松本市議会 2019-09-09
09月09日-02号
令和 1年 9月
定例会--------------------------------------- 令和元年松本市議会9月定例会会議録 第2
号--------------------------------------- 令和元年9月9日 (月曜日
)--------------------------------------- 議事日程(第2号) 令和元年9月9日 午前10時開議 第1 請願第3号 地方財政の充実・強化を求める国あて意見書の採択を求める請願書 請願第4号 国の責任による35人学級推進と、教育予算の増額を求める請願書 請願第5号 「
へき地教育振興法に鑑み、
へき地手当等支給率を近隣県並みの水準に戻すこと」を長野県知事に求める請願書 第2 市政一般に対する質問
------------------------------出席議員(31名) 1番 牛丸仁志 2番 横内裕治 3番 上條一正 5番 内田麻美 6番 塩原孝子 7番 古沢明子 8番 神津ゆかり 9番 土屋眞一 10番 上條敦重 11番 吉村幸代 12番 勝野智行 13番 青木 崇 14番 若林真一 15番 今井ゆうすけ 16番 川久保文良 17番 上條美智子 18番 村上幸雄 19番 上條 温 20番 田口輝子 21番 中島昌子 22番 小林あや 23番 阿部功祐 24番 上條俊道 25番 澤田佐久子 26番 犬飼信雄 27番 犬飼明美 28番 柿澤 潔 29番 芝山 稔 30番 太田更三 31番 近藤晴彦 32番 池田国昭
------------------------------説明のため出席した者 市長 菅谷 昭 副市長 坪田明男 総務部長 嵯峨宏一 政策部長 横内俊哉 財政部長 高野一司 危機管理部長 森本千嘉
地域づくり部長 守屋千秋
文化スポーツ部長 伊佐治裕子 環境部長 久保田忠良 健康福祉部長 樋口 浩 こども部長 村山 修 農林部長 林 浩史 商工観光部長 小原直樹 健康産業・
企業立地担当部長 小林浩之 建設部長 上條裕久
城下町整備本部長 松崎 勉 上下水道局長 征矢野伸一 病院局長 斉川久誉 教育長 赤羽郁夫 教育部長 山内 亮
選挙管理委員長 吉田弘壽 行政管理課長 中野嘉勝 秘書課長 羽田野雅司 政策課長 宮尾 穣 財政課長 板倉 章
------------------------------事務局職員出席者 事務局長 市川英治 事務局次長 河村知佳 次長補佐兼議会担当係長 主査 芦田真理 住吉真治 主査 永原浩希 主事 小林あゆみ
------------------------------ 本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)記載事件のとおり
------------------------------ 午前10時開議
○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は30名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 最初に、報告事項を申し上げます。 請願書が3件提出されております。請願文書表第1号としてご配付申し上げてあるとおりであります。 次に、陳情書が1件提出されております。陳情文書表第2号としてご配付申し上げてあるとおりであります。 これは、所管の
教育民生委員会に回付しておきます。 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。
------------------------------
△日程第1 請願第3号から第5号まで
○議長(村上幸雄) 日程第1 請願第3号から第5号までの以上3件を一括上程いたします。 内容につきましては、請願文書表第1号によりご承知願います。
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△日程第2 市政一般に対する質問
○議長(村上幸雄) 日程第2 市政一般に対する質問を行います。 質問通告者は、お手元にご配付いたしてあります
一般質問者一覧表のとおり21名であります。 一覧表記載の順序により発言を許します。 最初に、10番 上條敦重議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 10番 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 皆様、おはようございます。 質問に入る前に、きょう未明に台風第15号が首都圏に上陸いたしました。90万世帯に及ぶ停電と多大なる交通の障害が起きているようでございます。今後また被害が明らかになると思いますけれども、謹んで心からお見舞いを申し上げます。 それでは、改めまして質問をさせていただきます。会派開明の上條敦重でございます。今回、発言の機会をいただきましたので、会派を代表し、吉村幸代議員、今井ゆうすけ議員、川久保文良議員、上條 温議員とともに、通告に従いまして質問させていただきます。 私は、4月に初当選させていただきました新人議員でございます。5年前に、43年ぶりに東京からUターンをいたしました。そして、この間、安曇地区で公民館長を3年間務め、勉強させていただきました。担当した市職員を初め、関係された皆様には心より感謝申し上げます。 3年間の公民館長の職務の中で、松本市の社会教育や地域づくりに伴うさまざまな課題に直面したことで、私たちが暮らす松本市をより深く考えるよい機会となり、今現在につながっております。 それでは、質問に入らせていただきます。 なお、質問は件名ごと一括で行わせていただきます。 まず、岩魚留小屋の保存活用について質問いたします。 国道158号及び上高地公園線が整備される前は、島々谷を進み、徳本峠を越える本道のルートに、江戸時代は松本藩の藩有林で働くきこりが通い、牧場が開かれた明治時代には多くの牛や馬が登っては下り、また、近代登山が始まると、島々地区を起点に多くの登山者がこの道を歩いて、槍ヶ岳・穂高岳の日本アルプスを目指しました。バスを利用して上高地に入るルートが一般的になった現在でも、島々谷から徳本峠を越えるルートは、
クラシックルートと呼ばれて人気があり、利用する登山者が絶えません。毎年6月第1日曜日に開催されるウェストン祭の前日には、
公益社団法人日本山岳会のメンバーが全国から集い、地元安曇の小・中学生らとともに、ウェストンが愛した
クラシックルートを登ります。 日本を訪れる欧米人の動向に見られるように、歴史的な道を利用したトレッキングは世界的に人気があり、この古道も潜在的な可能性があると考えます。14キロぐらい渓流沿いに歩く古道は美しく、ルート途中にある岩魚留小屋は、日本アルプスを世界に紹介したウォルター・ウェストンを初め、近代登山黎明期の著名な登山家が利用した山小屋です。また、小屋の脇に立つ、天然記念物にもなりそうなカツラの巨木は、高村光太郎・智恵子夫妻も思い出を記すなど、歴史的価値が高いと考えます。 しかし、現在は、廃業して6年余り、劣化が進み、将来的な保存が心配されます。
クラシックルートの活性化と、ルートに付加価値をつけるためにも、岩魚留小屋の価値を広め、ルートの拠点の一つとして適切に保存活用されていくことが必要と考えます。 そこで質問でございます。岩魚留小屋を文化財として位置づけ、活用、保存していくことについて、市のお考えをお伺いしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 〔登壇〕 お答えをいたします。 議員御紹介のとおり、岩魚留小屋のある徳本峠の道は、古くから上高地へ入る道として知られ、日本アルプスを世界に紹介したウェストンもここを通り、槍ヶ岳や穂高岳に登っております。ウェストンの日記には、岩魚留小屋や、明神にある案内人嘉門次の小屋を訪れたことが記されております。既に嘉門次小屋と徳本峠小屋は国の
登録有形文化財になっておりますが、岩魚留小屋も同様に、日本の近代登山史を物語る大変重要な建物でございます。 このように岩魚留小屋は、岳都・松本を象徴する重要な文化資源であり、観光資源だと考えておりますが、議員がご心配されますように、このまま放置されますと建物が朽ちてしまうことが懸念されております。本市といたしましては、今後、岩魚留小屋を初めとした徳本峠越えの道につきましても、歴史的価値を明らかにした上で、文化財としての価値づけを行い、地元や関係団体の保存活用に向けた取り組みに対し、協力や支援していくことを検討してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきましてありがとうございました。 なお、地元、島々町会、安曇山岳会、古道を守る会は、今後、小屋を管理し活用していく意向がございます。また、
岩魚留小屋所有者及び地権者である林野庁は、私が文化財指定に向けた営みをすることに異論はないという確認もいただいております。
トレッキングルートとしての活用も含めて、ぜひ市の協力をお願いしたいと思います。 続いては、市の文化財活用の方向性についてお聞きいたします。 中央では、国宝や重要文化財をデジタル化して、複製した作品のレンタルをすることで、触れ合う機会の少ない文化財を多くの人たちに触れていただく事業も行われていますが、残念ながら地方都市では難しい取り組みです。 松本市は平成30年に策定した松本市
歴史文化基本構想で集約され、保存活用の計画策定がされた関連文化財群は160を超えます。このように松本市は、豊かな歴史や文化を持つまちですが、関連文化財群もリスト化されただけで、住民がその魅力を十分に活用していないのが現実です。 活用とは、多くの人たちが文化財に触れることです。例を申しますと、関連文化財群をめぐるときの起点はどこの場所がいいのか、利用すべき交通手段やサービス手段は何を利用するのか、ルート設定をし、ルート近くにある名物や飲食店の情報なども組み入れて、文化財を楽しくめぐるマップをリスト化してまとめることで、市民だけでなく観光客にも文化財に触れていただく機会を創出することができれば、例えば自転車の
レンタルサービス事業の拡大にもつながり、経済効果が生まれてまいります。 岩魚留小屋の件もそうですが、関連文化財群を利用した
観光コンテンツをつくるような仕組みや仕掛けが、結果的に経済効果を生み出すことになります。それこそが活用ではないでしょうか。
文化財ツーリズムによる交流人口がふえれば、波及効果が生まれます。今までは、文化財を守る仕事が文化財行政だったかもしれませんが、今後は、文化財行政としても攻める側面を持つ姿勢が求められると考えます。 そこで、歴史や文化財を利用したさまざまな活用、例えば商業的な活用が進むための方策を市はどのように行いになっているのかお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 ただいま議員からもご紹介がありましたように、松本市では、関連文化財を設定し、それを継続して活用する団体につきましては、
まつもと文化遺産に認定し、活用の支援を行っているところでございます。 しかしながら、議員のご質問にもありましたように、こうした郷土の歴史や文化を商業や観光など地域経済に結びつけるような施策につきましては、さらなる取り組みが必要であると認識しております。 今後は、文化財の情報を庁内関係部局や市民の皆様にわかりやすく伝え、理解につなげていくことが重要であると考えておりますので、商工観光部や外部の関係機関などと情報を共有する仕組みを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 関連文化財群を調べた方々の委員会や団体が地元にはあります。その方々にもお手伝いをしていただきながら、活用に向けて
関連文化財群同士をつなげたり、地元の情報も取り入れて、楽しくめぐれて文化財に触れ合える周遊ルートを提案していただけると、次のステージにつながるように思います。文化財課には、縦割り行政を超えた活用に向けた取り組みを期待しまして、この質問を終わります。 次に、2件目の質問は、農業政策についてお伺いいたします。 松本市の人口は、2002年をピークに減少しており、2060年には18万人台になるだろうと言われています。AIやICT化が進む中、産業の底上げなくして松本の発展はありません。産業の中でも農業の占める割合は大きいと思いますが、直近で農業産出額が200億円を超えたとはいえ、産業別総生産で農業は1%にも満たないのが松本の現状です。また、日本の食料自給率も、カロリーベースで37%と過去最低の水準で、先進国がほぼ国内自給を果たす中で、日本の食料自給率だけが下がり続けています。農業政策は日本の課題であり、松本の課題でもあります。 政府は、担い手を集約し、大規模・効率化をすることで収益を上げる方向性ですが、本市は中山間地域が多くを占めるとはいえ、日較差が大きく日照時間が長い気候風土にも恵まれ、農業には適していると言われています。また、
JA松本ハイランドに頼らない、こだわりを持ちながら所得向上を望む農家もふえています。 しかし、平成30年度の農政概要を見ても、農家の収入はふえていないのが現状で、兼業農家も減少しています。また、作物も伸びているのは野菜と果実で、ほかは横ばいか減少です。さまざまな政策は書かれていますが、成果となってあらわれていないように分析します。 そこで、松本市の農業の可能性と課題について見解をお伺いしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。 松本市は、農林水産省が公表した直近の農業産出額によると、議員ご紹介のとおり、200億円の大台を超え、長野県内では2年連続の1位となりました。農業産出額で上位の市町村には、何かしら特化した部門で高い産出額を出しているところが多い中、松本市は、米、野菜、果物、畜産などバランスのよい産出額を出している、全国的にもまれなポテンシャルを持った農業地域と言えます。また、スイカ、ブドウ、リンゴといった、大消費地への販路を持ち、産地として位置づけられている農作物がある一方で、松本一本ねぎ、番所きゅうりや稲核菜など松本ならではの希少野菜もあることは、松本の魅力であり可能性の一つであります。さらには、意欲ある農業者である認定農業者数が県内で最も多く、計画的な営農により所得向上を図っている農家が多い市でもあります。このことは、県やJA、地域等と連携し、多様な農産物生産を支援し、そこに携わる農業者への育成支援に取り組んできた農業政策の成果であり、可能性とも言えます。 一方、課題といたしましては、まず、全国的な傾向でありますが、農家戸数の減少が挙げられます。
農林業センサスの結果によると、農業後継者がいる販売農家は、平成17年から平成27年までの10年間で4割減少し、また、農家の中心的農業者である
基幹的農業従事者の平均年齢は68.3歳であり、全国平均の67.0歳よりも若干高い状況にあります。また、松本市は、市域の89%が中山間地であり、耕作条件不利地を多く抱えております。中山間地は、担い手不足、遊休荒廃地等、農業の課題が凝縮されており、その対応が求められております。 このような本市の状況から、さらなる生産基盤の強化、多様な担い手の育成、農家所得の向上を図るブランド化を県やJA、地域、民間事業者などと連携して進めていくことが重要であると考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。多くの可能性とともに、課題も多い本市であります。簡単には解決できない課題もありますが、課題の解決は、
イコール生産性の向上につながるわけですから、課題解決に向けた政策を策定していくことが重要で、それを望みまして、次の質問に移ります。 2番目の質問は、ワイン特区の申請とビジョンに関してでございます。 果実酒等の
製法品質表示基準が制定され、
国産ワイン表示とは異なる、国産ブドウ100%のみで醸造される
日本ワイン表示のワインの評価は、海外でも数多くの賞を受賞するほど評価が高く、特にこの五、六年、長野県産の醸造用ブドウを原料にしたワインの受賞も相次ぎ、評価が急上昇しています。気候の温暖化に伴い、冷涼な気候の信州でもヨーロッパの品種の栽培ができるようになり、大手メーカーにより次々と、平成18年度の
桔梗ヶ原ワイナリーの新設を初め、2020年度までに長野県下に、ワイナリーの新設や既存設備の拡張、
ブドウ栽培農地の拡大などの投資がめじろ押しです。 しかし、残念ながら、その中に松本市の名前はありません。
千曲川ワインバレー特区や
桔梗ヶ原ワインバレー特区、そして、信州・
高山ワイン特区では、すばらしい評判のワインが生まれ、首都圏の消費者に引っ張りだこで、抽せんでしか手に入らないワインも存在します。ことしは、EPA協定による、関税が0%と非関税障壁の撤廃により、マーケットが拡大すると予想されています。酒類全般の出荷量は減少気味ですが、ワインを含む果実酒だけは増加しています。関連産業の底上げ、地域経済の活性化にも大いに期待できるワイン特区の申請が、去る平成26年、塩尻市から共同申請の打診があったそうですが、当時は時期尚早とのことでお断りになった経緯があると伺っております。 今回、ワイン特区の申請を準備していると聞いております。この制度を活用して、どのようなビジョンを描いているのか、申請とビジョンについてお伺いしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。
ワイン特区計画の申請につきましては、9月13日の
市議会経済地域委員協議会で報告の予定でございますが、9月下旬の申請に向け、共同申請する山形村、朝日村と細部を詰めている状況でございます。この計画が認定されますと、3市村内で生産されるブドウやリンゴ等の指定する特産物を用いたワイン、シードル等の果実酒の醸造において、酒税法の最低数量基準が6キロリットルから2キロリットルに緩和される特例措置が認められます。これにより、小規模なワイナリー、醸造所が開設できる環境となります。 ワイン特区の活用によるビジョンでございますが、特区となり、小規模なワイナリー、醸造所で醸造が開始されることで、原料となる果実等の生産拡大、高付加価値化、さらには農業所得の向上、遊休荒廃農地の縮減や意欲的な就農者の確保につながることを期待しております。また、ワインを軸に、食による
農商工観光連携が進み、松本平の魅力に多種多様な
小規模ワイナリー、醸造所の点在が加わることで、
観光誘客コンテンツがさらに充実し、交流人口の増加による地域経済全体の活性化にまでつながることを期待しております。本市といたしましては、このようなビジョンが実現できるよう、関係者間のコーディネートや6次
産業化支援事業による商品開発など、ソフト事業への支援を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。遅きに失した感は否めないですが、大変喜ばしいことで、松本のワイン産業が一歩前進したわけでございます。必要な政策を推進していただき、大いに希望と期待をして、次の質問に移ります。 次の質問は、農業支援策についてでございます。 ワイン生産量が3位、4位、5位の北海道、山形県、岩手県なども日本ワインの生産に力を入れている中で、
小規模ワイナリーから
プレミアムワインも誕生し、話題を集めています。 そこで、申請に伴う支援策が必要になります。支援策を申請と同じタイミングで発表することにより、注目度が上がり、相乗効果が期待されます。例えば、
小規模ワイナリーが設立しやすい支援、意欲的な就農者の確保と支援、
ブドウ栽培農家への支援など、支援策をどの程度実施できるかが大きなポイントだと考えます。シードルは比較的参入しやすい状況ではあるものの、ワイン醸造は申請から事業化まで時間がかかります。その間に支えてあげる支援が必要です。本来は、申請発表と同時に支援策も発表することにより、Uターンや
Iターン移住者・希望者、また、ワインの醸造を目指す方々にも夢と可能性を与えるはずです。 ちなみに国や県とは別の塩尻市の単独の支援策を一部紹介しますと、
ワイナリー支援事業では、新築、増改築に係る固定資産税の額に対する補助。生産支援事業では、果実棚の新設、更新の補助、果実苗木導入の補助、
雨よけハウス導入の補助など、産業を育てようとする支援事業が充実しているように思います。これらは、ワイン関連だけではなく農政としての支援策ではありますが、ワイン特区の先輩である塩尻市の支援策を研究していただき、特区を生かした経済効果が生まれるように期待します。 農家からは、松本市は、農業を志す素人には優しくないという声をよく聞きます。支援策が充実している坂城町や近隣市町村に行ってしまうという声です。個人や夫婦の意欲的な就農者を確保するには、彼らのニーズに寄り添う支援が必要であり、ブランド化や特化した野菜を栽培し高収入を目指すこだわり農家への支援策も大切です。野菜のブランド化もまだまだ一部であり、
ナショナルブランドにはなり得ていません。 ソバで有名な奈川と乗鞍で、去年から若者たちがホップの栽培を始めました。高冷地のホップは上質で評判がよく、市内の
クラフトビールメーカーに卸しています。ブランド化は、地域の特性を生かした作物の存在が不可欠です。JAのやらないことやできない政策の立案や支援をし、さらに、行政の強みは、情報収集と分析力、それにネットワークを持っていることであり、その強みを生かし、生産者、流通、消費者、メーカーをつなぎ、結び、スキームを組み立てるマネジメントを実行することにより、強みを生かした支援や政策が推進できると確信しています。 そこで、農業支援策についてお伺いします。今後の農業政策の方向性と今回の
ワイン特区申請に当たり、
醸造用ブドウ農家や醸造家を目指す人、就農意欲のある人への支援政策があればお伺いしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。 本市が掲げる農業施策の方向性といたしましては、農業の担い手の育成、中山間地対策、農産物のブランド化、
農商工観光連携の推進などに力を入れて進めてまいります。具体的には、まず担い手の育成といたしましては、
新規就農者支援、認定農業者への機械補助や女性農業者の支援及び、人材育成として
松本地域営農リーダー育成塾など、個人でやる気のある農業者への支援を進めております。 ブドウ栽培におきましては、議員ご発言の拡大よりは再生、維持に重心がありますが、県やJAと共同して山辺ぶどう再生プロジェクトを既に立ち上げ、担い手の確保、遊休荒廃化の防止など、将来の模索に着手しているところでございます。今後、ワイン特区の認定に伴う
小規模ワイナリーなどの状況を注視し、生産量の拡大につながる取り組みも研究してまいります。 次に、農産物のブランド化といたしましては、松本一本ねぎのGI表示による販売開始のほか、松本健康野菜としてブロッコリーなど9品目の栄養機能表示販売を民間事業者と連携し、中京圏の大手百貨店で試験的に実施することが決まっております。 また、中山間地対策といたしましては、中山間地が抱えるさまざまな課題に対処するため、中山地区をモデル地区に、総合的な中山間地対策事業に取り組んでおります。1つは、担い手不足を解消し、多様な農業者を育成するため、直売所や市内飲食店への販売を目的としたプチ農業の推進です。2つ目は、農作業の省力化を図るため、国の委託で開発を行っている民間事業者と連携し、全国に先駆けて半自動除草機の実証実験を行うなど、スマート農業の導入を進めております。また、先ごろ新聞報道されましたが、民間のシステムを活用した、やさいバスという、松本地域内における、出荷、収集、配送を行う地域内流通システムを立ち上げ、実証実験をスタートしております。これらの事業を足がかりに中山間地対策の松本モデルを構築し、市内の中山間地にも広げていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 答弁をいただきました。ぜひ支援策を充実させていただいて、松本の農業の活性化政策につなげてほしいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 3件目は、会計年度任用職員制度について質問させていただきます。 私は、教育民生委員をしております。その報告の中で、本市の待機児童の件が問題になりました。全国的には減少傾向なのに、長野県はふえております。4月1日時点で松本市は36人でございました。それに伴い、嘱託保育士の離職率も高く、例年40人前後の職員が退職しております。平成29年度に嘱託保育士の処遇改善が行われたのにもかかわらずでございます。 10月から幼児教育・保育の無償化が始まり、保育ニーズは高まることが予想される中で、処遇改善したにもかかわらず職員の離職が多い状況ですが、その離職に至る理由と対策についてお伺いしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 嘱託保育士の離職の理由につきましては、1つとして、全国的に保育士が不足している中、官民問わず保育・教育事業者が保育士の正規採用を活発に行っていること。また、2つ目として、平成27年度に保育時間が長時間化されたことにより、保育業務の負担が大きくなったことが考えられます。 そこで松本市ではその対策といたしまして、議員ご発言のとおり、平成29年度から、嘱託保育士の処遇改善をするため、任用期間の上限、任用期間は8年でございましたが、これをなくすこと、それから、経験年数に応じた職名と報酬の設定、育児休業制度の創設、保育業務補助者の導入などを行っております。 さらに今年度は、保育環境の改善策といたしまして、保育園のICT化を進めるとともに、3歳以上の園児の部屋と職員室についてもエアコン設置を進めております。 今後も継続して、保育士処遇改善や負担軽減策を講じ、離職者の減少につなげてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。経験ある職員の離職は、本市にとってマイナスであり、一から育てるロスは、離職人数が多いほど計り知れません。もう少し詳しい聞き取りの必要性や同僚などからの意見と情報を得て、離職理由を分析し、対応する必要を感じます。上司の聞き取りでは本音を言わないケースもあるので、第三者、例えば職員課職員などに対応してもらうことも提案いたします。 次に、保育士の採用試験を前倒ししたようですが、その応募状況や採用結果はいかがだったのかお伺いしたいと思います。また、近年の応募状況と採用者数の変化についても教えていただきたいと存じます。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 保育士の採用に当たりましては、近年の活発な保育士採用の状況や、保育士養成校への聞き取り調査等により、議員ご紹介のとおり、今年度から採用試験の日程を前倒しして行うことといたしまして、例年9月中旬に行っていたものを6月下旬の実施に早めました。その結果、受験者は76名で、昨年度より20名増加いたしまして、合格者も22名で、昨年度より5名多くなっております。 近年の応募状況と採用者数につきましては、平成27年度が受験者96名、合格者16名、平成28年度受験者98名、合格者16名、平成29年度受験者74名、合格者20名、平成30年度受験者56名、合格者17名でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。前倒しをしたことで、平成29年度の数字まで回復したようでございます。 それでは最後に、嘱託職員に関係のある、来年度から実施導入される会計年度任用職員制度について質問いたしますが、制度設計の基本方針と現在公表できる内容についてお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。
◎総務部長(嵯峨宏一) 初めに、会計年度任用職員制度について若干ご説明いたします。 地方公務員法及び地方自治法の一部改正により、現在、各自治体で勤務する非常勤職員の処遇改善等を主な目的とした会計年度任用職員制度が創設されました。その要旨は次の3点です。1点目として、適正な報酬基準の設定や期末手当の支給。また2点目として、休暇制度等の付与。3点目として、任用基準の厳格化、具体的には、上限年数の撤廃や勤務評定の導入、そして、毎年1カ月の試用期間を設けることでございます。 松本市では、この3点のうち既に1点目の期末手当につきましては、他市に先駆け、勤勉手当も含め正規職員と同率で支給をしております。2点目の休暇制度につきましても、嘱託職員へ育児休業制度を設けるなど、正規職員とほぼ同様の処遇となるよう改善に努めてまいりました。しかし、3点目の任用基準の厳格化のうち勤務評定につきましては、毎年の任用更新の際に既に実施していますが、任用の上限年数の撤廃や毎年の試用期間の設定につきましては、まだ導入しておりません。 このような状況を踏まえ、制度の構築に当たっては、非常勤職員の処遇を改善するという法改正の趣旨に基づいて、現在働いている職員に不利益が生じないように、職務の内容や勤務条件が変更された場合を除いて、現行の報酬水準や既に整備されている休暇制度の処遇の維持を基本に構築していきたいと考えております。加えて、これまで設けられていた任用の上限年数を撤廃して、任用年数に関係なく任用を継続することを可能とするよう考えております。 しかし、新たな任用制度では、任用期間は1会計年度ごとに終了し、改めて新規に任用するということになりますので、これまで同様に、毎年の勤務評定を行って、毎年度1カ月の試用期間を設けて任用の可否を決定してまいる予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條敦重議員。
◆10番(上條敦重) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。本市は、嘱託職員が多い市でございます。会計年度任用職員制度に該当する職員の働く意欲が増し、決して水を差すような設計にならぬようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 これで私の質問全てが終わりました。ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で上條敦重議員の質問は終結いたします。上條議員は自席へお戻りください。 次に、11番 吉村幸代議員の質問を行います。吉村議員は質問者待機席へ移動してください。 11番 吉村幸代議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 おはようございます。 会派開明の吉村幸代でございます。発言の機会をいただきました。会派を代表いたしまして、上條敦重議員に続いて、今井議員、川久保議員、上條 温議員とともに、一問一答方式にて質問いたします。 1件目は、国宝松本城についてです。 ことしの夏も、猛暑、酷暑の中を大勢の観光客が松本市を訪れました。お盆に、ことしも私は松本古城会の活動としておもてなしボランティアをいたしました。松本古城会の黄色いはっぴを着て立っておりますとよく頼まれるのが、写真撮影、シャッターを押してくださいという依頼です。昨年はカメラよりもスマートフォンのほうが少し多いかなという印象でしたが、ことしはほとんどがスマートフォン。カメラは珍しいくらいにまで減っていて、たった1年でこれほど変わるのだなということを認識させられました。 昨年と違うことはもう一つございました。観光客の質問内容です。ことし急増したのが、旧開智学校へ行く道に一番近い出口はどこですかというもの。旧開智学校校舎が国宝指定されることに伴って注目を集め、松本城を見てから旧開智学校へと足を延ばす人たちが明らかにふえたと実感いたしました。黒門経由太鼓門と伝えますと、恐らくは時間がなかったり、子供を連れて歩けなかったりするからでしょう、もっと近い出口はないのですかと、決まって聞き返されます。 そこでお尋ねをいたします。 外堀側に北門がありますが、この北門をあけて出口として利用できないものでしょうか。さらに、その北門の手前には、松本藩の戊辰戦争出兵と刻まれた、見上げるように大きな立派な紀念碑が、見る人もないまま立っています。ついでにこの北門の周辺を少し整備して、この紀念碑がもっと注目されるようにしてはどうでしょうか。 以上、お伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 〔登壇〕 お答えをいたします。 現在有料区域に設定しております本丸庭園内への観光客出入り口は、南側黒門のみとなっております。本丸庭園は、この黒門のほかに、赤い橋のある埋門、そして、ただいま議員からご紹介のありました北門の合計2カ所でございます。ご承知のとおり、埋門は耐震性の問題により現在閉鎖をしており、また北門は、業者搬入口、緊急車両の進入口などとして、通行は車両に限定しております。 旧開智学校校舎の国宝指定に伴い、今後、松本城と旧開智学校校舎を訪れる観光客がますます多くなることが予想されておりますが、観光客の皆様の安全を第一に考える中では、現状でご理解をお願いしたいと思います。 なお、松本藩の戊辰戦争出兵紀念碑につきましては、ただいま議員からもご紹介がありましたが、北門のすぐ手前ということで、車両出入り口の限定とした場所でございます。今までどおり、観覧希望者に対しましては個別に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村幸代議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。さまざまな事情があるようです。 松本城では売店も大にぎわいで、店の中に入ることさえできない観光客があふれ続けていました。売店の狭さについてはどのように捉えておいでなのでしょうか。国宝ゆえに、建物にも制約があるのだろうと推測しておりますが、ならば、売り場を見直して工夫するなど改善策を講じることはできないものでしょうか。 見直しに当たっては、商品の陳列についても再考の余地がありそうです。例えばお菓子ですが、老舗菓子店の銘菓が、土産品メーカーの量販品と一緒くたに並べられています。地元商品のほうがとかく地味で目立たない上に、価格帯は高いので、扱いには配慮が必要と感じます。 ついては、地元商品を集めて一つのコーナーとするなどしてみてはいかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 議員ご紹介のとおり、松本城の売店は、おかげさまで売り上げは好調でございます。繁忙期には多くのお客様で店内がいっぱいになる状況を見ますと、売店の広さが十分に確保されていないことを感じております。 しかしながら、ご承知のとおり、売店は史跡内に建てられていることから、増築や建てかえなど拡張することが困難な状況でございます。 なお、議員からご提案がありました商品の陳列につきましては、陳列方法や店内の配置などを工夫し、限られた空間を有効に使いながら、地元商品の販売促進に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 前向きなご答弁をいただきましたので、期待をいたしております。 松本城の売店は、利用者がふえればふえるほど、単なるお城の売店では済まされなくなっているようです。 そこで、どちらでも売っているような観光土産品を仕入れて並べるだけでなく、松本市美術館のミュージアムショップのようにおしゃれなキャッスルショップを目指して、城下町松本のオリジナルグッズをデザインして販売してはいかがでしょう。和紙の製品、それからネクタイもよいかなと思います。テレビでおなじみの城郭考古学者、千田嘉博氏が、お城ネクタイに凝って集めているそうで、7月20日付の朝日新聞に、松江城のネクタイを締めて登場しておられました。松本城でも探したがなかった。男性が身につけるお城グッズとしてよいのではというコメントつきです。松本市は、蚕糸業が盛んだった土地柄。いかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 松本城では、新年祝賀式や薪能にて配布しておりますオリジナルピンバッジなどのグッズはございますが、売店でのオリジナル商品の販売はほとんどないのが現状でございます。議員ご提案のネクタイなども含め、松本城を活用した新たなオリジナルグッズにつきましては、地元企業が企画開発していくことが望ましいと考えておりますので、今後は納入業者に働きかけてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 ご答弁をお聞きしながら、松本城には史跡と観光地という2つの顔があるのだなということを改めて考えました。今回は売店について質問しておりますが、史跡である松本城を管理する事務所が観光土産の売店を経営している現実に、そもそも無理があります。松本城管理事務所が本来扱うべきは、関連書籍などなのではないでしょうか。観光都市松本市に、特産品を集めて売る物産館がないことも残念ですので、この続きは、次の機会を待って商工観光部に提案したいと思います。 さて、本日9月9日は重陽の節句です。古来、重陽の節句には菊の花びらを酒に浮かべて飲む風習があり、この日から3月3日の桃の節句までは燗酒を飲むと決まっておりました。江戸時代から愛でられてきた菊は、日本人にとって、梅、桜と並ぶ特別な花なのです。幼いころに松本城で初めて菊人形を見て驚いた記憶がありますが、秋の松本城を彩る菊花展が松菊会の皆さんのご尽力のたまものであることを私は議員になって知りました。この菊栽培、以前は小学校で生徒に育て方を教えるなどして盛んでしたが、先生方の多忙さなどの事情から下火になっているようです。指導に当たる愛好家の皆さんの高齢化も進んで、継承に不安を感じます。菊の展示会や祭りは、小田原城を初め全国各地の城で盛大に開催されているようですが、松本市としては、今後についてどのように考えているのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 国宝松本城の菊花展は、松菊会のご協力により、ことしで開催60回目の節目の年を迎えます。菊の展示は、秋の風物詩として、市としましても継続を望んでおりますので、これからの菊花展の開催につきましては、松菊会の皆様と話し合いを持ってまいります。 なお、来年には一般社団法人全日本菊花連盟の全国大会がここ松本市で開催されることになっておりますが、この大会を契機といたしまして、菊花展等への認知がさらに広がりを見せることに期待をしております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 市としても継続を望んでいるとのことですので、まずは松菊会の取り組みに寄り添っていただけたらと思います。 本市は、花いっぱい運動の発祥の地ですが、最近、とかく洋物の花がもてはやされていることを私は疑問に感じています。行政が主導する場合には、花の種類にしても、城下町を意識して和に特化する、それが都市のプロモーションに通ずると私は考えます。来年は一般社団法人全日本菊花連盟の全国大会を早くから意識して、せめてお城周辺には菊の花を植えていただくよう要望をしておきます。 続きまして、児童遊園・簡易児童遊園についてです。 昨年度、私は建設環境委員会に所属し、公園を重点テーマに定めて調査研究に励みました。公園と一口に言いますが、さまざまな種類があり、それぞれに異なる課題があることを改めて知りました。子供のための公園である児童遊園・簡易児童遊園もその一つですが、建設環境委員会の所管外のため、提言対象とすることはできませんでした。当時の委員長である中島昌子議員と共有してきた問題意識を今期定例会の俎上に載せることにいたします。 児童遊園と簡易児童遊園は、こども部の所管です。まずは、それぞれの定義や違い、特徴などについてお教えください。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童遊園及び簡易児童遊園は、ともに児童の健康増進や情操を豊かにすることを目的とし、児童に安全かつ健全な遊び場を提供する屋外施設として設置された公園であります。このうち児童遊園は、児童福祉法第40条に規定されている児童厚生施設の一つでありまして、市が設置、管理運営を行っており、市内に38カ所ございます。次に、簡易児童遊園でございますが、こちらは町会が設置、管理運営を行っておりまして、市内に169カ所ございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 では、市役所に公園の遊具が壊れているなどといった電話が来た場合、どなたがどのように対応しておられるのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 まず児童遊園につきましては、日常的な清掃や、遊具、それからトイレの点検管理は、所在する町会等に委託して行っておりまして、故障等ふぐあいが生じた際は、まずはこども部の職員が現地を確認した上で、専門業者に委託し、修理を行っております。定期的な維持管理が必要であります児童遊園内の樹木等の伐採につきましては、町会の協力をいただきながら、可能な範囲でこども部の職員が対応し、高所作業車が必要となるような伐採につきましては、業者に委託して実施をしております。 次に、簡易児童遊園の維持管理につきましては、遊具の点検、修理を含めまして、全て、設置した町会が独自で行っております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 公園の遊具や樹木の管理業務は、てっきり公園とつく課が対応しているのかと思っておりましたが、こども部の方々が行っているということでした。技術職がいないから大変でしょうし、それまでパソコンに向かっていた職員の方が、作業着に着がえて現場に出向くのは効率が悪いことでしょう。児童、子供というキーワードで業務を振り分けたがために生じている非効率的な状態は、ぜひとも改善していただきたいと要望いたします。 次に、児童遊園・簡易児童遊園の遊具の設置、回収についてお伺いいたします。 簡易児童遊園は、町会管理ということでした。公園の遊具の設置、改修、撤去に補助金が出ていると聞いたことがありますが、その仕組みとはどうなっているのでしょうか。あわせて、町会からの申請状況についてもお教えください。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童遊園につきましては、年1回、38カ所全ての遊具を対象に点検を行いまして、その点検結果をもとに更新、修理等を計画的に実施しており、例年10件程度となっております。 簡易児童遊園の維持管理は、先ほどお答えしましたとおり、全て町会が行っていますが、設置、改修、撤去に係る経費につきましては補助金制度がございます。毎年、補助金交付申請の希望調査を行った上で、要綱に基づきまして、公園の規模、事業内容に応じて、補助対象経費の3分の2、上限40万円を市が補助金として交付しております。補助金交付の申請状況は、年度によって差はありますが、毎年1件から7件の申請があります。今年度につきましては、申請件数4件、補助金額は27万円、内容はブランコの改修、回転式遊具の撤去等でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 地域の中で遊ぶという点で、児童遊園・簡易児童遊園は意義深い場所です。しかしながら、子供が少なくなった上に、物騒だから外で遊ばせられないなどの理由もあってか、公園の遊具で遊ぶ子供の姿はめっきり減りました。遊具はもう必要がないが、町会のお金を使ってまで撤去することもなかろうと、無点検のまま放置されている不必要な遊具もありそうです。遊具ありきの従来型の公園に関する認識から脱却し、次世代にふさわしい魅力的な公園のあり方を模索してほしいと望みます。 児童遊園管理費は、昨年度実績1,338万円、今年度予算でも1,075万円が計上されています。その中には借り上げ料として土地の賃借料361万円が含まれていますが、この詳細について御説明ください。 また、児童遊園、とりわけ借地の児童遊園が災害時の一時避難場所になっているケースはありますか。把握しておられるようでしたらお答えください。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童遊園38カ所のうち、15カ所が借地への設置となっております。そのうち無償での借用が6カ所、有償での借用が9カ所でございまして、土地の借り上げ料として361万円計上しているものであります。 次に、児童遊園を災害時の一時避難場所に設定をしている町会は15町会あります。そのうち借地に設置している児童遊園は6カ所で、無償借り受けが2カ所、有償が4カ所となっております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 子育てガイドブックを持って、あちこちの児童遊園・簡易児童遊園を見て回りましたが、首を傾げるようなところも中にはございました。借地料の361万円というお金は、10年で3,600万円、30年で1億円を超える金額です。子供たちのために本当に役立つことに使ってほしいと思います。 さて、私が暮らす寿台地区には、大小さまざまな公園や児童遊園などがあります。少子高齢化が進行する中で、今まで地域で担ってきた公園の清掃や草刈りなどの日常管理が、年を追うごとに厳しくなってきています。現在ある多くの公園や遊具が今後も必要なのか、疑問に思うことがありますし、公営住宅の町会からは、公園よりヘルパーさんの駐車場が欲しいという声も聞かれます。再整備、統廃合を含む柔軟な見直しが必要ではないでしょうか。市のお考えを伺います。
○議長(村上幸雄) 上條建設部長。
◎建設部長(上條裕久) お答えいたします。 松本市内の建設部が所管する都市公園や緑地は現在162カ所あり、そのほか民間開発に伴う開発行為緑地は毎年ふえており、現在では229カ所となっております。松本市では、地域にある公園の日常管理は主に地元町会にお願いしており、日ごろから草刈りや低木の剪定、清掃などにつきまして市民の皆様からご協力をいただいているところでございます。 議員ご提案の公園のあり方の見直しにつきましては、松本市では、公園内の施設更新時に地元町会と現状の遊具や各施設の必要性について調整を行い、再整備の方法を検討し、更新をしてきております。今後は、周辺の公共広場の施設状況や使用状況の調査などをしまして、統廃合の必要性について研究してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 再整備や統廃合の検討とともに、管理部局の一元化についても検討していただくよう要望いたしまして、この件を終わります。 続きまして、3件目、松本市立病院についてお尋ねいたします。 市長が抜本的改革を指示されてから1年余りが過ぎましたが、大きな方向性とゴールが私には見えませんので、確認をさせていただきたいと思います。 まず、小口特命参与が就任されて、10月で丸1年になりますが、現在はどのような働きをされておいでなのでしょうか。年単位でご意見をいただくなら権限が必要ではないかと思いますが、今後のめどはどうなっているのでしょうか。 小口特命参与は、今回の松本市立病院新公立病院改革プランの改定にどの程度関与しておられますか。また、宮地エンジニアリング株式会社松本工場跡地を建設候補地として計画を進めることを了解しておられるのかについてもお尋ねをいたします。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 小口特命参与には、市立病院の経営改革に関する指導、ご助言をいただき、病院一丸となって経営改革を進めており、入院患者数の増加などにより経営状況は改善しております。 正式な地位、権限が必要ではとのご質問ですが、病院局には参与の職の規程がございます。小口先生には経営改革に特化した分野を担っていただいておりますので、今後も特命参与としてお願いをしてまいります。 次に、松本市立病院新公立病院改革プラン改定への関与という点につきましては、小口特命参与のご指導に基づく経営改革の具体的な取り組みをアクションプランとして盛り込み、改訂版を策定してございます。建設候補地につきましては、その経過についてご理解をいただいてございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 小口特命参与の発案で松本市立病院モニター会議が始まったという報道がございました。松本市立病院モニター会議のメンバー構成や議論の内容についてお聞きしたいと存じます。 また、松本市立病院モニター会議は非公開とのことですが、その理由についてもお答えください。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 松本市立病院モニター会議は、波田地区町会連合会、波田地区民生委員・児童委員協議会、波田地区社会福祉協議会、波田まちづくり協議会、松本市波田商工会、波田小学校PTA、波田中学校PTA、波田中央保育園保護者会、みつば保育園保護者会、以上9団体から各1名のモニターを選出いただき、構成してございます。 本年7月31日開催の第1回モニター会議の内容につきましては、病院側から病院事業の概要をご説明し、モニターの皆さんから利用者の立場で病院に対するご意見、ご提案をいただきました。当日は、出前講座など、病院職員が地域に出向く活動に対するご意見が多く、予防医療や地域のかかわりについて期待されていることを改めて認識いたしました。 また、この会議を非公開とした理由でございますが、モニターの皆さんが一般の方であり、プライバシーに配慮し、自由に忌憚のないご意見を述べていただけるよう非公開としたものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 松本市立病院モニター会議のメンバーは、波田地区の方々だけのようです。 ところで、病院事業管理者候補は見つかったのでしょうか。管理者がいないということは、例えば松本市立病院モニター会議では、非公開にするほど重要なことを話し合うのに責任者不在ということになりますが、誰がどのように判断をするのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 病院事業管理者につきましては、早期に選任できるよう準備を進めているところでございます。 次に、松本市立病院モニター会議についてでございますが、モニターの皆さんからいただきましたご意見につきましては、病院局長、病院長以下幹部職員で構成する管理会議において精査し、必要に応じ市長に相談の上、今後の病院運営、計画などに生かしてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 モニター会議は、顔ぶれ次第。その上で、モニター、つまり素人の発言に振り回されて、かえって抜き差しならない状況に陥る場合もあります。私は、経営大学院でモニター制度について研究をしてまいりまして、修士論文を書くに当たり、首都圏で食品スーパー113店舗などを展開するサミット株式会社という会社へ取材に伺ったことがあります。当時の社長、荒井伸也氏は、伊丹十三監督の映画「スーパーの女」の原作を書いた小説家としても知られる名物経営者で、モニター制度を活用していることで有名でした。荒井社長の言葉は衝撃的でした。モニターが言ったからではない、モニターの発言を聞いて僕が決断したからやるのだ。そこから得た結論は、モニター制度とは、決断する経営トップがいてこそ功を奏するものということです。松本市立病院に置きかえてみれば明瞭。事業管理者不在では、意義が半減です。 さて、平成30年度決算もまた赤字でした。経営改革のゴール、到達目標に関しては、どのように考えておられるのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 本年6月に見直しを行いました松本市立病院新公立病院改革プランに基づき、まずは令和2年度までの計画期間における黒字化の達成が、経営改革の短期的な到達目標と考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 改革のゴールである到達目標をお尋ねしたのですが、お答えいただいたのは短期的な目標でした。たとえ単年度黒字を達成しても、累積欠損の解消、それから現金預金の回復なくして改革の達成とは言えません。そもそもゴールを定めずして走り出すことはできないはずです。 さて、平成30年度決算については、小口特命参与が半年かかわった時点なので黒字化は達成できなかったが、事業収益は2億円増と報告されています。しかしながら、昨年度に比べて医業外収入、つまり税金からの繰入金が約7,000万円、給与費が1億円ふえています。つまり、2億円の収益を得るために、1億円の経費を使った上に、税金を7,000万円多く繰り入れてもらった。この実態を収益2億円増とうたうのはいかがなものでしょうか。 赤字の解消には、収入増と支出減を両輪として取り組んでいかねばなりません。このたびの松本市立病院新公立病院改革プランの改訂版に、収入をふやす方策に関する記述は幾つかありますが、支出を減らす方策に関する記述が少ないと感じます。支出削減への道筋をどのように考えておいででしょうか。 また、現在、給食調理業務に従事している正規職員は何人で、外部委託化によって何人減るのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えします。 支出削減にはとのご質問でございますが、松本市立病院は、医業収益に対する給与費の比率が70%以上と高い状態となっております。これは、病院経営の重要な課題と捉えております。また、この点につきましては小口特命参与からもご指摘を受けております。議員ご指摘のとおり、赤字解消には収入増と支出減をセットで取り組むことが必要で、中でも人件費の削減は、経営改革の中で避けて通れない最大の課題と捉えております。 今回の松本市立病院新公立病院改革プランの見直しに当たっては、経費削減・抑制対策の柱として、松本市立病院新公立病院改革プランの計画期間である令和2年度までの短期目標として実施可能な人員配置計画を策定し、給与費の削減に取り組むものでございます。 給食調理業務に従事する職員数ですが、正規職員は現在5名でございます。委託化により、この5名が減員となるものでございます。そのほか、非常勤職員19名も減員の予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 松本市立病院新公立病院改革プラン改訂後の経費削減に関するアクションプランには、令和2年度までに常勤8人の減員を計画とありますが、8人のうちの5人が給食担当者とは想像しておりませんでした。 松本市立病院の給与費比率は60%台後半という、全国的に見ても突出した高さで高どまりしています。これに委託料を加えると70%台になり、収入の大半を食いつぶしている構造的な赤字状態と言えます。 平成30年度松本市病院事業貸借対照表を見ると、引当金取り崩し項目が昨年度の3項目から5項目にとふえ、賞与引当金、法定福利費引当金の取り崩しが始まっています。現金預金は10億7,000万円余と、5年前の約半分に減少。昨年の12月定例会で、松本市立病院の医業費用は約44億円だから、11億円程度の運転資金が必要。それを切ったら給与や材料費の一部を支払うことができなくなり、病院運営は困難になってくると申し上げましたが、そのときが来ています。民間企業で言えば倒産寸前だと思いますが、この状態をどのように受けとめ、考えていかれるのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 まず、ただいま議員からご指摘がありました賞与引当金、法定福利費引当金の取り崩しにつきましては、地方公営企業法の改正に伴い、平成26年度から貸借対照表に計上し、翌平成27年度から取り崩しをしているもので、今回新たに発生したものではございません。 赤字によりキャッシュフローが悪化し、現金が減少していることは、大変な危機感を持っております。このような状態を改善するためにも、黒字化を達成目標として経営改革に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 独立採算を旨とする公営企業として、持続可能な経営が困難な状態にあるにもかかわらず、5年前から取り崩していて、今回新たに発生したものではないというご説明には、理解しがたいものがございます。 ところで、平成30年度決算を受けて、産科と小児科の不振をどのように分析しておられるのでしょうか。 また、自治体病院である松本市立病院が産科を維持しなければならない理由をどのように捉えておいででしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 ご指摘のとおり、産科、小児科の患者数は減っておりますが、赤字決算の課題は、入院患者数の減少と捉えております。平成26年度から入院患者数が減少したことから、赤字決算に陥っております。小口特命参与のご指導で、まずは患者をふやし、病床利用率を上げることに病院一丸となって取り組んでまいりました。その結果、昨年11月から入院患者数が増加し、それ以降の単月収支は黒字に回復しております。この状態は本年度に入っても続き、延べ入院患者数はふえており、収支状況が大きく改善しております。 松本市立病院の産科、小児科は、旧波田町が病院を開設した当初から、地域の出産と子育てを支え、今日に至っております。さらに、本市の基本施策である出産・子育て環境の充実の一翼を担う医療施策であり、今後も維持しなければならない重要な部門と考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 周産期医療は、自治体病院が担っていかなければいけない分野とのご答弁でしたが、超少子高齢化・人口減少型社会において、出生数は減少しており、産婦人科医もふえていません。こうした状況は、地域で集約化してでも産科医療を守っていかなければならない時代が到来していることを意味しています。その中で松本市立病院の産科に存在意義を見出すとしたら、分娩費用の良心的な価格設定だと思います。近隣のいずれの病院より10万円から15万円も安いことに驚きました。収入の少ない若年世帯がふえていることを踏まえると、重要な出産支援策であると言えましょう。医療法により広告は規制されていますが、情報を必要としている方々にこうした内容がうまく伝わればいいなと思っております。 先日、私の身内に長期入院の必要が生じましたので、松本市立病院へ入院してくれと頼み込みました。病床利用率向上への協力を兼ねた、いわば私の私設モニターです。その報告によると、看護師や職員の対応はとても良好、ややのんきな印象。食事もうまい。医療過誤訴訟の判決が出たという報道を受けて、夜間救急患者の受け入れが多いことが気になったなどの報告がありました。 救急患者の受け入れに関しては、松本市立病院新公立病院改革プラン改訂版に、受け入れルールを明確にし、とございますが、どのように明確にし、どのように実行しているのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 夜間救急患者の受け入れルールにつきましては、オンコール体制の具体的な運用方法などを明確にし、院内で徹底することで、救急隊が松本市立病院への搬送を判断した患者さんについては、可能な限り対応しております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 松本市立病院新公立病院改革プラン改訂版には、救急を断った場合に院長報告を義務づけるなどの記述があり、強化する方向性が見てとれます。国・総務省は、病院の連携による地域完結型医療を目指す中で、公立病院は特にミッションやポジショニングを踏まえて役割を明確化せよとしており、松本のような恵まれた医療圏においては、公立病院が救急医療をやることを奨励していないと思われますが、これらの方針はどのような経緯から、どなたの発案、方針で進めているものでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 議員もご承知のとおり、救急医療は政策医療として位置づけられております。公立病院としての役割をしっかり果たしていくため、その体制強化と不応需件数の削減を病院の方針として松本市立病院新公立病院改革プランにも掲げてございます。 小口特命参与の姿勢は、患者さんを大事にする、断らない病院でございます。特に救急は、理由なく断らないことを厳格化するように指導を受け、実践しております。そして、このことにより、救急隊と地域住民の信頼がより深まり、患者数がふえた要因となっております。 救急医療を含めた経営改革の取り組みは、松本市監査委員から今定例会に報告されました決算審査意見書の中で、経営改革に取り組んだ結果、患者数、診療収入が増加傾向にあり、これまでの収支改善に向けた取り組みは評価できますと、これまでにない評価をいただきました。 これからも、経営改革と改訂後松本市立病院新公立病院改革プランの目標達成に向けて鋭意取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 では、建設候補地である宮地エンジニアリング株式会社松本工場跡地について、6月中旬に3カ月後と言っておられましたことから、土壌汚染調査の進捗状況、契約のタイミングなどのめどについてお聞かせください。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 土壌汚染調査につきましては、6月に地権者から自主的に実施する旨の連絡を受けており、現在調査を実施中でございます。現時点で地権者側からは報告等は受けてございませんが、調査結果がまとまった後、報告をいただく予定でございます。契約のめどにつきましては、土壌汚染調査の結果により対応してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 病院局は、現病院の電気・水道設備の老朽化とふぐあいを訴え、業務に支障が発生しそうだと言いながら、不自然なほど宮地エンジニアリング株式会社松本工場跡地にこだわり続けているように見えます。早期建てかえ実現のハードルをみずから高くしているとは考えないのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 現病院において、建物、設備の老朽化の問題は確かにございます。しかし、建設候補地の選定については、市立病院建設特別委員会でご議論いただき了承されたものでございます。相手のあることですので時間は要しておりますが、特別委員会の議論を尊重し、方針に沿って慎重かつ誠実に対応していくことが大切だと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 そもそもこの土地は、広過ぎる、高過ぎると言われ続けてきました。市立病院建設特別委員会における候補地選定の議論は、現病院の赤字の状況や経営改革の必要性を切り離して行われたものであり、前提が著しく変わってきています。当時の市立病院建設特別委員会の承認だけを理由にこだわり続けることは得策ではないと考えます。なぜなら、このような経営状況の中で高過ぎる土地を契約した場合には、公営企業の経済性を損ねるとして、行政訴訟が提起されることも予想されるからです。近年、首長に対する訴訟がふえており、任を辞した後も訴訟という形で責任を問われることがあると聞きました。 では、新病院はどのような条件がそろったら、どのようなタイミングで建てるのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 まずは経営改革を進め、その達成状況を見ながら建設事業について検討を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 最後の質問は、実に素朴な疑問ですが、皆が気にしていることです。来年の春には市長選がある上に、年度末には病院局長も事務長も定年をお迎えになると聞きました。重立った方々がみんないなくなってしまう可能性があるわけですが、一体誰がこの病院に責任をとるのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。
◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 行政に限らず組織において、長や長を補佐する職員がかわることは、当然に行われていることでございます。この交代を円滑に行い、組織運営の継続性を担保するため、それぞれの組織において、長や長を補佐する職員の権限や役割の範囲を明確に定めており、役職員の交代により責任の所在が不明になることはございません。 したがいまして、事業管理者あるいは市長は、定められた権限を持って、また、病院局長、院長は、それぞれの立場で事業管理者あるいは市長の意思決定に参画し、責任を果たしてまいるものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 私は、現在の安曇野市三郷温という、梓川地区に隣接する農村に生まれ育ちました。先祖代々、いわゆる安曇族と呼ばれる人間です。市立病院問題を突っつくなんて、あえて火中の栗を拾う必要はないのではと忠告してくださった方もいますが、波田の病院は、安曇族にとって命綱、とても大切な病院なのです。決算に関するこれ以上の議論は、今月末から行われる決算特別委員会に委ねます。 続きまして、まつもと市民芸術館についてお尋ねをいたします。 まつもと市民芸術館は、市長にとって特別な館であると拝察いたしますので、市長4期目の最終年度に当たって、総括的な質問をしておきたいと考えました。 ことしもOMFが22日間にわたって開催され、一昨日、幕をおろしました。オペラの最中に停電騒ぎが起きたと聞きました。このようなことがないように、昨年度から3カ年計画で大規模改修工事が行われているものと理解しておりますが、この停電の原因及び改修工事の進捗状況、さらに、次の大規模改修工事の時期、規模、予算の見込みについてお伺いしたいと存じます。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) 3点のご質問に、順を追ってお答えいたします。 まず、停電事故についてでございます。 ご紹介がありましたとおり、8月20日のオペラ公演中に舞台照明設備の一部が停電し、20分間公演が中断してしまいました。幸いにもすぐに原因が発見でき、舞台スタッフが迅速に復帰を図ったこと、また、オペラプロデューサーが速やかに観客への適切な対応を行ったことから、大きな混乱を生ずることなく、無事公演を終了することができましたが、お客様、関係者の皆様にご心配をおかけしましたことを、この場をおかりしておわびいたします。 停電の原因は、舞台照明電源装置のコンピューターの制御のふぐあいであることが判明いたしましたが、今後、このようなことが再び起こらないよう、機器の管理については十分に留意をしてまいります。 次に、大規模改修工事の進捗状況ですが、昨年度は主に主ホールの舞台機構制御装置や照明調光装置、音響設備等の更新を実施いたしました。2年目となる本年度は、小ホールの音響設備のほか、全館の空調設備の一部等の更新を1月から2月にかけて実施いたします。さらに、3年目の来年度には、小ホールの舞台機構制御装置を中心とした改修工事を実施する予定でございます。 続いて、次の大規模改修工事についてです。 開館から20年目となる令和5年度には、建物の外装、内装を中心とした大規模改修工事が必要となってまいりますが、あらかじめ建物の劣化度を調査し、緊急性を勘案して計画的に工事を進めたいと考えております。事業費につきましては今後精査してまいりますが、類似施設の状況から、今回の改修工事と同程度の規模が必要と想定しております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 次は5年後、また20億円規模の改修工事をすることになりそうです。 文化庁の地方文化行政状況調査報告書を見ると、全国の自治体が支出した芸術文化経費は、平成5年をピークに半分以下に減っています。その中で、事業費に比して文化施設経費の割合は上昇し、高どまり状態です。つまり、豪華なホールをつくったがために維持コストに追われ、公演を初めとする肝心なソフトに向ける予算が圧迫されるという本末転倒の現象が起きています。 まつもと市民芸術館は、活動方針の中に4項目の基本目標を掲げていますので、本日はこの項目に沿って現状と課題を確認していきたいと思います。 まず目標1、高い水準の芸術文化の創造・鑑賞です。先ほども述べたOMFですが、小澤総監督の体調や年齢を踏まえて、存続を心配する声が多く聞かれます。また、信州・まつもと大歌舞伎についても、今後の開催がどうなるのかと気をもんでいる方々がおられます。それぞれの見込みや、市としての対応策についてお聞かせください。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 初めに、セイジ・オザワ松本フェスティバルについてです。 このフェスティバルは、楽都・松本を国内外に発信することで、松本のブランド力を高めるとともに、経済面への波及効果やさまざまな教育的効果など、まちに潤いをもたらす、本市にとってはなくてはならない存在です。小澤征爾総監督の体調を市民の皆様も心配されているところでございますが、これまでの28回にわたる営みを継続できるよう、公益財団法人サイトウ・キネン財団及び長野県など関係者の皆様とも相談しながら、引き続き開催市として最大限の支援をしてまいりたいと考えております。 次に、信州・まつもと大歌舞伎についてでございます。 信州・まつもと大歌舞伎は、平成20年から隔年で開催しており、本来ですと、来年度、次回の開催となるわけですが、ご承知のとおり、来年度は東京オリンピックの開催年となりますので、さまざまな事情から開催は難しいものと思われます。市民の皆様の期待も大きい事業でございますので、引き続き継続できるよう鋭意努めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 鑑賞の利用促進対策として、アンケート調査などにより要望を把握とあります。日ごろの公演時に配布しているアンケートの回収率とはどのくらいでしょうか。 また、このほどOMFで行われたアンケート調査に関して不評の声があります。A3サイズ両面という分量の多さに加えて、市内宿泊額や飲食・買い物代といった経済効果を詳しく尋ねる設問が、すばらしい舞台を見て感動に浸った直後にはいささか無粋に感じられたようですが、どのような経緯で実施されたものでございましょうか。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 まつもと市民芸術館では、自主事業公演の都度、来場者アンケートを実施しております。平成30年度の実績を申し上げますと、全14公演でアンケートを実施、その平均回収率は13.8%でした。アンケート内容は、公演を知ったきっかけ、好きなジャンル、お住まいのほか、鑑賞したい演目などをお聞きしており、自主事業の企画、広報を検討する上での参考にさせていただいております。 なお、今回のOMFのアンケート調査では、OMF実行委員会において事業評価を行う上で、経済波及効果の調査が必要と判断したため、設問を追加したものでございます。ボリュームが多くなってしまい、来場者の皆さんにはご負担をおかけしてしまいましたが、ご理解をいただきたいと存じます。 いずれにいたしましても、アンケートで得られました情報は、その後の事業展開にニーズを反映するため大変貴重なものであり、今後もご協力をお願いしたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 続きまして、目標2、市民の芸術文化創造についてです。 ことし5月に私はまつもと市民芸術館で、オペラを楽しむ会主催の歌劇「ノルマ」を鑑賞いたしました。友人たちが11カ月間にわたって練習した成果を発表すると聞いて伺ったのですが、すばらしい舞台に圧倒されました。このオペラは、倉科京子さんという松本市在住のソリストを先頭に、市民が全て手づくりした作品です。満席状態の客席は、拍手の嵐。私は、これがまつもと市民芸術館の本来の姿、名実ともに市民の芸術館だと感じました。財政的支援もなく、開演にこぎつけるまでの主催者、関係者のご苦労は、並大抵のものではないでしょう。 ところで、まつもと市民芸術館にはまつもと市民オペラというもう一つの市民オペラがあります。知人がかかわっていることもあって、私はそのすばらしさにも注目してまいりましたが、こちらは、行政が支援している市民参加型事業で、隔年の公演に対して毎年欠かさず市から多額の補助金が出ています。年度によって大幅に増額したりしていますが、支出の内訳、かかわる市民の割合や顔ぶれなどはどのようになっているのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 まつもと市民オペラは、まつもと市民芸術館の主催事業として実施をしており、参加者に自主的な運営をしていただくため、実行委員会形式をとっております。2007年から2年に1回、これまで6回にわたり開催をしており、2012年と2017年には、その活動成果が認められ、中小オペラ団体が主催する公演で特にすぐれた成果を上げたものに対して授与される佐川吉男音楽賞を受賞しております。 議員ご質問のこの事業に対する支出ですが、一般財団法人松本市芸術文化振興財団の予算から負担金として支出をしているものであり、2017年の「ちゃんちき」の場合で申し上げますと、一般財団法人松本市芸術文化振興財団の負担金として年1,000万円、1公演当たり2,000万円を支出しております。この負担金と入場料収入等を合わせ、実行委員会の事業費総額は2,538万円であり、支出の主な内訳は、プロのソリスト5名、演出家、指揮者などの出演料と2年間の指導料で883万円、舞台制作費などが1,081万円となっております。 なお、約50名の市民合唱団の顔ぶれは、公募オーディションによって決まるため、毎回異なりますが、松本市民の割合は約5割で、そのほかは近隣の市町村の方で構成されており、本年の公演では、新たなメンバーとして6名の方が参加される予定となっております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 まつもと市民芸術館は、発表者にとって憧れの舞台ですが、ホールの予約がとりにくいと言われます。確かに敷居は高いと感じますが、予約方法や予約状況はどうなっているでしょうか。仙台市、所沢市などにおいては市民優先枠があるようですが、本市でも考えられないものでしょうか。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 ホールの予約については、市主催事業、芸術館主催事業をまず優先し、一般のご利用については13カ月前から予約を受け付けております。その際、予約が競合した場合には、まつもと市民芸術館職員が利用希望者の間に入って日程調整を行い、それでもなお競合が解消されない場合には抽せんを行っております。できるだけ多くの利用者の希望がかなうよう、丁寧な日程調整を行っておりまして、結果、平成29年度の主ホールの稼働率は89.2%、改修工事で一時期利用できなかった平成30年度でも86.7%と、平成27年度の全国のホールの平均稼働率53.3%を大きく上回っている状況です。 そのような中で、議員ご提案の市民優先枠の設置につきましては、さまざまな利用目的を持つ利用者の公平性を担保する観点から、現時点では難しいと考えておりますが、他市の状況等を調査研究してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 9割近い稼働率とご答弁されましたが、芸術の秋と言われる9月の主ホールでの公演は、わずか8日間。公演準備とか利用予定ありとして市が押さえている日も算入されているということでしょうか。市民の予約がたくさん入っているというわけではなさそうです。 さて、私が地区公民館長だったころに立ち上げた寿台太鼓連が結成15年を迎えるに当たり、
記念演奏会を計画しております。主ホールを土曜日、日曜日の2日間、オープンスタジオを平日に4日間お借りするとしたら、いかほど必要になるのでしょうか。貸館の減免の拡大も含めてお尋ねをいたします。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 利用料金につきましては、演奏会の予定入場者数や入場料によっても変わってまいりますので、一概に幾らとは言えませんが、主ホールを最も規模の小さいタイプで、土日を終日、本番とリハーサルで使用し、加えてオープンスタジオを平日4日間利用という想定で試算をしますと、合計20万8,960円となります。これは、市内のキッセイ文化ホールと比較しても、利用しやすい安価な料金設定となっております。 また、利用料金の減免については、条例に基づき、リハーサルや準備、片づけで利用の際は30%減免をしているほか、規則では、小中学校や高校、大学が利用される場合の減免措置もございます。 このようなことから、議員からお尋ねの利用料金減免の拡大については、施設の維持管理のためにも利用者の相応の負担は必要と考えますので、現状でご理解いただきますようお願いいたします。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 市民の方々から、まつもと市民芸術館は利用料金が高いことと駐車場がないことがネックだと言われるわけがわかりました。 平成28年度財政援助団体等監査結果報告書に、市に登録された芸術文化団体の定義が明確に提示されていませんので、規程等の整備を行ってくださいという監査委員の指摘があります。規程の改正など、どのように整備されたのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 市に登録された芸術文化団体に対しましては、規則で減免率を定めており、文化芸術にかかわる公益性の高い団体が、広く市民等を対象とした教育的事業を行うなどの場合に限って、利用料を50%減免しておりますが、現段階では規則の改正等には至っておりません。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 松本市音楽文化ホールのように規程をきちんと整備すべきではないでしょうか。 目標2は、市民の芸術文化創造とその支援及び発表の場であり、支援とうたわれています。この支援の内容を具体的に確認させてください。 まず、市民による公演の案内を広報に載せていただくことは可能でしょうか。まつもと市民芸術館の予約を行政の催しと対等にできるようにしていただけませんでしょうか。また、いろいろと相談対応していただく窓口を設置していただけないでしょうか。活動団体や会場、それから音楽団体同士の相互の情報交換などに情報提供するような対応は可能でしょうか、お尋ねいたします。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 まつもと市民芸術館は、市民みずからが文化芸術活動を行う場でもあり、市民が文化の担い手となって主体的に活動していくためには、議員ご指摘のとおり、さまざまな方面からの支援が大切であり、市では、平成28年に策定した松本市文化芸術振興基本方針に基づき、環境の整備や人材の育成などに取り組んでいるところでございます。 まつもと市民芸術館や松本市音楽文化ホールなどの文化施設では、市民の皆さんが演奏会や発表会などを行う際に相談、アドバイスなどを行っているほか、情報誌、ホームページでのスケジュールの周知も現在行っております。 議員ご提案の広報まつもとへの掲載には一定の制限がございますが、学びの森インフォメーションなどを活用しての団体相互の情報交換も有効と考えますので、利用者の皆さんのニーズに合わせ、対応をしてまいります。 また、松本市で活動する芸術家等の情報をアーティストバンクとしてまとめ、市のホームページ等により市民への周知に努めるとともに、楽都・まつもとライブを開催し、町なかでの市民の演奏機会の提供をしておりますが、今後も、市民みずからが日常的に文化芸術を発信し、それを享受できる環境づくりに努めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 以上を踏まえ、市民の芸術文化創造に向けた取り組みが大輪の花を咲かせるように、市の惜しみない援助を要望しておきます。 目標3、まち全体の賑わいと文化の潤いに関連して伺います。 まつもと市民芸術館で発注する印刷物は、地元業者でなく東京などの業者に発注しているというふうに聞いています。地域の産業振興やまちの活性化の点から、地元業者にお願いすることは重要と考えます。印刷物の地元業者への発注率について、また、公演チラシのデザインコンペがあるとしたら、その審査員の選考基準についてもお聞きしたいと存じます。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 まつもと市民芸術館で発注する印刷物には、主に2種類ありまして、施設関係と公演関係の印刷物がございます。このうち施設関係である施設案内などは、全て地元の印刷業者にお願いしておりますが、公演チラシの発注については、地元の印刷業者への発注率は2割、東京などの業者が4割、インターネット印刷が4割となっております。東京の業者については、演出家の指定したデザイナーによるデザインと、それに伴う指定つきの印刷が多いこと、また、インターネット業者については、安い価格、短い納期など、コスト削減の観点からお願いをしているものですが、今後もできる限り地元業者への発注率を高められるよう努めてまいります。 デザインのコンペについては、先ほどお答えしましたとおり、演出家の意図を酌んだ指定のデザイナーによるものが多いため、現在実施はしておりません。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 平成28年度財政援助団体等監査結果報告書には、監査委員の意見がもう一つ載っています。業者選定については、1者に偏ることのないよう、透明性の確保に心がけてくださいという指摘です。芸術館問題はわかりにくいと、周囲の議員でさえも言います。まつもと市民芸術館は財団会計のためではないかと推測すると同時に、市から毎年多額の指定管理料を受けている団体として、高い透明性が求められると思います。こういった声をどのように受けとめておられるのかをお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 ただいまお話がありましたとおり、市では、まつもと市民芸術館や松本市美術館など主要な芸術文化施設の管理運営において、高い専門性を担保するため、一般財団法人松本市芸術文化振興財団を指定管理者に指定しております。一般財団法人松本市芸術文化振興財団では、市が出資している団体として、法に基づく報告を市議会に提出しているほか、事業計画や予算、また事業報告や決算報告について、市民を代表する評議員会を開催し、その都度ご審議をいただいております。 なお、その結果はまつもと市民芸術館のホームページでも公開しておりますが、ご指摘のとおり、探しにくいというご意見もいただいておりますので、ホームページのリニューアルにあわせ、よりわかりやすい情報発信ができるよう検討をしてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 ホームページといえば、まつもと市民芸術館のホームページを開くと、芸術館日記というブログは年間3回程度しか発信されておらず、最終更新が昨年の8月、広報紙「幕があがる。」は、クリックしても見ることができません。プロデューサー、支配人が誰かもわからないような状態ですが、こうした状況をどのように考えておいででしょうか。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) お答えいたします。 ホームページを作成するシステム上の制約から、幾つかの問題があることをまつもと市民芸術館でも認識しており、現在、まつもと市民芸術館の専門スタッフが、システムの更新を含め、ホームページのリニューアル作業を進めております。今年度内にはリニューアルオープンする予定ですので、ご理解をいただきたいと存じます。 なお、このホームページのリニューアルにあわせ、市民の皆さんに身近な施設と感じていただけるよう、情報の充実に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 最後に、市長のお考えをお伺いいたします。 まず、市長選の争点にまでなったまつもと市民芸術館という建物に対する4期16年間の思いとはどのようなものでしょうか。 次に、まつもと市民芸術館の基本目標4項目それぞれについて、特に市民への浸透という観点からどの程度、どのように達成しているとお考えでしょうか。 また、開館以来15年間、芸術監督を置いて取り組んできたわけですが、目標の世界的にも高い水準の芸術文化の創造についてどのように評価しておられるのでしょうか。 そしてこの機会に、菅谷市長の文化政策についての持論、お考えもお聞かせください。
○議長(村上幸雄) 菅谷市長。
◎市長(菅谷昭) 吉村議員からは、平成27年12月定例会でも同様のご質問をいただいた経過がございますが、まつもと市民芸術館の取り組みの評価も含め、現時点での私の文化政策に対する思いについてお答えいたします。 私が市長就任後、まつもと市民芸術館を真に市民に愛される施設としたいと考え、まつもと市民芸術館運営審議会を立ち上げたわけでございますが、議論を重ねる中で、提出されました提言書をもとに4つの目標を掲げ、これをまつもと市民芸術館の管理運営方針の柱に据えて取り組んでまいりました。 この中では、市民の芸術文化の創造の場とすることや、市民が親しみながらまち全体のにぎわいと文化の潤いが生まれる場とすることなどをうたっており、また、串田演劇の真骨頂とも言える「空中キャバレー」や「K.テンペスト」では、回を重ねるごとに新たな鑑賞者を取り込み、演劇文化の深まりを見せております。さらには、信州・まつもと大歌舞伎の市民キャストやサポーターの活躍、まつもと演劇工場、アウトリーチ事業などにおける成果からも、おおむね所期の目的を達成し、市民の皆様からも一定の評価をいただけるものと思っております。 一方、芸術監督制度に関しましても論議がございましたが、多様で高度な芸術を市民に提供するという観点では、先ほど申し上げました数々のメーン事業やワークショップなどの成果において、串田芸術監督の存在は大変大きいものと考えております。 今後も、これらの成果に甘んずることなく、日々の暮らしの中でより身近に文化芸術を享受できる取り組みを進め、文化芸術の創造性が、まちの魅力を高めることのみならず、市民の皆様が生き生きと暮らすまちづくりにつながるよう、さらなる歩みを市民の皆さんとともに進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 吉村議員。
◆11番(吉村幸代) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 昨日、初出馬のころから菅谷市長を支援してきた方々から、私のもとに何冊ものファイルが届きました。朝刊に載った私の質問項目を見て、矢も楯もたまらなくなったとのことです。ファイルには、新市民会館建設の是非を問う戦いの軌跡たる記録と、新市長誕生に至るまでの資料がきちんと整理されていて、戦いの過程を知らない私は、大作のドキュメンタリードラマに見入るような気持ちでページをめくりました。当時、争点は幾つかあれど、菅谷新市長誕生を望む市民の中には、真っすぐなものへの期待という共通点があったようです。こうした市民の思いを受けて新市長は、船長として皆さんを理想の島にご案内することに全身全霊を傾けますと言われたと記録されていました。続投されるにせよ、別の道を歩むにせよ、今期残りの半年はあのころの気持ちを思い返しながら邁進していただきたい、そんなメッセージを込めてファイルは届けられたのではないかと感じています。 以上で私の質問の全てを終わります。長時間にわたってのご清聴ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で吉村幸代議員の質問は終結いたします。吉村議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時15分といたします。 午後0時3分休憩 ---------- 午後1時15分再開
○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 15番 今井ゆうすけ議員の質問を行います。今井議員は質問者待機席へ移動してください。 15番 今井ゆうすけ議員。
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 こんにちは。会派開明の今井ゆうすけです。 今回は、観光施策について質問いたします。 さて、いよいよラグビーワールドカップが今月20日に開幕し、東京オリンピックにおいては1年を切りました。観光庁がまとめた平成30年訪日外国人旅行者数は3,119万人で、6年連続で過去最高を記録し、この10年で3.7倍になりました。観光庁の訪日外国人消費動向調査によりますと、ことし上半期だけでなんと2兆4,326億円となり、過去最高額となっております。インバウンド需要をどれだけ取り込むことができるのかが、地域経済を大きく左右することは論をまちません。 本市においても、国内観光需要の低迷や地域の活力の低下が予測される中、インバウンド観光施策の推進が、地域に観光収入の増加、雇用と地元企業の成長等をもたらし、地域の活性化に大きく寄与することが期待されています。本市の状況としては、市内観光入り込み客数は20年間で約230万人減少しました。一方で、外国人延べ宿泊者数は、平成23年は1万7,274人だったものが、平成30年は17万1,508人と、年々右肩上がりに増加しております。 このように観光を取り巻く環境は劇的に変化しており、超少子高齢型人口減少社会の進展は、今後ますます厳しさを増し、将来は必ずしも楽観視できない状況です。こうした変化の中で、将来にわたり持続可能な観光地としていくために、限りがある予算の中で戦略的な観光施策の推進を図る必要があります。 そこで、旅行需要、とりわけインバウンド需要を取り込むため、限られた予算で効果的なプロモーションを実施するに当たり、どこから来ているのか、何を求めているか等のデータが必要と考えますが、データをどのように把握しているのでしょうか。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 お答えいたします。 観光動向等のデータにつきましては、基礎データとして、観光入り込み客数や外国人宿泊者数、また、団体バスの国別台数、観光案内所国別利用者数を調査しておりますほか、平成28年度には外国人観光動向調査を実施いたしました。この外国人観光動向調査では、来訪者の属性や松本での観光行動、また、観光地情報の取得方法などを調査しております。また、市内の宿泊者数が最も多い台湾につきましては、平成15年から現地の旅行博に出展をしておりますが、その際、ブース来訪者に対し、松本の認知度や旅行目的などのアンケート調査を行っております。その他の国・地域につきましては、日本政府観光局の賛助団体として最新の市場データを入手する中で、動向の把握に努めているところでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 今井議員。
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 ただいまご答弁いただいた外国人宿泊者数では、平成20年から11年連続で台湾人が1位となっております。しかしながら、さまざまな調査を行っておりますけれども、現状では、台湾のどこからどのようなルートで松本に来ている人が一番多いのか、性別、年齢等、どんな人が一番松本に来ているのか、何が一番の魅力で松本に来たのか、松本に来てみてどうだったのかなど、実態やニーズが把握できていない状況です。このようなことがわかれば、来訪者の多い発地地域や性別、年齢、趣味関心等、より明確で詳細にターゲットを絞った誘客施策の実施が行えます。特に、デジタルマーケティングを活用することで、少ない予算でも効果的なプロモーションが行えます。 本市としては、昨年、松本市観光ビジョンを策定し、それに沿って宣伝しております。課題としては、マーケティングの基本である、「誰に、何を、どうやって」の部分、「どんなターゲットに、何のメッセージを、どういった手法で伝えるのか」をより詳細で具体的に定めることが必要と言えます。 まず、「誰に」の部分では、国籍や住んでいる場所、年齢等を絞る必要があると考えます。例えば、19の国・地域をピックアップしておりますが、現状では全てに宣伝ができているわけではありません。全てが理想ではありますが、限られた予算の中では、選択と集中も必要です。例えば、本市ではロシア専門旅行会社への委託により誘客活動を行っておりますが、平成30年外国人宿泊者数を見ますと、ロシア人は20位で595人です。一方、1位の台湾人は2万1,087人という結果で、圧倒的な差が出ています。上高地での外国人宿泊者数では、ロシア人は8人だけで、台湾人は2,370人です。税収が減り、扶助費がふえていく中で、戦略的に今後の施策を推し進めなければなりません。 次に、「何を」の部分では、選定したターゲットにとって最も興味のある部分を伝えていくことが必要です。インバウンドの視点で、松本に根づく価値や魅力を徹底的に洗い出した上で、ターゲットにとって何が最も訴えるべき価値なのか取捨選択をする。世界じゅうの観光都市との競争に勝つためには、差別化しながらわかりやすく表現し伝えることで、松本を選んでもらわなければなりません。 そして、「どうやって」の部分では、「誰に、何を」の部分が明確になって初めて、どういった手法で伝えるのかを検討すべきです。そうでないと、ターゲットを選定しているところには勝てません。ターゲットを選定し、その特性を把握した上で、最も効果的な手段は何か、発するメッセージを正確に届けられるよう、プロモーション手法を検討することが必要です。 このようなことをはっきりさせるために、旅行者の実態やニーズを把握する調査が必要と考えますが、次回の観光ビジョンに反映できるよう取り組めないでしょうか。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 松本市は、昨年策定をいたしました松本市観光ビジョンの中で、初めて国・地域別の戦略を立てております。策定に当たりましては、観光庁の各種統計や、海外21都市に事務所を有する日本政府観光局のマーケティングデータなどを収集、分析いたしまして、国・地域別の観光客のニーズに対し、松本市の観光資源をどのようにプロモーションしていくかということを明らかにしております。 現在、観光ビジョンに基づいてプロモーションを進めているところでございますが、5年を目安にビジョンを見直すこととしており、旅行者の満足度など、プロモーションの成果を検証いたします。議員ご提案の旅行者の実態やニーズ等の調査も、この見直しにあわせて実施を検討してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 今井議員。
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 実施を検討するとご答弁いただきましたので、次の項目に移ります。 近年、行政においてもビッグデータの活用が始まっております。本市としても、これまで行ってきた独自調査や統計データの活用に加え、官民が保有するビッグデータを活用することで、行政課題の解決につなげることができると言えます。 民間が保有するビッグデータを通じて得られる情報の具体例をご紹介しますと、携帯電話の基地局情報を活用すれば、例えば株式会社NTTドコモの基地局で言えば、端末から属性として、年代、性別、住居エリア、趣味関心、年収、勤務者率がわかります。電源オフもしくは機内モードにしていない限りはデータを取得可能であり、インバウンドの3割をカバーしているということで、国籍もわかります。それらが物理的には1キロメッシュから、時間的には1時間からわかり、具体的な周遊ルート等が読み取れます。このようにビッグデータを活用することで、詳細で精度が高く、精緻な現状把握が可能となります。 ほかにも、携帯電話のGPSデータやSNS解析データなど、ビッグデータから得られる情報はさまざまあり、これらを複合的に活用することで、これまでのような独自調査や統計データでは読み取れなかったことがわかるようになり、さまざまな課題解決につながります。 群馬県は、携帯電話の位置情報から観光客の詳細な動き、属性を分析するということで、KDDI株式会社から得たビッグデータから、旅行者の出発地や日程、滞在時間や宿泊地などを分析し、性別や年齢別、住居地別などに合わせたプロモーションを展開しております。 これからの行政は、精度の高い施策と効果検証につなげるために、ビッグデータを積極的に活用することで、精度の高い現状把握をする必要があると考えます。ビッグデータの活用で実現することは無限にありますが、例えば日帰り・宿泊別の来訪者数を算出し、どのような旅程で来訪したのかを分析することで、それぞれの来訪者に対する施策の優先順位づけを実施することができます。ほかにも、観光エリアごとの来訪者の時間帯別流入者数を算出して、いつ、どれぐらいの人が観光エリア内に滞在したかを分析することで、滞在時間を延ばすための具体的な施策を実施することができます。 厳しい財政状況の中、現状や政策課題を迅速かつ的確に把握し、有効な対応策を選択し、市民に信頼される行政を展開するためには、ビッグデータを積極的に活用して、これまで以上に証拠に基づく政策立案を推進する必要があります。 このように観光に限らず市政全般でのビッグデータの活用を求めますが、まずは携帯電話の使用記録等のビッグデータを観光政策の立案や市内の観光事業者への情報提供などに活用できないでしょうか。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 ビッグデータの活用につきましては、平成27年に松本広域連合がKDDI株式会社の携帯電話位置情報による観光動態調査を実施しており、松本地域への旅行者の属性や経路、滞在時間、周遊ルート等を分析しております。この調査結果は、松本地域の自治体、有識者、観光事業者等に提供されまして、多くの観光関係者が旅行者の実態やプロモーションの課題を把握する機会となりました。 議員ご指摘のとおり、観光客の実態やその課題の把握によって、プロモーションをより効果的に変えていくことができるものと考えております。他の自治体の取り組みなども参考にしながら、先ほど申し上げました松本市観光ビジョンの見直し等の機会に同様の調査ができないか検討してまいります。 以上です。
○議長(村上幸雄) 今井議員。
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕 前向きなご答弁をいただきましたので、次の項目に移ります。 現在、国を挙げてキャッシュレス決済の推進に取り組んでおり、本市としても、松本市商業ビジョンの重点事業に掲げ、松本商工会議所と連携し、個店におけるキャッシュレス環境の整備を進めております。 しかしながら、公共施設でのキャッシュレス決済は進んでおらず、課題整理もできていない現状です。増加するインバウンドに対する受け入れ環境整備を進め、インバウンドで松本により多くお金を落としてもらいたいものです。 一般社団法人キャッシュレス推進協議会のキャッシュレス・ロードマップ2019に、各国の最新のキャッシュレス決済比率があります。日本は19.9%である一方、韓国は96.4%、イギリスは68.6%、中国は65.8%となっており、他国はかなり高いです。日本を含め世界じゅうでキャッシュレス化が進んでおり、松本に宿泊している国籍を見ると、ほとんどの国が、日本よりも進んでいる国です。 このようにキャッシュレス決済はごく普通の決済手段という人が多く来ているので、キャッシュレス決済の推進をすることで、消費購買活動の活性化、利用者の増加、インバウンド需要の拡大、つまりは、今まで落ちなかったお金が落ちると考えます。 本市の平成30年外国人宿泊者数を見ると、アジア系が54.6%、欧米豪系が22.4%と、アジア系のほうが多いという結果です。一方で、松本城、松本市立博物館、旧開智学校等の外国人観覧者数は、国籍は不明ですが、それぞれ欧米豪系のほうが圧倒的に多いという結果になっております。この矛盾は何なのか、現時点では分析できていないことが課題です。仮にキャッシュレス決済ができるようになれば、例えばウィーチャットペイやアリペイであれば中国、ネッツペイであればシンガポールといったぐあいに、キャッシュレス決済の対象ブランドから国籍が読み取れるようになり、データ収集もできます。 先ほどの訪日外国人消費動向調査では、訪日外国人1人当たりの旅行支出が出ており、上位は、フランスが24万2,000円、イギリスが23万5,000円、オーストラリアが23万2,000円という順です。ちなみに台湾は12万2,000円となっておりますが、仮に欧米豪系が本市で宿泊をしていないということであれば、宿泊をしてもらう取り組みをすることで、より多くのお金が落ちると言えます。 また、全国ではキャッシュレス決済の実証実験が進んでおります。福岡市では、民間企業と組んで実証実験を実施。本年度より、市の施設約60施設でLINEペイの導入をしました。そこにコストは発生しておらず、毎年かかってくる手数料も、契約で1年間は無料ということです。公共施設キャッシュレス導入最終報告によると、インバウンド需要の拡大、業務の効率化、消費購買活動の活性化、利用者の増加、利便性の向上、都市の魅力や生活の質の向上について効果があるという結果でした。福岡市は、利便性の向上はもとより、経済的な観点から、まち全体でキャッシュレスを進める姿勢をまずは市が見せることが重要と考えており、進めております。 本市としても、松本市商業ビジョンの重点事業に掲げている以上、まずは公共施設から導入すべきと考えます。そこで、全ての公共施設、公共交通機関でキャッシュレス決済の導入を求めますが、まずは観光振興、データ収集などを目的に、観光客の利用が多い公共施設においてキャッシュレス化を進めることができないか、本市の見解をお尋ねし、以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 議員にご紹介いただきましたとおり、キャッシュレス化の推進につきましては、消費者の利便性向上や店舗業務の省力化、さらには、増加する外国人観光客に対する受け入れ環境整備を目的に、現在、国を挙げて取り組んでおります。 本市におきましても、松本市商業ビジョンの重点事業の一つにキャッシュレス化の推進を掲げ、松本商工会議所と連携をしながら、現在、個店におけるキャッシュレス環境の整備を進めております。 公共の観光施設におきましてもキャッシュレス化を推進するということでございますが、観光客の利便性を向上させ、また、集客、周遊等の伸びも期待できますので、観光振興の観点で大変有効であると認識しております。 ただ、公共の観光施設のキャッシュレス化を進めるに当たりましては、市全体のルールづくりや公金収納の手続などさまざまな課題もございますことから、まずは他市の事例も参考にしながら、関係部署で研究することが必要と考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 以上で今井ゆうすけ議員の質問は終結いたします。今井議員は自席へお戻りください。 次に、16番 川久保文良議員の質問を行います。川久保議員は質問者待機席へ移動してください。 また、補助者の13番 青木 崇議員は補助者席へ移動してください。 16番 川久保文良議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 会派開明の川久保文良です。上條敦重議員、吉村幸代議員、今井ゆうすけ議員に引き続き、上條 温議員とともに会派を代表し、一問一答にて質問させていただきます。 これまで、本市が支出する補助金、負担金、交付金について質問させていただいてきましたが、今回は、本市が国・県より交付される交付金、補助金について質問させていただきます。 これまでも多くの議員が質問してきており、今定例会の補正予算にも計上されている小・中学校のエアコン設置について、絞ってお聞きいたします。 ことし7月、会派で東海・関東地方に視察に行ってまいりました。7月16日は滋賀県大津市での視察をし、翌日の決算の研修会参加のため、名古屋市へ移動し宿泊いたしました。7月17日の朝、中日新聞を見ると、そこで次のような記事を目にしました。 「猛暑の昨夏 教訓生かす 学校の冷房設置進む」との見出しで、愛知県豊田市の小学1年生が校外学習後に急死した事故から1年となり、熱中症対策の意識が高まり、小・中学校の教室で冷房設置が急ピッチで進むなど、事故を契機に、教育現場での対策についての記事でした。 最初に、本市において近年の小・中学校における児童生徒の熱中症の状況をお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 〔登壇〕 お答えいたします。 市内の小・中学校のうち、熱中症を疑われる症状として集計を行っている学校の昨年度の状況について申し上げますと、小・中学校47校中42校で、昨年4月から10月までの状況ですが、何らかの理由で保健室を訪れた児童生徒の総数2万364人のうち、約7%に当たる1,462人が、暑さからと思われる体調不良を訴えた児童生徒数でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 答弁をいただきました。熱中症を疑われる症状として集計している学校42校で、1,462人とのことでした。ぜひ全ての学校で調査をしていただき、現状をしっかりと把握していただくことを要望いたします。 先ほどの7月17日の中日新聞の記事の中で、中部6県の公立小・中学校の普通教室の冷房設置率の表があり、長野県は、2018年9月1日3.6%、2019年4月1日4.8%、2019年度末の見込みは85.3%とありました。 中日新聞の記事となった本年7月の時点での、松本市の2019年度末での普通教室におけるエアコンの設置見込み率は何%となるのかお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず小学校では、1、2年生の普通教室及び特別支援学級の教室に設置予定で、全511室中230室への設置を見込んでおり、設置率は約45%でございます。また、中学校は、普通教室及び特別支援学級は全233室ございますが、今年度の設置は見込んでおりません。 したがいまして、小・中学校全体では、全744室中230室へ設置予定で、率にしまして約31%でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 県全体で85.3%のところ、本市は約31%とのことでした。 次に、昨年、政府主導により、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金が2018年度第1次補正予算で創設されました。この臨時特例交付金が創設された理由、趣旨を本市はどのように捉えているのかをお聞きします。 また、昨年、国の説明会を受け、県でも県内市町村向けに、昨年10月25日とお聞きしておりますが、説明会を開催したとのことですが、本市はどのように対応したのかお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 この臨時特例交付金の創設の趣旨でございますが、大阪府北部地震でのブロック塀の倒壊や、昨年夏の猛暑に起因する健康被害の発生状況などを受けまして、早期に子供たちの安全と健康を守るため、公立学校における、倒壊の危険性のあるブロック塀の安全対策や熱中症対策としての空調整備を推進するため創設されたものと認識しております。 なお、この臨時特例交付金の創設に当たり、議員からもありましたが、昨年開催された県の説明会につきましては、職員1名が出席をしております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 説明会に職員1名が参加されたとのことでした。 次に、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金と、従来からの空調設備を含む学校施設整備のための学校施設環境改善交付金の概要をお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、従来からの学校施設環境改善交付金は、学校教育の機会均等の確保と水準の維持向上のため、施設整備に要する経費の一部を補助するもので、耐震化事業や防災機能強化事業、バリアフリー対策事業など幾つかのメニューがある中の一つにエアコン整備がございます。補助率は、補助対象経費の3分の1でございますが、残りの補助対象経費について、起債の借り入れも可能で、充当率は75%、交付税算入率は30%でございます。 次に、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金につきましては、ブロック塀の撤去及びエアコン設置に特化した、平成30年度限りの交付金でございます。補助率は、学校施設環境改善交付金と同様で、補助対象経費の3分の1でございますが、補助対象経費に係る起債の借り入れについては充当率100%で、交付税算入率が60%となっております。また、当該事業の緊急性に鑑み、交付決定前に工事着手した場合も補助対象とされております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、このパネルをごらんいただければと思います。これは、私が県の教育委員会からいただいた資料です。議場においでの皆様には資料配付しておりますが、A4の資料です。先ほどの答弁を図にするとわかりやすくなるかと思いますが、上の図は、こちらですけれども、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金で、実質地方負担は26.7%。下の図になりますが、従来からの学校施設環境改善交付金の空調設備についてであり、実質地方負担は51.7%になります。 次に、確認ですが、本市において小学校、中学校の2019年度末に冷房設置が見込まれる学校数と教室数を小学校、中学校それぞれお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 今年度末までに、小中学校全体で42校409室を予定しております。そのうち小学校は26校で348室、中学校は16校で61室に設置予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。小学校26校、348室、中学校16校、61室、合わせて409室とのことでしたが、現在の工事進捗はどのようになっているのか。409教室全て設置が完了する時期はいつとなるのかもお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 本年度の工事につきましては、現在までに23室に設置済みで、12月末までに145室を設置し、来年3月末までに409室全てに設置完了の予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 すみません、ちょっと確認ですけれども、今年度予定の工事は全て発注済みということでよろしいですか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 12月末までに設置予定の145室につきましては、既に発注済みでございます。残りの264室につきましては、今後発注し、年度末までに竣工する予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。設置済みが23室、もう9月も半ばになりますが、まだ発注すらされていない、そういった教室もあるようです。事前着工も認められているにもかかわらず、23室しか設置されていないのは驚きですが、ちなみに長野市は、8月29日の集計で7月末までに、普通教室、特別教室を合わせて712教室、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の対象とならない職員室など管理諸室は99室、合わせて811室設置済みとのことでした。 次に、小・中学校合わせて409教室とのことでしたが、非常に地方負担の少ないブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の対象となる教室と教室数、普通教室数、特別教室数をお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 このたびの臨時特例交付金において補助対象となるのは、普通教室のほか、音楽室や図書室などの特別教室でございます。対象となる教室数は、普通教室が230室、特別教室が127室の合計357室で、職員室や事務室は補助対象外となっております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。職員室を除くと357室、職員室は52室となります。 本年2月定例会の勝野議員の、これまでの経過を改めてお聞きするとともに、小中学校の残る普通教室の設置については、再来年度、平成32年度から設置するという方針でよいのかという質問に対し、当時の教育部長は答弁で、国は、平成31年度中の設置を可能とするよう条件を緩和し、新たに普通教室を優先することを明らかにしたため、市は、全小学校の図書室、音楽室、パソコン室、職員室、1、2年生の普通教室、特別支援教室に設置するとともに、全中学校の図書室、音楽室、職員室に設置するよう設置計画を変更し、とありましたが、地方負担の少ないブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の対象となる小学校1、2年生以外の普通教室ではなく、なぜ臨時特例交付金の対象とならない職員室を優先したのか、臨時特例交付金の利活用ができる普通教室への変更が検討されなかったのかをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 本市におきましては、児童生徒の学習空間及び教職員の執務環境の改善を図るため、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の創設前の平成29年度から、小・中学校へのエアコン設置について検討を進めてまいりました。その中では、普通教室と比較して特別教室や職員室は、数の上では少ないものの、多くの児童生徒が涼しさを共有することができ、また、風通しが悪い場所に配置される学校が多く、暑くなりやすいことから、まずはこれらの部屋に優先してエアコンを設置する方針といたしました。 このような中、昨年夏の猛暑を受け、児童生徒の熱中症対策としてブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の制度が創設されましたが、これまでの検討経過を踏まえ、特に職員室は、教職員の働き方改革が重視される中、放課後の執務や夏休み中の勤務など、暑い時期・時間帯での使用など、その執務環境の改善が重要と判断をし、当初方針どおり整備を進めることといたしました。 また、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の要望に当たっては、年度末までに施工が可能な設置量を把握する中で、小学校1、2年生の普通教室と特別支援学級の教室を追加したものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。これまでの検討結果を踏まえということでした。 次に、県に確認したところ、2019年4月1日の県内の総普通教室数は7,452室であり、今年度末の設置見込みが85.3%ということであることから、本年度末に設置される普通教室は県全体で6,356室となります。残りは1,096室です。松本市の総普通教室数は759室、設置予定の普通教室は、小学1、2年生、特別支援学級の教室の230室、残りは529室です。県全体の未設置教室1,096室のうち、松本市は半数近くとなる529室、そのうち、今回の補正予算により松本市は514室が設置予定であることがわかります。 次に、こちらのパネルをごらんください。この資料は、7月17日の中日新聞を読んだ後、調査させていただき、市教育委員会からこの資料をいただきました。青色の部分に関しては、既に設置されているか、今年度、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を利用し、今年度中の設置予定のところ、この赤色は、そもそも設置予定のないところ、そして、この黄色の部分、こちらは松本市となりますが、未定ということで、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を申請していなかったのではないかとも思っております。 県内の19市で、この資料により、普通教室に本年度末までにエアコンが設置されないのは、安曇野市の中学校、それとこの松本市の小学校3年生から中学校3年生までということがわかります。松本市以外の市の小学校は、高地にあるなど最高気温の平均が比較的低いなどの理由で一部設置とならないと備考に記載されているところもございますが、全ての普通教室で設置予定であり、中学校では安曇野市と松本市以外の市の普通教室は設置予定です。 なぜ県内他市に比べ松本市が設置が少ないのか、なぜ設置予定とならなかったのか、その理由もお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 今回の臨時特例交付金は、令和元年度中の竣工といった条件の中で、全国的な取り組みということもあり、エアコンなどの物資の調達や職員の確保といった不確定な要素も重なり、トータルとして設置量がつかみづらい状況ではございました。そこで本市では、当初の計画どおり設計が進んでおりました図書室や音楽室、パソコン室、職員室に加え、年度末までに確実な設置が見込まれる工事量を把握する中で、小学校1、2年生の普通教室までに設置する方針を決定いたしました。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきましたが、県内他市も同じ状況です。 次に、昨年の猛暑により、先ほどから何度も出てきていますが、政府主導で、従来の学校施設環境改善交付金より非常に地方負担の少ないブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金が、2018年度第1次補正予算を活用し、創設されました。この臨時特例交付金は、2019年度への繰り越しは可能ということです。文部科学省に確認したところ、この臨時特例交付金により、地方公共団体が希望する全ての教室などへの新設について採択、措置しているとのことでした。加えて、令和元年度当初予算では、空調についてはその他の交付金でも採択を行っていない状況であり、今後については検討とのことでした。 確認ですが、この非常に有利なブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金について、本市は特別教室と小学校1、2年生の普通教室、特別支援学級に申請したということでよろしいですか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 松本市では、小中学校の図書室や音楽室、パソコン室、職員室と小学校1、2年生の普通教室及び特別支援学級の教室へのエアコン設置を選定したものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。普通教室は、小学校1、2年生と特別支援学級のみ申請したということでした。 次に、昨年12月定例会においての南山前議員の、エアコン設置についてのそれまでの検討経過についての質問に対して、当時の教育部長は、10月の後半になりまして、国の臨時特例交付金制度の説明会があり、そこで初めて、交付金は普通教室を優先するとの説明を受けました。そのため国の交付金の活用をするための協議を急遽行いまして、市のエアコン設置方針を、特別教室に加え、小学校2年生までの低学年の普通教室及び特別支援学級とすることに変更しました。しかしながら、その段階では国の交付金が来年夏までの設置を求めていたこともあり、設置工事の完了が可能か等について検討した結果、小学校9校の特別教室、1、2年生の普通教室と特別支援学級の112室、それから中学校6校の特別教室23室の計145室を先行し、12月補正予算を計上したところでございます。さらに、11月の追加要望調査では、平成34年までに工事を予定していた学校の264室についても、来年度中の設置を目指し、国に交付金を要望しましたと答弁されました。 県内他市は、この地方負担の少ない臨時特例交付金を利用し、全ての小・中学校の普通教室にエアコンを設置しますが、なぜ本市は小学校1、2年生のみの普通教室としたのか、その理由をお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 本市では、エアコン設置の検討に当たり、まずは多くの児童生徒が涼しさを共有できる特別教室へ優先して設置することとしておりました。その後、普通教室を優先するブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金が創設されたところでございます。 そこで、それまでの経過も踏まえ、再度検討を重ね、先ほども申し上げたとおり、単年で施工ができる範囲を把握する中で、体温調整能力の十分でない小学校1、2年生の普通教室及び特別支援学級の教室を追加することとしたものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。これまでの検討結果を踏まえてとのことでした。 7回目の質問で、小学校1、2年生、特別支援学級を合わせて、本年度エアコン設置予定の普通教室は230室とのことでしたが、今年度設置できる数を230室とした数字的根拠、算定根拠はどこにあるのか、また、どのように検討されたのかをお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金は、繰り越しにより、今年度中に事業が完了する必要があり、エアコン設置工事が全国一斉に実施されることも踏まえ、エアコンなどの物資の調達や職人の確保といった状況を総合的に判断し、事業量を決定したものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 算出根拠を教えてください。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) ただいま申し上げたとおりでございますが、今年度中に事業が完了する必要があることから、今年度中にできる量を総合的に判断したものでございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 すみません、230室とした根拠を教えてください。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 小学校1、2年生の普通教室及び特別支援学級の数が230室ということでございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 今年度設置できる数を230室とした算出根拠を教えてください。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) ただいま申し上げたとおりなんですが、小学校1、2年生の普通教室と特別支援学級の数が230室ということでございますが、その前の特別教室も含め、今年度の設置できる量を勘案する中で、結果的に230室ということでございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 明確な算定根拠がないことがよくわかりました。先ほどの答弁で、全国一斉の工事であるとありましたが、本市だけが地方負担の少ないブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を申請もせず、県内他市、全国に配慮、遠慮すべきなのかが疑問でした。 長野市では、小学校54校中43校、中学校は25校中18校で設置予定であり、エアコン設置予定教室も、小学校の普通教室751室、特別教室122室、中学校は普通教室320室、特別教室63室と、合わせて1,256室となるとのことでした。 本市は、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の対象とならない職員室も含め、本年度の設置予定教室数は、普通教室、特別教室含め409教室、今回の補正予算で予定される514教室を合わせても、長野市より少ない923室です。長野市が非常に地方負担の少ない臨時特例交付金を申請し、設置を予定しているにもかかわらず、本市は、小学校3年生から中学校3年生までは申請もせず設置ができない理由、繰り返しになりますが、長野市でできて松本市でできない理由はどこにあるのかをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 松本市におきましては、この臨時特例交付金創設前から検討を進めていることをお話し申し上げましたが、このエアコンを設置するに当たり、各教室などに見合ったきめ細やかな施工にするために、現地調査を入念に行いつつ設計を進めておりました。そのことは、臨時特例交付金創設後も同様であり、年度末までに各学校において確実に整備ができる量を把握する中で、この設置量としたものでございます。 なお、長野市におきましては、エアコン設置に伴う電気設備の改修は行わず、発電機の設置を含めた施工方法を採用したとお聞きをしております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 本年2月定例会の勝野議員の、これまでの経過を改めてお聞きするとともに、小・中学校の残る普通教室の設置については、再来年度平成32年度から設置するという方針ということでよいのかという質問に対し、当時の教育部長は答弁で、松本市の残る教室への設置につきましては、まず今設置を進めている教室について平成31年度末までに確実に取りつけを行うことを優先し、今後も引き続き交付金について国へ要望するなど財源確保に努めながら、気温や他市の状況等を総合的に判断し、来年度から具体的な設置の範囲や実施の時期などについて検討してまいりますとあります。 今定例会に計上されている、普通教室空調設置に係る15億1,244万円は、答弁にあるように、財源確保ができたということなのか、15億1,244万円の財源をお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 このたびの補正予算では、小・中学校合わせて15億1,244万円の債務負担行為を計上しておりますが、その財源につきましては、学校施設環境改善交付金による補助として2億9,198万円、起債を9億1,520万円、一般財源を3億526万円と見込んでおります。 なお、本事業に関連して、3億円を今9月定例会に、基金に積み立てることとしております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。学校施設環境改善交付金については概算要求をしている段階であり、昨年、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金によって大規模な補正措置をしていることから、来年度財源措置をされるかは不透明であり、先ほど答弁があった見込みだということだと思います。 次に、4回目の質問でお聞きした実質地方負担は、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を利用した場合、26.7%、従来の学校施設環境改善交付金は51.7%とありました。基準算定額などの違いはあるとは思いますが、今回計上された15億1,244万円を単純に計算すると、昨年のブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を利用した場合の本市負担は4億382万円、先ほどの答弁のあった学校施設環境改善交付金が来年度採択された場合の本市負担は約7億8,193万円となります。また、来年、学校施設環境改善交付金の空調に対して財源措置がなかった場合は、当然、15億1,244万円は本市の負担となります。 単純に、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を申請しなかったことにより、数億円が市民の皆さんへの財政的負担となってくると思います。市民の皆さんへの不利益になることに対して、教育委員会の見解をお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 昨年の臨時特例交付金につきましては、先ほども申し上げたとおり、今年度内に施工が完了することが可能な範囲を設置方針として決定をし、申請したものでございます。仮にこれ以上の事業量を申請した場合、年度内に完了することは困難であると判断をいたしました。結果として、他市の状況と比べますと慎重過ぎる判断であったと考えております。来年度設置予定のエアコンにつきましては、国に直接出向き要望するなど、現在、財源確保に向けて取り組んでおります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 次に、この非常に有利なブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の利活用について、財政部と教育委員会ではどのような議論があったのか。また、臨時特例交付金を利活用しなかったことで、市民感覚としては、多額の損失を与えられたと考えてしまうかもしれませんが、財政部長の見解をお聞きしたいと思います。
○議長(村上幸雄) 高野財政部長。
◎財政部長(高野一司) 2点のご質問にお答えいたします。 まず、教育部との間でブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の活用についてどのような議論があったかとのご質問でございますが、既に教育部長からの答弁で申し上げましたとおり、平成30年度に、小学校1、2年生の普通教室及び特別教室、職員室へ配備するという市としての方針を決定してございます。予算編成過程で有利な財源があれば最大限活用するというのが財政部の立場でございますので、最大限交付金の活用が図られるよう、教育部と議論をいたしました。その結果、平成30年度予算において、当初、市の方針に基づき、可能な限り臨時特例交付金を取り組んだものでございます。 また、今回9月補正予算で追加する普通教室等へのエアコンの設置につきましても、昨年度の予算成立以降、引き続き検討を重ねた結果、実施すべきと判断したものでございます。 次に、損失への見解についてでございますが、先ほど川久保議員から、ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金と学校施設環境改善交付金の取り組みによる市負担額の差、これについて例を挙げられ、数億円というご紹介がございましたが、どちらの交付金も補助率は同じ3分の1でございますが、市債の充当率と交付税措置率が違っております。この概要につきましては、これも先ほど教育部長答弁でご説明申し上げたとおりであります。 両方の制度ともに、補助対象となる事業費は、国が定めた上限額があり、エアコン設置にかかった経費の全てが対象となるわけではございません。実際には、国が言うような地方負担の割合にはならず、もともと市の持ち出しも相当額発生するため、財政部の試算では、その2つの交付金の活用による差は約1億9,900万円であります。 交付金の活用につきましては、それぞれの方針決定段階において、その時々で最も適切な財源措置を図ることに努めてきた結果であります。教育部長からも答弁してございますとおり、今後も引き続き、財源の確保、負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。約1億9,900万円ということでしたが、それでは次に、8月13日の地元選出国会議員のSNSに、松本市教育委員会から学校エアコン整備の財源措置の要請を承るとあり、教育部長と担当課長との写真がアップされておりました。また、先月29日、同じ国会議員のSNSには、松本市教育委員会の幹部を文部科学省にお連れし、小中学校へのエアコン配備の追加予算措置の要望を行う。松本市独自の考え方により要望を出していなかった分についてもとアップされています。 この要請、要望の内容をお聞きします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 来年度実施予定の小学校3年生から6年生までの普通教室と中学校1年生から3年生までの普通教室及び特別支援学級の教室へのエアコン設置につきまして、財源確保のため、昨年度限りとされておりましたブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金の延長のほか、従来からエアコン設置をメニューとしている学校施設環境改善交付金の採択について要望してきております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。文部科学省に確認したところ、先ほども申し上げました、学校施設環境改善交付金については、現在、財務省に来年度予算の概算要求をしているところであること、また、空調については、松本市さんのようにブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金をつけ忘れたところや、ことしの暑さにより、北海道や青森などの寒冷地域、臨時特例交付金で普通教室は設置し、残る特別教室への設置に対して要望があるとのことでした。非常に有利な臨時特例交付金を申請せずに、その8カ月後、学校エアコンの財源措置の要望、要請を行うというのは、非常に違和感がございます。 私は、25歳から衆参の公設・私設の秘書として、地元や議員会館で仕事をさせていただきましたが、今回のようなケースでは、全て申請を行い、計画年度中に工事が終了しなかった場合、再度の繰り返しを要望するのが、今まで私が経験してきたことであります。 繰り返しますが、国は、地方公共団体が希望する全ての教室などへの新設について採択、措置しているとの認識であり、やはり昨年の臨時特例交付金を申請しなかったことは、政策判断が間違っていたのではないかと考えますが、認識をお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 昨年の臨時特例交付金の申請に当たりましては、先ほどから申しておりますが、今年度内に設置が可能な範囲を想定し、設置方針を決定したものでございますが、その判断に当たりましては、結果的に慎重になり過ぎたと感じております。この点につきましては、反省すべきと考えております。 今後は、これまで以上に国の動向に注視しながら、引き続き積極的に財源確保に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 慎重になり過ぎ、この点は反省しているとのことでしたが、次に、来年夏より県内他市では普通教室にエアコンが設置され、良好な環境で児童生徒は授業を受けることができます。一方で、本市の小学校3年生から中学校3年生は、災害的と言われる猛暑の中で、今補正予算が認められ、計画どおりに進んだ場合であっても、他市より1年おくれでエアコンが設置されることとなります。他市の児童生徒に比べ、集中して授業が受けられるのか、成績に影響が出るのではないかなどが懸念され、加えて、他市の児童生徒に比べ、熱中症のリスクが1年高い状況になると考えます。このような環境を教育者である教育長はどのように考えるのか、お聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。
◎教育長(赤羽郁夫) お答えをいたします。 近年の異常な暑さに対しては、私も大変憂慮しており、エアコンの設置が有効な対策であることは十分承知をしております。 子供たちの生活を考えるとき、登下校も含め、教室以外での活動も多いことから、今までも、こまめな水分補給や野外活動での留意点の確認、十分な睡眠や栄養摂取など健康管理を呼びかけるなど、暑さに対して自分の体調を整える指導もあわせて行ってまいりました。 今後は、先駆けて設置をいたします特別教室を活用して熱中症のリスクを軽減するとともに、エアコンが整うまでは、昨年来の熱中症予防対策を充実させて対応してまいりたいと考えております。 また、来年から本格実施となります新学習指導要領では、これからの変化の激しい世の中をたくましく生き抜いていく子供の育成を目指しています。多様で環境の変化が激しい現代、自分で判断し考え、適切に対応していく資質、能力をみずから育てていくことは、これから子供たちにとって大変必要であると考えています。今回の猛暑への対応も、その一つの契機にしていきたいと考えています。 いずれにしても、できるだけ早期の設置を目指して取り組んでまいります。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 昨年のブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金を申請しなかったことにより、先ほど財政部長からございましたが、少なくとも約2億円の財政的損失を市民の皆さんに与えたと考えますが、理事者の皆さんはどのように捉えているのかお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 私から改めて申し上げますが、昨年の臨時特例交付金の申請につきましては、反省すべき点があったと考えております。今回のことを契機といたしまして、これまで以上に国などの動向を注視しながら、積極的な情報収集に努め、真摯に財源確保に向け取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 川久保議員。
◆16番(川久保文良) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 今回は、小・中学校の普通教室におけるエアコン設置についてお聞きしてまいりました。 本市は、県内の市町村で唯一、子どもの権利に関する条例が制定されています。この条例の第1章、第1条には、目的として、この条例は、子どもの健やかな育ちを支援し、子どもの権利を実現していくために、市やおとなの役割を明らかにするとともに、子どもにかかわるすべてのおとなが連携し、協働して、すべての子どもにやさしいまちづくりを進めることを目的としますとあり、また、第3条では、市は、子どもの権利を尊重し、あらゆる施策を通じてその権利の保障に努めます。 3に、育ち学ぶ施設の設置者、管理者や職員は、育ち学ぶ施設が子どもの健やかな成長にとって重要な役割を果たすことを認識し、子どもが主体的に考え、学び、活動することができるよう支援を行い、子どもの権利の保障に努めます。 また、5、市、保護者、育ち学ぶ施設関係者、市民、事業者は、子どもにとって最も良いことは何かを第一に考え、お互いに連携し、協働して子どもの育ちを支援します。 6、市は、国、県その他の地方公共団体などと協力して、子どもに関する施策を実施するとともに、保護者、育ち学ぶ施設関係者、市民、事業者がその役割を果たせるよう必要な支援に努めますとあります。 また、第14条の2では、市などは、災害から子どもを守るために、日頃から防災や減災に努めるとともに、子どもが自分を守る力をつけることができるよう支援しますとあります。 そうした中で、今回、県内他市では、近年の災害的猛暑に対応し、学校生活の多くの時間を過ごす普通教室にエアコンが設置され、県内唯一、子どもの権利条例のある本市は、小学校3年生から中学校3年生までの児童生徒は、熱中症のリスクが高い中で授業を受けなければならず、県内で一番子供に優しくない市ではないでしょうか。 昨年、熱中症により小学校1年生のお子さんが不幸にも亡くなられ、本市でも1,400人を超える児童生徒に熱中症の疑いがあったとの答弁がありました。今回のこの政策的判断により、19市の中で本市だけが全ての普通教室にエアコン設置の申請をしなかったことが、結果論かもしれませんが、結果的に、他市の児童生徒より良好でない授業環境、教育環境を招くことは事実です。この事業に関し、適切に交付金を申請していれば、約2億円、他の事業に財源措置することができます。以前お聞きした、小・中学校へのインフルエンザ予防接種半額助成は2,570万円でした。国からの交付金、補助金などに対し、アンテナを高くし、利活用を検討し、しっかりと有効活用すべきと考えます。 今回の教育委員会の政策的判断をしっかりと検証し、今後、市民の皆さんへ説明責任を果たすべきと考えます。今後、本市の財政状況を考慮し、慎重な政策決定を改めて要望し、私の質問の全てを終わります。ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で川久保文良議員の質問は終結いたします。川久保議員及び補助者の青木議員は自席へお戻りください。 次に、19番 上條 温議員の質問を行います。上條議員は質問者待機席へ移動してください。 19番 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 会派開明の上條 温です。質問の時間をいただきましたので、同僚の4人の議員に引き続き、市政一般について、件名ごと一括にて質問をいたします。 1件目、冬季間の観光振興策について伺います。 先ほど今井議員が観光施策について質問しておりますが、私は、焦点を冬季間に絞って質問をいたします。 日本政府観光局によりますと、訪日外国人旅行者数は、2013年(平成25年)から2018年(平成30年)まで、6年連続して過去最高を更新しています。2018年(平成30年)に日本を訪れた外国人は、3,000万人を超え、3,119万人を記録いたしました。政府は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人の意欲的な目標を掲げています。 では、松本市の状況はどうでしょうか。松本市街地でも普通に外国人を見かけますし、国宝松本城に至っては、外国人のほうが多いのではないかと感ずるほど、外国人観光客が目に見えて増加しています。松本市が昨年4月に作成した松本市観光ビジョンによると、市内観光入り込み客数は、平成17年の約552万人、平成28年度は約511万人と、微減傾向の横ばいとなっています。つまり、外国人観光客はふえたが、日本人を含めた観光客総数は増加していないというのが現実だということでございます。 松本市市街地には、新たなホテルが3件進出しています。中央1丁目のホテルは全153室規模で既に開業し、松本駅南へ建設中のホテルは全330室規模で間もなく開業予定、城西へ進出予定のホテルは着工済みとなっています。ホテル業界にとっても松本市は、ビジネス客、観光客それぞれに可能性を持つ魅力的な都市と映っているのだろうと思います。 そこで、さらに誘客を進めるために、客足の落ちる冬季間の観光振興に的を絞って質問いたします。 まず、基礎的なデータをお伺いします。 1つ、数年間の松本市への観光入り込み客数の推移。 2つ目、外国人宿泊者数。 3つ目、月別観光客数の推移。 4つ目、現在実施している冬季間誘客対策とその課題。 以上4点について伺います。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 4点のご質問に、順を追ってお答えをいたします。 初めに、入り込み客数でございますが、過去5年間で比較をいたしますと、2014年が517万9,000人で、2018年が507万4,000人、5年間で約10万5,000人の減少でございます。 次に、外国人宿泊者数につきましてでございますが、2014年が6万7,000人、2018年が17万1,000人で、こちらは5年間で10万4,000人増加をしております。伸び率では、全国の訪日外国人客数の伸びを上回っておりまして、2018年につきましては、県内市町村別で軽井沢町に続き2番目に多くなっております。 続いて、月別の観光客数でございますが、2018年で見ますと、8月が最多で86万7,000人、次に多いのが10月で64万人、次に、5月、7月、9月がいずれも約50万人であります。また、山岳観光のオフシーズンとなります12月から3月は、各月とも約20万人となっております。 次に、現在の冬季誘客対策でございますが、スキー場や温泉など冬の観光素材を積極的にPRしているほか、国宝松本城氷彫フェスティバルや市街地のイルミネーション、また、松本あめ市等の冬季イベントを一体でPRする、光と氷の城下町フェスティバル事業に取り組んでおります。また、昨年度から、白馬にスキーなどで長期滞在する外国人旅行者を松本市へ誘客するため、一般社団法人松本観光コンベンション協会やアルピコ交通株式会社、JR東日本長野支社とも協力をし、松本白馬間のバス・鉄道のアクセス情報と松本市の観光情報を掲載いたしましたチラシを作成し、白馬駅や白馬の宿泊施設等でPRをいたしました。結果、対前年比でバスは19.5%の増加、鉄道も96%増加となりました。 課題といたしましては、松本ならではの冬の魅力をいかに発信できるかということであり、例えば文化や自然を楽しむ体験や、松本の食材を生かした名物料理などの観光資源を掘り起こし、磨き上げて発信をしていくことが必要と考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 基礎的な数値についてご答弁いただきました。全体的な傾向として、入り込み客数は若干の減少傾向があるものの、約500万人をキープしていると。外国人宿泊者数につきましては、急激に増加していると。それから、月別観光客では、最も多いのは8月、底が12月から3月というご答弁でございました。 お伺いした数値は、入り込み客数ということです。では、宿泊者はどうかということで、市街地のホテル・旅館で組織します松本ホテル旅館協同組合へ宿泊客の動向を伺いました。それによりますと、4月のゴールデンウイークから11月の紅葉の時期までは安定して宿泊客があって、ピークはやはり8月。冬季間に入って12月から落ち始めて、1月、2月が底。3月になりますと、学年末休みの学生などが動き始めて持ち直していると。これが全体の宿泊客の傾向ということを伺いました。このことから、市街地のホテル・旅館宿泊者数は、ビジネス客が一定数の下支えとなっていて、変動部分が松本市への観光入り込み客数とシンクロしているという状況のようでございます。 このような状況を考えますと、松本の観光誘客にとっての課題、鬼門と言ってもいいかもしれませんが、冬季間、特に1月、2月と言うことができるのではないでしょうか。先ほど答弁いただきましたように、市におきましても、共通の認識で数々の冬場の誘客に取り組んでいます。そこにさらにもう一押しが欲しいというわけでございます。 そこで、もう一押しについて、私が思いつくままに幾つか例示します。 1つとしまして、現在夏に集中しています誘客イベント予算の一部を冬季へ移行し、冬季間の誘客にテコ入れをする。観光予算の増額が図れればいいんですが、今の予算内でやるとしたらという提言でございます。 2つ目、市の管理する文化施設、観光施設の幾つかが連携しまして、冬季間限定のプレミアムチケット、優待あるいは割引チケットをつくる。 3つ目です。ことし1月12日の日本経済新聞NIKKEIプラス1です。日本経済新聞のその部分を持ってまいりました。日本経済新聞が発行するNIKKEIプラス1というこの新聞でございます。これによりますと、この中の何でもランキング、夜景ナンバーワンという評価に松本城が選出されました。この一番上に載っているのが松本城でございます。2番目が北海道の五稜郭、3位が大阪城、4位が弘前城、姫路城が5位という、そういう評価でございます。この記事を若干読んでみますと、空気の澄んだ暗い夜に浮かぶ城は、凛という言葉が似合う。冬にこそ訪れたい夜の城と、松本城が高く評価されています。つきましては、松本城の夜景と冬の星空観賞及び松本のバーなどを組み合わせた旅行商品を業者につくってもらうように促す。 以上3点が、私のささやかな提案でございます。強力な一押しと言うには、いささか迫力に欠けているかもしれません。 七十数年前に札幌市では、冬の雪による観光客の落ち込みを逆手にとって、さっぽろ雪まつりを企画し、今では日本を代表する大イベントに成長しています。松本にもそのようなイベントができないでしょうか。 そこで、松本の寒さを逆手にとった冬季間の誘客策について、若者や専門家等を交えて、ざっくばらんな雰囲気の中で知恵を出し合っていただくような機会、検討委員会のようなものを設けていただいたらいかがでしょうか。見解をお伺いします。
○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。
◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 冬のイベント等の取り組み強化につきましては、来年2月に開催を予定しております国宝松本城氷彫フェスティバルを世界大会に拡充するよう、計画をしております。具体的には、オリンピックイヤーにふさわしい記念イベントの開催、台湾や香港へのプロモーションの強化、海外招待選手の出場枠の拡大などの取り組みを予定しておりまして、関係する補正予算を本定例会に計上しているところでございます。 いずれにいたしましても、冬季の集客は旅行業界全体の課題でございますので、議員ご提案のとおり、新しいアイデアを引き出すためにも、若者や専門家を入れて協議をするということは大変有意義であると考えます。今後、松本商工会議所、一般社団法人松本観光コンベンション協会など関係団体とも協議をし、冬季の誘客強化対策を検討する場を設けることにつきまして検討してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 来年2月に開催予定の国宝松本城氷彫フェスティバルの規模を拡大して、世界大会にして開催する予定という答弁をいただきました。大歓迎でございます。オリンピックイヤーにふさわしい記念イベントということでございましたが、冬季間の観光誘致促進という観点から、ぜひ定例化していただきたいものでございます。 3回目は要望といたします。 松本では、官民合わせて実に多くの誘客イベントが開催されています。思いつくままにざっと挙げてみます。1月は、国宝松本城の正月開門、松本あめ市、国宝松本城氷彫フェスティバル、来年は2月ということでしたが、従来は1月に行われておりました。5月にはクラフトフェアまつもと、6月は隔年で信州・まつもと大歌舞伎、信州ワインサミット、7月は国宝松本城太鼓まつり、8月は松本ぼんぼん、松本サマーフェスト、OMF、9月はクラフトビールフェスティバル、りんご音楽祭、10月は松本マラソン、四柱神社例大祭、信州・松本そば祭り、11月は松本まつり、松本城ウオークなどです。他市と比較しましても実に多彩な内容で、自然や歴史、文化と結びつき、松本のイメージづくりと交流人口の拡大に大きく寄与しているものと評価しています。 来年は、国宝松本城氷彫フェスティバルを2月に拡大して実施する予定ということで、期待しております。国宝松本城氷彫フェスティバルに特に期待するのは、氷彫がつくり上げられる、夜を徹しての作業風景を市民と観光客が間近に見られることです。現状では誘客にそれほど結びついていないという評価もあるかもしれませんが、さっぽろ雪まつりにしても、最初から大盛況であったわけではありません。継続したからこそ定着したのです。 国宝松本城氷彫フェスティバルを私なりにイメージしてみました。先ほど申し上げました夜景の城、全国ナンバーワンの国宝松本城、寒空に凛としてたたずむ漆黒の国宝、堀の水面に浮かぶ逆さ天守を背景にして、厳寒の中、白い息を吐きながら黙々と氷を彫る選手たち。氷のステージの上では、プロ、アマチュアそれぞれがパフォーマンスを披露しています。防寒具に身を包み、ホットミルクや熱々の甘酒を飲み、温かいそば、鍋焼きうどんやおでんを食べて暖をとりながら散策する観客。この日ばかりは市内の飲食店も遅くまで営業し、ホテルの門限も制限なし。日付がかわったころ、観光客がホテルに戻ってきます。翌朝早々、氷彫のできばえを確認に、観客が三々五々集まってきます。これは私のイメージでございます。いかがでしょうか。 さらに何らかの一工夫を加えれば、観光客の誘客につながる、松本の冬の名物イベントに育て上げられるのではないでしょうか。国宝松本城氷彫フェスティバルを、段階的で結構ですので、充実強化するよう要望し、1件目の質問を終わります。 次、2件目、2027年長野国体・障害者スポーツ大会についてお伺いをいたします。 2027年(令和9年)、長野県において国民体育大会及び障害者スポーツ大会が開催されます。今から8年後ですが、施設整備や競技人口の強化、機運の醸成など数々の準備が必要だと思いますが、ここではハード面、施設整備の状況についてお伺いをいたします。 新聞報道によりますと、松本で開催されるのは、開閉会式のほか、以下の競技種目が内定しているということでございます。1つはサッカー少年男子、2つ目、バレーボール6人制成年男子・成年女子、3つ目、自転車トラックレース全種目、4つ目、軟式野球成年男子、5つ、なぎなた全種目、6つ目、陸上競技全種目、以上の6競技です。 それぞれの松本市の競技予定施設は、現在建設中のところや大規模改修予定の施設などいろいろであります。そこで、8年後の国体開催に向けて、各競技受け入れ施設の現状と課題、今後の整備方針についてお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) 国体の受け入れ施設に係る2点のご質問にお答えいたします。 先ほどご案内いただきました、本市で開催が内定しました6競技につきましては、松本市総合体育館、松本市野球場、改修中の四賀運動広場、松本市サッカー場、美鈴湖自転車競技場の5施設を競技会場として使用することとなっております。 そこで、各施設の現状と課題ですが、松本市総合体育館、そして松本市野球場は、いずれも平成3年の開場から30年近くが経過していることから、施設全体の老朽化が課題となっており、松本市サッカー場につきましては、人工芝の摩耗が課題となっております。 なお、美鈴湖自転車競技場につきましては、平成27年に開場した比較的新しい施設であり、改修中の四賀運動広場は、来年度リニューアルオープンの予定でございます。 このような状況から、松本市総合体育館については、今年度、トイレの洋式化及び内装の改修工事を実施し、来年度以降は空調システム関係の改修工事を予定しております。また、松本市野球場については、特に雨漏り等が課題となっているため、今年度後半から来年度にかけて大規模改修工事に着手することとしており、また、松本市サッカー場では今年度、人工芝の全面張りかえを行うこととしております。 次に、今回の国体に向けた整備方針についてですが、原則として既存施設を有効利用することとしておりますので、先ほど申し上げましたとおり、従来から進めていた改修等を計画的に進めてまいります。 また、開催6年前には中央競技団体の会場視察を受け、競技ごとの課題が整理される予定ですので、この結果に基づいて関係機関及び団体と協議を重ね、新たな整備が必要となった場合には、国民体育大会開催補助金等を活用しながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 各受け入れ施設ごとに各競技団体と協議を重ねて、国民体育大会開催補助金等を活用しながら整備を進めていくという趣旨のご答弁をいただきました。ぜひ有利な補助金を活用しまして、積極的な整備を進めていただきたいと思う次第でございます。 さて、開閉会式及び陸上競技は、今井の松本平広域公園陸上競技場で開催されます。現陸上競技場は、昭和53年、やまびこ国体のときに建設されたものです。既に42年経過しています。8年後の次期国体開催時には建設後50年を経過するわけでございまして、施設の老朽化が目立っております。 松本平広域陸上競技場は、長野県の真ん中で交通利便な地域に立地していることもありまして、県的、あるいは北信越など広域的な大会がしばしば開催され、大型バスが何台も並んでいることも多くあります。このようなとき、応援に駆けつけた家族や選手、役員などのマイカーの駐車場が足りなくて、路上駐車なども見受けられ、駐車場の拡張も求められています。 そこで以下3点質問いたします。 1点目、松本平広域公園陸上競技場は県所管の施設ですが、改修に向けて現在どのような検討が県において進んでいるのか、その状況について伺います。 2点目、このような状況から、陸上競技場、サブグラウンド、庭球場、体育館、駐車場、周辺のマレットゴルフコースなどを一体とした拡張、再整備が必要だと私は感じていますが、市の見解をお伺いします。 3つ目、昭和53年、やまびこ国体のときは、早い段階で国体準備組織を立ち上げました。準備組織立ち上げに向けた今後の取り組み方針について伺います。 以上で2回目の質問を終わります。
○議長(村上幸雄) 伊佐治
文化スポーツ部長。
◎
文化スポーツ部長(伊佐治裕子) 3点のご質問のうち、まず松本平広域公園陸上競技場の改修の検討状況についてお答えいたします。 県におきましては、今年度、陸上競技場の整備方法の検討に着手し、現在、3つの整備手法の検討を進めております。1つ目は既存の陸上競技場の改修、2つ目は現在の場所での建てかえ、3つ目は公園内の別の場所での新設の3案で、それぞれ施設規模、周辺環境や公園利用への影響予測、概算費用などを比較評価する検討を進めており、年度内には整備の方向性が示されると伺っております。 次に、公園一体の拡張、再整備についてです。 松本平広域公園は、松本市民のみならず、周辺市町村の皆様にスポーツや憩いの場として広く親しまれていることから、本市といたしましても、国体を契機に、周辺環境の整備とあわせ、より一層の機能充実が図られることが必要と考えております。 そこで、ことし7月に行われました地元県議会議員との懇談会におきましても、公園一帯の再整備については、県において早期にビジョンを示し、アクセス道路や周辺環境の整備等も含め、より総合的なスポーツゾーンとしての機能を充実するよう要望をしたところでございます。 次に、国体準備組織の立ち上げに向けた今後の取り組みについてでございます。 昭和53年のやまびこ国体の際には、大会6年前に国体準備事務局を設置しております。また、主会場として、昨年国体を開催した福井県福井市では大会6年前に、一昨年開催の愛媛県松山市では大会5年前に、それぞれ3名の職員配置をし、その後、組織を拡大して対応している事例がございますので、先催県の状況等を研究し、組織体制とともに研究をしてまいります。 なお、直近の取り組みといたしましては、今年度内に周辺道路の整備や全国障害者スポーツ大会に対応する課題の整理や取り組み方針を調整するため、文化スポーツ部のほかに建設部や健康福祉部など関係部による庁内連絡体制を組織してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 3回目は要望といたします。 松本平広域公園陸上競技場の改修につきましては、現在、県において検討中と、年度内にその結論が公表されるようでございますので、期待を込めて検討結果の発表を待ちたいというように思います。 ところで、陸上競技場に大学生などの合宿地とした宿泊機能が整備できたら、新たな可能性も広がります。標高650メートルの準高原、信州の夏、冷涼な空のもとで、トレーニング環境は抜群です。現在、陸上競技場の隣には、1周400メートルのサブグラウンドがあります。その周囲の林の中には、木漏れ日の中を走る林間コースがあります。さらに、隣接する信州まつもと空港を周遊するコースは、1周約10キロメートルあります。いずれも松本平広域公園内ですから、自動車は通行しません。トレーニングするのに、これほど恵まれた環境はありません。陸上競技場の整備に当たっては、ぜひ合宿等を誘致できる宿泊機能をあわせて検討することを県に要望していただくよう要望いたしまして、この質問を終わります。 次に、旧開智学校と周辺整備について伺います。この質問につきましては、昨6月定例会で勝野議員も質問されております。 重要文化財旧開智学校校舎が、近く国宝になります。市民の一人としてまことに喜ばしく、誇りに思っています。先ごろ議員研修で伺った信州大学工学部の梅干野准教授によりますと、国宝指定の建物は全国で226件、長野県には5件で、1つの市に国宝の建造物が2つもあるのは非常に珍しいとのことです。ここに至るまで、教育資料の収集、分析、構造物としての価値の評価などに努めてきました、関係者の長年にわたる地道な取り組みの成果と高く評価しております。 梅干野准教授によりますと、明治9年(1876年)竣工の旧開智学校校舎は、近代建築史において擬洋風建築の代表作として高い評価を得ており、建築学を志す学生にとっては必須対象の建築物ということだそうです。旧開智学校の38年後の大正3年(1914年)に竣工した東京駅は、現在、国の重要文化財ですが、設計した辰野金吾は、後の帝国大学で西洋の建築学を学んだ建築家であったのに対しまして、旧開智学校は、松本の大工、立石清重が建築したことにも大きな意味があるということでございます。 市長は今定例会冒頭でも、国宝となる旧開智学校校舎周辺整備を行うと表明されました。このように日本を代表する擬洋風建築、間もなく国宝となる旧開智学校校舎を今後どのように保存し、活用していくのでしょうか。旧開智学校及びその周辺に現在どのような課題があると認識しているか。また、今後の取り組み方針について伺います。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 旧開智学校校舎の国宝指定の答申を受け、校舎及びその周辺のさまざまな課題を部局横断で検討するため、本年7月に庁内検討会議を設置しました。その中では、課題といたしまして、周辺の駐車場問題や歩道のユニバーサルデザイン化、また、校舎内の休憩所の設置や展示・収蔵施設の整備、案内板・パンフレットの多言語化など挙げられております。 今後につきましては、まずは看板の多言語化など身近な環境整備について、できるところから準備を進めております。また、計画的な対応が必要な整備に関しましては、庁内検討会議で整理した対応方針を、現在作成しております保存活用計画に反映し、国の認定をいただいた上で、スピード感を持って整備事業に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 庁内検討会議で検討し、国の認定を受けて進めるという趣旨の答弁でございました。 次に、旧開智学校周辺整備に関連して、隣接する中央図書館について伺います。 松本市の図書館は、中央図書館を本館とし、10カ所の分館で構成されています。分館は市内各地に点在し、市民にとって利用しやすい体制となっております。本館、分館、合わせて蔵書数約125万冊、貸し出し冊数約152万冊は、県下トップレベルの規模ということだそうでございます。 さて、現在の中央図書館は平成3年10月開館ですから、開館以来27年が経過し、老朽化と狭隘化が目立つようになってきています。私なりに感じている課題を幾つか挙げますと、まず、収蔵庫の絶対的な不足、空調設備の老朽化、これはユタ日報など貴重な資料の保管、管理に影響を及ぼします。それに駐車場不足、書籍管理面ではICタグ化の検討などです。図書館正面への進入路は、公道ではなくて開智公園の一部であるというのも不自然でございます。これらの課題に対してどのように認識し、今後どのように対応されるのかお伺いします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 中央図書館は、開館以来、間もなく28年目を迎えようとしておりますが、市民の皆様への情報や学習の機会を安全、快適に提供するとともに、資料の一層の充実を図る上で、議員ご指摘のような、早急に解決しなければならないさまざまな課題に直面していることは十分に認識しております。 そのため、現在、図書館職員による図書館のあり方検討会を設置し、議員ご紹介の課題も含め、将来の図書館のあり方の検討を進めております。今後は、庁内の関係課や図書館の諮問機関として設置されております図書館協議会などからご意見をお聞きしながら、課題などを整理した上で、一定の方向性を出してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 さて、話を戻して、旧開智学校です。旧開智学校校舎が正式に国宝指定された暁には、所蔵する膨大な教育資料及び建築資料の保管と展示方法が大きな課題となります。旧開智学校校舎国宝指定に当たっては、立石清重の設計図や工事の記録、東京への見学旅行のスケッチや日記、これらが附資料として追加指定されました。附資料というのは、国宝の建造物と一体となって価値のある資料のことだそうでございまして、展示に当たっては、展示室の温度、湿度、照度など、文化庁の厳格な基準があります。旧開智学校には空調設備がありませんので、資料展示は、空調設備の整った施設を新たに整備する必要があります。現在は、旧開智学校の所蔵する資料は、空調設備のあるお隣の中央図書館の一室に所蔵されているということだそうでございます。 先ほど質問したとおり、中央図書館は、みずからが狭隘化及び空調設備の老朽化に悩んでおり、これらの問題を解決するには、両施設間の抜本的な調整が必要です。先ほど旧開智学校の整備にあわせて中央図書館整備を質問したのは、このためでございます。 次に伺いたいのは、エリアを拡大した、次の質問です。 旧開智学校周辺整備に当たっては、開智公園内に所在する施設、旧開智学校、それから旧司祭館、庭球場、これは所在するところが開智公園内でございます。それから、公園の中には入っていませんが、中央図書館、松本幼稚園です。これら周辺に位置する市関係機関、教育委員会とか文化スポーツ部、建設部が関係するかと思いますが、協力して知恵を出し、一体的整備が必要だと考えますが、ご見解を伺います。 以上でこの件についての質問を終わります。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 議員ご指摘のとおり、貴重な資料の展示環境の整備や収蔵場所の確保が必要なことについては、大きな課題として捉えております。そのため、資料の展示収蔵施設を初めとする周辺整備の検討については、この7月に設置をいたしました庁内検討会議のメンバーに、旧開智学校校舎周辺の公共施設を所管する関係課、中央図書館なども含めておりますので、今後も引き続き検討を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 次に、4点目、弘法山古墳について質問をいたします。 最近、松本の古代が輝いています。最近の新聞報道によりますと、弘法山古墳について東海大学が調査に入ったと報じられるなど、弘法山古墳が改めて脚光を浴びています。弘法山古墳につきましては、上條美智子議員が平成30年9月定例会及び平成31年2月定例会において詳細な質問をしております。古代のロマンに満ちた弘法山古墳ですが、私は、市民の関心が高まりつつある中で、貴重なこの古墳のことをさらに多くの市民の皆さんに知っていただきたく、素朴な疑問について質問をいたします。 市教育委員会が作成しました史跡弘法山古墳パンフレットには、全国的に注目される前方後方墳、東日本最古級の前方後方墳とあります。前方後円墳はよく耳にしますが、弘法山古墳は前方後方墳とのことでございます。 そこで以下についてお伺いいたします。 1つ、弘法山古墳の歴史的価値。 2つ目、なぜ全国的に注目されているのか。 3つ目、誰の墓か。 4つ目、なぜそのような古い古墳が松本にあるのか。 5つ目、開成中学校の所在する山ですが、棺護山というんだそうです。棺護山の字は、棺を護る山と書きます。あたかも弘法山古墳を守るような不思議な名前がついている山について、これから東海大学が調査をしようとしているのですが、東海大学はどのような調査をしようとしているのか。 以上5点について、わかりやすく教えていただきたいと思います。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 何点かのご質問に順を追ってお答えをいたします。 まず、歴史的な価値、全国的に注目されている理由についてでございます。 弘法山古墳は、昭和49年の学校建設に伴う発掘調査によりまして、東日本では数少ない、3世紀末に築造されました前方後方墳であることが判明をいたしました。古代国家の成立に伴い、大和政権の支配下では前方後円墳が築造されるようになりますが、弘法山古墳は、それ以前の信濃国の状況を示す重要な古墳と位置づけられております。近年では、古墳の出現期がさかのぼり、邪馬台国の女王卑弥呼が活躍した弥生時代の終末期と重なる状況になっており、卑弥呼が初期の大和政権と関係するのではないかとの指摘もされております。このため、前方後円墳は、卑弥呼から大和政権のころの古墳であるのに対し、前方後方墳は、魏志倭人伝に記された邪馬台国と対立する狗奴国の古墳ではないかという議論が研究者の間で行われていることが、注目を集めていることでございます。 次に、誰のお墓で、なぜ松本にあるのかについてでございます。 以上のような状況から、弘法山古墳の埋葬者は、信濃国が大和政権の影響下に入る前の、東海地方と関係を持つ、この地方をおさめた支配者だと考えられます。また、弘法山古墳がこの地に築かれた背景として、律令制がしかれた8世紀以降に松本地域に東山道が通り、信濃国府が置かれたように、この地域が近畿地方と東日本を結ぶ交通の要衝であったことが深くかかわっていると考えられます。 最後に、東海大学の調査についてでございます。 東海大学が8月下旬から9月上旬にかけ、弘法山古墳周辺の棺護山古墳群と中山北尾根古墳群の測量を実施しておりまして、現在、早稲田大学も合流をしております。これらの測量データをもとに、調査指導委員会で協議をし、発掘調査計画を作成した上で、来年度から発掘調査に入る予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 邪馬台国とか卑弥呼とか言葉が出てきますと、子供ならずともわくわくするわけでございます。弘法山古墳の築造は3世紀末と推定されているというご答弁でございました。弥生時代の終末期、古墳時代の前期と、邪馬台国卑弥呼の時代と重なる時代だというような答弁でございました。 さて、ここから、弘法山古墳のこの時代の謎多き話題を若干紹介いたします。 古事記に、天照大御神が天岩戸にこもったために世の中が暗くなったという神話が記されております。これは長らくおとぎ話として捉えられていて、研究者は史実とは認めていなかったというふうに聞いております。一方で、天文学的に、西暦248年、日本に皆既日食があったことが判明しています。西暦248年といいますと、邪馬台国の卑弥呼の時代と重なると想定されている時代です。このときの皆既日食が、太陽神である天照大御神が天岩戸にこもった伝説、神話につながったのではないかと想定する研究者がいます。そうすると、卑弥呼と天照大御神は同一人物ではないかという疑いが発生します。 弘法山古墳の埋葬者は、大和政権誕生前の時代、この地方をおさめた支配者だと推定されているとの答弁でした。ということは、もしかしたら卑弥呼と何らかの接点があったかもしれません。このように考えてみると、東日本では数少ない、3世紀末に築造されたと推定される弘法山古墳の全貌解明に大きな期待がかかります。 さて、そこで1点目の質問ですが、弘法山古墳の整備は完了まで10年間という長期間を想定しているとのことでありますが、この弘法山古墳の整備事業が松本市のまちづくりにどのような意味があるのか伺います。 次に、2点目の質問です。 弘法山古墳の時代から三、四百年ほど時代は下りますが、日本書紀によると、672年の壬申の乱に勝利しました大海人皇子--後の天武天皇でございますが、即位後、信濃に都をつくろうとして地形を調査させています。調査の結果、都をつくることは無理と見て、行宮--天皇が行幸の際に旅先に設けた仮宮のことだそうでございます、行宮をつくることとし、準備のために官僚を信濃へ派遣しています。造都が無理とわかっても、諦めずに行宮をつくろうとしたことからも、天武天皇の信濃に対する執着の強さがわかります。日本書紀は、天武天皇の強い執念を「蓋し束間温湯に幸さむと擬ほすか」と記しています。このときの「つかま」という字は、「束間」と書いて「つかま」というふうに記されております。私流に解釈すると、天皇はまさしく束間の温泉に行幸しようとお考えになったのではないかというような意味かと思います。 日本書紀に書かれているこの束間の湯がどこかと長く詮索されてきました。松本には、漢字は違いますが、筑摩神社があります。束間の湯は、浅間や美ケ原の温泉に比定--なぞらえるというような意味だそうです、比定されていますが、確証がなく、定説とはなっていないといいます。 そこで質問です。天武天皇が望んだ信濃の行宮の場所について、教育委員会ではどのように認識されているのか伺います。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) 2点のご質問にお答えをいたします。 まず、弘法山古墳の松本市のまちづくりにおける意味についてお答えをいたします。 ご承知のとおり、松本市では、松本市
歴史文化基本構想及び松本市文化財保存活用地域計画を策定し、この中では、市民が地域の歴史や文化に愛着や誇りを持ち、さらに、観光などの経済振興につながる魅力あるまちづくりを進めることを目的としております。松本の歴史や文化を語る上で、それぞれの時代のこの地域の魅力を伝える代表的な文化財をご紹介しますと、原始ではエリ穴遺跡の出土品、古代では弘法山古墳、中世では殿村遺跡と小笠原氏城館群、近世では松本城、近代では旧開智学校、牛伏川階段工などを設定して、それぞれ一層の活用に向けた調査、整備を進めております。 このように弘法山古墳は、日本の古代史や郷土の歴史を解明していく上で重要な古墳と認識しており、現在、周囲の中山古墳群と一体で調査、整備を進めております。将来は、市民の学びの場として、全国の歴史ファンが訪れる観光資源として、一層の魅力あるまちづくりにつながるよう活用してまいりたいと考えております。 次に、天武天皇の束間行宮についてお答えをいたします。 日本書紀に記された天武天皇の束間行宮は、律令制で定められた信濃国筑摩郡と推定されており、ここでいわれる束間の湯は、現在の浅間温泉か美ケ原温泉ではないかと言われております。松本市教育委員会では、これまで束間行宮としての調査は行っておりませんが、天武天皇の行宮から1世紀ほど後の8世紀末ごろには、信濃国府が東信地方から松本に移ったと推定され、その国府の所在については、昭和57年から5年間をかけて、惣社周辺を中心に発掘調査を実施しました。国府に関係する遺構や遺物は発見されませんでした。束間行宮、信濃国府とも、松本地域の古代史解明の課題となっております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 上條 温議員。
◆19番(上條温) 〔登壇〕 3回目は要望といたします。 松本市には、各時代を通じて文化財が豊かに残っております。他市においては必ずしもそうではないと漏れ聞いております。これは、文化財を尊重する松本市民の民意の高さと、あわせて、それぞれの文化財を発掘、学術調査、保存に地道に取り組んできた学芸員の皆さんの努力あってのことを忘れてはならないと思います。 最近の新聞報道では、先ほども発言がございました、内田にある縄文時代のエリ穴遺跡から出土した土偶や土でつくられている耳飾りが県文化財保護審議会へ答申されることが決まり、審議会の答申を経て、早ければ10月にも県宝の指定を受ける見通しとのこと。また、松本市の文化財がその価値を高めてくれます。 松本市の文化財は、文化薫るアルプスの城下町を標榜する松本市のソフトパワーとして、松本市の魅力の一端を担っています。文化財行政がますます発展するよう期待しまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で上條 温議員の質問は終結いたします。上條議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後3時55分といたします。 午後3時29分休憩 ---------- 午後3時55分再開
○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 市政一般に対する質問を続行いたします。 6番 塩原孝子議員の質問を行います。塩原議員は質問者待機席へ移動してください。 6番 塩原孝子議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の塩原孝子でございます。日本共産党松本市議団を代表して、澤田佐久子議員、犬飼明美議員とともに質問いたします。一問一答方式で行いますので、よろしくお願いします。 まず、加齢性難聴者への補聴器購入への公費助成の創設についてでございます。 一般社団法人日本老年医学会の報告によれば、70歳を超えると約半数の方が難聴になると言われています。日本は超高齢化社会ですので、加齢による難聴患者が全国では約1,000万人いると推計されます。国民の10人に1人が加齢性難聴者ということになります。松本市の70歳以上が8月1日現在5万1,551人ですので、2万5,000人ぐらいの方が難聴者であることが推定されます。 地域の高齢者の方からは、テレビの音がどんどん大きくなって、同居人から苦情を言われる、講演会や会合などよく聞こえないので行きたくなくなる、人の言っていることがよくわからないために誤解を生じる、電話は聞こえない、耳が聞こえないのはかなり悲しいといった切実な声が寄せられています。難聴によってコミュニケーションがうまくいかなくなると、家族や社会から孤立して、生活の質や生きる意欲まで低下してしまいます。 また、難聴と認知症の関連も指摘され、認知機能の低下が正常聴力の方よりも32%から41%の悪化が見られていると、国際医療福祉大学教授の神崎 仁氏の著書にも書かれています。沖縄で高齢者難聴に特化した診療所を開設している野田 寛氏によれば、動脈硬化による血流の障害が背景にあることを診察の中で推察しています。加齢による動脈硬化などで血流が悪くなると、たちまち耳の働きに影響してきて、早い人では30歳から40歳代で高い音が聞きづらい方もいるとのことです。 2017年に開かれた認知症予防の国際アルツハイマー病協会国際会議では、認知症の修正可能な9つのリスク要因の一つに難聴が挙げられ、難聴により脳に入ってくる情報が少なくなることが脳の機能低下につながり、鬱病や認知症につながるとも指摘されています。新オレンジプランの中でも、認知症の発症予防の推進と認知症高齢者の日常生活を支える仕組みづくりについて、国を挙げて取り組み始めましたが、その中でも、認知症の危険因子として、加齢や高血圧のほかに難聴も一因として挙げられています。介護予防の観点からも、必要な対策をとるべきだと思います。 高齢者が社会参加することが、今後一層望まれることですが、この社会参加を阻む一つの要因が、この難聴であると思われます。 そこで、第7期介護保険事業計画・高齢者福祉計画策定時に実施した高齢者の実態調査において、社会参加への状況や意欲について把握されていることや、難聴が生活の質に及ぼす影響についてどのようなことが考えられるかお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) 〔登壇〕 お答えします。 高齢者実態調査の結果から申し上げますと、高齢者の社会参加状況は、サークルや老人クラブに参加されている方が2割弱、社会活動への参加や仕事についている方は3割未満となっています。また、社会参加への意欲では、趣味や娯楽、スポーツ活動へ参加したいと思われている方が6割弱となっています。 なお、外出を控えている方のうち、耳の障害を理由としている方が1割弱となっています。 次に、実態調査では、難聴による生活の質に及ぼす影響については調査しておりませんが、聞きづらいことを理由に、仕事やサークルへ行きづらくなる、家族や友人とのコミュニケーションがうまくいかなくなる、危険を察知する能力が低下するということが一般的に言われております。 また、議員からご紹介がありました新オレンジプランでは、難聴が認知症の危険因子の一つとして指摘しているところでございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 社会参加への意欲はあるが外出の機会を控えている理由として、耳の障害があるからと答えている方が1割弱とのことです。難聴と社会参加との関連や生活の質への影響については、明らかな実態はこの調査ではわかりませんが、ぜひ次回の実態調査時には、聞こえに障害を感じているか、社会参加との関連という項目をつけ加えることを要望いたします。 東京都の台東区ではこの項目をつけ加えたところ、65歳以上の方の20%が聞こえに何らかの障害を抱えていることがわかったそうです。 現在、補聴器購入への助成は、身体障害者手帳の保持者で高度、重度の難聴者のみで、70デシベルから90デシベルの方が公費対象となっています。70デシベルは、掃除機の音がやっと聞こえる、80デシベルは、電車がホームに入る音が聞こえるレベルです。 WHOでは、日常生活に支障を来す中等度の難聴、41デシベル以上を装着基準としています。41デシベルは、基本的には聞こえるけれども、時々人の言うことが聞き取れない、聞きづらいというレベルです。早目の段階から補聴器を使うことで、コミュニケーションを支え、脳への刺激を維持し、認知症の予防にもつながります。 欧米諸国と日本の補聴器の所有率を比較しますと、一番高いのがイギリスの47.6%、次はフランスの41.0%、ドイツが36.9%、アメリカが30.2%、日本はわずか14.4%の低さです。この低さの原因は何なのでしょうか。ヨーロッパでは手厚い公的補助があり、国家資格を持つ聴覚の専門家や医師が補聴器を調整しているそうです。 補聴器の所有率の低さについてどのようにお考えか、見解をお聞かせください。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 補聴器の所有率が低いことにつきましては、本市で調査等を行った経過はございませんが、昨年、一般社団法人日本補聴器工業会が実施いたしましたJapan Trak2018の調査報告が公表されております。それによりますと、補聴器をしない主な理由といたしましては、煩わしい、補聴器を使用してももとの聞こえには戻らない、難聴がそれほどひどくはない、補聴器は騒音下では役に立たないなどとなっており、また、補聴器を購入する経済的な余裕がないと回答された方もおりますので、補聴器の値段が高いということも、所有率が低い要因の一つであると考えております。また、難聴を含め、老化に伴う身体機能の低下に対して、年のせいと放置してしまうといった事例もあろうかと思います。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 所有率が低い要因の一つに、値段が高いというものがあると思います。一般的に、片耳だけで3万円から20万円、高いものだと50万円もします。両耳ですとその倍になりますので、マクロ経済スライドで年金が年々削られている現状の中で、購入が先延ばしになり、かなり重度になってからの対策になっています。補聴器を購入しても、合わないので使わなくなったという方もおられます。一人一人丁寧に調整する仕組みが整っていないという課題もあります。 障害者手帳を持たない高齢者への補聴器購入への助成が、全国では20の自治体が単独で行っています。 長野県の木曽町では、65歳以上で所得制限なしで、上限額3万円の助成が行われています。補聴器の種類は問わず、事前の申請もなしで、領収書と申請書の提出で、後日、口座にお金が振り込まれるという方式です。5年たてば再申請ができます。 東京都の江東区では、現物給付で、4万5,000円の補聴器を毎年400個、予算化をしていて、年に380個くらい支給実績があります。この江東区の特徴は、補聴器の利用で多い、自分に合わない、効果がないなどの声に対応していることです。毎週決まった日に技術支援として、それぞれの利用者に合わせて補聴器を調節しています。とても便利と好評で、その費用も自治体が予算化していて、利用者負担はありません。 社会福祉法人恩賜財団済生会宇都宮病院の耳鼻咽喉科の新田清一先生は、買ってつけてすぐ聞こえるようにはなりません、難聴の脳は、最初から聞き取りに十分な音量、10割を入れるとつら過ぎるので、7割程度の音量からスタートして、徐々に音量を上げていくのがよい、3カ月間は脳のリハビリと思い、一、二週間に1回の通院でリハビリを行っているとのことです。 国会でも、この補聴器購入に補助制度を、との要望が取り上げられて、厚生労働省の諏訪園健司審議官は、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下予防効果を検証するための研究を推進すると答弁をしています。全国的には、地方議会でも、国に補聴器購入費用の助成を求める意見書の採択が急増し、27の議会が採択、長野県議会では全会一致で採択されています。 このような流れの中で、松本市として、65歳以上の中度の難聴者の補聴器購入への公費助成や調整への公的支援を求めますが、いかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 加齢性難聴により身体障害者手帳が交付された方につきましては、必要と認められる場合に、日常生活の能率の向上を図ることを目的として、補装具費の支給を受けることができますが、身体障害者手帳の対象とならない方につきましては、現在のところ、補聴器の購入に当たっての助成制度はございません。 加齢性難聴への補聴器購入に当たっての助成については、ただいま議員からご紹介のとおり、長野県議会において、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書が可決され、国に対して公的補助制度を創設するよう要請をしているところでございます。また、国においても、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下予防の効果を検証するための研究も開始されたとお伺いしました。 そうした経過も踏まえ、65歳以上の中等度の加齢性難聴者の補聴器の購入及び調整に対する公費支援につきましては、国・県の動向を注視し、判断していきたいと考えております。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 65歳、70歳でも働ける方がいらっしゃいます。就労支援の観点でも、社会参加の観点からでも、予防の観点からも、適切な時期に補聴器の装着は必要です。健康寿命延伸都市を掲げている松本市として、ぜひ、国の動向を待つのではなく、松本市で、先般でも申し上げましたが、事業計画策定前の高齢者実態調査に、難聴が社会参加に及ぼす影響や、聞こえに障害を感じているかの項目を追加することを要望いたします。また、難聴の高齢者の方や家族の方の実態を把握し、耳鼻咽喉科の先生や補聴器販売店などからもしっかりと話を聞いていただきたいと思います。今回、全日本年金者組合からも、補聴器購入への公費助成の陳情が上がっています。市単独での公費助成、また、国に対しても意見を上げていってほしいことを要望いたしまして、この質問は終わりにいたします。 次に、障害福祉行政についての質問に移ります。 自立支援給付として、障害者の方たちのサービスの利用について伺います。 現在、国の施策としては、障害児・者施策については、施設や病院から地域で暮らせるようにという流れになっていますが、全国的にもこの地域移行が進んでいない現状があります。ことしの5月に国連障害者権利委員会に提出された日本障害フォーラムのパラレルレポートによれば、地域での生活を行うための社会資源が圧倒的に不足していて、多くの障害者の生活は家族依存を強いられていると述べています。 松本市のこの3年間の身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳の交付状況を見ますと、身体障害者手帳は横ばい、療育手帳は1.07倍、精神保健福祉手帳は1.17倍と、増加をしています。自立支援給付としてサービスを利用している方は、1.22倍に増加しています。 障害者の方がサービスを利用する際に、障害支援区分の認定を受けなければなりませんが、現場ではこの障害支援区分の認定が出るのが遅いために、在宅サービスを使うのに申請から2カ月かかってしまうという事例があり、相談がありました。糖尿病の合併症で腎不全や神経障害があり、調理支援に週5回はヘルパーさんに入ってほしい事例でしたが、週5回入ってもらえたのは申請から2カ月後だったということです。 障害支援区分の申請から決定までの経過と、その際に行われる障害支援区分認定審査会の開催頻度について伺います。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 障害支援区分認定の申請から決定までの過程につきましては、障害の状態や日常生活の状況をまず障害福祉課の調査員が調査し、国の定めた障害支援区分認定ソフトにより1次判定を行います。その後、松本広域連合の障害支援区分認定審査会で2次判定の審査を行い、最終的に区分が決定されます。現状では、申請から2次判定までの期間はおおむね2カ月間となっています。2次判定のための障害支援区分認定審査会の開催頻度につきましては、本年度は月におおむね3回以上開催することとし、年間で39回の開催を予定しております。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 おおむね月3回から4回の障害支援区分認定審査会ですと、2カ月かかってしまうことになるのではないでしょうか。原因の一つに、この審査会の開かれる頻度が少ないということがあると思われます。松本広域連合で協議してふやすことも含めて、決定までスピード感を持ってできないでしょうか、お伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現状での申請から認定までにかかる期間は、認定調査のデータを整理するための時間や、必要書類がそろうまでの時間、また、松本広域連合での審査に要する時間であり、制度の仕組み上、ある程度の時間を要するものと認識しております。 松本広域連合の障害支援区分認定審査体制は、3つの合議体があり、1つの合議体は5人で構成されております。医療や保健、福祉の専門家による合議制ですので、審査判定には一定の時間を要します。障害支援区分認定審査会の開催回数は、過去の認定者数や認定期間などを勘案し、翌年度の年間の審査件数を推計して、年間計画を立てております。障害支援区分認定審査会の回数をふやす可能性も含め、サービスを始める一連の手順につきましては、審査会事務局のある松本広域連合と意見交換をしてまいりたいと思います。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 障害者の方がふえていたり、施設や病院から地域で暮らしていくという流れの中で、在宅でのサービスがスピーディーに使えることがとても重要です。課内でも、遅い理由をぜひ検証していただいて、人員不足があれば補充し、松本広域連合の中でも、適切な頻度の障害支援区分認定審査会の開催の協議をぜひお願いいたします。 次に、障害者の方が自立支援給付のサービスを受ける際に、サービス利用計画を相談事業者が作成し、サービスがスタートするわけですが、現在の計画相談事業者数や相談員さんの人数、サービスが順調に進んでいるか、計画の見直しが必要かを訪問で確認するモニタリング回数を教えてください。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 松本市内の障害者相談支援事業者数は、本年4月1日現在27カ所であり、相談支援専門員数は69名となっております。 モニタリングの回数につきましては、国が定めた標準的な基準により、新規サービス利用者については、当初の3カ月間は1カ月ごとに、その後は3カ月または6カ月と定められております。本市の担当ケースワーカーや相談支援専門員、事業者などの関係者がサービス利用者の心身の状況を確認し検討する中で、状態が安定していない場合は、これらの期間よりも短い期間でモニタリング回数を設定しているところでございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 介護保険制度と違って、この障害のサービスについては、事業所数や計画相談員さんの人数は少なく、介護保険は、月1回、ケアマネジャーさんに報酬が支払われるのと違って、障害の分野では、相談事業者に支払われる報酬が、このモニタリング時のみとなっております。また、ケースごとにその回数も違うことがわかりました。半年に1回であれば年間3万円です。経営的には大変厳しい実態があります。モニタリング回数を減らす指導ではなく、事業所と行政で連携をとりながら、適切なモニタリング回数と報酬が入るようにお願いいたします。報酬単価が低いのは国基準であるために、市としては変更はできないと思いますが、国に対してぜひ報酬単価を引き上げるように意見を上げてほしいと思います。 この質問は終わりにいたします。 次に、医療的ケアが必要な障害児・者への支援についてですが、呼吸器をつけた方など、医療的ケア児・者の方が通う場所が少ないとの相談が、お母さんや計画相談員さんから寄せられています。団体タイムケアに登録しているちごちごの会は、呼吸器をつけている障害児は常に母親とセットであることを改善したいと、母子が安心して離れることができるように、お子さんたちを月1回預かる取り組みを始めて、20年間続いています。お母さんたちには、体を休めることができ、大変喜ばれています。ぜひ継続してほしいと要望されています。通常の日も通所できる施設を切望されています。 呼吸器をつけている17歳の障害児を育てるお母さんからは、切実な相談が寄せられました。松本養護学校に母子で通学をしていますが、看護師が配置され、母子分離のモデルケースとしてやっとスタートができたそうです。今までは、兄弟もいるので、自分の都合で養護学校を休ませなければならないときもあったそうです。今井にできた、医療的ケア児・者を預かってくれる雲のポッケを放課後デイサービスで利用させてもらい助かっているが、養護学校卒業後の日中の過ごす場所を来年4月から考えなくてはならず、今のところ、この雲のポッケか安曇野市のほっぷライフしかない。松本市のささらの里にも相談に行ったが、そのときにならないと受け入れはできるかどうかわからないと言われたそうです。気が休まるときがないと言われています。18歳の壁があるようです。 松本養護学校で呼吸器をつけているお子さんが、来年の春には3人は卒業するそうです。医療的ケアが必要な障害児・者や重症心身障害児・者の通所先が足りないのではないでしょうか。切実な問題です。 内閣府がことしの6月に出した平成30年度の障害者白書によれば、医療的ケア児童数は右肩上がりに推移をしていて、この10年間で1.8倍に増加しています。医療的ケア児・者というのは、呼吸器の管理や胃ろうからの栄養補給、たんの吸引などの必要な障害児・者ですが、松本市内でこの医療的ケアが必要な障害児・者や重度の心身障害児・者の実態把握の状況をお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現在、議員からただいま例示をいただいた、医療的ケアを必要とする方のデータは把握していない状況でございます。 次に、肢体不自由1、2級と知的障害A1程度の障害をあわせ持つ重症心身障害者は、令和元年9月1日現在で、18歳以下の方が37人、19歳以上の方が122人となっております。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 先般申し上げましたように、医療的ケアを必要としている方は、全国で、この10年間で1.8倍に増加をしています。ぜひ松本市として実態把握すべきではないでしょうか。 現在、松本市の中で、医療的ケア児が通える施設やショートステイ先、入所先は何カ所ありますか。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 医療的ケアを必要としている障害者は、生活介護事業所等を利用することとなりますが、現在、松本市内で18歳以下の障害児が通所できる施設は、しいのみ学園、年齢を問わず通所できる施設は、先ほどご紹介がありました雲のポッケ、すてっぷの2カ所、19歳以上の障害者のみ通所できる施設は、こきりこささらとなります。また、入所施設としては、独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター松本病院、ささらの里の2カ所、短期入所施設としては、社会医療法人城西医療財団城西病院短期入所サービスが利用できることになっています。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 医療的ケア児はふえているのに、利用できる施設が少ないのが実際のところではないでしょうか。 今井に雲のポッケという、生活介護と放課後障害児デイサービスが開設しましたが、ここは医療的ケアが必要な方のみを預かる場所です。5人定員ではありますが、28人もの方の登録があるそうです。1歳から30歳の方を預かっているそうです。ニーズはあり、申し込みはあるが、断っている現状もあるそうです。お母さんたちは、待望の施設ができたと喜ばれています。先進的に松本市でこのような施設が開設したことは大変重要だと認識しています。 医療的ケアが必要なお子さんを預かるために、複数の看護師の配置が必要ですが、看護師の複数配置加算の基準が厳しく、経営的には大変という声を聞いています。民間任せでいいのでしょうか。公的支援はないものでしょうか。小規模の医療的ケア児・者専門の事業所に対して、公的支援はできないでしょうか、お伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 医療的ケアを伴う施設においては、看護師などの医療職の配置や医療機器の配備等が必要となり、施設の規模に応じて、採算面において厳しくなる施設も考えられます。こうした中、平成30年度の国の報酬改定においては、一定の要件を満たした場合には新たな加算が報酬として評価されるなど、支援の充実が図られてきております。また、この10月には、介護職員の処遇改善を目的に、各種サービス全般に報酬改定が行われる予定となっております。長期的に安定したサービスの提供を行うためには、まずは国の責任において適切な報酬算定がなされるべきものと考えております。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 ぜひ現場に出向いていただいて、実態を把握して、行政としてできることをぜひお願いしていただきたいと思います。 先ほどの答弁の中で、重症心身障害児・者は合わせると159人とのお答えでした。松本市内で重度障害の方が通所できる生活介護の事業所が少なく、高齢者のデイサービスで日中一時支援として通えるようにもなっていますが、うまく交流できている場面もあるようですが、年齢のギャップがあり、ケア内容が合わずに安曇野市穂高まで通所している方もいます。重度障害の方や医療的ケアが必要な方は、入浴が施設環境上できないという課題もあるようです。 安曇野市のほっぷライフは、安曇野市社会福祉協議会が運営している、生活介護と障害児の放課後デイサービスの機能がある施設で、生活介護は20人定員で、送迎、入浴サービスが充実しています。市内に通所先がないために、松本市からは15名もの方が利用しています。その中には波田地区や四賀地区の利用者もあるそうです。行きは親が送り、帰りは施設側に送ってもらうようです。行き帰りの送迎が課題です。池田町の方は、池田町の社会福祉協議会が送迎しているそうです。遠い安曇野市に頼るのではなく、松本市に通う場所を多くのお母さんたちは希望されています。 市内に生活介護の場所は何カ所ありますか。また、今後の整備計画についてお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えをします。 第5期松本市障害福祉計画・第1期松本市障害児福祉計画では、令和2年度末までに19カ所の生活介護事業所の整備を目標としており、現在、市内には18カ所が整備されております。当該計画の目標を達成するために、施設整備の希望のある事業者に対しましては、県及び市の空き施設の譲渡、貸し付け等についての情報提供や設置に係る助言、指導などの支援を進めております。 さらに、障害者総合支援法に基づく市町村事業である日中一時支援事業の中で、生活介護と同等のサービス提供ができる介護保険施設を重度障害者の受け入れ施設として登録をお願いし、事業所の拡大に努めているところでございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 遠いところではなく市内の近い場所で、通える生活介護施設をぜひ開設してください。 養護学校卒業後の行き先についてのお母さんたちの不安の声をお聞きしています。18歳の壁です。重症心身障害児が養護学校卒業後に困ることなく生活を送れるように、通所施設の充実を求める陳情書も出ています。そのあたりを市としても認識していただき、早期に施設が設置できるようにお願いいたします。 次に、強度行動障害児・者への支援についてです。 強度行動障害は、自閉症スペクトラムからの障害であり、具体的な症状としては、自分や他人を傷つける、物を壊す、異食といった、パニック行動を極めて高い頻度で起こしてしまう障害です。自閉症などの発達障害に重度の知的障害を伴っている人にあらわれることが多く、思春期に激しくなるケースが目立ちます。知的障害者の1%程度が該当すると言われています。知的障害者が持つ療育手帳の交付数が全国では約104万人から推計しますと、全国では1万人程度、県内では180人程度いると見られています。 信州大学の医学部子どものこころの発達相談教室の精神科医、樋端佑樹先生によりますと、強度行動障害は、自分の要求が満たされないときにあらわれ、自他問わず危害を及ぼすような行為を頻繁に繰り返すのが特徴。このために、家族は全く気が抜けない。家族のためにも気持ちを落ちつかせる場所が必要だが、その体制は整っておらず、多くの家族が疲弊しながら問題を抱え込んでいると話されています。 相談支援員さんからは、通所先が限られている、ヘルパーさんからは、同行援護するが、刺激の少ない静かな環境が望ましいが、過ごす場所がないなどの相談が入っています。 松本市内の松本圏域障害者総合相談支援センターWishでは、相談を受けている強度行動障害児・者は12名だそうです。そのほかにも潜在的におられるかもしれません。自立支援給付の支給決定をするが、受けてくれるサービス事業所がいないために困っている現状があるとのことです。 どのようにこの強度行動障害児・者について実態把握をしているでしょうか、お伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 ただいま議員からご紹介の12人につきましては、現に障害者のご家族などが実際に介護に困って松本圏域障害者総合相談支援センターWishに相談している数であり、本市では当該障害者の実態を把握していないのが現状でございます。 そこで、現在、強度行動障害者を抱える松本近隣市村、総合相談支援事業所、入所施設等の職員が集まり、強度行動障害児・者への支援についての検討会議を2カ月に1回開催し、実態把握の方法について検討している状況でございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 実態把握の方法について検討しているということですが、早急に対応をお願いいたします。 強度行動障害への対応は大変難しく、研修が必要ですし、個別性や環境への配慮も必要です。通所施設側も、受け入れたくても人員体制が整わなかったり、他の障害者との関係もあり、受け入れが難しい状況があるようです。 強度行動障害の対応の専門家、アドバイザーを行政内か障害者総合相談支援センター内に配置できないでしょうか。子供から大人までの切れ目ない支援やケアする者へのアドバイザーの配置ができないでしょうか。現場の関係者からの要望も上がっています。いかがでしょう。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 現在、本市を含む3市5村や松本圏域内の相談支援事業所、サービス提供事業所が集まる松本障害保健福祉圏域自立支援協議会の中で、障害者に対する自立支援体制の整備、強化のための地域生活支援拠点の整備について検討をしており、この中で、強度行動障害者を含む総合的、専門的な相談支援、人材育成などを行う機能強化コーディネーターを配置した基幹相談支援センターの設置について、現在検討しているところでございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 機能強化コーディネーターを配置した基幹相談支援センターが早期に設置できるように、ぜひ要望いたします。 県内の中野市では、国が推進する地域生活支援拠点の障害者支援施設、総合安心センターはるかぜを拠点にして、同市や山ノ内町などの近隣6市町村、病院、福祉施設、特別支援学校などと連携して、情報の共有や緊急時の対応方法などを定めた緊急対応プランを90人分つくって、24時間体制で相談、駆けつけなどの対応を行っているそうです。緊急でショートステイができるように、2部屋あけているそうです。こうした取り組みの中で地域での対応能力が上がり、緊急派遣も緊急ショートステイも減っているそうです。 幸い松本市には信州大学医学部附属病院に専門の先生がいらっしゃいますので、先生のアドバイスも受けながら、自立支援協議会は広域で行っていますが、人口が多い松本市がぜひイニシアティブをとって24時間支援体制を構築すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 先ほどの答弁で申し上げました、地域生活支援拠点事業の基幹相談支援センターでは、緊急時に支援の見込めない世帯の把握、緊急対応のための相談、短期入所施設の確保及び休日・夜間の緊急相談事業などに取り組み、松本圏域で24時間対応できる体制を構築するよう検討しているところでございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 塩原議員。
◆6番(塩原孝子) 〔登壇〕 介護している親御さんも、自分自身が年をとっていくので将来が心配と言われています。最後になりますが、いつ、誰が病気になるか、障害を持つかわかりません。誰もが安心して住みなれた地域で過ごせる松本市、地域包括ケアシステム構築の観点からも、高齢福祉や障害福祉がさらに充実できるように期待をいたしまして、全ての質問を終わりにいたします。ご協力ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で塩原孝子議員の質問は終結いたします。塩原議員は自席へお戻りください。 次に、25番 澤田佐久子議員の質問を行います。澤田議員は質問者待機席へ移動してください。 25番 澤田佐久子議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 日本共産党松本市議団の澤田佐久子です。質問方式は、一問一答で行います。 まず最初に、子育て支援について伺います。 子供の虐待防止について伺います。 この間、子供が置かれている状況が、極めて厳しい状況にあります。日本が子どもの権利条約を批准して25年、日本の子供の貧困率は、よく使われている数字として、18歳未満の子供の割合は13.9%、約7人に1人と言われています。ひとり親家庭の貧困率は50.8%、先進国の中でも最悪の水準と言われています。貧困率を決める可処分所得の中央値は、ここ20年間で52万円も下がっています。この調査で、貯蓄がない世帯は全体で14.9%、母子家庭に限ってみますと37.6%にふえます。生活が苦しいと答えた人は56.5%、母子家庭に至っては実に82.7%が、生活が苦しいと答えています。 児童虐待と認識された家庭のうちで、ひとり親家庭が31.8%、経済的困難を抱える家庭が30.8%とデータにあります。毎日のように子供の虐待の報道がされている中で、先日もまた、鹿児島県出水市で、4歳の女の子が暴行後水死するという痛ましい事件が起きました。繰り返される虐待の防止に向けて、一刻も早い対策が求められていると思います。 昨年9月定例会で質問をいたしましたが、その後、本市での平成30年度の子供の虐待相談件数、そして、主な内容についてお伺いをいたします。 また、虐待の通報に対する対応はどのようにされているのかお伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) 〔登壇〕 お答えいたします。 昨年度の児童虐待の相談件数は、松本市こども福祉課で扱ったものが55件、松本児童相談所で扱ったものが351件でありました。 虐待の内容ですが、最も多い虐待の種類は心理的虐待で、松本市で22件、松本児童相談所で222件ありました。次いで多いのが身体的虐待で、松本市で21件、松本児童相談所で76件となっています。心理的虐待につきましては、子供の前で夫婦げんかが行われているという通報が増加しているものであります。 また、虐待通報を受けた場合、児童相談所及び関係機関と連携の上、48時間以内に現地で対象となる子供を確認しまして、状況に応じて一時保護等の対応を行っています。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今お伺いしたところ、件数が非常にふえているということですけれども、この虐待件数がふえている中で、目黒区や野田市、また、先ほど申し上げました鹿児島県のような事件を二度と起こさないようにするためには、自治体挙げての取り組みが求められていると思います。この間の事件を考える中で、周囲の目に触れながら、また、何度も警察で保護したり、また、市の職員も面接に行ったり、児童相談所へ何回も通告がありながら救えなかったということは、関係機関の連携の不十分さがあると痛感をしております。 各関係機関との連携、また、妊娠期、出産から幼児期、そして、その後の切れ目のない支援、見守りが必要だと考えます。どのような支援を行っているのかお聞きをいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 児童虐待の死亡事例は、ゼロ歳児が約半数を占めておりまして、虐待防止には、議員ご指摘のとおり、妊娠期からの相談、支援が極めて重要であると考えております。 このため、出産後の養育を望まない、あるいは養育力に問題があるなどのリスクを抱えた妊婦につきましては、児童福祉法に規定された要保護児童対策協議会におきまして実務者会議を開催し、複数の関係機関による情報共有を行い、見守り、支援を行っております。そして、出産後には、こんにちは赤ちゃん事業、新生児訪問、乳幼児健康診査などの事業のほか、子育てに関する総合的な支援を行う子ども子育て安心ルームにおきまして、子育てコンシェルジュによりますきめ細やかな相談に応じるなど、切れ目のない支援を実施しております。 また、今年度から新たな事業といたしまして、松本赤十字乳児院によります家庭訪問型の相談支援を開始しております。この事業では、主に松本赤十字乳児院を利用したことのある家庭を対象といたしまして、子育てに関する悩みを聞くことを通じて、乳幼児の養育を支援しております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今答弁いただきましたけれども、妊婦さんに特別な実務者会議を開き、やっているということは、本当に助けになる会議だと思いますので、保健師さんの頑張りがうかがえるところですけれども、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。また、松本赤十字乳児院との連携についても引き続き行っていただけるということで、非常にありがたい制度だと思います。 政府では、児童虐待防止対策の抜本的強化について、3月には閣議決定が行われ、また、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法の一部を改正する法律が示されまして、市町村子ども家庭総合支援拠点として、来年度から本市としてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。 実施するには人材が必要になると思います。専門職である職員の増員や、また、ベテラン職員の配置など、本市にとってどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 議員ご紹介の子ども家庭総合支援拠点につきましては、児童虐待の発生防止や早期対応に向けまして、市が担う役割もふえる中、来年度の設置に向けて検討を行っております。 また、人員体制についてでございますが、拠点の設置に当たっては、市町村の規模に応じて心理担当支援員や虐待対応専門員等の配置が義務づけられているため、従来から配置されている、経験や知識を有した職員に加えまして、新たに専門職員を配置して体制を整えてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、体制を整えていくということですけれども、ベテラン職員や、新たに専門職員を配置していく、それぞれの専門員の方を配置するわけですが、そうは言っても、人が足りないのが現状ではないでしょうか。もちろん財政的な裏づけが必要になるわけですが、昨年、私が質問したときに、国では2,000人ふやすと言っていましたが、人をふやしたからといってすぐ人材が育つわけではありません。本市においては、適切な人材確保をお願いいたします。 次に、児童相談所設置についてお伺いをいたします。 明石市の例を紹介いたします。明石市は、中核市に移行して1年後、児童相談所明石こどもセンターを開設いたしました。児童相談所の設置義務がない中核市としては、全国で3番目の設置です。中核市移行に伴い、児童相談所を設置することができるということですが、今後どのようにお考えか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在、本市におきましては、市内に設置されております松本児童相談所との強力な連携のもと、児童虐待への対応を実施しているところでございます。このため、まずは子ども家庭総合支援拠点を設置し、その成果と課題を検証するとともに、法改正や他市の動向を注視しながら、中核市への移行後、児童相談所設置の必要性について研究してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今答弁いただきましたように、まずは来年の子ども家庭総合支援拠点を、きちっと人材確保をしてやっていくと、ここに力を入れていただきたいと思います。 明石市の例を続けて紹介いたしますが、明石市は、29万人の都市です。さまざまな先進的な子育ての支援をしていまして、人口が間もなく30万人に達すると言われています。中核市に移行してさまざまな問題が生じたときに、もっと早い段階で対処できなかったのか、また、本当に子供たちに寄り添った対応ができていたのかと指摘されたケースが幾つもあったそうです。そういった中で、児童相談所設置の構想は、まちのみんなで子供を守る、誰一人取り残さない、現状では不十分だという認識をした上に立って、取り組みが始まったそうです。一番の課題は人員配置ですが、国の基準では不十分ということで、現在、児童福祉司は国基準の倍以上、そして児童心理司は倍、また、保健師の方は4倍配置しているということです。 市にこの児童相談所を設置するということは、今申し上げましたような、人の配置、場所、法整備などさまざまな課題があります。ぜひ来年の子ども家庭総合支援拠点を中心にしていただいて、その後、検討をお願いしたいと思います。切れ目のない連携、そのためには、人材確保・養成、長期の継続勤務など、また、ワンストップの対応などをお願いします。 この間の事件を見てみましても、子供と夫との間に立つお母さんが非常に大変な中に置かれておりまして、助けてほしいという声がなかなか上げられない、見過ごされているというように思います。先日、報道にもありましたが、夏休み後の子供さんの自殺が非常に多いということで、自殺防止のためにLINEやSNSでの相談を受け付けているというふうにありました。長野県では、自殺死亡率4.1で、全国平均の2.4を大きく上回る状況です。県では、子どもの自殺対策プロジェクトを立ち上げ、本格的な対策に取り組むとしていますが、何かこのママからのサインを受けとめられるような方法がないのか考えていただければと思います。本市には女性相談室があり、多くの女性の皆さんがこの窓口へ相談に訪れているということですが、この相談窓口へ来られないママたちの何か手だてがないか、お願いしたいと思います。 そして本市には、松本市母子生活支援施設、いわゆる母子ホームがあります。現在ここに入所している方のほとんどが、夫のDVが原因です。もし犠牲になった結愛ちゃんのママがこうした施設を知っていたら、結愛ちゃんは死ななくてもよかったんじゃないか、もっとこの施設のことを知らせてほしいという声があります。もちろん、DVなどの場合には、この施設に地元の母子が入るわけにはいきませんが、ほかの自治体と連携をとって、ひとりで悩まずに、一組でも多くのママたちを救えるように手だてをとってほしいです。 子供の虐待の問題は、個人や家庭の問題にするのではなくて、社会全体で考えていかなければいけないことだと思います。大人のストレスをそのまま弱者に当たる、今の社会のあり方を改善することが求められていると思います。監視する社会ではなくて、温かく子供を見守る社会、そのために本市としてできることをぜひ行っていただきたいと思います。 以上で子供の虐待の質問は終わりといたします。 続きまして、学校給食費の無償化について伺います。 子供の貧困が拡大している中で、学校給食費の無償化が広がっています。小学校、中学校を無償化にしている自治体が76自治体、小学校のみ無償化が4自治体、中学校のみ無償化を実施が2自治体となっています。近隣の群馬県では、13の自治体が実施しています。 本市が無償化した場合には11億円かかると言われていますが、その後、本市が無償化に向けて検討してくださっているのかお聞きをいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 議員ご承知のとおり、学校給食の運営経費のうち食材費につきましては、学校給食法により、受益者である児童生徒の保護者に対し、年間約11億円をご負担いただいております。ご紹介のありました学校給食費の無償化実施76自治体のうち56自治体が、人口1万人未満の町村でありまして、全国的には本市と同規模程度の自治体において導入事例がないのが現状でございます。 このような中、本市におきましても、無償化実施に当たっては、食材費の継続的な予算確保に課題があることから、これまで具体的な検討は行ってきておりません。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 人口1万以下の自治体が多いということは私も承知をしておりますけれども、群馬県のみどり市ですと、自治体の予算が128億円の中でこの無償化を実施していまして、およそ1.1%という比率です。これを本市に当てはめますと、11億円ですとおよそ1.3%かと思いますが、この自治体の大きさには関係なくできるのではないかと思っています。 群馬県のみどり市の紹介をさせていただきます。このみどり市での目的としまして、学校給食費の無料化の目的を、小・中学生が心身ともに健やかに成長する上で、食育は重要な取り組みであり、学校給食が大きな役割を果たしています。地域全体で学校給食を支えて、将来を担う人材を育成するとともに、学校、家庭、教育が食育について考える機運を高めていきます。そして、生涯を通じて食育に取り組める環境づくりを目指します。また、定住人口の確保ということで、子育て世帯の経済的負担の軽減と、地域ぐるみで食育推進に取り組む環境をみどり市の魅力として広く発信するということです。 子育て世代の定住、転入を促進するというふうにみどり市の目的がなっていますが、この本市でもこれは十分取り組める目的ではないかと思っています。そして、この11億円が無理であれば、給食費の一部の補助を求めます。例えば第3子以降の学校給食費の無償化などですけれども、いかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 現在、松本市での学校給食費の補助につきましては、経済的理由により就学が困難な家庭に対しまして就学援助制度と、障害のある子供がいらっしゃる家庭を対象にした特別支援教育就学奨励制度によりまして、合わせて約1億4,400万円を援助しております。特に就学援助制度では、その適用基準を県内他市の平均よりも高い水準で認定する中で、ほぼ全額支給しております。 全ての子供たちが安心して給食が食べられるように、経済的にお困りのご家庭に対しましては、まずはこういった制度を確実に活用していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁をいただきました。私も就学援助制度のことは承知しておりますけれども、今、普通の家庭でも生活が大変ということで、給食費の金額が非常に負担になっております。国の動向を待たずに、まずは一部補助からでも検討を始めていただきたいと思います。 以上で学校給食費無償化についての質問を終わりといたします。 次に、福祉行政についてです。 障害者の医療費窓口無料化について。 昨年8月から子供の医療費窓口無料化が実現いたしました。現在500円の手数料はかかってしまいますけれども、本当に多くのお母さん方からうれしいという喜びの声を聞いております。1年たったわけですけれども、この1年間の状況をお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 子育て支援医療の現物給付化開始後の1年間の状況でございますが、集計が出ている平成30年8月から令和元年6月までの11カ月分の現物給付の実績と前年同月分の償還払いの実績で比較いたしますと、入院に係る費用につきましては、レセプト件数で、平成29年8月からの11カ月、2,726件、平成30年8月からの11カ月、2,561件、医療費総額は、平成29年8月からの11カ月で12億632万円、平成30年8月からの11カ月で10億9,391万円と、ともに減少しております。 また、通院に係る費用につきましては、レセプト件数で、平成29年8月からの11カ月で34万6,000件、平成30年8月からの11カ月で31万件と、こちらは減少しております。 医療費総額につきましては、平成29年8月からの11カ月で24億6,319万円、平成30年8月からの11カ月で24億6,491万円と、横ばいの傾向でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 それぞれ今数字をいただいたわけですけれども、昨年の入院のほうでは減少、また通院では横ばいという答えでしたけれども、この子供の医療費窓口の無料化を導入するに当たって、かつては、窓口無料にすると非常に診療がふえるというふうに言われていましたが、今の数字をお聞きしますと、そういうことではなくて、落ちついてお医者さんにかかっているということがうかがえるのではないでしょうか。 また、群馬県の例ですと、結果的には外来患者の方がふえているようですが、重篤な患者さんや入院患者さんが減り、また、アトピーなどの慢性疾患の方が減っているというふうに聞いております。そして、歯科に関しても、虫歯が減り、医療費が減っているという実態があると伺っております。 そこで、今取り残されてしまっているのが、障害者の医療費の窓口での無料化です。県下19市の市長会から県への要望書が出されているということですけれども、その後の状況をお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 障害者の医療費につきましては、市単独で実施した場合、財政負担が大きくなり、県内の他市においても同様の状況であることから、全県で一斉に取り組む必要があり、県市長会を通じ県に要望しているところでございますが、状況に変化はなく、県において検討いただいている段階でございます。 以上です。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今答弁いただきましたが、動きがないということで、本当に残念です。かつて本市でも、障害者の医療費が無料になっていた時期がございました。 平成30年度の給付実績と医療機関で窓口無料にした場合を試算すると、本市の負担額がどのようになるのか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 本市の20歳以上の障害者に対する福祉医療費の平成30年度の実績といたしましては、受給者数が9,809人、給付額は8億1,221万円でした。平成30年度の給付実績から医療機関での医療費窓口無料化とした場合の本市の負担額の増額分は、概算でございますが、約1億8,570万円程度になります。 以上です。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 市の負担額が今およそ1億8,000万円ということですけれども、市が負担できない金額ではないと思います。本市だけとなると事務も大変だとは思いますが、障害がある方は幾つもの診療科にかかっていることが多く、また、経済的にも非常に負担が大きいわけです。窓口無料化になれば、必要な行きたいときに受診ができて、身体回復の向上につながるなど、切実な声も上がっています。本市として、市長会から上がっているということだけではなくて、改めて県に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。
◎健康福祉部長(樋口浩) お答えをします。 本件につきましては、個人ですとか団体の皆様からの要望もあり、先ほども申し上げましたが、全県で一斉に取り組む必要がありますことから、引き続き、市長会を通じ強く要望してまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、そういった答弁でしたけれども、市長会から要望があるということで、そのままにしておくのではなくて、ぜひ本市としては機会あるごとに強く推し進めていただければと思います。 以上、障害者の窓口無料化についての質問を終わりといたします。 次に、選挙の投票率向上についてお伺いをいたします。 参議院議員通常選挙の投票率について。 7月21日に投開票された参議院議員通常選挙で、本市の県区投票率は48.60%と、県内77市町村で最低でした。18歳選挙権が初めて適用された3年前の前回選挙に比べて9.99ポイントも下回っています。投票率の低さは、有権者の選挙に対する関心が低かったことが原因とも思われますが、本市の投票率が低くなった原因の一つとして、期日前投票場所を松本駅自由通路から松本駅前の松本バスターミナル2階に移設したことにあるのではないかと思います。 期日前投票所を移設したことについて市民の多くの方から、不便になったという声がありました。期日前投票が始まってから13日目の投票数をお聞きしたところ、松本駅自由通路の平成28年には604人、松本バスターミナルでは429人と、この時点だけをとっても175人減っていました。それまでの日も大幅に減っていました。また、ほかの期日前投票所での投票数がふえている中で、この移設した投票所だけが大幅に減っています。どのような経過で移設することになったのかをお聞きいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) 澤田議員の質問にお答えをさせていただきます。 昨年8月の長野県知事選挙の際、大変な猛暑の中、松本駅自由通路で期日前投票を行いました。初日から38度もあり、投票管理者を初め、投票立会人、事務従事者も、熱中症の危険を感じながら従事してまいったところであります。暑さ対策として、西日を避けるため、よしずを設置したり、スポットクーラーや扇風機を多目に用意したり、急冷剤等を用意して暑さ対策を行いましたが、自由通路は風が通らず、また、天井をふさぐことができないため、効果は余りありませんでした。 また、本年4月の県議会議員一般選挙の際には、逆に底冷えする寒さの中、期日前投票所を設置しましたが、温風器等の効果も薄く、震えながら従事をいたしました。 地球温暖化の影響で今後ますます暑くなると思われる中、有権者の利便性も大変重要でありますが、事務従事者や投票立会人、投票者が熱中症になってしまってからでは遅いことから、選挙管理委員会として、苦渋の選択として、冷暖房装置の整った松本バスターミナルに移設をいたしました。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 移設した理由はわかりましたけれども、駅だからこそ行ったという方が大勢いました。そして、信号を渡って松本バスターミナルまで行くのが大変という声がありまして、実際に投票に行かなかったという方もいらっしゃいました。また、松本バスターミナルの場所ですけれども、行った方も、非常にわかりにくかったという声をたくさん聞きまして、私も行ってみましたが、非常に案内がわかりにくく、エスカレーターを上がってすぐ後ろに投票所があったわけですが、店舗の中をぐるりと回って行くような状況でした。 ぜひ松本駅自由通路に復活をしてほしいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。また、新たに投票所をふやす場所として、いつでも立ち寄れる大型商業施設や大学など、気軽にできる投票所をふやすべきと考えますが、検討されたのか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答えをいたします。 松本バスターミナルについてですが、松本バスターミナルの施設内の案内看板等については、管理ルールがある中で、施設管理者との協議の上、設置しましたが、初めての移設ということもあり、場所がわかりづらかった点は今後の改善すべきところであり、施設管理者と話し合い、わかりやすい案内の掲示に努めてまいりたいと思います。 また、今回の移設については好意的な意見も届いておりますので、松本バスターミナルを定着させるべく、広報、周知に努めてまいります。 期日前投票所の増設についてであります。 期日前投票所設置につきましては、これまでにも市議会でお答えしているとおり、人口の分布や、場所がわかりやすく利便性が高い公共施設や、合併地区などの地理的特性を考慮して設置してまいりました。また、期日前投票所の設置に当たっては、投票箱や投票用紙の管理に必要なセキュリティーの確保や通信環境の整備など、適正な執行管理を行う体制を整える必要があり、そのような課題をクリアできる施設の選定が必要となります。 現在、2月定例会にて今井議員にお答えしてまいりましたとおり、市南部地区、特に芳川、寿方面への設置について、公共施設を中心に検討をいたしているところですが、適当な場所がないため、苦慮いたしております。民間の大型商業施設を含め、引き続き検討してまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、商業施設など、なかなかいい場所がないということですが、ぜひともこれを進めていただきたいと思います。そして、来年の3月15日には松本市長選挙もありますけれども、この松本の駅も含めた中で、市民の皆さんが立ち寄りやすい場所での投票所設置を要望したいと思います。 また、本市ではJR東日本との連携協定締結をしているわけですが、この際、駅の中に、投票所にも利用できるような多目的な施設としてのスペースの確保をお願いしたいと思います。 芳川地区の公民館の和室には、普通選挙が成立したときの古い書が掲げられております。「自治の木立和やかに協う」という、当時の内務大臣の若槻禮次郎氏の書だということです。この普通選挙の実現を祝う、民主主義の風が吹いているという、そういったさまの書です。 芳川地区では福祉ひろばで、選挙制度や仕組みについて学ぶ市民講座を開きました。そして、4月に行われた県議会議員一般選挙では、本市全体が42.85%、芳川地区では38.18%でした。また、市議会議員一般選挙では、本市全体では43.73%、芳川地区では最低の35.87%でした。 低い要因としては、市内で2番目に人口が多い地区で、若者が多いことが考えられるということですが、18歳以上に選挙権があるようになって3年目になりますが、最初のときは投票率も上がりましたが、その後は低いままです。先日の報道で、参議院議員通常選挙で投票した学生が3割というふうになっていましたが、特に4月の選挙では、18歳になった有権者が少ないということも言われていますが、若者への投票率アップも含めての啓発活動について、どのような内容で行っているのかお伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答え申し上げます。 松本市選挙管理委員会では、平成28年7月の参議院議員通常選挙から、若者への啓発活動について、主権者教育の一環として、模擬投票のほか、市内の高校に在籍する全生徒約1万人に啓発チラシと啓発文具を毎年配布するとともに、選挙時には期日前投票所の立会人を務めていただきました。また、市内の大学生の皆さんには、選挙管理委員会のアドバイスのもと、学内外で自主的な選挙啓発を実施し、投票率向上に取り組んでいただきました。 このように若者を含めた啓発活動を実施してまいりましたが、4月の統一地方選挙並びに7月の参議院議員通常選挙では、10代、20代の投票が伸び悩みました。年代別の内訳は、県議会議員一般選挙では10代が24.52%、20代が22.19%、市議会議員一般選挙では10代が19.66%、20代が20.51%、参議院議員通常選挙では10代が27.71%、20代が28.23%でございます。 10代、20代の投票率は、松本市に限らず全国的に伸び悩んでおり、全国の選挙管理委員会が苦慮しているところですが、中学校や高校にて、より一層主権者教育が進むよう、積極的に働きかけていくとともに、市内大学生有志が投票率向上に向けて結成した啓発グループとの意見交換等、若者の意見、考え方を聴取しながら、効果的な対策を検討してまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、若者にも立会人を務めていただいたということで、これも非常に関心を持てる一つとなっていると思います。ぜひまた引き続きお願いしたいと思います。 そして、市議会でも毎年、高校生や大学生の皆さんとの交流事業も定着してきています。ぜひ引き続き啓発活動をお願いしたいと思います。 また、先ほど参議院議員通常選挙で投票した学生が3割と述べましたが、この意識調査の中で、出身地から住民票を移していない学生が約90%というふうに聞いておりますが、その一方で、学内に期日前投票や不在者投票のできる窓口があれば利用するという方が60%というふうに答えていますので、ぜひ投票率のアップに向けて、大学などでも期日前投票所の開設を検討していただきたいと思います。 次に、投票所の数についてお伺いをいたします。 例えば鎌田地区の人口は本市で一番多いわけですが、投票所が4カ所あります。それに比べて人口が2番目に多い芳川地区では、野溝の一部を除けば2カ所しかありません。投票所まで一番遠い世帯では2キロメートルです。お年寄りがひとりで歩いて来るには遠過ぎます。 投票所の数はどのように決められているのでしょうか。また、投票所をふやすには、選挙事務従事者などの数を、また立会人の数もふやさなくてはいけない、人員確保が必要となります。投票所をふやすにはどのような方法があるのか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答えをいたします。 松本市の投票所は、有権者数、投票区の地形、交通の利便性等、地区の特性を十分に考慮した上で、現在73カ所設けております。投票所の設置について国の基準は、3キロ以上の遠距離地区とおおむね3,000人以上の過大投票区の解消であります。2キロ以上かつ2,000人以上の投票区の再検討、投票区の増設に努めることとされています。なお、松本市では、再検討の対象となる投票地区はございません。 そこで投票所の増設ですが、投票所を開設いたしますと相当の経費と人員の確保が必要ですので、現在のところ増設については考えておりません。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。 今、2キロ以上ということで、この私が今申し上げたのはぎりぎりの線かなと思いますが、ぜひ検討していただきたいと思いますし、先ほど答弁いただきました、期日前投票の南部のほうの投票、これに期待をしたいと思います。 今、高齢化が進んでいる中で、投票所へ行きにくくなっている方が非常にふえています。風邪をひいたり体調を崩されて投票に行かなかったという方が本当に多くいらっしゃいますし、元気だけれども、投票所まで歩くのが大変だということで、誰かが家に訪ねてきてくれないかと、投票日に一日中待っていた方がいらっしゃいました。これからますますふえると思いますけれども、障害者も含めてどのような手だてをお考えか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答えいたします。 議員ご指摘のとおり、高齢化社会がますます進行し、投票所に行くことができない高齢者の皆さんに対する投票機会をどのように確保していくかは、選挙管理委員会としましても重要な問題として認識をいたしております。 選挙管理委員会としましては、選挙の都度、健康福祉部の協力のもと、移動困難者の投票機会の確保について配慮をしていただくよう、投票所への送迎等、福祉サービス提供事業所等へお願いをいたしておるところであります。 ただし、福祉サービスを利用して投票するには、一定の要件を満たしていかなければできないことから、家族や地域の協力、諸団体の協力等、送迎について協力を求めるほか、他市の先進事例を研究しながら、投票所への足の確保に努めてまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今、重要だと認識をしているということですので、ぜひ早急に考えていっていただきたいと思います。 今、福祉サービスということですが、この一定の要件というのが、介護を受けていなければ認定されないというような、普通の方でぐあいが悪い方が行かれない、足が弱っている方が行かれないということですので、ぜひ早急に考えていただきたいと思います。 そして今回の投票所でも、投票所がバリアフリーになっていないところがあったり、また、スロープが急で大変だったという声を聞いていますけれども、投票所のバリアフリー化について、どのようになっているのかお伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答えいたします。 バリアフリー化につきましては、現在、事務局職員による現地確認や各投票所の庶務担当職員からの申し出により、必要な箇所にスロープを設置いたしております。議員の指摘のとおり、バリアフリー化していない投票所や、設置してあってもスロープが急な投票所につきましては、有権者からの要望もお聞きしながら、なお一層投票しやすい環境づくりに努めてまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 今答弁いただきました。見直していきたいということですが、担当の職員の皆さん、事前にも下見をされていると思いますので、ぜひ地域の皆さんの声を聞いてやっていただきたいと思います。 最後に、高齢者も含めた障害者の方の投票について、どのような対応になっているのかお伺いいたします。 私は以前、依頼されて、在宅での投票の方のお手伝いをさせていただきましたが、非常に手続が大変でした。郵便投票の緩和も含めた基準の緩和が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○議長(村上幸雄) 吉田
選挙管理委員長。
◎
選挙管理委員長(吉田弘壽) お答えをいたします。 郵便投票制度につきましては、国の基準により、障害の程度や介護認定状況が厳格に定められていることもあり、全国統一で行われていることから、市独自の緩和はできません。 したがって、関係団体並びに関係機関と連携し、制度の周知徹底を図り、投票に参加していただけるよう努めてまいりたいと思います。 一方、対象範囲の拡大に向け、国も動いていると聞いておりますので、今後、国の動向を注視してまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(村上幸雄) 澤田議員。
◆25番(澤田佐久子) 〔登壇〕 答弁いただきました。今、周知徹底ということですけれども、私が先ほど申し上げました経験の中で、非常に時間もかかり手間もかかる、大変なことですので、周知徹底しても、皆さんが行かれるかというと、またそこも問題が残っていると思います。これも喫緊の課題だと思いますので、ぜひ制度の見直しをお願いしたいと思います。 以上で私の全ての質問を終わりといたします。ご協力ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で澤田佐久子議員の質問は終結いたします。澤田議員は自席へお戻りください。 次に、27番 犬飼明美議員の質問を行います。犬飼明美議員は質問者待機席へ移動してください。 27番 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 質問の機会をいただきました。日本共産党松本市議団の犬飼明美でございます。一問一答形式でお願いします。大変お疲れのところだと思いますが、よろしくお願いいたします。 まず、保育行政についてですが、幼児教育・保育無償化についてお伺いします。 幼児教育・保育無償化が10月から始まります。基本的には、幼稚園、保育園、認定こども園、地域型保育、企業主導型保育事業を利用する3歳以上児と3歳未満児の住民税非課税世帯の保育料は無料となり、いわゆるおかず代とおやつ代に当たります副食費は、3歳以上児と未満児の課税世帯が家庭の負担となるものです。認可外保育施設等を利用する場合は、保育の必要性の認定を受ける必要があります。 本市では、これまでに2回のお便りで各家庭に無償化の周知を行っております。保育園側としては、短時間保育の子供さんたちが標準の6時半までの保育時間に延長する場合が考えられ、パート保育士さんが不足する事態が予測されるとの声がありました。 今年度分は臨時交付税で無償化されます。来年以降は交付税措置されますが、ただし、地方交付税として交付されますので、十分な予算配分になるのかというところが不透明です。 副食費につきましては、年収360万円以下、いわゆる非課税世帯、そして、3人目以降の子供さんの副食費は免除されるというふうになっております。これは国の基準どおりのものですが、さらに副食費の無料化を拡大するべきだと考えます。 もう一つの問題点として、外国人学校が外されている問題があります。長野朝鮮学校幼稚部には7名の子供さんが通園していますが、幼児教育・保育無償化の対象にならないことになっています。 まず質問ですが、国では副食費を平均一月4,500円というふうに計算しています。3歳以上児の副食費を無料にした場合の試算額をお聞きします。 また、副食費助成は補正予算で一部助成が提案されておりますけれども、本市の場合は、臨時交付金の余剰財源8,000万円を活用して副食費無償化をもっと拡大することは可能です。副食費無償化は全国に広がりつつあり、無料あるいは一部負担とする自治体がふえています。兵庫県明石市では基本全額無料、秋田県や東京都板橋区では一部助成、また、兵庫県高砂市、加西市では3歳以上児を無料にしています。県内では松川村で3歳以上児を無料とします。本市でも副食費の助成拡大をぜひ行うべきと考えますが、お考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) 〔登壇〕 お答えいたします。 議員ご紹介のとおり、副食費につきましては、本年10月から実施されます幼児教育・保育無償化に伴いまして、保育園、幼稚園等を利用する3歳から5歳児を持つ世帯を対象に、新たに副食費を徴収することになります。 副食費を無償化した場合の影響試算額につきましては、年額で約2億2,000万円と推計しております。また、無償化に係る負担増の一部に今年度は国の臨時交付金が充てられ、令和2年度以降は地方交付税により措置されることとなっております。 議員ご発言のとおり、議員は余剰財源と表現されましたが、松本市の臨時交付金と無償化に伴う負担増との差額は、10月からの半年分で約8,500万円でありまして、年間では約1億7,000万円と推計されます。このように、臨時交付金との差額だけでは副食費の無償化は賄えない状況であります。 ご提案の副食費の無償化につきましては、キッズ&ユース・デモクラシーを掲げます松本市といたしましては、実施の可否について十分検討いたしましたが、無償化により保護者の経済的負担は軽減されること、国では実費徴収を基本としていること、それから、保育の有無にかかわらず日々の食事に要する経費であること、新たに財政負担が伴うことなどから、当面は国の制度に基づき取り組みを進めることとしております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 3歳以上児の副食費を無償化した場合は2.2億円、そして国の財源としては1.7億円なので、不足しているということでございますが、ぜひこれは市の独自予算も投入しながら努力をお願いしたいというふうに思います。 飯山市でも、3歳以上児の副食費の全額無償を決めました。また塩尻市でも、これまで第2子が半額、第3子が全額無料という中で、その基準に照らしての一部負担を考えています。 格差社会と言われまして、また、相対的貧困率、就学援助、子供食堂の広がりなどを見てみましても、子供たちを取り巻く環境は大変厳しくなっているというふうに考えます。松本市が何を打ち出すかを注目していますという声もありました。子育て家庭の経済的負担を軽減し、子育てしやすい環境を一層整えるため、副食費のさらなる無償化を強く求めます。 次に、外国人学校の幼児教育・保育無償化についてです。 無償化を外国人学校では国に求めておりますが、基本対象外です。他の自治体で独自に無償化を打ち出しましたら、国がストップをかけてきたとお聞きしていますので、これはかなり困難かと考えます。野党が国に申し入れをした際、検討するという答弁でしたけれども、いまだ結論は出ておりません。朝鮮学校のご家庭でも、同じように松本市に住民税を支払い、同じように消費税も負担をしています。国が決めなくても、本市独自で無償化を行うべきと考えますが、お考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 国の制度におきましては、外国人学校は各種学校の扱いとなりまして、児童福祉法上の認可外保育施設には該当しないことから、幼児教育・保育無償化の対象施設にはならないとされています。 松本市では、国の制度に基づきまして無償化を進めることとしておりまして、市独自での無償化については、現在のところ検討しておりません。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 市独自では考えていないということでございます。 この幼児教育無償化を求める朝鮮学校幼稚部の保護者会の連絡会というものがありまして、5日に東京の衆議院議員会館で記者会見を行いまして、日本政府が10月から始める幼児教育・保育無償化に関連して、無償化の対象から朝鮮学校など外国人学校を除く方針は差別であると批判をいたしました。 日本の法律上各種学校に該当する外国人学校に付設された幼稚園約90施設などは、無償化の対象から除外する方針です。外国人学校90カ所のうち、40カ所が朝鮮学校だと言われています。かつてこの朝鮮学校高等部は、日本政府が実施している高校の無償化からも除外をされた経過がございます。この中で日本政府は、幼児教育を含め個別教育に関する基準がなく、外国人学校は多種多様な教育をしています。無償化対象になり得ないと主張しています。しかし、多様な教育をしていることが、どうして無償化除外の理由になり得るのでしょうか。 外国人学校の無償教育からの除外は、全ての子供の健やかな成長を趣旨とする改正子ども・子育て支援法の理念に反しており、差別的だと考えます。文部科学省へ申し入れの際に担当者は、無償化の対象が、幼稚園、保育所、認定こども園に限られると繰り返し答弁を行いましたが、もちろん私どもの党の議員もこれには抗議をいたしまして、同席しました立憲民主党の初鹿議員や沖縄の風の高良議員などの追及に、国としても何らかの支援を外国人学校についても検討していくと回答いたしました。 日本も批准する子どもの権利条約などが、外国人も含む全ての子供に同一の教育を受ける機会の保障をうたっています。無償化の対象に外国人学校を含めるのは当然ではないでしょうか。 今、インターネット上では、この除く措置を撤回せよという署名運動も広がっています。国が行わなかったとしても、全国25県にある朝鮮学校の一つである長野朝鮮学校幼稚部の無償化を本市独自でも行うよう強く求めます。 次の質問に移ります。 保育園の職員不足の解消についてです。 嘱託保育士さん、正規職員と同じ仕事で、給与面では低賃金のために、困難さのある仕事はなるべく正規の保育士が行い、嘱託の先生方に過剰な負担がないよう、現場では配慮がされています。しかしながら、保育士さんが不足するという声を依然としていただいています。そのため、子供が帰ってからの事務仕事があり、結局帰れない事態が常態化しています。余裕を持って働きたいというのが現場の声です。 離職について深く捉える必要があると思います。正規職員と嘱託職員の離職率ですが、これは保育園のことですが、ここ5年間の200人余の正規職員中、退職は10名ほど、嘱託職員については、300名近い職員中、退職は1割から2割と高い率です。退職の理由は、関係者からお聞きするところでは、保育方針など現実とのギャップ、低賃金、とりわけ都会のように住居費がないことなど、実にこの理由はさまざまあるようです。長野市の嘱託保育士の退職は、お聞きをしましたら、松本の半分くらいです。そういうことから見ても、本市の課題は大変深刻だというふうに思います。また、悩みを口に出して言えない、言いづらいこともあるのではとの声もあります。嘱託保育士の離職率が大変高い現状を改善する必要があるというふうに考えます。また、幼児教育・保育無償化のもとで、利用時間延長による新たな保育士不足も予測がされています。引き続きの対策が必要です。 最初の質問ですが、正規保育士をもっと思い切って採用するべきです。現在は、新卒者と嘱託保育士が、正規職員に半々採用されているというふうにお聞きをしておりますが、嘱託の先生方の正規職員への採用枠を設定するお考えはありますか、お伺いをいたします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 現在、松本市では、保育士は、一般枠としての採用とあわせて、実務経験を3年以上有している等の条件を満たしている方を対象に、社会人特別枠として採用試験を実施しております。また、近年は、正規で採用される保育士のうち、嘱託保育士が占める割合は高い状況で、社会人特別枠での採用者に限りますと、過去4年間で9割以上が松本市の嘱託保育士となっております。 以上のことから、当面は現行制度により採用を行っていきたいと考えます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 現在、社会人特別枠を含めて9割以上の方だということで、ご努力をされているというふうに思います。当面は現行制度のままということですが、さらなる正規保育士の増員には、さらなる努力を求めたいというふうに思います。 次に、会計年度任用職員制度では、正規職員をふやさないということがこの制度の本旨です。全体として正規職員の割合を減らさずに、むしろふやす方法を求めますが、お考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 本年度より、正規保育士について3年間で27名の増員を行うこととし、採用者数をふやしております。その結果、正規保育士の割合は高まる見込みでありますので、ご理解をいただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 この制度のもとでといいますか、正規保育士さんをふやす、3年間で27名の増員をする計画で、むしろふえるということで、これまでも私たち、待機児童の問題を何としても解決しようということで前進をするために、市の努力も高く評価をしたいというふうに思います。 ですが、そもそも地方公務員法の大原則では、常勤正規職員を中心とするもので、自治体の非正規職員の任用というのは極めて限定的というものです。基本的にはそういうことだったはずですが、現状においては、地方行政の重要な担い手となっているのが現状です。 しかし、自治体ごとでこの非正規職員の位置づけというのはばらばらしている。この状態を解消したいというのが国の考えで、むしろこの会計年度任用職員制度でいきますと、非正規職員の固定化につながるものだというふうに思います。これではますます正規職員をふやしにくくなるというふうに思います。 同じ仕事なのに待遇が違うという不満は、保育現場をぎすぎすしたものにしないか、そのことが子供に影響しないか、危惧されるところです。安心して働けるという最も基本的な条件を整えるべきです。そのために正規の職員をふやす努力をされていることは高く評価をいたしますが、ぜひともその割合が減らないようにさらに取り組んでいただきたいと思います。 次の質問にいきますが、保育士の採用試験を6月に早めました。さきにも同じ質問がございましたが、応募数とその効果についてお聞きをします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 応募状況につきましては、午前中の上條敦重議員のご質問にお答えしたとおり、前年度に比べて受験者数が20名増加しております。試験日程を前倒しした効果につきましては、応募者数がふえたこと、そして、優秀な人材が確保できたことと捉えておりまして、来年度以降も継続して実施したいと考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 お答えいただきました。 次に、潜在保育士の掘り起こしの取り組み状況をお聞きします。 復職支援事業、また、採用祝い金など明石市では行っておりますけれども、このような新たな取り組みについてお考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 初めに、潜在保育士の掘り起こしにつきましては、現在、ハローワークや長野県社会福祉協議会と連携して、職場の説明会に参加をするほか、保育士間のつながりや知り合いを通じて、保育士として働いていた方に連絡、勧誘を行うなど、保育士の確保に取り組んでおります。 次に、就職支援、復職支援につきましては、潜在保育士の掘り起こしにおいて重要な課題と捉えております。そこで、現在、保育士資格を有していても保育園等で勤務経験がない方や、保育現場から離れて長期間が経過する方に向けた講習会等の開催を検討してまいります。 また、採用祝い金等につきましては、これまでも検討した経過はございますが、結果、今のところ取り組む予定はございませんが、他市の状況を参考に、今後の研究課題としてまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 それぞれお答えをいただきました。潜在保育士を対象に講習会の開催を検討するということであります。 次の質問に移りますけれども、待機児解消についてです。 本市では、待機児童解消に向けて取り組んでおられます。今のところ、報道にもございましたが、県内で最も多い待機児童数になっています。これまでさまざまな対策がとられ、嘱託保育士の待遇改善、保育室の増設、正規保育士の増員など前進してきております。昨年度より待機児童数は若干減少しているというふうに思いますけれども、幼児教育・保育無償化の影響でまたふえるのではないかという予測もあります。 そこで質問ですが、待機児童問題をもっと取り組まなくてはという声もあります。この解決の一環で、今年度初めて取り組む地域型保育事業の設置運営事業者を2事業者、3件について決定いたしました。これにより3歳未満児の受け入れ枠が56名ふえることになります。事業者の申請に基づき認可することになっておりますが、これまでのところの進捗状況をお伺いします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えいたします。 地域型保育事業、3歳未満児の小規模保育でございますが、4月に事業者を公募、それから、7月に3事業者を決定したところでありまして、議員ご指摘のとおり、3事業者56名ふえる見込みであります。現在、市は、国への補助金申請の手続を行っているところであり、決定した事業者は、施設の開設に向けて準備を行っているところであります。 今後は、10月ごろに国から補助金の交付決定を受ける予定であり、各事業者は令和2年2月中に施設の整備を完了する見込みでございます。その後、市が設置認可を行い、令和2年4月から開所となる見込みであります。 なお、園児の募集につきましては、本年12月に市が行う保育園・認定こども園の一斉受け付けにあわせて行ってまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 るる答弁をいただきました。 次に、さまざまな取り組みの中で、待機児童解消の見通しはどのようになるのかお伺いします。
○議長(村上幸雄) 村山こども部長。
◎こども部長(村山修) お答えします。 まず待機児童対策として、現在、波田中央保育園の改築及び島内保育園の未満児棟増設など行うとともに、保育園のICT化、エアコン設置により、安定的な保育士の確保に努めていることとしております。 今後も、ソフト、ハードの両面の取り組みを進めまして、国が示す子育て安心プランに掲げます令和3年3月末までに、待機児童ゼロの実現を目標に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 令和3年3月末までに待機児童ゼロを目指して取り組まれるということです。 以上でこの問題は終わりにします。 次に、後期高齢者医療制度についてでございますが、75歳以上の方を対象とした後期高齢者医療制度、2008年に導入され、これまで5回の保険料値上げになっています。実施された翌年の2009年には、滞納処分は834件でしたが、2017年度には6,816件というふうに、この制度、スタートしてから9年間で約8倍に滞納整理が進んでいます。ふえています。滞納者数、額ともに減ってはおりますけれども、滞納処分が激増しているという実態です。保険料が払えずに滞納になるのは普通徴収の方々で、月に1万5,000円程度の年金か無年金などの低所得者が多く、後期高齢者医療だけでなく、介護保険料や消費税などで生活自体が厳しい実態があります。 安倍首相は、高齢者に負担を押しつけるものではないと繰り返しておりますけれども、全世代型社会保障の実現のかけ声で、10月の消費税増税とあわせて、後期高齢者の保険料を最大9割軽減している特例措置を廃止し、7割軽減にしようとしています。今でも大変な高齢者の負担をふやすものにほかなりません。 市から配布された資料によりますと、低所得の高齢者の介護保険料が年額5,280円軽減されること、年金生活者支援給付金が月5,000円程度、9割軽減が7割軽減になっても自己負担はふえない。これは、この給付金が5,000円だから自己負担はふえないと説明をしています。 しかし、この年金生活者支援給付金は支給に条件がありますし、また、納入実績に準じた支給額になることや、申請主義のために、申請しない方もいる。また、消費税収入が財源であり、受け取ることに抵抗があるという声もあり、必ずしも負担軽減につながるとは言えません。現在でも短期保険証になる方がいる、またますます滞納がふえる可能性もあります。 市民の暮らしを守る観点から、しっかり注視しながら対応すべきと要望を行い、この件については要望のみといたします。 次に、農業行政についてです。 豚コレラについて質問をいたします。 昨年9月から、野生イノシシの豚コレラ感染確認検査が、岐阜県、愛知県、長野県、三重県、福井県などで行われ、豚への感染は、愛知県、岐阜県、長野県などに広がっています。県内では宮田村と松本市で発生。イノシシも、市内で発見された8頭のうち3頭が陽性。感染確認された野生イノシシは、現在では合計で100頭を超えています。中南信の27市町村が、厳重な豚コレラ検査が必要な調査対象区域となっており、山に入った人や車がウイルスを広げてしまう可能性があるために、入山に注意喚起する取り組みを進めるまでに広がっています。この広がり続ける豚コレラに対し、ワクチン接種を国が決断するよう、要請行動が続けられています。 野生イノシシによる豚コレラの感染拡大を防ぐため、8月28日から経口ワクチンの本格散布を開始しています。この問題の課題は2つ。ワクチン接種に農林水産省が慎重であり、終息が見えないこと。養豚農家では既に以前から独自に対策を行っており、国・県、市の補助制度も整備されつつありますけれども、日本の農業を守って頑張っている農家に対し、自己負担がなく、今後の経営にも希望が持てる対策が必要であるということです。本市で唯一の養豚場であります梓川地区の農場からお聞きした実態と要望をもとに、質問をさせていただきます。 県農政部園芸畜産課のお話では、ワクチン接種は、国際ルールに基づいて、清浄国から外れ、輸出ができなくなるので、国は慎重です。輸出をしなければ接種はしてよいことになっております。予防的接種は、この輸出の問題と大変深くかかわっています。接種した地域内しか流通させられなくなるために、もし長野県でワクチン接種を許可すれば、長野県内にしか肉が出せなくなる。農家はそれを望んではいないそうです。国の判断を待つということでした。 年間760頭出荷しているという市内と、それから安曇野市の養豚場、この2つは関連業者なんですけれども、石灰を県が配布しておりますけれども、隣にリンゴ畑がありまして、リンゴにかかってしまうために消石灰はまけないということで、そのかわりとして消毒をしています。その消毒に補助が必要という声をいただきました。また、補助制度が決定される前から独自にさまざま対策をしておりまして、既に消毒だけでも100万円も使っているということなんです。 広がり続ける豚コレラを何としてもストップさせるために、一旦清浄国から除外されるが、ワクチンを接種し、落ちついたら清浄国への段階を踏めばいいのではないかという声もいただいています。松本家畜保健衛生所の声でも、かつてこの問題が発生したときにワクチンで撲滅できたので、早く国で許可をしてほしいということでした。 まず最初の質問ですが、この業者の方から、補助金成立前の独自対策に補助金が欲しいという要望をされました。本来、県の事業ではありますが、市単独でも対応できるかお聞きをします。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。 今回の補助制度は、国・県、市町村で事業費の負担をしておりますが、補助成立前に実施した独自の防疫対策費用に対する助成ができないかにつきましては、今後、養豚農家の要望を聞き取り、まずは国・県に要望してまいります。市単独事業につきましては、その後、検討してまいります。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 ぜひ養豚農家の声をよく聞き取っていただき、市単独でも検討をしていただきたいというふうに思います。 業者の側からは、今後新たに柵を張る場合などに、業者に直接支払いを行ってほしいという声をいただいています。これまでのところは、イノシシを防ぐために、目の粗い柵を一旦張ったようなんですけれども、実際には小動物でもこの豚コレラについては感染するということで、今後は目の細かい柵も取りつけたいということでありました。そうした場合に、今後、新たな対策に対しては業者に直接支払いを行ってほしいのですが、お考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。 防疫対策事業に対する補助金の支払いでございますが、制度上、施工業者へ直接支払うことは困難でございます。事業実施後の支払い業務を迅速に進め、事業者の負担を少しでも軽減するよう努めてまいります。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 ぜひ事業者の負担がないように、今後取り組んでいただきたいと思います。 次に、ワクチン入り餌の配布をもっと広範囲にしてもらいたいという要望があります。この点でお考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 林農林部長。
◎農林部長(林浩史) お答えします。 経口ワクチン散布の拡大についてでございますが、本市におきましては、まず第1弾として、東山部の内田地区から里山辺地区にかけて、また、西部の安曇地区にそれぞれ散布を実施いたします。 今後の散布範囲につきましては、先ごろ国から、ベルト状に広範囲にわたって散布する対策案が示されております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 お答えをいただきました。 業者の方からは、松本市は大変熱心に取り組んでくれているというふうに声をいただいています。ただし、社長さんは、豚コレラが発生したら廃業する予定だというふうにおっしゃっています。廃業して更地にしても、借金は残る。厳しい現状、苦しい胸の内を明かしておられました。地域で頑張っている業者の皆さん、営業を守るために最大限の支援、自己負担の生じない支援を強く求めます。 以上でこの問題は終わりにしまして、最後の契約についての質問に移ります。 今後も小・中学校のエアコン工事は続くと思いますけれども、どのような学校数単位で工事が行われるのか、お聞きをいたします。
○議長(村上幸雄) 山内教育部長。
◎教育部長(山内亮) お答えをします。 現在進めております小・中学校へのエアコン設置工事の発注に当たりましては、工期内に1業者で適切な現場管理が可能な施工規模などを考慮いたしまして、1件当たり3校から4校程度を1グループとしております。今後も同様に進めていく予定でございます。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 市内の業者に広く工事を行き渡らせるために、多くの自治体が今取り組んでおります一抜け方式での入札を提案しますが、お考えをお聞きします。
○議長(村上幸雄) 高野財政部長。
◎財政部長(高野一司) お答えいたします。 本市におきましても、平成14年度から、受注機会の拡大を目的に、競争入札において一抜け方式を採用した経過がございます。しかし、その後、公正な競争を維持しつつ、より受注機会を広げる方法として、平成27年度から一般競争入札の対象工事を拡大し、対象となる金額をそれまでの2,000万円以上から1,000万円以上に引き下げたことなどから、現在は一抜け方式は適用しておりません。 したがいまして、エアコンの設置工事の発注におきましても、一抜け方式ではなく、全ての市内業者が入札の参加機会を得られる一般競争入札での実施を考えております。 以上でございます。
○議長(村上幸雄) 犬飼明美議員。
◆27番(犬飼明美) 〔登壇〕 お答えいただきました。 現在は一抜け方式はやっていないということでございましたが、この方式は、工期の短縮、早期完成などでメリットがあります。長野市は、60校分のエアコン工事を30校ずつ2回に分けて、一抜け方式で入札を行って、前期の入札が終わったところで、電気工事と機械工事で合計18本とお聞きをしています。一般競争入札では、力のある業者に集中する危険もあります。今回のような一斉にという工事では、一抜け方式はぴったりの方式ではないかと思いますが、松本市は行っていないということでございますが、今後、この方式は選択できるようにするよう強く求めてまいりたいというふうに思います。柔軟な対応を求め、また、子供たちの学習環境をしっかりと保障するために、私たちもまた質問を行いたいと思います。 以上で私の質問の全てを終わります。ご協力ありがとうございました。
○議長(村上幸雄) 以上で犬飼明美議員の質問は終結いたします。犬飼議員は自席へお戻りください。 この際、お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明10日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(村上幸雄) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでした。 午後6時8分散会...