金沢市議会 2024-06-19
06月19日-02号
令和 6年 6月 定例月議会 令和6年6月19日(水曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 喜多浩一 副議長 上田雅大 1番 道上周太 2番 宇夛裕基 3番 柿本章博 4番 坂 秀明 5番 山本ひかる 6番 黒口啓一郎 7番 川島美和 8番 高務淳弘 9番 喜成清恵 10番 大西克利 11番 山下明希 12番 坂本順子 13番 稲端明浩 14番 北 幸栽 15番 荒木博文 17番 中川俊一 18番 小間井大祐 19番 坂本泰広 20番 高 誠 22番 麦田 徹 23番 前 誠一 24番 新谷博範 25番 広田美代 26番 熊野盛夫 27番 下沢広伸 28番 清水邦彦 29番 玉野 道 30番 森尾嘉昭 31番 粟森 慨 32番 森 一敏 33番 源野和清 34番 野本正人 35番 久保洋子 36番 福田太郎 37番 横越 徹 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 村山 卓 副市長 山田啓之 副市長 新保博之 教育長 野口 弘
公営企業管理者 松田滋人
都市政策局長 村角薫明 総務局長 川畑宏樹
文化スポーツ局長 津田 宏 経済局長 上寺武志
農林水産局長 紙谷 勉 市民局長 山下慎一
福祉健康局長 山口和俊
こども未来局長 安宅英一 環境局長 越山 充
都市整備局長 高木陽一 土木局長 木谷 哲 危機管理監 山崎利之 会計管理者 石田真紀子 教育次長 堀場喜一郎 消防局長 蔵 義広
市立病院事務局長 松矢憲泰 財政課長
佐野宏昭-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 森沢英明 担当次長兼
議事調査課長 議事調査課担当課長 安藤哲也 上出憲之 議事係長 前田和紀 調査係長 今川良太 主査 桜田みどり 主査 太村正幸 主査 浅永晃司 主査 小西孝博 主査 辻 卓也 書記 奥井 駿
総務課長補佐 千田朋子 主査
中村隆俊-----------------------------------◯議事日程(第2号) 令和6年6月19日(水)午前10時開議 日程第1 議案第1号令和6年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号市道の路線廃止について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)に同じ----------------------------------- 午前10時0分 開議
△開議
○
喜多浩一議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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△会議時間の延長について
○
喜多浩一議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
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△諸報告
○
喜多浩一議長 この際、御報告いたします。 去る6月11日に開催された
公共交通特別委員会において、欠員となっていた委員長について互選を行った結果、高誠議員が委員長に当選された旨、
公共交通特別委員会委員長より議長のもとに報告がありましたので、御報告いたしておきます。
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△議案上程
○
喜多浩一議長 これより、日程第1議案第1号令和6年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号市道の路線廃止について、以上の議案20件を一括して議題といたします。
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△質疑・一般質問
○
喜多浩一議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問を併せ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 35番
久保洋子議員。 〔35番
久保洋子議員登壇〕(拍手)
◆
久保洋子議員 おはようございます。 質問の機会を得ましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点質問させていただきます。 質問の1点目は、補正予算から、
能登半島地震で被害を受けた
伝統的建造物群保存地区における建物などの支援の補助率を拡充することについてお聞きします。 全体で1億1,540万円、同じく
文化財復旧助成費として6,480万円の予算が計上されています。被害がひどい寺社、金澤町家など復旧工事に多額な費用がかかると思いますが、被災した伝統的寺社や保存地区の住民等の意見や要望について、どのように把握しての対応であったのですか。初めにお聞きします。 また、具体的な
復旧支援対象となる建造物の損壊の内容と助成適用についての判断基準についてもお聞かせください。 被災を受けた側では、公的な支援を得ることで、復旧を前向きに進めることができますが、このたびの補正について、助成率を引き上げた復旧支援の取組について、その理由、優先性を市長にお伺いいたします。 能登地震で、本市の地域の寺社など、古くからの
木造建造物にとっては見逃せない危険度、損壊など、被害があらわになっています。
伝統的建造物や文化財として指定はされていないけれども、それぞれの地域の歴史や文化に深く根差しており、祭りなどを通じて地域社会と共存していると存じます。被災の復旧財源に自主的な努力が求められることで、一般的には地域住民や檀家や氏子などに寄附を募るなどの対策となります。しかしながら、今般の地震は、
歴史的建造物と同様に修復・修繕工事が必要な寺社もあると聞いております。修復・修繕の費用の捻出をどうするか、また、寄附を求めるには関係する方々や地域住民の理解、同意を得るという課題が横たわっています。他都市の公的支援ですが、仙台市は2011年の
東日本大震災後、指定のない神社も修復支援をしている事例もあります。
地震災害等自然災害による被害は、文化財の指定がされていない場合でも、地域の歴史や文化に貢献していることはもとより、
地域コミュニティーのよりどころとしても大切な財産とも言えます。神社などを守るためにも、本市としても適切な公的支援を考えていただきたいと存じます。市長の御所見をお伺いいたします。 質問の2点目は、金沢方式の検討についてです。 金沢方式は、公民館、児童館や消防団での地域主導型の運営と、
施設整備費用の一定割合を地元負担する特色ある方式です。そもそも地元負担を伴っても、地域の拠点として公民館開設を望む地域住民の声が発端となり、70年余り前より今日まで金沢方式との用語で展開されています。村山市長においては、
金沢方式見直しという方針が掲げられ、今年度は公民館や児童館、消防団に関する施設整備における
地元費用負担の在り方などを対象として、
庁内横断プロジェクトチームを中心に検討するとしております。令和時代とともに市民生活が大きく変化しています。町会活動などは勢いの衰え、
高齢単独世帯の急増、
介護施設入所で生活がない家、空き家の増加など悩ましいことです。そこで、現行の金沢方式の効果についての御見解と、この金沢市の実情をどのように分析・検討し、対象範囲や
本市財政負担の見直しに反映していくのかを市長にお伺いします。 ところで、
材木消防分団についての発言になりますが、私の元事務所の数軒隣が材木分団の小屋です。建物の下には、東外惣構堀があることや、老朽化とともに10年ほど前から移転場所を模索しながら検討を重ねていたことをお聞きしていますが、小将町中学校移転により未使用となる学校敷地外のプール跡地の一部活用の提案を本市からいただき、本計画が具体化されたとのことです。
材木消防分団ほか関係団体は、具体的な
移転新築計画において、約8,000万円の事業費となり、地元負担は約4,100万円と試算されています。説明会では、この段階で準備を進めるとし、1世帯1万円の協力負担金のお願いとなっています。しかしながら、本市の助成額については未定であり、かつ金沢方式の見直しの議論待ちでもあると併せて報告されています。多くの住民は新築移転に賛同していますが、現状の建築資材等の高騰などを考えると、今後、より厳しい予算繰りが推測されます。このように、地元負担感が重くなり過ぎないように、
材木分団関係者や町会連合会は、本市に費用補助の拡充を要望しています。金沢方式の見直しに当たり、地域の理解と協力を得ることが重要であり、今回の検討会の結果待ちの事案には、地元負担の仕組みがより不公平な負担を強いることがないように、市民の意見や地元住民からの要望の反映をいただきたいと存じます。改めて市長のお考えをお伺いいたします。 質問の3点目は、
マイナ保険証の普及です。 今年、令和6年12月2日から、現在の
健康保険証の新規発行は終了します。そして、
マイナンバーカードに
健康保険証の機能を持たせ、利用登録した、いわゆる
マイナ保険証を基本とした体制に移行することになります。そもそも
マイナンバーカードを持っていなければ、
マイナ保険証機能も進まないところであり、その
マイナンバーカードの保有状況は、石川県76.5%と総務省が示しています。
マイナ保険証の全国での利用登録率は約57%です。本市の
国民健康保険における登録率は60%で、利用可能な
医療機関等は約91%と伺っています。ところで、1月の
能登半島地震において、
マイナンバーカードを持参しなくても、患者本人の同意に基づき薬剤情報など閲覧できる
特別措置--災害時モードにより情報を閲覧した例が、石川・富山両県を中心に3万件近くもあったと厚労省の報告がされています。被災者の医療受診歴や服薬の情報は、救急隊の対応をはじめ被災地入りした
医療系支援チームや受入れ対応する
医療機関等にとっては、より早く正確な情報のあることが重要です。情報がなく、患者の命に関わることもありました。この能登震災の状況からしても、
マイナ保険証としての登録があれば、タイムリーなアクセスが可能であったとも考えられます。私的にはこのことがきっかけで、
マイナ保険証を登録いたしました。一方、厚労省が公表した利用率については6.56%であり、5月から7月を
マイナ保険証利用促進集中取組月間と位置づけて、医療機関、薬局で利用を呼びかけるなど、利用率の向上に全力で取組促進を目指すと聞いています。石川、富山、福井県の北陸は10%を超え、平均を上回る利用率ですが、12月の移行まで残り半年の中で、
マイナンバーカードの交付率はまだしも、保険証のひもづけとしてその利用において課題が多い数値であります。このような
マイナ保険証登録や利用の低迷ですが、
マイナ保険証のメリットについて広く市民に周知する広報活動の強化とともに、分かりやすい登録、利用の手続などの説明や、また、
現行保険証発行停止を周知する移行への取組努力も必要と思いますが、お考えをお伺いいたします。 質問の4点目は、
依存症対策についてです。 5月14日から20日は
ギャンブル等依存症問題啓発週間でしたが、ほとんどの方は知らない啓発週間ではないかと感じます。昨今、若年層への広がりが懸念されている違法の
オンラインカジノは、1人でもネットで簡単に賭けることができ、負けると負けを取り戻すために繰り返す、やめたくてもやめられない、日常生活が賭け事中心になり、借金の膨れ上がりと犯罪行為に手を出すなど、問題になっています。ギャンブルなどで興奮を得ると、それを繰り返すことで脳が常に興奮を求めるようになる精神依存が形成されて、理性的なコントロールは難しくなる、精神疾患の一つである
ギャンブル障害という病気であります。また、本人自身や家族が病気と認識していない状況もあります。このような事態の社会的責任は多方面にわたると存じます。法的規制も重要である一面、有効な施策がされていないのではないかと思います。現状について、市長の御所見をお伺いします。 また、
ギャンブル等依存症について、一般的に関心の薄いところではありますが、若い世代に対しての発症抑制につながる活動の重要性について、周知を図っていただきたいと存じます。そこで、本市の啓発週間等の活動をお聞きします。 次に、
オーバードーズについてですが、全国的に風邪薬やせき止めなど、
一般用医薬品の大量服薬や処方箋などを乱用する10代、20代が年々増加しています。何らかの心の問題、悩みやつらい気持ちから逃れたいという目的で、覚醒剤と同様の成分が入っている一般市販薬を購入してやめられなくなる。また、勉強のため集中を高めたい、頭をクリアにしたいなど、サプリメントも学生間で使用が増えているとのことです。インターネットで簡単に入手できる現状もあり、見逃せない問題でもあります。このような市販薬等での若い世代の
薬物依存症患者も増加しており、全国で体の異変にて救急搬送される事例も多くなっているのが現状です。国の規制防止策は必ずしも市販薬乱用の対策には効果的とは言えず、医療機関で処方されなくなった覚醒剤や睡眠薬等の含有成分を含む市販薬品が特に乱用されている実態については、
違法薬物より深刻な社会問題と考えます。市長には、国への防止対策の強化を要望していただきたいと存じます。あらゆる世代に対策は必要ですが、特に10代への市販薬販売に対する考え方、
健康被害防止の取組、若い世代が
オーバードーズに陥る様々な背景やケースを受け止め、本市における実態把握と効果的な施策の推進について取り組んでいただきたいと存じますが、市長の御所見をお伺いいたします。 患者の孤立を招くことなく効果的な
治療プログラムの実施を図る
自助支援団体の役割が、とても意義ある支えと思います。全ての
依存症患者と家族に対する
支援ネットワークの構築はとても重要です。本
市松ヶ枝福祉館で毎月1回、
薬物依存症について学び、家族間の情報交換や家族からの相談対応をする金沢家族会の4月の会合を見学させていただきました。そこでの内容、個人情報は口外しないとの約束ですので、私の所感を申し上げます。まず、感じたのは、依存症には回復はあっても治癒はないと言われる中、本人の努力や家族の力のみで回復することは大変難しく、適切な支援と治療が必要であるということです。そして、他人に言えず、悩みを抱える依存者の家族の生き方、考え方、本人との接し方について、体験談を交えてのミーティングを拝聴し、正しい知識と、また、
薬物依存症支援団体についての理解を深めることができました。
依存症専門の支援施設が残念ながら本市にはありません。
民間支援団体が本人や家族のため相談や回復に向けての寄り添い活動をしていますが、行政に求められているのは、現状に適切に関与し、依存症に苦しむ方を支援することではないかと思っています。市長の御所見をお伺いします。ギャンブル、薬物、アルコール、ゲームなど、様々な依存症の課題の認識はもとより、諦めないで回復を手助けする伴走社会の構築を、国・県・市に早急に取り組んでいただきたいと存じます。 質問の5点目は、不登校支援についてです。 不登校の増加は、深刻な教育問題です。2023年10月の文部科学省の調査結果で、小中学校における不登校児童数は約29万9,000人、前年度から約5万4,000人の増加です。ここ10年連続での増加で、過去最多となったことは報道でも大きく取り上げられました。不登校の主な背景には、いじめの被害、学業の不振、家庭の問題、教員への反発など考えられていましたが、令和6年3月の公表では、不
登校関連要因において、体調不良、朝起きられない、夜寝られない、不安・抑鬱と、保護者や生徒の70%以上が回答をしています。なぜ本市でも不登校の子どもが急増しているのでしょうか。本市のここ数年の不登校児童・生徒数の推移、学年別による傾向があればお聞かせください。 体調不良や朝起きられない、夜寝られないといった生活リズムの乱れ、体の不調というアンケートの結果については危機感を感じます。野口教育長の御所見をお伺いします。 次に、本市の不登校児童・生徒に対する支援体制について、数点お聞きします。本
年度教育委員会では、不
登校対策推進に当たり、7,900万円余り予算化しています。その中で、新しく不
登校対策強化において、1人1台学習用端末で、児童・生徒の心の健康観察を実施するとのことですが、具体的な確認及び期待される効果についてお伺いします。また、引き続き何日も欠席がある児童・生徒の初期支援はどのようになっているのでしょうか。 次に、自分のクラスに入りづらい別室での相談や学習室は、新たに
校内教育支援センターと改称しての設置となりましたが、
校内教育支援センターは、不登校児童・生徒が安心して学校で過ごせるための駆け込み寺のような場所でもあり、市内全校に設置も急務であると考えます。今年度、
スクールカウンセラーなど相談や学習支援など、支援体制と今後の取組をお聞きします。
校内教育支援センター設置が令和5年までに全中学校や全小学校に完了した岡崎市などは、設置前と設置後の不登校の発生率は、全国平均より低い結果と報告されています。不登校児童・生徒にとって、学校で過ごす時間や欠席しない日が多くなる環境づくりが不登校改善につながると存じます。他方、不登校における個々のニーズに応じた受皿整備の
オンライン学習支援ですが、通学しないで自宅学習を続けていくことの利点もあり、また、不利な点もあるかと思います。出欠の取扱いについてはどのようになっていますか。お聞きします。 次に、本市は、今年度学びの
多様化学校の設置に向けた検討に着手することになりました。全国では、令和6年4月で、分教室型も入れて35校の開校をしているとのことです。そこで、先般、5月31日に第1回
検討委員会が開催されましたが、その委員会構成と今後の進め方などをお聞かせください。 私は、前年度、
文教消防常任委員会において、学びの
多様化学校、
東京大田区立御園中学校み
らい学園中等部を視察しました。みらい学園は、大田区の使用されなくなった旧図書館を活用しての御園中学校の分教室という形です。また、みらい学園はもともとの在籍校に復学する目的でなく、御園中学生として卒業します。定員は各学年8名、通学には電車利用で、午前9時始まり、給食はないので弁当持参とのことでした。そして、在籍のおよそ9割の生徒が、不登校状態からの改善があるとお聞きしました。この視察から、本市の実態に配慮した学びの
多様化学校の設置に向けて急がなければならないと思います。今後検討を重ね、設置の方向で方向づけがされていくのかと存じますが、本市における不登校支援の新しい教育課程として、学びの
多様化学校設置開校目標について、市長の見解をお伺いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○
喜多浩一議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 おはようございます。 35番
久保洋子議員にお答えいたします。 初めに、被災した寺社等につきまして、市内4地区の
重要伝統的建造物群保存地区及び指定文化財については、発災直後の1月2日から4日にかけて、職員が
現地パトロールを行い、被害状況を確認いたしました。その結果を踏まえ、特に被害が大きかった
卯辰山麓地区について、金沢職人大学校修了生の協力を得て、1月12日までに地区内にある全ての寺社において、所有者等の現場立会いの上、被害状況の把握とともに修理や復旧に対する要望等をお聞きいたしました。また、全ての
重要伝統的建造物群保存地区におきまして、地震被害を含む修理・修景に対する補助制度や、工事前の許可申請等の周知チラシを、町会等を通じて全戸配布するとともに、その後の個別の相談や問合せに対しては、現地確認とともに所有者や業者等からの聞き取りによって、
被害状況等の把握に努めたところであります。
能登半島地震では、本市の
重要伝統的建造物群保存地区でも、卯辰山麓を中心に多くの
歴史的建造物が被災しており、その復旧にはかなりの時間と費用がかかるものと見込まれております。私は、現在、全国105の自治体が加盟する
全国伝統的建造物群保存地区協議会の会長を務めておりますけれども、会員の各首長と共に、先般、国に対して災害からの復旧に向けた迅速かつ手厚い支援等を要望したところであります。こうした中で、国から
能登半島地震の災害復旧に係る補助率の引上げを確認できたことから、これに対して積極的に呼応する形で本市補助率を引き上げることで、被災した方々の負担を軽減し、全国的にも貴重で歴史的なまち並みである
重要伝統的建造物群保存地区の早期復旧を目指すものであります。 被災した寺社などの公的支援につきましては、一方では政教分離の観点から課題もございますが、他方で
地域コミュニティーの拠点としての役割も大変重要と考えております。現在、石川県において、地域で管理している神社などについては、復興基金の中で助成することを検討していると聞いております。県と歩調を合わせて、他自治体の先行事例も参考にしながら、どのような支援ができるか検討してまいります。 次に、地域が一定の負担をしながら自主的運営を行う金沢方式についてでありますが、活動の自主性・自立性を担保することで地域の連帯を強め、協働を育むために大きな役割を果たしていると認識しています。この理念は、本市におけるまちづくりの文化として、将来にわたって継承すべきものと考えています。一方で、人口減少・少子高齢化の進展に伴い、地域活力の低下が懸念されるなど、地域を取り巻く環境が変化する中で、地元負担の見直しが必要との声もお聞きしてきたところであります。
地域コミュニティーを支える基盤を強化する上でも、持続可能な金沢方式への見直しが必要となっております。とりわけ、施設の老朽化や建築費の高騰などの影響も相まって、公民館、児童館、消防団の施設整備における地元負担が大きな課題となっておりますことから、明年4月からの適用開始を目指して、負担軽減の在り方について検討していきたいと考えています。 材木の消防分団の移転計画についてでありますけれども、金沢方式の見直しに当たりましては、来月22日に、地域団体や若い世代の代表者、有識者などで構成する懇話会の第1回会議を開催することとしております。まずはこの懇話会におきまして、地域課題等についての御意見をお聞きしたいと思っております。その上で、地元負担の軽減等を含めた在り方について議論を深めるとともに、様々な機会を捉えて市民の方々の御意見をお聞きしていきたいと考えています。
マイナ保険証につきまして、久保議員から非常に具体的なメリットを御紹介いただきました。これを活用することで、診療時に過去の健診結果や薬剤情報が共有でき、適切な医療につながるといったメリットがあります。また、それとともに、登録利用の手続などを分かりやすく説明することは大変重要だと考えております。本市では、これまでも納入通知書を発送する際に、制度内容のチラシを同封するなど周知に努めてきております。引き続き国や県と連携し、現行保険証の廃止や
マイナ保険証の利用促進に取り組んでまいります。
ギャンブル等依存症につきましては、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題と密接に関係しており、これらの問題に関する施策と有機的な連携が必要となります。国においては、
ギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づいて、医療、福祉、法律等の関係機関や当事者団体、関係事業者と連携しながら、計画的に
依存症対策を進めていると認識しています。本市におきましては、依存症に関する相談を受け、その原因となる問題に応じた関係機関につないでおりますほか、依存症の治療に向けて、当事者団体の紹介や医療機関の受診勧奨などを行っております。今後とも様々な支援機関等と連携した取組を続けてまいります。 若い世代の
オーバードーズの実態については、網羅的には把握しておりませんけれども、福祉健康センターには年に数件の相談が寄せられておりまして、医師による専門相談や医療機関を紹介するなどの支援を行っております。本市では、こうした支援に加えまして、薬剤師会等と連携した薬物乱用防止月間のキャンペーンの実施や、小・中・高等学校における薬物乱用防止教室の開催など、依存症予防にも努めているところであります。また、石川県と連携して、家族交流会や再発予防プログラム・支援教室を行っているところであり、今後とも各段階における施策を複合的に実施することで、
依存症対策を推進してまいります。 本市では、福祉健康センターにおいて、精神科医によるこころの健康相談を実施するとともに、保健師による相談を随時行っているところであります。薬物等の依存症は、適切な治療とその後の支援によって回復が可能な疾患であります。相談内容に応じて医療機関や当事者団体など、その方に適した支援機関につないでおります。引き続き一人一人に寄り添った丁寧な支援に努めてまいりたいと考えております。 最後に、不登校児童・生徒の増加につきましては、私も深刻な問題だと考えております。まずは、学びの
多様化学校設置
検討委員会の今後の議論を注視してまいります。未来共創計画の中では、誰一人取り残さない子どもの学びへの支援の主要事業の中に、不登校児童・生徒の学びの保障のためのデジタル技術の活用や、
校内教育支援センターの設置拡充などを掲げております。計画の具現化に向けた教育委員会の様々な施策には、大いに期待しております。今後、総合教育会議等におきましても協議を行いながら、学びの
多様化学校の設置を含め、問題の解決に向けて尽力してまいります。 私からは以上です。
○
喜多浩一議長 津田
文化スポーツ局長。
◎津田宏
文化スポーツ局長 歴史的建造物の復旧助成について、支援対象となる建造物の損壊内容と助成適用についての判断基準でありますが、被害の大きなものとしては、寺社の石積み崩壊や土塀の倒壊、庭園や墓地における石造物の倒壊でありました。そのほか、寺院の本堂や山門等の傾き、しっくい壁の剥がれ、屋根瓦のずれ等が多く確認されたところです。現地で確認できた被災案件につきましては、個別に業者から見積書の提出や聞き取り、当事者との協議の上、国や市の要綱に基づき、文化庁による現地確認と災害査定を経て助成適用を判断しております。
○
喜多浩一議長 山口
福祉健康局長。
◎山口和俊
福祉健康局長 ギャンブル依存症のことにつきまして、若い世代に対しての周知や啓発週間等での活動につきましてお尋ねがございました。
ギャンブル等依存症問題の啓発週間には、各福祉健康センターでポスターを掲示し、市民への啓発を行っております。また、啓発の週間の期間にかかわらず、福祉健康センターにリーフレット等を設置いたしまして、依存症に関する情報を提供しておりますほか、保健師等による相談支援を行っております。また、御指摘の若い世代への啓発等につきましては、大学等と連携いたしまして実施しているこころの健康講座におきまして、依存症の内容を取り入れているところでございます。 以上です。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 不登校支援について御質問がございました。初めに、本市で不登校の子どもが急増している理由と、ここ数年の不登校児童・生徒の推移、学年別による傾向についてお答えいたします。本市でも、近年、登校に対する保護者の意識の変化に加え、長期化したコロナ禍で児童・生徒の生活のリズムが乱れやすい状況が続いたことや、良好な交友関係を築くことが難しかったことなどにより、登校意欲が湧きにくくなったことが、不登校児童・生徒の増加につながっていると考えており、コロナ禍以前に比べて、不登校の要因は多様化・複雑化していると捉えております。仰せのように、本市の小中学校ともに、不登校児童・生徒数は年々増加傾向にあり、令和元年度と令和4年度の比較では、小学校で193人、78%、中学校で269人、56%増加しており、加えて、学年が上がるにつれて増加する傾向にあることについても、大変憂慮いたしております。 次に、体調不良や朝起きられない、夜眠れないといったアンケートの結果についてでございますが、インターネットやゲーム依存等による昼夜が逆転した生活や、対人関係の不安などのほか、心身に関わる病気が生活リズムの乱れや体の不調を引き起こしている要因になっているのではないかと考えております。さらには、家庭環境が起因する場合も考えられますことから、家庭と密に連携を取りながら、多面的な視点から児童・生徒の状況や不登校の要因を探り、医療などの関係機関と連携して対応していく必要があると考えております。 次に、1人1台学習用端末での児童・生徒の心の健康観察による具体的な確認と期待される効果についてお答えいたします。これまでも、教職員は学校生活の中で児童・生徒の状況を見取り、必要に応じて声かけをいたしております。今年の2学期から実施する1人1台学習用端末を用いた心の健康観察では、児童・生徒が心の状態などを入力した結果によって、教職員が児童・生徒一人一人の心身の変化をきめ細やかに把握することが可能になりますことから、児童・生徒の悩みや困っていることに早期に対応ができるようになります。児童・生徒にとって、さらに学校生活が安全・安心で楽しいものになっていきますように努めてまいります。 引き続き何日も欠席している児童・生徒の初期支援についてお答えいたします。不登校児童・生徒への初期対応につきましては、各学校におきまして、担任などの教員がその日のうちに欠席した児童・生徒に確実に家庭へ連絡を入れており、3日続けて欠席した場合には、家庭訪問をしたりするなどして、児童・生徒やその保護者との関係づくりに努めながら、登校への不安等の解消に向けて支援いたしております。また、欠席の状況に応じて、1人1台学習用端末を用いた学習指導、
校内教育支援センターでの学習指導などを行うなど、個別の対応を行っております。 次に、今年度の
スクールカウンセラー等への相談や学習支援などの支援体制と今後の取組についてお答えいたします。
スクールカウンセラーは、石川県教育委員会により全市立小中学校に配置されており、児童・生徒や保護者等の相談のほか、事故等の緊急対応における児童・生徒の心のケアに努めるなど、教育相談体制に大きな役割を果たしております。また、不登校児童・生徒に対する学習支援につきましては、今年度より全市立小中学校に
校内教育支援センターを設置するとともに、支援員の増員や配置時間の拡充を図っており、学校訪問からは、児童・生徒が支援員と自分のペースで学ぶなど、効果的に活用されている姿を随所で見ることができました。今後とも
校内教育支援センターの支援体制の一層の充実を図っていきたいと考えております。 オンラインによる出欠の取扱いについてお尋ねがございました。オンラインを活用し、配信した授業を受けた場合の出席の取扱いにつきましては、国が令和元年に発出した不登校児童・生徒への支援の在り方についての通知において、授業の配信を視聴することに加え、訪問等による対面指導が適切に行われることや、保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていることなど、7つの要件を満たすことが条件となっております。これにより、各校長において判断することとなっております。 最後に、5月31日に開催されました学びの
多様化学校設置
検討委員会の構成と今後の進め方についてお答えいたします。学びの
多様化学校設置
検討委員会は、学識経験者や小中学校長会から推薦を受けた校長に加え、金沢市PTA協議会や金沢市フリースクール協議会の代表等8名で構成されております。先般の第1回
検討委員会では、不登校児童・生徒にとっての選択肢として必要、児童・生徒の未来を見据えた支援が行われる学校であることが必要などの御意見を頂戴いたしております。これらの意見を踏まえ、今後、
検討委員会において議論を重ね、本市での設置の必要性の有無や設置する場合の検討課題について、年度内には一定の方向性を示していきたいと考えております。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 32番森一敏議員。 〔32番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森一敏議員 みらい金沢の一員としまして、以下御質問させていただきます。 まず、金沢における
能登半島地震被災地・被災者支援に関して御質問いたします。 その1点目は、被災宅地等復旧支援事業費補助並びに土木施設災害復旧費についてであります。被災者の住宅再建に向け、被災宅地等復旧支援事業費補助1億円が計上されました。また、粟崎町、田上新町などを対象として、土木施設災害復旧費が追加されました。市長も申されましたように、被災地域の復旧再建には、両事業を連関させるとともに、技術検討会議での被災原因の解明と工法検討ともつなげねばなりませんが、これをどう連関させていかれるか。まず、お答えいただければと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の地震によりまして、大きな被害があった田上地区、粟崎地区を中心に復旧業務を行っていくために、危機管理課内に専任の技術職員を配置した被災地区復旧推進室を設けました。被災地区復旧技術検討会議の検討、助言を踏まえて、復旧工法、工事時期を調整しながら進めていきたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 提案理由説明の中で、市長は、被災者に寄り添った柔軟な対応と述べておられますが、どのような対応を考慮していくのか伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 例えば粟崎地区においてでありますけれども、将来の液状化リスクの低減を図るため、道路と宅地を一体的に整備する国の宅地液状化防止事業の活用について検討したいと考えておりますけれども、その場合は事業期間が長くなることが想定されております。随時住民説明会などを開催しまして、地域住民の希望に寄り添いながら丁寧に進めていきたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 おっしゃる意味は理解できないことはないんですけれども、実際上、長期にわたるという場合に、住宅再建のための見通しというものがなかなか持ちづらいと。それぞれの御家庭の事情によっても、それを待てるのか待てないのかというような問題が現実には起こってくると思うのです。そうしたことに対して、どういう寄り添い方をしていくのかというところがさらに問われていくんではないかと、こう思っておりますので、もう一言御答弁いただけますでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 被災した方々によっても様々な状況であります。そして、罹災の判定が、あるいは一部損壊であったとしても、その損壊の状況によって変化があると、対応していかなければならないというように思っております。長い間その住家に住むことができないとなると、非常に大きな負担になるという中で、一方で多少の傾きを直したら住むことができるというような家屋も存在すると思います。そういった中で、国の大規模なそうした事業をこれから取り入れていくという中で、そことの調整をうまくしていくということが大事であるというように思っています。そういった中で、個々の事情に寄り添いながら相談に応じていきたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 次は、被災家屋の公費解体におけるアスベスト対策についてです。公費解体の対象となる半壊以上の被災家屋のうち、現時点で公費解体を申請された件数は90棟を超えたと伺っております。今後、解体を本格化させる上で留意を要するのは、アスベストの飛散防止と解体作業員の暴露防止です。大気汚染防止法、労働安全衛生法等に基づき、公費解体に当たり本市としてどのような対策で臨まれるのか伺います。
○
喜多浩一議長 越山環境局長。
◎越山充環境局長 公費解体の際には、法令に基づき、全ての対象建築物などに対し、アスベストの有無を確認する事前調査を行うとともに、その結果を工事場所に掲示し、周辺地域や作業員へ周知するよう、解体工事の受注者に指示しております。また、アスベストを含む建築物等の解体作業時においては、受注者に対し防じんマスクの着用など法令等で定める事項の遵守を徹底させるとともに、労働基準監督署とも連携し、解体現場の巡回を実施するなど、アスベストの飛散・暴露防止には万全を期してまいります。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 巡回というものの頻度、それはどのように考えていらっしゃいますか。
○
喜多浩一議長 越山環境局長。
◎越山充環境局長 頻度につきましては、そのアスベストのレベルにもよると考えております。当然アスベストが含まれるであろう建材が、いわゆるどのレベルのものかによって、その対策というのも変わってきますので、それに応じた頻度で巡回をしたいと考えております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 これはぜひしっかりとやっていただきたいと思っております。 続きまして、3番目、
地域コミュニティーにおける被災者支援について伺います。2次避難の長期化に伴いまして、孤独死や災害関連死が懸念されます。今朝の新聞報道でも、282人でしたか、大変心を痛める状況です。高温予想の夏に向け、健康観察や見守り、相談対話の機会が一層重要です。被災者の健康保持のための現行サポート体制は十分なのか、御所見を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 集団避難所につきましては、空調設備のある老人福祉センター等に避難者を集約するとともに、定期的に保健師が巡回し、健康観察を行っております。また、ホテル等の2次避難所につきましては、各施設に見守りの御協力をいただいておりますほか、高齢者等の支援が必要な方には、保健師が継続的に電話や訪問による健康観察を行っております。夏場に向けて関係機関と連携しながら、引き続き被災者に寄り添った支援に努めてまいります。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 この保健師さんの巡回チーム、これが足りないんではないかという懸念の声も伝わってくるんですが、そのあたりはどう見ていらっしゃいますか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 集団避難所が多数存在していた、設置していた際には、他の自治体から保健師の派遣をいただきながら、また、健康観察を行っていただく、そのような支援をいただいておりました。一方で、金沢市の保健師については、こうしたホテル等の2次避難所を、そして、みなし仮設住宅なども含めて巡回していくと、そういうような役割分担をさせていただきました。非常に大変な業務ではありますけれども、避難された方々が健康状態を崩さないように、しっかりと巡回し、そして見守ってまいりたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 これから厳しい季節になっていきますので、その見守りが所期の目的を果たせるように、体制についても不断に検討を加えていただければと思います。 続きまして、
地域コミュニティーや地域福祉を担う金沢市町会連合会、民生委員児童委員協議会などとの連携は、どのように機能しておりますでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 みなし仮設住宅の入居者につきまして、金沢市社会福祉協議会の生活支援相談員が訪問して、見守りや相談支援を行っております。必要に応じて市の関係各課や他の専門機関につなぐ体制としております。このほか、避難生活を送っている方々に、各校下町会連合会の連絡先や、市内の各地域で開催されているコミュニティーカフェなど、高齢者の集いの場や子育てサロンを紹介するチラシを配布しておりまして、地域とのつながりに配慮してございます。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 地域の中で温かく包み込まれて、避難者の方が不安を少しでも和らぐ中で生活を続けることができるように、ぜひ金沢の持ち味を発揮していきたいものだと、私自身も含めてそう思っております。 4点目は、国際的な都市間の支援に関わってです。ブラジルの姉妹都市ポルト・アレグレ市が、記録的な大洪水に見舞われました。5月8日時点で死者100人、不明者130人、家を追われた被災者は16万人を超えたと、このように伺っております。締結50周年で訪れました際に歓待してくださった方々が無事でおられるのか、私自身も気になっております。今般の地震に際し、海外の都市からも支援を受けてきた本市として、ポルト・アレグレ市に対して行った対応があればお聞かせください。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 ポルト・アレグレ市を含むブラジル南部において、4月下旬から5月中にかけて続いた豪雨によりまして、記録的な洪水被害がございました。本市でも
能登半島地震の対応に追われている中で、日本の全く反対側でこうした大きな災害が起きてきたということについて、ショックを受けたところでもありますけれども、私としては5月8日になりますが、ポルト・アレグレ市のメロ市長に見舞い状をお送りしました。犠牲になられた方々への哀悼の意と被害へのお見舞いを申し上げるということとともに、一日も早い復旧・復興を祈念しているということをお伝え申し上げました。当地の状況については、在ポルトアレグレ領事事務所を通じまして、適宜情報収集に当たっておりますが、領事事務所からは、現在は水位が下がって、復旧の途に就いたとお聞きしております。引き続き情報収集に努めまして、心を寄せてまいりたいと思います。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 状況が改善されていくということ、本当にお祈りもしたいと思っております。来春、本市は、国際姉妹都市祭りですか、これを開催するという予算も決定しておりますので、ぜひ今後も十分に注視していっていただきたいと、そう思っております。 それでは、2点目、原発防災に関して御質問いたします。 今
能登半島地震による広域での甚大な被害は、志賀原発の複合原発震災への最後の警告だとの深刻な指摘がなされております。議長にお許しをいただきまして、パネルを掲示させていただきます。これでもまだ文字が小さいようですね。(パネルで説明)想定外が大変たくさん発生いたしました。例えば150キロメートルに及ぶ震源帯が連動した。最大4メートルの海岸隆起が起こった。基準地震動、これを超えた。2号機で846ガルの想定が、871の加速度を計測した。1号機でも同様だったようです。外部電源一部喪失。これはまだ現在続いております。非常用発電機1基が作動しなかった。冷却ポンプが40分間停止した。これは燃料プールです。それから、変圧器の絶縁油が大量に漏れた。これはその量を、北電側の報告は修正しております。モニタリングポスト116局あるんですが、18局が欠測。測定、そして通信ができなかった。道路は11路線中7路線が不通になった。30キロメートル圏内、旧市町で家屋被害が2万7,000棟。放射能防護施設6施設が損傷。屋内退避ができないということを意味します。タービンの各部位に接触痕などの損傷が見つかっております。これについては、現在まだ調査の途中です。このパネルは、石川県の地図に、2011年の福島の第一原発の事故で放出されたあの苛酷事故がもし起こったとした場合に、一定の風向きを想定したときに、イメージとして重ね合わせた地図なんです。同心円がこうありますね。ここが30キロメートル圏。金沢市はここなんです。この黄色、グリーン、割と放射性物質の汚染度合いが高いエリア。これが金沢の北部にかかっておりますし、ブルーの範囲には広範に金沢市も入ってくると。こういうことで、原発事故の特性の一つは、必ずしも同心円上に被害が対応して重くなっていくということは、必ずしも限らないという特性があるということを、まず御理解いただきたいと思います。発災から5か月、北陸電力は、私も出向いた政府関係機関への立入調査要求で、ようやく社民党の現地調査を受け入れたんです。しかし、制約だらけの公開に終始しました。撮影するな、ここしか見てはいけないというような指示がつきまとったということ。何を隠そうとしているんだろうか、疑念が拭えないわけです。市長がこの間、北陸電力からいかなる場でどのような報告を受けられたのか、その内容をどのように受け止めておられるのか、まずお伺いします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 北陸電力からは、1月末と4月末に志賀原子力発電所の設備等の被害状況や、
能登半島地震への対応状況などについて説明、報告がありました。
能登半島地震発災直後から、能登地域を中心に電力供給や火力発電施設の復旧等に全力で取り組んだ姿勢に対しましては、同じ公共インフラを維持管理するという立場から慰労を申し上げました。一方で、志賀原子力発電所の被害状況に関し、報道によれば、北陸電力からの情報が一部錯綜していたとされておりますが、その都度必要な措置を講じているとの報告は受けました。施設の安全対策の徹底、そして、国や県、志賀町など関係自治体との連携、また、迅速かつ正確な情報の発信が重要であり、その旨を北陸電力に対して要請いたしました。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 今回の
能登半島地震から受けた原子力発電所の細部の被害状況、これについての評価といいますか、受け止めです。これ、今、入っていなかったんですが、どういう所感をお持ちだったでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 被害状況について、その正確な報告、そして適時の報告が必要というように考えております。その中で、一部情報が錯綜していたということについての報告もございました。それに対して必要な措置を講じているということも報告を受けております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 それをどういうふうに評価して受け止めていらっしゃるかということのお答えを聞いておるんですが、おっしゃりませんね。志賀原発、今回は志賀町は震度7が出たんですけれども、原発のサイトは5強なんです。これは金沢と同様です。この5強で、先ほど見ていただいたような想定外の被害あるいは状況が発生しているということなので、本当に動いていたらどうなっていただろうかということを、大変多くの方からやっぱり私も聞いておりますし、私もそのように感じているわけです。ですから、かなり深刻な状況が発生したという認識を持つ必要があるんではないかと思います。それは申し上げておきたいと思います。 北陸電力は、この6月26日に株主総会を開催いたします。金沢市は戦後、水力発電所の公営復元運動の経緯から、北陸電力の株式209万株を保有する大株主です。震災年となった今回は、株主総会に出席して、被災状況の評価や安全性に関する議論に参加し、電力供給と市民の安全確保の責務に照らして、本市として物を申されてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 株主総会への出席につきましては、他の公務の状況などにより判断することとなることを御理解いただければと存じます。株主総会の提出議案に対する賛同の可否につきましては、慎重に検討を重ねた上で議決権を行使したいと考えております。なお、
能登半島地震における志賀原子力発電所の対応等につきましては、先ほど述べたように、既に安全対策の徹底等について要請しているところでございます。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 まだ出席の可否についてはお答えがありませんでした。これまで出席はなさっていない。そして、書面で電力側の提案、これを賛同しているというのが、この間の金沢市の経過です。これが、市民の様々な懸念あるいはエネルギーに対する考え方、希望、そういうものにちゃんと向き合えているのかどうかということについて、批判があるということはお伝えしておかねばならないと思います。 次に、いざとなっても逃げられないと、県民の不安は広がっているわけです。本市は、今年度実施する地域防災計画の見直しで、原子力災害対策計画でも、
能登半島地震からの教訓、放射性物質放出事故との複合災害の特殊性を十分に踏まえておかねばなりません。課題をどのように整理しておられるか伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 今回の地震では、能登被災地において道路の寸断など多くの地区が孤立したことから、複合災害の視点も取り入れた原子力災害対策を行うこと、これが大変重要な課題であると認識いたしました。今後、このことを踏まえた能登地域からの広域避難者の受入れや、他市町との協力体制について、県と協議・調整することとしております。県から示される地震被害想定の結果を踏まえて、本市の地域防災計画と併せて、原子力災害対策計画についても見直すこととしております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 今ほども答弁ありましたけれども、これ、原子力災害対策計画なんです。主に言うと、屋内退避が必要な場合の手だて、そして、特に放射性ヨウ素の内部被曝をできるだけ防ぐための安定ヨウ素剤の服用、そして、広域避難者の受入れ、これが大きな3本柱かと思いますけれども、それぞれについて、今回の震災教訓を踏まえて、具体的に踏み込んで検討を行う、そういう必要があると思いますので、今後行われていく検討、協議、この中で、私もこれを注視して、申し上げるべきときがあればまた申し上げさせていただきたいと思っております。 さて、今地震で、志賀原発から30キロメートル圏内の自治体が北陸電力に求めてきた安全協定の懸案が浮上しております。志賀町に限ってきた協定締結を30キロメートル圏内へ、さらには県内全域の自治体に拡大することが望まれます。9年前から止まってきた協議を再開するため、石川県市長会長の立場から、県並びに基礎自治体間連携へのリーダーシップの発揮を期待するんですが、御所見を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 本市においては、志賀原子力発電所からおおむね30キロメートル以内の緊急時防護措置を準備する区域--UPZの外側であるということから、放射性被曝による直接的な原子力災害対策を講ずる必要性は低いと考えております。一方で、原子力災害から市民を守るために、協力体制を構築するということは重要であります。先ほど資料でお示しいただいたように、風向きによっては被害が拡大するおそれもあるということもございますが、石川県や他の市町と協議・調整するということが望ましいと考えております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 30キロメートル圏内すらまだ安全協定も締結に向かって前進はないということでありますので、まずはそのことに重点を置いて、ぜひ連携を進めていただきたい。そのように思います。 それでは、3点目、国の補充的指示権を創設する地方自治法の一部改正について御質問いたします。 昨日、参議院の総務委員会で改正案は可決されました。私自身、傍聴した衆議院総務委員会、院内集会での議論などの間に、この間に指摘された点は、想定外を想定するという無理が、立法事実も要件も明確化できない。地方自治体の独立性と国との対等協力関係、これを担保する法定主義が損なわれる。政府は迅速性を盾に事前の協議・調整の制度化を拒んでいる。すなわち地方の独立性と国との対等協力が、戦前のような主従関係に戻されるとの強い懸念でありました。参議院総務委員会でも、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における生命等の保護の措置に関する指示が、内閣への白紙委任とならないため、附帯決議を採択しております。市長はこの可決をどう受け止めておられるか、御所見を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 国民の安全保護の観点から、感染症や災害などのあくまで想定外の重大な事態が発生した場合ということに限っております。想定外ですので、やはり想定ができないことなので、なかなかそこの具体化ができないというところは盲点かと思いますけれども、そういったことが起きた場合に対して、国が自治体に対して補充的な指示を行えるとするものであります。国・地方を通じて的確かつ迅速な対応に万全を期すという観点からの見直しと捉えております。これまで地方としても、地方自治の本旨や、これまで築いてきた国と地方の対等な関係が損なわれることがないよう要請してきたところであります。結果として、指示は特例として必要な限度にとどめること、また、事前に自治体から意見を聴取する規定が設けられるなど、地方分権には配慮した内容となっていると認識しております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 審議過程で盛り込まれた修正、それから、運用に当たっての重要点、これらについて、一定政府からの見解答弁は出ていますね。ただ、それが果たしてきっちりと履行されていくのか。そのための担保がないというのが、現時点での状況です。従いまして附帯決議もついたわけで、この附帯決議、これは国会の側ですけれども、地方自治体としても、自治体からの濫用防止のための歯止め措置、これをさらに求めていく責任があるんではないかと思うのですが、これはどうでしょうか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 国の補充的な指示につきましては、国と地方公共団体が事前に適切な協議・調整を行うこと、また、目的達成のために必要最小限度の範囲とすることなど、これは、地方としてかねて要請してきたところであります。法の運用に当たって、地方分権の原則の下、国において適切に対応されるものと考えております。これまでも機会を通じて、地方としての意見を国に対して要請してきたところでありますが、運用面が明らかになる中で、必要があれば引き続き地方六団体等を通じて、地方自治の本旨に沿った対応を求めてまいりたいと思います。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 事前の調整とか協議というものが、制度にはなっていないというところに非常に懸念があるわけです。ですから、それのルール化です。運用に当たって、ルール化、これを明確に求めていく。これは、住民の負託を、自治の負託を受けている基礎自治体としては、これは当然の責務ではないかと思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。 4点目、教科書採択です。 本市における今夏の中学校教科書採択で、現行歴史教科書の行方に全国から注目が集まっております。先般、市内の市民団体が短期間に集約した公開を求める署名3,643筆、教育委員会に提出されました。昨年の1.5倍です。採択会議の議事録で、教育委員名を開示したのは一歩前進です。さらに、全国の趨勢に歩調を合わせ、採択会議の公開に踏み切ることが疑念の払拭、教育委員会議の信頼性確保に寄与します。改めて会議の公開を求めます。いかがでしょうか。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 お答えいたします。昨年7月の教育委員会議におきまして、教科書採択に係る文部科学省の通知や、市議会での請願に対する審議結果を踏まえ、教科書採択に係る会議を公開するかどうかについて、真摯に話合いをさせていただきました。教育委員会議では、意思形成過程におきまして、会議を公開した場合に議論の自由闊達さを担保できるかどうか、環境面での静ひつさは担保できても、精神面での静ひつさの担保は難しいのではないか、傍聴する方が多くなればなるほど意見が言いにくくなり、かえって公平性・中立性に影響が出るのではないかなどといった意見が出され、議論の結果において会議は非公開とすることに決定した次第であります。なお、教科書採択における公正確保の徹底についての通知には、教科書採択は、採択権者の判断と責任によって、綿密な調査研究を踏まえた上で、公平性・透明性に疑念を生じさせることがないよう、適切に行われることが必要であると示されていることを踏まえ、昨年度より議事録の公開に当たって、発言者名を記載するよう改善を図っており、今年度も同様に会議の公開は行いませんが、教科書採択の審議過程はしっかりと公開させていただきます。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 昨年も申し上げたんですが、教育委員は公職であります。ですから、当然いかなる状況にありましても、自らの教科書採択に係る所信というものは表明をされなきゃいけないし、それが仮に批判を受けるものであったとしても、それは甘んじていかなきゃならないんです。それが教育委員を引き受けるということの意味なんです。教育委員さんの中から、その覚悟というものを、首をかしげざるを得ないような御発言が出るということは、大変残念です。今年のことも決められたということですけれども、今年の採択を行うに当たって、再度協議していただきたい。いかがでしょうか。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 そのような御意見があったことはお伝えいたします。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 未来を生きる子どもたちにふさわしい教科書とは、一体いかなるものか。肝に銘じるべき考え方を国連が示しております。それは、2010年の国連・子どもの権利委員会の日本に対する政府報告書審査最終所見、2013年第68回国連総会文化的権利に関する特別報告書の指摘です。要約すると、日本の歴史教科書は、日本の解釈のみを反映させるのでなく、他国の児童との相互理解を強化するよう、アジア太平洋地域の歴史的事件に関してバランスの取れた視点を反映すること。歴史教科書は、愛国心を強めたり、民族的な同一性を強化したり、公的なイデオロギーに従う若者を育成とすることを目的とすべきではない。教科書の選択は、特定のイデオロギーや政治的な必要性に基づくべきでなく、歴史学者並びにILO・ユネスコ、教員の地位に関する勧告、ここにある専門職としての特別の資格を認められた教員の手に残されるべきである。このように申しているわけです。この国連の示した考え方に対して、教育長の御所見を伺います。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 2010年の5月から6月までにかけて行われました国連・子どもの権利委員会におきまして、今、森委員がおっしゃったとおり、日本の歴史教科書は、アジア太平洋地域の他国の学生との相互理解を強化できないだけでなく、歴史的事件を日本の観点だけで記述していることが懸念されると指摘した上で、日本の歴史教科書は、アジア太平洋地域の歴史に対するバランスの取れた視点が見られないと是正を勧告いたしております。このことを踏まえながら、私は、国のほうでは、そのことを踏まえた上で、教科書検定についての見直しを図っていると思っておりまして、今回の検定の基準におきましても、歴史に関係しますけれども、近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに、国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされていることが示されています。こうしたことも踏まえながら、現在、本市で使用している教科書におきましては、文部科学大臣が、今回、歴史に対してだけに触れさせていただきますけれども、歴史的分野の目標が、広い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を育成することを目指すとした学習指導要領への準拠性や、児童・生徒の発達段階への適応性、教材の客観性、公正性、中立性、また、内容の正確性を踏まえて審査を行っており、その審査を行われた上で使用することを認められた教科書の中から、本市の採択方針に基づいて十分に調査研究した上で、公正かつ適正に採択されたものでありますので、採択手続を含め問題ないと考えております。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 時間がありませんので、これ以上踏み込みませんけれども、この教科書の検定基準の取扱い、これそのものに非常に政治的な経過というものが実際にはあったということも踏まえなきゃいけません。グローバル化のふさわしい国際関係にバランスの取れた記載が必要だと、これはそのとおりです。ですから、ぜひ教育の独立機関として、矜持を持ってしっかり審議をして、公明正大に審議をして、そして、子どもたちに、彼らは選択権がありませんので、大人よしっかり選択してくれと、こういう声が子どもから届いておりますので、ぜひしっかりやっていただきたい。そのことを申し上げておきます。 最後に、市民のつぶやきから、1点だけ御質問させてください。 夢ある公園再生・活用事業の展開に、市民のコンセンサスがあるかとの声なんです。今補正で、基本計画策定を笠舞地区で前倒しする予算が計上されました。公園整備に期待する全市域の市民に、対象地区の選定や順序についてどう説明されるのか、お尋ねします。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 対象地区の選定に当たりましては、公園施設が老朽化していることや、周辺に保育施設等が立地していること、利用圏内の人口が多いことなどの視点から、まず、検討が必要な地区を抽出しています。その上で、緑のまちづくり審議会におきまして、これらの項目に従って定量的に評価した結果、公園の老朽化が著しい笠舞地区が次期候補地区に選定された次第であります。整備状況の進捗を見ながら、順次地区を拡大してまいります。
○
喜多浩一議長 森一敏議員。
◆森一敏議員 公園の再生活用は非常に重要な仕事だと思います。全市的に公園に対する関心は非常に高いものがありまして、管理にも住民が関わってくださっています。ぜひ公平に、客観的に、どう整備されていくのかということが金沢市民に広く認識される中で、順序等も決まっていくように、ぜひ配慮をさらにしていただきたいということを申し上げて、私の質問はこれで終わります。(拍手)
○
喜多浩一議長 以上で、32番森一敏議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。 13番稲端明浩議員。 〔13番稲端明浩議員登壇〕(拍手)
◆稲端明浩議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として質問させていただきます。 初めに、6月補正予算について伺います。 まず、被災宅地等復旧支援事業について、この支援が受けられる要件を伺います。この補助金は、復興基金を活用した支援と認識していますが、崖地の補助や建物の耐震化などの支援制度と併用はできるのか、また、対象となる宅地の中には、建物及び宅内配管や電線の引込み柱など、建物に附帯する設備なども含まれるのか伺います。 さらに、被災者に対して、複数の支援メニューを漏れなく周知するとともに、相談を受ける体制が必要と思われますが、どのような対応をお考えか伺います。 次に、被災木造住宅耐震改修等事業費補助では、旧耐震の建物を基準にした従来の耐震改修補助とどのように違うのか伺います。また、地震発生時には、耐震改修の相談が増えるとお聞きしています。今後、さらに耐震改修を進めるに当たっての課題と、その対応についてどのようにお考えか、市長の御所見を伺います。 輪島市の
伝統的建造物群保存地区である黒島地区を訪問し、被害の大きさを実感しました。本市においても、
伝統的建造物群保存地区をはじめとした歴史的な建造物は大切な資産です。しかし、古い家屋の耐震化が進まなければ、命を守ることはできません。そこで、
歴史的建造物の保全と、災害から市民生活を守るまちづくりについての考え方を市長にお伺いします。 3点目に、下水道施設災害復旧費について伺います。事業費として56億8,800万円の補正予算が計上されています。国道8号線から海側の地域や、私の住んでいる城北地区などでは、今でも道路が陥没し始めたとの相談が続いています。これを踏まえ、下水道破損に起因する被災の規模並びに今補正予算でどの程度の復旧が可能なのか伺います。加えて、今後も復旧箇所が増えることも踏まえた復旧の進め方と、復旧工事のスケジュールをお示しください。 また、道路陥没の原因は、下水道の破損だけではないと思います。下水道破損以外の原因による道路陥没被害の規模と、その復旧工事の進め方、スケジュールについても伺います。 質問の2点目は、地域防災計画の改定における基本的な考え方について伺います。 本年は、
能登半島地震という未曽有の大災害からスタートしました。被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げます。また、2次避難者の受入れや被災地支援に当たられてきた本市職員や支援団体の皆様に心から感謝いたします。今回の
能登半島地震では、定員を大きく上回る人が避難所に押し寄せ、断水、トイレの問題、寒さやコロナ感染など様々な対応のため、気の休まることのない運営が続いたとお聞きしています。また、中には、避難所での避難を諦め、被災した自宅に戻った方もいたとお聞きしています。タブレットの資料1の2つの写真を見ていただきたいと思います。左は1930年の北伊豆地震の避難所。右は2016年の熊本地震の避難所。80年以上を経て、人々の暮らしぶりは大きく変わったにもかかわらず、避難所は体育館で雑魚寝のまま。これは、仕方がないと見るべきなのでしょうか。ふだんの生活と避難所での生活の格差は、むしろ現在のほうが大きく、そのため、ストレスは現在のほうが大きくなっていると言えるのではないでしょうか。確かに避難所では、段ボールベッドや間仕切りなどが設置され、その環境は向上していると思います。しかし、お話を伺う限り、避難所生活が快適だと感じている人は多くないと思います。まして女性は、プライバシーの確保が不十分で、男性よりも大きなストレスを抱えていることは明らかです。災害時なので、これ以上のことを求めるべきではないと我慢しているのが現状です。今回の地域防災計画の改定においては、大きな災害のたびに繰り返されてきたこのような避難の在り方を転換する必要があると思います。その意味からも、分散避難や避難所の環境などを根本的に見直すことから始めなければ、地域防災計画の質的向上は望めないのではないかと思いますが、市長の御所見を伺います。 発災後、直ちに自衛隊、消防、警察及び多くのNPOなどの
民間支援団体が早い段階で現地での活動を開始していただきました。しかし、一方では、自治体とNPOなどの支援の連携体制については課題があったのではとの実感があります。特に私自身が関わった視覚障害者への災害支援を行うボランティア団体については、県内の支援団体との調整が進まなかったため、県から活動許可が下りず、なかなか現地に入ることができませんでした。発災直後から復旧段階において、災害時協力協定を結んだNPOなどの民間団体が確実な支援活動を展開できるよう、平時から十分な連携体制が本市では築けているのか伺います。 次に、復旧から復興段階での支援体制構築の考え方について伺います。資料の2を御覧ください。平時と災害時の役割として、ふだんは民間が行っている物流や医療、介護など、多くのことを災害時には行政の職員が行っていることが分かります。行政職員がふだん行っていない業務を、しかも災害時に民間業者と同等のサービス提供ができると考えることは無理があると思います。そこで、地域防災計画における官民連携の体制について、何でも行政で行うという体制を再検討すべきではないでしょうか。市長の御所見を伺います。 さらに、被災者は、復旧・復興のスケジュールが見えないことで、生活再建の見通しが立てられず、大きな不安を抱いているとお聞きしています。被害の程度によって対応に要する期間が変わることは理解しますが、被災者が前向きに生活再建していくためにも、標準的な支援期間の明示は不可欠なものと考えます。現行の地域防災計画では、罹災証明書の発行以外には、支援ごとの標準的な期間が示されていません。応急仮設住宅の建設、公費解体をはじめ、学校の再開や福祉的支援などを含めた復旧から復興までのロードマップに、標準的な期間を含めたものを示すべきではないかと思いますが、市長の御所見を伺います。 国土交通省は、2018年に、市町村が取り組むべき復興まちづくりのための事前準備についてを発表し、取組を進めることで、早期に的確な復興を実現することを自治体に求めています。これは、復興に向けた体制、手順、訓練、基礎データ、目標の5項目の事前検討に、被害想定を重ね合わせ、復興の体制と手順を検討するものです。そこで、本市における災害の事前準備についての現状と、今後の取組を市長にお伺いします。 今回被災された方々からの相談を通し、コロナ禍と同様、ふだんから支援を必要としている方々がより困難な状況に陥りやすいと感じています。加えて、震災がなければ何とか自分で生活できていた高齢者や障害者が、支援なしでは立ち行かない状況になることで、行政の支援を必要とする方の人数が一気に増えているとも感じています。現行の災害救助法には、福祉の支援が明記されていませんが、生活困窮に陥った方への個々のニーズに合わせた福祉、介護などの支援なくして、被災者の生活再建はありません。これに対応するものとして、災害ケースマネジメントという手法があります。本市の地域防災計画にも、災害ケースマネジメントを位置づけ、具体的な支援の枠組みを構築していくべきと考えますが、市長の御所見を伺います。 次に、共同親権法制化への対応についてお尋ねします。 本年5月17日、共同親権を導入する民法の改正が可決、2026年までに施行となります。4年前に、DVによる離婚調停中の方から、面会交流の回避についての相談を受け、以来、DV被害者の方と弁護士や大学教授などの支援者によるオンラインミーティングに参加してきました。その中で、離婚前に、離婚について様々な相談ができる場が少ないとお聞きしました。また、精神的なDVを受けている女性は、自身がDVを受けている実感が乏しく、離婚訴訟になって初めて、担当の弁護士から自身がDV被害者であることを認識させられることが多いともお聞きしています。そこで、まず、離婚に関する幅広い相談を受けられる環境づくりについて伺います。 〔議長退席、副議長着席〕 本市においては、昨年、ダイバーシティ人権政策課において、女性のための離婚の法律セミナーが開催されました。参加された方からは好評であったものの、参加者は少なかったとお聞きしています。一方、先進的な取組を行っている名古屋市では、離婚後も子どもの笑顔を守るためのセミナーや、離婚が子どもに与える影響、さらに養育費や親子交流など、幅広い角度から離婚に関するセミナーを開催し、早期にかつ幅広く相談できる環境を整えています。また、家庭裁判所では、離婚調停に行き詰まると、積極的に面会交流を進めてくる場合があります。DVの被害者である母親は、面会交流時、夫による子どもの連れ去りや暴力に対する不安が大きくなることに加え、家庭裁判所からは面会交流に消極的な母親に対して、子どもに対して親の責任を果たしていないと指導されることもあり、心のケアも不可欠です。これらを踏まえ、本市においても、共同親権施行を見据え、深刻な状況に陥る前に幅広く相談ができるように、離婚に関してのセミナーの充実や、相談窓口等での適切な対応ができる体制を整えていく必要があるのではないかと考えますが、市長の御所見を伺います。 さらに、本市職員の共同親権に関する研修を実施していただきたいと思いますが、併せてお考えを伺います。 アメリカの心理学者、ジュディス・ウォラースタインは、60組の離婚世帯に対して、離婚後15年間という長期間にわたる取材内容をまとめた「セカンドチャンス離婚後の人生」の中で、協調・協力できる親同士の下で行われる共同親権は、よい影響を期待できるが、紛争性のある父母の下で裁判所の命令に従って行われる交流は、子の成長に取り返しのつかない深刻な影響を与えるとしています。親の離婚によって、子どもがその後の人生において不利益を被ることのないようにしなければなりません。児童相談所を持つ本市として、共同親権施行に当たり、親の離婚を経験した子どものケアこそ、最も重要視するべき課題であると思いますが、離婚後の子どものケアの在り方についての市長の御所見を伺います。 最後に、不登校支援と不登校を生まない教育について伺います。 昨年6月の本会議で、COCOLOプランに基づき不登校対策について質問しました。その際、不登校特例校--学びの
多様化学校の設置、メタバースによる不登校児童・生徒への支援について、有効な手段として前向きに検討すると答弁がありました。今年度当初予算の重点施策では、学びの
多様化学校の設置が挙げられています。学びの
多様化学校とメタバースによる不登校支援について、昨年度の取組と成果について伺います。加えて、今年度における検討スケジュールについてお示しください。 次に、これまでも本会議や市長への予算要望においても、一貫してフリースクールに通う児童・生徒への経済的援助を要望してきました。不登校児童・生徒の増加に伴い、兄弟で不登校になるケースも多くなっており、経済的負担が大きくなれば、児童・生徒本人が望んでも多様な学びの場につながることが難しくなります。そのため、経済的支援を要望する声は年々多くなっています。今回、文部科学省から、いじめ対策・不登校支援等推進の公募事業の中で、経済的に困窮した家庭の不登校児童・生徒に対する経済的支援の在り方に関する調査研究との項目がありました。本市として、この事業に対してアプローチしたのか否か伺います。また、このことを踏まえ、本市として今後フリースクールに通う児童・生徒の経済的支援について検討する考えはないのか伺います。 次に、不登校を生まない学校教育について伺います。1点目は、個別最適な学びについてです。個別最適な学びの実現は、不登校であるなしにかかわらず、自分に合ったやり方やペースで、時には1人で、時には仲間と一緒に納得のいくまでじっくり学べることを目指しているものと思います。不登校の児童・生徒が増え続けている中、魅力ある学校となるために、本市が目指してきた個別最適な学びとは、具体的にどのようなものなのか伺います。 個別最適な学びは、一人一人に合った学習方法、教材、時間の柔軟な提供により、基礎的・基本的内容の着実な提供を図る指導の個別化と、自分に最適な学びへの理解を深め、自力で学べる子どもを育成する学習の最適化があるとされています。この2つの観点に対して、個別最適な学びの実現に大きく寄与すると考えられたタブレットを活用した教育が、本市の学校教育にどのような変化をもたらし、どのような成果を得ることができたのか伺います。 また、コロナ禍を経て、自ら学びたいことを見つけることができない子ども、自立した学習ができない子どもの姿が明らかになったとも言われています。本市の金沢型学習スタイルにおいても、自分で、みんなで考える学びを挙げていますが、自立した学習ができないことを解消しなければ、本当の意味での個別最適な学びは実現できないのではないかと思いますが、教育長のお考えを伺うとともに、どのようにして自立した学習ができる力を育てていくのかも併せて伺います。 今年度から、渋谷区では、新たな取組として、児童・生徒が自ら問いを見つけて課題を設定し、問題解決する力や、他者と協働し新たな価値を創造する力をつけるため、未来の学校プロジェクトに着手しました。24年度から、月曜から金曜の毎日、全小中学校で小3から中3の午後の時間を、探求「シブヤ未来科」に充てています。受け身の授業から、自ら学ぶ授業への転換を加速するため、文部科学省の授業時間数特例校制度を活用し、国語や算数、数学などの時数を1割削減、総合的な学習の時間を従来の70時間から155時間へ大幅に増やしました。午後は、午前の教科学習を発展させ、子どもの疑問や興味に合わせて、教員も一緒にゆったりとした学びを生み出していける時間的余裕を確保しています。加えて、企業や地域の連携により、学校だけでは実現できない体験の提供、企業の特色を生かしたプログラムの導入など、外部資源の活用により、豊かな体験と人との出会いを生み出すことができるとしています。このような事例を参考に、本市の学校教育においても見直すべき課題はないのか、教育長のお考えを伺います。 最後に、様々な教育施策とは別に、私は、教員の教える技術の向上こそ力を入れるべきではないかと考えています。そこで、大村はま先生の言葉を紹介したいと思います。「授業は、中くらいの生徒を目当てに進めればよいという人がいます。誰のことでしょうか、中くらいの生徒というのは。これは、教えたことのない人の空論だろうと思います。子ども一人一人を見つめて話をしない人の空論だろうと思います。子どもは常に一人一人を見るべきであって、それ以外は見るべきでない。束にして見るべきものではない。」また、「単元学習とは、教材がどっさりあって、学習活動が非常に多様である。それで優れた子どもも劣った子どももそれぞれに成長する。教室の魅力は、力の弱い子どもを救うだけでは、半分しか生まれてこないと思います。力の弱い子どもが張り合いよく学習していると同時に、力のある子どもも生き生きとして学び、語り合い、豊かな力を出し切って努力しているようでないと、教室に魅力は生まれません。」これは、今から四、五十年前、大村はま先生が当時の若い教員に講演したときの話です。現在と全く同じ課題を指摘しているのではないでしょうか。これを乗り越えるものは、教師の教える技術だとおっしゃっています。不登校が増え続ける学校教育の在り方に対して、本当に必要なことは何なのか。それは、教員が教える技術をいかに磨くかということにあるのではないでしょうか。不登校児童・生徒を生まない教育に対して、教員の教える技術と果たすべき役割について、教育長の所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
○上田雅大副議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 13番稲端明浩議員にお答えいたします。 初めに、今般の被災宅地等復旧支援事業費補助でありますが、
能登半島地震発生時に住宅の用に供されていた宅地について、宅地擁壁の復旧や住宅基礎の沈下・傾斜の復旧、液状化による再度災害防止のための地盤改良工事などを支援するものであります。こちらについては、崖地防災工事費等補助や、同じく今回お諮りしている被災した木造住宅の耐震改修等事業費補助などと併用することができるものであります。 続いて、今回被災した宅地の復旧や住宅の耐震化を支援する制度の新設に伴いまして、これまでの生活再建支援や住宅の応急修理等の相談に応じていた本庁舎4階の被災者生活支援総合窓口を拡充したいと考えています。専用電話の開設のほか、土木・建築の専門職員の配置による対面での制度説明や、各支援制度の最適な活用方法など、被災者に寄り添った対応に努めてまいります。また、各支援制度について分かりやすく解説したリーフレットを作成するほか、本市の災害情報を集約したホームページや市公式LINE、新聞広報等を通じ幅広く市民にお知らせするとともに、復旧工事に携わる事業者等にも案内するなど、様々な機会を通して周知してまいります。 耐震改修工事や建て替え工事を行うに当たり、所有者の中でもとりわけ御高齢の方は、金銭的な問題や工事に伴う引っ越しなど、経済的・体力的負担が大きいことが大きな課題になってくると想定されます。こうしたことから、今後は所有者である親世代だけでなく、その子ども世代にも、実家の防災について考えていただくことが肝要であると思っています。耐震化の必要性と補助制度の内容について、市公式LINE等のSNSを活用するとともに、出前講座などでさらなる周知を図り、耐震化の促進につなげてまいります。
能登半島地震では、本市の
重要伝統的建造物群保存地区でも、卯辰山麓を中心に多くの
歴史的建造物が被災しており、それら建造物の早期復旧を図るため、今般の補正予算において、災害復旧に係る支援制度の拡充とともに、所用の経費をお諮りしたところであります。また、全国105の自治体が加盟し、私が会長を務める
全国伝統的建造物群保存地区協議会の各首長と共に、先般国に対し、災害からの復旧に向けた迅速かつ手厚い支援と、耐震対策の充実を図るよう要望したところであり、今後、
歴史的建造物の早期復旧を本格化いたします。なお、本市では、
重要伝統的建造物群保存地区のみならず、金澤町家やこまちなみ保存地区などにおいて、防災構造の補強等に係る支援制度を市独自に設けております。それら制度の周知とともに、その活用を促すなど、引き続き安全・安心なまちづくりを積極的に推進してまいります。 次に、地域防災計画について御質問をいただきました。元日に発生した
能登半島地震では、市内の全ての拠点避難所を開設し、最大で1万人を超える方々が避難いたしましたが、津波警報の解除などによりまして、1月3日には84人まで減少し、ほとんどの避難所は閉鎖いたしました。避難所の開設期間が長期に及ばなかったものの、これまで本市として経験したことがない避難状況であったことから、多くの課題も出てきたと承知しております。輪島市の避難者を受け入れた広域避難所なども含め、実際に避難所運営や災害対応等に従事した職員を中心に、庁内ワーキングで意見交換を行うとともに、専門家や地域代表による
能登半島地震課題検証会議において議論を深め、地域防災計画や避難所運営マニュアルを見直すこととしております。その際には、御指摘いただきました避難所の質の向上についても、計画などに反映させていきたいと考えています。 本市では、大規模な災害が発生した際に、市民の生命と財産を守り、安全な生活を確保するため、相互に協力して応急対策活動を行うことを目的として、現在、59の民間団体と災害時協力協定を締結しております。今回の
能登半島地震では、能登被災地への支援物資の保管・搬送業務や、避難所における食料品、日常品等の調達などの支援活動に7団体から協力を得たところであります。今回の災害対応での経験を基に課題を検証し、それぞれの協定締結団体と改めて協議していきたいと思っています。引き続き民間団体との連携強化に努め、迅速かつ有効な防災体制の強化を図ってまいります。 今回の
能登半島地震では、県外の自治体職員の応援だけでなく、医療、福祉関係など様々な分野の関係機関や民間団体等の協力をいただき、対応できているものと思っています。特に被害が甚大であった能登被災地の現状を見ると、よりそのことの重要性を実感しております。大規模な災害で広範囲に甚大な被害が発生した場合には、行政の限られたマンパワーだけでは住民の安全・安心を確保することが難しく、民間団体との連携が大変重要になると認識しております。今回の地域防災計画の改定に併せて、災害時協力協定の在り方も含め、官民の連携体制について再検討してまいります。 被災された方の不安を払拭するために、復旧から復興までの期間を示すということは意義があると理解しておりますが、実際の災害の規模や被害の状況、大きさ等によって、その期間については大きく異なると思います。標準的とはいえ、事前に地域防災計画等に示すことは難しいと捉えております。現行の防災マニュアルでは、地震発生時の想定シナリオとして、発災後3日間を初動期、10日間を収拾期、1か月間を復旧期、それ以降、復旧・復興業務等を本格化するとしており、これらについて、今後県から示される新たな地震被害想定を踏まえて、地域防災計画の見直しの中で検証、再検討してまいります。 本市として、復興まちづくりのための事前準備には、現時点では着手しておりませんが、今後県から示される新たな地震被害想定を踏まえて、地域防災計画の見直しの中で検討してまいります。また、今回の地震により、大規模な斜面の崩落や液状化による地盤の隆起や沈下が生じており、今後本格化するこれらの被災地での復旧・復興業務の取組手順や進捗状況等を、関連部局間で共有することで、今後の災害等の備えに生かしてまいります。 大規模な災害が発生した際に、被災された方々が被災前と大きく異なる環境においても安心して日常生活を送るためには、御指摘いただいた災害ケースマネジメントへの取組は重要であります。今回の地震対応で得た経験、特に能登から被災者を受け入れた避難所運営や健康相談業務等の経験や課題などを関係部局と共有・連携しながら、具体的な支援方法等について検討してまいります。 離婚に関する相談についてでございます。これまでも専門家による法律相談や心理相談の実施に加え、弁護士資格を有する職員を配置するなど、関係部局が連携し、相談体制の充実に努めてまいりました。今般の民法改正により、共同親権の法制化がなされ、そして、今後離婚に伴う相談内容の複雑化が予見されますことから、今後策定される国の共同親権に関するガイドライン等も踏まえて、引き続き制度説明や相談者の不安に丁寧に対応するとともに、セミナーの内容も充実してまいります。また、弁護士資格を有する職員を講師とした共同親権に関する庁内研修会を近く開催することとしておりまして、関係課の職員が正しい知識を身につけることで、当事者の気持ちに寄り添った対応に心がけてまいります。 共同親権の導入につきましては、子どもにとって最善の利益となることを前提とし、子どもの人格を尊重し、親の離婚を経験した子どもたちの心に寄り添うことが何より大切であると認識しております。そのため、不安を抱えている子どもの声をしっかりと聞く場を整える必要があることから、学校や保育所、教育プラザなど、子どもの支援に関わる機関のさらなる連携や、人材の育成が重要になると考えており、そのことに意を用いてまいります。また、本市では、家庭や学校以外でも、信頼できる大人や友達と安心して関わりを持てる子どもの居場所づくりを進めており、地域やNPO団体等の協力も得ながら、困難を抱える子どもの支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上です。
○上田雅大副議長 山崎危機管理監。
◎山崎利之危機管理監 被災宅地等復旧支援事業費補助について、宅地内の附帯する設備なども含まれるのかお尋ねでございました。御指摘の復旧工事に係る附帯設備等の取扱いにつきましては、基金事業を所管しております石川県からは、現地の状況により一部対象とならない可能性があると聞いており、今後、詳細につきましては、石川県と調整を行ってまいります。 以上でございます。
○上田雅大副議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 被災木造住宅耐震改修等事業と従来の耐震改修補助との違いについてお尋ねがございました。従来の制度は、昭和56年以前の旧耐震基準の建物に対しまして、耐震改修工事に係る経費を助成しているものでございます。今回お諮りしている被災木造住宅耐震改修等事業補助につきましては、
能登半島地震の被災者の住まいの再建を後押しすることを目的に、新耐震基準以降の建物も含めまして、地震被害で耐震性が低下した木造住宅の耐震改修工事だけではなく、建て替え工事に係る経費についても助成対象としているものでございます。 以上でございます。
○上田雅大副議長 松田
公営企業管理者。
◎松田滋人
公営企業管理者 下水道施設の被災の規模、それから、今補正予算でどの程度の復旧が可能なのかというお尋ねでございました。下水道管路につきましては、道路陥没や流れが悪くなった箇所を中心に、マンホールからの目視による1次調査で絞り込みを行い、管内カメラによる詳細な2次調査を行った結果、現時点で35.6キロメートルの被害が判明しております。今回の補正予算では、仮設ポンプにより応急対応している箇所や、道路陥没が多く発生している箇所など、特に被害が大きい15.1キロメートルの復旧費をお諮りしているところでございます。 次に、今後も復旧箇所が増えることも踏まえた復旧の進め方とスケジュールについてお尋ねがございました。御指摘のとおり、現在も下水道管路の被害に伴う道路陥没が発生していることから、引き続き被害状況調査を行っているところであり、新たに被害が判明した管路については、今年度中に国の災害査定を受ける予定でございます。復旧工事については、被害延長が大きく、また、引き続き調査を行っていることも踏まえまして、令和8年度までの3か年を予定しております。 以上でございます。
○上田雅大副議長 木谷土木局長。
◎木谷哲土木局長 下水道破損以外の原因による道路陥没被害の規模と、その復旧工事の進め方とスケジュールについては、現在、下水道管路の被害状況の調査中であることから、全ての陥没被害の原因を明らかにすることはできませんが、市道においては、発災直後から繰り返し損傷する箇所も含めまして、延べ2,800件を超える被害を確認しており、適時応急工事を実施してきております。被害原因が把握できた箇所の復旧工事については、令和6年3月より国の災害査定が始まっており、順次測量・設計が完了したものから工事の発注を行い、早いものでは7月中に着手する見込みであります。 以上です。
○上田雅大副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、学びの
多様化学校とメタバースによる不登校支援について、昨年度の取組成果、予定についてお答えします。本市の不登校児童・生徒の現状を踏まえて、昨年度、教育委員等によりまして、先行する岐阜市の取組を視察してまいりました。効果的な部分も多く見られましたことから、今年度は学びの
多様化学校の設置
検討委員会を立ち上げて、今後、本市での設置の必要性の有無とか、設置する場合の検討課題等について議論を深めることにしておりまして、年度内に一定の方向性を示していきたいと考えています。また、メタバースの活用につきましては、宇都宮市やさいたま市等の取組を見てまいりましたけれども、今年度はさらに3Dメタバースによる教育機会の創造と居場所づくりに取り組んでいる東京都等の事例を参考にしながら、研究を深めてまいりたいと思っています。 次に、文部科学省が公募した事業へのアプローチ、それから本市としての今後のフリースクールに通う児童・生徒への経済的支援についてお答えします。本市では、生活困窮世帯の不登校児童・生徒につきましては、これまでも就学援助制度で支援を行っていますことや、また、教育プラザに設置しております教育支援センターに通う児童・生徒には、体験活動や実習費等に要する実費等は徴収しておりませんので、今回は事業には応募いたしませんでした。ただ、不登校支援に関して大きな役割になっておりますフリースクールに通う児童・生徒の経済的支援につきましては、今後の課題であると認識しておりまして、他の自治体の事例を参考にするほか、国の調査研究の推移も注視しながら研究していきたいと考えております。 次に、本市が目指してきた個別最適な学びについてでございますが、本市では、総合的な学習の時間や各教科の学習を通して、児童・生徒一人一人が問題意識を明確にし、自ら発見した課題についてや、SDGs等に関する課題の解決に向けて、1人1台学習用端末を有効に活用しながら、見通しを持って粘り強く取り組んでおります。明年度から取り組む新金沢型学校教育モデルでは、一層個別最適な学びを進めるために、自ら学習活動を振り返り、次の活動に生かすことを充実させることといたしております。 1人1台学習用端末の導入後の本市の教育における変化、そして成果についてでございます。令和3年度からの1人1台学習用端末の導入後につきましては、習熟の程度に応じたデジタル教材を用いての学習などによって、一人一人に合った方法や教材を柔軟に提供できるようになっております。このことから、基礎的、基本的な学習内容が定着し、互いの考えを視覚的に共有することによる新たな考えへの気づきなどで、一人一人の学びの質に合った、質が高まったと考えています。また、いつでも、どこでも、誰とでもつながることができる、そうした利点を生かしながら、オンラインを活用しての授業参加ができるようになったほか、自分の意見をノートに書くか、また、入力するかなどの自分に合った学習方法が選択できるようになりました。これによって、子どもが自力で学ぶ土台が築かれることも、成果の一つであると考えています。 自立した学習の実現についてでございます。本市では、その実現に向けて、個々の児童・生徒の状況に応じて、自分とは異なる感性や考え方に触れ、考えを広げたり深めたりすることができるよう、授業改善を進めております。明年度より実施する新しい金沢型学校教育モデルでは、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実と、リアルとデジタルの適切な組合せによって、自ら発見した課題について自分はどう思うか、自分はどうしたいか、自分に何ができるかを考える探求的な学びを通して、自立した学習の実現を図っていくことといたしております。 次に、渋谷区での実践を通しての本市での見直すべき課題についてでありますけれども、渋谷区などと比べて、本市が取り組んでいる授業スタイルは、与えられた課題を起点に学んでいくことが多く、自ら問いを見つけて課題を設定した問題を解決する力や、他者と協働して……
○上田雅大副議長 野口教育長に申し上げます。 発言時間が経過いたしておりますので、この際、発言は簡潔に、速やかに終了して下さい。
◎野口弘教育長 新たな価値を創造する力の育成等に課題を見たいと捉えております。 以上です。
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△休憩
○上田雅大副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後0時3分 休憩----------------------------------- 午後1時0分 再開
△再開
○上田雅大副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
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△質疑・一般質問(続き)
○上田雅大副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 29番玉野道議員。 〔29番玉野 道議員登壇〕(拍手)
◆玉野道議員 質問の1点目は、少子化対策と子育て支援策に関してです。 岸田首相は、「少子化は危機的状況にある。2030年代に入るまでが、少子化を反転できるかどうかのラストチャンス」だと述べ、異次元の少子化対策の実現に向けた子ども・子育て支援法等改正案を提出しましたが、児童福祉法や雇用保険法など20本近くの束ね法案と多岐にわたっていたことから、議論が混在した感が否めません。また、こども未来戦略・加速化プランの財源をめぐり、子ども・子育て支援金制度の創設や社会保障費の歳出削減により、実質的な負担を生じさせないとしながらも、歳出削減の具体策は曖昧な説明に終始するなど、不確実性が高い政策を当て込んだ発言が目立ちました。さらには子ども・子育て支援金の公的医療保険料の上乗せ徴収に関しても、社会保険料の負担と受益の原則に反する制度的欠陥が浮き彫りになっています。また、定額減税については、複雑で煩雑な作業に加え、給与明細への明記が義務づけられた一方で、現役世代にも負担増となる子ども・子育て支援金の徴収については、負担額も不明確なステルス増税とも言われていますが、給与明細記載の義務づけはありません。しかも、追い打ちをかけるような円安での物価高騰の影響により、実質賃金のマイナス基調が続いており、可処分所得も減少していることから、結婚や子育てに後ろ向きになる人が増えたら、少子化対策としてマイナスに働くとの指摘があります。過去に
国民健康保険料の料率決定を市長に委ねる条例が、租税法律主義に反するか否かが問われた旭川訴訟判決の事例などからも、社会保険料の負担と受益の関係や財源の確保の筋道を明確に説明すべきと考えます。そこで、今回の少子化対策と子育て支援策の財源論議、特に新たな財源を社会保険料に求めた点について、市長のお考えをお尋ねいたします。 こども家庭庁が発足して1年、少子化対策や子ども・子育て政策関連の総合調整、省庁の縦割り打破、新しい政策課題への対応など、今後5年間の政策の基本方針となるこども大綱の策定と、今後3年間で行うこども未来戦略・加速化プランの施策が明らかになっています。こども大綱には、学童期のいじめ防止、不登校支援、校則の見直し、青年期の就労支援、結婚支援など、各ライフステージの重要施策や、子育て・教育の経済的負担軽減、独り親家庭支援などが盛り込まれ、こども基本法で策定が明記され、自治体の努力義務とされた自治体子ども計画の策定ガイドラインも公表されています。こども家庭庁のこれまでの成果としては、待機児童解消のための保育所の増設や、保育士の配置基準の見直し、日本版DBSの創設などが挙げられますが、若者が子育て家庭を訪れて体験談を聞く家族留学、こどもまんなか応援サポーター事業、こどもまんなか「家族の日」写真コンクールなどの施策や、予算の使い方に対して国民が期待する施策と外れているとの声もあります。その一方で、学校給食の無償化や小1の壁の解消など、文部科学省所管の論議は進まず、こども家庭庁の組織自体も、重要なポストの多くを厚生労働省出身者が占めているなど、省庁間の縦割り打破という発足時に期待された役割は十分に果たされておらず、司令塔としての役割が不十分との厳しい指摘もあります。そこで、先月、市長が内閣府に対して保育施設整備の予算確保について、この時期としては異例の要望活動を行ったと仄聞していますが、こども家庭庁の創設からこの1年をどのように捉えておられるのでしょうか。あわせて、本市の政策にどのような影響をもたらしたのでしょうか。また、本市の子ども計画策定についてもお尋ねいたします。 総務省は、2023年10月1日時点の総人口推計を発表、自然減は17年連続で減少幅過去最大、また、厚生労働省が発表した人口動態統計でも、2023年に生まれた子どもの数は72万7,277人と、8年連続減で過去最少、婚姻数は戦後初めて50万組を割るなど、人口減少・少子高齢社会の厳しい現実を直視しなければなりません。特に出生数は、前年度比5.1%減にとどまっているのに対し、婚姻数は前年比で5.9%減と、婚姻数の減によって出生数の減少スピードに拍車がかかっており、少子化は政府想定よりも11年も早く、この傾向が続くと、2035年には出生数が50万人を割るといった深刻な事態が浮き彫りになっています。また、原則5年ごとに実施される出生動向基本調査では、独身の人18歳から34歳までで「一生結婚するつもりはない」は、男女ともに前回調査より増え、「結婚したら子どもを持つべきだ」は男女ともに減り、少子化対策には若い世代の意識変化や、結婚や出産を控える若年層へのアプローチが重要との指摘もあります。こうした社会変容に至って、子育て支援策とは別に少子化対策は何をどうするかなどの議論がようやく交わされ始めたような気がします。こども家庭庁のスローガンは「こどもまんなか社会」で、子どもだけではなく子育て世帯の公的支援を充実させることに重点が置かれていますが、なぜ婚姻数が減ってきたのか、結婚ができないのか、したくないのか、子どもを持つ前の結婚の壁についても真摯に向き合う必要があるのではないのでしょうか。結婚の壁の要因は、経済的問題に起因するミスマッチであり、所得と雇用の安定が結婚と強く結びついていることは、様々なデータでも明らかです。このことが示唆しているのは、一定の所得と、それをもたらす安定した仕事があること、すなわち地域経済の活性化に取り組んでいくことが何よりの結婚支援であり、ひいては少子化対策として重要な施策とも言えるのではないのでしょうか。少子化社会対策大綱でも、結婚支援が初めて対策の柱に据えられましたが、若者に応える有効な対策は打ち出されておらず、少子化の要因とはかみ合っていないとの指摘もあり、少子化対策と子育て支援策とは似て非なるものとの観点での論議も深化させなければなりません。そこで、本市においても、少子化に歯止めがかかっていない今日的な状況を踏まえ、本市の少子化対策と子育て支援策をそれぞれどのように評価しているのか、市長のお考えをお尋ねいたします。 この4月に、民間の人口戦略会議が分析した報告書では、2020年から2050年までの30年間で、子どもを産む中心の年代となる20歳から39歳までの女性が半数以下となる自治体を、消滅可能性自治体と定義づけ、少子化基調が全く変わっていないと警鐘を鳴らしています。また、政府はこの間、地方創生を掲げ、東京一極集中の是正を目標とし、自治体の対策が人口流出の抑制に重点が置かれたことから、多くの自治体が若い住民を奪い合うかのような移住・定住者を呼び込む施策にかじを切り、独自の子育て施策の充実などに取り組んだものの、結果は制度がより充実した近隣自治体での人口争奪を促したことにとどまっており、地方創生の政策効果に疑問が投げかけられています。一方で、待機児童解消などの施策は、一定の効果を上げているものの、概して単発的で対症療法的で、独自の子育て政策の充実などが過度な競争を引き起こしているとも言われています。また、地方における少子化の一因は、女性の流出にあるとの意見もあり、女性は地域を一度離れると戻る割合が低いことが統計上明らかになっていることからも、女性の能力を適正に評価し、家庭との両立も可能な働きがいのある職場を創出するジェンダーギャップ解消に向けた官民連携と協働が不可欠であると同時に、自治体の実情に応じたより一層の充実が重要です。前回、日本創生会議で、消滅可能性都市と位置づけられたものの、今回の人口戦略会議の調査では、そこから脱却した自治体がある一方で、人口減少対策において、地方と都市で課題が異なることも明らかになり、地域によって格差を見せていると言われています。そこで、本市の前回調査と今回の調査結果をどのように分析・検証し、今後の課題をどのように捉えているのでしょうか。お尋ねいたします。 今回、人口増加を他の地域からの人口流入に依存し、出生率の低い自治体を新たにブラックホール型自治体として分類しています。本市は若年女性の人口変化率が22.6%減で、人口減少のその他に分類されていますが、今後は報告書があぶり出した地域ごとの事情を加味した、より実効性のある対応を講ずる必要があります。結婚や出産は個人の意思が尊重されるべきですが、経済的事情をはじめ、様々な事情により結婚や出産の希望がかなわないのであれば、その支障を取り除かなければなりません。少子化問題は40年前から論議され続けていますが、今も解決には向かっていません。本市においても国と同様、少子化対策と子育て支援は似て非なるものとの認識が弱く、未婚率の上昇という本質的な課題への対応が抜け落ちてはいませんか。加えて、この課題について全庁的な論議は交わされていますか。 〔副議長退席、議長着席〕 少子化を克服するためには、若い世代が希望を持ち、子どもを産み育てやすい社会にすることが必要で、子育て支援にとどまらず雇用政策や男女平等の推進、住宅政策など、幅広い視点での全庁的な論議と検討が欠かせません。男女ともに未婚率が上昇し、初婚年齢の晩婚化が後ろ倒しになっているのは、決して家族関係の社会支出の予算問題だけではないと指摘されています。本市は、能登から転入してくる若い人が多く、人口流出を防ぐダム機能を持ち合わせているとも言われてきましたが、
能登半島地震で今後その機能の発揮が難しい局面にあるとの声や、近年は本市住宅地の価格高騰で、子育て世代が新居を構える際、地価の安い近隣自治体に移り住む傾向が強まっているとの指摘もあります。現在、次期子育て夢プランの策定に向けて準備が進められていると思いますが、前述した総合的な視点での全庁的な論議と施策に期待するとともに、現行プランについても少子化対策と子育て支援策を分けての検証と評価も重要と考えます。そこで、次期プランは、国の書換えでない本市独自の真の少子化対策とするために、子ども・子育て支援策にとどまらない総合的な施策が必要と考えますが、策定体制が全庁的なものになっているかも含めて、次期子育て夢プランの策定に対する市長のお考えをお尋ねいたします。 質問の2点目は、未来共創計画に関してです。 この4月に総務省が発表した2023年10月時点での人口推計では、北陸3県の人口は全国の減少率を上回り、予想以上に人口減少が進んでいます。また、国立社会保障・人口問題研究所が発表したこの4月の世帯数の将来推計では、男女ともの未婚率の上昇により、若年層と高齢者層での単身世帯が増加しており、現行制度の多くがお一人様世帯などの社会の変容を前提としていないことから、各種制度設計の見直しの必要性を指摘しています。少子高齢化、人口減少、未婚率の上昇に伴う単身世帯の増加等、現行制度を大きく揺るがす事象が増加している中、この4月から、孤独・孤立対策推進法の施行や育児と仕事の両立支援を強化する育児・介護休業法の改正、また、5月には二地域居住の促進に向けた改正広域的地域活性化基盤整備法が成立、特定居住促進協議会の創設と計画策定など、社会の変容に伴う各種制度設計の改革が始まっています。そこで、本市においても、金沢方式等の見直し検討が進められていますが、未来共創計画の実現における市政を取り巻く環境変化とそれに伴う既存制度の見直しの方向性についてお尋ねいたします。 今回、人口戦略会議は、2100年までに総人口8,000万人の水準で安定させる人口ビジョンを発表し、国のこども未来戦略では、2050年代に1億人を割り込むことを想定したことから、行政機能の集約時代に入ったとしています。今後、本市においても人口の増減率や出生率、後期高齢者の増加なども想定し、税収減や行政サービスなどの各分野の対策を積み上げると同時に、人口減でも豊かさが実感できる社会を実現するため、定住自立圏や連携中枢都市圏の仕組みづくりと連携強化が求められると考えます。そこで、国は地方自治法改正で、民間の意欲と能力の積極的な活用を促すため、指定地域共同活動団体制度の導入を目指しますが、国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口に基づく少子化対策をも包含する本市の新たな人口ビジョンの策定、道半ばとも言われる定住自立圏と連携中枢都市圏の取組、特定居住促進協議会の創設と計画策定、民間活力の活用について併せてお尋ねいたします。 こうした中、北信越初の法学部を持つ私立大学として設立された高岡法科大学の学生募集停止のニュースは、石川・富山県内の教育関係者に衝撃を与えました。北陸新幹線の開業により、京都・大阪方面への大学進学が多かった北陸地方から首都圏への大学進学へとシフトが進む一方で、近年の少子化の影響で、全国の私立大学の半数以上が入学定員を下回り、閉校が相次ぐ中、学部・学科の新設など大学間競争が激化しています。北陸新幹線の敦賀延伸で所要時間が短くなる関西の大学に学生が狙われやすくなったとも言われており、高岡法科大学の閉校は人ごとではないと県内の大学関係者は危機感を募らせています。大学の存在は地域のシンボルで、若い人がいることで、大学はまちの活性化の核となっており、大学がなくなれば人材育成機能の喪失と若者の人口流出により、地域経済に与える影響も大きいと言えます。地方大学振興法や地方大学・産業創生法は、東京都心への学生の流入を抑え、地方での就学・就職機会を増やし、地方大学や地域経済を活性化する目的があり、現在、国の中央教育審議会でも、少子化の中での大学の在り方について検討が進められています。そこで、学都の冠を持つ市の市長として、私立大学の閉校問題や新幹線開業と大学進学シフトの変容並びに地方大学振興法や地方大学・産業創生法との行政の関わりについてのお考えをお尋ねいたします。 学都金沢の大学生数は3万2,503人とされていますが、本市でも卒業後も定住してもらえるような知恵を絞り、地域行事等への学生派遣の連携事業やUIターン事業が企画されています。こうした中、金沢大学は、超小型人工衛星「こよう」の打ち上げを成功させ、宇宙理工学分野の人材育成を進めるとしており、加えて県内大学でも地域ニーズに合わせた学部・学科新設や刷新に取り組んでいることから、本市でもその受皿となる体制を整えるため、スタートアップ支援やコーオプ教育などへの支援、新たに創設された地方就職学生支援事業などを通じて、地域経済の推進力を育てなければなりません。人材育成の鍵となるのは大学であるとする地方自治体は多く、九州大学では、半導体の受託製造で世界首位のTSMCの社員が講師となる講座の開設、台湾のTSMC拠点にインターンシップとしての派遣計画、熊本大学では共同研究をし、東北でも別の台湾企業と産官学の組織が人材育成に取り組んでいます。本市も連携協定を結んでいる大学を活用したシンクタンク機能を発揮させる地域の成長エンジンとした地方創生への取組、小中高大の接続強化、地元企業へのインターンシップの充実、地域人材循環構造の確立、大学による知の拠点の創出の取組を充実させる必要があると考えます。国勢調査による若者の居住地と生まれた土地の都道府県出生数との比較では、若者が生まれたところから移動して増えているのは、東京圏と近畿圏に、愛知、宮城、福岡、岡山の11都府県のみで、その他の36道県は全てマイナスとなっています。若者が11都府県に集まるのは、大学卒業時に地方には魅力のある仕事がないからであり、経済的生活基盤の安定の観点からも、仕事がある場所に人口が集中するのは、歴史的にも明らかです。また、総務省の市町村税課税状況調査による出生数の増加率と各都道府県の課税所得金額との相関からは、所得の高いエリアとその近郊ほど出生数が増えているということが明確になっています。そこで、本市においても、単なる学生と地域との交流にとどまらない大学生の知の蓄材の集積と地域産業の育成、地域経済の活性化を図る学都金沢のまちづくり、すなわち学生の定住に向けた施策の強化など、学都金沢としての施策の再構築が必要と考えますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 JR西日本は、3月16日に、金沢-敦賀間が延伸開業した北陸新幹線の利用状況や、北陸3県で大阪市に共同でアンテナショップを設けることなどを発表。敦賀までの延伸は、北陸3県の主要都市が1時間圏内で結ばれることでの協調だけでなく、差別化を意識して競う効果で、企業や人を呼び込む活力となるとの声もあります。北陸新幹線開業から約9年、敦賀開業により3つの県都が1時間圏内で結ばれ、北陸が一つの大きな都市圏となることで金沢がにぎわえば、富山も福井も周辺にも波及し、北陸全体を底上げするグレーター金沢になれるか、その役割が高まっています。本市はこれまでの北陸新幹線と中部や関西の在来線特急のどちらとも結ばれ、ほぼ終着駅で、金沢の独り勝ちを築いてきましたが、敦賀開業に伴い途中駅となる列車も多数あり、中部、関西からは、敦賀での乗換えの不便性や全席指定となった特急と利用料金の割高感への不満と、新幹線開通後の物価高騰への不評から、本市への再訪意欲率が低下したとの調査結果もあります。そこで、北陸新幹線開通後と敦賀開業後の本市への開業効果と課題、北陸経済圏を底上げする牽引役、グレーター金沢としての取組、北陸3県の主要都市間での共創に向けた今後の取組並びに京阪神・中京方面からの乗換えの不便性と運賃の値上げの不評というダブルマイナスの課題をどのように捉え、改善策をJRと協議するのか、市長のお考えをお尋ねいたします。 北陸新幹線の敦賀延伸は、3県に600億円の経済効果をもたらすという試算もあります。大都市圏と北陸3県をめぐる人流や物流を盛んにし、日本海側で列島中央部に位置する北陸を、首都圏と関西圏との間でバランスよく、人や物が行き交うことが、国土の構造上からも望ましく、3県全体で北陸経済の自立性と国土の活力や防災機能を維持する考え方は重要で、そのためにも、北陸新幹線の大阪への早期延伸を進めることが必要です。そこで、費用対効果や工期などの観点から、小浜ルートから米原ルートへの転換を求める声が、県内首長からも表面化していますが、敦賀以西のルートをめぐる論議について、市長のお考えをお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
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喜多浩一議長 村山市長。 〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 29番玉野道議員にお答えいたします。 先般、国会において、子ども・子育て関連法案が成立したところでありますが、政府は、昨年末に策定したこども未来戦略に基づき、次元の異なる少子化対策を実行に移すための財源として、社会全体で子育てを支えるという方針の下、子ども・子育て支援金制度を創設したものと理解しております。負担をめぐる制度の在り方については、様々な意見があったことは承知しておりますが、政府には引き続き丁寧な説明に心がけていただきたいと考えています。 昨年4月に、こども家庭庁が発足して以来、こどもまんなか社会の実現を目指し、こども大綱やこども未来戦略、こどもの居場所づくりに関する指針の策定など、様々な取組が進められてきたと認識しております。省庁が新しくできてから、そこが軌道に乗るまでというのは、例えばかつての環境庁の例によってもなかなか時間がかかるものというように思いますが、初年度としてこうした施策を行ってきたということは評価ができると考えています。子ども・子育て政策は、国と地方が車の両輪となって推進することが肝要でありますことから、本市としても未来共創計画において、地域、各種団体、企業などとの連携・協力による子育て環境の充実や、全ての子どもの健やかな成長の支援などに取り組むことを掲げ、今年度予算に具現化に向けた施策を盛り込んだところであります。御質問の自治体子ども計画の策定につきましては、県の計画策定の動向を注視していくとともに、既に本市では、かなざわ子育て夢プランがあります。現在、その見直しを行っている中で、どのように位置づけていくかを含め、検討してまいります。 本市では、これまで少子化対策として、男女の出会いの機会の提供や不妊治療助成に取り組むとともに、子育て支援策では、子育て環境を整えるための保育所の充実や、仕事と育児の両立のための児童クラブの運営支援などに努めてきたところでありますが、依然として少子化に歯止めのかからない状況には大変憂慮しております。今、対策を講じなければ、さらに少子化に拍車がかかることが見込まれるという中にあって、少子化対策と子育て支援策は車の両輪として、それぞれの取組が功をなしてこそ、少子化傾向に歯止めがかかるものと思っております。未来共創計画に掲げた基本方針の具現化に向けまして、現在見直し作業を進めているかなざわ子育て夢プランに具体的な施策を掲げ、これまで以上にスピード感を持って取り組んでいきたいと考えています。 人口戦略会議による今回の調査では、人口減少の大きな要因となる若年女性人口減少率が前回よりも改善しております。高等教育機関が集積し、学生数が多いという本市の特性や、北陸の中枢都市として特に若い世代を引きつける都市力が幾分反映されたのではないかと考えています。一方、石川県全体においては、就職期の20代前半の女性が県外に転出しているという現状もあります。結婚・出産の適齢期と言える20代、30代の人口が、今後も減少傾向にあるとされていることには危機感を感じざるを得ません。そのためには、引き続き交流人口、関係人口の増加に向けた取組を進めるとともに、今後は産学官連携の下、本市で学ぶ学生の卒業後の就職、起業、定住、さらには首都圏等からの再就職や移住に向けた取組をより一層推進していかなければならないと考えております。 少子化対策は、御指摘いただいたとおり、全庁に及ぶ課題であると捉えております。その課題解決に向けた具体策を掲げる次期かなざわ子育て夢プランの策定に当たりましては、今後、市長、副市長と全局長で構成する政策調整会議の場におきまして議論を深めてまいりますとともに、近く関係課による庁内ワーキングを設置し、若手職員などからの多様な視点も含めて知恵を絞ってまいります。金沢市の学都としての特徴、あるいは子育て環境に鑑みれば、国のプランの書換えでは、有効なプランとはなり得ないと承知しております。次期プランの策定に当たっては、これまで以上に若者や子育て当事者のニーズを反映することとしており、昨年度に実施したアンケートの結果や学生ワーキング、関係団体との意見交換等を通じて得た意見・提案を施策に積極的に盛り込むことで、若い世代が結婚や出産に希望が持てるまちを目指してまいります。 人口減少・少子高齢化の進展に伴いまして、地域の活力低下や担い手不足などの課題が顕在化しているほか、コロナ禍を経て、市民の働き方、住まい方などが大きく変化いたしました。また、北陸新幹線の敦賀延伸により、本市の拠点性の向上が求められるほか、
能登半島地震の発生を教訓とした安全・安心な都市の構築が重要となるなど、市政を取り巻く環境は大きく変化しております。こうしたことを踏まえ、未来共創計画においては、今後の社会経済情勢や市民ニーズなどにも柔軟に対応していくことが重要であり、金沢方式など既存制度の見直しを含め、毎年度計画を更新していく中で、あらゆる分野で誰一人取り残さない金沢独自の取組を探求していきたいと考えております。 本市の人口ビジョンにつきましては、昨年12月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口を受けて、今年度、国から新たなまち・ひと・しごと創生長期ビジョンが示されますことから、それに併せて改訂することとしております。人口減少・少子高齢社会において、基礎自治体である市町が住民の生活圏を一とする圏域において、様々な分野で連携し、持続可能な地域社会を構築していくという必要がございます。引き続き周辺の市町と連携しながら、石川中央都市圏として圏域の個性や強みを活用し、移住・定住の促進などの取組を進め、活力ある地域経済の維持・向上に努めてまいります。 特定居住促進協議会でございます。二地域居住の促進に向けて、市町村が設置することができる官民連携組織であります。その前提として、都道府県による広域地域活性化基盤整備計画の策定が必要とされております。先般、法改正がなされ、今後制度の詳細が示される予定であります。情報収集に努めるとともに、県の動きにも関心を寄せてまいります。また、指定地域協働活動団体制度については、今般の地方自治法の改正により創設が見込まれる制度であります。地域課題の解決に積極的な民間団体を市町村が指定し、活動を支援する枠組みとなっておりますが、法案も含め、制度の内容等について、現在国において議論が進められているところであります。その動きを注視してまいります。 いわゆる地方大学振興・産業創生法につきましては、東京一極集中の是正に向け、地方における大学の振興と、若者の就学・就業の促進を目指すものであり、本市における学生のまち推進と軌を一にするものであります。私も地方大学に身を置いた経験から、大学においても少子化による18歳人口の減少によって、大学が淘汰されるということについて、強い危機感を持っております。こうした地方大学を取り巻く環境が大きく変化している中にあっても、地方大学の存在というのは人口流出の大きなとりでとなっているということに鑑みまして、地域経済の振興やまちの活性化に向けて、大学と行政が連携を密に役割を果たしていくことが重要と考えています。本市におきましても、未来共創計画の中に、学都の強みを生かした次世代の担い手育成や、大学との連携による企業誘致の強化等を盛り込んでいるところであり、今後の社会経済情勢の変化にも柔軟に対応しながら、計画の着実な実践に取り組んでまいります。 本市では、8つの大学と連携協定を締結し、まちづくりや芸術文化の振興、産業の活性化等の分野で連携した取組を進めてきているところであります。加えて、昨年度から学生が地域やまちなかでの活動を通じて地域課題の解決に取り組む実践型の授業を開始したほか、今年度は新たに卒業後の市内定着に向けた社会人との交流会を開催するなど、連携のさらなる拡大を図っております。学生たちが金沢に愛着を持つとともに、地域や職場をはじめとした様々な場面で活躍できる環境を整えることが、卒業後の定着と定住にもつながっていくものと考えております。若い世代が金沢で学び、就職し、住み続けたいと思えるまちづくりを積極的に進めてまいります。 北陸新幹線敦賀開業については、本市としては第2の開業と捉えています。北陸3県の主要駅が1時間圏内で結ばれ、富山、金沢、福井の往来がさらに便利になることで、エリア全体の一体感の醸成、交流人口の拡大が見込まれ、本市を拠点とした広域観光がさらに推進することができる大きなチャンスになると捉えております。このため、富山県西部6市と、加賀藩の歴史文化を生かした誘客を行うこと、また、富山市との食文化ツーリズムでの連携、来月には大阪駅で富山市及び福井市と3都市連携イベントを開催するほか、この秋には、北陸デスティネーションキャンペーンも実施されますことから、今後とも北陸3県の都市と連携した取組を進めてまいります。 先月開催いたしました北陸新幹線関係都市連絡協議会では、北陸新幹線の利便性を向上させるため、関西・中京圏と北陸圏との円滑な乗り継ぎを含めて、利用しやすいダイヤや停車本数などについてさらなる充実を図ることを決議したところであります。JRへの要望につきましては、今後協議会の中で議論する必要がありますが、まずは国に対して北陸新幹線の一日も早い大阪までの全線フル規格による整備を強く要望してまいりたいと考えています。 敦賀以西のルートについては、様々な議論があることは承知しておりますが、最も重要なことは、災害に強い国土づくりに向けた太平洋側中心の高速交通網の代替補完機能を有する北陸新幹線の一日も早い大阪までの全線開業であります。このため、平成29年3月に与党プロジェクトチームで決定された小浜-京都ルートについて、施工上の課題を解決するための……
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喜多浩一議長 村山市長に申し上げます。 発言時間が経過しておりますので、この際、発言は簡潔に、速やかに終了してください。
◎村山卓市長 はい。早急に進め、着工5条件の早期解決を図っていただくよう、沿線自治体と一致団結して政府与党に強く求めてまいります。 以上です。
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喜多浩一議長 30番森尾嘉昭議員。 〔30番森尾嘉昭議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団のトップバッターとして質問いたします。 最初の質問は、平和についてです。 核兵器禁止条約は、国連において2021年1月発効され、国際法となりました。現在署名国は93か国・地域、批准国は70か国・地域と広がっています。昨年、ロシアは、戦術的核兵器をベラルーシに移転しました。そのベラルーシは6月10日、ロシアと戦術的核兵器の演習を開始したことを明らかにしました。アメリカは5月14日、核爆発を伴わない臨界前核実験を実施しました。核兵器使用の危険が高まっています。金沢市は昭和60年、1985年に平和都市宣言を決議しました。この中で、核兵器禁止・廃絶は人類全ての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと、こう宣言しました。市長は、核兵器使用をめぐる緊迫した状況をどのように受け止め、金沢市平和都市宣言の具現化を進めていかれるのか明らかにしていただきたいと思います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 核兵器の廃絶と世界の恒久平和は人類全ての願いであり、我々はその実現に向けて不断の努力をしていかなければならないと考えています。本市では、平和都市宣言に基づき、平和への理解を深めるため、毎年夏に原爆と人間展を開催しておりますほか、国際理解を進めるため、姉妹都市交流や自治体国際化協会--CLAIRなどを通した海外との自治体間交流や、また、民間での海外交流支援などを行っております。今後も継続して実施することで、広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えてまいりたいと考えています。
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喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 広島と長崎に人類史上初めて原子爆弾が投下され、21万人の命が奪われました。来年、被爆80年を迎えます。具体的取組について伺いたいと思います。被爆の実情を広く市民に知らせるとして取り組んできた原爆と人間パネル展について、今年と来年の開催について計画内容を伺います。また、広島平和記念資料館の協力の下で、金沢市での展示開催について検討されないのか伺いたいと思います。
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喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 原爆と人間展につきましては、これまで市立図書館において開催してきたところでありますが、本年度はこれに加え、第二本庁舎と戦没者慰霊式の会場においても展示する予定であります。来年令和7年は節目の年となりますことから、原爆と人間展のさらなる充実を図りたいと考えています。また、金沢市遺族連合会や広島平和記念資料館など、関係機関と連携した取組については、現在検討しているところでございます。
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喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 教育委員会に伺います。来年、被爆80年を迎えます。今年から来年に向けて、平和教育の中でどのような取組を計画されているのか伺いたいと思います。
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喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 教育委員会では、各学校に対しまして、広島や長崎に原爆が投下された日や、終戦を迎えた日、東京や富山に大空襲が行われた日などの節目をきっかけとして、年間を通して平和の尊さについて学ぶよう伝えております。また、社会科や道徳科等の授業では、国際社会の平和と発展に貢献する態度を身につけるよう指導してきております。仰せのとおり、明年は被爆80周年の節目の年を迎えますが、戦争を体験された金沢市遺族連合会の方々等の高齢化が進み、直接話を伺う機会が年々少なくなってきていることを踏まえ、語り部による戦争体験の話を、例えば全ての学校でオンデマンドでお聞きすることができないかなどについて検討してまいりたいと考えております。
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喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 質問の第2に、
能登半島地震被害と対策について伺います。
能登半島地震が発生し5か月が経過しましたが、珠洲、輪島など能登の被災地での復旧・復興が目に見えて進んでおらず、生活となりわいの再建の見通しが立っていません。また、上下水道の復旧が進まず、仮設住宅建設促進や入居後の安全確保、生活再建、さらには公費解体の取組など、差し迫った課題に直面しています。昨日、この地震による災害関連死として、新たに22人の方を認定することが明らかにされました。その結果、死者数は282人に上り、2016年の熊本地震による死者数を超える見通しとなりました。市長、現状の認識と、今後、金沢市としての支援について伺いたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 地震の発生から半年近くが経過しております。能登被災地では一日も早い復旧・復興がなされるよう、懸命な作業が続いているというものの、地理的な制約から、道路やライフラインの復旧等に時間を要していることのほか、公費解体が進まない状況などから、被災された方々の生活再建のため継続した支援が重要であると改めて感じております。県都金沢市として、これから能登地域の復旧・復興に尽力することは必然と考えております。本市では、発災当初から消防や応急給水活動、健康観察のほか、事務支援を含めた応援職員を派遣するとともに、被災地への救援物資の受入れ・搬送や、能登被災地からの避難者の受入れ、輪島朝市の出張出店などの経済活動や、能登の伝統工芸産業、地域産品の魅力発信、消費拡大などの経済支援にも取り組んできてございます。引き続き能登の復旧・復興のため、できる限りの支援に努めてまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 今回の地震により、いまだ能登被災地では断水が続いています。とりわけ、宅地内配管が破損し、復旧ができていません。県は、業者の手配と経費補助を打ち出しています。金沢市には登録業者が、上下水道でそれぞれ300を超える業者が登録されています。金沢市として、独自に業者への支援策を検討し、復旧促進を進めていく考えはないか伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 現在、石川県が能登6市町において被災した住宅における宅内配管・排水管の修繕に係る事業者の移動に要する燃料代や宿泊代等のかかり増し経費に対する支援制度を設けておりますので、市独自の支援策までは考えておりません。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 公費解体について伺います。金沢市で対象となる半壊以上は428件です。これに対し、申込みは97件で20%台にとどまり、公費解体が完了したのは僅か1件だけです。困難な課題があります。1つは所有者全員同意が求められる点です。輪島市では、申請者が誓約書を提出することで、公費解体を促進するとしています。もう1つは、家財道具などについて、所有者が撤去処分しなければなりません。金沢市として公費解体がスムーズに進められるために、どのような支援策や相談の強化に取り組まれるのか伺いたいと思います。
○
喜多浩一議長 越山環境局長。
◎越山充環境局長 本市では、今のところ公費解体に当たりまして、所有者全員の同意が取れていないといった相談事例はございません。また、家財道具の撤去処分については、原則として所有者の責任において行うこととなりますが、埋立処分に係る手数料については減免の対象としておるところであり、引き続き申請者からの様々な相談には丁寧に対応するとともに、速やかに解体工事に着手できるよう努めてまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 国は、全壊などで建物の機能が失われた場合、所有者全員の同意がなくても市町村の判断で解体できるとの見解を明らかにしました。金沢市ではこうしたケースはありますか。伺います。
○
喜多浩一議長 越山環境局長。
◎越山充環境局長 本市においては、そのようなケースはございません。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 市としての対応が求められることを改めて指摘しておきたいと思います。 液状化対策について伺います。金沢市では、粟崎地区で発生しました。原因調査と今後の具体的対策を検討するために、ボーリング調査が実施されています。どんな調査で、その結果はいつ頃になるのか明らかにしていただきたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 粟崎地内におけますボーリング調査につきましては、おおむね15か所程度を想定しております。調査・分析にはもうしばらく時間を要しますけれども、可能な限り早急に対策を講ずるべく、調査を完了した箇所から順次、液状化対策の検討に反映してまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 今後の対策として、地盤の改良、地下水を地盤深く下げるとか、または地盤をセメントなどで固めるなどが検討されるとのことです。具体的地盤改良について、住民の理解と合意をどのように進めていかれるのか。公費による地盤改良の実施となるのか明らかにしていただきたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 液状化により大きな被害が発生した粟崎地区では、道路等の公共施設と宅地を一体的に整備する国の宅地液状化防止事業の活用を検討しているところであります。今後、住民の方々の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 公費による地盤改良の実施、これを強く求めておきたいと思います。 地盤改良と建物再建には一定の時間が必要となります。その際に、粟崎をはじめとする市営住宅を仮住まいとして提供する考えはないか伺います。
○
喜多浩一議長 高木
都市整備局長。
◎高木陽一
都市整備局長 粟崎町の市営住宅には、既に粟崎地区の被災住民の3世帯が入居しております。今後申出があれば、他の市営住宅も含め対応していきたいと考えております。 以上です。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 次に移ります。市民生活と営業をめぐる現状と対策について伺います。 物価の値上げが続き、さらに7月から電気料金の引上げが打ち出されています。一方、実質賃金は25か月連続で前年同期を下回りました。もう生活できないとの悲鳴が上がっています。安倍政権下での2度にわたる消費税の引上げ実施、社会保障制度の改悪が国民生活の悪化を引き起こしました。アベノミクスは大企業と一握りの富裕層に巨大な富をもたらし、物価上昇と景気後退が同時進行する最悪の事態を招いてきました。岸田内閣は6月11日、経済財政運営と改革の基本方針2024の原案を明らかにし、その中で、防衛費を大幅に増やす一方、社会保障制度の大幅な後退を盛り込みました。市長、市民生活と営業をめぐる現状について、どのように把握されていますか。伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 日本銀行金沢支店及び北陸財務局が公表している経済に関する報告によりますと、
能登半島地震からの復旧・復興事業や生産の正常化、北陸新幹線の敦賀延伸等の影響により、いずれも緩やかに持ち直しつつあるとしており、地震で冷え込んでいた経済状況からは回復しつつあると捉えております。一方で、物価高騰が続く中にあって、7月からの電気料金の引上げが市民生活や企業活動に与える影響については、注視する必要があると考えています。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 私どもは、経済再生プランを提言し、その中で、政治の責任で大幅賃上げと待遇改善、消費税減税や社会保障の充実、気候変動危機の打開などを実行し、国民生活を守る緊急対策を行うよう求めてきました。そこで、市長、この夏、猛暑が予想されます。市民生活と営業を守るために、市として財政支援を行うよう求めたいと思います。その対策について伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 現在、市独自の消費喚起策として、商店街が実施するプレミアム商品券の発行を支援しておりますほか、国の定額減税に併せて、その恩恵を受け切れない方に対する調整給付金や、新たに住民税が非課税となる世帯等に対する緊急支援給付金の速やかな支給に努めているところであります。今後とも、物価の推移や国や県の動向を注視しながら、地域経済の安定に向けた対策を講じてまいりたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 市政運営の基本指針として、昭和50年、1975年の金沢市新長期計画があります。市民生活の優先、市民自治の確立と自治権の拡大、文化伝統の継承・発展と自然環境の保全、新都市基盤の整備と日本海時代への対応、平和の擁護と国際交流の推進、この5つの柱を掲げ、その基本は、市民生活を優先し、豊かな人間環境の創造を目指すとしたものです。市長、市民生活と営業を守ることを最優先に進めることが求められると考えますが、市長の見解を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 市民生活と地域経済を守るということ、これは、最優先に考えなければならないというのは当然のことと考えています。先人たちにより磨き高められてきた文化を継承・発展させること、それとともに、まちの将来に欠かせない投資となる発展基盤を整備していくこと、これは、都市の魅力を高め、地域の活性化や雇用の創出にもつながり、ひいては市民生活にも寄与するものと考えています。加えて、福祉や教育、環境など、市民生活に密着した施策の充実に配慮することも当然であり、均衡を図りながら取り組むことが大切と考えています。このため、本市の都市像におきましては、魅力づくり、暮らしづくり、人づくり、仕事づくり、都市づくりといったまちづくりの各般にわたる基本方針を掲げたところであります。誰一人取り残さない金沢独自の取組を探求し、心豊かで活力ある未来の金沢を、全ての人々と共に創り上げたいと考えています。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 去る5月20日、第1回金沢市都市再生緊急整備地域準備協議会に提出された金沢市からの資料において、これまでの金沢市の都市構想と考えについて明らかにされています。ところが、昭和50年、1975年に策定された新長期計画が全く欠落されています。それまでの60万都市構想を見直し、当時の岡市政が市民生活を最優先し、保存もまた開発であるということを打ち出したものです。現在進められている金沢市都市再生緊急整備方針とは正反対の考えです。市長は、今後の市政運営とまちづくりにおいて、市民生活の優先、市民主体を貫いていかれるのか伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 正反対であるとは捉えておりませんが、一方で50年前の計画とは、市の置かれた環境、そして、今後の将来像としても大きく違ってくるものと認識しております。一方、都心軸では、跡地の利活用、民間老朽ビルの再整備が課題となっております。また、北陸新幹線の開業やコロナ禍の影響などによって、エリア一帯を取り巻く環境には大きな変化が生じてきていると認識しています。このため、様々な機能が集積し、都市の発展を支える背骨である魅力と活力のあるエリアとして、都心の求心力が高められるよう、都市再生緊急特別措置法を活用して、民間の開発機運を醸成して、面的な整備を進めたいと考えております。特措法の活用に必要な地域整備方針の作成に際しましては、まちづくりの規範である保全と開発の調和を継承・発展させるとともに、これまでのまちづくりの方向性や上位計画との整合性を図ってまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 市民生活の優先、市民主体というのを市政へ貫くとともに、先ほど述べたように、先人たちが打ち出した保存もまた開発であるという理念と立場を、ぜひとも深く受け止めていただきたいと思っています。 市民生活を守る課題として、1つ伺います。学校給食費無償化についてです。議長の許可をいただき、パネルを示したいと思います。御覧ください。(パネルで説明)かほく市が、この2学期から中学校の給食費無償化を実施することを明らかにしました。その結果、県内11ある市において、無償化を実施していないのは金沢市と野々市市だけです。市長は、学校給食無償化については、実施する考えはないと表明されてきましたが、現況について市民にどのような説明をされるんでしょうか。伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 県内自治体の実施状況は承知しておりますが、文部科学省が今月12日に公表した学校給食に関する実態調査の結果によりますと、学校給食費無償化を実施済みまたは実施予定の自治体数は、全自治体の約4割であります。さらに、人口等が同規模である中核市62市の中での無償化の実施状況は3市にとどまっております。その理由としては、多額の恒久的な財源が必要なことがあると認識しております。財政規模が比較的近い団体同士の中でのこういった比率についても、議論の中には加えていく必要があると考えています。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 説明になっていませんし、市民の多くの皆さんが学校給食の無償化を望んでいるというふうに考えます。したがって、県内の11の市での実施状況を考えても、金沢市としての決断が求められるというふうに考えます。ある生命保険会社が行った子育てに関する調査の結果によると、物価高による子育ての費用の負担が大きくなったと、こう答えた方が9割に上ったとのことです。義務教育は無償であるという立場から、学校給食費無償化は切実な課題だと考えます。改めて市長の決断を求めたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 学校給食のみではなく、様々な施策において無償化にすべきかどうかと問うた場合は、無償化にすべきだという答えが多いのは当然のことであろうというふうに考えています。本市では、保護者の負担を軽減するという目的で、経済的な理由で就学が困難な方については、就学援助制度によって給食費の全額を支援しております。また、今ほどおっしゃった物価高騰の課題でありますが、食材費の高騰が続く状況下において、令和4年度以降、給食用食材費と保護者負担分の差額について、これは全額公費で負担する物価高騰特別対策を行っているところであります。学校給食費の無償化については、国の主導の下で、全国一律で実施されることが望ましいと考えております。現時点では給食費の無償化は考えておりませんけれども、国では先日公表された調査結果を受けて、無償化について引き続き検討するという方針を示しております。その動向を注視してまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 教育委員会に伺います。学校給食法第11条経費の負担について、文部科学省は経費の負担区分の基本的な考え方を示したものであって、保護者が負担する学校給食費を自治体の判断により補助することを妨げるものではないとの見解を示しています。5月17日、こども未来会議戦略会議において、文部科学省は学校給食費の無償化に向けた実態の把握と課題の整理との資料を提出いたしました。教育長はこうした動きについてどのように受け止めておられるのか、見解を伺います。
○
喜多浩一議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 先ほどの市長の答弁とも重なるところはございますけれども、本市におきましては、学校給食法の規定される給食の実施に必要な経費の分担の原則から、食材費のみを保護者の方々に御負担いただいているところであります。加えて、物価高騰の状況を受け、令和4年度から食材費の不足分を全額公費で補填しており、保護者の経済的負担の軽減を図っておるところでございます。学校給食費の無償化のことにつきましては、よく教育長が集まった会議の中でも話題になります。特に私が会長を務めておりました中核市の教育長会、また、今、私は、立場的には常任理事という立場でありますけれども、全国都市教育長協議会、こうした場の中でこの話題が出るときに、よく出るのは、やはり自治体によって対応は異なっているなということであります。その自治体での対応の異なりを見ながら、私もこれは全国一律で実施されることが望ましいと考え、それで自分のほうからも、国のほうにぜひ要望してほしいということで、2つの会に対していろいろとお願いしながら国に要望しました。中核市教育長会では、学校給食費無償化のための財政措置を織り込んでください、また、全国都市教育長協議会では、学校給食費の無償化に向けた財政措置の創設をお願いしたい、このことをお願いしてまいりました。これを行う場合には、やはり恒久的に多くの財源を要しますので、全国都市教育長協議会、また中核市教育長会などを通しながら、これからも引き続いて国に対して無償化に向けた財政措置を要望してまいりたいと考えております。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 質問の最後に、金沢市観光協会、金沢文化スポーツコミッションについて伺います。 金沢市は昨年度、金沢市観光協会に対し、31事業1億3,777万円を委託しました。その全てが随意契約であります。事実上の丸投げ状態となっています。金沢市観光協会の年間の委託事業を見ると、金沢市からの委託事業は9割を超え、金沢市の出張所のような実態です。金沢市観光協会の役員体制を見ると、副理事長に金沢市副市長、理事に金沢市経済局長、監事に金沢市会計管理者が就任しています。さらに、副理事長と事務局長に金沢市幹部職員を退職した方が名を連ねています。市長、金沢市と金沢市観光協会との関係について説明を求めたいと思います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 金沢市観光協会は、金沢市を中心とする観光事業の健全な振興を図ることにより、金沢市の魅力を高め、国内外の人々との交流を促進し、もって産業経済の発展と地域文化の向上・発掘に寄与することを目的とした法人であり、金沢市も特別会員になっております。観光に関する事業について、市が直接行うか、あるいは観光協会のような外郭団体に委託するか、こういったことは、他の自治体でも非常に課題になっているところでありますけれども、金沢市はその中では外郭団体にこれを任せているということになります。そして、金沢市観光協会は、地域の観光関係団体、企業、行政等と連携して観光地域づくりを戦略的に推進する観光まちづくり団体である日本版DMOとして国の認定を受けた市内唯一の団体であります。観光協会とこうした事業を連携していくということは、必要不可欠と捉えております。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 先ほど述べた事業の委託、役員体制、こうした状況から見ると、金沢市と金沢市観光協会が癒着した関係にあるんじゃないですか。市長の見解を求めます。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 金沢市観光協会は、DMO--観光地域づくり法人として、観光地域づくりの司令塔としての役割を果たしております。金沢市としても人的・財政的支援を行うことは、国の方針に沿ったものであります。また、市内唯一の地域DMOとして、観光事業の効果的な実施を図る上で、知見や実績、人材・ネットワークを有していることが、多くの事業を受託している理由でありまして、これまでも適切に実施しております。癒着関係と言われることは非常に心外だと思います。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 金沢市観光協会の総会が今月予定されているとのことです。現在、副理事長は山田副市長です。この4月から所管の変更がありましたから、今回、新保副市長が金沢市観光協会の副理事長の任に就任されるんですか。見解を伺います。
○
喜多浩一議長 新保副市長。
◎新保博之副市長 金沢市観光協会副理事長には、観光協会が一般社団法人となった平成26年から所管の副市長が就任しておりますが、法人化前にも副市長が副会長として就任しておりました。先月開催された理事会におきまして、次期理事候補として承認をいただいているところでありまして、今月24日に開催されます総会と理事会で承認をいただければ、副理事長に就任し、その職責を果たしてまいります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 経済局長に伺います。局長は、さきの経済環境常任委員会において、引き続き金沢市観光協会理事の任に就任する意向が表明されましたが、局長はどういう見解でしょうか。
○
喜多浩一議長 上寺経済局長。
◎上寺武志経済局長 金沢市観光協会理事には、観光協会が一般社団法人となった平成26年から経済局長が就任しております。法人化前には、経済局長が常任理事に就任しておりました。先月開催された理事会において、次期理事候補として承認をいただいているところでありまして、今月24日に開催される総会での御承認をいただければ、理事に就任いたします。 以上でございます。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 これだけではありません。金沢市観光協会に3名の現職金沢市職員が派遣されています。そのうち2名が金沢文化スポーツコミッションに配置されています。職員の派遣を定めた条例には、派遣先を明示されています。金沢市観光協会は記載されていますが、金沢文化スポーツコミッションは明記されていません。ですから、金沢市職員を金沢文化スポーツコミッションには派遣できないんです。したがって、これは派遣職員の横流しではありませんか。職員派遣を定めた条例に違反していませんか。見解を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例等で、一般社団法人金沢市観光協会は職員を派遣することができる団体として定められております。金沢文化スポーツコミッションは、一般社団法人金沢市観光協会内の部門でありますので、法令に基づき派遣を行っているものであります。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 金沢文化スポーツコミッションについて、これは、平成30年、2018年に設立されました。当時、東京オリンピック関連事業推進室が設けられ、設置提案がされたものです。したがって、東京オリンピック開催に合わせ、限定的なものと思いきや、今日まで7年間継続されています。一般社団法人金沢市観光協会の一つの部門としていますが、コミッションの代表は金沢市局長待遇として、年間1,340万円の報酬、副代表は年間970万円の報酬、さらに2名の金沢市職員が配置されています。市長、これはあまりにも特異的な状況じゃないですか。見解を伺います。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 金沢文化スポーツコミッションは、東京オリンピック・パラリンピックと同時期の設置ではありましたけれども、この設立の当初目的では、シティープロモーションの推進と、地域社会・地域経済の活性化、文化スポーツの振興、こういった当初の設立目的は現在も変更なく続いております。現在の体制を維持するものと考えております。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 市長、金沢文化スポーツコミッションが、事実上金沢市部局としての扱いを今後とも続けていかれるんでしょうか。行政から見ると、その指揮系統も曖昧であり、多額の予算を執行し続ける特別の待遇をもって行われていると、到底市民の理解を得られないというふうに考えます。見直す考えはありませんか。
○
喜多浩一議長 村山市長。
◎村山卓市長 金沢文化スポーツコミッションは、当初の目的どおり、設置からこれまでの間、大会の誘致をはじめ効果的なコンテンツの開発など、大きな成果を上げてきております。本市のスポーツ文化のさらなる振興を図る上でも、現在の体制を見直すことは考えておりません。
○
喜多浩一議長 森尾嘉昭議員。
◆森尾嘉昭議員 局長に伺います。スポーツ振興課の横にある金沢文化スポーツコミッション、度々、私、足を運ぶんですが、代表とも副代表ともお会いしておりません。一体この方々は何をされているんですか。コミッションのほうへ足を運んでおられるんでしょうか。それとも管理はどのようにされているんでしょうか。伺います。
○
喜多浩一議長 津田
文化スポーツ局長。
◎津田宏
文化スポーツ局長 金沢文化スポーツコミッションの職員の関係につきましては、基本的に先ほど市長が申しましたとおり、大会の誘致という部分において主な業務を行っております。したがいまして、外に出て大会の誘致等を積極的に行っているものです。また、勤務の部分につきましては……
○
喜多浩一議長 津田
文化スポーツ局長、発言の時間が経過しておりますので、発言は簡潔に、速やかにお願いします。
◎津田宏
文化スポーツ局長 勤務につきましては、責任ある一法人であります観光協会におきまして、勤務のほうは管理しているというふうになっております。 以上です。(拍手)
○
喜多浩一議長 以上で、30番森尾嘉昭議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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△散会
○
喜多浩一議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明日20日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後2時23分 散会----------------------------------- 〔参考〕----------------------------------- 令和6年度金沢市議会6月定例月議会 発言者順序表発言予定日発言順序議席番号議員名会派等名6月19日(水)135久保洋子自民党232森 一敏みらい金沢313稲端明浩公明党429玉野 道創生かなざわ530森尾嘉昭日本共産党6月20日(木)618小間井大祐自民党712坂本順子みらい金沢84坂 秀明公明党91道上周太自民党1010大西克利創生かなざわ1111山下明希日本共産党126黒口啓一郎みらい金沢1322麦田 徹自民党6月21日(金)142宇夛裕基自民党157川島美和みらい金沢1626熊野盛夫創生かなざわ1725広田美代日本共産党1827下沢広伸さくら会198高務淳弘創生かなざわ2024新谷博範みらい金沢2119坂本泰広自民党...