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12月10日-04号

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  1. 金沢市議会 1992-12-10
    12月10日-04号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
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    平成 4年 12月 定例会(第4回)              平成4年12月10日(木曜日)        -------------------------●出席議員(42名)   議長  山田初雄君         副議長  西村直則君   1番  沢飯英樹君         2番  高村佳伸君   3番  中西利雄君         4番  宮保喜一君   5番  的場豊征君         6番  中村勲君   7番  田中仁君          8番  玉野道君   9番  近松美喜子君        10番  森尾嘉昭君   11番  関戸正彦君         12番  升きよみ君   13番  杉浦常男君         14番  東出文代君   15番  出石輝夫君         16番  石坂修一君   17番  朝倉忍君          18番  安達前君   19番  中村正君          20番  木下和吉君   21番  野本昇君          22番  小津正昭君   23番  上田忠信君         24番  干田哲郎君   26番  井沢義武君         27番  中川外司君   28番  北井博君          29番  不破実君   31番  本間勝美君         32番  南部康昭君   33番  田中昭吉君         34番  川紘一君   35番  松本捷男君         36番  神川利男君   37番  山田透君          38番  平田誠一君   39番  村池久一君         40番  鴻野博司君   43番  勝田三郎君         44番  末岡尚君●欠席議員(2名)   30番  大谷正男君         42番  北市朗君   --------------------------------●説明のため出席した者市長      山出保君      助役      奥清君収入役     乙村董君公営企業管理者 油屋賢三君     教育委員長代理 伊藤博君都市政策部長  多田衛君      総務部長    山下修平君財務部長    岸谷隆君      経済部長    古沢澄男君中央卸売市場長 笹川弘康君     農林部長    源田久男君保健環境部長  佐子田正君     市民福祉部長  寺西博君生活環境部長  北山繁君      土木部長    前田弘君都市建設部長  岸博之君      下水道部長   中西崔君市立病院    村本猛君      美術工芸大学  宮崎明倫君事務局長              事務局長教育長     石原多賀子君    教育委員会理事 谷川博明君消防長     山本義雄君財政課長    近藤義昭君   ---------------------------------●職務のため出席した事務局職員事務局長    山本達雄君議事調査課長  若林暢夫君     議事調査    北野信之君                  課長補佐議事係長    坂本外喜夫君    調査係長    横山光雄君主査      宮田敏之君     主査      大脇正昭君書記      田村稔君      書記      中宗朋之君総務課長補佐  尾崎範嗣君     主査      越川恭明君主査      北野弘之君     書記      前田斉君   ---------------------------------●議事日程(第4号) 平成4年12月10日(木)午前10時開議日程第1 議案第8号平成4年度金沢市一般会計補正予算(第4号)ないし議案第46号市道の路線変更について                                 (質疑)日程第2 一般質問   ---------------------------------●本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)に同じ   ---------------------------------                         午前10時3分 開議 △開議 ○議長(山田初雄君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○議長(山田初雄君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○議長(山田初雄君) これより、日程第1議案第8号平成4年度金沢市一般会計補正予算(第4号)ないし議案第46号市道の路線変更について、以上の議案39件を一括して議題といたします。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○議長(山田初雄君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 3番中西利雄君。  〔3番中西利雄君登壇〕   (拍手) ◆3番(中西利雄君) 質問の機会を得ましたので、私は、自由民主党議員会の一員として、以下数点にわたり質問いたします。 質問の第1点は、道路行政についてであります。昭和30年ごろから近代的な道路整備が始まり、以来我が国の道路行政は、ふえる車に対応して道路整備が図られてきたところでありますが、今日、逼迫した道路状況が生み出されたり、安全面での確保に欠けるなど、さまざまなひずみが生じている状況であります。まず、現在までの道路行政について、市長はどうお考えかお伺いいたします。 今日、町づくりを考える上からも、道路行政は非常に大切な問題となっており、本市においては、昨年みち筋整備課が新設され、生活空間、コミュニティーの場としての整備を図るため、歴史、景観等に配慮した道づくりに取り組まれ、一方では、環状道路網の整備促進など着実な道路行政への取り組みを感ずるところであります。 一方、国においても、需要に追随する思想を捨て、今後は質や信頼性を備えた道路づくりをすべく、ことし6月、建設大臣の諮問機関である道路審議会において、21世紀に向けての長期的視野に立つ道路整備についての提言がまとめられており、ドライバーと地域住民の交流を図る「道の駅」の配置や、地域の自然環境に配慮した道路の普及などが提唱されております。来年度より始まる第11次道路整備五箇年計画は、この考え方をベースとして進められるようであり、本市議会においても、6月議会において活力ある地域社会の実現にあわせ、安全で快適な市民生活の実現に向けて、その計画の策定と財源の確保に関して意見書を国に提出したところであります。高規格幹線道路の整備にあわせ、今後の超高齢化社会に備え、お年寄りや障害者の方々等に十二分に配慮し、その方々の安全が確保される道路の整備に期待が寄せられているところであります。 また、その五箇年計画については、地方経済活性化の面から地方単独による道路整備拡大を求める自治省と、均衡ある国土の発展の面からある程度地方単独による道路整備については抑制しようとする建設省の調整が続いているようでありますが、市長は、この第11次道路整備五箇年計画についてどのようにお考えか、お伺いしたいと存じます。 さて、本市において、歴史、文化、景観、アメニティー等の面で、秀逸な道として真っ先に思い起こされるのが、県庁舎横の透水性の歩道や出羽町周辺、武家屋敷、鏡花のみちなど、ブロックや石畳の道でありますが、今後さらにそういったアメニティーあふれる道が、点としてではなく、幹線道路のごとく一つの線としてネットワーク化していくことができるならば、投資効果も飛躍的に生じ、すばらしいのではと思いますが、市長の御所見を承りたいと存じます。 先日、道路に文化性を高めていこうという趣旨で、市内でフォーラムが開催されたようであります。市長も3月議会におきまして、「行政の文化化を進めていく必要がある、道路にしても文化的視点が必要である」と述べておられるところであります。国民文化祭も終えた今こそ、文化性を有した道路づくりへの期待が最高に高まっていると存じますが、市長の御所見を承りたいと存じます。 質問の第2点は、都市交通についてであります。本市都心部では、慢性的な交通渋滞が随所に見受けられ、市民生活へ弊害をもたらし、商業・業務活動が支障を来すなど、社会、経済面の損失ははかり知れないものがあります。本市は、今後とも金沢都市圏の核として、さらには北陸経済圏を代表する中枢都市金沢として、さらに発展していくことが求められております。今こそ現状の道路交通混雑を緩和させ、都市活動の円滑化と都心部の活性化を図る施策として、都市交通施設を再構築する必要性を強く感ずるのであります。 本市においては、金沢環状道路など都市内道路網の整備促進に邁進され、昨年は金沢環状道路整備促進期成同盟会が、さらに先日には、長年の懸案であった国道 157号整備促進協議会が設立を見るなど、新たな事業進展に大きな期待が寄せられているのであります。 さらには、幹線道路の違法駐車対策として、国道 157号の片町から武蔵ヶ辻までの間を重点地域に指定し、今月1日から市交通指導員による街頭指導が実施されたほか、毎週月曜日をマイカー通勤自粛の日とする運動も、市長みずからが率先する中で展開されるなど、ソフト面での対策にも積極的に取り組まれる姿勢を高く評価するものであります。 さて、先週試行実施されたパーク・アンド・ライドシステムについてでありますが、全国からも高い関心が寄せられる中、昨日の本会議におきましてもいろいろと質問がなされたところでありますので、割愛させていただきます。 次に、我が党の金沢地区開発協議会におきましても関係機関に要望しているリバーシブルレーンについてであります。リバーシブルレーンは、道路中央線の位置を定時的に移動させ、交通量に見合った車線を確保する交通施設であり、他都市における運用の成功例も幾つか聞き及んでおります。本市の都市構造からして、また既存道路の有効活用といった観点からも、リバーシブルレーン導入による効果は大きなものがあると存じます。導入促進に向けた取り組みを期待するものであり、市長の御所見を承りたいと存じます。 この問題の最後に、新交通システムについてであります。地下鉄やモノレールによる大量輸送機関の導入が、交通問題の特効薬であるかのように提言される嫌いがあります。しかしながら、 100万人以上の人口を有する政令都市ですら赤字経営を余儀なくされているのが実態であります。膨大な投資を要する新交通システムの可能性については、さらに時間をかけて継続的な研究を続けていく必要がありますが、当面の対策も含め、既存のバス交通の改善、高度利用を促進する中で、都市規模にふさわしい独自の新しい交通システムの構築こそが急務と考えるのでありますが、市長の御所見を承りたいと存じます。 質問の第3点は、姉妹都市・国際交流についてであります。11日間にわたり、県内各地で音楽、演劇など44のイベントが繰り広げられ、「国民文化祭・石川92」が幕を閉じました。そして、それと時期を同じくして、姉妹都市5市の参加を得て、姉妹都市芸能フェスティバルが盛大に開催され、成功裏に終えられたようであります。民族色豊かな衣装、踊り、歌など、参加国それぞれの芸能が披露され、フィナーレまで出演者、観客が一体となったひとときや、その後市内の学校、保育園、病院などでも芸能が披露され、市民との交流を深められ、大変有意義なものであったと存じます。 しかしながら、一方では、披露された芸能が異なるごとく、参加市の国情もさまざまであり、経済事情が参加のネックとなり、不参加を余儀なくされた市もあるなど、今回の交流の集いは、国際間の交流の難しさを提起したのではないかと思うのであります。   〔議長退席、副議長着席〕 今後ますます文化・学術・スポーツ交流中心の交流形態は変化をし、好むと好まざるとにかかわらず、経済交流の拡大に主眼が置かれることは疑いようがなく、現にフェスティバルの際に商工会議所を訪れたナンシー市助役が、今後の経済交流促進への熱い思いを語られ、また先日訪れたイルクーツクのゴボリン市長も、経済交流発展を熱望し、企業研修制度の創設を提案されるなど、親善外交から共同ワーク型交流の展開へ変化しつつあると言われております。昨今、日本海沿岸地域においては、官民を問わず、環日本海時代をにらみ、経済交流拡大の機運が高まっております。環日本海時代の到来に当たり、変貌しつつある現在の姉妹都市の交流形態について、市長の御所見を承りたいと存じます。 それぞれの市によって、当然のことながら種々の理由により、交流の度合いや密接度の違いが出てくることかと存じますし、市長も6月議会において、「今後、交流の重点をどこに置くかを考えてみるのも必要」と述べておられるところでありますが、姉妹都市交流の難しい点として、両方の思いが合致するところには交流の礎がつくられ、自然と交流が深まっていく一方で、片思いとなってしまい、思いが空回りをしてしまう場合や、無理強いはできないことから、自然と疎遠になってしまうような場合がないだろうかと思うのでありますが、いかがでしょうか。 さて、過日、金沢国際交流財団より、石川県留学生協会の協力を得て「留学生が感じた金沢」と題する小冊子が出され、20人の留学生の方のさまざまな意見が掲載されており、私も読ませていただき、いろいろと感想を抱きました。この冊子は、国際交流の一助として、また国際交流がより確かなものとなるように企図し、発行されたとのことであります。外国の方々とじかに接することはもちろん大切なことではありますが、そういう機会をなかなか持てない市民の方々もいます。東京や大阪に暮らす外国の方々の声は、テレビや新聞を通して入ってまいります。しかし、今回のように、こういった東京や大阪ではなく、この金沢に住んでみて思ったり感じた外国の方々の声が市民の耳に届くことに、非常に意義があると思うのであります。国情や文化的背景が違う人がさまざまな目的を持って生活をしているがゆえに、当然のことながら起こってくる摩擦も広範囲のものとなります。その中での解決策は、市長も言われているように、人と人との地道な交流の積み重ねや、胸襟を開いた心の交流があって初めて得られ、生まれる相互理解と信頼関係の確立であります。 そういう意味で、金沢のよい点として留学生が語る歴史的遺産や文化的土壌を、後世に伝えていくべきことは申すまでもないことでありますが、保守的である、外国人になれ親しんでほしい、図書館などに英語の本が少ない、近代化が進む町並み景観への懸念など、マイナス面として指摘されている点に、我々は素直に耳を傾け、考えていく必要があると存じます。願わくば、せっかくのすばらしい企画であり、作製部数をふやし、より多くの市民の目に触れるように、またこういう事業をさらに充実させ、国際化への意識を醸成し、一人一人の市民が市民憲章でうたわれる「心の窓」を世界と未来に開き、国際交流を重ねていくべきと思うのでありますが、市長の御所見を承りたいと存じます。 質問の第4点は、近隣市町村との連携強化にについてであります。さて、近年、生活圏・経済圏の拡大に伴い、人々の活動範囲は広域的になり、市域を越え、あるいは県域を越えた対応が求められる時代となりました。交通問題しかり、道路問題しかり、今大きな社会問題になっている廃棄物の問題にしても、またしかりであります。このように、一地方自治体では解決できない広域的な問題は、ますます増加することが予想されるのでありますが、そのためには、常に近隣市町村とのコミュニケーションを密にし、連携を強化しておかなければならないことは、申し上げるまでもありません。幸い金沢市にありましては、石川中央広域市町村圏を初め、金沢・小矢部連絡会、金八線総合開発整備促進期成同盟会など、隣県にまで及ぶ幅広い活動を展開されているところであります。 しかしながら、最近これらが形骸化し、余り実効が上がっていないのではないかと危惧するものであります。くしくも先月行われた金沢市・福光町開発関係懇談会の席上で、福光町側から、金沢市は余りにも儀礼的で冷た過ぎるとの声があったと聞き及ぶのであります。また、市長就任当時は「金沢百万都市圏構想」を掲げ、近隣市町村との連携強化の重要性を高らかにうたい上げていた山出市長でありますが、最近は近隣市町村との関係強化よりも、促進協議会や期成同盟会をつくっての国、県への陳情活動へ重きを置かれているように感ずるのであります。 地方の時代が叫ばれて久しいものがありますが、肝心の地方分権や地方財政の充実は何ら進展しておりませんし、住民の行政に対するニーズはますます増大する一方であります。まさに、地方自治体の真の力量が問われている時期だと言っても過言ではないのであります。そして、このような時期にこそ、横の連携を密にして事に当たらなければならないと考えるものであります。石川県下自治体の総帥である金沢市が今こそ原点に返り、近隣市町村重視の姿勢を打ち出す必要があると考えるものでありますが、今後の近隣市町村との連携強化について市長はどのようにお考えか、見解をお伺いしたいのであります。 また、近隣市町村とより一層の連携強化を図るために、これまでの石川中央広域市町村圏のような複数の自治体による会合に加え、新たに金沢市と内灘町、金沢市と松任市のように、1対1の協議の場を持つことも必要ではないかと考えるものでありますが、あわせてお答え願いたいのであります。 質問の第5点は、観光施策についてであります。かねてから市長は、「観光都市は金沢の目標であるのではなくして、国際文化産業都市づくりが金沢の目標であるべきであり、その結果として観光都市があるのだ」と、そのお考えを述べられております。私は、そのお考え自体を否定いたすつもりはありませんし、確かに都市の魅力が観光客を引きつけることは事実だと存じます。しかしながら、これまで積極的に取り組まれてきた観光を促すための条件整備が、必ずしも誘客効果としてあらわれていないのではないでしょうか。 と申しますのも、先般の観光客入り込み調査の結果が報道されておりましたが、残念ながら前年比18%の大幅な落ち込みであり、この傾向は景気の後退による全国的なものとはいえ、予想を超える減りぐあいと言わざるを得ないと存じます。まして、来年は全国規模の大型イベントもないことから、今まで以上により魅力ある観光都市づくりと誘客のアイデアが問われることになると存じます。私は、この際、発想の転換こそが必要なのではないかと考えます。市長は、観光都市「金沢」と呼称されることは意に沿わないかもしれませんが、そう胸を張って言い切れる都市であっても、私はよいのではないかと考えます。観光的側面が加味され、かつ配慮された町づくりを進めていくという手法については、観光面との一体性を考慮された町づくりと評価をいたすものでありますが、そうした町づくりを進めていく一方で、やはり観光のためだけの施策、施設といったものが観光面での振興を図る上では必要なのではないでしょうか。 今や、観光は都市にとって大きな産業の一つであり、経済その他の波及効果ははかり知れないものだということは、私が申し上げるまでもないことと存じます。そうであるなら、発想の転換を図り、国内外に観光都市「金沢」と高らかに宣言し、かつ、できるような都市として、今後歩を進めていくことも必要ではないかと考えます。 そこでお尋ねいたしますが、市長は、この観光客の減少の要因をどのように分析され、かつどのような対策を講じていかれようとされるのか、また、観光振興を図る上で、行政が果たす役割は何であるとお考えか、あわせお伺いいたしまして、私の質問を終わります。                                   (拍手) ○副議長(西村直則君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 3番中西議員にお答えをいたします。 まず、道路行政でございますが、第11次道路整備五箇年計画をどう思っておるかと。今、生活大国を目指すんだと、そういうキャッチフレーズが聞こえてまいります。まだほど遠いと言わなければなりませんし、同時に、地域の活性化を図るためには、21世紀に向けました道路整備が喫緊の課題というふうに心得ます。特に、国道でございますとか、高規格道路でありますとか、主要地方道でありますとか、まだまだ整備は十分でございませんし、私ども金沢にとりましても、環状道路の体系整備はまさに急がなければいけないというふうに思います。そういう意味で、11次の道路整備五箇年計画は極めて重要でありまして、何としてもその実現を期さなければいけないと思う次第でございます。 したがいまして、その計画実現のための財源確保、これが重要課題と心得ておるわけであります。今、ガソリン税の取り扱いを含めていろいろ論議されておりまして、その動向を注目しておるというところでございます。 そんな中で、市長は道路行政をどのように思っておるのかというお尋ねでありました。御指摘のとおり、今日まではややもすると、車優先の交通対策としての道路行政、ここが強調されてまいったと考えておりますが、これからは道路も都市の大切な都市空間、その一部であると。したがって、人に優しい道づくりを進めなければいけない、そのように思っておる次第でございます。そういう観点に立ちますと、やはり植樹のあり方、歩道のあり方、そしてまたポケットパーク等が確保できれば、彫刻の一つも据えるとか、道筋の景観に配慮するとか、そういうことが大変大切になってくると思っています。同時に、事柄は容易でありませんけれども、無電柱化も進めたいものの一つであります。努力していきたいと思っております。 アメニティー道路ネットワーク化が必要だ、そういう御指摘でありました。私も、実はそう思っておりまして、アメニティー性の高い道づくりをネットでもって結んでいくと、こういうことを今考えております。昨年、基本計画を策定いたしたわけでございまして、目下これに基づいて進めておるところであります。私は、金沢という町は、歩くに値する町と、そういつも考えています。みち筋整備課というそういう課は、日本の地方都市で金沢だけというふうに御承知をいただきたいと思います。そういう意味で、これからも歩ける道の整備に取り組んでいきたいと、こう思う次第であります。 文化性のある道づくりが必要だと、どう進めるのかということでありました。御指摘のとおりでございまして、森本へ行けば北国街道があったと、小立野へ行けば石引通りがあったと、金石へ行けばかつての往還があった、それぞれ歴史のある道でございまして、人と文化の連絡道であったと、私は理解をいたしております。 一方、市域の中へ入りますと、六斗の広見があり、柿木畠の広見があり、石川県立工業の裏にはやはり本多町の広見がございましたし、横山町にも広見がありました。そして、あちこちにはやはり三差路があり、袋小路があるわけでございまして、これらの袋小路と広見というものは、私は、貴重なコミュニティーの場でもあったと、そのように考えておりまして、こうした歴史性のある金沢ならではの道路というものは大切にしたいものだと思っております。道を現代に生かしていく、現代にそうした昔の道を生かしていく、そういう試みはこれからも続けなければいけない。これがまた金沢の道路行政だ、ほかにできない金沢だけの道路行政だと、誇りを持って進めていきたいと、こう絶えず心している次第でございます。 交通の問題にお触れでございました。私は、金沢の交通渋滞解消策というものは、ハードとソフトと両面で進めなければいけないというふうに考えていまして、環状道路の優先整備はまさにハード面の主要施策と心得ております。そして、ソフト面にありましては、いろいろ交通の規制策を中心にして進めたい、そのように考えておる次第でございまして、その一つが今ほど御指摘になりましたリバーシブルレーンの課題かと、このように思う次第でございます。リバーシブルレーンといいますのは、特に朝と晩の方向別の交通量が大きく変わる、そういう区間に適しておるというふうに思っておりまして、とりあえずは国道 159号の小坂と神谷内の間で導入することができぬだろうかと。朝と晩とでレーンの数を変えるわけでございまして、今、警察と関係行政機関に要望をいたしておるところでございます。来年度、リバーシブルレーン導入可能な路線の実態調査も予定しておることを申し上げたいと思います。 新しい交通システムの構築に向けてどう考えているのかということでありました。極めて大切な交通施策の一環は、1つには環状道路網の整備、2つには既存の公共交通機関の活性化、そして3つ目には軌道系の新交通システム、こういうものが検討課題であろうというふうに思っておる次第でございます。この中で、今御指摘の案件は、軌道系の新しい交通システムの導入についてどう思っておるかということであります。私も、重大な関心を寄せていますし、将来的にはこの導入というのは必要であるというふうに思っておりますが、今直ちにというわけにはまいりません。いろいろ検討すべき課題が多々ございまして、その一つには民間での軽量車体の開発というものも研究テーマの一つであるというふうに思いますし、何といいましても大切なのは、国の補助制度の改善ということであります。今日、インフラ整備に国の補助制度があるわけでございますけれども、まだまだ十分ではございませんで、この拡充が採算性を保つための条件というふうに心得ておるわけでございます。今、建設省の若い専門家と金沢市役所の技術陣がチームを組みまして、こうしたチーム編成も極めて特異なことでありますけれども、金沢市の新しい交通システム研究会というものを持っています。ここでいろいろ研究をしておるわけでございまして、今後とも継続的に調査研究をしていきたい、そう思っておる次第でございます。 姉妹都市の交流形態についてどう思うのかということでありました。今日までの交流の主流はスポーツと文化でございまして、今日、これにあわせて経済交流への要請が強まってきたというのは、御指摘のとおりでございます。ただ、ロシアと中国と日本、政治体制が異なります。同時に、日本の自由主義経済への適応には、ロシア、中国の方々には課題も多いわけでございまして、この課題をどのようにして解決をしていくのかということ、ここに焦点を据えながら、そのためには相互の制度への理解とか、そういうことを真剣に研究をしていかなきゃいかぬ、そういう段階だというふうに申し上げておきたいと思います。 姉妹都市交流に密度がいろいろあって難しい面もあるがと、私は御指摘のとおりだと思います。国情が違っておるということもございますし、言葉の違いもありますし、もとよりのこと、距離の遠い、近いという課題もございます。ただ、ロシアのイルクーツクであるとか、ベルギーのゲントであるとか、あるいはブラジルのポルトアレグレとか、それぞれお国の経済事情は容易ではないというふうに拝察をいたしております。私は、向こうさんの経済事情が悪いときには、その事情を金沢市側は理解をしてあげて、しばらくは交流も待っておあげすると、これも国際交流の大切なところではなかろうか、そんなことを実は思っておるのです。相手の立場に立つ、これも国際交流の非常に大切な視点と、こう中西議員にお答えをしたいと思います。 「留学生が感じた金沢」という冊子が出ました。私もあの冊子は読みました。ああいう冊子を通じて市民との交流が期待されるということであれば、市も冊子をつくることに支援することはやぶさかではございません。あれを通じて感じますことは、お互いの思いやり、そして理解を通じまして国際親善を拡大していかなきゃならぬということでございますし、同時に、私思いましたことは、留学生の諸君は、やはり気軽に自分たち同士で話し合う場所を望んでおるということを承知しました。ここら辺は大切にしたいものだと思いますし、もう一つは、金沢には図書館へ行っても英文の図書がないと御指摘でございまして、これは私も図書館の整備等の中で配慮していかなきゃいかぬと、このように感じておるところでございます。 市長は、近隣市町村との連携強化についてどういう見解を持っておるかということでありました。ボーダーレス時代ということになってまいりまして、近隣の市町村と連携を図って、そして将来を見据えた魅力のある都市圏づくりを進めていくと、これは大変大切になってきておるというふうに思っております。それにつけましても、御指摘ありましたけれども、広域市町村圏協議会の活動というものは、やや硬直をしてきているなということは、私も実は感じておりまして、これから弾力化、機動化を図っていかなきゃいかぬというふうに思っております。協議会を初めといたしまして、連絡会等あらゆる機会を通じて、互いに意見交換をいたしまして、意思疎通を図って万全を期していきたいというふうに思います。同時に、こうした事柄につきましては、議会の御支援もいただきたい、このことを強くお願いしたいと思います。 単一の自治体同士での協議の場を持つようにと。私もそのことを考えておりまして、必要に応じまして協議の場を設けて、課題の解決に取り組んでいきたい、こう思う次第でございます。 観光客の減少について、市長は観光都市を標榜せよと、こういうお話でございました。私は、お客様に来てもらうときには、基本的には金沢の個性を生かした町づくりをすることだと、このように思っておる次第でございます。金沢の個性を生かすということになりますれば、やはり文化、そして環境、これを大切にいたしまして、そして、それを見に人様に来ていただくということが必要ではなかろうかと思う次第でございます。観光というものを大切にするがゆえに、あえて文化を、そして環境を大切にしたいと、こう申し上げるのでありまして、観光事業を大切にするのでなかったら、私はこういう言い方をしないわけであります。 発想の転換は、観光都市ではなくして、金沢という町を国際文化産業都市にすること、このことこそ発想の転換だ、そう申し上げたいと思うのであります。わかりやすく言いますれば、文化を大切にいたしますと、文化の中身は工芸であり芸能でございます。芸能を大切にすれば、わかりやすく言いますと、踊りの練習風景というものをお客様に見せておあげすることができる、工芸を大切にすれば友禅の工房へお客さんを案内することができる、これが私は唯一一番の観光資源だと、こう実は考えておるのでありまして、まずは目的に達する過程を大切にしたい、手順を大切にしたい、急がば回れの手法こそ観光都市化への道と、こう言いたいのであります。ぜひ、御理解をいただきたい、こう思う次第でございます。 もとよりのこと、施設の整備では見て歩きコースの整備であるとか、修景の整備であるとか、由緒のある建築物の保存であるとか、こういうことはしてまいらなきゃなりませんし、伝統芸能の保存育成でありますとか、もろもろのイベントでありますとか、キャンペーンでありますとか、あるいは団体の助成でありますとか、こういうことは一生懸命することは当然でございます。 今、観光客が減少しておるのではなかろうかということであります。観光客の入り込み状況というものは、年々増加の一途をたどってまいりましたし、私は、ことしの減少というものは、景気の低迷による全国的な傾向であり、節約型観光というものがあらわれてきた結果ではなかろうかと、こう思っております。一時的なものと受けとめておりまして、景気の回復に従ってもとへ戻ってくれることを期待していますし、またそういうことを願って観光施策を強化していきたい、このように思っておりますので、御承知をいただきたいと思う次第です。 ○副議長(西村直則君) 17番朝倉忍君。   〔17番朝倉忍君登壇〕   (拍手) ◆17番(朝倉忍君) 私は、自由民主党金沢市議員会の一員といたしまして、以下数点にわたり質問をいたします。 質問の第1点は、金大附属小・中学校の跡地利用についてであります。 さて、この金大附属小・中学校の跡地利用は、金沢城内の跡地利用とともに、これからの金沢市の町づくりを大きく左右するものだけに、多くの市民の意見を聞き、慎重な上にも慎重な対応が望まれることは論をまたないところであります。そして、その利用案については、現在、県市共同で設置された金沢大学跡地利用等懇話会で検討されており、今年度末にはその提言がなされると聞いておりますが、市民の関心も大きいだけに、どのような方向づけがなされているのか、この際明らかにしていただきたいのであります。 さて、現在県民の世論を二分した形で県庁移転について熱い論議がなされていることは、各位も御承知のとおりであります。金大附属小・中学校の跡地利用は、同用地での県庁改築を大前提にその利用策が論議されてきたことは、想像にかたくないところであります。仮に県庁がほかに移転した場合、これまでの懇話会における跡地利用の論議は水泡に帰すことにならないか危惧するものでありますが、見解をお聞かせ願いたいと思います。 また、市長は、金大附属小・中学校跡地の取得について十分な意欲を見せながらも、今日まで国、県の交渉の推移を見守るという慎重な姿勢をとってきましたが、県庁移転がにわかに現実を帯びてきた今日、金大附属小・中学校の跡地取得に、金沢市が積極的にかかわっていくべきと思うのでありますが、同跡地の取得にかける市長の決意を改めてお伺いするとともに、この際、金大附属小・中学校の跡地利用について、山出市長の行政マンとしてのお答えではなく、政治家としての遠大で高邁な構想をお聞かせ願いたいのであります。 さらに、仮にですよ、県庁が現在地から移転した場合、過去に県警本部長宿舎跡地を取得した経緯もあり、市役所の後ろにある県庁南分室の買収も俎上に上がってくるのではないかと思うのでありますが、あわせてお答えを願いたいのであります。 さて、現在の市庁舎は、業務量の増大に伴う執務スペースの不足、また会議室の不足、そして慢性的な駐車場不足などにより、職場環境の悪化と市民サービスの影響が懸念されるところであります。そこで、私は、金大附属小・中学校の跡地に新しい庁舎を建設し、現在の庁舎と機能を分担させてはどうかと考えるものであります。つまり、新しい庁舎は、議会棟と管理部門をあわせた管理棟とし、さきの議会でも提案したところでありますが、あわせて市民ギャラリーやレストランなどの市民開放施設を併設すべきと考えるものであります。一方、現庁舎は市民サービス関係の庁舎として活用すべきと考えますが、新庁舎建設と庁舎のあり方について市長の見解をお聞かせ願いたのであります。 質問の第2点は、文化の振興策についてであります。 まず第1点は、泉鏡花文学賞の今後の振興策についてであります。さて、制定20周年を迎えた泉鏡花文学賞でありますが、町興しの一環として全国で数多くの文学賞が制定される中、自治体制定の文学賞の先駆けとなった同賞は、今や文学賞の上位にランクされ、文壇、出版界においても高い評価を受けているところであります。 しかしながら、制定当初に比べ市民の関心や熱意も希薄となったため、再び市民の関心を高めようと、先日、鏡花フェスティバルが開催されたのであります。フェスティバル開催期間中は、各行事に多くの市民が詰めかけ、成功裏には終わったようでありますが、全体的に年配者の方々が多く、若者の姿は余り会場に見られなかったように聞くのであります。若者の活字離れが言われて久しいところでありますが、加えて泉鏡花の作品が難解なことも高校生などの若者がいまひとつ鏡花文学になじめない原因の一つになっているようであります。魅惑的な世界をつづった作品を対象とし、市民文化の向上と地方文化の振興に資するとして制定されたこの文学賞を、より一層活性化し、引き続き継承していくためには、若者に鏡花文学を広く浸透させていく施策が必要と思うのでありますが、今後どのような手立てを講じていかれるおつもりなのか、市長のお考えを承りたいと存じます。 次に、(仮称)金沢南図書館の充実についてであります。このたび建設される新しい図書館は、周辺環境に十分配慮され、蔵書の数も現市立図書館に匹敵し、さらには環日本海文庫の設置、視聴覚機能等の充実など、21世紀の本市の生涯学習の拠点施設として、その早期完成が待たれるところであります。 さて、金沢市は国際都市を標榜し、年々各国の留学生もふえてきておりますが、それに伴っていろいろな注文や悩みを聞くことがあるのであります。その中で、ある留学生が私に「金沢には県立と市立の図書館があるが、ほとんど英文の図書がなく、外国人をがっかりさせている」と訴えておりました。国際化が進み、ますます外国の方々がふえていく現状からしても、英文だけに限らず、今後は外国語の蔵書をより充実させていくことがぜひとも必要と考えるものであります。生涯学習の高まりの中で、市民の外国語の学習意欲も増進すると思いますが、南図書館における外国語蔵書の充実について、市長の御所見を承りたいと存じます。 質問の第3点は、地域における諸問題について数点お伺いいたします。 その第1点は、まめだ大通り入江交差点における地下道建設についてであります。この件に関しましては、本議場におきましても2度にわたり質問し、市長も「難しい事柄にも当面しているが、国や県とも協議を重ね、本工事が着手できるようにしていきたい」と、前向きの答弁をされているところであります。そして、平成2年には調査も終え、地元地権者との話し合いに入ったのでありますが、用地確保の面で合意が得られず、ここ2年ばかり具体的な進展を見ていないのが現状であります。地域住民ともども大きな期待をもってその推移を見守ってきているところであります。市当局のこれまでの努力には多とするものがありますが、入江の変則交差点は交通上極めて危険であり、地下道建設と交差点改良は地域住民の長年の悲願であるだけに、当局が誠意を示し、建設実現へ向けてより一層の努力をされんことを期待いたすものであります。市長の力強い決意のほどをお示し願いたいと存じます。 2点目は、西部水質管理センターに隣接するゲートボール場の公園化についてであります。この敷地の一部につきましては、日ごろゲートボールや地域の運動会などに利用させていただいておりますが、ゲートボール場という当該敷地の性質上、その用途は限られており、せっかくの貴重な公有地が多目的に利用できない状況にあります。 そこで、一つの提案でありますが、西部水質管理センターの敷地内での一部遊休地と当該敷地を一体化し、周りに植栽を施すなどして、市民のだれもが利用できる運動公園として再整備を図ったらどうかと考えるものであります。そのことが地域の都市環境や市民福祉の向上に資するばかりでなく、これまで余り住民から歓迎されない施設が多かった当地区だけに、行政側の配慮だと思うのでありますが、市長の所見をお伺いするものであります。 第3点は、西部市民体育会館の駐車場対策についてであります。 さて、西部市民体育会館は、体育館のほかに温水プールが併設されているため、土曜、日曜ともなれば多くの市民でにぎわっておりますが、駐車場が不足しているため路上駐車が相次ぎ、近隣住民は非常に迷惑をしている状況にあります。せっかくの施設が多くの市民に有効に利用されるためにも、駐車場不足解消は喫緊の課題と言えます。幸い、西部市民体育会館には、下水道の西部水質管理センターなどの公共施設が隣接しており、これらを積極的に開放しておりますが、まだまだ不足をいたしております。近隣民有地の借り上げを行って、早急に駐車場の不足解消を図るべきと考えます。市長の見解をお伺いしたいのであります。 この問題の最後は、大豆田本町地内の消雪装置の設置についてであります。この地区を通る市道古府-玉鉾線は、市内幹線道路として交通量も多く、加えて先ほど述べましたように、入江交差点が変則交差点であるために、常に交通事故の危険性をはらんでおります。特に、積雪が懸念される冬季間においては、消雪装置が設置されていないため、その危険性は一層増大するのであります。このため、当該地区での消雪装置の設置方を強く要望してきたところでありますが、現在どのような状況にあるのか、お聞かせ願いたいと思います。 なお、地域環境の整備について、傍聴に来ている皆さん方が市長の答弁を特に注意をして聞いておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 質問の最後は、屋台の復活についてであります。さて、近年のグルメ志向を反映して、一種の屋台ブームが起こり、旅行雑誌やテレビの食番組が毎日のようににぎわしているところであります。この屋台も、かつての暗いイメージから一変し、最近は若い女性や家族連れの姿も目立つ明るいイメージへと変わってきているようであります。料金の手ごろさもさることながら、そのメニューもこれまでは焼き鳥、ラーメン、おでんが屋台の三大メニューと言われていたものでありますが、最近はグルメ志向を反映してか、エスニック料理やピザ、ステーキ、果てはカクテルの屋台まで登場する華やかさであります。この屋台、何といっても屋台の主人やおかみさんの明るく温かい人柄に接し、隣に座った人ならば見ず知らずの人でも気軽に話ができるというのが最大の魅力でありますが、一方、屋台には、込み合ってきたらできるだけ詰めて座ること、外で待っている人がおるならば長居をしないことなど、社会の基本的なマナーを教えてくれる一面もあることは案外知られておりません。さらに、屋台は貴重な観光資源ともなっているのであります。 さて、このように多くの魅力を持つ屋台でありますが、残念ながら金沢市では近年ほとんど見かけることができなくなったのであります。昭和40年代前半までは、市内の各所で営業をしていたようでありますが、道路交通法の改正によって、市内の中心部全域で駐車禁止の措置がとられ、活動範囲が狭められたこと、またこれを機に新規の営業は許可されなくなったため、屋台の灯は次々と消えていったのであります。よしんば既得権があったとしても、結果的には一代限りの鑑札となり、高齢化と後継者不足には勝てず、結局は自然消滅の道をたどっていったのであります。この流れは、何も金沢市だけのものではなく、全国の趨勢だったようでありますが、加えて当時の行政も、衛生上や美観の観点から屋台の保護には消極的であったと言われております。そして、現在福岡市博多のように、行政のバックアップを受けて華やかな屋台の世界を形成しているところもありますが、全体的にはしりすぼみの状態にあるようであります。自動車で営業を行うラーメン、ホットドックなどの販売は食品衛生法上認められているものの、いわゆるリヤカー式屋台の復活にはまだまだ解決しなければならない問題が多いようであります。そして、それは水などの衛生上の問題、景観の問題あるいは営業の場所の問題など、すべて行政が大きくかかわっているのであります。 この際、庶民が気軽に憩え、くつろげる屋台を復活させ、フードピアとともに金沢の新しい食文化とすべきではないかと考えるのであります。庶民政治家である市長は、赤のれんが大好きだと承っておりますが、市長就任以来、ホテルや料亭での会食の機会がふえ、その機会もめっきり減ったのではないかと推察するものであります。市長の持つ屋台観についてお伺いするとともに、屋台復活について行政が積極的に後押しを図るべきと思うのでありますが、あわせて見解をお聞かせ願いまして、私の質問を終わります。                                   (拍手) ○副議長(西村直則君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 17番朝倉議員にお答えをいたします。 まず、金沢大学の跡地利用等懇話会の利用に関する方向づけはどうなっているのかというお尋ねでございました。この懇話会での基本的な考え方というのは、自然環境の保全、文化財の保護に配慮をして、緑、空間を最大限に生かした一般県民に開放する公園的・文化的利用を図ると、こういうことになっております。そして、基本的な視点といたしまして、1つには、地形の自然的高低差、それを生かして緑豊かな貴重な都市空間であること、2点目は、文化的にも歴史的にもかけがえのない文化財的な遺産であること、3番目は、兼六園周辺文化ゾーンに位置づけられており、兼六園及び周辺と一体的な利用を考えること、4番目は、既存の建物の利用の可能性を検討すること、こういうことになっております。 県庁の改築問題と懇話会の論議の関係についてお触れでございました。今ほど申し上げた金沢大学跡地等利用懇話会における小・中学校跡地利用の基本的な考え方といいますのは、兼六園周辺文化ゾーンに位置づけられておりまして、お城の中とあわせて兼六園周辺と一体的な利用を考える、これが附属小・中学校跡地の利用の基本的な考え方でございます。したがって、県庁舎の論議がどこに落ち着くかにせよ、懇話会での論議そのものは有益なものというふうに私は思っております。 附属小・中学校の跡地の取得の決意、利用の構想ということでございますが、城内キャンパスとともに小・中学校の跡地につきましては、知事と連名で、責任を持って取得に当たることと、大学に申し入れてあるところでございます。いろいろ夢のある利用もお示しをいただきましたわけでありますが、まずは跡地の取得問題があるわけでございます。取得の方法、時期、手続、これらにつきまして、国との協議の中で県と十分連絡をとりながら検討していくことでございます。まずはこの取得問題と、こう申し上げて御承知をいただきたいと思う次第でございます。 そんな中で、県庁南分室の買収はどうかということでございますが、現在、県庁舎として何分にも使用されておることでございまして、私からコメントする立場にはございません。これはひとつ御了承をいただきたいと思います。 泉鏡花文学賞の今後の振興策について、若者の関心をどう集めていくのかということでありました。鏡花の作品は、なかなかなじみにくい文体でございまして、若者がなかなかなじんでくれないのも、私はわかる気がするわけでございます。そんなことで、先ほどのフェスティバルにおきましては、鏡花というものを演劇、映画、音楽、舞踊、そうしたさまざまな形で表現をして、そして若者の参加を促したわけでございます。文字以外の方法によりまして、鏡花への関心を引き寄せていくと、これもこれから考えていっていいことだと思っておる次第でございます。文学賞のPRあるいは運営方法に工夫を重ねまして、節目節目には何がしかの記念事業も織りまぜていく、そして市民の関心を寄せて、文学賞の一層の活性化を図っていきたい、こう思っておる次第でございます。 今、建てようとしておる金沢南図書館に外国語の図書の充実を図るようにというお触れでございました。国際化に対応するために、海外情報コーナー、そういうコーナーを設けたいと思っておりまして、この中で環日本海圏諸国を中心にして、姉妹都市その他の国々の図書等、できるだけ多くの外国語の資料を提供したいと、こう考えておる次第でございます。 地域の問題についてお触れでございまして、まず1つは、まめだ大通り入江交差点の改良、そして地下道の建設の課題でありました。この交差点は、何分にも変則な交差点でございます。交差点の改良、そして地下道の建設も含めましていろいろ検討を進めてきました。私は、必要性は十分に認めています。ただ、用地を含めてなかなか困難な問題がたくさんございまして、進んでいないというのが現況でございます。今後とも引き続きまして、誠意をもって検討を続けていきたいと、こう思っております。 西部水質管理センター、これに隣接する広場を整備するようにというお話でございました。今度、水処理施設の一応の整備が終わりましたので、これまでも少し利用してまいりました上部を多目的グラウンドとして整備することにいたしております。これによりまして面積も広くなりますし、利用価値を高めることができると思っておりまして、これに加えて御指摘の環境対策、周辺に高木も植えることにいたしておりますし、今後とも環境をきれいにすることには十分意を尽くしてまいりたい、そう思っております。 西部の市民体育会館の駐車対策を考えてくれるようにというお尋ねでありました。今、民有地の借り上げも含めて検討中でございます。 それから、古府-玉鉾線の消雪装置についてお触れでございました。入江の交差点から玉鉾の交差点の間、約 600メーターでございますが、これにつきまして平成5年度--明年度に国庫補助事業として採択されるように、今一生懸命努力をしています。そのことをお知らせをいたします。 最後に、市長の屋台観を述べよということでありました。私は、屋台というのは庶民生活の中で人と人とが気軽に触れ合うことのできるいい雰囲気を持つ場であるというふうに思いまして、その雰囲気は、私も実は嫌いではございません。しかし、屋台は何分にも非衛生的でございまして、交通上の問題もありますし、既存の業者とのかかわりということも出てくるわけでございますし、文化都市金沢のイメージとしては、私としては余り賛成ではないのでございまして、単なるノスタルジアだけではこの問題は難しいと、こうお答えするしかございません。御承知をいただきたいと思います。 ○副議長(西村直則君) 12番升きよみ君。   〔12番升きよみ君登壇〕  (拍手) ◆12番(升きよみ君) 数点にわたってお尋ねします。 質問の第1点は、議案第25号「金沢市廃棄物の減量化および適正処理等に関する条例」についてです。地球環境を守る視点から、身近なごみ問題が問われ、ようやくにして国を動かし、法改正されました。本市のごみ排出量が全国類似都市中トップクラスであることを指摘し、我が党はこの間、ごみは半減できるとし、ごみ問題をたび重ねて取り上げ、減量とリサイクルを柱に、発生の抑制、企業の責任の明確化、市民の協力と安全確保等を主張してきましたが、ようやくにして本市条例制定の運びとなりました。そこで、改めて基本的見地に立って幾つかの点をお尋ねします。 その1つに、条例第23条における「一般廃棄物処理計画」についてです。処理計画には、当然減量を含むものと解釈しますが、この処理計画、すなわち減量計画の策定や目標値を明らかにしているのでしょうか。私は、真に減量化を進めようとするなら、減量を含めた処理計画について明快にし、早期に計画策定を公表すべきと思いますが、いかがでしょうか。 2つに、第19条多量排出事業者等について、「大規模建築物」に限定しておりますが、事業所の紙など大規模建築物に限らず出される多量排出事業者等が免罪されないのでしょうか。 3つに、第27条「適正処理困難物になる前の製品、容器等の製造、加工、販売等を行う事業者に対して、自らの責任でその回収等の措置をとるよう要請することができる」としておりますが、これは「指示することができる」と義務づけるべきではなかったでしょうか。 4つに、「開発事業に関する事前協議」について第42条では「開発事業の計画の策定に当たっては、事業の完了後に生じる廃棄物の適正な処理について、あらかじめ市長と協議しなければならない」としているのですが、協議のみならず「事前評価書を市長へ提出するもの」とすべきではなかったでしょうか。 5つに、「報告の徴収等」の第43条についても、「廃棄物の処理に関し必要な報告を求めることができる」とありますが、「市長に提出しなければならない」とすべきではなかったでしょうか。 以上、述べてきましたが、いわゆる事業者等に対して、要請や協議を求めることができる等々とした方向ではなく、さらに強力な義務づけをする方向をとるべきではなかったかと思うものです。 本条例が廃棄物の発生の抑制、減量と再利用及び再生利用を促進し、並びに一般廃棄物の適正な処理を図ることを目標にして、市長、事業者、市民の責務等を明らかにしておりますが、総じて事業者や多量廃棄物排出業者等に甘さがあるのではないでしょうか。企業の責任の明確化を求める立場から、この点はどのようにお考えか伺っておきます。 さて、いよいよ来年4月より条例施行がされます。本条例に基づき、市民協力の廃棄物対策推進員制度や再生利用のための援助策、特に急務なのは、今日企業の減産や引き取り制限で、金属くずや回収古紙の値段が大幅下落し、リサイクル化を危機的状況に追い込んでいる資源回収業への援助を拡充することや、また既にリサイクルを実施している市民団体やスーパー、生協、小売店などが、牛乳パック、発泡スチロールなどの置き場に苦慮している実態に即した対応であり、ストックヤードやリサイクルセンターが切実に求められておりますが、これらはどのようにお考えでしょうか。 質問の第2点は、町づくりの基本的な考え方についてお尋ねします。 今議案に、金沢駅周辺整備計画策定費が計上されました。金沢駅舎、駅前のあり方、パーク・アンド・バスライドをめぐる交通問題、県庁移転問題に伴う中心部や駅西のあり方等々、今日金沢の町づくりについて強く市民の関心が寄せられております。同時に、本市の町づくりの方向が問われているのであって、改めて市長の基本的姿勢を伺うものです。私は、都市基盤整備を進める基本は、住民参加を保障し、庶民住民が住み続けられる豊かな町づくりを目指すものであって、無公害、無災害、住民合意を前提とする市民本位の町づくりを進めるべきと考えます。 ところで、この間、江川市政から今日に至る本市の町づくりがいかにこれらとほど遠いものであるかは、たび重ねて指摘をしてきました。すなわち、大型拠点再開発・都心軸中心の町づくりの結果、住民を追い出し、高層ビル群の創出により、景観や周辺環境破壊、また車の導入による交通渋滞の深刻さ、周辺商店街への影響など、まさしく町壊しが進んできたことに、今日市民が危機感を募らせているのであります。80年代に民間活力導入による内需拡大、列島改造を「アーバン・ルネッサンス」と呼んで、大企業本位の開発を再開発手法によって推し進めたもので、そのツケが今、全国至るところに町壊しのつめ跡となって残っており、本市もまたその例外でなく、むしろ福井や富山などの他都市よりすさまじい勢いで影を落としているのであります。駅から武蔵周辺、市街地中心部がその最たるものです。 そこで、こうした再開発ビル建設の手法そのものを推し進めていく町づくりが妥当なのかどうか、改めて問われていると考えます。好景気時代にプランニングされ、商業床の拡大に重点を置き、高度利用の名による再開発ビルは、結局住民を追い出し、ビルへの車導入を図る、その結果、交通量の増大、大気汚染等の公害をもたらし、その後追い的に部分対策を進める。このようなイタチごっこ的な状況を断ち切らなければ、真に住民本位の町づくりが可能とならないのではないでしょうか。これからも、駅-武蔵間の再開発事業を進めるなど、こうした町づくりのあり方をお進めになるのですか。昨日の御答弁では、第5工区実施設計、第2から第4工区基本計画にと、引き続く事業継続を述べられましたが、これではこれまでの町壊しに一層拍車をかけるものと思いますが、いま一度お伺いします。 次に、具体的な1つ、第1地区市街地再開発事業に関してお尋ねします。我が党は、三井生命、北陸銀行、日航をキーテナントとする本ビルが、31階に及ぶ高層なもので、金沢市の表玄関にふさわしくなく、景観破壊をもらたすものであること、また建設騒音、振動、電波等の公害や防災対策について万全を求めるなど、従来より指摘してきましたが、最近付近住民の方々から厳しい苦情が寄せられております。 それは、再開発ビルの完成によって、ビル内の車導入の交通量がピーク時 4,000台を見込まれているのに、鳴和-三日市線利用による車両出入り口が検討されず、裏通り1号線、2号線に車が集中する形態になっていることです。それも、物流を含めて1カ所の出入り口しかないこと、まして入口が有床診療所や児童遊園地に隣接していることから、大幅な設計変更要望が出されております。だれが考えても、裏通りに出入り口1カ所は、ビル機能そのものを損なうことを初め、車の渋滞は必至で、それに伴う大気汚染、環境交通対策やビル風対策などが全く考えられていないことに、強い怒りとそしてそれへの対策が求められているのであります。従来の要求へのなおざり姿勢、工事説明への住民周知の不徹底などに、怒りが集中しております。本ビルの建設に伴う具体的な付近住民への公害、環境、交通等の対策はいかがされるのかお尋ねします。 2つに、交通問題を例にとっても、ビルが1つ建つことによって生じる交通量予測等、的確に掌握されて、具体的なビルの出入り口の検討などされるべきです。そうした視点、考え方が欠落しているところに、今日、住民との間に矛盾が集中しているのであります。御存じのとおり、金沢駅周辺は交通動脈が集中しております。そこへ、ホテル、デパートを中心とするビルが新たに出現すると、駅周辺の混雑が予想され、車の渋滞は加速されることが予測されます。駅前周辺の交通対策を具体的にどのようにお考えでしょうか。また、当然、次の第5工区ビルにもその予測に立った対応が必要です。駅-武蔵間の交通動向をどのように把握し、周辺対策を検討されているのか伺うものです。 ところで、我が党は、岡市政以来、かねがね市中心部は城を中心にして発達した町、歩いて30分、人が住み続ける町づくりを基本に、車の総量抑制を進め、公共輸送機関優先のパーク・アンド・バスライド方式の採用を提言してきました。この制度の発足が遅きに過ぎる状況の中で、なかなか市民の理解と納得を得るには困難がありましょうが、行政は、市民の合意づくりに最大限に力を注ぎ、積極的に推進していくべきです。その決意のほどを伺っておきます。 3つに、駅前第1地区再開発ビル「ポルテ金沢」は、去る10月22日に 6,462平米の3条申請がされ、平成6年3月オープンを予定し、ただいまテナントを募集しております。御存じのように、平和堂「アル・プラザ」が平成5年4月、長崎屋「ラ・パーク金沢」は5年秋、ジャスコは5年夏ごろとなっております。ポルテ金沢に続いて第5工区に名鉄丸越が約 4,000平米の出店予定と聞き及んでおります。特に、駅周辺に駅前百番街、全日空ヴィサージュに三越、日航ビルに大和、第5工区に名鉄と、再開発ビルフロアの店舗部分増床では、近隣商店街--六枚町、英町、別院通り、横安江町、それらの影響は深刻で、町の周辺衰退が必至と言えます。再開発ビルに伴う出店状況、入居予測をどう把握され、近隣商業・商店街対策をされるおつもりか、伺います。 以上、申し上げたように、都心軸中心の再開発事業中心の町づくりで、後追い的な対策方向ではなく、どういう金沢にしていくのか、ここにこそ行政が心血を注ぐべきです。市長、改めてお聞きします。 4つに、駅周辺整備のため、民間コンサルタントへの委託によって、駅前の周辺のあり方を問うのではなく、住民の声が生かされた構想計画が必要です。行政自身の手で幅広く市民の声を聞く機会を持つべきではないでしょうか。それこそ、町づくりの主人公は住民である、住民参加をどう保障し、駅前を市民みんなでつくり上げていくかが肝要です。 5つに、町壊しが進む中で、歴史的建造物もどんどん失われております。このほど調査が終わりましたが、終わってみれば物件は売却や取り壊しとなっておりました。保存は移築によってではなく、町の中に存在している、そこに文化があるのですから、その保存のためにこそ助成制度などおくれることなくすべきであります。 以上、これまでの住民合意のない町づくり方向を再検討し、どういう金沢にしていくのか、交通や営業、環境、文化など相互の関連性を持った町づくりをどう進めるのか、哲学を持った町づくり方向を進めるべきと考え、市長のお考えをお聞きするものです。 質問の第3点は、安心して子育てできる環境づくりについてです。働く女性は、全雇用者の約4割を占め、日本経済を大きく支えています。その一方で、子供も産めない状況が広がり、出生率が低下し続けています。このことは、経済企画庁が92年度版国民生活白書で「少子社会」をメーンテーマとして取り扱い、危機感を募らせております。欧米諸国では、既に少子化が深刻な問題になっておりますが、日本でも例外ではなく、女性が一生に産む子供の数が91年には1.53人と史上最低になり、「1.53ショック」と言われるほどです。ちなみに本市の出生率は、平成元年で1.47、2年は1.50と、国の1.57や1.59を下回り、この低下傾向に私たちは今真剣にその処方と対応を進めていかなければなりません。 結婚や出産は個人的な問題ですが、子供は社会の宝、次代を担う未来の主人公です。だれもが安心して子供を産み、育て、働き続けられることを心から願っています。現に20代から30代男女の86%が子供が好きで、4割近くが理想の子供は3人としております。しかし、現実に希望どおり持てないという実態であり、産む予定は2人という調査結果が明らかにされております。そして、子供の産めない最大の理由に「子育てにお金がかかる、教育費が高い」「育児の肉体的・心理的負担」「家が狭い」などを挙げております。ですからこそ、行政や社会が子供を健やかに産み育てるために、よりよい環境づくりこそが必要なのであります。 国民生活白書でも、出産・育児に関する支援体制、住宅や都市公園など親や子供がゆったりと安心して過ごせる空間の充実、教育費負担の軽減など提言しているのは、全く当然なことです。ですから、本市もまた、真に子供を安心して産み、健やかに育てることのできる条件整備、支援体制の強化を図ることが重要であり、保育所や幼稚園、学童保育などの公的保育の充実や、育児休業、看護休暇の制度促進や、教育費の負担軽減等を積極的に推進すべきです。この施策の充実を求める市民の声は、今日13万人を超える私学助成を願う署名や、乳幼児から学童保育期までの保育の充実を求める運動に反映されております。 そこで、具体的に次の点をお尋ねします。 1つに、子供の減少傾向に伴う保育所への支援対策についてです。高い保育料を抑えることと同時に、定員割れ、保母の雇用安定、途中入所児の受け入れとして、昭和63年度より今年度までの5年間の実施としている運営対策特別対策補助制度の延長や、民間給与改善費等積極的な支援が必要であります。 2つに、教育費の軽減を図るために、私学、幼稚園などの助成を強めることです。幼稚園の学級定数の改善や就園奨励費の拡大、特に幼稚園児においても保育所と同様、2人目からの減額制度を進めるべきと思います。 3つに、運営費の大幅引き上げなど、学童保育制度の拡充を積極的に進めることです。 4つに、乳幼児医療費制度の適用拡大を図ることです。今、全国各地で3歳児までの拡大を進めております。ともあれ、子供たちの健やかな発達を保障し、父母の生活を守ってこそ、真に子供たちを産み、育てられる環境づくりと言えます。いかがでしょう。 質問の最後は、老人保健計画、福祉プランの中の地域ステーションについてであります。現在、政府のゴールドプランにあわせて、各自治体は老人保健福祉計画策定のための作業に入っております。金沢市においては、さきに「福祉プラン21金沢」を策定されたところですが、さらにゴールドプランにあわせた計画の策定のための調査検討され、必要な補足を加えて平成5年度中に策定とのことです。そこで、今日最も重要なことは、行政の責任で住民本位の計画を策定することであります。厚生省の出した計画作成のためのマニュアル通知が出ておりますが、自治体は不十分な国のマニュアルの範囲にとどまらず、地域の実情に沿った積極的な計画づくりにこそ取り組むべきです。 ところで、本市の福祉プランにも、在宅福祉サービスの拡充とし、デーサービスセンター、地域デーサービスセンター、在宅介護支援センター、地域ステーション等の施設計画を明らかにし、それらの施設整備の促進を掲げております。その福祉プランをより充実させる老人保健計画策定に当たり、その機能と役割の明確化、市民の要求にこたえた適切な設置計画をもっと明らかにすべきと考えます。 本市独自の福祉サービス実施体制の整備、改善として、地域ステーションを中学校単位で設置するとしております。そして、その機能として相談、受付、ヘルパーの拠点、デーサービス等、サービス提供及び調整機能として年次計画を示しておられますが、こうした施設が本当に住民の求めている施設とすることが重要と思われます。この地域ステーションは、相談窓口業務に重きが置かれておりますが、その範囲にとどまらず、高齢者や障害者の方々が集える憩いの場所の確保等が必要と言えます。従前、老人憩いの家制度がありましたが、この制度も今では福祉プランにはありません。地域住民やひとり暮らし老人等が気軽に集うことのできるような機能も持たせるサービスステーションとすべきです。行政の頭で考える施設ではなく、その地域に最も必要とされる施設計画の具現化が必要です。地域の実情から学び、モデル地域設定などをしながら、福祉プランに生かされ、真に地域を支援する施設こそ求められております。御見解をお聞かせ願い、私の質問を終わります。                                   (拍手) ○副議長(西村直則君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 12番升議員にお答えをいたします。 まず、廃棄物の関係のお尋ねでございまして、新しい条例の中で処理計画をつくる際、減量計画とその減量の目標値を示すべきだというお考えでありました。処理計画では、基本計画と実施計画から成りまして、その内容には排出の抑制のための方策が含まれまして、減量化、再生利用の推進が図られるように留意していくことになっております。減量の目標値は、処理計画の策定の中で設定していきたいと思います。 それから、多量排出事業者として大規模建築物所有者に限定しているけれども、もっと枠をふやしたらということでございました。対象は、他都市の状況、本市の処理体制を勘案をして建物面積を決めたわけでございまして、そうした事情を御承知いただきたいと思います。 次に、適正処理困難物となる前の製品等の製造を行う事業者に対しては、その回収等の措置をとるように、要請ではなくして指示できるとすべきではなかったかと、こういうことでございます。これにつきましては、製造業者等の回収、処理体制の整備状況等を踏まえまして、要請と、こういうことにしたわけでございます。現状からして、要請とすることはやむを得ないと、こう思っておることを御承知いただきたいと思います。 それから、開発事業に対する事前協議について文書で取り交わす、そのほかもっと義務づけを明確に規定をすべきではなかったかと、こういうお尋ねでございました。事前協議では、計画の図面等、そうした必要書類の提出を求めまして、処理計画に支障がないように十分協議していくつもりでございます。この仕事は、やはり協力を求めていくというところに主眼がございまして、事業所の理解を深めるための周知徹底に努めていきたいと、そう思っておる次第でございます。 廃棄物対策推進員というものが置かれるわけでございまして、地域でのリサイクル活動を初めとして、啓発活動など市と市民のパイプ役としてお世話をお願いしたいと、このように思っておる次第です。 リサイクルセンターを設置すべきではないかと。廃棄物の減量、再利用を進めるため、リサイクルセンターを必要というふうには思いますが、技術的方策、運営の方法を含めて今検討中でございます。 資源回収業者への助成をすべきではないかと、資源回収業界の近代化、合理化に向けての助言等を行うなど、事業の基盤の強化に努めてまいりますけれども、回収業者みずからも組合を設立するということもいたしまして、自助努力もしていらっしゃることを、ひとつ御承知いただきたいと思っております。 駅周辺の開発と町づくりに関連をして幾つかのお尋ねがありました。まず、再開発を見直すことはしないのかということであります。私は、再開発事業は都心軸を整備する一環として進めておるものでございまして、地域の防災上の観点から、また活性化等を含めまして、公共施設の整備を行っているものでございます。町づくりに欠くことのできない事業と、このように認識をいたしております。もとよりのことながら、事業の推進に当たりましては、地域の方々の御意見を踏まえまして十分進めてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。 駅前第1地区の付近住民に対する環境問題の扱いでございますが、工事中の騒音、振動の対応につきましては、金沢市公害防止条例等に基づく環境基準の遵守を厳しく組合に指導をしてきております。ビル完成後の風、騒音、大気等の環境問題につきましては、風洞実験等の調査を踏まえて対応をしていく問題でありまして、今後とも指導していきたいと、こう思っております。なお、詳細につきましては、担当の部長からお答えをいたします。 再開発ビルから生じてくる交通問題、周辺と一体的に計画をつくるべきだという御指摘でございました。計画をつくる際には、将来発生する車需要の予測を行いまして、関連する道路等の拡幅整備をあわせて、道路の管理者と協議を行って整備を進めているものでございます。交通の動線計画につきましては、県警等との協議を行って進めているところでございます。 市民の意見を取り入れた町づくりが必要であるという御指摘でございます。公報でありますとか、新聞に掲載する等によりまして、事業の周知は図っているつもりでございますし、周辺への影響のあるものについては、周辺の町会、組織等を活用いたしまして、周知、協力を求めているものでございます。なお十分でないという御指摘でございますれば、さらに徹底を図るように努めていきたいと、こう思っております。 駅の周辺一帯の交通対策でございますが、再開発事業というものが周辺の道路の交通に大きい変化を生ずるということは事実でございまして、それだけに総合的に対応することが必要というふうに考えております。ただ、ハード面だけでございませんで、ソフト面での工夫も必要というふうに思いまして、事業主体はもとより、警察、道路管理者等関係機関と協議して、遺憾のないように努力していきたいと思います。 大型店出店に伴う地元商業者対策をお触れでございました。既存の中小小売商店の振興につきましては、人づくりの観点、店づくりの観点、また町づくりの観点から、さまざまな支援策を講じて、経営の安定強化に資しているところでございます。こうした既存の商店街への支援策を強化しながら、同時に大型店との共存共栄を強く願っているものでございまして、双方が共存する形での商業振興策に今後とも心していきたいと、こう思う次第でございます。 駅の東の広場整備計画に、やはり住民の意見をということでございました。今、学識経験者、経済界及び地元の代表者から成る懇話会を設置しております。この御意見、御提言をいただきながら、東口広場のマスタープランを取りまとめていきたいと、こう思っておりまして、今後も関係機関はもとより、地域の方々への説明会等を開催をしながら、事業計画の周知、そして推進に努めてまいりたいと思います。 歴史的建造物の保存について、後追いでなく積極的な対応をということでございます。金沢の町並み形成に歴史的建造物は欠かせないというふうには思っております。もちろん、由緒のある建物は現地保存に努めておるところでございますが、個々の事情に応じますと、なかなか難しい場合もあるわけでございまして、保存の難しい場合は、移築保存のやむを得ない場合もあるということでございます。 私は、金沢という町は都心の軸線は開発をしたいというふうに思っております。同時に、3つの丘とそして2つの川のかいわいは環境は守りたいと、そのように基本的に思っておりまして、開発するところと環境を守るところを区分けしてまいりたいと思っておる次第でございまして、開発するところの都心軸線というものは、やはり近代化を通じまして、町に魅力と活力を付加していきたいと思う次第でございます。やはり、若者が魅力を感じ、そして女性の皆さんがショッピングを楽しめる、そういう部分も不可欠でございます。若者には、盛り場もまた必要でございまして、それが町全体の活力ということになるわけでございます。その場はどこかといえば、私は、都心の軸線と、こうお答えをしたいわけでございまして、軸線に係る再開発は進めていきたい、そう思う次第でございます。 保育所への助成についてお触れでございました。運営特別対策の延長を図るようにということでございます。昨日お答えをしたとおりでございまして、検討していきたいと思っております。補助制度そのものの拡大ということにつきましては、本年度において大幅に拡大したところでございまして、御理解いただきたいと思います。 民間施設給与等改善費の拡大の件でございますが、今、国の措置費の制度で職員の勤務年数に応じて措置費の加算制度があるわけでございますが、勤続年数が10年以上の施設にありましては、12%で頭打ちということになっております。その拡大が必要ということになっておりまして、今後とも市長会等を通じて働きかけてまいりたいと、こう思う次第でございます。 私立学校・幼稚園に対する助成につきましては、逐次改善を行ってまいりまして、今後とも私立学校教育の振興には努力していきたいと思っております。 児童クラブの充実でございますが、本年度小学校の余裕教室を利用できるように門戸を開いたことは御承知のとおりでございます。運営費につきましては、毎年見直しを行っておりまして、今後も改善に努力してまいりたいと思います。 乳幼児医療の助成を3歳児まで拡大せよということでございますが、本年度2歳未満児まで拡大したばかりでございまして、今直ちにこれ以上拡大することは考えておりません。 最後に、老人保健計画、福祉プランの中の地域ステーションのことについてお触れでありました。地域ステーションというのは、地域での福祉サービスの拠点として、身近なところで相談、手続ができ、住みなれた地域で必要なサービスを受けることができるものでございまして、今年度、デーサービスを既に実施しておる4つの善隣館をモデル地区に指定しまして、事業の進め方を研究しているところでございます。その成果を踏まえまして、今後の地域ステーションの設置については、各地域の高齢者、障害者など要援護者の状況も把握しながら整備していきたいと思っております。地域ステーションは、デーサービスを主体にした機能を有するものでございまして、触れ合える場所の併設というものは考えてございません。そのことを御了解いただきたいと思います。 以上であります。
    ○副議長(西村直則君) 岸都市建設部長。   〔都市建設部長岸博之君登壇〕 ◎都市建設部長(岸博之君) 駅前第1地区の付近住民に対する環境問題の具体的対策についてお答えいたします。 この問題につきましては、金沢市の環境基準に適合することは当然でございます。まず、バスの待機や駐車場の排気ガスにつきましては、排気口の位置について十分考慮して設置することにしております。 ビル風対策につきましては、事前に 500分の1の模型をつくりまして、風洞実験を行いまして、周辺の影響の調査を確認をしております。対応といたしましては、ビル風が少なくなるようなビルの形態や、高層でございますので、吹きおろしの逆風が吹く場合の対応といたしまして、高層棟の中間14階、15階に風穴をつくってございますし、また低層棟の位置などにつきましては、そうしたものの受けとめ方を考えた低層階を設けております。歩道には二重の植栽をしまして、風の配慮をした事業の進め方をしております。 以上でございます。  〔「議長、12番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(西村直則君) 12番升きよみ君。 ◆12番(升きよみ君) ただいまの町づくりの問題に関しまして、第1地区の市街地再開発事業における交通問題等のことで、いわゆる車渋滞の問題等、出てくる問題については、交通動線等関係等の協議を行って進めているのだということなのですが、私は、協議を行って進めていたならばああいうような事態にはならなかったのではないかというふうに思うんですが、当局の今の段階での御答弁として苦慮するのはわかりますけれども、協議を行って進めているならば、あのような入り口1カ所裏通りに集中するというような手法はとられなかったというふうに判断するのですけれども、先ほどの御答弁の中で、今後の問題としては、ハード面、ソフト面でいろいろやりたい、遺憾のないようにとかということですけれども、要するにビルができてそこに車が導入すれば、渋滞が出てくる。その後の交通対策なら市の交通対策課がやる。建つ前ならば何もできないという、この状況だったら、もうこれはどんなこと、幾つでもこういう問題が出てくることは必至なので、私は、やはり再開発ビルもしくは民間でもお願いしたいくらいなんで、ビルが建つ前に全体の交通動線、こうしたものが考えられて、そして協議になって入り口変更、こういうようなことを望んでいくという、その姿勢が大事だと思うんです。そこは一体どこが調整機能を持って進めようとされるのか、この点明らかにしていただきたいというふうに思うことが1つ。 それから、現在の第1地区の問題については、交通対策、どういうふうにやって解決をなさろうとされるのか、この点お聞かせください。 ○副議長(西村直則君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 交通問題の協議については、それぞれのセクションでもって今日まで進めてきたことは事実でございます。ただ、今の時点で住民の方々になお心に満たぬものがあるということであれば、今の時点で住民との間に十分連絡をとって、協議を進めて御相談を申し上げて、できるだけ事態の解決に資していかなければいけない、そのように思っている次第でございまして、現に都市建設部が今の時点で窓口の主体になって行っているということでございますし、これからもそうあるべきと考えております。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(西村直則君) この際、暫時休憩いたします。                      午前11時54分 休憩          ---------------------                      午後1時7分 再開 △再開 ○議長(山田初雄君) 出席議員数は、ただいまのところ41名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○議長(山田初雄君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 8番玉野道君。  〔8番玉野道君登壇〕   (拍手) ◆8番(玉野道君) 私は、社会党市議団の一員として、市政の幾つかの課題についてお尋ねいたします。 まず1点目は、地方都市間交流についてであります。本市では、加賀藩制時代に同じ藩主の前田家によって町がつくられたことを縁に、高岡市や県境に接する福光町との行政区域を越えた地方都市間交流ともいうべき広域行政交流が進められております。そうした地方都市間交流について、以下お尋ねいたします。 医王山ろく周辺地域整備計画が広域共同プロジェクトに選定されたことや、福光町が医王山の裏側にスキー場を開設したことから、福光町からの交流アプローチは一段とボルテージを高めております。このプロジェクトによる主要地方道の金沢-井波線の整備促進は、行政区域を越えた隣接町村との文化、産業、学術等の相互交流、金沢都市圏の拡大にも結びつく事業との期待感を抱いておりますが、このプロジェクトによる金沢市への波及効果の予測について、市長の所感をお尋ねいたします。 将来、東海北陸自動車道から中部縦貫道路につながる福光町が金沢市から首都圏への最短玄関口になると言われており、金沢市が整備を進めている森本産業ゾーンを初めとする各ゾーンの開発と、東部・外回り環状線との有機的な結合により、行政区域の枠を越えた交流や一体的な整備も可能と考えます。福光町とは、加賀藩制時代からの共通の食文化や、工芸・芸能文化も残されており、開発関係懇談会や文化遺産の保護だけに終わらせない交流や、医王山山ろく地域一帯における福光町との共同総合計画策定も必要と考えますが、お尋ねいたします。 来年度から始まる第11次道路整備計画は、道路を社会空間として位置づけた道路整備計画であるとされており、地方単独事業による道路事業費として、現行5カ年計画実績見通しの5割増を見込み、地方自治体が自主的に整備計画を立てられる範囲を広げることがねらいとされております。それだけに、学術都市金沢をイメージさせるような金沢大学角間新キャンパスゾーンを中心とした、金沢周辺地域の15高等教育機関を結ぶ「学術道路」や、二俣町と五箇山を結ぶ「工芸の里道路」といったシンボル的な道路整備計画があってもよいと考えます。   〔議長退席、副議長着席〕 また、広域共同プロジェクト事業は、道路整備の早期促進がすべてと言われながらも、5カ年間の短期計画であるため、主要地方道の金沢-湯涌-福光線は除かれたとされております。第11次道路整備計画が来年度から始まるだけに、国道 157号線や金沢-湯涌-福光線の整備促進、さらには各ゾーンをメーンとした道路整備計画についてあわせてお尋ねいたします。 医王山の自然は、金沢と福光町の共通の財産であります。富山県側は自然保護の規制を定めておりますが、石川県側は野放し状態と言われており、福光町のスキー場の開設による医王山の自然破壊を心配する声も上がっております。共通の財産としての自然保護が必要と考えますが、共通の保護制度の立案ができないものかお尋ねいたします。 近年、里山が持つ環境保全の役割も見直されつつあります。石川県は、さきに医王山山系や夕日寺地区一帯を県立自然公園化や里山保全対策とし、土地の一部先行取得を明らかにしております。農水省の新農業政策では、中山間地域の荒廃を防ぎ、山村での就労の機会の確保を目的とした放置山林活用の新制度を創設することを明らかにしておりますが、金沢市としての整備計画や、里山の保全対策の取り組みについてお尋ねいたします。 中山間地域の現実は、「国栄えて山河荒廃す」がごとくの状況が深まっていると言われております。新たに国有林と民有林とが一体となった森林の管理を進める「流域管理システム」も定められました。ただ、この管理システムを初めとする保全諸策の有効性は、地籍調査にかかっているとの声もありますが、地籍調査は土地の権利関係が複雑なことや、境界確認が難しいなど、調査が進んでいないのが実態であります。地籍調査のおくれが各種事業の障害となっていると言われるだけに、地籍調査の実態や推進策、森林管理システムについてお尋ねいたします。 さて、加賀文化圏としての新たな交流に向け、ことしの百万石まつりには、佐藤高岡市長を招くなど具体的に交流が進んでおります。高岡市からは、既に具体的な交流計画案が提示されたと聞きますが、この交流内容や金沢市としての交流計画の立案についてお尋ねいたします。 この種の都市間交流は、行政主導型になりがちであるため、交流内容の偏りが一般市民の参加を難しくし、認知度も低いと言われております。市民参加の交流レベルまでに高めるには、各種団体も含めた民間ベースの交流も必要と考えますが、お尋ねいたします。 また近年、私たちの生活圏は、行政区を越えてボーダーレス時代を迎えており、第4次全国総合開発計画においても、地域における交流の推進と活性化の支援策として、地域間交流推進本部が設置されております。高岡市は、金沢市との交流を機に、北陸を初めとする他都市とも交流を拡大する考えがあると聞きますが、今後ますます都市間交流の拡大が行政施策の一環として求められてくると考えるだけに、金沢市の将来的な都市間交流施策についてお尋ねいたします。 2点目は、来庁者駐車場問題であります。この問題については、これまでも議員各位が市当局の姿勢をただしておりますので、くどくどと申し述べることは避けたいと思っておりますが、先日ある会合で「違法駐車条例やパーク・アンド・ライドといった交通対策も結構だが、市役所駐車場対策はどうなっている」との市民の不満の声を耳にいたしました。車で来庁される多くの市民は、庁舎を目前にしながら渋滞のいら立ちに、3時間待ちの3分間診療に似た腹立たしさを覚え、市の緩慢な対応に憤怒の思いを募らせております。民間駐車場の借り上げ等で腐心をされていることは承知をしているのですが、用地取得を前提にした駐車場対策では、牛のよだれにも似た思いを持ち、市民からの批判の声は高まる一方であります。市長のこの来庁者駐車場問題に対する認識は、研究課題、検討課題、緊急課題のいずれの課題に属するとお考えなのでしょうか。認識も含め所感をお尋ねいたします。 多くの市民は、市の駐車場対策は市民にひたすら寛容と忍耐を強いるもの、行政はただ手をこまねいているものとの思いを抱いてはいないでしょうか。市民の目に見える形での駐車場対策を願うものでありますが、そのことを踏まえた上で、庁舎後面の公用車駐車場用地での立体駐車場建設についてお尋ねいたします。 また、市庁舎は効率的に業務の遂行が図られる環境と言えるでしょうか。よく見る光景の一つに、各課でわずかな空きスペースを利用しながら会議をしておられますが、その背後から来庁者に応対を求められ、応接の場所も少なく、市民にも不快感を与えてはいないでしょうか。聞けば、会議の開催ごとに会議室は取り合いとなり、会議の開催もままならぬ状況とか。また、職員の休憩室は皆無で、体を休める場所もないと聞くに至っては、山出市政が少数精鋭主義を旨とし、21世紀都市金沢の創造への指針策定を進めている折だけに、会議も開けない、休憩室もない、雑然とした仕事場での市民の応対や、山積みの書類の中での事務処理とOA機器の操作等では、執務機能を低下させ、職員の意欲と士気をそぐものとなっていないでしょうか。また、市民にとっても、駐車場問題も含め、不快感を与える庁舎とはなっていないでしょうか。市長に、庁舎の現状認識と分庁舎建設構想の検討についてお尋ねいたします。 3点目は、新都市計画法についてであります。町づくりの基本となる都市計画制度の都市計画法と建築基準法が、昭和43年以来24年ぶりに大幅な改正が行われ、1、都市のマスタープランの充実、2、用途地域制度の見直し、3、誘導容積制度の創設、4、地区計画制度の充実等を柱とした新都市計画制度が成立しております。この新都市計画制度は、自治体にとっては景観、環境に配慮した都市事業行政の責任範囲が広がると言われており、以下数点お尋ねいたします。 本市は、市内全域を対象に土地利用基本構想をまとめ、さらに伝統環境保存区域、近代的都市景観創出区域を定め、開発と保全の調和を基本に、金沢都市文化懇談会や都心軸の整備を考える懇談会の開催など、町づくり施策が広く検討をされております。こうした町づくり施策と新都市計画制度との整合性、新都市計画法に基づく都市計画のマスタープランの策定についてお尋ねいたします。 都市計画区域内での現行用途地域の細分化については、施行から3年以内の決定とされておりますが、金沢市においては、新法に基づく都市計画法施行は何年を目標にしておられるのかお尋ねいたします。 金沢市は非戦災都市であるだけに、新都市計画法による最低敷地制度、誘導容積率制度の導入が既存不適格建築問題の発生や、市民生活に直結した重大な問題を含んでおります。過去の伝統建造物群保存地区の選定の際の轍を思うだけに、町づくりの施策は、地域とそこに住む人々と徹底論議する姿勢と、広く市民の意見を取り入れる姿勢が必要と考えますが、都市計画事業の計画段階での市民参加のシステムづくりについてお尋ねいたします。 津幡町でも、地域住民が知らない間に用途変更されていたことが問題となっておりますが、用途地域の細分化や地区計画等については、企画段階から一般市民にわかりやすい資料の提出や情報の公開等が前提になると思いますが、お尋ねいたします。 こうした都市計画事業や条例は、時には私権の制限や経済活動の規制を強いることにもなり、結果として行政指導が闊歩し、お役所仕事と比喩され、市民に不満を残すことになってはいないでしょうか。さきの臨時行政改革推進審議会で、行政手続要綱をまとめており、行政指導については透明性、明確性の確保との視点から、地方自治体でも指針を定め公表することを規定しておりますが、行政手続要綱の策定についてお尋ねいたします。 最後に、金沢市立病院についてお尋ねいたします。病院事業を取り巻く環境は、急速な高齢化社会の到来と社会環境の変貌による疾病の変化、医療技術の高度化、専門化に伴う医療供給体制の整備など、医療サービスニーズは量的拡大から質的充実へと変化することを求められております。金沢市立病院がこうした医療環境の変化の中で、引き続き地域住民の期待にこたえ、良質で安定した医療サービスを提供していただきたいとの観点から、以下数点お尋ねいたします。 平成3年度の決算状況を見ても、石川県内自治体病院の大多数が赤字決算となっております。また、ことし4月の診療報酬の改定は、外来診療収入の依存度が高い自治体病院の経営を圧迫していると言われておりますが、ことし4月に行われた診療報酬の改定による影響についてお尋ねいたします。また、市立病院の経営の現況と今後の経営見通し、さらには固定費と変動費の変化による損益分岐点の推移についてお尋ねいたします。 病院事業の経営状況を示す指標として、自治省の公立病院比較経営診断指標や、厚生省による病院機能評価マニュアルの分析表がありますが、この指標に基づく金沢市立病院の経営評価や機能評価についての所見をお尋ねいたします。 2つの医科大学と国立病院の存在する日本でも有数の医療機関の競合地域となっている金沢、一部の声として、市立病院事業の地域医療水準の確保との役割の再考、文部省・厚生省所管の病院や県立中央病院との総合病院指向の相克からの方針転換を図らない限り、経営の好転は望めないとの意見も耳にいたします。私は、市立病院事業の改善策として、1、病院組織機構上の最高責任者である院長の議会出席、2、常勤医師の公募制の導入、3、機器、薬品、材料購入部門の監理課管轄の必要性を感じておりますが、お尋ねいたします。 第2次医療法改正に伴い、高度医療を担当する特定機能病院と、患者の生活面に配慮した療養型病床群との両制度が来年4月からスタートすることになっております。厚生省の医療供給体制構想によれば、金沢大学附属病院、金沢医科大学病院は、3次医療の特定機能病院に、病床が 500床を超える県立中央病院は2次医療の地域中核病院に位置づけられると思います。市立病院の病床 320床余りの規模からして、療養型病床群としての選択肢しか残されていないと言われておりますが、お尋ねいたします。 また、医療費が高くなる中で、地域医療機関との機能分担や提携の強化についても、大きな課題となっております。地域医療機関との連携による開放型病床システムの導入や、特定機能病院との協力関係についてお尋ねいたします。 さて、ことし10月からの老人病院制度の見直しに関連し、老人病院としての指定を避けるため、病室を追われる老人患者が急増していると言われております。この中には、社会的入院のお年寄りも多いと見られ、高齢化の進展に伴い、デーサービスやショートステーを初めとした要介護老人対策が強く求められており、改めて介護施設の整備や対策の立ちおくれが明らかになってきております。こうした状況の中で、自治体が病院を設置している場合には、要介護施設や老人保健施設を病院内に併設することが望ましいとも言われており、また今回の医療報酬の改定からも、今後の病院経営の安定化のためにも、一般病棟と老人病棟の併設が望ましいと言われておりますが、あわせてお尋ねいたします。 このような医療行政や医療環境の変化の中で、自治体病院は地域社会と密着した保健、医療、福祉の拠点として積極的な機能を果たすことが強く求められております。また、民間医療機関が果たせない政策医療の担当やリハビリテーション、訪問看護ステーション、在宅介護支援センターの中核的な位置づけ等、市立病院の果たす役割はますます重要になっております。今後とも、市立病院が金沢市民の福祉向上を責務とし、高齢化社会の到来に対し、金沢市における高齢者対策の中でみずからの果たす役割を明確にすべきだと考えますが、市長の所信をお尋ねし、私の質問を終わらせていただきます。                                   (拍手) ○副議長(西村直則君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 8番玉野議員にお答えをいたします。 まず、広域共同プロジェクトの件でございますが、この事業はどういう効果をもたらすのかというお尋ねでございました。特に、県道金沢-井波線の石川県側の道路整備が改善されると、そのように期待をいたしております。将来的には、東海北陸自動車道路が完成するということになりますと、福光町は首都圏への一つの窓口でもあるわけでございまして、広域観光、市場流通の面でも効果は期待できると、このように考えておる次第でございます。 医王山山ろく地帯一帯における福光町との共同総合計画をつくったらどうかということでございます。共同プロジェクトが緒についたばかりでございます。県と連携を図りながら、このプロジェクトの推進にまず力を入れていきたいと思っております。御指摘の共同総合計画につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。 関連道路の整備計画でございますが、いろいろ「学術道路」であるとか「工芸の里道路」といったシンボル的な道路の提言がございました。これらは、今後進める「医王山麓シンフォニーの郷プラン」というのがございますが、こういうプランなど広域プロジェクト事業の中で検討してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。同時に、国道 157号、それに共同プロジェクトの事業の外にございますけれども、金沢-湯涌-福光線の整備促進事業、これらにつきましては、プロジェクトのいかんにかかわらず、国と県に強く整備を要望してまいりたい、こう思う次第でございます。 医王山を金沢と福光の共通の財産として、共通保護制度というものをつくったらどうかという御提案でありました。私は、医王山ろくの豊かな自然というものは守りたいし、余り人工の手を加えるべきではないというふうに思っております。目下、石川県の方で県立自然公園という計画もあるやに聞いておりますので、重ねて保護制度を設けるということは難しいというふうに考えております。 そんな中で、放置山林活用の新しい制度についてお触れでございました。この制度は、国におきまして新農業政策の放置山林活用について検討されていることでございますが、具体的なものがまだ示されておりませんので、新しい制度の創設を見きわめて対応していきたいと、こういうところであります。 それから、森林管理システムについてお触れでございましたが、今度、森林法の改正に伴いまして、市町村の区域を越えた「流域」というものを単位にいたしまして、民有林と国有林を一体的に整備をしていく、そして、林業事業体の育成をしていく、加工・流通の整備を図っていくと、こういうことを目的にいたして、「流域管理システム」というものを導入しようとする考えでございます。この一環といたしまして、県におきまして本年度から流域林業活性化推進事業というものに着手して、現在金沢以南の17の市町村を区域とする協議会の設立に向けて作業が進められております。本市におきましても、この協議会の一員になりまして、積極的に参加していきたい、こう思っております。 地籍調査が大切だが、どうなっておるのかということであります。この調査は、昭和44年度から実施をされまして、平成3年度までの第1次、第2次の計画の進捗率98%--1次、2次の進捗率は98%でございまして、私は、順調に進んできたというふうに思っております。全体計画に対しては、28%の達成率ということになっております。 中山間地につきましては、平成4年度からの第3次の計画の中で地元の合意を得ながら、引き続き推進を図っていく所存でございます。 都市間交流について御指摘でありまして、まず高岡市との交流をどうするのかというお尋ねでありました。高岡市から相互交流の案として、観光、産業、文化面での交流を進めて、行政だけではございませんで、市民団体等にも拡大するよう努めるという内容の案をお持ちのようでございます。しかし、私は、余り制度化するような難しいことは実は考えておりませんで、お互いに仲よくおつき合いをしていくと。両市で開催される伝統のある祭り、あるいはイベント等、文化面での相互交流を進めていくことがいいのではなかろうかと思っていまして、これからも継続していきたいと、こう思っておる次第でございます。産業面での交流というものは、既に民間の企業間で経済活動が行われております。今後も、こうした人的、文化面での交流を進めていくことによりまして、拡大されていくことを期待しておるのでございます。もちろん、これからの都市間交流というものは、共存共栄の精神のもとに、みずからの個性を生かしながら、またその役割を分担をし合うという考え方であってほしいと思います。その場合は、業者だけでございませんで、市民初め各種団体等の協力が不可欠でございます。市民サイドの交流も必要と、そのように踏まえております。 金沢市の庁舎問題にお触れでございまして、来庁舎の駐車場対策をしっかりしろというお話でありました。私は、いろいろ御迷惑をおかけしておることも承知しております。ただ、私は、できるだけ公共交通機関の御利用をお願いをしたいと思いますし、サービスステーションにおける業務の拡大ともあわせまして、今後いろいろ機会をとらえて駐車場問題を検討していきたいという気持ちでございます。ただ、玉野議員も御存じのとおり、この周辺の用地単価は極めて高いと、このこともひとつ御承知をいただきたいと思います。なおかつ、その上で取得が可能とありますれば、近隣用地の取得は考えていきたい、こう思っております。 庁舎の建設を検討せよということでございます。今の職員数あるいはOA化等に対する面積としては、どうも手狭になってきておるのではなかろうかと、私もそういう感じもしておりますし、職場環境をよくするということも極めて大切な視点というふうに心得ます。しかし、用地の問題もあります。費用の問題もあります。時期の問題もあります。いろいろたくさんな課題があるわけでございまして、私は、大きい関心を持ってまいりますけれども、まだその時期ではないと、こう申し上げたいと思います。 都市計画法に関連をしまして、幾つかのお尋ねがありまして、都市計画のマスタープランの策定についてお触れでありました。御指摘のこのマスタープランの策定につきましては、現在建設省において策定のための基準を検討中でございます。この基準に基づきまして、本市のビジョンとの整合を図って策定していきたいと、こう思っております。 何年度を目標にして新法に基づく用途地域の細分化が行われるのかというお尋ねでございますが、平成5年度は都市計画の基礎調査を行う予定でございます。この基礎調査に基づきまして、新しい用途地域の原案というものを作成しまして、平成7年度を目標に作業を進めてまいりたい、こう思っております。 計画段階での市民参加のシステムづくりについてお触れでございました。何といいましても、都市計画事業の推進には、市民の理解と協力は不可欠でございます。したがいまして、十分な基礎調査を行いまして、早い段階から地域での説明会を開催して、地域の実情とか動向を十分に把握して、御意見等を伺いながら進めていきたい、こう思います。 行政指導手続要綱の制定をしろというお話でありました。この行政手続法要綱案、これにつきましては、臨時行政改革推進審議会の第2次答申を受けまして、国において今立法化の作業が進められている段階でございます。本市といたしましては、その推移を関心を持って見守っておるという、そういう段階でございます。 病院事業についていろいろお触れでございまして、まずは診療報酬の状況からでございます。本年4月実施の診療報酬の改定は、 7.4%の引き上げが予定をされておりました。入院では引き上げられ、逆に外来では引き下げというふうになりまして、全国的には 3.6%の引き上げの推移と、こういう推移をたどっている現況にございます。 平成4年度の市立病院の経営でございますが、人件費等の費用の増大、入院患者数の伸び悩みもございまして、前年度に比べまして経営は悪化することが予想をされております。それから、損益分岐点の点でございますが、固定費と変動費との変化による損益分岐点の推移についても、数年来高くなっておると、こう申し上げます。 そこで、経営等の改善策等でございますが、いろいろ指標、それからマニュアルを御指摘でございました。我々も承知をしておりまして、自己評価を行っておるわけでございますが、特に当面の課題として、収入面では病床の利用率を高めることによる増収、それから支出の面では薬品、材料の効率的な購入、経費の削減等を図りながら、より一層経営努力を図っていきたいと、こう思っておる次第でございます。 院長を議会に出席させるようにということでございます。病院の経営面については、事務局長が実務を担当して全体を掌握をいたしておりますので、今のところ現状のままでよろしいのではないかというふうに思っておりますが、ケースに応じてまた考えることもあり得ると、こう申し上げておきたいと思います。 常勤医師を公募制にしたらどうかということでございますが、医師要請の大学病院とのかかわりもございまして、私は公募は無理、そう申し上げたいと思います。 薬品、機器、材料購入部門を監理課に管轄を移したらどうかということでございますが、医療に係る物品の購入については、何分にも専門的な分野でございます。また、患者に対する医療の即応体制ということも他面で必要でございまして、一定額を超える医療機器を除きまして、市立病院にゆだねているところでございます。医療機器や医薬品の選定に当たりましては、院内の委員会で審査をしまして、その中でも高額の医療機器につきましては、さらに本庁の医療機器導入選定委員会に諮るということもいたして公正を期しておる次第でございまして、監理課に扱いをゆだねることは今のところ考えてございません。 医療改革に伴う療養型病床群の移行の件でございますが、私は、市立病院は今後とも2次医療を担当する一般病院として機能をしていく、その方針をとっていきたいと思っております。 開放型病床システムの導入はどうかと。これにつきましては、関係機関とも協議が必要でございまして、今後の課題にさせていただきたいと思います。 特定機能病院との協力関係でございますが、いずれ特定機能病院が認定された段階で、一般病院である市立病院は強い協力関係を結んでいきたい、こう思っております。 高齢化社会での市立病院の役割でございますが、高齢化が進展するに伴いまして、疾病構造も大きく変化をしてまいります。医療の概念も、単に治療だけでございませんで、疾病の予防へと拡大をいたしてきております。今年度、MRI--核磁気共鳴診断装置というそうでございますが、そうした機械を導入をいたしまして、これを活用して脳ドックによる疾患の早期発見など、疾病予防にも取り組んでいきたい、こう思っておる次第でございます。市立病院の経営につきましては、これから十分配慮をしていきたいと思いますし、何分にも看護婦さんが大変に親切であるというのは、伝統的な美風でもございますので、このいい点は堅持していきたい、努力したいと、こう思っておる次第でございまして、何分の御協力もお願いしたいと思う次第でございます。 ○副議長(西村直則君) 24番干田哲郎君。   〔24番干田哲郎君登壇〕   (拍手) ◆24番(干田哲郎君) 質問の機会を得ましたので、自由民主党議員会の一員として、市長並びに関係者に都市景観施策を中心にお伺いいたします。 きのうの代表質問と少し重複するところがありますが、視点が違いますので了承をお願いいたします。 現在、都市形成の議論の中で、都市の個性がますます重要になってきております。それぞれの都市がいかに個性を発揮した都市格を創造できるかが、今後の町づくりの大きな課題であると思われます。その重要なその都市の持っている資質の高い文化の維持発展が重要であり、本年2月に策定された都市景観形成基本計画では、本市の自然や風土、歴史に根差した格調高い町並みや、伝統文化など多くの景観的要素が再発見され、位置づけられ、計画されております。幸いにして、金沢は、四季の移ろいを際立たせる恵まれた自然や地形を背景に、歴史的で個性豊かな町が形づくられてきたものであり、これらは先人の努力の成果を受け継いだかけがえのない市民共有の財産であります。 このような歴史的な薫り漂う町並みも、近年の異常な開発によって変容しつつあり、この変化には、地形の特徴を破壊したり、町並みと調和しない建物が建築されるといった自然や風土、歴史に根差した個性ある都市景観を阻害する側面と、都市の活力や近代的な都市の姿を表現するといった新たな都市景観を創造する2つの側面があると思われます。しかしながら、金沢はこうした動きの中にも、まだ市民のよりどころとなる金沢らしい景観資源が数多く残されております。美しい自然と風土を保全し、伝統的、文化的な資産を継承しながら、環境に調和した新しい都市空間を創造する景観づくりを進めることが、さらに金沢らしい都市の景観形成を図るものであると考えます。 ところで、金沢市では昭和43年4月に、全国の自治体に先駆けて伝統環境保存条例を制定し、20年余にわたり、すぐれた自然景観や歴史的建造物などを初めとする伝統環境の保存に努めてきたものであり、当時の高度経済成長のもと、全国的に急激な都市化が進みつつある中で、この条例の果たしてきた役割は非常に大きく、これを高く評価するものであります。平成元年、金沢市制 100周年の年を「景観元年」と銘打って、伝統環境保存条例を継承発展した都市景観条例を制定し、金沢の個性を生かした総合的、計画的な都市景観の形成を図っていくことは、まことに時宜を得たものと存じます。 また、本年2月には、都市景観形成基本計画が策定され、さらに3月当初議会において、我が自民党が提案いたしました景観都市宣言が国内自治体に先駆けて全会一致で可決され、景観都市を内外に明らかにしたことは、極めて意義のあるものでありました。さらに、本年8月には、都市景観条例に基づき伝統環境保存区域、そして近代的都市景観創出区域の合わせて45地区、 1,700ヘクタールを区域指定し、それぞれの区域の景観形成の基準を定めたことは、景観都市を目指す金沢市にとってはまことに適切であったと考えるものであります。 そこで、公共空間などの施策について数点お尋ねいたします。 その第1点は、本市の歴史的な公共施設であり、重要な環境施設でもある市内を流れる用水の保全についてであります。私も市の職員として在職中、用水の復元方法等について微力ながら取り組んでまいりましたが、併設している道路機能の問題や隣接宅地との問題、さらには管理体制の困難性など難しい面も多々あることは重々承知しているところであります。しかし、用水の再生こそその文化構築の一つの足がかりとなるので、あえてお尋ねする次第であります。 森の都金沢と言われるのも、その緑の豊かさに加えて、この美しい緑を道行く人々に映し出す清らかな用水の流れがあったからであり、またそれが古きよき町並みを守ってきたことは、多くの市民の心の中に刻まれているものと思います。しかし、戦後、機能本位の都市化傾向の中で、これら用水の姿は大きな変貌を遂げ、今日では、居住あるいは営業を目的とした架橋、暗渠化等により流れが見えなくなり、まことに寂しい限りであります。さらに、架橋はコンクリートや鉄骨構造であり、形態、色彩なども不統一で、景観上課題を残すものが多く見受けられますが、この貴重な文化遺産である用水を再生させるために、市長の考えをお尋ねいたします。 第2に、斜面緑地の保全についてお尋ねいたします。2つの流れと3つの丘陵、台地によって特徴づけられている金沢の都市構造では、市街地の背後が丘陵斜面となっているところが多く、卯辰山、野田山の遠景の緑の空間と台地のへりのグリーンベルトは、本市の個性ある空間としてかけがえのない財産であると考えられるものであり、のり面の緑化を積極的に図る等の保全策が必要であると思いますが、市長の御所見をお尋ねします。 3点目は、特色ある道筋の整備についてであります。道路は、都市機能の重要な構成要素でありますが、交通機能の充足だけでなく、良好な公的環境への配慮に努め、潤いのある快適な公共空間にして整備していく必要があります。本市には、藩制時代からの特色ある裏通りや坂道そして広見など、市民や金沢を訪れる多くの人々に親しまれている深い歴史性をしのばせる道筋が多くあります。こうした道筋を近年、歩ける道筋整備と位置づけて、目覚ましい整備改良に努めている本市の姿勢を高く評価するものでありますが、今後さらなる整備の推進の方策と、いま一つ都心軸や東西インターチェンジから市街地に通ずる基幹道路沿線などは、特に外来者から厳しい指摘が出ているようでありますが、これらの改善策などもあわせて市長のお考えをお尋ねします。   〔副議長退席、議長着席〕 次に、市内で最も金沢らしい景観をとどめる町並みの一つである東山地区周辺の諸問題について数点お伺いいたします。 御承知のとおり、東山一帯は、卯辰山の緑と浅野川の清流に抱かれた茶屋街の町並みや寺院群を初め、数多くの歴史的な資産を持つ市民共有の財産というべき場所であります。しかし、大切な場所であるがゆえに、過去にもマンション建設問題や伝統的建造物群保存区域の指定をめぐる問題など、「景観問題の縮図」とでもいうような地区であると思われます。そして、過去や現在の諸問題を顧みるとき、将来この区域のあり方を検討するに当たって、住民みずからが誇りを持てる町づくりに参加できる施策が不可欠であると思います。過去長い間、この問題を議論しましたが、結論が出ませんでした。しかし、このままの状況が続けば、地域が埋没してしまう危機感を持ってこの問題に当たりました。 景観元年と叫ばれ、伝統環境保全の施策に政治生命をかける山出市長にすべてをお任せしよう、そして地域住民が安心してより豊かな日常生活を営めることが前提であるとの結論に達し、本年9月、住民の総会で確認をして合意に達しました。現在まで双方で合意したことを積極的に推進しようとの結論で、大筋で了解されました。既に、現在工事中のものもありますが、できるだけ早く施行されますよう来年度予算に計上していただけるよう、お願いするものであります。また、市長に対し、いろいろな面から要望事項が議論されましたので、担当課長を交えてぜひヒアリングをして検討していただきたいと思います。このような経過を経て合意に達しておりますこの事業を推し進めるに当たって、今後いろいろな問題がまだ残っておりますが、要は相互信頼の精神を持って進めていく決意でありますので、現在市当局においてローカルプランを策定中でありますが、東山地区についてはどのような方針で進められるのか、特に住民が子孫の代に至るまで誇りを持てる町並みとして住み続けるためには、現状保存だけでなく、何か将来のビジョンが必要だと考えるものですが、市長の御所見をお伺いいたします。 2点目は、卯辰山山ろく寺院群の保全についてお伺いします。当地区のいま一つ重要な景観資源に卯辰山山ろく寺院群があります。これらの寺院群には、早くから土塀や山門の補助事業が実施され、修復が進んでおりますが、しかし、一方で檀家の少ない寺院が朽ち果てていく状況です。由緒ある寺院が朽ち果てていく状況にあるのも現実です。市内の寺院の建物や境内の緑は、歴史的町並みの一部であるとともに、密集した市街地の中で貴重な空間でもあります。行政と宗教の関連では微妙な問題も存在することは承知しておりますが、寺院群の保全は全市的な都市環境の保全の問題でもあると考えるものであります。これら寺院群について補助制度を拡充するなど、屋根がわらのかわら吹きかえ等を含めて、保全の方策は何か適切な施策が考えられないかお伺いします。 次に、屋外広告物の景観上の問題について数点お伺いいたします。屋外広告物と一言で申しましても、商品の宣伝のためやそれぞれの企業がイメージアップのために掲出する企業サイン、案内を目的とした公共サインなどさまざまであります。これらは情報伝達のメディアとして私どもの日常生活に深くかかわり、現代社会において不可欠なものであることは広く周知されているところであります。しかし、周囲を見渡しますと、さまざまな色や大きさの広告物が町にはんらんし、町並み景観を乱す重大な原因となっていることは、皆様御承知のとおりであります。屋外広告物は都市の景観に大きな影響を与えるものであり、デザインや色彩、設置の仕方により、美しい町並み景観を演出している成功例も国の内外で多く見られます。この意味で、広告物も景観を構成する重要な要素の一つと考えられ、金沢全体の景観形成を考えた場合、好ましいところとそうでないところを区分し、それぞれにおいて抑制や誘導を図っていくことが必要と考えます。また、情報伝達の手段としての重要性を考えますと、いたずらに抑制するだけではなく、逆に地区の景観の修景方法として積極的に活用していく視点も重要であると考えます。 そこで、質問の第1点は、屋外広告物誘導施策についての現状であります。金沢全体の景観を守り、育てていくことを考えると、特定の場所では広告物を強く抑制することが必要です。例えば、金沢の個性ある景観をつくり出している伝統的な町並みの集積地や川沿い、台地のヘりなどでは、屋外広告物を最大限に抑制することにより、歴史的・地形的な景観の特徴を保全し、強調することが重要であると思われます。また、近代的な市街地などでは、すっきりとした格調のある景観をつくり出していく上で、広告物が持つ影響は大きく、色彩や大きさ、設置位置への配慮などが重要ではないでしょうか。 このように、金沢のよりよい景観をつくるために重要な屋外広告物の誘導について、どのような対策を講じられ、実際に指導しているのか、その現状をお伺いします。 質問の第2点は、地区イメージを演出するための広告物デザインの誘導であります。歴史的な雰囲気の町並みに設置される洗練されたデザインの広告物は、その地区の雰囲気を醸し出すために、大いに役立っている場合があります。また、繁華街などでは、地区のにぎわいをつくり出すため、欠かせない存在であります。広告物は、その地区のイメージを演出するために、重要な役割を果たしていると思います。地区の景観に悪い影響を与える広告物は改善すべきものでありますが、抑制するだけはなく、地区のイメージの演出のために、広告物をすぐれたデザインへと誘導し、積極的に活用していくことも重要であると考えます。こうした広告物のデザイン指導についてどのような施策を講じているのかお伺いします。 質問の第3点は、石川県屋外広告物条例との関連についてであります。現在、国の屋外広告物法により、広告物の設置は都道府県の許可を必要とし、広告物行政は都道府県の事務とされております。石川県では、国の標準条例に準拠して、屋外広告物条例を制定し、許可の基準等が定められており、これに基づき金沢市域では約1,000件の許可がされ、違法な広告物に対する指導も行われていると聞いております。美観風致を維持し、公衆に対する危害を防止するため、これらの広告物規制が行われているようですが、東西インターチェンジから金沢の入り口ともいうべき重要幹線道路沿道、またその他の幹線沿道を見ましても、許可基準に合致していないものも多く見受けられるように思われます。地区の急激な経済発展の結果ではないかと推測しますが、大都市と小都市、歴史のある都市と新たに発展した都市、それぞれの地域において都市景観のあり方は千差万別であります。 また、企業活動の中にも、地域の一員として果たすべき責任があり、役割があると思います。その意味で、広告物行政においても、全県下一律の許可基準から、地域に応じた基準への見直し、規制、違反の取り締まりだけではなく、積極的な誘導が必要と考えます。今後、金沢市が屋外広告物の景観上の誘導施策を展開する上で、県の広告物行政と密接な連絡を保ち、いかに有効なシステムを確立するか、また住民、企業ともどもに地区の広告物のあり方について考えることが重要と思われるが、この点について市長の考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。                                   (拍手) ○議長(山田初雄君) 山出市長。   〔市長山出保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 24番干田議員にお答えします。 まず、用水の再生の件でございますが、御指摘のとおり、金沢の用水は歴史的な遺産でございますし、また金沢の市民が物を考える、思索する、その源泉には水がある、用水がある、そう理解をいたしております。したがいまして、貴重な用水を公共空間、そのように認識をするわけでございます。既に、辰巳用水、大野庄用水で整備を進めておるところでございますが、さらに鞍月用水等でも事業化していく考えでございます。本年度、制度はつくってはみました。私有の占用橋の補助制度、こうしたものも活用をいたしまして、景観の向上を図っていきたいと、こう思っております。 斜面緑地の保全にお触れでございました。小立野、寺町、そして卯辰山、野田山、この斜面緑地というものは、本市の貴重な景観資源であり、これを守っていくことが大切と思います。しかし、ほとんどが民有地でございまして、保全施策の面で問題も多いわけでありますので、風致条例や景観条例に加えまして、さらに方策を講じながら、関係住民の御協力を得て、何としても保全、修景に努めてまいりたい、こう思っておるところであります。 特色のある道筋の整備をさらに進めよということでございます。これまでも、潤いの道づくり事業あるいは歴史の坂路修景事業と、こういうものを通じまして、快適環境づくりを基本に整備を進めてきたところでございますが、今後さらに積極的に、計画的に整備していきたいと、こう思っております。 都心軸や東西インターからの市街地に通ずる幹線道路への外来者の厳しい指摘があるけれども、改善策についての考えをということであります。御指摘のように、幹線道路沿線は、屋外広告物を中心にして、厳しい批判のあることも承知しております。こうした道路につきまして、緑化、無柱化、ストリート・ファニチャーなど道路施設の環境整備に加えまして、沿線の建物や広告物についても、地元関係者などと協議しながら、積極的に沿道の修景整備を図っていく必要があるというふうに思っております。なお、東西インターからの幹線道路につきましては、並木通りの創出を図ることはできないか、今、県と協議を進めております。 特に、ひがしの茶屋街のことについてお触れでございました。将来ビジョンも必要と考えるがどうかということでございます。この東山の地区でありますが、最初の地区計画を定めた地域でございます。都市景観に対する住民の意識も大変に高いところでもございますし、しかも寺院群や茶屋街など、重要な伝統的町並み地区でもございますので、その整備計画を積極的に進めていきたいというふうに思っております。既に、地域景観整備計画の基礎調査を終えまして、住民アンケート調査の実施を今進めているところであります。今後、この調査の結果をよく分析をしまして、計画案を作成をして、地元の皆さんと協議しながら煮詰めていきたいと、こう思っております。 卯辰山寺院群の保全についてお触れでございました。景観文脈として集積している寺院群の屋根のかわら、これは遠景、近景ともに重要な景観要素でございますし、市民共有の財産でもあるわけでございます。一方、こうした貴重な景観資源が、一部では補修の資力のないまま朽ち果てていくという状況下にもあることは御指摘のとおりであり、大変心配もしております。ただ、寺院に対する法律上の問題というのがございまして、なかなか難しい面があるわけでございます。行政としてもできる限りの保全策がないか、十分研究していきたいと、こう思っております。 屋外広告物の誘導の件でございますが、この屋外広告物は、昭和39年から県の条例に基づきまして、許可をして設置をしておるわけでございますが、その現状について批判的な御意見もあることは事実でございます。そのために、本年2月に、屋外広告物の誘導指針を本市が定めまして、全市的な誘導を図っているところでございます。これまで都市景観審議会サイン広告部会におきまして、およそ 170件の審議、指導を行いました。さらに、誘導指針を超える広告物につきましては、直接施主に出向きまして、理解を得られるように努めておるという状況でございます。 県条例と景観施策との関連についてお尋ねでありました。屋外広告物条例というのは、重ねて申し上げますが、県管理の条例でございます。県の許可事務と本市の景観誘導指針による指導が重複をしておるわけでございまして、円滑な推進を図る上で、これを一元化できないか、その方向で今後石川県と調整をしてまいりたい、このように思っております。 一方、市民意識の高揚と啓発を図ることは不可欠でございまして、例えば屋外広告景観形成モデル地区、こういうものを創設をいたしまして、地元住民、企業と一体となって取り組んで、美しい都市景観をつくっていくことに努力をしたい、こう思っておる次第でございます。私は、いずれにしても、景観形成の成否は広告物にあると、景観形成の半分は広告物にあると、こう認識をしていまして、県ともよく調整を図りながら、誘導指針の適正な運用を通じながら、美しいいい町づくりに努めたいと、こう思います。 ○議長(山田初雄君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○議長(山田初雄君) よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明11日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。                         午後2時10分 散会...