千曲市議会 > 2004-09-14 >
09月14日-05号

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  1. 千曲市議会 2004-09-14
    09月14日-05号


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    平成16年  9月 定例会(第5回) ---------------------------------            平成16年9月14日 (火曜日) ---------------------------------●議事日程(第5号)   平成16年9月14日(火曜日)       午前10時 開議 第1 一般質問(個人質問) ---------------------------------●本日の会議に付した事件……前記議事日程のとおり ---------------------------------●出席議員(24名)    1番   林 愛一郎君      13番   唐澤宗弘君    2番   宮入高雄君       14番   戸谷有次郎君    3番   森 貘郎君       15番   宮下静雄君    4番   米澤生久君       16番   金沢 利君    5番   青木 崇君       17番   小林かよ子君    6番   荻原光太郎君      18番   中澤直人君    7番   森 義一郎君      19番   中村直行君    8番   飯島輝雄君       20番   西澤今朝人君    9番   内宇田和美君      21番   吉田昌弘君   10番   宮坂重道君       22番   田沢佑一君   11番   和田重昭君       23番   中沢政好君   12番   竹森節子君       24番   原 利夫君 ---------------------------------●欠席議員(なし) ---------------------------------●説明のため出席した者の職氏名   市長      宮坂博敏君   教育委員長   下崎文義君   助役      近藤清一郎君  教育長     安西嗣宜君   収入役     佐藤亘司君   監査委員    若林民雄君   総務部長    福澤 稔君   教育部長    西澤秀文君   企画部長    西澤源治君   戸倉庁舎長   飯島賢治君   建設部長    福島 修君   上山田庁舎長  宮原迪彦君   経済部長    高橋康二君   市民生活部長  塚田保隆君   健康福祉部長  吉岡たき子君 ---------------------------------●事務局出席者氏名   議会事務局長    松林新一君  議会事務局次長 赤沼義敏君   議事係長兼調査係長 斉藤清行君  書記      小笠原 隆君 --------------------------------- 午前10時 開議 ○議長(原利夫君) 定足数に達しておりますので、ただいまから本日の会議を開きます。 --------------------------------- △日程第1 一般質問(個人質問) ○議長(原利夫君) 日程第1、昨日に引き続き、一般質問を行います。 通告に基づき、順次発言を許します。 22番、田沢佑一君。          〔22番 田沢佑一君 登壇〕 ◆22番(田沢佑一君) 22番、田沢佑一。私は日本共産党議員団の一員として、通告いたしました3点について市長にお尋ねいたします。 まず最初は、小泉内閣が進める三位一体の改革による影響についてであります。 既に、代表質問でも触れられ、市長は「これからの自治体運営において転換期を迎えている」との認識を表明されました。去る3日に、小泉首相は閣僚懇談会で「三位一体改革」について、補助金削減、地方への税源移譲、地方交付税の見直しの全体像を11月中旬にまとめるよう指示した。とりまとめ時期を明示したのは初めて。また、「地方からの提言を真摯に受けとめてほしい」と述べ、全国知事会などがまとめた補助金削減案を尊重するよう促したと報道されました。 在任特例議会で住民から直接請求を受けた議会で、たびたび当議会でも引き合いに出された山口県周南市では、「三位一体の改革」による16年度予算において、交付税などの影響額で17億8,000万円の歳入不足が見込まれたため財政調整基金を全額取り崩して予算を立てたそうであります。 来年度は、さらに23億円の影響が見込まれるため、この夏、財政当局から来年度予算編成に向けて、すべての課に対し経費の2割削減目標を提示したそうであります。 また、西都原古墳で有名な宮崎県西都市は、今年度策定する行財政改革大綱で、10年間で職員を15%削減する基本方針を発表しました。これは、交付税総額が2000年度、約70億円をピークに年々減少し、昨年度は約60億円となり、加えて「三位一体の改革」に対応した措置と考えられます。 先の全国知事会で「三位一体の改革」を徹底的に批判した田中知事は、三位バラバラな改革だと早くから明言しておりました。私は、小泉内閣が進める国庫負担金の廃止・縮減は保育所運営費義務教育教員給与の国の負担金など、法令で決められた国の支出で、国庫補助金・負担金の全体を見ても、福祉や教育の分野が約8割を占め、これらの廃止・縮減を目指しております。9月5日付の全国市議会旬報にあるように、地方6団体は、補助金3兆2,000億円削減を提言いたしました。これに対し、税源移譲は概ね3兆円規模とされております。税源移譲されても、都市部と農村部では課税客体数の違いで補助金・負担金の額に見合うものにならないことは明らかであります。 さらに、交付税そのものを総額で削減するというのですから、財政力の弱い自治体にとって合併した自治体、自立を選択した自治体のいずれにしても大変であります。 そこでお尋ねいたしますが、市長は自治体運営における転換期と申されましたが、小泉内閣が進める「三位一体の改革」と、千曲市に対する影響について、どのような認識をお持ちかお尋ねするものであります。 次に、かかる情勢のもとでは、私は新市の建設計画も見直しが必要になってくるものと考えますが、これらに対する認識はどのようにお考えでいらっしゃいますか。お尋ねいたします。 次に、介護保険制度ができて4年半になります。来年度は、この介護保険制度ができて5年を迎え、見直しが予定されています。既に痴呆の認定に対し、プログラムの修正が行われましたが、市長は介護保険制度の今日の到達点に対し、どのように認識されておりますでしょうか。千曲市の実態に即してお答えください。 次に、宅老所を市内区ごとに設置という問題についてお尋ねいたします。 現在、市内には4カ所に宅老所がございます。市でつくって、福祉法人に運営委託している宅老所「科野の里」を初め、有限会社で運営しているところが稲荷山の「あっといず更埴」と磯部の「ひづめの家」の2カ所、NPOで運営している内川にある、ささえ愛「千曲」です。いずれも介護保険制度によるデイサービス適用事業所として運営しております。 長野県では、地域の需要に応じて小学校区やさらに小さな日常の生活圏ごとに地域の宅幼老所が運営される「長野モデル」のサービス供給体制を目指すとしております。現在、市内には介護や支援が必要な老人が非常に多く存在し、年々ふえております。このような状況のもとで、身近な生活圏である区の単位に空き家を活用して宅老所のようなデイサービスセンターを設置することができれば、介護や支援が身近なものになるだけでなく、雇用の場の確保になるわけであります。全国的にはコミュニティビジネスとして広く紹介されており、不動産業界においても空き家の活用、中古住宅の流通問題として注目されています。 介護保険制度は、福祉を産業として民間に開放し、雇用を創出していることも事実であります。行政が果たす役割は、それらの施設の「福祉の質、サービス」がしっかり担保されているか指導・監督することではないでしょうか。そのため職員に一層の専門性が要求されます。老人福祉の分野を、このような福祉産業ととらえた場合、成長が望める分野であり、雇用の拡大に今後、最も貢献する分野であります。 しかしながら、欧米諸国と比べ、この分野で働く介護労働者の賃金は低く、仕事が激務ということもまた事実であります。これからの社会は福祉の分野で働く人の比重がふえ、相対的に他産業と比べても所得が高くなるようなシステムを構築しなければならないと考えます。 宅老所には、介護保険の適用事業所としての通所介護のデイサービス、短期入所のショートステイ、痴呆対応型共同生活介護というグループホームの3つの形態があり、さらには介護保険の適用外の生きがいデイサービス高齢者サロングループハウスがございます。 そこで質問ですが、市内にそれぞれの地域の実情に沿って、さまざまな宅老所をつくる手助けを市が積極的に行う考えはないか、お尋ねいたします。雇用の創出という角度からも直営を含め検討すべきであります。 次は、観光振興における基盤整備について3点、お尋ねいたします。 まず最初に、代表質問でも取り上げられました姨捨サービスエリアに接続するスマートインター社会実験についてお尋ねいたします。 今回の社会実験の背景は、日本の高速道路の平均インター間隔が、欧米諸国が4~5キロメートルに対し、約10キロメートルであり、現在の高速道路通過市町村916市町村に対し、約4割の363市町村にインターがなく、全国の総インター数714カ所を倍増し、高速道の有効活用を図る。そのため建設・維持コストが削減可能なETC専用インターであるスマートインターを導入する。そして、道路公団の民営化を予定している平成17年秋には、新たな公的支援を講じて本格導入を図るとされているもので、そのための社会実験です。 国土交通省道路局の「サービスエリアパーキングエリアに接続するスマートインター社会実験」の実験箇所の第一次採択についてという文書を見ますと、「今回の社会実験の実施にあたっては、自治体独自のETC車載器購入助成を行っていただくなど、地元としての積極的な取り組み、協力もいただいております」と書かれております。 これは平成13年3月から更埴インターを初め、全国63カ所の料金所でETCの一般運用を開始して以来、3年半でETC利用率が20%に達したと、9月7日に国土交通省が発表しました。同じく8月末のETCセットアップ台数は、累計で357万3,563台になるそうであります。 高速道路を頻繁に利用する人にとっては大変便利なもののようです。いずれ、すべてETCインターになり、ETCセットアップ車でなければ高速道路が利用できなくなる時代がくるかもしれません。 民営化後に本格導入ということと新たな公的支援を考えますと、地元自治体負担が当然考えられます。姨捨サービスエリア一体が地滑り地帯という地形、地質を考えますと、取りつけ道路の整備におのずと限界が生じます。費用対効果を考えた投資が必要です。 市長は、今回の社会実験及び本格導入が決定された場合、どの程度の道路整備を安全対策も含め考えておられるでしょうか。お尋ねするものであります。 次に、これからの観光ニーズを考えた場合、大局的には団体旅行から家族旅行、友人同士のグループ旅行、夫婦、カップル、個人による観光、旅行にシフトしていくものと考えます。そのため、姨捨サービスエリアスマートインターが本格導入されるか否かは、その利用は、周辺住民はもとより観光客は出口の近くに魅力的な観光地、魅力的な自然やおいしいものがあることが利用者の拡大につながり、民営化された道路公団にとって利益を生み出すからであります。そのための施策と効果的な宣伝が求められます。 次は、林道宮坂支線、北山線の整備についてお尋ねいたします。 これは、あんずの里から直接、戸倉の戸倉宿キティパーク、別名、天狗公園に出る林道です。旧更埴分は、既に舗装済みですが、旧戸倉町分、約2,000メートルが未舗装です。上山田から森にタクシーで帰る場合、千数百円前後、料金が安くなるそうです。 観光振興における基盤整備という観点から見た場合、戸倉・上山田温泉のサービスとして旅館、ホテルのマイクロバスが行き来できる程度の整備が必要です。当面は、現道を舗装し、見通しの悪い箇所に待避帯を設け、将来的には大型観光バスが通行可能な道路に合併特例債を有効活用して整備すべきではないでしょうか。 前にも申し上げましたが、春の観光シーズン全国レベルであり、日本一のあんずの里は、全国レベルの観光地と十分競争できます。しかしながら、戸倉・上山田温泉に宿泊して、あんずの里に訪れる観光客は団体も個人もけして十分な数ではありません。都市計画道路一重山線及び歴史公園線の整備も重要でありますが、この宮坂支線、北山線の整備も急がれると思いますが、お尋ねいたします。 これに関連して、宮坂峠には中部北陸自然歩道、環境庁、長野県という道標が立っております。調べてみましたら、これは平成8年に環境庁が計画主体となって関係する長野、群馬、岐阜、新潟、石川、富山、滋賀、福井県が事業主体となって、複数の都道府県にまたがる歩道で、自然環境、さらには歴史や文化に触れ、郷土を再認識し、併せて自然保護に対する意識を高めるために整備される歩道として、北国街道の一部として川中島古戦場とあんずの里のみちとして指定を受け、整備されたものです。千曲市には、このほかに姨捨山更級紀行のみち、姨捨棄老伝説のみちの計3本があります。これらにも配慮した道路整備が必要と考えますが、どうでしょうか。 次は、坂上トンネルの見通しと完成後、筑北地域との連携についてであります。 御案内のとおり、上山田から坂上トンネルを抜けると坂井村です。この坂井村を初め、麻績村、坂北村、本城村の4カ村が合併し、来年4月1日には筑北町になる予定でありましたが、一昨日の12日に、麻績村が合併協議会から離脱することを村長が記者会見いたしました。もともと、この4カ村はJA筑北の筑北振興協議会のメンバーで、「曼荼羅の里」としてアピールしてきました。 一方、旧更埴市、旧戸倉町、旧上山田町、坂城町、大岡村、麻績村、坂井村、坂北村、生坂村で構成する「新しい時代の旅の発見」として、聖ピュアミュージアムがあります。どうもこれは県も一枚絡んでいるようであります。大岡村は長野市と合併する方向であり、これら筑北地域や聖ピュアミュージアムの構成団体も変わります。坂上トンネルの完成を前に、市長は筑北地域との連携をどのように考え、観光振興を図る上で考えておられるでしょうか、お尋ねして質問を終わります。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 日本共産党議員団、田沢佑一議員の御質問にお答えをいたします。 はじめに、「三位一体改革による影響について」ということで、2点の御質問でありますが、1点目の「市長の認識は」ということでありますが、「三位一体の改革」につきましては、これまで各議員の御質問にもお答えいたしましたが、国、地方を通ずる危機的な財政状況を克服し、持続可能な政策運営を目指すということを根底として、「国と地方の役割分担に基づいた、自主・自立の地方分権行政システムを構築する」ための手段として、昨年の「骨太方針2003」において提起され、初年度の平成16年度では、公立保育所運営費などの一般財源化により約1兆円の国庫負担金が削減され、当市では、公立保育所運営費負担金を初め、介護保険の事務費交付金など2億2,500万円程度が一般財源化されました。 これに見合う税源の移譲は、所得譲与税として1億805万5,000円が交付されることになりましたが、一般財源化された額に比べ、かなり少ないものであります。全国の自治体でも予算編成に大きく影響するとして、基金の取り崩し等で急場をしのぐという事態になりました。 そこで、これは「三位一体ではなく、国の財政再建のためだけの改革になってしまう」ということで、全国市長会でも、本来の三位一体改革を進めるよう、国に強く要請したところであります。 このような背景もあって、今年の「骨太方針2004」では、3兆円規模の税源移譲を目指すという目標を掲げまして、国庫補助負担金削減の具体案を地方に取りまとめるよう要請がされ、全国知事会全国市長会など地方6団体は、その具体案を取りまとめ、去る8月24日に共同で小泉総理大臣に提出したところでありますが、併せて要望しておりました国と地方との協議機関も設置されることとなりましたので、今後は地方の意見が反映された内容で改革が進められていくことになると思います。 地方6団体の提言では、改革の全体像についても前段で掲げておりまして、その1つは、「地方分権推進のための三位一体の改革であること」、2つ目は、「税源移譲を中心とする三位一体改革の全体像」についてでありますが、この中で、地方交付税制度について、1として、税源移譲だけでは税源の偏在が避けられないので、地方公共団体間に格差が生じた場合は、財源調整機能の発揮と財源保障機能の充実、強化を図ること。2点目として、過去の国の政策による地方債の増発により、地方財政が圧迫されていることを踏まえ、地方債の元利償還金に対する措置は確実に履行されること。また、地方交付税政策誘導的部分を縮小し、財源の保障、財源調整という地方交付税のあるべき機能を中心にすること。3点目として、地方財政計画の見直しにあたっては、昨年のような地方単独事業の大幅削減といった一面的な見直しではなく、医療・福祉・環境・教育等の取り組みによる投資から経常への需要構造の変化を的確に反映した見直しを行うこと。4点目として、所得税等の税源移譲に伴い、地方交付税の原資が減少するため、別途、地方交付税総額を確保するための対策を講じる必要があることなどであります。 改革では、どれくらいの税源が移譲され、それにより「地方の自立度・自由度・裁量や責任が高まるか」ということも重要なことではありますが、各自治体が「持続可能な政策運営を目指す」ということでは、「移譲される財源の偏在をどのようにカバーするか」ということは、地方の存続にかかわる大きな課題であると思っております。 当市は、合併により、今までの個々の市、町当時から見ますと、基本的な行財政基盤の強化が図られましたが、今後の改革の進展の中で、6万5,000人の都市の位置づけがどうなるのかは、現在の情勢下では見通しが困難であるという状況でございます。 しかし、財源保障機能財源調整機能を強化、充実した地方交付税制度は堅持しなければならないと思っておりますので、全国市長会を通じて、引き続き声を大にして訴えていきたいと決意をしているところでございます。 2点目として、「新市建設計画に対する影響は」ということでありますが、「新市建設計画」は、平成12年年度の決算状況をベースとして、合併協議の中で決定された事項、職員等の減少や事務の効率化による経費の削減、地方債の償還額の増加、生活保護費等の扶助費の増加、また国、県補助金等の減少など歳入歳出の各項目ごとの増減を考慮し、計画策定時の財政状況や制度を基本として、将来推計をした財政計画に基づき策定したものでありますが、その後、市財政の基幹であります市税の収入見込みや、三位一体改革を中心とした財政制度が大きく変わってきておりますので、推計をし直さなければ今後の見通しがはっきりしないという状況になってきております。 そこで、今年度の予算執行状況や決算内容をもとに、平成17年度に財政計画の内容を見直すために、現在準備を進めておりますが、相当厳しい内容になるのではないかと思っております。 千曲市の「まちづくり計画」は申し上げるまでもなく、「千曲市のまちづくりの基本設計」でありますので、これに沿って着実に事業を進めていくことにしておりますが、財政見通しの内容によっては、全体の事業の進捗進度や優先事業の選択という面では、影響が出ることもあるかと思います。 現在の「千曲市まちづくり計画」の前期計画の終了年が平成20年となっておりますことから、当然、この時点での見直しは考えるということでありますが、今後の状況によっては、前倒ししての大幅な計画見直しが必要になる場合もあると考えられます。そのときには、議会やあるいは地域審議会等にもお諮りをして、見直しをしてまいりたいと考えております。 次に、「介護保険制度ができて4年目になるが現状認識は」とのことですが、介護保険事業につきましては、介護保険制度の基本理念であります高齢者の方々がみずからの意思に基づき、持っている能力を最大限生かして、自立した質の高い生活を送ることができるように支援をするということでありますので、その考え方に沿って進めてまいりました。 御案内のように、介護を社会で支えるシステムとして、平成12年から介護保険制度がスタートして4年が経過しました。国では、この制度について、我が国の高齢者を初め、社会経済全般に受け入れられ、概ね順調に進められてきており、その結果、短期間のうちに国民の老後生活における介護不安にこたえる「基礎的な社会システム」として定着したと評価しております。私も運営の中で、まだ幾つかの問題はありますが、概ねそのようになっているかなと思っております。 御質問では、「千曲市として今日の到達点に対しての認識」ということでありますが、統計の数字では、発足当初と現在とを比較しますと、全国では平成12年の要介護認定者数が218万人に対し、平成16年度では376万人と1.7倍にふえております。また、介護サービス利用者数を見ますと、平成12年が149万人に対し、平成16年は297万人と約2倍にふえております。 千曲市の場合も、全国と同じような傾向が見られますが、要介護認定者数は、平成12年度末に1,478人に対し、平成16年7月では2,276人と1.54倍にふえております。また、介護サービス利用者数を見ますと、平成12年が1,029人に対し、平成16年では1,762人と1.7倍にふえております。このようなことからも、市民の皆様に制度の浸透が図られてきていると思っております。 また、平成15年度からの第2期介護保険事業計画介護保険給付費を比べてみますと、個々のサービスでは計画との違いが出ておりますが、概ね計画の範囲内で推移しております。しかし、今後ますます高齢化が進み、要介護認定者が増加することを考えますと、介護のあり方や施設の体制、また給付費が膨らむことが懸念されますので、それをまかなう介護保険料をいかに抑えていくかが課題になると思います。 また一方、ケアマネージャー等を対象とした実態調査では、在宅サービスを利用する方が希望しております通所介護、短期入所等のサービスについて、「利用者の希望に沿った対応ができない」、「地域に施設がほしい」などの意見が出されており、利用したいときに利用できるサービス基盤の整備を今後、促進しなければならないと思っております。 次に、「宅老所を市内の区ごとに設置しては」という御意見でありますが、先の質問でも若干触れましたが、利用者の方とか、家族、あるいは介護保険の実務を担当しております介護支援専門員等からも要望があります小規模のケア施設、いわゆるグループホーム、宅老所等でございますが、これにつきましては、第2期の介護保険事業計画の中でも整備が必要であると思っております。 施設整備の進め方として、制度の運営や財政責任が保険者である市にあることを踏まえ、第2期介護保険事業計画と整合性を持たせた整備をしなければならないと考えております。 1つとして、サービスの利用見込みに対しての必要施設数の確保、2として、小規模のケア施設が地域福祉のコミュニティの拠点として機能するにはという観点から、圏域について考えてみますと、1として、宅老所については少なくとも小学校区単位、グループホームについては、少なくとも旧市町単位かなと考えておりますが、いずれにしても整備をしなければならないと考えております。 このような中で、民間の皆さんもいろいろと考えておられますので、8月19日に宅老所等の施設の開設を計画されている事業所等の皆さんにお集まりをいただき、説明会を開催し、御意見等もお聞きいたしました。 御質問では、「民家等の空き家を活用して、各区単位に宅老所を設置しては」ということでありますが、確かに高齢期になった場合には、住みなれた地域、また知り合いの多い地域で安心して暮らしたいという気持ちは、どなたも共通の願いであると思います。今後の高齢化率の推移を見るとともに、地域に適当な空き家があるのか、各地域の実態等を調査把握し、施設整備を希望されている事業者等と相談、検討しながら研究してまいりたいと思っております。確かに、このような制度が介護保険業務として数多く整備ができれば、経済効果等の面から見てもよいことかと思います。 次に、「地域の実情に沿って施設をつくる場合、市の手助けは」ということでありますが、規制緩和の流れの中で、全国的にも多くの民間企業やNPOなども介護サービス事業に参入をされてきております。市内でも業種転換により、福祉施設の開設計画を模索する動きも見られます。施設の開設により雇用創出にも大きな役割を果たすと思いますし、地域経済の活性化にもつながると思います。 現在、市では小規模ケア施設、宅幼老所支援事業を実施しておりますので、今後もできるだけ多くの方が参入できるよう、この事業の充実等について県にも要望したいと思います。こういう要望が出された場合、県段階で国と相談した中で無理だということで、平成16年度は長野県内ではほとんどが実現できなかったという事例があります。そういうことで、県に考え方を変えてもらうようにこれからも強く要望していきたいと思っております。 次に、「観光振興における基盤整備について」の1点目の「姨捨サービスエリアスマートインターチェンジの社会実験について」の御質問でありますが、情勢報告や代表質問にもお答えいたしましたが、姨捨サービスエリアは、地形的には傾斜地に築造された施設であります。今回の実験は、ETC搭載車により現在の施設をできるだけ経費をかけないで実験をするということでありますので、松本方面へ向かう上り線には、乗り入れるための入口を、また、長野方面への下り線には出口を設ける「ハーフランプ形式」のインターチェンジとしたものであります。 御質問の道路整備や安全対策についてですが、市といたしましては、県道に接続する市道が狭隘の箇所もあり、実験開始前までには、その改良や安全施設の改良を進めるとともに、インターチェンジまでの道路に誘導標識を設置するなどの準備を進めてまいりたいと思っております。 また、実験時の上り線については、一部、道路公団の管理するサービスエリア内への物品搬入路を使用するため、公団と協議をして安全確保と誤って進入するのを防ぐため、誘導員の配置をと考えております。また、実験期間が冬期間となることから、周辺道路の除雪体制についても万全を期してまいりたいと考えております。 御意見のように、今回は実験ということであり、市道の一部改良をするものですが、将来については、接続道路の整備が大きな課題となります。現時点では、費用対効果や現場の地形等も考え、とりあえず一車線プラス待避所という1.5車線が考えられますが、いずれにしても構想づくりを進め、財源問題や利用予測など、その効果について検討してまいりたいと考えております。また、この結果が御意見にもありましたように当然観光問題にもつながると思いますので、そのような点に十分配慮してまいりたいと思っております。 次に、「林道宮坂支線、北山線の整備について」でありますが、旧更埴市、戸倉町をつなぐ道路として、合併時に地元から早期に事業に着手し、新市の連絡網として整備を行うよう合併協議会にも要望のあった道路でもあります。林道として、旧更埴市側の整備は、ほぼ完了しておりますが、旧戸倉町側の約1,800メートルは未舗装であります。 御質問では、当面、舗装を行い、温泉の観光客が森地区へ訪れることができるような道路の整備ができないかということでありますが、この林道の整備は関係地域の皆さんからも強い御要望のある道路でもあります。また、観光面でも必要な道路と思いますので、現在、県にも国庫補助事業の採択に向け協議を進めております。 また、全面舗装のほかに、部分的には急カーブ、急勾配等がありますので、改良の必要な箇所もあります。待避所と併せて整備を行い、当面、マイクロバスの通行くらいはできるような林道にしたいと思っております。 次に、関連しての「中部北陸自然歩道について」でございますが、これは初めてお聞きになる議員さんも多いと思いますが、まだあまり知られておりません。私も不勉強で反省しておりますが、この計画は、環境庁が平成5年9月1日、中部北陸自然歩道概略ルートを決定しました。この長距離自然歩道は、国土を縦断、横断、または循環し、複数の都道府県にまたがる歩道で、多くの人々が四季を通じて手軽に楽しく安全に国土の優れた風景地等を歩くことにより沿線の豊かな自然、歴史、文化に触れ、我が国土を再認識し、併せて国民の健全な心身を育成することを目的に設定されたことになっています。 このうち、長野県ルートは、1としてアルプス安曇野塩のみち、2として中仙道木曽路みち、3として中仙道佐久から諏訪のみち、4として北国街道北信濃のみち、5として善光寺街道山越えのみち、6として北国街道千曲川旅情のみちのコースが設定されております。この自然歩道は、1日で歩ける程度のルートを「1日コース」として区分し、それぞれのコースにコース名がつけられました。長野県では全体で34コース、総延長約670キロメートルに区分されています。 千曲市には、そのうち3ルートがあります。1として、姨捨山更級紀行のみちということで、起点は川中島古戦場~終点が聖湖、24.0キロメートル、2として、川中島古戦場とあんずの里のみち、起点が川中島古戦場~終点、戸倉温泉、19.3キロメートル、3として、姨捨棄老伝説のみち、起点が戸倉温泉~終点、聖湖、14.8キロメートルであります。 宮坂支線は、川中島古戦場とあんずの里のみちの一部に含まれておりますが、今後、3つのルートについて、観光との関連もありますので、関係の皆様とも御協議させていただきたいと思っております。 次に、「坂上トンネルの見通しと完成後、筑北地域との連携をどのように考えているか」ということでありますが、坂上トンネルについては、四十八曲がりの峠部分を何とかトンネル化したいということで、地域の皆さんが強く国にも働きかけた結果、「ふれあい交流事業」ということで採択され、県事業として、平成12年度から東筑摩郡坂井村から上山田間、全体改良延長3,700メートルについて、全長1,513メートルの坂上トンネルの整備と取付道路の拡幅工事が進められてきております。 このトンネルの整備にあたっては、大町麻績インター千曲線、坂井村・千曲市間、初めは上山田間となっておりましたが、トンネル建設促進期成同盟会、坂城町、筑北地域の5村で組織し、建設推進を図ってまいりました。 過日、同盟会の総会が開催されましたが、その席上、県から工事の進捗状況が報告され、「トンネル本体の工事はすべて完了しており、現在、トンネルの電気設備や安全関係の工事及び取付道路の橋梁工事が進められております。また、坂井村側の取付道路工事が進められ、平成17年3月末、できれば今年度末の完成に向け、整備を進めている」ということであります。 しかし、上山田から坂上トンネル間を含め、大町麻績インター千曲線は、幅員が狭く、カーブも多いことから道路改良がまだまだ必要でありますので、引き続き筑北地域とも連携を図りながら、県に要望してまいりたいと考えております。 次に、筑北地域と聖ピュアミュージアムとの連携についてでありますが、聖ピュアミュージアムは、千曲市、坂城町、麻績村、大岡村、坂井村、坂北村、生坂村の1市1町5村で構成する聖山高原開発協議会によって観光振興を図ろうという聖山高原県立公園一体のフィールドであります。 ここでは、「美しく純粋な自然」、「純粋なふるさと」、「ピュアな自分自身」の発見等をうたい誘客を図ってまいりました。御意見のように筑北地域では、麻績村が合併から離脱するということもあり、この地域の体制が崩れてきておりますが、現在の構成の市町村(聖山高原開発協議会)では合併後も継続し、引き続き聖ピュアミュージアムを発展させ、より魅力的で集客力のある観光地として発展させていこうという計画であります。 今後、坂上トンネルの開通に併せ、聖山高原及び筑北地域が千曲市にとって、より身近なものとなりますので、戸倉上山田温泉との連携を含め、市の観光振興を図っていきたいと思っております。 なお、この道路はトンネルの事業名にもありますように「ふれあい交流事業」ということでもありますので、今後、筑北地域との交流が盛んになるよう取付道路の改良等、県に要望してまいりたいと思っております。以上であります。 ○議長(原利夫君) 22番、田沢佑一君。 ◆22番(田沢佑一君) 宅老所の問題について再質問いたします。 市長は、小学校区単位に整備していきたいという答弁でした。市内の区は、それぞれの区によって、区を越えた範囲でも二十数軒というところもありますからそれはわかりますが、例えば、私が住む森・倉科・雨宮の地域になれば、区単位であったほうが、実際の利用者にとってみれば、今までおつき合いした皆さんと一緒に宅老所に通えるということは、お年寄りにとって生きがいにもつながる。一番は知り合い同士が行くというところに意味がある。それが小学校区の単位になれば、今まで社会的にいろいろやってきた人の場合は顔が広くて、その範囲でもだれとでも仲よくなれますけれども、今のお年寄りの範囲は、中には行動範囲が狭かったりして、区の範囲くらいしか活動していないというお年寄りもたくさんいると思います。 我々の世代がその年代になったときには、小学校区単位でも、実際にはそういう交流を今までしてきているという中では問題が起こらないと思いますが、今のお年寄りの中では、やはりそういった点で、なぜ区単位と言ったかというのは、一番身近なコミュニティの場で宅老所が設けられれば、そこに行くことが生きがいにもつながっていく。そして、宅老所も介護保険の対象施設外のサービスも、高齢者サロンとして喫茶とかもやって、介護保険の対象外のお年寄りも宅老所に行って一緒に交流をするということも、区単位に置かれれば、具体的にそういうことも生まれてくるのではないかと。地域の実情に応じた、一概に小学校区単位というのではなく、例えば、東部地区の場合だったら区単位くらいでも十分可能だと思いますし、町場の中では、区を2つ、3つ越えて小学校区の単位でも、千曲市の目指す方向とすれば、やはり基本は区の単位に設置していくという方向の中で、さっき私が言いましたように、宅老所の中身も痴呆を対象にしたグループホームというケースもございますし、ある宅老所ではショートステイも可能になるとか、ケース・バイ・ケースでさまざまな宅老所が、それぞれの単位にあるということで、よりサービスにバラエティを持ち込むことが大事ではないかと思いますので、方向としては、いずれにしても設置していく方向を明確に示されていましたので、さらに区の単位ということについて、私は選挙で東部地区を回りましたが、実際、改造すれば十分10年以上もつという空き家がたくさんございました。しかも、それぞれ区の単位にございます。こういう点が、持ち主との契約ができれば、活用されれば空き家もなくなっていく。そして、地域に宅老所がつくられるといった点で、すばらしいと思います。 次に、林道宮坂支線、北山線の整備について、一般的な林道の国庫補助を受けての整備という考え方ですと、補助がつかないと整備されないという形になってしまうんですけれども、国庫補助を受けた整備で、1年間に何台も通らないところを舗装した部分が市内にはたくさんございます。ここのルートのように、整備すれば即一定の交通量が生まれるという道路については、時と場合によっては単独で、年次計画で舗装を行うという、1,800メートルの舗装に対してどれくらい予算がかかるかあれですが、基本的な基盤整備のルートだと思いますので、国庫補助頼みだけでは、採択されない限り2年も3年も先にいってしまうという形になってしまうと思います。この点、市単も含めてできないのかどうか、この点について再度、お尋ねします。 坂上トンネルについては来年の春にはということですが、聖ピュアミュージアムの全体を見れば、確かにキーワードは自然で、豊かな自然環境と。麻績村でも、曼荼羅の里といっている地域が、冠着山に出る月を見て、万葉集、古今集の和歌のころはそういう月見だったわけです。その次の時代に姨捨から鏡台山に上る月を見て月見の里と、月もキーワードの1つです。 さらに調べて見ますと聖湖のヘラブナ釣りもかなり有名で、戸倉上山田温泉に泊まって、ヘラブナ釣りというお客も一定数ございます。大岡のスキー場は、スケールの違うスキー場が県下各地にたくさんございますから競争にはなりませんが、聖湖のヘラブナ釣りとか、そのほか幾つかの自然、曼荼羅の里と称するように仏教文化があの地帯に信濃33番の1番、2番、5番があり、そのほかに修那羅峠の石仏、いわゆる歴史文化、自然、月といったものがキーワードとなっています。 これらのキーワードは千曲市の中にも幾つかございます。さっきの自然歩道の3つのルートを独自に全部上山田温泉を起点にして、行って戻ってくるという形が十分可能です。そういうことを考えれば、坂上トンネルが完成するということを1つの契機として、この地域との連携を深めていく。しかもそれを千曲市がリーダー的な主導権を持って連携を深めていく必要があるのではないか。そういうリーダーシップを宮坂市長にとっていただきたいという立場から、坂上トンネルの完成を目前に控えて、今回、問題提起をしたわけです。再度、この点について御答弁をいただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 田沢議員の再質問にお答えいたします。 3点の再質問ですが、はじめに宅老所について小学校単位ということはわかったけれども、やはり地域の状況によっては、今まで生活してきたお年寄りの気持ちからすれば、区単位くらいのものがいいのではないかという御提言だと思います。確かに、区によっていろいろ大きさもありますし、今、区と自治会が73あるわけですけれども、大きな区、小さな区、たくさんございます。ですから、小学校単位というのは、少なくともそれくらいはと申し上げたわけでございますので、どのくらいの地域が適当なのか。 もう1つは、民間の皆さんが計画をされたりしておりますので、そういった皆さんのお考えもあるわけでございますから、そういった点もよくお聞きして、将来的にはもう少し細かい網になるかもしれませんけれども、その辺も考えていきたいと思います。 経費の点については、小規模の場合、県の補助制度がありますけれども、できればそういったものをお願いして整備がしていかれればいいなと思っております。 2点目の林道宮坂支線、北山線でございますが、国庫補助を受けてという考えは、やはり安全施設もございますし、単独ではなかなか大変ではないかということで県に相談しているわけであります。それが、国等の予算でどうしても無理であるということであれば、単独でも考えざるを得ないんですが、そうなると補助をもらうより時間がかかるということになるかと思います。できるだけ早くやるには、やはり補助を取りつけるほうがいいのではないかと思っております。 3点目でありますが、坂上トンネルの完成を契機として聖を中心とした、古くから月の里とも言われている全体をもう少し活性化できるような考え方ができないかということだと思いますが、現在、開発協議会でもいろいろ力を入れて協議をしております。今後、トンネルができた状況を見まして、筑北とか大岡、生坂に千曲市としてどう働きかけていくかということについて改めて協議会にお諮りして、今後とも力を入れるようにやっていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) ここで15分間休憩いたします。                    午前11時2分 休憩 --------------------------------- 午前11時18分 開議 ○議長(原利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 9番、内宇田和美君。          〔9番 内宇田和美君 登壇〕 ◆9番(内宇田和美君) 9番、政和会、内宇田和美でございます。千曲市議会の新たな出発である9月定例会、連日の質問で市長の政治姿勢について事細かに御答弁をされ、和を信条にした心の広い宮坂市長に心から感謝を申し上げ、通告に従い質問をするものであります。 備え、守る、水防活動について、3点に絞り市長にお尋ねいたします。 1点目、千曲川、犀川水防演習についてであります。国土交通省では、毎年5月を水防月間と定め、水防訓練の実施、水防工法、技術の習得、水防施設の整備等を行っております。17年5月28日には、千曲市を会場に水防演習が実施されます。これは出水期を前に水防期間の士気高揚と水防技術の向上、併せて地域社会に水防の重要性を理解していただくために実施するものであります。 外国と日本の河川の違いは、外国の大河川での洪水は、雨が降った後、数日ないしは1週間、長い場合は1カ月もかかって平野部へ流れ出る場合が多いわけであります。我が国の河川の流出形態とは大きな差があるわけであります。日本は地形が急峻で、細長い列島の中心部に2,000~3,000メートル級の山脈が走っているため、河川延長が短く、勾配が急で、一度豪雨に遭うと短時間のうちに洪水が一気に流出する河川が多く、洪水の流出時間が短いわりには流量のピークが大きいので、洪水のコントロールが非常に難しい性質を持っているわけであります。 このように、日本の国土は世界に比べて自然環境から見て水害を受けやすいという状態に置かされているわけであります。このため、古くから治水工事が実施されておりますが、治水工事は、自然を相手にしていること、その改修延長が長いため膨大な費用が必要であり、短時間に効果を上げることが難しいことなどのため、治水工事が完成するまでには長い年月を要するわけであります。 また、ある計画規模の改修工事が完成いたしましても、その計画規模を上回る洪水が発生することがあり得るため、洪水による災害を防ぐためにはどうしても水防活動は不可欠なわけであります。 市長は、16年度3月定例会、また今回の9月定例会の諸情勢の報告で「千曲川、犀川水防演習」が平成17年度に、国土交通省北陸地方整備局及び長野県の主催により千曲市を会場に計画され、水防演習は、千曲川河川敷地内で行われ、その規模は約11ha、水防演習終了後は市民の広場として活用できるよう、後利用を考慮し、須坂地区、八幡代地区の千曲川左岸河川敷を選定したわけであります。しかし、「ホオジロの現地調査場所」となっていることから、生態系の観点から水防演習会場としては好ましくないということで、千曲橋上・下流の河川敷に変更されたわけであります。 しかし、当初計画されました須坂地区、八幡代地区の河川敷を水辺の公園にし、取付道路についても計画どおりに整備をしたいと言われますが、その内容と規模はどうなのか。また、千曲市を会場とする水防演習から得るものは何か、市長の御所見をお伺いいたします。 2点目、防災地図の作成についてお尋ねいたします。 8月30日、NBSで「歴史紀行、千曲川とともに河川改修の効果」ということで放映されました。千曲川河川事務所が行ったシミュレーションでは、堤防構築の進展で浸水の範囲や深さが大きく減少し、河川改修で安全度が飛躍的に向上している。しかし、万一の際は、みずからの身を守る心構えが欠かせない。その手立ての1つが洪水ハザードマップであります。千曲川で発生した過去の水害や河川改修の歴史をたどり、CG映像で河川改修の効果のシミュレーション内容を紹介し、洪水ハザードマップの効果を検証し、安全への心構えを考えるという内容でありました。 そこで、自然災害から住民を守るためには河川改修、治山事業などの対策を進めることはもちろんでありますが、いつ発生するかわからない災害から生命を守るためには、危険を察知したなら、直ちに安全な場所に避難できるようにすることが重要であろうと思うわけであります。1分1秒を争う災害には、自分のいる場所が危険なのかどうか、その場所から一番早く避難できる安全な場所はどこなのかといった事前の心づもりと的確な情報がなければ、迅速な避難はできないと思います。避難場所を示しただけの地図では不十分であると考えます。 まず、市内の災害の危険が予測される箇所と、それに対応した避難場所が一目でわかる災害を予測した地図「ハザードマップ」を作成して、住民に周知することが必要であると思うわけであります。市長のお考えをお伺いいたします。 3点目、内水排除の抜本的な対策についてお伺いいたします。 5日、本年度の市総合防災訓練が実施されました。あいにく北陸地方に停滞する秋雨前線の影響で、全県で大雨となり、長野地方気象台は一時大雨洪水警報を出しました。そんなことから中止になった地区、また排水機場で内水排除等に苦労を大変された地区もあったわけであります。 都市化の進む現代社会では、内水被害などが発生し、生命、財産が奪われることもあります。千曲市市民が千曲川と共生しながら「安全」、「安心」な暮らしを守るためには内水排除の抜本的な対策が重要であります。市長の御所見をお伺いし、質問を終わります。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 政和会、内宇田和美議員の御質問にお答えいたします。 はじめに、「千曲川、犀川水防演習について」ということで御質問をいただきましたが、これは諸情勢報告の中でも申し上げ、また、政和会代表、中沢直人議員並びに清和会代表、吉田昌弘議員の御質問にもお答えいたしましたが、「千曲川、犀川水防演習」は、毎年、国土交通省北陸地方整備局管内5県で持ち回りで実施しておりまして、長野県では平成7年に飯山市で実施をし、次に本市でということになりました。 そのため、事前に千曲市内の数カ所を候補地として千曲川河川事務所と内々打ち合わせをしておったわけでありますが、市としては、水防演習終了後、市民の広場としての活用ができるように後利用を考えて、「更級の須坂地区、八幡の代地区の千曲川左岸の河川敷」を第1候補地として千曲川河川事務所とも相談し、本年度からその関連事業として会場への取付道路の整備について、地元区長さんを初め、関係者の皆さんと協議を進めておったところであります。 その後、代表質問の中でもお答えしましたが、国土交通省北陸地方整備局主催による「千曲川河川生態学術研究会」が開かれた席上でいろいろ意見が出され、6月30日付で「豊かな生態系を残す」という自然保護の観点から、「水防演習予定地の変更をしたい」旨の文書が送付されてきました。 私としては、当初の予定地は、市民の広場としての後利用が期待できる最適地であり、当初の計画どおりできないかお願いをしたわけですが、困難ということでありました。しかし、地域の期待も大きいことから、国土交通省の理解を得て、水辺の公園ということで規模を縮小してでも整備をしたいと考えております。そのために取付道路については計画どおり整備をしたいと思っております。なお、水辺の公園の大きさは、これから現場を検討したり、千曲川河川事務所とも相談をして決めていきたいと思っております。 また、「千曲市を会場とする水防演習から得るものは何か」との御質問でありますが、この度の水防演習は、万が一の洪水に対応して水害の悲惨さに対し、地域社会が一体となった水防活動の重要性について認識を新たにし、水防関係機関の士気の高揚と水防技術の向上、水防体制の強化を図ることを目的に実施されるものであります。 この水防演習は、約10年に1回くらいのペースで長野県で実施され、昭和62年には旧戸倉町で実施をした経過があります。演習の規模は、県内12市11町11村、関係機関で約4,000人の参加が見込まれております。 このように大規模な訓練を当市でお引き受けして実施するわけでありますので、その効果についてもいろいろあると思います。この機会に多くの市民の皆さんにも水防演習をご覧いただき、水防に対する認識を改めていただいたり、意識の高揚が図れればと思っております。併せて、県外からの参加者には温泉へ宿泊していただくよう、これから各県に連絡をしてPRしたいと思っております。 次に、「防災地図の作成について」でありますが、今年は台風の当たり年といいますか、既に本土に上陸した台風も7個を数えておりますが、特に16号、18号は大型で、各地に観測史上初めてというような強い雨や風が記録され、大きな被害が出ました。幸いにして、当地域は大きな被害もなく、本当によかったと思っております。 さて、千曲川につきましては、御意見にありますように、千曲川河川事務所ではこのほど洪水ハザードマップを作成し、テレビを通じて破堤した場合の状況が放映されましたが、到達が意外に早いのに改めて考えさせられました。これらを教訓に、市としましても「災害」への備えを万全なものにしていかなければいけないと改めて痛感したところであります。 現時点の災害時の対応については、「千曲市大害対策本部条例」をもとに、「災害時における職員の応急活動マニュアル」及び、合併前の旧市・町の「地域防災計画」に準拠して対応しているところでありますが、早急に千曲市としての「地域防災計画」を策定する必要があることから、旧市町の計画の見直しを含めて、本年度から3カ年の計画で取り組んでまいりたいと思っております。 お尋ねの「防止地図(防災マップ)の作成」につきましては、千曲川については河川事務所から資料としていただいたものがありますが、これをもとに各河川については、それぞれ検討し、3カ年計画の中で作成したいと思います。国土交通省では、こういった場合、補助も考えているとのことでありますが、今後、その点についても河川事務所と相談してまいりたいと思っております。 本年度は、「防災アセスメント調査」を行いますが、この防災アセスメント調査とは、既存資料の収集を初め、市内全域を対象に今までの風水害、地震、土砂災害等の災害履歴、また、その災害素因の把握、危険箇所の抽出、異なる災害に対応する避難所の見直し、土地利用変遷等の調査を行うもので、いわゆる防災面にかかわる環境影響評価であります。この精細な調査結果を踏まえて、各地区単位に地区別の防災カルテとして成果をまとめる予定であります。 平成17年度には、この調査の成果を基礎にして、「千曲市地域防災計画」を策定します。3年目の平成18年度には防災ガイドブックを作成し、市内全戸に配布する予定であります。昨夜もNHKのテレビで、この間の台風災害について防災ガイドブック等の整備が間に合っていた山陽町と間に合っていなかった高松市のことが報じられていました。いつくるかも知れない災害に対しては、早急に対策が必要かと思っておりますので、この間、万が一のことがあれば職員はもちろん、市民の皆さんにも全力でこれに当たり、被害を最小限に抑えたいと考えておりますが、このガイドブックの作成もできるだけ早くしていきたいと思っております。 このガイドブックの中には、住宅周辺の危険箇所情報、例えば、防災カルテで把握した浸水想定区域、いわゆる洪水ハザードマップや土砂災害危険箇所などの災害危険箇所を具体的に地図上に記載し、市民の皆さんの住まい周辺の災害危険性が一目でわかるようにしたものを作成したいと考えております。 これに併せて、避難所、避難経路、防災施設などの防災に必要とされる情報を記載し、市民の皆さんが地域の危険性について、日ごろから現実味をもって把握できるように広報したいと考えております。 また、近年の災害の教訓から、行政による災害対策「公助」には限界がありますので、市民皆様の「自助」、あるいは地域での「共助」が大変重要視されてきております。防災対策における「自助」、「共助」、「公助」のあり方を重視して、市民からの意見を反映しながら「防災都市・千曲市」の確立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、「内水対策の抜本的な対策について」でありますが、御承知のように台風や降雨時には千曲川が増水するわけですが、堤内河川への逆流等を防ぐために各地に水門や排水ポンプ場を設置して水害防止策を講じておりますが、雨量等によっては、支川の増水も加わり、また、地形的関係もあり、過去に何度か内水被害が発生しております。 このため、旧市町から現在に至るまで、国・県等に対してその対策を強く要望してきたところでありますが、その結果、荒砥沢川や更級川には国土交通省による排水機場の整備がされております。 また、沢山川については、御承知のように、県によるセミバック堤方式による河川改修工費と国土交通省による土口水門の改修工事が行われました。さらに関連して、沢山川沿線には内水排除のため5基の機場が整備され、有事の際には、地元の協力を得て稼動する体制が整えられております。 さらに屋代沖ほ場地域の大堰につきましては、平成6年度から県営事業により河川改修を進めており、沢山川の合流付近になりますが、流末に計画されている排水機場については、現在、地元の皆さんに御相談をして、意見の調整を行っているところであります。 特に、沢山川の土口水門にポンプ場の設置については、雨宮、土口、生萱地区を初め、屋代沖の農地の関係もあり、関係地域の皆さんの強い御要望もあり、国土交通省に何回も要望をしておりますが、国の公共事業予算が厳しいため、なかなか進展が見られない状況であります。 私も、出水の都度、現地を見ており、9月5日の市総合防災訓練終了後、前日からの秋雨前線の影響により千曲川の水位が上昇しているということもあり、現地に行きまして状況を見てまいりました。このときも水害の不安をぬぐい切れないでいる地域の皆さんにもお会いしたわけですが、やはり抜本的対策の必要性を改めて痛感した次第であります。 土口水門のほか、更級川排水機場につきましても、計画排水量までのポンプの設置も併せて引き続き機会あるごとに要望をしてまいりますが、当面の措置としては、土口水門付近に仮説ポンプの設置も想定に入れるなどして、千曲川河川事務所、建設事務所とも協議をしたいと思っていますが、一部、協議を進めている状況でございます。 また、本年度、建設事務所とも打ち合わせて沢山川の水理調査を実施いたしますが、この調査を待って、詳細資料も作成し、国、県に強く要望してまいりたいと思います。 また、沢山川周辺へ水路の流末の水の集中を避けるため、上流部でのショートカットの方法として、鋳物師屋、中、新田地区を流れる東林坊川の改修について、現在、県など関係機関と協議を行いながら検討をしているところでありますが、このほかにも上流において、さらに千曲川への排水が可能かなども検討しなければならないのではないかと思っております。 このほか、上山田地区にも降雨の都度、宅地に浸水する地区もあり、水路の現況等も調査しておりますが、いずれにせよ市民の皆さんが安全で安心して暮らせるよう万全を期してまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) 9番、内宇田和美君。 ◆9番(内宇田和美君) 市長さんに再質問をいたします。 平成17年5月28日には、千曲市を会場に水防演習が実施されますが、地域社会に水防の重要性を理解していただくには、極めて大切な水防演習であろうかと思うわけであります。先ほど、千曲川では平成7年飯山市で行われ、10年後の17年には千曲市を会場として行われるということでありますけれども、千曲市で水防演習が行われるわけでございますが、得るものは何かということですが、やはり会場となるから住民の意識の高揚はもちろんでありますけれども、2番目のハザードマップについても、このような機会に市民にしっかりと周知していただくことが大切ではないかと思うものであります。 そして、もう1つといたしましては、災害対策の機械の支援はないのかどうかお尋ねしたいと思います。内水排除等につきまして、事細かに河川について御説明いただきましたけれども、排水機場があるから、その地区は安全だと思っているのが皆さんでありますけれども、たまたま過去にも機場がいざというときに動かなかったという経過もあります。そこら辺はしっかりと市でも農林課、建設課、あるいは都市計画課でそれぞれの機場の持ち持ちを持っているわけであります。やはり機械によって操作が違うものがほとんどであります。農林課、建設課、それぞれの課でも、ずっと同じ職員がいるわけでもないし、やはり異動になったときにも機械の操作をしっかりやっておかなければ、いざというときにだめですから、そこら辺も考えていただきたいと思います。 やはり排水機場のあるところから一番近い職員が機械になれていただいて、いつでも指導ができるような体制づくりも必要ではないかと思っております。毎年、区の役員に対しまして、それぞれの職員の皆さんから機械の操作について指導していただいているんですが、1回だけ教わっても、教わってすぐにやればいいんでが、災害という水防に対しては、いつなるかわからない。先般も熱帯低気圧で水が出まして、土口水門が閉まらなかったんですけれども、鳴海機場も稼動していたということで、区の皆様方が夜の9時ころまで、もちろん、指導していただく市の職員も夜遅くまで苦労したという経過がございます。やはり、排水機場があるから安気ではなくて、動かなかった場合困るわけですから、そこら辺の対策をしっかりやっていただきたい。以上であります。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 内宇田和美議員の再質問にお答えをいたします。 来年、水防演習が行われるということで、そこで得るものとしていろいろあるけれども、ハザードマップを早くつくって市民に周知をさせるべきではないかということでありますが、先ほど申し上げたような計画で作成して、周知をするようにしておりますが、できるだけ早くできるように指導してまいりたいと思っております。 災害対策の際に機械の支援ということで、これは御案内のように幾つか排水機場がありますけれども、ほとんどがディーゼルエンジンで動くことになっております。つまり、最初の起動は電気かガソリンでやりますけれども、動いた後はディーゼルで動くことになっております。その切り替えとかいった内容については職員がよくわかっていないといけないということで、担当の課の職員がそれぞれ現場に行って、いつでも対応できるように訓練しております。 また、夜間の場合もございますので、担当の課では、水防担当の職員は待機したり、徹夜でポンプ場に行ったりして、いつでも扱えるようにしているわけでございます。そういった訓練は今までもやっておりますので、これからも間違いのないように担当職員には機械の操作ができるように、さらに徹底してまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
    ○議長(原利夫君) ここで、昼食のため午後1時まで休憩いたします。                    午前11時49分 休憩 --------------------------------- 午後1時 開議 ○議長(原利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 4番、米澤生久君。          〔4番 米澤生久君 登壇〕 ◆4番(米澤生久君) 新風の会に所属しております4番の米澤生久でございます。 だれもが一度は経験をする、この機会でありますので、今後のためにも私はここで若干自己紹介をさせていただきたいと思います。 持って生まれた大声であります。何事も中途半端と曲がったことの大嫌いな男であります。自己主張が強く、問題点には常に提案はつきものであります。現場主義で、そして最後まで納得ゆくまで追及する悪いくせがあるものであります。 さて、出直し選挙といわれておりますが、今回の選挙で過去のことはともあれ、合併をしてできた新市の門出の議会だと考えております。私は、この度の選挙を通して、市民の皆様には「すばらしい千曲市をつくりたい」と訴えてまいりました。 ここで通告に従い、3点について市長にお伺いをいたします。 まず、第一に道路問題です。生活の基盤は申すまでもなく道路であります。基幹道路は着々とよくなってまいりましたが、毎日使う生活道路はどうでしょうか。狭くてはいろいろと問題があります。荷車の時代から時を経て、今日、車社会と変わってまいりました。それらを見たときに、子供たちや孫たちのためにも今やらなければいつできるかと考え、この問題を積極的に取り組む必要があると思います。火災のときに消防タンク車が、また急病のときには高規格な救急車がまいりましても、自宅のそばまで来なければ何の意味もありません。 そこで通告に従い、道路行政について次の点をお伺いをいたします。 建築基準法の後退線についてであります。建築基準法の後退線については、道路中心より2メートルが道路としての後退線となっておりますが、おのおのが建築時点で適正に処理をしていたならば、かなりの場所が既に拡幅されていてよいはずであると考えますが、行政の未処理のためにもとのままになっているところが多く、市の責任であるというふうに私は考えます。しかし、市民サイドにおいても多大の責任はあるということは、そのとおりでもあるわけです。 次に、全線改良への拡幅の取り組みについて市の態度でありますが、前段に申し上げましたように、建築基準法の後退を含めて、もっと毅然とした態度で臨めば、先ほど申し上げましたような今までにもかなり拡幅がされ、改良がされているというふうに考えます。 次に狭隘道路整備事業についてですが、この事業においては、ほとんどの市民の皆様が知らない制度であります。これは私が、この選挙の前までたまたま区長という立場で、この問題に取り組んだものでありますので、よく存じ上げた内容であるわけであります。過去の整理を行うことが大事と思いますので、この狭隘道路については、ぜひとも積極的な予算をつけて進めるべきと考えます。答えは最終的には後退線、並びに拡幅改良と同じ数字になるわけでありますので、ぜひともこの辺を積極的にやっていただきたいということで、市長の意気込みをお伺いをいたします。 次に、隅切りについてでございます。隅切りというのは、それぞれの路線が交わるところにコーナーをとることでございます。拡幅改良の利用効果を上げるためにも、ぜひ隅切りをできるだけ多くとったほうがよいと考えます。この辺も市長のお考えをお伺いをしたいと思います。 次に農業問題で、施政方針の中にも農業振興対策の販路拡大についてうたわれておりますが、JAちくまの農産物総生産額の過半数を占めているといわれるキノコ類の販売促進の一例であります。生産者自身が、社長を初めとして従業員までもが年に何回かのイベントを大消費地東京、名古屋、大阪までも出向いたして頑張っております。なお、このイベントには全県的な規模であり、県の段階では知事の参加も要請をいたしておるところであります。 そこで、千曲市の農業振興の一助として、ニュー千曲市いわゆる新しい千曲市の売り込みと農産物の販路拡大と観光宣伝を兼ねて、ぜひ市長に並びにトップ関係者の参加を望まれているところであります。今年もまた、近いうちに計画をされるでしょう。市長も積極的にぜひこういうところに参加してもらいたいと思いますが、市長のお考えをお伺いをいたします。 次に第3に、千曲市が生まれて、ちょうど1年が過ぎました。希望に満ちた平成の大合併1号ともてはやされての合併でありましたが、市長の言う「だれもが合併してよかった」と思える市づくりに努力されているわけでありますが、多少の歪みもないわけではありません。数多い中のことで、やむを得ないこともあろうかと思われますが、大事なことは、気がついたとき、これが大切です。気がついたときに、いかに市民が納得いくか、また和合をいかに持つかが大切であります。 そこで、老人会(クラブ)の補助金についてお伺いいたします。従来の補助金制度に対して、合併後の一元化した方式だと、仮に少人数グループをAとして、多人数グループをBとしたときに、Aのグループは変わりはないですが、Bのほとんどのクラブがマイナスになり、最大クラブでは半分以下となってしまいました。その数、約会員2,500人が対象になっております。もっと実態に合った改正が行われなかったのか、次の点についてお伺いいたします。 補助金が合併前よりなぜ下がったのか。基本的には組織のつくり方の考えの違うまま行った点であると思いますが、それらの導入についても無理があったのではないか。合併の時間がなかったとか、先般、答弁なされておりますように五百数十にのぼる大きな処理があった。そういう中でという答弁もございましたけれども、多少やはり無理があったと私は考えます。 次に今年の場合は、既に支給済みであります。補正すべきと私は考えるわけであります。補正とは言うまでもなく、まさに正しく補うということであります。先ほども話がありましたけれども、今日の信毎にもありますように、最近、平成の大合併にも何かトーンが落ちてきている気がいたしますが、それらも合併をしたら多少の歪みはやむを得ないではなく、気がついたときに直すことを、千曲市の、要するに平成の大合併の1号としての見本に、悪い例ばかりが取り上げられるのではなく、一応検討をしたら多少の歪みもあった、かようなときには気づいたときに直すという姿勢をスタートの機会にぜひ市長からその所信をお伺いするわけであります。 最後に、今年は済んでしまったという考え方ではなくして、来年においては、ぜひ関係団体と十分な話し合いをして善処されたいことをお願いするわけですが、前段で申し上げました、市長の言われている「合併してよかった」と多くの市民が思えることを込めて、質問を終わらせていただきます。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 新風の会、米澤生久議員の御質問にお答えいたします。 1点目の「建築基準法の道路後退線について」でありますが、御承知のように市内には、幅員の狭い道路はその延長も長く、また各所にあります。そのために、道路幅員が1.8メートル以上4メートル未満の道路の付近で住宅等を建築する際には、建築基準法により御意見にもありましたように、中心から2メートル後退部分が生じてまいります。 この後退部分については、従来は寄付等でお願いをしてきたという経過がありますが、土地所有者等の御理解が得られず、整備を進めることが困難でありました。このため「狭隘道路整備要綱」を定め、住宅等の建築の際、建築主や土地所有者の申し出に基づき、後退部分の寄付や買い受けを行うこととし、その後に道路敷地として整備を進めております。 しかし、買い受けの価格につきましては、寄付のケースとの差もあり、現在は固定資産税評価額の40%でお願いをしております。そのため、建築主や土地所有者等のお考えや土地の価格差などの面で、直ちに対応することが困難な事例が多くありますので、今後、御協力いただける方法について、さらに検討してまいりたいと思っております。 次に、「市の改良の取り組みについて」でありますが、1つの区の事例もあったわけですが、御提案の件につきましては、本年度から全市的にお願いしている「地域づくり計画」方式の浸透によりこれから進めていきたいと思っております。その中で、路線関係者の同意はもとより、区における推進体制により道路整備の後押しをしていただければ大変ありがたいと思います。 また、この場合、家屋等が対象になりますと、補償費等の面で大きな経費となり、困難な場合もありますので、今後、区長さんを初め、沿線関係者の皆さんと御相談をしながら進めてまいりたいと思っております。 次に、「狭隘道路整備事業について積極的な予算を」という御意見でありますが、市内の古くからの集落には狭隘道路が大変多くあります。予算等の関係で希望箇所全部とはまいりませんので、この事業の場合、建築主や土地所有者の申し出を基本としておりますので、直ちに対応することが困難なケースも多いわけでありますが、地域や地権者の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、狭隘な道路の早期解決に努めてまいりたいと思っております。 次に、「隅切りをできるだけ多くとったら」という御意見でありますが、道路の交差部における隅切りについては、交通安全面でも必要な部分であります。4メートル程度の道路改良では、隅切りの1辺2メートルを基本として整備を行っております。 しかし、既存の道路における隅切りは双方の道路幅の問題もあり、また土地所有者の御理解が得られなければなかなか整備が進まないのが現状でありますので、今後も地域の御要望をお聞きし、御協力をいただくようお願いをしてまいりたいと思います。 次に、「農業振興、消費宣伝会の参加を市長並びにトップ関係者に望む」ということでありますが、昨年、9月の第1、第3、第4土曜日と日曜日、「千曲市誕生記念ちくま農産物フェア」をリンゴ、ブドウ、キノコの生産者の参加と百貨店の協力をいただき、首都圏の店舗でJAちくま管内の農産物及び千曲市、JAちくま、農産物の加工品の紹介と試食宣伝会を開催し、併せて観光宣伝として2万枚の観光パンフレットを配布をいたしております。 食味のよさと値段が適当であるため、首都圏の消費者に受け入れられ、巨峰は大好評で完売し、つがる、キノコ、花卉なども順調に販売され、千曲市の農産物と観光の宣伝に結びつくことができました。 本年度につきましても、リンゴ、ブドウ、キノコを栽培する生産者6名と更埴、戸倉上山田の両観光協会、首都圏の販売協力店舗、JAちくまの協力によりまして、9月4日、5日の土曜日と日曜日にかけて物産展支援事業として、ちくま農産物フェアを開催いたしました。特に、ブドウとリンゴの甘味と酸味は消費者の評価が高く、ナシ、ネクタリン等の果実とともに順調に販売され、キノコは完売になるほどの好評でありました。このことについては、担当のほうから詳細な報告を受けております。 事業主体のJAちくま及び首都圏の販売協力店から、ちくま農産物フェアの開催要望が引き続きあります。先ほど申し上げました、9月4日、5日は神奈川県川崎市の大手スーパーで行われました。これらのイベントは、今後、関東地域以外でも農産物フェアを開催することも検討しております。 また、地産地消の一環としまして、市内で栽培されております特産新品種小麦「ユメセイキ」でつくられたうどんは、もちもち感、つるつる感とコシのあるのが特徴で、従来になかった食感があります。この特徴ある小麦の特産品化と地産地消を推進するため、関係機関により「ユメセイキ産地化推進会議」が組織されております。 推進会議において事業を進める中で、本年4月から、このうどんが初めてあんずの里物産館において食べることができるようになり、これと併せまして4月30日、「うどんの名称発表会及び試食会」を報道関係、食品、農業関係機関の皆様方をお招きして開催し、うどんの名称を「信州の夢うどん」と名づけさせていただきました。「ユメセイキ」小麦の作付け拡大と消費拡大をPRしてまいったところでありました。 名称発表会及び試食会には、大勢の皆様方に御出席いただき、これまでにはなかった食感を味わっていただくことができ、テレビ報道もされ、また、後日、新聞でも「ユメセイキ」小麦の生産からうどんがつくられるまでが掲載されました。 今後も、物産展支援事業や地産地消に積極的な取り組みをし、日程等の調整がつけば、土曜、日曜はほとんど私もつまっておりますので、私や理事者も参加し、千曲市ブランドの確立や宣伝に向けて一役買っていかれればと思っております。 次に、老人クラブの補助金についてでありますが、老人クラブの補助金が合併により地区によっては合併前より減額になってしまったということでありますが、御承知のように老人クラブへの補助金につきましては、高齢者の生きがいづくり対策及び社会参加を促進するため、活動や事業の実施に対して交付しているものであります。 従来の補助金額の算定方式につきましては、旧更埴市と旧上山田町は、県の基準に準じ、老人クラブの規模、つまり単位クラブに応じた基準額と会員の人数割の合計額により交付していたのに対し、旧戸倉町は会員1人当たりの人数割により補助金額を算定する方式をとっておりました。 合併協議の中では、県の補助基準に合わせることで合意がされておりましたので、結果的に平成16年度の補助金については、比較的会員の多い旧戸倉町の老人クラブが減額となったことは各方面からお聞きしております。 老人クラブの補助金に限らず、他の多くの団体に対する補助金支出の基本的な考え方は、各種団体の事業に対して応分の補助を行うという原則がありますので、いろいろと議論をしましたが、財政状況もあり、戸倉町の老人クラブには大変ご迷惑な方法になったと思っております。 合併協議の中で、補助金に対する調査、研究する期間が十分あったのかとの御意見ですが、当時、協議の中では、各老人クラブに説明をするなどの時間的余裕がなく、御理解をいただけない中で決められた経過もあり、説明不足があったことは反省をしております。6月の議会でも答弁させていただきましたが、現在では県の補助基準に合わせてありますが、17年度につきましては、今までの経過も検討し、もう少し弾力性を持たせた算定方式にし、計算方法もいろいろあると思いますので、会員数の多い、あるいは少ないにかかわらず、公平に補助金を交付できるよう見当したいと考えております。 また、今年度の補助金につきましては、補助金の目的等と照らし合わせ、また、老人クラブ会員の皆さんの御意見等をお聞きする中で、財政面や公正・公平性を考えて、さらに研究したいと思います。御意見では、気づいたときは直せというお話でございますが、合併協議の関係もありまして、大変難しい問題だと思いますが、今後に向けて十分に検討したいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) 4番、米澤生久君。 ◆4番(米澤生久君) ただいま市長から、それぞれの御回答をいただきましたけれども、まず第1に道路狭隘の関係でございます。早期に解決をするという姿勢についてはわかりましたけれども、具体的に来年度においては、一定の担当部署が十分これに対応できる予算措置を考えているのか、そこまで踏み込んだお考えをお伺いしているわけであります。 次に、農業問題につきましては、非常に適切な御判断と、また既にやられておる事業等も御説明いただきました。時間があるときにはというのは、当然のことでございますので、できるだけ時間を割いて農業面にもお力添えをいただきたいということで結構でございます。 次に、老人会についての質問に対しては、いささか不満を覚えるものでございます。具体的に時間のある限り御説明をさせていただきたいと思います。そして、この後に市長が「したいと思う」とか、そういう点についてまで、私は突っ込んでお話をさせていただきたいと思います。 まず、私は、出身地は千本柳でございますので、近いところの例を数字で申し上げたいと思います。175名の会員がおりまして、旧戸倉町方式では、先ほどのお話のように11万円の交付でございました。これが合併して五万九千なにがしという、およそ半分になったわけです。千本柳より大きい区は、今井区というのが戸倉町にございます。今井区におかれましては、この議論をする前に、市がそのような考えであるならば、我々は市の統一している老人クラブからは脱退しますといって、既に脱退されてしまいました。かようなところを市長はご存知ですかと伺いたいのですが、これはでき得れば、部長さんに経過を御説明願えれば幸いと思います。 そんなことで、比較対象のために、稲荷山の西区が人数の上において非常に適切なので取り上げさせていただきます。52名の会員で、新の方法は当然、ずばりスライドですから行われるわけです。逆算をして、戸倉町に当てはめてみた場合には、これは本来3万2,000円になってしまいます。しかしこれは、今までと変わらなく新の方式ということで1万7,000円のプラスになるわけです。 そんなことを考えたときに、今、私が言っていることは、戸倉方式の定額方式で戻せと、今年の場合は。こういうことを言っているわけですね。しかし、それをさておいて、もう1点、現行に合わせて千本柳が西区と同じように175名という組織ではなく、県の方針や市の方針である小さい単位に老人クラブをしていったらどうかということから、52名に仮定して、西区と同じ千本柳の中に3つの老人クラブが組織をされたとしたならば、逆にこれは新方式に合わせると15万円の支出になるんです。先ほど、西区が5万円ですから。そうすると、戸倉町の方法に合わせても、新しい方法に合わせても、いずれにしろアップするわけです。戸倉町の方法で、650円で合わせても11万円になる。そして現行の方法に合わせると15万円になるということで、かなりのアップになるわけです。これは市の立場でアップになると言っているわけです。逆に返すと、市民はこれだけのマイナス、表現を変えると損をしたと受け取るのが一般論ではないでしょうか。 そこで私は、気づいたときに直していただけないか、しかもこれは平成の大合併のモデルに関係する事項に値すると市長に答弁を求めたわけです。よって、この辺は先ほどの最終的な答弁に「そうしたいと思う」ということは、「したい」というのは希望だと思います。「思う」というのは思うだけだと思います。これはいささかな回答でもないと思います。私は、はっきりと、この議会が開かれた議会になるように、できるだけ市長さんの答弁は、何々をする、しないというのはどうだからしないとはっきり言ってほしいと思います。 そんなことで、あえて元に戻せという表現をいたしましたけれども、それだけの大きな差を感じる老人クラブの皆様方に、市長はぜひ納得のいく答弁をしていただくならば、迎える敬老の日に我々多くの議員も招待を受けているはずです。市の考え方を適切にお答えする義務があると思います。本日は報道も当然入っていますので、されているわけですが、ぜひともその辺をきちんとお答えいただきたいと思います。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 米澤生久議員の再質問にお答えいたします。 1点目の狭隘道路の解消に向けてでありますが、これについては、市の中でも公共事業、いわゆる道路関係に投資する枠が決まっております。そういった中で、特定の場所だけに集中することは困難だと思います。ましてや、今、まちづくりの会議で各区から、この前もお話し申し上げておりますように1,400にものぼる御要望が出ているわけです。それを全部整理していくには、実際にやっていくには、ある程度、時間がかかるということでありますので、すぐに確約をしろと言われても、これはできない問題もあるということは御理解いただきたいと思います。 次に、老人会についてでありますが、確かに不満の声があるということは十分お聞きしております。ということは、合併協議の中で旧町長たちも一緒になって議論した中で、そういう方法でやろうと決めたわけです。そして協議会に諮ったわけです。それが、実際には戸倉の場合には、会員数によって補助してきていたので合わないという結果が出てきたわけであります。これについて、予算ができてしまった関係がありますから、すぐに直せるかと言われても、なかなかそうもいかないという面がありまして、来年度までには、どうやったら手直しができるか検討したいと思います。来年の予算の中では納得のいく方法でやるとしても、老人会の皆さんと十分お話し合いをしたいと思っております。 これは担当の部長からということでありますが、予算の関係がありますから、私のほうから一括してお答えしますが、そういうことで、気づいたときにはすぐに直せというお気持ちはよくわかりますけれども、十分その御意見は受けとめまして、これからどうするか担当のほうでも検討させたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) 4番、米澤生久君。 ◆4番(米澤生久君) 再々質問をさせていただきます。 今、市長が答えられましたように来年度に向けて協議を、また検討するということは、当然な内容だと思うんですけれども、その当然の内容というのは、私は今年の方法が悪いと言っているわけではないんです。今年の方法で来年も結構ですと申しているんです。というのは、受け入れ側の老人クラブがそれに適応した体制をとるということの話し合いをしないとだめだと言っているわけです。そんなことで、お答えの中では、今年のところは検討するというふうに受けとめるわけですけれども、検討とは検討であって、補うと言ってはいないと受け取ります。来年のことについては、私は来年はいいと言っているんですから、今年については時間がないから来年まで繰り延べてしまうという話ならわかるんですが、今年のことは今年で検討しておいて、それでおしまいなんだということになると、私はいささか質問に対してのお答えがおかしいのではないかということを申しているんですが、その辺だけ、きちんとお答えいただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 米澤議員の再々質問にお答えいたします。 なかなか言葉のあやといいますか、その辺を捕まえての御意見だと思いますが、私が申し上げておりますように、今までの結果についてはお聞きしております。それを受けてどうするかというのは、今までも検討しているわけです。今後についても検討した中で、一番は老人クラブ側の御意見をよくお聞きしたいということで、どうするかこれから御意見の中で検討していきたいということでありますので、御理解いただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) ここで、暫時休憩いたします。                    午後1時40分 休憩 --------------------------------- 午後1時41分 開議 ○議長(原利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 2番、宮入高雄君。          〔2番 宮入高雄君 登壇〕 ◆2番(宮入高雄君) 先の改選で初当選を果たさせていただき、議会の一端を担うこととなりました宮入高雄でございます。多くのご支援をいただいた有権者の御負託を背に、一市民及び地域の代表として、議場においては一議員として、また新風の会、会派の一員として全力を尽くしてまいる所存でございます。市長を初め、理事者の皆さん、先輩議員の皆さんにおかれましては、今後ともご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。 初当選後の本議会で発言の機会をいただきましたことに感謝申し上げ、私なりの市政に対する質問をさせていただきます。 合併して1年が過ぎました。市長におかれましては、まさに生みの苦しみから育ての難しさにおいて大変御苦労の多かった1年であったと思います。何事も最初が肝心であります。やや性急過ぎた事務の一元化に伴う諸問題、多少の合併後遺症は仕方ないにしましても、早期治療の可否が市長の政治信条であります「心はひとつ」、いわゆる「和」に直結する大事業となるわけでありますので、この合併後遺症をどう重く受けとめ、弾力的に善処するかを、多くの市民が注目していることも事実でございます。 平成の合併、県下第1号として、前途洋洋と船出した千曲丸でありますので、宮坂市長の色彩豊かな絵心を遺憾なく十分に発揮していただき、悔いのない、そして活力のある新生千曲市のスタートとしていただきたいと切に願うものでございます。 さて、私は今回の選挙で行財政改革と教育改革等を訴えてまいりました。今回は記念すべき第1回目の質問でありますので、市政運営の基盤となります財政問題について、幾つか質問いたします。 第1点として、昨今、地方自治体の大きな話題となっております三位一体改革を踏まえての財政改革についてであります。 今日、国の財政は極めて厳しく、近い将来、改善される見込みはほとんどありません。地方財政も同様に悪化しておりますが、国とは異なり信用力が小さいため、安易な赤字国債の発行はできません。したがって、国は地方が赤字になった場合は、地方交付税で財源の補填をしていまいりましたが、国にいよいよその余力がなくなってしまい、地方へ権限を移譲することにより、地方交付税と補助金を削減する、その具体策が今回の三位一体改革であります。 この改革の初年度である16年度は、いわゆる骨太の方針第3弾に沿って地方交付税の大幅な削減や国庫補助負担金の削減に見合う税源移譲額が極めて少額だったことから、国の財政再建ばかりが優先され、地方への負担の転嫁だけが目立つ改革となりました。本来の「地方にできることは地方に任せる」という地方分権推進の理念とは程遠い内容であり、本年度当市の予算編成にも重大な支障を及ぼしておることは御承知のとおりでございます。 今年度予算編成においても、10億7,800万もの基金の取り崩し、そして事業の先送りや人件費等経費の削減額が4億5,800万円、まことに財政課の苦悩を痛感する編成内容でありました。 また、骨太の方針第4弾を受け、全国知事会や市長会は地方への税源移譲の引き換えとして、確実な税源移譲や地方交付税による財政措置等が確実に実行されることを明記し、国庫補助負担金等に関する改革案をまとめたことは御承知のとおりでございます。 しかしながら、出発点が国の財政負担を減らすことでありますから、地方にとっては一大事であり、一面では国の束縛を解かれ、地方の自由がふえることにより、地方にとっては望ましい状況とみなせるかもしれませんが、財源のない自由は、反面、財源のある束縛より厳しい状況となるわけで、今まで以上に自立化の道を探らなければならないという、大変難易度の高い舵取りが全国すべての地方自治体に要求されております。 さて、千曲市は行財政能力をより高めるため合併の道を選び発足しました。国は合併を促進するために多くの合併特例を用意しており、中でも魅力的だと思われていますのは、財政特例であります。 1つは、地方交付税計算の一本算定への切り替えを10年延期する特例でございます。10年間は合併前の個々の自治体ごとに算定した合計額を交付し、その後、5年間かけて一本算定の水準に漸減させていくものですが、15年後には交付税が大幅に縮減することは確実であります。 今年、7月27日、本年度の普通交付税額が決定され、当市は、総額、これは臨時財政対策債も含みますが、約62億円、前年対比2億3,000万の減でございます。今年の決定額を財政特例のない場合、いわゆる一本算定の場合はどうかと申しますと、財政当局の資料によりますと、普通交付税、49億約4,000万。例えばこれが15年後と仮定した場合、約11億7,000万の減となるわけでございます。 また、もう1つの合併特例債についても、先ほど述べました国・地方の将来にわたっての楽観視できない財政状況を考えますと、その償還が市財政に重くのしかかってくることは明確でございます。 この財源保障は、国の半分が借金である。国の累積債務が500兆円という状況の中で、国依存の発想、何とかしてくれるだろうという発想は今日では通用いたしません。 これらを念頭に、精度の高い中長期財政計画を作成し、合併直後から財政改革を断行していかなければ、10年後以降は極めて厳しい現実に直面することとなることは明確でございます。 さて、合併前に合併協議会で旧1市2町の住民に提示されました新市建設計画の中の前後期財政計画は、初年度である平成16年度だけを見ても、予算額との整合性に欠け、将来が理解できる信憑性の高い財政計画となっておりません。新市建設計画の後段に前期後期の財政計画が掲載されております。例えば、一般市民とすれば、これは合併前です。1年半、半年から1年前でしょうか。歳入の面を見ますと、地方交付税は計画に比べて、これは16年度の予算と比較してですが、11億円の減、積立金等の取り崩しによります繰入金は、計画では1億が11億で、10億円の増です。また歳出の面においても、なるべく上げてほしくない公債費、物件費が計画に比べて16年度予算は13億円の増でございます。それから、私は一番残念だと思いますのは、特に市内の建設業者、一般市民もそうでしょう。生活道路がよくなるのかなと期待していたにもかかわらず、計画に比べますと18億円の減でございます。 先ほどの市長の答弁からいたしましても、平成12年度の決算を見て作成したと。それは私も今まで職員をやっておりましたからわかります。しかしながら、合併前の市民に提示している新市建設計画は、市民とすれば、当事は住民だったでしょうか、旧1市2町。この計画を見て少しはよくなるのかなと期待を抱くわけです。大胆なハード事業、例えば、新幹線新駅。これも大胆なハード事業です。そういうことも組み入れながら、反面、福祉、教育、文化、産業振興のためのきめ細かなソフト事業への展開を期待していた住民からすれば、期待はずれの感はぬぐえないと同時に、この前後期財政計画への不信感を抱くのは当然のことではないでしょうか。 そういった意味で、信頼できる中長期計画を、先ほど市長は、17年度に見直して18年度からかな、と言っておりましたが、私はこの計画は地域、市民の皆さんに理解していただくためにも、例えば計画と予算額の差は私は仕方ないと思います。平成12年度決算をベースにして作成したわけで資料はあまりありません。しかも合併前だと。先ほど、米澤議員さんもおっしゃいましたが、おかしいなと思うことはなるべく早めに是正していただきたい。そして例えば計画が厳しいものとなると先ほど市長が答弁したとおり、厳しい内容でも結構なわけです。市民が合併したけれども厳しいんだなと。財政特例ばかり鵜呑みにして、あぐらをかいていれば、10年、15年後は大変なことになるとわかる計画でもいいのではないでしょうか。いずれにしましても、市民が納得できる、理解が得られる、正当性のある計画を早めに見直して作成し、公表していただきたい。その点について市長のお考えをお聞かせください。 次に、財政改革でございます。 2年ほど前の朝日新聞で、退職金危機の実態を報じた記事が掲載されました。全国都道府県、政令指定都市を対象に50代の行政職員の退職金について、支払うべき年度にその金額が支給できるか否かについてのアンケート結果でございます。「検討中」、「無回答」と併せ、「不透明」と回答した自治体が5割強でございました。今後、デフレによる税収減、公債費の償還増を考えれば、この数はもっとふえることが十分予想されるわけでございます。 特に、団塊世代、2007年は全国で800万人が退職なさるそうですが、これにかかる退職金が全国で17兆円だそうです。当市においては、職員課の資料によりますと、当市、来年から10年間の平成17年~26年まで、退職者が160人、全職員の33%、この皆さん方がお辞めになるわけですが、これに要する費用が約42億5,000万円必要とされており、これは職員の皆さん方に影響が及ばないかどうか、大変私は懸念しておるわけでございます。 しかしながら、ゼロ成長時代の人件費の縮減のみでは、また物件費の削減のみでは、財政危機は乗り切れません。歳出の膨張の抑止は、単に財政上の経費削減や組織のスリム化の問題にとどまるものではなく、市民と行政の関係のとり方の見直し、また、庁内組織や人事制度、職員の思考・行動様式の問い直しと深くかかわってきております。構造改革、行政機構の「内側からの危機」という認識を基本にすえた改革であってこそ本物と言えるわけでございます。 親方日の丸時代は過去になりつつあり、自治体間の競争、サバイバル時代に突入しております。ぜひこの構造改革なくして財政改革なし、こういった基本に基づきまして自主自立のための抜本的な財政改革を早めに断行してほしい。それについての市長の考えをお聞きいたします。 次に、今後の財政運営についての幾つかの質問であります。 第1点は、こういう時代だからこそ地方分権、地域間競争の中で自主財源の確保が一番ポイントになるのではないか。そのために各自治体がものすごい競争を展開するのではないか、もう始まっていると思います。産業の活性化につながるソフト事業、これは現在でも、例えば千曲商工会議所では栞の里構想、JAの皆さん方有志によるユメセイキうどん、並びに千曲川、姨捨文化、観光、農業、あんず、温泉、花幾つもあるわけです。 その中で重視してもらいたいのは、現に一般市民の中で自主的な活動を行っている、そういった活動への市としての強い支援をお願いしたいと思うわけです。特に、資源を生かした特産品の開発、ブランド化について大いに支援していただきたい。それについての市長の考えをお聞きいたします。 2点目、未収金の問題です。9億3,300万円の滞納額、平成15年度、徴収率が88.7%、90%を欠けてしまった。これは実に残念なことでございまして、危機意識の欠如といいますか、関係部局の連携強化による具体的な解消策について、ぜひお伺いしたいと思います。 3点目、これは新税の導入についてですけれども、法定外目的税の検討。例えば、今日の新聞を見てみますと、昨日、東京都の豊島区では放置自転車の対策推進税が総務省の同意を得たという記事が載っていました。ほかにもワンルームマンション税などが6月から施行されているようですが、こういった放置自転車対策推進税とか、千曲川の釣り人の皆さん方に協力していただく遊漁税など新税を導入する考えはないでしょうか。 第4点目、使用料、手数料等の受益者負担の適正化について考えをお伺いしたいと思います。 最後ですが5点目、土地開発公社長期保有土地対策についてでございます。私も企画財政課の当時、バブル絶頂期にふるさと創生事業等でだいぶ土地買収の仕事をさせていただきました。今現在、千曲市の土地開発公社が、買収したまま10年以上経過している土地が3万3,000平方メートルございます。この3万3,000平方メートル、全体の約3割でございます。悪く言えば塩漬け土地になっていますという市民への全面公開、そして、それよりも買収目的に要しない土地の用途変更による早期処分。これは監査委員さんの方からも指摘がありましたが、この用途変更による早期処分。また、場合によっては有償一時貸付等についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 新風の会、宮入高雄議員の御質問にお答えをいたします。 「三位一体改革と今後の財政運営について」の1点目、「三位一体改革の影響と財政改革について」ということでありますが、「三位一体改革」につきましては、これまでの代表質問、個人質問でもそれぞれお答えをいたしましたが、御意見のように「三位一体改革」は、「地方が決定すべきことは、地方がみずから決定する」という地方自治本来の姿の実現に向けた改革とされ、地方分権推進の一環として、昨年の「骨太方針2003」において提起され、国庫補助金の廃止等、幾つか提案されたわけであります。 ここはですね、平成18年度までに、概ね4兆円の国庫補助負担金の廃止・縮減をすることになっておりました。先ほど、日本共産党議員団、田沢議員の御質問にもお答えいたしましたが、改革初年度の今年の16年度では、公立の保育園の運営費など、また介護保険の事務費など、合わせて2億2,500万円も減ってきている。これに対して手当てをされたのは1億805万円と減額された額に比べ、かなり少ないものであり、平成16年度は国の財政再建だけが先行した内容でありましたので、全国市長会でも、国に強く見直しを要請しているところであります。 これらの効果もありまして、今年の「骨太方針2004」では、3兆円規模の税源移譲を目指すことを盛り込むとともに、国庫補助負担金削減の具体案を地方にとりまとめるよう要請があり、先に地方6団体は、その具体案をとりまとめて、小泉総理に提出したところであります。いずれにしても、国会、あるいはそれぞれの省庁で協議中ということでありますので、今後、どのようになりますか先行きがまだまだ目が離せないという状況かと思います。 次に、「地方交付税の算定替え措置が切れる16年後を見据えた財政計画及び財政運営をしなければ、将来、非常に厳しい現実になるのではないか」との御意見は、そのとおりと思います。仮に、今年度の地方交付税の確定状況で単純に見ますと、合併算定替えによって制度的に多く交付される額は9億5,591万円余でありますが、特例措置が終わり、平年ベースになる16年後は、この分についてもちろん暫減するわけですけど、5年間でさらに収入が減るということになります。その間に、さらに国の財政状況等を考えますと、今のところ推計が非常に難しくなってきている。地方行財政全体の枠組みが大きく変わってきておりますので、改革の内容を見極めて対応していかなければならないと思っております。 合併協議会では、新市建設計画の中で、将来を見据えた財政のシミュレーションも行い、財政計画としてまとめたところは、今まで申し上げたとおりでありますが、このとおりにはなかなかいかないのではないかと考えております。 また、「この計画と今年度の当初予算は整合性に欠けているが、早い時期に詳細な計画を立てるべきと思うがどうか」とのことでありますが、千曲市の財政計画は、先ほど申し上げましたように、平成12年度の決算状況をベースとして、合併協議会の中で決定された事項がそれぞれあるわけです。また、このときに国や県の補助金等の減少など、歳入歳出の各項目についての増減を考慮して、計画策定時の財政状況及び制度を基本として将来推計をしたものでありますが、まだそれよりも、さらに今の地方財政計画の規模が抑制されてきているということもありまして、その影響がもっと大きくなると予測されております。その点で、財政計画に比べて予算規模が縮小となったということであります。 計画と実際の予算額との差が大きくなった主なものを申し上げますと、歳入では、景気の低迷や課税体系の変更等による市税の減、それから三位一体改革等による地方交付税及び国・県の支出金の減であります。歳出では普通建設事業費が大きく減額をしておりますが、これは地方財政計画の投資的経費の削減にもよるものであります。 このように厳しい状況の中で、今後、三位一体の改革により国庫補助負担金や地方交付税等の削減が避けて通れない状況でありますので、平成17年度に、今年度の予算執行状況や決算をベースとして、改めて財政のシミュレーションを行い、実情に合った将来見通しを立てたいと思っております。財政が一番厳しくなっている大きな原因は、「市の基本財源である市税の収入の伸びが今のところ見込めない現状という状況であります」。このような状況につきましては、今議会の終了後に状況についても市民にお知らせしてまいりたいと思っております。 また「自主・自立のための抜本的な財政改革の断行について」ということでありますが、これまでも多くの議員各位の御質問にお答えしてまいりましたが、合併後の市の方向を示す「まちづくり計画」や、合併協議でされた約束は守らなければならない。これは今着実に進めなければならないと考えておりますが、その中で、職員の退職金の将来の額等にも触れられましたが、必要経費は当然、計画的に積み立てたり、あるいは対応することは考えていかなければいけないと思っております。自主・自立のためには、当然、財政の裏づけが必要でありますので、それらを十分検討して、御意見にもありますように将来に向けての推計をしっかり立て、間違いのないよう進めたいと思っております。 次に、大きな2点目の「今後の財政運営について」ということでありますが、1点目の「自主財源の確保について」であります。具体的に歳入の7割ぐらいという数値もありますが、三位一体改革が進み、税源移譲が進むと自主財源がふえ、かなりの部分が自主財源となり、自由度も高まると見られがちですが、とんでもない話で、一方では補助金や地方交付税が減りますので、地方の責任が重くなることから、財政運営には一層の工夫が必要になると思っております。 また、「産業の活性化につながるソフト事業の展開や千曲市の特色を生かした産業の振興について」ということでありますが、これも今までの御質問にもお答えしてまいりましたが、「今後の市政推進のキーワード」になるものと思います。新しい産業を起こすことは税源の醸成にもつながりますので、「まちづくり計画」に沿って、新しい計画等を導入いたしまして総合的に対策を講じていきたいと思っております。 次に、「市税等の未納金対策と新税の導入について」でありますが、自主財源の確保に大きな影響を及ぼす要因の1つとして、市税等の滞納があります。これは市民の皆さんも財政的に非常に苦しいということは、よくわかるんですけれども、やはり公平性を保つためにも、整理をしてお願いしなければいけないということで、職員等も滞納整理には十分力を入れて今お願いしているところであります。 滞納者にとっては、市税だけでなくて、他の各種公共料金等、例えば上下水道料、市営住宅の使用料等いろいろあるわけですが、そういったことも未納となっておりますので、市の収納全般を担当する調整幹を税務課に配置して、関係課との連絡調整、情報交換をする中で、極力連携して個別訪問等、滞納整理を行って、収納率の向上に取り組んでおるところであります。 なお、訪問時等には納税に対する理解を深めるとともに、あるいはまた相談をしていただいて、誓約書を書いていただいたり、あるいは分割納入の方法なども御相談の上でとっているところでおります。 また、税務課の職員は当然でございますけれども、関係各課の職員によりまして「滞納督励プロジェクトチーム」をつくって、強化月間の設定などには、集中的に戸別訪問をして滞納整理にご協力いただくようにしているという状況でございます。 また、口座振替による納入が収納率向上に直結することから、この拡大を目指して、日ごろからいろいろ取り組んでおりますが、本年4月1日からは従来の金融機関に加え、新たに郵便局での口座振替及び納付ができることになりました。こういった点もさらに周知を図って、利用していただくよう考えております。 これらの滞納整理を進める中で、大口滞納者や担税能力があるにもかかわらず納めていただけない悪質な滞納者につきましては、財産調査などを行いまして、差し押さえなどの滞納処分も実施して、厳正に対処をしております。 いずれにしても、大変厳しい経済情勢でありますので、今後も負担の公平性を保つため、滞納者との面談による相談、話し合いを通じて適切な指導や対策を講じてまいりたいと思っております。 また、「新税の導入について」でありますが、地方分権により自治体によっては「総務大臣の同意を得て、独自の税を設けて課税する」という、いわゆる法定外税の動きもあります。先ほどの池袋の放置自転車税もそうでありますが、そういった新税の創設は、考え方はいいんですけれども、住民や関係方面の反対もあり、なかなか現実には実現できないという悩みがございます。 御承知のように、合併協議では旧市町ごとに異なっておりました法人住民税あるいは固定資産税等の税率を統一し、標準税率に引き下げるなどの財政措置を行ったわけでありますが、これもある意味では税収が減っていることになるかと思いますが、これも今年から実施をするようになったわけです。 一方で、国の税制改正等によりまして、個人住民税の均等割が旧市町の時よりもこれから1,000円の増額となり、来年度以降には配偶者特別控除、あるいは老年者の特別控除、公的年金等の控除の見直しなども行われることになっております。これら納税環境や現在の経済情勢を勘案して、新しい税を設けることはなかなか難しい状況ではないかと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。 次に、「受益者負担の適正化について」でありますが、御案内のとおり、大きなとらえ方をしますと、市民の皆さんにご負担いただいているものは、市税を初めとして、国民健康保険税、介護保険料や保育料、住宅使用料、下水道使用料や各種施設の使用料など多岐にわたりますが、これらの負担基準につきましては、合併協議会でも検討して現行の制度内容が決定された経過もあります。市民の負担増を伴う見直しにつきましては、今のところ大変難しいということで考えておりませんが、今後、使用料・手数料等の見直しをしなければならないような情勢になるかもしれません。そのようなときには、議会を初め、市民皆さんの御理解をいただく中で行っていくようにしたいと思っております。 また、「歳出の抜本的見直しについて、歳出構造にまで踏み込んで厳しく見直す必要があるのではないか」ということでありますが、前段で申し上げましたように、合併直後でもあり、均衡のとれた地域とするため、今は「まちづくり計画」で予定されております事業を着実に進めたいと思っておりますが、一方で、組織のあり方や事務事業など、現在、策定作業を進めております「行政改革大綱」で、そのあり方が示されることになっておりますので、これも着実に進めていきたいと思っておりますが、歳出につきましては、予算編成も含め、経費節減等慎重に検討して議会にもお諮りしておりますので、御理解をいただきたいと思います。 次に、「土地開発公社の長期保有土地について」でありますが、御承知のように、土地開発公社は公有地の拡大に関する法律の規定に基づき、当該自治体の事業推進のために必要な土地の先行取得を主な目的として、その自治体が100%出資して設立している特別法人であります。 千曲市土地開発公社は、合併前の更埴市と戸倉町がそれぞれ設置をしておりましたが、合併協議で確認された手続きにより統合し、昨年9月1日に市の誕生と同時に新しく発足いたしました。 経営は、15名の理事にお願いしておりますが、この内訳は、市民の代表の方が8名、市の職員が7名となっております。また、監事は2名で、1名は市民、1名は市の監査委員にお願いをしております。 土地開発公社の財務状況につきましては、公有地の拡大に関する法律及び地方自治法の規定に基づき、毎年、議会にも報告をしているところでありますが、御意見にもありますとおり、平成15年度末の保有土地は、11万5,700平方メートル余で、この帳簿価額は31億6,178万円余となっておりますが、その多くは、市が土地開発公社に依頼をし、先行取得したものであります。このうち10年以上保有しているものは、3万3,100平方メートル余で、10億8,000万円余となっております。 御質問は、「市民への全面公開、買収目的に要しない土地の用途変更による早期処分、有償一時貸付等についての考えは」ということでありますが、10年以上保有している土地の中には、国道18号線バイパス計画地内にあるものや、戸倉地区にあります千曲警察署戸倉・上山田交番用地、また現在整備を進めている戸倉駅前の駐車場用地、今後整備を予定しております公営住宅用地等、「まちづくり計画」で整備を予定しているものもありますので、それぞれの整備に合わせ、計画的に引き取っていくことにしております。 平成15年度におきましては、全体で2万8,000平方メートル余で、7億4,200万円余の引き取りを行いました。 御意見のように、なかなか当初の取得目的どおり活用できていないものもありますが、このことにつきましては、土地開発公社の監査報告でも「用途変更等により早期に処分できるように市に働きかけること」との意見が付されており、今後、「まちづくり計画」の着実な推進に併せて、新たな活用方法を見出す等、長期保有の解消に努めていきたいと思っております。 また、「有償貸付をして有効に活用するように」との御意見でもありますが、土地開発公社では可能なところは現在駐車場やあるいは工事なんかに伴う資材置き場等として一時貸付をするなどしておりますが、さらに有効な活用について指導していきたいと思っております。以上であります。 ○議長(原利夫君) 2番、宮入高雄君。 ◆2番(宮入高雄君) 大変、懇切丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。 合併して初年度の平成16年度だけを見ても、計画と一般住民に合併前に知らせた、こういういくらか夢のある千曲市になりますよと、財政計画はなっておるわけです。ところが、初年度の16年度で基金の取り崩し、基金繰入が11億円、計画は1億円だった。大丈夫かなと心配になるのは市民としては当然だと思います。 ですからそういう違いは仕方がないにしましても、合併したけれども、財政特例も受けているけれども、千曲市の財政は厳しいんだと。職員の皆さん方は、当然そういった問題意識、そういったもので見ていますからわかると思いますが、一般市民にも、こういうことで厳しいと、だから協力してくれと。9億3,300万もの滞納額についても協力してほしい、そしてそれなりにまた、職員体制も考えて、そういった市長のイニシアチブといったものを、今以上に発揮していただいて、厳しいけれどもみんな頑張っていこうといった、そういったお話をそこらでも市民と会う機会ごとに話をしていただければ、まだ計画の見直しまで1年以上かかるということですから、18年度の計画まで待つにはちょっと私は遅いと思いますけれども、決算、15、16ぐらい見たいという気持ちもわかりますので、その辺を市民へのPRを、財政特例であぐらをかいている場合ではないという話をしていただきながら、ちゃんとした計画を立てていっていただきたい。私も議員でありますので、そういったことは地元でもお話していきたいと思います。その辺をお聞かせいただきまして、終わりにいたします。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 宮入高雄議員の再質問にお答えをいたします。 合併して初年度を見ても、合併前、つまり計画をした当時と比べて大変財政が厳しくて、基金の繰り入れが多いではないかということで、心配をされておりますが、一般に予算を立てるときに決まっていない内容がたくさんあるんですね。例えば、地方交付税がまだ決まってこないとか、国・県の補助金等も決まっていないというものもありまして、そういったものも含めて、とりあえずは基金の取り崩しをして予算編成をして、その後、国・県に要求をしたり、あるいは国の算定によります地方交付税等も受け入れて額が決まってくると。その時点で、基金はまた元にもどすということになるわけですけど、一応は繰り入れをしないと、なかなか計画した事業が進行できないと、こんな点もありまして、財政上のやり繰りで、最初は基金の繰り入れを多くみているという状況があると思います。 そういうことはありますけれども、いずれにしても先ほど来、申し上げておりますように大変厳しい時勢でございます。どこの自治体でも本当に苦しんでおりますので、そういった状況等は広報等を通じて市民にもお示ししたり、いろんな機会にお話をして御理解をいただくようにしていきたいと思っております。 私ども職員も含めて一層頑張りますけれども、議員皆様にもよろしく御指導をいただきたいと思います。以上です。 ○議長(原利夫君) ここで、15分間休憩いたします。                    午後2時24分 休憩 --------------------------------- 午後2時40分 開議 ○議長(原利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続いて、6番 荻原光太郎君。 ◆6番(荻原光太郎君) 議席番号6番、市民クラブ、荻原光太郎でございます。通告に従いまして一般質問を行います。 先ほどの財政状況の大変厳しいという話を伺った後で、若干やりづらいわけでございますけれども、多くの観光客が訪れ、また市民が生き生きと暮らすことのできる賑わいの都市(まち)づくりについて、市長に伺います。 今年度の千曲市への観光客の入り込みは、戸倉上山田温泉のデータによりますと、6月までで、対前年20%以上のダウンと聞いております。また、7月は若干改善をいたしたようですが、相変わらず本年度は大変厳しい状況が続いております。昨年は善光寺の御開帳、戸倉上山田温泉開湯100年記念事業などで好成績でしたが、本年は大変厳しい状況が続いております。特に、この夏は酷暑というべき猛烈な暑さ、アテネオリンピックの家庭でのテレビ観戦、そして各地で続発した温泉に関する不祥事などが影響したものと思われます。 一刻も早く、観光振興の指針、起爆剤となる施策、長期計画をつくる必要があると思いますが、今定例会に千曲市観光振興計画策定事業が、平成16年度一般会計補正予算に債務負担行為補正として提出され、平成17年度にかけて行われることとなりました。 千曲市の将来都市像「千曲川に月や花が映える共生と交流の都市(まち)」実現のため、そして千曲市を賑わいのあふれる都市(まち)とするため、以下5点について質問いたします。 1点目、観光振興計画策定事業についてであります。 今定例会に、17年度にかけて1,100万円を限度額に執行されることが提案されております。16年度分はいつから、だれによって、これは委員会を設置するのか、またはコンサルタント会社へ委託するのか、あるいは多くの市民によるワークショップを行うことなどが考えられますけれども、だれによって、どのように進めていきますか。 商工業、農業との連携はもちろん、寿野球全国大会や全日本生涯野球大会、この大会は過日、社会体育及び産業振興功労で市長表彰をお受けになった更埴中央病院の吉松先生が大変御尽力されております。これらの大会、また、学生の合宿などのスポーツ施設の充実、あるいは魅力ある町並み整備など、「まちづくり」の部分も多く占めます。 また、ボランティアガイドを市民の皆さんにお願いする場合は社会教育であり、もし可能であれば地元の高校生に地域を学び、故郷を愛していただくために、学校教育で地域の歴史や文化を取り上げ、ガイドをしていただく「人づくり」という面もございます。 これらを有機的に結びつけ、まとめ上げるコーディネーターが大変重要になります。観光振興計画策定事業に関する人選やスケジュール等の概要を伺います。 2点目、夏祭り等のイベントについて伺います。 戸倉上山田温泉夏祭り、千曲川納涼煙火大会、更埴地区のどんしゃん祭りなど、記録的な猛暑の中、幾つかのイベントが開催されました。中でも観光のイベントは宮坂市長にとって初めて目の当たりにされたものと存じます。大勢の観客をひきつけるイベントをご覧になった感想と今後の抱負、また、新しい市民祭りのイメージなどのお考えを伺います。 3点目、坂上トンネル、力石バイパス、国道18号バイパスについて伺います。 移動時間を短縮し、より多くの賑わいを生み、地域の生活道路の交通安全をもたらす、これらの早期整備が熱望されております。国及び県の姿勢や現在の進捗状況、課題等を伺います。 4点目、戸倉パークホテル、信州観光ホテルの後利用についてでございます。 戸倉パークホテルは解体が済み、いよいよ更地になろうとしておりますが、その後、千曲市には何らかの話が持ちかけられたのでしょうか。新市将来構想に駐車場としての利用がもられ、現実に宿泊以外の食事や買い物のお客様が利用できる駐車場が必要とされております。その後の動きを伺います。 5点目、温泉の管理、活用、保護についてお伺いします。 入浴剤使用問題に端を発し、水道水を沸かしたものを温泉と表示したり、温泉に加水して成分が薄まるなど、各地で温泉に関する不祥事が相次ぎました。「温泉偽装問題」とも呼ばれ、かつての牛肉偽装事件を彷彿とさせるモラルハザード、倫理観の欠如が根底にあると感じられます。 長野県ではいち早く県内入浴施設の調査を実施し、温泉の加水、加温状況、循環かかけ流しかなど、7項目にわたりホームページ上で公開しています。 環境省も全国2万2,000の温泉利用施設を対象に、調査結果の公表を前提に9月13日を期限にアンケート調査を実施いたしました。今後は食品同様の品質表示が求められ、温泉の質や鮮度などをありのままに情報開示しなければなりません。本物だけが勝ち残っていき気がいたします。 千曲市においては、比較的温泉の質、量ともに恵まれており、この勝ち組になる要素はあると思いますが、無限のものとはいえない、この貴重な「地球の恵み」というべき温泉資源を管理、活用、保護していかなければなりません。 現在、源泉は民間で管理、運営されておりますが、この貴重な温泉資源の無駄遣いを減らすため、将来的には集中管理により温泉の管理、活用、源泉の保護、涵養を図るべきときがくるかもしれません。市長の御所見を伺います。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 市民クラブ、荻原光太郎議員の御質問にお答えいたします。 はじめに、賑わいの都市(まち)づくりということで、戸倉上山田温泉のお客さんの状況が6月まで去年より20%以上減ってしまっているというお話、7月には少しは回復したということでありますが、本当にお客さんの出足というのはなかなか難しいと思っております。そういう中で、1点目の観光振興計画策定事業について、本年度当初予算で観光振興計画策定委託料1,000万円を盛り込んでおります。千曲市としての観光振興策を立案することで、その手法や組織、進め方等について今、検討をしておりますが、観光需要の動向調査やアンケート調査、現状と課題の把握、市民や観光事業者を含めたワーキンググループによる検討などに取り組むこととしております。 そして、本計画を体系的、系統的に立案していただくために、専門知識を有するコンサルタントに業務委託をしてはどうかということで考えております。また、計画策定の期間ですが、各種団体や地域・市民参加による検討などを考え合わせますと、立ち上げ後、1年程度は要するものと思います。 このようなことから、観光振興に密接に関係する観光地周遊バス運行調査事業100万円を加えた1,100万円について、本議会に債務負担行為の補正をお願いしたところであります。 スケジュールとしては、議決後、早速委託業者を選定し、作業に着手し、検討委員会や研究グループを立ち上げ、調査・分析を通じ、現状や課題の把握を、今年度中を目途に行っております。その後、観光振興の目標や方針、個別施策の策定をすすめ、遅くとも来年の今ごろまでには策定作業を終了させたいと考えております。 なお、コーディネーターにつきましては、日本観光協会が行う観光カリスマアドバイザーの派遣事業について要望しておりますが、これが採択となれば、11月から1月にかけてアドバイスや提案をいただく予定でおります。 また、本年度は、庁内に企画部所管のプロジェクト推進チームを設置して、各種の主要課題に対応していくことしておりますが、その中に「戸倉上山田温泉の活性化チーム」を設けておりますので、市と地域が協働して、よりよい計画ができるように努力してまいりたいと思っております。 次に、夏祭り等のイベントについては、7月17、18日の上山田温泉夏祭りを皮切りに、8月1日の千曲市更埴どんしゃんまつり、8月7日には戸倉温泉納涼煙火大会が開催され、それぞれ参加させていただきました。いずれも、実行委員会が組織され、「主催者側も参加する側も、どうしたら楽しみ、喜びを感じられるのか」という思いで真剣に取り組まれておりました。私もその点、感銘を深くいたしたところであります。これらの祭りを通じまして、はちきれんばかりの若い力にも接することができ、これからの「まちづくり」や新しい市民まつりにも若いエネルギーに大きな期待を感じたところであります。 また、「新しい市民祭りのイメージは」ということでありますが、本年度予算に新市民祭り調査研究を盛り込んでいますので、庁内の検討組織で研究を進める一方、今後、それぞれの実行委員会の御意見や地域の皆さんや、あるいは各種団体等の御意向も踏まえ検討してまいりたいと考えております。 そして、合併協議にもありますように、地域に根ざした各種イベントは継続するとともに、新しい市民祭りについては、市民の総意により、参加意欲がわき、若者も集える元気あふれる祭りにできればと思っております。 次に、「坂上トンネル、力石バイパス、国道18号バイパスの進捗状況について」でありますが、最初に「坂上トンネルの進捗状況については、先に日本共産党、田沢佑一議員の御質問にお答えしたように、トンネル部分は完成しており、取付道路は今年度には完成したいということで工事を進めていただいております。 また、「力石バイパスについて」は、御承知のように平成13年度から県事業として力石地区の工区、延長920メートルが事業化され、現在、用地買収が約8割程度、埋蔵文化財の調査が7割程度完了しております。また、本年度、坂城町側の工区、延長900メートル、国道18号バイパス併用間についても事業化されましたので、県では引き続き用地買収を進めるとともに、埋蔵文化財の調査等を進めるということであります。早期完成に向け、事業の推進が図れるよう、引き続き県に要望をしてまいりたいと考えております。 次に、「国道18号バイパスにつきまして」は、八幡・稲荷山間3キロメートルの事業化区間について、用地関係では、地権者の皆さんの御理解と御協力により、全体の92%の買収が終了しております。また、八幡の上町地区で住宅の移転をお願いする皆さんには、集団で近くに移転を希望されている方もおられますので、代替地の宅地造成についても、地権者の皆さんとの調整が整い、近く造成に着手する予定であります。 工事関係につきましては、稲荷山の国道403号、佐野川付近から県道姨捨停車場線までを平成17年度供用に向け、佐野川橋橋台工事、継続して西沖地区の舗装工事、また新たに県道姨捨停車場線、工業団地に行くところの線でございますが、の取付部分の改良工費が着手されました。 その先線になります主要地方道、長野・上田線の上町までの間は、峰地区の西中曽根地積で切盛土工事に着手するなど、平成19年度中に供用する予定で事業が進んでおります。今後とも事業化された区間の早期完成と、それからまだ事業化をされない区間の促進についても、国や県に働きかけをしてまいりたいと考えております。 次に、「戸倉パークホテル、信州観光ホテルの後利用について」でありますが、戸倉パークホテルについては、現在、取り壊し工事が終わり更地になりました。このほど7日の日に、市の関係職員と土地関係者と話し合いを持たせていただきました。話し合いでは、それぞれの立場や情報交換を行う中で、買収や賃貸についても話題となりましたが、先方は、今後、連絡を取り合いながら相談していきたいとの前向きな意向でありました。市といたしましても、具体的な活用方策、用地買収か賃貸方式かなど、いろいろな問題もありますので、できるだけ早く方向づけをしたいと考えております。 特に、隣接しております新しい総合観光会館や文化会館周辺は、駐車場が不足しておりますことから、慢性的な温泉街利用者の駐車場不足なども合わせて、それらも含め地域全体としてのあり方を検討したいと思っております。 また、信州観光ホテルについては、関係者のお話ですと、競売が不調に終わったとのことから、指定管財人がその職を放棄され、債権者による任意売却に移行し、新たに清算人が選任されたとのことであります。市といたしましては、引き続き債権者会議の方向を見守っていきたいと考えております。 次に、「温泉の管理、活用、保護について」でありますが、最近の温泉を取り巻く状況がいろいろと言われている中で、戸倉上山田温泉は順調に推移をしておりますことは、経営者皆様の御苦労があってのことと感謝いたしております。 現在、戸倉上山田温泉には50本を超える源泉がありまして、毎分8,000リットル余が湧出していると聞いておりますが、御指摘のように無限のものとはいえない貴重な温泉資源の保護、活用は極めて重要なことと考えております。旧戸倉町、上山田町においては、それぞれの長期計画の中で源泉の保護がうたわれており、大きな課題となっていました。近年は、水位や湯温の低下が進行しているとの指摘もお聞きをしております。このようなことから、市としましては、本年度、関係の皆さんの御理解や御協力をいただきながら源泉保護の調査をしてまいりたいと考えております。 しかし、源泉所有者は、民間会社や個人といろいろでありますので、それらの調整や湯質の違い、さらには費用面を考えますと、集中管理を進めることは、なかなか容易なことではないと思っております。いずれにしても、まずは現状把握をさせていただきながら、その結果なども踏まえて関係する皆さんと御相談させていただきたいと思っております。以上であります。 ○議長(原利夫君) 6番 荻原光太郎君。 ◆6番(荻原光太郎君) それでは、幾つか再質問させていただきたいと思います。 冒頭に申し上げましたように、非常に観光関連団体、旅館を初めとしまして、飲食店、芸子の皆さん、商店の皆さん、非常に厳しい状況でございますので、一刻も早く観光振興計画をおつくりいただいて、それに基づいて実際の事業を立ち上げいただくことをまず希望したいと思います。 以前にも申し上げましたけれども、計画をつくる方は、その道の専門家なんでしょうけれども、その後の事業の実行についても責任をもって関与していただいて、ぜひ効果が上がるよう、そこまで面倒を見ていただくような方を選ぶ方法はどうかと提案するわけでございます。つくっただけでなく、その後の面倒をしっかり見ていただきたいということでございます。 それから、スポーツ施設に関してですが、先ほど申し上げました寿野球で御尽力いただいております吉松先生を初め、関係者の皆さんから寿野球の開会式に使用する戸倉の県民グラウンドを多少手直ししていただいて、ネット裏に本部席、役員席を設けられるような改修していただきたいという要望をだいぶ以前からいただいております。決して立派な球場をつくっていただきたいとかではなく、多少の手直しをしていただければ、せっかく全国から熟年の往年の名プレーヤーがたくさん集まっていらっしゃいますので、そういった方たちの期待にこたえられるような施設にしていただきたいということでございます。 それから、ボランティアガイドの件で、高校生の件に触れましたけれども、実際に鳥取県の皆生温泉では、米子南高校の課題研究グループが温泉に関する研究発表をいたしましたり、500本の手づくりキャンドルのイルミネーションをつくって温泉街に飾ったりといったこともされているようでございます。 ことし、旅館組合で姨捨の夜景ツアーを、これで4年目ですか、やったわけですが、その折りに参加されたお客さんから、高校生のガイドを頼んでみてはどうかということを言われたわけであります。ちょうど夏休みの期間でありますので、高校生の皆さんで郷土の歴史ですとか、文化ですとか、そういったものを勉強されている高校生の皆さんに、その成果を発表していただくとともに、故郷を知り、故郷を愛する気持ちというのが一番重要になってくるのではないかと思います。どうしてもシニアの熟年の皆さんに、こういったボランティアガイドというものが、目が向きがちなんですが、やはり若い方の力もお借りして、市民総ぐるみの観光振興というものを考えていただきたいと思います。 それから、2つ目のイベントの件でございますけれども、観光目的のイベントを目の当たりにされて、非常に賑わいというものをお感じになっていただいたと思います。ぜひ、新市民祭りも市民の皆さんが楽しむのは当然ですけれども、観光の面にも留意されていただきまして、大勢のお客さんを引きつけられるようなお祭りにしていただきたいと考えております。 実際に、いつごろをめどに考えていらっしゃるのか。合併してから3年以内くらいにはやらないと、合併記念という意味が薄れてくるのではないかと思いがいたします。せっかくお金をかけてイベントをいたしますので、ぜひとも観光の目玉に考えていただきたいと考えております。 今は隔週ぐらいで、いろいろなお祭りが行われております。それをまとめて1週間ぐらいにぎゅっと凝縮してやるのか、あるいは、今までどおり単発で週替わりでやるのか、そういった点も考慮する必要があると思います。その点にも御留意いただきたいと思います。 坂上トンネルに関してですが、今年の夏休みも多くの合宿の皆さんがみえまして、どうしてもグラウンドがとれないというときがございました。どうしましたかというと、坂北村の村営グラウンドをお借りしたり、いろいろなところのグラウンドをお借りして合宿を消化していったというお話を聞いております。そのときに、たまたま私のところにお泊まりいただいた方ですが、坂北村に行くのに、どの道を通ったらいいかと聞かれたところ、四十八曲を行くと、せっかく試合の前に選手の皆さんが、あのカーブで具合が悪くなってはいけないと思いまして、更埴インターから高速をお使いくださいと申し上げた経過がございます。先ほど田沢議員もおっしゃいましたけれども、筑北地区との交流といったことでも、早く整備をしていただいて、坂城の皆さんも、上山田の沢南の皆さんも、坂上トンネルが整備されますと麻績インターを利用される方が多くなるのではないかと思います。17年度に決まっておりますけれども、カーブのきついという部分、それからすれ違いが非常に厳しい部分というのもございますので、引き続き、そういった点の改良もお願いしていただきたいと考えます。 力石バイパスに関しましては、生活道路に非常に車が入り込んでくる箇所が見受けられます。例えば、上山田の小学校の通学路に通勤時間帯になりますと、大変多くの通勤車両が通りまして危険な箇所がございます。県道を迂回して山際を通る車が多くて、小学生が危険だということで、最近あそこの道路に緑色のカラーを塗っていただいて、安全のゾーンをつくっていただいたというありがたいお話も聞いております。やはり、それだけでは不十分ですので、力石バイパスに関しましては、早期の完成ができますように、引き続き働きかけをお願いしたいと思います。 それから、温泉の中央通りが拡幅されまして、非常にスピードが出やすい道路になってしまいました。これを解消するには、18号バイパスを少しでも早く完成していただいて、観光客がそぞろ歩きをゆっくり楽しめるような、そして市民もゆっくり出歩けるような環境にしていただきたいと思います。 戸倉パークホテルの跡地につきましては、お話を承りまして、周辺のかじか荘の不動産鑑定委託料も本年度の予算にもられておったと思います。こういったことも含めまして、周辺の早期整備、大変なお金がかかる場合もございましょうけれども、できるだけ有効活用をしていただきたい。温泉街の玄関口でございますので、反対に使いづらい。本当は、温泉街の真ん中に駐車場があれば、お客様にとっては一番いいんでしょうけれども、温泉街の玄関口ということで、そこで降りていただいて多少は歩いていただくということもやむを得ないのかという考えもしております。ぜひ有効な跡利用をお願いしたと思っております。 それから、道路の整備と温泉の関係ですが、バイパスを通すにはトンネルが不可欠と思います。そのトンネルをあけたときに、常につきまとうのは出水という問題であります。この水の問題が温泉の湧出量に影響しないかということです。千曲川の伏流水といいますか、地下の水が、千曲川から浸透したものだけではなくて、やはり山から浸透する水が大変多くあると考えられます。こういった道路の整備をしたときに、トンネルの出水が温泉の枯渇に、よもや結びつくとは思いたくありませんけれども、そういった面にも十分御配慮いただいて、いろいろなことが関連してまいりますので、今日、5項目挙げましたけれども、結びつく部分が多いものですから、そういった面でトータルに考えていただき、これからの整備を進めていただきたいと考えております。市長の御考えを伺いたいと思います。 ○議長(原利夫君) 答弁を求めます。 市長、宮坂博敏君。          〔市長 宮坂博敏君 登壇〕 ◎市長(宮坂博敏君) 荻原光太郎議員の再質問にお答えいたします。 質問の通告にないような内容もだいぶあるようですが、大きく言えば、温泉の活性化という中でとらえてお答えされていただきたいと思います。 1点目の観光振興計画で、アドバイザーなどに後まで面倒を見てもらえる人にお願いしたらどうかという御意見ですが、それも御意見としてお聞きして、今後検討したいと思います。 関連いたしましてグラウンドのネット裏の手直しはどうかということですが、これも検討いたします。 それから、ボランティアガイドで高校生に援助してもらったらどうかということでありますが、これも今後、学校側とも相談して、協力いただけるかどうか検討してまいりたいと思っております。 イベントについて、私も非常に感激したと申し上げたんですが、市になって感じたことは、旧更埴の人たちが、だいぶお祭りに参加していた。また、旅館に泊まってきましたという人もお聞きしました。そういった点で、市になってよかったなと感じました。そういったことで、できるだけお客さんにも来ていただけるようなことをやりたいし、また、合併記念のお祭りといいますか、イベントも、あまり時間のたたないうちにやるべきではないかということですが、それは当然だと思いますので、関係の皆さんと御相談させていただきたいと思います。 夏祭りも、週ごとにやっているんですが、東北のほうに行くと1週間とか3日間とかつなげてやっているところもあるようで、そこまでエネルギーがあるかどうか、それも大きな問題だと思いますので、これも関係の皆さんの御意見もお聞きしてということにしていきたいと思います。 坂上トンネルにつきましては、さっき申し上げたように筑北との交流をできるだけ早くするように、関係する道路についても、今後働きかけていきたいと、これは申し上げたとおりであります。 力石バイパスもそうなんですが、上山田温泉の中央通りの改良が進みまして、スピードが出されて困る、危険だという話はよくお聞きしております。これはバイパスを早くつくればいいわけですが、スピードの規制ができるかどうか、公安委員会にも御相談してまいりたいと思っております。 パークホテル等の関係で、駐車場等も含めて、たしかに温泉の中で一番今まで問題になっていたのは駐車場だろうと思います。各旅館もそうですが、それ以外に、文化会館にしても総合観光会館にしてもそうですが、お客さんが来ても車をとめるところがないということを言われて、だいぶ苦情がありました。そういったことで、駐車場のあり方を早く決めるべきだと思って、パークホテル側、あるいはその周辺とも御相談をしておりますので、もうしばらく時間をいただきたいと思います。 最後に、もしバイパスをつくった場合、トンネルの出水などいろいろ心配があるということでありますが、これは事前にいろいろな調査をしますので、そういう点は心配のないようになると思いますので、御理解いただきたいと思います。以上です。 --------------------------------- ○議長(原利夫君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 これをもちまして本日の会議を散会といたします。                    午後3時16分 散会 ---------------------------------...