大町市議会 > 2023-09-06 >
09月06日-03号

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  1. 大町市議会 2023-09-06
    09月06日-03号


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    最終取得日: 2024-09-29
    令和 5年  9月 定例会          令和5年 大町市議会9月定例会会議録(第3号)               令和5年9月6日(水)---------------------------------------          令和5年大町市議会9月定例会               議事日程(第3号)                      令和5年9月6日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名113個人質問     大竹真千子24個人質問     傳刀 健310個人質問     宮田一男412個人質問     中牧盛登515個人質問     高橋 正---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(15名)     1番  植松悠一郎君       2番  二條孝夫君     3番  一本木秀章君       4番  傳刀 健君     5番  堀 堅一君        6番  太田昭司君     8番  西澤和保君        9番  栗林陽一君    10番  宮田一男君       11番  小澤 悟君    12番  中牧盛登君       13番  大竹真千子君    14番  山本みゆき君      15番  高橋 正君    16番  大和幸久君◯欠席議員(1名)     7番  中村直人君◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        矢花久則君 教育長        中村一郎君    総務部長       和田泰典君 総務部参事      田中久登君    民生部長福祉事務所長 川上晴夫君 民生部参事生活環境課長         産業観光部長     駒澤 晃君            笠間博康君 建設水道部長     古平隆一君    会計管理者      降旗孝浩君 教育次長       太田三博君    病院事業管理者病院長 藤本圭作君 病院事務長      曽根原耕平君   庶務課長選挙管理委員会書記長                                飯島秀美君◯事務局職員出席者 事務局長       藤澤浩紀君    事務局次長      渡邉哲也君 書記         小山 学君    書記         倉科貴大君 書記         千野恵子君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第3号)記載のとおり---------------------------------------              令和5年 大町市議会9月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 [質問形式]質問項目及び要旨ページ113番 大竹真千子 [一問一答]1.令和4年度決算について  (1) 財政運営の総括は。  (2) 病院事業会計の評価と見通しは。 2.市組織の内部統制について  (1) 不祥事防止対策の状況と課題は何か。92 ~ 10524番 傳刀 健 [一問一答]1.松糸道路を基軸としたまちづくりについて  (1) 松糸道路を活用したまちづくりとは。  (2) 観光、企業誘致、医療、移住その他市の施策において「松糸道路」はどのような効果をもたらすのか。105 ~ 119310番 宮田一男 [一問一答]1.マイナ保険証について  (1) オンライン資格確認状況と課題は何か。
    2.学校再編について  (1) 課題は何か。 3.帯状疱疹について  (1) ワクチン接種の助成ができないか。119 ~ 134412番 中牧盛登 [一問一答]1.旧大町スキー場跡地の活用について  (1) NPO法人へ貸し出して15年経過したが、市としての評価はいかがか。134 ~ 145515番 高橋 正 [一問一答]1.水道事業について考える  (1) 居谷里水源の問題点は。  (2) 水道水の安全確保をどうするのか。 2.これからの市の観光をどう展開させるか  (1) 近隣自治体にも学びながら、今すべきこと、具体策を実行せよ。145 ~ 162 △開議 午前10時00分 ○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから9月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は15名であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、欠席、遅参等については事務局長に報告いたさせます。事務局長。 ◎事務局長(藤澤浩紀君) 報告いたします。 中村直人議員は、療養のため、本日の会議を欠席いたします。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、病院事業管理者、各部長等及び庶務課長であります。--------------------------------------- △日程第1 市政に対する一般質問--------------------------------------- ○議長(二條孝夫君) 日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は15名であります。よって、本日は、議事日程記載のとおり5名とし、明日7日に5名、8日に5名の予定で質問を行いますので、御了承いただきたいと思います。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、大竹真千子議員の質問通告は2項目です。大竹真千子議員の質問を許します。大竹真千子議員。(拍手)     〔13番(大竹真千子君)登壇〕 ◆13番(大竹真千子君) 政友クラブの大竹真千子です。 通告に従いまして、1、令和4年度決算について、2、市組織の内部統制について伺います。 まず、令和4年度決算についてです。 今年に入り、新型コロナウイルスの付き合い方も大分変わってまいりました。今日の数字を聞きますと少し増えているようなお話も伺っておりますけれども、なかなか気の抜けない病であるなと感じておるところでございます。御年配の方々、基礎疾患をお持ちの方々にしますと、本当に毎日に気を配る、そんな病だなと思うところではございます。 ただ、マスクも個々の判断での着用となりまして、社会の中ではインフルエンザの立ち位置に、大分近い扱いとなってまいりました。市内の行事においても、感染者数の増減によって判断を仰ぐというようなこともなくなり、コロナ出現前の日常を少しずつですが、取り戻している、そんな感じを受けるところまでまいりました。 令和4年度は、コロナ禍にありました。コロナによって受けた痛手を回復することに全力で力を注いだ1年であったかと思います。 コロナ禍の中、市長におかれましては、難しいかじ取りを力強く進めていただき、一般会計の決算は、歳入総額が約185億1,600万円余、歳出総額が約177億400万円余となり、差引き収支としては8億1,100万円となり、繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は7億2,900万円の黒字と伺いました。 そこでまず、令和4年度決算の財政運営における総括について伺います。 これで、1つ目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 令和4年度決算の総括についてのお尋ねにお答えいたします。 令和4年度は、新型コロナの影響に加え、物価高騰も追い打ちとなり、非常に厳しい財政運営を余儀なくされた1年でありました。 こうした中、一般会計決算では、議員の御質問にもありましたように7億2,900万円余の実質収支を確保でき、市の財政の健全化を判断する各種指標におきましても、暫定値として実質公債費比率は8.6%、将来負担比率は34.0%となり良好な水準を維持することができました。これは、歳入面において、地方交付税が税収の増加等に伴い減収となりましたものの、市税全体の増収に加え、使用料や手数料の増額により、基金繰入金の縮減が図られ、さらに各部課が、主体的に財源確保に取り組んだことや公有財産の積極的な売却や、有利な地方債の活用に努めたこと、また、歳出面では効果的な手法の検討に加え、切れ目のない継続的な事業の展開を図るとともに、政策面におきましては、誰もが安心して暮らせる町の実現のため、子育て支援策の充実や障害者支援等により市民福祉の向上に力を尽くしました。 また、人口減少に歯止めをかけ、にぎわいのあるまちづくりを進めるための、移住・定住施策の拡充など、市の将来を見据えたソフト施策の重点化などにより、「入るを量りて出ずるを制す」との健全財政の要諦に意を配し、努めたところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 今、数字も出てまいりましたけれども、自治体の財政状況を図る財政指標、財政力指数としては0.44、経常収支比率としては、経常一般財源が減少したことにより91.7%、こちらは2.6ポイントの上昇と伺っております。 財政力指数は、直近5年を0.43から0.45の間、こちらを推移し財政力という点では、交付金等に頼らざるを得ない構造であるかなと見ております。経常的な一般財源に、経常的な支出がどの程度充てられているかを示す、経常収支比率も上昇したことで、財政構造の硬直化が若干ですが進んだものと理解しています。 市債については、令和元年度の157億6,700万円から135億600万円と着実に減少しており、実質公債費比率としては、先ほども数字ありましたけれども8.6と伺っています。健全財政を維持しているものの、余裕のある財政運営ではないと考えています。 財政指標、この数字を踏まえて、今後の方針をどのように捉えているかお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 財政指標を踏まえた、今後の財政の運営方針についてのお尋ねにお答えします。 議員御質問のとおり、当市の令和4年度の財政力指数は0.44となり、県内19市の平均値であります0.56を下回る結果となっております。 この財政力指数は、地方団体の財政上の体力を示すもので、この指数が高いほど地方交付税の留保財源が大きく、余裕があることになります。当市におきましては、基準財政収入額に対し、市域が広大であり、行政コストが割高になることに加え、寒冷地のため除雪等に関わる財政需要額が多額となるほか、市立大町病院をはじめ複数の公営企業を有しており、こうした市独自の市民サービスに伴う、財政需要が指数に影響しているものと分析しております。 また、市債につきましては、後年度への負担を極力抑える財政運営に努めた結果、将来負担比率は、平成28年度の61.8%に対して、令和4年度では、暫定値で34.0%まで改善しております。 しかしながら、今後の人口減少や少子高齢化により、歳入面では、市税収入や地方交付税等の大幅な伸びを期待できず、一方、歳出面では、社会保障費の増大や徐々に老築化が進む施設の維持補修、また美麻、八坂地区のケーブルテレビ光ファイバー化、小学校再編や国民スポーツ大会開催に伴う施設整備、さらには、脱炭素社会に向けた照明のLED化など、相次ぐ財政支出が見込まれております。 こうした、厳しい財政運営が見込まれる中、第5次総合計画に掲げる施策目標の達成と持続可能な自治体運営に向け、各部課において引き続き主体的な財源確保に努めますとともに、公共施設等総合管理計画の推進による、施設の総量の見直しなどの適正管理や行政評価等を踏まえました事務事業の効率化などにより、限られた財源を有効に活用できますよう、これまで以上に事業の選択と集中に尽くしてまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問。大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 多岐にわたる行財政運営、なかなか難しいところもあるんですけれども、ちょっと資料の部分で少しお聞きしたいことがありますが、地方公共団体で採用されている公会計制度、これは、単年度の現金収支に着目した現金主義を基本としているため、資金の収支や使途を明確に把握できる一方で、資産形成や負債といったストック情報の把握や現金支出以外に発生している行政コストの把握が困難になっているということが見受けられるんですけれども、こういった状況を受けて、平成27年に総務大臣から統一的な基準による地方公会計の財政書類の作成が要請されたということで伺っていまして、大町市では、平成28年度決算分から統一的な基準に基づいて、財務資料が作成されていると伺っています。 この地方公会計制度を生かした統一的な書類が作成されることによって、他の自治体との状況、非常に比較しやすくなって、市民の方に分かりやすい資料なんかも、今出てきているかと思うんですけれども、この活用状況としてはどのようになっていますでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 財務書類の活用状況についてのお尋ねにお答えします。 地方自治体の普通会計は、単式簿記の会計処理のため、資産と債務のバランス等が分かりにくく、財政状況やコストが見えにくいことが指摘されておりました。平成18年の新公会計制度の導入によりバランスシート行政コスト計算書資金収支計算書純資産変動計算書のいわゆる財務4表を作成し公表することとなり、当市におきましても21年度決算から公表を行っております。 財務書類の活用につきましては、資産や負債、行政コスト等から、一層多角的な分析が可能となり、また全国の同規模の自治体の財政状況との比較が容易になったことで、予算編成への的確な反映や財政マネジメントの強化など、健全な財政運営を図るための基礎資料として、活用を図っているところであります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 御説明にありました、地方公会計制度に沿った財務資料、今バランスシートと呼ばれる貸借対照表、それからPL、損益計算書として考えられる行政コスト計算書、それから純資産変動計算書、また資金収支計算書、先ほどの4種類の財務資料がそろえられることになったということで、私のほうでも今まで見させていただいていた資料の中で、今年何か、新たに市民の方が見やすい資料が増えたなと思うところがございまして、ただ、見やすくなったことで、資産、純資産、負債などの関係も非常に分かりやすくなっていまして、これからの世代が負う負債というのも、まだまだ大きくあるなと感じております。 先ほどの説明でも、これからまだまだ、財政支出をする予定もあるということで伺っているんですけれども、これから負う負債もある中で、人口減少、社会がどんどん進んでいます。その中で、この財務資料を見て今後強化すべき、また補完すべき施策というのはどのように考えているかお伺いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 貸借対照表、損益計算書などの財務諸表から見た強化や補完すべき施策についてのお尋ねにお答えします。 議員御指摘のとおり、市民サービスに供されている資産総額に占める負債総額の割合は、一般会計では、令和3年度末49.8%となっており、県内他市と比べますと10ポイント以上高い水準となっております。これは当市の面積が広く、管理する道路延長が長いことに加えまして、保有する公共施設も多く、また人件費や物件費等の行政コストに対し、財源に占める国・県補助金の割合が低く、財源確保を市債などに依存する財政運営が要因であると分析をしております。 将来にわたりまして、健全な財政運営を維持するため、短期的には、事業の見直しやDXの活用による事務の効率化を進め、経常経費の削減による行政コストの縮減を図ることといたします。 また、長期的には、効率的な行財政運営を進めるための組織の見直しや、公共施設について適正水準の見直しを含め、計画的な維持管理を進めるなど、将来を見据えた持続可能な自治体経営に努めてまいります。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) この膨大な額の財政を、やはり多角的な面で研究とか調査していただいて、財政運営をどのようにしていくかというのは、非常に重要なところかと思いますので、他市も含めて、しっかりと検証をしていっていただきたいと思うところであります。 また、コロナ禍に併せて、ウクライナ情勢等を背景とした原材料価格の高騰など、経済的な痛手を負う中で、市税の不納欠損額は511万円、前年度と比較すると1,468万円の減となっていると伺っていますが、一方、収入未済額は8,515万円で、国民健康保険税の収入未済額3,786万円と合わせると1億2,300万円となり、前年度との比較では392万円の増と伺っています。 今までの数字を見ると、おおむね同額ということで伺ってはいますけれども、それでも大きな額であると考えます。市税等の滞納状況の要因と収納見込み対策についてどのようなお考えでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 市税等の滞納についての御質問に順次お答えいたします。 令和4年度末の市税等の未収額は議員御指摘のとおり、前年度よりやや増加しておりますが、この中には、新型コロナの影響を受けた事業者に対する徴収猶予として固定資産税の約2,900万円が含まれております。これを除きますと未収額は約9,400万円となり、前年度比では21.0%の減で、実質減となっております。 また、本年度の収納見込みにつきましては、本年7月末の市税の収納率は40.2%で前年より3.5ポイント上回っており、現時点では、前年度以上の収入を見込んでおります。 滞納の要因としましては、納税相談や窓口等での聞き取りの結果、新型コロナの影響による業績不振やそれに伴う収入減などと考えております。この未納対策としましては、納税が困難な場合の納税相談や、徴収猶予、滞納処分の実施、さらには長野県地方税滞納整理機構への移管、不納欠損処理の取組などにより、収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) それでは続いて、病院事業会計のほうに移りたいと思います。 コロナ禍において、こちらも非常に注視されてきた病院事業会計でありますけれども、令和4年度の病院事業会計の評価と見通しについてお伺いをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。病院事業管理者。     〔病院事業管理者(藤本圭作君)登壇〕 ◎病院事業管理者(藤本圭作君) 病院事業会計の評価と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。 令和4年度の病院事業会計につきましては、コロナ禍における受診控えが徐々に緩和され、外来の患者数が増加したことや、診療体制の充実、新型コロナウイルス感染症への対応などの収益確保等の各種取組を進めた結果、経常損益は4億4,000万円、純損益は4億2,000万円を超える利益を計上することができました。 大北圏域唯一の公立病院及び感染症指定医療機関としての責務を果たす一方で、経営改善への取組を継続的に推進した結果が今回の決算にも表れており、ここ数年の刻々と変化する状況の中で、一定の成果を上げることができたと考えているところでございます。 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症対応の診療報酬の加算や、国・県からの補助金が縮小、廃止となること、老朽化した施設の修繕や、医療機器の更新、原材料費等の高騰などコスト面の増加が見込まれ、病院経営を取り巻く環境は非常に厳しいものとなることが予想されています。 その中で、昨年、策定いたしました市立大町総合病院経営強化プランに基づき、収益確保や経営の効率化に職員一丸となり、取り組んでいるところでございます。本年度の経営状況につきましては、発熱外来への患者数は減少したものの、皮膚科、今まで非常勤だったんですけれども、常勤の先生が着任されたことや、また専攻医も増えておりますし、あと積極的な入院患者の受入れにより、医業収益は前年度を上回る結果となっており、持続可能な地域医療体制の確保に向け、着実に歩みを進めております。 今後も変わりゆく情勢を見極め、地域の皆様が安心して暮らしていける医療機能を備えた病院として、合理的で健全な病院経営に努めながら、地域に密着した温かく、誠実な医療の実践に取り組んでまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 先ほどもお話がありましたけれども、令和4年度はコロナ禍であったということもあり、新型コロナ対応の診療報酬の加算や国・県の補助金など、収益が確保されていた部分も大きかったと思いますが、一方経費も上がったりと設備も入れ替えたりと、そんな予定もある中で、施設の建て替えというお話が予定されているということで伺っていますけれども、実行性としては、どのように捉えているかお伺いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。病院事務長。 ◎病院事務長(曽根原耕平君) 大町病院の建て替えの実行性についてお尋ねにお答えいたします。 施設の建て替えにつきましては、西病棟が建設から52年、また東病棟が29年経過しており、西病棟につきましては、平成23年に耐震改修工事を行っておりますが、施設の老朽化による病院の建て替えの検討をスタートさせるため、令和3年度に策定した病院の中長期計画に10年後の施設の改築を実施することを盛り込んだところでございます。 なお、建て替えに当たりましては、借入金返済のための収益の確保や資金繰りの見通しが不可欠となりますことから、現在こうした視点を含め、具体的な実施時期についてシミュレーションを行っております。特に、財源確保の面では、より一層の経営努力により、病院改築に向けた内部留保資金を確保するため積極的な経営改善に取り組むとともに、有利な国・県補助金などの獲得や市の財政部局との協議も行ってまいりたいと考えております。 また、人口減少、超高齢化が進む中、建て替えに向けて具体的な検討を行う際には、地域の医療ニーズに合わせた病院規模の縮小、医療機能の特化を把握するために、県の地域医療構想調整会議及び市の保健医療福祉部局などとの協議を行いまして、地域ニーズに即した適切な規模や機能の病院となりますよう、できるだけ早い時期に病院建て替えに向けたワーキンググループを立ち上げ、さらに検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 経営改善を進めていただく中で、やはり職員が一体となって頑張れる大きな目標があるというのは、また一つやる気にもつながるかなと思いますし、着実な経営を進めていただきたいと思いますし、また市のほうも全体的に、おおむね健全財政を維持していただいているのかなということで理解をしているんですけれども、地方経済は疲弊の一途をたどっているそんな中での長期的な視点で、着実な政策実現を進めていただきたいと願うところでございます。 続いて、2項目め、市組織の内部統制についてお伺いいたします。 先般、当市の課長級職員による団体資金の私的流用が発覚し、多くの市民の皆様のお耳に入るとともに、市民の皆様から多くの落胆の声、またお叱りの声をいただくに至っています。 そしてまた、この1件にとどまらず、セクハラ行為や補助金の不交付案件、期限切れワクチンの誤接種など、不祥事が重なったことにより、日夜の業務に携わる職員やまたその御家族にも、暗い影を落とすこととなっています。 もちろん、不祥事を起こした本人に問題があることは否めませんが、個人の資質の問題で片づけてしまってよい問題でしょうか。先般の私的流用事件においても、なぜ、出金に必要となる通帳と印鑑を一人の職員が管理していたのでしょうか。金銭管理において、必要となるものを複数人で管理するというのは、不祥事防止対策の王道中の王道ではないでしょうか。自分を律することができる人材の多い職場であったとしても、まずは組織側が、講ずべき手だてを講じていた上で、個人の資質を問うべきではないかと考えるところではあります。 続く一連の不祥事に当たり、組織として手だてを講じていくべきときと考えますが、ここで挙げられる手だてというのが、内部統制になります。自治体における内部統制とは、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する主体である長自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして、識別及び評価し、対応策を講じることで、事務の適正な執行を確保することとされています。 簡単に申しますと、内部統制のシステムを整備するということは、庁内のルールの整備や業務チェックの徹底をすることと同義となりまして、形骸化しているルールなどを含めて、不正を防止できる体制が整うこととなると考えます。そこでまず、現状の確認として、不祥事を防止する対策等の状況、課題についてお伺いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(和田泰典君)登壇〕 ◎総務部長(和田泰典君) 不祥事防止対策の状況と課題についての御質問にお答えします。 まず初めに、これまでの度重なる不祥事により、市民の皆様の信頼を大きく裏切ることとなりましたことに、心からおわび申し上げます。 申し上げるまでもなく、全ての公務員は、全体の奉仕者であって、公共の利益のために勤務するため、地方公務員法において法令及び職務命令に従う義務、職員専念義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務等の服務規程が明確に定められており、このことは職員研修を通じて、採用当初から職員に対し周知と徹底を図ってきたところであります。 また、非違行為を行った当事者並びに関係職員に対しては、懲戒処分や上司からの指導を行ったほか、全職員に対し、訓令を発出して、再発防止に努めてまいりました。 これまでの不祥事事案は、先ほど申し上げました地方公務員法などの法令や、条例等の規定を遵守していれば起こり得ず、部下を指導、監督すべき管理職による不祥事が発生したことから、職員のコンプライアンスに対する意識の欠如や、組織風土にも課題があるのではないかと考えているところであります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 御答弁いただいたわけですけれども、今後、この一連の不祥事の原因特定、多分不祥事一つ一つに、様々な要因があるものと考えられるわけですけれども、今後の再発防止対策をどのように講じていく予定なのかお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 不祥事が発生した際の再発防止対策についてのお尋ねにお答えします。 これまで、不祥事が発生した場合には、当事者や関係者からのヒアリングを行い、その結果を踏まえまして、事案ごとに再発防止対策を検討し実行してきたところであります。 また、本年4月のハラスメント事案につきましては、弁護士を委員長としまして、識見を有する専門家などで構成する大町市職員ハラスメント対策検討委員会を8月28日に設置し、全職員を対象に実施しましたハラスメント実態調査の結果を踏まえ、実効性のある再発防止対策の検討に着手いたしました。 その一方で、これまでの度重なる事案を踏まえまして、こうした不祥事が起きた背景についても検証を加え、組織としての構造的な課題はなかったかを明らかにする必要があると考えております。そのため、まず庁内におきまして、若手、中堅、管理職などの世代ごとに組織的な課題を考える場を設けるとともに、プロジェクトチームを設置し、組織の在り方について検討することとしております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 今、御答弁あったんですけれども、今、不祥事防止対策という視点で見ていくのかどうかなんですけれども、この実効性のある不祥事防止対策、内部統制というところまで見ていかれるのかなんですけれども、このしっかりとした体制の構築、それから職員の皆様の意識づけの部分というのは、どのように行っていく予定なんでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) お答えします。職員の意識統一自体についてお答えいたします。 まず全体に、これまで起こった不祥事につきましては、原因がそれぞれ異なるわけであります。その部分につきましては、先ほど御答弁申しましたとおり、事案ごとにどのような原因があって、これが発生してきたのかという部分を整理しまして、それを対策を講じるということであります。 それと、風土的、環境的な問題で、職場に問題がなかったかどうかということにつきましては、先ほど御答弁しましたとおり、年代ごとに分かれた問題把握といいますか、そういった部分をちょっと検討行うと、それを踏まえた上で、組織全体としてその部分のところの規範についてどうかということを検討するというものを徹底してやっていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 二條議員のほうでも、内部統制について以前、聞いておるわけなんですけれども、内部統制を整えるという話になると他市の事例なんか見ますと、一つその課をつくってと、結構大きな話になっていくような部分もあるんですけれども、まず他市の事例ですと、職員の行動規範みたいなものを簡単につくって、そういうところから手始めに始めるというような事例もあるようなんですけれども、当市については、その行動規範みたいなものというのはあるのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 職員の行動規範についてのお尋ねにお答えいたします。 当市において職員の行動規範は、現在策定はしておりません。しかしながら、今回の事案を踏まえまして、職員の服務や義務を定める、コンプライアンス指針等を策定する必要があると考えております。 策定に当たりましては、職員の行動規範だけでなく、不祥事が起き得ない組織風土を構築するための方策、例えば心理的安全性が確保された職場づくりのため、職員が意識すべきことは何かなども、指針に含めることが重要であり、具体的な内容については、今後検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 今回の一連の事象を受けて、どのように対策を取っていくかということで伺ったわけなんですけれども、今後各組織の不祥事防止対策、内部統制まで進めていくかというところもあるんですが、これについて、どのように向き合っていかれるのか。まず庁内の人事を統括される矢花副市長、それから教育委員会を総べる中村教育長、病院を総べる病院事業管理者である藤本病院長に、それぞれどのようにこの不祥事を防止していき、内部統制を効かせていくのか、そのあたりをお伺いさせてください。 ○議長(二條孝夫君) 副市長。 ◎副市長(矢花久則君) 私には、実効性のある内部統制の構築に、副市長としてどのように向かうのかという御質問いただきました。 初めに、市政に対する長年の信頼を大きく失墜いたしましたこのような不祥事が、重ねて発生しましたことに、職員を統括する副市長の立場からも、改めておわびを申し上げます。 議員お尋ねの、地方公共団体におきます内部統制につきましては、議員から、先ほどその目的について御説明をいただいたところでございますけれども、その趣旨は、行政組織におきまして、その目的が達成されるようにそれを阻害する要因をリスクとして評価して、必要な対策を講じることで、事務の適正な執行を確保するということであると承知をしております。 そのために、先ほど部長より御答弁申し上げました取組を通じまして、まず、法令等の遵守に職員と共に取り組むとともに、最少の経費で、最大の効果を挙げるための組織体制や業務の見直しも併せて検討してまいります。 また、この内部統制、この制度構築自体が目的化しないように、過度に行き過ぎた統制とならないように重要度の高いリスクから、優先的に取り組んだ後、リスクに対する効果を見極めながら、実効性を高めてまいりたいというふうに考えてございます。 いずれにしましても、組織というものは、人で成り立っているところでございます。全職員がやりがいを持って、安心して働ける環境をつくっていくと、そういう意識を持って取り組んでまいりたいと思っています。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) 議員のお尋ねにお答えします。 このたびの不祥事は、未然に防止ができず、また、不正の発見までに長い時間を要したことは誠に遺憾であり、危機管理の在り方等課題があったものと認識しております。 教育行政は、近年複雑化、多様化する一方で、事務の適正化の確保が強く求められております。リスクの発生を未然に防ぐとともに、法令等を遵守することにより、市民の皆様から信頼される教育行政を推進できますよう、事務の適正な執行を担保する内部統制の構築について、市長部局と足並みをそろえ積極的に取り組んでまいりたいと思います。 また、教育委員会として、市内小・中学校及び義務教育学校に対しましては、職員の非違行為の防止と学校事務の適正化を指示し、徹底を図ることといたします。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 次に、病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(藤本圭作君) 今回の期限切れ新型コロナワクチンの接種では、保健センターとの相互確認及び調剤の際の確認不足などにより、市民の皆様に御心配と御迷惑をおかけしまして、心からおわび申し上げます。 私からは、当院での再発防止に向けた内部統制の実施についての御質問にお答えいたします。今回の原因は、担当部署においてワクチンの納品の際、有効期限の確認を行うこととするマニュアルを遵守しなかったことが最大の要因であると考えております。 このマニュアルの遵守につきましては、当院が受審しております病院機能評価においても、各部署におきましてその整備と対応が求められておりますが、本事業では実践できておりませんでした。 こうしたことを重く受け止め、今後速やかに、再度全部署に対しマニュアルの点検と運用の徹底を図ってまいります。また、既に組織しております医療安全委員会におきまして、本事案について分析検証を行うこととともに、その内容を院内で共有することにより、二度とこうした事案が生じることのないよう、また市民の皆様が安心して医療を受けることができるよう、信頼回復に向けた取組を鋭意実践してまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。 ◆13番(大竹真千子君) 矢花副市長、中村教育長、藤本病院長御答弁ありがとうございます。 本当に、細部の原因究明や改善については、これからのことと思います。細部の部分についての質問というのは控えさせていただきますけれども、ここへ至るに当たって、私もいろんな方から、現場の少しお声を聞いてみました。 やはり、職員さんの中で出てくるのは、個々がそれぞれ業務を抱えるような体制になってしまっているのではないかとか、それぞれが壁にぶつかっても、情報、コミュニケーション不足というんでしょうか、それぞれがその壁を解決して、チームでその課題を解決できるような体制になっていないですとか、あとは、そういった壁にぶつかったまま業務がたまっていって、仕事量が膨大になっているだとか、あとは、人がやっぱり入れ替わる現場だということで、結局、人に仕事を教える時間を取るなら、自分がやってしまってといって、また個々が自分の仕事を抱えるような、そういったお話ですとか。やはり、コロナも相まっているのかなと思うんですけれども、チームでコミュニケーションを取る時間が、やはりちょっと取れていないのかなとそういったようなお話も、本当に私、一部でしか聞いていないかと思いますけれども、伺っております。 この課題が、適正か分からないですけれども、これからきちんと調査をして、プロジェクトチームを作っていただくということでございましたので、今後庁内の風通しをよくし、各職員とのコミュニケーションを密にした職場にしていただきたいと願うところでございます。 最後に市長にお伺いをさせていただきたいと思います。 庁内の今回の不祥事に、関わっていない職員さんで現在回っています。頑張っている職員さんに、市役所ひとくくりにして、ちょっと心ないお言葉をいただくようなこともあって、職員さんのモチベーションが下がったりと、それから職務に当たる意義や誇りを見失いそうになっていらっしゃる職員さんも見受けられるなと感じています。 庁内の職員さんに向けて、市長メッセージですかね、発したということをちょっと伺ってはいるんですけれども、大町市を総べるトップとして、庁内の職員のモチベーション、そして誇り回復に向けて、どのような対応をなさるおつもりなのかお伺いをさせてください。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 市組織の内部統制の再構築による不祥事の再発防止と、職員のモチベーション回復に向けた対策について、私自身からお答え申し上げます。 まず、今回の不祥事によりまして、市民の皆様の信頼を大きく損ねましたことに、改めて、深くおわび申し上げます。 議員各位にも、御迷惑と御心配をおかけしました。重ねておわび申し上げます。 そしてまた、日々真剣に職務に取り組む多くの職員が、心を痛める事態となりましたことに、組織の最高責任者として、重い責任を感じ、自らの至らなさを痛感いたしております。 議員御質問の防止策につきましては、本年度、明らかになりました不祥事に関して、まず第一には、その行為を行った職員に、非があることに帰結することは自明のことであり、コンプライアンス、法令遵守の意識の欠如、この一言に尽きると言わざるを得ません。 しかし一方で、そうした状況を持つ背景として、組織の構造的な課題につきましても、目を向けることが必要であると深く認識いたしております。 市の組織体質は、長い年月をかけて形成されてきたものであり、良い面と悪い面、両面があり、何をどのように変え、何を伸ばしていくか、また目指すべき組織の姿は、単に市長としての思い、私の思いだけではなく、職員と共に描き、その実現を目指して時間をかけてでも粘り強く築き上げていくものと考えております。 そのための第一歩が、ただいま内部統制の在り方について副市長、教育長並びに病院事業管理者からお答えしましたことに加えまして、部長から先ほど申し上げた、まず様々な世代ごとに組織そのものの在り方について、しっかり真剣に考える場を設け、率直かつ真剣に意見を出し合う機会をつくってまいりたいと考えております。 また、本来職員を指導、監督する立場の管理職の職員の不祥事は、部課職員のモチベーションを大きく低下させ、さらには、そのチーム全体の活力をそぐこととなります。 私自身、この先ほど、議員の御指摘にチームの縦割りの壁ということについて、御指摘がありました。私自身、チームごとの風通し、組織の風通しを良くするということについて、これまでも何年かにわたって、繰り返し伝えてまいりましたし、また職員の皆さんにもお願い申し上げてまいりました。 今週月曜日に開催しました臨時の部課長会議におきまして、全職員に向けて呼びかける、私のメッセージを朗読し、私の思いを説明いたしました。その中で、今後、徹底した再発防止策を講じること、また、私自身の責任を明らかにすることなど、決意を述べた後、職員の皆さんには、改めて全体の奉仕者である公務員の本分に立ち返り、大町市職員としての自覚と誇りを持ち、行動するとともに動揺することなく、自らの職務に責任を持って取り組んでいただくよう直接お願したところでございます。 去る6月定例会において、大竹議員から職員が一丸となって職務を遂行できる職場環境について御質問いただき、それに対しまして、私から御答弁申し上げましたのは、職場環境づくりは管理職だけが担うものでも、また正規職員だけが努力するものではなく、市で働く全ての職員が取り組むものであり、私自身その先頭に立ち、働きやすい職場の環境をつくり上げるため、職員と一丸となって、力を尽くしますと述べたそのときの決意は、現在もいささかも揺らぐことはございません。 職員のモチベーションの回復を含め、働きやすい職場環境を築いていくその道のりは、苦しくそして長く厳しいものと覚悟しておりますが、確固たる信念を持って取り組んでまいりたいと改めて決意いたしております。 大竹議員をはじめ、議員各位の深い御理解と御協力をいただきますよう心からお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 大竹真千子議員。残り、3分17秒です。 ◆13番(大竹真千子君) 本当に、実は私、先日お話を伺った職員さん、大きなショックを受けておられたんですけれども、ちょっと感動したのが、僕は、でもこの仕事が好きなんですよ、というお話をいただきました。 やっぱり、不祥事を未然に防ぐ体制、それから業務効率の改善、そしてその職員のパフォーマンスを向上させるような体制改善、これはやっぱり、上層部がしっかり旗を振ってやっていただきたいことだと考えております。 組織の信頼回復に努めていただくことを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ○議長(二條孝夫君) 以上で、大竹真千子議員の質問は終了をいたしました。 ここで、11時5分まで休憩といたします。 △休憩 午前10時49分 △再開 午前11時05分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第2位、傳刀健議員の質問通告は1項目です。傳刀健議員の質問を許します。傳刀健議員。(拍手)     〔4番(傳刀 健君)登壇〕 ◆4番(傳刀健君) 峻嶺会の傳刀健です。 通告に従いまして、松糸道路を基軸としたまちづくりについて質問をいたします。 去る、5月27日アプロード会館において、民間事業者による高規格松糸道路早期建設推進を要望する大会が開かれました。 大会では、中部横断自動車道開通が待たれる南佐久郡佐久穂町の佐久穂女性みちの会の会長から、女性目線に立った高規格道路の必要性について、また、商工業、農業、観光業、防災に携わる方や子育て世代の方の松糸道路にはせる熱い思いを伺うことができました。会場には100人を超える方が集まり、早期建設推進に心を合わせていました。 また、7月30日、8月1日には、大町建設事務所による、松糸道路市街地区間幅の細いルート帯案の比較評価についての説明会、8月10日、11日には、オープンハウス形式での説明会が開催されました。説明会では、これまで開催されてきた疑問等に対する追加説明として、なぜ、市街地区間で現道活用がかなわないのか。なぜ、盛土構造等の立体構造等が望ましいかについての説明があり、公平、誠実な説明があったんではないかとの感想を持ちました。 そして、説明会の中で大町市建設水道部長が、道路計画は県の事業だが、松糸道路を生かしたまちづくりは、大町市が責任を持って進めていく必要があると答えていました。 まさに、そのとおり、私も市が取り組むべきは、今を生きる我々だけでなく、子どもたち未来の世代のために医療、観光、経済活動、防災、その他あらゆる分野において有利となるよう、この松糸道路の利点を最大限生かしたまちづくりを進めていくことであり、そこに力を合わせていくことが、今を生きる私たち世代の責任だと思っております。 そこで、最初に確認をしておきます。松糸道路は市のまちづくりの中でどのくらい重要なのか、改定される都市計画マスタープランにおける位置づけについて、何度も答弁をいただいている部分ではありますが、改めてお伺いをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。傳刀健議員の質問に対する答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(古平隆一君) まちづくりにおける松糸道路の重要性と改定を進める都市計画マスタープランの位置づけについて御質問にお答えをいたします。 平成26年に改訂した市の都市計画マスタープラン、いわゆる都市マスですが、策定当時既に、急速な人口減少が見込まれる中、将来にわたり当市の発展と、またまちづくりを支える都市構造の基本的な考え方として中心市街地や既存集落を生かしつつ、幹線道路や公共交通の周辺に一定のまとまりをもって居住する、コンパクトな集約型都市構造を目指すこととしております。 その際、松糸道路は、市が目指す都市構造の根幹を担う幹線道路網において、広域的な連携による産業や観光振興をはじめ、医療活動への支援や災害発生時の防災機能などを有する重要かつ中心的な骨格軸として、都市マスへ位置づけるとともに、そのルートについては、市が独自に想定し都市マスに搭載するとともに、県に対し提案した経過がございます。 現在、改定作業を進めております都市マスについては、近年の社会情勢の変化や上位の関連計画の改定等を踏まえ、おおむね20年後を見据えた計画として見直しを行うもので、この中で松糸道路は、市の骨格形成に大きな影響を与える大規模なプロジェクトとして位置づけており、道路計画の進捗に応じ、適宜見直しを行うこととしております。 当市における松糸道路の計画は、平成30年2月より事業主体であります県が、市街地ルートの選定に着手して以降、様々な検討を踏まえ市街地西側に3本のルート帯案が選定され、現在最適ルート帯案の絞り込み作業が進められております。新たな都市計画マスタープランには、従前の計画において、市のまちづくりの骨格軸として据えた基本的な考え方を継承しつつ、これまで段階的に検討が進められてきた道路計画の内容につきましても、可能な限り整理し、また位置づけてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 松糸道路、今骨格軸であるというようなお話ありました。 それでは、この松糸道路によって計画進めていく上で、沿線住民のこの生活環境、特に日照であるとか、景観、騒音、それから用地補償など課題がそれぞれあるわけですけれども、市がまちづくりを進めていく上で、特に注意すべきことは何なのか、道路計画進める県の視点ではなくて、まちづくりを進める市の視点から見てどんなことがあるのか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) まちづくりを進める上で特に注意すべきことは何かとの御質問にお答えをいたします。 少子化により、国全体の人口が一層減少する見通しの中で、これからのまちづくりを考える上で、注意をすべき点は、人口の減少の幅をできるだけ抑制する施策を講じるとともに、人口減少にも対応できるまちづくりが重要と考えています。 そのために市では、一定の人口密度の下で支えられてまいりました医療や福祉、また商業など生活サービスの提供が困難とならないよう、拠点となる区域の人口密度を維持するため、様々な機能を集積し、コンパクトなまちにするための立地適正化計画を昨年度策定したところでございます。 しかしながら、単に、施設の集約化だけでなく、そのメリットを十分生かすことが困難なことから、松糸道路の整備に合わせ、それに接続する道路の整備を図るとともに、まちそのものの魅力を高めるため、行政と民間の連携、これも大変重要な取組であると認識をしております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 今、民間の取組というお話ありました。また後で、ちょっと聞きますけれども、これで昨年の12月に、大厩議員の質問に対し、松糸道路の進捗状況と並行してこの都市マス、改定を行っていくと答弁がありました。 一方、先ほどから話ありましたけれども、立地適正化計画は、昨年の4月よりもう既に運用されているわけです。この結果、平成26年に策定された都市マスのコンパクトシティ構想に基づいたものであると、先ほども答弁にありましたけれども、ここで伺いたいのは、松糸道路のルート帯、これから発表されるので、場合によっては既に運用されている立地適正化計画を見直すこともあり得るのかなんですよね。 インターチェンジが例えば、運動公園の西側にできるというようなことがあれば、この誘導区域外に当てはまりますから、その周辺にこの産業誘導しにくくなるのではないかと思うわけですよ。その辺はどうでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 大町市街地ルートの選定に伴う、立地適正化計画の見直しについての御質問にお答えをいたします。 昨年4月に、市が策定しました立地適正化計画は、平成26年に改訂した都市マスで目指す将来の都市構造を具現化していく計画として策定したもので、現在策定を進める都市マスにおいても、この計画との整合性を重視しながら、作業に取り組んでおります。 また、立地適正化計画の進行管理におきましては、計画に位置づけた誘導区域、また具体的な施策の妥当性などについて評価、検証を行い、その結果を踏まえ改めて検討し、さらに必要に応じて計画の見直しを行うこととしております。これまでの答弁とも一部重複いたしますが、松糸道路は、本市の骨格形成に大きな影響をもたらす大規模なプロジェクトでありますことから、今後計画の進捗、また市街地ルートの選定状況などを注視しながら見直しの必要性、また時期などについて判断してまいりたい、こう考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 立適自体が見直しをしながら進めていくというような話で、当初から進められているので、しっかりと計画に従って見直していただければと、それならそれでいいと思いますけれども。この手の質問、松糸道路に関連したような質問をするとどうしても建設水道部長の答弁が中心になりがちなんですけれども、今回まちづくりがメインですから、まちづくりは、建設課だけが担っているわけではありません。様々な部門が関連しているわけなので、他の部門における松糸道路の関連性について聞いていきたいと思います。 まず、観光分野における松糸道路の位置づけについてどのようなものか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
    産業観光部長(駒澤晃君) 観光分野における松糸道路の位置づけについてのお尋ねにお答えをいたします。 当市の観光は、立山黒部アルペンルートはじめ、仁科三湖や高瀬渓谷など、豊かな大自然を生かした山岳観光都市として、国内外から年間を通じ約270万人の皆様に来訪いただいております。 ここ3年は、コロナ禍の影響により、国内客の減少やインバウンド需要がほぼ皆無となっておりましたが、本年5月以降は、感染症法上の位置づけが引き下げられたことにより、社会経済活動の動きが加速し、国内旅行やインバウンド需要は平常時の水準に戻りつつあると認識をしております。 こうした中、現在当市の観光客の移動手段には主として自動車が使われており、その南の起点となる長野自動車道安曇野インターチェンジから市内までの移動時間は、県の説明では約15分から16分短縮されると試算されております。また、北の玄関口となる北陸自動車道糸魚川インターチェンジからの短縮時間も24分から25分と見込まれており、移動時間の短縮と円滑な移動が確保され、アクセス向上の効果は、大変大きなものと理解をしております。 またこれに加え、こうした当地への往来に要する時間の短縮に伴い、滞在時間の延長が可能になりますことから、関係事業者の皆様からも、今後の観光振興や地域経済への大きな波及効果が期待される道路として松糸道路の早期建設はもとより、観光情報等の発信や交流拠点として道の駅の整備を願う要望を頂戴しております。 市としましても、松糸道路は、今後基幹産業である観光業を含め、地域経済全体の活性化に欠くことのできない道路でありますことから、引き続き今後も関係機関、団体と一体となり、この道路を基軸として、魅力ある滞在型の観光地づくりに向けた取組を一層積極的に展開してまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 南から15分から16分、北から24分から25分短縮が望めると、大分時間が読みやすくなるんじゃないかなと思います。それから、あと滞在時間が、大分その分長くなることが期待できるじゃないかというような話ありましたけれども、市長も以前おっしゃっていましたが、観光客の滞在時間、仮に10分長くなれば、それだけ消費につながる機会が増えると。仮にですけれども、100万人で10分ですと1,000万分、計算すると16万6,666時間、滞在時間が増えるという計算になるんですけれども、ものすごい数字が増えるんじゃないかなと思うわけです。 ただ、確かにそれだけの時間が増えれば、市内観光のチャンスが生まれるとは思うんですけれども、これ魅力がなければ、1人10分では何も変わらないかもしれない。その10分で、どのような消費を生めるのか、いかにして100万人にプラス500円とか1,000円、消費してもらえるように仕掛けていくのか、そこをしっかり練っていかなくてはいけないんじゃないかなと思います。今何か、そのような大町のプラス10分の魅力、プラス500円として何か考えられるようなことがあればお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今、ただいま議員からも御提案があったとおり、滞在時間が増えれば、当然消費額が増えるということは、もう言うまでもないということであります。 簡単な例を言いますと、芸術祭を1回、2回とやって、いわゆる地域経済の消費額が出ております。だいたい1日、1回目が3,700円、これ日帰りのお客さんですが、2回目が3,500円ということで、我々の課題としては、これをいかにやはりもう少し伸ばすかと。いわゆる消費額を増やすかというのは、この課題だというふうに思っております。 そのためには、傳刀議員おっしゃるとおりに魅力あるまち、そしてやっぱり来て、そこにお金を落とす仕組みをどうつくっていくかということは、やっぱり考えていかなければいけないと思っています。それには、市の施策だけではなくて、あくまでも民間事業者がやっぱりそこで、ある程度魅力的な店を造っていただいたり、当然市は、そこに含むハード整備を組んで、歩いて楽しめるような時間をできるようなことを考えていかなければならないと、そこは常々思っているところであります。今後建設課を含め、ハード、ソフト含めて、ぜひまちづくりに取り組んでまいりたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問。傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 民間が携わる仕組み、ここすごく重要だなと思います。観光景気として、1円でも多く市内にお金が回るような仕組み、そこを構築していかなくてはならない、そのために、その民間が携わるような仕組みというものも重要だと思います。 それには、滞在型だとか広域観光の目線というものでいけば、周辺市町村との連携とか、そういったものも重要じゃないかなと思うわけです。しっかり観光資源を共有していくといった目線も重要じゃないかと思います。 観光客のそれだけ選択肢の幅も広がるということでもありますし、大町には、周りに白馬だとか安曇野、それから松本と、大町よりはるかに年間の観光客が多いようなところも多いわけですから、そういったところから、大町に人が流れるような仕組み、または大町に泊まりながら、そういった観光地に遊びにいけるようなしくみというものもしっかりとつくっていく、広域でしっかり協力していくということが重要じゃないかなと思います。観光は、大町だけで完結させるよりは、よっぽどその方が効率もいいですし、しっかりそういったところも周知して進めていただければなと思います。 次に、企業誘致の話にいきますけれども、企業誘致と道路の関係性について、これまで企業誘致を進めていく中で、大町市が高速交通網にかかっていないという理由で、実現しなかった案件があるのか、道路があればどのような企業のどういった部分に有利に働くのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 企業誘致と道路の関係についての御質問にお答えをいたします。 企業誘致の立地条件において、高速交通網は極めて重要であり、これまで、当市におきましても、高速交通網が整備されていなかったことで、立地対象として選定されなかった事例も少なくはありません。 また、市への問合せにおきましても、多くの企業から交通インフラ整備を重視されており、経済産業省が企業を対象に実施した工場立地動向の調査結果からも、立地件数の約半数が高速道路のインターチェンジから5キロ以内となっております。また、立地場所の選定理由では、本社や他の自社工場との近接性に次いで、高速道路を利用できる関連企業、市場への近接性等が挙げられており、交通アクセスが特に重要視される結果が明らかとなっております。 規格が高い道路が整備されることは、企業の部品調達や出荷に要する時間短縮が可能となり、さらにその時間が、高速道路が持つ定時性により保障されることで、企業の活動エリアが広がることにもつながりますことから、松糸道路は、企業誘致のためには必要不可欠な基礎的なインフラであると考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 物流だとか運搬コスト、そういったことに有利に働くんだなということが大体分かりました。 同じことが、農産物についても言えるんではないかなと思うわけですけれども、当然消費する都市部から見れば、運搬しやすいほうが有利だと思うわけです。その辺を踏まえまして、松糸道路ができることで、大町市の農業にどのような影響があるのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 松糸道路ができることによる、農業への影響についての御質問にお答えをいたします。 松糸道路の整備により、高速道路のインターチェンジまでのアクセス時間が短縮されますことから、物流の迅速化による農産物の品質維持が図られるなど、農業生産のさらなる向上と、地域経済への波及効果が見込まれるとともに、当地域へのアクセス向上により、新規就農者など多様な農業の担い手確保にも、大きく寄与するものと期待をしております。 また、松糸道路の整備と併せて道の駅が整備された場合、当市産の農産物の直売機能の向上により、農産物生産者の新たな販路、販売拠点として販路の拡大が期待されるところでございます。 一方、道路が農地を通過することに伴い生ずる、残地の面積が狭く、不成形な形状である場合には、作業効率の低下や、耕作条件及び農作物の品目変更などに影響生じますことから、地権者の皆様の意向を伺い、できる限り希望に添えるよう、適切に対応するよう県に要望してまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) その辺、残地の話もありましたけれども、もう少し計画が進まないと実際具体化していかないんじゃないかなと思いますけれども、ちょっと、話を企業誘致のほうに戻しますが、新たな例えば工業団地、企業誘致にする場所ですね。用地を作るにしても、例えばサントリーのように自然と工場が一体となることができるような、こういった工場用地、大町ならではの提案をすることも、これ重要じゃないかなと思います。 首都圏の企業、サントリーをモデルとして、この大町に興味を示したというような話が、私のところへも個人的にありましたけれども、しかしそれには、それ用の土地といったものを想定して、用意してあげなきゃいけない。時間もかかると思います。今からしっかりと、どこにどういった企業に対して、どういった提案ができるのかといったところも、しっかりと、大きな戦略必要になってくると思いますけれども、練っていただきたいなと思います。 農業にしても、昨年12月に伺った際には、耕作放棄地が令和元年と比べ令和4年、昨年ですけれども、たった3年で2.5倍も増えたと、いうような話ありました。 松糸道路ができるまでに、まだあと数年かかるわけですけれども、その時に、どういった農業が展開されていくのか、どこをどう集積化して、何を売りにした農作物をつくっていくのか。 それからインターチェンジ、今、先ほど道の駅の話もありましたけれども、どこにどういった特色のある道の駅を造っていくのか、何を売っていくのか、アピールしていくのか、ほかとの差別化をどう図っていくのか、今から練っていく必要があるんではないかなと思います。 じゃ次に、中心市街地について、伺いますけれども、その前に先月発表されました令和4年度の長野県観光地利用者統計調査の結果では、大町東山市街地が39位46万7,000人の人が訪れたとありました。芸術祭があったおととしと比べて36万3,000人もアップしたと、上昇率で見れば上位50以内ではもう断トツのトップなわけです。ただ、これ一過性のものであってはならないと思うわけです。継続してやはりお金が回るような形をつくらねばならない。 そこで、松糸道路ができることでこの商店街、中心市街地にどのような影響があるのか、どうやって人を引き込んでいくのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 松糸道路の整備により商店街をどのように変え、人を引き込んでいくかとの御質問にお答えをいたします。 松糸道路の整備により、交通アクセスが格段に向上することから、商店街を訪れる方も増加することが見込まれますが、それを持続させ、さらに増やしていくためには、魅力ある商品の提供や、まちの景観など地域の強みを生かした他の地域との差別化を図ることが重要と認識をしております。こうした中、中心市街地におきましては、近年、大町の水を使ったカフェや地ビールの出展など、地域の特性を生かした新たな出店により、従来とは異なるにぎわいの創出も出始めております。 さらに本年度、当市の清冽な北アルプスの水とその水で育った酒米を活用した市内3つの酒蔵の日本酒が、国が保護する地域ブランドの地理的表示GI制度において、既に指定済みのGI長野の中で重ねてGI信濃大町の認証を受け、全国初の2段階指定となり、信濃大町ブランドの向上に大きなはずみとなりました。このような取組を通じて商品の付加価値の向上や開発などを支援することで、魅力ある商品造成につなげ、地域に人を呼び込みまちなかのにぎわい創出に結びつけてまいりたいと考えております。 また、県におきましては、中央通りの再編に向けた基礎調査が進められており、松糸道路の整備の進捗と併せ、魅力あるまちなかの再生につながる道路空間の整備に向け、商工会議所をはじめ、商店街連合会等と連携を図り、官民一体で取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ただいま、魅力ある景観だとか商品、水だとかビール、そういったお話ありましたけれども、先ほども申し上げましたとおり、プラス10分の魅力だとか消費、こういったところに絡めていただきたいなと思うわけです。 また、その取組に市民を巻き込むことで、松糸道路の必要性を市民に周知させるきっかけになるのではないかとも思うわけです。そもそも、まちづくりというのは、市が旗振りするものでしょうけれども、実際そこで働く、活躍するのは市民です。道の駅にしても、市民や事業者のモチベーションを上げていくことがすごく大事だと思うわけです。 先ほど魅力のある景観だとか、商品だとか、水だとかいろいろありましたけれども、まず、この人柄というものも大きなメリットになると思いますので、どうやってこの民間事業者だとか、市民を巻き込んでいくのか、力を合わせていくのか、その辺の仕掛けについて何か考えがあれば伺います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) まちづくりに民間事業者をどのように巻き込んでいくかとの御質問にお答えをいたします。 市内事業者により構成されております大町商工会議所では、半世紀近くにわたり、松糸道路の建設に向けて糸魚川商工会議所をはじめ、松本商工会議所、塩尻商工会議所など、沿線の経済団体と共に、塩の道経済懇談会を開催し、毎年、建設促進の要望を決議してきております。 また、本年5月には経済界を中心とする民間有志によります、高規格松糸道路の早期建設推進を要望する大会が開催され、早期建設促進に向けた機運が高まってきております。 こうした状況の中で、議員御指摘のとおり、まちづくりは行政だけでなく、そこで暮らしを営む民間事業者の理解と協力なくして進めることはできません。まちづくりに対する思いは、民間事業者の皆さんそれぞれが、お持ちであると考えており、現在、まちづくりを検討している官民連携まちなか再生推進事業、100人衆会議や大町温泉郷未来検討会議などの場を通じて、幅広い皆様の意見交換を重ね、皆さんの思いを一つに集約し、今後のまちづくりにつなげていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) ぜひ、市民の、事業者のモチベーションをもっともっと、さらに上げていただけるように取り組んでいただきたいなと思います。 次に、医療分野について伺いますが、長野県の説明では、高次救急医療機関へのアクセス性の向上について、稲生駅を基点とした場合、あづみ病院まで約10分、大町病院から豊科こども病院まで約7分から8分、信大病院まで12分から13分が短縮されるとありました。 ここで、医師であり病院院長でもあり、病院事業管理者に伺いたいと思いますけれども、この時間短縮は、生命にとってどのような影響があるのか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(藤本圭作君) 高次救急医療機関へのアクセス時間短縮による生命への影響についての御質問にお答えいたします。 議員からの説明にもございますように、県からの説明では、松糸道路の完成により、当院から県立こども病院へは7分、信州大学病院へは12分、それぞれ時間短縮し、患者搬送ができると示されております。 長崎救急医療協議会の論文ですが、救急患者の収容所要時間、救命曲線を使った道路整備の救命向上効果計測によりますと、約4年分の救急搬送の記録に基づき、分析を行った結果、このように搬送時間が短縮されることは、一般的に脳内出血やくも膜下出血、肺炎、心肺停止、急性心不全、急性心筋梗塞等において、救命率の向上が期待できるとされており、緊急性の高い疾患の患者が1分、1秒でも早く高次医療へのアクセスが可能となることは、治療や予後の改善に大きな影響を持つものと考えております。 また、当院では常勤の麻酔科医はいない状況でありまして、例えば緊急の手術があった場合とか、あるいは医療分娩時におきます、そういった異常事態におきまして、県立こども病院とかあるいは大学病院に搬送することが生じるわけですけれども、そのような重要な場合におきましても、松糸道路の整備により、大北医療圏域の住民の皆様の命を守るために、大きく寄与するものと期待しているところでございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) そうはいっても、今の時点では高速交通網がないということですので、非常に怖いことだなと思うわけです。高齢化の進むこれからの大町ですとか、私も1人の父親ですけれども、子どもたちの命のことを考えれば、本当に恐ろしく感じます。 また、この大町よりも北にある白馬村や小谷村の住人にとっては、この道の完成、さらに大町の住民以上に、期待しているところがあるんじゃないかなと思うわけです。この大町区間だけをゆっくり走ればいいと、そのような話もありましたけれども、そういう問題ではもう、そもそもないなというようなことが伺えます。 それから説明会では、交通の分散についての説明もありましたけれども、実際に分散が進めば、渋滞のリスクが大分減るんではないかと思うわけです。そう考えると、救急車両にとっては、数字以上の効果が期待できるんではないかなというようなことも思うわけです。 そういったところも踏まえて、松糸道路が開通すれば、大北松本盆地全体においての、大町病院のアクセス性といったものが向上されます。周辺医療関係との役割分担の面も、大町病院の位置づけに大きな影響があると思いますけれども、現時点においてどのようなことが考えられるか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 病院事業管理者。 ◎病院事業管理者(藤本圭作君) 松糸道路開通後の当院の位置づけについての御質問にお答えいたします。 当院は、現在、二次救急告示病院、感染症指定医療機関、災害拠点病院、在宅療養支援病院、へき地医療拠点病院として地域の皆様に寄り添った医療を担っております。こうした中、救急医療の面からは、アクセス性が向上することにより、圏域内おきまして、同じく二次救急告示病院である北アルプス医療センターあづみ病院や長野県立こども病院への収容時間も短縮できることから、あづみ病院及び長野県立こども病院と一層連携しながら、大北地域の救急医療について、患者さんの容態に応じた医療の提供、役割分担が行われるようになるものと考えております。 また、感染症医療や災害医療の面でも、アクセス性の向上により、市民の皆さんが新型コロナ等の感染症拡大時や災害発生時において、来院しやすくなるため、住民の皆様の安心・安全の確保にもつながるとともに、在宅医療やへき地医療の面では、スタッフ等の医療資源を効率的に、医療が必要な患者さんや地域へお届けすることが可能となります。 このように、松糸道路の開通は、当院がさらに地域に密着した医療を実践できる病院に位置づけられるようになるものと、期待しているところでございます。 また、人口減少により、地域の担い手が不足していることから、松本市や安曇野市のアクセス性の向上により通勤時間が短縮されることで、医療従事者の確保にもよい影響が及ぶことも期待しております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 委員長ありがとうございました。 今の話を聞いて、ちょっと気づいちゃったんですけれども、先ほど観光の話もありましたけれども、やっぱり医療も広域で進めた方が、効率がいいというような話ありましたけれども、まさにそのとおりだなと思います。いろいろ地域に密着していくということも、よりかなっていくし、まさに医療従事者は、遠くからも呼べるというような話もありましたけれども、ぜひこれ、そのように進めていただきたいというのは、そのような目標持ってやっていただきたいなと思います。 次に、大町市は糸魚川構造線上にあります。大規模災害が懸念されているわけですけれども、いざ、災害が発生した際に、この松糸道路が大きな役割を果たすということも言われております。松糸道路の役割について、あるとないのとでは、どのくらい違うのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(和田泰典君) 災害が発生した際の松糸道路の役割についての御質問にお答えいたします。 災害発生時において、まず優先すべきは、市民の生命を守ることであります。そのためには、できるだけ迅速に、救助や救援に必要となります人やものを、災害現場に運ぶための動線を確保することが重要となります。 これまでの地震災害では、建物や電柱等の倒壊により、道路の通行に支障が生じる例も見受けられております。 一方、松糸道路におきましては、こうした沿道状況に影響を受けることが少なく、さらにルート案の比較検討において、浸水や土砂災害への影響も考慮されておりますことから、災害時におけるこの道路の信頼性は、高いものと理解をしております。 さらに、松糸道路の整備による長野自動車道からのアクセス向上によりまして、大規模災害の際の、迅速な広域的支援が可能となるものと期待をしております。加えまして、本年3月の定例市議会一般質問でも御答弁申し上げましたが、松糸道路に併せて道の駅が整備されることによりまして、緊急避難場所や備蓄倉庫の機能を持たせることで、地域の防災力の強化にもつながると考えております。 このため、松糸道路は、市民の命と財産を守る重要な都市基盤であり、広範にわたる相互支援のネットワークとしても必要な広域的な道路であると考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 大町市の防災のハザードマップ見ると、やっぱり、そのほとんどの道が埋まっちゃうんですよね。大雨が降ったり、今もう予期せぬような大雨が、毎日のようにどこかで起こっています。こういった大雨がどこで起こるか分からない。大町も、本当にものすごい雨が降ってきたときに、もしかしたら予期せぬような災害……予期せぬ、予期せぬと言っちゃあれなんですけれども、不安をあおるようなことを言っちゃいけないんですけれども、今ある道がどれだけ埋まってしまうのか、使えなくなるのかということも、本当に怖いなと思います。そういった意味でも、このリスクを軽減させるということでも、この道の重要性というものが分かりました。 じゃここまで、観光だとか、産業分野、医療、防災の分野における松糸道路の位置づけについて伺ってきましたけれども、結局のところ、この町に人が住み着かなくては、この町を発展させていくということが、このそもそもの目的だと思うわけです。 そこで、移住の観点から松糸道路の重要性について、どのようなものがあるのか伺います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) 移住・定住施策の観点からの重要性についてお答えをいたします。 直近3年間の移住者数は、コロナ禍における地方回帰の流れから、毎年度50世帯90人を超えて移住の状況推移をしておりますが、一方で、転出者につきましては、近隣南部地域への流出傾向が続いております。 転出理由の約半数を占めるものが、転勤、就職であることから、松糸道路が整備されることにより、マイカー通勤時間の短縮や渋滞等のストレス軽減が期待され、転出の抑制につながることが見込まれます。 また、通勤可能圏の広がりは、移住希望者にとっても就労先の選択肢が増え、移住先として、当市が選ばれやすくなることも期待されます。さらに、東京圏等都市部の企業などに籍を置き、テレワーク等により移住先で、前の仕事を継続する方や、二地域居住を希望する方にとりましても、都市圏との時間の短縮はメリットの1つであり、当市が移住希望者に選んでいただける魅力の1つとなるものと考えており、松糸道路の整備は移住・定住を促進する分野におきましても、極めて重要であると考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。 ◆4番(傳刀健君) 私の同級生ですとか、知り合いの中で、やっぱり松本だとかに通勤するのに、大町からだとちょっと大変だから、大町は好きなんだけれども、大町には住めないというような方もやっぱりいるわけですよね。そういった方たちが、この道ができることで、大町を出なくて済むというようなことが、これからも起こり得るかもしれないということを考えると、そういった意味でも、この道の重要性が改めて認識されるところではあります。 いずれにしても、この魅力あるまちづくりといったものが重要であるなと、そのようなことを思うわけですけれども。そういう話をすると、大町には人がいないことが魅力だとか、今ある景観が唯一無二の魅力だとか、そういう話をする方もいます。または、現状の今ある生活を守っていくことができれば、それでいいというような話をする方もいるわけですけれども。人口減少の中、人がいなくなれば、市の収入は減ります。道路や福祉は維持できなくなり、市民の生活基盤は廃れていきます。今の生活すら守れなくなります。 松糸道路を最大限に生かして、地域産業経済を活性化させ、税収を確保しなくてはならない。そして、税収をもって、既に我々が使っている道路の維持や整備、または、より使いやすい都市機能にあった生活道路を造る、除雪する、それから高齢者福祉、子育て、医療、あらゆる部分にお金がかかるわけですけれども、とにかく市民の生活基盤を守っていかなくてはならない。 皆さん行政のプロなので、改めて言う必要もないと思いますけれども、その辺を多くの方が、皆さんに言うというより、多くの方に理解してもらうということが、すごく重要ではないかなと思います。 冒頭でも言いましたけれども、古平部長も言うように、市が責任を持って、この松糸道路の利点を最大限に生かしたまちづくりを進める。そして、子どもたち、未来の世代に医療、観光、経済活動、防災活動、その他あらゆる分野において、有利となるようなまちづくりを進めていく、そこに力を合わせていくことが今を生きる私たち世代の責任です。 大町市は、これから景観条例もつくられ、立地適正化計画も運用されていく中、都市マスの改定も行っていくということでありますけれども、必要な場所に必要な道路、松糸道路から生活道路、道がなくては、その土地を生かすことも、その土地に生きる人の営みもできません。どういったまちづくりをする、どういった大町市を目指す、そのためにはその道が、どの道が必要で、その理由をしっかりと市民に伝えていく。 一朝一夕でできることではありませんけれども、そこの部分しっかりと理解を浸透させていく、そのための話合いを市民に向けてしていただきたいなと思います。何にせよ、計画というものは、市民に分かりやすいものでなくてはならないと思います。 最後に市長に伺います。市長の思い描く大町市と道路についての考えを伺います。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私が思い描く、この大町市のまちづくりと道路の関係についてお尋ねにお答えします。 ただいま議員からは、松糸道路の整備により生み出される大きな効果について、観光や農業、医療や防災面など、多分野の多岐にわたる観点から御質問をいただきました。 松糸道路がもたらす大きな効用につきましては、各部長などから御答弁申し上げましたように、この松糸道路の整備というものは、当地域が抱える課題の解決に大きく寄与するものであり、その早期の実現に大きく期待するところでございます。 また、その実現に向けましては、庁内各関係部局間の連携はもとより、民間のあらゆる分野の皆様との一体となった取組が重要であり、またそれが不可欠であるということについて、改めて認識をいたしたところでございます。 近年、全国民に深い閉塞感をもたらしました未曽有の感染症から、ようやく立ち直りつつあり、新しい日常が戻り、今後一層バージョンアップしていく、そうした持続可能な地域社会を築くことが強く求められております。 そうした中、人口減少や少子高齢化の進展、さらには、近年多発する甚大な災害などの課題に向き合い、安心して心豊かに暮らすことのできる、当市のまちづくりを進めていく上で道路整備、とりわけこの高規格道路、松糸道路の整備は、極めて重要であると考えております。 一方、道路整備というものは、整備そのこと自体が目的ではなく、整備された道路が十分機能を発揮することにより、継続的に中長期にわたり得られる効果、いわゆるストック効果の最大化が最も重要だと考えております。 このようなことを念頭に置きながら、市民の皆様の日常の暮らしはもとより、大町市の未来を支える世代の皆さんに対し責任あるまちづくり、道づくりを進めていくことが、今に生きる私たちに課せられた課題であり、また御指摘ありましたように使命、責務でもあります。 私自身も、その先頭に立って進めていく所存でございます。市民の皆様には、しっかり御理解いただくということが大切という、重要な御指摘がありました。市民の皆さんが、県や市に任せておけば大丈夫ではなくて、お一人お一人がこの重要性、そして地域にもたらすいろんな影響効果についても御理解いただくことによって、前に進む力になっていくと考えております。 今後、市民をはじめ、各分野の皆様に向けて、引き続きこの松糸道路の整備に対する理解の浸透に力を尽くすとともに、松糸道路のメリットを最大限に生かすことのできるまちづくりに向けて、さらに検討を深めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 傳刀健議員。残り3分24秒です。 ◆4番(傳刀健君) この道造ることで、大町市をどう変えていくのか、先ほどの市長の答弁にもありましたけれども、道は中長期的な効果を期待するものだというようなお話ありましたけれども、全ての部署に言えることではありますけれども、明確な目標を持って取り組んでいただきたいなと思うわけです。 大町市の認知度を、今よりどのくらい上げると。観光客、先ほど年間だいたい270万人、昨年は217万人だったか来ているようですけれども、これもどのくらい増やしていくと、300万人まで上げるなどとそういったこと。移住者も今よりどのくらい増やす。出をどれだけ減らす。こういったことも明確であればあるほど、市民の理解も得やすくなるのではないかなと思うわけです。 一人でも多くの方にこの大町を知っていただき、大町を訪れ、そして水や北アルプスといった、この大町の魅力に感動して、移住・定住、企業誘致につながってほしい。そう願いまして、私の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 以上で、傳刀健議員の質問は終了をいたしました。 ここで、昼食のため1時ちょうどまで休憩といたします。 △休憩 午前11時51分 △再開 午後1時00分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第3位、宮田一男議員の質問通告は3項目です。宮田一男議員の質問を許します。宮田一男議員。(拍手)     〔10番(宮田一男君)登壇〕 ◆10番(宮田一男君) 日本共産党大町市議団の宮田一男です。 通告に基づき、マイナ保険証について、学校再編について、帯状疱疹についての3点について、順次お伺いします。 最初に、マイナ保険証についてお伺いします。 配付資料を参考に御覧ください。 8月24日の厚生労働省第166回社会保障審議会医療保険部会の資料によりますと、マイナンバーカードで受診できるようにするためのひもづけがされず、健康保険証代わりに利用できない状態が約77万件あることが分かりました。 また、長野県保険医協会はアンケートを実施し、県内医療現場でのマイナ保険証トラブルについて発表しました。その中で、「オンライン資格確認を実施している」と回答した106件のうち、71件67%が、オンライン資格確認を導入してからこれまでにトラブルが「あった」と回答しました。 トラブルの内容としては、「無効・該当なしと表示される」等の、保険者情報が正しく反映されていない例が41.7%と最多で、そのほかに「本人以外で顔認証ができてしまった」、「他人の情報がひもづけられていた」、「患者が間違った暗証番号を入力し続けロックがかかってしまった」などの回答がありました。 そこでお伺いします。 市立病院及び各診療所におけるオンライン資格確認をした件数と、健康保険証により資格確認をした件数、両者の比率、オンライン資格確認実施時のトラブル内容についてお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 宮田一男議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(川上晴夫君)登壇〕 ◎民生部長(川上晴夫君) 市立大町総合病院及び国保診療所における、マイナ保険証による資格確認を行った件数等についてお答えをいたします。 まず、大町病院におけるマイナ保険証による資格確認の利用状況は、本年4月から7月末までの間で、従来の保険証が1万9,260件、97.3%、マイナ保険証が520件、2.7%となっております。 次に、八坂診療所及び美麻診療所におけるマイナ保険証の利用者数につきましては、同じく本年4月から7月末時点において、従来の保険証による確認が804件、97.5%、マイナ保険証による確認が21件、2.5%となっております。 なお、これまでの間に、マイナ保険証の利用によるトラブルにつきましては、現時点で大町病院及び両診療所において確認されておりません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今、御答弁いただいたとおり、大町市ではオンライン資格確認の数値は少ないようです。また、トラブルの報告も上がっていないという報告でしたが、しかし、全国の状況については、全国保険医団体連合会が、第2弾マイナ保険証、オンライン資格認証のトラブル調査結果について発表をいたしました。 調査では、「健康保険証では負担割合が2割なのにマイナ保険証では3割と表示された」「本来は1割なのに2割と表示」などの誤表示で新たに保険者への確認業務が必要となるケースや、一部負担金の過不足が生じ患者クレームを招くとともに、間違った負担割合で保険請求したことによるレセプト返戻も生じている。そして、誤りの原因は、保険者の登録ミス、システム仕様による誤登録、レセコンの仕様で負担割合を正しく読み込めないなど様々であり、年齢からはあり得ない負担割合が表示されるケースも確認されており、患者、医療機関での実態調査だけではトラブルの解決は困難であると報告されています。 岸田政権は、来年秋に健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針ですが、大町病院や美麻、八坂診療所ではマイナ保険証によるオンライン資格確認は少ないとのことです。 つまり、紙ベースの健康保険証を使用して受診している市民の方が圧倒的に多いということです。このような中、健康保険証廃止を強行すれば、大きな混乱を起こすこととなります。牛越市長は現行保険証の存続を国に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) 現行の健康保険証の使用について、存続について国に求めてほしいとのお尋ねでございます。 国では、令和6年秋、来年の秋ですが、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を実施するとともに、現行の保険証を廃止するとしております。現行の保険証を廃止するにつきましては、まず国の責任において、マイナンバーカードの取得が困難な方や、あるいは保険証としての利用を希望されない方に対するきめ細かな対応策と制度設計が必要であり、また丁寧な説明に努めることが大切と、まず考えております。 また、報道されておりますような資格情報の誤登録等への対応につきましても、登録されているデータの確認と修正を確実に行うとともに、再発防止対策を講じ、安心してカードの利用ができる体制を国の責任において構築することが何よりも重要と考えております。 医療の情報化、IT化は、今後ますますその必要性は高まってくることが想定されます。その効果的な運用を考えますと、現在の保険証をマイナンバーカードと一体化するという国の基本的な方針やその方向性は十分理解するところではありますが、まず国においては、制度について丁寧な説明に力を尽くすとともに、保険証を廃止することにより、受診される方や医療機関に混乱や不利益が生じることのないよう、確実な制度の設計と運用を望むところであり、国に対し、引き続き適切な対応を求めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 重ねてお聞きします。 私、6月の定例議会での一般質問の質問に対して、現行の保険証が廃止されることにより受診される方や医療機関等に混乱や不利益が生じることのないように、市として全国市長会などを通じて国に強く求めてまいりたいと考えておりますと答弁をされておりますが、それ以降、どう対応されたのか、再度お尋ねいたします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 ◎市長(牛越徹君) マイナ保険証に関する6月定例会の後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 マイナ保険証を含むマイナンバー制度全般につきましては、本年6月7日、全国市長会におきまして、行政のデジタル化・マイナンバー制度における地方自治体支援等に関する重点提言として決定しております。この提言の中では、マイナンバー制度の安全性や信頼性について丁寧かつ十分に説明すること、また、健康保険証としての利用についても、国において十分な情報提供を行うことを求めております。 なお、この重点提言につきましては、7月12日に全国市長会財政委員会委員長として、私から提言に盛り込まれた地方財政措置に係る8項目とともに、マイナンバー制度における地方自治体への支援の充実強化の実現と併せて、国の関係機関に要請を行ったところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今、御答弁いただいた重点提言の中身を見ますと、国の立場はあくまでも健康保険証利用の普及、いわゆるマイナ保険証の普及ということを重点施策としているわけですけれども、全国保険医団体連合会が8月9日に声明を発表しています。 この声明によりますと、今回アンケートに協力した医師、歯科医師の9割は「健康保険証を残す必要がある」と回答していると。そして、岸田文雄首相は8月4日の記者会見において、2024年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化する方針について、資格確認書の取扱いを見直すこと等を表明したが、マイナ保険証による資格確認でトラブルが相次ぐ今、「無保険扱い」となることを回避しているのは医療機関の窓口で健康保険証の券面、これを確認しているからにほかなりません。国民がいつでもどこでも安心して医療が受けられるために健康保険証は不可欠ですと、改めて、来年秋の現行の健康保険証の廃止を撤回するよう強く求めますと、全国保険医団体連合会は表明しています。このように、医療機関にも患者にも利益にならない健康保険証の廃止撤回、これを求めて次の質問に移ります。 学校再編についてお伺いします。 今年4月から、市内2校あった中学校が1校となってスタートしました。当初想定していなかった課題も出てきたのではないかと思います。 私は、令和3年9月議会において、新中学校として使用する仁科台中学校の施設整備について現場教職員の方々の意見をお聞きして質問いたしました。理科室の不足解消、体育授業の重複問題、特別支援学級をパーテーションで仕切る問題、水道蛇口の増設、養護教諭増員など質問いたしましたが、最初に、大町中学校施設等の現状と問題点についてお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。     〔教育長(中村一郎君)登壇〕 ◎教育長(中村一郎君) 大町中学校施設等の現状と問題点についての御質問にお答えいたします。 御案内のとおり、令和3年9月議会では、開校時の通常学級数を各学年5クラス、特別支援学級を6クラスと想定し、不足等が懸念される理科室や特別支援学級の教室、体育の授業の3点について対応方法を御答弁申し上げました。 その後、中学校開校に向けて教職員を中心に組織しました校務等調整委員会で、具体的な検討を進め、中学校校舎の施設整備及び改修を進めてまいりました。 本年度開校した大町中学校は、通常学級が各学年5クラス、特別支援学級が6クラスで、想定したクラス数でスタートとなり、理科室については、GIGAスクール構想により1人1台端末の整備に伴い、それまで配置しておりましたパソコン教室が不要となりましたことから、多目的な使用が可能な学習センターに改修し、理科室として使用できるよう整備いたしました。これにより、理科室は不足することなく、今後、学級数が減少しても多様な形で学習できる特別教室として利用が可能になりました。 特別支援学級の教室につきましては、特別教室棟1階の南多目的教室を、可動式間仕切りにより4教室にできるよう整備したほか、普通教室棟1階から3階の各階に設置されておりました多目的室を南多目的教室と同様、可動式間仕切りでそれぞれ分割できるよう改修しております。 体育の授業につきましては、実技を指導する授業は体育館と武道館、グラウンドを授業の内容に応じて活用し、また、普通教室を使用して行う保健の授業は、バランスを考慮して時間割を組むことで支障を来すことなく授業が実施されております。 開校して5か月が経過いたしましたが、学校から特段の支障は生じていないと聞いております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) ありがとうございました。 いろいろ質問を令和3年の9月議会でしたんですけれども、御回答いただきましたけれども、1点、再度お伺いしたいんですが、特別支援学級についてです。 多目的教室をパーテーションで仕切って使っているという御答弁でした。令和3年9月の答弁では、明るく防音効果の高い良好な環境が得られるよう配慮するというふうに答弁されていますが、それぞれ特別支援というのは、様々な生徒がおります。それぞれの生徒に合わせた支援ができる、そういう環境が担保されているのかお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) お尋ねにお答えいたします。 特別教室を新たに設置する改修整備では、教室環境を確保するため、設計段階から学校の意見などを反映するとともに、施工中におきましても、随時、双方が共に現場を確認しながら工事を進めてまいりました。 具体的には、特別支援教室を利用する際に、隣接する教室との間の音漏れを防ぐ防音効果のある可動式間仕切りの設置や、生徒が教室外部へ飛び出すなどの突発的な行動に配慮した教室配置とすること等により、整備を行ってまいりました。 また、設備面におきましては、可動式間仕切りの壁面を活用して黒板を設置したほか、教室から外部へ直接出入りできる出入口を確保するとともに、教室内の照度測定により適切な照明設備を配置いたしました。また、空調設備や内線電話を設置することにより、既存の普通教室や特別教室と同等の機能を有するよう整備を行ったところでございます。 今後、学校側から教室利用等に関し要望がありました際には、内容等を精査し、生徒がよりよい環境で学校生活が送れますよう対応してまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今、次長の答弁で、防音効果のあるパーテーションで仕切られているという御答弁でしたけれども、繰り返しになりますが、様々な支援を求める子どもたちがいるということで、実際にそれが担保されているかどうか、現場の声をしっかり聞いて対応をしていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 次に、旧仁科台中学校の生徒数が300名、それから、現在の新大町中学校になりますが、500名を超える生徒数となりました。統合以前と統合後の生徒の状況について、2点お伺いします。 1つは、不登校の状況です。 2つ目は、学校には来るが、教室に行けない子どもたちの状況と、どう対応しているか、以下についてお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) 不登校等の状況についての御質問にお答えします。 1学期の集計結果では、不登校傾向にある生徒は29名で、そのうち8割に当たる25名の生徒が昨年度も30日以上欠席の状況でした。 また、登校しても教室に行けない生徒は現在8名で、昨年度に比べて微増の状況にあります。 不登校の生徒への対応につきましては、登校支援のための会議を定期的に外部関係者を含めまして行い、教育支援センターアルプスの家への通室やフリースクールなど関係機関との連携など、それぞれの生徒に対応した方法を検討し、関係者が役割を分担して取り組んでおります。 また、登校しても教室に行けない生徒につきましては、学習室や教育相談室、保健室など別室において各自のペースによる学習や活動、オンラインによる授業参観など、担当職員の指導の下で行うようにしております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 不登校が微増、4人ですか、増えている。教室に行けない子どもも微増しているという御答弁でした。 ちょっと再度お聞きしたいのですが、不登校については、今、教育長のほうからアルプスの家というお話が出ましたけれども、アルプスの家等の中間教室と連携が十分取れているのかということが1点、それから、答弁にもありましたけれども、教室に入れない子どもたちへの対応、現状の学習教室や保健室等で十分なのか、再度お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) 中間教室、アルプスの家等の連携についてのお尋ねにお答えします。 アルプスの家との連携につきましては、現在9名の生徒が通室しており、通っている生徒の出席の状況や活動の状況などについては、大町中学校と共有し、連携を図りながら支援に取り組んでおります。また、アルプスの家の活動日程につきましては、毎月学校だけでなく、フリースクールなど外部の関係機関にも情報を送り、不登校傾向の生徒に対して連携した対応ができるようにしております。 また、教室に入れない生徒の対応につきましては、これまで心の教室や保健室を中心に対応してまいりましたが、先ほど答弁いたしましたとおり、本年度から教育相談室を設置するとともに、心の教室を学習室に改め、支援を図っております。また、市費による相談員や登校支援コーディネーターを配置しまして、生徒の状況に応じた支援ができる状況となっております。 今後も、校内、校外を含めた関係者でチームを組み、個々の状況に応じて支援の方向を明確にし、不登校やその傾向にある生徒の支援に努めてまいりたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) ありがとうございました。 次に、学校におけるコロナ対応についてお聞きしたいと思います。 長野県は、8月29日、県内で新型コロナの感染が拡大し入院者数が増加しているとして、県独自の医療アラートである医療警報を全域に発出しました。新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に5類に移行してから、県内で医療警報が出されるのは初めてです。私の周りでも感染される方が増えてきたように感じます。感染源をお聞きしますと、子どもたちからの感染が多いようです。学校で発熱すれば、保健室が対応することとなりますが、現状はどうでしょうか、お伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 新型コロナにより、学校で発熱した場合の対応についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症につきましては、5月に5類感染症に移行されたことに伴い、新型コロナに関する管理マニュアルが改訂されました。学校における感染症対策につきましては、平時には健康観察や換気の確保、手洗い等の手指衛生、せきエチケットなどに取り組むとともに、これ以外に特段の感染症対策を講じる必要はないとされております。 お尋ねの学校内において発熱等の症状が見られる場合につきましては、まず保護者に連絡し、安全に帰宅させ、症状がなくなるまで自宅で休養するよう現在は指導しているところでございます。また、医療機関への受診を勧めるなど、状況に応じた対応をしております。 なお、現在、全県に医療警報が発出されており、引き続き基本的な感染対策の徹底に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今、対応について答弁いただきましたけれども、保健室のベッド、これは、大町中学校はベッドが3つあるんですね。それがいっぱいの場合、対応が非常に難しいというようなことをお聞きしました。空き教室があれば、発熱している生徒を分けることができるのですが、それができなければ、なかなか対応が困難になるということです。余裕のない校舎では、ゆとり教育もできません。新小学校の改築に当たっては、生かすべき課題だと思います。 そして、今回の中学校統合によって養護教員が1名となりました。2年前の私の意見は2名をということでしたけれども、基準が1名ということで1名ですが、今、先ほど教育長から答弁がありましたとおり、市費や県費で、それぞれ支援を受ける子どもたちのために対応されているようです。様々な状況下での対応を求められます。現在の体制を引き続き堅持していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。 ◎教育長(中村一郎君) 養護教諭の配置についての御質問にお答えいたします。 養護教諭につきましては、教員定数等を定める義務教育標準法において、3学級以上の学校に対して原則1名の配置になっております。中学校における複数配置につきましては、生徒数801人以上の学校で1人増員することとされており、養護教諭を増員することは困難であることを御理解いただきたいと存じます。 なお、熱中症やコロナ対応など新たな業務負担については、現在配置されております教員業務支援員や養護教諭の代替制度を効果的に活用することにより、対応が可能と考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今の現状の補助体制、これを引き続き堅持することを求めて、次の質問に移ります。 市内小学校の統合により、4校から2校に再編されます。8月11日に、小学校再編に関わる学校施設見学会が行われました。私は、旧第一中学校の見学会に参加しました。新小学校は、令和8年4月から開校を予定しています。 令和4年10月28日の全員協議会では、大町・平地区を通学区とする小学校校地について、現第一中学校とすることを10月24日の教育委員会で議決し、10月26日の総合教育会議で、教育委員会の議決事項を確認したとの報告がありました。 また、令和4年9月1日の全員協議会には、「小学校再編に伴う改修工事予定・費用等の比較と課題」の中で、第一中学校の場合の改修スケジュールが示され、第一中学校低学年棟建設後の想定図が示されています。既に1年を経過しています。新小学校改築の進捗状況をお伺いします。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 旧第一中学校改修の進捗状況についてお答えいたします。 旧第一中学校の改修につきましては、本年度は、令和6年度から工事を行うための実施設計を行うこととしており、今月の1日にプロポーザル方式による設計者の選定が終了いたしました。今後は、再編準備委員会や校務等調整委員会から御意見をいただき、実施設計を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 本年の6月8日の全員協議会で、「事務の流れ」という表が示されております。これでいきますと、今次長の答弁ですと、提案書の評価の手前の技術提案書受付ということでよろしいのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 既に技術提案書の提示を受けまして、選定委員会による業者の選定を、実際にはこの技術提案は2者ございましたが、プロポーザルの審査におきまして設計業者1者を選定したという状況でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) では、既に業者は決まったということでの答弁かと思います。 では、ちょっと中に立ち入ってお聞きしたいのですが、今資料のところに、昨年の9月1日の全協に出された資料を添付しておいたのですが、技術提案書の内容についてですけれども、この昨年9月1日の時点での校地選定の中身をベースにして技術提案を受けたということでよろしいのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 今回の技術提案につきましては、基本的に不足する教室の整備、それから中学校を小学生が使う、こうしたことに適切に対応するためということが、まずベースとして技術提案を行っていただいております。ですので、昨年、校地選定において出しました概算の図面等をベースにしたというものではなく、令和8年以降どのような小学校、新しい小学校としてきちんと活用していくかということをまず第一点として技術提案を受けたという内容でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 前段で言いましたのは、我々が全員協議会で受けた説明は、この図面を基に全員協議会で受けて、そして、10月の報告によりますと、これを基に教育委員会で選定して、市長が議長の総合教育会議で承認したという流れになっているわけですが、校地選定のベースになっているのはこの図面だと、私は、我々議会としては理解しているのですが、これはこれでよろしいのですね。再度確認します。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 今回、設計の技術提案に当たりまして、ベースとなりました図面等については、参考資料としてプロポーザルに参加した事業者さんにはお示しをしております。 ただ、この時点での図面といいますのは、現在の中学校の校舎、それに対して不足する教室数が幾つあるということで、既存の学校の施設の機能を変えることなく必要な教室を建てたらどうかということで、ベースで図面を示したものでございますが、実際に私ども技術専門員でもございませんが、私どもが考えた案よりも、さらに専門の設計事業者の皆さんにつきましては、様々な現代の学校の設計を手がけておりますので、既存の教室の機能の転換、それから入替え等について、非常に斬新な御提案をいただいております。 こうしたことから、当初の図面とはまた違った観点からの、私どもも想像がつかなかったような提案もされておりますので、今回技術提案をいただきました事業者の案そのままではなく、これに学校関係者並びに保護者の皆様の意見を加えまして、新たな学校を作成するための設計のたたき台としていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 何回も繰り返して申し訳ありません。 この9月1日に示された図面を基に、教育委員会も、それから総合教育会議も、教育委員会といいますか、校地選定委員会が判断された、その判断される課題、これそのものが違うとなれば、図面が違うということはおかしいんじゃないですか。それを議会に示していないということだ。次長、どうでしょう。
    ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 昨年、校地選定の際に使いました図面につきましては、あくまでも不足の教室が内部に取り込むことができないということを前提に、まず図面が描かれたものでございます。 ただ、今回の技術提案等につきましては、既存の教室の入替え、それから用途の変更、様々な複合的な使い方によりまして、ただ単純に不足する教室を外部に建てればいいだけではないということの提案を現在いただいておりますので、どちらかだけを採用するというわけではございませんが、全く新しい考え方も含めまして、現時点で一番今後の学校にふさわしい学校の改修の在り方というものにしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 校地選定委員の皆さんは、昨年9月1日に我々議会に示した全員協議会の図面を基に、そして、比較と課題を基に、西小学校にするのか第一中学校にするのかという評価をしたんじゃないでしょうか、いかがですか。再度お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 確かに昨年度時点におきましては、概略で出しました図面によって校地の選定をしてまいりました。 そのときの課題としましては、教室が不足すること、あるいは、屋外環境が西小学校に比べて、一中のほうが非常に整備がされていないという観点で選定がされました。 現在、技術提案がされております事業者からの提案では、自然の学習ゾーン、これはビオトープを含むものであります。それから、低学年の遊び場につきましても、当初の図面では、低学年棟の南側に若干子どもの遊具等を設置するだけのものでありましたが、今回の技術提案では、そうしたエリアが非常に幅広く取られております。 こうしたこともありますので、新しい技術提案の下に、全く昨年の図面と同じものではございませんが、基本的なコンセプトとしましては必要な教室数を確保する、それから充実した屋外環境を確保する、こうした基本的なコンセプトについては十分それに応え得るものだというふうに考えておりますので、そうした観点で新しい考え方のもの、実際に整備を予定する内容については、幅広く皆様にまた御説明をしていきたいと考えております。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 新しい図面があるということは初めて聞いたのですが、それはそれとして、昨年の、牛越市長が議長の総合教育会議の場でも、またそういうお話があって、総合教育会議で承認されたのでしょうか。市長、いかがですか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも整理してお答え申し上げます。 まず、昨年までの議会の全員協議会等の説明、あるいは総合教育会議の説明につきましては、まず、当時西小学校と、それから第一中学校の両方を比べていろいろ比較検討がされました。それには、まず校舎において、あるいは校地について適切かどうかということがポイントになって、それぞれが評価いたしました。 その上で、第一中学校を新たな大町・平地区の小学校として使う場合に、現在の校舎で教室数が足りるかどうかが一番大きな課題でありました。一中に関してですね。そのときに、仮に現在の第一中学校の校舎の中で教室が足りないとした場合には、低学年棟の増築も含めて可能であるという観点から、一中が選ばれたと私は承知しております。 そうした中で、だからこそ、既存の建物を改修することによって新たな小学校とする場合に、やっぱりプロポーザル方式、専門家のしっかりとした様々なアイデアを求めるためにプロポーザル方式によって提案を受けているところでございます。 したがいまして、確かに今まで説明したことと違ったプランが案として出されているという観点については、これが総合教育会議においてもしっかり点検しながらその方法について確認してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 資料の一番最後のページじゃなくて、その前のページを御覧ください。 これが、比較と課題のところに、第一中学校の場合は低学年棟の建設工事及びプールの改修工事が必要となると書いてあるんですよね。そして、西小学校の場合はこれこれこうだといって、そして、それに基づいて校地選定をしたんじゃないのですか。違うんですか、いかがですか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 一中と西小の選定におきましては、低学年棟を造る、造らない、プールの改修をする、しないだけで選定をしたものではございません。既存の新しい建物が活用できる、あとは、児童がいない状態で工事ができる。現在、令和6年度からの設計、それから改修工事を予定しておりますが、やはり一番大きな部分としましては、校舎が比較的新しい、なおかつ、児童がいない状態で工事ができるといった観点も非常に大きかったものというふうに考えております。昨年の概略の図面、低学年棟を造るからというだけで選定がされたというふうには、私どもも理解しておりません。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今のそれぞれの経過の答弁では、校地選定に当たって、例えば西小学校の皆さんは、署名まで集めてやられたのですが、市民の皆さんの理解が得られるとは考えられませんので、しっかり、ちょっと時間がないので説明責任を果たしていただきたいと、この件については思います。 トイレの問題について、ちょっとお伺いをしたいと思います。 私、第一中学校の校舎を見に行ったときに、トイレのサイズ、みんな中学生のサイズだったんですよね。ですから、小学生の場合は、体格差もあるので、それにふさわしいようなサイズが必要じゃないか、そういう体格差を考慮したトイレの設置も必要じゃないかというふうに考えました。 そのときに、低学年棟を建てるという話がございましたので、そうすると、そこに合わせてサイズの小さいものも、低学年に合わせたサイズのものができるんじゃないかということを考えたのですが、いずれにしても、どういう状況になってもそういう体格差を考慮したトイレの配置が必要じゃないか、それについていかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 小学生との体格差を考慮したトイレの設置についてお答えいたします。 第一中学校の廃止につきましては、中学校を小学校として使用するため、様々な箇所において改修が必要となってまいりまして、その一つとしてトイレも改修いたします。 先ほど議員がおっしゃったように、低学年棟を新しく造れば、そこには低学年用のトイレが造られることになりますし、その一部、低学年が既存の校舎の中に入った場合には、これは中学生用のトイレですので、当然サイズが合いません。この場合にはトイレの改修、あるいは低学年向けのトイレの増設、こうしたことも必要になってくるというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) すみません、ちょっと戻っちゃうんですが、先ほどのプロポーザルで示されたという図面は、議会にはいつ示していただけるのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 今回のプロポーザルでは、固まった図面によるプロポーザルではございません。技術テーマ、どんな観点で整備を進めるかというそのための暫定の提案の図面でありますので、この図面を基に学校関係者、それぞれ保護者の皆さん等と相談した上で、最終的にこれで請求したいという図面になった時点で、議員の皆様にもお示しをしたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) では、まだ完成していないので示せないと。それを、新しい図面を引く皆さんは、どういう皆さんが引くのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 当然設計書は、今回プロポーザルで決定しました設計事業者が、図面をこれから作り上げていくということになってまいります。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) じゃ、その図面を基に意見を聞いて、それからも手直しをするという理解でよろしいでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 教育次長。 ◎教育次長(太田三博君) 当然、今回提案をいただいたものは、まずたたき台ということでございますので、設計技術者の新たな提案等につきましても御理解いただいた上、今後、詳細な図面として固めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足を申し上げたいと存じます。 先ほど宮田議員におかれましては、これまでの全員協議会に提出した図面に随分こだわりをお持ちでございます。これは、るる説明がありましたように、まず、教育委員会が外部の意見を聞きながら技術人ではなくて事務的な整備の中で、最悪、先ほど申し上げた、最悪とは当時使っておりませんでしたが、現在の一中の校舎の中に仮に収まらなかった場合には、いわゆる低学年棟の外部に増設することも含めていろんな構想を練っていて、それを御覧いただいたということについて御理解いただきたいと思います。そのテーマだけが、第一中学校の校地を決める決め手になったのではない。それ以外の様々な要素を含めて提案、決定したということについても御理解いただきたいと思います。 したがいまして、いわゆる、これから技術提案を含めたプロポーザルの中で得られた新しい技術や新しい発想をしっかり受け止めながら、再度教育委員会において仕様書を決定し、その過程では、また御意見もいただくこともあります。それによって、正式に実施設計に付する、そのようなプロセスをたどるということについても併せて御理解いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。残り2分を切っています。 ◆10番(宮田一男君) いずれにしても、当初の課題、西小と第一中学校を分けるところの基準が変更に、我々に示されているものとは違うので、このまま市民の理解を得られるかは非常に疑問です。ですから、しっかりその経過等や、こうすることが一番生徒・児童にとっていいんだよという説明をしていただきたいというふうに思います。 時間がもうありませんので、帯状疱疹、すみません、ありますか、答弁。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 重ねて申し上げます。 まず、一中の校地を使うのに、さらに大きな増築が必要だとか、もっと校地を変えなければならないということであれば別段、今回は校舎の中に収まる可能性もあるという提案ですので、これは決して今まで議会に御提案申し上げたように、一中がそれによって不利になるとか、そういうことではないということにも御理解いただきたいと思います。 したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、最終的には総合教育会議の中できちんと、それも教育委員会と理事者側が点検した上で最終的な結論を得たい、このように考えております。御理解いただきたいと存じます。 ○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) すみません、次の質問に移ろうと思ったのですが、もう一点だけ。 今、議会に示されたり市民に示されている案は、今市長がおっしゃったり、次長がおっしゃったのとは違うので、新しいものを示してちゃんと市民の理解を得られるようにぜひ努力をしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。 帯状疱疹についてです。 私、ちょっと準備したので、この質問をしようということで友人に話したんです。そうしたら、その方はコロナのワクチンを打ったそうです。そうしたら、2か月後に帯状疱疹を発症したと。2回目も打って、2回とも発症したということで、因果関係は分かりませんが、帯状疱疹の発症はワクチンの接種によってウイルスが活性化しているんじゃないかなというふうに思います。ですので、ぜひ最近はやっているようですので、帯状疱疹ワクチンの接種に助成を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 帯状疱疹ワクチン接種の助成についてのお尋ねにお答えします。 帯状疱疹ワクチンは50歳以上の方を対象としており、接種することにより、発症の予防や発症した場合の症状の軽減効果が期待されており、最近特に帯状疱疹の接種に関する啓発広告なども増えたことから、問合せも増えております。 帯状疱疹ワクチンは予防接種法により定められている定期予防接種以外の任意の接種として現在位置づけられ、その費用全額を自己負担することになる。このため、接種を希望される方にとりましては、大きな負担となっております。 このため、本年度、これも全国市長会におきまして、帯状疱疹ワクチンの早期の定期予防接種化について、既に国に要望することが決議されております。議員御提案の公費助成につきましては、使用する2種類のワクチンと接種回数に応じた助成を県内6つの市村で実施すると聞いておりますが、引き続き他の市町村の事例等を注視し、慎重に検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。宮田一男議員。 ◆10番(宮田一男君) 今、御答弁があったんですけれども、県下でも帯状疱疹ワクチン接種に助成している自治体が数か所あるようです。私が調べたところでは、まだ19市では助成していないというふうに調べたんですけれども、補聴器助成では、他市に先駆けて決断しました。この帯状疱疹ワクチンの助成についても、県下に先駆けてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 民生部長。 ◎民生部長(川上晴夫君) 私どもの承知している範囲では、県下では松本市が今年度4月から始めているというふうに伺っております。19市の中ではまだ1市というふうには承知しておりますけれども、まだこのワクチン助成が始まったのは、本当にこの4月からの市町村が多いように把握しております。その効果だとか実施状況等、事務研等でも研究していこうと思っておりますので、その辺も含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも重ねて補足申し上げます。 まず、全国の市町村、あるいは都道府県の共通の課題であることは間違いありません。しかしながら、一番の根本原則は、いわゆる感染症予防、感染症予防は、まず国の厚生労働省の責務であり、また、地方では都道府県の責務であります。これはコロナ対策を御覧いただいても分かりますように、実施の接種などの仕組みの中で、接種の現場はもちろん基礎地方自治体であります市町村でありますが、それをきちんと責任を持って実行するのは国及び県の責任である。これは法律上そのようになっております。 そうした中で、国や県、県の場合は保健福祉部及び保健所が対応することになりますが、そこの動きをまず求めるのが原理原則であるということから、このような答弁を申し上げております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 以上で宮田一男議員の質問は終了いたしました。 ここで2時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後1時52分 △再開 午後2時05分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第4位、中牧盛登議員の質問通告は1項目です。中牧盛登議員の質問を許します。中牧盛登議員。(拍手)     〔12番(中牧盛登君)登壇〕 ◆12番(中牧盛登君) 市民クラブの中牧盛登です。 通告どおり、旧大町スキー場跡地の活用について市長のお考えをお聞きしますので、よろしくお願いいたします。 市の財産である旧大町スキー場については、平成21年4月1日、NPO法人中山高原森の風と土地賃貸契約を結び、15年が経過しました。現在は、主にオフロードコースとして活用されていますが、市としてはこれまでどのような評価をされているのかお聞きします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 中牧盛登議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 旧大町スキー場跡地の活用に対する市の評価についてのお尋ねにお答えします。 初めに、これまでの経緯について申し上げます。 市有地であります旧大町スキー場の跡地につきましては、スキー場の営業停止、営業廃止に伴い、平成20年9月に当時のスキー場事業者との土地賃貸借契約を解除いたしました。その後、旧大町スキー場を中心とする中山高原が、菜の花、そば畑などの北アルプスの景観と相まって、観光スポットとして認知度も高まり、観光資源としての重要度も増しておりましたことから、地域振興に向けた様々な活用策が検討されておりました。 そのような中で、スキー場周辺住民を中心とする有志の皆様が、議員の御指摘にもありましたNPO法人を立ち上げ、年間を通じた跡地の有効活用を探る動きがあり、市ではその動向を見守りつつ、必要に応じ可能な支援策を検討した経過がございます。 その後、このNPO法人として正式に設立認証の手続が進められ、通年にわたる旧大町スキー場跡地の有効活用について具体的な計画が提出されましたことから、平成20年12月に同法人との間で土地の賃貸借契約を取り交わし、今日に至っております。 この間、NPO法人では、跡地を利用して冬期間の雪遊びやスノーモービルフィールドとして活用し、グリーンシーズンにおきましては、オフロードのモータースポーツイベントやキャンプ場を運営するとともに、跡地周辺の除草や草刈りなど、環境整備活動に取り組んできております。 特に、NPO法人が公益的な事業として展開するモータースポーツにおいて、スキー場跡地は全国的にも貴重な競技、体験のフィールドとなっており、県内外の愛好家をはじめ固定客層を獲得して、地域のにぎわいを創出するイベントが継続的に開催されております。 こうした取組により、イベントの開催時には、当地へ大勢の利用者が来訪することとなり、近隣地区での宿泊や入浴、飲食につながるものと、地域の消費をはじめ経済効果が期待できるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 旧大町スキー場跡地につきましては、年間の財産収入として約13万円が入るわけですが、この財産収入約13万円については、どのように評価されているのでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 この普通財産の貸付の料金でございますけれども、議員御指摘のとおり、年間13万8,237円ということで、これは平成20年のときから近傍の山林適用と同じ、いわゆる単価で算出させていただいて、その面積を掛けているということで、なおかつ3年ごとの評価替え時に評価額を照会しておりますけれども、評価額の変更がなく現在の額となっているということであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 適切な価格であるということでよろしいですね。 それでは、次に、悪路を走って楽しむオフロードコースについて、市にとってメリット・デメリットについてはどのように考えているのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 ただいま市長のほうからも御答弁させていただきましたが、モータースポーツの、いわゆる今メッカとなるというようなことで、当市としても一つのスキー場の跡地利用については非常に参考になるなというふうに思っております。 今、実は爺ヶ岳スキー場なんかは、今までモータースポーツの会場でもあったのですが、やはり冬の、いわゆるゲレンデ活用を考えると、夏場の活用は、なかなかいわゆるそういうことによって悪路になってしまうというようなこともありますので、そう考えると、中山スキー場はそういうことがありませんので、できる限りそういうふうな形で活用していただくことについては、何ら問題はないと思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、次に、オフロードコースのような施設というのは、市としては必要なものと考えているのでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 オフロードコースとして、市として必要かどうかということでございますけれども、これはあくまでも普通財産を貸し付けるときの目的として、当該事業者がオフロードとして活用したいということで、双方合意の下で、今貸付をしているところであります。 ただ、先ほども何度も申し上げますとおり、なかなか近隣にそういうオフロードの会場がないということになれば、この土地を活用いただくのは公有財産の活用の方法としては一つの方法だというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、このオフロードコースを利用する年間利用者数、年間収入、年間の支出額等が分かりましたら、答えていただけますか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) まず、ここのコース使用料の収入ですけれども、これは令和4年を少し参考にさせていただきますと、270万円ぐらいということでございます。ただ、支出の部のほうですが、380万円というようなことで、若干赤字になっているというような状況であります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 年間利用者数をお聞きしているのですが、もし分かりましたら。 先ほどの1回目の答弁では、イベント時に大勢の人が来るという答弁でした。大勢の人というのは、どのくらい来るのかお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) すみません、答弁漏れいたしました。 これは、実はNPO法人が出している報告書でありますけれども、一応事業報告ではおおむねですが、参加者は年間で大体600万人から700万人、観客が300万人ぐらいということで、約1,000万人近くというようなことでございます。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 単位が違う。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 600人です。ごめんなさい、すみません、600人です。 参加者は600人で、観客は300人ということでありますけれども、すみません、ただここに練習に来る方々もいるというようなことで、正確な数字はちょっとつかめていないのですが、一応600人と300人で1,000人ということでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、地元の大町の市民の人たちが、この施設をどのぐらい利用しているのか把握できているのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) すみません、大町の市民がどのぐらいというのは、こちらのほうではつかんでいないのですが、あくまでもこれは県内外の人たちが、いわゆる利用されているということでお聞きしているところであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) このNPO法人ですが、大町スキー場跡地を有効活用して、地域活性化と景観維持に努めているとしておりますが、この地域活性化と景観維持については、市としてどのように評価しているのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 まず、地域活性化に寄与するということになっておりますけれども、これについては先ほども答弁を申し上げているとおり、モータースポーツの愛好者などの固定客を獲得していて、イベント開催時等によって年間900人以上が利用されているということで、一定の誘客効果と、その市内観光への効果はあるものという評価をしております。 続いて、環境保全につながっているかという御質問でございますけれども、現在今、オフロードコースは地肌が若干むき出しになっておりますけれども、著しく景観を損ねているものとは判断しておりません。 また、平成21年5月の地形変更手続に際しては、6月10日に、県、NPO、市の3者間でユリの保護を目的とした自然保護協定を締結して、そのような環境保全のところも一緒にやっていただいているというようなことで、そのほかにも、県道沿いにあるということで、ごみの撤去だとかそういうことについても、ある程度イベント後にはしているというような評価はいたしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 部長にお聞きしますが、これまで幾つかの質問に対する答弁をしていただいた評価ですが、これは何を根拠にして評価したのか、お聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) まず一つは、私ども、このいわゆる公有財産の有効活用という観点から申しますと、ただ単に空き地のままというか、活用されることなくそのまま荒れ地にしておくよりは、こういういわゆる事業者が、積極的にある程度投資をしていただいて、そういう目的のために使っていただくことに対しては、市としては評価をしているところであります。 ただ、それが果たして人数が多いのか少ないかとか、経済効果があったのか、ないかというふうに言われますと、そこら辺は若干疑問に残るところはありますけれども、ただ、当初の目的どおり、その土地の利用についてきちんと利用していただいていることについては、評価したいというふうに思っています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 例えば、この法人の事業報告を頂いて、それを分析して評価したというような答弁なら分かるのですが、そういうことはないのですか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 私どもも、今回この御質問をいただいた折に、NPOの、いわゆる会計の報告書を見させていただきました。というようなことで、我々としても毎年このいわゆる事業報告を受けているわけではないので、確かに議員おっしゃられるようにそれを評価するというところではなかったということは認めております。 ただし、我々が例えばあそこを通って見ていた部分に限って言えば、それほど、当初のいわゆる目的として使っていただいていることに関しては、何ら問題はないというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 1つだけ、ただいまの部長の答弁に補足を申し上げます。 まず、このNPO法人、法人格を持っているNPOは、それぞれ許認可、認証の官庁に報告を正式に毎年出しております。これは、内閣府が県をまたがる活動については所管しておりまして、内閣府のホームページにこの当該法人から提出された正式な報告をホームページにアップしております。毎年毎年の報告、それにつきまして、私どもも先ほど申し上げましたような利用人員、あるいは収入、支出の決算について掌握したところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) この賃貸契約は1年間となっています。甲乙いずれからも特別な意思表示がないときは、本契約をさらに1年間継続するものという内容になっています。平成21年4月1日に契約したときから今日まで15年間、双方からの特別な意思表示はなかったということでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 議員おっしゃられるとおり、双方で何か疑義があったりして、特段何かあったということはございません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) このNPO法人中山高原森の風は、平成21年5月1日から平成23年10月30日までの3年間、きらり輝く協働のまちづくり事業の補助金を頂いている団体でもあります。御承知のとおりであります。この団体の補助金は、平成21年142万円、平成22年120万円、平成23年120万円、3年間で382万円ものお金が支払われています。この事業の補助金が終了した後の追跡調査というのはされたのでしょうか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長
    産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今、議員おっしゃられたとおり、平成21年5月1日から平成23年の10月まで、きらり輝く協働のまちづくり事業として登録がされていて、今おっしゃられていたとおり、幾つかの事業をこの現場で行っていることは事実であります。ただ、その後の追跡調査というのは、こちらのほうとしては何もしておりません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 総務部参事。 ◎総務部参事(田中久登君) 私からも、補助金を担当する部署として補足して御答弁を申し上げます。 平成21年から当該団体に3年間補助金を支出したのは、議員の御質問のとおりであります。我々の事業の所管課としましては、当該年度の実績、申請のあった後、実績報告を受け、その実績どおり事業が行われたかどうか精査した上で、補助金額を確定していると。 当該年度平成21年度から平成23年度までそのような形で事業としては実積を確認しているところであります。また、平成28年にももう一回補助金を、今度は金額が少ないのですが、47万円ほど補助金を支出しておりますが、同じ手順で当該年度の実績については確認をしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) この法人の事業計画では、第1段階としてオフロードコースの整備、第2段階として駐車場の拡大、広場の造成、花畑造成、第3段階では外周散策遊歩道、展望台の設置をし、森林浴を楽しみ、北アルプスの景観を楽しみ、花を楽しんでもらう環境づくりをしますと計画されています。 しかしながら、オフロードコースの整備はされたものの、花畑の造成や展望台の設置、外周散策遊歩道は全く整備がされておりません。このことについては、市としてどのようにお考えでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 確かに、事業計画としてそういうことで載っているかと思うんですけれども、その事業自体が、当該事業者NPO法人がやることですので、市としてそれをどうしてもやらなければならないとかということではなく、できるものとできないものがあればそれは当然だと思いますので、我々としてそれを強制的にやってほしいとかということは、多分言えないということだと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それはちょっとおかしくないですか。 400万円近い税金が行っているんですよね。先ほど3年間で382万円行って、今ほど参事から47万円ですか、支出していますから、すごいお金が行っているんですよ。3万円や4万円じゃないです。これを市として、どうしてもやらなきゃいけないことじゃないとか、それはそっちの法人の好きに勝手にしろという答弁はちょっとおかしくないですかね。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、このきらり輝く協働のまちづくり事業の中で、今議員が言っているのは、整備内容がということでしょうか。 すみません、私どもとして、実は確認をしているものは、オフロードバイク用の保護整備とか、4輪駆動車用のコース整備、スノーモービルのコース整備、あと、そり遊びの広場とか雪像作りだとか、雪合戦広場とかという形で申請をされているというふうに認識をしたものですから、展望台を造る云々という話は、私どもも今のところは承知していないというか、すみませんでした。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) きらり輝くのほうは、ちょっと横にそれるかもしれません。ただ、ここの大町スキー場にはそれだけのお金が投入されているということは知っていただきたい。 現在の状況ですが、平成21年5月に提出した、きらり輝く協働のまちづくり事業計画書に書かれている内容とは程遠いと。オフロードコースを楽しむ一部の人たちだけの場所になっているように感じたところです。 先ほど部長答弁で、あそこを通ってみれば問題ないという答弁がありましたよね。現場には、無断立入り禁止の看板や道徳礼儀の日本国、無断駐車禁止、入山禁止など、いわゆる近寄りがたい看板が多数見られます。若者や家族連れが楽しめるような空間、イベント広場とは思えないのです。この現場を部長はどのぐらいしっかり見ているのか、お聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 私も実はつい最近ですけれども、イベントをやっている最中にあそこに行かせていただきながら現場を見させていただきました。 確かに議員おっしゃられるように、多分ごみ箱の横にも日本国民何とかという、要はちょっとしたものがあったりとか、ただ、管理上の何と言うんですかね、見た目はちょっと分からないんですけれども、管理上どうしても必要なものがあれば、それはあってもしようがないのかなという気はしております。 要はあの施設は、今の土地はあくまでもNPO法人が自分たちの事業用として用地を借りていて、そこでやっぱりほかの皆さんが、どちらかというと勝手に入れないような形になっているということ自体は、例えば管理するほうからすれば、それはしようがないのかなという気はしますけれども、あまりにそういう意見が多くなれば、事業者とは当然相談させていただければというふうに思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 要するに、毎年1年ごとの契約時に何らかの形で市としての要望があってもいいのではないでしょうかということです。15年間全くないということは、全くノーマークで知らん顔していたということですよ。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えをいたします。 すみません、私も担当していたわけじゃないのでそこら辺はあれなんですが、全くノーマークというわけではなくて、例えば関係者の皆さんとどこかで話はしたりとかはしているとは思うんですけれども、そういうことで、例えば、今さっき言った現状の変更承認だとかそういうことがこの間に幾つかあったので、15年間全くその事業者とのコンタクトがなく今まで来たということはないということだけは御理解いただきたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 要は私が言いたいのは、あの大町スキー場跡地は市にとって宝物ですか、お荷物ですか、どっちですか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 私どもとしては貴重な市有財産ですので、あくまでも大事なものだというふうには思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それではお聞きしますが、あのオフロードコースは、東日本で楽しめる16選に入っていることは御存知でしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) すみません、私が知識不足で申し訳ないのですけれども、モータースポーツのほうでは、いわゆるその愛好者の中では有名なコースであるというふうにはお聞きしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 私の一番言いたいことは、あのスキー場跡地が大町市の財産として宝物であるとするのだったら、どう生かすかということですよね。 先ほど午前中の部長答弁がありましたが、民間活動をうまく使いたいというような話もありました。ここは法人ですよね。法人ですが、民間とどう違うかよく分かりませんが、いずれにしても、この団体には400万円の支援が市から出ているわけですから、市はもっとこの団体といい関係を築かなきゃいけないんですよ。やりっ放しじゃなくて、この団体といい関係を築けば何かが変わってくるんじゃないかと思うのですが、その辺いかがですか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 私も先ほど、確かに傳刀議員の答弁のときに、民間の活力は非常に大事だというふうな御答弁を申し上げましたけれども、やはりこれから地域振興に当たっていくには、いかに、いわゆる民間の活力を導入していくかというようなことが、この地域というかこの市の発展のために必要なことだというふうに思っています。 単に行政だけでできる事業ではなくて、いかにそれを発展的にやっていただける事業者がいて、それを市と一緒になりながら共存していくというようなことが重要なことは十分分かっております。なので、これから今後、これも観光資源の一つとして捉えるとすればそのような形で、PRとかも含めた形で事業者とそういう協議はしてみたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) それでは、この団体が法人として活動するからには、毎年の事業報告を市に提出する必要があると思うのですが、市はどのようにお考えですか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今回、この事業者とのいわゆる普通財産の貸付の契約の中では、今言った、例えば事業報告を取るというような要項はなく今までは来ております。そういう形で、報告書は今まで取っておりません。ただ、先ほども言いましたように、国に出されている事業報告書はネットで公開されますので、我々がそれを見れば多分分かるだろうというふうに思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) NPOという法人として活動するには、様々な届出や手続をして国や市町村からチェックを受けなければいけないというふうになっているんですよね。ですから、ここはぜひ大町市としてチェックをするためにも、毎年の事業報告書の提出を求めるべきだと思うのですが、いかがですか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) それに関しては、少しこちらのほうでも検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) 分かりました。 それでは、先ほどのこの団体とよい関係を築いていただきたい、これは何か具体的なよい接点でもありますかね。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 先ほど答弁を申し上げましたとおり、観光振興の一つとして、このやっている事業自体を捉えるとすれば、そういう形で一緒になってPRするとか、参加者を集めるとか、そういうことは一緒になってできることだと思いますので、そういうことを含めた中で、事業者と御相談をさせていただければというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) その答弁は、後でまた確認をさせていただきたいと思います。 要は今、中山高原は大町市の絶景とは言えない場になってきています。でも、それを逆にうまく活用して、そして、しかも民間活動を生かして、さらに市の財産を生かしていただきたい、そんな取組を考えて実践していただきたい場所だと強く思いますが、市としてのお考えをお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 先ほど来申し上げているとおり、まず一つは、市有財産の活用という意味では正直な話、スキー場跡をいかに活用するかというようなことは非常に大事なことだというふうに思っていまして、今回のこのNPOが、夏のいわゆるスポーツの競技の場として提供いただいているということに関しては、私は正直な話、観光振興の一つにも当然なるし、地域振興にもなってくるというように考えておりますので、できる限りそういう団体との連携を図りながら、集客なり、もっと言えば地域への活性化のためになるような手だてを一緒に考えていけるようになればいいかなというふうに思っています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆12番(中牧盛登君) ぜひ大町スキー場跡地、大いに生かしていただきたい、そんなことを申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 御質問が終わるところですが、私のほうからも総括してお答え申し上げます。 まず、議員からは今日、せっかくの大町スキー場の跡地という市の遊休施設でありましたが、施設を使って民間、法人が一生懸命取り組んでいるよい関係をつくるようにという、そんな御提案をいただきました。 実は私自身も、やはりこれまで単に大町スキー場の跡地は市の遊休施設として、そしてそれを普通財産に変更した上で貸し付けるというそんな関係だというふうに理解をしておりました。 ただ、この二、三年、本当に私も時々あそこを通るのですが、夜遅くまで翌日のレースに備えて、あるいはレースの終わったときでも大勢の皆さんが和気あいあいと、決して世間に、周りに迷惑をかけるような騒ぎではもちろんありません。静かな意見交換の場、和やかな場ということを経験しております。 そうした中で、実は当初のこのNPO法人の代表者が1回変わったのですが、その変わるまで結城さんという方が代表を務めていたときには、時々市に訪れ、いろんなプランについて意見交換をしましたし、また、これも御指摘がありましたように平成21年から平成23年まで及び平成28年、この4年間にわたり、市の、これはきらり輝く協働のまちづくりの補助金ですが、これを使って何とか大勢が集まるそうした施設にしていきたいという意欲を感じ取ったところでございます。 そうした中で、これからも、先ほど産業観光部長から御答弁を申し上げたように、この賃貸借契約だけでそうしたことを縛ることは不可能ですが、逆に要請して毎年国に、内閣府に報告している報告書を頂き、なお、一緒に知恵を出す余地があるのかどうか、仮によい関係が結ばれた場合には、ぜひ私どもも、例えばですが東山観光計画の中に、あるいは市の観光振興計画の中に位置づけることができるかどうか、そこまで含めて併せて検討してまいりたいと考えております。御理解いただけますようお願い申し上げます。 ○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 以上で中牧盛登議員の質問は終了いたしました。 ここで2時55分まで休憩といたします。 △休憩 午後2時38分 △再開 午後2時55分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第5位、高橋正議員の質問通告は2項目です。高橋正議員の質問を許します。高橋正議員。(拍手)     〔15番(高橋 正君)登壇〕 ◆15番(高橋正君) 無所属クラブの高橋です。 私からは水道事業について。特に居谷里水源についてと市の観光についての大きく2つの質問をいたします。 さて、先ごろ4月に行われた市議選で若い議員も増えたことから、私の質問を通して市の水道行政に関心を持っていただき、今後とも市民の安全・安心を考えてもらうきっかけになればと思いながら質問したいと思います。 3年前の令和2年、私が総務産業委員長のとき、居谷里水源において大腸菌が検出されていることに注目し、委員会全体として水道問題に光を当て、市に改善を提言するため、まず全ての水道水源の調査・研究を行いました。 特に大腸菌問題では、大腸菌が水の安全性を測るバロメーターとして指標菌となっていることから、それを対象として居谷里水源では特に2回現地調査を実施、水源地の改善を市長に申し入れました。 それから2年以上経過して、居谷里水源では壊れていたフェンスも新設され、水道課に問い合わせると、大腸菌は半減したとの報告を受けました。 ところが、本年4月の市議選の前に、改めて水道課へ確認したところ、フェンスが完成し、大腸菌が半減した。しかし、今年になってまたその数値が半分戻しているとの答えでした。少しずつでも大腸菌の減少が続けば静観しようと考えておりましたが、大腸菌が増えていることを聞いて心配になり、もう一度この問題を俎上に上げなければならないとの思いを強くいたしました。 そもそも、大腸菌滅菌のため紫外線照射は大丈夫だとは思いますが、塩素系の薬品を多く使うことは、トリハロメタンなど発がん性物質に変化する危険性が大きく、再度この問題に光を当てなければならないと感じたところであります。 そこで、お聞きをいたします。 まず、居谷里水源の問題点ということでお尋ねいたします。 大町市の水道はそのほとんどは湧水で賄われ、地上に近いところで採取されていることから、地表水の混入が危惧されています。居谷里水源は大正時代から約100年、そのほとんど取水の形態を変えないままきたわけですが、この地下水の流れについて、地下における水脈の構造など、今までに科学的な調査が行われたことがあったかどうか。 また、基本的なことについては、大腸菌の数値を示す単位などについても御説明をください。また、季節によっての変化があるのか、これも教えていただきたいと思います。 これで、1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 質問が終わりました。 高橋正議員の質問に対する答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(古平隆一君) 居谷里水源の科学的調査、また、大腸菌についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに、水源調査に関しましては、平成元年に当時の気象データや地質、また地形等のデータを基に居谷里水源の涵養域を調査した記録があり、それによりますと、推定される涵養域については、地質的に帯水層が広く分布しております美麻新行地域の北部から居谷里水源までの約500ヘクタールから600ヘクタールに及び、地下の帯水層を通じて居谷里水源で湧出していることが解析され、また明らかにされております。 次に、大腸菌の検査についてですが、まず水道法におきまして、大腸菌の水質基準は浄水または滅菌処理された後に、家庭の蛇口から出る水道水において検出されないことと定められており、当市の水道水については、各配水池における塩素滅菌処理をした後に、各御家庭に向けて配水され、日々検査も行っておりますことから、蛇口から菌が検出されることはございません。 また、その一方で、近年、大腸菌を指標菌とする塩素に耐性を持つ病原生物による水質への影響が懸念されており、自然の湧水水源を利用する当市におきましても、原水の段階から適切に対処する必要があるものと認識をしております。 水源で取水する原水の大腸菌の検査に関しましては、国が示す指針や検査方法に基づき実施しておりまして、その検査及び分析は、国の指定を受けた専門機関へ委託をし、水の成分を調べる定性試験という手法を用いております。 この検査手法は、原水を採水した後、下処理を施した検体に紫外線を照射しまして、これに反射して光として再び放出する状態、いわゆる蛍光の状態を確認するもので、蛍光が強い場合は陽性を示し、また弱い場合は陰性として判定されるため、菌の数や議員御質問の量等について表示されることはございません。 また、季節による変化でございますが、これまで月ごとの原水の水質検査記録によりますと、冬の降雪期においては陽性となる率が極めて低く、春以降の野生動物が活発に活動する時期に高くなる傾向となっております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 調査が行われたことがあるということですが、その調査について、もうちょっと詳しく教えてください。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 居谷里水源の科学的調査に関して詳しくということでございますが、これちょっと私の観点ですけれども、かつてこの居谷里水源水系については、昭和60年代だったかと思いますけれども、いわゆるテトラクロロエチレン、有機性塩素化合物が出た事象がございます。 そういった部分も実際のところは旧中山地籍にありました廃材の処分場、そういったところから流れてきたものではないかという推測をされる中で、やはりこの調査を行ったことによりまして、大体居谷里に湧出する帯水層がどの影響を受けているのか、そういったものを具体的に調べるために、改めて平成元年、こういった調査を行ったものというふうに認識をしております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) どうも聞いているとそれほど科学的なというか、かなり深い調査ではなかったんではないかなというふうに推測されます。 これが、非常に重要なことなんですが、地表水と取水された飲料水との関係というのは非常に曖昧になっているんです。それはもう皆さんも見て御存知のとおりです。 水源地そのものでの科学調査はしていないということでしょうか。どうですか。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 今、議員のほうから水源地における科学的調査という御質問ありましたけれども、水源地では今まで科学的調査というものを行ったというふうには、私のほうも記憶してございません。 ただ、原水としての水道法に基づく水質検査は実施しております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 水道水、特に居谷里水源の安全確保について聞きたいと思いますが、現在世界的に急激かつ大きな気温上昇が問題となっています。大腸菌の繁殖と気温との関係はどのようにお考えか。 また、このまま大腸菌が増え続ければ、以前、大和議員が提唱したように、いっそ居谷里水源はやめて、白沢水源に切り替える必要があるといった話も現実になるんじゃないかなというふうに思いますがいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。     〔建設水道部長(古平隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(古平隆一君) 大腸菌の繁殖と気温の関係、また、水道水の安全確保についての御質問に順次お答えをいたします。 この夏は全国的に猛暑が続き、気象庁では今年の平均気温は統計開始以降最も高くなるとの見込みを示しております。 まず、この気温と大腸菌の関係につきましては、現在市が水質検査業務を委託しております専門機関に確認をしたところ、一般的に大腸菌が最も活発化する温度は、おおむね摂氏30度から40度とされ、この範囲が大腸菌の繁殖に適しているとの回答がございました。 一方、居谷里水源をはじめ、当市の湧水水源の環境は、河川や湖などの表流水とは異なり、今年の夏の猛暑の中にあっても、原水の水温はおおむね摂氏10度から15度と低温であること、また、菌の栄養源となる有機物の濃度がもともと比較的低いため、菌の繁殖が抑制される環境にあるとの見解が示されております。 また、居谷里水源で取水した原水は、下流の三日町配水池に入るまでにおおむね30分程度管渠によって導水されますが、この間水温に大きな変動はなく、配水池に到着後、速やかに塩素による滅菌処理を行うため、気温上昇に起因する水質への影響はなく、現時点において安全性は保たれているものと考えております。 次に、水道水の安全確保についてお答えをいたします。 議員御承知のとおり、居谷里水源は大正時代からこれまで100年にわたり、豊富に湧き出る清浄な湧水を水道水として活用してまいりました。 しかしながら、近年、水源から採水された原水において、野生動物が原因とみられる大腸菌が検出をされ、議会をはじめ、市民の皆様にも大変御心配をおかけするとともに、暮らしに欠かすことのできない大切な水を扱う事業者として、しっかり対策を講じていかなければならないと、改めて肝に銘じるところでございます。 現在、居谷里水源から取水する水道水の安全対策の状況につきましては、国が法で定めた水質基準や指針等に基づき、厳格に対処しており、特に大腸菌につきましては、配水する前の段階で塩素消毒により、全て滅菌することとしております。 さらに、御承知のとおり、昨年10月には、三日町配水池内に紫外線処理施設を設置したことによりまして、クリプトスポルジウムなどの耐塩素性病原性物による水質への影響が回避され、水道水の安全性は一段と向上したものと考えております。 また、水源における保全対策としまして、一昨年2月に議会より御提言をいただきました内容に基づき、昨年度水源を囲む大型の進入防止フェンスが完成したほか、集水施設のカメラ調査等に基づく管渠修繕をはじめ、地表水の流入を防止する覆土整備を継続的に実施をしております。 これに加え、職員による直営作業や民間委託により水源地内の雑草や雑木の刈り払い、また、枯損木の処理等、動物の生息環境をできる限り抑制する対策を実施しており、水道水の源であり、また市の貴重な宝でもある水源の水質保全に全力を挙げて対処をしております。 水の惑星と呼ばれるこの地球は、そのほとんどを海水が占めており、世界において人が飲用できる水はごくわずかとされております。先人より受け継いだ貴重な居谷里水源を後世にしっかりと引き継いでいかなければならないものと強く考えるところであり、今後も市民の皆様の健康を守り、信頼に応える水道事業として、引き続き気を引き締めて取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) さっきから聞いていると100年の歴史だとか宝だとか、代々受け継いできたもの、大事なものだからって、そんな問題どうでもいいんです。要するに安全な水であればいいということなんです。どうやってその安全を守るかということを、私は段々に話をしていきたいと思っている。 それで、説明がよく分かんないから、ぐるぐる回っているだけで。ちょっと角度を変えてお聞きします。 今年6月に水道水源祭ありましたよね。あそこに何名くらい出席されましたか。水道水源祭に。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 水源祭への出席でございますが、コロナ禍になったときと比べて大勢の方出席していただいております。約100名近い人が出席したというふうに記憶してございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) あそこで取水しているのは、要するに、出てくる湧水点の近辺なんです。集水桝も全部お祭りやったところより下にあるんです、下にも。 今言われた100年ですか、およそ。こんな人数があの水源地に押しかけてどうするんですか。長靴はいてべちゃべちゃ、あそこ水出ていましたよね。 それで、水源祭は下でもできるんです。何もあの取水している上でなんかやらなくても。確かお祭りしている下にありましたよね、ありますよね、どうですか部長。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 確かに水源祭、水源域の中で行うことでできるかと存じますけれども。上にお祀りしている社があるということで、上でやらせていただいている状況でございます。 しかしながら、今議員御意見いただいたように、場所によってはそういった別の環境の中でやるということも、1つの水質を保全する対策の1つであるというふうに認識をするところでございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 何か全然分からない。私が言っているのは水を守るための話をしているんであって、水源祭のことそのものを問題にしているわけじゃないんです。要するに。 水を取っているところ、検査する水を取っているところが、今の検査地点よりも奥からとか、そこまでは完璧に守っていますという何か、そういう保障がなければ、今後ずっとこの問題続きますよ。 要するに、今取水している、落とし込んでいる集水桝の中へ、そこよりもっと奥へ、例えば5メートル奥へしたら、何の影響もないじゃないですか。あるいは10メートル奥にしたら問題ないんじゃないですか、どうですか。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) すみません。 あの取水地点、水源の中に議員も調査の中で恐らく御承知かと存じますけれども、8か所の取水地点がございまして、それが水源域の中に張り巡らされて、それが集水渠としてつながって導水されているという状況でございますので、やはりその集水渠の部分を、特に上を歩く、立ち入るということについては、非常に気を付けてかからなければならないということで考えております。 また、水を取っている地点、それから検査している地点につきましても、この集水渠で検査をしているということで、そこは慎重に対応しなければならない場所というふうに理解をしております。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 私が申し上げているのは、慎重にやらなきゃいけないとかそんな問題じゃなくて、もうあの下のところで野生動物のふんから大腸菌入っているということであれば、完全に地中の奥深いところ、今より少なくとも5メートルあるいは10メートルの奥へ取水地点を設けたほうがいいんじゃないかなと、こういうことを言っているわけです。どうですか。 きちっとした検査をして、そして、全体の流れも検査してもらいたいんです、私としては。全体の流れも知っていないと、いつ何時何が起きるか分からないから。科学的な調査をしっかりとして、またその取水をして検査する水を取る場所も、湧水はしている、乾季になると水は出てこない、どこに水があってどう出ているか分からない、そしてあの蓋を取って検査させてもらったときに見たら、70センチメートルくらいの位置から水が入ってきている。これじゃ危なくてしようがないですよ。 だから、科学的な調査を基にして、きちっとした施設にする気はあるかないか、それだけをお聞きしたいと思います。どうですか。 ○議長(二條孝夫君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(古平隆一君) 科学的な調査に基づく施設整備を行っていくのかどうかという御質問でございます。 居谷里水源につきましては、議会の皆様の調査によっても明らかになったところでございますけれども、やはり、もともとは地下水、深層の冷やされた地下水が自力で湧き上がってきたところの浅い層の部分で、この動物の影響を受けているというふうに推測をしております。 そうした部分も踏まえて、今議会の調査の中でもお認めいただいたように、非常にその浅い部分のところの影響が大きいということで、今継続的な覆土対策、こういったものを進めているところでございますが、やはりなおかつこの影響が続くということであれば、今、議員御提言いただいたように、そもそもの取るべき環境、水を取水する環境も変えていかなければならない、これは間違いないというふうに思っています。 そういった部分では、今後専門的な調査というものも踏まえて、そういった取水の方法、これ、水源を改修するということは、それだけ水を止める時間も出てくるということになりますので、そういった影響度も踏まえて取り組んで、対策に取り組んでいきたいというふうに現在のところは考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) いずれにしても、部長憎くて言っているわけじゃありませんので御理解をしていただきたい。 推測でものを言わないで、科学的にきちっとやっていっていただきたい。 今、湧水水量も減っちゃって、経済的にも大変、また県のほうでも下水道の関係の法人でも協力をするというような話もあるようですので、ありとあらゆる手を使って、市民の安全を守っていく、水質を守っていく、これにぜひ執心していただきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。市長いかがでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) ただいま議員からは、大町市の安全な水、水の安全性を確保するという観点から御質問いただきました。 まず1つには、部長からも答弁したこととだぶりますけれども、この安全性を確保するためには、居谷里水源のいわゆる取水している7つなり8つなりの取水の場所から、それは多分私どもが水源祭に使っているあのスペースから外れていると思うんですが、そこから導水してくる、そうすると集水桝までの間にどのようなメカニズムがあるのか、あるいは集水桝においてなお他の、例えば大腸菌の含まれているような水が混入していないかどうか、これについてのしっかりと確認していく。そうしたメカニズムを解明していくことは、併せて取り組んでまいります。 答弁申し上げましたように、覆土がある程度の効果が見えていた時期もありましたので、そのことも含めて、同時並行で進めてまいります。 ただ、私自身も、多分議員も、この水のおいしい故郷を離れて遠くの地に暮らした経験がおありかと思います。私自身もそうでしたが、他の地域に暮らしたときに初めて、私も学生時代を含めて長野県内、県外の他の地域に暮らしたことがありますが、その地域は、大町市と違って幾つかの水の違いがある。 こんなに大きな格差があるかということを実感したのは、1つには水の冷たさ、清浄さ。2つ目には、その水の上水として、水道水として配られる前に、多くが、全国多くの自治体、水道事業者が表流水、河川水を使っている。その河川水には様々な微細なごみが入っていたり、あるいは砂が混じっている。 そういったことについて、上水を、いわゆる水をこすというようなろ過の方法及び最終的には先ほども答弁ありましたように、塩素滅菌して、完全に大腸菌ほか細菌を滅菌する、そんな仕組みがあって初めて水道水になっているということについて、一時驚いたことがあります。 しかしながら、私にとっては自然湧水でほとんどの水源が賄われている中、わずかこの居谷里水源においてそうした大腸菌が、これは動物由来ではありますが、検出されていることであれば、これは御答弁申し上げたように、安全性を確保するためにしっかり滅菌を徹底し、そして安全な水を確保している、これに間違いはないわけですが、それがそもそもゼロ、自然湧水であれば大腸菌ゼロの水を確保するにこしたことはないわけですので、そういった点についてもしっかりこれから、先ほど答弁申し上げたような対応によって安全性を確保してまいりたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) ぜひ、市民の安全のためにお願いしておきたいと思います。 それでは、次に2つ目の大町市の観光をどう展開させるのかの質問に移ります。 観光問題は大町市周辺の市町村を含めてみれば、ともに北アルプスの景観や山麓地帯、その下に広がる農業地帯、また市町村を挟んで緩やかな東山地帯とその間を流れる河川など、その風景は全体的に似通った傾向にあることから、近隣自治体の取組にも学びながら、大町市として今なすべきことを確実に実行していかなければなりません。 現在、他市町村と比べたときに、大町市には新しく具体的な観光政策が全く見えておりません。それどころか、むしろ衰退しているのではないかとさえ感じることがあります。大町市が遅れている理由は、恐らくこれまで黒部ダム観光に大きく頼り過ぎた結果ではないかと私は思っています。 白馬村や安曇野市では、これまで幾つかの困難にぶつかりながら、それぞれ新しく自前で独創的、具体的な観光開発を進め、現在大きく成果を上げ始めています。 安曇野市では国営公園に絡めて、山麓線と沿線の開発、整備が進んでいます。その地域では建造物などヨーロッパの風景を思わせるような明るい雰囲気になっています。松林が切られて、緑の雰囲気もおしゃれに変化しています。宿泊施設も時代のニーズにあわせて展開し始めております。 山麓線の交通量も増えて、穂高牧地区では、沿線にコンビニまで出店しました。 また、白馬村でも全体に自然環境が段々整備され、やはりヨーロッパ調の建物が増えて、スキーシーズン以外も新しい観光が幾つか考えられ、年間を通して誘客が進んでいます。 それに比較して大町市では、現在、特に目立った切り札となるような新しい観光が芽生えておりません。 このような中で、今後どのようにして観光政策を進められるお考えかお示しいただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 今後どのような観光施策を進めるかとのお尋ねにお答えします。 大町市ではかねてより黒部ダム、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口として、またアルプスの山々に多くの観光客、登山者が訪れるものの、なかなか市内観光には結びつかず、いわゆる通過型観光になっております。 また、新型コロナの影響により旅行形態の変化など、観光に対するニーズもコロナ禍前とは大きく変化しております。 これらを踏まえ、市では従来の通過型観光から滞在型観光への転換や、多様化した観光客のニーズに即した観光コンテンツの充実などを図る必要があるとの認識に立ち、昨年3月に観光振興計画を策定いたしました。議員もお目通しをいただいていることと思います。 この計画におきましては、まず3つのテーマを整えております。 まず1つには、ウィズコロナを踏まえた安心・安全な観光地。また2つ目には、観光客、市民が満足する観光地。そして3つ目に稼げる観光地を兼ね備えた魅力ある観光地。この3つの観光地づくりを進める、そうしたことを目指すこととしております。 その実現に向け、データに基づく根拠ある観光振興に取り組むとともに、国際山岳観光ルートとして認知されている立山黒部アルペンルートや黒部ダムの強みを最大限に活用するとともに、これに過度に頼ることなく、観光地としての信濃大町の認知度向上を目指して取り組んでおります。 また、これらの目標を達成するために、5つの重点プロジェクトを定めております。 ゆっくり申し上げます。 1つ目として、観光の動向分析とそれを活用した戦略的なマーケティング。ここでは人流データや観光動向の分析に基づく施策の展開を目指しております。 2つ目として、観光プロモーションの推進とブランドを生かした商品開発では、観光プロジェクトチームの活動による新たな観光商品の開発を進める。 3つ目の宿泊施設を中心とした魅力の再構築では、大町温泉郷をはじめとする宿泊施設の魅力向上に努めること。 そして4つ目の山岳観光の魅力向上では、二次交通の整備と市街地との連携。 最後の5つ目には、観光を支える事業者や人への支援では、事業者等への支援の充実や各種ガイドの養成による受け入れ態勢の整備を図ることとしております。 そして今申し上げました5つの重点プロジェクトのそれぞれの分野において、目指す姿と明確な成果指標を定め、この達成に向け観光事業者や観光団体、関係者と連携して取り組んでまいります。 なお、議員御指摘のように近隣では白馬村あるいは安曇野市が極めて多くの投資を呼び込んでおります。民間事業者の本当に活発な連携によって大いに振興が図られていることも、1つの目安となるかと考えるところでございます。 来年6月には、黒部宇奈月キャニオンルートが一般開放され、大町温泉郷を宿泊地とする新たな旅行商品の販売が予定されており、また市でも長野県立大学と協働したインバウンド向けのツアーを構築するプロジェクトにも着手いたしました。 さらに、来年秋には北アルプス国際芸術祭も開催されますことから、こうした観光誘客の機会を逃すことなく、緊密な連携の下で当市への新たな人の流れを創出するため、今後も引き続き観光振興計画に基づく様々な観光施策の着実な実施、推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 何か市長のお話を聞いていても、形式的過ぎると言いますか、何と言いますか、分かるんだけれども満足するとか、それから魅力のあるとかいうのは、これは当たり前のことだと思うんです。それで、市長は頭のいい人だから作文が上手で、いつも我々は作文で何かやっているような気分にさせられたり、そんな気分になってくるんです。 それで、具体的でなきゃいけないと思うんです、観光というものは。具体的な戦略、これが必要だと思うんです。 そんなことから、まず初めに大町温泉郷をどうするか。雑木林の整備と熊対策、また、温泉郷から北アルプスが見える環境づくりをどうすべきか、何かお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 大町温泉郷を今後どのようにするかとのお尋ねにお答えをいたします。 大町温泉郷は、立山黒部アルペンルート開業を契機として温泉街の整備が進められ、黒部ダムへの来訪者やインバウンド事業に対応する市内の宿泊拠点として今日まで発展してまいりました。近年は宿泊需要の多様化などにより廃業した施設も少なくなく、また、コロナ禍の影響による観光客の大幅な減少や団体から個人へと旅行形態が変化するなど、温泉郷を取り巻く環境の急激な変化により、今まで以上に持続可能な温泉地としての経営と、地域特性を生かした観光地づくりが求められてきております。 こうした現況の下、市では今後の温泉郷の再活性化を図り、持続的な魅力を持ち続けるためのビジョンの策定と、その実現に向けた具体的な取組を推進するため、昨年3月に関係者との協議による大町温泉郷未来検討会議を設立したところであります。 また、昨年度はこの会議における要望等を受け、大町温泉郷滞在魅力づくり補助金を交付し、街歩きのマップの作成や看板を修正するなど、景観の維持や誘客に向けた取組を進めてまいりました。 さらに、観光庁の地域一体となった高付加価値化事業の補助金を導入し、温泉郷エリアを中心とした宿泊施設の改修等による高付加価値化を進め、魅力の創出に取り組んでおります。 先ほども申しました熊対策の関係でございますけれども、熊対策につきましては、今年の春先に非常に多くの熊が出たということで、温泉郷の皆さんと信大の先生を呼びまして、そこで熊の対策を検討させていただき、実は旧森林劇場付近を全て約20名ぐらいで、あそこを全部草を刈ったりしました。 そしてあと、県の河川課にお願いをして、河川の中の樹木も切ったりして、住みかにならないような、そういう温泉郷の観光地づくりを進めるというようなことで対策をしてきております。 このことは、今後においてもぜひ継続をさせていただきたいというふうに考えております。 また、温泉郷からアルプスが見える環境づくりとしましては、温泉郷の中でもいろいろ、今さっき言いました未来検討会議の中でもお話が出ておりますけれども、鹿島川を活用したいわゆる親水公園みたいなものもゆくゆくはというお話も、今計画というかお話も出ているところでありますので、これはあくまでも県の河川課ともお話しなきゃならないんですけれども、そんなような話が進めているところであります。 市としましても関係者と一体となって、今後こういう検討を進めるこの未来検討会議を軸として、当市の宿泊拠点であります温泉郷が、今後も宿泊地として選ばれるための魅力創出に向け、力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 温泉郷はきれいじゃないんです、今。もう藪ぼうぼう。それで、人間も中入っていけないような藪になっている。こんな温泉郷なんてないですよ、どこ行っても。みんなきれいに雑木林も整備されて。 私よく思うんだけれども、松というのはあまり美しくないです、どちらかというと。明るい感じのは広葉樹の葉っぱの黄色ぽいのとかそんなやつ。ぐしゃぐしゃともう密林みたいになっているのはよくない。 やはり、そういった意味で整理されなきゃ駄目なんです。掃除されなきゃ駄目です。 それで、部長、熊がよく出るけれども、その理由分かりますか。
    ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えをいたします。 温泉郷、ここ数年以来ずっと熊が出ているというようなことで、1つは餌場になっているというところがあると思います。春先、サクランボがあったり、秋はいわゆるドングリだとかというものがあったりしながら、熊の餌場になっているということが1つの原因になっているということと、もう1つは、やはり先ほども言った雑草地の、旧森林劇場の辺りの草刈りを今まであまり手を入れてこなかったということで、住みかになっているということで、そんなようなことが原因で温泉郷に熊が出ているんだというふうには解釈しています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 私、今から1週間くらい前からちょっと調査してみているんです。どうして熊が出ているかよく分かりました。 さっきも言ったようにサクランボ、それがこの頃、昨日かな、うちの下の市民浴場の下でも見た。あれも行ってみました。あの辺一体ミズメザクラがあるんです。それで、ミズメザクラで親子熊がいて、親が上に登らせて教えているわけだ。そして、春そこで実を食べたやつが1回じゃ止めないんです。サクランボがないのに何べんか親子で親が回って子どもに教えているんです。それやっと分かりました。 ということは、やはりその食べ物を撤去する、これが第一だろうと。それと、そのミズメザクラについて、棚を作りますから、棚を作ったところは分かりますので、その棚の近辺はより重点的に草を刈ると。 どっちにしてもあまり熊が出るところは、ひと様勧められない。それで特に親子熊の場合は。 それで話は変わりますが、数年前、鹿島川の沿線で河川敷と堤防の雑木と松が切り倒されたんです。その辺りから北アルプスの展望がすばらしくなった。これは、木を切っただけであれだけ美しくなった。だから、やはり雑木とか邪魔になる木はなるべく切って、一度やってみれば全部分かると思うんです。今、温泉郷の堤防はいいですよね、夜も電気点いて。 だから、ああいうものをどんどん進めていってもらいたいと思います。 それで、やはり熊が出るかお化けが出るか分からないようなところは、人は危なくて寄せられない。だから、ぜひ、ある程度整備をすると。これは、市のほうでできる限り推進していただきたいなというふうに思いますがどうでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えをいたします。 議員おっしゃられたとおり、温泉郷にすれば安全な温泉というふうになると、やはり熊は、いかに近寄らないような形でするかというようなことで、やはりその原因となるものは1つずつ撤去していくというようなことで、先ほども言われたように、今年も本当に久しぶりですか、20人ぐらい出て、温泉郷の皆さんそれぞれ出ていただいて、宿から。春先刈っていただいたら、それ以降、温泉郷自体に出る回数は少なくなったというようなことで、温泉郷の関係者も喜んではいるんですが、いずれにしましても、こんな年に1回ばかりの話じゃなくて、ある程度きちんとやるとすれば、それぞれの宿の皆さんに御協力をいただきながら今後も進めていきたいというふうに思っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) それと、私、先ほどから漠然としたような観光の施策とかあれは駄目だということ言うんですが、これなんか、熊なんかも資源になるはずなんです。安全なところで、ちゃんと見えるシェルターをつくって人を呼んだら、これ、めちゃくちゃ来るんじゃないかと。そうなったら、ミズメザクラをたくさん植えて、そこだけは隠れるところもつくってやって、ただし人間も中へ入って行って見られるシェルターをつくって、もうかなり、1名様20万円くらい取ってもいいんじゃないですか。 そんな感じで、やはり観光というのはそういうもんだと思うんです。そういう具合に目先を変えてもらいたい。 それでは、次に、槍ヶ岳までつながる高瀬渓谷をどう開放するか、上高地なみの景観の中へ、山登りのできない人でも簡単に行くことができる体制づくりをすべきだと。東電との話し合いを通してぜひ、湯俣くらいまでは小型バスくらい入れたい。 これは、あそこはすばらしい観光資源でもあります。確かに東電が管轄している場所については、いろいろな法的な拘束もあろうかと思います。しかし、大町市は東電に協力しているわけですから、大町市独自の山岳のあれの、特に大きいやつをこの高瀬渓谷で実現できたらなということをいつも思うんですが、それについては何か考えるところがあったらお願いします。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 高瀬渓谷についてのお尋ねにお答えをいたします。 高瀬渓谷は中部山岳国立公園内にあり、ロックフィルダムとして日本一の高さを誇る高瀬ダムや、国の天然記念物であります墳湯丘、また、大町温泉郷などの源泉でもある葛温泉など、自然の雄大さと先人の英知を感じることのできる貴重なエリアと認識をしております。 さらに、裏銀座縦走コースの登山口が複数あり、北アルプスの大自然を求め、多くの登山者が訪れる、人を引き付ける魅力あるエリアとして、また、貴重な観光資源として大きな可能性があるものと考えております。 市では、本年度より、高瀬渓谷にある登山口への交通の利便性を向上させ、登山客の誘客につながるよう、信濃大町駅と裏銀座縦走コースの入口であります七倉登山口をつなぐ登山バスを新設し、運行を開始いたしました。 また、長年通行ができなくなっておりました伊藤新道が最近40年ぶりに復活し、8月19日、20日に湯俣温泉において開通式が行われ、メディアでも大きく取り上げられるなど、高瀬渓谷の注目度も高まっております。 一方で、今後増加が見込まれる来訪者と、これまで守られてまいりました自然環境維持のための保護や保全対策が課題であると考えております。 市としましては、高瀬渓谷の大部分が国有林かつ国立公園内にあり、さらに高瀬ダム、七倉ダムの管理用道路が含まれており、林野庁や環境省、東京電力等との連携を図り、自然環境の保全に向けた最近におけるルールを周知するとともに、この壮大な大自然を多くの皆さんに知っていただき、足を運んでいただくよう観光面でのPRを行うなど、関係機関、団体との連携を密にし、高瀬渓谷の振興に取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 私なら部長、東電が儲かるように仕組む。東電さんが儲かるからぜひやりましょうよと。そんなことで大町市がバックアップしますというふうに、逆に。そのほうがいいかなというぐらいに思います。 とにかく、すごいあれですから、新道行って、雲ノ平のほう行ってちょっと降りて行くと、イワナがいっぱい釣れるんです、私も何べんか釣りに行きましたけれども。あんなすばらしいところはない。ぜひ、あそこ開放したいなと思います。どうか御努力をお願いしたいと思います。 ところで、東山観光、大峰のほう、博物館、まずやるべきことはなんだと思うか、私はどこにも負けない眺望が売りと考えています。山頂や山博では木々が視界を遮り、眺望を壊しています。一旦全てを切り払い、北アルプスの全貌を人々に見せてほしい。場所によっては木を植えてまで景観を悪くしている。お金かけて景観を悪くしているところがいっぱいあるんです。ぜひ、全体を見渡せる北アルプスの全景を皆さんに見てもらいたいと思います。 本当に1本木があるだけで、目の前邪魔になることありますから。いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 鷹狩山や大町公園周辺から見る北アルプスの眺望はじめ、霊松寺の紅葉、山岳博物館などの文化施設を有する東山地区は、里山観光という他の観光エリアにはない魅力を秘めた地区であると認識をしております。 このうち、北アルプスの眺望は最大の魅力でありますが、そのポテンシャルが生かされておらず、その要因として道路や施設整備などの観光誘客に向けた受入れ環境の整備が必要であると考えております。 こうした環境面を整備することにより、市内観光の回遊性の向上が図られるとともに、民間の投資意欲を引き出し、施設の立地につながるなど相乗効果が生まれてくるものと考えております。 今後は、この地域ならではの里山環境を将来にわたって楽しんでいただけますよう、必要に応じた環境整備の検討を進めるほか、地域全体の観光振興との連携を図り、効果的な情報発信に向け取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) あそこの山は鷹狩山つくろうと思ったら大変な金額です。恐らく大町市の全あれをとっても。タワーをつくればもっと安く上がるでしょうけれども。あれだけの高さはぜひ有効に利用してもらいたいと思います。 それでは、次に、市として大町観光を促進するべくプロを雇って観光開発の特別チームをつくる気はないか。どうも大町市は今ある観光形態を守るだけで、新しく戦略をたてて、大町市なりの観光開発をしていないように見えます。 このままでは時代に取り残されると思います。いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) 観光開発のための特別チームの設置についてのお尋ねにお答えをいたします。 市では新たな観光振興計画を策定し、観光の目指すべき姿となる魅力ある観光地づくりの推進に向け、計画期間内のスケジュールや、成果指標を明確に定め、具体的な実施を検討していくための組織としてプロジェクトチームを本年1月に新たに設置をいたしました。このプロジェクトチームは観光課を中心に、市内の観光、商工関係者23名を委員に委嘱し、現在まで7回にわたり会議を開催しております。 また、このプロジェクトチームの運営に当たりましては、当市、観光振興アドバイザーから助言をいただき、大町市らしさを生かしたオリジナルなツーリズムを目指し、地域資源の掘り起こしやオンリーワンとなるコンテンツの発掘を行い、ここでブラッシュアップした内容を基に、観光振興を図る商品造成などに取り組んでいるところであります。 今後もこのプロジェクトチームの活動を中心に、関係各機関、団体との連携を強化することにより、選ばれる観光地を目指した新たな観光誘客の仕組みづくりに取り組んでまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 私いつもここで質問するたび思うんですが、一生懸命質問しようとすると、部長がものすごい上手いこと言って何かごまかされちゃって、そして何年たっても全然動かない。こんなことはいい加減にやめにしましょう。とにかく具体的に動かしてください。 それで、市長の手腕で実質公債費比率は確実に安定したと私は思っています。確か8%くらいでしょうか、私が議員になり始めの頃は確か15%くらいでしょ、もっと二十何%。何しろめちゃ高かったです。 だけど、それでいながら観光政策のほうは攻めの姿勢がないんです。もっと積極的に攻めていただきたい。白馬岩岳では自前の観光戦略で、昨年グリーンシーズンだけで20万人来たと。これ、ただの20万人と違うんです。あそこ岩岳を目的として来ているから、あそこで買い物もします、そこへ宿泊もします。だから恐らくこれ計算していくと、黒部ダムへ来た50万人くらいに匹敵する利益というか、地域の利益ね。 こんなことで、それはグリーンシーズンだけですから、スキーシーズン抜いてだから。これ、足してということは、だから今白馬村目覚ましく動いています。だから、そんなこともぜひ頭に入れていただいて、大町市ならグリーンシーズンに20万人どうしたら呼べるか。 大町市だったら、実はものすごく大きいですから、面積、地積がね。だからいっぱい、いろいろなネタが転がっていると私は思っています。ですから、ネタを探して、そして、一生懸命で面白いものをつくって、そして、皆でお金儲けをしましょうと。それで一杯やるとこういうことで、ぜひ部長の意気込みを聞かせていただきたい。 ○議長(二條孝夫君) 部長。 ◎産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 実は私も岩岳の和田社長とはちょっといろいろとお話をさせていただいて、なぜ岩岳が今、あれだけのグリーンシーズンが人が入っているかというような、いろいろなお話を聞かせていただきました。 やはり、白馬村のこの開発というか観光振興には、民間の投資が一番担っているところであります。というのはあの白馬村の、例えば岩岳1つとっても、マウンテンハーバー、あそこにいわゆるあの眺望を見るための施設をつくり、そして、あそこの中にいわゆる東京である程度有名な喫茶店を、いわゆるコーヒー屋さんをあそこに入れ、そこでパン屋を焼かし、それでそれを売っていく。それでたまたま今度はその横にブランコを作って、ということになると、それだけやはり投資をしていく。 八方は八方で、いわゆる八方の中間の駅のうさぎ平ですとか、あそこでそういう施設をつくりながら、いわゆる白馬観光開発がそういうことをやっている。 それで、栂池は栂池でアスレチックの途中でやっている。やはりこれは全て民間の主導であります。そしてなおかつ村の中にもスノーピークスの施設ができて、あれもそういう形でやっていると、というようなことで、やはり民間の投資力をいかに引き出すかがこれからの形になるかと思います。 先ほども東山の話もありましたけれども、実は私のところにも民間から投資のお話も実は来てはおりますけれども、それはまだ全然計画の段階というか、お話の段階ですのであれですが、今、例えば青木1つとっても大きく民間のそれぞれの方が動いています。 だから今後、大町市もどうやって投資を呼び込むか。商工で言えば、例えばルートインホテルが駅前にできたということになれば、やはりそれだけ中心市街地の振興になってくるいうようなこともありますので、我々としても、行政単体ではなくて、民間の投資の意欲をどれだけ引き出すかということをこれからやっていきたいというふうに思っています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 市長が何かある。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足して御答弁申し上げます。 まず、冒頭、私自身は総括的な観光振興の市の政策について御答弁申し上げました。総花的である、あるいは作文という厳しい御指摘いただきました。 私どもとしては、まず総括的なお話を私から申し上げた後、各論についてはこの先ほど紹介申し上げた市の観光振興計画に基づいて、各論を担当部長からきちっとお答えする。そんなことですので御容赦いただきたいと思います。 その上で、今担当する産業観光部長からは、外部からの投資を求める、これは何よりも大事。これは白馬村にしてもあるいは安曇野市とも、やはり行政が自ら何か投資をするということはしていないわけです。絶えず外部からの資本によってあれだけしっかりした観光の基盤がつくられている、これは間違いないことです。 ちょうど10年ほど前に、私も外部からの投資ということで、極めてメジャーなアウトドアを中心としたスポーツ店の誘致、最後の最後の場所を選ぶところまで漕ぎつけたんですが、やはりそれは実現しませんでした。 いずれにしても外部からの投資を求めるには、単に営業力だけではなく、それに知恵がなければということで、外部の投資を求めるということについて部長から答弁申し上げましたが、私はその上に外部の投資を入れるための橋渡し役、あるいは橋渡しの機能をどこにどのように求めるか、この辺についてもしっかり頭に置いて取り組んでまいりたい。このように考えるところでございます。 今日の答弁の中で唯一これが具体的な御答弁の1つとお考えいただきたいと思います。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆15番(高橋正君) 白馬村で観光関係の人と話したことありまして、外国人ですけれども。彼らの言葉には非常に重みがあった。どうも大町市に来て観光の話する人の話を聞くと、何か重みがないんです。言っている言葉はすばらしい。しかし、その言葉の裏にある力を感じたいのに感じられない。ちょっと虚しさを覚えています。これはあまりちょっとひどい言い方かもしれません。どうか一つ、大町市の未来のために頑張っていただきたい。よろしくお願いをして、私の質問を終わりといたします。ありがとうございました。 ○議長(二條孝夫君) 以上で、高橋正議員の質問は終了をしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日は、これをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。 △散会 午後3時52分...