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  1. 岐阜市議会 2012-03-01
    平成24年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文


    取得元: 岐阜市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-06
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成24年第1回(3月)定例会(第1日目) 本文 2012-02-29 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 17 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言の表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(渡辺 要君) 10頁 選択 2 : ◯議長(渡辺 要君) 10頁 選択 3 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 4 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 5 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 6 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 7 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 8 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 9 : ◯議長(渡辺 要君) 279頁 選択 10 : ◯市長(細江茂光君) 279頁 選択 11 : ◯議長(渡辺 要君) 301頁 選択 12 : ◯議長(渡辺 要君) 304頁 選択 13 : ◯21番(井深正美君) 304頁 選択 14 : ◯議長(渡辺 要君) 305頁 選択 15 : ◯議長(渡辺 要君) 305頁 選択 16 : ◯議長(渡辺 要君) 305頁 選択 17 : ◯議長(渡辺 要君) 305頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:  開  会   午前10時1分 開  会 ◯議長(渡辺 要君) ただいまから平成24年第1回岐阜市議会定例会を開会します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  一 諸般の報告 2: ◯議長(渡辺 要君) 日程に入るに先立って諸般の報告を行います。  監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書並びに報第1号及び報第2号専決処分事項の報告については、お手元に配付しました報告書によって御承知を願います。            ───────────────────          監査結果報告書及び岐阜市包括外部監査報告書提出一覧                      平成24年第1回(3月)岐阜市議会定例会  例月現金出納検査結果報告書(平成23年10月分~平成23年12月分)  監査結果報告書  ・定期監査及び行政監査(平成23年度4月~10月分 必要に応じて平成22年度分)   ・基盤整備部   ・都市建設部   ・市民生活部  ・定期監査及び行政監査(平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   ・柳津地域振興事務所   ・教育委員会   ・ぎふ清流国体推進部
      ・農林部   ・福祉部  工事監査結果報告書(平成23年度分)   ・第二・第三恵光学園共同生活棟建築主体工事  岐阜市包括外部監査報告書(平成23年度)   ・補助金等の事務の執行等について ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計              │ │         (平成23年10月出納事務)                  │ │                                         │ │  検査の期間  平成23年11月24日~平成24年1月19日          │ │                                         │ │ 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であ  │ │  ることを認めた。                               │ │                                         │ │ 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確で  │ │  あることを認めた。                              │ │                                         │ │ 3 その他証拠書類等を検査したところ、おおむね適正に処理されているものと認め  │ │  られた。                                   │ │   なお、軽微な事項については、別途指示した。                 │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計              │ │         (平成23年11月出納事務)                  │ │                                         │ │  検査の期間  平成23年12月21日~平成24年1月26日          │ │                                         │ │ 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であ  │ │  ることを認めた。                               │ │                                         │ │ 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確で  │ │  あることを認めた。                              │ │                                         │ │ 3 その他証拠書類等を検査したところ、おおむね適正に処理されているものと認め  │ │  られた。                                   │ │   なお、軽微な事項については、別途指示した。                 │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  検査の対象  一般会計、特別会計、基金及び企業会計              │ │         (平成23年12月出納事務)                  │ │                                         │ │  検査の期間  平成24年1月24日~平成24年2月9日            │ │                                         │ │ 1 歳入歳出実績表及び試算表等の計数を各会計諸帳簿と照合したところ、正確であ  │ │  ることを認めた。                               │ │                                         │ │ 2 月末現金預金現在高を預け入れ金融機関の残高証明書と照合したところ、正確で  │ │  あることを認めた。                              │ │                                         │ │ 3 その他証拠書類等を検査したところ、おおむね適正に処理されているものと認め  │ │  られた。                                   │ │   なお、軽微な事項については、別途指示した。                 │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  基盤整備部                           │ │         (平成23年度4月~10月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年12月1日~平成24年1月19日           │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 適正な契約事務の執行について                        │ │   「長良陸閘ほか33陸閘の管理及び操作業務委託」他7件の陸閘・樋門等水防施  │ │  設の管理操作にかかる業務委託契約において、契約期間が平成23年4月1日から  │ │  平成24年3月31日までとなっているにもかかわらず、契約書が平成23年10  │ │  月3日付けで作成されていた。                         │ │   地方自治法第234条第5項の規定では、地方公共団体が契約につき契約書を作  │ │  成する場合においては、当該地方公共団体の長又はその委任を受けた者が契約の相  │ │  手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は確定しないこととなってい  │ │  る。                                     │ │   今後は、契約方法を見直すことや、事務執行の管理を徹底することにより、適正  │ │  な契約事務を執行するよう努められたい。                    │ │                                         │ │ 2 道路及び水路占用料の未収金の回収について                  │ │   道路占用料の収入未済額は、平成22年度末で1,606,404円である。平  │ │  成23年度においては、10月末現在では、過年度未収金が1,113,039円  │ │  となり、11月末現在では984,339円であった。              │ │   また水路占用料については、平成22年度末で2,537,827円であり、平  │ │  成23年度においては、10月末現在では、過年度未収金が2,436,795円  │ │  となり、11月末現在では2,432,795円であった。            │ │   いずれも前年度末と比較して減少しているが、なお、相当額の未収金が残存して  │ │  いることから、過年度未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分の回収  │ │  についても、滞納繰越を生じないよう努力されたい。               │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  都市建設部                           │
    │         (平成23年度4月~10月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年12月1日~平成24年1月19日           │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 未収金の回収について                            │ │   平成23年10月末現在、都市建設使用料、公園使用料、土地建物貸付収入、土  │ │  木費雑入及び島土地区画整理事業清算金収入において、計26,145,383円  │ │  の収入未済額があった。平成23年11月末現在では、計3,141,268円で  │ │  あり、うち2,588,626円が過年度未収金である。             │ │   今後とも、過年度分の未収金の早期回収に努めることはもとより、現年度分の回  │ │  収についても、滞納繰越を生じないよう努力されたい。              │ │                                         │ │ 2 適正な財務会計事務の執行について                      │ │   岐阜市予算規則第13条第1項では、委託料、使用料及び賃借料に係る支出負担  │ │  行為として整理する時期は「契約を締結するとき」と規定されている。       │ │   しかしながら、283箇所の公園管理に係る平成23年4月1日から平成24年  │ │  3月31日までの業務委託契約が、平成23年4月1日に締結されているにもかか  │ │  わらず、平成23年9月6日に至るまで、支出負担行為書が起案されていなかった。 │ │   また、金公園地下駐車場の構造物設置のための用地として、平成23年4月1日  │ │  から平成26年3月31日までの土地賃貸借契約が、平成23年4月1日に締結さ  │ │  れているにもかかわらず、平成23年12月末においても、支出負担行為書が起案  │ │  されていなかった。                              │ │   今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。  │ │                                         │ │ 3 交通事故の防止について                           │ │   平成23年10月に、公用自動車による自損事故が発生し、修繕料82,425  │ │  円が支払われていた。                             │ │   職員の交通事故防止の一層の指導徹底を図られたい。              │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  市民生活部                           │ │         (平成23年度4月~10月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年11月29日~平成24年1月26日          │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 国民健康保険料(税)の収納率の向上について                 │ │   国民健康保険料の収納率は、平成22年度決算において、73.30%で前年度  │ │  比0.75ポイントの減であり、国民健康保険税の収納率は、1.95%で前年度  │ │  比5.46ポイントの減であった。                       │ │   滞納繰越分の収納対策の強化を図り、収納率の向上に一層努力されたい。     │ │   加えて、現年度分については、滞納繰越を生じないよう努力されたい。      │ │                                         │ │ 2 適正な財務会計事務の執行について                      │ │   岐阜市消費生活センターの認知度を高め、市民サービスの向上を図るため、郵便  │ │  局の窓口で切手等を購入した際に入れる「郵便はがき・切手保存袋」に広告を掲載  │ │  している。契約期間は平成23年9月15日から10月31日までであり、平成2  │ │  3年8月1日付けで契約締結がなされた。                    │ │   しかしながら、岐阜市予算規則第13条第1項では、役務費(広告料)にかかる  │ │  支出負担行為として整理する時期は「契約を締結するとき」と規定されているにもか │ │  かわらず、契約期間が終了しても、なお、支出負担行為書が起案されていなかった。 │ │   今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。  │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  柳津地域振興事務所                       │ │         (平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年8月12日~平成23年8月18日及び平成23年12  │ │        月28日~平成24年2月9日                   │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、適正に処理されている  │ │ ものと認められた。                               │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  教育委員会                           │ │         (平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年8月12日~平成23年8月18日、          │ │         平成23年12月7日~平成23年12月15日          │ │        及び平成24年1月5日~平成24年2月9日            │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 過年度未収金の回収について                         │ │   留守家庭児童会事業について、実費負担額の現年度分の徴収に関し、平成22年  │ │  2月から納付機会の拡大のため、口座振替による収納を開始し、納付者である児童  │ │  の保護者の利便を図るなどの徴収努力がなされており、過年度未収金については平  │ │  成23年11月末現在で585,500円であり、前年同月比18,500円の減  │ │  となっているものの、平成23年12月末現在で11月末と同額の未収金が残存し  │
    │  ている。                                   │ │   また、育英資金貸付事業について、奨学貸付金及び入学準備貸付金の過年度未収  │ │  金は平成23年11月末現在で21,111,780円であり、前年同月比1,7  │ │  54,220円の増となっている。平成23年12月末現在では20,563,9  │ │  69円であり、前年同月比1,461,609円の増である。           │ │   今後とも、更なる回収体制の強化を図り、収入未済額の減少に努められたい。   │ │   また、現年度分についても滞納繰越を生じないよう努力されたい。        │ │                                         │ │ 2 適正な現金出納事務の執行について                      │ │   もえぎの里体育館のトレーニングルーム及び体育館の使用料にかかる収納事務委  │ │  託については、地方自治法施行令第158条第2項の規定に基づき、私人に委託し  │ │  ており、告示もされているところである。                    │ │   しかしながら、土日等の事務嘱託員が勤務しない日において、現金を収納する際、 │ │  発行する領収書が、受託者名で発行すべきところ、岐阜市出納員である市民体育課  │ │  長名となっていた。                              │ │   今後は、法令を遵守し、適切な現金出納事務の執行に努められたい。       │ │                                         │ │ 3 適正な財務会計事務の執行について                      │ │   岐阜市予算規則第13条第1項では、委託料に係る支出負担行為として整理する  │ │  時期は「契約を締結するとき」と規定されている。                │ │   しかしながら、学校飼育動物サポート事業に係る平成23年5月10日から平成  │ │  23年11月30日までの業務委託契約が、平成23年5月10日に締結されてい  │ │  るにもかかわらず、平成23年12月6日に至るまで、支出負担行為書が起案され  │ │  ていなかった。                                │ │   今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。  │ │                                         │ │ 4 適正な予算執行について                           │ │   実行委員会は、行政・団体等が負担金を出し合って運営する組織である。     │ │   しかしながら、教育先進国であるフィンランド共和国への視察の実施主体である  │ │  「岐阜市教育先進国視察事業実行委員会」は、全額市の負担による運営となってい  │ │  る。                                     │ │   事務事業の遂行にあたっては、実行委員会のあり方についても検討され、適正な  │ │  予算執行に努められたい。                           │ │                                         │ │ 5 交通事故の防止について                           │ │   平成23年3月に、公用自動車による自損事故が発生し、修繕料47,250円  │ │  が支払われた。                                │ │   職員の交通事故防止の一層の徹底を図られたい。                │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  ぎふ清流国体推進部                       │ │         (平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成23年12月28日~平成24年2月20日          │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。                           │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  農林部                             │ │         (平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成24年1月4日~平成24年2月20日            │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 適正な財務会計事務の執行について                      │ │   岐阜市予算規則第13条第1項では、使用料及び賃借料に係る支出負担行為とし  │ │  て整理する時期は「契約を締結するとき」と規定されている。           │ │   しかしながら、岐阜市畜産センター多目的広場の用地に係る平成23年4月1日  │ │  から平成24年3月31日までの土地賃貸借契約が平成23年4月1日に締結され  │ │  ているにもかかわらず、平成23年10月3日に至るまで、支出負担行為書が起案  │ │  されていなかった。                              │ │   今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。  │ │                                         │ │ 2 交通事故の防止について                           │ │   平成23年7月及び11月、公用自動車による自損事故が2件発生し、修繕料1  │ │  13,652円が支払われた。                         │ │   職員の交通事故防止の一層の徹底を図られたい。                │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │  監査の対象  福祉部                             │ │         (平成23年度4月~11月分 必要に応じて平成22年度分)   │ │                                         │ │  監査の期間  平成24年1月4日~平成24年2月20日            │ │                                         │ │  証拠書類の一部を抽出して、関係諸帳簿と照合したところ、おおむね適正に処理さ  │ │ れているものと認められた。しかしながら、次のような事項が見受けられたので、改  │ │ 善に努められたい。                               │ │  なお、軽微な事項については、別途指示した。                  │ │                                         │ │ [指導事項]                                  │ │ 1 未収金の回収について                            │ │   保育所運営費負担金の過年度未収金は、平成23年11月末現在で50,940, │ │  995円であり、前年同月比4,544,965円の増となっている。       │ │   また、母子寡婦福祉資金貸付金の過年度未収金は、平成23年11月末現在で8  │ │  7,561,395円であり、前年同月比6,590,754円の増となっている。 │ │   更に、介護保険料の滞納繰越分に係る収入未済額は、平成23年11月末現在で  │ │  159,406,450円であり、前年同月比5,408,240円の減となって  │
    │  いるものの、なお、相当額の未収金が残存している。               │ │   加えて、後期高齢者医療保険料の滞納繰越分に係る収入未済額は、平成23年1  │ │  1月末現在で31,004,310円であり、前年同月比4,792,310円の  │ │  増となっている。                               │ │   電話催告、夜間の自宅訪問による納付指導などの徴収努力がなされているが、更  │ │  なる回収体制の強化を図り、収入未済額の減少に努められたい。          │ │   また、現年度分についても滞納繰越を生じないよう努力されたい。        │ │                                         │ │ 2 適正な財務会計事務の執行について                      │ │   岐阜市予算規則第13条第1項では、負担金、補助及び交付金にかかる支出負担  │ │  行為として整理する時期は「指令をするとき」と規定されている。         │ │   しかしながら、平成23年8月5日付けで指令が発出されている介護保険施設等  │ │  整備費補助金について、平成23年12月13日に至るまで、支出負担行為書が起  │ │  案されていなかった。                             │ │   同様に、平成23年10月3日付けで指令が発出されている介護保険施設等整備  │ │  費補助金について、平成23年12月26日に至るまで、支出負担行為書が起案さ  │ │  れていなかった。                               │ │   今後は、岐阜市予算規則を遵守し、適正な財務会計事務の執行に努められたい。  │ │                                         │ │ 3 交通事故の防止について                           │ │   平成23年6月に、公用自動車による自損事故が発生し、修繕料180,211  │ │  円が支払われた。                               │ │   職員の交通事故防止の一層の徹底を図られたい。                │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │            平成23年度 工事監査結果報告書             │ │                                         │ │ 1 監査の対象                                 │ │   第二・第三恵光学園共同生活棟建築主体工事(福祉部所管)           │ │                                         │ │ 2 監査の期間                                 │ │   平成23年10月21日から平成24年2月20日まで             │ │                                         │ │ 3 監査の方法                                 │ │   平成23年度において施工中の工事のうち、建築工事1件を抽出して、工事の計  │ │  画、調査、設計、仕様、積算、契約、施工、管理監督、試験、検査等が適正かつ効  │ │  率的に執行されているかについて、現地監査を平成24年1月26日に執行すると  │ │  ともに、関係職員に対して説明を求めた。                    │ │   なお、工事技術面の調査については、社団法人 大阪技術振興協会との工事技術  │ │  調査業務委託契約に基づき、技術士の派遣を求め、書類調査及び現場施工状況調査  │ │  を行った。                                  │ │                                         │ │ 4 技術士の「総評」「所見」の概要                       │ │ (1)総評                                   │ │   本工事は、低入札工事であるが、各種届出書や施工計画など、工事着手前、工事  │ │  中の書類は分かりやすく整備されていた。また、工事の出来映えも良く、場内及び  │ │  建築工事状況も整然としており、確実な工事監理が行われ、品質に問題はないと見  │ │  受けられる。                                 │ │   しかしながら、一部、施工計画書の日付がなかったことや、文書や記録として残  │ │  しておきたい事項があることを確認した。                    │ │   実際の監理は、適正に行われているので、その証拠としても文書、記録を確実に  │ │  残されたい。また、工事現場における掲示物に軽微な改善の余地があり、速やかに  │ │  改善されたい。                                │ │   これから工期末に向かい、今以上の工事監理の徹底指導を行い、施設関係者等を  │ │  はじめ第三者災害の防止及び工事の無事故、無災害での完成をお願いする。     │ │ (2)所見                                   │ │  ア 書類調査における所見                           │ │  (ア)施工に関する書類                            │ │   a 工程表管理                               │ │     施工計画時に実施工程表が提出され、整備されていた。           │ │     工程表の管理については、毎週の定例打合せ及び月末に、月間工程表の提出  │ │    をもって受注者から履行報告を受けているが、その記録である「定例会議議事  │ │    録」には、履行報告の記録は確認できなかった。               │ │     工事の進捗確認は、最低月1回書面による履行報告を提出させ、工事監理の  │ │    適切性の証明としても記録を確実に残されることが望まれる。         │ │   b 施工計画書                               │ │     総合施工計画書及び各工種の施工計画書は、漏れなく提出されていたが、提  │ │    出された日付が確認できなかった。                     │ │     施工計画書は、受注者と監督員が行う施工に関する申し合わせ事項である。  │ │    提出日が記載されていないと、監督員として監理プロセスを確実に実施したか  │ │    疑念が生じるおそれがあり、施工監理の面で改善の余地がうかがえる。     │ │                                         │ │  (イ)安全管理に関する書類                          │ │     本工事は、約81.0%の出来高であり、電気設備工事、機械設備工事の別  │ │    発注工事が、同一の作業場所で行われていた。                │ │     労働安全衛生法第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)第2項の措置  │ │    として、受注者のうちから「統括安全衛生管理義務者」を指名し、義務者が講  │ │    ずべき措置をしている実態はあったが、書面による通知及び記録がなかった。  │ │     工事の終盤ではあるが、「統括安全衛生管理義務者」の指名を書面で通知し、 │ │    また講ずべき措置を実施した記録を残すことを指導されたい。         │ │                                         │ │  (ウ)工事別検査事項に関する書類                       │ │     工場検査(鉄骨製作)の状況は工事写真で確認したところ、工事監督員及び  │ │    工事監理者が立会を行っており、適正であった。               │ │     鉄骨工事の中間検査については、「岐阜市建築工事特記仕様書(1)1章一  │ │    般共通事項24.中間検査」では、以下のとおり規定している。         │ │                                         │ │     工事施工途中における検査は、岐阜市建設工事検査要領により、実施する段  │ │    階は下記によるものの、監督権者及び工事検査室長が必要と認める場合に実施  │ │    するものとする。                             │ │     (1)契約約款第33条(部分使用)による場合              │ │     (2)躯体工事(基礎及び基準階の配筋並びに仮枠完了時)         │ │     (3)鉄骨工事(建方完了時)、木造工事(屋根工事完了時)        │ │     (4)電気・機械設備工事については構造物躯体完了            │ │                                         │ │     請負工事金額等から、本工事は中間検査を実施する工事には該当しないとい  │ │    うことであるが、その内容について、受注者へ書面による「通知」または、   │ │    「指示」を行っていないということである。                 │
    │     特に鉄骨工事は、完成した後からはその品質を確認できないため、今回の鉄  │ │    骨工事の中間検査をはじめ特記仕様書で規定した内容について行わないと判断  │ │    が下された場合は、文書または記録により残すことが望まれる。        │ │                                         │ │  イ 現場施工状況調査における所見                       │ │    作業主任者の氏名及び作業主任者に行わせる事項の掲示がなかったため、受注  │ │   者に確認したところ、足場及び型枠支保工の作業主任者が指名され、その職務を  │ │   実行しているとのことである。                        │ │    労働安全衛生規則第18条では「事業者は、作業主任者を選任したときは、当  │ │   該作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示す  │ │   る等により関係労働者に周知させなければならない。」と規定している。     │ │    作業主任者の氏名及び職務内容について、作業場の見やすい箇所に掲示する等  │ │   関係者に周知させる処置を行わせるよう指導されたい。             │ │                                         │ │ 5 監査の結果                                 │ │   技術士の総評及び所見を踏まえ、監査を実施した結果、対象とした工事は、おお  │ │  むね適正に執行されているものと認められた。                  │ │   なお、軽微な事項については、別途指示した。                 │ │                                         │ │ 対象とした工事の概要                              │ │  第二・第三恵光学園共同生活棟建築主体工事                   │ │                                         │ │ (1)工事場所 岐阜市西島町4番24号                     │ │ (2)工事内容                                 │ │   第三恵光<施設入所支援>利用者のうち、地域生活移行を目指すものが訓練を行  │ │  うため、共同生活棟を建設する。                        │ │    A棟 敷地面積442.31m2 鉄骨造平屋 149.29m2         │ │       建築面積151.15m2 延べ面積  149.29m2         │ │       準耐火建築物                            │ │    B棟 敷地面積256.01m2 鉄骨造平屋 149.29m2         │ │       建築面積151.15m2 延べ面積  149.29m2         │ │       準耐火建築物                            │ │    フェンス・門扉設置工事      一式                  │ │ (3)設計委託  創建設計株式会社                       │ │ (4)施工監理  委託(株式会社岐創設計)                   │ │ (5)工事費   請負金額 41,685,000円               │ │          (消費税及び地方消費税を含む)                │ │ (6)入札    平成23年9月7日                      │ │          一般競争入札(総合評価落札方式 特別簡易型)         │ │          (入札参加数 7者、うち失格1者、辞退2者、入札回数 1回) │ │ (7)工期    平成23年9月7日~平成24年3月8日            │ │ (8)受注者   松永建設株式会社                       │ │          現場代理人、主任技術者:林 勲(資格:一級建築施工管理技士) │ │          主任技術者:小野島 猛(資格:二級建築士)          │ │ (9)工事進捗率 計画出来高83.0% 実施出来高81.0%          │ │          (平成24年1月24日現在)                 │ │ (10)工事監督員 総括監督職員                         │ │           まちづくり推進部 公共建築課                │ │           主査 岩田 信吾                      │ │          一般監督職員                         │ │           まちづくり推進部 公共建築課                │ │           副主任 山口 高史                     │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘                  平成23年度               岐阜市包括外部監査報告書                岐阜市包括外部監査人                  桑 原 雅 行                   目  次 第1章 総論……………………………………………………………………………………  1 第1 包括外部監査の概要……………………………………………………………………  1 1 外部監査の種類……………………………………………………………………………  1 2 選定した特定の事件………………………………………………………………………  1 3 事件を選定した理由………………………………………………………………………  1 4 外部監査の方法……………………………………………………………………………  2 5 外部監査の期間……………………………………………………………………………  3 6 外部監査人…………………………………………………………………………………  3 7 利害関係……………………………………………………………………………………  4 第2 報告書の構成と指摘及び意見…………………………………………………………  4 1 報告書の構成について……………………………………………………………………  4 2 監査の指摘及び意見について……………………………………………………………  5 第2章 負担金、補助金及び交付金の概要…………………………………………………  5
    第1 負担金、補助及び交付金の定義………………………………………………………  5 第2 補助金等の明確な区分について………………………………………………………  9 第3 歳出に対する補助金等の割合の推移…………………………………………………  11 第4 補助金等の款別の推移…………………………………………………………………  12 第5 監査対象としたサンプルについて……………………………………………………  14 第6 岐阜市補助金等の改革…………………………………………………………………  15 1 補助金等をめぐる改革の流れ……………………………………………………………  15 2 現在の補助金等の見直しシステム………………………………………………………  16 第7 補助金等の交付までの流れ……………………………………………………………  17 第3章 指摘及び意見の一覧表………………………………………………………………  21 第4章 外部監査の指摘及び意見(総論)…………………………………………………  49 第1 補助金等に関する関係規程等の整備について………………………………………  49 第2 事務事業評価の改善について…………………………………………………………  51 第3 補助金等見直し方法の改善について…………………………………………………  55 第4 各種委員会等に対する負担金等の問題点について…………………………………  58 第5 旧柳津町に関する補助金等について…………………………………………………  61 第6 政務調査費について……………………………………………………………………  62 第5章 外部監査の指摘及び意見(各論)…………………………………………………  66 環境事業部 (1)岐阜羽島衛生施設組合の事務組合負担金の交付事務について……………………  66 議会事務局 (1)政務調査費について……………………………………………………………………  68 企画部 (1)岐阜市コミュニティバス運行補助金の交付事務について…………………………  83 (2)バス路線(維持)補助金の交付事務について………………………………………  86 基盤整備部 (1)加入団体負担金の交付事務について…………………………………………………  87 教育委員会事務局 (1)岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金    の交付事務について …………………………………………………………………  93 (2)岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金の交付事務について……………………  95 (3)岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金の交付事務について………………………  96 (4)岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金    の交付事務について …………………………………………………………………  97 (5)岐阜市私学振興補助金の交付事務について…………………………………………  99 (6)岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金    の交付事務について ………………………………………………………………… 100 (7)国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金    の交付事務について ………………………………………………………………… 103 (8)特別展「洛中洛外図に描かれた世界」にかかる開催負担金    の交付事務について ………………………………………………………………… 105 (9)自治公民館 建設・修理事業に係る補助金の交付事務について………………… 106 健康部 (1)岐阜市医師会准看護学校補助金の交付事務について……………………………… 108 (2)公衆浴場経営安定化対策費補助金の交付事務について…………………………… 112 自然共生部 (1)斎苑周辺整備事業補助金の交付事務について……………………………………… 115 (2)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金等の交付事務について…………………… 117 (3)都市美化推進連絡協議会補助金の交付事務について……………………………… 122 市民参画部 (1)岐阜市自治会連合会運営費補助金の交付事務について…………………………… 124 (2)岐阜市自治会連絡協議会補助金の交付事務について……………………………… 127 (3)地域力創生事業補助金の交付事務について………………………………………… 128 (4)長良川薪能実行委員会負担金の交付事務について………………………………… 131 市民生活部 (1)岐阜市防犯協会補助金の交付事務について………………………………………… 135 (2)交通安全活動推進団体補助金の交付事務について………………………………… 136 (3)街角トワイライト整備補助事業補助金の交付事務について……………………… 139 商工観光部 (1)商店街街路灯等電灯料補助事業の交付事務について……………………………… 142 (2)岐阜市空き店舗等活用事業補助金の交付事務について…………………………… 145 (3)ファッション産業人材育成(ファッションセミナー)負担金    の交付事務について ………………………………………………………………… 148 (4)産地織物活性化事業補助金の交付事務について…………………………………… 151 (5)観光タクシー運営補助金の交付事務について……………………………………… 155 (6)岐阜観光コンベンション協会運営負担金の交付事務について…………………… 157 (7)岐阜フラッグアート展の補助金の交付事務について……………………………… 160 (8)岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金の交付事務について…………… 162 (9)社団法人岐阜市シルバー人材センター運営補助金    の交付事務について ………………………………………………………………… 165 (10)岐阜商工会議所経営改善普及事業補助金の交付事務について ………………… 168 (11)柳津町商工会事業補助金の交付事務について …………………………………… 170 (12)岐阜市若年者・中高年齢者・障害者雇用促進奨励金の    交付事務について …………………………………………………………………… 173 (13)金華山国有林保護管理協議会に対する負担金の交付事務について …………… 175 消防本部 (1)岐阜市消防団維持運営費負担金の交付事務について……………………………… 178 (2)岐阜市女性防火クラブ運営協議会補助金の交付事務について…………………… 181 (3)岐阜市女性防火クラブ補助金の交付事務について………………………………… 182 都市建設部 (1)問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金    の交付事務について ………………………………………………………………… 184 (2)柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金    の交付事務について ………………………………………………………………… 187 (3)フローラリー岐阜開催負担金の交付事務について………………………………… 188 (4)民有地緑化推進助成金事業補助金の交付事務について…………………………… 190 (5)加入団体負担金の交付事務について………………………………………………… 191 農林部 (1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業等補助金の交付事務について……………… 193 (2)県営土地改良事業負担金等の交付事務について…………………………………… 196 (3)長良川下流域魚族保護対策協議会負担金の交付事務について…………………… 200 福祉部 (1)地区敬老会運営費補助金の交付事務について……………………………………… 203 (2)岩戸サンホーム運営費補助金の交付事務について………………………………… 207 (3)ふれあいのまちづくり事業補助金の交付事務について…………………………… 209 (4)岐阜市老人クラブ補助金の交付事務について……………………………………… 210 (5)岐阜市高齢者在宅生活援助員派遣事業補助金の交付事務について……………… 214
    (6)障害児保育円滑化事業補助金の交付事務について………………………………… 217 (7)モデル保育所事業補助金の交付事務について……………………………………… 219 (8)岐阜市交通遺児援護事業の補助金の交付事務について…………………………… 222 (9)岐阜市社会福祉協議会運営補助金の交付事務について…………………………… 224 (10)岐阜市福祉医療助成事業協力費補助金の交付事務について …………………… 229 (11)岐阜市民生委員児童委員協議会運営費補助金    の交付事務について ………………………………………………………………… 232 まちづくり推進部 (1)歴史的建造物群景観形成助成制度の補助金の交付事務について………………… 236 (2)木造住宅に係る住宅耐震補強工事事業の補助金の交付事務について…………… 237 (3)特定建築物耐震補強工事事業の補助金の交付事務について……………………… 239 薬科大学 (1)岐阜薬科大学 共同研究交付金の交付事務について……………………………… 241 (2)岐阜薬科大学受託研究交付金の交付事務について………………………………… 243 (3)岐阜薬科大学科学研究費間接経費交付金の交付事務について…………………… 245 柳津地域振興事務所 (1)物流機能サポート事業補助金の交付事務について………………………………… 248               包括外部監査の結果報告書 第1章 総論 第1 包括外部監査の概要 1 外部監査の種類   地方自治法第252条の37第1項に基づく包括外部監査 2 選定した特定の事件 (1)外部監査対象   補助金等の事務の執行等について (2)外部監査対象期間   平成22年度(必要に応じて平成23年度、または過年度に遡及する。) 3 事件を選定した理由   今回の包括外部監査の対象である「補助金等」は、政策目標を達成する有効な手段  として機能すべきものであるが、これに必要な予算は岐阜市の財政において相当程度  の割合を占めている。  包括外部監査の導入の目的   外部監査制度は、外部の専門家の監査により地方公共団体の監査機能を強化し、監  督機能に対する住民の信頼を高める事を趣旨として地方自治法の改正により創設さ  れた制度である。   その目的は、地方自治法第252条の27において外部監査契約の内容が「地方自治  法第2条第14項又は第15項の規定の趣旨を達成するため」とあることから、「住民  の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げる(第2条14項よ  り抜粋)」ことと「組織及び運営の合理化に努めるとともに、・・・規模の適正化を図  る(第2条15項より抜粋)」ことであるといえる。   補助金等は、住民の福祉を増進する有効な手段として機能すべきものであり、その  合理的な運営は財政に与える影響から考えても十分検討に値する。  岐阜市の財政をめぐる概況   現在の厳しい経済環境の中、構造的に歳入は縮小する一方で、少子高齢化の進展に  よる医療・介護などの社会保障費の歳出は拡大する傾向となっている。このような状  況において現在の行政サービスを維持することは困難であり、行政サービスの選択と  集中を図る必要が認識されている。   補助金等については一旦支出すると削減しにくいという性格があり、過去から数々  の改革が実施され、補助金見直しシステム等が整備されている。しかし多数の補助金  について、外部からの検討が行われることは仕組み上困難な状況であり、包括的に外  部の第三者の視点で検討することは意味のあることと考えられる。  過去の包括外部監査との関係   平成13年度の包括外部監査においては「岐阜市の補助金について」が取り上げら  れているが、今回のテーマ選定にあたり10年余りが経過しており、その間の環境変  化は大きなものとなっている。また平成18年1月1日には旧柳津町と岐阜市が合併  し、前回の包括外部監査においては全く検討されていない範囲の拡大があったことか  ら、再度テーマに選定しても重複等の問題は生じないと考えられる。   以上から、補助金等を対象にした事務の執行状況全般を外部の専門家の視点で包括  的に、かつ、できるだけ詳細に検討し、補助金等の抱える諸問題と岐阜市の現状に対  する何らかの処方箋を提示することを目的として、今回の事件に「補助金等に関する  事務の執行等について」を選定した。  4 外部監査の方法   (1)監査の対象    1)監査の対象とした費目     「補助金」を中心に、「負担金」・「交付金」を監査の対象とした。    2)監査の対象とした部署      監査対象とした補助金は、一般会計の補助金(企業会計補助金を除く)のう     ち、300万円以上全件及び300万円未満のものについては、外部監査人の判断     により任意抽出しており、監査対象として抽出された部署は、次のように広範     囲な部署となっている。      環境事業部        議会事務局      企画部          基盤整備部      ぎふ清流国体推進部    教育委員会事務局      健康部          工事検査室      財政部          自然共生部      市民参画部        市民生活部      商工観光部        消防本部      都市建設部        農林部      福祉部          まちづくり推進部      薬科大学         柳津地域振興事務所   (2)監査の方法    1)監査の要点     1公益性      公益上必要と認められるものが、補助金等の対象となっているか。     2合規性      補助金等の申請、交付等の手続きは、補助金等の交付規則や要綱等に定める     手続きに従っているか。     3経済性
         最も少なく安価な人財投入であるか。     4効率性      人財投入により最大限の効果をあげているか。     5有効性      人財投入は、住民福祉、公共目的に適合しているか。    2)主な監査手続     今回の監査は、補助金等を包括的に、かつ、できるだけ詳細に検討することを    目指しているため対象の抽出基準があまり高額にならないように配慮した。一定    の抽出基準以下の対象についてはアンケート結果を検討し問題がある可能性が    高いと判断された対象について任意抽出により監査対象に追加した。     また補助金等は岐阜市の事務事業であり、その有効性は上位に位置する施策と    の関連が問題となる。施策は各部署において決定されているため、まず部署を単    位として監査の対象を区分し統一的に有効性を検討するために監査担当者を配    置し監査手続を適用した。     具体的には、選定した部署に対し監査要点を踏まえたヒアリング及び資料の閲    覧を実施し、質疑応答を繰り返し実施した。  5 外部監査の期間    平成23年6月9日から平成24年2月29日まで  6 外部監査人    岐阜市包括外部監査人 桑原雅行 (公認会計士)      同補助者     豊田裕一 (公認会計士)      同補助者     服部誠司 (公認会計士)      同補助者     井上 学 (公認会計士)      同補助者     高橋英明 (公認会計士)      同補助者     石井 卓 (公認会計士)      同補助者     江尾和俊 (公認会計士)      同補助者     山田裕亮 (公認会計士試験合格者)      同補助者     草田薫之 (公認会計士試験合格者)      同補助者     大久保等 (弁 護 士)      同補助者     別所大介 (システム監査技術者) 7 利害関係   地方自治法第252条の29の規定により記載すべき利害関係はない。 第2 報告書の構成と指摘及び意見 1.報告書の構成について   報告書の構成は以下のとおりである。   第1章 総論 選定した事件、その選定理由、外部監査の方法等の包括外部監査          の概要について、報告書の構成と指摘及び意見について   第2章 負担金、補助金及び交付金の概要   第3章 指摘及び意見の一覧表   第4章 外部監査の指摘及び意見(総論)   第5章 外部監査の指摘及び意見(各論)    第2章 負担金、補助金及び交付金の概要では負担金、補助金及び交付金の定   義を検討し、補助金等の歳出に占める割合がどの程度であるか把握することによ   りその重要性を認識し、監査対象とした補助金等の範囲及びその内、サンプルと   して抽出した基準を示している。    また、岐阜市の補助金改革のこれまでの流れ及び現在の補助金等の見直しシス   テムの状況の把握をしている。    さらに、補助金等の交付の流れを理解するため、「岐阜市補助金等交付規則」   に基づき、補助金等を交付するために必要とされる手続を記載し、重要な部分に   は解説を施している。    第3章 指摘及び意見の一覧表では外部監査の指摘及び意見の総論、各論につ   いてその内容を要約することにより、簡便な内容把握に資するために用意した。    第4章 外部監査の指摘及び意見(総論)では、岐阜市の補助金等について第   5章 外部監査の指摘及び意見(各論)で個別具体的に把握された指摘及び意見   をもとに特に重要な事項を全体的な指摘及び意見として取りまとめている。    第1 補助金等に関する関係規程等の整備について、第2 事務事業評価の改   善について、第3 補助金等見直し方法の改善について、第4 各種委員会等に対   する負担金等の問題点について、第5 旧柳津町に関する補助金等について、第6   政務調査費についてを記載している。    第5章 外部監査の指摘及び意見(各論)では各補助金等の監査の結果を個別・   具体的に記載している。第4章 外部監査の指摘及び意見(総論)で記載した全   体的な指摘及び意見の具体的な根拠となる。    補助金等の担当課別に、その担当課が管理している事業の名称、補助金等の開   始年度、根拠条例・要綱等、補助金の内容、金額の算定方法、事務事業評価の有   無及び結果、補助金等の金額の過去5年分の推移等を確認した上で、指摘及び意   見のある補助金等について監査した結果を記載した。 2.監査の指摘及び意見について    本報告書においては,監査をしていく中で、(指摘)と(意見)に分けて記載した。   (指摘)とは監査の結果、改善の必要性があると認めた事項である。   主に、法令、条例、規則、規程、要綱等に抵触する事項で、不適切な事務の是正  を求めるもの及び監査の要点(1公益性、2合規性、3経済性、4効率性、5有効性)  の観点から、改善を求めるものである。   (意見)とは(指摘)には該当しないが、組織及び運営の合理化の観点から改善  が望まれるとされたものである。 第2章 負担金、補助金及び交付金の概要 第1 負担金、補助及び交付金の定義  負担金、補助及び交付金(以下,補助金等という)の定義、具体的な分類は岐阜市が 作成している「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」によれば 次のとおりである。 1 負担金 (1)定義  「負担金」とは、法令又は契約等によって、地方公共団体が負担することになる経費
    をいうが、具体的には、これに区分されて支出されるものには、次のようなものが含ま れている。   1) 特定の事業について、地方公共団体が当該事業から特別の利益を受けることに     対して、その事業に要する経費の全部又は一部の金額を負担するもの   2) 一定の事業等について、財政政策上又はその他の見地からその事業等に要する     経費の負担割合が定められているときに、その負担区分により負担するもの     (国と地方公共団体間及び地方公共団体相互に見られる負担関係がこれにあた     る。)   3) 地方公共団体が任意に各種団体を構成している場合、その団体の必要経費に充     てるため、構成各団体が取り決められた費用を負担するものなど (2)具体的な分類 ┌─────────┬──────────────────────────────┐ │   細節    │              説明              │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │事務組合負担金  │ 地方公共団体が設置する一部事務組合に対する負担金     │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │県営事業負担金  │ 都道府県の実施する事業の必要経費について、その「受益   │ │         │の限度」において支出する負担金(地方財政法第27条など)   │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │医療費負担金   │ 関係法令に基づいて医療保険や公費負担医療に係る事務    │ │         │(診療報酬事務など)に対する負担金・特定疾患等の医療費   │ │         │に対する負担金                       │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │拠出金      │ 特定の事務事業や保険給付などのために、その運営組織と   │ │         │して、相互扶助的に拠出するもの               │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │保険給付費    │ 公的保険において、利用者負担額が超過した場合などに支   │ │         │給される保険負担金                     │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │建設負担金    │ 公共施設の設置などにより著しく利益を受ける場合など、   │ │         │その建設経費に対する負担金                 │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │開催負担金    │ 地方公共団体がその構成員として、加入している団体が開   │ │         │催する行事などに対する負担金                │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │出席負担金    │ 各種研修や会合などへの出席に対する負担金         │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │加入団体負担金  │ 地方公共団体がその構成員として、加入している団体の運   │ │         │営などに対する負担金                    │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │企業会計負担金  │ 地方公営企業に対し、受益者負担の原則になじまない経費   │ │         │について地方公共団体の一般会計又は他の特別会計から支    │ │         │出する負担金(地方公営企業法第17条の2)           │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │維持補修負担金  │ 公共施設などの維持補修に係る経費に対する負担金      │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │扶助的負担金   │ その他社会保障給付的な負担金               │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │諸負担金     │ 上記の分類に該当しないその他の負担金           │ └─────────┴──────────────────────────────┘  「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」5ページによれば、 以下のとおり負担金の支出の留意点を記載している。 「・・・法令等で負担が義務づけられている経費にあっては、本来、個々事業毎に判断 されるべき「必要性」や「効果(受益)」の適否の判断がないがしろになりがちで、公 金の支出として、いわゆる「超過負担」となってしまう問題がある。・・・ ・・・任意の負担金の場合は、内容が明確でない団体や行事などに対して、その維持運 営や開催などのための負担金という名目で、漫然と負担金が支出され続ける例も多い。 よって、これらについては、予算編成の際などに十分検討を加えて、相手方と協議のう え、常に適切な見直しを図っていくべきである。特に、任意団体やその行事に対する負 担金については、一度支出してしまうと、それが実績となり一種の既得権のごとく、そ の団体や行事が廃止となるまで、なかなか断ち切れないものである。・・・ ・・・負担金を支出する団体や行事の収支について、使途が曖昧な支出を見過ごしたり、 過大な繰越金や予備費があるにも関わらず、漠然と一定の負担金を義務的経費のごとく 支出し続けることは、適切な公金の支出とは言えない。・・・ ・・・予算編成時から、近数ヵ年の収支を分析し、次年度の必要経費を丁寧に積み上げ、 メリハリのある負担金とすることは、近時、非常に厳しい財政状況が続いていることも あり、他の構成団体にも受け入れられ、何よりも市民への説明に適うものである。・・・ ・・・職員が、任意団体の事務局職員としての兼任するような行政内部に事務局を置く 団体に対する負担金は、それに従事すべき者が同一であるがゆえに、例えば負担金の対 象として物品購入費などがある場合、それが「本来の行政事務に要する経費」なのか「任 意団体の活動に要する経費」なのかを混同しがちであるので、一層の注意が必要である。 ・・・さらに、一例として、消防団の円滑な運営を図るため、法令に基づき市町村が必 要経費を負担すべきものもあるが、たとえ、負担金を受ける相手先が、組織機構上、同 種の内部機関であっても、当該負担金が適切に使途されているかは厳格に監視すべきで ある。・・・」 2 補助金 (1)定義  一般的には、「補助金」とは、特定の事業、研究等を育成、助長するために、地方公 共団体が、公益上必要があると認めた場合に対価なくして支出する経費をいう。  補助金を支出するにあたっては、規則(本市では「岐阜市補助金等交付規則」)、要綱 又は規程等を制定し、その手続きを明確にすることによって、適正な公金の支出を担保 するのが普通であるし、またそのことが望まれる。 (2)具体的な分類 ┌─────────┬──────────────────────────────┐
    │   細節    │              説明              │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │互助会補助金   │ 地方公共団体で任意に設置している職員互助会に対する補助金 │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │開催補助金    │ 公益又は政策上の必要から各種団体が開催する行事などに対する│ │         │補助金                           │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │建設補助金    │ 公共性の高い施設などの建設経費に対する補助金       │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │医療費補助金   │ 公益又は政策上の観点から特定疾患等の医療費に対する補助金 │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │企業会計補助   │ 地方公営企業に対し、災害の復旧その他特別の理由により地方公│ │金        │共団体の一般会計又は他の特別会計から支出する補助金(地方公営│ │         │企業法第17条の3)                      │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │扶助的補助金   │ 社会保障給付的な補助金                  │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │旅費補助金    │ 公益又は政策上、必要な活動のため、それに要する旅費に対する│ │         │補助金                           │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │団体事業補助   │ 公益の増進を図ることを目的とする団体の事業などに対する補助│ │金        │金(私立保育園に対する補助金など)             │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │団体育成補助   │ 公益性の高い事業を実施する団体の育成を主たる目的とした補助│ │金        │金                             │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │諸補助金     │ 上記の分類に該当しないその他の補助金           │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │利子補給金    │ 資金の融資を受けて行う事務事業の助成・育成のために、当該融│ │         │通資金に係る利息の全額又は一部に相当する額を、相当の反対給付│ │         │を受けないで給付するもの                  │ └─────────┴──────────────────────────────┘ 3 交付金 (1)定義  「交付金」とは、法令又は条例、規則等により、団体又は組合等に対して地方公共団 体の事務を委託している場合において、当該事務処理に対する報償として支出するもの である。 (2)具体的な分類 ┌─────────┬──────────────────────────────┐ │   細節    │              説明              │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │支援費交付金   │ 例えば、老人福祉法や児童福祉法など各法律により定められ  │ ├─────────┤た措置施設の運営などに対して、措置権者である都道府県又は  │ │医療費交付金   │市町村が交付するものなど                  │ ├─────────┤                              │ │措置費交付金   │                              │ ├─────────┤                              │ │運営費交付金   │                              │ ├─────────┼──────────────────────────────┤ │交付金      │ 上記の分類に該当しないその他の交付金・納付金       │ ├─────────┤                              │ │納付金      │                              │ └─────────┴──────────────────────────────┘ 第2 補助金等の明確な区分について  以上、定義等を記載したが補助金等は、いずれも歳出科目の19節「負担金、補助及 び交付金」に含まれる。そのため、それぞれ性格が異なり事務の執行においても取り扱 いが異なるものが19節には全てが含まれた状態になっている。  この点、国の補助金を規定する「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」 (以下、「補助金等適正化法」という)においては取り扱いが異なっている。同法第2 条においては、補助金と負担金を明確に規律の対象と規定しているために両者の区分が 特別の意味を持たない。  現在定められている岐阜市補助金等交付規則は、明らかに同法を規範に制定された ものであるが、規律の対象範囲が同法と異なるために、補助金等の明確な区分を行う事 は重要な問題になっている。 「補助金等適正化法」の定義 第2条 この法律において「補助金等」とは、国が国以外の者に対して交付する次に掲 げるものをいう。  一 補助金  二 負担金(国際条約に基づく分担金を除く)  三 利子補給金  四 その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの 「岐阜市補助金等交付規則」の定義 第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定め るところによる。 (1)補助金等 本市が交付する補助金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない 給付金をいう。  以上のように、両者の明確な違いは規律の対象に「負担金」が含まれるか否かであ ることが分かる。岐阜市は地方公共団体であり、国とは補助金等に対する取り扱いを一 致させる必然性はないが、岐阜市補助金等交付規則を制定した際に国の補助金等に関す る取り扱いをモデルとしたにも関わらず負担金に対する取り扱いをなぜ異にしたのか は明確ではない。  地方自治法においては第232条の2に補助金に関する根拠規定があるのみで、負担 金、交付金については、直接にその支出に関する根拠規定はなく不明確な点が、そのま ま残されている。  実際、補助金等に関して岐阜市における種々の取り扱いを大きく比較してみると以 下のような相違点が認められる。 1 補助金等を直接規律する規則があるかという点の相違   補助金・・・「補助金見直し基準」、「岐阜市補助金等交付規則」が定められている。   交付金・・・「岐阜市補助金等交付規則」の解釈により「その他相当の反対給付を         受けない給付金」に含まれると判断される場合は、同規則の規制対象
            となる。それ以外の場合は直接規制する規則はない。   負担金・・・事務の決裁区分は定められているが、直接規制する規則はない。 2 事務事業評価及び情報公開が行われているかという点の相違   補助金・・・一定の基準により選定された事務事業については実施されている。   交付金・・・裁量の余地が働く事業については事務事業評価が実施され、情報公開         がおこなわれる場合がある。補助金とは選定基準が異なる。   負担金・・・同上 3 事務事業の見直しが行われているかという点の相違   補助金・・・「補助金見直しシステム」があり、更に事業仕分けの対象事業になれ         ば見直しが実施される。   交付金・・・事業仕分けの対象事業になれば見直しが実施される。   負担金・・・同上  補助金と負担金の違いは、補助金が公益的な必要性によって支出されるのに対し、負 担金は市の受益に対する対価として支出される点にあるが、受益の対価のとらえ方によ って明確な区分がしにくい場合もありうる。また、交付金についても解釈によって「岐 阜市補助金等交付規則」の対象となりうる場合と、そうでない場合もあり、ここにも必 ずしも明確でない取り扱い上の差異が生じる可能性がある。  このように本来性格の異なる項目が微妙な判断によって一度、特定の科目と決定され れば、上記のような各種の取扱上の相違が生じうるのが現在の状態であると判断される。 第3 歳出に対する補助金等の割合の推移  補助金等は、岐阜市の財政において相当程度の割合を占めている。過去5年間におけ る補助金等の歳出合計に占める割合を計算すると、下記のとおりとなる。  補助金等の金額は「歳入歳出決算附属書類」の一般会計の節19負担金補助及び交付 金を集計することにより計算した。ただし、企業会計補助金は監査対象外としているた め補助金等から除いている。                                             (単位:千円) ┌─────────┬───────┬───────┬───────┬───────┬───────┐ │  一般会計   │ 平成18年度 │ 平成19年度 │ 平成20年度 │ 平成21年度 │ 平成22年度 │ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │補助金等     │  10,918,099│   8,608,979│  10,593,257│  18,673,653│  12,086,421│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │歳出合計     │  128,141,144│  131,545,844│  130,699,802│  147,624,295│  154,274,023│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │補助金等÷歳出合計│     8.5%│     6.5%│     8.1%│     12.6%│     7.8%│ └─────────┴───────┴───────┴───────┴───────┴───────┘  補助金等と歳出合計をグラフで示すと、以下のとおりとなる。  補助金等の過去5年間の推移より、平成20年度と平成21年度とを比較すると 8,080,397千円増加していることが分かる。その主な理由は、定額給付金給付事業費 6,360,220千円の支出及び市街地再開発事業費が1,043,486千円増加したためである。  定額給付金給付事業費は、平成21年度のみに支出された国の決定に基づく支出であ り例外的なものである。  市街地再開発事業費は、第一種市街地再開発事業補助金であり、多額の資金を要す るため、岐阜市の財政に及ぼす影響は大きい。 第4 補助金等の款別の推移  補助金等が、岐阜市の担当課別にいくら支出されているかを把握するため、款別の 補助金等の過去5年間の推移表を下記のとおり作成した。  「第2 歳出に対する補助金等の割合の推移」と同様に補助金等の金額は「歳入歳出 決算附属書類」の一般会計の節19負担金補助及び交付金を集計することにより計算し た。ただし、企業会計補助金は、監査対象外としているため補助金等から除いている。                                             (単位:千円) ┌─────────┬───────┬───────┬───────┬───────┬───────┐ │         │ 平成18年度 │ 平成19年度 │ 平成20年度 │ 平成21年度 │ 平成22年度 │ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │衛生費      │   1,331,131│   1,095,220│    749,128│    580,944│    641,360│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │議会費      │    88,277│    88,610│    83,062│    83,731│    84,991│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │教育費      │   1,028,785│   1,077,957│   1,144,665│   1,219,210│   1,232,861│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │商工費      │    295,247│    551,856│    479,183│    405,387│    277,489│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │消防費      │    104,935│    104,284│    303,494│    353,705│    363,869│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │総務費      │    390,761│    255,713│    267,101│   6,680,151│    339,711│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │土木費      │   3,331,833│   1,725,118│   1,369,205│   1,839,761│   1,491,052│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │農林水産費    │    328,891│    279,316│    174,979│    168,449│    126,690│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │民生費      │   4,018,122│   3,410,466│   6,002,993│   7,320,556│   7,504,735│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │労働費      │      115│    20,433│    19,442│    21,753│    23,658│ ├─────────┼───────┼───────┼───────┼───────┼───────┤ │総計       │  10,918,099│   8,608,979│  10,593,257│  18,673,653│  12,086,421│ └─────────┴───────┴───────┴───────┴───────┴───────┘  款別の補助金等の過去5年間の推移をグラフで示すと、以下のとおりとなる。  平成20年度以降、民生費が増加した理由は、岐阜県後期高齢者医療広域連合療養給 付費負担金が当該年度から発生したためである(平成20年度2,667,599千円)。当該医 療負担金は、75歳以上の高齢者を対象にした「後期高齢者医療制度」が平成20年度に 導入されたことによるものである。  平成21年度の総務費が増加した理由は、前述のとおり定額給付金給付事業費 6,360,220千円の支出があったためであり、例外的な支出である。  また、毎年度、民生費の支出割合が非常に高いことが分かる。平成22年度の場合、 民生費からの補助金等の金額は7,504,735千円であり、歳出金額12,086,421千円に占
    める割合は62%である。民生費の主な内訳は老人福祉費が4,035,975千円(岐阜県後 期高齢者医療広域連合療養給付費負担金3,176,730千円)、保育所費2,840,170千円(私 立保育園運営費交付金2,241,359千円)である。 第5 監査対象としたサンプルについて  「第2 歳出に対する補助金等の割合の推移」及び「第3 補助金等の款別の推移」 で分析した補助金等を母集団として監査対象を抽出した。抽出の基準は、補助金等の金 額300万円以上全件及び300万円未満のものを任意抽出している。                                  (単位:千円) ┌──────────────────────────┬───────────┐ │           一般会計           │   平成22年度   │ ├──────────────────────────┼───────────┤ │監査対象としたサンプル               │      11,719,536│ ├──────────────────────────┼───────────┤ │補助金等                      │      12,086,421│ ├──────────────────────────┼───────────┤ │監査対象としたサンプル÷補助金等          │         97.0%│ └──────────────────────────┴───────────┘  補助金等12,086,421千円の内訳は、以下の通りであり、負担金と補助金がそれぞれ 4割弱、交付金が2割強を占めている。                                  (単位:千円) ┌──────────┬─────────────┬─────────────┐ │    区分    │     金額      │     割合      │ ├──────────┼─────────────┼─────────────┤ │   負担金    │         4,637,456│          38.4%│ ├──────────┼─────────────┼─────────────┤ │   補助金    │         4,652,444│          38.5%│ ├──────────┼─────────────┼─────────────┤ │   交付金    │         2,796,521│          23.1%│ ├──────────┼─────────────┼─────────────┤ │    計     │        12,086,421│          100.0%│ └──────────┴─────────────┴─────────────┘ 第6 岐阜市補助金等の改革 1 補助金等をめぐる改革の流れ  岐阜市の補助金等をめぐる現在までの改革の流れの概要は、以下のとおりである。 平成13年度   包括外部監査において補助金が取り扱われ、問題点等に対する措置        が行われた。 平成14年4月   岐阜市行政改革推進会議から「補助金の見直しに関する意見書」が        提出された。その概要は、平成12年度の一般会計決算における百万        円を超える184補助金を検討し、総括的意見と分類別意見からなる意        見が提出された。         岐阜市行政改革推進会議は、平成21年度より名称を「岐阜市行財政        改革推進会議」に変更し、継続的に開催され補助金等の問題も検討し        ている。 平成15年2月   岐阜市補助金検討委員会から「中間提言」が提出された。         その概要は、以下のとおりである。           1 見直しに関する基本的な考え方           2 当面実施すべき事項            1)補助金の適正な執行について            2)補助金の透明性の向上と有効利用について            3)新たな補助金交付システムの構築について           3 総括的な意見           別紙1には「補助金見直し基準」を提示           別紙2には「補助金交付チェックシート」を提示 平成15年11月  岐阜市補助金検討委員会から「最終提言」が提出された。         その概要は、以下のとおりである。           1 見直しに対する基本的な考え方           2 補助金の見直しシステムについて           3 補助金の性質別に類型化した意見           4 補助金全般に係る意見           5 個別の補助金に対する意見 平成22年4月   「岐阜市版事業仕分け」スタート         岐阜市行財政改革推進会議での意見聴取を実施 2 現在の補助金等の見直しシステム  平成15年11月に提出された岐阜市補助金検討委員会による「最終提言」により、現 在の補助金等の見直しシステムが構築されている。  その概要は、以下のとおりである。 1 補助金等所管部署が「補助金見直し基準」、「事業評価システム」等により最初の   評価を実施する。 2 評価に基づく見直し等により縮小・継続等が決定され、その結果は次年度予算へ反   映される。   通常の場合は、以上の毎年継続した見直しで完結するが、補助金の開設から3年経過   したものは、以下の評価が行われる。 3 補助金等の所管部署が行った評価結果を行財政改革課に送付する。 4 補助金検討チームは、「補助金見直し基準」等により再評価を行い、その評価結果を   行財政改革課に送付する。 5 行財政改革課において双方から提出された評価結果を比較して著しい相違がないか   を検討する。 6 著しい相違がある場合は、補助金等評価委員会にて審議を行う。 7 審議の結果は、補助金等所管部署に連絡され必要な是正が行われる。    以上の補助金見直しシステム全体の検証は、行財政改革推進会議が行いその有効性   を確かめている。  なお、現在の見直しシステムは当初、岐阜市補助金検討委員会による「最終提言」を 基礎に構築されたものであるが、平成17年8月に開催された岐阜市補助金等評価委員 会における委員の以下の意見により、平成18年度より改正されている。
    意見の概要 ・新設されたばかりの補助金は、効果が十分に把握できない。 ・十分議論されて新設された補助金がほとんどである。 ・平成15年度より既存の補助金等を中心に見直しを実施してきており、今後は新規の  補助事業におけるチェック体制の確立が必要である。  以上の意見を踏まえて、新規補助金等は新設されて3年が経過した後で審議すること に改正された。  最近の年度における補助金検討チームによる再評価対象補助金等の評価結果 平成18年度 再評価対象は平成15年度新規開設分・・・該当する検討事項はなかった。 平成19年度 再評価対象は平成16年度新規開設分・・・該当する検討事項はなかった。 平成20年度 再評価対象は平成17年度新規開設分・・・補助金等所管部署が行った評       価結果と著しい相違はなく、補助金等検討委員会に審議を求めることは       なかった。 平成21年度 再評価対象は平成18年度新規開設分・・・補助金等所管部署が行った評       価結果と著しい相違はなく、補助金等検討委員会に審議を求めることは       なかった。 平成22年度 再評価対象は平成19年度新規開設分・・・補助金等所管部署が行った評       価結果と著しい相違はなく、補助金等検討委員会に審議を求めることは       なかった。  以上のように過去5年間は問題となるような補助金等はなかったという評価結果と なっている。 第7 補助金等の交付までの流れ  補助金等の交付までの流れは,「岐阜市補助金等交付規則」に定めがあり、内容は以 下のとおりである。以下に抜粋する。 ┌───────┐ │(目的)第1条 │ └───────┘ ┌───────┐ │(定義)第2条 │ └───────┘ ┌───────────┐ │(執行上の責務)第3条 │ └───────────┘ ┌───────────────┐ │(補助金等の交付の申請)第4条 │ └───────────────┘ ┌───────────────┐ │(補助金等の交付の決定)第5条 │ └───────────────┘  「第1項 市長は、補助金等の交付の申請があったときは、当該申請に係る書類の審 査及び必要に応じて行う現地調査等により、当該申請に係る補助金等の交付が法令、条 例及び規則(以下「法令等」という。)並びに予算で定めるところに違反しないかどう か、補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか、金額の算定に誤りがないかどう か等を調査し、補助金等を交付すべきものと認めたときは、速やかに補助金等の交付の 決定をしなければならない。」  この条文について「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」 14ページによれば、以下の解説をしている。 「・・・次に「審査基準」であるが、以下の観点から、審査を行う必要がある。 1) 「法令、条例及び規則並びに予算で定めるところに違反しないかどうか」 2) 「補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか」 3) 「金額の算定に誤りがないかどうか」 4) 「補助事業者が補助事業等を遂行する能力を具えているか」 5) 「申請された補助事業等が、その他諸般の条件からみて客観的に遂行しうるものか」 ・・・」 ┌───────────────┐ │(補助金等の交付の条件)第6条 │ └───────────────┘  「市長は、補助金等の交付の決定をする場合において、補助金等の交付の目的を達成 するために次に掲げる事項につき条件を付するものとする。  (1)補助事業等の内容、経費の配分又は執行計画の変更(市長が認める軽微な変更 除く。)しようとする場合においては、市長の承認を受けるべきこと。・・・」  この条文について「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」16 ページによれば、以下の解説をしている。  「・・・なかでも、事業開催や団体活動に対する補助金等については、過大な繰越財 源がある場合は、今後も継続して、当該補助金等を交付していく必要性が本当にあるか、 また、歳出項目において予備費や雑費として分類される経費が過大である場合は、その 具体的使途や見込みなど明確にしておかなければならない。・・・」 ┌──────────┐ │(決定の通知)第7条 │ └──────────┘ ┌───────────┐ │(申請の取下げ)第8条 │ └───────────┘ ┌───────────────────┐ │(事情変更による決定の取消し等)第9条 │ └───────────────────┘ ┌─────────────┐ │(補助事業等の遂行)第10条│ └─────────────┘ ┌─────────────┐ │(計画変更等の承認)第11条│
    └─────────────┘ ┌────────────┐ │(関係書類の整備)第12条│ └────────────┘ ┌─────────┐ │(状況報告)第13条│ └─────────┘ ┌─────────────────┐ │(補助事業等の遂行等の命令)第14条│ └─────────────────┘ ┌─────────┐ │(実績報告)第15条│ └─────────┘ ┌───────────────┐ │(補助金等の額の確定等)第16条│ └───────────────┘ ┌─────────────┐ │(是正のための措置)第17条│ └─────────────┘ ┌────────────┐ │(補助金等の交付)第18条│ └────────────┘ ┌───────────┐ │(決定の取消し)第19条│ └───────────┘ ┌────────────┐ │(補助金等の返還)第20条│ └────────────┘ ┌─────────────┐ │(加算金及び延滞金)第21条│ └─────────────┘ ┌─────────────────┐ │(他の補助金等の一時停止等)第22条│ └─────────────────┘ ┌──────────┐ │(理由の提示)第23条│ └──────────┘ ┌────────────┐ │(財産処分の制限)第24条│ └────────────┘ ┌──────────┐ │(立入検査等)第25条│ └──────────┘ ┌─────────────────┐ │(補助金等の交付手続の特例)第26条│ └─────────────────┘  「市長は、第4条、第5条、第7条、第15条、第16条又は第18条の規定にかかわ らず、別に定めるところにより、当該各条の手続を統合し、または省略して補助金等を 交付することができる。」  この条文について「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」の 45ページによれば、以下の解説をしている。  「本条は、補助金等に係る事務の効率化、簡素化のため、規則各条に定める事務手続 を統合又は省略できる旨を規定したものである。  しかし、当然のことではあるが、これらの取り扱いを行う場合は「その補助金等の 交付目的を真に達成し、それを確認できるものであるか」、「公金の支出として正しい手 続きであり、支出証拠書類としても十分なものであるか」などを踏まえ、十分検討した 上で行わなければならない。  本条に規定する統合または省略ができる手続き 第4条 補助金等の交付の申請 第5条 補助金等の交付の決定 第7条 補助金等の決定の通知 第15条 補助金等の実績の報告 第16条 補助金等の額の確定 第18条 補助金等の交付   」 ┌──────────┐ │(様式の特例)第27条│ └──────────┘  「市長は、次のいずれかに該当するときは、この規則に定める様式の特例を定めるこ とができる。 (1) 法令等に規定する所要の様式を用いる必要があるとき。 (2) その他市長が特に理由があると認めるとき。」  この条文について「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」 45ページによれば、以下の解説をしている。 「本条は、それぞれの補助事業等の特性に応じて、書類様式の特例を規定したものであ る。補助金毎に独自に定めている要綱等において、諸書類の様式を定めていることが多 いが、当該様式が、規則に定められている様式に基づいていなかったり、反対に定めら れている様式とほとんど相違がなかったりする事例も見受けられるので、十分な精査が 必要である。」 ┌───────┐ │(補足)第28条│ └───────┘  「この規則に定めるもののほか、この規則の施行に関し必要な事項は、市長が別に定
    める。」  この条文について「テーマ別契約・会計事務マニュアル」の「負担金及び補助金」 46ページによれば、以下の解説をしている。  「本条は、この規則に定められる事項以外の取り扱いを規定したものであるが、特 に、第4条「補助金等の交付申請の時期」、第6条「補助金等の交付の条件」、第16条 「補助金等の額の確定」などについては、それぞれの補助事業等によって、その取扱い が異なり、かつ重要な事項であるため、各部で独自要綱等をもってこれを定め、適切な 事務処理を行う必要がある。」  以上、「岐阜市補助金等交付規則」の内容を見るに、その記載内容は申請・交付手続 のみを定めているのみである。 第3章 指摘及び意見の一覧表 ┌────────────────────────────────────────────────┐ │外部監査の指摘及び意見(総論)                                 │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │ 平成22年 │ 指摘 │                       │本 │ │   担当課   │ 度補助金 │ 又は │        内    容         │編 │ │         │ 等実績金 │ 意見 │                       │頁 │ │         │ 額(千円)│    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第1 補助金等に関する関係規程等の整備について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.現在未整備な条例・規程等の整備について  │  │ │         │      │ 指摘 │ 補助金等に関する公益性の判定基準等を含んだ │50 │ │         │      │    │実質的な交付基準等を整備するべきである。   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.要綱の整備について            │  │ │ 行財政改革課  │ 該当なし │ 指摘 │ 補助金等の事務の執行に必要な要綱の改定・制 │50 │ │         │      │    │定を実施するべきである。           │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.交付金・負担金に関する規程の整備について │  │ │         │      │ 指摘 │ 交付金・負担金についても関係規程等を整備す │50 │ │         │      │    │るべきである。                │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第2 事務事業評価の改善について                                 │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金等の有効性等を実質的に検討できるよ │  │ │ 行財政改革課  │ 該当なし │ 指摘 │うに、目標の再確認、ノウハウの蓄積、職員の教 │54 │ │         │      │    │育、実施方法及び実施結果の確認等を改善するべ │  │ │         │      │    │きである。                  │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第3 補助金等見直し方法の改善について                              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金等の見直しを実施する機関のあり方、 │  │ │ 行財政改革課  │ 該当なし │ 指摘 │検討対象、重要性に応じた実質的な検討が可能な │57 │ │         │      │    │方法及び検討範囲について改善するべきである。 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第4 各種委員会等に対する負担金等の問題点について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │市民体育課、歴史博│      │    │ア.各部にある実行委員会等が独立した存在とは │  │ │物館、循環型社会推│ 該当なし │ 意見 │いいきれないため、実態を十分把握した上で、市 │59 │ │進課、地球環境課、│      │    │との関係の整理、事務管理の適切性の確保につい │  │ │男女共同参画・文化│      │    │て努めることが望まれる。           │  │ │課、産業拠点運営課│      ├────┼───────────────────────┼──┤ │(この他にも全庁 │      │    │イ.所管部署の判断に任せた実行委員会等の管理 │  │ │的に検討する必要 │      │ 意見 │を改める必要がある。市の職員が実行委員会等の │60 │ │がある)     │      │    │事務を行う場合には、職務専念義務に抵触しない │  │ │         │      │    │ように注意を払うことが望まれる。       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第5 旧柳津町に関する補助金等について                              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │地域振興総務   │      │    │ア.旧柳津町より引き継がれた補助金等について、│  │ │課、経営雇用対  │ 該当なし │ 指摘 │関連する事務事業の整備を実施し、岐阜市全体と │62 │ │策課       │      │    │しての調整を早期に実現するべきである。    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │第6 政務調査費について                                     │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │ 指摘 │ア.議会事務局による収支報告書等の点検が不十 │64 │ │         │      │    │分であり、改善すべきである。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │ 意見 │イ.政務調査費の調査権限についての定めがなく、│64 │ │         │      │    │調査権限を有するものを定めることが望まれる。 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.収支報告書の不備は、政務調査費の取扱いへ │  │ │         │      │ 意見 │の理解不足によるものが一因であると考えられ、 │64 │ │         │      │    │議員への政務調査費の取扱いを周知し、十分な理 │  │ │         │      │    │解を図られることが望まれる。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.合理的な根拠により按分率を説明できない場 │  │ │議会総務課    │   82,249│ 意見 │合は、判例等を参考に按分率を決定することが望 │64 │ │         │      │    │ましい。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │オ.市政報告の印刷物は、市政報告に係る費用の │  │ │         │      │ 意見 │按分率の根拠となるものであるため、添付資料と │65 │ │         │      │    │することが望ましい。             │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │カ.政務調査費運用指針は平成20年3月以来改定  │  │ │         │      │ 意見 │されていないが、政務調査費に関連する多くの判 │65 │ │         │      │    │例が出ており、改定することが望まれる。    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │ 意見 │キ.市民の目を意識して、政務調査費の使用及び │65 │ │         │      │    │報告を行うことが望まれる。          │  │ └─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┘ ┌────────────────────────────────────────────────┐ │外部監査の指摘及び意見(各論)                                 │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │ 平成22年 │ 指摘 │                       │本 │ │   担当課   │ 度補助金 │ 又は │        内    容         │編 │ │         │ 等実績金 │ 意見 │                       │頁 │
    │         │ 額(千円)│    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │環境事業部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜羽島衛生施設組合の事務組合負担金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.負担金算定の基準となる組合費予算について │  │ │環境事業政策   │   301,711│ 意見 │ 岐阜市は負担金を減少させるために、組合の一 │67 │ │課        │      │    │構成員として経費節約の観点から、組合費予算を │  │ │         │      │    │継続して注視していくことが望まれる。     │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │議会事務局                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)政務調査費について                                     │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.議会事務局による収支報告書等のチェックに │  │ │         │      │    │ついて                    │  │ │         │      │    │ 議長に提出された収支報告書等は、権限はない │  │ │         │      │ 指摘 │ものの議会事務局により点検がなされているが、 │73 │ │         │      │    │収支報告書及び添付資料を閲覧すると、単純な形 │  │ │         │      │    │式面の不備が見受けられる。より注意を払って点 │  │ │         │      │    │検を実施すべきである。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.政務調査費の調査について         │  │ │         │      │    │ 現在、政務調査費について、調査権限の規程が │  │ │         │      │    │なく、点検として議会事務局が不備の修正を依頼 │  │ │         │      │ 意見 │するに留まっている。政務調査費の調査権限を有 │73 │ │議会総務課    │   82,249│    │するものがチェックを行い、目的外の支出が存在 │  │ │         │      │    │した場合、これを是正できるようにすることが望 │  │ │         │      │    │まれる。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.議員に対する政務調査費の取扱いの周知につ │  │ │         │      │    │いて                     │  │ │         │      │    │ 政務調査費の範囲の問題や収支報告書及び添付 │  │ │         │      │    │資料の不備の多くは、議員が収支報告書の作成方 │74 │ │         │      │ 意見 │法を含めた政務調査費の取扱いについて、必ずし │  │ │         │      │    │も十分な理解がされていないことも一因であると │  │ │         │      │    │考えられる。手引き等を配布し、政務調査費の制 │  │ │         │      │    │度が十分理解されることが望まれる。      │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.按分率について              │  │ │         │      │    │ 調査研究活動と政党活動やその他議員活動等で │  │ │         │      │ 意見 │共通して発生する経費等の按分率は、合理的な根 │74 │ │         │      │    │拠を持って説明できないものについては、他都市 │  │ │         │      │    │の判例等を参考に定めることが望まれる。    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │オ.市政報告の印刷物について         │  │ │         │      │    │ 多くの議員が市政報告を行い、その印刷代、郵 │  │ │         │      │    │送代を広報広聴費として支出しているが、按分率 │  │ │         │      │ 意見 │の妥当性をチェックするためには、市政報告の印 │75 │ │         │      │    │刷物は必要であると考えられる。今後は市政報告 │  │ │         │      │    │の印刷物も収支報告書への添付資料とすることが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │カ.政務調査費運用指針の更新について     │  │ │         │      │    │ 政務調査費運用指針の最終の改正が平成20年3 │  │ │         │      │    │月であるが、その後、政務調査に関わる多数の判 │  │ │         │      │ 意見 │例が出ており、これらを運用指針に反映させるこ │  │ │         │      │    │とが適切と考える。また、今後も新しい判例によ │76 │ │         │      │    │り、一般に政務調査費として認められるものが明 │  │ │         │      │    │確化していくと考えられるため、定期的な見直し │  │ │         │      │    │を行うことが望ましい。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │キ.政務調査費の使用及び報告にあたって    │  │ │         │      │    │ 政務調査費は、情報公開請求の対象であり、市 │  │ │         │      │ 意見 │民により内容のチェックをされうるものである。 │76 │ │         │      │    │常に、市民の目を意識して、政務調査費の使用及 │  │ │         │      │    │び報告を行うことが望ましい。         │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │企画部                                             │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市コミュニティバス運行補助金の交付事務について                     │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事務事業評価及び情報開示について     │  │ │         │      │    │ 事務事業評価について、補助金によって地域の │  │ │交通総合政策   │   95,065│ 意見 │交通弱者のモビリティを確保するという補助金本 │84 │ │課        │      │    │来の目的が、どの程度達成されているかという観 │  │ │         │      │    │点からの評価としては不十分であるため、改善す │  │ │         │      │    │ることが望ましい。              │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)バス路線(維持)補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │交通総合政策   │      │    │ア.事務事業評価及び情報開示について     │  │ │課        │   85,439│ 意見 │ 現状の事務事業評価では、事業目的を達成する │86 │ │         │      │    │ための活動指標が定義されておらず、また、その │  │ │         │      │    │他の記載についても不十分であるため、改善する │  │ │         │      │    │ことが望ましい。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │基盤整備部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)加入団体負担金の交付事務について                              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.繰越金額の減額の検討について       │  │ │         │      │    │ 繰越金が蓄積されることは当該団体において今 │  │ │広域事業推進   │      │ 意見 │後の活動に備えるための内部留保となるが、過度 │88 │ │課、道路建設   │      │    │の繰越金と判断される場合は適切な負担金水準と │  │ │課、水防対策   │   16,917│    │なるように働きかけることが望まれる。     │  │ │課、基盤整備政  │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │策課、土木管理  │      │    │イ.加入団体負担金継続の検討について     │  │ │課、公共用地課  │      │ 意見 │ 団体に継続して長期間加入している場合には問 │92 │
    │         │      │    │題点が内在する可能性があるため、今後も加入の │  │ │         │      │    │意味と効果を確認することが望まれる。     │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │教育委員会事務局                                        │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金の交付事務について           │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金額の算定について          │  │ │         │      │    │ 1時間以上問題対策行動をとった教員に対して、 │  │ │         │      │ 意見 │自家用車、徒歩いずれの移動手段によって巡回を │93 │ │         │      │    │行った場合においても一律で500円が支給されて  │  │ │         │      │    │いる。交通費の実額に即した補助金の支給が行わ │  │ │         │      │    │れていないため、対応が望まれる。       │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.予算額について              │  │ │         │      │    │ 予算が少なくとも5年間は同額で推移しており、 │  │ │         │      │ 意見 │恒常的に不足しているため、同一の対策行動であ │94 │ │学校指導課    │    3,674│    │っても、その時期のみによって交通費相当額の支 │  │ │         │      │    │給の有無が決まるという状況は是正されることが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事務事業評価について           │  │ │         │      │    │ 事務事業評価の活動指標の目標値が予算額とな │  │ │         │      │    │っており、毎年度予算は不足しているため予算は │  │ │         │      │ 意見 │毎年消化されてしまい、目標額と実績額が一致し、│94 │ │         │      │    │常に目標を達成している状況となるため、有効性 │  │ │         │      │    │を判断しやすい評価指標を用いることが望まし  │  │ │         │      │    │い。                     │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金が支出される意義について      │  │ │         │      │ 意見 │ 前述の「岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指 │95 │ │         │      │    │導対策行動費補助金」と同様であるため当該補助 │  │ │         │      │    │金参照。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.予算額について              │  │ │         │      │    │ 予算が少なくとも3年間は同額で推移しており、 │  │ │学校指導課    │    1,584│ 意見 │恒常的に不足しているため、同一の対策行動であ │96 │ │         │      │    │っても、その時期のみによって交通費相当額の支 │  │ │         │      │    │給の有無が決まるという状況は是正されることが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 前述の「岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指 │96 │ │         │      │    │導対策行動費補助金」と同様であるため当該補助 │  │ │         │      │    │金参照。                   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金の交付事務について                    │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事務事業評価について           │  │ │         │      │    │ 当該補助金に対しても事務事業評価が行われて │  │ │学校指導課    │    4,538│ 意見 │いる。しかし、活動指標が定められておらず、有 │97 │ │         │      │    │効性を判断しやすい評価指標を用いることが望ま │  │ │         │      │    │しい。                    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(4)岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金の交付事務について         │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.交付要綱について             │  │ │         │      │    │ 当該補助金には、交付要綱ほか、補助金交付の │  │ │         │      │ 指摘 │ための判断指針となるものが存在していない。補 │98 │ │         │      │    │助金の公益性を保つためにも、要綱を整備し、補 │  │ │         │      │    │助金の目的、対象、終期等をしっかりと明文化し、│  │ │         │      │    │適正な補助金運営に努めるべきである。     │  │ │学校指導課    │    2,970├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金額の算定方法について        │  │ │         │      │    │ 旅費とは、本来実際にかかった費用以内で補助 │  │ │         │      │ 指摘 │すべきである。しかし、当補助金の旅費の算定式 │98 │ │         │      │    │は、概要に示した通り、往復直線距離に37円/km  │  │ │         │      │    │を乗じて算出されているため、金額の算定方法の │  │ │         │      │    │合理性に問題があるため、対応すべきである。  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.予算終了後の補助打ち切りについて     │  │ │         │      │    │ 前年度の実績及び当年度の生徒数をもとに予算 │  │ │         │      │ 意見 │額を毎年度実態に即して見直すことで、補助金の │98 │ │         │      │    │申請時期のみによって補助金の有無が決まるよう │  │ │         │      │    │な状況は改善されることが望ましい。      │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.事務事業評価について           │  │ │         │      │    │ 当該補助金に対しても事務事業評価が行われて │  │ │         │      │ 意見 │いる。しかし、現状の活動指標は、補助金の有効 │99 │ │         │      │    │性を判断するためのものとして不十分であるた  │  │ │         │      │    │め、改めて設定することが望ましい。      │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(5)岐阜市私学振興補助金の交付事務について                           │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助事業の業者選定について        │  │ │教育政策課    │   24,630│ 意見 │ 一部の学校において相見積もりの徴収が見受け │100 │ │         │      │    │られなかったため、業者選定において相見積もり │  │ │         │      │    │をとるように指導するのが望ましい。      │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(6)岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金の交付事務について          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助事業者の選定について         │  │ │         │      │    │ 補助対象となる団体の募集方法について再検討 │  │ │         │      │ 指摘 │するとともに、交付要綱の要件を満たす団体が他 │101 │ │中央青少年会   │      │    │にないかどうかを確認するため、少年団体の情報 │  │ │館        │     30│    │を収集するべきである。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金の効果について           │  │
    │         │      │ 意見 │ 少額の補助で本補助金の効果があるのかどうか │102 │ │         │      │    │を十分に検討することが望ましい。       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(7)国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金の交付事務について              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.業務の見直しについて           │  │ │         │      │ 意見 │ 本大会の運営方針の見直しや、本大会の企画運 │103 │ │         │      │    │営自体を他の団体に委託し、岐阜市の負担を減ら │  │ │市民体育課    │    4,983│    │していくように検討することが望ましい。    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.委員会の規程の整備について        │  │ │         │      │ 意見 │ 独立した団体として必要な管理規程を整備する │104 │ │         │      │    │ことが望ましい。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(8)特別展「洛中洛外図に描かれた世界」にかかる開催負担金の交付事務について           │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 歴史博物館の運営業務をいくつかの事業に細分 │105 │ │         │      │    │化することで、特別展を含む展覧会に対するより │  │ │歴史博物館    │    9,500│    │実効的な評価結果を表示することが望ましい。  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.委員会の規程の整備について        │  │ │         │      │ 意見 │ 独立した団体として必要な管理規程を整備する │106 │ │         │      │    │ことが望ましい。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(9)自治公民館 建設・修理事業に係る補助金の交付事務について                  │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.業務の見直しについて           │  │ │社会教育課    │    9,506│ 意見 │ 公民館の利用状況の調査を行った上で交付決定 │107 │ │         │      │    │を行うことが望ましい。            │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │健康部                                             │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市医師会准看護学校補助金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金の見直しの必要性と実質的な補助の必 │  │ │         │      │ 意見 │要性の検討について              │108 │ │         │      │    │ 収支決算書以外の決算書の入手の必要性と補助 │  │ │         │      │    │金の算定根拠を明確化することが望まれる。   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助対象及び補助目的の見直しについて   │  │ │健康政策課    │    2,000│ 意見 │ 学校の運営費補助ではなく、特定の事業目的に │110 │ │         │      │    │限定した補助にするなど、補助の対象及び目的の │  │ │         │      │    │見直しを行うことが望まれる。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.准看護学校へ補助する必要性について    │  │ │         │      │ 意見 │ 准看護師に対する社会的なニーズの減少が生じ │111 │ │         │      │    │ていることから、准看護学校に対する補助の必要 │  │ │         │      │    │性を見直すことが望まれる。          │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)公衆浴場経営安定化対策費補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助の必要性について           │  │ │生活衛生課    │     65│ 意見 │ 補助金支出先は毎年同じであり、経営努力を行 │113 │ │         │      │    │ってもなお、経営状況が良くない場合に限って、 │  │ │         │      │    │補助を行うことが望まれる。          │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │自然共生部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)斎苑周辺整備事業補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事業評価について             │  │ │斎苑       │    9,513│ 指摘 │ 当事業は事業評価がなされていない。     │116 │ │         │      │    │ 事業評価実施の上、公表すべきである。    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金等の交付事務について                   │ │1)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金                              │ │2)岐阜市地球温暖化対策推進事業負担金                              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.委員会と市の関係について         │  │ │         │      │    │ 市と一体とみなせる委員会において、現状では │  │ │         │      │ 意見 │市が行う他の財政支出と比較して簡易な方法によ │118 │ │         │      │    │り支出がなされる可能性を否定しえないと考えら │  │ │         │      │    │れるため、検討することが望ましい。      │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.採用手法の有効性について         │  │ │         │      │    │ 対象の両事業は、施策そのものやその事業の推 │  │ │循環型社会推   │      │    │進アプローチに共通性がみられる。事業の重複も │  │ │進課、地球環境  │   1)6,800│ 意見 │想定されることから、いずれの手法の費用対効果 │120 │ │課        │   2)8,649│    │が高いかという検討も含め、統合できるものは統 │  │ │         │      │    │合し、効率的に事業を進めるための検討をするこ │  │ │         │      │    │とが望ましい。                │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事業評価の事業へのフィードバックについて │  │ │         │      │    │    [岐阜市まるごと環境フェア事業のみ]  │  │ │         │      │ 意見 │ 事業評価の評価結果を公開するのみならず、各 │121 │ │         │      │    │評価対象事業に適切にフィードバックさせるため │  │ │         │      │    │の仕組みの構築が望まれる。          │  │ │         │      │    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)都市美化推進連絡協議会補助金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金額の妥当性の調査について      │  │ │         │      │    │ 実績報告書の書類審査等により、その報告に係 │  │ │         │      │    │る補助事業等の成果が補助金等の交付の決定の内 │  │ │         │      │ 意見 │容及びこれに付した条件に適合するものであるか │123 │ │         │      │    │どうかを調査し、前払金額と確定補助金額の差が │  │ │循環型社会推   │    3,714│    │あった場合に事業実施者に対して精算を行うこと │  │ │進課       │      │    │が望まれる。                 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤
    │         │      │    │イ.事業評価の事業へのフィードバックについて │  │ │         │      │ 意見 │ 事業評価の評価結果を公開するのみならず、各 │124 │ │         │      │    │評価対象事業に適切にフィードバックさせるため │  │ │         │      │    │の仕組みの構築が望まれる。          │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │市民参画部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市自治会連合会運営費補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.業務の見直しについて           │  │ │         │      │ 指摘 │ 積立金等の特別会計を含めた自治会連合会の収 │125 │ │         │      │    │支決算書を入手し、より詳細な補助金の利用状況 │  │ │         │      │    │を把握すべきである。             │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.繰越金及び積立金の内容把握について    │  │ │         │      │ 指摘 │ 繰越金及び積立金の利用計画や積み立て基準を │126 │ │         │      │    │把握した上で、繰越額及び積立額の妥当性を検討 │  │ │市民協働推進   │   30,835│    │すべきである。                │  │ │課        │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 自治会連合会の活動実績等の具体的な指標を用 │126 │ │         │      │    │いて事務事業評価を行うことが望まれる。    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.収支決算書の作成基準について       │  │ │         │      │ 意見 │ まちづくり協議会と自治会連合会の収支を明確 │126 │ │         │      │    │に区分するように、自治会連合会に指導すること │  │ │         │      │    │が望ましい。                 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜市自治会連絡協議会補助金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.交付要綱の整備について          │  │ │         │      │ 指摘 │ 交付要綱を作成し、補助目的を明確にした上で │127 │ │         │      │    │補助対象経費の設定を行い、補助金の交付基準を │  │ │市民協働推進   │    5,476│    │明らかにするべきである。           │  │ │課        │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 市自治会連絡協議会の活動実績等の具体的な指 │128 │ │         │      │    │標を用いて事務事業評価を行うことが望まれる。 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)地域力創生事業補助金の交付事務について                           │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助制度の運用方法について        │  │ │         │      │    │ 補助制度の適切な運用を図り、補助対象経費を │  │ │市民協働推進   │    3,800│ 指摘 │明確にした上で、収支決算書上または添付資料で │129 │ │課        │      │    │分権型協働コンパクトとの対応を明瞭に表示する │  │ │         │      │    │べきである。                 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 活動実績、成果を適切に評価した上で事務事業 │130 │ │         │      │    │評価の実施及び本補助金の執行に当たることが望 │  │ │         │      │    │まれる。                   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(4)長良川薪能実行委員会負担金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.業務の見直しについて           │  │ │         │      │ 意見 │ 企業の協力や協賛金の獲得に努め、長良川薪能 │132 │ │         │      │    │の運営方法について改善していくことが望まし  │  │ │         │      │    │い。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │男女共同参    │      │    │イ.委員会方式について            │  │ │画・文化課    │   12,000│ 意見 │ 岐阜市と同程度の各種管理規程を整備すること │133 │ │         │      │    │が望ましい。                 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.委託業者の選定について          │  │ │         │      │ 意見 │ 業者選定において相見積もりをとることが望ま │134 │ │         │      │    │しい。                    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │市民生活部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市防犯協会補助金の交付事務について                           │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.交付要綱について             │  │ │         │      │    │ 交付要綱に補助対象経費及び補助金の算定根拠 │  │ │         │      │ 指摘 │を明示し、毎年度必要となる補助金額を算定すべ │136 │ │         │      │    │きである。また、事業補助に切り替えていくべき │  │ │生活安全課    │    4,429│    │である。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 刑法犯罪認知件数等の具体的な指標を用いて評 │136 │ │         │      │    │価を行うことが望ましい。           │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)交通安全活動推進団体補助金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.業務の見直しについて           │  │ │         │      │ 指摘 │ 収支決算書の内容が適切であるかどうかを確認 │137 │ │         │      │    │するため、請求書、領収書といった証憑との突き │  │ │生活安全課    │   10,561│    │合わせを実施するべきである。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金額の算定について          │  │ │         │      │ 意見 │ 交付要綱の補助金額算定式が現状と照らして妥 │138 │ │         │      │    │当かどうか、十分な検討を行うことが望まれる。 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 交通事故発生件数等の具体的な指標を用いて評 │138 │ │         │      │    │価を行うことが望ましい。           │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)街角トワイライト整備補助事業補助金の交付事務について                    │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金交付の必要性の検討について     │  │ │         │      │ 指摘 │ 夜間に現地調査を行い、岐阜市として防犯灯の │140 │
    │         │      │    │必要性の有無を検討すべきである。       │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金額の算定について          │  │ │生活安全課    │    1,177│ 指摘 │ 補助金額の上限を引き下げることや、補助対象 │140 │ │         │      │    │となる経費の一定割合を補助することにより、設 │  │ │         │      │    │置費用も一定の受益者負担を求めるべきである。 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ 事業の種類ごとに事務事業評価を行い、必要性 │141 │ │         │      │    │や有効性の検討を行うことが望ましい。     │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │商工観光部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)商店街街路灯等電灯料補助事業の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.交付要綱と実態の不一致について      │  │ │         │      │    │ 交付要綱の目的に従って支出が行われているか │  │ │         │      │ 指摘 │について、現地調査が行われていないものが多い。│144 │ │         │      │    │実態調査を行い、夜間は営業していない店舗、商 │  │ │         │      │    │店街については、補助をすべきではない。    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.交付要綱の改正について          │  │ │         │      │    │ 実態と交付要綱が合致していない。仮に、防犯 │  │ │         │      │ 意見 │上必要不可欠ということであれば、防犯を目的と │144 │ │         │      │    │した交付要綱を作成し、それに従って補助金を支 │  │ │産業振興課    │    7,431│    │出することが望まれる。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事業評価の形骸化について         │  │ │         │      │ 指摘 │ 実質的な事業評価がなされているとは言えな  │144 │ │         │      │    │い。具体的に事業評価を実施するべきである。  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.少額の補助対象について          │  │ │         │      │    │ 一件当たりの補助金額が少額であり、補助金支 │  │ │         │      │ 意見 │出による効果が低く、不都合となることも少ない │144 │ │         │      │    │ことや市の事務負担を考慮すると一定金額以下の │  │ │         │      │    │場合には補助金を支給しないということを検討す │  │ │         │      │    │ることが望まれる。              │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜市空き店舗等活用事業補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.過去の補助対象店舗の現在の状況について  │  │ │産業振興課    │    1,181│ 指摘 │ 補助金支出の効果の測定を具体的な数値に基づ │147 │ │         │      │    │いて測定し、退去の際は報告を受けるようにする │  │ │         │      │    │べきである。                 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)ファッション産業人材育成(ファッションセミナー)負担金の交付事務について          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.支出金額の算定根拠について        │  │ │         │      │    │ 総支出額のおよそ1/3を市の負担とする支出金  │  │ │         │      │ 指摘 │額の算定根拠が明らかではない。負担金であって │150 │ │         │      │    │も明確な支出金額の根拠を明らかにする必要があ │  │ │産業振興課    │     571│    │る。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.セミナー実施の効果の測定について     │  │ │         │      │ 指摘 │ 支出の効果を明確に測定し、毎年、開催するこ │151 │ │         │      │    │との必要性を検討するべきである。       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(4)産地織物活性化事業補助金の交付事務について                         │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金支出の効果について         │  │ │         │      │    │ ジャパンテックス展示会に出展することによ  │  │ │         │      │ 指摘 │り、どのような効果があったかを検証し、支出金 │153 │ │         │      │    │額についても毎年、必要性に応じて見直しを行う │  │ │         │      │    │べきである。                 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.視察研修事業の支出内訳について      │  │ │         │      │    │ 旅費交通費については、公益性を測定すること │  │ │         │      │ 意見 │が困難であり、測定ができない以上、受講者の本 │153 │ │産業振興課    │    3,500│    │人負担が好ましいと考えられる。そのため、補助 │  │ │         │      │    │対象経費から除くことが望まれる。       │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.「岐阜市事業創造支援補助金」との関係につい│  │ │         │      │    │て                      │  │ │         │      │    │ 本来、新製品の開発は営利目的として企業が独 │  │ │         │      │ 意見 │自に行うべきものであり、市が補助すべき性質の │154 │ │         │      │    │ものではない。仮に支出するとした場合であって │  │ │         │      │    │も、「岐阜市事業創造支援補助金交付要綱」のよう│  │ │         │      │    │に年数を限定して支出することが望まれる。   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(5)観光タクシー運営補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金支出の効果について         │  │ │         │      │    │ 明確な数値に基づく補助金支出の効果について │  │ │         │      │    │目的が達成されているかの検証が行われておら  │  │ │観光コンベン   │      │    │ず、現在把握されている「おすすめ観光ルート」 │  │ │ション課     │     600│ 意見 │の利用状況、観光ガイド乗務員の認定数等の具体 │157 │ │         │      │    │的数値だけでなく、観光タクシー利用者へのアン │  │ │         │      │    │ケートなどを実施し、その結果に基づいて補助金 │  │ │         │      │    │支出の効果を測定することが望まれる。     │  │ │         │      │    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(6)岐阜観光コンベンション協会運営負担金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.支出金額の算定根拠について        │  │ │         │      │ 指摘 │ 様々な事業の積み上げで算定された金額である │159 │ │         │      │    │ため、本来は、各事業内容を精査した上で、負担 │  │ │         │      │    │金額を決定すべきである。           │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事業評価の実施方法について        │  │ │         │      │ 意見 │ 市の実質的な負担は、派遣職員3名の給与も含  │159 │
    │         │      │    │めたものであり、事業評価も派遣職員3名の給与  │  │ │観光コンベン   │      │    │を含めた金額で実施することが望まれる。    │  │ │ション課     │   49,500├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.岐阜市観光宣伝推進実行委員会との関係につ │  │ │         │      │    │いて                     │  │ │         │      │    │ 岐阜市観光宣伝推進実行委員会と財団法人岐阜 │  │ │         │      │    │観光コンベンション協会の活動内容が一部重複し │  │ │         │      │ 意見 │ているため、財団法人岐阜観光コンベンション協 │160 │ │         │      │    │会内で全て実施できる体制を整えて、観光振興の │  │ │         │      │    │ための広報、宣伝、誘致を実施するほうが、より │  │ │         │      │    │無駄がなく、効果も高いものになると思われる。 │  │ │         │      │    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(7)岐阜フラッグアート展の補助金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金支出の必要性の検討について     │  │ │         │      │    │ 事業評価が具体的な基準に従って評価されてい │  │ │産業振興課    │    2,247│ 指摘 │ないため、具体的な基準に基づいて、支出の必要 │161 │ │         │      │    │性を確認した上で、毎期、金額を決定する必要が │  │ │         │      │    │ある。                    │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.岐阜県の補助金交付要綱との相違について  │  │ │         │      │    │ 県の交付要綱には、コスト削減や自主財源確保 │  │ │         │      │ 指摘 │への努力が認められる記載がある。市の要綱にも │161 │ │         │      │    │県と同様な記載を加え、毎期、要綱に合致した支 │  │ │         │      │    │出であるかどうかの検証を行う必要がある。   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(8)岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金の交付事務について                │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事業評価の実施の必要性について      │  │ │企業誘致課    │   32,617│ 意見 │ 制度開始から事業評価が行われていないため、 │164 │ │         │      │    │事業評価を行うことが望まれる。        │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(9)社団法人岐阜市シルバー人材センター運営補助金の交付事務について               │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金額の算定方法の問題点について    │  │ │         │      │ 意見 │ 運営費補助金は、交付団体の運営に必要な補助 │166 │ │         │      │    │金額を算定し交付することが望まれる。     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金の使途の調査結果の文書化について  │  │ │         │      │ 意見 │ 補助金の使途の調査を行った際には、その内容 │167 │ │         │      │    │を文書化して保存することが望まれる。     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.財政運営積立金について          │  │ │         │      │    │ 多額の積立金が存在しているが、本当に運営を │  │ │経営雇用対策   │   15,447│ 意見 │継続していく上で、当補助金が必要なのかを再度 │168 │ │課        │      │    │検討し、場合によっては補助金額削減等の措置を │  │ │         │      │    │講ずることが望まれる。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.補助金の期限について           │  │ │         │      │ 意見 │ センターが補助金に頼らず独立して運営が可能 │168 │ │         │      │    │となった場合には、補助金を終了する旨の条項を │  │ │         │      │    │要綱に盛り込むことが望まれる。        │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │オ.事務事業評価について           │  │ │         │      │ 意見 │ より一層、事務事業評価を充実させることが望 │168 │ │         │      │    │まれる。                   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(10)岐阜商工会議所経営改善普及事業補助金の交付事務について                  │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.予算について               │  │ │経営雇用対策   │   14,000│ 指摘 │ 経済情勢の変化、商工会議所の財政状態に応じ │169 │ │課        │      │    │て補助金の上限の見直しを定期的に行い、実態に │  │ │         │      │    │即した補助金運営に努めるべきである。     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助対象事業の検証について        │  │ │         │      │    │ 特定の事業費を補助する目的で補助金を拠出し │  │ │         │      │ 指摘 │ている以上、その補助金によって行われている事 │169 │ │         │      │    │業の内容、その効果を検証し、補助金の有効性を │  │ │         │      │    │確かめるべきである。             │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.実績報告の審査について          │  │ │         │      │    │ 現状では、補助対象事業に関する実績報告の審 │  │ │         │      │ 意見 │査が不十分であるといえる。少なくとも数年に一 │170 │ │         │      │    │度は補助金額の算定の基礎となる資料の内容を検 │  │ │         │      │    │証し、補助金使途の透明性を高めることが望まれ │  │ │         │      │    │る。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.事務事業評価について           │  │ │         │      │    │ アンケート等により中小企業者の経営改善にセ │  │ │         │      │ 意見 │ミナー等がどの程度役立っているかを調査し事務 │170 │ │         │      │    │事業評価に盛り込むことによって、補助金の有効 │  │ │         │      │    │性、効率性等の判断材料として広く市民に開示す │  │ │         │      │    │ることが望まれる。              │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(11)柳津町商工会事業補助金の交付事務について                         │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金額について             │  │ │         │      │    │ 会員1人当たりの補助金額であるが、柳津町商 │  │ │         │      │ 指摘 │工会の会員は、岐阜商工会議所の会員の約1.8倍  │171 │ │         │      │    │の補助金を享受していることになる。これは公平 │  │ │         │      │    │性の観点から問題があり、検討を行う必要がある。│  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.予算に関する問題点について        │  │ │         │      │    │ 補助対象事業に必要な経費を積み上げて具体的 │  │ │         │      │    │に根拠のある金額を算定し予算を定めるべきであ │  │ │経営雇用対策   │      │ 指摘 │る。また、補助金額の4倍超の運営のために留保  │172 │ │課        │   10,000│    │された積立金が存在している以上、補助金額の算 │  │ │         │      │    │定においても当積立金を考慮した上で、補助金の │  │ │         │      │    │減額を行うべきである。            │  │
    │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.補助金の使途に関する審査について     │  │ │         │      │    │ 現状では、補助対象事業に関する実績報告の審 │  │ │         │      │ 意見 │査が不十分であるといえる。少なくとも数年に一 │173 │ │         │      │    │度は補助金額の算定の基礎となる資料の内容を検 │  │ │         │      │    │証し、補助金使途の透明性を高めることが望まれ │  │ │         │      │    │る。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.事務事業評価について           │  │ │         │      │    │ アンケート等により中小企業者の経営改善にセ │  │ │         │      │ 意見 │ミナー等がどの程度役立っているかを調査し事務 │173 │ │         │      │    │事業評価に盛り込むことによって、補助金の有効 │  │ │         │      │    │性、効率性等の判断材料として広く市民に開示す │  │ │         │      │    │ることが望まれる。              │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(12)岐阜市若年者・中高年齢者・障害者雇用促進奨励金の交付事務について             │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.有効性について              │  │ │         │      │    │ 補助金受給者に対する追跡調査は、補助金の対 │  │ │         │      │    │象となっている被雇用者の定着率を時系列で分析 │  │ │         │      │ 意見 │しているのみであり、補助金がない場合の市の雇 │174 │ │         │      │    │用定着率との比較が行われておらず、実質的に当 │  │ │経営雇用対策   │      │    │該調査は補助金の有効性を計るものではないた  │  │ │課        │    6,700│    │め、検討することが望ましい。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.補助金支給に係る人件費について      │  │ │         │      │    │ 平成22年度の当補助金6,700千円を支給するた  │  │ │         │      │ 意見 │めに4,008千円の人件費がかかっている。経済性  │175 │ │         │      │    │の観点から検討することが望ましい。      │  │ │         │      │    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(13)金華山国有林保護管理協議会に対する負担金の交付事務について                │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.権利能力なき社団・市からの独立性について │  │ │         │      │    │ 金華山国有林保護管理協議会は、権利能力なき │  │ │産業拠点運営   │      │    │社団の要件や、市からの独立性の観点で、問題点 │  │ │課        │     420│ 意見 │がある団体であるため、同協議会と市の関係につ │176 │ │         │      │    │いて検討することが望まれる。         │  │ │         │      │    │                       │  │ │         │      │    │                       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │消防本部                                            │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜市消防団維持運営費負担金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.負担金の交付額について          │  │ │         │      │    │ 当該負担金を交付するにあたり、人員数に応じ │  │ │消防総務課    │   17,872│ 意見 │て発生するような費用項目でないのであれば、現 │180 │ │         │      │    │在の算定根拠に代わり、より適切な算定根拠の導 │  │ │         │      │    │入を検討することが望まれる。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.決算書類について             │  │ │         │      │    │ 現状においては、報告された歳入歳出決算書が │  │ │         │      │ 意見 │実態を表しておらず、負担金の報告書としては望 │180 │ │         │      │    │ましいものとはいえない。決算報告にあたっては │  │ │         │      │    │実際の金額に基づいて、行われることが望まれる。│  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜市女性防火クラブ運営協議会補助金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事業評価について             │  │ │         │      │    │ 事業評価シート上、当初の目標値を満たしてい │  │ │         │      │    │ないにもかかわらず、有効性においては最も高い │  │ │予防課      │     379│ 意見 │評価が付されている。事業評価を実施するにあた │182 │ │         │      │    │っては、活動指標・成果実績と最終的な評価の関 │  │ │         │      │    │連を明確にし、より明確かつ有効な事業評価の実 │  │ │         │      │    │施に努めることが望まれる。          │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)岐阜市女性防火クラブ補助金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事業実績の報告について          │  │ │         │      │    │ 当該補助金については、実績報告書を提出させ │  │ │         │      │    │ることとしている。しかし、より有効な内部牽制 │  │ │         │      │ 意見 │を働かせるには、実際の証憑と報告金額を突き合 │183 │ │         │      │    │わせ、当該報告書が適切に作成されていることを │  │ │         │      │    │検証し、もって補助金が適切に使用されているこ │  │ │予防課      │    1,650│    │とを確認することが望まれる。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.証憑について               │  │ │         │      │    │ 一部の女性防火クラブにつき実際の費用内訳並 │  │ │         │      │ 意見 │びに証憑を閲覧したところ、証憑が添付されてい │184 │ │         │      │    │ない費用が散見された。領収書を保管するなど、 │  │ │         │      │    │適切に精算を行うことが望まれる。       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │都市建設部                                           │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について               │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金支出の効果測定について       │  │ │         │      │    │ 岐阜市中心市街地活性化基本計画における、居 │  │ │市街地再開発   │  1,994,700│ 意見 │住人口等の指標を、仮に同計画が終了したとして │185 │ │課        │      │    │も、将来にわたり継続的に策定し、分析すること │  │ │         │      │    │が望ましい。                 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.現状の事務事業評価について        │  │ │         │      │    │ 事務事業評価に客観性をもたせ、岐阜市中心市 │  │ │         │      │    │街地活性化基本計画の目標指標を活用し、事務事 │  │ │         │      │ 意見 │業評価に反映させるとともに、ホームページや広 │ 186│ │         │      │    │報に掲載する等の手段により、市民に説明責任を │  │ │         │      │    │果たすことは、非常に重要なことであると考えら │  │ │         │      │    │れる。                    │  │
    ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について                │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金支出の効果測定について       │  │ │         │      │ 意見 │ 「問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補 │ 188│ │         │      │    │助金の交付事務について」において記載したこと │  │ │市街地再開発   │      │    │と同様。                   │  │ │課        │   82,800├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.現状の事務事業評価について        │  │ │         │      │ 意見 │ 「問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補 │ 188│ │         │      │    │助金の交付事務について」において記載したこと │  │ │         │      │    │と同様。                   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)フローラリー岐阜開催負担金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事務事業評価の有効性の検討について    │  │ │公園整備課    │    840 │ 意見 │ 事業の有効性の評価が十分とは言い難い。参加 │ 189│ │         │      │    │者へアンケート調査を行い、事業としての評価を │  │ │         │      │    │行うのが望ましい。              │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(4)民有地緑化推進助成金事業補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.事務事業評価の有効性の検討について    │  │ │公園整備課    │    2,768│ 意見 │ 事業の有効性の評価が十分とは言い難い。制度 │ 191│ │         │      │    │の認知度や利用者の満足度等、事業の有効性を客 │  │ │         │      │    │観的、総合的に判断することが望ましい。    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(5)加入団体負担金の交付事務について                              │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.加入団体負担金継続の必要性の検討について │  │ │都市建設政策   │      │    │ 団体に継続して長期間加入している場合には定 │  │ │課        │    3,433│ 意見 │期的に加入理由を再検討し、加入する意味がなく │ 192│ │         │      │    │なった団体については脱退することが望ましい。 │  │ │         │      │    │                       │  │ └─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┘ ┌────────────────────────────────────────────────┐ │農林部                                             │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業等補助金の交付事務について                 │ │1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業                               │ │2)新規就農定着促進事業補助金                                  │ │3)元気な園芸特産産地育成対策事業補助金                             │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.人件費のみ発生する事業について      │  │ │         │  1)20,634│    │ 人件費のみ発生する事業についても説明責任を │  │ │農林園芸課    │  2)10,777│ 意見 │果たすため、事業ごとの人件費相当額などについ │ 196│ │         │    3)884│    │て一覧的に公表することなどについて検討をする │  │ │         │      │    │ことが望ましい。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)県営土地改良事業負担金等の交付事務について                         │ │1)県営土地改良事業負担金                                    │ │2)土地改良施設維持管理適正化事業負担金                             │ │3)団体営かんがい排水事業補助金                                 │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │  1)51,565│    │ア.事業評価について             │  │ │農地整備課    │   2)3,798│ 指摘 │ 当事業は、事業評価の実施結果が公表されてい │ 199│ │         │   3)4,428│    │ない。事業評価の実施結果を公表すべきである。 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)長良川下流域魚族保護対策協議会負担金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.協議会からの補助金額の算定根拠の不明確さ │  │ │         │      │    │について                   │  │ │         │      │    │ 協議会から長良川漁業協同組合への補助金額に │  │ │         │      │    │ついては協議会総会の議決によってはいるもの  │  │ │         │      │ 意見 │の、その金額の根拠は必ずしも明確とは言えず、 │ 201│ │         │      │    │外観的には前年踏襲で漫然と決議がなされている │  │ │         │      │    │と指摘されかねない状況にあり、何らかの対応を │  │ │         │      │    │することが望ましい。             │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │畜産センター   │    3,500│    │イ.事業評価公開内容について         │  │ │         │      │ 意見 │ 事業評価公開内容に改善できる点が見受けられ │ 201│ │         │      │    │る。成果実績の指標に記載がないため、対応する │  │ │         │      │    │ことが望ましい。               │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.一部重複事業の統合、効率化について    │  │ │         │      │    │ 当事業と同様の目的の事業として「魚類放流事 │  │ │         │      │ 意見 │業」が、畜産センターの事業として実施されてい │ 202│ │         │      │    │る。一部重複事業の統合、効率化について検討が │  │ │         │      │    │なされることが望まれる。           │  │ └─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┘ ┌────────────────────────────────────────────────┐ │福祉部                                             │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)地区敬老会運営費補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.高齢者人口について            │  │ │         │      │    │ 交付対象である高齢者の定義を再考するととも │  │ │         │      │ 意見 │に、多数の交付対象者及び補助金交付額が発生す │  │ │         │      │    │ることにより、岐阜市に必要以上の負担が発生す │ 204│ │         │      │    │ることのないように、見直しを行うことが望まれ │  │ │         │      │    │る。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.出席者について              │  │ │         │      │    │ 敬老会の出席率は過半数を下回り、多いとは言 │  │ │高齢福祉課    │   41,316│ 意見 │えない状態である。また、体調面から毎年の参加 │ 205│ │         │      │    │ができない高齢者等も多いと考えられる。このよ │  │ │         │      │    │うな点から、敬老会のあり方についても、再考す │  │ │         │      │    │ることが望まれる。              │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.早田地区の敬老会開催について       │  │
    │         │      │    │ 早田地区の敬老会では特定の高齢者のみを招待 │  │ │         │      │    │しており、他地区と比較すると補助金対象者に対 │  │ │         │      │ 意見 │する出席率が著しく低くなっている。補助金の交 │ 207│ │         │      │    │付限度額の算定方法から考えると、本来は金額算 │  │ │         │      │    │定の基礎となった人数に対し当該敬老会の参加対 │  │ │         │      │    │象者とするのが望ましい。           │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岩戸サンホーム運営費補助金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.根拠条例、要綱について          │  │ │         │      │    │ 現在、当該補助金額の算定について明文化され │  │ │         │      │ 意見 │た規程は存在しない。このような状況では補助金 │ 208│ │         │      │    │交付の公正性を満たしていないといえる。そのた │  │ │         │      │    │め、運営費補助金要綱の新たな設定の検討を行う │  │ │高齢福祉課    │    1,000│    │ことが望まれる。               │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事業評価について             │  │ │         │      │    │ 事業評価について岐阜市の補助によりどのくら │  │ │         │      │ 意見 │い負担が軽減されているかを記載し、当該事業の │ 208│ │         │      │    │実績、現状を分かりやすく説明することが望まれ │  │ │         │      │    │る。                     │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)ふれあいのまちづくり事業補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.根拠条例、要綱について          │  │ │         │      │    │ 現在、当該補助金は根拠となる要綱に該当する │  │ │         │      │    │ものがなく、補助金額の算定についても明文化さ │  │ │         │      │ 意見 │れた規程は存在しない。補助金額算定根拠となる │ 209│ │         │      │    │補助金要綱を定めた上で、その補助目的を達成し │  │ │高齢福祉課    │   37,361│    │うるような補助対象金額を明確に定めることが望 │  │ │         │      │    │まれる。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事業評価について             │  │ │         │      │ 意見 │ 事業評価について、市の補助によりどのくらい │ 210│ │         │      │    │負担が軽減されているかを記載し、当該事業の実 │  │ │         │      │    │績、現状を分かりやすく説明することが望まれる。│  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(4)岐阜市老人クラブ補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.根拠条例、要綱について          │  │ │         │      │    │ 現在、老人クラブ連合会運営費補助金について │  │ │         │      │    │は根拠となる要綱に該当するものがなく、諸手続 │  │ │         │      │ 意見 │きや補助金額が必ずしも明確にされていない。補 │ 211│ │         │      │    │助目的、補助対象、補助金額、及びそれに伴う諸 │  │ │         │      │    │手続きを明確にするために、補助金要綱を作成す │  │ │         │      │    │ることが望ましい。              │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.参加率について              │  │ │         │      │    │ 平成22年度における岐阜市内の老人クラブの参 │  │ │         │      │    │加割合は、全体としてはそれほど多い状態ではな │  │ │高齢福祉課    │   35,118│ 意見 │い。補助金の有効性の観点及び老人クラブ参加に │ 212│ │         │      │    │よるメリットを考えると、今後高齢者が参加しや │  │ │         │      │    │すい老人クラブの組織づくりが必要不可欠である │  │ │         │      │    │とともに、その参加率を向上させていくことが望 │  │ │         │      │    │まれる。                   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事業評価について             │  │ │         │      │    │ 当該事業の事業評価シート上、事業目的を達成 │  │ │         │      │    │するための活動指標及び成果指標の目標達成状況 │  │ │         │      │ 意見 │が不明瞭な形となっているが、最終的な結論とし │ 214│ │         │      │    │てかなり高い評価を付している。活動指標・成果 │  │ │         │      │    │指標を明確にした上でその結果を基に、より説得 │  │ │         │      │    │力のある評価を行うことが望ましい。      │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(5)岐阜市高齢者在宅生活援助員派遣事業補助金の交付事務について                 │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金額の算出について          │  │ │         │      │    │ 補助金額の根拠に当たり、一部不明瞭な係数が │  │ │         │      │    │見られた。これは、補助金が満たすべき要件を満 │  │ │         │      │ 意見 │たしておらず、補助金の算出過程としては不適切 │ 216│ │         │      │    │であるといわざるを得ない。今後、この補助金に │  │ │         │      │    │かぎらず、いかなる補助金についてもその算定根 │  │ │         │      │    │拠は明確にしておくのが望ましい。       │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.事業評価について             │  │ │         │      │    │ 事業評価上、現状維持としながらその評価につ │  │ │         │      │    │いては平成23年度以降対象がないと結論付けてお │  │ │高齢福祉課    │    4,573│ 意見 │り、その総合評価を省略している形となっている。│ 216│ │         │      │    │補助対象期間全体の結果を通しこの補助金の有効 │  │ │         │      │    │性を確認し、将来の行政に結び付けていくことが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.補助対象者の公平性について        │  │ │         │      │    │ 当該補助金については、中心市街地の居住を促 │  │ │         │      │    │進する目的のため対象地域を限定している。しか │  │ │         │      │ 意見 │しながら、高齢者が自立して安全かつ快適な生活 │ 216│ │         │      │    │を営むことができるようにという純然たる福祉目 │  │ │         │      │    │的も内包している。このような場合、居住地域に │  │ │         │      │    │おいてその扱いを異にすべきものではなく、検討 │  │ │         │      │    │することが望ましい。             │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(6)障害児保育円滑化事業補助金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.交付要綱について             │  │ │         │      │    │ 当該補助金は、私立保育園に対して、障がい児 │  │ │         │      │    │の受入に要する特別な経費を助成するものであ  │  │ │保育事業課    │    3,107│ 指摘 │るが、実際、補助対象となった経費には、健常児 │ 218│ │         │      │    │にも有用な経費が含まれていた。要綱に補助対象 │  │ │         │      │    │経費の範囲を明確にして、補助金の公正性、公平 │  │ │         │      │    │性を確保すべきである。            │  │
    ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(7)モデル保育所事業補助金の交付事務について                          │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.要綱の記載事項について          │  │ │         │      │    │ 複数の補助申請があった場合、補助対象の選考 │  │ │         │      │ 意見 │が必要となる可能性が高いが、選考の基準となる │ 220│ │         │      │    │ものがない。要綱において、選考の基準を明確化 │  │ │         │      │    │することが望まれる。             │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.公平性について              │  │ │         │      │    │ 補助対象経費の要件を満たしたとしても、限ら │  │ │         │      │    │れた予算から補助対象となる保育園と補助対象と │  │ │         │      │ 意見 │ならない保育園が生じる可能性があり、公平性の │ 221│ │         │      │    │点で課題があるといえる。           │  │ │         │      │    │ 他の補助金との調整を図ることや、補助率を変 │  │ │保育事業課    │    3,333│    │更する等により、補助の対象となる保育園を増加 │  │ │         │      │    │させることが望ましい。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.事業評価について             │  │ │         │      │    │ 事業評価では、すべての評価項目で最高点の5 │  │ │         │      │    │で評価されているが、毎年ほぼ1件しか補助をし  │  │ │         │      │    │ない状況で、各保育園は特に問題なく運営されて │  │ │         │      │    │おり、この補助金の必要性、有効性が高いとまで │  │ │         │      │ 指摘 │はいえない。また、費用対効果の項目は、県内の │ 222│ │         │      │    │市町村で同様の補助事業を実施していることをも │  │ │         │      │    │って、5と評価しているが、誤った理由である。適 │  │ │         │      │    │切に事業評価を行い、事業の適否、改善すべき事 │  │ │         │      │    │項を検討し、翌年度以降の事業に反映させるべき │  │ │         │      │    │である。                   │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(8)岐阜市交通遺児援護事業の補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助対象について             │  │ │         │      │    │ 交通事故以外の事故、または病気などにより父 │  │ │子ども家庭課   │     610│ 指摘 │母を失った遺児も交通遺児と同様に健全な育成と │ 224│ │         │      │    │福祉の増進が必要であることから、交通遺児のみ │  │ │         │      │    │を特別に激励することは公平性を害する。見直し │  │ │         │      │    │検討が必要である。              │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.激励図書カード支給の根拠について     │  │ │         │      │    │ 激励図書カードの送付等の運用については、岐 │  │ │         │      │ 意見 │阜県交通遺児激励金支給要綱を参考にしてはいる │ 224│ │         │      │    │ものの、岐阜市自体には支給の根拠となる規則、 │  │ │         │      │    │要綱等がないため、対応することが望まれる。  │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(9)岐阜市社会福祉協議会運営補助金の交付事務について                      │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.民間団体に対する補助目的及び補助金額の見 │  │ │         │      │    │直しについて                 │  │ │福祉政策課    │   58,311│ 意見 │ 補助対象の見直しまたは補助目的を限定する等 │ 225│ │         │      │    │の見直しを行うと同時に、必要な補助金額につい │  │ │         │      │    │ても見直しを行うことが望まれる。       │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(10)岐阜市福祉医療助成事業協力費補助金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金の設定目的の明確化について     │  │ │         │      │ 意見 │ 補助の設定目的と覚書の締結意図が整合してい │ 230│ │         │      │    │ないため、補助金が何に対して支払われているか │  │ │         │      │    │を明確にすることが望まれる。         │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │福祉政策課    │   24,369│    │イ.岐阜県柔道整復師会への補助の必要性につい │  │ │         │      │    │て                      │  │ │         │      │ 意見 │ 補助の必要性及び補助金の算定根拠が明確とな │ 231│ │         │      │    │っていないため、それらを明確にすることが望ま │  │ │         │      │    │れる。                    │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(11)岐阜市民生委員児童委員協議会運営費補助金の交付事務について                │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.協議会からの補助金の交付事務マニュアルの │  │ │         │      │    │必要性について                │  │ │福祉政策課    │   20,479│ 意見 │ 補助金等交付規則を逸脱する可能性が懸念され │ 233│ │         │      │    │ることから、協議会から各ブロック及び地域に対 │  │ │         │      │    │して補助を行う際に、補助金交付の指針となるも │  │ │         │      │    │のを作成することが望まれる。         │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │まちづくり推進部                                        │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)歴史的建造物群景観形成助成制度の補助金の交付事務について                  │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.相見積りについて             │  │ │まちづくり景   │    6,500│ 意見 │ 原則、工事業者の選定にあたっては、相見積り │ 237│ │観課       │      │    │も実施し相対的に経済的なものを選択することが │  │ │         │      │    │望まれる。                  │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)木造住宅に係る住宅耐震補強工事事業の補助金の交付事務について                │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金の公平性について          │  │ │         │      │    │ 工事を先着順で受け付けているため、該当事業 │  │ │         │      │    │年度の申請開始日に既に、その年度の予算枠が終 │  │ │         │      │ 意見 │了してしまう状況となっており、申請のタイミン │ 238│ │         │      │    │グのみで補助が受けられるかどうかが決定され  │  │ │         │      │    │る。この点を改善し、補助の機会の公平性が保た │  │ │         │      │    │れるよう配慮することが望ましい。       │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.有効性について              │  │ │         │      │    │ 工事件数は、予算の関係上、平成20年度8件、  │  │ │         │      │    │21年度9件、22年度15件しか補助がおこなわれ   │  │ │建築指導課    │   12,600│    │ておらず、岐阜市の木造住宅総数が約2万4千3   │ 238│ │         │      │ 意見 │百戸であることを考慮すると、岐阜市全体の目標 │  │ │         │      │    │を達成するための手段としての当該補助金の効果 │  │
    │         │      │    │は極めて限定的となっているため、補助件数を増 │  │ │         │      │    │加し、その有効性を向上させることが望まれる。 │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.市職員の過大な事務作業負担について    │  │ │         │      │    │ 市の平成22年度の事業評価シートによると、総 │  │ │         │      │ 意見 │補助金額12,600千円に対して、市職員の事務作業 │ 239│ │         │      │    │等の人件費5,010千円がかかっている。あまりに  │  │ │         │      │    │煩雑な事務作業が生じているような補助金は、経 │  │ │         │      │    │済性に配慮し、効率化が図られることが望まれる。│  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)特定建築物耐震補強工事事業の補助金の交付事務について                    │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助金の周知の徹底について        │  │ │         │      │    │ 当該補助金は平成18年度より開始したものであ │  │ │         │      │    │るが、平成22年度末現在1件のみしか補助実績が  │  │ │         │      │    │なく、また、平成19年度現在で、「岐阜市の基準 │  │ │建築指導課    │   12,300│ 意見 │を満たす特定建築物/総特定建築物」=     │ 240│ │         │      │    │「1,320/1,893戸」と目標90%に対して達成率約  │  │ │         │      │    │70%にとどまっているため、補助金や、耐震補強 │  │ │         │      │    │の重要性を今以上に周知し、目標達成を促進する │  │ │         │      │    │ことが望まれる。               │  │ └─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┘ ┌────────────────────────────────────────────────┐ │薬科大学                                            │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)岐阜薬科大学 共同研究交付金の交付事務について                       │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.研究予算の他の研究への流用のリスクへの対 │  │ │         │      │    │応について                  │  │ │         │      │ 意見 │ 他の研究に共同研究交付金が流用がなされない │ 242│ │         │      │    │ように、庶務会計課は研究者に対して、注意を喚 │  │ │         │      │    │起することが望ましい。            │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.物品購入等の検収体制について       │  │ │庶務会計課    │   27,272│ 意見 │ 現状の内部統制を補強する意味で、時には庶務 │ 242│ │         │      │    │会計課を通じた検収を行うことを検討することが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.研究経費により取得した備品等について   │  │ │         │      │ 指摘 │ 備品の現物確認を定期的に行い、備品台帳に記 │ 242│ │         │      │    │載されている備品が紛失していないか現物実査を │  │ │         │      │    │行うべきである。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(2)岐阜薬科大学受託研究交付金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.研究予算の他の研究への流用のリスクへの対 │  │ │         │      │    │応について                  │  │ │         │      │ 意見 │ 他の研究に受託研究交付金が流用がなされない │ 244│ │         │      │    │ように、庶務会計課は研究者に対し注意を喚起す │  │ │         │      │    │ることが望ましい。              │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.物品購入等の検収体制について       │  │ │庶務会計課    │   67,076│ 意見 │ 現状の内部統制を補強する意味で、時には庶務 │ 244│ │         │      │    │会計課を通じた検収を行うことを検討することが │  │ │         │      │    │望ましい。                  │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.研究経費により取得した備品等について   │  │ │         │      │ 指摘 │ 備品の現物確認を定期的に行い、備品台帳に記 │ 245│ │         │      │    │載されている備品が紛失していないか現物実査を │  │ │         │      │    │行うべきである。               │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │(3)岐阜薬科大学科学研究費間接経費交付金の交付事務について                   │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.内部統制の構築及び内部監査について    │  │ │         │      │    │ 考えられる不正の危険に対し、何らかの内部統 │  │ │         │      │    │制を構築し、不正を防止する環境を作ることが望 │  │ │         │      │    │ましい。                   │  │ │庶務会計課    │   18,348│ 意見 │ 所管部署による内部監査は不正リスクを想定  │ 246│ │         │      │    │し、それに対応した監査手続を定め実施し、監査 │  │ │         │      │    │の幅を広げることが望ましい。また、監査の結果 │  │ │         │      │    │を文書化することにより計画的、効果的な監査が │  │ │         │      │    │可能となる。                 │  │ ├─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┤ │柳津地域振興事務所                                       │ ├────────────────────────────────────────────────┤ │(1)物流機能サポート事業補助金の交付事務について                        │ ├─────────┬──────┬────┬───────────────────────┬──┤ │         │      │    │ア.補助の必要性について           │  │ │         │      │ 指摘 │ 補助金支出の必要性について、実質的な検討が │ 249│ │         │      │    │なされておらず、貸借対照表等を入手して、実質 │  │ │         │      │    │的な補助の必要性の検証をするべきである。   │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │イ.交付要綱がないことについて        │  │ │         │      │    │ 支出の根拠となる明確な要綱が存在していな  │  │ │         │      │ 指摘 │いため、今後は、要綱を定め、趣旨、支出金額の │ 250│ │         │      │    │算定根拠、補助対象者等を明確にする必要がある。│  │ │         │      │    │なお、利益剰余金が発生した場合の取り扱いにつ │  │ │地域振興総務   │      │    │いても要綱に明確に定める必要がある。     │  │ │課        │    5,500├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │ウ.一般事業収支内訳書の収入に記載されている │  │ │         │      │    │組合均等割について              │  │ │         │      │ 指摘 │ 一般事業収支内訳書の収入に記載されている組 │ 251│ │         │      │    │合均等割について、減額されていたが、事業内容 │  │ │         │      │    │の変更についての所要の手続をとるべきであっ  │  │ │         │      │    │た。                     │  │ │         │      ├────┼───────────────────────┼──┤ │         │      │    │エ.事業評価の形骸化について         │  │ │         │      │ 指摘 │ 事業評価が、具体的根拠なしに毎年支出の効果 │ 251│ │         │      │    │があったと判断しており、実質的な事業評価を実 │  │ │         │      │    │施するべきである。              │  │
    └─────────┴──────┴────┴───────────────────────┴──┘ 第4章 外部監査の指摘及び意見(総論)  この章で取り上げた事項は、今回の監査のまとめとして特に記載を要すると判断した 事項である。第5章各論においては、個別の補助金等について詳細な検討を行っている が、それらの検討事項には共通する事項も多く、この章において改めて記載し今後の改 善等を要する事項として説明を行った。 第1 補助金等に関する関係規程等の整備について(担当課:行財政改革課) 1 概要  現在、補助金等に関する規程には「岐阜市補助金等交付規則」がある。その内容は、 いわゆる「補助金等適正化法」に準じて補助金等の申請・交付手続を定めたものとなっ ている。補助金等の交付事務に必要な要綱については第28条に、この規則の施行に必 要なものは別に定める旨を規定しており、解説により要綱の制定が各部署に求められて いる。また、第2条において用語の定義を行っており、補助金等は「本市が交付する補 助金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。」と規定されている。 したがって、補助金に類似する交付金・負担金について明確に定められた規程はない。 2 問題点  地方自治法第232条の2は「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合におい ては、寄附又は補助をすることができる」と規定している。  過去の行政実例においては、この公益上の必要性について「公益上必要かどうかを一 応認定するのは長及び議会であるが、この認定は全くの自由裁量ではないから、客観的 にも公益上必要であると認められなければならない」と説明している。(昭和28年6 月29日 自行行発第186号)。  また、この公益上の必要性の有無の判断について裁判例の傾向としては、公益上の必 要性が種々の行政目的を踏まえた政策的な判断を必要とすることを認めて地方公共団 体の支出権者に一定の裁量権の存在を肯定した上で、その逸脱・濫用の有無という観点 より補助金支出の適正性を判断するようになっている。  特に、神戸地裁判決(昭和62年9月28日 昭和50年(行ウ)第15号)においては 「補助金支出が、目的違反、動機の不正、平等原則、比例原則違反など裁量権の濫用・ 逸脱となるときには、・・・補助金支出は違法といわなければならない」と判示してお り、より具体的な要件等が示されている。  このような動きを踏まえると、公益上の必要性については法の定めやその趣旨、判例 等を踏まえ、公益性や政策目的適合性を十分に検討して、単に申請・交付手続だけでな く、交付対象事業、対象団体、具体的な公益性の判断基準、整理統合の方向性などの内 容要件についても具体的に規定化することが必要になり、これらに関する情報公開につ いても一定の定めが求められると判断される。もし、これらについて具体的な定めを欠 く状態は、地方公共団体に求められている公益上の必要性に関する客観的な判断基準を 欠くことになり早期の是正が必要な状態であると判断される。 3 結論(指摘) (1)現在未整備な条例・規程等の整備について  現在、補助金等に関し規定化されているものは「岐阜市補助金等交付規則」のみであ る。上記問題点で指摘したように求められている条例・規程等は種々のものに及び必要 なものを早急に規定化する必要がある。  過去に岐阜市に対して提出された意見書等には、公益上の必要性から求められている 内容について記載されているものがあり十分に参考になりうる。ただこれらは残念なが ら意見書等の形にとどまっており、その位置づけや強制力については必ずしも明確には なっておらず、内容についても網羅性について欠ける点が見受けられる。  したがって、手続き面の規程として現行の「岐阜市補助金等交付規則」のほかに補 助金等に関する、公益性の判定基準等を含んだ実質的な交付基準、情報公開等その他の 必要な規程等を設定する必要がある。 (2)要綱の整備について  「岐阜市補助金等交付規則」第28条には、必要な要綱を定めることがその趣旨とし て求められている。  現在の状況は、この趣旨が不徹底な箇所があり各論において個別の問題点として指摘 がなされている。一般的な規程は上記(1)の趣旨を踏まえて整備がなされても個別の 事務事業において補助金等を適正に支出するには、個別の事務事業に、その適性を十分 に踏まえて設定された要綱の整備が必要になる。要綱の整備が不十分な場合は、その他 の規程が整備されていても、個別の補助金等の個別の公益上の必要性の判断に問題が生 じる可能性があり、実質的な問題といえる。関係各部署においては、要綱の内容を実質 的に再検討し、必要事項の設定、改定を行う必要がある。 (3)交付金、負担金に関する規程等の整備について  補助金に類似した性格でありながら、特段の定めがない交付金・負担金についても「岐 阜市補助金等交付規則」に準じた定めを検討する必要がある。  交付金については「補助金等適正化法」の定めに準じ補助金と同様に「岐阜市補助金 等交付規則」の規制対象に含めることも考えられる。現在も「岐阜市補助金等交付規則」 第2条に規定する「その他相当の反対給付を受けない給付金」に該当すると判断される 場合は「岐阜市補助金等交付規則」の規制を受けることになっているため、補助金と一 体として規制対象とすることは可能であろう。  仮に、性格が異なるために、補助金と一体として規制することが困難と判断される場 合は、別の規程を設ける等の方法を検討することも必要であろう。  負担金については、交付金に比べ性格が種々に及び「岐阜市補助金等交付規則」にお いて規制することは困難な面があると判断される。その場合には、負担金の内容により 区分し、それぞれに応じた別々の規制となることも現実的な対応としては必要なことで あろう。  いずれにしても、現在の規制する規程等がない状態は早急に改善されるべきである。 補助金に関する規程等の整備と同時に、バランスを取りながら交付金、負担金に関する 関係規程等も一体で整備を行い、個別の判断・解釈によるだけで規制がない項目になり うるような状態は改善する必要がある。 第2 事務事業評価の改善について(担当課:行財政改革課) 1 概要  補助金等は、岐阜市の政策の実現手段として一定の目的を実現するために、事務事 業の形で実施される。現在、岐阜市は補助金等の有効性・効率性を測定するために事務 事業評価を実施し、その効果測定を行い種々の改善に結び付けようとしている。  事務事業評価が適切に行われない場合には、補助金等の有効性・効率性の測定が実 質的に担保されないことになり、十分な配慮が求められるべきである。  事務事業評価の概要は以下の通りとなっている。
    (1)事業評価システム導入の背景とその後の変化  平成14年度より事務事業評価は、事業評価システムを導入して実施している。事業 評価システム導入は、事業の必要性、効率性などについて、評価する仕組みが確立され ていないことや、事業の明確性や透明性が確保されておらず、市民に対する説明責任を 十分に果たしているとは言えないという背景のもとに行われたものである。このような 背景を基に、システム導入当初の目的は、行政の効率化、総合計画の進行管理や行政運 営上のツール、行政の説明責任に重点が置かれていた。現在では当初の目的は変化し、 説明責任の確保、職員の意識改革に重点が移行してきており、目的の変化が事務事業評 価の内容にも影響を与えている点が見受けられる。  第5章各論において担当部局が行った事務事業評価の内容検討を通じて個別の補助 金等の有効性を検討しているが、その手段としての事務事業評価の実施状況の形骸化、 事務事業評価自体の作業化の傾向が見受けられる。 (2)事業評価システムの構成と実績  事業評価システムの構成は、3段階となっている。  第1段階は施策評価である。総合計画の各施策の達成度を示す目標指標と目標値を 設定し、施策に連なる事務事業の事後評価に基づき施策評価を行い総合計画の進捗管理 を行うとともに、事務事業全体の進行状況について把握する。施策レベルで達成度が低 い場合は、施策に連なる事務事業の方向性、実施の是非や実施手法などについて検討・ 見直しを行う。  第2段階は事前評価である。事務事業の計画の段階でその目的と目標を明確にし、 事務事業を実施することにより発生する費用と期待される成果・効果を「有効性」「費 用対効果」「妥当性」などの観点から事前に評価する。事前評価を踏まえ、事務事業の 実施の是非や実施手法等を検討する。  第3段階は事後評価である。実施した事務事業について「達成度」「有効性」「妥 当性」の観点から検証する事後評価を行い、課題・問題点を把握し、今後の事務事業実 施の是非や実施手法などについて見直しが必要なものを、リストアップし検討・見直し を行う。  平成22年度の実績はかなり多数であり、平成21年度の実施事業を対象に、施策評価 93施策、事後評価840事業を実施し、その内容を岐阜市のホームページに公開してい る。 (3)事業評価システムの対象事業と補助金等の関係  対象事業は、市が実施する事務事業、補助金事業及び負担金事業である。ただし、 内部管理的な事務事業等は対象外である。補助金等については、その事業内容ごとに一 事業として評価することとされている。補助金は、原則としてすべての補助金を対象と するが以下の補助金については対象外とされている。 ア.国や県等の補助金で、市を通じて支出するが市の負担はない補助金 イ.制度はあるが、予算化されていないもの ウ.予算化されているが、継続して3年以上執行されていないもの  負担金は、事業性のない負担金や、市に裁量の余地のない負担金は評価の対象外と して取り扱われており、対象外とする負担金の例として事務組合負担金、県営事業負担 金で市に裁量の余地のないものや、出席負担金や加入団体負担金で事業性のないものな どが挙げられている。  以上の取り扱いを判断基準に、対象事務事業を選定し事務事業評価が行われている が、選定過程・選定結果は担当部署に任され事務事業評価自体の内容検討についても担 当部署に任されているところが多いのが実情になっている。 (4)平成23年度における変更について  事務事業評価は、平成14年度より上記のように実施されていたが、平成23年度よ り新たな方法に変更された。変更の理由は、システムの老朽化等によるものであるが実 質的には第1段階の施策評価を廃止し、退職給与引当金や減価償却費といった発生主義 の考え方によるコスト積算や受益者負担、費用対効果の視点を取り入れたところが大き な変更点であり、事務事業評価自体は継続して実施されることになっている。 2 問題点  上記概要より、以下の問題点が認められる。 (1)事務事業評価実施部署に、制度趣旨が十分に伝達されていない可能性があること  平成14年度から継続して行われてきたが、当初の目的も変化し不明確な点も見受け られることから制度自体の趣旨を十分に理解していないような状況も見受けられる。 また、担当部署の職員は数年で配置転換することが多く、補助金自体の当初の設定趣旨 まで十分に理解していない状況も散見される。このため事務事業評価も形式的に行われ る傾向が強まっていることが考えられる。 (2)評価対象事業数が多数にのぼり、メリハリの利いた事業評価が行いにくい状況に あること  平成22年度の実績は、施策評価93施策、事後評価840事業を実施しているが、こ れだけ多数の評価を行うことは多くの資料検討や判断業務を考慮すると、一件当たりの 評価時間は相当程度限られたものになると考えられ、十分に検討がなされないまま実施 されている可能性がある。 (3)事務事業評価自体が担当部署に任され十分に機能していない可能性があること  事務事業評価の対象となる補助金等は、選定の考え方が示されてはいるものの、そ の選定方法は担当部署に任されており、著しく不適切な場合を除いて、行財政改革課の 指導等が行われることはない。また、その評価方法・評価結果についても、一定の説明 等はあるものの担当部署に任されているところが多く、これも著しく不適切な場合を除 いて行財政改革課の指導等が行われることはない。このような状況では、事務事業評価 を担当する職員の理解不足や時間的な制約がある場合は、事務事業評価の内容に問題が 生じることも考えられる。 (4)効果測定の指標設定が不十分となっている可能性があること  この問題点は、第5章各論において各補助金等の効果測定を検討した場合に多く見 受けられた点である。具体的な効果測定の指標が適切に設定されない場合は、補助金交 付の効果が判断できない状態になり、その有効性が不明確なまま事業が継続される危険 が生じる。これでは、補助金等の事業の有効性・効率性が阻害される危険があり、早急 に対策を講じる必要がある。  以上、種々の問題点を検討したが、現在の事務事業評価の状況は実質的に形骸化し ている可能性があり、事務事業評価自体が事務作業化しているような実態ともいえる。 3 結論(指摘)  現在の事務事業評価の実施状況は、補助金等の有効性・効率性を検討する手段とし ては十分に機能しているとは言い難い。このままでは、補助金等の有効性・効率性が十 分に検討されないまま事業が継続される問題を抱えている。  この状況を改善するためには、以下のような方法が考えられる。 (1)事務事業評価の趣旨を明確にするため実施の目標を再確認し、明確に職員に伝達 する必要がある。また実施にあたってのノウハウが不足している可能性もあり、ノウハ ウ蓄積を図り、実施する職員の教育も必要であろう。 (2)十分な効果を期待するには、金額の重要性等で範囲をしぼり厳選した対象事業 について、十分な検討と次年度以降への改革等を実施した方が、メリハリの利いた効果的 な事務事業評価となると判断される。
     仮に、現在の評価範囲を現在のまま継続する場合には、一年ですべてを行うのではな く複数年にわたって分割して実施し、十分な検討を行う方法も考えられる。これにより、 事務事業評価の対象事業は限定されるが、補助金等に関する説明責任は、事務事業評価 結果の公開以外の別の方法でも実施可能と考えられる。 (3)実質的に事務事業評価の方法が担当部署に任されている現状は、他の部署によっ てその実施状況を確認する方法の導入を検討して改善すべきである。仮に対象事業が限 定されるようになれば、その事務負担は減少し、他の部署による検討も比較的実施しや すいものになり、より事務事業評価の実効性が高まると考えられる。外部の第三者によ る方法も考えられるが、時間的制約等により困難な場合が多いであろう。 (4)効果測定の指標設定が不十分な点については、上記(1)で述べたようにノウハウ の蓄積と実施職員の教育等により、評価方法の改善を図る等の必要があろう。  以上、いずれの方法をとるにせよ、現在の事務事業評価は、その問題点を早急に改 善する必要がある。改善できない場合には、補助金等の有効性・効率性が十分に判断で きないことになり実質的に大きな問題を抱えた状態といえる。 第3 補助金等見直し方法の改善について(担当課:行財政改革課) 1 概要  前述の「補助金等に関する現在の見直しシステム」で述べたように、補助金等の見直 しは、岐阜市補助金検討委員会による「最終提言」により補助金検討チーム、補助金等 評価委員会、行財政改革推進会議が中心になって行われている。各組織の人員構成は、 行財政改革推進会議が外部からの委員が参画しているほかは、いずれも岐阜市内部の委 員により構成されている。それぞれの組織は、非常設の組織であり常時補助金等の問題 を検討できるような体制ではない。補助金等の見直し検討対象についても、「新規開設 から3年が経過した補助金等」が評価の対象である。このように、必ずしもすべての補 助金等が見直し検討の対象となっているわけではなく、一度検討された補助金等もその 後の追跡調査が行われるわけではない。  実際の見直し状況は、平成18年度から平成22年度までは、補助金検討チームの評価 結果と補助金所管部署のそれとがほぼ一致し、補助金等評価委員会に問題提起されるこ とも、補助金等の見直しシステムについて行財政改革推進会議から指摘されることもな かった。  以上が、現在の補助金等見直し方法の概要であるが、このほかにも行財政改革推進会 議による事業仕分の意見聴取により補助金等が検討対象になっている。平成22年度に おける意見聴取事業数は、事業評価対象事業数848事業の内、最終的に19事業(構成 割合2.2%)となっており、この中に補助金等が含まれている場合は、意見聴取の対象 として内容の検討がなされることになる。  行財政改革推進会議による意見聴取によって補助金等が検討されると、外部の委員の 目による検討で新たに問題が指摘されることもある。このことは、現在の補助金等の見 直しシステムが当初の状況からの変化に対応していない部分があることを示している 可能性がある。  見直し方法についての基本的な考え方は(*)は、過去に市に提出された意見書等 に記載されており、その内容を検討してみると、現在でも十分適合することが確認でき る。そのため、それらを再確認し、補助金等の見直しシステムのあり方を検討してみる 必要がある。 *基本的な考え方の参考になる過去の意見書等  岐阜市行政改革推進会議による「補助金の見直しに関する意見書」・・・補助金等の 見直しの視点をまとめており、見直しの判断基準となる。  岐阜市補助金検討委員会による「中間提言」・・・情報公開の必要性、長期にわたる 補助金等について終期の設定、目標期限の設定等を記載している。  岐阜市補助金検討委員会による「最終提言」・・・見直しは継続して実施すべき事、 負担金についても見直しを実施すべきこと等を記載している。 2 問題点  現在の補助金見直しシステムには、改善すべき点が含まれていると考えられる。改善 の基本的な考え方は、過去の意見書等に含まれており、これらを参考にすれば、その方 向は見えてくるものと判断される。  改善を要すると考えられる点は、以下のものがある。 (1)検討機関による見直しが合理的ではないため、整理の必要があること。  行財政改革推進会議では、補助金見直しシステムにおいて、そのあり方を検討して いるが、その一方で、個々の補助金等については、岐阜市版事業仕分けによる意見聴取 が行われており、補助金見直しシステムのあり方と個々の補助金等の検討が別々に行わ れている。補助金見直しシステムのあり方を検討する場合には、個々の補助金の見直し 検討状況を踏まえた上で、現在の補助金見直しシステムが機能しているかどうかを判断 するのが合理的であると考えられる。このため、補助金見直しシステムのあり方と個別 の補助金の意見聴取を別々に行うのではなく、一度にまとめて行われるような整理を検 討するべきではないか。 (2)実質的に内容の検討を行う機関は、岐阜市の内部関係者で占められており、外部 の目による検討が必要と判断されること。  補助金見直しシステムの現状から判断すると、直接内容の検討に外部の目が届きにく い体制になっている。行財政改革推進会議においては、補助金見直しシステム全体のあ り方について検討が行われるため、個別の補助金等を直接に検討するような体制ではな く、事業仕分けの意見聴取についても対象となる個別の補助金等は、検討対象が限定さ れたものになっているため、外部の委員が直接補助金等を検討する機会は、かなり限定 されたものになっている。多数の補助金等を、外部委員の参画する非常設の機関によっ て検討することは困難であるため、見直し方法自体を再検討し、外部委員の導入等を考 慮する必要があろう。 (3)補助金見直し検討対象の数が限定されており、これを広げるとともに次年度以降 も継続してフォローする方法を検討するべきであること。  現在は、新規開設から3年が経過した補助金等のみが検討対象になり、一度検討さ れるとその後に評価されることはない。問題は長期にわたり継続した補助金等にあり、 これらの検討が行われない現在の方法は欠陥があるといえる。 (4)金額基準等により重要性があり、個別検討するものとそれ以外のものを区別し、 それぞれ実質的に検討できるシステムを構築すること。  特別な場合を除き、金額的に重要なものが検討対象としても重要である。それらに ついては詳細に検討し、それ以外のものについては、一括して検討する方法等を構築す るべきである。多数の補助金等を一律に検討することは非効率であり、作業の効果とし ても問題がある。 (5)見直しの対象を補助金に限定せず、負担金等にも広げるべきであること。  岐阜市補助金検討委員会による「最終提言」にも記載があるように、負担金も見直 しが求められている。  補助金と類似する負担金等にも補助金と同種の問題が発生する場合があり、見直し の必要性を検討するべきである。 3 結論(指摘)
     現在の補助金見直しシステムは、過去の改正により構築されているが、時間の経過に より見直しが必要な時期に来ていると判断される。上記問題点の(1)から(4)までは 一体として検討すべきである。外部の目による検討は、時間的な制約により金額的に重 要なものに限定されよう。金額的に重要なものは、詳細にかつ外部の目も導入して十分 検討するべきである。それ以外は、定期的な見直しが自動的に行われる方法に変更する べきである。この方法には、終期の設定、目標期限の設定等があり一定の期限が来れば 統一的に検討される仕組みにより網羅性を考慮した方法を導入することを検討する必 要がある。(5)の見直しの検討範囲は、現在の補助金に限定するべきではなく、性格 的に類似し、問題も類似している交付金・負担金も検討範囲に含めるべきである。 第4 各種委員会等に対する負担金等の問題点について (担当課:市民体育課、歴史博物館、循環型社会推進課、地球環境課、男女共同参画・      文化課、産業拠点運営課(この他にも全庁的に検討する必要がある)) 1 概要  現在、岐阜市の職員が業務上関係する各種団体は多数に上っている。以下は、各所管 部署ごとに関係する団体の数と負担金等の支出の有無を調査した結果である。 「各種団体業務の状況に関する調査(H23.5照会)調査結果」 ┌────────────┬────────────┬───────────┐ │企画部 5団体      │財政部1団        │体行政部 4団体    │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │商工観光部18団体    │農林部12団体      │市民生活部8団体    │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │福祉部 4団体      │健康部5団体       │市民病院2団体     │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │自然共生部6団体     │消防本部7団体      │まちづくり推進部1団体 │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │都市建設部5団体     │基盤整備部20団体    │上下水道事業部2団体  │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │市民参画部11団体    │女子短大1団体      │教育委員会22団体   │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │柳津地域振興事務所4団体 │選挙管理委員会1団体   │議会事務局7団体    │ ├────────────┼────────────┼───────────┤ │監査委員事務局1団体   │ぎふ清流国体推進部1団体 │           │ └────────────┴────────────┴───────────┘  以上149団体があり、岐阜市から各種団体に対し負担金等が支出されているものが 123件(構成割合82.6%)に上っている。これらの団体は、実行委員会・協議会等様々 な名称があるが、特定の事業を行うために行政・企業・市民団体その他が資金を出し合 って運営されているものが多い。岐阜市がこれらの団体に対し負担金等を支出する場合 には後述するような問題が生ずるほか、各種団体の事務局が市の所管部署内に設置され て、事務を市職員が処理していている場合や、収入の大半が負担金等で占められ、実質 的な運営や市の職員のかかわり方に疑問の生ずるような場合も多く見受けられる。 2 問題点  実行委員会等は、一般に「権利能力なき社団」であると考えられる。権利能力なき社 団とは、社団としての実質を備えていながら登記を行っていないため法人格を有しない 社団である。このような権利能力なき社団に岐阜市の職員が事務局として関係している 場合には、以下の問題点が生じるおそれがある。 (1)権利能力なき社団としての実質を備え、かつ、実質的に岐阜市から独立していな い場合には、実行委員会に対する岐阜市の負担金等の支出の効果について疑問が生じる こと。実行委員会等における支払事務や業務運営の適切性に問題が生じる可能性がある こと。責任の所在が不明確になりやすいことなどから公金の支出として適切であるとは 言えないこと。 (2)実行委員会等の設立から管理、廃止までに至る一連の定めが、岐阜市の方針とし て示されないまま、実行委員会等という簡易な組織が次々に設立され、それらの管理が 各所管部署の管理に任されるため、その管理の程度が一定していないこと。また、実行 委員会等の管理が各所管部署に任されていることから、外部の目が及びにくい状態にな っていることで種々の問題がなかなか顕在化しにくいことがあげられる。このほか、市 の職員が実行委員会等の事務局を兼任する場合、実行委員会等の性格によっては職務専 念義務の規定に抵触する可能性があることが考えられる。 3 結論 (1)上記問題点の(1)について(意見)  この場合は、実行委員会等の行為は実質的に市の行為とみられることとなり、実質に 問題のある団体に対する公金支出の不適切性の問題より、負担金等の支出の効果に疑問 のあることや実行委員会等の支出が市の支出とみなされるおそれがあり責任問題が生 じる可能性がある。また、市の支出の場合に求められる規制が同様に求められるべきも のであるにも関わらず、実行委員会等の簡易な規制による支出が行われてしまうことに なり問題が生じるおそれがある。  実行委員会等の事務管理全般についても実質的に市の行為と同等の規制が求められ るべきところ、その簡易な規制に基づいて行われることになり、ここにも問題の生じる おそれがある。  これらの点を回避するには、権利能力なき社団としての実質を備え、かつ、実質的に 岐阜市から独立していない場合には、その独立性を確保する必要が生じる。  実行委員会等が権利能力なき社団として認められるには以下の成立要件をすべて満 たす必要がある。 (最高裁判例昭和39年10月15日より要約) 1)団体としての組織を有すること 2)多数決の原理に基づいた意思決定が行われること 3)構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続できること 4)代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定している  こと  これらの要件を検討し、問題の生じないように整備する必要がある。また、実質的に は権利能力なき社団となっていても実質的に岐阜市から独立していないと判断される 場合としては、以下の状態になっている場合が考えられる。 (名古屋高等裁判所判例平成15年12月25日より考え方を要約)
    1)実行委員会等の設置が事業実施の方法として計画されたものであること 2)実行委員会等の設置・運営に地方公共団体が中心的役割を果たしていること 3)実行委員会等の事務の全般について設置地方公共団体の職員が職務として遂行して  いること 4)実行委員会等の予算の大半が負担金等により占められていること  以上の状況が見受けられる場合、実行委員会等が岐阜市から独立した存在となるよう に実態を改善する努力が求められる。実行委員会等の事業についても、内容の整理統合 を検討し、一部は市の事業として実施する等の是正措置を講じることや、構成員の役割 分担の再検討から市の関与の解消を検討することも必要な場合があると考えられる。  ただ、現実的には実行委員会等を利用することのメリットが大きな場合も考えられ、 そのような場合は種々の問題の発生を回避するための手段を講じることが求められる。  実行委員会等の事務管理全般を一定の水準に保つための改善が求められ、特に市が行 う事務に比べ著しく簡易な方法で事務が行われることで、不適切な状態にならないよう に一定の管理水準を保つことが望まれる。 (2)上記問題点の(2)について(意見)  現在は実行委員会等の設立から管理、廃止までに至る統一した考え方が存在せず、各 所管部署にその運営が任されている状態は大きな問題といえる。便利な実行委員会等は 今後さらに安易に設立されていく可能性がある。市は実行委員会等のあり方や整理の方 向性、設立から管理、廃止までに至る統一した考え方を整理、公表し、現在の各所管部 署の判断に任せた管理の状況を改善することが望まれる。  実行委員会等においては、各種の事業が行われているが、その管理は上記のように設 立部署に任されている。この場合は通常の事務事業に比べ、市の職員が事務を行ってい る場合でも、外部の者の目が及ぶ程度に差が生ずる。設立部署の管理にしても担当部署 によって水準の一定しない管理が行われる可能性がある。また、事務事業評価に基づか ない非効率な事務が長期にわたって実施される可能性、事務事業に関する情報公開が行 われないなどの可能性も生ずる。これらの問題を改善するためには、第1に実行委員会 等の所管部署による一定の適切な管理が必要であり、そのためには統一的な管理方針等 が示される必要がある。第2に外部の者によって、各所管部署の実行委員会等への管理 の適切性についての確認等の検証が必要であるといえよう。  職務専念義務とは、地方公務員法第35条に定めがある地方公務員に求められる義務 の一つである。地方公務員法第35条は「条例に特別の定めがある」場合は職務専念義 務は免除されると定めているが、岐阜市の条例を確認してみたところ、個別具体的な定 めは確認されなかった。今回の調査においては、かなりの実行委員会等に市の職員が関 与している事実が判明した。また、それらの実行委員会等にはかなりの確率で負担金等 が支出され、問題を複雑なものにしている。  一般に、市の職員が実行委員会等の事務を行う場合は、職務の一部として行うという 整理がなされているため職務専念義務違反は問題にならないが、現在設立されている実 行委員会等の中には、その性格によっては職務の一部として整理することに疑問が生じ る団体、業務が存在する可能性がある。実行委員会等の性格を踏まえ、構成員の役割分 担を明確にした上で、職務専念義務に抵触するような内容の場合は直ちに改善する必要 があり、この点について注意を払うことが望まれる。 第5 旧柳津町に関する補助金等について(担当課:地域振興総務課、経営雇用対策課) 1 概要  旧柳津町は、平成18年1月1日に岐阜市と合併した。合併の方式は、柳津町を廃し、 その区域を岐阜市に編入する編入合併とされた。平成23年1月1日現在では合併後5 年の時間が経過しているが、旧柳津町時代の補助金等は、従来の状況に近い形で存続し ているものが散見される。  これに関し合併協定書における補助金関係の取り決めとしては、以下の取り扱いが確 認できる。  条例・規則等については「14 条例・規則等の取扱 岐阜市の条例・規則等を適用す るものとする。ただし、各種事務事業等の調整方針と関係する条例・規則等については、 その調整を踏まえて規定の整理を行うものとする。」  補助金等については「18 補助金等の取扱い 各種団体等に対する運営的補助金等に ついては、従来の経緯・実情等に配慮し、次のとおり調整を図ることとする。1 両市 町で同一あるいは同種の補助金については、関係団体の理解と協力を得て、統一の方向 で調整に努めるものとする。2 両市町独自の補助金については、市域全体の均衡を保 つよう調整に努めるものとする。」  上記取り決めは、合併後は適当な調整の上、速やかに全体としてバランスのとれた状 態を目指すものと解釈できる。 2 問題点  以上の状況に関し、「平成23年6月28日 第2回 岐阜市行財政改革推進会議」の 議事録に関係する記述が確認される。当日の議題は「対象事業の選定について」である が、岐阜市版事業仕分けの一環である意見聴取を実施するにあたり対象事業を選定し、 その中で旧柳津町に関する事業について意見が述べられている。  以下に、その概要を記述する。  「旧柳津町に関連するものについては、補助金など、合併時の協定書で継続すること が約束されているのではないか。また、他の施設でもその設置時において地域住民との 約束があり、見直し出来ないものもあるのではないか。」との質問に対し回答は、「協 議においては補助金を一律に扱うのではなく、それぞれの成り立ちに沿って整理してい くことになっている。すでに岐阜市として統一されたものもあり、全く見直す余地がな いわけではない。」と回答され見直しの可能性について言及されている。また別の意見 として、「旧柳津町関連については、合併時の経緯があるとはいえ、いつまでも優遇さ れているような状況にあるべきではなく、岐阜市としてルールを統一すべきだと思う。」 とも記載されている。  同一の地方自治体の中にあって、同種の補助金等の支給が長期にわたってバランスを 失した状態にあることは公平・平等性に問題が生じるおそれがある。その他にも、多額 に支給されている方は少額な方に比べ効率的な事業でない場合が多く、補助金等の有効 性にも疑問が生じる。手続き面においても同種の補助金等について統一がなされていな いことになり、申請と交付手続きの公正性にも問題が生じる。また、このような状況に 関し特段の説明がなされていないことや今後の統一の方向性が示されていないことに も問題がある。 3 結論(指摘)  旧柳津町に関する補助金等については、合併時に各部局に引き継がれた。そのため、 従来岐阜市において実施していた補助金と、合併により旧柳津町より引き継がれた同種 の補助金等の調整は、各部局により独自の方法で行われ、統一性を欠くものとなってい る。従って、合併協定書の内容を踏まえた上で、両者に同一あるいは同種の補助金等は 統一されるべきであり、旧柳津町独自の補助金等は、地域協議会等の調整を行った上で、 岐阜市全体としてバランスを図ることも検討する必要がある。また、合併後相当な時間 が経過していることを踏まえ、早期の整理をすることも重要である。要綱等の整理につ いても、早急に実施する必要がある。事業としての効率性・有効性についても、事務事 業評価が従来の慣例を踏襲して実施されている可能性があるため、市全体としてバラン スのとれた見直しを実施し、補助金等の事業の内容の再検討もする必要がある。
    第6 政務調査費について(担当課:議会総務課) 1 概要  政務調査費は、普通地方公共団体が、その議会の議員の調査研究に資するため必要な 経費の一部として、その議会における会派または議員に対し、交付される費用をいう。  地方自治法第100条第14項において、「普通地方公共団体は、条例の定めるところに より、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会にお ける会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができる。この場合において、当 該政務調査費の交付の対象、額及び交付の方法は、条例で定めなければならない。」、 同法同条第15項において、「前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は、条例の 定めるところにより、当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するも のとする。」とされる。これを受けて、岐阜市では「岐阜市議会政務調査費の交付に関す る条例」及び「岐阜市議会政務調査費の交付に関する規則」が制定されている。さらに、 岐阜市では、政務調査費の適正な運用及び使途の透明性の確保並びに議会における自主 的な検査体制の充実を図るためにとして、「政務調査費に関する申し合わせ」(以下、申 し合わせとする。)が各会派幹事長会議で決定されている。  政務調査費の規程が整備された際の、国会における趣旨説明では「地方議会の活性化 を図るためには、その審議能力を強化していくことが必要不可欠であり、地方議員の調 査活動基盤の充実を図る観点から、議会における会派等に対する調査研究費等の助成を 制度化し、あわせて、情報公開を促進する観点から、その使途の透明性を確保すること が重要になっております。」とされた。これは政務調査費導入時、単に調査研究費等の 助成を行うだけではなく、その使途の透明性の確保することも求められており、政務調 査費の交付を受けるものは、その使途について説明責任を負う趣旨であると考えられる。  岐阜市では、申し合わせの要点の中で、領収書をすべて添付すること及び情報公開請 求があった場合、収支報告書・実績報告書、領収書等証拠書類を開示する旨が明記され ている。  政務調査費の交付対象は、市議会における会派又は議員の職にあるもの(条例第2条) で、毎年度当初に、議長を経由して政務調査費交付申請書により申請し、市長により交 付すべき政務調査費が決定され、政務調査費交付決定通知書により通知される(規則第 4条第1項)。  交付請求は、四半期ごとに条例第7条に規定する政務調査費の交付の日の5日前まで に議長を経由して市長に対し政務調査費交付請求書により請求し(規則第5条1項)、 交付金額は月額180千円(平成23年度より150千円)であり、政務調査費の使途は、調 査研究費、研修費、会議費、資料作成又は購入費、広報広聴費、人件費、事務費及びそ の他の経費とし、その基準は規則で定めるとあり、また、これらの経費以外のものに充 ててはならないとされる(条例第8条第1項、2項)。政務調査費の交付を受けた会派の 代表者及び議員は、規則で定める様式により政務調査費に係る収支報告書並びに調査研 究活動の実績報告書(以下、収支報告書等とする。)を作成し、年度終了日の翌日から起 算して30日以内に議長に提出しなければならない(条例第9条第1項)。議長は、第1 項及び第2項の規定により提出された収支報告書等の写しを市長に送付するものとさ れる(条例第9条第4項)。  政務調査費の交付を受けた会派又は議員は、その年度において交付を受けた政務調査 費の総額から、その年度において市政の調査研究に資するため必要な経費として行った 支出の総額を控除して残余がある場合は、当該残余の額に相当する額の政務調査費を市 に返還しなければならず(条例10条第1項)、市長は、条例第8条等に違反した場合に 該当すると認めるときは、既に交付した政務調査費の全部又は一部の返還を命ずること ができるとされる(条例第10条第2項)。  監査にあたり、政務調査費が適正に支出及び報告がなされる仕組みとなっているかに 留意し、収支報告書等の閲覧、議員、議会事務局への質問、分析等を実施した。 2 結果 (1)議会事務局による収支報告書等のチェックについて(指摘)  収支報告書及び添付資料を閲覧したが、不備の大半は形式的なものであり、比較的容 易に発見することが可能なものと考えられる。本来であれば、議会事務局の点検時にこ れらを発見し、収支報告書等の修正を求めるべきであった。今後はより注意を払って政 務調査費の収支報告書等のチェックを行う必要がある。なお、時間的な制約があるので あれば、収支報告を2回に分けることも考えられる。 (2)政務調査費の調査について(意見)  条例等に政務調査費についての調査権限の定めがなく、市長には返還を命ずる権限が 与えられているが、返還を命ずべき目的外の支出が存在しても、その存在を調査する機 関が存在しない。調査権限を付与し、政務調査費の適正な処理を担保することが必要と 考えられる。調査権限を誰に付与するかについては、議会事務局等が想定されるが、調 査を実施するものに求められる独立性や、知識、能力等の要件や実施可能性を考慮して 決定されたい。 (3)議員に対する政務調査費の取扱いの周知について(意見)  収支報告書及び添付資料の不備の多くは、収支報告書の作成方法を含めた政務調査費 の取扱いについて、必ずしも議員に十分な理解がされていないことが原因となっている。 議会事務局作成の政務調査費の手引きが点検用に作成されているが、政務調査費の理解 に有効なものと考えられることから、これを各議員に配布する等により、制度の理解に 活用されたい。特に、領収書の取扱いには特に注意を払われるように十分周知されたい。 領収書を徴し難かった支出の明細書等が多用されると、領収書を添付することをルール 化したことが無意味となるおそれがあり、領収書が発行されるものについては領収書を 添付することが原則であることを十分理解されたい。 (4)按分率について(意見)  議員活動は、調査研究活動と政党活動やその他議員活動等が渾然一体となっている支 出について、按分率を使用し政務調査費に按分することになる。その場合、按分率を合 理的な根拠をもって説明できるのであれば問題はないが、合理的に説明できない場合に ついては、他都市の判例を見ると、現状よりもかなり低い按分率とすることになる。現 在、按分率の根拠について示されていないが、按分率の根拠を収支報告書等で合理的に 説明できないものについては、他都市の判例を参考に一律の按分率を定めることが適当 と考える。 (5)市政報告の印刷物について(意見)  多くの議員が市政報告を行い、その印刷代、郵送代を広報広聴費として支出している。 市政報告のみの紙面であれば、按分率は100%で良いが、その他の後援会活動に係る部 分や、政党活動に係るものが含まれることも考えられる。このような場合、当該部分の 比率に応じ按分するのが適切である。そのため、市政報告の紙面の内容を確認すること が重要であり、各議員が作成した市政報告の印刷物が、収支報告に添付されることが望 ましい。 (6)政務調査費運用指針の更新について(意見)  現在、申し合わせで定められた政務調査費運用指針に基づき、政務調査費の処理が行 われている。この申し合わせの最終の改正が平成20年3月であるが、その後、政務調 査費に関する判例も多数出ており、これらを政務調査費運用指針に反映させることが、 岐阜市において政務調査費として処理されるものと、一般に政務調査費として認められ るものとの乖離を防止するために有効なものと考えられる。そのため、判例を参考にし
    て運用指針を改訂することが適切と考える。また、今後も新たな判例により、一般に政 務調査費として認められるものが明確化されていくと考えられるため、岐阜市の運用指 針もこれに対応するため、定期的に見直しを行うことが望ましい。 (7)政務調査費の使用及び報告にあたって(意見)  収支報告書及び添付資料を閲覧した結果、政務調査費として支出することの妥当性の 説明が不十分なケースが見受けられる。政務調査費の原資は、市民から徴収した税金で あることから、市民の目からみて妥当な支出と認められるかどうかを、政務調査費とす るかどうかの判断材料とし、収支報告書等を閲覧した市民が、政務調査費としての支出 が妥当であることがわかるように収支報告書等を記載することが望まれる。収支報告書 等が公開の対象となっている趣旨(説明責任)を理解し、市民からみられるものという意 識をもって政務調査費の使用と報告を行うことにより、適切な使用と報告が行われると 考える。 第5章 外部監査の指摘及び意見(各論)  以下、対象となった各部局の補助金等の交付事務について、1)概要、2)監査の指摘 及び意見を記載する。 ┌─────┐ │環境事業部│ └─────┘ (1)岐阜羽島衛生施設組合の事務組合負担金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市は、岐阜羽島衛生施設組合(特別地方公共団体)の事務組合負担金を負担して いる。この組合は、岐阜市、羽島市、羽島郡岐南町及び同笠松町におけるし尿、浄化槽 に係る汚泥及びごみの処理並びにこれらの処理施設の建設及び維持に関する事務を共 同処理することを業務としている。概要は、次のとおりである。 ┌───────┬──────────────────────────────────┐ │事業名称   │岐阜羽島衛生施設組合の事務組合負担金                │ ├───────┼──────────────────┬─────┬─────────┤ │担当課    │環境事業政策課           │開始年度 │昭和38年     │ ├───────┼──────────────────┼─────┼─────────┤ │根拠条例、要綱│岐阜羽島衛生施設組合規約      │補助の種類│負担金      │ │等      │                  │     │         │ ├───────┼──────────────────┴─────┴─────────┤ │       │ 組合費負担金は主にごみ処理費、し尿処理費、施設建設費を積算して岐 │ │       │阜羽島衛生施設の運営費用を見積もり、必要予算を計算し、負担金を算定 │ │       │している。                             │ │内容     │ 組合費負担金(平成22年度1,314,639千円)を岐阜市、羽島市、各務   │ │       │原市(平成22年度末脱退)、岐南町、笠松町で按分する。        │ │       │ 岐阜市の平成22年度負担金は301,711千円である。           │ │       │                                  │ ├───────┼──────────────────────────────────┤ │金額の算定  │ 組合費負担金の按分方法は人口割及び実績割(平成20年度ごみ搬入量  │ │       │とし尿汚泥焼却量及びし尿投入量による)で按分する方法による。    │ ├───────┼──────────────────────────────────┤ │事務事業評価の│ 負担金であるので、事務事業評価を実施していない。         │ │有無及び結果 │                                  │ ├───────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────┤ │       │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│  平成22年度  │ │       │    │    │    │    │    ├────┬────┤ │推移(千円)  │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算 │ 実績 │ │       ├────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │       │昭和38年│ 395,065│ 385,237│ 381,009│ 282,600│ 301,711│ 301,711│ ├───────┼────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┤ │コメント   │ 平成21年度実績が前年度よりも98百万円減少しているのは、現ごみ処  │ │       │理施設建設の際に借入れた組合債の償還が終了したためである。     │ └───────┴──────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.負担金算定の基準となる組合費予算について(意見)  岐阜市は、岐阜羽島衛生施設組合の一構成員として、負担金の支出をしている。平成 22年度の負担金支出の金額は301,711千円である。  この負担金は、岐阜羽島衛生施設組合の歳出総予算をベースに、岐阜市、羽島市、各 務原市、岐南町、笠松町で按分することにより決定される。組合の歳出総予算が多くな れば、負担金の金額も比例して多くなる。  平成22年度組合費予算(1,361,914千円)積算の状況は、以下の表のとおりである。  この内、業務委託費460,022千円は組合の全体予算の33.7%を、施設補修・整備工 事費406,200千円は組合の全体予算の29.8%を占めており、合計すると866,222千円 となり、組合の全体予算の63.6%を占め、金額的重要性が極めて高い。  業務委託費、施設補修・整備工事費等の支出を節約することが、組合費予算の金額を 押さえ、組合構成員である各市町村の負担金を減少させることに繋がる。  岐阜市は、負担金を減少させるために、組合の一構成員として経費節約の観点から、 組合費予算を継続して注視していくことが望まれる。                                       (単位:千円) ┌─────┬────┬─────┬───────┬───────────┬───────┐ │款    │項   │目    │区分     │主な事業の内容    │金額     │ ├─────┼────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │1.議会費│1.議会│1.議会費│議会運営   │省略         │      179│ │     │費   │     │       │           │       │ ├─────┼────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │2.衛生費│1.総務│1.一般管│総務管理   │省略         │      98│ │     │費   │費理   │       │           │       │ │     │    │     │       │           │       │ │     ├────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │     │2.ごみ│1.一般管│ごみ処理施設管│一般職給       │    73,506│ │     │処理費 │理費   │理      ├───────────┼───────┤ │     │    │     │       │施設機器修繕     │    27,972│ │     │    │     │       ├───────────┼───────┤ │     │    │     │       │業務委託       │    460,022│ │     │    │     │       ├───────────┼───────┤ │     │    │     │       │施設補修・整備工事  │    406,200│ │     │    │     │       ├───────────┼───────┤ │     │    │     │       │燃料費ほか      │    183,273│
    │     │    ├─────┼───────┼───────────┼───────┤ │     │    │2.地域環│地域環境施設管│省略         │     5,000│ │     │    │境施設費 │理      │           │       │ │     ├────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │     │3.し尿│1.一般管│し尿処理施設管│省略         │    145,901│ │     │処理費 │理費   │理      │           │       │ │     │    │     │       │           │       │ │     ├────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │     │4.施設│1.建設準│施設建設準備事│省略         │    44,763│ │     │建設費 │備費   │業      │           │       │ ├─────┼────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │3.公債費│1.公債│省略   │省略     │省略         │       0│ │     │費   │     │       │           │       │ ├─────┼────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │4.予備費│1.予備│省略   │省略     │省略         │    15,000│ │     │費   │     │       │           │       │ ├─────┼────┼─────┼───────┼───────────┼───────┤ │歳出合計 │    │省略   │省略     │省略         │   1,361,914│ └─────┴────┴─────┴───────┴───────────┴───────┘ ┌─────┐ │議会事務局│ └─────┘ (1)政務調査費について 1) 概 要  政務調査費は、議員が行う政務調査活動に必要な経費として議会の会派、または議員 に交付されるものである。地方自治法第100条第14項で「政務調査費の交付の対象、額 及び交付の方法は、条例で定められなければならない」とされており、岐阜市において は、岐阜市議会政務調査費の交付に関する条例(以下、条例)が定められている。概要 は、次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │政務調査費                               │ ├────────┼───────────────────┬──────┬─────────┤ │担当課     │議会総務課              │開始年度  │平成13年度    │ ├────────┼───────────────────┼──────┼─────────┤ │        │地方自治法第100条第14項及び第15項   │      │         │ │        │岐阜市議会政務調査費の交付に関する条 │      │         │ │        │例(以下、条例とする。)       │      │         │ │根拠条例、要綱等│岐阜市議会政務調査費の交付に関する規 │      │         │ │        │則(以下、規則とする。)       │補助の種類 │交付金      │ │        │政務調査費に関する申し合わせ(以下、申 │      │         │ │        │し合わせとする。)           │      │         │ │        │政務調査費運用指針          │      │         │ ├────────┼───────────────────┴──────┴─────────┤ │内容      │ 枠外に記載                              │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 基準日(各月1日)における、会派所属議員数に応じて1名につき月額180千円、 │ │金額の算定   │基準日に在職する議員に対しては180千円。なお平成23年度より、月額150千円に│ │        │改定された。                              │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事業評価の有無及│ 無                                  │ │び結果     │                                    │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬───────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度   │ │        │    │    │    │    │    ├─────┬─────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │ 実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼─────┼─────┤ │        │ 87,492│ 84,926│ 85,672│ 80,325│ 80,929│  95,040│  82,249│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴─────┴─────┤ │コメント    │ 特に大きな変動はない。                        │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 内容 (交付対象)   市議会における会派又は議員の職にあるもの(条例第2条)。 (交付申請及び決定)   毎年度当初に、議長を経由して政務調査費交付申請書により申請し、市長により交  付すべき政務調査費が決定され、政務調査費交付決定通知書により通知される(規則  第4条第1項)。 (交付請求)   四半期ごとに条例第7条に規定する政務調査費の交付の日の5日前までに議長を経  由して市長に対し政務調査費交付請求書により請求する(規則第5条1項)。 (使途基準)   政務調査費の使途は、調査研究費、研修費、会議費、資料作成又は購入費、広報広  聴費、人件費、事務費及びその他の経費とし、その基準は規則で定めるとあり、また  これらの経費以外のものに充ててはならないとされる(条例第8条第1項、2項)。   条例第8条第1項の規定による政務調査費の市との基準は、別表に掲げるとおりと  する(規則第6条)。   岐阜市では条例、規則に加えて、政務調査費の適正な運用及び使途の透明性の確保  並びに議会における自主的な検査体制の充実を図るために、「政務調査費に関する申  し合わせ」(以下、申し合わせとする。)が各会派幹事長会議で決定されている。申し合  わせ 1 収支報告書等について (1)において政務調査費の執行にあたっては、別表  の政務調査費運用指針を判断基準として活用するとともに、本運用指針に基づき、収  支報告書等を作成するものであるとされる。なお、申し合わせの要点として、すべて  の領収書を提出する旨、情報公開請求があった場合、収支報告書・実績報告書、領収  書等証拠書類を開示する旨が明記されている。 (収支報告書等の提出)   政務調査費の交付を受けた会派の代表者及び議員は、規則で定める様式により政務  調査費に係る収支報告書並びに調査研究活動の実績報告書(以下、収支報告書等とす  る。)を作成し、年度終了日の翌日から起算して30日以内に議長に提出しなければな  らない(条例第9条第1項)。議長は、第1項及び第2項の規定により提出された収支  報告書等の写しを市長に送付するものとする(条例第9条第4項)。 (返還)   政務調査費の交付を受けた会派または議員は、その年度において交付を受けた政務
     調査費の総額から、その年度において市政の調査研究に資するため必要な経費として  行った支出(第8条第1項の規定による使途の基準に従って行った支出をいう。)の総  額を控除して残余がある場合は、当該残余の額に相当する額の政務調査費を市に返還  しなければならない(条例10条第1項)。市長は、次のいずれかの場合に該当すると  認めるときは、既に交付した政務調査費の全部又は一部の返還を命ずることができる  (条例第10条第2項)。  (1) 政務調査費の交付を受けた会派が第3条第1項後段若しくは第2項又は第8   条の規定に違反した場合  (2) 政務調査費の交付を受けた議員が第3条第3項又は第8条の規定に違反した   場合 (政務調査費議員別費目別実績) (政務調査費の主要費目の按分比率) 2) 実施した監査手続  政務調査に関連する条例、規則等を入手し、所管部署に対して質問を行い、収支報告 書及び収支報告書に添付された領収書等の閲覧、分析を実施するとともに、必要に応じ て市議会議員よりヒアリングを行った。 3) 監査の結果 ア.議会事務局による収支報告書等のチェックについて(指摘)  条例等には権限がないものの、議長に提出された収支報告書等は、議会事務局が受領 し、議会総務課の6名で、5月末の出納整理期間終了までに、収支報告書等に不備がな いか点検している。  政務調査費の支出として適正なものか疑義が生じた場合には、議員に質問を行うこと や、他都市の状況や前例に基づいて判断しているとのことであり、明らかに制度趣旨に 反するものでなく、判断が難しいものであるならば、議員の自主性を尊重しているとの ことであった。  個別事項に挙げられている事項には、事務所の賃貸契約書の添付漏れや、タクシー代 領収書に目的、使途の記載がないもの、政務調査費運用方針に使途として認められない とされている代行運転代金が含まれていること、視察・研修等報告書が作成されていな いことや、同報告書に視察を行ったことを証するものが添付されていないなど、形式的 な不備であり、十分なチェックを行っていれば比較的容易に発見することが可能と思わ れるものが含まれている。本来であれば、議会事務局のチェック時にこれらを発見し、 収支報告書等の修正を求めるべきであり、今後はより注意を払って政務調査費の収支報 告書等のチェックを行う必要がある。  なお、他の業務を行いながら、全ての収支報告等を十分確認するのに時間的に困難と いうことであれば、収支報告を年2回とすることにより、作業を分散することも考えら れる。また、後述するように、領収書を紛失するケースが少なからず発生しており、資 料作成を分散することにより、領収書紛失のリスクを低減することも期待できる。 イ.政務調査費の調査について(意見)  政務調査費にかかる収支報告書等は、年度終了日の翌日から起算して30日以内に議 長に提出することを要する旨が条例に定められているが、調査権限についての定めがな い。収支報告書等の写しは市長に送付するものとされ、市長には条例の規定に違反した 場合に、返還を命ずる権限が与えられているが、市長が自ら政務調査費の調査を行う訳 にもいかないことから、返還を命ずべき目的外の支出が存在しても、制度としてその存 在を調査する機関が存在せず、政務調査費の適正な処理を担保する仕組みがないことに なり望ましくない。  現在、政務調査費についての調査は、特に権限が定められていない議会事務局が、収 支報告書を点検するという形式が採られているが、あくまでも権限のない点検でしかな く、修正すべき事項が存在しても議員が受け入れなければ修正されないことになる。  そのため、政務調査費の調査権限を有するものがチェックを行い、目的外の支出が存 在した場合、これを是正できるようにすることが望まれる。  政務調査費の調査権限を誰に付与するかについては、議会事務局等が考えられるが、 調査を実施するものに求められる独立性や、知識、能力等の要件や実施可能性を考慮し て決定されたい。  すぐには調査権限を付与することが困難であれば、申し合わせの文言に、議会事務局 の点検の結果を尊重する旨の文章を含めるとともに、議会事務局が点検を行う際の基準 となる政務調査費運用指針を、後述するように充実させ、政務調査費として認められる ものを明らかにすることにより、議会事務局によるチェックを実効性のあるものとする ことを希望する。 ウ.議員に対する政務調査費の取扱いの周知について(意見)  後述のク.個別事項に記載されている事項の多くは、議員が収支報告書の作成方法を 含めた政務調査費の取扱いについて、必ずしも十分な理解がされていないことが原因と なっている。収支報告書のチェック時に指摘することにより、周知を図ることも考えら れるが、政務調査費に対する理解を十分した上で、政務調査費を使用すべきものと考え る。  現在、議会事務局では、政務調査費の点検を行うために、政務調査費の手引きという 冊子を作成している。これは、政務調査費運用指針よりもわかり易く、政務調査費の理 解に有効なものと考えられる。そのため、これを各議員に配布し、制度の理解に活用さ れたい。  また、領収書の取扱いには特に注意を払われるように十分周知されたい。支払証明書 または領収書を徴し難かった支出の明細書が多用されるようでは、領収書を添付するこ とをルール化したことが無意味となるおそれがある。  領収書が発行されない支出や領収書を紛失したケースについては、単にこの明細に記 載するだけではなく、領収書がなくとも、別途、その根拠となる引落明細や信販会社か らの請求書等のその金額を明示できるものなど、根拠となる資料を添付すべきである。 また、領収書が発行されるものについては領収書を添付することが原則であることを、 十分理解されるようにされたい。 エ.按分率について(意見)  政務調査費運用指針では「議員活動は、調査研究活動と政党活動やその他議員活動等 が渾然一体となっていることから、一律の費用の按分割合を示すことはできないので、 各議員が活動割合に応じた説明可能な範囲で按分率を決定する。」とされており、これ
    に従い各議員が、それぞれの判断に基づき按分が行われている。しかし、この運用指針 において、按分率についての説明は求められていないことから、特に按分率の根拠等は 示されていないが、按分率の妥当性を説明するものとして、按分率の根拠を記載するこ とが望ましい。  また、全般的な傾向であるが、現在、各議員により採用されている按分率は、判例と 比較するとかなり高い按分率が用いられているといえる。例えば、ガソリン代について は、政務調査に係る移動距離と他の移動距離を峻別しているなど合理的な按分を行って いることを立証できるのであれば問題とはならないが、そうでない場合、青森地裁(平 成18年10月20日)の判例によると、1/2を個人使用、1/4を政務調査活動以外の議 員活動、1/4を政務調査活動に伴う費用であると推認することが相当とされた。  これに対し、岐阜市の各議員のガソリン代の按分率の平均は79%であり、判例から 大きく乖離している。実際、全く按分を行っていない議員も数名いるが、政務調査にし か使用しない車両を保有していない限り、費用按分の原則である活動割合に応じた説明 可能な按分率を用いていないことになり適切なものとは思われない。場合によっては、 領収書の一部を政務調査費とすることにより、事実上、按分していることも考えられる が、これを持って合理的な按分とすることは困難である。  また、事務所賃料についても、同じく青森地裁の判例では、調査研究活動に資するた めの事務所と後援会事務所とを兼ねて使用されていることがうかがわれるとして、その 合理的な区分が困難であるから、社会通念上相当な割合により按分することが相当であ り、月額賃料の1/2を政務調査費活動に資するために必要な費用であると認めるとされ る。これに対し、岐阜市では平均で事務所賃料の84%が政務調査費として按分されて おり、判例から大きく乖離している。  上記は例に過ぎず、その他の経費、人件費についても、特に按分率の根拠を示すこと ができない場合、判例の按分率は50%とされることが多く、現状の按分率との間でか なり大きな差異がみられる。判例はどうであれ、実際に政務調査費に使用したこと、按 分率を合理的な根拠をもって説明できるのであれば問題とはならないのであるが、合理 的に説明できない場合については、他都市の判例を参考に按分率を定めることが適当と 考える。  また、現在の合理的な根拠が示されない按分率を用いることは、公平性の観点におい ても妥当なものとは思われない。ガソリン代を例にすると、ガソリン代を100%政務調 査費とする議員がいるのに対し、通常は80%で、費用弁償を受けている日数について は按分率を下げている議員がいるが、政務調査費の趣旨を考えて処理する議員が不利な 取り扱いとなってしまうことになり適切なものとは思われない。按分率について、その 根拠の記載を求めるとともに、按分率の合理的な説明ができないケースでは、一律の按 分率を設定することが望まれる。 オ.市政報告の印刷物について(意見)  多くの議員が市政報告を行い、その印刷代、郵送代を広報広聴費として支出している。 市政報告のみの紙面であれば、按分率は100%で良いが、その他の後援会活動に係る部 分や、政党活動に係るものが含まれることも考えられる。このようなものが含まれてい るのであれば、当該部分の比率に応じ按分するのが適切である。また、東京高裁(平成 22年11月5日)の判例では、議員の氏名や顔写真が大書されていた広報誌やホームペ ージについては、広報活動と宣伝活動に比率を事案ごとに合理的に算定していくべきで あるとされ、費用の内、政務調査費とされたのは2分の1であった。  そのため、市政報告の紙面の内容を確認することが重要であり、各議員が作成した市 政報告の印刷物が、収支報告に添付されることが必要である。現状では、添付されてい たのは1名だけであるが、運用指針等で要求されているものではないため、現状では添 付されていないこと自体は問題ではないが、収支報告をチェックするためには、市政報 告の印刷物は必要であり、今後は市政報告の印刷物も収支報告書への添付資料とするこ とが適当と考える。 カ.政務調査費運用指針の更新について(意見)  現在、申し合わせで定められた政務調査費運用指針に基づき、政務調査費の処理が行 われている。この申し合わせの最終の改正が平成20年3月であるが、その後、先述の 東京高裁の判決等、政務調査費に関する判例も多数出ている。  これらを政務調査費運用指針に反映させることが、岐阜市において政務調査費として 処理されるものと、現在、一般に政務調査費として認められるものとの乖離を防止する ために有効なものと考えられる。そのため、判例を参考にして申し合わせを改訂するこ とが適切と考える。また、今後も新しい判例により、一般に政務調査費として認められ るものが明確化されていくと考えられるため、岐阜市の運用指針もこれに対応するため、 定期的に見直しを行うことが望ましい。 キ.政務調査費の使用及び報告にあたって(意見)  後述のク.個別事項に記載のとおり、政務調査費として支出することの妥当性の説明 が不十分なケースが見受けられる。  政務調査費の原資は、市民から徴収した税金であるから、市民の目からみて妥当な支 出と認められるかどうかを、政務調査費とするかどうかの判断材料とすべきと考える。 その上で、政務調査費として支出を行ったのであれば、収支報告及び添付資料を用いて、 支出を行った目的、内容を明らかにすることにより、市民に対して政務調査費の妥当性 を説明できるものとすべきである。このような意識をもって収支報告書を作成すれば、 視察の目的や内容が不明な報告や、目的等の記載のないタクシー代等の領収書や、領収 書等の支出の根拠となるものがない等の、説明の不足はなくなるはずである。政務調査 費は、申し合わせにおいて、領収書を含めて情報公開請求の対象であり、市民により内 容のチェックをされうるものである。常に、市民の目を意識して、政務調査費の使用及 び報告が行われるようにされたい。 ク.個別事項  監査手続きを実施した結果、認識された改善すべき事項は、次の通りであった。  I.調査研究費について    調査研究費は、会派又は議員が行う市の事務並びに地方行財政に関する調査研究   及び調査委託に要する経費であり、旅費、燃料費、タクシー代、駐車・高速料金、   フィルム・写真現像代金、調査委託費、入園・入場・入館料からなる。  A)視察・研修等報告書について    政務調査に関する申し合わせにおいて、「行政視察をしようとするものは、出発   日の14日前までに行政視察予定表を、帰庁後14日以内に調査報告書を作成し、収   支報告書を提出する際に併せて議長に提出する。」と定められている。この調査報   告書として、「視察・研修等報告書」の様式が定められており、視察日時、行き先、   相手先(具体的な施設、担当者の氏名等)、費用(調査研究費の内訳)、調査事項を記   載するものになっており、これにより、政務調査費で行った視察の内容を明らかに   するものである。   a)未作成のケース    視察・研修等報告書が、全く作成されていない議員がおり、領収書等は添付され   ており支出の事実は確認できるものの、視察を行う目的等が不明のままとなってい   た。当該議員は当該報告書を作成しなければならないとの認識がなかった。また、   部分的に記載事項が漏れているケースもあった。
      b)記載内容の不備のケース1    1泊2日の東京への視察について、視察・研修等報告書が提出されていた。報告   書の調査事項を見ると、多数の調査事項が記載されており、日程的にこれを全て実   施することは困難なものであると思われた。また、添付されている資料もインター   ネットで入手できるもののみであり、実際に視察を行ったことを明らかにするもの   はなかった。高速道路の領収書(往復各千円)は添付されており、当該日程で東京   に行っていることは確認できた。    これに対し、議員からは、実際には複数回視察を行っており、報告書に記載され   た調査事項は複数回の調査事項を記載したものとのことであった。視察を行った際   のデータを紛失しており、写真等を添付できなかったことから、視察1回分のみを   政務調査費とし、他については政務調査費とはしなかったとのことであった。    視察、研修等ごとに、政務調査費として支出したことを明らかにするためのもの   であり、視察・研修等報告書は視察、研修ごとに作成すべきである。   c)記載内容が不備のケース2    視察・調査等報告書によると、東海地区の各所に、観光行政、道路行政、まちづ   くりに関する事項を調査事項として、高速料金が政務調査費とされていた。高速料   金の領収書から、移動の事実は確認できるものの、具体的に何かを視察した記録や、   誰かに説明を聞いた記録もなかった。政務調査を行ったのであれば、実際に政務調   査を行ったことを確認できるものを残す必要がある。   d)記載内容の不備のケース3    他市の議会事務局、教育委員会を訪問し、視察・調査研修等報告書が作成されて   いたが、何の目的で何を調査したのか明確でないものがあった。報告書は閲覧した   ものがわかるように記載する必要がある。   e)記載内容が不備のケース4    2泊3日で沖縄視察の視察・調査研修等報告書に添付された行程表によると2日   目朝から16時まで単に市内視察とだけ記載されていた。内容を確認するとひめゆ   り平和祈念資料館(県外巡回展の岐阜市での実施可能性の検討)と国際通り(ぶんか   ブンデス館のにぎわい創出の状況の把握)の視察を行っていたとのことであり、そ   の記録も提示された。これらの視察は政務調査費の範囲内と思われるが、政務調査   費の収支報告及び添付する資料は、政務調査費を適正に使用したことを明らかにす   るためのものであり、内容がわかるような十分な記載、資料の添付をすることが適   当と考える。   f)記載内容が不備のケース5    米軍基地の視察が行われていたが、視察・研修等報告書には、沖縄米軍基地を取   り巻く現地の実態と、政府案の移転予定地の現況の調査研究を目的とする旨の記載   があった。米軍基地の視察を行い、基地が存在することにより地元住民の生活にど   んな影響があるのか認識を深めることは、政治を担うものにとって有益なものであ   ると考えるが、政務調査費使途基準に定める調査研究費は「会派又は議員が行なう   市の事務並びに地方行財政に関する調査研究及び調査委託に要する経費」とされて   おり、一般に岐阜市と米軍基地との間に視察を行うような関連性は見いだせないた   め、視察を行った目的が不明であった。    これに対して、視察を行った議員の内2名から、説明を受けることができた。1   名からは当時の首相から普天間基地の県外移設が主張され、隣接する各務原市の自   衛隊基地に来る可能性が全くなかった訳ではなかったこと、岐阜市民から経済効果   を期待し誘致したらという意見も届いたことから、米軍基地及び周辺の状況につい   て把握することが必要だと認識したとのことであった。もう1名は、市民運動に対   して関心が高く、基地反対の市民運動に対する行政の関わりを確認したいとの意向   を持って当該視察を行うことにしたとのことであった。    これらの岐阜市との関連で問題意識をもって視察を行った旨を、視察・研修等報   告書に記載することが望ましいと考える。   g)記載内容が不備のケース6    名古屋駅近辺のホテルに平成22年度の間に延べ19泊しているケースがあったが、   視察・研修等報告書にも、経済動向調査とあるのみで、それ以上の具体的な記載は   なかった。当該議員によると、経済動向調査の内容としては、知人の企業経営者か   ら定期的に経済状況のヒアリングを実施することや中心市街の視察等、夜遅くまで   長時間の調査を実施しているため宿泊したとのことであった。    政務調査費運用指針にはどこまで記載するか定めはないが、政務調査費の収支報   告書及添付資料は、政務調査費を適正に使用したことを説明するものであり、これ   を閲覧した者が適正に支出したことがわかるように十分な説明を記載することが   望ましい。  B)燃料費について    複数の車両に係る給油の領収書の金額に当該議員の燃料費の按分率80%を乗じ   た政務調査費としてケースがあった。これは議員本人が車両を有していないため、   配偶者、親族、支援者に乗せてもらい、政務調査活動を行っているためとのことで   あり、毎回ではないが乗せてもらった際に、当該議員の給油カードを使用して給油   しているとのことであった。その結果、複数の車両に係る燃料費が発生するとのこ   とであり、複数の車両に対する燃料代を負担することは理解できる。ただし、現状   の燃料代の算定方法では、議員の負担すべき金額と乗せてくれた人が負担すべき金   額の峻別があいまいになると考えられる。    乗せてもらう前に満タンとしてもらい、乗せてもらった後に議員の給油カードを   使用して給油することや、議員のための走行距離とその他の走行距離の比率で按分   計算することなどが適当と考える。  C)タクシー代について    タクシー代について、政務調査費運用指針には、調査研究のために利用し、領収   書に使途、目的を記載されたタクシー料金について、政務調査費とすることができ   るとされる。これは、使途、目的の記載がなければ、政務調査費として適切な支出   を行ったことの判断ができないためである。この趣旨を考慮すると、目的、使途の   みならず、乗車区間を記載することや、目的、使途についても単なる政務調査のた   めとの記載ではなく、なにをするためか極力具体的に記載すべきと考えられる。    これに対し、タクシー代の領収書へ目的等の記載がないケースが見受けられた。   すべてのタクシー代の領収書について、目的、使途などの記載が必要である。    また、政務調査費運用指針において使途として認められないものとして明記され   ている代行運転代金2.3千円を政務調査費に含めていたケースが1件あった。  D)駐車・高速代金について    駐車・高速代金についてもタクシー代と同様に、調査研究のための駐車料金、高   速道路の料金は、領収書に使途、目的が記載されると、旅費の一部として政務調査   費とすることができるとされる。趣旨についても同様である。   a)駐車料金について    駐車料金について目的の記載が全くないケースが複数あった。その中には、ある   施設の領収書が2日連続であったため、両日に当該施設で開催された催しを確認し   たところ、当該議員が会長を務める団体主催の催しがあり、当該議員はこの催しに   出席するため駐車料金が生じたものであるが、当該費用はこの団体が負担すべきも   のである。
       また、駐車料金の領収書に使途、目的の記載があったものの、その目的が、催し   を開催する主催者挨拶のためと記載があったが、主催者が負担すべきものであった。   b)高速代金について    高速代金は、視察・研修等報告書に添付されるため、特に領収書に使途は記載さ   れなくとも視察・研修等報告書にて使途、目的は特定できるため、ほとんどの高速   代金については使途、目的の記載がないことは問題とはならない。ただし、一部議   員は、高速代金を視察研修等報告書と別にファイリングしているため、使途、目的   の特定が困難になっている。高速道路を使用する場合は、通常、視察と考えられる   ため視察・研修等報告書を作成し、これに添付することが適当と考える。  E)研修費   a)参加費用について    会派、議員または他の団体が開催する研修会・研究会への参加費、出席者負担金、   会費等とこれらに参加するための旅費は、政務調査のためのものであれば、政務調   査費とすることができる。この中には、年会費等の政務調査費とするか否かの判断   が難しいものが含まれているが、政務調査費とするのであれば政務調査費とする理   由を付記することが望ましいと考える。  II.資料購入費について    会派または議員が行う調査研究活動のために必要な図書、資料等の購入に要する   経費であり、個人的な趣味・嗜好の雑誌類、スポーツ新聞、所属政党が発行する新   聞・機関紙の購読料は認められないとされる。    図書、雑誌については、そのタイトルからは政務調査費と推し量れないものも含   まれており、当該図書等を購入した趣旨の説明を受けなければ政務調査費とすべき   ものとわからないものもあった。政務調査費とすることが適当だとは思われない可   能性が高いものについては、収支報告書にどのような趣旨で購入したかを記載する   ことが望ましい。  III.広報広聴費について    会派または議員が行う議会活動及び市政の政策等の広報広聴活動に要する経費   である。    ある議員は、自らが作成した岐阜市の市政報告を、全国の市町村、観光協会に送   付し、それに要した経費を、政務調査費に含めていたが、政務調査費の収支報告書   に添付されていた資料からはそれ以上のことはわからなかった。    そこからは岐阜市のPRのために実施されたものと判断できるが、政務調査費は、   市政のために調査研究目的に行うものであり、広報費が政務調査費として認められ   るのは、議会において、市民の意思を適正に反映させることは必要不可欠であり、   そのためには市民の意思を的確につかむことが必要となるが、その前提として議会   活動及び市政に関する政策等を市民に知らせることが必要との考えに基づくとさ   れる。そのため、たとえ、岐阜市のためという意思があろうとも、全国に岐阜市の   PRを行うことは、政務調査費に含めるべきものではないと考えられる。    これに対して、当該議員より、当該市政報告は岐阜市の観光名所が記載されてお   り、アンケートも同封して発送し、岐阜市の観光に対する意識を調査するものとの   説明があり、実際に回収されたアンケートも提示された。アンケートの回答は市の   観光行政に生かすことができるものとのことであり、広報広聴費という費目は疑問   ではあるものの、岐阜市の市政に関する調査研究に含まれるものとして、政務調査   費に含めること自体は問題ないと考えられる。収支報告書等を閲覧したものが、内   容を理解できるように記載されたい。  IV.事務費について    会派または議員が行う調査研究に係る事務執行に必要な経費であり、文房具費、   機器購入費、通信運搬費、事務所賃借料、燃料費、その他からなる。   A)機器購入費について    平成22年度にブルーレイレコーダーを購入後、DVDプレイヤー(6千円)を購入   しているケースがあったが、ブルーレイレコーダーにてDVDを再生することは可能   であり、DVDプレイヤーを政務調査費で購入する必要性はないと思われる。当人は   機器の理解が不足していたとのことであるが、慎重な政務調査費の使用が望まれる。   B)事務所賃借料について    政務調査費運用指針では、事務所賃貸料について領収書に加えて、賃貸契約書の   写しも添付することとされるが、4件について事務所賃貸料について添付すること   が漏れていた。いずれも領収書は添付されており支出の事実は確認でき、単純な事   務処理上のミスと考えられる。  V.領収書が徴し難かった支出の明細等の利用について    規則第8条第1項において、「政務調査費について会計帳簿を調製し、政務調査   費の保管状況について常に明確にするとともに、その支出について領収書(領収書   を徴することができないときには会派(所属議員数が1人であるものを除く。)に   あってはその代表者の支払証明書(様式第12号)、所属議員1人である会派及び議員   にあっては領収書を徴し難かったし支出の明細書(様式第13号)とする。)を徴し、   整理しておかなければならない。」とされ、原則として支出について領収書を徴す   ること、領収書を徴することができない場合には、支払証明書、領収書を徴し難か   った支出の明細書を作成することを要求している。   A)支払証明書について    ある会派が、視察を行った際の旅費、宿泊費について、領収書の添付がなされて   おらず、代わりに、発生した費用の金額、内容等が記載された支払証明書が添付し   てあった。また、議員用として借りている建物賃借料についても領収書の添付はな   く、支払証明書が添付されていた。    いずれの支出内容も領収書を徴することができないものではないため、支払証明   書を作成するのではなく、領収書を添付すべきものと考えられる。これに対し、会   派の担当者からは、旅費については、領収書が議員+事務局となっていた関係で、   議員分のみを政務調査費としたが、領収書金額と計上金額が不一致となるため、領   収書ではなく支払証明書を添付したとのことであった。また、建物賃借料について   も、賃借料の支払いと計上のタイミングが、暦年と年度で異なっていたため、領収   書金額と計上金額が不一致となるためとのことであった。    正しくは、領収書金額と計上金額に差が生じる理由を合理的な説明を記載するこ   とで足りるものと思われる。なお、いずれの領収書も提示され、按分についても十   分な説明はなされた。   B)領収書が徴し難かった支出の明細について    本来であれば、領収書が徴し難かった支出の明細の使用は、領収書が徴収するこ   とができない経費(公共交通機関等)の場合、或いは、やむをえない事由により領   収書を紛失した場合に限るべきである。そして、領収書を紛失したとしても、領収   書の再発行を依頼することや、口座引落であればその引落の記録、クレジットの支   払いであれば明細書などで代替できるものがあると考えられ、そのようなケースで   は、大部分の収支報告書には領収書を添付できない場合であっても、その他の証憑
      が添付されており支出の事実を確認することができた。    その一方で、年間のガソリン代について、全く領収書を添付していないケースや、   一年分の新聞代について単に領収書がないケース、口座引落で領収書がないことを   理由にこの明細を利用するのみで引落の記録を添付しないケース、視察旅行のホテ   ル代の領収書がないケース、長距離に視察旅行の公共交通機関の領収書がないケー   ス(複数)があった。    領収書等は、自らが政務調査費を正当に使用したことを説明するものであり、確   実に整理保管すべきである。紛失したのであれば、再発行が可能と考えられるホテ   ル代等であれば再発行を依頼すべきである。また、多数の収支報告書で行われてい   るように領収書を代替できるものがあればそれを明細に添付すべきである。長距離   の公共交通機関については、様々な割引制度があることから、実費精算の原則を遵   守するため、領収書の添付することが適切と考える。 ┌───┐ │企画部│ └───┘ (1)岐阜市コミュニティバス運行補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市では、平成16年4月に路面電車が廃止となり、市内交通の主役をバスが担う こととなった。現在の幹線・支線バスに加え新たなバスシステムとして、地域を巡回す るコミュニティバスを整備することにより、特に高齢者等交通弱者のモビリティを確保 する。概要は次のとおりである。 ┌────────┬─────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市コミュニティバス運行補助金                     │ ├────────┼──────────────────┬─────┬────────────┤ │担当課     │交通総合政策課           │開始年度 │平成18年度       │ ├────────┼──────────────────┼─────┼────────────┤ │        │岐阜市コミュニティバス運行補助金交 │     │            │ │根拠条例、要綱等│付要綱、岐阜市コミュニティバス運行 │補助の種類│事業費補助       │ │        │実施要鋼              │     │            │ ├────────┼──────────────────┴─────┴────────────┤ │        │ コミュニティバス運行開始にあたって、岐阜市では平成24年度までに運行さ  │ │        │せるべき路線として計画路線、16地区を定めた。コミュニティバスはその特性か │ │内容      │ら、全路線赤字となることがほぼ確実であるが、岐阜市は当初の16地区全てに  │ │        │コミュニティバスを走らせることを目標に掲げており、本格運行が実施可能な収 │ │        │支基準(補助上限額、収支率)を策定している。年々補助金の額は増加傾向にあ │ │        │る。                                   │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 補助対象事業者がコミュニティバスの運行に要した運行経費から運賃収入等  │ │        │を控除して得た額を交付する。                       │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                   │ │事務事業評価の有│今後の方向性:現状維持                          │ │無及び結果   │ 少子高齢化は今後も進展し、公共交通ネットワークの構築、高齢者等交通弱者 │ │        │の日常生活における移動手段としての公共交通の必要性は大きくなっていくこ  │ │        │とから、市民協働のコミュニティバスは必要である。             │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼───┤ │        │ 15,412│  15,412│  36,980│  74,044│  86,102│ 112,621│95,065│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴───┤ │コメント    │ 運行地区は年々増加しており、それにつれて補助金の額も増加している。   │ └────────┴─────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価及び情報開示について(意見)  まず、本格運行決定までの流れ及び補助金の算定方法について述べる。要綱によると、 コミュニティバスが本格運行となるまでには、試行運行⇒本格運行というステップを踏 む。計画に定められた路線の中から地域のコミュニティバス運行の熟度や意欲が高いと ころから、2年間の試行運行を実施し、試行運行最終年度の収支において、年間補助上 限額以内の補助金で運行可能かつ収支率が基準収支率以上という条件を満たす路線に ついては、本格運行に移行するというものである(判断基準以下の表1参照)。また、 本格運行に移行した後も、3年に一度、収支基準を達成しているかどうかを、本格運行 判定時に使用した表1の基準を用いて実施し、基準に満たない路線については、岐阜市 コミュニティバス評価委員会に諮りそのうえで収支改善の見込みがないと判断される 場合は、本格運行を中止し、廃止を検討することとなる。                     表1 ┌────────────────────────┬────────┬──────┐ │運行地区の高齢者密度(人/km2)          │年間補助上限額 │基準収支率 │ ├────────────────────────┼────────┼──────┤ │500未満                     │  950万円   │  15%   │ ├────────────────────────┼────────┼──────┤ │500以上~1,000未満               │  850万円   │  25%   │ ├────────────────────────┼────────┼──────┤ │1,000以上~1,500未満              │        │  35%   │ ├────────────────────────┤  800万円   ├──────┤ │1,500以上                    │        │  40%   │ └────────────────────────┴────────┴──────┘     出典:岐阜市コミュニティバス運行実施要綱  ※高齢者密度とは、65歳以上の人口密度をいう  (1)赤字額が年間補助上限額以下であること  (2)収支率が基準収支率以上であること  (1)、(2)のいずれの要件も満たした場合に本格運行へ移行および本格運行継続する。  また、補助金額の算定方法は、路線ごとに補助対象事業者がコミュニティバスの運行 に要した運行経費から運賃収入等を控除して得た額で、運行地区の高齢者密度に応じた 年間補助限度額を上限に給付されるものである。  ここで事務事業評価についてであるが、この補助金の目標は計画の16地区の全地区 にコミュニティバスを運行させることとなっており、アウトプットも、 『コミュニティバス運行地区数/地区 ⇒達成率100%』 と定められている。現状の指標では、単に運行しているという実績のみが評価指標とな っており、補助金によって地域の交通弱者のモビリティを確保するという補助金本来の
    目的が、どの程度達成されているかという観点からの評価としては不十分といえる。  事務事業評価に用いるべき評価指標として、路線ごとの利用者数の推移、運行経費、 補助金額、収益率のような運行関連の数値や、沿線の交通弱者のコミュニティバス利用 者の割合、利用者の満足度等、地域のモビリティの確保にどれほどコミュニティバスが 有効かを判断できる指標が考えられる。これらの情報は運行判断や、コミュニティバス の運行地域ごとに作られた運営協議会で用いている資料として既に市によって保管さ れており、開示することは実務上も十分可能であるといえる。  ただし、市規定の事務事業評価のフォームにこれらのデータを全て掲載することが困 難である場合には、別途これらの情報を岐阜市のホームページ上に掲載することでの対 応も必要である。いずれにせよ、情報を広く開示することは、市民の補助金の有効性の 判断に資するため、開示にあたっても地域と連携を図りつつ、可能な限り多くの情報を 開示することが重要である。 (2)バス路線(維持)補助金の交付事務について 1) 概 要  平成14年2月の道路交通法改正によって、需給調整規制が撤廃され赤字路線からの 退出が可能となった。岐阜市では自家用車中心の生活スタイルの変化によってバス路線 の収支が大幅に悪化しており、市民の生活の足としての生活バス路線からの乗合バス業 者の退出が懸念されている。当補助金は、バス運行事業者から路線廃止の届け出の申し 出があった赤字バス路線の運行経費を補助しバス路線を維持するためのものである。概 要は以下のとおりである。 ┌────────┬─────────────────────────────────────┐ │事業名称    │バス路線(維持)補助金                          │ ├────────┼──────────────────┬─────┬────────────┤ │担当課     │交通総合政策課           │開始年度 │平成14年度       │ ├────────┼──────────────────┼─────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市バス路線(維持)補助金交付要 │補助の種類│事業費補助       │ │        │綱                 │     │            │ ├────────┼──────────────────┴─────┴────────────┤ │        │ 岐阜市では市内の路線バスのうち、(ア)平均乗車密度が5人/km~15人/kmの  │ │内容      │うち維持する必要があると思われるもの、および(イ)平均乗車密度が5人/km  │ │        │未満の路線であって存続を検討する必要があると認められるものに対し運行に  │ │        │際して生じた赤字分を補助金として負担している。              │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 補助対象の運行に係る計上経費と経常収益との差額             │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                   │ │事務事業評価の有│今後の方向性:現状維持                          │ │無及び結果   │ 市民の交通手段を維持・確保するために必要な事業であり、継続して実施すべ │ │        │きと考える。                               │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼───┤ │        │ 58,188│  74,610│  75,990│  80,565│  103,365│ 108,000│85,439│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴───┤ │コメント    │ 毎年70,000千円以上を継続的に補助しており、金額も平成21年度までは年々  │ │        │増加している。                              │ └────────┴─────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価及び情報開示について(意見)  当該補助金は、岐阜市営バスが平成15~17年度の3年をかけて民間の岐阜乗合自動 車株式会社(以下「岐阜バス」とする)へ全線譲渡されたことに伴い、当該路線維持の ために、赤字分を補填すること及び、岐阜バスより廃止の申し出があったバス路線で必 要と判断される路線に対しての路線維持を目的として始まったものである。  当該補助金は運行補助金であり、補助金額の算定方法としては、岐阜バスが補助対象 路線を運行するために要した運行経費から、運行収入を除いた金額を補助金として給付 するものである。譲渡が始まった平成15年度と現在では、経済状況、人口分布、ライ フスタイルが変わってきており、また、補助金額も平成22年度において85,439千円と 少ない金額とは言えないため、市民が補助金の必要性、有効性等を判断する根拠となる 事務事業評価や情報開示の充実が重要であるといえる。  現状の事務事業評価では、事業目的を達成するための活動指標が定義されておらず、 また、その他の記載についても不十分であるといえる。事務事業評価に用いるべき評価 指標としてはコミュニティバス運行補助金同様、路線ごとの利用者数の推移、運行経費、 補助金額、収益率のような運行関連の数値や、岐阜バスによって提出された収支改善計 画の内容や取組の結果、利用者の満足度等が考えられる。これらの情報は、市がバス路 線の管理等に既に用いている情報であるため、開示することは実務上も十分可能である といえる。なお、情報開示にあたってはバス路線沿線住民への影響もあるため、内容に ついては一定の配慮が必要である。  ただし、市規定の事務事業評価のフォームにこれらのデータを全て掲載することが困 難である場合には、別途これらの情報を岐阜市のホームページ上に掲載することでの対 応も必要である。いずれにせよ、情報を広く開示することは、市民の補助金の有効性の 判断に資するため、可能な限り多くの情報を開示することが重要である。 ┌─────┐ │基盤整備部│ └─────┘ (1)加入団体負担金の交付事務について 1) 概 要  基盤整備部では、加入団体負担金の交付を行っている。概要は次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │加入団体負担金                             │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │        │広域事業推進課-道路建設課-水防対策 │     │           │ │担当課     │課-基盤整備政策課-土木管理課-公共  │開始年度 │―          │ │        │用地課               │     │           │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし。             │補助の種類│負担金        │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │                                    │ │        │ 基盤整備の促進のため、34団体の各団体の設立目的に沿った事業の運営経費 │
    │内容      │や、事業の促進及び維持管理等について負担するものである。        │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 各団体の総会において負担金額を決定している。             │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 加入団体負担金であるので、事務事業評価を実施していない。       │ │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │ ―  │  17,033│  16,153│  16,474│  16,705│16,917│16,917│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │        │ 34団体の各団体は継続して加入しており、加入の有効性は認められるものの、│ │        │今後も引き続き加入することの有効性について検討する必要がある。     │ │コメント    │ 34団体の各団体においては、運営状況に応じて適時負担金の見直しは行われて│ │        │いるものの減額が十分に行われていないため、繰越金が増加していると思われる│ │        │団体もある。                              │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.繰越金額の減額の検討について(意見)  岐阜市は、下記のとおり、34団体の各団体の運営経費や、事業の促進及び維持管理 等について負担金を支出している。平成19年度と平成22年度の繰越金及び負担金の増 減比率を分析すると、以下のとおりとなった。                                             (単位:円) ┌─┬───────┬────┬────────────┬─────────────┬───┬───┐ │ │       │    │   平成19年度    │    平成22年度    │繰越 │負担 │ │ │       │加入年 ├─────┬──────┼──────┬──────┤金増 │金増 │ │ │       │ 度  │ 繰越金 │ 負担金※ │ 繰越金  │ 負担金※ │減比 │減比 │ │ │       │    │(H18→H19)│      │(H21→H22) │      │率  │率  │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 1│岐阜県国道協 │ 平成3年│ 2,098,537│  2,158,000│  2,656,986│  1,929,000│126.6%│ 89.4%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 2│岐阜県市町村 │昭和58年│ 1,141,685│   996,000│   846,247│   996,000│ 74.1%│100.0%│ │ │道整備促進期 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │成同盟会   │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 3│岐阜県街路事 │ 平成4年│ 1,533,688│  1,198,000│  1,293,518│  1,198,000│ 84.3%│100.0%│ │ │促進協議会  │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 4│岐阜県無電柱 │ 平成6年│ 1,269,345│   588,000│  1,425,152│   522,000│112.3%│ 88.8%│ │ │化推進協議会 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 5│東海環状自動 │平成元年│ 2,466,556│  1,450,000│  3,999,188│  1,034,000│162.1%│ 71.3%│ │ │車道建設促進 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │岐阜県西部協 │    │     │      │      │      │   │   │ │ │議会     │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 6│国道21号・22号│平成12年│ 1,752,832│   725,000│  2,258,067│   725,000│128.8%│100.0%│ │ │及び岐阜南部 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │横断ハイウェイ│    │     │      │      │      │   │   │ │ │整備促進期成 │    │     │      │      │      │   │   │ │ │同盟会    │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 7│ぎふ国道256号 │ 平成5年│ 2,266,395│   995,000│  2,943,379│   847,000│129.9%│ 85.1%│ │ │整備促進期成 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │同盟会    │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 8│主要地方道岐 │昭和42年│ 1,061,246│   720,000│  1,479,862│   560,000│139.4%│ 77.8%│ │ │阜関ケ原線道 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │路建設促進期 │    │     │      │      │      │   │   │ │ │成同盟会   │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │ 9│主要地方道関・│昭和57年│  431,866│   520,000│   987,894│   400,000│228.8%│ 76.9%│ │ │本巣線整備促 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │進期成同盟会 │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │10│一般国道156号 │ 平成3年│  118,582│   800,000│   451,729│   800,000│380.9%│100.0%│ │ │岐阜東バイパス│ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │第3工区整備促 │    │     │      │      │      │   │   │ │ │進期成同盟会 │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │11│長良糸貫線事 │平成12年│  248,190│   250,000│   124,837│   250,000│ 50.3%│100.0%│ │ │業促進協議会 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │12│長良川橋梁架 │昭和48年│  248,333│   400,000│   402,581│   400,000│162.1%│100.0%│ │ │設推進協議会 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │13│岐阜県木曽三 │昭和46年│ 1,873,034│  2,724,000│  3,955,490│  1,999,000│211.2%│ 73.4%│ │ │川改修工事促 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │進期成同盟会 │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │14│長良川流域市 │平成18年│ 1,161,528│   900,000│  1,016,298│   900,000│ 87.5%│100.0%│ │ │町連絡協議会 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │15│岐阜治水会  │ 平成5年│ 5,329,658│  4,148,000│  4,974,891│  4,148,000│ 93.3%│100.0%│ │ │       │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │16│石田川改修促 │昭和51年│  332,466│   200,000│   421,339│   200,000│126.7%│100.0%│ │ │進期成同盟会 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │17│国道157号整備 │昭和50年│  879,593│   224,000│   781,648│   110,000│ 88.9%│ 49.1%│ │ │促進期成同盟 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │会      │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤
    │18│主要地方道岐 │昭和52年│  121,035│   100,000│   38,627│   100,000│ 31.9%│100.0%│ │ │阜美山線整備 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │促進期成同盟 │    │     │      │      │      │   │   │ │ │会      │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │19│東海北陸広域 │平成5年 │     │      │  1,975,271│   750,000│ ― │ ― │ │ │地域整備連絡 │度から │     │      │      │      │   │   │ │ │会議     │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │20│岐阜県東海北 │昭和45年│ 1,247,861│   735,000│  1,013,487│   740,000│ 81.2%│100.7%│ │ │陸自動車道建 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │設連絡協議会 │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │21│岐阜県道路協 │昭和24年│ 3,296,405│  8,879,300│  1,482,918│  8,413,200│ 45.0%│ 94.8%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │22│岐阜県河川協 │昭和26年│ 2,557,394│  7,959,500│  1,953,140│  6,292,500│ 76.4%│ 79.1%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │23│岐阜県砂防協 │昭和15年│ 3,453,129│  7,285,400│  1,095,123│  7,138,800│ 31.7%│ 98.0%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │24│境川改修促進 │昭和53年│  457,984│   220,000│   439,400│   220,000│ 95.9%│100.0%│ │ │期成同盟会  │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │25│(社)日本道路│昭和22年│31,161,231│ 153,766,338│ 66,299,981│ 132,059,644│212.8%│ 85.9%│ │ │協会     │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │(一般会計) │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │26│羽島用水土地 │昭和54年│22,308,637│ 45,590,000│ 18,654,800│ 46,505,000│ 83.6%│102.0%│ │ │改良区(排水費 │ 度から│     │      │(平成21年度)│(平成21年度)│   │   │ │ │負担金)   │    │     │      │      │      │   │   │ │ │(一般会計) │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │27│岐阜圏域市町 │昭和42年│ 1,606,262│   85,000│  1,683,134│   85,000│104.8%│100.0%│ │ │土木協会   │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │28│歴史的地区環 │平成10年│ 2,279,690│  3,000,000│  4,452,349│  2,360,000│195.3%│ 78.7%│ │ │境整備街路事 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │業推進協議会 │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │29│Think Our   │平成19年│ 1,090,701│  1,350,000│   672,461│  1,400,000│ 61.7%│103.7%│ │ │Street推進委員│ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │会      │    │     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │30│岐阜市水防協 │昭和36年│   1,694│  4,849,640│    8,277│  4,755,280│488.6%│ 98.1%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │31│(社)日本河川│昭和48年│90,019,511│ 83,005,000│ 42,707,570│ 72,950,000│ 47.4%│ 87.9%│ │ │協会     │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │32│岐阜県水防協 │昭和62年│ 1,722,220│   970,000│  2,575,242│   970,000│149.5%│100.0%│ │ │会      │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │33│都市開発資金 │昭和48年│  848,913│  1,480,000│   843,689│  1,120,000│ 99.4%│ 75.7%│ │ │協議会    │ 度から│     │      │      │      │   │   │ ├─┼───────┼────┼─────┼──────┼──────┼──────┼───┼───┤ │34│全国自転車問 │ 平成5年│ 6,893,430│  3,640,000│  1,254,394│  3,040,000│ 18.2%│ 83.5%│ │ │題自治体連絡 │ 度から│     │      │      │      │   │   │ │ │協議会    │    │     │      │      │      │   │   │ └─┴───────┴────┴─────┴──────┴──────┴──────┴───┴───┘ ※ 団体に加入するすべての負担金・分担金の合計金額  上記のとおり、繰越金増減比率が100%以上の団体が存在する。この中には、平成23 年度に負担金が改定されている団体も含まれる。繰越金が増えている理由としては、大 きなプロジェクトなどを後年度に予定しており、単年度での予算措置が困難であること から、それに備え準備経費を繰越金で持っているケースなど、各決算の詳細な分析をす ると様々な経営実態があり、調査対象の4年間で増加率が跳ね上がっているのには各団 体の個々の事情があるところである。  特に理由がなく繰越金が増加している団体について、負担金に原因を求め既に見直し ている団体がある一方で、見直しが図られていない団体が見受けられた。  また、負担金の見直しが行われているものの減額が十分に行われず、繰越金額が増加 していると思われる団体もある。  以上見てきたように、各団体それぞれに特質があり、各諸事情により、財政運営を行 っていることに鑑みると、繰越金が多いことを理由に必ずしも負担金が多額とはいえな いが、負担金の金額は各団体の総会の決議で決定されるので、団体の会員は負担金の減 額の議案をあげ、適切な負担金の水準とすべき検討は必要である。  負担金の見直しが既に実施されている団体においても繰越金が増加している場合に は負担金の見直しが後々の団体運営に支障をきたさない範囲で、より慎重に各団体の財 政事情に配慮しながら適切な負担金の額について、引き続き模索していくべきである。  全国組織の団体においては、会員が全国の自治体により構成されているため、1自治 体の意見のみでは負担金を減少させることは困難であるが、それに対して、会員が少数 の団体においては、個々の会員の意見が反映されやすいと考えられるので、適時な減額 を起案すべきといえる。  今回は、一つの指標として、繰越金増減比率に対して考察しているが、単に繰越金増 減比率だけで捉えるのではなく、当然、会計規模に対して、負担金が適切な規模かどう かなど、多角的な視点を入れながら検討が必要である。その上で、当該団体において今 後の活動に備えるための内部留保となる繰越金が、過度と判断される場合は適切な負担 金水準となるように働きかける必要がある。ただし、県の出資団体から交付金が団体に 対し支払われている場合にはバランスを考慮するなど、慎重に判断する必要がある。 イ.加入団体負担金継続の検討について(意見)  岐阜市は、各団体に参加するため毎期継続的に会費を支出している。このように岐阜 市が各団体へ会費として加入負担金を支払い続けることは、以下のような問題点が存在 する可能性がある。 a. 負担金が過去数期間にわたって継続的に支出されており、加入することの効果が  十分に測定されないまま、加入し続けてしまう可能性がある。負担金であるため、  事務事業評価がなされていないが、加入の効果について今後も十分な検討が必要で
     ある。   例えば、都市開発資金協議会は、用地買収に必要なまとまった資金の調達方法と  して、市場よりも低金利での調達が可能であることから、加入の効果を確認してい  るところである。長年にわたり加入し続けている団体については、引き続き加入の  効果について十分な検討が必要である。 b. 団体の会員として当初所属した時期から長年経過している場合には当初の目的が  既に達成され、現在の政策・施策の達成において有効な手段ではなく、陳腐化して  しまう可能性がある。また、他の自治体も加入しているので、脱退することができ  ず、加入し続けている可能性がある。   そのため、例えば、岐阜県木曽三川改修工事促進期成同盟会は、木曽川、長良川  及び揖斐川の改修工事の完成を促進するとともに水防体制の促進強化が目的であり、  今後も要望活動などを続けていく必要があるなどのように、各団体への加入目的や  必要性は明確にしておくべきである。  以上のように、団体に継続して長期間加入している場合には、上記のような問題点が 内在する可能性があるため、例えば一つの方法として加入の期間の終期を設け、終期を 迎えた時点で継続して団体に加入するべきか否かの再検討を行うなどして加入の意味 と効果を確認することが望まれる。 ┌────────┐ │教育委員会事務局│ └────────┘ (1)岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金について 1) 概 要  岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金は、岐阜市立の中学校に在 学するすべての中学校及び特別支援学校の生徒における非行防止及び非行処理対策事 業の充実及び強化等のため、その行動にかかる費用を補助し、児童生徒の健全育成に努 めるためのものである。概要は以下のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金          │ ├────────┼─────────────────┬───────┬──────────┤ │担当課     │学校指導課            │開始年度   │昭和62年度     │ ├────────┼─────────────────┼───────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市立小中学校及び特別支援学校へ│補助の種類  │その他の補助    │ │        │の生徒指導対策行動費補助金交付要綱│       │          │ ├────────┼─────────────────┴───────┴──────────┤ │        │ 当該補助金の対象となる行動は、1)問題行動の処理行動に対する補助、2)問題│ │        │行動の防止行動に対する補助の2種類であり、具体的に、1)は問題行動が起きた│ │内容      │場合に行う再発防止指導、2)は不登校等の問題行動に対する家庭訪問、祭り・盆│ │        │踊り、盛り場等の巡回である。これらの1),2)の行動を1時間以上行った教員に │ │        │対して交通費相当額として500円を支給するものである。           │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 各学校均等配当61,500円+生徒数×200円に事務局費、特別支援学校分を加え │ │        │た額を予算として計上する。                       │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                  │ │        │今後の方向性:現状維持                         │ │事務事業評価の有│ 非行や不登校など児童生徒に関わる問題は、今後もより一層低年齢化、複雑化│ │無及び結果   │することが予想され、それに対する指導も多くなる。また、非行を未然に防止す│ │        │るためにも、地域の巡回指導、地域行事での非行防止行動も重要であり、そのた│ │        │めの補助も重要である。                         │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  4,400│   3,674│   3,674│   3,674│   3,674│ 3,674│ 3,674│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 過去5年間は毎年同額である。                     │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金額の算定について(意見)  当該補助金は概要に記載した通り、生徒の問題行動を是正・防止するための対策行動 を1時間以上行った教員に対して500円を交通費相当額として補助金から支給するも のである。ここで、交通費相当額としての500円の金額の妥当性が問題となる。  現状では、1時間以上問題対策行動をとった教員に対して、自家用車、公共交通機関、 徒歩いずれの移動手段によって巡回を行った場合においても、予算の範囲内において一 律で500円が支給されている。問題対策行動を行った教員の交通費相当を補助するとい う当補助金の趣旨を考慮すると、実態に即した補助金の支給が行われていないといえる。  したがって、少なくとも徒歩及び自転車で対策を行った場合には交通費相当額は生じ ないため、補助金を支給するべきではないといえる。また、自家用車等を用いた場合に おいても、500円という金額を一律で支給することに対しての合理性が不十分であると いえるため、当該補助単価が定められた経緯を調査し、単価設定時の状況と現状に相違 があるのであれば、新たな基準を設定し補助金額に合理性を持たせる必要があるといえ る。 イ.予算額について(意見)  概要に記載した予算額は、少なくとも過去5年間同額のまま推移している。補助金を 支出するのであれば、毎年度活動実態を反映した予算を策定するべきである。現状にお いては、恒常的に予算が不足しており、年度の途中で予算を使い切ってしまうため、予 算を使い切った後は予算が残っている場合と同様の対策行動を行ったとしても、交通費 相当の補助金は支給されていない。前年までの問題対策行動の回数に基づき毎期予算の 見直しを行い、より予算の正確性を高めることで、同一の対策行動であっても、その時 期のみによって交通費相当額の支給の有無が決まるという状況は是正されることが望 ましい。 ウ.事務事業評価について(意見)  事務事業評価については、後述の「岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金」と要綱 を一にすることからまとめて実施している。事務事業評価の問題点は、活動指標が有効 性を判断する指標として機能していない点にある。これは活動指標の目標値が予算額と なっており、前述のとおり毎年度予算は不足しているため予算は毎年消化されてしまい、 目標額と実績額が一致し、常に目標を達成している状況となるためである。また、成果 指標も同様の評価がなされ、事務事業評価が有効に機能していないといえる。事務事業 評価を行うならば、指標にその有効性の判断に資するものを採用すべきである。具体的 には、全体の対策行動に占める補助金の支給を得て行った対策行動の割合もしくは生徒 指導対策行動の件数のように、どの程度有効であったかが判断しやすい指標を用いるこ とが望ましい。
    (2)岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金は、岐阜市立の小学校に在学するすべての中 学校及び特別支援学校の生徒における非行防止及び非行処理対策事業の充実及び強化 等のため、その行動にかかる費用を補助し、児童の健全育成に努めるためのものである。 当該補助金は、前述の岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金の対象 を小学生にしたものであり内容もほぼ同様かつ同一の要綱である。概要は以下のとおり である。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市小学校生徒指導対策行動費補助金                  │ ├────────┼─────────────────┬───────┬──────────┤ │担当課     │学校指導課            │開始年度   │昭和61年度     │ ├────────┼─────────────────┼───────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市立小中学校及び特別支援学校へ│補助の種類  │その他の補助    │ │        │の生徒指導対策行動費補助金交付要綱│       │          │ ├────────┼─────────────────┴───────┴──────────┤ │        │ 当該補助金の対象となる行動は、1)問題行動の処理行動に対する補助、2)問題│ │内容      │行動の防止行動に対する補助の2種類であり、具体的に、1)は問題行動が起きた│ │        │場合に行う再発防止指導、2)は不登校等の問題行動に対する家庭訪問、祭り・盆│ │        │踊り、盛り場等の巡回である。                      │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 各学校均等配当7,500円+生徒数×50円に事務局費、特別支援学校分を加えた │ │        │額を予算として計上。                          │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                  │ │        │今後の方向性:現状維持                         │ │事務事業評価の有│ 非行や不登校など児童生徒に関わる問題は、今後もより一層低年齢化、複雑化│ │無及び結果   │することが予想され、それに対する指導も多くなる。また、非行を未然に防止す│ │        │るためにも、地域の巡回指導、地域行事での非行防止行動も重要であり、そのた│ │        │めの補助も重要である。                         │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  2,058│   1,617│   1,617│   1,584│   1,584│ 1,584│ 1,584│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 過去3年間金額は同額である。                      │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金が支出される意義について(意見)  前述の「岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金」と同様であるた め、当該補助金参照。 イ.予算額について(意見)  予算額は、少なくとも過去3年間同額のまま推移している。補助金を支出するのであ れば、毎年度活動実態を反映した予算を策定するべきである。現状においては、恒常的 に予算が不足しており、年度の途中で予算を使い切ってしまうため、予算を使い切った 後は予算が残っている場合と同様の対策行動を行ったとしても、交通費相当の補助金は 支給されていない。前年までの問題対策行動の回数に基づき毎期予算の見直しを行い、 より予算の正確性を高めることで、同一の対策行動であっても、その時期のみによって 交通費相当額の支給の有無が決まるという状況は、是正されることが望ましい。 ウ.事務事業評価について(意見)  前述の「岐阜市中学校及び特別支援学校生徒指導対策行動費補助金」と同様であるた め、当該補助金参照。 (3)岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金の交付事務について 1) 概 要  市内小学校の主に5年生を対象に、鵜飼観覧体験事業を展開し、ふるさとを愛する心 情と態度を育成するとともに、ふるさとを誇りに、自信をもって生きぬく資質と態度を 養うために、鵜飼観覧体験に係る費用を補助金で賄うものである。概要は以下のとおり である。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金                   │ ├────────┼─────────────────┬───────┬──────────┤ │担当課     │学校指導課            │開始年度   │平成13年度     │ ├────────┼─────────────────┼───────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市ふるさと大好き鵜飼事業補助金│補助の種類  │事業費補助     │ │        │交付要綱             │       │          │ ├────────┼─────────────────┴───────┴──────────┤ │        │                                    │ │内容      │ 当該補助金は、岐阜市の小学5年生を主な対象として、学校単位で、授業時間│ │        │外に鵜飼に行き、その乗船費用のうちの半分を市が負担するというものである。│ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 児童は鵜飼料金のうち2分の1(1,000円)の補助、引率者は各学級2人まで │ │        │全額補助(2,000円)                           │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                  │ │無及び結果   │今後の方向性:現状維持                         │ │        │ 岐阜市の未来を担う児童に対して,鵜飼という伝統文化に直接ふれる体験は大│ │        │変貴重であり,ふるさと岐阜を見つめなおす機会につながっている。今後も,ふ│ │        │るさとを誇りに自信をもって生き抜く資質や態度を養っていくことが大切であ │ │        │ると考える。                              │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  3,687│   3,149│   3,559│   3,399│   3,318│ 4,538│ 3,626│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 実績は、開始年度から3,500千円前後で推移している。           │ └────────┴────────────────────────────────────┘
    2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価について(意見)  当該補助金に対しても事務事業評価が行われている。しかし、活動指標が定められて おらず、その内容に問題があるといえる。活動指標として考えられるものは、鵜飼観覧 対象者に対する鵜飼参加者の人数が考えられ、これらの活動指標を用いることで、どの 程度の児童が補助金によって鵜飼を観覧することができているかを容易に理解するこ とができ、有効性を判断するために有用な指標となるといえる。 (4)岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金の交付事務につい て 1) 概 要  進路指導や就職指導、進学・就職事務を円滑に進めるために、生徒の引率や進路指導 に関連する出張を行った場合に、担当教員に対して、距離や時間に応じた旅費を補助金 として支給している。概要は以下のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市中学校及び岐阜特別支援学校進路指導対策行動費補助金        │ ├────────┼─────────────────┬───────┬──────────┤ │担当課     │学校指導課            │開始年度   │昭和62年度     │ ├────────┼─────────────────┼───────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等│無                │補助の種類  │その他の補助    │ ├────────┼─────────────────┴───────┴──────────┤ │        │                                    │ │        │ 近年、進路の多角化等によって教職員の進路指導業務に対する負担が増加して│ │内容      │いる。進路指導事務を円滑かつ適正に進めるために、業務内容に応じて、旅費の│ │        │補助及び日当という形で補助金が支出されている。             │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 出張地までの往復直線距離(km)×37円/kmに加え、主張先に応じて日当が支給 │ │金額の算定   │される。休日引率の場合は、引率時間に応じて500円~1,000円の進路業務手当 │ │        │が支給される。                             │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                  │ │        │今後の方向性:現状維持                         │ │事務事業評価の有│ 入試事務が多様化している今、円滑かつ適正に進めるための支援が大切であ │ │無及び結果   │る。各学校間で共通理解を図り見通しをもって進めることで、効率化を図りなが│ │        │らも、事務手続き等の行動にかかる旅費を補助することにより、より一層適正な│ │        │進路指導に努めることができる。                     │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  4,560│   2,970│   2,970│   2,970│   2,970│ 2,970│ 2,970│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 過去5年間は同額で推移している。                   │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.交付要綱について(指摘)  当該補助金には、交付要綱ほか、補助金交付のための判断指針となるものが存在して いない。補助金の公益性を保つためにも、要綱を整備し、補助金の目的、対象、終期等 をしっかりと明文化し、適正な補助金運営に努めるべきである。  (*なお、今回の指摘を受けて現在、交付要綱は作成中である。) イ.補助金額の算定方法について(指摘)  旅費とは、本来実際にかかった費用以内で補助すべきである。しかし、当補助金の旅 費の算定式は、概要に示した通り、往復直線距離に37円/kmを乗じて算出されている ため、金額の算定方法の合理性に問題があるといえる。  具体的に、どのような規定とするべきかであるが ・公共交通機関を用いた場合 ⇒実費を支給 ・自家用車を用いた場合 ⇒直線距離ではなく移動距離をもとに算定する(インターネットで算出可) という方法で算定することで実態に即した交通費の補助が可能となるため、このように 要綱に定めるべきである。  なお、平成23年度より公共交通機関を用いた場合には実費を、自家用車を用いた場 合には移動距離に単価を乗じて補助金額を算定する方法へと変更されている。 ウ.予算終了後の補助打ち切りについて(意見)  当該補助金は2,970千円と、金額が僅少であるため、途中で予算がなくなり、補助が 打ち切られる性質のものである。したがって、同様の行動を実施したとしても、予算残 高の有無のみで補助されるか否かが決まり、その有効性に問題があるといえる。  現状の補助金を用いた制度では、進路指導に関する交通費について、予算がなくなり 補助が打ち切られた後には教員の個人負担となるため、前年度の実績及び当年度の生徒 数をもとに予算額を毎年度実態に即して見直すことで、補助金の申請時期のみによって 補助金の有無が決まるような状況は改善されることが望ましい。 エ.事務事業評価について(意見)  当該補助金に対しても事務事業評価が行われている。しかし、現状の活動指標は補助 金の有効性を判断するためのものとして不十分である。現状では、活動指標の目標値が 岐阜市内の特別支援学校、中学校数の23校となっており、実績値も当然に23校となっ ている。単に特別支援学校、中学校の数が目標となっており、活動指標としての効果が ないため新たな指標を定めるべきである。具体的には、補助金の対象である進路指導対 策行動の実施回数を指標とすることで、実際に補助金によって支援された進路指導対策 行動がどの程度あるのかが明らかとなり、その有効性の判断に一定の効果があるといえ る。 (5)岐阜市私学振興補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市私学振興補助金は、市民の多様な学習ニーズに応える選択肢を拡大し、岐阜市 における私立の幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の特色ある学校(園)づくりの推 進を支援するために交付する補助金である。概要は次のとおりである。 ┌────────┬─────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市私学振興補助金                           │ ├────────┼─────────────────┬───────┬───────────┤
    │担当課     │教育政策課            │開始年度   │平成16年度      │ ├────────┼─────────────────┼───────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市私立学校教育助成条例、岐阜市│補助の種類  │補助金        │ │        │私学補助金交付要綱        │       │           │ ├────────┼─────────────────┴───────┴───────────┤ │        │ 補助金の交付団体は岐阜市私学振興補助金交付要綱第2条によれば、以下のと │ │        │おり定められている。                           │ │        │ 「補助金の交付を受けることができる者(以下「補助対象団体」という。)は、│ │内容      │岐阜市内に私立学校(園)を設置する学校法人とする。」           │ │        │ 補助率及び補助金の額は岐阜市私学振興補助金交付要綱第4条によれば、以下 │ │        │のとおり定められている。                         │ │        │ 「補助金の額は、補助対象経費の2分の1以内とし、次の表の左欄に掲げる学 │ │        │校(園)の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる額を補助限度額とする。  │ │        │┌───────────────┬────────────────┐   │ │        ││      区分       │ 1校(園)当たりの補助限度額 │   │ │        │├───────────────┼────────────────┤   │ │        ││幼稚園            │             50万円│   │ │        │├───────────────┼────────────────┤   │ │        ││小学校及び中学校       │             100万円│   │ │        │├───────────────┼────────────────┤   │ │        ││高等学校           │             200万円│   │ │        │└───────────────┴────────────────┘   │ │        │                                     │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │ 補助金の額は、補助対象経費の2分の1以内とし、その限度額は上記のとおり  │ │金額の算定   │である。ただし、部活動については、この限度額とは別に中学校及び高等学校1  │ │        │校当たり30万円を補助限度額とする。                    │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 事務事業評価は実施している。本市における私立学校の果たす役割は大きいた │ │無及び結果   │め、現在ある制度は重要であり、今後も予算の範囲内であるが、充実を図る必要 │ │        │があると結論づけている。                         │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├───┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼────┤ │        │ 33園 │ 34園  │ 36園  │ 40園  │ 40園  │   │ 38園 │ │        │15,412 │ 21,357 │ 22,502 │ 24,293 │ 21,332 │45,400│24,630 │ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴────┤ │コメント    │ 岐阜市に所在する幼稚園であり、大きく変動することはない。        │ └────────┴─────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助事業の業者選定について(意見)  ある学校においてはクラブ部室設置工事の建設資金を補助対象経費として申請し、補 助金を受けている。クラブ部室設置工事に際し、その建設業者の選定が必要となるが、 要綱上、相見積もりの書類が補助金交付申請書類に添付すべき資料となっていないので、 学校が相見積もりを取ったのか否かが不明の状態にある。  建設業者の選定の際、複数業者から相見積もりを取ることは建設コストを抑える意味 で重要な行為であり、必須の手続といえる。また、相見積もりを取らなければ業者選定 の公正性が確保されないといえる。  よって、業者選定において相見積もりをとるように指導するのが望ましい。 (6)岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金は、好ましい人間関係や 豊かな社会性などを養うため、異年齢での活動を行う少年団体の一つである岐阜市バト ントワリング少年団育成連絡協議会の運営費の一部を助成するものである。概要は次の とおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金           │ ├────────┼─────────────────┬───────┬────────────┤ │担当課     │中央青少年会館          │開始年度   │平成6年度       │ ├────────┼─────────────────┼───────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市青少年各種団体運営費補助金交│補助の種類  │運営費補助       │ │        │付要綱              │       │            │ ├────────┼─────────────────┴───────┴────────────┤ │        │・補助事業者である岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会の主な事業は、合│ │内容      │同練習会の開催や大会への出場であり、約150名が所属している。         │ │        │・異年齢での活動を行う少年団体に対する補助金の一つであり、本補助金のほか4団│ │        │体に同様の趣旨の補助金が交付されている。                  │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 補助対象経費の2分の1以内で予算の範囲内。                │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │        │ 当団体は、市内・県内の各種イベントステージに出演し、また団体演技・個人ソロ│ │事務事業評価の有│コンテストなどバトントワリング大会に多くの選手が出場した。ぎふ清流国体のPR │ │無及び結果   │イベントに参加するなど活動を行っている。異年齢集団の中で、好ましい人間関係や│ │        │ボランティア活動を通し、心豊かな人間形成を目指した活動をしており、青少年の健│ │        │全育成と文化振興に貢献しており、当該団体の活動が円滑に実施できるよう助成す │ │        │る。                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 不明 │    30│    30│    30│    30│   30│   30│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 補助金額は少額かつここ数年間金額の変動はない。              │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助事業者の選定について(指摘)  岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金は、少年の健全育成を目 的とする団体に交付される補助金である。平成22年度において、本補助金と同じ要綱 に則り、交付されている補助金の交付先は、以下の通りである。
    ┌────────────────────┬───────┬────────┐ │        団体名         │ 加入団員数 │  補助金額  │ ├────────────────────┼───────┼────────┤ │日本ボーイスカウト岐阜市協議会     │    1,116名│    251,000円│ ├────────────────────┼───────┼────────┤ │ガールスカウト岐阜市連絡協議会     │     116名│    58,000円│ ├────────────────────┼───────┼────────┤ │岐阜少年少女合唱団           │     42名│    174,000円│ ├────────────────────┼───────┼────────┤ │岐阜ジュニア吹奏楽団          │     47名│    87,000円│ └────────────────────┴───────┴────────┘  岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会運営費補助金を含めた、上記5つの補 助金については、平成14年度から交付が継続されており、また、平成17年度から平成 22年度に至るまで補助金額の変動もない。本補助金は、少年の健全育成を目的に交付 されるものであるため、上記5団体にのみ補助金を交付し続けることは、公平性の観点 から問題がある。  岐阜市青少年各種団体運営費補助金交付要綱第2条第1項では、補助対象団体を下記 の通り定めている。 ┌─────────────────────────────────────┐ │第2条                                   │ │(1)市内においてボランティア活動、地域貢献活動又は青少年の健全育成に寄与 │ │する活動を行っていること。                        │ │(2)満35歳以下の市内に在住し、在勤し、又は在学する者が、当該団体の構成員 │ │の総数の過半数を占め、かつ、その数が10人以上であること。         │ │(3)規約を有し、当該団体による意思決定に基づき活動を行い、独立した経理及 │ │び監査の機能が確立していること。                     │ │(4)団体の活動の実績が客観的に認められること。              │ │(5)団体の事務局等の活動の拠点が、市内に置かれていること。        │ └─────────────────────────────────────┘  上記5団体以外にも交付要綱第2条の要件を充たす団体が存在することが予測され るが、現状として当該交付要綱は一般に公開されておらず、他の団体が補助金の交付を 受ける機会の確保という公平性の観点及び補助金を交付するための公益性の観点から 問題がある。したがって、以前に少年団体に対して補助金の公募を行ったとのことであ るが、募集の方法について再検討するとともに、交付要綱を充たす他の団体がないかと いう観点で、少年団体の情報を収集するべきである。 イ.補助金の効果について(意見)  岐阜市バトントワリング少年団育成連絡協議会の加入団員数は、おおよそ166人であ る。本補助金の交付額は3万円であり、加入団員数一人あたりの補助金額を計算しても 2百円にも満たないため、本補助金がなくとも当該補助事業者の活動に影響があるとは 考えにくい。それにもかかわらず少額の補助金が過去数年間にわたって継続的に支出さ れることは、補助することの効果が十分に測定されないまま交付され続けている可能性 がある。交付要綱によれば、補助金額は補助対象経費の額の2分の1以内で予算の範囲 内で定めた額となっており、少額の補助で本補助金の効果があるのかどうかを十分に検 討することが望ましい。 (7)国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金の交付事務について 1) 概 要  国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金は、若者を中心に人気のあるイン ラインスケートというニュースポーツを市民に親しんでもらうとともに、ニュースポー ツの振興と健全な発展に寄与するため、大会の開催について助成するものである。概要 は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金               │ ├────────┼─────────────────┬───────┬────────────┤ │担当課     │市民体育課            │開始年度   │平成6年度       │ ├────────┼─────────────────┼───────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし             │補助の種類  │負担金         │ ├────────┼─────────────────┴───────┴────────────┤ │        │・補助事業者である実行委員会は、国際インラインスケート岐阜長良川大会の企画運│ │内容      │営を行っている。本大会開催初年度については海外選手らも参加していたが、近年で│ │        │は国内選手のみで行われており、東海地方からの参加者が半数以上を占める。   │ │        │・会計に関しては事務局長である市民体育課長の専決事項。           │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 運営方法の見直し、大幅な経費削減が必要である。              │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 20,000│   9,999│   5,988│   5,997│   5,000│  5,000│  4,983│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 負担金額は、大会の規模と同様に縮小傾向である。              │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.業務の見直しについて(意見)  国際インラインスケート岐阜長良川大会開催負担金は、市民にニュースポーツと親し んでもらうことを目的とした競技大会の負担金である。平成6年の第1回大会からの大 会参加者の推移は、以下の通りである。 ┌─────────┬─────────┬─────────┬─────────┐ │   年度    │ 参加者数(人) │   年度    │ 参加者数(人) │ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成6年度   │       1,066│  平成15年度  │       1,102│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成7年度  │       1,215│  平成16年度  │       1,115│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成8年度  │       1,267│  平成17年度  │       1,045│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成9年度  │       1,365│  平成18年度  │        867│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤
    │  平成10年度  │         -│  平成19年度  │        556│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成11年度  │       1,323│  平成20年度  │        457│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成12年度  │       1,299│  平成21年度  │        453│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成13年度  │       1,170│  平成22年度  │        525│ ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤ │  平成14年度  │       1,118│         │         │ └─────────┴─────────┴─────────┴─────────┘  参加者数の推移を見ていくと、平成9年度をピークとして徐々に減少していき、近年 ではピーク時の半分以下となっている。本大会の開催当初は、徐々に大会参加者数が増 加し、市民にニュースポーツと親しんでもらうという目的を少なからず達成していたか に思われる。しかしながら、現在では参加者の減少、リピーターの増加に加え、大会の 運営として競技性を高めていく方針であることから、インラインスケート愛好家のため の大会と化してきており、本大会を存続させるために負担金を支出しているような状況 に思われる。負担金額は減少傾向にあるため、経済性の観点からは改善がみられるが、 開催から17年が経過しておりニュースポーツとしてのインラインスケートの位置付け が難しい点及びより多くの市民にニュースポーツと親しんでもらうことが望ましいに もかかわらず、参加者が減少している点により、合目的性の観点で問題があると考えら れる。このような状況では、負担金の効果は乏しく公益性の観点から負担金を支出する ことは望ましくない。したがって、本大会の運営方針の見直しや、本大会の企画運営自 体を他の団体に委託し、岐阜市の負担を減らしていくように検討することが望ましい。 イ.委員会の規程の整備について(意見)  インラインスケート岐阜長良川大会実行委員会では、「インラインスケート岐阜長良 川大会実行委員会規約」において、代表の方法や総会の運営について触れられている。 しかしながら、財産の管理に関する規程がなく、会計に係る規程としては「会計は事務 局が処理し、事務局長の専決事項」とあるのみで、全体として簡略的な記載にとどまっ ているため、独立した団体としての必要な管理規程が整備されているとは言い難い。  このような状況では、岐阜市が大部分を負担している本実行委員会の負担金の支出の 適切性や、委員会における事務管理の適切性に問題が生じる可能性がある。したがって、 実態としては岐阜市の各種規程に準じて運営を行っているものの、本実行委員会の管理 規程を整備することが望ましい。 (8)特別展「洛中洛外図に描かれた世界」にかかる開催負担金の交付事務について 1) 概 要  特別展「洛中洛外図に描かれた世界」にかかる開催負担金は、市民の文化、歴史に対 する関心を高め、市民とともに文化創造の活性化を図るため、文化財や歴史についての 特別展を開催する実行委員会に対して助成するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │特別展「洛中洛外図に描かれた世界」にかかる開催負担金            │ ├────────┼─────────────────┬───────┬────────────┤ │担当課     │歴史博物館            │開始年度   │平成22年度       │ ├────────┼─────────────────┼───────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし             │補助の種類  │負担金         │ ├────────┼─────────────────┴───────┴────────────┤ │        │・補助事業者は洛中洛外図展実行委員会であり、特別展の事業を完了すると解散され│ │        │る。主な業務は、特別展の企画、運営である。企画展が歴史博物館所有の常設展示品│ │        │を拡大展示するのに対し、特別展は外部の文化財等保有者から歴史的価値のあるもの│ │内容      │を借り、展示するものである。                        │ │        │・本実行委員会は岐阜市及び株式会社中日新聞社で組織されている。観覧料等で得た│ │        │収益については、両者の負担金支出割合で配分される。             │ │        │・岐阜市は負担金の支出を金銭で行っているのに対し、株式会社中日新聞社は金銭の│ │        │ほか広告宣伝というサービスの提供により行っている。             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 無                                    │ │無及び結果   │ 一度の開催で終了する事業のため、実施していない。             │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │  9,500│     -│     -│     -│     -│  9,500│  9,500│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 一度の開催で終了する事業のため、推移はない。               │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価について(意見)  岐阜市歴史博物館で行われる特別展は、外部から文化的価値のあるものを借り、市民 に対し広く公開するものである。平成22年度に実行委員会を組織して実施された特別 展は以下の通りとなっている。 ┌───────────────┬────────────┬─────────┐ │      企画名      │    共催企業    │ 岐阜市負担金額 │ ├───────────────┼────────────┼─────────┤ │洛中洛外図に描かれた世界   │株式会社中日新聞社   │    9,500,000円│ ├───────────────┼────────────┼─────────┤ │城と都市           │株式会社岐阜新聞社   │    7,000,000円│ ├───────────────┼────────────┼─────────┤ │長良川とともにあゆむ     │株式会社岐阜新聞社   │    4,913,000円│ └───────────────┴────────────┴─────────┘  岐阜市歴史博物館では、上記特別展のほか、負担金を支出しない特別展や企画展の開 催、講座・講演会の開催、博物館資料の収集、管理及び調査、研究等の様々な事業を行 っている。これら事業の実施結果については年度ごとに歴史博物館運営管理・同教育活 動など2分野に分けて事務事業評価がなされ、その必要性や有効性についての評価がな されている。しかしながら、複数ある事業が一括で評価され、展覧会の結果が事務事業 評価の結果に表れていないため、より実効的な評価結果を表示することが望ましい。な お、平成23年度より岐阜市歴史博物館の歴史博物館運営業務をいくつかの事業に細分 化し、事務事業評価を行っている。
    イ.委員会の規程の整備について(意見)  洛中洛外図展実行委員会では、「洛中洛外図展実行委員会規約」及び「洛中洛外図展 実行委員会会計規程」において、代表の方法や総会の運営等について触れられている。 しかしながら、財産の管理に関する規程がないことに加え、全体として簡略的な記載に とどまっているため、独立した団体としての必要な管理規程が整備されているとは言い 難い。  このような状況では、岐阜市が大部分を負担している本実行委員会の負担金の支出の 適切性や、委員会における事務管理の適切性に問題が生じる可能性がある。したがって、 実態としては岐阜市の各種規程に準じて運営を行っているものの、本実行委員会の管理 規程を整備することが望ましい。 (9)自治公民館 建設・修理事業に係る補助金の交付事務について 1) 概 要  自治公民館建設・修理事業に係る補助金は、地域住民の地域コミュニティの拠点とし て、また、最も身近な生涯学習の施設として利用されている自治公民館の振興を図るた め、助成するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │自治公民館 建設・修理事業に係る補助金                   │ ├────────┼─────────────────┬───────┬────────────┤ │担当課     │社会教育課            │開始年度   │昭和43年度       │ ├────────┼─────────────────┼───────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│自治公民館の設置等に関する補助内規│補助の種類  │事業費補助       │ ├────────┼─────────────────┴───────┴────────────┤ │        │・本補助金は、自治公民館の新築、増築、改築、建築物購入に係る経費又は修理等に│ │        │対して補助するものである。                         │ │内容      │・補助金額については予算を限度額とし、修理等については補助対象経費が35万円 │ │        │以上のものに限定され、1件当たりの補助限度額も100万円以内とされている。具体 │ │        │的な算定方法については以下に記載。                     │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │新築、改築                                 │ │        │・基準面積に基準単価を乗じた補助基本額の3分の1以内の額。          │ │        │増築                                    │ │        │・増築面積に基準単価を乗じた額の3分の1以内の額。              │ │金額の算定   │建築物購入                                 │ │        │・購入価格又は固定資産評価額のいずれか低い額の3分の1以内の額。ただし、新築 │ │        │改築として算出した基準面積、補助額を限度。                 │ │        │修理及び工事補助                              │ │        │・補助対象経費から5万円を引いた額の3分の1以内               │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 建設補助で補助単価の見直しを他都市の情報を参考にして、見直しを図り、段階的│ │        │に補助基準表の見直しを検討する。                      │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 不明 │  21,301│  12,996│  10,360│  10,762│ 14,112│  9,506│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 建設費の補助を多く行った年については補助金額が多くなっている。      │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.業務の見直しについて(意見)  自治公民館は、地域住民の地域コミュニティの拠点として、また、最も身近な生涯学 習の施設として利用されるため一般に公益性が高いと考えられるが、住民自治の原則か らは自治公民館の建設、維持、管理は自治会が行うものであり、限りある予算を有効に 利用するためにも、補助金を支出する場合には必要性の検討が不可欠となる。  必要性を測る一定の基準としては、公民館が実際にどれだけ利用されているかを挙げ ることができる。しかしながら、現状では利用実績に関する調査を行っておらず、公民 館がどの程度利用されているかが把握できない。このような状況では建設された公民館 が有効に利用されているかどうか、また、公民館の修理を行うことで利用度の維持、向 上が見込まれるかどうかといった判断を下すことが困難となる。したがって、公民館の 利用状況の調査を行った上で交付決定を行うことが望ましい。 ┌───┐ │健康部│ └───┘ (1)岐阜市医師会准看護学校補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市医師会准看護学校補助金は、高齢化社会となり、また介護保険制度の実施によ り多くの看護師が不足する中で、准看護師の量的確保を図り、市民の医療の質の向上及 び市民の健康保持・増進を図ることを目的に、准看護師を育成している岐阜市医師会准 看護学校の運営費を補助するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市医師会准看護学校補助金                      │ ├────────┼─────────────────┬───────┬──────────┤ │担当課     │健康政策課            │開始年度   │昭和57年度     │ ├────────┼─────────────────┼───────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等│-                │補助の種類  │事業補助      │ ├────────┼─────────────────┴───────┴──────────┤ │        │                                    │ │        │ 准看護師養成所として優秀な看護職員を養成し、安定して市内の医療機関に対│ │内容      │して看護スタッフを供給する岐阜市医師会が設立した准看護学校に対し、学校の│ │        │運営費の一部を補助する。                        │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 岐阜市医師会准看護学校からの申請金額に基づいて算定する。       │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                  │
    │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  1,000│   2,000│   2,000│   2,000│   2,000│ 2,000│ 2,000│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │        │ 平成5年度に補助金を2,000千円に増加したのちは、毎期2,000千円を補助し │ │コメント    │ている。当該事業に対する事業評価は行われているが、交付している補助金額に│ │        │ついて定期的な見直しが行われていない。                 │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金の見直しの必要性と実質的な補助の必要性の検討について(意見)  岐阜市では、人口の高齢化や慢性疾患など疾病構造の変化、市民の医療に対する要望 が多様化する中で、質の高い適切な医療の提供をするため、手厚い看護体制の充実が必 要であると考えている。そのために、岐阜市医師会准看護学校に運営補助を行うことで、 准看護師を安定的に養成し、安定して市内医療機関に多くの看護従事者を供給でき、市 民が質の高い医療サービスを受けることができるため、補助金の交付が必要と判断して いる。  岐阜市医師会准看護学校補助金の補助金額については、1)入学者及び卒業者が減少傾 向にある中で、平成5年度から見直しがされていない状況にある。また、2)岐阜県から の補助金が16,454千円(22年度岐阜市医師会准看護学校決算書の収入済額)あるにも かかわらず、岐阜市からも一部を補助する必要性について疑問が生じる。  この点について、健康政策課担当者にヒアリングした結果、1)入学者及び卒業者が減 少している中で補助金額の見直しが行われていないことに対しては、生徒数の減少に伴 い岐阜市医師会准看護学校の運営が厳しい状況になるため、より一層運営費の補助の必 要性が高まっており、補助金を減少させることは困難である旨の回答を得ている。また、 2)岐阜県と岐阜市からの補助の必要性については、岐阜市としても上述した目的を持っ ており、その補助目的の達成に岐阜市医師会准看護学校が貢献している以上、岐阜市と しても准看護学校の運営を岐阜県とは別に補助することは必要と判断している旨の回 答を得ている。 平成22年度岐阜市医師会准看護学校決算書 ┌──────────┬───────────────┬────────┐ │   収入の部   │     収入済額      │  収入割合  │ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │納付金(授業料等) │          50,821千円│      72.4%│ │補助金       │          18,907千円│      26.9%│ │諸収入       │            448千円│      0.6%│ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │      収入合計│          70,177千円│     100.0%│ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │   支出の部   │     支出済額      │  支出割合  │ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │事業費       │          52,048千円│      73.6%│ │固定資産取得支出  │           2,109千円│      3.0%│ │特定目的資産支出  │          16,036千円│      22.7%│ │予備費       │            536千円│      0.7%│ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │      支出合計│          70,729千円│     100.0%│ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │前期繰越収支差額  │           2,075千円│       -│ ├──────────┼───────────────┼────────┤ │次期繰越収支差額  │           1,523千円│       -│ └──────────┴───────────────┴────────┘  平成22年度の決算書によると、岐阜県等からの補助金収入が18,907千円あるのに対 して、特定目的資産への支出が16,036千円発生している。特定目的資産への支出内訳 を予算比較でみると、退職積立金が予算100千円に対して6,573千円、運営積立金が予 算100千円に対して6,568千円、会館維持積立金が予算3,000千円に対して2,894千円 となっている。退職積立金が予算より上回っている理由は、職員を新規採用したことに よるものであり、運営積立金が予算より上回っている理由は、将来学校の移転等による 備品の購入を計画しているためとの回答を得ている。  しかし、積立金は積み立てた時期に実際に支出が伴うものではなく、特定の目的 のために積み立てられる項目である点に留意が必要である。  補助金を上回る繰越金が発生している場合には、補助金の交付の必要性を含め検討す ることは当然であるが、実質的に繰越金と同様の効果をもたらす項目(積立金)につい ては、それが繰越金に該当しないかを検討する体制を構築する必要がある。上記におけ る特定目的資産支出であれば、平成22年度における積立金累計額を調査し、将来にお ける特定資産の使用計画を含め事業計画を入手することが求められる。なぜなら、岐阜 市が入手している決算書には、収入及び支出項目しか記載されていないことから、特定 目的資産支出が繰越金の代わりに使用される可能性があるからである。  また、過去から継続して2,000千円を補助しているが、補助金算定の明確な根拠がな いことから、どのような根拠に基づき補助金額が算定されているかを明確にし、補助の 必要性を毎期検討することが望まれる。 イ.補助対象及び補助目的の見直しについて(意見)  岐阜市医師会准看護学校補助金の目的は、「高齢化社会となり、また介護保険制度の 実施により、多くの看護師が不足する中で、岐阜市医師会准看護学校の運営費の一部を 補助することにより准看護師の量的確保を図る」ことにある。  補助金は、一般的に運営に対する補助と特定の事業に対する補助に分類することが可 能である。運営に対する補助とは、事業体(団体)が設立してから一定期間は安定した 運営(事業活動)ができないため、事業体を運営することに伴い発生する経費を補助す ることを目的とされる補助金である。一方で、特定の事業に対する補助とは、事業体の 運営に対して発生する経費ではなく、特定の限られた事業そのものから発生する経費に 対して補助することを目的とした補助金である。  岐阜市では「負担金及び補助金」マニュアルで補助金を定義し、補助金を市の細節に より分類している。岐阜市医師会准看護学校補助金は、「団体事業補助金」に分類され るものと考えられる。団体事業補助金とは、「公益の増進を図ることを目的とする団体 の事業などに対する補助金(私立保育園に対する補助金など)」とある。そのため、岐 阜市医師会准看護学校に対する運営費の補助が、運営自体に対する補助か特定の事業に 対する補助かについての明確な区分が行えない状況にある。  岐阜市としては、学校運営自体に対する経費の補助として補助金を支出しているよう であるが、当該補助金の目的から考えれば、補助対象経費を特定した上で、補助する必 要があると考えられる。すなわち、学校運営に対する経費の補助ではなく、准看護師を 養成・育成するための経費補助に絞る必要があるのではないかと考えられる。  事業評価においても、学校運営に対する補助の性質が強いと判断しているため、岐阜 市医師会准看護学校事業実績書及び岐阜市医師会准看護学校決算(収支報告書)を入手
    した上で補助金に対する事業評価を行っている。しかし、補助目的である安定して市内 の医療機関に看護スタッフを供給するという目的に照らせば、卒業後の進路状況の確認、 市内の医療機関への就職状況及びその斡旋状況についての活動状況の報告資料の入手 及び確認を行うべきと考えられる。  担当者からの回答によれば、岐阜市医師会准看護学校に対する口頭によるヒアリング 及び岐阜市医師会准看護学校のホームページにより卒業後の就職状況等を総合的に判 断した上で評価している旨の回答を得ている。  しかし、学校運営に対する経費補助であるならば、現状の財政状況から考えれば補助 金がなくても、学校の運営経費は十分に賄えている状態にあり、補助金の必要性に疑念 が生じる。そのため、学校運営の経費補助として必要な支出なのかを再度検討し直す必 要があると同時に、学校運営の経費補助が不要であると判断された場合には、補助対象 を特定の事業に絞る等、何に対して補助しているか及びその必要性の検討を行うことが 望まれる。 ウ.准看護学校へ補助する必要性について(意見) 文部科学大臣・厚生労働大臣指定別・年次別内訳 ┌───┬─────────────────────┬────────────────────┐ │   │         看護師         │        准看護師        │ │   ├──────┬──────┬───────┼──────┬──────┬──────┤ │区分 │文部科学大臣│厚生労働大臣│   計   │文部科学大臣│厚生労働大臣│  計   │ │   ├──┬───┼──┬───┼───┬───┼──┬───┼──┬───┼──┬───┤ │   │施設│入学定│施設│入学定│施設 │入学定│施設│入学定│施設│入学定│施設│入学定│ │   │数 │ 員 │数 │ 員 │ 数 │ 員 │数 │ 員 │数 │ 員 │数 │ 員 │ ├───┼──┼───┼──┼───┼───┼───┼──┼───┼──┼───┼──┼───┤ │15年度│ 298│18,860│ 808│35,342│ 1,106│54,202│ 25│ 1,285│ 301│14,098│ 326│15,383│ ├───┼──┼───┼──┼───┼───┼───┼──┼───┼──┼───┼──┼───┤ │16年度│ 302│19,419│ 714│34,095│ 1,016│53,514│ 23│ 1,145│ 270│13,505│ 293│14,650│ ├───┼──┼───┼──┼───┼───┼───┼──┼───┼──┼───┼──┼───┤ │17年度│ 252│17,379│ 761│37,429│ 1,013│54,808│ 21│ 1,045│ 271│13,741│ 292│14,786│ ├───┼──┼───┼──┼───┼───┼───┼──┼───┼──┼───┼──┼───┤ │18年度│ 269│19,234│ 681│35,267│  950│54,501│ 21│ 1,030│ 255│12,552│ 276│13,582│ ├───┼──┼───┼──┼───┼───┼───┼──┼───┼──┼───┼──┼───┤ │19年度│ 279│19,928│ 699│34,904│  978│54,832│ 22│ 1,110│ 256│12,198│ 278│13,308│ └───┴──┴───┴──┴───┴───┴───┴──┴───┴──┴───┴──┴───┘  ※文部科学省ホームページ:看護師・准看護師養成施設・入学定員年次推移別推移一覧  上記は、文部科学省が公表している看護師と准看護師の養成施設及び入学定員の年次 推移を表したものである。これを見る限りにおいては、近年の傾向として准看護師から 看護師への流れが強い状況にあると考えられる。上記推移でもわかるように、准看護師 の養成施設及び入学定員は減少傾向にある一方で、看護師の養成施設は減少しているも のの入学定員は増加傾向にある。  これは、准看護師よりも看護師に対する社会のニーズが増えており、准看護師に対す る社会のニーズが減少している結果と考えられる。もちろん、これのみをもって、准看 護師の必要性の可否を結論付けることはできないが、社会的な流れとして、准看護師の 養成学校及び准看護師に対する社会的なニーズが減少傾向にあることはいうまでもな い。そのような中で、岐阜市が准看護師の養成学校に対して補助を継続する必要性につ いては疑念が生じる。  担当者へのヒアリングによれば、看護師は病院へ就職することが多く地域の診療所へ の就職が低くなりがちであるため、地域の診療所における看護師の確保及び地域福祉を 充実させる目的からは准看護師の育成も必要であり、また、医師会からの要請もあるた め准看護学校への補助は依然として必要である旨の回答を得ている。  そうであるならば、地域の診療所への就職状況のモニタリング等を行い、看護師が実 際にどの程度必要とされており、現状としてどの程度不足しているかを検討することが 必要と考えられ、本当に准看護師の量的確保が求められているかを検討し、准看護学校 に対して補助することの合目的性について検討することが適切であると考える。 (2)公衆浴場経営安定化対策費補助金について 1)概 要    住民の日常生活において欠くことの出来ない浴場が減少しつつある状況におい   て、住民の利用の機会を確保するために、浴場の経営等の安定化を図る目的で、資   金の一部を補助金として交付している。概要は次のとおりである。 ┌────────┬─────────────────────────────────────┐ │事業名称    │公衆浴場経営安定化対策費補助金                      │ ├────────┼─────────────────┬───────┬───────────┤ │担当課     │生活衛生課            │開始年度   │昭和53年度      │ ├────────┼─────────────────┼───────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市公衆浴場経営安定化対策費  │補助の種類  │運営補助       │ │        │補助金交付要綱          │       │           │ ├────────┼─────────────────┴───────┴───────────┤ │        │ 入浴者が減少し経営内容が不安定な一般「公衆浴場」の経営の年収益に対し安 │ │        │定化のため下記の算定方法に従って、資金の一部を補助金として交付する。   │ │        │                                     │ │内容      │ なお、「公衆浴場」とは、公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第1条第1    │ │        │項に規定する公衆浴場で、物価統制令(昭和21年勅令第118号)第4条の規定   │ │        │により入浴料金の統制額が適用されており、かつ、市長がその存続を特に必要と │ │        │認めるもの(公営の公衆浴場を除く。)をいう。               │ │        │                                     │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │(対象施設)                               │ │        │ 第3条 補助金の交付の対象となる公衆浴場※は、岐阜県公衆浴場経営安定化  │ │        │補助事業費補助金交付要綱別表(下記に記載)補助対象経費の欄に定めるところ │ │        │によるものである。                            │ │        │                                     │ │        │┌───────────────────────────────────┐│ │        ││ 経営が不安定な浴場であって前年の収入比率(入浴料金収入額/浴場経費)││ │        ││が4段階(40%未満:9万円、40~50%未満:4.5万円、          ││ │        ││ 50~60%未満:3万円、60~80%未満:2万円)の割合に応じて申請があっ ││ │        ││た浴場に補助金としてその額を交付する。                ││ │        │└───────────────────────────────────┘│ │金額の算定   │                                     │ │        │                                     │ │        │                                     │ │        │(平成22年度補助金交付状況)                       │ │        │     ┌─────────┬─────────┐           │ │        │     │   施設名   │  交付決定額  │           │ │        │     ├─────────┼─────────┤           │
    │        │     │A湯(仮名)    │      45千円│           │ │        │     ├─────────┼─────────┤           │ │        │     │B湯(仮名)_   │      20千円│           │ │        │     ├─────────┼─────────┤           │ │        │     │合計       │      65千円│           │ │        │     └─────────┴─────────┘           │ │        │ ※全15施設中利用施設2件                         │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                   │ │無及び結果   │ 補助金利用者が少数の状況が続いているが、経営の安定化のために必要なもの │ │        │であり、制度としては存続させる必要がある。                │ │        │                                     │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├───┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼────┤ │        │   740│    75│    120│    65│    20│  180│   65│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴────┤ │コメント    │ 毎期、大きな変動はない。                        │ └────────┴─────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助の必要性について(意見)  過去5年間の公衆浴場経営安定化対策費補助金の申請者及び交付額は、以下のとお りである。   平成18年度  A湯(45,000円)、B湯(30,000円)   平成19年度  A湯(90,000円)、B湯(30,000円)   平成20年度  A湯(45,000円)、B湯(20,000円)   平成21年度  A湯(20,000円)、B湯(収入比率0.8以上のため0円)   平成22年度  A湯(45,000円)、B湯(20,000円)  上記のとおり、過去5年間において、補助を受けているのは、A湯とB湯の2施設のみで あり、毎年同じという状況である。このように、A湯とB湯以外が、補助金の申請を行わ ない理由としては、経営が順調であり、補助の必要性がないことが考えられるが、多く は、たとえ経営が不振であったとしても、第一に、要綱で定められている1件当たりの 補助金額が最高でも9万円と少額すぎて、補助金を受領したからといって経営が安定化 されるわけではないこと、第二に、たとえ補助金の要件を満たしていた場合であっても、 公衆浴場の経営者を対象にした補助金として「岐阜市公衆浴場設備改善対策事業費補助 金交付事業」があり、これにより毎年、設備投資額の1/2の補助金を受けることができ、 これを利用することで経営を維持できるため、わざわざ少額の補助金の申請はなされな いということが考えられる。  本来は、利用割合の低い補助金については、支出に対する効果が低いと考えられるた め、廃止することも考えられるが、公衆浴場については、国の政策として、維持を図っ ていくことが基本方針にあるため、たとえわずかであっても、補助をすることに意義が あるという市の考えから、今後も継続していく方針である。市の考えのとおり、公衆浴 場は、市民生活を行う上で、欠かすことのできないものであるから、公衆浴場を維持す るために、市がなんらかの補助を行うこと自体は問題ないと思われる。しかし、A湯とB 湯は、長い年月に渡って(少なくとも10年間)毎年補助金を申請しており、補助金を得 ることが、恒常化していることは問題である。本来、A湯とB湯自らの経営努力によって、 補助金なしに経営を行うことがあるべき姿であり、経営努力を行ってもなお、経営状況 が良くない場合に限って、補助を行うべきである。また、経営努力なしに補助金交付を 続けた場合、補助金は少額であるため、いつかは経営そのものが維持できず、結局は浴 場がなくなってしまい本来の目的が果たせないことになってしまう。従って、今後は、 以下のことを検討すべきである。  現状、市の業務としては、補助金を交付する際、事後的にA湯とB湯の確定申告書を入 手し、収入金額及び支出金額の妥当性をチェックしているのみであり、これでは浴場を 維持するという目的を達成することは困難である。従って、補助金の交付を受けようと する場合には、事前にどのような経営努力を実施するかの計画書の提出及び年度末にそ の結果報告書を提出させることで、経営努力を行うように仕向けるべきである。さらに、 必要に応じて、市は適切な助言も行うべきである。  計画に従って経営努力を行ったが、それでもなおやむなく計画が達成できずに経営不 振だった場合に補助金を支出することが望まれる。これについては、交付要綱等に明記 し、浴場を維持するという本来の目的が達成されるようにするべきである。 ┌─────┐ │自然共生部│ └─────┘ (1)斎苑周辺整備事業補助金の交付事務について 1) 概 要  斎苑周辺整備事業補助金は、梅林東地区にある岐阜市斎苑の周辺地域世帯のケーブル テレビ設置に関する費用について補助金を支給するものである。概要は次のとおりであ る。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │斎苑周辺整備事業補助金                         │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │斎苑                │開始年度 │平成22年度のみ    │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし              │補助の種類│補助金        │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │ 岐阜市斎苑は、故人とのお別れの場として市民生活に深いかかわりをもつ、市│ │        │が運営する公共施設である。しかし、周辺地域の住民にとっては「迷惑施設」と│ │        │しての感情が強く、斎苑の円滑な運営のためには周辺地域住民の理解、協力を得│ │        │ることが必要であるため、市では斎苑周辺の地域整備を行うことを目的とした当│ │        │事業への補助を行っている。また、同地域の道路整備や排水路整備等の地域整備│ │        │は市の直営事業で行っている。                      │ │        │                                    │ │        │ 当事業の経緯として、もともと斎苑周辺地域はテレビ電波の受信状況が悪く、│ │        │斎苑建設時の協議に基づき平成5年から平成12年にかけてケーブルテレビを整  │ │        │備したことがある。この当初整備について初期費用の一部を市が負担しており、│ │        │合計87,529千円を支出している。                     │ │内容      │ この当初整備の際のケーブルテレビ会社との契約において地上デジタル放送 │ │        │の切替に関する考慮がなく、その際地域住民に対して永久にテレビが視聴できる│ │        │と説明していたが、地上デジタル放送の切替以降、テレビの視聴ができない状態│ │        │となるため、そのような状態を回避するための措置が当事業の目的となる。  │ │        │                                    │
    │        │ ケーブルテレビ会社は地上デジタル放送の切替にかかる幹線利用料、宅内工 │ │        │事、維持管理料として1戸当たり66千円を見積もっていたが、協議の結果、最  │ │        │終的には販売促進協力による割引として31千円を差し引き、1戸当たり35千円、 │ │        │地域の対象戸数353世帯を乗じて12,355千円(税込金額12,973千円)が総事業費  │ │        │の実績となっている。なお、対象地域には503世帯があるが、150世帯は当事業 │ │        │による地上デジタル化を辞退している。                  │ │        │                                    │ │        │ 補助金の支給は梅林東ケーブルテレビ改善協議会に対してなされる。同協議会│ │        │は梅林東ケーブルテレビ改善協議会規約に基づき当事業に関する協議を行うこ │ │        │とを目的に平成22年4月27日に発足しており、対象地域の自治会長、自治会役  │ │        │員、梅林東地区発展協議会役員が会員となっている。            │ │        │                                    │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 1戸当たり事業費である35千円のうち、25千円を市で負担し、10千円を住民  │ │        │負担としている。この金額は梅林東ケーブルテレビ改善協議会と市との間の協議│ │金額の算定   │の中で検討されたものである。市の負担額は消費税額を考慮した1戸当たり   │ │        │26,950円に353世帯を乗じた9,513千円である。               │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 無                                  │ │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │    -│     -│     -│     -│     -│13,556│ 9,513│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ ケーブルテレビの地上デジタル化対応としては平成22年度の支出のみである。│ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事業評価について(指摘)  市で実施される事業は、一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は市の ホームページにて公表される。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果 たし、事業の公益性を確保するための仕組みのひとつとなっている。  当事業は、その性格上斎苑周辺の特定地域への補助であり、透明性や説明責任がより 強く求められる事業ということができるため、事業評価の対象とした上で市民への情報 公開を図ることが要請される。しかし、当事業である斎苑周辺の整備にかかる補助金、 及び斎苑の運営全体については事業評価の対象となっていない。よって、当事業である 斎苑周辺の整備にかかる補助金、及び斎苑の運営全体についても事業評価の対象とした 上で市民への情報公開を図るべきである。  事業評価の仕組みとして評価対象の網羅性を欠くことは、仕組み自体の効果を大きく 損なうものになりかねない。当事業のみにいえる事項というわけではないが、事業評価 の対象の網羅性確保のため、評価対象となる事業が漏れることを防ぐための仕組みの構 築が望まれる。 (2)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金等の交付事務について 1) 概 要  岐阜市まるごと環境フェア開催負担金は、自然環境の保全と循環型社会の構築に向け て、市民参加型の啓発イベント(岐阜市環境まるごとフェア)を開催することを目的とし て設立した委員会に対して負担金を支出するものである。これと同様に環境保全対策を 趣旨とした事業として岐阜市地球温暖化対策推進事業負担金があり、これは市の地球温 暖化防止の状況を把握評価することにより、地球温暖化防止の推進、温室効果ガスの削 減を目指すことを目的として設立された委員会に対して負担金を支出するものである。 両者の概要は次のとおりである。 ┌────────┬─────────────────────────────────────┐ │事業名称    │1)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金                   │ │        │2)岐阜市地球温暖化対策推進事業負担金                   │ ├────────┼──────────────────┬─────┬────────────┤ │担当課     │1)循環型社会推進課         │開始年度 │1)平成15年度      │ │        │2)地球環境課            │     │2)平成19年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼────────────┤ │        │1)岐阜市まるごと環境フェア実行委員 │     │            │ │根拠条例、要綱等│会規約               │補助の種類│1)2) とも負担金    │ │        │2)岐阜市地球温暖化対策実行計画、岐 │     │            │ │        │阜市地球温暖化対策推進委員会規約  │     │            │ ├────────┼──────────────────┴─────┴────────────┤ │        │ 両事業とも、基本計画2008「II さわやか環境をつくろう計画 1.地球環境保 │ │        │全対策の推進」の施策に基づく負担金である。また、岐阜市まるごと環境フェア │ │        │については「IV 人生を楽しもう計画 4.生涯学習の推進」にも掲げられている。│ │        │1)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金                   │ │        │ すべての市民が「ぎふの環境」への思いを新たにし、共生していくことが、豊 │ │        │かなまちづくりにつながることを認識するとともに、各々自身が活動を始めるよ │ │        │う市民への啓発を図ることを事業の目的としている。             │ │内容      │ 具体的な事業内容としては岐阜市まるごと環境フェアを開催することを目的  │ │        │とした委員会(岐阜市まるごと環境フェア実行委員会)の事業費を負担している。│ │        │2)岐阜市地球温暖化対策推進事業負担金                   │ │        │ 低炭素社会の実現に向けて、二酸化炭素排出量を削減することを事業の目的と │ │        │している。                                │ │        │ 具体的な事業内容としては岐阜市地球温暖化対策指針に定める岐阜市脱温暖  │ │        │化事業プランを実施し、温暖化防止の状況把握、温室効果ガスの削減を行うこと │ │        │を目的とした委員会(岐阜市地球温暖化対策推進委員会)の事業費を負担してい │ │        │る。                                   │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │1)岐阜市まるごと環境フェア実行委員会の平成22年度の総事業費7,707千円の   │ │        │うち、6,800千円を岐阜市が負担している。残り907千円は協賛金、企業出展料  │ │        │等である。事業費としては講師出演料、印刷製本費、会場設備、警備費用などに │ │金額の算定   │支出されている。                             │ │        │2)岐阜市地球温暖化対策推進委員会の平成22年度の総事業費5,679千円のうち、  │ │        │5,649千円を岐阜市が負担している。残り30千円は企業協賛金である。事業費と  │ │        │しては普及啓発品購入、委員会ホームページ作成委託などに支出されている。  │ ├────────┼─────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                   │ │        │1)岐阜市まるごと環境フェア開催負担金                   │ │        │ 平成22年度総合評価:環境啓発活動としてのイベント事業の役割を見直す。  │ │        │ 今後の方向性:民間主体・市民と協働                   │
    │        │2)岐阜市地球温暖化対策推進事業負担金                   │ │事務事業評価の有│ 平成22年度総合評価:地球温暖化は、その予想される影響の大きさや深刻性、 │ │無及び結果   │解決の困難性から、人類の生存基盤に関わる最も重要な課題である。岐阜市では、│ │        │家庭からの二酸化炭素排出量が多いことや日照時間が長いなどの地域特性を踏  │ │        │まえて、計画的に事業を実施している。また、今般のエネルギー供給事情を鑑み │ │        │ても取組を拡大して実施していくことが必要である。             │ │        │ 今後の方向性:拡大                           │ │        │ 2)の事業評価は省エネ建物普及啓発事業(住宅用太陽光発電システム補助金交 │ │        │付)と合わせて評価実施されている。                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├───┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │ 実績 │ │上段より順に  ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼────┤ │1)2)      │ 18,000│  14,015│  12,994│  11,393│  11,153│ 6,800│  6,800│ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼────┤ │        │  4,834│     -│   4,834│   5,673│  13,703│ 8,961│  5,649│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴────┤ │        │1)内部的な評価を受けて、事業にかかる支出は減少傾向にある。        │ │コメント    │2)平成21年度はエコワット(簡易型電力量表示器)の貸出制度を開始しており、 │ │        │機器購入に5,536千円を支出している。また、例年3回の啓発品抽選を4回実施   │ │        │しており、例年よりも支出が増加している。                 │ └────────┴─────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.委員会と市の関係について(意見)  両事業とも、岐阜市まるごと環境フェア実行委員会、または岐阜市地球温暖化対策推 進委員会への負担金というかたちで財政支出がなされている。委員会方式を採用するこ とにより、民間から募った委員との協働、委員による主体的な事業推進が得られるなど といった利点がある。ただし、このような委員会方式をとった場合の一般的な問題点と して、市と委員会が実質的に一体としてとらえられる場合(つまり、委員会の実質的独 立性が認められない場合)、委員会による支出が実質的には市による支出とみなせるに もかかわらず、他の財政支出と比較して簡易な方法により支出がなされる可能性がある。  委員会等と地方公共団体の一体性については、名古屋高等裁判所の平成15年12月 25日の判決で、一定の判定基準が示されており、この基準を用いて、岐阜市まるごと 環境フェア実行委員会、及び岐阜市地球温暖化対策推進委員会と市との独立性を検討す ると、以下の通りとなる。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ 市は各事業において、当該事業実施の方法として、実行委員会方式によることが相当で │ │あると判断し、総合的、かつ効率的な運営を期すために委員会の設置が計画したものであ │ │る。                                       │ │ 各委員会の事務局は、市の各所管課に設置されており、その事務のほとんどは市の職員 │ │が担当している。(各委員会事務局規程に、委員会事務局員は岐阜市自然共生部職員をもっ│ │て充てることが定められている。)                         │ │ 予算(経費)については、市から支出される平成22年度の負担金が、岐阜市まるごと環 │ │境フェア実行委員会では総収入の88%を占めている。岐阜市地球温暖化対策推進委員会で  │ │は総収入の99%を占めているが、団体・事業者より啓発品の現物支給を受けていることを  │ │勘案した場合は約94%となっている。                         │ │ そうすると、市は「単なる各委員会の構成員にすぎない」ということはできず、「各委員│ │会と一定の距離を保ち、対等ないしは独立した位置にあることを前提にして、たがいに協 │ │働するといった関係」にもないものであって、これを裏返せば、各委員会は市の事業執行 │ │の一方法たる存在であるということができる。                    │ └─────────────────────────────────────────┘  上記のとおり、市と委員会は実質的に一体としてとらえられるため、委員会による支 出が他の財政支出と比較して簡易な方法により支出されているかどうかを検討する。実 務上は両委員会における支出の決裁は、市における事務と同様の様式を用いて、自然共 生政策課のチェックがなされた上で、自然共生部長(委員会においては事務局長にあた る)の決裁を得てなされるが、各委員会財務規程では、支出は委員長の執行決定による ものと定められており、市における事務と同等の執行を保証するものではない。なお、 事務局長による決裁の根拠としては、同規程の下記条項に求められる。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │岐阜市まるごと環境フェア実行委員会財務規程(抜粋)                │ │第15条 推進委員会の財務に係る事務のうち、次の各号について事務局長が専決すること │ │ができる。                                    │ │(1)第7条に規定する収入事務に関すること(重要なものを除く。次号において同じ。)   │ │(2)前号に規定するもののほか、推進委員会の財務に係る事務              │ │                                         │ │※岐阜市地球温暖化対策推進委員会財務規程にも同一の条項がある。          │ └─────────────────────────────────────────┘  上記の検討のとおり、市と一体とみなせる両委員会において、現状では市が行う他の 財政支出と比較して簡易な方法により支出がなされる可能性を否定しえないと考えら れる。委員会からの支出や事業者との契約締結については市と同様の手続を求めるなど、 規程の整備を行うことを検討されたい。 イ.採用手法の有効性について(意見)  岐阜市地球温暖化対策推進委員会の実施事業にかかる費用で最も大きな割合を占め ているのは普及啓発品等の購入費用である。(平成22年度の決算額は需要費として 3,757千円が支出されている。)この普及啓発品は減CO2(げんこつ)ポイント制度とい う、特定の省エネに関する行為(省エネ住宅認定、家庭において使用する光熱費が減っ た場合、省エネ家電の購入、アユカの購入など)を行うとポイントがたまり、抽選で自 転車、省エネ炊飯器、LED電球などが当たる制度で、当選者に対して送付されるもので ある。減CO2ポイント制度の趣旨は制度を通して市民の省エネ、温室効果ガス削減に関 する意識を向上させることといえる。  岐阜市まるごと環境フェア実行委員会の実施事業も市民の環境意識の啓発を目的と したイベント開催であり、両者には下記の共通性がみられる。 ┌──────┬────────────────┬─────────────────┐ │      │減CO2(げんこつ)ポイント制度  │岐阜市まるごと環境フェア     │ ├──────┼────────────────┼─────────────────┤ │施策    │基本計画2008「II さわやか環境 │基本計画2008「II さわやか環境を │ │事業目的  │をつくろう計画 1.地球環境保全 │つくろう計画 1.地球環境保全対策 │ │      │対策の推進」          │の推進」、「IV 人生を楽しもう計画│ │      │低炭素社会の実現に向けて、二酸化│4.生涯学習の推進」        │ │      │炭素排出量を削減する      │すべての市民が「ぎふの環境」への │ │      │                │思いを新たにし、共生していくこと │ │      │                │が、豊かなまちづくりにつながるこ │ │      │                │とを認識する           │ ├──────┼────────────────┼─────────────────┤ │施策推進アプ│市民の環境に対する意識向上、啓発│市民の環境に対する意識向上、啓発 │ │ローチ   │                │                 │
    └──────┴────────────────┴─────────────────┘  両事業は、施策推進アプローチを具体的な手法に落とし込む段階で、岐阜市まるごと 環境フェア事業は、イベント開催、岐阜市地球温暖化対策推進委員会による減CO2ポイ ント制度は啓発品当選制度と、それぞれ実施方法が分かれている。施策そのものやその 推進アプローチに共通性がみられる以上は、事業の重複も想定されることから、いずれ の手法の費用対効果が高いかという検討も含め、統合できるものは統合し、効率的に事 業を進められたい。 ウ.事業評価の事業へのフィードバックについて(意見)                     [岐阜市まるごと環境フェア事業のみ]  市で実施される事業は、一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は公表 される。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果たし、事業の公益性を 確保するための仕組みのひとつとなっている。  岐阜市まるごと環境フェア事業についても、事業評価の対象としてその評価結果が公 表されているが、複数年にわたって評価結果として改善を求める表現が用いられている。 ┌─────┬────────────────────────────────┐ │平成20年度│評価(妥当性):以前に比べて経費は削減されているが、そのために、効│ │     │果が不十分になっている。また、多額の経費を投入しても啓発効果に大│ │     │きな期待はできない。                      │ │     │総合評価:岐阜市政120周年記念の第8回を区切りに事業の見直しを行 │ │     │い、イベント的啓発活動からのリニューアルを考えていく。     │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │平成21年度│評価(妥当性):開催経費、準備期間、スタッフについて、妥当性に欠け│ │     │る。                              │ │     │総合評価:環境啓発活動としてのイベント事業の役目を見直す。   │ ├─────┼────────────────────────────────┤ │平成22年度│評価(必要性):第一回から10年が経過し、イベントの開催意義が低下し│ │     │ている。                            │ │     │総合評価:環境啓発活動としてのイベント事業の役割を見直す。   │ └─────┴────────────────────────────────┘  特に「イベント的啓発活動からのリニューアル」、「イベント事業の役割を見直す」と いった表現からは現状の事業のあり方そのものについての見直しの必要性を感じるこ とができる。イベント開催場所、日程の見直しにより、事業実施にかかる支出は減少傾 向にあり、コスト面での改善を行っていることは認められるが、評価結果の公表以降も 事業のあり方そのものはイベント事業として従前の性格のまま継続している。  事業評価は、市が実施している事業の公益性を担保するための重要な制度として位置 づけられる。評価結果を公開するのみならず、各評価対象事業に適切にフィードバック させるための仕組みの構築が望まれる。  また、平成22年度の事業評価では、事業の有効性等を評価するための指標の一つで ある事業目的を達成するための活動指標について参加者数が評価指標として設定され ているが、参加者数は開催日数や開催場所、天候等の影響を受けること、目標値である 38,000人に特段の設定根拠がないこと、成果実績(成果指標の目標達成状況)が設定 されていないことがあり、アンケートなどにより環境意識の浸透度を調査するなど、新 たな指標の設定も検討されたい。 (3)都市美化推進連絡協議会補助金の交付事務について 1) 概 要   都市美化推進連絡協議会補助金は、岐阜市都市美化推進連絡協議会各支部を通して、  支部地域内の各自治会の清掃活動にかかる諸費用について補助金を支給するもので  ある。概要は次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市都市美化推進事業補助金                      │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │循環型社会推進課          │開始年度 │昭和61年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市都市美化推進事業補助金交付要 │補助の種類│補助金        │ │        │綱                 │     │           │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │ 基本計画2008「II さわやか環境をつくろう計画 4.クリーンで快適な生活環│ │        │境の充実」の施策に基づく補助金である。                 │ │        │ 当事業は、市域全体での美化活動を通じて市民の美化意識を向上させることを│ │        │目的としている。                            │ │        │ 補助金は、岐阜市都市美化推進連絡協議会の地域ごとに組織されている各支部│ │        │を通して、支部地域内の各自治会の清掃活動等に対して支給されることになる。│ │内容      │清掃活動にかかる費用としては、清掃活動の当日に出されるお茶や、ごみ袋、軍│ │        │手などの費用が該当し、これらの購入費用に当補助金は充てられる。     │ │        │                                    │ │        │ 補助金の支給運用としては、年度開始時にいったん前払いし、決算時に余剰が│ │        │あれば返還される運用となる。                      │ │        │                                    │ │        │ 対象となる支部数は、50支部である。                  │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 岐阜市都市美化推進事業補助金交付要綱に下記のとおり定めがある。    │ │金額の算定   │・各支部ごとに、支部に加入する前年4月1日現在の世帯数に28円を乗じて得  │ │        │た額に均等割り額10,700円を加算した額を限度とする。           │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                  │ │        │平成22年度総合評価:支給方法や補助のあり方を検討しながら、当面は現状維 │ │事務事業評価の有│持とする。                               │ │無及び結果   │今後の方向性:現状維持                         │ │        │ 「妥当性」の評価欄にて「都市美化事業は必要と考えるが、補助金の一律支給│ │        │は疑問。」とのコメントがある。                     │ │        │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │  2,000│   3,727│   3,722│   3,709│   3,717│ 3,714│ 3,714│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 事業実績費用は補助金上限額となる場合が多いため、世帯数の大きな増減がな│ │        │いことにより補助金額も大きな増減がない。                │ └────────┴────────────────────────────────────┘
    2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金額の妥当性の調査について(意見)  当補助金は、岐阜市都市美化推進事業補助金交付要綱に基づいて支給されるものであ るが、同要綱では補助金等の交付にかかる一般的な事務等を規定した「岐阜市補助金等 交付規則」の規則第16条の規定を適用しないものとしている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │岐阜市都市美化推進事業補助金交付要綱(抜粋)                 │ │第5条 補助金の交付に係る手続については、規則第16条の規定は適用しない。   │ └──────────────────────────────────────┘ ┌──────────────────────────────────────┐ │岐阜市補助金等交付規則(抜粋)                        │ │第16条 市長は、補助事業等の完了又は廃止に係る補助事業等の成果の報告を受けた│ │場合においては、報告書等の書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により、そ│ │の報告に係る補助事業等の成果が補助金等の交付の決定の内容及びこれに付した条件│ │に適合するものであるかどうかを調査し、適合すると認めたときは、交付すべき補助│ │金等の額を確定し、補助金等確定通知書(様式第5号)により当該補助事業者に通知し │ │なければならない。                             │ └──────────────────────────────────────┘  第16条を適用しない理由としては、当補助金の支払のタイミングが前払(年度の始め 時点での支払)となるからであるとの理解に基づいているが、同規則18条には前払によ る支払も可能としており、前払による運用が第16条の規則を適用しない理由にはなら ないと考えられる。第16条には、報告書等の書類の審査および補助金額確定の通知に ついて規定されているが、当補助金支給の実運用では前払時点で補助金額確定の通知書 が発行されており、実績報告書提出後に補助金額が見直された例がない。(支給対象の 協議会50支部のうち、前払と同額の実績報告を行った支部が50支部である。)第16条 の規定を適用しないことにより実績報告書の審査がおろそかにされる可能性があり、実 際に実績報告書には事業費、美化対策費、公園清掃補助金、協賛金など内訳が不明な支 出が記載されている。したがって、要綱第5条の規定については見直しが必要であると 考える。  実績報告書の書類審査等により、その報告に係る補助事業等の成果が補助金等の交付 の決定の内容及びこれに付した条件に適合するものであるかどうかを調査し、前払金額 と確定補助金額の差があった場合に事業実施者に対して精算を行うことは、事業の公益 性確保のため、当事業においても望まれる。 イ.事業評価の事業へのフィードバックについて(意見)  市で実施される事業は、一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は公表 される。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果たし、事業の公益性を 確保するための仕組みのひとつとなっている。  当事業についても、事業評価の対象としてその評価結果が公表されているが、複数年 にわたって評価結果に改善を求める表現が用いられている。 ┌─────┬───────────────────────────────┐ │平成21年度│評価(妥当性):妥当性に欠ける 事業のマンネリ化と全市一律支給に│ │     │よる事業の形骸化。                      │ ├─────┼───────────────────────────────┤ │平成22年度│評価(妥当性):都市美化事業は必要と考えるが、補助金の一律支給は│ │     │疑問。                            │ └─────┴───────────────────────────────┘  このような評価がなされている中で、補助金の支給対象となる各支部に対して事業の 実施記録の保管を指導するなど、事業の進め方には一定の改善がみられるものの、事業 の枠組みとしては従前のまま継続されている。  事業評価は、市が実施している事業の公益性を担保するための重要な制度として位置 づけられる。評価結果を公開するのみならず、評価対象事業に適切にフィードバックさ せるための仕組みの構築が望まれる。 ┌─────┐ │市民参画部│ └─────┘ (1)岐阜市自治会連合会運営費補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市自治会連合会運営費補助金は、各自治会連合会の運営を円滑に推進し、住民福 祉の増進と地域社会の発展向上を図るため、その運営費について助成するものである。 概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市自治会連合会運営費補助金                       │ ├────────┼──────────────────┬─────┬─────────────┤ │担当課     │市民協働推進課           │開始年度 │不明           │ ├────────┼──────────────────┼─────┼─────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市自治会連合会運営費補助金交付 │補助の種類│運営費補助        │ │        │要綱                │     │             │ ├────────┼──────────────────┴─────┴─────────────┤ │        │                                      │ │        │・本補助金は、従来の小学校区を単位として組織されている自治会連合会に対する運│ │内容      │ 営費の補助である。                            │ │        │・平成21年度からは柳津町も本補助金の対象となっている。           │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 各自治会連合会に同額交付される均等割及び世帯数に応じて算定される世帯割の │ │        │合計額。詳細は以下の通り。                         │ │        │均等割 456,000円                              │ │金額の算定   │             当該自治会連合会の世帯数             │ │        │世帯割 8,037,000円 × ─────────────             │ │        │             総自治会連合会の世帯数              │ │        │                          (100円未満は切り捨てる)│ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 無                                    │ │無及び結果   │ 補助金の見直し基準により実施。                      │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │
    │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 不明 │  30,162│  30,162│  30,162│  30,834│ 30,837│ 30,835│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 柳津町の合併による増加を除いてほとんど変動がない。            │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.業務の見直しについて(指摘)  各自治会連合会の収支決算書を閲覧したところ、多くの自治会連合会で災害対策等の 積立金を計上していた。そのうちいくつかの自治会連合会については、収支決算書で積 立金を計上しているにもかかわらず、積立金残高及び取り崩しの状況といった特別会計 についての記載がなかった。岐阜市は支出額の10%を超える積み立てについて、ヒアリ ングにより用途を確認しているが、特別会計については特段の把握はしていない。補助 金は公益上必要があるからこそ支出されるものであり、補助の対象となる団体の適切性 や補助金の使い方については十分な検討が不可欠である。しかしながら、自治会連合会 の収支の一部である積立金残高及び取り崩しの状況についての資料が提出されておら ず、また、当該事象について現地調査またはヒアリング等の手続が実施されていない。 このような収支決算書では補助金が有効に利用されているかどうかを判断する材料と しては不十分であるため、特別会計等を含めた自治会連合会の収支決算書の提出を求め るべきである。そのうえで、必要があればヒアリングや現地調査により補助金の有効性 を検討すべきである。 イ.繰越金及び積立金の内容把握について(指摘)  各自治会連合会の収支決算書を閲覧したところ、経費合計は補助金額を超えてはいる ものの、繰越金が補助金額を上回る自治会連合会が72%に上った。さらには、収支決 算書から把握できるだけでも全50自治会連合会で、合計約7千万円の繰越金が計上さ れている。繰越金の額が大きい自治会連合会については、繰越金の使用目的がヒアリン グされ、災害時等の有事への備えといった目的であることが確認されているが、繰越金 としてではなく目的を明確にした積立金等として管理されることが望ましい。  本補助金は、自治会連合会の健全な運営を図ることを目的として、その運営に係る費 用の一部を補助するものであるため、補助金額を超える繰越金がある場合、補助金制度 の趣旨に照らし、交付には留意が必要である。したがって、繰越金が必要以上に生じて いないか、また、積立金の用途が明確であり、金額についても過度な積み立てとなって いないかを利用計画や積み立て基準の把握等により確認されたい。 ウ.事務事業評価について(意見)  岐阜市自治会連合会運営費補助金の額については、交付要綱にて定められており、上 記概要の通りとなっている。当該補助金の額については平成11年の制定当時から見直 しがされておらず、柳津町の合併による自治会連合会の増加の影響を除き同額の補助金 が支出されている。  補助金の額については、補助事業の緊急性、合目的性及び有効性等に基づいて定期的 に見直されるべきである。しかしながら、本補助金については、補助金の見直し基準に より評価はされているが、評価根拠が抽象的であり、実効的な補助金の見直しがなされ ていないといえる。したがって、自治会連合会の活動実績等の具体的な指標を用いて事 務事業評価を行うことが望まれる。 エ.収支決算書の作成基準について(意見)  各自治会連合会の収支決算書を閲覧したところ、1件についてまちづくり協議会の収 支が自治会連合会の収支として計上されていた。まちづくり協議会とは、市民と行政の 協働のもとに、防犯・防災、環境保全など、社会や地域課題の解決に向けて取り組むこ とにより、快適で魅力ある地域を実現するために、地域が設置するものであり、岐阜市 地域力創生事業補助金交付要綱第2条2項1号では、自治会連合会地域を単位に、自治 会連合会、各種団体、住民有志等で構成された唯一の組織とされている。すなわち、自 治会連合会とまちづくり協議会とは別個の組織であるため、まちづくり協議会の収支を 自治会連合会の収支に加算するべきではない。 (2)岐阜市自治会連絡協議会補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市自治会連絡協議会補助金は、自治精神の高揚と市民の福祉向上を図るとともに、 市政との連携を密にし、地域社会の発展に寄与するため、自治会連絡協議会の運営費に ついて助成するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市自治会連絡協議会補助金                        │ ├────────┼──────────────────┬─────┬─────────────┤ │担当課     │市民協働推進課           │開始年度 │不明           │ ├────────┼──────────────────┼─────┼─────────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし              │補助の種類│運営費補助        │ ├────────┼──────────────────┴─────┴─────────────┤ │        │                                      │ │        │・補助事業者である岐阜市自治会連絡協議会は、50の自治会連合会の会長から組織 │ │内容      │される団体である。主な事業は自治会連合会長の研修、表彰及び岐阜市と自治会連合│ │        │会との連携である。                             │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 無                                    │ │無及び結果   │ 補助金の見直し基準により実施。                      │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 不明 │   5,366│   5,476│   5,476│   5,476│  5,476│  5,476│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 柳津町の合併による増加を除いて変動がない。                │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.交付要綱の整備について(指摘)  本補助金については、要綱が存在しないが、岐阜市自治会連絡協議会の規約に掲げる 目的を達成するために交付されているものである。本補助金は柳津町合併による平成 19年度の補助金額増加を除き、前年踏襲の予算額を交付している。さらに、平成22年 度の収支決算書を閲覧したところ、慶弔費及び見舞金、雑費等が支出として計上されて いた。これらの費用については協議会の円滑な運営のために必要であると判断され、各 自治会連合会長による申し合わせがなされ支出されているものであり、補助金以外の収 入から支出されているとの認識であるが、その点、必ずしも明確ではない。したがって、
    本補助金については、交付要綱において補助目的を明確にした上で補助対象経費の設定 を行い、補助金の交付基準を明らかにするべきである。 イ.事務事業評価について(意見)  補助金については、交付の要件としてその公益性の有無が必要となることから、本補 助金についても目的が達成されたかどうかの効果を測定する必要がある。現状では補助 金の見直し基準を利用し形式的には効果測定を行っているが、評価項目が抽象的であり 実際に効果が測定されているとは考えにくい。したがって、本補助金については、岐阜 市自治会連絡協議会の活動実績等の具体的な指標を用いて事務事業評価を行うことが 望まれる。 (3)地域力創生事業補助金の交付事務について 1) 概 要  地域力創生事業補助金は、市民と行政の協働のもとに、防犯・防災、環境保全など、 社会や地域課題の解決に向けて取り組むことにより、快適で魅力ある地域を実現するた めに、地域が設置したまちづくり協議会の運営費について助成するものである。概要は 次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │地域力創生事業補助金                            │ ├────────┼──────────────────┬─────┬─────────────┤ │担当課     │市民協働推進課           │開始年度 │平成20年度        │ ├────────┼──────────────────┼─────┼─────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市住民自治基本条例       │補助の種類│運営費補助        │ │        │岐阜市地域力創生事業補助金交付要綱 │     │             │ ├────────┼──────────────────┴─────┴─────────────┤ │        │・補助対象事業者は、自治会連合会地域単位で設立されるまちづくり協議会である。│ │内容      │・平成19年度以前については、地域力創生モデル事業補助金及びまちのちからステ │ │        │ップアップ事業補助金によって本補助金と同様の補助が行われている。      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 予算の範囲内で補助対象経費の3分の2以内の額。               │ │金額の算定   │ ただし、協議会を設立した年度にあっては10万円を、協議会を設立した翌年度以 │ │        │降で協約を締結した場合にあっては30万円を、協議会を設立した翌年度以降で協約 │ │        │を締結していない場合にあっては10万円を限度とする。             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │事務事業評価の有│ 住民自治基本条例第15条にあるとおり、地域の特性を生かしたまちづくりを担うコ│ │無及び結果   │ミュニティの活動であるまちづくりに関する協議会を支援することは大切で重要で │ │        │ある。                                   │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │  3,000│     -│     -│   3,000│   3,700│  4,700│  3,800│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 新たなまちづくり協議会の設置に伴い徐々に増加している。          │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助制度の運用方法について(指摘)  まちづくり協議会は、岐阜市地域力創生事業補助金交付要綱第2条2項1号で定めら れている通り、自治会連合会地域を単位に、自治会連合会、各種団体、住民有志等で構 成された唯一の組織である。各地域におけるまちづくり協議会の設置状況は、以下の通 りである。                                単位:件 ┌────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │    │平成18年度│平成19年度│平成20年度│平成21年度│平成22年度│ │    │以前   │     │     │     │     │ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │設置件数│    8│     1│    3│    1│    2│ ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │設置累計│    8│    9│    12│    13│    15│ └────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  地域における自治会連合会及びまちづくり協議会の一般的な役割は、以下の通りとな っている。 ┌──────────────────────────────────┐ │自治会連合会                            │ ├──────────────────────────────────┤ │・ゴミゼロ運動、資源分別回収等の環境美化活動。           │ │・自主防災隊の運営夜間パトロール等の防犯・防災活動。        │ │・敬老会、新成人を祝い励ます会の開催等のイベント活動。       │ │・運動会・文化祭の開催等の文化・レクリエーション活動。       │ └──────────────────────────────────┘ ┌──────────────────────────────────┐ │まちづくり協議会                          │ ├──────────────────────────────────┤ │・各種団体間などの橋渡し、連絡、調整が重要な役割。         │ │・既存活動のより効率的、効果的な展開や新たなまちづくり活動を検討。 │ │・地域の課題、特性を考慮し、取り組み事業を整理。          │ │・地域のまちづくりに関わる人材の育成。               │ │・まちづくりに関する情報の発信                   │ └──────────────────────────────────┘  まちづくり協議会は、今まで自治会連合会が行ってきた活動に加えて新しい施策を考 案することで、地域活動を一層活発なものとするために設立されており、まちづくり協 議会の設立によって自治会連合会や各種団体の役割に変化はない。したがって、まちづ くり協議会の役割は、自治会連合会と各種団体との話し合いの場を設け、地域活動を活 発化させるための会議体の性格が強い。しかしながら、各まちづくり協議会の活動内容 をみると、地域によっては自治会連合会で行われている、防犯・防災活動やイベント等 の開催を多く行っている。このような状況は、既存活動をより効率的、効果的に展開す るための支援や新たなまちづくり活動への取り組みだと考えられるが、自治会連合会と まちづくり協議会の活動範囲があいまいとなってしまい、一部のまちづくり協議会の収 支決算書に本来自治会や各種団体に帰属すべきと思われる費用が計上されてしまうお それがある。したがって、本補助金については、その補助対象経費を明確にする必要が あるが、現状として補助対象経費は、以下の通りとなっている。 ┌─────────────────────────────────────┐
    │・協議会の開催する総会等に要する費用                   │ │・協議会で定められた事業又は協議会と岐阜市の互いの役割を定めた分権型協働コ│ │ンパクトによって定められた事業の目的を達成するために要する活動経費    │ │・そのほか協議会の運営に要する経費で、市長が必要と認めたもの       │ │・単なる飲食を目的とした経費に使ってはならない。             │ └─────────────────────────────────────┘  防犯・防災活動やイベント等の開催に要した費用は、分権型協働コンパクトによって 定められた事業の目的を達成するために要する活動経費に該当するのであれば、補助対 象経費とされるが、収支決算書上の費用項目と当該事業の目的を達成するために要する 活動経費との対応関係が明確ではなく、また、その費用の内訳についても交付要綱上明 確に定義されていない。  したがって、まちづくり協議会の役割を果たすために必要と考えられる運営費補助と、 分権型協働コンパクトによって定められた新たな試みや各種団体を支援する事業費補 助に区分をする等の補助制度の適切な運用を図り、補助対象経費を明確にした上で、収 支決算書上または添付資料で分権型協働コンパクトとの対応を明瞭に表示するべきで ある。 イ.事務事業評価について(意見)  平成22年度における事務事業評価シートを閲覧したところ、事業目的を達成するた めの活動指標及び成果実績について記載がなく、住民自治基本条例にうたわれていると いう点のみで事務事業評価がなされていた。住民自治基本条例第15条は、以下の通り となっている。 ┌─────────────────────────────────────┐ │第1項                                   │ │ 市長等は、地域を構成する市民と緊密な関係にあり、地域の特性を生かしたまち│ │づくりを担うコミュニティの活動を尊重するものとする。           │ │第2項                                   │ │ 市長等は、コミュニティが地域のまちづくりを主体的に進めるために、まちづく│ │りに関する協議会を設ける場合は、必要に応じてこれを支援するものとする。  │ │第3項                                   │ │ 市長等は、より活力と魅力及び自治の精神にあふれるコミュニティの形成に向け│ │て、コミュニティ相互の協働、交流及び連携の促進に努めるものとする。    │ └─────────────────────────────────────┘  確かに、まちづくり協議会は、快適で魅力ある地域を実現するために設置された協議 会であり、住民自治基本条例第15条第2項のまちづくりに関する協議会に該当し、補 助金という形で岐阜市の支援を受けることができるように見える。しかしながら、同項 には「必要に応じて」という文言が記載されており、まちづくりに関する協議会に対し、 無条件に支援が行われるわけではないと解される。したがって、住民自治基本条例第 15条のみを根拠に補助金の評価を行うのではなく、地方自治法第232条の2における 公益性を十分検討しなければならない。そのためには、まちづくり協議会の活動を明記 した分権型協働コンパクトをもとにその活動実績、成果を適切に評価した上で、事務事 業評価の実施及び本補助金の執行に当たることが必要である。 (4)長良川薪能実行委員会負担金の交付事務について 1) 概 要  長良川薪能実行委員会負担金は、長良川薪能という優れた芸術を鑑賞することにより、 市民の芸術文化に対する関心を高め、市民とともに文化創造の活性化を図るため、実行 委員会の事業費について助成するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │長良川薪能実行委員会負担金                         │ ├────────┼──────────────────┬─────┬─────────────┤ │担当課     │男女共同参画・文化課        │開始年度 │平成19年度        │ ├────────┼──────────────────┼─────┼─────────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし              │補助の種類│負担金          │ ├────────┼──────────────────┴─────┴─────────────┤ │        │・平成元年度から平成18年度までは社団法人岐阜青年会議所と共催しており、平成 │ │        │19年度から実行委員会形式で岐阜市が中心となって事業を行っている。      │ │内容      │・長良川薪能は川原で行われるという性質から雨天時や長良川の増水時には中止とな│ │        │り、代わりに市民会館で行われる。そのため、急な天候の悪化や増水に備え、薪能開│ │        │催当日までに川原及び市民会館の両方で設営が行われ、天候によってそのどちらかが│ │        │利用される。また、増水時には迅速な会場撤去作業が必要となる。        │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 多くの市民が参画する手作りの薪能を開催する中で、岐阜の夏の風物詩として発展│ │        │させていく。                                │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │  平成22年度  │ │        │    │     │     │     │     ├────┬────┤ │推移(千円)   │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 予算 │ 実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┼────┤ │        │ 12,000│     -│  12,000│  12,000│  12,000│ 12,000│ 12,000│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┴────┤ │コメント    │ 平成19年度から同額が支出され続けている。                 │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.業務の見直しについて(意見)  長良川薪能は、清流長良川と金華山を背景に、川原に舞台を作り、鵜舟の篝火から火 入れを行う全国で唯一の薪能である。長良川薪能実行委員会の収支決算書は、以下の通 りである。 ┌────────┬───────┬───────┬───────┐ │支出の部    │金額     │収入の部   │金額     │ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │演者関連費   │   4,357,933│負担金    │  12,000,000│ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │会場設営費   │   5,561,100│協賛金    │    170,000│ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │音響・照明費  │    620,000│会費     │    792,000│ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │器材等借上げ費 │    318,398│前年度繰越金 │    508,632│ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │事務局費    │   2,150,334│預金利子   │      780│ ├────────┼───────┼───────┼───────┤
    │次年度繰越金  │    463,647│       │       │ ├────────┼───────┼───────┼───────┤ │合計      │  13,471,412│合計     │  13,471,412│ └────────┴───────┴───────┴───────┘  長良川河畔で薪能を実施するためには足場の悪い川原に舞台を建設しなければなら ず、さらに雨天または増水によって屋外での実施が困難になることに備え、室内会場で の設営も必要であることから多額の費用がかかる。また、著名な演者を招くため出演料 も比較的大きくなる。それらの費用に対して、収入面については、岐阜市からの負担金 がそのほとんどを占めており、勉強会または視察会参加者の自己負担分収入を除けば、 長良川薪能実行委員会の自己収入はわずかに17万円である。このように、岐阜市の負 担割合が圧倒的に大きく、また、長期にわたって同額の負担金が支出されている状況は、 長良川薪能実行委員会が経費の節減及び自己収入の獲得等の自助努力を怠っている可 能性があり、公益性に問題が生じる。  経費の削減について、長良川薪能の運営は実行委員会が行っているが、ポスター企画 や広報活動、当日の会場運営及び開催翌日の清掃活動といった多くの業務について、長 良川薪能サポーターを募集しボランティアによる協力を得ている。また、公益社団法人 岐阜青年会議所からもボランティアによる演者の送迎、駐車場整備等を行ってもらって いることから、一定の経費の削減は行われていると考えられる。  次に、自己収入の獲得については、入場料を徴収することが考えられるが、入場料を 徴収することでチケットの発行、チェック、会場の囲い込みや座席の整備等の追加的な 業務が発生するほか、興業となるため演者の出演料追加負担も見込まれる。また、下記 の通り毎年4千人から5千人程度と多くの人が長良川薪能を鑑賞しており、本負担金の 目的を達成するためにはさらにより多くの人に鑑賞してもらう必要があるが、入場料を 徴収することで入場者数が減少する可能性もあり、必ずしも合理的であるとは言えない。                長良川薪能入場者数 ┌───────┬──────┬──────┬──────┬──────┐ │開催年度   │平成19年度 │平成20年度 │平成21年度 │平成22年度 │ ├───────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │入場者数(人)│    4,000│    1,500│    4,000│    5,000│ └───────┴──────┴──────┴──────┴──────┘            注)平成20年度については雨天のため市民会館で実施。  しかしながら、企業からの協賛金については、支出総額と比較して少額であるため獲 得に向けて一層の努力が求められる。長良川薪能が多くの市民ボランティア等に支えら れ、市民との協働で開催されている現状を踏まえると、企業との協働にも力を入れるこ とにより、協賛金の増加及び企業の協力による質の向上が見込め、本負担金の目的をよ りよく達成することができると考えられる。  以上のことから、長良川薪能の運営方法について、今後どのように実施していくこと が公益性や経済性、費用対効果等の観点からより一層妥当であるのかを継続的に比較、 検討した上で改善していくことが望まれる。そのためには、市民との協働にだけでなく 企業との協働にも努め、協賛金や協力を積極的に求めていくべきである。 イ.委員会方式について(意見)  総論で示した通り、委員会が「権利能力なき社団」として認められるための要件を備 えていない場合、そのような委員会に負担金を支出したとすると、負担金の効果に疑問 が生じるため、長良川薪能実行委員会が「権利能力なき社団」として認められるための 要件を満たしているか検討する。   要件a.「団体としての組織を備えていること」    長良川薪能実行委員会については「長良川薪能実行委員会規約」が定められて   おり、団体としての組織があるようにも見える。しかしながら、事務局自体は社   団法人岐阜青年会議所に設置されているものの、長良川薪能実行委員会の通常業   務のほぼ全てが事務局員を兼任する男女共同参画・文化課職員によって担われて   おり、実質的な組織を備えているか疑問である。   要件b.「多数決の原則が行われていること」    長良川薪能実行委員会の運営方法に関しては、各委員に対して確認をとってい   はいるものの、規約上、会議の回数や決議方法の定めは規定されておらず、多数   決原理にもとづいた業務の遂行をおこなっているか疑問である。   要件c.「構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続すること」    長良川薪能実行委員会の通常業務のほぼすべてが事務局員を兼任する男女共同   参画・文化課の職員によって担われている状況にあり、仮に岐阜市が団体から脱   退してしまった場合、団体そのものの存続が危うくなる可能性が高い。   要件d.「代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確   定していること」    この点については、「長良川薪能実行委員会規約」及び「長良川薪能実行委員会   会計規程」において定められているが、主要な点のすべてが確定されているとは   言えないため、実行委員会の自律的な組織運営ができているとは言い難く、要件   を満たすか疑問である。  以上からでは、長良川薪能実行委員会は権利能力なき社団としての実態があるかどう か疑問が残るため、実質的に長良川薪能実行委員会が岐阜市から独立した存在であるか どうかを検討する。  長良川薪能実行委員会は、薪能を実施するために組織された存在であり、岐阜市が設 置、運営の中心的役割を担っている。さらには、事務作業の大部分を岐阜市の職員が岐 阜市の職務として遂行しており、長良川薪能実行委員会の予算の大半が岐阜市からの負 担金によって占められていること等から実質的に独立性が欠けているものと思われる。  以上の検討より、長良川薪能実行委員会は、岐阜市から独立した存在であるとは言え ない。したがって長良川薪能実行委員会は、岐阜市と一体であると考えられるにもかか わらず、岐阜市の各種規程よりも簡易な規程である委員会の規程(長良川薪能実行委員 会規約等)に従った運営が行われてしまい、支出の適切性に問題が生じる。  このような問題点があることを考慮すると、長良川薪能実行委員会の支出については、 岐阜市の規程に準じて執行されるべきである。しかしながら、長良川薪能の実施に当た っては機動的な運営も要請されることから、すべてを岐阜市の規程に準じるのではなく、 一定の緩和も考えられる。以上のことを踏まえ、長良川薪能実行委員会の諸規程の整備 を進められたい。 ウ.委託業者の選定について(意見)  上記イでも述べたとおり、長良川薪能実行委員会は、実質的に岐阜市が事業を行って いるため、予算を執行する場合には、岐阜市と同様の手続によって行われることが望ま しい。長良川薪能実行委員会では、会場設営や電気工事等の業務を外部事業者に委託し ており、平成22年度については5,561,000円を支出している。この中には、岐阜市契 約規則第28条の1で定める工事の委託を随意契約で行うことができる基準となる 1,300,000円を超えている案件もあるため、岐阜市と同様の手続により業務を委託する のであれば地方自治法施行令に基づき入札によることとなるが、長良川薪能は、長良川 河畔に能舞台を設置し、かつ増水時には緊急撤去作業が求められるため、その特殊性か ら現状では随意契約により委託業者を選定している。機動的な運営や入札を行うことの
    費用対効果を考慮すると、必ずしも入札により委託業者を選定する必要はないと考えら れるが、少なくとも複数の業者へ見積もりを依頼し、委託業者を選定するべきである。 平成20年度については、5社に対して見積もりを依頼しているものの、平成22年度に ついては1社にのみ見積もりを依頼し、委託業者の選定を行っている。このような状況 では、効果的、経済的な負担金の利用が阻害されてしまう可能性があることから、年度 ごとに複数企業に対して見積もりを依頼し、委託業者の選定をより適切に行うことが望 まれる。 ┌─────┐ │市民生活部│ └─────┘ (1)岐阜市防犯協会補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市防犯協会事業補助金は、地域及び職域における防犯意識の高揚と自主的な地域 安全活動の普及並びに青少年の健全育成を図り、もって安全で住みよい岐阜市の建設に 寄与するため、当該事業を行う岐阜市防犯協会に対して、運営に要する経費を助成する ものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市防犯協会補助金                            │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │生活安全課             │開始年度  │平成8年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│該当なし              │補助の種類 │運営費補助       │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │・補助事業者である岐阜市防犯協会は、警察署管内によって区別された各地区防犯協│ │内容      │ 会連合会等により構成される。                       │ │        │・平成18年の柳津町合併により、岐阜市は柳津町を所轄する岐阜羽島地区防犯協会 │ │        │ 連合会に対しても補助を行っている。                    │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 全市を統括して行う防犯事業は不可欠であり、このような安全活動を市も支援して│ │        │いくため今後も継続していく。                        │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 2,525 │  4,429│  4,429│  4,429│  4,429│    4,429│    4,429│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ ほかの課に管轄されていた補助金を生活安全課に集約した結果現在の補助金額と │ │        │なっており、岐阜市防犯協会に対する補助金額は開始年度から増減はない。    │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の結果及び意見 ア.交付要綱について(指摘)  本補助金については、交付要綱が定められておらず、補助対象経費や交付金額につい て明確な基準は存在しない。そのため、補助金額の決定にあたっては、年度ごとの予算 請求によって決定されているが、上記概要で示した通り補助金額に変動がなく、前年度 補助実績を踏襲した金額となっている。これは、担当課によると、補助金額は補助開始 当初に必要経費を積み上げ、岐阜市防犯協会と岐阜市で合意された金額であるが、見直 しがされないまま現在に至っているとのことであった。これが事実であれば、当該補助 金は既得権益化していると言わざるを得ない。  原則通り、交付要綱に補助の対象となる経費及び補助金の算定根拠を明示して、毎年 度、必要となる補助金額を算定すべきである。  また、本補助金は運営費補助とされているが、本協会の自立性を保つように、補助対 象事業を明示した事業補助に切り替えていくことが適切であると考える。 イ.事務事業評価について(意見)  平成22年度における事務事業評価シートを閲覧したところ、事業目的を達成するた めの活動指標が補助金額となっており、さらには成果実績の記載がなかった。補助金額 は岐阜市防犯協会が行った活動の結果交付されるものであり、岐阜市防犯協会の活動実 績の指標としては不適切である。このような状況にもかかわらず、評価については最高 評点の25点がつけられており、実質的な評価がなされているとはいえない。したがっ て、根拠のある指標に基づいた実質的な評価がなされるべきである。  活動指標としては、様々な地域安全活動にどの程度の人が参加したかといったものが 適切であるが、その数を把握することは費用対効果の面から困難である場合も考えられ るため、代替的に岐阜市防犯協会がどんな地域安全活動を何回行ったかといった活動実 績等を利用することで活動を評価するに足る指標となるのではないか。また、様式上は 任意記載項目となっている成果実績については、直接的な効果を測定することが困難で あるが、本補助金は安全で住みよい岐阜市の建設を目的としているため、事実、減少効 果が見られる刑法犯罪認知件数等を利用することで、少なからず直接的な成果を測るこ とができるであろう。 (2)交通安全活動推進団体補助金の交付事務について 1) 概 要  交通安全活動推進団体補助金は、交通安全の推進を目的として、交通安全意識の高揚 及び啓発を主たる目的とする団体の運営を助成するためのものである。概要は次のとお りである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │交通安全活動推進団体補助金                         │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │生活安全課             │開始年度  │昭和52年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│交通安全活動推進団体補助金交付要綱 │補助の種類 │運営費補助       │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │・補助事業者である岐阜市内の交通安全協会各支部は、警察署管内に設置された地区│ │        │ 交通安全協会の構成員として53支部設置されている。             │ │内容      │・岐阜市内の交通安全協会各支部を最終的に統括しているのは、財団法人岐阜県交通│ │        │ 安全協会である。                             │ │        │・岐阜市内の交通安全協会の主な事業は、交通安全活動の実施、危険個所の点検及び│ │        │ 交通安全功労者への表彰等である。                     │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 45,000円に市内に所在する警察署管内をもって構成される地区交通安全協会の各 │ │金額の算定   │支部が区域とする地域の前年10月1日現在の世帯数に50円を乗じて得た額を加算し │
    │        │た金額。なお、予算額を限度とする。                     │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │事務事業評価の有│ 交通事故を防止するためには、地域住民の意識の高揚を図ることが重要であり、各│ │無及び結果   │地区の実情に合った交通安全活動を行う各支部に対して支援し、積極的な活動を実施│ │        │してもらうことが必要。                           │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────│ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 3,433 │ 10,255│ 10,352│ 10,428│ 10,495│   10,561│   10,561│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 昭和52年の交付開始から補助金額の算定金額は見直しされているが、平成8年か  │ │        │ら現在までは世帯数の増減による変動のみである。               │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の結果及び意見 ア.業務の見直しについて(指摘)  岐阜市内の交通安全協会各支部から提出される収支報告書を閲覧したところ、下記の ような支部が発見された。   ・補助金額を超える繰越金を保有している支部   ・残高及び使途が不明の積立金を計上している支部   ・多額の会議費、研修費を支出している支部  上記のように、収支報告書の内容について疑問のある支部に対して、岐阜市は電話に よる内容確認を行っている。しかしながら、上記のような方法で繰り越しまたは支出さ れた金額が実際に質問の回答通りに使用されているかどうかについての確認を行って いない。岐阜市が補助金を支出するためには、公益上必要なものであるとの認定が不可 欠であり、支出した補助金が交付目的に従って適切に利用されているかどうかを確認す る必要がある。したがって、岐阜市は提出された収支決算書の内容が適切であるかどう かを確認するため、請求書、領収書といった証憑との突き合わせを実施するべきである。 ただ、すべての収支決算書について詳細な確認手続を行うことは事務処理に多大な時間 を要するため、経済性の観点から注意が必要であるが、少なくとも、上記に事例として 挙げた支部のように収支決算書の内容に疑念が残る支部に対してのみ実施することや、 毎年無作為に抜き打ちで確認手続を実施するといったことは必要である。そうすること で、補助金がより効果的に利用されることにつながるであろう。 イ.補助金額の算定について(意見)  本補助金には、要綱が定められており、岐阜市内の交通安全協会各支部に支出する補 助金額の算定方法も明記されている。しかしながら、定額で45,000円が補助される均 等割及び対象世帯数に50円を乗じた額が補助される世帯割ともに、平成8年から見直 しがされておらず、このような算定方法とした設定根拠についても岐阜市は把握してい ない。根拠のない算定式を利用して補助金を支出することは、補助金を支出する必要性 の検討や、効果の測定を行っていないことと同じである。  本補助金は、交付開始から34年が経過しており、岐阜市を取り巻く環境や岐阜市内 の交通安全協会各支部の状況も大きく変化していることが予測される。              岐阜市における交通事故の状況                             (単位:件または人) ┌───────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │       │平成18年度│平成19年度│平成20年度│平成21年度│平成22年度│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │人身事故数  │   3,769│   3,439│   3,328│   3,222│   3,342│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │死者数    │    22│    18│    22│    23│    20│ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │負傷者数   │   5,006│   4,547│   4,339│   4,181│   4,293│ └───────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘  実際に、岐阜市における交通事故関連指標の推移を見ると、人身事故数や負傷者数は 減少傾向にあり、また、上述したとおり、多額の繰越金及び積立金を計上している支部 が多く存在している。したがって、本補助金については、交付要綱の補助金額算定式が 現状と照らして妥当であるかどうか、十分な検討を行うことが望まれる。 ウ.事務事業評価について(意見)  平成22年度における事務事業評価シートを閲覧したところ、事業目的を達成するた めの活動指標が岐阜市補助金額となっており、成果実績については記載総事業費に占め る補助金の割合となっていた。岐阜市防犯協会補助金の交付事務についてのイと同様に、 補助金額は岐阜市内の交通安全協会各支部が行った活動の結果で交付されるものであ り、岐阜市内の交通安全協会各支部の活動実績の指標としては不適切である。このよう な状況にもかかわらず評価については、最高評点の25点がつけられており、実質的な 評価がなされているとはいえない。したがって、根拠のある指標に基づいた実質的な評 価がなされるべきである。  活動指標としては、様々な交通安全活動にどの程度の人が参加したかといったものが 適切であるが、その数を把握することは、費用対効果の面から困難である場合も考えら れるため、代替的に岐阜市内の交通安全協会各支部が交通安全教室や交通安全施設の点 検等の交通安全活動を何回行ったかといった活動実績等を利用した方がより適切な活 動指標となるのではないか。また、成果実績については、本補助金は交通安全の推進を 目的としているため、交通事故発生件数等を利用することが望ましい。 (3)街角トワイライト整備補助事業補助金の交付事務について 1) 概 要  街角トワイライト整備補助事業補助金は、地域において積極的な安全活動を行う市民 と市との協働により、ホッとできる安全で安心なまちづくりを進めることを目的として、 防犯上の不安が大きい箇所について、路上及び私有地双方の安全性を高めるため、地域 住民の維持管理による防犯を目的とした照明を付近の民地内に設置する事業について 助成するものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │街角トワイライト整備補助事業補助金                     │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │生活安全課             │開始年度  │平成15年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市民みんなでつくる“ホッとタウ │補助の種類 │事業費補助       │ │        │ン”プロジェクト助成要綱      │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │・岐阜市街路灯が、岐阜市の管理する道路交通の安全と夜間の事故防止が目的の照明│ │        │ であるのに対し、本補助金の対象は不特定多数の人が利用する、公道や私道の安全│
    │内容      │ 性を高める、防犯を目的とした照明である。                 │ │        │・本補助金は、照明の設置に対する補助金であり、維持管理費用については照明設置│ │        │ 者の負担となる。                             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 1灯につき10万円を限度に実費金額                     │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有(ただし、「街角トワイライト整備事業補助金」単独ではなく、複数の補助金を│ │事務事業評価の有│まとめた「みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクト」として一括で評価してい│ │無及び結果   │る。)                                   │ │        │ 地域での積極的な安全活動を支援し、市民との協働により安全で安心なまちづくり│ │        │を進めていく必要性が高いので継続する。                   │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 1,303 │  1,303│  1,510│  1,486│  1,601│    1,200│    1,177│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 設置される照明の金額や件数によって多少の変動がある。           │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の結果及び意見 ア.補助金交付の必要性の検討について(指摘)  本補助金は、岐阜市が設置する街路灯とは別に、住民が自己の負担で私道や民地内に 照明を設置する場合に交付される補助金である。岐阜市の街路灯は、基本的には交通安 全のための照明であるため、防犯という面では、必ずしも万全に機能しているとは言え ない。そこで、岐阜市の街路灯だけでは防犯上の不安を抱える市民の要望に応えられな いため、自己の負担で防犯を目的とした照明を設置する者に対して補助金が支出される。  補助金を支出するかどうかの判断には、申請のあった場所に照明は必要なのかという 検討をしなければならないが、どのくらい暗ければ照明が必要なのかといった明確な基 準が設定しづらいため、現状として判断材料としての数値基準は存在しない。ただし、 それに代わる判断材料として、設置予定個所の自治会長の承諾を得るようにしている。 これは、照明の必要性について、申請者の主観だけでなく地区を代表する自治会長の承 諾を得ることにより一定の客観性を確保するものである。本来であれば、岐阜市がそれ ぞれの案件ごとにその必要性の判断を加えなければならないはずであるが、現状では要 綱に記載の要件を充たすことで補助金の支出がなされてしまう。本補助金については予 算を超えない範囲で補助がなされることから、必要性の高い案件から優先して補助され るべきである。したがって、設置予定個所が実際に暗いかどうか、また、防犯上の不安 の程度が高いかどうかを確かめるため、原則、夜間に現地調査を行い、岐阜市として防 犯灯の必要性の有無を検討すべきである。 イ.補助金額の算定について(指摘)  本補助金については、上述の通り1灯につき10万円を限度に実費額を補助している。 平成22年度の実績報告書を閲覧したところ、補助対象となった照明のほとんどが10万 円以内で設置されており、設置費用の全額を岐阜市が負担している案件が多かった。そ もそも、補助金とは、地方公共団体が特定の事務事業に対して公益性があると判断し、 当該事務事業を奨励するため、反対給付を求めることなく行われる金銭的給付である。 すなわち、特定の住民によって設置される照明がその周囲の防犯に寄与するという公益 性が認められるからこそ補助対象になるのであって、原則的な受益者は照明の設置者で ある。したがって、受益者負担の原則に則れば、岐阜市が全額を負担することは合理性 に乏しい。照明の維持管理費については設置者の負担としているものの、その額は設置 費用と比較しても少額である。岐阜県内に所在する近隣市町村の防犯を目的とした照明 設置に関する補助金額は、以下の通りである。 ┌────────┬────────────────────────────────┐ │市町村名    │補助金額算定方法                        │ ├────────┼────────────────────────────────┤ │可児市     │ 事業費の4分の3以内。ただし、                 │ │        │(1)専用柱(具体的にはポールなど)を用いて設置する場合、1本あ │ │        │   たり最高限度額45,000                   │ │        │(2)中部電力・NTTなどの電柱に取り付ける場合、1本あたり最高限 │ │        │   度額25,000円。                      │ │        │ 補助金の交付対象は防犯灯の設置事業に係るものとし、設置後の補 │ │        │修、修繕等の維持管理に係るものについては対象としない。     │ ├────────┼────────────────────────────────┤ │郡上市     │ 補助対象経費の2分の1の額とする。ただし、1灯につき4万円を限  │ │        │度とする。防犯灯設置後の維持管理費は、当該防犯灯を設置した自治 │ │        │会等が負担するものとする。                   │ └────────┴────────────────────────────────┘  可児市及び郡上市ともに、原則事業費または補助対象経費の一定割合で補助を行い、 さらに金額的な上限を設ける方法によっている。上記の2市と比較しても、定率補助割 合及び定額補助限度額の両方で、岐阜市は多くの補助をしていることが分かる。確かに、 照明を設置するための柱も建てる場合については1灯10万円を超える案件もあるが、 このような場合には照明のみを設置する場合よりも上限額を緩和する等の方法も考え られる。したがって、岐阜市においても補助金額の上限を引き下げることや、補助対象 となる経費の一定割合を補助することにより、設置費用についても受益者に一定の負担 を求めるべきである。 ウ.事務事業評価について(意見)  本補助金は、岐阜市民みんなでつくる“ホッとタウン”プロジェクトのうちの一事業 としての位置付けであるため、事務事業評価についても対象となる以下の6事業一括で 評価が行われている。 ┌──────────────────────────────────────┐ │・自由提案                                 │ │・街角トワイライト整備補助事業                       │ │・防犯カメラ設置補助事業                          │ │・地域安全活動支援事業                           │ │・ヒヤリハッと・バリアフリー対策事業                    │ │・青色回転灯支援事業                            │ └──────────────────────────────────────┘  上記事業については、安全で安心なまちづくりを進めるという趣旨は同一であるもの の、助成要綱別表に記載の通り助成の要件はそれぞれ異なっており、補助率及び補助限 度額についてもそれぞれ個別に規定されている。これらを踏まえると、それぞれの事業 ごとに事務事業評価を行った方がより詳細な検討をすることが可能であり、必要性や有 効性を適切に評価することができると考える。
    ┌─────┐ │商工観光部│ └─────┘ (1)商店街街路灯等電灯料補助事業の交付事務について 1) 概要  商店街街路灯等電灯料補助事業は、商店街機能の強化及び活性化を図るため、市内の 商店街活動を行う団体(以下「団体」という。)が所有し、かつ維持管理する街路灯(以 下「街路灯等」という。)に係る電灯料に対し、予算の範囲内において、補助を行うも のである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │商店街街路灯等電灯料補助事業                        │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │産業振興課             │開始年度  │昭和62年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市街路灯等電灯料補助金交付要綱 │補助の種類 │事業補助        │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 商店街振興組合・商店街発展会等に対して、街路灯に係る電灯料に対して、要  │ │        │綱に従い補助対象団体に対して、補助金を支出している。(合計88件)      │ │        │ (補助対象経費)                             │ │        │ 補助金の交付対象となる経費は、次の要件を備えるものに係る電灯料に要する  │ │        │経費とする。                                │ │        │ 1)街路灯等は街路灯並びにアーチ及びアーケードに照明設備とし、防犯灯は含  │ │内容      │まないものとする。                             │ │        │ 2)団体が補助金の交付を受けようとする年度の前年度の末日までに設置され   │ │        │た街路灯等であること。                           │ │        │ 3)街路灯等に係る電灯料の支払いが団体の経理を通じて処理されているもの   │ │        │であること。                                │ │        │ 4)人の広告及び宣伝に供している街路灯等でないこと             │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 補助金の額は、下記の表の補助金計算額(D)と、下記の限度額表の限度額を   │ │        │比較していずれか低い額とする。                       │ │        │ 街路灯等補助金交付一覧表                         │ │        │ (例:安良田町1丁目商工発展会の場合)                   │ │        │┌─────┬───┬───┬────┬────┬────┬────┐   │ │        ││ワット  │灯数 │乗数 │(A)×(B)│補助金 │補助金 │補助金 │   │ │        ││数別   │   │   │    │計算額 │決定額 │交付額 │   │ │        ││     │ (A) │ (B) │ (C)  │ (D)  │ (E)  │ (F)  │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││     │   │   │    │    │    │    │   │ │        ││     │  2 │ 1/3 │  2/3 │    │    │    │   │ │        ││  40W以下│   │   │    │    │    │    │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││  41W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        ││     │   │ 1/2 │    │    │    │    │   │ │        ││  80W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││  81W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        ││     │  8 │  1 │   8 │    │    │    │   │ │        ││  250W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││  251W  │   │   │    │    │    │    │   │ │金額の算定   ││     │   │  2 │    │    │    │    │   │ │        ││  300W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││     │   │   │    │    │    │    │   │ │        ││     │   │  3 │    │    │    │    │   │ │        ││  301W  │   │   │    │    │    │    │   │ │        │├─────┼───┼───┼────┼────┼────┼────┤   │ │        ││     │ 10 │   │ 26/3 │6,500  │ 6,500 │ 6,500 │   │ │        │└─────┴───┴───┴────┴────┴────┴────┘   │ │        │                                      │ │        │ ※1 (D)は(C)に下記乗数を乗じた額                     │ │        │  2 (E)は(D)と下記限度額のうち小さい方の額                │ │        │  (限度額表)                              │ │        │  ┌─────────────┬────┬──────┐         │ │        │  │ 補助対象団体      │ 乗数 │ 限度額  │         │ │        │  ├─────────────┼────┼──────┤         │ │        │  │ 第2条第1号に規定する団体│ 750円 │ 300,000円 │         │ │        │  ├─────────────┼────┼──────┤         │ │        │  │ 第2条第2号に規定する団体│ 750円 │ 500,000円 │         │ │        │  ├─────────────┼────┼──────┤         │ │        │  │ 第2条第3号に規定する団体│ 750円 │ 150,000円 │         │ │        │  └─────────────┴────┴──────┘         │ │        │                                      │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 今後も、街路灯等の電気料について要綱により助成し、商店街振興組合・商店  │ │        │街発展会の共同施設の維持を図る。                      │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │  8,354│  8,284│  8,149│  7,997│    8,156│    7,431│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 毎期、大きな変動はない。                         │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.交付要綱と実態の不一致について(指摘)  岐阜市街路灯等電灯料補助金交付要綱(以下、要綱)には、事業の趣旨として「商店 街機能の強化及び活性化を図るため」と記載されており、商店街の夜の賑わいをなくさ ないようにすることが補助金の本来の目的である。しかし、岐阜市においては、夜間は 営業していない店舗、商店街もあると予想されるが、その場合には、夜の賑わいをなく さないようにするという本来の目的は果たされておらず、本来の補助金支出の目的が達
    成されているとはいえない。  現状、市においては、商店街振興組合・商店街発展会等の申請に基づいて、補助金支 出を行っているが、交付要綱の目的に従って支出が行われているかについて、現地調査 が行われていないものが多い。実態調査を行い、夜間は営業していない店舗、商店街に ついては、補助をすべきではない。 イ.交付要綱の改正について(意見)  夜間は営業していない店舗、商店街の街路灯は、実際には、賑わいというよりは、防 犯という面で夜も点灯させていると思われる。しかし、交付要綱には補助対象経費とし て、「防犯灯は含まないものとする」と明確に記載されており、実態と交付要綱が合致 していない。仮に、防犯上必要不可欠ということであれば、防犯を目的とした交付要綱 を作成し、それに従って補助金を支出することが望まれる。 ウ.事業評価の形骸化について(指摘)  補助事業の効果を判断するにあたっては、現在「事業評価シート」を使用し、その結 果が市のHPで公開されているが、「事業評価シート」には、具体的根拠なしに毎年支出 の効果があったと判断しており、実質的な事業評価がなされているとは言えない。各自 治会にアンケートやヒアリング等を実施することにより、どのくらいの効果があったか の情報を入手し、具体的に事業評価を実施するべきである。 エ.少額の補助対象について(意見)  補助金支出金額の総額は、88件で7,431千円であり、1件当たり数千円と少額の場合 も多くある。たとえ、少額であっても全ての支出に対して、収支決算書を入手したうえ で、補助金額を算出し、商店街ごとに振込を行っており、振込件数が多いため、市の事 務負担が大きいのが現状である。  これについて、第一に、少額の補助金の場合は、補助金支出による効果は低いと思わ れる。第二に、少額の補助金の場合には、支給をしないことで、不都合となることも少 ないと考えられる。第三に、補助金を支出する以上 イ.事業評価の形骸化について(結 果)で述べたように、具体的な事業評価を実施する必要があり、それらの市の事務負担 を考慮すると、一定金額以下の場合には補助金を支給しないということを検討すること が望まれる。 (2)岐阜市空き店舗等活用事業補助金の交付事務について 1) 概 要  中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を推進するため、中心市街地 で実施する空き店舗活用事業等の要する経費に対して、予算の範囲内において、岐阜市 中心市街地空き店舗活用事業等補助金を交付することで、空き店舗の減少により商店街 の連続性を保ちモールとしての魅力を維持し、活力と賑わいのある商店街づくりを推進 するものである。概要は次のとおりである。 ┌────┬──────────────────────────────────────────────┐ │事業名 │岐阜市空き店舗等活用事業事業                                │ │称   │                                              │ ├────┼──────────────────┬──────┬────────────────────┤ │担当課 │産業振興課             │開始年度  │平成9年度                │ ├────┼──────────────────┼──────┼────────────────────┤ │根拠条 │岐阜市中心市街地空き店舗活用事業費等│      │                    │ │例、要 │補助金交付要綱           │補助の種類 │事業補助                │ │綱等  │                  │      │                    │ ├────┼──────────────────┴──────┴────────────────────┤ │    │ 小売業を営む商業団体が実施する空き店舗等活用事業に対して3年度を限度として建物の賃借料   │ │    │の一部を補助する。                                     │ │    │(補助対象事業)                                      │ │    │ 補助対象事業は、補助金の交付決定後3年以上その用途に供されることが確実なものであって、   │ │    │下記に定める要件に該当するものとする。                           │ │    │                                              │ │    │空き店舗活用事業                                      │ │    │┌──────────┬──────┬───────────┬──────┬───────┐│ │    ││補助対象事業    │補助事業者 │補助対象経費     │補助率   │1事業者当た  ││ │内容  ││          │      │           │      │り補助限度額 ││ │    │├──────────┼──────┼───────────┼──────┼───────┤│ │    ││当該地区の空き店舗の│商店街団体等│交付決定日以後に発生 │補助対象経 │上限1,000千  ││ │    ││1階を含むその他の階 │及び商店街団│する店舗賃貸料(敷金、│費の1/6以内 │円(県補助が ││ │    ││を新たな事業の実施拠│体等から推薦│礼金その他これらに類 │(県補助が │ある場合にあ ││ │    ││点又は不足業種補完の│を受けた個人│するものを除く。)(原│あった場合 │っては、2,000 ││ │    ││ための活動拠点として│等     │則1年間。ただし、毎  │にあっては、│千円)    ││ │    ││活用する事業    │      │年度事業効果を検証  │1/3以内)  │       ││ │    ││          │      │し、支援の継続が必要 │      │       ││ │    ││          │      │と認められる事業者に │      │       ││ │    ││          │      │ついては、最長3年度  │      │       ││ │    ││          │      │間まで支援)     │      │       ││ │    │├──────────┼──────┼───────────┼──────┼───────┤│ │    ││重点区域内の空き店舗│商店街団体等│交付決定日以後に発生 │補助対象経 │上限3,000千  ││ │    ││を活用して、商店街団│及び商店街団│する店舗賃貸料(敷金、│費の1/2以内 │円      ││ │    ││体等が策定した計画に│体等から推薦│礼金その他これらに類 │      │       ││ │    ││基づき、商店街のコン│を受けた個人│するものを除く。)(原│      │       ││ │    ││セプトに合致したテナ│等     │則1年間。ただし、毎  │      │       ││ │    ││ントとして誘致された│      │年度事業効果を検証  │      │       ││ │    ││事業(当該テナントの│      │し、支援の継続が必要 │      │       ││ │    ││床面積の合計が30坪│      │と認められる事業者に │      │       ││ │    ││以上のものに限る。)│      │ついては、最長3年度  │      │       ││ │    ││          │      │間まで支援)     │      │       ││ │    │└──────────┴──────┴───────────┴──────┴───────┘│ │    │                                              │ │    │公益的機能創出事業                                     │ │    │┌──────────┬──────┬───────────┬──────┬───────┐│ │    ││空き店舗の1階を含む │商店街団体 │交付決定日以後に発生 │補助対象経費│上限2,000千  ││ │    ││その他の階を利用して│等、商店街団│する店舗賃貸料(敷金、│の1/4以内  │円(県補助が ││ │    ││行う子育て支援、高齢│体等から推薦│礼金その他これらに類 │(県補助があ│ある場合にあ ││ │    ││者向け休憩所等公益的│を受けた個人│するものを除く。)(原│った場合にあ│っては、4,000 ││ │    ││な事業       │等、社会福祉│則1年間。ただし、毎  │っては、1/2 │千円)    ││ │    ││          │法人、公益法│年度事業効果を検証  │以内)   │       ││ │    ││          │人、NPO法人 │し、支援の継続が必要 │      │       ││ │    ││          │      │と認められる事業者に │      │       ││ │    ││          │      │ついては、最長3年度  │      │       ││ │    ││          │      │間まで支援)     │      │       ││ │    │└──────────┴──────┴───────────┴──────┴───────┘│ │    │                                              │
    │    │ ※ 重点区域とは、「岐阜市中心市街地活性化基本計画」(平成19年5月28日内閣総理大臣認定)  │ │    │   に定める空き店舗数対象地域(柳ヶ瀬通り、長良橋通り、徹明通り、金華橋通りに囲まれた地 │ │    │   域)                                         │ ├────┼──────────────────────────────────────────────┤ │金額の │ 上記に記載のとおり                                    │ │算定  │                                              │ ├────┼──────────────────────────────────────────────┤ │事務事 │                                              │ │業評価 │ 有                                            │ │の有無 │ 商店街活性化に寄与する事業である。来期は、新しいメニューの創設や既存のメニューの拡充を  │ │及び結 │行う予定である。                                      │ │果   │                                              │ ├────┼──────────────────────────────────────────────┤ │金額の │ 上記に記載のとおり                                    │ │算定  │                                              │ ├────┼────┬──────┬──────┬──────┬──────┬─────────────┤ │推移  │開始年度│平成18年度 │平成19年度 │平成20年度 │平成21年度 │    平成22年度    │ │(千円) │    │      │      │      │      ├──────┬──────┤ │    │ 実績 │  実績  │  実績  │  実績  │  実績  │  予算  │  実績  │ ├────┼────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │    │ 不明 │    8,966│    3,206│    2,982│    1,570│    5,580│    1,181│ ├────┼────┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┤ │    │ 平成22年度においては、目標5,580千円に対して、実績が1,181千円と、目標を大きく下回った。  │ │    │来年度は、より利用が促進されるように要綱を下記の点で改訂することにより、予算の大幅増額   │ │    │(67,000千円)を予定している。                               │ │    │1) 新たな補助対象の追加(大型空き店舗の空きフロアに出店する場合 補助率1/3以内)      │ │コメン │2) 補助率の引き上げ                                    │ │ト   │  ・空き店舗活用(通常)の補助率1/6以内だったのを 23年度に1/3以内に引き上げた。     │ │    │  ・公益的機能創出の補助率の補助率1/4以内だったのを 23年度に1/3以内に引き上げた。    │ │    │  ・教育、医療、健康分野の出店支援を新たに設け、平空き店舗活用(通常)1/6以内の扱いであ  │ │    │   ったものが 教育、医療、健康分野出店については23年度に1/2以内に引き上げた。      │ │    │                                              │ └────┴──────────────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.過去の補助対象店舗の現在の状況について(指摘)  過去の補助対象店舗の現在(平成22年度末時点)の営業状況は、下記のとおりであ る。    ┌──────────┬──────┬────────────┐    │  補助開始年度  │補助店舗件数│平成22年度末時点営業店舗│    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成17年度以前  │  38件  │     14件     │    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成18年度    │   3件  │      2件     │    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成19年度    │   2件  │      2件     │    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成20年度    │   1件  │      0件     │    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成21年度    │   2件  │      2件     │    ├──────────┼──────┼────────────┤    │ 平成22年度    │   2件  │      2件     │    ┣━━━━━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━┫    ┃ 合   計    ┃  48件  ┃     22件     ┃    ┗━━━━━━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━┛  上記のとおり、平成22年度までに、48件の補助実績に対して、平成22年度末営業 店舗は、22件となっており、定着率は、50%以下になっている。定着率が、50%以下 という状況は、お金だけを出し、その後のフォロー体制が整備されていなかったことに よる面もあるため、この状況を改善すべく、平成22年度より中心商店街活性化プロデ ュース事業(委託費 6,006千円)を岐阜市にぎわいまち公社に委託して実施しており、 中心商店街活性化に関する具体的かつ実務的なノウハウ等を有する者(以下「プロデュ ーサー」という。」を雇用し、中心商店街の活性化を図っている。そのプロデューサー の業務において、商店主等を対象とした勉強会の開催も計画し、空き店舗に出店した 方々に対するフォローを行うことや、その他空き店舗の情報等を収集し出店希望者に提 供等を行う補助員を雇用し、新規出店者に対するフォロー等を実施することにより、定 着率を高める取り組みを実施している。  補助事業の効果を判断するにあたっては、現在「事業評価シート」を使用し、その結 果が市のHPで公開されているが、「事業評価シート」には、具体的根拠なしに毎年支出 の効果があったと判断しており、実質的な事業評価がなされているとは言えない。今後 は、明確な基準に従って、事業評価を行うべきである。その点、賃借料の補助期間の3 年の内に経営を軌道に乗せて、今後も長く営業を行ってもらうことが活力と賑わいのあ る商店街づくりには欠かせないため、定着率は補助金の効果を測定するのに有効な指標 である。また、歩行者通行量、校区ごとの商品販売額等の指標等も有効な指標になりう ると思われる。  なお、現在の仕組みとしては、家賃補助期間は3年で終了するが、終了後は、市との 直接の関係もなくなるため、退去する場合に、市に連絡することなく退去することが可 能である。しかし、退去する際には、次のような理由により、退去の報告を市に求める べきである。1)退去の状況を把握するため、2)退去がやむを得ない事情であるか等の退 去理由を調査し、不正がなかったことを確認するため、3)経営指導や、家賃減額交渉を 行うこと等により退去を思い止まらせる機会にもなる。  特に、平成23年度においては、市全体として各種補助金を減額している中、空き店 舗等活用事業については、予算を67,000千円へと大幅に増額しており、より具体的な 効果の測定が必要であると思われる。 (3)ファッション産業人材育成(ファッションセミナー)負担金の交付事務について 1) 概 要  岐阜は、全国有数のアパレル産地として発展してきたが、厳しい環境の中で消費者ニ ーズの個性化・多様化、さらには消費マインドの変化などに対応していくために、産地 をあげての組織化・情報化に取り組んでいる。その中でも、特に人材育成の問題は、今 後の産地の発展や生き残りに関わる重要な問題であり、優秀な人材を輩出するために専 門的・体系的な教育体制を充実させる必要がある。「岐阜ファッションセミナー」は、 このような理由から、昭和60年度より実施しており平成22年度で26回目を数え、フ ァッションジャーナリストや著名人を招き、その時代、そしてこれからのトレンド情報
    やファッション業界を取り巻く状況についての講演を行うことで、岐阜産地に不足する といわれる高感度商品を企画できるデザイナーとプレゼンテーション能力を持ったマ ーチャンダイザー(*)の育成を目指し、時代にあったデザイン力、企画力の向上およ び岐阜アパレル産地の発展を図ること、さらに、経営者を対象としたセミナーを開催し 次世代を担う経営者の育成を図るものである。概要は次のとおりである。  (*マーチャンダイザー・・・担当する商品群について一切の権限と責任をもつ商品担当者) ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │ファッション産業人材育成(ファッションセミナー)負担金           │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │産業振興課             │開始年度  │昭和60年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜ファッションセミナー実行委員会 │補助の種類 │負担金         │ │        │規約                │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ テキスタイルから販売までの一環したファッション情報についてファッショ   │ │        │ンジャーナリストが講義を実施した。また、アパレル経営者及び後継者を対象と  │ │        │した提案型営業等を内容としたセミナーを開催した。              │ │        │                                      │ │        │・メンズファッションセミナー(8/27、2/21)                  │ │        │・岐阜ファッションセミナー(デザイナー向け:10/25、3/8 経営者向け:11/18)  │ │内容      │ (セミナー実施実績)                           │ │        │  ┌──────────┬──────────┬──────┐      │ │        │  │    日時    │    会場    │ 受講者数 │      │ │        │  ├──────────┼──────────┼──────┤      │ │        │  │ 平成22年8月27日  │じゅうろくプラザ  │    67名│      │ │        │  ├──────────┼──────────┼──────┤      │ │        │  │ 平成22年10月25日 │じゅうろくプラザ  │    179名│      │ │        │  ├──────────┼──────────┼──────┤      │ │        │  │ 平成22年11月18日 │ハートフルスクエア │    17名│      │ │        │  ├──────────┼──────────┼──────┤      │ │        │  │ 平成23年2月18日  │じゅうろくプラザ  │    66名│      │ │        │  ├──────────┼──────────┼──────┤      │ │        │  │ 平成23年3月8日  │じゅうろくプラザ  │    207名│      │ │        │  └──────────┴──────────┴──────┘      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 算定根拠はない。                             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │事務事業評価の有│ 岐阜市の基幹産業であるアパレル業界関係者の資質向上を図り、その成果を新  │ │無及び結果   │商品開発などに活かすことが引き続き求められるため、今後も人材育成に必要な  │ │        │テーマを選定して事業を継続する。                      │ │        │                                      │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │   500│   500│   700│   689│     590│     571│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 毎期、大きな変動はない。                         │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.支出金額の算定根拠について(指摘)  「ファッションセミナー実行委員会」のメンバーに岐阜市の関係者が入っているため、 岐阜市からの支出は、補助金ではなく総支出額のおよそ1/3を市の負担金としている。 しかし、総支出額のおよそ1/3を市の負担とする支出金額の算定根拠が明らかではない。  負担金事業から補助事業への切り替えを検討しているということであるが、補助金と した場合、下記の「岐阜市中小企業振興補助金交付要綱」に従って支出されることにな り、補助事業者の「ファッションセミナー実行委員会」は「中小企業振興事業」に当た ると考えられるため、補助対象経費の20%以内で補助金額が決定されることになる。 しかし、負担金とした場合には、金額に上限がなく、場合によっては過大な支出も可能 となる。従って、事業として継続するならば、明確な支出金額の根拠を明らかにする必 要があると思われる。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │「岐阜市中小企業振興補助金交付要綱」(抜粋)                   │ │ (補助対象団体)                                │ │ 第2条 補助の対象となる団体は、次の各号のいずれかに該当するものとする。     │ │(1)市内に主たる事務所を有し、かつ、当該団体の構成員の3分の2以上のものが市内に  │ │事務所又は事業所を有する中小企業であって、次のいずれかに該当するもの       │ │ア 中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)第3条第1項第1号に規   │ │  定する事業協同組合又は同条同項第7号に規定する協同組合             │ │イ 商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)第2条に規定する商店街振興組合及び商  │ │  店街振興組合連合会                              │ │ウ 商工会議所法(昭和28年法律第143号)第2条に規定する商工会議所         │ │エ 商工会法(昭和35年法律第89号)により設立された商工会             │ │オ アからエまでに掲げるもののほか、次にいずれかに該当する団体のうち市長が特に認 │ │めた団体                                     │ │  (ア) 中小企業者20人以上で組織された中小企業団体              │ │  (イ) 地場産業の発展を目的とした中小企業団体                │ │  (ウ) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第124条及び第134条第1項に規定する   │ │      学校で組織された団体                         │ │  (エ) 第1号イに規定する商店街振興組合連合会が共催する事業を実施するために組 │ │      織された団体                             │ │(2)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認 │ │定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号)  │ │第38条の規定による改正前の民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立さ   │ │れた社団法人又は財団法人のうち市長が特に認めた法人                │ │(3)(略)                                    │ │(4)中小企業団体の組織に関する法律第3条第2項第1号に規定する岐阜県中小企業団体  │ │中央会                                      │ │ (補助対象事業等)                               │ │第3条 補助対象事業、補助率及び補助限度額は、別表に定めるとおりとする。      │ │(中略)                                     │ │別表(抄)                                    │ │┌──────────┬────────────────┬───────────┐│ ││   事業名    │      事業内容      │   補助割合    ││ │├──────────┼────────────────┼───────────┤│ ││中小企業団体事業  │団体が実施する人材育成事業等の │補助対象経費の20%以内││ ││          │年間運営事業          │           ││
    │├──────────┼────────────────┼───────────┤│ ││中小企業振興事業  │団体が実施する振興事業、研修会、│補助対象経費の20%以内││ ││          │講演会等の事業         │           ││ │└──────────┴────────────────┴───────────┘│ │                                         │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘ イ.セミナー実施の効果の測定について(指摘)  この事業の目的は、セミナーを実施し、それを受講してもらうことで優秀な人材を輩 出し、それにより岐阜の地場産業であるアパレル産業の振興と活性化を図ろうというも のである。しかし、「事業実績報告書」を閲覧したが、受講者数が記載されているのみ で、どのように役立ったかが明確でなかった。現在「事業評価シート」の効果を測定す る指標が受講者数となっているが、受講者数はあくまでも目的達成の一指標であり、本 来の目的にどれくらい寄与したかという効果の測定の指標としては適切ではない。  本負担金は、開始より26年と相当長い期間が経過しており、負担金を収受すること が既得権益化していることも考えられるため、一度、支出の効果を明確に測定し、毎年、 開催することの必要性を検討するべきである。 (4)産地織物活性化事業補助金の交付事務について 1) 概 要  繊維業界は、厳しい経済情勢と構造変化の中で長期にわたり極めて困難な事態に直面 しており、その経営基盤をも失いかねない状況に立たされているので、経済的事情の著 しい変化に対処するため、新商品の開発を行い需要を開拓し産地の活性化を促進するこ とを目的とし、補助を実施するものである。具体的には、岐阜織物製品の技術力向上・ 新製品の開発や製品のイメージアップとPRを目的とした、国際総合繊維見本市への参 加を支援・補助していくものである。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │産地織物活性化事業                             │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │産業振興課             │開始年度  │平成7年度        │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市中小企業振興補助金交付要綱  │補助の種類 │事業補助        │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │  1) 新商品の開発                            │ │        │  インテリア製品の試作研究 44点                     │ │        │  衣料の試作研究      68点                     │ │        │                                      │ │        │  2) 開発された新商品の選考等                      │ │        │  1. 優秀商品の選考                          │ │        │  実行委員会において、開発した新商品の内、特に優秀な商品16点と、そ    │ │        │  の他の優秀商品についてはハンガー見本で42点をジャパンテックス展示    │ │        │  会出展に出展した。                           │ │        │                                      │ │        │  2. ジャパンテックス展示会出展                    │ │        │  第29回ジャパンテックス2010年は、2010年11月17日から19日までの      │ │        │  3日間、東京ビックサイトにて開催された。世界中のデザイナーやバイヤ    │ │内容      │  ーも多数来場し岐阜のデザインを世界に向けて発信することが出来、今後   │ │        │  ますます当産地の優秀製品の需要が喚起され販売促進が期待されるとと    │ │        │  もに、その素晴らしさと確かな技術力を内外にアピールした。        │ │        │                                      │ │        │  3) 視察研修の実施                           │ │        │  「ジャパンテックス2010」出展にあたり会員を対象に視察研修事業を行    │ │        │  った。                                 │ │        │  「ジャパンクリエーション2011」秋冬展(2010年10月13日~15日開催)    │ │        │  及び「ジャパンテックス2010」(2010年11月17日~19日開催)のいず     │ │        │  れかを各会員が選択して視察研修先とした。                │ │        │  全部で20名が参加。展示会を視察することにより、最先端の業界情報の    │ │        │  収集だけではなく、取引先との交流も行った。               │ │        │                                      │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │                                      │ │        │  平成22年度 産地織物活性化事業支出内訳書 (単位:千円)        │ │        │  ┌──────┬────────┬─────────────────┐ │ │        │  │  費目  │ 補助対象金額 │       備考        │ │ │        │  ├──────┴────────┴─────────────────┤ │ │        │  │新商品開発事業                          │ │ │        │  ├──────┬────────┬─────────────────┤ │ │金額の算定   │  │研究開発事業│     18,734│服地・インテリア商品試作費    │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │展示会費  │       471│JT展示会小間料、装飾等      │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │旅費宿泊費 │       123│新幹線、ホテル代、日当等     │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │事務経費  │       32│切手、印刷代等          │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │計     │     19,361│                 │ │ │        │  ├──────┴────────┴─────────────────┤ │ │        │  │視察研修事業費                          │ │ │        │  ├──────┬────────┬─────────────────┤ │ │        │  │旅費宿泊費 │       408│                 │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │雑費    │       12│                 │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │計     │       420│                 │ │ │        │  ├──────┼────────┼─────────────────┤ │ │        │  │  総計  │     19,782│                 │ │ │        │  └──────┴────────┴─────────────────┘ │ │        │                                      │ │        │  補助対象金額 19,782千円×20%=3,956千円(要綱上の上限額)       │ │        │  補助金額    3,500千円                        │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │事務事業評価の有│ 厳しい経済情勢と構造変化の中で極めて困難な事態に直面している繊維業    │ │無及び結果   │界にとって、岐阜産地織物のPRとなっている本事業は、概ね妥当と考えられ    │ │        │る。                                    │ │        │                                      │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │
    │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │  3,600│  3,600│  3,600│  3,600│    3,500│    3,500│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 毎期、大きな変動はない。                         │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金支出の効果について(指摘)  新商品開発事業について、新商品を開発し、出展したという事実を把握しているのみ であり、それがどのように商売に繋がり、ひいては、岐阜の繊維産業の発展に繋がった かが明らかではない。ジャパンテックス展示会に出展することは、あくまで目標達成の ための手段であり、どの程度、岐阜の繊維産業の発展に繋がったかが明らかでないにも 関わらず、毎年、同程度の金額を支出し続けていることは、問題である。ジャパンテッ クス展示会に出展することにより、どのような効果があったかを検証し、支出金額につ いても毎年、必要性に応じて見直しを行うべきである。特に、ジャパンテックス展示会 に出展すること自体が目的化している可能性があり、ジャパンテックス展示会よりも有 効な方策があるかどうかの検討も必要である。 イ.視察研修事業の支出内訳について(意見)  視察研修事業の支出内訳は、ほとんどが旅費交通費であるが、視察研修を行うことに より直接的に利益を享受するのは、研修者本人である。それに加えて、繊維業界が発展 することによって広く公益上の利益が享受されるが、公益上の利益が得られたかを明確 に判断することは実際には困難であり、多分に研修者本人が利益を享受する割合が高い と考えられる。従って、旅費交通費については、公益性を測定することが困難であり、 公益性が測定できない以上、受講者本人の負担とすることが好ましいと考えられるため、 補助対象経費から除くことが望まれる。 ウ.「岐阜市事業創造支援補助金」との関係について(意見)  産地織物活性化事業補助金とは別に、市には岐阜市事業創造支援補助金という制度が 存在する。岐阜市事業創造支援補助金の概要は、下記のとおり「岐阜市事業創造支援補 助金交付要綱」に定められている。 ┌──────────────────────────────────────────┐ │ (補助金の種類)                                 │ │ 第3条 補助金の種類は、次のとおりとする。                     │ │ (1) 産学官連携事業補助金                           │ │ (2) 新規事業開発補助金                            │ │ (3) 見本市等出展補助金                            │ │                                          │ │ (新規事業開発補助金)                              │ │ 第5条 新規事業開発補助金は、次の各号のいずれかに該当する者に交付する。ただし、  │ │ 前年度の市税を完納していない者を除く。                      │ │ (1) 市内において創業を目指す者                        │ │ (2) インキュベーション施設の入居者又は退去後5年以内の者            │ │ (3) 新たな事業や分野に取り組もうとする中小企業又はグループ等         │ │ 新規事業開発補助金の交付を受けた者は、翌年度まで同補助金の申請をすることができ  │ │ る。ただし、第2号に掲げる者にあっては、1回目の申請時に限り3年度まで連続して申   │ │ 請をすることができる。                              │ │                                          │ │ (見本市等出展補助金)                              │ │ 第6条 見本市等出展補助金は新たな取引先や事業提携先等の開拓を目的に製品、サー   │ │ ビス等を見本市等へ出展する中小企業若しくはグループ等又はインキュベーション施設  │ │ の入居者若しくは退去後5年以内の者に交付する。                   │ │  見本市等出展補助金の交付を受けようとする者は、次の各号のいずれにも該当しなけ  │ │ ればならない。                                  │ │ (1) 前年度の市税を完納していること。                     │ │ (2) 申請しようとする見本市等への出展において、他の補助金等公的な支援を受けて │ │     いないこと。                               │ │ (3) 同一年度内に見本市等出展補助金の交付を受けていないこと。         │ │ (4) 同一年度内にグループ会社が見本市等出展補助金の交付を受けていないこと。  │ │ (5) 2年以上連続して見本市等出展補助金の交付を受けた場合(グループ会社が受け  │ │     た場合を含む。)は、最後に交付を受けた年度から1年度以上経過していること。 │ │                                          │ │  見本市等出展補助金の交付を受けたものは、翌年度に限り、連続して同補助金の申請  │ │ をすることができる。ただし、インキュベーション施設の入居者及び退去後5年以内の者  │ │ は、1回目の申請時に限り3年度まで連続して申請をすることができる。         │ │                                          │ │                                          │ │                                          │ │                                          │ └──────────────────────────────────────────┘  上記に記載のとおり、新規事業開発補助金は、新商品を開発する際の補助金であり、 見本市等出展補助金は、見本市等に出展する際の補助金であるため、産地織物活性化事 業の事業内容とほぼ同じであると言える。しかし、産地織物活性化事業の事業者は、創 業を目指すものでもなければ、新たな事業や分野に取り組もうとするものではないこと から、第5条に記載されている補助対象者とはならないため、「岐阜市事業創造支援補 助金交付要綱」を産地織物活性化事業の事業者に適用することはできない。しかし、産 地織物活性化事業補助金の事業内容は、岐阜市事業創造支援補助金の内容と近似してい るため、産地織物活性化事業補助金の交付要綱「岐阜市中小企業振興補助金交付要綱」 と岐阜市事業創造支援補助金の交付要綱「岐阜市事業創造支援補助金交付要綱」を比べ た場合、「岐阜市事業創造支援補助金交付要綱」には、最長でも3年を目途に補助金が 支出されると記載されているにもかかわらず「岐阜市中小企業振興補助金交付要綱」に はそのような記載はなく、何年にもわたって補助金を支出することが可能である。  本来、新製品の開発は営利目的として企業が独自に行うべきものであり、市が補助す べき性質のものではない。仮に支出するとした場合であっても、「岐阜市事業創造支援 補助金交付要綱」のように年数を限定して支出することが望まれる。 (5)観光タクシー運営補助金について 1) 概 要  岐阜市周辺のタクシー会社(17団体)等で構成される岐阜市周辺観光タクシー運営 協議会では、岐阜を訪れる観光客の利便性向上とともに、岐阜の観光振興を図る目的で、 観光ガイドのできるタクシー乗務員の養成、認定を実施しており、岐阜市周辺観光タク シー運営協議会に運営費の補助を行うものである。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬────────────────────────────────────┐
    │事業名称     │観光タクシー運営補助金                         │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬──────────┤ │担当課      │観光コンベンション課        │開始年度  │平成8年度     │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市観光事業補助金交付要綱    │補助の種類 │事業補助      │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴──────────┤ │         │(交付の対象)                             │ │         │岐阜市の観光事業に寄与する活動を行っている団体等が行う次の1)~5)の事業 │ │         │に対し、補助金を交付する。                       │ │         │1) 観光客誘致に資する事業                        │ │         │2) 地域の活性化に資する事業                       │ │         │3) 市内の観光資源、自然等を広く宣伝できる事業              │ │         │4) 観光資源の保全育成に関する事業                    │ │         │5) その他市長が特に必要と認めた事業                   │ │内容       │                                    │ │         │ 上記に該当するものとして、岐阜市周辺観光タクシー運営協議会が実施する観│ │         │光タクシー実地研修の開催(鵜飼乗船研修及び市内観光、岐阜城パノラマ夜景見│ │         │学研修、岐阜市観光地実地研修、観光講習会)、観光タクシーのお問い合わせナ│ │         │ンバーへダイヤルしてもらえるようにした電話転送システム(ボイスワープ)の│ │         │運用、「岐阜市を巡る」及び「ぎふガイドタクシー」リーフレット作成、「ぎふ│ │         │のみどころ観光ガイドブック」作成、観光ガイド乗務員の認定についてかかった│ │         │費用の補助を行った。                          │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 要綱に予算の範囲内で、交付対象事業の実施に要する経費の2分の1を限度と│ │         │して支給するとされており、決算額1,883千円のうち、600千円を補助した。  │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                  │ │事務事業評価の有 │ 観光関連業界での人材育成、ホスピタリティの醸成は必須条件であり、タクシ│ │無及び結果    │ー業界についてもその育成は必要であると考えるため、今後も継続すべきであ │ │         │る。                                  │ │         │                                    │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬───────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度   │ │         │    │    │    │    │    ├─────┬─────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │ 実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼─────┼─────┤ │         │  1,000│   600│   600│   600│   600│    600│    600│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴─────┴─────┤ │コメント     │ 毎期、大きな変動はない。                       │ └─────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金支出の効果について(意見)  当該補助金は、観光タクシー乗務員に対して観光に関する実地研修等を実施すること で、岐阜を訪れた観光客に対して、観光タクシー乗務員から岐阜の魅力を宣伝してもら うことにより、観光タクシーを利用した際の岐阜のイメージアップを図ることを意図し ている。具体的には、「おすすめ観光ルート」を設定することや、観光に関する知識を 有し、質の高いホスピタリティを提供できる乗務員を観光ガイド乗務員として認定を与 え、岐阜の魅力をアピールしてもらうことを目的としている。しかし、市では、明確な 数値に基づく補助金支出の効果について、目的が達成されているかの検証が行われてい ない。  当該補助金支出の効果は、現在把握されている「おすすめ観光ルート」の利用状況、 観光ガイド乗務員の認定数等の具体的数値だけでなく、観光タクシー利用者へのアンケ ートなどを実施し、その結果に基づいて補助金支出の効果を測定することが望まれる。 (6)岐阜観光コンベンション協会運営負担金の交付事務について 1) 概 要  財団法人岐阜観光コンベンション協会は、岐阜市が運輸省(現国土交通省)の「国際 コンベンションシティ」の第一次指定を受けたことにより、平成元年5月、岐阜県、岐 阜市、岐阜商工会議所、一般企業からの出資により運輸省(現国土交通省)認可の財団 法人岐阜コンベンション・ビューローとして設立されたものである。平成14年4月に 岐阜市観光協会(昭和25年に設立)との統合を機に名称を変更し現在に至っている。  当該事業は、財団法人岐阜観光コンベンション協会の運営費を負担するものであり、 概要は次のとおりである。 ┌─────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜観光コンベンション協会運営負担金                  │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬──────────┤ │担当課      │観光コンベンション課        │開始年度  │平成14年度     │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等 │なし                │補助の種類 │負担金       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴──────────┤ │         │財団法人岐阜観光コンベンション協会の活動内容は下記のとおりである。   │ │         │(1)コンベンション振興のための広報、宣伝、誘致及び受入        │ │         │(2)コンベンションの開催に係る支援                  │ │内容       │(3)観光及びコンベンションに係る環境基盤の整備            │ │         │(4)観光振興のための広報、宣伝、誘致及び受入             │ │         │(5)岐阜市の運営する観覧船事業の支援                 │ │         │(6)その他本協会の目的を達成するために必要な事業           │ │         │                                    │ │         │ 財団法人岐阜観光コンベンション協会は、上記の活動を通じて、岐阜市及  │ │         │び周辺の産業、技術及び文化、歴史などの資源を活用し、コンベンションの  │ │         │誘致、開催支援、国際会議観光都市岐阜の広報、宣伝等の事業を行うことに  │ │         │より、岐阜市におけるコンベンション並びに観光の振興を図り、もって国際  │ │         │相互理解の増進並びに地域経済の活性化及び文化の向上に資することを目的  │ │         │としており、その運営費を負担するものである。              │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │         │事業計画に基づく積算による。                      │ │         │                                    │ │         │(参考)岐阜観光コンベンション協会(一般会計)の収入内訳        │ │         │   ┌─────────────────┬────────┐     │ │         │   │     負担金の内訳      │   金額   │     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │岐阜市 コンベンション推進負担金 │     18,000│     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │岐阜市 観光振興負担金      │     31,500│     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │金額の算定    │   │商工会議所負担金         │      2,700│     │
    │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │その他負担金           │       750│     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │        計        │     52,950│     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │会費収入等            │     28,154│     │ │         │   ├─────────────────┼────────┤     │ │         │   │       総合計       │     81,104│     │ │         │   └─────────────────┴────────┘     │ │         │                                    │ │         │収入に占める岐阜市の負担割合 61%                   │ │         │                                    │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有                                  │ │無及び結果    │ 定番化した観光振興・宣伝業務については、全ての業務が協会でできるよ  │ │         │う、協議を進めていく。                         │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬───────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度   │ │         │    │    │    │    │    ├─────┬─────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │ 実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼─────┼─────┤ │         │ 36,566│ 52,631│ 55,850│ 56,068│ 54,011│  49,500│  49,500│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴─────┴─────┤ │コメント     │ 毎期、大きな変動はない。                       │ └─────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.支出金額の算定根拠について(指摘)  岐阜観光コンベンション協会に対して、コンベンション推進負担金18,000千円及び 観光振興負担金31,500千円の計49,500千円が負担金として支出されている。この負担 金は、岐阜観光コンベンション協会の作成した事業計画書・収支予算書の様々な事業の 積み上げで算定された金額に基づいている。岐阜観光コンベンション協会(一般会計) の収入に占める市の負担割合は61%であること及び岐阜観光コンベンション協会に派 遣されている市職員3名の超過勤務手当、通勤手当、管理職手当などを除く人件費につ いても、一般会計とは別に市から直接支給されており、実質的な市の負担割合は、かな り高いと言える。にもかかわらず、市の負担割合について明確に定められていない。こ の負担金については、様々な事業の積み上げで算定された金額であるため、本来は、各 事業内容を精査したうえで、負担金額を決定すべきである。 イ.事業評価の実施方法について(意見)  岐阜観光コンベンション協会は、専務理事を含む市職員OBが2名(過去から専務理 事には、市職員OBもしくは市職員が就任)、市職員が3名、その他一般企業からの派遣 社員が4名、プロパー職員が2名の計11名の職員により組織されている。 ┌────────────────────────────────────────┐ │ ○公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律           │ │ (派遣職員の給与)                               │ │                                        │ │ 第六条 派遣職員には、その職員派遣の期間中、給与を支給しない。        │ │ 2 派遣職員が派遣先団体において従事する業務が地方公共団体の委託を受けて行う業│ │務、地方公共団体と共同して行う業務若しくは地方公共団体の事務若しくは事業を補完し│ │若しくは支援すると認められる業務であってその実施により地方公共団体の事務若しくは│ │事業の効率的若しくは効果的な実施が図られると認められるものである場合又はこれらの│ │業務が派遣先団体の主たる業務である場合には、地方公共団体は、前項の規定にかかわら│ │ず、派遣職員に対して、その職員派遣の期間中、条例で定めるところにより、給与を支給│ │することができる。                               │ │                                        │ │                                        │ └────────────────────────────────────────┘  11名の職員のうち、市からの派遣職員3名の給与については、上記に記載のとおり、 「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」の定めにより、市が直接 給与を支給しており、市が支出した負担金49,500千円には含まれていない。市が直接 に派遣職員へ給与を支払っていること自体は、条例の定めによるもので特に問題ではな いといえるが、事業評価の実施方法については、次に示す点で改善の余地があると思わ れる。  現在、市が支出した負担金49,500千円を対象として、事業評価が行われるルールに なっている。従って、派遣職員3名の給与については、一般会計とは別に市から直接支 給されているが、これについては、事業評価の対象から除かれている。しかし、市の実 質的な負担は、派遣職員3名の給与も含めたものであり、事業評価も派遣職員3名の給 与を含めた金額で実施することが望まれる。 ウ.岐阜市観光宣伝推進実行委員会との関係について(意見)  市への観光客誘致宣伝活動を実施するため、岐阜観光コンベンション協会に上記の負 担金を支出する一方で別途、財団法人岐阜観光コンベンション協会内に設置されている 岐阜市観光宣伝推進実行委員会に対しても、負担金8,500千円を支出している。岐阜市 観光宣伝推進実行委員会のメンバーには、財団法人岐阜観光コンベンション協会専務理 事が入っており、さらに、活動内容を見ても、財団法人岐阜観光コンベンション協会で は、観光振興のための広報、宣伝、誘致及び受入を実施しており、岐阜市観光宣伝推進 実行委員会と財団法人岐阜観光コンベンション協会の活動内容が一部重複している。こ のように、あえて別の組織を立ち上げて、予算を付けて同じ活動を実施するよりは、財 団法人岐阜観光コンベンション協会内ですべて実施できる体制を整えて、観光振興のた めの広報、宣伝、誘致を実施するほうが、より無駄がなく、効果も高いものになると思 われる。 (7)岐阜フラッグアート展の補助金の交付事務について 1) 概 要  商店街のにぎわいのためには、人が集うことが必要であり、モノを売るだけでなく商 店街から芸術・文化をフラッグアートとそのメッセージを通じて広く呼びかけアピール する本事業は、商業活性化・中心市街地活性化に必要である。来街者にフラッグアート を通してメッセージを伝えることで商店街の活性化を図るとともに芸術の若手人材の 発掘と育成を図ることは、市の商店街の発展及び振興に寄与するものであり、岐阜市中 小企業振興補助金交付要綱に基づき補助金を交付するものである。概要は次のとおりで ある。 ┌─────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜フラッグアート展                          │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬──────────┤ │担当課      │産業振興課             │開始年度  │平成9年度      │
    ├─────────┼──────────────────┼──────┼──────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市中小企業振興補助金交付要綱  │補助の種類 │事業補助      │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴──────────┤ │         │(補助対象事業)                            │ │         │ 中心市街地の活性化に関する法律(平成10年法律第92号)第9条第6項の規  │ │         │定により、内閣総理大臣の認定を受けた基本計画に定める中心市街地内におい │ │         │て、商店街振興組合連合会がにぎわい創出を図るために実施する事業     │ │内容       │                                    │ │         │ 具体的には、こども展、メッセージ展、公募展の3回に分けて実施し、それぞ│ │         │れ作品をアーケードに展示する事業、及びコンテストを行い優秀作品を表彰する│ │         │事業に対して補助を行う。                        │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 岐阜市商店街振興組合連合会に対して補助対象経費の3分の1以内      │ ├─────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有                                  │ │無及び結果    │ 商店街から芸術・文化を発信する事業で、商店街の活性化、さらには中心市街│ │         │地の活性化につながる事業であると評価する。               │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬───────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度   │ │         │    │    │    │    │    ├─────┬─────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │ 実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼─────┼─────┤ │         │ 不明 │  2,950│  2,800│  2,816│  2,593│   3,000│   2,247│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴─────┴─────┤ │コメント     │ 毎期、大きな変動はない。                       │ └─────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金支出の必要性の検討について(指摘)  当該事業については、来街者にフラッグアートを通してメッセージを伝えることで商 店街の活性化を図ることを目的としており、その目的が達成されたかどうかを確認する ことは、非常に困難である。市では「事業評価シート」により支出の効果を評価してい るが、その評価は自己評価であり、また具体的な基準に従って評価されているものでは ないため、明確ではなく、目的が達成されたかの判断は判らないまま、毎期、ほぼ一定 額を補助金として支出している。しかし、支出を行う以上、なんらかの明確な指標を用 いて、支出の効果を測定し、毎期、支出の必要性を見直す必要があると思われる。その ためには、来街者数及び出展者数の推移の確認、来街者に対してフラッグアート展の感 想をアンケートする等により指標を入手し、それをもとに支出の有効性、必要性を確認 した上で、毎期、金額を決定する必要がある。 イ.岐阜県の補助金交付要綱との相違について(指摘)  当該事業については、市だけではなく、岐阜県からも「岐阜県中心市街地活性化総合 支援事業費補助金交付要綱」に基づいて、補助金2,000千円が支出されている。岐阜県 の要綱に記載されている補助対象経費は、次のとおり定められている。 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ (補助対象経費)                                │ │ 会場借料、会場整備費、通信運搬費、消耗品費、機器借上料、広告宣伝費、委託費、報 │ │償費、旅費、会議費、雑務役費                           │ │ 原則1年分。ただし、次のすべての条件を満たし、支援の継続が必要と認められるイベ  │ │ント等については、継続的に支援。                         │ │ 1)にぎわい創出効果が明確であること                       │ │ 2)コスト削減の努力が認められること                       │ │ 3)自主財源確保の努力が認められること                      │ │                                         │ │ 市においては、「岐阜市中小企業振興補助金交付要綱取扱要領」に下記のとおり定められ│ │ている。                                     │ │ (補助対象経費)                                │ │ 人件費(謝金及び賃金)、旅費、消耗品費、印刷製本費、広告・宣伝費、借上料(会場借│ │上料、設備費等)、通信運搬費、会議に係る食糧費、これらのもののほか、市長が必要と認│ │める経費                                     │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘  上記のとおり、岐阜県と、市の補助対象経費の具体的な内訳については、大きな違い はない。しかし、岐阜県の要綱については、3つの但し書きがあるにも関わらず、市の 要綱については、但し書きに対するものがない。特に、2)コスト削減の努力が認められ ること、3)自主財源確保の努力が認められることの2点については、このような視点が ないため、検証すらされていない。本来は、岐阜県のような但し書きを、市の要綱にも 加え、毎期、要綱に合致した支出であるかどうかの検証を行う必要がある。 (8)岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金は、岐阜県と岐阜市が共同して計画し た制度であり、その主な目的としては「情報通信関連サービス業の立地を促進し、雇用 機会の増大及び市民所得の向上を図るため、市内に事業所を設置する者に対し、奨励金 を交付する」ことである。  当該制度は、平成16年度から施行された制度であり、具体的には、コールセンター 及びこれに類似すると市長が認める業態の情報通信関連サービス業のうち、一定の条件 を満たす企業で、かつ、平成19年3月31日までに操業を開始したものに奨励金が交付 される。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金                 │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │企業誘致課             │開始年度  │平成16年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市情報通信関連サービス業誘致促 │補助の種類 │補助金         │ │         │進奨励金交付要綱          │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 情報通信関連サービス業の立地を促進し、雇用機会の増大及び市民所得の向上  │ │         │を図るため、市内に事業所を設置する者に対し奨励金を交付するため、平成16   │ │         │年度から施行された制度である。コールセンター及びこれに類似すると市長が認  │ │         │める業態の情報通信関連サービス業のうち、以下の条件を満たす企業で、かつ、  │ │         │平成19年3月31日までに操業を開始したものに奨励金が交付される。        │ │内容       │┌─────────────┬───────────────────┐   │ │         ││     区分      │     交付対象とする条件     │   │ │         │├─────────────┼───────────────────┤   │ │         ││1.事業所を取得する場合 │・投下固定資産額 5,000万円以上    │   │
    │         ││             │・常用雇用者 20名以上        │   │ │         │├─────────────┼───────────────────┤   │ │         ││2.事業所を賃借する場合 │・常用雇用者 20名以上        │   │ ├─────────┼┴─────────────┴───────────────────┴───┤ │         │┌────────┬──────────────────┬─────┐   │ │         ││   区分   │       交付金額       │交付限度額│   │ │         │├────────┼──────────────────┼─────┤   │ │         ││1.事業所を取得│(雇用)              │5億円   │   │ │         ││する場合    │常用雇用者の連続12ヶ月の雇用1件につ │     │   │ │         ││        │き12万円(連続36カ月まで)     │     │   │ │         ││        │(設備投資)            │     │   │ │         ││        │投下固定資産の取得等に要する経費の │     │   │ │         ││        │10分の1以内の額          │     │   │ │         ││        │(通信関連)            │     │   │ │         ││        │通信関連費用の4分の1以内の額    │     │   │ │         │├────────┼──────────────────┼─────┤   │ │金額の算定    ││2.事業所を賃借│(雇用)              │3億円   │   │ │         ││する場合    │常用雇用者の連続12ヶ月の雇用1件につ │     │   │ │         ││        │き12万円(連続36カ月まで)     │     │   │ │         ││        │(設備投資)            │     │   │ │         ││        │初期設備投資に要する経費の4分の1以 │     │   │ │         ││        │内の額               │     │   │ │         ││        │(事業所賃貸)           │     │   │ │         ││        │事業所賃借料の4分の1以内の額    │     │   │ │         ││        │(通信関連)            │     │   │ │         ││        │通信関連費用の4分の1以内の額    │     │   │ │         │└────────┴──────────────────┴─────┘   │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 無                                    │ │無及び結果    │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 109,829│ 101,846│ 301,126│ 192,499│ 133,967│   32,617│   32,617│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │         │ 補助金の交付申請が承認されると、5年間にわたり経費等を申請し、限度額に   │ │コメント     │達するまで補助金の交付が行われる。平成22年度を含め、事業評価が行われて   │ │         │いない状況にある。                             │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事業評価の実施の必要性について(意見)  岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金制度の趣旨は、情報通信関連サービス 業の立地を促進し、雇用機会の増大及び市民所得の向上を図るため、市内に事業所を設 置する者に対し、奨励金として補助を行うものである。  岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金制度の導入により、制度開始から終了 までにおける誘致状況は、以下のとおりである。   (誘致状況) ┌──────────┬───────────────────────────┐ │   開設日    │            会社             │ ├──────────┼───────────────────────────┤ │平成17年5月23日   │東京海上日動 あんしん生命保険(株)          │ ├──────────┼───────────────────────────┤ │平成17年10月13日  │東京海上日動 火災保険(株)              │ ├──────────┼───────────────────────────┤ │平成19年3月26日   │東海東京証券(株)                   │ └──────────┴───────────────────────────┘  上記のコールセンターの誘致に伴い、新規雇用の創出としては、以下のとおりである。   (コールセンターの雇用者数の推移(人)) ┌────┬────┬────┬────┬────┬────┐ │    │平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│平成22年│ ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │市内  │   111│   162│   149│   153│   149│ ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │市外  │   89│   145│   129│   134│   148│ ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤ │合計  │   200│   307│   278│   287│   297│ └────┴────┴────┴────┴────┴────┘  ※上記コールセンターの雇用者の推移は、企業誘致課が取りまとめた資料に基づ   いており、雇用者数を3社合計して記載している。  岐阜市情報通信関連サービス業誘致促進奨励金については、平成16年度の制度施行 から事業評価が行われていない状況にある。事業評価は、行政活動の目的を明確にしな がら、成果を数値など客観的な指標を使って評価し、市民の視点に立って評価するとと もに、その結果を総合計画の進行管理、行財政改革などに活用することで、効率的で質 の高い行財政運営を実現するための手法の1つである。事業評価によって、自動的に事 務事業の廃止、存続及び施策の方向性が決まるわけではないが、事務事業あるいは施策 を客観的に分析するためのツールであり、結果を次の事業策定、施策の方向性に反映さ せて、行政の質を向上させることに役立てるために必要な制度である。  岐阜市では、事業評価の目的として、1)行財政改革の推進、2)職員の意識改革、3)説 明責任の確保をあげているが、当該補助金のように企業誘致に対する奨励金の場合には、 3)説明責任の確保が重要と考えられる。  「説明責任の確保(公正・透明性の確保)」とは、事務事業の内容、目的・目標とそ の進捗状況や結果を分かりやすく公表し、その成果について市民に対し説明責任を果た すとともに、市政への市民参画や市民と行政の連携・協議を推進するものである。  事業評価が行われていない点について、担当者にヒアリングを行った結果、平成23 年度に誘致した3社分をまとめて評価する予定との回答を得ている。確かに、制度開始 時点では、誘致の状況及び雇用の新規創出状況について評価できないことから、事業評 価を行うことは困難と考えられる。しかし、「情報通信関連サービス業の立地を促進し、 雇用機会の増大及び市民所得の向上を図る」という当該補助金の趣旨から考えれば、会 社への啓蒙活動及び広く一般企業へ周知させるための公布活動を含め、一定の事務事業 は行われており、事務負担は発生していると考えられる。そのため、それに対する事業 評価は、毎期行うことが望まれる。  制度導入から一定年数が経過すれば、誘致の状況、新規雇用の創出状況等の実績が把
    握でき、事務事業の評価を行うことは十分に可能と考えられる。何より、事業に対して、 定期的な評価及び見直しを行わなければ、事務事業が本当に必要か否かを判断すること は困難になると考えられる。そのため、途中経過を含め市民に対して、事務事業の報告 をする責任はあると考えられる。事業評価における有効性、達成度、妥当性を客観的な 数値に基づいて分析し、報告することは困難であるが、誘致の状況、新規雇用の創出状 況、実際の補助金額については、数値に基づく報告が可能であることから、事業評価を 実施し、市民に公表することが望まれる。 (9)社団法人岐阜市シルバー人材センター運営補助金の交付事務について 1) 概 要  社団法人岐阜市シルバー人材センター運営補助金は、社団法人岐阜市シルバー人材セ ンター(以下「センター」)の円滑な運営を促進し、高齢者の職業生活の充実その他福 祉の増進に資することを目的として交付する補助金である。概要は以下のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │社団法人岐阜市シルバー人材センター運営補助金                │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │経営雇用対策課           │開始年度  │昭和56年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │社団法人岐阜市シルバー人材センター │補助の種類 │運営費補助       │ │         │運営補助要綱            │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 岐阜市では、センターの円滑な運営を目的として補助金を拠出している。同様  │ │         │に、センターには国からも補助金が出ているが、岐阜市の補助金の金額の算定は  │ │         │国の補助金額の算定基礎を準用して行われている。また、補助金の使途は要綱に  │ │         │よって大きく分けて以下の5つに限定されている。                │ │内容       │(1)人件費                                  │ │         │(2)職員活動費                                │ │         │(3)会員の技能訓練に係る経費                         │ │         │(4)備品購入等に係る経費                           │ │         │(5)役員等の費用弁償に係る経費                        │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 要綱に規定する補助対象経費から会費その他の収入金額を控除した額の範囲   │ │         │内で市長が定めた金額とする。                        │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │事務事業評価の有 │今後の方向性:現状維持                           │ │無及び結果    │ シルバー人材センターは高齢者の就労の場としてますます重要な役割を果た   │ │         │すようになった。緊急雇用創出事業等による臨時的な市からの発注も見込まれ、  │ │         │高齢者の雇用の確保につながることが期待される。               │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │ 14,630│ 14,500│ 14,000│ 15,619│   15,447│   15,447│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 毎期、安定して15,000千円前後が安定して支給されている。          │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金額の算定方法の問題点について(意見)  センターには、岐阜市の他に国からも補助金が拠出されている。国からの各自治体が 運営するシルバー人材センターに対する補助金の限度額は、シルバー人材センター事業 執行方針に定められた、シルバー人材センターの会員数及び一か月あたりの就業延人日 数(会員1人が1日活動した場合を1日と考える)の直近3年度の平均値を基準にして 算定される。つまり、規模が大きい組織に対しては、多額の補助金が拠出されるという 仕組みである。 【運営費各付け】 ┌────────────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │      就業延べ人日│     │     │     │     │     │ │      数※2   │   9,940│   7,893│   3,801│    500│    417│ │会員数         │     │     │     │     │     │ │※1          │ 人日以上│ 人日以上│ 人日以上│ 人日以上│ 人日以上│ ├────────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │   1,227人以上    │  A   │  A   │  B   │  C   │  D   │ ├────────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    975人以上    │  A   │  B   │  B   │  C   │  D   │ ├────────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    469人以上    │  B   │  B   │  C   │  C   │  D   │ ├────────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    150人以上    │  C   │  C   │  C   │  C   │  D   │ ├────────────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │    100人以上    │  D   │  D   │  D   │  D   │  D   │ └────────────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 【運営費補助単価限度額(千円)】 ┌─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐ │  A   │  B   │  C   │  D   │ 新規  │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤ │  10,700│   9,400│   8,800│   6,700│   6,700│ └─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘ 【会員数と延べ人日数の計算方法の例】 ┌────┬──────┬──────┬───────┬───┬───────────┐ │会員数 │ 18年度末 │   200人1)│就業延べ人日数│18年度│72000人日÷12カ月4) │ │    ├──────┼──────┤       ├───┼───────────┤ │※1  │ 19年度末 │   210人2)│※2     │19年度│75000人日÷12カ月5) │ │    ├──────┼──────┤       ├───┼───────────┤ │    │ 20年度末 │   230人3)│       │20年度│80000人日÷12カ月6) │ └────┴──────┴──────┴───────┴───┴───────────┘       (1)+2)+3))÷3年=213         (4)+5)+6))÷3年=6,306       人                     人日  国からの補助金は上表を基礎として算出され、この金額に事業内容に応じて加算が若 干ある。 (平成22年度シルバー人材センター事業執行方針より)
     なお、国の補助金には、もう1つの制限があり、国が補助するシルバー人材センター を運営する地方公共団体の補助金の額を限度とするというものである。したがって、岐 阜市が補助金を拠出しなければ、国からの補助金も同様に拠出されないこととなる。  このような、国の補助金との関係があるため、常に岐阜市からセンターへの補助金は、 国からの補助金を最大限に引き出すように定められおり、センターからの収支計算書等 を考慮し、本当に運営に必要な金額を算定し支給しているわけではない。現状の方法で 補助金額を算定すると、補助金の支出が機械的になり、補助金が既得権益化されて、セ ンターの自立を妨げる結果となるため、原則どおり、運営費補助金は交付団体の運営に 必要な補助金額を算定し交付することが望まれる。 イ.補助金の使途の調査結果の文書化について(意見)  毎年度、市では補助金が要綱で定める使途に従い使用されているかを、実際に担当者 がセンターへ出向き、質問や帳簿の確認を行い調査している。しかし、調査の内容が記 載された記録が文書化されていない点で問題があるといえる。適正に補助金が使用され ているか否かの調査が行われているのであれば、調査の内容や結果をきちんと文書化し て保存するべきある。これらの資料は、翌年度以降に同様の調査を行った際の参考資料 ともなりうるので、このような観点からも調査結果の文書化が強く望まれる。 ウ.財政運営積立金について(意見)  センターの貸借対照表によると、財政運営積立金なる積立金が128,000千円存在して いる。センターの事業内容は、シルバー人材センター事業、介護保険事業があり、事業 ごとに会計が分離されているが、財政運営積立金のうち、シルバー人材センター事業に 関わるものが、40,000千円存在しており、これは岐阜市からの補助金の2倍以上の金 額となっている。多額の積立金が存在しているが、当補助金は、運営補助金であること を鑑みて、本当に運営を継続していく上で、当補助金が必要なのかを再度検討し、場合 によっては、補助金額削減等の措置を講ずることが望まれる。 エ.補助金の期限について(意見)  運営補助金という性質から、あくまでセンターは最終的に自立して運営していくこと を目指すべきである。補助金についても具体的な期限までは明示がないとしても、セン ターが補助金に頼らず独立して運営が可能となった場合には、補助金の必要性はなくな るため、このような場合には補助金を終了する旨の条項を要綱に盛り込むことが望まれ る。 オ.事務事業評価について(意見)  事務事業評価については実施されているものの、支出に関する具体的な効果の検証が 不十分であるといえる。補助金を用いて行った活動に対して、どのような効果があり、 補助金を支出することが有効であったかの記載や、平成23年度以降の補助金の見直し に対する考え方の記載がなされていないため、このような観点からより一層事務事業評 価を充実させることが望まれる。 (10)岐阜商工会議所経営改善普及事業補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜商工会議所では、市内中小企業者に対し、経営改善に関する相談や指導及び経営、 経理、税務などに関する講習会等を開催し、経営基盤の強化を図っている。当該補助金 は岐阜商工会議所の活動のうち、市内中小企業の経営改善に関わる事業運営が円滑に行 われるために支出される補助金である。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜商工会議所経営改善普及事業補助金                    │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │経営雇用対策課           │開始年度  │昭和62年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市中小企業振興補助金交付要綱  │補助の種類 │事業費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 岐阜商工会議所では、従来から岐阜市内の中小企業者の経営改善普及事業を行  │ │         │っており中小企業支援に対してのノウハウがある。岐阜商工会議所に対して補助  │ │内容       │金を支給し、中小企業の経営支援を行うという岐阜市の政策を商工会議所が代わ  │ │         │りに実施するというものであり、補助対象経費は経営改善普及事業費及び当該事  │ │         │業に関する管理費である。                          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 事業費から手数料収入及び国・県補助金を除いた額の50%以内(14,000千円   │ │         │を限度とする)                               │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │事務事業評価の有 │今後の方向性:民間主体                           │ │無及び結果    │ 市内中小企業者の経営基盤の強化を行い、市内経済の活性化を図るためには必  │ │         │要な事業であり、岐阜市と岐阜商工会議所の連携をより密にし、事業を実施して  │ │         │いく必要があるが、民間主体で行われるべき事業である。            │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  2,000│ 11,118│ 10,002│ 14,000│ 14,000│   14,000│   14,000│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 20年度以降は14,000千円の支給限度額での支給が続いている。         │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.予算について(指摘)  岐阜市中小企業振興補助金交付要綱取扱要領には、当該補助金の額は補助対象事業に かかる費用から、国・県からの補助金を除いた額の50%か14,000千円のいずれか少な い方となっており、ここ3年間は、満額の14,000千円が継続している。この14,000千 円の数字の根拠が設定されたのは少なくとも5年以上前であり、その見直しも行われて いない。経済情勢の変化、商工会議所の財政状態に応じて補助金の上限の見直しを定期 的に行い、実態に即した補助金運営に努めるべきである。 イ.補助対象事業の検証について(指摘)  当該補助金は事業費補助であり、岐阜市の中小企業者の経営改善普及事業に対するも のである。補助金を出すからには、当該補助金の使途が正しいかどうかを確認するべき であるが、実際に補助金を用いて開催されるセミナー等のイベントの内容や、その効果 に関しての検討が不十分であるといえる。現状では、商工会議所においてイベント後に アンケートを実施しているが、その結果について市では把握していないとのことである。  特定の事業費を補助する目的で補助金を拠出している以上、その補助金によって行わ れている事業の内容、その効果を検証し、補助金の有効性を確かめるべきである。 ウ.実績報告の審査について(意見)  当該補助金額の算定には、対象事業にかかった経費から、国・県の補助金を控除した
    額をベースに計算されている。当該経費の内容についての検証は、市の担当者が決算時 に台帳を2~3時間程度みて、内容について商工会議所の担当者に質問するのみで終了 している。経済性の観点からは、毎年度実施しないとしても、数年に一度は補助金額の 算定の基礎となる資料の内容を検証し、補助金使途の透明性を高めることにより、審査 を実効性のあるものとし、また補助事業者に対する牽制ともなりうるため実施が望まれ る。 エ.事務事業評価について(意見)  当該補助金においても、事業評価が実施されている。しかし、その評価は形骸化して おり、評価方法に問題があるといえる。平成22年度の事業評価においては費用対効果 及び妥当性の項目が「事業規模からして妥当である」との記載になっており、実質は検 討がされていない。当該補助金は、中小企業者の経営改善普及事業のためのものである ため、セミナー参加者に市独自でアンケートを実施する、もしくは商工会議所が行って いるアンケート結果を市でも吸い上げて、中小企業者の経営改善にセミナー等がどの程 度役立っているかを調査し、事務事業評価に盛り込むことによって、補助金の有効性、 効率性等の判断材料として広く市民に開示することが望まれる。 (11)柳津町商工会事業補助金の交付事務について 1) 概 要  柳津町商工会事業補助金は、柳津地域の中小企業に対する経営改善に関する相談や指 導及び各種講習会の開催などの、柳津町商工会が行う経営改善普及事業や地域総合振興 事業を補助し、地域の中小企業の経営基盤を強化することを目的として支出されている。 概要は以下のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │柳津町商工会事業補助金                           │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │経営雇用対策課           │開始年度  │平成18年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市中小企業振興補助金交付要綱  │補助の種類 │事業費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 岐阜市には、柳津地区を除く岐阜市全域の事業者を対象とする、岐阜商工会議  │ │         │所と、合併前の柳津町から存続している、旧柳津町の事業者を対象とする柳津町  │ │内容       │商工会があり、岐阜市は両者に補助金を支出している。岐阜商工会議所と柳津町  │ │         │商工会では、同じ岐阜市にありながら、会員1人当たりの補助金の金額に約1.8   │ │         │倍の差があり、柳津町商工会に対して、手厚く補助金が支給されている。     │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 市長がその都度決定する。                         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │事務事業評価の有 │今後の方向性:民間主体                           │ │無及び結果    │ 柳津地域内の中小企業者の経営基盤の強化を行い、地域経済の活性化を図るた  │ │         │めには必要な事業であり、岐阜市と柳津町商工会の連携をより密にし、事業を実  │ │         │施していく必要がある。                           │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 11,000│ 11,000│ 11,000│ 11,000│ 11,000│   10,000│   10,000│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 予算は11,000千円で推移しており、平成22年度で1,000千円減少しているが、   │ │         │おおむねで同一金額であり、実績も予算満額が支出されている。         │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金額について(指摘)  まず、商工会議所と商工会の関係であるが、両者は根拠となる法律が異なり、活動領 域も商工会議所の方が、商工会に比べて広いという違いがある。しかし、両者とも中小 企業の経営改善普及事業を役割に持つという面では共通しており、本補助金も、旧柳津 町の中小企業の経営改善普及という施策を達成するための補助金である。一方で同様の 目的を達成することを意図して、岐阜商工会議所にも、岐阜市から補助金が支給されて おり、岐阜市内の商工会議所及び商工会に加入する事業者は、岐阜市からの補助金の恩 恵を受けることができる仕組みになっている。しかし、商工会議所、商工会いずれに加 入するかによって、1事業者あたりに得られる補助金の金額に差が生じており、公平性 の観点から問題があるといえる。具体的な数字を以下の表に示した。 ┌────────┬────────┬────────┬────────┬─────┐ │        │平成22年度補助 │ 会員数(人) │1会員あたりの補│倍率(倍)│ │        │金支給額(千円)│        │助金金額(円) │     │ ├────────┼────────┼────────┼────────┼─────┤ │岐阜商工会議所 │     14,000│      3,817│      3,668│     1│ ├────────┼────────┼────────┼────────┼─────┤ │柳津町商工会  │        │        │        │     │ │(経営改善普及事│      5,000│       738│      6,775│    1.8│ │業のみ)    │        │        │        │     │ └────────┴────────┴────────┴────────┴─────┘   ※商工観光部への聞き取りによる数値をもとに作成  なお、柳津町商工会に対する補助対象事業は、経営改善普及事業と地域総合振興事業 の2種類があり、岐阜商工会議所と活動領域が共通な部分は、経営改善普及事業である ため、柳津町商工会に対する補助金10,000千円を担当者へのヒアリングをもとに各事 業に按分した結果、各事業とも平成22年度は、概算で5,000千円ずつ補助金が用いら れた。  柳津町商工会は、岐阜商工会議所と比べて、会員数がおよそ5分の1であるにもかか わらず、補助金は、柳津町時代の金額を踏襲して10,000千円となっており、そのうち 経営改善普及事業は約5,000千円を占め、会員1人あたりでは約6,775円となる。他方、 岐阜商工会議所の会員1人あたりでは、約3,668円となっており、柳津町商工会の会員 は、岐阜商工会議所の会員の約1.8倍の補助金を享受していることになる。これは公平 性の観点から、問題があるといえる。  この不均衡は、柳津町と岐阜市が合併し、同じ自治体になったにもかかわらず、補助 金の見直しがなされていないことが理由に挙げられる。合併後10年で、旧岐阜市と旧 柳津町は行政が1本化されるとの当初の指針によれば、10年後には柳津町商工会と岐 阜商工会議所は目的が重複するため、1つに統一される方向に進むと考えられる。期限 の合併から10年までには、まだ時間はあるものの、それはあくまで組織の再編が進む 期限であって、補助金の公平性が保たれるまでに10年の期間を要するという事ではな い。したがって、柳津町商工会の会員1人あたりの補助金も、岐阜商工会議所の会員並 みの水準まで減額されるべきである。 イ.予算に関する問題点について(指摘)  ア.においても述べたが、柳津町商工会に対する補助金額の決定方法に問題があると
    考えられる。平成22年度予算では、財政難を理由に1,000千円予算は減っているもの の、過去の11,000千円という補助金額を踏襲して支出しており、金額の妥当性に関し ての検討が不十分であるといえる。担当者へのヒアリングによると、前例にならって商 工会の事業費から県の補助金及び手数料収入額を除いた金額の1/2を目安として予算 を10,000千円にしているとのことであるが、このような算定の考え方は、目安を設定 した時の状況に基づくものであり、直近の事業の実態を考慮して算定されているもので はない。また、このように補助金額に対する検討が不十分なまま、前例に倣い予算が算 定されていた場合には、商工会としても、コスト意識をもって組織の運営が行われなく なる。したがって、補助対象事業に本当に必要な金額はどの程度なのかを、必要経費を 積み上げて具体的に根拠のある金額を算定し、予算として定めるべきである。  また、貸借対照表に総合振興積立金が42,398千円存在している。当積立金は、柳津 町商工会設立当時から約50年間にわたって積み立てられており、事業活動や会館の維 持管理に予算の不足が生じたときに対応するためのものである。補助金額の4倍超の運 営のために留保された積立金が存在している以上、補助金額の算定においても当積立金 を考慮した上で、補助金の減額を行うべきである。 ウ.補助金の使途に関する審査について(意見)  毎年10,000千円程度の補助金を支出しているが、補助金が正しく目的に沿って使用 されているか否かの検証が不十分である。審査は毎年1回実績報告後に、経営雇用対策 課の担当者が1人で柳津町商工会に出向き、帳簿を2~3時間通査して、疑問がある項 目について質問をするのみで終了している。補助金が、中小企業対策費用にひもづけら れ正しく使用されているか、請求書ベースで不適切な支出がされていないか等のチェッ クは行われていない。補助金の入り口が毎年ほぼ定額で決まっている以上、出口が適正 かをチェックしなければ、補助金が本来と異なる用途で使用されてしまう可能性がある といえる。毎年実施しないにしても、少なくとも数年に1度はこのような詳細な審査が 行われるべきである  政策目的をもって、補助金を支出している以上、適正にその補助金が使用されている ことを確認すべきであると考える。 エ.事務事業評価について(意見)  当該補助金においても、事業評価が実施されている。しかし、その評価は形骸化して おり、評価方法に問題があるといえる。平成22年度の事業評価においては、費用対効 果及び妥当性の項目が岐阜商工会議所同様に「事業規模からして妥当である」との記載 になっており、実質は検討がされていない。当該補助金は、中小企業者の経営改善普及 事業のためのものであるため、セミナー参加者に市独自でアンケートを実施し、中小企 業者の経営改善にセミナー等がどの程度役立っているかを調査し事務事業評価に盛り 込むことによって、補助金の有効性、効率性等の判断材料として広く市民に開示するこ とが望まれる。 (12)岐阜市若年者・中高年齢者・障害者雇用促進奨励金の交付事務について 1) 概 要  当該補助金は、国のトライアル雇用制度を利用した岐阜市内に住所を有する事業主が、 岐阜市内に住所を有する若年者・中高年齢者または障害者を、引き続き3ヶ月以上常用 雇用した場合、1人につき10万円の雇用促進奨励金を交付する。概要は以下のとおり である。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市若年者・中高年齢者・障害者雇用促進奨励金               │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │経営雇用対策課           │開始年度  │平成15年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市若年者・中高年齢者・障害者雇 │補助の種類 │その他         │ │         │用促進奨励金交付要綱        │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 若年者・中高年齢者・障害者の雇用促進と安定を図るために、国が実施する試  │ │内容       │行雇用事業(以下「トライアル雇用事業」)に基づき試行的に雇用した対象者を  │ │         │引き続き3カ月以上の間常用雇用した場合に、雇用者1人につき10万円の雇用    │ │         │促進奨励金を交付するものである。                      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 条件を満たした事業主に対し、雇用者1人あたり100千円を支給する。      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │         │今後の方向性:現状維持                            │ │事務事業評価の有 │ 平成20年12月に、国の試行雇用奨励金の若年者と中高年齢者の対象年齢が拡   │ │無及び結果    │大し、市の雇用促進奨励金の年齢枠も並行して拡大した。交付件数も増加してお  │ │         │り成果はあがっている。今後も国と連携をとりながら、効果的な啓発方法を検討  │ │         │していく。                                 │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │   800│  5,500│  4,600│  4,000│  4,700│    6,700│    6,700│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 申請件数に応じて支給がなされている。予算は前年度実績により翌年度の申請  │ │         │件数を予測して決定している。                        │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.有効性について(意見)  当該補助金は、新規雇用の増加及び雇用の長期継続を目的として給付されているもの である。新規雇用の増加については、国のトライアル雇用制度と合わせてある程度の効 果が見られる。一方で継続雇用に対する効果であるが、短期で仕事を辞めなかった被雇 用者は比較的長期間にわたり働き続ける傾向にあるという事実に着目して当該補助金 は支給されるが、補助金の有無によって定着率がどのようにかわるかが問題となる。  市では、当該補助金の交付者を対象とした追跡調査を事務事業評価とは別に行ってい る。調査は主に雇用から一定期間経過した対象者が、継続して勤務しているかどうかに ついて聞き取りを行い、定着率を算定するものである。しかし、この追跡調査は補助金 の対象となっている被雇用者の定着率を時系列で分析しているのみであり、補助金が無 い場合の岐阜市の雇用定着率との比較が行われておらず、実質的に当該調査は補助金の 有効性を計るものではないといえる。このような、追跡調査のみで補助金を継続してい くことは問題があるといえる。したがって、当該補助金が新規採用の要因となったか否 かに関する項目を含んだ、事業主へのアンケートを実施して、補助金の有効性をさらに 調査する必要があるといえ、検討することが望ましい。 イ.補助金支給に係る人件費について(意見)  事務事業評価によると、平成22年度の当補助金6,700千円を支給するために4,008 千円の人件費がかかっている。これでは、補助金によって得られる効果に比して過大に 市職員の人的資源が消費されてしまうため、経済性の観点から問題があるといえ、検討 することが望ましい。事務処理の負担を減らし、補助に見合った業務量とするか、もし
    くは補助金そのものを廃止する等の対応が必要である。 (13)金華山国有林保護管理協議会に対する負担金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市は、金華山国有林の特殊性に鑑み自然環境の保護保全と安全快適な利用を図る ことを目的とする金華山国有林保護管理協議会に対し負担金を交付している。概要は次 のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │金華山国有林保護管理協議会に対する負担金                  │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │産業拠点運営課           │開始年度  │昭和49年        │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │金華山国有林保護管理協議会規約   │補助の種類 │負担金         │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 金華山国有林保護管理協議会は、山火事・森林被害等の防止、標識類・登山道  │ │         │の整備保全と美化活動、野生鳥獣の保護と自然環境の保全、落石防止等危険箇所  │ │内容       │の整備等をボランティア団体等とともに実施している。             │ │         │ 金華山国有林保護管理協議会の事務局は、市商工観光部産業拠点運営課に設置  │ │         │されており、同課職員が職務を実施している。                 │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 予算は職員給与、事業費等を積算し算定している。岐阜市負担金420千円、民   │ │金額の算定    │間会社200千円、計620千円を主な収入源としている。事務局が岐阜市に所在す   │ │         │るため、請求書は岐阜市役所商工観光部観光コンベンション課内金華山国有林保  │ │         │護管理協議会 会長岐阜市長から岐阜市長に対し発行される。          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 負担金のため、事務事業評価は実施していない。               │ │無及び結果    │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │昭和49年│   420│   420│   420│   420│     420│     420│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │推移コメント   │ 上記のとおり、特に見直しされることなく同金額が負担金として支出されてい  │ │         │る。                                    │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.権利能力なき社団・市からの独立性について(意見) (ア)権利能力なき社団と認められるか否か    協議会は、一般的に「権利能力なき社団」であると説明される。    「権利能力なき社団」とは、社団としての実質を有しながら法律上権利義務の主   体たりえない団体をいう。社団法人でも組合でもないものの判例上存在が認められ   ている団体である。    協議会が仮に「権利能力なき社団」として認められるための要件を備えていない   場合、そのような協議会に負担金を支出した場合、その効果に疑問が生じる。    ある団体が権利能力なき社団として認められるためには以下の4つの要件を満   たすことが判例上求められている(最高裁判決昭和39年10月15日)。   a.団体としての組織を備えていること   b.多数決の原則が行われていること   c.構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続すること   d.代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定して    いること    上記4要件の一つでも欠ける場合には権利能力なき社団とは認められない。   以下、金華山国有林保護管理協議会が4要件を満たしているか検討する。   要件a.「団体としての組織を備えていること」    金華山国有林保護管理協議会については「金華山国有林保護管理協議会規約」   が定められており、事務局、協議会員、役員、事務局員等の設置に係る条文が存   在し、形式的には団体としての実質があるようにも見えるが、その運営はほぼ事   務局事務を行っている産業拠点運営課に依拠しており、団体としての組織を備え   ているか疑問である。   要件b.「多数決の原則が行われていること」    規約上、形式的には会議を年1回以上開催し、多数決をとるべきこととされて   いる。1回だけ開催されているのみであり、金華山国有林保護管理協議会の通常業   務のほぼ100%が事務局員を兼任する産業拠点運営課職員によって担われている   状況にある。年1回開催される総会の決議のみで多数決原理にもとづいた業務の   遂行が十分に行われているか疑問である。   要件c.「構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続すること」    金華山国有林保護管理協議会の通常業務のほぼ100%が事務局員を兼任する産   業拠点運営課職員によって担われている状況にあり、仮に岐阜市が団体から脱退   してしまった場合、団体そのものの存続が危うくなる可能性が高い。   要件d.「代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確   定していること」    この点については、「金華山国有林保護管理協議会規約」において形式的に定ま   っているが、実質的に団体として独立に行われているというよりも産業拠点運営   課に依拠しているのが実態であり、規約をみるに財産の管理に関する規定がなく、   会計に係る規程としては会計帳簿を備え経理を行うと記載されているのみで、極   めて簡略的は記載にとどまっている。協議会の自律的な組織運営ができていると   は言い難く、要件を満たすか疑問である。    以上から、金華山国有林保護管理協議会は、権利能力なき社団としての実態があ   るかどうか疑問が残る。 (イ)市と独立した団体と認められるか否か    協議会が岐阜市から独立した存在でないと、協議会に対する負担金は、岐阜市   が岐阜市に支出することとなり、支出の効果に疑問が生じる。    協議会が岐阜市から独立した存在であるか検討すると、協議会における事務作   業の大部分を岐阜市の職員が岐阜市の職務として遂行し、中心的な役割を果たして   おり、協議会の予算の大半が岐阜市からの負担金によって占められていること等か   ら実質的に独立性が欠けているものと思われる。以上から、金華山国有林保護管理   協議会は、市と一体となる団体と考えられる。 (ウ)結果
       以上の検討より、金華山国有林保護管理協議会は、権利能力なき社団の要件を   満たしておらず、岐阜市と一体となる団体であり、以下の問題点が存在する。   a.岐阜市から岐阜市へ負担金を支出することになり、負担金の交付元と負担金交    付先が同一となっており、支出の効果に疑問が生じる。   b.協議会は岐阜市と実質的に一体であるので、協議会の運営は岐阜市の規則に従    って行われるべきである。しかし、現状は形式的には協議会という別組織であ    るため、岐阜市の厳格な規則に縛られることなく、岐阜市の各種規程よりも簡    易な規程である協議会の規程(金華山国有林保護管理協議会規約)に従った運    営が行うことが可能である。   c.現状では金華山国有林保護管理協議会の事務の大半を岐阜市の職員が行ってお    り、岐阜市の職員の負担が多く、職務専念義務違反の可能性があるといえる。    このような問題点を解消するには、岐阜市と協議会との関係を明確にする必要   がある。    協議会が行う事業を岐阜市が直接行う事業として岐阜市の職務として取り込む   方法が考えられる。岐阜市が直接事業を行うとはいえ、従来の協議会の他の構成   員(民間会社及び岐阜森林管理署)は依然として、その恩恵を受けることから負   担金を支払ってもらい、負担の公平性を図る必要がある。    全く反対の考え方として、協議会の自律性を高め、岐阜市からの独立した存在   とする方法も考えられる。岐阜市以外の他の構成員の協議会負担金支出割合を高   め、経済的に岐阜市の依存度を低くする必要がある。また、協議会等における事   務作業を岐阜市の職員のみが行うのではなく、構成員で分担することも必要であ   る。    いずれの方法が良いか検討することが望まれる。 ┌────┐ │消防本部│ └────┘ (1)岐阜市消防団維持運営費負担金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市においては、消防組織法に基づき組織される各消防団及び分団の運営に関し、 その維持運営費用を負担金として支出している。負担金額の算定基準は詳細に決められ ており、人員数、分団数等によりその負担金額が決定される。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市消防団維持運営費負担金、岐阜市消防団分団維持運営費負担金       │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │消防総務課             │開始年度  │平成15年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │         │岐阜市消防団維持運営費負担金の算定 │      │            │ │根拠条例、要綱等 │基準                │補助の種類 │運営費負担       │ │         │消防組織法             │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 岐阜市消防団の運営に関し必要な費用を負担するために設定されているもの   │ │         │である。                                  │ │         │ 岐阜市が負担すべき維持運営費の区分は下記のとおりとなっている。      │ │内容       │ 1)団維持運営費…岐阜市中消防団、岐阜市南消防団、岐阜市北消防団に支出す  │ │         │る。                                    │ │         │ 2)分団維持運営費…3消防団を構成する39分団及び3団本部に支出する。    │ │         │ 維持運営費の基礎額は、事業費、事務費、管理費よりなる。          │ │         │ 消防団運営の予算は、予算年度の4月末までに消防本部に提出されなければな   │ │         │らないとされており、消防団維持運営費負担金の決算書類を翌年度5月末までに   │ │         │消防本部に提出が求められる。なお、維持運営費負担金の支出時期は毎年6月と   │ │         │されている。                                │ ├─────────┼──────────┬───────┬────────┬──────────┤ │         │   款・項    │   目   │   節    │ 基礎額(年額)  │ │         ├──────────┼───────┼────────┼──────────┤ │         │          │       │研修費     │700円/団員     │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │       │事務費     │250,000円/団    │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │       │啓発宣伝費   │3,000円/分団    │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │事業費    │会議費     │4,000円/団本部・  │ │         │          │       │        │分団        │ │         │団維持運営費    │       ├────────┼──────────┤ │         │          │       │訓練費     │14,000円/分団    │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │       │消防協会費   │449,000円/団    │ │         │          │       │        │2,100円/団員    │ │         │          ├───────┼────────┼──────────┤ │         │          │       │印刷製本費   │70,000円/団     │ │金額の算定    │          │事務費    ├────────┼──────────┤ │         │          │       │消耗品費    │25,000円/団     │ │         ├──────────┼───────┼────────┼──────────┤ │         │          │       │研修費     │700円×団員数×   │ │         │          │       │        │4回        │ │         │          │事業費    ├────────┼──────────┤ │         │          │       │事務費     │70,000円/分団    │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │       │啓発宣伝費   │55,000円/分団    │ │         │分団維持運営費   ├───────┼────────┼──────────┤ │         │          │       │光熱水費    │4,000円/月     │ │         │          │       ├────────┼──────────┤ │         │          │管理費    │        │1,000円/団本部   │ │         │          │       │消耗品費    │21,000円/分団本   │ │         │          │       │        │部         │ │         │          │       │        │4,000円/器具庫   │ ├─────────┼──────────┴───────┴────────┴──────────┤ │事務事業評価の有 │ 無                                    │ │無及び結果    │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤
    │         │ 不明 │ 17,230│ 17,872│ 17,872│ 17,872│   17,872│   17,872│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 算定金額は、主に団数、分団数、団員数等の比較的硬直的な数値により決定さ  │ │         │れるため、一定金額を保つケースが多い。                   │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │団維持運営費  │      6,716│-               │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │分団維持運営費 │     11,156│-               │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │合計      │     17,872│-               │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.負担金の交付額について(意見)  上記の通り、負担金の算出に際しては、研修費等団員数に基づいて計算する項目がい くつか存在する。当該負担金の目的は消防団の運営に関し必要な費用を岐阜市が負担す ることとされているため、その負担金の計算は、実際に発生されると予想される費用を 基になされるべきである。しかしながら、当該負担金を交付するにあたり、実際の所属 人数ではなく、各消防団・分団の定員数にもとづいて負担金を支出していた。  この定員数と実数の差による負担金額の差額は、下記のとおりである。                                    (単位:円) ┌───────┬─────┬─────┬─────┬─────────────┐ │       │ 定員数 │ 実 数 │ 差 額 │     備 考     │ ├───────┴─────┴─────┴─────┴─────────────┤ │団維持運営費                                 │ ├───────┬─────┬─────┬─────┬─────────────┤ │研修費    │  878,700│  833,000│  45,700│700円/団員        │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────────────┤ │消防協会費  │ 2,627,100│ 2,499,000│  128,100│2,100円/団員       │ ├───────┴─────┴─────┴─────┴─────────────┤ │分団維持運営費                                │ ├───────┬─────┬─────┬─────┬─────────────┤ │研修費    │ 3,502,800│ 3,332,000│  170,800│700円×団員数×4回    │ ├───────┼─────┼─────┼─────┼─────────────┤ │合計     │ 7,008,600│ 6,664,000│  344,600│             │ └───────┴─────┴─────┴─────┴─────────────┘  当該負担金は、運営に関し必要と考えられる費用分を負担するのが目的であるため、 人数割にて算定される部分については、定員数を用いるのではなく、実際に業務を行っ ている人員数を基に算定すべきであると考えられる。  これに対し、当該費用については、実際の人員数に基づいて発生するとは必ずしも言 えず、組織規模の大小によって発生するものもあり、各分団の規模を反映する一つの尺 度として定員数を用いているとの回答を得た。しかしながら、その場合、負担金の算出 方法として人員数を用いることが適切であるかが論点となる。つまり、人員数に応じて 発生するような費用項目でないのであれば、現在の算定根拠に代わり、より適切な算定 根拠の導入を検討することが望まれる。 イ.決算書類について(意見)  上記負担金を収受する消防団及び分団は、翌年5月末までに消防本部に対し、当該負 担金の決算書類を提出する必要がある。そのため、岐阜市は、各消防団、分団に対し毎 年歳入歳出決算書を提出させている。これは、各歳入、歳出の科目ごとに当年度予算額 及び決算額並びに過不足額を記入させるものである。  この歳入歳出決算書を閲覧したところ、予算額と決算額の総額が一致しており、過不 足金額が全く発生していない状態であった。そのため、一部の消防団及び分団につき、 実際の費用内訳並びに証憑を閲覧したところ、報告された歳入歳出決算書と一致してい ない状態のものが見受けられた。なお、閲覧をした範囲内においては、報告歳出金額よ りも実際の歳出金額の方が多く、その内容についても不適切と思われる項目は見られな かった。  しかしながら、現状においては、報告された歳入歳出決算書が実態を表しておらず、 意図的に過不足項目をゼロとしていることは、負担金の報告書としては望ましいものと はいえない。したがって、負担金の決算報告にあたっては、実際の金額に基づきなされ ることが望まれる。 (2)岐阜市女性防火クラブ運営協議会補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市においては、火災に対して、防火意識を普及させること、また、地域と協力・ 連携して防災意識の高揚を図る女性防火クラブを統括、指導する立場にある岐阜市女性 防火クラブ運営協議会につき、その運営費を補助することによって、上記目標の達成を 目指している。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市女性防火クラブ運営協議会補助金                    │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │予防課               │開始年度  │昭和51年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市防災関係補助金交付要綱    │補助の種類 │運営費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │内容       │ 火災に対して、防火意識を普及させること、また地域と協力・連携して防災意  │ │         │識の高揚を図るクラブの活動のための運営費を補助するもの。          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │下記に定める金額を合算して得た金額とする。                 │ │金額の算定    │ 1)226,000円                                │ │         │ 2)1クラブあたり3,000円                          │ │         │ 3)クラブ員1人あたり5円                          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有 現状維持                               │ │無及び結果    │ 火災はヒューマンエラーによる原因が多いので、家庭から火災予防を呼びかけ  │ │         │ることは有意義である。                           │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │
    │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │   379│   379│   379│   379│     379│     379│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 算定金額は、固定部分、クラブ数割分、クラブ員数割分と比較的硬直的な数値  │ │         │により決定されるため、一定金額を保つケースが多い。             │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │年間事業分   │       226│-                │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │クラブ数割   │       150│3千円×50クラブ         │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │クラブ員数割  │        3│5円×50クラブ×10名       │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の意見 ア.事業評価について(意見)  当該事業については、平成22年度岐阜市事業評価の対象となっている。この事業評 価(仕分け)シートを見ると、事業目的を達成するための活動指標の項目において、指 導員講習会参加者数の目標値が250名とされているのに対し、実績値では222名とされ ている。このように当初の目標値を満たしていないにもかかわらず、評価項目の有効性 においては最も評価の高い5点が付されている。  当該事業内容は、これだけではないことを考慮しても、項目別評価についてはやや疑 問が残るところである。事業評価を実施するに当たっては、活動指標・成果実績と最終 的な評価の関連を明確にし、より明確かつ有効な事業評価の実施に努めることが望まれ る。 (3)岐阜市女性防火クラブ補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市においては、市民安全確保の観点から、火災予防の普及に努め、安全・安心に 暮らせる街づくりに寄与することを目的として市内の各地区に女性防火クラブが結成 されている。活動内容としては、各地区の事業と、市内のクラブ全体の事業とに分けら れる。  岐阜市は、こうした女性防火クラブの活動を補助することにより、もって上記の目的 達成を目指している。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市女性防火クラブ補助金                         │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │予防課               │開始年度  │昭和53年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市防災関係補助金交付要綱    │補助の種類 │運営費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 市民安全確保の観点から火災予防の啓発普及は、必須の課題であり、それに対  │ │内容       │し女性が火災予防の担い手となり、地域における防火防災のリーダーとして、地  │ │         │域住民に防火意識を特色のある事業で普及させる各クラブ活動のための運営費   │ │         │を補助するもの。                              │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 1クラブあたり33,000円                           │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有 現状維持                               │ │無及び結果    │ 女性防火クラブの活動を通じて地域の安心安全を一層確保できるため、今後も  │ │         │継続する必要がある。                            │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │  1,650│  1,650│  1,650│  1,650│    1,650│    1,650│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ ほとんど変化はしていない。                        │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │一律交付分   │      1,650│33千円×50団体         │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事業実績の報告について(意見)  当該補助金については、事業完了後遅滞なく実績報告書を提出させることとしている。 実績報告書については、岐阜市にて様式を定めており、当該様式に基づいたものが毎期 提出されている。この様式に基づけば、主に年度内での活動内容を記載する事業結果と、 各科目の予算額及び実績額を記載させる歳入歳出決算書より構成されている。岐阜市と しては、毎期この事業報告書に基づいて補助金の使用状況につき、モニタリングを実施 していることになる。  この事業報告書の提出のほか、年度内における広報等を通じて、各クラブが実施して いる活動内容を把握することは可能ではあるが、このような手続のみでは、実際の金銭 の使用内容及び計上金額の妥当性を検証することは難しいといえる。報告者の不正・誤 謬を防ぎ、より有効な内部牽制を働かせるには、実際の証憑と報告金額を突き合わせ、 当該報告書が適切に作成されていることを検証し、もって補助金が適切に使用されてい る事を確かめることが望まれる。なお、全件分を実施する必要は必ずしもなく、ランダ ム抽出部分につき、実施すれば足りると思われる。 イ.証憑について(意見)  上記補助金の歳入歳出決算書を検証するために、一部の女性防火クラブにつき実際の 費用内訳並びに証憑を閲覧したところ、証憑が添付されていない費用が散見された。こ の内容につき、ヒアリングをしたところクラブ員への渡し切り分のクリーニング代であ り、これについて精算はしていないとのことであった。  当該内容については、領収書が入手できないものではなく、また補助金が適切に使用 されていることを確認することは、補助金を交付する上で必要不可欠なものであるとい
    える。従って、渡し切りを行ったとしても領収書を保管する等適切に精算を行うことが 望まれる。 ┌─────┐ │都市建設部│ └─────┘ (1)問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について 1) 概 要  問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金は、第一種市街地再開発事業(権利 変換方式)を支援するものであり、再開発区域内の土地・建物等の権利者に従前の権利 に見合った再開発ビルの床を提供し(権利変換を希望しない権利者には金銭補償を行な う。)、残った処分可能な床(保留床)を売却することによって、ビル建設費用などの事 業費をまかなう事業に対する補助金である。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金                │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │市街地再開発課           │開始年度  │平成18年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要   │都市再開発法、岐阜市市街地再開発  │補助の種類 │事業補助        │ │綱等       │事業補助金交付規則 他       │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 民間活力を活用した形で進められる本事業は、都市の再編及びリニューア    │ │         │ルやそれに伴う地域活性化といった極めて公共性の高い役割を持つことか     │ │内容       │ら、市街地再開発補助金による支援を行い、官民一体となった事業推進のサ    │ │         │ポートをして行くものである。                        │ │         │ なお、補助内容は、補助対象事業費(調査設計計画、土地整備、共同施設    │ │         │整備)の2/3を国県市で補助するものである。問屋町西部南街区第一種市街     │ │         │地再開発事業の総事業費は165億円であり、国が40億円、県が11億円、市      │ │         │が13億円補助することを予定している。残金は、保留床を売却すること等     │ │         │によって賄われている。                           │ │         │ よって、国、県、市の多額の公費が充当される事業であり、その効果測定    │ │         │は極めて重要であるといえる。                        │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 補助対象事業費の2/3                            │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評    │ 事務事業評価あり。評価の結果は平成24年度完了に向け事業促進を図る     │ │価の有無及    │必要があり、今後も補助を継続していくとしており、平成24年度を事業の     │ │び結果      │完了としている。                              │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬─────┬────────────┤ │         │開始年度│平成18 │平成19年│平成20 │平成21年 │   平成22年度    │ │         │    │    │    │    │     ├─────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │年度実績│度実績 │年度実績│度実績  │ 予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼─────┼─────┼──────┤ │         │平成18年│ 101,000│ 197,800│ 10,500│ 1,489,100│ 1,994,700│  1,994,700│ │         │ 度  │    │    │    │     │     │      │ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴─────┴─────┴──────┤ │推移コメン    │ 建物等の設計・施工の進捗に合わせて補助金額が変動しており、平成24年    │ │ト        │度に補助が完了する。                            │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金支出の効果測定について(意見)  岐阜市の事務事業評価は、1)概要「事務事業評価の有無及び結果」に記載のとおり、 補助金を支出した年度において評価を実施している。補助金は、平成18年度から建物 等の設計・施工の進捗に合わせて支払われており、工事完成の平成24年度まで毎年支 出される。補助金支出が完了するまで、事務事業評価は続く。  現状行われている事務事業評価は、建物建設段階の評価であり、計画どおり建物建 設が遂行されているという評価である。平成22年度は、5段階評価の最高点である5 となっている。事務事業評価は、補助金支出の終わる建物完成まで評価を行うため、今 後も計画どおり建設が行われていけば、最高点の5の評価が継続することが予想される。  しかし、本来、問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業の補助金支出の効果は、 補助金が支出された年度に測定できるものではなく、建物の完成後(補助金の終期)か ら将来においてその効果測定が可能になるといえる。建物が完成し、都市の再編及びリ ニューアルがなされるが、それに伴う地域活性化がその後どの程度達成されたかにより 評価の測定ができるといえる。よって、事務事業評価は本来、建物完成後、すなわち、 補助金支出完了後において、将来にわたり、その評価を実施することが必要である。  将来にわたる事務事業評価の指標として、例えば、岐阜市中心市街地活性化基本計 画の目標指標のように、居住人口、小売業年間商品販売額、歩行者・自転車通行量等の 街のにぎわいを測る指標が考えられる。  ただし、地域の活性化は、市街地再開発事業だけで実現できるものではなく、岐阜 市中心市街地活性化基本計画に記載された、70を超える事業が実施されて初めて達成 されるものであることは理解できる。地域の活性化の中で市街地再開発事業が果たす役 割として、住宅の販売や商業業務施設の入居による、保留床の処分が完成するまでのフ ォローアップが重要であることに加え、商業等施設の撤退や入居についても、行政の支 援が望まれる。  以上のことから、地域の活性化を表す指標として、現在実施している岐阜市中心市 街地活性化基本計画における、居住人口等の指標を、仮に同計画が終了したとしても、 将来にわたり継続的に策定し、分析することが望ましいと考えられる。 イ.現状の事務事業評価について(意見)  現状の事務事業評価は、担当課である都市建設部市街地再開発課の自己評価のみで 終了している。その評価に客観性を持たせるには担当課による自己評価だけでなく、そ の評価が主観的にならないように岐阜市の中に中立な立場で客観的な評価をすること ができる部署、例えば、行財政改革課の意見を加え最終評価をくだすことが望ましい。  また、項目別評価として、必要性5、有効性5、費用対効果5、妥当性5、公共性5 (5段階評価)とし、いずれも最高の評点としている。この評価を行うにあたり、評価 の視点は、以下のとおりとなっている。 ┌──────┬───────────────────────────────┐ │項目別評価 │評価の視点                          │ ├──────┼───────────────────────────────┤ │必要性   │そもそも必要か。事業の必要性。                │ ├──────┼───────────────────────────────┤ │有効性   │事業目的に沿った成果があがっているか。市民満足度はどうか。  │ ├──────┼───────────────────────────────┤
    │費用対効果 │費用対効果はどうか。                     │ ├──────┼───────────────────────────────┤ │妥当性   │行政・市の関与の妥当性、市以外の事業の担い手。事業内容、事業手│ │      │法、運営形態、等の妥当性。                  │ ├──────┼───────────────────────────────┤ │公共性   │公共性の強弱(公益性、必要性、市場性)に応じて公費負担額と受益│ │      │者負担額を判断。                       │ └──────┴───────────────────────────────┘  以上の評価の視点から、項目別に5段階評価をしているが、その客観性に疑問があ る。評価に客観性をもたせるには、項目別評価の下位体系として評価の視点をさらに個 別具体的に示し評価を下し点数をつけ、必要性等の項目別に最終的評価をつけることが 必要と思われる。  岐阜市においては、国の指針に基づき第一種市街地再開発事業について事業着手前 に事前評価を事業完了後に事後評価を実施し、国において事業の有効性の確認を受けて いるところではあるが、将来にわたる事務事業評価の指標とすれば、岐阜市中心市街地 活性化基本計画の目標指標のように、居住人口、小売業年間商品販売額、歩行者・自転 車通行量等の、街のにぎわいを測る指標が有効であると考えられる。  今後、第一種市街地再開発事業は、継続して都市開発の要の事業として実施されてい くので、多額の補助金が充当され続けていくことを鑑みると、有効な目標指標を活用し、 事務事業評価に反映させるとともに、ホームページや広報に掲載する等の手段により、 市民に説明責任を果たすことは、非常に重要なことであると考えられる。 (2)柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について 1) 概 要  柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金は、第一種市街地再開発事業(権利変 換方式)を支援するものであり、再開発区域内の土地・建物等の権利者に従前の権利に 見合った再開発ビルの床を提供し(権利変換を希望しない権利者には金銭補償を行な う。)、残った処分可能な床(保留床)を売却することによって、ビル建設費用などの事 業費を賄う事業に対する補助金である。なお、本地区では、保留床については権利者法 人オアシス柳ヶ瀬が取得し、賃貸住宅などとして運営することとなっている。概要は次 のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金                 │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │市街地再開発課           │開始年度  │平成18年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │都市再開発法、岐阜市市街地再開発事 │補助の種類 │事業補助        │ │         │業補助金交付規則 他        │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 民間活力を活用した形で進められる本事業は、都市の再編及びリニューアルや  │ │         │それに伴う地域活性化といった極めて公共性の高い役割を持つことから、市街地  │ │         │再開発補助金による支援を行い、官民一体となった事業推進のサポートをして行  │ │         │くものである。なお、補助内容は、補助対象事業費(調査設計計画、土地整備、  │ │内容       │共同施設整備)の2/3を国県市で補助するものである。柳ケ瀬通北地区第一種市   │ │         │街地再開発事業の総事業費は13億円であり、国が3億円、県が1億円、市が1.2    │ │         │億円補助することを予定しており、再開発組合は7.8億円負担する。        │ │         │ よって、国、県、市の多額の公費が充当される事業であり、その効果測定は極  │ │         │めて重要であるといえる。                          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 補助対象事業費の2/3                            │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 事務事業評価はある。今年度、事業の完了をめざしており維持継続をしていく  │ │無及び結果    │としており、平成23年度に補助事業が完了するとしている。           │ ├─────────┼─────┬────┬────┬────┬────┬────────────┤ │         │開始年度 │平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度    │ │         │     │    │    │    │    ├─────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績  │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │  実績  │ │         ├─────┼────┼────┼────┼────┼─────┼──────┤ │         │平成18年度│ 18,000│ 37,400│ 311,520│    0│  82,800│   82,800│ ├─────────┼─────┴────┴────┴────┴────┴─────┴──────┤ │推移コメント   │ 建物等の設計・施工の進捗に合わせて補助金額が変動しており、平成23年度   │ │         │に補助が完了する。                             │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金支出の効果測定について(意見)  「問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について」において 記載したことと同様に、「柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務に ついて」においても、岐阜市中心市街地活性化基本計画における、居住人口等の指標を、 仮に同計画が終了したとしても、将来にわたり継続的に策定し、分析することが望まし いと考えられる。 イ.現状の事務事業評価について(意見)  「問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業補助金の交付事務について」において 記載したことと同様に、「柳ケ瀬通北地区第一種市街地再開発事業」においても、事務 事業評価に客観性をもたせ、岐阜市中心市街地活性化基本計画の目標指標を活用し、事 務事業評価に反映させるとともに、ホームページや広報に掲載する等の手段により、市 民に説明責任を果たすことは、非常に重要なことであると考えられる。 (3)フローラリー岐阜開催負担金の交付事務について 1) 概 要  フローラリー岐阜開催負担金は、春(4月 長良公園)に、花と緑のフェスティバル を開催し、ステージを使った催し物(演奏会、緑のオークション等)及び各コーナーで の生産品(草花、鉢植え等)の販売、育て方相談を行う事業の負担金である。概要は次 のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │フローラリー岐阜開催負担金                         │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │公園整備課             │開始年度  │平成5年度        │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │フローラリー岐阜実行委員会規約   │補助の種類 │負担金         │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 基本計画2008「II さわやか環境をつくろう計画 4.クリーンで快適な生活   │
    │         │環境の充実」の施策にもとづく負担金である。                 │ │         │ 事業の目的は全市民に緑化への関心を深めてもらうための緑化啓発を目的に、  │ │内容       │各種団体の協力と多くの市民の参加により、緑化フェスティバルを開催すること  │ │         │である。                                  │ │         │ フローラリー岐阜実行委員会が、「フローラリー岐阜」の開催に必要な準備を  │ │         │行い、かつ円滑な運営にあたる。                       │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ フローラリー岐阜は、年1回春に長良公園にて行われ、事業費は1,255千円で   │ │金額の算定    │あり、岐阜市は負担金として840千円支出し66%を占めている。事業費支出は毎   │ │         │年同予算を予定しており、その予算内での事業の実施を行っている。       │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 事務事業評価はなし。                           │ │事務事業評価の有 │ 事務事業評価は平成21年度までは行っているが、平成22年度は評価の対象か   │ │無及び結果    │らはずれ公表されていない。平成21年度の事務事業評価の総合評価は「市民の   │ │         │緑化意識の向上を図っていくためにも、今後も継続して事業を実施していく。」  │ │         │としている。                                │ ├─────────┼─────┬────┬────┬────┬────┬────────────┤ │         │開始年度 │平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度    │ │         │     │    │    │    │    ├─────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績  │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │  実績  │ │         ├─────┼────┼────┼────┼────┼─────┼──────┤ │         │ 平成5年度│   900│   840│   840│   840│    840│     840│ ├─────────┼─────┴────┴────┴────┴────┴─────┴──────┤ │コメント     │ 毎年840千円の定額が負担金として支出されている。負担金の効果測定は十分   │ │         │に行われておらず、継続して支出されている。                 │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価の有効性の検討について(意見)  フローラリー岐阜は、20年近く継続した事業であり、平成21年度までは事務事業評 価を行っているが、その有効性の評価が必ずしも十分であるとは言えない。平成21年 度の事務事業評価の記載内容をみるに、アウトカムの記載がなされておらず、事業の有 効性の評価がなされていない。平成22年度においては事務事業評価が行われていない。  事業が住民にとって満足の得られるものであるのか否かの調査をアンケート等によ り行い、今後の事業遂行の方針に役立てる必要がある。施策達成のための事業として有 効でないならば、継続の可否を検討する必要がある。  フローラリー岐阜開催負担金の過去の支出状況は、概要に記載のとおり毎年840千 円が支出されている。少額の負担金が過去数年間にわたって継続的に支出されており、 加入することの効果を十分に検討する必要がある。  事業を継続するか否かの判断をする上で有効性の評価は重要であり、その具体的な 方法としては、例えば、フローラリー岐阜事業の主催者及び参加者へアンケート調査を 行い、事業としての評価をしてもらうことが考えられる。このアンケート調査によりフ ローラリー岐阜事業の有効性が測定され、今後どのように行うか、または廃止するかの 検討をするべきといえる。アンケートは事業主催者及び参加者から入手し、事業に関わ るすべての人から広く意見を募り、客観的、総合的に判断することが必要である。 (4)民有地緑化推進助成金事業補助金の交付事務について 1)概 要  民有地緑化推進助成金事業補助金は、民有地緑化の推進のため、個人、団体等が生垣 設置、張り芝、駐車場の緑化、屋上緑化を実施する際、所定の基準を満たした場合に助 成を行なう事業に対する補助金である。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │民有地緑化推進助成金事業補助金                       │ ├─────────┼─────────────────────┬──────┬─────────┤ │担当課      │公園整備課                │開始年度  │平成13年度    │ ├─────────┼─────────────────────┼──────┼─────────┤ │根拠条例、要綱等 │財団法人岐阜市みどりのまち推進財団保存樹等│補助の種類 │事業補助     │ │         │補助金交付要綱              │      │         │ ├─────────┼─────────────────────┴──────┴─────────┤ │         │ 基本計画2008「II さわやか環境をつくろう計画 4.クリーンで快適な生活   │ │         │環境の充実」の施策にもとづく負担金である。事業の目的は民有地緑化の推進を  │ │内容       │図り、緑豊かな住みよい生活環境と潤いのある良好な都市景観の形成を目指す。  │ │         │実施主体は財団法人岐阜市みどりのまち推進財団であり、岐阜市の助成金が財団  │ │         │を通じて市民へ支払われる。                         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 補助金交付要綱に基づく金額(1件あたり限度額3万~50万円)         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 事務事業評価はなし。                           │ │事務事業評価の有 │ 事務事業評価は平成21年度までは行っているが、平成22年は公表されていな   │ │無及び結果    │い。平成21年度の事務事業評価の総合評価は「民有地緑化は、地球温暖化防止   │ │         │策にも有効な手段であり、今後は、各講習会等での広報活動をさらに充実させて  │ │         │いく」としている。                             │ ├─────────┼─────┬────┬────┬────┬────┬────────────┤ │         │開始年度 │平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│   平成22年度    │ │         │     │    │    │    │    ├─────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績  │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │ 予算  │  実績  │ │         ├─────┼────┼────┼────┼────┼─────┼──────┤ │         │平成13年度│  2,302│  2,016│  2,186│  3,185│   2,768│    2,768│ ├─────────┼─────┴────┴────┴────┴────┴─────┴──────┤ │コメント     │ 毎年ほぼ同程度の助成金の利用が行われており、予算がなくなれば、その年の  │ │         │助成は完了する。                              │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事務事業評価の有効性の検討について(意見)  当該事業は10年近く継続した事業であり、その有効性の評価が必ずしも十分である とは言えない。今後も継続していくか否か、検討をすべきといえる。  平成21年度事務事業評価シートのアウトカムの記載について事業の実施件数が23 件と記載されているのみであり、事業の評価が十分といえない。平成22年度において は、事務事業評価がホームページに掲載されていない。  事務事業評価に記載されている事業の必要性には「「森の中のまち・緑につつまれた 生活都市」の構築のためには、市内の大半を占める民有地の緑化を推進する必要がある。 そのために、財団法人岐阜市みどりのまち推進財団が行なう民有地緑化推進のための事 業に助成をする。」と記載されている。この事業は、クリーンで快適な生活環境の充実 を図ることに加え、市民自らが実施することで、緑化と環境の重要性を認識してもらう こと、さらには、生け垣等の管理を行うことによる市民の健康増進等、副次的な効果も
    考えられることから、この事業を一つの指標で評価するのでなく、様々な切り口で検証 し、有効性を評価する必要がある。  本事業は、民間住宅建築等の機会を捉えて、緑化を推進するものであることから、そ の目標設定は困難であることも想定されるが、制度の認知度や利用者の満足度等、事業 の有効性を客観的、総合的に判断する必要がある。特に中心市街地における緑化の推進 に努められたい。 (5)加入団体負担金の交付事務について 1)概 要  各種専門的情報の入手を目的として、20の加入団体負担金を支払っている。概要は 次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │加入団体負担金                               │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │都市建設政策課           │開始年度  │―           │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │―                 │補助の種類 │負担金         │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 新しい情報を入手することや、会員間の情報交換等を実施することで、技術の  │ │内容       │向上・知識の蓄積を図り、様々な情報分析や、関係法令に係る最新の解釈、運用、 │ │         │活用事例等をいち早く入手していく目的をもって加入している。         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 各団体の総会で会費を決定している。                    │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 負担金のため、事務事業評価はしていない。                 │ │無及び結果    │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │  2,895│  2,956│  2,890│  3,481│    3,455│    3,433│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 加入負担金の増加及び組織の再編により都市建設部が所管部となったこと等   │ │         │により増加している。                            │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.加入団体負担金継続の必要性の検討について(意見)  加入団体負担金の過去の支出内訳推移は、下表に記載のとおりである。岐阜市は各 団体に参加し毎期継続的に会費を支出している。 ┌─┬────────────────┬─────────┬───┬───┬───┬───┬───┐ │NO│    名      称    │  加入年度   │18年度│19年度│20年度│21年度│22年度│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 1│全国都市公園整備促進協議会   │ 昭和54年度以前 │  50│  47│  47│  47│  42│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 2│(社)日本公園緑地協会     │ 昭和54年度以前 │  140│  130│  130│  130│  130│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 3│(財)日本さくらの会      │ 昭和54年度以前 │  10│  10│  10│  10│  10│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 4│金華山国有林保護管理協議会   │ 昭和54年度以前 │  100│  100│  100│  100│  100│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 5│名鉄名古屋本線・各務原線鉄道立体│  平成4年度   │ 1,000│ 1,000│ 1,000│ 1,000│ 1,000│ │ │化促進期成同盟会        │         │   │   │   │   │   │ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 6│まちづくり情報交流協議会    │  平成17年度  │  30│  30│  30│  30│  30│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 7│(社)岐阜県都市整備協会    │  昭和36年度  │  131│  131│  131│  131│  131│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 8│(社)街づくり区画整理協会   │  昭和44年度  │  220│  207│  207│  207│  207│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ 9│(財)区画整理促進機構     │  平成8年度   │  50│  50│  50│  50│  50│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │10│(社)全国市街地再開発協会   │  昭和44年度  │  80│  80│  80│  80│  80│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │11│都市再開発促進協議会      │  平成5年度   │  50│  50│  50│  50│  40│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │12│市街地整備促進協議会      │  平成14年度  │  50│  50│  50│  50│  50│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │13│日本都市計画学会        │  平成2年度   │  30│  30│  30│  30│  30│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │14│都市計画協会          │ 昭和22年度   │  240│  240│  228│  228│  228│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │15│岐阜県都市計画協会       │  昭和37年度  │  426│  428│  375│  467│  438│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │16│岐阜都市計画協議会       │  昭和60年度  │  108│  108│  107│  109│  108│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │17│全国地区計画推進協議会     │  平成14年度  │  50│  45│  45│  45│  45│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │18│流通業務市街地整備連絡協議会  │  平成18年度  │  20│  20│  20│  20│  16│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │19│(財)都市みらい推進機構    │  平成18年度  │  200│  200│  200│  200│  200│ ├─┼────────────────┼─────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │20│JR岐阜駅周辺施設連携促進協議会│  平成21年度  │  ―│  ―│  ―│  497│  498│ └─┴────────────────┴─────────┴───┴───┴───┴───┴───┘  このように、岐阜市が各団体へ会費として加入負担金を支払い続けることについて、 以下のような点に注意する必要がある。 a. 少額の負担金が過去数年間にわたって継続的に支出されており、加入することの効   果が十分に検証されないまま、加入し続けている可能性がある。負担金であるため、   事務事業評価がなされていないが、効果が十分検討されず、加入し続けることは受   益と対価という点で疑念が生じる。各団体へ加入することによる効果測定を行い、   有効性が乏しい場合には脱退することも検討する必要がある。 b. 半数は昭和の時代に加入した団体であるが、そのように所属した時期から長年経過   している場合には、加入した時の目的が既に達成されていたり、今の施策の方向性
      とは必ずしも合致していない場合も考えられる。また、他の自治体も加入している   ということだけの理由で加入し続けていることには、合目的性の観点から問題があ   るため、加入目的をもう一度見直し、その有効性を検討する必要がある。 c. 活動内容の一部が重複する団体の双方への加入が見受けられる。そうした場合は、   より有効なひとつの団体に絞ることを検討する必要がある。関連するすべての団体   に加入し続けることには経済的な問題が残る。  以上のように、加入負担金について、団体に継続して長期間加入している場合には、 定期的に加入理由を再検討し、加入する意味がなくなった団体については脱退すること が望ましい。 ┌───┐ │農林部│ └───┘ (1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業等補助金の交付事務について 1) 概 要   飛騨美濃じまん農産物育成支援事業は、岐阜県の「飛騨・美濃じまん農産物育成支  援事業実施要領」に基づき、農業生産の効率化と規模拡大化のための機械施設等また  は、化学合成農薬及び化学肥料をいずれも30%以上削減するための施設等の購入に  対して補助金を支出するものである。ただし、市からいったん支出した補助金は、全  額岐阜県から支給されるため、差し引きして市財の支出はないことになる。同様の仕  組みの岐阜県の補助金は「新規就農定着促進事業補助金」、「元気な園芸特産産地育成  対策事業補助金」などがある。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │         │1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業                     │ │事業名称     │2)新規就農定着促進事業補助金                        │ │         │3)元気な園芸特産産地育成対策事業補助金                   │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │         │                  │      │1)平成20年度      │ │担当課      │農林園芸課             │開始年度  │2)平成22年度      │ │         │                  │      │3)平成19年度      │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │         │1)飛騨・美濃じまん農産物育成支援事 │      │            │ │         │業実施要領(岐阜県)        │      │            │ │         │2)経営体育成交付金実施要綱、要領  │      │            │ │根拠条例、要綱等 │(国)、岐阜県農業振興補助金交付要綱 │補助の種類 │補助金         │ │         │(岐阜県)             │      │            │ │         │3)元気な園芸特産産地育成対策事業実 │      │            │ │         │施要領(岐阜県)          │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 各事業の目的、具体的な事業内容は以下のとおりである。           │ │         │                                      │ │         │1)飛騨美濃じまん農産物育成支援事業                     │ │         │ 地球環境にやさしい営農の推進を図り、「安全・安心・健康」な農産物の安定  │ │         │供給をしていくためぎふクリーン農業の生産拡大を支援することを目的として   │ │         │いる。                                   │ │         │ 農薬等を30%以上削減した農産物をクリーン農産物と認定し、削減にかかる施   │ │         │設等の購入に対して補助を行っている。補助金の支給対象はぎふ農業協同組合で  │ │内容       │ある。                                   │ │         │ H22年度はいちご栽培用施設(3か所)58,590千円の総事業費のうち、16,667千   │ │         │円など、合わせて4事業に対する補助が実施されている。             │ │         │                                      │ │         │2)新規就農定着促進事業補助金                        │ │         │ 新規就農者が就農するための農業用機械、施設等の導入を支援し、初期投資を  │ │         │軽減することで、経営の早期安定を図ることを目的としている。         │ │         │ 新規就農者の農業用機械、施設等の導入に対して初期費用の一定割合を補助す  │ │         │る。補助金の支給対象は新規就農者個人である。                │ │         │ H22年度は新規就農者の高設ベンチの設置への補助が3件あり、総事業費は    │ │         │21,556千円、うち10,777円を補助している。                  │ │         │                                      │ │         │3)元気な園芸特産産地育成対策事業補助金                   │ │         │ 新技術等導入し、産地の強化と新たな産地の育成を図るとともに、朝市等出荷  │ │         │産地を対象に、園芸特産物の安定的な供給のための機械施設等に対して助成する  │ │         │ことにより、園芸特産物産地の活性化を図ることを目的としている。       │ │         │ 営農にかかる新技術導入、直売所での販売のための機器導入などを行った際の  │ │         │費用に対する助成となる。補助金の支給対象はぎふ農業協同組合である。     │ │         │ H22年度は全自動播種機、野菜移植機の購入総費用2,784千円のうち、884千    │ │         │円を補助している。                             │ │         │                                      │ │         │ 上記1)2)3)の各事業について、市からいったん事業者に対してなされる補助金  │ │         │の支出については「岐阜市農林水産関係振興補助金交付要綱」に基づいた行為と  │ │         │なる。これらは全額岐阜県から市に対して支給がなされる。           │ │         │                                      │ │         │ 上記各事業にかかる市の事務としては、事業者から提出される事業計画書、事  │ │         │業実績報告書などの書類審査(国、岐阜県の各要綱、要領の要件に合致するかど  │ │         │うかのチェックを含む)がある。                       │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 補助金金額は、国、岐阜県の各要綱、要領で事業ごとに補助率があらかじめ定  │ │金額の算定    │義されている。                               │ │         │                                      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 無                                    │ │事務事業評価の  │ 「事業の補助金が国、県等の補助金で、市を通して支給するが、市の負担はな  │ │有無及び結果   │い」(平成23年5月 事業評価シート資料より抜粋)事業に該当するため、事    │ │         │業評価の対象とならないと判断されたものである。               │ │         │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │         │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │推移(千円)    ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │上段より順に   │ 33,917│    -│    -│ 33,917│ 17,237│   22,846│   20,634│ │1)2)3)      ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 10,777│    -│    -│    -│    -│   12,000│   10,777│
    │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  1,440│    -│  1,440│  1,186│  2,099│    1,350│     884│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 各年度における支出額は申請の状況により異なる。              │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.人件費のみ発生する事業について(意見)  市で実施される事業は、一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は公表 される。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果たし、事業の公益性を 確保するための仕組みのひとつとなっている。  当事業は、いったん事業実施者へ市から補助金を支出するが、これは全額が岐阜県か ら市に対して支給されるため、補助金としての市の負担は全くないことになる。市の行 財政改革課により作成された事業評価制度の運用マニュアルにあたる「事業評価シート 資料(平成23年5月)」には事業評価シートの対象としない事務事業について「国、県 等の補助金で、市を通して支給するが、市の負担はないもの」との定めがあり、当事業 はこの定めに該当するものである。  しかしながら、補助金としての市の負担はないものの、市の負担が全くないかという と、市では書類審査等の事務を行っており、事務処理にかかる人件費は、当事業に固有 の経費としてとらえることが可能である。  もともと当事業は、県の事業であり、市の裁量は限定的で、かつ市による書類審査等 の事務に特段の不備は認められないものの、市税の使途について、市民への説明責任を 果たすという意味合いにおいては、このような人件費のみが発生する事業についても、 事業評価がなされないまでも、事業ごとの人件費相当額などについて一覧的に公表する ことなどについて検討をすることが望ましい。 (2)県営土地改良事業負担金等の交付事務について 1) 概 要  県営土地改良事業負担金は、市内の土地改良を目的に岐阜県の実施する土地改良事業 に対して負担金を支出するものである。土地改良事業とは農道、かんがい施設、その他 農業用施設(揚水機、水路)の整備、改修(工事)等を行うものである。土地改良を目的と して市より負担、補助を行う事業としては県営土地改良事業負担金のほかに、土地改良 施設維持管理適正化事業負担金、団体営かんがい排水事業補助金などがある。概要は次 のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │         │1)県営土地改良事業負担金                          │ │事業名称     │2)土地改良施設維持管理適正化事業負担金                   │ │         │3)団体営かんがい排水事業補助金                       │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │         │                  │      │1)昭和33年度      │ │担当課      │農地整備課             │開始年度  │2)昭和54年度      │ │         │                  │      │3)昭和54年度      │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │         │1)岐阜県土地改良事業負担金等徴収条 │      │            │ │         │例(岐阜県)            │      │            │ │根拠条例、要綱等 │2)土地改良施設維持管理適正化事業実 │補助の種類 │1)2)負担金       │ │         │施要綱(国)             │      │3)補助金        │ │         │3)岐阜市農林水産関係振興補助金交付 │      │            │ │         │要綱                │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 農地整備課で取り扱う事業は主に土地改良事業であり、その具体的な内容は農  │ │         │道、かんがい施設、その他農業用施設(揚水機、用排水路等)の整備、改修(工事)  │ │         │である。市所有のこれら施設に関して事業を実施する。             │ │         │ 国、または岐阜県の同様の趣旨の事業要件に合致した場合はそれら事業への負  │ │         │担金という形式での支出とし、国、または岐阜県の事業として実施する。国、ま  │ │         │たは岐阜県の採択を得られない場合は市直営事業となる。            │ │         │ 直接の受益者は施設を使用する農業者である。                │ │         │ 市内では市が事業者となる他、市内の土地改良区(土地改良法で定める法人で   │ │         │農業者等により構成される)が事業者となる場合がある。なお、県内の各市町村、  │ │         │土地改良区により構成する岐阜県土地改良事業団体連合会(県土連)という組織   │ │         │があり、国、県、市町村、土地改良区が相互にかかわりをもつ事業の事務を担当  │ │         │している。                                 │ │         │                                      │ │         │ 各事業の個別の内容は以下のとおりである。                 │ │         │                                      │ │内容       │1)県営土地改良事業負担金                          │ │         │ 市は土地改良区からの要望を取りまとめ、市としての必要性の判断ののち、岐  │ │         │阜県に要望を提出する。岐阜県では要望を受けて優先度の高い事業を実施する。  │ │         │国、県、地元(市も含まれる)の負担割合は岐阜県の条例に基づき、事業によって  │ │         │異なる。                                  │ │         │ H22年度実施事業は、県営かんがい排水事業 中濃地区 事業費総額88,226千   │ │         │円、うち市の負担22,056千円、方県(かたがた)地区 橋梁耐震補強工事 事業   │ │         │費総額58,019千円、うち市の負担14,505千円をはじめ、全9件である。       │ │         │                                      │ │         │2)土地改良施設維持管理適正化事業負担金                   │ │         │ 国が定めた要綱に基づいて岐阜県土地改良事業団体連合会(県土連)が実施す   │ │         │る土地改良施設維持管理適正化事業について、市より申請した事業の負担金を支  │ │         │出するものである。                             │ │         │ 事業(対象施設)ごとに5年間をかけて事業費を積み立てる。国、県より総事業   │ │         │費の3割ずつの負担が県土連を通じて市になされるため市の負担は総事業費の4   │ │         │割となる。H22年度の積立対象は洞用水路(事業費10,000千円、H22拠出金900    │ │         │千円)、江東2号揚水機(事業費6,000千円、H22拠出金445千円)など9件である。   │ │         │工事実施は水主町揚水機1件のみとなっている。                 │ │         │                                      │ │         │3)団体営かんがい排水事業補助金                       │ │         │ 市の補助金交付要綱に基づき、土地改良区が事業実施者となる団体営かんがい  │ │         │排水事業にかかる費用の3割を補助するものである。県より5割、市より3割補    │ │         │助されることになる。                            │ │         │ H22年度は、貫井揚水機場(ポンプ整備補修)へ529千円、岩井取水施設(ゲート   │ │         │設置、漏水防止の処置)へ3,898千円の2件の補助金が支出されている。       │ │         │                                      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 工事は一般競争入札により実施する。土木技術者である職員が工事費用の積算  │ │金額の算定    │システム等を用いて金額面での評価をしている。                │ │         │ なお、国が関連する事業については会計検査院による検査が行われる。     │ │         │                                      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 無                                    │
    │         │                                      │ │         │ 1)2)については「事業実施に関して市に裁量の余地のない事務事業」(平成23  │ │         │年5月 事業評価シート資料より抜粋)に該当することから、事業評価の対象と   │ │事務事業評価の  │ならない事務事業として評価を行い、公表しなかったものである。        │ │有無及び結果   │                                      │ │         │ 3)については「単年度で完結する事業」(平成23年5月 事業評価シート資    │ │         │料より抜粋)に該当することから、事業評価の対象とならない事務事業として評  │ │         │価を行い、公表しなかったものである。                    │ │         │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │         │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │推移(千円)    ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │上段より順に   │ 29,782│ 73,671│ 64,713│ 73,334│ 70,513│   59,061│   51,565│ │1)2)3)      ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  7,998│  7,118│  7,190│  4,283│  4,406│    3,880│    3,798│ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  不明│    -│  3,525│    -│    -│    4,568│    4,428│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │         │ 近年大規模事業の完了により事業費は減少傾向にある。            │ │コメント     │ なお、上記金額は総事業費ではなく、市の支出金額である。          │ │         │                                      │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.事業評価について(指摘)  市で実施される事業は、一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は公表 される。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果たし、事業の公益性を 確保するための仕組みのひとつとなっている。  1)県営土地改良事業負担金及び2)土地改良施設維持管理適正化事業負担金は、岐阜県 または岐阜県土地改良事業団体連合会に対して、市内施設に対する土地改良事業の事業 費の一部を負担するものであるが、当事業の担当課である農地整備課は、行財政改革課 により作成された事業評価制度の運用マニュアルにあたる「事業評価シート資料(平成 23年5月)」において、「事業実施に関して市に裁量のない事務事業」を事業評価シー トの対象としない事務事業と定めており、当事業がこの定めに該当するとして事業評価 の公表対象としていない。  しかしながら、当事業による負担金は、県営事業負担金及び加入団体負担金ではある ものの、当事業の起点において、市は施設改修の必要性等判断した上で、県または岐阜 県土地改良事業団体連合会に対する申請を行っており、全く市に裁量がない、または事 業性がないとは言えない。よって、他の事業と同様に当事業も事業評価の実施結果を公 表すべきである。  また、団体営かんがい排水事業補助金は、岐阜市農林水産関係振興補助金交付要綱に 基づき、土地改良区に対して補助金を支出するものであるが、当事業の担当課である農 林部農地整備課は、行財政改革課により作成された「事業評価シート資料(平成23年 5月)」に事業評価の対象としない事業として定めのある「単年度で完結する事業」に 該当するものとして事業評価の公表対象としていない。しかしながら、平成22年度に おける取水施設工事など、単一の案件を一つの事業と見た場合、工事は単年度で完結す るものの、土地改良を目的に市要綱に基づいて支出される補助金としては、年度単位で みると、発生する、しないのばらつきはあるが、複数年のスパンでみれば、一定の頻度 で事業実施があるものと考えられる。このように考えた場合、行財政改革課が「単年度 で完結する事業」を事業評価の対象としないとした根拠であるところの「評価結果を今 後の事業実施の質的向上に活用することができない」との事由は、当事業には当てはま らず、また、工事事業であることから支出金額も決して重要性がないとは言えないこと から、他の事業と同様に当事業も事業評価の実施結果を公表すべきである。  事業評価の仕組みとして評価対象の網羅性を欠くことは、仕組み自体の効果を大きく 損なうものになりかねない。当事業のみにいえる事項というわけではないが、事業評価 の対象の網羅性確保のため、評価対象となる事業が漏れることを防ぐための仕組みの構 築が望まれる。 (3)長良川下流域魚族保護対策協議会負担金の交付事務について 1) 概 要  長良川下流域魚族保護対策協議会負担金は、長良川下流域水系における魚族保護を積 極的に促進し、自然環境保全、地域住民の生活向上に寄与することを目的として設立さ れた協議会に対して負担金を支出するものである。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │長良川下流域魚族保護対策協議会負担金                    │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │畜産センター            │開始年度  │昭和48年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │長良川下流域魚族保護対策協議会規約 │補助の種類 │負担金         │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 基本計画2008「III まちをにぎやかにしよう計画 8.農林水産業の振興」の施  │ │         │策に基づく負担金である。                          │ │         │ 長良川下流域水系における魚族保護を積極的に促進し、自然環境保全、地域住  │ │         │民の生活向上に寄与することを事業の目的としている。             │ │         │ 具体的な事業内容としては当事業の目的と同一の目的をもって設立した協議   │ │内容       │会(長良川下流域魚族保護対策協議会)の事業費を負担している。        │ │         │ 長良川下流域魚族保護対策協議会は長良川下流域水系内の9市町および長良   │ │         │川漁業協同組合によって組織されている。協議会の事業内容は長良川漁業協同組  │ │         │合が実施する魚族の河川放流、保護及び人工増殖に対して補助金を支給すること  │ │         │である。長良川漁業協同組合は財団法人岐阜県魚苗センターなどからアユ、ウナ  │ │         │ギ、アマゴなどの稚魚を購入し、対象水域に放流している。           │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 長良川漁業協同組合による稚魚購入等金額のうち、平成22年度については    │ │         │4,210千円を長良川下流域魚族保護対策協議会より補助している。協議会負担金   │ │         │としては832千円を水系人口の比率により協議会員の各市町に割り当てている。   │ │         │水系人口比率による岐阜市の割り当て分定額分を含めて514千円である。これに   │ │         │特別負担金2,986千円を加えた3,500千円が岐阜市の負担金額となっている。特   │ │         │別負担金は岐阜市と長良川漁業協同組合(150千円)にのみ課されている。      │ │         │ 補助金額の設定、特別負担金の金額設定は協議会における協議により決定す   │ │金額の算定    │る。                                    │ │         │ 特別負担金を含めた岐阜市の協議会事業費の負担割合は下記のとおり、水域人  │ │         │口比率のみならず、全放流量に対する岐阜市内での放流量の比率も勘案されて調  │ │         │整されている。(平成22年度実績)                      │ │         │┌──────────┬────────┬────────┐        │ │         ││          │放流量(kg)   │負担金(千円) │        │
    │         │├──────────┼────────┼────────┤        │ │         ││全地域       │      6,407│      4,210│        │ │         │├──────────┼────────┼────────┤        │ │         ││岐阜市内      │      5,202│      3,500│        │ │         │├──────────┼────────┼────────┤        │ │         ││比率(市内/全地域)│     81.19%│     83.14%│        │ │         │└──────────┴────────┴────────┘        │ │         │                                      │ │         │ 直近3年間の協議会から長良川漁業協同組合への補助金額の推移は以下のとお   │ │         │りである。                                 │ │         │                                      │ │         │┌────────┬───────┬───────┬───────┐    │ │         ││        │ 平成20年度 │ 平成21年度 │ 平成22年度 │    │ │         │├────────┼───────┼───────┼───────┤    │ │         ││補助金額    │   4,210千円│   4,210千円│   4,210千円│    │ │         │└────────┴───────┴───────┴───────┘    │ │         │                                      │ │         │                                      │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │         │                                      │ │事務事業評価の有 │ 平成22年度総合評価:長良川下流域全体で魚族保護・増殖活動に取り組み、   │ │無及び結果    │今後も自然環境保全への意識を続けていく。                  │ │         │ 今後の方向性:現状維持                          │ │         │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  2,300│  3,500│  3,500│  3,500│  3,500│    3,500│    3,500│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 協議会の総事業費は毎年異なるものの、特別負担金を含む岐阜市からの負担金  │ │         │額は近年変動がない。                            │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.協議会からの補助金額の算定根拠の不明確さについて(意見)  長良川漁業協同組合が実施する放流事業の事業費総額は、毎年、放流量、魚族の種類、 購入単価等の変動を受けての増減があるが、対する協議会からの補助額は前年補助額を 基本的に踏襲しているように見受けられる。  協議会からの長良川漁業協同組合への補助金額については協議会総会の議決によっ てはいるものの、その金額の根拠は必ずしも明確とは言えず、外観的には前年踏襲で漫 然と決議がなされていると指摘されかねない状況にある。事業の有効性の判断に基づく 補助金額の設定等、協議会にて補助金額の妥当性についての検討が適切になされている ことを市からの負担金支出の前提とすべきである。 イ.事業評価公開内容について(意見)  市で実施される事業は一定の基準に従って事業評価の対象となり、評価結果は公表さ れる。事業評価結果の公表は、市民への市行政の説明責任を果たし、事業の公益性を確 保するための仕組みのひとつとなっている。  当事業も事業評価が実施され、その結果が公表されているが、事業の効果を数値的に 示す項目である「成果目標」が空欄となっている。「成果指標」の設定は事業の客観性 を高め、他事業、または過年度との比較を容易にするなど事業評価において非常に重要 な項目である。しかし、「成果実績」欄には「該当するもののみ記入」との注意書きが あり、当事業のように当欄が空欄にされている事業評価も少なくない。項目の重要性を 考慮すると、自己評価において成果実績に該当する指標がないと判断したことのみをも って当欄を空欄にするのは、市民への説明責任を十分果たしたことにはならないのでは ないか。少なくとも空欄にする理由を明らかにしたうえで不記載とするなど、十分な説 明責任への配慮が望まれる。  また、当事業では、協会の他会員からの負担金750千円が「収入」の「市債」の欄に 記載されたり、平成21年度の事業評価において「アウトカム(成果指標)」の目標値で あるアユの漁獲量100,000kgを10,000kgと記載するなど、市民への説明としては分か りにくい記載、誤った記載が見受けられた。この点についても正確で分かりやすい情報 の公開について十分意識されたい。 ウ.一部重複事業の統合、効率化について(意見)  当事業は、長良川下流域水系における魚族保護を積極的に促進し、自然環境保全、地 域住民の生活向上に寄与することを目的とした事業であるが、同様の目的の事業として 「魚類放流事業」が農林部畜産センターの事業として実施されている。「魚類放流事業」 はアユのみの放流事業であり、当事業とは補完的な関係にあるものと考えられるが、長 良川下流域魚族保護対策協議会における事業実施においてアユの放流量を増やすなど の対応をとることも可能と思われることから、両事業の重複箇所の有無について検証し、 統合、効率化の可能性について検討がなされることが望まれる。 ┌──────┬──────────────────┬───────────────┐ │事業名   │長良川下流域魚族保護対策協議会負担 │魚類放流事業         │ │      │金                 │               │ ├──────┼──────────────────┼───────────────┤ │事業の目的 │長良川下流域水系における魚族保護を │未成魚アユの放流及び人工ふ化 │ │      │積極的に推進し、河川の自然環境保全 │を実施することにより、長良川に│ │      │に努めるため、関係市町村と長良川漁 │おける水産資源の確保に努め、内│ │      │業協同組合とが連携して魚族の保護と │水面漁業の振興を図る     │ │      │増殖を図るとともに河川の汚濁防止と │               │ │      │自然環境保全に努め地域住民の生活向 │               │ │      │上に寄与すること          │               │ ├──────┼──────────────────┼───────────────┤ │事業の対象 │稚アユや雑魚(ウナギ、ナマズなど) │アユ及びその受精卵放流    │ │      │の放流、アユの人工増殖など     │               │ ├──────┼──────────────────┼───────────────┤ │直接の事業実│長良川漁業協同組合(長良川下流域魚 │長良川漁業協同組合(委託)  │ │施者    │族保護対策協議会からの補助金を受  │               │ │      │けての事業実施)          │               │ ├──────┼──────────────────┼───────────────┤ │アユの放流量│アユ3,520kg             │アユ1,000kg          │ │      │                  │アユの受精卵3,000万粒     │ └──────┴──────────────────┴───────────────┘
    ┌───┐ │福祉部│ └───┘ (1)地区敬老会運営費補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市内においては、各自治会連合会が長年にわたり、社会に貢献された高齢者に対 し、敬意を表し、長寿を祝福するために敬老会が毎年主催されている。岐阜市は、昭和 45年度よりこの敬老会の運営費の一部を助成する補助金を交付している。この補助金 については、補助対象経費等は特に定められておらず、交付金額は対象者の人数割分と 一律100千円の合計額によっている。そのため、補助金の使用内容については、各自治 会連合会に一任されており、岐阜市としては補助金等実績報告書にて、事後的にその使 用内容を確認するのみである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │地区敬老会運営費補助金                           │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │高齢福祉課             │開始年度  │昭和45年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市敬老会運営費補助金交付要綱  │補助の種類 │運営費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 永年にわたり、社会に貢献された高齢者に敬意を表し、長寿を祝福するために  │ │内容       │開催される敬老会の健全な運営を図ることを目的として、各自治会連合会が開催  │ │         │する敬老会の運営費に対して補助金を交付する。                │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 下記に定める金額を合算して得た金額とする。                │ │         │ 1)100,000円                                │ │         │ 2)76歳以上及び当該年中に76歳になる高齢者の数(7月1日現在本市の住民    │ │金額の算定    │基本台帳(住民基本台帳法(昭和42年法律第81条)に規定する住民基本台帳を   │ │         │いう。)に記録されている者又は本市の外国人登録原票(外国人登録法(昭和27  │ │         │年法律第125号)に規定する外国人登録原票をいう。)に登録されている者に限   │ │         │る)に、850円を乗じて得た金額                        │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有 現状維持                               │ │事務事業評価の有 │ 高齢化が進み、対象者が年々増加傾向にあることから、事業仕分けにおいて、  │ │無及び結果    │対象年齢の引き上げ等の見直しが必要との指摘を受けているが、自治会へのアン  │ │         │ケート結果や他都市の状況等を参考に、検討していく。             │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │ 34,595│ 35,956│ 38,429│ 39,925│   43,116│   41,316│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 算定基礎となる高齢者の人口の増加に従い、補助金支給金額も毎年度増加して  │ │         │いる。過去5年間の間に20%弱増加していることがうかがえる。          │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │一律交付分   │      5,000│100千円×50団体         │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │高齢者人数割  │     36,316│850円×42,725名         │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.高齢者人口について(意見)  当該補助金の交付限度額については、上記の通り各自治会連合会に対し、一律100千 円と76歳以上の高齢者一人につき850円を乗じた金額の合計により算出される。周知 の通り、我が国においては生活習慣の変化、医療技術の発達等に伴い、高齢化がますま す進んでおり平均寿命も年を追うごとに上昇している傾向にある。平成22年度の日本 人の平均寿命は男性79.64年、女性86.39年となっており、今後も上昇もしくは高止ま りすることが予想される。また、岐阜市の人口は420,363人であり、うち76歳以上の 者は42,725人と人口の10%以上を占めている。(平成22年7月現在)  このことから、潜在的には、岐阜市の人口の過半数の者が当該補助金の対象者となり うることがうかがえる。また、毎年人口の10%に相当する人数に対し補助金を継続的 に交付することは、将来的にはかなりの負担が岐阜市に発生するものと予想される。  さらに、長寿の定義は一概に定めることはできないが、環境が変化すればその内容も 変化するのが当然であると考えられる。現在の支給対象者は平均寿命を下回っており、 当該補助金交付要綱成立時と比較し長寿の概念が変わってきているものといえる。つま りは、現在の状態では補助金の本来の目的からやや外れている可能性がある。  したがって、事業評価でも一部指摘されていることではあるが、交付対象である高齢 者の定義を再考するとともに、多数の交付対象者及び補助金交付額が発生することによ り、岐阜市に必要以上の負担が発生することのないように、見直しを行うことが望まれ る。 イ.出席者について(意見)  平成22年度における各地区の敬老会出席率については、下記のとおりである。地区 によっては60%を超過している箇所もあるが、30%を下回る箇所もあり、全体として は36.5%に留まっている。 ┌──────┬──────┬──────┬──────┐ │  地区  │ 該当者  │ 出席者  │ 出席率  │ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │金華    │     920│     271│   29.46%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │京町    │     903│     385│   42.64%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │明徳    │     670│     183│   27.31%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │徹明    │     836│     358│   42.82%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │白山    │     939│     626│   66.67%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │梅林    │    1,100│     600│   54.55%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │本郷    │    1,233│     580│   47.04%│
    ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │華陽    │     912│     570│   62.50%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │木之本   │    1,010│     706│   69.90%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │本荘    │    1,416│     438│   30.93%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │日野    │     577│     160│   27.73%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良    │    1,058│     607│   57.37%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良西   │    1,326│     506│   38.16%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良東   │    1,236│     487│   39.40%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │島     │     903│     362│   40.09%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │早田※   │    1,110│     88│    7.93%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │城西    │     837│     244│   29.15%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三里    │     836│     235│   28.11%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鷺山    │    1,348│     498│   36.94%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │加納東   │    1,209│     334│   27.63%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │加納西   │    1,227│     368│   29.99%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │則武    │     822│     196│   23.84%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │常磐    │     645│     213│   33.02%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森南   │    1,259│     505│   40.11%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森北   │     745│     191│   25.64%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森西   │     832│     480│   57.69%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森東   │     566│     169│   29.86%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │木田    │     342│     102│   29.82%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │岩野田   │     912│     230│   25.22%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │岩野田北  │     548│     230│   41.97%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │黒野    │    1,271│     331│   26.04%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │方県    │     452│     174│   38.50%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │茜部    │     733│     270│   36.83%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鶉     │     617│     250│   40.52%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │西郷    │     625│     308│   49.28%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │七郷    │     848│     182│   21.46%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │市橋    │     765│     318│   41.57%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │岩     │     559│     262│   46.87%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鏡島    │    1,315│     322│   24.49%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │厚見    │    1,385│     340│   24.55%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │日置江   │     306│     128│   41.83%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見    │     864│     221│   25.58%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見東   │     768│     237│   30.86%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見南   │     339│     74│   21.83%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │藍川    │     628│     165│   26.27%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │合渡    │     486│     170│   34.98%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三輪南   │     734│     330│   44.96%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三輪北   │     431│     140│   32.48%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │網代    │     361│     115│   31.86%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │柳津町   │     961│     370│   38.50%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │全体    │   42,725│   15,629│   36.58%│ └──────┴──────┴──────┴──────┘ ※敬老会招待者を賀寿に限定しているため、極端に少なくなっている。  上記のとおり、敬老会の出席率は過半数を下回り、決して多いとは言えない状態であ る。特に高齢者の場合、体調面から毎年の参加ができない場合も多いと考えられる。補 助金の大部分が食品等の祝品費に充てられているが、敬老会に出席できない者、祝品を 渡されても消化できない者の存在等を踏まえると、敬老会のあり方についても、再考す る余地はあるものといえる。 ウ.早田地区の敬老会開催について(意見)  当該補助金の交付限度額は、100千円の定額部分以外は76歳以上の高齢者の数に一 定金額を乗じたものによって算定される。このことより、敬老会運営費補助は76歳以
    上の高齢者すべての出席を念頭に置いていると考えることができる。  しかしながら、早田地区の敬老会では喜寿・米寿等の者のみを招待しており、他地区 と比較すると、76歳以上の補助金対象者に対する出席率が著しく低くなっている。  補助金の使用内容については、各自治会連合会に一任しているとはいえ、補助金の交 付限度額の算定方法から考えると、本来は金額算定の基礎となった人数に対し、当該敬 老会の参加対象者とするのが望ましい。 (2)岩戸サンホーム運営費補助金の交付事務について 1) 概 要  岩戸サンホームは、岐阜市内の軽費老人ホームとして最初に開設された施設であり、 当初は措置のような形態で市民を入所させ、今日に至っている。  当該施設は、人件費を削減する等の経営努力はしているものの、国からの補助が受け られない軽費老人ホームB型であり、利用料のみでは支出をまかなえず、正常な運営が 困難な状態である。また、他に事業展開をしていないため、他の事業収入を充当するこ とも不可能な状態である。  利用料については、限度額を超過した金額を設定することができず、また、入所者で ある高齢者にこれ以上の負担はできないため、当該施設の運営費部分について補助を実 施しているのが現状である。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岩戸サンホーム運営費補助金                         │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │高齢福祉課             │開始年度  │昭和50年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │ -                │補助の種類 │運営費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │内容       │ 軽費老人ホームB型である岩戸サンホームの運営費を補助することによって、   │ │         │当該施設の適切な運営、利用市民の便宜をはかるものとする。          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 収入-支出の差額による。                         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有 現状維持                               │ │無及び結果    │ 健全な運営に支障をきたすことのないよう現状で継続する。          │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │  1,000│  1,000│  1,000│  1,000│    1,000│    1,000│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 最近5年間は、1,000千円のままで固定されている。要綱、算定基礎は定めら   │ │         │れておらず、慢性的な不足分を補っているものと推測される。          │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │一律交付分   │      1,000│-               │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.根拠条例、要綱について(意見)  現在、当該補助金の根拠条例、要綱については該当するものがない。そのため、補助 金額の算定についても明文化された規程は存在しない。補助金の算出過程は、年度の収 入から支出を差し引いた差額分につき、利息等を除いた金額をもって支給している。  当該施設の財政基盤が脆弱であること、及び施設の運用状況を考慮すると、補助金の 算出過程上何ら問題がないものとも考えられる。  しかしながら、このような施設に対する利用は本来利用者負担が原則であり、また、 補助金の支給金額が要綱等で明文化されておらず、補助金交付の公正性を満たしていな いといえる。  そのため、当該事項については、運営費補助金要綱の新たな設定の検討を行うことが 望まれる。 イ.事業評価について(意見)  当該事業については、平成22年度岐阜市事業評価の対象となっている。この事業評 価(仕分け)シート上、事業の実績、現状を誰にもわかりやすく数値で表すことができ るようその尺度として、それぞれ活動指標を設定している。  当該事業についての活動指標を見ると、市の支出した補助金と同額の数値が目標値と 実績値にそれぞれ記載されている。この内容は、補助金の予算額及び実績額を示してい ると考えられるが、これは補助金の予算額及び実際の執行額を示したに過ぎず、当該事 業の実績、現状を分かりやすく説明できているとは言い難い。  運営費に関する補助であるならば、補助対象にかかる実際の収支状況を記載した上で、 岐阜市の補助によりどのくらい負担が軽減されているかを記載すべきであると考えら れる。 (3)ふれあいのまちづくり事業補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市においては、福祉ニーズの多様化・高齢化に対応し、住民が主体となった地域 福祉事業の充実を図るため、社会福祉法人岐阜市社会福祉協議会の実施するふれあいの まちづくり事業に対し、補助金を交付している。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │ふれあいのまちづくり事業補助金                       │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │高齢福祉課             │開始年度  │平成3年度        │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │-                 │補助の種類 │事業補助        │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 福祉ニーズの多様化・高齢化に対応し、住民が主体となった地域福祉事業の充  │ │内容       │実を図るため、地域活動コーディネーター等を配置し、住民の一人ひとりが住み  │ │         │慣れた地域でいきいきと暮らせるよう、ふれあい福祉センター事業、ふれあいネ  │ │         │ットワーク事業及び地域福祉推進事業等の活動を推進することを目的とする。   │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 人件費を中心とした事業費                         │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤
    │         │ 有 現状維持                               │ │事務事業評価の有 │ 少子高齢化、核家族化が進展する中、住民主体の地域福祉事業の推進を支援す  │ │無及び結果    │るため、コーディネーター、事業に携わる人材の確保等も含め、引き続き助成す  │ │         │る。                                    │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │ 37,201│ 35,232│ 35,550│ 37,190│   38,815│   37,361│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 多少の変動はあるが、おおむね一定の水準で推移していることが伺える。    │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │人件費     │     37,361│-               │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.根拠条例、要綱について(意見)  現在、当該補助金は、主に岐阜市老人保健福祉計画に基づいており、根拠となる補助 金要綱については該当するものがない。そのため、補助金額の算定についても明文化さ れた規程は存在しない。  補助金額については、人件費を中心に事業費として補助するとされているだけであり、 補助対象支出項目の具体的な範囲は不明瞭である。なお、実際に補助金として支給され ている金額は、人件費相当分のみである。この事業の収入源がほとんど当該補助金のみ であること、また支出のほとんどを人件費が占めること及び事業内容の公益性を考える と、必ずしも著しく不合理であるとは言えない。  しかし、このような規定方法では補助対象金額が曖昧なものとなり、ひいては本来補 助対象とすべきではない支出項目までも補助対象として認識してしまう可能性がある。 補助金交付申請においてその内容は確認されているとはいえ、人件費のみを補助対象と するならば、その旨明確に規定すべきであるといえる。ゆえに、根拠となる補助金要綱 を定めた上で、その補助目的を達成しうるような補助対象金額を明確に定めることが望 まれる。 イ.事業評価について(意見)  当該事業については、平成22年度岐阜市事業評価の対象となっている。  この事業評価(仕分け)シート上の当該事業についての活動指標を見ると、岩戸サン ホーム運営費補助金のケースと同様に、市の補助金が記載されているのみである。やは り、この状態では事業の実績、現状を分かりやすく説明できているとは言い難い。  事業に関する補助であるならば、補助対象に関する実際の費用額を記載した上で、岐 阜市の補助金との比較によりどのくらい負担が軽減されているかを記載すべきである といえる。 (4)岐阜市老人クラブ補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市では、高齢者の生きがい、健康づくり、社会参加活動を促進する地域の老人ク ラブの活動を支援するために、老人福祉法に基づき、地域の老人クラブに対しその運営 費の一部を補助している。また、老人クラブの育成、相互間の連絡、調整及び老人福祉 の推進に寄与することを目的とする岐阜市老人クラブ連合会が設けられており、これに 対しても運営費補助金が支給されている。  各単位老人クラブ及び岐阜市老人クラブ連合会は、年度ごとに事業実績報告書、収支 決算書を提出し1年間の活動内容を報告することとなっている。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │老人クラブ活動助成                             │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │高齢福祉課             │開始年度  │昭和38年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │         │岐阜市単位老人クラブ運営費補助金交 │      │            │ │根拠条例、要綱等 │付要綱               │補助の種類 │運営費補助       │ │         │老人福祉法             │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 生きがいと健康づくりのため高齢者の知識及び経験を生かして社会参加する   │ │         │等により老後の生活を豊かなものとするとともに、明るい長寿社会の実現及び保  │ │         │健福祉の向上に資することを目的として活動している単位老人クラブに対し補   │ │         │助を行う。                                 │ │内容       │なお、補助金の交付対象となる単位老人クラブの要件は以下のとおりである。   │ │         │1)単位老人クラブの会員のうち60歳以上の者が30人以上であること。       │ │         │2)自治会活動区域その他クラブ活動が円滑に行うことができる程度の区域内に   │ │         │居住する会員で構成されていること。                     │ │         │3)岐阜市老人クラブ連合会に加入していること。                │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 単位老人クラブ:1クラブあたり(月3,600円~6,000円)×12ヶ月        │ │         │ 老人クラブ連合会:人件費、事務所経費6,000千円               │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有 現状維持                               │ │         │ 単位老人クラブ:地域における高齢者のための身近な任意団体であり、高齢者  │ │         │の生きがい・健康づくり・社会参加を促進する上で、引き続き参加しやすい組織  │ │事務事業評価の有 │づくりが必要であるため継続する。                      │ │無及び結果    │老人クラブ連合会:明るく活力ある高齢社会を築くためには、高齢者が持ってい  │ │         │る知識や経験を生かした活動が必要であり、各地区老人クラブをリードし、相互  │ │         │間の連絡、調整を行うためにも、老人クラブ連合会への支援は必要である。    │ │         │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │ 36,386│ 36,204│ 36,129│ 35,222│   36,055│   35,118│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 多少の変動はあるが、おおむね一定の水準で推移していることがうかがえる。  │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳
    ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │単位老人クラブ │     29,318│514団体             │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │老人クラブ連合会│      5,800│-               │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.根拠条例、要綱について(意見)  岐阜市単位老人クラブ運営費補助金については、その要綱が定められており、補助目 的、補助対象、補助金額、申請手続、実績報告等が定められている。他方、老人クラブ 連合会運営費補助金については、このような要綱が定められておらず、このような諸手 続きや補助金額が必ずしも明確にされていない。  老人クラブ連合会運営費補助金についても、単位老人クラブ同様に、補助目的、補助 対象、補助金額、及びそれに伴う諸手続きを明確にするために、補助金要綱を作成する ことが望ましい。 イ.参加率について(意見)  平成22年度における岐阜市内の老人クラブの参加割合は、下記のとおりである。こ れを見ると、老人クラブへの加入率が50~60%を上回っている地区もあるが、全体と しては1/4程度とそれほど多い状態ではない。 ┌──────┬──────┬──────┬──────┐ │  地区  │クラブ会員数│60歳以上人口│ 加入率  │ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │金華    │    1,306│    2,251│   58.02%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │京町    │     670│    2,236│   29.96%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │明徳    │     214│    1,697│   12.61%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │徹明    │     810│    2,002│   40.46%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │白山    │     690│    2,524│   27.34%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │梅林    │     337│    3,056│   11.03%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │本郷    │     399│    3,067│   13.01%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │華陽    │     524│    2,626│   19.95%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │木之本   │     470│    2,567│   18.31%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │本荘    │     638│    3,917│   16.29%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │日野    │     445│    2,093│   21.26%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良    │     705│    2,667│   26.43%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良西   │     864│    3,876│   22.29%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長良東   │     637│    3,237│   19.68%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │島     │     537│    2,658│   20.20%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │早田    │     581│    3,134│   18.54%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │城西    │     660│    2,767│   23.85%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三里    │     509│    3,016│   16.88%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鷺山    │     698│    3,647│   19.14%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │加納東   │     408│    2,920│   13.97%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │加納西   │     551│    3,088│   17.84%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │則武    │     635│    2,663│   23.85%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │常磐    │     800│    2,106│   37.99%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森南   │     918│    4,159│   22.07%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森北   │     733│    2,175│   33.70%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森西   │     431│    2,417│   17.83%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │長森東   │     537│    1,923│   27.93%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │木田    │     335│     978│   34.25%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │岩野田   │     579│    3,040│   19.05%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │岩野田北  │     524│    2,052│   25.54%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │黒野    │    1,123│    4,254│   26.40%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │方県    │     710│    1,088│   65.26%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │茜部    │     625│    2,848│   21.95%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鶉     │     463│    2,255│   20.53%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │西郷    │     650│    2,223│   29.24%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │七郷    │     713│    2,939│   24.26%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │市橋    │     551│    2,690│   20.48%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤
    │岩     │     571│    1,775│   32.17%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │鏡島    │    1,128│    4,213│   26.77%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │厚見    │     762│    4,404│   17.30%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │日置江   │     280│    1,247│   22.45%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見    │    1,107│    2,911│   38.03%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見東   │     272│    2,742│    9.92%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │芥見南   │     231│    1,329│   17.38%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │藍川    │     412│    2,606│   15.81%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │合渡    │     534│    1,484│   35.98%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三輪南   │    1,010│    2,644│   38.20%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │三輪北   │     667│    1,020│   65.39%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │網代    │     420│     814│   51.60%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │柳津    │    1,046│    3,103│   33.71%│ ├──────┼──────┼──────┼──────┤ │全体    │   31,420│   129,148│   24.33%│ └──────┴──────┴──────┴──────┘  老人クラブの加入率については、若年高齢者層の加入が少なくなっていることにより、 年々減少傾向にあるとのことである。主な原因としては、年長の高齢者に対し配慮をし なくてはならない、「老人クラブ」という名称が気に入らないことが挙げられるという。  老人クラブの加入自体は、あくまで個人の任意に基づくものであり、強制すべきもの ではないが、加入率が少ないことは特定の者にのみ補助しているのではないかという公 平性の点からも問題であるし、高齢者の生きがい・健康づくり・社会参加を促進すると いう目的は、すべての高齢者に対して実施されるべきであり、その有効性からも疑問が 生じる可能性がある。  また、近年、国の要綱改正に伴い、適正な老人クラブの会員規模が従来の50名以上 から30名以上に引き下げられたことを考慮すると、高齢化社会が予想される将来にお いてリタイアした後の高齢者の生きがいを獲得するとともに、地域内での友好なコミュ ニケーションを保つことにより、孤独死等の高齢化社会に伴う弊害を少しでもなくして いこうとする狙いがうかがえる。  ついては、上記のような目的を達成するために、今後、高齢者が参加しやすい老人ク ラブの組織づくりが必要不可欠であるとともに、その参加率を向上させていくことが望 まれる。 ウ.事業評価について(意見)  当該事業については、平成22年度岐阜市事業評価の対象となっている。この事業評 価(仕分け)シートを見ると、単位老人クラブ補助金については、成果実績の箇所に単 位老人クラブ数の実績値が記載されているのみであり、岐阜市老人クラブ連合会補助金 に至っては、活動指標及び成果実績とも空白の状態となっている。このような状況にあ りながら、必要性・有効性・費用対効果・妥当性・公共性の項目別評価はいずれも最も 高い5点が付されている。  つまり、事業目的を達成するための活動指標及び成果指標の目標達成状況が不明瞭な 形でありながら、最終的な結論としてかなり高い評価を付していることが分かる。福祉 関係の事業については、活動指標及び成果実績を設定することが困難であることは予測 できるが、当該項目をないがしろにしては、「行政活動の目的を明確にしながら、その 成果を数値など客観的な指標を使って評価し、評価結果を行財政改革などに活用するこ とで、効率的で質の高い行財政運営の実現を図る」という事業評価が適切になされてい ないという結論にもなりかねない。  したがって、活動指標・成果指標を明確にした上で、その結果を基に、より説得力の ある評価を行うことが望ましい。 (5)岐阜市高齢者在宅生活援助員派遣事業補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜市では、高齢者の居住の用に供する優良な賃貸住宅に居住する高齢者に対し、生 活援助員を派遣するための費用の一部を助成して、その在宅生活を支援する。また、同 時に中心市街地の居住を促進するために、市内における中央北及び中央南の圏域内に限 り、この補助金を交付することとしている。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │岐阜市高齢者住宅生活援助員派遣事業補助金                  │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │高齢福祉課             │開始年度  │平成19年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市高齢者住宅生活援助員派遣事業 │補助の種類 │運営費補助       │ │         │補助金交付要綱           │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 岐阜市高齢者向け優良賃貸住宅供給促進事業制度要綱(平成16年8月23日決    │ │         │裁)に定める高齢者の居住の用に供する優良な賃貸住宅に居住する高齢者に対し  │ │         │生活援助員を派遣するための費用の一部を助成して、その在宅生活を支援すると  │ │内容       │ともに、中心市街地の居住を促進するために行う。               │ │         │ 補助金の交付の申請を出来る者は、岐阜県老人保健福祉計画(平成18年3月)   │ │         │に定められた日常生活域のうち、中央北及び中央南の圏域内に建設された30戸   │ │         │以上の高齢者住宅を管理するものとする。                   │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 4月1日から翌年3月31日までの間の、生活援助員の派遣に要する費用の額     │ │         │(月間給与額×4月1日から翌年3月31日までの間に生活援助員を派遣する月数    │ │         │+特別給与額)×1.1×派遣する生活援助員の数                 │ │         │月間給与額:日本の統計(総務省統計局発行)の16-27職種別平均年齢、勤続年   │ │金額の算定    │数、実労働時間と月間給与額の表中、ホームヘルパーの平均月間きまって支給す  │ │         │る現金給与額                                │ │         │特別給与額:同表中、年間賞与その他特別給与額                │ │         │派遣する生活援助員の数:住宅管理者が管理する高齢者住宅戸数を30で除した   │ │         │数(小数点以下切り捨て)                          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有 │ 有 現状維持                               │ │無及び結果    │ 補助対象である高齢者向け優良賃貸住宅の運営が3年経過したことから、平成   │
    │         │22年度で終了するため、平成23年度以降は対象無し。              │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │  2,660│    -│  2,660│  4,407│  4,606│    4,720│    4,573│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 期間が限定された補助金であり、著しい変動はみられない。          │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 平成22年度内訳 ┌────────┬────────┬────────────────┐ │   内容   │ 金額(千円) │       備考       │ ├────────┼────────┼────────────────┤ │人件費相当額  │      4,573│-               │ └────────┴────────┴────────────────┘ 2) 監査の意見 ア.補助金額の算出について(意見)  上記の通り、補助金の金額については「(月間給与額×4月1日から翌年3月31日ま での間に生活援助員を派遣する月数+特別給与額)×1.1×派遣する生活援助員の数」 という算式で求められる。これは、生活援助員の人件費分に相当すると考えられるが、 なぜか「×1.1」という係数が掛けられている。この係数の根拠について担当者に質問 を実施した結果、事業者が負担する社会保険料等を見込んでおり、上記の月間給与額を そのまま用いた場合、補助金額が実際の費用と比較し少なくなってしまうためであると の回答を得た。しかしながら、「×1.1」という数値そのものについては、明確な根拠を 得ることはできなかった。  言うまでもなく、補助金は、合目的性及び経済性並びにこれに対する説明責任が問わ れるものである。しかし、当該補助金については、その根拠が不明瞭な係数が加わるこ とによって補助金総額が増加している結果となってしまっている。当該ケースにおいて は補助金額が実際に発生している金額を超過しているようなことはないが、これは、上 記の補助金が満たすべき要件を満たしておらず、補助金の算出過程としては不適切であ るといわざるを得ない。今後、この補助金に限らず、いかなる補助金についてもその算 定根拠は明確にしておくのが望ましい。 イ.事業評価について(意見)  事業評価は、行政活動の目的を明確にしながら、その成果を数値など客観的な指標を 使って評価し、評価結果を行財政改革などに活用することで、効率的で質の高い行財政 運営の実現を図るための手段とされている(岐阜市HPより)。  これに対し、当該補助金についての評価は、上記事業評価の有無及び結果に記載され ている通り、現状維持としながらその評価については平成23年度以降対象がないと結 論付けており、その総合評価を省略している形となっている。  このような評価方法では、PLAN-DO-SEEのサイクルが完全に実施できてい るとはいえず、評価結果を行財政改革に活用するという目的を達成することは困難であ る。次年度以降当該補助金は対象外となるため、評価を省略するのではなく、当該補助 金の継続について検討を行った上で、補助対象期間全体の結果を通しこの補助金の有効 性を確認し、将来の行政に結び付けていくことが本来の事業評価の目的であるといえる。 ウ.補助対象者の公平性について(意見)  この補助金交付申請者は、上記の通り岐阜県老人保健福祉計画(平成18年3月)に 定められた日常生活域のうち、中央北及び中央南の圏域内に建設された30戸以上の高 齢者住宅を管理するものとすると定められている。地域を限定している理由について、 担当者に質問を実施したところ、中心市街地の居住を促進するためという補助金の趣旨 に即したものとの回答を得た。  中心市街地の居住を促進するという目的からすれば、地域を限定することも確かに意 義があるといえる。しかしながら、高齢者が自立して安全かつ快適な生活を営むことが できるようにというもう一つの目的は、純然たる福祉目的であり、このような目的の場 合は、居住地域においてその扱いを異にすべきものではないと考えられる。  単一の補助金で複数の異なる目的を達成しようとするのは、経済的合理性の観点より ある程度理解はできるものの、それにより補助金交付対象の公平性を損なうような状況 は避けるべきである。 (6)障害児保育円滑化事業補助金の交付事務について 1) 概 要  障害児保育円滑化事業補助金は、児童福祉法の趣旨に基づき、私立保育園の管理運営 に寄与し、児童福祉の推進を図るため交付する私立保育園補助金として、障がい児保育 を推進するため、障がい児を受け入れる私立保育園に対して、受入に要する経費を助成 するものである。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │障害児保育円滑化事業補助金                         │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │保育事業課             │開始年度  │昭和54年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市私立保育園補助金交付要綱   │補助の種類 │運営費補助       │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 障がい児保育を推進するため、児童福祉法第35条第4項の規定により認可を    │ │内容       │受けた市内に所在する私立保育園が、障がい児を4名以上受け入れた場合に、そ   │ │         │の受け入れにより発生する特別な経費を補助するものである。なお、人件費は補  │ │         │助対象となる経費に含まれない。                       │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定    │ 1保育園に対し、一律510千円を上限とする。                 │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │事業評価の有無及 │ 無                                    │ │び結果      │                                      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │  8,820│  6,942│  4,590│  4,080│    3,507│    3,107│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 平成21年度までは、乳児保育促進事業分が含まれていた。           │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘
    2) 監査の指摘及び意見 ア.交付要綱について(指摘)  障害児保育円滑化事業補助金の補助対象経費は、岐阜市私立保育園補助金交付要綱 (以下、要綱)に「軽度障がい児を含め障がい児を4人以上受け入れるために要する特別 な経費」と定められている。  要綱には「特別な経費」の内容を明らかにした定義等の記載がなく、特別な経費の範 囲が不明確となっている。  平成22年度に補助金の交付を受けた7保育園から提出された補助対象経費の内容は 次の表のとおりであった。                        (保育園提出事業実績より)  このうち、聖徳、駒爪、日置江保育園の補助対象経費については、バリアフリー化工 事や肢体不自由児の安全のための工事であり、障がい児を受け入れるための特別な経費 に該当するといえる。  一方、黒野、鏡島、長良、華陽保育園の補助対象経費の内容は、各種楽器、絵本、ウ ッドデッキ、テレビ、DVDデッキ、三輪車等であるが、これらは障がい児も含む園児 全体が使用または利用するものであり保育園の通常の備品等といえることから、障がい 児を受け入れるために要する特別な経費ではなく、補助対象経費とすべきではないと考 える。  この4保育園から提出された事業実績には、各経費の障がい児保育への有用性が記載 してあるが、健常児の保育に有用な備品の購入などの支出の多くは、障がい児保育にと っても有用なものと考えられることから、障がい児保育への有用性があることをもって、 補助対象経費とするのは適当ではない。これを認めると、本来、保育園が負担すべき、 通常の経費をも補助金で賄うことになり公正ではない。  また、当該補助金の交付を受けた上記7保育園以外にも、障がい児を4名以上受け入 れるという要件を満たしている保育園が4園あるが、これらの保育園は補助対象となる 「障がい児を受け入れるために要する特別な経費」はないとして、補助金の申請はなされ ていない。楽器等のように障がい児保育にも利用するものまでを補助対象とすることが できるのであれば、この4園においても補助対象となる経費があったと考えられること から、公平性の観点からも問題と考える。  これに対し、担当課では、毎月、私立保育園の園長が出席する会議にて補助金制度等 の周知や質問対応を行っていることから、補助対象の範囲について十分理解されている はずとのことであった。しかしながら、補助対象となる経費の範囲が不明確な状態は適 切でなく、解釈の差により、補助金交付申請に影響が出ないようにする必要があった。  今後は、要綱に補助対象経費となる「特別な費用」の範囲を明確にして、補助金の公 正性、公平性を確保すべきである。  なお、当該要綱では、軽度障がい児を含めた障がい児を4名以上受け入れていること が、補助金の交付対象の要件となっているが、軽度障がい児及び障がい児の定義が要綱 上記載されていない。別途、基準をもって定義しているとのことであるが、要綱にその 基準を明記されることが望ましい。 (7)モデル保育所事業補助金の交付事務について 1) 概 要  モデル保育所事業補助金は、児童福祉の推進を図ることを目的として、私立保育園が 行う個性を伸ばす保育所事業、特別保育推進事業、保育環境整備事業のため機器設備等 の整備費、物品費等について補助するものである。概要は次のとおりである。 ┌─────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称     │モデル保育所事業補助金                           │ ├─────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課      │保育事業課             │開始年度  │昭和62年度       │ ├─────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等 │岐阜市モデル保育所事業補助金交付要 │補助の種類 │事業補助        │ │         │綱                 │      │            │ ├─────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │         │ 児童の個性を伸ばす事業、特別保育を取り組むための施設改装、保育環境を整  │ │内容       │備する施設整備行う保育園を運営する社会福祉法人に対し、事業に係る経費の一  │ │         │部を助成するものである。                          │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │個性を伸ばすモデル保育所事業                        │ │         │  交付限度額 補助基本額1,000千円~3,000千円  補助率3分の2       │ │         │特別保育推進整備事業                            │ │金額の算定    │  交付限度額 補助基本額1,000千円~5,000千円  補助率3分の2       │ │         │保育環境整備事業                              │ │         │  交付限度額 補助基本額1,000千円~5,000千円  補助率3分の2       │ │         │ いずれも予算の範囲内という制約がある。                  │ ├─────────┼──────────────────────────────────────┤ │         │ 有                                    │ │事業評価の有無及 │ (総合評価)毎年この事業を利用して私立保育園が環境整備を行い、快適な環境  │ │び結果      │の中で保育がなされています。子どもが安全で快適な環境のなかで、個性を伸ば  │ │         │し健やかに成長していくために、今後も環境整備を推進していきます。      │ ├─────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │         │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │         │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)    │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │         ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │         │ 不明 │  3,333│  3,333│  3,333│  3,333│    3,333│    3,333│ ├─────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント     │ 毎年度、予算額全額を使用している。                    │ └─────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.要綱の記載事項について(意見)  当該補助金の予算は、近年、継続的に3,333千円となっており、概要の金額の算定に あるように、1件で5,000千円以上の補助対象の工事等があった場合、工事等の1件の 予算を使い切ってしまうことになる。ここ数年は1園に対する補助のみとなっており、 平成22年度は、ある保育園の屋上、ベランダの防水工事が補助対象であった。  補助金の交付対象となりうる保育園は19園あり、今までは、予算額を超過するよう な複数件の申請はなく、特に選考は必要なかったとのことであるが、通常、このような 状態が継続するとは考えにくい。複数の申請により予算枠を超過することを想定する必 要があるが、要綱には、予算に対して複数の申請があった場合、予算の枠を按分して使 用するのか、担当課が補助の対象を選考するのかの記載がない。また、要綱は補助金交 付事務の実務の基準となるものであるから、担当課が補助金選考先に決定を行うという ことであれば、極力、恣意性を排除するために、何を基準に補助対象を選考するのかを 要綱にて明確にすることが適切と考える。 イ.公平性について(意見)
     当該補助金は、ア.で述べたように申請が重複し複数の申請から選択するようなこと はなかったとのことであるが、潜在的に、補助対象経費の要件を満たしたとしても、補 助対象となる園と補助対象とならない園が生じる可能性があり、公平性の点で課題があ るといえる。  公平性の観点からは、補助金の予算を、当年度、補助申請され適当と判断されたもの すべてで金額按分することも考えられる。ただし、当該補助金は、保育事業に有益であ るが、自らでは全額を負担し難い一定規模以上の支出について、補助を行うことにより 当該支出を促進することが、この補助金の趣旨であると考えられるため、保育園が負担 する支出に比して、補助額があまりにも少額になるのではこの補助を行う意味がなくな ってしまう。  さらに、当該補助金は3つの事業を対象としており、これらの事業を行うためには絶 対的な予算が不足しているといわざるをえない。複数の補助申請があった場合、どの申 請を採用するかを決定する際に、現在の保育事業に新たなものを付加することになる 「個性を伸ばすモデル事業」や「特別保育推進整備」よりも、現在の施設の不具合を改善す ることを含む保育環境整備の優先度が高いと判断されることになると思われる。  これらの問題を解決するためには、予算額を増加させることが必要であるが、現在の 市の財政状況を鑑みると、現実的ではないと思われる。そこで次善の策としては、例え ば、補助率を、発生経費の3分の2から2分の1とすること、他の保育園関係の補助金、 例えば運営費補助金の均等割、備品整備割等の額を一律、250千円減額しその金額(運 営費補助金対象保育園24園×250千円=6,000千円)を当該補助金の予算に振り替える ことが考えられる。というのは、運営費補助金の補助の要件として、施設老朽化による 補修整備、備品整備が含まれており、少額なものを想定されているとのことであるが、 性質上、当該補助金と類似するものであり、これらを当該補助金に振り替えることが合 理的であると考えられるからである。これにより予算枠9,000千円(≒従来の3,333千 円+振替分6,000千円)に対して、補助対象となる経費が合計18,000千円となり、さ らに補助対象の枠を1件最大5,000千円から、3,000千円に減額すれば、これで毎年度 6保育園に補助を行うことが可能となり、現状と比較すると大きく改善するものと考え る。 ウ.事業評価について(指摘)  当該補助金の事業評価では、全ての評価項目で最高点の5で評価されている。しかし ながら、評価項目の必要性は、「保育環境を整備し、安全で快適な環境で保育を行う」 として最高の5で評価されているが、保育園が希望する補助に対して、毎年ほぼ1件し か補助をしない状況で、各保育園は特に問題なく運営されていることから、この補助金 の必要性が高いとまではいえない。また、有効性についても同様に5で評価されている が、同様の理由により最高の評点で評価することは過大評価と考える。  さらに、費用対効果の項目については、県内の市町村で同様の補助事業を実施してい ることをもって、5と評価している。他の市町村で行っていることと費用対効果との関 連はない点を指摘したところ、担当課では誤って、そのような記載となったとのことで あった。  事業評価を行う目的は、事業を有効かつ効率的に行うため、業務の改廃を検討するこ とにある。それにも関わらず、現状の評価を適切に行っておらず、現状を追認するだけ では時間と労力をかけて、事業評価を実施する意味がない。実態に即した評価を行い、 事業の適否、改善すべき事項を検討し、翌年度以降の事業に反映させるべきである。 (8)岐阜市交通遺児援護事業の補助金の交付事務について 1) 概 要  交通事故により、父母等を失った児童に対し、健全な育成と福祉の増進を図るため、 交通事故で父母等が亡くなられた際に岐阜市交通遺児激励金が支給され、学校入学等の タイミングで岐阜市交通遺児支度金が支給される。概要は次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市交通遺児援護事業                         │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │子ども家庭課            │開始年度 │昭和57年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市交通遺児激励金等支給規則   │補助の種類│補助金        │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │ 交通事故によって父母等を失った遺児に対し、激励金、支度金等を支給するこ│ │        │とで遺児を激励し、健全な育成と福祉の増進を図ることを事業の目的としてい │ │        │る。                                  │ │内容      │                                    │ │        │ 激励金等の分類は以下のとおりである。                 │ │        │-激励金:(交通事故が発生したとき)20,000円               │ │        │-入学支度金(小学校):20,000円                     │ │        │-入学支度金(中学校):30,000円                     │ │        │-卒業支度金(中学校):30,000円                     │ │        │-激励図書カード(乳幼児・小学生): 10,000円              │ │        │-激励図書カード(中学生): 15,000円                  │ │        │-激励図書カード(高校生):20,000円                   │ │        │ 平成22年度の支給実績は以下のとおりである。              │ │        │-激励金:0名 総額0円                          │ │        │-支度金:5名 総額130,000円                       │ │        │-激励図書カード:31名 総額480,000円分                 │ │        │ 激励図書カードは毎年5月5日を基準日として、岐阜市に在住する交通遺児に │ │        │対して送付している。これは岐阜市交通遺児激励金等支給規則に基づく補助金で│ │        │はなく、岐阜県交通遺児激励金支給要綱を参考に消耗品費として費用処理し、支│ │        │給されるものである。                          │ │        │ 激励金、支度金、激励図書カードとして支給された金額は全額元気なぎふ応援│ │        │基金より一般会計に繰り入れられる。つまり、全額寄付によって賄われることに│ │        │なる。                                 │ │        │ 激励金、支度金支給については申請制であり、周知は、広報ぎふや学校、保育│ │        │所(園)等や民生委員・児童委員によりなされる。             │ │        │ なお、参考までではあるが、平成22年中の岐阜市内の交通事故死者数は20名 │ │        │である。(岐阜県警発表より)                       │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 岐阜市交通遺児激励金等支給規則に定められた金額を支給している。    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                  │ │        │ 平成22年度総合評価:交通事故で父母等をなくした児童に対する補助であり、│ │事務事業評価の有│交通遺児が心身ともに健全に育つための支援となっている。         │ │無及び結果   │今後の方向性:現状維持                         │ │        │ 事業の性格上、効果測定とはなじまず、成果実績欄は空欄となっている。  │ │        │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)  │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤
    │        │  不明│    825│    720│    880│    710│  785│  610│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 各年度における支出額は申請等の状況により異なる。           │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助対象について(指摘)  交通事故により、父母等を失った交通遺児に対して支援を行うことは、弱者保護の観 点から否定するものではない。しかし、施策が遺児の健全な育成と福祉の増進を図るも のであるならば、遺児となった原因を交通事故に限定するのは適切ではないと考える。 なぜなら、交通事故以外の事故、または病気などにより父母を失った遺児も交通遺児と 同様に健全な育成と福祉の増進が必要であることから、交通遺児のみを特別に激励する ことは公平性を害するためである。  これに対し、担当課では、当該補助金は、福祉目的の寄付金で構成された「元気な岐 阜応援基金」を財源としており、この寄付を行う団体の中に、交通遺児の支援を意図し て寄付を行う団体があり、この寄付者の意図を反映して交通遺児に対する補助を行って いるとのことであった。  しかしながら、交通遺児の支援のための寄付金額は、年度により異なるが実際に補助 される金額の10数%~30%程度であり、不足分については、詳細には目的を定めない 福祉目的の寄付金を財源としている。交通遺児支援を目的として寄付金のみを財源とし て、当該補助を行うのであれば、寄付者の意図を反映したものであり、交通遺児に限る ことも妥当といえる。実際は、当該補助の大部分は他の福祉目的の寄付金を財源として いることに鑑みると、補助対象を交通遺児と限定することは公平性を害しているといわ ざるをえない。  補助対象者の見直しを行うか、補助対象者を交通遺児に限定するのであれば、その財 源は交通遺児支援を目的とした寄付金に限定し、その範囲内での補助とすべきである。 イ.激励図書カード支給の根拠について(意見)  交通遺児支度金、激励金は、岐阜市交通遺児激励金等支給規則に則って支給される補 助金である。一方で、激励図書カードの送付等の運用については、岐阜県交通遺児激励 金支給要綱を参考にしてはいるものの、岐阜市自体には支給の根拠となる要綱等がない。 支給事務が確実になされるためにも支給根拠を明確にすべきである。 (9)岐阜市社会福祉協議会運営補助金の交付事務について 1) 概 要  市町村社会福祉協議会は、社会福祉法第109条に基づき地域福祉の推進を図るため設 立された団体であり、岐阜市社会福祉協議会においては、昭和33年の発足以来、現在 では、市内全域に50の支部を設置し地域福祉活動を展開している。  少子・高齢社会の進展や核家族化、児童虐待やDV等の社会問題など、福祉を取り巻 く環境は大きく変化しており、当事者や行政だけでは解決できない課題が増加している。  社会福祉協議会に対する運営費補助事業は、地域の実情に応じたきめ細かなサービス 提供や制度の谷間などにある福祉ニーズに対応しながら福祉コミュニティの構築を推 進することを目的として、岐阜市社会福祉協議会の実施事業のうち、地域福祉推進事業 に関わる人件費及び各事務所の管理経費の補助を行うものである。概要は次のとおりで ある。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市社会福祉協議会運営補助金                     │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │福祉政策課             │開始年度 │昭和60年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│-                 │補助の種類│運営補助金      │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │ 住民ニーズ・福祉課題の明確化および住民活動の推進などの役割を果たしてい│ │内容      │る岐阜市社会福祉協議会に対し、地域福祉推進事業に関わる人件費及び各事務所│ │        │の管理経費を補助している。                       │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 社会福祉協議会からの申請書に基づき算定                │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                  │ │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)  │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │    │  59,631│  56,665│  58,000│  58,123│58,453│58,311│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │        │ 社会福祉協議会の運営費補助金は、大半が地域福祉推進事業に関わる職員の人│ │コメント    │件費の補助となっているため、職員の大幅な増減が生じない限りは、毎期同程度│ │        │の額が補助されることになる。                      │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.民間団体に対する補助目的及び補助金額の見直しについて(意見)  社会福祉協議会とは、地域福祉推進の中核的団体として、すべての都道府県、市町村 に設置されている全国組織の民間団体であり、地域の福祉問題をみんなで考え、話し合 い、協力して解決することを目的に、市民や社会福祉に関連する団体・機関によって構 成されている。  岐阜市では、地域の実情に応じたきめ細かなサービス提供や制度の谷間などにある福 祉ニーズに対応しながら、福祉コミュニティの構築を推進することを目的とし、岐阜市 社会福祉協議会の実施事業のうち、地域福祉推進事業に関わる人件費及び各事業所の管 理経費の補助を行っている。  人件費及び各事業所の管理経費の補助金額は、以下のように算定されている。   人件費補助(社会福祉協議会事務局の人件費)    補助対象:地域福祉推進事業に関わる職員の人件費(職員9名、常勤嘱託員1名、         非常勤嘱託員1名の計11名のうち、10名分を補助対象とする。)    算定方法:職員については、平成19年度の地方交付税の単位費用に積算されて         いる福祉活動専門員設置事業費である6,424千円を基準とする。職種         により地域福祉事業のほかに法人事業に関わるものについて兼任割         合で按分を行う(0.5人相当)。また嘱託員については人件費全額を         補助対象とし、職員同様、法人事業に関わるものがいる場合には、兼         業割合で按分を行う(0.5人相当)。    算定金額:補助対象人件費…57,674千円
            補助対象外  …11,026千円   運営費補助(社協支部等、各事務所における管理経費)    補助対象:地域福祉推進事業に従事する職員のいる事業所の管理経費    算定方法:各施設の社協負担分を地域福祉推進事業に関わる人員(配置人数)に         て按分したもの。    算定金額:単位 千円      ┌──────┬─────┬─────┬────┬─────┐      │      │社協負担分│人数按分率│補助対象│補助対象外│      ├──────┼─────┼─────┼────┼─────┤      │中央センター│    763│    12%│   91│    671│      ├──────┼─────┼─────┼────┼─────┤      │南部センター│    580│    23%│   133│    446│      ├──────┼─────┼─────┼────┼─────┤      │北部センター│    654│    23%│   150│    504│      ├──────┼─────┼─────┼────┼─────┤      │柳津支所  │    805│    50%│   402│    402│      ├──────┼─────┼─────┼────┼─────┤      │   計  │   2,803│     │   779│   2,025│      └──────┴─────┴─────┴────┴─────┘   補助金額:人件費補助57,674千円 + 運営費補助779千円 = 58,453千円   法人運営事業に関する資金収支計算書   (平成22年4月1日~平成23年3月31日)   ┌─────────────────┬────────┬─────────┐   │経常活動による収支        │        │         │   │収入               │        │収入に占める割合 │   │ 会費収入            │   29,978千円│      18.3% │   │ 寄付金収入           │    3,918千円│      2.4% │   │ 経常経費補助収入(※)     │   69,810千円│      42.7% │   │ 助成金収入           │     126千円│      0.1% │   │ 受託金収入           │    3,121千円│      1.9% │   │ 事業収入            │    1,124千円│      0.7% │   │ 貸付事業収入          │    3,980千円│      2.4% │   │ 負担金収入           │   39,093千円│      23.9% │   │ 雑収入             │     137千円│      0.1% │   │ 受取利息配当金収入       │     272千円│      0.2% │   │ 会計単位間繰入金収入      │    5,870千円│      3.6% │   │ 経理区分間繰入金収入      │    6,068千円│      3.7% │   │             収入合計│   163,502千円│     100.0% │   │                 │        │         │   │支出               │        │支出に占める割合 │   │ 人件費支出           │   98,400千円│      67.1% │   │ 事務費支出           │   13,859千円│      9.4% │   │ 事業費支出           │    5,036千円│      3.4% │   │ 貸付事業等支出         │    3,980千円│      2.7% │   │ 助成金支出           │   18,363千円│      12.5% │   │ 負担金支出           │    2,494千円│      1.7% │   │ 経理区分間繰入金支出      │    4,550千円│      3.1% │   │             支出合計│   146,684千円│     100.0% │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │       経常活動資金収支差額│   16,817千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │施設整備等による収支       │        │         │   │支出               │        │         │   │ 固定資産取得支出及び繰入支出  │     698千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │      施設設備等資金収支差額│    -698千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │財務活動による収支        │        │         │   │収入               │        │         │   │ その他の収入          │   15,779千円│         │   │支出               │        │         │   │ 積立預金積立支出        │   11,761千円│         │   │ その他の支出          │   15,401千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │       財務活動資金収支差額│   -11,383千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │       当期資金収支差額合計│    4,735千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │        前期末支払資金残高│   40,771千円│         │   ├─────────────────┼────────┼─────────┤   │        当期末支払資金残高│   45,507千円│         │   └─────────────────┴────────┴─────────┘   (※)このうち、岐阜市社会福祉協議会運営補助金として58,453千円を支出して      いる。  岐阜市社会福祉協議会への補助金は、事業体を運営することに伴い発生する経費を補 助することを目的として支出されている運営費補助金である。  補助金は、一般的に運営に対する補助と特定の事業に対する補助に分類することが可 能である。運営に対する補助とは、事業体(団体)が設立してから一定期間は安定した 運営(事業活動)ができないため、事業体を運営することに伴い発生する経費を補助す ることを目的とされる補助金である。一方で、特定の事業に対する補助とは、事業体の 運営に対して発生する経費ではなく、特定の限られた事業そのものから発生する経費に 対して補助することを目的とした補助金である。  岐阜市としては、岐阜市社会福祉協議会は社会福祉法に基づいて設立された民間団体 であり、岐阜市に代わって公益性の高い福祉事業を行ってもらっていることから、地域 福祉推進事業に関する人件費及び各事業所の管理経費に対する経費を補助している。し かし、以下のような問題がある。  岐阜市社会福祉協議会の収支内訳をみると、運営費補助金69,810千円は経常活動に よる収入の42.7%を占めており、うち岐阜市からの運営費補助金58,453千円は経常活 動による収入の35.8%を占めている。その一方で、人件費支出98,400千円は経常経費 支出の67.1%を占めており、経常経費補助金収入69,810千円を大幅に上回る状況にあ り、補助金のみでは運営が困難な状況にあると考えられる。  地域福祉推進事業は、利益を生む活動ではないため、人件費をはじめとした活動経費 は補助金を頼りにせざるを得ない。しかし、仮に市の財政悪化に伴い、補助金の減額が 行われると、岐阜市社会福祉協議会の活動理念である地域の福祉問題をみんなで考え、 話し合い、協力して解決するという目的を達成することが、著しく困難となってしまう
    ばかりか、組織自体を維持することも困難になると考えられる。  岐阜市社会福祉協議会の設立趣旨を考えれば、会費収入を主要財源にすることを要請 することには無理があるかもしれない。しかし、岐阜市としては、単に補助金を交付す るのみではなく、例えば、協議会における人件費の見直しを含め補助金の範囲内で運営 ができるような組織体制になるように更なる指導を行う等の対応は必要であると考え られる。また、必要であれば補助金額の見直しも行うことが必要と考えられる。  さらに、当該協議会の目的である「地域の実情に応じたきめ細かなサービス提供や制 度の谷間などにある福祉ニーズに対応しながら、福祉コミュニティの構築を推進するこ と」を補助するための補助金であることから、コミュニティ構築に関連して発生する経 費の補助に限定するなど、補助金の交付目的または交付対象についても見直しを行うこ とが望まれる。 (10)岐阜市福祉医療助成事業協力費補助金の交付事務について 1) 概 要   介護保険制度の実施、医療法の改正等、福祉と医療を取り巻く環境が複雑化するな  か、「福祉医療費助成により、助成対象者の保健の向上に寄与し、もって福祉の増進  を図る」という目的達成のため、岐阜市医師会、岐阜県歯科医師会、岐阜県柔道整復  師会が行う福祉医療、地域医療の向上のための研修会、講習会等に対して補助するた  めの支出である。概要は次のとおりである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市福祉医療助成事業協力費補助金                   │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │福祉政策課             │開始年度 │昭和60年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │根拠条例、要綱等│福祉医療の取扱いについての覚書   │補助の種類│運営補助       │ │        │協定書               │     │           │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │                                    │ │内容      │ 岐阜市と各医療機関との調整や地域に密着した各種事業推進のための協力費 │ │        │として補助金を支出している。                      │ │        │                                    │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │        │医 師 会:人口1人当たり43円20銭 ※                  │ │        │歯科医師会:人口1人当たり15円70銭 ※                  │ │金額の算定   │柔道整復師会:開始当初より年間150千円                  │ │        │                                    │ │        │※平成21年度10月1日の推計人口(岐阜県総合企画部統計課公表)       │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                  │ │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)  │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤ │        │ 24,780│  24,497│  24,479│  24,456│  24,397│24,369│24,369│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │        │ 医師会及び歯科医師会に対する補助金は、岐阜市の人口割により算定されてい│ │コメント    │る。そのため、岐阜市の人口に著しい変動がないことから、毎期同程度の額で推│ │        │移している。柔道整復師会に対する補助金は、過去から一律150千円を交付され │ │        │ており、見直し等は行われていない。                   │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金の設定目的の明確化について(意見)  介護保険制度の実施、医療法の改正等、福祉と医療を取り巻く環境が複雑化するなか、 「福祉医療費助成により、助成対象者の保健の向上に寄与し、もって福祉の増進を図る」 という目的達成のため、岐阜市医師会、岐阜県歯科医師会、岐阜県柔道整復師会が行う 福祉医療、地域医療の向上のための研修会、講習会等、下記の事業に対し補助すること を目的としている。    ・保健・医療・福祉の情報提供・啓発活動    ・経営及び技術の改善向上のための研究会、講習会    ・知識の普及を図るため会報誌等を発行   過去3年間の補助金の推移  ┌──────────┬────────┬────────┬────────┐  │   補助金先   │ 平成20年度  │ 平成21年度  │ 平成22年度  │  ├──────────┼────────┼────────┼────────┤  │岐阜市医師会    │   17,827千円│   17,784千円│   17,763千円│  ├──────────┼────────┼────────┼────────┤  │岐阜県歯科医師会  │    6,479千円│    6,463千円│    6,456千円│  ├──────────┼────────┼────────┼────────┤  │岐阜県柔道整復師会 │     150千円│     150千円│     150千円│  └──────────┴────────┴────────┴────────┘   (医師会及び歯科医師会への補助金の交付根拠)   岐阜市医師会及び岐阜県歯科医師会への補助    岐阜県と岐阜県医師会及び岐阜県歯科医師会とは、平成22年度福祉医療の取り   扱いについて、以下の覚書を締結している。    福祉医療(岐阜県福祉医療費助成事業補助金交付要綱に基づく医療費支給事業を   いう。以下同様)の実施にあたっては、岐阜県、岐阜県医師会及び岐阜県歯科医師   会が連絡を密にし、岐阜県は市町村に対し、岐阜県医師会及び岐阜県歯科医師会は   地域医師会に対し、連絡調整及び指導に努め、福祉医療の円滑な運営を図る。    市町村が福祉医療の円滑な運営を図るために協力費として医療機関団体に支出   した経費のうち、平成21年10月1日現在の岐阜県人口動態統計調査における推計   人口1人当たり43.2円及び15.7円に5分の2を乗じた額を岐阜県は市町村に補助   する。    協力費の支払方法は、関係者相互間で協議決定する。   福祉医療の実施に伴う医療機関の協力内容    市町村が行う乳幼児、重度心身障害者、母子家庭等の母及び児童並びに父子家庭   の父及び児童等の医療費の現物給付または償還払い方式に伴う事務   期間 平成22年4月1日から平成23年3月31日まで   岐阜市の推計人口と福祉医療費助成事業協力費
     ┌──────┬──────┬──────┬──────┬──────┐  │H21.10.1  │医師会   │県費補助  │歯科医師会 │県費補助額 │  │推計人口  │補助基本額 │額     │補助基本額 │(2/5)   │  │      │\43.2/1人 │(2/5)   │\15.7/1人 │      │  │     人│     円│     円│     円│     円│  ├──────┼──────┼──────┼──────┼──────┤  │   411,179│ 17,762,932│  7,105,172│  6,455,510│  2,582,204│  └──────┴──────┴──────┴──────┴──────┘   ※岐阜県総合企画部統計課(岐阜県の人口・世帯数 人口動態統計調査結果)  岐阜市では、上記の岐阜県と岐阜県医師会及び岐阜県歯科医師会との間で、福祉医療 の取扱いについての覚書が取り交わされたことに基づき、岐阜市医師会及び岐阜県歯科 医師会に対して、協力費の補助を行っている。  上記の契約内容から考えれば、医療機関における事務作業の煩雑化に対する経費補助 としての性質が強いといえる。しかし、実質は協力金との名目で、医師会及び歯科医師 会に対して、補助金を支出しているにすぎず、補助金の交付理由も「福祉医療、地域医 療の向上のための研修会、講習会等に対して補助するための支出」となっている。その ため、補助の設定目的と覚書の締結意図が整合していないと考えられることから、補助 金が何に対して支払われているかを明確にすることが求められる。 イ.岐阜県柔道整復師会への補助の必要性について(意見)  岐阜県柔道整復師会への協力金の補助支出は、岐阜市医師会及び岐阜県歯科医師会の ような契約が存在しているわけでなく、岐阜市補助金等交付規則第4条の規定に基づく 「補助金等交付申請書」に基づき、補助を実施しているのみであることから、以下の問 題がある。   岐阜県柔道整復師会の収支内訳(社団法人 岐阜県柔道整復師会の収支決算書より)  ┌────────┬────────┬────────┬────────┐  │   収入   │  予算額   │  収入額   │収入に占める割合│  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │会費      │    2,100,000│    2,104,819│   93.3%   │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │市補助金    │     150,000│     150,000│   6.7%   │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │    計   │    2,250,000│    2,254,819│  100.0%   │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │   支出   │  予算額   │  収入額   │        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │報酬      │     180,000│     77,777│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │旅費      │     300,000│     336,102│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │通信費     │     250,000│     232,000│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │印刷費     │    1,170,000│    1,092,000│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │需要費     │     80,000│     180,000│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │研修等助成費  │     270,000│     336,940│        │  ├────────┼────────┼────────┼────────┤  │    計   │    2,250,000│    2,254,819│        │  └────────┴────────┴────────┴────────┘  岐阜県柔道整復師会への補助金について、昭和60年の補助開始以来、継続して150 千円を補助しており、補助金額及び補助の必要性につて見直しが行われていない状況に あった。岐阜県柔道整復師会の収支決算書を確認したところ、岐阜市からの補助割合が 非常に低く、実質的に補助の必要性が認められないと考えられる。また、運営費に対す る補助であるとしても、少額の補助で運営を補助する必要性が認められないと考えられ る。  当該補助金は、福祉医療及び地域医療の向上に資するため過去から補助を行っている が、岐阜県内における他市の協力金の支払い状況についてヒアリングをした結果、岐阜 県内では岐阜市を除き、岐阜県柔道整復師会への事業協力費の補助を行っている市町村 はない旨の回答を得ている。そのため、岐阜市のみが岐阜県柔道整復師会へ補助をする 必要性について検討する必要がある。また、補助金の算定根拠についても明確となって いないことから、補助の必要性及び補助金の算定根拠を明確にすることが望まれる。 (11)岐阜市民生委員児童委員協議会運営費補助金の交付事務について 1) 概 要  民生委員児童委員協議会の活動の目的は、援助を必要とする住民に対し、相談援助活 動を行うとともに、福祉サービスを適切に利用するために情報提供等を行うこと、関係 行政機関の業務に協力し、社会福祉に関する活動を支援することにある。そのため、民 生委員・児童委員の資質向上が求められ、近年特に民生委員・児童委員の任務が多様化し ており、それに対応していくために研修等を実施し、民生委員・児童委員の資質向上に も努める必要がある。  岐阜市民生委員児童委員協議会運営費補助金は、そのような民生委員児童委員協議会 の運営を補助することを目的として支出されるものである。 ┌────────┬────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜市民生委員児童委員協議会運営費補助金                │ ├────────┼──────────────────┬─────┬───────────┤ │担当課     │福祉政策課             │開始年度 │平成4年度      │ ├────────┼──────────────────┼─────┼───────────┤ │        │民生委員法             │     │           │ │根拠条例、要綱等│岐阜市民生委員児童委員選任取扱要領 │補助の種類│運営補助       │ │        │岐阜市主任児童委員選任取扱要領   │     │           │ ├────────┼──────────────────┴─────┴───────────┤ │        │ 民生委員児童委員協議会が実施している「援助を必要とする住民に対し、相談│ │        │援助活動を行うとともに、福祉サービスを適切に利用するために情報提供等を行│ │内容      │うための活動及び関係行政機関の業務に協力し、社会福祉に関する活動を支援す│ │        │る活動並びに民生委員・児童委員の資質向上のために、研修等を実施する活動」│ │        │に対して、運営費用が必要となることから当該運営費用を補助している。   │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 岐阜市民生委員児童委員協議会からの申請書に基づき算定         │ ├────────┼────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                  │ │無及び結果   │                                    │ ├────────┼────┬─────┬─────┬─────┬─────┬───────┤ │        │開始年度│平成18年 │平成19年 │平成20年 │平成21年 │ 平成22年度 │ │        │    │     │     │     │     ├───┬───┤ │推移(千円)  │ 実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │ 度実績 │予算 │実績 │ │        ├────┼─────┼─────┼─────┼─────┼───┼───┤
    │        │  1,568│  20,479│  20,479│  20,479│  20,479│20,479│20,479│ ├────────┼────┴─────┴─────┴─────┴─────┴───┴───┤ │コメント    │ 主に民生委員・児童委員の人数に基づき補助金を算定しているため、近年では│ │        │構成メンバーの増減がないことから一定額の補助となっている。       │ └────────┴────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.協議会からの補助金の交付事務マニュアルの必要性について(意見)  岐阜市民生委員・児童委員協議会運営費補助金は、民生委員法第20条の規定により 組織された地区民生委員・児童委員協議会の相互連携と活動の充実及び民生委員・児童 委員の連帯と親睦を図り、社会福祉の増進に努めることを目的として支出している運営 補助金である。  当該運営費補助は、岐阜市補助金等交付規則第4条に基づき交付されており、交付事 務手続きは、岐阜市民生委員・児童委員協議会からの補助金等交付申請書に添付されて いる事業計画書及び年度収支予算書に基づき交付の必要性を検討した上で交付されて いる。  しかし、岐阜市民生委員・児童委員協議会の事務局については、岐阜市役所内の岐阜 市福祉部内に置かれており、岐阜市民生委員・児童委員協議会の事務手続きについては、 福祉部の市役所職員が行っている状況にある。具体的な事務手続きの内容としては、事 業計画の作成、収支予算書の作成、収入管理、支出管理、事業実績報告書の作成、収支 決算書の作成及び岐阜市に対する補助金申請書の作成を行っており、大部分が会計事務 である。そのため、以下のような問題が挙げられる。 1)交付申請手続きと交付承認手続きを同一部署で行うことに伴う、交付手続きの形骸化  の可能性 2)運営費補助金を協議会から各ブロック及び地域へ交付することによる交付申請手続  きの形骸化の可能性  ┌─────────────────────────────────────────┐  │(参考) 岐阜市民生委員・児童委員協議会会則                   │  │事務所 第2条                                   │  │ 本会は、事務所を 岐阜市今沢町18番地 岐阜市福祉部(以下「福祉部」という)内に置│  │く。                                       │  └─────────────────────────────────────────┘  1)交付申請手続きと交付承認手続きを同一部署で行うことに伴う交付手続きの   形骸化の可能性    岐阜市では、岐阜市民生委員・児童委員協議会の目的を達成するための補助的な   事務ではあるが、作業の大部分を市の職員が市の職務として行っている。そのため、   岐阜市民生委員・児童委員協議会が、岐阜市から独立した団体と位置付けるには疑   問が残る。    この点について、仮にある協議会等が市から独立した団体と見ることができない   場合には、実質的に考えて、市から当該協議会への補助金の支出について、市が市   に対して補助金を支出していると評価することができる。すなわち、形式的には市   から外部の協議会へ補助しているような外観を備えてはいるが、あくまで書類上の   みであり、実態は市内に補助金を留保しているのと同様の結果となってしまう可能   性がある。    そのため、岐阜市民生委員・児童委員協議会が市から独立した団体ではなく、岐   阜市の一部署とみなすことができる場合には、当該協議会が補助金収入及び負担金   収入により事業を運営していく際に発生する様々な支出に対して、実質的には市に   よる支出にもかかわらず、他の財政支出と比較して著しく簡易な方法により支出が   なされることになる。    例えば、岐阜市民生委員・児童委員協議会では、ブロック活動費補助や地区民生   委員に活動補助費を支出しているが、これらの補助行為が岐阜市から直接的に行わ   れるものであれば、各ブロックや地域が個々に岐阜市に対して補助金の交付申請を   行うことが必要となり、岐阜市としても個々の交付申請に対して検討し補助金の交   付事務手続きを行うことが必要となる。そのため、個々の交付申請ごとに補助金の   交付の必要性の検討、交付した補助金に対する事業実績の調査(及び報告)が求め   られ、補助金が不用意に交付されることを防止または管理することが可能となる。    しかし、岐阜市民生委員・児童委員協議会からの個々に補助金の交付が行われる   場合には、当該協議会の内部的な意思決定により個々に補助金を交付することが可   能となり、各ブロックや地域からの補助金交付申請手続きが行われていないとして   も、補助金を交付することが可能となる。それは、本来であれば、補助金を交付す   る必要がないブロックや地域に対しても補助金が交付される可能性があることに   なる。    言いかえれば、実質的に岐阜市からの補助金の交付とみなすことができても、一   旦、協議会を通過させることにより、必要な交付申請手続きを得ることなく補助金   の交付が可能となることを示す。そのため、補助金の交付申請手続きが形骸化して   いる可能性があり、補助金等交付規則を逸脱している可能性も否定できない。  2)運営費補助金を協議会から各ブロック及び地域へ交付することによる交付申請手   続きの形骸化の可能性   平成22年度収支予算書  ┌─────────┬─────────┬─────────┬─────────┐  │科目       │収入(予算)   │科目       │支出(予算)    │  ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤  │会費       │     1,676千円│研修活動費    │     7,300千円│  ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤  │市補助金(注1) │    20,478千円│補助金(注2)  │    12,900千円│  ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤  │その他      │      985千円│負担金      │     2,200千円│  ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤  │         │         │その他      │      740千円│  ├─────────┼─────────┼─────────┼─────────┤  │合計       │    23,140千円│合計       │    23,140千円│  └─────────┴─────────┴─────────┴─────────┘    ※平成22年度収支予算書のうち、主な項目のみ独立して記載しており、金額が   僅少なものはその他として記載している。   (注1)主な算定根拠は、地区民児協活動費(@80千円×50地区=4,000千円及び       @7千円×838人=6,000千円)、ブロック活動費(@11千円×838人=9,218       千円)   (注2)ブロック活動費補助金、地区民児協活動費補助金、地区会長会補助金    当該協議会からの支出項目を分析すると、補助金として支出されている金額が全   体の55.5%を占めている状況にある。そのため、実質的に岐阜市からの補助金は、   協議会の運営費を補助するためというよりは、協議会からの各ブロック及び地域に   対する補助金を補うために交付が行われていると考えられる。    しかし、現状としては、協議会から補助を行う際の事務マニュアルもしくは交付   要綱に該当する規程は存在しておらず、補助金の交付根拠が不明確な状況となって   おり、運営費補助金を協議会から各ブロック及び地域へ交付することによる交付申
      請手続きの形骸化の可能性があると考えられる。    そのため、補助金等交付規則を逸脱しているかのような可能性を否定するために   も、協議会から各ブロック及び地域に対して補助を行う際に、指針となるものの作   成が望まれる。具体的には、補助金の選定基準または協議会内部における補助事務   マニュアル、交付要綱に該当する規程等の整備が必要であると考えられる。 ┌────────┐ │まちづくり推進部│ └────────┘ (1)歴史的建造物群景観形成助成制度の補助金の交付事務について 1) 概 要  歴史的建造物群景観形成助成制度は、岐阜市景観条例に規定する良好な景観の形成に 著しく寄与すると認められる行為のうち、歴史的建造物の連続により形成される特に良 好な歴史的景観を保全すると認められる行為に要する経費の一部に対し予算の範囲内 で助成金を交付するものである。具体的には、市内、長良川近くの川原町地区を対象に 助成を行っている。概要は以下のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │歴史的建造物群景観形成助成制度                       │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │まちづくり景観課          │開始年度  │平成21年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市川原町地区歴史的建造物群景観 │補助の種類 │事業費補助       │ │        │形成助成金交付要綱         │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 岐阜市では、川原町地区の連続する古い町並みが、岐阜市の景観的魅力となり、 │ │        │市として補助を行い維持することで、岐阜市への観光客増加、地域活性化に資す  │ │内容      │ると考えている。川原町地区の歴史的建造物及び一般建造物の景観を保全するた  │ │        │めの修景工事に対して、工事の内容によって助成率、上限額を定めて助成を行っ  │ │        │ている。                                  │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 要綱に定める助成率に助成対象工事費を乗じた金額もしくは限度額のいずれ   │ │        │か小さい金額。                               │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │事務事業評価の有│今後の方向性:現状維持                           │ │無及び結果   │ 歴史的建造物の連続により形成される当該地区において建造物を保全するた   │ │        │めに助成金を交付し、まちなみ景観を維持保全することは必要である。      │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │  4,999│    -│    -│    -│  4,999│   10,000│    6,500│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 平成21年度に開始し、平成22年度で微増した。工事案件の有無によって実績   │ │        │が大きく変わる。                              │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.相見積りについて(意見)  助成を行う場合、その支出に対する経済性が問題となる。平成22年度においては助 成金額が5,000千円、1,500千円の2件で合計6,500千円が支出された。原則、工事業 者の選定にあたっては、相見積りも実施し相対的に経済的なものを選択する必要がある。 しかし、この両者とも1社のみの見積りをもとに工事が行われ助成金が支出されている。 最低でも2社以上の見積りをとり、経済性、品質等を総合的に勘案して工事を検討する ことが必要である。 (2)木造住宅に係る住宅耐震補強工事事業の補助金の交付事務について 1) 概 要  木造住宅に係る住宅耐震補強工事事業は、昭和56年5月31日以前に建築された木造 住宅に対し、構造評点が一定基準以上となる耐震補強工事に要する費用の一部を補助す る制度である。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │木造住宅に係る住宅耐震補強工事事業                     │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │建築指導課             │開始年度  │平成17年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市建築物等耐震化促進事業費補助 │補助の種類 │事業費補助       │ │        │金交付要綱             │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 木造住宅のうち、財団法人日本建築防災協会(以下「建防協」という)又は事  │ │        │務所協会が主催する、木造住宅の耐震強度に関するセミナーを受講し、修了証の  │ │内容      │交付を受けている相談士が、建防協マニュアルに基づいて診断を行い、算出され  │ │        │た構造評点が規定の点数を下回っていると判断される木造住宅に対して、耐震補  │ │        │強工事に関する費用の一部を市が補助するものである。             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 1戸につき補助対象工事費の10分の7(限度額84万円)を補助する。      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 有                                    │ │        │今後の方向性:拡大                             │ │事務事業評価の有│ 東海地震等の発生が懸念される中、老朽木造住宅の耐震化を早急に進める必要  │ │無及び結果   │があり、人的被害を抑制し、安全で安心なまちづくりを推進する為にも非常に重  │ │        │要な事業である。また、市民からの補強工事の要望が非常に高く、補助事業の申  │ │        │込みを希望する全ての方々に事業が実施できるよう事業の拡大が求められてい   │ │        │る。                                    │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤
    │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │  6,080│  1,680│  1,680│  6,340│  7,560│   12,600│   12,600│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 年々、申請件数が増加しており、受付開始と同時に枠が埋まる事態となってい  │ │        │る。予算も増加傾向にある。                         │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金の公平性について(意見)  当該補助金は、建防協マニュアルに基づき、相談士が行う評価により、構造評点が 0.3以上改善する工事にのみ支出されることが要綱で定められており、事後の工事に対 するチェックも相談士によって行われているため、補助対象の物件に限定すれば、一定 の成果は上がっているといえる。しかし、予算の関係上、平成20年度8件、21年度9 件、22年度15件しか補助が行われておらず、また工事を先着順で受け付けているため、 該当事業年度の申請開始日に既に、その年度の予算枠が終了してしまう状況となってお り、申請のタイミングのみで補助が受けられるかどうかが決まり、補助の機会で公平性 が保たれていない。したがって、先着順によって補助対象を選定するのではなく、構造 評点の低い建物や、所得の低い世帯から優先的に補助金が交付されるように要綱を改正 し、誰もが納得できる公平な基準によって事業を進めるべきである。  なお、平成23年度からは、これらの状況を踏まえて受付を先着順から一定期間内に 応募があった人から抽選により決定する方法へ変更している。 イ.有効性について(意見)  岐阜市では、平成27年度までに耐震基準を満たした住宅の割合を、現在75%から全 国目標の90%まで引き上げることを目指しており、その目的を達成する手段として当 該補助金を支出している。しかし、ア.で述べたとおり、予算の関係上、補助を受けら れる件数が非常に限られており、また、岐阜市の木造住宅総数が約2万4千3百戸であ ることを考慮すると、岐阜市全体の目標を達成するための手段としての当該補助金の効 果はきわめて限定的であり、その有効性に問題があるといえる。したがって、補助金の 整理を行い、整理の結果得られた資金を当該補助金へ充当して、要件を満たす世帯は誰 でも補助金を受けられるような状況を整えることや、場合によっては、個々の補助では なく、耐震工事を行わないと倒壊等の危険がある世帯に、その危険性の周知をさらに徹 底し、自発的に耐震工事を促すことによって、目標を達成する方法も考えられる。  なお、平成23年度では、予算が大幅に増加し希望者全員が当該補助金を受けられる ように改善されている。 ウ.市職員の過大な事務作業負担について(意見)  市の平成22年度の事業評価シートによると、総補助金額12,600千円に対して、市職 員の事務作業等の人件費5,010千円がかかっている。これは、構造計算資料について部 品一つ一つまで写真の添付が必要で、その資料が多くなるため検証作業に相当な時間を 要していること及び申請書類に不備が多いため、その対応に相当な時間を要しているこ とが主な原因に挙げられる。あまりに煩雑な事務作業が生じているような補助金は、経 済性に問題があるといえる。書類の量については、図面どおりの位置に必要な構造部材、 接合金物が施工されているかの確認が必要なため、提出書類が多くなることは不可避で あり、その量を減らすことでの事務効率の改善には実務上困難を伴う。他方、申請書類 の不備を減らす取組に関しては、対応が比較的容易であるといえるため優先して行うべ きである。申請書類の不備を減らす取組の具体例として、現状ある申請書類のチェック リストの充実に加えて、過去にあった不備のうち、頻度の高いものについては一覧を作 成し、申請書類に添付し配布するとともに、口頭でも注意喚起を行うことが考えられる。 このような対策を行う事によって、市の職員の事務作業を効率化し、より経済的に補助 金事業を行えるようにすることが望ましい。 (3)特定建築物耐震補強工事事業の補助金の交付事務について 1) 概 要  特定建築物耐震補強工事事業は、昭和56年5月31日以前に建築された特定建築物に 対し、一定基準以上となる耐震補強工事に要する費用の一部を補助するものである。特 定建築物とは、災害時に重要な機能を果たす建築物及び災害時に多数の者に被害が及ぶ 建築物のうち一定以上の規模のものをいう。概要は以下のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │特定建築物耐震補強工事事業                         │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │建築指導課             │開始年度  │平成18年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市建築物等耐震化促進事業費補助 │補助の種類 │事業費補助       │ │        │金交付要綱             │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 本補助金は昭和56年5月31日以前に着工され、耐震診断の結果、構造耐震指    │ │内容      │標(Is値)が0.6未満と判定された特定建築物の所有者又は管理者に対し、一   │ │        │定基準以上となる耐震補強工事に要する費用の一部を補助するものである。木造  │ │        │住宅とは異なり、市内でも該当する大型の物件が少ない。            │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │金額の算定   │ 原則として特定建築物に係る耐震補強工事に係る費用の23%          │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │今後の方向性:拡大                             │ │        │ 東海地震等の発生が懸念される中、特定建築物の耐震化を早急に進める必要が  │ │        │あり、人的被害を抑制し、地震に強い安全で安心なまちづくりを推進する意味に  │ │        │おいて重要な事業である。今後、補助制度の活用を推進する為、PRに努めると  │ │        │共に、市民の方々が利用しやすい要件の緩和を行っていただくよう、国に対し要  │ │        │望をしていく。                               │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │    0│    0│    0│    0│    0│   12,300│   12,300│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 開始以来申請がなく、補助ゼロの状態が続いていたが平成22年度に初めて該   │ │        │当工事があり、補助金が交付された。                     │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助金の周知の徹底について(意見)  岐阜市では、平成27年度までに耐震基準を満たした建築物の率を全国目標の90%ま で引き上げることを目指しており、その目的を達成する手段として当該補助金を支出し
    ている。しかし平成19年度のデータで 「岐阜市の基準を満たす特定建築物/総特定建築物」=「1,320/1,893戸」 と約70%にとどまっており、12,600千円を負担して1件のみ対策することでの、目標 に対する貢献はきわめて小さいが、1件でも多くの耐震補強工事を進めることは、重要 であるため、耐震工事を行わないと倒壊等の危険がある特定建築物に対して、危険性の 周知をさらに徹底して行ない、自発的に耐震工事を促すことにより、目標を達成する方 法も並行して行うことが考えられる。  また、制度開始以来4年間は、補助金給付の実績がなかったということからも、補助 金に対する認知度が不十分であるといえるため、補助金を受けて耐震工事が行われた事 例をホームページ等に公開することによって、補助金に対する周知も今以上に積極的に 行う必要があるといえる。 ┌────┐ │薬科大学│ └────┘ (1)岐阜薬科大学 共同研究交付金の交付事務について 1) 概 要  岐阜薬科大学共同研究交付金は、岐阜薬科大学において民間機関等から研究員及び研 究経費又はそのいずれかを受け入れて、本学の教員が当該民間機関等と共通の課題につ いて共同して研究を行う事業の交付金である。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜薬科大学 共同研究交付金                        │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │庶務会計課             │開始年度  │平成20年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜薬科大学研究交付金交付要綱、岐 │補助の種類 │交付金         │ │        │阜薬科大学共同研究取扱規程     │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 共同研究の申込をしようとする企業等及び岐阜薬科大学並びに岐阜市は以下   │ │        │の事務手続を行う。                             │ │        │1)企業等から岐阜薬科大学に共同研究申請書を渡す。              │ │        │2)岐阜薬科大学は企業等へ受入承諾・契約締結をする。             │ │        │3)企業等は岐阜市に研究費(直接経費+間接経費)を納入する。         │ │        │4)岐阜薬科大学は岐阜市へ交付申請(直接経費)を行う。            │ │内容      │5)岐阜市は岐阜薬科大学へ直接経費を交付金として支出する。          │ │        │ 岐阜薬科大学は研究経費により取得した設備等は大学に帰属する(岐阜薬科大  │ │        │学共同研究取扱規程第9条第2項)。                      │ │        │ 研究交付金は交付決定を受けた研究に必要な経費以外に使用してはならない   │ │        │(岐阜薬科大学共同研究取扱規程第7条、岐阜薬科大学研究交付金交付要綱第7   │ │        │条)。                                   │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 直接経費とは研究遂行に直接必要な経費である(研究で使用する試薬、消耗品、 │ │        │実験器具、備品類などの購入に使用)。                    │ │金額の算定   │ 間接経費とは本来の教育研究活動のために有する組織や設備等を利用するた   │ │        │めにかかる経費である(光熱水費、通信運搬費などの施設管理費ほかに充当)。  │ │        │ 岐阜薬科大学共同研究取扱規程第6条第1項より、間接経費は直接経費に10%   │ │        │を乗じた額である。                             │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 事務事業評価は行われていない。岐阜市が支出する交付金は企業等から受け取  │ │無及び結果   │った納付金であり、市の実質的な金銭負担はないため。             │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │        │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │推移(千円)   ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │平成20年│    │    │    │    │      │      │ │        │    │   ―│   ―│ 8,689 │74,590 │   27,272│   46,492│ │        │ 度  │    │    │    │    │      │      │ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 共同研究の受託件数の変動により増減する。                 │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.研究予算の他の研究への流用のリスクへの対応について(意見)  ある共同研究の資金として企業等から受領した現金が、当該研究で使用する消耗品等 の購入に充てられていれば、問題はないが、仮に他の研究のために共同研究の資金で購 入した消耗品等の使用がなされていたとしたら問題である。  岐阜薬科大学共同研究取扱規程第7条によれば、「直接経費の取扱いについては岐阜 薬科大学研究交付金交付要綱に規定する研究交付金の例による」とし、岐阜薬科大学研 究交付金交付要綱第7条で「研究交付金は、交付決定を受けた研究に必要な経費以外に 使用してはならない。」とされている。すなわち、企業等から補助を受けた研究費は当 該共同研究にしか使用できないこととなる。  共同研究の資金として企業等から受託した現金は、当該共同研究にのみ使用されなけ ればならず、他の研究に流用された場合、要綱等の規則違反となる。  このような流用がなされないように、庶務会計課は、研究者に対し注意を喚起するこ とが望ましい。 イ.物品購入等の検収体制について(意見)  研究者は、共同研究費を財源として物品等購入の発注を行うが、物品等の検収は、研 究室に配置された事務職員が行っている。発注者である研究者以外の者が検収を行って おり、相互牽制による内部統制が働いているといえる。しかし、検収を行うのは、研究 室に配置された事務職員であり、研究室の内部者である。身内による馴れ合いが発生す る可能性がある。そこで、現状の内部統制を補強する意味で、時には庶務会計課を通じ た検収を行うことを検討することが望ましい。 ウ.研究経費により取得した備品等について(指摘)  研究経費により取得した備品等は、岐阜市に帰属する(岐阜薬科大学共同研究取扱規 程第9条第2項)。当該備品等は、岐阜市が運営する岐阜薬科大学の備品等として備品 台帳に記載される。岐阜市の財産であるため、その保管責任は岐阜薬科大学の事務局の
    物品取扱員にある(会計規則104条)。岐阜薬科大学においては備品台帳を整備すると ともに、備品等にラベルを貼付して管理している。  備品等を適切に管理するためには、備品台帳を整備するだけではなく、現物の管理を 行うことが必要である。そのためには備品の実査を行い実在することを確かめるととも に、使用状況等を把握すべきであるが、現在、備品等の実査は行われていない。  備品の現物確認を定期的に行い、備品台帳に記載されている備品が紛失していないか 現物実査を行うべきといえる。  庶務会計課が中心となって、研究者及び関係者と共同して備品実査を定期的に行うべ きである。  備品実査の方法としては、全ての備品を一度にチェックするのは、かなりの負担とな るため、現実的ではない。よって、備品のグループ分けをして、循環的に数年に分けて 実査を行うことにより実務的な負担を軽くしつつ備品の現物管理を遂行することがで きる。 (2)岐阜薬科大学受託研究交付金の交付事務について 1) 概 要  岐阜薬科大学受託研究交付金は、岐阜薬科大学において外部の団体等から委託を受け て、公務として行う研究で、その費用を委託者が負担する事業の交付金である。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜薬科大学受託研究交付金                         │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │庶務会計課             │開始年度  │不明          │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │        │岐阜薬科大学研究交付金交付要綱、岐 │      │            │ │根拠条例、要綱等│阜薬科大学受託研究取扱規程、岐阜薬 │補助の種類 │交付金         │ │        │科大学受託研究取扱規程実施細目   │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 受託研究の申込をしようとする企業等及び岐阜薬科大学並びに岐阜市は受託   │ │        │研究交付金に対して、以下の事務手続を行う。                 │ │        │                                      │ │        │1)企業等は岐阜薬科大学に受託研究申込をする。                │ │内容      │2)岐阜薬科大学は企業等へ受入承諾・契約締結をする。             │ │        │3)企業等は岐阜市に研究費(直接経費+間接経費)を納入。           │ │        │4)岐阜薬科大学は岐阜市へ交付申請(直接経費+間接経費(大学分))を行う。  │ │        │5)岐阜市は岐阜薬科大学へ直接経費+間接経費(大学分)を交付金として支出す  │ │        │る。                                    │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 直接経費とは研究遂行に直接必要な経費である(研究で使用する試薬、消耗品、 │ │金額の算定   │実験器具、備品類などの購入に使用)。                    │ │        │ 間接経費とは本来の教育研究活動のために有する組織や設備等を利用するた   │ │        │めにかかる経費である(光熱水費、通信運搬費などの施設管理費ほかに充当)。  │ │        │ 岐阜薬科大学受託研究取扱規程実施細目第8条第2項より、間接経費は直接経   │ │        │費に30%を乗じた額(間接経費の70%に相当する額は管理経費とし、人件費、   │ │        │光熱水費等に充てるものとする。)である。すなわち、間接経費の70%に相当す  │ │        │る額を管理経費(市に留め置き分)とし、残りの30%は研究に係る間接経費とし  │ │        │て岐阜薬科大学で使用する。                         │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 事務事業評価は行われていない。岐阜市が支出する交付金は企業等から受け取  │ │無及び結果   │った納付金であり、市の実質的な金銭負担はないため。             │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │ 39,186│ 62,212│ 82,439│ 63,658│   67,076│   34,950│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 共同研究の受託件数の変動により増減する。                 │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.研究予算の他の研究への流用のリスクへの対応について(意見)  岐阜薬科大学共同研究交付金と同様の問題点が存在し、同様の対応が必要と考える。  ある受託研究の資金として、企業等から受領した現金が、当該研究で使用する消耗品 等の購入に充てられていれば問題はないが、仮に他の研究のために受託研究の資金で購 入した消耗品等の使用がなされていたとしたら問題である。  岐阜薬科大学受託研究取扱規程第5条によれば、受託研究費の取扱については岐阜薬 科大学研究交付金交付要綱に規定する研究交付金の例によるとされている。岐阜薬科大 学研究交付金交付要綱第7条によれば「研究交付金は、交付決定を受けた研究に必要な 経費以外に使用してはならない。」とされている。  受託研究の資金として企業等から受託した現金は、当該受託研究にのみ使用されなけ ればならず、他の研究に流用された場合、要綱等の規則違反となる。  このような流用がなされないように、庶務会計課は研究者に対し注意を喚起すること が望ましい。 イ.物品購入等の検収体制について(意見)  研究者は、受託研究費を財源として物品等購入の発注を行うが、物品等の検収は、研 究室に配置された事務職員が行っている。発注者である研究者以外の者が検収を行って おり、相互牽制による内部統制が働いているといえる。しかし、検収を行うのは、研究 室に配置された事務職員であり、研究室の内部者である。身内による馴れ合いが発生す る可能性がある。そこで、現状の内部統制を補強する意味で、時には庶務会計課を通じ た検収を行うことを検討することが望ましい。 ウ.研究経費により取得した備品等の管理について(指摘)  「岐阜薬科大学 共同研究交付金」と同様の問題点が存在し、同様の対応が必要と考 える。  受託研究経費により取得した備品等の現物管理が十分に行われていない。  研究経費により取得した備品等は、岐阜市に帰属する。(岐阜薬科大学受託研究取扱 規程第3条第1項)。  当該備品は岐阜市が運営する岐阜薬科大学の備品として備品台帳に記載される。岐阜 市の財産であるため、その保管責任は岐阜薬科大学の事務局の物品取扱員にある(会計規 則104条)。岐阜薬科大学においては備品台帳を整備するとともに、備品にラベルを貼 付して管理している。  備品が将来においても紛失することなく保管されるためには、備品の現物確認を定期 的に行い、備品台帳に記載されている備品が紛失していないかのチェック、すなわち、 現物実査を行うべきといえる。  庶務会計課が中心となって、研究者及び関係者と共同して備品実査を定期的に行うべ きである。  備品実査の方法としては、すべての備品を一度にチェックするのは、かなりの負担と
    なるため、現実的ではない。よって、備品のグループ分けをして、循環的に数年に分け て実査を行うことにより実務的な負担を軽くしつつ備品の現物管理を遂行することが できる。 (3)岐阜薬科大学科学研究費間接経費交付金の交付事務について 1) 概 要  科学研究費間接経費交付金は、国、日本学術振興会等から研究代表者に交付される科 学研究費補助金の直接経費に対して、一定比率で交付される交付金である。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │岐阜薬科大学科学研究費間接経費交付金                    │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │庶務会計課             │開始年度  │不明          │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱 │岐阜薬科大学科学研究費補助金間   │補助の種類 │交付金         │ │等       │接経費に関する取扱要綱       │      │            │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 科学研究費間接経費は、科学研究費補助金の対象となった研究の実施に     │ │        │伴う岐阜薬科大学の管理等に必要な経費として、岐阜市から岐阜薬科大学     │ │内容      │へ以下の事務手続を経て交付される交付金である。               │ │        │                                      │ │        │1) 研究代表者から岐阜薬科大学に対し応募申請書が渡される。         │ │        │2) 岐阜薬科大学は文部科学省に応募申請書を取りまとめ、提出する。      │ │        │3) 文部科学省は岐阜薬科大学へ交付内定通知を行う。             │ │        │4) 研究代表者は岐阜薬科大学へ交付申請書を渡す。              │ │        │5) 岐阜薬科大学は交付申請者を取りまとめ、文部科学省へ提出。        │ │        │6) 文部科学省は岐阜薬科大学へ補助金の送付(直接経費+間接経費)      │ │        │7) 岐阜薬科大学は研究代表者へ補助金を受領した旨の伝達を行う。       │ │        │8) 研究代表者は岐阜薬科大学へ間接経費の譲渡を行う。            │ │        │9) 岐阜薬科大学は岐阜市へ間接経費を納付する。               │ │        │ 岐阜市は、議会で歳入歳出予算の承認を得て、岐阜薬科大学へ間接経費     │ │        │の交付を行う。                               │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 直接経費とは研究遂行に直接必要な経費である。               │ │        │ 間接経費とは当該科学研究費補助金の対象となった研究の実施に伴う      │ │金額の算定   │本学の管理等に必要な経費として本学が使用する経費である。直接経費の     │ │        │30%に当たる額である。                           │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 事務事業評価は行われていない。岐阜市が支出する交付金は文部科学省から受  │ │無及び結果   │け取った納付金であり、市の実質的な金銭負担はないため。           │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │  3,840│  4,440│ 11,547│ 14,248│   14,248│   18,348│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 文部科学省の交付内定通知により変動する。                 │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.内部統制の構築及び内部監査について(意見)  科学研究費交付金は、民間企業からの共同研究費や受託研究費とは異なり、国からの 補助金(直接経費及び間接経費)である。概要に記載のとおり、直接経費は、国から薬 科大学に交付される。間接経費は、国から岐阜市を経由して薬科大学に交付される。  直接経費及び間接経費はともに、不正使用がないよう管理されなければならない。  最近の大学において研究費不正、預け金、公金着服・私的流用、不適切・不明瞭な契 約等の不祥事が多発している。このような不祥事が多発しているので、科学研究費交付 金の交付元である文部科学省は、交付先である国公立大学、私立大学に対し不正事件の 防止を図るように内部統制の構築を求めている。  内部統制とは簡単にいえば、教職員の相互チェックを行うことにより、不正事件を起 こさせない仕組みを作ることである。内部監査も含まれる。  具体的な不正事件とそれを防止する内部統制の具体例を説明すると、以下のとおりで ある。  教員が偽りの消耗品の購入の請求書を業者に作成するように依頼し、実際には備品を 納入させ、備品を私的に流用するという不正事例である。一定金額以上の備品について は備品台帳に記載し、備品ラベルを現物に貼付するという学内規則があるのに対し、消 耗品であれば、そのような規則はないことを悪用したものである。  このような不正を防止する内部統制としては、物品の購入について発注者とは異なる 者が検収を行うことが必要である。業者が発行する請求書、納品書の記載内容と同じ物 品が納入されていることを、発注者とは別の者がチェックするということである。薬科 大学においては、既に発注担当者以外の研究室担当者による検収が行われている。  しかし、検収を行うのは研究室に配置された事務職員であり、研究室の内部者である。 身内による馴れ合いが発生する可能性がある。そこで、現状の内部統制を補強する意味 で、時には庶務会計課を通じた検収を行うことを検討することが望ましいといえる。  以上は、一例であるが、考えられる不正の危険に対し、何らかの内部統制を構築し、 不正を防止する環境を作ることが望ましいと考える。  さらに、内部監査を行うことを文部科学省は求めている。薬科大学においては、庶務 会計課による内部監査が実施されている。  現状の内部監査は庶務会計課で作成されている会計帳簿と研究室で作成されている 帳簿との整合性のチェック、科学研究費をもとに購入した備品の実査等を行っている。  内部監査は、これらの監査手続に限定されることなく、不正リスクを想定し、それに 対応した監査手続を定め実施し、監査の幅を広げることが望ましい。また、監査の結果 を文書化することにより計画的、効果的な監査が可能となる。  不正リスクとして、前述の私的流用のほか、例えば、研究予算の消化のため業者に預 け金を行う場合、大学備品の盗難の場合等がある。預け金については、各研究者に対し 預け金がないかヒアリングを行ったり、年度末に偏った経費支出がないか等の監査手続 が考えられる。また、大学備品の盗難については、備品台帳と備品現物との照合(備品 実査)を購入時だけでなく、購入後も定期的、循環的に行う方法などが考えられる。
    ┌─────────┐ │柳津地域振興事務所│ └─────────┘ (1)物流機能サポート事業補助金の交付事務について 1) 概 要  岐阜流通センター協同組合連合会は、流通センターに集団化した卸売業、貨物・運送 業、倉庫業の3組合で構成しており、それぞれの組合と企業の指導と育成、意見調整と 連携を深めながら、企業経営に役立つ共同事業の促進、情報の共有化と提供により経営 の安定化を支援しているが、長期的消費需要の落ち込みによる売上不振、熾烈な価格競 争による収益性の低下等が起因し、経営破綻、合併等により組合からの撤退が相次ぎ、 組合員数の減少により賦課金も減少し、今の景況では賦課金の増額も難しく、特に組合 債務を残しての経営破綻は、全ての組合に負担がかかり連合会運営に支障をきたしてい るため、経費節減、企業誘致をして早期健全経営を図るため、補助金を支出するもので ある。概要は次のとおりである。 ┌────────┬──────────────────────────────────────┐ │事業名称    │物流機能サポート事業補助金                         │ ├────────┼──────────────────┬──────┬────────────┤ │担当課     │地域振興総務課           │開始年度  │昭和63年度       │ ├────────┼──────────────────┼──────┼────────────┤ │根拠条例、要綱等│岐阜市補助金等交付規則第4条    │補助の種類 │事業補助        │ ├────────┼──────────────────┴──────┴────────────┤ │        │ 物流機能サポート事業補助金は、旧柳津町から引き継いだもので、「岐阜流通  │ │        │センター協同組合連合会」の経営基盤を強化するため、運営費補助として支援を  │ │        │行っているものである。                           │ │        │ 「岐阜流通センター協同組合連合会」とは、流通センターの集団化した卸売業、 │ │        │貨物・運送業、倉庫業の3組合で構成しているが、それぞれの組合と企業の指導   │ │        │と育成、意見調整と連携を深めながら、企業経営に役立つ共同事業の促進、情報  │ │        │の共有化と提供により経営の安定化を支援している。特に情報通信技術の進歩は  │ │        │止まることを知らず、本格的な高度情報化社会が形成されつつあり、経営活動に  │ │内容      │おける情報化への対応は回避できない状況にあるため、商流・物流の拠点として  │ │        │立地する「岐阜流通業務団地」の基盤をより一層強固にするため、3組合がもつ   │ │        │それぞれの機能を高め、経営環境の変化に即し合理化・情報化の促進に役立つ事  │ │        │業を推進する。                               │ │        │ また、長期的消費需要の落ち込みによる売上不振、熾烈な価格競争による収益  │ │        │性の低下等が起因し、経営破綻、合併等により組合からの撤退が相次ぎ、組合員  │ │        │数の減少により賦課金も減少し、今の景況では賦課金の増額も難しく、特に組合  │ │        │債務を残しての経営破綻は、すべての組合に負担がかかり連合会運営に支障をき  │ │        │たしているため、経費節減、企業誘致をして早期健全経営を図る。        │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │        │ 年度ごとの予算請求により算定。                      │ │金額の算定   │ 運営費補助として毎年6百万円(平成22年度は、500千円減額した5,500千円)   │ │        │を定額で補助している。                           │ │        │                                      │ ├────────┼──────────────────────────────────────┤ │事務事業評価の有│ 有                                    │ │無及び結果   │ 流通団地内の企業が相互に連携し、自主的な経済活動を促進するため、補助金  │ │        │の支出はやむを得ない。                           │ ├────────┼────┬────┬────┬────┬────┬─────────────┤ │        │開始年度│平成18年│平成19年│平成20年│平成21年│    平成22年度    │ │        │    │    │    │    │    ├──────┬──────┤ │推移(千円)   │ 実績 │度実績 │度実績 │度実績 │度実績 │  予算  │  実績  │ │        ├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼──────┤ │        │ 不明 │ 6,000 │ 6,000 │ 6,000 │ 6,000 │  6,000  │    5,500│ ├────────┼────┴────┴────┴────┴────┴──────┴──────┤ │コメント    │ 毎期、大きな変動はない。                         │ └────────┴──────────────────────────────────────┘ 2) 監査の指摘及び意見 ア.補助の必要性について(指摘)  岐阜流通センター協同組合連合会の一般事業収支内訳書は、企業会計でいうところの 損益計算書に当たり、これについては、地域振興総務課で入手し、収支状況を把握して いるが、財政状況を把握するために企業会計でいうところの貸借対照表については、入 手していなかった。補助金支出の事業内容に「特に組合債務を残しての経営破綻は、全 ての組合に負担がかかり連合会運営に支障をきたしているため、経費節減、企業誘致を して早期健全経営を図る」と記載があるが、組合の財政状態を把握しておらず、財政的 に窮しているかどうかが判断されていなかった。  岐阜市補助金等交付規則第4条(2)において、収支報告書の添付が求められている が、貸借対照表は具体的には、添付を求められていない。しかし、補助金支出の目的が、 組合の健全化のために補助金を支出しているのであり、組合の財政状態を把握すること は、補助金を支出する側として、必須の業務であると言える。なお、要綱第4条(4) において、その他市長が必要と認める書類に貸借対照表が該当すると考えれば、申請に 必要な書類が具備されていなかったことになる。今後は、補助金の申請の際には、必ず 貸借対照表を入手し、財務健全性を判断の上、補助金支出の必要性を検討する必要があ る。  なお、今回の指摘に基づいて、市に依頼し、岐阜流通センター協同組合連合会の貸借 対照表を入手した。                 (平成22年3月31日現在 単位:百万円)     ┌──────────────┬──────────────┐     │     資産の部     │   負債及び資本の部   │     ├───────┬──────┼───────┬──────┤     │  科目   │  金額  │  科目   │  金額  │     ├───────┼──────┼───────┼──────┤     │流動資産   │     105│流動負債   │      8│     ├───────┼──────┼───────┼──────┤     │固定資産   │     397│固定負債   │     183│     ├───────┼──────┼───────┼──────┤     │       │      │出資金    │     286│     ├───────┼──────┼───────┼──────┤     │       │      │剰余金    │     24│     └───────┴──────┴───────┴──────┘  上記によれば、剰余金が24百万円ある。この剰余金は、組合員に対する配当(13,600 千円)実施後の残余利益である。配当実施後の残余利益が、24百万円あるということ
    は、財政状態が悪化しているとは直ちには言えない。仮に、補助金を打ち切ったとして も、十分な流動資産があり、組合が経営破綻することは考えられない。従って、補助金 を支出する必要性について充分な理由があるとはいえず、過去に支出していたから、今 年も同額を支出するということは認められない。  本来、組合は自助努力で運営すべきであり、補助金を支出することに対しては、相当 な理由が必要である。 イ.交付要綱がないことについて(指摘)  補助金支出の根拠となる要綱「岐阜市補助金等交付規則第4条」(以下、要綱)は、 下記のとおりである。 ┌────────────────────────────────────────┐ │(補助金等の交付の申請)                            │ │第4条 補助金等の交付の申請をしようとする者は、補助金等交付申請書(様式第1号) │ │に次に掲げる書類を添えて、市長に対して、その定める時期までに提出しなければなら │ │ない。                                     │ │(1) 補助事業等に係る事業計画書                       │ │(2) 補助事業等に係る収支予算書又はこれに代わる書類             │ │(3) 補助事業等が工事の施工に係るものであるときは、仕様書、設計書及び図面  │ │(4) その他市長が必要と認める書類                      │ │                                        │ └────────────────────────────────────────┘  上記のとおり、要綱は、補助金等の交付の申請方法を定めたものであり、趣旨、支出 金額の算定根拠、補助対象者等も明確にされておらず、要綱は存在しないも同然である。 そのため、補助金額の根拠がなく、漫然と前年と同程度の金額を補助金として支出して いる。今後は、支出の根拠となる要綱を定め、趣旨、支出金額の算定根拠、補助対象者 等を明確にする必要がある。  なお、仮に運営費の赤字を填補する金額を補助すると要綱に定めた場合、岐阜流通セ ンター協同組合連合会の一般事業収支予算書によれば、収入から支出を引いた黒字部分 の利益剰余金(収入の方が大きい)が3,198千円あり、赤字を填補するということであ れば、5,500千円は過大な補助金額ということになり、問題である。(ちなみに、前期 予算額においても4,723千円の利益剰余金が発生しており、前期も過大な補助金であっ たことになる)従って、利益剰余金が発生した場合の取り扱いについても、要綱に明確 に定める必要がある。 ウ.一般事業収支内訳書の収入に記載されている組合均等割について(指摘)  一般事業収支内訳書の収入に記載されている組合均等割について、当初の補助金申請 段階では、1,800千円(5万円×3組合×12ヶ月)の見込みであったが、実際の一般事 業収支内訳書では、1,200千円(5万円×3組合×8ヶ月)と記載されており、当初一年 分である12ヶ月分を組合員から毎月徴収すべきところ、8ヶ月分の徴収へと、4ヶ月分 が減額されていた。当該補助金は、「岐阜市補助金等交付規則」に従って交付されてい るが、申請時の条件から実際額が変更されており、「岐阜市補助金等交付規則」第6条 によれば、補助事業の内容、経費の配分又は執行計画を変更しようとする場合において は、市長の承認を受けるべきことと定められているため、減額する場合は、市長の承認 が必要であったと思われる。  事業計画の変更承認については、補助金実績報告が提出され、変更を把握した時点で 事業内容の変更についての所要の手続きを指導すべきであった。今後は、市の規則に則 り適正な執行が必要であると思われる。また、市としては、補助金を支出している以上、 組合均等割が減額された理由について、当然に把握すべきである。さらに、組合員の負 担を減らす合理的な理由がないなら、本来の補助金の返還を受けるべきである。 エ.事業評価の形骸化について(指摘)  補助事業の効果を判断するにあたっては、現在「事業評価シート」を使用し、その結 果が市のHPで公開されているが、「事業評価シート」には、具体的根拠なしに毎年支出 の効果があったと判断しており、実質的な事業評価がなされているとは言えない。補助 金を支出する以上、具体的な数値を使用して、実質的な事業評価を実施するべきである。 3: ◯議長(渡辺 要君) 以上で諸般の報告を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  開  議 4: ◯議長(渡辺 要君) これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、さきに御通知申し上げたとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  第1 会議録署名議員の指名 5: ◯議長(渡辺 要君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において5番若山貴嗣君、6番大西隆博君の両君を指名します。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  第2 会期の決定 6: ◯議長(渡辺 要君) 日程第2、会期の決定を議題とします。  お諮りします。今期定例会の会期は、本日から3月23日までの24日間と定めたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7: ◯議長(渡辺 要君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から3月23日までの24日間と決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  第3 第1号議案から第88 第86号議案まで 8: ◯議長(渡辺 要君) 日程第3、第1号議案から日程第88、第86号議案まで、以上86件を一括して議題とします。            ───────────────────               〔議 案 掲 載 省 略〕            ─────────────────── 9: ◯議長(渡辺 要君) これら86件に対する提出者の説明を求めます。市長、細江茂光君。    〔細江茂光君登壇〕 10: ◯市長(細江茂光君) どうも皆さん、おはようございます。    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕  この議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。  本日、平成24年第1回岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の御審議をお願いするに当たりまして、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。  私は平成14年に市長に就任し、この2月で在職10年という節目を迎えたわけでありますが、これは何より市民の皆様方に支えていただいて初めてなし得たということでありまして、大変感慨深く思っており、また、感謝を申し上げる次第であります。  私は、就任当時から、市民による市民のための政治を基本姿勢といたしまして、ホンネトークなどを行い、市民の皆様方と対話をし、さまざまな議論を重ねながら、岐阜市の将来像、都市ビジョンというものを描いてまいりました。また、その実現に向けて市民目線であらゆる市政改革を進めてまいりました。  特に「事前の一策は事後の百策に勝る」という理念に基づきまして、市営バスや保育所の民営化、あるいは職員定数の削減を初め、市債残高の圧縮など不断の行財政改革に取り組んできました結果、現在、多くの自治体が大変厳しい財政状況に陥る中にありまして、本市はこれまで健全財政を維持することができました。  さらに、財政規律を保ちながら、改革によって生み出された財源を本市の未来の礎となる事業に積極的に活用し、これまでに岐阜駅周辺の都市基盤や長良川周辺などの観光施設の整備、さらには、岐阜薬科大学の新学舎建設や市民病院の改築などを着実に推進してまいりました。  加えまして、市街地再開発事業による岐阜シティ・タワー43、あるいは岐阜スカイウイング37など、都心型の居住環境の整備を初め、これまで重点的に取り組んできました教育立市や医療・健康立市などの各立市施策、あるいは子ども医療費の無料化など市民生活に密着したさまざまな施策を展開してまいりました。  これらの成果もありまして、東京や名古屋などの大都市を除いて、多くの地方都市において転出超過となっている状況の中、昨年・平成23年の本市の人口は、出生数から死亡数を引いた自然動態というのはマイナスでありましたが、それに対しまして、本市が統計を始めた昭和51年以降、初めて社会動態がプラスとなりました。この社会動態といいますのは岐阜市への転入者が岐阜市から出て行く人を初めて上回るという大変喜ばしい結果となったということであります。  こうして築き上げてまいりました幾多の成長の礎に人々の活力を吹き込み、その持てる機能を最大限に引き出すために、一昨年からは人に投資をして、人と人のきずなを深め、人が持っている力を存分に発揮できる人間主義都市の実現のため、人への投資を積極的に進めてきております。こうした人を重視する潮流は、現在日本が直面している状況において、さらに重要になり、加速されてきてるというふうに考えております。  世界が、かつて経験したことのない少子・高齢化社会の到来、あるいはリーマン・ショックに端を発した世界的な金融危機、財政危機、さらには、自然の脅威を見せつけられた東日本大震災の発生など、これまでの想定や常識を覆すパラダイムシフトが次々と起こり、我々をこれまで支えてきた価値観が今大きく転換しつつあります。  特に昨年3月11日に発生いたしました東日本大震災では、とうとい人命や平穏な生活など、かけがえのない幾多のものが失われました。この災害は自然を敬う心を失いかけた人類に対し警鐘を鳴らすとともに、私たちに改めて人と人のつながりの大切さ、きずなのとうとさを痛感させることになりました。この災害を契機として、利便性や効率性を追求してきた社会を足元から見詰め直し、自然とともに生きる人間本来の暮らしという原点、いわばスローライフに立ち返ることが求められているのではないかというふうに思います。  こうした中、市長就任10年目、10年という節目を迎え、新年度は、いま一度市民目線で市政運営を見詰め直しながら、あらゆる文化や文明の源である人の英知、人と人のきずなが生み出す人間力という原点に回帰し、さらに人間力を磨くことにより、本市の新たな未来を切り開いていくべく、全力で市政運営に取り組んでまいりたいと考えておるところであります。  最初に、本市を取り巻く環境について申し上げます。  さきの東日本大震災によりまして多くのとうとい人命が失われ、また、残された多くの方々も住まいや職を奪われるなど、現在も被災地の方々の苦しみははかり知れないものがあります。  さらに、福島第一原子力発電所の一連の事故により、広範囲にわたって放射性物質が飛散するなど、かつて経験のない事態が発生し、我が国全体にも大きな影響を及ぼしたところであります。  こうした状況に対しまして、国はもとより、国民の総力を結集して復興に取り組むことは言うまでもありませんが、このたびの震災の経験から、この地方でもこれまでの被害想定を上回る東海・東南海・南海地震の連動による複合型地震の発生が危惧されるに至っておりますし、そのための防災対策はまさに喫緊の課題となっております。  一方、経済情勢に目を向けますと、リーマン・ショックに端を発した世界同時不況の影響がぬぐい切れない中、ギリシャを初めとする欧州各国の財政危機が表面化したことに加え、アメリカ国債の格下げなど、世界経済の減速懸念が強まっております。
     我が国におきましても株価の低迷や、ドルやユーロに対し長期にわたる円高水準が続いていることなど、それによる国内産業の空洞化が徐々に進行してきております。  こうした状況の中、国内の雇用情勢は、昨年12月の完全失業率が4.6%、有効求人倍率は0.71と依然として厳しい状況にあるとともに、生活保護受給者が200万人を超え、過去最高を更新するなど、非常に深刻な事態となっております。  また、65歳以上の高齢者人口が約3,000万人となりまして、4人に1人が高齢者となる本格的な高齢社会を迎え、社会保障費の一層の増加が懸念されるほか、年金など従来の世代間相互扶助制度の先行きが不透明になりつつあります。  こうした中で、今後の国の持続可能性を左右する大きなテーマとなります「社会保障と税の一体改革」がようやく本格的な議論の緒についたというところであります。給付と負担のバランスが検討される上で、消費税率の引き上げや年金支給水準の見直しなど、市民生活に大変大きな影響が及ぶ内容となっておりまして、今後、国の動向に細心の注意を払っていく必要があるというふうに思います。  さらに、地域主権改革に関しましては、昨年に関連法案が相次いで成立いたしまして、国による義務付け・枠付けが順次廃止され、自治体の権限や裁量の範囲は一定の広がりを見せているものの、一方で、全市町村を対象に実施される予定でありました投資補助金の一括交付金化につきましては、新年度、政令指定都市を対象とするにとどまるなど、改革はまだその途上にあります。  国はもとより、私たち地方自治体は、東日本大震災を初め、歴史的な円高や厳しい経済情勢など、非常に困難な時代に直面をしているわけであります。地方が真に自立した行財政運営を可能とする環境を早急に整え、地域がそれぞれの個性を最大限に発揮しながら、創意工夫のもと、いかに有効な政策を打ち出していけるかが、地方、ひいては国全体の将来の浮沈を決定づける、まさにそうした局面にあるというふうに言えます。  こうした状況の中、本市では、これまでも地域住民がみずからの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができる真の地域主権の実現、さらには、都市内分権型社会の構築のため、地域の特性や財産を生かしたまちづくりに邁進をしてまいりました。こうした取り組みを支える源は、人と人が織りなす力、すなわち人間力であるというふうに言えます。そのため新年度は行政経営の基本的な考えとなるキーワードを「原点回帰」といたしまして、副題を「~人間力が拓く“未来への道”~」といたしました。  行政経営の原点は市民の皆様方にあります。冒頭でも申し上げましたように、いま一度市民の皆様方の視点に立ち返り、あらゆる文化や文明の源でもある人の英知、人と人のきずなが生み出す人間力という「原点に回帰」し、さらに、これを磨きはぐくむことによって新しい未来を敢然と切り開いていきたいというふうに考えております。  そのために、これまでも重点的に取り組んでまいりました教育、健康(幸)に加え、深みのある人間力の形成に向けて、文化・芸術の振興を図る施策についても重点的に取り組んでまいります。教育による知育、健康(幸)を目指す体育に、文化・芸術を通して徳育を加え、知育、体育、徳育による総合的な人間力の育成を図ってまいりたいと考えております。  さらに、今回の大震災や原発事故を受け、3連動による複合型地震など、あらゆる事態に対処可能な防災力の強化や、安全で環境への負荷が小さく、地域の強みが生かせる、太陽光を初めとした再生可能エネルギーへの転換にも積極的に取り組んでまいります。  これら重点政策の教育、健康(幸)、文化・芸術、防災、再生可能エネルギー、これら5本の柱を実現することで、多くの市民の皆様が未来への明るい希望を抱き、安心した生活を送ることによって、この地に生まれてよかったと実感していただき、また、世代を超えて受け継がれ、さらには、未来の市民の皆様からも評価いただける、そんな岐阜市の確立を目指してまいりたいというふうに考えております。  それでは、重点政策の5本の柱について順次申し上げます。  最初に、教育についてであります。  イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンはこんなふうに申しました。「最も強い者が生き残るわけではない。また、最も賢い者が生き延びるというものでもない。唯一、生き残るのは変化できる者である。」唯一、生き残るのは変化できる者であるという考えを示しております。  グローバル化、情報化、国際化が一層進展し、激しく社会環境が変化する中、子どもたちの教育環境においても、この変化に対応できる知識や技能を習得させ、また、加えて、志や夢を持って生きる力をはぐくむことが重要であるというふうに考えております。  こうした中、本市におきましては、平成18年度から教育立市を旗印とし、教育なら岐阜市と言われるように一貫して教育を最重要施策に位置づけて取り組んでまいりました。  特に義務教育におきましては、これまで基礎学力の向上、情報化教育、キャリア教育に加えまして、特区などの活用によって、小学校にも英語教育を導入し、英語力を養う施策を展開してまいりましたが、新年度にはこれまで蓄積してきた英語力にさらに磨きをかけ、グローバル化、国際化にも対応できる実践的な学力の定着を図ってまいります。  また、ものづくり分野における子どもの興味、関心を高めるとともに、将来の科学技術立国を担う人材を育成するため、小中学校での理科授業の魅力を高めてまいりますとともに、先端の科学技術に接する機会を設けてまいりたいと思っております。  さらに、新年度はつかさのまち夢プロジェクトの第1期複合施設であります「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の工事に着手し、情報があふれる知の拠点、人と人が交流する絆の拠点、そして、文化・芸術を発信する文化の拠点として、仮称・中央図書館などを整備し、未来を切り開いていく豊かな人間力の形成を図ってまいります。  また、小中学校の児童生徒のみならず、幼児や若者、さらには、保護者や教員などの教育にかかわるさまざまな悩みに対し総合的に支援する仮称・総合教育支援センターや、幼児の発達支援を初め、子育て支援や幼児教育の研究実践機能などを担う幼児教育センターの整備を進めてまいります。  次に、文化・芸術について申し上げます。  昨年、岐阜市歴史博物館におきまして開催いたしました「国宝 薬師寺展」は、66日間の開催期間中に9万8,000人を超える方々、約10万人の方々に御来場いただき、開館以来26年の歴史の中で最高の来場者数を記録いたしました。この薬師寺展を通して、市民の皆様が本物の文化や芸術を強く求めておられることを改めて認識したところであります。  フランスの彫刻家ロダンは、「芸術とは、自然が人間に映ったものである。大事なことは鏡を磨くことだ」という言葉を残しております。すなわち鏡である人を磨くことが重要だということであります。  本市では、これまでに人への投資を重点的に行っており、殊さら教育に力を注いでまいりました。今後は教育によって高められ、そして、健やかな体をはぐくんだ人が、より深みのある人間力を形成することができるよう文化・芸術を通して感性を磨いていただきたいと考えております。そのため、小中学生を初めとした幅広い年齢層の方々が質の高い芸術文化に触れることのできる機会をより一層提供してまいります。  続きまして、健康について申し上げます。  国民の幸福感、幸福感について調査を行います内閣府の平成22年度国民生活選好度調査におきまして、幸福であると感ずる要因として2年連続で健康が第1位となりました。つまり健康であれば幸福だと感ずるということが第1位だということであります。実りある人生を送る上で、健康は多くの人にとって最大の関心事となっていることがうかがえます。  市民の皆様の健康を支えるためには、予防医療、健康増進などの施策とあわせ、病院数、病床数、医師数など、他都市と比較してすぐれた医療環境の充実や医療保険制度の円滑な運営など、事前事後の両面から施策を構築していくことが重要であり、こうした観点から、市民の皆様が安心して生活できる医療・健康立市に向けた環境づくりを進めてまいります。  特に事前の一策としまして、本市におきましては、昨年度からスマートウエルネスシティの理念のもと、暮らすだけで健康になっていくまちづくりを推進するため、昨年12月には健幸長寿社会を創造するスマートウエルネスシティ総合特区として国から指定を受けたところであります。  新年度も引き続きスマートウエルネスぎふを推進するため、「歩く」をキーワードに、だれもが気楽に参加できるウオーキングイベントを拡大して開催するとともに、思わず歩きたくなる、走りたくなる道路環境整備などの事業にも取り組んでまいります。  また、連節バスやコミュニティバスの充実による公共交通の利用促進も図ってまいりたいと考えております。  次に、地域防災力の強化について申し上げます。  東日本大震災の発生から、はや1年がたとうとしておりますが、いまだそのつめ跡は被災地に深く刻まれたままであり、また、私たちの記憶も決して薄れるものではありません。今後とも国を挙げて復興に取り組むことはもちろんのこと、私たちも決して手をこまねくことなく、さまざまな分野において、できる限り被災地の支援をしていく所存であります。  地震や台風、さらには、ゲリラ豪雨など、自然がもたらす災害そのものをなくすことはできません。しかし、これらの被害を最小限にとどめるため、想定を超えた災害にも対応可能な災害に強いまちづくりがこれまで以上に求められております。  本市におきましても、今回の大震災を教訓に3連動による複合型地震をも視野に入れた地域防災計画の見直しを進め、被害を最小限にとどめ、早期の復旧を可能とする減災対策に取り組み、自助、共助、公助を基本とした地域を守る体制を一層充実してまいりたいというふうに考えております。  そのため防災情報を迅速かつ的確に伝達できる体制を整えるとともに、災害時の避難場所となる学校や公園を整備するほか、帰宅困難者に対する支援などにも取り組んでまいります。  さらには、さきの大震災において、都市間の直接的な支援が極めて有効に機能したことから、本市におきましても国内各都市と密接な関係を構築することで、市民、民間レベルでの交流を促進し、災害時などにおいてお互いに支援し合える関係につながればいいというふうに考えております。  次に、再生可能エネルギーへの転換について申し上げます。  福島第一原子力発電所の事故は、市民生活や産業経済活動に必要不可欠なエネルギーのあり方について大きな問題を提起いたしました。  現在、国においては、エネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画を本年夏までに策定する作業を進めております。  こうした中、本市はこれまでにも日照時間が長いという本市の特性を生かし、太陽光発電設備の設置促進など地球温暖化対策への取り組みを行ってまいりましたが、今後はエネルギーの節約や、太陽光を初めとする再生可能エネルギーの比率を積極的に高める独自の取り組みを進めていく必要があります。  そのため大震災を教訓に、大規模発電所から供給される一極集中型のエネルギー供給体制から脱却し、非常時にも電力などのエネルギーを地産地消できるシステムを構築する、岐阜市版スマートシティの実現に向けて取り組んでまいります。  最後に、地域経営力の強化について申し上げます。  さきに申し上げた5つの重点政策を着実に推進していく原動力としまして、コミュニティーの力を高め、魅力ある都市空間と雇用を生み出すための施策に取り組むとともに、引き続き行財政改革を徹底し、筋肉質で効率的な行政体制と財政基盤の確立に努めてまいります。  まずは、コミュニティーの力についてでありますが、地域でできることは地域で行う自治の意識や、困ったときは助け合えるようなコミュニティーの気風をはぐくむことが地域の活性化や地域の元気として実を結ぶことにもつながり、豊かな地域づくりの推進力になるものと考えております。  こうした観点から、市民の自立意識や課題に対する対応力を高めるため、引き続き、まちづくり協議会の支援に努めるとともに、コミュニティ・スクールやコミュニティバスの運行地域の拡大など、人と人のきずな、地域のきずなに加え、市民と行政のきずなを結ぶ取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。  また、魅力ある都市空間と雇用を生み出すためには、都市が持続的な発展を続け、人々の働く場となる雇用を創出し、産業と消費を活性化させることで地域にさらなる活力を生み出し、経済の好循環をつくり出すことが重要であります。  このため岐阜駅周辺や柳ケ瀬地区で進めてまいりました市街地再開発事業や居住・交流人口の増加につながる施策など、中心市街地に活力をもたらすための取り組みを着実に進めてまいります。  加えて、昨年12月に柳津地区のものづくり産業集積地について企業立地に関する協定書を締結することができましたが、引き続き三輪地区におけるものづくり産業集積地の整備に向けた調査を実施するなど、産業の活性化や雇用の創出についても積極的に取り組んでまいります。  一方、国におきましては、東日本大震災からの復興を初め、長期にわたる不況や円高水準、あるいは社会保障の見直しなど多くの課題が山積しております。さらに、国と地方の長期債務は今年度末には1,000兆円を突破する見通しとなるなど、今後も国、地方ともに厳しい財政状況が予想されております。  このような中で持続可能な財政基盤の確立に向け自主財源の確保を図る一方で、財政規律を堅持し、引き続き健全な財政運営に努めていきたいというふうに考えております。  また、不適正な事務執行等の再発防止に向け既に契約や検査制度の見直しを初め、チェック体制の強化、法令の遵守、契約や会計事務手続の周知徹底、さらには、職員の意識改革や風通しのよい組織風土の確立に取り組んでおります。  今後も引き続き、これらの取り組みを進めることによって、市民の皆様方の信頼回復に努めてまいりたいというふうに考えております。  これらの施策の推進を支えるため、引き続き行財政改革を着実に進め、健全な財政運営に努めてまいります。  私は市長就任以来、行財政改革を最重要課題の1つと位置づけ、市民の皆様方の御理解、御協力を賜りながら、積極的かつ継続的に取り組んでまいりました。  職員定数につきましては、民間活力の導入などによりまして、平成14年度の約4,200人から、平成24年度には約3,800人と、この10年間で約10%、400人を削減し、効率化、スリム化を図ってまいりました。  また、市の借金であります普通債残高につきましても、ピークでありました平成11年度の約1,360億円を平成23年度末には約810億円と、約40%、550億円を縮減いたしました結果、実質公債費比率などの財政健全化指標は中核市の中でも上位を堅持しております。  こうした取り組みの成果もあり、昨年10月に日本経済新聞社が全国809市区を対象に実施をいたしました、行政運営の改革度を評価する経営革新度調査におきまして、本市は全国で第16位、中核市41市の中で第2位というふうに格付をされたところであります。  しかしながら、一方、この長引く不況によりまして、市税収入の減少や生活保護受給者の増加が懸念されることに加え、高齢化の進展等によりまして、医療や介護などの社会保障費についても引き続き増加するものと見込まれ、本市を取り巻く財政環境は他の自治体と同様、今後ますます厳しくなるものと予想されます。  こういった財政環境の中、後世、次の代に課題を先送りしない組織風土を築き、これまで培ってきたノウハウを生かしながら、さらなる行財政改革を実行することによって確固たる財政基盤を確立し、未来を見据えた施策に投資をしてまいりたいというふうに考えております。  そのため平成22年度から5カ年間の改革の道筋を示しました行財政改革大綱2010及びその実施計画である行財政改革プランを継続的かつ着実に推進するとともに、重要課題等の検討や事務事業の総点検を行う岐阜市版事業仕分けを引き続き実施をしてまいります。  今後とも市民の皆様とともに行政のあるべき姿を考えながら、選択と集中による抜本的な改革に努め、みずからの権限と責任で規律を持った行財政運営を進めてまいりたいというふうに考えております。  続きまして、新年度予算案について申し上げます。  まず、市税収入などの歳入についてであります。  歳入の根幹である市税収入につきましては、個人市民税が年少扶養控除等の廃止などによりまして約3億円、市たばこ税が4億円増加する一方で、固定資産税、都市計画税が評価がえによりまして14億円減少するなど、全体で本年度に比べ1.1%、7億円の減として624億円を見込んでおります。  一方、地方交付税に臨時財政対策債を加えました実質的な地方交付税につきましては、本年度の決算見込み及び地方財政計画などを勘案し、本年度に比べ10億円の増を見込んでおり、これらを合わせた一般財源は前年度と同規模になる見込みであります。  しかし、歳出につきましては、義務的経費である人件費、公債費が行財政改革の成果もあり、減少しているものの、長引く不況による厳しい雇用情勢などから、生活保護費が一段と増加することに加え、高齢化の進展等に伴い、福祉や医療などの社会保障費が年々増加してまいります。  さらに、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の建設や、再開発事業を初めとする中心市街地活性化の取り組み、また、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催のほか、教育施設の整備など、大規模な財政需要が見込まれております。  依然として厳しい財政状況が予想される中、市民ニーズを的確に把握し、中・長期的な展望に立った大胆な選択と集中のもと、引き続き健全財政の維持に努めてまいります。  その上で財政規律を保ちつつ、喫緊の課題に対応し、将来の岐阜市の礎を市民の皆様と一緒に築いていくという思いで新年度予算の編成に当たりました。  この結果、平成24年度の予算規模は     一般会計は           1,519億5,000万円     特別会計は        991億5,643万9,000円     企業会計は             442億5,547万円     3会計の総計は    2,953億6,190万9,000円 となり、  平成23年度当初予算と比較いたしますと、     一般会計で1%減    つまり15億2,000万円      の減     特別会計で     30億3,011万4,000円    3%の減     企業会計で        5,197万9,000円  0.1%の減とし、     全  体では      46億209万3,000円  1.5%の減 となったところであります。  それでは、当初予算案の主要な施策の大要につきまして、「人・まち・自然 個性輝く市民協働都市ぎふ」づくりを目指す、ぎふ躍動プラン・21が掲げる4つの将来都市像に沿って、順次御説明をいたします。  最初に、1つ目の柱、「安心して暮らせる都市づくり」について申し上げます。  少子・高齢社会への対応や健康・福祉・医療の充実、防災対策など、市民の安全、安心の確保、市民の支え合いによる福祉の増進などを通じ、だれもが安心して暮らせる都市を実現してまいります。  まず、高齢者、障がい者の地域における生活支援について申し上げます。  少子・高齢化、核家族化などの進展に伴うひとり暮らし世帯や高齢者世帯の増加により、地域や家族から孤立し、生活上の不安や困難を抱える高齢者がふえています。しかし、その多くは介護を必要とする状態になっても、できる限り住みなれた地域や家庭で生活することを望んでおられます。  そういった状況を踏まえまして、介護保険サービスを補完する在宅サービスの充実を図るとともに、だれもが住みなれた地域で生き生きと暮らせるよう地域での見守り・支え合い活動のさらなる推進、高齢者の見守り組織づくりのための支援に力を注いでまいります。  また、介護保険事業につきまして、新年度は平成26年度までの第5期介護保険事業計画の初年度でありますことから、新サービスといたしまして24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問サービスの導入を初め、増加する認知症の方やその家族への対応を強化するなど、在宅で安心して生活できるような地域づくりを進めてまいります。  障がい児や障がい者に対する施策といたしまして、障がいのある人が地域で自立し、それぞれの持てる能力を発揮して暮らせるよう平成24年度からの3年間を計画期間とする第3期障害福祉計画に基づく施策を着実に推進してまいります。  また、施設入所から地域生活への移行を促進するため、地域生活を営むための基盤となる施設整備を進めてまいります。  次に、少子化対策について申し上げます。  少子化の進行は、労働人口の減少や地域コミュニティーの弱体化、さらには、世代間における相互扶助を前提とした年金、医療など社会保障制度の存続にも影響を及ぼす大きな問題であり、社会全体の課題として取り組んでいく必要があります。  本市におきましても子育て世代が、この地で子どもを育てたいと思えるよう後期次世代育成支援対策行動計画に基づき、ゆとりを持って子育てに専念できる環境のさらなる充実を図ってまいります。  保育事業につきましては、保育所待機児童ゼロが継続できるよう保育室の増改築等により、3歳未満児の受け入れの拡大に努めるとともに、園庭芝生化事業として、子どもたちが自然と親しむことができるよう新たに2カ所の保育所で芝生化を実施するなど、保育環境の整備に努めてまいります。  また、全小学校区で開設しております留守家庭児童会につきましては、利用者のニーズを踏まえて、定員の拡大や開設時間の延長を図るなど、子育て世代のさらなる支援に努めてまいります。  次に、健康増進、医療の充実について申し上げます。  高齢社会が進展し、医療費や介護費が年々増大する中、市民の皆様の健康寿命の延伸を図る事前の一策が重要であります。そのため市民一人一人が健康(幸)で生きがいを持ち、安心して豊かな生活を営むことができるまち、また、住めば自然に元気で健康になれるまちを目指すスマートウエルネスぎふを一層推進してまいります。  健康づくりの基本は体を動かすことであり、その重要な要素の1つは「歩く」ことであります。そこで、より多くの方に歩いていただくため、昨年10月に約3,000人の方々に参加していただきました健幸ウォークにつきまして、新年度は、さらに参加者の拡大を図り、岐阜市農業まつりや市民健康まつりとともに開催をしてまいりたいというふうに思います。  また、地域の皆様とともに検討した地区ごとのウオーキングコースをまとめたマップを作成し、1人でも多くの市民の方々が積極的に健康づくりに取り組んでいただけるよう支援をしてまいります。  さらに、スマートウエルネスシティ総合特区を活用しながら、市民のだれもが安心して歩くことができる、また、安心して自転車走行ができる道づくりを進めるとともに、木陰をつくる緑地帯の整備やベンチの設置、トイレの整備などに加え、連節バスやコミュニティバスの充実を図ることにより、歩く人、自転車に乗る人、公共交通を利用する人など、だれもが歩きたくなるような環境を整備してまいります。
     新年度には、岐阜公園周辺の道路を金華山や公園の景観と調和した散策路として、無電柱化や修景整備を行うなど、歴史的な町並みを感じさせる魅力的な道路空間として整備をしてまいります。  昨年9月に柳ケ瀬地区に開設しました岐阜市柳ケ瀬健康ステーションにおきましては、運動や健康に関する情報提供に加え、新たに健康相談や健康運動教室を実施するなど、健康づくりやにぎわいづくりの拠点機能をさらに充実させるとともに、今後、他の地域への展開につきましても調査研究してまいります。  そのほか、歯の健康につきましては、昨年8月に施行されました「歯科口腔保健の推進に関する法律」に基づき、基本理念を定めます岐阜市    〔私語する者あり〕 口腔保健条例を本定例会に提案しております。  また、歯科医療従事者等に対する情報提供や研修の実施等を行う岐阜市口腔保健支援センターを新たに設置するなど、市民の皆様が生涯を通じてみずからの歯で食を楽しむことができるよう総合的な歯科口腔保健施策の推進を図ってまいります。  がん検診につきましては、新たに大腸がんについて、特定の年齢に達した方に対し、検診の無料クーポン券及び検診手帳を配付し、検診受診率の向上を図るとともに、がんの早期発見に努めてまいります。  また、感染症対策といたしましては、子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンにかかる予防接種費用につきまして、新年度においても引き続き全額助成するなど予防医療の充実に努めてまいります。  次に、医療体制の充実についてでありますが、市民の健康を守るとりでとなる市民病院におきましては、現在、改築整備を進めており、昨年末には西診療棟が完成いたしたところであります。事業の最終年度となります新年度は、玄関棟や立体駐車場の整備などを進めてまいります。  加えまして、がん治療におきましては、正常な細胞を避けて腫瘍部分に放射線を集中して照射できる強度変調放射線治療法、いわゆるIMRT導入に向けまして、その建屋の整備に着手し、がん診療機能の充実を図るなど、高度な医療を提供できる環境整備を推進してまいります。  また、施設や医療機器の老朽化が顕著となっておりました休日急病診療所及び休日急病歯科診療所を市民病院へ機能移転しまして、利便性のよい一元的な救急医療を提供してまいります。  さらに、病気にかかった場合においても安心して医療が受けられるよう子ども医療費の無料化を引き続き、引き続き実施をしてまいります。  次に、市民生活の安全について申し上げます。  市民の安全を脅かす暴力団など反社会的勢力の排除につきましては、すべての都道府県で暴力団排除条例が制定されるなど、暴力団排除に対する社会的な機運が高まっております。  本市におきましても、本定例会に提案をいたしました岐阜市暴力団排除条例に基づき、暴力追放推進協議会の設置や防犯カメラの設置に対する助成など、地域住民による暴力団排除のための活動を支援し、市民との協働による安全で安心なまちづくりを一層進めてまいります。  総合防災対策の充実強化について申し上げます。  本市におきましては、近い将来、発生が危惧されている3連動による複合型地震などによる大災害に備えまして、広域的な災害や原子力災害にも対応できるよう地域防災計画の見直しを図っているところであります。  また、これまでにも備蓄食料や防災資機材などの増強を実施してまいりましたが、さらに、避難者支援対策の充実を図るため、新年度から順次市内全避難所に防災倉庫やマンホールトイレの整備を進めてまいります。  加えて、鉄道やバスなどあらゆる交通機関の運行に支障を来した際の帰宅困難者を支援するため、寝袋や食料などJR岐阜駅に近接するじゅうろくプラザなどに備蓄をしてまいります。  さらに、地震発生時の早期安全確保のため、緊急地震速報を市民病院を初め、小中学校等へ配信しておりますが、今後、多数の方が利用する公共施設に順次拡大することとし、新年度は社会福祉施設や防災拠点となる公民館などへも配信できるよう整備を進めてまいります。  また、災害発生時に避難勧告等の情報が自動的に受信できる防災ラジオを地域における避難情報の伝達や避難誘導などを担う自治会長などに配布をするなど、情報伝達体制の強化を推進してまいります。  施設の耐震化につきましては、耐震化整備計画などに基づきまして、学校や市営住宅などの市有建築物や橋梁及び水道配水管の耐震化を引き続き進めるほか、民間の木造住宅につきましても耐震診断及び耐震補強工事に対する助成を大幅に拡大するとともに、補強工事に合わせて行うリフォームに対する融資制度を継続するなど、耐震化の促進に努めてまいります。  さらに、ゲリラ豪雨などにより頻発する浸水災害に対応するため、市内中心部において排水路の機能を補完する雨水地下貯留槽の整備を引き続き進めるほか、鉄道等の下を通る地下式道路、いわゆるアンダーパスの壁面に冠水表示ラインを設置いたしまして、浸水時の危険周知を図るなど、被害防止に努めてまいります。  次に、便利で快適な都市の実現のため、持続可能な低炭素社会、循環型社会の構築に努め、自然との共生を図るとともに、地球環境の保全に向けた取り組みを進めてまいります。  最初に、地球環境保全対策の推進について申し上げます。  本市におきましては、これまでも地球温暖化対策実行計画に基づく温暖化施策の推進により、化石燃料に過度に依存しない低炭素社会への転換を図ってまいりました。  しかしながら、東日本大震災や福島第一原発の事故に起因した大規模な電力不足が発生したことを受け、再生可能エネルギーの一層の普及とエネルギーの分散自立化を図っていくことが喫緊の課題となっております。  このため新年度は本市の強みである太陽光や地中熱などの再生可能エネルギーを賢く、無駄なく活用する省エネ都市・スマートシティ岐阜の確立に向けた諸施策を推進してまいります。  まず、公共施設におきまして、太陽光発電システム、蓄電池、排熱利用などにより生み出される電気や熱を需要に応じ隣接する施設間で融通し合う分散自立型のエネルギー供給システム構築を目指し、新年度は、この実証事業の基本・実施設計に着手をいたします。  また、新たに建設工事に着手いたします「みんなの森 ぎふメディアコスモス」につきましては、地下水と太陽熱を取り入れた空調システムや太陽光発電を導入し、再生可能エネルギーを最大限に活用することで本市のスマートシティの代表的な事業として取り組んでまいります。  なお、空調システムに利用いたしました地下水につきましては、広場の「せせらぎ」などに2次利用した上で、地下の浅い層に還元をいたします。  このほか、太陽光発電の普及につきましては、需要の増加に対応するため、住宅用太陽光発電設備に対する補助枠を拡大し、太陽光エネルギーの利用促進を図るほか、新たに市民出資による太陽光市民発電所の事業可能性を研究してまいります。  さらに、地中熱利用を普及推進するための調査も進め、エネルギーの地産地消に取り組んでまいります。  また、スマートシティ岐阜を確立するためには、市民の皆様一人一人が環境に配慮したライフスタイルへの見直しを図っていく意識を持ち、行動することが必要であることから、電気・ガス使用量の削減や公共交通機関の利用など身近にできることから始めるぎふ減CO2ポイント制度により一層の普及に努め、ライフスタイルの転換を進めてまいります。  次に、循環型社会の実現について申し上げます。  地球環境への負荷を減らすためには、日常的に資源を有効活用する資源循環型社会を構築することが必要であります。  そのため今後のごみ減量・資源化の施策の行程を示しましたごみ減量・資源化指針2011に基づき、市民、事業者、行政が一体となってごみ減量に取り組んでいく市民運動を展開してまいります。  また、資源分別回収事業や生ごみ堆肥化推進事業など市民団体によるごみ資源化活動を支援していくとともに、事業系ごみの抑制を図るなど、引き続き、ごみの減量・資源化に努めてまいります。  さらに、清潔で快適な生活環境の実現のため、ごみ処理施設などの環境施設の整備を推進してまいります。  ごみやし尿の処理施設につきましては、本年度策定いたしました長寿命化計画に基づき、各施設の基幹的な設備改良工事に着手するほか、下水道事業につきましては、中部プラント改築や北東部地域の下水道整備などを引き続き進め、快適な生活を享受できる環境づくりに努めてまいります。  なお、現行の下水料金につきましては、平成15年4月に改定して以来、約9年が経過しております。この間、原油価格の高騰など下水道事業を取り巻く環境が大変厳しい中で、職員定数の削減などにより、今日まで現行料金の据え置きに懸命の努力をしてまいりました。しかしながら、使用者の節水による下水料金収益の減少に加え、今後、老朽化した施設の更新費用が増加するなど、財政状況は一段と厳しくなる見込みであります。  こうした状況を踏まえ、引き続き快適な生活環境づくりに取り組むため、公営企業経営審議会より答申を受け下水料金を改定することといたしました。現下の厳しい経済状況ではありますが、ぜひとも皆様方の御理解を賜りたいと存じます。  産業廃棄物不法投棄事案につきましては、市民の安全、安心を確保するため、迅速、情報公開、行政と市民との協働の3原則による解決を目指し、その実現に全力を傾注してまいりました。  これまで特定支障除去等事業実施計画に基づき、廃棄物の掘削、選別及び運搬・処分作業を進めてまいりましたところ、当初100億円程度と想定しておりました事業費が約70億円となる見込みとなりました。これはダイオキシン類に汚染された廃棄物が想定に比べて少量であったことや、技術面や費用面で事業者の創意工夫が図られる総合評価落札方式を採用したことなどによるものであり、当初の想定を大幅に下回る見込みとなったものであります。計画の最終年度となります新年度につきましても現地及び周辺のモニタリング調査を行いつつ、年度末の事業完了に向け、引き続き、これらの作業を実施してまいります。  また、新年度から学識経験者で構成する委員会を立ち上げ、特定支障除去等事業の効果について検証してまいりたいと考えております。  さらに、不法投棄行為者等への責任追及につきましては、引き続き専門家の助言を得ながら行政代執行費用の回収に全力で取り組んでまいります。  次に、利便性の高い生活環境の充実について申し上げます。  交通政策につきましては、岐阜市総合交通戦略に掲げるだれもが自由に移動できる交通環境社会、いわゆる交通ユビキタス社会の実現に向け諸施策を進めてまいります。  特に総合交通戦略の柱となるバス交通に関しましては、路線バスとコミュニティバスとの連携を図るなど、公共交通のネットワーク化を進めてまいります。  なお、コミュニティバスにつきましては、現在運行している11地区に加え、新たに芥見・岩地区におきまして導入を予定しております。  また、新たなバス交通システム岐阜市型BRTの一翼を担う連節バスにつきましては、昨年3月に岐阜大学病院線におきまして運行を開始し、昨年の10月からは途中3カ所のバス停にも停車できるようになり、朝夕を中心に多くの方に利用されております。  今後、関係機関との協議を踏まえ検証を行いながら、ぎふ清流国体の開催時期に合わせ、現有車両の活用を前提にし、中心市街地活性化や観光振興に資する市内ループ線、環状線への運行ルートの拡大を目指して社会実験を実施してまいります。  続きまして、3つ目の柱、「活力のあふれる都市づくり」について申し上げます。  本市が活力ある都市として持続的に発展していくためには中心市街地ににぎわいを取り戻すとともに、多様な産業の振興による雇用の確保が重要であります。  また、本市の財産である歴史や文化、自然を生かした観光など岐阜市ブランドの発信を積極的に行い、交流人口の拡大を図ることも必要であります。  まず、にぎわいある中心市街地の創出について申し上げます。  中心市街地を形成する岐阜駅周辺から柳ケ瀬、岐阜大学医学部等跡地に至る区域につきましては、中心市街地活性化基本計画の計画期間が本年9月に終了することから、商業・業務機能、居住機能、さらに公共・公益機能を強化すべく、次期計画を策定し、引き続き、にぎわいの創出と魅力ある空間の形成に取り組んでまいります。  柳ケ瀬地区におきましては、百貨店や大規模小売店舗を核として、商店街との共存共栄を図る取り組みに対し支援や検討を行うほか、引き続き空き店舗の活用に取り組むなど、柳ケ瀬のさらなる魅力の創出に努めてまいります。  市街地再開発事業につきましては、問屋町西部南街区におきまして、ぎふ清流国体開催前の完成を目指し、再開発ビル岐阜スカイウイング37の建設が進められております。約270戸の住宅、オフィス、商業施設、ホテル等から成る高さ136メートル、地上37階建ての複合ビルは、岐阜シティ・タワー43とツインタワーを形成し、新たな本市のシンボルになるとともに、まちなか居住、商業の活性化とにぎわいの創出が一層図られるものと期待をしております。  また、高島屋南地区におきましても昨年12月に都市計画決定の告示がなされ、今後、具体的な事業計画を策定するための調査が進められていくところであります。  今後も引き続き中心市街地における再開発事業を支援し、にぎわいのある都市空間の創出に努めてまいります。  さらに、昨年度創設いたしました中心市街地における個人住宅取得に対する助成制度や、市外から民間賃貸住宅へ転入してくる世帯に対する家賃の一部助成制度につきましては、再開発事業とも歩調を合わせ、助成件数を拡大し、まちなかへの人口流入を一層推進してまいります。  つかさのまち夢プロジェクトにつきましては、世界的に著名な建築家、伊東豊雄氏    〔私語する者あり〕 とともに設計を進めてきた、知、文化、絆の拠点となる第1期複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の建設工事に着手してまいります。  まず、知の拠点の役割を担う仮称・中央図書館についてでありますが、現在の市立図書館は築54年と老朽化が激しい上、人口1人当たりの延べ床面積や蔵書数、年間貸出数が人口20万人以上の133自治体の中でも下位である状況に加え、バリアフリー対応となっておらず、閲覧者が少ないなどさまざまな問題が顕在化しております。  このため蔵書数を20万冊から90万冊に大幅に充実させるとともに、だれもが学習の場として利用できるよう自習のできる学習席を現在の104席から910席へと約9倍に拡充するなど、あらゆる方々の知識欲を満たす魅力ある図書館として整備するとともに、中心市街地のにぎわい創出の起爆剤としても期待をしているところであります。  また、市民活動の創造と広がり及び市民協働にかかわる情報の発信や普及を推進するため、絆の拠点となる仮称・市民活動交流センターや、市民が創作物を展示、発表する場として、文化意識の向上に資する文化の拠点となる展示ギャラリー等から成る複合施設として、平成26年度完成に向け建設を進めてまいります。  これらの建設に当たりましては、国の補助金を初め、これまで計画的に蓄えてきた基金、あるいは合併特例債などの有利な起債を最大限活用し、将来の市民負担の軽減に十分意を用いてまいります。  次に、観光の振興について申し上げます。  長良川鵜飼は、1300年以上の歴史の中で培われた幽玄な世界を味わっていただける本市にとって貴重な観光資源であります。昨年度に引き続きアジアなど海外からの観光客の増加を目指し、留学生を鵜飼に招待するなど、鵜飼の魅力を積極的にPRするとともに、より快適な乗船環境を提供できる新造船の就航や、カップル、ファミリー専用の企画船の運航などを予定しております。  さらに、国体開催期間中には、選手を初め関係者の皆様が乗船する際の特別料金を設定する等により、リピーターの確保に努め、新年度12万5,000人の乗船客確保を目標としてまいります。  また、鵜飼の歴史や技術などに触れ、楽しく学ぶことができる通年型観光施設として、本年8月1日に長良川鵜飼伝承館の開館を予定しております。  それとともに、鵜匠、船頭の育成を初めとした鵜飼漁の伝統を本市がこれからも継承していくため、今後もさまざまな取り組みを進め、鵜飼の世界遺産登録を目指してまいります。  このほか、岐阜公園や鵜飼伝承館等の観光施設を周遊するバスの運行実験や、全国を回る長距離トラックを利用した観光PRに加え、岐阜長良川温泉旅館協同組合が川原町等で開催する長良川温泉泊覧会、いわゆる「オンパク」でありますが、──などの滞在型観光資源の育成を新たに実施するなど、広域観光の取り組みを一層進めてまいります。  また、新年度に開催されますぎふ清流国体・ぎふ清流大会には、全国から多くの方が本市を訪れられることから、本市の魅力を全国に発信できる格好の機会ととらえております。  新年度はJRを初めとする岐阜駅周辺施設と連携し、国体に向けた機運を高めるとともに、駅や競技会場での観光案内体制を充実させるほか、岐阜公園などを訪れる方々に周辺の観光施設を案内する看板を設置するなど、精いっぱいのおもてなしに努めたいと考えております。  次に、産業の振興について申し上げます。  本市経済を支える中小企業の経営は、個人消費の回復が十分でないことなどから、依然として厳しい環境にあります。  そのため新年度は市融資制度の融資枠を拡大し、市内中小企業者の資金繰りの円滑化を図ってまいります。  また、ものづくり産業の誘致につきましては、ものづくり産業集積地計画に基づき、柳津地区、三輪地区の2地区において事業を進めてまいりました。  さきに申し上げましたように、柳津地区につきましては、昨年12月に進出予定企業と企業立地に関する協定書を締結することができました。今後、進出企業が活躍される中で雇用の創出など、地域の活性化につながるさまざまな効果が期待されるところであります。  また、三輪地区につきましても引き続き事業化に向けた協議や環境調査を実施してまいります。  このようなものづくり産業の誘致に加え、新たな学術研究など知識集約型産業にかかわる企業や研究機関などの誘致にも努めてまいります。  農業の振興について申し上げます。  国は食料・農業・農村基本計画に基づき、10年後の平成32年度までに食料自給率50%の達成を目指し、持続可能な力強い農業の実現に向け、新規就農の拡大、農地集積の推進、森林・林業の再生などの基本方針を打ち出しております。  本市におきましても新年度は若年層の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、新規就農者に対し最長5年間にわたり経営に必要となる経費を補助し、独立・自営就農を支援してまいります。  さらには、本市の個性、強みなどを生かした農産物の試験栽培や加工品開発により、新たな岐阜ブランドの創出や販路拡大に向けた取り組みを進め、農商工連携による、いわゆる6次産業化を促進するとともに、市民農園の開設助成、小学生をキッズ・ファーマーと認定する食農教育など、引き続き地産地消立市に向けた取り組みを実施してまいります。  次に、就業環境の充実について申し上げます。  厳しい経済状況が続く中、依然として失業率が高い水準で推移し、中でも大卒者の就職環境が引き続き厳しい状況となっているなど、深刻な雇用情勢が続いております。  そのため本市では大学生等を対象とした合同企業説明会や就職セミナー、就職相談などを開催し就業機会の拡大に努めてまいります。  また、新たに福祉事務所内に「はたらき支援ルーム」を設置いたします。これはハローワークの直接の窓口となるもので、求職者に対するタイムリーな情報提供など、利便性の向上が期待されるものであります。  さらに、就労意欲の喚起を初め、さまざまな支援を行うキャリアカウンセラー、キャリアカウンセラーを配置することに加え、中核市で初めて職を求めているが働く場のない、いわゆる求職生活保護者等を直接雇用するなど、就労支援の強化を図ってまいります。  次に、4つ目の柱、「人生を楽しむ都市づくり」について申し上げます。  心の豊かさを実感でき、人生を楽しむことができる都市の実現のため、市民協働のまちづくり、学校教育、生涯学習の充実などさまざまな人づくりの施策を推進するとともに、文化の継承、創造に努めてまいります。  まず、市民協働のまちづくりについて申し上げます。  地域主権改革が進行する中、地域の特色を生かした個性豊かなまちづくりを行うことが求められています。その実現には、主役となる市民が地域に愛着を持ち、各種団体やNPO、企業、行政などとのつながりを広め、それぞれの役割分担と協働によるまちづくり活動を展開することが重要であります。  このため地域がその課題をみずから解決に向け主体的に取り組みを進めるまちづくり協議会の活動を支援する地域力創生事業を初め、アダプトプログラムなど住民主体のさまざまな協働のまちづくり施策を引き続き実施をしてまいります。  さらに、こうした地域内における個別の課題対応に加え、地域同士が連携し、一定の権限や財源に基づく広域でのまちづくり、すなわち都市内分権が重要となってまいります。  新年度は、まちづくりの担い手となる地域の皆様と積極的に意見交換を行うとともに、庁内に都市内分権推進会議を設置し、広域的課題の整理や目指すべき方向性などについて検討するなど、都市内分権型社会の構築に向けた第一歩を踏み出してまいりたいと考えております。
     また、市民ニーズが多様化する中、市民の皆様の十分な理解のもと、さまざまな施策を推進していくことが重要でありますことから、より多くの市民の皆様に市政に参画していただくための手法の1つとして、住民投票制度につきましても新年度も引き続き研究をしてまいりたいと考えております。  続いて、生涯学習の推進について申し上げます。  人が生きがいを持ち、心豊かで充実した人生を送るためには、身の回りにあるさまざまな課題について関心を持ち、また、学び、その成果を生かしていくことが大切であります。  このため学んだ成果をまちづくりに生かす現代的課題の解決を目指した生涯学習を推進し、地域づくりにつながる人材の養成に努めてまいります。  生涯スポーツの充実といたしましては、健康で活力ある市民生活を実現するため、新年度に岐阜市スポーツ推進計画を策定し、だれもが、いつでも、気軽にスポーツ活動に参加できるまちづくりを具現化してまいります。  また、FC岐阜によるサッカー教室や、高齢者、障がい者を対象とした体操教室などを開催するとともに、高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会の開催を支援するなど、引き続き、さまざまなスポーツの推進を図ってまいります。  これら生涯スポーツを推進するとともに、市民のだれもが健康で幸福になれるようスマートウエルネスぎふも一層推進してまいります。  本年9月29日に総合開会式が行われますぎふ清流国体・ぎふ清流大会は、市民のスポーツへの関心を一層高め、地域のまちづくりや市民の一体感の醸成につながるとともに、郷土岐阜の魅力を全国に発信できる重要なイベントであります。  本市におきましては、国体競技として陸上競技や水泳、テニスなど、正式競技8競技と公開競技1競技を実施するとともに、全国障害者スポーツ大会として、岐阜市内で陸上競技や水泳、バスケットボールなど4競技が開催されます。  このほか、デモスポ行事といたしまして10キロ・5キロマラソンやインディアカ、ミニテニスの開催も予定されており、市民が国体行事へかかわる機会や生涯スポーツとして競技に携わるきっかけとなることを期待しております。  両大会の開催に向け、より多くの市民の参加を促し、選手を初めとする関係者の受け入れ体制の充実を図るとともに、安全かつ確実に競技会が運営できるよう万全の準備を進めてまいります。  次に、学校教育の充実について申し上げます。  教育立市を目指す本市におきましては、学校教育の充実は未来を担う子どもたちを育てる上で最も重要な施策であり、ソフト、ハード両面から良好な教育環境を整備することで、変化の著しい現代社会に対応できるよう子どもたちの生きる力の育成に取り組んでまいります。  まず、ソフト面の施策といたしましては、基礎的な知識、技能の習得や健やかな体づくりを目指す学力向上ぎふプランや体力向上ぎふプランを引き続き実施するとともに、科学教育やものづくり分野における子どもの興味、関心を高め、将来の科学技術立国を担う人材を育成するため、小中学校の理科実験器具の充実や理科実験をサポートする理科支援員を小学校へ配置するなど、理科授業の魅力を高めてまいります。  このほか、教員の自発的な研修や研究支援などを通じて岐阜市の教育全体の底上げを図ってまいります。  さらに、理科に関心ある児童に対し、高いレベルで能力を伸ばせるよう学校外において岐阜科学塾を開催し塾生を募り、高校、大学との連携や企業見学を実施するなど、サイエンス・フェスティバルといたしまして科学講演会や実験、サイエンスショーなどの体験の場を提供してまいります。  また、国際化が進展する中、中学校におきまして引き続き外国語指導助手・ALTを活用した英語授業を展開するとともに、小学校につきましても「英語でふるさと自慢」事業として、モデル校9校の5、6年生の授業にALTを派遣し、小中一貫英語教育の効果的な推進を図ってまいります。さらに、平成25年度には市内の全小学校にALTを派遣していきたいと考えております。  また、社会で活躍する子どもたちの将来を見据えて、キャリア教育、「人間理解教育」・「色彩教育」研究など、引き続き特色ある教育に取り組むとともに、電子黒板機能付デジタルテレビや教材提示装置、独自開発の教材ソフト「リピランぎふ」などのICTを活用し、視覚、聴覚を通して「わかる授業、できる授業」の実践に努めてまいります。  一方で、一人一人の子どもが抱えるさまざまな問題や課題に対しましては、教育のみならず、福祉・医療など多方面からの専門的な支援が総合的かつ継続的に行われることが求められており、その拠点となります仮称・総合教育支援センターの平成26年度開設を目指し、旧明徳小学校校舎の改修を進めてまいります。  また、地域に開かれ、地域に支えられた学校づくりを目指す岐阜市型コミュニティ・スクールにつきましては、新たに2校を加えた8校において、地域の教育力を生かした学校運営に取り組んでまいります。  次に、ハード面といたしましては、耐震化整備計画に基づき、平成26年度をめどに補強が必要な学校施設の耐震化を完了できるよう安心、安全な教育環境の整備を計画的に進めてまいります。  また、新たな幼児教育体制及び発達支援体制の構築を目的とした仮称・幼児教育センターの開設に向けて、加納幼稚園の増築などを行ってまいります。  次に、歴史ある文化の継承について申し上げます。  1300年以上の歴史を誇る長良川鵜飼につきましては、国の重要無形民俗文化財指定を目指し、引き続き文化財としての価値を明らかにする調査を進めるとともに、その舞台となる長良川流域の景観につきましても国の重要文化的景観の選定を目指してまいります。  また、金華山一帯が昨年2月に岐阜城跡として国の史跡に指定されたことを受けて、豊かな自然や歴史的な価値を後世に守り伝えていくため、史跡の説明板等を設置して周知と保存管理に努めるとともに、整備に関する基本構想を策定してまいります。  さらに、信長学として当時の歴史や文化を学ぶため、信長学フォーラムや歴史講座「信長塾」を引き続き開催し、全国にその魅力を発信してまいります。  また、岐阜市史の記述がおおむね昭和50年までで終わっていることから、その後のおよそ35年間の岐阜市の歩みを現代編として編さんすることで市民の地域への理解を深め、郷土愛を醸成する基盤とし、さらに、今後のまちづくりと文化の向上に役立ててまいります。  次に、本市の新たな都市文化の創造について申し上げます。  文化や芸術を通じて人間力の育成を図るため、文化や芸術に触れる機会を設けるとともに、幅広い年齢層に多様な文化・芸術のありようや今に残る伝統の楽しさを伝えていくことが重要であります。  新年度は中学校へ芸術家を派遣し、生徒の感性に響くライブを実施する「ウエルカム!アーティスト」や本市にゆかりのある著名な芸術家と市民の触れ合いの場を提供するアートパフォーマンス及び戦国武将から見た信長像をコンセプトにした市民参加型の信長公市民劇を開催するとともに、芸術家の創作を発信する機会の充実も図ってまいります。  次に、行政の効率化について申し上げます。  さきに申し上げましたとおり、現在の大変厳しい状況下において、本市の重点施策を進めるに当たりましては、行政を経営するという視点に立ち、常に施策全般の目的を明確化し、民間活力の導入、計画的な行財政運営などにより、効率化に向けた不断の努力が必要であります。  職員定数につきましては、行政サービスの低下を招かないよう行政と民間の役割分担を明確化し、畜産センターにおける指定管理者制度の導入、下水処理施設の運転監視業務の委託化などにより、一層のスリム化を進めていくとともに、職員の給与についてもさらなる適正化に努めてまいります。  組織運営につきましては、スマートウエルネスシティや、つかさのまち夢プロジェクト第1期整備事業など、本市の政策の核となる事業を推進していく体制を充実するとともに、あらゆる想定のもと、さまざまな災害に対する備えを迅速に講ずる必要があることから、防災に対する総合調整と指揮監督を担う防災監を新たに設置するなど、さらなる防災体制の強化を図ってまいります。  職員育成につきましては、新規採用職員に対する指導育成環境を構築するなど、組織風土の改善、職員のモチベーションの向上を図ることなどを通じ、組織力の向上につなげてまいります。  また、高い倫理観や危機管理意識を備えた職員の育成を図るため、法令遵守、危機管理に関する研修を強化してまいります。  情報システムの最適化につきましては、市民サービスの向上やコストの削減、業務の効率化を図るため、引き続き庁内の基幹系システムを中心に統一的かつ費用対効果の高いシステムを再構築してまいります。  以上をもちまして、平成24年度の主な施策とその大要を申し述べました。  冒頭でも申し上げましたように、世界的な経済不況や急速に進展する少子・高齢化、自然災害の発生など、経済社会情勢が目まぐるしく変遷する中にありまして、私たちはこれまでの物の豊かさを求める価値観から転換期を迎えようとしております。  新年度は、まさに「原点回帰」をテーマに、物の豊かさのみならず、心の豊かさとは何かを追い求めつつ、市民目線で市政運営を原点から見直すことで本市の新たな未来を切り開いていく覚悟でありますので、議員各位を初め、市民の皆様方の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  なお、予算に関係いたします条例なども提案しておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、適切なる御決定を賜りますようお願い申し上げます。    〔私語する者あり〕  同時に提案をいたしました平成23年度一般会計補正予算並びにその他の議案につきまして御説明をいたします。  最初に、第75号議案、平成23年度一般会計補正予算についてであります。  今回の補正予算につきましては、今後の財政需要への備えとしまして各種基金への積立金を補正いたしました。  総務費におきましては、財政調整基金に15億円、教育費におきましては、教育施設整備基金に20億円、合わせて35億円の積立金を補正するものであります。  歳出面におきましては、厳しい雇用環境を反映し、生活保護費について、新年度におきましても受給者のさらなる増加が見込まれるなど、扶助的経費の増加が続いております。  また、新年度に開催されますぎふ清流国体・ぎふ清流大会など、臨時的に増加する財政需要に対応するため、新年度当初予算の財源として財政調整基金35億円を取り崩すことといたしております。  さらに、学校規模の適正化や校舎等の老朽化に伴う増改築など多額の教育施設整備費などに加え、南消防署の改築や国際会議場の改修などを初め、市有施設の老朽化対策等を考慮する必要があります。  こうした大規模な財政需要に的確に対応しながら、これまで同様に安定的な市民サービスを提供していくためのまさに事前の一策として各種基金への積み増しを行おうとするものであります。  次に、行政管理費につきましては、職員の退職手当を3億円余減額補正するものであります。  衛生費の環境事業費におきましては、産業廃棄物不法投棄事案に関しまして、廃棄物を排出した事業者から撤去費用に相当する額として受け入れた200余万円を産業廃棄物不法投棄対策基金へ積み立てるものであります。  また、特定支障除去等事業における廃棄物の運搬・処分費につきまして、本年度の実績等を踏まえ、8億6,000余万円を減額しようとするものであります。  商工費におきましては、三輪地域で進めておりますものづくり産業集積地整備につきまして、農地転用に係る国との協議に日時を要しましたことから、当初予定しておりました環境調査費1,000万円を減額し、新年度に実施をしようとするものであります。  また、日ノ出町商店街アーケード改築につきましては、国の補助採択に至らなかったことから、地元が事業実施を見合わせたことにより、当初予定しておりました改築助成金7,300余万円を減額するものでございます。  土木費の水防費につきましては、水防団員に係る退職報償金の支給に500余万円を補正するものであります。  また、公園整備事業費には、スマートウエルネスぎふ推進のため、溝旗公園の施設整備に700万円を補正するものであります。  次に、消防費の非常備消防費におきましては、消防団員の安全確保を目的として、ライフジャケットや拡声器などの安全対策資機材を配備するため、700余万円を補正するものであります。  また、防災対策費には、情報伝達体制の強化を図るため、移動系防災行政無線を追加配備する経費、2,300余万円を補正するものであります。  次に、教育費におきましては、学校施設環境改善交付金を活用し、小中学校の耐震補強及び学校再編に伴う本郷小学校の改修などに合わせて4億9,000余万円を補正するものであります。  また、薬科大学管理費につきましては、三田洞学舎本館西棟耐震補強工事において、支障となる実験室等の移転に時間を要し、本年度の施工ができない見込みとなったため、工事費の9,500万円を減額し、新年度に実施しようとするものであります。  また、完了が次年度になる見込みの事業につきましては、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。  このほか債務負担行為といたしまして、サンライフ岐阜の指定管理者の指定に伴い、運営管理経費を補正するものであります。  以上、補正総額は26億8,979万6千円となり、財源内訳といたしましては、    地 方 交 付 税        12億2,015万2,000円    国 庫 支 出 金           1億201万7,000円    繰越金その他特定財源       39億4,042万7,000円 をもって充てる一方、    市         債           12億7,280万円    財政調整基金繰入金                   10億円    職員退職手当基金繰入金                  3億円 を減額するものであります。  次に、第76号議案、国民健康保険事業特別会計補正予算は、岐阜県国民健康保険団体連合会が行うシステム最適化事業に対する負担金について国庫支出金を財源に増額するとともに、平成22年度療養給付費負担金の確定に伴い、国への償還金を補正するものであります。  第77号議案から第83号議案につきましては、いずれも条例の改正でありまして、それぞれ提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。  次に、第84号議案は、岐阜県の公共事業受注に係る贈収賄事件に伴い、ドルフィン株式会社を除外し、改めて指定管理者を募集いたしましたサンライフ岐阜につきまして、平成24年4月1日から平成29年3月31日までの5年間を株式会社技研サービスに指定しようとするものであります。  第85号議案につきましては、土地区画整理事業の施行などに伴い、市道路線の認定をしようとするものであります。  第86号議案は、国民年金法等の改正により、基礎年金拠出金公的負担金の負担率が引き上げられたことに伴い、一般会計の各費目に係る共済費等について、合わせて1億7,000余万円を補正するものであります。  以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。よろしく御審議の上、適切なる御決定を賜りますようお願い申し上げます。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  第89 請願第1号から第91 請願第3号まで 11: ◯議長(渡辺 要君) 日程第89、請願第1号から日程第91、請願第3号まで、以上3件を一括して議題とします。            ───────────────────             請   願   文   書   表                     平成24年第1回(3月)岐阜市議会定例会 ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第1号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│「社会保障と税の一体改革」に反対し、暮らしに係る消費税の減税に │ │       │関する請願                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成24年2月29日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市啓運町1                         │ │住所・氏名  │消費税をなくす岐阜県の会 代表世話人 土田 整         │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、堀田信夫、中川裕子                  │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │総務委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │
    │ 消費税は、社会保障の充実や国の財政再建を目的として導入され、その後、税率が引 │ │き上げられた。                                 │ │ 政府は、現在開会中の第180回通常国会において、「社会保障と税の一体改革」  │ │(以下、「一体改革」という。)の関連法案を成立させようとしている。しかし、この │ │一体改革が国民生活に及ぼす影響は改悪ばかりである。               │ │ 国民の暮らしや自営業者等の業績は悪くなるばかりであり、賃金は上がらず、年金支 │ │給額は下がり、税金と医療費の負担は増加している。また、介護や保育の分野に市場原 │ │理を導入することになれば、国民の命を守ることはできない。            │ │ 一体改革とは名ばかりであり、その目的は消費税を増税し、社会保障を切り捨ててい │ │くことにある。この改革を許したならば、地方自治体の役割である「住民の福祉の増進 │ │を図ること」は果たせなくなる。                         │ │ そもそも消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなる最も不公平な税金であり、景気 │ │を底から冷やす最悪の大衆課税であると言える。このことからも、消費税の増税は貧困 │ │と格差を一層拡大し、景気悪化に拍車をかけることは明らかである。         │ │ こうした中、社会保障の財源を確保し、国の財政を再建するためには、これまでに引 │ │き下げ過ぎた法人税率や所得税の最高税率をもとに戻すなど、税制改革が必要である。 │ │また、同時に政府が復活させた莫大な予算をつぎ込むダム建設費、在日米軍の駐留経費 │ │である、いわゆる「思いやり予算」、原子力推進予算、政党助成金などを削減し、税金 │ │の使途を社会保障と国民の暮らし優先に転換することが求められる。         │ │ 以上のことから、景気を回復軌道に乗せ、国民の暮らしと社会保障を守る立場から、 │ │下記事項について、国に対し意見書を提出されるよう請願する。           │ │                   記                    │ │1 「社会保障と税の一体改革」を断念し、消費税の増税をやめること。       │ │2 食料品など、暮らしに係る消費税を緊急に減税すること。            │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第2号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│FC岐阜を活用した岐阜市のPRに関する請願           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成24年2月29日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市西荘4-3-19                     │ │住所・氏名  │FC岐阜サポーター有志の会 代表 中西謙司           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│堀 征二、高橋 正、小堀将大、堀田信夫、松原和生、服部勝弘、  │ │       │和田直也、柳原 覚、浅野裕司                  │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │文教委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ FC岐阜は岐阜県唯一のプロサッカークラブであり、岐阜市を中心に岐阜県全域をホ │ │ームタウンとして活動している。また、今西社長の掲げる「日本初の地域に根差したク │ │ラブ創設」というビジョンのもと、昨年は県内で576回の地域貢献活動を実施し、約 │ │4万人の人々と直接触れ合うことで、スポーツを通じた健康づくりやスポーツの楽しさ │ │を伝えている。岐阜市では、その6割を超える365回の地域貢献活動が実施されたと │ │ころである。                                  │ │ こうしたことから、2011シーズンは毎試合平均4,000人を超えるサポーター │ │がスタジアムに詰めかけ、観客動員数の減少が課題となっているJリーグの中では数少 │ │ない観客が増加したクラブとなった。加えて、地域貢献活動の質と量はJリーグ全40 │ │クラブの中でも突出しており、地域とクラブの新しい関係づくりとして全国から注目を │ │浴びている。                                  │ │ しかし、昨年のクラブの収入は、J2所属クラブの平均の約半分である4億6,00 │ │0万円にとどまり、今後のチームの存続にかかわる大きな課題となっている。さらに、 │ │本年よりJ2リーグとJFLとの入れかえ戦が実施されることとなり、J2下位2チー │ │ムはJリーグからの退会を余儀なくされる可能性がある。加えて、クラブライセンス制 │ │度の導入により、経営基盤が弱いクラブはライセンスが剥奪され、Jリーグへの参加資 │ │格がなくなる事態も危惧される。                         │ │ このような状況の中、クラブが健全経営を図り、J1昇格を実現するためには、地域 │ │に貢献し、地域がクラブを支える「地域に根差したクラブ運営」を確立することが最善 │ │と考える。そのためには、クラブとホームタウンが緊密に連絡を取り合い、ホームタウ │ │ンの活性化のために何ができるかを協議する場が必要である。特に岐阜市はクラブの本 │ │拠地であり、ホームグラウンドも立地していることから、岐阜市の活性化に貢献するこ │ │とが最も現実的かつ必要性が高いと考える。                    │ │ また、岐阜市は職住に適したすばらしい都市である。しかし、世間における岐阜市の │ │認知度は決して高いとは言えず、その魅力を伝え切れていないのが実情であり、今後の │ │岐阜市の発展にはその魅力を全国にPRすることが重要である。           │ │ そのため、サポーターにおいては、岐阜市の観光資源を前面に掲げて、FC岐阜の選 │ │手が岐阜市のPRキャラバン隊となり、サポーターとともに遠征先などでPR活動を行 │ │うことにより、全国に先駆けた地域密着型の地域振興活動が実現すると考える。    │ │ ついては、岐阜市の名を全国に広めるとともに、FC岐阜を岐阜市に根差したクラブ │ │とするため、下記事項について請願する。                     │ │                   記                    │ │1 岐阜市は、FC岐阜が試合等を通じて岐阜市の地域振興を目的とする事業を活発に │ │ 行うための協議会を設立すること。                       │ │2 岐阜市は、FC岐阜の遠征地などで岐阜市の観光資源を掲げたPR活動を推進する │ │ こと。                                    │ │                                (資料掲載略) │ └────────────────────────────────────────┘ ┌───────┬────────────────────────────────┐ │請 願 番 号│請願第3号                           │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │件     名│消費税増税に反対する請願                    │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │受理年月日  │平成24年2月29日                      │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │請願代表者  │岐阜市則武西2丁目1-17                   │ │住所・氏名  │岐阜北民主商工会 会長 伊藤次雄 外1件            │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │紹 介 議 員│井深正美、中川裕子、堀田信夫                  │ ├───────┼────────────────────────────────┤ │付託委員会  │総務委員会                           │ ├───────┴────────────────────────────────┤ │(請願要旨)                                  │ │ 1997年、自由民主党の橋本内閣は消費税率を3%から5%へ引き上げるとともに、│ │社会保障改革を強行して、国民に約9兆円と言われる負担を押しつけた。その結果、景 │ │気は一気に悪化し、企業の倒産や廃業が相次いだところである。           │ │ 現在、民主党の野田内閣が推し進めようとしている消費税の増税と年金給付の削減が │ │実施されれば、約13兆5,000億円が国民から奪われることとなり、東日本大震災 │ │の被災地はもとより、地域経済への打撃ははかり知れないものがある。        │
    │ 日本商工会議所など、中小4団体が行った「中小企業における消費税実態調査」によ │ │ると、消費税率が引き上げられた場合、小規模事業者の約7割は価格に転嫁できないこ │ │とが明らかになった。このことは、「売上高の小さい中小企業者ほど、消費税の販売価 │ │格への転嫁ができていない。」と記載されている政府の税制抜本改革に関する資料から │ │も明らかである。                                │ │ また、日本チェーンストア協会は、消費税率の引き上げは「さらなる消費の低迷を招 │ │く」と政府の姿勢を批判し、日本百貨店協会は「将来不安の解消につながる道筋をつけ │ │ないまま、具体的な税率ばかり明示した増税論議が先行することに反対する。」と消費 │ │税の増税に懸念を示している。                          │ │ さらに、全国商工会連合会は、増税分のコスト転嫁が困難な中小・小規模企業にしわ │ │寄せが及ぶことに加え、中小企業の資金繰りがさらに厳しくなり、滞納件数の増加を招 │ │きかねないことから、安易に消費税率を引き上げないよう要望を行うとともに、また、 │ │全国中小企業団体中央会は「個人消費の冷え込みを増幅し、増税分の価格転嫁が困難な │ │小売業等を中心に中小企業に負担を強いる」との意見を表明している。        │ │ 以上のように、いずれの団体も「社会保障と税の一体改革」に反対もしくは強い懸念 │ │を表明しており、消費税増税を強引に実施すれば、財政再建どころか消費の冷え込みに │ │よる税収減につながり、結果として、多くの中小企業が廃業に追い込まれ地域が荒廃す │ │ることは明らかである。                             │ │ ついては、国に対し消費税増税の中止を求める意見書を提出されるよう請願する。  │ └────────────────────────────────────────┘ 12: ◯議長(渡辺 要君) 請願の紹介議員において発言の申し出がありますので、これを許します。21番、井深正美君。    〔井深正美君登壇〕 13: ◯21番(井深正美君) おはようございます。    〔「おはようございます」「こんにちは」と呼ぶ者あり〕  ただいま上程されました請願第1号「社会保障と税の一体改革」に反対し、暮らしに係る消費税の減税に関する請願及び請願第3号消費税増税に反対する請願について、紹介議員を代表して一言発言させていただきます。  さて、民主党、野田内閣は、現在開催されている通常国会において、社会保障と税の一体改革と称して消費税増税を含む関連法案を成立させようとしています。消費税の税率を2014年から8%に、2015年からは10%に引き上げるというもので、実施をされれば13兆5,000億円、国民1世帯当たり4人家族で年間16万円余りの負担増となります。  消費税は社会保障の財源として1989年に3%で導入、1997年には5%に引き上げがされました。この間、国民が納めた消費税は224兆円余りにもなります。しかし、医療や介護、年金など社会保障の充実に使われるはずの財源は、そのほとんど208兆円が大企業の減税の穴埋めに使われる結果となってきました。  今回の法案においても一体改革とは名ばかりで、その中身は年金支給額の引き下げや支給開始年齢を現在の65歳から68歳、70歳に引き上げること、医療では70歳から74歳の病院での窓口負担を1割から2割に引き上げること、介護保険でも軽度者の利用料の1割から2割への負担増など、社会保障を切り捨てるそのものです。  そもそも消費税は赤ちゃんからお年寄りまで国民すべてに負担を強いるもので、所得の低い人ほど負担が重くなる最も不公平な税金と言えます。また、日本では暮らしに必要な食料品や医療でも1台1,000万円もするような高級車でも同じ税率が適用されています。既にヨーロッパ各国では商品によって税率の違う複数税率が適用されており、イギリスでは食料品についてはゼロ税率となっています。現在の経済状況は国民にとっては最悪の状況が続いており、景気の回復の切り札として低所得者ほど効果の大きい食料品などの暮らしにかかる消費税の減税が求められています。  消費税の増税ですが、過去1997年、自民党、橋本内閣の時代に3%の税率が5%に引き上げられ、所得税増税と合わせて約9兆円もの負担増が国民に押しつけられました。やっと上向いたと言われた景気は一気に失速、その後、日本経済に重大な悪影響を及ぼすとともに、数多くの中小企業の倒産や廃業が相次ぐ結果となりました。政府が今回計画している消費税増税は1997年を上回るものであり、東日本大震災の被災地はもとより、地域経済への打撃ははかり知れません。とりわけ小規模事業者については消費税の税率が引き上げられた場合、約7割は価格に転嫁できないことが日本商工会議所など4団体が実施した中小企業における消費者実態調査でも明らかになっています。  また、全国中小企業団体中央会の鶴田会長は、2月の17日、中小企業者の消費税増加分の価格転嫁が相当困難になることが予想されることから、慎重に判断していただきたいとのコメントを発表。そのほかにも日本チェーンストア協会、日本百貨店協会、全国商工会連合会なども一体改革に反対や重大な懸念を明らかにしています。消費税の増税によって景気が冷え込み、中小企業は倒産に追い込まれることになります。  以上、るる述べさせていただきましたが、ぜひこの趣旨を御理解いただき、採択していただきますよう、よろしくお願いします。 14: ◯議長(渡辺 要君) 以上で請願紹介を終わります。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  一 休  会 15: ◯議長(渡辺 要君) お諮りします。3月1日、2日及び3月5日から9日までの7日間は、議案精読のため休会したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 16: ◯議長(渡辺 要君) 御異議なしと認めます。よって、3月1日、2日及び3月5日から9日までの7日間は休会することに決しました。             ━━━━━━━━━━━━━━━━━  散  会 17: ◯議長(渡辺 要君) 以上で本日の日程は全部終了しました。本日はこれで散会します。   午前11時37分 散  会  岐阜市議会議長      渡 辺   要  岐阜市議会議員      若 山 貴 嗣  岐阜市議会議員      大 西 隆 博 発言が指定されていません。 Copyright © Gifu City Assembly. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...