金沢市議会 2024-06-20
06月20日-03号
令和 6年 6月 定例月議会 令和6年6月20日(木曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 喜多浩一 副議長 上田雅大 1番 道上周太 2番 宇夛裕基 3番 柿本章博 4番 坂 秀明 5番 山本ひかる 6番 黒口啓一郎 7番 川島美和 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 17番 中川俊一 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 20番 高 誠 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 新谷博範 25番 広田美代 26番 熊野盛夫 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 玉野 道 30番 森尾嘉昭 31番 粟森 慨 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 山田啓之 副市長 新保博之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 津田 宏 経済局長 上寺武志 農林水産局長 紙谷 勉 市民局長 山下慎一 福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 安宅英一 環境局長 越山 充
都市整備局長 高木陽一 土木局長 木谷 哲 危機管理監 山崎利之 会計管理者 石田真紀子 教育次長 堀場喜一郎 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 前田和紀 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 太村正幸 主査 浅永晃司 主査 小西孝博 主査 辻 卓也 書記 奥井 駿 総務課長補佐 千田朋子 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第3号) 令和6年6月20日(木)午前10時開議 日程第1 議案第1号令和6年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号市道の路線廃止について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第3号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○
喜多浩一議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○
喜多浩一議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○
喜多浩一議長 これより、日程第1議案第1号令和6年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号市道の路線廃止について、以上の議案20件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○
喜多浩一議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 18番小間井大祐議員。 〔18番小間井大
祐議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆小間井大祐議員 おはようございます。
自由民主党金沢市議員会の一員として都心軸の再興及び消防隊員の健康被害の回避について質問させていただきます。 金沢市
都市再生緊急整備地域準備協議会が5月20日に開催されました。本市では、新たな都市像の下、
未来共創計画において、特措法の活用や
日本銀行金沢支店跡地の利活用に取り組むことで骨格となる都心軸の再興を目指すと明記されています。再興、再び興すという言葉を辞書で引くと、衰えたものが再び勢いを取り戻すとあります。金沢の都心軸において、衰えた、失われたものは何であり、どんな状態となることが何をもって再興と考えるか、再興という言葉を選んだ意図も含めてお伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 かつて都心軸の中心をなす香林坊、片町、武蔵地区では、老若男女が買物や食事を楽しむ空間としてにぎわいを見せておりました。郊外部に住む人からは、まちと呼ばれるなど、一種の憧れを持って見られていたと承知しています。時代の変化とともに大型商業施設の周辺地域への進出、また、
電子商取引--eコマースの拡大などによって人々の価値観や行動様式も変化し、加えて、北陸新幹線の金沢開業によってにぎわいの拠点が一部金沢駅周辺に移ってきております。こうしたことから、香林坊、片町、武蔵地区につきましては、次第に求心力を失いつつあると分析しております。このため、様々な機能が集積し、都市の発展を支える背骨となる魅力と活力あふれるエリアとして、かつてのように都心の求心力が高められるように再構築していきたいと考えまして、あえて再興と表現いたしました。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員
都市再生特別地区適用の開発における
先進自治体事例として資料には松山市が紹介されていました。松山市の総合計画を最上位計画として、それに続き
都市計画マスタープラン、
中心地区市街地総合再生計画に沿って再整備がされています。本市では、
未来共創計画を最上位計画として、以下、様々な計画に沿ってまちづくりがされていきます。
都市計画マスタープラン、
集約都市形成計画、
中心市街地活性化基本計画、景観計画、木の
文化都市推進計画、さらには交通戦略であります。本市では何重ものまちづくりの網があることで、現在の洗練された都市が形成されてきたと考えます。当制度の活用を表明した際には、景観上の高さ制限が非常に注目され、自由度の高い計画を可能とするものですけれども、どこまで既存の
まちづくり計画を通じてアクセルとブレーキ両方を効かせながら開発と保全のまちづくりを実現していくのか、当制度が生み出すものは何なのか、改めてお伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都市再生特別地区につきましては、
緊急整備地域の指定を受けた後に、その地域内の一部に民間から特別地区の提案を受けまして、県による
都市計画決定がなされた場合に既存の規制にとらわれず、自由度の高い事業が可能となるものであります。一方で、その提案には
地域整備方針に沿うことが求められております。現在、準備協議会において、
地域整備方針について議論し、素案を取りまとめ、年度内に内閣府に提出したいと考えております。素案の取りまとめに当たりましては、保全と開発の調和など、これまでのまちづくりの方向性や上位計画との整合性を図るとともに、時代の要請に合わせた議論も必要になると考えております。準備協議会での議論も踏まえ、都心軸の再興につなげてまいります。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 当制度は民間事業者が各自開発プランを作成して自治体に申請するという流れであります。公共か民かでいうと、民間に比重を置いて、収益性が生まれなければ開発できない部分を法制上、そして予算、金融、税制上で支援するというものであります。ぜひ、制度の整備を進めていただきたいと私も考えています。 その上で最も重要な課題は、民間の開発プランに本市がどこまで参画していけるかであります。金沢駅兼六園口は歴史の集積がある旧市街地であって、公共のハンドリング、また、コントロールが必要だと考えます。それらは、本市のまちづくりの方向性や意思を反映する、先ほど市長がおっしゃっていた
地域整備方針に反映されるものと理解しております。ただし、対象エリアは都心軸といっても、金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町までと、それぞれのエリアが違うし役割も違うと思います。さらに
旧都ホテル跡地であれば、ただの駅前開発ではなくて金沢のエントランスの在り方をどう考えるかという非常に重要なテーマがあると思います。例えば、おもてなしを体感してもらうために金沢らしさや優雅さ、贅沢さをどう表現するかなど、都市の目指す方向性を反映してもらう必要があります。本市が参画する分、それなりの支援や協力が必要だと思います。そこで、今後、
地域整備方針がまとめられますけれども、個の開発を尊重しながらも民間の各開発プランにそれぞれの場所における金沢のまちとして担ってほしい役割や意味合いを反映してもらうよう、事業ごとの行政の関わり方やコントロールが必要と考えますけれども、本協議会ではどこまで想定しているのか、伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 先般開催いたしました第1回の準備協議会におきましては、都心軸の地域ごとに特徴があり、それに沿ったコンセプトが示される必要があるということも御意見をいただきました。準備協議会では、都心軸の目指すべき方向性となる整備目標や増進すべき都市機能などを盛り込んだ
地域整備方針の素案を取りまとめることとしておりますが、その中では、エリア全体の特性とともに、地域ごとの特徴も踏まえながら開発の考え方、あるいは求められる機能なども盛り込んでまいりたいと思います。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 民間の開発が主になるので、なかなか行政の関わりは非常に難しいことも理解できます。ただ、これまでの規制を緩和する一方、守ってもらいたいものがあるという行政の思いをどこまで理解してもらうのか。そして、金沢のためにと思って市長が掲げる、共創してくれる事業者のために行政として何ができるのか。それらの役割を協議会ではぜひ話し合ってほしいと要望しておきたいと思います。 その重要な
地域整備方針を作成する準備協議会ですけれども、今回、金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、片町までの都心軸がエリア指定されています。その指定されたエリアにおける大きな構成要素にもかかわらず、なぜその準備協議会のメンバーに中心市街地の商店街や関連団体が入っていないのか。軽視されているんじゃないかと関係者は心配もしていますけれども、その背景を伺いたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都市再生緊急整備地域への指定ですけれども、これは国の制度に基づいた指定でございます。準備協議会のメンバーについては、国の基本方針がございます。これに基づいて先行都市の委員構成も参考に構成したものであります。経済団体や学識経験者、国・県、金融機関など、産学官金からの委員のほか、本市のまちづくりに重要な役割を担ってきた
都市計画審議会や景観審議会の委員、そして、地域団体や若い世代の代表にも加わっていただいたところでもあります。こうした中には、商工会議所や経済同友会といった経済団体からも委員として参画いただいております。中心市街地における商業・経済面からの御意見をお聞きしてまいりますほか、今後、適切な時期を捉えて、沿線の商店街や町会連合会の皆様からも御意見をいただく機会を設けたいと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 国の基本方針ということでメンバーを選定したということでありました。一応確認ですけれども、具体的な案件がある、駅ありきで議論しているんじゃないかなという懸念もあります。再度、エリアの確認ですけれども、資料の
エリア素案どおり、犀川大橋までの片町ということでよろしいでしょうか。
○
喜多浩一議長 村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 本年2月、国から金沢駅から片町に至る
都心軸エリアを
都市再生緊急整備地域の候補地として設定されております。指定を目指すエリアは金沢駅から武蔵ヶ辻、南町、香林坊、犀川大橋までの片町に至る都心軸でございます。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 市長も商店街などの都心軸に関わる人の意見も聞いていくというお話もいただきました。ぜひよろしくお願いいたします。 資料では、背景となる社会情勢や都市の現状、課題、特徴と、分かりやすく整理されていたと思います。一方、これから集約、整理すべきものとしては現場の声だと考えます。現場の声を積み上げた先に再興の姿が見えてくるんじゃないかなというふうに思います。市長が目指す未来への共創、私たち市民の都心軸であります。私たち市民が希望と誇りをもって再興していくためにもそれぞれの声の集約は重要な作業だというふうに思います。議会もその役割の一つです。今年度から次年度にかけて各種団体や市民に対してヒアリングをしたり、
ワークショップ等を開催したり、または効果的な
パブリックコメントなんかも実施するなど、具体的な施策や計画があればお伺いしたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
地域整備方針の素案につきましては、準備協議会をはじめ、本会議や常任委員会、そして特別委員会も設置いただきました。こちらでの議論なども踏まえ、取りまとめたいと考えております。あわせて、都心軸に求める機能や
にぎわい創出に向けた機能などにつきまして、来月上旬にも市民に向けたアンケートを実施したいと考えています。
パブリックコメントについてでございますが、
都市再生緊急整備地域の指定が国においてなされるというものであることから、本市から申請する
地域整備方針の素案について、国が
パブリックコメントを実施することとなっております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 ありがとうございます。大切なことは、市民含め、都心軸に関わる様々な立場の方の意見を聞くことにほかならないと思いますので、
ディベロッパーと行政のみの話合いに終始してしまわないようにぜひお願いしたいと思います。 そして、様々な関係者を巻き込んでその声を反映し、共創する、実現していく主体が行政、金沢市だとすると、都心軸の再興における本市の一番の役割は本市が目指す方向性やビジョンを示すことではないでしょうか、見解を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 準備協議会における議論はもちろんでありますが、議会での議論や
市民アンケートなども踏まえて都心軸の目指すべき方向性となる
地域整備方針の素案を取りまとめてまいります。私、香川に勤務しておりました。香川県高松市には丸亀町商店街という商店街があります。
ディベロッパーによる開発の失敗事例などを勉強しながら、この丸亀町商店街はどう動いていくべきかということを中で議論して動いてこられたという実績もございました。そういったことも勉強しながら、民間による開発機運についてはさらに醸成していき、また、面的な整備を促進すること、それが行政の一つの大きな役割だと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 私も丸亀町商店街、視察させていただいたことがあります。 繰り返しになりますけれども、やっぱり整備の目標、目指すべき方向性、あるべき姿が重要だということであります。再興という言葉の類義語として、別の言葉で言い換えると復興という言葉が出てきます。これまでとは前提が大きく変わってきて、本市の都心軸の再興においてもこれまでの既存の延長線上じゃない、創造的復興ならぬ創造的再興という視点も非常に重要だと思います。本市の都市像は世界の共創文化都市です。特措法については国内の事例の研究でよいと思いますが、骨格となる都心軸の再興については、世界の都市の
まちづくり事例も参考にしながら、既存の考え方にとらわれ過ぎず、創造的な再興に取り組んでいただきたいと思いますけれども、市長の思いをお聞かせください。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 都心軸の再興に向けましては、
都市再生特別措置法の活用による民間の開発機運の醸成だけではなく、官民連携による
都心軸エリア全体の価値の向上、また、
日本銀行金沢支店跡地の利活用についても
未来共創計画に掲げております。一方で、自らの歴史や文化などの個性を大切にしながらも、時代の要請に応えて新たな創造を加えていく都市が世界から選ばれる都市であると認識しています。保全と開発の調和を際立たせた魅力あふれる中心市街地となるようにこれらの取組を進めてまいりたいと思います。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 都心軸の武蔵ヶ辻から片町に至る国道157号は災害時等における緊急車両の通行を確保すべき
緊急輸送道路として位置づけられています。しかしながら、旧耐震基準の建物が約半数を占めていることが大きな課題となっています。骨格となる都心軸の再興における
重要業績評価指標--KPIの中にも
老朽ビル更新率向上が掲げられていますけれども、10年後の令和15年最終目標で現在から9%増の38%にとどまっています。本市としても大きな地震を経験しました。さらに早急な対応が求められると思いますけれども、市長の危機感をお伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 能登半島地震の発生を機会として、災害対応力の強化と公共インフラの強靭化など、安全・安心な都市の構築が市民生活に極めて重要と強く改めて認識したところでもあります。金沢駅から片町に至る都心軸におきましては、昭和56年以前の旧耐震基準の建築物が半数を占めております。さらに武蔵ヶ辻から片町に至る国道157号線は災害時における
緊急輸送道路として位置づけられている。そうしたことから、老朽化したビルの更新というのは急務であると認識しております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 老朽ビルの更新はビル所有者だけでは簡単に解決できない問題であります。昨今、ビル解体費も高騰しています。新築の建築費用も高騰しています。解体から新築まで、家賃収入もなくなるわけです。本年度予算で老朽ビルの現場調査費を計上していますが、どのように調査を進められて、そして、その結果を受けて、市としてどのような施策、支援を検討するのか、更新率向上のための今後の方針を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 旧耐震基準の建物、建築物の多くが片町地区に存在しております。防災面、都市景観、まちづくりなどの観点から喫緊の課題となっております。まずは今年度は建物の規模、構造、そして権利関係などの現況調査を実施することとしております。権利者の意向とともに、
都市再生緊急整備地域の指定に向けた取組状況を踏まえながら、どういった支援があれば老朽化ビルの更新につながるのかということについて研究してまいりたいと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 全国では国土交通省の
まちづくりファンド支援事業が老朽ビル対策の新たな手法事例として取り上げられ始めました。ビル所有者も今のままでは多分決断できないと思うのです。長期的な課題になりますので、様々な知恵を寄せ合って更新率向上に向けた土台となる1年となるようにぜひよろしくお願いいたします。 何といってもビルの建て直しや再開発には莫大な費用がかかるため、現実は特措法の整備が進んだとしても簡単には更新は進まないと考えます。一方で、直下型の地震がいつ起こるかも分からない中で、一日も早い対応策を講じていきたいという思いがあります。そこで、対応策としての防災機能の強化であります。防災機能を
にぎわい創出の機能としてプラスに転じることも考えられます。それらは事業者としても大きな価値になると思います。そして、全て特措法適用など、国の制度でなければできないということはありません。老朽化が進む都心軸のビルや商店街に対してにぎわいも生む防災機能の強化に対するハード整備について、補助率の加算や補助金の底上げなどの支援を市街地再生の視点、さらには商業振興の視点、両方からぜひ検討してほしいと思います。小さくても始められるようにニーズ調査等も併せてお願いしたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都市再生緊急整備地域への指定の検討は、能登半島地震の発生よりも前から検討したものではありますけれども、今回の地震の発生を受けて、さらに危機感を高めたところでもあります。都心軸沿線の老朽化した建築物の再整備はそうしたことから重要な課題であると再認識した次第でありますが、民間の開発機運を醸成していくためには早期に
都市再生緊急整備地域の指定を目指すべきとまずは考えております。都心軸沿線における防災機能の強化、これは
にぎわい創出や安全・安心の観点からも大切と考えております。
都市再生緊急整備地域の指定に向けた取組状況を踏まえて、先行都市の事例も参考としながら、市街地再生、あるいは商業振興、この両面において、市としての支援、どのようなことができるかということを指定に併せて研究していきたいと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 これは思い切った支援が必要となるため、市長、トップの指示がないとなかなか動かないのが現状だと思います。ぜひ市長の肝煎りの対策にしていただきたいということをお願いしたいと思います。 都心軸のにぎわいの再興のために、来やすさ、歩きやすさ、またはたまりやすさ等を実現する環境、ハード整備が必要になります。それは後回しになっている都市の防災機能を備えて安全性を確保するということでもあります。都心軸は商業用地が集積しておりますので、総面積における公共空地がたった1%と非常に少ないのが課題です。
本市まちづくりの歴史や特徴に沿い、にぎわいを生み、さらに災害にも強い都心軸を目指すため、例えば広見の再興が考えられます。まちなかには城下町当時の面影を残す古いまち並みや大小様々な約400か所の広見が数多く残されています。にぎわいを生む
コミュニケーションスペースとしてのたまり空間や安全な歩行空間と防災機能の確保、さらには都市の空白も担う広見の設置は金沢らしい本市独自の目指すべき方向性に沿った都市機能や基準の一つになり得るんじゃないかなと考えます。提案として、
地域整備方針にもぜひ参考にしていただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都心軸エリアの全体の価値の向上に向けて、来街者が滞在し、居心地がよく、歩きたくなるようなまちなかを形成することが大切と考えます。また、
都心軸エリアの課題の一つに公共空地が少ないということも挙げられます。かつての広見と、今時代が変わって、どのような役割が求められるかということは変わってきたかもしれませんけれども、一つの歴史的な資産だというように考えております。こうした公共空地をつくるということ、都市防災の観点からも、あるいはコミュニティー空間的な機能として必要だとも考えております。建築物の再整備等に併せてオープンスペースや緑地などの設置促進について、
地域整備方針の素案に反映できればと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 まちなかにしか見いだせない価値があると思います。歩いていると気持ちが高まったり、まちなかの至るところに、例えば広見のようなスペースがあって、ゆっくりくつろいだり、イベントに参加し、非日常を味わうことであります。市としてぜひ先人の知恵を令和の時代にも生かしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 昨年末、12月定例月議会で私は、最も観光客や市民が集中する都心軸や観光エリアを含む城下町周辺での災害を想定した避難計画やマニュアル、防災組織を本市が持ち合わせていないことを指摘しました。早急な危機管理体制の整備をそのとき提案させていただきましたが、令和7年度に県から示される地震被害想定見直しの結果を待つというものでありました。その後、元日の地震がありました。商店街や商業施設の運営者の声を改めて聞きに回りましたけれども、ぜひ一緒に協力して備えたいという声を多くいただきました。それは市民はもとより観光や買物に訪れた人たちや従業員の安全・安心を確保する使命があるからであります。元日の能登半島地震を経験して、今も大きな余震が続いています。今後の災害への対策は本市としても喫緊の優先課題であります。中心市街地における危機管理体制の構築に関し、そのスピード感を見直す必要はありませんか。お伺いいたします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の地震については、元日の発生という特異日だったということもありまして、観光客や市民が集中する中心市街地、特に金沢駅周辺では、多くの方がホテルなどに一時避難したほか、市役所の第二本庁舎にも、外国人を含む多くの方が避難し、中には一晩を過ごした方もいたと把握しております。そういう点から、大規模災害発生時には、中心市街地における帰宅困難者への対応といったことも大きな課題と認識しています。能登半島地震課題検証会議、現在開催していますが、この中での議論を深めて、地域防災計画などの見直しに反映していきたいと思っております。災害時には商店街の方々にも協力をいただかなければならないと思っています。官民連携の体制について再検討することとしております。商業施設や商店街の方々の御意見もお聞きしながら、なるべく早く進めていきたいと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 帰宅困難者の被害想定見直しをぜひ県のほうにも早めていきませんかということを、ぜひ要望なり、意思は伝えていただきたいと思います。ぜひ、それはお願いしたいと思います。 最後に、本市都心軸の出入口でもある犀川大橋が本年で100年を迎えます。浅野川大橋は2022年に100年の記念イベントを実施しました。犀川大橋100年を祝し、7月7日18時半から歩行者天国とする犀川大橋百寿祭が計画されています。また、国・県・市が協力し合い、整備を進めているかわ
まちづくり計画が少しずつ前進しています。河川敷の歩道と階段の拡張、そういうハード整備が進んでいます。本年度はベンチも整備されると伺っております。本市はこれまで犀川の河川敷の利活用をソフト面で実験的に実施するサイガワリバーアクトを運営してきました。そこで、本年、犀川大橋が100年を迎える記念すべき年において、サイガワリバーアクトの計画や犀川大橋や桜橋周辺のさらなる利活用について伺います。あわせて、最後に、浅野川、犀川は百寿祭、終了しますけれども、2つの川を本市都心軸の再興やまちづくりにどう生かしていくのかも併せて伺いたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 犀川大橋は、野町広小路側から下ってくると、いよいよまちなかに入ってきたなというような期待感が湧くようなとてもすばらしい存在だというように認識しています。犀川大橋、今年100周年を迎えるということで、犀川大橋百寿祭が開催されますが、この百寿祭と連携して来月実施するサイガワリバーサイドアクトでは、河川敷を活用して子どもが自然に親しめるワークショップ、また、ヨガ教室のほか、桜並木のライトアップやキッチンカーなどによるマルシェを開催する予定としております。犀川と浅野川、この2つの川は歴史と文化を育み、生活に潤いをもたらす市民の貴重な財産と捉えております。サイガワリバーサイトアクトなどの官民連携による取組を通して、犀川の利活用を促進するとともに、回遊性の向上を図ることで、その効果を中心市街地や周辺地域にも波及させて新しい魅力とにぎわいの創出につなげていきたいと考えております。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 かわ
まちづくり計画が一つ一つ進んで整備されていくと、サイガワリバーサイドアクト、市がずっと実験してきたことが、イベントではなく本当に日常になるような光景が犀川の河川敷で行われればなというのは金沢市民の強い思いだと思いますし、観光客にとってもすごい魅力のある河川敷ができると思います。国・県・市の連携ですごく難しいと思うのですけれども、ぜひ力を合わせていきたいと思います。国の特措法から本市の独自の支援策も含めて様々な手法を掛け合わせて、皆で都心軸の再興に向けて邁進していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、発がん性物質による消防隊員の健康被害の回避について質問させていただきます。 科学的な立場でがんの原因究明、予防研究の企画・推進を担っているWHO--世界保健機関のがんに特化した専門機関であるIARC--国際がん研究機関は、消防士のがんの発生率が一般人口と比較して統計的にも高く、特色として、精巣がん、中皮腫、リンパ腫のリスクが最も高いこと、そして、これらのがんによる死亡リスクも高いことを発表しました。さらには、WHOは2022年7月、消防士を発がん性のあるハイリスク職業と位置づけもしました。その主な原因としては、火災現場では、可燃物の燃焼反応によってすすなどの発がん性の物質が発生する。そして、実際の火災現場で使用された防火衣には、それら発がん性の物質が付着していることが分かっています。既に対策を講じている海外の消防本部では、火災現場から持ち帰った防火衣をクリーニング業者とか、防火衣専用の洗濯機を活用して洗浄することで消防隊員の健康被害リスクの低減に努めているということでした。一方、国内の現状対策はブラシで防火衣をこすっての手洗いが主流になっているということでありました。金沢市消防局における発がん性物質による消防隊員の長期的な健康被害に対する認識と火災現場で活動した後の防火衣洗浄に関する現状をお伺いします。
○
喜多浩一議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長 火災現場において発生した化学物質や有害物質が防火衣などに付着することにより消防隊員の健康を害するおそれがあることは認識しており、職員間でも共有しているところでございます。現場活動後の防火衣の洗浄については、総務省消防庁のガイドラインに従い、ブラシ等で洗い流すほか、中性洗剤を用いて洗濯するなど、適正な管理に努めているところでございます。また、汚損や破損が著しい場合は、新品との取替え交換も行っているところでございます。 以上です。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 東京消防庁では、火災現場で使用された防火衣に付着した発がん性物質の状況を調査して、すすを含めて発がん性物質が付着していることを確認しています。その中で、どう洗浄したら一番発がん性物質が取れるかということも研究していて、やはり専用の洗濯機でなくても通常の家庭の洗濯機でお湯を使って洗浄することが最もそれが落ちるということも東京消防庁の中で研究されているということでした。先日、総務省消防庁にも国としての認識や対応を確認しました。災害現場において化学物質、または可燃性の有害物質の付着によって二次汚染による消防隊員の健康面への悪影響を危惧している。さらに、防火服の表面の汚れは耐炎性や熱防護性を低下させることから、全国の消防本部に対しては、活動後、汚れを認められる場合は速やかに洗濯などによって汚れを取り除くことが必要だということは助言しているということでありました。神奈川県の綾瀬市消防局は、防火衣専用の洗濯機と乾燥機を導入していると伺いましたので、先日、電話でいろいろお話をお伺いしました。ブラシでの手洗いは損傷が激しいのと、有害物質が付着した防火衣を手洗いするということはなるべく避けたいということで、専用の洗濯機を導入しているということでありました。さらに、常備の消防隊員はもちろんですけれども、火災現場で活動した消防分団員の防火衣もその場で回収して、一緒に洗濯して、またそれを戻しているというお話もお伺いしました。火災現場で発生する長期的な健康被害のリスクを高める発がん性物質について、今できることから最善の対策を施したほうがよいんじゃないかなというふうに考えます。本部消防隊員及び火災現場で活動した消防分団員の防火衣の洗浄について、今後の対策をお伺いしたいと思います。
○
喜多浩一議長 蔵消防局長。
◎蔵義広消防局長 防火衣の洗浄につきましては、現在の取組を継続するほか、国のガイドラインが示されれば、防火衣専用の洗濯機・乾燥機の整備についても積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。また、消防分団につきましては、基本的には火災現場で屋内進入をして活動を行うことはありませんが、防火衣などに汚れが見られた場合は必要に応じて洗浄するなどの周知を図ってまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○
喜多浩一議長 小間井大祐議員。
◆小間井大祐議員 今後は国際的な規格がさらに厳しくなって、防火衣をしっかりと洗浄するようにというものが国のガイドラインにも示されていくというお話でしたので、ぜひ、本市は消防というところには力を入れている市でありますので、早め早めに最善の先進的な対応をしていただきたいということをお願いしたいと思います。防火衣がすすで汚れていることがちょっと火消しの勲章という一面もあったと思いますし、実際に私もピカピカの新しい防火衣を着ていると、少し恥ずかしい気もしたこともありました。ただ、消防分団員については、健康被害を害するほど、近い現場での活動とか、出動回数はないかもしれないですけれども、自分たちもそういう認識を改めて、意識啓発をしていくことが大切かなというふうに思いますので、そういったところでもお力添えいただきたいというふうに思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○
喜多浩一議長 以上で18番小間井大祐議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 12番坂本順子議員。 〔12番坂本順子議員登壇〕(拍手)
◆坂本順子議員 みらい金沢の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 質問の1点目は、教育についてです。 教職員の働き方について、幾つかお伺いします。中央教育審議会質の高い教師の確保特別部会は、5月13日、教職員を取り巻く環境整備に関する審議のまとめとして、令和の日本型学校教育を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策についてを公表し、盛山正仁文部科学大臣に手渡しました。その審議のまとめでは、学校教育の質の向上に向け、学校における働き方改革のさらなる加速化、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的・総合的に推進する必要があるとされておりますが、教育長はこの提言をどのように評価していますか、見解をお伺いします。 次に、ネットワーク環境についてです。石川県の令和7年度採用の公立学校教員の募集が5月31日に締め切られ、先日、倍率が公表されました。採用見込み数315人に対して前年度比54人減の939人が志願し、倍率は3.0倍となり、昭和51年度以降最低となりました。今年度も市内の小中学校の教職員が不足しています。この状況を早急に改善するには、中央教育審議会の審議のまとめには、働き方が着実に改善されているという姿をこれから教師を目指す人材に対してしっかりと見せていくことも必要であると書いてあります。現場の教職員がよくなった、変わったという生の声が教職の魅力を伝えるには一番有効ではないでしょうか。そのためには早急な職場環境の改善が必要です。令和5年度の市内の小中学校の教職員の時間外勤務時間は、小学校で月平均35時間6分、対前年比で1時間30分減少、中学校で月平均44時間40分、対前年比で3時間15分減少しました。それを1日平均に換算すると、小学校で1日4分ほど、中学校では8分ほどの減少にすぎません。時間外勤務時間を減少させることができる有効策として、令和4年1月から教職員の統合型校務支援システムが導入されました。しかし、学校現場からは校務用ネットワーク速度が非常に遅いと聞いています。例えば、エクセルのファイルを開くのに1~2分かかる、あるいは、作業の途中でファイルが消滅・破損するなどのトラブルがあります。また、統合型校務支援システムは一部を除いて職員室限定であるため、校務作業は職員室でしか作業ができません。その校務支援システムの変更要望がなかなか改善されないと聞いています。改善することで作業効率が上がるのではないでしょうか。システムが改善されない理由、ネットワークの遅い原因は何なのでしょうか。また、それらを改善する予定はあるのか、お伺いします。 次に、年間の授業時数についてです。令和5年度の平均授業実施時数は、小学5年生が1,091時間、中学2年生が1,094時間でした。この時間数は令和4年度とほぼ変わらず、標準授業時数1,015時間を大幅に超えています。授業日数は200日ほどなので、年間40週ほどあります。年間40週で80時間弱超えて授業をしていますので、週に1~2時間多く授業をしていることになります。週に1時間でも減らすことで、子どもたちは心身ともに余裕ができ、教職員は授業の準備等の時間ができるので、時間外勤務時間も減少するのではないでしょうか。教育課程の編成権は学校長にあることは承知しています。しかしながら、編成計画だけではなく、授業実施時数が標準時数を大幅に超えることがないように指導することが働き改革にもつながるかと考えますが、教育長の見解をお伺いします。 次に、防災ヘルメットについてお伺いします。令和6年1月1日の能登半島地震では、金沢市は震度5強、令和5年5月5日の奥能登地震では金沢市は震度4でした。2回とも授業日ではなかったので学校で子どもたちに被害はありませんでした。しかし、いつ起こるか分からないのが自然災害です。文部科学省の学校安全調査によりますと、災害に備えて防災ヘルメットや防災頭巾を備蓄している公立学校は、令和4年3月時点で、全国平均は43%、石川県は僅か19%です。学校施設の耐震化は終わっていますが、天井や照明など、落下するおそれがあります。衣服をまとっていない頭を守ることはとても重要です。昨年度、文教消防常任委員会で東京都の不登校特例校に視察に行きました。生徒の椅子の下にはヘルメットが備えつけてありました。金沢市内でもPTAで防災ボックスを準備した学校もあると聞いています。その中には、防災ヘルメットや防災頭巾は入っていません。子どもたちの命を守るために防災ヘルメットまたは防災頭巾の備蓄についての見解をお伺いします。 次に、小中学校の水泳授業についてです。水泳授業は例年6月中旬から夏休みに入るまでの1か月半ほど実施している学校がほとんどです。気温や雨、雷雨により中止になることもあります。また、プールが屋外にあることから、葉やごみの除去作業、水質調査を授業が始まる前にしています。授業では、泳ぎが得意な子、苦手な子、体調が悪く見学の子もいます。クラス全員の子どもたちの安全性を担保しながら水泳授業をしなければなりません。教職員1人でその多様な対応をするのはとても大変です。水泳の指導ができる支援員をつけて授業している学校も数校あると聞いています。安全面を考えて、市が学校での水泳授業時の監視員を配置すべきではないでしょうか。お伺いします。 また、プールの耐用年数は30年ですが、市内の小中学校の8割以上が30年を超えています。循環ろ過装置の取替えや修理はしていますが、プール本体の改修はしていないとお聞きしています。先日、幾つかの学校プールを見てきましたが、水泳授業がない時期のプールの水は緑色をしていて、上からのぞいただけでは底まで見えない現状です。プール本体の状況は分かりませんでした。令和6年能登半島地震によるプールの被害はなかったのでしょうか。お伺いいたします。 この質問の最後は、自転車通学についてです。5月23日、加賀市において、自転車で通学途中の男子中学生が車にはねられ死亡するという悲しい事故がありました。金沢市内では、校区が広範囲にわたり、徒歩通学だと時間が非常にかかるので自転車通学を許可している中学校は10校あります。令和5年度の調査では、自転車通学者数は1,198人で、10校の生徒のうちの11%が自転車で通学しています。ちなみに私の校区の兼六中学校では、今年度の生徒数854人中400人を超える生徒が自転車通学者です。各学校でも安全指導や通学指導をしていますが、令和6年能登半島地震に伴う道路被害による自転車通学路への影響はなかったのでしょうか。お伺いします。 また、雨の日や冬期は自転車での通学はできません。遠距離通学に係る補助制度もあり、地域の保護者団体が冬期にバスを運行しているところ、または学校から5キロメートル以上や5キロメートル未満でも徒歩通学危険区域がある地域、公共交通がない地域から通う生徒には補助があります。補助制度がないのは5キロメートル未満で、公共交通がある地域の生徒です。同じ自転車通学をしている5キロメートル未満の生徒にも補助制度を適用すべきではないですか、見解をお伺いします。 質問の2点目は、子どもの学習総合支援事業についてです。 子どもの学習総合支援事業は、独り親や生活保護などの生活困窮世帯の福祉の増進を図るため、小学生から高校生の学習支援を無償で実施している事業です。学習支援だけではなく、話し相手や相談相手にもなるので、保護者・子どもとも助かっています。派遣型の学習支援の主な対象となる児童扶養手当の受給世帯は、令和5年度で2,312世帯、そのうち98世帯しか登録していないので、利用率は僅か4.2%です。過去3年間は毎年100名前後の利用でした。活動時間は原則19時までで、保護者が在宅しているという条件となっているので、保護者は17時頃には仕事を終えて帰宅していなければなりません。中学生で部活動をしていると帰宅は18時過ぎになります。家に入られてほしくない家庭もあるかと思います。学習支援を望んでもこの条件に合わなくて申込みを諦める家庭もあるのではないでしょうか。今後、利用世帯を増やすための工夫として、活動条件等を見直す予定がないのか、見解をお伺いします。 次は、松ヶ枝福祉館での拠点型の学習支援についてです。この対象は生活保護世帯と生活困窮世帯で、過去3年間は40人ほどが毎年利用しています。松ヶ枝福祉館は金沢市の中心部にありますが、郊外に住んでいる子にとっては通うのに時間がかかります。郊外にも拠点を置くことで通いやすくなり、利用者が増えるかと思いますが、見解をお伺いします。 また、派遣型の学生ボランティアは100名前後、拠点型の学生ボランティアは50人ほどの登録者です。金沢市の学生の割合にすれば少な過ぎます。関心ある学生はたくさんいるかと思いますが、広報が足りていないのではないでしょうか、所見をお伺いします。 派遣型と拠点型で所管が違っていますが、同じ所管で事業を行えば柔軟な対応が取れ、保護者も子どもたちも利用しやすくなるのではないでしょうか、見解をお伺いします。 質問の3点目は、卯辰山地区についてです。 来月には先祖を供養する新盆が来ます。令和6年能登半島地震により奥卯辰山墓地公園の西側斜面に大規模な土砂崩れが発生したことにより、71基が完全に崩落または埋没、6基が根石・土台など一部崩壊、相当数が一部破損の被害がありました。発災直後からブルーシート等による現場の養生、崩壊した墓石や遺骨の改修、被害のあった使用者への連絡などを進めているとお聞きしています。また、説明会を1回開催したこと、施工業者と復旧方法について検討し、崩落・埋没した墓石や遺骨の回収作業を優先して進め、本格的な復旧工事は本年度から取りかかるとお聞きしています。崩落した原因は何だったのでしょうか、また、その管理責任はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。 分からなくなった遺骨や崩落した跡地にも回収し切れない遺骨があるかと思いますが、それらをどうするのか、また、今後跡地をどうするのかお伺いします。現在の状況、今後のスケジュール、補償についてもお聞かせください。一日も早く御遺族の方が安心できるよう御尽力をお願いいたします。 次は、卯辰山公園の見晴らし台についてです。平成12年度の議会におきまして、卯辰山公園が21世紀市民の森づくり構想の一つとして整備予定をすることが了承され、いしかわ動物園跡地を自然と人との共存を目指した再生を図るため、多額の税金を使って取得しました。見晴らし台という名前のごとく、奥獅子吼山から日本海まで一望でき、夜景も楽しめる場所ですが、上の見晴らし台には時々数人見かける程度であり、見晴らし台より下のほうは急な坂道で木が生い茂っていて暗く、歩いている人はほとんどいません。今は自然と人との共存ではなく、自然とカラスの共存のようになっています。また、駐車場から道路を横切り、見晴らし台に行きますが、ちょうどカーブになっていて見通しが悪く危険です。さらなる整備が必要と考えますが、市長の所見をお伺いします。 最後の質問は、終活支援についてです。 近年、長寿命化、核家族化、単身化など社会構造が変わってきています。独り暮らしの高齢者世帯が増え、親族間の付き合いが希薄化してきています。そのため、孤独死で身元が分からない、または、身元がはっきりしていても引取り手がいない無縁遺体が増えています。あるマスメディアの調査によると、政令市と道府県庁所在地と東京23区の合計74市区のアンケート調査結果では、69の市区で平成30年から令和4年までの5年間に無縁遺体は3割増加しています。金沢市では、65歳以上の人がおよそ12万3,000人、その30%の3万7,000人ほどの人が独り暮らしです。独り暮らしになると社会的に孤立しやすく、ひきこもりになりがちになる方もおいでます。さらに、近くに頼る人がいないと、病気やけが、買物、日常生活、施設の入所などのいわゆる生前サポートから死後は葬儀、お墓、納骨、財産処分、部屋の後片づけまで、不安を抱えながら生活しているという切実な問題が浮かび上がってきています。金沢市でも令和5年度に引取り手のない遺体として市が31件対応しています。引き取る相続人や親族がいない場合、墓地埋葬法など関連法令に基づき、死亡地の自治体が火葬、埋葬を担うことになっています。国が令和6年度から実施している持続可能な権利擁護支援モデル事業は、新たな権利擁護支援構築に向けて、身寄りのない高齢者等の身元保証を代替する支援、日常生活支援、死後の事務支援をする事業です。全国の自治体でもこのような死後の事務までサポートするエンディングサポート、いわゆる終活支援事業の取組が増えてきています。金沢市においても今後必要性が増してくるかと思いますが、この事業を調査、検討し、取り組む考えがないか、市長のお考えをお伺いします。 また、終活登録についてお聞きします。本人が意識障害に陥ったり、死亡した場合に限定開示する制度で、本人の死後、本人が大切にしていることや望んでいることを登録することで死後の尊厳を守ることができ、これからの人生を安心して送ることができます。緊急連絡先やかかりつけ医、お墓の所在地等の終活関連情報を各地域の民生委員を通して周知、広報するとともに、包括支援センターと連携し、登録制度が活用できるかと思いますが、見解をお伺いします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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喜多浩一議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 12番坂本順子議員にお答えいたします。 初めに、私からは、子どもの学習総合支援事業につきまして、派遣型は主に独り親世帯を対象とし、拠点型は主に生活保護世帯を対象としております。それぞれの事業の実施に当たりましては、子どもの学習支援だけではなく、家庭の事情に応じて親の自立促進や相談支援などが必要となる場合があり、より効果的な支援につなげるため、日頃より対象世帯との関わり合いを持っている子育て支援課が派遣型を、生活支援課が拠点型を担当しております。なお、事業の周知や学生向けのボランティア講習会は両課の職員が協力して行っております。今後も連携を密にして取り組んでまいります。 次に、奥辰山墓地公園につきまして、今回の震度5強という強い揺れによって自由4区の盛土の一部で崩落が発生いたしました。今回の崩落は自然災害が原因ではありますが、市が管理運営する市営墓地の貸出し区画が崩落したものでありますから、当然、市に管理責任があります。 身元が判別できた遺骨につきましては、墓地使用者に御確認いただき、お渡しすることとなりますが、判別できない遺骨や回収が困難な遺骨に関しましては、現地付近に慰霊碑を建立し、合葬させていただく予定であります。なお、跡地での墓地区画の再整備は予定しておりません。 土砂が休耕田まで流出いたしました東長江町方面につきましては、2次災害を防ぐための土のうの設置、そして、水路を確保するための応急復旧工事を5月末に完了いたしました。今月23日には、墓石が崩落した71基の墓地使用者に対して第2回目の説明会を実施することとしております。墓石や遺骨の回収状況、墓石の再建立に向けた補償などについてお伝えすることとしております。今後、7月末の国の災害査定の結果を踏まえ、今年度中に本格復旧工事に着手し、慰霊碑の建立も併せて来年度中の完成を目指しております。 卯辰山公園の見晴らし台につきましては、緑豊かな卯辰山公園内における貴重な眺望スポットでありまして、眺望を阻害している樹木があれば剪定を行うなどして、開放感あふれる空間の確保に努めております。訪れる人が安心して園内を回遊できるよう、安全な歩行、交通環境の確保にも配慮しているところであります。私も好きなスポットですのでよく訪れますけれども、御指摘いただいたとおり、道路の向かい側に駐車場がございます。こうした御指摘も踏まえまして、注意喚起のサインの設置など、検討していきたいと考えております。今後とも、SNSの活用などにより、卯辰山公園への関心を高めるほか、案内看板の増設などによって利用環境の向上を図ることで、多くの方に来園いただけるように努めてまいりたいと存じます。 全国の自治体で終活支援事業の取組が行われているということは承知しておりますが、類似の事業を民間事業者でも行っております。行政がどこまで関わるべきかという課題があると認識しております。他都市の状況なども踏まえまして、引き続き研究課題とさせていただきたいと存じます。 私からは以上です。
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喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 教育について何点かお尋ねがございました。私のほうからは、まず初めに、中央教育審議会の提言に対する評価についてお答えいたします。私は、36年間の長きにわたり小学校の教師を務めてまいりました。その教職生活を振り返ったとき、子どもたちの成長に深く関わることができた教職という尊い仕事への喜びと魅力を実感しているところであり、教職への道を選んで心からよかったと思っております。本提言は、教職の魅力を向上させて子どもたちの教育のために優れた教師を確保しようとするものでありますことから、本提言に基づく取組が着実に実行され、教師を目指したいという人材がより多く集まることを強く願っています。 続きまして、年間授業実施時数についての御質問がございました。これまでも年間の授業時数につきましては、校長会議におきまして、国の示した方針に基づき、計画段階から授業時数が1,086時間を上回ることがないように工夫・改善を図るように指導してきております。各学校では、令和5年度の教育課程実施状況を踏まえ、授業時数の配当や運用の工夫の観点から点検を行い、今年度の教育課程を編成しており、学校長は、月ごと、学期ごとに年間指導計画に基づいた教育課程の進捗状況と授業時数の運用状況を確実に把握いたしております。教育課程の弾力的な運用につきましては、学校長の裁量によるものでありますが、年度途中においても見直しや改善を図り、適切な学校運営に努めるよう、これからも指導してまいります。 水泳指導における監視員についても御質問がございました。各学校では、水泳指導を実施する期間に特別な時間割を編成し、管理職を含む複数の職員で責任分担を明確にしながら指導、監視を行うなど、水泳の管理と指導に万全を期しているところでございます。加えて、県の事業を活用して、実技の補助を担う指導者を派遣し、児童・生徒の安全確保と効果的な水泳指導が行われるよう充実を図っており、別途、監視員を置くことまでは考えておりません。 以上でございます。
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喜多浩一議長 堀場教育次長。
◎堀場喜一郎教育次長 初めに、ネットワーク環境について改善する予定があるのかとのお尋ねにお答えいたします。統合型校務支援システムにつきましては、昨年度、各学校に対しまして、その効果に関するアンケートを実施しており、現在、学校からの意見を基にシステム改善に取り組んでいるところでございます。ネットワークが遅い理由につきましては、繁忙期や使用する時間帯によって一度に多くの教職員が統合サーバーへアクセスするため、処理に時間がかかることなどが考えられております。改善を図るためには回線への負荷を減らす必要があり、動画や写真などのデータ量の多いファイルを校内サーバーに保存するなど、ネットワークの運用の工夫について周知しますとともに、校務系パソコンの更新を5年に一度の頻度で行うことで起動速度や処理速度の向上に努めてまいります。 次に、防災ヘルメットや防災頭巾の備蓄についてのお尋ねにお答えいたします。市立小中学校におきましては、市が策定する学校における災害対応基本指針に基づき、危機管理マニュアルを作成し、地震等の自然災害が発生した際の対応について定めております。その中で、地震が起きた際の児童・生徒への安全確保につきましては、机の下に入る、クッション、本などで頭を保護する、ロッカーや棚、ガラス面から離れるなどの行動を示しております。仰せの防災ヘルメットや頭巾につきましては、保護者や防災アドバイザーなどの意見をお聞きしながら、今後、研究してまいりたいと考えております。 次に、地震によるプールの被害についてお答えいたします。市立小中学校のうち、西小学校の学校プールが地震の影響により施設全体が沈下し、使用できない状況でございます。現在、国の補助制度を活用した復旧工事の準備を進めており、国の災害査定を受け次第、工事に着手する予定としております。なお、復旧までの間は民間スポーツクラブなどにおいて代替授業を実施し、水泳の授業時間を確保してまいります。 次に、地震に伴う自転車通学路への影響についてお答えいたします。元日の能登半島地震の発災後、児童・生徒が安心して登下校できるよう、各小中学校長に対して通学路の点検を依頼し、安全性の確認を行った上で3学期の始業式を迎えております。通学路の被害状況によっては迂回路を使用するといった対応を行った学校はあるものの、大きな影響や混乱はなかったと捉えております。 最後に、自転車通学者の補助制度について、通学距離が5キロメートル未満の生徒にも補助制度を適用すべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。本市立中学校では、5キロメートル未満の通学は徒歩を原則としておりますが、一部の中学校では、通学距離にかかわらず、地域の事情や交通状況などを踏まえまして、学校長の判断で特別に自転車通学を認めております。なお、補助制度の適用につきましては、5キロメートル未満の通学であっても路線廃止などにより利用できる公共交通機関がない場合や、積雪などにより通学が難しく、公共交通機関の利用が不便になる冬期間に限定して補助を行っており、さらなる支援は考えておりません。 以上でございます。
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喜多浩一議長 安宅
こども未来局長。
◎安宅英一
こども未来局長 子どもの学習総合支援事業につきましてお尋ねがありました。利用世帯数を増やすための活動条件の見直しについてのお尋ねですが、対象となります家庭までの学生の移動ですが、公共交通機関を利用することもありまして、学生の帰宅時間等を考慮しまして、活動時間を原則19時までとしております。ただし、家庭と学生の双方の都合が合う場合は活動時間を20時まで延長しておりまして、今後も家庭のニーズに合わせまして、柔軟に対応してまいります。 それから、学生ボランティアを増やすための広報についてでございますが、一人でも多くの学生が登録することで生活保護世帯や独り親世帯の学習支援につながりますことから、昨年度より近郊の大学を職員が訪問しまして、学習支援事業の目的や学生の協力につきまして担当者に直接説明しております。引き続きまして、事業の周知に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
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喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 子どもの学習総合支援事業の拠点型につきましてお尋ねがございました。郊外にも拠点を置くことで利用しやすくなるのではないかということでございますけれども、遠方から参加する方につきましては、バス代を支給するなどの便宜を図っております。当面は松ヶ枝福祉館を拠点に実施していきたいというふうに考えております。 続きまして、終活につきまして、終活登録の活用についてのお尋ねでございますけれども、地域の高齢者につきましては、民生委員が高齢者福祉保健台帳のほうに緊急連絡先であったり、かかりつけ医等を記載しておりますほか、独り暮らしの高齢者等を対象にいたしまして、自己の緊急情報を記載し、室内に貼付けできます緊急時あんしんシートを配布するなどの事業を実施しております。また、加えまして、人生の最終段階の医療やケアを前もって周囲の人と共有するアドバンス・ケア・プランニング、いわゆる人生会議の普及啓発にも取り組んでいるところでございます。終活登録の活用につきましては、これらの事業との整合性を考慮しながら研究してまいります。 以上です。
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喜多浩一議長 4番坂秀明議員。 〔4番坂 秀明議員登壇〕(拍手)
◆坂秀明議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点について質問させていただきます。 初めに、カスタマーハラスメントについてお尋ねいたします。 昨年12月に施行された改正旅館法で、ホテルや旅館が悪質な迷惑行為を繰り返す客の宿泊を断るようにできました。宿泊業界では以前から一部の客が従業員に対し威圧的な態度で迫ることや土下座のような方法で謝罪を要求するなど、業務に深刻な支障を来すカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが問題となっており、この改正法の施行により、迷惑行為の歯止めになると期待されております。こうしたカスハラの被害は民間企業にとどまらず、自治体の窓口でも増えております。全日本自治団体労働組合が2020年の10月から12月にかけて、全国の自治体職員ら1万4,000人を対象に行った調査では、過去3年間にカスハラを受けた経験があると答えた方は46%に上り、具体的には暴言や説教が63.7%、長時間のクレームや居座りが59.8%、大声、罵声、脅迫や土下座の強要が52.8%でした。能登半島地震以降、石川県の各自治体において、通常の業務を抱えた状態で震災対応を行っており、仕事量が通常よりも多い状況の中、窓口で相談者から大声で叱責される場面が見受けられました。特に若い職員がトラブルに巻き込まれるケースが多く、今後、何かしらの対策を取らなければ、職員が休職や退職などで不足してしまうことが懸念され、これにより業務が滞れば市民サービスに大きな悪影響を及ぼしかねません。よりよい市民サービスを維持し、提供していただくためにも、職員が働きやすい環境を整えていただきたいと考えますが、まず、本市職員に対するカスハラの実態を教えてください。 金沢市内の民間企業でも、あるタクシー会社では運転手の名札を廃止しました。本市でも、先月中旬から職員の名札の表記を簡素化し、顔写真をなくし、名字のみとされました。早速ですが、名札の簡素化によるよい効果は現れていますでしょうか。教えてください。 総務省は昨年12月に自治体向けの通知で、住民らによる過度な要求や悪質なクレームといったカスハラから職員を守るため、組織的な対応を呼びかけられました。通知では、業務の範囲を明らかに越える要求をされた職員から相談があった場合、管理職が加わるなどして組織的な対応を促しておりますが、カスハラに対して職員を心身の健康被害から守るため、本市が現在行っている取組についてお聞かせください。今後具体的な対策としてカスハラの啓発ポスターや窓口のカウンターに卓上ポップの設置、また、通話を録音すること、加えて、カスハラを受けた職員本人から状況を聞き取り、聞いてもらうことで心のバランスを整える取組など、速やかに体制を整えていただきたいと考えますが、所見をお伺いします。 当初予算には、介護現場においてハラスメント防止研修に加え、カスタマーハラスメントへの法的対応策強化のためのセミナーを実施することが計上されておりますが、市職員向けのカスハラの対処法、法的対応策の研修について、お考えをお聞かせください。あわせて、職員が市民に対して行うハラスメントも懸念されます。公共工事の発注側としての言動や、また、窓口での市民に対しての言動、さらに、職員も一市民ですから、普通のお店に対してパワハラやカスハラを与える場合も考えられます。職員が加害者とならないための研修についてもお聞かせください。 民間では、カスハラを行う者に対しては対応いたしませんと厳格な方針を発表した企業や、厳格な対応を明記したマニュアルを策定した企業が出てきています。ある県では、課長補佐などがカスハラに該当するか否かを判断して、必要に応じて対応を終了したり、退去を命令するなどのカスハラ指針を策定している行政もあります。しかし、相談者の中には、高次脳機能障害の症状の一つで怒りっぽくなってしまう方もおられます。また、失語症などなかなか言葉が出てこない方が、そのイライラを職員にぶつけてしまう場合も予想されます。それぞれの状況を酌み取った相談が受けられるよう、例えば、家族や知人の同伴を求めるなど、障害者の方については十分な配慮をして対応し、相談者・職員双方に配慮したカスハラ対応を行っていただきたいと考えますが、所見をお伺いいたします。 2点目に、心のサポーター養成制度についてお尋ねいたします。 世界精神保健調査では、我が国の精神障害に罹患する生涯有病率が22.9%であり、精神疾患は誰でも罹患し得ることが報告されております。昨年12月、総務省が公表した調査結果では、2022年度に心の不調で1か月以上の病気休暇を取ったか休職した地方公務員は4万3,688人でした。初めて調査対象に加えた21年度よりも5,221人増え、職員全体の311万人に対する割合が1.4%となっております。総務省は長時間労働や人間関係、人手不足など様々な要因が考えられると指摘されておりますが、本市の職員で体調に異変を来すなど、休職されている方の人数と割合、休職の理由などを教えてください。 ストレス社会の中で、誰もが心のバランスを崩しやすく、早い段階で周囲が気づくことが非常に大切です。日本心理療法協会によれば、傾聴することによって、話す側は自分の気持ちに気づく、周囲との信頼関係が築かれる、心にゆとりが持てる、自己肯定感を感じられるとの効果があると言われております。心のサポーターとは、心の不調を抱える人の家族や友人、同僚らのほか、地域の民生委員や企業の労務管理者などを想定し、メンタルヘルスやうつ病など、精神疾患について正しい知識や対応の仕方を学び、心の不調に悩む人の話し相手となる傾聴を中心とし、専門機関への相談を勧めたりする支援者のことです。厚生労働省では、2021年度から心のサポーター養成制度をスタートさせ、2023年度までモデル事業として実施しておりましたが、本年度以降は都道府県等が主体で実施できるようになりました。2033年までに100万人の養成を目標としております。本市では、金沢市職員心の健康づくり計画で相談体制の充実等が図られており、各福祉健康センターでもこころの健康相談を実施しております。また、先月末には、富山・石川両県で教職員のメンタルケア強化のため、心理専門職員を増員し、相談体制を整え、職場復帰を支援すると報道されておりました。これらの相談先や医療機関につなげるためにも、身近な同僚、家族等が気づけるか否か、身近な人が理解し、傾聴できるか否かが大きなポイントとなると考えています。本年度から都道府県等が主体的に進める事業になり、この都道府県等の等には保健所設置市も含まれております。ぜひ本市でもこの養成制度の導入を積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、所見をお伺いします。あわせて、市の関係する教育機関はもちろんのこと、介護福祉事業所、各校下、公民館等にも周知し、この研修について多くの方々が受講し、学んでいただけるよう取り組んでいただきたいと考えますが、所見をお伺いいたします。 先日、国のモデル事業の委託先であった国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの医学博士から、このサポーター養成制度について説明を受ける機会がありました。この方がもう一つ強く勧められていたのは、オンライン相談システムKOKOROBOでした。KOKOROBOは国立精神・神経医療研究センターが研究開発されたシステムであり、無料で利用できます。23項目のストレスセルフチェックができ、診断から心の状態を軽度未満、軽度、中度以上に分類、人工知能による自動会話プログラムチャットボットとのやり取りによる気持ちの整理と臨床心理士によるオンライン相談実施などにつながり、状況によっては提携医療機関の受診を勧められるシステムです。心の悩みに関する相談体制、メンタル不調への早期対応、医療機関への橋渡しと予防に期待がされています。しかし、現在は石川県内の方が利用した場合、県内の医療機関等との連携がなされていない状況のため、オンライン相談などは利用できません。大規模災害後には、うつ症状、不安症状、アルコール依存など、2割から3割程度の方の発症が認められているため、今回の能登半島地震以降、国立精神・神経医療研究センターは石川県や県内の病院等との連携を図り、KOKOROBOが十分に活用できる体制を整えているとのことでした。偏見や差別から周囲の理解が得られず、気持ちの持ちよう、疲れているからじゃないのと言われ、無理解な言葉で自己嫌悪に陥り、我慢を繰り返し、病状が悪化してしまう方が実際においでます。心のサポーター養成制度に加え、一人で抱えこまず、相談窓口や医療機関につながりやすくするためにも、このシステムの活用が必要と考えますが、本市の見解をお伺いいたします。 3点目に、災害時のトイレについてお尋ねいたします。 能登半島地震の教訓の一つとして、人間の尊厳や命にも関わるトイレの問題が顕在化しました。国によるプッシュ型支援により、工事現場にあるような仮設トイレが各避難所に届き始めたのは、早いところで発災から4日目以降と伺っています。トイレ不足や衛生環境の悪化等から、飲食を控え、体力が消耗し、エコノミークラス症候群になる方が増加するなどの2次災害が懸念され、災害時のトイレ環境の改善は災害関連死を防ぐためにも不可欠な取組です。能登半島地震の被災地でも災害時に使用するトイレの処理袋セットが備蓄されていましたが、全く足りておらず、急遽政府により約100万回分を超える処理袋セットが追加で供給されたと伺いました。また、工事現場にあるような仮設トイレの設置目標が50人当たり1基とされ、その設置が達成するまで10日間程度かかったと伺いました。これらの状況からも、初期対応には処理袋セットを一定量備蓄しておくことが必要です。能登半島地震では、発災直後から上下水道が使えなかったため、通常のトイレでは流せないままあふれてしまい、そのまま放置され、衛生的にも劣悪な環境となった避難所が見られました。避難所には定員以上の避難者が詰めかけ、そんなトイレの出入口で横になられている方もおいでました。発災初期には通常のトイレにおいて、処理袋セットを使用できる状態にしておくことで、衛生的によい環境を保ち続けることができます。そこで、今後の災害に備え、想定される最大避難者数を基に、組立て式簡易トイレと処理袋セットの備蓄計画の見直しと同時に必要数を備蓄すべきと考えますが、必要数に対する備蓄の現状についてお聞かせください。あわせて、上下水道が使用できない状況での通常のトイレにおいて処理袋セットが使用できるよう、避難所運営マニュアルに反映し、なおかつ訓練にも加える必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 災害発生から時間が経過するにつれ、照明や手洗いがついた洋式便所などの快適なトイレを使用したいという声も大きくなりました。衛生的にもきれいな臭わないトイレトレーラーが仮設トイレよりも好まれ、能登半島地震の被災地では大変に喜ばれておりました。災害派遣トイレネットワークプロジェクトを展開している一般社団法人は、災害時にほかの市町村へ派遣できる仕組みを整えております。既に約20の自治体がこの仕組みを持ったトイレトレーラーを導入しており、さらに300以上の自治体で検討されていると聞いております。総務省の緊急防災・減災事業債において、7割が返済不要対象となっており、3割も寄附等で充当が可能とのことです。本市も災害派遣トイレネットワークの一員となり、トイレトレーラーの整備を検討すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 災害時に設置される屋外型の仮設トイレやトイレトレーラーでは段差があり、高齢者や障害者の方が使用するためには手すりを増設したり、介助者をつけるなどに加え、真冬の屋外に設置されていたため、大変な状況でした。こういった場合には部屋置き型の介護用自動ラップトイレが有効です。これには専用カートリッジや100ボルトの電源、もしくは充電バッテリーが必要ですが、室内に設置でき、段差も生じません。各校下の拠点避難所にこの介護用自動ラップトイレも備蓄品に加えることも重要と考えますが、所見を伺います。 能登半島地震の避難所や建設型仮設住宅には、埋設せずに地上置きの仮設合併処理浄化槽が設置され、その浄化槽の前にはポンプアップ槽と汚物用ポンプが設置されておりました。この仮説浄化槽システムは既設の建物の配水管にも接続が可能です。下水道については、上水道などと比較すると復旧には大変な時間を要します。本市としても避難の長期化を想定し、仮設合併処理浄化槽の一式を設置できる体制を整えておくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 最後に、ゼロカーボンシティかなざわについてお尋ねいたします。 本市では、2020年3月にゼロカーボンシティ宣言をされ、太陽光発電設備の導入促進、ゼロエネルギービル--ZEBの実現、電気自動車の導入等を進めております。さらに、市長の提案説明の中にもありましたが、市公共施設照明のLED化をPFI方式で導入し、また、現在燃やすごみとして排出されている製品プラスチックの分別収集、資源化などの取組が進められております。本市の目標として、2050年において恥じることのない公共施設の低炭素化を掲げておりますが、これらの取組を広く市民へアピールしていただきたいと考えています。現在導入済みの電気自動車にはラッピングが施されておりませんが、公用車である電気自動車にマスコットキャラクターアールちゃんをメインとして描き、本市の力強いメッセージも加え、多くの市民に親しんでもらい、環境対策をアピールするとともに、市民の意識啓発に努めていただきたいと考えますが、所見をお伺いし、以上で質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○
喜多浩一議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 4番坂秀明議員にお答えいたします。 私からは、初めに、カスタマーハラスメントに関して、障害のある方との関係で御質問いただきました。障害のある方には、障害者差別解消法での合理的配慮が求められますことから、障害の特性を踏まえながら、相談者の話をしっかりと聞いた上で、親切丁寧な対応に努める必要があると考えております。また、カスタマーハラスメントにつきましては、社会的に問題意識が進み、法的な整備も検討されており、どのような行為がカスハラに該当し、してはいけない行為であるかを共通認識として共有することが肝要と考えております。今後も、官民問わず様々な対処法が出てくると考えられます。それらの動向を注視しながら、どのような対策が必要であるか、引き続き研究してまいります。 次に、心のサポーターにつきまして、本市では今年度、心のサポーター養成研修の講師となる指導者の養成から始めることとしております。次年度以降は関係各機関と連携しながら広く研修を実施したいと考えておりまして、なるべく多く心のサポーターを養成できるよう取り組んでまいりたいと存じます。 続いて、合併処理浄化槽を仮設設置することに関しまして、現行の本市地域防災計画では、これまでの災害を踏まえて、下水道の応急復旧については100日を超える日数を要すると想定しております。発災直後は避難所などにおいて簡易トイレの使用や仮設トイレを設置することとしております。今後、石川県による地震被害想定の見直し結果を踏まえまして、地域防災計画の改定時に、御提案いただきました仮設合併処理浄化槽の設置も含めて、し尿処理対策についても検討してまいります。 最後に、本市では、市のゼロカーボンシティの取組、また、企業などの再エネの導入や環境に優しい取組、身近な生活で実践できる節電、エコドライブの取組など、広く発信していくために市の公式XやインスタグラムなどのSNSでかなざわエコキャラクターであるアールちゃんを活用しております。今後、どのような活用ができるか、効果的な発信方法について、電気自動車の公用車への活用も含めた検討を行ってまいりたいと存じます。 以上です。
○
喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 カスタマーハラスメントについて、何点かお尋ねがございました。 最初に、職員へのカスハラの実態についてでございますが、職員に対するカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラにつきましては、直接市民と接することが多い福祉健康局、市民局、税3課のほか、土木局や都市整備局などで多いというふうに把握しております。具体的な内容につきましては、要求行為を執拗に繰り返す、大声を張り上げる、上司への面会を強要する、長時間にわたり面談や電話応対を強いるなどの事例があり、精神的なダメージを受ける職員はおりますが、カスハラが直接的な原因となって休職に至った職員はいないというふうに承知しております。 続きまして、名札の簡素化によるよい効果につきましてですが、顔写真があった際には、「マスクの下はそんな顔なんだね」と言われたことがあるなど、職員には多少のストレスがあったというふうに聞いておりますが、顔写真をなくしてからは、窓口応対の際の安心感が違うとの意見がありまして、多少なりとも職員の不安軽減につながったと認識しております。 続きまして、健康被害から守る取組でございますが、カスハラに対しましては、総務課内に設置しております庁舎警備室が中心となりまして、各課からの相談に応じておりますほか、必要に応じて庁舎警備室の担当専門官を派遣するなど、組織的・全庁的に対応しているところでございます。また、カスハラに限らず、心身の不調を訴えた場合には、保健室において、産業医、保健師によるメンタルヘルス相談を行っているほか、外部の専門機関による心の健康相談等も実施しているところであります。現在、国において、法改正によるカスハラ対策の強化が検討されておりますので、この動向を注視するとともに、他都市の取組も参考にしながら、より効果的な手法について検討していきたいと思っております。 次に、職員の研修につきましては、職員に対しては、まずはカスハラを未然に防止する意味においても、さわやか応対の実践を徹底することが肝要であると思っております。そのための研修を実施しております。カスハラと思われる事象があった場合には、毅然とした態度で冷静かつ慎重に、また、組織的に対応できるよう法的な対応を含めた各種研修会を開催しておりまして、こうした取組を通じて職員の対応力向上を図ることが重要と考えております。一方で、職員自身が加害者とならないためには、ハラスメント行為全般に対する正しい認識を高めることが大切でありまして、全職員を対象といたします公務員倫理研修や管理職や係長を対象としますハラスメント防止研修のほか、職員への綱紀粛正の通知等により、ハラスメント行為の防止徹底に努めているところでございます。 続きまして、心のサポーター養成制度で職員の休職状況についてでありますが、総務省の調査によります本市の状況につきましては、メンタルヘルス不調により1か月以上の病気休暇を取得した職員が令和4年度は82人、職員数に占める割合は1.4%、前年の令和3年度は79人で1.3%でありました。メンタルヘルス不調の要因は、個々の職員の状況により一概には言えませんが、個人的な事情によるもののほか、人事異動や担当業務の変更等に伴う職場環境の変化なども休職の要因ではないかと考えております。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 心のサポーターに関しまして、オンライン相談システムKOKOROBOの活用につきましてお尋ねがございました。本市では、生きづらさを抱える方への支援といたしまして、よりそうなかまというポータルサイトを運営しております。その中で、支援団体や各種SNS相談の案内をしておりますほか、精神科医や心理士、保健師によるこころの健康相談を実施し、必要に応じて医療機関へつなげているところでございます。御指摘のKOKOROBOにつきましては、仰せのとおり、オンライン・SNS相談は都心部などの一部のエリアに限られておりまして、この対象エリアの拡大につきましては注視していきたいと考えております。なお、本市の場合は、AIチャットボットなどの利用に限られておりますけれども、支援機関や医療機関に相談する前に、御自身がこのチャットを通じて、考え方であったり気持ちを整理するといったことは非常に有意義でございます。まずはこの機能につきまして情報提供していきたいというふうに考えております。引き続き、悩みを持つ人に寄り添った支援に努めてまいります。 以上です。
○
喜多浩一議長 山崎危機管理監。
◎山崎利之危機管理監 組立て式簡易トイレと処理袋セットの備蓄状況についてお尋ねでございました。本市では、災害時に利用するトイレについて、平成30年度以降、順次指定避難所に配備してきておりますが、現在の配備数は、組立て式簡易トイレは2,040台、処理袋セットは10万1,600回分となっております。いずれも現状では、国の避難所におけるトイレの確保・管理のガイドラインが求める基準には達しておらず、引き続き、令和5年度から5か年計画で備蓄を進めているところでございます。 次に、処理袋セットの使用方法についてお尋ねでございました。処理袋セットの使用方法につきましては、写真入りの取扱い説明書を避難所に配備しております避難所開設用ボックスに収納しているほか、地域で実施する防災訓練等の際には、組立て式簡易トイレの展示や処理袋セットの使用方法について説明を行っております。引き続き、あらゆる機会を通じて適切な使用方法について周知してまいります。 次に、トイレトレーラーの整備と介護用自動ラップトイレの備蓄についてお尋ねでございました。災害時において、トイレトレーラーは衛生管理の視点から大変有効なものであり、また、部屋置き型の介護用自動ラップトイレは室内での使用でも可能であることから、高齢者等が使用する上で有効であると認識しております。しかしながら、本市では、大規模災害時には多数の避難所を開設することになり、トイレトレーラー、ラップトイレとも必要とする数量やそれに係る費用もかなり大きくなることが想定されますことから、慎重に検討する必要があると思っております。他都市の事例も参考にしながら研究してまいります。 以上でございます。
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△休憩
○
喜多浩一議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時44分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○上田雅大副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○上田雅大副議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 1番道上周太議員。 〔1番道上周太議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆道上周太議員 質問の機会を得ましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 質問の1点目は、金沢市の情報発信についてです。 今年3月の連合審査会でも本市の情報発信について質問し、公式インスタグラムでの積極的な発信を求めてきました。先般、本市では、若い世代への情報発信の強化を図るため、6月1日に金沢市公式インスタグラムを新たに開設しました。日頃から、検索エンジンとしてSNSを利用している世代向けに、イベントや子育て支援に関する情報などの積極的な発信によって、幅広い世代への情報の見える化を期待しますが、まずは、本市の情報発信をさらに強化していく上で、新たに開設されたインスタグラムの公式アカウントに求める役割と、今後の運用についてお伺いいたします。
○上田雅大副議長
村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 インスタグラムは、他のSNSに比べまして、画像、動画を使用した視覚的な情報発信に優れておりますことから、その特徴を効果的に活用することで、市政情報を分かりやすく発信できるものと考えております。また、比較的若い年齢層の利用率が高いということもございますので、主に若い世代、子育て世代を対象としたイベントや制度の御案内などを中心に週1回程度配信していきたいというふうに考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 インスタグラムの強みを生かして若い世代への情報を分かりやすく、そして週1度とは言わず、頻繁に更新していただければなというふうに思うのですけれども、本市では、令和6年能登半島地震発災後、1月23日に金沢市公式インスタグラム災害用を開設して、本市の災害対応や救援物資の呼びかけなどの発信を行ってきました。震災などの情報収集の手段としてニーズが高かったこともあり、本市のインスタグラムの中では最多となる2,000人弱のフォロワーがいます。有事の例を出すと、本市の公式LINEも新型コロナウイルス流行時に、ワクチン接種の予約受付を契機に、友だちの数が爆発的に増加し、現在は21万人を超える登録があり、市政全般の情報発信ツールとして欠かせない役割を担っています。今回のインスタグラムのアカウントにおいても、災害用アカウントの2,000人弱のフォロワーをそのまま引き継ぎ、公式アカウント災害用を市政全般の情報発信を行う公式アカウントとして引き続き使用する選択肢もあったと思いますが、今回新たに公式アカウントを開設するに至った経緯について、市長にお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 災害用インスタグラムは、能登半島地震における本市の対応や支援情報などを一人でも多くの方に届けたいとの思いから、本年1月から運用を開始したものであります。息の長い取組が求められているという状況になりまして、今後もその役割を担う必要があると捉えています。また、今後、その他の災害が発生した際においても、約2,000人のフォロワーに対して情報発信をすることができると捉えています。一方で、災害関連のみではなくて、幅広い市政情報についての周知のツールと捉えまして、今般新たにインスタグラムを開設することといたしました。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 災害用のインスタアカウントで発信していくということですけれども、発災直後にはSNSを通じてSOSの拡散による支援の輪が広がるといったSNSの長所と、発信元や真意不明のデマ情報が拡散されるといったSNSの短所の両方を痛感し、県や市町が公式で正確な情報を適切なタイミングで発信することの重要性を再認識いたしました。本市では、公式インスタグラムが開設される以前からも、各部局ごとにSNSアカウントで発信しており、それぞれの分野で特色ある情報発信は効果的だと思います。しかし、アカウントが多くなると、それぞれ個人が関心のある分野のみにアンテナを張ることによって、フォロワーが分散し、結果的に全体の発信力が弱まってしまうことも懸念されます。そのため、情報が迷子にならないよう、それぞれのアカウントの役割の整理が大切だと考えています。本市では今後、災害発災時など、有事には開設された公式アカウントではなく、災害用公式アカウントのみで発信されることになるのか、平時と有事それぞれの公式アカウントでどのように情報発信を使い分けていくのか、市長にお尋ねいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 平時と有事との使い分けということで御質問いただきましたけれども、災害用のインスタグラムについては、能登半島地震の関連情報だけではなくて、今後、風水害などのその他の災害発生時においても、一人でも多くの方に関連情報を届けていきたいというふうに考えております。一方で、新設したインスタグラムについては、平時においては、若者や子育て世代向けのイベント、また、制度等に関する情報を中心に運用してまいります。そして、災害発生時においては、災害用インスタグラム、また、災害関連情報を詳細に掲載するホームページにフォロワーを迅速に誘導していきたいというふうに思っています。インスタグラムの種類が豊富になっていくということが、メリットでもありデメリットでもあるというふうに感じています。一方で、たくさんの知りたくない情報まで入ってくると、その情報に関心が寄せられないというデメリットもあるというふうに思いますので、こうした各種媒体を有機的につなげていくということが大事だと考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさにそうですね。やっぱり、自分が興味ある情報のみにアンテナを張るというユーザーが増えてくると思いますので、やっぱり分かりやすく、そして情報が必要なときに必要な情報が行き届くように、整理が必要かなというふうに思います。 また、そのメインユーザーであります若い利用者層なんですけれども、3月の連合審査会での答弁では、災害用のインスタグラムの利用者層は、24歳以下が3%、25歳から44歳までが35%、45歳以上が62%、また公式LINEでも、24歳以下が5%、25歳から44歳までが37%、45歳以上が58%となっており、20代から40代の利用率が伸び悩んでいる状況でした。若い世代への発信力を強化していくためには、視覚的なインパクトを強めるなど、投稿の内容も工夫しながら運用していくことが求められます。アカウントについて、20代から40代のフォロワーを増やしていくための今後の取組についてお伺いいたします。
○上田雅大副議長
村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 XをはじめとしたSNSやホームページ等を通じまして、インスタグラムのさらなる周知を行いますほか、若い世代が多く集まるイベント等における臨場感のある現地からのリアルタイム投稿にも取り組むなど、画像や動画の見せ方、投稿文などにも工夫を凝らしながら、若い世代を引きつける魅力的な発信に努めてまいります。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 今ほど、リアルタイム投稿とありましたけれども、インスタグラムの特徴としましてはインスタライブなどもありますので、そういう機能も使いながらイベントをさらに盛り上げていくような使い方をしていただければなと思います。 また、ホームページとSNSでもそれぞれ役割が異なるため、役割の整理も必要です。ホームページでは情報をしっかりと過不足なく伝える役割が、SNSでは情報を素早くシンプルに伝える役割がそれぞれ求められます。発信の際には、単に行政サイドの情報をお知らせするだけでなく、市民がどのような情報を知りたいのかキャッチして、市民に知らせる情報を市民が知りたい情報に変換して発信していくことが大切です。SNSでの情報発信は、広報広聴課が各部局と分野横断で連携を図りながら、戦略的な発信を期待するところでありますが、本市の公式LINEやユーチューブ、フェイスブック、インスタグラム、Xなどの主要SNSの各公式アカウントの体制が整った中で、今後発信を強化していく上での広報戦略についてどのように考えておられるのか、市長にお尋ねいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 まさに広報戦略の中では、知らせたい人にどのように届くか、そういったことが非常に大事だというふうに考えております。インターネットやスマートフォンの普及に伴って、情報の入手先の多様化が進んでいく中で、この情報発信媒体の特性に応じた広報を行うことができる、そして、それが求められていると考えております。本市の広報基本戦略においては、SNSを効果的に利用した情報発信力の強化を最も重要な戦略の一つとして掲げております。情報を必要とする方に対して適切なタイミングで的確に内容が伝わるように、SNS間の連携は言うまでもありませんけれども、ホームページやテレビ、新聞などの各種媒体とSNSを連携させた広報活動を積極的に展開し、訴求力の高い情報発信に取り組んでまいります。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさにそうですね。SNSだけでのみならず、メディアなどをうまく使いながら連携して広報発信をしていくことがとても大切だと思いますし、市長がおっしゃったように、適切なタイミングで的確に伝えていくということが非常に大切だと思います。 また、有事の際には、特に市のリーダーである首長が積極的な情報発信を行い、リーダーの顔が見えることが市民の大きな安心感につながります。能登半島地震でも、県市町の各首長が自身のSNSを通じて市民への呼びかけや情報発信などが行われ、その投稿がシェアされ、全体に広がっていくなどの様子も見られました。本市でもホームページや公式SNSなどで、村山市長の動きを確認することができました。日頃からリーダーの顔が常に見えることで、有事の際などに発信力が最大化されていきます。金沢市のリーダーである村山市長御自身のSNSでの情報発信について、どのように考えておられるのか、市長の見解をお尋ねいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 私個人のSNSの活用ということについては、現在のところ考えておりません。これは、公務として、市として行う、情報として正確な、そして適切な情報を発信したいという考えであります。行政のトップとして、日々の公務の様子について広く発信していくことは、市政に対する市民の関心を高めるという意味でも非常に重要と考えております。市長就任以来、市長の動きとして写真を交えてホームページで発信してきているところでございます。引き続き、定例会見やぶら下がり会見などの機会に加えて、今般開設したSNSを活用しまして、私からの直接のメッセージ、随時発信してまいりたいと考えております。また、災害などの緊急の事案が発生した場合にありましては、臨時会見を通じて必要な情報を発信することによって、市政の責任者としての役割を果たしてまいりたいと考えています。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさに市長公式のSNSを通じて市長の顔が見えることで、やっぱり市民の安心感につながると思いますので、ぜひそうした形でメッセージを随時送っていただければなと思いますし、また、ホームページのトップ画面でも市長の動きがすごくリニューアルされて分かりやすくなりましたので、そして、SNSのアイコンも追加されてホームページもすごく見やすくなったなという印象も受けますし、今月下旬からは、市外在住者向けの公式LINEおいでよ!金沢の開設によって本市の魅力がさらに広く発信されることも期待しております。日々の情報の見える化があってこそ、市政への関心も高まり、有事にも素早い発信を行うことができます。本市がより戦略的に発信されていくことを強く期待して、次の質問に移ります。 質問の2点目は、子ども施策についてです。 今年度本市では、より切れ目のない支援を図るため、こども家庭センターの運営開始や、4歳、5歳児の保育士配置が国基準を上回る20対1とする園に対しての助成や、医療的ケア児の受入れに対する支援制度の創設など、新たな施策も盛り込まれています。本市で子ども施策を総合的に力強く進めていくことは、
未来共創計画にもある未来を創る人を育む上でも欠かすことはできません。まずは、今年度の本市の子育て施策に込めた思いと、特に力を入れて進めていきたい点について、市長にお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 子どもを安心して産み育てられるまちづくりを推進していくために、
未来共創計画におきましては、地域、各種団体、企業等との連携・協力による子育て環境の充実、そして、全ての子どもの健やかな成長の支援などに取り組むことを掲げて、当初予算に具現化に向けた施策を盛り込みました。既に、妊産婦や子育て世帯、子どもを一体的に支援するこども家庭センターの運営を開始いたしましたが、これとともに、保育環境の向上に向けた保育士の配置支援、そして、仕事と育児の両立に欠かせない児童クラブの安定運営にも努めているところでもあります。また、独り親家庭等を必要な支援につなげる拠点型子ども宅食を今年度内に本格実施いたします。
未来共創計画の具現化に向けてスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 誰もが安心して産み育てることができる環境づくりを進めていただければなと思いますし、さらに、本市の子ども施策を充実させていくための柱となるのが、かなざわ子育て夢プランです。本市では平成17年3月にかなざわ子育て夢プラン2005を策定し、約20年間にわたり実践してきました。現プランの期間が今年度末で終了することに伴い、今年は新たなプランの策定の重要な年になります。昨年12月定例月議会では、少子化対策特別委員会から、プランの策定に当たっては、子どもや若者、女性の意見を十分に反映するとともに、関係部局が連携して、まちの未来につながる子ども・子育て施策を確実に盛り込むことなどが提言されました。また、現プランが令和2年に策定されてからは、その間、こども家庭庁の設立やこども大綱、こども未来戦略の閣議決定など国でも動きがあり、若年人口が倍速で急減する2030年代までが少子化傾向反転のラストチャンスと言われる中で、次期子育て夢プランの計画期間である2030年までに、少子化への反転攻勢をかけるためにどのような施策を打ち出していくのか、極めて重要になります。新たなかなざわ子育て夢プランの策定にかける市長の思いをお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 これから、20歳代、30歳代の女性の人口、ますます減っていくことが見込まれております。そうした中で少子化傾向を反転させるというのは、非常に難しい現状だというふうに認識しております。一方で、少子化対策は、全国一律で、今こども家庭庁が担っていただいている施策がありますけれども、それとともに、地方の実情に応じた施策が相まって実施されるということが効果的と捉えております。本市独自の取組の指針となる新たなかなざわ子育て夢プランを策定いたしまして、国の子ども・子育て支援加速化プランなどと協調しながら、総合的に施策を進めてまいります。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさに今市長おっしゃったように、市の独自施策と国の施策を掛け合わせて、少子化対策反転攻勢に向けて、ぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思いますし、厚生労働省が発表した2023年の人口動態統計では、日本の昨年の出生数は72万7,277人、合計特殊出生率は1.20、石川県は出生数6,752人、合計特殊出生率は1.34で、いずれも過去最も低い数字となりました。少子化のスピードがさらに加速する中で、次期プランでは、若い世代、子育て世代が今日よりも明日がよくなるといった希望が持てるような力強いメッセージが必要です。かなざわ子育て夢プランの名称については、昨年9月定例月議会において、プランの名称変更の考えがあるかの問いに対して市長は、プランの名称は策定の過程で議論されるものと捉えていると答弁されました。少子化対策特別委員会から提言されたように、子育てに対する社会全体の意識改革を促すような施策を充実させ、全ての人が子育てを応援する社会にしていくために、次期プランの策定に当たっては、市民の意識改革を促し、子どもや子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成させるためにも、かなざわ子育て夢プランの見直しでは、特にどのような点に注力していかれるのか、あわせて、広く市民にプランを知ってもらうために若い世代がなじみやすい名称に変更するなどの考えがあるのか、市長の見解をお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の見直しの中では、若い世代が結婚や出産、子育てに希望が持てるように、これまで以上に、未来を担う若者や子育て当事者の意見を取り入れながら、市民ニーズに沿ったサービスの拡充、また、金沢の特色を生かした施策などについて知恵を絞っていきたいと考えています。その際には、プランの名称でございますが、策定の過程において有識者などの様々な意見をお聞きして、これを変更することも含めた検討を行っていきたいと考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 今ほど市長からあったように、やっぱり若い世代になじみがあるように、名称に持てるような形でいろんな議論がされていくと思いますけれども、若い世代が、子育て世代が、金沢と言ったらこの政策をやっていると、みんなが言えるような、みんなが知っているようなプランの名称、親しまれるような、なじみあるプランの名称になるように、強く期待していきたいというふうに思います。 また、先日、新たなプランの策定に関するアンケート調査の結果が報告されました。未婚または既婚者で子どものいない方の調査では、「子を持ちたいと思う」が15歳から22歳までで41.6%、前回の平成30年から約26%減少し、22歳から45歳までは37.4%で約31%減となりました。続いて、「子を持ちたいと思うが持つことに不安」が15歳から22歳までは24.1%と前回から約14%上昇し、22歳から45歳まででは32.6%へと約23%上昇しました。理由は、「経済的負担が大きい」が15歳から22歳までで61.3%、22歳から45歳までで70.4%と最も多い結果となりました。今回の調査結果では、特に22歳から45歳までの世代で子を持つことへの不安増加傾向が浮き彫りになりました。今回の調査結果で子を持つことへの不安や経済的不安が増加している点について、どのように分析され、受け止めておられるのか、調査結果を受けての市長の所感をお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 子どもの教育にかかる経済的な負担に加えて、育児と仕事の両立に伴う精神的、体力的な負担などを感じている人の割合が増加しているということ、これは非常に憂慮しているところでもあります。我々が20代、30代だった時代にも、経済的な不安、あるいは今後の将来的な不安というのはありましたけれども、それがさらに増進されている、これは、ひょっとしたらネット環境、メディアなどの課題もあるかと思いますけれども、そうした傾向があるという中にあって、子どもを持ちたいと考える人が、経済的な不安、負担、あるいは仕事との両立が支障とならないようなことを考えなければならないと思っております。妊娠・出産から子どもの成長に合わせた切れ目のない支援のさらなる充実がそれに当たると受け止めております。一方、よい傾向もあります。育児休業の取得、あるいは短時間勤務制度の利用は、男女ともに増加しているということであります。家事についても、分担しているという回答が伸びております。子育て、家事において、男性の参加が増えているというのは、非常によい傾向であると捉えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 市民の声を受けて、子どもを持ちたいと思う方が希望を持てる環境づくりをぜひ進めていただきたいというふうに思いますし、今回のアンケート調査では、中学生・高校生の保護者、高校生、大学生世代と新たに調査対象を拡大した点は、より若い世代の声を反映していく上でよかったと思いますし、全体の回収率も42%で、前回の37.4%から数字も上がりました。今後、市の計画などの策定過程において、さらにアンケートの回収率を上げていくためには、時代の変化に応じた一層の工夫が必要だと考えます。今回のプランの策定に限らず、今後様々なアンケート調査について、若い世代の声を拾い上げ、施策に反映させていくためには、さきにも質問したインスタグラムなどの公式SNSを活用したアンケートなども実施していくべきだと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 インスタグラムやLINEなどの公式SNSを活用したアンケートについては、手軽に回答しやすいということから、若い世代の意見の収集にも適していると考えております。一方で、課題もありますので、例えば、回答者がSNS利用者に限定されるということによるデータの偏り、あるいは、操作性を担保するためのシステム改修も必要になってまいります。こうした課題も踏まえて、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさにインスタグラムの場合は匿名性も高いものもありますので、しっかりと項目を絞って、世代を絞ってアンケートを回収していくという点においては、すごく利点もあると思いますので、ぜひ検討していただければなというふうに思います。新たな子育て夢プラン策定において、若い世代や子育て世代の声を十分に反映し、明日への希望を持てるようなプランが策定されることを強く期待して、次の質問に移ります。 質問の3点目は、関係人口の創出についてです。 関係人口については、本市の
未来共創計画の中でも、移住と定住の促進と併せて関係人口拡大による地域の活性化を掲げています。移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、特定の地域と住民と多様な形で継続的に関わる関係人口が今後の人口減少、少子高齢化時代において、地域に新たな変化と活力を生み出し、まちづくりの担い手となることが期待されています。一時的ではなく、継続的に地域と関わることで愛着が生まれ、心を寄せる居場所が増えることで、将来的な移住・定住の促進にも期待されるなど、関係人口の創出・拡大は、今後の本市での人づくり、まちづくりにおいて重要な鍵を握ります。本市では、関係人口についてどのように捉え、どのような点に期待されているのか、関係人口創出・拡大に取り組む市長の思いをお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市では、特に県外・市外に居住しながらも、金沢に思いを寄せる方々を増やすことで、金沢のコミュニティーやまちづくりに継続的に関わっていく関係人口を創出したいと考えております。
未来共創計画におきましても、多様な人々の視点や活力の活用を施策横断の視点と位置づけております。関係人口の創出・拡大によって、新たな交流と価値を生み出すことで、地域の力につながっていくということを期待しております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 県外や市外在住者の方へ、一時的ではなく継続的に、そして、施策横断の視点でぜひ進めていただきたいなというふうに思いますし、関係人口は、大きく分けると趣味やお祭りなどで地域に関わりを持つファンベース、兼業、副業、テレワークなどで関わりを持つ仕事ベースの2種類があります。両方を力強く支援していくことが地域の活性化や移住・定住の促進にもつながります。今定例月議会の市長提案説明でもありましたが、今年度は新たに関係人口創出民間提案モデル事業として、様々な形で関係人口の創出を図るために、民間の持つ視点やネットワークを生かして、本市の地域や住民と県外住民が交流を深める取組を支援するため、民間事業者や団体などに対して、モデル事業の募集が行われました。空き家を活用したアート展覧会、都内のコワーキングスペースを活用したコミュニティーの形成、学生が集うサミットの開催、デザイナーなどの市内長期滞在者によるワーケーションの後押しなど、県市外4団体がモデル事業として採択されました。今回採択された関係人口創出民間提案モデル事業者に期待する具体的な事業内容と併せて、今年度の事業スケジュールについてお伺いいたします。
○上田雅大副議長
村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 今回採択いたしました4件は、空き家やアートを活用した交流の創出、また、若い世代や国内外の方をターゲットとした情報の発信など、市が進めている施策の方向性とも軌を一にし、民間の独創的なアイデアや専門的なノウハウ、広範なネットワークを生かした事業内容となっており、今後のロールモデルとして期待できると思っております。採択した事業者は、現在、地域や関係団体等との具体の調整を進めておりまして、夏以降、順次本格的に事業を実施し、明年2月をめどにその成果を取りまとめることとなっております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 民間の独創的な事業としてロールモデルとなるように、夏の事業開始、そして2月の報告ということを大変期待しておりますし、また、事業者が一時的ではなく継続的に地域に関わるために、中長期にわたる支援の方向性や課題についてもお伺いいたします。
○上田雅大副議長
村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 今回のモデル事業は、採択した事業者の自立、自走に向けまして、初期の活動やスタートアップに対して支援を行うものでございます。今後、各事業者とは随時ヒアリング等を行いまして、事業の実施状況や成果・課題のほか、次年度以降の活動についても報告を受けることとなっており、一連の取組を通じて今回のモデル事業を総合的に検証し、今後の支援の方向性について検討してまいりたいと考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 まさに、総合的に検証して、そして息の長い支援となるような計画になればというふうに期待しております。 令和6年能登半島地震発災から復旧・復興の過程においても、この関係人口が重要視されております。県の復興計画--創造的復興プラン最終案でも、重点課題として能登地域と継続的に関わる関係人口の創出・拡大が掲げられています。本市でも、県の基礎自治体として、金沢市民と能登地域との関係人口をつなぐ支援が重要になります。本市に住みながらも、御自身や御家族のふるさとが能登地域の方や、能登地域にゆかりがある方など、能登を応援したい、できる限り関わり続けていきたいなど、離れていても心を寄せ続けていきたいと思っている方は大勢います。しかし、思いはあっても、現実には、支援や移動などに生じる経済的な負担などの問題も出てきます。能登地域に心を寄せて関わりを続けたいと思っている金沢市民が、様々な形で、一時的ではなく継続的に能登地域と関わり続けることができるような、金沢と能登地域の心をつなぐ中長期的な支援が本市に求められます。復興の過程の中で、金沢市と能登地域をつなぐ関係人口の取組や、中長期での支援の在り方について、どのように考えておられるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今般の能登半島地震において、従来、金沢市が関係人口の創出として考えていた本市と首都圏との関係人口の関係のみならず、本市と能登半島をはじめとした他地域との関係人口を創出していくということが、今後、石川県全体の人口減少に果たしていく役割ということを考えるきっかけともなりました。また、これはひいては、金沢市内の都市部と中山間地との関係人口ということにもつながるかもしれないというふうに思っております。今回の地震の関係では、被災者の生活支援や、被災自治体への職員派遣など、なし得る限りの支援に取り組んでまいりましたけれども、例えば、能登地区の団体と連携して経済団体が実施する事業、出張輪島朝市などの事業への補助を行ったこと、これに加えて、先月からは、被災地に出向いて炊き出しを行う本市の各種団体等に対して支援を開始しております。こうした一連の取組が、能登地域と本市の住民との支え合いの基盤となって関係性を深めるということにつながっているというふうに考えています。現在、県において策定を進めている中長期を見据えた創造的復興プランの中におきましても、復興プロセスを生かした関係人口の拡大が盛り込まれております。今後の状況を注視するとともに、引き続き、復旧・復興に向けて切れ目のない効果的な対策を講じてまいりたいと思います。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 関係人口は、県外のみならず県内地域とも連携してというお言葉、今、市長からありましたけれども、まさにそのとおりだと思いますし、やっぱり石川県の基礎自治体として、金沢市が先頭に立ってそういう役割を果たしていく、関係人口をつなげる役割を果たしていくことが非常に大切だと思いますし、朝市や炊き出しなど、一時的な支援ではなく継続的に、またこれからも続いていくと思いますので、ぜひ期待したいというふうに思います。 また、都市と地方などに生活拠点を持つ二地域居住を促進する制度を盛り込んだ改正広域的地域活性化基盤整備法が5月15日参議院本会議で可決され、年内には施行される予定となっております。都道府県が二地域居住に関する広域的地域活性化基盤整備計画を作成すると、市が二地域居住の促進に向けて特定居住促進計画を作成できるようになり、認定を受ければ、建築基準法などの規制を緩和し、特例措置として住居地域でもオフィスなどを整備しやすくなります。また、二地域居住促進に関する活動を行う法人や民間企業を特定居住支援法人として指定できるようになります。さきに述べた県の創造的復興プラン最終案でも、復興プロセスを生かした、今市長からもありましたけれども、関係人口の拡大の取組として、能登地域の特性に対応した二地域居住モデルを検討されています。二地域居住は、東京一極集中を是正するだけでなく、地域力の再生、空き家の利活用など、関係人口と併せて地方への新たな人の流れや活力の創出に大きな期待が高まっています。二地域居住促進に向けた国や県の動きなどについてどのように受け止めておられるのか、市長の所感をお伺いいたします。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 人口減少や少子高齢化が進展する中にありまして、二地域居住の促進は、地域の担い手の確保をはじめ、新たなビジネスや雇用・消費需要の創出など、地域コミュニティーの維持・形成、そして、地域経済の活性化といった地域課題の解決につながる有効な手だてと認識しております。今般の法改正を受けまして、今後、国から制度の詳細が示されますことから、その情報収集に努めますとともに、法に基づく県による二地域居住に係る計画策定の動きに強い関心を持っていきたいと考えております。
○上田雅大副議長 道上周太議員。
◆道上周太議員 二地域居住は、本当に新たなビジネスの構築だったりとかにつながると思いますので、ぜひまた動向を注視していただければなというふうに思います。 今回は、主に3点、情報発信、子ども施策、関係人口について質問させていただきました。本市の情報発信が戦略的に行われ、若い世代や子育て世代への力強いメッセージを発信し、関係人口の創出によって新たな息吹を吹き込み、移住・定住が促進され、唯一無二の魅力がある本市の総合力がさらに高まることで、より一層金沢市が選ばれる地方都市になることを心から期待して、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○上田雅大副議長 以上で、1番道上周太議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 10番大西克利議員。 〔10番大西克利議員登壇〕(拍手)
◆大西克利議員 発言の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問いたします。 質問の1点目は、本市の人口に関連する項目について幾つか行います。 金沢市の人口の推移は、緩やかに減少しております。2015年の国勢調査では、本市の人口は約46万6,000人ですが、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口によると、2040年には約41万7,000人になると推計されています。また、人口構造は、少子化の影響により老年人口--65歳以上や、生産年齢人口--15歳から64歳までに比べて、年少人口--0歳から14歳までが少ない人口ピラミッドになっています。自然動態の推移では、出生数は1970年代前半の第2次ベビーブーム以降は減少していますが、その一方、死亡数は1980年代半ばから増加しており、2012年には死亡数が出生数を上回り自然減に転じています。合計特殊出生率についても、世界的に見ても減少しており、我が国においても晩婚化や若い人の未婚率の増加に伴い減少しています。厚生労働省のデータを見ると、2022年時点での日本国の合計特殊出生率は1.26です。本市においては、少しデータが古いですが、2005年には1.23でしたが、その後は回復傾向が続き、2015年以降ほぼ横ばいであり、2018年は1.48となっています。令和2年3月に発行されている第2次金沢版総合戦略においては、合計特殊出生率の目標を令和6年次において1.69とすることを掲げています。本市の最新の合計特殊出生率と今後の人口推移の見通しについてお尋ねいたします。 少子化により人口が減少していくことは避けることはできないのが現実ではありますが、その流れを緩やかにしていくことは可能です。少子化の流れが加速していく原因の一つとして考えられるのが若い人たちの未婚率が上がっていることです。本市のデータを確認しますと、1980年代から比較すると、25歳から29歳まで、30歳から34歳まで、35歳から39歳までの全ての年齢区分で上昇しています。未婚率が増えている要因には、経済的要因と環境的要因があるとのことです。環境的要因では、やはり出会いがないということも大きな原因と思われます。財務総合政策研究所の調べによりますと、独身でいることの最大の理由は、25歳から39歳までの男女ではともに、適当な相手とめぐり合わないということです。結婚総合情報を取り扱っているデータを参考にしますと、交際したことがない20代が増えているそうです。20代男性では46%が一度も交際したことがないと答えており、女性でも29.8%でした。コロナの影響で出会いが減ったということも一時的には要因ではありますが、出会いのきっかけが少ないということが大きな原因です。石川県では、石川結婚支援センターが運営を行っている縁結びistという活動があります。この事業では、会員登録を行うことで、結婚に向けた各種のサービスを受けることができるというものです。本市においては、先ほども申し上げた第2次金沢版総合戦略の中の記載を確認すると、結婚を希望する人たちへ出会いの機会を提供するイベントを行っているようですが、出会いの機会を求める人たちにもっと参加してもらえるように、イベントについて多くの方に知ってもらうことが必要です。また、最近では、出会いのきっかけがマッチングアプリという人も少なくはありません。かつては、出会い系サイトなどの問題があり、インターネットを介して出会いの機会をつくることは懐疑的に思われる方も多いとは思いますが、スマートフォンが広く浸透している現代においては、多くの人が気軽に利用することができるという面で大変利便性が高いと感じており、婚活を促進するためにマッチングアプリを活用する自治体も増えてきていると聞きます。このように、自治体が運営するイベントやアプリであれば、出会いを求めて参加を検討する人に安心感を提供し、これから結婚を考える若い人たちの背中を押すことにもつながると思います。そこで、お尋ねいたします。本市としても、石川県との連携はもとより、参加者のニーズに沿った婚活支援の取組を進めることが効果的と考えますが、周知の工夫を含めた本市の見解を伺います。 次の経済的要因では、男女とも、結婚や出産・子育てについては、たくさんのお金がかかり大変だという印象を持っています。結婚をして子どもを持ちたいと思っても、お金がかかるから、大変だからという理由で結婚をしない、子どもを持たないという選択をしているのです。若い人たちに優しく、子育てについても手厚いサポートをすることが、結婚や子どもを持ちたいと思う若い人たちの心に届き、その思いを優しく支え、背中を押すことにつながるのではないかと思います。子どもが成長すれば、学習塾やスポーツ教室などに通う機会も増えていくため、子どもの成長に比例して、子育てに必要な費用も増加していきます。子どもが小学校に進学し、その後、中学生や高校生になっても安心して子育てがしていける、そんなまちにしていかなくてはいけないと思います。子育て世帯に支給される児童手当については、0歳から3歳までは月額1万5,000円ですが、それ以降は1万円に減額されます。3歳以降は子育てにかかるお金が少なくなるわけではありません。特に、小学校以降になれば、先ほども言いましたが、習い事などで家庭での子育てにかかる支出は増える傾向にあります。今回、国は、子育て世帯に対する経済的支援を強化するため、その制度を改正し、支給期間が現行の中学3年生から高校3年生まで延長されるとともに、第三子以降の加算が拡充され、所得制限も撤廃されました。特に、これまで対象とならなかった高校生を養育する世帯にも支援が広がったことで、支給を心待ちにする子育て世帯も少なくないと思いますが、市としてどのように対象となる世帯に制度を周知し、支給していくのか、今後のスケジュールを伺います。 このように、少しずつではありますが、子育てのサポートを手厚くする動きが広まってきています。そこで、昨年の定例月議会でも取り上げましたが、他の市町村では無償化の流れになっている18歳までの子どもの医療費の助成についてです。本市においても、県内の他の自治体と同様の助成を求める声が多いと聞いています。金沢市では、令和5年10月の診療分より、子どもに係る医療費助成制度の拡充が行われました。子育て支援医療費助成については、入院についてその助成の対象を18歳まで拡大し、窓口負担が無料となり、ひとり親家庭等医療費助成の児童分については、入院・通院の窓口負担が無料となりました。これらの拡大は、医療費の負担に困っている人たちにとっては大変喜ばれる内容であったと思います。しかしながら、子育て支援医療費助成の通院については、補助拡大の対象外であり、いまだに15歳までの助成であり、窓口負担も発生します。15歳を超えて通院すると、一気に医療費の負担感が増してしまいます。そのため、病院に通院することに迷いが生じる御家庭もあると伺いました。第2次金沢版総合戦略の中においても、安心して子育てができる保育サービスや小児医療体制の確保の中で、子育てにかかる経済的負担を軽減するため、子どもの医療費に対し助成との記載があります。物価高などで苦しむ家庭が多い中で、子育てをしている家庭を支援するために、子どもの医療費への助成のさらなる拡大をしていかなければいけないのではないでしょうか。そこで、改めてお尋ねいたします。窓口負担が存在しても、18歳までの通院の子ども医療費の助成を望む声は大変大きいです。15歳までと同様の窓口負担を残したまま対象年齢を引き上げ、18歳までの通院の子どもの医療費の助成は考えられませんか。市長のお考えをお聞きいたします。 さて、先ほども、人口の減少が今後も避けられないということを説明させていただきましたが、人口の減少には、死亡率が出生率を上回ることによる自然減のほかに、人口移動、すなわち人口流入数と流出数の差による社会減もあります。本市においては、2008年以降、転入者数が転出者数を僅かに上回っていましたが、2018年には僅かに転出者数が上回っていました。そこで、お尋ねいたします。2019年以降の金沢市内への転入者数と金沢市外への転出者数の差はどのようになっていますか。また、県外への転出ではなく、県内の他の市町村への転出の傾向はどのようになっていますか。お聞かせください。 若い世代の県内の他の市町村への転出については、仕事、住宅、子育て、その他経済的な事情もあるかと思います。本市から他の市町村へ転出される世帯についても、通勤や通学先は金沢市内であることも多いのではないでしょうか。そのような世代や世帯に対する金沢市としてのアプローチも必要になってくると思います。現在、本市として金沢市に住宅を持ちたいと思う世帯に対して支援を行っており、金沢市民向けには、わがまち金沢住宅取得奨励金がありますが、認定を受けるには幾つかの条件が必要です。先ほどの財務総合政策研究所のデータには、現在交際している人と、あるいは理想的な相手が見つかった場合、1年以内に結婚するとしたら何が障害になりますかとのアンケートの中で、結婚資金について多かったのが、結婚生活のための住居でした。現在、お付き合いをしていて結婚を機に住宅を取得したい人や、現在アパートなどに住んでいて、住宅の建設を考えたときに、就職先などは変わらず、金沢市でも、住宅取得に対する支援がより充実している近隣の他の市町村で、住宅の建設を考える人たちが増えてくることも自然ではあると思います。そこで、お尋ねいたします。若い世代の人たちが金沢市内に住宅取得を望む場合に、一定の支援を行うなど、現状の支援策をさらに拡充することはできませんか。お考えをお聞きいたします。 人口の減少が進めば、多くの分野で影響が出てくると思います。民間の事業者だけではなく、公共施設や行政の施設のサービスの維持が困難になることも予測されます。少子高齢化、人口減少の社会になっても、地域の経済成長を止めることなく、生活関連サービスの維持や向上を期待するとともに、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めていただけることを期待いたします。 次に、身近な乗り物である自転車の安全についてです。 昨年も話題に上げさせていただきましたが、自転車は、老若男女を問わず、多くの方に利用されている乗り物です。しかしながら、手軽に利用することができるとともに、交通事故に巻き込まれる危険性も高いです。自転車利用において命を守るために欠かせないのがヘルメットの着用になります。自転車に乗る人のヘルメットの着用が昨年の4月から努力義務化されたことや、ヘルメット着用への理解が進みつつあることから、まちなかで自転車を乗っている人を見ても、ヘルメットをかぶっている人を見かけることが増えてきました。しかしながら、警察庁の調べによると、ヘルメットの着用率は13.5%にとどまっているとのことです。自転車に乗る人にヘルメットを着用してもらうために、まだ課題があることが分かります。自転車用ヘルメットの着用は努力義務となっていることから、その購入や装着は自転車の利用者に委ねられています。金沢市内の小学生は、3年生時に交通公園における自転車の安全教室があります。その結果もあり、小学生の自転車利用においては、ヘルメットをかぶっている姿を比較的多く見かけます。そこで、お尋ねいたしますが、放課後に自転車を利用することが多い児童や生徒のヘルメットの着用率などのデータは取られているでしょうか。取られていない場合は、今後データを取っていく予定はありますか。 また、通学で自転車を利用する生徒も多いと思われる市立工業高校においては、ヘルメットの着用はどのようになっていますか、併せてお聞かせください。 自転車のヘルメットの価格は3,000円前後から1万円ほどとなっています。ヘルメットの購入に負担感を感じる人も少なくないのも現実です。ある調査のデータを参考にすると、自転車用ヘルメットの購入に対して補助を出している自治体は、全体の21%に当たる351市町村という結果があり、その補助金額は1,000円から、条件を満たせば全額負担をする自治体もあり、その対応にはまだ差があることが分かります。石川県においては、白山市や能美市などが補助制度を導入しています。自転車に乗る方の安全や安心につながる自転車用ヘルメットの着用率の向上に向けて、金沢市もヘルメットの購入に補助を出す考えはありませんか。お尋ねいたします。 自転車の購入時に補助金の案内もあれば、自転車購入時にヘルメットの購入に関心を持ってもらえる方も増えるのではないでしょうか。ぜひ前向きに検討していただくことをお願いし、次の質問に移ります。 最後の質問は、昨年に移転し新しいキャンパスがオープンした金沢美術工芸大学についてです。 私も竣工式に参加させていただきました。大変立派なキャンパスで、大学で学ぶ学生の豊かな創造性を刺激するすばらしい建物だと思いました。学生のまち、学都金沢を象徴していると思います。地域に開かれた大学のコンセプトの下に、多くの市民の方に今後も親しまれていく施設だと思います。大学には多数の所蔵品があります。貴重な作品を市民の方に広く見ていただく展示会や、学生の作品を見ていただく機会なども開かれています。大学が持っているすばらしい作品や学生の作品を見ていただくこれらの展示会などは、大変多くの市民の方にも喜ばれており、大学の存在や、美術や工芸といったものを身近に感じていただく大変よいきっかけになっているものと思います。まさに地域に開かれた大学を体現していると感じております。しかしながら、先日大学に訪れる機会があったのですが、その際に感じることがありました。一般の来場者を対象にした駐車場がなかったのです。一見した感じスペースは残されているようですが、一般の来場者には開放されていませんでした。石川県にあるほかの全ての大学に行ったわけではありませんが、来場者に対する駐車場を用意している大学が多いように感じています。そこで、お尋ねいたしますが、現在の金沢美術工芸大学の駐車場の使用状況やスペースなどについてお聞かせください。 県立図書館が向かいにあることもあり、バスの利用も可能ではありますが、金沢は自家用車の利用率が多く、駐車場を備えていないというのは、来訪者にとって1つのネックになるのではないかと感じています。多種多彩なイベントを開催しても、駐車場がなければ訪問を諦めてしまう方もいるのではないかと思います。そこで、お尋ねいたしますが、今後、金沢美術工芸大学の駐車場に一般来場者向けのスペースを一定数用意することは考えられませんか。多くの市民の方に来訪していただく機会をつくる上でも必要になるのではないかと考えますが、お考えをお伺いいたします。 金沢美術工芸大学で学ぶ学生さんや、そこで教鞭を執る教職員、働いている職員だけではなく、多くの市民の方にとっても身近に感じていただき、利便性がよくなることは、文字どおり地域に開かれた大学に近づくと思います。今後のさらなる発展と魅力度の向上を期待しております。 これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 10番大西克利議員にお答えいたします。 初めに、本市の合計特殊出生率の最新のものは、令和4年の数値であり1.35です。今後の人口推計の見通しについては、今年度末までに改訂する本市人口ビジョンの中に盛り込むこととしております。国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口や、今後示される国の新たなまち・ひと・しごと創生長期ビジョンを踏まえて、取りまとめてまいります。 子どもの医療費の助成については、これまでも予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次、対象年齢の拡大等を行ってまいりました。子育て支援には、医療費の助成以外にも、福祉や保健、教育から文化、スポーツまで多様な施策があります。今年度も新たにこども家庭センターの運営を開始したほか、拠点型子ども宅食の本格実施や、児童クラブの新設などに係る施設使用料の助成の拡充など、鋭意取り組んできております。子どもの医療費助成のさらなる拡充については、現時点では考えておりません。 次に、住宅の取得について、本市では、まちなかや居住誘導区域等における子育て世帯や移住者の定住促進と、区域外への人口流出の防止のため、今年10月から新たな支援制度を導入することとしております。具体的には、子育て世帯を対象に、新たに支援金を加算するとともに、加算となる対象区域は、まちなかから居住誘導区域に拡充することといたしました。まずは、新しい制度の周知を図り、若い世代の方々に、より活用していただき、定住を促してまいります。 最後に、自転車用ヘルメットの着用についてであります。本市では、2014年の自転車の安全な利用の促進に関する条例の制定を機に、市PTA連絡協議会と連携した児童・生徒のヘルメット着用促進に取り組んできているところであります。毎年、小中学校のモデル校において、ヘルメットの購入助成をはじめ、交通安全グッズの配布や啓発用チラシ・ポスターの作成など、きめ細やかな取組を進めているところであります。一方、昨年度実施したeモニターのアンケートでは、購入補助があればヘルメットを着用するとの回答は比較的少なかったことから、今後も様々な機会を捉えて、ヘルメット着用の重要性を啓発する活動に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 安宅
こども未来局長。
◎安宅英一
こども未来局長 私のほうからは、婚活支援の取組についてお尋ねがございましたので、お答えさせていただきます。本市では、少子化対策の一環といたしまして、平成28年度より、婚活支援事業を実施しております。これまで延べ160名の若者が参加したほか、本年度も、男女の出会いを支援する金沢の特色を生かした体験型のイベントの開催を予定しております。イベントの周知に当たりましては、SNSやホームページを活用するほか、県のいしかわ結婚支援センターのメールマガジンに掲載するなど、県とも連携しながら行っておりまして、今後もより多くの方に出会いの機会を提供できるよう工夫してまいります。なお、県では縁結びistに加えまして、スマートフォン等を活用して相手探しができる、いしかわ縁結びマッチングを運営しておりまして、引き続き連携を図りながら若い世代のニーズに合った婚活支援に取り組んでまいります。 続きまして、児童手当の拡充に伴います制度周知と今後のスケジュールについてのお尋ねがございました。高校生のみを養育する世帯など、10月分以降の児童手当から新たに支給の対象となる世帯につきましては、9月初めから順次申請書を送付いたしまして、12月より支給を開始いたします。また、既に手当を受給している世帯に対しましても、多子加算の充実や支給回数の増加などの変更点を分かりやすく掲載しました案内を送付することとしております。このほか、新聞やホームページ、公式LINEを通じまして制度周知に努めていくつもりでございます。 私のほうは以上でございます。
○上田雅大副議長 山下市民局長。
◎山下慎一市民局長 住民の転入転出についての御質問にお答えさせていただきます。まず、転入者と転出者の差についてでございますが、2019年はマイナス203人、2020年はマイナス139人、2021年はマイナス526人と転出超過の状況でございました。2022年はプラス627人、2023年はプラス167人、今年は5月末時点でプラス201人と転入超過の状況でございます。また、県内の他の市町への転出状況についてでございますが、2019年は約5,000人の方が転出いたしております。2023年には約4,200人でございまして、転入先の約70%が白山市、野々市市などの中央都市圏の市町となっております。大変失礼いたしました。転出先につきましては、そういった形で約70%の方が中央都市圏のほうに転出いたしております。訂正させていただきます。申し訳ございません。
○上田雅大副議長
村角都市政策局長。
◎
村角薫明都市政策局長 まず、児童・生徒の自転車用ヘルメットの着用率などのデータについてお尋ねがございました。本市におきましては、中学生以下のヘルメットの着用を2018年4月から努力義務化しているところでございますが、2021年度に、市PTA協議会と連携し、全小中学生を対象としたヘルメットに関する調査を実施しております。この調査におきまして、ヘルメットの所持率は小学生で約82%、中学生で約61%となっておりまして、このうち、「必ず着用」、「時々着用」との回答が小学生では約84%、中学生では約63%となっているところでございます。 次に、金沢美術工芸大学の駐車スペースについてお尋ねがございました。金沢美術工芸大学には138台分の駐車スペースがございまして、教職員、遠距離通学の学生、校舎管理事業者などが利用しております。イベント開催時などにおける市民の方々の御来場につきましては、利用状況により可能な限り臨機応変に対応していくと大学のほうから聞いておりますが、スペースも限られておりますことから、基本的には、ぜひ公共交通機関の利用をお願いしたいというふうに思っております。 以上です。
○上田雅大副議長 堀場教育次長。
◎堀場喜一郎教育次長 市立工業高校生徒のヘルメット着用についてお尋ねがございました。市立工業高校では、毎年約9割の生徒が自転車による通学を申請しており、ポスターの掲示やチラシの配布などに加え、警察官を講師に迎え、交通安全教室を開催し、ヘルメット着用の周知に努めております。また、今年度からは、新入生を対象として、仮入学の際に自転車用ヘルメットを試着する機会を設け、購入を推奨するなどの取組を行っております。その結果、新入生の着用率は47.5%、全体では24.7%と、昨年度の2倍以上の着用率になりましたが、決して高いものとは思っておりません。生徒の大切な命を交通事故等から守るため、今後も様々な教育活動を通じて、交通安全指導を徹底し、ヘルメット着用率のさらなる向上に努めてまいります。 〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○上田雅大副議長 10番大西克利議員。
◆大西克利議員 先ほどの答弁の中で、流出が多いのが白山市、野々市市という御答弁ありました。市長の御答弁からも、医療費の拡充に関しては今後予定がないということでしたけれども、今石川県の中で、医療費の助成に対して18歳まで補助がないというのは金沢市だけという状況になっております。そういった中で、少なからず医療費の助成制度があることを求めて、市内から近隣の市外、野々市市だったり白山市だったりに移住するという御家庭も少なくないと思うのです。なので、そういった中でやはり若干取り残されているという状況を私は感じざるを得ないんですけれども、この状況について市長は、率直にどうお考えかということをお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 改めて医療費の助成の拡充については、財源の確保が前提であるということを申し上げたいというふうに思います。白山市、野々市市への人口の流出については、主な原因が医療費の助成の関係であるというようなデータはそろっていないというふうにも思っております。私個人としての感想で申し上げると、これは地価の違い、そして、住宅の取得の価格の違いが非常に大きく左右しているというふうに思っております。
○上田雅大副議長 11番山下明希議員。 〔11番山下明希議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆山下明希議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。 まず初めに、子育て施策についてお尋ねいたします。 今月、厚生労働省が1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率を発表しました。全国は1.20、石川県は1.34と、どちらも過去最低となり、8年連続の減少です。経済的不安で子育てに希望が持てない、子どもを産み育てられないという訴えは、本市が取り組んだ次期かなざわ子育て夢プラン策定の
市民アンケートの結果にも同じように表れています。物価高騰の中、実質賃金が減り、子育てに係る経済的な負担はさらに重くなっています。本市においても子育て施策の拡充が強く求められているのではないでしょうか。そこで、次期かなざわ子育て夢プラン策定における
市民アンケート調査結果は、本市の子育て施策にどのように生かされていくのかお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市のアンケート調査結果では、子育てに係る経済的な負担に加えて、育児と仕事の両立に伴う精神的、体力的な負担などを感じている人の割合が増加していると認識しております。子どもを持ちたいと考える人にとって、経済的な負担や、仕事との両立が支障とならないように、妊娠・出産から子どもの成長に合わせた切れ目のない子ども子育て施策の充実を、新たにかなざわ子育て夢プランに盛り込まなければならないと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員
市民アンケートでは、行政が行っている子育て支援の満足度について保護者に尋ねています。就学前児童の保護者で、「不満」、「やや不満」を合わせると57.1%と半数を超えています。小学生の保護者では54.7%、中学生・高校生の保護者では56.7%と、子どもの年齢にかかわらず行政が行っている子育て支援を不満、やや不満と感じる保護者が半数以上います。前回のアンケート結果より割合が増加しています。市長、この調査結果、どのように受け止めますか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 アンケートに御協力いただいた子育て当事者の声として真摯に受け止めたいと存じます。そのためにも、新たなかなざわ子育て夢プランでは、今回のアンケート調査結果はもちろんのこと、これまで以上に、未来を担う若者や子育て当事者の意見を取り入れて、市民ニーズに沿ったサービスの拡充や、金沢の特徴を生かした施策を盛り込んで、国の施策と一体となった施策を充実していきたいと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ子育て世代の実態を施策に忠実に生かしていただきたいと思います。 子育て支援策としてどのような取組が重要だと考えるかという問いに対しては、子どもの年齢にかかわらず、「子育て世帯に対する経済的支援全般」との回答が7割を超えています。先ほどの満足度を踏まえて考えると、金沢市で子育てをする皆さんは、経済的支援が十分ではないと感じているとも考えられます。アンケート調査の自由意見の中には、調査をした6つの対象区分のどの保護者、どの年齢層にも、「子どもの医療費を18歳まで無償化してほしい」という御意見がありました。これまでも子育て世帯、子どもたち自身からも、医療費の負担をなくしてほしいとの声は多く寄せられています。本市が2021年に行った子どもの生活実態調査において、子どもを医療機関に受診させたほうがよいと思ったが実際にはさせられなかったという問いに、「あった」と回答したその理由について、「公的医療保険に加入していたが、医療機関で自己負担金を支払うことができないと思ったため」と回答した割合を年齢別に見てみます。4歳から5歳、小学2年生の保護者で1.0%、小学5年生、中学2年生の保護者で1.7%という割合に対して、16歳から17歳の保護者では10.2%と高い割合になっています。この差は、16歳から17歳には医療費の自己負担金がかかっていることが影響していると見てとれるのではないでしょうか。3月定例月議会の答弁で、18歳までの完全無償化まであと4億8,000万円でできると明らかになりました。本市の一般会計予算規模は1,900億円余りです。子どもの受療権を保障するということのためにも、市長、ぜひこの子どもの医療費の助成制度、18歳まで完全無償化することを今決断するときではないでしょうか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 何らかの施策を行うためには何らかの施策を削らなければならない、あるいは、ほかのところに財源を求めなければならないということは当然のことだというふうに思っております。子どもの医療費の助成は、これまでも予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次、対象年齢の拡大を行ってまいりました。子育て支援については、医療費の助成以外にも、福祉、保健、教育、文化、スポーツまで多様な施策があります。今年度も新たにこども家庭センターの運営を開始する、あるいは拠点型こども宅食の本格実施、児童クラブの新設などに係る施設使用料の助成の拡充など、鋭意取り組んできております。子ども医療費の助成のさらなる拡充は、現時点では考えておりません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ子育て世帯の経済的支援をというふうに求める声と、子ども医療費の助成制度を拡充してほしいという声に、ぜひ応えていただきたいと思います。 次に、保育施設等の設備についてお伺いいたします。就労についてのアンケートでも、子どもが生まれた場合でも仕事はそのまま続けたいとの回答が圧倒的に多いことを見ても、保育施設等の整備は重要です。先月、保育所や認定こども園等の改築・改修費を国が2分の1補助する就学前教育・保育施設整備交付金の予算が第1次申請分で想定の予算に達したということで、第2次以降の申請が打ち切られました。本市では第2次以降に9施設で申請を予定していたということです。国会の内閣委員会の中で、特に優先すべき一定の案件を対象として、予算執行残額の範囲内で第2回の追加協議をすると各自治体に通知をしたと大臣政務官の答弁がありましたが、追加協議に当たって、申請基準にどのような変化があったのか、その変更によって本市は追加協議ができたのか、現状をお聞かせください。
○上田雅大副議長 安宅
こども未来局長。
◎安宅英一
こども未来局長 少し経緯も含めて答弁させていただきます。就学前・保育施設整備交付金につきましては、例年複数回の申請協議があります。3月末に、国から申請額が予算の上限に達したため、2回目以降の協議を中止する旨の通知がございました。本市では、法人の準備期間等を考慮しまして、例年3月末の2回目に申請協議を行っていることになります。この通知を受けまして、協議予定の施設に対しまして、速やかに説明を行うとともに、追加予算の確保に向けまして、全国市長会等を通じて要望するほか、本市でも国に対しまして直接要望してきたところでございます。それを踏まえまして、5月中旬の追加申請協議の通知におきましては、令和8年4月1日以前の開園予定で、令和6年12月までに着手予定の事業などが対象となる旨が示されておりまして、この条件に該当する施設について協議書を提出したところでございます。 以上です。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 内示や交付決定がされなかった場合、該当の保育所や認定こども園等が被る影響はどんなことが考えられるか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 国からは、協議額どおりに内示できないことがあるが、不足額については、追加財源の確保に向けて全力で取り組む旨の通知を受けております。今回の追加申請協議で内示がない場合、スケジュール等の変更など、施設の整備計画に影響が出ることになりますが、本市としては、個別に丁寧に相談に応じていくこととしております。今後の国の追加財源の動向を注視するとともに、次年度以降の施設整備の需要に対応できるよう、国に対して強く要望してまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 2次申請で内示が出る予定だった園は、今全てがストップしていると聞いています。そして、来年度、改築で申請を予定をしている園からも、予定どおり建て替えができるのだろうかと心配の声が上がっています。今市長から答弁もあったように、ぜひ該当の9施設やこれから申請を予定している園に対しても、丁寧な説明に努めていただきたいと思います。 市長が予算確保の要望に出向かれて、中核市市長会も緊急要望しているとおり、国が責任を持って予算確保を行って、内示・交付決定をすべきだと考えます。改築・改修を予定していた保育所や認定こども園等が計画を中断しなくてもいいように努めなければなりません。交付決定が得られなかった場合、本市独自での財源確保を求めますがいかがですか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市の保育施設整備につきましては、中長期的な観点に立って計画的に進めております。整備費用については、国、市、施設が一定のルールに基づいて負担してきております。建築年数が建て替えの目安を経過している施設が多く、今後も建て替えの要望が見込まれますことから、これまでの費用負担のルールで対応することとして、市独自の財源措置は考えておりません。繰り返しになりますけれども、今後の国の追加財源の動向を注視するとともに、次年度以降の施設整備の需要に対応できるように、国に対して強く要望してまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 今後、改築や改修整備を予定している保育所や認定こども園にとっては、改築等の補助をつける元が国か市かということは、そんなに関係ないことです。なので、でき得る限りの方策を取っていただくように求めたいと思います。 次に、金沢市の女性支援についてお尋ねします。 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる女性支援新法が本年4月から施行されました。女性支援新法の目的は、生活困窮、DV被害、性的搾取などに苦しむ女性を公的な枠組みで包括的に支援していくというものです。女性の困難や生きづらさを個人だけの問題にとどめず、社会の課題として位置づけて支援が進められていくことになります。この女性支援新法を受けて、今後金沢市において、女性支援をどのように拡充して取り組んでいかれるのかお聞かせください。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市では、法律の制定を受けまして、昨年度、オンラインによる相談を開始いたしましたほか、女性支援を実践する民間団体との協働で、居場所の提供などを行うといった、経済的な不安や孤独・孤立感を抱える女性への相談機能の強化に努めてきております。今後とも困難な問題を抱える女性に寄り添った支援を進めてまいりたいと存じます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 女性の意思が尊重されて、最適な支援が受けられるように、福祉と人権の視点に立った公的な支援の拡充をぜひお願いしたいと思います。 法律の施行と新たな女性支援の枠組みにおいて、困難を抱える女性の相談に応じる女性相談支援員は重要な役割を担います。しかし、厚生労働省の報告でも、女性相談支援員の配置状況は約8割が非正規雇用です。本市においては、女性相談支援室の相談員全員が非正規雇用という現状です。労働時間や仕事内容に見合う報酬を得ていないという声もあります。新法では、女性相談支援員の適切な処遇の確保、資質向上のための研修の実施に努めることとしていますが、本市の状況をお聞かせください。
○上田雅大副議長 山下市民局長。
◎山下慎一市民局長 相談員の処遇についてですが、今年度から、正規職員に準じて勤勉手当を支給することとしております。このことによりまして、前年度と比べ約30万円の増となるなど、給与面で一定の改善が図られていると考えております。また、相談員の資質向上に向けてでございますけれども、国や県等が実施する研修に積極的に参加するほか、関係機関との連絡会議に出席などしております。 以上でございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 勤勉手当等で給与が上がったということですが、そうした処遇改善にとどまらず、やはり相談員の正規雇用化を求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 本市では、個別分野の相談業務や支援業務に、その分野ごとに様々な社会経験を積み重ねてきた人材を配置し、こうした経験を活用することが有効と考えておりまして、会計年度任用職員を配置しております。正規化は考えておりません。 以上です。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 昨年、東京大学大学院の研究グループが、公的部門の最前線で女性支援を行う婦人相談員の全国調査を行いました。調査によると、DVや貧困などの相談に対して、相談員が心理的な負担を抱えているということが明らかになりました。業務の影響により心身の不調を経験したことがある相談員が、約5割に上ります。本市の女性相談支援室の相談件数は年間1,300件を超えていますし、オンライン相談を開始して新たな業務も増えています。相談員が感じる業務上の負担、また心身の状況を把握しフォローする体制が必要ですが、そうした体制があるのか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 山下市民局長。
◎山下慎一市民局長 相談員が所属いたしております女性相談支援室には、正規職員も兼務をいたしておりまして、日頃からコミュニケーションを密にするなど、必要に応じて協議を行いながら相談員をサポートすることで、負担の軽減を図っているところでございます。また、相談員を含む全職員を対象に、心身に不安を感じる職員には、心のケアを呼びかけておりまして、疲労度のチェックや保健室内にある職員相談室の利用を促しております。メンタルヘルスの不調に至らないよう、引き続き対策を講じてまいります。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 相談業務を継続していくためには、ケアに当たっている人をケアするということも重要ですので、引き続きの取組をお願いいたします。 女性支援の最後に、女性安心生活支え合い支援事業についてお尋ねします。コロナ禍の下で不安を抱える女性をサポートするため事業が開始されました。そこで、事業の一つである生理用品の無償配布についてお尋ねします。2021年の事業開始からこれまでの取組の経過と現状をお聞かせください。
○上田雅大副議長 山下市民局長。
◎山下慎一市民局長 生理用品の無償配布につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化によりまして、特に女性の経済的な困難が問題となりました令和3年6月から、本庁舎、福祉健康センターや女性センターなどで配布を実施いたしておりました。この事業につきましては、防災備蓄品を活用していますことから、現在は、駅西福祉健康センターのみの配布となっております。 以上でございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 生理の貧困は単なる経済的な問題にとどまらず、社会の風潮やジェンダー格差などあらゆる問題に関連してきます。女性の健康や尊厳に関わる重要な課題であり、本市が行っている生理用品の無償配布は重要な事業の一つだと思います。新型コロナウイルス感染症が5類へ移行した後も、女性の困難はなくなったわけではなく、長引く物価高騰や能登半島地震の影響もある中で、事業の継続が求められます。ただ、防災備蓄を活用しているということで、備蓄の入替えがなければ在庫が不足するという事態が生じていることや、ホームページでしか周知されていない状況には課題があると考えます。配布日、配布場所についてもさらに利用しやすくしてほしいという声も聞いています。防災備蓄の活用だけでなく、生理用品購入費の予算化や、配布日、配布場所の拡充を求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 当初、コロナ禍における女性の経済的困難に寄り添うという観点で生理用品を配布しておったものであります。今後についてでありますけれども、単なる生理用品の配布にとどまらない、困難を抱える女性の相談支援と合わせた事業としての手続の見直しを含めて、検討していきたいと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ぜひ検討よろしくお願いいたします。 次に、教科用図書の採択についてお尋ねいたします。 2025年度から中学校で使用される教科書の検定結果が公表されました。小学校教科書の検定と同様、QRコードを読み取るデジタル教材が大幅に増えています。しかし、デジタル教材は検定の対象にはなっておらず、問題のあるコンテンツが生徒の目に触れる可能性があり得ると文部科学省も認めています。QRコードが多いから子どもの学びが深まるというような単純な話ではないと思います。本来の紙の教科書全体で子どもたちに何を伝え、どのような学びを保障していくのか、そうした判断も採択においては必要だと考えますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。私も採択の任を担っている1人として、現在、教科書を時間を見つけながら読み進めさせていただいて、調査研究を行っておるところであります。今ほどありましたけれども、今回採択を進めている教科書は、まさに2次元コードを1人1台学習用端末で読み取り利用できるデジタル教材が、前回に比べて大幅に増えているなということを実感しています。また、加えて実際にその2次元コードを読み取ってみますと、例えば、英語の音声とか、書写の運筆を確かめることができる動画など、紙の教科書では表現しにくい多様な教材が利用できるようになっているなということを感じています。しかしながら、デジタル教材につきましては、今おっしゃったとおり、教科書の補助としての位置づけでありますので、あくまでも教科書に記載されている内容を基に判断すべきものと考えております。ただ1点だけ。今回の国からの通知によりますと、中学校の英語の教科書採択におきましては、中学校英語のデジタル教科書を調査し、考慮の1事項とすることができるという通知がありましたので、英語の教科書の研究に当たりましては、英語のデジタル教科書において、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの基本的な技能を身につけられるよう工夫が図られていることについても、綿密な調査研究を行い答申するように、選定委員会のほうにお願いしているところでございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 歴史教科書採択について、ちょっと話します。歴史教科書の採択に当たって、やはりなぜ歴史を学ぶのかということを押さえる必要があると考えます。どんな日本人をつくるのかとか、態度や思想を押しつけるような学びでよいのかと、学術的な史実に基づく歴史から、今、ヘイトやデマが飛び交う現代社会を生きる子どもたちが、多角的、多面的な視野を持って、自分自身も他者も尊重しながら、共に生き合うために歴史から学ぶことは大いにあると思います。教育長は、昨年の6月定例月議会で、日本国憲法、そして教育基本法の2つが戦後教育の原点であると答弁されました。教育は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3原則に基づき、そして、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものであると理解しています。その上に立って、どのような歴史教科書で子どもたちに学んでほしいとお考えか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今ほど山下議員がお触れになられたこと、今でもそのとおりだと思っています。その上で、もう一つ大事なことは、金沢市の子どもの実態、子どものことを真ん中に置いて教科書を選ばないといけないと思っています。金沢の子どもたちには、日本や世界における各時代の政治、経済、文化などが理解しやすく記載されていることに加え、学習を通して歴史上起こった出来事や、登場する多くの人物に触れることなどによって、歴史を身近に感じ、意欲的に学習に取り組むことができる歴史教科書で学んでほしいと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------本市では、2016年から2024年で育鵬社の歴史教科書を使用していますが、採択された教科書を実際に使用して、教員や生徒がどのように感じているか、どのように評価しているか、把握されていますか。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 現在使用している教科書につきましては、学校訪問の機会などに直接、教職員、先生方から伺うようにしています。私は、誰よりもきっと学校を回って、教職員とか、子どもたちと話しているんじゃないかなと思っておりますけれども、そうした中で、例えば、段階的に難易度が上がるにつれて活動例や例題が提示されているため、教科書に沿って進めることで無理なく学習を進めることができる、それから、生徒の思考の流れに沿って授業を進めることができるなどの声を、これは先生方からお伺いしています。また、たくさん授業を見させていただいています。そうした授業の中では、生徒から意見が出にくいときや、自分の言葉でうまくまとめられないなというようなときには、先生方が教科書の記述や図表、資料などを上手に活用しながら、生徒の思考の一助とするなど、効果的に教科書を活用している様子を多く目にすることができているところでございます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------評価などをきちんと把握して、また次の採択にも生かしていただきたいというふうに思います。 2020年、前回の教科書採択における教科用図書研究委員会の調査研究報告書では、調査研究項目に対し、出版社ごとに意見数が表記されています。------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------選定委員会では、保護者や市民が教科書を見ることができる、こうした意見書についてほとんど触れられていません。現場の教職員の意見、保護者、住民の意見が届いているのか疑問です。教科書採択において、教職員や保護者、市民の意見が尊重されているのか、お聞かせください。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 採択の権限等につきましては教育委員会にあります。採択に当たりましてですが、選定委員会の答申に縛られることなく、やはりきちっと教育委員会の中で議論しながら、これを採択していく、決定していくことがやっぱり大事なことなんだと思っています。教科書採択に際しましては、各教科の専門性の高い教員で構成いたしております教科用図書調査委員会及び各学校の教員で構成する教科用図書研究委員会が調査・研究して報告書を作成していただいております。現在行われております教育プラザ富樫の常設展示会や、全市立中学校を会場とした移動展示会では、事前に保護者や地域の方に、ホームページ、お便り、メール配信等で開設期間を周知しておりまして、既に様々な意見が集まってきていると報告を受けております。教科用図書選定委員会が教育委員会に答申する報告書は、これらの調査研究結果や市民の方々の御意見、また、採択に係る様々な要望書を踏まえて審議してまとめられており、その答申を基に教育委員会は採択を行っており、現場の教員の意見や保護者または市民の方々の声は反映されていると捉えております。なお、採択に当たられる教育委員の方々にも、こうした市民の方々の御意見も見ていただいております。また、様々な要望書を頂戴しておりますが、それについても見ていただいております。全てを全部ひっくるめて、我々は審議に臨んでおりますことを申し添えておきます。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 そうした全てをひっくるめて考えられている教育委員会の採択会議について、やはり今、公開を求める署名が教育委員会に提出されました。小学校の教科書採択においては、発言者名を記載して議事録を公開することになりましたが、教育長は、説明責任を果たす観点からというふうに答弁されていましたが、発言者名が分かるのになぜ会議の公開を渋るのか、非公開にする理由がないという声が上がっています。発言と採択への責任は果たせていないのではないでしょうか。公正で透明性のある会議の運営について市民の要望は、採択会議を傍聴可能な公開にすることです。中学校の教科書採択の教育委員会会議を公開するよう求めますが、見解を伺います。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今から答弁いたしますが、その中にも触れてございます。教科書採択に係る会議を公開するかどうかにつきましては、今ほど、山下議員お触れになりましたが、昨年7月の教育委員会議において議論した結果、教科書採択の審議経過については、意思形成過程であること、また、ここが一番大事なんです、静ひつな採択環境の中で自由闊達な議論を行うこと、そして、公平性・中立性を保つ必要があること、こうしたことから非公開とすることに決定した次第であります。しかしながら、こうしたこれまでの経緯と、国からの通知に示されている静ひつな審議環境の確保等の観点から検討を行い、会議の公開・非公開を適切に判断することや、公表の時期、方法等について不断の改善を図ることを踏まえて、昨年度の小学校用教科書採択時に、議事録に発言者名を記載し、公表するよう改善を図ったところでございます。したがいまして、今回の中学校教科用図書の採択に係る教育委員会議の公開については、公開することは考えておりません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 公開を求める市民の声は引き続いてありますので、ぜひ再度検討を求めます。 最後に、改定地方自治法についてお尋ねします。 国民の安全に重大な影響を及ぼす事態と判断すれば、地方自治体に対して指示ができる指示権の枠組みを新たに導入する地方自治法改定案が昨日の参議院本会議で、私たち日本共産党は反対しましたが、賛成多数で可決されました。有識者や全国知事会からも懸念が示され、金沢市議会も3月定例月議会において、全会一致で、地方自治法改正案の閣議決定を受け、重大事象発生時の運用の明確化と慎重な審議を求める意見書を国に提出しています。国会の審議の中でも、立法事実すら明らかにならず、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態である災害や感染症以外のその他の事態について、具体的な想定が示されず曖昧なままです。3月定例月議会において市長は、適切な改正案であると考えていると答弁されましたが、現在もその見解に変わりはないですか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 昨日可決された地方自治法の改正については、国民の安全保護の観点から、感染症や災害など、あくまで想定外の重大な事態が発生した場合に限って、国が自治体に対し補充的な指示を行えるとするものであります。想定外の事態ですので、どのようなことを想定したらよいか、我々も、答弁作成のときに考えました。事態としては、もう映画の中であるような事態しか想定できません。例えば、今まで見たことがないような生物が現れて、その生物を天然記念物とするのか、あるいは保護すべきなのか、殺傷してよいのか、そういった事態がある、所管ですら分からないというその中にあって、その破壊的な生物に対して、どう対応するかということを我々自治体では決め切れません。そういったことなども恐らく議論するにも難しい話だったというように思います。国、地方を通じて的確かつ迅速な対応、万全を期すとの観点からの見直しと捉えております。想定が明示されないということを理由にして、この仕組み自体を否定するものではないと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 政府は法改定の理由にコロナなどを挙げています。しかし、能登半島地震に見るように、災害時に対応が進まない大きな要因は、地方公務員を減らし、地方の財源を削ってきたことです。必要なのは、迅速な対応ができる権限、財源、人を国が自治体に保障することですし、住民に最も近い自治体が国と対等に協議し、住民の命や財産、暮らしを守る最善の解決策を見いだすことではないでしょうか。国が必要だと判断すれば個別の法律に規定がなくても、閣議決定で自治体に指示を出し、国の関与を最大限抑制すべき自治事務にまで指示することを可能にすることは、地方自治の侵害です。時の政府の恣意的判断によって地方自治を侵害するこの改定地方自治法は廃止を求めるべきと考えますが、市長いかがですか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 指示権の発動については、国と地方公共団体が事前に適切な協議・調整を行うということ、また、目的達成のために必要最小限の範囲とすることなど、地方としてかねて要請してきたところであります。法の運用に当たっても、地方分権の原則の下、国において具体の案件ごとに適切な対応がされるものと考えておりまして、制度の廃止について国に求めるつもりはありません。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 参議院委員会の参考人発言でも、指示権に関する慎重意見が目立ちました。なぜ指示が必要なのか、そして、改定の本当の狙いはどこにあるのか明確にするよう、自治体の長として求めるべきだと考えます。現法制下にあっても、沖縄県では県民の意思を無視し、米軍辺野古基地新建設が国による代執行で強行されています。必ず国が地方の意思を尊重した運用をすると言えるのか、必要最小限の措置が守られるのか、市長、もっと危機感を持つべきではないですか。
○上田雅大副議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の法改正に当たっては、これは、想定し得ない事態を自治体が想定しなければならないということの事務負担をなくすという意味からも、より地方分権を進めるために大切な法案であるというように認識しております。地方を無視した運用は想定されていないというように思いますし、運用面が明らかになる中で、必要があれば、引き続き地方六団体等を通じて、地方自治の本旨に沿った対応を求めてまいりたいと考えております。
○上田雅大副議長 山下明希議員。
◆山下明希議員 改定地方自治法廃止等を改めて求めて私の質問を終わります。(拍手)
○上田雅大副議長 以上で、11番山下明希議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△休憩
○上田雅大副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時52分 休憩----------------------------------- 午後3時10分 再開
△再開
○
喜多浩一議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
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喜多浩一議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 6番黒口啓一郎議員。 〔6番黒口啓一郎議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆黒口啓一郎議員 みらい金沢の一員として質問の機会をいただきましたので、金沢市政について質問させていただきます。よろしくお願いします。 まず、補正予算案について2つお尋ねしたいと思います。 1つ目ですが、この補正予算案では、被災者生活家電購入助成費が予算追加され、1億円が計上されました。能登半島地震で被災し、賃貸型応急住宅、いわゆるみなし仮設住宅への入居を決め、金沢市内の賃貸住宅に入居された方々が多数おられます。この助成は、1世帯上限13万円ですので、前回の予算と合わせると、少なくともみなし仮設に入居された1,269世帯に助成できる計算となります。そこで、本市で把握している金沢市内のみなし仮設に入居した世帯数の実数と比較した場合、これは全ての世帯をカバーできている予算となっているのでしょうか。見通しをお伺いいたします。
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喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 今回お諮りしております被災者生活家電購入助成費は、既にみなし仮設住宅等に入居中でいまだ申請のない世帯や、これから入居すると想定される世帯の分を見積もっております。必要な額を計上しているとは考えてはおりますけれども、今後の被災者の動向を見ながら、不足が生じるようであれば、適切に対応してまいりたいと思います。 以上です。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 私としては、今市内のみなし仮設に入居された世帯数と比較した場合どうであろうかというところをお聞きしたかったんですけれども、市内のみなし仮設に入居されている世帯数というのは今、本市で把握されているかどうか、ここをちょっと確認したいんですが、お願いします。
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喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 県からの情報にはなりますけれども、約2,500世帯というふうに把握しております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 およそ2,500世帯ということでありますけれども、となりますと、今予算計上されているのが、その半分ほどということになるんですけれども、これはそれぞれ皆さん、みなし仮設に入居された世帯、被災者の方々というのは、こういった助成があることを分かっていて申請がされていないのか、まだ伝わっていないのか、こういった状況というのは、本市のほうで把握されているんでしょうか。
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喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 みなし仮設住宅の申込みを受け付けております被災者生活支援総合窓口におきまして、こういった家電購入助成費の制度があるということは御案内はしております。その上での現在の申請の状況でございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 できる限りの周知をされているということだと思うのですけれども、やはり広く周知されて、この助成ができる限り全ての世帯に行き渡るような形で進んでいくことを期待しております。 そこで、もう一点、みなし仮設に入居した被災者の方々への支援というところで関連して、孤独死防止策についてお聞きしたいと思います。熊本地震の場合、震災が起きてから、みなし仮設住宅に入居した方の孤独死を防ぐための対策が課題となっていました。能登半島地震では、5月の中旬に、輪島市門前町の仮設住宅で、独り暮らしの女性が室内で病死する孤独死があったとの報道がありました。孤独死を防ぐには、隣近所でお互いを知り、コミュニケーションを図れる機会を積極的につくることが鍵だとの指摘があります。馳知事は災害関連死を出さない取組を進めるという意向を示されて、県議会で、震災関連死を出さない、孤独死を発生させないための見守り体制を強化するための官民連携の復興センターを拠点として、プッシュ型の支援を強化していきたいと述べられていますが、こういう中で、本市においても、今ほど数字がありました約2,500世帯おられるという、市内のみなし仮設の住まいに入居した能登被災者の方々を孤独な状況とならないように支援していくことが大事だと考えます。生活家電購入助成の申請をきっかけに連絡が取れることにも当然なっていくでしょうし、県との情報共有がさらに進んでいくという中で、本市からコンタクトが取れて、地域とのつながりやコミュニケーションが生まれやすいように支援ができるのではないかと考えますけれども、現状についてまずお聞きいたします。
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喜多浩一議長 山口福祉健康局長。
◎山口和俊福祉健康局長 みなし仮設住宅の申込みを受け付けております被災者生活支援総合窓口におきましては、支援制度の手続を説明いたしますとともに、市内の各地で開催されておりますコミュニティカフェなどの高齢者の集いの場であったり、子育てサロンを紹介するチラシを配布させていただいております。そういったことで、地域とのつながりにも配慮しているところでございます。さらに加えまして、市内のみなし仮設住宅に入居している被災者に対して、金沢市社会福祉協議会が生活支援相談員による個別訪問を実施しておりまして、見守りや相談等の支援を行っているところでございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 今ほど御説明いただいたそうした取組に加えて、今後、被災者の孤独な状況を防ぐ手だてとして、この夏以降は、本市でどのような取組を加えられていくのでしょうか。本市の考えをお伺いします。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 現在、金沢市社会福祉協議会が金沢福祉用具情報プラザにおきまして、被災者の交流や支援、相談の場、また、ここでは集いの場、カフェも開催しておりますが、「あつまらんけ~のと」として開催しています。不安や孤独感の軽減を図っているところであります。今後、市内の各地域においても同様の取組を行うことができないか、地域の関係団体と協議してまいりたいと存じます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 こういった支援というのは、やはりきめ細かさが必要だと思います。これからも、息の長い寄り添った支援というところでは、そういったところがより充実していくことを期待して、次の質問に移りたいと思います。 みなし仮設住宅のことでお伺いいたしましたが、それに関連して、市営住宅の災害時の目的外使用としての状況についてお伺いしたいと思います。まず、能登半島地震を受けて、被災されて市営住宅に入居された方の状況というのをお伺いいたします。
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喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 本日現在で35世帯が入居済みでありまして、そのうち28世帯が能登地区の被災者の方々でございます。 以上です。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 今、35世帯ということでしたけれども、2月、3月頃の状況推移から見ていくと、市営住宅への災害による入居というのは、数字がいろいろ増減はあったにせよ、35世帯あたりで変わっていない状況なのかなと、横ばいのように見受けられます。震災が起きた後、80戸用意されるというようなことをこれまでも聞いておりましたが、震災発生当初、給湯とかお風呂とか、そういう設備を整える時間が必要だったり、そういった使用を広げていくことに、いろいろ課題もあったように感じております。そういう中で、今後の大規模な災害発生時に備えて、市営住宅の災害時の使用にちゃんと応えていくというところでは、能登半島地震の震災をきっかけに、どのような課題を持っておられるのか、また今後、次の災害に備えた事前の対策をどう打っていかれるのか、所見をお伺いいたします。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市の市営住宅でありますけれども、能登半島地震のような被災者の受入れという形ではなくても、市内でも災害が起きた際に、一時的に御利用いただくということも想定しなければなりません。そうした中では、浴槽や給湯器等を入居者が準備するということが現在原則となっております。今回の能登半島地震では、できる限り早い入居を希望される方が多く、設備が整った民間のみなし仮設住宅を選択した方が多かったというように理解しております。また、現行では、市営住宅の目的外使用の期間が1年に限られております。こうした点を含めて、市営住宅に係る大規模災害に備えた対応について、国や県とも協議が必要になりますが、その上で検討してまいりたいと存じます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 ぜひそういった国・県との協議の下、改善に向けた検討が進むことを期待しております。 次に、災害関連歴史的建造物復旧助成費についてお尋ねいたします。元日は市内は震度5強でした。国や所有者との協議に苦労されたとのことですけれども、原状の復帰ということですと、今後同じ震度5強程度の揺れが起きると同じような被災となる可能性はないでしょうか。この復旧によって、耐震強度がどうなるのでしょうか。お尋ねいたします。
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喜多浩一議長 津田
文化スポーツ局長。
◎津田宏
文化スポーツ局長 災害関連歴史的建造物復旧助成費は、今回の地震によって被害を受けた歴史的建造物に対し、あくまで地震発生前の原状に復旧することを目的としており、従前より耐震強度を高めることを目的とするものではございません。 以上です。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 これをお尋ねしたのは、今回の震災で、能登で唯一の国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている輪島市門前町の黒島地区の被害状況について、報道にもあるとおり非常に大きなダメージを受けています。歴史文化の資産としても、観光資源としても、災害による大きなダメージはやはりできるだけ避けたいという思いは共通だと思うのですけれども、今後やはり森本・富樫断層帯のような地震にも備えることを考えると、本市においても、できるだけそうした価値ある建物というところにおいては、耐震補強ができるかどうかというところはポイントになるかと考えます。そういった金沢のまちの価値に資している歴史的建造物の保全を見据えて、災害時の被災ダメージをできる限り抑えていくためには、復旧助成から一歩踏み込んで、耐震補強まで後押しすべきではないでしょうか。市長の所見をお伺いします。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 先般、私も重要伝統的建造物群保存地区の黒島地区に行ってまいりました。その際に、耐震補強をした家とそうでない家が隣り合わせでありましたが、耐震補強した家については、比較的というか、ほぼ外見上は被害がないように見えるぐらいのしっかりした構造でありました。そんな中で、事前の耐震補強の重要性について改めて認識したところでもあります。全国伝統的建造物群保存地区協議会の会長として、また、会員の各首長とともに、国に対して、そうしたことを踏まえて、災害からの復旧に向けた迅速かつ手厚い支援、そして、耐震対策の充実を図るように要望したところでもあります。本市においては、災害復旧のみならず、市独自に耐震補強等に係る支援制度を設けております。こちら、歴史的建造物の防災構造を補強することの重要性と支援制度について、所有者等に丁寧に説明して、その活用を促していくことで、耐震補強を後押ししていきたいと考えております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 歴史的建造物の保存、そして価値を残していくというところでは、この耐震補強、非常に本市にとっては重要課題だと思いますので、また引き続きの取組をお願いしたいと思っております。 続きまして、防災・減災の観点から、この震災を機に、本市の能登半島地震課題検証会議が設けられて、地域防災計画の見直しをはじめ、防災・減災の取組を強化するに当たって、関西大学の越山健治教授を本市の防災アドバイザーに委嘱されました。課題は、初回の検証会議で多岐にわたって示されていましたけれども、あらゆる課題に向き合う当初の段階で、専門家のアドバイスを受けておられるのではないかと推察いたします。1年をかけての見直しが、提案理由説明で触れられたとおり、より一層実効性の高い具体の対策となることを願うわけですけれども、越山教授からはどんな指摘もしくは助言があったのでしょうか、具体的にお聞かせください。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 先般の能登半島地震課題検証会議におきまして、防災アドバイザーの越山教授からは、実際の災害対応を経験し分かったこととできなかったことを整理すること、また、行政がやらなければならない課題だけでなく、市民とどのように解決するかを双方で考える必要がある、そういった御意見をいただいたと聞いております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 この指摘については、市長はどう思われましたでしょうか。本市の防災・減災の段階を引き上げていくというところで、特に意識を置くべき課題はどこにあると受け止められているか、所感を伺います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 まずは、防災アドバイザーからの御指摘を真摯に受け止めること、そして今後の議論につなげていくように担当職員に伝えております。そして、特に自助・共助・公助という中にあって、相互連携がいかに効果的に行えるかが重要と考えております。防災アドバイザーからの御指摘にもあったとおり、行政のマンパワーには限界があり、そして、広域かつ甚大な被害に対してどのように市民とともに考えて行動できるかということ、それが必要だというふうに考えております。実効性の高い地域防災計画、防災マニュアル等をこの後に策定してまいりたいと存じます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 ありがとうございます。そういった相互連携、まさに官民の連携、市民の協働なくして地域防災計画、今後の見直しの中で、その要素というものはすごく重要だというところは私も同感でございます。しっかりとした見直しが進むことを期待しております。 次に、この夏の熱中症対策についてお尋ねいたします。 直近の情報では、気象庁はこの夏、ラニーニャ現象による猛暑となる可能性があるとしています。災害級の暑さという表現が毎年聞かれるほど、暑さに備えることが求められていますけれども、環境省は、熱中症警戒アラートの1段上に、熱中症特別警戒アラートを設け運用を開始しました。本市の熱中症対策としては、市長は提案理由説明で、公共施設の一角に避暑休憩スペースを設けるクーリングシェルターを当初予定から拡充して、市内の図書館など14か所で設置すると述べられました。私は、この14か所にとどまらず、クーリングシェルターをきめ細かく設けてはどうかと考えます。立ち寄りやすく各地区に1か所、地域とつながりのある拠点という意味では、公民館をクーリングシェルターに加えることはできないでしょうか。そこで、まず公民館の利用状況をお尋ねします。
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喜多浩一議長 堀場教育次長。
◎堀場喜一郎教育次長 令和5年度の地区公民館における1館当たりのSDGs学級などの各種事業の各開催事業数は、1日平均で約3回、利用者数は約48人でございました。それぞれの公民館によって状況は異なりますが、比較的まだ余裕がある館も多いと認識しております。 以上でございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 比較的余裕がある公民館の状況というのは分かったわけですけれども、この夏というのは、政府の電気・ガス料金の補助金制度が終了して、今後電気代が値上がりしてきます。能登半島地震で被災して市内のみなし仮設住宅に入居された方々がこの夏多数おられるという、昨年と大きく違う状況もあります。そういった中では、身近な場所にある各地区の公民館で、空いている部屋、スペースがあれば、猛暑予想の中で、電気代が上がってくる、熱中症リスクへの対応を考えなければいけない、こういうときに、公民館もクーリングシェルターとして備えていくことができないかと思うのですけれども、その検討を求めたいと思いますが、御所見を伺います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 クーリングシェルターは、気候変動適応法の改正によって、夏場の高温時に市民が暑さをしのぐことができるよう、今年度から設置するものであります。実を申しますと、このクーリングシェルターについて、今回の補正予算で事務的に上がってきた際に、もう少しこの半分以下の箇所数で始める予定でありました。一方で、災害級の暑さとも言われる暑さの中で、開放できるところはもっと進めていったらどうかというような指示もいたしたところで、今回の14か所という箇所数に広がったところでもあります。こうした中で、まずは、本庁舎や福祉健康センターなどの公共施設の一角で、今年は始めさせていただいた上で、利用状況や効果についての検証をしていきたいというように思います。その結果を踏まえた上で、次年度以降で、公民館のほか民間施設なども含めて、利用者が多いと見込まれるような施設への拡大を検討していきたいと存じます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 今後できるだけ広げていくことを視野に入れられて検討されていくということですので、そういったところで、できる限り早く、可能であればこの夏からできるところは少しでも増えていくということを期待して、次の質問をしたいと思います。 熱中症対策について、もう一点、屋外での熱中症対策というところをお聞きしたいと思います。テニスとか野球とかサッカーとか、屋外でのスポーツをする方々にとっては、グラウンドやテニスコートとか、そういったところで日陰となる場所の確保が対策の一つと考えられます。日陰によって直射日光や地面からの赤外放射を避けることによって、ひなたと日陰では体感温度が7度違うと言われております。屋根のあるベンチや日よけのひさしとなるものを設置することが熱中症対策につながると考えますけれども、この観点について市長の御所見を伺います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 スポーツ活動における熱中症対策につきましては、国や各種スポーツ団体のほうの指針に基づいて、施設管理者から利用者に対して、無理な運動の回避、水分・塩分の補給などを呼びかけております。一方で、スポーツ施設設備に関する国の指針の中で、熱中症対策としての屋根のあるベンチ等の整備は求められておりません。今のところ、それら施設を新たに整備することまでは考えておりませんが、屋外でも安全にスポーツを行える環境を整えるということは大事な視点だと捉えております。今後、熱中症対策に係る国の動向等を注視してまいりたいと存じます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 スポーツ施設に限らず、そういった厳しい日差しを遮るようなひさしを設けるとか、そういうのは公共施設はよくあることだと思います。スポーツ施設においても、そういったところを前向きに御検討いただけないかと思いまして、次の質問に移らさせていただきます。 次は、自治体のDXについてです。 1つ目は、官民データの活用によって得られた統計や業務データなどの客観的な証拠--エビデンスに基づいて政策や施策の企画立案が行われることを意味するEBPMについてお伺いいたします。端的に言うと、証拠に基づく政策立案と言われているものです。本市では政策、施策の中で、数値化した達成目標としてのKPIを耳にすることはある一方、EBPMについては耳にしておりません。遡ってみますと、議会では、令和元年に一度取り上げられておりました。自治体DXの取組が進展して、データ分析がしやすくなっていくにつれて重視されています。政府も全庁的に推し進めてきています。AIの進化とともに、近年ビッグデータの面でも、これまで収集が困難とされていた様々な情報の取得が可能となったことが背景にあると言われています。そこで、本市の政策や施策の立案において、証拠に基づく政策立案--EBPMについて、現在の取組はどうでしょうか。この手法がどの程度政策立案で実践されていて、効果に結びついているのか、状況をお聞きいたします。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 本市では、各分野における推進計画を策定する際には、対象となる市民にアンケートを実施するほか、各種統計資料や内閣府の地域経済分析システム--RESASなどを活用し、人口動態や人の流れ、経済情勢等のデータを収集分析するなど、数値的根拠に基づいた施策の企画立案を行ってきたところであります。その意味では、御指摘の証拠に基づく政策立案--EBPMに取り組んでいると考えております。引き続き、施策や予算の重点化などにより、効果的な事業の実施に努めてまいります。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 この政策立案のメリットですけれども、やっぱりデータの根拠に基づいて判断ができるので、担当者の意思決定や判断スピードが向上すると言われております。また、論理的に考えることで、必然的に成果が出やすい政策が生まれ、確実に成果が出ると分かっている政策のほうが進めやすくて、住民からの理解も得やすいという点も挙げられています。データが可視化されて分析した情報をエビデンス、証拠として示すことで、ここまで説明してきた信頼を高めるというところにつなげることができるものと思うのですけれども、今後の本市の政策、施策の立案にあって、このEBPMを生かす政策というのは、どういった分野に広げていかれるのか、市長の所見をお伺いしたいと思います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 EBPM、証拠に基づく政策立案ですけれども、これは全ての分野にもう既に取り入れられていると言っても過言ではないというふうに思っています。証拠に基づいた政策でないと事業として成り立ちませんし、予算の査定も通りません。そういった意味では、分野を問わず、施策の実施は効果が求められ、そして、その立案に対しては、多角的なデータを分析活用して、効果が高められるというようにも考えています。加えて、事業の評価におきましても、客観的なデータからその成果を測るということで、行政への信頼が高まると考えています。全ての分野でEBPMが求められているというように理解しております。一方で、データの質についても求められると考えております。国の基幹統計や本市の統計データなど、既存データの正確性も意識しながら施策立案をすることが肝要と考えております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 全ての分野でもう生かされてきているということでありますけれども、他方、今、非常にデータが取得しやすくなり、その蓄積と分析を生かすというところも、他の自治体でも活発なようであります。そういった意味で、EBPMをより質を高める、レベルを上げていくというところでは、そうした他の自治体の動向も探っていきますと、市の職員が、EBPMのために有用なデータを集めて分析できる環境を整えていくという動きが必要なのかなと考えられます。そうした職員向けのデータの共有環境というのは、現在どのように整えられているのでしょうか、また、今後の展望がありましたら併せてお聞かせください。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 先進自治体では、政策立案に行政データを活用するため、各基幹業務システムから抽出した情報を統計加工し、可視化された分析用データとして職員間で共有している事例というのがあるということは承知しております。しかし、本市におきましては、必要なデータの洗い出し、データメンテナンス方法の確立などの課題の整理が必要と考えておりまして、まだ実現する段階には至っておりません。その必要性も含めまして、引き続き研究していきたいと思っております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 ぜひそのデータ環境、今後整えていくというところは進めていっていただきたいなという期待を持って、次の質問に移ります。 もう一つ、自治体のDXを進めていくに当たって、業務の効率化のために着目されている方法についてお聞きします。ビジネスプロセスモデリング表記法というもので、業務フロー、いわゆる仕事の流れ、これを最初から最後まで分かりやすくモデル化して、一連のこの事業の活動とか情報の流れを図で詳しく表す国際的な表記方法を指しています。BPMNという表現が使われているんですけれども、これをつくることで現状の仕事の進め方が検証できて、デジタルツールを生かした業務効率の向上とか、改善策を検討できるということから、視察したDXを進めている自治体では共通して、これをDXに取りかかるために最初にやることだとポイントに挙げておりました。そのほかのDXに力を入れている自治体の動きを調べていくと、共通してBPMNのスキルを習得しようという動きがあるようなんですけれども、本市としてはこれまでどれくらいこの取組をされてこられたのか、お尋ねいたします。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 業務の見える化につきましては、業務を抜本的に見直し再設計を行うビジネスプロセスリエンジニアリング--BPRというのを実施する上で重要な要素の一つであるというふうに捉えております。本市では、職員研修を通じまして、事務の可視化に関するスキルの向上を目指しているところであります。具体的には、全職員向けのデジタル研修で、BPRの手順などを学ぶ機会を設けておりますほか、昨年度は、希望する職員を募り、より実践的なBPRのワークショップを行う業務改善力向上研修を実施したところでございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 その取組の中で、業務プロセスの改良というのは、本市において成果が表れているケースというのはあるのでしょうか。具体的にありましたら、お示しいただけますでしょうか。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 毎日の庁内の郵便発送業務につきまして、そういう業務があるんですけれども、その工程を見直すとともに、ペーパーレスや集計の自動化などにも取り組み、結果として、年間720時間の業務時間削減効果がありました。昨年度、優良事例としてデジタル業務改善表彰というのを庁内で行いました。業務改善力向上研修を受講した担当職員が中心となって、所管課全体で事務の見直しに取り組んだものでありまして、こうした取組が庁内全体に広がることを期待しているところでございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 そうした成果が表れてきているということで、そういったデジタルツールの活用が、業務を一層やりやすくする、時間が短くできる、そういったところにつながっていくことを期待しております。 もう一点、DXなどに関連するところですけれども、昨年特に話題となった生成AIの活用についてお伺いしたいと思います。 本市での生成AI活用については、昨年話題となったチャットGPTの活用についてというところでお聞きしていきたいと思うのですけれども、昨年度、テスト使用して検証されてきたと聞いておりますが、今年度どんな業務にどのように活用していくのか、具体的にお伺いいたします。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 昨年度、利用を希望する職員を対象にしまして、生成AIの試行利用を実施し、その結果を踏まえまして、使用時の注意点や便利な利用方法などをまとめました生成AI利用ガイドラインというものを3月に作成いたしました。今年度は、7月から全職員を対象としまして、汎用的な事務に利用可能といたしますほか、庁内の財務会計など、いわゆる総務事務におきまして、職員からの問合せにAIが答える仕組みを構築予定でありまして、現在、必要な準備を進めているところでございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 そういったチャットGPTの活用というところですけれども、業務効率の向上というところでは、横須賀市が年間2万2,700時間の業務時間削減ができたという事例をよく聞くんですけれども、本市においては、こうした効果が見込める手応えというのは見通せているのでしょうか。いろいろ取組が示されておりましたが、業務効率の向上とか、作業の軽減というところでは、導入効果が表れているのでしょうか、お伺いいたします。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 昨年度の試行利用の結果につきましてアンケート調査を実施しましたところ、利用者の9割が業務の効率化を実感しておりまして、その用途としましては、例えばアイデア出しとか、各種文書の作成とか、エクセル等のマクロコードの作成などにおいて省力化の効果を見込んでおります。今後、先ほど申し上げた総務事務の質疑応答AIというものが稼働すれば、さらに応答する職員の業務時間の削減が図られるというふうに期待しているところでございます。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 本市の取組の中でもそういった効果が既に見いだせているということですけれども、この1年の間にチャットGPTの活用などに先んじて動いていた横須賀市をはじめ、生成AI活用の先進自治体というのは、私視察に行ったりした中で、非常にスピード感を持って動いているというところを実感いたしました。こういった生成AI活用の先進自治体に関しては、同じ意識を持つ自治体間で、自治体AI活用マガジンという、自治体間の情報共有をする枠組みができております。現在全国の22の自治体が参加しているわけなんですけれども、オープンな情報発信、交流を重ねて非常に活発に動いているようです。今定例月議会の初日で、市長は健康分野の国際的なネットワークである健康都市連合への加盟に触れられまして、未病対策などに関する先進都市のノウハウを得ながら、新たな施策の展開を図ると述べられました。これは、私そういった生成AI活用とか、DXというところの観点では、同じ意味合いを持つものだと思っていまして、都市間競争が激しさを増す時代の中で、こうした生成AI活用で、先進的な自治体のいわゆる先頭集団に加わってノウハウを得ながら、本市の施策に生かすことがメリットにつながると考えるところなんですけれども、所見をお伺いいたします。
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喜多浩一議長 川畑総務局長。
◎川畑宏樹総務局長 横須賀市が積極的に生成AIの活用に取り組んでいるということは承知しております。全国に先駆けてということで報道でもよく目にしておるところでございます。自治体AI活用マガジンにつきましては、本市も、そのサイトから情報収集を行うなど、参考にさせていただいているところであります。まずは、全庁的な安定運用を目指しているところでありまして、直ちにこれらのグループに参加することは、今考えておりませんが、各自治体の取組を今後も参考にさせていただきながら、本市の取組を進めてまいりたいと考えております。
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喜多浩一議長 黒口啓一郎議員。
◆黒口啓一郎議員 こうした情報をサイトで得られる情報のほかにも、やはりその枠組みの中に入ることによって、実際に経験した職員の方々との情報交換というところもあるのではないかと思います。非常にやはりスピード感を持って、どんどん取り組める自治体は進んでいっている状況ですので、本市も、慎重に見極めるところは確かに重要なんですけれども、やはりどんどん先を行く自治体が、情報交流しながら、よいものを取り入れて進んでいこうという姿勢の中に、ぜひ本市も入っていけるだけの力があると思いますので、そこはぜひ前向きに検討いただけないかと思います。そうしたDXの推進がまた今年度もより一層進んでいくことを期待いたしまして、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○
喜多浩一議長 以上で、6番黒口啓一郎議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 22番麦田徹議員。 〔22番麦田 徹議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆麦田徹議員 本日最後の質問者となりました。
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下幾つかお伺いさせていただきます。 まず、
都市計画マスタープランの見直しについてです。 都市計画に関する基本的な方針を示す
都市計画マスタープランは、法に基づき市町村が定めることとされ、本市においても、2009年に策定された前回のマスタープランを10年が経過した2019年に現行のマスタープランとして見直し、策定されています。そのような中、本年度の当初予算において、
都市計画マスタープランの評価検証費が計上され、現在その準備が進められているのだと思います。この評価検証は、次期の計画策定の見直しに向けた準備作業の一環とも言えるのではないかと捉えているのですが、それらについて幾つかお尋ねします。まず、直近の2019年に見直された現行の
都市計画マスタープランにおいては、マスタープランの目標として掲げる都市の将来像をどのぐらいの期間で実現しようとする計画となっているのか、お伺いします。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都市計画マスタープランは、中長期的な視点に立った都市の姿を明確にし、その実現に向けた大きな道筋を明らかにすることを目的に、都市づくりの目標や方針を示すものであります。そのため、国の指針にも従い、おおむね20年後を見据えた都市の将来像をはじめ、土地利用や都市施設の整備など、まちづくりに関する基本的な方針を示しております。ただ、社会情勢の変化や上位関連計画との整合性を勘案しながら、これまでも10年を基本に見直しを行ってきております。
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喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 20年を見据えながら10年で見直しをするということは確認させてもらったんですが、10年ごとを基本として見直しを行っているということについて、今回5年で評価検証を行うということになっています。そうなったことの理由をお伺いします。
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喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 都市計画に関する国の指針におきましては、マネジメント・サイクルを重視する姿勢が示されていることに加えまして、
都市計画マスタープランの一部である立地適正化計画について、おおむね5年ごとの評価が望ましいとされていることを考慮しまして、令和元年の策定より5年が経過する折り返しのタイミングに合わせて評価検証を行うものでございます。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 この後、立適のほうも聞きたいと思いますので、そのときにお願いします。 都市づくりの方針について、10の項目で評価を行うということになっているようです。地域によって評価する項目の重点が違うと考えています。2019年の見直しでは、タウンミーティングなども開かれ、地域の意見を聞く機会もありましたが、私の住む地域では、地域からの意見や要望が反映されていなかったように感じています。それぞれの地域の特徴を生かす評価方法になっているのか、評価方法について伺います。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 現行の
都市計画マスタープランでは、土地利用や都市基盤整備などの都市全体を対象とする10項目の都市づくりの方針を掲げますとともに、市域を9つに区分した上で、それぞれの地域の特性や課題に応じた、より具体的なまちづくり方針を定めております。また、評価検証に当たりましては、居住を誘導する区域内の人口密度や製造品の出荷額、鉄道・バス利用者数など、これら都市づくりの方針ごとの定量評価に加えまして、住宅取得支援やものづくり産業の活性化施策などの取組の検証も併せて行うこととしております。地域別のまちづくり方針に関する取組も含め、より丁寧な評価検証に努めてまいります。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 本当に9つの地区それぞれは、中心市街地のところであったり、郊外のほうであったりということになりますと、評価する重みというのが部門ごとに全然変わってくると思いますので、その地域の特色とか要望に合った方法を評価していただきたいというふうに思います。 次、国の立地適正化計画とされている計画を、本市では
集約都市形成計画という名称に変えて、並行して進められています。国土交通省では、この立地適正化計画は、居住機能や医療、福祉、商業、公共交通等の様々な都市機能の誘導により、都市全域を見渡したマスタープランとして、市町村のマスタープランの高度化版と位置づけられているのですが、本市では
都市計画マスタープランの一部として進められている形です。この計画の居住する地域を誘導するような計画となっている点については、現在住んでいる場所をわざわざ引っ越しするとは考えられないことを考慮すると、計画として無理があるのではないかと感じています。こちらも計画どおりに進んでいるのか、お考えをお聞かせください。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 本市の
集約都市形成計画は、人口減少や少子高齢化が進展する現状にありましても、居住誘導区域内における人口密度や徒歩圏域における日常生活に必要な施設の維持を目標としております。計画の実現に向けて、まちなか等への居住を誘導する住宅取得支援制度の利用促進などに取り組んでいるところでございます。なお、御指摘の居住誘導の達成状況も含め、今回、評価検証することとしております。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 居住誘導の達成、もしあったら本当にその辺はお聞きしたいというふうに思います。やっぱり中心市街地と郊外の違いというのを明確にやっていかないと難しい部分だというふうに考えていますのでお願いします。 次に、今回の質問に当たり、富山市と福井市の
都市計画マスタープランを調べてみました。福井市は2010年に策定され、現在、新しい計画を策定中となっているので、現行のプランの印象は、新幹線の敦賀開業を見据えた中心市街地の整備などを重点に置かれていると感じました。それでも、移動の骨格づくりとして、福井駅の総合交通ターミナル機能の強化をうたっています。一方、富山市は2019年に策定されたもので、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりと銘打っているように、マスタープランも公共交通が柱となっています。富山市、福井市と比較すると、本市では、路線バスの運行本数の減便や最終便の時間がかなり早くなるなど、公共交通の利便性に差があり過ぎると感じてしまいます。
都市計画マスタープランに基づくまちづくりの実現に深く関与する交通政策の今後の方向性について、どのように捉えているのか、お伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長
都市計画マスタープランが目指す都市の将来像の実現には、土地利用の側面と交通政策の側面、こちら、両輪となったまちづくりが必要不可欠と考えております。第3次金沢交通戦略の推進によるまちなかを核とした幹線公共交通ネットワークの構築や、過度に自家用車に頼らず移動できる環境の確保と併せまして、中心市街地への都市機能の集積、そして、公共交通重要路線沿線へ居住が誘導された集約都市の形成を図ってまいります。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 沿線誘導はもちろんなのですが、バスが走っている路線でも、いまいちバスの便も悪いし、もう少し公共交通を重く考えていただけたらというふうに思います。次にいきます。 新たな工業団地について、今年度の当初予算で新たな工業団地の在り方検討とありました。 経済産業省では、全国にある分譲可能な産業用地面積は2022年時点で10年前の3分の2ほどに減少したとしており、このような大型工業用地の不足を踏まえ、政府が制限されている農地や森林など、市街化調整区域で自治体が建設を許可できるようにするとしています。半導体やバイオ関連といった重要物資を対象としていて、生産工場などについても、関係省庁が連携することで、これまで時間がかかっていた手続も短縮できるとのことです。特に、半導体は経済安全保障の面でも重要とされ、台湾と中国に供給網を依存する現状を変えようと、国も2兆円を投じて、熊本に世界最大手の台湾積体電路製造を誘致したり、北海道ではラピダスの工場建設を支援したりしています。まず、本市の工業団地の状況について、現在空きは残っていないのかお伺いします。
○
喜多浩一議長 上寺経済局長。
◎上寺武志経済局長 本市が整備しました工業団地の分譲状況につきましては、安原異業種、いなほ、かたつ、金沢森本インターの各工業団地の分譲率が100%となっております。また、金沢テクノパークにつきましても、先月、最後の1区画の譲受予定人が決定いたしました。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 ほぼ完売ということで、今回の新しい工業団地のことが進められているんだというふうに思います。安原工業団地の第5期分譲のときには、私にも購入を検討する問合せが数件あったのですが、実際にそれらの事業者は希望がかなわず購入することができなかったと記憶しています。現在でも用地を求める事業者はいると思うのですが、用地を望む声というのは届いていないのでしょうか。
○
喜多浩一議長 上寺経済局長。
◎上寺武志経済局長 数年後に工場等の新増設を計画している複数の企業から、工場適地の有無につきまして問合せをいただいております。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 本当に安原のときに買えなかった人、周りでも要望はあると思うので、よろしくお願いします。 今回、在り方についての検討となっているのですが、在り方とはどのような部分を検討していくのか、在り方の検討について伺います。
○
喜多浩一議長 上寺経済局長。
◎上寺武志経済局長 新たな工業団地につきまして、本市ものづくり産業の基盤強化や産業集積の促進という面におきまして、整備に向けた検討が必要であるという認識の下、まず、市内企業を中心に、工業用地のニーズ調査を実施することといたしております。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 ニーズ調査、ぜひよろしくお願いします。 その候補地についてですが、先ほど触れた
都市計画マスタープランの上では、富山市の富山西インターチェンジ周辺、福井市の福井北インターチェンジ周辺といった郊外に位置するインターチェンジについて、どちらの地域も農業保全地域として虫食い的な農地転用を抑制し、良好な農業環境を保全する地域とする、いわゆる市街化調整区域となっています。ただ、開発を抑制する地域にあっても、富山西インターチェンジ周辺、資料の1枚目のものです。呉羽地区については、高速道路や環状道路などの交通条件を生かして、運輸業や卸売業などの物流関連産業やものづくり産業の誘致を図る地域として、既に工業地域に用途変更をされています。図面の青くなった部分、真ん中の白い点が富山西インターで、周辺の青いところが工業用地になっています。その周りの緑の点のところが、市街化調整区域ということ、開発を抑制する地域となっています。また、福井北インターチェンジ周辺についても、資料の2枚目のほうです。中部縦貫自動車道の開通による交通結節機能の充実から、流通業務機能を誘導するとしており、どちらも流通機能のために工業地区への用途変更を可能にしています。福井のほうは、紫色の丸で囲った地点、産業拠点の形成という形で開発を周りの田園ゾーンから変更が可能というふうになっています。これらの2つのインターと同等か、それ以上に高速道路、国道8号、環状道路が結節する金沢東インターチェンジ周辺についても、産業誘致が検討されるべきではないかと考えます。2024年問題などの影響もあってか、物流業界からも物流倉庫を探しているという状況を耳にしますので、ぜひとも検討していただきたいのですが、その点についてお伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 先ほど答弁申し上げましたとおり、今年度、市内企業を中心にニーズ調査を行っております。その中では、工場や物流施設等の新設の希望があるかどうか、あるいは拡張・移転の計画があるのかどうか、また、希望するエリアがどのあたりなのか、こういったことも含めて、ニーズを調査分析した上で、今後の工業団地の在り方について検討し、判断したいと考えております。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 ぜひニーズ調査をしていただいて、東インターチェンジ周辺は両手を広げてお待ちしていますので、ぜひ東インターチェンジ周辺を検討の対象にしていただきたいと思います。 次にいきます。金沢スタジアム周辺道路の整備についてです。 スタジアム完成以降、何試合かが行われました。4月に行われたチャリティーマッチは大変盛況で、観戦した方から、試合終了後、駐車場を出るまで1時間以上かかったと、退出するまでに時間がかかり大変だったとの苦情の声を何人もの方から伺いました。また、サッカーとは関係のない一般の方からも、いつものように通ったがひどい渋滞に巻き込まれたとの声もあります。実際、9日の試合後の状況を確認したのですが、16時頃に試合が終了して、沖町交差点において信号を待つ車が10台以下になったのが17時30分と約1時間半かかっていて、苦情は本物だと確信しました。計画する段階で駐車場から全てが退出するまでについて、どの程度の時間がかかると想定したのか、まずお伺いします。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 同規模のスタジアムの滞留状況を参考として、おおむね1時間強の滞留を想定しておりましたが、今後、滞留時間の緩和に向けて、金沢スタジアムを含めた公園内にあります各施設の運営管理者により、定期的に開催している会議におきまして、主催者とも連携して駐車場の誘導方法を協議してまいります。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 滞留時間を1時間と想定していたとすれば間違っていないんでしょうけれども、そうであれば、最初から、車で来られるお客さんに、車で来ると最悪1時間かかるよということを言っていかないと、もうかなりうちの周りでは時間がかかって大変だったという話になってしまいますので、その辺の提示もお願いしたいと思います。 公園周辺の渋滞の状況を見て回ったんですけれども、わざわざ混んでいる道路へ車を誘導しているのではないかと感じてしまうほどでした。現状の道路をうまく利用して分散退出すればもっと早く退出できると思うのですが、その点について検討されたのか、お伺いします。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 入退場の車両につきましては、供用開始前から、
交通事業者や警察などをメンバーとする金沢スタジアム等交通渋滞対策連絡会議で検討を行いましたが、地域住民の生活環境を維持するという観点から、磯部町交差点と高柳交差点を結ぶ生活道路には進入しないようなルートを推奨することといたしました。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 でも、そこを使わないとなかなか難しいかなと思うので、歩いている人は十分そこを歩いて通っているので、もう少しそこを考えてほしいなというふうに思います。 また、園内道路については、金沢駅方面へ向かう方、東金沢駅方面へ向かう方どちらも、試合終了後40分ぐらいまでは歩行者が途切れない状況でした。インターネットでも、2人しか並べない歩道は狭過ぎるとの書き込みも見られることから、園内の道路については、早急に歩道拡幅を含めた整備が必要だと思うのですが、この検討はいかがでしょうか。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 御指摘の道路につきましては、引き続き車両や歩行者の通行状況等を把握することが必要であると考えておりまして、その結果を踏まえた上で、整備の必要性を検討してまいります。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 本当に園内の道路、車道にはみ出して歩いている人が結構いるので、このままでよいのかというふうに思いますし、また地元の人たちは、ここだけどうして普通の前の道路のまんまなんやみたいなところもありますので、園内の道路と遜色ないような道路整備をお願いしたいというふうに思います。 ツエーゲンからは、浅野川線は沿線住民の生活のための路線として利用を控えるように進められているようですが、シャトルバスを待つ列がなくなるまで、ほぼ1時間かかっていたことから、歩いて30分ほどの金沢駅への徒歩移動を選択する人も少なくないのではないかと思います。電車に慣れたアウエーのサポーターは、徒歩30分をそんなに負担に感じないようなので、金沢駅までの歩行空間の確保は必要だと思います。初めて来るサポーターなどは、駅からスマホのナビを頼りにスタジアムへ向かうと思うのですが、それらを含めて、基本的な歩行者への経路の提示は必要だと考えます。加えて、生活道路などを歩くことになれば、周辺の市民への配慮も必要になってきますので、まず、スタジアムと金沢駅を結ぶ道路の歩行空間の整備が必要だと思いますが、整備についてのお考えをお伺いします。
○
喜多浩一議長 津田
文化スポーツ局長。
◎津田宏
文化スポーツ局長 金沢スタジアムと金沢駅間の徒歩での移動につきましては、既に幹線道路沿いに歩道を整備しておりますことから、まずは、指定管理者や主催者などに対し、安全に歩行できる推奨ルートについて、来場者に周知を図るよう徹底してまいります。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 整備されているかどうか分かりませんが、歩いている人は、その道路を通っているかどうかも分からない状況なので、今ほど管理者への徹底とありましたが、あらかじめ金沢駅から、どこを通ってどう行くのかということは、きっちりと明示してあげるべきだというふうに考えます。その辺は検討をお願いしたい。分かる看板だとか路面の表示だとか、その辺は考えていただきたいというふうに思います。 歩行空間についてですが、歩行空間に彩りを加えるという意味で、沖町交差点あたりにコンビニがあってもよいのではないかと思います。日中の試合なら明るいのでまだよいのですが、試合がナイターになれば、暗くなった道の目印として夜の安全にもつながると考えます。周辺の地域からも、コンビニを求める声も多いことから、沖町交差点周辺の開発に関する規制を緩める考えはないのか、お伺いします。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 御指摘の沖町交差点の北側につきましては、市街化調整区域でありますことから、一般的な規模のコンビニエンスストアの立地は困難であることを御理解いただきたいと存じます。なお、市街化調整区域であっても、既存集落内であるなどの一定要件を満たせば、小規模な日用品の販売店舗の立地は可能でありますし、公園東側の東山内灘線沿いの一部では、飲食店など沿道サービス施設の立地が可能となっております。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 さきにも触れましたが、歩道を歩いて金沢駅まで移動する人たちにとって、あそこの交差点にコンビニがあれば便利だろうなというふうに感じますので、農振を外す部分もあるかと思いますが、開発も検討していただきたいというふうに思います。 疋田上荒屋線の沖町交差点は、退出する場合、北安江方面へ向かうことのできる唯一の出口になります。これが歩行者もいるので、1回の信号で数台、悪いときは1台しか出られない状況で、渋滞の列が途切れることはありませんでした。左折しようとしても、今度は高柳出口からの流入で左折も渋滞していて、そんな渋滞のため直進する車もかなりいて、浅野本町方面の生活道路への影響があったのではないかと危惧してしまいます。北安江方向へ向かう場合は、大渋滞する沖町交差点しか出られない今の状況の改善には、やはり、高柳西交差点へ接続して交差点をつくって、信号で退出できるようにすべきと思います。オープンしてからの状況を見て判断するとされていたのですが、現状の混雑がひどい状況を見ても、高柳西交差点の改良が必要だと思うのですが、お考えをお伺いします。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 南側にあります駐車場の疋田上荒屋線側の出入口につきましては、道路管理者が定める基準や交通管理者との協議に基づきまして、高柳西交差点内に設けることができないことになっております。このことから、交差点から一定距離を確保して、入退場の際には左折限定にするとともに、園内に車を滞留させる構内道路を設置することで、疋田上荒屋線への影響を抑える計画としたものでございます。引き続き混雑緩和に向けまして、誘導員の適正配置に努めますとともに、今後どのようなことができるか、関係者と協議してまいります。 以上です。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 繰り返しになりますが、北安江方向へ右折で出るところは交差点1個しかないことを考えると、小手先では無理だというふうに思いますので、根本的対応とすれば、交差点へつなぐ、出にくいところを考えても、信号なら諦めがつくんですが、妙に誘導されていられても後味悪いんで、ぜひ信号をつけて交差点にしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 次にいきます。修学旅行誘致についてです。 コロナ以降、来街者が増えていることは、日々通る東山周辺の人混みからも実感していますが、中には修学旅行と思われる制服を来たグループも見受けられて、金沢でよい思い出をつくってほしいなと思いながら見ています。当初予算でも取り上げられている、修学旅行の誘致についてですが、誘致している学校は対象をどのように絞っているのか、また、その成果についてお伺いします。
○
喜多浩一議長 上寺経済局長。
◎上寺武志経済局長 本市では、北陸新幹線開業を契機に、対象を絞らず幅広く誘致を行っており、特に首都圏からの誘致に力を入れてきました。その中でも、友好都市である板橋区、目黒区、文京区や、新幹線沿線の埼玉県などの校長等を対象とした体験プログラムへの参加が決め手となり、修学旅行先として金沢を選択するなどの成果も現れております。一方で、コロナ禍の収束に伴い、各方面からの修学旅行が総じて減少していることから、本年度、修学旅行先の決定に関わる旅行会社への手厚い奨励金制度を創設し、金沢への修学旅行の定着を促すとともに、新たに海外からの修学旅行も対象に加えることで、国内外の修学旅行誘致を強化したところでございます。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 修学旅行なんですが、旅行とはいうものの、修学旅行は学習の一環になると思うので、先生の立場から修学旅行を選ぶ場合の考え方をお聞きします。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 学習指導要領には、修学旅行の教育的意義・目的について、日常とは異なる生活環境にあって、見聞を広め自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳について望ましい体験を積むことができるような活動を行うことにあると示されております。また、石川県教育委員会の修学旅行実施要項では、学校の創意と教育的識見を十分に生かしたコースを設定すること、保護者の負担にならない経費であること、児童・生徒の心身の過重な負担にならないようにすることなどが記されており、各学校ではこれらを踏まえ、修学旅行の意義・目的に合致する場所を行き先として決定しております。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 学習指導要領にもあるということですので、やっぱり学習の一環かなというふうに思います。 現在のパンフレットを見させていただいたのですが、大変おいしいランチの特集などあって、また金沢に行きたいなと、おいしいものを食べてくれるんだなというふうには思ったんですが、これは来た後の紹介になっている感じだと思います。以前にも取り上げたことがあるのですが、学習の一環となれば、事前に金沢についての学習なども行っていると思います。その学習のための補助教材があれば、先生も授業を進めやすいというふうに考えますので、金沢の簡単な歴史をつづった冊子で、例えば、加賀一向一揆の時代から、前田藩百万石の時代など、事前の授業で学んでもらい、その学習から実際に現地で感じてもらうまでをセットとして誘致するような補助教材をつくってみてはと思うのですが、いかがでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 事前学習の素材でありますけれども、現在、金沢市観光公式サイトの中で修学旅行ガイドの特集ページがございます。事前学習に役立てるため、歴史やまち並みなどを学ぶことができる様々なコンテンツを掲載しております。今後、修学旅行で訪れる学校の事前学習により有効に活用することができるよう、学校現場の意見を取り入れながら、修学旅行ガイドのページを充実させてまいるとともに、誘致活動を通じて周知してまいりたいと存じます。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 ホームページでもよいので、事前学習の参考になる資料、セットで誘致するような方法を取っていただけたらというふうに思います。 次、月の石なんですが、月の石については50年前の大阪万博で展示されていましたが、大行列に圧倒され諦めて見られなかったので、もし金沢へ来るとすれば、大変期待しています。また、12月の市立工業のことで質問したロケットを飛ばす市立工業の生徒たちにとっても気になるものだというふうに思います。今回、月の石が本市に来ることになった経緯と展示の場所や時期についてお伺いします。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市におきましては、金沢市宇宙教育推進計画2021に基づきまして、宇宙に興味を持てる環境づくり等に取り組んでおります。私も所用で上京した折などには、宇宙や天文学の教育及び普及啓発活動に関する協定を締結しておりますJAXA--宇宙航空研究開発機構や、国立天文台などの宇宙天文学に関わる専門家等との情報交換を積極的にさせていただいております。常日頃から金沢の子どもたちには、本物に接して宇宙への夢やロマン等を育んでほしいと思っておりまして、こうした情報交換の中で、アポロ15号が雨の海、アペニン山脈の麓で採取した月の石を常設展示できる場所を探しているとの情報をいただきました。ぜひ展示したいという思いで名のり上げましたところ、展示は可能という返事をいただきましたので、明年度の展示に向けて、今年度実施設計などについて予算化させていただいたところであります。国立科学博物館に、常設ではないんですが月の石がありますが、皆さんの指の爪大ぐらいの大きさのものですが、今回来るのは、皆さんの拳大ぐらいの国内最大級のものになります。月の石につきましては、NASAに書類を提出すれば、半永久的にお借りできると伺っておりますので、本市宇宙教育の拠点でありますキゴ山の天文学習棟を最終的には想定しておりますけれども、まずは、多くの方々に見ていただきたい、そんな思いで、市の中心部または公共交通機関を利用し市民がアクセスしやすい市有施設でできないか検討しているところでございます。せっかくの機会でありますので、そのほかの本物の天体も見ていただきたいと思っておりますので、ぜひ御期待いただきたいと思います。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 麦田徹議員。
◆麦田徹議員 月の石、期待しています。 以上で質問を終わります。(拍手)
○
喜多浩一議長 以上で、22番麦田徹議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△散会
○
喜多浩一議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日21日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後4時29分 散会...