高山市議会 2023-09-11
09月11日-03号
令和5年第4回定例会令和5年第4回
高山市議会定例会会議録(第3号)=
======================◯議事日程 令和5年9月11日(月曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問 =
===============◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問 3番 戸田 柳平君 6番 平戸 芳文君 12番 西田 稔君 13番 沼津 光夫君 1番 丸山 純平君 4番 益田 大輔君 =
===============◯出席議員(24名) 1番 丸山純平君 2番 中村匠郎君 3番 戸田柳平君 4番 益田大輔君 5番 坂下美千代君 6番 平戸芳文君 7番 片野晶子君 8番 水野千惠子君 9番 石原正裕君 10番 西本泰輝君 11番 伊東寿充君 12番 西田 稔君 13番 沼津光夫君 14番 榎 隆司君 15番 山腰恵一君 16番 渡辺甚一君 17番 岩垣和彦君 18番 中筬博之君 19番 倉田博之君 20番 松山篤夫君 21番 上嶋希代子君 22番 車戸明良君 23番 水門義昭君 24番 小井戸真人君 =
===============◯欠席議員(なし) =
===============◯説明のため出席した者の職氏名 市長 田中 明君 副市長 清水雅博君 市長公室長 北村幸治君 総合政策部長 上田和史君 総務部長 荒城民男君
財務部長 平野善浩君 市民活動部長 西永勝己君 福祉部長 石腰洋平君 市民保健部長 橋本 宏君 森林・環境政策部長 小林一正君 農政部長 林 篤志君
飛騨高山プロモーション戦略部長 川原幸彦君 建設部長 中垣内一君 都市政策部長 池之俣浩一君 水道部長 山腰勝也君 会計管理者 森下澄雄君 教育長 中野谷康司君
教育委員会事務局長 田中 裕君 消防長 松山孝生君 =
===============◯事務局出席職員氏名 事務局長 川田秀文君 次長 比良佳久君 自動車運転職員 櫻本明宏君 ――――――――○―――――――― 午前9時30分開議
○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。 ================
△日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、伊東寿充議員、西田稔議員を指名します。 ================
△日程第2 一般質問
○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、戸田議員。 〔3番戸田柳平君登壇〕
◆3番(戸田柳平君) おはようございます。 初めての一般質問、初めての景色で非常に緊張しております。皆様お手柔らかにお願いいたします。 私は、これまで伝統工芸、デザイン、ディレクションにまつわるお仕事を通じて市内外の様々な業種の方々と交流してまいりました。また、民間事業者として市の取組にも関わらせていただいてまいりました。 以前、お仕事を御一緒したある経営者の言葉に、地方自治体とは、
ニアリーイコール株式会社だと思うというものがありました。自治体とは、住民イコール株主からの
税金イコール出資金を元に運営されている機関だという住民の認識、また、行政サービスという言葉どおりに、住民にとってのサービス業だと捉えられている側面が大きいということをもっと自治体は理解すべきだというものでした。これを聞いたときに、なるほどと納得したことを覚えています。 高山市には、このような市民意識としての観点が足りていない、また、このような実情と市の認識に隔たりがあるのではないかと感じている点が幾つかあります。その視点から思い、また、いろいろな方にお話を伺ったことを基に、通告に基づき、初めての一般質問を行います。 まず最初に、地域のブランディングについてお尋ねします。 令和4年7月の
経済産業省製造産業局伝統的工芸品産業室発表の資料によると、平成10年、1998年の伝統工芸品生産額は、全国で約2,784億円だったものが、2年後の2000年には約2,000億円にまで減少、さらに10年後の平成22年、2010年には約半分の1,000億円余りにまで下がり、その後、現在に至るまで減少傾向が続いております。 また、従事者も同様で、伝統工芸士に認定された現役職人数は平成19年を、従業員数は平成13年を境に減り続けています。 令和2年度、2020年に改定した高山市産業振興計画の趣旨では、平成22年度、2010年に策定した前計画に基づく取組について、高山市産業振興基本条例に基づき、基本的な考え方を
飛騨高山ブランドのさらなる強化と地域資源の活用による持続可能な産業の振興と位置づけ、6つの視点、次世代を担う人材の育成、戦略的な交流の推進、地域資源を生かした個性・魅力あるものづくりの促進、地域の特色を生かしたまちづくりの推進、自然環境・景観の活用、次世代への継承、就労機会の拡大と労働環境の整備に基づき、様々な取組を進めてきましたとありますが、伝統工芸品においては、年1回市内で開催される伝統的工芸品展と年数回他都市での飛騨高山展が行われるのみであり、私が陶磁器部会の理事をさせていただいていた約20年前から内容の変化はありません。 伝統産業は、
地域ブランディングにおいても重要な要素の1つだと思いますが、現場からの意見としても、高山市産業振興計画とリンクしているとは思えず、掲げられた6つの視点からも死角にあるように思われます。こうした現状についての認識と今後の展望、計画があればお聞かせください。 〔3番戸田柳平君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 高山市には、国が指定する伝統的工芸品であります一位一刀彫、飛騨春慶、そして、県が指定する郷土工芸品である渋草焼、小糸焼など陶磁器、飛騨さしこ、飛騨染、飛騨の匠の技を継承する飛騨の家具や伝統建築など、世界に誇る伝統産業が多数あると認識しております。 市では、
飛騨高山ブランドの強化や産業を担う人材の育成、確保など、高山市産業振興計画の中で基本的な方針として掲げ、市内での
飛騨伝統的工芸品展の開催や、都市部等で行う飛騨高山展の開催のほか、一位一刀彫や飛騨春慶の各組合、陶磁器の事業者が加盟する
飛騨伝統的工芸品産業振興協議会、こちらへの補助を行ってまいりました。また、
伝統的工芸品産業や伝統的建築産業などに係る技術の継承と振興を図ることを目的とした事業者や研修者への補助、現役技能者に対する名匠認定、
土産品振興奨励制度による新作土産品や推奨土産品への登録など、各種取組を進めております。 さらに、
飛騨地域地場産業振興センターでは、幅広い伝統工芸などの作品展示、販売のほか、今年度から新たに伝統工芸の後継者を確保することを目的とした
インターンシップ事業に取り組むなど、市といたしましても連携を図りながら技術の継承と振興に努めております。 しかしながら、生活様式の変化などもあり、売上げの低迷、後継者の不足、組合員の高齢化など、それぞれの産業において深刻な課題が山積しており、これらの産業を将来につなげていくためには、さらなる対応が必要であると認識しております。 現在、県の伝統産業担当課にも協力をいただきながら、飛騨春慶や一位一刀彫の組合と、技術の継承や産業の継続に向けて意見交換を重ねておりますが、今後はほかの伝統工芸の事業者の皆様とも意見交換を行いながら、それぞれが持つ課題の解決に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。様々な取組を考えていただいているというお言葉をいただきました。感謝いたします。 続いて、メイド・
バイ飛騨高山認証制度についてお尋ねします。 平成30年に創設されたメイド・
バイ飛騨高山認証制度は、
飛騨高山ブランド戦略の核に位置づけられ、当初、人材育成、PR、ブラッシュアップなど、様々な内容が盛り込まれていましたが、コロナ禍の影響もあってか、ふるさと納税のランディングページにバナーが貼られた以外には目立った動きもなく、現在に至っております。 先日、初めて登録事業者が集まって意見交換会が開催されました。私も参加させていただきましたが、現時点で認証自体の知名度がほぼない状態であり、認証シールを貼る手間や各種集計の事務手間など、メリットよりもデメリットのほうが大きいという声が多く上がっておりました。 今ほど質問させていただいた伝統工芸の事業者も多く認定されていることもありますが、こちらも高山市産業振興計画との関係も浅くはないと考えます。こうした状況についての認識と今後の展望をお聞かせください。
○議長(水門義昭君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) メイド・
バイ飛騨高山認証制度に関しましては、産品の消費拡大と飛騨高山の魅力や価値の維持向上を図るため、飛騨高山に由来する独自性と信頼性の高い農林水産物及び製品を認証するもので、令和4年度までに33の産品を認証いたしております。 高山市産業振興計画におきましては、商品、サービスの高付加価値化、市内調達率の向上、農畜産物の高付加価値化や安全・安心な産地産品づくりの推進の取組として位置づけられているところでございます。 具体的な取組といたしましては、認証シールの配布、認証産品の事業者が行います新商品開発や人材育成及び販路拡大への補助、
ふるさと納税寄附サイトでのPR、販売の機会の紹介などを行っております。 先日、議員仰せのとおり、認証産品の事業者の方々との意見交換会を実施したところでございますが、議員仰せのとおりのようなことであったり、あるいは産品の売上げを増やす取組が十分でないとの御意見も頂戴していることから、今後は制度の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。 伝統工芸、
ブランド認証ともに、登録事業者さんが求めるのはシンプルに売上げの増加です。そこに期待をして参加しておられるということを改めて御理解、お酌みおきいただきたいと思います。 SNSなどの情報発信ツールが発達した現在、顧客ニーズの合格点は飛躍的に上がっており、よい物をつくれば売れる時代はとうの昔に過ぎ去っております。また、PR、ブランディングには、トレンドについての感覚も非常に重要になってまいります。 数年置きに部署が異動になり、1週間ほどの引継ぎ期間しかない今の市の体制で、職員さんだけで十分な対応ができるでしょうか。両事業ともに、これまでのやり方を続けてきて結果があまり出ていない現状は、市にとっても、事業者にとっても、予算の使い方としても好ましくないと思います。 また、広告物のデザインや制作物の内容、展示イベントの装飾など、世界各地で年々飛躍的にレベルが上がっており、その内容によっては
マイナスプロモーションになってしまいます。 そこで、伝統工芸、
ブランド認証ともに、企画、運営、広報などをアウトソーシングすることを御提案いたします。 あるところでは、外部の事業者と共同で、春慶塗で使われるものと同じ透漆が持つ透光性と紫外線を吸収するという特性を生かしてUVカットのサングラスを開発中です。 また、他市の事例として、奈良県、隣の富山県高岡市、新潟県の燕三条などでは、地域地場産業の製造現場を観光資源とする産業観光によって、産業、観光ともに相乗効果を上げておられます。 先日の御答弁でも、川原部長がこの辺りに触れておられましたが、他部署との連携を踏まえ、ぜひ外部専門家にお任せいただくことを御検討いただければと思います。 次に、市有施設の管理運営の在り方についてお尋ねします。 6月の一般質問の際に、山腰議員からも城山公園のトイレについて御指摘がありましたように、以前から市内公園等の公衆トイレの修繕について要望や意見が出されておりましたが、先日、私も北山公園のトイレについて、近隣の飲食店さんから御相談を受けました。具体的に集計しておられるわけではありませんが、北山のトイレが汚過ぎて使えず、海外の方と小さなお子様連れの方が多いそうですが、1か月に四、五十人はそのお店にトイレを借りに来られるということでした。ほとんど全員観光客の方だそうです。 このトイレは、昭和61年に造られ、現在は市内事業者さんが週2回清掃しておられます。その清掃事業者さんにもお話をお聞きしましたが、やはりどんなにきれいに掃除をしても経年の傷みや汚れはどうしようもなく、今の状態が限界だと言っておられました。 市有設備の不具合を一般事業者がフォローしているという事実について、市の見解と今後の対応をお聞かせください。
○議長(水門義昭君)
池之俣都市政策部長。 〔
都市政策部長池之俣浩一君登壇〕
◎都市政策部長(池之俣浩一君) 北山公園のトイレにつきましては、日常的に清掃を行い、清潔に利用できるように努めておりますが、このトイレは昭和61年に設置したくみ取りの和式トイレとなっておりまして、外国人観光客などには利用しにくい施設となっております。 そのため、議員仰せのとおり、近隣の民間施設のトイレを借りる公園利用者が一定数いることは承知をしているところでございます。 現在、再整備の検討を進めておりますが、立地条件により、トイレの水洗化や資機材の運搬など課題が多く、様々な検証が必要となっております。 今後、整備が完了するまでは、外国人観光客に向けたトイレの使い方の注意書きなどを表示することなどの必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。 いわゆる観光客の方への対応であったりとか、その辺はお聞きすることができましたが、今フォローしていらっしゃる一般事業者さんへの対応、そちらのほうもぜひ御検討いただければと思います。 また、こちらは、いわゆる信頼の度合いに、市の事業が市民に対してどう理解されるか、そういうことの問題だと思います。アフターケア、アフターフォロー、それがお客様の信頼を得るということについてはすごく大事な部分だと思いますので、また、内容として観光にまつわることでもありますので、ぜひぜひ早急な御対応をお願いいたします。 続いての質問に移ります。 原山市民公園に大型遊具の設置が計画されております。指定管理者である
新宮地区まちづくり協議会を始めとした地域住民からは、本当にありがたいとたくさんの感謝の声を聞く一方で、長らく施設の修繕の要望を出していたが、そちらには対応してもらえなかったのに、市が決めた新規事業はすんなり進むのか、発表から審査までの期間が短いが、既に計画ありきで進んでいるのではないかなどという不信の声も寄せられております。 こちらも、アフターケア、アフターフォローの不足による信頼の度合いが表れているかと思いますが、その辺り、市のお考えをお聞かせください。
○議長(水門義昭君)
池之俣都市政策部長。 〔
都市政策部長池之俣浩一君登壇〕
◎都市政策部長(池之俣浩一君) 今回の原山市民公園に大型遊具を設置することにつきましては、多くの市民の皆様から、魅力ある子どもの遊び場の整備の必要性について、多くの御意見をいただいたことを踏まえ、早期に整備を行うこととしたものでございまして、今議会で補正予算を提案し、市民アンケートを実施するなど、準備を進めているところでございます。 市内には、老朽化している公園が数多くあることから、公園管理における修繕については、内容の緊急性等に応じて順位づけを行い、対応をしています。 今回、原山市民公園に大型遊具を設置することにより、これまで以上に様々な利用者が増加することが見込まれることから、これまでの要望内容も踏まえ、公園全体の利用環境についても再調査し、必要な整備や修繕については、計画的に進めていきたいというふうに考えております。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。地域の方々も安心していただけるかと思います。 同公園は、平成19年から2か年をかけて市内5か所に整備された合併記念公園の1つであり、ホームページには、「コンセプトは「人」、「交流・つどう」を要素に、世代を超えた交流を通じて楽しく過ごせる場。歴史文化、自然とのふれあいによる潤いや、市民の憩いの場です」とあります。 私も一住民として、本当にありがたい計画だと思っておりますが、だからこそ、当初のコンセプトにあるように、幅広い世代の方々に長く愛される場所であってほしいと心から願っております。 生産年齢人口の減少が続いている現状から予測される市財政の厳しい将来と照らし合わせても、完成してからの維持管理にまつわる金銭的、人的コストについて、また、周辺の自然環境など、今あるものをどう活用するかなどの視点は非常に重要だと思います。 地域住民からの強い要望でもありますので、既存設備の修繕も含め、ぜひ御検討くださいますよう、改めてよろしくお願いいたします。 では、最後の項目に移ります。 市役所各部署の在り方についてですが、まず、大前提の確認としてお尋ねいたします。 私は、自治体とは、市民が必要とする政策や制度を整備するための機構であり、自治体の目標は、よりよい未来のために政策や制度をよりよくすることだと考えております。というか捉えております。この辺り、市の御見解をお聞かせください。
○議長(水門義昭君)
上田総合政策部長。 〔
総合政策部長上田和史君登壇〕
◎総合政策部長(上田和史君) 地方自治法第1条の2におきましては「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」というふうに記されております。地方公共団体の目的は、市民の福祉の増進、言い換えれば市民の皆様の幸せでありまして、そこに向かって邁進することが地方自治体の役割であるというふうに考えております。 先行きの見通しが容易でない中ではございますけれども、また、市民ニーズも多様化、複雑化する中で、市民の皆様が幸せと感じていただけるためには、変化する社会情勢を踏まえつつ、新たな政策や制度をつくっていくことのほか、既存の政策や制度の廃止、見直しなども行っていくことも必要というふうに捉えているところでございます。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。 この4か月間、市政に関わらせていただく中で、施策を実現するためには膨大な労力がかかるということが分かってきました。 また、既に存在している施策や事業、制度に手を加えたりやめたりすることにも同じく膨大な人的コストがかかることも分かりました。ですので、今、御意見いただきましたが、そういうことに取り組んでいただけるということは本当にありがたいなと思います。 ただ、これまでの在り方として、本来これら全て市民のために存在すべきものであり、やはり時代の変遷や状況に合わせて適切な見直しが、改善がされにくいこれまでの現状というのは、市役所各部署においてPDCAサイクルが機能していない、市民の声や実情が反映されにくい、または市役所のこれまでの構造や体質自体に問題があるということの証明になってはいないでしょうか。市の見解をお聞かせください。
○議長(水門義昭君)
上田総合政策部長。 〔
総合政策部長上田和史君登壇〕
◎総合政策部長(上田和史君) 政策を進めるに当たりまして、PDCAサイクルを機能させていくことが基本でございまして、毎年度の事業評価を予算編成へ反映させていくなど、評価の結果を改善、見直しに連動させて進めているところでございます。 また、今年度は施策ごとの評価を行うこととしておりまして、その結果を第九次総合計画に反映させていくこととしております。 目まぐるしく社会が変化をいたしまして、課題が多様化かつ複雑化する状況におきまして、自治体の役割を果たしていくために、政策に柔軟性を持ちながら、社会変化にしっかりと対応していくことが重要と考えております。 そのため、日頃から各事務事業については、市民のためになっているかという視点を持って点検を行い、必要に応じて改善、見直しを行っていると認識をしております。 また、新規事業の立ち上げや既存事業の見直しについても、年度の途中であっても、可能なものはスタートするということで、変化する社会情勢にスピード感を持って対応することとしております。 いずれにしましても、様々な政策がございますが、多様な手法で市民の皆様の声を聞きながら、事業の改善、見直しを含め、柔軟性を持って行政運営を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) 力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。 3つ目、最後の質問に移ります。 これは、私が議員になる前からですが、これまでに、このような点を市職員の方々にお尋ねした際に、自分たちも分かってはいるがそういう報告や意見を上司に出せない、一度決まったことを役職に就いていない我々が変えることは難しいなどの声を、現職、元職合わせて複数の方からお聞きしております。 課内、部内での円滑な運営のほうが優先され、本来の役割が果たされていないのではないでしょうか。 ほかの課、ほかの部には聞きたいことがあっても行きにくい雰囲気があり、結果として相談に来られた方に対してたらい回しのような状況になってしまうなどという声も聞きました。これも、縦割り行政、公務員の無謬性と呼ばれる在り方がもたらす弊害の1つではないでしょうか。 これらに起因する市民意見の矢面に立つのは、主に一般職員さんであることが多く、このような体質によって働きにくさを感じておられると私は感じました。これについて、市の御見解をお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 私が昨年9月に市長に就任させていただいて以来、職員の皆様には、日頃から高いプライドを持って、よいと思ったことを大切にしていただいて、少しでもそれを実現させるという強い思いを持って取り組んでいただきたいということをずっとお話をさせていただいております。 私が市長に就任する前、私自身も市役所の職員でしたので、仕事の進め方については、例えば政策立案の調整に時間を費やし過ぎるとか、若手職員の方々の意見が反映しにくいであるとか、そういった仕組みがないということであったり、また、そういったことを含めて仕事にやりがいを見いだせないといったような課題があるのではないかということは常々感じておりました。 そのことから、常々幹部の管理職の方々には、若手職員の方々が持っておられるアイデアとか意見というものを大切にして、風通しのよい市役所、あるいは職場づくりをすることをお願いしておりまして、例えば、資料の作成であるとか調整などの時間や労力を簡素化して、やれることはやるということで取り組んでいただくようにお願いはさせていただいておりますし、また、職員の皆様には、私にそれを期待していただいているのかなということは思っております。 ただ、限られた人員体制の中で効率的な業務を遂行して、職員の皆さんの業務の負担を軽減できるように、現在、全庁的な事務事業の見直しについて、職員の皆様方の意見を聞いていただいて、それを整理してきておりまして、常々職員の方々が、日頃市政であるとか、あるいは事業であるとか、職場環境であるとか、そういったことについて疑問を感じています。これって変やろうというような御意見をいただいて、今までで180くらいの様々な御意見をいただいています。本当に職場環境のことであるとか、実際に御自分が担当されている事業であるとか、あとは市民の皆さんとの接し方であるとか、働き方であるとか、いただいておりまして、今それを整理させていただいて、しっかりと職員の方々にお返しをして、改善できるものについてはできることからやっていきたいというふうに考えております。 いずれにしても、冒頭に地方自治体の役割ということを申されましたが、そのことにやはり主眼を持って、それができるような職場あるいは市役所をつくるということが、私は市長としての責任でもあるというふうに考えておりますので、多少時間はかかるかもしれませんが、私が就任している間はそういった姿勢を崩さず取組を進めてまいりますので、どうかまた何か御意見を聞かれたら、お届けいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 戸田議員。
◆3番(戸田柳平君) ありがとうございます。ぜひぜひいろいろと幅広い御意見を吸い上げていただければと思います。ありがとうございます。 私、本当数か月前まで超がつくほど一般市民でしたので、一般市民としての感覚というのは本当にまだまだ色濃いのですが、いわゆる市民と行政という2つの立場、官民みたいな立ち位置というよりも、市役所の職員の皆さんというのは、同時に納税者である。だから、市民なんですよね、当然のことながら。ここにいらっしゃる幹部の方々もそうですし、市長も副市長も我々議員ももちろん市民です。 よりよい未来のために政策や制度をよくすること、これが自治体の目標であり、ここにおられる全員を含めた我々市民の願いであり、今庁内にいる我々全員の職務だと思います。 働き方改革に取り組まれておられますが、例えば勤務時間や設備などというハード面、そちらも本当に大事だと思います。ただ、それと同じように、先ほど市長おっしゃられたように、これまでの体質そのものにこそ改善すべき点があるのではないでしょうか。 健全な精神は健全な肉体に宿ると申しますが、逆もしかりです。市役所の皆さんお一人お一人が忌憚のない意見を出し合えるクリアな環境、市民の方々としっかり向き合える環境をつくることが働きやすい職場環境につながり、高いパフォーマンスと健全な行政運営、ひいては市民の利益につながると考えます。 かの有名なリンカーンの言葉、人民の人民による人民のための政治は、民主政治の根本精神であると言われます。いま一度、改めて全員この精神に立ち返り、健全な環境、健全な高山市にしていただきたいと考えます。私もこの精神を忘れることなく、高山市の未来のため、議員として、皆さんと共に邁進していく所存でございます。 私からのお願いとともに、決意表明として一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、戸田議員の質問を終わります。 次に、平戸議員。 〔6番平戸芳文君登壇〕
◆6番(平戸芳文君) おはようございます。 私としては、人生で初めての一般質問をさせていただきます。 事前に通告させていただきました内容は、森林環境税、森林環境譲与税についてと、100年先を見据えた森林づくりについて、そして、荘川町六厩地区の産業廃棄物最終処分場計画についての3点であります。 まず、1点目の森林環境税、森林環境譲与税について伺いたいと思います。 令和6年度から、国の森林環境税が、市において、個人住民税均等割と合わせて1人年額1,000円の徴収が始まりますが、平成24年度から徴収されている県の清流の国ぎふ森林・環境税も同額が一緒に徴収されます。新しい税負担となりますこと、どちらも森林環境税で二重課税との指摘もあり、税の内容やすみ分け等の市の見解を伺うものであります。 森林の有する地球温暖化防止や災害防止、国土保全、水源涵養等の様々な公益的機能は、国民に広く恩恵を与えるものであります。適切な森林の整備等を進めていくことは、我が国の国土や国民の生命を守ることにつながります。 しかしながら、林業の採算性の悪化、所有者や境界が分からない森林の増加、担い手の不足等により、近年、手入れが行き届いていない森林の存在が顕在化しています。 森林環境税は、こうした課題を解決し、森林の整備等を進めるために、国民一人一人がひとしく負担を分かち合って、我が国の森林を支える仕組みとして創設されることとなりました。 こうした森林の有する公益的機能の発揮に関する財源の確保については、これまで長期間にわたり、政府・与党での検討や市町村議会のほか、業界関係者による働きかけが続けられてきました。 こうした中、平成27年のパリ協定の採択や、昨今の山地災害の激甚化等による国民の森林への関心の高まり等を受け、平成30年度税制改正の大綱において税創設の決定に至り、森林環境税の課税は令和6年度から、森林環境譲与税の譲与は平成31年度から行うこと、また、使途について、市町村は、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に、並びに都道府県は、森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に充てなければならないことが示され、平成31年度の森林環境税の創設となりました。 また、地方独自の財源確保の取組として、森林整備を主な目的とした県の森林環境税の取組も行われております。これまでに、岐阜県を含め37都道府県において導入されています。 こうした関係者の長期に及ぶ取組により実現した新税であります。市民の御理解を得るためにも、税の内容やすみ分け等、市の意見をよろしくお願いをいたします。 〔6番平戸芳文君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 議員御紹介の御説明と少し重なるかも分かりませんが、改めて説明をさせていただきます。 令和4年度から徴収が始まる森林環境税は、温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るため、森林整備に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設された国税でありまして、来年度より納税者1人当たり年額1,000円が課税をされます。 一方、従来からあります清流の国ぎふ森林・環境税は、森林や河川の持つ公益的機能を県民が将来にわたり享受できるよう、平成24年度から導入された納税者1人当たり年額1,000円が課税されている県税で、それぞれ別の税金となります。 県税であります清流の国ぎふ森林・環境税は、県が行う森林整備や木材の利用に関する事業のほか、野生鳥獣の個体数の管理事業、河川や生物多様性などの自然生態系の保全・再生事業、脱炭素社会の実現に向けた人づくりや普及啓発事業などの取組の財源として活用されております。 国税であります森林環境税は、国が市町村へ配分する森林環境譲与税として活用され、森林環境譲与税の配分を受けた市町村等は、法律に基づき、森林整備やその担い手確保、森林の公益的機能に関する普及啓発、木材の利用促進に関する施策に要する経費に充てることとなっており、市町村の判断により幅広い事業が実現可能となっております。 森林環境税については、従来から徴収されている県税と来年度から徴収が始まる国税との違いや、市町村への配分の仕組み及びその使途、使い先ですが、について、市民の皆様に広報等で分かりやすくお伝えさせていただきます。 失礼しました。一番初めですけど、令和6年度から徴収が始まる森林環境税を令和4年度というふうに言い間違いをしました。訂正させていただきます。令和6年度から徴収が始まる森林環境税でございます。失礼いたしました。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) 今、返答いただきましたけれども、森林環境税というものは、林業者としては本当に長年からの思いが籠もった税でございます。市のほう、そして県のほうで使われるわけですけれども、しっかりその内容、林業にしっかりと使っていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 では、次の質問に移ります。 全国的に森林環境譲与税が活用されずに、基金積立てということになっております。先ほどの二重課税ではありませんが、本当に税が必要なのかという議論にも発展しかねませんので、市の森林環境整備基金をどう活用するのかを伺うものであります。 制度が始まった令和元年からの3年間で、全国の市町村に配分された約840億円、その47%に当たる395億円が活用されていませんでした。基金の積立ても可能ではありますが、譲与された半分近くが活用されていないということになります。 高山市の令和3年度までの実績も、配分されたのは3億7,500万円、その43%に当たる1億6,200万円が活用されておりません。4年度実績と5年度見込みを踏まえ、状況を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 市では、平成31年度から配分が始まった森林環境譲与税を森林整備及びその促進のための事業に計画的に充当するため、高山市森林環境整備基金を平成31年4月に設置しており、令和4年度末の残高は8,360万5,000円となっています。 現在、100年先を見据えた森林づくりを進めるため、災害に強い森林整備事業となる重点区域森林整備事業や、森林境界の明確化のほか、森林整備を推進する森林作業道維持修繕事業などに森林環境譲与税と合わせて基金を充当し、令和5年度末には基金残高ゼロとする予定でございます。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) 年度末までには全部使っていただけるということで、安心をいたしました。 それでは、次の3つ目の質問に移ります。 森林、林業に対する市民理解の醸成を図り、市民が主役の森づくりを促進していくために始まった市民提案型森林づくり推進事業の実施状況をお伺いします。 市民提案型森林づくり推進事業は、昨年度から始まったと聞いております。森林環境税や森林、林業に対する市民理解の醸成を図るにはもってこいの事業と期待をしております。昨年度実績と今年度の状況など、お伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 市民提案型森林づくり推進事業は、市民活動や民間事業者の皆様から、林業や木材産業の振興、市民参加のイベントなど、森林づくりに関する新たな取組を募集し、そのモデル的な活動について支援する事業として、昨年度から実施しています。 初年度となる令和4年度は、12団体から応募があり、審査会により8つの事業を採択し、総額366万円の支援を行いました。 支援した事業は、県立森林文化アカデミーにある森林環境教育施設morinosへの子育て世代を対象にしたバスツアーの開催、千代田区との協賛イベントでの木育ワークショップの開催、清見中学校1年生の林業体験学習の開催などとなりました。 今年度は、7団体から応募があり、大学生と林業関係者及び木材事業者とのマッチングによるインターンシップ見学会の開催や、木育の普及のための人材育成事業など6つの事業を採択し、総額500万円の支援を予定しております。 これまでの応募状況を見ますと、木育や森林環境教育など、森林を身近に感じてもらうことを目的とした提案が多いことから、市民への波及効果が高いモデル事業を今後市の事業として取り入れていくなど、皆様のアイデアを市政に反映していきたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) 今、内容を聞かさせていただきましたけれども、本当に、思った以上にすばらしい事業だなと思っております。これからも続けていただきまして、また、市民の声を森林環境譲与税のほうに生かしていただければというふうに思っております。 それでは、次の質問に移ります。 地域から多く要望があった作業道修理の補助金でございます。 高山市森林作業道維持修繕事業補助金が昨年度より始まりましたが、予算を超える要望が出ていると聞いており、実施状況を伺うものであります。 隣家や地域の方と話すとき、林道や作業道の話が出てまいります。その多くが、道路の修繕や災害のときの復旧の話でございます。昔と違い、今は山仕事に道路は欠かせません。人の移動や資材、木材の運搬はもとより、山の見回りや山菜取り等、多く利用されております。 大雨や台風の災害が多発する中、管理者の負担が多くなっております。この補助事業に期待するところは大きいと思います。状況を聞かせていただきたいと思います。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 森林作業道は、主に森林整備を行う事業者や森林所有者が維持管理する道路で、間伐などの施業地への移動や、伐採した木材の運搬に利用するなど、森林整備のために必要不可欠なものであります。 また、森林の施業が行われない期間においても、作業道は、森林の見回りや水源の管理、鳥獣害対策などで活用するため、森林所有者や町内会、共有林組合などで管理されていますが、近年多発する自然災害により、管理者の負担が大きくなっていることから、昨年度、新たに森林作業道の維持修繕に対する支援制度を創設し、市内各団体の方々に活用していただいているところでございます。 令和4年度は、森林作業道維持修繕事業補助金制度に対して、15団体、19路線、19か所の申請書が提出され、合計約1,000万円の補助を行いました。 また、令和5年度は、23団体、31路線、34か所の申請書が提出されております。 なお、本年度の補助金申請額が当初予算額である1,000万円を大幅に超えたため、本議会において補正予算を上程しております。 森林作業道の維持修繕に対する地域からの要望が多数あることから、管理者の負担を軽減し、森林整備に資する森林作業道の維持修繕に今後も支援を行ってまいります。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) ありがとうございました。 市民の方から聞きますと、大変使いやすいということでありまして、今、件数を聞かせていただいたところ、どんどん増えているということです。予算も増えているということですが、これからも、こんな時代で、災害が多い時代になっておりますので、またいろいろとよろしくお願いしたいと思っております。 それでは、5つ目の質問のほうに移らさせていただきます。 5年目を迎えた森林環境譲与税は、来年度から満額の2億4,000万円が配分されることとなります。今後の活用の基本的な考え方と活用方法を伺うものであります。 来年度から、定額の2億4,000万円が半永久的に配分されます。長期的な視野に立ち、いろいろな使い方ができると思います。また、優先順位や重点項目を決め、計画的に使うこともできます。市は今後森林環境譲与税をどう使っていくのか、お伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 森林環境譲与税は、市民の皆様から森林環境税として集めさせていただいたものを、一旦国へ納めて、それよりも多い額ということで、森林環境譲与税としてまた市に入ってくるという、そういうもので、それがおっしゃったように2億4,000万円ということになります。 配分としては、個人とか企業の方々が所有する人工林の面積であるとか、あるいは各市町村の人口、あるいは林業就業者の方々の数で案分して、市町村とか都道府県に配分されるもので、おっしゃったとおり、来年度から森林環境譲与税ということで市民の方からいただいたものを国へ納めて、国からそれよりも多い額の2億4,000万円ということでございます。 今の森林環境譲与税については、森林整備であるとか担い手確保、木材利用促進、あるいは森林の公益的機能、例えば災害防止であるとか、景観の形成であるとか、景観保全とか、木育という普及啓発、そういったものに使うように法律で定められておりまして、高山市としましては、100年先を見据えた森林づくりのために森林環境税を活用したいというふうに思っておりまして、幾つかございますけれども、今、議論になっておりますような事業であるとか、あるいは森林境界の明確化とか、森林の所有者との合意形成の推進であるとか、重点事業、これはレッド・イエローゾーンの間伐などの森林整備、森林情報のシステム管理、森林作業道の補修整備、あとは市民決定型の森林づくりの推進であるとか、スマート林業の推進というものなどなどございます。 ただ、これはあくまでも国税でございますので、私は国のほうにお話をするときには、もちろん私どももPRはさせていただきますけれども、森林環境税を住民の皆様から取ることについてはPRさせていただきますが、国のほうもしっかりとPRしてくださいというふうに思っておりまして、今後は、直接住民の方々からお集めをするわけでございますので、例えば木育、一番森林面積を有する高山市として、住民の方々に、市民の方々にしっかりと小さい頃から木育について取組をすることで、森林に対する理解を深めていただくというようなことで、例えば今の9月議会でも補正予算を提案しておりますけれども、今、飛騨の里の下にあります森のエコハウスを県の木遊館のサテライトに位置づけて、そこで小さい方から大人まで木に触れるような場所を提供するというようなことも考えておりまして、あとは木材・木工産業への広葉樹の活用、こういったものもこれまでないことでございましたけれども、新しく取組を始めさせていただいて、有効に森林環境譲与税を使わせていただきたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) ありがとうございました。 森林環境譲与税ですけれども、今までお聞きしているのは、森林整備につながるとか、先ほど言われた幾つかのテーマがありますけれども、そういうものにつながることでしたら、市独自でいろいろな形に変えて使うことができるということを聞いております。先ほども提案型のいろいろな事業もございましたけれども、高山独自のいい使い方をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、2点目の100年先を見据えた森林づくりについて伺いたいと思います。 循環型林業、地球温暖化防止、齢級の平準化、安定した木材供給のため、皆伐再造林を進める必要がありますが、市の見解をお聞きするものでございます。 高山市も少子高齢化が進んでいますが、高山市の山も同様に少子高齢化が進んでいます。戦後の拡大造林政策により植栽された森林が現在40年生から70年生になり、主伐の時期を迎えております。しかし、30年生以下の森林がほとんどなく、人間よりも極端な少子高齢化であります。 材価が低迷している関係で切り控えがあったり、伐採後の未植栽が増えております。100年を見据えた森づくりを実践するためにも、循環型林業、地球温暖化防止、齢級構成の平準化、安定した木材供給のため、主伐再造林を緊急に進めなくてはいけないと考えます。市の見解をお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 市内の森林面積約20万ヘクタールのうち、国有林は約8万ヘクタール、それ以外の民有林は約12万ヘクタールとなっています。民有林のうち、杉やヒノキなどの人工林は約4万5,000ヘクタールあり、そのうち50年以上の伐採適齢期を超えた人工林の面積はおよそ1万9,600ヘクタールであり、割合としては43%となっています。 これらの人工林は、主伐再造林により、木材利用を図り、若い森林に更新し、二酸化炭素吸収量の増加を図ることが必要であると考えられます。 また、主伐再造林を行うことで、人工林の年齢構成が平準化され、次世代へ安定的な木材資源を供給していくことも可能となります。 しかしながら、現時点では、木材価格の低迷、植林などの造林費用の負担などから、主伐再造林は思うように進んでおりません。 市では、令和4年度から県と連携して、主伐再造林に対する森林整備補助率を標準単価の100%まで上げ、森林所有者の負担を軽減し、主伐再造林を促進するための支援を行っております。 将来にわたり森林資源を循環利用するとともに、次世代に豊かな森林を引き継ぐ主伐再造林を、今後も国や県、森林所有者や林業関係者等と連携をして推進してまいります。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) 確かに、高山の山は、今言ったように大きくなって伐採の時期を迎えているわけなんですけれども、本当に材価が安いために進んでおりません。 先ほど申し上げました森林環境譲与税、この主伐再造林に向けても、いろいろな考え方をしながら使っていけることがあるのではないかと思っております。いい考え方があれば、また教えていただいて、それを実践していただきたいなというふうに思っております。 それでは、次の質問に移ります。 高山市は、東京都の千代田区と2050年脱炭素社会実現に向けた連携協定書や、港区とみなとモデル二酸化炭素固定認証制度による間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定により、炭素固定を実施してみえます。 市有林によるカーボンクレジット、温室効果ガスの削減量を売買する仕組みでございます。これを市有林のほうで実践をする考えはないかをお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) カーボンクレジットの質問でございますが、市では、平成24年度より千代田区と協定を締結し、市有林の森林整備にかかる経費を区と市で折半し、整備により増加した二酸化炭素吸収量を千代田区に提供する取組を進めています。 港区のみなとモデル二酸化炭素固定認証制度は、建築主が区内で行う建築物等に区と協定を締結した自治体の木材使用をすると、その使用量に相当する二酸化炭素固定量を区が認証し、都市と地方が連携して地球温暖化防止を目指す取組で、平成23年に港区と協定を締結しております。 議員御質問のカーボンクレジットは、間伐などの森林整備を行うことで増大する二酸化炭素の吸収量を貨幣価値に換算をし、森林を所有する側と企業との間で売買する仕組みで、企業が自主努力で削減し切れない二酸化炭素排出量について、購入したクレジット分を削減することができ、両者にメリットがある、新たな価値が生まれるシステムでございます。 市有林のカーボンクレジットの実施については、国は、脱炭素社会を実現するため、国主導でJ-クレジットを発行しており、取引市場も活発化する様相を呈していることから、この仕組みや運用方法などについて研究を進め、その活用について検討してまいります。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) ありがとうございました。 カーボンクレジットのことでございますが、2050年カーボンニュートラル宣言、地球温暖化対策推進法、温室効果ガスの排出量を削減するための国、自治体、企業などの責任と取組を定めた法律などによって、世界的に脱炭素化への動きが活発化してきております。 企業や自治体においても、再生可能エネルギー、再エネ比率の増加や、温室効果ガスの排出量の削減、吸収を求められています。 しかし、事業内容によってはこれらの実現が難しいケースも否めません。脱炭素社会の推進に向けて、森林吸収クレジットによる売買はこれから本当に盛んになってくると思いますので、市のほうでも1回考えていただければというふうに思っております。 それでは、3点目、最後でございますが、荘川町六厩地区の産業廃棄物最終処分場計画についてお伺いいたします。 産廃業者は、令和元年に提出した事業計画書を今年6月に一部変更して岐阜県に提出し、その後、県から市へ意見提出を求められたと承知しておりますが、市の見解と今後の対応について伺うものであります。 前回の提出から4年の月日がたち、もしかして撤退するのではないかと期待をしておったのですが、残念です。 しかし、富山県の流域の5つの市では、署名運動の話が出ておりまして、地元の新聞でも取り上げられております。心強い話であります。 今後のよい展開を願うものであります。市の見解と今後の対応をお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 荘川町六厩地区における産業廃棄物最終処分場の建設計画につきましては、御質問のとおり、事業者から、2019年、令和元年ですが、10月31日、岐阜県に事業計画書の再提出があり、その後、計画に対する県の指摘等を踏まえ、令和5年6月1日に事業計画変更届出書が提出されました。 事業者から県に提出された変更後の事業計画書について、令和5年6月8日に県から市に意見照会があり、計画内容を関係各部局で確認をいたしました。 その後、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例等の市条例への対応、周辺地域の生活環境保全上の観点から、特に配慮が必要となる事項等について意見を付して回答したところでございます。 現在、県において、市の付した意見と併せて審査を行っていると認識しております。今後の審査の状況を注視してまいります。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) ありがとうございました。 それでは、最後の質問に移ります。 市長は、3月の定例会の一般質問で、荘川町六厩地区は最終処分場の建設地としては適切ではないと答弁されてみえますが、そうしたことを証明する現地調査など、市が実施する考えはあるかをお伺いしたいと思っております。 市としてできること、市長のお立場でできることの限界もあると存じますけれども、よろしくお願いをいたします。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 荘川町の六厩地区での最終処分場の建設計画については、現段階では、その地域の厳しい自然環境における埋立て処分場の管理の問題であるとか、生態系への影響、事業における住民の皆様の合意形成が困難であるということから、今、3月議会でということを御紹介いただきましたけれども、適地じゃないというふうに申し上げておりますし、今後もそれは変わらないということは改めて確認をさせていただきます。 高山市では、今もやっていますが、今後も六厩川の水質調査を実施してまいります。ただ、岐阜県の環境影響評価条例に基づいて、水質のほか、大気であるとか、悪臭、騒音、振動などについて、事業者により現況調査、予測または評価が行われておりますので、これらの調査に対して、六厩地区の環境保全の見地から、必要な意見は県にはしっかりと提出してまいります。
○議長(水門義昭君) 平戸議員。
◆6番(平戸芳文君) ありがとうございました。 荘川町としては大変な問題であります。簡単に解決するものではないと思っておりますけれども、また、市のほうからのお力を借りながら、早期に、造るんじゃなしに造らせないという形で解決をさせていただけたらなというふうに思っております。よろしくお願いします。 今年の4月の市役所の組織改編により、林政部が環境政策部と合併して、森林・環境政策部となりました。林業関係者にとっては、4年前に林政部ができ、低迷する林業の成長産業化の牽引役を担っていただけると思っておりました関係で、本当にびっくりをしたところでございます。 しかしながら、近年、林業を語るに環境抜きでは語れない。今日も、答弁していただいたのは、全部小林部長ということになっております。 本当に市のほうの話の中に、縦割りということもありますが、横のつながり等を重視した施策をしていくんだと、やっていくんだということも言ってみえたということですし、こうした環境政策部との合併によって、よりよい林政、そして環境行政が進んでいくことを祈念申し上げまして、私の一般質問を終わらさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、平戸議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 休憩いたします。 午前10時48分休憩 ――――――――○―――――――― 午前11時05分再開
○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 次に、西田議員。 〔12番西田稔君登壇〕
◆12番(西田稔君) こうやって一般質問をさせていただけることに感謝しながら、通告に基づき、一般質問を行います。 1番目は、将来を見据えた図書館運営についてであります。 先月、佐賀県の武雄市へ視察に行ってまいりました。市役所窓口の業務委託、そして駅前広場の活用、そして新野球場の建設、そこで、もう一つ、武雄市図書館を視察させていただきました。 市民の生活をより豊かにする図書館をコンセプトに、構想段階から民間と連携しまして、住民の声を尊重しながら、行政でできなければ民間の力を借りると柔軟な思考法でリニューアルに成功をした例だというふうに見させていただきました。ほかの自治体などからの視察が年間200件ほどあるそうです。 この武雄市図書館の視察をきっかけに、我らが高山市図書館煥章館、これを改めて見たときに、高山市図書館も知らないうちにいろいろ変化であったり、進化をしていることに気がつきます。 例えば、最近、高山市図書館ではバックグラウンドミュージックが流れているんですね。それが、教えてもらわないと分からないぐらいの音量でかすかに流れている、耳に心地よい程度の大きさで流れている。図書館というと、第一に静粛にとか、静かにしていないと怒られるとかそういうイメージがあるんですけど、まず1つ、BGMが流れているということに驚きましたし、また、地元のまちづくり協議会の事務所が図書館内に開設されておりまして、地域住民に大いに活用されているんですね。そしてまた、マミィ&ダディコーナーというのもできていまして、さらにさらにシルバー応援コーナー、また、家族で利用できるファミリースペースなんていうのも開設されていまして、これまでの図書館の概念、とにかく静かに本を読むだけという図書館から、やはり変化をしているということを感じさせていただきました。 そこで、最初の質問です。 誰でも気軽に立ち寄れ、気軽に過ごせる第3の場、居場所づくりとしての役割について、どのようにお考えでしょうか。お聞かせください。 〔12番西田稔君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 市では、市民アンケートや図書館職員との意見交換などを行いながら、多くの市民に多様な利用をいただける図書館となるよう取組を進めているところです。 図書館は静かな場所がいいという意見だけでなく、仲間との交流や子どもの遊びの場としての利用も希望される意見もあることから、議員御紹介のように、昨年度、自由な活動ができるオープンスペースとして交流スペースを新たに設けたり、周りに気兼ねなく乳幼児と過ごせるファミリースペースを設置するなどの場所づくりや、民間事業者との連携によるコーヒーのドリップ講座など各種講座を開催し、図書館が本を読んだりするだけの場所ではなく、多様なニーズに応えることができるよう取組を始めているところでございます。 以前と比べまして、それぞれの思い思いの過ごし方をする利用者の方が増えてきていると認識はしているところですが、引き続き新たな図書館の過ごし方を提案できるような仕掛けを行いながら、多くの方に利用いただける居心地のよい図書館づくりを取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) サードプレースという言葉がありますが、例えば児童生徒、学生さんであれば、自分のうちと学校、そしてもう一つ、居心地のいい場所があればいいなと。社会人であれば、家庭と職場、そしてもう一つ、心地よく心休まるような場所、それが第3の場、サードプレースということでありますが、今後、さらなる居心地のよい場所に高山市図書館がなりますように、努めていただきたいと考えております。 図書館は、市民にとって、また、地域住民にとっても身近な存在であってほしいと考えます。図書館がまちづくり協議会の拠点として使われることは、図書館がより身近になり、そのメリットはあると考えます。 そこで、次の質問です。 地域づくりと図書館の関係について、どのようにお考えでしょうか。
○議長(水門義昭君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 図書館では、地域課題の解決に役立つ情報を提供するため、高山市や飛騨地域の郷土資料や、農業、観光業、伝統工芸など、地域の特色に関連する資料を重点的に購入したり、健康、医療、介護、子育て、SDGsなど、時代のニーズに合わせた資料を購入しています。 また、レファレンスサービスとして情報の収集の支援や、生涯学習ホールの貸出し、交流スペースの設置など、市民の皆さんの地域づくりの活動の場としても利用いただけるよう取り組んでいるところでございます。 図書館本館だけでなく、支所地域に設置している分館でも、地域イベントでのお出かけ図書館や、ボランティアグループと連携したおはなし会など、地域活動に参画する活動も行っています。 今後も様々な地域課題に情報提供や参画ができるよう、まちづくり協議会などと連携した取組を進めていくこととしており、地域づくりに役立つ図書館として利用いただけるよう取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 高山市図書館は指定避難所になっておりまして、特色ある避難所、つまり、高山市図書館は、緊急時には避難場所になるんですけど、ペットの同伴ができるということで、特色のある避難所ということで、そういったことでも地域に寄り添った図書館になっているということを考えます。 高山市図書館では、赤ちゃんに絵本をプレゼントするというブックスタート事業、読み聞かせやおはなし会が行われております。 また、乳幼児向けに、図書館ボランティアによるエプロンシアター、そういったことも定期的に開催されているんですね。 乳幼児期から読書になれ親しむことは、聞き慣れない言葉ですけど、非認知能力というのを育成する効果があると言われているんですね。 非認知能力というのは、IQや学力テストなどで評価する認知能力とは別に、物事に対する考え方、取り組む姿勢、行動など、日常生活、社会活動において重要な影響を及ぼす能力のことをいいます。非認知能力を養うと、意欲、協調性、自制心とやり抜く力、自己肯定感、これらが高くなると言われております。非認知能力を高めるのに重要な時期は、脳が柔軟で急速に発達する幼児期であると言われております。 そこで、次の質問です。 未就学児の非認知能力育成のため、乳幼児期の読書環境が重要であると言われていますが、市の御見解をお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 子どもは、言葉の分からないような幼い頃から多くの絵本に触れることで、目や耳、手触り、匂いなど、五感による体験を通じて、生きるための基礎を築きます。保育園や幼稚園に入園する頃には、絵本を通じ、想像と実体験が相互に影響し合い、心身の成長が促されて、思いやりや社交性、自信といった非認知能力が育まれると言われております。 また、親子が一緒に絵本を楽しむ体験を通じ、親と子の愛着形成が図られることも非常に重要であると捉えているため、市では絵本のある子育てを促進しており、議員が御紹介されたとおりですが、子どもが生まれて4か月と1歳6か月の乳幼児健診のタイミングで、ボランティア団体の協力を得ながら、絵本の読み聞かせ会を開催し、希望される絵本をプレゼントするブックスタート事業を実施するなどしながら、絵本のある子育てのきっかけづくりとしているところであります。 市内の保育園での保育、幼稚園での幼児教育においても、絵本は欠かせないツールであり、子どもの年齢層や季節などに応じた絵本選び、より楽しむための技術を学ぶことにも力を入れて、乳幼児期から絵本に親しむ環境づくりを進めているところであります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 次の質問です。 公共図書館は、学び直し、リスキリングとも呼ばれますが、そういった場としても期待されるところであります。学び直しの場としての図書館、市の御見解をお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 現在、誰もが生涯にわたって学ぶことができる環境づくりが求められており、オンラインを含め、多様な手段で様々な学びができる時代となっていますが、図書館も市民の皆さんにとって身近な学びの場であったり、多くの情報に接し、新たに自分のやりたいことを見つけるきっかけになる場であると考えています。 そのため、図書館では、様々な分野の資料や地域、時節の話題に応じた資料を紹介するため、毎月テーマに基づいた特集コーナーを設置したり、健康や歴史についての講座を定期的に開催するなど、様々な取組を行っています。 また、レファレンスサービスとして、必要な情報を収集するための支援をしております。 引き続き市民の皆さんに学ぶ機会の提供や、きっかけづくりができるような取組を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 冒頭にも述べましたが、視察に行った武雄市図書館、ここは民間と連携して新しい図書館づくりに取り組まれまして、図書館と書店、そしてカフェが融合、飲物を飲みながら本や談話が楽しめる気軽な場所をつくられました。 そこで、次の質問です。 将来を見据えた図書館運営について、どのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今御紹介いただきましたけれども、例えばICT技術の進展であるとか、市民の皆様のニーズが多様化しているということで、図書館を取り巻く環境というのは変化している。そんな中で、地域の実情により合い、寄り添った、また、まちづくりにつながる機能を持った図書館が求められていることを言われておりまして、御紹介のように、全国的に、例えばカフェとかラウンジとか交流スペースなどを備えて、多くの人が集まる図書館への見直しが増えているということは、今御紹介のあったとおりであるというふうに思っております。 今、図書館で本を借りられる方というのは、実際に借りられる方ですよ、市民の皆様の約1割となっていまして、ただ、それ以外にも、学習室の利用であるとか、資料の閲覧であるとか、あるいはイベントであるとか、いろいろな目的で利用される方はございますけれども、今まで答弁させていただいたように、より幅広い皆さんに利用していただけるような図書館にしたいというふうに思っております。 これまで、主に利用者の方を対象にしたアンケート、意見等を聞いておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、幅広い方が利用していただくことを想定して、より広い市民の皆様方に意見をお伺いして、実際どのような図書館がいいのかということを聞く中で、本を読んだり借りたりするだけではなくて、情報の交流であるとか、子育てであるとか、居心地のいい図書館にしていくということは、今後も取り組んでまいるつもりでございますので、また、いろいろな御意見ございましたら、お教えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 図書館についての質問をするに当たって、実際に高山市図書館を訪れまして、館長からいろいろ話を聞いたんですけど、館長がおっしゃるには、高山市図書館は日本一の図書館だと自負しているということを言われましたが、私の個人的な見解ではありますが、高山市図書館の優れた点、すばらしい点、あんまり褒め過ぎるのもよくないかなと思うんですけど、高山市図書館の2階へ上がって左手に、高山市近代文学館というのがあるんですね。そこを入って正面に、瀧井孝作という高山市出身の小説家、『無限抱擁』という小説を書かれていますが、その瀧井孝作の書斎を再現した場所がありますし、あと、『山の民』を書いた、やはり高山市出身の江馬修。江馬修は『山の民』だけではなくて、『羊の怒る時』という、これは優れた記録文学と言われていますが、何の話かというと、関東大震災の3日間を記録、小説というか記録文学ですね、取り上げた小説なんですけど、関東大震災の折に起きたデマやいろいろな事件、それを取り上げた優れた小説であるというふうに評価されていますし、また、福田夕咲、早船ちよといった優れた高山市出身の作家がいて、それを1つのコーナーにまとめていて、高山市近代文学館という銘を打って展示されている。 新しい作家の米澤穂信なんかのコーナーもありまして、これはぜひ高山市の職員さんにも読んでいただきたいんですけど、『Iの悲劇』という、ネタばれになりますので内容は話しませんが、これ、市の職員の話です。これはきっと勉強になると思いますので、読んでいただけたらなと思います。 高山市図書館の運営を指定管理で委託されている会社なんですけど、全国でおよそ600の図書館を受託されております。そのノウハウを取り入れることで、今後ますます市民の憩いの場、教養を高める場として発展されることを期待いたします。 次の質問です。 高山市の教育とOECD学習到達度調査(PISA2018)についてであります。 OECDとは経済協力開発機構のことでありますが、加盟三十数か国の15歳児を対象に、学習到達度調査を3年ごとに行っておりますPISAというプログラムがあります。これは、プログラム・フォー・インターナショナル・スチューデント・アセスメントの頭文字を取ったものであります。 文部科学省国立教育政策研究所の2018年調査のポイントという資料があります。この資料を基に質問をさせていただきます。 この資料によりますと、日本の生徒は、数学的リテラシー及び科学的リテラシーは世界トップレベルであります。 また、生徒質問調査から、日本の生徒は、読書は大好きな趣味の1つだと答える生徒の割合がOECD平均より高いなど、読書を肯定的に捉える傾向があり、こうした生徒ほど読解力の得点が高い傾向にあります。その反面、学校でのデジタル機器の利用時間は短く、利用しないと答えた生徒の割合は約80%に及びます。 この調査は2018年の学力調査の結果を基にしていますが、その3年後の2021年の結果は、まだこういった資料にまとめられておりませんので、この2018年の調査以降、すばらしく改善したということもあるかもしれませんが、取りあえず資料は2018のものを使わせていただきます。 そこで質問です。 日本は学校の授業、国語、数学、理科におけるデジタル機器の利用時間が短く、OECD加盟国中最下位であるといいます。どのようにお考えでしょうか。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 2018年段階の議員仰せの調査では、日本の学校の授業におけるデジタル機器の利用時間は低い結果でした。しかし、現在、令和3年度にスタートしたGIGAスクール構想により、利用時間は伸びていると捉えています。 続きまして、市の状況ですが、これは令和5年度の状況です。高山市の中学校の生徒の授業でのデジタル機器の活用は、今年度の国の学習状況調査によると、ほぼ毎日使用が75.2%です。全国が28.1%なので、活用度は高いと捉えています。 続きまして、効果的な活用については、市内では、数学などの特定教科だけではなく、体育や道徳などの様々な授業で使用されています。 また、デジタル機器活用の効果への生徒の意見としましては、市内中学校3年生の意見では、役に立つとの回答は73.7%で、全国の58.7%を上回っている状況です。 市は、今後も効果的な活用について研究してまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 高山市の数字が、デジタル機器を活用する割合の数字が75.2%と非常に高い数字であるということをお聞きして安堵しております。 すみません、何度も言いますけど、2018の結果を基に質問しているものですから、飛躍的にGIGAスクール構想によって向上しているという、うれしい感想を今持っているわけですが、今ここに2018当時の数字があるんですけど、例えば1週間のうち教室の授業でデジタル機器を利用する時間、これを日本の数字、そしてまたOECDの平均と挙げられていますが、ここはあえて紹介せずに次の質問に入ります。 次の質問です。 コンピュータを使って宿題をする頻度もOECD加盟国中最下位であるということです。これ、何度も言います、2018の結果ですが、市の見解についてお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) コンピュータ等を使いまして家で宿題をするということについては、やはり環境整備ということが重要だと思っています。それを、国ではGIGAスクール構想に基づいて推進しているというのが状況です。 高山市においては、家庭環境、コンピュータを使った操作の環境を整備するということで、貸出し用のWi-Fiルーターを準備しております。市内の全ての小中学生が自宅であるいは学校でインターネットを活用できるように、市としては320台を配備しています。 現在、自宅にインターネット利用環境がないと申請があった全ての家庭にWi-Fiルーター202台を貸し出しています。家庭環境による教育格差が起きないように努めているところです。 また、学校内でも教室以外の場所で個別学習を希望する子どもたちがいます。その子どもたちのため、あるいはインターネット利用環境がない場所というのも学校内にまだございます。そのためにWi-Fiルーターを活用しているというのが現状でございます。 次に、コンピュータを使った宿題については、高山市では現在、タブレット活用の研究を進めています。一部の小学校では、クラウドを活用し、県のNew!GIFUウェブラーニング、これは算数のドリルや学習に使うものですが、それを試みたり、また、中学校では、社会科の予習としてインターネットを活用した調べ学習に取り組んでいる実践もあります。 今年、さらにタブレット端末を家庭活用できるように要綱を改定しました。今後、宿題のコンピュータ等の活用につきまして、タブレットの活用につきまして、その実践の成果と課題を分析し、学校と連携し、同時に、紙ベースも含めた宿題の在り方も研究してまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 次の質問は、今のPISA2018からは外れるんですが、2022年度に高校に入学した生徒から新しい学習指導要領で学ぶこととなりまして、特に新しい国語の科目では、現代文が論理国語と文学国語という2つの選択科目に変わることについて、様々な議論が今なされているということを聞いております。 2つに分かれた理由は、各教科等で育む資質、能力を明確化するためで、論理国語では実用的な文章で学び、文学国語では近代以降の文学的な文章で学ぶということであります。入試では、論理国語を学ぶ高校生が多い予想ではありますが、新しい時代に必要となる資質、能力という点では、どちらも必要となります。 今回の改定により、高校生の授業だけでなく、今後中学生の授業や高校受験にも影響することが考えられます。 そこで、次の質問です。 2022年度からの高校新学習指導要領により、現代文は論理国語と文学国語に分かれた。高校受験にも影響すると言われているが、どうお考えでしょうか。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 高校のほうでは、論理国語と文学国語を選択できる体制になって、受験にも様々な影響が考えられるところです。 そういう中で、現在市内の小中学校の国語の授業では、学習指導要領に基づき、高等学校進学後の国語科選択に支障がないように学習を進めています。論理国語につながる説明的な文章、文学国語につながる文学的な文章のどちらかに偏ることなく、国語で正確に理解し、適切に表現する資質、能力の育成を現在目指しているという段階です。 先ほど仰せの高等学校の論理国語に関しては、小中学校国語で説明的な文章、例えば小学校3年生の『ありの行列』、なぜアリが行列になって歩くかというものですが、あるいは、中学校3年生で実用的な文書を読む活動、例えば新聞等の『報道文を比較して読もう』などを扱っています。 また、文学国語に関しては、小中学校国語で文学的な文章、例えば、先ほど近代的な文学と言われました小学校4年生の『ごんぎつね』、中学校2年生では『走れメロス』などを扱って、現在、高校の進学後も対応できるよう授業を進めています。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 次の質問は、心地よく暮らせる安心・安全なまちづくりについてであります。 高山市内には、100以上のまちかどスポットがあります。古いものは昭和55年に、中橋スポットや桜橋スポットなど11か所、新しいものは平成28年につくられた名田町スポットがあります。 まちは、人と同じく、年月と共にどんどん変容していきます。 ある地域のまちかどスポットは、昭和60年に建設されました。その後、住宅開発が進み、そのまちかどスポットの東側に約120戸の団地ができました。すると、朝晩の交通ラッシュのときに団地から出て、県道に合流しようとする車が渋滞するという事態が発生しております。この付近は通学路にもなっており、横断歩道を渡る子どもたちにも影響が及んでおります。まちづくり協議会から信号機設置の要望も出されていますが、公安委員会では、この5差路の団地から出てくる道路は、車の擦れ違いができないほど狭隘、つまり狭いため、狭い道路であるため信号機は設置できない、現状維持という回答になっております。 そこで質問です。 まちかどスポットと住宅地開発の関係性について、市の御見解をお伺いいたします。
○議長(水門義昭君)
池之俣都市政策部長。 〔
都市政策部長池之俣浩一君登壇〕
◎都市政策部長(池之俣浩一君) まちかどスポットにつきましては、昭和55年から、歴史的価値のある道標や記念碑の周辺のほか、道路整備等により生まれた空きスペースや、まちなかを回遊するルート上の空きスペースなどを活用して整備を進めてまいりました。 現在、市内には107か所のまちかどスポットがあり、緑と周りの景観や歴史が調和する憩いの場として、市民や観光客の皆さんから親しまれております。 しかしながら、議員仰せのとおり、周辺の住宅地開発などで、交通事情等の変化による道路整備など、周辺環境の変化により、まちかどスポットの中には見直しが必要なものもございます。その場合においては、地域など関係者の皆様の御意見も踏まえながら、スポットの部分的な改修や樹木の部分伐採により、見通しを確保するなどの対応を行うこととしております。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 今のまちかどスポットについての質問は、私も毎朝通ってくるまちかどスポットであり、それを見ながら、一体誰のためのまちかどスポットなのかなという疑問を持ったものですから、質問をさせていただきました。 次の質問です。 ちょっと古い話、5年前になりますか、言い古された事件ですけれども、大阪北部地震でプールのブロック塀が倒壊して、小学校4年生の女子児童が亡くなったと。その後、高山市でも、建築物耐震対策事業で、ブロック塀等対策事業補助金が制度化されておりますが、これは令和3年度末で終了となっております。 しかしながら、今年3月の議会で、一般質問で倉田議員も質問されておりますが、危険が除去されてしまったわけではないんだと。人が住んでいて、交渉の余地がある場合はまだしも、空き家のブロック塀が危険な状態で、それが通学路沿いにあるということになると、地域住民が心配されるのはもっともなことであると考える次第です。 そこで質問です。 市では、ブロック塀の改修を進めてこられましたが、通学路にあるブロック塀に危険な箇所がまだあります。市の御見解をお伺いいたします。
○議長(水門義昭君) 田中
教育委員会事務局長。 〔
教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎
教育委員会事務局長(田中裕君) 通学路沿いにある倒壊等の危険のあるブロック塀につきましては、議員御紹介をいただきましたとおり、都市政策部が所管する市の補助制度も活用されながら、平成30年度から令和3年度までに23件のブロック塀が撤去されています。 通学路を利用する児童生徒のみならず、市民の皆様の安全・安心を確保する点において、市では、ブロック塀の構造等、危険性を確認する調査や、これに伴う市補助制度の仕組みの検証などを行うこととなっており、現在、その準備を庁内関係部署と進めているところです。 引き続き安全対策に向けて取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 少し前の話なんですが、私の携帯電話が鳴って電話に出ると、地域住民からの連絡でした。熊が出たということで、それも、その方が住む家の隣の家から熊が飛び出してきたと。大変驚かれていましたが、その隣の家というのが数年前から空き家になっていて、草が生い茂っていて密林のようになっている、そんなところから熊が急に飛び出してきたということで、これは私の住む地域の住人からの電話だったわけですが、そのほかにもその近くの町内の人から、やはり隣の家が空き地になっていて、野生動物、タヌキって言われていたかな、野生動物がすみついて困るという話を聞いております。 そこで質問なんですが、事業者が廃業し、空き家となり、野生動物のすみかとなっているような建物が存在します。所有者が不明な場合の対応について、市の御見解はいかがでしょうか。
○議長(水門義昭君)
池之俣都市政策部長。 〔
都市政策部長池之俣浩一君登壇〕
◎都市政策部長(池之俣浩一君) 市内に存在する空き家のうち、管理が不十分と判断される空き家につきましては、関係法令の規定に基づき、固定資産税課税情報等の内部利用を行うほか、住民票や戸籍、不動産登記情報などを取得することにより、所有者の特定を行っているところでございます。 現在のところ、保安上危険、衛生上有害、著しく景観を損なっているといった状態の家屋、いわゆる特定空家相当と判断している空き家は12件ございます。そのうち、所有者が不明とされるものは市内にはございませんけれども、今後の空き家数の増加に伴い、議員御指摘のようなケースも発生することが想定されます。 本年6月に公布された改正空家特措法、これは空家等対策の推進に関する特別措置法でございますけれども、こちらにおきまして、空き家所有者の管理責任が明確化され、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家に対し、除却、修繕、立木竹の伐採、その他周辺の生活環境の保全を図るための必要な措置を取るよう市長から指導勧告ができるようになるほか、所有者情報の提供を電力会社等に要請できるようになるなど、市の権限が強化されるような内容となっております。 改正空家特措法は、本年度中に施行される予定であることから、国から今後順次通知される基準などを参考にしながら、必要な対応を図ってまいります。
○議長(水門義昭君) 西田議員。
◆12番(西田稔君) 高山市では、空き家バンク、これは全国的なものですね、空き家バンクを活用して、新たな空き家の利活用、そういったことももちろん必要なんですが、利活用と除却のバランスを考えていただいて、本当にある点を過ぎて、もうこれは危険だという判断になった空き家については、所有者の方としっかり話をしていただいて、除却を進めていただく必要があるのではないかと考えます。 以上で、私の一般質問を終わります。
○議長(水門義昭君) 以上をもって、西田議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 一般質問の途中ですが、休憩いたします。 午前11時52分休憩 ――――――――○―――――――― 午後1時00分再開
○副議長(榎隆司君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○副議長(榎隆司君) 次に、沼津議員。 〔13番沼津光夫君登壇〕
◆13番(沼津光夫君) 皆さん、お疲れさまです。 今回は、下水道の今後の課題ということの1点に絞って一般質問をさせていただきます。 私は昔からいろいろな趣味がございまして、先般も、ぎかいだよりに自分の趣味を書くという欄がございました。 一口で言いますと、山川海苔右衛門でございます。いろいろな趣味がございますけれども、長年、特に夏はアユ釣りが大好きで、今年も7月の終わりに、8年ぶりぐらいになると思いますけれども、久方ぶりに宮川へアユ釣りに行きました。 そこで何を思ったかというのが下水道についてということなんですが、8年ぶりに、久方ぶりに宮川へ行ったということで、たまたま、種アユを持って、川へ下りようとしたら、下水臭がした、要は下水道の臭い、下水臭がしたものですから、ちょっと驚きで、どういうことなんやろうということを大変不思議に思いました。 40年ぐらいアユ釣りしていますけれども、いろいろな下水道施設の下流とか、近くで何回も釣ったことがありますけど、そんな臭いを嗅いだのは今回初めてということで、ちょっと下水道に因縁があるのかなというのが1つの大きなショックで、そこへまた3日後ぐらいに行ったんですけれども、そのときは全然その臭いがしなかったということで、たまたま、どこかといいますと、国府地内なんですが、国府のとある川幅がぐっと狭い、そういう自然的条件と、たまたま行ったときがその臭いがしたんじゃないかなということは自分なりに想像しています。3日後に行ったところは同じところですけれども、若干狭くなっていなくて、ちょっと風通しのいいところだというところでそういった臭いも何もございませんでした。 そんなことがきっかけで、今回の下水道の今後の課題ということで、6点ほど絞って質問をさせていただきたいと、そんなことを思っていますので、どうかよろしくお願いします。 まず、1問目でございますけれども、市は多くの下水道施設を所有しているが、市町村合併時からの施設数の推移と、今後どのような統廃合計画を計画されているのかということについて質問したいと思います。 〔13番沼津光夫君質問席へ移動〕
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 市町村合併時の下水道処理施設数は47施設となっておりまして、その後の整備により、令和2年度においては50施設となっております。 市では、今後これらの50施設の全ての長寿命化や改築更新工事を行うことが、下水道経営の負担となることを踏まえまして、令和2年度に高山市下水道ビジョン・経営戦略を策定しております。 この戦略においては、近接する処理施設を管路で接続し、施設数を減らすことで、維持管理経費の削減や投資効果の効率化を図ることを目的としまして、施設の統廃合を位置づけているところでございます。 統廃合整備の基本的な考え方としましては、既存施設の処理能力を生かした再編や、処理区が近接し、地形的な問題がないこと、経費的効果があること、統合先の施設に処理能力の余裕があることを要件としまして、17施設を統合し、施設数を50から33に削減することを目標としております。 令和3年度から処理施設の統廃合に着手しておりまして、昨年度末までに2施設を統合し、48施設となっているところでございます。 今後、令和27年度末までに、施設の統廃合が完了するよう、計画的に整備を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 合併以前につきましては、今ほど部長のほうからお話がありました、たくさんの下水道施設がありました。 小さなものから大きなものまであるということで、高山市にあります公共下水が、規模的にも一番大きなもの、また、各支所に全部じゃありませんけれども、特定環境の公共下水があると。一番多くは農業集落排水という形で、要は合併浄化槽のちょっと規模のでかい処理施設があるということで、令和27年度までに50か所から33か所に減らすと。 毎日、当たり前のように、私もそうですけれども、下水を利用しています。トイレも、それからいろいろな雑用水も、自然に下水道施設へ流れて処理されているということでございますけれども、だんだん人口が減少する中、もともとは、経営自体が下水につきましてはよくないということで、当然収支はなかなか難しい話なのが現実でございますけれども、やはり公共用水域の水質保全やら、生活環境の改善、そういった意味で、平成になってから、急速に下水道と、また浄化槽が普及してきたというのも事実でございます。 高山市全体が分水嶺でいきますと、太平洋側と、それから日本海側に別々に流れていくということもありまして、なかなか施設の統合というのも場所によっては大変難しいのが現実かと思われます。 先ほどもちょっと言いましたけれども、なかなか私のように川が好きで、山やら川やら海へ行っている人間はちょっと違うかもしれませんけれども、そういった意味で、川の水質、また川の環境、そういったものをある意味、ずっと川へ行っていますと、昔と見れば、大分水質もよくなり、きれいな川になりました。 ちょっと昔の話ですけれども、私が中学生の頃に、よく宮川へ網をまきに、要はアユを捕りに行ったんですけれども、ヘドロでヘドロで、こんなところのアユをよう食えるんやということを思って、実際連れていってもらったんですけれども、捕ったことをちょっと思い出しました。 そんな中で、昔と見ると大変水はきれいになっていますけれども、今後の下水道の施策の在り方で、水質をもうちょっと、もう少しでもよくすることをまた考えていかなければならないと、そんなことを思っています。 その中で2番目ですけれども、高山市の水洗化率が今92.5%、全国は95.5%ということで、若干低いようでございます。そんな中で、日本一広い高山市の下水道未整備地区の今後の考え方をお伺いしたいと思います。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 下水道未整備地域には、下水道処理区域内におけます未整備地域と下水道処理区域外の地域の2つの地域がございます。 下水道処理区域内の未整備地域につきましては、河川改修と同調するなど、条件が整い次第、計画的に整備を進めてまいります。 また、下水道処理区域外につきましては、これまでと同様、合併処理浄化槽設置費用に対する助成事業を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 大きく分けて2つの地域があると。1つは、下水道処理区域内のその受益と、それから、全然下水道処理施設がない地域と、この2つに分けて、今後整備が進められていくという考え方でございまして、1つには、処理施設がないところにつきましては、合併処理浄化槽ということでございます。 1つの考え方でございますけれども、先ほどもありましたが、今後の統廃合によって、その処理区域が、同じ区域であるんですけど、たまたま処理施設が1か所になると。それがもうちょっと大きくなるという、そういう場所もあると思うんですけれども、今度は処理区と処理区を結ぶ場合の話、当然高低差があれば、高いところに処理施設があれば、要は、下水ポンプを使って、圧力で高い処理施設へ持っていかならんと。 通常の下水道の考え方ですと、自然流下で下流部の処理施設へ持っていくのが通例でございます。 今後ちょっとお願いしたいことは、先ほど2地区があると、もともと処理区域がないところ、それから処理区域でその区域に入っているところという話ですけれども、例えば、処理区域へ持っていく、自然流下の、例えばその下水管が、要は処理区域がないところを通る可能性も今後あると思いますけど、そういうところにつきましては、現状が合併浄化槽ですとか、ほかの処理施設があるのかもしれませんけれども、1つ考え方の中には、そこも処理区域に入れて、将来的に、永久的なものではございませんので、そういった配慮も考えの中に入れながら、その統廃合の考え方も併せて考えていただきたいと、そんなことをちょっと個人的に思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから3番目でございます。 下水道施設への未接続が多い地区では、今後どのような対応をされるのか、この点についてお聞きしたいと思います。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 下水道施設への未接続が多い地区としましては、環境整備が比較的近年に行われた処理区や、合併処理浄化槽の設置が過去に進んでいた処理区となっております。 市としましては、公共用水域の水質保全や公衆衛生の向上の観点から、単独処理浄化槽やくみ取便所を利用されている方を中心に、戸別訪問による接続のお願いや広報などによる啓発を引き続き行ってまいります。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 要は、下水道施設もあるにもかかわらず、まだ下水道につないでいない、つながっていない、まだそういうところが多々あると思いますし、つなぐためには、当然、家の中の、そういった排水関係の工事も必要となってきます。また、分担金や負担金と、そういったお金も必要になってくるということで、合併以前のお話をしますと、旧市町村によってはいろいろなパターンがございまして、とあるところでは、下水道よりも合併浄化槽のが先行して導入に力を入れたというところがあったり、もともと単独浄化槽とか、くみ取りとかというトイレがあって、下水道の計画ができて、もうちょっと待ってつないでくれというような形の中で、地域で、そういった分担金、それから負担金について貯蓄をして、供用開始とともに早くつなぐと、そういった各地域のいろいろな実情があることは重々知っているつもりでございますけれども、今ほど部長のほうからお話がありましたように、やはり水質の保全、環境の整備という観点から、どれだけでも早く、そういった未接続の方を何とか公共下水につないでいただきたいということを思いますし、特に人間が出す廃棄物につきましては、大変きれいなものでございます。 もともと単独浄化槽から合併浄化槽に変わったというのは、雑用水、洗濯水とか、それから食器を洗う、風呂の排水、そういったものについては、特に化学物質がありまして、そういったものが公共の川に流れ出しますとなかなか処分ができないというような形で、どうしても河川の汚染につながると。ひいては、太平洋側ですと昔は赤潮ということで、大変問題になりました。特にリンが赤潮の原因やということを言われまして、伊勢湾岸総量規制というような形で、特に太平洋側については、いろいろな問題が過去には多く起きていますし、特に高山市の太平洋側流域につきましては、高度処理というような形で、下水道用地にそういったリンを分解できる、そういった施設をできる用地を当初から確保してあるというのが現実でございます。 一方、日本海側を見ますと、そういった問題は太平洋に比べてかなり緩いというのが現実でございます。 そんな中で、この広い高山市、要は太平洋側と日本海側とは、大分そういった制約も違ってくる話でございますけれども、それも現実でございますが、何とか水洗化率を上げる、そういった努力をお願いしたいと思います。 それでは、4番目の質問でございますけれども、下水処理施設がないところにつきましては、先ほど来お話がありますように、合併浄化槽というのが今の1つの制度でございます。 合併浄化槽の耐用年数、どのぐらいあるのかということで、先般ちょっと市民の方から相談を受けました。 大体30年ぐらいじゃないかというようなお話の中で、もうぼちぼち更新の時期へ来ているというようなお話を業者さんのほうから聞いたものですから、どんなもんなんやろうというようなお話をお聞きしました。耐用年数について教えてください。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 合併処理浄化槽は、FRPと呼ばれます繊維強化プラスチックの躯体やブロワや水中ポンプなどの機械類で構成をされております。 通常の耐用年数は躯体で30年、機械類で10年となっております。 なお、躯体につきましては、適切な維持管理を行った場合の耐用年数は約50年となっております。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 合併浄化槽といっても、1つの器がありまして、その中にいろいろな機器が入っているということは重々知っておりますし、当然、合併浄化槽だけの耐用年数じゃなくて、機器についてはもうちょっと寿命が短いということは理解しております。 そんな中で、合併浄化槽が入り出したのは、おおむね平成の一、二年、その頃が一般的に高山市内に合併浄化槽が入ってきたと思います。かれこれ三十何年たっているような状態でございます。 そんな中で、実際は、先ほどお話がありましたFRP、そういったものについてはあまり心配はしませんが、昔の躯体ですとやはりコンクリートというような躯体があると思います。 特にコンクリートにつきましては、硫化水素によって大分腐食されやすいというふうな弱点もございまして、過去にはいろいろな突発の事故もあります。 昔は大口径の下水道管がなかったものですから、コンクリート管を使われたというような過去の歴史もございますし、最近は大口径の塩ビ管もありまして、塩ビ管の場合は大分、硫化水素、そういったものに強いものですから寿命も大分長くなる。そんなことも事実です。 そんな中で、5番目の質問でございますけれども、現在、使用されている合併浄化槽の数、それから旧市町村当時の浄化槽設置に係る補助率、それを教えていただきたいと思います。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 令和5年8月末現在、市内に設置されております合併処理浄化槽数は、2,745基となっております。 旧町村当時の合併処理浄化槽に係る補助率は、一般的に設置されております5人槽においては、7市町村が40%で、2村が約60%となっておりました。 なお、1村につきましては、補助制度がございませんでした。 なお、現在の補助率は、新築住宅などにおいては40%となっております。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 合併以前の補助率についてはまちまちということで、現在が2,745基ということで理解しました。 一番最後に部長のほうからお話がありました現在の補助率、新築住宅においては40%というお話なんですが、新築以外の補助率というのはどのような補助率になっていますか、教えてください。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 既設の住宅等につきましては、補助率のかさ上げができる場合がございます。 詳細につきましては、下水道課、もしくは各支所の基盤産業課で御相談をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 下水道課か各支所のほうへ聞くようにというお話でございます。 実際の数字というか補助率を私は知っていますけれども、要は100%でございます。 いろいろなルールがその中にございますので、詳細につきましては、下水道課、また各支所へ行って、詳細について聞いていただければありがたいんですけれども、いつ新築されたのかというのが1つの目安になりますし、いつ以前でしたら、要は100%に近い数字なのかなということを私なりにも理解しておりますので、その辺も大きくPRしていただければ、合併浄化槽の普及に拍車がかかるんじゃないかと、そんなことを思いますので、よろしくお願いしたいと思いますし、先ほど来、お話があります、要は下水道処理区域内なのか処理区域外なのかによっても大きく変わってきますので、その辺の考え方を明確に市民の方にまたPRしていただきたいと。 初め、ちょっと言いましたけれども、これも、将来的には下水道の普及、また料金体制にも多少なりとも影響が出てくるということを個人的には思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、最後の質問でございますけれども、現在、くみ取トイレや単独浄化槽が補助の対象となっていますが、合併浄化槽の更新も対象とすべきではないかということを質問します。 その前の質問で合併前の補助率が3種類、まず、合併浄化槽自体の補助がないところ、それから40%のところ、もう一か所は60%のところというような形で、温度差はあったと思いますけれども、今度は合併浄化槽を入れてから、もう既に30年以上たっている浄化槽も数多く出てくるんじゃないかということも予想されます。 先ほどのお話で、全部で2,745基のうち、どのぐらいが対象になるのかというのはちょっと分かりませんけれども、その中にも数多くあるんじゃないかということが予想されます。ということで、更新の対象の補助について教えてください。
○副議長(榎隆司君) 山腰水道部長。 〔水道部長山腰勝也君登壇〕
◎水道部長(山腰勝也君) 国におきましては、いまだに単独処理浄化槽やくみ取り槽が使用されているということで、生活排水が未処理になっている状況にあるということから、合併処理浄化槽への転換整備を加速化しているところでございます。 市におきましても、国と同様の考え方でございまして、合併処理浄化槽の設置を推進しているところでございます。 一方で、耐用年数を超えた合併処理浄化槽が今後増加することが予想されておりますので、国において改築に対する補助制度が創設されております。今後、岐阜県とも事業採択条件などの相談を行いながら、改築への助成について検討を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 沼津議員。
◆13番(沼津光夫君) ありがとうございました。 まずは、先ほど公共下水から農業集落排水まで、3つの大きな事業があるといった中で、合併以前は、今言いました合併浄化槽の個人ものということで、要は、合併以前の話でございますけれども、旧町村が個人の合併浄化槽を市のものとして建設され、下水道料金を払って現在に至っているという施設がたしかちょっとうろ覚えですけれども、50前後あります。そういったものも、今後メンテも更新も含めて、市の施設として、当然更新、また修繕、長寿命化ということをやっていかなければなりません。 また、個人の浄化槽も、先ほど来言います、おおむね30年以上たったものも多々あるんじゃないかということを思いますので、そういった補助制度、また、長寿命化に対するいろいろな支援、そういうことも含めて考えていただきたいというようなことを思います。 それが、ひいて下水道普及率を上げることにもなりますので、その点をよろしくお願いしたいと思います。 長々とちょっと下水のことだけ6点いろいろ聞かせていただきました。 なかなか身近にあって、実際どうなっているんやということも知らない方も多々みえると思いますけれども、1つは、環境をこれからいかに守っていくのかということにも、下水というのは大きく水質改善、また地域の環境ということに大きく影響する話ですし、また、だんだん人口が減る中で、今後、そういった合併浄化槽、それから浄化槽をどう維持していくのかという大きな課題がございます。 そんな中で、一度水洗トイレを使い出したら、二度とくみ取り便所には戻れないのが人間の当たり前になってきております。 そんなことやら、また山岳でのいろいろな観光事業のトイレ、そういったものもこれからどうしていくのかというのも大きな問題でございますし、公衆便所の話も多々あると思います。 そんな中で、いち早くこの観光都市高山の衛生面を、トイレ面を早く改善に拍車をかけていただきたいと、そんなことを思って今回の質問をさせていただきました。 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(榎隆司君) 以上をもって、沼津議員の質問を終わります。 次に、丸山議員。 〔1番丸山純平君登壇〕
◆1番(丸山純平君) まずもって、本日ちょっと喉の調子が悪くてせきが出てしまうため、マスクでの一般質問させていただくこと、大変失礼いたします。 なお、先ほどコロナの検査をした結果、陰性でしたので、皆様、御安心ください。 それでは、通告に基づいて一般質問をいたします。 まず初めに、6月定例会でも扱ったパートナーシップ宣誓制度に関して質問いたします。 9月1日から、県による岐阜県パートナーシップ宣誓制度が始まりました。 これは性的マイノリティーのカップルを家族と同等の関係と認める制度であり、例えば公営住宅に同居家族として入所することや、パートナーを医療機関からの緊急連絡先に指定することができます。 早速、岐阜県の制度において、パートナーシップを宣誓される同性カップルがいらっしゃったほか、8月には岐阜県の関市、これは県より先に自治体として進められておりましたが、関市でも同性カップルの宣誓がありました。また、関市では、新婚世帯が新生活をスタートするための支援金などの行政サービスも受けられるとのことです。 このように、9月から岐阜県でのパートナーシップ宣誓制度が始まりましたが、高山市ではどのような取組を行うのでしょうか。 〔1番丸山純平君質問席へ移動〕
○副議長(榎隆司君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今のパートナーシップ宣誓制度につきましては、丸山議員が6月の一般質問で質問されまして、県が導入するのであれば市も一緒に取り組んでいきたいと、県が遅れるようであれば市が先駆けて導入したい、そういったお答えをさせていただいて、今御紹介のとおり9月1日から県が宣誓制度を導入されたということでございまして、歓迎したいなというふうに思っております。 県が宣誓制度に基づきましてサービスを提供していくことを決められましたので、私どもとしては、県の制度に基づいてしっかりと進めさせていただきたいと、市のサービスにつきましても、該当するようなものがあれば積極的に取り上げていきたいと思っていますし、また、民間の事業者さんにおけるサービス提供についても拡充が図られるような働きかけはしっかりとやらせていただきます。 今その作業も随時進めておりまして、できるものから順次やらせていただきたいというふうに考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 市長自らの御答弁ありがとうございます。 県のほうでも、様々な各自治体の取組をリストアップもされている中で、高山市のリストもいろいろあったんですけれども、現在、多分多岐にわたる項目を精査していただいている状況だとは思いますが、その中でも高山市として、優先度をどのように持っていくのか、具体的にどのような内容を、どのような順番で、どのような時期に行っていくのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 西永市民活動部長。 〔市民活動部長西永勝己君登壇〕
◎市民活動部長(西永勝己君) 県のパートナーシップ宣誓制度に基づきます宣誓者に対しまして、市がどのようなサービスを提供できるかにつきましては、今ほど議員からも御紹介のように、確認が必要な例規が300件以上ございます。内容も多岐にわたりますので、現在各部署と連携をし、提供できるかどうかの確認を進めているところでございます。 その中で、先ほど議員からも御紹介がありました、宣誓制度により新たに利用できるようになるサービスといたしまして、市営住宅の入居申込みですとか保育園への入園手続などがございます。 また、受領証の提示により手続が容易になるものとしましては、国保診療所での治療方針の説明や、小中学校での各種手続などがあると考えております。 様々なサービスが提供可能かどうかにつきましては、例えば配偶者、世帯などの用語が国の法令に基づくものなのか、市の例規に基づくものなのかなどを確認するとともに、必要に応じて、例規の改正手続なども行うこととなりますので、準備が整ったサービスから順次提供していくこととし、提供できるようになったものについては、市のホームページなどで公開をしていく予定としております。 また、今後、市が新たな制度を創設する際には、パートナーシップ宣誓制度を踏まえた制度設計を考えてまいります。 なお、民間の事業者におけるサービスにつきましては、御紹介のように医療機関での面会や治療方針などの説明、金融機関の住宅ローンにおける配偶者の定義にパートナーを含めることや、生命保険の受取人にパートナーを指定すること、賃貸への入居の際にパートナーを家族として取り扱うことなどが考えられますので、こうしたサービスの提供について民間事業者への働きかけも行ってまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 県が制度を進める中で、恐らく県内の各自治体も横並びで制度整備をしていくと思われます。 県全体で取組が広がっていくことはすごく大事なことだと思いますが、高山市の単位で見たときに、県が導入したから進めるといった形に市民から見えてしまうことはすごく残念だなと思われますので、特に前回の定例会でも、市長から力強いメッセージをいただけたと僕は認識しておりますが、改めて田中市長に伺いたいのは、各自治体が横並びで今制度整備を進めていく中で、高山市としてすごく大事にしたい思いは何でしょうか。
○副議長(榎隆司君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) これまでも議会を含めて、様々な場で私はお話をさせていただいておりますけれども、まず、多様性ですね。多様性があることで、社会の組織が力強くなって、少数であっても様々な価値観があるからこそ、活発な議論が生まれて、社会や組織が活性化していく、これは根本にございます。 その中で、今、パートナーシップ制度というような制度に当てはまる、例えばLGBTQの方であるとか、あるいは一般的に少数とされているような、例えば夫婦別姓を選ぶ方であるとか、例えば、障がいを持たれている方であるとか、要するに少数とされている方々の生活であるとか人生における選択肢を尊重して、その生き方をできる限り保障すること、つまり、多数の価値観で少数の方々の選択肢を奪わない、こうした考えを基本に持ちながら、各種施策に取り組んでいきたいというふうに思っておりまして、このパートナーシップ制度等につきましては、そのことを基に、例えば県でやらなくても高山市独自にやることは考えておりましたので、改めて聞いていただきまして感謝申し上げますし、そのことにつきましては改めて申し上げます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ぜひ、この制度整備が進む中で市長の力強い思いやメッセージが多くの市民に届くことを願っております。 続きましては、ドローンの観光活用に関して質問いたします。 これまでの議会においても、ドローンの活用に関しては様々な角度から議論がなされてきました。今回は観光という切り口から、御質問させていただきます。 ドローンでの観光とは簡単に申し上げますと、ドローンの愛好家でしたりとか、カメラ好きの方が中心となって、空撮を楽しむような観光です。 ドローンの空撮ツアーは、日本全国でも数多く存在しておりまして、高山市でいえば、丹生川観光さんや濃飛バスさんが飛騨圏域におけるドローン空撮ツアーを開催しておられます。 ドローンからの空撮は、地上からでは見ることのできない視点から景色を捉えることができまして、特に山などの自然景観を撮影しますと、その広がり感が際立つほか、高度から見る広大な自然景色というものを空撮でカメラに収める、そういったニーズが、僕は高山市だからこその観光資源である支所地域の広大な自然を生かすことであったりとか、これは高山市だけではなく、飛騨全体での広域観光の目玉の1つになり得るんじゃないかと考えております。 まさに各支所地域の光を点と線でつないでいく観光の1つになるのではないでしょうか。 1点目の質問ですが、こうしたドローンを活用した観光需要を市はどう認識しているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 以前のドローンの用途といたしましては、メディアや広告向けの空撮のほか、災害時などにおける危険箇所の把握などが主なものでございましたが、昨今、観光活用にも目が向けられまして、議員仰せのとおり、山岳地や景勝地などにおけるドローンを活用した動画制作や、ドローンを自ら操作して空撮を楽しむドローンツアーの開催、VRと連動し、まるで空を飛んでいるような体験ができる商品の販売など、誘客促進や、通常では見ることができない景色を楽しむ新たな旅先での体験ツールとしての活用が進んでいるところでございます。 市におきましても、国などと連携した中部山岳国立公園のPR映像の制作や、民間事業者が主体となったドローンツアーが催行されるなど、ドローンを活用した取組が拡大しつつあり、今後も需要が高まっていくものと認識しているところでございます。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 例えば、先日も、高山市のSNSで、荘川でソバの花が一面に咲いている美しい様子が取り上げておられましたが、景色もドローンで空撮したら非常に映える景色かなと考えております。 しかしながら、そういったような映えるスポットは、多々高山市の地域の中にもあると思うんですけれども、実際に空撮に適しているスポットでも、例えば足場の整備がなされていなかったりですとか、老朽化していたりですとか、そういう安全面や利便性で惜しくも活用できないスポットも多々あるのかと考えております。 そこは、例えばピンポイントでもいいので整備計画なども検討していただけますと、旅行会社などもまたツアーなどを組みやすくなるかなとも思いますし、少し知名度で劣っていた観光スポットですとか、オフシーズンのスキー場などにおいても可能性が広がるかなと考えておりますので、ぜひまた様々な旅行会社にもヒアリングしていただけたらと思っております。 次の質問は、ドローンを活用したい方に向けた窓口対応についてです。 ドローンの飛行に関しては様々な許可が必要です。飛行許可を得るための管理団体、関係課への問合せをスムーズに行えることがトラブルの未然防止やコンプライアンスの遵守につながると考えております。 となると、問合せ窓口をなるべく一本化にしていくことが重要だと考えておりますが、飛騨市では、今年よりドローンウェブ相談窓口が開設されておりまして、ドローンを専門的に取り扱う地域おこし協力隊の方や市の職員が問合せに対応されております。 高山市においては、こうしたドローンを活用したい方へ向けた窓口対応はいつまでにどう整備されていくのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 現在、市に対するドローンの使用に関する問合せは、年間二、三件程度であり、そのほとんどが取材での利用に関するものです。 市では、ドローン使用に関する問合せがあった際は、対象物や土地の所有者の承諾が必要であることや、撮影を希望される区域や空域によっては、国土交通省や林野庁などへの事前申請や届出が必要である旨の助言を行っております。 現状として、ドローンに関する専用窓口を設置する予定はございませんが、引き続き関係行政機関との連携やドローン利用に関する情報収集を行うなど、問合せ時に適切な対応が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 今までは、観光の切り口からドローン活用に関して御質問をいたしましたが、ドローンの活用は当然観光や空撮にとどまるところではありません。 先ほども防災といったところもありましたが、今後、医薬品や食料品の輸送でしたりとか、既に土木建設現場での測量や点検作業など、様々な場面でドローンの活用が行われております。 10年後には、僕は高山市のみならず、日本の多くの地域にてドローンが飛び交うような社会になっていると予測しておりますが、市の中長期的なまちづくりにおいて、観光に限らず、今後のまちづくり全般でのドローンの活用をどんなふうに捉えているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) ドローンにつきましては、今議員さんからも御紹介がありました災害時における被災状況の確認でありますとか、農業における農薬散布、山林などにおける測量や調査、インフラや施設の上空からの点検など様々な活用が進んでいるところであります。 産業面の活用のほか、一般の方も操作技術を学んだり、競ったり、空撮を楽しんだりと急激にその利用が拡大をしてきております。議員さんが言われるように、近い将来、誰でもドローンを身近に利活用する時代がやってくるのではないかというふうに感じているところであります。 市域がほとんど山間地域である高山市において、道路網や急峻な地形に影響されないことから、災害や救助といった緊急時の活用のみならず、物資の輸送など重要なツールになるものと認識をしております。 人口減少、少子高齢化などにより、担い手不足が深刻化する中、技術革新のスピードも踏まえると、さらに多様な活用の可能性を期待しているところであります。 ドローン活用は、実証実験のものも含めて全国各地で進められております。引き続き情報収集に努めつつ、行政と民間が連携しながら、ドローンのまちづくりへの活用を進めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 令和4年の12月定例会におきまして、松山議員がドローンのレベル4での活用策について御質問した際、市職員の資格取得に向けた人材育成についても、積極的に取り組みたいといったようなことを、御答弁をいただいております。 先ほど質問させていただきました窓口対応、まだ件数は少ないということですが、自治体としても、操作技術や機体の知識だけではなく、ドローン飛行に関する各種法律への理解度も重要かと考えます。 そうしたコンプライアンス部分も踏まえた上で、市職員の資格取得を広げることも重要だと思いますが、ドローンを専門的に扱える技術だったりとか、知識をコンプライアンス部分も含めて有しているような人材の登用は検討されているんでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 市では現在、ドローン2機を有しておりまして、災害現場の情報収集や調査などのため、消防職員を中心といたしまして、操縦者27名を育成しているところであります。 ドローンの活用をより一層進めるために、高度な機器操作のスキルのほか、ドローンに関する技術や制度などに長けた人材を確保していくことは必要と考えております。 ただし、その人材を市役所単独でこのまま確保していくのか、企業や専門家などとの連携協力により確保をしていくのか、方法はいろいろあると思いますので、活用方策と併せて検討してまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 今ほどの御答弁の中にも企業との連携という言葉もありましたが、やはりドローンの活用は自治体にとどまらず、地域全体で推進していく必要があると考えております。 既に土木建設業界など、農業でもドローンの活用を進められておりますが、さらなる地域内企業、様々な業種業界でのドローンの活用でしたりとか、一般の方のライセンス取得の支援などは検討されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 様々な産業でドローン活用の幅が広がりを見せております。 御紹介のように建設関係ですとか、農業関係の事業者などが、ドローンを活用して業務やサービスを始めております。 産業用のドローンは特定の業務や専門的な目的のために活用されることから、高度な技術機器の搭載が可能であったり、長時間の飛行が可能なため、一般的なドローンよりも機体価格が高額となる傾向があります。 産業用ドローンの購入に当たっては、国の小規模事業者持続化補助金、あるいはものづくり補助金などを活用することで導入コストを低く抑えることが可能となっております。市内事業者の中にも、実際にこれらの制度の活用によりドローンを導入して、事業に取り組んでおられる方もおられます。 また、2022年に無人航空機操縦者技能証明制度が施行されたことによりまして、諸条件を満たす特定飛行を行う場合には、技能証明書を受ける必要がありますほか、技能証明書取得のためのスクールや講座の受講費用には、国の人材開発支援助成金といった制度を活用することができます。 市におきましても、事業者のドローンや関連ソフトの購入に対して、農業振興事業補助金、あるいは今年度新設をしましたデジタル技術活用促進支援事業補助金、こういったものが活用いただけることになっております。 市といたしましても、事業者がドローンなど、DXを最大限に活用することで、課題となっております人材不足の解消でありますとか業務の効率化などが図られ、生産性を高めることにつながるものと考えておりますので、関係団体と連携を図りながら、制度の周知や支援に努めてまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ぜひ市としても中長期的な未来を見据えた上で力強くドローンを推進してもらえたらと思います。 続いての質問は、インバウンドの対応についてです。 皆様も御承知のとおり、高山市においては多くの外国人観光客でにぎわっておりまして、今後も、松本高山Big Bridge構想や大阪万博の開催など、さらに多くの外国人観光客が高山市を訪れることが予想されます。 そんな中、市内各所でインバウンド対応に関するトラブルも様々聞こえてきているのが現状です。 市は現状のインバウンド対応についての課題をどう認識しているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 昨年10月からの水際対策の緩和以降、訪日外国人旅行者数は順調に回復いたしておりまして、当市におきましても同様の傾向が見られるところでございます。 一方で、外国人旅行者数の回復に伴い、交通ルールを守らない旅行者の行動に対し、市民の皆様からも御意見をいただいており、市としても対応が必要であると考えているところでございます。 これまで、多言語対応のまち歩き用のマップやホームページを通じてマナー啓発に取り組んでまいりましたが、外国人旅行者のさらなる増加を見据えた中で、今後はより訴求力の高い動画コンテンツを活用し、市民が守り大切にしてきた昔ながらの営みや町並の美しさなどを伝えることで、当市のまちづくりへの理解を促すような映像による情報発信の準備をただいま進めているところでございます。 市といたしましては、市民の皆様の快適な生活環境の確保が重要であると考えておりまして、互いの文化的な違いを認め合う多文化共生の視点も踏まえ、今後、関係団体と連携を図りながら、地域住民と観光客との調和による持続可能な地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 今ほどおっしゃられたとおり、本当に様々な課題が山積していると思われますが、優先的に取り組む課題の1つとして、夕食難民があるかと思われます。 市内には、インバウンドをターゲットにした飲食店も複数ありまして、トリップアドバイザーなどの口コミサイトなどでも高評価を受けている飲食店も多々あり、予約が必須であるほどの人気店も高山市内に多くあります。 一方で、外国人観光客をお断りしている飲食店も一定数あります。その理由としまして、多様な言語の外国人観光客に対応するには時間がかかってしまう、その割に1人当たりの単価が低いことが多い、また、地元の常連客の客足が遠のいてしまう、これは市内の複数の人気飲食店から本音の声として伺っているところであります。 また、飲食店だけではなくホテル側も、人手不足から、夕食つきのプランを多くの人数分提供することができなくて、素泊まりでの宿泊プラン提示となってしまうような実態も聞いております。 また、外国人観光客側も、ハラルフードでしたりとか、ベジタリアンに対応しているようなお店を探していたり、完全禁煙のお店を探していたりと、居酒屋の多い高山駅周辺でマッチングが難しい、そんな現状もあります。 とはいえ、市内の飲食店をたらい回しになった挙げ句、コンビニエンスストアなどで飛騨高山らしいとは言えない食事となってしまうのは、飛騨高山のおもてなしに対する印象が悪くなるほか、今後のリピーターも望めないかと考えています。 こうした夕食難民の外国人観光客が多く見られる中で、市ではどのような対応策をどの時期に行っていくのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 市内の一部飲食店において、外国語対応やホールスタッフなどの人材不足の問題から、対応に負担がかかる外国人旅行者の来店をお断りしているといった声を伺っており、コロナ禍を経たことによる受入対応のブランクや、宿泊施設の泊食分離も相まって、食事場所が確保できない、いわゆる夕食難民が顕在化しているところでございます。 現状としては、情報発信力の強化につなげる取組として、今年3月に、高山市、それから岐阜県よろず支援拠点、高山商工会議所の共催により、オンライン上のマップに表示される店舗情報を管理するためのグーグル・ビジネスプロフィールの登録に関するセミナーを開催したほか、様々な事業者の皆様の御意見や御提案を踏まえ、解決策の検討を進めているところでございます。 これまでも、地域通訳案内士の確保、育成や、おもてなし研修の実施、メニューの多言語化など受入体制の強化を図ってまいりましたが、今後も、事業者や関係団体の皆様との連携によるインバウンド対応のための研修の実施などの取組を進め、外国人旅行者の受入環境の向上に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 様々取り組まれているかと存じますが、本当に外国人観光客の増加も含め待ったなしの状況でありますので、早急に進めていただきたいと考えております。 一方で今、本町3丁目にあるEaTown飛騨高山という施設が現在閉鎖状態となっておりまして、公式ホームページ上では全館リニューアルのための臨時閉館と表示されております。 こちら当初は、外国人対応おもてなし拠点施設として、国の商店街・まちなかインバウンド促進支援事業補助金などを活用して造られた施設だと存じておりますが、まずは、このEaTown飛騨高山の現状を市はどう認識しているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) 夕食難民のお話、少し私のほうからもお話しさせていただきます。 コロナ禍から、徐々に観光客が増えてきております。特にインバウンドを中心に、この山深い飛騨高山に多くの外国人が本当に来ていただけること、大変ありがたいことやと思っております。 一方で、人手不足ということが市内のやはり観光を取り巻く状況として、非常に大きな課題になってきておりますが、人手不足の中で、遠路、あるいは海外からも来ていただけるお客様をどうおもてなしするかというところに、目の前にある人手不足の問題というものも1つ足かせになっているのかなというふうに思っております。 あとは、情報が行き届いていないといったことに関しては行政としてもお手伝いできることがあるかと思いますので、先ほど部長のほうから紹介させていただいたような取組を進めているところです。 また、宿泊事業者さんも、泊食分離が進んでおります。 泊食分離が進むことによって、団体さんとかの受入れで夕食を提供する場所がなかなか御紹介できないということで、宿泊自体をお断りされるような、そういった事例とかも聞いているところです。 例えば、高山市中心部じゃなくて郊外のほうに、マイクロバスをお持ちの料理屋さんでありますとか、そういったところもあるかと思います。そういったところと駅周辺部のホテルさんが組むとか、やり方はいろいろとまだまだあるんじゃないかなというふうに思っておりまして、旅館、ホテル事業者さん等ともコミュニケーションを進めているところであります。 すみません、前置きが長くなってしまいました。 EaTown飛騨高山の現状であります。 こちらにつきましては、御案内のところかと思いますが、平成29年4月に複数の飲食店がテナントとして入居する外国人対応おもてなし拠点施設、こういったことでオープンをいたしました。 平成31年3月には、和太鼓などの日本の芸能パフォーマンスを外国人観光客等に提供するでこなる座を開設するなど、施設の一部をリニューアルして営業をしてまいりました。 その後、コロナ禍によりまして、外国人観光客の利用がほぼなくなったことなどにより、主力であったでこなる座が退店をし、今年3月31日をもって全てのテナントが退店している状況であります。 現在は、映画上映ツキイチシネマを行う平成プロジェクトさんの利用など、貸館利用を行っております。 運営主体であります株式会社まちづくり飛騨高山において、市や市内金融機関、不動産事業者等と連携しながら、施設全体を一棟貸しするなど有効活用できる事業者を現在募集している、そういった状況にあります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 御答弁ありがとうございます。 現在、残念ながら市民の中では、EaTown飛騨高山に対してマイナスのイメージがついてしまっている現状かなと考えております。 しかしながら、こうした夕食難民といった現状もある中で、今こそ、EaTown飛騨高山がインバウンド対応に特化した飲食店としてリニューアルするような、そういったチャンスではないかなと考えております。 EaTown飛騨高山は、団体のお客様も入るようなキャパシティも有しておりますし、インバウンド対応に特化することで、近隣の飲食店ともすみ分けができるため、ビジネスチャンスであるとも言えます。 また、高山市民の誰もがEaTown飛騨高山を存じているということは、逆に言えばこれは、EaTown飛騨高山に行けば御飯が食べられるよと外国人観光客に伝えることができる、そんなランドマークのような施設に変える可能性があるとも言えます。 こういった外国人観光客の夕食難民を解決する1つの方法として、EaTown飛騨高山の抜本的なリニューアルでしたりとか、大々的な民間事業者の募集でしたりとか、そういったことが考えられると思いますが、そうしたEaTown飛騨高山をインバウンド対応の飲食店に改装したり、そうした方向性で民間に譲渡することはできないのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 清水副市長。 〔副市長清水雅博君登壇〕
◎副市長(清水雅博君) EaTown飛騨高山の活用につきましては、先ほど申し上げたとおり、現在、株式会社まちづくり飛騨高山において、この施設を有効活用していただける事業者を募集されている現状にあります。 まずは施設全体を借り上げて活用していただける事業者を募集しておりますけれども、そういった段階にあって、現在のところ、民間への譲渡ということは今のところ行わない予定と伺っております。 市といたしましても、EaTown飛騨高山の周辺エリアのにぎわいの創出につながるよう、株式会社まちづくり飛騨高山と協力して取り組んでまいります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 課題も多々あるかとは思いますが、多くの市民はEaTownの今後をすごく注視しておりますので、うまい形にたどり着くことを祈っております。 また、先ほど、マイクロバスを所有している飲食店とホテルの連携みたいなお話もありましたが、大体の外国人観光客のツアーなどに関しては、支所地域の道の駅などで対応できることもあるのではないかなと思いますので、そちらもまた御検討いただけましたらと思います。 続きまして、シェアリングエコノミー、これはいわゆるインターネットを介して、個人と個人の間で使っていないモノや場所、技能などを貸し借りするサービスに関して質問をいたします。 本定例会の一般質問の中でも、タクシー業界の人手不足の現状などのお話がありました。 日本では今、ライドシェアと呼ばれるドライバーと相乗り希望者をマッチングするサービスの解禁が国会でも活発に議論されているところであります。 ちなみに、アメリカや中国などでは、今完全自動運転のタクシーなども始まっておりまして、なかなか日本では、ライドシェアは各タクシー業界でしたりとか安全面だったりとか様々な課題もある中で、今議論の真っただ中にありますが、そんな中でこのシェアリングエコノミーは、もっと個人レベルで可能なことがたくさんあると考えております。 質問にあるとおり、駐車場のシェアリングサービスでしたりとか、自家用車、カーシェア、自転車のシェアサイクルなど、もっと小規模でいえば充電バッテリーのシェアなどもありますが、そうした誘致、導入を検討されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人と個人、企業などとの間で、活用可能な資産をシェアすることで生まれる新しい経済の仕組みであると理解いたしております。 シェアリングエコノミーの代表的な例としては、民泊やカーシェアリング、レンタルスペースなどのサービスが挙げられ、今後、市場が拡大していく成長産業の1つになるものと捉えております。 シェアリングエコノミーは、モノ消費からコト消費に移行する昨今において、資産所有者にとっては、遊休資産の有効活用による新たな収入源の確保や施設整備時のコスト削減、利用者にとっては、必要なときに必要なものを利用できる高い経済性などのメリットがあると言われる一方、新たなビジネススタイルに法整備が追いついていないことや、騒音、ごみ分別などの問題発生時の対応、資産提供者と利用者との間のトラブルの可能性などの課題があると言われております。 議員仰せの個人間でのシェアリングサービスについては、基本的に民間事業者が行うサービスであると考えておりまして、行政としては誘致、導入を行う予定は現在のところございませんが、民間事業者による誘致、導入に対しては、持ち得る情報を提供するなど、可能な支援を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 今ほど御答弁にありましたとおり、シェアリングエコノミーの中でも高山市内で多く普及しているサービスの1つが民泊かと思われます。 民泊とは、保有している物件の空いている部屋などを観光客などに貸し出す宿泊提供のサービスでございますが、これは都心部でも爆発的に増えている中で、例えば衛生面でしたりとか治安の悪化、ごみのトラブルなど様々な障害がある中で、民泊新法などが制定されております。 ただ、観光客の宿泊ニーズも多様化している中で、多様な選択肢を提供することは高山市の観光の可能性を広げることだとも認識しております。そうしたシェアリングエコノミーの観点から、高山市は市内の民泊をどのように認識し、観光に位置づけているんでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) 民泊の登録を所管する飛騨保健所によりますと、市内における民泊施設は、令和5年8月16日現在において31施設が登録されております。 民泊のメリットといたしましては、提供するホスト側にとっては、まず、都道府県知事に対して届出を行えば旅館業法の許可がなくても営業できること、そして、空き家を有効活用することで一定の収入が得られることが挙げられます。 また、利用するユーザーにとっては、一般的に宿泊料が安く、まるでその国、その地域の人のような暮らしを体験できることが挙げられることから、特に外国人旅行者に人気のサービスとなっております。 一方、デメリットといたしましては、外国人旅行者が利用する際の文化や生活風習の違い、近隣への騒音問題といったトラブルの可能性が考えられることから、当該施設を利用される旅行者の満足度の向上はもとより、近隣で生活される市民の理解が必要不可欠だと考えております。 市は、議員仰せのとおり、民泊を観光客の多様な宿泊手段の選択肢の1つと捉えておりますが、民泊事業者におかれては、観光と市民生活の調和による持続可能な観光地づくりに取り組む飛騨高山の一員として、引き続き高山市の魅力発信や旅行者の満足度向上、市民への理解促進に取り組んでいただきたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) ありがとうございます。 こうしたシェアリングエコノミーは様々なジャンルで多岐にわたっておりますが、ライドシェアの解禁が国会で議論されているように、このサービス普及の流れは止められない状態であると認識しております。 だとしたら、少し捉え方を変えていくべきかなと思いまして、例えば民泊に限らず、こうしたシェアリングエコノミーのサービスを多くの市民が副業として行えるような形を推進していくことは、高山市の平均賃金の低さを補う一種の方策かとも思われます。 しかしながら、今ほどもおっしゃられたとおり、主として民間個人の裁量に任せるしかない部分もある中で、できることの1つが情報提供であるとするのならば、この情報提供の質を上げることだったりとか、いかに住民の不安感を取り除くため、質の高い情報、本当に適した情報、様々な事例をどれだけ提供できるかが重要かとも考えられます。 そうなった中で、シェアリングエコノミーの企業とタッグを組んで推進していくことも1つの手段かと考えます。 例えば、世界最大級の旅行コミュニティープラットフォームであるエアビーアンドビーでは、各自治体、特に長野県の様々な自治体と連携して、空き家の活用でしたりとか、コミュニティー形成などの事業を進めております。 こうしたエアビーアンドビーなどの事例は一例ですが、一般社団法人シェアリングエコノミー協会などもございまして、様々な情報共有手段だったりとか、連携するような団体、企業はあるかと思われます。こうしたシェアリングエコノミーに関する企業との連携などは検討されているのでしょうか。
○副議長(榎隆司君)
川原飛騨高山プロモーション戦略部長。 〔
飛騨高山プロモーション戦略部長川原幸彦君登壇〕
◎
飛騨高山プロモーション戦略部長(川原幸彦君) シェアリングエコノミーに関する企業との連携について全国では、議員紹介のエアビージャパンと長野県の包括協定や、NPO法人キッズバレイと群馬県桐生市の業務提携などにおいて、交流人口を創出し、経済循環及び地域経済の活性化を目指す取組が始まっていることは認識いたしております。 シェアリングエコノミーは、資産の有効活用や新たな成長産業としての可能性があるものの、市外企業の参入による市内事業者との競合や、高山市の規模や課題などに適応するサービスの有無、先ほど答弁を行いましたデメリットなどの課題も多いと捉えております。 まずは、民間での取組を注視していきたいと考えております。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 御答弁ありがとうございます。 おっしゃるとおり、メリットやデメリットも多々ございますが、このサービス普及の流れは、どうしても止められない状態ではありますので、ぜひ後手に回るのではなく、先手を取っていくためにも、様々な積極的な情報交換をしていただけたらと考えております。 最後の質問でございますが、総合計画の策定段階でありますが、先ほど申しましたように、10年後の未来では、ドローンが飛び交い、シェアリングエコノミーの各種サービスを地域社会のともに助け合う共助として活用していくような自治体、これはまちのインフラとして丸ごとシェアリングエコノミーを浸透させていくことで、まち全体の経済効果と活性化を目指していく、それをシェアリングシティと定義するようですが、やはりこの避けようのない時代の変化をポジティブに捉えまして、率先して整備検討を進めていくことが持続する地域社会につながると私は考えておりますが、今後こうしたシェアリングシティを推進していくような方向性はあるのでしょうか。
○副議長(榎隆司君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今の丸山議員がおっしゃったシェアリングをしていく社会を構築するということについて、それをシェアリングシティと呼ぶかどうかは別として、問われれば、シェアリングシティとして高山が進むかどうかは別として、シェアリングを進めていくことにつきましては、答えははい、イエスです。 今、観光面での展開については、シェアリングサービスのことは先ほど答弁したとおりでございますし、一方で、市役所でも、シェアリングという、共有という意味では、短期人材募集サイトのおてつたびの活用でお手伝いをしつつ、地方の方と関係性を構築する仕組みを、構築するというような人のシェアであるとか、あるいは庁舎とか学校施設の有効活用に向けた市民開放などのシェアのように場のシェアとか、そういった取組は進めておりますし、今、人口減少社会が進展する中で、人的、物的な地域にある資源を共有して、シェアをして有効に活用するという考えは、これ、公共、民間を問わず、非常に大切な視点であるというふうに思っておりますし、根本的に丸山議員さんが御質問された中にはそういったベースがあって質問をされていることだと思っております。 例えば、先ほど言いました、新しく起業ですね、仕事を起こすとか副業とか、そういった可能性も秘めている分野であるというふうに思っております。 今のシェアリングエコノミーについて、市にとってどんな取組がより適しているのか、地域課題の解決により有効の取組はどのようなものかということは、先ほども御紹介いただいた長野県とか、群馬県とかそういったところも参考にさせていただきながら、引き続きシェアリングの取組は進めてまいるつもりでおります。
○副議長(榎隆司君) 丸山議員。
◆1番(丸山純平君) 市長自らの御答弁ありがとうございます。 高山市は、広大な市面積を誇る中で、中心部に人口が集中しており、人口減少、少子高齢を課題とする、ある種日本の縮図、いや、もしかしたらもう少し先の日本の未来の縮図なのかと考えております。 そんな課題最前線の地域であることはチャレンジの最前線であることの裏返しだとも思いますし、そんな高山市だからこそ、ドローンの活用も、シェアリングエコノミーの推進も、そのほかICT、DXに関しても勇気を持って進めていくことが、日本の未来に、地域社会に大きな光となると僕は信じてしております。 本日はシェアリングエコノミーでしたりとかドローンに関して、様々な参考資料でしたりとか、ドローンの空撮動画も共有したかったんですけれども、いかんせん紙しか手元にありませんので、ぜひタブレットの導入を待ち望んでおります。 以上で、一般質問を終了します。ありがとうございました。
○副議長(榎隆司君) 以上をもって、丸山議員の質問を終わります。 ――――――――――――――――
○副議長(榎隆司君) 休憩します。 午後2時22分休憩 ――――――――○―――――――― 午後2時35分再開
○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。 ――――――――――――――――
○議長(水門義昭君) 次に、益田議員。 〔4番益田大輔君登壇〕
◆4番(益田大輔君) 元気ですか、精神的に。 みんなで未来をつくる会の益田大輔です。 通告に基づき、5つの分野について一般質問いたします。よろしくお願いします。 まずは、オーガニック給食について質問です。 農薬や化学肥料に頼らない有機農業の推進は、地球の持続可能性に関わる重大な事案であり、国際的な取組です。 特にプラネタリーバウンダリー、地球の限界、惑星の限界といいますが、の9項目の1つである窒素とリンの循環、これは沼津議員からもリンの話がありましたけれども、農業における化学肥料の影響が大きいとの指摘があり、EUでは、2030年までにオーガニック農地面積を全体の25%にする目標を掲げています。 また、フランスでは、2018年のエガリム法、これは健康で持続可能な食生活の推進に関する法律なんですが、学校給食の20%を有機食材とすることが求められています。 こうした世界情勢の中、世界有数の農薬大国とやゆされる日本においても、農林水産省が2021年5月、持続可能な食料システムの構築に向けて、みどりの食料システム戦略を策定しました。 これは、2050年までに目指す取組で、2050年までに現行の化学肥料の使用量の30%減を目指す。2040年までにネオニコチノイド系を含む、従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬等を開発する。次世代有機農業に関する技術を確立する。2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大することを目指します。 EUが2030年、日本が2050年に25%、そういう時間軸であります。 同時期の文部科学省の学校給食地場産物使用促進事業や、環境省のグリーン購入法、これは、環境負荷を考えて、国などの食堂では、できるだけ有機農作物を使う方針などの国の施策もある中、岐阜県下においても、オーガニック給食を希望する署名が昨年1万3,000筆集まるなど、県民の関心も高い話題なんです。 この署名活動はどういうものかというと、食で子どもの未来が変わる、そういう講演会から発し、子育て世代を中心に立ち上がったものです。 昨今、急激に増加傾向にあるアレルギー、発達障がいなどの原因の1つとして、食品に含まれる農薬との関係性、世界から見て、日本の農薬の規制の緩さに起因するのではないか。それならば、給食をオーガニックにして、子どもたちの健康を取り戻そう、有機食材に切り替えることで、取り込まれた農薬を排出することができるという試算がある、そういう運動です。 また、昨年、全国オーガニック給食フォーラムが盛況下に開催されるなど、オーガニック給食への機運が全国的に高まっています。 SDGs未来都市高山の立場からも見逃せない話題と考えますが、高山市におけるオーガニック給食の導入についての現時点での考えをお聞かせください。 〔4番益田大輔君質問席へ移動〕
○議長(水門義昭君) 田中
教育委員会事務局長。 〔
教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎
教育委員会事務局長(田中裕君) 市の学校給食では、1日当たり約6,800食の給食を提供するため、野菜などの農産物について、安定的にまとまった量を仕入れる必要があります。 反面、オーガニック給食については、市内における有機農産物の生産が限られてしまうため、現在、市の学校給食では、化学肥料や農薬の安全使用基準が遵守され、産地の栽培マニュアルに基づき生産された安心・安全な農産物を仕入れているのが現状です。 先ほどの2050年の目標等もあるところですが、今後、有機農産物の生産が増加し、学校給食への供給が可能な状況になる場合は、積極的に検討していきたいと思います。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 千葉県いすみ市は、2017年に全国初の試みとして、市内全ての小中学校の給食を有機米に切り替えました。 また、愛媛県今治市では、今治市食と農のまちづくり条例を制定し、日本一おいしい学校給食を掲げるなど、各地で学校給食に関する様々な活動が広がっています。 学校給食の有機化、地場産化は、地域の農業を支え、食料自給率を上げ、環境を守り、子どもたちの心身の発達を健やかに育み、地球と子どもの未来を守る地域戦略でもあります。 給食の無償化に関しては、6月議会で中筬議員も質問されましたが、日本の学校給食法では、給食の費用は自治体と保護者が負担するとされています。 しかし、給食は、あくまでも教育の一環であり、憲法で定められた教育の権利に含まれるべきという考えもあります。 困窮家庭に対する減免ではなくて、全ての子ども、家庭を対象にした普遍的な権利としての食に関する教育の提供を無償で行うべきです。 質問です。 学校給食の有機化、地場産化、無償化など、地域戦略としての学校給食の在り方について市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 田中
教育委員会事務局長。 〔
教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎
教育委員会事務局長(田中裕君) 市では、学校給食の質の向上を図るために、使用する食材の価格を考慮しながら、優先して地元産の農産物の使用を推進するとともに、令和5年度より主食代の一部を市が補助し、主菜、副菜の質の向上に取り組んでいるところです。 また、市内の小中学校における学校給食費につきましては、市では平成31年度から学校給食費の3分の1を公費負担することで、その一部を無償化して、保護者の負担を軽減しているところです。 学校給食は、地域の伝統的な食文化や食に関わる人々への感謝、食料の生産、流通、消費といった産業を学ぶことのできる生きた教材と捉えています。 今後も引き続き学校給食を通じて食育活動を推進するとともに、新センターの整備に際しては、先進的な事例を参考に食育拠点施設、また地域戦略の考えを網羅した施設となるよう検討を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 学校給食法に定める地産地消の推進には、各学校で調理する自校方式が有利です。おいしい給食や調理員さんと子どもたち、生産者と学校の関わりも増えるメリットもあります。 しかしながら、日本では給食の経費削減と効率を求めて、複数の学校の給食をまとめて調理する、言わばセンター方式への移行が進んでいます。 広島の給食停止のような事例は例外かもしれませんが、一般的に大量調理のセンター方式では、下処理にかかる時間があまり取れず、冷凍野菜、冷凍肉、冷凍かまぼこ、カット済みの食材が使われることが多く、葉物が減る傾向が指摘されています。 また、物価高騰による品質の低下など、子どもの心と体の栄養が二の次になるという指摘もあります。 質問です。 センター方式でオーガニック給食を実現するためにクリアすべき課題について、市の認識を教えてください。
○議長(水門義昭君) 田中
教育委員会事務局長。 〔
教育委員会事務局長田中裕君登壇〕
◎
教育委員会事務局長(田中裕君) 学校給食で使用する食材につきましては、やはりまとまった量を適正な価格で仕入れる必要があります。お米や御飯は現在は岐阜県学校給食会から、それから野菜などの農産物は市内の仕入れ業者を介して高山市公設地方卸売市場から仕入れています。 学校給食に有機農産物を使用するためには、まずは給食に必要な数量の確保を行うこと、それから、どうしても学校給食費に反映しますので、一般食材と比較して購入価格が割高となる点がやはり課題と思っております。 センター方式、それから自校調理方式のメリット、デメリットもそれぞれあると思いますが、今後、新しい給食センターを建設する場合にあっても、このような課題をクリアしながら、議員御指摘の中身も網羅しながら考えていきたいと思っております。 今後も、農政部と連携し、生産者とこれからの方法について話し合いを重ねる中で、有機農産物の出荷量が拡大され、安定的に給食での提供が可能になるなど、仕入れ環境の変化に応じて対応してまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 真摯な御答弁ありがとうございます。 岐阜県美濃市や熊本県天草市では、地域と子育て家族をつなぎ、未来をつくる保育園留学というプログラムがあります。木育、食育を通じて、関係人口を増やす取組です。 山や海、地域の文化に触れて、伸び伸びと活動することに加え、健康にこだわった給食、おやつなど、「心とからだにやさしい手作りごはん」を標榜しています。 また、高山は国際観光都市です。欧米からも、旅行者が多数訪れます。オーガニックに関心の高いノンジャパニーズに対してオーガニックという選択肢を用意しておくことは、ユニバーサルトイレやSDGsへの配慮に類した国際観光都市としての素養と考えますが、保育園留学や国際観光都市としての優位性を得るために、オーガニックに力を入れる重要性について、市の見解を教えてください。
○議長(水門義昭君) 林農政部長。 〔農政部長林篤志君登壇〕
◎農政部長(林篤志君) 有機農産物の生産は、先ほど議員も御紹介のように、化学合成農薬や化学肥料に頼らず自然の恵みや循環を活用するもので、生物多様性の保全や地球温暖化防止などに高い効果を示すことが明らかになってきており、持続可能な農業を推進する上で有機農業への取組の重要性がより一層高まってきていると認識をしております。 国では、議員御紹介のとおり、持続可能な食料システムの構築に向け、みどりの食料システム戦略を策定し、有機農業においては、取組面積の割合を現在、2018年、0.5%ですが、それを2050年までに25%に拡大する方針を打ち出しています。 なお、市における有機農業の取組面積は、市域全体で16.27ヘクタールで、市の農地面積の0.35%となっております。 こうした国の方針を受け、県と県内全市町村が共同して、岐阜県みどりの食料システム推進計画を令和5年3月に作成し、環境負荷低減農業の取組の中に有機農業の推進を位置づけ、施策を展開することとしております。 また、市は、飛騨地域の3市1村及び県などの関係機関で組織する飛騨地域農業再生協議会にプロジェクトチームを設置し、有機農業への転換を含む環境負荷低減に向けた栽培マニュアルの見直しやロードマップ作成に取り組んでいるところです。 このような取組が魅力ある農産物として消費者に認識され、ひいては農業経営の持続的な安定につながるよう、今後も進めてまいりたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 有機農業に力を入れるということであれば、オーガニック給食と連動して活動ができればと思っています。 今、みどりの食料システム戦略の話がありましたが、農水省はオーガニックビレッジ構想というものを打ち立てています。 オーガニックビレッジを中心に、有機農業の取組を全国で面的に展開するもの、生産面では、通常の栽培から有機栽培への転換などにおける技術の確立の取組、消費面では、学校給食の利用の促進のために要する経費などを支援の対象としています。2025年までに全国で100のオーガニックビレッジの開始を目標としている。 オーガニック給食は、将来を担う子どもたちに有機農業への理解を深めてもらう観点からも重要な取組だと思います。 地産地消と言いますが、作ったから消費しろというよりも、消費があるから生産する、地消地産の循環も大事です。 子育て世代や観光客に選ばれて、市場が生まれ、そこから生産が広がる、生産が先というより消費を作る、消費の旗印を立てる、これは非常に重要なことだと思います。 人は食べ物でできています。食事とアレルギー、食事と発達障がいの関係性が医学的にも指摘される中、アメリカでは、食事を変えたことにより少年の非行が減ったという事案もあります。いい物を食べること、悪いものを食べないことは極めて重要です。 遺伝子組換えや添加物、農薬は、なぜ悪いのか。それは、体に分解する酵素がないので、異物と判断されて自己免疫が発動し、腸や脳に慢性の炎症を起こしやすくなります。 食べ物の影響は、体重換算なので、体や脳が出来上がるまでの幼少期、乳児期、胎児期の栄養は極めて重要です。その後の人生における生産性や生涯にかかる医療費にも影響してきます。 質問です。 食とアレルギー、食と発達障がいの関係を考慮した子どもの食育についての市の見解を教えてください。
○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。 〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
◎市民保健部長(橋本宏君) 議員お話のとおり、未来を担う子どもへの食育の推進につきましては、健全な心身と豊かな人間性を育んでいく基礎でございまして、子どもの成長、発達に合わせた切れ目のない推進が重要でございます。 また、国の第4次食育推進基本計画の妊産婦や乳幼児に対する食育の推進において、成育基本法を踏まえて、出生に始まり、新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の段階を経て大人になるまでの一連の成長過程である成育過程にある者及び妊産婦に対する食育を推進するとあります。 乳幼児期は成長や発達が著しく、生涯にわたる健康づくりの基盤となる重要な時期であることから、市では、各種指針やガイドライン等を活用して、母子手帳の交付時や全戸訪問、乳幼児健診、相談事業などの機会に食事とアレルギーなどについて正しい知識の普及を行っております。 また、望ましい食生活の実現に向けて、起床就寝の生活リズムと併せてバランスよく食べることを推進し、心身ともに健全な子どもが育つよう、保護者が主体的な育児ができる力をつけることができるよう助言を行うなどの支援もしております。 食が原因で起こされる発達障がいにつきましては、様々な研究がされておりますので、内容を確認してまいりたいと存じております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 食育に関しての丁寧な御答弁ありがとうございます。 小さな子どもは食べ物を選択する余地はありません。大人から与えられたものを選ぶにとどまります。 日本人のほぼ全員の尿からネオニコチノイド系の成分が検出されると言われる現代の食生活、食文化において、いかに食のリテラシーを高め、次世代に、持続可能性に富んだ、より安全な食材を提供するかは、将来世代に対する現代の大人たちに課せられた使命です。 そもそも高山は、オーガニック給食に不利な環境でしょうか。保育園留学に、適さない環境ですか。 自然、人口規模、地場産業、農業、土地、水、気候、文化、高山は広い。自校方式の給食も可能です。地域の強み、支所地域の強みを生かした前向きなチャレンジをお願いいたします。 次の質問に移ります。森林資源の有効利用についてです。 平戸議員からもありましたとおり、間伐などの森林整備や林業の人材育成、公共施設での木材利用など、地方公共団体が独自に森林整備の経費に充てることができる森林環境税ですが、その配分は山間部に手厚く配分されるよう見直しが検討されています、これはプールのお金の問題ですが。 高山市においても、令和3年5月に産業建設委員会より政策提言がなされ、新たな林業の戦略から成長産業化と森林経営管理を推進し、持続的な林業を確立するために、①林業行政の組織体制の強化、②森林環境譲与税の使途の拡大、③第三セクター法人との対等なパートナーシップの構築について提言されました。まさに持続可能な林業の戦略が今求められています。 高山市では、100年先を見据えた森林づくりをうたい、令和6年には高山市森林整備計画の中間目標を掲げていますが、現在の高山市の森林整備計画の進捗を教えてください。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 令和2年3月策定の高山市森林整備計画では、施策の進捗状況を把握するため、令和6年度における中間目標値を設定しています。 主な指標における中間目標値と令和3年度の実績値との比較ですが、地籍調査事業については、令和3年度までの完了の累計面積、2万1,601ヘクタールで、令和6年度中間目標値2万4,881ヘクタールに対して86.8%でした。 森林技術者数については、年間に30日以上林業に従事した方の人数ですが、令和3年度の調査では163人で、令和6年度中間目標値200人に対して81.5%でした。 木材生産量については、令和3年度に市内で生産された木材の総材積で、年間9万4,000立方メートルと、令和6年度中間目標値の年間14万9,000立方メートルに対して63%でした。 これは、令和2年度に発生した豪雨災害により林道及び作業道が被災したことや、新型コロナ感染症により木材流通量が少なくなったことにより減少したと考えられ、今後、災害復旧などの効果により、木材生産量は増加していくものと考えております。 今回は、令和6年度中間目標値に対して令和3年度の実績値を比較したものですが、各種指標の実績値については、おおよそ順調に目標値に向けて推移していると考えています。 今後も、林業関係者の皆様の御協力の下、効果的な政策を実施してまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御説明ありがとうございます。 林業に限りませんが、人材の持続的な確保、育成は大きな課題です。 地域資源として、豊富な森林を有する飛騨高山は、林業を志すには魅力のある地域ですが、来てくれた人が定着しないというジレンマがあります。 人材の育成、定着に対し、高山市に一層のイニシアチブを望みます。 林業を志し高山に来た人がやりがいを持って定着、成長し、長く活躍できるような息の長い人への支援、投資が必要です。 質問です。 林業の人材育成、定着、起業も含めた小規模事業者への支援に関する市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 市内多くの林業事業体において、森林技術者の確保が大きな課題となっています。 これまで市では、森のジョブステーションぎふとの連携により、市内林業就業のPRに努めてまいりました。 令和3年度からは、新規林業就業者を増やすため、市内事業体への就業を条件に、岐阜県立森林文化アカデミーの学生への支援や、県外から林業就業される移住者の方への補助制度を設け、就業支援を行っております。 また、子どもたちの日常生活では、森林や林業に接する機会が減っていることから、市内小中学校において、林業体験教室を開催するなど、森林や林業への理解を深めてもらっております。 令和5年度からは、小規模林業事業体の方々を対象として、デジタル測量機器の購入に係る経費の支援や、高性能林業機械のリース料支援を行うこととしております。 これらは、全て森林環境譲与税を利用するもので、森林の整備、人材の育成、木材の有効利用、担い手の育成、小規模林業事業体の支援など、今後も林業振興に資する効果的な取組を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 就業支援して、その方々がいかに定着するかということが非常に重要だと思いますので、入り口だけじゃなくて、その後、しっかりと、例えば、林業体験のときにその方々が活躍する場所があるとか、何かそういうような、生活としてこのまちに居づくような施策もお願いいたします。 環境面から考えると、森林には炭素固定の機能があり、林野庁が「森林×脱炭素チャレンジ」と銘打ち、企業の森林づくり活動を促進するなど、国土の3分の2の森林を適切に整備保全することは、二酸化炭素吸収量の確保、強化につながり、2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献する事案です。 また、先日の中村議員の質問にもあったとおり、飛騨地域のコナラが原木で石川に渡り、加工され高くなって戻ってくるのは、地域経済の損失の1つのモデルケースであり、産業横断的にチームを組んで、無駄がないように利用する仕組みが必要です。 質問です。 森林資源の地域特性を生かした持続可能な脱炭素社会、域内経済循環についての市の見解を教えてください。
○議長(水門義昭君) 小林森林・環境政策部長。 〔森林・環境政策部長小林一正君登壇〕
◎森林・環境政策部長(小林一正君) 高山市は、森林面積が市域の92%を占める地域特性を有しており、森林の持つ多様な機能を拡大し、活用していくことは市の森林政策として大切なことであると考えております。 持続可能な脱炭素社会を目指して、森林による二酸化炭素吸収量の増加を図るために、木の成長を促す森林整備を推進することや、間伐、除伐により二酸化炭素吸収量の大きい樹木に更新していくことが必要となります。 そのためには、林業従事者を増やすとともに、伐採した木材を余すことなく消費することが必要となることから、建築材料だけでなく、家具等の木工製品に利用すること、残った端材をボイラーやストーブで熱利用することなど、地域内で森林資源を循環させることで地域内の経済循環が発生すると考えています。 具体的には、樹齢を重ねている森林及び担い手不足により手入れのできない森林の所有者への働きかけによる伐採並びに間伐事業の推進、匠の家づくり事業補助など、市内産木材の利用促進、市内温浴施設でも端材による熱利用や発電などを実施していますが、今後は、地域特性に応じた針葉樹と広葉樹のバランスのよい森づくり、木材利用を促進するための製材所の増設、木育等により木製品に触れる機会を増やし、木のぬくもりなどを再認識していただくことなど、森林資源の地域内有効活用による経済循環を推進してまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な御回答ありがとうございます。 まさに製材所がないとか、少なくなっているのも高山の問題と言われています。 高山は、おっしゃるとおり、92%が森林です。森林を資源と捉えるか、そうでないかは、まちの未来を大きく左右します。 木材は、カスケード利用により余すことなく使える融通性があります。匠の技術や文化もあります。木くずや端材などからつくられるバイオマスペレットは、化石燃料の使用を抑え、地球温暖化対策に寄与します。間伐材を有効利用し、産業横断的にチームを組んで、カスケード利用し、エネルギーもつくる、そうした取組が、例えば、岡山県西粟倉村など、全国で広がっています。先ほどの部長の答弁にもあったとおりです。 例えば、冬の灯油の消費をペレットストーブに置き換えることができるとすれば、年間の灯油に支払うお金が地元に残り、そのお金が地元を循環することも可能なわけです。そのためには、俯瞰的なグランドデザインが必要です。 質問です。 森林資源の価値最大化についての市のグランドデザインを教えてください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 今御紹介のとおり、92%を森林が占める高山市ということで、森林自体は多様な機能を有します。 これも私が、今さら言うことでもないんですけれども、木材生産、防災、生態系の確保、二酸化炭素の吸収であるとか、観光、景観面、また森林浴などの癒やしですよね。そういったものを地域の重要な資源として捉えて、市民の方のためにその価値を最大限に生かして、生み出されるメリットを市民の皆さんと一緒に享受して、緑豊かな住みやすいまちづくりを進めていきたいというふうに考えておりまして、これは高山だけじゃなくて国内の森林とか林業の現状としては、採算性が低下しているとか、あるいは所有者不明の森林が顕在化しているとか、担い手不足であるとか、そういったことが顕在化する中で、森林が持つ、先ほど申し上げました機能が低下していくことが危惧されております。 その中で、平戸議員さんの御質問の中にもございましたし、一部お答えさせていただきましたけれども、森林環境譲与税を活用して、いろいろ考えているんですが、まず、3つは実現したいなと思うことがあります。 1つは、林業がなりわいとして誇りと自信を持って継続できること。2つ目が、持続可能な脱炭素社会をいち早く実現したいということ。3つ目が、木育による森、要するに郷土ですよね、高山、飛騨高山を愛する人づくり、こういったことを、実現できることをするために、様々な施策をできることからやっていきたいということで、例えば、もう今、既に部長もお答えしましたし、益田議員さんもおっしゃられたような、市産材をしっかりと活用して家具の製造、木工産業を振興するということであるとか、あるいは木の文化の再構築であるとか、二酸化炭素吸収による地球温暖化の対策であるとか、そういったことをやっていきたいということでございますので、92%の森林をやはり資源として捉え、その機能をしっかりと発揮できるような、そんな施策ということで先ほど申し上げた3つを柱にこれから取組をさせていただきたいと考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 市長自らの御答弁ありがとうございます。 病院連携の際に、医療を志すなら一度は飛騨高山へというフレーズがありました。未来の理念なので仕方ないのですが、医療関係者はあまりぴんとこないんですね。なぜならば、そこに圧倒的な強みがないから。 では、林業はどうでしょう。 高山市が日本一広く、その92%が森林である。1,300年以上続く飛騨の匠がある。かなりのパワーワードです。唯一無二の技術や文化もある、圧倒的な強みだと思います。林業で一旗上げるなら飛騨高山へ。 今、世界では資金や人材は、ITから気候テックに流れています。 気候テックとは、温暖化問題の解決につながるテクノロジーのことです。その1つが、木材です。時代が来ている、予算もつく、カーボンクレジットも来る、明らかに強みであり、勝ち筋である森林資源の有効利用にグランドデザインを掲げて、大志を持って取り組むことが、高山の命運を握ると中村議員ではありませんが、強く思っています。 余談ですが、林業は精神疾患が少ない、メンタルヘルスに優しいとの報告もあります。 福祉であるとか、先ほど市長おっしゃいました木育のことなど、教育も巻き込んだ、夢のあるグランドデザインを期待します。 続きまして、8050問題です。 8050問題とは、80代の親がひきこもりなどで収入のない50代の子どもを自分の年金収入などで面倒を見ながら、徐々に行き詰まっていく社会問題です。 行政の支援の隙間とも言われ、誰一人取り残さない社会を模索する中で、福祉の現場から生まれ、定着した言葉です。 不登校、ひきこもり、就労支援、経済的貧困、関係性の貧困、孤立、高齢化、認知症など、様々な問題が絡み合う中、有効な解決が果たされず、時が流れ、今や9060問題とも言われています。これは言わば福祉の敗北です。 そもそも福祉とは何か。社会レベルの幸せのことだと思います。個人の幸福に対し、社会全体が幸せかどうか、それが福祉です。 障がいを個人の問題として捉えるのではなくて、誰にでも起こり得ることとして社会が受容する。個人の責任を問うのではなくて、社会が免責する。 自分がいなくなったときに、この子はどうやって生きていくのか、そういった切実な現場の声が聞かれます。 質問です。 高山市の8050問題に対する認識、危機感を教えてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 社会との関係性が希薄になる中で、ひきこもり状態にある若者は全国的にも増加傾向にあると言われておりまして、また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に伴い、ひきこもり当事者や、その家族の孤独感や孤立感、生きづらさがより深刻化する中で、高山市においても8050問題に当たる家庭が増えてくるものと考えています。 現在8050問題として市が関わっている御家庭は、大体40件から50件ほどございます。これらは、相談窓口につながったケースのみであり、高齢の親が子を支えている家庭の中には、市に相談することができないことから、把握できていない家庭も多くあると考えておりまして、親亡き後の家庭の経済的破綻や、社会的孤立の深刻化を懸念しているところであります。 当事者や支援をしている方などの関係者、様々な支援団体などにも、市の相談窓口について情報提供を行いながら、相談窓口の利用につなげてまいりたいと思っております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 2015年に生活困窮の窓口ができたあたりぐらいから、この8050も同時に拾われるようなところがありますが、8050自体でなかなか広がれないというジレンマがあります。 8050問題の相談は、じゃ、どこに誰が行くのでしょうか。 ひきこもりの当事者が自らの未来を案じ相談に来ることはまれだと思います。現実的には親世代ですが、80代で相談に来て、キーパーソンとして機能するというのは酷な話かもしれません。安心して相談できる、分かりやすい窓口があって、余力のあるうちに、いかに早期に動き出すかが重要です。 また、ひきこもりというと、若者というイメージがあるかもしれませんが、2019年の内閣府の中高年ひきこもり実態調査では、40歳から64歳のひきこもり中高年の推計は61万3,000人。これは2016年の内閣府統計ですが、15歳から39歳のひきこもり実態の推計が54万人。つまり、若年層よりも中高年層のひきこもりのほうが多い、そういう時代です。 ひきこもりが社会問題化したのが、1980年代から1990年代にかけて、40年の歴史があります。 質問です。 ひきこもりに対する高山市の支援の現状を教えてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 現在、福祉サービス総合相談支援センターにおいて、ひきこもり状態にある家庭を含め、相談者それぞれの状況に応じ、様々な支援を行っております。 生活困窮相談や、障がいの相談、高齢者の介護を始めとする生活全般の相談などを通じて把握をしましたひきこもりを含む家庭に対し、個別に支援を行っているところですが、具体的な支援については、その家庭の状態によって内容は変わってくる、そんな状況になります。 まずは、ひきこもりの方については、自宅から外に出られるように、サロンの紹介や地域のイベントなどへの参加を促すことなどに始まり、就労につなげられるような支援に移行するケースもございます。 精神や身体の障がいなどを理由とする場合については、医療や障がい福祉サービスにつなげるなど、個々の状態に合った支援が行えるよう、関係機関と連携し対応をしているところであります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 一般的に若者サポートステーションなどが就労支援という形でひきこもり支援をしているところなんですが、先ほど説明しましたとおり、なかなか若者ではない世代が完全に隙間になってしまうというか、支援が入らない状況があります。 飛騨地区は、日本のおよそ1,000分の1ぐらいのスケールと言われています。つまり、40歳から64歳のひきこもりが600人くらいは恐らくいるのではないか。これはあくまで推察にすぎませんが、把握できているケースと実態のギャップこそが8050問題の本質です。ここを何とかしたい。 誰一人取り残さない、SDGsの立派な理念なんですが、みんなの中に、私はいない、こういう現実があります。ここに社会的孤立の問題が浮上します。 イギリスでは、孤独で生じる経済的損失は約4.8兆円との試算があり、75歳以上になると、半数以上が独り暮らしで、障がい者は半数が絶えず孤独を感じている。孤独は肥満や1日15本の喫煙以上に体に悪い。孤独な人は、社会的なつながりを持つ人に比べ、天寿を全うせずに亡くなる割合が1.5倍に上がるとの報告もあります。 質問です。 社会的孤立を防ぐための高山市の取組の実情と課題を教えてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 市では、福祉サービス総合相談支援センターで、ひきこもりを含めた相談を受けていますが、窓口で待っているだけではなくて、積極的に訪問ができるよう、令和3年度に相談員を増員するなどの体制の強化をいたしました。 しかし、ひきこもりの御家庭では、人に相談しづらい、知られたくないといった思いがあり、問題が表面化してこないこと、また、表面化した際には、問題が深刻化していることなどが課題と考えております。 そのため、まず、対象者を早期に把握することが必要であると考えており、民生委員の皆さんなどにも協力をいただきながら、地域の実情把握に努め、対象となる御家庭へ積極的にアプローチできるよう取り組んでまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) アウトリーチの体制は整っているという形なんですが、なかなかそれが当事者までたどり着かない現状があるんだと思います。 ひきこもりの状態が続けば、そのまま8050の病理となります。8050家庭は、その家庭ごと孤立していることが多く、なかなか相談できないんです。相談しても、家庭のことでしょうと言われてしまわないか、そもそもこういうことって相談していいのか、誰が聞いてくれるのか。全てが不安で、何を相談していいのかすら分かりませんという声も聞かれます。 田中市長も先日の答弁で、行政の支援の網にかからない、市民の苦悩に耳を傾ける真摯な姿勢の大切さを発言されましたが、様々な問題が複合し、支援の隙間と言われる8050家庭に対する包括的支援の在り方について、市の考えを聞かせてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 市内でひきこもり状態にある当事者や、御家族の方、支援を行う事業者の方が定期的に集う場が開かれておりまして、SNSなどを利用した情報発信も行われていることは承知をしているところであります。 8050問題は、様々な分野の課題が絡み合い、複雑化していることが多く、一律の対応では解決できない問題と考えております。 市の窓口とつながっていない家庭の社会的孤立を解消するためには、行政だけではなく、様々な機関や個人が関わりを持てるようなネットワークづくりを進めるとともに、当事者や御家族を支えている関係者に対する支援も必要と考えています。 市としましても、このような関係者の方々と連携しながら、地域ネットワークの構築を図り、行政と地域が一体となって包括的な支援を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 民間のネットワークなどを利用したつながりづくりがという話をいただきました。 つながるカフェとか、そういう活動も民間でやられていると思います。相談窓口や支援があることに加えて、それがあることは非常に重要なんですけど、必要な人にその情報をどう届けるかがやはり重要な課題です。情報が届いていない人の世界には、その支援は存在しないんです。 8050問題は、福祉だけでは解決できないため、他分野との連携も重要だと思います。 親亡き後のお金の心配も大きく、経済的に自立し、よりよい生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力、いわゆる金融リテラシーの相談をきっかけにして、支援につなげるなど、なるべく相談しやすい、敷居の低い、そういった多角的な粘り強い関わりを強く期待します。 続きまして、不登校特例教室、学びの多様化教室についてです。 8月31日に開催された誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部において、不登校特例校の新たな名称が学びの多様化学校になったことが公表されました。 先日、教育長の御答弁でも、新たな名称への言及がありましたので、学びの多様化教室、不登校特例教室について質問させていただきます。 不登校が日本の社会で話題になり始めたのが、1950年代後半と言われており、当時は、人数的にもまれで、学校恐怖症という心の病気とみなされていました。 その後、どんどん増え続け、1980年代に呼称も登校拒否と変化しました。拒否というと、能動的なニュアンスですが、行きたくても行けないケースもあり、1999年に不登校と改称しました。 不登校の病態は様々で、ここでは詳しく触れませんが、かつては登校拒否や不登校をいかに学校に戻すかという視点の教育界と、学校なんて行かなくてもいいんじゃないかという児童精神科医の間の衝突の歴史があったことを覚えています。 高山市においても、平成28年度の高山市教育委員会定例会議事録では、高山市教育委員会の最重要課題が不登校ゼロであり、その当時の適応指導教室の在り方も、学校生活への復帰の支援であったと思います。 現在、小中学校の不登校が全国で24万人となり、時代や考え方は変わったと思いますが、高山市の不登校に対する考えをお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 不登校は多様性の1つと考えています。最終的には、その子が社会的自立できるよう、不登校によってその子の可能性が奪われることがないようにしていくことが大切だと考えています。 市は、それを実現するために、教育支援センター構想を持っていますが、それに基づき、社会的自立に向けて、児童生徒だけでなく、保護者へ多様かつ継続的な支援を進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 多様性、社会的自立、可能性が奪われない、そういった支援をということで、よく分かりました。 令和2年度の高山市教育委員会定例会議事録においても、学校生活に起因する不登校をゼロにしてほしいという記載があり、学校生活に起因すると付言こそありますが、不登校ゼロという文言が見受けられます。 学校教育は、画一化、同一化を求める性格があり、そこからはみ出すことで生きづらさを感じる構造があります。教育委員会の今の考えをしっかりと子どもたちや親御さん、社会に発信いただければ幸いです。 質問です。 こうした時代の流れを踏まえた上での特例教室、学びの多様化教室の設置ですが、子どもたちの選択肢が増えることはすばらしいことだと思います。 特例教室、学びの多様化教室の位置づけと期待される効果を教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 来年の4月に新設する学びの多様化教室にじ色の位置づけは、従来の学校とは異なる居場所、学びの場をつくることで、選択肢を増やし、不登校の中学生を多様かつ継続的に支援するものです。 にじ色教室は、誰かに合わせるのではなく、あなたが選べる新しいスタイルの居場所、学びの場を目指し、国が認定した高山市独自のカリキュラムで、正規教員が生徒の実態に応じた少人数の学びを保障します。 独自のカリキュラムでは、得意なことや興味、関心があることを伸ばすゼミ、エネルギーとなる豊かな体験ができるプレジャー、自分を見つめ自分らしさを考えるボイジャーがあり、生徒が選べる多様な体験を重視しています。 授業は、学び直しや休むという選択肢もあります。また、通えない日には、オンラインによる授業を選択することも可能です。 その生活では、学級という枠組みはありません。相談する教職員を選ぶことができます。専属スクールカウンセラーがいて、生徒、保護者が相談でき、オンライン相談も可能です。 にじ色に期待されるもの、効果としましては、新しいスタイルの生活、学習で、安心感につながること、出席や成績が認定され、自分に合った進路選択につながることなどがあります。 6月議会で紹介した保護者の言葉を再度お伝えしたいと思います。 みんなが行っている学校じゃないところに行っている子みたいに扱われることが保護者とか子どもにとってつらいところです。にじ色教室に行くことが全然普通な環境になると、安心・安全で親子も過ごせます。そこへ行くことの同級生、保護者や多くの方々の理解が広がると、本当の意味でありのままを受け入れてもらえると思いますと話されました。 私は、このように、にじ色が誕生することで、不登校へのさらなる理解や支援が広がることを期待しています。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁ありがとうございます。 2016年に公示された教育機会確保法では、不登校というだけで問題行動と受け取られないような配慮が求められたのと同時に、子どもたちの学習する権利、多様で適切な教育機会の保障が重視されています。この達成を義務教育の中でやるかどうかは議論の余地があると思いますが、今の御答弁の中でもありましたとおり、選択するということはすばらしいことだと思います。 学習の保障、そして進路選択、そして最終的な社会的自立、ここのところに、例えばにじ色であるとかがどういうふうに関わってくるか、不登校の子どもたちの進路選択の保障、社会的自立の支援についての具体的な市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 不登校の子の学習を保障するために、例えば学校内に学習ルームの順次設置や、であい塾や、であい塾のみならず、希望によって開設する移動であい塾などで学習の保障に取り組んでいますが、今年度新たに多様な支援の1つとして、市の教育支援センターができましたが、それが主催で夏休みに特別講座を10日間行いました。 何と児童生徒が10名が希望し、延べ59回参加してくれました。また、そのうち3名はオンラインでの参加、個別対応学習としましたので、分かってうれしかったとの感想を多くいただけたことはうれしかったと思います。 そして同時に、改めて、子どもたち、不登校の子どもたちの可能性と学習保障の大切さ、にじ色のような場所の必要性を感じています。 進路選択の保障では、不登校だからといって進む道を狭める必要がないとの考えをぜひ持ってほしいと考えています。各中学校でも、個に応じた進路指導を行っています。 8月のにじ色の説明会では、不登校を経験した定時制高校の生徒と大学生が中学生のときの悩みや対応、進路選択の理由と入学してからの自分の姿、思いを力強く語ってくれました。不登校を経験した子と、児童生徒、保護者との対話は進路を描く上で非常に重要だと考えています。 社会的自立への支援ということでは、今年度新たに定時制高校と新しい形の連携ができました。中学校で不登校を経験した定時制高校生が、現在、市の保健相談員となり、様々な思いを持つ子どもたちの身近な相談相手として力を発揮しています。その生徒は、今までの自分の選択を振り返りながら、多くの人との出会いや関わりの中で、不登校傾向の子どもたちのためになることがしたいという思いを持つことができました。そして今、その職に就くことができていますと話しています。 自分が不登校だった経験を生かして子どもたちに何かしたいという志を胸に、保健相談員という仕事を選んでもらっていることを私は大変うれしく思います。 社会的自立では、ひきこもりなど、様々な課題があり、医療福祉、高校、企業などの市民の皆さんとの連携が求められています。 今後も、ぜひそういう連携を進みながら、社会的自立へ向けて支援を行うつもりです。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 子どもの時間軸があるので、学習の保障のところ、その後の進路選択に不利がないようにぜひぜひお願いしたいと思っております。 片野議員の一般質問においても、普通とは何か、先ほどの教育長の発言の中でも、普通という言葉が出ましたけれども、そういう問いがありました。極めて哲学的な問いですが、学校教育はある意味、普通からはみ出さないことがずっと問われてきたと思います。個性や自由ではみ出していくと、逆に排除されてしまう構造があるのです。 子どもたちにとって、子どもたちの世界にとっての普通とは何か、1つは、先生の価値観だと思います。 太宰治の『人間失格』の中にも、世間の曖昧性について触れている一節がありますが、先生が許容するところまでが差し当たり普通になる。そして先生が替わる。そしたら普通が変わる。普通からはみ出したときに人は挫折します。 普通であれ、普通になりたい。普通という概念が、マジョリティー、多数派と考えると、上にも下にもこぼれ落ちる人がいます。 ギフテッド、平均より著しく高い知的能力を有する子どもの特性のことですが、学校場面での同一化、普通への適用が難しく、いわゆる浮きこぼれが起こり、強く生きづらさを感じています。 質問です。 ギフテッド教育支援についての市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) ギフテッドと推定される子の保護者から、我が子は、みんなと同じ授業では暇になり、じっとしているのに苦労したとの話を聞いたことがあります。 今、学校では、学習を早く進めたい子、じっくり学びたい子など、個の状況や特性に応じるため、個別最適な学びを大切にしています。 例えば、タブレットを活用し、学ぶ方法を選択したり、学習課題を終えた児童生徒は、デジタル教科書やアプリの応用問題に挑戦したりして、自分の力に応じた課題の追求に向かえる環境を徐々に整えています。 今後も、多様な授業や、個の特性を生かした学校生活の在り方を研究してまいります。 先ほど触れていただきましたにじ色教室は、様々な潜在的可能性を秘めた生徒、配慮や支援が必要な生徒も自分らしく学べる1つの居場所になると考えています。 先ほど答弁したとおり、ゼミ、プレジャー、ボイジャーといった独自のカリキュラムにより、一人一人が自分のよさや興味、関心のあることを選択できる居場所、学びの場としていきます。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 にじ色が得意なことを伸ばすということであれば、このギフテッド教育、明るくなるかと思います。ぜひ期待しております。 アメリカでオルタナティブ教育というと、通常の公立学校に通う以外の全ての学校や教育形態が含まれます。特定の目標言語等の習得と通常の教育課程の習得を並行させるイマージョン学校、高いIQや特別な能力を持つ子どもを対象に行われるギフテッド・タレンテッド教育、多様な問題行動を克服する過程にある生徒を受け入れるコンティニュエーションスクールなどです。ぜひ、子どもの可能性を閉じない教育支援をお願いいたします。 とはいえ、24万人の不登校があるというのは、異常事態だと思います。そもそも不登校を生まない学校・学級づくりについての考えをお聞かせください。
○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。 〔教育長中野谷康司君登壇〕
◎教育長(中野谷康司君) 不登校を生まない学校・学級づくりには、魅力ある学校・学級づくりが大切と考えています。 児童生徒にとって、学級で自分という存在が大事にされている、心の居場所になっている、学校が自分にとって大切な意味がある場合になっていると実感できる安全・安心な居場所づくりを進めていく必要があります。 そこで、高山市の学校では、マイサポーター制度や複数担任制などを取り入れています。 マイサポーター制度では、児童生徒一人一人が相談しやすい教職員を選び、相談できる環境をつくっています。 また、複数担任制を取り入れている学校では、児童生徒がより多くの教職員との関わりを通して、多様な見方、考え方を学んだり、関わりやすい先生と、考えを、あるいは行動を対話するといったことを大切にします。それは保護者にとっても同様で、相談しやすい学校環境につながると考えています。 一人一人の多様性を尊重するとともに、他者との関わり方、相手の個性、特性の認識など、適応力を高めていく教育の機会が必要だと考えています。それを充実させ、魅力ある学校学級づくりを進めてまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 現場でも、担任の先生が替わればいけるかも、そういうような事例も確かにあります。 マイサポーターであるとか複数担任制であるとか、そういったきめ細やかな形を取られていることは大変ありがたく思っております。 さきに触れましたが、僕が医者になった2000年頃は、学校と精神医療は犬猿の仲でした。不登校で病院を受診し、医者は学校なんて行かなくていいという。学校は学校なんて行かなくていいという医者のところなんて行くなという。 学校の先生は、学校が好きだから学校で働くことが多いと思います。不登校の子どもたちはそんなに学校が好きではない。そこにそごがあるのかもしれません。 時は流れ、今は風の時代です。特別支援学級の知的や情緒、特別支援学校を選ぶ際には、医師の診断書が出されますが、短時間の診察で子どもの特性が本当に分かるのかという鋭い指摘もよく受けます。 例えば、特性の強い子どもの行動を動画に撮って情報を共有したり、適切な支援がどこなのか、当事者と学校と医療と福祉とが一緒に考える時代だと思います。子どもたちにとってより有意義な連携体制の検討をお願いいたします。 また、はみ出したときにどうするのか、福祉とは何か、幸せとは何かなど、社会的自立につながる多様な学びの機会を学校が提供することも大事なことだと思います。 最後に、地域医療構想についてです。 先日、高山市と高山赤十字病院、久美愛厚生病院の連携協定が結ばれました。地域医療の未来につながる大きな一歩です。発表の中で、メイヨークリニックを目指すとの言葉がありました。 遡ること2014年のダボス会議で、当時の安倍首相が、日本にもメイヨークリニックのような病院ができてしかるべきと発言され、話題になりました。 メイヨークリニックのような病院が、ホールディング型の医療法人なのか、複数病院の統合、再編によって構築されるインテグレーテッドデリバリーシステムなのか、IDSというみたいですが、議論を呼んだんです。 日本版のメイヨーとなると、公共性を意識した社会医療法人財団であるとか、地方独立行政法人なども含まれてくると思うんですけれども、将来的に高山市は、地方独立行政法人などを見据えているのか。また、複数病院の統合、再編も視野に入れているのか、考えているのか、未来像を教えてください。
○議長(水門義昭君) 田中市長。 〔市長田中明君登壇〕
◎市長(田中明君) 8月1日に協定を結ばせていただいて、市と両病院がしっかりと連携して、医療課題を把握して解決に向けていくということで、それが重要であるということで連携協定を結ばせていただきました。 地域型メイヨークリニックということで、それを目指したいということを、そこを掲げておりますのは、その地域を目指して患者さんであるとか、あるいは医療従事者が来ていただけるような、そういったことを象徴する意味でお話をさせていただきましたし、ちょっと先ほどぴんとこないと言われたのであれなんですけれども、医療を志すなら飛騨高山へというところも、ぴんとくるようにしっかりとやらせていただきたいと思っております。 連携の趣旨については、医療人材の育成であるとか、あるいはDX化で遠隔にいても医療がしっかり受けられるような、そんなことを目指すということ、それを掲げております。これは介護、療養も含めてですけれども、目指しております。 今、議員御指摘のありました地方独立行政法人化につきましては、今の飛騨の地域の中核病院の今後の連携に関する検討会議でも検討されたことはございます。 実際、3市1村の首長さんの間でも議論の中には入っておりますけれども、具体的にそれを目指す、その方向性ということを見いだすに当たって恐らくハードルは幾つかあると思うんですね。今言われた、現在の中核病院をどうするのかであるとか、今の3者連携による医療の体制をどう進める、そういったハードルを超える中で、想定はされますけれども、議論をこれからしていく必要があるかなというふうに捉えておりまして、現在、それを目指すかどうかということについて、明確にお答えするという段階ではないかなというふうに思っておりますが、今後、いろいろなハードルを超える中で、1つの想定の中には入っていることは入っていると思いますが、もう一回申し上げますけど、現在それを目指すという方向で進んでいるわけではございませんので、御理解をお願いいたします。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 御答弁ありがとうございます。 未来像ですので、その辺りまで見据えた話の中でのメイヨーだったのかどうかということはちょっと確認したかったところです。よく分かりました。ありがとうございます。 2024年4月より、医師の働き方改革が始まる。医師の時間外労働に上限が設けられます。 医療水準を保つために、医療のDX化に加えてタスクシフト、これは医師が担う業務の一部をほかの職種へ移管または共同化することなんですが、この2つが柱なんですね。チームで支えることが求められています。 高山市では、今、御答弁ありましたとおり、ICTを活用した大学病院などの高度医療機関による遠隔診療であるとか、移動診療車の導入を掲げていますが、その準備段階としての医療DX、タスクシフトの推進についての市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。 〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
◎市民保健部長(橋本宏君) 議員御指摘の医師の働き方改革への対応の状況についてでございます。 各病院において対応を進められているというふうにお聞きしております。その中における最大の課題は、医師の確保でありまして、市もその課題解決に向けて両病院と一緒になって取り組んでいるところでございます。 また、今回の補正予算にも計上しております医療DXの推進につきましては、両病院と市外の高度医療機関をICT機器を使ってつなげることで、市内にいながら必要な治療を受けられる環境を整えることを目指すとともに、併せて将来の医師等の医療人材を確保、養成することにも取り組もうとしているものでございます。 また、そのほかの取組として看護師の特定行為研修の積極的な推進など、タスクシフトを進める取組もされておりまして、両病院では、研修に要する費用の一部を病院としても助成をされていることもお聞きしております。 また、市の国保診療所においても、2名の看護師が創傷、傷の管理に係る研修などを修了いたしまして、医師の指示の下、業務の一部を行っております。 また、今後、3者協定に基づいて、職員研修も協働して実施してまいりたいと考えております。 議員御指摘のように、院内での医療DXの推進でありますとか、コメディカルの方の資質を向上することによるタスクシフトによる医師の負担軽減についても有効な取組と考えておりますので、3者連携による定期的な協議の場などで、効果的な取組や必要な市としての支援などについて検討してまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 職員研修を共有したり、DX化ですけど、今ようやくWi-Fiが入ったぐらいの話のところもありますので、その段階で先につなげていくのかというと、やはり順番があると思いますので、そこをぜひぜひよろしくお願いいたします。 この働き方改革に関してDX化していく、そしてタスクシフトしていくというのは、構造は市役所も一緒だと思います。メンタルヘルスの話も前回はさせてもらいましたけど、同じような課題があるという形で認識して進めていただけるとよろしいかと思います。 地域医療構想は、病院間の分業を進める側面があると言われています。 連携協定を踏まえて、これからの連携協定の広がりも踏まえて、地域医療における病院間の分業について市の構想を教えてください。
○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。 〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
◎市民保健部長(橋本宏君) 両病院の分業、役割分担については、かねてから、県の地域医療構想等調整会議や、飛騨地域中核病院の連携に係る検討会議などで、両病院のみならず、県や近隣市村等も交えて議論を重ねてきたところでございます。 各機関とも、何らかの役割分担が必要であるとの認識は一致しておりましたが、コロナ禍もありまして、一時議論が中断した時期もございました。 医師確保・養成に関するワーキング会議や、慢性期医療に関するワーキング会議などで、それぞれの課題について関係機関が連携した取組について議論を再開してきたところでございます。 最近の状況といたしましては、先ほども御紹介がありましたとおり、8月1日に締結をいたしました3者の連携協定を締結するに当たりましても、役割分担だけではなく、飛騨圏域での診療科目の確保という視点からも、様々な連携の方法などについて、両病院だけではなく、県や近隣市村とも相談させていただき、まずは、高山市と両病院がしっかりと連携して、地域の医療課題に取り組んでいくことが重要であると確認をさせていただいたところでございます。 今後の役割分担については、例えば急性期医療を担当する病院と慢性期医療を担当する病院に役割を分担するといった方法もありますが、両病院が一定の役割を共有することが災害対策などに有効であるといった考え方もございますので、今後、両病院はもちろんですが、県など関係機関と地域に最適な役割分担について検討してまいります。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) ありがとうございます。 しっかり対話いただいて、そして納得の中でやっていただければ幸いです。 先日の市民講座で印象的なことがありました。 演者の先生が、健康寿命を延ばすための取組を試しにチャットGPTに聞いてみたところ、高度な医療があるとか優れた医者がいるということは出ずに、規則正しい生活習慣とか良好な人間関係が上位に上がったとのことでした。 健康寿命を延ばすには、健康が一番です。予防医学であったり、食事の改善であったり、誰もが生きやすい、緩やかにつながる孤立しない社会、コミュニティーをつくっていく視点も重要です。 最後の質問です。 人生100年時代の認知症との付き合い方です。 老いと認知症はある意味セットであり、2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。 認知症の予防や治療は市民の関心も高いですが、人生100年時代においては、認知症を怖がり過ぎたり、避けようとするのではなくて、正しい知識を得て、付き合い方、助け合い方を知ることが大切です。 認知症は病気というよりは、老化現象、生理現象の側面が大きく、いかに周囲が理解して、個人に敬意を払い、受容して、チームや地域でサポートすることが重要です。 質問です。 認知症フレンドリー社会についての高山市の考えを教えてください。
○議長(水門義昭君) 石腰福祉部長。 〔福祉部長石腰洋平君登壇〕
◎福祉部長(石腰洋平君) 議員おっしゃるように、国は2025年、令和7年に認知症高齢者が全国で約700万人となり、5人に1人が認知症になるとの推計をしております。 このことは、高山市においても言えることであり、認知症になっても安心して暮らすことができるような地域社会、認知症フレンドリー社会をつくることは大変大切だというふうに考えております。 まず、1人でも多くの方に認知症についての正しい知識を持っていただくため、毎年9月の世界アルツハイマー月間の機会などを捉え、認知症疾患医療センターの協力もいただきながら、認知症サポート医による講演会、広報たかやまを使用した周知、煥章館で行う展示会などのほか、認知症を理解した上で、認知症の方や家族を見守る認知症サポーターを増やすための講座を年間を通じて開催しており、令和4年度までに延べ7,494人の方に受講をいただいております。 あわせて、地域の方々や事業所などの理解をいただき、地域全体が認知症の方の意見を尊重し、行動するような意識の醸成が必要だというふうに認識しておりまして、認知症の方やその御家族を支えるため、SOSネットワーク事業や個人賠償責任保険料の市の負担ですとか、認知症相談会といった様々な事業を実施しているところです。 認知症の方が暮らしやすいまちづくりには継続的な取組が必要で、ゴールはありませんが、今年6月14日には、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が成立しており、こうした国の動向も踏まえ、認知症に関する取組を一層進めていきたい、そんなふうに考えております。
○議長(水門義昭君) 益田議員。
◆4番(益田大輔君) 丁寧な御答弁ありがとうございます。 認知症基本法ができました。それを踏まえて、しっかりと認知症フレンドリー社会につながっていければと思っております。 認知症は12のリスクを改善することにより、約40%予防可能と言われています。 2020年に注目を集めた『ランセット』の分析で、特筆すべきは、幼少期のレスエデュケーションで7%予防できるという報告です。つまり、子どもの頃の教育は認知症予防につながるんです。 社会課題は多種多様ですが、その解決の鍵は教育にあるのかもしれません。 最後に、本日も研修医が傍聴に来ています。 彼は九州出身で、九州の大学を出ました。高山に縁もゆかりもありませんが、なぜ彼が高山を研修先に選んだのか。子どもの頃に旅行に来たからということです。観光から、確かに関係人口が生まれています。そして、彼はこの後、大学等で研さんを積み、1人前になって、九州に戻らずに、高山に帰ってくるということです。 高山は選ばれるまちです。医療を志すなら一度は飛騨高山へ、そして、しばらく飛騨高山でとなる地域医療を支える有機的なまちづくりを祈念して、一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございます。
○議長(水門義昭君) 以上をもちまして、益田議員の質問を終わります。 ================
△閉議・散会
○議長(水門義昭君) 以上で、本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、明日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ散会します。 午後3時57分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。 高山市議会 議長 水門義昭 副議長 榎 隆司 議員 伊東寿充 議員 西田 稔...