◇ 木 下 裕 介 君
4 ◯議長(宮西健吉君) 木下裕介君。
〔3番 木下裕介君登壇〕
5 ◯3番(木下裕介君) 皆さん、おはようございます。
6月定例会におきまして通告しました4点について質問を行います。
最初は、雇用の安定についてです。
皆さんお気づきだと思いますが、最近、人口減少に関する報道が多くなされています。背景には
経済財政諮問会議の専門調査会、「選択する未来」委員会が中間報告を、有識者らでつくる民間の
日本創成会議・
人口減少問題検討分科会が「
ストップ少子化・地方元気戦略」を発表したことがありますが、その中で気になったのは若年女性の減少、そして労働力の中核となる15歳から64歳の
生産年齢人口が32年ぶりに8,000万人を割り込んだということです。
御存じのとおり、人口全体の減少よりも早いペースで進む
生産年齢人口の減少は、経済活動や現役世代に支えられる
社会保障制度の維持に深刻な影響を及ぼします。我が小松市の
生産年齢人口も2010年には61.7%であったものが2040年には53.6%と見込まれています。
人口が減っていく人口減少下の労働政策としては、パートやアルバイトなど非正規労働者の増加を抑え、雇用の安定と適正な賃金の確保が経済の成長持続と
社会保障制度の安定に不可欠なことを改めて認識しなければなりません。
総務省の2012年
就業構造基本調査によると非正規社員は約2,043万人となり初めて2,000万人を突破、役員を除く雇用者全体の38%強を占めるに至っています。非正規の割合は、女性57%、男性22%という状況です。産業構造が変化し、パートやアルバイトの比率が高いサービス業の拡大が背景にありますが、正社員の希望がかなわず、好まざる非正規で我慢している男性は少なくありません。
非
正規雇用増加の問題点は、
社会保障制度を不安定にさせるだけでなく、少子化の一因になっていることです。低賃金や先行き不安から結婚できない非
正規男性社員が多いことは総務省の2012年調査でも明らかで、例えば30歳から34歳の既婚率は正社員60%に対し非正規は27%にとどまっています。
少子化対策として結婚、出産を促すには、まず雇用の問題を解決すべきであり、
生産年齢人口の減少を安定雇用の増加とそれによる生産性向上に結びつける取り組みを官民挙げて強めなければなりません。正規雇用への転換は企業にとって簡単ではありませんが、まず賃金格差を縮小する努力が求められます。
そこで提案いたします。本市では3年前から国の
試行雇用奨励金を活用して非正規雇用の従業員を正規雇用した際、事業所に奨励金を交付する
既卒者正規雇用支援事業を実施していますが、初年度の利用が6件、2年目が1件、3年目のことしはまだゼロとなっています。景気が回復基調にあると言われる中、この事業に市が独自に上乗せし、雇用の安定と処遇改善を図ってはどうでしょうか。もちろん公金を新たに支出することになるため、試用期間の延長もセットにします。当局の見解を伺います。
次は、高齢者の見守りについてです。
高齢者人口が人口全体の21%を超える、これを一般的に超高齢社会と呼んでいますが、小松市は今月1日現在26.04%で超高齢社会を迎えています。特に、高齢者の単身世帯、
ひとり暮らし世帯が年々増加傾向にあります。国勢調査で見てみますと最新の平成22年では2,788人の人が
ひとり暮らしされていますが、10年前の平成12年では1,704人、この10年間で約1,000人増加したことになります。
見守りが必要な方がふえる一方で、さまざまな課題も出てきています。見守る方の高齢化や地域とコミュニケーションをとることを好まない高齢者もふえてきており、核家族化や単身の方もふえ、家族関係が大きく変容する中、緊急時の支援も大きな課題となります。
小松市はさまざまな
高齢者福祉サービス事業に取り組んでいますが、その中で私はICT(
情報通信技術)を活用した見守りサービスについてお聞きします。
近年、ICTによる
高齢者生活支援や安否確認などは各企業の実証実験を通し充実が図られています。例えば金沢市では今年度、学識者らによる検討会を設置し、
水道メーターを活用した高齢者見守りサービスの構築を目指します。このサービスは、高齢者宅の
水道メーターとシステムを連動させ、水道が長時間使われない場合に生活のリズムの異常を感知し、家族など支援していただく方に電子メールで通知するシステムです。水道などの
生活インフラと情報端末などのICTを活用することでマンパワーを極力必要とせず、遠隔地からも見守りができ、そしてここが大事ですが、見守られているという意識を持たれないで24時間体制の支援が可能となります。
現在、本市では
高齢者総合相談センターが核となり民生委員や町内会と連携し、地域全体で見守り支援の活動が進められています。こうした見守りは人が行うのがベストであることは確かです。しかし、3人に1人が高齢者となる時代が確実にやってくると言われている中、人の力だけで見守りを行うのには限界があります。民生委員の人材不足、負担増など懸念される中、こうした
情報通信技術の可能性、導入について当局がどのような考えを持っておられるのかお聞かせ願います。
続いて、
市戦没者慰霊式についてです。
今月3日、御遺族など500名の参列のもと
市戦没者慰霊式がとり行われました。
幾多の年月が過ぎようとも、最愛の夫、親、兄弟を失った多くの御遺族の皆様の悲しみは消えるものではありません。我々が現在享受している平和と繁栄は、遠い異郷の地で家族を思い、故郷を案じつつ、あの戦渦に散った英霊の犠牲の上に築かれたことはもとより、遺族会の皆さんの言葉では言い尽くせぬ御苦労、きょうまでのたゆまぬ活動を抜きに語ることはできません。また、市においては
戦没者慰霊式を挙行し、恒久平和を希求する事業を実施していることに対して改めて敬意を表します。
私も、このような悲惨な結果をもたらす戦争を二度と起こさない、起こさせないということを誓うこの式典は大変意義あると受けとめ、議員になって以来毎年参加をさせていただいております。ただ、気がかりなことは平均年齢70歳を超えた遺族会会員の高齢化と参列者の減少です。
来年、2015年は戦後70年を迎えます。この節目を機に、遺族会の会長や来賓の方々が挨拶の中で異口同音に述べられていた次世代への継承を具体的に考えてみてはどうでしょうか。
御遺族を中心とするのは基本ながら、平和のとうとさと命の大切さを後世に引き続いでいくためにも、若い世代、児童生徒の代表を参加させることはできないか。世代を超えて戦没者の追悼や平和を祈念することが必要だと考えます。例えば御遺族の方々とともに毎年の成人式の中でスピーチをした新成人や小中高の生徒会長など若者世代にも参加を促し、これまでにない新しい視点を取り入れてはどうでしょうか。こういった形の
戦没者慰霊式が各自治体にも波及することになれば、戦没者の慰霊と平和のとうとさを再認識してもらう契機となると考えますが、見解を伺います。
最後に、政治教育についてです。
けさの新聞でも報道されていましたが、先月、衆議院で可決された
国民投票法改正案が13日にも参議院でも可決される見通しとなりました。これは改正法の施行から4年後に投票年齢を18歳以上に引き下げることを柱としたもので、早ければ2018年から18歳に投票権が与えられます。
ただ、国民投票における投票権と各種選挙における選挙権は別物で、これをもって選挙権が18歳以上に引き下げられるわけではありません。しかし、どちらも参政権の一部であり、この年齢が異なるのは法的に整合性がとれないため、これから公職選挙法における選挙権も引き下げに向けて調整が具体的に始まっていくことが予想されます。
18歳、つまり高校3年生が投票に行けるようになることから、教育における政治、民主主義の教え方を再考するべきではないでしょうか。特に、
政治イコール何か触れちゃいけないものというイメージを払拭するためには、みずから考え、みずから判断する自立した主権者をつくることを目指し、早い時期から手だてを講じる必要があります。
本市では、その一環として
選挙管理委員会による模擬選挙の取り組みを実施していますが、現在の施策には一つ足りない要素があります。それは、みずからの一票が結果を変えるという点です。ある
ネットニュース系サイトが若者向けに行った政治無関心に関する
アンケート調査でも、関心を持ったところで何も変わらないからという回答が最も高い割合を占めたそうですが、これに通ずるものがあると感じています。
そこで今回、この点を改善する
デザート選挙という取り組みを提案したいと思います。これは横浜市や新潟市、東京都の江東区などで採用されている
選挙体験授業の取り組みであり、投票箱や記載台など実際の機材を使用するところまでは同じですが、
小学校生活最後の給食に出されるデザートについて、デザートを公約に掲げた候補者の演説を聞き、投票から開票までの作業を児童が主体的に行うことで、本番さながらの手順で給食のデザートを選びます。この活動を通じ、自分たちが食べる給食のデザートを自分たちの投票によって決め、自分の持つ一票の重みをより感じてもらえることが期待でき、あわせて公正な選挙とはどう実施されるのかを体験できます。
実施している横浜市の
アンケート調査によれば、「20歳になったら選挙に行くか」という問いかけに対し、参加した児童の約96%が「選挙に行く」という回答をしており、啓発活動としては絶大な効果があったという結論を出しています。
本市での実施に当たっては、現在の模擬授業及び学校給食という共通のベースがあることから、それほどコストをかけずに大きな効果が期待できる改善案ではないかと考えますが、見解をお尋ねします。
以上で質問を終わります。
6 ◯議長(宮西健吉君) 市長、和田愼司君。
〔市長
和田愼司君登壇〕
7 ◯市長(和田愼司君) おはようございます。
木下議員から4点御質問を頂戴いたしました。私からは、3番目の
戦没者慰霊式についての考え方について触れさせていただきます。
先日、6月3日、小松市の
戦没者慰霊式をとり行わさせていただきましたところ、市議会の皆さん方にもほとんどが最後まで出席をいただきましてまことにありがとうございました。
議員がおっしゃるように年々高齢化していますねと、もちろん私もそう思っておりますし遺族会の役員の方もそのようにお考えでございますが、まだまだ元気だよと、こんなお声も片一方であるわけでございます。
この慰霊式というのは小松市は3つ、春からございまして、一つは仏式で行っております戦没者慰霊の法要です。これが春にあります。それから、小松市の
戦没者慰霊式が終わりました後、小松能美の神社庁が主催していただいております慰霊祭が平和塔の前であると。その中で小松市はこの慰霊式をとり行っているということでございまして、8月15日の終戦まで幾つもいろんな戦没者に対するお気持ちをどう酌んでいくかと。そしてまた、遺族に対してどのようにして同じ気持ちに立っていくかということを毎年毎年繰り返してきたわけでございます。
早いもので来年、終戦から70年ということでございますが、戦没者慰霊の台帳を見ますと明治からの戦争でお亡くなりになられた方々をお祭りしているその数が小松市が3,116ということでございます。振り返ってみますと、明治からあと3年で150年という一つの節目も迎えます。国としても同様にいろんなお考えが多分あるんだろうと思います。
小松市としても明治150年、また終戦70年というものをどう考えていくか、今の御提言にありますように、ぜひいろんな方と語らっていきたいなと思います。
遺族会とは、高齢者もふえているので少しレイアウトも変えてほしいなとか、それから、でもやはり戦没者にゆかりのある人を中心とした運営をぜひしてほしいと、そんなようなお声もございます。そういうゆかりのある人ばかりでございますので、静寂な中でとり行われているということもございますし、先日の遺族会会長のお話もありましたように、この慰霊式に来ると亡くなったお父さん、もう顔は全然覚えてないんだけれども再び会えるような気がする、そういうような厳かな場所であるというのも事実でございますので、遺族会の皆さん方のお考えを主にして、議員がおっしゃっているように参加メンバーにもっと若い人も入れたらというようなことについても考えさせていただきたいなと思っております。
終戦の日に8月15日、
全国戦没者追悼式というのが両陛下御臨席のもと武道館で開かれておるわけでございますが、日本武道館で開かれるようになりましたのが昭和40年からなんですね。だから、私の記憶なんかではずっとやっているような気がするんですが、そういう意味ではこういったことを恒例的にずっと国を挙げてやってきている。そして、私ども小さいときから8月15日の12時になると黙祷をささげるということを家族みんなでやってまいりました。昨今では3年前の東日本大震災、これの3月11日午後2時46分も全員が国民挙げて黙祷をささげる。こういうような
日本人ならではの気持ちを大切にする。これが私はとてもこれからも受け継ぐべきものの一つだろうというふうに思っております。
それから、金沢のほうでは石川県の野田山で
県戦没者墓苑のほうで毎年これも行われていると。石川県全体で3万2,000人の方が戦没者として登録されていらっしゃいまして、やはり高齢化もございます。今まで屋外だったのを来年からは、ことしからですか屋内にしようと、そんなお話もございますので、これもやはり時代の流れかなと、そんなふうに思っております。
ぜひそのようなことを皆さん方と語り合いながら、議員がおっしゃるように平和というものを考える機会になるようにまた考えていきたいなと思っております。
今後、遺族会との話し合いの中でどういう方向になっていくか、また決まりましたらその都度また皆さん方にお計らいをして、ぜひ皆さん方のまた御理解、御支援もいただくようにお願いしたいと思います。
以上でございます。
8 ◯議長(宮西健吉君) 教育長、坂本和哉君。
〔教育長 坂本和哉君登壇〕
9 ◯教育長(坂本和哉君) おはようございます。
それでは私のほうから、木下議員の政治教育についてという部分でお答えさせていただきます。
小中学校における政治教育の取り組みについてということです。
初めに、学校における教科としての学習についてですけれども、小学校6年生の社会科で国の政治の働きや選挙の重要性とともに、選挙に行くということが政治に参加する大事な手段であるということを学ばせています。また、中学校の社会科の公民的な分野では、
議会制民主主義の意義あるいは選挙の意義について考え、1票の重みについて学ばせているところです。
社会科の教科以外としましては、学習以外の場所で例えば学級会、児童会、生徒会などの役員を投票によって選出し、児童生徒がみずからの意思で代表者を選ぶという貴重な体験を積ませているところです。また、中学校では本物の投票箱あるいは記載台を使って、実際の投票に近い形で選挙を行って、将来、有権者となる生徒が選挙を身近に感じて関心を高めるきっかけにするというような取り組みを行っている学校もございます。
教育委員会としましては、今後も市の
選挙管理委員会と連携して、啓発活動に沿って選挙の意義を実感できるそんな教育活動を充実させ、一人一人が1票を投じることによって個人の意思を反映し、生活をよりよくしていくということの大切さを教えていきたいというふうに考えております。
以上です。
10 ◯議長(宮西健吉君)
市民福祉部長、谷口潤一君。
〔
市民福祉部長 谷口潤一君登壇〕
11
◯市民福祉部長(谷口潤一君) おはようございます。
木下議員の2番目の質問でございます高齢者の見守りについてのお尋ねにお答えをさせていただきたいと思います。
ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯がふえる中、住みなれた地域で安心して生活を送るには、いかに周囲の見守りを充実していくかが最も重要な要素でございます。そのためには、地域や企業、関係機関との連携が大変重要になってまいります。
小松市の見守りの取り組み状況についてでございますが、地域との連携といたしましては、
地域福祉推進員と民生委員のチームによる見守り、災害時要
援護者リストの整備によります見守り、あるいはいきいきサロンなど日ごろからの交流を通じた見守り等を行ってきております。
また、
高齢者総合相談センターでは、平成25年度では実態把握の訪問を約2,000件行っております。また、相談については2,029件と大変多い状況でございまして大変充実させていただいております。
また、企業、警察署、郵便局、コープいしかわ等さまざまな関係機関と連携をするとともに、地域、民間、行政が一体となり高齢者の見守り等を行ってきております。
このように小松市では、市民の皆様のお力によりまして見守りを行っていただいておりますが、議員の御案内のとおりマンパワーによる見守りについても高齢者がふえる中、限度があるとのことでございます。ICTを使った見守りのサービスの導入についての御案内でございました。
小松市では、既にICTを使ったものといたしまして、
安心通報システムによる見守り、あるいは防災無線、防災メールの登録による見守り、あるいは
連動型火災報知器等の設置などを行ってきております。
安心通報システムによる見守りは、本人の通報だけではなく、
安否センサーによる自動通報も行うことができるシステムでございまして、現在の設置件数につきましては147件でございます。昨年度では1件の緊急の通報がございました。332件の安否の確認をいたしております。261件の相談があったということで、
セーフネットとしては有効に機能いたしております。
また、防災無線、防災メールの登録についてでございますが、行方不明者や災害等にも有効に活用されております。現在、防災メールの登録者は1,900人にも上っております。今後、周知拡大に努めてまいりたいと思っております。
また、介護施設の分野では既に開発されているものがたくさんございます。一部御紹介いたしますと、
徘回高齢者等位置探索装置あるいは
センサーマット、見守り
介護用ロボット、ケアロボットなどがございます。こういったものは日々、新商品が開発されている状況でございます。
高齢者が安心して住みなれた地域で暮らせるように、地域力、市民力によるマンパワーによる見守り活動の継続をお願いしていく一方で、見守りのための介護機器の開発等も日々されておりますので、介護施設等では既に多くのものが活用されているとお聞きをいたしております。
今後は、新たに開発されていきます見守りや介護機器の情報についても周知を図っていきたいと考えております。よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
12 ◯議長(宮西健吉君)
経済観光文化部長、西野徳康君。
〔
経済観光文化部長 西野徳康君登壇〕
13
◯経済観光文化部長(西野徳康君) おはようございます。
私からは、木下議員の1点目の雇用の安定について、特に既卒者の
正規雇用支援制度についての御質問につきまして御答弁申し上げます。
まず、
トライアル雇用についてのことでございます。
国では
職業経験不足などから就職が困難な求職者を3カ月間試行的に雇用するいわゆる
トライアル雇用を実施しておりまして、1カ月当たり4万円の
トライアル雇用奨励金を事業者に交付することによりまして雇用機会の創出を図っております。
本市では、この試行雇用から正規雇用へとつなげ雇用の安定化を図るため、平成24年度に
既卒者正規雇用支援制度を創設したところでございます。この制度では、事業者が
トライアル雇用を活用して40歳未満の若年者を試行雇用から正規雇用へ移行し、1カ月経過した場合に
トライアル雇用奨励金の1カ月分に当たる4万円を市から交付するものでございます。
議員御案内のように、これまでの2年間で7件の御利用をいただいているところでございますが、ここ最近の雇用情勢を見ますと次第によくなってきているということもございまして、引き続き労働関係団体と協議をさせていただきながら、本制度を充実させるため検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
───────── ◇ ─────────
◇ 片 山 瞬次郎 君
14 ◯議長(宮西健吉君) 片山瞬次郎君。
〔11番 片山瞬次郎君登壇〕
15 ◯11番(片山瞬次郎君) 皆さん、おはようございます。
5月9日の新聞、「2040年 自治体の5割 若年女性半減」の見出しの新聞記事は衝撃的でした。小松市では、若年女性数、2040年には2010年の1万2,347人から36.6%減の7,825人。地方から大都市部への人口流出が続く現状のままでは、子供を産む人の大多数を占める若年女性も流出し、子供がふえないために人口減少がとまらず、最終的に住民サービスの提供など自治体機能を維持することが難しくなるとのことでした。
そうならないために、長期的な視野に立っての対策が必要です。小松市をより住みやすく魅力的な市に、定住策や働く場所、産業誘致など、地域経済の活性化、少子化対策がより一層に重要になります。気を引き締めてしっかりと頑張っていきたいと決意を新たにしました。
では、質問に移ります。
まず最初に、文化の城・小松城のアピールをということです。
最近、北國新聞の読者投稿欄、地鳴りに「小松城の利常と藩の参勤交代」との金沢の方の投稿がありました。抜粋しますと、「図書館で加賀藩史料を読んでいて、偶然『明暦3年利常小松を発して参勤の途に着く』の記載を読み、ハッと感じました。加賀藩の参勤交代は、金沢より江戸の間の行き来をとらえると書物等により把握していましたが、利常が小松城に居城時の実態はいかがであったか、疑問に思い調査しました。18年間に小松・江戸間で、参勤9回・交代9回と把握しました。……中略して……利常が、小松城に居城時に4代藩主・5代藩主に代わって加賀藩としての参勤交代を、小松城を拠点として行ったと捉えましたが、興味が尽きません。」とありました。
この投稿を見て、再度、小松城について考え直す必要があると感じました。
かつて私は2012年9月の定例会で、「小松の歴史的財産(遺産)として、まちづくりや小松市の文化、そして交流、もしくは観光に生かせるような薫りを醸し出せないかと思うのですが、構想や所感を伺いたいのです」と小松城について質問しました。そのときの和田市長の答弁を抜粋しますと、
小松城というお話がございました。築城されまして430年余りでございますが、本格的に整備されましたのは三代利常公の隠居城、22万石としてでございますが、規模は金沢城の2倍あったと。特に梯川だとかいろんな水郷を利用した浮き城と言われたり、芦の城と言われたりして、大変に守るによいお城だったというふうな定評がございます。
幸い、一国一城令の中でも取り壊しがされずに来たわけでございますが、これはやはり江戸時代から明治に変わった中で今のような形になったわけですが、この中にさまざま今も活用しているものがたくさんございまして、私どもが今やっていることがまさしくそれにヒットしているんだろうと思います。
一つはお茶の世界でございまして、裏千家様というのが、これは日本で一番メジャーでございますが、そのルーツが芦城公園の中にあるいわゆる旧三の丸の中にそのお屋敷があったということで、十数年前に前の宗室様から御寄附をいただいたということでございまして、これはまさしく全国に自慢できることでございますし、また小松市民も大変お茶の愛好家が多いということ、これももう三百数十年続いているやはり一つの文化であり、これからの国際交流の中では際立って私は生かしていけるものだろうというふうに思っております。
と城下町小松の文化の面で答弁をされております。残念ながらそのときは小松城そのものの答弁はありませんでした。
今回は将来に向け、十数年後の新幹線小松駅開業に向けて、またそれ以降に向けて、文化の城として古城、小松城のアピールをすべきと思いますし、県と連携して小松城の本丸御殿ややぐらなどの調査や一部復元も考え、進めていただきたいと思うのですが、市長に所感をお伺いしたいと思います。
2つ目、消費者教育の推進計画の策定についてであります。
最近も石川県では振り込め詐欺など特殊詐欺の被害が相変わらず多く発生しています。消費者教育の推進に関する法律では、市町村の努力義務とされている消費者教育の推進計画の策定についてどのように考えているかを質問いたします。
最初に、小松市における特殊詐欺の発生件数と被害額について。そして2つ目です。消費者教育はまだ根づいていないと思われます。消費生活に関する問題に関心を持っていただくため、条例化の意図はあるのか、また対策についてもお聞きしたいと思います。
3つ目として、放課後児童クラブについてです。
放課後児童クラブは、保護者が仕事等で昼間家庭にいない小学校1年生から3年生を対象に、放課後や春・夏・冬休みなどの期間、お子様をお預かりする施設です。小松市は25小学校校下全てに配置されている市でもあります。
しかし最近、この児童クラブに対する要望が、預かりのみでなく塾的な要素の要求やサービス業的なものの要求もふえているようにも思います。運営母体もさまざまですが、地域で安心・安全のための預かり施設であるとの父兄の認識が薄くなってきているとも思われますが、要望や苦情の実態をお伺いします。
また、児童クラブ終了後の預け先に苦慮する小4の壁というものが都市部ではあるようですが、親の就労にもかかわらず小学校6年生まで利用できる放課後児童対策の拡充の取り組みについて、小松市は今後どのように考えるのか所感をお伺いしたいと思います。
最後に、反転授業についてです。
これまでの学校教育では、授業中に教材を使って学習を行い、授業外でその内容の復習を行うことを反復し、学んだ内容の定着を図るもので、授業、そして宿題の繰り返しによる学習方法が主な学習法だと思います。
一方、反転授業は、教材となる動画を自宅でビデオやタブレット端末で予習し、あらかじめ決められている内容を学習し、学校の授業でその内容に関する確認や授業では意見をディスカッションしたり、わからなかった点を教え合う手法です。現在の授業の一部を予習で理解してもらい、宿題にしている応用問題などを授業で行うイメージです。生徒、児童に人とコミュニケーションをとる能力や意見の違いを乗り越えて話し合い、問題を解決する力をつけることが期待できると思います。理科や数学、社会等に適しているかもしれません。
この反転授業の取り組みは、タブレットなどの教育用のコンピュータや電子黒板を利用するICT等の導入事業。これらは子供たちの学習意欲を高める効果があり、授業風景は一変すると言われております。
市長は、小松市立高校をさらに向上させたいとよく言われます。例えばICT活用、タブレットを使った反転教育の学習方法などで特色をつくり、魅力ある高校授業で少子化時代の生徒を確保することも必要と思われてきます。ますます学校教育のICT化が進む中で、反転教育の学習方法について注目されると思います。教育長のお考えをお聞きしたいと思います。
以上でございます。
16 ◯議長(宮西健吉君) 市長、和田愼司君。
〔市長
和田愼司君登壇〕
17 ◯市長(和田愼司君) 片山議員から4点御質問を頂戴いたしました。私からは、1番目の小松城についてということで御答弁をさせていただきます。
今、片山さん、いろんな引用してお話をされました。やはり小松市民にとりましても、また歴史学者にとりましても大変興味のあるお城といいますか、小松市全体がそういうふうに見ていただけるのは大変ありがたいことだと思っております。
歴史、文化をどう生かしたまちづくりをするか、またアピールをするかというところに多分主眼があるんだろうと思いますし、小松市制70周年、今から4年前になりますが、そのときのテーマとして「温故知新」という言葉を捉えさせていただきまして、これも毎年続けさせていただいておるわけでございます。小松市はすごいよということをいろいろな方にお話をしていますと、なるほどねとこう言っていただける。灯台もと暗し的なところもあるのかもしれませんが、ぜひそんなことを市民が自信を持って自慢をできる、アピールできる、それがこれからの交流時代にとっての一番のエネルギーになるということは皆さん方もきのうからもいろいろとお話をされているとおりでございます。
6月5日に小松天満宮で小松商工祭というのがございました。これのスタートは6月5日に前田利常さんが小松城に入城されたという日でございまして、1639年という年でございます。今から375年前でございますけれども、これを記念して昭和の初めから、このまちをこういうふうに豊かにしていただいたのは利常さんの殖産振興だということで商工関係が中心となったお祭りがずっとございました。昔は天満宮の近くに露店もたくさん並びまして大変にぎわっておりまして、私も小さいころよく行ったのを覚えておりますが、ある日突然からなくなりまして、商工祭というお祭りはやっておるんですが、実際の露天商等につきましては秋のどんどんまつりに移ってしまったと、これが40年ほど前のいきさつでございます。
そういったことを考えたときに、この入城したときというものをやはり大切にしていく。加賀百万石まつりもそうですね。同じでございまして、小松市の場合はもう昭和の初めからやっていた。金沢の百万石まつりは戦後でございますので、そういうことを考えたときには先駆者としてのやはりやり方をもう一度考え直すべきだろうということで、どんどんまつりも今いろんな趣向を取り入れさせていただいておるわけです。
6月5日に小松天満宮で宮司さん等のお話を聞いていましたら、やはり昔のような形まで戻るかどうかわからないけれども、小松城に入城した日をぜひ大切にするようないろんな事業を起こしていきたいと、こんなことでございましたので、ぜひ私どもとしてもこれをよくウオッチをしていきたいなと思っております。
もう一つ、前田利常さんで忘れてはいけないのが亡くなった日でございまして、これが10月12日です。小松城で亡くなられて、そして今、国府に灰塚というのがございます。要は産業道路沿いに。そこでだびに付されて、金沢で11月1日にお葬式があったという一連の流れになるわけでございます。それほど小松市を愛した、また国府から見る霊峰白山が一番好きだったと、そういういわれがあって国府の今の灰塚のあるところでだびに付されたということでございます。
前田利常さんのいろんな人間模様といいますか、ふるさと小松に対する思いを述べればもっといっぱいあるわけでございますが、入城と亡くなった日を一つ取り上げるとこんなことでございます。
ぜひこれからも歴史と文化を考えていくということですが、議員おっしゃった小松城をという言葉、これについてはいろんな意見がございます。天守閣を建てたらと言うんですが、天守閣を見ますと実際には2階建てなんですね。本丸もそんなに大きいものではない。そんなことを思ったときに、今、高校の運動場だとかいろいろ使われておりまして、復元というのはどうなんだろうというのが私の偽らざる現状の気持ちでございます。
それよりも小松市が自慢すべきは、まち全体が大変文化、そしてさまざまな利常さんの御遺構が残っているということです。小松天満宮もそうでございます。あと二、三年で浮き島になります。こういう神社一つが川の真ん中に浮き島になるということは全国にありません。これをぜひ活用していきたいですし、前田家は菅原道真を祖としているわけでございまして学問の神様でございます。ずっと下っていきますと安宅住吉神社という1230年の歴史のあるところがあるんですが、これは難関突破でございます。学問の神様と難関突破、これを組み合わせると百万人力になるかもしれませんけれども、そういうような新しい時代に合ったような御遺構を生かしながらということだろうと思いますし、那谷寺も修復していただいたのは利常さんでございます。そして、そこに訪ねてこられたのが松尾芭蕉さんで、天満宮だとか建聖寺だとかおすわさんだとか日吉神社だとか、そして那谷寺だとか、もう小松のそういう寺社はほとんど訪問されている。こういう足跡がしっかり残っているまちでございます。
そういう意味では、小松城という形じゃなくて小松城下全体、そこまでやはり全体広げた中で小松市をアピールしていける。そういうまちはそんなにないということだけを強く申し上げておきたいなというふうに思っております。
芦城公園もそうでございまして、日露戦争の戦勝記念に天皇家から下賜された公園でございまして来年110年でございます。それから、小松天満宮もあと3年で創建360年という節目を迎えるわけでございますし、ちょうどこれからの歴史、日本というものを売り出すにはこういう節目節目を大事にしながら、住民挙げて、小松の一番得意であります市民力、住民力、こんなものをぜひアップしながら進めていければなというふうに思っております。
いわゆる文化の城という位置づけの言葉も議員おっしゃっていましたが、文化の城はお城の中だけにあるわけじゃありません。町衆が、そしてこの加賀の国は百姓の持ちたる国でございます。普通の人たちがしっかり支えてきたまちでございます。これからもそういうまちづくりを目指していく一つのシンボルにしていきたいなと思っております。
よろしくお願いします。
18 ◯議長(宮西健吉君) 教育長、坂本和哉君。
〔教育長 坂本和哉君登壇〕
19 ◯教育長(坂本和哉君) それでは私のほうからは、片山議員の放課後児童クラブの部分と反転授業の2点についてお話しさせていただきます。
最初に、放課後児童クラブについてですけれども、この放課後児童クラブというものはそのものが児童福祉法第6条3の第2項というところに明記されておるんですけれども、共働き家庭など留守家庭のおおむね10歳未満の児童に対して、児童館や余裕教室、公民館などで放課後に適切な遊び、生活の場を与えて、その健全育成を図るということを目的として設立されたものであると。つまり放課後児童クラブは子育て支援の場であり、児童に遊びを通して自主性、社会性を培うことを目的とするという場でございます。
議員御指摘の保護者の方からのいろんな要望、ニーズはどうかということでございますけれども、クラブでは保護者のニーズを把握して充実した活動を目指しておりますけれども、
アンケート調査からは、宿題の答え合わせをしてほしいとか、あるいは昼食の準備をしてほしいというような本来家庭で行うべき内容のものも見受けられるようです。
家庭は、子供が基本的な生活習慣や生活能力、豊かな情操、社会的なマナーを取得する場であり、子供が育っていく上で最も重要な役割を担うところだと考えます。これからも家庭のきずなを重視して放課後児童クラブ本来の意義に沿ったクラブの運営を進めていこうというふうに思っております。
また、小学校6年生まで受け入れるという流れについてでございますけれども、課題としまして、利用人数が増加するということによりまして施設の拡充、また指導員の増員及び子供たちの年齢に応じた指導を行うための指導員の質の向上というものが課題として考えられます。
そのために、国として平成31年度までの施設整備を予定しておりますけれども、本市においては今後、入所希望者の調査を踏まえて早期の施設充実整備に努めてまいります。また、指導員に対する研修の充実も図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、反転授業についてですけれども、反転授業の国内の取り組み状況を調べてみますと、平成24年から始まり、これは宮城県の東向陽台小学校ですか、東北学院大学と共同研究によって本格的な実践が進められたようです。そのころから始まり、現在幾つかの小中高等学校、そして大学でも実践が行われている例がございます。
この学習のメリットとして、議員御指摘のように家庭学習の習慣化が図られ、学習時間が増加する。あるいは児童生徒が動画を繰り返し視聴することによって、自分のペースで学習が可能になる。あるいはまた学んだ知識を活用する学習が推進されて、教室の中で話し合いあるいは教え合う活動の場が増加し、コミュニケーション能力が高まるというようなことが期待されます。そのことによって、学習の進度が早まり、学習効果の向上が期待されるというようなことがあります。
そういう意味で、この反転授業というのは非常に画期的な手法として注目されているところだと認識しております。
これを学校現場に導入し、継続的に実施していこうとするには、環境整備あるいは教材の作成、教員のスキルアップ等課題があり、今後十分な研究が必要であると考えます。
本市としましては、もちろんICT機器の活用も大事にしますけれども、教師と子供のフェース・ツー・フェースによる心の触れ合いを大切にした教育を基本にして、一人一人の子供たちに豊かな学力をつけてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
20 ◯議長(宮西健吉君)
市民福祉部長、谷口潤一君。
〔
市民福祉部長 谷口潤一君登壇〕
21
◯市民福祉部長(谷口潤一君) 私からは、片山議員の2番目の質問でございます消費者教育の推進計画の策定についての御質問にお答えをさせていただきます。
議員御案内のとおり、消費者教育とは消費者の自立を支援するために行われる消費者生活に関する教育及び啓発の活動のことでございます。
まず、小松市の消費生活相談の現状でございますが、平成25年度では469件で、そのうち高齢者が201件ございまして約42%を占めている状況でございます。件数につきましては前年度より109件増加いたしておる現状でございます。
小松警察署管内の平成25年の特殊詐欺、いわゆるおれおれ詐欺、金融商品取引詐欺などのことでございますが、被害件数は5件ございまして金額では3,150万円でございました。ことしに入りまして被害の届け出は現在のところ出ておりません。
近年、言葉巧みに高額な商品を販売するケース、あるいは悪質な訪問販売、詐欺まがいの架空請求や不当請求など悪質な商法が後を絶たない状況にございます。
小松市では、これまでさまざまな消費者教育に取り組んでまいりました。消費者への啓発チラシの配布、あるいは市の消費生活改善推進員や消費啓発推進隊員による啓発活動、あるいは敬老会への出前の講座、広報の連載や町内の班回覧でございます。また、小中学、高校生や短大への啓発講座も昨年度から行っております。警察との連携を図り、2次被害の防止に努めてまいっております。
今年度は新たにいきいきサロンへの出前の講座や小松生活学校による寸劇での被害防止の講座など周知や啓発活動を実施することといたしております。
消費者教育の推進計画の策定につきましては、議員御案内のとおり消費者教育の推進に関する法律により、国の基本方針を踏まえ、県、市町の区域における消費者教育推進に関する施策についての計画を定めるよう努めなければならないとされております。石川県では、平成27年度の策定に向けて準備を進めていると聞いております。小松市の計画策定につきましては、これまでの消費者教育の取り組み状況の取りまとめや警察、福祉、教育などの関係機関との連携を図り、また県の策定状況を注視しながら計画策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
これからも被害に遭いやすい高齢者や障害者を重点的に未然防止活動に努め、消費者の安心・安全につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。
22 ◯議長(宮西健吉君) 片山瞬次郎君。
〔11番 片山瞬次郎君登壇〕
23 ◯11番(片山瞬次郎君) 市長に再質問したいと思います。
恐らく考え方の違いだと思いますので、ちょっと同じゴールになるんだとは思うんですけれども答弁を求めたいと、このように思います。
市長は、温故知新、そのとおりだと思います。そして、小松城を中心とした文化。私も大賛成でございます。私が前回質問したというお答えが文化全般という形でおんぼらと回答いただいて、文化というのを際立たせたということだと思います。
今回は市長の考え方とすれば、人は石垣、人は城なんですけれども、小松城という私は点という、点と面の考え方がありますけれども、そのキーポイント、そのワードを、こうして小松城を古城としてアピールしていくそういう中に1点ポイントを押していくことによって、アピールすることによって、改めて小松の文化というものが際立ってくるんではないかと、このように思って質問させていただきました。
考え方の違いはいっぱいあると思いますけれども、小松城のアピールということでもう一度答弁いただけたら、このように思います。
24 ◯議長(宮西健吉君) 市長、和田愼司君。
〔市長
和田愼司君登壇〕
25 ◯市長(和田愼司君) 難しい御質問なんですけれども、小松城にお殿様がいらしたというのは3人なんですね。村上義明、それから丹羽長重、それぞれ短うございました。その後、空席になっておりまして利常公が隠居してこられて十八、九年でございますね。合計お殿様がいたのは40年ぐらいということでございまして、金沢城はずっといた、江戸城もずっといたという中で考えたときに、お城としてのアイデンティティがどこまであるのかということのこれは歴史観の差だと思います。
それよりも、小松の百姓の持ちたる国、それから町衆の意気込み、そんなことを考えたときにはやはり領民というものをしっかり見詰めることが私は大事ではないかなと思います。文化だとか産業だとか農業だとか、そんなことをしっかりやってきた領民でございます。
今まさにこれからの21世紀、22世紀は日本、世界もそうですが、いわゆる霞が関とかそんなところが中心であるわけじゃありませんで、一人一人の国民が、一人一人の住民がしっかりとした地域、まちづくりをしていく、文化を育てていく、グローバルな交流をしていくということを考えたときには、余りお城、お城ということにとらわれるんじゃなくて、人間そのものを見詰めていく、そういうことのほうが大事なような気がいたしますのでよろしくお願いします。
───────── ◇ ─────────
◇ 杉 林 憲 治 君
26 ◯議長(宮西健吉君) 杉林憲治君。
〔23番 杉林憲治君登壇〕
27 ◯23番(杉林憲治君) 木下議員、片山議員からも紹介がありました
日本創成会議分科会から発表されました人口減少に関するデータについて、私も大変衝撃を受けました。これまでも人口減少に関するデータがいろいろ発表されてきましたが、身近な生活の変化に結びついていなかったため大きな議論にならなかったのですが、今回は消滅可能性のある市区町村名を具体的に発表し、消滅の危機を迎える自治体数が全体の半数に当たる900近いという内容は衝撃的でありました。
行政も議会もしっかりと人口減少に対する危機感を共有し、若者に魅力ある地方拠点都市づくりのため、さまざまな施策を積極的に取り組んでいかなければならないという決意を新たにいたしたものであります。
それでは、質問に入ります。
今回は、小松市土地開発公社の役割と今後の対応について1点お尋ねをいたします。
小松市土地開発公社は、昭和50年5月20日に設立されたものであります。昭和47年に成立した公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、土地開発公社はその目的である公有地の拡大の推進を図るため、市からの公共用地の先行取得依頼により都市基盤に必要な道路用地や工業団地用地などを取得し、本市のまちづくりに大きな役割を果たしてきたことは事実であります。しかし、バブル経済崩壊後の景気低迷や三位一改革などにより市の財政状況が厳しくなる中、公共事業も大幅に減少したことから買い取りも計画どおりに進捗せず、土地開発公社の現状は多くの保有地を所有し、借入額も大きなものになっているとのことであります。
また、公社設立当時から見ると現状は大きく変化を来し、近年はまちづくりの進展に伴い、公社に依頼し新たに土地を取得する必要性が薄れたことや、厳しい財政状況の中、財政健全化の一環として将来の財政負担を軽減する観点から全国的に解散する公社がふえております。
小松市として現状をどのように認識をされておられるのか。また、公社の組織、公社の運営はどのように行われているかお示しください。
市民は、税金が使われておる土地開発公社についてほとんど情報はありません。
次に、経営状況についてお聞きをいたします。
今議会に提出されました報告第6号にあります平成25年度末の小松市土地開発公社の貸借対照表では、借入金負債額が29億3,400万円となり、これを小松市が債務保証いたしております。
そこで、融資金の債務保証をしている市の考え方をお尋ねをいたします。
土地開発公社の借入金の圧縮及び金利負担の軽減による健全化に向け、市はどのような方針で公社保有地の買い取り促進を図られるのでしょうか。昨年度、総務企画常任委員会の行財政改革重点項目で、数ある土地開発公社所有の未利用地について、事業の用途に供される可能性の少ない土地については問題点を整理し、早急に売却や別事業への転用等の施策を講じるよう委員長報告がなされました。
事業化の予定のなくなった土地や進捗予定が当面ない土地の活用について、処分決定までにまだ相当の時間を要すると思われます。より借りやすい制度を創設して財源の確保に一層努めることや、これは提案でありますが防災まちづくりのための有効活用をしてはいかがでしょうか。
また、簿価と実勢価格との差を解消するため、市は平成16年度から10年計画で毎年1億2,000万円、総額で12億円を補填してまいりましたが、当初の見込み違いもあったのか、11年目の今年度も引き続き1億2,000万円が補填されております。
当初予算の提案理由の中に土地開発公社の健全化を進め、将来負担を軽減してまいりますと簡単に述べられております。簿価と時価の差額を税金で賄うことはいかがかと思いますが、いつまで補填をされていくのか見通しをお示しいただければ幸いであります。
次に、今後も新たに土地が必要になった場合、従来どおり土地開発公社による先行取得をなされるのか。土地価格については依然下落傾向が続いており、土地開発公社による公有地先行取得の対応よりも将来負担が少なくなる方法があるのではないかと考えます。例えば、土地取得の特別会計を設け、取得する方法も選択の一つだと思いますがいかがでしょうか。
また、保有地の売却について民間の力をかりる考えはあるか、お答えいただきたいと思います。
最後に、全国の自治体の中には、土地開発公社の多額な借入金の解消を図る目的で特別地方債である第三セクター等、改革推進債を活用して清算、公社を解散したところがあります。
石川県では県土地開発公社、金沢市土地開発公社が廃止するという方針を打ち出しました。小松市としてどのように土地開発公社のあり方を考えておられるのかお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
28 ◯議長(宮西健吉君) 副市長、竹村信一君。
〔副市長 竹村信一君登壇〕
29 ◯副市長(竹村信一君) おはようございます。
杉林議員の土地開発公社の役割と今後について6項目にわたる御質問がありましたので、順次お答えさせていただきます。
まず1点目は、設立当時と現状の変化に対する認識であります。また、公社の組織運営についての御質問もございました。
小松市土地開発公社は、議員御案内のとおり昭和50年5月に設立しており、現在の運営組織は理事7名、監事2名の役員から構成されております。理事長には私が、理事7名のうちには外部理事3名が就任しております。理事会において毎年度の事業計画や予算を定めており、また事務局は行政管理部管財課に置いているところでございます。
土地開発公社の現状の認識につきましては、地価が上昇している状況においては経済的メリットがありますが、地価の下落傾向が続く近年においては公有地を先行して取得する制度の価値は従来に比べ薄れてきていると認識しております。
このような現状を受け、近年の新たな土地の先行取得につきましては短期間のうちに確実な事業計画があるものに限定しているところでございます。直近5カ年におきましては、平成22年度の粟津温泉足湯公園関連、平成23年度の科学交流館整備関連の2件であり、いずれも事業化がなされており、既に市によって補助事業の採択を受け、買い戻しが完了しているところでございます。
2点目は、平成25年度末の経営状況についてであります。
年度末の保有地は14事業、82.6ヘクタールであり、簿価総額は約30億1,000万円でございます。このうち借入金は約29億3,000万円で、これまでのピーク時、平成9年度の簿価総額は210億円であり、簿価総額は大幅に圧縮してきている状況であります。
3点目は、市は平成16年度から10年計画で12億円を補填してきましたが、いつまで続くのかという点でございます。
平成16年当時、土地開発公社におきまして約21億円の簿価と実勢価格の差が生じており、このうち市として計画的に対応すべき12億円につきまして、毎年1億2,000万円、10年計画で土地開発公社に補填し、簿価と実勢価格の解消に努めてまいりました。しかしながら、その間の地価下落の影響も大きく、平成25年度末で約8億8,000万円の簿価と実勢価格の差が生じております。小松市が土地開発公社に用地取得を依頼したという経緯もございますので、この差が解消するまでの間、引き続き土地開発公社の健全化に向け続けてまいりたいと考えております。
4点目は、新たに土地が必要になった場合、従来どおり公社による先行取得なのかという点についてでございます。
複数の地権者からの用地取得が必要な大規模な公共事業や国庫補助金等を有効に活用しながら整備を進める場合など、用地を先行取得する必要性が生ずる場合がございます。その際には、工業団地造成のケースのように特別会計による取得や土地開発基金の活用のほか、ケース・バイ・ケースで土地開発公社による取得もあり得るものと考えております。
なお、土地価格の下落傾向により土地開発公社が公有地を先行取得するメリットは薄れてきておりますので、運用面で限定し、長期間にわたる先行取得は控えたいと考えております。
5点目は、保有地の売却について民間の力をかりる考えはあるかについてでありますが、これまで公募売却はホームページや広報こまつなどを通じて土地開発公社が直接行ってまいりましたが、今回、公益社団法人石川県宅地建物取引業界との売却処分の媒介に関する協定を締結する予定であります。今後は、民間宅建事業者の御協力もいただきながら、公募売却の促進、強化を図ってまいりたいと考えております。
6点目は、石川県、金沢市は公社の廃止を表明しているが、本市の考え方はという点についてであります。
金沢市は今年度末をもって土地開発公社の解散を予定しておりますが、現時点では県内他市における土地開発公社解散の予定はないと伺っております。
本市の土地開発につきましては、先ほども申しましたが簿価のピーク時であった平成9年度の210億円から鋭意簿価の圧縮に努め、経営健全化を図ってまいりましたが、依然として30億円余りの簿価があり、実勢価格との差も8億8,000万円となっている状況であります。
現在、土地の先行取得は短期間で確実な事業計画のあるものに限定するとともに、簿価に利息を上乗せしないなど運用面での改善も実施してきておりますので、当面は土地開発公社を存続し、公社経営の健全化に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
───────── ◇ ─────────
◇ 宮 橋 勝 栄 君
30 ◯議長(宮西健吉君) 宮橋勝栄君。
〔1番 宮橋勝栄君登壇〕
31 ◯1番(宮橋勝栄君) おはようございます。
平成26年6月定例会におきまして、通告に従い2つの項目について質問いたします。
まずは、土曜授業について、教育長に質問いたします。
現在、教育再生から日本再生へと取り組む安倍政権のもと、文部科学省では学校における土曜日の教育活動の推進を図っております。これは全国学力・学習状況調査によって、子供たちが土曜日という休日を有効活用できていないという実態がわかり、また保護者から子供たちの土曜日の過ごし方について学校で授業を受けることや地域の活動への参加を求める声があがったことを受けてのものであります。文部科学省は平成25年、土曜授業に関する検討チームを立ち上げ、学校がこれまで以上に土曜授業に取り組みしやすくするために法改正などに努めております。本市においてもこの方針を受けて、本年度はモデル地区を選定して年10回程度実施されることとなっております。
さて、そこでまず現在の取り組み状況についてお伺いいたします。
まだ初年度の1学期ということで試行錯誤の中であろうかと思いますが、現在取り組んでいることの目的と内容をお答え願います。特に内容については、学校の教師が通常の授業を行う土曜授業、学校が主体となるが野外活動など通常とは異なる授業を行う土曜の課外授業、そして学校以外の者が主体となって授業を行う土曜学習の3つに分類されるかと思いますが、これらのうちどれを中心にどのように実施しているのかお答え願います。
次に、今後の展開についてお伺いいたします。
まだ取り組みを始めたばかりですのでその効果については図りかねるかと思いますが、今後、積極的に推進していくのか否かについてお答え願います。また、展開していく場合は、さきにも述べた土曜授業、土曜の課外授業、土曜学習のうちで何に重点を置くのかお答え願います。
私は土曜の活用として、土曜学習に加えて土曜授業もぜひ積極的に推進していくべきと考えます。
まず、学校以外の者が主体となって授業を行う土曜学習は、教育を学校だけに任せるのではなく、家庭及び住民がその責任を自覚して地域の子供たちの成長を見守り、育んでいくという視点で非常に重要です。今後、道徳が教科化されるとも言われておりますが、地域の住民や民間団体が積極的にかかわって徳育を行い、地域の子供たちに規範意識をつけるだけではなく、大人たちにとっても学びのよい機会としたいところです。
また、総合的な学習といういわゆるゆとり教育の象徴のような曖昧な教科がありますが、いろいろな調べ学習などが行われているようです。松東中学校では来年、創立50周年の記念事業に向けて、この総合的な学習の時間を利用し、地域の歴史や現状について調べ学習をして、そこから地域の未来を生徒自身が描いて地域の大人たちに提言しようという取り組みが行われております。これは金沢大学、石川県立大学の支援をいただいてのものですが、本年度より2年がかりで実施いたします。
このような学習は幾つかの班単位で行うことも多く、できればそれぞれに先生といいますか先導役、ファシリテーション役がそれぞれの班に欲しいところではあります。また、実際に地域のいろいろな方にお話を伺って調べ学習を進めたいところであります。それが、土曜日に実施できるようになると地域の方々にも御参加していただきやすくなりますし、より意味のある総合学習になるのではないかと考えます。
次に、やはり土曜授業、つまり教師が通常の授業を行うことについて、ぜひとも推進していただきたいと考えます。
これまでは月曜から金曜までの正規のカリキュラムとは切り離した授業を土曜日に何時間実施しようと正規の単位とは無関係だったものが、制度改正により正規の授業を補完できるようになりました。国語、算数、英語などの主要科目の授業を土曜日にやって児童生徒を鍛え、やはり何といっても学力の向上にまずつなげていってほしいと考えます。そして、今後の教育の中で求められるであろう知識を活用する力をつけていく授業を展開していただきたいと考えます。
教師にやる気があっても、いろいろな制約の中でなかなかできなかったよい授業ができるようになって、子供たちの学力につなげる、そんな当たり前が土曜日を生かしてできるようにしていくべきと考えます。
土曜授業、土曜学習の推進について、教育長の御所見をお願いいたします。
2点目として、Next10年ビジョンについて市長に質問いたします。
3月の当初予算の中で、2015年から10年のビジョン、Next10年ビジョンが本年度策定されることが示されました。私は、このNext10年ビジョンについては、小松にとってはもちろん、日本にとって、もっと言うと世界にとって本当に大事時期の大事なビジョンになると考えております。
歴史は繰り返す、歴史に学べとよく言われます。歴史の周期のスパンについては諸説ありますが、その中で70年を周期に歴史は転換していくというものがあります。今から70年前は大東亜戦争の終結、そしてその70年前はちょうど明治維新のころです。このように考えたとき、2015年はちょうど戦後70年に当たりますが、戦後の10年というとGHQの占領下で日本国憲法が定められ、その後、朝鮮戦争特需による戦後復興、サンフランシスコ講和条約による日本の主権の回復、そして戦後ちょうど10年の1955年には自由民主党が誕生し55年体制が築かれました。
政治の分野だけではありません。このころ、本田宗一郎氏、井深大氏などその後の日本経済を牽引する方々が会社を興し、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるまでに成長する経済、ものづくり産業が開かれました。まさに1945年から55年の10年は、20世紀後半から21世紀初頭にかけての日本の礎が築かれた年代と言えます。
あれから70年がたとうとする現在からこれからを見ると、集団的自衛権行使の容認の議論から、今後、憲法改正に向けた論議が加速するでしょうし、日本が真の主権国家として国際社会の中でどのように立ち居振る舞うかが求められてくるでしょう。また、東京オリンピックに向けた景気の特需も期待され、ポスト東京五輪のころには恐らく政界再編も一段落しているのではないでしょうか。
そして、世相だけではなく、腕時計型、メガネ型など身に着けるコンピュータは、次はコンタクトレンズ内蔵型になるとも言われ、ちょうど先週発表されましたが家庭型の新ロボット、さらには小型ラジコンヘリコプターによる本や日用品の商品配達など新しい技術とサービスが生まれてくるでしょう。これらは既に実験、実用段階に入っています。さらにはiPS細胞など万能細胞も実用段階に入って医療の分野に革新が起きるでしょう。戦後がそうだったように、我々の生活を取り巻く環境は激変していくことだろうと考えます。
まさに時代は今、大きな転換点を迎えており、先ほどの歴史の70年周期説になぞらえていうと、ちょうど2015年から2025年にかけての10年は、その基礎を固める重要な期間であると私は捉えております。
さらに言うと、これまでの日本は、明治期にはヨーロッパに手本があり、そこを目指しました。戦後はアメリカでした。しかし、これからは日本は独自で新しい時代を切り開いていかなければなりません。
私といたしましては、日本人の高い規範意識と精神性、そして技術力をしっかりとつないでいくことによって築く持続可能な社会を目指すべきと考えております。それは恐らく東京というよりも地方の未来を切り開いていくことに肝があり、地方の生活を真に明るく豊かにしていくものであると考えます。それが実現できれば、これから日本は間違いなく世界の手本となっていくでしょう。そして、それを小松からやっていくんだという気概を持って臨まなければならないというのが私の未来への捉え方です。
時代の転換期であること認識し、しっかりと地方から持続可能な社会を見据えた中で、北陸新幹線の敦賀延伸と大阪までのフル規格接続に向けた取り組み、そしてこの10年最大の課題とも言える超長寿化社会に加えての少子化と人口減少問題などに対応していくことが大事なのではないでしょうか。
そこで、小松の現リーダーとして和田市長は未来をどのように見据え、そして描いていきたいとお考えかお聞かせください。ぜひとも小松の明るい未来を多いに語っていただきたいと思います。
次に、では、その未来に向けたNext10年ビジョンをどのように策定していくかであります。
さきの3月の定例会において、このような重要な総合的な計画の策定や変更については、議会での議決事件となるように改正する条例案が議員提出議案として出され、全会一致で決しました。議会と執行部がこれまで以上に手を取り合い、紳士的に建設的な議論でもってこのNext10年ビジョンを策定していくことが求められております。そこで、果たして議会との議論はどのように進められるのか、スケジュールを含めてお示しいただければと思います。
また、この4月に、ふるさと共創部が創設されました。まさにこのような重要な計画の策定には市民がどのようにかかわっていくのか、市民とともにつくっていくということも重要であります。
これまでは、どちらかというと市民に対して行政は合意形成を図っていくという手法がとられてきたかと思います。しかし、私も以前質問で取り上げさせてもらいましたがフューチャーセンターでもって市民の多様な意見を対話によって取り入れて創造していくこと、合意形成ではなく創意形成が求められるのではないかと思います。
旧大和跡地の活用案については市民参加型のフォーラムが金沢大学とともに実施されました。まさにこのような重要な計画こそ市民参加型のフォーラムを早期の段階で実施してはどうかと考えます。
ビジョン策定に当たっての市民の意見の集約方法について、市民とのかかわり方についてお答え願います。
最後に、ぜひともNext10年ビジョンに取り入れてはどうかという提案ですが、持続可能な地域経済に向けて地域通貨の導入をしてはどうかと考えます。
さきにも地方での生活を明るく豊かなものにしていかなければならないと申し上げました。それには、地域経済の立て直しが必要であると思います。
戦後の日本は、圧倒的に物質的な豊かさを手に入れましたし、非常に便利な生活を地方においても享受することができています。しかしながら、その便利さは東京など大都市圏の資本、場合によっては国外資本によってもたらされているものも多く、地域に根差した経済は完全に疲弊してしまいました。便利になったのはよいけれども地域の中でお金が循環する仕組みにはなっておらず、小松市民の皆さんが一生懸命働いて稼いだお金は県外、国外に吸い取られてしまっているのも現状です。これから北陸新幹線が開業すればさらにそのストロー効果が出てくるでしょう。小松で代々続くある老舗の御主人は、このままだと息子にこの商売を続けさせることができない。自分の代で廃業して息子にはいっそのこと東京へ出て生活してくれればいいと本気でおっしゃられておりました。
地域の経済を本当に立て直さないと、小松のすばらしい文化も続いていかないということになりかねません。持続可能な地域経済の実現は待ったなしの課題であります。
そこで提案したいのは、地域通貨の導入です。地域通貨はかつて全国各地で導入されたことがありました。しかしながら、期待したほどの効果が出なかったということも多くありました。
しかし、私は時代が変わろうとする今こそ導入していくべきだと考えます。もちろん、過去の失敗した事例は学ばなければなりませんが、何よりもこの地域経済の立て直しのためには地域でしっかりとお金を循環させること、地域で流通し、地域で使用されるそう仕組みづけられたお金をふやしていかなければなりません。そして、地域内での商売を応援して、しっかりと続いていくようにしていかなければなりません。
全国各地の自治体を見ると、政策的に地域通貨をうまく使っている事例も出てきました。市外から転入で新築される方へのいわゆる補助金を地域通貨で支給したり、また市民協働という観点から地域活動に参加された方に対価として地域通貨で支払ったりと、これまで多かった金額に幾らかのプレミアムをつけて発行する地域振興券型とは異なり、市の政策の効果を高めていく工夫としての地域通貨を導入している事例が見られます。
また、ここ10年ほどで電子マネーが定着し、そのインフラも整備されました。信頼性の問題はありますが、いわゆる仮想通貨も出回って決済等に使われるようになるなど随分と環境が変化しました。紙幣や硬貨を使わずに買い物をすることも当たり前になってきました。
よって、地域通貨といっても必ずしも紙幣にかわるものを印刷しなければならないということではありません。地域電子マネーを発行すればよいのです。現在の10年ビジョンの中でも「新しい暮らしは1枚のカードで、キャッシュレス・ペーパーレス」とうたわれております。
ここに、新たなに政策実現の効果を高めていく地域通貨機能を加え、持続可能な地域経済を目指していくことにしっかりと取り組むことを、Next10年ビジョンで高らかに宣言してはどうかと考えます。御見解をよろしくお願いいたします。
以上です。
32 ◯議長(宮西健吉君) 教育長、坂本和哉君。
〔教育長 坂本和哉君登壇〕
33 ◯教育長(坂本和哉君) それでは私のほうからは、宮橋議員の土曜授業についてお答えさせていただきます。
小松市教育委員会では、平成26年度より文部科学省の補助を受けて、全ての子供たちの土曜日の教育活動充実のため、地域の豊かな社会資源を活用した土曜日の教育支援体制等構築事業を実施しています。本事業は、地域の多様な経験や技能を持つ人材の協力を得て、土曜日に教育支援体制を構築することを目的としています。文部科学省のメニューのうち、本市が行う土曜授業は、学校以外の者が希望者に対して行う土曜学習です。
本年、モデル地区として指定しています中海小学校地区では、地元の自然を知り、郷土愛を育むことを目的として、希望者を募って年間10回のプログラムを実施しております。地域の方のコーディネートにより、既に5月に2回実施し、この2回は埋文センターの職員による郷土の歴史の学習、もう一つは環境保全とシイタケの菌打ちの実習という2回があります。この後8回については、生物についての学習あるいは星空の観察、地域の食についての学び、それから地域の伝統行事についてというようなものが予定されているところです。
次に、本市の今後の方向性についてお話しさせていただきます。
実は、平成14年度から学校5日制が完全実施され、この10年余りの間に地域の方々の力によって自由参加の形でさまざまなスポーツ、文化に対する教室あるいは行事、そんなものが充実し、子供たちが生き生きと活動するそんな姿が各地域で見られます。
今回、指定を受けた中海地区の成果を踏まえて、学校、家庭、地域が連携して地域の人材を生かして地域の歴史、文化、スポーツ、体験学習など多様な学習を充実させる。そして、ふるさと小松を愛する子供を育成するという視点で、今後、土曜授業につきましては土曜日の子供の教育活動の充実を図って、実施地域の拡大を目指すという方向で取り組んでまいります。
一方、学力の充実という観点につきましては、現在も各校が放課後あるいは夏休み等長期休業時間を通して、あるいはその他のいろんな時間を利用しまして、補習あるいは個別指導の機会を設けて一人一人の学力の定着に取り組んでおるところで、今後も精力的にいろんな機会を捉えて進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
34 ◯議長(宮西健吉君) 総合政策部長、早松利男君。
〔総合政策部長 早松利男君登壇〕
35 ◯総合政策部長(早松利男君) 私からは、Next10年ビジョンについての御質問にお答えさせていただきます。
市長はどのような未来を見据えているのかという御質問でありましたが、現在、Next10年ビジョンにおけるまちのイメージ等に影響を及ぼす可能性のあります環境変化や諸データなどについて整理している段階でありますので、私のほうから現時点における考え方について事務的な面からお答えさせていただきます。御了解をよろしくお願いいたします。
現10年ビジョンでは「家族みんなの笑顔いっぱいのまち」、これを大きなテーマに掲げまして、まちをイメージアップし、新しい形に変えていくことを目標にまちづくり、人づくりを進めているところでございます。
本市は、ものづくり産業で栄え、伝統文化が育まれるとともに、豊かな自然は今なお受け継がれております。また、人材力、地域力も高く、世界とつながる空港が立地するなど、日本のよさがそのままあらわれているまちでもあります。さらには、出産、子育て環境、あるいは介護、医療分野におきましても全国トップクラスに位置づけられるようになり、住みよいまちとしての評価も高まってきております。
これらの強みを生かしまして、これからの大交流時代にたくましく成長する北陸の際立ったまちを目指して各種政策展開に努めていることは御承知のとおりでありますが、今後ともこのような小松のよさに一層磨きをかけてまいりたいと考えております。
さらに今後につきましては、国際化の一層の進展によりまして、ビジネスはもとより教育や文化など多くの活動が地球規模で展開されるようになってくることが予想されます。また、ICTや省エネといったこのような技術も目覚ましいスピードで進化を遂げておりまして、将来にはより多くのさまざまな場面に浸透していくものと考えております。
まだまだいろんな環境変化があるかと思いますが、Next10年ビジョンの策定に当たりましてはこのような変化を踏まえ、時代の先をしっかり読みながら、国際都市こまつを未来に見据えて取り組んでいきたいと考えております。
次に、スケジュールを含めてどのように策定していくのかという御趣旨のお尋ねについてであります。
現在のところ、秋にはビジョンの素案、基本的な方向性、これを固めまして、市議会を初め、年齢や性別、職業、地域、生活スタイルなどが異なるさまざまな方々と意見交換を行い、未来のまちづくりについてともに考えていきたいと思っております。なお、具体的なスケジュールや方法につきましては、今後詰めていくということとしております。
また、広域的な視点にも立った多くの御意見をお聞きするため、今回新たに大学と連携した市民意識調査、これは議員おっしゃる市民参加型フォーラムという形になるかどうかはこれからの相談でございますが、こういった大学連携による市民意識調査も実施したいと考えておりまして、大学の専門知識を生かした効果的な手法についても検討を進めてまいります。
これらを通じまして出された御意見を大いに参考にしながら、イメージパースの制作などを経て、年度内にビジョン原案の策定を目指しておりますが、いずれにいたしましてもできるだけ議会及び市民の皆様との意見交換の時間を大切にしていきたいと考えております。
最後に、地域通貨の導入についてでございます。
先行事例を見てみますと、地域通貨は特定の地域や人を対象として運用されている例が多いようでございます。
一方、市外はもとより国内外の広い範囲で、ものやお金を流通させ、経済の活性化につなげる時代にもなってきております。電子マネーやクレジットカード、それからインターネット販売、こういったICTによるキャッシュレス化とボーダーレス化が著しく進展し、より便利になってきてもおります。
このような将来像につきましては現10年ビジョンでも一部織り込んでおりますが、Next10年ビジョンでは議員御提案の趣旨も含めさまざまな手法の中で、さらに新しい動きをいち早くつかまえまして、マーケットを世界にも広げ、ものづくりや物流などバランスよく産業が発展する地域経済のイメージを検討していきたいと考えております。
議員からは、大事な時期の大事なビジョンと、気概を持ってと激励をいただきました。Next10年ビジョンの策定にしっかりと取り組んでまいりたいと思っておりますので、今後とも御理解、御支援よろしくお願いいたします。
以上でございます。
36 ◯議長(宮西健吉君) 宮橋勝栄君。
〔1番 宮橋勝栄君登壇〕
37 ◯1番(宮橋勝栄君) 今ほど教育長、そして部長から御答弁いただきました。
今回のNext10年ビジョンについてどう市長は未来を見据えているのかということを指名させて通告をさせていただきましたが、残念ながら部長からの答弁ということで本当に残念ですし、この議場という最もオフィシャルの場でそういった議論ができないということは本当に大変残念なことであるなと思います。
たしか以前にもこういうことがありまして、そのとき市長からはコーヒーでも飲みながらゆっくり語りましょうというお言葉もいただきました。そういう御提案もいただいておりますけれども、まだ実現していませんので、ぜひまた改めてそういった機会をいただきまして、私に限らずですけれども、そしてまたこの議題に限らずですけれども、小松の未来や日本のこと、お互いの政治観であったりとか倫理観、そういったことも含めて何でも話し合えるそんな議会と執行部であったらいいのかなというふうに思っておりますので、またよろしくお願いいたします。
再質問は教育長にさせていただきます。
今ほどの答弁の中でいいますと、土曜学習の部分については大切なもとであり、モデルを生かして展開していきたいということの御答弁だったかと思います。
ただやはり文部科学省が推奨している部分に関して言うと、学校が主体となってやっていく部分も大いにやっていってほしいということだと私は理解しています。実際に輪島市や金沢市では土曜授業というものも開催されているようですし、みずから土曜授業の推進に当たっている下村文部大臣は、みずから中学校に行って授業をしてこういうことを取り組んでいきたいんだというものを本当率先垂範してやられております。
ですので、ぜひことし、モデル地区で土曜学習のみをやっているということでありますけれども、ぜひ可能な限り土曜授業の実証研究もしていただいて、来年度以降、ぜひ土曜授業の実施を含めて御検討いただきたいというふうに思っておりますので、その点もう一度御答弁いただければというふうに思います。
38 ◯議長(宮西健吉君) 教育長、坂本和哉君。
〔教育長 坂本和哉君登壇〕
39 ◯教育長(坂本和哉君) それでは今、宮橋議員から質問を受けました土曜授業の実施についての見解をということですけれども、土曜授業と自分は理解しておるのは、きちっと教育課程に組み込んだ形で子供たちの全てに出席を求めた授業時間としてカウントできる、しかも学校の教員が正規の教育課程のうちに組み込んだ形でのというそれを実施してはどうかという提案に伺いました。
それについては、現在、県内でも輪島市等、議員指摘のとおりでありますけれども、小松市としてなぜそれが必要なのかという部分も含めまして、教育委員会会議でしっかりと議論しながら、今ここですぐにするしないではなくて、その目的、内容等しっかりと検討した中で議論して結論を出していきたいというふうに思っております。
この場でするしないということを性急にお答えすることはできません。
以上です。
40 ◯議長(宮西健吉君) この際、午後1時まで休憩いたします。
休憩 午前11時48分
再開 午後 1時00分
41 ◯議長(宮西健吉君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑・質問を続行します。
───────── ◇ ─────────
◇ 出 戸 清 克 君
42 ◯議長(宮西健吉君) 出戸清克君。
〔12番 出戸清克君登壇〕
43 ◯12番(出戸清克君) 平成26年第2回6月議会に議長の許可を得ましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
長時間労働についてお尋ねをいたします。
昨年度の実績データによりますと、4月1日現在、職員数1,221名のうち、時間外勤務対象者は925名であります。1カ月30時間以上の残業された方は月平均72.2名で、そのうち60時間以上は12.2名でございました。
残業が発生するには、昨年度の7月29日の大雨災害等の対応時の以外3つのパターンがあると言われております。1つ目は、業務の性格上、ある時期に極端な業務負荷がかかってしまうことから発生する残業、季節偏重型残業と言われています。2つ目は、新しいプロジェクトの立ち上げ等、時限的に発生する残業、期間限定型残業と言われています。そして3つ目は、上記以外の恒常的な長時間残業、恒常型残業と言われています。この3つ目の改善が急務であります。
私に相談があったのは、昨年末から先月まで毎日帰宅が11時、12時で土曜、日曜も役所に出勤しており、子供の体がとても心配であるとの相談でした。本人は、仕事量が多く勤務時間内に消化できず、ひたすら時間をかけて少しでも前に出すために帰れなかったとのことです。上司の方に対応をお願いしたのですが、上司の方は早く帰れとは言ってくれたそうですが、本人は仕事がたまるのが嫌で帰るに帰れず、帰宅時間が変わりませんでした。家族の方から再三何とかしてほしいとの依頼があり、人事育成課の方に対策の依頼をいたしました。ようやく最近になって少し早く帰宅できるようになったとこの家族の方は喜んでおられました。
そこで、このような方がほかにもたくさんおられるのではないでしょうか。肉体的にも精神的にも限界であり、管理監督者である上司の監督責任が問われ兼ねません。管理者は、仕事の質と量を分析して部下に見合った担当をさせ、仕事の内容を見える化することが必要でございます。
仕事の内容と処理プロセスを把握し、職員の能力に合った作業配分を行い、負荷が大きいときは派遣スタッフやアルバイト、パートを組み合わせて仕事の割り振りを決定し、具体的に作業を指示し、進捗管理を管理点として職員と作業の進捗状況をコミュニケーションしながら、個々に仕事の負荷が偏らないように常に平準化を考え、適正な作業環境で効率のよい作業を進めるべきだと考えます。
なお、補充人員にアルバイトやパートの方を採用するときは、面接時、担当職場にて作業内容を説明して、戦力になる方を採用してください。全くの素人で、その方を指導するがために時間を要し、自分の仕事ができず、自分の仕事が業後となるとの苦情も聞いております。
今回、皆さんから御意見を伺うことができ、それぞれ大変御苦労と努力をなさっていることがわかりました。
そこで、有給休暇の取得率と消化率はどのようになっておりますか。個人に与えられた権利でございます。取得しやすい環境になっておりますか。上司の方も率先して有効利用なさっておられますか。利用率を上げるため、取得に向けての方策や指導はどのようになっておるのか御説明をください。
次に、健康診断の受診率についてもお聞きいたします。
どんなに業務が忙しくても健康管理が第一です。都合の悪い方は日時を変更しても100%皆さん全員の方が健診を受診されるように管理監督を強く要望いたします。
次に、市発注工事の入札についてお尋ねをいたします。
市内の建設業協会加盟の会社数は平成5年83社をピークに、今年度は48社で4割強の会社が諸般の事情により廃業や自己破産でおやめになっておられます。当然市の税収にも影響があります。それぞれの会社では従業員の方とその家族が生活の糧を失うわけですから、大変ゆゆしき問題であります。
昨年、平成25年度、管財課、技術監理課が入札・契約制度の改正が行われました。一般競争入札の対象となる工事の予定価格の引き下げ、公共工事の前金払い制度の拡大、契約における労働者環境の配慮の徹底、総合評価方式の適用範囲の見直し、工事配置技術者の配置期間の緩和など9項目が改正されました。これらについて一定の評価をしているところでありますが、これらの成果をどのように感じ取っておられるでしょうか。
まず、材料費や労務単価の高騰についてでありますが、最近の価格高騰に対して市はどのように対処してきたかお尋ねをいたします。また、工事入札後に著しくアップした場合は追加支払いの措置がとられるのでしょうか。御回答をお願いいたします。
最後に、Cランク、Dランクの企業の方が上位ランクの下請作業でなく、JVを組んで上のランクの入札に参加し元請となれるシステムの構築をぜひとも実現できるようにお願いをいたします。
金沢市、白山市、能美市、加賀市で経常建設共同企業体の取扱要領がありますが、実績があるのは加賀市で土木工事と水道工事でそれぞれ1件の計2件があります。
中小企業のJVは、工事によって組んだり組まなかったり、すなわち特定の工事のみのJVではだめで、1年間はJVとして全ての工事に関係しなければならないと聞いております。このことが障害となり、各企業が飛躍するのにハードルが高いのではと思われます。
中小の企業の方々が実績と経験を生かして大きなチャレンジのチャンスを与えるのも役所の仕事ではないでしょうか。
中小の企業の皆様のお支えを期待して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
44 ◯議長(宮西健吉君) 総合政策部長、早松利男君。
〔総合政策部長 早松利男君登壇〕
45 ◯総合政策部長(早松利男君) 私からは、超過勤務、すなわち時間外勤務と呼んでおりますが、その時間外勤務についての御質問にお答えさせていただきます。
最初に、時間外勤務の実態についてでございます。
昨年度の実績につきましては、今ほど議員から御紹介のありましたとおりでございます。
また今年度におきましては、4月の人事異動に伴いまして新しい業務になれていない面があったことや年度当初の繁忙期も重なりまして、4月、5月の時間外勤務がやや多い状況となりましたが6月に入り平静に戻ってきております。
長時間の時間外勤務への対応策といたしましては、従来から「3ム」改善を初めとする業務改善などを通じまして、仕事の進め方の見直しあるいは効率化を図り時間外勤務の縮減に努めてきておりますが、やむを得ず時間外勤務が1カ月当たり60時間を超える場合には、職員の健康管理の面から特別管理として担当部署の所属長と私ども総合政策部で対応策を協議することといたしております。
また、昨年度には毎月の個人別の時間外勤務の実績をそれまでよりも把握しやすい環境整備を行いまして、長時間に及ぶ時間外勤務を早期に見つけ出し、対応するように努めているところであります。
加えまして今年度からは、毎月15日時点で30時間以上の時間外勤務の実績がある職員の所属長に対し、人事育成課から特定職員に業務が集中していないか、仕事の負荷に偏りがないか、そしてまた業務を他の職員に分担できないかなどの趣旨の注意喚起を行うこととしております。これを基本として、仕事のやり方の見直しや所属内の業務調整、作業の平準化などを図るようにしているところでございます。
次に、年次有給休暇のお尋ねがありました。
年次有給休暇につきましては、年間20日間となっておりますが、昨年の実績でこの休暇の取得率、取得率と申しますのは1日でも取得した職員の割合といたしまして、取得率は95.3%、平均の取得日数は6.1日、消化率は30.1%でございます。
なお、このほかに特別休暇として夏期休暇制度というのがございます。夏期休暇制度につきましては、年5日間設けておりますが、こちらの取得率は99.0%、平均取得日数は4.4日間、消化率は88.0%となっております。
したがいまして、年次有給休暇と夏期特別休暇を合わせますと年間平均で1人当たり10.5日間の休暇を取得しているという状況であります。このほかにボランティア休暇、子の看護休暇等々の休暇制度もあります。
また、平成22年度からは心身のリフレッシュ、自己啓発を通じまして、健康保持やワークライフバランスを推進するという目的で、年次有給休暇を原則3日間連続して取得するリフレッシュ休暇制度を設けて取得促進を呼びかけてきております。なお、リフレッシュ休暇につきましては、毎年度初めに年間のおのおのの取得計画を提出していただいて、課内の協力により取得しやすいよう心がけているところでございます。
リフレッシュ休暇の取得率につきましては、初年度の平成22年度が43.8%となっておりましたが、徐々に浸透しまして昨年度、平成25年度では57.4%となっております。
最後に、健康診断の受診率についてであります。
健康診断につきましては、育児休業あるいは病気療養等によって休職中の職員を除いて受診することとなっております。集団で行っています定期健康診断と人間ドックをあわせた受診率は平成23年度、それから24年度がともに99.9%、平成25年度は99.7%となっており、このうち人間ドックの割合は各年度とも40%余りとなっております。
なお、諸事情によりやむを得ず受診できなかった数人の職員に対しましては個別に指導に努めておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
46 ◯議長(宮西健吉君) 行政管理部長、越田幸宏君。
〔行政管理部長 越田幸宏君登壇〕
47 ◯行政管理部長(越田幸宏君) 私からは、出戸議員の工事入札についての2項目の御質問にお答えさせていただきます。
まず1点目は、材料費や労務単価の高騰への対応についてであります。
東日本大震災の復興需要や公共事業の推進などによる建設現場での人手不足感が高まる中、労務単価や資材費が高騰しておりまして、平成25年度では国において2回にわたり新たな労務単価の公表がなされました。本市ではこれを受けまして、平成25年4月には石川県平均同様13%アップ、平成26年2月には6.8%アップとなる単価改定を行ったところでございます。資材費につきましても常に最新の県の基準価格などをもとにしまして実勢価格を適切に反映させた設計積算を行っているところでございます。
また、工事契約後に労務費や資材費などで急激なインフレーションが発生した場合には、公共工事の標準契約約款に規定されているインフレスライド条項を適用しまして、受注者からの請求に対して適切に請負金額の変更を行うことといたしておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
次に、中小の事業者のJVによる受注についてでございます。
共同企業体、いわゆるJVには特定建設工事のJVと、出戸議員御案内の経常建設JVの2つの方式がございます。
特定建設JVについては、大規模かつ技術的難易度の高い工事の施工に際して、その都度必要な工事ごとに結成するJVでありまして、本市における特定建設工事JVの対象工事は発注予定金額で土木一式工事については1億5,000万円以上、建築一式工事が3億円以上、管工事、電気工事については8,000万円以上の工事を対象といたしております。
一方、経常建設JVについては、中小の建設事業者が継続的な協業関係を確保することによってその経営力や施工力を強化する目的で結成するJVであります。ただし、JVを結成した場合には、少なくとも1年間以上協業関係を維持して1共同企業体として存続しなければならないため、JVとしてのみ入札に参加することとなり、個々の事業者として入札に参加することはできないこととなっております。
この点について、JVを組もうとする事業者の障害になるのではないかということにつきましては、経常建設JVのあり方についての国の基準に基づく全国的な取り扱いであるため御理解いただきたいというふうに思っております。
本市ではこれまで経常建設JVとしての入札参加について業界からの具体的な要望がなかったのが実情でございますけれども、今後、具体的な要望があれば速やかに経常建設JVに係る要綱を策定しまして、意欲ある中小建設事業者のJV結成の道を開いてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
───────── ◇ ─────────
◇ 川 崎 順 次 君
48 ◯議長(宮西健吉君) 川崎順次君。
〔18番 川崎順次君登壇〕
49 ◯18番(川崎順次君) 御苦労さまでございます。
平成26年6月定例会に当たり、4項目について質問をいたします。御答弁のほうをよろしくお願いいたします。
初めの質問は、市長公用車の使用についてであります。市長にお尋ねをいたします。
ことし3月16日投開票の知事選での和田市長が公用車を使用した問題で、各新聞社が大きく取り上げ、問題視をされました。3月議会に聞ければよかったのですが、議会の私の質問が終わった後だったので今定例会での質問となりました。
知事選で公用車を使用した首長は、ほかに金沢市や白山市、羽咋市など公用車を使用していたということでございます。しかしながら、ほとんどが告示日の出陣式とか当選祝福で事務所に出かけたときだけでございました。しかし、和田市長のように公用車で副市長同伴で遊説に同行した例はありません。金沢市長や白山市長、野々市市長は、社会通念上儀礼の範囲として、市内遊説の際には私用車を使うなど線引きを図ったと言っております。
和田市長は、3月3日午後零時15分から午後6時と、3月13日午前7時15分から午後零時45分の計11時間15分、それぞれ市職員が運転し、市内一円の計114キロを走行いたしたということでございます。
知事選対事務長にお聞きいたしましたところ、3月3日、その日の遊説の日程の打ち合わせのため電話連絡をしたところ、市長が公用車で行くとのことであったそうでございます。そのとき、選対事務長は当時の秘書課長に、公用車での遊説はいささか問題があるので私用車で行くようにと注意をいたしたそうであります。しかし、その注意を聞き入れず平然と使用したとのことで、大変大きな問題ではないかな、私は思っております。
そういう中でも、私は平成24年の12月定例会において、市長の自分自身の市長選挙において公用車で選挙活動していたことに対して、私は12月議会で注意をいたしております。覚えておられますでしょうか。
こう何回も公用車での選挙運動に対して、注意していても聞き入れないということはモラル上の問題というよりも市長自身のおごりとしか思えないんですが、いかがでしょうか。
大津市や東京・渋谷区では、市監査委員や住民が損害賠償を求めて訴訟を起こしたとして、ガソリン代等の返還を勧告した例があります。それはいずれも決起集会や選挙事務所に行ったりしたものであり、社会通念上儀礼の範囲を逸脱するものではないというふうに判決で言っておりますが、公用車での遊説に同行した例はありません。なぜか。遊説に公用車で同行した人がいないからなんです。
市長は社会通念上儀礼をどう思われているのか。市長は今このことを真摯に受けとめ、反省され、謝罪されればというふうに思いますか、いかがでしょうか。市長のモラル、モラル観、倫理観をお聞きをいたします。
次は、北陸新幹線対策について。
金沢開業後の対策についてであります。
金沢開業後、敦賀までの延伸も見据えていく中で取り組んでいかなければならないのが小松駅舎の建設や在来線の活用、小松駅西、南などの駅周辺のまちづくりが大事になってくるのではないでしょうか。
新幹線の小松駅舎の建設で中心市街地との連携、新幹線駅を何階建てにするのか。新幹線駅の前の旧大和跡地ビルにビルを建てるというのであれば、その新幹線駅とを結び、商店街の人たちに大和跡地ビルや新幹線駅舎の中に入っていただき、駅に一つの商店街をつくることも考えられるのではないでしょうか。また、在来線の電車の車両を夢のあるような車両にするとか。
また、きょうの新聞でありますけれども、「北海道新幹線開業後の寝台特急存続要請」ということで、この北海道新幹線が開通すると東京・上野間を結ぶ寝台特急カシオペアや北斗星が通る北海道、青森県、岩手県の担当者が大変危惧をしているということで、JR北海道に対して何とか存続できないかという働きも今しているそうであります。
いろいろなことをもう考えていかなければならないんではないでしょうか。
そして、小松空港からの交通のあり方。
───────── ◇ ─────────
◇ 吉 村 範 明 君
69 ◯議長(宮西健吉君) 吉村範明君。
〔6番 吉村範明君登壇〕
70 ◯6番(吉村範明君) 皆様、お疲れさまでございます。
6月定例会、きのうの9日、そして本日の10日の両日にわたり16人もの議員各位が行政の監視役、そして施策の提案者として活発に質疑、質問が行われ、私、自民党こまつの吉村範明が17番目の最後の質問者となりました。私もあすの小松が末広がるよう質問させていただきますので、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
今、クールジャパンが世界的に注目をされております。御存じのとおり、和食が昨年末、ユネスコの無形文化遺産に登録されましたし、森元総理が組織委員長となられた2020年東京オリンピックの開催決定もその一因であると思います。
先ほど川崎議員からもお話がありましたが、せんだって上京し、森先生を初め各部局に表敬訪問してまいりました。その際、道すがら明治神宮に参拝をしてまいりましたが、平日にもかかわらず境内を埋め尽くさんばかりの多くの参拝者がおられ、しかも参拝されていた方のほとんどが外国の方であり、日本への関心の高さがうかがえられました。
本市においても、台北便のデーリー化もあり、台湾の方々のみならず各国の旅行者もふえてきていると思います。日本が注目されているこの時期に、地域のよさ、地域らしさを前面に売り出し、国内外からこの小松市に多くの方々が訪れていただける絶好の機会ですので、これからも官民がともに手を携え、交流人口が拡大されるよう願ってやみません。
では、質問に入ります。
待ち望んでいた北陸新幹線金沢開業まであと約9カ月となりました。石川県全体はもとより本市でも期待が膨らみ、市民の皆様も首都圏から多くの方々がこの地域に訪れていただけるのではないかと待ち遠しく思われているのではないでしょうか。
ただ、新幹線開業後の経済効果として各方面から出されている首都圏から石川県全体の入り込み客数の試算では、観光、ビジネス合わせて年間約32万人増加すると言われており、その全ての方々は一旦金沢におりられますし、観光客はまず兼六園を初めとする金沢の観光スポットをめぐられると思います。
そんな中、金沢以外の地域は特色を生かした誘客をし、一旦お越しいただいた来訪者がリピーターやPR隊になって多くの皆さんをお連れいただけるようさまざまなアイデアを駆使し、顧客獲得にしのぎを削っておられますので、開業後は来訪者の奪い合いとなるのは必至でありますし、新幹線が来るからといって何もしなくても必然的に各地域に観光客がふえるものではありません。これからは、どれだけ多くの方々に小松のよさを認識していただけるのかが鍵となってくるのではないでしょうか。
市長がアジアのスイスと絶賛されております木場潟からの白山眺望や、お旅まつりの主役・子供歌舞伎、「勧進帳」の舞台・安宅の関、間もなく1300年を迎える那谷寺、そして粟津温泉、そのほか数多くの観光スポットに足を運んでいただける仕組みづくりが急務であります。
開業までもう約9カ月であります。新幹線に乗って来られる観光客の方々の目的は、まずは石川県観光ではなく金沢観光だと思います。インターネットで検索する際も「石川県 観光」ではなく「金沢 観光」で検索されるでしょう。それを我々の地域に目を向けていただくためには、金沢駅でおりられたお客様をいかに小松の観光スポットまで来ていただけるようどのように導くかにかかっていると思います。
幸いにして同じ駅構内に在来線があり、スムーズに小松駅や粟津駅まで乗りかえることができます。これから、金沢でおりられた観光客の方々に小松の魅力をどう伝え、在来線を利用し、JR小松駅、そして粟津駅までお越しいただくためにどう仕掛けづくりをしていかれるのかお聞かせをください。
次に、芭蕉ファンを呼び込む観光ルートについてであります。
当局の御尽力により那谷寺境内全体が国指定の名勝となり、市長の議案説明の中にありましたおくのほそ道の風景地ネットワークが発足されたとのことでありますので、期待が持て大変ありがたく感じております。
今回、那谷寺や多太神社など芭蕉ゆかりの寺社とネットワークを活用した芭蕉ファンを呼び込む観光ルートを整備していただけるとのことであります。整備とはすぐに役立つように準備したり整えたりすることでありますので、今現在どのような形で進めていかれるのかお示しをいただければ、地域でもすぐに役立つよう準備を進められると思います。ただ心配なのは、専門的かつ高度な知識を持たれている芭蕉ファンを呼び込むためにはありきたりの印刷物や場所の紹介やルート案内などでは誘客につながらないと思われます。
目新しい計画あるものと期待しておりますので、具体的な整備計画等、芭蕉ファンを呼び込む観光ルートについて詳細をお聞かせください。
次に、共同連携事業の今後の取り組みについてであります。
昨日、詳しく御答弁されましたので、私からは御提案を申し上げたいと思います。
去る平成17年、白山の恵みから生まれた食と芸能文化をクローズアップさせ、地域のにぎわいを創出しようと民間のまちづくり団体や青年会議所などが、今後の地域のあり方を見据え、また率先して地域連携すべきと行政の枠を超えた広域的な事業として、風土体験型の芸能祭である加賀白山おったからまつりを創設しました。
議長にお許しをいただいておりますので、当時のチラシの拡大版をお見せいたします。(資料提示)
題字は白山比め神社の山崎前宮司であります。本当にありがたい、当時は思っておりました。今も思っております。
1回目は山代温泉を舞台に開催し、2回目は山中温泉、3回目は粟津温泉と那谷寺、第4回目は片山津温泉と鶴来、そして白山比め神社を舞台に計4回、4年間にわたって開催をされました。私も創設当初から企画の中にいましたので思い入れが強い事業でありました。
この事業は、加賀白山地域で継承されてきたすばらしい伝統芸能や文化を見詰め直し、そして後世に伝えたいとの願いから生まれた芸能祭で、同時にこの地に伝わる食文化も伝え、内外に地域のよさを発信していく事業でもありました。
今回、ようやく行政間で加賀地域連携推進会議が創設され、共同連携事業がとり行われるとのことでありますので、大変期待をしております。
そこで御提案申し上げます。
共同連携事業の第1弾として、加賀地域のイメージアップに向けた情報発信ツールの制作、そして魅力あふれる観光コースを提案するということでありますので、情報発信ツールを制作する際や観光コースを提案する際、売り込もうとしているターゲットの方々はこちらのことを全く知らないとの前提においてきめ細やかな相手の立場に立ってつくり上げていただきたいと思います。
この地域におりますと知っているだろうと思うことが全く知られていないことが多々あります。皆さんも経験があると思いますが、そのたびに詳しく説明すると、「聞いたことがある」や「ああ、そうなんだ」という答えが返ってきます。それだけ知られてないと思われますので、その部分をお含みいただいてよろしくお願いをいたします。
また、観光客のニーズ調査を会議の中で早急にやっていただきたいと思います。2011年、加賀市が行った調査では、石川県の宿泊旅行時の目的ベストフォーは、温泉や露天風呂、そして地元のおいしいものを食べる。そして、名所、旧跡の観光、そして宿でのんびり過ごすであったそうであります。
ニーズ調査は時代背景によって意識は変わってくると思いますので、単独の自治体で個々に調査するのではなく、加賀地域連携推進会議が調査することで共通認識できると同時に、お互いの視野が広がるのではないでしょうか。御検討をお願いいたします。
そして、民間の活力を最大限に活用していただきたいと思います。さきに紹介した我々が以前行った祭りのように、枠にとらわれない、この地域にある伝統芸能や食文化にもスポットを当て、この地域らしさをぜひとも発信していただきたいと思います。どの団体も継承問題で途絶えたりする可能性がある団体もあると思います。そして、食もそうであります。それらに光を当てることでよさが再認識されると思いますし、これからもっともっと継承者が出てきていただけるものと確信をしております。
地域のよさは地域で守るの精神で行っていただければと思います。行政の枠というたがが解き放たれ、今までにないすばらしいものにしていただきたいと期待をし御提案を申し上げますので、御見解をお聞かせください。
最後に、こまつ観光物産ネットワークのかかわり方についてであります。
北陸新幹線金沢開業後、この地に訪れていただくお客様をもてなすのは主に観光地や飲食店などの民間の方々であり、その方々の活力が欠かせません。直接観光客と対話し、この地域のよさや人の温かさを伝えるのもほとんどが民間の方々で、訪れる方々にすれば地域事情に詳しい専門家であり、特にそのことを御商売にされている方はプロ中のプロであります。
昨年、そのプロの集団である小松市観光協会と小松市物産振興協会とがあわさり、こまつ観光物産ネットワークが誕生いたしました。会長には当局の竹村副市長が、そして事務局長には市職員がつかれ、新幹線開業を見据えたこれからの観光に対する本市の本気度をあらわしていただいたと歓迎をしておりました。しかし残念ながら、事務局長が1年足らずで退任され、がしかし、短期間ではありましたが中身の濃い実現性のあるものに積み上げてきました。ところが、今回またかわられたことで、ゼロベースからになるのではないかとネットワークの役員さんのみならず会員の皆さんは大変困惑されているのではないかとお察しをいたしております。
私は前身の観光協会の常任理事と、そして企画部会長を仰せつかり、そして現ネットワークでは誘客宣伝委員会の副委員長をさせていただいております。そして、何とか本市の観光の発展に寄与できればと思っておりますが、私の在籍5年目中、どなたもスペシャリストではありましたが、今回の事務局長で4人目であります。このようにたびたびかわられては、会員と事務局との意思疎通が図られないのではないかと心配でたまりません。
お断りをしておきますが、今回お聞きしたいのは人事の件ではございませんし、現事務局長を批判するものでもありません。
新幹線開業という新たな風に期待している観光業の方々にとって、残された約9カ月の仕掛けづくりが今後の商いに大きく左右されます。その最も重要な仕掛けをこれからプロ集団の皆様の思いを集約してどのような形で具現化し、経済にどう反映し、つくり上げていくのかが最重要施策と思います。
現在、ネットワークの会長と事務局長は行政に携わっておられる方々であります。当然、市民や会員は行政がどうリードしていっていただけるのかを見られておられると思います。まずは開業まで残りの約9カ月の誘客、そして開業後のさらなる交流人口の拡大について、これからのこまつ観光物産ネットワークにどうかかわり、どう方向性で導いていかれるのかお聞かせをいただければと思っております。
これで質問を終わりますが、以前から井田議員、そして宮橋議員と開業後のこの地域のあり方などをよく話をしております。便利になる分、人の往来が激しくなり、地域施策がミスマッチだと人の流れがどんどん中央やほかの地域に向かって行ってしまうのではないかと危惧しております。南加賀が広域的に連携するのはもちろんのこと、個々の自治体のアイデンティティ確立も重要であると思います。いろんな政策立案や提案も議会の重要な役割と思います。
この議場でのやりとりが究極のまちづくりでありますから、これからも市民のため大いに議論していければと思っておりますので、真摯な御答弁をよろしくお願いいたします。
以上であります。
71 ◯議長(宮西健吉君) 加賀地域広域連携担当部長、高田哲正君。
〔加賀地域広域連携担当部長 高田哲正君
登壇〕
72 ◯加賀地域広域連携担当部長(高田哲正君) それでは私のほうから、ただいまの御質問に対しまして4点あったかと思います。答弁させていただきます。
まず、北陸新幹線開業まで9カ月。JR小松駅、また粟津駅までどのようにして誘客してくるのか、小松に呼び込むのかといった点でございます。
まず、何といいましても小松へ、加賀地域へ行ってみたい、また立ち寄ってみたいとこのように思っていただくことが第一と。吉村議員の御質問の中にも小松市への関心をどう高めるかが鍵であるといったことであると考えております。
そういった意味で市の魅力を高めるという点では、本市では交流時代が深まるということを見据えまして、「歌舞伎のまち」、それから「乗りもののまち」「環境王国こまつ」「科学と交流」、こういった4つのテーマを掲げましてこれまでも特色あるまちづくりを進めてきたところでございます。特に南加賀のターミナルであるJR小松駅、これはJRつながりでございますし、この周辺については市内外から多くの注目を集めるサイエンスヒルズ、それからこまつの杜、曳山交流館など核となる交流施設が誕生しておりまして、テーマ性の際立ったエリアになってきているというふうに考えております。
北陸新幹線の開業直後には、お旅まつりや全国植樹祭など全国に魅力を発信する機会でございまして、曳山250年の事業、それからスマイル木場潟、フローラルこまつ、この展開によりまして、またさらにまちのレベルアップを図っていこうとしているところでございます。
現在、平成27年度にJRが全国的に北陸へ誘客を図ろうということでいろんな旅行会社とも一緒になって旅行商品を企画していくというそういったデスティネーションキャンペーンというものが展開されます。これに向けまして県と連携して観光素材の磨き上げを進めておりまして、今後、旅行会社への商品の提案など、県、それから地域連携して取り組んでいくといったことを考えております。
また、先ほどございました金沢駅に一旦おりて、そのお客さんをどうしてということでございます。金沢における情報発信といたしまして、現在、JR金沢駅の観光情報センターの拡張、機能強化が計画されております。今年度中にはしっかりしたものになるというふうに聞いておりますけれども、この場所を積極的な小松市、また加賀地域の観光情報の提供をしていくとともに、また催事場もできるということでございますので、そこも活用してまいりたいと考えております。
さらに、小松市独自でいろいろな広告宣伝をやってまいりました。航空会社と連携したホームページも使った情報提供、情報発信、それからJRの車内に中づり、それから特急の中の出入り口のところにこういったポスターを張るとかこういったことも努めてきております。また、羽田空港での広告、旅行雑誌などへも掲載するなど、これまでも努めてきておりまして、今後も南加賀や加賀地域の広域でのプロモーションもあわせて展開して誘客に取り組んでいくといったことで、全体の魅力アップと発信と、それと金沢駅においての情報発信もやっていこうということでございます。
次に、2点目の芭蕉ファンをどう呼び込むと、その観光ルートの整備というのはどう考えているのかということでございます。
ことしの3月に那谷寺の奇石を初め「おくのほそ道」に詠まれた風景地13カ所が国の名勝に指定されました。大変喜ばしいことでございます。これを受けまして全国の12市町が連携して、おくのほそ道の風景地ネットワークというものを発足させまして、この風景地をめぐるスタンプラリー、それからフォトストリートといいましてあちこちをつないだ写真展、そしてシンポジウムの開催など風景地を情報発信するような事業をこのネットワークで取り組んでいるところでございます。
平成24年に開催されました奥の細道こまつサミット、このときを契機にしまして多太神社さんと奉賛会様のほうで主催されている芭蕉の俳句で絵手紙をと、これには全国から多数の作品が寄せられまして非常に注目を集めております。こういった事例もございます。
那谷寺が名勝に指定されて多くの芭蕉ファンが那谷寺や小松のゆかりの地を訪れるようになるチャンスかなというふうに考えておるところであります。
関係の方々の工夫にも期待いたしますとともに、市としてもこの機会に誘客策を考えていこうというのがこのルート整備といったことでございます。
これまでも市では芭蕉ゆかりの地のマップを作成しまして句碑めぐりの散策コースを提案して、ボランティアガイドようこそさんによるツアーも行われております。これは県のパンフレットでもしっかりPRされているところでございます。
那谷寺の名勝指定、この機会に小松天満宮から莵橋神社、建聖寺、本折日吉神社、多太神社まで、このエリアを小松・芭蕉ゆかりの地として一体的につないで、町歩きしながらより深く芭蕉ゆかりの地小松を知ることができるという新たなコースを提案してまいりたいと。もちろん延長線上に那谷寺がございます。これについては、関係の皆様とまた御相談する機会があると思いますので、ぜひその節にはよろしくお願いしたいと思います。
また、山中、大聖寺など加賀地域の芭蕉ゆかりの地とも連携いたしまして、加賀を訪れた芭蕉ファンを那谷寺、それから小松の町なか、このゆかりの地へ、この一体へとつなげていくルートも定着させてまいりたいと、こういったことを考えているということでございます。また具体的なところについては御相談させていただきたいと考えております。
次に、3点目になります。加賀地域連携推進会議において共同連携事業を今後どう取り組んでいくかといったことでいろんな御提案もいただきました。
5月25日に加賀地域連携推進会議が設立されまして、オール加賀でのイメージアップ、ブランド力をアップしていこうということで、その第1弾としてテーマ性、ストーリー性のある観光ルートや四季折々の祭りやイベント、先ほど大切やという御指摘がありましたけれども伝統芸能、それから食文化、こういったことを活用しまして地域プロモーションを展開していこうということ、これが第1弾の活動となって予定しております。
内容として、まずツールをしっかりつくっていこうと。キャッチコピーやロゴ、それからポスター、著名人の方にもアドバイザーとしていろいろと御助力もいただくと。そして、テーマ別のマップ、それにガイド、こういったもので源平ロマンとか奥の細道、先ほどおっしゃった食文化、こういったものも含めましてしっかり見えるような形で発信していきたいなということを考えております。
こういったツールをオール加賀の観光案内所、施設、温泉、アンテナショップ、イベント、そういったところ、また関係の観光関係の皆様にも配布するとともに、各市町、関係者のホームページ、SNSでも取り上げていただくようにいたしまして、情報発信を厚く行っていきたいと考えております。
御指摘がありましたように、知らない人にもわかりやすくとか、また観光客のニーズの動向調査もしたらどうかということについては、また県のほうの首都圏調査の結果もございますので、当面はこの辺をしっかり見させていただきまして、共通認識でやってまいりたいなと考えております。
加賀地域のさらなるイメージアップ、誘客促進に向けまして、温泉地の総称とかご当地ナンバーの検討、観光地を周遊できる交通アクセスの整備についてもまたあわせて検討して、この地域の価値をさらに高まるような形で皆さんで検討していきたいなと考えております。
また、加賀白山おったからまつりですか。もちろん民間の方々にも期待しておりますし、一緒に地域で連携してやっていければなというふうにも考えております。
最後に、こまつ観光物産ネットワークのかかわり方についてということでございます。
観光物産ネットワークにつきましては、民間ネットワークの構築による情報発信や誘客、地域資源や素材を活用した新たな魅力や商品づくり、そしておもてなし力の向上などをうたいまして、昨年10月に設立されたものでございます。たくさんの方々が参加されておりまして、設立時の103会員から現在210会員に拡大し、当時入っておられなかった飲食店の関係の方々や文化にかかわる文化団体の皆様も参画してきておられます。
昨年12月には事業運営委員会、誘客宣伝委員会、観光資源開発委員会の3つの委員会が設置されまして、新たな事業の企画、実施について、事務局、それから市と一体となって取り組んでおられるところでございます。この中で、吉村議員にもいろいろと活躍されておるということでございます。
この中で、ホームページの刷新、フェイスブックの活用、いろんな御提案がございまして、こういったこと、そのほかに民間活力を生かした情報誌を発行したり、JR周辺のイベントマップ、それからスイーツによるまちめぐりの企画、あまものでまちを歩きましょうという企画ですけれども、こういったことが成果としてあらわれてきているかなと考えております。また、空の駅、空カフェの運営、こういったこともしっかりやってきているというところです。
新幹線の金沢開業はもちろん、交流拡大に向けて市のビジョン、政策と連携しながら取り組みを進めてきたところではないかなというふうに認識しております。
ネットワークは事業体でありますとともに、会員のプラットホームとして会員相互で魅力ある商品づくりや情報発信、そしてより主体的な活動が展開されていきますよう、また経済的効果にも結びついていくような形で市としては引き続き事務局の役割をしっかり担っていきたいと考えているところであります。
特に今年度は来年の北陸新幹線金沢開業、全国植樹祭の開催に向けまして、市民総がかりで魅力発信やおもてなし向上に取り組んでおります重要な時期でありまして、産業観光をテーマとした事業や「空の駅こまつ」を拠点とした観光物産の情報発信、今後の事業展開等について、会員のサポートのほか会員の皆様との連携による企画検討を行ってまいりたいということを考えております。
新しい事務局の職員もしっかり頑張ってまいりたいと思っておりますので、引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
73 ◯議長(宮西健吉君) 吉村範明君。
〔6番 吉村範明君登壇〕
74 ◯6番(吉村範明君) 少しだけお時間をいただければと思います。
今回、観光物産ネットワークの会長であります竹村副市長がおられるのにもかかわらず答弁いただけなかったのは本当に残念と思いますけれども、今度、ネットワークの総会がありますので、そのとききっちりとお話をさせていただければというふうに思いますし、私たちの思いもぜひとも酌んでいただければというふうに思います。
再質問ですが、加賀地域連携推進部長にお伺いさせていただきたいと思います。
今御答弁いただきまして、実に丁寧な御答弁をいただきましたが、先ほどいろいろと聞いていますとマップであったりルートであったりチラシであったりということがたくさん聞かれました。皆様もそうでしょうが、例えばその地域に行っていろんな説明を受けます。その中に多くのマップや案内チラシがありますが、皆さん全て読んでますか。見ていますか。
ですから私が思うには、もう少しその現業者たるプロの皆さんの御意見を賜りながらいろんな方向づけをしながら、例えば今ほど言われていました金沢駅でもそうです。金沢駅に今、市長が熱を入れられておりますこっちのゆるキャラでありますカブッキー、あれをぜひとも開業当時から金沢に常駐していただいて小松に来ていただくようなプロモーションをしていただければ目につくだろうし興味も出ると思います。全国ニュースになるぐらいカブッキーが金沢駅で小松へどうぞというもてなしをすれば、それだけ興味を持って来ていただけるんではないでしょうか。
本当にこれから、私が思うにいろんなアイデアを行政だけでなく民間の活力も取り入れながら、そして意見を集約しながらやっていただければと思いますし、こまつ観光物産ネットワークがせっかくできたわけですから大いにこの加賀地域連携推進会議もぜひともお使いをいただければと、活用していただければと思いますが、この辺について御所見をお聞かせいただければと思います。
75 ◯議長(宮西健吉君) 加賀地域広域連携担当部長、高田哲正君。
〔加賀地域広域連携担当部長 高田哲正君
登壇〕
76 ◯加賀地域広域連携担当部長(高田哲正君) それでは、ただいまの質問につきまして答弁させていただきます。
まず、マップ、チラシにプロの意見をということでございます。
おっしゃる点、重々わかっておりまして、通り一遍のマップ、チラシだとおもしろくないだろうと。特に各地域にあるものをばらばらとただ載っているものでは、テーマ性も、それからストーリー性も薄いと。加賀地域が連携して一緒にやろうというのは、例えば松尾芭蕉にしても、それから源平ロマンにしても、それぞれの地域のものを点と点でつないで、そこをこう歩いてこう行ったと。あそこ行った後ここ行ったらこんなものがありますよといったストーリーでつないで、そこを行ってみれば追体験していただくようなそういったことでまた新たな価値も生まれるんではないかと。
そういったところに焦点を当てまして、温泉もしかりです。そういったものをまずは資源というものをつないで、新しい価値を増幅していくと。そこをしっかりプロ、それからしっかり知識がある方の御意見も伺いながらつくり込んで、それを媒体として、ハードとして実際にマップにするとかチラシにするとか、それからホームページに張るとか、こういった活用をしていきたいと考えておりますので、御意見については拝聴していきたいと考えております。
また、金沢駅の観光案内所にカブッキーをということでございますけれども、常駐は難しいかもしれませんけれどもイベントコーナーもあるということですので、今後、カブッキーの出番もあるかなと。また、東京のほうのアンテナショップもございますので、ここのほうにも催事ができるということですので、ここもカブッキーの登場場面があるんじゃないかなというふうに考えております。
また、連携会議のほうをネットワークもしっかりということでございますけれども、小松市の観光物産ネットワークはほかにもございますけれども、加賀市が先行しておりましたが比較的早い段階にいろんな関係の皆様と幅広く連携する組織ができたものと考えております。加賀地域の推進会議につきましても行政だけではなくて、当然、経済産業界、それからJAさん、農林水産関係、あと観光関係と、これもまた連携した幅広い構成員となっております。
そういった中で、観光物産ネットワークに期待する役割というのは非常に大きいと考えておりますので、ぜひとも観光物産ネットワークのほうでまた加賀地域、皆さんと連携していくようなそういった横のつながりもやっていっていただければ非常にありがたいなというふうに考えております。
以上でございます。