令和5年第5回定例会令和5年第5回
高山市議会定例会会議録(第3号)=
======================◯議事日程 令和5年12月11日(月曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問 =
===============◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問 8番 水野千惠子君 9番 石原 正裕君 10番 西本 泰輝君 16番 渡辺 甚一君 1番 丸山 純平君 4番 益田 大輔君 =
===============◯出席議員(23名) 1番 丸山純平君 2番 中村匠郎君 3番 戸田柳平君 4番 益田大輔君 5番 坂下美千代君 6番 平戸芳文君 7番 片野晶子君 8番 水野千惠子君 9番 石原正裕君 10番 西本泰輝君 11番 伊東寿充君 12番 西田 稔君 13番 沼津光夫君 14番 榎 隆司君 15番 山腰恵一君 16番 渡辺甚一君 17番 岩垣和彦君 18番 中筬博之君 19番 倉田博之君 20番 松山篤夫君 22番 車戸明良君 23番 水門義昭君 24番 小井戸真人君 =
===============◯欠席議員(1名) 21番 上嶋希代子君 =
===============◯説明のため出席した者の職氏名 市長 田中 明君 副市長 西倉良介君 副市長 清水雅博君 市長公室長 北村幸治君 総合政策部長 上田和史君 総務部長 荒城民男君 財務部長 平野善浩君 市民活動部長 西永勝己君 福祉部長 石腰洋平君 市民保健部長 橋本 宏君 森林・環境政策部長 小林一正君 農政部長 林 篤志君 商工労働部長 倉畑政之君
飛騨高山プロモーション戦略部長 川原幸彦君 建設部長 中垣内一君 都市政策部長 池之俣浩一君 水道部長 山腰勝也君 会計管理者 森下澄雄君 一之宮支所長 本山秀治君 久々野支所長 淺野嘉文君 教育長 中野谷康司君 教育委員会事務局長 田中 裕君 消防長 松山孝生君 =
===============◯事務局出席職員氏名 事務局長 川田秀文君 次長 比良佳久君 自動車運転職員 櫻本明宏君 ――――――――○―――――――― 午前9時30分開議
○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。 ================
△日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、坂下美千代議員、中筬博之議員を指名します。 ================
△日程第2 一般質問
○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、水野議員。 〔8番水野千惠子君登壇〕
◆8番(水野千惠子君) おはようございます。 それでは、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 本日は大きく3つ、コドモン(
子ども施設向けICTシステム)について、
インキュベーション事業について、AED(
自動体外式除細動器)の施設の外づけについてを質問させていただきます。 まず初めに、コドモンについてです。 ちょうど1年前、昨年の12月定例会で園児の
登園バス置き去り事件に関しての質問をいたしました。昨年の9月に静岡の認定こども園で当時3歳の女の子が登園時にバスに置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件を受けて、高山市の幼稚園、保育園の状況を伺ったものです。 国が
置き去り防止安全装置の設置を義務化し、ガイドラインを作成して補助金を出すことになりましたので、市も早急に対応されたことで安心いたしました。 静岡だけではなく、短期間に全国各地で頻発したバスの置き去りでしたが、その後も家族が自家用車で送る際、勘違いして車内に取り残されていたなど、単なるヒューマンエラーというか、園側の確認不足というか、小さな原因が重なって大変な事態を招いて訴訟に発展するなどのてんまつに、社会の関心も非常に高く、気になっておりました。何より小さい命が奪われたことに心が大変痛みました。 そういう事案にこそ、このコドモンが役に立つシステムとなるように開発者はつくったのだと確信しております。 市は、本年1月から、市内公立保育園8園に登園、保育業務をデジタル管理するコドモンを導入しました。初めて耳にする方もみえると思います。このシステムの詳細をお伺いいたします。 〔8番水野千惠子君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) おはようございます。 議員仰せの保育支援のシステムであるコドモンは、令和5年1月に公立保育園8園に導入していますが、主な機能としては次の4つがございます。 まず1つ目ですが、園児が登園する際、帰宅する際には、園の出入口の端末、そこにQRコードを読み取らせて、園児のスムーズな受入れと確実な登降園管理ができるようになりました。欠席連絡がないまま登園していない児童の保護者へ自動で連絡するなど、安全面の向上にも役に立っているところであります。 2つ目ですが、園児の欠席などの連絡についても、これまでは紙や電話などによりアナログで行っていましたが、各園と保護者の間の連絡は、スマートフォンの専用のアプリを使って、簡単にかつ迅速に行えるようになりました。 また、3つ目ですが、これまで紙媒体で管理をしていた園児の発育や健康の記録などを含む個人情報の管理、保育日誌、月案、週案といいますが、保育に関する各種計画など、帳票の作成がペーパーレスにより簡単に行えるようになりました。 4つ目ですが、紙面によるクラスだよりに代わる
保育ドキュメンテーションをシステムを使って毎週発信できるようになりました。パソコンやスマホアプリで見られるように、そのようにしております。 保護者の皆さんから、園での子どもたちの様子が、写真や動画にコメントを添えられて非常に分かりやすいと、好評をいただいているところであります。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 御答弁をいただきましてありがとうございます。 非常に画期的なシステムと思われます。全国の自治体にもどんどん広がっているようですね。現在、全国463の自治体、4,783の公立施設に取り入れられているということです。 岐阜県下でも、岐阜市、土岐市、下呂市、八百津町等、10の自治体で導入されているとのことですが、現在の保護者の方の利用状況はどのようになっておりますでしょうか。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 現在、公立保育園に在園する児童の全ての保護者に登録をいただいておりまして、システムを御利用いただいております。利用率は100%となっております。 なお、私はスマートフォンを持っていませんというような方であるとか、デジタルツールは苦手なので利用しませんというような保護者は今のところはおみえになりません。 システムの利用に不安がある保護者には個別の説明であるとか、非常に少数ですが、希望される保護者には紙でも文書を配布するなど、丁寧な対応を心がけているところであります。 園児の保護者がアプリを使って招待をすることで、例えばおじいさんとかおばあさんなどの御家族でも追加で登録をしていただくことが可能となっております。 招待された御家族は、アプリを使い園との連絡が可能になることに加えて、保育園の状況を写真やコメントつきで閲覧できるようになるなどのコドモンの機能の一部を利用できることから、その点についても好評であるというふうに伺っているところであります。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 非常に評判のいいということで、喜ばしいことかと思います。 私も本当にもっと昔にそんなような機能があれば使用ができたのかななんて思っておりますけれども、やはり保育所のみならず、これは学童や小中学校にも広がっていくといいなと思っております。 先ほど部長の答弁にもございました利用者さんのお声も伺いましたが、具体的に評判、どのような声が聞こえてくるかを、このようなことがよかっただとか、そういった事例を教えていただけるとありがたいです。お願いいたします。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 幾つかの例を紹介させていただきます。 子どもが熱を出したので、園に欠席の連絡をしたいが、欠席者が多いため電話が話し中のまま何度かけてもつながることがないといったことがなくなり、朝の忙しい時間に煩わせられることがなく助かりますといった御意見は多く聞いているところであります。 クラスだよりや献立表など、園から配られる文書が、いつでも簡単にスマートフォンから見られるようになって書類もかさばらず、便利になりました。園での子どもの日常や行事の様子が、週ごとに何枚もの写真とともに分かりやすく伝えてもらえることができる、
保育ドキュメンテーションの配信をとても楽しみにしていますといった声も多く聞いているところであります。体調や気象警報の発令など、急に子どもを園に迎えに行かなければならないときですとか、園の近くに熊が現れたなどというときにも、すぐに情報が届いて安心ですといった御意見も聞いているところであります。 保護者の皆さんは、スマートフォン1つで買物をしたり、予約や記録をしたり、映像を楽しんだりと、アナログよりもデジタルのほうが一般的になっている方も多く、日頃から使い慣れたツールで保育園に関する様々な用事が完結する点で、いろいろな面から非常に評価が高いと伺っているところであります。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 具体的な事例を聞かせていただきました。 非常に皆さんの評判がいいということで、ぜひこのままもっともっと全国に広がっていければいいなとは思っておりますが、御多分に漏れず、人手不足は保育の分野でも顕著であり、全ての先生に子どもと向き合う時間と心のゆとりを与えたいと開発者が言うように、保育士の負担を軽減することで、保育士、また、職員不足の助けになることを念頭に置いているようです。 コドモンの導入によって業務改善はできそうでしょうか。まだ1年弱でこれからだとは思いますが、その辺りをぜひお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 様々な分野で人材不足が課題となっておりますけれども、保育士の皆さんの確保であるとか、保育における働き方改革についても非常に重要というふうに捉えております。議員さんが御紹介のとおり、保育園の運営における保育士の事務の負担をどれだけでも軽減して、時間と心にゆとりを持って適切な保育ができるようにすることが、保育支援システムを導入した目的の1つでございます。 保育士の方に確認したところ、以前はクラスだよりを自宅に持って帰って作ることもあったということでございますけれども、通常勤務の中で写真やコメントを取りまとめて、先ほど御紹介ありました
保育ドキュメンテーションとして発信できるようになったと聞いておりまして、デジタル化によって書類の保存とか修正、また、コピーなどが簡単にできるような効率化につながっているということで、書類を処理する時間を設ける必要がなくなったということでございます。 また、事務の効率化によって、保育士の皆さん同士のコミュニケーションの時間が今までよりも多く取れるといったようなことにもなっておりまして、よい保育であるとか、適切な子どもの皆さんの家庭支援につなげることができたというふうに感じております。 コドモンの活用による業務効率化を図りつつ、生み出したリソースを、例えば人ならではの実際の保育サービスに振り向けるといった、そういった営みを続けまして、保育の仕事に魅力を感じてもらえるような、そんな環境整備にも引き続き取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 市長の答弁をいただきましてありがとうございます。 先駆的なシステムをいち早く導入し、子どもさん、保育士、保護者のみんなが安心して過ごせる環境を整えたことを高く評価いたしますし、感謝申し上げます。ぜひ市民の皆さんにも周知していただき、安心して子育てができるまち高山をぜひアピールしていただきたいと思います。 続きましては、
インキュベーション事業について質問いたします。 市は、新しく起業する人の支援のために、有楽町に
飛騨高山インキュベーションセンターを開設しました。私はよく前を通るのですが、誰かが利用しているのをほとんど見た覚えがないのです。 平成30年にスタートして5年経過しましたが、利用実績をお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 倉畑商工労働部長。 〔
商工労働部長倉畑政之君登壇〕
◎商工労働部長(倉畑政之君) 本市では、市内産業のイノベーションや、新たな業種、職種の創出を図り、働く場所や時間などの観点から、多様な働き方などが選択できる環境を整え、起業家を支援するための施設として、議員御紹介の
飛騨高山インキュベーションセンターを設置しているところであります。 入居要件としましては、市内において起業を検討している個人または複数人のグループで、店舗や事務所など幅広く対象としており、自らが管理、運営し、利用開始までに市内に住民票を置くことなどが可能な方となります。 利用料金は光熱水費、通信費などの実費負担を除き、原則無料とし、利用期間は1年以内というふうにしております。 この施設につきましては平成30年度から現在まで、4人の方が入居されております。体験型観光の企画・運営でありますとか、子育て中の親子を対象とした和風の離乳食などの教室、あるいは自作のパソコンのキーボードの製作・販売及び電子工作スペースのレンタルといった、様々な業種での利用がありました。しかしながら、コロナ禍において休業を余儀なくされるなど、計画どおりに営業できない事業者もありました。 現在の入居者は令和5年4月より入居されておりまして、地元産品のセレクトショップを運営しております。また、新商品開発などにも積極的に携わっておみえになります。
インキュベーションセンターは中心市街地に設置しておりますが、利用者が施設を退去後、中心市街地での起業に結びついていないことなどが課題として捉えておりますが、今後も積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) では、現在入ってみえる方が今出られて、それを今募集中というこということなんですね。ありがとうございます。 今募集中ということで、そういった広報を目にしますが、応募はありましたでしょうか。今後の見通しはどのようになっておりますでしょうか、お教えください。
○議長(水門義昭君) 倉畑商工労働部長。 〔
商工労働部長倉畑政之君登壇〕
◎商工労働部長(倉畑政之君) 現在の入居者の方は来年の3月末までの予定で入居をしてみえますのでよろしくお願いします。
インキュベーションセンターの利用につきましては、現在11月1日から12月8日、8日が消印有効としておりますので、その期間で次期入居者を募集しております。今日現在4件の方から応募が届いているところでございます。まだ増える見込みかもしれませんけれども。 利用者の決定につきましては、入居希望者から入居申請書類の提出をいただいて、第1次審査では書類審査を、第2次審査では事業計画や収支計画について面接による審査を行うこととしております。 審査につきましては、商工会議所でありますとか、金融機関、高山市
商店街振興組合連合会、それから
本町会商店街振興組合、まちづくり会社、よろず支援拠点、それから高山市で構成する
飛騨高山インキュベーションセンターの実行委員会が行っているところでございます。 次の利用者が決定した後は、入居の準備を進めていただき、令和6年4月以降に開業していただく予定としております。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) ちゃんと応募される方がみえるということで安心しました。 こちらのセンターは利用は無料。ただし1年以内の利用期間ということで、店舗や事務所としての利用はオーケーだが飲食店は駄目とか、そういった条件がございますね。Wi-Fi環境がなく、設備投資が必要と、そういった条件もあり、そうなると職種も限定されるのではないかなと思っております。 入居条件の緩和や利用期日の延長等は考えてみえませんでしょうか、お聞かせください。
○議長(水門義昭君) 倉畑商工労働部長。 〔
商工労働部長倉畑政之君登壇〕
◎商工労働部長(倉畑政之君)
インキュベーションセンターを設置するに当たりまして、先ほど申しました
飛騨高山インキュベーションセンター実行委員会において、施設の活用方法や入居要件などについてそれぞれ御協議をいただいております。それを基に運用方針を設定いたしました。 また、毎年度の募集に併せて、入居要件などについて改めて協議を行いながら、これまでに起業家グループからの複数の利用を認めたり、施設を改修するなど見直しを適宜行っております。 現在入居期間は原則1年以内としておりますけれども、起業家のニーズに合わせて柔軟な運用とすることとしておりまして、先ほど申しましたコロナ禍では利用者からの申出によって期間の延長もいたしたところでございます。 施設の賃借料や維持管理費用は市で負担しております。しかしながら、光熱水費、通信費を入居者負担としておりますが、その理由としましては、業種により必要な経費が異なること、また、
インキュベーションセンターを退去後に起業するに当たって、急激に自己負担額が増額にならないようにといったことを考慮しているものでございます。 起業を志す方や入居者からは、特段施設の入居要件について御意見は今のところいただいておりませんが、そうしたことから現在の入居要件を大きく変更する予定はございませんが、議員仰せのWi-Fi環境につきましては、現在どの業種にあっても必要というふうになっておりますので、今後設置を検討してまいりたいというふうに思っております。 市としましては、今後も起業セミナー開催や特定創業支援補助金、創業支援資金融資などで支援を積極的に行うとともに、中心市街地のにぎわい創出や多様な業種の創出を図るため、空き店舗活用など各種施策の活用などを進め、中心市街地での起業をさらに促進してまいりたいというふうに思っております。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 御答弁をいただきました。 もちろん新規企業を支援するのですから、ただ場所を貸すだけということではないと思います。先ほども言われました、当初よりも利用条件が緩和されたということで、今後使いたいと思ってみえる方も非常に増えるのではないかと思っております。 ハード面に加えて、経営や管理上の支援、マーケティングや他の事業所とのマッチングといったソフト面と併せた、総合的に相談に乗ったりする必要が、そういった支援が必要と考えます。そういった部分では、商工会との連携ですとか、そういったことがありますので、非常に相談者にとってもいいことだと思っております。 やはりそれなりのスキルがあることですので、起業するということは。やはり最後まで面倒を見て、起業した方の道筋をつけてあげるということが大変重要かと考えます。それこそが高山の未来を担う人材の育成につながっていくのだと思います。 起業した若い方の話を聞く機会がありました。あの
インキュベーションセンターは中心地で非常に場所がいいので、できれば1か月でもいいから貸してもらえたら、それは起業された方ですね、作った物の展示販売や披露することのできる場所ということで、そういったことにぜひ使わせてもらえたらありがたいなという意見がございました。 市が管理する施設は、販売など営利目的の利用ができない施設が多いので、逆に起業した後に活用ができる施設が欲しいとのことです。 スタートアップやベンチャー企業の倒産率は5年で85%とも言われています。現在はパソコン1つでできる仕事はたとえ山の中でもできるという人もおりますが、やはり、人、場所、情報、そして高山のまちの空気感のバランスが取れてこそ続けられるものではないかと思っております。 飛騨の地高山で起業を志した人をみんなで応援できる、そういった方策を考えていければよろしいかと願っております。 最後に、AED(
自動体外式除細動器)の施設の外づけについて質問をいたします。 私は今現在、防災士の資格を取るために、高山市主催の防災士養成研修講座を受けている最中です。講習の場所はこの地下市民ホールで、全部で3日間の講習を受けなければなりませんが、今のところ2日間の日程が終わりました。 前々回受けた1こまはAEDに関してでした。その講師の方はAEDによって一命を取り留めた方で、AEDの重要性を非常に強く語っていただきました。まず最初に、高山市役所に、入り口にAEDが分かりやすく外に取り付けられているのでいいですねということを言われました。 普及が始まった初期の頃は金額が高価なAEDは施設の中にありましたが、現在救急救命の受講も一般化し、AEDを使用して心肺蘇生を実施する重要性、みんなの士気も非常に高まっております。 そこで質問です。 救急車が通報を受けて現場に到着する時間は、全国平均8.9分から9.4分になったとの発表があったように、年々伸びています。理由は、コロナ後、特に救急医療提供体制が逼迫しているからとも言われておりますが、もし急に目の前で人が倒れたら、いずれも到着に8分以上かかるとなると、その間にするべきことは、その場に居合わせた人が救命行為をすること。しかも、誰もができることが理想です。直ちに胸骨圧迫、いわゆる心臓マッサージですが、それに加えて、近くにAEDがあれば助かる命は1つでも多くなります。 公共施設は外づけになっておりますが、現在の市内のAED設置場所を増やすことも含めて、民間施設でも外づけを啓発していく必要があると考えますがいかがでしょうか、お答えください。
○議長(水門義昭君) 松山消防長。 〔消防長松山孝生君登壇〕
◎消防長(松山孝生君) 救急車が通報を受けて現場到着するまでの時間は、消防白書による令和3年の全国平均が約9.4分、当市が約9分となっており、救急車が到着するまでの間、現場に居合わせた方が救命処置を行うことにより救命率向上が期待できると認識しております。 当市では、市民や観光客の救命率向上を図るため、平成30年度に高山市のAED設置に関する方針を定め、これに基づき、AED屋外化設置計画及びAED新規設置計画を策定し、いつでも誰もが24時間AEDを使用できる環境を目指し、平成30年度から令和2年度の3か年において、高山市公共施設に設置済みのAEDと地区公民館施設等に新規設置するAEDを合わせ、258施設での屋外設置をいたしました。併せて、市民や事業所への応急手当ての普及啓発に努めております。 今後とも、高山市のAEDの設置に関する方針に基づき、不特定多数の方が利用する新たな公共施設の建設などに合わせ、必要と判断した場合にAEDを設置することとしています。 市内にある、国、県の公共施設や事業所に設置されたAEDについては、来客や従業員の有事に備えたものと理解していますが、市としましては、屋外に適した収納箱の設置費用や盗難リスクへの対応など課題があることを踏まえながら、事業所等に対し屋外設置の有効性について啓発するとともに、営業時間内に近隣の市民や通行人が施設のAEDを持ち出して使用することについて事前の承諾をいただくなど、引き続き救命率向上に御理解、御協力をお願いしてまいります。
○議長(水門義昭君) 水野議員。
◆8番(水野千惠子君) 御答弁をいただきましてありがとうございます。 3月の定例会一般質問で、山腰議員が、女性にAEDを使用する際、プライバシー保護のためAEDの収納箱に体を覆い隠すことのできる三角巾などを入れるよう提案された件は、市も早速対応してくださったことに感謝を申し上げます。 余談ではありますが、今回の防災士資格試験、受講者54名中、女性が半数以上を占めております。大変すばらしいことだと思っております。防災に対する意識、救命救急を学ぶ姿勢が男女ともに高まっている証拠です。それに対して、行政もさらに支援、応援をよろしくお願いいたします。 私も今月の17日に資格試験、講習がございまして、そこで合格をすれば晴れて防災士の資格が取れるということになりますので、ぜひそれまでに勉強したいと思っております。 以上で私の一般質問を終わります。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、水野議員の質問を終わります。 次に、石原議員。 〔9番石原正裕君登壇〕
◆9番(石原正裕君) それでは、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 私たちの故郷高山での暮らしにおいて、時代の歩み、価値観の流れ、それらがもたらす社会構造の変化、生活様式の変化、これらを理解し、その現実を直視した上で、暮らしの充足とは何か、これを求めていく第九次総合計画10年とは、高山での暮らしをリアルに思考していき、構築していく新たな視点と整備が必要であると感じております。 11月、我々市議会は地域別意見交換会を実施。数多くの御意見、御要望を伺う中で、各地域、支所地域に限らず、市街地校区からも高齢化による同様の課題として、買物支援について取り上げられました。 ここには、JAひだが平成7年の合併以降、約30年にわたりAコープ等が生活購買事業を継続され、飛騨の食を支えてこられましたが、平成29年、政府の農協改革以降は事業の見直しを余儀なくされ、時代の流れとともに食に求めるニーズの変化も大変大きくなり、地元スーパーはもとより、大手ドラッグストアやコンビニ等の参入により、価格競争や品ぞろえなど地域密着形式では立ち行かない状況ともなり、現在では物価高騰と低金利政策の影響も加味し、市内Aコープの全店撤退の決定に至ったとお聞きをしたところであります。 私の暮らす朝日町では平成30年に撤退された経緯があり、私自身もほぼ毎日利用していたので、その際の寂しさや感謝の気持ちもあったわけであります。 こういった経緯を踏まえ、地方自治体として構築できる買物支援とはどの領域であるのか、そしてあるべきなのか、確認の意を込めて質問を投げかけさせていただきます。 これまで私自身も、先行してAコープが撤退された高根町において幾度か意見交換をさせていただき、その理解も深めてきたところであります。 私の認識として、高根地域で可能な買物支援策とは何か。例えば、配送サービス事業者や移動販売車等の活用、またはたかね号を利用した域内小売店の利用、買物代行サービスの組織化、行政施設や郵便局での生活購買事業化など、様々な可能性をお話ししてまいりましたが、地元として、その選択とはより最善であり、より効果的であり、よりスピーディーな対応、ここが買物支援において重要な視点であり、当然ながら暮らしてみえる市民の皆様の意思と総意を含め、現行の買物支援策へと至ったわけであります。 実はここに至るまでには様々な条件も加味されており、支援の対象となるのが、その所管は複合的に高年介護課や福祉課なのか、公共交通だから都市計画課なのか、いや、地域のことだから支所、または協働推進課、いやいや、もっと全体のことだから総合政策かも。とにかく対応に至る内容が広く、その目的を明確にしていかなくては的外れな支援へと陥りやすく、有効な支援の構築には至りません。 今後、各地域においてもそれぞれの地域性であり、個人の状況でありをリサーチしていく上では、該当される支援策の在り方も多種多様。地域として選択される中で、効果的な支援策を深く協議されることが必須条件。ただ、行政の支援だけでは立ち行かない。過疎化が進む支所地域においては、収益事業として成り立つため、民間事業者との関わりも考慮していく必要があり、地域での買物支援策に対するそれぞれの選択と納得が求められ、総合的な判断と決断も重要となります。 そこで、総合的な視点として、それぞれ地域の事情や個人の状況によって、各所管に関わる様々な買物支援の在り方が想定されるが、より効果的な買物支援への構築に向けた体制といった部分、市としてのお考えを伺いたいと思います。 〔9番石原正裕君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 上田総合政策部長。 〔総合政策部長上田和史君登壇〕
◎総合政策部長(上田和史君) 買物は、市民が安心して日常生活を送るために必要不可欠なものであるとともに、人の生きがいにもつながる大変重要なことであると認識をしております。 その一方で、事業者の廃業ですとか自身での移動が困難となることによりまして、買物に不便を感じている市民の方々がいらっしゃることも承知をしております。 これまでも、福祉部において1人で公共機関を利用することが困難な方の移動支援ですとか移動販売事業者への支援、一方で都市政策部においては公共交通体系の充実、市民活動部においてはまちづくり協議会との連携による地域活動への支援など、それぞれに取り組んでいるところでございますが、地域の買物環境は個々の事情や地域を取り巻く環境も様々でございますので、各地域の状況に応じて所管を超えた施策を実施していく必要があると考えております。 こうしたことを踏まえまして、現在地域政策課におきまして、担当部署や支所との連絡調整会議を随時行っておりまして、各地域の方々の思いや状況、さらには市民や事業者、団体などとの連携の在り方なども踏まえた効果的な支援策について検討しているところでございます。 引き続き、関係部署や支所が連携をいたしまして、地域の実情に合った施策の実現に向けて調整してまいります。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 今御答弁いただいたとおりだと私も認識しております。もはや、もう市で総合的な位置づけであるんだなというようなことも感じておりますし、先日の車戸議員の御質問の中で田中市長の御答弁もありましたように、少し買物支援のほうにも触れていただきましたが、やはり全市的であって、また、柔軟な体制で取り組むようなお考えも伺ったところであります。 やはり日本一広い高山市、そして、この地で暮らしていくというためには買物支援等、まだまだこの先にもいろいろな課題、これは人口減少であったり少子高齢化、これが起因となるような全ての課題があるのではないかと。やはり広域といった実情に反しての社会的な縮図。特に高山市、これは日本一がゆえ、難しい対応が顕在化していくのではないかなというふうに言えるわけでもあります。 やはりこういったことを踏まえますと、DX等の推進も含めながら、総合的なプロデュースといったところを切に願っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に参ります。 今ほどの質問において、収益事業として成り立つため、民間事業者との関わりを考慮していく必要もあるのだと指摘をさせていただきましたが、これまで市では、清見町において、地域再生のモデル事業としてきよみストアの事業化に向けての関わり等への経緯も伺ったところであります。 収益を求めるといった視点ではなく、生活購買事業とは生活インフラだと私自身も捉えており、今後の視点として重要な支援策の1つと位置づけをさせていただきます。 今後、超高齢化社会を迎えるに当たり、自家用車が必須の飛騨の暮らしにおいては、運転免許の返納へと踏み切りにくい地域事情もある中で、あえて買物困難な状況に陥ることへの不安、自身の身体的現状と地域の環境の現状がその判断の材料となります。 また、これまで協議した高根町での御意見には、特に高齢者の方々は、手に取って品物を選び、人と人と触れ合う中でコミュニケーションを得る、ここを重要視されております。町内の方からも、私たちもな、この地域に暮らしとってもいな、皆さんと同じように時には新鮮な魚も食べたいのよといったようなお声も頂戴をしております。 そして、きよみストアにおいては、地域の方が、地域から生活購買事業をなくしてはならぬと並々ならぬ決意があり、郷土愛からの事業化であると私は感じております。地域のインフラ事業とは、地域で守る、そして利用する。この意識、ここが重要であります。 また、地域事情がそれぞれある中で避けては通れぬ課題。生活購買事業等の選択を、ここをどのように整え、納得いただくかでもあります。 現段階、高山市内において、生活購買事業の流れとして、地元資本の店舗、域外資本の店舗がそれぞれにございます。事業規模や形態も様々であり、ここは消費者が選択されるのが通常の在り方ではありますが、ただ、支所地域、今後通常とは異なる選択も想定されるわけであります。 先行してまいりました私ども南高山を例に、高山南商工会登録事業所として生活購買事業所数を申しますと、高根町はゼロ件、朝日町は3件、久々野町が5件となり、それ以外、管内にはAコープと域外資本のドラッグストアが生活購買事業所ということになります。 令和7年2月をもってAコープが閉店となった際、さきに述べた高根町に暮らす方々の思いも踏まえても、店舗選択といったところは当然狭まっていくわけであります。 また、人口減少、少子高齢化、それを念頭に据え、消費者の減少とはイコール収益の減少による、今後さらなる事業所の撤退等への可能性も視野に入れ、単に応急処置といったような対応ではなく、地域が求める買物支援への対応と、生活インフラとして持続可能な地域であるためへの道筋を定める。 一之宮町においては、デマンドタクシーにて石浦町まで買物が可能となり、課題解決への道筋も見えてきたのではないかと感じております。 公共サービス事業を活用し、我々の地域ではどこへどの店舗へ買物に出かけられるのか。店舗選択要件といった定めはあるのか。また、買物代行サービス事業など間接的な関わりの中でも域内資本事業者との活用を積極的に行うとなるのか。人口減少社会を見据え、生活購買事業所、事業者が各地域にて営業され、域内、域外資本や営業規模や営業形態も様々ある。そこに暮らす市民の生活インフラといった視点を鑑み、各地域にとって持続的な生活購買事業であるためといったところ、市としてのお考えを伺いたいと思います。
○議長(水門義昭君) 上田総合政策部長。 〔総合政策部長上田和史君登壇〕
◎総合政策部長(上田和史君) 買物について申し上げますと、市内で店舗を営む全ての事業所が、資本の域内、域外や営業規模、営業形態を問わず、地域社会を構成する一員として市民の生活を支えていただいているものと捉えております。 また、そういった店舗に事業を継続いただくことは、地域の買物環境を維持するためにも非常に重要なことであると考えております。 こうした認識の下、地域の買物支援策について、その地域の実情に合った取組を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 当然、各地域において実情に合った取組、これは最優先されるべきであろうと思いますし、また、各地域の現状とともに、これからを見据えた持続的な生活購買事業の持続といったところが不可欠となるというふうになるわけであります。 今後の予想として、Aコープであっても地域密着型では立ち行かなかったということ、私は大変これを重く受け止めさせていただいております。民間において収益が上がらなければ、淡白に撤退といった、これは当然の流れになってくるのではないかと。それがなくなってからどうしようといったことでは遅いわけで、各地域においてもどの店舗を、どの形態で買物するのか。持続の面、選択していく必要があろうかと思っております。そのための地域店舗への利用の意識の向上であったり、または配送サービス事業なのか、移動販売事業なのか、買物代行事業なのかと。いろいろな手法、手段があるわけですが、利用といった部分への理解を含む、やはりソフトといった面。こういった面、行政としての関わりをぜひ深めていってもいただきたいなと思っております。これまでこういったところの中の経緯で私が感じてきたところだと思っております。よろしくお願いいたします。 次の質問に参ります。 今ほどの質問にて公共交通サービス事業にも触れてまいりました。買物支援策といった中では避けては通れぬ課題とともに、一筋の道筋への可能性もここにあるように感じております。 国においても、この辺りの課題解決への道筋として、ライドシェアへの協議がなされております。 以前会派として、兵庫県養父市で行われております国家戦略特区について視察をさせていただきましたが、養父市では公共交通空白地有償運送としてライドシェアの実証が行われ、うまく運用されているというような御説明もいただきました。しかし、これは国家戦略特区においての運用でありますので、通常は法で定められた交通空白有償運送と福祉有償運送となります。市においてもこれをひっくるめて自家用有償旅客運送が実用されているといったところです。 また、ライドシェアについては、今後国の方針決定がどの領域までか、法改正も含め待たれるところではありますが、そうはいっても、日々を暮らす市民の皆様は今を生きておられる中で、スピーディーな対応を求められております。 では、公共交通の枠組みの中で、機能をどのように転化しながら買物支援にも対応し得る機能を得るのか。 1つには、これからの国の動向を注視しながら、ライドシェアへの規定を意識した組立てとして、今後過疎地については、これはあえての選択ではありますが、交通空白有償運送を検討していくことも1つの考え方でもありますが、高根町においても運転手の確保など、様々な課題があることも重々承知をしております。 そして、もう一つ、新たな視点としては、貨客混載といった複合的な利用です。国交省も、過疎地など従来存在した乗り合いバス、路線バスによる貨物輸送の重量制限350キログラムまでを撤廃する規制緩和の実施もあり、今後も過疎地の実態に合わせた規制緩和も行われるのではないかと期待をいたします。 そこで、さきの質問にもつながりますが、地元で営む域内資本の事業者の持続化を考慮し、連携体制を整え、御注文をいただいた食品や生活必需品を路線バスに乗せ、拠点となる施設、例えば支所であり、道の駅といった皆様方が集まりやすい行政施設にお届けいただく。 ただ、課題としては荷下ろしや管理等への人員配置が必要であります。移動販売事業者との競合にもならない、そういった配慮も必要となります。何よりも、最大の課題は物流業界の2025年問題と、団塊の世代が後期高齢者となられる2025年問題が同時に訪れることです。さらなる人口減少と高齢化といった時代背景を捉えますが、それでもなお有用な公共交通機能としての在り方ではないかと私自身考えております。 そこで、九次総合計画を踏まえ、これからの10年度とは、これまでとは違う価値観での10年になると想像し、ここには多様性、SDGs、持続可能といったような価値観が組み込まれていく。こういった評価基準をどのようにクリアをしていくのか。枠組みといった中で創意工夫が自治体としての価値を高めていく。そんな10年でもあるわけであります。 そして、日本一広域な市である高山市において、施策事業においても最も効果的であるために取捨選択をしていき、利用される市民に納得いただくとともに、公共交通の在り方についても、公共交通事業者とも今後の在り方、そして機関、機能の持続も含め、新たなテーブルでの御協議も必要に感じております。 国の動向や今後の社会情勢を踏まえ、買物支援の構築等も踏まえた貨客混載といった公共交通機能の在り方について伺いたいと思います。
○議長(水門義昭君) 池之俣都市政策部長。 〔都市政策部長池之俣浩一君登壇〕
◎都市政策部長(池之俣浩一君) 買物支援の1つとして、買物ができる場所までの移動手段を確保するなど、公共交通が果たす役割は非常に大きいものがあると捉えております。 議員仰せの公共交通における貨客混載の取組につきましては、路線バス等を活用して食料品や日常生活品を運搬することで各地域へ必要品を運べる手段が増え、買物支援につながるほか、運転手不足の解決にも寄与する取組であると捉えております。 しかしながら、荷下ろしなどの人員確保や、他事業者との競合などの課題があるほか、実際の需要が不明なところもございますので、現在のところは実施に至っていない状況でございます。 ただし、貨客混載も大切な視点であることから、今後も公共交通事業者と連携しながら、市民ニーズの把握や新たな取組の模索などを行いながら、公共交通における買物支援の取組を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 公共交通事業とは、生活インフラにおけるやはり大動脈であろうかなと思っております。その存続とともに、貨客混載など新たな視点での機能といった拡充、ある意味、これは最後のとりでということにもなるのではないかというふうにも考えます。 前の質問と少し関連しますが、私の実感としまして、地域密着型で理美容院を26年間営んでまいりました。年々地域の人口は減り、イコールお客様も減ってきた、そんな現状があります。価格面であったりサービス面、大手と言われるようなところと同様の提供といったところは難しい面があったなと。でも、そんな中でも、人と人とのつながり、信頼関係といったものを築きながら、小さいながら零細企業として維持をしてきたといった、そんな肌感を感じてきたから申し上げますと、生活購買事業所についても、資金力のある事業者と、あと、配送や移動といった形態の事業者が地域において存続し得る未来といったところも予想できるわけであります。ですから、毎日地域を巡る公共の路線バス、お客様と共に食品と貨物を運んでいただけるといったことは、地域において公共的、また、公益的に持続可能となる手法であるのではないかと考えるに至ったところであります。 ぜひ、今後こういった視点も議論のテーブルに上げていただきながら、また御検討いただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 それでは、2つ目の質問に参ります。 田舎暮らししてみんかな、飛騨高山ふるさと体験施設秋神の家。このキャッチフレーズを拝見いたしました。私自身、地元にある公共施設、移住につながる体験施設として、コロナ禍以前より注視をしており、この施設の活用の広がりに期待を寄せてもおりました。 しかし、コロナショックによって世界の潮流が一変しましたのでここへの質問は控えておりましたが、コロナ禍も明けましたので、施設としては移住施策にとって重要なキーとなる、いわゆるスタートアップと言われるような施設でもあります。 その可能性も含め、今回はお聞きしてまいりたいと思います。 1つとしては、コロナショックを経てきた中で、利用者の推移と移住者の推移がどういった流れであったのか伺っておきたいとは思います。 そして、私から地元の方々に対し、秋神の家の御利用者について御存じですかとお尋ねをしました。お答えいただいたお声には、誰じゃ分からん者が歩いておったわとか、何か知らん若い者がおったわといったような感じで、地元との交流がないことが推察できました。 パンフレットを拝見いたしますと、地元住民及び秋神の家利用者同士の交流会を開催する場合がございますとの記載もありますが、入居のタイミングや季節感、入居数の状況であったり、当然一月から最長二月といった短期の利用においては、必然として交流会の開催は難しいのではないかと想像いたします。だから、単に1日当たり470円、この価格に引かれて利用されておられるのではないのかな、最終目標である移住につながっているのかなと懐疑的な思考、そんな結果や現状があるのではないかというふうに感じてもしまいます。 私自身としては、体験施設があるということの意義は、これからの大きな課題、空き家対策への課題解決にもつながる大切な意義ある施設としてもう一度御検討いただきたいと切に願い、御提案を申し上げます。 田舎で暮らすとは、都会暮らしとは違い、利便性は圧倒的に低いが、そこに暮らす価値観を見いだすから田舎に暮らし続けるわけで、様々な刺激を求める暮らしではなく、自然と共にありのままの自分を見つめ、暮らす。その醍醐味があるから、だからどこの田舎で暮らそうが実は大して変化があるとは思っておりません。 利用者の中には、自分が理想とする魅力ある田舎暮らし、多分そこには趣味の領域といったところも存分に含まれていると感じております。だからこそ、飛騨高山であるから体験できるメニューをこちらから御提案する。高山での田舎暮らしは自然、文化などほかでは味わえない魅力があり、短期の間に最低1つは体験をしていただき、その体験談をつづっていただくことで次の方への周知ともなるわけであります。 そこで、高山魅力発見プランという案として趣味に応じたというようなことですが、私であればですが、きれいな川で釣り等を楽しむことであったり、キャンプ施設も充実してきましたので、1日キャンプ&バーベキューを楽しむ体験、ゴルフや軽スポーツの体験といったような民間施設の活用であったり、公共の観光施設を御利用いただいたり、または古い町並で食べ歩きをされて、そういった体験型のリポートプランなどなどといったような、幾らでも高山を発信していく魅力が転がっているわけであります。また、四季折々に合わせたプランの変更も可能となりますので、ぜひあまり負荷のかからないような、自分に合ったプランを選択し、1つでも、幾つでも、施設利用期間中に利用者に御体験いただくことを必須として、1人でも多くの移住者へとつなげる策を要し、また、高山の魅力を発信いただく代弁者ともなっていただきたいと考えます。 こういった可能性を秘めた施設は1つの柱として立たせるため、いま一度その在り方、秘めた可能性を最大限に生かしていただきたいと感じております。 時に、秋神の家が老朽化しているといったところも存じ上げておりますが、仮にですが、大規模改修なのか、それとも他の施設等を新たな拠点というふうにお考えなのか。存続といったような方向性を見いだすのであれば、飛騨の匠の技術を生かした内装や家具も取り入れながら、おしゃれな飛騨高山の空間を演出しても高山の魅力は伝わります。これは、いわゆる内見等での1つの見せ方の工夫でもあろうかと思っております。 飛騨高山ふるさと体験施設秋神の家について、現状の課題をどのように捉えるのか。今後より移住へとつながる重要な施設としては、高山での暮らしに魅力を感じていただける体験施設へとの改善も必要と捉えます。今後の飛騨高山ふるさと体験施設としての取組についての考えを伺いたいと思います。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 移住検討者に現地での暮らしを体験いただくことは、移住をより具体的にイメージする上でも効果的であり、飛騨高山ふるさと体験施設秋神の家はそういった役割を担う施設と捉えております。 まず、利用状況の延べ人数では、平成30年度は21世帯52名、令和元年度は19世帯53名の利用があり、その方々のうち、平成30年度は3世帯7名、令和元年度は3世帯5名が当市に移住をなされました。ここ数年は新型コロナ感染症による施設閉鎖もございまして利用者は減少しており、令和2年度は1世帯2名、令和3年度は6世帯11名、令和4年度は3世帯5名、令和5年度は5世帯7名の利用となっております。この4年間では、今のところ、令和3年度に利用された1世帯1名が移住につながっております。 続きまして、課題でございますが、秋神の家は市街地まで車で40分かかり、周囲に民家も少ない立地となっており、利用者の聞き取りでも、買物や移住の情報収集における利便性が低い、それから議員も御紹介されましたが、地域住民との交流が難しいといった声が上がっております。また、高山への移住体験という面では、特に冬の生活を体験していただくことが重要であると考えておりますが、秋神の家では水道管の凍結トラブルが頻発したことから、現在は冬季間の利用は全面的に中止せざるを得ない状況となっている課題がございます。 続きまして、議員仰せの暮らす魅力の体験をプラン化する取組は、秋神の家施設利用者だけではなく、広く移住検討者に提供するほうがより効果的であると考えております。現在、移住者交流ネットワーク「ツラッテ」では、高山の自然や文化に関するイベントを開催しており、今年度は四十八滝の散策や、高山祭屋台やわいの見学といったイベントを実施しております。こうしたイベントに秋神の家利用者や移住検討者を招待し、高山の魅力に触れつつ、先輩移住者であるツラッテ会員との交流を深めていただくことで移住につなげたいと考えております。 また、施設の改善につきましては、利便性の低い立地であることなどの課題もございますので、それらを踏まえた施設の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 後ほどお話ししたいと思いますので、次の質問に移ります。 秋神の家は、今ほど申し上げたように短期の施設利用という位置づけがございます。以前より短期利用ではもったいないなというようなことを思っておりました。次のステップとしては、やはり中期的であり、長期的に暮らす体験、できる施設といったところであります。 ただ、現在においては民間による農泊施設等が充実してきたことを感じており、民間施設事業者にもこの辺りを伺ってみました。コロナ禍以前ではありましたが、移住を希望される方々との懇談があり、その思いを当時伺ったそうであります。 高山に移住されたい方は多くおみえであったと。ただ、残念ながらその当時、その受皿が整っていなかったのだと。だから私たちは事業化を目指し、行動してきたのだと当時からの事業化への経緯も伺った次第であります。 このお話を伺う前に、私自身こういった民間施設等、ネットで検索をしてみました。岐阜県の施設としては御紹介あったものの、高山としての紹介はございませんでした。事業者さんからの御意見にも、もう少し市も私どもの施設への誘導があってもいいのではないかとのお話も伺いました。 自分も一月や二月といった期間では魅力は伝わらない。四季折々を体験してこそ高山の暮らしを満喫でき、移住の際の課題でよく伺います暮らしてみたらこんなはずじゃなかったといったようなことへも軽減ができ、やはりステップとしては中期的な暮らし、その機会を構築することは、長期的、または永住へと、その決め手にもなり得るのだと。四季を通じた中で中長期的な飛騨高山の暮らしの体験への構築には民間との連携強化も必要であると捉えますが、市のお考えを伺いたいと思います。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 議員仰せのとおり、市といたしましても、冬季を含む中長期的な暮らしの体験をすることは、理想と現実とのミスマッチを未然に防ぎ、当市で暮らすイメージがつくり上げられ、移住につながるものと捉えております。 当市には、短期から長期まで様々な移住体験者を受け入れる官民の施設があり、市有の滞在型市民農園施設彦谷の里のほか、ワーケーション・テレワーク・農泊の民間施設として、朝日町の農泊シェアオフィス合歓木ふれあい住宅や、農業体験ができる寄合所 耕 Kabuto Villasがございます。 あわせて、飛騨高山民泊・簡宿組合では移住者の受入れに取り組まれているなど、民間における移住者受入れに積極的な動きもございますので、市は市内にある移住体験施設を移住定住サポートセンターの窓口やサイトで紹介し、移住体験を希望される相談者に短期から長期まで多様な滞在スタイルの情報提供を行うとともに、民間と連携し、バリエーション豊かな移住体験の提供に取り組み、移住、定住、永住へとつなげてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 今回、移住の体験施設のくくりとして秋神の家が位置づけされておりましたので質問をいたしましたが、この施設自体は普通財産ということであります。 また、利用者からも、市街地からの立地であったり、公共交通機能の現状からも不便な面を感じておられるといったところも、御答弁のとおり私も伺っておったところであります。 ですが、田舎で暮らすとはそういうことであろうかなと思っており、その覚悟があるのか、それでもこの地に根を下ろして暮らし続けるといった中で愛着といったものが育まれていくのかであります。 住めば都、この言葉がありますが、暮らしていただかなくては高山を都というふうに認識もされません。ですから、そのきっかけへの受皿となります施設の利用継続は不可欠にも感じております。 今後検討されていくことかなと思っておりますが、私は秋神の家の在り方が全てであるとは思ってはおりません。短期にしても、より民間との連携により様々な面で移住希望者へのアプローチも可能。また、市民の皆様からは、今後空き家対策への御心配、たくさん伺っているところでもあります。空き家への利用や活用にしても、利用者や移住者といった需要、このパイが増えていかないことには、いつまでたっても供給面での議論でとどまってしまうのではないかと思っております。移住に向けた明確な目標を定め、そのための施策や事業といった目的を有効に果たす一連のサイクルとして、市としては横断的な体制、民間との連携など、今後もやはり抜本的な見直しをしていただきながら進めていただきたいと思います。御期待を申し上げます。 最後の質問をさせていただきます。 飛騨地域初のストリートピアノの設置を。私自身、ストリートピアノに関わるユーチューブ動画が好きで、演奏系ユーチューバーの企画などを楽しみに拝見しております。 全国に広がるストリートピアノの盛り上がり。1台のストリートピアノには観光振興においてもその可能性を秘め、様々な企画、イベントでの効果もあるのだと感じております。 今年度、朝日支所にて、ストリートピアノといった形式ではございませんが、夏休み期間、支所内ホールのピアノを自由に弾いていただけるよう開放した際、親子でも演奏を楽しまれたようで、これは1つの憩いの場としての御提供もされたのではないかと捉えております。 また、私が想像いたしますストリートピアノの設置につきましては、例えば高山駅構内、行政施設としては大政や飛騨の里など、そして各道の駅といった空間に設置できればと想像しており、大政であれば、これは私のイメージですが、行神橋にたたずみ、宮川を眺めながらみたらしを頬張り、そこで聴こえてくるピアノの旋律。情緒と風情を思い描くわけであります。そして、コロナ禍もあり、人流が期待値とはいかない大政周辺や飛騨の里のにぎわいといったところにも一役買ってくれるのではないかということを期待するわけであります。 1台のストリートピアノにはその可能性が十分あるわけであります。時にイベントとして演奏系ユーチューバーにぜひ高山に訪れ、演奏していただく。そんな盛り上がりと感動も視野に入れていきたいです。 課題となる点はピアノの調達と管理、そして住民に迷惑とならない設置場所となります。ピアノについては、我が家では2人の娘がおりまして、幼少期の習い事にはピアノがよいのだと勧められ、ピアノ教室に通わせました。ピアノの発表会などもあり、先生からはピアノの購入を勧められ、当時本当に苦労して用立てたという経験がございました。ですが、その後すぐに娘たちは繊細なピアノ教室を辞め、キックボクシングやダンスなど体を動かすハードな教室に方向転換。我が家には誰にも弾かれないピアノが寂しく10年以上たたずんでおります。 ピアノがピアノであるための活躍をしてほしい。我が家のものではそれがかなわない。それだったら、どなたかにピアノ使ってちょうだいとも思っております。我が家のように眠っているピアノをお持ちの御家庭もおみえだと思いますので、この辺りの課題は十分にクリアできると思います。ピアノの管理や調律といった作業も必要ではありますが、ある程度自由に御利用されるのがストリートピアノの性質でございますので、ホールのものとは若干異なるわけであります。 だが、設置場所といったところについては騒音とならぬよう、十分な配慮が必要かと思っております。 ここで、参考までに全国のストリートピアノ設置状況を確認いたしますと、2023年調べで全国には671台の設置、駅直結が205台、各道の駅には30台、また、都庁や岐阜市役所など行政施設での設置も多く見られ、これは全世界でいいますと5,000件以上との情報もあるわけでございます。 世界的な広がりもある中で、国際観光都市をうたう高山市で、ストリートピアノの演奏で歌えないというのも寂しく思えるわけであります。観光振興の観点からも、飛騨地域初のストリートピアノの設置、御検討いただきたいと思いますが、御見解を伺います。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) ストリートピアノにつきましては、私も市民の方から、例えば高山駅に置いたらいいんだけどな、すてきだなとか、いろいろな公共施設がございますので、そういったところに置いたらどうかという、そういったお声は聞かせていただいておりますし、私の家も議員さんのところと同じように長い間弾かれていないピアノがあって、それはもう既に、私、売り払ったという経緯がありますけれども、観光客に限らず市民の方々が、ストリートピアノなのかどうかはまた別として、例えば、割と比較的自由に公共施設であるとか、公共の場を使って何か活動していただくという視点を持てば、ストリートピアノも1つの大きい活用方法かなというふうに思っておりますので、またちょっとここでやるやらないとかという、そういうことじゃなくて、せっかく御提案いただいたものでありますので、またこれからちょっといろいろとお話をさせていただく中でいろいろな方策が出てくるかと思いますので、そういったところで今日はお許しいただきたいと思います。お願いいたします。
○議長(水門義昭君) 石原議員。
◆9番(石原正裕君) 市長より御答弁いただきました。 本当にいろいろ課題もあるわけですが、少し観光の観点から、なぜストリートピアノ設置といったところを質問させていただいたかという狙いについて少しお話しさせていただければなと思っております。 国際観光都市として歩む飛騨高山には、やはりもう少し市民の方々と観光客の方々とが交流できる機会であったり、また、一緒に楽しめる場所やイベント等といったところがなくては、やはり観光事業にあまり関わりのない多くの市民の皆様がおられるわけで、そういった皆様にとってはやはりオーバーツーリズムの不安であったりとか、そういったところ、置き去り感があるのではないかといったような御意見、大変多くなってまいりました。 そういったことでも、やはりいま一度観光振興を進めるに当たって、その原点となります市民と共に歩むべき観光といった在り方。そして、人との出会い、時に外国人ともお知り合いになれるといったのが、こういったチャンスがあるのが高山市であろうかなと思っておりますし、また、基幹産業として市民の皆様方にも我がまち観光ありと誇りに思っていただきたいなというようなこと。そういった相互理解を深める手法として、やはり市長もお話しいただいたように、誰もが自由に関わり合えるようなストリートピアノの設置と音楽の可能性といったようなこと、そういった考えを巡らせていただきまして今回質問をさせていただいた次第でございます。 ぜひ、また市民との調和といったところも重点に置きながら、またいろいろな面で観光振興を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、石原議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 休憩します。 午前10時45分休憩 ――――――――○―――――――― 午前11時00分再開
○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 次に、西本議員。 〔10番西本泰輝君登壇〕
◆10番(西本泰輝君) お疲れさまです。 それでは、通告に基づき、一般質問をさせていただきたいと思いますが、その前に1つお伝えしたいことがあります。 市長を始め、市当局の御理解と応援をいただく中で、9月定例会の本会議において旧アルコピアスキー場施設の一部を無償譲渡する議案が可決されたことにより、民間施設として活用の一歩を踏み出された桐山淳一さんが、有限、無限の無限という意味の株式会社MGNを設立されました。スキー場でヒュッテ経営をしていたまだ若い彼ですが、かねてより雪や森林空間、星空などといったふるさと久々野の豊かな自然を生かして、年間を通じたキャンプ場や体験型ツアーなどを満喫いただくことを目指して準備を進めてきましたが、いよいよ今月16日土曜日にひだ舟山リゾートアルコピア、略称アルコピアとしてオープンされます。産業建設委員会で議案が可決された際には、渡辺委員長から委員会の要望的意見として、無償譲渡に当たり、地域活性化のために行政として支援していただくこと、そしてまた、広域的に全体を考えた中での支援を行うことを理事者にお伝えいただきましたが、今後の久々野地域の振興策とも関係する取組になると思われ、地域でも期待されておりますので、応援をよろしくお願いいたします。 さて、今回の私の一般質問は、大きく3つの項目、日本一広い高山市の観光を活用した持続可能な地域づくりについて、久々野地域の地域振興策と一之宮地域との地域一体としての魅力向上と活性化について、難聴地域の解消による地域FM放送の情報格差の改善についてであります。 全国的に子どもの数が減り、高山市でも人口減少による影響が現実のものとなる中で、これまで先人たちの英知や努力により培われてきた国際観光都市飛騨高山の観光を将来にわたり発展させ、若者たちや子どもたちがふるさとに住み続ける夢や希望を抱いてくれるためにも、多様な特色を持つ日本一広い高山市における各地域の観光の活用は大きな未来への可能性を秘めており、今回の一般質問を通じたキーワードでもあります。 それでは、1の日本一広い高山市の観光を活用した持続可能な地域づくりについて、4点質問いたします。 最初の質問は、地域の稼ぐ力の創出による地域経済活性化の取組についてであります。 私は、昨年12月定例会の一般質問で、田中市長に、公約の3か条の中にある観光を柱にした地域経済から、地域経済のために観光を生かす新・観光ビジョンについての考えを伺いましたが、9月に産業建設委員会に協議された観光を活用した持続可能な地域づくり方針案はその方針と受け止めております。 田中市長は、公約の中で、旅行イコール観光の狭義な定義にとどまらない、郷土教育や環境、地域振興などを組み入れた広義な観光を再定義するとされておりますが、私は特に観光をもっと地域振興に生かすべきではないかと思っており、昨年の一般質問で確認したデータで示されたように、高山地域と比較して、事業所数、従業者数、宿泊者数が大幅に減少し、地域経済の活力が年々低下している支所地域では、特色ある地域の宝物を観光で生かし、新たなにぎわいや活力を創出して、地域の稼ぐ力を高めることが重要であると考えております。 そこで、観光の活用により、日本一広い高山市の多様な地域特性や地域資源を輝かせ、どのように地域の稼ぐ力を生み出し、地域経済を活性化して持続可能な地域づくりを進める考えか伺います。 〔10番西本泰輝君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 国内における観光を取り巻くその状況というのは、コロナ禍、あるいはコロナ後で、例えば旅行会社に頼る出発地の主導型から、より地域が主体的とか、あるいは戦略的に集客や開発を行う地域主導型、要するに着地型と呼ばれているものですけれども、そういったものに転換するとか、あるいは個人旅行への転換であるとか、自然体験ツアーの台頭、モノからコトということですよね。あと、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展など、それぞれの地域が持っている魅力を地域資源を活用して、創意工夫しながら新たな観光需要につなげていく必要があるというふうに思っております。 高山市においては、もう半世紀以上にわたって取り組まれてきた誘客活動の実績が、官民が一体となった連携体制を構築しておりますし、本当にこれまでの方々、先人の方々より脈々と受け継がれてきた優れた伝統文化、景観、食文化、そういった財産ですね。あとは飛騨山脈、白山など、あるいは御嶽などの自然。あとは、そういったところから生み出す農畜産物ですね。食、あと、おもてなしの心で旅行客を温かく迎えているという、そういったものがあってこそ、コロナが明けてから国内外の観光客の方が高山市に訪れてこられまして、ほかの地方では少し見られない、そういった姿を呈しているのかなということを、私、実感しております。 ただ、今議員さんが御指摘になったように、それは全市的に広がっているかというと、必ずしもそうではないというふうに思っております。 私の思いとしては、当初からずっとお話をさせていただいて確認をしていただいているように、本当に470万人を超える観光客の方が訪れる国際観光都市として、成熟した観光の手法を活用することで様々な産業とか、地域とか、人をつないで、相互の活動等への参加を促して役割分担を明確にするということで、民間の方々の底力であるとか、地域の稼ぐ力を底上げするということは考えておりますし、そういったことで、例えば交流人口の拡大とか、そういったものにつながるというふうに思っています。 これまで観光として、魅力はあるんだけれどもその手法がないとか、どういうふうにやっていけばいいか分からない、プレーヤーがいないとかと、そういった課題があって、なかなかいわゆる観光地として、高山市の市街地であるとか、奥飛騨温泉郷とか、それ以外のところへなかなか集客が進まない、人が行かないといった状況がございました。 ただ、今はいろいろな、例えば丹生川であればBig Bridge構想であるとか、例えば久々野であれば今の冒頭におっしゃった舟山アルコピア、あそこを活用することであるとか、そういったことというのは必要であると思いますし、プレーヤーが若い方が今出てきつつありますので、幾ら行政が一生懸命やっても、どなたがやるかという、誰がやるかという、そういう視点が抜けていたらそういった活動につながりませんので、そういった魅力を出てきている中に、プレーヤーと一緒に今までの観光の手法を地域経営にも充てていきたいと、地域づくりにも充てていきたいという思いがございますので、そのことにつきましては今後、後ほど質問にも出てきますけれども、新しい団体とか、そういったものにパートナーとして委ねることにより効果的にするといった、そういった手法をこれからやっていきたいというふうに考えておりますので、またいろいろな御意見ございましたら一緒に共有させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) ただいまの答弁、大変よく分かりました。ぜひそのように進めていただきたいと思います。 いま一度そこで考えたいのは、市長の答弁にもありました高山市の強みということであります。高山市にはそうした強みがたくさんありますが、どこの市町村にも絶対に負けない強みは、日本一広い地域であることと、SDGsでも誇れる森林資源、木や森林空間であると私は考えております。言い換えれば、日本一の多様な特色ある地域が様々な地域資源を有し、日本一の森林空間が広がる環境に優しい市と言えるかもしれません。 昨年12月の一般質問で、私が市長に、まだまだ多くの地域資源が眠り、生かされていない支所地域の持続可能な地域づくりの実現のための観光振興の活用について伺ったところ、田中市長は答弁の中で、今ほどもありましたが、これまで合併して一体感をつくるということの中で、観光という視点から見ると、どうしても地域地域の特色が埋もれてしまっているというところは否めないところと述べられております。 平成17年の市町村合併から20年近くたった今日、持続可能な高山市のための次のステージを考えると、地域地域の埋もれてしまった特色を磨き直し、さらに、新たな宝物を発掘して高山市全体で観光を活用して、人も地域も輝かせることができるのではないでしょうか。 そこで、次に、日本一広い高山市の各地域の地域資源を有効に活用する仕組みについて質問をいたします。 モノ消費からコト消費や地域主導型観光への転換、観光DXの推進を図る中で、四季折々の地域の特色を楽しみながら市街地と支所地域間を周遊し、体験プログラムなどにより観光客の滞在期間や滞在日数、リピーターを増やすような地域のデザインを描いて広域的な観光ネットワークを構築するなど、地域資源を有効に活用する仕組みをつくるべきであると考えますが、市の見解を伺います。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 日本一広大な高山市には、歴史、伝統文化、自然など多様な観光資源やそれらを生かしたコンテンツがあり、各地域の観光協会などが事業の企画や運営、情報発信などに取り組まれております。市では、各観光協会に対し、観光協会補助金や観光イベント開催支援補助金などにより、団体運営やイベント開催などの支援を行っているところでございます。 また、市内の全ての観光協会により構築されております高山市観光連絡協議会では、飛騨・高山観光コンベンション協会が事務局を担い、支所地域の観光協会とも連携を図りながら、高山市全域における統一的なプロモーションや誘客促進、情報共有に取り組まれております。最近作成された各地域別のパンフレットは、統一的なデザインにより市全域の一体感を表しつつも、各地域の特徴を魅力的に表現されており、非常に好評を得ていると伺っております。市では当該団体に対し、観光客誘致推進事業補助金を交付することで、市全域における観光産業や地域経済の活性化に対する支援を行っているところでございます。 議員仰せのとおり、昨今の観光を取り巻く状況は、団体旅行、モノ消費といった形態から、個人、グループ旅行、コト消費へと、コロナ禍を経て大きく変化し、それに伴い、観光関係団体に求められる役割もより高度化、複雑化していることから、今後支所地域を含む市全域の観光振興を中心的に担う組織の体制強化が必要であり、観光関係団体と協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 御答弁の内容は分かりましたけれども、ただいまの御答弁では、質問をしました地域のデザインを描いて広域的な観光ネットワークを構築するなど、地域資源を有効に活用する仕組みをつくるべきではないかということに対して、市はどう考えているのかよく分かりませんでした。このことについてはどうなんでしょうか。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 今ほど議員おっしゃられました広域的な観光ネットワーク、それから地域資源を有効に活用する仕組みづくりというようなことでございますが、先ほどの答弁の中で、最後のほうに申し上げました、観光振興を中心に担う組織の体制強化、その体制を強化していく中で議員仰せのとおりのことを念頭に置きながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) よく分かりました。ぜひその中で前向きな御検討をよろしくお願いします。 今回の一般質問に当たり、観光関係者の方々など、いろいろお話を伺う中で、昇龍道プロジェクトや松本高山Big Bridge構想も大変重要ですけれども、東京都と同じ面積を有する日本一広い高山市ですので、その強みを最大限に生かし、市内各地域の人材や地域資源を掘り起こし、輝かせることで、できるだけ長く市内に滞在していただいてお金を使っていただく。市の内側へ向けた観光プロジェクトも必要ではないかと強く感じております。 高山地域からは、南北に久々野地域から一之宮地域、国府地域まで国道41号とJR高山線が、また、東西には荘川地域から清見地域、丹生川地域から奥飛騨温泉郷地域へと国道158号が走り、さらに北部の国府地域からは十三墓峠を通る県道国府見座線で上宝地域へとつながっております。南部の久々野地域からは国道41号から西へ舟山民営アルコピアやあららぎ湖、位山市営モンデウスパーク、東へ国道361号沿いの朝日地域、高根地域へとつながり、江名子から美女トンネルを抜けたところにはワイナリーができたり、高根にウイスキーの醸造所ができたりと、CRAFT VALLEY 361という街道沿いのイベントがこの秋にはこうして新たな地域資源も加えて開催されるなど、市の南玄関として楽しみな地域となってきました。 先ほどの御答弁では、支所地域を含む地域、市全体の観光振興を中心に担う組織の体制強化を観光関係団体と協議していきたいということでしたが、そうした協議の中でも各地域の特色を生かした地域デザインを描いて、風光明媚な下道を走ったり、JRの活用や二次交通の充実、サイクリングやEバイク、ウオーキングやトレッキングなどにより周遊し、様々な奥深い高山市の魅力を体感できる広域的な観光ネットワークを構築するなど、地域資源を有効活用する仕組みづくり、今ほどもお願いしましたが、改めてお願いをしておきます。 そこで、質問をさせていただきます。 新型コロナの収束によりインバウンドが回復し、古い町並を始め、中心市街地には外国人観光客があふれております。 今後まだまだ増え続けることも予想される中で、外国人観光客の支所地域への周遊対策は大変重要になると思われますが、市内全域へのインバウンドの誘客、受入れの仕組みについてどのように考えられているでしょうか。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 現在、市では、松本市と連携し、環境省が進める国立公園満喫プロジェクトに基づきます、議員御紹介の松本高山Big Bridge構想の取組や、観光庁が進める高付加価値なインバウンド地域づくり事業などを通じて、高山市街地から丹生川町、それから奥飛騨温泉郷におけるインバウンドの受入体制強化や新たな仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。 現在、具体的な事業の検討やマスタープランの作成を進めているところでございますが、当該地域に限らず、議員御紹介のクラフト作家の工房が続く街道が注目を浴びております朝日町など、インバウンド客に対し、訴求力のある観光資源を有する地域は多くあることから、当該事業で行われている議論や検討の手法などを参考としつつ、今後、市全域への展開も視野に関係団体とも連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) オーバーツーリズムの解決にもつながりますので、ぜひ積極的な取組をお願いします。 続いて、市の人材活用について伺います。 まちづくりは人づくりと言われて久しいですが、観光を活用した持続可能な地域づくりにおいても、それをリードしたりコーディネートしたりする人材が必要不可欠であります。 市長は、観光というのは人材とか資産とか産業を有効に活用できる裾野の広い産業で、総合政策であると言われておりますが、そうした観光まちづくりを担う人材育成について、どのように考えられていますか。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 先ほども西本議員さんがいろいろな高山市の魅力を述べられて、それをつないで魅力として発信したらいいという、そういうお話をされました。私もそのとおりだと思うんです。 ただ、今の人材のほうにも関わってくるんですけれども、誰がやるのか。私自身は、今ここで問われている観光に関する人材という意味では、高山市は既にそういった方々、存在していらっしゃると思うんです。いろいろなこれまでの経験をお持ちで、いろいろな御自分なりに事業をやられてという意味では、そういった方々が存在していらっしゃると思うんですよね。ほかの地域に比べればそういった方々が多いと思っています。 私、今一番悩んでいるのは、そういったルートをしっかりとつないで、それをしっかりとPRをして、そこまでは行政、できると思うんですよね。その後、どう売っていくのか。その後どうお客さんを引きつけるのかということが一番難しいと思うんですよね。 そういうものを担う方々、あるいは担う組織、担う事業所があれば、私は余計それが加速するというふうに考えまして、冒頭に申し上げた、新しい組織を構築してもっと戦略的にやっていく必要がある。もしそこができないんであれば、民間のそういった事業所があればそこと連携してやっていくということにすれば、お客さんに訴求できるいろいろなコンテンツとか、そういったものが実際に提供されて、それを販売して経済活動につなげていくという、それができると思うんですよね。今はその過渡期にあると私は思っています。 ですから、もし、そういった人材は私はいると思っていますけれども、存在していると思っていますけれども、そういった方々がそういった動きがあるのであればもうサポートしていきたいと思っていますし、歓迎はしたいと思っていますし、それに新しい組織を加えてやっていくことで相乗効果を高めて、より高山市の中心とか奥飛騨に集中していた方々を支所地域の魅力に触れていただくというような活動につなげていくのではないかというふうに思っておりますので、そういった方向で今後やりたいというふうに思っているのが1点と、人材育成についても、そういった活動をする中で、そういった方々を活用することでそういったノウハウを持っておられる方が生かされる。そういったふうに思っておりますので、お答えになったかどうかちょっと不安なんですけれども、よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 私も同じようなことを思っておりまして、そこで悩んでいるところですので、また共に一緒に考えて生かしていきたいというふうに思います。11年ぶりに復活しました地域おこし協力隊、こういった方々も観光分野にも積極的に取り入れていただきたいということも思います。 それでは、1項目めの最後に、支所地域の観光協会と地域DMOの関係、そして、その体制強化について質問をさせていただきます。 先ほど御答弁もありましたが、市では各地域の観光協会に補助金を交付したり、全ての観光協会で構成される高山市観光連絡協議会にも補助金を交付して観光産業を支援されております。 具体的には、観光協会の運営に係る補助金は人件費及び管理費の2分の1補助で、会費収入が500万円以上の高山、奥飛騨の観光協会には上限370万円。会費収入が500万円未満のそれ以外の観光協会には上限130万円が交付されており、高山市観光連絡協議会には観光客誘致推進事業補助金として1億円が補助され、また、観光協会などの関連団体で組織するイベント実行委員会等が開催するイベントにも補助金があります。 しかし、支所地域の小さな観光協会においては、スキー客の激減やスキー場の廃止などにより、かつては何十軒もあった旅館、民宿も僅か数軒になり、会費も入らず、人手もなく、新たな事業に取り組むどころか、事務局体制についても常勤職員を置く人件費がままならないというような状況にあるのが現状であります。 ある観光協会では半分ボランティアで事務局長さんをされており、その方は、観光協会はじり貧状態にあるが、何か関係人口を増やすような仕掛けができれば、専任で仕事ができる人がいればもう少しいろいろなことができるのではないか、支所地域への二次交通の確保、支所地域へインバウンドなどどうやって誘客するか、その仕組みを考えなければなどと話され、悩んでみえます。 そこで、観光を活用した持続可能な地域づくり方針案では、今後のアクションとして民間主体による観光地域づくり組織体制の構築支援が掲げられております。 高山市には地域DMOの一般社団法人飛騨・高山観光コンベンション協会と、奥飛騨温泉郷観光協会など、9支所地域の観光協会が高山市観光連絡協議会を組織されておりますが、支所地域のほとんどの観光協会が大変厳しい状況の中で、地域DMOとの関係をどう考え、体制強化を図っていかれるのでしょうか。この辺について、市の見解を伺います。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 議員仰せのとおり、支所地域の観光協会が大変厳しい状況に置かれていることにつきましては私どもも承知しているところでございます。 今ほども議員御紹介ございました民間主体による新たな観光地域づくり組織を検討する中で、支所地域の観光協会との連携や関係強化が図られるような仕組みづくりを進めておりまして、今後飛騨・高山観光コンベンション協会や支所地域を含む関係団体の御意見も伺いながら、議員仰せの支所地域の観光協会の状況も念頭に考えてまいりたい、そういった状況でございます。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 支所地域の観光協会の現状を踏まえた体制強化は、観光財源の確保や人とともに大変重要な課題ですので、今ほど御答弁ありましたようにしっかり取り組んでいただくようお願いしておきます。 それでは、次に、久々野地域の地域振興策と一之宮地域との地域一体としての魅力向上と活性化について、3点質問をいたします。 最初は、久々野地域の地域振興策全般についての質問であります。 市営スキー場が廃止となった久々野地域では、昨年度から久々野地域の地域振興策を考える検討会を中心に議論が進められ、11月には支所が広く住民に呼びかけ、持続可能な久々野の地域振興を考えるまちづくりタウンミーティングが開催されました。 私もタウンミーティングを傍聴し、地域の方々、そして子育てをされているお母さんたちの意見も伺いましたが、久々野地域では支所がこの春から情報クリップという地域の皆さんと支所をつなぐ通信を各御家庭へ配布を始めた成果もあってか、多くの方々や本庁、支所の職員が参加され、次代の子どもたちのことも考えながら熱心に思いを語られていました。 先日の第九次総合計画の意見交換会でも前向きな意見がたくさん出され、いよいよピンチをチャンスに変える動きが生まれてきているように感じますが、今後のスケジュールを含めて、市ではどのように地域振興策を決定し、具体化していく考えか伺います。
○議長(水門義昭君) 淺野久々野支所長。 〔久々野支所長淺野嘉文君登壇〕
◎久々野支所長(淺野嘉文君) アルコピアスキー場の廃止に伴う久々野地域の地域振興策につきましては、昨年度から12回にわたって、まちづくり協議会を始めとする各種団体などで構成する検討会を中心に議論を重ねており、現在も継続されているところでございます。 検討会の議論では、地域振興策の柱を、1つ目に、久々野地域の自然資源などの活用、2つ目に、久々野地域中心部の市有地の活用、そして3つ目に、道の駅飛騨街道なぎさの活用の3つの方向性に整理した上で、11月には、地域住民の皆さんやつどいの広場を利用されている子育て世代のお母さんたちを対象にまちづくりタウンミーティングを3回開催し、120人を超える皆様に御参加をいただき、さらに幅広く議論を進めてまいりました。 まちづくりタウンミーティングにおきましては、あららぎ湖や船山、飛騨官道などの自然資源や歴史、文化資源、あるいは森林空間などを連携させた活用、市有地を活用した子どもや高齢者など誰もが利用しやすい公園の整備や宅地分譲、買物が楽しめてゆっくりと滞在することができる道の駅づくりなど、3つの方向性について様々な御提案をいただいております。 一方で、誰が主体となって取り組むのか、あるいは、収益が伴わないと長続きしないのではないかといった具体的な取組を進めていく上で大きな課題となる御意見もいただいております。 今後、検討会においては3つの方向性を具体化していくための議論を進める中で、民間事業者や団体、行政などそれぞれが得意とするネットワークやノウハウを生かしながら、協働して地域の活性化に取り組んでいく運営組織づくりや、現在検討を進めている地域おこし協力隊の活用も視野に入れながら、地域の皆様と一緒に考え、スケジュールも含め、できることから着実に進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) よく分かりました。 道の駅飛騨街道なぎさの改修につきましては、関係部署でも地域の声を聞きながら、よりよい方向へと進めていただいており、また、久々野地域の自然資源などの活用については、今ほどありましたように誰がやるのか、費用はどれくらいかかるのか、行政はどんな支援ができるのかなど、課題もいろいろ出てくると思います。 久々野支所にも、市長、副市長を始め関係部署にもしっかり久々野地域の地域振興策に向き合っていただいておりますので、地域おこし協力隊の活用も含めて必要な人材や財源等の配慮もいただき、将来に向けて夢のある地域振興策が提案され実現するよう、引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、現在検討されている久々野地域の地域振興策に関連し、一之宮地域との広域的な地域振興の取組について伺いたいと思います。 久々野地域の地域振興策を考える検討会が議論を重ね、まとめられた3つの地域振興策の方向性の中で、特に久々野地域の自然資源などの活用については、久々野、一之宮両地域は位山舟山県立自然公園でつながっており、市が令和2年3月に市営スキー場の方向性についてで示されたように、両地域が緊密に連携することで、地域一体としての魅力の向上と活性化を図ることが重要であります。 この地域一帯の豊富な地域資源を生かした活性化策については、スキー場の存続廃止問題も含めてこれまで何度も一般質問をしてまいりましたが、令和2年3月定例会で、健康、観光、教育など多様な分野が森林空間とつながる森林サービス産業を取り上げ、市内でその創出が考えられる森林空間を確認したところ、市では、市内5つの県立自然公園の1つとして、一之宮、久々野の位山、舟山も挙げられております。 そして、その後新型コロナで自然や森林空間で楽しんだり体験するアウトドアが人気を呼ぶ中で、令和4年には川上岳を含む位山三山の位山、船山との間に位置するあららぎ湖にキャンプ場がオープンしたり、地元企業が森林サービス産業の取組を始め、大きな構想を描く中で森林浴を実践されたり、高山市森と木と人が共生する市民提案型森林づくり推進事業の補助金を活用して講演会やパネルディスカッションが開催される新たな動きも生まれてきております。 また、岐阜県では森林サービス産業を育成し、山村地域における新たな雇用と収入機会を創出することを目的として、令和5年に岐阜の森のある暮らし推進協議会を設立し、官民一体となった取組を始められております。 こうした中で、一般財団法人飛騨高山大学連携センターでは、自主事業として、一之宮地域と、地域活性化の観点から久々野地域の一部を含めたモデル地域を設定し、松本大学と今年度からヘルスツーリズムの構築に関する調査研究に取り組まれております。 その研究目的の中には、滞在型、体験型観光を促進し、地域全体で観光消費を高めていく必要がある、高山市が有する地域固有の資源を生かしたヘルスツーリズムを構築することで多様なニーズに対応した付加価値の高い観光サービスを提供できる可能性がある、ツアー企画を考察及び提案することにより地域の活性化と持続可能なまちづくりの実現を目的とするなどとあり、12月17日に開催される飛騨高山学会では、高山版ヘルスツーリズム構築に向けて、一之宮・久々野町をモデル地区としてと題して中間発表が行われます。 そこで、大きな期待をしているこうした森林サービス産業や調査研究が始まったヘルスツーリズムの取組について、市の見解を伺います。
○議長(水門義昭君) 本山一之宮支所長。 〔一之宮支所長本山秀治君登壇〕
◎一之宮支所長(本山秀治君) 一之宮地域と久々野地域にまたがる位山舟山県立自然公園の位山川上岳を中心とした一帯は、優れた山岳景観はもとより、古来からの伝説や飛騨の匠といった飛騨官道の歴史とともに、あららぎ湖や原生林、果樹園、市民スキー場など、豊かな自然資源と森林空間、歴史、文化資源を有しており、多様なニーズに対応ができる潜在性のあるエリアであると認識しております。 現在、こうした様々な自然資源を始め、歴史資源や食文化などといった地域資源の活用を図るため、飛騨高山大学連携センターと松本大学が共同で、自然と歴史、食を楽しんでいただけるヘルスツーリズムとしての誘客を図れないか、また、民間が主体となってあららぎ湖周辺を活用した取組も研究をしていただいているところでございます。 行政区域の枠にとらわれない広域的な取組は、両地域の魅力の向上と地域の振興に寄与するものであり、一之宮町のまちづくり協議会が策定したまちづくり計画におけるまちの将来像にも沿うものであります。 今回のこうした動きも契機としながら、一之宮支所と久々野支所がより密に連携を取りながら、両地域の市民や事業者、団体の皆様と一緒になって、持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 大変心強い答弁をいただきました。そのようにぜひ進めていただきたいと思います。 調査研究、この大学連携センターのヘルスツーリズムの研究は令和6年度も継続されるということです。実際に動く、事業を実施するプレーヤーの会をつくることもまた必要になってくるのかなと思います。 例えば、市がリードすることにより協議会などの運営組織を立ち上げて、その上に必要な専門人材や財源を市も支援するような仕組みも御検討いただきたいというふうに思います。そして、新たな取組がモデルとなり、国道41号を越え、国道361号沿いの朝日、高根地域へ周遊する観光ルートが構築されることも期待しております。 続いて、高山市位山交流広場の愛称がモンデウスパークに決まり、12月27日にオープンする市営の高山市民スキー場について質問をいたします。 この冬新たに直営でオープンする高山市民スキー場の運営については、これまで産業建設委員会の協議や報告、今年3月定例会における高山市位山交流広場の設置及び管理に関する条例についての、福祉文教委員会産業建設委員会連合審査会においても様々な質疑や意見を述べさせていただいておりますが、市民スキー場としてオープンするに当たり、地域の方々やスキー場で働く若い皆さんから、市営スキー場への心配する不安な声などが聞こえてきておりますので、確認をさせていただきたいと思います。 不安の声や意見として、今後のスキー場の存続に関することでは、今の市の考えでいくとスキー場がなくなる方向でしかない気がする。市民にアンケートを取ったり目安箱を設けて、市民がスキー場に何を求めているか把握してやってほしい。市民スキー場ではあるが、観光にも活用すべきであるという意見も数多くあり、市街地からたった20分でスキー体験や雪遊びができると、インバウンドにPRすればスキー場もレンタルも潤う。やらずにリスクしか考えていない気がする。ホテルにもPRし、高山市の活性化にも役立てるべきである。四季折々、インバウンドが体験型の観光を求めているのに、高山市ではなぜ冬スキー場を観光、ウインタースポーツで活かさないのか。 また、市営スキー場の運営に関しては、市では位山交流広場の5施設のランニングコストが年間1億5,700万円ほどで、リフト使用料などが約6,000万円、差引き9,000万円近くを一般財源で賄う計画ということだが、収入を増やして赤字部分を埋める努力をすべき。リフト使用料など、収入見込みの6,000万円を8,000万円に上げるような市政、直営の運営をしてくれれば若者も頑張れる。アイデアも出して頑張れると思うのに、今はこれ以上やるなよという感じがしている。 そして、現場のスタッフの不安やモチベーションとしては、降雪範囲を縮小することも理解しているが、今年の降雪設備や労働時間ではこれまでの現場作業の経験上、指示された範囲の雪づくりを期限内で完了するのは難しい。現場の人が楽しめないといいスキー場にはできない。現場では降雪もリフトなどの仕事もお金ではなく思いでやっている。現場とのコミュニケーションがよくなく不信感が募る、そんな生の声も伺っております。 モンデウスを存続し、スポーツ施設として直営で市民スキー場が運営されることになってから、施設の所管が移った市民活動部、スポーツ推進課では、昨シーズンから部課長もスキー場を何度も訪ねて現場の声を聞き、オープンへ向けて様々な苦労や努力をされていることは十分承知しております。 降雪現場についても、先日もスタッフの皆さんと十分話合いをされたと伺いましたが、スキー場の存続で決まったリフト等の運行、人工降雪範囲を確保し、スポーツ施設として十分活用するとともに、国際観光都市の冬期間の誘客を図る大事な地域資源として、観光を活用した持続可能な地域づくりにも最大限活用すべきではないかと考え、市の見解を伺います。
○議長(水門義昭君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 高山市位山交流広場、愛称モンデウスパークは、グリーンシーズンを含めた通年利用を進めており、今年度はダンスや車のイベントなどで御活用いただき、多くの方に御来場いただきました。 一方、12月27日から営業を開始するスキー場につきましては、リフト部品の更新など、利用者の安全につながる整備を最優先で実施をするとともに、効率的な人工降雪に向けて、ゲレンデや側溝の整備などを行ってまいりました。 また、リフト料金もこれまで市内の中学生以下1日券1,000円を今年度から高校生まで拡充したほか、まちづくり協議会など地域団体の事業においても学校授業時の利用料金を適用するなど、多くの市民の方々に御利用いただけるよう取り組んでいるところでございます。 さらに、スキー利用を含め、家族で1日過ごしていただける施設を目指し、センターハウス内に新たにフリーWi-Fiを整備するとともに、遊具や絵本なども設置し、暖かい室内での小さなお子さんの遊びの場としても御利用いただけるよう取組を進めております。 市が経営する初めてのシーズンで、持続可能な運営に向けた降雪範囲の見直しなどもあり、スタッフの方々が不安に感じられている部分もあろうかと思います。こういった部分につきましては、話合いを重ねることで不安を払拭するとともに、目標を共有する中で、多くの方々に笑顔で御利用いただける施設となるよう取り組んでおります。 なお、施設運営につきましては、私どもスポーツ担当だけではなく、観光、商工、公園などの多様な部署が既に連携をして取り組んでおります。 そうした中、誘客に関しましても、スポーツ部局ではモンデウスパークの新たなSNSを立ち上げ運用をしているほか、観光客向けや事業者向けなど、それぞれの所管する団体の媒体などを有効に活用し、市における魅力ある地域資源としてPRを行うなど、市民のみならずインバウンドも含め、観光客の方々にも御利用いただけるよう、市全体で取り組んでいるところでございます。 なお、今ほど御質問ございましたように、やはり地域の方、今まで関わっていらっしゃった皆様方が、やはり新しい体制という部分でいろいろな形で不安であったりというのを抱えていらっしゃるということは私どもも認識しておりますし、お聞きもしております。実際、本日も地域の方々、関係者の方々とのお話合いを行うようにしておりますが、こういったことをしていく中で、そういうことをやったのかということで、皆さんの御理解が少しずつ進んでいると感じておりますので、こういったことを今後も地道に進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) よく分かりました。 直営でのスキー場運営も大変ですけれども、現場スタッフの皆さんと十分話し合いながら円滑なコミュニケーションを図って進めていただくとともに、また、市民の皆さんに1人でも多く利用いただけるような積極的なPRをよろしくお願いいたします。 また、高山市民スキー場につきましては観光消費額もしっかり増やせるよう、また、リフト収入などの増加によりスキー場の収支が向上するよう、観光サイドにおいても観光を活用した持続可能な地域づくりのため、精いっぱいの誘客宣伝を期待しております。 そこで質問ですが、産業建設委員会でも質問をしましたが、これまで開催されてきた他市の体育協会のスキー大会の受入れや、全国有数の約60名が入って活動するジュニアスキーの育成についても、練習場所などの不安の声があることに対し、しっかり対応いただけるのでしょうか。確認をしておきます。
○議長(水門義昭君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 他市の大会等につきましては、スキー場の利用者に支障のない範囲で開催していただくことは可能でございまして、既に御予約もいただいているところでございます。 また、これまでモンデウスで活動されていたジュニアスキーの競技者だけではなく、多くの子どもたちにスキーなどに触れていただくことが、地域のウインタースポーツの振興に大切であると考えており、競技に向けての人工降雪というところまではできませんが、小中高生向けのリフト券の割引ですとか、様々な形で子どもたちが利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 各種スキー大会、それからジュニアの育成につきましても、これまで地域の皆様方がボランティアで精いっぱい頑張ってこられましたので、これからもそういったことを丁寧に説明いただき、共にしっかり前へ進んでいっていただくようによろしくお願いします。 ジュニアの関係につきましては、毎年ジュニアオリンピックや全中、それからインターハイ、国体へと出場し、頑張っております。将来を担う子どもたちの育成に最大限の御支援をお願いしておきます。 それでは、3の難聴地域の解消による地域FM放送の情報格差の改善について、2点質問をさせていただきます。 合併後20年近く経過する中で、高山市の様々な市政情報や身近な地域情報が毎日放送されているヒッツFMが、支所地域では聞かれなかったり、聞きづらくて何とかしてほしいという声をしばしば耳にいたします。 私も何とか改善できないのか、早く改善すべきではないかと思っておりますが、初めに現在の受信状況について伺いたいと思います。
○議長(水門義昭君) 北村市長公室長。 〔市長公室長北村幸治君登壇〕
◎市長公室長(北村幸治君) 現在の受信状況ということでございますが、ラジオの周波は、地形などの環境により、同じ地区内でも聞こえる場所と聞こえない場所が発生するため、細かな区域、個別の世帯ごとの状況は把握できておりませんが、聞こえが悪い地域としては、主に久々野地域、清見地域、朝日地域の一部といったところがあるというふうに伺っているところでございます。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 地域FM放送のヒッツFMは、株式会社飛騨高山テレ・エフエムが平成9年7月19日に開局をしまして、現在その株式4,081株のうち1,380株を高山市が保有して、高山市長も取締役を務められております。平成17年2月の市町村合併時に市が防災行政無線のデジタル化を進めた際、その鉄塔施設に地域FM放送のアンテナが整備されましたが、いまだ難聴地域がある現状がありまして、今ほどの御答弁のとおり、久々野や朝日辺りで特に聞こえないということでございます。 市がこれまで様々な努力をされてきたことは理解しておりまして、今ほど地域課題として認識されていることも分かりましたけれども、それでは現在、自動車や屋内、屋外のラジオでヒッツFMを聞けないような難聴地域として把握されているのは、今ほど地域名ありましたが、そのほかにはないんでしょうか。ほかの地域でもそういう声を聞いておりますが、もう少し詳しくその辺りについて、どう把握されているか伺います。
○議長(水門義昭君) 北村市長公室長。 〔市長公室長北村幸治君登壇〕
◎市長公室長(北村幸治君) 先ほどとちょっと重なる部分もございますけど、やはり個別の細かいところまでは把握していないといったところが実情で、個別の地域別に言いますと、久々野地域がかなり広い範囲で聞こえにくい状況であるというようなことですとか、それから、清見地域では三日町、牧ケ洞、藤瀬といった、比較的中心地域のところはよく聞こえますけど、その他のところが聞こえにくいといったような状況。それから、朝日地域については秋神のほうが聞こえにくい状況があるといったようなお話。それから、国府地域ですとか高根地域でも場所によっては聞こえにくいところもあるといったようなことは伺っているところでございます。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) ありがとうございました。 支所地域のやはりかなり広い地域で、把握されていないところでもかなり聞こえないところがあるのではないか。自動車や屋外のラジオで身近な地域FM放送、ヒッツFM放送が聞かれない状況があるのではないかと思いますし、そういったことが分かりました。 今ほどありましたように、実際私が住んでおります久々野町は宮峠トンネルを抜けると雑音が大きく、聞きづらくなりますし、美女トンネルを抜けると朝日方面も聞こえなくなってしまい、久々野ではほとんどのエリアで電波を直接受信してヒッツFMを聞くことができません。 市議会の地域別意見交換会で、今ほど清見というお話もありましたけれども、清見町へお邪魔したときにも、何名もの方からヒッツFMが聞こえず、ヒットネットTVに加入して、屋内では防災無線のラジオを聞くことができるものの、停電時には聞けない状況もあり、防災ラジオを返却しているというお話まで伺っております。 実際問題として、災害時には停電することも予想され、停電により電気の供給が途絶えるとヒットネットTVの有線を通じた防災ラジオが聞こえず、市の防災無線が届かないというのは、高齢者宅なども大変多く、重要な問題であります。 また、毎日屋外で作業をされたり現場で働かれている方々はもちろん、高山市へお越しいただく数百万人の観光客の皆さんが、支所地域の広い範囲でヒッツFMの道路情報や観光情報、そして防災情報を聞くことができないのは、観光面や防災面でも大きなマイナスであると思います。 そこで、こうした状況を踏まえて、最後にその改善について伺います。 市では、今年度2,300万円の予算などによりましてヒッツFMに放送を委託し、声の広報たかやま、高山シティインフォメーション、防災情報、あきら市長のほっと高山、市議会インフォメーションなどを市民や観光客に提供するとともに、番組内では適宜行事、イベント、交通情報等が放送されておりますが、屋外や車内で聞けない地域があり、停電時には防災ラジオも聞けない地域が多くあります。このため、こうした情報格差を一日も早く改善できないでしょうか。
○議長(水門義昭君) 北村市長公室長。 〔市長公室長北村幸治君登壇〕
◎市長公室長(北村幸治君) 難聴地域の解消のためには中継局等の整備が必要となりますが、新たな中継局等を設置するためには、電波法の規定に基づき、まずは既存の電波が干渉しない設計や適した場所の選定が必要なことから、伝播調査等の詳しい調査が必要となります。また、難聴地域は各地域に点在しているため、全ての地域に中継局等を設置するには多額の費用が必要となります。 このように、技術面においても費用面においても課題がある中、株式会社飛騨高山テレ・エフエムにおいては、コロナ禍以降、広告収入の減少などにより厳しい経営状況であることから、早々に解消に向けた整備に着手することは困難であるとお聞きしております。 しかしながら、飛騨高山テレ・エフエムは、市も出資をしている第三セクターであり、市政情報や防災情報の発信など、公共性の高い事業を担っていると認識しておりますので、協力や支援について検討してまいりたいと考えております。 具体的には、現在の防災行政無線設備が整備後15年が経過し、老朽化が進んでいることから、更新の際にはラジオの電波についても併せて検討し、広大な市域で山に囲まれた当市の地域特性に合い、難聴地域が少なくなるような最も有効な手段について考えてまいります。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 現在の防災行政無線が15年経過しているので、更新の際にラジオの電波も検討して最も有効な手段を考えるということですけれども、総務省がラジオの難聴解消のために、中継局整備を行うラジオ放送事業者等に対し、その整備費用の一部を補助する民放ラジオ難聴解消支援事業というのがございます。こういった事業なども活用して進めるということはできないでしょうか。
○議長(水門義昭君) 北村市長公室長。 〔市長公室長北村幸治君登壇〕
◎市長公室長(北村幸治君) ラジオ難聴地域の解消につきましては、飛騨高山テレ・エフエムへ今後も引き続き整備を検討いただけるよう働きかけ等を行いながら、併せて議員仰せのとおり、国の交付金など、有利な財源などの活用についても視野に入れつつ、先ほど申し上げましたように、市としても検討を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 西本議員。
◆10番(西本泰輝君) 分かりました。 市町村合併時に市が防災行政無線のデジタル化を進めた際、その鉄塔施設に地域FM放送のアンテナを整備した折には、株式会社飛騨高山テレ・エフエムはその費用を負担しておりません。難聴地域の解消に要する費用は、今ほどお話のあったようなことも活用する中で、市の責任においてしっかりとした支援をすべきというふうに考えております。 地域FM放送、ヒッツFMはリアルタイムな放送を毎日行っており、台風や大雨情報、行方不明者の案内やリスナーからの情報、熊の出没情報、イベントの開催案内や地域情報を繰り返し放送することで参加を促したり、イベント関係者や市民の皆さんの声なども放送し、地域の安全・安心や地域づくり、そして、福祉や教育、産業、環境、芸術分野などの幅広い分野で市政や市民生活に大きく貢献をされております。 さらに、今後、国際観光都市の飛騨高山が観光を活用した持続可能な地域づくりを市内全域で進められるに当たり、この問題はどうしても解決しなければなりません。災害、そして災害時の停電はいつあるか分からず、スマホを使えない子どもたちや高齢者の方々を始め、市民の皆さんの安全・安心や潤いと活力のある市民生活のために、どれだけでも早く難聴地域を解消し、私たちの生活に最も身近な地域FM放送、ヒッツFMの情報格差をできるところからでも改善いただくことをお願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、西本議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 休憩いたします。 午後0時02分休憩 ――――――――○―――――――― 午後1時00分再開
○副議長(榎隆司君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○副議長(榎隆司君) 次に、渡辺議員。 〔16番渡辺甚一君登壇〕
◆16番(渡辺甚一君) それでは、午後の1番となりますけれども、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 今回は農業施策についてということで、稲作、そして蔬菜、そして畜産についてを聞かせていただきますのでお願いします。 まず初めに稲作から聞かせていただきます。 今年は6月の梅雨もあまり雨が降らず、6月末からは30度を超える暑さが9月末まで続き、7月、8月には35度を超える日がほとんどといった、暑く長い夏でした。また、降雨も少なく、日本中が高温、干ばつの状態でした。 稲作においては、米どころと言われるところでも水不足で田んぼが干上がり、収穫がほとんどできないところや、出穂の高温により稲の実が白色化して品質が落ちる産地など、全国的に収量や一等米が減っているようですが、飛騨地方において今年の稲作はどうだったのかをお伺いいたします。 〔16番渡辺甚一君質問席へ移動〕
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 今年の稲作につきましてですが、国が確定値として発表されておりますが、全国の作況指数は101と平年並みでしたが、10月末現在の一等米比率は61%と過去最低であったと発表がされております。これは、東北地方や日本海側の北陸といった主産地を中心に猛暑で米が白く濁る白未熟粒といいまして高温障害の一種ですが、が増えたことが、影響したものと認識をしております。 飛騨地域については、稲が分けつする時期の日照不足などにより平年より分けつが進まなかったことから、作況指数は98のやや不良となりましたが、12月1日現在の一等米比率は85.9%と平年並みとなっております。全国と比較しても高い値となっております。 全国と比較し、飛騨の一等米比率が下がらなかった要因としては、飛騨地域は高冷地であるため、標高の低い他産地に比べ、お米が実る時期に高温の影響を比較的受けなかったことが要因であると捉えております。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 飛騨地方の米はまあまあよかったというふうに聞かせていただきましたけれども、私も米を作っております。今年はいつもの年より少し早めに稲刈りをしましたが、稲刈り時の水分は19%ほどで、平年の22から23%から見るとかなり乾燥しており、少し胴割れもありました。 出穂後の高温が続いたこともあり、稲の熟期がかなり早まったように感じましたが、夏の高温が長く、稲刈りの時期がかなり早まったのではないかと考えますが、農家への稲刈りの適期の周知はどうされたのかをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 農家への稲の収穫適期については、県の農業改良普及員やJAの営農指導員等が水管理、栽培管理のポイントなどを指導する青空教室や、農業改良組合員には気象予報や栽培暦に対応した栽培管理のポイント等を記載した『飛騨のこめ』を送付し、周知したところです。また、巡回の際個別指導などをして、収穫適期の刈取りについて周知してまいりました。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 紙では少しは来ておったのかもしれませんけれども、やはりちょっと収穫が皆さんかなり遅れたというような話も聞いたので、その辺はやはりこういった異常気象のときには徹底した周知等もしていただければというふうに思いますので、お願いします。 次に、先般新聞でも報道されましたが、米・食味分析鑑定コンクールが今年は新潟で12月1日から2日に開催されましたが、飛騨地域の米の成績はどうだったのかをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 議員が申されました12月1日から2日にかけて新潟県で開催された日本最大級のお米の大会、第25回米・食味分析鑑定コンクールinつなんには、全国、または海外からも出品された4,825点のうち、最高部門と言われる国際総合部門に42点がノミネートされ、そのうちの17点が飛騨の生産者で占められました。 結果は、最終ノミネート42点のうち、飛騨の生産者で金賞が6名、特別優秀賞が11名となり非常に優秀な成績になるなど、全国の都道府県の中ではトップの受賞数となりました。 そのほか、小学校部門で下呂市の馬瀬小学校が金賞、高山市の本郷小学校が特別優秀賞、それから全国農業高校お米甲子園では飛騨高山高校が金賞を受賞いたしました。 飛騨のお米が多数入賞を果たしたことは大変誇らしいことであり、受賞者の皆様に敬意を表するとともに、この成果を農家の皆様や関係機関と共に、飛騨の米の付加価値の向上につなげてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 飛騨の米が本当に評価されたということで、本当に喜ばしいことと思います。 飛騨地方の稲作においては、全国と比べると水も豊富であり、夜の気温も他産地と比べると低くなっています。温暖化が続く中では田植の時期を遅らせるなど、出穂後の高温回避など順応した稲作の施業や、各産地では高温に順応できる品種の開発や導入で一等米比率が下がらない産地もあるようでした。 品種改良においては2年から3年でできるものではないため、早くから取り組まなければならないと考えます。課題と取組についてをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 一般的に稲作は出穂から45日程度が経過し、積算温度が1,000度に到達したタイミングが刈取り時期とされております。そのため夏の高温が続くと収穫適期が早くなり、その時期に刈取りができないと品質が劣化するという課題がございます。 現在、飛騨の米は高冷地での気候を生かした栽培であり、他産地と比較すると夏の高温の影響を受けにくく、品質の良いお米が栽培されていますが、今後の気候変動を見据えると、例えば高温に強く良食味値の品種にシフトしていくことや、品種に応じた積算温度を確保しながら田植や稲刈りの時期をずらすなどの試みをする必要があると考えていますので、関係機関と連携し、取り組んでまいりたいと思います。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 田植の時期を、今はだんだん早くなってきていますけれども、田植を遅らすとやはり品質のいい米ができるということもあります。そうした中では、育苗センターと農協のほうとも相談をしてということにはなると思いますけれども、田植を長くやれば、そして稲刈りも長くなり、そして、それが受託農家にとっては対応できる面積が増えるということもありますので、そうしたこともまた考えていただければと思いますし、また、品種改良におきましては、今、モチ米でたかやまもちという品種があります。全国のモチの中でも一、二と言われる品種で、引き合いも多い優秀な品種です。今年は高温で雨が少ない気象でしたが、秋に高温と長雨が続くと、たかやまもちは刈取り前の田んぼで稲穂が出穂をしてしまい、出荷できなくなってしまう欠点があります。すばらしい品種ですが、穂発芽しない品種の改良もお願いしたいと思います。 次に、蔬菜のほうを聞かせていただきます。 今年は異常気象の影響で、全国的に夏野菜が不作で壊滅的な産地もあったと聞いており、ほとんどの野菜の価格が高かったようでした。 飛騨の主要品目であるトマトやホウレンソウなど、作柄や収量はどうだったのか、他産地との比較、要因はどう捉えているのかをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 今年の夏は全国的に猛暑が続いたことで、他産地の夏野菜の作柄は大変厳しい状況であったと認識をしております。 一方、本市のトマトの販売数量は10月末で前年同月比110%、販売額は127%、ホウレンソウは数量が前年同月比で102%、販売額で108%となっており、高温で多少の品質劣化の影響はあったものの、飛騨では高冷地での気候を生かした栽培ということもあり、相対的に他産地と比較し安定した作柄となり、単価も比較的高値で取引されたことから、販売額を伸ばすことができたというふうに捉えております。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 飛騨の野菜が本当に優秀な成績が収められたということで、本当に喜ばしく思っておりますし、また、それが飛騨の産地の本当にいいところというふうに思っているところでございます。 そうした中で、トマト、ホウレンソウなどは飛騨の高冷地野菜と言われ、先人たちが雨よけハウスの導入により50年ほど前から産地として現在に至っています。連作障害、品種の選択、夏の高温対策、雪や強風対策、トマトの受粉管理、土壌検査、施業管理など、多くの研究を重ねて培ってきた技術が今年の作柄に出ていると考えます。 北海道のトマトの最大産地である平取町は、以前飛騨のトマトを視察して技術を持っていきながら、現在では他産地の視察を受け入れないと言われる農家もあります。 今年の飛騨の蔬菜生産の実績は全国の野菜産地からさらに注目される産地となり、長年培った技術をどう守っていくのか、課題と取組についてをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 議員仰せのとおり、飛騨のホウレンソウやトマトは、水田転作作物として、雨よけハウスの普及や土づくり、肥料や水のやり方などの産地としての栽培技術の工夫により伸びてきたものです。 さらに、20年ほど前に行われた飛騨東部開発事業により、当時200ヘクタール余りの新たな農地が造成され、産地として拡大をしてきました。 現在、農業産出額は全国トップクラスの産地となり、全国各地の農業関係者から注目される産地となってきたところです。栽培技術については議員も思われたように、過去に視察の受入れなどにより技術が流出することが問題となったことがあったため、現在に至るまでは重要なポイントについて規制をかけ、技術流出しないよう配慮をしているところです。 また、産地としては、栽培技術は先人から脈々と受け継がれた努力のたまものであり、一朝一夕に出来上がったものでない貴重な財産であることから、次世代に技術がつながり、さらに技術を発展させていけるよう今後も取り組んでまいります。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 本当に先人が培ってきた今の飛騨の高冷地野菜ということでございますし、これをまた後継者の皆様方にしっかり伝えていくためにも、しっかり産地として守っていくためにも、またそういった努力をしていただきたいと思います。 昔から、飛騨で農業をやって成功しなければどこへ行っても成功しませんよと農家の人たちからよく言われました。飛騨の農業は半年間で1年分の収量を上げるということもありまして、話した中では、今年のような異常気象の中で、全国的に夏野菜が壊滅的な産地もある中で、飛騨の高冷地野菜は産地としてしっかりと生産を伸ばすことができたことは、農業を始めようとする新規就農者においても注目される地域と考えます。 絶好のPRの機会と捉えて、全国に大きくさらに発信するなどの取組についてをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今議員仰せのとおり、特に異常気象の中で、現状全体としては飛騨の農業は安定して収量、価格を維持しております。 私もそうなんですけれども、今50年くらいずっと技術を継承されて、技術を継承されているだけではなくて、私、飛騨の農業の特徴というのは、蔬菜もお米も畜産も全部そうなんですけれども、1人だけで抱えるんじゃなくて、その全ての関わっておられる方々と共有する中で人を育てるという、そういうやり方をずっとやってきておられるのかなということは今実感しております。 そんな中で、本当に就農フェアの出展とか就農相談のとき、あるいは就農体感ツアーにおいては、希望される方に対しては安定した経営ができる産地ということと、あと、安心して就農できる、そういった体制も整っているよということはお伝えしております。 私も至るところで、市場関係者に対しましても産地として取組などを伝えるときには、安定した農産物の出荷が長期にわたり可能な産地であるということもPRさせていただいておりますので、私としては農林畜産業に携わるなら飛騨高山でということを目指しておりますので、それに向けて今以上にこれからPRをさせていただくつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 市長からもしっかり聞かせていただいて、本当にやはりコロナ禍におきまして新規就農等もかなり減っている中で、絶好の今のPRの機会というふうに捉えておりますので、また市長に、そして行政含めて対応していただきたいと思いますのでお願いします。 次に、畜産についてをお伺いいたします。 高山市は飛騨牛の産地として全国的に有名で、高値で販売されています。しかし、飼育されている頭数は、北海道、鹿児島県、宮崎県などと比べると飼育頭数では格段の差があります。 平成14年に清見村で行われた全国和牛能力共進会岐阜大会では、最高位の名誉賞を獲得して地域で盛り上がり、飼育頭数の増大を図るために、まずは繁殖農家の支援をして繁殖頭数を増やし、和牛子牛が増える取組をしてきました。 現在、繁殖頭数や肥育頭数の増大は図れているのか。課題と取組についてをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 市内の牛の飼養頭数につきましては、令和5年2月1日現在において、肉用牛は1万1,475頭で、そのうち肥育牛が5,387頭、繁殖雌牛が3,676頭、子牛が2,409頭という現状です。 繁殖農家については小規模農家の廃業により戸数は減らしておりますが、飼養頭数は年々増加していることから、農家個々の規模拡大が進んでいるという認識でおります。 しかしながら、繁殖農家から生産される子牛の頭数が、肥育農家が求める子牛の頭数に追いついていないことが課題となっています。 そのため、増頭を目的とした繁殖牛舎等の建築費用への助成や、優良雌牛の保留導入への支援に取り組んでいるところです。 また、近年の輸入飼料の高騰が畜産経営を圧迫していることから、市では粗飼料購入に対する支援のほか、自給飼料生産を増やす取組も進めているところです。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 畜産農家においては飼料の高騰が経営を圧迫しており、粗飼料の購入の支援はありがたいと聞いており、来年度も継続でお願いしますと言われています。 繁殖農家にとって、今問題なのが子牛価格です。二、三年前と比べると、1頭100万円ほどした市場価格が、現在は60万円前後となっており、さらに厳しい状態で何とかしてほしいと言われています。 肥育農家においては、子牛が少ないため、よそから仕入れた子牛でも1年4か月飼えば飛騨牛として販売できます。飛騨牛のもとである繁殖農家に手厚い支援を考えてほしいと思っています。 次の質問です。 飼料価格が高止まりしており、当分下がる様子はうかがえないところですが、畜産農家の支援として飼料価格の高騰分の支援をされていますが、自給飼料の生産を取り組める機械の補助事業などの支援がされていますが、現在自給飼料の生産やWCS、稲わらの飼料ですけれども、そういったもの、そしてまた飼料米の増量は図れているのか、現況と課題についてお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) ちょっと令和4年度でお話をさせていただきますが、令和4年度の作付状況については、WCS、発酵粗飼料と言われる発酵させて使う用の稲については56.7ヘクタール、それから、お米そのものを飼料とする飼料米は56ヘクタールとなっており、年々増加傾向にはございます。 近年の畜産飼料の高騰を受け、飛騨地域3市1村及び県などの関係機関で組織する飛騨地域農業再生協議会では、自給飼料の作付を後押しするため、先ほど言いましたWCS用稲の作付に加えて、令和5年度はWCS用の飼料作物の作付も助成対象とし、面積の拡大を推進するとともに耕種農家と畜産農家のマッチングにも現在取り組んでいるところです。 今後も畜産の自給飼料生産が進むよう取り組んでまいります。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 自給飼料の量がどんどん増えるように、またしっかり行政のほうでも取り組んでいただいて、やはり飼料価格が当分下がるような予定がない中では、やはり自給で賄っていくという体制をつくっていければと思いますので、その辺の取組もよろしくお願いします。 次に、肉の話になりますが、全国的に黒毛和牛の消費が減ってきており、販売促進が課題と言われています。 飛騨牛においては需要のほうが多く、まだまだ足りない状態で、現段階では問題がないように見えますが、さらなる販売促進にどう取り組まれるのかをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 飛騨牛の販売促進につきましては、飛騨牛銘柄推進協議会が中心となって消費宣伝や販路拡大を実施しております。令和5年2月現在、飛騨牛販売指定店が165店舗、料理指定店が193店舗、海外推奨店が65店舗となっております。 市としましても、飛騨高山ふるさと納税の返礼品としての活用や、関係機関と連携し、国内外での販売促進に取り組んでいるところです。 全国的に和牛の消費が減っているとの報道もありますが、飛騨牛に関しては現在のところ順調な販売が継続をしております。 今後も関係機関と連携し、畜産農家の取組を始め、飛騨牛のおいしさや希少価値などを周知するなど、消費拡大につながる取組を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 次に、全国和牛能力共進会が昨年は鹿児島県で行われ、4年後には北海道で行われます。そして、9年後には岐阜県で行われることが決まっています。 平成14年に行われた岐阜県大会で獲得した名誉賞の再来となるための課題と取組についてをお伺いいたします。
○副議長(榎隆司君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 令和4年に開催された鹿児島大会においては、県の出品牛全てが高山市からの出品となり、農家や関係機関の皆様の御尽力により、前回大会から着実に成果を積み上げて、飛騨牛の名を全国に知らしめることができました。 4年後の北海道大会に向けて、全国和牛能力共進会岐阜県出品対策委員会では、和牛改良に取り組む人づくり及び組織づくり、飛騨牛の特徴に優れる繁殖牛の改良、生産者及び消費者ニーズに応えたブランド価値を向上させる種雄牛の造成といった生産方針を決定し、今後取組を進めることとしております。 市としましても、対策委員会のロードマップに沿った取組を進めるとともに、9年後の岐阜県大会に向け、県下の盛り上がりや応援体制の強化が必要と考えていることから、県に要望するとともに農家に寄り添った取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(榎隆司君) 渡辺議員。
◆16番(渡辺甚一君) 岐阜県大会は県のほうの主催ということでございますけれども、やはり前例、平成14年に行われた岐阜県大会もこの地区で行われたということもございます。そうした中では、できれば高山でそういった全国大会がまた開かれるよう、市長含め、行政のほうでしっかりまた要望していただき、そして、それが実現できるよう、それがさらに農家の励みとなることになりますので、その辺もまた行政で取り組んでいただきたいと思います。 今回は農業についてお話しさせていただきましたけれども、やはり農家それぞれが厳しい状態、価格的には、収量的には多くあった部分はありますけれども、それでもかなり厳しいというような状況でございます。 そうした中で、行政のほうでもやはり農家の一人一人の声を聞いていただきながら、やはり少しずつ課題を取り組んでいただき、また、農業の発展に努めていただければというふうに思います。 これで一般質問を終わります。
○副議長(榎隆司君) 以上をもって、渡辺議員の質問を終わります。 次に、丸山議員。 〔1番丸山純平君登壇〕
◆1番(丸山純平君) 皆様、お疲れさまです。 通告に基づきまして、一般質問を始めます。 まず初めは、市内企業の採用活動の活性化についてです。 市内企業の人手不足は本当に喫緊の重要課題となっておりまして、先週の一般質問初日でも車戸議員や戸田議員からも質問がありました。僕も市内の事業者、経営者の方々とお会いするたびに、誰かいい人はいないのかと様々な求人情報ばかりが集まってくる現状になっています。 こうした市内企業の人手不足につきまして、市においては各業界、業種ごとの不足率でしたり、雇用の流動性というものをどう認識しているのでしょうか。 どういうことかと申しますと、例えばコロナ禍において苦境に立たされた飲食業、観光業から離職した方が、次にどのような業界、業種に転職されたのでしょうか。また、戸田議員の質問でも福祉、介護現場の人手不足の話題がありましたが、同じサービス業ということで、介護業界から観光業界に転職される事例なども多々伺っております。 こうした雇用の流動性があること自体は決して悪いことではありませんが、高山市だからこその特徴でしたり、地域性というものを把握し、より人手不足への課題の解像度を高めていくことが効果的な政策形成につながるほか、また、不足率の比較から優先して取り組むべき業界、業種も見えてくるかと思います。 そこで質問です。 市内企業の人手不足について、各業界、業種ごとの不足率や流動性をどう認識しているか。また、専門的な調査などはされているのでしょうか。 〔1番丸山純平君質問席へ移動〕
○副議長(榎隆司君) 倉畑商工労働部長。 〔
商工労働部長倉畑政之君登壇〕
◎商工労働部長(倉畑政之君) 議員仰せの、例えば介護業界から観光業界へ転職するなどの業界、業種間の人材の動き、こういったものにつきましては、市は専門的な調査は行っておりませんので把握できておりません。 コロナ禍の後、経済活動が再開される中で、働き手の中心である生産年齢人口の減少等も影響しまして、市内事業所においては業種にかかわらず労働力不足となっており、宿泊業や飲食サービス業などでは、一部の事業所においてサービスを制限しながら営業しなければならない状況にあることを把握しております。 令和5年10月の職種別の有効求人倍率は、フルタイムでは介護1.98倍、接客4.56倍、自動車運転6.50倍、建設6.42倍、パートタイムにおいても接客は5.19倍という高い水準となっております。特にこれらの職種における労働力不足は喫緊の課題であるというふうに捉えております。 市内事業所におきましては、幅広い業種や職種において人材不足というのは続いております。そういった中で、ベースとなる地元就職支援制度やインターンシップの受入支援制度、こういったものにつきましては、業種を限定することなく、全ての業種を対象に実施しているところでございます。 また、医療、福祉、介護の社会保障を支える分野などにおける人材不足、こういったものに対しましては、それぞれの所管部署で実情に合わせた対策を実施しているところでございます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 介護や建設においても、例えば資格の有無によってどれだけ不足率が変わってきているのかだったりとか、より解像度を高めていただけたらと思いますし、本当に今後も重要課題であることは間違いありませんので、ぜひ、より専門的な調査だったりとかも検討していただけたら幸いでございます。 続いての質問なんですけれども、現在、高山商工会議所が中心となりましてユーターンシップ事業を実施しております。これは採用活動に力を入れている市内の企業が集まって、飛騨地域出身の大学生、高校生を主な対象にしまして、会社見学のバスツアーでしたりとかインターンシップの機会提供をされている取組です。 飛騨地域で働くことに興味はあるが、なかなか地域の企業のことを知らない学生と、学生、若者を採用したい地元企業のマッチングを促す非常に重要な事業だと認識しています。 先日、ユーターンシップの事業の関係者と田中市長の語る会が開催されまして、僕もその一部始終、見学させていただきました。次年度以降も高山商工会議所や関係企業が力を入れていくといったようなことも取り組んでいきたいと話を伺っております。 そこで質問です。 商工会議所が進めるユーターンシップ事業と高山市の連携はどう検討されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 倉畑商工労働部長。 〔
商工労働部長倉畑政之君登壇〕
◎商工労働部長(倉畑政之君) 飛騨地域の企業23社が参加するユーターンシップサポーターズは、高山商工会議所が事務局となりまして、体験型、対話型のインターンシップに取り組まれているところでございます。 市としましても、ミーティングへの参加はもとより、市外への進学者に対するユーターンシップに関する情報提供、高山市雇用促進協議会が実施する合同企業説明会におけるユーターンシップサポーターズのブース設置など、積極的に連携して取り組んでいるところでございます。 また、令和6年1月に実施される二十歳のつどいにおきましては、ユーターンシップの紹介映像を会場で流すなど、新しい新たな試みも実施することとしております。 今後も、若年層の地元就職を促進するため、ユーターンシップサポーターズを始め、高山市雇用促進協議会など関係団体と連携して積極的に取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) こうした民間の取組を大変応援していただけることをありがたく思いますし、やはり市民の方からも、まずは飛騨地域出身の若者がUターンで戻ってこれるような、そういった環境を整備していただく。そういったことを大変重要と認識しておりますので、よろしくお願いいたします。 一方で、続いての質問なんですけれども、そもそも人口減少、少子化時代におきまして、飛騨地域出身の若者の母数自体はかなり少なくなっている現状があります。となると、少なくなったパイを取り合うだけでなくて、積極的に高山市内の企業が市外だったりとか県外の若者を採用していくこと、これが重要であり、むしろ伸び代があるのではないかと考えています。個人的には移住、定住政策というのは地域の魅力のPRだけではなくて、市内企業の採用活動の強化が結果的に移住、定住に直結しているのではないかと考えています。 その中で、現在高山市におきましては、Uターン含めた移住、定住された若者への家賃補助でしたりとか、奨学金返済の補助といった個人への支給を行っているほか、先日車戸議員から質問もありましたように、リクルート社と協定を結んで採用ページの作成などの支援を行われているかと思います。 こうした採用活動におきまして切れるカードが多々あることはありがたいんですけれども、企業間、自治体間の労働力の奪い合いというのは年々激化していくことは目に見えている中で、移住、定住政策におきましても、各自治体がしのぎを削って様々な方策をしている中、恐らく次は各自治体内の企業の採用活動力の底上げが激化していくフェーズに移っていくのではと考えています。 実際に岐阜市では、この秋から岐阜市新卒人材採用ブランディング補助金が新設されています。この補助金では、新卒採用を行っている岐阜市内の企業で、かつ採用ブランディング計画を策定している企業に対して、採用活動全般に広く使える補助金を交付しております。 採用ブランディング計画というのは、自社の認知度や魅力などを高めて、自社にとって理想的な新卒人材を採用するための計画でありまして、企業理念や自社の強みを見いだし、その強みに合わせた採用の基準や手段などを定義することとしています。 岐阜市の補助金は、具体的にはこの採用ブランディング計画にのっとって、採用に特化したホームページの制作や企業説明会へのブース出展の費用でしたりとか、ブランディング、デザインなどに広く使用できる補助金となっております。これこそまさに採用力の底上げでありますし、各企業の強みに合わせた採用活動の支援ができる政策かと考えています。 そこで質問ですが、高山市におきましては、こちら、市内企業の採用活動の強化に広く使用できる補助金などの創設は検討されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今議員御紹介いただいたように、若者の地元就職促進の取組として、就職する側への支援は、今おっしゃっていただいた事業所に就職した場合の10万円であるとか、アパート借り上げの初期費用であるとか、あるいは奨学金返済24万円を5年間助成する見直しをしたりとか、やっています。それも恐らく企業の皆様がPRをする上で、何か1つの大きいプロモーションの1つにしていただけるのかなというふうに思っております。 もう当然人材を全国から募るという、そういった動きというのはこれから活性化していくというのは分かっておりますので、岐阜市の取組も御紹介いただきましたけれども、高山市としても、来年度に求人情報の発信とか企業紹介動画の作成や、あるいは、先ほどもありました市外での説明会の出展料なんかを助成する制度の創設をするように検討させていただきます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 今ほど市長からも力強い御答弁いただきありがとうございます。 やはり毎年新卒採用されている企業もありまして、特に年に10人以上採用する勢いのある企業というのも高山市内にもありますし、一方で、僕の下に寄せられてくる求人というのは、本当に枠としても1枠しかないけれども、企業の本当に社長の右腕となるようなそんな幹部人材を登用したい、そんな熱い求人情報というのもこの地域、多々多々眠っているような現状があるかと思います。 そういったように市内企業でも実態は様々ですので、ぜひ今ほどおっしゃっていただいたように、それぞれの企業の実態、特性に合わせて活用できるような補助金でしたりとか、本当に採用活動を支援していただく中で、この高山市、この地域の本当に面白い求人、魅力的な企業と今後のマッチングというところをどんどん高山市としても応援していただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続いての質問なんですけれども、飛騨高山まちの博物館の運営についての質問となります。 飛騨高山まちの博物館は平成23年4月にリニューアルオープンした施設でありまして、城下町の形成と町家文化をテーマに、高山の成り立ちや継承されている文化などを展示している施設であります。 大変すばらしい施設ではありますが、展示室の観覧料が一律無料となっております。高山市民が無料であることは大変ありがたいんですけれども、施設の運営に当たりまして、一定の観光客が見込まれる施設でありながら、観光客からも観覧料を取るべきではないか、そういったような市民の声も多く聞いております。 ここで質問ですが、飛騨高山まちの博物館の観覧料を無料としている理由は何でしょうか。
○副議長(榎隆司君) 田中教育委員会事務局長。 〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎教育委員会事務局長(田中裕君) 飛騨高山まちの博物館は、議員も御紹介いただいたとおり、まずは平成20年に策定した歴史的風致維持向上計画の中で、高山の旧城下町に広く所在する古い町並や文化財、また、後に認定されます日本遺産が多数所在する東山寺院群などを回遊するための核となる拠点施設と位置づけ、かつての高山市郷土館と合わせて整備し、平成23年に開館しました。市民、観光客を問わず多くの方々が身近に歴史や文化、文化財を感じることができるように配慮しながら、歴史的風致の維持及び向上に資するよう管理を行っています。 市民、観光客を含めたより多くの方々が休憩を取りながらゆっくり滞在し、展示などによって高山の歴史や文化に触れ、理解を深め、周辺地域や文化財を巡っていただくための拠点施設としての効果を目的としていますので、より利用しやすく、効果を発揮するために入館料については無料とさせていただいております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 観覧料を無料としている理由については分かりました。 続いての質問なんですけれども、多くの博物館や美術館といった施設に関しては、大体16時でしたりとか17時に閉館時間を設けていたりとか、週に一度以上の休館日を設けていることが一般的かなと認識しております。 飛騨高山まちの博物館は、展示室の開館時間が19時までと夜遅くまでの開館となっております。加えて、休館日もなしとなっておりまして、様々な時間帯、曜日に伺っても開館していることはありがたい反面、昨今光熱費の高騰なども叫ばれる中、公共施設においての開館コストは考慮すべき課題かと思われます。 ここで質問なんですけれども、展示室の開館時間を19時まで、休館日をなしとしている理由は何でしょうか。また、実際利用率というのはどういったところでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 田中教育委員会事務局長。 〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎教育委員会事務局長(田中裕君) 展示室の開館時間についての御質問でございます。 市民や観光客の方がゆっくりと滞在し、さらに周辺を巡っていただくための拠点施設としての効果を目的としておりますので、より多くの方に利用いただけるよう、19時まで開館し、休館日も設けておりません。 また、観光客の方々にとって、17時から19時頃の時間帯は、食事をするなど外出した際に、他の観光施設などの多くが既に閉館しておりまして、見学してもらうことができるという利点があると考えています。 夕方の利用者につきましては、令和5年度の4月から11月までの期間において、17時から19時までの時間帯の来館者は2万181人となっております。一定の皆様に御利用いただいているものと捉えています。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 御説明をありがとうございます。 平日の夜、夕方に関しては、1日の来場者数が数人ということだったりとかということも伺っておりますので、ぜひ細かくまたデータを取っていただいて検討していただけたらと思っております。 続いての質問なんですけれども、今御説明していただいた論理も分かるんですけれども、一方で、開館時間も長く、休館日も臨時休館以外に設けていない中では、スタッフの負担も多分に大きいかと思われます。 こうした博物館に勤められています学芸員は、博物館の資料の収集や保管、展示及び調査研究、これと関連する事業を行う博物館法に定められた博物館におかれる専門的職員のことを指しています。 飛騨高山まちの博物館におかれましても学芸員の方がたくさん勤められていると思うんですけれども、実際学芸員は何人体制で組織しており、どの時間帯、曜日に配置しているのでしょうか、お答えください。
○副議長(榎隆司君) 田中教育委員会事務局長。 〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎教育委員会事務局長(田中裕君) 飛騨高山まちの博物館は、まず、正規職員2人のうち1人が学芸員です。さらに、会計年度任用職員6人のうち3人が学芸員です。総勢でいいますと、8人の職員のうち4人が学芸員の位置づけで業務を行っています。 また、このほかに文化財課長と兼務で館長が1人、文化財施設係長として1人をそれぞれ本庁に配置し、運営の指導及びサポートを行っています。 正規職員の学芸員につきましては、午前8時半から午後5時15分の勤務時間で、休日や年末年始の休日を除く月曜日から金曜日までの配置としています。 会計年度任用職員の学芸員につきましては、午前8時半から午後7時30分の時間帯のうち、1日当たりの勤務時間は5時間45分、もしくは6時間半で、曜日にかかわらず週5日間の勤務となっています。また、開館中は常時2人以上の職員が勤務し、そのうち必ず1人以上の学芸業務を行う職員が勤務するよう、シフトを組んで配置を行っています。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 丁寧な御説明をありがとうございます。 学芸員の役割というのは、今ほど申し上げたように、専門的職員として博物館資料の収集や調査というのも本当に重要な業務だと認識しております。 高山市においては古い町並ばかりクローズアップされがちですが、例えば飛騨の匠が最も活躍したのは奈良時代と言われておりますし、さらに遡って、重層的な歴史、文化がこの地域を形成している根源にあるかと思います。 そういった中で、市史編さんでしたりとか資料整理だったりとかで重層的な歴史、文化というものをどんどん整えていくこと、これは非常に学芸員の重要な責務だと思っておりますが、実際、飛騨高山まちの博物館の運営業務とのバランスは適切なのでしょうか、お答えください。
○副議長(榎隆司君) 田中教育委員会事務局長。 〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎教育委員会事務局長(田中裕君) 学芸員の業務につきましては、博物館法の中で、資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業についての専門的な事項をつかさどるとあり、議員御指摘のとおり、多くの方々が歴史文化に触れ、理解を深めるための資料整理と準備などが重要な仕事であると捉えています。 資料の整理につきましては、飛騨歴史資料保存会の協力をいただいて古文書の指導や整理作業を行っており、
民具につきましても國學院大學やボランティアの方々と共に学芸員が中心となって整理作業を行っています。一方、近年は特別展や美術展示室の定期的な展示替えを行うとともに、図録を発刊し、多くの方に高山の歴史や文化に親しんでいただく機会の創出に努めています。 学芸員としての業務と運営業務とのバランスについても十分考慮しながら、市民や観光客が高山の歴史をより身近に感じることができるよう、様々な団体と連携、協力して努めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 最近では村半や大政といった施設もありますので、ぜひこの機会に、さっきの時間帯や曜日などの利用率などのデータを基に、開館時間、休館日、また、観覧料などを見直していただきまして、4人いらっしゃる学芸員の方がより専門的な力を発揮できるような体制を整えていただけたらと思いますし、また、資料調査には本当に多くの市民ボランティアの方も携わっていると聞いておりますので、そうした御尽力いただけている方の御意見だったりとかも取り入れながら、より飛騨高山の魅力の根源に迫れるような、また、シビックプライドの醸成につながるような、また、調査研究も進めていただきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 最後の質問に移ります。 最後の質問は会計年度任用職員の対応についてです。 令和2年の4月から全国の市町村で会計年度任用職員制度が始まりまして、この市役所で働く非正規職員の給料や休暇等の各種制度を大きく変更されました。 また、改正に伴いまして、市役所で働く非正規職員は嘱託職員、臨時職員、パート職員の3種類から、フルタイムの会計年度任用職員、パートタイムの会計年度任用職員の2種類に分類されるようになっています。 これは日本全体では公務員の3分の1を占めるまでに増加した非正規公務員の待遇改善などを目的に始まった制度であり、会計年度任用職員は1会計年度ごとの雇用である非正規雇用ですが、地方公務員法では公務員と定められまして、ボーナスが支給されるほか、フルタイムであれば退職金の支給対象ともなっています。しかしながら、ボーナスを出す代わりに月給を下げる自治体もあるなど給与水準が低く、官製ワーキングプアとの批判も根強くあります。 そこで、まずは1つ目の質問です。 高山市において、フルタイムの会計年度任用職員はどういった職種で、何名雇用されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 荒城総務部長。 〔総務部長荒城民男君登壇〕
◎総務部長(荒城民男君) 市では、議員からもお話があったとおり、地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴いまして、令和2年度から会計年度任用職員制度の運用を行っているところでございます。 会計年度任用職員は、令和5年の4月1日現在で、その当時の統一地方選挙の事務で任用した方を除いて、パートタイム勤務職員を含めて709名を任用しております。職種としましては、事務員のほか、保育士や看護師などの技術員と学校用務員、給食調理員などの作業員、この3種類に分けられております。 そのうち、フルタイム勤務職員は144名で、その内訳としまして、事務員が66名、技術員が31名、作業員が47名となっているところでございます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 丁寧な御説明をありがとうございます。 今の情報を念頭に置きまして、続いての質問なんですけれども、フルタイムで働く会計年度任用職員の給与水準についてです。 高山市においても、特に事務補助等の会計年度任用職員におきましては、手取り額が10万円台、それも10万円台前半の職員の方も多くいらっしゃると伺っております。これは一人暮らしがすごく難しい金額だと思いますし、加えて、フルタイムの会計年度任用職員ですと正職員に準ずる扱いのため、副業は認められていない実態があるかと思います。 一方で今年度、地方自治法の一部を改正する法律が公布されまして、総務省から改正法の会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給関係の運用について通知が出されました。それによりますと、パートタイム及びフルタイムの会計年度任用職員について、令和6年度から勤勉手当を適切に支給すべきものであるとのことです。 各自治体も検討段階にあるかと思うんですけれども、例えば兵庫県神戸市においては、約6,000人いる会計年度任用職員の大幅な待遇改善に取り組んでいるということで、給与月額は3%アップ、また、この秋には一定の職務経験者に対して5%の引上げも検討されるという報道もありました。ボーナスの拡充なども含めますと、従来約200万円弱だった一般事務職の基本年収が、フルタイムかつ職務経験が認められた場合、最高約300万円ほど、100万円ほどの増加となるとのことです。 ここで質問ですが、高山市ではフルタイムで働く会計年度任用職員の給与水準をどう認識しているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 荒城総務部長。 〔総務部長荒城民男君登壇〕
◎総務部長(荒城民男君) 会計年度任用職員の給与水準につきましては、制度を開始した令和2年度に、令和元年度までの嘱託職員の給与体系から見直しを行いまして、職種ごとの固定給であったものを正規職員と同様の給料表に格付を行うとともに、勤務年数等に応じた昇給や期末手当の新設などを行いました。このことで、フルタイムの事務員ですが、年収換算で約180万円から約230万円に約50万円の処遇改善が図られました。また、今年度におきましても人事院勧告に関連して、事務員で月額1万2,000円、ボーナスで0.05か月分の増額改定を予定しているところでございます。 福利厚生の面におきましても、国家公務員の一般職非常勤職員の取扱いに準じまして、年次有給休暇を始め、夏季休暇、忌引などの特別休暇のほか、育児休業の取得なども可能となっております。また、健康診断の受診やストレスチェックの受診、また、共済組合への加入など正職員に近い福利厚生を受けられるようになっております。 会計年度任用職員制度が開始された背景には、議員からも御紹介のあったとおり、同一労働同一賃金やワーキングプア問題の解決といった観点も大きな要素となっており、会計年度任用職員の処遇を改善し、安心してやりがいを持って勤務していただくことは大変重要なことであると考えております。 議員お話のとおり、来年度からの会計年度任用職員のボーナスにつきまして、これまで支給しておりました期末手当に加え、勤勉手当の支給が可能となる地方自治法の改正が行われたことから、市におきましても正職員と同じ支給率で支給することについて検討しているところであり、今後も国の動向等を踏まえながら給与水準の向上に取り組んでいきたいと考えております。 なお、議員から御紹介のありました神戸市におきましても、来年度から勤勉手当の支給まで見込んで300万円ほどになるということでございます。それに対応します高山市の来年度の事務員の支給想定額は約285万円となります。神戸市は都市部ということで、地域手当というものが支給されております。その分を除けばほぼほぼ同等の処遇であると考えているところでございます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 御答弁ありがとうございます。 また、来年度の勤勉手当に関するところに関しても答弁いただきまして大変ありがたく思いますし、やはり正規職員との大きな処遇の違いというのは現場の士気にも関わることだと思いますし、物価高騰もある中で、賃金引上げに御検討いただけることを大変ありがたく思います。 続いての質問なんですけれども、先ほど採用活動に関する質問をさせていただきましたが、年々採用活動が激化していく中で、より労働力の奪い合いになっていく。これは市内企業の採用活動力を底上げする必要があるといった趣旨の質問をさせていただきましたが、自治体職員の成り手不足も叫ばれている中で、高山市においても同様の課題だと考えております。 よほどかなり給与だったりとか待遇の改善だったりとかもされていくといったお話もありましたが、改めてちょっと、人手不足の時代におきまして、現在の会計年度任用職員の給与待遇で今後も雇用が継続される見込みがあるのか。また、新たに採用する場合に適切な水準なのか。もう少しどういったポイントを求人の魅力としてお伝えしていくのか。ぜひこの辺りをお聞かせいただけたらと思います。
○副議長(榎隆司君) 荒城総務部長。 〔総務部長荒城民男君登壇〕
◎総務部長(荒城民男君) 会計年度任用職員につきましては、業務の必要性に応じて会計年度ごと、つまり1年ごとの任用となっておりますが、必要な場合は2回再度の任用が可能となっており、本人の意向を確認しつつ、3年間は継続勤務が可能となっております。また、その後は改めて募集に応募いただき、任用されれば、引き続き勤務ができる制度となっております。 また、現在の募集に対する応募状況としましては、事務補助系の職種はおおむね応募がございますが、保育士や給食調理業務などは会計年度任用職員の確保に苦慮しているところでございます。 給与水準としましては、先ほどお話ししたとおり改善を図ってきているところでございます。職員確保ができていない職種の要因の1つに給与水準というものも考えられると思いますが、民間事業者との競合という点も含め、そのバランスなども考慮しながら対応を進めてまいりたいと考えております。 また、どういったポイントを求人の魅力として考えるかということにつきましては、先ほど来お話ししましたとおり、給与面におきましては県下の市町村の中でも高い水準にあるということでございますとか、休暇制度を始め、福利厚生も充実しているということ、また、やはり公務として市民の方のために働くやりがいというようなことも併せて行ってまいりたいと考えております。 あと、先ほど民間事業者との競合ということも言いましたけど、当然に市として市内事業所を牽引していくという視点で処遇改善ということについては率先して行ってまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 最後の質問です。 これまでの質問とも関連しまして、会計年度任用職員に関しては毎年雇い止めといったような問題だったりとかの報道とかもこれまで様々な自治体でありましたが、再度の任用に関しては今ほどおっしゃられたように本人の希望が前提となりますが、ぜひ勤務実績だったりとかも大きく考慮していただきながら、継続的な任用、雇用というのを保障していくことが健全な自治体業務の維持につながると考えております。 また、加えてなんですけれども、ぜひ専門的な業務に携わっておられる会計年度任用職員の方で、もう数年勤められていて、ぜひ勤務実績に関しても評価できるところがあるような方に関しては正規職員への採用の道だったりとかを開いていくことが優秀な人材の定着につながるかと考えます。 また、こうしたキャリアパスを整えて整備していくことが、Uターン就職を希望する若者でしたりとか、例えば子育てが一段落した世代の方の新たな選択肢、活躍の幅を広げる一助にもなるのではないでしょうか。 質問です。 高山市において、会計年度任用職員から正規職員に採用されるなどのキャリアパスは整備されているのでしょうか、お答えください。
○副議長(榎隆司君) 西倉副市長。 〔副市長西倉良介君登壇〕
◎副市長(西倉良介君) 会計年度任用職員から正職員になるというキャリアパスの整備についての御質問でございます。 正職員の採用につきましては、地方公務員法によりまして公正な採用の観点から、高山市においても原則競争試験となっております。ですので、今現在、会計年度任用職員から正職員というキャリアパスの制度というものはございませんが、実際、高山市の職員採用試験を実施する中で、試験区分として新卒というような枠にとらわれずに、それ以外にも民間経験の枠ですとか、就職氷河期というような区分を設ける中で、技術職などにおいて年齢枠を40代に広げるというようなこともしておりますが、こういった枠が結構広く取っておりますので、そうした試験区分において、会計年度任用職員の方が応募していただけるような試験を実施しております。ここ最近、5年間でも10名の会計年度任用職員の方が正職員として採用されている状況がございます。 優秀な会計年度任用職員を正職員に採用するキャリアパスにつきましては、市職員の職員不足の解消ですとか、想定外の欠員が生じたときなど、有効な手段というふうには考えておりますし、また、さらに正職員を目指す会計年度任用職員の勤労意欲の増進等にもつながるというふうに考えております。 現在のところ、先ほど申し上げましたように、会計年度任用職員に限定した形での競争試験ですとか内部登用の仕組みというのは、公平性ですとか公正性、そうした面からも難しいことから実施しておりませんが、今後、国や他の自治体の動向も注視しながらまた研究を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 御答弁ありがとうございました。 高山市において最も大きな企業体は高山市役所だと思います。この地域の出身の若者がUターンを希望したときに、飛騨地域で働きたい、地元へ貢献したい、そういった志がある若者が第一に希望する企業というのは、僕は高山市役所であるべきだと考えています。 また、市内企業との公平性の部分だったりとか、難しいところ、あるかと思いますが、ぜひ多様な働き方を認めていったり、キャリアプランだったりとかを整備するなど、市内企業をリードする高山市であってほしいですし、採用活動を含めて、率先して新たな挑戦をしていただけるようにお願い申し上げて僕の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(榎隆司君) 以上をもって、丸山議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○副議長(榎隆司君) 休憩します。 午後2時11分休憩 ――――――――○―――――――― 午後2時25分再開
○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 次に、益田議員。 〔4番益田大輔君登壇〕
◆4番(益田大輔君) 元気ですか、精神的に。本日のトリを務めさせていただきます益田大輔です。お疲れのところ恐縮ですが、質問時間は35分の消費を予定しておりますので、しばしお付き合いください。 通告に基づき、一般質問をさせていただきます。 まずはフィルムコミッションの話題から。 高山には8月、9月と、両月ですね。映画の撮影に来られました。8月にはハリウッドの22歳の新鋭の監督である清水友翔率いる「僕の中に咲く花火」、そして9月にはベネチア国際映画祭等でも評価を受けている作道雄監督率いる「君の忘れ方」、ともに30名ほどのチームで、数週間から1か月弱のロケがありました。 「君の忘れ方」には田中市長も現場に赴いていただきまして、飛騨を選んでくれた感謝と、完成後には高山で上映の場を設けていきますという力強い言葉をいただきました。この映画には、エキストラ、ボランティア、約100名の住民の参加がありました。では、なぜ高山にこんなに来るのか。 当地に明るい敏腕プロデューサーがいるのも1つなんですけれども、監督に聞いてみると、日本の原風景を撮りたい、昭和の風景を撮りたいという話がありました。飛騨市でも3月に「雑魚どもよ、大志を抱け!」という映画がありまして、これは昭和の雰囲気の残る山間のまち飛騨市で全編ロケであるということをうたっております。 最初の質問です。 高山市をロケ地とした映画やテレビドラマ、CM、そういう撮影依頼、撮影状況の把握と、実際のサポート、協力についての市の現状を教えてください。 〔4番益田大輔君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッションによりますと、フィルムコミッションとは、映画やテレビドラマ、CMなどの様々なジャンルのロケーション撮影を誘致し、撮影のサポートを行う団体とされ、非営利公的機関であること、撮影のためのワンストップサービスを提供すること、作品内容を問わないこと、これらの3つの要件が必要とされております。 現在、高山市にはフィルムコミッションはございませんが、市に対して取材依頼があった際には、ロケ地や取材先の紹介、必要に応じて申請行為などの業務補助や、場合によってはロケに同行するなどの協力を行っております。 日本一広大な高山市は、古い町並や寺社仏閣といった歴史的建造物、飛騨山脈や乗鞍山麓五色ヶ原の森に代表される自然景観、中山間地や農山村などの里山景観などを有しており、これらを舞台とした様々な映画やテレビドラマ、CMなどの撮影が行われております。 市内で撮影された映画やテレビドラマ、CMなどの全てを把握しているわけではございませんが、ここ近年では、議員御紹介の「僕の中に咲く花火」という映画や平湯を舞台にした「民宿のかくし味」といったテレビドラマ、乗鞍スカイラインを舞台にした大手自動車メーカーのCM、著名なコメディアンが市内の飲食店を巡るバラエティー番組などの撮影が行われております。 なお、市が把握している過去3年間の撮影や問合せなどの件数といたしましては、映画が6件、テレビドラマが3件、CMが4件、テレビ番組が43件でございました。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 細かい数字まで説明ありがとうございます。また、フィルムコミッションの説明もいただきましてありがとうございます。 今お話のありましたフィルムコミッションは全国で335団体あります。もともと大阪からスタートし、横浜、神戸、北九州等々ありまして、例えば豊橋のフィルムコミッションのホームページをのぞいてみますと、ここだから撮れるを支えるであるとか、札幌だとアジアにおける映像産業拠点を通じて観光や貿易等の総合的地域振興を目指す等のうたい文句があり、ロケ支援実施を行っています。 制作者と地域住民、企業、行政をつなぐフィルムコミッションは、ロケーション撮影の円滑化と同時に地域の活性化を担います。観光振興の観点からも、高山においてかつてフィルムコミッションを検討したことはあるとは思いますが、フィルムコミッションを置くことのメリット、デメリットについての現時点での市の見解を教えてください。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 映画やテレビドラマ、CMといったメディアは、映像や音声を直接的に伝えることができるなど地域の魅力発信に大きな効果が見込まれるものであり、経済効果や知名度向上など観光面でのメリットが期待できるものであり、国内において、その誘致を行う手段の1つとして、フィルムコミッションを設置、運営される自治体も数多くあるものと認識いたしております。 一方で、フィルムコミッションの課題といたしましては、非営利団体であり、運営に対する財政的支援が必要であることや映像制作に対する知識を有する担当者の設置が必要不可欠であること、費用対効果の把握が困難であることなどが考えられます。さらに、作品内容を問うことはできないという要件から、必ずしも地域にとって望まない内容の作品であってもサポートしなければならないといった課題もあるということで捉えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 3年で6件の映画が来ている。高山は映画に選ばれるまちであると思います。ここだから撮れるを提供できる、それが飛騨高山の強みかもしれません。 「君の忘れ方」に参加していた方言指導のスタッフの言葉が印象的でした。映画を撮り終わった後に、このシーン、このカットをここで撮るならば高山にはもっといいところがあったのに、こんなことならロケハンから参加したかったというような言葉があったんです。 合併10年記念の映画「きみとみる風景」は支所地域の美しい映像をあえて意識的に撮った映画になっています。そのときの制作コーディネーターは当然地元の映画好きの方でした。フィルムコミッションがあればもっといい絵が提供できる。そして、もっと市民と関われる。それがまさにフィルムコミッションの強みだと思います。 フィルムコミッションの歴史を少しひもといておきたいと思います。日本では2000年に大阪、その年に横浜、神戸と続き、ジャパン・フィルムコミッションの形成につながりました。世界ではどうなのか。初めて世界でつくられたのは1969年、アメリカ、コロラド・フィルムコミッションです。コロラドの州都というとデンバー。何という物語性でしょうか。古くからの友人がファーストペンギンであったわけです。 撮影支援における効果、フィルムコミッションの効果について簡単に触れておきます。滞在費用、機材レンタル、ロケセットなどの直接経済効果がある。マスメディアの露出がある。これは、成功例はいわき市の「フラガール」等ですね。観光客等の増加、聖地巡礼が見込まれます。撮影隊サービス業が生まれ、創作活動の活性化であるとか地域文化の見直し、ワークショップ等の教育にも生かされる。新しい観光、地域資源の発掘、発信ができる。これは支所地域にかなりの可能性があると思います。 映画はニーズが毎回違うからこそ新たな地域の魅力発見につながります。地域の特色こそ強みであり、むしろ眠っている宝こそ最高の資源だと思います。地域への愛着心が生まれ、チームビルディングが生まれ、コミュニティー形成、シビックプライドが形成されると言われます。子どもの頃に映画に関わって、大人になって、あの映画、出たんだと。俺も出たよ、どのシーンみたいな、そういうことも起こるわけです。 さて、映画館の話に少し移らせていただきます。今月12月ででこなる座が閉館し、月イチシネマも終わります。映画館がなくなってしまう現状ですが、フィルムコミッションが機能するには映画館が必要なんです。なぜかというと、ここで撮ってどれだけ地元の人が出演し、どれだけ愛着があって、それをみんなが見るか、これが1つの指標として重視されているからです。 小規模の映画館が閉館していく現状ですが、映画館に関する市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 議員さん御紹介のように、現在市内には映画を上映することを目的とした映画館という施設はございません。文化芸術鑑賞の観点や当市とタイアップした作品などの上映につきまして、文化会館でありますとか民間施設において上映されているにとどまっていると、そういった現状がございます。 映画館については、映画を楽しむというだけでなくて、家族や友人などとの交流の場として、また、地域のにぎわいの場として、市民の皆様からその設置を期待される声が大きい施設であると認識をしております。 現在、高山駅西まちづくりにおきまして、民間事業者に対してアンケートやヒアリングを行っている段階でありますけれども、駅西の複合多機能施設の整備の可能性について検討しているところではございます。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 駅西の開発についても触れていただきましたけれども、今映画館の機能についてのお話もいただきました。 映画館は本質的に弱き者の場所なんです。暗闇の中で映画と対話する時間は、独特の豊かさと一種のモラトリアム、そして安全性があります。居場所としての機能や価値観の共有があり、不登校の際のフリースクールとしての可能性も秘めています。一方で、運営維持には大きな課題があり、つくった後それをどう活用していくのかというコミュニティーデザインの発想が重要です。 そうした中で、全国各地でコミュニティーシネマという活動が注目を集めています。 映画による地域活性化の可能性を考えていきたいと思います。栃木県足利市では、映像のまち構想があり、映像のまち推進課の設置が進んでいます。映画はニーズが毎回違うからこそ新たな地域の魅力がつながる。これはまさに高山市にも当てはまると思います。 また、海外の映像関係者にも積極的に撮影を誘致する動きがあります。岸田内閣は、10月に、海外映画の国内ロケ誘致に意欲、日本のコンテンツ産業強化を打ち出しております。 質問です。 映画のあるまち、フィルムコミッション活動の効果として、経済効果にとどまらず、自分たちの地域でロケが行われているという高揚感、エキストラやボランティアスタッフとして参加することの非日常体験、世代間の交流、シビックプライドの醸成、地域活性化などの社会効果が期待でき、映画祭であるとかフィルムツーリズム、映像人材育成、映画学校誘致など、そういったまちづくりの可能性も広がると考えますが、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 市では、平成27年に制作いたしました合併10周年記念映画、議員御紹介の「きみとみる風景」でございます。これでは多くの市民や高山市に縁のある方に御出演、御協力をいただいたほか、市民対象の上映会などを通じて、改めて市内の美しい自然景観や人々のぬくもりを感じていただく機会となり、映画を通じたシビックプライドの醸成に資する特徴的な取組であったと考えております。 国内においては、フィルムコミッションの運営や映画祭の開催、フィルムツーリズムの推進などといった映画に焦点を絞ったまちづくりの取組を進めている自治体もあるものと認識いたしております。 映画の制作や上映は交流人口の増加や地域のにぎわいの創出、若者の誘致などといった地域活性化の手法として有効な手段の1つであると捉えており、今後も民間関係団体との連携を図りながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 全国のフィルムコミッションが競って映画を誘致している。そんな中、フィルムコミッションがない高山に、高山でこそ撮りたいと来ています。これはまさに、純粋にこのまちの底力、魅力だと思います。 飛騨市にはフィルムコミッションがありますが、宿泊可能なホテルが少ない。おのずと宿泊は高山になる。高山にはホテルがある。大きな映画ほどVIP対応の可能が必要なんです。これから海外映画の誘致があり、国際観光都市として存在感を発揮し、誘致したとすれば、フィルムコミッションのアテンドとVIP対応できるホテルのセットが必要です。 松山議員、西本議員の一般質問にもありましたが、観光を活用した持続可能な地域づくりの話がありました。サステナブルツーリズムの中で、部長様より幸福度の向上という言葉が複数回出ました。幸福度の一要因としては、やってみよう、挑戦が必要なんです。目に見えない幸福、この分野こそ文化、芸術の出番です。文化、芸術はウエルビーイングにも寄与します。業界のニーズも強い。物語性もある。ウエルビーイングにより寄与もできる。今こそフィルムコミッションをと考えますが、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 岐阜県におきましては、平成16年にフィルムコミッションが設立され、高山市におきましても同様の組織の設置について検討した経緯もございますが、以前より、観光課を中心に、各種メディアによるロケや取材に対して丁寧な対応を心がけているほか、県や近隣自治体とも連携、協力を図るなどの対応を進めており、先ほどの御質問にお答えしましたとおり、数多くの撮影や取材を取り上げていただいているところでございます。 映像制作の窓口としてフィルムコミッションを設置することについては、先ほどもお答えしましたとおり、人材面や資金面、持続性などの観点からも十分な議論が必要であり、現状として考えてはおりませんが、引き続き、市内の関係者や県、近隣自治体と連携を図りながら、市内の美しい自然や歴史、伝統文化などをより多く発信いただき、国内外の皆様に御覧いただくような機会の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今部長がお答えしたとおりなんですけれども、フィルムコミッションそのものをつくるかどうかは別として、フィルムコミッションが持っている機能を持つことについては重要だと思っています。今後、これまでずっと議論させていただいています新しい組織ですよね。そこにおいて、例えばその一翼を担っていただくとか、そういったことについては必要だというふうに思っておりますので、その辺は補足をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 フィルムコミッションと同じような機能ということなんですが、その場合に、恐らく海外からのVIPの対応が可能になるのかどうか、ここはちょっと確認いただいたほうがよろしいかと思います。フィルムコミッションがあることが前提として、そのアテンドの下、安全性の確保の下というような流れが恐らくあると思います。 これから国が海外の映像に関しても誘致をという話の中で、国際観光都市としてこれはチャンスかもしれません。特に地域資源がこれだけ多い、そして山もある。まさに映画を撮りたい、海外から撮りに来るということも十分あると思うんです。グリーンバックで撮ることもあるかもしれませんが、日本でわざわざ撮るときに都会で撮るのか。撮らないですよね。そういう場合に、しっかりと観光と連携したフィルムコミッションがあることがこのまちの財産であると強く思っております。 エンジン02がありました。「文化の力でウェルビーイングってナンヤローネ?」というタイトルで行われていましたけど、文化的処方という言葉があります。処方というと薬のイメージですが、そうではなくて、人、物、イベントを処方する。文化によって元気になる。東京藝大と岐阜大学がコンビを組んで芸術が心身に与える影響を研究するとうたっております。これからは心の産業を創出する時代である。共生社会をアートコミュニケーションでつくろうとの提言がありました。その第一歩の1つとしてフィルムコミッションがあるのかもしれません。 例えば、最近友人が元気がないと。楽しいこともないし、御飯も食べていないし、落ち込んでいると。そういうときに、じゃ、ちょっと病院、行こうよ、抗鬱薬、飲もうよでいいのか。今度映画の撮影が来るらしいよ、映画好きだったじゃないか、一緒に参加しようよと言って、そう気が進まないけれども参加して、そこでちょっと美術班、足りないから一緒に来てくれよと言われ、そして、その中で中学生、高校生と一緒に交流することで何か頼りにされて、何か今日はよく眠れる。そういう文化的処方があるまちが豊かなまちだと思います。文化によって元気になるまちづくり、そういう飛騨高山になることを、一精神科医として切に望みます。 次の質問です。 学びの多様性と困難を抱える子どもの関連についてです。 29万48、これは何の数字でしょうか。ある人数です。教育関係者であればお察しだと思いますが、2023年10月に発表された小中学校における不登校児童生徒数です。 通級による指導を受けている児童生徒数も20年で5倍に上がり、通級指導教室とは、通常学級に在籍しながら、特性に応じた指導を受けられる教室なんですけれども、高山市の小中学生約6,000人の中、通級利用者は368名、通級担当職員は18名、令和5年5月と伺っております。受入れの限界もあることから、これ以上枠を増やす予定がない中で、次年度の通級利用予定者452名。高山市の小中学生が年間100人ずつ減っている中、特別支援教育の利用者は増加しています。その中で、一度も医療にかかったことのない児童は通級の対象にならないという考えを市が示し、結果、診断を求めて医療機関に殺到している現状があります。 通級希望が増え、利用の際の診断書提出を求めるに至った現状についての認識を教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 通級は、議員さんがお話しされたとおり、通常の学級に在籍する軽度の発達障がいがある児童生徒に対して、個別に指導、支援を希望制で行うというものです。高山市では、言語障がいを対象とした教室と、学習障がい、注意欠陥多動性障がい等を対象とした教室を設置しています。 市で通級を開設したのは平成27年度。開設当時は小学校3校、そして5教室で73人の児童でした。今年度は、議員さんが言われたとおり、小学校と中学校で13校18教室で、368名の児童生徒が通級を利用しているという現状です。年々通級のニーズが増加しており、これは岐阜県の教育委員会の教員の配置がございまして、県の教育委員会の理解と協力を得ながら、高山市の通級体制を年々整備しているという段階です。 特に医療に関しましては、通級で個に応じた適切な指導を行うためには、医師の診断も参考にしています。子どもの特性を的確に捉えることが大切であると考えています。そこで、入級のとき、医療の意見を求めています。その際、医師の診断書あるいは意見書も判断や指導支援の参考にしています。 また、年度途中で通級に入ることを希望される場合もあります。その場合も医師の意見を求めているというのが現状です。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な御説明ありがとうございます。 通級を利用するには医療機関を受診するのみでなく、診断が必要となったというのはちょっと課題を感じております。 2つありまして、高山市で学習に関わる発達特性を評価できる人材というのは実は少なくて、また、その育成も追いついていない医療リソースの問題が1つ。 もう一つは、医学モデル化を進めるリスクがあるのではないかと懸念しています。医学モデルというのは、障がいを個人の心身機能によるものとし、個人的な問題として捉える考え方。一方で、社会モデル、反対の考えですけれども、障がいは社会と個人の心身機能の障がいが相まってつくり出されるものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務である。社会全体の問題とした捉え方です。 そもそも学習障がいは病気なのか。病院に行くと治るのか。学習が上手になるのか。インペアメントとディスアビリティーという言葉があります。両方とも障がいと訳します。インペアメントは本人の体の中にある障がい、例えば脳性麻痺で動かない。ディスアビリティーは本人と社会、環境との間にある障害のことです。 脳性麻痺の車椅子の少年をイメージしてみてください。その少年が、今6階の傍聴室に行くとします。物すごくリハビリして、階段を上って6階にたどり着いた。これはインペアメントを克服したことになります。もう一つ来方があります。エレベーターを使って6階に上がった。これは車椅子と階段の関係性を突破したということで、ディスアビリティーを改善したと。 不登校はディスアビリティーだと思いますし、精神科、心療内科というのはほとんどディスアビリティーの問題が絡んでいます。社会モデルとして対応いただければ幸いかと存じます。 さて、通級にも待ちが出ていると聞き及んでいます。学習障がい児の対応が遅れると自己肯定感が下がり、二次障がいにつながりやすい。無気力、不安、これは不登校の50%を占めています。つまり、学習障がい児の対応が遅れるということは、不登校が増えるという悪循環につながるのではないか。だからこそ、読み書き支援の早期発見、早期介入が大事である。子どもの1年は果てしなく長い。大人と違ってですね。通級1年待ちというのはある意味致命的だと思います。 学習障がい、発達性ディスレクシアに対して、学校で教員が行える簡易スクリーニング、RTⅠモデルといいますが、の提案がありましたが、実施状況を教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 今言われましたディスレクシアとは、発達性の読み書き障がいとも呼ばれる学習障がいの1つです。平仮名の読み書きが極端に苦手で、正確性や流暢性につまずきがあるという状態を示しています。 言われたとおり、そうですよね。別にそういった指導は通級だけがやっているわけじゃなくて、通常の学級でもやっているというところです。そこで言われたように、スクリーニング検査ということが大切になってくると考えています。 学校で教員が行えるスクリーニング検査については、市が今年の4月、国立成育医療研究センターの副院長で、ディスレクシアの専門医である小枝達也医師を講師として招き、教員向けに研修会を行いました。小枝医師が開発したT式ひらがな音読支援を学び、学校での指導について演習を行いました。 また、8月には、市教育委員会担当主事と高山赤十字病院の言語聴覚士が連携して同じ内容の研修を行いました。そして、各学校でも実施できるよう、実施マニュアルも市で作成したところです。 実施状況は、現在18校でT式ひらがな音読支援を行っています。これから実施したいと考えている学校も多くあるところです。 市としては、今後もディスレクシアの研修を継続的に行い、通級のみならず、読み書きに困難さを抱える子どもたちを早期に察知、分析し、その子に合った指導支援を行うことで、困難さの改善につなげてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 既に実施されているということを聞いて安心しました。 その子が困っているのは今です。子どもの時間軸で考えていただければと思いますし、ただ、一方で先生の負担も無視できません。 教育職員の精神疾患による病気休職者数は、令和3年度5,897人、全体の6.64%で過去最多となっております。つまり、今学校現場では、1、配慮の必要な子どもが増えている。2、心を病む先生が増えている。その中で、3、教えない教育への移行が進んでいる。こういう現状があると思います。 教えない教育とは放置という意味ではなくて、学びの基礎となる部分をしっかり教えたり安全な環境を整えたりした上で、その先を子ども自身に考えさせる。そういうことに重点を置いた教育なんですが、しかしながら、学びの基礎となる部分、学び方には個人差があると言われています。 例えば、歩きながら本を読むほうが読みやすい人というのがいるんですね。学校ではそれは教えません。そういう読み方はしないので。これを脳の多様性、ニューロダイバーシティといいます。 人生100年時代においては、これからどのライフステージにおいても、教育、学ぶことを続けることが大事になります。そうした中で、人生の初期の段階で自分に合った学び方を知ることは極めて重要だと思います。同年齢集団を一斉一律に授業することが果たしてニューロダイバーシティ的に、脳の多様性的に妥当かどうかという議論があり、果たして普通の学び方、正常な学び方というのは存在するのか。 質問です。 ラーニングダイバーシティにおける多様な学び方の尊重など、これからの教育の在り方について、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 通常学級における多様な学びの保障は大切だと考えています。 現在学校では、個に応じて自分で選んで進める学習形態にも取り組んでいますと。そういう中でも、教員もいろいろ支援があって大変なというところで、例えば、高山市における特別支援員とか保健相談員は、平成29年の段階では78名でしたけど、令和5年の段階では143名を配置して教員を支援するという体制を取っております。 授業の中で個に応じて自分で選んで進める学習形態に取り組むという例では、子どもたちが取り組みたい課題を自分が選択し、自分なりの方法で追求する授業、ICTを活用し、学び直しや発展学習を自分で選び、個に応じた形で学べる時間を単元に位置づけるなど、多様性を持った授業を現在展開しているというところです。 また、相談の上ですが、教室以外の別室学習スペースで個別に学ぶことを選ぶことも現在できます。 これからの教育については、多様な学びの場の充実を進める必要があると考えています。 現在、同じ学校内で小学校1年生から中学校3年生まで、継続的に独自のカリキュラムで指導支援を行う義務教育学校や不登校生徒の居場所と学びを独自のカリキュラムで保障する、ここは学級はないんですけれども、学びの多様化教室にじ色の開設準備も進めているところです。 今後も多様な学びの保障をキーワードとして、さらに研究、実践を積み重ねてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁ありがとうございます。 通常学級における学びの多様性と特別支援教育ニーズには関連があると言われています。通常学級において、学びの多様性が広く認められるほど特別な教育ニーズは減少していく。ということは、通常学級における学びの多様性をどうするかということになると思うんです。 今、ICTの話もありましたが、その1つの鍵がGIGAスクール構想ではないかと思います。教えない教育への移行、多様な学び方の尊重において、ICTは強い味方です。eラーニングは学びの速度を選べる利点もありますし、特性に応じて対応できる教材が日々開発されている。発達障がい、学習障がいの学習としても注目を集めていると思います。 高山市のGIGAスクール構想について、現在の進捗を教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 国のGIGAスクール構想は、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、子どもたち一人一人に個別最適化された学習を持続的に実現することを目指しています。 高山市の状況を見ますと、今年度の全国学力・学習状況調査で、授業でパソコンやタブレット等のICT機器の活用頻度を問う設問があります。そこで、ほぼ毎日と回答したのは、中学校3年生を見ると、高山市は75.2%、全国は28.1%、小学校6年生で、市は43.3%、全国は28.2%です。高山市ではタブレットや電子黒板、デジタル教科書を効果的に活用し、授業改善に日々取り組んでいるという状況です。 言われましたように、デジタル機器は発達障がいや不登校児童生徒への学習支援にも役立つと考えています。現在活用している小学校算数のNew!GIFUウェブラーニングや、中学校技術家庭科のプログラミング教材では、自分の苦手な点を自覚しながら自分のペースで学べます。また、学び直しにも活用しているという現状があります。 個別最適な学習支援の充実には、優れた実践を広げていくという面も必要だと考えています。来年度、指定校の実践を基に、高山市全体に広げ、対面による対話とデジタルによる対話のよさ、その両面を生かしながら、学びの質を高めていきます。 教職員が開発した教材や授業実践というのは多くあります。それをデジタル機能で多く集積し、教職員が共有できるように取り組み、多様な児童生徒に個別最適な学習支援が届けられるよう努めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な答弁ありがとうございます。 デジタル・シティズンシップという言葉があります。これは、デジタル技術の利用を通じて社会に積極的に関与し、参加する能力のことで、優れたデジタル市民になるために必要な能力を身につけることを目的とした教育が世界的に模索されています。 デジタル化が進んでいく社会において、子どもたちにデジタルを使わせないということがある種の罪であるというような考え方もありまして、長崎県の佐世保市ではスマート・スクール・SASEBO構想というものがありまして、これは、先生がICTを使いこなすことであるイノベーションが起こりまして、先ほど教育長からもありましたとおり、コンテンツの共有ができると。ICTに得意な先生が授業コンテンツを量産して、あらゆる先生がみんなでウェブ上でシェアする仕組みができています。デラックスな先生というような取組になっておりますけれども、よりよい授業コンテンツも共有できる。となると、準備が大分楽になりますね。 また、発達特性に合わせたこういうコンテンツ、ないのと言うと、誰かがつくる、それを共有する、そういうような多様な学び方に対応したコンテンツと先生の負担軽減が果たされている自治体があります。恐らくGIGAスクール構想とは、今の教育をデジタル化するだけではなくて、その先の話になってくると思いますので、ぜひぜひ推進のほう、よろしくお願いします。 最後に、心を病む先生というのが増えているというのも本質はディスアビリティーだと思います。多様な学び方とともに、多様な教え方、働き方を尊重する取組を期待します。 続いて、次の質問です。 寄附金の有効利用、ガバメントクラウドファンディングについて御質問させていただきます。 先日、ふるさと納税の寄附額が当初の想定より増加する見込みとのプレスリリースがありました。先人の努力が実を結び、国際都市、観光都市高山の強みがまさに発揮されているすばらしいことだと思います。現状では12億円増等の42億円程度になることが見込まれているという話でしたけれども、増収分をどのようにまちづくりに生かしていくのか、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 平野財務部長。 〔財務部長平野善浩君登壇〕
◎財務部長(平野善浩君) 今年度のふるさと納税の寄附額の見込みにつきましては、今言われたとおり、当初予算で30億円と最初見込んでおりましたところ、約42億円、12億円の増になるということが見込まれましたので、本議会において、関連経費や積立金を増額するための補正予算を上程させていただいているところでございます。 当市におけるふるさと納税という寄附金の活用につきましては、寄附者に対し、寄附金の使い道を応援メニューという形であらかじめお示ししておりまして、今回の増収分につきましては、約半額の6億円を寄附受入れの返礼品などの経費に充当するとともに、残りの6億円ですね、残りの6億円につきましては基金に積み立てさせていただきまして、寄附者の意向に沿うように、第八次総合計画実施計画の重点事業であるとか著大施設の整備事業などに充当させていただくというような予定にしてございます。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 先日、市民意見交換会で、とあるまち協の青年部のある青年が資金調達の難しさを嘆いていました。地域の魅力を大切にして、心豊かに笑顔に暮らせる元気なまちをつくりたい、若者の力でまちを元気にしたい、若者同士のつながりをつくる、そういう活動をしたいんだけれども、いかんせん先立つものがないであるとか、また、ある福祉施設では車椅子のまま入浴できるような特殊浴槽を利用者のために設置したいんだけれども、なかなか資金がないんだと。快適な入浴環境を提供したいのにという話があったり、ある医療機関では、救急外来のスタッフ待機室のアメニティーが芳しくなくて若い先生の定着の妨げになっているのではないかというのが医局で話題になっていると。雨漏りもあるし、何とかならないかと。地域医療に貢献するためにバックヤードを何とかしたい等々の多数の声、これはいろいろな声があると思うんです。 質問です。 寄附金を市民の困り事であるとか、市民活動に柔軟に活用できるシステムについて、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 市では、今年度から、市民や市内に拠点を置く事業者または団体が、地域課題の解決に向けた活動を行う際の支援として、地域課題解決型活動支援事業補助金を創設したところでございます。その財源として、ふるさと納税の寄附金を活用することといたしております。 こうした補助制度により、市民のアイデアの実現を支援していくとともに、市民提案の事業を、ふるさと納税の寄附受入事業として寄附を募っていくことに関しましては、他市の事例を参考とし、その仕組みと有効性について引き続き検討してまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 次の質問なんですが、高山には観光客が多数訪れます。宿泊税等の議論もなされますが、訪れた観光客をふるさと納税に誘導する、そういう活動工夫の実態があれば教えていただきたいのと、海外からの寄附の受入れですね。京都市のDonate to Kyotoというような仕組み等々のそういった国際観光都市として、観光客がまちづくりに寄附をする、寄与する。そういうシステムづくりについて、お考えがあれば教えてください。
○議長(水門義昭君) 川原
飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 当市における年間観光客数は、コロナ禍前の平成31年は473万3,000人、そのうち外国人観光客宿泊者数は61万2,000人と、国内外から大変多くの皆様にお越しいただき、当市の魅力を体感いただいているところでございます。 一方で、市が目指しております持続可能な観光地域づくりを進めるに当たっては、当市が有する豊かな自然環境の保全や歴史、伝統文化の継承、地域を担う人材育成などを並行して進めていく必要があり、その取組を支える財源の確保は重要な課題であると認識いたしております。 現在、市では、観光を活用した持続可能な地域づくり方針の策定を進める中で、その具体的な取組の1つといたしまして、持続可能な観光振興を支える新たな財源の検討を掲げております。 議員より御紹介がありました海外の事例、そういったものも含めまして、新たな財源について引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 日本に観光に訪れたことがない海外のVIPに先に寄附をもらい、まちを整備してお出迎えする、そういうスキームもあるようです。これには当然社会課題の解決等々が必須になると思うんですけれども、例えばカーボンニュートラルであるとか、このまちの強みを生かした戦略も面白いかもしれません。 寄附金を市民活動に活用する1つの手法として、先ほども触れられましたが、ガバメントクラウドファンディングがあります。自治体クラウドファンディング、ふるさと納税型クラウドファンディングというもので、返礼品ではなくプロジェクトに対する寄附です。ふるさと納税のフィールドを行政が提供し、有識者の先進的な試みであるとか、市民提案型の社会課題解決活動を動きやすくするような仕組みです。 ある自治体では、先駆的な子ども真ん中支援の実践というメニューを掲げています。使い道の選択でそれを選ぶと、学校に作業療法室をつくろう、思春期健診を実装しよう、読み書き困難児のICT支援などの取組推進の財源となる仕組みがあります。学校に作業療法とは、保健室のように作業療法をつくることで、例えば作業工程を作業療法士が指導するんですね。逆上がりのここが苦手というところを応援したり、思春期健診というのは、これはいろいろな研究がありまして、思春期健診をすることで思春期の自死が減るというデータがあります。 読み書き困難児のICT支援は先ほどにつながってくる話だと思いますが、これを高山に置き換えて考えてみると、例えば日本における地域型メイヨークリニックを高山でというようなメニューをつくったとして、地域の総合病院を応援しようであるとか、そういったことにつながってくるかもしれません。全ての人に快適な生活環境をという中で、特殊浴槽が利用者に届くこともあるかもしれませんし、不登校における子ども食堂とか、アウトリーチ型の学習支援、訪問サポート等々にも使えるかもしれません。まちに豊かな文化的なにぎわいをという項目で、映画館の財源ができるかもしれない。また、ストリートピアノも置けるかもしれない。そういったいろいろな活動の中で、例えば市民意見交換会や共創ミーティング等々で集まったものからアイデアを出し、メニューをつくると、不満が願いに変わるまちが実現するかもしれません。 そういった意味で、ガバメントクラウドファンディングや、先日立ち上げられました民間の財団との連携によるまちづくりについて、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 先ほど、少しふるさと納税の関係で、観光都市としての強みを生かしたという取組の質問があったかと思います。 ちょうど今月から飛騨信さんと組んで、ふるさと納税クーポンという形で、旅前に高山市で使える、飲食とか宿泊に使えるクーポンの発行を始めたところではあります。ぜひこれを拡大していきたいというふうに考えているところであります。 今ほどはガバメントクラウドファンディングということで御質問をいただきました。議員さんのほうから、この特性について紹介をいただきました。寄附者と一緒になってまちの課題を解決していくという点で、利点があると思いますし、不満を願いにと、希望に変えていくというところはいいかなと思います。 これまでこういった形の寄附金というのは、令和2年の災害時でありますとか、あるいはコロナ禍で飛騨牛の消費が進まないといったときに、関係団体の皆様と組んで寄附を募って、多くの寄附を頂いたという実績がございます。 今後は他市の事例等も参考に、現在の課題解決に向けた資金確保の1つと、手段としてさらに研究をしてまいりたいというふうに思っております。 またひだ財団さんのお話もいただきました。ひだ財団さんとは、今年度、一般財団法人ということで立ち上げがされました。多様化する社会課題に休眠預金の財源を使って取り組んでいこうというふうで設置をされたところであり、行政の目指す方向と共有されるところが大きいというところで、今後の連携について表明を先般させていただいたところであります。 ひだ財団さんのほうでは、来年の4月の公益財団化に向けてさらに手続等を進めておりますけれども、公益財団化がなされた暁には、公でも手がつけにくい、あるいは民ではビジネスにならないといった中間の部分の社会課題について一緒になって取り組んでいきたいというふうに考えております。具体的なプロジェクトについては今後さらに協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な答弁ありがとうございます。 それこそ、これだけ観光客が来るということは、それだけファンがいるとなると、すごくポテンシャルがある。少なくとも飛騨高山を知っているという中で、じゃ、どこでふるさと納税をとするときに、返礼品からというよりはプロジェクトからというような誘導の中でまちづくりが動いていくことは理想かもしれません。 先ほどのフィルムコミッションのときにも財源の問題がありました。オーガニック給食のときにもやはり財源の問題はあるんだと思います。いろいろな課題に難易度はありますけれども、いかにそのお金を市民提案型の中に投入できるかということはこれからのまちづくりに非常に重要なことだと思います。 財団は市民活動に伴走できるという特権があると思うんです。ですので、スタートアップも含めて事業の継続、成長を見守っていただく部分には機能としては発揮するかもしれませんし、行政の縦割りの補助金を包括できたり、これは可能性の話かもしれませんけど、宮崎県新富町のこゆ財団では地域商社をうたっていまして、いわゆるふるさと納税自体をマネジメントしていると。まちづくりと寄附金がスムーズに連動するような仕組みができると次のステージに進んでいく可能性もあるかと思っております。 最後に、地域医療構想について質問させていただきます。 先日、3者連携協定締結記念合同研修において医療者教育学の話がありました。僕の大学時代とがらりと変わっていまして、医師も職種を超えて学ぶ時代であると。異なる専門職の指導者が共に学ぶ横断的医療者教育がグローバルスタンダードであるということで、本当におのれの不勉強と浦島太郎ぶりに恐れおののきましたけれども、とにかくすばらしい企画で、講演で勉強になりました。 その中で、岐阜大学の佐伯教授より、地域全体をフィールドとした医療者教育とは、行政、医療、市民とが共創するまちづくりのピースであるという金言をいただきました。プレスリリースにもあるとおり、地域共創型飛騨高山医療者教育学講座を開設するに当たり、まちづくりに医療を超えてどのような効果が期待できるのか教えてください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) もう大分御存じだと思うんですけれども、地域共創型飛騨高山医療者教育学講座というのは、高山市が岐阜大学に寄附をした寄附金を財源にして、岐阜大学が臨床、教育、研究ができる教官である医師を雇用して講座を開設するというものでございます。 現在想定しているところでは、寄附講座の教官には、岐阜大学で医療者教育に関する研究をしつつ、週に数日高山に来ていただいて、今御紹介いただきました3者協定、高山市、日赤さん、久美愛さんと結んでいる市内の中核病院であるとか国保の診療所などにおいて、患者さんの実際の診療を通して医療者教育に携わっていただくということでございます。また、今後のまちづくりにどういうふうに関わるかというのにもつながると思うんですけれども、小中高生であるとか市民の皆様を対象とした出前講座を行うことや、岐阜大学が協定を結んでいる海外の大学と国際的な交流などによるグローバルな視点を持つ人材の育成も検討しております。 今回の3者協定に基づく、今の、先ほど御紹介いただきました今後の市内における医療者教育については、職員向けの合同研修ということで協定後初めてやらせていただきました。 今回の取組を進めることによって期待されている効果は3つあると思っております。 まず、1点目としては、高山市に来ていただく医学生、研修医や、そのほかメディカルスタッフ、医療スタッフを目指す学生であるとか、新人の実習、あるいは研修の質が向上して、これは医療関係者の方から出てきた言葉なんですけれども、医療を志すなら一度は飛騨高山にと、実現につながるということ。 2点目が、教えることは2度学ぶことであると言われますように、指導者である医師や看護師などの医療スタッフの皆様の意識の向上や専門職としての能力の向上に寄与して、結果的に市民の方に良質な医療を提供する体制の整備につながるということですね。 3点目が、将来の市の医療を担う若い人材を育てるという、地域全体での動きが、この地域の医療の将来について市民の皆様と共に考えることにつながって、山積する医療課題の解決に対する市民の皆様の参加が期待できるということで、これは先ほどもちょっとおっしゃいましたけれども、医療という分野を超えて、医療という分野からの出発点ではございますけれども、今後医療にとどまらず、市民の皆様にとっての安心・安全なまちづくり、ウエルビーイングですよね。それを感じられるまちづくりにつながることを期待しておりまして、寄附講座開設後、現在検討されています取組の一つ一つを実現していくことが重要であると考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます、丁寧な御答弁。 本当に医療にしろ、大学にしろ、大分人格が変わってきていると。その中でこその確かにメイヨークリニックになってくるんだろうなと強く感じました。医療の人材育成、確保にとどまらない、でも、医療の期待値が上がるような、社会が変わるような形での活動をお願いしたいと思います。 一方で、緩和ケア病棟の看板が外されました。高山厚生病院の廃院に伴い、患者さんを久美愛厚生病院に受け入れたこともあり、緩和ケア病棟から急性期一般病棟に再編された流れがあるからです。 緩和ケア病棟に関しては、平成17年当時、飛騨にホスピスをつくる会が情熱的に活動して、2万2,537筆の署名と1,027万3,247円の募金を元に設置された経緯があります。 諸事情は存じておりますけれども、治すための医療を行う一般の病棟とはケアの質が違う緩和ケアの実情の中で、緩和ケア病棟が飛騨地域からなくなってしまったことに対する市の見解を教えてください。
○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。 〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
◎市民保健部長(橋本宏君) 緩和ケア病棟につきまして、少し説明もさせていただきながら答弁させていただきたいと思います。 緩和ケア病棟とは、議員も御紹介のとおり、がんなどの診断を受けた患者様とその御家族を対象に、病気がもとに起こる心や体の苦痛を和らげる取組を主に行う病棟ということでございます。この病棟では、可能な限り患者様や御家族の希望に添って、心身ともに安らかな状況を継続できるように、医師や看護師、薬剤師、臨床心理士、管理栄養士などのスタッフがチームをつくって連携して支援に当たっているというところでございます。 久美愛厚生病院の緩和ケア病棟は、御案内のとおり、新築移転した平成24年5月に、市民の皆さんからの多くの要望もありまして、飛騨圏域で唯一の施設として開設をされまして、地域における緩和ケアを提供するという役割を積極的に担ってこられたというふうに認識をしております。 今回、岐阜県厚生農業協同組合連合会(JA岐阜厚生連)として、地域における医療ニーズ及び今後の地域医療体制も踏まえて、久美愛厚生病院の病棟再編に取り組まれて、保険診療上の緩和ケア病棟の継続は行わないということになったというふうに理解をしているところでございます。 一方で、病院側に確認をしましたところ、緩和ケアが必要な患者様については、これまでと同様に、従来の緩和ケア病棟の施設を利用し、質の高い必要な緩和ケアを提供する体制を維持しているというふうに伺っております。 議員さんも御承知のように、医学の進歩に伴いまして、従来は病院等の医療機関のみでの対応であった緩和ケアに必要な薬剤や機器の使用などが、在宅診療等でも使用できるようになっておりまして、緩和ケアの目的であるその人らしく生きることへの支援という意味で、様々な選択肢が可能となっているというふうに認識をしております。また、近年、この地域におきまして、緩和ケア専門医を取得された医師や在宅緩和ケアに積極的に関わる医師もおられる状況となりました。 市といたしましては、緩和ケアが必要な方に、希望に添った多様な形での緩和ケアが提供できることが、3者連携協定の目指す1つの姿である、生まれてから亡くなるまで必要な医療を受けられる安定的かつ持続可能な医療体制の構築と維持の実現にもつながると認識しておりまして、その実現を目指して、関係機関との情報共有や課題解決に今後も継続的に取り組んでいくことが必要であると考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な答弁ありがとうございます。 3者協定ですので、しっかり情報共有をして、また、緩和ケアの情報等も情報発信いただければ幸いです。 3者協定の研修の中でも、医師が育つには20年くらいはかかるという指摘がありました。メイヨークリニック構想においても、20年くらいで軌道に乗ってくるというようなことになるかと思います。 一方で、差し迫った課題もあります。日赤病院の建て替え、病院の機能分化はともに大きな課題ですが、今回はそれは置いておきまして、マンパワーとしての医師が足りない現状はあります。小児科が、耳鼻科が、消化器内科、もうちょっと欲しい。こういった具体的に医師を呼び込むための施策、市町村が信頼ある専門人材と連携するための施策について、お考えがあれば教えてください。
○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。 〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
◎市民保健部長(橋本宏君) 議員御指摘のように、市内の医師不足の状況というものは、今後も特定の診療科において、短期的、緊急的な対応というものが必要とされる状況も起こり得るというふうに認識しております。 長期的には、今の3者協定も含めて人を育てるというところに向かっていきたいと思いますが、そういった短期的、緊急的な対応の部分については、最近では例えば産婦人科でありますとか循環器内科等、緊急的な医師の確保に対しまして、飛騨医療圏の課題という認識の下、市内の中核病院との情報共有でありますとか連携を基本として、県や飛騨地域2市1村との緊密な連携を行い、必要な対応を取ってまいったところでございます。 市としての短期的な取組についての考えは2点ございまして、1点は、絶対的に不足している医師の確保対策というところでございます。具体的には、三次周産期医療を確保するために必要な人件費の確保を県2市1村と共に進めまして、高山赤十字病院での雇用を実現したこと、また、放射線科の医師を確保するために高山赤十字病院が開設した寄附講座の寄附金に対する支援を県や2市1村と行ったことなどでございます。このほか、市内の中核病院で必要な非常勤医師の確保については、市の補助金などを活用していただけるようにしているという状況がございます。 2点目は、医療機関や医師の連携体制の調整や整備による対応でございます。具体的には、高山赤十字病院の循環器内科医の退職に伴う循環器救急診療の危機に対しましては、24時間の救急体制整備を維持するために、医師の確保とともに、現場の医師からの提案である救急輪番制について、県保健所、医師会との協議を踏まえて整備をしたということなどがございます。 今後も、診療科によって、医師不足による医療体制への影響が懸念をされております。今回お示しした2つの考え方を基本として、県が示す地域医療構想における医療連携体制を念頭に置きつつ、3者連携協定の定期的な協議でありますとか医師会との協議を通して、課題となっている診療科などをできるだけ早い段階で共有をして、必要な対策を3者で検討し、具体的な取組につなげてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 いろいろ骨を折られたことをお伺いできて、大変参考になりました。 例えば、国や都道府県が人材をプールして市町村とのマッチングをサポートする、そういうような仕組みというのは医療福祉系ってあまりないんですけど、地方創生であるとか産業振興、そういった分野では結構一般化しているのではないかと。ある意味医療、福祉に関してもそういった人材プールからのマッチングのような動きがあるといいのではないかというふうに感じております。 また、3者協定、大学連携を生かしたという形でいくと、過去の研修医の同窓の中での人材プールであるとか、大学も大分人格が変わっていますので、そこに関して大学から連携する中での人材プールからのマッチングであるとか、そういったものの構築、これはもう本当に国や県にもお願いする形になるかと思うんですけど、そういう仕組みが多分野の人材確保のスキームの中での医療福祉の人材確保というものがあるといいのではないかというふうに思います。ですので、本当に大変なことだと思いますけれども、ぜひ、短期の部分と長期の部分、両輪を回しながら、よりよい医療環境をつくっていただければ幸いです。 最後に、医療と福祉の連携について、市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 医療分野と介護分野の連携につきましては、介護保険制度における総合事業の中に位置づけられておりまして、高山市では高山市医師会に事業委託をさせていただいております。 この事業では、医師会に加えて、歯科医師会、薬剤師会、そして高山赤十字病院、久美愛厚生病院、須田病院を始めとする医療関係者の皆さん、そして、介護保険事業者連絡協議会による介護のメンバーのほか、障がい福祉分野などにも参加をしていただきながら、多職種が集まり、困難事案の事例検討ですとか在宅療養における研修などを行い、顔の見える関係をつくりながら地域包括ケアシステムの充実に向けて取組を進めているところでございます。 今年の10月には須田病院の方から身体疾患を患っている精神障がいのある方の事例を提案していただき、関係者で意見交換をするなど地域生活における障がい医療との連携の重要性を共有したところであります。 今後も医療、介護連携の事業を通じまして、医療と介護、そして障がい福祉の連携を深めていき、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 3者協定を結んだということは、市と総合病院が近くなったのではないかと。市民病院的な機能が期待できるのかもしれません。初期集中のお話もありましたけど、地域包括につなげやすい、例えば、やはり市民病院だと入院された方のその後の生活支援等々に関して、そこで市の職員がいますので動きやすいというような利点がありますけど、出向であるとか、そういった形が取れるのも1つ面白いかもしれません。学習障がいの診断の話もありましたけど、小児科にもそういった意味でいうとある程度パイプをつくって、近しい形での支援ができるといいのではないかと思います。 医療と福祉というのは意外に遠いです。医療と介護、精神医療と介護も非常に遠いです。また、精神医療は大体蚊帳の外に置かれることが多い。今、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの話がありましたが、地域包括ケアシステムはもともと医療と介護と生活支援、介護予防の連携があって理想的なものだと言われていたんですが、法律の問題で、当初精神障がいを除外していたことがあります。でも、そうすると認知症の問題は精神医療が担当していますので全く回らないと。そこで考えを改めまして、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムというものができています。この通称、皆さん御存じでしょうか。精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの通称は、略称は包括です。精神障がいという名前は消えています。これが精神障がい、精神医療に携わる、日本の脈々としたスティグマ、差別、偏見の表れだと僕は強く思っています。 今回は教育を中心に話をさせてもらいました。先ほどの3者協定の研修の中で、上越厚生病院の院長先生の言葉がすごく突き刺さりました。例えばそれは、研修医に対する指導医の心構えとしては、自分の価値観を押しつけない、対等な関係であるとともに、自分を追い越していく存在として尊敬しなさいと。教育は教えられる側だけではなく、教える側に変化を求めるものであるというような言葉がありました。確かにホモサピエンスは他人の経験を利用することができる生命体です。そうやって人類は発展してきました。他人の経験を利用するために教育がある。次世代が健全に今の世代を追い越していく文化は重要であり、これからの子ども条例などを考える際にこの概念を取り入れていただくことを期待して、一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、益田議員の質問を終わります。 ================
△閉議・散会
○議長(水門義昭君) 以上で、本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、明日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ散会します。 午後3時37分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。 高山市議会 議長 水門義昭 副議長 榎 隆司 議員 坂下美千代 議員 中筬博之...