安曇野市議会 > 2014-09-11 >
09月11日-02号

  • "安曇野市土地利用基本計画"(/)
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  1. 安曇野市議会 2014-09-11
    09月11日-02号


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    平成26年  9月 定例会          平成26年安曇野市議会9月定例会議事日程(第2号)                 平成26年9月11日(木曜日)午前10時開議第1 市政一般に対する質問   竹内秀太郎議員   林 孝彦議員   小松芳樹議員   松枝 功議員   山田幸与議員   中村今朝子議員   猪狩久美子議員---------------------------------------出席議員(25名)   1番  松枝 功       2番  坂内不二男   3番  林 孝彦       4番  井出勝正   5番  一志信一郎      6番  宮澤豊次   7番  黒岩豊彦       8番  増田望三郎   9番  竹内秀太郎     10番  藤原正三  11番  中村今朝子     12番  山田幸与  13番  平林 明      14番  小松洋一郎  15番  荻原勝昭      16番  猪狩久美子  17番  藤原陽子      18番  内川集雄  19番  小松芳樹      20番  召田義人  21番  松澤好哲      22番  小林純子  23番  濵 昭次      24番  平林德子  25番  宮下明博欠席議員(なし)---------------------------------------地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名  市長     宮澤宗弘     副市長    村上広志  教育長    望月正勝     総務部長   藤松兼次  政策部長   小林 弘     財政部長   千国充弘  市民生活         堀内猛志     福祉部長   飯沼利雄  部長  保健医療         宮下直子     農林部長   山田宰久  部長  商工観光            都市建設         曽根原悦二           飯森正敏  部長              部長  上下水道         中野 純     教育部長   北條英明  部長  総務管理         花村 潔  課長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長   平川淳朗     次長     望月利彦  次長補佐兼         宮澤 修  議事係長--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(宮下明博) ただいまの出席議員数は25名で、定足数に達しております。 よって、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第2号により進めてまいります。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △市政一般に対する質問 ○議長(宮下明博) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。 本日の発言通告者は、9番、竹内秀太郎議員、3番、林 孝彦議員、19番、小松芳樹議員、1番、松枝 功議員、12番、山田幸与議員、11番、中村今朝子議員、16番、猪狩久美子議員の以上7名でございます。 御報告申し上げました順序により発言を許します。--------------------------------------- △竹内秀太郎 ○議長(宮下明博) 最初に、9番、竹内秀太郎議員、持ち時間は質問、答弁を含めて40分以内といたします。 竹内議員。     (9番 竹内秀太郎 登壇) ◆9番(竹内秀太郎) 9番、竹内秀太郎です。通告に従い、一般質問させていただきます。 きょうは、飯田区の旧羽田コンクリート工場跡地に長野県下一の規模を持つ大型パチンコ店が出店することに関連して質問をいたします。 さて、ことし5月2日にパチンコ出店開発業者から開発事業の案が提出されて、4カ月後の9月1日に市長から事業承認書が交付されましたが、私は今回の大型パチンコ店出店問題は、当市のまちづくり、また、役所の指導、対応のあり方について一考を要すると考えました。 初めに、当市のまちづくりと県下一の大型パチンコ店について考えてみたいと思います。 当市は、平成20年に第1次安曇野市総合計画を策定し、基本構想では、当市の将来都市像を北アルプスに育まれこころ輝く田園都市安曇野と定めました。そして、平成25年3月に前期5カ年基本計画が終了するに当たり、宮澤市長は、将来都市像を北アルプスに育まれ共に響き合う田園産業都市安曇野と変更して、総合計画後期基本計画を策定いたしました。そして、宮澤市長は、重点施策として異業種間の連携強化を図り、地域資源を活用した産業振興による雇用の場の確保や創出などにより、活力あふれる豊かで美しい安曇野を次の代に継承していくと述べております。また、平成22年に策定した安曇野市工業振興ビジョンでは、基本目標を豊かな自然と技術の共生がリーディング企業を産み出すテクノパーク安曇野、先端技術あふれる田園産業都市を目指してと定めています。 このように、当市の将来都市像や工業振興ビジョンの視点から見ると、平成23年に安曇野市土地利用基本計画策定以降は、工業用地の開発がほとんど行われていないときに、今回3万平米を超える工業用地がパチンコ店の出店により失われてしまうことはとても残念に思います。 また、市長は、旧羽田コンクリートが平成24年3月操業停止以降、工場等の誘致活動を行い、市が直接かかわったものは2社で、県及び県の出先機関やさまざまな方面に御尽力いただいたが、いずれの交渉もまとまらないでいたところ、遊技場の開発事業案の提出が平成26年5月2日にされた、遊技場の出店は寝耳に水であったと話されていました。私は、企業誘致活動はオープンにして、広く情報発信しておれば、さまざまな可能性があったのではないかと残念に思っております。 次に、閑静な住宅地区と大型パチンコ店について考えてみたいと思います。 市長さんも周知のとおり、出店予定地周辺は昭和30年ころまでは松林と原野が広がっていました。そこへ旧羽田コンクリートの工場ができ、その後、数社の工場ができました。そこで旧豊科町は、昭和48年にこの周辺を準工業地域として発展させたいという意図のもと、地域設定をしました。しかし、その後は工場等の建設は少なく、バブル崩壊後は閉鎖する企業のほうが多く、行政が準工業地域に定めても結果的に住宅がふえ、10年前からは大部分の地域が閑静な住宅地になっています。行政はこのことを周知しており、用途地域を変更する機会が何度かあったのではないかと残念に思います。 私は、当市の将来都市像において、県下一の大型パチンコ店は想定していなかったと思っております。私は市内の現地検証を速やかに行い、今回のようなミスマッチを繰り返さないように強く要望します。 以上、当市の将来都市像と大型パチンコ店及び閑静な住宅地区と大型パチンコ店について、地元市民と私の評価です。市長の評価と意見をお聞きいたします。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) おはようございます。 竹内議員の質問にお答えをさせていただきます。 議員おっしゃいますように、田園産業都市安曇野市の閑静な住宅地に県下一のパチンコ店が出店をすることについてどう思うかということでございますが、私は県下一であるかどうかは承知はいたしておりません。市では、平成25年3月に将来都市像を北アルプスに育まれ共に響き合う田園産業都市安曇野として、第1次安曇野市総合計画後期基本計画を策定をいたしました。議員おっしゃるとおりでございます。 重点施策の1つに、活力あるまちづくりを掲げさせていただき、基本方針の豊かな産業のあるまちの形成として、次世代へつなぐ農林水産業や商工観光業など、各種産業を振興するまちの形成を進めているところでございます。 まちづくりという点におきましては、平成17年の合併後5年をかけて新市としての統一したまちづくりを行ってきております。市民検討委員会制度設計委員会など、市民と専門家が一緒になって協議を進めた結果、安曇野市独自の条例によってまちづくりを行っていくという道を選択し、今日まで運用をしてきたところでございます。 このような方向性の中でまちづくりを進めておりますが、全く突然でございましたが、2年前、平成24年2月頃、羽田コンクリート長野工場の操業停止の話を聞きました。私といたしましては青天のへきれき、大変残念な思いをいたしております。そこで、当時の一緒に働いた仲間、同志を募りまして、規模を縮小しても事業を続けてもらえないかという話を当時の社長に交渉をしたというか、要請をしてまいりましたけれども、それはかなわなかったということでございます。 2カ年にわたって、私どもといたしましても、企業誘致に努力を重ねてまいっております。企業誘致につきましては、情報提供を広くということでございますが、私ども安曇野市では、空き店舗、空き工場、空き事務所等について、その企業の理解が得られれば、ホームページ等で公表をし、広く市民の皆さんに御協力をお願いをしているところでございますが、今回の件につきましては、企業側から全面的に情報発信をしないでほしいという要請を受けた上でのホームページなど広く公開はさせていただいておりません。このことは御理解をいただきたいと思います。 また、市が直接かかわったものは、議員指摘のように2社でございますけれども、県及び県の出先機関などを介しまして引き合いがございました。さまざまな方面に御尽力を賜ってまいりましたけれども、土地所有者を含めて、多くの工場等の誘致、努力をしてきたところでございます。しかし、いずれの交渉もまとまらなかったというところ、ことし3月28日に、関係課に開発事業者から遊技場の出店の相談があったということでありまして、土地利用条例による手続や地元説明会の開催について説明をしたということであります。 4月17日には、開発事業者から地元区長さんを初め区の役員の皆様方へ、遊技場の事業概要説明と土地利用条例に基づく地元説明会の日時、場所、参集する区の範囲などについての打ち合わせが行われ、5月25日に地元説明会を開催をするということを決めていただいたというように報告を受けております。また、5月2日には、開発事業者から遊技場パチンコ店の計画が提出をされました。 先ほど申し上げましたように、企業誘致への努力の経過を思いますと、余りにも突然な話でありまして、驚きを感じているところでございます。しかしながら、市民の皆さんの合意の上に策定をしました土地利用条例に沿った開発事業計画が既に出された時点において、市が新たに遊技場計画を阻止する方策をとった場合には、本開発事業を阻止するためのものであり、行政として行政権の著しい乱用によるものということで、このような選択をすべきでない、場合によったら国家賠償法にも抵触をするのではないかということで、こういった選択はすべきではないというように考えたところでございます。 私といたしましては、非常に残念な思いをいたしておりますが、法令、または政令の定めるところに従う、そして、一方では市民の皆様方の意向を最大限に配慮をしていかなければいけない、そういった立場にもございます。したがいまして、今後は、市民の皆様方の意向が尊重されるように、改めて配慮をした開発となるように、関係の皆様方、特に出店を計画をされている業者や地権者の皆さん方と協議を重ねながら、市民の皆様方の要望に沿う努力を続けていくということでございます。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮下明博) 竹内議員。 ◆9番(竹内秀太郎) 続きまして、次に、行政の対応、助言、指導について考えてみたいと思います。 パチンコ業者からの開発事業案が公表されてから、市長の事業承認書が公布されるまで、順を追って地元市民の声を紹介しながら検証、評価させていただきます。 まず一つとして、今回は、業者の事前説明、打ち合わせがない状態で土地利用条例の手続に入ってしまいました。大きな開発計画を行う企業は社会的責務として、また、地元と協調して創業するためにも、法令による手続の数カ月前には行政や地元住民に対して事前の連絡を行うべきだと考えております。そして、そのことは行政が企業に対してその点の助言、指導を行ってもよかったのではないかと思っております。5月2日に開発事業案が提出され、5月25日に地元説明会が開催されましたが、市から地元区長に開発事業に関する情報提供があったのは5月8日でした。 次に、説明会での市の対応と市の助言、指導について、地元市民の声とともに感じた点を報告させていただきます。 1つは、行政は、地元住民の閑静な住環境や交通安全等のさらなる悪化を心配する要請に応えることより法令を遵守する姿勢が目立ち、住民が行政は頼りにならないと、こういう気持ちを持たせてしまったことはとても残念に思います。 参考までに、開発業者が市に提出し、条例の規定により縦覧した説明会報告書から、3人の質問に答えた市担当者の発言内容を紹介させていただきます。 1つは、反対があったからといって、法的に認められている工事のため、計画が潰れるということはありません。2つとして、区の同意についてですが、同意がないと開発事業ができないということではありません。3つとして、法的に遊技場を建ててはいけないというところではないため、市としての希望は、住民と事業者間で話し合いをする中でいい方向を出すということです。 次に、また、今紹介したように、行政が法令遵守の立場を強調し、開発業者を勇気づけるような対応をしてしまったことはとても残念に思っております。このことは、開発業者のその後の対応から知ることができます。それは、地元説明会のときに、今の静かな環境を少しでも維持するために、できれば規模を縮小してほしい、こういう質問が何人か出されました。開発事業者は、この場でお答えできないため、会社に持ち帰り検討しますと答え、1週間後の説明会報告書提出の際に、規模縮小について十分配慮いたしますという前向きな回答がありました。地元では、この回答に期待を持ちました。しかし、その後、開発業者から配慮した具体的な内容は示されておりません。また、行政も開発規模縮小に対する助言、指導は行っておらず、このことは今後地元と業者との協議事項だと言っております。 そして、市長、担当部課長が出席された8月27日の地元説明会では、何のお話もなかった行政、企業、地元4区長のトップ懇談会開催の連絡が翌日の28日にあり、8月29日に急遽開催され、9月1日に事業承認書が公布されました。私は一連の行政対応について、行政は法令遵守とともに、もっと市民に寄り添い、市民の気持ちを大切にする助言、指導があってもよかったと思っております。 今後行政による助言、指導が十分行われなかった内容等については、地元区と開発業者との協議が引き続き行われることになっておりますが、事業承認書が公布されてしまった後の地元市民の立場は弱いものです。どうぞ行政の地元市民への支援と業者への助言を引き続きお願いをしたいと思います。行政は市民から頼りにならないと思われ、信頼をなくしたら、市民との協働のまちづくりは頓挫してしまいます。 以上、行政の対応と助言、指導に対する私の総括と評価です。市長の評価と御意見をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 地元住民の皆さんの生活環境、そして、交通安全等の懸念、これは業者に十分助言、指導をしてまいりましたし、業者のほうも前向きに受けとめていただいているというように評価をさせていただいておりますけれども、地元区からの意見書の提出を受けまして、この内容をくみ取って、市といたしましても、最大限配慮をしていただけるように、特に住環境の維持や交通安全の確保を重視をして、必要な項目を助言または指導として開発業者には要請をしたものでございます。 今回の開発事業計画に対して、適切で必要な助言または指導を行ってきたというように考えております。また、市長の立場といたしましては、開発申請に関しては、先ほども申し上げました法令や条例を守り、適切に判断をしなければいけないという立場がございます。 また一方、関係区や市民の皆様方の意向を十分尊重しながら、市民の皆様方の安全・安心を守るという立場にもございます。法律的には許可をせざるを得ない事案でありましたが、開発事業者には、地域の声に最大限配慮していただきたいという思いから、このままずるずる引き延ばすというわけにはまいりませんし、当初の計画ですと、8月には着工したいというようなお話もお聞きをしていたところでございます。事前の説明会等については、業者のほうから4月17日に地元の区長さんのほうに計画内容等はお知らせをし、お話をしたというように報告を受けております。 いずれにいたしましても、今後とも地元の関係区の役員の皆様方の声は尊重していくということですが、特に開発事業者、地権者の皆様方に御参集をいただき、関係する区長さん方には急遽でございますけれども、市が中に入って話を進めさせていただきました。その結果、承認申請の手続に係る意見書及び市の助言、または指導に配慮をしているものと認めましたので、開発事業の承認の判断をさせていただきました。 市といたしましては、今後とも市民の皆様方の意向に最大限の配慮をした開発となるように対応してまいりたいということでございます。当然地元区の皆さんや周辺の皆さん方の意向は、出店反対の意向であるというように私も捉えさせていただいております。しかし、これは条件をいかにこれから求め、そして、その条件をいかに業者のほうから協力をいただくかということでございまして、条件で問題解決を図っていく以外に私はないというように考えております。 ○議長(宮下明博) 竹内議員。 ◆9番(竹内秀太郎) ありがとうございました。 行政の立場はよく理解はいたしますけれども、もう少し法令遵守とともに、市民に軸足を置いた行政運営、こういうことについて、今回はパチンコ店の問題でございますけれども、今後においてもいろいろな課題や問題が山積していると思いますので、ぜひ市民に寄り添い、市民に軸足を置いたそんな対応を、これは市長のみならず、行政に携わる職員の皆さん方にお願いをしたいと、こんなように思っております。よろしくお願いいたします。 次に、大型パチンコ店出店地区周辺の道路、交差点の整備、改良について御質問いたします。 大型パチンコ店の出店により、出店地区周辺の道路、交差点は、確実に車が増加いたします。特に最近は、豊科、あるいは三郷の北部方面から松本市街へ行く車両で、旧国道147号線の渋滞がひどくなっており、少しでも早く梓橋のたもとに到達したいという車が、旧147号を走らずにパチンコ店出店周辺の道路を通過するようになっております。また、パチンコ店出店地周辺道路は、保育園の通園道路や小学校の通学バス停への通学道路、中学生の通学道路にもなっております。市道1-29号線は、過去に幼い子供の交通事故が数回発生しており、危険な道路で、市の優先整備道路に設定されていますが、整備計画はいまだに示されておりません。このような道路状況の中で、県下一を誇る規模の事業開発案をほぼ計画どおり承認した行政は、地元の生活環境や交通安全の悪化に対するリスクを解消していく責務があると考えております。 今後出店地周辺で交通事故が発生すれば、道路管理者の責任を問うケースが起きる可能性も考えられると思います。したがって、危険性の高い市道1-2号、1-29号、2-1号、3577号、そして、梓橋西側と市道1-2号交差点を至急検証し、整備、改良する必要があると考えますが、都市建設部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) それでは、周辺道路、あるいは交差点改良の安全対策ということだと思います。順次お答えを申し上げたいと思います。 初めに、市道豊科1級29号線、いわゆる旧高家線でございます。これは梓橋駅の入り口の交差点からアズミ村田製作所駐車場までにつきましては、本年度歩行者の安全確保のため、応急措置としてグリーンベルトを設置してございます。また、この路線は、真々部地区より道路改良の要望が出されておりますけれども、合併前に道路改良の計画を提示いたしましたが、家屋の連続する地域であることから、地域の合意形成がなされずに現在に至っているという経過がございます。まずは、地元の皆様への意向確認を行うところから行ってまいります。 次に、豊科2級1号線、コンクリート工場の住宅側の道路でございます。酒造会社から結婚式場入り口までは歩道が設置されております。歩道の整備のされていない結婚式場の入り口から北へコンクリート工場の跡地の北側の隅まで、約250メートル間ございますが、ここにつきましては、コンクリート工場の御協力が得られたことから、歩道の整備を計画しております。 次に、豊科3577号線でございますが、たつみ原の保育園の南の道路でございます。飯田区の皆様より改良の要望もいただいております。しかしながら、家屋が連坦しておりますので、地域の皆様の意向をまず確認をさせていただきたいと思っております。 次に、豊科1級2号線、あるいは梓橋の交差点改良でございます。県警の交通規制課とも協議をいたしまして、現状の交通量と遊技場の出店による交通量の増加分を含め、協議をさせていただきました。その中では、右折レーン等の設置までは必要がないという御意見もいただいておりますので、ここにつきましては、当面交通状況を見守ってまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 竹内議員。 ◆9番(竹内秀太郎) 道路改良整備の見直しについての御答弁でございますが、1-29号につきましては、もうずっと長く、今、部長お話のとおり、検討されてきておりますが、進まない中で、住宅や事業所がどんどんできてきておるという形で、さらに周辺に密集してくると、こういう実態でございますので、早目にぜひ手をつけていただきたいと、こんなことを要請をしておきたいと思います。 それから、その1-29号から2-1号へ至るEH酒造までの間、この入口の部分、1-29号からパチンコ出店予定地への入り口の部分、これについてはふれられておりませんでしたけれども、見直しをしていただければと思います。 それから、保育園南の道路につきましては、昨年春から、周辺関係地権者の全部同意書を地元区長がとって、そして、要請をしておるところでございますので、これにつきましては、もう既にそういう地元の同意は全部とって提出をしておりますので、ぜひ早急にお願いをしたいと、このように重ねてお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、今回の大型パチンコ店の出店により、用途地域の設定と地域の実態がかけ離れた状態を長く放置せずに、適切な見直し、変更が大切であるということを学びました。安曇野市では、平成26年度から平成27年度にかけて土地利用基本計画の見直しと、都市計画法の用途地域について検証することにしていますが、見直し検証に当たっては、各地域で説明会を行うなどし、市民に理解していただくことが重要だと思っております。また、行政においても、見直し検討に当たっては、業者へ委託した基本データだけでなく、必ず現地を確認していただきたいと、このように思っております。 そこで、現在どのような方法、手順で進めようとしているのか、都市建設部長にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
    ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) それでは、土地利用基本計画の見直し、そして、用途地域の検証、この手順につきまして、御説明をさせていただきます。 土地利用条例は、平成17年の新市合併後5年をかけ、市民の皆様の合意の上に策定し、議会の議決を得て実施条例として施行されたものでございます。また、この条例に従いまして、土地利用の基本計画が定められているものでございます。 また、都市計画法では、おおむね5年ごとに都市計画に関する現況及び将来の見通しについて調査を行うとされております。土地利用基本計画の見直しは、本年から来年にかけて進めておりますが、用途地域についても検証を行っていく予定でございます。 見直し、検証の手順について御説明を申し上げます。 用途地域、これは都市計画法、そして、土地利用基本計画、これは市の土地利用条例に基づく手続ということになります。どちらもほぼ同じ手続でございますが、まず初めに、市民の皆様の御意見及び市の課題を踏まえた計画の素案を策定いたします。そして、県と事前の協議を行います。 なお、ここで市民の皆様というのは、住民だけではなく、事業者など、関係者全てと、これが対象ということでございます。 次に、説明会を開催して皆様の御意見を伺い、その御意見を反映し、計画の今度は原案というものを策定いたします。そして、この原案を広く公告縦覧に付し、意見を市民の皆様から募集をいたしまして、公聴会を開催いたします。この後に、市民の皆様の御意見を踏まえた、さらに原案から計画案として、これを再度縦覧を行い、この計画案に対する市民の皆様からの意見を踏まえ、市の意見もつけ加え、都市計画審議会で審議をいただき、県知事と協議を行った上で都市計画の決定の告示となります。このような手続をとってまいります。 加えて、土地利用基本計画、また、条例につきましては、土地利用審議会の御意見を伺う中、議会の議決を得て決定をするということになります。このように時間をかけ、市民の皆様に丁寧な説明を行った上、決定をされるというものでございます。 ここで、基本計画の見直し、あるいは検証の考え方について御説明申し上げます。 都市計画の目的は、健康で文化的な都市生活を送り、機能的な都市生活を確保することとされております。このため、まず、整備・開発する区域と保全する区域の検証を行います。これを市街化区域、また、市街化調整区域と申しております。ちなみに、安曇野市では、この区域区分、市街化区域、調整区域を廃止をいたしたため、市の条例によりまして、拠点市街区域、準拠点市街区域、田園住居、田園環境、山麓保養、森林環境と6つの基本計画を定めております。このうち、市街化区域に相当します区域が拠点市街区域、準拠点市街区域ということになります。この市街地の土地利用規制の基本となるものが用途地域でございまして、住居系、商業系、工業系など、12種類に分類し、建てられる建築物の制限を定めております。 また、都市生活に欠かすことのできない道路、公園、下水、ごみ焼却場などを都市施設として計画決定をいたします。この都市施設の決定に伴いますと、自分の土地であっても住宅は原則建築の制限がされております。ただ、2階建て以下の住宅は建築できますけれども、事業を行う際には、移転することに同意する旨の同意書が必要となっております。 このように都市計画と申しますのは、個人の土地に大変厳しい制限をかけ、行政というより市民がみんなでまちづくりを行っているものでございます。 さて、特別用途地域というお話もありますけれども、これはもともと用途が指定されている地域に重ねて指定をするもので、特別の目的から特定の用途の建築物を制限、あるいは緩和することができるものです。指定に当たっては、国が示している都市計画運用指針というものがございますが、この中に、単一の建築物の建築を禁止することのみを目的とするなど、望ましい市街地像の実現に積極的な目的を有しない指定は好ましくないとされております。 また、同様の仕組みといたしまして、地区計画による制限というものもございます。イメージといたしますと、用途地域よりもう少し狭い範囲、地区レベル、あるいは街区単位での指定で、建築物の建ペイ率、容積率、あるいは高さの限度、壁面の後退、形態・意匠の制限といった地域の特性に応じたきめ細やかなまちづくりを行うものでありますが、あわせて建築物の用地の制限を行うことができます。 どちらも既存の住環境や企業活動への影響があり、法的な決まりはありませんけれども、実質的には土地所有者と権利者の合意が求められますし、住居系を工業系に変えるなど、一転する用途地域の変更やある業種のみを制限するような単一的なものの禁止は、相当の合理性が必要となるということでございます。 また、ある地域への制限を強化するということは、そのほかの地域への開発の圧力が高まる、こういう可能性が十分に考えられます。このことも市民に御説明をいたし、御意見をいただく中、市全体の都市計画を総合的に俯瞰して対応していく必要がございます。 なお、豊科、穂高では、この都市計画を活用した計画的なまちづくり、これは既に60年前から取り組んでおられます。今日まで継続している経過がございますので、このことも踏まえた上で見直しや検討を行ってまいります。 さて、今回の開発事業の承認は、市の条例の中で開発事業の案に対し、市民等は意見を提出することができる、また、市長は助言、指導を行うことができると定められていたからこそ、開発事業者への指導、協議などを行うことができたもので、これは安曇野市だけの制度でございます。 土地利用条例は、本市独自の大変すばらしい制度であり、全国的な注目も浴びております。特に今後の運用の効果、こういったものが注目されています。制度設計には相当の時間をかけ、慎重につくり上げてきたものですけれども、いかんせん唯一無二の制度でございます。当然その検証と、必要があれば改善は今後も求められてきます。 いずれにいたしましても、見直し、検証の手続を進める上では、市民の皆様の御意見をよくお聞きし、御理解をいただきながら進めてまいります。 ○議長(宮下明博) 竹内議員。 ◆9番(竹内秀太郎) 今、見直し等について、るる詳細なお話をいただきましたけれども、私今お聞きする中で、3点お願いをしておきたいと思います。 1点は、先ほど行政でたたき台をつくったものについては縦覧によって周知をするということにウエートを置いていたかに聞こえましたけれども、法的周知方法として縦覧もありますけれども、それ以外に、地元へ出向いて御説明する、そういうこともぜひ、全地域とは言いませんけれども、検討をしていただきたいというように要望をしておきたいと思います。 それから、2点目は、都市計画法に基づく用途地域の変更についても、ぜひ見直しをしていただきたいと。その際に、現在、今お話がありましたけれども、豊科、穂高地域はその用途地域が指定されているということでございますけれども、あるいはそういう運用をしているということですが、三郷、堀金、明科地域についてはそういう都市計画法に基づくところの土地利用というか、制限というか、そういうものは行われておりません。この種の土地利用基本計画条例を策定したときには、全市一つの土地利用と、そういうものをうたい文句にしておったと思います。ぜひこの見直しの中では、用途地域につきましても、全市どうするか、今そういう網の目がかけられていない三郷、堀金、明科地域についても、他の地域と同じように、全市一つの立場でもって見直し、検討をしていただきたいと、こんなことをお願いをしておきたいと思います。 それから、最後になりますけれども、今後この大型パチンコ店の助言、指導の中で、十分に行われなかった内容につきましては、地元区と業者とが協議を行っていくと、そういうことになっておりますけれども、市民の立場は弱いものです。ぜひ行政におきましては、地元市民の立場に立って、そして、温かい行政支援をお願いしたいと、そのことを強くお願いをして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △林孝彦 ○議長(宮下明博) 続いて、3番、林 孝彦議員、持ち時間は質問、答弁を含めて40分以内といたします。 林議員。     (3番 林 孝彦 登壇) ◆3番(林孝彦) 3番、林 孝彦でございます。通告に従いまして、一般質問を行います。 私は市民の皆様の負託にお応えすべく、よりよい「生活環境文化都市・安曇野」にしていくために、より一層頑張ってまいる覚悟でございます。 さて、私は質問事項が2件ございます。 まず、1件目の質問事項は、「グローバル人材育成のための早期英語教育の推進について」でございます。質問の背景といたしましては、近年グローバル人材、つまり国際化に対応できる人材の育成が叫ばれています。とりわけ高等教育の現場では、グローバル人材育成が一大テーマになっています。日本が競争力を持ち、世界のリーダーとして復活し、継続的な成長をするためです。 グローバル人材の育成については、これまで政府でもさまざまな討議がなされてきました。その求められる要素としては、語学力のみならず、コミュニケーション能力や価値創造力、社会貢献意識も問われます。具体的な人材像といえば、主体性や積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感、さらには、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー、つまり自己認識、幅広い教養と深い専門性、課題発見や解決の能力、チームワークとリーダーシップ、公共性・倫理観、メディアリテラシー、つまり伝達情報を使いこなす能力などが挙げられています。 このように、グローバル人材育成のハードルはかなり高いものですが、グローバル人材育成推進会議の提言においては、初等・中等教育段階では基礎的な学力、体力、対人関係力等をしっかりと身につけさせることが重要であり、特に小・中・高を通じた英語コミュニケーション能力の育成、高校留学等の促進、教員の資質・能力の向上等が求められています。 さて、安曇野市においては、市長が公約として掲げ、本年度平成26年度の新規事業であるグローバル社会に適応する人材育成を目指した中学生の海外ホームステイ交流派遣事業が春休み中の10日間、オーストラリアにて実施されることになっております。海外での語学、英語体験を通じて、外国文化の理解を深め、国際感覚を養い、国際社会に適応できる人材の育成を図るため実施するというものです。募集定員12名に対して54名の応募があったとのことで、関心の高さがうかがわれます。応募の動機は、当該事業を通じて英語力の向上や将来の自分の可能性を広げたいなど、いずれも積極的で強い意志があらわれているとのことですので、生徒の夢に応えるためにも成功に導いていただきたいと思います。 なお、この事業はしっかりとした検証の上、向上させ、継続していくことが期待されます。そして、グローバル人材育成のための早期英語教育の推進のためには、この事業のほかにもさまざまな取り組みが必要だと思います。安曇野市には、中長期的な構想も踏まえた積極的な取り組みを期待しております。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にてさせていただきます。 まず、1つ目は、大きな質問です。早期英語教育の推進の目標と施策はいかがでしょうか。 それでは、市長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 林議員にお答えをさせていただきます。 議員おっしゃいますとおり、今定例会の挨拶でも申し上げさせていただきました公約の一つであります中学生の海外ホームステイ事業につきましては、来年3月、12名の中学生、2年生をオーストラリアに派遣をすることになりました。募集されました中学生、英語力の向上、そして、将来の自分の可能性を広げたい、いずれも積極的で強い意志があらわれ、非常に頼もしく感じさせていただきました。 市内全中学校では、希望者を対象に平成25年度から水曜日の放課後に英語課外授業を実施をしておりまして、外国語の指導助手(ALT)との英会話を中心とした授業を実施をいたしております。このほかにも、幼稚園では遊びの中に英語を取り入れたり、小学校でも1年生から英語にふれる機会を設けております。具体的な内容等につきましては、後ほど教育長、そして、福祉部長から答えさせていただきたいと思います。 グローバル化に対応した教育環境づくりを進めるために、文部科学省が昨年12月にまとめました英語教育改革実践計画の中で、小学校5、6年生の外国語活動を小学校3、4年生に前倒しをして、かわりに小学校高学年で英語を教科化する方針が打ち出されております。グローバル化に対応した人材を育成をしていくために、早期からの英語教育の重要性は深く認識をしているところでございます。 今後とも国の方針を注視をしながら、現在の事業を継続をしていきたい。そして、次代を担う人づくりとして子どもたちの意欲を引き出して、日常会話の力をつけるような施策を今後とも研究をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) ありがとうございました。 次に、2つ目の質問です。 幼稚園や保育園や小中学校や放課後児童クラブなどにおいて、早期英語教育の機会の提供を提案しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、グローバル人材育成のための英語教育としては、早期英語教育の推進が重要です。現在小学校5、6年生には、週に1回英語活動が導入されていますが、子どもたちには小さいときから英語に接する機会を提供してあげることが重要です。小さい子どもに楽しんで英語に接してもらい、それを継続していくことが必要です。 なお、早期英語教育に関しては賛否両論があると思います。反対論は、日本語を大切にする考えや限られた時間がさらに忙しくなることや経済的負担の観点などからです。また、日本で生まれ育ち、主に日本で生きていく人にとっては実際には英語は余り必要ないかもしれません。ですから、親御さんによっては考え方がそれぞれ異なると思いますので、強制的ではなく選択的な機会の提供がいいと思います。学びたいか、学ばせたい場合に学べる機会の選択肢を与えることです。 これからの世界はますます国の垣根が低くなっていき、人の交流が増しますので、仕事においても、観光においても、日常生活の場においても、いや応なしに世界共通語としての英語の必要性が増していくと思います。ただし、早期英語教育を日本に住んで実践していくことは簡単なことではありません。私の家族は日米の国際家族ですので、子どもの教育で日本語と英語の教育には苦労をしてまいりました。研究や経験から言えることは、日本の家庭で子どもに英語の環境を与えるためには、小さいときから子ども向け英語のアニメなどの音声映像をDVDや衛星放送などで見せたり、英語の絵本などの読み物を読んであげたり、英語の教室に通わせたりし、それを継続することが重要だということです。なかなか大変なことですが、必要なことです。 ここで、私が提案することは、幼稚園や保育園や小・中学校や放課後児童クラブなどにおいて、早期英語教育の機会を提供していただくことです。選択的な機会の提供です。民間施設では既にインターナショナル幼稚園や英語保育施設が松本等にはあり、英語を選択的に取り入れている保育園は安曇野にもありますが、距離的、費用的など課題が残ります。学びの選択肢の提供として、これらの民間施設を安曇野市内に誘致できればいいですが、それは市場原理によることになります。 さて、安曇野市内の中学校全7校では、英語の課外授業が水曜日の放課後に1時間ぐらい無料で実施されており、今年は希望者が7校で81名だとのことです。この授業を強化継続するとともに、小学校や幼稚園にも拡大できないものかと思っております。そして、小・中学校において、希望する児童・生徒にはクラブ活動としても学びの機会が選択的に提供されることを希望いたします。保育園や放課後児童クラブにおいても、学びの機会が選択的に提供されることを希望いたします。 それでは、教育長と福祉部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 教育長、望月正勝でございます。 教育委員会として所管しております幼稚園、小・中学校での英語教育の現状について答えさせていただきます。 穂高幼稚園につきましては、遊びの中でアルファベット、それから単語などについての機会を設けて、遊びの中で勉強しております。市内10校の小学校ですけれども、4名の外国人ALT、それから2名の日本人ALTを配置し、各小学校を回り、小学生では1年から6年まで英語の活動を実施しております。5、6年生は小学校の学習指導要領に定められております週1回、35時間、それにプラスして40時間とか、そんな形でそれぞれ行っておりますけれども、1年生から4年生につきましては、試行的に学校の実情に合わせて、差はありますけれども、少ないところでは数時間、多いところでは20時間を超えて実施をしております。 先ほどお話もありましたけれども、市内7校の中学校では7名の外国人ALTを配置し、中学校学習指導要領で定める140時間の英語授業のほかに希望者による英語課外授業を各中学校で年間24回実施しておりまして、先ほどお話あったとおり、今年は7中学校から81名が参加しております。 新規の英語教育事業につきましては、現在予定はされていませんけれども、早期英語教育はグローバル化社会の中で重要な教育であり、現在の英語教育を継続しながら、市長部局とも連携し、対応を進めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、保育園、また、放課後児童クラブの状況について御説明申し上げます。 現在のところ市の保育所、放課後児童クラブ、そして、児童館におきましては、英語教育の実施というのはございません。遊びの中で外国語にふれる、こういった事例もないということでございます。 御承知のとおり、保育所、放課後児童クラブ事業につきましては、保護者の就労等により家庭において児童を見ることができない、こういったお子さんを対象として、保育の提供、また、放課後の安全な居場所の確保ということを目的とした事業であります。このため、今後も特別な教育を提供していくということは非常に難しいのではないかと考えているところであります。 しかしながら、幼いうちから継続して外国にふれること、これは子どもが将来世界に飛び出して行く際、非常に役立つものではないかと思うものであります。今後の子ども・子育て支援事業の中で、児童館の事業者とも協議もしながら、遊びとして外国語にふれられるよう取り組みを計画できればと、このように考えているところでございます。 また、来年4月から始まる子ども・子育て新制度の中では、多様な主体、いわゆる民間が本制度に参入することを促進するための事業も検討内容とされているところであります。多様な選択肢を確保するため、就学前教育、保育の場に民間活力を受け入れることを目指した内容でございます。将来に向け、都市部で実施されているような保護者が選択できる保育、教育の展開を期待しているところであります。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) それでは、次に3つ目の質問です。 政府のJETプログラム、つまり「語学指導等を行う外国青年招致事業」の外国語指導助手(ALT)や国際交流員(CIR)やスポーツ国際交流員(SEA)の活用により、国際交流を通じた早期英語教育の機会の提供等、具体的な施策の実施を提案しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、安曇野市内の中学校全7校での英語の課外授業は外国語指導助手(ALT)の方が英会話を中心として担っているとのことですが、安曇野市としては外国語指導助手(ALT)などの人数や活動状況や費用などを踏まえた上で、国際交流を通じた早期英語教育の機会の提供等において、さらなる活動にも貢献してもらえないものかと希望いたします。 それでは、教育長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) JETプログラム、つまり語学指導を行う外国青年招致事業ですけれども、つきましては、招致枠に4月枠が設けられましたが、招致人数の点でも県で50人程度、それから、原則的にはまだ今も夏来日というようなことで、使い勝手も悪いこと、それから、派遣される人材の課題もあります。そんなことで、現在JETプログラムを活用しての外国語指導助手(ALT)、それから国際交流員、それからスポーツ国際交流員の活用、配置は本市では行っておりません。 さきの御質問でもふれましたけれども、ALTの配置につきましては、市の単独事業として外国人11名、日本人2名の計13名体制をとっております。外国人ALTは2つの業者と年間5,280万円の業務委託により、小学校に4名、中学校に7名、また、日本人ALTは非常勤職員として採用し、小学校英語活動に対応しております。 平成25年度のことですけれども、豊科南中学校の生徒が高円宮杯第65回全日本中学校英語弁論大会へ参加し、県大会3位となり、全国大会に出場しています。大会出場で親睦を深めた中で、今年8月には豊科南中学校で第51回英語キャンペーンが開催されました。生徒の努力のたまものではありますけれども、市で行っている英語教育の一つの成果ではないかと思っております。当面は、現在の体制の中でより子どもたちの学習機会をさらに増やせればと思っております。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) 民間の外国語指導助手でありましても、大いに本市において子どもさんたちの早期英語教育に貢献していただければありがたいと存じますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、1件目の質問事項につきましては、以上でございますが、グローバル人材育成のための早期英語教育の推進ができるよう、今後とも、ともに頑張ってまいりたいと思います。 次に、2件目の質問事項は、「松くい虫被害への対応について」でございます。 質問の背景といたしましては、松くい虫被害への対応は、安曇野市のみならず日本全国の問題となっております。言うまでもなく、本市においても松くい虫被害への対応は緊急な問題となっております。松くい虫被害への対応は時間との競争ではありますが、限られた資金や限られた人力等、制約のある中での複雑な課題となっており、また、議論の方向性も多岐にわたり、議論がなかなか収束しにくいようにも思われます。 安曇野市は、平成26年度を被害対策重点期間と位置づけ、2億1,400万円余りの多くの財源と人材を投入してきましたが、被害の撲滅には至らない状況のようです。市は被害拡大防止のため、8月上旬までに約2,900立方メートルの枯損木、つまり枯れた木を伐倒処理しましたが、現在この量を上回る約3,000立方メートルの枯損木が未処理となっているとのことです。本来は、松くい虫被害の原因であるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリが羽化して飛び出す6月までに伐倒処理を完了しなければ、被害の拡大を食いとめることはできないのです。 また、市は守るべき松林を定め、豊科の大口沢の25ヘクタールに無人ヘリによる農薬空中散布を2回実施し、明科の潮沢地区の岩州公園一帯の5ヘクタールに有人ヘリによる農薬空中散布を実施しました。松林は治水上や本市の観光資源である景観を維持していく上だけではなく、マツタケ農家にとっても重要です。 市は、この9月定例会に伐倒処理費用及び樹幹注入薬剤の補助費用等として1億1,100万円余りの増額補正を計上されています。市は今まで努力を重ねてきたわけですが、現状を踏まえた上での今後の方針や対応が問われます。 それでは、具体的に3つの質問を一問一答形式にてさせていただきます。 まず、1つ目は、大きな質問です。松くい虫被害への対応に向けた目標と施策はいかがでしょうか。 それでは、市長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 大変苦慮をしている課題であります。 平成25年度当時、当市における松くい虫被害量は約8,800立方メートル、前年度の約2倍で過去最大ということになりました。また、県内の被害量7万8,870立方メートルと、同じく過去最大ということで、被害市町村数は50市町村に及んで、県下全域で増加傾向にございます。特に松本地域の増加というものが著しく、上小地域の34%に次ぐ24%と、材積で約1万9,000立方メートルと、前年度比の1.6倍という状況でございます。 昨年度から今年6月までに被害木の全量駆除を目指して、集中的に取り組みを進めてきたところでございますが、今年4月から約2,900立方メートルを処理をいたしました。しかし、議員おっしゃいますように、5月上旬の気温の上昇とともに、昨年感染をして翌年枯れ始める年越し枯れの被害が想定以上に多く発生をいたしまして、6月末現在の被害量は前年度比の1.6倍、4,980立方メートルと、過去最大という状況になりました。 今議会におきましても、この枯損木3,000立方メートルの駆除費用1億1,000万円に上る予算計上をさせていただいたところでございまして、引き続き伐倒駆除を実施をしていきたいというように考えております。 今年度は新たな取り組みといたしまして、御指摘のとおり、有人ヘリによる薬剤散布、また、平地の松につきましては、所有者みずからが薬剤を散布をするための薬剤提供をモデル的に実施をいたしたところであります。今後の対策といたしましては、今年2月に策定をしました松くい虫被害防止対策方針によって、松林の防災機能や景観的経済的な価値、あるいは森林生態系保全上の意義など、山林所有者はもとより地域住民の皆様方の合意形成によって、守るべき松林を選定をして、防除事業を継続実施をしていかなければならないというように考えております。 また、その他の松林につきましては、山林本来の木材の生産、供給として、更新伐などの森林整備で広葉樹林化を所有者の皆さんの合意によって進めていかなければならないというように考えております。 また、平地の個人の宅地の松、それから、地域の神社、仏閣等の松につきましては、予防対策や伐倒処理を所有者や管理者において実施をしていただき、今年は全費用を公費負担ということになっておりますが、新年度から費用の一部を補助という方向にしてまいりたいというように考えておるところでございます。ただ、西山一帯がほとんど別荘地が松林ということでございますし、西山のほうにも少しずつ松枯れの現象が見られて、松くい虫被害が拡大するおそれがございます。これは個人所有というようなことや空中防除が非常に困難だということでありまして、この辺の松林については、所有者の責任において実施をしていただくようなことになろうかなというように思っております。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) ありがとうございました。 次に、2つ目の質問です。 生態系や人への影響が懸念される農薬空中散布は慎重でなければなりませんが、十分な配慮のもとに実施されたかどうかの検証と今後の取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、豊科の大口沢の無人ヘリによる農薬空中散布と明科の潮沢地区の岩州公園一帯の有人ヘリによる農薬空中散布の散布薬剤は、ネオニコチノイド系農薬でした。農薬空中散布は生態系や人への影響が懸念されます。ネオニコチノイド系農薬がミツバチの大量失踪の原因になっているという報告や人の神経系への悪影響などが報告されていますので、慎重でなければなりません。ほかに取り得る手段がなく、やむを得ない場合にのみ限定的に実施が検討されるべきです。その上、実施する場合には、長野県の実施基準にのっとって行われなければなりません。事前の住民説明会や事前事後に住民の健康調査を行うなどの対応が適切になされる必要があります。今回の農薬空中散布の検証は重要です。 なお、市は環境影響評価や住民の健康調査を行っているとのことですので、それも踏まえた上で、今後の取り組みにどう生かしていくかが問われます。 それでは、農林部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 農林部長。 ◎農林部長(山田宰久) 御存じのとおり、安曇野市内では本年度初めて松くい虫被害防止対策といたしまして、特別防除であります有人ヘリによる薬剤空中散布を実施をいたしました。空中散布は守るべき重要な松林を守るための有効な対策の一つと考えております。実施に当たりましては、議員申されますように、県の防除実施基準を遵守し、説明会等を開催する中で情報提供や意見交換を行い、リスクコミュニケーションを図ってまいりました。 また、散布地域周辺につきまして、特別防除により健康被害の影響を受ける可能性のある化学物質過敏症等、感受性の高い人などへの情報把握について、若干のおくれは生じましたが、散布周辺地域へ全戸配布により情報提供を依頼し、リスクコミュニケーションを図っております。 今後は、今年度の実施内容等を見直す中で、リスクコミュニケーションの強化を図り、防除を進めていきたいと考えております。 続きまして、有人ヘリ、無人ヘリそれぞれの実施状況ということでございますが、実施状況につきましては、先ほど議員がおっしゃられた日時で実施をしてございます。若干実施時間につきましては、天候等の具合によりまして、遅れは生じましたが、全て予定どおりの時間内に、有人ヘリ、無人ヘリ終わっている状況でございます。 有人、無人ヘリの散布に伴う健康被害につきましては、現在のところ問い合わせ等はありませんでした。また、対応をお願いしていた医療機関においても、健康被害を訴える来院患者はいなかったと報告を受けております。 散布に伴う安全確認調査と環境影響調査及び効果の検証であります。安全確認調査は薬剤散布に伴う自然環境及び生活環境に与える影響の安全性を確認するため、散布地域における水質及び気中濃度について調査を実施しております。有人、無人ヘリの散布に伴う水質、気中濃度の調査結果につきましては、散布による農薬の拡散はほとんどなく、影響はなかったものと報告を受けております。結果につきましては、市のホームページでも公表してございます。 また、環境影響調査及び効果検証につきましても、薬剤散布に伴う自然環境、特に生物への影響の把握及び薬剤散布による防除効果を検証しております。現在散布の調査までが終了しており、今後10月に回復状況を確認して調査終了となります。調査の報告につきましては、やはりホームページ等で公表する予定でございます。 また、散布前の調査では、散布地域内に希少動物等の確認はされませんでした。 次に、散布に伴う効果検証についてでございますが、散布地と非散布地において健全な赤松100本を選定し、今後の枯損状況を把握する中で効果を検証してまいります。 なお、効果検証の結果につきましては、県の指導により3年程度継続することにより、検証結果が出るとの指導がなされております。これにより、次年度以降も事業を継続していきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) それでは、次に、3つ目の質問です。 守るべき平地林、つまり寺社林や屋敷林や自宅林などの松の保護のために、予防的な樹幹注入への補助金を提案しますが、現状と実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。 この質問内容といたしましては、安曇野市は山地林を中心に松くい虫被害の対策に全力で取り組んできたわけですが、結果は厳しいものです。山地林のほかにも、寺社林や屋敷林や自宅林などの平地林の松の中にも、特に貴重で何としても守りたい松がありますので、それらを守るために、伐倒処理や散布薬剤の補助のほかに、予防的な樹幹注入への使い勝手のよい補助金を提案いたします。 今回の補正予算が承認されましたら、速やかに実施していただくよう希望いたします。 それでは、農林部長にお答えをお願いしたいと存じます。 ○議長(宮下明博) 農林部長。 ◎農林部長(山田宰久) 個人の庭木等への予防対策への補助や伐採に対する補助についての御質問でございます。 個人等の庭木の予防対策といたしましては、本年度は予防薬剤の無償配布事業をモデル的に実施をいたしました。散布適期であります6月中旬に対応できますよう、5月20日より配布事業を開始し、事業終了の6月までに申請件数531件、松の本数で2,777本と多くの申請があり、市民の皆さんの松くい虫被害に対する関心がうかがえたところでございます。 大切な松を松くい虫被害から守るためには、薬剤散布だけでは難しく、より効果のあるとされております樹幹注入についても補助制度を考える必要があると考え、9月本議会に予算計上をお願いしているところでございます。この秋から樹幹注入を適期に実施するため、補助金の交付要綱の整備や個人でも樹幹注入が施行できるよう、個人向けの講習会もあわせて考えております。また、個人で樹幹注入が難しい方にも対応できますよう、業者向けの講習会も検討してまいります。そのほか、庭木等の対応といたしまして、松枯損木の伐倒処理及び薬剤散布につきましても、費用の一部を補助する補助金制度を来年度施行に向け整備をしてまいります。 いずれにいたしましても、大切な松は自分で守るという意識を市民の皆様に持っていただき、安曇野の景観の一つである松を守っていくために、予防対策も含め、今後も松枯れについて市民の皆さんに普及啓発してまいります。 以上です。 ○議長(宮下明博) 林議員。 ◆3番(林孝彦) 松くい虫被害への対応は大変困難なものでございますが、英知を集め、これに対して敢然と立ち向かっていきたいと思います。 それでは、2件目の質問事項につきましては、以上でございますが、松くい虫被害への対応が少しでも向上できるよう、今後とも、ともに頑張ってまいりたいと思います。 それでは、以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △小松芳樹 ○議長(宮下明博) 続いて、19番、小松芳樹議員、持ち時間は質問、答弁を含めて40分以内といたします。 小松議員。     (19番 小松芳樹 登壇) ◆19番(小松芳樹) 19番小松芳樹です。通告に従いまして、今回は市長の政治姿勢ということで2点、そして、来年度本格実施に迫った地域包括ケアシステムを受け、市としての構築はどうなのかを伺います。 まずは、市長に伺います。 平成17年、当市は合併しまして、間もなく丸9年を迎えます。合併後、新市の10年プランとして第1次安曇野市総合計画ができ上がりました。今定例会の一般質問においては、この後同僚議員からも同様の質問通告が出ておりますので、私からはハード事業に特化した質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。 この9年を振り返りますと、長く続いた自民党政権から民主党へと政権がかわりました。あのときは耳ざわりのいい、言葉巧みな民主党の訴えに、とりあえず一度やらせてみようという有権者の意向で大きく票を伸ばし、政権がかわったわけですが、一度やらせてみても、例えば、コンクリートから人へと言った総理は実効性がなく、実際建設業の倒産が相次ぎ、円高ドル安の対応もできず、アメリカなどはいち早くリーマンショックから立ち直る傾向であったにもかかわらず、日本は策がなく、経済は衰退していきました。 そして、あの悲劇の3.11、菅首相の危機対応能力のなさが露呈し、野田政権に移行しても首の据えかえといった様相でした。3.11以降は全国的に防災意識が高まり、国においても防災・減災ニューディール政策で、地域に調査費を含む補助があり、当市においても橋梁や道路の安全対策が進みました。 現在は国土強靭化計画と名前は変わっていますが、建設業界は回復傾向でなっております。政権も自公政権となり、国策では合併特例債の延長が決まり、その後、消費税も8%に増税になりました。アベノミクスの効果はまだまだ地方、我々の方までは実感できるとまでは言えませんが、確実に景気は回復傾向にあると感じられます。 以上のように、この9年間、社会情勢が大きく変わり、新たな問題として人口減、介護施設の不足など、数多く出ておる中で、総合計画どおりに実行されていると感じているのか、この辺を伺います。 それと、この変化の激しかった9年間で、市の基本計画、そして、実施計画に至るまで、変更すべきことがあるのではないかと思い、大きな方針転換があるのか伺います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) まず、実施計画は予定どおりに遂行されているかという大きな質問でございますが、議員御案内のとおり、実施計画は基本計画を達成するために必要な主要事業の3カ年先までの実施期間や事業費を示すために、関連個別計画や事業の進捗状況を勘案をしまして、毎年度作成をいたしております。また、近い将来本市の行財政運営及び予算編成の指針ともなるものであります。したがいまして、基本計画に示す施策は、実施計画の作成、予算の執行により具現化され、その後、決算の総括、また、翌年度の実施計画の作成といういわゆるローリング方式によって進捗管理がなされているところであります。 また、実施計画に計上された事業でありましても、議員御指摘のとおり、合併特例債が5年間延長されたという中で、この期間の延長によって財政の平準化を図っていく、そんな取り組みや、あるいは実施計画に予定をされておりましても、なかなか用地交渉等が難航して地域の理解、地権者の理解が得られないと、こんな状況もございまして、あらゆる状況の変化によって見直していかざるを得ない、あるいは若干期間も延長せざるを得ないという課題が出てまいります。 例えば、三郷の支所、交流学習センター等のあり方の見直し、また、明科南保育園等も、既に建設がされていてもいい案件でございますけれども、用地等の問題によって延びているというようなこともございます。 いずれにいたしましても、事業期間、そして、事業費等については、その都度見直しをしておりまして、事業の内容の見直しもまた図ることはございますけれども、この実施計画に基づいてできる限り実現を図っていきたい、こんな取り組みをさせてきていただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) 今お答えいただきました。 やはりさまざまな変化の中で、用地交渉等もあるということで、計画どおりいかないときもあるということなんですが、その中で、具体的なことを伺いたいと思います。 細かい数字やより具体的な施策は担当部長から答弁願いたいと思いますので、よろしくお願いします。 まずは、前回の一般質問でも私は取り上げましたが、入札の不落、不調の影響についてお尋ねいたします。 三郷南部保育園は、二度目の入札で落札者が出て、結局完成引き渡しは夏になってしまいました。卒園式に間に合うことができなかったことは残念なことでありましたが、その後、アルプス保育園、しゃくなげの湯と、いまだこの辺は決着がしておりません。このように、落札者が出ないことで、実施計画に狂いが生じることは、いわゆる住民サービスの低下とも言えます。工期の変更や一部の設計変更や入札参加条件の緩和などで対応できるとの判断か、その辺をまず1点伺います。あわせて、設計変更したりしますと、品質の低下や安全性の確保ができないのではないかということで、私は大変危惧するわけでありますが、その部分の説明もお願いいたします。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 今、議員御指摘のとおり、最近の入札結果、建築工事、土木工事等で不調、不落が多いという傾向にございます。この傾向は安曇野市に限ったことでなくして、全国的な問題となってきております。したがって、リーマンショック以来、事業量の減少、御指摘のとおり、大変建設業協会、公共事業費が減ってきたというようなことで、技術者の削減等人員も減っておりますし、体力が衰えてきていることも事実だというふうに捉えております。特に、近年は東日本大震災の復興事業、そして、東京オリンピック事業等、大変建設工事の増加によって、技術者、技能労働者、また、建設資材の高騰、人件費の高騰と、需要に供給が追いつかないという状況が続いております。 お聞きをするところによりますと、鉄筋関係では、特に鉄骨工場等、県外からの仕事も多く抱え込んでおりまして、県内の需要に応えられる余裕がないというような情報も入っております。全国的に建設工事がふえた影響と考えますけれども、これまでも市の土木工事の入札において、応札者との価格に折り合いがつかず、入札不落となったということ、今まで余りあり得なかったことでございますが、入札不調となるケースが今までなかったんですけれども、ここへきてふえているという状況であります。 市においては、合併特例債を活用して、先ほども申し上げました道路等の生活基盤整備や耐震性に問題のある施設、また、老朽化した施設の改修工事など、多くの事業に取り組んでいかなければならない状況にございます。したがいまして、設計に当たっては、施設の機能、そして、市民の皆様方の利便、そして、景観などを検討した上で決定をいたしております。不落、不調となった案件の発注を急ぐために、設計変更を行って品質を落とすといったことはいたしておりませんし、これからも適正な品質確保には努めてまいります。 事業がおくれることは、御指摘のとおり、市民サービスが低下をし、おくれることになりますので、今後ともしっかりと取り組まさせていただきたいというように考えております。 ○議長(宮下明博) 財政部長。 ◎財政部長(千国充弘) 現在市が行っております不落の場合の対応ということでお答えをさせていただきます。 不落の場合の対応については二通り行っております。一つといたしましては、設計内容の変更、それから、施工条件、これは工期等の変更による対応をして再入札にかけるというものでございます。これにつきましては、当然、先ほど市長言いましたとおり、品質が下がるような変更はいたしません。 また、もう一つといたしましては、設計内容は変更せず、入札参加者の拡大を図るという対応でございます。この場合につきましては、当然参加資格を広げますので、市内業者が受注できないという可能性がありますので、そういう懸念がございます。 設計内容による品質を下げるというようなことは、安全性を損なうような設計ということになりますので、長い目で見ますと、市民サービスの低下ということにつながりますので、このような設計変更はこれからもいたしません。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) それでは、今答弁いただきました。再質問を1点だけお願いします。 しゃくなげの湯が大変私も期待をしておりまして、この場でも何回か周辺整備については質問させていただきまして、ああいいものができるなと思っていましたが、ここにきて、なかなか足どめをくっています。このことについて市長の腹づもりとして、これから再入札があるわけですけれども、仮定の話はしてはいけませんけれども、落札者がいないとか、不調、不落になれば、思い切った何か方針転換、そういうことは何か考えられないか、市長にお伺いします。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) しゃくなげの湯につきましては、合併前からの旧穂高町においても大きな問題として取り上げられてきた課題ではございます。市の貴重な財産であります天然温泉を活用して、市民の皆様方の健康増進、そして、交流の場として日帰り温浴施設を整備するものでありますし、あわせて、魅力ある西山山麓地域の観光拠点という位置づけで、しゃくなげの湯を含めて周辺一帯の公園整備の計画を進めていくものでございまして、宿泊施設等のあり方専門検討委員会、あるいは穂高地域の審議会、また、穂高温泉郷しゃくなげの湯周辺の整備検討委員会と、いろいろな関係者の皆様方、そして、穂高温泉旅館組合や地元区との協議などの場をもちながら、健康福祉及び観光施設を実現をさせるための事業としての取り組みでございますので、入札の不落、不調、こういった事務手続きの問題からとりやめるということはありません。引き続き実現に向けて取り組まさせていただきます。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) 今、市長の決意をお聞きしました。わかりました。 次の質問も、これは前回したんですけれども、本庁舎建設工事における、いわゆる25条6項のインフレスライドについてですが、6月定例会の折、総務部長のほうからは、スライド額を検証し必要とあれば補正予算で対応すると答弁いただきました。そのとおり、今回2億2,000万円余の補正が9月議会で組まれて、議案化されておりますが、1点疑問なのは、前田岡谷JVの要求額の約半分であるということであります。今回の議案説明で、この部分は設計会社に委託をして計算したとお聞きしましたが、その後庁内でどのように精査されてこの金額に決定したのか、総務部長に伺います。 ○議長(宮下明博) 総務部長。 ◎総務部長(藤松兼次) 発注者が4億1,000万円に対しまして、市の予算が約半分と、その辺から少し説明をさせていただきます。 まず、受注者側からの請求が4億1,000万円ということでありました。この内容を市として検証したところ、査定が代表的な工事種目につきまして、一律上昇値を掛けてあるというように、私どもでは協議の根拠とするための概算という形で捉えております。また、発注者側、市でありますが、市の査定につきましては、実施設計当時行った積算と同じ手法で、同じ根拠に基づきまして査定を行っております。また、単価につきまして、正確に上昇率を加味いたしまして査定をしておるという状況でございます。 また、積算に対して市で使用した単価でありますけれども、まず、資材費の単価につきましては、いわゆる季刊本、物価本というか、コスト本、それを基準日(3月31日)時点で置きかえて単価を使用しております。また、労務単価につきましては、御承知のとおり、平成26年2月に労務単価の改正がございました。それに基づきまして使用をしております。そんなことで、査定額に開きが出てきているという内容でございます。 また、インフレスライドの市の検証ということでありますが、まずは請求が出された段階で市と設計JVと協議を行いました。まずは、基本的な方針をしっかりと定めて行うということであります。 基本的な方針の1点目といたしましては、3月31日が基準日でありますので、4月1日以降の未施工部分、いわゆる65%部分について査定を行うと。もう1点が長野県のインフレスライド運用マニュアルがございます。これにのっとって行うこと。もう一つは、当初設計における単価算出方式をしっかり守って行う、この3点でございました。この3点を基本方針と定めまして、基本方針につきましては、施工JVのほうと協議、確認、合意をしてスタートをしております。 長野県のインフレスライド条項、運用マニュアルについても公表されておる内容でございますので、施工JVもこれは内容を理解をしていると、そう思っております。 その後、委託契約を締結いたしまして査定に入りました。成果品については厚さ10センチくらいになる、相当のものになりますが、しっかり市の庁舎建設推進課、財産管理課、技術者を動員いたしまして、中身を基本方針にのっとってしっかりと査定をされているかどうかチェック、検証を行いまして、現在の補正予算の計上となってございます。 この後の予定でございますが、検証いただいた後、早速施工JVと協議に入ってインフレスライドの確定にしていきたいと、そう考えております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) 今後の協議ということで、例えばこれを相手業者が、いや、とてものまないよとか、その辺の意向というのはわかりますか、今きょう現在で。多分この数字で折り合いつくだろうなとか、その辺の目安は。お願いします。 ○議長(宮下明博) 総務部長。 ◎総務部長(藤松兼次) 議決をいただいた後10月に入りましたら、協議に入ってまいります。先ほど申し上げましたように、市の査定方法、どういう形でどういう根拠で査定をするのか、長野県のガイドラインに基づいて査定をしていくと、この部分については、施工JV側も確認して同意をいただいております。議決後の協議でありますけれども、合意していただけると、そう考えております。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) わかりました。 この辺も、前にも質問したんですが、元請のほうと協議でという形でなって、最終的に私たち議会が認めた数字となってくれば、後々……、私たちが一番望むのがこの数字が下請まで反映してほしいということです。あくまでも民間同士ですから、下請と元請の間には口は出せないということで、前も議会中答弁ありましたけれども、私の希望としては、本当に国のほうのフォローアップ、相談ダイヤルですか、そういうのがあるということで、その辺も下請のほうにもしっかりと伝えていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 次の質問に行きます。 区などの自治組織についてお尋ねいたします。 ある区長さんから悲痛な叫びといいますか、ある時電話がかかってきまして、お伺いしたことを紹介します。その方は自営業をされている方で、日中は現場や営業に回り、最近大変仕事も順調で忙しい方です。しかし、その区長さん、行政からの連絡で、平日の昼間区長会が開催されるということで、時間調整に大変苦慮されているということでした。この話をお聞きし、1人だけの話ではいけないと思って、別の区長さんにお聞きしますと、その区長さんは農業をされていて、夜に呼び出されたら勘弁してもらいたいということでありました。また、別の区長さんにもまた伺うと、その区では、区の中で4人で区長を分業しているから、月に一度くらいの会合で済んでいるので影響ないという方でありました。 このように各区ばらばらなことがよくわかりましたし、また、同時に区長手当もどうなっていますかとお聞きすると、この辺も区の規約、そういうものにのってやっているので大変差があるということがよくわかりました。それを受けて、最終的に私は一般質問をしようと思って、再度私の地元の区長にもお話を伺ったところ、最近区長アンケートを行ったということでありまして、要望等はそこに細かく記したと伺いました。 このアンケートの内容は、見ることは私できなかったんですが、この集計結果をもとにどのような対策をしていくのか。今のような問題があるのではないかと思います。そして、アンケートから見えた課題は何か。私が今言った2つの課題、区長会の開催とか、手当の問題については今後検討されていくことになるのか伺います。あわせて、今後自治基本条例を制定する上に、基本となるヒントもこの中に隠されているのではないかと思いますので、2点あわせて伺います。 このアンケート結果をもって行政的に方向性を示してあげる必要があると思いますが、どのようにこの条例をつくり上げていくのか、市長に伺います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 区のあり方等についてでございますが、大変これも大きな課題でございまして、市の区長会では、昨年度から区のあり方の検討を進めていただいております。具体的には、区の定義、あるいは役割、事業、区加入について明確にして、各区の組織や会計処理のあり方を検討をしていただいているとお聞きをいたしております。また、区のマニュアルを作成することとしたと報告を受けております。 区のマニュアル作成における区のあり方の検討のために、議員御指摘のとおり、本年7月から8月にかけて、市の区長会の皆様方の主催による各区アンケートを実施をしていただいたということであります。アンケートでは、区のあり方を検討する上で重要な区長の選出方法や任期、そして、役員の免除、区費と他の会計との関係、また、区費の額や減免規定、各区が抱える課題とその対応、また、未加入者対策、各区などが行う行事など、大変多岐にわたっているとお聞きをいたしております。また、このアンケートの結果については、集約を行い、市の区長会に報告をし、その分析を今行っておると。区のマニュアルづくりの基礎としていただいているということであります。 市の区長会では、各区が地域の課題を地域で解決をする、この仕組みづくりと多くの区民の皆さんが地域課題解決やまちづくりに参画する、この体制づくりを構築をするとともに、市民の皆さんが区の意識や重要性を理解をしていただき、区へ加入をしていただくことを目的にマニュアルづくりを進めているということであります。そのためにも、このアンケートが大変重要な役割を果たしていくのではないかというように考えております。 また、自治基本条例につきましては、松本大学の総合経営学部の木村教授から御指導をいただき、具体的な作業に入るというところであります。今後は、議会の皆さんとも連携を図りながら、庁内プロジェクト会議の設置、また、市民ワークショップの開催など、市民の皆さん方が主体となった取り組みについて検討をしてまいります。 また、条例の構成や内容についても、今後検討してまいりたいというように考えております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) わかりました。あと細かいことついては、市民生活部長、窓口へ行きますので、よろしくお願いします。 時間がありませんので、次に行きます。 地域包括ケアシステムの構築について伺います。 いよいよ来年平成27年4月に本格始動される地域包括ケアシステムですが、さまざまなことが国から地方へと流れている中で、当然の成り行きかなと私は感じております。ただ、受け皿としてこれをどう運用し、どのように進めていくのかは地方自治体の裁量によるところが大きく、成果が出たり、住民サービスがより向上するかは、当市もどのように構築していくか、ここが鍵だと確信しております。 そこで、私たち公明党も、前回藤原陽子議員より、地域包括ケアシステムの質問を先進地の例を取り上げ、質問いたしました。私たちは継続的にこの問題にしっかりと取り組み、政策提言ができればと思い、以下質問いたします。 私たちの会派では、各自住民相談窓口として看板を掲げており、何でも相談、いわゆるよろずや相談をしております。その中で以前より多くの声をお聞きするのが、介護施設の不足問題であります。今まで自宅で介護していたが、介護されている方が病気になったりして、急遽施設が必要になった。また、認知症が進み、徘回傾向が強くなり、家で見ることが困難になったなど、ケースはさまざまですが、このように急に施設を探しても、すぐに入れることは今現在できません。 まず、特別養護老人ホームなどの施設サービスは必要度の高い人から利用できるのかを伺います。また、特養入所者の要介護別の状況を把握されていると思いますが、その数字をどう生かして手順化しているのか、保健医療部長にお答え願います。 ○議長(宮下明博) 保健医療部長。 ◎保健医療部長(宮下直子) お答えいたします。 特別養護老人ホームの入所につきましては、特養の管理をしている長野県が運営基準を定めた県条例において、入所希望者の介護の必要性や家族などの状況を勘案し、必要性が高いと認められる方を優先入所させるよう努めることと定めております。 県では、平成14年に県内の特別養護老人ホームに対して、優先入所のガイドラインを示しました。そして、そのガイドラインに基づき、特養においては、施設の優先入所の基準を作成し、平成15年4月1日までに運用することとしました。また、県では、平成22年度に県内の特別養護老人ホームに対して行った調査で、99%の特養が県のガイドラインと同じ、もしくはガイドラインに準じて優先入所を実施していることを確認しております。 要介護度の状況等を把握して判定しているかという御質問ですけれども、県で示したガイドラインには、要介護度や介護者等の状況、在宅サービスの利用率等が評価項目として盛り込まれておりまして、評価項目を点数化し、その合計点により優先順位を決めることで、公平性が保たれる仕組みになっております。 現在市では、市内の特別養護老人ホームより要請をいただき、市内の9施設のうち5つの施設において、市の保健師が入所判定委員の一人として入所判定の最終確認の場に参加しておりますが、いずれの施設においても、公平性が確認できております。要請を受けていない施設のうち、1施設についても、近日中に同様の体制に変更する意向をいただいており、さらに公平性の確認ができるものと考えております。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) よくわかりました。 一番重要なのは公平性だと思うんです。住民サービスというのはそこが一番重要なところだと思いますので、今後ともよろしくお願いします。 それでは違った観点から、福祉部長のほうの担当だと思いますが、それを伺います。 施設の空き状況を随時把握して、情報提供に努めなければいけませんけれども、有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅の整備状況及び外部サービスの活用状況を把握した上で、適切なサービス提供について、この辺はどのように検証されているのか伺います。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、有料老人ホーム、また、サービス付高齢者住宅ということで質問にお答えをいたします。 有料老人ホームにつきましては、平成18年度の老人福祉法の改正、この中でその定義が拡大され、増加傾向にあるということでございます。現在市内で9施設、210床が整備されております。その中で、3施設につきましては、介護保険を利用して食事、入浴、排せつ、機能訓練が受けられる、特定施設入所者介護の指定を長野県から受けている状況でございます。 また、サービス付高齢者住宅につきましては、平成23年4月の高齢者の住宅の安定確保に関する法律ということで、その中で正式に位置づけられた施設でございます。現在市内には3施設、97床が整備されているところでございます。 いずれにいたしましても、長野県におきまして、その登録等がされている中で、県が策定をした高齢者住宅安定確保計画という中で、サービス付高齢者住宅の確保ということがうたわれております。市でも次期、第6期の介護保険計画、老人福祉計画の中にその位置づけを盛り込みたい、このように考えているところでございます。 また、そのチェックでございますが、県への登録ということでございます。県における実地検査、立ち入り検査を実施するということでございますが、その利用状況、空き状況につきましては、それぞれケアマネジャーと施設の中で連絡を取り合いながら、状況を把握しているという現状になっております。 なお、施設からは県のほうに報告が挙げられているという状況でございます。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) 今、県のほうの話をされましたが、今回の地域包括ケアシステム、県のやるべきこと、市のやるべきこと、すみ分けが結構あると思いますので、その辺は連携しなければいけない部分が多々あると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それと、次のケースなんですが、時間がありませんので、2点一括してお伺いしますが、実際病院等で入院されて、退院されてきた。また、施設利用していて、介護度が変わったということで、施設を退去される方などがおられると思うんですが、そういう方が行き場所がないと思われます。この住宅施設について伺いたいんですが、このような方々の家賃補助が現在ないように思われますが、今後検討されていくのか。また、家賃補助まではなくて、空き家なんかがあればそういう提供、情報を収集して、要支援、要介護の高齢者の住まいを総合的に考えるときがいよいよ来たのではないかと思いますが、2点伺います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、まず、家賃補助の関係でお答えをさせていただきたいと思います。 施設に入った方が何らかの理由で帰って来られる住宅がないと、こういった場合でございますが、それぞれ先ほど申しました有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅というところで生活をしていただいているのが現状でございます。ただ、特定の人のみを対象とした家賃補助の関係につきましては、公平性の確保といった課題があるために、慎重に考えざるを得ないため、現在は検討をしていないという状況でございます。 なお、比較的低額である住まいの提供、これにつきましても、当然必要なものでございます。現在のところ市として公営住宅がその役割を担っておるというふうに考えているところでございます。このような理由によりまして、空き家を高齢者住宅として提供することなどにつきましても、空き家と言えども個人の財産でございます。また、何らかの改修がなくては多分そういった住宅として使用ができない、こういった現状があろうかと思います。このために、現在のところ想定はしておりません。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) 想定できる範囲なんですが、いわゆる空き家なんかですと、部局間を横断して考えなければいけないことですし、管理不十分な空き家等に関しては、市民生活部になると思うんですが、今後は大変な問題だと思いますので、今後条例化に向けてもその辺を含めて検討していただければと思います。 最後の質問に行きます。 地域包括支援センターの事業について伺いますが、ケアシステムの構築においては、市民の方々との接点が大きく支援センターはかかわるわけですけれども、ひとり住まいの方で金銭管理や不安に思うことなど、さまざまな相談が寄せられ、地域高齢者のよりどころになっていると現在思います。私も何回か相談者と同行しましたが、すぐに対応していただき、大変ありがたかったことを思い起こします。しかし、一方、別の方から対応の悪さの苦情が寄せられました。よくよく聞いてみますと、地域包括支援センターと行政との連携が悪かったことがそれは起因でした。現在は解決に向かっているのですが、たった一つの連絡ミスや言葉の行き違いで、せっかく一生懸命やっていただいているのに誤解を招いてしまうのは大変残念であると思います。現在社会福祉協議会に委託されていますが、そのことで行政から目が行き届かなくなったり、例えば人員等の機能の強化ができなかったとか、連携が悪くなることはなかったのか、そして、このサービスの低下につながるようなことがないなど、どうされているのか、保健医療部長に伺います。 ○議長(宮下明博) 保健医療部長。 ◎保健医療部長(宮下直子) お答えいたします。 安曇野市では、地域包括支援センターを直営の包括支援センター1カ所と、委託包括支援センター2カ所の計3カ所設置しております。地域包括支援センターにおいては、安曇野市地域包括支援センター設置運営方針に基づく事業を直営、委託の差なく実施しており、日々地域のさまざまな相談への対応をしております。 中には困難な問題を抱え、多くの支援者のかかわりが必要な場合があります。その際には、職員のケアマネジメントの力量だけでなく、関係者との連携システムが重要になると考えます。そのための方策としまして、毎月開催される3カ所の地域包括支援センターと担当係との定例会において、課題を抱えた対象者の方の支援のあり方を検討しております。そして、必要な場合には、地域ケア個別会議を開催し、また、認知症の方の場合には、医師会との安曇野認知症ケア会議を活用し、課題を明らかにして、よりよい支援につなげるとともに、職員のスキルアップと関係者との顔の見える関係づくりを目指しております。 ○議長(宮下明博) 残り時間2分を切りました。 ◎保健医療部長(宮下直子) はい、すみません。 連携システムにつきましては、御指摘の委託包括支援センターにおける市の関係部署とのかかわりについては、市の包括支援センター担当係の保健師が窓口となり、どの部署との連携が必要かを判断し、スピーディで適切な連携ができるよう支援をしておりますし、権利擁護に関しましても、関係者の連携に課題があると考え、その解決のため、フローチャートを作成しました。そして、委託包括支援センターに対して、これから市の事業の実施にかかわる方針についてより具体的な内容を提示し、包括支援センター間及び行政との連携を図り、包括支援センターの機能強化に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(宮下明博) 小松議員。 ◆19番(小松芳樹) はい、わかりました。 今回地域包括ケアシステム構築について伺いました。最後の質問は、やはりこの受け皿として重要なのは、行政もそうですが、支援センターのほうも直接な受け皿になると思いますし、委託しているからといって、マイナスになってはいけないです。かえってよりよい方向になるようにということで質問させていただきましたので、今後も連携をしっかりよろしくお願いしたいと思います。 以上をもちまして、一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○議長(宮下明博) ここで昼食のため暫時休憩といたします。 再開時間は午後1時からといたします。                              (午後零時01分)--------------------------------------- ○議長(宮下明博) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。                              (午後1時00分)--------------------------------------- △発言の訂正 ○議長(宮下明博) ここで、教育長より発言の訂正を求められております。 これを許します。 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 先ほどの林議員の答弁の中での発言の訂正をお願いします。 小学校英語活動の答弁の中で、「5、6年生は小学校学習指導要領で定める」、そこの次ですけれども、「週1回35時間プラス40時間実施」と答弁しましたが、正しくは、「週1回の授業、年間35時間から40時間実施」と訂正させていただきます。申しわけありませんでした。 ○議長(宮下明博) ただいまの発言訂正について、議長において許可をいたします。--------------------------------------- △松枝功 ○議長(宮下明博) 引き続き一般質問を行います。 それでは、1番、松枝 功議員、持ち時間は質問、答弁を含めて60分以内といたします。 松枝議員。     (1番 松枝 功 登壇) ◆1番(松枝功) 1番、松枝 功です。それでは、通告に従いまして、一般質問を行います。 まず、第1問目の御質問は、子ども・子育て支援事業への取り組みについてでございます。 国の子ども・子育て支援新制度に基づき、安曇野市が平成27年度より取り組む新たな子ども・子育て支援事業についてお尋ねいたします。 我が国の人口は、諸説がありますが、平成11年ころより減少に転じているとされ、現在大幅な国力の低下を招きかねないこの人口減少問題に対応するため、国を挙げての議論、そして、効果的な対策の検討がなされております。ただ、地方に暮らす私たちにとっては、国の人口減少というよりも、身近で急激に進む少子化問題こそがこれ以上放っておくわけにはいかない切実な課題であります。 何とか若い世代に頑張っていただき、たくさん子供を産んでいただいて、それぞれの地域を昔のように子供たちの声が響く元気な地域に戻したいとの思い、もちろん若い世代ばかりでなく、地域の皆が協力し合って、この子供たちを育て、育み、活力のある地域社会を取り戻していくということが私たちの進むべき道筋のように思われます。 国も自公民の三党合意を踏まえ、平成24年8月に子ども・子育て関連三法を成立させ、国を挙げて本格的に少子化対策、人口減少対策への取り組みを始めています。特にこの三法によって推し進められる子ども・子育て支援新制度の推進には、新たな財源がきちんと充てられることになっていること、いわゆるかけ声だけではない、絵に描いた餅ではない、財源的な裏づけがある(7,000億円)ということは、非常に重要であり、評価すべきものと考えます。 なお、この新たな財源が消費税の増額分、増税分であることは御承知のとおりですが、確かに消費税が8%、10%に上がっていくのは、国民にとって、私たちにとって大変な負担ではあります。しかし、この税収、増税分が子ども・子育て支援の現場で若い世代を応援する具体的な形で使われるとすれば、私はやむを得ないこと、国の将来、地域の活力再生のために十分に大切に使っていただきたいと思っております。 さて、国の新制度に基づき、市もいよいよ来年4月より、新たな構えで子ども・子育て支援事業に総合的に取り組んでいくこととなります。先日の議会全員協議会でも、福祉部から概略の説明がございました。その中でも特に、市内の公立の保育園18園と公立の幼稚園1園をともに認定こども園としていくとの方針については、国の新制度に沿った方向とは理解いたしますが、保護者の皆さんを初め市民の皆さんからの戸惑いの声が聞かれます。 ここでまず、宮澤市長にお聞きしたいと思います。 安曇野市がこの子ども・子育て支援制度の発足を機に、どのように子供たちを取り巻く将来を見据えて、どのような理念や戦略を持って支援事業に取り組んでいくのか。全体像、重要な部分について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) まず、大変これも大きなテーマでありますし、人口減少、高齢化時代を迎える中で、市といたしましては、何とか10万人人口を目指すという上で、少子化対策、特に子育て支援事業の充実というものは大変重要な事業、政策の柱の一つというように捉えております。 平成27年度から本格施行となります子ども・子育て支援制度、これに向けまして、市といたしましても、安曇野市子ども・子育て会議を設置をいたしたところであります。今後の市の子育て支援のあり方について検討をいただき、本年度末には安曇野市子ども・子育て支援事業計画を策定をいたします。この新制度につきましては、主な内容といたしまして、待機児童の解消、また、そのための施策と地域における子育て支援事業の充実によって総合的に子ども・子育て支援を進めていこうとするものであります。 新制度におきましては、小学校の就学前の子供たちが保育所や幼稚園を利用する際に、まず、年齢と保育の必要性によって1号から3号までの3つの認定区分に応じて利用の申請をしていただくということになっております。3歳以上で保育の必要性がない場合には、就学前教育である1号認定の申請をするということですし、また、保護者の就労などによって保育の必要性がある場合には、お子さんの年齢に応じて3歳以上の場合は2号認定、3歳未満の場合は3号認定というあわせて3つの区分になるということであります。 市においては、3歳以上で保育の必要性がないお子さんも保育所の定数の範囲内で私的契約児、児童としてお預かりをしてまいりましたが、新制度においては、保育の必要性がないお子さんを保育所で受け入れることができなくなるということであります。したがって、このため、保護者の要望にお応えをしていくためには、現在の保育所を認定こども園として位置づけて、保育の必要性の有無にかかわらずお預かりをしていくことが必要ということになってまいります。 詳細につきましては、また担当の部長から答えさせますが、市といたしましては、公立の保育所、幼稚園を認定こども園に移行することを前提に、課題を精査をする中で保護者の皆様方のニーズに合った保育、または教育の場を提供をしていくことを選択をすべきであるというように考えております。 市の子ども・子育て会議において議論をいただき、認定こども園化の方向性を決定をいただいているところであります。今後は、ファミリーサポート事業など、その他の子育て支援事業につきましても御審議をいただき、本年度末には市としての子ども・子育て支援事業計画を策定をし、子育て支援事業の充実を図ってまいりたいというように考えております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 市長より市の新制度への総合的な取り組みの概略、そして、決意をお伺いいたしました。以降、細部につきましては、担当部長にお聞きしてまいりたいと思います。 まず、福祉部長にお尋ねしたいと思います。 今、市長からも話がございましたが、市内全ての保育園、幼稚園を認定こども園に移行していくとのことでございますが、新制度では、市町村が地域のニーズに基づき計画を策定し、事業を実施するとされております。市は、地域のニーズや保護者の方々の要望といったものをどのように把握し、そして、そのニーズ、要望に応える方法として、結果的に認定こども園に移行していく方法をなぜ選択したのか。ただいま市長からも概略についてはお答えいただきましたが、それにつきまして、詳しくお聞かせいただきたいと思います。 また、市内19園の保育園、幼稚園全てを認定こども園に移行していく作業は大変なものかとも思います。保護者や関係の皆さんに不安のないよう進めていただくことが重要かと思いますが、こども園に円滑に移行していくための手だて、スケジュールなどについても御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、お答えをいたします。 市内保育所、幼稚園の認定こども園への移行ということでございます。 先ほど市長より御答弁申し上げましたとおり、安曇野市におきましては、公立の18園、そして、幼稚園1園、認定こども園への移行に向けて協議を進めていくということで、子ども・子育て会議の中でも決定をいただいているところでございます。この子ども・子育て会議につきましては、今年6月10日に第1回を開催し、今まで3回の会議を開催してまいりました。その中で検討いただいた項目、幾つかあるわけですが、まず、そのベースとなります保育、また、教育、就学前教育のくくりをどういう単位で行うかというときに、幾つかの区分に分けるのではなく、安曇野市一本として組み立てるんだと、これをお決めをいただいております。このことは非常に大きな問題でして、安曇野市として一本化した方針に基づいてことを進めるということを決定しているところでございます。 この方針の決定に当たりましては、本年1月に子ども・子育て支援計画の策定に向けたアンケート調査というのを実施をしております。その中で現状の状況に対して、保護者の皆さん、また、いろいろな方がどのようにお考えか、これを調査したところでございます。基本的には保育園、幼稚園ともに現在ある状況が一番であり、そのまま続けてほしいという要望が多かったところであります。しかしながら、先ほど市長からも申し上げましたとおり、保育園の中で、私的契約児といわれる、つまり保育に欠けない子供たち、約1割程度おりますが、お預かりをしております。この1割の皆さんを新制度におきましても、確実にお預かりしていくためには、この認定こども園という制度にのっとった対応がどうしても必要であるというふうに結論づけたものでございます。 このために、計画の年限であります5年をめどに進めてまいりたいと、調整してまいりたいということでございますが、いつまでも中途半端な状態でいるわけにはまいりません。また、平成27年度から新制度になりますが、4月からすぐにこの制度に移行するというのも若干無理がございます。このため、保護者にしっかりとした御説明を申し上げ、また、そこでの課題等もしっかり整理した上で、平成28年度、もしくは平成29年度を目標としてぜひ進めてまいりたいと、このように考えております。 また、安曇野市におきましては、公立のみならず私立の保育園もございます。制度としては認定こども園への移行、これについて設置者の判断で選択をしていただくということが基本でございます。市の公立の保育園、幼稚園は一本として認定こども園化の方向を出しましたが、私立につきましては、その方向にのるのかどうか、十分に御検討をいただいて、意思をお決めいただきたいというふうに考えているところでございます。 また、市内唯一の公立幼稚園であります穂高幼稚園につきましては、平成27年度は、現行の幼稚園として運営をしていきたいというふうに考えております。保育園同様5年間の中で移行を進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 ただ、私立の幼稚園というのも1園ございます。この幼稚園につきましても、新制度に移行するかどうか、これについては、各園で御判断をいただくことになります。いずれにしろ、今の状況は都度お伝えをしてございますが、どのような決定をなされるか、協議があればぜひ相談にのってまいりたいと、このように考えているところでございます。 認定こども園への移行というのは、先ほどの私的契約児童の受け入れという側面が非常に大きいです。ただ、保護者のニーズに合った保育、教育の給付を提供するための一つの形でございます。就学前教育を幼稚園と認定こども園全園で実施することで、就学前教育の充実が図られるものというふうに考えております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 福祉部長に少し再質問させていただきますが、今のお話の中で、幼稚園、要するに、これで言うと穂高幼稚園の扱いですけれども、すぐにとはいかないが、最終的には認定こども園のほうに移行するということでよろしいわけですね。     (発言する声あり) ◆1番(松枝功) わかりました。 私も新制度の発足につきましては、これから家庭をもとうとしている若者、そして、小さな子供をもつ家庭の皆さんのためには意義あるものと捉えており、しっかり応援申し上げたいと思っておりますが、残念なことに、私は保育園と幼稚園のいいところを一つにするという認定こども園についての知識がございません。具体的なよさというのはなかなか見えてきません。ここでいろいろお話をしても、果たしていいものかどうか、これはなかなか見えてこないわけでございます。そんなことがございまして、先日、滋賀県高島市の市立なのはな園という旧制度といいますか、現行の法律の枠組みの中で、実際に保育園と幼稚園を一つの施設で運営しているこども園を見学に行ってまいりました。 なお、このなのはな園には、平成18年に安曇野市議会の福祉教育委員会の皆様も視察をされております。今この議場にお座りの3名の先輩議員の皆さんも参加されておりますので、この皆さんは御承知かと思います。私も当時、教育委員会の一職員としてこの視察に同行させていただきました。恐る恐る後をついて参ったんですが、行ってまいりました。このこともありまして、8年ほどたったことし、なのはな園の今はどうなのかとの思いもあり、訪問をいたしました。 なのはな園は、設立の平成17年から現在までゼロ歳児から5歳児までの保育園児と3歳から5歳までの幼稚園児を受け入れており、両方の子供たちが同じ施設の中で一緒に遊んだりなんだり、生活をしております。3歳から5歳まではそれぞれ3クラスあり、2クラスには保育園児が、1クラスには幼稚園児がと、部屋は分かれてはいます。ただ、幼稚園児が帰る午後3時ごろまでは皆が全く同じ過ごし方をするとのことであります。 国の新制度における、市がこれから選択する認定こども園の場合は、同じクラスの中に保育園と幼稚園がまざって過ごし、活動することになるんですが、なのはな園はまだその状況にはなってはおりません。ただ、なのはな園では、国の新制度の目指すところと同じですけれども、どの子供にも同じように適切な保育と幼児教育がともになされているとの説明があり、園の雰囲気を見させていただく中で、大変重要なことだと感じてまいりました。 就学前の子供をお持ちの家庭でも、今後は女性の社会進出を求める声の高まりの中で、お母さん方の就労や外に出る活動の機会もふえていくものと思われます。この場合、子育て家庭から求められるのは、まず第1には、身近に安心できる保育の場所が確保されることかとは思いますが、先ほど福祉部長からもお話がございましたが、一方では、年長の子供たちには、できるならば適切な幼児教育も受けさせたいという希望が強まっているとの声もお聞きしております。この子育て世代の2つの要望を両方ともに同時進行で可能とするのが認定こども園ということのようであります。 また、お邪魔したなのはな園での先進的な取り組みは、保育と幼児教育両方の質を高める結果となったとのお話もお伺いしました。こども園では、保育と教育が同時進行しますが、特に教育という要素を十分に発揮させるために、現場の先生方の姿勢も変わっていくとのことであります。子供たちを擁護する気持ち、守り育てる保育という意識よりも、現場の先生方に子供たちに経験を積ませて成長させたいといった教育的な意識、思いが高まっていき、園内外での研さんや研修の機会がふえ、結果的に保育の面、教育の面ともに質が高まったという現場責任者のお話を伺いました。これはこども園への移行による大変重要な効果であり、また、一つの行政サービスの高まりと言える部分ではないかと感じてまいりました。 ここで、教育部長にお尋ねしたいと思います。 市が選択する認定こども園は、幼保連携型という保育園、幼稚園双方のよさを発揮する形態のものとお聞きしております。福祉部長からもお話がございました。これは1園ではありますが、市内に公立の穂高幼稚園があったからだと思うのですが、この穂高幼稚園の幼児教育に対する精神、理念を継承した形で進められるとは思いますが、穂高幼稚園も最終的には認定こども園の方向に向かっていくというお話を今確認させていただきましたが、新たな市の認定こども園ではどのような就学前教育がなされるのか、期待しておりますが、概要をお聞かせください。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) その新たな部分というのは、まさにこれからでございますので、現在の穂高幼稚園の取り組みを少し御紹介をさせていただきたいと思いますが、穂高幼稚園、これは文部科学省の中の学校教育法の中で、いわゆる幼稚園の教育要領というのがございまして、そこの中で5つの狙いを示しているわけでございます。それに基づいて、幼稚園、毎年運営をしているわけでございますが、一番は子供たちに幼稚園卒園までに生きる力の基礎となる心情とか、意欲、態度、これらを具体的に5つの側面から狙いとして示して、それを実践をしているというようなことでございます。 心身の健康に関する関係、人間関係、これは人とのかかわりです。それと、身近な環境とのかかわり、それと、言葉の獲得に関する領域、それと、表現に関する領域と、こういうものの中で、今年度幼稚園、生活を切り開いていける心身ともにたくましい子供を育てると。そのときの今5つ言った具体的には、主体性、創造性を持った子供、また、体や心、知恵のバランスがとれて発達をしている子供、群れて、大勢で集団で元気に遊ぶ子供、人への信頼感、思いやりの持てる子供、5つ目として、自然とのかかわりに喜びを感じ、みずから飛び込んでいける子供と、こういうことで、特に今年度の行動目標は、これは言われてみれば当たり前かもしれませんけれども、しっかりおはようございますという挨拶ができ、ありがとうございますという感謝の言葉が述べられ、いけないときはごめんなさいという反省の言葉ができて、けじめとして、靴を上手にそろえると。本当に基本的な生きる力、心身ともにたくましい子供を育てていくと、これが幼稚園で行われている教育ということでございますので、将来の認定こども園に向けて、保育の側面と今の学校教育のよさ、この両面を持ったそういう認定こども園の方向に進んでいければなというように考えているところでございます。
    ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) ありがとうございました。 今、穂高幼稚園の教育の理念というものをお聞かせいただきましたが、それが将来的に一本化される市の認定こども園で生きてくるというふうに認識させていただきたいと思います。 ただ、そういう場合に、私少し、では体制、所管のことはどうなるのかなという気がいたします。今子供たちに開かれた窓口は福祉部所管の保育園と教育委員会所管の幼稚園があったと。これが一本化されると。そして、両方のよさを一つにするのがこども園なんですけれども、その中でも保育の部分、教育の部分、それぞれ指導するんですか、統括する部分が違ってくるのか。 私は現場のことを思いますと、二重構造があっては混乱を招くだけではないかと。やはりこういったすばらしい取り組みをされる安曇野市でございますので、こども園ではどちらか、私はどちらかというと福祉部がもちろん中心となって教育的な要素も含めた子供たちの養育、教育を進めるべきではないかと思いますが、その辺、方向について、福祉部長でいいですか、お聞きしたいと思いますが。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、所管の関係という御質問でございますが、なかなか私だけでは答え切れない部分もあります。福祉部の立場でお答えをさせていただきたいと思います。 今回の新制度におきましては、基本的な考え方として、就学前児童に対する教育と保育、これを給付事業、施設型給付ということで、昔から言われておりました幼保一元化を進める、そういう形になっております。当然保護者のニーズにあわせまして公平に提供する、こういうことが必要でございますので、この認定と給付を一元化することが適当ではないかというふうに考えております。 したがいまして、就学前に関する事業は、現在保育園を中心としてサービスを提供していることから、私ども福祉部所管が適当ではないかというふうに考えているところでございます。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) お答えづらい部分まで踏み込んでしまいまして、申しわけないんですけれども、そういった整理というものは、また後段で市長にもお尋ねしたいんですが、必要になる時期になったというような気はいたしております。 それでは、続いて、認定こども園以外の支援事業の課題についてお聞きしてまいりたいと思います。 国は支援制度により、より身近な子育て現場の充実を図るため、地域子ども・子育て支援事業としてファミリーサポート事業や一時預かり事業、延長保育事業など、いわゆる13事業につきましても充実すると。財政的支援を強化し、推進しようとしておりますが、その中の1つに、放課後児童クラブの充実がございます。新制度においては、放課後児童クラブの質を確保するために、国が定めるところに従って、クラブの設置条件、これはスペースの確保等の問題だと思いますが、それや運営の基準について市町村が条例できちんと定めて実施することになり、これについて国が財政支援を強化するということのようでございます。 ここで、福祉部長に再びお尋ねしたいわけでございますが、この新制度の適用によって、市の放課後児童クラブの事業がどのように変わっていくのか、概略を御説明いただきたいと思います。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、放課後児童クラブにつきまして、説明をいたします。 放課後児童クラブを含む就学後の事業につきましては、現在教育部ともども進めているところでございますが、子ども・子育て支援事業計画の中で、こういった放課後の居場所、放課後児童クラブ等の事業の拡大が求められているというところでございます。 福祉部といたしましては、放課後児童クラブの対象児童、現在は小学校4年生まで対象としております。この対象が、新制度の中では小学校6年生までを対象とすること、また、施設の規模等について、基準等をきちっと設けるということが求められているところでございます。 現在、各児童館と一部学校施設をお借りして実施をしているところでございますが、保護者ニーズに対しまして、施設の規模に制約がございます。このため、一部制限をさせていただいている状況があります。このためにこれの拡大をいかにしていくのか、これが緊喫の課題となっているところでございます。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 需要が高まると。国のほうでは、4年生から6年生までを対象とする。そうすると、勢い、児童クラブへ加入したい方はふえる。そういう状況は間違いなくこれからの社会では進んでまいると思うんです。それで、福祉部長にそれをどうするかという話を少しお聞きしようと思ったんですが、これは、では思い切って教育部のほうにお尋ねしていってまいりたいと思いますが、今議会に提出されました平成25年度決算認定にかかわる主要な施策の成果に関する説明書の183ページ、これは福祉部所管のほうですけれども、福祉部所管の放課後児童クラブの事業総括がなされております。児童クラブは現在市内10カ所で実施されており、登録児童数は781名、評価と課題の欄には、ここが大事な部分ですけれども、放課後児童クラブ事業については、希望する児童についてほぼ受け入れができていますが、長期休業中など、地域によっては施設面での制約がされている状況です。現有施設等の有効活用を検討しつつ、施設整備を進めていく必要がありますとあります。 ストレートに言うと、現有の児童館等で放課後児童クラブを実施するのは手いっぱいの状況で、夏休み等の短期受け入れなどは困難な状況にあり、これに応えていくとすれば、さらに新しい施設の整備を進めなければならないということだと思っております。 市がこの方向に進むとすれば、極端な話ですけれども、放課後の小学生の居場所として市内の小学校区それぞれに、少し小さいけれども、小学校と同じような施設をもう一つずつつくるような、整備していくような結果になりはしませんかという気持ちがあるんです。極めて不効率な話だと思います。 一方、これが教育部の関係ですが、この成果の説明書387ページでは、教育部の所管事業放課後子ども教室(わいわいランド)についての総括がなされています。 放課後子ども教室(わいわいランド)は、市内10小学校全てで週1回程度開催されており、登録児童数は862人、評価と課題の欄では、子供の居場所確保、異年齢、異世代間交流の機会の提供ができた。そして、開催回数をふやしていくかが今後の課題とまとめていただいています。 これは学校でやっているわいわいランドのことですけれども、教育部長、現在の市の類似する2つの事業、放課後児童クラブと放課後子ども教室が抱えるそれぞれの課題、今少し決算の中で説明がされているんですけれども、私は状況が、さっき言ったかなり不効率な状況になってきはしないかという放課後児童クラブの状況を憂いて思うんですが、その2つの事業の課題を解決するのは、思い切った決断さえあれば、これはそんなに難しいことではないような気がするんですが、厳しい質問かもしれませんが、その辺どんなふうにお考えですか。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) 放課後児童クラブの関係でございますが、平成19年度に当時の文部科学省と厚生労働省がお互いの中で、放課後子どもプランで、文部科学省は放課後子ども教室、安曇野市の場合はわいわいランドというふうに申し上げてございます。また、厚生労働省で放課後児童クラブと。こういう中で今まで事業がずっと行われてきたわけでございます。私どものほうには放課後子どもプラン運営委員会、これは要綱を設置して毎年その事業等の調査研究を行ってきたわけでございますが、これは2つの事業を何とか一体的に実施をできないかと、こんなような検討もしてまいりました。 今年度も先進地を視察をさせていただいているところでございますけれども、両事業、現在は福祉部と教育部に分かれていると、こういう状況でございます。私ども教育部の関係では、社会教育委員の会とか、公民館運営審議会、また、放課後子どもプラン、これらの委員会について、これらの事業をぜひ学校関連と同じ部署にある教育部に集約をしていくほうがいいのではないかと、こういう御意見をいただいているところでございます。これらの意見を尊重して、十分内部協議を進めてまいりたいというふうに考えておりますけれども、近日中に厚生労働省と文部科学省から放課後子ども総合プランが示されると、こういう予定になっているところでございます。これらの内容を確認しつつ、将来的には学校敷地内、または学校隣接、場合によっては当然学校との協議もございますけれども、空き教室等が活用ができるか、これらも含めて放課後子ども教室と児童クラブ、これは現在の教育部のほうの所管、こちらのほうで一体的に実施していくのが望ましいのではないかと、こういうふうに考えているところでございます。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) まさしく私もそういうふうに考えているんですが、そのように、総合プラン、国からそういうものを提示があるようでございますが、安曇野市も積極的に前向きに捉えていただいて、今、教育部長のお話のように、教育部が一本化して引き受けると、こういうような体制にぜひ進めていっていただきたいと思います。 ただ、その場合、非常に整理していただく部分で大きな課題があるかと思いますが、ここで、望月教育長にお尋ねをいたします。就任早々で恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。 今まで福祉部、教育部両部のお考えをお聞きしてまいりましたが、私としましては、放課後の小学生の居場所はそれぞれの小学校の施設の中に求めるべきとの考えを持っております。居場所運営までを学校サイド、先生方に求めることは無理なことと承知してはおります。ただ、放課後子ども教室の例となりますか、小学校において市の教育委員会がきちんと指導し、地域の人材を導入することにより、単なる時間を費やす居場所ではなく、さきの同僚議員の質問にもございましたが、やはり教育的な要素がそういった放課後の居場所の中にでも十分発揮される、そして、毎日の居場所づくりが可能となる、そういったことがもう実現できるのではないかというふうに考えております。 ただ、この場合は、思い切った学校施設の開放が不可欠であります。過去には不審者の乱入など、大変な思いをした学校もあり、学校サイドとしても安易な開放は容認できないかもしれませんが、人口減少や少子化に地域と一緒になって立ち向かうという姿勢を学校にもぜひお持ちいただき、もちろん防犯対策等を万全にする中で、学校施設の開放を進めていただきたいと思いますが、望月教育長、地域や他の事業への学校施設の開放を先頭になって強力に進めていただくようなお考えはございませんでしょうか。よろしくお願いします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 放課後児童クラブ事業についてお答えします。 今、議員のおっしゃったように、学校施設を開放して有効に活用するということは非常に大切なことであると思います。現在でも豊科東小学校、それから穂高北小学校、三郷小学校では、校内児童クラブの施設を置いていますが、ただ、議員もおっしゃいましたけれども、校舎内の防犯だとか、安全対策というものが整備されないと、なかなか実現できないものです。この3校におきましても、これらの整備が実現できたがゆえに、今校内に置いているという実情もあります。 今後学校施設有効に活用するという方向については、一緒に努力していきたいとは思っておりますが、施設の改修、そういうものを含めて安全対策に配慮した検討がこれから十分必要だと考えております。そのことを含めてやっていければと思っております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) ありがとうございます。 もちろん周到な準備と言うんですか、丁寧な対応は学校側に対して必要になるかと思いますが、基本的な事項は、意識は共有していただいて、そちらのほうへ、学校を開放していただき、学校も含めた地域全体で子供たちを育てていく、そういう環境づくりを進めていただきたいと思います。ありがとうございます。 ここで再び市長にお伺いしたいと思います。 今までお話をいただきましたが、来年4月の国の子ども・子育て支援制度、本格施行を前に、安曇野市においては方向を見定めた上で認定こども園の意向を決断し、準備を着実に進めるなど、迅速な取り組みをされていることは評価されるべきことと思います。ただ、市の子ども・子育て支援施策の中には、まだその効果や推進の方法、戦略等について整理されていないものも見受けられます。これらをすっきりとさせるには、まず、各事業における所管を大胆に見直し、整理することが必要かと思います。 具体的には、先ほど来お話ありますが、認定こども園は就学前教育も含めて福祉部が責任を持つというように、福祉と教育の守備範囲をどこで区切るか、はっきりさせるかということになるかとは思いますが、また、場合によっては多くの自治体が工夫して対応されておりますが、組織的な改変、改革といったものも必要になってくるかもしれません。縦割りの問題はあるんですけれども、そういったことも必要になるかとは思います。充実した子ども・子育て支援施策はこれからの市の大きな看板となるものでもあり、今後この施策に取り組む市の組織のありよう、所管についての宮澤市長のお考えを最後にお聞かせいただきたいと思います。お願いします。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 実は私もこのことは常々疑問に思っていたというか、大変恥ずかしいことかもしれませんが、私自身は、児童クラブと児童館、どういうように違うのか最初はよくわかりませんでした。厚生労働省と文科省の違いということで、対象は子供たちでありますので、地域の子供はどこで過ごそうと、どこにいようと、地域全体が見ていくべきだというのが私の思いであります。したがって、市は、家庭の状況やお子さんたちの成長にあわせた子育て支援サービスを市民の皆さんにわかりやすい形で提供していくことが必要だというふうに思っております。 私は子供たちの安全な場所というのは学校ではないかなという思いはございます。したがって、基本的には就学前の子供さんに対しては福祉部、そして、就学後の子供さんたちに対しては教育部とする所管の整理が必要ではないかというように考えておりまして、来年度本格施行の子ども・子育て支援新制度の移行を好機として捉えて、子育て支援施策の総合的な推進に向けた所管部署の見直しを実施をしてまいりたいというように考えております。 ただ、できるだけ私は学校の空き教室、施設等を活用すべきではないかというように思っております。体育館等は一般市民にも開放をしております。したがって、新たに児童クラブを敷地の中へつくるということよりも、まず、学校施設がどのように活用できるか、そして、何よりも現場にいらっしゃいます校長先生を初め先生方の理解も得ながら、子供たちの安全・安心を守っていく、そんなことが必要だというふうに考えてはおります。 市の子供たち全ての健やかな成長を念頭にしまして、事業計画の策定にあわせまして、市が保有をしているあらゆる施設の有効利用を図りながら、子供たちの成長にあわせた施策を展開をし、子育て支援の充実を図ってまいりたいというように考えております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 大変心強いお答えをいただきました。ありがとうございました。 市長が先頭に立って、この子ども・子育て支援施策を強力に進めていく市の姿は、若者や子育て世帯、また、地方で生活を夢見る都会の若い世代にも必ず魅力的なものと映っていくに違いないと確信をしております。ありがとうございました。 それでは、続きまして、2番目の質問に移らさせていただきます。 国道403号線整備事業についてであります。 国道403号線は、新潟県新潟市を起点に松本市に至る長大な一般国道であります。私たちには、市内明科から筑北、麻績、そして千曲市方面へ抜ける山間の狭い国道とのイメージがありますが、筑北方面から安曇野市、松本市に通勤される皆さんの通行も多く1日に3,600台を超える車両の通行があります。安曇野市と筑北村との境に位置する矢越トンネルの先には滝上峡という岩場が連なる箇所があり、ここは403号線でもカーブが連続し、運転には大変神経を使う区間であります。 このような状態を改善しようと、道路管理者の長野県がこのたび危険区間滝上峡をショートカットするトンネル新矢越トンネルの建設に着手いたしました。平成29年には供用が開始されますが、このトンネルが開通しますと、これまで松本市、四賀方面を経由して、または高速道路長野道経由で松本方面に抜けていた方々がこの403号線を利用するようになる、通行車両が増加するのではないかとの予測があります。新しいトンネルが開通し、危険箇所がなくなれば、運転する側にはメリットは多いのですが、逆に沿線に暮らす住民にとっては、特に新矢越トンネルから国道19号線合流点までの東川手地区の皆さんにとっては、通過車両がふえ、運転者がますますスピードを出すようになるかと不安が増す状況となっております。 都市建設部長にお尋ねをいたします。 新矢越トンネルの着工、供用開始を踏まえた国道403号線の安曇野市側での交通安全対策等を目的といたしました国の道路改良、整備計画はあるのでしょうか、お尋ねをいたします。 ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) 国道403の安曇野市側の整備ということですが、私は毎日これを通って安曇野市にも来ている人間でございますので、一筑北側の住民としても、非常に大事な道路だと。筑北、麻績から見れば本当に悲願の道路改良というものでございます。ただ、この道路は国道ではありますが、道路管理者は県ということで、安曇野市側は安曇野建設事務所、そして、筑北側は松本建設事務所が管理し、また、道路整備を行っております。そんな中で403の懸案でありました新矢越トンネルが着工となりまして、毎日見ていますが、今鏡張りのモルタルの吹きつけまでできて、いよいよトンネルを掘るというところまで事業は進んでおります。トンネルの延長1,043メートルということで、平成29年3月の完成の予定で、現在鋭意進めていただいておるところでございます。 御質問のように、トンネルの出口、安曇野市側ですが、トンネルを出たちょうどそのすぐ先、名九鬼から池桜、ここですと、橋が直角にかかっていて、さらに山側には急峻な斜面があって、そこを縫っているということで、クランク状の道路がありまして、大変気持ちよく飛ばしてきた車がそこへ落ちてしまうのではないかというような心配も恐らくあると思います。 こんなことで、ここの部分につきましては、線形の不良を何とか解消するということで、今年度建設事務所さんのほうで、どんな改良をしたらいいかという調査を行っていただいておるところでございます。また、山中地区につきましては、320メートルではありますけれども、今年度工事に着手し、来年平成27年度の完成の予定と、このように整備計画はなっております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 道路管理者である県がお持ちの国道403号線の安曇野市側の道路整備計画について御説明をいただきましたが、今お聞きしますと、いずれの計画もが、残念なことに住宅の比較的少ない上部区間での計画のように聞かさせていただきました。 確かにドライバーの皆さんにとっては、上部区間の改良事業は見通しをよくし、運転も容易になりますのでメリットが多いと思います。しかし、沿線住民の生活の安全、歩行者の安全という立場から考えますと、道路改良事業は上部より入口の19号木戸交差点に近い、住宅が歩道のない状態で国道の両側にぎりぎりと連なっている、地元で言われる三五山史跡を中心とした区間での道路整備こそが、それもきちんとした歩道整備を伴った整備が急務というべきではないかと私は考えます。これについての都市建設部長の見解をお聞かせください。 ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) 恐らく天田の入り口から奥の話ということだと思います。天田の入り口から三五山、あるいは反対側の沢六団地の付近、ここの危険性というのは私も十分認識をしております。平成20年から平成24年にかけてですが、安曇野建設事務所さんで、明北小学校から天田の入り口までは道路幅員の確保と歩道の設置工事をしていただきました。しかし、その先の特に天白橋までの区間、ここは山側に歩道を計画し、地元協議を行ってきたわけですが、なかなか地域の方の同意が得られないということで、中断をしているといった状況であります。 御提案のありました恐らく天白橋からもっと奥の山中までということになりますと、約1キロくらいの延長の道路改良ということになります。このため、事業費も大変大きなものと予想をいたしております。 事業の必要性というのは十分理解しておりますが、その中断した経過といったものを踏まえますと、私どもから県に強く要望していくには、やはり地域の皆様の協力の熟度といったものが一番大事なものかなと、このように考えております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) お話をいただいた、その中断しているということも承知をしております。平成20年当時の経過ですね。大変残念な結果となっていると思っております。ただ、あれから数年が経過いたしまして、この地区の中でも世代交代が進んでおりまして、若い皆さん方を中心にもう一度道路改良事業、歩道整備事業に取り組みたいとの熱意が高まっております。実はこれを受けて、関係する東川手地区の潮、木戸、潮沢の3人の区長さんが中心となって、自発的な動きとして、現在地区住民や関係地権者への意向の取りまとめ、事業への協力の要請などを行っていただいております。 午前中市長からも、地域の課題は地域でとのお話もございましたが、まさしくそういった取り組みをしていただいております。そしてまた、もちろんこの取り組みの裏には、市の担当部局の示唆、御協力があってのことではあります。これは協働という部分の発言かと思いますが。そして、そういった皆さん方の努力が実ったという形でしょうか、そのいろいろな取り組みの結果を、住民の皆さんの意向を集約したところ、ほとんどの関係の皆さんから賛成していただいているとのことでございます。 そして、区長さん方は、地元のこういった熱い意向をまとめ、市や長野県に中断している計画について再開、さらには上流部、前部の事業の延長、そういったものを含めた要望書を提出したいとの考えをお持ちのようでございます。 ここで、再び都市建設部長にお尋ねいたしますが、一度計画が示されたものの、住民の反対等で実現できなかった整備事業について、地元が改めて賛成を取りまとめ、計画の再開を要望したような場合について、要望を受ける側としてはどのように考えるのか。そして、地元の熱意が形となることは可能なのでしょうか。 私も地域の皆さんが安心して暮らすことができ、子供たちが安全に通学できる道路に何としても早く整備していただきたいと願っておりますが、都市建設部長の経験から御説明いただければと思います。 ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) お答えいたします。 先ほどちょっとふれましたけれども、県内、この安曇野市だけでなく、道路改良、あるいは歩道の必要な箇所というのは相当数まだございます。そんな中で一度中断というのは、一つハードルが高くなってしまったというのは、いわゆる事業者といいますか、そちら側からすれば恐らく事実だろうというふうには思います。しかしながら、今お話のありましたように、地域の皆様がまとまって、しかも強力に御協力がいただけるというお話になれば、まずは私ども市が県のほうに強力にその熱意をお伝え申し上げ、何とか事業化をしていただけるような働きかけをしていくと、それが市の立場であると思っております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 県の立場、十分承知な部長なもんですからお聞きしたんですが、そういった場合、そういったものが地元から上がってきた場合は、やはりもう一遍やろうという気持ちにすんなりなるものなんでしょうか。この辺はどうなんでしょう。 ○議長(宮下明博) 都市建設部長。 ◎都市建設部長(飯森正敏) 県の判断としてもいろいろでしょうけれども、私の場合であれば、地域の熱意は真剣に県の立場としても受けとめるというのは、恐らく県の方もそういう形で捉えていただけると思います。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) 大変ありがとうございます。 それでは、最後になりましたが、宮澤市長のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。たびたびで恐縮でございます。 現場主義を貫く宮澤市長ですので、潮沢地区の入り口となる三五山史跡を中心とした一体の国道403号線の状況は十分に御承知いただいているものと思います。ここで、この場所で歩道を備えた規格道路の国道整備が行われれば、用地を提供される多くのお宅が後背地、後ろが狭いため、セットバックができず、やむなく立ち退かなくてはなりません。多くの家がそうです。大変なことであります。ですから、以前、平成20年当時、長野県から改良計画が示された折にも、反対する方がいたことについては私も理解をしております。ただ、ここにきて、地域の生活環境をより安全なものに向上させ、通学する子供たちを守るためには、計画に協力しなければとの思いが住民の総意となってまとまりつつあります。市長、一度は挫折した事業ですが、地元の熱意をくんでいただき、市長からも長野県に事業の再開を強く働きかけていただきたい、再開を実現していただきたいと思いますが、お願いできますでしょうか。 ○議長(宮下明博) 市長。 ◎市長(宮澤宗弘) 先ほど都市建設部長のほうから答えさせていただいたとおりでございますが、確かに大型車両等が通れば、隣に行くにも行けない、そして、よけるところもないというようなことで、当面の緊急措置として、私が県会議員時代に、地元の皆さんからお話がございまして、側溝に一部ふたをかけさせていただいたことがございます。それだけでもよけるところができたというようなことで、当時喜ばれた記憶がございます。したがって、周辺の事情については、十分私なりの状況を把握をしているつもりでございます。 市の対応でございますが、明北小学校から4キロ以内でありながら、歩道もなく、大変危険な道路であることから、児童はスクールバスの通学を余儀なくされているという状況、そして、高校生が危険な思いをしながら自転車通学をしているという状況も承知をいたしております。沿線住民の皆さん方が、隣近所の行き来にも危険な状態にあるということから、安全対策はぜひ私としても必要であるというように捉えておりますし、また、この状況は安曇野建設事務所も十分承知はいただいております。したがって、要望したからすぐに工事が始まるということはなかなか困難性はあろうかと思いますが、例えば明科駅周辺の歩道整備、安全対策について、これももう何十年にもわたる長年の懸案事項だということでございますが、地元の皆様方やそれぞれ地元の議員の皆さん方のお骨折りによって、委員会が立ち上がった。そして、国に対する要望も私ども一緒にさせていただいた。こんな運動の継続が実現をした一つの例ではないかなというように思っております。 したがって、地元の意向をしっかり捉えさせていただいて、どんな事業でもそうでございますが、まず、地元の熱意が最も大切だというふうに思っております。ただ、いざということになれば、総論賛成各論反対というのが常だというように思いますし、補償問題と利害関係も絡んでまいります。また、場所によっては家屋移転も必要になってまいります。したがって、これら総合的な判断の中で、地元意向をしっかり、また、地元の皆さんや地区の出身の議員の皆様方とも力を合わせながら、積極的に県のほうに働きかけてまいりたいというように思います。 何よりも、まず調査費をつけていただいて、しっかり調査をしていく。それが第一歩でございますので、今後とも県のほうには要望をしてまいりたいというように考えております。 ○議長(宮下明博) 松枝議員。 ◆1番(松枝功) ありがとうございました。 以上で質問を終了します。--------------------------------------- △山田幸与 ○議長(宮下明博) 続いて、12番、山田幸与議員、持ち時間は質問、答弁を含めて50分以内といたします。 山田議員。     (12番 山田幸与 登壇) ◆12番(山田幸与) 12番、山田でございます。通告に従いまして、ただいまから一般質問をさせていただきます。 まず最初に、本市の農業振興についてお伺いいたします。 御承知おきのとおり、昨今の農業を取り巻く環境は年々厳しさを増し、環太平洋連携協定(TPP)の関税交渉や農協の中央会制度の見直し等々、諸問題が山積し、中でも米の生産調整の廃止を見据えた今後の対策は極めて重要な課題でございます。また、自給率が一向に回復していかないのは、農業政策に問題があるにほかならず、今こそ農政のかじ取りを求められているところでございます。やはり農政は5年後、10年後ではなく、20年先、30年先を見てしっかりとした農業政策をしていかなければならないのではないでしょうか。 そこで、まず最初に、平成24年度に策定された本市の農業農村振興計画、いわゆるアクションプランには、農業で稼ぐ、田園を守る、安曇野に生きるを振興の戦略の骨格として定め、産業としての農業を確立しながら、消費者と農業者がともに市民の財産である美しい農村を守っていくことを目指しているところでありますが、これらの振興策に基づき、具体的な施策を講じてこられたものと思われますが、平成25年度決算報告議会に当たり、この施策の取り組み状況と今後の課題について市長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 山田議員にお答えをいたします。 平成24年度に策定をいたしました安曇野市農業農村振興計画は、条例の規定に基づきまして、平成25年度に設置をいたしました安曇野市農業農村振興計画推進委員会により、その実施状況の点検及び評価をすることになっております。平成25年度におきましては、この推進委員会は3回開催をされ、平成24年度の実施状況の点検及び評価をしていただいたところであります。平成25年11月5日に委員長から提出をされた結果報告書は、市のホームページに掲載をしてございますが、報告書の概要でございます。計画1年目の実施状況はおおむね計画どおりに進んでいると総括をいただいた上で、商工、観光と連携をした6次産業化の推進、そして、意欲的な若い農業者など、地域リーダーの発掘と育成、農地の集約、荒廃農地対策を進める体制づくり、職農教育の着実な推進など、幾つかの課題について御意見をいただいたところでございます。平成26年度におきましては、8月5日に、本年度第1回の推進委員会が開催をされ、前年度、平成25年度でございますが、実施状況の点検及び評価の作業をしていただいております。 平成25年度の具体的な進捗状況ですが、規模の拡大を目指す農業者に効率的に農地を集約いただくために、人・農地プランを目標どおりの市内14地区で策定を完了をいたしました。目標達成ということでございます。また、担い手への集約面積、平成28年度の計画目標の3,000ヘクタールに対しまして、平成25年度までに2,842ヘクタール、目標達成率144%、これは当年度に換算をした比率でございますが、順調に進んでおります。今後は新たな担い手をプランに追加するなど、定期的なプランの見直しを行いまして、地域の実態に合った農地の利用集積の加速化を進めてまいりたいというように考えております。 また、平成25年度に農業再生協議会の事業としてスタートいたしました農業技術アドバイザーの制度、これは年間962件の問い合わせがございまして、これに対応し、市内の農家の農業技術の向上に取り組んでまいっておりまして、好評をいただいております。 また、アドバイザー、市内に4人お願いをしてございますが、若干地域に偏りがあるといった課題があることから、市内全域に普及できるような体制を検討をしていく必要があるというように考えております。 また、安曇野ブランドの確立のための新品種の導入の取り組みの中においては、平成25年度は南安曇農業高校に協力を依頼をしまして、リンゴの新品種を学校内の試験圃場に定植をしていただき、生産性の検証をしております。南安曇農業高校は、市内唯一の農業高校でありますことから、今後とも情報交換を進め、連携を図っていきたいというように考えております。 また、一方、新規就農者対策、そして、農業後継者づくりにおきましては、年間10名の新たな就農者の確保を目標としてきたところでございますが、平成25年度は目標どおりの10人の方が市内で農業経営を開始をいたしました。今後とも国の青年就農給付金制度と市独自の支援金給付や、また機械、施設の取得補助を行い、親元就農促進事業の活用をさらに推進をしながら、将来の市の農業の担い手を育成をしてまいる所存でございます。 また、荒廃農地対策につきましては、平成25年度は担い手や新規就農者などへの情報提供、また、山林化などの非農用地判断のために、活用をする基礎資料として市内の荒廃農地をデータ化をいたしました。荒廃農地を一括解消することは大変難しい課題でございますが、本年度より荒廃農地解消就農者支援金の交付を開始をいたしまして、市独自の取り組みとして、この解消対策を図ってきているところであります。 また、販売促進事業につきましては、武蔵野市の麦わら帽子に続き、第2店舗のアンテナショップということで、平成25年8月に東京都板橋区の大山商店街とれたて村へ入店の参加をいたしました。また、最近では、旧堀金村との民間交流が行われております千葉県の東金市においても、安曇野コーナーを設けていただきまして、安曇野の農水産物の販売に力を入れていただいているということで、効果を上げていただいております。 また、昨年度8月の売り上げ、これは大山商店街が約480万円、まだまだ少額でございますけれども、安曇野の知名度アップに効果があり、さらに売上額の増額を目標として売り込んでいきたいというように考えております。 また、6次産業化の推進でございます。現在の具体的な取り組みといたしましては、市の商工観光部と連携をした農産物の加工の検討を行っておりますほか、長野県松本地方事務所農政課のおいしい信州ふーど(風土)事業を通じまして、小玉で傷ありのリンゴの消費拡大を進めるためのパッケージ袋の作製を進めております。 いずれにいたしましても、市といたしましては、毎年計画の進捗状況の自己点検をしつつ、推進委員会の点検評価結果や御意見を尊重して、計画の継続的な改善を図り、安曇野の農業、田園風景を守っていきたいというように考えております。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) 今のお話でございますと、おおむね順調に進んでいるということですが、特に産地化の確立のためには、生産者はもとより、普及センターや農協、あるいは地域の高等学校などと連携を密にして取り組んでいただきたいと思います。 次に、産業として成り立つ、いわゆるお金になる農業をどのように進めていくのかについてお尋ねいたします。 ここ安曇野は、豊かな自然環境にめぐまれた山紫水明の地として親しまれ、訪れる人々の往来は盛んな地でございます。このことから、観光というものを大きな柱として、農業の中に観光的な要素も取り入れながら農家経営をどのようにしていくのか、そのような視点から考えていくことも必要ではないでしょうか。 そういう中で、どのようにお金になる農業をやっていくのか、そこが重要であろうと思いますが、何といっても基本は適地適作ではないかと思います。余り投資の過剰にならないような形で、しかもこの地域にあったいいものが、この気象条件でできるものを皆で知恵を出して探すことが大事ではないでしょうか。そのことが結果として産地化となり、市場評価にもつながるし、また、そういう形で市場が評価をするものをつくらなければ、農業としてお金にならないと思いますが。 また、現金収入(日銭)という面では、加工をどうやって結びつけながらお金にするか、ところどころに核となる直売所があってもよいと思いますし、それを重複しないように地域間の調整をするのは行政の仕事ではないでしょうか。 ただ、行政はこれでどうぞでなく、あくまでもどうですかという程度のアドバイスであって、やはり中心になってやるのはそこにかかわる人たちでなければだめですし、それには核になる人材が絶対に必要となります。これら産業として成り立つ農業の推進と今後の展望について、農林部長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 農林部長。 ◎農林部長(山田宰久) 産業として成り立つ農業をどのように進めていくのかという御質問でございます。 まず、観光的な要素を取り入れた農業経営につきましては、農業農村振興基本計画では、体験や観光を取り入れた農業経営の推進を項目に掲げまして、観光農園、リンゴの木のオーナー制度、農家民泊の増加に取り組んでおります。特に農家民泊につきましては、現在豊科の重柳地区で取り組まれており、昨年の実績では、武蔵野市セカンドスクールといたしまして約130名、その他の農業体験を含めますと、1,608名の人たちを受け入れをいたしました。体験につきましては、地元の重柳農村振興委員会が中心となり、ワサビ摘み体験や田植え体験などを実施をしております。 そのような農業体験を含んだ農家民泊が市内全域で実施できないかと、現在市観光交流促進課と連携をし、観光要素を取り入れた農業経営が実現できるよう協議を行っているところであります。今後まとまり次第、受け入れ希望農家を募集する説明会を実施し、対応をしていきたいというふうに考えております。 続いて、適地適作による農作物の産地化につきましては、現在市の振興作物として6品目を指定し、JAと連携を図りながら推進をしております。その中で、特にタマネギにつきましては、安曇野の気候や土壌条件を考慮して最も適切な品目であると思っております。タマネギは国民が好んで使う食材でも常時トップクラスにあり、特に国産のタマネギの需要が多くあることは農林水産省の統計からもわかる点でありますし、人の健康にもよい影響を与えることが広島大学等の研究論文でも公開されていることから、今後も安定した需要が見込まれるとされております。 さらに、昭和30年代にさかのぼりますが、当時の豊科町を中心に穂高町、三郷村でも多くのタマネギが生産され、JAあづみの主力野菜として、東京秋葉原にある神田青果市場へ旧国鉄の貨車輸送による流通をしておりました。しかし、時代の流れとともに、会社等への勤め人がふえ、生産力が減退していったことと伺っております。これらのことから、安定した需要があることと、安曇野のタマネギ産地として従来から取り組んできた経過があり、現在機械化などの技術開発が進む中で、社会情勢にあった形での生産普及ができればと考えております。 現在、市農業再生協議会の取り組みメニューの一つといたしまして、省力化を図るためのタマネギ機械化一貫体系に取り組んでいるところであります。今後の普及に期待を寄せているところでございます。 農産物加工における付加価値につきましては、現在の具体的な取り組みといたしまして、農商工等連携型産業推進協議会において、市内商工業と連携できる農産物加工について検討を行っております。そのほかには、市内菓子業者と連携を行い、米の消費拡大として米粉を使った菓子の商品開発へ取り組んでいるところでございます。 いずれにしましても、このような取り組みを実践していくためには、集落や地域の活動の中心となる地域のリーダー、議員がおっしゃいました核になる人材を育成していくことが重要であるというふうに捉えております。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) やはり機械化ができるものは産地化ができることにつながると思いますので、この地域にあった特産品を探すということがまず一番大事なことだと思います。また、ただいま部長さんのほうからも具体的な中身にもふれていただきましたが、ぜひその方向でお願いをしたいと思います。 次に、農業に魅力を感じ、農業で稼ごうという人たちの環境づくりについて伺います。 幸い安曇野には農業専門校としての高等学校が存在しています。今こそ、この若い人たちのアイデアも参考にするべきではないでしょうか。非農家であるこの学校の生徒が農業に魅力を感じ、卒業後農業を始め、成功している事例もお聞きしております。このように、新規に農業をやりたい人などには制度改革によって受け入れ態勢などの門戸を開き、技術指導をしながらその体制づくりを行っていく必要があるのではないでしょうか。特殊な私どものような農家を除いて、一般的に家内労働的な家族経営だけがやる農業は既に限界に近づいていると感じております。ある程度若くてこれから先の見える人たちが農業に魅力を感じて農業で稼ごうとする人たちに、このような環境を行政がつくってあげるべきではないでしょうか。これらについて、もう一度農林部長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 農林部長。 ◎農林部長(山田宰久) 農業に魅力を感じ、農業で稼ごうという人たちへの環境づくりということでございます。 安曇野の環境に魅力を感じ、定住を目的とする就農相談が増加傾向にありまして、今年度も既に15件ほどの相談を受けております。市長がお答えしましたとおり、昨年度も10人の新規就農者の確保が進み、若い農業者が少しずつ育っております。これからはこれらの農業者の経営が軌道に乗り、所得を上げていただけるようフォローアップに努めてまいります。 また、新規就農希望者への制度改革による門戸の開放でございますが、農地を借りたり取得する場合、以前はある程度まとまった面積の経営が条件とされ、農地の確保が難しい面もありましたが、現行の制度では、農地を借りる場合には少ない面積でも可能になっております。これを受けまして、市農業再生協議会の就農支援室が個々の希望に応えるよう、農地探しを行い、農地確保を実現をしております。 さらに、就農を支援する制度には里親研修制度がございます。新規就農者の育成に意欲があり、研修生の受け入れが可能で地域の信頼もある経験豊富な農業経営者が県の登録を受けまして、就農希望者に対し農作物の栽培管理技術指導を行う里親研修制度です。市内では12名が登録されておりまして、合併後、この制度を活用し就農した者は13人で、これら農家に直接雇用されていった者も含めれば、20人ほどの新規就農者が育っております。市内には公的な研修機関がないかわりにさまざまな部分における里親を確保し、この研修制度を充実させていきたいというふうに考えております。 また、JAあづみでは、夏秋イチゴの栽培技術を習得させて、将来独立自営就農させるシステムづくりを進めております。具体的には、JAの子会社であります有限会社あづみアグリサービスがイチゴ栽培ハウスを整備いたしまして、年間2人を雇用して研修させる計画です。市では、この研修に対しまして、今回の補正予算で計上いたしました国の緊急雇用創出事業を活用させる形で就農促進を図ってまいります。 以上です。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) 新規就農者の研修制度には特に力を入れていただきたい。 次に、産業として育っていくために、めり張りのある補助金システムの構築についてお伺いいたします。 現行の補助金システムは、経営規模などそれぞれに何らかの基準があろうかと思いますが、その基準をクリアさえすれば、経営がどうであろうが、皆同じ率で支給されているものと思われます。これをもっと細分化するべきではないでしょうか。つまり意欲がさらに大きくなるような補助金の使い方をしなければいけないし、本当にやる気のある農家がたくさん補助金がもらえて、経営にプラスになるような補助金システムをつくることが大事だと思います。 例えば、産地化にするための大胆な補助金制度などはどうでしょうか。そういうめり張りは絶対に必要だと思いますが、これらめり張りのある補助金システムの構築について、農林部長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 農林部長。 ◎農林部長(山田宰久) めり張りのある補助金システムの構築ということでございますが、農家の所得を確保するためには、経費の節減が課題であり、特に農業用機械や施設整備の補助が必要であるというふうに考えております。市では将来にわたり、農業を守ってもらう期待も込めまして、認定農業者の跡取りが家族経営に必要な機械等の取得に対し、平成25年度から補助率10分の3以内、上限100万円の補助金を交付させていただいております。また、集落営農組織が機械等の大型化、共同化を進めるためにも、平成24年度から同じく補助率10分の3以内、上限300万円の補助金を交付させていただいております。このように後継者がいて、農業をなりわいとする、あるいは集落ぐるみで農業、農村を守る農業経営体に絞った補助金交付制度を過去2年間で設けたところでございます。 また、経営所得安定対策による麦、大豆などの畑作物への交付金は、平成27年から対象者が全農家から認定農業者と集落営農に変わってまいります。このように国の施策は主食用米偏重から麦、大豆、飼料用米などの生産振興、意欲のある農業者への支援と変わってまいります。また、現在の制度におきましても、販売目的で生産する農家に対しましては、産地交付金により地域色を出せるようになっております。また、担い手を対象に、麦、大豆、ソバに対し、団地化加算などを交付しております。 今後、議員がおっしゃいますように、一層生産意欲の拡大、農産物の産地化を図っていくためには、国の農業施策とあわせまして、交付対象農家や産地化の可能な品目への絞り込みなど、選択と集中によりさらに農家のやる気につながる新たな支援制度の創設や改善を進めたいというふうに考えております。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) いずれにしても、やる気の出るような補助金システム、ぜひまた考えていただきたく、お願いいたします。 それでは、1問目を終わりまして、次に、学校教育活動全体を通じて行う道徳教育の実践についてお伺いいたします。 文部科学省の定める現行の小学校学習指導要領では、21世紀は知識基盤の社会の時代といわれ、変化の激しい社会を担う子供たちに確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する生きる力を育むことがますます重要視されております。また、生きる力とは、基礎基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようと、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、自主的に判断し行動し、よりよく問題を解決する資質や能力、みずから律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力など、これら学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の重要性が明記されております。 また、道徳教育は児童の発達段階を考慮して行うものであり、小学校段階においては、特に児童が基本的な生活習慣、社会生活上の決まりを身につけ、善悪を判断し、人間としてしてはならないことをしないようにすることなどを重視するとされております。 そこで、まず、子供たちの社会性を養うためについてお伺いいたします。 子供たちは成長に伴いまして、やがて保育園や幼稚園へ入園し、そこからまた小学校、中学校へと入学し、義務教育課程へと進んでいくわけでございますが、そこでは意図的につくられた集団、これは子供たちが決して自分の意図していないとは多分思われますが--に属し、ここからまず集団生活が始まっていくわけでございます。その場から教育活動全体を通して道徳教育もなされていくことになります。言いかえれば、社会性を養う実践的教育活動の実施が必要となりますが、この教育活動の中で、日常的に起こるトラブル、例えばけんかだとか、物隠しだとか、仲間外れとか等々でございますが、教師側の一方的な指導によって解決されていることが多いと受けとめられておりますが、これらのことを子供たちの心情をもとに、丁寧な解決が教育活動全体を通して行われているのでしょうか。 また、これらの課題とともに、どのような実践的な教育活動がなされているかについて、教育長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 子供たちの社会性を養う実践的な教育活動の実施についてお答え申し上げます。 子供が身につけていく社会性には、ルールや約束を守る、人が嫌がることはしない、人と協力するなどがありますが、その基盤となるものは、自分をコントロールして行動する力(自立性)、そういうものがあります。さらにそれを支えるのが待つとか、我慢することなどです。学校で行われている活動の全てが社会性を養う機会となりますが、例えば小学校1年生の給食の場合を想定しますと、待つこと、我慢することには、給食の身支度を整える、給食を取りに行くときは右側通行をしていく、みんなそろっていただきますをする、嫌いな物も残さず食べる、時間内で食べるというような場面があります。 学校では、この事柄を学級で全体指導し、実際に活動しながら個別指導を行ったり、再び全体指導を行ったりして、自分をコントロールする力(自立性)を経験的に養っていきます。そのときに大切となるのが自分の我慢や努力が人のためになっている、喜んでくれる人がいるという思いです。そのため、人のためになっていることや我慢することなど、努力することのよさを実感させ、定着させていく指導をしています。 子供の言葉で言うと、ブロッコリーがすごく嫌いで、食べるのが嫌だったけど、頑張って食べたよ、友だちや先生も頑張ったねと言ってくれたよ、私今度もブロッコリー頑張って食べるからねといったような例があります。しかし、そういったことがスムーズに行われないケースもあります。発達障害を抱える児童・生徒のケースなどがそれに当たります。代表的な発達障害には、相手のしゃべっている言葉は十分に聞こえているのですが、認知する力が発達していないために、微妙なニュアンスがわからず、コミュニケーションがうまくとれないで、気持ちが通じ合えないといった例があります。こういった子供たちには他の認知する力を使う学習やケースごとの行動を繰り返して身につける学習が必要となります。 次に、子供の心情をもとに丁寧な解決が教育活動全体を通じて行われているかという質問にお答えします。 人間関係のトラブルや問題行動などは、学校では日常的に起こります。その場合、児童・生徒の気持ちや思いを教師が十分に聞き、その心情を受けとめ、寄り添って、その子にあう指導や支援が行われ、解決に至ることがほとんどです。しかし、校務や授業準備、部活動、学級事務、特定の子供や保護者への対応で、児童・生徒に接することが少なくなり、十分に子どもの心情や行動をおもんばかることができにくい状況もふえてきています。こうなると、教師の思い込みがふえ、画一的な指導が行われるようになります。多くの場合は、適切に対応でき、解決に至っているのですが、年に3から4事例ほど、心の溝も埋められない深刻な事態も起こっています。多くがそのことに起因しております。 市教委では、子供の心にふれ、子供とともに過ごす時間をどう捻出するかを課題に、学校とともに時間外勤務などの縮減に取り組み、学校の改善を進めているところです。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) わかりました。 次に、子供たちの工夫や思いやりを養う、いわゆる利己的、排他的からの脱却のために、どのような取り組みがなされているかについてお伺いいたします。 時代の進展とともに、社会環境や生活環境が大きく変わり、生活物資が行き渡り、社会全体が安定し、家庭生活や学校生活が充実してきました。また、少子化に伴い、物質的に満たされた生活が行われるようにもなってまいりました。反面、物質の乱用、使い捨ての横行により、物を大切に使う、順番を待って使う、みんなで分け合って使うなど、社会生活に必要な物質の育成が損なわれているような感じがしてなりません。これらを家庭教育だけに求めることができにくい昨今でございます。学校教育の中で意図的に行う必要があると感じております。 一例を挙げますと、学用品の共用だとか、道具、教具の共用、給食の残菜等々でございますが、私はこの物質的な平等が、必ずしも人を育てることにつながらないとの思いの中から、このように満ち足りていない物質から工夫や思いやりを育成し、満ち足りた豊かな心を養うために、学校現場ではどのような取り組みがなされているのか、再度教育長にお願いいたします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) それでは、最初に、満ち足りていない物質から工夫や思いやりを育成し、満ち足りた豊かな心を養うという部分の解釈ですが、既にでき上がっている仕組みや教材でなく、素朴な事柄や素材をもとに試行錯誤しながら努力し、工夫や思いやる心を体験的に育んでいくという教育現場の取り組み、こういうふうに解釈してよろしいでしょうか。     (「はい」の声あり) ◎教育長(望月正勝) それでは、御指摘のとおり、諸活動を通して自己の力を尽くして体験的に学習していくことは、子供たちの成長の上で大変重要なことだと認識しております。安曇野市内の全小・中学校でも、その取り組みは行われています。地域に出かけて奉仕作業を行ったり、施設訪問をしながらそこに暮らす方々にあわせて奉仕内容を考え、実行したり、練習してきたことをもとにともに時を過ごし、心をつないでいく活動、地域の伝統的な行事や芸能、工芸品などについて長期にわたって学習し、発表場面をみずから設営したり、製作したものを地域に提供していくような活動などが工夫されています。 主としてこれは行事や特別活動、総合的な学習の時間で行われますが、堀金中の加工トマトの収穫活動を例に挙げて説明させていただきます。 堀金地域は、地域の企業との関係上、加工用トマトの生産が多い地域であります。しかし、収穫は夏場の暑い時期であり、広大な畑の作業は過酷でもあります。トマトは熟し、異臭を発するものもありますが、本年度の収穫ですが、1人当たりの収穫量は2ケースほどあり、やり遂げた充実感と地域に根差す農業の一端を体験的に学習した喜びが共有できたようです。作業しながら、互いに声をかけ合ったり、農業に従事することの思いにふれるよい体験活動ができていました。これが生徒会の行事として生徒の意思が生かされているというところにも意味を感じます。 地域には、多くの学習素材があります。その素材や地域の人々との出会いから生まれる児童・生徒の願いや思いをもとに学習は展開されていきます。毎年行われることであっても、以上のようなことがその年に取り組む児童・生徒の思いを大切にし、活動自体が形骸化、マンネリ化しないよう、各校で工夫しております。 以上です。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) 次に、安曇野市教育委員会として教員の資質を向上させるための具体的な取り組みについてお伺いいたします。 例えば子供の自立を促す、子供をみずから学ばせる、子供の社会性を養う、地域を愛する児童・生徒を育成する、こんなようなこと、これらについて教師の資質向上が求められているところでございますが、具体的な方策と取り組み状況について、再度教育長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) それでは、教員の資質向上のための具体的な取り組みについてお答えします。 御指摘いただいた子供の自立を促す、子供をみずから学ばせる、子供の社会性を養う、地域(安曇野市)を愛する児童・生徒を育成するという点について、教員の資質を向上させていくということは、現在各校の重要な課題であります。市内の学校では、子供が生き生きと学習し、活動しているよい実践例がたくさんあります。教育指導室では、安曇野市校長会や教育会とともに、各学校の研修に実践例の情報提供を行っております。また、児童・生徒の自立に関しては、発達段階の見きわめや学習経験の共有が不可欠であり、分野別の研究についても積極的に企画、実行してまいりました。 特に先ほども申し上げました発達障害を抱える児童・生徒の指導に関しては、発達障害とは何か、その特徴ある認識を生かす指導のあり方とはどうしたらよいか、保護者との協力の仕方など、専門家や市内の実践者を講師に研修する機会をふやしてまいりました。 子供がみずから学ぶということに関しては、学力向上や学習意欲にかかわる重要な事項であります。全ての学校で重点的に取り組んでいます。このことについては、各校における教育研究に側面的に援助するために、本年度から教育委員会では、教育指導員が月に一度以上学校を訪問し、教育研究の仕方、研修のあり方、教育評価のあり方、基礎基本的な学力の向上などについて、校長、教頭、担当係と各校の取り組みをめぐって意見交換をしたり、助言をする場を設けたり、指導員みずから研修の講師となって取り組んできております。 安曇野市出身の教員充足率は約170%であります。県下でも最も高い部類に入っております。地域を愛する児童・生徒を育成するためには、教員が地域をよく知り、その魅力や特色について熟知することが不可欠です。また、安曇野市に赴任する初任者については、地域めぐりや特色ある分野に詳しい教師に講師となっていただいて、地域研修を行ってもいます。本年度事業名を変更したスクールサポート事業により、地域の方々が学校にかかわっていただくことが多くなり、教員と地域の方々との人間関係が次第に築かれています。研修会や演習などとは別の次元で、地域理解に関する教員の資質向上に寄与していると考えています。さらに、こうした機会が生かされ、教師間の自己研さんがより充実できるように条件整備を進めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) 最後でございますが、私は教育者とは文化遺産の伝承者であるとの思いの中から、先生方、思いを持って人が人を育てるという気概を持って指導していただきたい、これは激励でございますが。また、父兄から要望や指摘を言われると、とかく言われるがままになりがちであると聞きますが、むしろこのことをチャンスと捉えていただきたい。言うならば、先生方全体がもっともっとダイナミックになってほしいとの思いでございますが、その辺について再度教育長にお伺いいたします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) このごろ教師が内向きになっているとか、どうも先生たち外にも出て来ないし、余り元気じゃないなというようなことをよく聞きますけれども、今、議員から非常に激励をいただきました。現場へ帰って、ぜひその熱い思いを伝えたいし、教師もまたダイナミックな気持ちで教師として教壇に立ち、子供たちを元気にしていってほしいと、そんな思いでぜひ進めていきたいと思います。またよろしくお願いいたします。 ○議長(宮下明博) 山田議員。 ◆12番(山田幸与) つながりをもたなければ生きていけないというような田舎の面倒くささのよさがやや欠けまして、地域や家族が孤立してきている今日でありますが、道徳教育は学校や家庭のみならず、地域も一緒になってやっていくという必要があることを肝に銘じながら、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(宮下明博) ここで暫時休憩といたします。 再開時間は午後3時5分からといたします。                              (午後2時46分)--------------------------------------- ○議長(宮下明博) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。                              (午後3時05分)--------------------------------------- △中村今朝子 ○議長(宮下明博) それでは、11番、中村今朝子議員、持ち時間は質問、答弁を含めて40分以内といたします。 中村議員。     (11番 中村今朝子 登壇) ◆11番(中村今朝子) 11番、中村今朝子でございます。通告に従いまして、一般質問を行います。 本日は、初めに、子供たちの読書運動について幾つか質問と提案をさせていただきます。 近年、活字離れが指摘される中、市民の方々に読書に親しんでもらう取り組み、中でも子供たちに本を読む大切さや楽しさを教えていくことは、豊かな心や想像力を伸ばしていく上でも非常に大切だと思います。 文部科学省の子供の読書活動推進ホームページでは、読書を子供が言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものと位置づけています。しかし、残念なことに、社団法人全国学校図書館協議会が実施した第57回読書調査によると、平成23年における1カ月の平均読書冊数は、小学生、中学生、高校生がそれぞれ9.9冊、3.7冊、1.8冊という結果で、中学生以降読書量は急激に低下しております。理由としては、勉強や部活動等により読書時間の確保が難しかったり、読みたい本がないとのことです。文科省が事業委託した日本総合研究所が国内における実証的調査研究の報告書の中では、本を読まない理由として、読みたい本がないが挙げられているが、読みたい本がないのではなく、生徒がさまざまな本にふれ、関心を持つ機会が不足していると考察しています。子供たちが本を読みたいと思うような取り組みが重要であると思います。 安曇野市内の小・中学校でも授業開始前に好きな本を読む朝の10分間読書運動に取り組んだり、赤ちゃんと保護者に絵本を贈るブックスタート事業に取り組んでおられます。この後、その状況も質問をさせていただきますが、その前に、市長にお伺いをいたします。 子供たちの成長にとって本に親しむことは非常に大切なことだと思いますが、子供たちの読書推進運動について、市長の御見解をお聞かせください。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) 中村議員にお答えをいたします。 次世代を担う子供たちの読書の機会を提供することは、行政としても大切な役割だというように認識をいたしております。方策といたしましては、本を読む環境の整備、そして、ソフト面での支援が必要だというように考えております。環境整備の面におきましては、市内5地域に図書館を整備する計画がありまして、既に穂高の中央図書館、そして、分館図書館としては豊科図書館、明科図書館は既に整備がなされております。御承知のとおり、三郷と堀金地域は、新図書館整備に向けまして現在取り組んでいるところであります。 安曇野市には5つの公共図書館と小・中学校に学校図書館がありまして、それぞれの年代に対応した活動を行っているところであります。現状は公共図書館と学校図書館がそれぞれ独自の取り組みを行ってきておりました。そこで、平成25年度からお互いの図書館の連携を図るために、図書館司書を対象とした読み聞かせ研修会を合同で開催をしたり、また、公共図書館長が小・中学校を訪問をいたしまして、公共図書館の利用者登録を呼びかけるなどの取り組みを実施をしてまいりました。 さらに、今年度におきましては、経験豊かな専門のコンサルタントに委託をしまして、公共図書館と学校図書館の連携について、提案をいただくようにお願いをしております。アドバイスをもとにしまして、各年代に合った読書活動について、市内の図書館が一体となって次世代を担う子供たちに読書活動を推進をしてまいりたいというように考えております。 以上であります。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。 次に、学校の図書館について、教育部長にお伺いをしたいと思います。 市内の小・中学校の児童・生徒の皆さんは、どのくらい本を読んでいるのか。また、私の知り合いも保育園、幼稚園、小・中学校に読み聞かせボランティア活動に参加していると伺いました。読書運動に対してさまざまな取り組みをされているようですが、その状況や子供たちの様子についてお聞かせください。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) それでは、平成25年度の数字でございますが、学校図書館、年間の貸出数でございます。小学校10校、計48万4,010冊、年間1人当たり88冊ほどになってございます。また、中学校7校では9万6,352冊、年間1人当たり約33冊と、こんな状況でございます。市内小・中学校の平均で、年間では1人当たり約69冊くらいというふうな状況でございますが、先ほど中村議員さんのほうから、平成23年度の数値ということでございますが、全国の1カ月の小学生の平均、また、中学生の平均と比較しますと、小学生で7.35冊、中学生で2.73冊ということで、年度は違いますけれども、全国平均をちょっと下回っていると、こんなような状況がございます。 小・中学校では全ての小・中学校で、毎日ではございませんけれども、朝の時間等を中心に10分から20分間の一斉読書の時間を設けているような状況でございます。それらも含めて、学校支援のスクールサポートの事業の中で、小学校では8校、中学校では3校に延べ157日のいろいろな読書支援のサポートを受けているという状況でございます。朝読書を初め、週1回学級に入って読書をしていただいたり、また、春と秋の読書旬間等に読書の支援をしていただいていると、こんなような状況もございます。 全国平均に比べますと、小・中学生ともちょっと下回っているような状況でございますが、市内のある小学校では、1学期で140冊を読んだ子もいらっしゃるというふうにもお聞きをしております。子供たち、やはり読み聞かせの時間で紹介された本や新しい蔵書があると必ず図書館に立ち寄っていただいていると。継続的な読書時間の取り組みが子供たちが読書に関心を持つ機会の拡大につながるというふうに感じておりますので、さらにこの読書活動を深めてまいりたいというように考えております。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 今さまざまな取り組みをされている御答弁をいただきました。 次に、市内の図書館についてお伺いをしたいと思います。 平成21年9月に出されました安曇野市図書館基本計画にありますように、市内の図書館は、あらゆる年代の人々が自由に訪れ、学び、交流、集いの場としていろいろな取り組みをしていらっしゃいます。乳幼児以上の子供たちを対象にした読み聞かせ、お話の会ほか、さまざまな取り組みをしていらっしゃいます。また、図書館ボランティアをしている友人は、小学生など子供たちの学校がお休みの土曜日に読み聞かせの会があっても、低年齢化してきて子供たちが来なくなったというような声も伺いました。 そこで、教育部長にまたお伺いいたします。 図書館基本計画の中には、平成20年度の年代別の利用者では三、四十代の女性の利用が多く、10歳代後半から20歳代前半の利用が少ないとか、平成20年4月現在の市民1人当たりの貸出件数は3.6とありますが、最近の利用状況を教えていただきたいと思います。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) それでは、最近の利用状況でございます。 図書館基本計画に対しての実績でございますけれども、やはり利用の状況、この辺は平成20年度と余り変化がございません。三、四十代の女性の方の図書館利用が多くて、10歳代後半から20歳代前半の利用が少ないと、この辺余り変わっていない状況でございます。1人当たりの貸出点数、これは平成20年度は3.6冊というようなことでございましたが、平成25年度については、7.8冊ということで、倍以上になってございます。これは登録者数で申し上げますと、平成20年度は1万8,453人から3万4,377人と大きく増加をしているというような状況でございます。 今の貸出点数でございますが、平成20年度では、19市中18番目でございました。平成25年度の7.8冊につきましては、塩尻市に次いで19市で2位という状況になってきているところでございます。この数値7.8冊につきましては、平成29年度の計画5.6というのをもう既に上回っているというような状況でございまして、総合計画の中で、これらも踏まえて、平成29年度の目標の年間の利用者数28万人というような数字を掲げてあったわけでございますが、これらの利用者数は38万人余りにもう既になっているというようなことで、平成29年度の目標を44万人に上方修正をしたと、こんなような状況でございます。 以上です。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。目標に対してうれしい伸び率を伺いまして、うれしいなと思います。 また、近年活字離れが指摘される中で、市民に読書に親しんでもらう取り組みの一つとして、先ほどの日本総合研究所の実証的調査研究における取り組みの事項の一つにも挙げられている読書通帳の導入の提案をここでさせていただきたいと思います。この取り組みは、既存の図書館システムを活用しながら、借りた本の履歴を目に見える形で残すものです。これによって子供を中心に市民への読書への意欲を高める効果が期待されています。 このような中、富山県立山町では、昨年9月に町立立山図書館に読書通帳システムを導入しました。自動貸出機で借りた本のデータが併設された読書通帳機に送られ、通帳を入れると借りた本のタイトル、著者名、貸出日が記帳される仕組みとなっています。通帳は町内の小・中学生には無料で贈呈し、その他の利用者には1冊200円で販売をしています。通帳は地元銀行と共同で作成したもので、本物の預金通帳と同じ様式だそうです。平成26年1月末現在、小学生600名、大人約100名が利用しているそうです。感想も手書きで記入できるようになっており、読書履歴を残すことは子供たちの一生の宝になる、今までのような借りっぱなし、読みっぱなしではなく、データとして蓄積されることは、子供たちにとって有意義なものになると指摘しています。 また、取り組みの特徴として、行政と学校が一体となって進めたことが挙げられています。小・中学校の教員に読書通帳の取り組みを理解していただき、読書通帳を利用して読書に挑戦する生徒を先生が励ましたり、感想を聞いたり、ほかの本を紹介するなどの具体的なアドバイスをすることもでき、それによって子供の読書の視野が広がっていく可能性があり、より一層の読書意欲をかき立てることになり、より高い効果が期待できるとしています。 また、立山町の場合、取り組みに賛同してもらった地元銀行に通帳製作費を負担してもらったり、地元団体からの寄附を活用し、読書通帳機を購入するなど、地元の理解と協力を得て取り組んでいることも大きな特徴です。 県下では、佐久市立図書館でも本年7月12日よりスタートいたしました。当日は通帳を手にすることを楽しみに、多くの親子や小学生の姿が見られたそうで、開始後8日目には、既に600人を超える方々が通帳を手にされたそうです。篠原館長は、子供のときに読んだ本は大人になっても生きる、通帳があれば後になってもどんな本を読んだのか思い返すことができ、励みにもなるとおっしゃっています。 また、読書通帳の大きな効果として、文科省が事業委託しているICT情報通信技術を活用した読書通帳による読書大好き日本一推進事業の実践報告書に、調査対象の中学校で導入をしたところ、学校図書館への来館者が約3倍にふえたという記載もありました。 また教育部長にお伺いいたします。 このような取り組み、子供たちの読書意欲の向上につながると思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) 大変前向きな御提案をいただいて、ありがとうございます。 この提案をいただきまして、ちょっと私どものほうでも全国の状況を調べさせていただきました。いずれにしましても、読書通帳の提案というのは、子供たちの読書への意欲を高めるとともに、学校図書館、公共図書館の利用促進と両面があるかなというふうに考えているところでございます。 公立図書館では、今全国で約30ほどの図書館でこの読書通帳というのを導入をしているということでございます。ただ、いろいろな方式がございまして、自分で記入をしたりとか、また、借りた記録をシールにして印刷して、それを張りつけるというようなシステム、また、機械で印字ということで、佐久市で導入したのも含めまして、読書通帳の機械による印字は全国で現在9の公立図書館というふうな状況で、佐久市は8番目だというふうにお聞きをしているところでございます。 先ほど中村議員もおっしゃいましたけれども、県内では佐久市が機械による読書通帳のシステムを導入をしたということでございます。また、松本市でも一部の図書館で、自分で記入をしていただくというような形での読書通帳のことを始めたというふうにお聞きをしております。導入から、佐久市の場合は本当に2カ月くらいの中でかなりの利用者登録、3万8,000人の利用者登録に対しまして、約1,700人くらいに読書通帳の交付をしたというふうにお聞きをしております。特に効果としては、小学生の新規登録者が増加をしたというふうに聞いております。 ただ、佐久市の場合は、システムを新たに追加をするということで、約1,000万円ほどの費用がかかったというふうに聞いているところでございます。富山県の場合には、そういう費用に対して支援をいただいたりというようなこともあったわけでございますが、ちょっと費用的な面が課題かなというふうに感じているところでございます。 安曇野市の図書館におきましても、一部の利用者から、読んだ図書の履歴を知りたいという要望はいただいているところでございます。いろいろちょっと費用的な課題もございますので、三郷と堀金の図書館の整備、これらが済んだところで、これらの課題についても導入がどうなのか、研究をしてまいりたいと思いますが、松本方式とか、また違う自分で記入するというのはそんなに費用がかかりませんので、これらについては少し他の自治体の例も参考にして、研究をさせていただければなというふうには思います。 また、先ほど市長、答弁申し上げましたように、今年度専門のコンサルにお願いをしまして、図書館全体のいろいろな今後の方向の中の一つとして、公共図書館と学校図書館の連携をどう図っていくかと、こういうことも提案をいただくようになってございますので、その中で子供たちの読書意欲をさらに高められるような方策を検討してまいりたいと思います。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) ぜひ前向きにまたよろしくお願いいたします。 また、引き続きまして、ブックスタート事業について、教育部長にお伺いいたします。 ブックスタート事業は、合併前に旧豊科町、旧穂高町が実施していたものを合併後、市全体で取り組んでいる事業です。全ての赤ちゃんに絵本を介した心温まるひとときをもってもらえるようにとの思いは、大切に引き継がれてきました。図書館基本計画の重点的な取り組みの一つにも位置づけられていると思います。4カ月健診のときにブックスタートを行っていただいていますが、最近の様子を教えてください。 ○議長(宮下明博) 教育部長。
    ◎教育部長(北條英明) それでは、ブックスタートの関係でございますけれども、ブックスタート、絵本を読むのではなくて、赤ちゃんと絵本を開く楽しいひとときを分かち合う、そのきっかけづくりということで実施をさせていただいてございます。 保健センターで実施をされる4カ月健診時に、図書館の司書が選択した2種類の絵本を用意しまして、お母さん方に見ていただいて、希望する1冊をプレゼントをさせていただいている状況でございます。平成25年度につきましては、646人のお母さんに絵本をプレゼントさせていただきました。また、健診に来られない方につきましては、保健センター等と連携をいたしまして、保健師が家庭を訪問して、ほぼ対象者全員に手渡しをしていると、こんな状況でございます。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。 ここで、私はもう一つ提案をさせていただきたいと思います。ブックスタートをして、お母さんなどから読んでもらっていた本、少しずつ自分で読めるようになります。保育園、幼稚園に通うころには、自分で本を読んだり、本を読んでもらうことがとても楽しい時期ではないでしょうか。 そこで、小学校に入学するときに、子供たちが自分で読む本のプレゼント、セカンドブック事業の取り組みはいかがでしょうか。 埼玉県行田市では、平成24年度から小学1年生に本を1冊贈り、子供たち自身で本に出会い、親しみ、本を読んでみたいという読書習慣が身につくようにと、厳選図書20冊、セカンドブックリスト20の中からマイブック1冊を贈呈しているそうです。子供たちの読書意欲の向上、小学校での図書館利用への推進にもつながっていくと思いますが、教育部長、その点いかがでしょうか。 ○議長(宮下明博) 教育部長。 ◎教育部長(北條英明) セカンドブックスタートというようなことの提案でございますが、これをやるとすれば、初めての取り組みになりますので、今の行田市さんを含めて、少しほかの自治体の状況等もお聞きをしてまいりたいと思います。 以前は、小学校に入学時に、例えば苗木をプレゼントすればいいかというような御提案もたしかあったというふうにもお聞きをしておりますし、小学校1年のときに何か記憶に残ったり、またはこういうブックスタートも含めて、少し研究が必要ではないかなというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、先ほどの読書通帳、また、ブックスタートも含めて、大変前向きな提案をいただきましたので、お金は余りかけずに、うまく何か読書意欲が高められるような方策がないか、少し研究をしてまいりたいと思います。 以上です。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。 本当にお金をかけずに、子供たちが読書に親しめるといういい方法があればいいなというふうに思います。子供たちにとって本を読むことは、学校現場ではいじめの減少や学力向上などの高い教育効果が上がってくるとも思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 では、続きまして、2枚目のケアラー支援についての質問をさせていただきたいと思います。 介護する人イコールケアラーと呼びます。この言葉を私は最近知りました。今回この質問をさせていただく理由として、私事ですが、近くに住む83歳になった私の両親の介護を通して感じたことがありました。それは、ふだん介護認定を受けている父の様子を見ていてくれた母が入院して1カ月家をあけました。このことは、父の介護の面で大変なことでした。なるべく気楽に自宅にいさせてあげたいとの思いと、食事の世話、デイサービスの送りや迎え、家族の仕事の段取り等々、クリアしなければならないことがたくさんあり、ケアマネジャーさんに相談しながら何とか1カ月乗り切ることができました。このときに思ったことは、私の場合、いろいろ相談できる家族がいました。もし相談できる家族がいなくてひとりで介護をしていたら、精神的にも肉体的にも大変だろうなと思いました。時々テレビのニュースで、老老介護とか、介護の疲れがと出てくるような内容が少しだけわかる機会でもありました。 また、知り合いに病気の子供さんの世話をしているお母さん自身が精神的ストレスなどから病気になってしまった方もいらっしゃいます。介護される方は病院やケアマネジャーさんと相談しながら介護を進めていきますが、介護をする側のいろいろな段取りや精神的ストレスなど、話を聞いてくれる、悩みを受け入れてくれるところはあるのだろうかと思い、いろいろ調べていったら、ケアラーという言葉に行き着きました。 日本ケアラー連盟において、ケアラーとは身体的、あるいは精神的な疾患や障害、ないしは高齢に由来する諸問題を抱える家族、親戚、友人、隣人に対し、同居、別居を問わず常時、または随時、職業、ケアワーカーとしてではなく、無報酬で介護をする人と定義づけています。病気の家族の看病をしたり、いつも気にかけたり、お年寄りや障害のある家族の世話をしたり、介護をしたり、引きこもりや不登校の家族の世話をする、障害を持つ子供を育てている、近所のお年寄りの世話をしたり、買い物の手伝いや病院に連れて行く等々、多様なケア役割を担っています。 また、ケアラーの中でも、18歳未満の子供や若者が家族のケアや精神的なサポートをしている場合、ヤングケアラーというそうです。友人にも障害の子供さんを育てている方がいらっしゃいます。その子の兄弟もとてもよく面倒を見ています。よく頑張っているなと思うとともに、その子の精神的ストレスなど大丈夫かなと心配になります。学校の先生が、そのあたりも理解してくれて、ケアしてくれていたらいいなとも思います。地域包括ケアシステムの構築が大きな課題となっているとき、介護をされる側だけではなく、介護をする側の支援体制も重要と思います。安曇野市としても介護をする側の支援策として幾つか取り組みをしていらっしゃいます。 そこで、保健医療部長と福祉部長にお伺いします。 当市においての介護をする側に対する支援などの状況を教えてください。 ○議長(宮下明博) 保健医療部長。 ◎保健医療部長(宮下直子) お答えいたします。 保健医療部の取り組みとしまして、高齢者の皆さんの困り事、高齢者や介護認定者を介護されている方の相談窓口として、3カ所の地域包括支援センターを設置しております。介護者の皆様の悩みや思いをお聞きし、一緒に解決策を考えております。中には年齢の若い方もおりますので、その方の状況に応じた支援を行っております。 介護者を支援するサービスとしては、介護保険サービスのレスパイトケアとしての利用、これは家族が介護を休んでもらうために実施する方策ですが、デイサービスやショートステイ等の利用や在宅で高齢者を介護している家族などの介護疲れや不安を和らげることを目的とした家族介護者の交流事業等を実施しております。 また、介護者の経済面への支援として、介護用品購入助成事業を行っております。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、福祉部において実施をしております介護者への支援事業でございます。 1つ目といたしましては、要介護3以上に認定された高齢者、この方を180日以上在宅で介護している家族に対して、日ごろの介護をねぎらうことを目的といたしまして、年額5万円の介護慰労金を支給しております。平成25年度では702人、3,510万円でございました。 このほかにも、介護者のために介護に役立つ講演会、これを毎年実施しております。これまでに介護職、認知症に対する理解、マッサージ方法、体の負担にならない介護方法などをテーマといたしまして、それぞれの分野の専門家を招いて実施をしているところでございます。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。 今さまざまな取り組みをされているということですけれども、ケアラーはケアをすることで生活に制約を受けています。身体的精神的、さらに経済的にも負担がのしかかっています。ケアによって仕事をやめざるを得なかったり、社会とのかかわりが減り、社会的心理的孤立を深めている方もいらっしゃると思います。 そこで、保健医療部長にお伺いいたします。 ぜひケアラー、また、ヤングケアラーの量的な調査やケアラーの方々が求めていることの調査、ケアラーの相談に乗ったり、ケアラーのライフプランを一緒に立てたり、抱える問題解決に一緒になって考えてくれる、このことはあちらへとか、そのことはこちらへではなく、まずは一つの窓口で受けとめてくれるところ、ケアラー支援センターのような機能を要望させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(宮下明博) 保健医療部長。 ◎保健医療部長(宮下直子) お答えいたします。 ケアラーは介護、看病、療育、世話、心や身体に不調のある家族への気遣いなどの無償のケアに当たる人を指すため、その範囲は非常に広く、現在市ではその方の状況に応じて、多くの部署が相談、支援に当たっております。ケアラーの対象者が多岐にわたるため、その支援もより広く、また、専門的な支援が求められます。そこで、今後も市のどの部署で最初の相談をお受けしたとしても対応できる部署につなげられるよう、横の連携を深めてまいります。そして、このケアラーにつきましては、まだ新しい捉え方ですので、今後実態等を含めまして、研究してまいりたいと思います。 ○議長(宮下明博) 中村議員。 ◆11番(中村今朝子) 御答弁いただきました。 ケアをする側もされる側もともに尊厳や健康を守り、無理なく介護を続けることができる環境をつくっていくことが大切だと思います。ぜひとも前向きな検討をよろしくお願いをいたします。 以上で一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。--------------------------------------- △猪狩久美子 ○議長(宮下明博) それでは、16番、猪狩久美子議員、持ち時間は質問、答弁を含めて40分以内といたします。 猪狩議員。     (16番 猪狩久美子 登壇) ◆16番(猪狩久美子) 16番、猪狩久美子です。通告に従いまして、一般質問を行います。 まず最初に、安曇野市在住の安曇養護学校児童・生徒の通学負担軽減についてです。 安曇養護学校では、全校生徒188名のうち、安曇野市からは109名という約58%に当たる児童・生徒が通っています。開設当初は約90人規模だったものが2倍以上になっており、プレハブ校舎を2棟建ててしのいでいる状況です。しかし、体育館やプール、音楽室、職員室などは従来のままです。そのため、運動会、音楽会、そして、文化祭や入学式、卒業式などの行事に大変支障を来しています。 スクールバスを利用している児童・生徒の98人中64人は安曇野市の児童・生徒です。片道1時間以上かけてのバス通学は、障害を持っている児童・生徒にとっては大変大きな負担になっています。また、4コースあるうちの2コースは介助員として先生方が2人1組交代で乗っています。 また、仕事を持つ保護者にとっては、放課後、あるいは長期休みの子供たちの居場所についても大変悩むところとなっています。地域にある小・中学校や高校とは随分違う環境に置かれているというのが現状です。 今短くまとめた言葉だけでは状況が十分伝わりませんけれども、こうした安曇養護学校の現状をどのように認識されているのでしょうか、市長にお聞きします。 ○議長(宮下明博) 市長。     (市長 宮澤宗弘 登壇) ◎市長(宮澤宗弘) この問題につきましては、たびたび市議会においても取り上げられてきた課題でございますし、私自身も県議時代に取り上げさせていただいた課題でございます。とにかくもう敷地がいっぱいで、拡張の余地がないというような実態も十分理解をいたしております。そんな中で、知的障害の特別支援学校、児童・生徒が増加傾向にあります。安曇養護学校は松本養護学校とともに、中信地区のみならず長野県全体の問題であるというふうに捉えております。 ことし4月に、県においては、特別支援教室の充実や特別支援学校及び特別支援教育にかかわる現状と課題を把握するために、長野県特別支援教育連携協議会が設置をされました。特に中信地区の特別支援学校におきましては、喫緊の課題であります過大化、過密化の解消、多様な教育的ニーズへの対応など、今後のあり方について協議をされていくというように聞いております。 昭和63年に開設をされましたこの安曇養護学校の児童・生徒数、平成23年に開設をされた南安曇農業高等学校の分教室に通学している方21名を含めますと、今年度は188名ということになっておりまして、養護学校本校への通学者は167人ということで、平成13年度の114人と比較をすると1.65倍ということになってきております。 議員御指摘のとおり、養護学校への通学者167人のうち、安曇野市からは101人と、全体の約6割を占めている状況であります。児童・生徒数の増加に伴いまして、プレイルームを教室に転用したり、生活訓練室を作業室に転用するなど、当初想定をしていた施設の運用が非常に困難な状況にあるということは承知をいたしておりますし、学習環境にも支障を来しているということは、承知をいたしております。 この整備につきましては、以前から地元の県議会議員との懇談会、あるいは長野県市長会等を通じて要望をしているところでございますし、私自身も直接県に出向き、強く要望をしてきたところでございます。 この養護学校、県立の特別支援学校でありますので、市といたしましては、まず県が責任を持っていただくということであります。県の特別支援教育連携協議会でこの検討がされているということでありますので、どのような検討結果が出るのか、十分に注視をしていきたいというように考えております。 地域での居場所づくり、また、地域に戻ってからの居場所につきましては、安曇養護学校の教育方針の一つであります、人とのつながりの中で希望を持って生きる子供によって、気力体力の充実が図られ、福祉施設への就労や一般就労に向けて実践力を養っていただけるものであるというように考えております。 昨年度高等部を卒業をされた安曇野市在住の19人の子供さんたちのうち、一般就労をされた方が5名、そして、福祉施設就労支援事業所などに就労された方が14名ということになっております。市といたしましては、障害者総合支援法に基づきまして、在学中から卒業後の自立支援に向けて、学校と連携を図りながら、その生徒にあった就労支援事業所などの情報提供をしながら、本人、また家族の皆さんとともに利用する事業所の決定をしているということでございます。 いずれにいたしましても、しっかり県のほうに、実情を十分理解はしていると思いますけれども、重ねて要望をし、この過密化の解消、教育条件の整備に向けて取り組んでまいりたいというように思っております。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 今、市長にお答えしていただきました。 安曇養護の状況については市長も十分御承知の上で、いろいろ支援についての検討もされているということですし、また、就労支援についても、心を砕いてくださっているということがよくわかりました。 これは安曇養護ということですので、県の管轄ということになりますけれども、やはり安曇野市の子供たちがそこに通っているということですので、その辺も十分考えていただきたいなと思っています。 現在、課題は本当にたくさんあって、解決していかなければならない問題はあるわけですけれども、今強く要望されている内容の一つに、バス通学をしている子供たちに対して支援をしてほしいということが出されております。 先ほども言いましたけれども、バス通学をしている98人のうち64人、65%に当たる児童・生徒は安曇野市から通っています。バス1台と介助員の支援を強く要望しているわけですけれども、1時間以上も通学を強いられている、普通の子供さんでも大変だと思うんですけれども、障害を持ったお子さんたちが毎日こういう状況の中で通学を強いられているわけです。そういった状況ですので、市としてバスを1台、介助員もあわせて支援をしていただきたいということは考えられないでしょうか。 これについては教育長にお答えしていただけますか、お願いいたします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 安曇養護学校に安曇野市から通学している児童・生徒につきましては、市長答弁にもありましたとおり、全体の約6割ということで、たくさん占めているわけですが、通学範囲の広いということも存じ上げております。片道で1時間以上を要する場合があると承知しております。 議員御質問の市が通学バスを支援することにつきましては、これもまた、安曇養護学校は県立ということでありますので、教育委員会といたしましても、市長部局とともに通学を含めた学習環境の改善を県に強く要望するということで考えていきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) お答えいただきました。 市長もおっしゃっていました、教育長も県立ということで、市の支援ということにはちょっと壁があるということだと思います。そういったことですけれども、安曇野市で小・中学校の入学時に就学指導委員会において保護者の希望を聞いて、安曇養護学校に通うことが適切だろうと判断された児童・生徒が通っているわけです。通っている子供たちは、卒業すればいずれ安曇野市に戻ってくるということになります。普通学校に通っている児童・生徒と同じここの安曇野市の子供たちです。できればの話ですけれども、須坂市立支援学校のように、地域の支援学校としてできればというふうに希望的に考えているわけですけれども、現在の安曇野市から109名ということですので、学校が1校できてもおかしくない人数だなと、今現在の人数で言えばそんなふうに思っております。 通学バス運行の概算経費を担当課から出していただきました。それでやるということではないんですけれどもという前置きで出してくださったんですけれども、運行費用だけでも年間約800万円という金額です。市内の小学校でもスクールバスというのを運行していると思います。それと同じように考えられないかということを思っております。 地域にある小・中学校の特別支援学級も今ふえておりまして、教員の加配も含め、手厚くしているという担当課ではそういった説明がされます。であるならば、県と市の垣根を越えて、同じ安曇野市の子供たちのために、通学バスと介助員を配置してほしいという要望に応えていただきたいと思っておりますが、県の所管という、言ってもそういうお答えしか返ってこないとは思いますけれども、もう一度お願いしたいと思いますが、教育長、お願いします。 ○議長(宮下明博) 教育長。 ◎教育長(望月正勝) 私も県の特別支援学校の実情については、かなり情報を持っているわけですけれども、県下全体が今そういった課題を抱えているわけです。それで、私たちがその突破口を開けというようなそういう力が今あって、やっていければ非常にいいわけですけれども、先ほど市長のお話にありましたし、私どもも教育委員会でも本当にみんなでもって話し合ったわけですけれども、非常に難しい課題でありまして、まず、県の動きを見守って、県のほうへこれからも強く働きかけていくということで、推移を見守りたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) それでは、次の質問に移りたいと思います。 子ども・子育て新制度についてです。 安曇野市では、2015年4月から始まる子ども・子育て新制度に向けて準備が今進められております。新しい制度になるわけですけれども、今の制度の中で、市としては何が課題となっているのか。また、それは新制度の中で変わっていくもの、充実したものになるのかということについて伺いたいと思います。 先ほども同僚議員のほうから関連した質問がされたと思いますけれども、短くお答えしていただければと思います。 福祉部長、お願いいたします。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、子ども・子育て支援新制度について御説明をいたします。 この制度につきましては、先ほども申し上げましたけれども、子ども・子育て関連三法の成立によりまして、来年4月から本格施行となるものでございます。基本的に消費税の引き上げによって確保されました財源をもとにいたしまして、地域の子ども・子育て支援の質、量ともに充実を図るものでございます。 なお、制度の実施に当たりましては、市町村が地方版子ども・子育て会議を設立をいたしまして、この意見を聞きながら支援事業計画を策定して実施するということになっております。 細かい内容は省きますけれども、これに移行する段階での課題ということでございます。御承知のように、保育が必要な子供、教育のみが必要な子供、それぞれ区分が1号認定、2号認定、3号認定と3段階に区分をされます。この中で今現在保育園に通っております私的契約児、いわゆる1号認定の対象者でございますが、この方の行く場所が非常に限られていると、つまり幼稚園という部分で限られているということが課題でございます。このために、先ほどの御質問でも申し上げましたが、認定こども園化に向けて取り組んでいくということでございます。 原則として保育の必要のある子供を保育するというのが保育所であり、就学前教育を行うというのが幼稚園でございますが、これらをあわせて、一つの就学前の子供たちに対するサービスを提供していくということで考えております。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) お答えいただきました。 現在子ども・子育て会議で検討されていると思うんですけれども、条例案などについての内容をお聞きしたいと思います。 利用者負担なんですけれども、スケジュールを見ますと、来年3月の確定となっています。やはり保護者の関心の高い内容だと思っております。利用者負担が決まっていない中、10月に説明がされるということですけれども、どんな説明をされるのでしょうか。混乱が起きないようにしていただきたいと思います。 2015年からすぐにこの利用料になるというわけではないと思いますけれども、そのことについてお聞きしたいと思いますし、また、現在書籍とか、卒業アルバムなどについては、保護者同意の上で実費徴収としているものもあるかと思います。国は上乗せ徴収とか、実費徴収というのを徴収基準としてもいいというふうに言っていますけれども、なるべく現在の保育料の水準を保って、負担増とならないようにしてほしいと思いますが、その点についてもお伺いします。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、利用料の関係でお答えをしたいと思います。 利用者負担の設定につきましては、新制度移行後の試算を現在進めております。新制度は子ども・子育て支援の質、量の充実を図るものでございます。算定の方法は所得税ベースを基本としてつくられておりますその負担表でございますが、これが市町村民税ベースに変更されます。つまり形は変わることになるわけです。しかしながら、全体的にその負担がふえることのないように、現行の負担水準をスライドさせて設定したいというふうに考えております。細かい作成の内容はまだ詰めておりませんが、そういった方向で考えているところでございます。 また、新たな実費徴収の問題でございます。確かに徴収できるということでございますが、一応、今の段階では新たな実費徴収というのは想定してございません。 以上です。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) お答えいただきました。 今度所得税ベースから市町村民税ベースに保育料に関しては変わっていくということです。一番関心の高い内容です。本当にこれが負担増になってしまってはせっかく新しい制度ができても余り充実したというようなことにはなっていかないと思いますので、ぜひ現在の水準ということでお願いしたいと思います。 次に、保育の必要性の認定です。現制度では保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならないとうたってありますけれども、新制度では保育の必要性の認定となります。必要性の事由としては、今まで安曇野市保育所条例第6条の1、2の中では、昼間に労働することを常態化しているというふうにうたってありますが、新しい制度の中では、国が言っていることは、夜間など基本的には全ての就労に対応できるということを示しています。こうした「夜間など基本的には全ての就労に対応」というような文言に市の条例もなるのでしょうか。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) 就労時間の規定の仕方でございます。 一応、今子ども・子育て会議の中では、1カ月当たり64時間以上の就労、これを基本とするということで御了解をいただいているところでございます。夜間の話というのも出ましたけれども、当然夜間働いている時間もこのカウントに入れます。ですから、今までは昼間だけの時間で保育の必要性、あるかないかを判断していたところでございますが、この夜間の分もきちっと時間として入れますので、今までよりも当然認められる範囲は広くなるというふうに考えております。ですので、必然的に保育の内容は向上するのではないかなというふうに考えているところでございます。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 夜間の分も入るということでした。これを考えますと、夜間労働を広げるための保育の受け皿を拡大しようとしているとも受け取れるわけで、生活のためには夜間も働かざるを得ないという状況もあるかと思います。夜間働かなくても生活が成り立つ雇用のあり方を考えるべきだと思います。これはここで言うことではないかと思いますけれども、夜間保育の拡大は慎重にすべきではないかと考えております。 それでは、次ですけれども、家庭的保育事業等について伺います。 地域型保育給付として家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型保育、事業所内保育などあります。この認可基準について、厚生労働省令をもとに市町村が条例で定めるというふうになっていますけれども、保育者の配置基準については保育士、あるいはそれと同等以上の資格者となっているというふうにお聞きしていますけれども、その同等以上の資格者というのはどういった人を指すのでしょうか。お願いします。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、家庭的保育事業等の基準に関することでございます。 保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者ということで、規定をされております。具体的には、保育士と遜色ない者という考え方に立とうかというふうに思いますので、幼稚園教諭、または看護師等、知識と経験のある方などを想定しているところでございます。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 今お答えいただきました。 幼稚園教諭というのは、今でも保育士、あるいは幼稚園教諭の資格を持っている方が安曇野市でも保育園には働いているわけです。でも、遜色ない者、保育士、あるいはそれと同等以上の遜色ない者ということでは、認可基準は現行の認可保育所とは違った基準になっていくということだと思いますが、そうしますと、全てが保育士を充てるということではなくて、それ以外の者も可能だということと私は理解しましたけれども、例えば都会の民間保育所での子供の死亡事故などを見ますと、保育士資格者は3分の1でよいとか、そういった規定がある中で起こっているわけです。基準を緩和するのではなくて、新しい制度の中でも、きちんと配置基準については全てにおいて保育者は保育士というふうにすべきではないかと思います。 それでは、最後に、放課後児童クラブについて伺いますが、先ほども同僚議員のほうから放課後児童クラブについては質問が出されました。私は、現在の放課後児童クラブの児童の人数に対する指導員の配置、あるいはその資格はどうなっているのかということをまずお聞きしたいと思います。その上で、新しい制度の設置基準はどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。 ○議長(宮下明博) 福祉部長。 ◎福祉部長(飯沼利雄) それでは、放課後児童健全育成事業の基準ということでお答えをいたします。 放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブでございますが、これまでのガイドラインでは、小学校1年生から3年生を対象に、集団の規模40人程度までが望ましいということで規定をされております。小学校4年生まで対象を拡大することができるというのが現状でございます。現在市の児童クラブにおきましては、放課後児童クラブの指導員として保育士、または教諭といった有資格者を充てておりまして、その配置者数も1部屋当たり2人の指導員を配置するということで対応しております。平均で見ますと、児童11人から14人に1人の指導員という体制で実施をしているところでございます。 新制度に向けて国が示す基準では、児童40人を1つの単位として、放課後児童指導員を2名以上配置し、そのうち1名は補助員で代替が可能ということになっております。補助員については特に資格、定められておりませんが、市としては、現状でも保育士や教諭といった有資格者としての指導員を多く配置しておりますので、指導員としての対応が可能ではないかなというふうに考えております。 ただ、対象となります児童が拡大をいたしまして、要望がふえてまいりますと、いずれにしても、その状態に対応する人数が必要でございます。その場合には、少し配置対応が緩やかになることも考えられます。その発達にふさわしい活動の確保をしなければなりません。指導員の役割は非常に大きいというふうに考えております。条例等につきましても、その内容、現状から遜色ない程度にしたいなというふうには考えておりますが、今後の状況を検討しながらつくってまいりたいというふうに思っております。 ○議長(宮下明博) 猪狩議員。 ◆16番(猪狩久美子) 今、現在の指導員の配置とか、資格などもお聞きしました。こうした水準をぜひ新制度でも保っていただいて、小学校6年生まで対象を拡大するということも今後可能性としてはあるわけですけれども、ぜひそうした基準を緩和することなくやっていただきたいな。むしろ手厚い、専任指導員は1人でもよいということではなく複数配置とか、それから、有資格者に関しては、もう全てが有資格者ということでぜひ対応していただきたいなというふうに思っております。 質問内容については以上なんですけれども、この新制度ですけれども、先ほども地域型保育給付ということで、家庭的保育とか、小規模保育、居宅訪問型保育、事業所内保育などと出てきましたけれども、こういった内容を見てみますと、何か介護保険制度というのを思い出すわけでして、介護保険制度をモデルとした内容になっているというふうに、これは全協でも担当のほうから説明がされました。 今現在介護保険では、民間企業などの参入が進んでいるわけですけれども、実は保育の分野でも民間企業などの参入を進めて、利用者と事業者との直接契約、これは介護保険制度でもそうなんですけれども、こういった形で当事者任せにしてしまうというやり方で、自治体の役割を後退させる保育の市場化を目指して提起されたものだというふうに思っております。 しかし、児童福祉法の24条第1項が残ったといいますか、復活しましたので、新制度になっても保育所は現在と変わらず市町村の責任にということで保育が実施され、保育料も市町村が徴収することになったと思います。障害や貧困などの困難を抱えた子供たちであっても、保護者が保育を必要とする要件を満たしていれば、排除されることはないわけです。例えば、これが営利目的の民間の施設であれば、困難な子供たちというのは排除されていってしまうわけですけれども、この児童福祉法の24条第1項が残ったことで、こうしたことが担保されるということです。 また、新制度というのは先ほども話の中にありましたけれども、教育改革の一翼を担っているというふうに思っております。学力競争だとか、教育に対する首長や国の影響を強めようとする内容だと思っています。小学校の連携強化ということも言っております。そのことは幼児教育を学校教育化することなど、意図しているものだというふうに私は思っております。擁護と教育を統一した保育という概念を軽視してこうした教育を重視するという内容になってきていると思っております。それは、私は非常に国の目指す内容が保護者の子育てを応援するという、一応表向きはそういった内容になってはいますけれども、心配な方向に向いていっているんではないかと感じております。 先ほども言いました直接契約ということが全くなくなったわけではないと思います。ほかの自治体でもこれまで進められてきた公立保育園の廃止ということや民営化ということを進めてきています。民営化ということで利用者と事業者との直接契約をすることで市町村の責任をなくしていく、先ほども言いました。そういった動きがあるということで、新しい制度の導入をきっかけに、加速化していく動きがあるということも、専門家の中ではそういった指摘があります。今後安曇野市においても、こうした可能性もないとも限らないわけです。 例えば保育の分野ではないんですけれども、市の公共施設に関していえば、多く指定管理者制度が導入されて、いずれ民間譲渡という施設も今出てきております。今後学校給食だとか、図書館などにも及ぶと私は考えております。この子ども・子育て新制度とあわせて、こうした動きにも今後注視していきたいと思っております。 以上で私の一般質問は終わります。--------------------------------------- △散会の宣告 ○議長(宮下明博) 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 あすも一般質問を行います。午前10時までに御参集ください。 本日はこれをもって散会いたします。 御苦労さまでございました。                              (午後4時16分)...