上田市議会 2015-11-28
03月04日-一般質問、議案質疑、議案付託-04号
平成27年 3月 定例会(第1回)議事日程 第 1 一般質問 (1)市政について (2)市政について (3)市政について (4)市政について (5)資源循環型社会の構築について (6)市政について (7)市政について (8)高齢者支援・介護及び在宅医療体制の確立について (9)市政について (10)市政について 第 2 議案第1号から第7号 第 3 議案第8号から第16号 第 4 議案第17号から第22号 第 5 議案第23号 第 6 議案第24号から第30号 第 7 議案第31号から第33号 第 8 議案第34号 第 9 議案第35号及び第36号 第10 議案第37号から第40号 第11 議案第41号から第43号 第12 議案第44号から第48号 第13 議案第49号から第51号 本日の会議に付した事件 日程第1から第13まで 出席議員(30名) 1番 林 和 明 君 2番 佐 藤 論 征 君 3番 山 田 英 喜 君 4番 成 瀬 拓 君 5番 松 尾 卓 君 6番 小 坂 井 二 郎 君 7番 金 子 和 夫 君 8番 土 屋 勝 浩 君 9番 松 山 賢 太 郎 君 10番 井 沢 信 章 君 11番 松 井 幸 夫 君 12番 宮 下 省 二 君 13番 原 栄 一 君 14番 池 田 総 一 郎 君 15番 古 市 順 子 君 16番 金 沢 広 美 君 17番 三 井 和 哉 君 18番 下 村 栄 君 19番 西 沢 逸 郎 君 20番 安 藤 友 博 君 21番 尾 島 勝 君 22番 土 屋 陽 一 君 23番 佐 藤 清 正 君 24番 小 林 隆 利 君 25番 南 波 清 吾 君 26番 久 保 田 由 夫 君 27番 渡 辺 正 博 君 28番 半 田 大 介 君 29番 池 上 喜 美 子 君 30番 深 井 武 文 君 説明のため出席した者 市 長 母 袋 創 一 君 副 市 長 井 上 晴 樹 君 政策企画局長 金 子 義 幸 君 上 田 市 宮 川 直 君 交 流 文 化 芸術センター 館 長 総 務 部 長 武 井 繁 樹 君 行政管理課長 中 村 栄 孝 君 秘 書 課 長 室 賀 久 佳 君 財 政 部 長 鈴 木 栄 次 君 財 政 課 長 山 口 武 敏 君 市民参加協働 滝 沢 正 美 君 部 長 上田地域自治 セ ン ター長 生活環境部長 峰 村 万 寿 夫 君 健康福祉部長 小 林 一 彦 君 福祉事務所長 こ ど も未来 田 口 悦 子 君 部 長 商工観光部長 関 恵 滋 君 農 林 部 長 甲 田 國 満 君 都市建設部長 清 水 治 彦 君 消 防 部 長 中 島 裕 明 君 丸子地域自治 片 山 久 男 君 セ ン ター長 真田地域自治 高 橋 義 幸 君 セ ン ター長 武石地域自治 渋 沢 俊 道 君 セ ン ター長 会 計 管理者 足 立 則 男 君 上下水道局長 峰 村 孝 典 君 教 育 長 小 山 壽 一 君 教 育 次 長 西 入 直 喜 君
事務局職員出席者 事 務 局 長 片 岡 文 夫 君 事 務 局次長 金 井 浩 一 君 議会担当係長 清 住 拓 生 君 主 査 両 角 啓 之 君 主 査 久 保 田 進 吾 君 主 任 山 崎 哲 規 君 主 任 柳 澤 裕 見 子 君 午前 9時30分 開議
○議長(下村栄君) これより本日の会議を開きます。 ◇
△日程第1 一般質問(1)市政について
○議長(下村栄君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第13号、市政について、山田議員の質問を許します。山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) おはようございます。先日の市長施政方針でもありましたように、小中学校の耐震化事業がピークを迎えることなどが要因となり、平成27年度の一般会計の
歳入歳出予算総額は715億9,000万円余と、前年度と比較して40億7,000万円余、6%増との提案がありました。また、今後、老朽化が進む公共施設の維持管理等に関する経費の増大が見込まれるとのお話もありましたことから、通告しておりました順番を変更し、初めに
上田駅前ビルパレオについてお伺いいたします。 完成当時、上田駅お城口地区第二種市街地再開発事業竣工に際しての母袋市長のご挨拶にもありましたように、20年の歳月を要し、上田市民の長年の夢であったと多くの方々が期待に胸を膨らませ、完成に至った事業だと思います。公共施設については、昨年9月定例会でも、サントミューゼが年間3億円以上の経費が必要だということを含め質問をさせていただきました。 一般的には収益のある施設であれば、民間で運営し、公共の施設であれば経費を支出してもいいという考えもあるかと思いますが、公共の施設だから幾らでも経費が増大してもいいというものではありません。少子高齢化に伴い医療費も拡大し、人口減少社会により税収も減収してくることが予測されます。また、地方分権も加速し、各自治体の行政運営は、より責任が伴ってくる中で、公共施設も経営感覚を持ち施設運営をしていくべきだと考えております。今回、
駅前ビルパレオについてですが、初めに、建設費はどれぐらいかかり、返済金額は幾らあったのか。また、その返済経過をお伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) おはようございます。
駅前ビルパレオにつきましてご質問いただきました。 この
上田駅前ビルパレオは、上田駅お城口地区第二種市街地再開発事業として高度な土地利用を図り、駅前広場、市営駐車場、幹線道路等と一体的に整備し、商業、文化、情報など、広域的な交流拠点として平成15年竣工いたしました。 建設費のご質問でございますが、駅前を一体的に整備いたしました上田駅お城口地区第二種市街地再開発事業費は全体で約160億円であり、そのうちパレオビルの建設分は約18億5,000万円でございました。起債の総額は27億3,410万円でございまして、これにつきましては、償還計画に基づき平成9年度から返済を始めまして、平成24年度までずっと返済をしてきておりまして、既に償還が終了しているという状況でございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 あれだけ大きな建物ですので、起債の償還までに30年程度はかかるのかなと感じておりましたが、平成24年度に償還されているということですので、今後は経費の支出を極力抑え、運営していただきたいとの思いでありますが、次に平成25年度のテナント賃料としての歳入額と、建設以降これまでの歳入合計は幾らになるのか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) パレオビルの4階から6階までを市が所有しておりますが、4階には
上田情報ライブラリーが整備され、5階と6階を事務所として企業等に賃貸してまいりました。平成25年度の貸付料収入でございますが、5階のフロア全てを使用しておりました企業が平成25年3月末日で退去いたしましたので、平成25年度は6階に入居している企業のみからの貸付料となりまして、約2,400万円余でございます。また、建設以降、複数の企業に賃貸してまいりまして、平成25年度末までの貸付料の収入総額は4億9,500万円余でございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 管理費や損害保険、電気、ガス、水道代、
修繕積み立て費などを含めた
駅前ビルパレオ管理組合法人への負担金は、平成15年度が583万4,000円、平成20年度は約1,750万円増の2,323万9,000円、そこから平成24年度までほぼ同額となっておりますが、平成25年度には約500万円増の2,842万4,000円と増加してきております。平成25年度テナント賃料としての歳入もほぼ同程度とのことでございますが、当初テナント賃料として見込んでいた歳入金額はどれぐらいであったのか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) テナント賃料についてご質問いただきました。 5階と6階の貸付料につきましては、上田駅前の立地条件や周辺の賃貸ビルの状況から、1坪当たり、1カ月税別8,000円の賃料と設定し、床面積の合計が約537坪でありますので、年間で約5,100万円余の収入を見込んでおりました。その後、他の賃貸ビルや社会状況等を考慮し、平成22年度からは賃料を1,000円減額しまして、1坪当たり、1カ月税別7,000円として賃料を設定してきている状況でございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 市民の方から、上田市の一等地にあるパレオには教育委員会ではなく企業などを入れ、収入を上げるべきではないかとの声をいただき、私も同じように感じていたことから、今回、
駅前ビルパレオについて質問をさせていただきました。パレオへの民間企業等の借り手がいなかったため教育委員会を入れたのか。また、全員協議会において、大河ドラマの放送が決まり駐車場の確保が必要なため、上田城やぐら下の教育委員会を解体し駐車場を整備する、それに伴い教育委員会をパレオに移動するとのことでしたが、
大河ドラマ放送終了後は、税金を軽減するため教育委員会のほかの公共施設への移動は検討されているのか。2点まとめてお伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 最初に、教育委員会があそこに入った経過等について説明させていただきます。 平成25年3月に5階フロアから企業が退去いたしましたが、その後、既に入居しております企業から、賃貸スペースを増床したいため、5階の空きスペースを利用したい旨の申し出がございまして、調整を行ってまいりましたが、結局、契約には至らなかったという状況であります。 民間企業からの増床の申し出と並行しまして、5階フロア全体の利活用につきまして、公共的利用も含め検討いたしましたが、引き続き民間企業へ賃貸していくこととし、昨年3月から公募の準備を行いまして、その年、平成26年6月号の広報に募集の掲載を予定していたところでございます。 一方、教育委員会の事務局につきましては、2カ所に分かれている庁舎を一つに統合し、市民の皆様の利便性の向上を図ることや、やぐら下庁舎が手狭で老朽化が進んでいることから、教育委員会の事務所として利用可能であり、必要なスペースが確保できる、新たな移転先の検討を行っておりました。 こうした中、昨年の5月に「真田丸」の放送が決定したところでございます。上田城には、年間を通じ、多くの観光客が訪れることが見込まれ、駐車台数を確保することが非常に大きな課題となりました。これらの課題を解消するため、パレオビル5階につきましては、公募するのではなく、
教育委員会事務局を移転し、事務所として使用することといたしたところでございます。教育委員会の2つの庁舎を1つに統合することで、市民の皆様の利便性の向上が図られるとともに、あわせて町なかのにぎわいの創出にもつなげていきたいという考えでございます。この移転により、やぐら下庁舎を解体し駐車場を整備することにより、公園利用者や観光客の利便性の向上も図られることになるということでございます。 次に、教育委員会のこの後の移動は検討しているのかというご質問いただきました。教育委員会の移転先につきましては、これまでも
教育委員会事務局全体が入る場所を前提に検討してきまして、今回、パレオビル5階に決まったわけでございます。そういったような状況で、
教育委員会事務局は、ことし1月に移転したばかりでもあり、「真田丸」の放送後に別の場所への移転は現在検討しておりません。放送終了後も、引き続きパレオビルでの執務となる予定であります。
教育委員会事務局の移動は当面はないということで考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 全員協議会での行政からの提案のあり方についてですが、ほぼ決定されている内容を報告され、意見などがあればということでございましたが、議員の立場とすれば、検討する時間も必要で、代替案もなく反対するのであれば簡単でありますが、しっかりと考えた上で提言してまいりたいと思いますので、調査する時間が欲しかったというのが今回の件に関しての私の率直な思いでありました。 次に、パレオ6階には、今の時点で1区画あいている状況かと思います。先ほどの
パレオ管理組合法人への負担金には
修繕積み立て費なども含まれておりますが、完成から11年が経過し、修繕費の部分も増加してくることが予測されます。あいている期間を極力なくすため、今後、パレオへの
テナント利用者の確保に向けた取り組みはどのように行うか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) パレオビルの今後の利用者確保につきましてご質問いただきました。 現在、パレオビルの5階は教育委員会の事務局が使用しておりますので、今後は6階のみを賃貸していくこととなります。6階のフロアには民間企業3社が入居しておりますが、昨年10月末に1社の業務縮小により、1区画149.3平米、約45坪があいている状況でございます。現在、2件、入居の問い合わせをいただいておりまして、入居に向けて、調整、交渉しているところでございます。空きスペースへの入居につきましては、地域経済の活性化に寄与し、事務所として利用される企業等に限られますが、今後も賃貸収入の確保や駅前のにぎわいの創出といった視点により、適正な入居者の確保にしっかり努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 次に、昨年9月定例会にて質問させていただいた、合併後調整が必要な1,998項目のうち残された13項目の一つであります体育施設の使用料金についてお伺いいたします。これまで公民館等の使用料金が改定されてきた中で、旧4市町村の
体育施設使用料統一がなぜここまで時間がかかるのか。さまざまなことが考えられますが、原因の一つとして、
教育委員会組織が大き過ぎることも挙げられるのではないかと感じております。
教育委員会事務局が所管する公民館や図書館などを含め42の担当があり、嘱託を含めると290人が勤務しております。7カ所の34人であります商工観光部と比べますと約6倍です。
教育委員会組織が幅広く教育長や教育次長の目を全体に行き届かせるのが困難なことも、原因の一つではないかと考えております。 私は、昨年9月一般質問において、体育施設の料金体制と同時に利用状況なども示し、早期の改正を望み、質問いたしました。改正時期の目標としては、使用料の統一には消費税率の見直しも含みながら、関係条例の改正も予定されておりますことから、スポーツ施設の使用料統一につきましても、平成27年度中の条例改正を目指していきたいと考えておりますと答弁をいただきました。 消費税の見直しにあわせて行うとの方針のようですが、周知のように10%への消費税率の見直しは1年半延期されました。この影響により庁内全体の関係条例の改正は延期されることと思いますが、この状況を踏まえ、初めに現在の進捗状況をお伺いいたします。
○議長(下村栄君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君)
体育施設使用料の改正について、進捗状況についてご答弁を申し上げます。 旧市町村間の体育施設の使用料につきましては、差異があったままという形で現在に至っておりました。この統一につきましては、その後、是正、統一に向けまして、
事務担当者レベルでの会議を重ねてまいってきたところでございます。近隣市町村の状況も参考に、まちまちでありました開場時間の統一、利用時間を1時間単位に統一することや、体育館、グラウンド及び柔道、剣道場につきましては、施設の面積をもとに規模に応じて3段階に分類し、またテニスコート及びゲートボール場につきましては、屋内と屋外の分類、さらには類似施設は料金を統一することなどを基本方針として、現在調整を行っている段階でございます。 また、電灯使用料等につきましては、照明設備の使用ワット数を把握するとともに、実費相当額を基本に新たな電灯料金の設定を検討している状況にございます。あわせまして、使用料の減免規定につきましては、利用される団体の性質や活動内容等を把握し整理する中で、減免率の細分化を検討している状況でございます。 平成26年9月議会におきまして答弁いたしましたが、平成27年10月に予定されておりました消費税の見直しにあわせ、新たな統一方針のもと、平成27年度中に使用料改定に伴う体育施設条例の改正を目指しておりました。その後、昨年11月でございますが、消費税率10%への引き上げ時期の見直しがございまして、平成29年4月からとすることが示されました。こうしたことから
体育施設使用料の改定の時期も再検討している状況でございます。 以上です。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 昨年9月の質問でも、料金体制の違いから、それぞれの体育館によって使用人数に大きな差異があり、丸子総合体育館では年間延べ3万6,933人、真田体育館では3万3,595人、
上田城跡公園体育館では6万人以上と。一方、私の自治会から一番近い市民の森体育館では年間延べ4,729人と、大きな差があります。このことなどから、料金設定が減免されている、または料金設定の安い利用者が多い施設では予約のとりにくい状況が続いていることを指摘させていただきました。過去にも改正案をつくり、対応してきたとのことですが、さまざまな理由があり、実現には至っていないとのことです。再度、改正時期が延期となれば、目標を含め、市民に納得のできる理由を示す必要があると考えますが、どうお考えか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君) 改正時期のことについてご答弁いたします。 上田市の公共施設等の使用料につきましては、平成26年4月の消費税8%への引き上げ時におきましては、
消費者物価指数変動率と消費税率の上昇率が相殺できましたことから、改定をせずに使用料を据え置いたという経過がございます。
スポーツ施設使用料の改定の時期でございますが、消費税改定に先行して使用料を設定した場合、一、二年の間に2度の改定も考えられることから、かえって市民の皆様にご迷惑をおかけすることが想定されます。また、現在、全庁的に類似施設間における使用料設定の見直しを検討していることから、
スポーツ施設使用料につきましても、それに合わせることを基本として検討しておりまして、改定に向け、スピード感を持って鋭意取り組んでまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。 なお、改定内容につきましては、今後、
スポーツ推進審議会におきましてご審議をいただき、市民の皆様へも十分周知を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 それぞれの施設の年間の利用人数に大きな差がある現状を考えても、料金改定を早期に、また柔軟に行っていただき、利用しやすい状況をつくっていただくことを望むところであります。全庁的な条例改正に合わせるということでしたので、今後も動向をお伺いさせていただきます。 それでは、次に大河ドラマと観光客の安全対策についてお伺いします。やぐら下駐車場から上田城に上る階段が急なことと、階段の幅がさまざまで、すれ違う際などにも狭くて危険だという声を多く聞きます。私も先日、現地に行き、確認をしてまいりましたところ、前日に雨が降ったこともあり、危険だと感じました。旧教育委員会が駐車場になり、上田城やぐら下の駐車場もあることから、大変多くの観光客が利用される階段です。史跡内ということで整備が難しいとのことですが、史跡外も含め、別ルートでの整備を考えているか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) やぐら下の
城跡公園駐車場から上段の公園内への階段の整備についてご質問いただきました。
NHK大河ドラマ「真田丸」の放送に伴いまして、上田城跡公園へ1年を通じて観光客の増加が予想されます。やぐら下の
上田城跡駐車場から上段の公園内へのアクセスについては、ケヤキ並木遊歩道から二の丸橋へと至る通路と芝生広場北側の階段を上って西やぐら脇に通じる通路の2つが現在ございます。 議員、今ご質問のは、この西やぐら横の階段かとは思いますが、これにつきましては、尼ケ淵の景観と地形等を考慮して、15年ほど前に現在の急な階段を設置したものでありますが、史跡指定地内にあることから、現状の構造を大幅に変更することについては、文化庁の許可を得ることは難しい状況でございます。このため、歩行者の皆様が安全に通行できるように、平成24年度には急な階段部に金属製の手すりを設置したところでありますが、勾配の改変は非常に難しいということでありまして、今後も維持修繕を行い、安全性については、そういった面では確保してまいりたいと考えております。 もう一方のケヤキ並木遊歩道から二の丸橋へ至る通路につきましては、階段を上った先の歩道が狭く、千本桜まつり時など多くの観光客の皆様が通行する場合には歩行者が車道にはみ出すといった状況にもなっております。現在は、この通路に観光客が集中しているため、これを分散させる改善策として、二の丸橋の北側に上段の二の丸通りの歩道へ通じる既存の階段がありますが、この階段部付近において、新たに勾配を緩くし、幅員を広げるなど改良した園路整備を平成27年度、新年度ですけれども、進める予定であります。 今後、イベント時の混雑時には、改良する二の丸橋北側の園路と今までの南側の階段の2つのルートについて、それぞれ上り、下り専用とすることなども検討し、来園者の皆様の利便性と安全性の向上を図ってまいりたいと考えております。また、この園路整備に伴い、観光客の皆様に安全なルートを通っていただけるように、やぐら下の
上田城跡駐車場から二の丸橋北側のルートについても、案内板等でわかりやすく表示をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 次に、現在、ここ市役所の隣、第二中学校の建設が進んでおります。卒業式までに完工するとの計画でありますが、心配なのが旧校舎です。現在、既に「真田丸」放送決定に伴い、観光客が増加しているとのことです。放送が近づくにつれ、今後、さらに増加し、第二中学校旧校舎周辺も観光客や観光バスが多く通ります。また、新校舎で生徒たちも学校生活を送る中、旧校舎の解体も近いうちに始まることと予想されますが、観光客への影響と、どのように安全対策をとっていくのか、お伺いいたします。
○議長(下村栄君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君) 大河ドラマと観光客の安全対策ということで、第二中学校の校舎解体に伴う安全対策についてご答弁申し上げます。 第二中学校改築事業は、平成27年3月中に校舎や屋内運動場が竣工する予定で進んでおります。新校舎への引っ越しが終了した後に、旧校舎と屋内運動場を解体する工程となっております。旧校舎、また屋内運動場の解体工事は4月に着工の予定でございます。第二中学校周辺は、千本桜まつりに訪れるお客様や「真田丸」による大勢の観光客の皆様が通行することが見込まれております。また、生徒、教職員が敷地内の新校舎を使用していることから、施工に当たっては工事箇所をフェンスで囲んで、外部と完全に遮断した中で解体を行い、また大型車両の出入りの際には、必要に応じて交通誘導員を配置する予定でございます。 また、校舎を解体した後には、校庭やテニスコートの造成、植栽、ネットフェンスや塀の建設等の外構工事を計画しておりまして、今後の工事も含めまして安全面には最大限配慮して進めてまいります。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 山田議員。 〔3番 山田 英喜君登壇〕
◆3番(山田英喜君) 答弁いただきました。 「真田丸」放送決定を受け、昨年の大河ドラマであります黒田官兵衛の舞台になりました姫路と、ことし放送されております「花燃ゆ」の舞台になりました山口県萩市へ視察に行ってまいりました。姫路は、戦時中、姫路城周辺がほぼ全壊したこともあり、姫路城を中心としたまちづくりが進められ、大河ドラマで急増する観光客にも慌てることなく対応しておりました。また、山口県萩市では、武家屋敷などがすばらしい状態で残っていることもあり、駐車場さえ整備すれば観光客に満足して帰っていただけると、迎え入れる体制が万全であるとの印象を受けました。 一方、上田市は、蚕糸業からものづくりのまちとして発展し、工業を中心として栄えてきたこともあり、急増する観光客の受け入れが大きな課題の一つともなっております。大河ドラマの放送が決定して、期間の短い中、ソフト、ハードともにできる限りの準備をしていかなければならず、大変スケジュールが厳しいことと思いますが、完成の目標などを含め、駐車場整備の概要をお伺いいたします。 また、旧青少年ホームや旧市営プールなど、上田城跡公園周辺の解体施設の予定と安全対策についてはどのようにお考えかお伺いし、私からの質問を終わります。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 上田城跡公園周辺駐車場の整備につきましては、3カ所の駐車場の整備を進めてまいりたいと考えて計画しております。 最初に、上田城跡北駐車場の整備でありますが、青少年ホーム等の解体工事が7月に完了するという予定でありまして、その後、教育委員会による史跡に関する発掘調査を実施する予定でございます。発掘調査の終了後、秋には整備工事に着手し、平成27年度内の完成を目途として工事を進めたいと考えております。 規模でございますが、約7,100平方メートルの敷地に常時利用できる駐車スペースとして、青少年ホーム跡地付近に約110台が駐車できるよう計画しております。また、隣接します50メートルプール付近は文化庁の史跡指定地内でありますので、イベント時以外の通常期は多目的広場として開放し、千本桜まつりなどのイベント時は臨時の駐車場として約110台とめられる計画としてございます。青少年ホームとプールのところを取り壊してということでございまして、これにより駐車台数は合わせて最大220台程度になる予定でございます。 この新たに整備する北駐車場への出入り口につきましては、現在の青少年ホーム駐車場の出入り口は非常に狭いため、この場所より北側に新たに用地を確保し、出入りが安全にできるように必要な幅員をとるなど、利便性の高い駐車場を計画してまいります。 この駐車場への経路となる天神町新屋線、通称二の丸通りでございますが、これは片側1車線でございまして、この駐車場へ大型観光バスを誘導することになると、さらに渋滞となることが予想され、隣接する消防署、病院への緊急車両の出入りも難しい状況でありますので、北駐車場は普通車の駐車場として整備してまいりたいと考えております。 2つ目の駐車場整備でございますが、先ほどもご質問ありましたが、解体中の旧教育委員会のやぐら下庁舎の跡地の約3,600平方メートルに、こちらにつきましては大型観光バスに対応した約30台収容可能の駐車場を整備する計画でございます。 3カ所目ですが、先ほどの旧やぐら下庁舎跡地の市道を挟んだ北側の用地約1,000平方メートルを確保し、普通車用の約30台駐車可能な駐車場を整備していく計画であります。 これらのやぐら下2カ所の駐車場につきましては、大河ドラマ放送前には完成するように整備したいと考えております。 以上、城跡公園周辺に整備する3カ所の駐車場を合わせまして、新たに普通車につきましては約250台、大型車につきましては約30台が収容可能になる予定であります。いずれにしましても、これらの駐車場を整備し、城跡公園への受け入れ態勢の整備を図ってまいりたいと考えております。 次に、青少年ホーム等の解体に際しての安全対策についてご答弁申し上げます。観光客の増加に伴うハード整備の一つとして、先ほど申し上げました城跡北の駐車場の整備をするということで考えておりまして、これには勤労青少年ホームと市営プール等の解体工事を行う必要がございますが、工事の予定としましては、ことしの千本桜まつりがありますので、その終了後の5月から着手し、7月末を目途に、建物、構造物等の撤去を完了したいと考えております。 解体工事につきましては、既存の勤労青少年ホームの駐車場を一定程度確保しながら工事を進める計画でありますが、公園やテニスコート利用者に配慮し、十分な安全対策を行う必要があります。このため、工事箇所に公園利用者が立ち入らないように、誘導員の配置や工事区域の周囲全体に仮囲いを設置し、工事箇所と利用者を明確に分けることにより、公園利用者や観光客の皆様の安全確保最優先として工事を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(下村栄君) 山田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午前10時06分 休憩 ◇ 午前10時20分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(2)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第14号、市政について、金子議員の質問を許します。金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 通告に従い質問させていただきます。 昨日の原議員の質問と重複するようですが、私は大屋駅周辺の交通渋滞についてお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。 6月議会でも質問させていただきましたが、しなの鉄道大屋駅周辺の国道152号の渋滞問題ですが、現在、隣接する東御市海野バイパス工事が進められているが、上田市と東御市との境には県道大屋停車場田沢線と東御市市道で境界があります。その境界箇所ですが、私の稚拙な説明ではご理解しづらいかと思いますが、大屋駅側から東御市方面に向かって、県道大屋停車場田沢線の千曲川側は東御市で、県道大屋停車場田沢線しなの鉄道側は上田市と複雑な境界であるとともに、両市の境界が県道と東御市市道となっております。そこで、このたびの海野バイパス工事に伴い、両市で工事終了後の道路事情についての協議は行われたのかを伺わせていただきます。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 海野バイパスの関係で、東御市との間で協議はされてきたのかというご質問いただきました。 この海野バイパスは、東御市の東部浄化センター付近から上田市境までの千曲川沿いの延長630メートルの東御市の市道でありまして、この整備により本海野の白鳥神社前から大屋境までつながり、観光地である海野宿を迂回するバイパス道路となるということでございます。旧北国街道である現在の東御市の市道は、観光地や生活道路でありながら歩道がなく、小中学校などの通学上、危険であることから地元住民から要望が出され、東御市が工事を進め、この3月末の完成予定で進めてきた道路でございます。 昨日、原議員の質問にもご答弁申し上げましたが、これまで上田市の大屋及び東御市の海野の関係する3自治会と両市で構成する大屋・海野地域道路整備推進協議会が平成19年に設立されまして、情報交換や各種協議をしながら、道路計画や整備を進めてきたところでございます。 また、平成22年10月に、大屋駅周辺に道路計画策定及びこれに関する調査研究並びに連絡調整を行うことを目的に、関係します上田市の大屋、石井、坂井、狐塚、南方自治会及び東御市西海野、本海野区の7つの自治会と国土交通省長野国道事務所、長野県建設部道路建設課、上田建設事務所及び東御市、上田市で構成されて、県が主体となって大屋駅周辺道路計画検討委員会を設置し、大屋駅周辺道路の整備計画について検討し、地域の皆様の意見を反映させ、平成24年度に大屋駅周辺道路整備事業実施に向けた提言を取りまとめてきたところでございます。この検討委員会では、地域住民と行政が一体となって、国道152号バイパスや大屋駅周辺の道路整備計画のあり方や進め方について検討をしてきたということでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 それぞれの団体の中で十分に協議をされてきたというご説明でありました。長野県と東御市の工事のことですから仕方がないかもしれませんが、昨日の説明の中で明らかになりました上田市側と東御市側の道路の幅の違い等々、計画に私なりに心配は残りますが、そのことは今回の質問に余り影響がありませんので、今後の動向を注視させていただき、次の質問をさせていただきます。 海野バイパス開通に伴い、国道18号、本海野、海野宿入り口交差点から海野バイパスを通過してくる車両の増加が予想されるわけでありますが、大屋駅周辺への影響がどのようになるのか予測されているのか、伺います。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 開通に伴う影響についての予測についてご質問いただきました。 大屋駅周辺の交通量につきましては、平成21年に東御市が、海野バイパスの整備に伴い、上田市境の県道のところで交通量調査を実施しました。1日約3,000台でございました。この結果等をもとに、20年後の平成42年では1日約2,900台と減少すると推測されております。また、平成18年度、長野県において上田都市圏総合都市交通体系調査が実施されましたが、その結果を見ましても、平成42年では微減すると推測されております。しかしながら、昼間の通行に関しましては、海野宿への観光ルートとしてバスなどの大型車等の交通、これは見込まれると想定されますので、大屋駅前通りには一定程度の交通の増加があるものと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 将来的には微減する。または、これから先、バイパスの開通に伴い、大型車両の通行が予想されるということでありました。当初、9月開通予定でありました市道丸子小牧線も開通が早まり、7月には開通し、国道152号の丸子長瀬周辺の渋滞緩和が予想されますが、今後、大屋駅周辺を含む国道152号の渋滞解消策としてどのような道路改良が予定されているのか、伺います。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 大屋駅周辺の渋滞対策についてご質問いただきました。 先ほどの大屋駅周辺道路計画検討委員会での提言にもありますように、大屋駅周辺を含む国道152号の渋滞解消策として既に実施しておりますのは、石井交差点の改良や東郷橋ミニバイパス、踏入大屋線の改良、それから先ほどご質問にもありました丸子小牧線のトンネル化、また県道上田塩川線と丸子小牧線との交差点改良などがございます。これは引き続きやっているところもございます。 また、今後の計画としましては、大きなものとしましては、上田市の都市環状道路にも位置づけられております国道18号上田バイパスや国道152号バイパス、それから昨日答弁いたしました県道大屋停車場田沢線の改良、また東郷橋入り口及び長瀬北街道の交差点改良、こういったものが計画されているということでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 着々と国道152号渋滞緩和に向けた周辺道路整備が進み、なおかつ今後予定されている計画をお聞きいたしましたが、やはり大屋駅前のロータリーと交差点の構造が変わらない限りは大幅な渋滞解消につながらないと思いますが、大屋駅周辺と国道18号の渋滞解消に向けて、大屋地域の皆さんの考え方が重要と思われます。上田市として大屋駅周辺住民の要望をどのように捉えているのか、伺います。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 大屋の皆さんの考え方等についてご質問いただきました。 先ほど申し上げましたとおり、大屋地域の皆様とは、関係する周辺自治会や各道路管理者で構成する協議会や、先ほどの検討委員会にもご参加いただき事業推進を図っていただいているほか、大屋自治会からも152号バイパスを初め大屋停車場田沢線の改良、さらには国道18号上田バイパスについてもご要望をいただいておりまして、地域からの強い要望として捉えております。 市といたしましても、大屋駅周辺は県内でも有数な渋滞箇所であり、国土交通省と長野県が選定した主要渋滞箇所で、いらいら箇所となっていることは認識しておりまして、その解消を図る必要があると考えているところでございます。 以上です。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 私としては、かねてより話題に上がっております国道152号バイパスの完成が大屋駅周辺の渋滞解消の切り札だとずっと考えてまいりました。ところが、いつの開通になるのか、めどがつきません。大屋駅周辺の交通渋滞緩和の大きな役割を国道152号バイパスでは果たさないのではないかと私は考えております。このたびの海野バイパスの工事を東御市が進めたことにより、大屋駅前からの県道大屋停車場田沢線の工事を進めないほうが大屋駅前周辺の交通渋滞は悪化しないのではないかと思うわけであります。 そこで、先ほど部長からも説明がありました平成24年3月、大屋駅周辺道路計画検討委員会が作成した報告書を改めて熟読させていただきました。国道152号バイパス以外の整備計画も、実施されたものとされていない計画があります。上田バイパス延伸予定の4.1キロメートルの供用開始も、きのうのご説明にもありました、神川にかかる橋梁の大規模な工事と、また長期化する、そんな予想の中で、まだまだ時間のかかる話であります。上田バイパスと国道18号の合流点も定まらないまま、東御市側は海野バイパスの工事を進めている状況の中で、国道152号バイパスに着手するのは夢のまた夢のような気がしますし、実現されるのかも疑問であります。 そもそも明治29年に国内で初めての請願駅として大屋駅が誕生し、その後、自動車社会の到来で信越本線大屋駅を中心に国道18号と千曲川のわずか200メートルほどの間に国道152号を通しているわけであります。現在の大屋橋も昭和48年にかけ替えられてからは、大きな変化がないまま今日に至っております。明治時代からの交通インフラを現在の状況に無理やりおさめているわけであります。乱暴な言い方をすれば、国道152号の渋滞を解消するためには大屋駅を現在の位置からなくしてしまうくらいの意見が出ても不思議ではありません。旧JR東日本時代から変わらない無駄なスペースが大屋駅構内や隣接する上田市所有や、しなの鉄道と並行に通る市道などを有効利用して、抜本的な大屋駅前改修は考えられないのか、伺います。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 大屋駅周辺の渋滞解消に向けた対策についてご質問いただきました。 大屋駅前を通過する国道152号は、東信と中南信を結ぶ主要幹線道路としての機能に加えて、依田窪方面から大屋駅の通勤、通学道路として、さらには大屋地域の生活道路としての機能などが集中しております。交通量も平成22年の交通センサスでは、1日の交通量1万5,800台ということで、非常に多い道路であります。また、東郷橋入り口交差点から国道18号大屋交差点までの約1.3キロメートル間に交差点が5カ所ありまして、特に駅前交差点での主要交通である上田市街地と丸子方面の通行、これがクランクとなっているということでございます。また、大屋橋、大屋駅などがあり、構造的、地形的、さらには地理的な要因が複雑に重なっている箇所でございます。このように大屋の駅前において通過交通に加えて、通勤、通学や生活道路などの交通が集中している、こういったことが渋滞の大きな要因であると考えられ、これらの交通を分離することが必要であると考えられます。 議員ご提案ございましたが、大屋駅は交通結節点として非常に重要な機能があり、地域の拠点であります。これを生かすためにも、国道18号や国道152号のバイパスを整備し、駅前から通過交通を排除していくことが渋滞解消の抜本策であると考えております。したがいまして、市としましては、検討委員会で出された幾つかの提案がございます。こういったもの、市でやるものは市でやる、それから県でやる、あるいは国でやるもの、特に大きなのがバイパス事業でございます。こういったものにつきましては、少しでも事業が進みますよう、国、県に対しまして引き続き強く働きかけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 大屋駅周辺住民の方々は渋滞箇所の当事者でありますので、安全確保は当然必要であります。大屋駅周辺の渋滞に困っている方々は、大屋駅周辺の特異な形状と国道152号に悩まされているわけであります。合併して10年を迎えます。上田市内の道路状況で移動時間を縮めることが、丸子、武石を含む周辺地域の心の距離を縮めることに期待して、今後も訴えてまいります。 次の質問に移らせていただきます。上田市のワインにかかわる現状についてお尋ねいたします。昨年、11月28日、蚕都上田ラ・サンテボナール構造改革特別区域の認定を受けました。ワイン特区の認定を受けたことにより、長野県が進めている長野県ワインバレー構想に今すぐにでも参加できるようなイメージを上田市民は抱いてしまいがちであります。ワイン特区の認定を受けて、最低製造数量が基準6キロリットルのところ、果実酒で2キロリットルから製造できるようになったわけでありますが、2キロリットルといえば、ワイン大瓶720ミリリットル換算で2,880本ほどになります。ワイン用ブドウの収量も3トン近い収量が必要とされます。一日でも早く上田市産のブドウが長野県内で醸造され、この地域で生まれたワインの完成が待ち望まれるわけであります。もっと言えば、上田市にワイナリーができることが望まれるわけであります。 また、2日前の久保田議員の代表質問にもありましたが、上田市が乾杯条例を制定した暁には、地元の日本酒とともに上田市のワインで乾杯したいものであります。 そこで、上田市としてこの地域にワイン文化が定着するために、これまでどのような取り組みをしてきたのか、伺います。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) ワイン文化の定着のための取り組みについてでございます。 長野県におけるワインに関する産業は発展過程であり、今後、生産地の拡大と生産者の拡充を初め、さらなる技術力の向上を加え、ワイン市場は拡大、発展していく可能性があることから、県におきましては、気候や土壌がワイン用加工ブドウの栽培に適しており、県内各地でワイン用加工ブドウやワインの生産が盛んな本県を信州ワインバレーと位置づけ、栽培から醸造、販売、消費にわたる振興策として、平成25年3月に信州ワインバレー構想を策定したことはご承知のとおりでございます。 当市におきましては、平成14年度から地域づくり総合支援事業を活用し、県の農業開発公社の協力をいただき、丸子地域の陣場地区の集団的な遊休荒廃農地を解消し、ワイン用加工ブドウの生産地として再生活用することとし、地域農業の活性化を図るために、現在まで20ヘクタールを超える造成を完了し、約7万本を植栽し、現在、年間90トンの収穫量を確保するまでに至っているという状況でございます。 この生産地でありますマリコヴィンヤードにおきまして、栽培方法などの試行錯誤を重ね生産されたワイン用加工ブドウにより醸造されたワインが国内のワインコンクールにおいて金賞を受賞したのを初め、ワインの本場であるフランスで行われた国際ワインコンクールにおいても金賞を受賞し、原料としてのワイン用加工ブドウそのものも称賛されたということでございます。このことは以前から申し上げておりますが、当市においては気候が夏の日照時間が長く、高温である一方、夜の気温が低く、寒暖の差が大きいという気候的条件に加え、南向きで日当たりがよい緩傾斜地が多く、地形的条件にも恵まれていること、そして、ブドウの糖度が高まり味が凝縮するとして植栽に適していることから、生産地として最適であることを証明されたことであり、市といたしましては、これまでワイン用加工ブドウの生産者の拡充と生産量の拡大を図るため、大手ワインメーカーであるメルシャン株式会社に対しましてワイナリー誘致について、強く要望してきたところでもございます。 また、信州ワインバレー構想を構成する千曲川ワインバレーの一翼を担う当市として、構造改革特別区域法に基づくワイン特区の認可申請をし、昨年、蚕都上田ラ・サンテボナールの特区名で認定を受けたところでもございます。これを機に、既にワイナリー設置を視野に入れ、当市における生産を希望する経営体の問い合わせ等がありますが、さらに大手ワインメーカーのほか、生産者みずからがワイナリー設置に向けた意欲を持つよう、現在、生産者の生産農地の確保等に係る問い合わせに対しまして候補地の情報提供等の支援に努めており、さらなる生産者の拡充と生産量の拡大を図ることにより、将来的に当市において独自のワイン文化が定着していくことに結びつけたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 近隣の市町村でもワイン産業に力を入れております。東御市では、既に4ワイナリーが稼働し、ことしじゅうには5つのワイナリーになる見込みであります。民間で千曲川ワインアカデミーを設立して人材育成にも努めております。来年度の予算もワイン関連で2,000万円近い予算を計上しております。青木村や坂城町でもワイン生産を始めておりますし、長野市、中野市、須坂市も既存のワイン用ブドウ生産に力を入れております。高山村では、元大手ワインメーカー社員を産業振興課農政係に採用もしております。各地で行政主体のワインフェスティバル等を開催しておりますが、今後、上田市としてどのような取り組みをしていくのか、伺います。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) 現在、長野県産ワインのブランド化を目的といたしまして信州ワインバレー構想を実現するため、県内のワイン産業に携わる関係者が一丸となって、ブランド化と県内ワイン産業の発展に資することを目的とした組織といたしまして信州ワインバレー構想推進協議会を立ち上げ、同協議会においては、当該構想の中に位置づけられた千曲川ワインバレーを含む県内の4つのワインバレーの定着とワインバレー相互の連携を図ることに努めておるところでございます。 市といたしましては、当市が栽培適地であること、ワイン特区を取得したこと等を勘案いたしますと、信州ワインバレー構想推進協議会が計画し、実施する事業とあわせて、これまで丸子地域の陣場台地研究委員会が実施されてきました収穫体験、ワインを楽しむ会、ワインセミナー等のイベントを継続して実施するとともに、先ほど申し上げましたとおり、まずは生産者の拡充と生産量の拡大を図るための事業を実施してまいりたいと考えております。 また、ワイン用加工ブドウの生産に関しましては、信州ワインバレー構想を実現するための一環であるとともに、千曲川ワインバレーがその構想の一翼を担う地域として位置づけられていること。そして、千曲川ワインバレーを構成する市町村が信州ワインバレー構想推進協議会をも構成していることを踏まえ、当推進協議会の趣旨に立脚し、構成する市町村が相互に連携し、一丸となってバランスのとれた千曲川ワインバレーの形成と定着に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員。 〔7番 金子 和夫君登壇〕
◆7番(金子和夫君) 答弁いただきました。 昨年10月26日にオープンした銀座NAGANOは、既に28万人の集客がある人気スポットであります。銀座NAGANOにあるショップスペースには、常時70種類の県内にゆかりのワインが販売されております。当初は長野県原産地呼称委員会認定の長野県産ワインの販売しか行われないと私は思っておりました。しかし、上田市でブドウが生産され、県外で醸造されたワインも、わずかですが、店頭に並び、即完売してしまったとのことであります。県内各地の市町村が、しあわせ信州シェアスペースを活用して特産品を販売しております。また、この3月14日に開通が待たれます北陸新幹線の金沢までの延伸で、長野県内のワインもグランクラスで発売されるそうでありますが、沿線のワイナリーとうたっておりますが、実は塩尻のワインが販売されるそうであります。 12月議会が終了しましてから、我々の会派新生会では、しなの鉄道株式会社の藤井社長に、上田市としなの鉄道のかかわりについてご講演をいただき、観光列車「ろくもん」に乗車してまいりました。藤井社長は、「ろくもん」に対しまして、この地域に新しい観光地をつくる、そういう思いを込めておられました。「ろくもん」の食事メニューに飲み物リストがあるわけでありますが、東御市のワインはありました。ですが、なぜか沿線から外れたところの日本酒が提供されておりました。沿線各駅でそれぞれの催しを考えていただいているそうでありますが、我々が乗車したときには上田駅では、真田の六文銭をあしらった陣羽織を着て記念写真のサービスの提供でありました。田中駅では、東御市の銘菓が、お店のスタッフみずからが乗り込んできて乗客お一人お一人に手渡してくださいました。後からお土産として上田市の銘菓も配られましたが、観光客の受ける印象は推して知るべしであります。途中、飲み物リストとは別にグラスでワインの販売がありましたが、それも須坂のワインでありました。「本日だけ特別なワインを料理長から皆様にご紹介させていただきますが、この1本で終了です」、そう言われると、観光客の皆さんは、こぞって飲まれておりました。 上田市産のブドウが上田市内でワインに醸造されるまでには、しばらく時間がかかりそうでありますが、上田市には千載一遇のチャンスである「真田丸」放送を控え、一刻も早く大手ワインメーカーに上田市オリジナルワインを販売していただかなければいけないと思います。大手ワインメーカーへの積極的な働きかけを上田市として今後どう考えていくのか。そして、今後、ワインにかかわる施策にどのように取り組んでいくのかを伺い、私からの質問とさせていただきます。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) 上田市をよりアピールできるよう、大手ワインメーカーへの働きかけについての考え方でございます。 当市の地域資源や観光資源を対外的にアピールする、いわゆるシティーセールスを行うことは、まさに上田市を売り出すということでございまして、例えば当市の地域資源であるワイン用加工ブドウを生かしたオリジナルワインを製造し、そのワインによるシティーセールスを行うことは、当市がその生産地であることの認識を深めることにつながり、ひいては観光客を呼び込み、当市を経済的に活性化させることが期待できるものと考えておるところでございます。 そのためにはセールスポイントの一つとして、オリジナルワイン等を開発、製造することについて検討する必要がございますが、現時点では課題といたしまして、まずはワイン用加工ブドウの生産者の拡充と生産量の拡大、さらには市内へのワイナリーの設置、これが課題として挙げられております。そのことに鋭意努め、将来的にシティーセールスとしてアピールできる時期と判断した場合には、シティーセールスの協力をいただくこと等について大手ワインメーカーに働きかけることは大変重要な手法であると考えておるところでございます。 続きまして、今後のワインにかかわる施策でございます。当市におきましては、先ほど申し上げましたが、気候的、地形的条件がワイン用加工ブドウの生産に適していることから、既に大手ワインメーカー2社が丸子の陣場地区と塩田の東山地区において、契約栽培あるいは自社栽培をしており、陣場地区では年間90トン、東山地区では年間55トンの収穫量を確保しているところでございます。 こうした状況の中で、市といたしましては、先ほど申し上げました県におけるワイン産業の振興にかかわる機運と当市における気候的、地形的条件を踏まえ、加えて遊休荒廃農地の再活用の観点に立ち、上田地域において東塩田地区あるいは真田地区、あるいは武石地区においてワイン用加工ブドウの栽培に参入している農業生産法人等があり、今後、徐々にではありますが、ふえつつあると推測しているところでございます。 そこで、信州ワインバレー構想の一翼を担う千曲川ワインバレーを構成する市として、ワイン用加工ブドウの栽培を新規就農する生産者の皆様には、信州ワインバレー構想推進協議会において計画、実施された事業等の情報と経験豊富で熟練した農業者について栽培技術を習得する里親制度についての情報を提供し、それらを活用することでワイン用加工ブドウの栽培技術や経営ノウハウ等を身につけていただくとともに、遊休荒廃地農地の解消や地産地消の推進をも視野に入れ、今年度から実施している農地中間管理事業を有効活用し、集団的な農地の確保を図り、千曲川ワインバレーの形成に向けた取り組みに鋭意努めてまいりたいと考えております。したがいまして、その入り口において取り組む財政的支援策として、今議会にワイン用加工ブドウの苗木や棚等の資材の購入経費を補助するための所要の予算案を上程したところでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 金子議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午前11時00分 休憩 ◇ 午前11時15分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(3)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第15号、市政について、古市議員の質問を許します。古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) 通告いたしました2点について質問いたします。 最初に、学校給食について質問します。食育基本法では、食育は生きる上での基本であり、知育、徳育、体育の基礎となるものとされています。学校給食は、子供の食育の中核であり、正しい食の知識や選択力を習得し、生涯の望ましい食習慣の実践力を培うという狙いがあります。学校は家庭の食育推進の最大のサポーターでもあります。学校給食は、教育上、大変重要な役割を担っていますが、市の認識はどうでしょうか。また、市民に対して学校給食の重要性を広く発信すべきですが、見解をお伺いいたします。 上田市の学校給食のあり方については、学校給食運営審議会の答申が平成23年6月に提出されています。これを受けての基本計画の策定について、私は平成25年12月議会で質問いたしました。教育長の答弁は、早急に教育委員会としての考えを固め、全庁的な合意形成に努めていく。市長の答弁は、長きに達していると感じている。改めて指示を出し、市長部局との合議も進め、計画策定を早めなければならないとされています。あれから1年3カ月が経過いたしました。計画策定の進捗状況を伺って、第1問といたします。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 学校給食についてのお尋ねでございます。 議員ご指摘のとおり平成17年に食育基本法が制定され、その中で学校給食について、あるいは食育についての理念がうたわれました。この食育基本法の制定を受けまして、平成20年には学習指導要領の中で学校における食育の推進が明記され、学校給食法の目的も、50年ぶりに栄養改善から食育へと改正されました。 上田市の各学校においても食育を積極的に進めており、学校給食を生きた教材として、食事の重要性、健康の保持、増進のための食事のとり方等について、担任とともに養護教諭、栄養教諭、栄養士が連携して指導する機会をつくっております。また、その日の献立に合わせ、食物を大事にする心、地域や日本の食文化、地域の農産物等についても、給食の時間中に校内放送を活用して栄養士等が作成した一口メモを流しております。このように学校給食は食育の中心となるものであり、今後も力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、市民に対しての学校給食の重要性の発信についてでございますが、保護者向けといたしましては、給食だよりや献立表の中で、またPTA懇談会や給食試食会の折に、食事のバランスや成長期の栄養などについて、学校給食を通して食の大切さを家庭に伝えております。さらに、食生活の重要性や学校給食についての理解を深めていただくため、各小学校で行われる来入児保護者説明会に栄養士等が出席し、説明しております。 市民向けといたしましては、市のホームページに各給食センターの毎日の献立や月ごとの給食指導の目標、それぞれの給食センターの特徴、工夫していることなどを載せており、また献立については、毎日写真によりUCVでも放送されております。さらに、毎年行われる環境フェアの中で学校給食展を開催し、給食の展示や地産地消の取り組み、食育の紹介など、市民の皆さんに対しまして給食への理解、食育への関心を深めていただく機会としております。今後もさまざまな機会を活用して、学校給食や食育についてご理解いただくための情報を発信してまいります。 次に、学校給食運営方針についての庁内の検討状況でございますが、学校現場においての食育の推進、安全でおいしい学校給食の提供と並行いたしまして、組織や職員人事面からの検討や施設の整備についての検討、さらには調理業務等の民間委託についての検討、さらには今後の総合的な財政見通しの作成など、さまざまな角度からの検討を行ってまいりました。こうした検討を現在も引き続き行っている最中でありまして、大変申しわけなく存じますが、学校給食についての方針や計画をまだお示しできる段階にはない状況でございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) ご答弁いただきました。 計画策定の中で民間委託についても論議をされているという答弁がありました。これは平成19年7月に民間活力導入指針、上田市では作成して、この中に給食調理業務等の民間委託化も取り組み項目とされていることからだと思います。 しかし、私は、そもそも学校給食を行政改革の対象とすることには無理があるのではないかと考えております。学校給食は食育の教科書としての役割を担っています。命を育む食は、心も育みます。学校給食が人を育てると言われます。学校給食運営審議会の会長を務められた市場先生は先日の講演会で、人こそ資源であり、それ以上大切なものがあるでしょうか、そう強く訴えられました。現在、上田市では、給食センターであっても、栄養士と調理員が連携し、自校給食に近い内容を目指して努力されています。質の高い給食が提供されております。民間委託された場合、この連携は法律違反となるため、調理は業者任せとなります。今と同じことを要求するのは非常に難しいことであり、給食の質の低下は避けられません。どのように考えているか、伺います。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 民間委託により栄養士と調理員との連携がとれなくなり、給食の質が落ちるのではないか、このようなご指摘でございます。給食づくりの経験とノウハウのある民間業者に委託するものであり、しかも学校あるいは給食センターに配置された栄養士が献立を作成し、栄養士が受託者側と綿密に連携して学校給食がつくられますので、必ずしもおいしい給食が提供できなくなるということはないと考えております。また、民間委託であっても、直営であっても、給食の質の低下はあってはならないものと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) 再質問いたします。 質の低下はあってはならないという認識は同じであります。民間委託しても質の低下は招かないというご答弁だったかと思いますけれども、実際にどうでしょうか。今の給食センターでは宿直業務もありまして、化学調味料は一切使わない、そういう努力もされております。包丁を使って手切りの調理もされております。そして、現場でも調理員と栄養士、現場に立ち会って調理を進めている、そういう状況をお聞きしております。こういうことが民間業者に要求できるでしょうか。同じことを要求するのは非常に難しい、そういう認識ではないかと思います。教育長、もう一度ご答弁お願いいたします。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 実際に既に給食センターで民間委託化を進めている、あるいは個別の学校給食、自校給食校においても民間委託化を進めている学校が、既に全国各地、あるいは長野県内にもございます。それらの先行事例を十分に参考にさせていただいて、民間委託化についても取り組んでまいりたい、検討してまいりたいと考えております。また、給食審議会の答申の中でも、財政上の課題がある場合については民間委託化もやむを得ないという1項目が入っております。このことも含めて検討を、これまでも検討してきているところでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) 民間委託化も考えていくというご答弁でありますけれども、上田市の給食センター、また自校給食の実際の状況、十分把握をされて、それと同じものが要求できるのか。そういうこともしっかりと見きわめていただきたいと思います。 学校給食運営審議会でも業務の委託化について諮問をされておりますので、一応議論はされたわけです。答申では、民間委託について給食の質を低下させないこと、食に関する指導が行えること、安全確保、法令遵守に十分配慮する必要があるとされております。この答申を最大限尊重することが求められているわけです。教育長は、民間委託をしても質は落ちないというご認識ですので、私と、この点、認識が違うわけですけれども、私は民間委託ではどうしても今の上田市の学校給食、実際に行っていること、同じことを要求することは不可能だと思います。そういうことを考えれば、おのずと結論は出るはずです。この答申の視点に立って、給食の質は落とさない、このことを最大限尊重して検討することが必要ではないでしょうか。見解を伺います。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、先行事例がございますので、先行事例を十分に調査検討して、今後の上田市の学校給食について考えてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) 答弁いただきました。 行政改革、また民間活力導入指針については、教育委員会だけの判断では難しい面があるのかと思います。 そこで、市長にお伺いいたします。人口減少時代にあって、人こそ資源であり、人を育てることにこそ、行政は力を入れるべきです。学校給食はその役割を担っているのですから、少なくても今より質の低下をさせないこと、そのことが重要であります。業務委託をすることは、私は質の低下を招く。今の上田市の学校給食、大変な努力をされております。同じことを要求するのは難しい。そういう認識の上に立って申し上げるわけです。市長の見解を伺います。 次に、農業問題について質問いたします。まず、国の農業改革の上田市への影響について伺います。農業は安全な食糧確保と食料自給率の向上、国土、環境の保全等、多面的で重要な役割を担っています。そのためには家族農業を中心とした農村社会の維持が必要です。2014年は国連が定めた国際家族農業年でした。家族農業が持続可能な形態として、飢餓や貧困の克服、環境や資源の管理に有効だと認められたからです。家族農業は上田市でも主力であり、その維持と再生を図ることが重要ですが、どのように認識しているか、伺います。 国が進めようとしている農業改革は、世界で一番企業が活動しやすい国にする路線の一環です。農業、農村の発展や食料の安全よりも、企業のビジネスチャンスをふやす政策です。家族農業の自主的な組織の農業協同組合の解体、農地の番人の農業委員会制度の改悪が柱です。しかし、上田市の農政の推進に当たっては、農協や農業委員会と緊密に連携して進めてきた長い歴史があります。市の農政に農協及び農業委員会が果たしてきた役割をどのように認識しているか、伺います。
○議長(下村栄君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 古市議員の質問に答弁します。 基本的には教育長の答弁と、私は同様でございます。最初から、民間だから質が保てない、安全性が保てない、そう決めつけることは非常に不思議な話でありますし、私の意に沿いません。したがって、そういうことを担保するとか、そういうものをよく研究しながら、どうしたらいいのだということだと私は思っております。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) 家族農業経営の再生についてご質問いただきました。 家族労働力を基幹として農業生産を営む農家、いわゆる家族農業につきましては、食料・農業・農村基本法におきまして、農業生産の多様な担い手の一つとして位置づけられており、当市といたしましても家族農業は農業生産上重要な担い手との認識でございまして、農産物直売所システム等の活用する中で家族農業の支援にも努めてまいりたいと考えております。また、人・農地プランの作成におきましても、家族農業の皆さんも入った中で地域の農業の方向づけを検討させていただいたところでもございます。 続きまして、上田市の農政にJA及び農業委員会が果たしてきた役割についてでございます。農業協同組合は、生産者が相互扶助の観点から各自の農業、生活を改善するための組織、いわゆる協同組合の一つで、農協法において、農業生産力の増進及び農業者の経済的、社会的地位の向上を図る、これを目的とする組織でございます。当市の農政におきましては、優良農地の確保に努め、担い手への農地の利用集積の促進や耕作放棄地の解消等を図るための各種施策、あるいは土地改良事業等、安定的な農業経営を確保するため、各種の補助事業を実施してまいりました。さらに、米の生産農家の所得に影響を与える米価の急落を防止するための米の生産調整、いわゆる減反政策等、生産現場と直結した政策を末端の行政として農家の理解を求めながら実施してきたところでもございます。 これらの施策や事業を進めるに当たりましては、これまで農家への説明会の開催、あるいは農家との先進地への視察研修や現場における営農指導、あるいは申請書類の取りまとめ等、常にJAの理解を得、協力をいただく中で支障なく進めてまいりました。市といたしましては、当市の農政に大きく貢献されてきていると認識しているところでございます。 また、農業委員会におかれましては、農業委員会等に関する法律に基づき市町村に設置が義務づけられている行政委員会で農業者の利益を代表する機関として、農地の権利移動や農地転用の許可などの法令業務、農地等の利用集積、効率的な利用の促進、担い手の育成などの任意業務並びに意見の公表、建議及び諮問に対する答申などの業務を通じて、地域農業の振興に重要な役割を担っていただいております。また、上田市の附属機関である農政推進協議会、地域農業の活性化などを目的とした上田市農業支援センター並びに上田農業再生協議会などの構成機関として、農業従事者の高齢化や担い手不足、遊休荒廃地の増加などの農業、農村が抱える課題解決に向け、行政はもとより系統組織並びに関係機関と連携しながら、上田市農政の発展に大きく貢献しているものと認識しているところでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) 答弁いただきました。 市長からも教育長と同じ考えだというご答弁がありました。 質問はしませんが、一つ参考として申し上げておきます。今の上田市の学校給食は、学校給食調理中に食材の扱い、切り方、調理の方法、味つけなどについて、栄養士と調理員の直接のやりとり、きめ細やかな指示、指導が行われております。民間委託すると、こういうことができなくなってしまいます。調理は材料があればできるというものではありません。調理の仕方によって味が変わってくるわけです。また、その日の給食の調理は当日でなければ判断ができない、そういう事項がたくさんあるわけです。仕入れの内容によって違ってきます。それに対応しながら、今、学校給食はつくられているわけです。これは調理員と栄養士の直接の連携、必要不可欠である、私はそう考えます。参考として申し上げておきます。 それでは、農業改革について、引き続き質問をしてまいります。国の農協改革、農協についての改革による上田市への影響について3点伺います。 1点目は、農協中央会の地域農協に対する指導、監査権の廃止です。地域農協が中央会によって縛られ、創意工夫ができないという事実はなく、現場の声は全く無視されています。TPPに対する農業者の反対の運動の中心を担っているJA全中を弱体化する狙いがあると言われています。 2点目は、全農の株式会社化です。全農は、全国的な共同販売を担い、独占禁止法の適用除外となっていますが、株式会社化したら適用除外を外されます。個々の農家、単位農協の販売力が極めて弱いので、共同販売をしていますが、これはカルテルではなく、競争条件を対等にするためのルールとして国際的にも認められています。上田市でも菅平高原の生鮮野菜は、この共販によって大量生産、大量販売が成り立っています。 3点目は、農協から金融、共済部門を切り離すことです。この改革の背後には、アメリカと日本の大銀行、大保険会社がおり、120兆円と言われる資金を狙っています。農協は営農指導、金融、共済、医療と総合的に機能していることが特徴であり、金融、共済が切り離されたら他の事業も成り立たず、農協自体が立ち行かなくなります。 次に、農業委員会改革について2点伺います。1点目は、農業者の選挙で農業者から多数の委員を選ぶ公選制を廃止して、市町村の任命制にすることです。首長の思惑で農業委員会が構成でき、行政の下請機関となってしまうと懸念の声が広がっています。 2点目は、農業委員会業務として位置づけられている建議活動を法律に基づく業務から除外することです。地域農業について一番知っているのは農業委員会であり、建議は予算編成等行政側も尊重する機会となっております。農地所有について、農業委員会改革とあわせて農業生産法人の大幅な緩和があります。農地を所有できる法人は、従来、役員の過半数が農業の常時従事者でなければなりませんでした。それが、1人以上が農作業に従事しなければならないへ変えるとしています。農地バンクとも言える農地中間管理機構は、中山間地の耕作放棄地を対象としておりません。優良農地だけを企業が使いたい思惑があります。企業は利益が出ないと撤退するおそれがあります。農地中間管理機構の役割及び農地所有の大幅な緩和による市への影響、また対応をどのように考えているか、伺います。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) まず、国の農協改革に対する考え方でございます。 政府、与党は先月、全国農業協同組合中央会の組織体制を抜本的に見直す等、農協改革案を決定し、関連法案を今国会に提出することとしております。その改革案は、議員おっしゃられたとおり全国農業協同中央会、いわゆるJA全中を農協法に基づく組織から一般社団法人化し、同組織の地域農協への指導的影響力の源泉となっていた監査権を撤廃すること等が骨子となっており、JA全中を頂点とする農協制度につきましては、約60年ぶりに見直されるというものでございます。 今回の改正の中心となっておりますJA全中の監査権の権限を弱め、単位農協に自由裁量を与えること。あるいは、全農が株式会社化すること。さらには、金融と農業生産関係との部署の分離、このことが農家の所得をふやすこととの関連性について、現状では政府からは明確な説明が示されていないという状況でございます。一方、農家側からは、農協に望むのは農産物の販売価格の安定、機械や資材の安価な販売、営農指導の充実であり、そこに変化があるかという改革案の方向を見守る姿勢が多い中で、農協の独立性が高まれば独自に販路開拓や価格向上に取り組めるメリットがあるかもしれないと、農協改革に期待する意見も出てきているところでございます。 市といたしましては、先ほども、これまで農協が果たしてきた役割、成果について申し上げましたが、国が示した農業の成長戦略の一環としての農協改革により組合員参加型で事務事業が推進され、安全で安心な食料を求める市民が共感する農協であり、そのために行政と一体となって農業振興を図る農協として、地域経済の自律的な発展が図られますよう、今まで以上に強く地域農業を牽引する役割を果たす農協であることを期待するところでございます。 続きまして、農業委員会改革への考え方でございます。政府は、昨年6月に、農林水産業・地域の活力創造プランの改訂をし、農業の成長産業化に向けた農協、農業委員会等に関する改革を推進するとともに、規制改革実施計画を閣議決定いたしました。その後、与党の取りまとめを踏まえまして、今国会に改革の関連法案が提出される予定となっております。内容的には、先ほど議員おっしゃられたとおり、農業委員の選任方法、これを公選制から地域の推薦あるいは募集の結果を尊重して、市町村議会の同意を要する市町村長の任命制にし、議会推薦、団体推薦による選任制は廃止するというものでございます。また、農業委員会につきまして、法律上、定められておりました建議につきましては、これを法律上の位置づけを見直すという内容となっております。 今後、国会において関連法案が審議されてまいりますが、今回の農業委員会制度、組織改革が農業、農村の維持、発展に支障や混乱を来すことがあってはならないことであり、農業委員会が地域の農業の代表としての自信と誇りを持って、しっかりとした仕事をし、成果を上げることができ、環境をいかにつくり上げるか、現場の視点を踏まえた慎重かつ丁寧な法案の検討を期待するところでございます。 農地中間管理機構についてでございます。農地中間管理事業の推進につきましては、先ほども触れましたが、国が当該事業を整備するに至った経過は、各市町村における人・農地プランの作成プロセス等において、信頼できる農地の中間的受け皿があると人と農地の問題の解決を進めやすくするという意見を踏まえて制度化されたものでございます。 農地中間管理機構は、例えば農業をリタイアするので、農地を貸したい場合、機構へ農地を貸し付けると、機構がその農地を借り手に転貸する。また、新規就農あるいは規模拡大のための農地を借りたい場合、機構に申し出ると機構から農地を借りられるといった農地の中間的受け皿の役割を果たすというものでございまして、機構が行う農地中間管理事業は、人・農地プランと連携しており、農地の借り手の選定につきましては、人・農地プランに位置づけられた中心となる経営体が優先され、地域農業の担い手に農地が集積される仕組みになっております。 議員ご指摘の農業生産法人につきましては、平成21年に改正された農地法の改正によりまして、農業生産法人の要件が緩和されたところでございます。また、今国会におきましても、関連法案が審議される予定になっております。この農地法の改正以降、全国におきまして新たに1,576法人が農業経営に参入しておりまして、このことにより農地の流動化が促進され、農地の有効活用と荒廃農地の解消が図られているものと考えております。本市におきましても、現在13の法人が、これは一般法人も含めてでございますが、耕作放棄地を含めた農地を借り受け、農業経営を行っているところでございます。 今後も農地の借り受けの希望につきましては法人がふえてくるものと推測しておりますけれども、農地中間管理機構は農地の貸し付けに当たっては、その事業規定において、人・農地プランに位置づけられた中心となる経営体に対して優先的に配慮することとしておりまして、法人が借り受け希望しても、地域における人・農地プランの見直しにおける話し合いの中で中心となる経営体として位置づけられていない場合は、農地を速やかに借り受けができないということでございます。したがいまして、無秩序な農地の流動化は避けられるものと考えております。 今後、農業者の皆さん、あるいは地域の農業組織の皆さんの意向を尊重しながら、当該事業の活用を含め、農地の有効利用に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) ご答弁いただきました。 引き続き国の農業改革の上田市への影響について伺います。米政策の見直しについては、私は昨年6月議会で今後の見通しを伺いました。生産農家数の減少は予想されるが、集約化によって安定した生産量が期待でき、農家所得の確保にも努めたいとのことでした。26年は10月から米価や野菜価格が一層暴落し、ここ3年間で最低となり、一方、生産資材は、円安、消費税増税により最高となりました。国は過剰米対策をせず、米価暴落を誘導し、制度的にも価格、所得補償を減額、廃止しています。このため、大規模稲作農家ほど減収が大きい状況です。上田市の26年産米の状況はどうだったか。市としての予測、対策は的確だったと考えているか。また、27年産米の生産予測、対策をお伺いいたします。 畑作物の直接支払交付金は、2015年産からは認定農業者、集落営農、認定収納者だけに絞り込まれます。交付対象外となる経営体は、昨年6月議会の答弁では190とのことでしたが、情報提供等により対象者となるよう努めるとのことでした。現時点の予測はどうでしょうか。また、対象外なる農家にどのような支援を考えているか、伺います。 次に、塩田地域で生産される大豆が、市外の食品加工業者が次々商品化し、生産量が追いつかないほど人気であるとの報道がされました。喜ばしいことと思いますが、本来ならば、市内で加工、商品化されることが望ましいはずです。市内には真田氏関連の豆腐でも、以前から製造、販売をされていますが、大豆の確保は容易ではなく、国産まで枠を広げないと確保できないということです。市としてこのような状況をどう受けとめているか、伺います。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) 上田市の平成26年産米の生産農家数、生産量等についてでございます。 26年産米の生産農家数は4,600戸余、前年に比べまして約2%の減、生産量は9,950トン余で、前年に比べまして約6%の減でございます。販売農家の農家所得につきましては、農協が米の販売の依頼を受けた農家に対しまして、農協が米を引き取った直後、出荷時点で支払う概算金が前年度比約15%下落していることから、現時点においては減少しているものと推測をしているところでございます。なお、その後、流通経費等を加算されました実際の販売価格が過去3年間の平均販売価格を下回った場合は、国の経営所得安定対策の一環であります米の収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策が発動され、差額に対し9割が補填することとなります。米の販売農家数や生産量につきましては、前年に国の示す米の生産数量目標に基づき、生産農家のご協力を得る中で、市として転作を伴う生産調整を的確に行っておると認識しているところでございます。 次に、27年産米についてでございますが、既に生産数量目標が国から示されておりまして、今月下旬から上田農業再生協議会を通じまして、生産農家の皆さんにお示しする予定となっております。生産農家のご協力を得ながら目標値の達成に努めてまいります。 また、先ほど申し上げました国の経営所得安定対策の一環であります米の収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策につきましても制度として継続されるということでございます。 次に、畑作物の直接支払交付金の交付対象外となる経営体数についてでございます。さきの6月議会におきまして、経営所得安定対策の一環でございます畑作物の直接支払交付金は、諸外国との生産条件の格差により不利がある国産畑作物について、生産コストと販売額の差に相当する額を直接交付するというものでございまして、今年度におきましては、全ての販売農家、集落営農組織を交付対象といたしますが、制度の見直しがされる中で、平成27年度からは交付対象を認定農業者、集落営農組織、認定就農者に限定することとしており、そのことにより平成25年度実績では当該交付金の受給対象者数は約270経営体でございましたが、平成27年度以降は、そのうち約190経営体が対象外なるという推計値を答弁させていただきました。その後の経過の中で、対象外となる経営体数につきましては、現在のところ147経営体と推測しております。対象外となる経営体が減少している状況でございます。このことは、制度の変更に対しまして、経営改善計画を立て、経営者として意識を持って農業経営を行おうとする認定農業者になる、あるいは農家が共同して農作業を行うことにより効率化を図ることを目的といたしました集落営農組織を創設することにより、当該交付金のほか国の支援制度も受けられる等、農業者にとって有利な制度の活用方法等についてきめ細かな説明を重ねてきた結果として、認定農業者や集落営農へ移行する農業者がふえてきたものと考えておるところでございます。市といたしましては、今後も農業者の皆様が当該交付金の制度を活用できるよう、説明会等に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、塩田地区で生産されている大豆を用いた加工品が好評で、生産が追いつかない状況についての考え方でございます。当市における大豆の生産面積につきましては、約192ヘクタールで、生産量は約240トンという状況でございます。そのうち塩田地域で生産される大豆は、主にナカセンナリという種類でございまして、生産面積は約88ヘクタールで、生産量は約150トンであり、生産面積で全体の42%、生産量で全体の63%を占めております。 このナカセンナリは、100種類以上ある大豆の中で全国的に作付面積が少ない中で、主に長野県で栽培されており、県内においては気候的に条件の合う塩田地域で生産量が多く、また他の大豆と比べて色が繊細で甘いという評価を受けておるところでございます。基本的に豆腐やみそへの加工に適していることから、西塩田地区営農活性化推進組合を中心に生産され、平成24年から当該大豆を原料として豆腐、こうや豆腐、かりんとう、納豆などの商品化が進められておるところでございます。 市といたしましては、当市において生産される農産物を原材料として商品開発され、その商品が大量に販売されることは、競争力のある農業の成長産業化を図る目的に適合するものであり、当該大豆を転作作物として栽培することは、農地の有効活用につながるという観点からも望ましいと考えておるところでございます。現在、塩田地域における大豆の生産量は、当市の生産量の半数を占める状況でございますが、今後、加工業者の生産量の拡大の要望に対しましては、さらなる生産農地の確保と生産者の拡充が必要となりますが、そのことに対応するためには、米の生産調整に伴う転作作物として奨励するとともに、規模拡大に対する農作業の省力化、効率化を図るための機械や施設の整備に対する財政的支援にも努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(下村栄君) 古市議員。 〔15番 古市 順子君登壇〕
◆15番(古市順子君) ご答弁いただきました。 畑作物の直接支払交付金の対象外となる農家は147ということで、まだまだ多い状況とのことです。 また、地産地消、6次産業化のルールづくりとして特定作物奨励事業創設を提案いたします。この事業は、ソバ、大豆、小麦などを生産し、地元に販売する農家に対して奨励金を交付するものです。小規模農家対策として遊休荒廃地解消にも役立つものです。また、「真田丸」関連商品開発も後押しするものと思います。この提案は、ずっと以前から共産党議員団として行ってまいりましたが、国の政策の変更、また地域の諸事情により本格的に検討すべき時期と考えます。見解を伺って、質問を終わります。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) ソバ、大豆、小麦などの特定作物奨励事業の創設についての考え方でございます。平成23年度から実施されました農業者戸別所得補償制度において、麦、大豆、ソバなどにつきましては、国の戦略作物として助成対象となりまして、従前の栽培面積に対して助成される仕組みに加え、生産する量に応じて助成金を加算するという充実した内容の制度でございます。 平成25年、26年度におきましても、当該制度は経営所得安定対策に事業名が変更されましたが、麦、大豆、ソバなどにつきましては引き続き助成対象となりましたので、市といたしましては、麦、大豆、ソバの集団作付を奨励し、助成金が加算されるよう最大限の活用に努めてきたところでございます。 今年度以降におきましても当該制度は継続されることとなっておりますことから、現在のところ、国の制度、特に地域の裁量で大豆、ソバ等の生産に加算ができます産地交付金、この制度を最大限活用することで、麦、大豆、ソバなどの生産農家の所得の確保に努めるとともに、地域資源であるこれらの作物を加工し、販売する、いわゆる6次産業化につきましては、引き続き認定事業所となるため情報提供等の人的支援や商品開発等にかかわる経費に対する財政的支援に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(下村栄君) 古市議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。 正 午 休憩 ◇ 午後 1時00分 再開
○副議長(池上喜美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(4)市政について
○副議長(池上喜美子君) 次に、質問第16号、市政について、西沢議員の質問を許します。西沢議員。 〔19番 西沢 逸郎君登壇〕
◆19番(西沢逸郎君) 三寒四温と申しますが、春が待ち遠しいきょうこのごろであります。 通告に従い、1として、ひとり親家庭への経済的支援、2として特殊詐欺被害者への心のケア、3として水素エネルギー、4としてスポーツ振興の4点について質問をしてまいります。 2013年8月、社会保障制度改革国民会議が報告書を政府に提出し、それを受けて、少子化対策、医療制度、介護保険制度、年金制度の各分野について、改革項目と法案の提出時期、実施時期等を示したプログラム法案を策定し、2014年度より政府は順次改革を実施することとしておりますが、貧困、経済的格差の拡大という現実の大きな社会問題解決に向けて、安倍政権が社会的に弱い人の立場に立ってどう向き合っていかれるのか、新たな対応策とその効果が注目されておりましたが、現在、霞が関の残業問題に取り組んでいる厚生労働省は、4月から教育面を中心としたひとり親家庭への支援を強化する方針を決めました。これは、高校卒業資格の取得などを目指すシングルマザーら親の学び直しを重視し、講座受講のための費用を補助する制度を初め、貧困対策の一環として経済的な自立につなげたいとする政策、考えであります。 そこで伺います。子供の貧困率、2012年、16.3%、実にこの数字は6人に1人が貧困状態にあるという数字であります。この貧困率を押し上げているのは、ひとり親家庭の貧困で、日本は物質的に豊かな経済大国とは名ばかりで、2012年のひとり親家庭の貧困率は54.6%、OECD、経済協力開発機構34カ国の中でも米国に次いで最悪レベルにあり、シングルマザーの多くは非正規雇用で、子育てのため就労が不安定となりやすく、2011年度厚労省調査では、就労による平均年収は181万円と低く、年収200万円以下が6割以上を占めており、働いても働いても貧困から抜け出せない状況にあると言われますが、上田市におけるひとり親家庭、特にシングルマザーの貧困の状況はどうか。その経済的な支援の必要性については市はどう考えておられるのかをお聞きし、私の第1問といたします。
○副議長(池上喜美子君) 田口こども未来部長。 〔こども未来部長 田口 悦子君登壇〕
◎こども未来部長(田口悦子君) 上田市のひとり親世帯数は、平成26年6月1日現在、父親と子供の父子世帯が162、母親と子供の母子世帯が2,119で、合計2,281世帯となっています。前年度に比べますと12世帯の増であり、父子家庭に比べ母子家庭の割合が非常に高くなっています。ひとり親世帯においては、児童の養育と生計の維持を一人で担わなければならないため、社会的、経済的にも不安定な状態に置かれがちであり、特に母子世帯は顕著であると考えられます。 平成23年度に行われました全国母子世帯等調査によりますと、母子家庭の81%が就労し、そのうちの47%は、パート、アルバイト等の就労で、平均年間収入は223万円、うち就労による収入は181万円となっています。 上田市の母子世帯の状況ですが、市では児童扶養手当支給に係り、毎年、就業の状況、また生活の状況を確認しております。それによりますと、90%が就労していますが、その60%は臨時、パート、内職といった職についている現状から、全国調査と同様の傾向がうかがえ、経済的に支援が必要と考えられます。 ひとり親世帯への生活安定のための経済的支援につきましては、国、県、市、それぞれで財源の負担をして、児童扶養手当の支給ですとか、福祉資金の貸し付け、福祉医療費の支給、保育料の軽減等を行い、親と子の福祉の増進を図っているところでございます。 児童扶養手当について少し具体的に申し上げますと、所得制限はありますが、全額支給の場合は月額4万1,020円、一部支給の場合は、所得に応じ月額4万1,010円から9,680円となっており、2人目5,000円、3人目3,000円の加算があります。12月末現在、母子家庭1,422世帯、父子家庭92世帯が受給しております。なお、生活困窮者につきましては、必要に応じて福祉課と連携をとって対応しているところでございます。また、県が実施している福祉資金の貸付制度は、母子世帯に子供の修学費用支援として貸し付けが行われており、1月末現在で9件利用されていて、本年度からは父子家庭にも拡大されました。 ひとり親世帯には、こうした経済的支援に加え、生活を自立していくための支援が必要となり、ハローワークと連携しての就業相談ですとか、就業支援講習会の周知、また就業の際に有利となる資格取得のための母子家庭等自立支援教育訓練給付金や母子家庭等高等職業訓練促進給付金等の支援があります。この母子家庭等高等職業訓練促進給付金は、看護師などの資格取得のためのもので、上限2年で、市民税非課税世帯には月額10万円、課税世帯には7万500円を支給しております。昨年度は、看護師7人、准看護師9人、言語聴覚士1人に支給し、本年度は、看護師5人、准看護師10人に支給し、就業の支援を行いました。 このようにひとり親世帯の支援につきましては、生活の安定と自立に向けての両面からの支援が必要となりますので、今後も現行の制度を周知し有効活用する中で、引き続き個々のニーズに応じた支援を行ってまいります。
○副議長(池上喜美子君) 西沢議員。 〔19番 西沢 逸郎君登壇〕
◆19番(西沢逸郎君) ご答弁いただきました。 上田の偉人、小河滋次郎先生は、弱き者の友たれと言っておられましたが、私は本当に困っている人、社会的に弱い立場の人々の立場に立って政策を立て、実行することが、政治、行政の役割であると考えます。今後、シングルマザー家庭の貧困が改善されるよう、経済的格差が広がらないよう、きめ細かな政策を実行すべきと考えます。 また、弱さの研究をしている文化人類学者の辻信一さんは、弱者と呼ばれる人たちがいる場所に不思議な居心地のよさを感じたといいます。また、小説家高橋源一郎氏は、最近は地方、それも農林業が衰退し、ご高齢者が暮らしている過疎地に移住する若者がふえていて、弱者ととともに生きる幸せがあるのではないかと言います。右肩上がりの時代は、とうに終わって、この国は緩やかに確実に坂を下っているといいます。国家全体が弱者化しつつある今、私たちは成長神話から抜け出して、社会的弱者を大切にする、人のことを思いやる温かい健幸都市うえだを築くことができれば、自然と移住する人がふえると考えます。 次に、全国で13万人を超えた特殊詐欺被害者の心のケアについて伺います。過日、大河ドラマを放送している国営放送の番組「クローズアップ現代」において、不幸にも、特殊詐欺の被害に遭われた方が自分を責め、家族からも責められて、みずからの命を絶たれてしまわれた実に痛ましいケース、現状を報道しておられました。市として現状を把握することは困難であるとは考えますが、上田市における大きな消費者問題である高齢者の方の特殊詐欺被害に遭われた方の実態と心のケア、傾聴、話を丁寧に聞く体制を今後どう考えて対応していかれるのかをお聞きし、私の第2問といたします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 最初に、特殊詐欺被害の実態についてご説明いたします。 特殊詐欺にかかわる被害届の受理につきましては警察で対応しておりますが、警察が暫定値として公表しております平成26年中の状況を申し上げますと、全国では認知件数1万3,371件、被害総額が約556億円で、前年と比較しますと1,373件、約67億円の増加となっており、また県全体では認知件数が190件、被害総額が約10億2,980万円で、前年の25年と比較しますと、5件、約6,000万円の減少となっております。 一方、上田市における特殊詐欺被害の認知状況につきましては、平成26年中の認知件数が11件、被害総額約5,890万円であり、前年と比較いたしますと4件減少はいたしましたが、被害総額で約700万円増加いたしました。これを手口的に見ますと、息子や孫をかたるオレオレ詐欺が5件で1,950万円、架空請求詐欺が3件で約2,797万円、また金融商品等取引名目の詐欺が2件で1,100万円、また異性との交際あっせん名目の詐欺が1件、約43万円であり、オレオレ詐欺が全体の約半数を占め、交通の便がよいという土地柄が影響しているせいか、新幹線で東京まで現金を持参させる、いわゆる上京型と言われる被害も3件ほど発生しております。また、被害総額が最も多かった架空請求詐欺では、投資に関する内容で、承諾をしていないのに勝手に名義を使用され、名義貸しは犯罪だなどとおどかされたものがあり、犯人の手口も巧妙化している状況であります。 被害者の年齢別や男女別を見ますと、被害者は50代から80代に集中しており、そのうち80代が6人と全体の約半数以上を占めておりまして、男女別では、男性が5人、女性が5人、夫婦で被害に遭った方が1件となっております。 特殊詐欺被害者の心のケアに、市としてどう考えて対応していくのかというご質問をいただきました。当市の被害者の支援活動に関しましては、平成10年10月から、事務局を上田警察署に置く上小被害者支援ネットワークが設立されております。この上小被害者支援ネットワークは、長野地方検察庁等の国の機関、それから上小地方事務所等の県の機関、上小地域の自治体、弁護士会、医師会、民生児童委員協議会、それから上田警察署等の関係機関で構成されておりまして、上田市もその構成団体に加わっております。このネットワークでは、犯罪や事故等による被害者及びその家族の置かれている現状を踏まえ、被害者の視点に立ち、関係機関・団体、専門家相互の連携を図り、被害者に対する相談、カウンセリングを通じ、被害者のニーズに対応した支援活動を効果的に推進しております。 一般的な犯罪の被害者につきましては、多くの方が犯罪の直接的な被害だけでなく、被害後の精神的なショックや経済的負担があると言われておりますが、特殊詐欺の被害者に関しましては、それに加えまして自責の念に苦しむ等、さまざまな困難に直面しているという実態があるとのことであります。 被害に遭われた方の相談や心のケアに至る入り口としましては、まずは被害届等の手続によりまして、警察で対応していただくこととなります。その上で、被害者に支援が必要な際には、担当した警察により、上小被害者支援ネットワークを活用していただき、関係機関・団体、専門家相互の連携を図り、被害者のケースに応じた各種相談窓口、支援内容等をご案内し、各機関等が支援することとなっております。 市としましても、被害者に限った窓口ではありませんが、生活環境課を初め人権男女共同参画課、健康推進課や、その他の担当課におきまして、特殊詐欺被害に関する相談や心の悩みに関する相談など、被害者等のニーズに対応した各種相談を受けるとともに、関係機関等と連携しまして、ケースに応じたケアに取り組んでおり、また広報等により市民の皆様にこれらの相談窓口の周知も行っております。 また、平成25年6月から、自治会長の皆様に対しまして、上田市長と上田警察署長連名により、特殊詐欺被害防止アドバイザーリーダーを委嘱しまして、自治会内での注意喚起のほかに、相談を受理した際には警察等への通報助言指導をお願いしております。 なお、先月の2月16日に交流文化芸術センターサントミューゼにおきまして、自治会長の皆さんや民生児童委員の皆さんなど約320名の方に集まっていただきまして、特殊詐欺被害防止対策に関する被害者の心理、相談受理時の対応等につきまして研修会を実施しました。改めて被害者の視点に立ち、関係機関・団体、専門家相互の連携の重要性を再認識していただいたところであります。 まずは、高齢者を初め、そのご家族に対しましても、被害に遭わないための注意喚起と積極的な広報啓発活動を引き続き行ってまいりますが、不幸にして被害に遭われた方に対する心のケアにつきましても、関係機関等と連携して、引き続き対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 西沢議員。 〔19番 西沢 逸郎君登壇〕
◆19番(西沢逸郎君) ご答弁いただきました。 2月27日の県議会一般質問において、長野県は、みずから命を絶つことを考えている人のサインに気づいて専門機関につなげるゲートキーパー、2015年度の年間養成者数を2,000人ふやして7,000人にする方針を示されましたが、ゲートキーパーの方とも連携して、上小被害者支援ネットワークをさらに機能させて、今後、上田地域において被害に遭われた方がみずから命を絶つことがない体制を構築することが必要であると考えます。これも社会的弱者に温かい優しい健幸都市うえだづくりであると考えます。 次に、国の水素エネルギー社会実現に向けて、どう市として向き合っていくのかについてお伺いいたします。昨年4月に発表された国のエネルギー基本計画に水素の2文字が盛り込まれ、新エネルギーの主役として急浮上した水素をめぐって、地方自治体では福岡市に続き、川崎市、神戸市も名乗りを上げ、にわかに地域間水素誘致合戦が勃発し、水素エネルギー元年が到来したと、昨年12月に、ある経済紙が報じておりました。 また、自民党のFCV、燃料電池車を中心とした水素社会の実現を促進する研究会のある女性の国会議員の方は、我が国の基幹エネルギーに水素を加えていくことは、エネルギー安全保障上も不可欠で、2020年の東京オリンピックは日本の水素社会を発信していく絶好の舞台で、今後、世界が水素で競争していく流れの中で、日本はその技術力で世界をリードしていくべきだと唱えます。このことは、一昨日の長時間の停電から電気エネルギーのありがたさを身をもって体験したことからも明らかでございます。 そこで伺います。国は2015年度概算要求で、水素関連だけで401億円、FCV、燃料電池車を含むクリーンエネルギー自動車等の導入促進対策費として300億円の予算がつき、これは上田市の年間予算に匹敵する額でございます。2015年はまさしく水素元年と言われますが、国が2030年水素社会実現に向けてスタートした状況から、上田市としては今後どう対応していかれるのか。また、第二次上田市まちづくり計画、2016年から2025年までの10年間にエネルギーとしての水素をどう盛り込んでいかれるのか、その方針、考え方を伺い、私の第3問といたします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 我が国のエネルギーを取り巻く状況は、海外への資源に大きく依存しており、根本的な脆弱性を抱えているという側面があります。また、中国等の需要拡大等によって資源価格が高騰しているという実態もあります。一方で、世界の温室効果ガスの排出量は増大し続けており、地球温暖化が世界各地で異常気象を招いているとも言われております。東京電力福島第一原子力発電所事故によって原子力発電の安全性に対する懸念が増大し、原子力が停止した結果、化石燃料への依存度が増加し、これに伴って燃料調達に膨大なコストがかかるようにもなってまいっております。また、このことが地球温暖化対策にも問題を生じさせております。 国は、このようなエネルギーを取り巻く状況を踏まえた中で、平成26年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画において、新たに水素を日常の生活や産業活動で利活用する社会、水素社会の実現のための重要性を盛り込みました。 さらに、同年6月には、水素・燃料電池戦略ロードマップが策定され、その中で水素社会を実現する4つの意義として、燃料電池の活用による大幅な省エネルギーの実現、また十分なエネルギーを合理的な価格で継続的に確保するエネルギーセキュリティーの確保、また水素の利用段階で二酸化炭素を排出しないことによる環境負荷の低減、さらに産業振興と地域活性化の実現を挙げております。 また、ロードマップでは、エネファームや燃料電池車といった燃料電池の普及、水素発電の導入、水素の供給という3つのステップが示され、水素社会の実現に向けて、社会構造の変化に伴うような大規模な体制整備と長期の継続的な取り組みを産学官で協力して行うとして、現在から2040年ごろまでの到達目標を示しております。これに向けて、平成26年8月には経済産業省が、平成27年度予算の概算要求として、水素・燃料電池関係に総額700億円を要求し、具体的な取り組みが始まろうとしております。 このような中、平成26年12月に国内の大手自動車メーカーが世界初となる燃料電池車を市販いたしました。燃料電池車は、水素と酸素の化学反応によってつくり出す電気を使ってモーターを回して走る自動車で、走行中に水しか出さないため、究極のエコカーと呼ばれ、環境への負荷が低減されるとして、大きな話題となっております。今後、国の補助金にも支えられ、普及が進んでいくものと大きな期待がされています。 また、全国の自治体における取り組み例としましては、福岡県で県内の一部市域をモデル地区として、エネルギーとしての水素が社会に受け入れられるよう、さまざまな実証実験が行われ、水素社会構築に必要なデータを取得する先進的な取り組みも始まっております。現状では事例は少ないですが、このように民間や行政でも水素社会実現に関係する動きが出始めていることからも、国が目指す水素社会は省エネルギー、エネルギーセキュリティー、環境負荷低減、さらに産業振興、地域活性化の実現に大きく貢献していくものと認識しております。 上田市でも、国の方針を前提に、上田の地域特性を視野に入れて、水素社会実現への取り組みを地域として受け入れ、社会生活において利活用する方法を考えることが必要になってくると考えております。そのためには、現在、上田市総合計画審議会へ諮問しております第二次上田市総合計画へどのように反映できるか、また庁内の関係部署とも調整しまして、審議会での議論もお願いしてまいりたいと考えております。現段階では、今後の社会の動向や国の具体的な動きを見きわめることは困難でありますが、水素社会の実現に向け、情報収集をし、その実現につながる行政や民間の取り組みも研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 西沢議員。 〔19番 西沢 逸郎君登壇〕
◆19番(西沢逸郎君) ご答弁いただきました。 間もなく4年目を迎える東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市は、森林面積が90%を占め、人口5万7,000人余りのまちでありますが、復興計画の再生可能エネルギープロジェクトにおいて、
ブルータワー、緑の塔なる地産地消のユニークな水素製造設備を誘致して、地元の木材、バイオマスを原料に水素を製造し、取り出した水素は電力にして販売し、発生する熱は温泉に有効活用し、いずれ水素そのものをFCV、燃料電池車に供給することができる画期的な設備で、海外から輸入した天然ガスに頼ることなく、日本全国に余っている木材や間伐材を活用することで水素を製造活用する、まさしく一昨日の久保田議員さんが説明された里山資本主義の実践、赤字部門の産業を育てることによって外に出ていくお金を減らして、地元でお金を回し、外貨を稼ぐ経済モデルと言えます。 上田市においても、自動車関連の産業が多く、今後の地方発の水素革命の動向に注視して、できることは速やかに実践して、水素社会の実現においても自治体間競争におくれをとらないことが重要であると私は考えます。 最後に、第二次上田市総合計画まちづくりビジョン策定に当たって、昨年、市民アンケート1,987人のアンケートの結果によりますと、満足度、重要度において、市民の声として反映されませんでしたが、最も市民満足度が高く、健幸都市うえだの実現において重要であるスポーツ施設整備についてお聞きいたします。 本議会3月定例会の初日の全員協議会において政策企画局長より説明がございましたが、まちづくり計画の重点プロジェクトの1番目は市民協働の推進であります。すなわち、まちの魅力と総合力を高めるためには、市民の皆様、地域コミュニティー、自治会振興会等市民活動団体、事業者、行政等が役割分担のもと協力し、相乗効果を高めていく必要があることから、市民協働に向けた施策を推進しますと説明がございました。 また、一昨日の半田議員さんの公共施設マネジメントの母袋市長の答弁で、PPPやPFIの民間活力の導入も考えていく必要があるとのことでしたが、今後、人口減少で税収が減り、社会保障費が増大する中で、市の財政が年々厳しさを増すことは容易に想定できますが、そのような状況下にあっても、市民ニーズの高い健幸都市実現に大いに役立つ施設は選択と集中で整備していく必要があると私は考えます。具体的には、今後の体育施設整備において市民ニーズの高い総合体育館、人工芝のサッカー場、ソフトボール専用のグラウンド等の整備において、住民参加型市場公募債による資金調達や市民の皆様からのご寄附、パブリックプライベートパートナーシップ、PPPにより官と民がパートナーを組んで事業を行う新しい官と民の協力の形態を活用して整備していくことに対しての市の見解を伺い、私の一般質問を終わります。
○副議長(池上喜美子君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君) 公募債やPPPを活用したスポーツ施設の整備の考え方についてご答弁を申し上げます。 スポーツ施設の整備につきましては、議員が具体的に挙げられました施設の中でも、特に人工芝サッカー場の整備等につきましては、議会でも取り上げられましたり、大変要望が多く、現在、検討を進めておりますスポーツ施設整備基本構想におきましても重要な検討項目であると考えております。 また、大変大勢の市民にご利用いただいております体育館の状況でございますが、城跡公園体育館は築44年、自然運動公園総合体育館は築34年など、大変老朽化も進んでおるということでございます。こういったものにつきまして、今後どうするか。改築も含め、施設の今後のあり方についての検討は最重要課題ということでございます。 現在、それら総合体育館やサッカー場を初めといたしましたスポーツ施設整備基本構想の策定に向け、検討を進めておるところでございます。新たに整備をするとなりますと多額の費用が必要となります。その財源確保について幅広い視点で検討する必要があると考えております。 議員にご提案いただきました公募債でございますが、市民の行政参加意識の高揚、市民に対する施策のPR、あるいは個人の金融資産の有効活用等が挙げられ、スポーツ施設の整備に当たり、市民協働の視点からも手法の一つと考えられております。ただ、寄附などとは違い返済が必要であること、また利率については通常より高く設定することなども踏まえまして、今後の施設整備に当たりましては、有利な補助金や起債等も含めた中で財源の一つとして検討してまいりたいと考えております。 また、PPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ及びPFI等につきましては、民間事業者と地方自治体との協力により事業を展開していく官民連携の新しい形態でございます。この事業を取り入れている自治体もふえているとお聞きしております。民間のノウハウを生かしながら進められる事業でありますことから、今後のスポーツ施設整備に当たり、活用の可能性については検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 西沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 1時35分 休憩 ◇ 午後 1時50分 再開
○副議長(池上喜美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(5)資源循環型社会の構築について
○副議長(池上喜美子君) 次に、質問第17号、資源循環型社会の構築について、渡辺議員の質問を許します。渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 資源循環型社会の構築について伺ってまいります。 日本でもヨーロッパよりかなりおくれて、2000年、平成12年にようやく循環型社会形成推進基本法ができました。同時に、環境省が廃棄物を所管することとなり、資源循環の視点から廃棄物を捉え、資源循環問題を基本とした総合的な視点に立って行政を進めるものとされました。 この推進法では、廃棄物処理、リサイクルの優先順位を、1番目に、ごみになるものをつくらない発生抑制、2番目に、同じものをまた使う再使用、3番目に、再生して使う再生利用としました。しかし、現場では、この3番目の再生利用のリサイクルばかりが強調され、結果、ペットボトルのように資源化費用の7割が自治体負担になっているような容器包装リサイクル法では、生産者による発生抑制というインセンティブは働きません。 同法11条では、事業者の責務という条文があります。生産者責任の考え方を取り入れてありますが、役に立っていません。ごみ問題、環境問題に関して、根本的なところで生産者の責任が曖昧にされているということであります。結果、出たごみをどう始末、処理をするのかを中心に据えた政府の姿勢で、ごみ処理の責任が自治体や住民に押しつけられ、展望の見えない廃棄物行政のもとで大変な苦労を強いられている。これが現実であります。大きく進まなくてはいけないごみ問題解決の方向については、これからも議論をしたいと考えていますが、一方で、その方向を見据えて、足元で直面しているごみ問題を一つ一つ着実に取り組んでいかなくてはなりません。とりわけごみ減量化は待ったなしの課題であります。 ごみ処理広域化計画基本方針のもとでの上田市の独自課題について伺ってまいります。さきに開かれた上田地域広域連合議会で、東御市、長和町、青木村については、生ごみ処理とし尿希釈施設については、場所、方法、そして、いつまでにという期日など方針が明確に示されましたが、上田市だけがただいま検討中ということでした。今議会でごみの減量化や生ごみ処理、さらにはし尿処理等については既に議論のあったところですが、さらに生ごみ処理について4点伺います。 まず、生ごみ処理の方法として、1つに、家庭での生ごみ処理機器を使っての処理、また一定規模をカバーする大型、中型生ごみ処理機による処理、さらに集積した生ごみを処理する生ごみ処理センターのようなものが考えられます。その処理センターについては、設置について上田市はどのように考えているのか、伺います。 2点目に、今申し上げました方法で、ライフスタイルの違う個人や各戸が取り組むことになる生ごみ処理の具体的な方法について周知をどのように行うのか、伺います。 3点目に、これらに取り組むことにより可燃ごみと生ごみをどのぐらい減量できると見込んでいるのかも伺います。 4点目に、生ごみから作成される堆肥はどのように活用しようと考えているのか伺い、最初の質問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 資源循環型社会の構築についてとして、ごみ処理について多くのご質問をいただきました。順次ご答弁いたします。 生ごみの処理方法の一つとして考えられる、議員ご提案の処理センターの独自設置につきましては、過去の市議会一般質問でも答弁させていただいてきておりますが、幾つかの課題があるというふうに考えております。具体的に申し上げますと、まず家庭での排出段階においては、収集日に出すまでの間、生ごみを一時保管する必要があり、その際の臭気、ハエの発生などが問題となります。また、異物の混入を避けるために分別を徹底させる必要もあります。 また、収集段階においては、現在の可燃物、不燃物、プラマークつきプラスチックの収集に加え、生ごみを別に収集する必要があり、そのために新たな収集コストが発生いたします。また、集積所に生ごみ集積用の専用容器を置く場合、洗浄などの管理の負担が大きくなることも予想されます。 処理施設における処理段階においては、臭気防止対策を初めとして、環境に配慮した設計とした上で、新たなごみ焼却施設の建設と同様に、近隣住民の皆様の合意や理解が必要となります。また、施設建設のための建設費とその後の維持管理に多額の経費がかかることも大きな課題と考えております。こういった課題のほか、何よりも施設建設に当たっては、建設候補地を選定し、決定後、建設地の地元の皆様の同意を得るまでには相当の困難を伴うことが予想され、その結果、計画から施設稼働に至るまでに長い年月を要することが想定されます。 議員ご指摘のとおり、処理センターの建設、設置は生ごみの処理方法の一つの手段であります。生ごみの減量化、再資源化を図ることが目的であることから、市としましては、これにかわる、また即効性かつ実効性のある手段として、家庭用の生ごみ減量化機器等の普及拡大を図るとともに、自治会等の一定規模の団体に大型生ごみ処理機を貸し出し、堆肥化を図る取り組みについて、今後、具体的に検討してまいりたいと考えております。市民の皆様一人一人のライフスタイルに応じて、より多くの市民に生ごみの減量化、再資源化に取り組んでいただけるよう、情報発信と啓発に努めてまいります。 次に、生ごみ処理方法についての周知についてでございます。これまでにも、ごみ減量化機器等購入費補助金制度や、生ごみを捨てる前に水切りを行っていただくことなどについて、毎年「広報うえだ」や「環境うえだ」を中心に周知、啓発を行ってまいりました。今年度におきましても、紙類の再資源化と生ごみ減量化を重点施策に位置づけ、「広報うえだ」において4回の特集を組み、新たな取り組みについて情報発信し、周知を図ってきたところでございます。今後も引き続き、さまざまな機会に各種媒体により、生ごみの減量化、再資源化の市の方針について広報、啓発をし、周知してまいりますが、新年度におきましては、ごみ減量化機器等購入費補助金制度を拡充するほか、このごみ減量化機器等で処理した乾燥生ごみなどを持参していただくとポイントがたまり野菜等と交換できる、やさいまる事業も新たに導入し、生ごみを堆肥化する取り組みも進めてまいります。 この新しい事業の周知につきましても、「広報うえだ」、「環境うえだ」、市ホームページ、またUCVのテロップ回覧板や有線放送などによるほか、ごみ減量化機器等購入費補助金の拡充につきましては、市内の家電量販店やホームセンター等にも依頼して幅広く周知することで、補助制度の利用を広げてまいります。また、やさいまる事業につきましては、連携する信州うえだ農協にも直売所などでの広報活動をお願いしていく予定であります。 次に、これらの取り組みによる減量見込みについてでございます。上田地域広域連合のごみ処理広域化計画に基づく上田市の平成27年度の可燃ごみの量(ごみ焼却量)の減量化目標値3万3,712トンが、資源循環型施設の焼却能力を決定するための重要な根拠となっており、上田市としましても必ずクリアしなければならないと認識しております。 この目標値達成のために、残り1年余で680トン程度の減量が必要な状況となっております。したがいまして、施策個々の減量効果を正確に算出することは困難ではありますが、これまでに取り組んできた資源物の分別回収や有料指定袋の導入、また剪定枝木類の資源化や古着類の回収、さらには雑がみ回収袋の導入といった新しい取り組みに加え、新年度における新たな生ごみ減量化施策などによりまして、生ごみを含めた可燃ごみ全体の量として680トンの減量を見込み、市民や事業者の皆様との協働により目標を達成してまいりたいと考えております。 次に、生ごみからできた堆肥の活用についてでございます。生ごみ減量化機器等による処理で生成した堆肥につきましては、自宅の畑や菜園などで利用していただく自家消費を基本としております。現在、自校給食を実施している一部の小学校等、6校1園ございますが、この給食調理くずは、生ごみ堆肥化モデル事業として、信州うえだ農協堆肥センターにおきまして、畜ふん等と混合し、肥料名としましてはスーパーコンでございますが、この販売をしていただいております。来年度からは、生ごみ処理機によって生成された堆肥を菜園や畑等で利用できない市民の皆様につきましては、処理した乾燥生ごみを市に持参していただいて、ポイントがたまるわけでございますから、そのポイントを持ってJAの農協直売所で野菜等と交換できる、やさいまる事業を活用していただくことにより、肥料として再資源化することができます。 このように生ごみを堆肥化等により、可燃ごみとして焼却処分するのではなく、堆肥や肥料として循環させ、家庭菜園や畑等で利用していただくことにより循環型社会の形成を目指してまいりたいと考えております。 以上です。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 生ごみ処理について、さらに2点伺います。 今議会初日の市長施政方針で示されました生ごみ堆肥化施設を現在稼働させている市町村との連携による堆肥化の検討については、どこの市町村を指すのか、伺います。 また、堆肥化事業については、上田市が独自で実施することは考えていないのかもあわせて伺います。 2月25日付、信毎朝刊でありますが、上田市生ごみ減量を強化が掲載されていました。歓迎するものであります。そこで伺うのは、家庭用生ごみ処理機器の普及をいつまでに全世帯の何%を目指すといった具体的な目標を定めた計画を示すべきと考えるがどうか伺い、第2問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 現在、上田地域広域連合構成市町村の中で生ごみ堆肥化施設を稼働させているのは、長和町大門の長門牧場内にある長和町生ごみ堆肥化処理施設のみでございます。ここでは、牧場内で発生する畜ふんと、おがくず、わらをまぜたものに生ごみをおおよそ1対1の割合で混合し、堆肥化を行っており、年間最大250トンの処理が可能で、平成24年4月から稼働しております。昨年度は年間約71トンの生ごみを収集し、これに牛ふん等を混合し、約150トンの原材料から年間約50トンの堆肥が生成されており、できた堆肥は町内の希望者に無償で配布し、全て畑や花壇等で再利用されているとお聞きしております。 長和町では、事業化に当たり立地場所や処理方法、また生ごみの収集方法等、さまざまな検討を行い、生ごみ処理に関する実績とノウハウもございますので、これらを参考に研究し、上田市としての生ごみを資源として循環させる仕組みを検討してまいります。 また、生ごみ堆肥化施設の整備につきましては、これまでもさまざまな検討を行ってまいりましたが、上田市で排出される生ごみの全量を1カ所で処理することにつきましては、建設用地の確保や臭気対策など多くの課題があります。しかし、地域の特性を考慮したエリアごとの対応や民間活力の導入も含め、さまざまな選択肢もございますので、循環型社会を目指して、多面的、総合的に検討する必要があると考えております。 次に、生ごみ処理施策についての今後の計画についてでございます。先月まで実施いたしました通風乾燥型生ごみ処理機のモニター調査の9月から11月までの速報値によりますと、あくまで通風乾燥型生ごみ処理機のモニター実験対象者からの数値でございますけれども、1人1日当たりの生ごみ排出量は平均で約96グラムという数値が出ておりますので、これから推計いたしますと、1人当たり年間に約35キログラムの生ごみを排出することになります。この数値に上田市の平均世帯人員2.43人を掛けますと、1世帯当たり年間約85キログラムの生ごみを排出していることになります。仮に上田地域広域連合ごみ処理広域化計画に定める上田市の目標を達成するために年間1,300トンの生ごみを減量しようとするとなると、上田市全戸数の約23%に当たる約1万5,300世帯の生ごみを処理機などで資源化する必要があると試算されます。今回のモニター調査では、水分をよく切って処理機に投入していただくとともに、乾燥処理が難しい残飯類や肉類、骨等につきましては投入されない世帯も多くありましたので、家庭から実際に発生する生ごみの排出量はもっと多いものと推定されます。 今後の生ごみ処理施策を立案する上では、多くの市民の皆様に生ごみの減量化に取り組んでいただくにはどのような方法がよいのか、先進事例を研究するとともに、目標数値なども設定し、進捗状況などもわかりやすく今後示してまいりたいと考えております。 以上です。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 生ごみ処理の基本は家庭での処理である、この点では私もそのように認識を持っています。 次に、し尿の希釈施設について伺います。26年度重点目標に建設に向けた地元住民との合意形成とあるが、どこまで進んでいるのか、伺います。 そして、し尿希釈施設の整備については、一日も早く、いつまでにどこにという計画を示していただきたい、このように考えるが、どうか、伺います。 次に、ごみ減量化に向かう市民と行政との協力について伺ってまいります。まず、ごみ焼却施設建設ですが、建設候補地、地元の資源循環型施設建設対策連絡会は、ボールは行政に投げてある、このように言っています。市長は、再三、意見交換会再開への努力を表明していますが、資源循環型施設建設について、資源循環型施設建設対策連絡会から出された質問に対して地元交渉を行うことになっている上田市として、意見交換会再開の条件となる答えは持ったのか、伺います。 また、資源循環型施設建設対策連絡会との意見交換会再開に向けて、市長はどのように取り組んだのか伺い、第3問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) し尿の希釈施設についてのご質問いただきました。 資源循環型施設を現在の清浄園用地に整備する場合、上田市として新たにし尿前処理下水道放流施設を建設するとしています。清浄園は、上田地域広域連合で設置され、上田市、東御市、青木村、長和町のし尿等を処理していますが、資源循環型施設建設を前提として、し尿等については各市町村の責任において処理を行うこと、このことが正副広域連合長会で確認されております。 し尿前処理下水道施設は、収集車によって運び込まれたし尿等から夾雑物などを取り除き、下水道終末処理場で処理できる濃度まで希釈し、下水道へ放流する施設で、施設規模は建築面積で約500平方メートル、150坪ほどの施設となりますが、施設を整備する地域との調整も必要でありますので、現在、慎重に検討を進めております。 現在、下水道終末処理場への併設を基本として、し尿等下水道投入方式の比較検討を行っております。新し尿処理施設の整備計画とあわせ、資源循環型施設建設のためにもぜひご協力いただきたい旨、地域の皆様にお願いをしております。 資源循環型施設の早期建設のためにも、新し尿処理施設の具体的な建設計画をお示しすることが重要であると考えておりますので、新しい施設をお願いする地域の皆様との合意形成を進めながら計画を調整してまいります。 整備時期につきましては、東御市、青木村、長和町の状況を踏まえまして、平成30年度までには上田市としても新し尿処理施設の稼働が必要ですので、上田地域広域連合とも調整を図りながら、また資源循環型施設の建設の動向を踏まえ進めてまいりたいと考えております。 次に、資源循環型施設建設についての地元対応についてのご質問です。資源循環型施設建設対策連絡会の役員の皆様との意見交換会の再開に向けては、なぜ清浄園用地なのか。また、ごみの減量化目標の設定と具体的な施策の構築について、それから生ごみ堆肥化など生ごみの減量化についてなど、上田地域広域連合ごみ処理広域化計画に掲げられた減量化目標の達成のための具体的施策や、さらなる減量化への考え方や目標などについて、上田市としての考え方を示す必要があると考えております。 また、地域振興策の基本的な考え方なども意見交換会でお示しができるよう検討を進めておりますが、意見交換会の再開に向けましては、相互理解が深まるよう、より丁寧な説明に努めるとともに、全市民がごみの減量化に取り組み、施設周辺の環境負荷の軽減に努めていくといった姿勢も大変重要であります。 このため、資源循環型施設がよりコンパクトな施設となりますよう、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、ごみの減量化、再資源化をさらに進めることや、し尿前処理下水道放流施設の建設計画の早期具体化、着実なごみの減量化などが必要となりますが、上田市としても全力で取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 渡辺議員の質問でございます。 意見交換会再開に向けて、市長としてどのように取り組んできたのかという話、これはもう既に部長からも、あるいは前々から経緯についてお話ししてまいりました。事細かには申し上げませんが、昨年の12月17日の率直な意見交換会の場ということの中では、とりわけ感じたことは、このごみの減量化に向けての上田市としてのさらなる減量化政策、そして生ごみの堆肥化等、こういったことに対する多くのご意見をいただいたと受けとめており、これらをより強化しなければいけないという思いでございました。したがって、これまでも述べてまいりましたが、平成27年度の予算編成等におきましても、かなりの施策を講じ、また新たな方法も取り入れ、積極的にまず処するという思いで指示し、取り組んでいこうということに決めました。 そういう中で、資源循環型施設の建設においては、今後も地元調整を担当しております 上田市として、地域の皆様の声に引き続き耳を傾けながらも、現在検討中の事業も含めて、さらなるごみの減量化と再資源化策などをお示ししながら意見交換会の再開にこぎつけていきたい、このように思っています。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 市民との協働について伺います。 環境省がごみ処理システムのガイドラインを示してはいるのですが、大変不十分だという指摘がございます。よって、全国市町村の手法はばらばらでございます。埼玉県の久喜宮代衛生組合の市民と行政との協力は、大変評価の高いところであります。合併時の宮代町の町民アンケートの中で、町の誇れるものは何ですかという設問で、ごみの行政が進んでいるというのが65%で、断トツのトップだったという記事を以前読んだことがあります。そして、ごみ問題解決は市民の意識改革なしには実現できないものと結んでありました。行政職員のコメントであります。 住民のごみ減量化への意識改革ですが、そのきっかけとなる引き金でありますが、例えばごみ袋の有料化であったり、最終処分場の建設であったり、全国さまざまでありますが、上田市の場合の、いわゆる引き金は、このごみ焼却施設建設の課題であることは確かであります。資源循環型施設建設対策連絡会の皆さんからの質問は、答弁でも触れられましたが、ごみ処理広域化計画の見直しです。明確なごみ減量化と生ごみ堆肥化対策、そして負担の公平、これは迷惑施設が集中していることとあわせて、市民一人一人がごみの減量に努力と責任を果たしてもらう。さらには、ダイオキシン類の環境への負荷の軽減です。それら行政が責任を持つことを求めているものだと私は認識しています。その資源循環型施設建設対策連絡会は、いわばごみ問題に最も関心の高い皆さんで、具体的な提案を持っています。資源循環型の地域環境をつくる上で最も、いわゆる最大の担い手、エネルギーであると、私はこのように思います。 現にここでは地元と行政との間で公害防止協定が結ばれ、住民が監視の権限を持っていることを考えるならば、その皆さんの知恵を活用させていただかない手はないだろうと、このように私は思いますが、そのことを伺い、第4問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 諏訪部、秋和自治会を含む資源循環型施設建設対策連絡会を構成する地域の皆様には、市民生活に欠かせない施設を受け入れていただいていることに対しまして、改めて厚く感謝を申し上げます。 対策連絡会の皆様におかれましては、これまでも独自にごみ焼却施設や生ごみ堆肥化施設を見学されるなど、環境問題について高い見識を持たれるとともに、勉強会を開催されるなど幅広い研究をされております。また、これまでもごみ処理に多くの知識、経験をお持ちになっている何人もの市民の皆様からも、ごみ減量化や再資源化に対するさまざまなご提案やご意見もお寄せいただいており、そういったご意見、ご指摘も積極的に参考にさせていただきたいというふうに考えております。 今後も、さらなるごみの減量化、再資源化を進めるに当たり、エコ・サポート21など、ごみの堆肥化に取り組んでいる市民団体の皆様やごみ減量アドバイザーの皆様とも連携を一層進めるとともに、対策連絡会の皆様からのご提案やご意見も十分参考にさせていただくとともに、またそれ以外の市民の皆様のご意見も十分お聞きし、施策に反映できるようにしまして、全市を挙げてこのごみの減量化を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 全市を挙げてということでございます。いずれにしろ、行政がその気にならないとなかなか進まないということでございます。資源循環型施設建設関連事業課の業務が既に議論があったところでありますけれども、平成24年に副市長をトップにつくった資源循環型施設建設に伴う庁内プロジェクトチームは今機能しているのか、伺います。 あわせて、ごみ減量化については庁内全体の共通認識が必要だと、このようにも、先ほど部長の答弁がありましたが、この設問については省きます。 あと、市民との情報の共有でありますが、ごみ減量に向けた出発点はどんなものを、どのぐらいごみとして出しているのか、どのぐらい減量や資源化しているのか等、具体的に実態を把握している情報を市民に知らせていくことであります。ごみ減量化に向けて自覚的な市民をふやすための情報がちょっと足りないかな、こんな感じもするわけでございますが、今、情報発信をしていることとあわせてどうか伺い、第5問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 平成24年6月の新たな提案以降、上田地域広域連合からの協力要請を受け、資源循環型施設建設候補地に係る庁内プロジェクトチームを立ち上げ、広域連合との連携協力のもとに、現在の清浄園の活用、あるいはし尿前処理下水道処理放流施設整備の検討、地域の振興策の検討、また施設周辺の道路整備の検討など、さまざまな検討を行ってまいりました。この庁内プロジェクトチームは、副市長をプロジェクトリーダーとして、関係部局の多くの部局長がかかわっており、発足当時は、事務局を廃棄物対策課と政策企画課が担い、広域連合との調整を初め、部局横断的な総合調整を図ってまいりました。 資源循環型施設の建設につきましては、広域連合の施設ですが、建設候補地である上田市にとっても大変重要な課題であり、平成24年当時は市において専門部署を設けるのではなく、それぞれの課題に対する専門の職員による横断的なプロジェクトチームを編成して検討を行うという方針のもとに発足いたしました。 平成25年11月に資源循環型施設建設関連事業課が生活環境部に設置されましたので、庁内プロジェクトチームの事務局は、現在、関連事業課が担当しております。施設整備推進に向けた地元及び上田地域広域連合との調整に関すること、し尿前処理施設の整備に関することが関連事業課の事務分掌とされておりますので、庁内の部局横断的な調整を初め、これまで庁内プロジェクトを検討してきた多くの課題につきましては関連事業課が調整を担当しております。今後、地域振興施設計画や道路整備計画の再検討など、多方面から庁内プロジェクトチームで検討すべき課題が出てまいることが想定されます。このため、組織としては現在も継続設置をしている状況でございます。 次に、ごみ減量化に向けて自覚的な市民をふやすための情報が足りないとのご質問でございますが、ごみの減量化、再資源化を推進するには、市民及び事業者の皆様の協力が不可欠でありまして、そのためにはごみ減量意識の醸成や意識改革を図ることが何よりも重要であります。 本年度、雑がみ回収袋の導入に当たりまして、市内全自治会を対象とした説明会を実施いたしました。説明会では、多くの市民の皆様に市のごみ処理の現状や上田地域広域連合で計画している資源循環型施設の状況をご説明し、広域連合内で85%以上の可燃ごみを排出している上田市としての減量化の必要性を訴えさせていただいたところでございます。このようなきめ細かで丁寧な説明や継続的な取り組みが、直接市民の皆様のごみ減量意識の醸成を促し、また意識改革につながり、減量化に結びつくものと認識したところでございます。今後におきましても、減量化目標値達成に向けまして、具体的に数値等を示しながら丁寧できめ細かい情報発信や啓発に努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 私は、この質問、昨年の6月、9月、12月と質問してまいりました。今議会、今、答弁を聞いていまして非常に進んでいくかなというそんな期待感を思わせる答弁だったというふうに、今感じているところであります。ただ、要は、あと市民が何をすればいいのか、そして行政の役割は何か、ここをもっと明確にすべきだと、このように考えますがどうか、伺います。 さらに、上田市のごみ行政は、20年続いている市民による資源回収等をなし得た実績と経験があります。そこには自治体職員の当然努力があったわけでございます。ごみ減量化、生ごみ処理等を中心に据えた総合的なごみ処理問題に関する自治会説明会、また懇談会など旺盛に計画すべきと考えるが、見解を伺い、第6問とします。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 市民の皆様と行政との役割を明確にして取り組むべきとのご質問をいただきました。これまでにも、市の年間のごみ処理にかかる経費とそれを賄う収入、可燃ごみと不燃ごみの量の推移、資源物回収における品目別回収量の推移、再資源化の処理の流れやルート、市民1人当たりの1日のごみ量の推移、ごみ減量化機器等購入費補助の状況などについて、それぞれ情報としてお知らせをしてきております。今後におきましても、こういった資料やデータをお示ししながら、市民の皆様にどのようにごみの減量化、再資源化に取り組んでいただくかを丁寧にご説明するとともに、行政としましては市民の皆様が取り組みやすい仕組みづくりやインセンティブの検討などを通しまして、市民と行政の協働による取り組みに努めてまいります。 なお、過去におきましても、平成3年の資源物回収の開始、また平成8年の燃やせるごみ有料指定袋の導入や、平成16年のプラマーク付プラスチックごみと、その他の燃やせないごみの有料指定袋の導入などに際しまして、全自治会を対象に説明会を実施してまいりました。本年度の雑がみ回収袋導入につきましても、同様に自治会説明会を実施してまいりました。市民の皆様の生活に密接にかかわる大きな施策の実施や、市民の皆様に何らかのご負担をお願いする場合には、必ずこのような説明会を実施する必要があると認識しております。今後も、ごみの減量化、再資源化につきましては、市民の皆様に対しまして、これまでと同様に、機を捉え、さまざまな媒体を通しまして丁寧に、またきめ細かい情報発信や啓発に努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員。 〔27番 渡辺 正博君登壇〕
◆27番(渡辺正博君) 最後に、資源循環型施設の信頼性を高めることについて伺います。 ダイオキシン発生源の一つとされる塩素が含まれるごみを減らすことについて、その現状と対策はどうか、伺います。 そのダイオキシン類濃度測定ですが、法律では、年1回、4時間だけ排ガスを採取して分析すればよしとなっていますが、実際には排ガス中の大気汚染物質の濃度は時々刻々と変化します。特に焼却炉のように、燃やすものの組成、形、大きさ、水分量などがさまざまに変化する場合には、排ガスに含まれる有害物質濃度もそれぞれ変化するはずであります。法律に規定されているとおりの年1回だけの実施では不十分であります。この点について上田市としての考えをお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(池上喜美子君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 焼却炉から発生するダイオキシン類につきましては、環境省の資料によりますと、適切な対策や管理を行っている場合には、塩化ビニールなどの塩素を含むごみの影響は相対的に少なく、燃焼状態や排ガス処理の状況などのほうがダイオキシン類濃度に大きな影響を及ぼすと考えられるとされております。このことから、焼却炉での燃焼温度の管理、また焼却後の排出ガスの温度管理等の徹底がダイオキシン類の発生抑制に大きく影響しますので、現在のクリーンセンターと同様に、日常の運転管理、維持管理には細心の注意を払っていく必要があります。なお、ダイオキシン類は焼却の過程で副生成物として発生してしまうことから、可燃ごみの減量化を進めることがダイオキシン類の発生を抑制する上でも効果があると考えるところでございます。 現在、上田地域広域連合の3クリーンセンターにおいて、廃プラスチック類は可燃ごみとしての受け入れはしておらず、計画する資源循環型施設におきましても、これまでと同様に焼却することはありません。資源循環型施設におきましては、最新の技術を導入することはもちろん、適切な管理、ごみの減量化など、ダイオキシン類などの有害物質の排出抑制に対して、できる限りの対策をすることが重要と考えております。 次に、ダイオキシン類の濃度測定についてでございます。上田地域広域連合では、ダイオキシン類など焼却によって発生する有害物質の測定につきましては、先進地の事例研究をするとともに、地域の皆様との意見交換を重ねる中で、測定頻度を上げるなど自主的な測定方法についても公害防止協定により定めていくとの方針であります。 また、この点につきましては、周辺住民の皆様の関心の高いところであり、大気汚染による健康被害を心配される方もいらっしゃいますので、最新の技術の導入を前提に、ダイオキシン類に限らず、窒素酸化物や硫黄酸化物など各種有害物質の自主規制値を設けてまいりたいとの方針でありますので、上田市としましても、広域連合と連携しまして安心安全な施設の建設及び稼働となるよう最大限努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(池上喜美子君) 渡辺議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 2時34分 休憩 ◇ 午後 2時50分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(6)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第18号、市政について、南波議員の質問を許します。南波議員。 〔25番 南波 清吾君登壇〕
◆25番(南波清吾君) それでは、市政について、通告の順に質問させていただきます。 まず、教育委員会について、まず1点といたしまして新教育委員会制度についてお伺いいたします。国においては、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図るため地方教育行政制度の改革を行うという趣旨のもと、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が、昨年5月、可決成立し、本年4月1日施行となりますが、この新教育法に対して、首長、教育長の権限が強くなり、教育委員会の弱体化につながると懸念する声もあるわけですが、この新制度の概要と市長の考えを伺います。 また、県においては、昨年10月、総合教育会議を立ち上げましたが、上田市の総合教育会議の設置及び大綱の策定の考えはどうか、伺います。 次に、2点目として、教育委員会の組織について伺います。教育委員会は、義務教育関係の教育総務課、学校教育課、また社会教育、体育振興、文化振興、公民館活動の生涯学習課、文化振興課、スポーツ推進課と多岐で広範囲にわたる業務を行っている現状です。市民会館もなくなり、交流・文化施設サントミューゼが完成し、所管が市長部局に移管となりました。地域の公民館も自治センターに併設され、生涯学習としての公民館活動も市民参加・協働推進課とタイアップし、地域活動をしております。また、毎議会ごとに質問があり、各種スポーツ団体からの要望もありますスポーツ振興やスポーツ施設の整備の推進などもなかなか進みません。2027年に予想される長野国体での競技を上田市に誘致するため、目標を設定して施設整備を促進するなど、さまざまな問題が山積しております。また、教育委員会と市長部局の二重行政を指摘する方もおります。このような問題解決のため、教育委員会は義務教育関係の教育総務課と学校教育課のみとし、あとは市長部局に移管するというような、わかりやすくスリムな組織体制に改革すべきと思うが、どうでしょうか、伺います。 平成22年1月に、上田市行財政改革推進委員会より
教育委員会事務局体制の改革について提言がされているということですが、その内容についてもお聞きします。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) 私のほうからは、制度改正の内容についてご答弁させていただきます。 今般の教育委員会制度改革は、いじめ問題を初めとした教育環境をめぐるさまざまな問題を背景に、責任の所在を明確にした迅速な危機管理体制の構築など、教育委員会の指導力を発揮できる体制を整えること、また地方公共団体の長の教育行政に果たす責任や役割を明確にすることを目的としております。 改正の主な内容でございますが、1点として、現行の教育委員長と教育長を一本化する新教育長を設置し、これを地方公共団体の長が任命することになります。これにより第一義的な教育委員会の責任者が教育長であることが明確になるとともに、あわせて、これまで教育委員会が任命していた教育長を首長が直接任命することにより、首長の任命責任が明確にされます。 2点目でございますが、全ての地方公共団体に総合教育会議を設置することとなります。この会議の招集は首長が行い、首長と教育委員会で構成し、教育行政の大綱の策定のほか、教育の条件整備など重点的に講ずべき施策や児童生徒の生命、身体の保護等、緊急の場合に講ずべき措置などについて協議、調整することになります。これにより首長が教育行政に果たす責任や役割が明確になるとともに、首長が公の場で教育行政について議論することが可能となります。また、首長と教育委員会が協議、調整することにより、両者が教育政策の方向性を共有し、一致して執行に当たることが可能になります。 3点目は、教育に関する大綱を首長が策定することになります。大綱は、教育の目標や施策の基本的な方針であり、総合教育会議で首長と教育委員会が議論を尽くして策定し、大綱のもと、市長部局と教育委員会がそれぞれの事務を執行いたします。これにより地方公共団体としての教育政策に関する方向性が明確化されます。 制度の内容につきましては以上でございます。
○議長(下村栄君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 南波議員の質問に答弁いたします。 今回、教育委員会制度改正において、今もお話しございましたけれども、地方公共団体の長への教育へのかかわり方、また政治からの中立性というもの、こういった中でいろいろ議論があって法律ができたと、このようにまず認識をいたします。 子供たちを取り巻く環境、さまざま変化があり、また課題、こういったものが生まれている今日でございますけれども、よりよい教育環境を整えていくため、それには教育委員会初め、それに任せるというスタンスではなく、家庭、地域、そして今後は市長部局も一層一体となった取り組み、これが重要でございまして、市長として果たす役割もおのずとあると、このような認識を強く持ちます。 そもそも上田市におきましては、このような精神は前から持っておりまして、平成19年、こういった思いの中で1月に、上田市教育行政のあり方を考える有識者会議、これを設置して、さまざまな議論をいただいた結果、市長部局と教育委員会が共同で上田市教育支援プランを策定いたしました。以降、毎年、教育委員との意見交換あるいは懇談を行いながら見直しもしてまいりまして、さまざまな教育に対する支援策を推進してまいりました。 そういうことからしても、総合教育会議ということがございますけれども、このあり方は、これまでの私の思いや考え方とは方向性は同じくするものであると、このように思います。これまで培ってきた取り組みを制度として、今後、より発展させていく中で、オープンにして外部の意見も取り入れながら大綱も策定していきたいと思いますし、関係者が教育政策の方向性を共有して取り組んでいける仕組みと、このように捉えております。 首長の権限が増して、教育の中立性云々がございますけれども、これらの懸念の解消のためにも、教科書の採択とか、学校の教育課程の編成、また個別の教職員人事等々、特に政治的中立性、継続性、安定性、こういったものを担保する必要がある事項そのものについては、引き続き教育委員会の専権事項と、このようにされているわけでもございます。 これまでの教育支援プラン推進におきましては、教育委員会との連携を密にとりながら、総合教育会議の設置後におきましても教育の中立性というものは尊重していかなければいけないと思いますし、何より子供たちの目線に立った教育、この教育環境の充実に向けて取り組んでまいりたいと思っております。 次に、総合教育会議の設置及び大綱策定についての計画のご質問がございました。まず、総合教育会議の設置でございます。教育委員会との連携をとりながら、これは新年度の早い段階でスタートしたいと思います。 また、大綱の策定についてでございますが、現在、私がさまざま関心を持っていることは、いろいろありますけれども、中でも学力向上の取り組み、また英語教育の課題、そして中高連携の可能性とかあり方、こういったものも教育に寄せるという視点での私の思いがございます。 今後立ち上げる総合教育会議におきましては、これまでの上田市教育支援プランの扱いも含めまして、大綱全体の構成とか内容の方向性、そういったものについて協議をいたしながら、教育委員会との連携を強め、策定してまいりたい、このように考えているところでございます。
○議長(下村栄君) 武井総務部長。 〔総務部長 武井 繁樹君登壇〕
◎総務部長(武井繁樹君) 私からは教育委員会の組織についてお答えいたします。
教育委員会事務局の組織改正については、平成22年1月に上田市行財政改革推進委員会から
教育委員会事務局体制の改革について提言がございました。 まず、その内容等からご答弁いたします。この提言は、行財政改革大綱の基本方針である縦割り行政を排除し、新たな行政システムを構築するという観点から、2つの目的を示されたものでございます。1つ目の目的は、管理の一元化と重複業務の見直しにより、人的、財政的資源の傾斜配分を可能にすること。2つ目は、教育委員会が学校教育の分野に特化できる体制をつくることを目的とする提言でございました。具体的には、健康づくり施策と体育振興施策の一元化、観光施策と文化振興施策の一元化、市民と行政の協働によるまちづくりを目指す施策と学習活動を支援する公民館活動を統合し、市民の主体的な活動により地域づくりを行う体制を実現するという提言をいただいたものでございます。 この提言を受け、平成22年5月には教育委員会が提言に対する考え方を示しており、1つ目として、健康づくり施策と体育振興施策の一元化についてでありますが、スポーツ事業には、健康づくりや体力の維持向上を目的とする事業と、競技力の向上を図り勝敗や記録を目的とする事業があること、また体育協会等の団体やスポーツを楽しんでいる市民の意向にも配慮する必要があること。2つ目の観光施策と文化振興施策の一元化については、経済効果や即効性が強く求められる観光振興と、地域の人材育成、芸術文化の振興、文化施設の有効活用を目指す文化振興の取り組みが同一の部署で同じ目的、方向性を持って行うことができるか、検討を進める必要があること。3つ目のまちづくりと公民館活動の結合については、地域づくりには地域の担い手が必要であり、自治組織を学習面で支える教育機関として、教育委員会においての公民館の存在と機能が必要不可欠であるとしております。 市では、これらの提言等も参考にしつつ、
教育委員会組織の見直しを実施してきており、これまでに地域教育事務所で所管していた学校教育に関する事務手続を学校教育課へ一本化し、事務の効率を図ったこと。また、各地域の公民館の館長に市長部局の地域振興政策幹を発令し、地域協議会の活動と公民館活動の連携の強化を図る体制を構築してまいりました。 平成27年4月1日付の組織条例改正案を今議会に上程しておりますが、今回の改正では
教育委員会事務局体制に大きな変更はございません。しかしながら、昨年10月にオープンしたサントミューゼに関連して、文化振興部門との統合の有効性と、その可否について検討を行ってまいりました。その結果といたしましては、現時点ではサントミューゼがオープン直後であり、まずはサントミューゼ内の組織体制をしっかり固めることが必要な時期であると判断し、当面は現在の政策企画局に配置する体制といたしました。
教育委員会事務局の組織改正については、市長マニフェストにも掲載されており、その要点は2点でありまして、1点目には、さきに述べましたサントミューゼと
教育委員会事務局の文化振興部門との関係でございます。2点目でありますが、議員のご質問にもあります地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律に規定される、首長が設置することとなる総合教育会議と、教育の振興に関する施策の大綱を策定することに関するものでございます。教育の振興を図るためには、義務教育部門、生涯学習部門、文化振興部門、スポーツ振興部門のそれぞれに対する市長部局と教育委員会の役割分担と、その施策を推進する効果的な組織体制のあり方についても、総合教育会議の場で意見交換会等が行われるものと考えられます。 市長、教育長及び教育委員による総合教育会議での
教育委員会事務局の組織体制に対するご意見や、その方向性を踏まえ、組織改正について検討してまいります。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 南波議員。 〔25番 南波 清吾君登壇〕
◆25番(南波清吾君) それぞれ答弁いただいたわけですけれども、平成22年の1月に上田市の行財政改革推進委員会から提言がされたと。私も、全くその内容、非常にそのとおりだと思うのです。今お話しのように、総合教育会議が市長が新年度の早い時期から立ち上げたいと。総務部長のほうから、それでその総合教育会議の中で検討しながら組織のほうも検討していきたいという答弁だったと思うのですけれども、なぜ私は、今ここでこの時期にという話をしたいのですけれども、先ほどもちょっと触れましたけれども、2027年に長野国体が来る、想定されるというわけです。そうすると、ここ二、三年ぐらいのうちに、それぞれの各自治体から競技希望の取りまとめがあるというような話も聞いております。そのために、やはり上田市も施設整備などを計画的に進めていかなければ、その国体競技の上田市への招致も不可能になってしまうのではという危惧をするのです。 それから、けさ一番に、うちの同僚議員の山田議員からも、教育委員会の肥大化についても問題提起がされておりましたけれども、その面でガバナンスの点においても、やはり問題があるのではないか。余りにも大き過ぎるのではないか。結局、市長部局の中で部長一人での持つ組織と、教育委員会の中の教育次長の持つ組織が全然大きさが違うではないですか。その辺もあわせて、その面からも提案させていただきたいのですけれども、もし総合教育会議のほうで早い時期に結論が出て、やっぱり組織改正をして、いろんな企画をしていきたいという話が出ればいいけれども、もしそれが出ないとするならば、逆に早くもろもろの施設整備等検討していただくためにも、場合によっては、教育委員会、2部体制として、部長をもう一人つけたらどうだ。そのぐらいの提案をしたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○議長(下村栄君) 武井総務部長。 〔総務部長 武井 繁樹君登壇〕
◎総務部長(武井繁樹君) 先ほどの市長の答弁で申し上げましたとおり、総合教育会議は新年度の早い段階でスタートしますことから、
教育委員会事務局の組織体制に対する総合教育会議でのご意見とか、ただいま議員のご意見も踏まえる中で早目に検討してまいりますので、ご理解をお願いいたします。
○議長(下村栄君) 南波議員。 〔25番 南波 清吾君登壇〕
◆25番(南波清吾君) 総務部長の答弁に期待をしております。 次に、長野大学の公立大学法人化について伺います。近年の少子化の進行に伴いまして、なお今後もさらなる人口減少が予想される中、私立大学、短期大学等の入学志願動向も、都市圏への集中により定員割れとなる私立大学が50%近くになるほど、大学の経営環境も大変厳しい状況となっているとのことです。さらに、今後の動向としても大都市圏の大学志願者の集中が進み、地域間格差及び大学間格差が一層拡大することも予想されるなど、地方大学においては大変厳しい状況のようでございます。 このような中、昨年3月、長野大学より公立大学法人化の要望書が市長宛てに出されました。それを受けて、市は検討委員会を立ち上げ検討しております。議会も本年2月12日に、長野大学より理事長、学長方をお招きし、お話をお聞きしました。近年、志願者数も定数を上回り、経営内容もよく、内部留保もあり、借金もなく、市からの財源は必要ないとのこと。ただし、施設整備の当市としての内部留保資金が必要になるとのことです。私ども創始会は、政務活動費を活用し広島県尾道市の尾道市立大学を視察してまいりました。尾道市立大学は、もともと市立であったものを平成24年に法人化したとのこと。大変すばらしい経営内容でした。組織業務、人事制度、目標評価、財務会計等々それぞれ課題がある中、運営組織の改革、教職員の意識改革、さらには大学の活性化など、さまざまな努力の結果であろうと思います。 長野大学は、尾道市立大学とは違い、私立大学からの公立大学移行ということで、また違うプロセスとなると思います。一昨日の半田議員の代表質問で、地方創生総合戦略の面からの質問がありましたが、私はその細部にわたって伺いたいと思います。まず、長野大学からの要望の内容とその背景、検討委員会の構成メンバー、検討委員会の経過状況、検討委員会の今後の予定、検討委員会の答申はいつごろ出るのか。また、市民への広報の仕方と意見の聞き方、市長はいつごろ方針決定をされるのか、それぞれ伺います。 長野県においても、2018年開校を予定している県立大学も、この設置について、県内の私立大学から反対の声もあったわけですが、公立、私立の県内配置の点からも調整が必要になろうと思います。急激に進む少子化の中、長野大学の公立法人化は慎重に議論し、市民の声にも耳を傾け、後世に禍根を残すことのないような結論を出していただくことを期待します。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) 長野大学について、幾つかご質問いただきました。 まず初めに、長野大学からの要望、この要望に至った経過も含めてご答弁いたします。長野大学からは、上田市が設立団体となる公立大学法人を希望され、昨年3月に要望書が提出されました。この要望をされた背景といたしましては、少子化により学生数が減少する中で大学の定員確保が困難となることから、地方の大学は存続の危機に追い込まれるだろうと言われていることが根底でございます。 公立大学法人制度は、地方独立行政法人法が平成16年に施行され、公立大学法人への移行が可能となりました。地方自治体が直接経営している公立大学を公立大学法人の組織にして、自治体とは分離して、経営を大学側に任せるというものでございます。 本来は公立大学を法人化する制度でございますが、議会の議決ですとか、自治体が法人の資産の2分の1以上の出資をするというような一定の要件を満たせば、私立大学でも公立大学法人化が可能であり、これまでに自治体が出資し、経営を民間に任せた公設民営大学と言われる大学のうち、全国で5校の私立大学が公立法人化をしている経緯がございます。 この5大学と同じように、長野大学は当時の塩田町が大学建設に必要な土地と費用を町が負担し、経営は民間に委ねた公設民営方式の大学として昭和41年に開学しております。私立大学から公立大学法人化した5校のどの大学を見ても、公立大学法人後は志願者数がふえ、募集定員を満たしているという実態がございます。こうしたことも公立大学法人化したいという理由になっていると思われます。 全国の公立大学法人あるいは公立大学の授業料が国立大学並みの安価な金額であることや、保護者や学生の国公立大学志向が強いことも相まって、志願者数の増加、定員の充足につながっているものと推測されるところです。 国からの財政支援は、私立大学の場合は文部科学省から補助金が交付されておりますが、公立大学法人の場合は自治体に総務省から地方交付税が措置され、その交付税を財源に大学側に運営費交付金として交付する仕組みとなっております。大学側では、この運営交付金が私学補助に比べて多くなるとしており、経営の安定化も図ることができると見込んでいるものでございます。このように学生の確保と経営基盤の安定を図ることにより、少子化による大学の存続の危機を乗り越えて、市と連携して、地域で活躍する人材の育成、地域に貢献できる若者の育成をしていきたいということで、公立大学法人化の要望を上田市に提出したと受けとめております。 続いて、検討委員会の構成でございます。大学の経営という、ある意味、独特の領域であり、専門性を有することから、大学の運営に関係する有識者を中心に、大学運営、教育関係者、経済界、有識者、市民代表、行政という6つの分野からそれぞれ2名から3名の方を選考させていただき、総勢13名で委員会を組織しております。大学運営の分野では信州大学の名誉教授と副学長、教育関係者からは高等学校長の代表と市の教育委員経験者、経済界からは商工会議所や関係する事業所、有識者として大学教授と中小企業診断士、市民代表が3名と行政からは副市長が入ったメンバー構成でございます。 委員会の検討状況でございます。昨年11月に第1回の検討委員会を開催し、月に1回のペースで開催してまいりました。長野大学の概要では、学部学科、入学者や就職の状況、経営の状況などの基本的な状況を把握し、少子化により地方私立大学を取り巻く環境が大変厳しいことを認識いただき、大学内の様子や施設の視察もしていただいたところでございます。また、公立大学法人の制度では、法人の独自性、設置団体となる上田市の責務と法人への関与のあり方を示すとともに、長野大学の地域貢献、市との連携状況、大学が立地することによる経済効果なども示してきたところでございます。 公立大学法人化した場合の市と大学のかかわりの変化などについて、過去に私立大学から公立大学法人化した5つの大学の公立大学法人化に至った経緯、公立大学法人化するに当たっての大学改革、公立大学法人化する前と後での志願者数、入学者数の変化など各大学の状況を示すとともに、長野大学が考える公立大学法人化後の経営のシミュレーションを示していただき、経営がどうなるかといったところでのご意見もいただいたところでございます。 公立大学法人化に当たって、入学者を確保し、将来にわたって存続するために、どういった大学改革をしていくのかということで、大学としての改革案も示していただいております。学部編成と学問領域、学生の確保、学費、就職、社会貢献、人材育成、財政面など幅広い分野において、各委員の専門的お立場であることからこそわかり、気がつく、見えてくる貴重なご意見を積極的に発言いただいているところでございます。 公立大学法人化という今まで経験したことのない審議であり、大変重い課題でありますことをそれぞれ委員が認識されており、真剣に取り組んでいただいているところでございます。 検討委員会の今後の予定でございます。少子化により激化する時代において、大学間競争に打ち勝ち、持続ある大学経営を目指すためには、いかに長野大学の魅力を高め、受験生や保護者から選択され、地域や企業からも支持される大学として変わっていけるのかがポイントとなると思われます。 公立大学法人化するためには、そこの確実な理由と市民の理解が必要であり、在校生や卒業生が地域で活躍し、期待され頼りにされる。教員も社会貢献や人材育成に力を注ぎ、市民が求める大学であるということが必要と思われます。このような大学が実現できるかどうか、これまでの説明や資料に基づいて今後議論に入ってまいります。委員の皆様から出されている課題を整理し、大学の改革案の検証、学問領域と学生の確保、さらなる地域貢献と人材の育成、そして経営力の強化が図れるかどうかなど、議論した上で公立大学法人の是非について結論づけることになると思われます。このようなことから、平成27年度に入っても検討委員会での検討が必要になることが見込まれますため、平成27年度当初予算で検討委員会に係る費用についても計上させていただいてございます。 検討委員会の答申はいつ出るのかというご質問でございます。現在、検討委員会で検討しているところでございまして、今後、具体的な議論に入っていくところでございますので、あと数回の議論は必要になると考えています。いつまでにということは、ここで申し上げられませんが、平成27年度のできるだけ早い時期に、検討委員会としての結論を報告書にまとめていただきたいと考えております。 市民の意見をどのように聞いていくのかという点でございます。先ほど申し上げたように、公立大学法人化する場合には、市民の皆さんのご理解をいただく必要がございます。例えば、広報やホームページで広く市民の皆さんにお知らせし、パブリックコメントをいただく方法もございますので、市民の皆さんのご意見をいただく何らかの方法を考えてまいりたいと考えています。 市長はいつごろ方針を決定するかというご質問です。検討委員会からの報告を受け、その内容を精査した上で検討委員会の結論と市民の皆さんのご意見を尊重し、総合的に判断して、市としての方針を示してまいるということでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 南波議員。 〔25番 南波 清吾君登壇〕
◆25番(南波清吾君) 続きまして、土地改良事業について、ため池の耐震対策ということでお聞きします。 上田市は、全国でもまれな寡雨地帯であるため、農業にとって大変重要な役割を担っているため池が数多く存在しています。東日本大震災において堤の決壊により人命が奪われるなどの大きな被害が出たことにより、当上田市内のため池においてもこのような悲惨な事故を未然に防ぐために、ため池の耐震調査が行われているものと理解しておりますが、これまで進めている耐震調査の進捗状況と、調査が終了したため池の結果はどうだったのか、伺います。 また、ため池の果たす役割は、田畑への冠水だけではなく、最近頻発する集中豪雨に対しても調整能力を発揮することにより下流域の被害を未然に防止することが可能です。防災・減災の観点のみならず、上田市の財産となっているわけです。このように多面的な機能を維持していくため、耐震性が確保されていないとされたため池について、今後、耐震化の事業をどのように進めていくのか、伺います。 また、工事実施までの間のため池の防災対策はどのように考えているのかも伺います。 地域住民の安心安全のために、ため池ハザードマップを作成し、地域住民に啓蒙すべきと思うが、どうでしょうか、伺います。 さらに、耐震化対策に伴う事業費の見込みはどうなのか。また、公費負担と地元負担をどのように考えているのか、伺います。
○議長(下村栄君) 甲田農林部長。 〔農林部長 甲田 國満君登壇〕
◎農林部長(甲田國満君) ため池の耐震対策につきましては、東日本大震災による被害の教訓を受け、自然災害からの被害を未然に防止し、防災・減災対策の推進を図るために、平成25年度から国の補助事業でございます耐震対策農業水利施設整備を活用し、堤体の耐震性調査を実施しております。この調査では、ため池の堤体からボーリング調査により採取した試料とデータから、地震時における堤体の安定度の解析を行うもので、調査の対象としているため池は、市内86カ所のため池のうち、施設規模や決壊時に周辺に及ぼす影響等を考慮して選定した35カ所のため池について順次計画的に調査を進めておるところでございます。 調査は施設規模に応じまして県と市で実施しておりまして、県では堤高15メートル以上、または貯水量10万立方メートル以上の大規模なため池を調査し、市ではそれ以外のため池の調査をすることとしており、平成25年度では、県が6カ所、市が12カ所、平成26年度では、塩田地域の幕宮池、浅間池、豊殿地域の吉田池、丸子地域の明賀池、東山池の5カ所の調査を実施しております。また、平成27年度におきましては、12カ所を予定しているところでございます。 調査結果につきましては、平成25年度に調査を完了した18カ所のため池のうち、11カ所のため池において、耐震対策が必要であるため池という結果となりましたので、ため池の管理者の皆様には結果を報告するとともに、耐震対策を講じる必要があるため池については、個別に詳細な調査結果と今後の方針を説明させていただいている状況でございます。 次に、耐震対策事業の進め方と工事実施までの間の対応でございます。地元の皆様から利水状況や耐震化対策に対する要望をお聞きし、水利の再編も含めて事業内容に合意をいただいた上で耐震化工事に向けて、国の補助事業でございます県営地震対策ため池防災事業の採択を受けるため、平成27年度中に手続を進めてまいります。 耐震対策が必要なため池と判定されたため池については、耐震化工事を計画的に進めていく必要がございますが、工事着手までの間の対策といたしまして、各ため池管理者には万が一の場合に備えまして、貯水量を減少させることで浸水による下流域への被害リスクの低減を図るため、非かんがい期には一定量の水位を下げる低水管理をしていただいておるところでございます。 次に、ハザードマップについてでございます。ため池ハザードマップは、ため池が決壊氾濫し、貯水されている水が下流に流出した際に迅速かつ的確な避難を行うとともに、災害による被害の低減を図る目的として、浸水被害が想定される区域や、到達時間、浸水の深さ、公共施設・避難場所等を表示するなど、避難活動に有効な情報を掲載するものでございます。このため池ハザードマップにつきましては平成27年度から作成してまいりますので、地元の皆様と防災・減災の意識を醸成しながら作成に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、耐震化対策事業に伴う事業費の見込みと負担割合でございます。ため池は、我々の先人が多大な労力と資金を投じて営々と築き上げてきた公共的資産であり、決壊した場合、農用地、農業施設はもとより、地域住民の生命、財産、公共施設に甚大な被害を及ぼすおそれがあることから、被害の未然防止や被害の軽減を図るべき重要な施設でございます。 耐震化対策に要する事業費につきましては、今後、国への事業採択に向けた作業中で、耐震調査結果に基づき概略設計を行い、事業費の積算を行うこととしており、調査結果や施設規模に応じては多額の費用が想定されますので、対策工法につきましては十分な検討を行ってまいりたいと考えております。 予定しております県営地震対策ため池防災工事の補助率は、国55%、県34%、計89%であり、残りの11%を市と受益者で負担することとなります。土地改良事業に伴う受益者の負担率は、上田市土地改良事業分担金徴収条例施行規則により定められておりますが、既存のため池の耐震化につきましては、東日本大震災の教訓を受けて創設された事業であることを踏まえ、地元負担率につきましては新たな視点で検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、概略設計に基づく概算事業費が積算できたところで地元の皆様にお知らせし、順次、事業化に向けた協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 南波議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 3時32分 休憩 ◇ 午後 3時45分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、申し上げます。議事の都合により、本日5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。 ◇
△(7)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第19号、市政について、宮下議員の質問を許します。宮下議員。 〔12番 宮下 省二君登壇〕
◆12番(宮下省二君) 市政について、順次質問してまいります。 市長は施政方針の中で、「真田丸」放送に向けた市の取り組みについて、真心を持っておもてなしの態勢整備に本格的に着手すること、さらに、観光客の皆様をおもてなしの心でお迎えするよう積極的に取り組むと、その決意を述べています。 市長は、市長就任当初から市民協働を掲げ、市民でできることは市民が行い、市民と行政が力を合わせて行う事業は市民協働でと、その基本姿勢を明確にされ市政運営を行い、多くの成果を上げてまいりました。土屋議員の代表質問にもございましたが、市内市民団体が
NHK大河ドラマを求める署名活動に続く事業として、昨年末、1万3,000人余の市民の皆さんの声をまとめた「真田丸」放送に伴う市民アンケートを最大限に活用され、おもてなしの心が観光客のハートに届くことを期待し、市長に2点お尋ねします。 市民団体が行った市民アンケートは市民協働のモデルケースと思いますが、活用をどう考えているのか。また、第二次上田市総合計画まちづくりビジョン基本理念のキーワードとして、市民力、地域力、行政力を挙げておりますが、その3つを占う試金石と思うが、どうか。 次に、園児から高齢者までで構成する市民全員がおもてなしの心で取り組む観光ボランティアの設置についての問いに対して、42%、5,626人が協力したいとの回答がございました。市長はこの市民の思いをどう受けとめ、活動に生かすお考えか、お尋ねいたしまして、1問といたします。
○議長(下村栄君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 宮下議員の質問に答弁いたします。 このたびの市民団体から要請ございましたアンケートについての活用ということでございますが、まずは
NHK大河ドラマ日本一の兵真田幸村公放映の実現を願う会、ここにおける精力的な署名活動を初め、行動力、その中でも宮下議員においても一市民としてご活躍あられました。 また、今回のアンケート調査について同会からお話がございましたが、それについては、まずは感謝や敬意ということで申させていただきます。 市民のアンケートの内容を見ますと、市民の皆さんの「真田丸」に対する、まずは期待の大きさ、そして観光ボランティアなどへの参加意識の高さ、こういったものを感じました。こういったものが上田地域の活性化にぜひともつながってほしいと思います。 中身、800項目を超える膨大なものでございますけれども、ハード、ソフト事業、数多く事項がございます。そういった中においては、行政が担うこと、また市民、企業、団体、そういったものが中心になって担うこと、それぞれ役割があって、加えて市民協働の場として「真田丸」上田市推進協議会 、こういった体制があります。それぞれがお互い、足らずものは補い合いながら、ともに協力して取り組みを進めること、これが必要である、このように思います。今回の大河ドラマ「真田丸」放送決定に伴う各種事業は、まさに市民協働で進める最たるものでもあろう、このように思っております。 そういう中で、放送開始まで限られた時間でございます。第二次上田市総合計画の中間答申にもうたわれ、また議員からもご指摘ございましたが、市民力、地域力、行政力、こういったものを結集しながら、千載一遇のチャンスを物にしていくということが必要であり、みずから市民お一人お一人できることに積極的に参加していただきたい、そんな思いを持っております。 続いて、観光ボランティアについてのご質問がございました。まさにアンケート結果、観光ボランティアに参加したいと思っておられる方が約4割もおられたということ、このことは正直驚きでもございます。それだけ市民の意欲を強く感じております。言うまでもないのですが、観光客をお迎えするおもてなしです。これは、一部の観光関係者でできるものでは到底ございません。行政でも同様です。市民の皆さん一人一人がそれぞれできる範囲で対応していただくことが一番大切でございまして、そういう意味でも市民力が発揮される場面であろうと思います。 一方で、大河ドラマの放送効果で上田市にお越しになる観光客の皆さんをおもてなしするためには、私たち市民が真田氏のことを少しでも多く知って、真田ファンであるということも大事ではないかと、このように思っております。そういう中で、このたび全小学生に対して「信州上田真田氏物語」、作成いたしました。こういったものは全国の真田ファンにも見ていただきたいし、上田市のさらなる知名度アップにもつなげていきたいなという期待感がございます。 上田城で行われるさまざまなイベントもございます。こういった中でも、これまでのお祭り的なイベント、また今後新たに加わってくる、あるいは内容的に変化してくるもの、こういったものもたくさんあろうかと思いますが、例えば4月に開催を予定している第33回上田真田まつりにおいても、ボランティアスタッフを今募集している、このような状況でございますので、市民の皆さんには、このような場においても、まず登録しながら、ボランティアを経験されたらどうでしょう。こんな訴えかけもしていきたいなと思っております。これまでのボランティアスタッフの皆さん見ていても、大変生き生きと楽しそうにご活躍されているさまを見ましても、大変心強く感じております。このほか観光ボランティアにおいては、いろいろなかかわり方があろうと思います。どのように具体的にかかわっていただけるのか、これからさまざま、これまでのお祭り等検証もしながら、方向づけも新たにしてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたけれども、みずから何ができるかだろうと思います。またとない、このような機会でもございます。積極的な参加とご協力を私からもお願いをして、答弁といたします。
○議長(下村栄君) 宮下議員。 〔12番 宮下 省二君登壇〕
◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 「真田丸」の放送によって、最も多くの観光客が訪れる場所が上田城跡公園でございます。おもてなしは想定外の対応によって観光客の心に届くとともに感動となり、口コミとなって広く波及してまいります。今は、そのおもてなしの何かを探すことが求められております。 そこで、上田城の復元等について3点質問いたします。ことし本丸西櫓内部が見学できるとのことでございますが、手前に真田神社の渡り廊下があり、西櫓の場所がわかりづらいとのお話をお聞きいたします。真田神社は、本丸内において貴重な観光客のよりどころとなっておりますが、現在どのような位置づけがなされ、改修等の検討が行われているのか。また、安全対策はどのように考えているのか、お尋ねいたします。 次に、上田城の堀跡を利用して設置されました市営野球場は、土手が高く、安全性が確保されております。東の招魂社側及び南の道路側の塀を開放し、上田城の特徴でございます西側に大きな堀を有する姿を全国の真田ファンや観光客に見せるおもてなしの絶好のチャンスであると考えますが、どうか、お尋ねいたします。 次に、昨年9月、市議会で質問しました上田商工会議所前の旧三の丸跡の堀、石垣等の復元は難しいようでございますので、上田城の規模が予想以上に大きいとわかるような復元後の姿を看板等でPRし、町なかに観光客を呼び込む方策は考えられないかお尋ねいたしまして、2問といたします。
○議長(下村栄君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君) 真田神社の史跡上田城跡内における位置づけ等についてご答弁を申し上げます。 真田神社でございますが、その前身であります松平神社は、明治時代に本丸内の南側に鎮座し、大正時代には神社境内地を除く本丸の土地を神社が上田市に公園用地として寄附いただいたことによりまして、この二の丸を含めて市が公園を整備する契機となったものでございます。 今後の上田城跡整備につきましては、史実に忠実な整備を進めるという観点を基本としておりますが、先ほど申し上げましたとおり、真田神社が上田城跡の保存に果たした歴史的役割を評価し、史跡の保存と真田神社との共存を図ることが適切であると考えております。 真田神社の改修につきましては、神社側から社務所等の改修をしたい旨のお話を伺っております。国の現状変更の許可が必要となりますので、文化庁、また長野県教育委員会を含めまして、文化財の保護協議を行い、史跡の保存と両立するような改修となるよう、また西櫓への動線の確保も含めて、真田神社とともに検討している状況でございます。 なお、西櫓の公開に当たっての安全対策につきましては、来訪者の転落を防止するための柵を西櫓周辺に設置する予定でございます。 続きまして、上田城跡公園内の野球場の南側の塀を開放して、旧堀を見られるようにしたらどうかということでございます。上田城跡公園内の野球場及び陸上競技場及び相撲場でございますが、昭和3年に二の丸の、いわゆる百間堀と呼ばれました広大な堀の跡に設置をされたものでございます。このことは市民にも余り知られてはいないことではないかというふうに思います。 かつての広大な百間堀をイメージしていただき、大きな広がりを持っていた上田城の姿に思いをはせていただくことは、市民にとりましても、また上田城を訪れた観光客にとりましても大変大切なことだと考えております。その点では、城跡公園の野球場の南側のビューポイントは大変いいと。適地というふうに思いますけれども、それを確保するためにどのような方法が可能か、適切かということにつきましては、野球場の施設管理の問題等も含めまして、今後、関係機関と協議、検討させていただきたいと考えております。 また、旧三の丸堀の復元にかわるものとして、イメージ看板の設置ということのお尋ねでございます。旧三の丸堀の堀につきましては、かつて平成23年度に民間の開発に伴い、発掘調査をして、その一部を確認したところでございます。そこには、江戸時代の城下町絵図によって明らかになっておりますけれども、枡形の虎口があったり、大手門もあったということがありますけれども、現在でも道路が鍵の手のように曲がっており、城下町らしさを残す重要なポイントだというふうに認識しております。 このため市では、現在、鍵の手を利用した大手通り北側にポケットパーク、大手門公園を整備してございまして、案内看板も既に設置をしているところでもございます。しかし、議員のご指摘のとおり、観光客はもとより市民の皆様の三の丸に対する認知度はまだ低いのが現状でございます。そういったことから、いろんな工夫をする必要がございますけれども、議員のご提案の看板、これも大きな看板ということでございますけれども、そういったものの設置につきましては、現在のところ予定はございません。ございませんが、先ほどの百間堀を含めまして、こちらの三の丸につきましても広く市民や観光客の皆さんにPRして、広大な上田城郭を体験していただくということの必要性は認識しております。 現在、マルチメディア情報センターで開発いたしました上田城・城下町絵図アーカイブというものがございます。これは、江戸時代の地図と現在の地図をスマートフォン上で重ねて見ることができ、まち歩きができる。仮想的に昔の地図を体験することができるというものでございます。こういったものをどんどん活用してもらうということも一つの方式ではあろうと思います。また、それに加えまして、前回の答弁でも申し上げましたけれども、例えば三の丸付近の堀、また石垣、門などをAR技術によりまして立体的な映像で再現する。それをスマートフォンで見られるようにするというようなことも考えてございます。これら幾つかのポイントもそういった形で表現することによりまして、城下町上田を多くの方に知っていただき、回遊して楽しんでいただけるように努めたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 宮下議員。 〔12番 宮下 省二君登壇〕
◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 次に、健康で日常生活が送れる生存期間、いわゆる健康寿命の延伸について、市長はマニフェストに掲げる健幸都市うえだの実現に向け、第二次上田市総合計画では、さらに高い目標数値を目指して推進されるものと思います。健康は人生にとって最高の宝であり、一日一歩、少しでも行うことで笑顔がこだまするまちづくりが実現いたします。 そこで、3点質問いたします。私も、昨年、初めて受診し、市民の皆さんにも広く受診してほしいとの思いでお尋ねいたします。上田市国保特定健診の受診結果と受診率向上対策はどのように行われているのか。 次に、ある市民のお話でございます。家庭内の段差でスリッパを履いていて転倒したので、今は予防のため室内ではスリッパのかわりに足袋をはいていると語っておられました。家庭内や外出先での転倒など、日常生活でのけがや骨折などの予防方法をまとめた手引書を作成配布し、健康寿命延伸のために活用できないか。また、広報などで意識の向上を図る考えはどうか。 次に、健康づくりを市民力の輪で進めるため、新たな視点で健康寿命10カ条などを定めた市民健康づくり宣言を行い、市民運動として盛り上げていく考えはどうか。観光客にとって市民の健康で明るい笑顔が一番のおもてなしと思いますがどうか、お尋ねいたしまして3問といたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 上田市における国民健康保険の特定健診の受診結果と受診率向上対策についてご答弁申し上げます。 メタボリックシンドロームに着目をいたしまして、生活習慣病の早期発見、早期予防を目的に、40歳から74歳の方を対象にしております特定健診でありますが、上田市国保の平成25年度の受診率は、全国平均並みとなる34.8%でございました。前年度と比べて向上はいたしたものの、市の目標値あるいは県内の市町村平均値を下回る状況となっており、県内19市の中でも現在下位に低迷している状況にございます。 また、受診者の健康状態の特徴といたしまして、男女ともに中性脂肪や糖尿病の指標となりますヘモグロビンA1cといったこの値が県平均よりも高い状況となっております。糖尿病の前段階であります高血糖の状況の方が多く、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群も、男性で約2人に1人、また女性では7人に1人となっております。これによりまして、平成25年度の糖尿病にかかります国保の医療費も、平成20年度と比較をいたしまして約6割増加するなど、大変憂慮すべき状況にございます。こうしたことから、上田市におきましては、糖尿病を初めとする生活習慣病の発症予防、重症化予防対策が急務の課題でございまして、自覚症状がないまま進行してしまうというこの生活習慣病を早期に発見いたしまして予防するためには、やはり特定健診の受診が大変重要であると考えております。 このような状況の中、特定健診受診率向上のために、これまでも対象者全員への受診券の一斉送付や、40歳から5歳ごとの節目年齢の方への無料受診券の発行などを行ってまいりましたが、今年度26年度は、平日の受診が難しい方への受診の機会を確保する新たな取り組みを始め、未受診者の方に対しましては、はがき、電話、訪問等によりまして受診勧奨を行ってまいりました。 また、27年度は、継続的に取り組んでおりました対策に加えまして、40歳前半で初めて特定健診を受診された方の3人に1人は生活習慣病発症者や予備群として、治療または特定保健指導の対象となっておりますことから、生活習慣病のより早期からの発見と予防対策と40歳からの特定健診受診者の習慣化を目指しまして、国の国保ヘルスアップ事業補助金、国の補助金でございますが、こちらを活用いたしまして、40歳未満の方を対象といたしました若年者健診にも新たに取り組んでまいります。 今後も受診者の負担軽減や受診しやすい環境整備を進めながら、生活習慣病の早期発見、予防、そしてその後の介護予防に向けまして、市民の健康づくりの支援の一環といたしまして、特定健診の受診率向上に努めてまいりたいと考えております。改めまして、市民の皆様のご協力をお願い申し上げるところでございます。 次に、日常生活のけが、予防等の手引書の作成、あるいは意識向上を図る対策についてご提言がございました。特定健診から明らかとなります生活習慣病のほか、中高年の健康を脅かす状況としまして2つございます。ロコモティブシンドロームとサルコペニア肥満と呼ばれる状態でございます。ロコモティブシンドロームにつきましては、運動器と呼ばれる筋肉や骨、こちらが衰える状況をいいまして、筋力バランスの低下によりまして、わずかな段差でつまずいたり、最悪の場合には骨折を引き起こす状況となります。厚生労働省の調査では、要介護状態の約4分の1の原因はこの運動器の障害であるとの分析もなされております。一方、サルコペニア肥満でありますが、体脂肪率が高いまま、そういった肥満の状態のまま、年齢とともに筋肉量が落ちていくということでございまして、運動器系の病気のリスクだけでなく、糖尿病などの生活習慣病にもかかりやすくなるという二重のリスクも抱える状況となっております。この2つの状態の共通点としては、ご自分の身体状況を自覚しないまま症状を進行させてしまうことであり、また筋力をつける運動をすることで改善と予防が可能となることでございます。 市では、これまで体組成計を用いた筋肉量の測定、または健康推進委員主催によります地区での健康教室なども実施してきております。また、17年度から実施しておりますインターバル速歩、こちらは生活習慣病予防としての体脂肪率の改善や腹囲減少への効果がありまして、通常のウオーキングと比べまして、筋力アップの効果も認められているところでございます。市民の皆様には、こうした教室にできるだけ多くご参加をいただきたいわけでありまして、日常的に継続的に取り組んでいただきたいと考えております。 また、27年の「広報うえだ」4月号及び5月号に運動についての特集を組む予定としておりますので、ぜひご活用いただきたいと考えております。 議員ご提案の手引書でございますが、毎年全戸配布しております各種健診のご案内と統合した総合的な健康づくりパンフレットとして作成することや、今後は映像などを使うなど、多くの方が手軽に見ることができ、取り組みやすい手法等も検討するなど、さまざまな視点で普及啓発を図ってまいります。 私からは以上でございます。
○議長(下村栄君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 健康づくりにつきましては、上田市においては新たなステージ、こういったやっぱり位置づけをして、そして今後さらなる力を入れていきたい、このように考えています。健康寿命の延伸、そのために健康づくり、これは欠かせないわけでございますので、こういったものは何も今だけではなく、人生における永遠のテーマだとも思います。そういう中で、市民の皆さんが健康寿命を延ばして生きがいを持って幸せに生活していくため、それには私は常々、一つに推進体制の課題、もう一つは具体的なアイデア、そういったものが重要であろうと考えております。 一端を申せば推進体制でございますけれども、これまで健康推進委員の皆さんが中心になって地域での健康づくりにいそしんでくださっております。しかし、これからはさらに、例えばスポーツ推進員の皆さん、そして公民館の分館の皆さん、こういったご協力をいただきながら、より強力に推進体制を図るべきであろう。そして、そういう中で身近に、例えば地域ぐるみでウオーキングをするとか、筋力を強化するとか、そういった事業に結びつけてもらいたい、このようにも思っています。 昨年から実施しております自治会での健幸都市実現に向けた住民説明会、ここにおきましては10年後には5人に1人が後期高齢者となる社会を迎えるということを述べながら、地域全体で健康づくりに取り組むことが、これが地域のまちづくりにもつながっていくということを説明してきておりまして、今後も引き続き開催することによって、自治会長の皆さんやら役員、また地域住民の皆さんの協力を得ていきたいなと考えております。 次に、新たなアイデアということでございます。市民が健康づくりの必要性というものをより深く認識して、義務感ということではなく、みずから楽しみながら取り組めるような環境の整備、これが必要であると思います。そのために、新年度新たに健康チャレンジポイント制度なるものも導入していくところでもございます。 議員からは健康寿命10カ条というような提案もございました。心は多分、市民にわかりやすく、かつインパクトのあるアプローチ方法における手段というふうに受けとめております。さまざまな手だてを講じながら、個人での取り組みを仲間と一緒に取り組んで、仲間から地域、さらには全地域となるような段階を追って取り組みを拡大していくこと、これが市民の皆様の意識を高めることになり、また機運を醸成することにつながっていくと、このように思っております。 さらに、市民の健康で明るい笑顔が一番のおもてなしと思うがどうかというお尋ねもございましたが、当然そのようなこと、明るい笑顔を持つにはやっぱり心身ともに健康である、これが基本の姿であり、こういったものを目指すことによって、健幸都市の姿というのがより明確化してくるのだろうと思っています。 いずれにいたしましても、10年後、超高齢社会をさらに迎えるわけでございます。できるだけ私たちの生活の質、こういったものは落とさずに、心身は鍛えよう、健康になろう、そんな思い、そして健康づくりはまちづくりにもつながっていくのだという、そういった思いも市民の皆様にお伝えしながら展開をより図っていきたい、このように思っています。 以上です。
○議長(下村栄君) 宮下議員。 〔12番 宮下 省二君登壇〕
◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 次に、おもてなしの心など、市民共通の話題や課題について、市民が話し合う学習の場づくりについて質問をいたします。公民館長は、地域振興政策幹としての役割も担うため、市の政策課題である資源循環型施設建設や「真田丸」観光おもてなしなどの課題に積極的にかかわり、中立的な立場で公民館としての役割である市民学習を深め、市民の意識の高揚を図りながら住民自治の土台づくりを進め、市民力を高めるべきと思うがどうか、お尋ねいたします。
○議長(下村栄君) 滝沢市民参加協働部長。 〔市民参加協働部長 滝沢 正美君登壇〕
◎市民参加協働部長(滝沢正美君) 地域振興政策幹を兼務する公民館長の政策課題への積極的なかかわりに関するご質問をいただきました。 公民館長と地域振興政策幹の兼務体制につきましては、当初は地域自治センターが単独で置かれていない上田地域の中央、西部、城南の3公民館の館長のみが兼務をしておりましたが、公民館長が地域協議会にかかわることにより、地域の社会教育を担う公民館において、地域課題の学習や地域づくりの実践に一層生かされることを期待し、平成23年度から市内9館全ての公民館長を地域振興政策幹と位置づけ、市長部局と一体となった体制を整えたところでございます。 こうした体制のもとで、住民の皆様の日常生活に最も身近な学習拠点である公民館においては、地域協議会で出された意見や地域の多様な課題を取り上げ、各種講座や学習会の開催とともに、住民の皆様の主体的な取り組みに生かされるなどの事例も見られ、成果を上げているものと受けとめております。 現在、市では地域内分権の最終工程として、自治会や各種団体が連携した新たな住民自治の仕組みとして住民自治組織の設立を目指しているところでございますが、地域内分権を確立するためには、住民の皆様の主体的な取り組みは欠かすことができません。こうした中で、まさに公民館は地域住民の主体的な学習活動を支援し、自治能力の向上とまちづくり活動の実践につなげていくための拠点施設であり、その役割の重要性を認識する中で大きな期待を寄せるところでもございます。 これからも教育機関である公民館の機能や位置づけを尊重しながら、公民館長が地域振興政策幹を兼務する体制の効果を発揮されるよう相互に連携を強化し、住民の皆様の自治意識の高揚と住民主体の地域づくりにつなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 宮下議員。 〔12番 宮下 省二君登壇〕
◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 次に、観光地に行って事故に遭うほどショックなことはありませんし、観光地のイメージダウンにもつながります。観光客の皆さんが交通事故に遭わないおもてなし、交通事故多発場所の対応について質問いたします。市内の交通事故多発場所4カ所において、この3年間で人身事故が43件、物損事故が93件発生しているとのことでございます。 そこで、お伺いいたします。警察署や自治会、保険会社等に事故多発場所の調査を行い、独自の道路標識や道路標示及び交通事故多発マップの配布など、市民や観光客に注意喚起を行う考えはどうか。また、市の広報に掲載するなどの周知方法は考えられないか、お尋ねいたします。 次に、「真田丸」放送に伴う観光客の増加により、今後市内道路の大混雑が予想されます。車両の4時から点灯などの昼間点灯や音声で注意を呼びかけるシステムの導入など、他都市の事例を参考にされ、特別な対応を検討していく必要があると考えるがどうか、お尋ねいたします。 最後に、市民や観光客の皆さんが夜間の安全確保や、見知らぬ土地に来て不安な気持ちを和やかにするおもてなしの防犯灯について質問いたします。市内のポール式の防犯灯は、腐食等により危険なものが見られます。地震や暴風等により倒れることのないよう交換を促進する考えはどうか、お尋ねいたしまして、私の最後の質問といたします。
○議長(下村栄君) 峰村生活環境部長。 〔生活環境部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎生活環境部長(峰村万寿夫君) 交通事故多発場所の把握としましては、交通事故を取り扱う警察署から情報を収集することとなりますが、市独自の道路標識や道路標示の設置等につきましては、設置に当たりまして、基準の設定や設置場所、また方法など検討項目も多く、地域住民の合意形成にも時間がかかるため、早期の設置は難しいものがあるというふうに考えております。 チラシ等の配布についてですが、警察署からは交通事故多発地点を地図に落としたマップ等のチラシを作成するなどし、交通事故防止の注意喚起を促した例をお聞きしております。このような方法も事故防止の上で有効な方法と考えますことから、市といたしましても交通安全運動期間中や街頭啓発活動において、市民や観光客へのマップの配布を行うことや観光会館等、市内観光施設等に配置するなどして、市民や観光客への注意喚起を促すなど、交通事故防止の方法として検討してまいりたいと考えております。 また、議員ご指摘の車両の4時から点灯などの呼びかけについてでございますが、4時から点灯につきましては、秋季から冬季にかけての夕暮れ時間帯に交通事故の発生が多いことから、早目、早目の車両のライトの点灯によりまして交通事故防止を図るための警察の取り組みであります。市といたしましても、この取り組みにつきましては、交通事故防止を図る上では有効な方法と考えておりますことから、警察とも連携して広報等を行い、注意を呼びかけていくことが必要と考えております。また、呼びかけの方法につきましては、音声で注意を呼びかけるシステムが具体的に可能かどうかも含め、効果的な方法について検討してまいりたいと考えております。 次に、防犯灯についてでございます。ポール式の防犯灯の設置に対する補助率を上げ、交換を促進する考えはどうかとのことでございますが、防犯灯設置補助事業に係る対象経費でありますが、新設の場合は防犯のために設置するLED照明による道路灯の建設に要する経費として3分の2以内で限度額が1灯につき5万円であります。LED照明への交換の場合は、既設のLED照明以外の照明による道路灯について、LED照明への取りかえに要する経費として、10分の10以内で限度額が1灯につき2万円であります。なお、自治会で維持管理していただいている防犯灯についての破損等による修理、移転及び撤去等の補助については対象としておりません。 上田市では、平成23年、25年に防犯灯設置事業等補助金交付要綱を改正し、補助額等の見直しをしておりまして、現在では補助事業を行っている他の自治体と比較をしてみましても、同等の補助制度となっております。 議員からご質問いただいたポール式の防犯灯について、自治会の中には古い木製の支柱や腐食等により危険な状態の支柱があるとのことでありますが、市では今後のメンテナンスなどの面も考慮しまして、できる限り中部電力あるいはNTT電柱への直づけを推奨しているところでございます。しかし、場所によっては、ポール式の防犯灯の新設、交換もありますので、まずは各自治会へ危険が生じる可能性のある防犯灯柱の使用について注意喚起を行いまして、このような事案がある場合は個別に相談をいただき、現行の補助金制度を活用して、ポール式以外に方法はないのかなどにつきまして、地域の安全安心のために、よりよい方法を自治会と一緒に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 宮下議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 4時26分 休憩 ◇ 午後 4時40分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(8)高齢者支援・介護及び在宅医療体制の確立について
○議長(下村栄君) 次に、質問第20号、高齢者支援・介護及び在宅医療体制の確立について、松山議員の質問を許します。松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) 通告に従い、順次質問してまいります。 今回の質問内容は、高齢者支援、介護及び在宅医療体制の確立について質問いたします。健康で長生きしながら充実した人生を謳歌することは、多くの方々の願いであり、全ての基本であります。ご承知のように長野県は男女とも平均寿命全国一であり、世界的に見てもトップクラスの実績を上げています。しかし、健康上の問題で日常制限されることなく生活できる期間、いわゆる健康寿命では、平成22年度、国民生活基礎調査において、男性71.76歳、第10位、女性73.56歳、20位と大きく順位を落としており、改善すべき問題があると考えます。また、増大する社会保障費をどのように抑制しながら、いわゆる2025年問題、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、超高齢化社会が到来します。医療、介護、福祉サービスの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れると予想されている大きな課題に今後どのように対応していくのかを問われています。 この問題の解決を国だけでなく各市町村に大きく移管して、地域特性に合った対応策を見つけ出すことを定め、現在、さまざまな改革が推進中です。その具体的第一歩として、今年度より3年間にわたる介護保険第6期事業計画をどのようにまとめるのか。地域医療介護推進法で定められたこれまでの介護保険の枠組みを超えて、独自の地域包括ケア計画としてまとめなければならない重要な時期が始まります。ぜひとも上田市民が安心して老後を迎えることができ、市長が目指す真の健幸都市実現に向けて大いなる期待を込めて質問いたします。 まず、地域支援事業についてです。地域の福祉、介護全般の前線基地のような役割を果たすのが、市内10カ所の地域包括支援センターになると思います。上田市も合併後10年を迎えようとしていますが、さまざまな制度や課題など、いまだに統一できないものもある現状で、今後、複雑化していく福祉介護に関する対策の各課題をきめ細やかに対応することは可能でしょうか。まして、市内でも地域特性は多岐にわたっています。実際に活動いただく担当者の情報収集や共有化はもちろん、各地域包括支援センター間での綿密な連携は必要不可欠です。その準備のため、29年度から本格稼働に向けて、担当者会議、ケース連携会議を開催していますが、その具体的な成果、成功事例などをお伺いいたします。 特に市内で介護支援サービスの格差が出ないような対策は十分検討しているのかも伺います。 また、今後予定されている地域ケア会議の役割は地域支援事業においてどのような機能を充実させるのか質問し、私の第1問といたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 最初に、地域包括支援センター関係の担当者会議、ケース連携会議、その具体的な成果、また市内で介護支援サービスの格差が生じないような対策についてご答弁申し上げます。 地域包括支援センターが設置をされました平成18年度からセンターに従事している職員のスキルアップと情報の共有のため、毎月、このセンターの担当者によります会議を研修会も兼ねて開催をいたしてまいりました。また、平成25年度からは、要支援認定者、二次予防対象者に対しまして、運動機能を中心とした通所型介護予防教室を開催しておりますが、この教室の参加者の個々の目標達成状況や課題などを検討するためのケース連携会議も毎週開催をいたしております。そのほか、現在、市職員や包括支援センター職員によります認知症担当者会議を2カ月に1回開催しております。地域包括支援センターにおきましても、社会福祉士、保健師や看護師、主任ケアマネジャーの3職種の職員がその専門的技能向上のために職種別の会議も開催しているところでございます。 その成果といたしましては、ケアプランの作成や相談業務の演習、事例検討など、実務的なスキルアップに効果を発揮するとともに、地域ネットワーク構築や地域課題の把握などの研究、検討を行うことで、まさに地域包括ケアの推進にも役立っていると、このように受けとめております。 また、地域包括支援センターによります介護支援サービスに格差が出ないような対応を検討しているかのご質問でございました。地域包括支援センターは、地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を目的といたしまして市が委託している機関でございまして、その対応に差があってはならないと、このように考えております。そこで、先ほど申し上げました担当者会議等各種会議やその研修を通じまして、必要な技能の向上とお互いの情報共有を図ることによりまして、サービス格差が生じないように努めているところでございまして、今後も取り組みを進めてまいります。 次に、地域ケア会議の役割、そして地域支援事業においてどのような機能を充実させるのかのご質問でございました。地域ケア会議は、現在でも各地域包括支援センターにおいて実施されておりますが、個別事例の検討を通じまして、多職種協働によりますケアマネジメント支援を行うとともに、地域の関係者の皆様との連携を高め、地域ネットワークを構築するなどの役割を果たすものでございまして、地域包括ケアシステム実現のための有効な手段の一つとなっております。 議員のご質問にもございましたケース連携会議も地域ケア会議の位置づけとなりまして、この包括支援センターのいずれにおいても、さらに実効性のあるものと定着、普及させるため、その取り組みに力を注いでまいりたいと考えております。 また、これからの役割といたしましては、地域包括支援センターが実施する地域ケア会議においては、住民、団体など地域における多様な活動主体の把握に努めまして、地域の資源を発掘するとともに、地域の多様な活動主体、こちらとの情報共有、あるいは連携強化に向けました取り組みが大変重要となってまいりますことから、こういった機能の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 介護支援サービスの格差が出ないように着々と準備をしていただいているということがわかりました。今回の介護制度改正は、市町村にとって非常に重要な課題解決に乗り出すことであり、また総合力の腕の見せどころであります。しっかり連携体制をとりながら、最高のシステム構築を目指していただきたいと思います。 次の質問です。今回の介護保険改正の大きな部分は、今後、市町村の高齢者の介護予防に対する責任が重くなることであり、ある専門家は特に介護予防分野に関する支援が削減される方向性を懸念しています。その削減部分を補うべく、市町村は現在の要支援1、2に対するサービス提供を一刻も早く日常生活支援総合事業に切りかえて、独自のアイデアや地元支援体制を確立して、新事業を構築することで、市民が安心でき、願わくば、さらに利用者に喜ばれるようなサービスの充実を目指さなければなりません。 まず、現状の要支援者へ実施され、新体制に移行することによって、上田市として提供する日常生活支援はどのようなものを検討しているのか、伺います。 また、健康寿命を少しでも長くするためには、運動機能の維持、改善などが重要であり、筋力の低下や転倒、骨折による移動能力の低下、運動能力不足などに対する支援は重要であります。検討中の第6次上田市高齢者福祉総合計画にも地域リハビリテーション活動支援が重要な施策として上がっていますが、その内容はどのようなものでしょうか。 あわせて、現在実施されている予防支援で、介護予防体操やおたっしゃ教室、運動機能トレーニング事業の実績及びその成果はどのようなものか、お伺いいたします。 特に介護支援などに委託している運動機能トレーニング事業については、上田市が目的を持って実施要綱の整備をしておられるのでしょうか。その際、成果報告などから分析した今後の課題や取り組み方針はどのように捉えているのかもお伺いいたします。 そして、せっかく運動機能や日常生活能力が改善されても、現在の支援や介護サービスを離れることで、その後の的確な支援がなくなり、健康状態が悪化して再認定にならないような仕組み、自立支援型ケアマネジメントの体制などはどのように考えているのかをお伺いいたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 新しい総合事業を見据えまして、日常生活支援の検討状況についてでありますが、このたびの介護保険法の改正により、現在、要支援1、2の認定がされている方の介護予防サービスの訪問介護と通所介護は、市町村が地域支援事業で実施する新しい介護予防・日常生活支援総合事業に移行いたし、これまで全国一律の基準に基づくサービスから、市町村が地域の実情に応じまして、支援を必要とする方のために多様なサービスを実施していくこととなりました。 上田市では、この新しい総合事業を平成29年度から移行することを予定しておりますが、モデル事業を平成27年度から実施することによりまして、新しいサービスを開発し、円滑な新しい総合事業への移行につなげてまいりたいと考えております。現在の要支援認定者の訪問介護には、食事や入浴、排せつなど、利用者の身体に直接触れて行う身体介護と、調理や掃除、洗濯などの生活支援の大きく2つに分けられておりますが、このうちの生活支援に対しての訪問サービスについて、利用者ニーズ等を踏まえましてサービスメニューを開発してまいりたいと考えております。 次に、議員ご質問の地域リハビリテーション支援活動でございますが、過日の金沢議員のご質問にもご答弁申し上げましたとおりでございまして、これは新しい総合事業に関するガイドライン案に示されている事業の一つでございます。住民主体による介護予防活動の育成、支援を推進しようというものでございます。 次に、介護予防に係る教室、それから運動機能のトレーニング等の実施状況、成果等について、また課題、取り組みの方向についてご答弁申し上げます。まず、介護予防体操でございますが、一般高齢者への介護予防の普及啓発のため、上田、丸子、真田、武石の4地域の高齢者福祉センターなどで毎月1回実施をしております。参加者数もふえてきておりまして、平成23年度は1,100人ほどでございましたが、平成25年度実績では1,400人を超えるなど、地域での介護予防の取り組みが広がっていると、このように感じております。 次に、おたっしゃ教室でございますが、この教室は、一般高齢者への介護予防の普及啓発のため、自治会などの依頼に応じまして、年間100カ所程度で実施をしております。平成23年度から25年度までの参加者数は、おおむね1,800人で推移をしておりまして、介護予防の普及啓発、一定の成果を上げてきているというふうに考えております。 また、運動機能向上トレーニング事業でありますが、要介護状態になるおそれがある高齢者や要支援に認定された高齢者の方々を対象にしておりまして、筋力トレーニングマシンを活用したパワーリハビリテーションに特徴がございます。平成23年度には194人の参加者でありましたが、平成25年度には489人と大幅に増加した状況になっております。この運動機能向上トレーニング事業でありますが、運動機能向上教室実施要項に基づきまして、地域包括支援センターがケアマネジメントを行うとともに、実施事業者も参加者の個人ごとに課題の評価、事前アセスメントを行いまして、個別の支援計画を作成し、さらには事後アセスメントも行いながら、その効果の検証を実施しておるところでございます。 成果についてでございますけれども、平成25年度においては教室参加者のうち、要支援認定者は41人で、要支援認定者の改善が6人、また要支援認定状態の維持が30人という結果でございました。また、身体機能の測定結果においても効果が認められた測定項目もございまして、教室修了時に実施するアンケート調査の中では、腰や膝の痛みの改善、あるいは身体機能の向上を実感したと、こういったような感想が多く寄せられているところでございました。 次に、自立支援型のケアマネジメント推進も含めた今後の課題、取り組みの方向性についてでありますが、一つといたしましては、身体機能が向上して教室を修了した方が再び悪化して要支援の状態にならないような方策が必要と考えております。このことにつきましては、平成27年度に新しい総合事業に関するガイドライン案に示されております通所型サービスAモデル事業を実施しながらサービスメニューの開発を図るとともに、事業推進体制につきましても検討してまいります。 また、現在の運動機能向上トレーニング事業につきましても、短期間でより専門性が高く、効果が上がるような事業に転換する必要があると考えておりまして、新しい総合事業への移行を見据えながら、運動事業の運営形態を改善してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 正式には、29年度から本格的移行を目指して、2年間はモデル事業での実施ということでございました。よいと思われる事業をまず実践して、関係者から意見をよくお聞きし、吟味して、修正して、一日も早く本格的な移行を目指していただきたいと思います。 私も初歩的な予防運動に今回初めて参加させていただきましたが、初歩的なプログラムであるにもかかわらず、非常に参加中はきつく感じ、ふだんの運動不足を実感するとともに、慢性的な肩凝りが劇的に改善され、効果を実感いたしました。ぜひ運動を活用した各段階でのプログラムは、さらに研究を重ね、予防だけではなく改善を目指したプランを多く企画していただくことを希望いたします。 次の質問に移ります。安心安全で効率的な高齢者福祉体制の構築は、いかに自分の力で移動できる範囲、すなわち住みなれた地域内に総合的な福祉拠点を整備するかにかかっていると思います。現在も各公民館や自治会では、一次予防分野においてさまざまな試みが実施されております。しかし、専門的かつ迅速な対応するには、福祉や介護の専門性を持った人材と施設が必要不可欠です。私は、そのような施設こそ、小規模多機能型居宅介護施設ではないかと思っています。ご承知のように小規模多機能型居宅介護施設の許認可は市町村の責任範囲でございます。現在、市内10カ所の施設をさらにふやし、たくさんの地域にうまく配置できれば、高齢者の皆さんが使いやすく、最高の福祉施設になると考えています。上田市の見解をお聞きします。 しかし、現実的には、小規模多機能型居宅介護施設の運営は非常に大変だとのことでございます。先進地である東京都のアンケート調査では、70%近くの事業者は経営の赤字を訴えております。せっかくのすばらしい施設でも、維持、継続できなければどうしようもありません。支援の必要性を強く感じます。あわせて、経営的にもう少し安定でき、さらに支援や介護が進行した場合に備えた長期的な地域、福祉拠点として機能する小規模型特別養護老人ホームやサテライト型特別養護老人ホームに関しても、今後の市内の増設はできないかをお伺いいたします。 これらの地域密着型の施設は、今後多様化する地域問題の解決拠点として、例えば簡単な介護医療相談、障害者支援、各種弱者一時避難場所、学童保育施設など複合させ整備し、身近な社会福祉拠点の長期的、安定的な運営を実現するような上田市独自の支援策などは検討できないかをお伺いいたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 小規模多機能型居宅介護施設の今後の増設の予定等の考え方につきましてご答弁申し上げます。 一つの事業所で通い、泊まり、訪問の3つのサービスを提供するこの小規模多機能型居宅介護は、地域密着型サービスの一つでございまして、介護が必要となっても可能な限り住みなれた地域で生活を継続するために平成18年度に創設されたサービスでございます。 上田市では、市内に10カ所の日常生活圏域全てにこのサービスが提供されることを目指しまして、平成19年度以降、順次整備をしてまいりました。本年3月1日現在で、8つの圏域に10の事業所の開設となっております。平成27年度からの第6期上田市高齢者福祉総合計画では、平成28年度に新たに2事業所の開設の予定を立てており、今後も積極的に整備を進めてまいりたいと考えております。 なお、この小規模多機能型居宅介護でありますが、先ほど申し上げました3つのサービスを柔軟に提供することで利用者の在宅生活を支えており、期待を寄せているところでございますが、議員ご指摘のとおり、利用者が伸びず、経営的に大変だというようなお声も一部で聞かれるところでございます。この点につきましては、本体となります小規模多機能型居宅介護事業所との一体的な運営を行うことで、職員配置など柔軟に対応できること。また、サテライト型小規模多機能型居宅介護事業所という形態も平成24年度から創設されておりますので、このような形態の事業所もあわせつつ整備を推進してまいりたいと、このように考えております。 次に、小規模特別養護老人ホームとサテライト型特別養護老人ホームの数と今後の増設計画でありますが、本年3月1日現在、定員29人以下の小規模な地域密着型特別養護老人ホームは、1施設で定員29人でございます。また、サテライト型につきましては、3施設で合計定員は49人となっております。今後の整備計画でございますが、同じく第6期の計画に基づきまして、平成28年度に2施設、また平成29年度に1施設の開設の予定を立てておるところでございます。 次に、介護施設の複合化をさせ、サービスを提供する考え、また市独自の支援策の検討についてはどうかのご質問がございました。地域密着型のサービス事業所は、より地域とのかかわりを持ちながら、その地域にお住まいの方々の生活を支える基盤となるものでございます。地域密着型サービス事業所の運営基準には、地域との連携が定められておりまして、例えば2カ月ごとに事業所が開催いたします運営推進会議に地域住民の皆様も加わりましてご意見をいただくことや、施設の機能、役割を地域に開放することが求められております。 市内の事業所の中には、このような地域交流スペースを用意され、地域の皆様に開放されているところもございまして、議員ご提案のような施設の機能を活用し、緊急時の一時避難場所、障害者支援や学童保育的な機能も果たすことができれば、さらに幅広い地域に根づいた施設になる、このように考えております。 当面、平成27年度に県に介護分野を対象とした地域医療介護総合確保基金の創設がされることとなっておりますので、事業所の整備につきましてはこの基金の活用を視野に入れておりますけれども、複合的な機能を持たせた施設整備事業につきましては、介護保険事業所はもとより、県との協議、調整を行いながら進めていくこととなります。 なお、独自の施策につきましては、基金の事業の動向を注視しながら、今後の課題とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 地域密着型福祉施設の必要性の認識をお持ちであり、そのための対策もしていただいているということがわかりました。しかしながら、爆発的な勢いで訪れる高齢化社会に向けての準備体制としては、非常に心もとない計画ではないでしょうか。地元の福祉事業者へのさらなる事業拡大の依頼はもちろん、新規参入者も募るような積極的な展開をすべきと感じます。支援策についても、同様な対応は必要ではないでしょうか。 次の質問に移ります。地域での高齢者福祉を推進する上には欠かすことのできない医療機関との綿密な連携に関してです。特に在宅医療をしていただける医師をいかに確保するのかは大変重要な問題であります。増大する医療費をいかに抑えつつ医療行為の選択肢を広げるためにも、在宅にて医療を受けられる体制整備は急務であります。高齢者になれば医療費もかかります。生涯医療費の推移を見ても、75歳から79歳でピークを迎え、70歳以降に生涯の医療費の約半分を費やしています。また、さまざまな理由や思いで、医療機関ではなく、住みなれた自宅で医療行為をできるだけ抑えて終末期を迎えたいと願う方々も増加しておられます。その要望に対して十分対応できる状況ではありません。自分の最期は自分の決めた方法で迎えることが当たり前にできるようにすべきではないでしょうか。 そこで、質問いたします。現在、上田市内の在宅医療の現状はどのような状況であり、仮に在宅医療を希望した場合、上田市としてどのような支援を実施しているのでしょうか。また、現在、訪問医療を実施していただいている医師の方々の現状や今後のお考えなどを把握し、長期的に訪問医療行為を継続していただける対策は実施しているのでしょうか。もちろん地元、上田、小県医師会への協力要請は必要不可欠であり、上田市として正式かつ積極的に働きかけているのでしょうか。 さらに、在宅医療の充実に向けご尽力いただく医療機関や医師などに対して、上田市として独自の支援を実施できないかをお伺いいたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 在宅医療の現状、患者の皆様が在宅医療を希望された場合の対応につきましてご答弁申し上げます。 上田市内の在宅医療の現状でございますが、国の平成26年度医療施設実態調査をもとに、上田保健福祉事務所による独自集計の結果を申し上げますと、延べ件数となりますが、訪問診療が1,046件、それから往診が173件となっており、これは平成26年の9月中に実施した医療状況でございます。 平成26年度から始まりました医療供給体制の提供体制の見直し、あるいは病床機能の分化によりまして、今後、病院から退院移行が早まり、在宅医療の患者の皆様がふえることが予想されるところでございまして、また一方で、本人やご家族の意思により、病院ではなく在宅での療養を希望する方もふえてくるものと思われます。 このような状況の中、医療と介護が必要となっても、住みなれた地域での生活ができるよう、地域包括ケアシステムの構築が急務でございまして、27年度からは、この介護保険制度におきます地域支援事業に医療と介護の連携事業が新たに設けられました。平成30年4月までに国が示します在宅医療・介護連携支援センターの運営など、8つの事業を市町村が行うこととされたところでございます。 これらの事業のうち、上田市では27年度において、地域にあります医療・介護サービス資源、あるいは事業所の把握や医療と介護関係者による多職種のワーキング会議の開催や、医療・介護関係者の研修会を実施してまいりたいと、このように考えております。これらの事業を通じまして、中長期的な視点に立ちながら、今後、増加が見込まれる在宅医療患者への対応に努めてまいりたいと、このように考えております。 なお、在宅医療を希望された場合の対応でございますが、まず、かかりつけ医がおいでになる場合は、その医師にご相談いただくことになりますけれども、市が相談を受けた場合、現在のところ、その患者さんの状況によりまして、例えば障害者の方であれば福祉課、高齢者の方であれば高齢者介護課あるいは地域包括支援センターにて、個々に対応させていただいている状況となっております。 続きまして、訪問診療の市内の状況、それから長期的な対応についてでありますが、先ほど申し上げました医療施設実態調査、国の調査と同様で、上田保健福祉事務所で独自集計したものでまいりますと、26年9月に訪問診療を行った医療機関は33カ所、それから往診を行った医療機関は40カ所でございました。訪問診療を行っている医師の状況や考え方を把握し、長期的な対策を講ずべきとのご提案でございますが、今後、県とも協議し、医療機関への聞き取り調査などを行いまして、その結果を先ほど申し上げました多職種によりますワーキング会議などで公表しまして、その対策を講じてまいりたいと、このように考えております。 また、地元医師会への協力要請等についてのご質問ございました。在宅医療に関しましては、上田市医師会及び小県医師会におかれましては、既に今後の対応を見据え、上田市医師会では在宅医療推進委員会を設置されて、本年1月には在宅医療に関する特別講演会などを開催されるなど研修を持たれているというふうにお聞きをしております。また、小県医師会でも、医療、介護分野の職員が連携いたした在宅医療・介護を考える会を毎月1回開催されておりまして、この中で課題の抽出、講演会の開催などを通じた連携に努められているというふうにお聞きをしております。 両医師会が実施されているこの研修会には、私ども行政の職員も参加をさせていただいておりますが、今後は、両医師会並びに、ほかにも訪問診療を担っていただいております歯科医師会及び薬剤師会の皆様にご協力をお願いしながら、またともに参画をしていただきながら、在宅医療の充実、地域包括ケアシステムの仕組みづくりに向けた取り組みを進めていければと、このように考えているところでございます。 医療機関の皆様に対する上田市としての支援でありますが、先ほど申し上げました県で創設されます地域医療介護総合確保基金、こちらの医療分野の基金の活用を含めまして検討してまいりたいと考えておりますが、在宅医療の推進は、市としても地域包括ケアを進めるために大変重要な施策と考えておりますので、基金事業の対象とならないような支援事業につきましては、実態を踏まえまして、また実情を鑑み、適切に判断をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 在宅医療体制の構築のために関係各位との連携をさらに強化していただきたいと思います。ご答弁の中に、特に現在の医療現場はさまざまな医療機器が必要になっており、またその機器も非常に高価であり、医療機関にとっては大きな負担になっているとお聞きしています。ぜひ国、県との連携だけでなく、積極的な対応を求めたいと思います。 次の質問に移ります。高齢者が介護支援を検討した場合、まず頼りにするのが介護支援専門員、通称ケアマネジャーさんたちではないでしょうか。認定作業から始まり、複雑な介護支援メニューの中から最適なケアプランを選択、作成する作業は、利用者にとって、まさに救いの神であり、絶対的な存在でもあります。しかし、それゆえに一歩行き違いなどが生じると、問題は大きくなることもまた事実です。 厚生労働省は、介護保険事業者である市町村に対して、介護サービス事業者に対する管理体制を今後権利移管及び充実を予定しています。介護サービスが大きく変化していく上で、ケアマネジャーさんの責任はますます大きなものになることが予想されています。 そこで、お伺いいたします。まず、介護保険の保険者たる上田市は、ケアマネジャーさんの業務に対してどのようなかかわりをしておられるのでしょうか。 また、利用者がケアマネジャーさんに対する要望や相談などに対する窓口はどこで、年間の相談件数や内容はどんなものがあるか、お伺いします。 2として、ケアマネジャーさんへの最新情報の直接的な伝達方法やさらなる能力向上に対する定期的な講習などは実施しているのかを伺います。 3として、各ケアマネジャーさんが作成した介護サービス支援計画表の内容について、上田市はどのような確認をし、計画表の実施に関して今後予定されている上田市独自の方向性やサービスの正当性、公平性を遵守させるようなマニュアル作成などは実施しているのか、伺います。 4として、激務であるケアマネジャーさんたちの業務欲向上と、その活動に対する感謝をあらわすような表彰制度や報奨制度などを実施することができないかをお伺いいたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) ケアマネジャーへのかかわりについて幾つかご質問を頂戴いたしました。 ケアマネジャーへのかかわり、それから市の窓口、年間の相談件数についてご答弁申し上げます。ケアマネジャーが配置されております居宅介護支援事業所は、本年3月1日現在で市内に41事業所ございます。これは、県に指定権限がございまして、県が定期的に集団指導、実地指導を行い、その運営につきまして適正に行われるようかかわっているところでございます。 市といたしましては、介護保険者として不適正な運営が行われる場合には、県と連携しての指導監査を行います。事業所は、毎月、介護保険給付費を国民健康保険団体連合会、いわゆる国保連に請求をいたしますけれども、その請求内容の点検を通じまして、例えば介護給付費が支給限度ぎりぎりまで請求しているような利用者が複数人いるような場合、疑義が生じる事業者に対しては聞き取り調査なども行いながら対応しているところでございますし、一方、業務が円滑に行われるよう、日々の相談や事業所により構成されております介護保険指定居宅介護支援事業者連絡協議会のオブザーバーとしての支援を行いながらかかわっているところでございます。 また、利用者やご家族の皆様からのケアマネジャーに対するご要望やご相談に対しての窓口は、高齢者介護課と、丸子、真田、武石の各地域自治センターの担当課や、市以外では各地域の包括支援センターが対応してございます。現在のところ、相談件数についての統計はとっておらないところでございますが、年間を通じまして、ケアマネジャーさんが作成するプランについて、もっと説明をしていただきたいでありますとか、介護サービス以外の相談にも乗っていただければというようなご要望をいただいているところでございます。 次に、ケアマネジャーの情報伝達、あるいは定期的な講習についてでありますが、情報伝達手段は、現在、電子メールにより行っております。また、定期講習会は、先ほど申し上げました居宅介護支援事業者連絡協議会では、研修会、年3回ほど開催しておりまして、市の職員も講師として参加するなど、この協議会を支援し、介護保険の信頼性を高め、適正な運営が図れるよう努めておるところでございます。 また、介護予防サービスのケアプランの確認、またそのマニュアルの作成についてのご質問がございました。ケアマネジャーが作成いたしますケアプラン、介護予防サービス支援計画書でありますが、これに基づき提供されるケアプランの確認につきましては、国が定める介護給付費適正化事業の主な事業の一つといたしまして、保険者にその実施が求められております。特定の事業者に出向いての確認、国保連からの情報に基づいた疑義あるプランの確認、あるいはケアプランの立て方に対する研修など、市では対応してきておりますが、高い専門性が求められる点もございまして、課題もあると受けとめております。 ケアプランの作成のマニュアルにつきましては、平成30年4月から指定権限が市に移管されることから、この時期をめどにマニュアル作成に努めてまいりたいと考えております。 また、ケアマネジャーの表彰等についてのご提言がございました。介護等状態の改善に向けて支援することがケアマネジャーの本来の第一責務でございまして、このための適切なプランの作成に対する活動につきましては、日々ご努力、ご苦労されているというふうにお聞きしております。議員ご提案の報奨制度につきましては、介護給付費の上乗せ給付にもつながるおそれがございまして、制度上、難しい面がございます。しかしながら、意識啓発のインセンティブの一つとも考えられますので、例えば表彰制度も含めまして、研修会での事例発表、または今後検討する手引書に具体例として記すなどの方法を検討するなど、全体のレベルアップにつなげてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員。 〔9番 松山 賢太郎君登壇〕
◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 時間の関係上、最後の質問といたします。社会福祉連携の全国的な先進事例の一つが、地元新田自治会が中心となっている地域支え合いのシステムです。このような先進事例が地元にあるわけでございます。大いに参考にさせてもらい、上田市独自のモデルケースとして体系化して、市内に広く推進することができないでしょうか。 以上お聞きして、私の一般質問を終了いたします。
○議長(下村栄君) 小林健康福祉部長。 〔健康福祉部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康福祉部長(小林一彦君) 新田自治会が中心となりまして構築されております地域支え合いシステムをモデルケースとして推進していくことはどうかとのご質問でございました。 新田自治会の皆様が中心となってお取り組みをされておりますNPO法人新田の風の活動は、新聞等でも、またさまざまな場面で取り上げられ、講演会なども開催されているとお聞きしております。これからの超高齢社会に対応するため、地域住民の皆様が互いに支え合う体制づくり、仕組みづくりを目指すというこの取り組みは、行政といたしましても大変関心を持っておるところでございます。 なお、この新田自治会の皆様等との取り組みのほかにも、市内では幾つかの自治会の皆様が地域住民の支え合いの仕組みづくりに向けて取り組んでおられるということも私どもも市として承知をしておりまして、こうした取り組みが市域全域に広まっていくことが大変望ましいことであるというふうに考えておりまして、市といたしましても地域包括ケアシステムの構築、そして平成29年度からの新しい総合事業の導入に向けまして、生活支援サービスの体制づくりは喫緊の課題であると受けとめておりますことから、このような自治会の取り組みもご紹介する中で、それぞれの地域に合った支え合いのシステム構築、仕組みづくりを支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 5時23分 休憩 ◇ 午後 5時40分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(9)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第21号、市政について、林議員の質問を許します。林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) よそ者、若者、何とか者がまちを変えると、どれも私にぴったりだと思い、血気盛んに立候補したのも、はや1年前になります。もともとよそ者の私から見た上田市は、交通の便にすぐれ、商店も充実し、非常に住みやすいまちで、だからこそ、私も移住、定住を決意したわけであります。そんな魅力ある上田市へ定住促進を行うため、最初の質問をいたします。 上田市では、定住促進を行うため、いよいよ空き家バンク制度が始まる予定ですが、ご存じのとおり佐久市では以前よりその取り組みが行われ、既に多くの実績を上げています。全国各地で先進的な取り組みが行われているわけですが、改めて近隣自治体佐久市より学ぶことというのも多いのではないでしょうか。 今回、北陸新幹線が金沢まで延伸したことを契機に佐久市で行われている移住者向けの新幹線の通勤補助の取り組みを上田市でも始めてはいかがでしょうか。これは、最長で3年、1人当たり最高で年30万円を新幹線の通勤定期券の補助を行うものです。上田市も佐久市と同様、新幹線を利用することで都市圏への通勤は可能な地域であり、条件としては同じかと思いますが、上田市としてこのような取り組みを今後導入できないか、伺います。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) 新幹線の駅を有する自治体におきましては、首都圏からのアクセスのよさにより、仕事を変えることなく、自然豊かな地方への移住が実現できる利便性をアピールし、移住、定住に結びつけようとするケースも多く、議員からご紹介いただきました近隣の先進地であります佐久市におきましても、今年度から新幹線を利用し首都圏へ通勤する移住者に対する定期券購入の補助を始めております。 こうした中、上田市におきましては、これまで生産年齢人口の確保、また地域経済の活性化の視点から、上田市に住み、市内または上田市近郊にお勤めをいただくことを前提とした移住、定住に係る施策を進めてきたところでございます。移住希望者のニーズも多様化してきていることから、今後とも移住希望者向けの説明会を通じて移住希望者のニーズを的確に把握し、議員からご提案ありました通勤者への助成も含め、上田市に合った移住、定住促進につながる施策を総合的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 上田市は、真田幸村の里、信州の鎌倉など多くの売りがあるわけですが、ここで改めて、晴天率が高い地域ということにも着目点を置き、他地域へ発信してはいかがでしょうか。 一般社団法人移住・交流推進機構でも、信州上田が全国有数の晴天率を誇る地域で、1年を通して青空が自慢と紹介されています。そこで、わかりやすくキャッチフレーズとして、蚕都のサン、太陽のまち上田市として強く他地域へPRできないか、伺います。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) ただいまご提案ありました太陽のまち上田のPRにつきましては、これまで首都圏等で実施した移住相談会においても、直接、例えば太陽のまち上田という表現を使ってPRしているわけでございませんけれども、上田市の特徴として、全国的に見ても晴天率が高く、自然が豊かで穏やかな気候の地域ですと、その住みやすさをPRしてまいりましたので、今後も上田市のアピールポイントの一つとして積極的に、太陽のまち上田という表現がいいかどうか含めまして、晴天率が高いという青空のまち上田ということを積極的にPRしてまいりたいと考えています。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 次の質問として、上田市の観光について伺います。先日、家族に誘われ、「ジョーカー・ゲーム」という第2次大戦を舞台とした映画を見に行きました。この映画の入江監督は、平成16年開催のうえだ城下町映画祭第2回自主制作映画コンテストで大賞を受賞したことを皮切りに、その後、多くの作品を手がけ、受賞をしております。このように上田市の自主制作映画コンテストから著名な映画監督を輩出していくことは、上田市の知名度の向上、PRにつながり、さらにうえだ城下町映画祭そのものが、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のように全国から観光客を呼ぶ大きなコンテンツとなるのではないかと思います。ここで改めて、うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテストについて、今までの成果と今後の事業展望についてお伺いします。
○議長(下村栄君) 西入教育次長。 〔教育次長 西入 直喜君登壇〕
◎教育次長(西入直喜君) うえだ城下町映画祭につきましては、昔から映画ロケが多いこの地域の特性を生かしまして、上田ロケ作品を初めとする日本映画の上映、映画関係者のゲストトーク等、ロケ地で開く映画祭として平成9年から始まったものでございます。 その後、平成15年からは人材の発掘を目的とした自主制作映画コンテストなどを行うことで、映画関係者と市民の交流、映像に携わる人材の育成を図り、上田から映画を中心とした映像文化を発信してまいりました。自主制作映画コンテストにつきましては、作品を全国に向け公募しておりまして、応募数で見ますと、始めた当初、平成15年が46作品でございましたが、昨年、平成26年度につきましては134作品の応募がございました。年々増加している状況でございます。 増加の要因といたしましては、まずは映画制作がデジタル技術の進展により手軽にできる時代環境になったということが背景にございます。また、特徴的な点といたしましては、各地域で開催される地方のコンテストは短編作品の募集が多いのに対しまして、本市においては、ドラマ、ドキュメンタリーを中心に長編作品が応募できるコンテストとして評価が高まっているということがあろうかと思われます。 また、このコンテストにおいて大賞を受賞された方々の中には、先ほど議員からのご案内もございましたが、この受賞をきっかけに全国に配給されるような商業映画の監督になったり、テレビ等の世界で活躍する監督も出てきており、若手映画制作者の登竜門としての位置づけもされるようになってきております。 今後につきましても、映画のまち上田といたしまして、映像作品のロケ支援、制作支援、コンテスト、そして発表の場づくりと、一貫性のある総合的な支援をする観点で全国に発信できるよう事業展開に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 今回も多く大河ドラマについて質問が出ていますが、大河ドラマ放映終了後、その後、上田市にいかに観光客を呼び込むかについて、今から考える必要があります。そこで、多くのロケ撮影が行われる上田市を改めて映画のまち上田市として全国に積極的にPRしてはいかがでしょうか。 昨年は「青天の霹靂」、そして、ことしは「サムライフ」など、多くのヒット作が上田市から生まれております。このように上田市のロケ作品が全国的に有名になることで、そのファンが聖地巡礼上田市を訪れる機会が継続的に見込まれると思われます。既に映画業界ではもちろん、映画のまち上田市というのは有名になっていますが、幅広い世代、一般層に映画のまち上田市としてどう発信をしていくのか、お伺いしたいと思います。
○議長(下村栄君) 関商工観光部長。 〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕
◎商工観光部長(関恵滋君) 映画のまち上田を全国に積極的にPRしたらどうかというご質問でございます。 上田市は首都圏から近いこと、またご質問にもございましたが、晴天率の高さ、また映画制作への理解があったことなどから、戦前から映画のロケ地として数々の名画の舞台となってまいりました。このような中で、ロケ撮影の伝統を伝え、上田のまちや自然を多くの画像の中に残してもらうためにも、平成13年、全国的にも先進的な取り組みといたしまして、上田観光コンベンション協会の中に信州上田フィルムコミッションを設立し、以降、ロケーション撮影の支援を積極的に行ってまいりました。 市民の皆様のご理解のもとに、いわゆる屋根のないスタジオとして、町なかが全てスタジオであり、エキストラの出演などにも積極的なご協力をいただく中で、著名な映画監督の作品、全国でヒットする作品の場面などにも上田市の風景が登場し、話題となるとともに、エンドロールに「協力信州上田フィルムコミッション」の表示がされることで、上田市の知名度の向上にも一定の役割を果たしてまいりました。 最近の状況といたしましては、昨年、市内各所でロケを行いました「青天の霹靂」では、上田市を舞台の中心となる浅草に見立てて撮影されましたことから、制作会社のご協力もいただきまして、上田市のオリジナルポスターを制作し、上田市内のほか浅草にも張り出したほか、主演の大泉洋さん自身の出演するテレビ、ラジオ番組でも上田を大きくPRしていただきました。その結果、市内の上映館の入場者数が全国2位となるなどの話題も提供でき、また舞台となった商店街にも多くの観光客が訪れたところでございます。 現在、全国公開中の「サムライフ」につきましても、上田生まれのストーリーで、全編上田ロケの作品でございましたことから、宣伝のために森谷雄監督にも何度も上田に足を運んでいただいて、メディア向けや一般向けの試写会、また「広報うえだ」での市長の対談などにご協力をいただいたところでございます。 また、市民向けといたしましては、ロケ地マップのリニューアル、信州上田ロケーションガイドの制作のほか、「広報うえだ」に「帰ってきたうめちゃん」と題したシリーズを随時掲載いたしまして、PRにも努めているところでございます。 また、去る2月13日から15日まで、大分県臼杵市におきまして、上田市の観光大使もお願いしております大林宣彦監督の作品のロケ地となった自治体の首長が一堂に会する全国ふるさと映画サミットが開催され、母袋市長にも参加いただき、数多くの映画作品のロケ地となりました信州上田をPRしてまいりました。 映画制作関係者などの間では、ご質問にございましたが、ロケ地としての信州上田の知名度は相当に高い評価をいただいておりますので、今後とも引き続きロケ支援に努めてまいりたいと考えています。 また、市の内外の一般の皆様にも映画のロケ地の一層のPRを図り、映画、ドラマに登場した風景をめぐる、いわゆるフィルムツーリズムとしての観光誘客にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 次に、北陸新幹線の延伸について質問します。先日、深井議員の質問にもありましたが、いよいよ北陸新幹線の延伸まで、本日から10日後と迫ってまいりました。この北陸新幹線の金沢延伸によって、上田市にとってどういった効果があるのか、どうなっていくのか、今多くの市民の関心事であるかと思います。 そこで、この北陸新幹線金沢延伸を契機とした観光誘客、沿線他都市との連携の状況はどうか、お伺いします。
○議長(下村栄君) 関商工観光部長。 〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕
◎商工観光部長(関恵滋君) 北陸新幹線金沢延伸に関します沿線都市との連携の状況についてのご質問でございます。 群馬県の高崎市から石川県金沢市までの5県にまたがります、上田市を含めた沿線11都市で構成いたします北陸新幹線停車駅都市観光推進会議が平成20年に組織されておりまして、北陸新幹線延伸を見据え、各都市が有する観光資源の有効活用と観光の広域的振興により、都市間の交流人口の拡大及びまちの活性化を目指すことといたしまして、現在、活動をしているところでございます。 昨年までは、主に共通のポスターやパンフレットの作成、また新幹線サミットといたしまして、各都市の取り組みの情報交換が中心でございましたが、今年度からは具体的な観光PR活動にも取り組んでおりまして、先月の2月には、東京駅で2日間にわたりまして、加盟11市によります合同観光キャンペーンを開催したところでございます。来場者数は2日間で延べ1万5,000人に達しまして、信州上田おもてなし武将隊、また上越市のおもてなし武将隊の演武の競演、各都市の特産品の販売、観光パンフレットの配布を行いまして、北陸新幹線沿線での誘客を図ったところでございます。 この推進会議の事務局は各市持ち回りで担当しておりますが、平成27年度、来年は上田市が当番を務めることになっております。一層の連携を踏まえる中で、観光客誘客の促進や来年春の北海道新幹線の開業に負けないような沿線の連携した事業展開を目指してまいりたいと考えております。 また、新幹線沿線都市のほか、上田駅を起点として観光地につながります周辺の9自治体で構成します新幹線上田駅観光案内所運営委員会は、上田駅に観光案内所を設置いたしまして、観光客の問い合わせに対応しているところでございます。新幹線金沢延伸を契機に、より気軽にご利用いただけるような環境の整備を図ったところでございます。 いずれにいたしましても、新幹線金沢延伸は上田への誘客に関しまして大きなチャンスでございます。この効果を最大に発揮するためには沿線の都市の一層の連携が不可欠でございます。大河ドラマの放送によりまして上田を訪れます観光客の皆さんが関係する市町村にも周遊していただくことで、厚みのある観光地としての経済効果が高まることにつながるものと思っています。引き続き連携した取り組みを強化してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 来月には7年に1度の善光寺御開帳が行われます。北陸新幹線の金沢延伸により、今までになく都市圏からのみでなく、北陸方面からも多くの観光客が訪れると思います。期間中に上田市では千本桜まつりも行われています。予算でも盛り込まれていましたが、この善光寺御開帳を活用した上田市への誘客はどのように取り組むのか、お伺いします。
○議長(下村栄君) 関商工観光部長。 〔商工観光部長 関 恵滋君登壇〕
◎商工観光部長(関恵滋君) 善光寺御開帳を活用した上田市への誘客についてでございます。 ただいまご質問ございましたように、善光寺の御開帳は、ことしの4月5日から5月31日にかけまして、7年に1度行われます盛大な儀式でございまして、日本全国から参拝者が長野県周辺に訪れることが見込まれています。前回の平成21年度の御開帳では約673万人の来場者があったとお聞きしておりますが、今回は北陸新幹線の金沢延伸の効果もありまして、約700万人の人が予想されているところでございます。また、
NHK大河ドラマ「真田丸」の放送決定の効果もありまして、同じ長野市内である松代ばかりでなく、真田氏ゆかりの地でもございます上田市への誘客効果もあるものと期待しているところでございます。 善光寺御開帳を契機といたしました広域観光PRの具体的な内容といたしましては、5月にウェルカム長野2015観光委員会が主催いたします「善光寺御開帳2015日本一の門前町大縁日にぎわいイベント」と題しました信州三大市民祭りが開催されます。この中で、地元長野市の長野びんずる、それから松本市のまつもとぼんぼん、また上田市の上田わっしょいが競演することとなっておりまして、上田市からは踊り手約100人が参加する予定でございます。このような機会を活用いたしまして、全国からお越しいただいています観光客の皆さんへ向けまして大いに上田をPRし、おいでいただくような動きをしてまいりたいと思っております。 また、このほかに、期間中に善光寺周辺で催されますさまざまなイベントに参加する予定でございまして、信州上田おもてなし武将隊のステージパフォーマンス、それから観光PRブース出展では、真田氏に関連します自治体で構成しています真田街道推進機構としても参加いたしまして、大河ドラマ「真田丸」を含めた観光PRキャンペーンを積極的に実施してまいりたいと考えております。 また、信州上田おもてなし武将隊によります観光ガイドも行う乗り合い制の定期観光タクシーを上田市のオリジナル旅行商品といたしまして、旅行代理店を通じ販売しておりますが、ことしからは長野市との連携の一環といたしまして、上田市と長野市松代をコースとした商品販売を開始いたしました。善光寺の御開帳に合わせまして、さらなるPRを図ってまいりたいと考えています。 また、今後、上田城の千本桜まつりや上田真田まつりなど上田市を会場とするイベントにおきましても、長野県の観光PRブースを設置し実施していただくなど、御開帳から「真田丸」放送に向けまして、長野市との連携をあらゆる機会を通じ推進し、両地域が一体で楽しんでいただけるような相互の観光誘客の事業展開も図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 次に、上田市の交通施策について伺います。上田市は、新幹線、しなの鉄道、別所線、路線バスと、交通の便はよい地域と思います。運賃低減バスも利用客数増と効果を見せており、秋にはまちなか循環バスも試験運用が始まるなど、より充実が図られるのではないかと思います。そこで、もう一歩、利便性の向上策をお願い申し上げます。 私も日ごろバスを利用するのですが、総じて感じるのが10分前後おくれることが非常に多く感じます。渋滞などの影響もあり、仕方のないことではありますが、既に通過してしまったのではないかと、待っている間、不安になってきます。他都市へ訪問した際に便利だと感じるのが、バスの現在地をバス停、スマートフォンで確認できるサービスがあることです。これにより到着時間に前後があった場合でも利用客はストレスなくバスを利用できるのではないかと思います。これに伴い、現在のバス停は、バス停とわからないようなバス停も多く、用地面での問題もあるかとは思いますが、今後、まちなか循環バスでの利用もあることから、あわせてバス停の整備を提案したいと思います。上田市として路線バスのGPSの活用、バス停の整備について伺います。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 路線バスの取り組みにつきまして、2点ほどご質問いただきました。 最初に、GPSを利用した利便性の向上に関しての答弁でございますが、バス交通につきましては、平成25年10月の運賃低減バスの実証運行開始に合わせまして、全路線のルート図やバス停の位置、時刻表を掲載した上田市バスマップを市内全戸に配布したり、また平成26年10月のダイヤ改正に合わせて、最新版の上田市バス時刻表を全戸配布するなど、運賃低減バスのPRとあわせて、より多くの皆様にご利用いただけるよう啓発を進めてきております。 バスの運行に当たりましては、バスの特性上、道路状況や天候などにより、時刻表よりおくれてバス停に到着することもあり、現在のバス運行状況を把握できないままバスを待たなければならない。議員さんもおっしゃっていましたが、利用者の不安や不満の解消は、利便性向上に向けた課題の一つであると捉えております。 そこで、最近では、その解消方策の一つとして、バスの運行にGPS、地図情報システムですけれども、これを導入して、インターネットやスマートフォンにより運行管理者や利用者が現在のバス位置を確認することで、バス待ちのストレスが解消され、利便性の向上が図られるとともに運用管理システムの向上にもつながり、利用者の増加に有効であったという事例もございます。これらのシステムの路線バスへの導入につきましては、バス利用の多い高齢者が、高齢者はそういった情報機器を持たない人が多いわけでありますが、そういった方が利用できるシステムの導入が課題とは考えられますが、先進事例や費用対効果等も確認しながら、今後、バス事業者とも研究してまいりたいと考えております。 次に、バス停の関係につきまして質問いただきました。バス停といいましても、ご質問のことは待合所のことかなとは思いますけれども、バス停といいますのは、立っていて待っているところがバス停ですので、それはバスの時刻表の看板を置いて設置したものでありまして、そこを利用者が利用しやすいようにということで、待合所のことかなとは思いますので、そのことについて答弁申し上げます。 バスの停留所の整備につきましては、この待合室等を含めたものですけれども、合併前の各地域におきまして、それぞれ独自の判断により設置の補助金を交付したり、あるいは公有の施設として整備を行ってきた地域、また地元や企業が独自に設置したそういった待合所もありますが、一方で、設置に当たって特に補助をしてこなかった地域や、特に乗降客が多いバス停についてのみ街路整備や電柱地中化などの大型事業にあわせて設置した地域もございます。バスの停留所の待合所、そういったものの整備については、設置スペースの確保や経費面の問題から、改めて各バス停に待合室を設けることは困難であると考えておりますが、利用者が多く設置の必要性が高いバス停につきましては、今後、地域の皆様や民間企業の支援等も含めて、整備について、どういったことでできるか、手法を探ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 林議員。 〔1番 林 和明君登壇〕
◆1番(林和明君) ご答弁いただきました。 上田市内には多くの高校があり、生徒はおのおのの方法で通学をしているわけですが、児童が通学中に事故に巻き込まれるといったことも起こり得るかと思います。通学生徒の安全を図るため、通学時間帯に各高校を回るなど路線バスの調整や現状をお伺いして、私の最後の質問といたします。
○議長(下村栄君)
清水都市建設部長。 〔都市建設部長 清水 治彦君登壇〕
◎都市建設部長(清水治彦君) 高校生に利用してもらうためにバスのダイヤ等の変更など、会社に働きかけてはどうかというご質問いただきました。 効率的、効果的な交通システムの構築に向けた取り組みといたしまして、これまでも新たなバス路線を開設したり、交通空白区域を解消するためのルートの見直しやバス停の増設、通勤、通学時間帯の増便や鉄道との乗り継ぎに配慮したダイヤの調整など、高校生の通学利用におきましても利用しやすい環境の整備に順次取り組んできております。 高校生向けの公共交通の利用促進につきましては、春の、ちょうどこれからですけれども、新入学の時期に合わせて、市内の高校を通じて各家庭へ利用啓発のチラシを配布したり、バス利用に関するアンケートを実施するなど通学時の公共交通の積極的な利用について啓発するとともに、公共交通を利用することにより安全性が確保されることについてもPRを行ってきております。 上田市内の路線バスにつきましては、交通結節点である鉄道の駅を起終点として放射状に運行ルートを設定しておりまして、それぞれの地域間を結んでおるわけでありますが、各高校もいずれかのバス路線沿いに立地している状況にございます。 市といたしましては、引き続き既存路線を活用しながら、増便やダイヤの見直し、利用状況に応じた車両の運用など、バス会社と協議し、積極的な利用促進を図るとともに、平成27年度から予定しております上田市公共交通網形成計画の策定に当たっても、持続可能な公共交通網の形成について検討を進める中で、通学利用における利便性や輸送力の向上についても検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(下村栄君) 林議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 6時14分 休憩 ◇ 午後 6時30分 再開
○議長(下村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(10)市政について
○議長(下村栄君) 次に、質問第22号、市政について、井沢議員の質問を許します。井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 最後が出ないと終わりませんので、しっかり頑張らせていただきます。 通告に従い質問をいたします。今回の私の質問は2点。1つは、国の大きな政策課題である上田市がこれから取り組む地方創生について、もう一つは、拉致問題にかかわる上田市の教育行政について質問いたします。 それでは、まず、上田市における地方創生の組み立てと実践についてお尋ねします。既に何人かの議員の皆さんが地方創生について触れておりますので、焦点を絞ってお尋ねします。あえて私がこの問題について触れますのは、少子高齢化が世界一速く進み、日本がこれをどう乗り切っていくか、世界の国々が注目し、ドイツなどは東京に研究所をつくりました。上田がこれから組み立てる地方創生の戦略は、国の創生の大切な役割を負っている、私はそう思っております。 そこで、市長にお尋ねします。市長は、市民に対する年頭の挨拶から始まり、節々で上田の地方創生について、これまで触れてこられました。施政方針の中でも、従来の発想にとらわれない上田市独自の施策に取り組んでいくと言っておられます。市長の思いの中にある上田市独自のものとは具体的にはどんな発想を持っておられるのでしょうか。 上田市の地方創生策を組み立てるに当たり、上田市の現状分析をどうされているか。人口、経済と雇用、子育て、医療、高齢化対策などについて、現状分析が出発点だと思いますが、市はどう考えておられるでしょうか。 上田版総合戦略の中で、上田独自の施策は大切な課題だと思います。上田らしさ、上田にしかできない上田モデルのようなものができれば、創生戦略はかなり光り輝くこととなりましょう。例えば子育てでは、サントミューゼにつくられた子どもアトリエを活用した上田で育つ幼児、児童全員に対する美術教育ができるようになれば、間違いなく上田は日本一のまちになります。上田で子育てをしたい、そうした子育て世代を上田に呼び込めるまちづくり、私はこれは必ずできると確信をしています。 また、上田にある4つの大学との連携による学園都市上田づくりも、上田らしさをつくる大切な課題だと思います。特に長野大学の公立法人化による連携は、創生のまちづくりの中で極めて大切な課題と考えます。いかがでしょうか。若い世代を上田に集め、上田に定着させるまちづくり、学園のまち上田は、上田モデルをつくる格好の施策だと思います。大学との連携は、若年の人口を継続的に受け入れ、さらにローカルな経済を維持させる学園都市構想です。学生が集まることにより、まちが成り立つ。そうした学園都市構想を上田の創生戦略の中にぜひ取り込んでいただきたい、そう思っております。 以上、第1問といたします。
○議長(下村栄君) 母袋市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 井沢議員の質問に、最初に私から答弁いたします。 今回の地方創生にかかわりまして、従来型の発想にとらわれない上田市独自の政策とはどんな内容かというお話もございました。今回の地方創生、国の意気込みということをまず考えてみますと、内容的には、縦割りの支援ということから、交付金制度で地域の実情に合ったものをくみしてくれるというもの。また、もう一つは、やる気のある地方自治体が企画、実施する施策に対して応援してくれるということ。もう一つは、それに対しての相応の支援と財源です。人的なものとお金、予算というそういう財源も用意すると。このように明言していると私は受けとめております。 私なりに理解いたしますと、従来のように全国どこでも補助金制度の中で均等の支援、こういうことが行われてきた。今回はそうではないのであろうという思いがございますが、そうなってくると、財源も含め、地域間で差をつけるということにもなってくるのだろうと思います。そういうことからすると、私どもはやはりもう少し大胆な発想、こういったものをしながら、あるいは単独の縦割りの事業ということではない発想を取り入れながら、この競争を乗り越えていかなければいけないのだろうと思います。その中で、地域の強みとか特色、また個性、あるいは課題を見きわめて、他にはない価値、そういったものを生み出せればと考えております。 上田市の将来を見据えるときに、いかに若い世代の層がこの上田で安心して働き、また結婚、子育てができるか。そして、住みたいまち、暮らしたいまちとして多くの若者を呼び込めるかが鍵であると考えております。そのためには、国の地方創生の柱でもありますように、これまで行政としてはなかなか踏み込めなかった仕事の創生の視点というものが重要と考えております。 このような中で、最近のさまざまな調査においても、若者世代の価値観、あるいは働き方の意識そのものが変化してきている。ということは、田舎で働きたいという地方志向が強くなってきているとの調査結果がございます。田舎回帰ということでもありましょうか。このような状況は、まさに我々の持つ田舎の魅力とか、あわせて持つ都市の魅力、そういったものを含めた利便性も兼ね備えて進めていくことが、上田市にとっては大きなチャンスにもなり得るのだろうと、このように思うわけでございます。 また、働き方につきましても、在宅勤務とか、地方でのサテライトオフィス勤務なども、情報通信技術の高度化とか多様化によりまして、場所にとらわれない働き方が可能となっている。つまり、東京でできるということだけではなく、地方でも働き方がいろいろ工夫できる時代になってきた。また、6次産業化による安全な農産物の販売、加工も含めたサービス業というものも最近は注目が集まっている、このように感じております。 このような若者の働き方の変化に伴いまして、独自のビジネスプランを持って、実際に起業し、そして活躍している若者も多くなっております。そのような皆さんがこの地域でより活躍して、空き店舗とか空き家の解消なども含めてコミュニティーの活性化につながっていく、そういう事例がふえてほしいと思っております。今後、このような意欲を持って独立、起業を目指す若者に対しても、より多面的な支援を行っていきたいと思っております。 また、上田市には、地方都市としては有利な条件として、今回の議会でも言われております大学、短大、また専門学校等、多くの高等教育機関があります。これら知とか学をより生かしながら人の循環というものを目指せればな、こんな思いを持っております。その起点となる大学との連携、あるいは大学と地元企業との連携、こういったものを促進しながら、人づくりに合わせ人材の育成につなげていきたい、こういう思いを持っております。 地方創生に対応した具体的な施策、事業というものにおいては、まさにこれから上田市版の総合戦略を策定していくわけでございますので、今お話ししたことは私の一端を申し上げたところでございます。上田市独自の施策をみんなでいい形で組み立てられるよう臨んでまいりたい、このように思っております。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) 私のほうから、地方創生の組み立てに当たって上田の現状をどのように分析しているのかと。人口も含めてご答弁したいと思います。 第二次上田市総合計画の策定におきまして実施いたしました市民アンケートでは、住みやすさについての質問に対し、80%以上の方が、住みやすい、あるいは、まあまあ住みやすいとご回答していただいております。ここ数年の上田市の人口動態につきまして分析しますと、県内他市と同様に、自然動態につきましては、マイナスが続いておりますが、社会動態におきましては、平成23年にプラスに転じた以降、過去4年間連続してプラスを維持してきており、25年、26年と2年間連続で県内19市中トップとなっております。このような社会動態の増加要因といたしましては、子育て支援の充実等の取り組みに加え、企業誘致の取り組みにより工場等の立地、移転が行われた成果が数字としてあらわれてきているのではないかと分析しているところでございます。 しかしながら、このような社会動態の増加要因がありながらも、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、2040年の上田市の人口は12万927人に減少するとされており、日本全体の人口減少が明らかである現状において、上田市においても一定の人口減少が進むことは否定できない事実であると受けとめております。 今回、国が進める地方創生では、今後5カ年の目標、施策の基本的方向性を示す地方版総合戦略の策定に当たり、効率的な施策を立案する上での基礎となります人口ビジョンを策定することとなっております。上田市版人口ビジョンの策定に当たっては、現在までの人口動向や年齢階層別の人口分析を行った上で、対象期間を国の長期ビジョンの期間と同じ2060年に設定し、必要に応じて住民意識調査を行いながら、社会増減や自然増減がどのように将来の人口に影響を及ぼすか、また人口減少が地域の将来にどのような影響を及ぼすかを分析、考察し、将来の人口を展望していくことになっております。特に今後若い世代の女性の人口が急激に減少するという日本創成会議のショッキングな推計が発表される中で、この世代の減少が及ぼす地域への影響や将来人口の展望は重要な点であると考えています。 この上田版人口ビジョンをもとに策定する上田版総合戦略の中では、結婚、妊娠、出産、育児の切れ目ない支援を進め、自然動態の減少を抑制し、企業誘致や新たな産業の創出によって社会動態のプラスを伸ばすことで、国立社会保障・人口問題研究所の推計人口を上回ることを目指してまいりたいと考えております。 続きまして、一例で挙げていただきました子どもアトリエの活用や、あるいは大学がある点を利用した上田独自モデルの組み立ての点でご答弁します。地方への移住に関する意向調査によりますと、移住する上での不安として、働き口が見つからないことや日常生活や公共交通が不便であるということに加え、教育環境の整備が十分でない、このことが挙げられております。このような移住希望者の要望に対する上田における教育環境につきましては、教育現場の一般的なカリキュラムに加え、保育園、幼稚園児には美術体験プログラムへの参加を通じて感性を磨いてもらうことや、小学生には自然豊かな環境を生かした食育、農業体験を組み入れるなどの特色ある取り組みを進めていくことが必要かと思われます。 このような中、サントミューゼでは事業展開の基本方針として、育成を全ての根底に据え、本物の芸術に触れる鑑賞育成事業や、参加、体験型の育成事業として、芸術家が学校等の施設の外に出て行うアウトリーチ事業を展開し、文化芸術を通じた育成の輪を広げ、文化の薫るまちづくりを進めているところでございます。また、市立美術館では、子どもアトリエを活用し、未就学児を対象とした、アトリエで遊ぼうや、小学生を対象とした子どもアート教室といった特徴的な活動を重ね、子供たちが美術の楽しさに触れ、自分の感性を持ちながら伝え、表現する力が育まれるよう取り組んでいるところでございます。 さらに、このような芸術文化活動だけではなく、上田市におきましては市内の大学と連携して、大学の持っている教育の特殊性や専門性を発揮した市民講座などを開催しており、このような市民の皆様と大学との交流は、4大学がある上田だからこそでき得る、上田ならではの取り組みであると考えております。こうした文化の薫る環境や教養あふれる環境は、上田市の活性化につながるものであり、また人の心を引きつけるものであるため、こうした取り組みを含めて、今後、長野大学の公立大学法人化の検討をしていかなければなりませんが、地域の大学がその地域にある特色を出すなど、大学の活性化について上田市の総合戦略の策定を進める中で考えてまいりたいと考えています。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) それぞれ答弁をいただきました。 私は、上田らしさ、上田にしかできない上田モデルのようなものは、ぜひ上田の創生戦略の中で組み立てるべきだ、そう思っていますし、私自身もそうした強い意志を持っています。 一つだけ、組み立ての中に入れてほしいものがあります。それは、人をつなげること、公のために個は何をするか。自分の権利は声高に主張するが、義務は全うしないという人たちが目につくようになりました。消防に入らない、自治会にも入らない、地域の役員を受けない。昨年の2月の大雪では、きちんと除雪ができた自治会、高齢者の自宅も自治会が除雪した自治会、しかしそれもできなかった自治会、大きな違いが見えました。昨年秋には川西地域でひとり暮らしの高齢者がお亡くなりになり、3日もわからなかった。こんな事例もありました。自治会内にある隣組や五軒組合などの組織もだんだん機能がしなくなった。地方創生の一つの原点は、人をつなぐことだと思っています。まちに住む人々がばらばらだったら、どんなすばらしい創生も組み立てることは、本当の力は出せないと思います。人をつなぎ、きずなを強める。私はそういう思いがいたします。いかがでしょうか。 もう一つお尋ねいたします。人口問題研究所が推計した13万という上田の人口は、組み立てる創生戦略の中ではどこまで回復しようと考えておられるでしょうか。例えば戦略の目標は16万ですか、あるいは15万ですか。創生する上田の人口目標はどう決めていくのでしょうか。 以上、第2問といたします。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) 全国的に進んでおります人口減少は、自治会などの地域コミュニティーの規模縮小も伴うことから、市民生活のさまざまな分野で影響を及ぼすものと想定されるところでございます。議員ご指摘のとおり、今後コミュニティーを維持し地域の活力を維持していくためには、人と人とのつながり、きずなを深めることが、より一層重要となると認識しております。国が示す地方創生総合戦略の政策パッケージの中に時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに地域と地域を連携するということが掲げられております。人々が地方での生活やライフスタイルのすばらしさを実感し、安心して暮らせるようなまちをつくっていくことが求められるところでございます。 このような観点から、上田市版総合戦略に位置づけ、幾つかの政策を展開し、まちづくりを進めていくことになりますが、これからのまちづくりは、市民、自治会、事業者、行政など課題の解決や地域活性化のため協働して取り組むことが不可欠と考えておりまして、現在策定の第二次総合計画の中でも、市民力や地域力の重要性を基本理念にうたい、また市民協働の推進を重点プロジェクトの一つと位置づけてございます。時代の変化とともに行政による高所だけではうまく解決しない地域課題もあることから、現在、魅力アップ応援事業の充実など、それぞれの地域で進める新たな取り組みに対して支援をしておりますが、今後、必要な支援もしてまいりたいと考えています。 地方創生を推進していく上で、行政と市民が協働して地域づくりをしていく上で、地域内分権の第4ステージでございますまちづくりのための住民組織を立ち上げていただき、地域の皆様が自分たちの地域を主体的につくっていくことで、人と人のきずなを深めることができるものと考えております。 もう一点の人口ビジョンのご質問でございます。これについては、先ほど申し上げたとおり、上田版総合戦略とあわせて策定する上田市人口ビジョンにおいて、人口減少が地域の将来にどのような影響を及ぼすか、さまざまな分析、考察をして、2060年の上田市の将来目標の人口を設定していくことになります。国の長期ビジョンにおいて、50年後の日本の人口を1億人程度に維持することを目指していくことを鑑み、上田市版人口ビジョンを策定していく中で適切な将来人口を設定してまいりたいと考えておりまして、ここで何人ということは申し上げられない。今後策定をしてまいりたいと考えています。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 地方創生でもう一つお尋ねいたします。 今、それぞれ答弁いただきました。私、地方創生の資料とか文献を見ておりまして、実は驚異的な、非常に驚くべき数字が飛び込んできました。それは、2040年に日本の市町村の中で896の市町村が消滅の危機にあるという数字でした。上田はどうだろう、上田を調べてみましたら、その中には入っていませんけれども、境ぐらいにいました。特にこの数字を組み立てた根拠が、いわゆる若年女性、子供を出産することが可能な20歳から39歳の女性のこれから25年先の増減の数字が基本になっていました。上田の場合、平成10年、その若年女性の数が1万7,200人だったのが、これから25年先の2040年には9,200人に落ち込む、そういう数字が出ています。これが基本的な数字だと私は思いました。 改めてお尋ねするのですけれども、上田の人口戦略あるいは総合戦略を組み立てていく場合、いわゆる人口減を抑えて人口をふやすというときの基本的な数字は、私はこの、いわゆる若年女性の移動をどうするかということが基本的な基礎になると、そう思っています。その辺のところを上田市がどうこれからお考えになっていくのか。60年先の戦略を組み立てるのですから、今、はっきりしたことは言えないかもしれませんけれども、今、私が申し上げたこの女性の増減が、私は大切な基本になってくると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(下村栄君) 金子政策企画局長。 〔政策企画局長 金子 義幸君登壇〕
◎政策企画局長(金子義幸君) ただいまご答弁申し上げましたが、今、議員がご紹介いただきました、特に若い女性の人口が減少し、消滅する都市が出ると。大変ショッキングな推計をなさったのが日本創成会議という団体でございます。私どもとして、特に先ほど申し上げましたのに、若い女性の皆さんの動向、今後どうなっていくのか、今現状どうなるのかということは、今後の人口ビジョンをつくっていく上で大変重要な視点でございますので、その点、しっかり押さえながら、今後、人口ビジョンを策定してまいりたいと考えています。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 次に、教育行政について質問をいたします。 内閣官房拉致問題対策本部が、平成21年6月、各学校長に出した通達文書は、拉致問題啓発アニメ「めぐみ」のDVDの配付とその活用について要請をしています。これについて、上田市教育委員会はどのような趣旨で学校現場に配付したのか。また、配付したのはいつでしょうか。 さらに、各学校での活用状況はどうでしょうか。内閣官房の文書では、子供たちはもとより保護者や地域の住民を対象に上映会を開催するなどの要請をしています。上田市教育委員会は、この取り組みをしたのでしょうか。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 日本人拉致問題啓発アニメ「めぐみ」のDVDについてのお尋ねでございます。 北朝鮮による日本人拉致問題は、国民の生命や安全を脅かす重大な人権問題であります。政府、内閣官房の拉致問題対策本部で企画制作した北朝鮮による日本人拉致問題啓発アニメ「めぐみ」につきましては、児童生徒が拉致問題を正しく理解し、人権問題として考える機会とすることができるよう、平成20年4月に市内の小中学校全校に配付をいたしました。 映画「めぐみ」の内容は、わずか13歳のときに北朝鮮に拉致された横田めぐみさんのお話を中心に、拉致されたところから残されたご家族の大変困難な救出活動などを描いたドキュメンタリー映画であり、拉致の悲惨さや残された家族の悲しみなどが伝わってくる感動的な啓発作品でございます。このことから、児童生徒に北朝鮮による拉致問題についての認識を深め、拉致問題を人権問題として考えるための非常によい教材であると考えております。また、一人でも多くの児童生徒等が拉致問題を人権問題として関心を持ち、その重要性を認識するための資料として自由に視聴できるよう、学校図書館や視聴覚室に配置するため、市内の市町村全校へ昨年1月に追加分を配付いたしました。 学校における人権問題につきましては、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律及び人権教育・啓発に関する基本計画に基づいて、児童生徒の発達段階に応じて、北朝鮮の拉致問題を含め、部落差別や男女差別、障害者や外国人に対する差別、いじめ、仲間外しなど、さまざまな人権問題についてテーマを設定して理解を深める学習に取り組んでおります。 教育委員会が行った学校人権教育実施状況調査の結果によりますと、平成26年度に北朝鮮による拉致問題等を学習した学校は、小学校で3校、中学校で3校の6校でございました。この啓発DVD「めぐみ」ですが、この活用した学校もございました。1つの中学校では、学年全員でビデオを視聴し、その後、各学級に分かれて感想を話し合っております。また、1つの小学校では、教員が視聴し、拉致問題と人権問題の研修に活用しております。 上田市教育委員会で所管している人権同和教育啓発作品の貸し出し記録一覧表で把握しております実績といたしましては、地区公民館の人権研修や自治会懇談会の資料として、人権啓発DVD「めぐみ」の上映は、これまでに8回実施されております。しばらく前になりますが、市内のある小学校では、PTAを中心とする実行委員会主催の人権講演会において、めぐみさんのご両親である横田ご夫妻の講演会が行われ、その際、啓発アニメ「めぐみ」も上映されたと聞いております。 いずれにいたしましても、北朝鮮による拉致問題は重大な人権侵害でありますので、一日も早く解決されるよう願うとともに、改めましてDVDの活用について学校に依頼し、市民の理解が深まるよう自治会にも紹介し、自治会人権同和教育懇談会などに教材として活用していただけるよう依頼をしてまいりたいと考えております。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 今、答弁をいただきましたけれども、率直に申し上げて驚きました。国が学校長に依頼した施策の実施状況がこんな数字とは本当に驚きます。私が調査した中では、中学校はどこもやっていない、そう言っています。小学校は23校中3校。 そこで、再質問をいたします。国が学校長に依頼した拉致問題啓発アニメ「めぐみ」の各学校における活用状況がこんなに悪いのはなぜでしょうか。アニメを活用し、子供たちに拉致の実態を教え、学ばせることは、上田市の教育行政の中でそんなに軽いものなのでしょうか。拉致問題を大人も子供たちも、自分のこととして考え、国民みんなが共有する意識として持ち、一刻も早い救出を願う。そして、拉致家族を持つご家族の悲しみや苦しみに少しでも寄り添える日本人でありたい。このことは教科や決められた学校行事より軽いことなのでしょうか。改めてお答えをいただきたいと思います。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) どの学校におきましても、必ず人権教育、人権学習は行われております。先ほども答弁申し上げましたが、人権を尊重することの大切さを学ぶために北朝鮮による拉致問題、部落差別や男女差別、障害者や外国人に対する差別やハンセン病、いじめ、仲間外しなどを取り上げて人権学習が行われております。人権学習のテーマとして、どれが重く、どれが軽いということではなく、児童生徒の発達段階や実態、その時々の状況から、それぞれの学校でテーマを設定し、題材、教材を選択しております。 拉致問題も重大な人権問題であり、啓発アニメ「めぐみ」は、拉致問題を人権問題として考えるための非常によい教材でありますので、改めて学校に紹介してまいりたいと考えております。 また、26年度に北朝鮮による拉致問題等を学習した学校は、小学校3校、中学校3校であったと申し上げたのは、学校の人権教育のテーマとして取り上げた学校数でございます。中学校におきましては、公民の教科書等において、世界平和のための課題、日本の外交問題の一つとして北朝鮮による拉致問題が取り上げられ、拉致被害者の写真とともに記載されておりますので、社会科の授業で拉致問題を学習していると考えております。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 教育長は、問題をはぐらかしておられますね。私は、「めぐみ」のDVDが各学校でどう活用されているのか、何校で活用されているかをお聞きしたのです。私は総体的な人権教育がどうされているかなんていうことについては聞いていないのです。改めて私はこの問題について教育長にお尋ねをしますけれども、例えば活用状況が悪い。上田市教育委員会はこのアニメを各教育現場におろした。では、その活用状況はどうなのか。あるいは、していないところだったら、これをやってください、そういう取り組みを教育委員会はしたのですか。私が調べた中で、例えば1年に何回か校長会や教頭会議をしていますけれども、そういう席でも一言も教育委員会は触れていません。いかがですか。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) 北朝鮮による拉致問題について、人権教育、人権学習の一つとして学習をするということでございます。学校が人権学習、人権教育として何を題材にとって、そして何を教材として子供たちに学習させていくのか、これは学校の判断でございます。確かに議員おっしゃるとおり、これまで校長会等の場において、この人権啓発アニメ「めぐみ」を人権学習の教材として使ってほしい、特段に学校に依頼をした、これを取り上げて依頼をしたということはございません。これまでございません。これは、しかし、いずれの教材についても、例えばふるさと学習についても同様でございます。さまざまな教材を学校に配ります。これこれこういう効果がありますので、このように使ってください、依頼はしますが、改めてぜひこれをこれこれこのために使いなさいというような、いわば強制的な指導はこれまでもしてきておりません。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員。 〔10番 井沢 信章君登壇〕
◆10番(井沢信章君) 教育長は、はぐらかして逃げておられる。そう答弁を聞きながら感じました。 教育長、三十数年前、13歳の1人の少女が新潟の海岸通りで部活の後、北朝鮮の工作員によって拉致をされた。そして、20年間、ご両親を含め家族の皆さん方、一生懸命捜したけれども、20年間わからなかった。ようやく20年たって北朝鮮に拉致されたということがわかった。家族の苦しみ、それは想像を絶するものだと私は思っています。そして、このアニメは、そういう苦しみや、あとは人間としてどう生きなければならないのか、何をしなければならないのか、何を大切にしなければならないのか。国のあり方、あるいは家族のあり方、そういうことも包括した大切なDVDだと私は思っています。それが、各学校での活用状況がこういう数字で、果たしていいのでしょうか。私はそのことについて教育長に問うているのです。いわゆる、ほかの人権問題もたくさんあります。でも、一人の少女が人生をめちゃくちゃにされてしまったこの事実と、日本人としてこれから育っていく子供たちにこれを見せながら、どんな教育をしていくのか、そのことは私は、ほかのことより何よりも大事な課題だと、そう思っているのです。だから、お聞きしたのです。 これからも引き続いて努力するということを言っておられましたので、質問は私はこれでおしまいにしますけれども、いずれにしても、こんな大事な課題を何となくおろそかにされている。そして、私は行政のあり方として、一旦おろしたものについて、それがどうなったのか、どうされたのか、そのことについて一切問わないというあり方自身が私は問題だと思います。いかがですか。 以上、私の質問を終わります。
○議長(下村栄君) 小山教育長。 〔教育長 小山 壽一君登壇〕
◎教育長(小山壽一君) それぞれの学校において、人権についての学習は必ず行われております。何をテーマに、何を教材に行うか。これはそれぞれの学校や学級に任されております。過日、城南公民館で行われました人権フェスティバルでは、自分の個性に誇りを持って強く生きなさいと言ってくれたフィリピンの母親のことを感動的に発表した中学生がおりました。また、視覚障害のある広沢里枝子さんの講演を聞いて、次に自分に何ができるのか考えた高校生の発表もございました。何をテーマに、何を題材として人権学習を行うかは、学校の裁量であります。そして、人権のテーマは、どれが重く、どれが軽いということはございません。どれもみんな重いものです。私は決して拉致問題が軽い問題であるというふうに言っているわけではございません。また、改めましてこの啓発アニメの資料を学校に対して紹介をしたい、このように先ほど来申し上げております。また、人権問題の一つとしてこのDVDは有効なものであると、私も今回見させていただきまして、そのように感じたので、学校に紹介をしたい、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(下村栄君) 井沢議員の質問が終わりました。 以上で一般質問が全て終了いたしました。 ◇
△日程第2 議案第1号~第7号
○議長(下村栄君) 次に、日程第2、議案第1号から第7号まで7件一括議題とし、本案7件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第3 議案第8号~第16号
○議長(下村栄君) 次に、日程第3、議案第8号から第16号まで9件一括議題とし、本案9件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第4 議案第17号~第22号
○議長(下村栄君) 次に、日程第4、議案第17号から第22号まで6件一括議題とし、本案6件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第5 議案第23号
○議長(下村栄君) 次に、日程第5、議案第23号を議題とし、本案の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第6 議案第24号~第30号
○議長(下村栄君) 次に、日程第6、議案第24号から第30号まで7件一括議題とし、本案7件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第7 議案第31号~第33号
○議長(下村栄君) 次に、日程第7、議案第31号から第33号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第8 議案第34号
○議長(下村栄君) 次に、日程第8、議案第34号を議題とし、本案の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第9 議案第35号及び第36号
○議長(下村栄君) 次に、日程第9、議案第35号及び第36号2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第10 議案第37号~第40号
○議長(下村栄君) 次に、日程第10、議案第37号から第40号まで4件一括議題とし、本案4件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第11 議案第41号~第43号
○議長(下村栄君) 次に、日程第11、議案第41号から第43号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第12 議案第44号~第48号
○議長(下村栄君) 次に、日程第12、議案第44号から第48号まで5件一括議題とし、本案5件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◇
△日程第13 議案第49号~第51号
○議長(下村栄君) 次に、日程第13、議案第49号から第51号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下村栄君) 以上で本日の日程は終了しました。 各議案は、お手元に配付した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 お諮りします。あす5日から17日までの13日間は、委員会審査等のため休会したいと思います。これにご異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下村栄君) ご異議なしと認めます。よって、あす5日から17日までの13日間は休会することに決しました。 次回は3月18日午後1時30分から会議を開きます。 本日はこれにて散会します。 午後 7時16分 散会...