2.学校再編について
(1) 課題は何か。
3.帯状疱疹について
(1) ワクチン接種の助成ができないか。119
~
134412番
中牧盛登
[一問一答]1.旧
大町スキー場跡地の活用について
(1) NPO法人へ貸し出して15年経過したが、市としての評価はいかがか。134
~
145515番
高橋 正
[一問一答]1.水道事業について考える
(1) 居谷里水源の問題点は。
(2) 水道水の安全確保をどうするのか。
2.これからの市の観光をどう展開させるか
(1) 近隣自治体にも学びながら、今すべきこと、具体策を実行せよ。145
~
162
△開議 午前10時00分
○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから9月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は15名であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、欠席、遅参等については事務局長に報告いたさせます。事務局長。
◎事務局長(藤澤浩紀君) 報告いたします。
中村直人議員は、療養のため、本日の会議を欠席いたします。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、
病院事業管理者、各部長等及び庶務課長であります。
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△日程第1 市政に対する
一般質問---------------------------------------
○議長(二條孝夫君) 日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は15名であります。よって、本日は、議事日程記載のとおり5名とし、明日7日に5名、8日に5名の予定で質問を行いますので、御了承いただきたいと思います。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、
大竹真千子議員の質問通告は2項目です。
大竹真千子議員の質問を許します。
大竹真千子議員。(拍手) 〔13番(大竹真千子君)登壇〕
◆13番(大竹真千子君) 政友クラブの大竹真千子です。 通告に従いまして、1、令和4年度決算について、2、市組織の内部統制について伺います。 まず、令和4年度決算についてです。 今年に入り、
新型コロナウイルスの付き合い方も大分変わってまいりました。今日の数字を聞きますと少し増えているようなお話も伺っておりますけれども、なかなか気の抜けない病であるなと感じておるところでございます。御年配の方々、基礎疾患をお持ちの方々にしますと、本当に毎日に気を配る、そんな病だなと思うところではございます。 ただ、マスクも個々の判断での着用となりまして、社会の中ではインフルエンザの立ち位置に、大分近い扱いとなってまいりました。市内の行事においても、感染者数の増減によって判断を仰ぐというようなこともなくなり、コロナ出現前の日常を少しずつですが、取り戻している、そんな感じを受けるところまでまいりました。 令和4年度は、コロナ禍にありました。コロナによって受けた痛手を回復することに全力で力を注いだ1年であったかと思います。 コロナ禍の中、市長におかれましては、難しいかじ取りを力強く進めていただき、一般会計の決算は、歳入総額が約185億1,600万円余、歳出総額が約177億400万円余となり、差引き収支としては8億1,100万円となり、繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は7億2,900万円の黒字と伺いました。 そこでまず、令和4年度決算の財政運営における総括について伺います。 これで、1つ目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 令和4年度決算の総括についてのお尋ねにお答えいたします。 令和4年度は、新型コロナの影響に加え、物価高騰も追い打ちとなり、非常に厳しい財政運営を余儀なくされた1年でありました。 こうした中、
一般会計決算では、議員の御質問にもありましたように7億2,900万円余の実質収支を確保でき、市の財政の健全化を判断する各種指標におきましても、暫定値として
実質公債費比率は8.6%、将来負担比率は34.0%となり良好な水準を維持することができました。これは、歳入面において、地方交付税が税収の増加等に伴い減収となりましたものの、市税全体の増収に加え、使用料や手数料の増額により、基金繰入金の縮減が図られ、さらに各部課が、主体的に財源確保に取り組んだことや公有財産の積極的な売却や、有利な地方債の活用に努めたこと、また、歳出面では効果的な手法の検討に加え、切れ目のない継続的な事業の展開を図るとともに、政策面におきましては、誰もが安心して暮らせる町の実現のため、子育て支援策の充実や
障害者支援等により市民福祉の向上に力を尽くしました。 また、人口減少に歯止めをかけ、にぎわいのあるまちづくりを進めるための、移住・定住施策の拡充など、市の将来を見据えたソフト施策の重点化などにより、「入るを量りて出ずるを制す」との健全財政の要諦に意を配し、努めたところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 今、数字も出てまいりましたけれども、自治体の財政状況を図る財政指標、財政力指数としては0.44、
経常収支比率としては、
経常一般財源が減少したことにより91.7%、こちらは2.6ポイントの上昇と伺っております。 財政力指数は、直近5年を0.43から0.45の間、こちらを推移し財政力という点では、交付金等に頼らざるを得ない構造であるかなと見ております。経常的な一般財源に、経常的な支出がどの程度充てられているかを示す、
経常収支比率も上昇したことで、財政構造の硬直化が若干ですが進んだものと理解しています。 市債については、令和元年度の157億6,700万円から135億600万円と着実に減少しており、
実質公債費比率としては、先ほども数字ありましたけれども8.6と伺っています。健全財政を維持しているものの、余裕のある財政運営ではないと考えています。 財政指標、この数字を踏まえて、今後の方針をどのように捉えているかお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 財政指標を踏まえた、今後の財政の運営方針についてのお尋ねにお答えします。 議員御質問のとおり、当市の令和4年度の財政力指数は0.44となり、県内19市の平均値であります0.56を下回る結果となっております。 この財政力指数は、地方団体の財政上の体力を示すもので、この指数が高いほど地方交付税の留保財源が大きく、余裕があることになります。当市におきましては、
基準財政収入額に対し、市域が広大であり、行政コストが割高になることに加え、寒冷地のため除雪等に関わる財政需要額が多額となるほか、
市立大町病院をはじめ複数の公営企業を有しており、こうした市独自の
市民サービスに伴う、財政需要が指数に影響しているものと分析しております。 また、市債につきましては、後年度への負担を極力抑える財政運営に努めた結果、将来負担比率は、平成28年度の61.8%に対して、令和4年度では、暫定値で34.0%まで改善しております。 しかしながら、今後の人口減少や少子高齢化により、歳入面では、市税収入や
地方交付税等の大幅な伸びを期待できず、一方、歳出面では、社会保障費の増大や徐々に老築化が進む施設の維持補修、また美麻、八坂地区の
ケーブルテレビの
光ファイバー化、小学校再編や
国民スポーツ大会開催に伴う施設整備、さらには、脱炭素社会に向けた照明のLED化など、相次ぐ財政支出が見込まれております。 こうした、厳しい財政運営が見込まれる中、第5次総合計画に掲げる施策目標の達成と持続可能な自治体運営に向け、各部課において引き続き主体的な財源確保に努めますとともに、
公共施設等総合管理計画の推進による、施設の総量の見直しなどの適正管理や行政評価等を踏まえました事務事業の効率化などにより、限られた財源を有効に活用できますよう、これまで以上に事業の選択と集中に尽くしてまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問。
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 多岐にわたる行財政運営、なかなか難しいところもあるんですけれども、ちょっと資料の部分で少しお聞きしたいことがありますが、
地方公共団体で採用されている公会計制度、これは、単年度の現金収支に着目した現金主義を基本としているため、資金の収支や使途を明確に把握できる一方で、資産形成や負債といったストック情報の把握や現金支出以外に発生している行政コストの把握が困難になっているということが見受けられるんですけれども、こういった状況を受けて、平成27年に総務大臣から統一的な基準による地方公会計の財政書類の作成が要請されたということで伺っていまして、大町市では、平成28年度決算分から統一的な基準に基づいて、財務資料が作成されていると伺っています。 この地方公会計制度を生かした統一的な書類が作成されることによって、他の自治体との状況、非常に比較しやすくなって、市民の方に分かりやすい資料なんかも、今出てきているかと思うんですけれども、この活用状況としてはどのようになっていますでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 財務書類の活用状況についてのお尋ねにお答えします。 地方自治体の普通会計は、単式簿記の会計処理のため、資産と債務のバランス等が分かりにくく、財政状況やコストが見えにくいことが指摘されておりました。平成18年の新公会計制度の導入により
バランスシート、
行政コスト計算書、
資金収支計算書、
純資産変動計算書のいわゆる財務4表を作成し公表することとなり、当市におきましても21年度決算から公表を行っております。 財務書類の活用につきましては、資産や負債、
行政コスト等から、一層多角的な分析が可能となり、また全国の同規模の自治体の財政状況との比較が容易になったことで、予算編成への的確な反映や
財政マネジメントの強化など、健全な財政運営を図るための基礎資料として、活用を図っているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 御説明にありました、地方公会計制度に沿った財務資料、今
バランスシートと呼ばれる貸借対照表、それからPL、損益計算書として考えられる
行政コスト計算書、それから
純資産変動計算書、また
資金収支計算書、先ほどの4種類の財務資料がそろえられることになったということで、私のほうでも今まで見させていただいていた資料の中で、今年何か、新たに市民の方が見やすい資料が増えたなと思うところがございまして、ただ、見やすくなったことで、資産、純資産、負債などの関係も非常に分かりやすくなっていまして、これからの世代が負う負債というのも、まだまだ大きくあるなと感じております。 先ほどの説明でも、これからまだまだ、財政支出をする予定もあるということで伺っているんですけれども、これから負う負債もある中で、人口減少、社会がどんどん進んでいます。その中で、この財務資料を見て今後強化すべき、また補完すべき施策というのはどのように考えているかお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 貸借対照表、損益計算書などの財務諸表から見た強化や補完すべき施策についてのお尋ねにお答えします。 議員御指摘のとおり、
市民サービスに供されている資産総額に占める負債総額の割合は、一般会計では、令和3年度末49.8%となっており、県内他市と比べますと10ポイント以上高い水準となっております。これは当市の面積が広く、管理する道路延長が長いことに加えまして、保有する公共施設も多く、また人件費や物件費等の行政コストに対し、財源に占める国・県補助金の割合が低く、財源確保を市債などに依存する財政運営が要因であると分析をしております。 将来にわたりまして、健全な財政運営を維持するため、短期的には、事業の見直しやDXの活用による事務の効率化を進め、経常経費の削減による行政コストの縮減を図ることといたします。 また、長期的には、効率的な行財政運営を進めるための組織の見直しや、公共施設について適正水準の見直しを含め、計画的な維持管理を進めるなど、将来を見据えた持続可能な自治体経営に努めてまいります。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) この膨大な額の財政を、やはり多角的な面で研究とか調査していただいて、財政運営をどのようにしていくかというのは、非常に重要なところかと思いますので、他市も含めて、しっかりと検証をしていっていただきたいと思うところであります。 また、コロナ禍に併せて、
ウクライナ情勢等を背景とした原材料価格の高騰など、経済的な痛手を負う中で、市税の不納欠損額は511万円、前年度と比較すると1,468万円の減となっていると伺っていますが、一方、収入未済額は8,515万円で、
国民健康保険税の収入未済額3,786万円と合わせると1億2,300万円となり、前年度との比較では392万円の増と伺っています。 今までの数字を見ると、おおむね同額ということで伺ってはいますけれども、それでも大きな額であると考えます。市税等の滞納状況の要因と
収納見込み対策についてどのようなお考えでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 市税等の滞納についての御質問に順次お答えいたします。 令和4年度末の市税等の未収額は議員御指摘のとおり、前年度よりやや増加しておりますが、この中には、新型コロナの影響を受けた事業者に対する徴収猶予として固定資産税の約2,900万円が含まれております。これを除きますと未収額は約9,400万円となり、前年度比では21.0%の減で、実質減となっております。 また、本年度の収納見込みにつきましては、本年7月末の市税の収納率は40.2%で前年より3.5ポイント上回っており、現時点では、前年度以上の収入を見込んでおります。 滞納の要因としましては、納税相談や窓口等での聞き取りの結果、新型コロナの影響による業績不振やそれに伴う収入減などと考えております。この未納対策としましては、納税が困難な場合の納税相談や、徴収猶予、滞納処分の実施、さらには長野県地方税
滞納整理機構への移管、不納欠損処理の取組などにより、収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) それでは続いて、
病院事業会計のほうに移りたいと思います。 コロナ禍において、こちらも非常に注視されてきた
病院事業会計でありますけれども、令和4年度の
病院事業会計の評価と見通しについてお伺いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
病院事業管理者。 〔
病院事業管理者(藤本圭作君)登壇〕
◎
病院事業管理者(藤本圭作君)
病院事業会計の評価と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。 令和4年度の
病院事業会計につきましては、コロナ禍における受診控えが徐々に緩和され、外来の患者数が増加したことや、診療体制の充実、
新型コロナウイルス感染症への対応などの収益確保等の各種取組を進めた結果、経常損益は4億4,000万円、純損益は4億2,000万円を超える利益を計上することができました。 大北圏域唯一の公立病院及び
感染症指定医療機関としての責務を果たす一方で、経営改善への取組を継続的に推進した結果が今回の決算にも表れており、ここ数年の刻々と変化する状況の中で、一定の成果を上げることができたと考えているところでございます。 今後の見通しにつきましては、
新型コロナウイルス感染症対応の診療報酬の加算や、国・県からの補助金が縮小、廃止となること、老朽化した施設の修繕や、医療機器の更新、原材料費等の高騰などコスト面の増加が見込まれ、病院経営を取り巻く環境は非常に厳しいものとなることが予想されています。 その中で、昨年、策定いたしました
市立大町総合病院経営強化プランに基づき、収益確保や経営の効率化に職員一丸となり、取り組んでいるところでございます。本年度の経営状況につきましては、発熱外来への患者数は減少したものの、皮膚科、今まで非常勤だったんですけれども、常勤の先生が着任されたことや、また専攻医も増えておりますし、あと積極的な入院患者の受入れにより、医業収益は前年度を上回る結果となっており、持続可能な地域医療体制の確保に向け、着実に歩みを進めております。 今後も変わりゆく情勢を見極め、地域の皆様が安心して暮らしていける医療機能を備えた病院として、合理的で健全な病院経営に努めながら、地域に密着した温かく、誠実な医療の実践に取り組んでまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 先ほどもお話がありましたけれども、令和4年度はコロナ禍であったということもあり、
新型コロナ対応の診療報酬の加算や国・県の補助金など、収益が確保されていた部分も大きかったと思いますが、一方経費も上がったりと設備も入れ替えたりと、そんな予定もある中で、施設の建て替えというお話が予定されているということで伺っていますけれども、実行性としては、どのように捉えているかお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。病院事務長。
◎病院事務長(曽根原耕平君) 大町病院の建て替えの実行性についてお尋ねにお答えいたします。 施設の建て替えにつきましては、西病棟が建設から52年、また東病棟が29年経過しており、西病棟につきましては、平成23年に耐震改修工事を行っておりますが、施設の老朽化による病院の建て替えの検討をスタートさせるため、令和3年度に策定した病院の中長期計画に10年後の施設の改築を実施することを盛り込んだところでございます。 なお、建て替えに当たりましては、借入金返済のための収益の確保や資金繰りの見通しが不可欠となりますことから、現在こうした視点を含め、具体的な実施時期についてシミュレーションを行っております。特に、財源確保の面では、より一層の経営努力により、病院改築に向けた内部留保資金を確保するため積極的な経営改善に取り組むとともに、有利な国・県補助金などの獲得や市の財政部局との協議も行ってまいりたいと考えております。 また、人口減少、超高齢化が進む中、建て替えに向けて具体的な検討を行う際には、地域の医療ニーズに合わせた病院規模の縮小、医療機能の特化を把握するために、県の
地域医療構想調整会議及び市の
保健医療福祉部局などとの協議を行いまして、地域ニーズに即した適切な規模や機能の病院となりますよう、できるだけ早い時期に
病院建て替えに向けたワーキンググループを立ち上げ、さらに検討を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 経営改善を進めていただく中で、やはり職員が一体となって頑張れる大きな目標があるというのは、また一つやる気にもつながるかなと思いますし、着実な経営を進めていただきたいと思いますし、また市のほうも全体的に、おおむね健全財政を維持していただいているのかなということで理解をしているんですけれども、地方経済は疲弊の一途をたどっているそんな中での長期的な視点で、着実な政策実現を進めていただきたいと願うところでございます。 続いて、2項目め、市組織の内部統制についてお伺いいたします。 先般、当市の課長級職員による団体資金の私的流用が発覚し、多くの市民の皆様のお耳に入るとともに、市民の皆様から多くの落胆の声、またお叱りの声をいただくに至っています。 そしてまた、この1件にとどまらず、セクハラ行為や補助金の不交付案件、
期限切れワクチンの誤接種など、不祥事が重なったことにより、日夜の業務に携わる職員やまたその御家族にも、暗い影を落とすこととなっています。 もちろん、不祥事を起こした本人に問題があることは否めませんが、個人の資質の問題で片づけてしまってよい問題でしょうか。先般の私的流用事件においても、なぜ、出金に必要となる通帳と印鑑を一人の職員が管理していたのでしょうか。金銭管理において、必要となるものを複数人で管理するというのは、
不祥事防止対策の王道中の王道ではないでしょうか。自分を律することができる人材の多い職場であったとしても、まずは組織側が、講ずべき手だてを講じていた上で、個人の資質を問うべきではないかと考えるところではあります。 続く一連の不祥事に当たり、組織として手だてを講じていくべきときと考えますが、ここで挙げられる手だてというのが、内部統制になります。自治体における内部統制とは、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する主体である長自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして、識別及び評価し、対応策を講じることで、事務の適正な執行を確保することとされています。 簡単に申しますと、内部統制のシステムを整備するということは、庁内のルールの整備や業務チェックの徹底をすることと同義となりまして、形骸化しているルールなどを含めて、不正を防止できる体制が整うこととなると考えます。そこでまず、現状の確認として、不祥事を防止する対策等の状況、課題についてお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君)
不祥事防止対策の状況と課題についての御質問にお答えします。 まず初めに、これまでの度重なる不祥事により、市民の皆様の信頼を大きく裏切ることとなりましたことに、心からおわび申し上げます。 申し上げるまでもなく、全ての公務員は、全体の奉仕者であって、公共の利益のために勤務するため、地方公務員法において法令及び職務命令に従う義務、職員専念義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務等の服務規程が明確に定められており、このことは職員研修を通じて、採用当初から職員に対し周知と徹底を図ってきたところであります。 また、非違行為を行った当事者並びに関係職員に対しては、懲戒処分や上司からの指導を行ったほか、全職員に対し、訓令を発出して、再発防止に努めてまいりました。 これまでの不祥事事案は、先ほど申し上げました地方公務員法などの法令や、条例等の規定を遵守していれば起こり得ず、部下を指導、監督すべき管理職による不祥事が発生したことから、職員のコンプライアンスに対する意識の欠如や、組織風土にも課題があるのではないかと考えているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 御答弁いただいたわけですけれども、今後、この一連の不祥事の原因特定、多分不祥事一つ一つに、様々な要因があるものと考えられるわけですけれども、今後の再発防止対策をどのように講じていく予定なのかお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 不祥事が発生した際の再発防止対策についてのお尋ねにお答えします。 これまで、不祥事が発生した場合には、当事者や関係者からのヒアリングを行い、その結果を踏まえまして、事案ごとに再発防止対策を検討し実行してきたところであります。 また、本年4月のハラスメント事案につきましては、弁護士を委員長としまして、識見を有する専門家などで構成する大町市職員ハラスメント対策検討委員会を8月28日に設置し、全職員を対象に実施しましたハラスメント実態調査の結果を踏まえ、実効性のある再発防止対策の検討に着手いたしました。 その一方で、これまでの度重なる事案を踏まえまして、こうした不祥事が起きた背景についても検証を加え、組織としての構造的な課題はなかったかを明らかにする必要があると考えております。そのため、まず庁内におきまして、若手、中堅、管理職などの世代ごとに組織的な課題を考える場を設けるとともに、プロジェクトチームを設置し、組織の在り方について検討することとしております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 今、御答弁あったんですけれども、今、
不祥事防止対策という視点で見ていくのかどうかなんですけれども、この実効性のある
不祥事防止対策、内部統制というところまで見ていかれるのかなんですけれども、このしっかりとした体制の構築、それから職員の皆様の意識づけの部分というのは、どのように行っていく予定なんでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えします。職員の意識統一自体についてお答えいたします。 まず全体に、これまで起こった不祥事につきましては、原因がそれぞれ異なるわけであります。その部分につきましては、先ほど御答弁申しましたとおり、事案ごとにどのような原因があって、これが発生してきたのかという部分を整理しまして、それを対策を講じるということであります。 それと、風土的、環境的な問題で、職場に問題がなかったかどうかということにつきましては、先ほど御答弁しましたとおり、年代ごとに分かれた問題把握といいますか、そういった部分をちょっと検討行うと、それを踏まえた上で、組織全体としてその部分のところの規範についてどうかということを検討するというものを徹底してやっていきたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 二條議員のほうでも、内部統制について以前、聞いておるわけなんですけれども、内部統制を整えるという話になると他市の事例なんか見ますと、一つその課をつくってと、結構大きな話になっていくような部分もあるんですけれども、まず他市の事例ですと、職員の行動規範みたいなものを簡単につくって、そういうところから手始めに始めるというような事例もあるようなんですけれども、当市については、その行動規範みたいなものというのはあるのでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 職員の行動規範についてのお尋ねにお答えいたします。 当市において職員の行動規範は、現在策定はしておりません。しかしながら、今回の事案を踏まえまして、職員の服務や義務を定める、コンプライアンス指針等を策定する必要があると考えております。 策定に当たりましては、職員の行動規範だけでなく、不祥事が起き得ない組織風土を構築するための方策、例えば心理的安全性が確保された職場づくりのため、職員が意識すべきことは何かなども、指針に含めることが重要であり、具体的な内容については、今後検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 今回の一連の事象を受けて、どのように対策を取っていくかということで伺ったわけなんですけれども、今後各組織の
不祥事防止対策、内部統制まで進めていくかというところもあるんですが、これについて、どのように向き合っていかれるのか。まず庁内の人事を統括される矢花副市長、それから教育委員会を総べる中村教育長、病院を総べる
病院事業管理者である藤本病院長に、それぞれどのようにこの不祥事を防止していき、内部統制を効かせていくのか、そのあたりをお伺いさせてください。
○議長(二條孝夫君) 副市長。
◎副市長(矢花久則君) 私には、実効性のある内部統制の構築に、副市長としてどのように向かうのかという御質問いただきました。 初めに、市政に対する長年の信頼を大きく失墜いたしましたこのような不祥事が、重ねて発生しましたことに、職員を統括する副市長の立場からも、改めておわびを申し上げます。 議員お尋ねの、
地方公共団体におきます内部統制につきましては、議員から、先ほどその目的について御説明をいただいたところでございますけれども、その趣旨は、行政組織におきまして、その目的が達成されるようにそれを阻害する要因をリスクとして評価して、必要な対策を講じることで、事務の適正な執行を確保するということであると承知をしております。 そのために、先ほど部長より御答弁申し上げました取組を通じまして、まず、法令等の遵守に職員と共に取り組むとともに、最少の経費で、最大の効果を挙げるための組織体制や業務の見直しも併せて検討してまいります。 また、この内部統制、この制度構築自体が目的化しないように、過度に行き過ぎた統制とならないように重要度の高いリスクから、優先的に取り組んだ後、リスクに対する効果を見極めながら、実効性を高めてまいりたいというふうに考えてございます。 いずれにしましても、組織というものは、人で成り立っているところでございます。全職員がやりがいを持って、安心して働ける環境をつくっていくと、そういう意識を持って取り組んでまいりたいと思っています。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(中村一郎君) 議員のお尋ねにお答えします。 このたびの不祥事は、未然に防止ができず、また、不正の発見までに長い時間を要したことは誠に遺憾であり、危機管理の在り方等課題があったものと認識しております。 教育行政は、近年複雑化、多様化する一方で、事務の適正化の確保が強く求められております。リスクの発生を未然に防ぐとともに、法令等を遵守することにより、市民の皆様から信頼される教育行政を推進できますよう、事務の適正な執行を担保する内部統制の構築について、市長部局と足並みをそろえ積極的に取り組んでまいりたいと思います。 また、教育委員会として、市内小・中学校及び義務教育学校に対しましては、職員の非違行為の防止と学校事務の適正化を指示し、徹底を図ることといたします。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 次に、
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(藤本圭作君) 今回の期限切れ新型コロナワクチンの接種では、保健センターとの相互確認及び調剤の際の確認不足などにより、市民の皆様に御心配と御迷惑をおかけしまして、心からおわび申し上げます。 私からは、当院での再発防止に向けた内部統制の実施についての御質問にお答えいたします。今回の原因は、担当部署においてワクチンの納品の際、有効期限の確認を行うこととするマニュアルを遵守しなかったことが最大の要因であると考えております。 このマニュアルの遵守につきましては、当院が受審しております病院機能評価においても、各部署におきましてその整備と対応が求められておりますが、本事業では実践できておりませんでした。 こうしたことを重く受け止め、今後速やかに、再度全部署に対しマニュアルの点検と運用の徹底を図ってまいります。また、既に組織しております医療安全委員会におきまして、本事案について分析検証を行うこととともに、その内容を院内で共有することにより、二度とこうした事案が生じることのないよう、また市民の皆様が安心して医療を受けることができるよう、信頼回復に向けた取組を鋭意実践してまいります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。
◆13番(大竹真千子君) 矢花副市長、中村教育長、藤本病院長御答弁ありがとうございます。 本当に、細部の原因究明や改善については、これからのことと思います。細部の部分についての質問というのは控えさせていただきますけれども、ここへ至るに当たって、私もいろんな方から、現場の少しお声を聞いてみました。 やはり、職員さんの中で出てくるのは、個々がそれぞれ業務を抱えるような体制になってしまっているのではないかとか、それぞれが壁にぶつかっても、情報、コミュニケーション不足というんでしょうか、それぞれがその壁を解決して、チームでその課題を解決できるような体制になっていないですとか、あとは、そういった壁にぶつかったまま業務がたまっていって、仕事量が膨大になっているだとか、あとは、人がやっぱり入れ替わる現場だということで、結局、人に仕事を教える時間を取るなら、自分がやってしまってといって、また個々が自分の仕事を抱えるような、そういったお話ですとか。やはり、コロナも相まっているのかなと思うんですけれども、チームでコミュニケーションを取る時間が、やはりちょっと取れていないのかなとそういったようなお話も、本当に私、一部でしか聞いていないかと思いますけれども、伺っております。 この課題が、適正か分からないですけれども、これからきちんと調査をして、プロジェクトチームを作っていただくということでございましたので、今後庁内の風通しをよくし、各職員とのコミュニケーションを密にした職場にしていただきたいと願うところでございます。 最後に市長にお伺いをさせていただきたいと思います。 庁内の今回の不祥事に、関わっていない職員さんで現在回っています。頑張っている職員さんに、市役所ひとくくりにして、ちょっと心ないお言葉をいただくようなこともあって、職員さんのモチベーションが下がったりと、それから職務に当たる意義や誇りを見失いそうになっていらっしゃる職員さんも見受けられるなと感じています。 庁内の職員さんに向けて、市長メッセージですかね、発したということをちょっと伺ってはいるんですけれども、大町市を総べるトップとして、庁内の職員のモチベーション、そして誇り回復に向けて、どのような対応をなさるおつもりなのかお伺いをさせてください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 市組織の内部統制の再構築による不祥事の再発防止と、職員のモチベーション回復に向けた対策について、私自身からお答え申し上げます。 まず、今回の不祥事によりまして、市民の皆様の信頼を大きく損ねましたことに、改めて、深くおわび申し上げます。 議員各位にも、御迷惑と御心配をおかけしました。重ねておわび申し上げます。 そしてまた、日々真剣に職務に取り組む多くの職員が、心を痛める事態となりましたことに、組織の最高責任者として、重い責任を感じ、自らの至らなさを痛感いたしております。 議員御質問の防止策につきましては、本年度、明らかになりました不祥事に関して、まず第一には、その行為を行った職員に、非があることに帰結することは自明のことであり、コンプライアンス、法令遵守の意識の欠如、この一言に尽きると言わざるを得ません。 しかし一方で、そうした状況を持つ背景として、組織の構造的な課題につきましても、目を向けることが必要であると深く認識いたしております。 市の組織体質は、長い年月をかけて形成されてきたものであり、良い面と悪い面、両面があり、何をどのように変え、何を伸ばしていくか、また目指すべき組織の姿は、単に市長としての思い、私の思いだけではなく、職員と共に描き、その実現を目指して時間をかけてでも粘り強く築き上げていくものと考えております。 そのための第一歩が、ただいま内部統制の在り方について副市長、教育長並びに
病院事業管理者からお答えしましたことに加えまして、部長から先ほど申し上げた、まず様々な世代ごとに組織そのものの在り方について、しっかり真剣に考える場を設け、率直かつ真剣に意見を出し合う機会をつくってまいりたいと考えております。 また、本来職員を指導、監督する立場の管理職の職員の不祥事は、部課職員のモチベーションを大きく低下させ、さらには、そのチーム全体の活力をそぐこととなります。 私自身、この先ほど、議員の御指摘にチームの縦割りの壁ということについて、御指摘がありました。私自身、チームごとの風通し、組織の風通しを良くするということについて、これまでも何年かにわたって、繰り返し伝えてまいりましたし、また職員の皆さんにもお願い申し上げてまいりました。 今週月曜日に開催しました臨時の部課長会議におきまして、全職員に向けて呼びかける、私のメッセージを朗読し、私の思いを説明いたしました。その中で、今後、徹底した再発防止策を講じること、また、私自身の責任を明らかにすることなど、決意を述べた後、職員の皆さんには、改めて全体の奉仕者である公務員の本分に立ち返り、大町市職員としての自覚と誇りを持ち、行動するとともに動揺することなく、自らの職務に責任を持って取り組んでいただくよう直接お願したところでございます。 去る6月定例会において、大竹議員から職員が一丸となって職務を遂行できる職場環境について御質問いただき、それに対しまして、私から御答弁申し上げましたのは、職場環境づくりは管理職だけが担うものでも、また正規職員だけが努力するものではなく、市で働く全ての職員が取り組むものであり、私自身その先頭に立ち、働きやすい職場の環境をつくり上げるため、職員と一丸となって、力を尽くしますと述べたそのときの決意は、現在もいささかも揺らぐことはございません。 職員のモチベーションの回復を含め、働きやすい職場環境を築いていくその道のりは、苦しくそして長く厳しいものと覚悟しておりますが、確固たる信念を持って取り組んでまいりたいと改めて決意いたしております。 大竹議員をはじめ、議員各位の深い御理解と御協力をいただきますよう心からお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
大竹真千子議員。残り、3分17秒です。
◆13番(大竹真千子君) 本当に、実は私、先日お話を伺った職員さん、大きなショックを受けておられたんですけれども、ちょっと感動したのが、僕は、でもこの仕事が好きなんですよ、というお話をいただきました。 やっぱり、不祥事を未然に防ぐ体制、それから業務効率の改善、そしてその職員のパフォーマンスを向上させるような体制改善、これはやっぱり、上層部がしっかり旗を振ってやっていただきたいことだと考えております。 組織の信頼回復に努めていただくことを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○議長(二條孝夫君) 以上で、
大竹真千子議員の質問は終了をいたしました。 ここで、11時5分まで休憩といたします。
△休憩 午前10時49分
△再開 午前11時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第2位、傳刀健議員の質問通告は1項目です。傳刀健議員の質問を許します。傳刀健議員。(拍手) 〔4番(傳刀 健君)登壇〕
◆4番(傳刀健君) 峻嶺会の傳刀健です。 通告に従いまして、松糸道路を基軸としたまちづくりについて質問をいたします。 去る、5月27日アプロード会館において、民間事業者による高規格松糸道路早期建設推進を要望する大会が開かれました。 大会では、中部横断自動車道開通が待たれる南佐久郡佐久穂町の佐久穂女性みちの会の会長から、女性目線に立った高規格道路の必要性について、また、商工業、農業、観光業、防災に携わる方や子育て世代の方の松糸道路にはせる熱い思いを伺うことができました。会場には100人を超える方が集まり、早期建設推進に心を合わせていました。 また、7月30日、8月1日には、大町建設事務所による、松糸道路市街地区間幅の細いルート帯案の比較評価についての説明会、8月10日、11日には、オープンハウス形式での説明会が開催されました。説明会では、これまで開催されてきた疑問等に対する追加説明として、なぜ、市街地区間で現道活用がかなわないのか。なぜ、盛土構造等の立体構造等が望ましいかについての説明があり、公平、誠実な説明があったんではないかとの感想を持ちました。 そして、説明会の中で大町市
建設水道部長が、道路計画は県の事業だが、松糸道路を生かしたまちづくりは、大町市が責任を持って進めていく必要があると答えていました。 まさに、そのとおり、私も市が取り組むべきは、今を生きる我々だけでなく、子どもたち未来の世代のために医療、観光、経済活動、防災、その他あらゆる分野において有利となるよう、この松糸道路の利点を最大限生かしたまちづくりを進めていくことであり、そこに力を合わせていくことが、今を生きる私たち世代の責任だと思っております。 そこで、最初に確認をしておきます。松糸道路は市のまちづくりの中でどのくらい重要なのか、改定される都市計画マスタープランにおける位置づけについて、何度も答弁をいただいている部分ではありますが、改めてお伺いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。傳刀健議員の質問に対する答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) まちづくりにおける松糸道路の重要性と改定を進める都市計画マスタープランの位置づけについて御質問にお答えをいたします。 平成26年に改訂した市の都市計画マスタープラン、いわゆる都市マスですが、策定当時既に、急速な人口減少が見込まれる中、将来にわたり当市の発展と、またまちづくりを支える都市構造の基本的な考え方として中心市街地や既存集落を生かしつつ、幹線道路や公共交通の周辺に一定のまとまりをもって居住する、コンパクトな集約型都市構造を目指すこととしております。 その際、松糸道路は、市が目指す都市構造の根幹を担う幹線道路網において、広域的な連携による産業や観光振興をはじめ、医療活動への支援や災害発生時の防災機能などを有する重要かつ中心的な骨格軸として、都市マスへ位置づけるとともに、そのルートについては、市が独自に想定し都市マスに搭載するとともに、県に対し提案した経過がございます。 現在、改定作業を進めております都市マスについては、近年の社会情勢の変化や上位の関連計画の改定等を踏まえ、おおむね20年後を見据えた計画として見直しを行うもので、この中で松糸道路は、市の骨格形成に大きな影響を与える大規模なプロジェクトとして位置づけており、道路計画の進捗に応じ、適宜見直しを行うこととしております。 当市における松糸道路の計画は、平成30年2月より事業主体であります県が、市街地ルートの選定に着手して以降、様々な検討を踏まえ市街地西側に3本のルート帯案が選定され、現在最適ルート帯案の絞り込み作業が進められております。新たな都市計画マスタープランには、従前の計画において、市のまちづくりの骨格軸として据えた基本的な考え方を継承しつつ、これまで段階的に検討が進められてきた道路計画の内容につきましても、可能な限り整理し、また位置づけてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。傳刀健議員。
◆4番(傳刀健君) 松糸道路、今骨格軸であるというようなお話ありました。 それでは、この松糸道路によって計画進めていく上で、沿線住民のこの生活環境、特に日照であるとか、景観、騒音、それから用地補償など課題がそれぞれあるわけですけれども、市がまちづくりを進めていく上で、特に注意すべきことは何なのか、道路計画進める県の視点ではなくて、まちづくりを進める市の視点から見てどんなことがあるのか、お伺いします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) まちづくりを進める上で特に注意すべきことは何かとの御質問にお答えをいたします。 少子化により、国全体の人口が一層減少する見通しの中で、これからのまちづくりを考える上で、注意をすべき点は、人口の減少の幅をできるだけ抑制する施策を講じるとともに、人口減少にも対応できるまちづくりが重要と考えています。 そのために市では、一定の人口密度の下で支えられてまいりました医療や福祉、また商業など生活サービスの提供が困難とならないよう、拠点となる区域の人口密度を維持するため、様々な機能を集積し、コンパクトなまちにするための立地適正化計画を昨年度策定したところでございます。 しかしながら、単に、施設の集約化だけでなく、そのメリットを十分生かすことが困難なことから、松糸道路の整備に合わせ、それに接続する道路の整備を図るとともに、まちそのものの魅力を高めるため、行政と民間の連携、これも大変重要な取組であると認識をしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。
◆4番(傳刀健君) 今、民間の取組というお話ありました。また後で、ちょっと聞きますけれども、これで昨年の12月に、大厩議員の質問に対し、松糸道路の進捗状況と並行してこの都市マス、改定を行っていくと答弁がありました。 一方、先ほどから話ありましたけれども、立地適正化計画は、昨年の4月よりもう既に運用されているわけです。この結果、平成26年に策定された都市マスのコンパクトシティ構想に基づいたものであると、先ほども答弁にありましたけれども、ここで伺いたいのは、松糸道路のルート帯、これから発表されるので、場合によっては既に運用されている立地適正化計画を見直すこともあり得るのかなんですよね。 インターチェンジが例えば、運動公園の西側にできるというようなことがあれば、この誘導区域外に当てはまりますから、その周辺にこの産業誘導しにくくなるのではないかと思うわけですよ。その辺はどうでしょう。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 大町市街地ルートの選定に伴う、立地適正化計画の見直しについての御質問にお答えをいたします。 昨年4月に、市が策定しました立地適正化計画は、平成26年に改訂した都市マスで目指す将来の都市構造を具現化していく計画として策定したもので、現在策定を進める都市マスにおいても、この計画との整合性を重視しながら、作業に取り組んでおります。 また、立地適正化計画の進行管理におきましては、計画に位置づけた誘導区域、また具体的な施策の妥当性などについて評価、検証を行い、その結果を踏まえ改めて検討し、さらに必要に応じて計画の見直しを行うこととしております。これまでの答弁とも一部重複いたしますが、松糸道路は、本市の骨格形成に大きな影響をもたらす大規模なプロジェクトでありますことから、今後計画の進捗、また市街地ルートの選定状況などを注視しながら見直しの必要性、また時期などについて判断してまいりたい、こう考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。
◆4番(傳刀健君) 立適自体が見直しをしながら進めていくというような話で、当初から進められているので、しっかりと計画に従って見直していただければと、それならそれでいいと思いますけれども。この手の質問、松糸道路に関連したような質問をするとどうしても
建設水道部長の答弁が中心になりがちなんですけれども、今回まちづくりがメインですから、まちづくりは、建設課だけが担っているわけではありません。様々な部門が関連しているわけなので、他の部門における松糸道路の関連性について聞いていきたいと思います。 まず、観光分野における松糸道路の位置づけについてどのようなものか伺います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。産業観光部長。 〔産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今、議員おっしゃられたとおり、平成21年5月1日から平成23年の10月まで、きらり輝く協働のまちづくり事業として登録がされていて、今おっしゃられていたとおり、幾つかの事業をこの現場で行っていることは事実であります。ただ、その後の追跡調査というのは、こちらのほうとしては何もしておりません。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 私からも、補助金を担当する部署として補足して御答弁を申し上げます。 平成21年から当該団体に3年間補助金を支出したのは、議員の御質問のとおりであります。我々の事業の所管課としましては、当該年度の実績、申請のあった後、実績報告を受け、その実績どおり事業が行われたかどうか精査した上で、補助金額を確定していると。 当該年度平成21年度から平成23年度までそのような形で事業としては実積を確認しているところであります。また、平成28年にももう一回補助金を、今度は金額が少ないのですが、47万円ほど補助金を支出しておりますが、同じ手順で当該年度の実績については確認をしております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) この法人の事業計画では、第1段階としてオフロードコースの整備、第2段階として駐車場の拡大、広場の造成、花畑造成、第3段階では外周散策遊歩道、展望台の設置をし、森林浴を楽しみ、北アルプスの景観を楽しみ、花を楽しんでもらう環境づくりをしますと計画されています。 しかしながら、オフロードコースの整備はされたものの、花畑の造成や展望台の設置、外周散策遊歩道は全く整備がされておりません。このことについては、市としてどのようにお考えでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 確かに、事業計画としてそういうことで載っているかと思うんですけれども、その事業自体が、当該事業者NPO法人がやることですので、市としてそれをどうしてもやらなければならないとかということではなく、できるものとできないものがあればそれは当然だと思いますので、我々としてそれを強制的にやってほしいとかということは、多分言えないということだと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) それはちょっとおかしくないですか。 400万円近い税金が行っているんですよね。先ほど3年間で382万円行って、今ほど参事から47万円ですか、支出していますから、すごいお金が行っているんですよ。3万円や4万円じゃないです。これを市として、どうしてもやらなきゃいけないことじゃないとか、それはそっちの法人の好きに勝手にしろという答弁はちょっとおかしくないですかね。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、このきらり輝く協働のまちづくり事業の中で、今議員が言っているのは、整備内容がということでしょうか。 すみません、私どもとして、実は確認をしているものは、オフロードバイク用の保護整備とか、4輪駆動車用のコース整備、スノーモービルのコース整備、あと、そり遊びの広場とか雪像作りだとか、雪合戦広場とかという形で申請をされているというふうに認識をしたものですから、展望台を造る云々という話は、私どもも今のところは承知していないというか、すみませんでした。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) きらり輝くのほうは、ちょっと横にそれるかもしれません。ただ、ここの大町スキー場にはそれだけのお金が投入されているということは知っていただきたい。 現在の状況ですが、平成21年5月に提出した、きらり輝く協働のまちづくり事業計画書に書かれている内容とは程遠いと。オフロードコースを楽しむ一部の人たちだけの場所になっているように感じたところです。 先ほど部長答弁で、あそこを通ってみれば問題ないという答弁がありましたよね。現場には、無断立入り禁止の看板や道徳礼儀の日本国、無断駐車禁止、入山禁止など、いわゆる近寄りがたい看板が多数見られます。若者や家族連れが楽しめるような空間、イベント広場とは思えないのです。この現場を部長はどのぐらいしっかり見ているのか、お聞きします。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) 私も実はつい最近ですけれども、イベントをやっている最中にあそこに行かせていただきながら現場を見させていただきました。 確かに議員おっしゃられるように、多分ごみ箱の横にも日本国民何とかという、要はちょっとしたものがあったりとか、ただ、管理上の何と言うんですかね、見た目はちょっと分からないんですけれども、管理上どうしても必要なものがあれば、それはあってもしようがないのかなという気はしております。 要はあの施設は、今の土地はあくまでもNPO法人が自分たちの事業用として用地を借りていて、そこでやっぱりほかの皆さんが、どちらかというと勝手に入れないような形になっているということ自体は、例えば管理するほうからすれば、それはしようがないのかなという気はしますけれども、あまりにそういう意見が多くなれば、事業者とは当然相談させていただければというふうに思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) 要するに、毎年1年ごとの契約時に何らかの形で市としての要望があってもいいのではないでしょうかということです。15年間全くないということは、全くノーマークで知らん顔していたということですよ。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えをいたします。 すみません、私も担当していたわけじゃないのでそこら辺はあれなんですが、全くノーマークというわけではなくて、例えば関係者の皆さんとどこかで話はしたりとかはしているとは思うんですけれども、そういうことで、例えば、今さっき言った現状の変更承認だとかそういうことがこの間に幾つかあったので、15年間全くその事業者とのコンタクトがなく今まで来たということはないということだけは御理解いただきたいと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) 要は私が言いたいのは、あの
大町スキー場跡地は市にとって宝物ですか、お荷物ですか、どっちですか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 私どもとしては貴重な市有財産ですので、あくまでも大事なものだというふうには思っております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) それではお聞きしますが、あのオフロードコースは、東日本で楽しめる16選に入っていることは御存知でしょうか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) すみません、私が知識不足で申し訳ないのですけれども、モータースポーツのほうでは、いわゆるその愛好者の中では有名なコースであるというふうにはお聞きしております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) 私の一番言いたいことは、あのスキー場跡地が大町市の財産として宝物であるとするのだったら、どう生かすかということですよね。 先ほど午前中の部長答弁がありましたが、民間活動をうまく使いたいというような話もありました。ここは法人ですよね。法人ですが、民間とどう違うかよく分かりませんが、いずれにしても、この団体には400万円の支援が市から出ているわけですから、市はもっとこの団体といい関係を築かなきゃいけないんですよ。やりっ放しじゃなくて、この団体といい関係を築けば何かが変わってくるんじゃないかと思うのですが、その辺いかがですか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 私も先ほど、確かに傳刀議員の答弁のときに、民間の活力は非常に大事だというふうな御答弁を申し上げましたけれども、やはりこれから地域振興に当たっていくには、いかに、いわゆる民間の活力を導入していくかというようなことが、この地域というかこの市の発展のために必要なことだというふうに思っています。 単に行政だけでできる事業ではなくて、いかにそれを発展的にやっていただける事業者がいて、それを市と一緒になりながら共存していくというようなことが重要なことは十分分かっております。なので、これから今後、これも観光資源の一つとして捉えるとすればそのような形で、PRとかも含めた形で事業者とそういう協議はしてみたいというふうに思っております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) それでは、この団体が法人として活動するからには、毎年の事業報告を市に提出する必要があると思うのですが、市はどのようにお考えですか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今回、この事業者とのいわゆる普通財産の貸付の契約の中では、今言った、例えば事業報告を取るというような要項はなく今までは来ております。そういう形で、報告書は今まで取っておりません。ただ、先ほども言いましたように、国に出されている事業報告書はネットで公開されますので、我々がそれを見れば多分分かるだろうというふうに思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) NPOという法人として活動するには、様々な届出や手続をして国や市町村からチェックを受けなければいけないというふうになっているんですよね。ですから、ここはぜひ大町市としてチェックをするためにも、毎年の事業報告書の提出を求めるべきだと思うのですが、いかがですか。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) それに関しては、少しこちらのほうでも検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) 分かりました。 それでは、先ほどのこの団体とよい関係を築いていただきたい、これは何か具体的なよい接点でもありますかね。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) 先ほど答弁を申し上げましたとおり、観光振興の一つとして、このやっている事業自体を捉えるとすれば、そういう形で一緒になってPRするとか、参加者を集めるとか、そういうことは一緒になってできることだと思いますので、そういうことを含めた中で、事業者と御相談をさせていただければというふうに思っております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) その答弁は、後でまた確認をさせていただきたいと思います。 要は今、中山高原は大町市の絶景とは言えない場になってきています。でも、それを逆にうまく活用して、そして、しかも民間活動を生かして、さらに市の財産を生かしていただきたい、そんな取組を考えて実践していただきたい場所だと強く思いますが、市としてのお考えをお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 先ほど来申し上げているとおり、まず一つは、市有財産の活用という意味では正直な話、スキー場跡をいかに活用するかというようなことは非常に大事なことだというふうに思っていまして、今回のこのNPOが、夏のいわゆるスポーツの競技の場として提供いただいているということに関しては、私は正直な話、観光振興の一つにも当然なるし、地域振興にもなってくるというように考えておりますので、できる限りそういう団体との連携を図りながら、集客なり、もっと言えば地域への活性化のためになるような手だてを一緒に考えていけるようになればいいかなというふうに思っています。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。
◆12番(中牧盛登君) ぜひ
大町スキー場跡地、大いに生かしていただきたい、そんなことを申し上げまして、質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 御質問が終わるところですが、私のほうからも総括してお答え申し上げます。 まず、議員からは今日、せっかくの大町スキー場の跡地という市の遊休施設でありましたが、施設を使って民間、法人が一生懸命取り組んでいるよい関係をつくるようにという、そんな御提案をいただきました。 実は私自身も、やはりこれまで単に大町スキー場の跡地は市の遊休施設として、そしてそれを普通財産に変更した上で貸し付けるというそんな関係だというふうに理解をしておりました。 ただ、この二、三年、本当に私も時々あそこを通るのですが、夜遅くまで翌日のレースに備えて、あるいはレースの終わったときでも大勢の皆さんが和気あいあいと、決して世間に、周りに迷惑をかけるような騒ぎではもちろんありません。静かな意見交換の場、和やかな場ということを経験しております。 そうした中で、実は当初のこのNPO法人の代表者が1回変わったのですが、その変わるまで結城さんという方が代表を務めていたときには、時々市に訪れ、いろんなプランについて意見交換をしましたし、また、これも御指摘がありましたように平成21年から平成23年まで及び平成28年、この4年間にわたり、市の、これはきらり輝く協働のまちづくりの補助金ですが、これを使って何とか大勢が集まるそうした施設にしていきたいという意欲を感じ取ったところでございます。 そうした中で、これからも、先ほど産業観光部長から御答弁を申し上げたように、この賃貸借契約だけでそうしたことを縛ることは不可能ですが、逆に要請して毎年国に、内閣府に報告している報告書を頂き、なお、一緒に知恵を出す余地があるのかどうか、仮によい関係が結ばれた場合には、ぜひ私どもも、例えばですが東山観光計画の中に、あるいは市の観光振興計画の中に位置づけることができるかどうか、そこまで含めて併せて検討してまいりたいと考えております。御理解いただけますようお願い申し上げます。
○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 以上で中牧盛登議員の質問は終了いたしました。 ここで2時55分まで休憩といたします。
△休憩 午後2時38分
△再開 午後2時55分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第5位、高橋正議員の質問通告は2項目です。高橋正議員の質問を許します。高橋正議員。(拍手) 〔15番(高橋 正君)登壇〕
◆15番(高橋正君) 無所属クラブの高橋です。 私からは水道事業について。特に居谷里水源についてと市の観光についての大きく2つの質問をいたします。 さて、先ごろ4月に行われた市議選で若い議員も増えたことから、私の質問を通して市の水道行政に関心を持っていただき、今後とも市民の安全・安心を考えてもらうきっかけになればと思いながら質問したいと思います。 3年前の令和2年、私が総務産業委員長のとき、居谷里水源において大腸菌が検出されていることに注目し、委員会全体として水道問題に光を当て、市に改善を提言するため、まず全ての水道水源の調査・研究を行いました。 特に大腸菌問題では、大腸菌が水の安全性を測るバロメーターとして指標菌となっていることから、それを対象として居谷里水源では特に2回現地調査を実施、水源地の改善を市長に申し入れました。 それから2年以上経過して、居谷里水源では壊れていたフェンスも新設され、水道課に問い合わせると、大腸菌は半減したとの報告を受けました。 ところが、本年4月の市議選の前に、改めて水道課へ確認したところ、フェンスが完成し、大腸菌が半減した。しかし、今年になってまたその数値が半分戻しているとの答えでした。少しずつでも大腸菌の減少が続けば静観しようと考えておりましたが、大腸菌が増えていることを聞いて心配になり、もう一度この問題を俎上に上げなければならないとの思いを強くいたしました。 そもそも、大腸菌滅菌のため紫外線照射は大丈夫だとは思いますが、塩素系の薬品を多く使うことは、トリハロメタンなど発がん性物質に変化する危険性が大きく、再度この問題に光を当てなければならないと感じたところであります。 そこで、お聞きをいたします。 まず、居谷里水源の問題点ということでお尋ねいたします。 大町市の水道はそのほとんどは湧水で賄われ、地上に近いところで採取されていることから、地表水の混入が危惧されています。居谷里水源は大正時代から約100年、そのほとんど取水の形態を変えないままきたわけですが、この地下水の流れについて、地下における水脈の構造など、今までに科学的な調査が行われたことがあったかどうか。 また、基本的なことについては、大腸菌の数値を示す単位などについても御説明をください。また、季節によっての変化があるのか、これも教えていただきたいと思います。 これで、1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 高橋正議員の質問に対する答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 居谷里水源の科学的調査、また、大腸菌についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに、水源調査に関しましては、平成元年に当時の気象データや地質、また地形等のデータを基に居谷里水源の涵養域を調査した記録があり、それによりますと、推定される涵養域については、地質的に帯水層が広く分布しております美麻新行地域の北部から居谷里水源までの約500ヘクタールから600ヘクタールに及び、地下の帯水層を通じて居谷里水源で湧出していることが解析され、また明らかにされております。 次に、大腸菌の検査についてですが、まず水道法におきまして、大腸菌の水質基準は浄水または滅菌処理された後に、家庭の蛇口から出る水道水において検出されないことと定められており、当市の水道水については、各配水池における塩素滅菌処理をした後に、各御家庭に向けて配水され、日々検査も行っておりますことから、蛇口から菌が検出されることはございません。 また、その一方で、近年、大腸菌を指標菌とする塩素に耐性を持つ病原生物による水質への影響が懸念されており、自然の湧水水源を利用する当市におきましても、原水の段階から適切に対処する必要があるものと認識をしております。 水源で取水する原水の大腸菌の検査に関しましては、国が示す指針や検査方法に基づき実施しておりまして、その検査及び分析は、国の指定を受けた専門機関へ委託をし、水の成分を調べる定性試験という手法を用いております。 この検査手法は、原水を採水した後、下処理を施した検体に紫外線を照射しまして、これに反射して光として再び放出する状態、いわゆる蛍光の状態を確認するもので、蛍光が強い場合は陽性を示し、また弱い場合は陰性として判定されるため、菌の数や議員御質問の量等について表示されることはございません。 また、季節による変化でございますが、これまで月ごとの原水の水質検査記録によりますと、冬の降雪期においては陽性となる率が極めて低く、春以降の野生動物が活発に活動する時期に高くなる傾向となっております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 調査が行われたことがあるということですが、その調査について、もうちょっと詳しく教えてください。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 居谷里水源の科学的調査に関して詳しくということでございますが、これちょっと私の観点ですけれども、かつてこの居谷里水源水系については、昭和60年代だったかと思いますけれども、いわゆるテトラクロロエチレン、有機性塩素化合物が出た事象がございます。 そういった部分も実際のところは旧中山地籍にありました廃材の処分場、そういったところから流れてきたものではないかという推測をされる中で、やはりこの調査を行ったことによりまして、大体居谷里に湧出する帯水層がどの影響を受けているのか、そういったものを具体的に調べるために、改めて平成元年、こういった調査を行ったものというふうに認識をしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) どうも聞いているとそれほど科学的なというか、かなり深い調査ではなかったんではないかなというふうに推測されます。 これが、非常に重要なことなんですが、地表水と取水された飲料水との関係というのは非常に曖昧になっているんです。それはもう皆さんも見て御存知のとおりです。 水源地そのものでの科学調査はしていないということでしょうか。どうですか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 今、議員のほうから水源地における科学的調査という御質問ありましたけれども、水源地では今まで科学的調査というものを行ったというふうには、私のほうも記憶してございません。 ただ、原水としての水道法に基づく水質検査は実施しております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 水道水、特に居谷里水源の安全確保について聞きたいと思いますが、現在世界的に急激かつ大きな気温上昇が問題となっています。大腸菌の繁殖と気温との関係はどのようにお考えか。 また、このまま大腸菌が増え続ければ、以前、大和議員が提唱したように、いっそ居谷里水源はやめて、白沢水源に切り替える必要があるといった話も現実になるんじゃないかなというふうに思いますがいかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 大腸菌の繁殖と気温の関係、また、水道水の安全確保についての御質問に順次お答えをいたします。 この夏は全国的に猛暑が続き、気象庁では今年の平均気温は統計開始以降最も高くなるとの見込みを示しております。 まず、この気温と大腸菌の関係につきましては、現在市が水質検査業務を委託しております専門機関に確認をしたところ、一般的に大腸菌が最も活発化する温度は、おおむね摂氏30度から40度とされ、この範囲が大腸菌の繁殖に適しているとの回答がございました。 一方、居谷里水源をはじめ、当市の湧水水源の環境は、河川や湖などの表流水とは異なり、今年の夏の猛暑の中にあっても、原水の水温はおおむね摂氏10度から15度と低温であること、また、菌の栄養源となる有機物の濃度がもともと比較的低いため、菌の繁殖が抑制される環境にあるとの見解が示されております。 また、居谷里水源で取水した原水は、下流の三日町配水池に入るまでにおおむね30分程度管渠によって導水されますが、この間水温に大きな変動はなく、配水池に到着後、速やかに塩素による滅菌処理を行うため、気温上昇に起因する水質への影響はなく、現時点において安全性は保たれているものと考えております。 次に、水道水の安全確保についてお答えをいたします。 議員御承知のとおり、居谷里水源は大正時代からこれまで100年にわたり、豊富に湧き出る清浄な湧水を水道水として活用してまいりました。 しかしながら、近年、水源から採水された原水において、野生動物が原因とみられる大腸菌が検出をされ、議会をはじめ、市民の皆様にも大変御心配をおかけするとともに、暮らしに欠かすことのできない大切な水を扱う事業者として、しっかり対策を講じていかなければならないと、改めて肝に銘じるところでございます。 現在、居谷里水源から取水する水道水の安全対策の状況につきましては、国が法で定めた水質基準や指針等に基づき、厳格に対処しており、特に大腸菌につきましては、配水する前の段階で塩素消毒により、全て滅菌することとしております。 さらに、御承知のとおり、昨年10月には、三日町配水池内に紫外線処理施設を設置したことによりまして、クリプトスポルジウムなどの耐塩素性病原性物による水質への影響が回避され、水道水の安全性は一段と向上したものと考えております。 また、水源における保全対策としまして、一昨年2月に議会より御提言をいただきました内容に基づき、昨年度水源を囲む大型の進入防止フェンスが完成したほか、集水施設のカメラ調査等に基づく管渠修繕をはじめ、地表水の流入を防止する覆土整備を継続的に実施をしております。 これに加え、職員による直営作業や民間委託により水源地内の雑草や雑木の刈り払い、また、枯損木の処理等、動物の生息環境をできる限り抑制する対策を実施しており、水道水の源であり、また市の貴重な宝でもある水源の水質保全に全力を挙げて対処をしております。 水の惑星と呼ばれるこの地球は、そのほとんどを海水が占めており、世界において人が飲用できる水はごくわずかとされております。先人より受け継いだ貴重な居谷里水源を後世にしっかりと引き継いでいかなければならないものと強く考えるところであり、今後も市民の皆様の健康を守り、信頼に応える水道事業として、引き続き気を引き締めて取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。
◆15番(高橋正君) さっきから聞いていると100年の歴史だとか宝だとか、代々受け継いできたもの、大事なものだからって、そんな問題どうでもいいんです。要するに安全な水であればいいということなんです。どうやってその安全を守るかということを、私は段々に話をしていきたいと思っている。 それで、説明がよく分かんないから、ぐるぐる回っているだけで。ちょっと角度を変えてお聞きします。 今年6月に水道水源祭ありましたよね。あそこに何名くらい出席されましたか。水道水源祭に。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 水源祭への出席でございますが、コロナ禍になったときと比べて大勢の方出席していただいております。約100名近い人が出席したというふうに記憶してございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) あそこで取水しているのは、要するに、出てくる湧水点の近辺なんです。集水桝も全部お祭りやったところより下にあるんです、下にも。 今言われた100年ですか、およそ。こんな人数があの水源地に押しかけてどうするんですか。長靴はいてべちゃべちゃ、あそこ水出ていましたよね。 それで、水源祭は下でもできるんです。何もあの取水している上でなんかやらなくても。確かお祭りしている下にありましたよね、ありますよね、どうですか部長。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 確かに水源祭、水源域の中で行うことでできるかと存じますけれども。上にお祀りしている社があるということで、上でやらせていただいている状況でございます。 しかしながら、今議員御意見いただいたように、場所によってはそういった別の環境の中でやるということも、1つの水質を保全する対策の1つであるというふうに認識をするところでございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 何か全然分からない。私が言っているのは水を守るための話をしているんであって、水源祭のことそのものを問題にしているわけじゃないんです。要するに。 水を取っているところ、検査する水を取っているところが、今の検査地点よりも奥からとか、そこまでは完璧に守っていますという何か、そういう保障がなければ、今後ずっとこの問題続きますよ。 要するに、今取水している、落とし込んでいる集水桝の中へ、そこよりもっと奥へ、例えば5メートル奥へしたら、何の影響もないじゃないですか。あるいは10メートル奥にしたら問題ないんじゃないですか、どうですか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) すみません。 あの取水地点、水源の中に議員も調査の中で恐らく御承知かと存じますけれども、8か所の取水地点がございまして、それが水源域の中に張り巡らされて、それが集水渠としてつながって導水されているという状況でございますので、やはりその集水渠の部分を、特に上を歩く、立ち入るということについては、非常に気を付けてかからなければならないということで考えております。 また、水を取っている地点、それから検査している地点につきましても、この集水渠で検査をしているということで、そこは慎重に対応しなければならない場所というふうに理解をしております。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 私が申し上げているのは、慎重にやらなきゃいけないとかそんな問題じゃなくて、もうあの下のところで野生動物のふんから大腸菌入っているということであれば、完全に地中の奥深いところ、今より少なくとも5メートルあるいは10メートルの奥へ取水地点を設けたほうがいいんじゃないかなと、こういうことを言っているわけです。どうですか。 きちっとした検査をして、そして、全体の流れも検査してもらいたいんです、私としては。全体の流れも知っていないと、いつ何時何が起きるか分からないから。科学的な調査をしっかりとして、またその取水をして検査する水を取る場所も、湧水はしている、乾季になると水は出てこない、どこに水があってどう出ているか分からない、そしてあの蓋を取って検査させてもらったときに見たら、70センチメートルくらいの位置から水が入ってきている。これじゃ危なくてしようがないですよ。 だから、科学的な調査を基にして、きちっとした施設にする気はあるかないか、それだけをお聞きしたいと思います。どうですか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 科学的な調査に基づく施設整備を行っていくのかどうかという御質問でございます。 居谷里水源につきましては、議会の皆様の調査によっても明らかになったところでございますけれども、やはり、もともとは地下水、深層の冷やされた地下水が自力で湧き上がってきたところの浅い層の部分で、この動物の影響を受けているというふうに推測をしております。 そうした部分も踏まえて、今議会の調査の中でもお認めいただいたように、非常にその浅い部分のところの影響が大きいということで、今継続的な覆土対策、こういったものを進めているところでございますが、やはりなおかつこの影響が続くということであれば、今、議員御提言いただいたように、そもそもの取るべき環境、水を取水する環境も変えていかなければならない、これは間違いないというふうに思っています。 そういった部分では、今後専門的な調査というものも踏まえて、そういった取水の方法、これ、水源を改修するということは、それだけ水を止める時間も出てくるということになりますので、そういった影響度も踏まえて取り組んで、対策に取り組んでいきたいというふうに現在のところは考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) いずれにしても、部長憎くて言っているわけじゃありませんので御理解をしていただきたい。 推測でものを言わないで、科学的にきちっとやっていっていただきたい。 今、湧水水量も減っちゃって、経済的にも大変、また県のほうでも下水道の関係の法人でも協力をするというような話もあるようですので、ありとあらゆる手を使って、市民の安全を守っていく、水質を守っていく、これにぜひ執心していただきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。市長いかがでしょう。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) ただいま議員からは、大町市の安全な水、水の安全性を確保するという観点から御質問いただきました。 まず1つには、部長からも答弁したこととだぶりますけれども、この安全性を確保するためには、居谷里水源のいわゆる取水している7つなり8つなりの取水の場所から、それは多分私どもが水源祭に使っているあのスペースから外れていると思うんですが、そこから導水してくる、そうすると集水桝までの間にどのようなメカニズムがあるのか、あるいは集水桝においてなお他の、例えば大腸菌の含まれているような水が混入していないかどうか、これについてのしっかりと確認していく。そうしたメカニズムを解明していくことは、併せて取り組んでまいります。 答弁申し上げましたように、覆土がある程度の効果が見えていた時期もありましたので、そのことも含めて、同時並行で進めてまいります。 ただ、私自身も、多分議員も、この水のおいしい故郷を離れて遠くの地に暮らした経験がおありかと思います。私自身もそうでしたが、他の地域に暮らしたときに初めて、私も学生時代を含めて長野県内、県外の他の地域に暮らしたことがありますが、その地域は、大町市と違って幾つかの水の違いがある。 こんなに大きな格差があるかということを実感したのは、1つには水の冷たさ、清浄さ。2つ目には、その水の上水として、水道水として配られる前に、多くが、全国多くの自治体、水道事業者が表流水、河川水を使っている。その河川水には様々な微細なごみが入っていたり、あるいは砂が混じっている。 そういったことについて、上水を、いわゆる水をこすというようなろ過の方法及び最終的には先ほども答弁ありましたように、塩素滅菌して、完全に大腸菌ほか細菌を滅菌する、そんな仕組みがあって初めて水道水になっているということについて、一時驚いたことがあります。 しかしながら、私にとっては自然湧水でほとんどの水源が賄われている中、わずかこの居谷里水源においてそうした大腸菌が、これは動物由来ではありますが、検出されていることであれば、これは御答弁申し上げたように、安全性を確保するためにしっかり滅菌を徹底し、そして安全な水を確保している、これに間違いはないわけですが、それがそもそもゼロ、自然湧水であれば大腸菌ゼロの水を確保するにこしたことはないわけですので、そういった点についてもしっかりこれから、先ほど答弁申し上げたような対応によって安全性を確保してまいりたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) ぜひ、市民の安全のためにお願いしておきたいと思います。 それでは、次に2つ目の大町市の観光をどう展開させるのかの質問に移ります。 観光問題は大町市周辺の市町村を含めてみれば、ともに北アルプスの景観や山麓地帯、その下に広がる農業地帯、また市町村を挟んで緩やかな東山地帯とその間を流れる河川など、その風景は全体的に似通った傾向にあることから、近隣自治体の取組にも学びながら、大町市として今なすべきことを確実に実行していかなければなりません。 現在、他市町村と比べたときに、大町市には新しく具体的な観光政策が全く見えておりません。それどころか、むしろ衰退しているのではないかとさえ感じることがあります。大町市が遅れている理由は、恐らくこれまで黒部ダム観光に大きく頼り過ぎた結果ではないかと私は思っています。 白馬村や安曇野市では、これまで幾つかの困難にぶつかりながら、それぞれ新しく自前で独創的、具体的な観光開発を進め、現在大きく成果を上げ始めています。 安曇野市では国営公園に絡めて、山麓線と沿線の開発、整備が進んでいます。その地域では建造物などヨーロッパの風景を思わせるような明るい雰囲気になっています。松林が切られて、緑の雰囲気もおしゃれに変化しています。宿泊施設も時代のニーズにあわせて展開し始めております。 山麓線の交通量も増えて、穂高牧地区では、沿線にコンビニまで出店しました。 また、白馬村でも全体に自然環境が段々整備され、やはりヨーロッパ調の建物が増えて、スキーシーズン以外も新しい観光が幾つか考えられ、年間を通して誘客が進んでいます。 それに比較して大町市では、現在、特に目立った切り札となるような新しい観光が芽生えておりません。 このような中で、今後どのようにして観光政策を進められるお考えかお示しいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 今後どのような観光施策を進めるかとのお尋ねにお答えします。 大町市ではかねてより黒部ダム、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口として、またアルプスの山々に多くの観光客、登山者が訪れるものの、なかなか市内観光には結びつかず、いわゆる通過型観光になっております。 また、新型コロナの影響により旅行形態の変化など、観光に対するニーズもコロナ禍前とは大きく変化しております。 これらを踏まえ、市では従来の通過型観光から滞在型観光への転換や、多様化した観光客のニーズに即した観光コンテンツの充実などを図る必要があるとの認識に立ち、昨年3月に観光振興計画を策定いたしました。議員もお目通しをいただいていることと思います。 この計画におきましては、まず3つのテーマを整えております。 まず1つには、ウィズコロナを踏まえた安心・安全な観光地。また2つ目には、観光客、市民が満足する観光地。そして3つ目に稼げる観光地を兼ね備えた魅力ある観光地。この3つの観光地づくりを進める、そうしたことを目指すこととしております。 その実現に向け、データに基づく根拠ある観光振興に取り組むとともに、国際山岳観光ルートとして認知されている立山黒部アルペンルートや黒部ダムの強みを最大限に活用するとともに、これに過度に頼ることなく、観光地としての信濃大町の認知度向上を目指して取り組んでおります。 また、これらの目標を達成するために、5つの重点プロジェクトを定めております。 ゆっくり申し上げます。 1つ目として、観光の動向分析とそれを活用した戦略的なマーケティング。ここでは人流データや観光動向の分析に基づく施策の展開を目指しております。 2つ目として、観光プロモーションの推進とブランドを生かした商品開発では、観光プロジェクトチームの活動による新たな観光商品の開発を進める。 3つ目の宿泊施設を中心とした魅力の再構築では、大町温泉郷をはじめとする宿泊施設の魅力向上に努めること。 そして4つ目の山岳観光の魅力向上では、二次交通の整備と市街地との連携。 最後の5つ目には、観光を支える事業者や人への支援では、事業者等への支援の充実や各種ガイドの養成による受け入れ態勢の整備を図ることとしております。 そして今申し上げました5つの重点プロジェクトのそれぞれの分野において、目指す姿と明確な成果指標を定め、この達成に向け観光事業者や観光団体、関係者と連携して取り組んでまいります。 なお、議員御指摘のように近隣では白馬村あるいは安曇野市が極めて多くの投資を呼び込んでおります。民間事業者の本当に活発な連携によって大いに振興が図られていることも、1つの目安となるかと考えるところでございます。 来年6月には、黒部宇奈月キャニオンルートが一般開放され、大町温泉郷を宿泊地とする新たな旅行商品の販売が予定されており、また市でも長野県立大学と協働したインバウンド向けのツアーを構築するプロジェクトにも着手いたしました。 さらに、来年秋には北アルプス国際芸術祭も開催されますことから、こうした観光誘客の機会を逃すことなく、緊密な連携の下で当市への新たな人の流れを創出するため、今後も引き続き観光振興計画に基づく様々な観光施策の着実な実施、推進に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 何か市長のお話を聞いていても、形式的過ぎると言いますか、何と言いますか、分かるんだけれども満足するとか、それから魅力のあるとかいうのは、これは当たり前のことだと思うんです。それで、市長は頭のいい人だから作文が上手で、いつも我々は作文で何かやっているような気分にさせられたり、そんな気分になってくるんです。 それで、具体的でなきゃいけないと思うんです、観光というものは。具体的な戦略、これが必要だと思うんです。 そんなことから、まず初めに大町温泉郷をどうするか。雑木林の整備と熊対策、また、温泉郷から北アルプスが見える環境づくりをどうすべきか、何かお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。
◎産業観光部長(駒澤晃君) 大町温泉郷を今後どのようにするかとのお尋ねにお答えをいたします。 大町温泉郷は、立山黒部アルペンルート開業を契機として温泉街の整備が進められ、黒部ダムへの来訪者やインバウンド事業に対応する市内の宿泊拠点として今日まで発展してまいりました。近年は宿泊需要の多様化などにより廃業した施設も少なくなく、また、コロナ禍の影響による観光客の大幅な減少や団体から個人へと旅行形態が変化するなど、温泉郷を取り巻く環境の急激な変化により、今まで以上に持続可能な温泉地としての経営と、地域特性を生かした観光地づくりが求められてきております。 こうした現況の下、市では今後の温泉郷の再活性化を図り、持続的な魅力を持ち続けるためのビジョンの策定と、その実現に向けた具体的な取組を推進するため、昨年3月に関係者との協議による大町温泉郷未来検討会議を設立したところであります。 また、昨年度はこの会議における要望等を受け、大町温泉郷滞在魅力づくり補助金を交付し、街歩きのマップの作成や看板を修正するなど、景観の維持や誘客に向けた取組を進めてまいりました。 さらに、観光庁の地域一体となった高付加価値化事業の補助金を導入し、温泉郷エリアを中心とした宿泊施設の改修等による高付加価値化を進め、魅力の創出に取り組んでおります。 先ほども申しました熊対策の関係でございますけれども、熊対策につきましては、今年の春先に非常に多くの熊が出たということで、温泉郷の皆さんと信大の先生を呼びまして、そこで熊の対策を検討させていただき、実は旧森林劇場付近を全て約20名ぐらいで、あそこを全部草を刈ったりしました。 そしてあと、県の河川課にお願いをして、河川の中の樹木も切ったりして、住みかにならないような、そういう温泉郷の観光地づくりを進めるというようなことで対策をしてきております。 このことは、今後においてもぜひ継続をさせていただきたいというふうに考えております。 また、温泉郷からアルプスが見える環境づくりとしましては、温泉郷の中でもいろいろ、今さっき言いました未来検討会議の中でもお話が出ておりますけれども、鹿島川を活用したいわゆる親水公園みたいなものもゆくゆくはというお話も、今計画というかお話も出ているところでありますので、これはあくまでも県の河川課ともお話しなきゃならないんですけれども、そんなような話が進めているところであります。 市としましても関係者と一体となって、今後こういう検討を進めるこの未来検討会議を軸として、当市の宿泊拠点であります温泉郷が、今後も宿泊地として選ばれるための魅力創出に向け、力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
◆15番(高橋正君) 温泉郷はきれいじゃないんです、今。もう藪ぼうぼう。それで、人間も中入っていけないような藪になっている。こんな温泉郷なんてないですよ、どこ行っても。みんなきれいに雑木林も整備されて。 私よく思うんだけれども、松というのはあまり美しくないです、どちらかというと。明るい感じのは広葉樹の葉っぱの黄色ぽいのとかそんなやつ。ぐしゃぐしゃともう密林みたいになっているのはよくない。 やはり、そういった意味で整理されなきゃ駄目なんです。掃除されなきゃ駄目です。 それで、部長、熊がよく出るけれども、その理由分かりますか。