を策定し、その計画に基づき、県内で採種圃場を審査、決定。その圃場で生産された種子は、農家に安定的に供給される仕組みになっております。 トマトやホウレンソウについては、ほぼ全ての農家が、種苗会社で生産された種子を購入したり、市内で育苗した苗を調達している現状です。 種苗会社の種子は、安定的な種子を確保するため、気象条件や周りの環境条件に影響されにくい、国内外の場所で生産されているところです。 伝統野菜などの在来種である、飛騨ねぎ、飛騨紅かぶ、あきしまささげ、国府なすなどについては、農家が自家採種される場合や、農家の望む安定した種子を種苗会社に委託し、それを調達する場合もございます。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) このようなことをお聞きした背景には、たまたまお店で見た在来種の種が、種の原産国が外国になっていたからです。 先ほども国内外というお話がございましたが、今の世界情勢を鑑みても、輸入が止まってしまったら、米や野菜が作れなくなってしまうようなことがあってはいけないと感じたからです。 お米については、県で管理していただいているということ、また、私は農業の専門家ではありませんし、知識もございませんが、命を育んでくれる食に関することは、今後も興味を持って、折に触れて学んでいきたいと思っております。 地域農業の安定した継続や地域の食文化を守るために、米などの農業生産物、そして、高山の在来種の種苗を地域で確保する必要があると考えます。行政が主導して取り組む必要があると考えますが、どうでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 地域農業の安定した生産や地域の食文化を守るため、米などの主要農産物については、先ほど答弁しましたとおり、県条例により、優良な種子が確保されております。 一方で、伝統野菜などの在来種は、農家の自家採種や、地域の種苗会社で生産されているものの、県条例などの対象とはなっておりません。これらは地域の食文化と密接に結びついているものが多く、大切な地域資源であることから、県や種苗会社と連携して、優良種子の選定や保存、生産に努めているところです。 市では、主要農産物や伝統野菜などの種子や苗が安定的に確保され、これまで同様に地域で農産物が生産され、どれだけでも地産地消や食文化の継承が進むよう、取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) よろしくお願いいたします。 市内の事業者や個人で、地域の種苗生産を希望する人がいた場合、農政部は、協力的に対応してもらえますでしょうか。また、その収穫、生産、販売への支援、補助金などは検討できますでしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 種苗生産については、市の地域特産物振興事業にて支援しているところです。 この事業は、地域の特色ある農産物の選定、種子の確保等に係る取組を支援する発掘事業、生産拡大や高品質化を目指す取組を支援する育成事業、販売促進活動や新商品開発に係る取組を支援する振興事業と、地域の特色ある農産物の状況に応じてステップアップできる仕組みとなっております。 例えば、昨年、県の飛騨・美濃伝統野菜に指定された国府なすについては、生産者から、維持拡大を目指すため、種子の確保や栽培体系の確立について相談をされたため、本事業を提案し、取組を進めているところです。 今後も、これらの支援等を通じて、種子や苗の確保を含め、地域での生産が広がり、特色ある野菜などの生産振興が図られるよう取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) 地域特産物振興事業、これはどのような形で告知しておられますか、教えてください。 ○議長(渡辺甚一君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) これらの地域特産物の振興事業につきましては、改良組合長会議とかで、主要事業のまとめた冊子なんかをお渡しして、地域の中でこういった事業があるので、取り組みたい方にはまた周知してくださいということを言っておりますし、また、毎年いろいろな相談が来ますので、この事業を紹介しながら、取り組んでいただくようにしております。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) また今後、広報たかやまの広報や、それから、SNSなども活用しながら、必要としておられる方に届きますように、またよろしく改善して告知していただけるよう、よろしくお願いいたします。 もう20年以上前になりますが、『センス・オブ・ワンダー(沈黙の春)』、レイチェル・カーソンの書かれた本を読んで、衝撃を受けたことがございます。私たち大人は、今、目の前のことだけではなく、未来を見据え、子どもたちに、健やかな心身を育むことのできる環境をできる限り整え、引き継いでいく必要があります。 農薬の影響は、体にすぐ出てくるものではなく、堆積し、次世代へも影響を及ぼしていくことに懸念がございます。 全国で、オーガニック給食を実施している自治体が、2023年時点で140近くあるということは、その危機感への対応だと考えます。未来への大切な投資だと考えるわけです。市民の健康がなければ、高山市の発展はあり得ません。 農林水産省のみどりの食料システム戦略の中でも、2050年までに、オーガニック市場を拡大し、耕地面積の割合を25%、100万ヘクタールへ拡大することを目指しています。 有機農法の大変さは、体験したことのない私には何も申し上げられませんが、おいしく、体も喜ぶ野菜を作ろうと努力してくださっているたくさんの農家さんからは、本当に御苦労もお聞きしておりますが、エールを送りたいと思っております。 そこで4つ目の質問です。 オーガニック給食について、実施する自治体が増えています。高山市で実現するには、まだハードルが高いと感じていますが、地元の有機JAS認定農家の農産物を、少しでも給食に使える取組をすれば、児童生徒の健康、有機無農薬栽培農家の取引先確保と有機農業の普及にもつながると思うが、どうでしょうか。行政としての支援は可能でしょうか。 ○議長(渡辺甚一君) 森下教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長森下澄雄君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(森下澄雄君) 有機農産物の学校給食への使用についての御質問でございます。 学校給食におきましては、日々、6,700食程度の給食を供給しているというところでございます。野菜などの農産物につきましては、安定的に、まとまった量を仕入れる必要がございます。 市内における有機農産物は、生産量が限られておりまして、安定した調達が難しいというふうに認識しておりますし、また、価格の面においても、課題があるというふうに考えているところでございます。 また、学校給食で使用している農産物につきましては、化学肥料や農薬の安全使用基準を順守して生産された、安全で安心な農産物であるということも含めまして、現在のところ、学校給食での有機農産物の使用は考えていないところでございます。 先ほど議員さんからお話がありましたけれども、今後、有機農産物の生産が拡大されまして、生産量の課題等が解決された場合については、使用について検討等を進めていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 片野議員。 ◆7番(片野晶子君) おっしゃるとおりで、たくさんの食事を全て有機野菜、有機米で賄うことは、今現在は難しいということは承知しております。 小さな規模からでも、それが不公平感になるとか、いろいろな問題はあると思うんですが、今、子どもたちの未来への投資ということで、今実践している自治体もかなり増えてきておられるわけです。 農水省農産局、農業環境対策課の調査によると、学校給食で、加工品を含む有機食品を利用する自治体は、令和3年度では137市町村、令和4年度は193市町村ございます。 2023年10月4日の読売新聞では、子どもたちの声を、もちもちして甘い、そんな声を載せてありました。 大阪府泉大津市旭町で、児童たちが、農薬と化学肥料を減らした滋賀県産の「環境こだわり米」を頬張った。同市では、今年4月から、公立小中全11校と保育施設5か所での給食で、有機米・減農薬・減化学肥料の特別栽培米を使っている。 必要なお米は、年間70トン。それまで府学校給食会から一般的な米を調達してきたが、公募で、滋賀県東近江市や和歌山県橋本市など7市町村のJAから購入。費用は、昨年度より約1,500万円増の5,700万円になるが、給食費は変更せず、増加分は市が負担する。 泉大津市政策推進課の担当者は、有機農業の促進や農村支援とともに、農地が少ない市として、産地と直接つながることで、災害時などの不測の事態に備えた食料確保になると意義を話している。そのような記事がございました。 また、近年の成功例では、千葉県いすみ市の取組もございます。同市は2017年から、地元産有機米を学校給食に導入し、安定的な消費先があることで有機農業に転換する農家が増え、市内の有機米生産量は、8年間で120トンと30倍になっています。 先日読んだこの本では、   〔実物を示す〕今治市の実例を取り上げてございます。読みましたら、できないではなく、どうしたらできるか。そんな取組が勇気と希望にあふれていました。 確かに、今実現している市町村、小さなところかもしれません。ぜひ、でも小さなところから実験的に進めていただけるような、そんなことを期待したいと思います。 様々な課題が山積する現在ですが、市長のおっしゃる、「このまちに生まれて良かった」「このまちで学べて良かった」「このまちで働けて良かった」「このまちで暮らせて良かった」、そんなまちにするために、目の前の迅速な対処と長期的な未来への投資を、引き続きよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、片野議員の質問を終わります。 次に、小井戸議員。   〔24番小井戸真人君登壇〕 ◆24番(小井戸真人君) 本日最後の登壇者となりました。もうしばらくのお付き合いをいただきたいと思います。 それでは、早速ですけれども、通告に基づき、一般質問をさせていただきます。 1点目として、再犯防止の取組についてお伺いをいたします。 近年、刑法犯検挙者数は、減少傾向にありますが、約半数が再犯者であるという状況が続いていることから、安心・安全な社会を実現するために、再犯や再非行を防止することは全体の検挙者を減少させるための重要な取組として、国は、積極的な取組を進めることとしています。 平成28年12月に、再犯の防止等の推進に関する法律が施行されました。法律に基づき、平成29年には再犯防止推進計画の策定、そして、自治体には、再犯防止推進計画を策定する努力義務を課しております。 その後、国は、令和5年3月に第二次再犯防止推進計画を策定し、再犯防止に関する取組を進めています。第二次推進計画においても、第一次推進計画を踏襲し、5つの基本方針と7つの重点課題が掲げられております。 また、高山市では、令和2年度に策定された高山市地域福祉計画の基本方針4において、複雑な問題を抱えている人を支援するとして、刑を終えた人への支援が位置づけられております。 計画では、犯罪や非行をした人の多くは、事件への反省を踏まえて、生活を立て直し、社会の健全な一員として暮らしていきますが、就職に際しての差別や、住居確保の困難等、社会復帰を目指す人にとっては現実は厳しい状況にあるとされ、犯罪や非行の防止と、犯罪や非行をした人たちにとって理解を深めることや、社会を明るくする運動に取り組むこと、また、市民、警察、行政が一体となり、犯罪のない、明るい地域づくりを進めるとともに、刑を終えた人が、孤立せず、社会復帰ができる支援をしていきましょうと、計画に記載されております。 法務省が公表している令和5年版再犯防止推進白書では、令和4年の刑法犯検挙者数16万9,409人のうち、8万1,183人が再犯者で、再犯者率は47.9%となっております。 刑法犯検挙率は、初犯者数が大幅に減少していることもあり、再犯率は、平成9年以降、上昇傾向となっておりましたが、令和3年には0.7ポイント減少しております。しかしながら、約2人に1人が再犯者という状況が続いております。 出所受刑者の2年以内に再入所した人数と再入所率は、令和3年度では、出所受刑者1万7,793人に対し、2年以内に再入所した人数は2,515人で、再入所率は14.1%で、2年以内の再入所者が最も多かった平成17年の6,519人と比較して、2分の1以下となっており、減少傾向が続いております。 国は、令和3年までに16%以下にするという数値目標を設定している中で、令和元年度時点で目標を達成していると報告をされております。こうした状況については、国は、再犯防止の取組の効果と評価をされております。 再犯防止推進白書では、再犯の防止等に関する施策の動向を把握するための参考資料が示されておりますけれども、その就労の状況として、令和4年度の刑務所出所者等総合的就労支援対象者のうち、就職した者の割合は48.3%、保護観察終了時に無職である者の割合は24.6%、また、刑務所出所時に帰住先がない者の割合は15.6%と報告をされております。 また、岐阜県においても、今年の3月に策定された第2期岐阜県再犯防止推進計画の中で、岐阜県の状況が報告をされております。 その中で、令和4年の再犯者は1,074人で、再犯率は39.3%、新受刑者に占める再入所者の割合は51.3%となっております。 保護観察終了時に無職である者の割合は、仮釈放者及び保護観察付執行猶予者で31.8%、保護観察処分少年及び少年院仮退院者で7.2%となっております。刑務所出所時に帰住先がないものは3.7%と、全国平均より低い水準とはなっております。 また、岐阜県における高齢者の状況についてでありますけれども、令和4年の岐阜県内の刑法犯総数2,521件、これは少年を除くということでありますけれども、そのうち、犯行時の年齢が65歳以上の件数は588件で、全体に占める割合が23.3%となっております。 また、高齢者の2年以内の再入率は他の世代に比べて高く、また、知的障がいのある受刑者については、全般に、再犯に至るまでの期間が短いことが明らかにされているというふうになっております。 また、岐阜県の薬物事犯者の検挙者は、総数107人に対し、75人が再犯者であるとされ、再犯率は70.1%となっております。 また、大麻の検挙者は、若年層を中心として広がりを見せている実態が報告されている中で、薬物依存者の再犯率の高さから、その対策の重要性も求められております。 こうしたデータからも、犯罪をした人たちの立ち直りには多くの困難があり、生きづらさを抱える多くの犯罪した人が社会復帰できるように、就労の確保や住居の確保など、生活環境を整備することは重要な課題であると考えます。 再犯防止推進法の第4条第2項において、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、再犯の防止等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と規定され、また、第22条第1項において、「国は、再犯の防止等に関する施策の重要性について、国民の理解を深め、その協力を得られるよう必要な施策を講ずるものとする。」と規定され、再犯防止の取組の重要性が示されております。 こうした中で、再犯防止の取組と必要性について、どのように捉えているのかをお伺いいたします。   〔24番小井戸真人君質問席へ移動〕 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 全国の犯罪検挙者数に占める再犯の割合は、今御紹介いただいたとおりで、犯罪そのものは、検挙の数は減少だけれども、再犯率は増えているということは御紹介いただいたとおりでございます。 せっかく刑期を終えて、社会で暮らしていこうというふうに決心された方が、また犯罪に走ってしまうような、そんな状況というのはもちろんないにこしたことはないわけでございまして、本当に、そういった意味でも、それを効果的に、防止策を効果的に行うことで犯罪の検挙数が減少する可能性が高いということもありますので、安全・安心なまちづくりを進めるという上では、大変重要な取組であるというふうに思っております。 議員の御紹介ございましたけれども、刑期を終えた方の住居であるとか、仕事であるとか、あるいは、本当に居場所をつくることが難しいという声もございますし、それを理由とした暮らしにくさから、また再犯に至るといった悪循環も多いというふうに聞いておりますので。 小井戸議員さんも渡辺議長さんも、保護司でいらっしゃいます。今の保護区の保護司会の方であるとか、あるいは、高山地区の更生保護司会の皆様と連携するだけではなくて、もっと会話を持って、市として何ができるんだろうということをしっかりと把握した上で、再犯防止のための必要な支援を行ってまいりたいと思いますので、また違った立場でも、いろいろアドバイスをいただけたらというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) ただいま市長からは、再犯の防止の必要性について見解を述べていただきました。 なかなか身近な問題ではないような気がするんですけれども、一たび、そういったところが近くに存在したということになると、やはり、地域で見守るということも、非常に重要になってくるのかなというふうに思っています。 特に再犯の防止ということが、先ほども申し上げましたけれども、再犯を防止することが全体の検挙数も少なくするという傾向にありますので、安心・安全な地域社会をつくるための再犯防止の取組ということについて、また、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。 2つ目については、再犯防止推進計画の関係でありますけれども、再犯防止推進法第8条第1項において、「都道府県及び市町村は、再犯防止推進計画を勘案して、当該都道府県又は市町村における再犯の防止等に関する施策の推進に関する計画を定めるよう努めなければならない。」という努力義務規定となっております。 岐阜県においては、平成31年3月に、法律に基づく再犯防止推進計画を策定しております。その後、国の第二次計画に合わせて、今年の3月に第2期の岐阜県再犯防止推進計画を策定しております。 令和5年度版再犯防止推進白書では、地方再犯防止推進計画を策定している地方自治体は、令和5年の4月1日現在、都道府県が24団体、指定都市が19団体、その他の市町村で506団体と、合計572団体と、策定する自治体は増加傾向にあります。 高山市における地方再犯防止推進計画策定の考えについてをお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 先ほど議員もおっしゃっておみえになりましたが、市では、現在、再犯防止を推進するための個別の計画は作成しておりませんが、第4期高山市地域福祉計画の中で、刑を終えた人への支援として、再犯防止に関する取組を位置づけております。 この地域福祉計画の計画期間が、今年度末までとなっていることから、現在、次期計画の策定に向けて取り組んでいるところであり、保護司会の皆さんの意見を伺うなどしながら、地域福祉計画の中に、再犯防止を推進するための内容を包含した計画となるように、検討をしているところであります。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) ただいま、今策定中の地域福祉計画の中で位置づけるというようなことで、御検討いただいているところということでありました。 やはり、こうした具体的な計画、位置づけについては、地域福祉計画の中で位置づけていただくことはいいかというふうに思いますけれども、具体的な方針を出していただいて、どういったことが課題で、それにどのように取り組むかという計画策定ということには、努力いただきたいなというふうに思っております。 そうしたことが、市民の皆さんにも通知されると思いますし、市の姿勢としても、やはり公表できるものだというふうに思いますので、ぜひとも、その検討、また、掲載に向けて努力していただきたいなというふうに思います。 では、次の質問に入らせていただきます。 国の第二次再犯防止推進計画では、今後取り組んでいく施策の第6のところにおいて、地域による包摂を推進するための取組の現状認識と課題として、「犯罪をした者等が地域社会の中で孤立することなく、自立した社会の構成員として安定した生活を送るためには、刑事司法手続段階における社会復帰支援のみならず、刑事司法手続終了後も、国、地方公共団体、地域の保健医療・福祉関係機関、民間協力者等がそれぞれの役割を果たしつつ、相互に連携して支援することで、犯罪をした者等が、地域社会の一員として、地域のセーフティネットの中に包摂され、地域社会に立ち戻っていくことができる環境を整備することが重要となる。」。 また、「刑事司法手続を離れた者に対する支援は、主に地方公共団体が主体となって一般住民を対象として提供している各種行政サービス等を通じて行われることが想定されるため、「地域による包摂」を進めていく上では、地域住民に身近な地方公共団体の取組が求められる。」とした中で、「国と地方公共団体が担う役割を具体的に明示することで、地方公共団体の取組を促進するとともに、地域社会における国・地方公共団体・民間協力者等による支援連携体制を更に強化していくことなどが必要である。」とされております。 そうした中で、市区町村の役割について、「保健医療・福祉等の各種行政サービスを必要とする犯罪をした者等、とりわけこれらのサービスへのアクセスが困難である者や複合的な課題を抱える者が、地域住民の一員として地域で安定して生活できるよう、地域住民に最も身近な基礎自治体として、適切にサービスを提供するよう努める。」。 「また、立ち直りを決意した人を受け入れていくことができる地域社会づくりを担うことが期待されている。」と位置づけられていることから、地方自治体の役割は、直接的なサービスの提供を進める重要な役割があるというふうに理解をしておりますけれども、こうした状況の中で、高山市では、どのような取組を進められているのか、お伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 石腰市民福祉部長。   〔市民福祉部長石腰洋平君登壇〕 ◎市民福祉部長(石腰洋平君) 国が令和5年度に策定した第二次再犯防止推進計画では、市町村の役割として、適切なサービス提供など、基礎自治体として期待される役割が記載されています。 高山市においては、福祉課に設置している福祉サービス総合相談支援センターにおいて、様々な相談支援を実施しており、刑を終えた方に対しても、立ち直りに向け、総合的に適切な支援を行うよう努めております。 令和5年度より、県の指示により、飛騨圏域の保護観察終了者からの相談については、保護司会が運営している高山更生保護サポートセンターが自立更生者相談業務として受けることとなっております。 市としましても、総合相談窓口で行う就労支援業務と連携しながら、就業などの必要なサポートが行われるよう取り組んでまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) 答弁をいただきましたけれども、基本は、やはり相談窓口かというふうに思います。 まず、前提となりますのは、そうした、困っている、また、そういった相談に乗ってほしい人が相談できる体制づくりというところが重要かというふうに思いますし、また、今度策定されます地域福祉計画の中でも、きちんと位置づけていただいて、そういったことの充実を図っていただきたいというふうに思います。 次の質問をさせていただきます。 第二次再犯防止推進計画では、学校と連携した、就業支援の実施のための取組を位置づけております。 具体的な取組は、児童生徒の非行の未然防止が必要とされ、学校における適切な指導等の実施として、文部科学省は、警察庁、法務省及び厚生労働省の協力を得て、弁護士会等の民間団体にも協力を求めるなどし、いじめ防止対策推進法等の趣旨を踏まえたいじめ防止のための教育や、人権尊重の精神を育むための教育と併せ、再非行の防止の観点も含め、学校における非行防止のための教育、性犯罪の防止のための教育、薬物乱用未然防止のための教育及び薬物再乱用防止のための相談・指導体制の充実、そして、復学に関する支援体制の充実を図るとされております。 また、厚生労働省の協力を得て、学校生活を継続させるための本人及び家族等に対する支援や、やむを得ず中退する場合の就労等の支援の充実を図るとともに、高等学校中退者等に対して、高等学校卒業程度の学力を身に付けさせるための学習相談及び学習支援等を実施する、地方公共団体の取組を支援するとされております。 高等学校の中退や復学、学習支援の重要性についても言及されておりますけれども、高山市教育委員会の権限ではないということでありますので、このことについて、答弁を求めるものではありませんけれども、学習支援の必要性ということも、計画の中にしっかりと位置づけられている大きな課題だということは、申し上げておきたいというふうに思います。 前段にお話をさせていただきました、非行の未然防止については、重要な取組であると認識しておりますけれども、高山市の学校ではどのような取組が進められているのかをお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 学校の取組についてお答えします。 高山市の小中学校におきましては、学校の希望制で講師派遣を依頼し、保護司による再犯防止教室や、薬剤師による薬物乱用防止教室を行っております。令和5年度は、小学校1校を除く、全ての小中学校30校で実施されています。 再犯防止につきましては、再犯率が高くなっている現状を知ったり、再犯の要因について学んだりしております。また、薬物乱用については、薬の多量摂取や麻薬の体への影響などについて学んでいます。 このように、専門家を通して話を聞くことは、これから大人になっていく小中学生にとって、必要な知識を身につけるよい機会になり、様々な非行や犯罪等の未然防止、さらには再犯防止にもつながることから、今後も推進してまいります。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) 学校の取組を御紹介いただきましたけれども、今回、再犯防止ということで質問させていただいておりますけれども、まずは初犯、犯罪をしないことが一番大切であるということは分かっておりますし、そのことについては言うまでもないというふうに思っておりますけれども、やはりそういった、犯罪をしないということは、先ほどの未然防止、学校教育における教育指導ということが、非常に重要になってくるというふうに思います。 引き続き、学校教育の中でも、そういった教育の必要性について、十分取組を進めていただきたいというふうに思います。 次の質問をさせていただきます。 社会を明るくする運動は、全ての国民が、犯罪や非行の防止と、犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない、安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動となっております。 強調月間である7月を中心に、1年を通じて広く周知し、理解を深めてもらうための取組が実施されます。 高山市推進委員会の委員長には、田中市長に就任していただいておりまして、また、高山保護区保護司会、高山地区更生保護女性会によって、高山推進委員会が活動を進めております。 運動の目的を理解していただくために、広く周知していただきたいと考えますが、高山市はどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 私、推進委員の委員長ということですので、委員長の立場もございますので、答弁をさせていただきます。 7月、社会を明るくする運動ということの強調月間としていますので、当然、広報であるとか、あるいは、施設へのポスター掲示、懸垂幕、そういったもので啓発は行うようにしておりますし、ホームページであるとか、今はSNS、市のSNSであるとか、私自身のSNSもございますので、そういったものでしっかりと周知をさせていただきたいというふうに思っています。 今月末には、今御紹介いただいた保護司会の方々とか、あるいは、更生保護女性会の皆様の啓発活動もございますので、そういったことも併せて、市としても、全面的に啓発をさせていただくつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) ぜひ、広く市民の皆さんに理解をしていただけるよう、啓発活動、また周知をお願いしたいというふうに思います。 先ほど保護司の話もございましたけれども、全国の保護司の充足率というのが89.4%という報告もされております。全国的に保護司の成り手不足も課題となっておりまして、再犯防止の取組に欠くことのできない保護司の活動に対しましても、市としても理解と協力をお願いしたいというふうに思います。 大きな2番目の、35人学級への移行と、教員の成り手不足についてお伺いをさせていただきます。 35人学級への移行については、国は、誰一人取り残すことなく、全ての子どもたちの可能性を引き出す教育へ転換し、個別最適な学びと協働的な学びを実現することが必要であることから、一人一人の教育的ニーズに応じた、きめ細やかな指導を可能とする指導体制と安全・安心な教育を整備するために、公立の小学校の学級編制の標準を段階的に引き下げることとされました。 令和3年度から、小学校の学級編制の標準を、2年生から段階的に35人に引き下げられ、今年度は、5年生まで35人学級となり、令和7年度には、小学校6年生までが35人学級となる方針が示されております。 令和3年の一般質問で、私自身、取り上げさせていただいておりますけれども、高山市では、岐阜県が国に先行して35人学級を進めてきており、令和3年度には4年生まで拡大されております。 その後の35人学級への移行の状況と、35人学級となった効果をどのように捉えているのかをお伺いいたします。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 35人学級への移行状況と効果についてお答えします。 小井戸議員のお話にありましたように、岐阜県では、国より早く、35人学級への移行を進めており、令和元年には小学校1、2、3年生と中学校1年生、令和3年には小学校4年生、令和4年には小学校5年生と中学校2年生、令和5年には小学校6年生と中学3年生を行い、国より2年早く、全ての学年において35人学級が実現しました。 35人学級となったことで、教員数の増加については、令和4年度は10人、令和5年度は9人、令和6年度はゼロ人であり、教員不足に大きな影響はありませんでした。 35人学級での効果について、教職員からは、子どもたちの発表など、一人一人の活躍する機会が増えた。担当する人数が減ることで、一人一人の子どもに向き合う時間が増え、きめ細かな指導を行うことができ、子どもが抱える学習のつまずきを解消しやすくなった。問題を抱える子どもの対応を素早く行うことができるようなったなど、効果を実感する声を聞いております。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) 岐阜県が国よりも先行して、35人学級に進めてきたということでありまして、そういった取組について、評価をさせていただきたいなというふうに思います。 国も言っておりましたけれども、35人学級への移行については、やはり一人一人に向き合うということ、また、きめ細やかな教育が提供できるという、そういった効果もあるということも答弁をいただきましたけれども、小学校の全体の学級数というのは、やはり少子化の関係で減少してきている。その中でも、35人学級の意義というのは当然あろうかというふうに思います。 引き続き、そうした効果を生かして、一人一人の児童生徒に向き合う教育、進めていただきたいというふうに思います。 次、続きまして、教員の成り手不足ということに関して質問をさせていただきます。 文部科学省が公表した教師不足に関する実態調査によりますと、令和3年度の始業日の時点で、全国の小中学校、高校、専門学校のうち、1,897校で、2,558人の教員が不足していると報告されております。 岐阜県においても、令和5年5月1日時点で、小中学校で27人、高校で26人、特別支援学校で5人が未配置とされておりました。 国の調査報告書では、1つとして、見込み以上の必要教室数の増加、2つとして、臨時的任用教員の成り手不足が、教師不足の要因とされております。 時事通信社の調査では、全国の令和6年度の教員採用試験のデータが報告されておりますけれども、受験者数11万3,191人、最終合格者は3万9,284人で、全国平均の選考倍率は2.9倍であったと公表されております。 受験者数は、前年度から4,022人の減、選考倍率は、3.4倍からマイナス0.5ポイントとなっております。ちなみに、岐阜県の選考倍率は3.4倍となっております。 10年前からの比較では、受験者数は6万1,785人の減、選考倍率は5.4倍から2.5ポイントの減となっており、全国的に、教員の成り手不足は深刻な問題となりつつあることがうかがえます。 先日、岐阜県教育委員会は、令和7年度採用試験の出願状況を公表いたしました。受験者数は1,733名で、前年度の2,025名から292名の減となったこと、また、今回の試験からは、大学3年生など第1次選考というものがスタートしておりますけれども、そちらのほうで434人が出願したと公表もされております。 出願者も減少傾向にある中で、教育における人材の確保と人材育成は重要であり、中長期的な展望の上で取り組むことが必要です。 今後、教員の成り手不足が、さらに深刻な問題になることが予測される中で、高山市の状況と今後の課題について、どのように考えているのか伺います。 ○議長(渡辺甚一君) 見山教育長。   〔教育長見山政克君登壇〕 ◎教育長(見山政克君) 教員の成り手不足について、市の状況と今後の課題ですが、高山市出身者の教員採用状況については、平成28年度中学校卒業者数から、本年度新規採用になった教員数の割合で見てみると、高山市は県の平均を大きく上回っております。 また、全国的に教員不足で、4月の年度初めに定足数どおり教員配置ができていないところもある中、高山市においては、2年連続、全学校に定足数どおり配置することができています。 高山市の充足されている状況の要因の1つに、定年延長制度による、60歳の退職後も延長して勤務される教員が他の市町村よりも多くいること、また、子どもたちの教員志望が比較的多く、若手教員も、高山市出身者が今なお多く維持できている状況であり、この先も教職員未配置・未補充とはならないと見込んでいます。 今後の課題につきましては、教職員未配置・未補充とはなっていませんが、病休、産休、育休に入られる教員に代わって学校に入る、常勤講師の確保が難しくなっています。このことについては、岐阜県教育委員会と連携しながら、制度改正等を行い、対応していきたいと考えています。 また、教員の成り手が不足している中、次の世代を担う子どもたちに教員の魅力が伝わるよう、努めていきたいというふうに考えています。 ○議長(渡辺甚一君) 小井戸議員。 ◆24番(小井戸真人君) ただいま教育長から、高山市出身者は教職員を目指す志願者が多いというような、割合が高いというようなことも答弁をいただきました。 非常にありがたいことだなというふうに思っておりますし、そうした人たちが次代を担っていっていただきたいなというふうに思っております。 また、今議会においても、介護職員の問題であるとか、また救急救命士、それぞれ成り手不足のことも取り上げられてまいりました。この教員ということに対しても、やはり将来的には、そういった状況になりかねないなというふうに思っております。 答弁にもありましたけれども、教育をしている人たち、教員が本当に魅力のある職業であることを、やはり教育の中で訴えていただくことが必要ですし、また、もう一つ、教員の働き方改革ということも挙げられております。 魅力のある職場づくりというものが、それぞれの児童生徒にも反映され、その児童生徒がまた教員を目指すといった、また、そういった循環が将来の教育にも非常に効果的かなというふうに思っておりますので、引き続きそういった努力をしていただきますことをお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(渡辺甚一君) 以上をもって、小井戸議員の質問を終わります。  ================ △閉議・散会 ○議長(渡辺甚一君) 以上で、本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、10日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後4時20分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  渡辺甚一               副議長 山腰恵一               議員  片野晶子               議員  岩垣和彦...