• "社会的有用性"(1/2)
ツイート シェア
  1. 長野県議会 2015-03-03
    平成27年 2月定例会本会議-03月03日-07号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成27年 2月定例会本会議-03月03日-07号平成27年 2月定例会本会議 平成27年3月3日(火曜日)  出席議員(55名)   1 番 中川博司      28 番 和田明子   2 番 依田明善      29 番 今井正子   3 番 石和 大      30 番 永井一雄   4 番 藤岡義英      31 番 諏訪光昭   5 番 中川宏昌      32 番 小松 稔   6 番 清水純子      33 番 小池 清   7 番 小池久長      34 番 清沢英男   8 番 桃井 進      35 番 垣内基良   9 番 髙橋岑俊      36 番 竹内久幸   10 番 甕 裕一      37 番 佐々木祥二   12 番 山岸喜昭      38 番 向山公人   13 番 荒井武志      39 番 高村京子   14 番 堀場秀孝      40 番 小林伸陽   15 番 続木幹夫      41 番 村上 淳   16 番 両角友成      42 番 小松千万蔵   17 番 小林東一郎     43 番 西沢正隆   18 番 清水秀三郎     44 番 風間辰一
      19 番 太田昌孝      45 番 平野成基   20 番 今井 敦      46 番 本郷一彦   21 番 丸山栄一      47 番 倉田竜彦   22 番 野澤徹司      49 番 石坂千穂   23 番 小島康晴      50 番 宮澤敏文   24 番 下沢順一郎     51 番 村石正郎   25 番 鈴木 清      52 番 木下茂人   26 番 宮本衡司      53 番 萩原 清   27 番 金子ゆかり     54 番 服部宏昭   55 番 望月雄内      57 番 下﨑 保   56 番 古田芙士 欠席議員(2名)   11 番 吉川彰一      48 番 高橋 宏         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      塩原 豊   副知事               建設部長      奥村康博   総務部長事務取扱  太田 寛    会計管理者兼会   副知事       加藤さゆり   計局長       石田訓教   危機管理監兼危           公営企業管理者   機管理部長     青柳郁生    企業局長事務取扱  小林利弘   企画振興部長    原山隆一    財政課長      平木万也   県立大学設立担           教育委員会委員   当部長       髙田幸生    長         櫻井久江   県民文化部長    藤森靖夫    教育長       伊藤学司   健康福祉部長    小林 透    教育次長      青木 弘   環境部長      山本浩司    教育次長      菅沼 尚   産業政策監兼産           警察本部長     山崎晃義   業労働部長     石原秀樹    警務部長      岡本 努   観光部長      野池明登    監査委員      吉澤直亮   農政部長      中村倫一         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      北原政彦    議事課課長補佐   議事課長      小山 聡    兼委員会係長    三井 実   企画幹兼議事課           総務課担当係長   小山雅史   課長補佐      坪井俊文    議事課担当係長   吉沢秀義         ───────────────────  平成27年3月3日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(風間辰一 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(風間辰一 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、桃井進議員。       〔8番桃井進君登壇〕 ◆8番(桃井進 君)おはようございます。質問いたします。初めに、G8サミットの誘致についてお伺いします。  2016年に日本で開催される予定のG8サミットを長野県軽井沢町に誘致することについて、私は昨年の6月定例会で質問いたしました。その際、阿部知事は、軽井沢町や県内経済団体、市長会、町村会からの要望をしっかりと受けとめ、サミット開催の効果が広く県内に及ぶよう、また、地理的条件の優位性のアピールを発信することの重要性を申されました。そして、県として、誘致を進める場合には県が先頭に立って部局連携を図り、全庁的な体制を進めていく考えを示していただきました。  一方、県議会においても、経済4団体等から提出された、2016年開催予定主要国首脳会議(サミット)の長野県内への誘致に関する陳情を採択し、誘致に向けての活動に対する支援、協力をあらわしたところであります。  その後、県においては、産業労働部にサミット誘致担当を配置するとともに、経済4団体、市長会、町村会、軽井沢町、長野県を構成団体とする、2016年主要国首脳会議(サミット)長野県誘致推進協議会を設置して誘致活動を進めており、その会長に阿部知事が就任しております。  年明けの1月8日には、協議会として、国際親善文化観光都市である軽井沢を中心とするサミット誘致の要望書を、衆参両院の県選出国会議員を初めとした議員の応援を得て、外務省や関係省庁等に提出しております。また、在長野県外国人との座談会やシンポジウムなどを精力的に実施されております。  我が自民党県議団においても、昨年7月、日本における前回の北海道洞爺湖サミットの開催地となった洞爺湖町へ出向き、地域への波及効果や活動状況等について調査してまいりました。サミット開催地の経緯や、経済効果も高く世界的に地域をPRできるため多くのプラス面があったこと、環境整備や警備について住民への対応等の問題点などの説明を受けました。その中で、世界各国から来られた方々を、サミット期間中、不自由を感じさせないおもてなしの取り組みを全町民一丸となって実施したことが地域協働による新たな町づくりへの萌芽となったとのことでした。  そんな経過の中で、私としてもぜひ長野県軽井沢サミットの実現を願うところであります。  そこで、質問いたします。  まず、開催地の決定はことし4月ごろと聞いておりますが、正式な決定時期はどうなっているのか。  また、現在、幾つかの市などが開催立候補を表明しておりますが、政府は、サミット開催地誘致にテロ対策、警備力を最重要視するとし、評価基準を見直すとしています。このことを含み、現状はどうなのか。  開催地決定には首相の決断で政治的要素が強いとも言われております。国会議員の皆様にも応援をいただいておりますが、今後、国に対してはどのような対応を考えているのか。  以上、産業労働部長にお聞きします。  誘致にはさらなる県民からの盛り上がりが大切と考えますが、開催地決定までの県としての取り組み、軽井沢開催決定に向けての決意を誘致推進協議会の会長である阿部知事に伺います。  次に、介護福祉学科の設置についてお聞きします。  県立高校へ介護福祉士を養成する学科を設置することについて教育長にお伺いします。  少子・高齢化の進展に伴い、県内の町村では急激な人口の減少と高齢化が進んでいます。そのため、高齢者の単身世帯が増加したり、地域や家族等で支え合う力やコミュニティー機能が低下したりすることで高齢者を支えていくさまざまなシステムが機能しなくなることが強く懸念されています。今後の介護は、市町村ごとに地域の独自性や主体性を大切にしながら、地域の特性に応じて構築していくべきものと考えます。ますます増加する単身の高齢者や老夫婦世帯に対し、日常生活している生活圏の中で医療や介護、生活支援などを継続して提供していくことが重要です。  このような中にあって、全国的に確保が困難な介護職員を、長野県においても平成26年度の介護職員数3万4,000人から平成37年には4万8,000人までふやすことが必要とされ、その人材確保は待ったなしの課題です。そのため、高等学校段階において介護福祉の専門教育を充実させ、介護福祉士の資格を取得して、より高度な介護福祉の領域を学び、地域の暮らしを支える人材を輩出していくことが不可欠と私は考えます。  私の選挙区内の蓼科高校にも福祉系のコースが設けられ、今年度は2、3年生36名が学んでいますが、介護福祉士の国家試験の受験資格を得るためには実習を含めて多くの科目を学ばなければならないために介護福祉士の資格取得が難しいので、それにかわって介護職員初任者研修の単位認定を目指しています。介護福祉士の仕事につきたいと思い福祉コースを選択したが、卒業して上級学校に進学することが経済的に許される状況ではなく断念した、できれば介護福祉士の資格が高校で取得できたらという声も聞いています。  そこで、県教育委員会では介護人材の養成のために高校段階で今後どのような取り組みをしていくのか。教育長にお伺いいたします。  次に、介護の日についてお伺いします。  2008年に、介護の日、11月11日が制定され、6年が経過しています。他県においても積極的に介護の日のイベントを開催しているとのことです。厚生労働省はこの日の前後2週間を福祉人材確保実施期間としているそうですが、県ではこの2週間でどのようなことを行っているのか。お聞きします。  また、県や市町村でも積極的に担当部署を設置して介護の日の普及啓発と人材確保を官民一体で取り組み、地域包括ケアシステムを進める環境の構築が必要ではないかと考えますが、以上、健康福祉部長にお伺いします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)2点順次お答えいたします。  まず、サミットの開催地の決定時期と立候補地についての御質問でございます。  サミット開催地の決定時期につきましては、一部の新聞では4月ごろと報道されております。また、外務省からは、立候補している自治体に対する外務省と警察庁の現地調査は終了し、現在は政府全体で総合的な検討に入っており、ことし6月にドイツで開催されるサミットまでに決定される見込みという情報を得ております。  現在、立候補を表明している都市は八つの自治体でございます。東から順に申し上げますと、東日本大震災からの復興と支援への感謝を掲げる仙台市、和食文化によるおもてなしを掲げる新潟市、富士山や浜名湖の美しい景観を掲げる浜松市、国際会議開催の実績を掲げる名古屋市、伊勢神宮など古い日本の文化を掲げる三重県の伊勢志摩地域、阪神・淡路大震災からの復興と防災を掲げる神戸市、被爆地からの平和の発信を掲げる広島市、そして私ども長野県軽井沢町でございます。  国内有数のリゾート地である長野県軽井沢は、年々人口が増加するとともに、多くの若者や女性が活躍するなど大変活力あふれる地域を形成しており、地方創生の一つのモデルである点を強くアピールしているところでございます。  次に、国に対する対応についての御質問です。  サミット開催地の決定に当たりましては、最終的には首相サイドの政治的判断で決まると言われております。そのため政府関係者に対する働きかけが重要と考え、去る1月8日、阿部知事を初め軽井沢町長、市町村や経済団体の代表者などサミット誘致推進協議会のメンバーが一体となって岸田外務大臣や菅官房長官など政府関係者に誘致の要請を行いました。  また、2月には、民間企業の方々の御協力による、長野県と軽井沢の魅力を紹介したサミット特集の雑誌が発行されましたので、これを外務省や県関係国会議員など政府関係者に持参し、サミットの誘致に向けた長野県全体の熱い思いをお伝えしたところでございます。  今後も、現在作成中のプロモーションビデオを携えて再び政府関係者を訪問するなど、長野県の熱意と地元の盛り上がりをしっかりと伝えてまいることにしております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)サミット誘致についての県の取り組みと決意についてという御質問でございます。  サミット誘致、これは、県だけではなくて県全体で取り組もうということで、市長会、町村会、経済団体など官民一体で昨年9月の24日に誘致推進協議会を発足させて取り組んでまいりました。それ以降、協議会が主体となって、各種イベントでのPR、県関係国会議員との意見交換会、誘致推進シンポジウムの開催、政府関係者への要請活動、テレビCMの放送など、県内機運の醸成に向けたさまざまな取り組みを実施をしてきております。  昨年12月からことしの1月にかけて県政モニターの調査を行いましたが、サミット誘致の認知度は67.1%ということで、誘致表明以降、約半年の時点としては比較的高いものというふうに考えております。また、同アンケートによります、サミット開催に伴う期待事項の上位には長野県の知名度アップ、あるいは地域活性化、国際化ということが上がっています。  サミット開催が実現した暁には、世界に対して長野県の強み、価値を最大限発信するとともに、世界に貢献できる開かれた長野県づくりのきっかけにしていきたいと考えております。  開催地の決定時期も刻々と近づいている状況の中で、県としては開催地の決定に向け最後の最後まで全力で取り組んでいく決意でございます。議員各位からも引き続きのさらなる御支援と御協力を賜りたくお願いを申し上げます。  以上です。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)高等学校段階におきます介護人材の育成についてのお尋ねでございます。  平成19年に社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、介護福祉士国家試験受験資格の取得に当たって必要な専門科目が大幅にふえるとともに、実習室や機械器具等の施設設備基準の引き上げや要件を満たした教員の配置等も必要となり、高等学校のみで受験資格を取得することが大変困難になっているところでございます。  この制度改正を受けまして、現在、県内で福祉系の学科やコースを有する県立高校13校では、高等学校段階においては福祉の基礎を学ぶという考え方に立って、介護福祉士の国家試験受験資格を得るための教育ではなく、福祉マインドを育む教育活動を中心に展開しているところでございます。  また、今後さらに必要となる介護人材を育成するため、現在、健康福祉部と連携をし、高校と短大、専門学校が接続して介護福祉士の受験資格を取得できる特区申請を検討しているところでございます。
     今後の高等学校段階における福祉教育のあり方につきましては、現在検討してございます特区申請の状況も踏まえつつ、今年度立ち上げました産業教育審議会において今後必要となる人材の見込み等も踏まえつつ御議論をいただきたいというふうに考えているところでございまして、その議論を受け、県教育委員会とし必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)順次お答えをいたします。  まず、福祉人材確保重点実施期間の取り組みについてでございます。  介護の日を中心といたします福祉人材確保実施期間につきましては、経営者や関係団体を初め、県、国、市町村が一体となり、福祉・介護サービスの理解を深めるための普及啓発や人材確保定着を促進するための取り組みを行う目的で設定されたものでございます。  県では、例年、この期間に人材確保に向けた重点的な取り組みを実施しておりまして、就職希望者向けの職場説明会や施設見学会の開催、啓発ポスターの配布などを行っております。特に、今年度は、新聞に全面広告を掲載いたしまして、その中で介護現場で働く若手職員の声を紹介することにより介護の職場や仕事の魅力について大規模なPRを行ったところでございます。  また、介護の日の11月11日には、事業者団体や職能団体などから成る実行委員会の主催により「介護の日県民のつどい」が長野市で開催されました。県はこの開催を支援したところでございますが、この中で、講演会や福祉機器の実演など多彩な催しに幅広い世代の県民の参加が得られ、介護職場への理解を深めていただけたものと考えております。  次に、官民一体の取り組みについてでございますが、介護の日の普及啓発や人材確保については従来から関係団体とともに国、県、市町村が協働して取り組んでまいりました。本年度は、新たに、県とともに、事業者団体、職能団体、労働局、市町村などで構成する福祉・介護人材確保ネットワーク会議を立ち上げまして、介護のイメージアップや人材確保に係る対応策などを検討してまいりました。  こうした検討を踏まえ、平成27年度には、給与改善を促すためにモデル給与規程を作成しまして事業所向けのセミナー等で提示するとともに、資格を持ちながら介護の仕事に従事していない方への就職相談会の開催等を官民協働で実施する予定でございます。  また、県におきましては、地域福祉課に福祉人材係を設置し、介護の日の普及啓発や福祉人材の確保を所管することとしてございますので、この地域福祉課と市町村の介護保険担当課などとの連携を一層密にいたしまして介護に関する啓発や人材の確保をともに進め、地域包括ケアの体制構築に向けた環境を整えてまいります。  以上でございます。       〔8番桃井進君登壇〕 ◆8番(桃井進 君)答弁をいただきました。  サミット誘致、これが誘致された場合、軽井沢町を初め隣接している地域の住民の生活においてさまざまな影響が出てくると思います。そのことをしっかりと周知していただいて、協力を得られるような開催ができればいいかなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  また、介護士についても、これは国が大きくかかわっているものと思っております。これは今すぐどうというふうに進まない話だと思いますので、引き続き取り組んでいただきますことをお願いするところであります。  次に、新交通ビジョンについてお伺いします。  この3月で開業する北陸新幹線(長野経由)金沢延伸や2027年に開業予定のリニア中央新幹線の二つの新幹線で東西日本を結ぶネットワークが形成され、また、中部横断道、中部縦貫道や三遠南信、松本糸魚川道路などの整備により太平洋と日本海を結ぶネットワークが形成されるなど、高速交通網を生かした交流を拡大するために本州中央部広域交流圏を構築するとの構想が長野県新総合交通ビジョンに掲げられ、策定されています。  このビジョンの目指す交通の将来像を実現するために2013年には本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会が立ち上げられ、関係の皆様から意見等を伺い、1年以内に交通体系のよりよい方針を取りまとめることで進めているとのことです。  この検討会ですが、北陸新幹線やリニア中央新幹線からやや離れた地域、本県の中央に位置し、首都圏や中京圏等と結ばれる結節点として広域交流のハブ(拠点)機能としての役割が期待できる地域の今後の交通のあり方を、自治体はもちろんのこと、経済団体等にも参加いただき検討する場であります。  検討会立ち上げからワーキンググループも設置し、8回ほど会議を開催して具体的な検討も重ね、現在、それぞれの方策について費用便益分析等による事業評価を実施しているとの先日の答弁でした。  目標の1年が迫っておりますが、検討会議を今後どのような方向に進めていくのでしょうか。  検討会議ではハードとソフト両面について検討し、それを集約、整理した中で打ち出された方向性を、長野県総合5カ年計画、長野県新総合交通ビジョン等、県の施策へ反映させて具現化させていくものと思いますが、地域の取り組みはどのようにすべきか、どうしていくのがよろしいかなど具体的にまとめることができるのでしょうか。企画振興部長にお聞きします。  そして、これら方向性は来年度の早い時期となるとのことですが、今月に迫っている北陸新幹線(長野経由)金沢延伸を控え、また動き出したリニア中央新幹線を進めるに当たり、知事として、県全体、日本全体を見据えて、長野県の今後の交通体系をどのように考え、どうされていく方針なのかをお伺いします。  この検討会においては、東信と中南信を結ぶ重要道路の高規格化についても指摘をされているとお聞きしています。そして、この地域間の利便性向上について検討し、今後の交通体系のあり方についてのビジョンを出していきたいともお聞きしています。  長野県新総合交通ビジョンでは、道路交通ネットワーク強化のため、信州まつもと空港のある松本地域と新幹線のある上田、佐久地域などを連絡する道路については機能強化に取り組む路線として位置づけられました。  また、長野県総合5カ年計画の「第6編各地域がめざす方向とその方策」での佐久地域では、地域での人や物の交流の一層の拡大を図り、それにより生み出されるさまざまな効果を地域全体に波及させていくことが課題とされ、そのためには、県外はもちろん、地域内や県内東西地域間相互の流れを活性化するつながりを創出するため中部横断道の早期整備とアクセス道路等地域内外をつなぐ道路網の整備の推進が明記されており、中部横断自動車道と並行して佐久地域を南北に走る国道141号は中部横断自動車道への代替路線としての役割もある重要な幹線道路で、今、しなの鉄道をまたぐ平原大橋付近と千曲川を渡る浅蓼大橋付近の4車線化の事業計画がありますが、整備の状況について建設部長にお聞きいたします。  さらに、地域内外を結ぶ道路整備である国道254号と国道152号等について、今までにも状況について本議会でも答弁をいただいていますが、本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会において地域間道路、高規格化について意見等が出されていると思います。そして、その意見等を踏まえて、地域高規格道路の候補となり得る佐久と松本及び上田と諏訪を結ぶ道路について、地域間の交流拡大を図るために必要な道路整備は今後も着実に推進していくと答弁をいただいていますが、今後はさらに一層上の道路の位置づけとして機能強化に推進していただきたいと要望いたします。  次に、しなの鉄道について。  3月14日、北陸新幹線(長野経由)金沢延伸を間もなく迎えようとしていますが、同じ日に信越線の長野―妙高高原間をしなの鉄道が北しなの線として引き継ぎ、開業します。  御存じのとおり、しなの鉄道は、1997年に長野新幹線開通に伴い軽井沢―篠ノ井間を引き継ぎ営業を開始しましたが、今回の長野―妙高高原間と合わせると営業キロ数は約100キロメートルとなります。しかし、この引き継ぐ鉄路は、華やかに開通を迎える北陸新幹線金沢延伸とは対照的に、非常に厳しい営業を今後迎えることとなりそうではないでしょうか。  しなの鉄道は、平成8年、会社設立、平成9年、軽井沢―篠ノ井間開業となりましたが、平成13年の中間決算では累積赤字が24億円以上となり、資本金を上回る債務超過状態になりました。平成17年度の決算では、さまざまな改革や事業展開により初めて最終損益において黒字を計上するに至りました。そして、現在に至るまでに、平成13年10%、平成19年に12.5%と二度の運賃改定を実施しております。  さきに打ち出されましたしなの鉄道の中期経営計画によれば、北しなの線は毎年度3から4億円の赤字が発生する見通しとのことです。それは、やはり利用者が少ない豊野以北を抱えることにより発生するようで、輸送密度の推計では長野―豊野間は現在の軽井沢―篠ノ井間よりも上回るようですが、豊野―妙高高原間は非常に低い利用者数から輸送密度が低く、また、長野―豊野間も輸送密度は高いが距離が短いために運賃の収入が少ないことがネックとなっているようです。  これをカバーするにはやはり財政支援が必要となりますが、非常時の貨物輸送路維持などとして4億円ほど国から支援される見通しとのことで、何とか経営が成り立つようであります。しかし、利用者の落ち込み等が発生すれば赤字になるおそれを多分に抱えているでしょう。  そのような中で、やはり利用者として気がかりなのは運賃の値上げと冬期豪雪での安全で正確な運行の課題です。軽井沢―篠ノ井間についても運賃はJRと比較すれば高く設定されており、北しなの線についても同じ水準となり、普通運賃はJRより1.24倍、通勤定期は1.49倍、通学定期は1.61倍となる予定とのこと。しなの鉄道も、経営のためにはJR運賃より上げるしかないと言い切っております。  また、冬期運行についてですが、長野以北は雪による影響を受けやすい地域であり、特に黒姫―妙高高原間は日本の鉄路の中でも特に豪雪地帯であり、その運行のための維持管理は非常に難しく、遅延や運休による他の路線への影響や、これに伴う利便性の低下、そして、ひいては利用率の低下にまでに及んでしまうことが危惧されます。  そこで、これら北しなの線開業に向けての課題がある中で、しなの鉄道自身はもちろん、沿線の市町村等で構成される協議会においても利用促進につながる取り組みを進めていくこととなると考えますが、県としては、それらの取り組みについてどのように知恵を絞って連携し、支援を行っていくつもりであるのか。企画振興部長にお聞きします。  また、北しなの線において予定していた営業収入が達成できなかったと仮定した場合、経営状況はさらに厳しいことになります。とすれば、しなの鉄道としては、今回開業する長野―妙高高原間だけの収支でなく、軽井沢―篠ノ井間を合わせた収支で考えざるを得ないこととなるでしょう。これは当然のことですが、そうなった場合は双方の路線で運賃値上げを行うことを考えると思います。そうなれば、軽井沢―篠ノ井間の利用者数のほうが多いわけですから、こちらの利用者にも大きな負担がかかってきます。利用者にとってはここが非常に関心を持つところです。軽井沢―篠ノ井間の利用者は今までも高い運賃で利用せざるを得ない状況でしたが、さらにまた非常に高い運賃での利用となるわけです。  長野―妙高高原間沿線自治体の皆さんは今後さまざまな利用促進に向けて展開を図っていくものと思いますが、軽井沢―篠ノ井間にかけての自治体の皆さんは今までにさまざまな取り組みによる展開を図ってきたところです。  我が佐久地域では、国際観光都市軽井沢の知名度を生かしながら、沿線自治体が取り組みを行って利用促進を図ってきました。また、島崎藤村、千曲川旅情の小諸懐古園、真田幸村に代表される上田城跡、そして、長野県を代表する戸倉上山田温泉等々も観光客輸送で取り組みを行ってきたはずです。そして、通勤・通学のための取り組みとしては、駐車場を整備し、鉄道に乗りかえるパーク・アンド・ライドを進め利用促進を図る等々、自治体も工夫をしながら取り組んできたことと思います。  そこで、北しなの線経営のみならず、しなの鉄道全体の経営として約74%出資している県の支援の中で、今まで活用してきた財政的な支援としての補助金制度等はどのようなものがあったのか。そして、今後はその制度の拡大等を含めてどのような方針で支援をさらに行っていくのか。企画振興部長にお聞きします。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)まず、本州中央部広域交流圏の結節機能強化に関する検討会議に関しまして、今後の進め方、取り組みについてのお尋ねでございます。  諏訪、松本、大北地域の皆さんと設置したこの検討会議におきまして、これまでは、新幹線との円滑なアクセスの確保をどう図るか、あるいは、県内主要都市間、大都市圏、さらには海外との円滑な移動環境をどのように形成していくかといった観点からさまざまな対応策について検討してきたところでございます。現在、それぞれの対応策について効果や課題を明確にするとともに、事業の評価を実施しているところでございます。  検討会議として認識を共有した上で、今後どのような対応策をより重点的に取り組むことが望ましいかといった点についても議論いたしまして、本州中央部広域交流圏の結節機能強化に向けた交通体系の充実方針といったものを検討会議として取りまとめてまいりたいというふうに考えております。まずはこの充実方針を策定しお示しすることが重要だというふうに考えておりますが、充実方針策定後の実現に向けた取り組みにつきましては、それぞれの対応策ごとに県を含め地域や関係者が個々具体的に協議し決定していく必要があるというふうに考えております。  次に、しなの鉄道についてでございます。  北しなの線の利用促進についてでございますが、開業を迎える北しなの線が安定的な運行を確保するためには、地域全体で協力、連携し、利用促進に取り組むことが大変重要であるというふうに考えております。  昨年、県も参画いたしまして北しなの線運営協議会を設立いたしまして、利用促進に向けた住民アンケート調査を実施をいたしました。その結果が開業時におけるダイヤ編成や増便につながったところでございます。  県としては、今後とも、北しなの線運営協議会を中心といたしまして、しなの鉄道や沿線市町と連携し、パーク・アンド・ライドの推進や2次交通の確保など、より利便性を高めるための取り組みを推進してまいりたいと考えております。  また、北しなの線の沿線は野尻湖周辺など観光資源に恵まれた地域でございます。地域の資源を活用した観光列車の運行、さらには、新潟、富山、石川各県との並行在来線とも連携したフリー切符の発売やリレーイベント列車の運行など、観光路線としての利用拡大も積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、しなの鉄道への支援についてでございますが、しなの鉄道は、平成9年の開業後、多額の減価償却費負担などによりまして債務超過に陥ったために県としても経営再建のために103億円に上る公的支援を行い、ようやく4年前の決算で累積赤字を解消し、安定的な経営へ道筋がついたところでございます。こうした経験を踏まえまして、北しなの線の開業に当たってはJRからの鉄道資産の取得に要する経費を全額県が補助するなど、県としては来年度までに総額48億円余りを支援する予定でございます。  また、しなの鉄道に対しましては、これまで施設設備の安全性向上や駅のバリアフリー化に対しまして国と協調した補助を実行してまいりました。そのほか、新駅の設置、さらには、昨年7月に運行を開始しました観光列車「ろくもん」の導入も支援したところでございます。  県としては、引き続き、しなの鉄道に対しまして現行の補助制度等による必要な支援を行うとともに、並行在来線が将来にわたって安定的に維持存続されますよう、国に対し、貨物調整金制度を初めとした支援措置の拡充を働きかけてまいりたいというふうに考えております。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)交通についての御質問でございます。  今後の交通体系をどう考え、どうしていく方針なのかという御質問でございます。  一昨年、平成39年を目標年次といたしました長野県新総合交通ビジョンを策定いたしました。この中で、長野県として目指す交通の将来像、三つ大きな方針を掲げております。これを着実に具体化をしていきたいと思っております。  まず1番目が、長寿社会の確かな暮らしを支える地域交通の確保ということで、高齢化、そして人口減少が本格化する中で、日常生活の地域の足としての鉄道、バス、こうしたものをしっかり確保するための取り組みを進めていきたいと思います。  その上で、2点目として、本県、多様な地域特性がある、個性ある地域が緩やかな連合体をつくっているところに長野県の強みがあると思っています。そうした地域間連携を進めていく上での県内の各地域を円滑に移動できる県内交通ネットワークの実現。  そして、さらに大きな視点で考えた場合に、3点目として、本州中央部広域交流圏の構築ということを掲げております。北陸新幹線あるいはリニア中央新幹線のネットワーク、また高規格幹線道路等によるネットワーク、さらには信州まつもと空港によります空のネットワーク、こうしたものを最大限活用して、本州の中央部に位置している本県を中心として県境を越えた人や物の大きな流動をつくり出し、大規模な広域交流圏域を構築していきたいというふうに考えています。  先ほど企画振興部長から答弁したように、本州中央部広域交流圏結節機能強化に向けた検討会議で議論していただいているところでありますし、そうした検討結果をしっかり踏まえて具体的な施策につなげていきたいというふうに考えています。  長野県新総合交通ビジョンが掲げております、県民の日常生活をしっかり支え、県内を快適につなぎ、全国各地、海外へも広がる、こうした大きな交通体系の実現に向けて引き続き関係者と一体となって取り組みを進めていきたいと考えております。  以上です。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)国道141号の整備状況についてのお尋ねでございます。  国道141号は、山梨県と東信地域を結ぶとともに佐久地域を南北に結んでおり、中部横断自動車道へのアクセス道路や代替路線としての役割もある重要な幹線道路でございます。  特に、交通量が多い佐久市跡部から小諸市平原までの間につきましては渋滞対策を目的に4車線化を進めてきており、現在、浅蓼大橋付近及び平原大橋付近の2カ所、合わせて1.7キロメートルを残すのみとなっております。  今年度からこの2橋の4車線化の事業に着手しており、現在、それぞれの橋梁の予備設計を行っております。これを受け、平成27年度は、鉄道事業者等の関係機関との協議を進めるとともに、工事発注に向けた詳細な橋梁設計を実施し、早期の工事着手を目指してまいります。  以上でございます。       〔8番桃井進君登壇〕 ◆8番(桃井進 君)答弁いただきました。  北陸新幹線金沢延伸により観光客等がふえることは、経済効果が高まり、地域の活性化が図られ、大変うれしいことだと思っております。これにより、しなの鉄道に代表される地域の足、公共交通の利便性が損なわれる心配がないようにしていただきたいと思っております。  また、先ごろ北陸新幹線のダイヤが発表されました。佐久平駅停車も24本と現状と同じ本数が停車することになりました。また、朝の上り列車は、長野から佐久への停車数がふえて利便性が向上し、また、飯山からの通勤・通学が可能となったと思っております。  しかし、現在まであります軽井沢発のあさま599号がなくなってしまいます。軽井沢7時7分発、佐久平7時16分、上田7時26分、長野着が7時37分、これは東信地方から長野に向かう通勤・通学に利用されている人たちがたくさんいた電車だと思っております。これが、新しいダイヤでは、はくたか551号、軽井沢7時37分、佐久平7時46分、上田7時54分、長野8時8分着、飯山が8時21分です。この時間帯で通勤・通学に利用するのは難しいのではないかと思うんですが、例として、東信地方から、県職員の場合、長野駅に8時8分に着いた職員の方が県庁に来るまでに、8時半が始業開始ですよね、その人たちがここまで徒歩で来た場合、間に合うのかどうか。すぐ8時半から仕事ができる体制でいられるかどうかというのを例として挙げさせていただきました。  ぜひとも、もう少し早い時間帯、臨時列車を増設していただくことに取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、質問を終わらさせていただきます。 ○議長(風間辰一 君)次に、清水純子議員。       〔6番清水純子君登壇〕 ◆6番(清水純子 君)県民クラブ・公明の清水純子です。質問をさせていただきます。  昨年12月、県は市町村との協働により子育て支援策を強化し、みんなで支える子育て安心県を構築するため長野県子育て支援戦略を策定し、平成27年度から3年間、県が取り組む子育て支援の方向性を掲げております。1に子育てに伴う経済的負担の軽減、2に子育てと仕事の両立、3に子育ての孤立の防止ほか、困難を抱える子供と家庭の支援を重要テーマに策定をされております。  特に、この4年間の中で子育て中の多くのお母さんたちと懇談を行う中、大変に支援が必要であると感じた点は、産後間もない母親と赤ちゃんをサポートする産後ケアの必要性です。中でも、第1子の子育ての楽しさが、2子、3子への出産願望へとつながっていくことが重要です。出産後の女性は、ホルモンのバランスが崩れ、感情の起伏も大きくなります。核家族などでの子育てによる母親の負担から産後鬱や虐待を防ぐ目的からも、多様なニーズに対応する出産前後の支援の充実が必要であると考えます。  本年度、厚生労働省のモデル事業で、駒ヶ根市と須坂市で産後ケア事業の実施がされております。27年度からは国の恒久事業ともなり、予算額も3倍以上にふえるとされております。妊娠、出産時の不安が大きく軽減をされることが期待をされる産後ケア事業の充実に向けさらなる推進が期待をされますが、来年度の計画を健康福祉部長にお聞きをいたします。  子育ては家族だけの問題となりがちな中で、きめ細かな相談、支援を行う、現在各市町村においてファミリー・サポート事業を実施しているところもありますが、人材不足により実施が不可能な地域も多くあります。子育てを応援するNPOなどへの支援、また、サポーターを養成し派遣をする活動への支援、広域的にも活動できる仕組みづくり等への県としてのかかわり方をお聞きいたします。  また、60代、70代の子育て経験を持つ元気な高齢者にサポーターとして活躍をしていただくつなぎも必要と考えますが、あわせて御所見をお聞きいたします。  みんなで支える子育て安心県として、子育て応援のためのサービス利用券の発行への支援を県としても考えてみることもいいかと思いますが、いかがでしょうか。  また、さまざまな困難を抱える子供や家庭への支援として子ども支援センターを設置をし、相談、救済の仕組みを確立するとされております。重層的な相談体制は大変重要であると思いますが、今、児童相談所全国共通ダイヤルの3桁化が平成27年7月から運用開始されると聞いております。虐待の通告、相談ができる3桁の番号が広く周知が進むことによって長野県の児童相談所への相談件数の増加が見込まれ、その対応への万全な体制づくりが必要ではないかと心配をされますが、その体制の強化について御見解をお聞きいたします。  また、社会的養護にはできる限り家庭的な環境の中での養育が求められます。里親と施設との円滑な調整を図る里親委託等推進員が27年度から1名から2名に増員をされます。特定の大人との継続的で安定をした愛着関係のもとでの養育が求められていることからも、今後、各児童相談所への里親委託等推進員の配置を求めますが、以上、県民文化部長にお聞きをいたします。  現在、県内の不登校児童生徒数は小中で2,100人余り、県教委のデータによると、新たな不登校児童生徒の増加と、その一方で不登校状態が長期化しているケースも懸念をされております。不登校の背景や理由は多様であり、表面的な再登校を目標とするだけでなく、一人一人の児童生徒の特性や事情に配慮した丁寧な個別支援のあり方について教育委員会と学校現場が共有することが何より重要であると考えます。  不登校は当該学校を卒業することによって統計データには含まれなくなりますが、児童生徒が抱えた根本的な原因が解決されない限り、彼らの自己肯定感の向上や社会に一歩踏み出す自信の獲得も難しいと思います。  長野県だけでも1万人を超えるニートやひきこもりを含む無業の若者たちの増加には、こうした不登校からつながる背景があると私は考えます。  本年1月に、文部科学省はフリースクール等への支援を検討する会議を立ち上げました。国も、既存の学校教育の枠組みの中で自分らしく過ごせない子供に配慮し、一人一人の多様性に応じた学校外の学びの場の必要性を認識しておりますが、本来は、不登校の児童生徒に限らず、全ての子供にとって一人一人の特性や能力を伸ばすことのできる多様な学びの場が用意されるべきであると考えます。  こうした国の動きを待つことなく、教育県長野としても、一人一人の児童生徒の学びを保障するという観点から多様な学習環境の整備を進めることが不可欠であると考えますが、本県における多様な学びの場についての現状把握と今後の方針について御所見をお伺いいたします。  現在、日本の子供たちの自己肯定感の低さや孤立感情の高さが国際比較調査でも指摘をされております。本県でも3,500人余りの小中高校生を対象に平成23年度に実施をされた青少年生活意識調査では、学齢が上がるにつれ自己肯定感が明らかに低下している実態が示され、高校生に至っては、自分のことが好きかという問いに対して、そう思う、まあまあそう思うと答えた割合が3人に1人しかいませんでした。  こうした傾向は年々深刻化しているとも言われており、不登校対策においても自己肯定感が向上するような支援でなければ本質的な課題は先送りされるばかりで、将来、社会的自立が困難となる若者たちの増加を食いとめることはできないと考えます。ましてや、いじめや虐待等を受けている児童生徒の状況は極めて深刻です。  県や県教委において子供にかかわる相談窓口は複数、重層的に設置をされております。しかし、相談窓口を設置するだけでは子供からの相談が勝手にふえることはありません。自己肯定感の低い子供にとって、まず相談しようと思うまでに大変な時間と労力が必要だからです。子供が気軽に相談できる環境を整えること、またそれにあわせて子供が自分自身の基本的な尊厳を自覚できるよう、全ての子供たちに対して、あなたは社会から守られるべき大切な存在なんだという人権教育の視点もしっかり学校現場で子供たちに伝えるべきと考えます。  子供も1人の人間として尊重されること、そして、困ったことがあれば身近な大人に相談していいんだよというメッセージを伝える教育プログラムとして、私も何度か研修を受けたことのあるCAPがあります。子供たちの自己肯定感の向上や、困ったときの子供自身の対応方法の習得に大変効果があると言われております。  具体的で効果的なCAPプログラムを学校現場にも積極的に導入をすることを提案いたしますが、御見解をお伺いいたします。  27年度当初予算案では、スクールカウンセラーの配置拡充で学校における相談体制の充実を図るとしております。公立小中学校での配置人数89人から95人へ、高等学校における対応時間を5,706時間と今年度より倍増させる計画でありますが、その目的と目指す成果についてお伺いいたします。  私は、不登校を初め課題を抱える児童生徒への支援においては、学校と家庭と地域の支援機関をつなぐスクールソーシャルワーカーの役割が今後ますます重要になると考えております。現在、スクールソーシャルワーカーが県内に8名配置をされておりますが、その取り組みや実績について県はどう評価をされているのか。また、その方々の経験年数や、県から支払われている報酬の平均額、また男女比などについてもお尋ねをいたします。  以上、教育長にお聞きいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕
    ◎健康福祉部長(小林透 君)子育て支援の御質問につきましてお答えをいたします。  産後ケア事業の平成27年度の計画についてでございますが、産後ケアの充実に向けまして、本年度は、御質問のとおり、県内2市において、国のモデル事業を活用いたしまして、出産後の体の回復ですとか、授乳の仕方など育児の方法、あるいは家族からの援助がないことなどに悩んでいる方の心身の負担を軽減するため医療機関や助産所において宿泊や日帰りでケアや保健指導を受けた場合、その費用の一部を医療機関に対して助成することで産後の心身ケアや育児サポートを行ったところでございます。  平成27年度におきましては、現在のところ全国で本年度50カ所のところを150カ所にふやして募集されておりまして、県内で七つの市町村が本事業の実施を要望し、事業の採択に向けて準備しているところでございます。  また、県では、このモデル事業の成果を活用し、平成27年度に設置する信州母子保健推進センターにおいて妊娠届の早期提出や新生児訪問がより多くの市町村において取り組まれるよう積極的に働きかけてまいります。  さらに、市町村の取り組みを支援するため、スクリーニングなどの実施マニュアルを策定いたしまして、保健師などを対象とした研修を行うことなどにより産後ケアがより充実するよう取り組んでまいります。  以上であります。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)子育て支援関係で4点御質問をいただきました。  まず、地域で子育てを支援する人材の確保についてでございます。  きめ細かに子育てを支援するためには、行政だけではなく、地域の住民でありますとかNPOなどと協働して取り組むことが必要と考えております。  県におきましては、市町村が実施をいたしますファミリー・サポート・センター事業などの子育て支援事業に協力していただく人材を養成するために、本年度初めて子育てサポートステップアップ事業を実施をいたしまして、県下7会場、約150名の方に子育て支援に必要な知識を習得するための研修を受講していただきました。  また、60代、70代の高齢者というお話がございましたけれども、来年度は、子育て経験をお持ちの元気な高齢者の方々に地域の子育て支援活動に携わっていただけるよう、県下10カ所で1,000人以上が学んでおられますシニア大学で地域での子育て支援をテーマに講座を設けることも予定しております。  県といたしましては、今後も、地域における子育て支援の担い手を確保するため、年齢あるいは男女を問わず、意欲ある人材を対象とした研修でありますとか、子育て支援サービスを行うNPOなどへの支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、子育て支援のためのサービス利用券についてでございます。  子育て応援のためのサービス利用券につきましては、気軽にサービスを使ってもらえるなどの意味で有効な子育て支援策の一つであると認識をいたしております。  昨年12月、県から、市町村に対し、新たな子育て支援策の充実に取り組んでいただくよう要請しましたところ、来年度以降、サービス利用券を子育て家庭に支給をいたしまして子育てサービスに活用してもらうような事業に取り組まれる市町村もあるとお聞きをいたしております。  一方で、本県におきましては、地域によって子供の預かりサービスでありますとか産後ケアサービスなど利用できるサービスの種類などが大きく異なっております。したがいまして、県といたしましては、県下一律に利用券を発行するというのは公平性などの点からなかなか難しいかなというふうに考えておりまして、地域の実情に即して実施される市町村等の多様な取り組みということに対しまして支援するということで対応してまいりたいと考えております。  なお、サービス利用券につきましては先ほど申し上げましたように有効な支援策の一つというふうに考えておりまして、実施する市町村の取り組みを他の市町村に情報提供するなどして広がっていくようなサポートをしていきたいというふうに思っているところでございます。  続きまして、児童相談所の体制強化への取り組みについてでございます。  虐待を受けたと思われる子供を見つけたとき、あるいは子育てに悩んだときなどにちゅうちょせずに児童相談所へ通告、相談できるよう運用している、現在10桁の児童相談所全国共通ダイヤルが、国におきまして、お話にございましたように、ことし7月から覚えやすい3桁番号により運用開始するための準備が進んでおります。  児童相談所の児童虐待に関する相談対応件数は平成25年度1,358件ということで過去最高になったという状況もございまして、児童相談所の体制につきましてはこれまでも職員の増員などを行ってきたところでございます。  御指摘のように、全国共通ダイヤルの3桁化によって手軽に電話できるようになりますので、相談件数がさらに増加することも考えられます。そこで、職員の専門性の向上でありますとか所内外の連携など、体制強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、里親委託等推進員の配置についてでございます。  児童養護施設に入所しているなど社会的養護を受けている子供は愛着関係を形成することの課題でありますとか心の傷を抱えていることが多いことから、適切な愛着関係をつくり、周りの人に対する信頼感を獲得し、安定した人格を形成していけるよう、成長や発達を支援することが重要になります。  このため里親委託などの家庭的養護を行っていくことが重要でございますけれども、本県におきましては、里親等に養護されている子供は養護を必要とする子供全体の約1割と低い状況にございまして、里親登録者をふやして委託につなげていくことが大きな課題になっております。  里親委託等推進員は、児童相談所の里親担当職員とともに、里親の新規開拓あるいは委託を受けている里親の相談に応じるなどの役割を担っており、現在1名配置されておりますけれども、御質問にございましたように来年度は2名に増員する予定でございます。今後も、その効果を見ながら、里親委託等推進員の配置を含め、総合的に家庭的養護の推進方策を検討してまいりたいと考えております。  また、里親委託の推進のため、推進員の増員以外にも、フォーラムの開催でありますとか児童相談所と里親との協働による里親サロンの開催などの事業もあわせて行っていくことといたしております。  以上でございます。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)不登校対策に関連いたしまして4点御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、多様な学びの場についてでございますが、県内における多様な学びの場としては、市町村が設置している中間教室のほか、民間教育機関が行っているフリースクールや保護者が運営する教室など多様な形態が存在しているため、県としては必ずしもその全体を把握できていないところでございます。このため、現在、県民文化部、健康福祉部と県教育委員会が連携して設置をいたしました庁内検討チームにおいて、県内の多様な学びの場についてその実態につき調査をし、現状の把握に努めているところでございます。  今後の方針につきましては、現在実施している調査結果を踏まえ、国のフリースクール等に関する検討会議の検討状況も注視をしながら、庁内検討チームにおいて支援策を考えてまいりたいと考えております。  次に、CAPプログラムの学校現場への導入についてでございます。  CAPプログラムは、体験型、参加型の学習手法で、自己肯定感を向上させたり、いじめや暴力から自分を守るためにできることを学んだりする上で大変効果的な取り組みだと考えてございます。  県内には、CAPプログラムを積極的に取り入れている地域、また学校も出てきているものと承知をしてございます。  県教育委員会では、CAPの活動をしている団体について、人権教育の講師としてホームページ等で紹介をしているところでございます。また、さらに、来年度は、長野県人権教育リーダー研修会で、CAPの活動を行っている団体に依頼し、いじめ防止にかかわる講演をしていただくとともに、ワークショップを実施し学校の教職員にも体験的に学習をしてもらうことを予定をしているところでございます。  今後とも、自己肯定感を高めるようなさまざまな教育活動の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、スクールカウンセラー事業拡充の目的と目指す成果についてのお尋ねでございます。  スクールカウンセラーは、児童生徒の悩みに寄り添いながら悩みや困難の解決に寄与するとともに、助言などを通じて保護者への支援や、教職員のカウンセリングマインド向上のためにも大変重要な効果があるものというふうに考えてございます。  しかしながら、特に本県の高等学校におきましてはカウンセラーの配置が十分でなく、悩みを抱える生徒や、より多くの生徒が必要なとき、あるいは定期的に相談できる状況にまでは整っていなかったところでございます。  このため、来年度は、高等学校を中心に大幅にスクールカウンセラーを拡充することによって適切かつ迅速に児童生徒の悩みや困難を解決できるよう相談・支援体制を充実させ、児童生徒一人一人が安心して学校生活を送ることができるような環境を整えてまいりたいと考えております。  次に、スクールソーシャルワーカーについてのお尋ねでございます。  スクールソーシャルワーカーにつきましては、8名を県内五つの教育事務所に配置をし、学校や市町村だけでは対応困難な事案について、学校からの要請に基づき対応しているところでございます。  平成25年度の支援状況は、全県で716件ございまして、その結果、約4割の問題が解決、もしくは解決に向け好転をしているという状況でございます。  具体的な成果を一つ御紹介を申し上げますと、例えば、子供が全員不登校状態で、母親が病気がちな家庭に対し、病院への受診と福祉関係機関の介入を提案し、母親が福祉サービスを受けることをきっかけに子供全員が週2回のペースで登校を開始してきたと、こういうような成果も上がっているところでございます。  教育サイドのみで解決困難な課題につきまして、学校と保健福祉機関の調整や橋渡しを行い、問題を解決に導く大変重要な役割を果たしてきているものと認識、また評価をしているところでございます。  現在、8名のスクールソーシャルワーカーにつきましては、経験年数は2年から7年という幅でございまして、現在の8人は全員女性でございます。報酬は、これは時間当たりでの報酬という形になってございまして、1時間当たり4,330円でございまして、年間の受け取る金額は時間によって異なってきてございまして一人一人によって違いますが、平均にならしますとおおむね年間約240万円程度ということになっているところでございます。  以上でございます。       〔6番清水純子君登壇〕 ◆6番(清水純子 君)ただいま御答弁いただきました。  子育てサービス券については、県は、比較的、平等性とか一律にというような御答弁をよくいただきますけれども、子育て支援、77市町村によって全然違う環境下であることはわかっております。まずは、とにかく子育てを地域で応援するために、自分1人で抱えなくてもいいんだよという発信をしっかりしていくためのサービス利用券、お試し券というような形でぜひ県としてスタートを切っていただければというふうに思っております。  また、多様な学びの場に関しては、国の検討会議を待つような方向性の御答弁をいただきました。信州の教育再生をうたっている長野県の教育において国の動向を待たずに学びの平等性を確保する、不登校の子供たちがどれだけ学びが保障されていないのかということにしっかりと目を向けていただきながら、早く学びの場の提供ということに着手をしていただければと思っております。  また、スクールソーシャルワーカーに関しては、私はこの位置づけは大変重要であるというふうに思っております。相談体制はしっかりと拡充をされている。あとは、待っているのとプラス出かけていって子供たちを解決する、そのようなことが今求められている。これが最大の大人の子供への発信であるというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  先般、平成26年の自殺者数が国から発表され、本県はここ数年の減少傾向から一転して増加をしております。しかも、前年比41人増、率にして9.3%増は全国一の増加率であります。年代別では、50代が前年比54%増と最も高い数値ですが、続いて30代が44%増、そして20代も32.4%増と高い値で続いております。  さらに注目すべきは、無職が全体の55%を占めていることと自殺動機が不詳の方が全体の16.4%、79人いるということです。この人数は、前年比31人増、率にして何と64.6%増であります。無職で、かつ動機が不詳という方々の中にはニートやひきこもりの若者がかなり含まれているのではと推察をします。  さきの木下議員の質問の中で、県はこの実態についてデータを詳細に分析するとおっしゃっておりますが、具体的にどのような分析をいつまでに行うのか。健康福祉部長にお聞きをいたします。  「しあわせ信州」を高らかに掲げている長野県が、年間480人、毎日平均1.3人もの自殺者を出しているという現実に真摯に向き合わない限り、真の「しあわせ信州」の実現はありません。特に、前途ある若者の自殺は、生きることを選択できなくなったその背景とメッセージを真剣に県が受け取らなくてはならないと思っております。自己肯定感が低下をしている子供や若者を取り巻く環境と自殺の背景の関係性にもしっかりと目を向ける必要があると思います。ただ単に平成26年に増加をした原因だけではなく、深く自殺の原因を分析し、全庁で徹底的な対策を進めることを求めますが、知事の御所見をお伺いいたします。  依然として高い水準にある自殺者数を減少させるため、さらなる対策の拡充も必要です。山形県では、専用ホームページを開設し、心の病や自殺防止についての情報提供と相談窓口の啓発を行っております。また、同様のサービスをスマートフォンでもできるよう、アプリの開発に取り組んでいる自治体もあります。こうした取り組みは若年層への情報発信や相談対応に効果的であると考えますが、健康福祉部長に御所見をお伺いいたします。  阿部知事として初めてのしあわせ信州創造プランが策定をされ、各種の事業が展開をされています。そのような中、今年度は県内で災害が多発し、安全、安心の面からも特段に創造プランの推進が求められています。  私は、この災害の復旧、復興の状況を災害自治体や被災住民の立場として見たときに、救援物資の輸送、救急患者の搬送、避難路の確保など、創造プランにある、有事の際、幹線道路の交通機能を補う代替道路の整備の推進は喫緊の課題であると考えます。  私は、昨年の9月議会で、国道143号青木峠新トンネルバイパス推進について質問をさせていただきました。この際、知事からは、国道143号線には1次緊急輸送路の位置づけもある、防災拠点間を結ぶ重要な路線であると御答弁をいただいております。また、建設部長からは、この件について、事業化に向けた調査を検討する箇所としてしあわせ信州創造プランの中に位置づけられており、具体的なルート、工区は今後行う調査を踏まえて定めてまいりますと御答弁をいただいております。  この新トンネルは、防災以外にも、松本、安曇野地域と上田地域を結ぶ経済の道、観光をつくる道、命をつなぐ道でもあります。全体55.8キロのうち改良未着工は直線にして1.9キロのトンネルの区間のみで、この事業推進により両地域の全体の経済効果は飛躍的に発揮をされるものと考えております。関係市町村でも、各議会で取り上げられ議員連盟が設立されるなど地元の機運はかなり盛り上がってきております。5カ年計画も2カ年が経過をしましたが、今後の推進方策について、私の任期最後の質問として知事にお伺いをいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)自殺対策につきまして順次お答えをいたします。  まず、自殺に関するデータの分析についてでございますが、今回行う分析は、本県における自殺者の実態を解明するとともに、平成26年の自殺者の増加要因を前年との比較により明らかにしようとするものでございます。  実施に際しては、まず県警察本部から平成26年の速報値及び平成25年の個別データの提供を受け、精神保健福祉センターにおいて、年齢や職業、原因、動機など、より詳細な属性ごとの集計による分析を進めているところでございます。当面、より早く傾向を把握したいということで平成26年につきましては速報値により分析を進めていくとしているところでございますが、それとともに、今後公表が予定されている確定値のデータを精査し、来年度前半を目途に結果をまとめたいと考えております。  これらの分析により、県内における自殺の実態をできるだけ正確かつ詳細に公表し、課題を明らかにした上でさらなる対策を検討してまいります。  次に、若年層への情報発信や相談対応についてでございます。  まず、ホームページを活用した啓発については、本県でも、精神保健福祉センターに併設している自殺予防情報センターが専用ホームページを開設し、相談窓口の情報などを掲載しているところでございます。  また、アプリの活用については、ストレスの度合いを問診形式により簡単にセルフチェックできるプログラムを提供している自治体があるものと承知してございます。  御指摘のとおり、こうした取り組みは若年層への働きかけとして有効であると考えられることから、いずれにつきましても、他自治体における活用状況などを参考にしつつ、本県における活用について検討し、情報提供や相談対応の充実に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、自殺対策についての御質問でございます。  若者を含む自殺の徹底的な原因分析と全庁挙げての対策についてという御質問でございます。  分析については、今、健康福祉部長からも御答弁申し上げましたように、通り一遍の分析ではいけないというふうに思っています。  今回、自殺者数、人口動態統計と警察の統計と少し集計の仕方が違っているわけでありますが、警察の統計の速報値で480名ということで対前年に比べて大変増加してしまっているということは、これは我々危機感を持って受けとめなければいけない数字だというふうに思っています。  そういう観点で、どういう方たちがどういう要因でみずから命を絶つことになってしまったのか、そうせざるを得なかったのかということを把握をして、その上で、どういう対策が必要なのかということを真剣に考えなければいけないというふうに思っています。  もとより、経済問題、雇用問題を初めとしてさまざまな要因がありますので、ここだけ何とかすれば解決できるという単純な話ではないというふうに思いますけれども、清水議員の御質問にもありましたように、「しあわせ信州」ということを掲げ、それに向けて政策を進めていく上で、自殺者数を何とか減らしていく、最終的にはみずから命を絶たれる方がないような環境を目指していくということが我々の使命だというふうに思っています。そういう意味で、知事部局はもとより、警察本部、そして教育委員会、関係する部局全体が協力し合いながらしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っています。  それから、国道143号青木峠新トンネルについての御質問でございます。  国道143号線、東信地域と中信地域を結び、防災面、観光面、経済面からも重要な路線だというふうに考えています。これまで、青木側、松本側からそれぞれ整備を進めているわけでありますけれども、青木峠についてはまだ未改良区間という状況であります。  私もさまざま御要請をいただいておりますし、担当部局のほうでも、この1年、青木峠のトンネル整備を求める御要望が非常に活発になっているなということを実感をしているところでございます。  平成25年の12月から本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議で交通体系の強化策を検討中でありますが、143号青木峠についても、新幹線との円滑なアクセスあるいは中信と東信の円滑な移動を確保するルートとして、この検討の俎上に上がっている部分でございます。  しあわせ信州創造プランでは、事業化に向けての調査の実施等を検討する箇所という位置づけになっております。今回の結節機能強化に関する検討会議における議論の検討結果を踏まえて具体的な対応を行っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔6番清水純子君登壇〕 ◆6番(清水純子 君)それぞれ御答弁をいただきました。  知事、143号線に関しては重ねて重ねて要望をしているところでございます。また、重要路線という認識をしていただいていることもよくわかっております。5カ年計画の中にも検討をする場所という位置づけになっておる。2カ年が経過をする中で、一日も早く着工を願うものであります。私どももしっかりと地元の中で機運を高めて、大いに皆さんでこの要望活動、機運を高めてまいりたいというふうに決意をしております。  私は全ての根幹は教育にあると思っております。若者の自殺対策は未来の日本社会の土台づくりであると思っております。若者にとって生き応えのある社会をつくっていくこと、これが大事であります。そして、子供たちが実社会に出る前に、自分の悩んだときや心のもやもやを外にSOSとして出していく、これを身につけられるように教育現場で教えていく、身につけていくことを教えていく、こういうことが今足りないのではないかと強く思っております。  そして、子供たちは多くの大人に見守られながら自分らしく成長できる。そして、どんな状況にあっても全ての子供たちに学ぶということがしっかりと長野県のどこにいても保障される。こんなことが、もう一度、教育県長野を再構築をしていく上で大変重要な根幹であるというふうに強く思っております。どうかよろしくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(風間辰一 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時26分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(村上淳 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  今井正子議員。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)脱原発、護憲、平和主義の今井正子でございます。  一昨日、佐久地域におきまして、118年の歴史を持ち農業一筋に生きた北佐久農業高等学校と108年の伝統ある臼田高等学校が閉校となりました。また、長野県岩村田高等学校の特色ある工業科が閉科となり、それぞれ最後の卒業式が挙行されました。残された1、2年生は、4月より北佐久農業高校の校地にできた佐久平総合技術高等学校の生徒として統合し、新しいスタートを切ります。北農魂は永遠です、臼高魂は永遠ですと声高らかに生徒代表が述べた姿が印象的でした。それぞれの校風と伝統を持つ89校の高校を1校たりとも潰させない、存続し発展させていくのだと、生徒の思い、PTAや同窓会、地域の声の代弁者として高校現場から議会へ出た者として、閉校式典で挨拶させていただくことは万感胸に迫るものがありました。
     広い農業高校の敷地に新しい工業科を建て、そこに10キロ離れた臼田高等学校が統合します。手の行き届いた農場や50町歩の平地林、そして宿舎を持ち、かつては衛生看護科も含め1,200人の生徒を誇った臼田高等学校が、2学級、全校240人プラス小諸高等学校高等部分教室1学級8名の臼田キャンパスとなりました。  順次教育長に質問いたします。  10年にも及ぶ県内に例を見ない3校を1校にという佐久地域の苦しい再編がようやく実行されようとするとき、既に第2期の3校再編の始まりのような将来像検討委員会ができ上がっています。設置目的と審議内容について伺います。  また、具体的な統合再編をするときに、1期の際につくった数による分校、廃校へのルールで縛ることはないのか。地域の不安についてもお答えください。  また、今回、委員長も兼ねることになる長野県初の文科省から出向された教育長に、信州が教育県と言われた理由についてもお尋ねいたします。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)まず、第2期の高等学校将来像検討委員会の設置目的についてのお尋ねでございます。  高等学校将来像検討委員会の設置目的は、今後さらに続く少子化の進行や社会情勢の変化を踏まえ、平成30年以降、およそ平成40年ごろまでを見通した望ましい高等学校教育のあり方について御検討いただくこととしてございます。  審議内容としては、具体的な再編統合の対象とする校名や地区の高校数を議論するなど高校再編計画そのものをテーマとするものではなく、今後の高等学校の望ましい役割や将来像に関する理念、方針などの基本的な考え方を御検討いただく予定でございます。  今後の高校再編計画につきましては、将来像検討委員会で検討いただいた理念や今後の方向性を踏まえ、少子化や社会情勢の変化も考慮しつつ、地域の皆様の御意見もお聞きしながら、慎重に検討してまいりたいと考えてございます。  次に、本県が教育県と言われた理由についてでございます。  教育県長野県が全国的に注目され教育県と言われたのは明治期当初からだというふうに承知をしてございます。その主たる理由としては、一つには、江戸時代末期の寺小屋数が日本一多かったことに象徴されるように向学の気風が本県にはございまして、それを基盤とし、明治9年には小学校への就学率が全国1位であったこと、また、その後も他県に先んじて小学校の校舎の建築を普及させるなど教育設備の充実を進めたことが一つの要因だというふうに考えてございます。  また、もう一つの理由といたしましては、全国からすぐれた教師を高額で招聘をし、欧米の教育思想をいち早く取り入れるなど、長野県の近代教育を形成していったことにあるというふうに考えてございます。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)検討委員の中には、14名の委員に、佐久市、小諸市、南北佐久郡、それから上田市、小県郡も1人もおりません。どのように東信地域の高校について議論されるのか不安です。  また、十数年前、高校の再編のスタートに当たり、鳥取、三重、福井、静岡などのほかの県では、地域高校は1クラス33人、農業科は30人、音楽科は25人掛ける2クラスなどと、県予算で負担をしながら特色ある学校づくりのための高校再編計画を掲げ、現場や地域とともに考え、譲歩し合って始めました。  あれから十数年、ぜひ、長野県も一律1クラス40名と言い続けることなく、特別支援学級からの生徒の6割が進学する地域高校や定時制の生徒数にも踏み込んでいただいてから第2期の改革は始めるべきだと思います。  また、文科省では、今まで、一つのコミュニティーを小学校単位、また防災の拠点を小学校単位とされてきました。2キロ、4キロ圏内の基準を見直す方針が出ました。行政管理上の効率化とも言われますが、山間地の多い長野県におきましては統廃合により学校がなくなった地域では一層過疎化が進むおそれがあります。統合せずに学校を存続させる、その自治体に対して県はどのような配慮、支援ができるのか。伺います。  続いて、他県に比べ自然の多い長野県の小中学生の体力の低下が問題となっております。体力向上のための取り組みの現状、そして新年度からの強化対策について伺います。  関連しまして、朝部活動原則廃止と出まして、ショックを受ける生徒、先生、そして怒る親もいました。もちろん、その逆もありましたが、この今の現状、そして、そんなに厳しくない朝練も放課後の部活も地元教育委員会の姿勢一つで変わってしまいました。もちろん、各校の校長先生の勇断で変わらないところもありますが、現状はどうでしょうか。  以上、3点、教育長に伺います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)順次お答え申し上げます。  まず、統廃合が困難な学校への配慮についてでございます。  中山間地の多い長野県では、地理的な制約等から学校統廃合が困難な地域があり、そうした地域においても充実した学校環境を提供できるよう、県教育委員会では複式学級解消教員や非免許解消非常勤講師等の教員を配置してきたところでございます。  さらに、昨年4月に、少子・人口減少社会に対応した活力ある学校環境のあり方及び支援方策を策定し、統合が困難な場合でも集団で豊かに学び合える学校環境を保障する方策とし、小中学校の一体化、学校間のネットワーク化等連携によるモデルを示し、活用していただくよう周知をしてきたところでございます。  次に、体力の向上についてでございます。  各学校においては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の分析結果を踏まえた体力向上プランを策定し、PDCAサイクルによる取り組みを進めるとともに、一校一運動の実施や長野県版運動プログラムの活用等を通じて体力、運動能力の向上に取り組んできたところでございます。  今後は、体力、運動能力の向上に向け学校全体で取り組んでいけるよう全ての学年における体力テストの実施や、その結果を踏まえて全教職員が課題を共有し、学校における取り組みを充実するよう各校の体力向上プランの見直しを求める。また、教員研修の充実により子供の意欲を引き出す体育授業の改善を推進してまいりたいと考えてございます。  さらに、中学生期のスポーツ活動指針の普及を通じ、運動部活動の充実、加入率の増加を図るとともに、本年度開発した長野県版運動プログラム、「幼児期からの運動遊び」の普及により幼児期からの運動好きな子供をふやしてまいりたいと考えてございます。  次に、朝の運動部活動の見直しについてでございます。  昨年8月に実施をした運動部活動の状況調査では、朝の運動部活動の見直しについて、県内全ての公立中学校188校を対象にその検討状況を確認をしたところでございます。このうち既に検討済みと回答したところは66校でございまして、その8割以上が原則として行わない、もしくは縮小して実施をするという回答をされたわけでございますが、122校はその時点では検討中としていたことから、その後、市町村教育委員会との懇談や学校への出前講座などを通じて把握をしてきたところでございます。各校とも年度内には一定の方向を示す、こういう予定になっているところでございます。  現在、県教育委員会においては、27年度における各校の運動部活動の活動基準を改めて調査をしているところでございまして、調査結果を踏まえ、発育・発達期にある中学生期のスポーツ活動が適切かつ効果的に実施されるよう、引き続き市町村教育委員会や各校と連携し運動部活動の見直しを進めてまいりたいと考えております。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)この4月より教育委員会制度は大きく変わります。教育は国家の思うようにマインドコントロールできるということは、日本の戦争の中での満蒙開拓に多くを送った県として、また、人間魚雷、特攻隊の歴史を聞くたびに思うところでもあります。その反省の中で確立した教育の独立性は保たれるとお考えでしょうか。最後となります教育委員長に伺います。  また、合議制の教育委員会制度ではなく、直接、教育長や委員を招集し教育会議を開くことができるようになる知事にも、制度の改革の注意すべき点を伺います。  今回、教育長と委員長を統合し、現教育長を任命いたしましたが、新教育長職として何を重視して任命されたのか。伺います。       〔教育委員会委員長櫻井久江君登壇〕 ◎教育委員会委員長(櫻井久江 君)教育委員会の独立性についてのお尋ねでございます。  今回の法改正によりまして、首長が議会の同意を得て教育長を直接任免できることとなるわけでありますが、教育委員会を合議制の執行機関として残すとともに、教育委員会と首長の権限は変更されておらず、教育委員会の独立性はいささかも変わるものではないというふうに認識をしております。そういう認識のもと、これから先もやってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新しい教育長についての御質問でございます。  今回の法改正によりまして、教育長は教育委員長と一本化されるという形になります。教育行政における責任体制が明確化されることにつながってまいりますし、また、知事である私が直接教育長を任命するという形になりますので任命責任も明確化していくものというふうに考えております。  こうした趣旨を踏まえまして、新しい教育長には、教育行政に精通し、マネジメント能力を有する人材、そして、何よりも子供たちへの熱い思いを持ち、教育再生を進めていくことができる人材に就任いただきたいというふうに考えております。そういう観点で本定例会に人事案を提出させていただいたところでございます。  以上です。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)いじめ防止について5点教育長に伺います。  川崎の13歳の少年が殺害されるというむごい切ない事件がありました。隠岐の島から都会に転校した中1の少年、また加害者として逮捕された3人の少年たちは、本来なら昼間学校やクラブに燃え、夜中は眠っている高校生年代、4人がそれぞれどんな日々を送っていたのかと思いますとかわいそうでなりません。このような事件を出してしまった社会は自分を含め貧困であると思います。教育長はこの事件をどのようにお考えですか。  また、国は、大津市のいじめを機に、いじめ防止対策推進法を制定し、重点的に取り組んでいるやさきでしたが、この効果と運用についてはどのように考えていますか。  また、いじめについて、大津市市役所の前の学校であったいじめについてどのように教育長は認識されていますでしょうか。  また、加害者には懲戒や出席停止など厳罰化で対処することになっていますが、加害者の更生はどのようにされるのでしょうか。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)順次お答えを申し上げます。  まず、川崎市の少年殺害事件についてでございます。  大変痛ましい事件でございまして、お亡くなりになった上村遼太さんの御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げる次第でございます。  このような事件はあってはならない事件でございますが、現在、警察のほうで取り調べ等捜査も続いているというところでございまして、私もまだ断片的に報道等を通じて事実関係を承知している段階でございますので、本事件につき軽々に申し上げるべき段階ではないというふうに思ってございますが、今後、全容が解明される中で、教育現場における課題、どのようなものがあったのかということが明確になる中で、私どももこうした事件を踏まえて必要な対策をとっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。  次に、いじめ防止対策推進法の効果と運用についてのお尋ねでございます。  いじめ防止対策推進法の制定によりまして、いじめは絶対に許さないという意識が高まるとともに、学校や教育委員会による取り組みが進み、組織的な体制整備が進んでいるところと受けとめてございます。  本県におきましても、全ての公立学校において学校いじめ防止基本方針が策定されるとともに、学校のいじめ防止等の対策のための組織も設置されるなど、各学校におけるいじめ防止のための取り組みが進んでいるところでございます。  次に、滋賀県大津市のいじめ自殺事案についてでございます。  平成23年に大津市で起きた、いじめを受けた中学生の自殺の事案につきましては、大津市が設けました第三者調査委員会の報告で学校や教育委員会の対応の課題が指摘されているところでございます。学校の対応では、子供からのいじめの訴えを受けとめ、早期にいじめを認知することができなかったこと、また、教育委員会の対応では、自殺の事後対応とし、緊急対策チームを設置することなく、調査や対応を学校だけに任せていたことなどが課題として指摘をされてございます。  報告は、さらに、日常的に児童生徒からの心の叫びを受けとめられるよう教員自身の感性を磨くとともに、チームで対応できる学校をつくることや、教育委員会は学校への支援と指導をしっかり行うことなど、その職責を果たすべきであると提言がされているところでございます。  大津市の事案を他山の石とし、本県の学校と教育委員会、しっかりと受けとめ対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。  次に、いじめに関する加害者の更生についてでございます。  今、議員から、加害者には厳罰化で対処することとなっているというお尋ねございましたけれども、今回上程をさせていただいています条例案の中でも、第7条で、学校及び学校の教職員は、「いじめを行った児童生徒に対する指導又はその保護者に対する助言を行わなければならない。」と、こういう規定を設けているところでございまして、厳罰化で対処するということではなくて、加害を行った生徒に対しどう指導していきながら教育的な観点でその過ちというものを正していくのか、またその保護者に対しては助言等を行いながら、学校と家庭が連携をして加害生徒に対する指導に努めていかなければいけない、このように考えているところでございます。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)県で考えているいじめ防止対策推進条例はほとんど国と似ていますが、国にない7条2項があります。「教職員の言動が児童生徒に与える影響を十分に認識して授業その他の教育活動を行わなければならない。」というのは当然のことでありまして、あえてそこまで踏み込まず、教職員の信頼のもとで行う教育活動に制限を加えたり、管理が強まるのではという意見も多いわけですが、なぜ加えたのか。書くべきではないと思いますが、教育長いかがでしょうか。  また、県内でも、飯田高校の殺人事件初め、飛び降りを含むさまざまな自殺で命をなくした子供たちが大勢ありました。その後の人生を生きていくには、たくさんのことが仲間の皆さんにも心に残ると思いますが、いじめは気づきを早くにと言わずにはいられませんが、国の法に沿った条例はあったほうがよろしいでしょうか。知事に伺います。  そして、一つ飛ばしてまいりましたので、形骸化の指摘も受けています定例教育委員会でしたけれども、事務局案から委員会で変更して決定した事例はこれまであったのかどうか。  これまでを振り返り、特に印象に残った決定事項、そして教育行政の課題など、最後の教育委員長となりました櫻井委員長に思いのたけをお話いただきますことをつけ加えさせていただきたいと思います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)条例案の第7条2項の教職員の言動に関する規定についてのお尋ねでございます。  国でいじめ防止対策推進法ができる以前の段階から、教職員は人権意識を持って教育活動に取り組むことは大変重要だというふうに考えております。  いじめ防止の基本方針でも教職員の人権感覚の大切さについて述べてきているところでございまして、教職員の言葉遣いや態度等が児童生徒を安心させることもあれば、反対にいじめを許す雰囲気をつくることもある、こうしたことを十分教職員が認識をしながらいじめ問題に対応していくということは大変重要なことだというふうに考えてございまして、改めて、当然のことではございますけれども、その点、教職員としてしっかり肝に銘じて取り組むべきということで条例案のほうに規定をさせていただいているところでございます。  この規定をもって現場に介入をするようなとか、もしくは管理を強化するようなというような意図の規定では全くないところでございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)いじめ防止対策推進条例についての御質問でございます。  私は、いじめの問題というのは、子供たちの人権に直接かかわる問題でありますし、また、在学中だけではなくて、卒業後も心に傷を残してしまう子供たちもいるということで、本当に社会全体でしっかり向き合って取り組まなければいけない課題だというふうに思います。  一義的には学校の対応でありますので教育委員会が取り組んでいただく話ではありますが、私も、子供の健やかな成長、そして全ての長野県に暮らす子供たちがやっぱり元気で明るく暮らしてもらうという観点では大いなる関心を持って、このいじめの問題、これまでもかかわってきましたし、これからもそういう視点でかかわっていきたいというふうに思います。  今回の条例、学校のみならず社会全体でいじめ防止に取り組んでいこうという姿勢もあらわしているわけであります。条例案におきましては、県、学校の設置者、あるいは学校の取り組みのみならず、保護者や県民それぞれの責務や役割を明確にしています。また、こうした取り組みを支援するための県の責務や支援策ということも明記をさせていただいて広く県民の皆様のいじめ防止に向けた機運を高める、そういう観点も込めて条例案を作成しているところでございます。  この条例、さきに議会の皆様方に御同意いただきました長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例と相まって、県を挙げていじめの防止等に向けた対策を効果的かつ総合的に進めていくために必要なものというふうに考えております。  以上です。       〔教育委員会委員長櫻井久江君登壇〕 ◎教育委員会委員長(櫻井久江 君)事務局案から変更して決定した事例、それから印象に残った決定事項や教育行政の課題についてのお尋ねでございます。  まず、事務局案を変更して決定した事例があったかとのお尋ねでございますが、教育委員会の施策につきましては、各委員の意見や、また考えを日ごろから事務局に伝え、事務局の原案作成に反映させているとともに、教育委員会議等での議論につきましては、状況によってはさらなる審議やより丁寧な対応、さらには事務局案の変更を求めることもございました。  例としましては、平成26年度の教育委員会の基本方針や信州教育の信頼回復に向けた行動計画の策定の際には、事務局案に対しまして、委員が出した意見を踏まえ、修正をしてまいりました。  また、教育委員会における印象に残った決定事項につきましては、第2次長野県教育基本計画や信州教育の信頼回復に向けた行動計画を策定をしたこと、また、30人規模学級編制を全国に先駆けて中学校3年まで拡大したことや、また、県内2校目の県立中学校となる諏訪清陵高等学校附属中学校の開校などが印象に残っております。  少子・人口減少社会の進行やグローバル化など教育を取り巻く環境は大きく変化している中、今後も、学力、体力の向上や特別支援教育の充実、悩みを抱える児童生徒への支援など、さまざまな課題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)児童福祉施設で暮らす人が七、八十人地元におります。児童虐待等の増加により、社会的養護はできる限り家庭的な環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係のもとで養育をするほうがよいということを国も打ち出しています。  お尋ねします。  1、県内の社会的養護施設に入所している生徒の状況はどうでしょうか。  2、これまでの施設から、家庭的養護の推進はどのように図っていったらいいのか。  3、週末等に児童施設に入所している子供たちを家庭的なきずなを深めるためホストファミリー制度の利用状況はどうか。  4、里親の登録を見ますと、21年度、前年比で50世帯も登録が減っていますけれども、どのような要因なのか。  5、養護を進めていくため、家庭的養護を推進するには里親の存在が大きいと思うが、里親になってもらう人をふやすためどのような取り組みをするのか。また、養育することによって経済的、精神的な負担があると思われるが、どのような支援をされるのか。伺います。県民文化部長です。
          〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)児童福祉関係で5点質問をいただきました。  まず、児童養護施設等の入所児童の数についてでございますけれども、平成27年2月1日現在、児童養護施設等に入所している児童は671人となっております。過去10年における児童の入所状況でございますけれども、おおむね600人台半ばから700人の間で推移をしているところでございます。  続きまして、家庭的養護の推進についてでございます。  お話にございましたように、児童養護施設等で生活する子供たちは愛着関係を形成することの課題でありますとか心の課題を抱えていることが多いということで、適切な愛着関係をつくり、周りの人に対する信頼感を獲得をし、安定した人格を形成していけるような成長、発達を支援することが重要になります。  このため、施設においてもできる限り家庭的な養育環境に変えていくことが必要であり、1グループの定員を6名程度とする本体施設の小規模グループ化の取り組みでありますとか、施設本体とは離れた住宅等において6人で生活するグループホームによる地域分散化を進めていく予定でございます。  また、あわせて、里親やファミリーホームといった家庭養護も積極的に進めていく予定でございます。  次に、ホストファミリーの利用状況についてでございます。  ホストファミリーは、児童養護施設等で生活している子供を週末や夏休み等の長期休暇を利用して里親やボランティア家庭等で家庭生活を体験させることによりまして、児童の家庭復帰と社会的自立の促進を図ることを目的として実施しているものでございます。  平成25年度は、県下の21施設のうち15施設において児童109人がホストファミリーを実施しておりまして、実施日数は延べ1,689日となっております。  児童養護施設等で生活する子供たちは、できる限り家庭的な養育環境の中でさまざまな生活スキルを身につけることや家庭生活を営む生活能力を養うことが大切になるわけでございますが、こうした視点でこの事業は大きな意義のある事業であると考えております。このため、今後ともホストファミリー事業を継続していくことによりまして、こうした児童が社会的に自立し、豊かな自分の人生を築いていけるように支援してまいりたいと考えております。  次に、平成21年度に里親登録が減ったということについてでございます。  平成21年度につきましては、困難な状況にある子供の支援を強化するということで、児童福祉法の一部改正によりまして養子縁組を前提とした里親と養育里親を区別をいたしまして、養育里親については一定の研修を修めることが条件とされました。そして、この研修を受講せずに里親登録を解除したことによる減少でございまして、これによりまして平成20年度に192名おりましたのが平成21年度には149名と減ったわけでございますが、現在は180名程度まで増加しているところでございます。  次に、里親に対する支援ということでございます。  来年度は、清水議員の御質問にもお答えしましたように、児童相談所の里親担当職員とともに里親の新規開拓や委託を受けている里親の相談に応じるなどの役割を担います里親委託等推進員を1名から2名に増員する予定でございます。  それから、新規里親登録をふやすための取り組みといたしましては、県や市町村の広報媒体による啓発、テレビ、ラジオのスポット放送等を行いまして、里親の募集を広く県民の皆様へ呼びかける取り組みを行っております。  来年度は、各地域で里親推進フォーラムを開催するなど、新規の里親登録をふやす取り組みを新たに行う予定でございます。  里親への経済的な支援についてでございますけれども、措置費として、委託児童が1人の場合、児童生活費が月額4万8,950円、里親の手当が月額7万2,000円支給され、このほか児童が学習塾に通う場合の費用等も支給されることになっております。  里親への精神的な支援についてでございますが、児童相談所の里親担当職員、それから里親委託等推進員を中心に、里親のお宅を訪問いたしまして、委託児童の生活状況に寄り添いながら個別の支援を行っております。  また、児童相談所と里親会との協働によりまして里親サロン等を定期的に開催をし、里親の悩みや相談に応じる機会を設けるとともに、里親相互の関係づくりを行っているところでございます。  里親委託の子供たちは養育が難しい場面もありますことから、地域における里親を支援する体制を強化しながら、里親委託などの家庭養護の推進を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)子供の貧困、社会的な貧困もございますが、今の制度、またことしつきました予算が十分に執行できるような形でみんなが取り組んでいくべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。  農業振興について伺います。  予算計上されています和牛の受精卵確保緊急対策事業の詳細と、それから今後の酪農、肉牛経営に関する支援について伺います。  2番目、昨年の大雪によります農業ハウスへの被害について、国の事業の延長方針は出されたのか。また、現在の申請の状況、復興の見通しはどうなのか。  米価下落の中、さらなる米の輸入やTPPなど国の農業政策に対して、長年、長野県の農業政策に携わった立場から本県の農業振興への提言等。  以上、3点、農政部長に伺います。       〔農政部長中村倫一君登壇〕 ◎農政部長(中村倫一 君)農業振興について3点のお尋ねにお答えをいたします。  最初に、和牛の受精卵確保緊急対策事業の内容等についての御質問でございます。  この事業は、全国的に和牛の子牛が不足しておりますことから、受精卵移植による子牛の生産拡大を図るために緊急的に和牛の受精卵の確保を支援するものでございます。  具体的には、和牛繁殖農家に対しまして繁殖牛1頭につき5万5,000円を上限に補助金を交付いたしまして新たに年間360卵の和牛受精卵を確保することにより、これを地域内の酪農家の乳牛に移植して子牛を生産し、肥育農家に供給するという、3部門のそれぞれの農家にメリットがある仕組みを構築して農家の所得の向上を図るものでございます。  また、今後の酪農、肉用牛経営に係ります支援の方向性でございます。  県といたしましては、第2期食と農業農村振興計画に掲げてございます、消費者の求めるこだわりのある畜産物の生産、自給飼料等の地域資源を活用した生産基盤の強化などの方向性のもと、収益性の高い畜産経営の実現に向け施策を展開してまいる所存でございます。  2点目の、昨年の大雪で被害を受けました農業用ハウス等の復旧についての御質問でございます。  被害を受けられました農業者からの申請につきましては、1月末で補助事業の活用を希望する全ての農家の皆さんが申請を完了いたしております。  被害施設の復旧状況につきましては、1月末現在でおよそ6割の施設で完了をいたしておりまして、3月末までには約8割の復旧が完了する見通しとなっております。残りの2割の施設の復旧につきましては、現在、平成27年度に予算を繰り越して対応できますよう手続を進めているところでございまして、一日も早い復旧に向け、市町村や農業団体等と連携して支援を行ってまいることといたしております。  3点目の、本県農業の振興についてでございます。  少子・高齢化等によります農産物消費の減少、国際化の進展など、さまざまな変化に対応して本県農業の振興を図っていくためには、企業的な経営感覚を持った人材を確保育成しますとともに、市場ニーズに的確に対応した効率的で付加価値の高い農業を実現していくことが重要と考えております。  一方で、地帯別には、比較的条件がよい平たん地では規模拡大や徹底したコスト低減を進めますとともに、必ずしも生産条件に恵まれない中山間地域などにおきましては、規模拡大という方向性だけでなく、個性ある作物や手間をかけた高付加価値の農産物の生産を拡大をしてまいります。  また、地域資源を活用した6次産業化や海外への輸出の取り組みなど攻めの農業の展開を支援をいたしますとともに、おいしい信州ふーど(風土)の取り組みによります県産農産物のさらなるブランド化を進めてまいることといたしております。  これらの取り組みを総合的に推進をいたしまして、第2期食と農業農村振興計画の目標を達成し、農業者の所得向上を図り、本県農業・農村の持続的な発展につなげたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)最後に、大北森林組合の補助金不正受給について、1、過去5年間の国から、また県からの補助金はどのくらいだったのか。そのうち森林税はどのくらい充てられていたのか。  2、現在調査中であると思いますが、他の地域でも同様の事例はあったのか。  3、補助金の完了検査を書面のみで行っていたとのことですが、他の地方事務所でも同様か。  4、間伐が終了していないとわかった4月から12月までの8カ月間、県は何をしていたのでしょうか。  5、12月になってから知事に報告したのはなぜか。  6、今回の森林作業道整備は会計検査院の検査対象となっていたと思いますが、現地調査は実施されなかったのか。また、書類は提出されたはずだと思いますが、いかがでしょうか。林務部長にお願いします。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)大北森林組合の補助金受給について御質問ですが、順次お答えをいたします。  初めに、造林補助事業にかかわる国庫補助金額等についてでございますが、このたびの事案に関係いたします造林補助事業の県全体の国庫補助金額は、平成21年度から平成25年度までの5年間の総額で121億700万円余でございます。また、県費による5年間の補助金総額は県全体で59億7,000万円余で、そのうち森林づくり県民税分は24億4,000万円余でございます。  次に、他の地域の状況についてでございますが、総務部、会計局、林務部で構成いたします合同調査班のもと、全地方事務所において造林事業補助金等の点検、調査を実施しておりまして、現在までに他の地方事務所においては同様の事例は確認されておりませんが、引き続き調査を進めてまいります。  次に、他の地方事務所における完了検査の実施状況についてですが、造林事業補助金の完了検査につきましては、県の規程に基づき、申請書類の確認に加え、森林作業道は全箇所、間伐等は無作為抽出によりまして現地調査を行うこととしております。各地方事務所では規程に基づいて必要な現地調査を行っているものと考えておりますが、現在この点も含め点検、調査を実施しているところでございます。  次に、未完了の間伐事業にかかわる県の対応についてですが、昨年4月以降、不適切な事業実施の状態を速やかに是正するべきとの考えから、一刻も早い間伐事業の完了を指導してきたものでございます。  また、知事への報告についてですが、昨年12月、森林作業道に関する不適正な補助金受給を疑わせる事実が確認され、森林作業道とあわせて、未完了の間伐等の事案についても合同調査班を通じて知事へ報告したところでございます。  次に、会計検査院の検査対象についてでございますが、今回の事案につきましては昨年5月の会計検査院における現地調査の対象とはなっておりませんが、書類等は会計検査院に提出しているところでございます。  以上でございます。       〔29番今井正子君登壇〕 ◆29番(今井正子 君)長野県は8割が森林という県であります。林業は非常に事故の多い大変な作業でもあります。真面目に一生懸命やっている業者もたくさんおります。林業センターにある高性能機械は一定の仕事量をクリアしないと貸し出し対象にはならず、今回の補正ではたくさんの機械を買うことができてとてもありがたいことだと思っていました。アクションプランも10年間ということで田中知事時代から打ち出され、代々の知事もつないできました。間伐や山の手入れに目を向け、本当に森林長野県をこれからも充実したいいものにしていくためには、この不正受給についても徹底して調べられ、そして、大事な森林税、税金も使っておりますので、今後こういうことがないような形をしっかりとっていって林業を助けていただきたいと思います。  以上をもって今回の質問を全て終わりとさせていただきます。 ○副議長(村上淳 君)次に、髙橋岑俊議員。       〔9番髙橋岑俊君登壇〕 ◆9番(髙橋岑俊 君)それでは、通告に従い順次伊藤教育長にお伺いいたします。  高校職業科は、基礎的専門知識と技術の履修によりまして生徒は就職に際し将来の大きな戦力の卵として、また、企業における人材育成あるいは専門技術者育成におきまして習得知識あるいは技能がそのベースとして生かされることから、高校の職業科は高く評価、歓迎されているところでございます。それゆえ職業科の開設あるいは継続等は産業の発展を大きく左右するものでございまして、民間企業のニーズをタイムリーに捉え、それに合致したものが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。  したがいまして、学科の開設につきましての決定は非常に重要でございまして、その決定までのプロセスはどのようになっているのか。まずお伺いいたします。  次に、卒業生は究極的には多くの生徒は就職を目的とするだけに、時代の要請に適合した今申し上げました職業科を開設、継続するには、民間企業のニーズの把握、あるいは分析、検討すること、これらが非常に重要になってまいると思います。これらの検討に必要な民間情報の収集はどのような方法で行っているのか。伺います。  次に、土木部を初め、観光部、産業労働部、農政部、あるいは林務部等庁内で各産業を所管する部局の施策におきまして、専門知識者あるいは専門技術者あるいは有資格者、これらに関する情報を持っているものと思います。また、阿部知事が、森林県から林業県に脱皮し、林業振興に力を入れると言明されておりますが、行政施策により少なからず高校における林業科、こういう教育も関係することになろうかと思われるわけでございます。  全県下の状況はちょっと存じ上げませんが、私どもの飯田、下伊那地域を一例にとりますと、下伊那農業高校におきましては林業科が廃止され、現在、飯田、下伊那地方には林業科を有する高校が1校もございません。こんな中で、林業振興と教育という関連性に着目すれば、当然、行政部局と教育委員会の相互関係を持たざるを得ない関係が生じるであろうと、こういうふうに考えるわけでございます。今後、教育委員会は行政機関からの情報の収集やその後の活用においてどのように対処されるのか。お伺いいたします。  さて、自民党県議団は、昨年11月、各種団体との意見交換を行いましたが、その中で建設業団体との意見交換もございました。その際、高卒技術者の求人に対し応募者が3分の1程度と大変少なく、今後のインフラ整備、それから築後50年近くたった橋梁、トンネル等の既存インフラの継続的改修工事が計画されているところでございまして、技術者不足がますます深刻な問題となる、こういう御意見がございました。  そこで、その実態把握を長野県建設業協会にお願いいたしまして、業界499社、そのうち回答が406社、回答率81%という非常に関心の高い中でのアンケートに委ね、集約結果をいただきました。それによりますと、平成25年、26年の建設系の高校でございますが、8校、その中の教科が9科ございますが、この平均卒業者は547名、そのうち県内就職者は平均280名ということで県内の就職率は51%、50%を超えている状況でございました。また、本年、平成27年現在の業界からの求人182名に対しまして内定者が79名、約43%の充足率となっております。  しかし、過去2年平均の建設系高校の県内就職者280名を用いた今年度の内定者79名を比率で見ますと28%しか建設業関係に就職しないということになり、職業科に多額の予算を投入していることから学科の見直しを含め何らかの対策を講じることが必要と考えるところでございます。  したがいまして、職業科と就職先企業のミスマッチの是正、あるいは生徒の職業選択に向けて的確な指導をする、こういうようなことが求められるのではないかと考えておりますが、いかがでございますか。お答えをお願いいたします。  一方、職業科という学科に関係なく、現在、定員割れの状態が続いて存続の危惧がささやかれる高校があることも事実かと思います。その定員割れの原因として考えられるのは、地理的な不便さ、あるいは圧倒的に多い普通科の競合、こういうようなものがその要因になっているのではないかと考えられるわけでございます。  したがいまして、定員割れ対策を打たなければならないと思いますが、これは職業科を重点的に見まして、社会的なニーズがあり、かつ生徒が魅力を感ずるような新しい学科を常に探求し続け、また、普遍的でなくて、特定の学校に限定して生徒を確保するというような手法もあろうかと思います。  職業科は、本来、進学を目的とした普通科のような競争の性格を持つものではなくて、専ら自身の知識と技能習得を図り、社会において十分役立つ、そういう生徒を輩出するところに主眼があるのではないかと思います。特徴ある学校づくりは学校の発展に役立つと考えますが、いかがでございましょうか。  次に、先ほど申しましたアンケートによりますと、職業科卒業生はその51%が県内に残るという注目すべき事実と、一方、高校卒業者の8割近くが県外流出という状況もあるわけでございます。人口の減少が続く当県にとりまして、まことにもったいないと考えるのは私一人ではないと思います。  当然、早くから大学卒業後の目標を立て、高校、大学を選択するいわゆる卓越型生徒はたくさんおいでになります。また、その反面、何となく高校普通科に進み、時代の風潮でございまして、県外の大学へさらに進み、卒業後は就職できれば職業に固執しないと、こういう人たちが多くいることも事実でございます。  企業から嘱望されて就職することは、専門知識と技術を習得した有用性の非常に高い職業科の生徒として、御本人たちが早くから自信と喜びを感じつつ就職することができるのではないかというふうに考えるわけでございます。また、地元定着は、経済の活性化、今申し上げましたけれども人口減少の対策、あるいは、現在各地域が非常に悩んでおります地域防災に関する消防団への協力、あるいは廃れ行く伝統芸能の承継、あるいは地域のきずなづくりや活性化というものを初めとしまして、地域社会に多大に貢献することは確かだと思うわけでございます。  そこで、職業科の充実化を図ることは県内定着対策の手段として考えられますが、御所見を伺います。  建設業界は、今申し上げた状況で、学科の新設と定員の増加を要望しております。また、地域に限定して申せば、私どもの住む飯田、下伊那地方に限って申し上げれば、地場産業として古くから菓子づくりが盛んでございまして、そこには多くの企業があり、就業者もたくさんおるわけでございます。菓子業界の皆さんのお話によれば、就職する前に食品衛生の法律的な知識やあるいは化学的な知識、それに加え菓子づくりの技能の習得、こういうようなものをある程度まで学校の教育でお願いができればと、こういう要望も聞いております。  従来から必要であったにもかかわらず、今日までそういう要望がなかったのはどういう理由でしょうかということをお聞きしたところ、垣根が高い、また日ごろの交流がないということから教育委員会に要望する方法があるとは知らなかったというお話も聞いておるわけでございます。少なからず垣根が存在していたのかなとも思うわけでございます。これは、地元の菓子業界に限らず、県下それぞれの他の業界でも同様の要望があるのではないかと思われるわけでございます。  それで、当面、これらに対応するものとしては、民間ニーズの情報収集を行い、改めて必要な学科を検討することが一つには大事ではないかと思います。また、中学生に対し、職業科の有用性、地元定着の貢献等の理解を深め、職業科応募への広報活動を行うこと。同様に、保護者初め県民へ向け、職業科の社会的有用性と地元定着の社会的有用性の理解を深める広報活動は必要ではないかというふうに感ずるわけでございます。  高校職業科の充実発展は、これら教育委員会を初めとする行政機関のグループ、また民間企業、それから中学生と保護者のグループ、これらの三者の相互理解と協力によって図られるものと考えますが、いかがでございますか。  以上、教育長にお尋ねいたします。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)高等学校の職業科に関しますお尋ねに順次お答えを申し上げます。  まず、職業科の開設決定までのプロセス、また民間企業のニーズの収集、庁内関係部局からの情報の収集、活用についてのお尋ねでございます。  既存の職業学科の内容の改編につきましては、各高等学校が地域の産業界の要望や生徒の状況などを踏まえ見直しが必要と判断した場合には、学校からの意見を踏まえ、教育委員会において検討し決定しているところでございますが、高等学校の再編を伴うなど県全体の大きな産業教育の枠組みにかかわるものについては産業教育審議会において全県的視野に立って御議論いただき、その答申をもとに総合技術高校や新学科の設置などの施策に反映をしてきているところでございます。  この産業教育審議会は法律で設置が定められているものでございますが、県内の産業経済界や勤労界等から選出された10名の委員により構成されており、委員の皆様からは、大所高所の観点から、産業の動向ですとか、産業界のニーズなどについて御意見をいただきながら、審議をいただいているところでございます。  さらに、この産業教育審議会におきましては、委員のほかに、農政部、林務部、産業労働部、健康福祉部、観光部など知事部局のそれぞれの産業を所管する各担当から選出、委嘱をいたしました専門調査員が所管する産業界に関するデータや情報を審議会に提示をし、長野県の今後の産業教育のあり方について議論を深めるために活用しているところでございます。  加えまして、民間企業のニーズ把握という観点では、産業教育審議会とは別に、県内企業の有志が会員となって産業教育の支援を行っていただいてございます産業教育振興会等におきまして、全県的な視点からそれぞれの産業に関する意見というものを県教委のほうにいただいているところでございます。  また、それぞれの地域におきましても、各高等学校では、学校評議員会や地元における就業体験、地元企業の就職担当者との懇談会等、さまざまな機会を通じて情報収集を行っており、必要に応じその情報は県教委とも共有をしてきているところでございます。  次に、職業科と就職先企業のミスマッチについてのお尋ねでございます。  高校生の就職に当たりましては、一人一人が興味、関心、能力、適性にあわせて主体的に進路選択するとともに、職業科においては専門的に学んだ成果をできるだけ生かす職業につくことが大切であるというふうに認識をしてございます。  このため、各高等学校におきましては、インターンシップなどの体験的な学習を教育課程の中に位置づけることを通じまして、地域の産業界の協力を得ながら、専門的に学んだことが就職につながるよう進路指導をしているところでございます。  次に、県立高校の定員割れ対策についてのお尋ねでございます。
     県内の各高等学校におきましては、第1期の長野県高等学校再編計画に基づきまして魅力ある高校づくりを推進しているところでございまして、議員御指摘のとおり、社会的ニーズがあり、かつ生徒が魅力を感じる新たな学科を設置することもそのための有力な一つの方策であると認識をしてございます。他方、特色ある専門学科を新たに設ける際には、さらなる少子化が進む中で将来にわたって安定的に生徒を集めることができるかどうかということも検討をしながら考えていかなければいけないというふうに考えてございます。  現在は、高等学校の将来像検討委員会、また産業教育審議会を設置をし、第2期の再編計画に向け検討を進めていただいているところでございまして、その議論を踏まえ、新たな学科の設置についても、必要に応じ、地理的な条件など全県的なバランスも勘案しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。  次に、職業科の充実と県内定着者の対策についてでございます。  職業科の充実につきましては、全国的には職業科の生徒比率が減少している中で、本県では全国比よりも高い水準を維持し、その重要性に鑑みて充実を図ってきているところでございます。  職業科の生徒は地域で学びながら卒業後も地域で活躍する大変有為な人材でございますので、こうした地域を担う人材の育成に向け、今後も地域の方々の御意見を十分に伺いながら、望ましい職業教育の充実発展に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  具体的には、先ほど申しましたように地元産業界の御協力をいただきながら、教育課程の中にインターンシップを積極的に導入するとともに、さらにそれを一歩進める形でデュアルシステムということで、学校のみならず、企業の中で実習をさせていただく時間というものをより多く持つような形でその内容の充実にも努めてまいりたいと考えてございます。  次に、民間ニーズの収集に関してのお尋ねでございます。  先ほど申しましたような形で職業学科の充実に向けてはさまざまな形で民間ニーズの収集に努めているところでございますが、今後さらなる職業学科の増設やまた定員の増加については、少子化も踏まえながら、全県的な視野で検討が必要であるというふうに考えてございまして、先ほどお答え申し上げましたとおり、現在、産業教育審議会等において民間ニーズも踏まえながら議論を深めているところでございます。  また、それに加えて、中学生や保護者、県民に積極的な広報活動を進める点につきましては、まさに御指摘のとおり大変重要な点だというふうに考えてございます。中学生や保護者、県民の方に、職業科高校、また職業教育について、どういう教育を行っているのか、そして就職の状況がどうなのか、こうしたことについて正しい理解をしていただきたい、深めていただきたい、こういう観点から広報活動を積極的に取り組んでいるところでございます。  現在実施している内容といたしましては、県内全ての職業科高校において、次年度入学を希望する中学生を対象とし、夏休みなどに体験入学や学校説明会を開催し、それと同時に保護者にも参加を募っているところでございまして、昨年度の参加中学生は7,473名、保護者も1,057名の方が参加をしていただいているところでございます。  また、職業科高校や職業教育の内容を県民にも広く理解していただくために、高等学校の職員が中学校を訪問し生徒や保護者を対象とした説明会を実施することに加えて、さらに、職業科高校生が学んだ成果を発表する生徒研究発表会を毎年総合教育センターで開催し、広く県民にも参加を呼びかけているところでございます。  今後も、生徒、保護者、県民の皆様へ職業科高校について広く御理解をいただくための広報活動の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番髙橋岑俊君登壇〕 ◆9番(髙橋岑俊 君)お答えいただきました。  その中で、先ほど学科の決定に至るプロセスの中で、地域高校がある程度情報を収集する、それから、その地域におられる委員の皆さん方がそれぞれまた深い見識の中で議論されていくというふうに伺いましたが、もちろん、地域だけの高校で考えればそういうこともありますが、各地域の人数を全県下で合計すれば1クラス要る、2クラス要るというような非常に重要な学科もあるのかなと。  建設業のように全県下くまなくニーズがあるところは地域地域でもよろしいかと思いますが、魅力ある高校ということになれば、距離的なものは別としても、まさに魅力ある学科をつくるということが職業科高校の一番の特徴ではないかなというふうに考えるわけでございまして、そういう観点からは、情報収集というものを全県下広く集めて、それを集約した状態でクラス編制ができるのかどうかというような観点からもひとつ検討していただくことがよろしいんじゃないかなというふうに考えるわけでございまして、御一考いただきたいと思うわけでございます。  それから、私は、何よりも、職業科へ進む生徒さんたちが、大学に行くことなく、高校卒業して早くから社会人として立派に世の中に役に立つ、そこに大いに誇りを持ってもらいたい。職業につくことのとうとさ、あるいは有用性というものを考えたときに、ただ何となく、学問の道、大学へ進むという風潮に流されることなく、自身がしっかりとした考えを持って社会に役立っていただきたい。そういう生徒を輩出する職業高校であっていただきたいというふうに願うところでございます。  それから、もう一つ、先ほども話が出ましたけれども、就職されて地元に定着されるということは非常に貢献度が高い、ありがたいことでございますが、先ほども御回答をいただきましたが、その知識と技能を使うことなくほかの業種に就職されてしまうということは大変もったいないことであります。これは長野県の産業発展の上からも大変もったいないことだというふうに考えるわけでございまして、進路指導あるいは就職指導の説明のときには、ぜひ、自分自身はこの社会に役立つんだ、あるいは、こういう技術を持った延長線上の会社へ就職することは自分が必要とされている、そういう強い思いと喜びを持たせていただきたいと、こんなふうに感ずるわけでございます。  以上、お願いを申し上げましたけれども、最後に教育委員長にお伺いいたします。  今定例会に提案されました新教育長の人事案が同意されれば、4月1日から伊藤教育長が新たな制度に基づく教育長に任命され、櫻井委員長は教育委員として引き続き委員会のメンバーとしてお務めいただくことになりますが、今まで、清内路村の村長として、また男女共同参画の草分けとして活躍され、深い見識と豊富な経験をお持ちになって、これまで、2年5カ月の間、県教育委員会を代表してこられた櫻井委員長に長野県教育に対する思いなどについてお聞きし、全ての質問を終わりといたします。       〔教育委員会委員長櫻井久江君登壇〕 ◎教育委員会委員長(櫻井久江 君)長野県教育に対する思いについてのお尋ねでございます。  私は、長野県教育委員会の委員長に就任以来、信州教育の信頼回復のため、教員の不祥事根絶や子供たちの確かな力を育むことに懸命に取り組んでまいりました。残念ながら教員の不祥事はまだなくなってはおりませんが、就任時に比べ件数が半減するなど一定の成果が見え始めていると思われますので引き続き粘り強く取り組むとともに、学力、体力の向上、いじめ、不登校対策や特別支援教育の充実など、さらに力を入れていく必要があると考えております。  また、県土が広く、さまざまな規模の市町村が存在するこの長野県におきましては、学校が地域創生の基盤として重要な役割を担っていることにも思いを寄せていくとともに、県内各地域や学校の特色ある取り組み、現場で頑張っておられる先生の姿や子供たちの活躍をどんどん情報発信していくことも重要だというふうに考えております。  先ほど教員の不祥事根絶に懸命に取り組んでまいりましたと申し上げましたが、不祥事をなくすことは教育を教育として機能させるためにとても大切なことであり、何としてもなし遂げていかなければなりませんが、そのこと自体は教育の目的ではなく、日々それぞれの学校で行われるさまざまな活動の中で子供たちが友を大切にしながら豊かな感受性を身につけ、力をつけ、社会を構成する一人の人間として成長を続けていくことこそが、学校の、そして教育の役割だというふうに考えております。  そのためには、子供たちの教育に直接的にかかわる一人一人の教員が今後も不祥事根絶のための努力を自分事として続けながら、その取り組みの中で、決して萎縮することなく、むしろ一層教員としての誇りと自信を持って伸び伸びと明るく元気に日々の教育を実践をしてほしいと思っております。  教育に対して厳しい目が向けられる時代ではありますが、そんな時代の中にあって、県内のそれぞれの学校では、日夜、平日、休日を問わず、日々子供たちのことを第一に考え、ひたむきに頑張ってくれている教員がたくさんいることをとても私はうれしく思っております。  教育には信頼関係が必要だと言われますが、信頼関係は一方的には成立するものではありません。教員が日々の精進やひたむきな実践を通して信頼関係を構築していくことは当然のことでありますが、児童生徒や保護者、県民の皆さんも、信頼回復に向けて一生懸命に頑張っている学校や教員をぜひ信頼していただき、その上で、よりよい学校をつくる当事者としてともに汗を流していただけたらというふうに思っております。  教育県長野を取り戻すためには、県内の各地域で、子供たちを大切にし、教育を尊重する気風があふれるような県にしなくてはならないのだと思っております。そして、本当の意味で世の中から教員が専門家として認められ、扱われるようでなければいけないのだというふうに私は思います。  教育は次代を担う子供たちのためにあります。私は、引き続き、教育委員として、地域や学校現場の視点や意見を大切にしながら、長野県の子供たちが健やかに育ち、安心して学べる教育環境を提供し、一人一人の学びが生きる教育立県信州の創造に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(村上淳 君)次に、石和大議員。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)大規模停電に伴う交通規制対応についてお聞きします。  昨日、県下で発生した大規模な停電により、我々県議会議員もちょうど登庁する時間に重なりました。それに際し、主要道路の信号交差点で信号機が滅灯し、ところによっては渋滞を招いている場所もあったわけであります。  県下に多数の信号交差点がある中で、その全てに警察官を配置して交通整理を行うことは困難であることは承知をしておりますけれども、少なくとも今回の事態を教訓に今後の対応に向けて準備していく必要があると考えています。  そこで、県警本部長にお聞きします。  今回の大規模停電による信号機の滅灯に伴い、交通整理などの交通規制をどのように対応したのか。また、今回の事態を踏まえ、今後どのような対応が必要なのか。見解をお聞きいたします。  次に、消防団活動の活性化についてお聞きします。  昨年は県内において多くの自然災害が発生し、大きな被害に見舞われました。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、被災によりいまだ苦しんでおられる方々にお見舞いを申し上げます。  災害発生現場では自衛隊、警察、消防が機動的に活動し、最大の力を発揮していただいたことに敬意と感謝を表します。  そういった災害現場で一番身近な部分を担っているのが消防団です。地域に密着してふだんから活動している消防団は、その地域の現状を把握しており、細かいところに配慮ができることがあるわけです。昨年の2月の大雪のときなども、集落内の除雪などを担い、住民の皆様から頼りにされ、感謝をされていました。  私も消防団で10年間ほど活動いたしました。消防団員は市町村の特別職公務員という身分ですが、年間報酬はわずかで、実質はボランティアです。使命感や熱意、地域を愛する心で活動しているのです。本人はもとより、活動を支える家族もプライベートの時間を削って活動していることも少なくありません。  そんな消防団も、時代の流れや少子・高齢社会という中で団員確保や運営について悩みを抱えています。地域の若者の活動の場でもある消防団の衰退は地域力の衰退でもあります。火災は広域消防が中心になって最初の消火を始めますが、その後の管理は消防団が担うのです。消防団活動の維持、活性化は、長野県のような広い県土を持ち、中山間地が多いところにとってとても大事なテーマです。  そこで、お聞きします。  各市町村、消防団はさまざまな工夫をして団員確保等に心を砕いていますが、県として、それらを把握し、県内の消防団に共通でできるような取り組みを発信するようなことはしているのかどうか。  また、県でもいろいろな活性化施策がありますが、実際の効果をどう把握し、分析をしているのか。お聞きをいたします。  特に、27年度拡充するとされている消防団活動協力事業所応援減税制度、長野県建設工事等入札参加資格における優遇、物件、買い入れ等の競争入札参加資格における優遇について、どんな効果があり、拡充で何を目指すのか。お聞きをいたします。  そして、これらの制度はどんな規模の事業所が対象の中心なのか。消防団の中に少なからずいると思われる1人または家族経営といった事業者にはメリットがあるのか。お聞きをいたします。  また、今回の27年度新規事業で信州消防団員応援ショップ推進事業があります。消防団員を応援するために、割引等の特典サービスを行う店舗等を登録し、消防団員とその家族が利用する際にインセンティブを与えるというものです。家族にも恩典があってとてもよい事業だと思います。効果を期待するところですが、商品の割引10%とかポイント2倍とか、サービスの提供がショップ任せでは参加ショップが拡大しないのではないかという懸念があります。さきに述べた減税や、何らかの優遇措置を講じたりという工夫をすべきではないかと考えますが、いかがか。危機管理部長にお聞きをいたします。       〔警察本部長山崎晃義君登壇〕 ◎警察本部長(山崎晃義 君)お答えいたします。  まず、今回の大規模停電におきましては、午前5時35分ごろ、県下3,500基あります信号機のうち約2,400基の信号機が一時的に滅灯し、過去に例のない広域的で長時間に及ぶ信号機の滅灯が発生いたしました。  停電の発生を受けまして、非常用電源つき信号機が県下約35カ所で作動しております。また、当直や非常呼集した警察職員を含めて、警察官による手信号の実施などの交通規制を実施いたしました。  しかしながら、朝のラッシュ時間に重なったこともありまして、長野市では通常の2倍程度の約4キロメートルの渋滞が発生した路線などもございました。また、信号機滅灯に伴いまして、出合い頭や追突による人身事故1件、物件事故4件の合計5件の事故が発生しているところでございます。  今回のような事態に対しては、既に県内約60カ所に配備されておりますが、非常用電源つき信号機や、また、今回96カ所で使用させていただきました自家用発電機、これらを拡充することによって早期の復旧が可能になると考えております。  また、県内4カ所に整備されておりますラウンドアバウトですが、こちらは電力の供給の有無に関係なく交通規制が実施可能でございますので、災害に強いということからその導入も有効であるというふうに考えております。  以上でございます。       〔危機管理監兼危機管理部長青柳郁生君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生 君)消防団活動の活性化について順次お答え申し上げます。  初めに、消防団員確保について共通で取り組めるものの発信についてでございますが、市町村や消防団が実施しております団員確保への取り組みにつきましては、団長の皆さんとの意見交換のほか、市町村への定期的な照会、あるいは市町村からの情報提供、または報道等により把握しているところでございます。  把握しました情報、例えば市町村による消防団員への特典サービスあるいは消防団協力事業所への優遇措置の実施状況につきまして、市町村の担当者会議あるいは消防団長・事務担当者研修大会等の場で市町村、消防団に情報提供を行っております。  また、1月から3月の入団促進キャンペーン期間中でございますが、県、市町村が一緒になって広報活動、事業所訪問等を実施して団員確保に向けて取り組んでいるところでございます。  次に、県の活性化施策の効果と分析でございます。  県と県の消防協会が実施しております消防ポンプ操法大会、ラッパ吹奏大会、あるいは女性団員意見発表会等につきましては、全国大会において長野県代表団が優秀な成績をおさめるなど、県内消防団員の資質向上、士気の高揚に寄与しているものと考えております。  また、消防団協力事業所への優遇措置を平成19年から全国に先駆けて取り組んでまいりました。長野県の認定事業所数は全国最多の1,062事業所、これは全国の認定事業所の1割となります。消防団の重要性が企業の皆さんに浸透しているものと考えております。  県内の消防団員数の推移を見ますと、減少傾向が続いておりますものの、最近は一定の歯どめがかかってきております。これは、消防団自体の取り組みはもちろんでございますが、国、県、市町村がそれぞれの立場で消防団のための施策に取り組んできた成果が徐々にあらわれてきているものというふうに考えております。  続きまして、優遇措置の目指すものについてでございますが、今回の消防団に関する新たな優遇措置につきましては、消防団協力事業所をさらにふやし、団員の確保、消防団活動の活性化につながることを目指しております。  また、応援減税の改正条例案につきましては、資本金の要件を撤廃して対象を全事業所に広げることとしておりますが、より多くの事業所の参加を目指しているものでございます。  その他、入札参加資格等の優遇策につきましては、消防団協力事業所の認定を受けた事業所であれば事業所の規模にかかわらず活用いただけるものと考えております。  続きまして、信州消防団員応援ショップ推進事業でございます。  これは、お店や施設が社会貢献の姿勢を広く世間に訴えることができる、これが最大のインセンティブというふうに考えておりますが、来客数や客単価の増加も見込めますことから工夫次第では収益等に大きな影響が出るものというふうに考えております。今後、市町村や県消防協会に協力いただきながら、消防団員はもとより、お店にもメリットを感じられるような制度としてまいります。  また、県で同様に特典サービスを行う事業として、ながの子育て優待パスポート事業あるいは楽園信州ファンクラブといった先例がございますので、参考にしながら登録店舗の拡大を図ってまいります。  以上です。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)次に、文化振興元年についてお聞きいたします。  平成27年度を文化振興元年にするということです。27年はいろいろな元年があるようですが、中でも期待するものの一つです。芸術や文化に県民の皆様が触れる機会をふやす、特に子供や若者に対して、信州の自然に触れる機会、信州型自然保育などとともに、芸術や文化に触れて感性を磨くということにしっかり取り組むことが文化振興元年ということになると思います。  その大きな幹になるのが文化振興基金事業だと考えます。一般会計の決算剰余金の1%を当該年度の2月補正で積み立て、翌年度以降の事業に充当するというものですが、充当額が積立金を下回った場合の差額は留保財源とするとあり、単年度主義の行政としては珍しい柔軟な施策だと思います。文化と教育には費用対効果ばかりではないことがありますから、よい考えだと思います。  そんな文化振興基金を活用した新たな取り組みとして信州文化会館ネットワークの構築とあり、舞台芸術の全県的な広がりを促進するとありますが、どんなことを目指すのか。お聞きをいたします。  このネットワークを実質的な県民益につなげられないかという観点を持っています。各市町村の自主文化事業、つまり税金からの持ち出しがある興行でチケットが即日完売するような興行の場合、およそ事業費の半分は税金といったことも少なくありません。しかし、チケットの20%くらいはそのアーティストのファンクラブに充てられ、あとの分も早い者勝ちで、その市町村の住民は会場の半分もいないということがあるわけであります。これは、費用対効果として住民の福祉の向上ということに十分貢献しないという点で課題だというふうに考えています。  つまり、即日ソールドアウトというようなアーティストを呼ぶのに1,000万円かかると、チケットでペイできるのは500万円、あとの500万円は税金なのに、会場の半分は市町村外、または県外の人々というのでは自主文化事業の意味が損なわれると思うのであります。それらを少し工夫して、住民が楽しめるようにできないかと考えます。  そこで、質問をいたします。  各文化会館では、このようにさまざまな課題を抱え、日々努力されているところですが、個々の文化会館のみで対応を考えるのは限界があるということから、共通の課題についてはこのネットワークにおいて検討し解決していくことができれば長野県全体の文化会館の魅力向上につながると思いますが、お考えをお聞きをいたします。  また、昨年、私は、一般質問の中で、バレエのローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した二山治雄さんとサイトウ・キネン・オーケストラのコラボレーションができたらいいなという話をしましたが、それが実現し、小澤征爾さんの指揮で二山さんが演じた公演は大変すばらしかったということでうれしく思っています。  県としても、このような若手アーティストを育てるという視点で施策を持っていますが、そんな中で、長野県内にはさまざまなオーケストラ団体が地域で活動していますが、国際レベルの音楽祭であるサイトウ・キネンの効果を県内のオーケストラや若手演奏家等に波及させ、将来的には長野県オーケストラの構築につながることを期待しますが、お考えを県民文化部長にお聞きをいたします。  次に、地方創生元年についてお聞きします。  消滅可能性自治体、限界集落というように、人口減少社会がもたらす状況、未来は明るいものとは言えないという感になっています。また、2025年問題というように、あと10年するといわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるということで、年齢分布の一番大きな世代が後期高齢者になるという時期が目に見えているのです。少子化にストップをかけるための施策とともに、人口減少社会に対応する施策の構築が急務であります。それは、当然、長野県らしく独創的で、住んでよかった長野県というものでなければなりません。  そんな観点からの27年度の2番目の元年は地方創生元年であります。そのキックオフとして、人口定着・確かな暮らし実現戦略モデル事業コンテストがあります。オープンイノベーションイン信州というサブタイトルがついています。この事業概要を見ると、人口減少問題の克服のため、民間企業が提案する大胆で画期的な事業コンテストにより全国から募集、選定し、事業化を支援するとしていますが、どのような事業内容でどのような効果を狙っているのか。  また、コンテストにより全国から募集、選定するとしていますが、そのためにはできるだけ多くの皆さんにたくさんの提案をしていただくことがこの事業の成功の鍵となると思われますが、そのためにはどのような方策を考えているのか。企画振興部長にお聞きをいたします。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)文化会館で3点の御質問をいただきました。  まず、信州文化会館ネットワークが目指すものについてでございます。  県内には公立文化施設が62館ございまして、各地域の文化活動の拠点として利用されておりまして、また、長野市、飯山市等では新たな施設の整備が進められているところでございます。  これらの施設におきましては、平成24年に施行されましたいわゆる劇場法という法律で求められております自主的な企画制作の促進ということに関しまして、これは全国的な傾向と同様でございますが、人材でありますとか事業費の不足などにより十分に実施できず、貸し館公演が中心となっている状況にございます。また、地域人口でありますとか交通事情などから、多額な費用負担を要する公演の実施が困難な施設もございます。  このような状況を踏まえまして、県と市町村の施設が連携、協働して行う新たな事業でありますとか研修会の実施などによりまして文化施設の魅力向上あるいは利用者の増加を図り、良質な公演の提供でありますとか発表、鑑賞機会の拡大、文化による魅力発見、地域活性を目指すものでございます。  また、文化会館が抱える共通課題の解決による魅力向上ということでございます。  各文化施設では、県立、市町村立を問わず、企画制作、情報発信、職員の資質、施設の維持管理、経営基盤などさまざまな面で課題を抱えております。このため、文化会館ネットワークでは、情報交換会の場などを通しまして各施設の現状でありますとか課題をしっかりと把握、分析した上で、共通する課題の解決に向けて具体的な対応策を検討していきたいと考えております。  その上で、新たに創設いたします文化振興基金を活用いたしまして複数の施設が共同で行う住民参画の自主企画に対する支援でありますとか人材育成のための研修会などを行いながら、県全体の文化施設の魅力向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、サイトウ・キネン・フェスティバルの効果の波及などによる音楽振興でございます。
     サイトウ・キネン・フェスティバルでは、これまでも、音楽を学ぶ学生などをオーケストラメンバーが直接指導する室内楽勉強会でありますとか管弦楽クリニックなどの開催を通しまして若手演奏家の育成に取り組んでいるところでございます。  ことしからセイジ・オザワ松本フェスティバルへと改称するわけでございますけれども、小澤総監督の意向もございまして、子供のための音楽会でありますとか青少年のためのオペラの内容を充実させて、将来の若手演奏家の育成にもさらに力を注いでいくところでございます。  このほかにも、県では、県内のアマチュアオーケストラによる県民コンサートを3カ所で開催したり、若手演奏家などを登録して活動の場を提供する取り組み、nextも行っているところでございます。  また、県民文化会館とウイーン楽友会館との姉妹提携事業といたしまして、ウイーンから音楽家を招聘し、県民文化会館附属の長野フィルハーモニー管弦楽団や県内のアマチュア音楽団体への演奏技術指導、文化交流を行っているところでございます。  文化振興元年といたしまして、世界最高水準の音楽祭の効果が子供たちを初め県内アマチュアオーケストラや若手演奏家に波及するようセイジ・オザワ松本フェスティバルの運営に県として積極的に参画していきますとともに、県民コンサートを引き続き開催するなど、本県の音楽芸術の振興にさらに努めてまいることといたしております。  以上でございます。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)人口定着・確かな暮らし実現戦略モデル事業コンテストについてのお尋ねでございます。  この事業は、人口定着・確かな暮らしの実現に向けました提案を、行政のみならず、民間企業、各種団体、NPO等幅広く県内外から募集しまして、官民挙げてさまざまな英知を結集し取り組んでいこうとするものでございます。  おおむね半年間の募集期間をとった上で、9月を目途に事業を選定する予定でございます。提案していただく事業には具体的な成果目標をそれぞれ設定していただくこととしております。そして、選定した事業に対しましては事業化のための交付金を助成するほか、県として積極的にサポートし、地方創生の取り組みとして目に見える確実な成果につなげてまいりたいというふうに考えております。  議員御指摘のとおり、幅広い層からさまざまな提案を数多くいただくことがこの事業の鍵であるというふうに考えております。そこで、ただ座して待つのではなく、できるだけ多くの団体、NPO、企業等にアプローチをして提案を働きかけていきたいというふうに考えております。例えば、CSRに強い関心を持っている県内外の企業ですとか買い物弱者対策に欠かせない流通業者といった、地域の課題解決に向けましてともに取り組んでもらえる企業等にも足を運ぶこととしております。  早期議決をしていただいておりますので、速やかに県が持つあらゆるチャネルを活用しアプローチを開始したいというふうに考えております。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)隣の群馬県には、群馬交響楽団という、知事が理事長を務め、そして副知事も、また県会議長も理事に名を連ねる、そういう交響楽団があるわけであります。長野県もぜひそういった広がりがあればなというふうに思うところであります。  地方創生元年については、県民一体となってさまざまな知恵を絞ってみんなで汗をかく、きのうもそんな答弁がありましたが、ぜひそんなところを充実させていただきたいというふうに要望いたします。  農業後継者の養成と人材確保についてお聞きをいたします。  農業は国の根幹であり、食の確保を目指すということであり、国の存続にかかわる重要なものであることは言うまでもありません。食の自給率の低下は国力の衰退につながります。  その農業を取り巻く環境はよい状況ではありません。農業を営んでいる皆様と意見交換をし、勉強会をすると、営農の存続について大変な危機感を持っておられます。一番は後継者と人材確保、営農にかかわる人の不足であります。国の制度である農の雇用制度等を使っている農家も多いわけですが、今後の継続性と制度の拡充の見通し、また県独自の農業者の育成事業の拡充を望む声がありますが、それについてのお考えをお聞きいたします。  人材を確保するために職安に募集をかけてもなかなか応募がない。外国人の研修生に頼ることになるが、継続性を担保するためには日本人も当然必要であります。しかし、両親と息子等の家族営農では人材確保のための人材がない。人手を安定的に確保するための県の施策はないか。お聞きをいたします。  後継者がいなくてあいた農地を継承するときに問題となるのは、その農地へのアクセスであります。軽トラックしか通れない進入路の農地では、認定農業者のような皆さんが使うには非効率でなかなか使えない場合があります。特に、果樹等の畑地において農地の基盤整備が進んでいない状況があるように感じるが、現状はどうか。また、そういった農地継承のための周辺整備等の施策はあるか。  新規就農者を里親が育てていますが、農地の近くに暮らせる家を確保するような場合、里親の信用で借りるなどの方策がありますが、農村空き家バンクのような制度を現在ある空き家バンクの制度に加えていくことはどうか。  また、就農や継承のために機械設備の負担の軽減も大きな課題であります。農業機械バンク等の設立を指導できないか。  また、昨年の米価の下落は大規模な米作農家にとっては大変な痛手になっています。将来に不安を抱くことは当然でありますが、県の具体的な対策はあるか。  また、農業所得の向上が農業の未来にとって課題でありますが、所見はどうか。国に対してどんな施策を求めていくのか。農政部長にお聞きします。  信州ジビエの活用推進についてお聞きします。  有害鳥獣による農作物や森林等の被害は甚大で、中山間地の農地は柵に覆われていて、携わる人々の労力も、また費やされる費用も大きなものであります。特にニホンジカの捕獲が大きな課題となっています。  平成25年度のニホンジカの捕獲頭数は3万9,663頭ということです。そして、24年度のジビエ利用率は5%未満ということで、95%は有用に利用されないということでもったいないわけであります。設備を整えて安全、安心な食肉として流通が図られることが急務だと考えますが、体制は不十分であります。鹿肉の流通を目指すには1時間以内の処理が望ましいわけですが、野生獣肉処理施設が圧倒的に足りていません。施設は南信に偏っており、東北信には一部に限られます。今後の設備拡大等の見通しはあるか。  また、狩猟者が熟知していないと食肉化できないが、養成のめどはあるか。  また、狩猟に携わる人々には、自分たちが捕獲した鹿肉をおいしく加工して、また調理をしておいしい食べ方を実践している人が少なからずいますが、そういった料理を公募、集約した上で飲食店に紹介し、参考にしてもらい、さらに良質な鹿肉を提供し料理コンテストを開催したらどうかと考えますが、いかがでしょうか。  また、鹿肉の栄養価を分析した上で、さらにはうまみを出す方法を確立すれば人気も高くなり、信州名物、食文化の構築にもつながると考えますが、いかがでしょうか。林務部長にお聞きをいたします。       〔農政部長中村倫一君登壇〕 ◎農政部長(中村倫一 君)農業後継者の養成、人材確保等に関連いたしまして7点順次お答えをいたします。  まず、農の雇用制度についてでございます。  本県におきましては、この制度で、平成25年度、野菜や果樹などの144の経営体に289名が雇用されているところでございます。国では、この制度を、平成27年度も26年度と同様な内容で継続して実施するというふうにしているところでございます。  また、本県独自の農業者の育成への支援についてでございます。  県では、実践経営者コースを設置するなど農業大学校の改革を推進し、経営感覚にすぐれた意欲ある人材の育成を進めるとともに、農業後継者が農業で夢をかなえることができますよう、新たな部門を開始するための相談や就農後の仲間づくり、企業的経営を実現していくための信州農業MBA研修などを実施しているところでございます。  平成27年度からは、これらに加えまして、新たに、経営者としての意識の醸成や経営管理能力の向上を図るための青年農業者等育成セミナーを県下10地区の普及センターごとに開催をいたしますとともに、長野でかがやく農業女子応援事業によりまして若い女性農業者の仲間づくりや自主的な実践活動への支援を拡充してまいりたいと考えているところでございます。  2点目の、農業労働力の安定確保ための県の施策についてでございます。  県内では、市町村の営農支援センターや農業再生協議会等が中心となりまして、地域内の多様な人材を活用して地域全体で農業労働力を確保する仕組みづくりが行われております。  例で申し上げますと、塩尻市で、地域の女性が援農組織「ねこの手クラブ」を結成いたしまして、農家の要請に応えて野菜の収穫等を支援している事例、飯綱町で、定年退職者が助っ人組合を結成いたしましてリンゴの摘果等を支援している事例など、県下各地で多くの取り組みが行われておりますので、農業改良普及センターが市町村の営農支援センターなどにこうした実践事例を紹介し、地域の仕組みづくりを支援してまいります。  また、これらの仕組みづくりとあわせまして、農作業経験をお持ちでない方々を対象に農業改良普及センターが栽培技術講習会などを開催をいたしまして安全で確実に農作業が行われるように支援をしてまいりたいと考えております。  3点目の、畑地の基盤整備の現状と周辺整備等の施策の関係でございます。  区画整理などのほか、農道または畑地かんがい施設が整備されております本県の畑地の整備率は、平成25年度末で52.9%となっております。比較的規模の大きな畑地帯におきまして市町村からの御要望にはおおむねお応えをしてきているところでございますが、現在、畑地かんがい施設の更新などの再整備を進めるということで、さらなる効率性と利便性の向上に取り組みを重点しているところでございます。  お尋ねの小規模な未整備の畑地につきましては、市町村等が事業主体となりまして、複数の農業者を対象にきめ細かな条件整備を支援する国の制度が措置されております。地域内の農業者の皆さんの合意形成を進めていただくことで、こうした制度の活用が可能になるというふうに考えております。  新規就農者の住宅の確保についてでございます。  作業場や機械庫などを備えました農家用住宅を取得する際には、地域で顔の見える関係でございます里親農家さん、そしてまた、市町村、JA、農業委員会などが連携をいたしまして仲立ちをしていただいている場合が多いというふうに認識をいたしております。  御指摘の空き家バンクにつきましては、おおよそ6割の市町村でそれぞれ今整備されているところでございます。平成27年度に、企画振興部におきまして、県内の物件を一元化し、検索機能も充実した空き家バンクシステムを整備する予定でございます。こうした中で、農業に適した住宅が容易に検索できるように企画振興部と連携して工夫してまいりたいというふうに考えております。  農業機械バンクのほうでございます。この点につきましては、安全性の確保、維持管理コストの負担、そしてまた利用時期の集中、こうしたさまざまな課題があるものと考えておりまして、民間会社でのレンタル、リース制度も充実しておりますので、こうしたものの活用をお願いしたいと思っております。しかし、新規就農者や農業で生活を立てるというふうな担い手の方々の農業機械の導入につきましては各種の制度資金や補助事業の活用をもって支援をしてまいると考えております。  次に、米価下落に対する県の対策について3点でございます。  県といたしましては、農業改良普及センターにおける経営相談などを通じまして、個別農家の状況に応じた経営指導や資金利用への助言等を行ってまいりました。さらに、昨年10月から、本県独自の取り組みといたしまして、県内生産者や流通・販売業者などと一体となった販売強化キャンペーンを実施いたしまして長野県産米のPR対策などを実施し、消費拡大による価格下落の抑制に努めているところでございます。また、国は、昨年11月、米農家の当面の資金繰り対策などを措置いたしますとともに、本年1月からは、27年産米の生産への支援策として稲作農業の体質強化緊急対策事業を緊急経済対策として実施しているところでございまして、これらの対策を活用して米農家に対する支援を行ってまいります。  また、稲作農家の所得の向上につきましては、主食用米の需要量は毎年減少しておりまして米価は下落傾向にありますことから、農業所得の向上を図りますためには主食用米のみに依存しない、収益性の高い効率的な経営体の育成を進めることが重要と考えております。このため、県では、昨年10月から市町村と意見交換を行った結果を踏まえまして、平成27年度から、新たに、農業所得の向上に向けた取り組みを緊急的に推進するための水田農業所得向上緊急支援事業を実施してまいりたいと考えております。  本事業では、生産費を大幅に低減できます5ヘクタール以上層の経営体の増加を図りますとともに、園芸作物などの導入による経営の複合化、ICT(情報通信技術)を活用した生産コストの徹底した低減などを支援をいたしまして農業者の所得向上を図ってまいりたいと考えております。  これに関しまして国に求めていく施策についてでございます。  国は、御承知のように、平成30年から米の需給調整手法を見直すことといたしております。新たな需給調整システムが的確に機能しない場合にはさらなる米価の下落が懸念されます。県といたしましては、国に対し、新たな需給調整システムの姿を早期に示しますとともに、価格低下等に対応できるセーフティーネットの構築を求めているところでございます。  以上でございます。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)信州ジビエの活用推進について御質問をいただきました。  初めに、供給体制についてのお尋ねですが、野生獣肉の処理加工施設は、県内では最近3年間で9施設が新たに設置され、現在22の施設が整備されております。  県では多くのニホンジカが捕獲されているものの、処理加工施設の少ない中信地域や東信地域などにおいて新たな施設整備を促進するべく、市町村や、捕獲、利用などに関係する皆様とともに検討を進めております。  今後も、県内各地域におきまして、新たな施設整備や信州産鹿肉の認証取得等に対しまして積極的に支援し、消費者の皆様のニーズに応え得る信州ジビエの供給体制の整備を図ってまいります。  また、食肉利用の知識を持つ狩猟者の養成についてですが、鹿肉をおいしいジビエとして提供していくためには、食肉利用に適した捕獲方法や、信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアルに沿った捕獲後の速やかで適切な処理が必要となります。このため、県では、本年度から、これらを適切に行える技術を身につけ、安心、安全でおいしい信州ジビエを供給できる捕獲者を信州ジビエハンターとして養成しておりまして、平成29年度までには100人を確保する計画でございます。  次に、信州ジビエの需要拡大についてのお尋ねですが、県内の鹿肉の生産量は北海道のエゾシカを除きますと全国トップクラスではございますが、さらなる利用拡大に向けて需要を喚起することが重要となっております。このため、議員御提案のように、来年度は、栄養成分の分析に加え、新たにしあわせ信州食品開発センターにおいて味に影響する成分などを分析して信州産認証鹿肉のブランド力の強化に活用してまいります。  また、新たに、信州ジビエ研究会を通じて鹿肉のさまざまな部位を活用した食品等の開発に取り組む事業者を募集し、試作品づくりなどへ支援するとともに、調理師会や栄養士会の御協力をいただきまして料理等のコンテストなどを実施して、ジビエと言えば信州を目指して信州ジビエの普及に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)現在、少年たちの事件でも信じられないような殺伐とした事件が発生をしています。直接体験が不足し、創造力や事態の把握などができていないのではないか、さらには生命倫理の欠如さえも感じます。  前回の質問でも触れましたが、フキノトウが出てきた、フクジュソウが咲いている、日の光が強くなってきた、こういうふうに春が近づいてきたなと感じられる信州の恵まれた環境を生かして幼少期から信州の自然の中で感性を磨き、芸術や文化に直接触れ、素直に感動できる心を育て、信州人としての誇りを育てる。改めてそんな新年度にするという期待と信州創生へ向けた決意を持って、質問を終わります。 ○副議長(村上淳 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時59分休憩          ──────────────────         午後3時15分開議 ○議長(風間辰一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  鈴木清議員。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)善光寺御開帳に関連し3点にわたり質問を行いたいと思います。  皆さん御案内のように、御開帳は二つの性格を持っておりまして、国元で行われるのは御回向と申しまして、御仏の慰労をするというのが御回向でございます。江戸時代は出開帳ということで善光寺仏を奉戴し、そして善光寺への寄進によって運営してきたという過去の長い歴史があります。  また、信州に入ってくる道は全て善光寺道と言われまして、一番遠い道しるべは岡山県の津山市だと思いますが、これより善光寺200里と。全ての道が善光寺につながっておったという歴史もございます。  また、善光寺にいろんな方々が御縁を結んでいただきました。先ごろ亡くなられた高倉健さんは毎年2月に1人静かに善光寺を参拝しておられましたが、5代前の小田宅子さん、筑前の国から奉公人ともども伊勢神宮に参拝し、時計回りに善光寺に参拝し、そして日光東照宮から江戸へ回って帰られたという旅の記録も残っております。  また、新幹線が金沢に延伸してまいりますが、加賀藩の御用達として、また両替商として地域の開発に苦労し、晩年、不幸な非業の死を遂げられました銭屋五兵衛が善光寺正信坊に逗留したという記録も残っております。  それらの前段を抜きにしましてこれから質問に入りますが、今回の善光寺御開帳は新幹線延伸直後という非常に注目度の高い時期に行われますが、観光客の入り込み、経済波及効果がどのくらいあると見込んでおられるのか。  2点目として、御開帳に訪れる観光客は、日帰り型、宿泊型、あるいは、交通手段についても、マイカー、新幹線、バス等さまざまな類型があると思われますが、それぞれどのように想定しておられるのか。  3点目として、御開帳は7年に一度の盛儀ということでございますが、ことし行われることはあらかじめ予定されていたことであります。今回、善光寺を訪れる観光客を他の県内観光地などに誘導するための方策について市町村の観光協会などと連携してどのように準備をしてこられたのか。また、御開帳目当てに善光寺を訪れた観光客に、他の機会に善光寺以外の観光地にも足を運んでもらうようにするためにどのような方策を用意してこられたのか。  以上、3点、野池観光部長にお伺いをいたします。  続いて、建設部長にお伺いいたしますが、御案内のように、長野駅から善光寺までの中央通りはいわば善光寺の参道であります。したがいまして、一体性を持たせるという大きな狙いの中で、現状は、新田町交差点以北は長野市道、以南は約700メートル区間だと思いますが県道と道路管理者が分かれております。そのために一体的な道路整備やあるいは景観整備などが非常にスムーズに進みにくく、歩行者天国とか、あるいはお花市とか、それぞれそごを来す場面があり、近隣の該当する商店会、町民の皆さんからも道路の一体性ということでぜひ検討してほしいという声が再三寄せられておられました。  そこで、善光寺参道としての一体性を出すためにも、新田町交差点以南の中央通りも長野市に管理権限を移譲させることができるのかどうなのか。奥村建設部長にお伺いをしたいと思います。       〔観光部長野池明登君登壇〕 ◎観光部長(野池明登 君)善光寺御開帳を契機とした観光誘客につきまして順次お答えを申し上げます。  まず、御開帳の観光客の入り込み、経済波及効果の見込みについてでございます。  善光寺御開帳奉賛会では、平成21年の前回よりも半年早く活動を開始をし、県や関係市町村と一丸となって、700万人以上の集客を目標に掲げ、北陸新幹線延伸開業で近くなる北陸に重点を置き、全国キャラバン等のプロモーション活動を実施をしてきたところでございます。  また、ウェルカム長野2015実行委員会の予測では、参拝者数につきまして前回を31万8,000人上回る704万8,000人とし、県内経済への波及効果につきましても前回を139億円上回る1,124億円としているところでございます。  2点目の、善光寺御開帳に訪れる観光客の行動類型の想定についてでございます。  前回の御開帳の報告では、日帰りが61.0%、宿泊が37.6%となっており、滞在時間3時間未満が66.6%でございました。また、長野までの主な交通手段は、マイカーが61.7%、団体バスが16.2%、新幹線が8.3%でありました。前回開催時は、上限1,000円の高速道路ETC休日特別割引が行われていましたことから、マイカーを利用した日帰り客が多かったと分析されております。  今回は、新幹線が延伸される北陸地域が新しいマーケットとなりますことに加え、長野駅の新幹線停車本数が大幅にふえることもございまして、新幹線利用者が増加することを想定しております。実際、東京発の貸し切り新幹線で善光寺を参拝し、県内の温泉地等に宿泊、周遊するプランですとか、北陸、さらにはその先の関西から新幹線を利用した新たなプランもさまざま企画をされているところでございます。  長野市でも、町を挙げて、善光寺表参道で多彩なイベントで観光客をお迎えをする企画をし、夜間のにぎわいづくりや、まちあるきガイドによる滞在時間の延長に向けた取り組みを行っておりまして、県としても宿泊の割合がふえることを期待しているところでございます。  3点目の、善光寺を訪れる観光客に県内各地を周遊してもらうための準備や方策についてでございます。  これまで、善光寺御開帳奉賛会や新幹線延伸を活用した経済活性化協議会で、民間と行政が一体となり取り組んできたところでございます。また、前回御開帳では宿泊した参拝者のうち14%が県外に宿泊をしており、今回はこの分も長野県内に宿泊していただけるようさまざまな取り組みを進めてまいりました。  県と県観光協会では、市町村の協力をいただきまして、東京、名古屋、大阪、北陸を出発し、御開帳を組み入れながら県内各地を1泊2日で周遊するモデルコースを作成し、全国旅行商品販売促進会議等の場で紹介をいたしまして、旅行商品の造成につなげてまいりました。また、2月からは、東京メトロの地下鉄車両モニターや大型ポスターなどの交通広告で、善光寺御開帳を初めとした春の信州観光をPRしているところでございます。  また、市町村等でも周遊、滞在を促進するためのさまざまな取り組みが行われており、例えばバスでは、松本や戸倉上山田温泉と善光寺を結ぶルート、飯山、中野、須坂の名所を回って善光寺へ向かうバスツアー、小布施ハイウェイオアシスから善光寺へのシャトルバス、また、長野駅で荷物を預け、善光寺を参拝している間に山ノ内町の旅館、ホテルへ荷物をお届けするサービス、飯田市は元善光寺との両参りをPRし旅行商品として造成されているなど、さまざまな誘客策が講じられております。  御開帳期間中の取り組みといたしましては、中央通り沿いに長野市が開設する臨時観光案内所に県も参加をいたしまして全県の観光案内を行ってまいります。また、「さわやか信州旅.net」で市町村等が取り組む周遊企画の紹介もさせていただきます。既にJR長野駅の長野市観光情報センターに英語対応が可能な職員を県で2名配置をし、県内各地の観光案内を行っているところでございます。
     このような取り組みを通じて県下各地のさまざまな魅力を知っていただき、再び長野県にお越しいただけるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)長野市中央通りの管理権限の移譲に関するお尋ねでございます。  新田町交差点以北の中央通りは平成15年3月に県道から市道への移管を行い、また、善光寺の仁王門通り、一般県道長野豊野線でございますが、これは道路法第17条第2項の規定によりまして市に管理権限を移譲し、長野市により歩道の拡幅、石畳化などの整備が進められてきたところでございます。  一方、新田町交差点以南の中央通りにつきましては、県の事業として既に無電柱化や景観に配慮した照明などの整備を行ってきたところです。  長野市では中央通り全体を善光寺表参道として捉え、同一のコンセプトによる道路整備を推進する方針と聞いております。  県といたしましては、長野市の意向を踏まえ、管理権限の移譲等を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)観光部長にはそれぞれの取り組みについて御答弁いただきましたが、善光寺のみひとり勝ちじゃなくて、近隣市町村、観光地を含めた2次交通の整備、ストーリー性を持った観光政策の展開、そして滞在型を含めた底上げが図られるような観光施策にぜひこの機会に積極的に取り組んでいただきたいと思います。  また、建設部長には新田町以南の市道移譲についての可能性について言及していただきましたが、ぜひ、長野市とも積極的な協議の上、善光寺口のいわゆる参道としての機能の一体性を持たせるような取り組みをお願いをしておきたいと思います。  次に、大雪への対応についてお伺いしたいと思います。  昨年の大雪では、幹線路線の除雪が間に合わず、路線バスが運休したり、経路を変更して運行する事態が生じました。私は、昨年の2月議会で、そうした場合に、バス停で待つ乗客が経路を変更して運行する他社のバスに乗車できなかったことについて質問いたしました。県としては、こうした事例への今後の対応も含め、大雪時等に住民生活に不可欠なバス輸送の確保にどのように対応するおつもりなのか。まずお伺いをしたいと思います。  続いて、道路の除雪については、所管によってそれぞれ行うのではなく、いわゆる線から面の除雪ということで、道路や車の進行状況などに応じ、国、県、市町村等が協議の上、面的に効率的に除雪を行うシステムや、特に病院など弱者が利用する施設のアクセスを重点的に確保することが必要と考えますが、昨年の大雪の検証作業においてはどのような議論が行われたのか。建設部長にお伺いいたします。  なお、前段のバス路線の答弁については企画振興部長よりお願いしたいと思います。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)大雪時等における路線バスの運行についての御質問でございます。  昨年2月の大雪の際には、幾つかの路線バスが運休したり、経路を変更して運行されたところでございます。長野市内におきましても、議員御指摘のとおり、アルピコ交通の運行する若槻団地線などが長電バスの運行経路へ迂回いたしましたけれども、道路運送法の規定から迂回した経路に停留所を設置することは困難であったというふうに承知しております。  しかしながら、災害時には公共交通機関にも臨機応変な対応が求められますことから、バス事業者、バス事業を所管する国土交通省北陸信越運輸局とも検討した結果、今後、災害発生時におきましては、個々のケースに応じ、県、国、バス事業者等が一緒になって即座に必要な対応を協議することとしたところでございます。  昨年の教訓を十分に生かし、バス事業者、国、道路管理者とも連携し、災害時において路線バス輸送がしっかりと確保されるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)昨年2月に発生した大雪災害の事後検証についてのお尋ねでございます。  検証では、除雪がおくれ、病院など公共施設へのアクセスに交通障害が生じ、その障害が長期化したことなど多くの課題が提起されました。  県では、課題解決を図るため、除雪体制の強化、除雪業者間の相互協力を可能とする除雪共同体による試行や、大雪災害時に道路管理者間の区別なく除雪を行うための相互除雪協定の締結を行ってきたところでございます。  また、市町村など関係機関の意見をもとに、大雪災害時に病院や駅へのアクセス道など優先して除雪を行う路線を設定し、迅速に行うことといたしました。  引き続き、除雪体制について関係機関とさらなる検証を行いまして、安全、安心な通行確保に向けて改善を図ってまいります。  以上でございます。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)企画振興部長の答弁によりますと、民間の事業者の垣根を越えて災害時には連携をすると。非常に前向きに取り組んで、きちんとした対応をしていただいたということで高く評価したいと思います。  また、建設部長には、国、県、市の垣根を越えた面的な整備について対応できるということで、ぜひ今後の豪雪時には速やかな除雪対応をお願いしたいと思っています。  昨年の2月14日、ことしもくしくも2月14日に雪が降りました。県民の中には2月14日を雪の日と名づけたらどうかとやゆするような声もありますが、いわゆる生活困窮者、弱者のために対応は県が主導的にぜひお願いしたいと思います。  先ほどいい答弁をいただきましたから、続いて企画振興部長に関連してお伺いしたいと思いますが、しなの鉄道北しなの線についてであります。  まず1点目は、先ごろ、2月23日だと思いますが、北しなの線の北長野駅・三才駅間新駅建設促進期成同盟会が発足いたしました。これは、鷲澤市長の時代に、長野―信濃吉田間、信濃吉田―三才間、三才駅―豊野駅間に新駅を設置したいという声が上がりましたが、最終的には、地元の意見集約の結果、信濃吉田―三才駅間に新駅設置ということで長野市との協議で方向が決まり、3月19日には長野市長に正式に陳情要望を行う予定となっております。  そこで、新駅設置の今後の見通しについて、2番目として、いわゆる三才駅の利用客が3,000人を現状超えておりますが、高齢者等がふえてきた今日、エレベーター設置の可能性についてぜひ前向きな企画振興部長の御答弁を求めるものであります。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)まず、北しなの線北長野―三才駅間の新駅についてのお尋ねでございますが、しなの鉄道へ新駅を設置する際には、採算性の確保や利便性の向上のほか、設置費用を地元市町等で負担することなどが前提とされているところでございます。  平成24年度には、地元長野市におきまして、長野―北長野駅間、北長野―三才駅間、三才―豊野駅間の3カ所につきまして新駅設置の可能性を調査し、このうち北長野―三才駅間が最も優位性が高いとの結果を公表しているところでございます。  長野市では、今年度、北長野―三才駅間新駅について、建設費の見込みや需要の予測、周辺環境への影響等に関する詳細な調査を実施しているところでございます。今後、この調査結果を踏まえ長野市としての方向性が決定されるものと承知しております。県としても地元長野市の意向を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。  次に、三才駅へのエレベーター設置についてでございます。  国では、移動等円滑化の促進に関する基本方針を改正いたしまして、1日当たりの乗降客数3,000人以上の鉄道駅については平成32年度までにエレベーター等の設置を行うという目標が定められたところでございます。  県内には、1日当たり乗降客数3,000人以上でエレベーターの設置がない鉄道駅が御指摘の三才駅を含めて7駅あります。目標達成に向けまして整備を進めていく必要があるというふうに認識しております。  県では、これまで、鉄道駅へのエレベーター設置等に対する補助金の上限額を1駅当たり1,000万円としてまいりましたが、来年度からは1日当たりの乗降客数3,000人以上の駅につきましては上限額を2,000万円に引き上げ、整備を促進していきたいというふうに考えております。  三才駅につきましてはJRからしなの鉄道へ経営移管されますので、地域の御意見をしっかりと伺いながら、整備主体となるしなの鉄道や長野市、国と協議してまいりたいというふうに考えております。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)続いて、県内産大豆を利用した信州みそについてお伺いいたしますが、私が申し上げたいのは、信州みその原材料となります大豆の振興、大豆をつくる農家の荒廃地や遊休地をどのようになくし農家が業として大豆生産ができるかどうか。その1点について関連してお伺いをしたいと思います。  私の手持ちの資料により参考までに申し上げますと、信州みその市場での全国シェアは約50%であります。そのうち原材料として使う大豆の数量なんでございますが、県内産が残念ながら0.3%、県外産が5.9%、輸入大豆が93.8%となっております。また、大豆の供給量及び輸入国に関しましては、国産が8.0%、輸入が92.2%、うち、どこの国からの輸入が多いかと申しますと、アメリカが64.6%、ブラジルが20%となっております。これは、恐らく、昭和36年の農業基本法以来、アメリカの余剰農産物、特に穀物は日本ではつくらなくてもいいでしょうという裏返しをした農業政策のゆがみであり、今日のあらわれだと思っています。  そこで、まずお伺いしますが、味覚は幼少のころからなじんだものを忘れないと言われています。教育長にお伺いしますが、小中学校の給食について自校方式とセンター方式の比率はどのようになっておられるのか。また、信州みそをより身近にするために、学校給食において毎日地元でとれた野菜を具材としたみそ汁を提供してはどうかと思いますが、その取り組みについて現状どのようになっているのか。お伺いをしたいと思います。  続いて、農政部長にお伺いしますが、県内産の大豆から製造された製品の割合は非常に低いという数字を今お示ししました。信州みそは全国的に高い人気を誇っておりますが、より付加価値の高い製品とするためにも県内産大豆の使用率を高めるべきかと私は考えております。ただし、大豆は連作等が非常に難しいとお聞きしておりますが、水田における転作を初め、積極的に大豆栽培を奨励してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。  私どもの長野市の善光寺平においては、昔から西山の大豆として一定の評価を得ておりました。やはり、大豆はきちんとした国内産、地産地消で原材料を供給することが長野県のみその評価を高めることにつながると思いますが、ぜひ大豆の生産に関する本県独自のインセンティブをお考えいただいたらいかがかと思いますが、農政部長の決意をお聞きしたいと思います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)学校給食についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、自校方式、センター方式の比率でございますが、県内の公立小中学校におきます学校給食の調理方式は、学校数に対する割合で見ますと、自校方式が34.7%、センター方式が65.3%となっているところでございます。  次に、みそ汁についてのお尋ねでございますが、学校給食におきましては米飯給食の実施回数が週平均3.45回と増加していることに伴いまして、みそ汁が提供される割合も年々ふえているものと承知をしてございます。  また、県内の学校給食における県産の野菜類の使用率につきましては43.2%となっており、みそ汁の具材を含め、学校給食には地場産の野菜を活用した献立が多く提供されているところでございます。  学校給食に地場産物を活用することは、子供たちが食材を通じて地域の自然や文化、産業等に関する理解を深め、ふるさとを愛する心や生産者への感謝の心が育まれるなど、食育に大きな効果があると期待をしているところでございます。  学校給食の具体の献立につきましてはそれぞれの調理場等で判断するものでございますが、県教育委員会としては、今後も、県農政部等と連携をし、学校給食における地場産物の利用促進に取り組むとともに、栄養教諭等を対象とした研修会において、信州みそを含め、地場産物を活用した献立を積極的に取り入れるよう指導助言してまいりたいと考えております。       〔農政部長中村倫一君登壇〕 ◎農政部長(中村倫一 君)信州みそに使用する県内産大豆の振興についてのお尋ねでございます。  本県産大豆の平成26年産の作付面積2,050ヘクタール、生産量が3,100トンというふうになっておりまして、その用途といたしましては主に大豆や納豆向けが多く、輸入大豆との価格差、これは4倍強ございますけれども、が大きいことから、議員御指摘のとおり、みそへの用途が現在は少ない状況でございます。しかし、地産地消への関心の高まりなどから原料を地域産にこだわる大豆製品はふえておりまして、みそにつきましてもこのような動きがあるというふうに認識をいたしております。  県内栽培の約7割が水田転作で栽培されているものでございまして、県といたしましては、湿害を回避するなど、生産安定技術の普及によります生産性の向上を図りますとともに、国の経営所得安定対策や産地交付金を活用いたしまして所得の向上を進めることにより大豆栽培全体につきましては奨励してまいりたいというふうに考えております。  とは申しましても、現在、御指摘のようなみそ用に非常に使いやすくお使いいただける品種が県内では余りございません。この品種は、糖分が高くて、百粒重、玉が大きいということ、そしてまたウイルス病など、つくりやすいという特性が必要でございます。現在のところ、県内のみそ屋さんは工夫をしていただいて御利用をいただいているのが現状でございます。  県野菜花き試験場におきまして、現在、みそに適する新たな大豆品種の育成を進めております。今後、メーカーの方々にも御意見を伺いながらこの育成系統を完了いたしまして、県産大豆のみそ用としての利用が促進されますように努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)本県が誇れる健康食品、みそのシェアをどんどんふやしていただいて、原材料の大豆の振興に努めていただきたいと私は思います。  亡くなられた司馬遼太郎さんが、生前、「街道をゆく」というシリーズを連載しておりました。その中に、紀州和歌山、紀勢線の駅に紀伊由良駅という駅がございまして、その駅から約600メートルぐらいに、海南第一林、興国寺という寺があります。その寺の御開山様は長野県松本の芳川の人で、心地覚心(法燈国師)様であります。国師様は、入宋求法、宋の国へ行かれ、いわゆる金山寺みその原型となるもとを我が国に持ってこられた。佐久の安養寺の御開山様でもあります。そのような歴史と経緯の中から、長野県の歴史、みその振興についてぜひ御理解いただきながら大豆の振興に努めていただきたいと思います。  時間がありませんから教育問題に移ります。  まず第1点、校長や教頭への登用について、特別支援校など特定の学校での勤務経験がある者が優遇されてきたとの声も聞いております。また、小中学校の教諭は、10年以前の新卒者は、原則として、新卒後、東信、南信、北信、中信の3カ所を勤務した後でないと出身地に配属されなかったが、現在その基準を2カ所としているとお聞きしております。登用に当たって市町村教育委員会からの推薦結果が大いに反映されているとのことであり、長野、松本、上田、千曲など教員数が多い都市部が不利になるなど市町村の大小によって不公平が生じ、結果的に昇任が偏ってしまうおそれがあります。市町村教育委員会の推薦にとらわれず、適正、公平な昇任の決定を行うべきと考えるが、いかがでございましょうか。  また、次に、小中学校の教科書は12の採択区ごとに採択されておりますが、全ての採択区で同一の出版社の教科書が採択されているという現象が本県は全国で断トツであります。  ちなみに、平成27年、ことしの4月から30年まで使用される小学校の教科書の採択一覧表を見ましても、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、これが全て採択区ごとに同じ出版社であります。また、現在使用されている24年から27年の中学校における教科書の採択一覧を見ましても、国語、数学、理科、音楽一般、器楽、美術、これも全て同一の教科書であります。  答弁をお聞きしますと国の検定の基準を通ったからという答弁になると思いますが、余りにも特定の出版社が全採択区で同じということは、私は、どう考えても、地域地域の市町村教委の創意工夫が働いているのかどうなのか。いびつな違和感を感じるものでありますが、教育長の冷静な前向きのきちんとした御答弁をお聞きしたいと思います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)まず、適正、公平な管理職への昇任についてのお尋ねでございます。  校長や教頭の昇任選考につきましては、管理職の職務の重要性にかんがみまして、教育に関する理念や見識を有し、リーダーシップを発揮し、組織的、機動的な学校運営を行うことができる資質を持つすぐれた人材を任用するために実施をしているところでございます。  選考の対象者は教員の服務監督権のある市町村教育委員会及び所属長から推薦された者としてございますが、特定の学校の勤務経験者の優遇や市町村教育委員会ごとに被推薦者の上限の設定というものは行っておらず、管理職としてふさわしい方を幅広く推薦をいただいているところでございまして、校長、教頭によって若干比率は違いますが、おおむね2倍前後の方々の御推薦をいただきながら、その中からさらに県教育委員会のほうで、実績、人物、そして面接、小論文によりまして管理職としての資質、能力を評価し、判定基準をもとに総合的に選考しているところでございます。  今後も、すぐれた人材が任用できるよう、適切、公平な審査、昇任の決定に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  続きまして、小中学校の教科書採択についてのお尋ねでございます。  市町村立の小中学校で使用する教科書につきましては、各市町村教育委員会が採択権を有しているところでございます。また、共同採択地区ということで、周辺の市町村と同一の教科書を使うということで法律に基づきまして採択地区を構成をしているところでございまして、市町村教育委員会は採択地区協議会を設置をいたしまして、御指摘いただきましたように文科省の検定を合格した教科書について十分な調査研究を行いながら、その協議の結果に基づいて種目ごとに同一の教科書を採択しているところでございます。  本県では県全体の広域人事というものを以前から行ってございまして、そのために教員の教材研究ですとか授業研究も地域を超えて行われているという特徴が他県と比べて強い面がございます。そうしたことなどもあって結果的に県内同一の教科書となっている件数も他県よりも多いのではないかと、このように考えているところでございますけれども、いずれにいたしましても、市町村教育委員会がみずから採択権があるということを十分しっかり意識の上に適切に調査研究を行った上、管轄の小中学校で使用する教科書を適正かつ公正に採択できるよう、県教育委員会としても指導助言してまいりたいというふうに考えてございます。       〔25番鈴木清君登壇〕 ◆25番(鈴木清 君)教科書採択に当たりましては、広範な角度から冷静に調査研究をされて、児童生徒がきちんとした縦軸、あるいは幅広い教養を持って育つような採択を進めていただきたいと思っています。  また、教員の登用に関しましては、教育というのはまさしく教化、育成であり、教化とは教導、醇化であり、教導、醇化イコール教化というものを含めた、全人格をかけた日々の闘いの中から子供たちが啓蒙、指導されるものだと私は思っています。すぐれた人材が責任ある立場に登用できるように冷静、公平な人事を望みまして、質問を終わらさせていただきます。 ○議長(風間辰一 君)次に、小島康晴議員。       〔23番小島康晴君登壇〕 ◆23番(小島康晴 君)まず、現地機関のあり方等について何点か伺います。  来年度、行政機構審議会を設置し、県の現地機関のあり方等について、地域振興施策の効果的な展開や自主性、主体性の強化、住民の利便性確保の視点などから専門的な見地による調査、審議をお願いするとのことですが、この審議会に対していわゆる白紙諮問するのか、または知事の公約でもあります地域振興局(仮称)設置などを知事の思いとして提示するのか。そしてまた、この地域振興局について知事はどのような姿を描いておられるのか。知事に伺います。  次に、地方事務所長総合調整推進事業費について伺います。  地方事務所長総合調整推進事業費として来年度予算にも今年度と同額の500万円が計上されています。各地方事務所当たり50万円ということです。3年間取り組んでこられたと思いますが、この調整推進費についてどのように評価しておられるのか。  また、現地機関への権限移譲につきましては相当御努力いただいているわけですが、やはり権限に財源もセットされないと完全な分権、移譲とは言えないというふうに思います。私は、思い切ってこの調整費を増額すべきではないかと考えますが、予算編成に当たって増額等の検討はなされたのかどうか。企画振興部長に伺います。  移動知事室について伺います。  スタートダッシュ・アクション7として公約である移動知事室を早速実行され、しかも南信の伊那市から第一歩をしるされたことに敬意を表するところです。成果や課題につきましては既に何人か質疑応答がなされていますので、私からは、なぜ10圏域の中からまず上伊那地区を選んでいただいたのか、理由とか知事の思い。そしてまた、伊那のすぐ後は無理でも、次の次くらいは飯田に来ていただけるんじゃないかという期待がないわけではないんですが、次はどこで行うのかとか、あるいは年何回行うのか、さらには任期4年のうちに全地域を回るような計画であるのかといったことなど方向づけられているのか。知事に伺います。  会議等の開催方法について伺います。  県の会議や研修会等の開催方法について、平成22年2月定例会での私の質問に対して、当時浦野総務部長より、平成20年の3月に全所属宛てに、各所属においては、県内全体を対象として開催する会議について、長野や松本を中心とした一括開催だけではなく、出席者の移動時間、旅費などを考慮し複数の会場で開催するなど最も効率的な場所、方法で開催するよう通知したところと答弁いただいております。あれから5年ほどたちましたが、この通知は現在も生きて継続されているのでしょうか。太田副知事に伺います。  関連して、大学入試センター試験の会場について通告しておりましたが、昨日、小池議員が触れられましたので、私からは要望にとどめたいと思いますが、たしか三、四年前、この件でお願いや御相談に行き、信州大学にも働きかけていただいたような覚えもあるのですが、その後どうなったのか。いずれにしても、地元広域連合や校長会の要望を重く受けとめて、県教育委員会としても同じ方向で対応願いたいと要望いたします。  1月半ば、まだ朝暗いうちから、下伊那の山間部の高校生が朝4時とか5時に起きて飯田まで出てきて、バスに揺られて1時間、伊那に向かって行ってセンター試験を受ける。それを2日間繰り返すわけであります。雪が降りはしないか、高速道路は大丈夫か、本人も家族も大変です。恥ずかしながら、私も自分の子供が受験するまではそのことには気にもとめておりませんでした。そういう意味で、教育長あるいは教育委員会の皆様におかれましては、仮に自分のお子さんが私どもと同じような立場であったらどうかというその身になって考えていただいて、ぜひとも同じ方向でお取り組みいただくように重ねてお願いいたします。  大きな2点目として、予算執行にかかわる会計制度について伺います。  補正予算第7号で早期議決で約109億円を増額いたしました。国の交付金を有効に生かすということで全会一致で賛成したところでございますが、相前後して補正予算8号というものが提出されまして、こちらは約370億円の減額ということでありました。結果として、本年度の現時点での最終予算額は約8,463億円となりまして、平成25年度、昨年度の最終の予算額8,436億円ほどと、約27億円、ほとんど変わらない額となっております。役所のお金には色があるのかないのか、ふえたり減ったり、まことに県民の皆さんにはわかりにくいのではないかと感じております。  毎年度末には最終的に予算不用額などを精査して最終予算補正が行われます。法律等に基づく適正な手続であることは当然であり、理解するところですが、この2月県議会定例会で当初予算を目を皿のようにしてしっかり審査しても、年度末に大きな不用額があったりしますと大変むなしく感じるわけです。  元気づくり支援金についても再三お願いしてきましたし、ほかの事業もそうでしょうが、地域や民間では役所と違って必ずしも4月から3月という暦の中で活動しているばかりではありません。年度途中からでも新しい事業が起こせるような、結果として予算の有効活用が図られるように繰り越し手続等を簡易にして次年度以降も執行できるような取り組みはできないものか。太田副知事に伺います。
          〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)現地機関のあり方についての御質問に2点お答えを申し上げたいと思います。  まず、行政機構審議会への諮問方法と地域振興局(仮称)についての考え方ということであります。  私は、長野県の強みというのは、広い県土の中にさまざまな風土、歴史、特性を備えた地域が存在しているということだというふうに考えております。そういう意味で、各地の強みや特色を生かした地域づくり、地域経営、こうしたことを県のそれぞれの現地機関がしっかりと取り組む、あるいはサポートしていく、そういう体制をつくっていくということが大変重要だと思っています。  全国を見渡しますと、かなり市町村合併が進んでいる都道府県もあります。そういうところを見ると、どちらかというと県の現地機関は基本的に縮小させている県が多い。私がかつて勤務していたようなところも、かつてより市町村数が減っているという中で場所によっては権限を弱めているということも聞いております。ただ、私ども長野県、小規模町村が非常に多い県であります。村の数が一番多いという特徴がありますので、全国と同じような発想とか同じような方向で現地機関を論ずるわけにはいかないのではないかというふうに私は思っております。  そういう観点で、今回、私の2期目の選挙公約の中には「地方事務所の機能を強化した地域振興局(仮称)の設置検討」ということを掲げさせていただいているわけであります。そういう意味で、市町村、地域の皆様方と一緒になって地域を元気にしていくことができる、そうした現地機関の組織体制や、そのための権限等を付与することを考えていかなければいけないだろうというふうに思っております。  したがいまして、行政機構審議会に対しては、こうした私の問題意識も議論の視点あるいは方向性としてお示しをした上で、現地機関の組織体制を中心とした県の行政機構のあり方について諮問をして御検討いただきたいというふうに思っております。  なお、同じく私の公約上、「試験研究機関の機能強化」ということも掲げさせていただいております。各試験研究機関同士の連携を推進して中小企業等の開発意欲に応えていきます。先ほども農政部関係の試験研究機関の話も農政部長の答弁に出てまいりましたけれども、産業振興、地域振興を行っていく上で、私は、もう1点、試験研究機関のあり方ということも大変重要だというふうに思っておりますので、こうした点についてもあわせて行政機構審議会の中でしっかり議論をしていただくようにしていきたいと思っています。  それから、2点目の移動知事室についてのお話でございます。  昨年夏の知事選で県内をめぐらせていただく中で、改めて、長野県の広さ、そして県庁が長野市に所在している中で県あるいは県庁への距離感を感じていらっしゃる県民の皆様方の声ということも大分聞いてまいりました。特に南信の方々からはそういう声が多かったということもありまして、今回、移動知事室1回目は南信地域で行うと。そして、南信地域、諏訪もあれば下伊那もありますけれども、南信地域の中で地理的に見れば真ん中に位置する上伊那でまずは実施をさせていただいたところでございます。  今後の取り組みでありますが、できるだけ行っていきたいと思いますが、今回実施しても感じましたが、例えば庁内の打ち合わせ等はテレビ会議等で対応できるようにはなってきておりますが、しかしながら、私自身が出席しなくてはいけない会議等、日程を編成する上での制約は結構かなり多いなというのも片方で実感としてございます。そういう意味で、新年度の大きな日程の中でどの時期にどこで開催するかということについては今検討をさせていただいているところでございます。  今後とも、県民の皆様方との距離を近づけ、県政を身近に感じていただくために可能な限り移動知事室を実施していきたいと思っていますし、また、これは、私だけがそういうスタンスではなくて、副知事、あるいは各部長、県の職員がいろんな地域に出かけていって県民の皆様方の声を直接伺って対話をしていく、そういう県政を目指していきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)地方事務所長総合調整推進費の評価と増額検討についてのお尋ねでございます。  この地方事務所長総合調整推進費は、地域の臨時的、緊急的な課題に対応した取り組みを迅速かつ柔軟に実施するために各地方事務所に予算を配分しているものでございます。本年度は、おんたけ2240スキー場の営業開始に向けた誘客促進や北陸新幹線延伸に伴う観光PRなど、各地域の実情に応じた事業を実施しているところでございます。  また、より柔軟な対応を可能とするために、地方事務所間の協議によりまして予算をより必要なところに傾斜配分することとしておりまして、そういう意味では臨時的な地域の課題におおむね対応できているというふうに評価をしております。したがって、本年度と同額の予算を計上させていただいたところでございます。  地域の政策課題を具体的な施策に反映する仕組みといたしましては、地方事務所長からの施策提案あるいは地域発元気づくり支援金等がございます。これらの施策、そしてこの総合調整推進費を活用しまして、地方事務所が地域の課題に適切に対応し、地域活性化につなげられるようにしてまいりたいと考えておりますが、来年度、現地機関の組織体制や権限等について検討が予定されておりますので、そこでの議論を踏まえまして地方事務所長総合調整推進費のあり方についても引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。       〔副知事太田寛君登壇〕 ◎副知事(太田寛 君)私に2問の御質問がございました。順次お答え申し上げます。  まず、会議等の開催方法についてでございます。  御質問にございました平成20年3月の通知に基づく取り組みは現在も継続しておりまして、加えまして、平成25年3月に職員提案に基づきまして会議の3箇条というのを定めておりまして、参集しやすい場所での開催、適切な日程の設定等につきまして全所属でチェックの上取り組んでいるところでございます。  そしてまた、来年度は、本庁舎と合同庁舎間を結んで行うテレビ会議の回線拡充など、ICTを活用しましたスマート県庁の構築に取り組んでいくこととしております。これによりまして、例えばテレビ会議といたしまして、今まで県庁1カ所に集まって開催した会議につきましても、現地機関の県職員や市町村職員等、会議への参加者は最寄りの合同庁舎でテレビを通じて参加することが可能となります。移動時間あるいは旅費の縮減に効果があるため、利活用を推進してまいりたいと考えております。  今後も、出席される方々の利便性を考慮し、また負担が軽減されるよう、効果的、効率的な会議等開催につきまして取り組んでまいりたいと考えております。  それから、2点目でございます。予算の有効活用のための繰り越し手続についてでございます。  予算の執行に当たりましては、会計年度独立の原則に基づきまして、歳出予算の金額は原則としてその年度内に使用し、事業費の確定などによる執行残額が発生した場合は不用額として予算の減額補正により対応しているところでございます。  一方で、一定の条件のもとに翌年度に繰り越して予算を使用することができますよう、地方自治法第213条の規定によりまして繰り越しの特例が設けられております。予算成立後の事由に基づき年度内に支出が終わらない見込みのある事業につきましては、議会の議決を経まして繰越明許が可能になっております。  これら関係法令や県の規則に基づきまして県の事業の繰り越し手続を行っておるところでございますけれども、年度末に発生した執行残額については追加要望や交付決定などの手続に時間を要することもありまして繰越明許手続に至らない場合がございます。  限られた予算を効率的に執行できるよう、事業の目的の実現を引き続き図る必要があるものにつきましては繰り越し制度を活用した上で事業を推進してまいりたいと考えております。  また、手続の簡略化ということがございましたけれども、現在におきましても基本的には予算執行者である原課、事業課の判断を重視しておりまして、それに対しまして財政課が協議を受ける、あるいは報告書のための数字の報告を受けるという形になっておりますので、そういう手続的なことで現在繰り越しができていないということは余りないというぐあいに認識しておるところでございます。       〔23番小島康晴君登壇〕 ◆23番(小島康晴 君)知事に再度伺います。  私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、諮問は白紙かどうかということと同時に、知事御自身は地域振興局についてどういう姿を描いておられるかということでありまして、お話のように、公約集の中で「地方事務所の機能を強化した地域振興局(仮称)の設置検討」とありますので、200万県民にお約束したことで何も絵がなくて名前だけということはないと思いまして、何らかのこういう感じというものがあるんじゃないかというふうに思ってお尋ねしているんですが、その点、再度御説明願いたいと思います。  大きな3点目、リニア中央新幹線に関連して伺います。  来年度、本庁にリニア整備推進局を、現地機関としてリニア整備推進事務所を設置するとのことで、リニアにかける知事の熱意を感じ感謝するところですが、企画振興部にも一部担当が残るとも聞いております。建設部と企画振興部など関係部局、あるいは本庁と現地が一体となった事業執行を期待するものでありますし、特にいわゆるハードとソフトがばらばらにならないよう配意願いたいと思うところですが、今後の具体的な取り組みはどのようでしょうか。企画振興部長と建設部長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)お答えします。  私は相当はっきりお答えしたつもりなんですけれども、まず私の考え方を申し上げました。議論の視点や方向性として考え方をお示しするということで、当然、白紙で丸投げで勝手に考えてくれという方式はとらないということを明確に申し上げているわけであります。  それから、地域振興局(仮称)としてのあり方でありますけれども、先ほども答弁申し上げましたが、市町村合併が進んでいる地域においては、市町村にどちらかというと中心を置いて、県は余り現地機関に権限を置かないという方向性が全国的には見えてきているわけでありますけれども、長野県は小さな町村が多いという状況があります。そうすると、今回の地方創生の議論の中でも、県としてのバックアップ、この議場でも再三にわたっていろんな御質問が出ているわけであります。そうしたものを全て本庁がやるのがいいのかというと、私は、現場に近い、今の組織でいけば地方事務所がしっかりと対応していくということが必要だというふうに思っております。  しかしながら、権限はできるだけ身近な自治体にあるべきだということを考えれば、県の現地機関に対する権限移譲だけじゃなくて、市町村がもっと担っていただけるものは担っていただくということも片方で必要だろうと思いますので、そういうことを考えれば、市町村との役割分担ということも十分視野に入れながら、現地機関、地域振興局(仮称)のあり方ということは考えていかなければいけないというふうに思っております。  この議場でも申し上げたと思いますけれども、私がかつていわゆる地方振興課長を担っておりました岩手県では地方振興局という総合現地機関を置いておりました。そういう中で、財源、権限は、本県の現状の地方事務所に比べると比較的持っていたし横断的な権限を行使していたということであります。  権限のあり方あるいは組織のあり方というものは、これが唯一絶対正解だということはないわけでありますので、私としては、どういう組織をどこまで統合するかということについては今の時点でこうあるべきだということを確実に持っているわけではありませんが、しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、長野県の強みというのは各地域がさまざまな風土や特性、個性を持っているということであります。ここをしっかりと県の現地機関がサポートできる、あるいはみずからが担っていける、そうした組織ということを十分念頭に置きながら現地機関のあり方を考えていくことが必要だというふうに思っておりますし、私が念頭に置いております地域振興局(仮称)というものも、そうした機能を担えるような組織ということでございます。  そうした観点で行政機構審議会において十分議論を行い、そして市町村あるいは県議会の皆様方の御意見も伺いながら方向づけをしっかりと行っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)リニア中央新幹線についてのお尋ねでございます。  リニアの建設工事の認可によりまして開業に向けた動きが本格化していく中で、今後、新幹線建設に必要な用地を確保する必要があります。また、伊那谷自治体会議において決定いたしましたリニアバレー構想骨子に基づいた取り組みも進めていく必要がございます。  用地取得事務に関するJR東海との協議が調った後には、建設工事に関する課題への対応は建設部のリニア整備推進局が、そして、リニア整備を契機とした地域振興は引き続き企画振興部が担当いたしますが、両者の連携は常に確保してまいりたいというふうに考えております。  また、昨年設置いたしましたリニア地域振興推進本部と現地本部を活用いたしまして、ソフト、ハードの両事業の情報共有しながら部局間及び本庁と現地との間の連携をさらに緊密に図りまして、事業効果がより一層高まるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)リニア中央新幹線に係る関係部局、本庁、現地が一体となった取り組みについてのお尋ねでございます。  企画振興部長の答弁にもございましたが、リニア中央新幹線に関する施策の調整や効果的な推進については、リニア地域振興推進本部及び現地本部において部局間、現地と本庁間が連携して取り組んでいるところでございます。  建設部といたしましては、昨年10月に発表いたしましたリニアに関連した道路整備について国や関係市町村と連携した取り組みを進め、伊那谷交流圏、またリニア3駅活用交流圏の実現を目指してまいります。  以上でございます。       〔23番小島康晴君登壇〕 ◆23番(小島康晴 君)知事に重ねてお尋ねはしませんが、ちなみに、過日、常任委員会で京都府を視察した際漏れ聞いたところでは、京都府には山城、中丹、南丹、丹後の四つの広域振興局がありまして、それぞれに理事級の局長がいまして、部長と副知事の間くらいになりますか、そのもとに企画総務部、健康福祉部、農林商工部、建設部があって、それぞれに地域の振興計画や各種プラン等があって、広域振興局の予算も毎年度二、三千万円程度あるというふうに聞いてまいりました。  いずれにしましても、何か絵があって諮問されると審議もしやすいかなということでお聞きしたつもりでございますので、お願いしたいと思います。  それで、京都の広域振興局長のところには、二、三千万円、自由とは言いませんが、予算があるということで、地方事務所長とは違うかもしれませんけれども50万とは2桁ぐらい違いますので、例えば飯田、下伊那で何か課題があって困っていることがあったときに、地方事務所長なり将来の現地の長が200万とか300万とかぽんと出してくれる、そういうふうになると地域と県が一体となって分権が進むというイメージが湧くんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。  続いて、一部所管委員会にかかわりますのでお許しをいただきまして、ネット被害から子供を守ることについて伺いたいと思います。  連日のように子供をめぐる痛ましい事件が伝えられています。その中で、ネットにかかわる子供たちの状況も大変なことになっているわけであります。議場の同僚各位にも御理解いただくために、この場にふさわしいかどうかわかりませんが幾つか事例を申し上げてみたいと思います。  LINEというもので誹謗中傷したり、仲間外れにしたり、いじめをしたり、そういったことが県下各地の中学校、高校で本当にたくさん行われております。  例えば高校生の例で申しますと、他人のプリクラを無断でLINEに配信してしまう、飲酒、喫煙の映像をLINEに掲載する、出会い系アプリに登録してしまい有料の請求や知らないメールが多数届くようになってしまった、あるいは、毎日死ねの書き込みをされる、線路上に寝転んだ写真をツイッターに投稿した、あるいは、県下の中学校の実例ですけど、LINEで知り合った社会人と会う約束をしてしまった、出会い系アプリに写真を掲載してしまった、クラスメートのシャワー写真を盗撮してLINEで回した、LINEパーティーでスタンプしない生徒に学校に来るなと仲間外れにする、成り済ましでフェイスブックをつくってプライベートを公開してしまう、暴走族とLINEの仲間になってしまう、あるいは、ツイッターで誹謗されて被害者は不登校になってしまった、LINEに生徒の成績が漏れて載ってしまっている等々でございます。  さらに、小学校でも、登校時にコンビニで買い食いをしている動画を登校するとか、あるいは、ゲーム機のすれ違い通信を使って社会人と知り合う、あるいは、他人のクレジットカード番号を盗み見て有料ゲームをダウンロードする、さらには、犯罪的ではないですけど、3DSでネット依存になってしまって夜遅くまでやってしまって抜けられない、朝起きられない、学校に行けないといった小学生、中学生がたくさんいるということであります。  こういった状況は私どもが知り得たもので氷山の一角かもしれません。知らないうちに加害者になってしまうこともありまして、それはまたある意味では一つの被害ともいえるとも思われます。子供たちがこうしたトラブルや犯罪に巻き込まれないようにしなければなりません。知事はこれら申し上げたような現状をどのように把握しておられるでしょうか。  また、これらにつきまして、いわゆる子ども支援条例や、今回提案されていますいじめ防止条例で十分対応可能と考えておられますでしょうか。知事に伺います。  また、さまざまな一般的な啓発活動やあるいは携帯電話会社との連携協定なども取り組まれておりますし、教育委員会、警察、あるいは県民文化部、それぞれの担当ごとにいろいろ取り組んでいただいているところではありますが、ある面で縦割りでの対応のおくれも懸念されるわけです。  さきに紹介したようなさまざまな大変な事例に対する相談や、相談の結果支援が必要な場合、LINEの登録を削除するとか2ちゃんねるの登録を削除する、そういった具体的な半分プロのような相談や支援につきましては民間のボランティア的な皆さんの活動にいわばお任せになっているんじゃないかと思われるわけです。これはやはり県も責任を持って何とかしなければならないと思うわけであります。  信州の大切な子供たちを守る観点から、知事のリーダーシップのもと、迅速で専門的な相談・支援体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)お答えします。  子供たちのネットでの被害について2点御質問いただきました。  まず、現状をどう把握しているか、そして、子ども支援条例、いじめ防止条例で対応可能かという御質問でございます。  民間の相談・支援機関でありますセーフティーネット総合研究所、ここのデータによりますと、児童生徒のインターネット関連のトラブルに関する相談・支援件数、平成21年度に58件であったのが平成26年度は2月末までの11カ月の間で527件、約9倍です。年間にいけば10倍近くという形になろうかと思います。そういう意味で件数的にも非常にふえているという状況でありますし、また、携帯端末機器、平成24年以降、急速に普及した携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤー利用に係る相談が急増してトラブルに巻き込まれる子供の低年齢化が顕著と。私も当初わかりませんでしたけれども、携帯ゲーム機でいろんなサイトにつながっちゃうということ、よくわかっていない保護者の方とか親が多いんじゃないかということの御指摘を私も受けました。  また、ネットでの嫌がらせ、あるいはいじめというのは、小島議員の御質問にもありましたけれども、一度ネット上に掲載されるとなかなか削除できなかったり、瞬時に拡散したり、あるいは誰がやっているんだかわからない。かつてのインターネットが存在しないときに子供時代を過ごした私からすると、恐らく想像がつかないようないろんな使われ方をされてしまっているのではないかというふうに思っています。そういう意味で、私どもとすれば、こうしたネットの負の側面に子供たちが巻き込まれるということが多発しているという状況、深刻に受けとめなければいけないというふうに考えています。  子供支援のためには、未来を担う子どもの支援に関する条例に基づいて、この4月に子ども支援センターを設置してまいります。さまざまな相談に乗っていきたいと思いますし、人権侵害が生じた場合には委員会による救済手続も整備をしています。また、現在、御審議いただいておりますいじめ防止対策推進条例案におきましては、情報モラルに関する児童生徒の教育及び保護者に対する啓発活動を行うということや、あるいはインターネットの適正利用に関する学校と保護者との連携協力を促進していくということを規定をしております。インターネットを通じて行われるいじめの未然防止等を図ることにしております。  しかしながら、単に条例ができてそれで世の中がよくなるわけではないわけでありまして、いかに実行あらしめるかということが大変重要だというふうに思います。具体的な施策、あるいは、これは、行政もしっかり取り組みますし、地域や家庭との連携した取り組みということも大変重要になってくるわけであります。  来年度、教育委員会によります子どもの性被害防止教育キャラバン隊、これは全県立高校等へ派遣していきますし、また、青少年育成県民会議によります情報リテラシーに関する研修事業等ネット被害を防ぐための教育の充実強化を図ることとしておりますが、今後とも時代の変化に対応した対策ということを講じていくことが重要だと考えています。  それから、専門的な相談・支援体制の整備という御質問でございます。  ネット被害から子供を守るためには、迅速かつ専門的な対応ができる体制づくりということが必要であります。そういう観点では、行政機関だけではなくて、ネット関係の事業者、あるいはNPOでそうした取り組みをされている皆様方と連携して対応するということも重要だと考えております。  子ども支援センター、さまざまな子供たちの相談のハブ機能も有するようにしていきたいというふうに考えております。教育委員会、警察に加えて、市町村、民間の相談機関ともネットワークを構築して子供を守る取り組みを進めていきたいというふうに思っております。特に相談業務については、相談員に十分な研修を行うとともに、ネットのトラブル解決などに実績がある民間の相談・支援機関にも協力を求めて、一緒になって、ネットによるいじめ、嫌がらせ、そうしたものの防止、あるいは、そうしたことが起きてしまった後の対応ということが行えるように体制のあり方を考えていきたいと思っております。  以上です。       〔23番小島康晴君登壇〕 ◆23番(小島康晴 君)ただいま知事からもありましたとおり、例えば音楽プレーヤーを子供が欲しいというと、お父さん、お母さん、場合によってはおじいさんやおばあさんが、音楽ならいいだろうと思って買ってあげると、それをどこかへ持っていくとインターネットとつながることができて、そして、先ほど申し上げたようなさまざまな犯罪まがいのことに巻き込まれかねないという状態がありまして、そういった子供の世界について大人とかあるいは学校の先生とか地域のほうは知らずにいて、進んでいるとは言いませんけれど、そういう状況になっているということでありまして、しかし、一方、やはり人の道というものをきちんと教えていくというのが、物理的ないじめもそうでしょうし、こういったインターネット上のいじめもそうではないかと思います。  県政を身近にということを一つのスローガンに取り組んでまいりました。先ごろも心の距離というような御発言もありました。政治は政と言われますが、行政も含めてその大もとの肝心の心は忠恕にあると思います。真心と思いやり、これを抜きにして正しい行政はないと思いますし、この忠恕、真心と思いやりということを、ただいま申し上げましたような今の子供たちにもしっかりと伝えていかなければならないと思うわけであります。  今だけ、金だけ、自分だけという言葉があるようですが、それでよければの哲学ではこの瑞穂の国は滅んでしまいます。  この信州長野県から思いやりの心、忘れてはならない、見捨ててはならないそれぞれの集落、ふるさとの心を再生することこそ地域創生ではないかということを申し上げて、終わります。 ○議長(風間辰一 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明4日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時31分延会...