富山市議会 2024-06-03
令和6年6月定例会 (第3日目) 本文
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───◇ ◇ ◇───
開 議
午前10時 開議
◯ 議長(横野 昭君)
ただいまから、本日の会議を開きます。
議事日程は、お手元に配付のとおりであります。
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一般質問並びに議案第108号から議案第133号まで、
及び報告第10号から報告第42号まで(質疑)
2 ◯ 議長(横野 昭君)
これより、日程第1 一般質問並びに議案第108号から議案第133号まで、及び報告第10号から報告第42号までを一括議題といたします。
これより、一般質問及び議案の質疑を行います。
順次発言を許します。
30番 松井 桂将君。
〔30番 松井 桂将君 登壇〕
3 ◯ 30番(松井 桂将君)
おはようございます。
令和6年6月定例会に当たり、公明党より一般質問を行います。
初めに、少子・高齢化と人口減少の対応について伺います。
総務省が本年4月12日に発表した人口推計によると、我が国の総人口は13年連続で減少し、75歳以上の人口は初めて2,000万人を超えたと発表しました。自治体の存続をめぐっては、国立社会保障・人口問題研究所が昨年末に公表した地域別将来推計人口の中での2040年の推計人口に対する受け止めを聞いたところ、「存続がぎりぎり可能な水準」と答えた自治体が36.3%を占めております。
本市として、2040年の推計人口をどのように受け止めておられるのか市長の見解を伺います。
その中、我が公明党は、2040
ビジョン検討委員会が本年2月から3月にかけて実施した「少子高齢化、人口減少への対応に関する自治体アンケート」の結果を公表いたしました。今回の調査では、令和6年能登半島地震で被災した石川県などは対象外とし、46都道府県と全国1,304市区町村(回答率75.6%)から回答を得ました。
調査結果については、社会保障の持続可能性を高める施策については、「地域住民の健康寿命の延伸」を挙げた自治体が61%と最多でありました。外国人材については、「今後、不足する」と答えた市区町村が63.7%に上ったほか、受入れの課題については、「地域住民の理解と協力」を61.1%の自治体が挙げました。少子化対策については、「若者の働き方や雇用環境の改善」を求める回答が60%超えで最多でした。独り暮らしの高齢者への支援策では、「日常の見守り・安否確認」との回答が市区町村では73.3%と最も多く、「「通いの場」や「交流の場」づくり」「移動手段の確保」を挙げています。
急速な少子・高齢化、人口減少によって自治体の存続や
社会保障サービスの持続可能性に強い懸念を示す結果となりました。
医療、介護では、市区町村の5割超が高齢者人口増加によって医療、介護の両面で施設、人材が不足すると見込んでおり、3割超は高齢者人口がピークを過ぎても不足が続くと回答しています。
高齢者人口増加による介護施設の不足の影響について本市の考えを伺います。
さらに、福祉の人材不足について、その対応について本市の見解をお聞かせください。
今後、介護従事者の確保は一層重要度を増し、処遇改善や人件費の上昇は続くと見られ、保険料を抑制する上でサービスの効率化は避けて通れない。サービスを提供する施設側もケアやリハビリにおいて利用者の重度化を抑える工夫がさらに求められます。
介護や疾病予防の成果に応じた報酬を民間事業者へ支払う方式を導入している自治体もあると聞きますが、本市の考えを伺います。
外国人材については「今後、不足する」と答えた市区町村が6割に上り、受入れの課題としては「地域住民の理解と協力」と自治体が挙げています。
本市においても、現場を歩くと、様々な業種、業界から著しい人材不足に悩む声をいただいており、今後の外国人材の受入れ拡大は喫緊の課題です。
特に新制度では、要件はあるものの、1年以上の就労実績があれば他の企業等に転籍することを認める仕組みとなっており、仮に本市の企業等が外国人材を受け入れたとしても、賃金等の条件のよい大都市圏へ流出することも懸念されます。本市においても、外国人材が地域における新たな担い手として定着できるよう、外国人材に対する積極的な受入れ支援や暮らしやすい多文化共生支援を行うことが重要となります。
まず、本市の外国人材の現状と今後についてお聞かせください。
外国人材に選ばれる共生社会の構築に向け、多くの自治体が日本語教育の充実など課題を抱えているとしていますが、本市の現状と取組を伺います。
外国人材の多文化共生社会の実現に向けた本市の取組、今後の方向性について見解をお聞かせください。
人材不足に悩み、外国人材をこれから受け入れたい、増やしたいという中小企業も増加するのではないかと考えますが、受入れのためのノウハウや体制が行き届かない中小企業もあると思います。
市としてこのような企業に対して様々な支援をしていく必要があると考えますが、見解を伺います。
今後、外国人材の居住の確保についても対応が必要となります。当然、受入れ当初の段階では企業側もしくは監理団体側が宿舎等を準備するものと思いますが、家族が来日した際や永住する場合は単身向けの宿舎では対応できません。
また、新たに受入れを考えている企業では宿舎について行政の支援が必要な場合も考えられます。
このようなことを想定し、今後、外国人材への支援のため、企業の宿舎として市営住宅を活用できないか見解をお聞かせください。
さらに、空き家の活用についても検討していくべきと考えますが、見解をお聞かせください。
子育て・教育、少子化対策では、1、「若者の働き方や雇用環境の改善」を求める回答が60%超えで最多でした。2、「小中学校の給食費を全国で無償化」するや、3、「子ども医療費助成を18歳まで拡大」するなども多く、子育てに係る経済面での助成が重要だという結果を得ました。
多くの回答があったこれら3つの事柄について、富山市の今後の取組をお聞かせください。
次に、震災復旧・復興支援について伺います。
震災復旧について、先日、富山市復旧・復興ロードマップが発表されましたが、今後の取組の進捗や市民・地域ニーズに合わせ、柔軟に見直すとしています。
現在、被災された方々が将来どうするのかを検討されている方もおられます。
まず、こうした方が相談できる体制についてお聞かせください。
復興支援について、北陸新幹線の金沢・敦賀間、約125キロメートルが本年3月16日、延伸開業いたしました。令和6年能登半島地震の被災地を支援する北陸応援割も開始され、対象となる4県の復興を観光面から後押ししています。
北陸応援割による本市の成果と、今後さらなる後押しが必要と考えますが、見解を伺います。
今後は、地方が連携して広域的な観光ゾーンをつくることや特産品をベースにした食の提供、体験型観光の拡充も求められます。
今回の延伸開業で北陸地域内外での交流がより一層活性化するとともに、能登半島地震からの復旧・復興の大きな原動力となると考えますが、本市の取組をお聞かせください。
昨年のインバウンド数はコロナ禍前の2019年の8割程度まで回復。消費額は円安効果もあって過去最高を記録しました。今年は一層の拡大が見込まれます。ただ、訪日外国人客の7割は東京、大阪、名古屋の3大都市圏に集中。オーバーツーリズム(観光公害)も顕在化しており、政府は、訪日外国人の旅先を分散化させ、地方に誘客し、地域経済の活性化につなげようとしています。
訪日外国人客の誘致に力を入れるべきと考えますが、本市の取組を伺います。
次に、水のレジリエンス力について伺います。
本年3月議会の公明党会派からの議会一般質問の中で私から、防災対策としての被災地における災害時の長期断水対策のため、防災用や災害応急用など災害時協力井戸として井戸水を有効活用すべきと述べさせていただきました。本市におけるそれらの井戸の配置や供給できる水の量、点検等の状況に関して防災危機管理部より御答弁をいただきました。
今回は、災害における命と暮らしを守るための水の確保と併せ、本市における水道事業の持続的・安定的な事業運営に向けて富山市における水のレジリエンス力の強靱化について質問をいたします。
今年1月に発生した能登半島地震では、東日本大震災や熊本地震での被災地支援の経験を踏まえてプッシュ型の支援が機能して、比較的早い段階から
ペットボトル入り飲料水の供給がスピーディーに行われました。
そうした一方、手術や人工透析など命を守る病院機能や医療を支えるための医療用の水の確保や、被害が広範囲に及び復旧作業が追いつかない等の理由から避難生活に不可欠なトイレや洗濯、お風呂といった生活用水の確保がいまだ十分でないといった課題もクローズアップされています。
また、高度経済成長から半世紀が経過する中で、急速な水道インフラの老朽化による維持管理コストの上昇や専門的知識を有する水道技術職員の確保、人口減少に伴う水道使用量の減少による水道事業の圧迫などにも緊張感とスピード感を持って対応していく必要があります。
こうした水のレジリエンス力の強靱化に関するテーマは、富山市だけではなく、国土強靱化を推進する政府でも重要視されており、令和6年4月2日に首相官邸より発信された
水循環政策本部会合では次のような方針が示されています。1、水インフラの耐震化と災害時の代替性・多重性確保に向けて取り組んでいくこと、2、災害時の水インフラの早期復旧を実現するための早期復旧手法の構築に取り組むこと、3、地下水の代替水源の有効活用の推進、4、維持管理の効率化と耐災害性強化を実現するために持続可能で災害に強いインフラ整備を進めていくこと、5、人口減少社会に即した水道インフラの再構築に向け、水道インフラのダウンサイジングに取り組んでいくことなどの方針が示されました。
水道インフラのダウンサイズ化について伺います。
本年3月の一般質問の中で、郊外の農村地域や中山間地域では数多くの農家さんが井戸水を日常生活などで利用しているとお話をいたしました。
しかし、先日、
地下水膜ろ過システムを災害拠点病院や全国の自治体に導入、設置している事業者と話した際に、熊本地震ではふだん当たり前に使えていた井戸水が濁ってしまい飲み水として使えなくなった話や、災害拠点病院において耐震性貯水槽で3日程度使用する水をためていたが、4日目以降は水がなくなり、病院機能を制限せざるを得なくなった話、井戸水を広域に配水していたが、配水管が破損して水の供給が滞ってしまった話などを聞かせていただきました。そのため、既存の井戸水に簡易な膜ろ過システムを設置することで災害時も水の濁りを除去して引き続き利用することができ、その井戸を将来的な
分散型水道システムの導入時にも活用できれば、人口減少社会に即した水道インフラのダウンサイズ化につなげられるのではないかと考えます。
中山間地域などで地区や集落単位として水道インフラのダウンサイズ化に取り組むことについて見解をお聞かせください。
また一方、富山市民病院や市役所、広域の避難場所に
地下水膜ろ過システムを導入しておけば、平時は水道水と地下水の膜ろ過を併用することで水道料金が節減でき、さらに、災害時に、万が一、水道が断水した際でも医療用の水や飲み水、生活用水として水の供給が途絶しないのではないかと考えます。
地下水を活用した膜ろ過システムを試行的に導入して、その効果や課題の検証を行い、今後の展開に向けた知見とするなど、さらには、災害時に水道が断水した場合であっても水の安定確保が図れるようにすべきと考えます。
災害時の水の確保や地下水を活用した膜ろ過システムの試験的導入(モデル事業の実施)について見解をお聞かせください。
次に、モデル事業について伺います。
水道事業の持続的、安定的な運営に当たっては、先進的な技術やDXの積極的な活用による維持管理コストの縮減や省力化・省人化が必要であると考えますが、現状と今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。
また、災害時の浄水場をはじめ、水インフラの早期復旧や耐災害性強化には
地中可視化技術等による地中埋設物の正確な位置情報の把握や管理データのデジタル化、当該データの利活用が有効であり、既に一部の水道事業者ではこうした技術や取組の活用が始まっていると仄聞しております。
本市においても、維持管理の効率化や省力化・省人化による水道事業の持続性担保と安定運営の確保、さらには災害時の水インフラの早期復旧の実現など、耐災害性強化に向けて先進の地中可視化技術やDXの試験的導入(モデル事業の実施)や活用が必要であると思いますが、見解をお聞かせください。
富山市においては、平成29年に富山市レジリエンス戦略を策定して取組を推進していることから、水のレジリエンス力の強靱化についてもほかの自治体に先駆けて取り組むべきと考えます。
日頃、立山の豊かな水の恩恵に守り支えられた富山市だからこそ、水のレジリエンス力の強靱化に向け積極的な取組を期待し、質問を終わります。
4 ◯ 議長(横野 昭君)
藤井市長の答弁を求めます。
〔市長 藤井 裕久君 登壇〕
5 ◯ 市長(藤井 裕久君)
おはようございます。
松井 桂将議員の御質問にお答えいたします。
私からは、少子・高齢化と人口減少の対応についてのうち1点にお答えし、その他の事項につきましては担当部局長から答弁申し上げます。
まず、国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口における本市の2040年の推計人口をどのように受け止めているのかへの見解でございますが、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に発表した日本の地域別将来推計人口では、本市の人口は令和2年(2020年)の国勢調査時の41万3,938人から令和22年(2040年)には36万3,524人となり、20年間で約5万人減少すると推計されております。
2040年の推計人口を平成30年3月に発表された前回の将来推計と比較をいたしますと、前回の2040年の推計人口は37万39人とされておりましたことから、今回の推計では、本市の2040年の人口は前回のものと比べてもさらに約6,500人減少するとされております。
市長という立場にある私といたしましては、かねてより本市の将来人口が大きく減少することを想定しているとはいえ、人口減少のスピードがさらに加速するというこうした発表を受け、将来に向けての危機感がますます大きくなっているところでございます。
しかしながら本市では、人口減少が今日のように大きな課題となる以前から強い危機感を抱き、将来世代に責任が持てる持続可能な都市経営の構築を目指してきております。このため、今回の推計結果に一喜一憂することなく、改めて人口減少は避けて通ることができない喫緊の課題であるというふうに捉え、人口減少をマイルドにしていくため、引き続き教育、子育て、福祉、雇用、文化など包括的な取組により都市の総合力を高め、市内外の誰からも選ばれるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
また、これまで取り組んでまいりました、いわゆる
コンパクトシティ政策と
スマートシティ政策を融合させることで、市域のどこに住んでいても不便さを感じることなく、人口減少社会にあっても、安全・安心で、誰もが豊かさ、あるいは暮らしやすさを感じながら、それを実感できる「幸せ日本一とやま」の実現を目指してまいりたいと考えてございます。
6 ◯ 議長(横野 昭君)
古西福祉保健部長。
〔福祉保健部長 古西 達也君 登壇〕
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◯ 福祉保健部長(古西 達也君)
私からは、少子・高齢化と人口減少の対応についてのうち、医療、介護についてお尋ねの3点についてお答えいたします。
まず、高齢者人口増加による介護施設の不足の影響について本市の考えを問うについてお答えいたします。
本市では、高齢者人口が徐々に増加し、2040年にピークを迎えると推計しており、それに比例して介護のニーズを有する高齢者や認知症高齢者なども増加することで介護サービスの需要が一層高まるものと想定しております。
したがいまして、現状の介護サービスの供給では将来不足が生ずるおそれがありますが、
介護保険事業計画では、3年ごとに
サービス利用量等の予測を立て、事業計画を見直すことにより介護サービスを適切に供給できるよう努めているところであります。
本市といたしましては、今後も高まる介護サービスの需要をしっかりと見極めながら事業計画を策定し、将来介護施設の不足を招かないように基盤整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、福祉の人材不足への対応について本市の見解を問うについてお答えいたします。
団塊の世代が後期高齢者となり、要介護・要支援認定者の増加に伴い、介護の現場で人材不足が深刻となる、いわゆる2025年問題が目前に迫る中、本市におきましては、これまでも福祉人材を確保するため介護職場の就職説明会や
介護福祉士実務者研修受講費用補助事業などに取り組んでまいりました。
また、令和5年度に福祉保健部内に
プロジェクトチームを設け、福祉人材確保に関する施策の検討を進めているほか、令和6年度においては、この
プロジェクトチームの活動を一層推進するとともに、効果的な施策を企画立案するため福祉人材確保を担当する次長級の職員を配置いたしました。
さらに、将来福祉職を選択する若者を増やすため、中学生を対象に
介護サービス事業所や
障害福祉サービス事業所において職場体験や利用者と交流する介護の魅力PR事業を実施することとしております。
加えて、県が設置した県内全ての市町村やハローワークなどの関係団体で構成し、福祉人材の確保に関する対策の検討や評価、検証などを行う富山県
福祉人材確保対策会議での協議内容を参考にしながら、多様な人材が福祉の場での就業につながる施策について引き続き検討してまいりたいと考えております。
最後に、介護や疾病予防の成果に応じた報酬を民間事業者へ支払う方式を導入している自治体もあると聞くが、本市の考えを問うについてお答えいたします。
成果に応じた報酬を民間事業者へ支払う方法は
成果連動型民間委託契約方式(PFS)という手法であり、本市では、令和5年度から疾病予防の分野で特定健診の受診率向上のため国民健康保険の受診勧奨事業においてこの手法を用いております。
令和5年度の事業内容といたしましては、過去の健診受診状況やレセプトデータから未受診者の特性を分析し、効果的な勧奨となるよう適した内容の勧奨通知を8種類作成し、送付しております。
本市といたしましては、今後、受診勧奨事業の効果を分析するとともに、他都市の事例を参考に介護分野への導入の可能性について調査・研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
8 ◯ 議長(横野 昭君)
山本商工労働部長。
〔商工労働部長 山本 貴俊君 登壇〕
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◯ 商工労働部長(山本 貴俊君)
私のほうからは、少子・高齢化と人口減少の対応についてのお尋ねのうち、まず、外国人材についての2点にお答えいたします。
初めに、本市の外国人材の現状と今後について問うにお答えします。
県が発表しております令和2年国勢調査結果の概要によりますと、県内に在住する外国人就業者数は1万1,198人となっており、そのうち製造業が6,240人(55.7%)でございます。卸売・小売業が988人(8.8%)、建設業が851人(7.6%)などとなっております。
また、本市の
外国人住民登録者数は本年5月末現在で8,829人となっており、そのうち永住者は2,417人(27.4%)となります。技能実習は2,152人(24.4%)、特定技能は808人(9.2%)、高度専門職は33人(0.4%)などとなっております。
今後の外国人材の受入れにつきましては、現在、国会において人材確保と人材育成を目的とした技能実習制度に代わる育成就労制度の創設が審議されており、この制度が創設された場合には育成就労や特定技能などの外国人材が今後、我が国産業の重要な担い手となることが想定されますことから、本市においても外国人材の受入れが進んでいくのではないかと考えております。
次に、受入れのためのノウハウや体制が行き届かない中小企業に対して支援をしていく必要があると思うが、見解を問うにお答えします。
本市では、企業訪問などの機会を捉えて、外国人材を受け入れている企業にヒアリングを実施しており、企業からは、外国人材の受入れに当たっては言語の違いによる意思疎通の難しさや、文化や風習の違い、雇用の手続の煩雑さなど、様々な課題があると伺っております。
また、生活習慣の違いなどから近隣住民とトラブルになることもあり、雇用主である企業がその解決や対応を求められるなど、自社で雇用する外国人材の管理に苦慮しているとの声もお聞きしているところです。
労働力不足が深刻化する中、今後、外国人材を受け入れたい企業は増加することが見込まれております。
このことから、本市においても、企業が円滑に人材を雇用できるよう、必要となる支援について国や県の動向も注視しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、少子化対策についてのお尋ねのうち、「若者の働き方や雇用環境の改善」について今後の取組を問うにお答えします。
本市では、若者の働き方や雇用環境の改善に向け、これまでも企業訪問などの様々な機会を捉え、事業主に対し、若年者の職場定着に向けた長時間労働の是正や休みやすい環境づくり、育児と仕事の両立支援などに取り組んでいただくことを要請しているところであります。
また、従業員が働きやすい環境づくりを推進するため、休憩室やシャワー室などの整備への支援や、アシストスーツやファン付き作業着の導入など、従業員の作業負担を軽減する取組に対しても支援を行っております。
加えて、女性が活躍できる環境づくりといたしまして、女性専用のトイレや更衣室の設置等に係る助成制度を設けているほか、女性の活躍推進に積極的に取り組む企業を認定する制度についても周知・啓発に努めているところであります。
こうした取組により若者の働き方や雇用環境が改善されることは、働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択でき、少子化対策にもつながるものと考えており、引き続き事業主に対し、働き方、雇用環境の改善について周知・啓発に努めるとともに、国や県、関係団体と連携を図りながら様々な支援施策を実施してまいりたいと考えております。
次に、震災復旧・復興支援についてのお尋ねのうち、復興支援についての3点にお答えいたします。
まず、北陸応援割による本市の成果と今後さらなる後押しが必要と考えるが、見解を問うにお答えします。
国の北陸応援割は、令和6年能登半島地震により観光需要の落ち込みが見られる北陸地域4県において旅行商品や宿泊料金を最大半額まで補助する事業であり、令和6年3月16日から4月26日までの間実施されましたところ、旅行会社や宿泊施設においては早期に予約枠が埋まるなど、大変好評であったと伺っております。
ちなみに、富山県によりますと、速報値ではありますが、利用人数は10万1,806人で、利用金額は約8億8,335万円であったと伺っているところであります。
北陸応援割期間中の本市での宿泊の状況につきまして富山市ホテル旅館事業協同組合に伺いましたところ、本年4月の客室稼働率は84.4%で、前年同時期の73.1%から11.3ポイント増加しております。
その要因といたしましては、北陸新幹線の敦賀延伸による効果に加え、この北陸応援割が能登半島地震からの復興を願う方々の後押しとなったことによるものと推測しており、本市経済の活性化にも大きく寄与したものと考えております。
また、本市といたしましても、北陸応援割の利用を呼びかけるため富山市公式ウェブサイトに問合せページを掲載したほか、すしのまちとやまのXにおいても利用を周知する投稿を行っており、その反響からも、本市の呼びかけに応じ、より多くの方々が北陸応援割を御利用いただいたのではないかと考えております。
今後につきましては、おわら風の盆や北陸デスティネーションキャンペーンなど、全国から注目される大規模なイベントが予定されておりますことから、関係団体とも協力しながら、本市のみならず、北陸全体が一丸となってPRしていくことで観光需要のさらなる後押しとなるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、今回の延伸開業で北陸地域内外での交流がより一層活性化するとともに、令和6年能登半島地震からの復旧・復興の大きな原動力となると考えるが、本市の取組を問うにお答えします。
本市では、北陸新幹線の敦賀延伸が北陸全体で観光客誘致に取り組む契機と捉え、これまでも県や県内自治体、関係団体などと連携し、大都市圏における広域的な観光プロモーションに取り組んできたところであります。
さらに、本年10月からはJR6社と北陸3県等による日本最大規模の観光キャンペーンである北陸デスティネーションキャンペーンの開催が予定されており、今後様々なメディアを通じて北陸が取り上げられる場面が増えてくるものと期待しております。
このキャンペーンでは、北陸3県の主催によりオープニングや食をテーマとしたイベントの開催が予定されており、能登半島地震からの復興は欠かせないテーマでありますことから、今後イベント内での催しが発表された際には本市も他の自治体と共に参加協力し、北陸が一丸となってPRを行ってまいりたいと考えております。
また、北陸に注目が集まるこの機を捉え、本市の魅力を全国に向けてPRすることはもとより、敦賀延伸によりアクセスが向上する関西圏からの誘客を図ることが重要であると考えております。
このことから、本年7月には大阪駅において本市、金沢市、福井市の3市合同でのPRイベントを行うとともに、本年11月には富山広域連携中枢都市圏の5市町村による共同PRを大阪市の天神橋筋商店街で実施する予定としております。
本市といたしましては、こうしたキャンペーンによる盛り上がりを一時的なものとしないよう、県や周辺都市、関係団体等と連携しながら、引き続き本市並びに北陸への観光客の誘致拡大に努めてまいりたいと考えております。
最後に、訪日外国人客の誘致に力を入れるべきと考えるが、本市の取組を問うにお答えいたします。
インバウンドの誘致は、雇用や消費、交流人口の拡大など、本市経済に大きな波及効果をもたらすものであり、重要な取組であると考えております。
国土交通省の発表によりますと、訪日外国人旅行者数は、本年1月から3月までの累計で856万人、消費額も1.8兆円と四半期として過去最高を更新したほか、令和5年の外国人延べ宿泊者数は1億1,400万人で、令和元年の1億1,600万人と比較して約99%まで回復しております。
お尋ねの訪日外国人客の誘致につきまして、本市では令和2年度から金沢市と連携して超富裕層向けの高付加価値な旅行商品の造成に取り組んでいるところであり、富山、金沢両市の食や伝統工芸にちなんだモデルプランの造成やファムツアーの実施、両市を周遊するガイドの育成研修などを行ってきたところであります。
こうした中、昨今の円安等の経済情勢や来年度開催される大阪・関西万博などにより日本を訪れる外国人は今後ますます増加するものと予想されます。
本市といたしましては、一層増加が見込まれるインバウンド需要に対し、先進事例も参考にしながら受入れ環境の整備に努めるとともに、本市ならではの高付加価値な旅行商品の造成や外国人にも人気のすしに関連したプロモーション動画の制作などを行うことで、国内外の方々から目的地の1つとして本市及び北陸が選ばれるよう観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
10 ◯ 議長(横野 昭君)
清水企画管理部長。
〔企画管理部長 清水 裕樹君 登壇〕
11 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
少子・高齢化と人口減少の対応についてお尋ねのうち、外国人材に選ばれる共生社会の構築に向け、多くの自治体が日本語教育の充実など課題を抱えているとしているが、本市の現状と取組を問う、並びに外国人材の多文化共生社会の実現に向けた本市の取組と今後の方向性について問うの2問に併せてお答えいたします。
外国人の方が安心して生活することができ、外国人の方にも選ばれる多文化共生社会の実現に向けては、地域や職場で外国人の方を支援する人材の確保や、多言語による行政情報や生活情報の提供などの様々な課題があるものと考えております。
本市が設置している富山市外国人ワンストップ相談窓口に寄せられている相談においては、最も多い約3割が日本語学習や教育に関するものであり、本市においても日本語教育の充実は大きな課題の1つであることを認識しております。
こうしたことから本市では、富山市民国際交流協会を通じて、ボランティアによる日本語学習レッスンや外国籍児童・生徒への日本語学習を支援する勉強お助け隊などの事業を実施しております。
また、市教育委員会においては、外国人の児童・生徒や海外から帰国した児童・生徒が学校生活に適応できるよう、市内の小・中学校に日本語や日本の生活習慣を指導する日本語指導教室の講師や県費負担の日本語指導教員を配置しております。
このほかにも、外国人の方へ行政情報や生活情報を提供するための日常生活に関わりの深い情報を掲載した外国語版の生活情報ガイドブックの配布や、市民レベルでの国際交流や国際協力活動を行う富山市民国際交流協会の活動への支援などを行っております。
今後とも、国や県などの関係機関や企業、団体、市民との連携・協力を図りながら、国籍や文化、生活習慣の違いなどに関係なく、互いを認め、尊重し、助け合いながら共に暮らしていける多文化共生社会の実現に一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯ 議長(横野 昭君)
狩野建設部長。
〔建設部長 狩野 雅人君 登壇〕
13 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)
私からは、少子・高齢化と人口減少の対応についてお尋ねのうち、外国人材への支援のための企業の宿舎として市営住宅を活用できないかにお答えいたします。
市営住宅につきましては、公営住宅法に基づき、低額所得者世帯、高齢者世帯、障害者世帯や子育て世帯などを対象にセーフティーネットの役割として住宅を提供し、管理運営しているところであります。
入居要件といたしましては、世帯の所得が基準を満たしていることに加え、住宅に困窮している状況であることとしております。家族が増えることにより狭小過密となる世帯や困窮する事情があると認められる場合は入居の対象となります。
本市におきましては、こうした入居要件を満たす場合は外国人の入居を個別に受け付けており、本年6月1日現在、39世帯が入居されております。
しかしながら、外国人材への支援のために企業の宿舎として市営住宅を活用することにつきましては市営住宅の本来の目的であるセーフティーネットの役割に沿うものではないことから現状では困難ではありますが、今後とも引き続き、外国人からの入居相談については丁寧な対応を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
14 ◯ 議長(横野 昭君)
深山活力都市創造部長。
〔活力都市創造部長 深山 隆君 登壇〕
15 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
私からは、少子・高齢化と人口減少の対応について、外国人材についてお尋ねのうち、空き家の活用についても検討していくべきと考えるが、見解を問うにお答えをいたします。
外国人材の住居につきましては、市営住宅や県営住宅のほか、国において外国人などの住宅確保要配慮者を積極的に受け入れるセーフティネット住宅の登録制度が実施され、本市においても外国人を入居対象者とした民間の賃貸住宅が本年6月1日現在で4,877戸(空室は176戸)登録されており、十分に確保されているものと考えております。
また、空き家については個人の財産であることから、外国人材の宿舎等として活用する場合にはその雇用主と空き家の所有者等との間で売買や賃貸が行われるものであり、市が主体となって、外国人材に特化し、空き家を活用することは考えてはおりません。
しかしながら、本市ではこれまでも不動産関係団体の協力を得ながら空き家対策等の事業を推進していることから、外国人材の住宅確保に関しては、有益な情報発信が行われるよう関係団体に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
16 ◯ 議長(横野 昭君)
関谷教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 関谷 雄一君 登壇〕
17 ◯ 教育委員会事務局長(関谷 雄一君)
私からは、少子・高齢化と人口減少の対応について、少子化対策についてお尋ねのうち、「小中学校の給食費を全国で無償化」するについて今後の取組を問うにお答えをいたします。
これまでの議会でも答弁してまいりましたとおり、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費、修繕費、人件費、調理場の光熱水費、給食センターから各学校への配送費等、多額の経費を市が負担している中、食材料費分のみを学校給食費として保護者に御負担をいただいているところであります。
こうしたことから、市独自での補助による学校給食費の無償化については考えていないところであります。
なお、国において学校給食費の無償化の実現に向けた具体的方策の検討を行うとされていることから、引き続きその動向を注視してまいりたいと考えております。
以上であります。
18 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
〔こども家庭部長 古川 安代君 登壇〕
19 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
少子・高齢化と人口減少の対応についてのお尋ねのうち、少子化対策について、「子ども医療費助成を18歳まで拡大」するという回答について今後の取組を問うにお答えいたします。
本市におけるこども医療費助成制度につきましては、都市の総合力を高め、選ばれる都市となるための施策の1つとして拡充してきた経緯があり、現在は入院、通院とも中学校3年生までを助成の対象としております。
こうした助成制度の拡大は、保護者の経済的負担の軽減などに寄与する一方、医療費増大の一因になっているとも指摘されており、それぞれの自治体が制度の妥当性や将来にわたる財政的な負担などを独自に判断して実施されております。
本市といたしましては、義務教育期間である中学校3年生までを対象とした現行の制度をしっかりと維持していくことが妥当であると考えております。
ただし、県において令和6年1月18日に開かれた「ワンチームとやま」連携推進本部会議で県のこども医療費助成について令和7年度に向けて見直し、拡充を検討する考えを示されたことから、他の中核市の動向も含めて、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
20 ◯ 議長(横野 昭君)
鎌田防災危機管理部長。
〔防災危機管理部長 鎌田 泰史君 登壇〕
21 ◯ 防災危機管理部長(鎌田 泰史君)
震災復旧・復興支援についてお尋ねのうち、震災復旧について、被災した方が相談できる体制についてお答えいたします。
本市では、能登半島地震における甚大な被害の早期復旧・復興を進めるため、全体像を見える化し、市民や市内企業、団体等と共有することにより安心感を持っていただけるよう、富山市復旧・復興ロードマップを策定したところであります。
本市といたしましては、このロードマップに掲げた各事業等の着実な推進はもとより、被災された方々からの相談対応につきましても、地震発生直後から窓口での相談体制を一元的に対応する市民相談センターを本庁舎1階に設置し、来庁された被災者に各種支援制度や担当窓口の案内を行っているところであります。
また、法律的な相談の対応として本市と協定を締結している富山県弁護士会による特別法律相談会を現在も継続しており、これまで10回開催したところでございます。
地震発生から5か月が経過いたしましたが、住宅被害などで今後の生活に不安を感じている方々からの相談に対しましては、適切に支援担当窓口を案内するなど、寄り添う姿勢を大切にしながら相談対応に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
22 ◯ 議長(横野 昭君)
酒井上下水道局長。
〔上下水道局長 酒井 正道君 登壇〕
23 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
私からは、水のレジリエンス力についてのお尋ねにつきましてお答えいたします。
まず初めに、水道インフラのダウンサイズ化についてのうち、中山間地域などで地区や集落単位として水道インフラのダウンサイズ化に取り組むことについて見解を問うにつきましては、本市における配水管や配水池などの水道施設は高度経済成長期における生活様式の変化や人口増加などにより水需要が増加傾向にあった昭和30年代から昭和50年代にかけて急激に整備が進められてきたことから、近年はこれら水道施設の経年による老朽化の進行に伴う大規模な施設更新時期を迎えております。
施設の更新に関して、水道法では給水区域における水需要を長期的な観点から鑑みた計画的な更新に努めることが定められており、本市においては近年、人口減少に伴い水需要が減少傾向にあることから、ダウンサイジングなどによる適切な施設規模で水道施設の更新と併せた耐震化を進めているところであります。
このうち中山間地域につきましては、市町村合併以前に簡易水道事業などにより集落規模単位で整備された水道施設のうち、水源としている湧水などの水量や水質に不安がある地区について、市町村合併以降において隣接する地区との水道施設の統合を耐震化と併せて実施しており、これまでに婦中地域の音川地区と山田地域の中村地区などにおいて水源及び浄水施設の統合を実施し、現在、八尾地域の布谷地区と三ツ松地区、並びに大沢野地域の大野地区と細入地域の西笹津地区及び楡原地区においても水源や浄水施設の統合を進めているところであります。中山間地域の水道事業における合併効果として安全で安心な水道水の供給確保に努めているところであります。
今後も引き続き中山間地域における安全で安定した水量、水質、水圧の確保に向け、耐震化と併せ、水道施設の統合などによる効率的かつ持続的な施設整備を進め、災害に強く、強靱で信頼性の高い配水システムの構築に努めてまいりたいと考えております。
次に、災害時の水の確保や地下水を活用した膜ろ過システムの試験的導入(モデル事業の実施)について見解を問うにつきましては、現行の水道法では、水道事業者は、災害、その他正当な理由があってやむを得ない場合を除き、常時水道水を供給しなければならないとされておりますが、災害発生時においても断水することなく、供給の維持を目指すことは水道事業者の責務であり、お客様である市民の皆様の期待でもあると考えております。
このことから、令和8年度末までを計画期間とする第2次富山市上下水道事業中長期ビジョンにおいて、1つに、最重要基幹管路である口径350ミリメートル以上の配水幹線102.3キロメートルの耐震化率を92%台に引き上げること、2つに、富山市地域防災計画に位置づけられている救急告示医療機関(14施設)及び避難所など(163施設)の重要給水施設、計177か所に接続する水道管路のうち98か所の耐震化を図ること、3つに、流杉浄水場をはじめ、各地域において災害発生時の給水拠点となる基幹浄水場の耐震化及び耐水化を図ることなどを具体的施策に掲げ、強靱で信頼性の高い配水システムの構築に努めているところであります。
水道事業者が果たすべき役割としましては、まずこれらの取組を着実に進めることであると認識しており、御提案の地下水を活用した膜ろ過システムの試験的導入につきましては、各事業所などが水道以外の水源を自ら確保し活用する自助の取組として検討さされる分野であることから、水道事業者として実施することは考えておりません。
次に、モデル事業についてのうち、先進的な技術やDXの積極的な活用による維持管理コストの縮減や省力化・省人化が必要であると考えるが現状と今後の取組について問うにつきましては、上下水道局といたしましては、経営の健全化を図るために維持管理コストの縮減や省力化等が重要であると考えており、これまで、1つに、流杉浄水場における運転管理、保守点検業務などの民間委託、2つに、インターネットや富山市公式LINEによる給水の開始や中止の手続、3つに、スマートフォンを活用した料金のキャッシュレス決済、4つに、検針業務の効率化を図るため、スマートフォンのデータ通信機能を利用した検針や検針困難地域における試験的なスマートメーターの導入などの様々な取組を行ってきたところであります。
また、水道管路台帳システムの情報に土質や人口密度などの情報を加えることにより管路劣化をAIが予測診断するシステムについて、現在も継続して調査・研究しているところであります。
本市といたしましては、今後とも水道事業の安定的な運営を行っていくため先進的な技術に関する情報収集に努めるとともに、他の事業体の導入状況なども参考にしながら、本市の水道施設の維持管理に有効な先進的な技術の活用によるDXの推進の可能性について調査・研究してまいりたいと考えております。
最後に、本市においても維持管理の効率化や省力化・省人化による水道事業の持続性担保と安定運営の確保、さらには災害時の水インフラの早期復旧の実現など、耐災害性強化に向けて先進の地中可視化技術やDXの試験的導入(モデル事業の実施)や活用が必要であると考えるが、見解を問うにつきましては、維持管理の効率化や省力化等につきましては、さきの答弁でお答えしましたとおり、流杉浄水場における民間委託、スマートフォンでのキャッシュレス決済やスマートメーターの導入により経営の効率化を図ることなどで持続可能な水道事業の運営に努めております。
また、災害対応力の強化につきましても、令和8年度までを計画期間とする第2次富山市上下水道事業中長期ビジョンにおいて、最も重要な基幹管路である配水幹線の耐震化率の向上や流杉浄水場などの基幹浄水場の耐震化及び耐水化を図ることなどにより、大規模災害発生時においても水道水の安定供給ができるよう取り組んでいるところであります。
さらに、災害時に被災した水道施設の早期の復旧を実施するための行動計画である富山市上下水道局業務継続計画については、本年1月に発生した能登半島地震の被災地への応急給水や応急復旧活動で得られた知見や経験を踏まえ、現在見直しに着手したところであります。
本市といたしましては、今後とも経営改善につながるよう、本市の水道施設の維持管理に有効な先進技術の導入の可能性につきまして調査・研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
24 ◯ 議長(横野 昭君)
これで松井 桂将議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
32番 村石 篤君。
25 ◯ 32番(村石 篤君)
令和6年6月定例会に当たり、立憲民主党より一般質問を行います。
初めに、小・中学校の不登校について伺います。
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律があります。この法律は、学校以外で行う多様な学習活動の重要性について書かれており、不登校の子どもたちに対する支援や夜間中学における就学の機会の提供等を規定している法律です。この法律のポイントは、1つに、不登校は問題行動ではありません、不登校は誰にでも起こり得ることであり、不登校というだけで問題行動であると受け取られないように配慮をします、2つに、社会的自立の尊重──学校に登校するという結果のみを目標とせずに、子どもたちが自分の進路を主体的に考えられるようにすることを後押しします、3つに、一人一人に合った支援──不登校の子どもを支援する際は本人の意思を十分に尊重し、子どもによっては休養が必要なことがあることにも配慮しつつ、一人一人に合った支援を行います、その際、学業の遅れや進路選択上の課題等があることにも留意しつつ、適切な支援を行う必要があります、などです。
そこで、質問いたします。
富山市の不登校児童・生徒の人数及び、いわゆる隠れ不登校と呼ばれる不登校傾向のある児童・生徒の人数について伺います。
26 ◯ 議長(横野 昭君)
当局の答弁を求めます。
関谷教育委員会事務局長。
27 ◯ 教育委員会事務局長(関谷 雄一君)
立憲民主党、村石議員の御質問にお答えをいたします。
本市において、令和5年度、病気等を除き年間30日以上欠席した不登校児童・生徒数は、小学校では476人、中学校では644人となっております。
また、年間30日未満の欠席ではあるものの、教室へ入ることができず、相談室や保健室等へ登校し支援を行った、いわゆる不登校傾向が見られる児童・生徒数は、小学校では39人、中学校では59人となっております。
28 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
29 ◯ 32番(村石 篤君)
今ほどの答弁では、不登校児童・生徒合わせて約1,000人の方がおられるということでお聞きをしました。
先ほども学業の遅れや進路選択上の課題等があると述べましたが、中学校では、中学3年生の不登校生徒の高校進学に向けての進路指導はどのようにしているのか伺います。
30 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
31 ◯ 教育長(宮口 克志君)
高等学校への進学に向けての進路指導におきましては、何を学びたいのか、どのような高校生活を送りたいのかなど、目的意識を明確に持って進学できるよう、学級担任との面談等を通して生徒自身が自己の興味・関心などの個性を理解したり、将来の生き方や生活について見通しを持つなど、自分と向き合う機会を大切に進めているところであります。
とりわけ不登校生徒にとっては学業の遅れなどから進学に当たって不安を抱いている場合もあることから、一人一人の生徒の夢や願いを丁寧に聞き取りながら進路指導を進めていくことが肝要であり、具体的な取組といたしましては、1つに、学級担任による家庭訪問を通しての高等学校進学についての情報提供、2つに、不登校による学業の遅れに対する不安を払拭するための個別の学習サポート、3つに、放課後等、他の生徒がいない時間帯での面接練習などを行っております。
市教育委員会といたしましては、不登校等の対応に関する研修会や不登校生徒の保護者向けの相談会等の充実を図り、不登校生徒への理解を深め、一人一人の生徒の状況に応じた進路指導となるよう学校や保護者への支援に努めてまいりたいと考えております。
32 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
33 ◯ 32番(村石 篤君)
本当にきめ細かな対応をされているということをお聞きいたしました。
「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では、不登校対策における学校復帰の前提がなくなり、社会的自立を目指すことが明記されていますが、具体的な取組について伺います。
34 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
35 ◯ 教育長(宮口 克志君)
令和元年10月25日付文部科学省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」において、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることが示されました。
市教育委員会では、不登校児童・生徒が社会的に自立する力を高めるため、1つに、婦中地域と豊田地区の2か所に設置したMAPと称する適応指導教室における学習やスポーツ、遊び、その他体験的な活動の実施、2つに、1人1台端末を活用し、学習についての質問や進路に関する相談等に対応するMAPオンライン相談室の開設、3つに、富山市子どもの村における火おこし体験や野菜の栽培、富山市科学博物館でのプラネタリウム鑑賞、富山市ファミリーパークにおける動物とのふれあい体験などの児童・生徒が自分の興味・関心に基づいて選択することができる体験活動の充実などの取組を行っております。
参加した児童・生徒は興味・関心のある活動を自分で選び、自分なりの目標を決めて、時には互いに励まし合いながら粘り強く取り組んでおり、これらの取組は自己決定や協働の喜び、自己肯定感の高まりなどの社会的な自立に向けたよい機会となっているものと考えております。
市教育委員会といたしましては、児童・生徒が学校外においても様々な人々や社会との関わりを大切にした活動を充実することで、今後も不登校児童・生徒の社会的自立を支援してまいりたいと考えております。
36 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
37 ◯ 32番(村石 篤君)
今の答弁、本当に細かく対応されているということが分かりました。
とりわけ富山市の施設を活用して取り組んでいるということも御紹介をしていただきました。
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律では、国や地方公共団体は、子どもや親に対して、休養の必要性を踏まえ、民間施設の紹介など、積極的に個々の適切な情報提供を行うことが明記されていますが、市はどのような情報提供をしているのかお聞かせください。
38 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
39 ◯ 教育長(宮口 克志君)
平成28年に制定されました義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律におきましては、基本理念として、教育機会の確保等に関する施策は、国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体、その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすることとあり、加えて、令和元年10月25日付文部科学省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では、フリースクール等の民間施設やNPO等と積極的に連携し、相互に協力・補完することの意義は大きいとされております。
市教育委員会におきましては、市内小・中学校全ての保護者に対し、保護者連絡システム「tetoru」を用いて婦中地域・豊田地区の適応指導教室(MAP)の概要説明や学校に行きづらい児童・生徒のための体験活動の実施要項、不登校相談会の開催案内等を送信し、情報提供を行っております。
また、市教育委員会が開催する保護者を対象とした不登校相談会において、フリースクール等の担当者に参加いただき、支援概要等の紹介や個別の質問等に直接答えていただくなどの場を設定しております。
市教育委員会といたしましては、学校に行きづらいと感じている児童・生徒の教育機会を確保するために、今後も関係団体との連携を図りながら、不登校児童・生徒及び保護者に対して幅広く情報提供を行ってまいりたいと考えております。
40 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
41 ◯ 32番(村石 篤君)
香川県教育委員会は、令和5年度「校内サポートルーム(KSR)研究指定校事業」成果報告書をホームページに公開しています。坂出市立坂出小学校では、実施の内容として、1、校内の環境整備と支援体制、2、ICT機器を用いた支援、3、個に応じた支援としていました。
成果の総括としては、スクールカウンセラーや養護教諭など、様々な立場の方と連携し、担当者会を重ねて児童の困り感を解消しようと取り組んだことで一人一人の支援の仕方が見えてくるようになりました、保護者からKSRがあるから登校できているという意見もいただいた、来年度もKSRの運営に取り組んでいきたいとしています。
富山市の小・中学校において校内サポートルームが設置されましたが、活用の状況について伺います。
42 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
43 ◯ 教育長(宮口 克志君)
校内サポートルームは、児童・生徒が思い思いの過ごし方によって心のエネルギーを蓄えることができるような居場所であることをコンセプトとしており、利用する児童・生徒が自分に合ったペースで学習したり、読書、軽運動、イラストや手芸などの創作活動など、学習以外にもやりたいことを自ら選択、決定して取り組むことができる環境を学校内に整備したものであります。
今年度から小学校8校、中学校9校に新設した校内サポートルームにつきましては、5月末現在で121名の児童・生徒が利用しております。
校内サポートルームを設置した学校からは、1つに、自分で1日の活動計画を決めることで今までより意欲的に様々な活動や学習に取り組むようになった、2つに、校内サポートルームを利用する児童・生徒同士や指導員との交流を通して社会性を身につけるきっかけとなった、3つに、一時的に校内サポートルームにおいて心のエネルギーを蓄えることで、これまでは早退していた児童・生徒が再び学級に戻り、授業を受けるようになったなどの成果が報告されております。
44 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
45 ◯ 32番(村石 篤君)
121名が利用されているということで、成果が現れているということで、今後も本当に成果が現れるようにお願いしたいと思います。
次に、北九州市の大学院生、三枝 まりさんによる不登校児の健康診断・2017年調査(不登校経験者225人)では、「ほぼ毎回受けていた」26人、「受けた時と受けなかった時がある」61人、「ほぼ受けなかった」84人、「分からない」47人、「無回答」7人となっています。
不登校生徒に対して健康診断日を案内すべきと考えますが、見解を伺います。
また、健康診断を受ける生徒は他の生徒と別の部屋で受診できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
46 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
47 ◯ 教育長(宮口 克志君)
各学校におきましては、内科検診等の健康診断の実施日を含む学校行事の日程を学校のホームページや学校だより等に掲載するとともに、不登校の児童・生徒及びその保護者に対しては、家庭訪問や電話連絡、1人1台端末の連絡ツール等を通じてあらかじめ連絡しております。
健康診断を実施する際には、児童・生徒の実情に応じて、学校医の協力を得ながら、他の児童・生徒の健康診断終了後に時間をずらして実施したり、別の場所で行うなどの配慮をしているところであります。
また、健康診断の実施日に児童・生徒が欠席した場合には、保護者や本人と相談の上、予備日や他の学年の実施日を活用するなどして健康診断を受けられるよう配慮しております。
市教育委員会といたしましては、児童・生徒に健康診断の機会を確保することで児童・生徒の健康の保持増進を図るとともに、学校における健康教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
48 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
49 ◯ 32番(村石 篤君)
ありがとうございます。
続いて、不登校中の生徒であっても、家庭等で勉強していることから、自分の学力を測るためにも中間・期末テストを受けたいと思っている生徒がいると聞いています。
不登校生徒に対して中間・期末テストの期日を案内すべきと考えますが、見解を伺います。
また、テストを受ける部屋は別室がよいと考えますが、見解を伺います。
50 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
51 ◯ 教育長(宮口 克志君)
各学校における不登校生徒への中間・期末テストの期日やテスト範囲の案内については他の生徒と同様に確実に周知しており、その方法については、生徒の状況に合わせて、担任が家庭訪問する際に文書を届けたり、1人1台端末の連絡ツールを通じて送付するなどの対応をしているところであります。
不登校生徒の中には学業不振等が原因で不登校となっている生徒や学校生活のことを考えると心の負担となる生徒もいることから、保護者や医療機関と相談の上、本人にはテストの期日を伝えない場合もありますが、このような場合においても保護者への周知は必ず行っております。
また、テストを実施する際の配慮として、教室での実施が難しい場合には、保健室や相談室での実施のほか、保護者の協力を得て、自宅での実施や適応指導教室(MAP)での実施も可能であり、加えて、実施する教科を自分の学習の進捗状況に合わせて選択するなど、一人一人の状況に応じた実施の方法を自分で選ぶことができるようにしております。
52 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
53 ◯ 32番(村石 篤君)
今の答弁では、不登校生徒の一人一人の実情に応じて本当に対応しているということがよく分かりました。
ある不登校の小学6年生が同級生と修学旅行に参加したと聞いています。何が楽しかったかと聞いたところ、家族や祖父母にお土産を買ったことと答えたと聞いています。
不登校生徒に対して、修学旅行、卒業式への参加についてどのような配慮をしながら対応しているのか伺います。
54 ◯ 議長(横野 昭君)
宮口教育長。
55 ◯ 教育長(宮口 克志君)
不登校生徒に対する修学旅行の参加への配慮につきましては、旅行日程の説明や班別行動の計画、役割分担の決定などの事前学習の内容と日程を前もって伝えることで事前学習の見通しを持ったり、参加できそうなところを自分で選んだりするなど、修学旅行に安心して参加できるような支援を進めております。
また、参加の仕方につきましても、保護者の協力を得ながら、途中参加や途中帰宅、保護者の付添いなど、一人一人の状態に合わせて様々な参加の仕方があることを伝え、生徒の不安な気持ちを和らげる取組も進めているところであります。
次に、卒業式の参加への配慮につきましては、自席での参加が難しい場合には、式場の人目につきにくい場所での参加や相談室等の別室におけるオンラインでの参加など複数の選択肢を示し、本人が参加しやすい方法を自ら決められるような配慮をしております。
また、式に参加できなかった生徒につきましては、式が終了した後も会場をそのままにしておき、一人一人の生徒に校長から直接卒業証書を受け取る場と時間を設定するなど、全ての生徒にとって学校生活の有意義な節目として厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機づけとなるよう各学校で工夫して実施しているところであります。
56 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
57 ◯ 32番(村石 篤君)
今ほどの答弁では、本当に子どもたち一人一人を大切にして、修学旅行や卒業式への対応をしているということがよく分かりました。
次に、選択的夫婦別姓について伺います。
総務省は、地方公務員の旧姓使用について、職員が旧姓を使用しやすい職場環境づくりの推進についてにより、各地方公共団体においても対外的な文書等を含め旧姓使用を可能とするなど、職員が旧姓を使用しやすい職場環境づくりに向けたより一層の取組をお願いいたしますとしています。
富山市の職員旧姓使用取扱要綱では、旧姓を使用できない文書等については富山市職員の旧姓使用に関する要綱の運用について等で別途例示しています。
一方、国立大学法人富山大学職員旧姓使用規則では、旧姓使用ができる文書等として37項目が例示されています。
職員が旧姓を使用しやすい職場環境づくりに向けた取組として、富山市の職員旧姓使用取扱要綱の内容については国立大学法人富山大学職員旧姓使用規則を例に見直すべきと考えますが、見解を伺います。
58 ◯ 議長(横野 昭君)
清水企画管理部長。
59 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
本市の職員旧姓使用取扱要綱においては、1つに、源泉徴収票や共済組合関係の書類など、関係機関または法人の円滑な事務の遂行に支障を及ぼすおそれのある文書等、2つに、職務遂行上、対外的に誤解や混乱が生じるおそれのある文書等を除いて、原則、文書等において旧姓を使用することができるものと規定しており、本市においては、対外的な文書等も含めて様々な文書等において幅広く旧姓を通称として使用することができる制度となっております。
一方で、議員から紹介のございました国立大学法人富山大学職員旧姓使用規則におきましては旧姓を使用できる文書等が限定して列挙されておりますが、それらの文書等につきましては本市の要綱で規定している旧姓が使用できない文書等には該当しないことから、基本的には本市において数多くある旧姓使用を認める文書等の一部に該当するものと考えております。
また、本市の職員からは、本市の要綱に旧姓使用ができる文書等が具体に列挙されていないことを理由としてどのような文書等に旧姓が使用できるのか分かりにくいといった意見は出ていないこと、また、現在の要綱による制度の運用に支障や混乱が生じていないことから、現時点において、富山大学の規則を例に本市の要綱を見直す必要はないものと考えております。
60 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
61 ◯ 32番(村石 篤君)
それでは、結婚後、旧姓使用している富山市職員の職種、性別ごとの人数についてお聞かせください。
62 ◯ 議長(横野 昭君)
清水企画管理部長。
63 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
富山市職員旧姓使用取扱要綱に基づきまして旧姓を使用している職員数につきましては、会計年度任用職員を含めて、本年6月1日現在で男性2人、女性27人、合わせて29人となっております。
また、職種別の内訳につきましては、男性では一般技術1人、現業職1人、女性では一般事務16人、一般技術2人、保健師3人、保育士2人、医師・歯科医師4人となっております。
64 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
65 ◯ 32番(村石 篤君)
これは1つの見方なのですけれども、約1年前から現在まで結婚した人が約70名いるというようなことであります。そして、今聞くと29名の人が旧姓を使っているということなのですが、それは年数がまた違うのでそんな簡単には比較できないとは思うのですが、これをどう見るのかということも今後考えていきたいという具合に思います。
経団連の十倉 雅和会長は、本年2月13日の記者会見の中で、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成である、海外訪問時にパスポート上の戸籍名と旧姓の不一致によるトラブルが生じる、改姓後に旧姓時代の研究論文の実績が認識されないといった弊害も耳にすると答えました。
NHK世論調査(本年5月1日)では、選択的夫婦別姓について聞いたところ、賛成が62%、反対が27%でした。「賛成」と答えた人に理由を聞いたところ、「選択肢が多いほうがいいから」が56%、「名字が変わると、仕事や生活で支障がある人もいると思うから」が18%などと報道しています。
法務省は、日本以外の国で夫婦同姓制度の国は把握できないと公表しています。
選択的夫婦別姓の導入について藤井市長はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
66 ◯ 議長(横野 昭君)
藤井市長。
67 ◯ 市長(藤井 裕久君)
お答えいたします。
近年、女性の社会進出などを背景に、結婚後に配偶者の名字に改めることによる仕事や日常生活上の不利益や不便、アイデンティティーの喪失などが指摘をされております。
選択的夫婦別姓制度の導入を求める、そういう議論が活発になってきているということも議員御紹介のとおりでございます。
一方で、夫婦や家族が異なる名字を名のることで家族の絆や一体感が希薄になるという懸念や子どもの名字の選択の問題、学校や地域社会において他者が家族関係を把握しにくくなるという課題等もあり、制度導入に慎重な意見もあることも事実であります。
このような状況から国では、令和2年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画におきまして、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえて、さらなる検討を進めることとされております。
私自身も、この夫婦別姓制度につきましては、明治31年──これは1898年でございますが──施行の旧民法において夫婦同姓が定められて以来、100年以上にわたり我が国の社会や生活基盤の根底として定着をしてきているということから、現行制度の見直しには非常に多くの課題があるというふうに認識をしております。
今ほど申し上げましたとおり、現在、国では様々な視点から検討を重ねられているということでありますので、今後のさらなる議論の深まりや進展に期待をしたいと存じております。
以上です。
68 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
69 ◯ 32番(村石 篤君)
次に、共働き子育てしやすい街ランキングについて伺います。
日経DUALと日本経済新聞社が全国160自治体から得た回答を基にした2021年版共働き子育てしやすい街ランキングでは、1位は松戸市、2位は宇都宮市という結果となっていました。3位は浦安市と富山市となっていました。
共働き子育てしやすい街ランキング2021において富山市が3位に選ばれた要因についてどのように認識しているのか伺います。
70 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
71 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
お答えいたします。
議員御紹介の共働き子育てしやすい街ランキングは、日経xwomanと日本経済新聞社が調査を行い、その結果を基に作成した独自のランキングであると承知しております。
本市が共働き子育てしやすい街ランキング2021において第3位とされた要因については、全国初となる自治体直営の産後ケア応援室の設置や電話で24時間育児の相談ができる「助産師ほっとライン」の開設など、本市がこれまで推進してまいりました、きめ細やかで切れ目のない子育て支援の取組が評価されたものと考えております。
72 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
73 ◯ 32番(村石 篤君)
2022年版共働き子育てしやすい街ランキングでは、165自治体から得た回答では総合編1位になったのは東京都豊島区──2021年は総合編17位、2位は千葉県松戸市──2021年は総合編1位、また、信越北陸5県の主要都市では新潟市(16位)の得点が最も高くなっていました。
同市は妊婦や子育て中の親が気軽に相談できる窓口を設けるなどサービスを強化、2位の富山市(48位)は出産後の女性を支援する産後ケアを拡充しているとしていました。
共働き子育てしやすい街ランキング2022において富山市が48位となりましたが、北信越で首位の新潟市の施策を参考に新たな施策の導入を検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。
74 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
75 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
御紹介のありました新潟市においては、区役所に妊娠・子育てほっとステーションを設置し、妊婦や子育て中の方が気軽に相談できる体制の強化に取り組まれていると承知しております。
本市においても、先ほど申し上げました「助産師ほっとライン」の開設をはじめ、市の担当保健師が妊娠・出産・育児を支援する富山市版ネウボラの構築、保育士による保育サービスについての相談やひとり親アテンダントによる独り親家庭の手続や子育てについての相談などに対応し、きめ細やかな一人一人に寄り添った支援に努めております。
また、市内16か所の子育て支援センターにおいても子育て相談に対応しております。
本市といたしましては、共働き子育てしやすい街ランキングの順位にとらわれることなく、今後も安心して出産、子育てできる環境整備ときめ細やかで切れ目のない子育て支援の充実に取り組んでまいります。
その中で、新たな施策を検討する場合につきましては、先進自治体の取組も広く参考にしてまいりたいと考えております。
76 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
77 ◯ 32番(村石 篤君)
2022年の松戸市長選挙に4期目の当選を果たした本郷谷 健次さんは、公約で子育て支援策を推進するとしていました。現在、松戸市は「やさシティ、まつど。」をスローガンに子育てしやすいまちづくりを市の最重要施策の1つに掲げ、幅広い子育て支援を実施しています。
こうした取組が高く評価され、共働き子育てしやすい街ランキング2023において3回目となる総合編1位を受賞しました。
富山市が子育てしやすいまちとなるようにどのように取り組んでいかれるのか藤井市長に伺います。
78 ◯ 議長(横野 昭君)
藤井市長。
79 ◯ 市長(藤井 裕久君)
お答えいたします。
本市では、これまで全ての妊産婦や子育て世帯が安心して出産あるいは子育てができるよう、出産・子育て応援事業や産後ケア事業の実施、保育施設の整備、学童保育の受皿の拡充、独り親家庭の支援など、妊娠から出産、乳幼児、学童、青年に至るまできめ細やかで切れ目のない子育て支援体制の強化に取り組んでまいりました。
また、令和5年6月にはこどもまんなか応援サポーター宣言を行い、社会全体で子育てを支える機運の醸成を図り、市民や企業、団体等に子どもや子育てに優しい行動を促す取組にも注力しているところでございます。
子育てしやすいまちとなるためには、子育て支援に限らず、教育や文化、雇用、生活環境など、様々な分野の施策に「こどもまんなか」な視点を取り入れ、都市の総合力を高めていくことが重要となります。
このため、今年度予定している(仮称)富山市こども計画の策定に当たりましては、庁内に立ち上げた各部局の職員で構成する富山市こども計画策定委員会におきまして、昨年度に実施した子ども・若者へのアンケート調査や子どもの生活実態調査の結果等を踏まえて検討を行うこととしており、この計画に基づきながら、組織一体となって子育てしやすいまちづくりにつながる、そういう取組を推進してまいりたいと考えております。
以上です。
80 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
81 ◯ 32番(村石 篤君)
富山市民が、本当に子育てしやすいまちに変わったな、なったなと実感できるような施策を今後やはり考えていただきたいということです。
これはあくまで例えばなのですけれども、今日の新聞では、昨年、公立小・中学校の給食無償化、自治体の3割が何らかの給食費の無償化をしているということもありますので、そういうこともやはり検討していっていただきたいという具合に思います。
次に、マイナンバーカード保険証、通称マイナ保険証について伺います。
マイナ保険証の利用率が、本年4月で6.56%にとどまっています。マイナンバーカードを持ち歩かない人が多い上、情報の誤登録をめぐる影を落としています。
現行の健康保険証が発行停止となる本年12月2日をにらみ、政府は普及を急いでいます。
国民健康保険、後期高齢者医療制度の被保険者証は、本年12月2日以降、新たに交付しないこととなっていますが、12月1日以前に交付された被保険者証の有効期限はいつまでなのか伺います。
82 ◯ 議長(横野 昭君)
古西福祉保健部長。
83
◯ 福祉保健部長(古西 達也君)
本市の国民健康保険被保険者証の更新時期は8月1日であり、以降、交付する被保険者証は、保険料の滞納による短期被保険者証を除き、有効期限は翌年の7月31日までとしております。
現在の被保険者証は令和6年12月2日以降、新たに交付しないことから、本年8月1日が最後の一斉更新となり、12月1日までに交付する被保険者証の有効期限は、短期被保険者証を除き、全て令和7年7月31日までとなります。
また、後期高齢者医療制度の被保険者証の有効期限について、保険者である富山県後期高齢者医療広域連合に確認したところ、国民健康保険と同様の令和7年7月31日までと伺っております。
84 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
85 ◯ 32番(村石 篤君)
令和7年7月31日までの有効期限になるということが分かりました。
それで、マイナ保険証の登録自体は人口の5割を超えているということです。本年1月末時点で全人口の73%がマイナンバーカードを保有し、そのうち8割近くがマイナ保険証の登録を済ませています。
被保険者証の有効期限が切れた後、マイナ保険証を持っていない人が医療機関等を受診するために必要となる資格確認書の交付はどのように行われるのか、また、有効期限について伺います。
86 ◯ 議長(横野 昭君)
古西福祉保健部長。
87
◯ 福祉保健部長(古西 達也君)
国からの事務連絡では、保険者は、健康保険証として利用登録されたマイナンバーカード、いわゆるマイナ保険証を持っていない方に対して、氏名、生年月日、被保険者等記号・番号など、医療機関などにおける被保険者資格の確認に必要な項目を記載した資格確認書を当分の間、本人の申請によらず、保険者が交付する運用とし、有効期間は各保険者が5年以内で設定されることとされております。
こうしたことを受け、まず、本市の国民健康保険では、マイナ保険証を持っていない方などに対しては、本人の申請によらず、職権で資格確認書を郵送で交付することとしております。
また、有効期限につきましては、現在、県において県内統一に向け国が示す有効期間の範囲内で調整されております。
なお、参考までに、マイナ保険証を紛失した場合などは窓口で申請の上、資格確認書を受け取ることとなります。
次に、後期高齢者医療制度の資格確認書の交付方法及び有効期限につきましては、保険者である富山県後期高齢者医療広域連合に確認したところ、交付方法は本市の国民健康保険と同様の取扱いであり、有効期限は現在調整中であると伺っております。
88 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
89 ◯ 32番(村石 篤君)
今の答弁では、有効期限は5年以内ということではあるが、何年にするのかというのは調整しているということなのですけれども、やはり国の示す5年間がいいのではないかという具合に思います。
Digital Platformer株式会社(東京都千代田区)の調査では、ふだん持ち歩いている身分証明書は、運転免許証(82%)が首位で、健康保険証(66%)が2位、マイナンバーカード(39%)が3位となっています。
盗難や紛失による悪用リスクが不安だとの回答はマイナンバーカードが61%でトップになっています。
富山市病院事業局におけるマイナ保険証の利用状況と今後の課題について伺います。
90 ◯ 議長(横野 昭君)
藤沢病院事業局管理部長。
91 ◯ 病院事業局管理部長(藤沢 晃君)
マイナ保険証の利用状況につきましては、厚生労働省において、医療機関の受診者数とマイナ保険証の利用者数の割合をマイナ保険証利用率として医療機関ごとに集計されており、それによりますと、直近の令和6年3月の利用率で、富山市民病院では10.79%、富山まちなか病院では7.51%となっております。
次に、今後の課題といたしましては、従来の保険証が廃止される本年12月2日以降はマイナ保険証を利用される患者さんの増加が見込まれるとともに、マイナ保険証の読み取り機を初めて利用される際に、暗証番号の入力など、操作に時間を要することで窓口が混雑することが予想されます。
現在、読み取り機については、富山市民病院に4台、富山まちなか病院に1台を受付窓口などに設置し、操作補助者による説明も行っておりますが、本年秋頃までに読み取り機を増設し、今後予想される窓口の混雑緩和に努めてまいりたいと考えております。
92 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
93 ◯ 32番(村石 篤君)
令和6年3月時点で富山市民病院が10.79%ということで、やはりよくマスコミが言っているように利用率が低いということが言えると思います。
それと、今後の課題としては、当然マイナ保険証を読み取るということも必要ですけれども、それを持っていない人にはこの資格確認書を見せてもらうというようなことなんかがあって、やはり窓口業務が混雑するのではないかということも課題であると考えています。
本年1月末時点で全人口の73%がマイナンバーカードを保有していることから、全人口の27%がマイナンバーカードの申請をしていないことになります。
要介護高齢者ら、自分ではマイナンバーカードの申請が難しい人に対して、政府の対応策に市町村職員が介護施設や公民館、病院、個人宅などに出向く出張申請受付の推進とありますが、本市ではそのような対応の実績があるのか伺います。
94 ◯ 議長(横野 昭君)
大沢市民生活部長。
95 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)
本市では、マイナンバーカードのさらなる取得率向上に向けて、市内の企業や町内会等の方々が市役所に出向くことなく申請手続を行えるよう、職場や御自宅近くの希望する場所での出張申請受付を実施しており、令和3年度は9回134人、令和4年度は9回218人の御利用がありました。
加えて、令和4年度からは、高齢等の理由で市役所等へ出向くことが困難な方に対し、行政サービスセンターや地区センターなどを巡回方式で訪問する出張サポート窓口を開設し、令和4年度は18回2,093人、令和5年度は24回873人の御利用があったところです。
このほか、昨年度には、障害者支援施設2か所102人、矯正施設──富山刑務所でございますが──1か所5人の申請を受け付けており、今年度におきましても、引き続き出張申請の希望があった福祉施設等へ積極的にお伺いしたいと考えております。
現在、国では、福祉施設の入所者など、マイナンバーカードの取得に支援が必要な方が円滑にカードを取得できるよう、代理人によるカード受領の対象者の拡大など、取得推進に向けた環境整備を進めており、これまでカードの取得が困難であった方々におかれましてもカードを取得できる可能性が大きく広がってきております。
本市といたしましては、引き続き、カードの取得を希望する方で市役所へ出向くことが困難な方々に対し、福祉施設等の関係の皆様の御理解と御協力の下、積極的に市職員が現地にお伺いすることによりカードの取得支援に努めてまいりたいと考えております。
96 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
97 ◯ 32番(村石 篤君)
あくまでもカードを作るのは申請ですよね。強制ではなくて、申請があった場合には様々なところに出向いて対応するということをおっしゃられたと思います。
次に、富山市職員に対するカスタマーハラスメント等について伺います。
厚生労働省は令和2年1月、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針を策定し、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関して、事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められたとしています。
富山市役所本庁舎でカスタマーハラスメント等が発生した場合は退去命令を発出していることがあるということを聞きました。
過去5年間の退去命令の発出状況について伺います。
98 ◯ 議長(横野 昭君)
刑部財務部長。
99 ◯ 財務部長(刑部 博規君)
富山市庁舎管理規則には、市庁舎の保全及び秩序の維持を図るため、庁舎管理者またはその補助者は、公務の円滑な遂行を妨げる者に対し、それらの行為の中止や退去を命ずるものと規定されております。
本庁舎において、過去5年間に退去命令を発出した件数につきましては、令和元年度はありません。令和2年度は1件、令和3年度は1件、令和4年度は7件、令和5年度は3件の合計12件となっており、その主な事由につきましては、長時間の居座り、職員への謝罪要求及び面会強要等となっております。
100 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
101 ◯ 32番(村石 篤君)
今ほどの答弁で令和4年度が7件ということだったのですけれども、もしよかったら、令和4年度はなぜ7件ということで多かったのかということが分かれば答弁していただきたいのですけれども。
102 ◯ 議長(横野 昭君)
刑部財務部長。
103 ◯ 財務部長(刑部 博規君)
特段の理由はないと考えますが、新型コロナウイルス感染症が少し緩和されて、窓口に来られる方が若干増えてきたのかなということは考えられるかと思います。
104 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
105 ◯ 32番(村石 篤君)
どうも。
それでは、被害を受けた相談者──先ほど部長が言われた内容のことを受けた市の職員──のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、職員に周知すること、また、相談したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、市職員に周知する必要があると考えますが、見解を伺います。
106 ◯ 議長(横野 昭君)
清水企画管理部長。
107 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
本市では、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児または介護に関するハラスメント、これらのハラスメントの防止について職場におけるハラスメントの防止に関する要綱を定めまして、所属長や職員の責務等のほか、職員のプライバシーの保護や秘密の保持、関係者に対する不利益な取扱いの禁止といったことを規定しております。
また、要綱や対応方針などにつきましては職員用電子掲示板に掲載し、職員への周知・啓発に努めてきたところでございます。
こうした中、いわゆるカスタマーハラスメントが社会の様々な場面で顕在化してきたことから、国は、民間企業向けにカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを記載した対応マニュアルやリーフレットなどを作成いたしました。
また、国は、地方公共団体に対して、公務部門でのさらなる取組を求める事項といたしまして、行政サービスの利用者等から業務の範囲や程度を明らかに超える要求があった場合の苦情や相談に対しては組織として対応し、その内容に応じて迅速かつ適切に職員の救済を図っていただきたいと要請しておりますが、その対策など、具体的なことにつきましてはいまだ法制化されておりません。
今般、国においては、カスタマーハラスメントについて、今年度のいわゆる骨太方針の原案におきまして法的措置も視野に入れ対策を強化するといったことを盛り込んだということを伺っております。そうしたことから、今後、カスタマーハラスメントに対する事業主や労働者の責務、雇用管理上の措置等について法制化されていくものと考えております。
もとより、本市ではカスタマーハラスメントという言葉は使ってきておりませんが、これまでも市または市職員に対する行政対象暴力やその他の不当要求行為を未然に防止し、職員の安全と円滑で適正な公務の執行を目的といたしまして富山市行政対象暴力等庁内情報連絡会議を設置するとともに、その諮問機関として行政対象暴力等対策検討チームを設置し、必要に応じて個別事案への対策を検討し対応してきております。
今後とも、国の動向を注視いたしまして、法制化された場合には、各種ハラスメントと同様、要綱の整備や職員への周知・啓発など、事業主として講ずべき措置を法令等に即して検討してまいりたいと考えております。
108 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
109 ◯ 32番(村石 篤君)
今の答弁で、それでよろしいのですけれども、何回も付け加えることになるかもしれませんが、そういうカスタマーハラスメントを受けた職員の立場になって──全国的にはカスタマーハラスメントを受けたことで辞職している人もいるということを聞いているわけです。ですから、職員の思いもしっかり受け止めて対策をしていただきたいと思います。
次に、富山市病院事業局の働き方改革について伺います。
看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針(以下、指針という)では、「看護師等の夜勤負担を軽減し、働きやすい職場づくりを進める上で、入院患者の状況等に応じて、3交代制の場合は、複数を主として月8回以内の夜勤体制の構築に向けて、引き続き積極的に努力する必要がある」としています。
富山市民病院の2023年8月のある病棟の夜勤回数は10回が2人、9回が8人、8回が10人、7回が2人、夜勤勤務者1人当たりの夜勤回数は平均8.5回でした。
県内のある公立病院の看護師等夜勤回数は、新規採用者を夜勤に従事させられないため、4月から6月までは8回を超えますが、7月以降は1人当たり8回以内であり、年間96回を超えないと聞いています。
富山市民病院病棟看護師等の月8回以内の夜勤回数の実現に向けた取組について伺います。
110 ◯ 議長(横野 昭君)
藤沢病院事業局管理部長。
111 ◯ 病院事業局管理部長(藤沢 晃君)
富山市民病院の病棟に勤務する看護師、助産師は、議員からの御指摘のとおり、月8回の夜勤を超える職員も一定数おりますが、3交代勤務に従事している看護師等の平均夜勤回数は令和5年度では一月当たり8回であり、夜勤体制については全体として適正に運用しているものと考えております。
病院事業局では、これまでも夜勤体制の改善を図るため夜勤専従の職員配置や会計年度任用職員を採用してまいりましたが、これらに加え、新たな取組として、来月以降、夜間帯における看護補助者を新たに18名配置することとしております。このことにより、病棟での夕食の配膳や寝具、リネン類の管理など、従来、看護師などが実施していた業務を分担することにより夜間帯の業務負担の軽減を図ることで医療の質の向上を図るとともに、夜勤に従事しやすい環境を整備してまいりたいと考えております。
病院事業局としましては、今後とも、夜勤可能な職員の確保や勤務ローテーションの弾力的な運用などにより夜勤回数の平準化に努めることで看護師や助産師一人一人の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
112 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
113 ◯ 32番(村石 篤君)
今の答弁でやはり気になるのは、平均何回ではなくて、看護師一人一人が月8回以内になるということにポイントを置いてしっかり対応していただきたいと思います。
富山市民病院病棟看護師等の超過勤務時間について、ある病棟の2023年8月については、看護師等の1人当たりは平均約11時間となっていました。
ある公立病院の看護師等超過勤務は月平均6時間以内であると聞いています。
富山市民病院病棟看護師等の超過勤務縮減の取組について伺います。
114 ◯ 議長(横野 昭君)
藤沢病院事業局管理部長。
115 ◯ 病院事業局管理部長(藤沢 晃君)
病院事業局におきましては、これまでも長時間労働を是正するため、看護助手や看護補助者の採用、病棟薬剤師の配置などにより看護師等のタスクシェアを進め、可能な限り業務負担の軽減を図ってきたところであり、加えて、令和5年1月からは看護師等の制服を日勤と夜勤で色分けし、識別できるようにすることで、勤務時間の終了近くの職員に新たな業務を依頼しないなどの工夫も行ってきたところであります。
さらには、先ほども答弁いたしましたとおり、来月からは新たな取組として夜間帯における看護補助者を配置することとしており、さらなる看護師等の業務負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
病院事業局としましては、病棟の看護師のみならず、全ての職員の職場環境の改善を図り、働きやすい環境を構築していくことは大変重要であると考えており、今後とも各種取組を推進していくとともに、職員の働き方に対する一層の意識改革に努めることで職員の健康を保持し、良好な勤務環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
116 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
117 ◯ 32番(村石 篤君)
最後の質問です。
指針では、「看護師等の離職理由は、30歳代及び40歳代では結婚、妊娠・出産及び子育てが多い、50歳代では親族の健康・介護が多い」としています。
ある公立病院の看護師等の離職理由としては、急性期の病院以外の病院へ転職、労働条件のよい病院へ転職等があると聞いています。
富山市民病院の看護師等の離職防止の取組について伺います。
118 ◯ 議長(横野 昭君)
事務局、ちょっと時間を止めてください。
当局に申し上げます。残時間が少ないため、答弁は簡潔にお願いいたします。
事務局は時間の停止を解除してください。
藤沢病院事業局管理部長。
119 ◯ 病院事業局管理部長(藤沢 晃君)
富山市民病院における看護師等の主な退職の理由としては、結婚やこれに伴う県外転居、健康不安、子育てとの両立が困難なことなどであり、職員のライフステージと密接に関連する傾向があります。
こうしたことから富山市民病院では、離職防止対策としてワーク・ライフ・バランス担当の職員を配置し、日頃の業務や子育てとの両立など、公私を問わず、様々な悩みを抱えている職員に対し、随時面談を行っているところであります。
これに加え、産前産後休暇や育児休暇を取得している看護師等を対象にママカフェを開催し、育児支援制度について説明するとともに、働きながら子育てをしている職員の生の声を届けることで職場復帰しやすい環境づくりに配慮しております。
さらに、昨年度からは、看護師を含む新規採用職員などを対象として、環境の変化など、精神的なストレスがたまりやすい5月に、体を動かすことで仕事のストレスや悩みを軽減するキックボクシング体験研修を実施するなど、様々な離職防止に向けた取組を進めているところであります。
120 ◯ 議長(横野 昭君)
32番 村石 篤君。
121 ◯ 32番(村石 篤君)
離職するのもいろんな理由があると思うので、それぞれ個々の看護師さんに合った対応をしていただきたいと思います。
以上で一般質問を終わります。
122 ◯ 議長(横野 昭君)
これで村石議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。
午前11時59分 休憩
───────────
午後 1時10分 再開
123 ◯ 副議長(松尾 茂君)
議長が都合により出席できませんので、私が代わって議事を進めさせていただきます。
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
8番 田辺 裕三君。
124 ◯ 8番(田辺 裕三君)
令和6年6月定例会に当たり、一般質問を富山市議会自由民主党より行います。
まず最初に、子ども施策について何点か質問をさせていただきたいと思います。
本年6月6日の新聞第1面に、富山県の出生数は6,000人を割って5,512人だったという衝撃的な報道がありました。8年連続で過去最少を更新し、女性が生涯に産む子どもの推定人数、いわゆる合計特殊出生率が1.35という報道がなされました。なかなか深刻な問題と感ずるのは、これは私ばかりではないと思います。
本市では、国の保育士の配置基準の改正に伴い、今定例会で条例改正の案件にもなっております保育士の配置基準の改正内容があります。3歳児に関しては、概ね園児20人につき保育士1人、20対1の配置基準を15対1に改正し、また、4歳、5歳の園児に関しては、今まで30対1の配置基準を25対1に変更するということであります。
そこでお伺いをいたします。
保育士の配置基準の改正の趣旨はどこにあるのかお答えをお願いいたします。
125 ◯ 副議長(松尾 茂君)
当局の答弁を求めます。
古川こども家庭部長。
126 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
富山市議会自由民主党、田辺議員の御質問にお答えいたします。
令和5年12月に閣議決定された国のこども未来戦略では、少子化対策は待ったなしの瀬戸際にあるとして、加速化プランにおいて今後3年間で実施する具体的政策を掲げております。
そのうち、幼児教育・保育の質の向上を図るための取組の1つとして今回の配置基準の改正があり、その趣旨といたしましては、待機児童対策の推進により量の拡大は進んだものの、一方で、昨今、幼児教育・保育の現場での子どもをめぐる事故や不適切な対応事案などにより子育て世帯が不安を抱えており、安心して子どもを預けられる体制整備を急ぐ必要があるとして行われたものであります。
具体的には、4・5歳児の保育士の配置基準については、児童30人につき保育士1人としていたところ、児童25人につき保育士1人へ、昭和23年の制度発足以降、76年ぶりに改善され、3歳児については、児童20人につき保育士1人としていたところ、児童15人につき保育士1人へ、昭和44年の制度改正以来の改善がされたところであり、本定例会に関係条例の改正案を提案しているところであります。
なお、今回の配置基準の改正には保育士の確保等の課題があることから、当分の間、経過措置が設けられておりますが、本市の市立保育施設等におきましては、本年4月時点で4・5歳児と3歳児について改正後の配置基準に基づく職員配置ができているところであります。
127 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
128 ◯ 8番(田辺 裕三君)
今のこの配置基準にすることによって保育の質の向上ということでありますけれども、先日、私も認定こども園のほうにちょっと取材に行ってきました。現場の声は、やはりなかなかこの保育士の補充が非常に困難を期していると。これはもう富山市全域のことだろうというふうに思われます。だから、保育士を目指す方々が少なくなっているのも事実だろうと思います。
この保育士の確保というものを、やはり現場の声をしっかりと受け止めて対応していただきたいなと、こう思います。
今回見直されなかった1歳児に関わる配置基準の見直しもやはり必要ではないかと考えますけれども、その見解をお願いいたします。
129 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
130 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
国のこども未来戦略の加速化プランでは、令和7年度以降、1歳児の配置基準についても見直すこととし、児童6人につき保育士1人から児童5人につき保育士1人への改善を進めることとされております。
本市では、質の高い保育サービスを提供するためには1歳児に係る手厚い保育士の配置が必要と考え、市立保育所等では、これまでも現在の国の基準を上回る1歳児5人につき保育士1人を配置しているところであります。
また、私立保育施設等につきましても、1歳児について市立と同様の職員配置が可能となるよう市独自で補助を行っているところであり、今後とも質の高い保育サービスが提供できるよう継続して支援してまいりたいと考えております。
131 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
132 ◯ 8番(田辺 裕三君)
今後、この1歳児に関しても対応していくということでありますけれども、先ほども言いましたけれども、保育士の確保というのが保育園にとっては非常に難しい対応でもあるし、また、対応をすればやはりその経費がかかるということで経営的にも非常に難しいようなことも聞いておりますので、ぜひまたその辺を支援してあげていただければありがたいと思います。
続きまして、(仮称)富山市こども計画についてお伺いをいたします。
今月10日(月曜日)の本会議においても、泉議員が(仮称)富山市こども計画の概要について質問をされておりました。本日午前中の本会議においても、市長がこども計画のことについて触れられておりました。
(仮称)富山市こども計画は、国のこども大綱、県こども計画を勘案して、本市において(仮称)富山市こども計画が今年度、令和6年度に策定予定と聞いております。
今回私からは、この(仮称)富山市こども計画の策定の目的についてお伺いします。
133 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
134 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
現在本市では、令和2年度から令和6年度までを計画期間とする第2期富山市子ども・子育て支援事業計画に基づき、母子保健、児童福祉、教育、要保護児童等への支援、子育てと仕事との両立に向けた取組など、子ども・子育て支援施策を総合的に推進しております。
今年度策定する(仮称)富山市こども計画は、こども基本法に基づき、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期の各段階を経て、18歳や20歳といった年齢で必要な支援が途切れることなく、大人として円滑な社会生活を送ることができるようになるまで、それぞれの状況に応じて切れ目なく支援していくことを目的としております。
また、この計画は、これまでの第2期富山市子ども・子育て支援事業計画で一体的に策定していた、1つに、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画、2つに、子ども・子育て支援法に基づく子ども・子育て支援事業計画、3つに、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づく貧困対策計画の3つの計画に新たに子ども・若者育成支援推進法に基づく子ども・若者計画を加え、一体的な計画を策定することにより、本市が取り組む子ども・若者施策の今後の方向性を明らかにし、市民にとってより分かりやすいものになると考えております。
135 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
136 ◯ 8番(田辺 裕三君)
新たに子ども・若者計画を加えていくということで、また若い人たちの意識改革につながればいいのかなと、こう思います。
次の質問に入ります。
昨年度、富山駅の南北自由通路や中心市街地、商業施設で学生さんや未婚の若者や子育ての当事者である保護者の方々に子どもや子育てに関する実際の生の声をアンケートされたと聞いております。約1,000人の方々にアンケートをされたと伺っておりますけれども、そのアンケート調査の結果についてお伺いをいたします。
137 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
138 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
本市では、(仮称)富山市こども計画の策定に向けて、昨年度に子どもや若者、子育て中の方の多様な意見を広く聴取するため、富山駅や大型商業施設、中心市街地の3か所において調査を実施し、1,088名の方の協力をいただいたところであります。
子ども・若者においては、富山市に対する好感度に関する設問では約96%の方が富山市が「好き」「どちらかといえば好き」と回答され、将来の居住意向に関する設問では約68%の方が富山市に「住み続けたいと思う」「どちらかといえば住み続けたいと思う」と回答されております。主な意見といたしましては、1つに、富山市のきれいなまちや自然を大切にして世界中の人が富山に訪れてほしい、富山は水がおいしいから水を大切にしていきたい、地元の友達や家族を大事にして、祭りなどの伝統行事を大切に次の世代につないでいきたいなどの自然、文化、観光に関する意見、2つに、女性が仕事面で活躍しているイメージがあまり富山に湧かない、老後暮らしやすいかどうか、年金があるのかなどの未来、将来に関する意見、3つに、高校生は電車で移動するから通学時間帯の本数や区間を増やしてほしい、路線バスの本数が減ってきているなどの交通機関、通学に関する意見、4つに、もっとSNSを活用してほしい、そうすることで特に若い人を中心に情報が拡散されやすくなると思うなどの交流、PRに関する意見がありました。
次に、子育て当事者においては、子育てについての感じ方に関する設問では約61%の方が「楽しいと感じることのほうが多い」、約36%の方が「楽しいと感じることとつらいと感じることが同じくらい」と回答され、富山市の子育て環境に関する設問では約70%の方が「とてもしやすい」「しやすい」、6%の方が「あまりしやすくない」「しやすくない」と回答されております。主な意見といたしましては、授乳室が少ない、ベビーカーなどでも通りやすい歩道があればよい、ベビーカーを持ち込めるところが少ない、公園などはたくさんあってよいが、雨の日に遊ぶ場所が少ない、子育て支援センターが充実している、市の保健師さんたちのサポートが手厚かったなどの子育て環境に関する意見がありました。
139 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
140 ◯ 8番(田辺 裕三君)
結構前向きに捉えていらっしゃる若い方も多いということが確認できました。
では、アンケート調査の結果を富山市の(仮称)富山市こども計画策定にどのように活用しようと考えておられるのかお答えをお願いします。
141 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
142 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
子ども・若者へのアンケート調査の結果につきましては、職員ポータルサイトを通じて広く職員に周知を行ったところであります。
(仮称)富山市こども計画の策定に当たっては、今回寄せられた子どもや若者等からの意見も踏まえ、各部局から生活、文化、環境、交通など、様々な分野の施策を幅広く拾い上げるなど、アンケート調査の結果が計画に反映されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、計画策定への活用に限らず、「こどもまんなか」の視点に立った取組の今後の企画立案にも全庁的に活用してまいりたいと考えております。
143 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
144 ◯ 8番(田辺 裕三君)
ぜひ寄り添って、継続して子育て支援をお願いしたいと思います。
続きまして、第3子以降の保育料無償化についてお伺いをいたします。
昨年8月に「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、県内全ての市町村で第3子以降の保育料を、所得制限を撤廃して、無償化するという方針が確認されました。
これを受けて、本市においても今年度から所得制限をなくすということを聞いております。
そこでお伺いいたします。
この改正によって本市における保育料の歳入の減はどの程度見込んでいるのかお答えをお願いいたします。
145 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
146 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
本市では、これまで市の独自の制度として第3子以降の保育料について年収約640万円未満の世帯は無償とし、それを超える年収の世帯は半額に軽減していたところですが、本年4月から所得制限をなくし、無償としたところです。
議員お尋ねの今回の第3子以降の保育料無償化の対象者の拡充に伴う市の減収額につきましては、本年4月1日時点で、本市の保育所と市立認定こども園に通う64人の児童の保育料に係るものであり、約2,000万円と見込んでおります。
なお、この減収額に対しては県から2分の1の補助があります。
147 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
148 ◯ 8番(田辺 裕三君)
分かりました。
では、この制度改正にどのような意図があるのか見解をお願いいたします。
149 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
150 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
先ほど議員から御説明のあったとおり、第3子以降の保育料につきましては、昨年行われた県の「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、安心して子育てできる環境の整備を目指し、県内全ての市町村で第3子以降の保育料を所得制限なく無償化する方針が確認されたことから、本市においても本年度から対応しております。
このことにより多子世帯の経済的な負担の軽減となり、安心して子育てできる環境の整備が推進したものと考えております。
151 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
152 ◯ 8番(田辺 裕三君)
では、この改正の施策をすることによって子どもが増える見込みがあるのでしょうか。見解をお願いいたします。
153 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古川こども家庭部長。
154 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
国のこども未来戦略においては、夫婦が理想の子どもの数を持たない理由として経済的理由が最も多く、特に第3子以降を持ちたいという希望の実現の大きな阻害要因となっているとされています。
本市では、これまでも子育て世帯への経済的支援として、多子世帯を応援するため、第3子以降に誕生したお祝いとして紙おむつを贈るウェルカムベイビーおむつ事業や保育施設等の第3子以降の副食費について一部の世帯に対し軽減を行うなどの支援を行ってまいりました。
本市といたしましては、今回の第3子以降の保育料無償化により、児童手当の拡充とともに、子育て世帯の経済的な負担がさらに軽減されることで理想の子どもの数を持ちたいという人々の希望がかなえられ、それが少子化対策にもつながるものと考えております。
155 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
156 ◯ 8番(田辺 裕三君)
やはり経済的な課題というのが重くのしかかっているのかなと思われますけれども、お金だけではない、その価値観というものをやっぱり啓蒙すべきではないかなと、私はそう思うのです。
私は今、富山市の沿岸部、四方のほうに息子と女房と3人で住んでいるのですけれども、歩いてすぐ一、二分のところに娘の家族がおり、そこに孫が3人いるのですけれども、小学校1年生と年長、それと年少。その子どもたちがもうしょっちゅううちに出入りして、それで、「じいじ、じいじ大好き」なんて、こう言ってくれるわけです。その後ばあばが来たら、「ばあば、じいじよりばあばのほうがもっと大好き」なんて言うのですよ。本当にかわいいどころのものではないです。本当にこれはお金に代え難い、そういうものではないかと思うわけです。
本当に若い人はお金、お金と思うかもしれないですけれども、でも、そんなに立派なうちに住まなくてもいいではないですか。そんなにいい車に乗らなくたっていいではないですか。いいものを食べなくたっていいではないですか。お金は何とかなるものではないかなと私は思うのですよ。どうですか、皆さんもそう思いませんか。
すみません、おのろけを言ってしまいまして。本当に能書きを垂れてしまいましたけれども、私は、人生を共にするパートナーと、あるいは家族というそんなコミュニティー、こういったものがやっぱり人間、本当に生きる力にもなるし、希望にもなるし、本当の喜びにつながるのではないかなと、こう思いますので、そういった醸成をぜひ図っていただきたいなと、こう思うわけでございます。
では、次の質問に入りたいと思います。
次は、トランジットモールについて質問をさせていただきます。
富山市の大手モールの車道で平成29年から行われてきた歩行者と路面電車のみが通行可能とするトランジットモール、富山版の歩行者天国とも言われておりますが、社会実験を終えて、今年度から民間主導に切り替えて、本年5月26日を皮切りに年4回開催されると伺っております。
そこでお伺いをいたします。
これまでの社会実験の取組内容についてお答えをお願いします。
157 ◯ 副議長(松尾 茂君)
深山活力都市創造部長。
158 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
平成29年度から行われておりますトランジットモール社会実験につきましては、中心市街地でのにぎわい創出や路面電車の利用促進、魅力ある都市景観の形成などを目的に、本市が事務局となり、越中大手市場主催者や富山地方鉄道をはじめ、沿線の民間事業者などで構成される大手モール周辺賑わい創出実行委員会を設立し、令和5年度までの7年間、計19回にわたり社会実験を実施してきたものであります。
この社会実験は、ヨーロッパの町並みにあるようなトラム(路面電車)の横にマルシェが建ち並び、たくさんの人々が行き交うにぎわいのある姿を目指したものであり、市内電車環状線化の整備に合わせて、ヨーロッパのトランジットモールを思わせる石畳による再整備が行われた大手モールの道路空間を活用して越中大手市場の出店テナントを歩道と車道に配置し、その傍らにはゆっくりと飲食を楽しめるようテーブルや椅子を並べたほか、音楽ライブなどの多彩な催しも行っております。
また、この社会実験は大手モールへの一般車両の進入を規制し、歩行者と路面電車のみが通行する空間を創出する取組であることから、軌道と車道の境界には景観に配慮した低いバリケードを設置したほか、車両の進入を規制する箇所や軌道の横断箇所には交通整理員を配置し、また、路面電車車両は音を出しながら低速で走行するなど、歩行者の安全確保にも最大限努めた上で実施をしてきたものであります。
159 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
160 ◯ 8番(田辺 裕三君)
それでは、これまで行ってきたその7年間の社会実験の成果についてお答えをお願いします。
161 ◯ 副議長(松尾 茂君)
深山活力都市創造部長。
162 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
これまで取り組んできた社会実験の成果につきましては、トランジットモールの開催時には、通常の日曜日と比較して、大手モールの歩行者通行量が最大約19倍、平均では約8倍に増加したほか、市内電車環状線の2つの停留場の利用者は最大で約5倍、平均では約2倍に増加をしております。
また、トランジットモールに出店する飲食や雑貨などの店舗数は、実験開始当初は約30店舗だったものが最近では約60店舗にまで増加をしており、トランジットモールでのイベント開催により中心市街地のにぎわい創出や路面電車の利用促進に大きく寄与しているものと考えております。
また、歩行者と路面電車が共存する空間における歩行者の安全確保につきましては、バリケードや交通整理員の数を徐々に減らしてきておりますが、これまで歩行者と路面電車との接触事故は1件も発生しておらず、安全にトランジットモールを実施する上でのノウハウを蓄積できたものと考えております。
さらに、実験開始当初においては本市が事務局となり主体的に取組を開始いたしましたが、社会実験を積み重ねることによって次第に関係者の皆様の間でトランジットモールに主体的に関わる意識が醸成され、本年からは事務局が民間事業者に移るなど、民間主導の取組となったことも官民が連携したまちづくりの成功事例として大きな成果であったと考えております。
163 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
164 ◯ 8番(田辺 裕三君)
それでは、今まで本市主導で行われてきたこの事業でありますけれども、今年度から民間主導に切り替わることで、今後本市はどのような形で連携し、関わっていこうと考えておられるのかお伺いをいたします。
165 ◯ 副議長(松尾 茂君)
深山活力都市創造部長。
166 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
トランジットモールの取組を継続的に実施していくため、これまでの官主導の組織体である大手モール周辺賑わい創出実行委員会は本年3月に解散し、4月に大手モール沿線の民間事業者などが中心となって民間主導の組織体である富山トランジットモール実行委員会が新たに設立され、5月26日には新体制では初となるトランジットモールイベントが開催をされたところであります。
新体制においては、これまでのトランジットモール社会実験で出店協力をいただいていた沿線の民間事業者が事務局を担い、本市は引き続き実行委員会のメンバーとしてトランジットモールの開催に必要な道路占用手続や警察との協議などの役割を担うほか、歩行者の安全確保に必要なバリケードの設置、交通整理員の配置などの支援を行うこととしております。
本市といたしましては、民間主導の新たな運営体制により継続的にトランジットモールが開催され、多くの市民や来街者がまちなかで交流するにぎわいの空間が創出されるよう、市民や民間事業者が主役のまちづくりをサポートしてまいりたいと考えております。
167 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
168 ◯ 8番(田辺 裕三君)
私も先日、5月26日に現地に視察ということでちょっと伺わせていただきました。天気も最高によくて、たくさんの方々が出ておられました。本当に思い思いのいろんな店舗があって、ベンチでくつろいでいらっしゃる方、ソフトクリームを食べていらっしゃる方、家族連れの方も結構おられたなというふうに感じております。ぜひとも本当に今後、継続的にああいうにぎわいがもっと活発になっていけばいいのかなと思います。
私としては、まだまだ認知度が低いのかなというふうに思います。
認知度を高めるために、年4回だけではなくて、毎月第3日曜日だとか、そういうふうに毎月の開催というのが望ましいのかなと思うわけですけれども、当局は認知度を高めるためにどのような考えを持っていらっしゃるのか御見解をお願いいたします。
169 ◯ 副議長(松尾 茂君)
深山活力都市創造部長。
170 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
議員御指摘のトランジットモールの認知度を高めることにつきましては、認知度向上により市内外からの来街者が増加し、中心市街地のさらなるにぎわい創出や路面電車の利用促進につながるなど、本市が目指す公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを進める上で大変重要であると考えております。
また、歩行者と路面電車のみが通行できるトランジットモールによる継続的なまちづくり活動は全国的にも例のない先進的な取組であることから、沿線の民間事業者や路面電車の運行事業者である富山地方鉄道からは、市内外を問わず、積極的にトランジットモールの開催についてPRしてほしいとの御意見をいただいております。
こうしたことから本市といたしましては、これまで取り組んできた市の広報紙や公式ホームページ、SNSによる広報活動を継続するとともに、実行委員会に参画する民間事業者の広報力やネットワークを最大限に活用し、広告紙面やPR動画の配信など、戦略的に取り組むことで、トランジットモールを、路面電車が走り、まちににぎわいが生まれる本市の
コンパクトシティ政策のシンボルとして広く全国に情報発信してまいりたいと考えております。
171 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
172 ◯ 8番(田辺 裕三君)
先ほど言いましたけれども、私も現地視察に行ってまいりましたけれども、結構警備員がたくさんおられたということ、あとは、ライトレールとの間のバリケードですね、結構厳重にされているという感じがしました。
以前から比べると大分減ってきたということもお伺いしているのですけれども、ちょっとすごく気になるなという感じがしましたので、その辺をもっと圧縮できれば経費も随分浮いてくるのではないかなというふうに思いますので、御検討いただければ、それでまた広報のほうに回していただければいいのかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
では、次の質問に入りたいと思います。
カーボンニュートラルについて質問をさせていただきます。
6月に入りまして、今年もいよいよ本格的な夏の暑さが近づいてまいりました。昨年の夏の暑さは皆さんも記憶に新しいことと思いますが、富山では昨年1年間の平均気温が16.1度と過去最高を記録し、昨年8月の平均気温は30.6度と観測史上初めて30度超えをしたということであります。
また近年、自然災害が激甚化・頻発化しており、昨年7月には本市で初めて線状降水帯が観測され、市内全域で道路や農地が陥没するなどの甚大な被害が発生いたしました。
このような被害の主な原因は地球温暖化に伴う気象変動によるものとされており、ゼロカーボンシティを表明している本市においては令和5年3月に富山市地球温暖化対策推進計画を策定しております。
この富山市地球温暖化対策推進計画は、再生可能エネルギーの導入拡大を主要な方針とされておりますが、太陽光発電の導入拡大について、昨年度より開始された住宅向けの太陽光発電設備及び蓄電池補助金の申請状況について答弁をお願いいたします。
173 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
174 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
お答えいたします。
今ほど議員からも御紹介ありましたとおり、本市では、昨年3月に策定いたしました富山市地球温暖化対策推進計画におきまして2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロに向けた方針として再生可能エネルギーの導入拡大を掲げております。
このうち太陽光発電は、住宅から大規模施設まで様々な場所に広さに合わせた規模で設置できることや本市においては設置できる場所がまだまだ多く残っていることから、他の再生可能エネルギーと比較いたしまして優位性が高いと考えられるため、今後さらなる導入を推進することとしております。
また、太陽光発電は、蓄電池と組み合わせることで発電した電気を夜間に使用できることや停電時に非常電源として活用することで防災面においても有効であることから、昨年度より国の補助金を活用いたしまして、一般住宅で太陽光発電設備と蓄電池を合わせた設置に対しまして75万円を上限とした補助事業を開始したところであります。
補助実績につきましては、昨年度には25件分の予算に対しまして18件となっております。
また、今年度には子育て世帯向けに8万円を上乗せすることとしておりまして、31件分の予算に対しましてこれまで8件の申請を受け付けております。
さらに、今年度より事業所に対しまして339万円を上限とする補助事業を開始し、10件分の予算を用意しているところであり、今後とも周知に努め、事業者の方々の積極的な活用につなげてまいりたいと考えております。
175 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
176 ◯ 8番(田辺 裕三君)
今ほどの75万円の補助ということ、実質、これはどのぐらいの費用なのでしょうか。分かりますでしょうか。
177 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
178 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
価格によってもいろいろありますけれども、200万円前後になろうかというふうに思います。
179 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
180 ◯ 8番(田辺 裕三君)
約半分弱という補助があるということですね。ぜひとももっとアピールして、広報してつなげていっていただきたいと思います。
先日、ある電力会社の太陽光発電設備の導入に関するリーフレットを拝見いたしました。このリーフレットには、PPA(第三者所有モデル)の活用について紹介されており、初期導入費用、一般家庭や事業所に設備を導入することができるという、そういうメリットが掲載されておりました。
今年度より本市においてこのPPAモデルを活用した太陽光発電設備の導入に対する補助事業を開始されておりますが、この事業の概要やその狙いについてお伺いをいたします。
181 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
182 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
PPAはPower Purchase Agreementの略でありまして、第三者所有モデルのことであります。電力を使用する個人や事業者、いわゆる需要家が所有する施設の屋根や敷地に発電事業者が太陽光発電設備を設置いたしまして、所有、維持管理をした上で発電した電気を需要家に供給する方式であります。
需要家にとりましては設置時における多額の初期費用が不要となり、設置費と維持管理費相当分を契約期間においてサービス料金として分割支払いできることがメリットとされております。
また、こうしたPPAモデルは発電事業者が補助申請者となり、需要家の申請事務の負担が簡素化されることから、これまで検討されていた市民の皆様にとって費用負担の軽減と併せて導入しやすい環境となっているところでありまして、本市では、PPAモデルを広く普及させるために今年度より補助対象に加えたところであります。
補助内容につきましては、太陽光発電設備のみが対象となりますが、住宅向けには35万円を上限とし、子育て世帯等には3万円を上乗せすることとして20件分、事業所向けには150万円を上限とする10件分を予算化しており、現在、発電事業者より数件の問合せをいただいていることから、今後この補助金を活用いただけるものと考えております。
本市といたしましては、引き続きこうした民間事業者が主体となった取組も活用しながら再生可能エネルギーの導入拡大に努めてまいりたいと考えております。
183 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
184 ◯ 8番(田辺 裕三君)
35万円の20件分を補助すると、これは個人のお宅──私が確認したのは電力会社に補助するようなことも聞いたのですけれども、個人のお宅に補助するということなのですか。
185 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
186 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
間接的な形で補助することとなります。
187 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
188 ◯ 8番(田辺 裕三君)
まだまだ周知されていないような感じがしますので、もっと広報をして、この補助金につなげながら、太陽光パネルが各御家庭に、富山市全域に張り巡らされるようにしていただきたいと、こう思います。
次に、熱中症対策についてお伺いをいたします。
国内では近年、気候変動の影響による気温の上昇とともに、熱中症による死亡者は増加傾向が続いており、今後、地球温暖化が進行すればさらなる高温の発生リスクも増加すると見込まれ、熱中症により健康被害がより増加するおそれがあります。
熱中症による健康被害を減少傾向に転じさせるよう対策を強化することが喫緊の課題となっている中で、国は気候変動適応法の一部を改正いたしました。
改正法では、熱中症対策を一層推進するために政府が熱中症対策実行計画を定めること、令和3年度から全国運用してきた熱中症警戒アラートを熱中症警戒情報として法に位置づけるとともに、熱中症特別警戒アラートが発令されたときには、市町村長の裁量によってクーリングシェルターの指定ができる制度などが新たに創設されたと聞きました。
そこで、今回新たに創設された熱中症特別警戒アラートが発表された際の本市の対応についてお伺いをいたします。
189 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
190 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
昨年の夏は県内で熱中症警戒アラートが29回発表されるなど、記録的な暑さとなり、多くの市民の皆様がこうした暑さを身近な脅威として実感されたのではないかと思っており、このことからも熱中症対策の強化は全国的な喫緊の課題であると考えております。
本年4月1日に施行された改正気候変動適応法により新たに創設された熱中症特別警戒アラートは、これまでの熱中症警戒アラートの一段上の人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合と位置づけられ、過去に例のない広域的な危険な暑さを想定しているものであります。
発表基準は、暑さ指数という気温、湿度、日射・輻射、風の要素を基に算出される指標が使われ、富山県内に設置してある9か所全ての観測地点において翌日の暑さ指数が35に達すると予想される場合に前日の午後2時頃に環境省から発表され、県を通じて本市へ通知されることとなっております。
本市では、この熱中症特別警戒アラートが発表された際に、市のホームページに緊急情報として掲載するほか、富山市公式LINEやSNSのXを活用して市民の皆様に周知を行うこととしております。
さらに、この法改正の施行によりまして、熱中症による健康被害の発生を防止するため、指定暑熱避難施設──通称クーリングシェルター──を市町村長が官民問わず指定できるものとされたところであり、その指定基準は、1つに、適当な冷房設備を有すること、2つに、熱中症特別警戒アラートが発表された際に一般に開放することができること、3つに、地域や施設の状況に応じて、受入れした人数が同時に適切に滞在できる空間が確保されていることとされております。
このことから本市では、今月3日に本庁舎や市立図書館など33か所の公共施設をクーリングシェルターとして指定したところであります。
これまで日本国内におきましてこの熱中症特別警戒アラートの発表基準に達した例はございませんが、本市といたしましては、万一発表された際には、危険な暑さを避け、安心して過ごしていただくためにもクーリングシェルターを御活用いただきたいと考えていることから、今後とも当該施設の周知に努めてまいりたいと考えております。
191 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
192 ◯ 8番(田辺 裕三君)
本当に、今日ももう30度を超えているのではないかと、こう思います。今後、今年もかなり暑くなりそうな気配を感じますので、やはりまたその辺を適切に対応いただければありがたいと、こう思います。
先日の市長記者会見でも市独自の「涼み処とやま」の制度について発表がありました。改めて、この制度の狙いについてお伺いをいたします。
193 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
194 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
先ほど申し上げましたクーリングシェルターは熱中症特別警戒アラートが発表された際に開設する施設でありますが、今回、本市独自の取組として新たに創設いたしました「涼み処とやま」につきましては、民間の店舗等にある冷房が効いたスペースを特別警戒アラートの発表に関わらず、夏の間の暑さをしのぐために市民の皆様に利用していただくものであります。
この取組は、民間事業者の積極的な協力を促し、登録していただいた店舗等を市ホームページや富山市公式LINE等で紹介することで、官民の連携により市民の皆様の熱中症対策に資するものであります。
本市といたしましては、民間事業者に対して「広報とやま」や市ホームページで周知し募集するほか、直接の訪問を通じてより多くの店舗等に参画していただくことで、市民の皆様が日常生活の買物などの際に気兼ねなく御利用していただけるよう環境を整えてまいりたいと考えております。
195 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
196 ◯ 8番(田辺 裕三君)
これは、具体的にはスーパーマーケットだとか、あるいは大きなドラッグストアとか、そういったところを想定されているということでしょうか。
197 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
198 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
おっしゃるとおりでありますが、例えばよくあるイートインスペース等を併設されているところが該当するのではないかというふうに思っております。
199 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
200 ◯ 8番(田辺 裕三君)
ぜひまた周知いただいて、気軽に市民の方がそこに避難できるような、そういう行動を促していただければ、我慢しているのが一番よくないなと、こう思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
では、最後の質問に行きたいと思います。
医療的ケア児についてお伺いをいたします。
本市では、人工呼吸器の管理やたんの吸引などの必要な医療的ケア児を市立小・中学校で受け入れるためのガイドラインを策定されたと伺っております。安全に教育を受けられるように、学校が備えるべき体制、あるいはドクターからの意見書、必要な手続の書類、保護者の役割などを明確にして、要件を満たす子どもさんに訪問看護ステーションなどから学校に看護師を派遣するようでありますが、医療的ケア児が安心して通学でき、保護者の負担を軽減する仕組みづくりが求められます。また、受入れ側の学校側の負担や対応の仕組みづくりが課題のように感じます。
そこでお伺いをいたします。
このガイドラインにおける医療的ケア児の受入れの実施要件についてどのようになっているのかお聞かせください。
201 ◯ 副議長(松尾 茂君)
宮口教育長。
202 ◯ 教育長(宮口 克志君)
本ガイドラインは、令和3年度の医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行を受け、市立小・中学校において医療的ケア児を安全に受け入れ、安心して通学できるよう、基本的な考え方や流れ、対応等について示したものであり、医療的ケアの実施により学校生活が可能となる児童・生徒に対し、他の子どもたちとの関わりの中で安全を確保しながら教育を行うことを目的として活用することとしております。
また、実施に当たっては、保護者や教職員の協力を受けて、医療的ケア児の主治医の指示に基づき、訪問看護ステーションから小・中学校に派遣された看護師が従事することとしております。
これらを踏まえ、市教育委員会が実施可能と認める受入れの実施要件につきましては、人員配置や施設環境等の学校での受入れ体制が整えられているとともに、1つに、病状や健康状態が安定し、学校生活において日常的に医療的ケアの必要性があること、2つに、日常的に保護者が自宅で行っている医療的ケアが確立し、保護者による安定した医療的ケアが行われていること、3つに、病状や医療的ケアに関する情報を、リスクを含め、保護者と学校等で十分に共有できること、4つに、必要に応じて主治医との連携を図ることができること、5つに、医療的ケアを行うに当たり、訪問看護での対応が可能であることとしており、これら全ての要件を満たす場合に受け入れてまいりたいと考えております。
203 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
204 ◯ 8番(田辺 裕三君)
なかなかその現場の対応というのは非常に大変なのではないかというふうにも感じます。
では次に、このガイドラインに基づき、学校側では今後どのような準備が必要とされるのかお聞かせください。
205 ◯ 副議長(松尾 茂君)
宮口教育長。
206 ◯ 教育長(宮口 克志君)
学校における医療的ケア児の受入れに当たりましては、安全かつ適切な医療的ケア実施のため、あらかじめ校長や教頭、養護教諭、担任などで構成される医療的ケア安全委員会を設置するとともに、校長が学校における医療的ケア実施要項を定めることとしております。
また、申込みに当たって保護者から提出された医療的ケア実施申込書や保護者との面談内容のほか、主治医の指示書、医療的ケアを行う看護師や保護者等と情報共有した内容を基に児童・生徒の個別の実施マニュアル、緊急時対応マニュアル、教育支援計画を作成することとしております。
加えて、医療的ケア児の心身の状況や必要とする医療的ケアの内容、教育活動に関する留意点等について学校内で研修を行い、情報共有及び教職員の知識の向上を図ることにより医療的ケア児一人一人の心身の発達に応じた教育の場の提供に努めてまいりたいと考えております。
207 ◯ 副議長(松尾 茂君)
8番 田辺 裕三君。
208 ◯ 8番(田辺 裕三君)
本当に事故やヒヤリハットが非常に危惧されるだろうと思います。安全対策には十分な配慮が必要なのだろうと感じますとともに、学校側の教職員の先生方のこういった日々の記録だとか、あるいは書類の管理、計画書、そういったものをつくるというのはものすごい書類的な負担が大きいように私は感じます。
うちも一応、介護の事業所をちょっとやらせていただいているものですから、計画書をつくって、その後のモニタリング、そういったのも非常に負担になるところが、書類整理だけでも結構時間が取られるわけです。そういったことが現場の学校の教職員の先生方の非常な負担にならないかなということを私もちょっと危惧するところでございます。
ぜひ医療的ケア児の方々や保護者の要望というものをしっかりと、また大切に受け止めながら、現場の先生方とやっぱり協議し、そしてまた、定期的な聞き取りが必要ではないかなと思いますので、現場の声をしっかりと把握して対応していただきたいなと、そう思います。
以上で質問を終わります。
209 ◯ 副議長(松尾 茂君)
これで田辺議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
1番 金岡 貴裕君。
210 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
自由民主党、金岡です。令和6年6月定例会に当たり、一般質問及び議案の質疑を行います。
まずは災害廃棄物、いわゆる災害ごみについてです。
令和6年能登半島地震発災から半年近く、発災以来、氷見市や七尾市等で災害ボランティアとして現場を見てきましたが、いまだ復興への道のりは遠くあります。
本市においても大きな揺れに見舞われ、至るところでその爪跡が散見されます。私の家でも灯籠のてっぺんが落ちました。
地震の発災後、1週間くらいでは、市民から、地震でテレビが落ちてきて壊れたが、災害ごみとして出せないのかという問合せもありました。
本市は仮置場を設置しなかったですが、県内においては、被害の大きかった高岡市、氷見市も含め、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、上市町に設置されました。
本市が設置しなかった理由についてお聞きします。
211 ◯ 副議長(松尾 茂君)
当局の答弁を求めます。
舟崎環境部長。
212 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
自由民主党、金岡議員の御質問にお答えいたします。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律においては、非常災害により生じた廃棄物、いわゆる災害廃棄物について、その発生量が著しく多量であることを踏まえ、円滑かつ迅速な処理を確保するとともに、将来にわたって発生する廃棄物の適正な処理を確保するため、分別、再生利用等によりその減量が図られるよう適切な配慮がなされなければならないと規定されております。
災害廃棄物の仮置場につきましても、同法の趣旨を踏まえ、多量の災害廃棄物の発生や処理施設の被災により通常の廃棄物処理が行えなくなった場合に、災害廃棄物を一時的に集積、保管、処理することで適正処理につなげるために設置するものであります。
本市では、発災翌日の本年1月2日より被害に遭われた方々からの電話応対に当たり、1月5日までに倒壊した食器棚や割れ落ちた外壁等に関するお問合せが85件あったところであります。
これらにつきましては、町内のごみ集積場に出していただくか、環境センターの収集車で直接収集するほうが早く処理ができると考え、市民の皆様にはこのいずれかの方法による対応をお願いしたところでございます。
また、家電リサイクル法の対象4品目につきましては、本年1月16日までに壊れたテレビに関するお問合せが23件にとどまったところであり、市民の皆様には御自身でリサイクル券を購入して処理していただいたところであります。
このほか、ブロック塀等につきましては、本年1月16日までに154件の問合せがあり、職員が現地調査を行った結果、多くの被害が確認されたことから、仮置場の設置についても検討いたしましたが、重いブロック塀等を仮置場まで運搬するには、1つに、相当な労力が伴うこと、2つに、御高齢の世帯が比較的多く、運搬する手段を持っておられないこと、3つに、余震が続いている中での運搬作業には危険が伴うことなどの理由から、被災者の安全確保を最優先に考え、各世帯の被害の規模に応じ、環境センターの収集車で直接収集に赴くか、解体及び撤去までが必要となるケースにつきましては、専門業者に委託し処理することとしたところであり、以上のことも踏まえ、災害規模等を総合的に判断した結果、仮置場を設けなかったものであります。
213 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
214 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
市全体での災害廃棄物の総量としては仮置場を設置するほどのことではなかったという判断だったのかもしれませんけれども、個別に見れば、相当量の災害ごみが出て、実際どう処理したらいいのかも分からない方もおられたのかなと思います。
仮置場を設置するのかどうかは災害廃棄物処理計画において定めていると思いますが、本市の災害廃棄物処理計画において想定している災害の規模についてお伺いします。
215 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
216 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
本市では、国の指針に基づき、平成29年3月に富山市災害廃棄物処理計画を策定し、災害廃棄物の適正処理及びリサイクルを迅速かつ円滑に実施できるよう、災害対応の組織体制や災害廃棄物の処理方針、さらには仮置場の設置、運営管理等を定めているところであります。
本計画における被害想定につきましては、富山市地域防災計画と整合性を図り、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの被害として呉羽山断層帯を震源とする震度7の地震が発生した場合を想定しております。
その想定する被害の内容は、避難者数が12万8,039人、住宅被害については、全壊が2万5,764棟、半壊が6万8,567棟などとしており、これらの被害による災害廃棄物の発生量は推計値として約467万トンを見込んでいるところであります。
217 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
218 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
今、想定している被害、災害規模についてお聞きしましたが、仮置場に必要な条件というものをあらかじめ設定しておくことが必要なのかなと思っております。仮置場に必要な条件を明確にすることは実際の災害発生時に迅速に設置するために必要で、例えば仮置場の立地条件、敷地面積、アクセス道路の確保、廃棄物の種類ごとの分別方法など、詳細な条件を設定することが重要です。
また、仮置場の運営に当たっては、必要な人的リソースや機材の準備も含め、総合的な視点から仮置場の条件を検討することが求められると思います。
災害廃棄物処理計画における仮置場に必要とされる条件についてお聞きします。
219 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
220 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
本市の災害廃棄物処理計画では、仮置場に必要とされる条件として、1つに、隣接道路が大型車両の往来可能な幅員であること、2つに、緊急輸送道へのアクセスがよいこと、3つに、学校、病院、指定避難所など、環境保全上、特に留意を要する施設に隣接しないこと、4つに、広大な敷地面積であることなどを定めております。
また、国の指針では、仮置場の設置箇所の選定については、災害の種別や規模に加え、道路や橋梁などのインフラの被害状況や仮設住宅、自衛隊の野営場などの設置箇所、さらには、周辺住民の衛生環境や安全面に配慮した上で判断する必要があるとされていることから、今後、他都市の状況を調査し、防災危機管理部や財産所管部局等との協議を行うなど、適切な選定方法を検討してまいりたいと考えております。
221 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
222 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
あまり詳細に条件を言うことは場所を推定しやすくなったりとかということでこの場であまり言えないかもしれませんけれども、いざというときのためにぜひ条件の整理をして、何か所か選定しておくことが必要なのかなと思っております。
昨年7月に起きた線状降水帯では、あと何時間か続いていればどれだけの被害が生じていたのか。先日、会派で人吉市へ視察に行ってまいりましたが、当時、九州を襲った線状降水帯は13時間以上継続し、球磨川の氾濫前には内水氾濫が起きていたということでした。全世帯の5分の1に相当する約3,000世帯が浸水しています。
当時、災害ごみを捨てに行こうにも、6時間以上待たされた挙げ句、受付時間を過ぎたため受け付けてもらえなかったというニュースもありました。
また、能登半島地震においても、同じ県内の氷見市では相当量の災害廃棄物が山となっていました。
災害廃棄物処理計画を立てられていても、想定以上の災害が起きる可能性、マニュアルで想定している量よりも多い、また、多岐にわたる災害廃棄物が出てくる可能性もあります。
今回の能登半島地震を受けて、災害廃棄物処理計画の見直しを考えていないのかお伺いします。
223 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
224 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
今回の能登半島地震により、本市においては、液状化等によるブロック塀の倒壊や家屋の損壊など甚大な被害が発生したことから、倒壊したブロック塀等の撤去や半壊以上の判定を受けた家屋について、所有者に代わって解体撤去を行う公費解体などを実施しているところであります。
この公費解体につきましては、復旧・復興に向けて全市一丸となって取り組むために本年5月に策定した富山市復旧・復興ロードマップに位置づけながら、本年度末の完了を目標に、既に7件の申請を受け付けており、今後、順次解体を行っていく予定としております。
このように、本市は現在、災害対応に注力している状況にある中で、今回の地震により得られた経験を今後の本市の災害廃棄物処理計画に生かし、災害廃棄物対策を強化することは大変重要であると考えているところであります。
このことから、今後は本市を含む能登半島地震の被災地や過去に大規模災害の被害を受けた都市の状況調査などを行いながら、富山市災害廃棄物処理計画の見直しや災害廃棄物処理に係る初動対応を円滑かつ迅速に実施するためのマニュアルの作成について検討してまいりたいと考えております。
225 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
226 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
ぜひ被害の大きかった他都市のほうの状況等も見られて、また参考にしていただけたらと思います。
氷見市でボランティアをした際、災害廃棄物を仮置場に搬入することがありました。現地でトラックに積み込む作業はそんなに時間がかかりませんでしたので、あと1か所くらいはボランティアに入れそうだと思っていたのですが、仮置場に搬入する際に2時間以上待たされて、次の現場に行くことができませんでした。何でそんなに時間がかかるのかと仮置場に実際に入りましたが、分別で時間がかかっていることが分かりました。
分別に時間がかかる大きな要因は、狭い入り口で1台1台受付し、分別の素人である市民が仮置場内でよく分からないまま時間をかけて分別していたからでした。
災害発生直後は多くの廃棄物が一度に発生し、迅速に処理する必要があります。そのため、分別に時間がかかることは廃棄物の処理を遅延させ、結果として被災地の復旧を遅らせる可能性があります。
そこで、仮置場においては、まず災害廃棄物の受入れを優先し、分別は後回しにすることで搬入のスムーズさを確保する方法を検討することが求められると思います。
仮置場の搬入時に分別を行うと大幅な待ち時間が想定されますので、この災害廃棄物の受入れだけに限定した仮置場の設置を考えていないのかお伺いします。
227 ◯ 副議長(松尾 茂君)
舟崎環境部長。
228 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
富山市災害廃棄物処理計画において、仮置場については、1つに、手作業や重機作業による粗選別を行う場所として設置する1次仮置場、2つに、1次仮置場で粗選別した災害廃棄物を集積し、破砕、選別するとともに、再資源化を行う2次仮置場の2種類を設けることを想定しております。
過去の事例においては、災害廃棄物が仮置場に分別されずに搬入された場合、1つに、災害廃棄物の搬出が困難になり、処理に長期間を要すること、2つに、生ごみ等の腐敗性廃棄物が混入し、悪臭や害虫が発生すること、3つに、危険物や有害物質が混入するおそれがあること、4つに、処理費用が増大することなどの問題が生じ、このような仮置場が多くなると、災害廃棄物の処理に多大な労力や費用を要すると伺っております。
また、国からは、仮置場に限らず、災害廃棄物の処理については安全を第一とし、スピード感を持って、費用にも配慮するという災害廃棄物処理の3原則が示されており、本市といたしましては、国や県、全国市長会や全国都市清掃会議から支援要請を受けた地方自治体、並びに県や本市が災害協定を締結している団体や民間事業者と連携を図りながら災害廃棄物の適切な処理に努めてまいりたいと考えております。
なお、災害時は想定外のことも生じることから、そうした状況下における仮置場の円滑な運用について他都市の事例や実情を調査・研究してまいりたいと考えております。
229 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
230 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
今回氷見市でも、行政はしませんでしたけれども、被害の大きかった地区の自治会のほうでは、自治会のほうが主導されまして、近くの公園のところに災害廃棄物を持ってこられて、一時的な仮置場を設置されていました。そこに私たちボランティアが入って分別し、そこから搬出したという形で、そこの地域の復旧がほかよりも早く進んだという例がありますので、ぜひとも他都市のほうでもまた研究されたらいいのかなと思っております。ぜひお願いいたします。
続いて、災害関連死についてです。
被災後の心身の負担が原因で亡くなる災害関連死について、主要87市区のうち、48%に当たる42市が審査会の設置を条例に規定していないことが共同通信の調査で分かりました。
国は2019年に審査会設置を条例で定めるよう努力義務化しましたが、備えが進んでいない実態が浮き彫りとなった形です。
本市においても現在規定されていませんが、認定の遅れによって生活再建に影響が生じる懸念もあります。遺族の相談を受けてから動いていては混乱を招くだけです。
災害関連死を認定する審査会の設置に向けた条例の整備について見解を伺います。
231 ◯ 副議長(松尾 茂君)
古西福祉保健部長。
232
◯ 福祉保健部長(古西 達也君)
災害関連死とは、自然災害による負傷の悪化または避難生活などにおける身体的負担による疾病などが原因で死亡したと認められたものと国において定義されており、災害関連死と認定された場合には、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、その遺族に対し災害弔慰金を支給できるものとなっております。
国では、市町村は、災害弔慰金の支給に関する事項を調査、審議するため、条例の定めるところにより審議会その他の合議制の機関を置くよう努めることとされており、本市では審査会の設置に至っておりませんが、過去に自然災害に伴い大きな被害を受けた福島市や熊本市などでは災害関連死が疑われる事例が発生し、自然災害による死亡であるか否かの判定を行うため医師や弁護士などの有識者で構成する審査会が設置されております。
近年、国内では地震や豪雨などによる災害が頻発するなど、自然災害のリスクが高まる中、本市といたしましても、今後、災害関連死が疑われる事例やいつ起こるか分からない災害に備えて審査会の設置が必要であると認識しており、早急な条例の整備に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
233 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
234 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
ありがとうございます。早急に整備のほう、よろしくお願いいたします。
最後に、市内高等教育機関との連携についてお伺いします。
本県の人口がとうとう100万人を切りました。少子化の中、人口の自然減を抑制することは難しい問題ですが、高校卒業とともに進学、就職で県外に流出する、いわゆる18歳人口の流出の問題に目を向けなければいけないと思われます。
幸い、富山市においては国立の富山大学があり、私立でも富山国際大学、富山短期大学があります。令和5年度の入学者の出身地を調べますと、富山大学における本県出身者は434名、富山国際大学は187名、富山短期大学では255名となっています。
少子化で全入時代と言われている中で、地方の私立大学は淘汰の時代になっていますが、市内にこれだけの本県出身者が進学し学んでいることは大変有意義なことであると思われます。
若者だからこその視点をぜひ市政にも反映していけたらと思いますが、そこでお聞きします。
市内にある高等教育機関との連携した取組の現状についてお伺いします。
235 ◯ 副議長(松尾 茂君)
清水企画管理部長。
236 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
本市では、教育や文化、まちづくり、環境、産業、健康などの様々な分野において人的交流や知的・物的資源の相互活用などを推進するため、市内にある高等教育機関である富山国際大学及び富山短期大学、富山大学、富山高等専門学校とそれぞれ包括連携協定を締結しております。
各高等教育機関と連携した取組といたしましては、1つに、学生に本市のまちづくりへの理解を深めてもらうため、富山大学や富山国際大学の授業に本市職員を派遣して講義を行う取組、2つに、各大学の教員に市の附属機関の委員に就任していただき、専門的・学術的な見地から意見をいただくこと、3つに、平成30年の富山大学都市デザイン学部の開設を契機に、同大学の中川 大先生に本市の交通政策監に就任していただくとともに、
コンパクトシティ政策を研究対象として、研究成果を本市にフィードバックしていただいていることがあり、そのほかにも、大学コンソーシアム富山による地域課題の解決に資する方策の提言や富山大学と県、市の連携によるデータサイエンティストの育成などにも取り組んでおります。
また、過去には富山大学での地域医療と在宅医療の担い手となる医師の養成のための寄附講座の開設や富山ガラスの新素材の富山大学との共同開発、エゴマの6次産業化に向けた共同研究に取り組み、また、富山大学や富山国際大学などと地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、いわゆるCOC+事業で連携するなど、多岐にわたる分野において連携した取組を進めておりました。
237 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
238 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
今ほど、現在連携した取組についてお聞きしました。
今、清水部長からも言われたとおり、COC+事業というところで、私は担当者として一緒にやらせていただいたこともあるのですけれども、それもそのときの限定的なものに終わってしまっているのではないのかなと思っております。この包括連携協定というものは本当にしっかり中身のあるものにしていかなければいけないのかなと思っております。
本来、包括連携協定とは、市の抱える多様な課題の解決に向けて相互協力していく意思表示を行って、多岐にわたる分野において継続的に推進していくものだと考えます。もちろんウイン・ウインの関係でなくてはいけませんので、お互いに人的・知的資源の交流と活用も考えていかなくてはいけないと思っております。
人口減少社会にあって、高度複雑化する地域課題の解決に向けて、これまで以上に高等教育機関と連携を深めていくべきと考えますが、所見を伺います。
239 ◯ 副議長(松尾 茂君)
清水企画管理部長。
240 ◯ 企画管理部長(清水 裕樹君)
大学などの高等教育機関には地域を担う人材の育成や研究成果の社会への還元などの役割が期待されているものと考えております。
一方で、本市では、人口減少や少子・超高齢化が進行し、都市の抱える課題が急速に高度化・複雑化する中にあっては、知の拠点である大学などの高等教育機関が持つ専門性を生かしながら行政課題の解決に向けた方策を共に考えていくことが不可欠になっているものと考えております。
また、こうした行政課題や地域課題の解決に当たっては、高等教育機関との連携に加え、企業や団体などが持つ人材や技術を生かして、産学官が共に考え、共に施策を進めていくことが必要であると考えております。
このため本市では、産学官の交流・共創の場として令和2年度にSketch Labを開設しており、富山大学と富山国際大学の教員や市内企業の若手経営者、市職員、さらには学生の皆さんなどの多様な主体が行政課題、地域課題の解決に向けて方策の検討などを行っております。
本市では、今後とも、こうしたSketch Labのような連携の場や包括連携協定などの枠組みを十分に生かしながら高等教育機関との連携を一層深めて、多様な分野における人材の不足や地域コミュニティーの維持などの喫緊の困難な課題への方策を見いだしてまいりたいと考えております。
241 ◯ 副議長(松尾 茂君)
1番 金岡 貴裕君。
242 ◯ 1番(金岡 貴裕君)
昨年、総務文教委員会で視察した東広島市では、Town&Gown構想として、市と大学が包括的・日常的・継続的・組織的な関係を構築の上、市の行政資源と大学の持つ教育研究資源を融合しながら活用することで地方創生を実現し、持続的な地域の発展と大学の進化を共に目指していました。
東広島市はその協定の中で、1つの私立大学とは、そういった地域課題の解決に向けての施策だけではなくて、交通アクセスの向上というものも結んでおられました。
ぜひとも市に高等教育機関を抱えていることの意義を踏まえて、より連携を深めていっていただけたらと思っております。
以上で質問を終わります。
243 ◯ 副議長(松尾 茂君)
これで金岡議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。
午後 2時33分 休憩
───────────
午後 2時50分 再開
244 ◯ 議長(横野 昭君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
5番 織田 伸一君。
〔5番 織田 伸一君 登壇〕
245 ◯ 5番(織田 伸一君)
令和6年6月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問を行います。
令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方に対し、心からお悔やみを申し上げます。被災地の一日も早い復旧・復興を御祈念申し上げますとともに、本市における復旧・復興、そして、防災・減災に議員の1人として引き続き取り組んでまいります。
家庭の自助、地域の共助について伺います。
災害に対しては、自助、共助、公助の個々の取組と連携が必要です。その上で、まず重要なのは自分の命は自分で守る、自助の取組が全ての基本になるということです。災害時に助ける側に回るのか、助けられる側に回るのかによって避難や救助の状況は大きく変わります。
しかし、今回の地震を経験した本市においては、津波ハザードマップを知らなかったり、土砂崩れのおそれさえある呉羽山に向かって避難されるというように、災害ハザードの理解はまだ不足していることが明らかになりました。改めて、自助の意識や取組を推進する必要があります。
効果的な取組として、平時から自分の生活圏で考えられる災害とその被害を把握し、取るべき行動を時系列でまとめるマイ・タイムラインの取組があります。避難行動におけるきっかけを明確化し、具体的に準備しておく事柄のリスト化、家族間の安否確認や避難方法の共有化等を図ることができます。
また、リードタイムのある風水害用が普及していますが、地震用のものも有用であります。
自助の意識と取組を推進するためにマイ・タイムラインの一層の普及を図る必要があると考えます。
自主防災組織、町内会での防災講座におけるマイ・タイムライン作成の講座開催の実績を伺います。
また、マイ・タイムライン普及の重要性の認識と今後の取組を伺います。
また、地域の共助については、その取組を具現化するツールとして地区防災計画があります。地域住民が自発的にその地域における防災対策をまとめた防災計画です。平時には計画に沿って訓練や防災資機材を整備し、災害が発生した場合にはフローチャートに沿って行動することができます。
また、特に、この策定を通じて地域住民らがその地域で想定される浸水、土砂災害や津波などの災害ハザードを確認し、想定される被害を考え、そして、対策の立案を住民自らが行うことを通じて住民の防災意識や助け合いなどの共助の力につながることが大きな意義だと考えます。
本市では、この地区防災計画は小学校区程度の範囲での策定を念頭に置いて進められており、自治振興会の果たす役割が大きいものと思います。現在、全79地区のうち、校区単位での自主防災組織が結成されているのが30地区あり、そのうち、地区防災計画を策定していない地区が18か所あります。積極的な働きかけが必要だと考えます。
今後の地区防災計画策定促進の取組を伺います。
避難所の開設・運営においては、行政と地域住民との連携が不可欠であると元日の令和6年能登半島地震の経験から改めて実感されたものと思います。そこで重要になってくるのは事前の備えです。開設の手順から運営についてマニュアルを整備し、情報共有しておくことが必要です。
避難所マニュアルは、これまで小・中学校や地区センターでそれぞれ開設マニュアルを策定、運用し、そのほか、地域で運用される運営マニュアルが別々に存在しており、中には整合を図ることが必要な内容もあるため課題でした。
そのような中、先般改定が行われ、避難所開設・運営マニュアルとして示されました。今後、このマニュアルを基に、学校、地区センター、自治振興会等が協働で地域の実情に沿った内容へのブラッシュアップが図られることが期待されます。
改定された避難所開設・運営マニュアルを関係者に対してどのように周知を図るのか伺います。
また、地域の実情に沿ったマニュアルづくりを学校、地区センター、自治振興会等に対してどのように促していくのか伺います。
次に、事業者の自助と社会的使命について伺います。
企業、事業者においても、災害に対しては、まず従業員の生命、身体を守り、そして、事業継続を通じて二次的な被害の拡大を抑止し、もし事業が途切れたとしても迅速な復旧を図り、被災地の早期復旧や復興につなげる社会的使命があります。そして、それらを実現するために事業継続計画(BCP)の普及が図られています。
一方、民間調査会社が昨年全国で行った調査において、その策定率は、中小企業で15.3%、大企業でも35.5%と普及はまだ進んでいない状況も明らかになっています。
また、BCPを策定していない理由については、ノウハウの不足や策定する人材が確保できない等が挙がっています。
一方、能登半島地震を受けて、改めてBCPに対する関心や必要性の認識も高まっていると思われます。この機を捉えて、本市においてもBCPの啓発、普及促進に取り組むべきと考えます。
そのような中、先日、本市が開催した企業支援講演会において事業継続力強化計画、いわゆる「ジギョケイ」が演題の1つに挙がっておりました。事業継続力強化計画認定制度は、中小企業強靱化法に基づき、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を国が認定する制度で、認定を受けた中小企業は税制優遇や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。そして、経済産業省の名前の入った認定ロゴマークを表示できることが大変人気だとのことでした。
この制度の特に注目したいところは、中小企業ではBCP策定は敷居が高いという直感的な忌避感がある中、この事業継続力強化計画はBCPの簡易版あるいは入門編と位置づけられている点にあり、今後の普及が期待されます。
本市においても、事業継続力強化計画の普及を促進すべきと考えますが、見解を伺います。
また、社会福祉施設等では、災害が発生した場合、建物や設備の損壊、停電、断水、職員の被災による人手不足が想定され、利用者へのサービス提供が困難になる場合も考えられます。利用者は日常生活、健康管理を施設に依存しており、施設のサービス提供が困難になることは利用者の健康、生命に直結します。また、そうなればその家族にも大きく影響を与え、社会への影響も大きいものとなります。
このようなことから、社会福祉施設等には、危機事象に際してサービス提供の維持・継続が強く求められています。
そのような中、令和3年度に全ての社会福祉施設におけるBCP策定の義務化が決定され、3年間の移行期間を経て、本年4月1日から実施されました。
本市は、社会福祉施設のBCP策定の義務化についてどのように認識しているのか伺います。
また、今後各施設におけるBCPの策定状況を市ではどのように把握していくのか伺います。
次に、在宅要配慮者の避難支援について伺います。
阪神・淡路大震災では、死者の約半数が65歳以上の高齢者でした。また、東日本大震災においては、宮城県においては障害者の死亡率が全体の約2倍強になったと言われています。
そして、今後、在宅医療・介護が進む中で、地域で暮らす高齢者や障害者の数は増えていくと予想されますので、避難行動要支援者の支援策は喫緊の課題です。
本市では、自力での避難が難しいと想定した、例えば要介護3から要介護5の方、身体障害者手帳1、2級の方、あるいは療育手帳の重度の方などのうち、在宅の方の名簿を地区センターに備え置き、災害時に安否確認に活用できる体制を整えています。この災害時の安否確認は、要支援者の状況を確認し、避難誘導や救助のほか、必要な支援にいち早くつなげるための重要な取組となります。
一方、地域防災計画には、地域包括支援センター、民生委員、身体障害者相談員、知的障害者相談員、高齢福祉推進員、自主防災組織、町内会、その他関係団体等と連携して安否確認体制の充実を図るとされていますが、安否確認の具体的な手順や役割分担を理解している関係者は多くないと存じます。
避難行動要支援者の安否確認に係る関係者の連携・調整の在り方について伺います。
また、その訓練の実施について伺います。
また、要配慮者の避難行動を支援する取組として個別避難計画があります。自ら避難することが難しい高齢者、要介護者、障害者等の避難行動要支援者ごとに策定する避難支援のための計画です。
この個別避難計画の策定は令和3年に市町村の努力義務となり、概ね5年以内での策定が示されていますが、全国的にも時間がかかっている状況です。
そして、本市においても、その策定率は3割にとどまっています。現在様々なアプローチから策定に取り組まれておりますが、例えば、民生委員が主体的に取り組む場合、1人の民生委員が多くの個別避難計画で支援者を兼ねているケースや、自主防災組織が主体で行う場合は、福祉知識等に乏しく、具体の支援策に苦慮するケース、福祉専門職が主体で行う場合には、地域の支援者とのマッチングが難しいケースなどがあるように思います。これは、やはりそのケースに応じた連携が必要と考えます。
また、福祉要支援者の中には、高齢の独り暮らしや肢体不自由な方であっても、声かけや簡易な補助があれば避難できる方もおられます。例えば、そのような災害リスクの比較的低い方へは民生委員、自主防災組織で対応し、専門性が求められる災害リスクの高い方へは福祉専門職を交えた枠組みで対応を図るなどの連携が必要ではないかと考えます。
また、福祉専門職には業務としての対価も検討すべきと考えます。
個別避難計画策定における福祉専門職と民生委員、自主防災組織等の連携を伺います。
また、個別避難計画策定経費における地方交付税措置の活用を伺います。
呉羽山断層地震における本市の被害想定では、9万4,000棟余りの住宅が全半壊となっています。住宅の総棟数は18万棟余りですので、全住宅の半分が全半壊することになります。
そして、住まいを失って避難される方は、仮に全壊が100%、半壊が50%と単純に計算しても13万人余りとなります。
一方、令和5年10月末時点で避難行動要支援者全体名簿は1万8,000人余りです。これは人口の4.5%になりますので、その比率で考えれば、避難所には全体名簿登録者のうち5,000人余りの方が避難することになります。
国の福祉避難所の確保・運営ガイドラインでは、「市町村は、指定福祉避難所の指定・整備数を検討するための基礎資料として、指定福祉避難所の受入対象となる者の概数を把握する」としていますが、まさに特別な配慮が必要な多くの被災者が発生するものと見込まれます。
一方、現在、福祉避難所は65か所の指定をいただいています。これまでの関係者の取組に敬意と感謝を申し上げます。
その上で、量的課題として、引き続き福祉避難所の指定促進を図ることは喫緊の課題であります。
福祉避難所に指定している65か所における要配慮者の受入れ想定人数を伺います。
また、市内において福祉避難所の候補となり得る社会福祉施設の施設数を伺います。
また、福祉避難所指定促進における課題と今後の取組を伺います。
災害に備え、平時から福祉避難所の円滑な開設・運営の体制構築が図られることが求められます。そのためには、指定福祉避難所における開設・運営のマニュアルが整備され、加えて、定期的な訓練が必要だと考えます。
そして、実効性を高める訓練とするためには市側との連携が必要です。例えば、市災害対策本部からの福祉避難所の開設要請、受入れ可能人数などの把握、受入れ実施などを含めた一連の連携訓練が必要だと考えます。
また、福祉避難所への緊急入所が必要との判断・スクリーニングを誰がどのように行うのか、様々な被災者の状況に応じた想定訓練も必要です。
福祉避難所における開設・運営マニュアルの整備状況を伺います。
また、災害対策本部と福祉避難所ほか関係先との連携訓練の実施が必要だと考えますが、見解を伺います。
国においては、令和3年に福祉避難所の確保・運営ガイドラインを改定し、あらかじめ受入れ対象者を特定し、在宅から直接、福祉避難所に避難ができることとされました。知的障害者や精神障害者などの中には急激な環境変化への対応が難しい場合があり、一般避難所への避難にためらわれる場合や、在宅療養者の中には移動により心身の状態の悪化を招くおそれのあるケースなどがあります。
これまでの当局の答弁では、福祉避難所への直接避難は検討する必要性は認識しているが、現段階では難しいとの認識です。確かに、残念ながら、今すぐに多くの直接避難先を確保することは難しいと思います。
しかしながら、一歩も進まないのではなくて、例えば浸水や土砂災害等の災害発生リスクの高い地区に暮らしておられ、かつ、一般避難所での生活が困難と想定される障害者や在宅療養者等については、条件や手順を定めた上で、福祉避難所への直接避難ができるように、まず取組を始めるべきではないかと考えます。
重度の障害者や在宅療養者等の福祉避難所への直接避難導入を伺います。
今回の能登半島地震では、福祉避難所の多くで建物やライフラインが被災し、開設できなかったケースが発生しました。これは本市においても想定されます。
また、福祉避難所が開設できたとしても、現在の指定数では受入れ総量が不足していると思われます。
また、福祉避難所は2次避難であり、特別な配慮が必要な被災者も一旦1次避難所への避難が必要となっています。
また加えて、1次避難所においても一定の配慮や支援が必要な避難者も想定されます。ゆえに、それらの補完対策として1次避難所に福祉避難スペースを確保し、要配慮者への支援につなげる必要があると考えます。
指定避難所における福祉避難スペースの設置を伺います。
次に、被災者支援について伺います。
近年、自然災害が頻発する中、一たび災害が起こっても早期に復旧・復興につなげることができるしなやかな回復力の強化が求められています。そして、そのためには遅滞なく罹災証明を発行し、被災者への生活支援につなげることが重要です。
罹災証明は、支援金、貸付け、税や保険料の減免などの各種公的支援制度の適用基準とされているほか、民間の支援制度にも利用されており、罹災証明書の発行時期と被害認定の結果が被災者の生活再建のスピードを左右するものとなっています。
そのような中、本市では昨年、被災者生活再建支援システムの整備が図られました。被災者生活再建支援システム導入の経緯と効果を伺います。
次に、災害復旧の状況について伺います。
昨年7月12日夜遅くから13日未明にかけて県内初となる線状降水帯が発生し、顕著な大雨に関する富山県気象情報が発表され、約5万世帯、11万6,000人に対して避難指示が発令されました。そして、この記録的な大雨によって市内各所で床上・床下浸水、土砂崩れなどが発生しています。
また、元日に発生した能登半島地震では、本市においても最大震度5強を観測するなど、かつて経験のない大きな揺れとなり、8,000人以上の方が避難所に避難するなどされました。そして、揺れによる被害に加え、液状化による被害は深刻なものとなりました。
市民生活や事業活動に甚大な影響を与える災害が復旧のいとまもなく発生しております。
まず、昨年7月の大雨被害における市が管理する道路、河川、公園についての復旧状況と今後の対応を伺います。
同じく、昨年7月の大雨被害における農地・農業用施設における復旧状況及び今後の対応を伺います。
また、能登半島地震における農地・農業用施設の復旧状況と作付への影響及び今後の対応を伺います。
以上で質問を終わります。
246 ◯ 議長(横野 昭君)
当局の答弁を求めます。
鎌田防災危機管理部長。
〔防災危機管理部長 鎌田 泰史君 登壇〕
247 ◯ 防災危機管理部長(鎌田 泰史君)
富山市議会自由民主党、織田議員の御質問にお答えいたします。
私からは、初めに、家庭の自助、地域の共助について3点お尋ねのうち、まず、自主防災組織、町内会での防災講座におけるマイ・タイムライン作成の講座開催の実績、また、マイ・タイムライン普及の重要性の認識と今後の取組についてお答えいたします。
本市では、自主防災組織や町内会等を対象として防災対策や避難方法などに関する講座を実施してきており、そのうち、マイ・タイムラインの作成をテーマとした講座につきましては、令和3年度には全講座の実施数32回のうち4回、令和4年度には72回のうち7回、令和5年度には76回のうち4回実施したところでございます。
マイ・タイムラインは地震や大雨等の災害時に慌てず避難するために住民自らが取る防災行動を時系列に整理したもので、自らの命は自ら守るという自助につながる有益な取組であると考えております。
このため、マイ・タイムラインの重要性をより多くの市民に知っていただき、自らの避難行動を考えていただくことが何より重要であることから、引き続き市が主催する自主防災組織の研修会や市のホームページなど、様々な機会を捉えて周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後の地区防災計画策定促進の取組についてお答えいたします。
地区防災計画とは、一定の地区内の住民や事業者等が共同して行う防災訓練や物資及び資機材の備蓄、災害が発生した場合の防災活動に関する計画であり、当該地区の住民意識の共有化を図る上で重要な役割を果たすものであると考えております。
このため本市では、地区防災計画の策定を推進するため、平成30年度より富山県防災士会と連携し、豊富な知識と経験を持つ防災士をアドバイザーとして派遣する事業を行ってきたところであり、これまで豊田地区や熊野地区など、12の地区で計画が策定されております。
今年度は新たに、富山県防災士会の協力を得て、全自治振興会役員を対象とした防災講座を実施することとしていることから、この機会を通して参加者の方々へ地区防災計画の重要性について周知を行うとともに、未策定の地区に対しましては地区防災計画の策定を促してまいりたいと考えております。
次に、改定された避難所開設・運営マニュアルについて関係者に対してどのように周知を図るのか、また、地域の実情に沿ったマニュアルづくりを学校、地区センター、自治振興会等に対してどのように促していくのかについてお答えいたします。
本市では、指定避難所をスムーズに運営するために必要な事項をまとめた避難所運営マニュアルを平成23年1月に作成し、以降、必要に応じて更新してまいりましたが、令和6年3月には、令和4年度から実施してきた避難所開設訓練などの訓練成果を踏まえ、避難所を開設する段階から運営に至るまでの一連の内容を網羅した富山市避難所開設・運営マニュアルに改めたところであります。
このマニュアルでは、避難所の役割や事前対策、避難所の開設、避難所の運営、避難所の閉鎖の5項目について基本的な事項を取りまとめ、例えば避難所の鍵の保管者の確認や各避難所における避難所管理者、地区センター所長、自治会代表者及び施設管理者などの役割を明確にするなど、避難所の開設・運営が迅速かつ適切に行えるよう、より実践的な内容としたものであります。
このマニュアルの周知につきましては、市職員による出前講座に加え、富山県防災士会の協力を得て、今ほども申し上げましたが、今年度新たに実施する全自治振興会役員を対象とした防災講座等の機会を通して行ってまいりたいと考えております。
また、本市では、昨年度から市職員、教職員、自治振興会等の協働による避難所開設・運営訓練に取り組んでおりますことから、この機会を通して訓練内容や避難所の運営等について検討することにより、地域の実情に沿ったマニュアルづくりも進めていただくよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に、在宅要配慮者の避難支援について6点お尋ねのうち、避難行動要支援者の安否確認に係る関係者の連携・調整の在り方について、また、その訓練の実施についてお答えいたします。
高齢者や障害者等の要配慮者のうち、自ら避難することが困難で支援を要する方々、いわゆる避難行動要支援者に対しましては、それぞれの置かれている状況を十分考慮し、安否確認体制を整える必要があると考えております。
このため、災害発生時における在宅の避難行動要支援者の安否確認につきましては、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、障害者団体等の協力を得て、民生委員、児童委員、身体障害者相談員、知的障害者相談員、高齢福祉推進員、自主防災組織、自治会・町内会、その他関係団体が連携して行うこととしております。
また、日頃から災害に備え、誰がどのように安否を確認するのかなどを事前に決めておく必要があることから、市総合防災訓練において関係団体や地域住民と連携し、安否確認訓練を実施するとともに、地域の自主防災組織や町内会等による安否確認の体制づくりや訓練が実施されるよう、その必要性について周知・啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、個別避難計画策定における福祉専門職と民生委員、自主防災組織等の連携について、また、個別避難計画策定経費における地方交付税措置の活用についてお答えいたします。
内閣府が策定する避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針では、災害時における個別避難計画は、避難行動要支援者本人や家族のほか、自治会、自主防災組織、民生委員、ケアマネジャー等が連携して作成する必要があるとされており、特にケアマネジャーについては、日頃から心身の状況や生活実態を網羅的に把握していることから、その参画が重要とされております。
また、福祉専門職の参画に対する報酬や事務経費など、市町村における個別避難計画の作成の所要経費につきましては、令和3年度より地方交付税措置の対象となることとされております。
こうしたことから、本市における個別避難計画の作成に当たっては、今後さらに要支援者本人のことをよく知る福祉専門職や福祉関係機関との連携も必要となるものと考えていることから、他都市の事例や先進的な取組を参考にしながら本市の個別避難計画における福祉専門職の参画の在り方について調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、福祉避難所に指定している65か所における要配慮者の受入れ想定人数、また、福祉避難所の候補となり得る社会福祉施設の施設数、さらに、福祉避難所指定促進における課題と今後の取組についてお答えいたします。
本市では、主に特別養護老人ホームなどの社会福祉施設を福祉避難所として指定しておりますが、災害が発生した時点での施設の被災状況や入所者数、対応可能な職員数などにより受入れ可能な人数はその都度異なることから、要配慮者の受入れ人数をあらかじめ想定することは難しいものと考えております。
また、福祉避難所の指定につきましては、使用可能なスペース、施設・設備の状況、職員体制等を社会福祉施設等の施設管理者と市の双方で確認をし、協定を締結した上で指定していることから、社会福祉施設であることだけを捉えて福祉避難所の候補として取り扱うことは難しいと考えており、候補となる施設数は現在のところ把握しておりません。
次に、福祉避難所の指定を促進する上での課題につきましては、社会福祉施設等の施設管理者からは、災害発生時の受入れに必要な資材や人員の確保、発災前から施設を利用されている方へのサービスの低下が懸念されることなどと伺っていることから、引き続き福祉関係部局等と連携しながらこれらの課題解決に向け検討を行い、社会福祉施設の施設管理者の理解を得ながら福祉避難所の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、福祉避難所における開設・運営マニュアルの整備状況、また、災害対策本部と福祉避難所ほか関係先との連携訓練の実施について見解を問うにお答えいたします。
本市では、災害時に福祉避難所が円滑に開設できるよう、令和5年3月に福祉避難所開設・運営マニュアルの作成ガイドを福祉避難所の指定について協定を締結している施設に送付し、マニュアル作成を働きかけておりますが、その整備状況につきましては65施設中16施設となっております。
また、災害時における福祉避難所の開設判断や施設との連絡調整及び要配慮者の入所への支援等につきましては、市地域防災計画においてその手順や役割について定めておりますが、福祉避難所の開設に向けた具体的な手順等についての訓練はこれまで実施していないことから、引き続き福祉避難所開設・運営マニュアルの作成を働きかけるとともに、より実践的な訓練の在り方について今後具体に検討してまいりたいと考えております。
次に、重度の障害者や在宅療養者等の福祉避難所への直接避難の導入についてお答えします。
本市では、大規模な災害が発生した場合、まずは避難所を速やかに開設し地域住民の安全を確保した後、避難者の中に福祉避難所での避難が必要な要配慮者が確認された際には福祉避難所となる施設の管理者に要請し、要配慮者の受入れが可能な施設において福祉避難所を開設することが基本であると考えております。
要配慮者の福祉避難所への直接避難につきましては、災害発生時にはあらかじめ避難先として適切な状況であるのか把握ができないため、要配慮者が直接避難しても必要な支援が受けられないことが想定されることから、各施設の置かれている状況を踏まえて福祉避難所の開設を決定することとしているものであり、福祉避難所となる施設への直接避難の導入は現時点では難しいと考えております。
次に、指定避難所における福祉避難スペースの設置についてお答えいたします。
福祉避難スペースは、指定避難所内において一般の避難者と同じ空間で生活することが困難な要配慮者が、健康観察や相談等を受けながら生活するスペースのことと認識しております。
災害発生時には、施設の被災により、最悪の場合、指定福祉避難所を開設できず、支援が必要な要配慮者を収容できないことも想定されることから、指定避難所において福祉避難スペースをあらかじめ定めておくことは、要配慮者が指定避難所で避難生活を継続する上で、また、要配慮者の収容対策としても大変有効であると考えております。
なお、福祉避難スペースを設置するためには各避難所で空き部屋等を確保することや医療、福祉等の専門的な人材による支援が必要になることから、これらの対策や運用方法等について施設管理者や福祉関係部局等と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
最後に、被災者支援についてお尋ねのうち、被災者生活再建支援システム導入の経緯と効果についてお答えいたします。
平成28年に発生した熊本地震などの大規模災害時には、家屋等の被害認定調査や罹災証明書の発行事務に多くの時間を要し、被災住民の生活再建支援が迅速に進まなかったことが課題として挙げられております。
このことから、令和2年度の県の「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、県内市町村における共通課題として、被害認定調査から罹災証明書の発行、被災者台帳の作成までを一貫して行うことのできる被災者生活再建支援システムの導入について本市から提案したものであります。
システムの導入に向けて協議を進めてきた結果、昨年度末に、本市のほか、高岡市、魚津市、黒部市において同一のシステムが導入されましたが、その効果といたしましては、1つに、スマートフォン等のモバイル端末を利用することで家屋被害認定調査の結果を直接データ化することができること、2つに、住民基本台帳や家屋課税台帳、被害認定調査結果がシステム上で連携することで効率的かつ迅速に罹災証明書の発行が可能となることであります。
また、大規模災害時にはマンパワー不足が大きな課題となることが想定される中、県内4市において同一システムが導入され、さらに、本システムは全国280以上の自治体で導入されていることから、災害発生時の自治体間の相互応援の際にはスムーズに業務運営体制を確保できる等の効果が期待でき、一日も早い被災者の生活再建につながるものと考えております。
以上でございます。
248 ◯ 議長(横野 昭君)
山本商工労働部長。
〔商工労働部長 山本 貴俊君 登壇〕
249
◯ 商工労働部長(山本 貴俊君)
私のほうからは、事業者の自助と社会的使命についてのお尋ねのうち、本市においても事業継続力強化計画の普及を促進すべきと考えるが、見解を問うにお答えいたします。
令和元年に制定された中小企業強靱化法では、中小企業及び小規模事業者の災害対応力を高めるため、
中小企業等が策定する防災・減災に関する計画を簡易版のBCPであります事業継続力強化計画として国が認定することとしており、あわせて、当該
中小企業等に対し、御質問にもございましたが、1つには、経済産業省の認定を受けた計画であることを示す認定ロゴマークの無償利用の許可、2つに、防災に係る設備投資に向けた融資の貸付金利の引下げ、3つに、ものづくり補助金などの採択に当たっての加点措置などの支援を行っておられます。
また、令和6年能登半島地震による被害を受けた
中小企業等を支援するなりわい再建支援補助金においてもこの計画の策定が補助採択の要件の1つとして位置づけられているところであります。
このほか、県においては、令和4年度から小規模事業者の計画策定に対し、専門家の派遣や計画の実行に必要な設備の導入等に要する経費への補助を行っておられます。
本市におきましても、令和2年度以降、富山商工会議所及び各商工会を通じてBCPの簡易版である事業継続力強化計画の策定に対する啓発、支援に努めているところでありますが、昨年7月の記録的な大雨や本年1月の能登半島地震の発生などを受け、先月23日に経済産業省の方を講師とした講演会を開催し、災害への事前対策の必要性や計画策定に対する国の支援内容等について周知を図ったところであります。
この講演会には市内企業から120名以上の方が参加され、参加者からは、事業継続力強化計画の概要が分かってよかった、災害に備え、自社の足元を確認する機会となったなど、多くの方から有益であったとの声をいただいております。
本市といたしましては、
中小企業等が安定的に事業活動を継続することは地域経済の維持・発展のために大変重要であると考えており、引き続き国、県及び富山商工会議所等の関係団体と連携しながら事業継続力強化計画の普及・啓発及び策定支援に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
250 ◯ 議長(横野 昭君)
古西福祉保健部長。
〔福祉保健部長 古西 達也君 登壇〕
251
◯ 福祉保健部長(古西 達也君)
私からは、事業者の自助と社会的使命についてお尋ねのうち、社会福祉施設のBCP策定の義務化についてどのように認識しているのか、また、今後各施設におけるBCPの策定状況をどのように把握していくのかについてお答えいたします。
議員からも御紹介がありましたとおり、国においては、
介護サービス事業所や
障害福祉サービス事業所などを対象に、令和3年度から3年間の経過措置期間を設け、本年4月からBCPの策定や研修、訓練の実施などが義務づけられたところであります。
本市におきましては、国が策定したガイドラインや様式などを各事業所へ通知し、BCPの策定を促進してきたところでありますが、昨今の新型コロナウイルス感染症の蔓延や能登半島地震など未曽有の事態を経験する中で、BCPの必要性について改めて強く認識したところであり、今般の各事業所におけるBCPの策定の義務化は、サービスの提供を維持し、利用者の健康や生命を守るためにも大変意義があるものと考えております。
次に、各事業所におけるBCPの策定状況の把握につきましては、事業所指定更新時や定期的に実施する指導監査などの機会を捉えて行うこととしており、また、新規に開設される事業所に対しましては、BCPの策定に向けて必要な助言や情報提供など、支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
252 ◯ 議長(横野 昭君)
狩野建設部長。
〔建設部長 狩野 雅人君 登壇〕
253 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)
私からは、災害復旧の状況についてお尋ねのうち、昨年7月の大雨被害における市が管理する道路、河川、公園の復旧状況と今後の対応を問うにお答えいたします。
昨年7月の豪雨災害は、県内で初めてとなる線状降水帯の発生による記録的な大雨により、中山間地域をはじめとする市内各所の道路や河川、公園において土砂崩れや道路の路肩欠損、河川の護岸欠損など、これまでに経験したことのない大規模な被害が発生し、国から激甚災害に指定されました。
まず、道路の復旧状況につきましては、国の補助対象となる災害復旧事業では、昨年10月から国の災害査定を受け、路肩欠損などの甚大な被害が発生した八尾地域の市道第2工業団地線など20路線38か所は詳細設計や関係機関との協議を進めており、本年7月以降、順次復旧工事を発注する予定としております。
次に、国の補助対象とならない市単独災害復旧事業は、土砂流入や土砂崩れが発生した104路線139か所のうち、婦中地域の市道吉谷2号線など、約7割の79路線109か所は昨年度末までに復旧工事が完了しております。また、山田地域の市道今山田鎌倉線など、残る25路線30か所につきましては、被害が広範囲であったことや施工業者の手配が困難だったことなどから工事に着手できておりませんが、準備が整い次第、工事を発注し、順次復旧を進める予定としております。
次に、河川の復旧状況につきましては、国の補助対象となる災害復旧事業は、護岸欠損が発生した八尾地域の準用河川栂尾川は、隣接する道路の復旧と併せ工事を発注する予定です。
また、市単独災害復旧事業は、被害があった3河川4か所のうち、婦中地域の準用河川後家川など2河川3か所は土砂や流木の撤去などを行い、復旧工事が完了しております。また、残る大山地域の滝谷川につきましては、施工業者の手配が困難だったため工事に着手できておりませんが、準備が整い次第、復旧を進める予定としております。
次に、公園の復旧状況につきましては、呉羽山公園が2か所、城山公園が6か所の計8か所が被災しており、比較的小規模な土砂崩れの6か所は復旧工事が完了しております。残る呉羽山公園の1か所と城山公園の1か所は現在復旧工事を行っているところであります。
今後の対応につきましては、現在6割から7割程度の復旧が完了しておりますが、道路や河川、公園は日常生活に必要な社会インフラであることから、安全で安心な生活が一日でも早く取り戻せるよう、引き続き早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
254 ◯ 議長(横野 昭君)
高柳農林水産部長。
〔農林水産部長 高柳 誠君 登壇〕
255 ◯ 農林水産部長(高柳 誠君)
私からは、災害復旧の状況についてお尋ねのうち、まず、昨年7月の大雨被害における農地・農業用施設の復旧状況及び今後の対応を問うについてお答えします。
本市では、昨年7月の大雨により、中山間地域を中心に農地695件、農業用施設818件、合計1,513件が被災するなど、甚大な被害が発生いたしました。
被災した農地等の復旧状況につきましては、まず、国の補助対象となる災害復旧事業では、昨年の12月末までに国による災害査定が完了し、農地が94件、農業用施設が163件、合計257件が国の災害復旧事業に認められたところであります。
このうち、復旧したものが1件、発注済みが6件、残りの250件につきましては現在詳細設計を進めているところであり、今後、順次発注する予定であります。
次に、国の補助対象とならない市単独災害復旧事業につきましては、対象件数1,256件のうち312件が復旧しており、残りの944件についても着手可能な箇所の確認や施工の順番などについて土地改良区や地元の方々と調整を図りながら順次復旧を進めているところであります。
今回の災害復旧事業の実施につきましては、本市においてこれまでに経験したことのない災害件数の多さに加え、建設業者の数に限りがあることや営農などに影響のないよう施工時期が限定されることなどの課題もありますが、復旧が滞ることのないよう適切に事業を進めてまいりたいと考えております。
なお、国の災害復旧事業は、発生年を含め、原則3年間での事業完了が定められていることから、今年度、農林事務所農地林務課内に新たに農地災害復旧班を設置し、職員6名を配置して農地・農業用施設災害への対応力の強化を図ったところであり、令和7年度末の事業完了に向けて今後も災害復旧業務に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、能登半島地震における農地・農業用施設の復旧状況と作付への影響及び今後の対応を問うについてお答えいたします。
令和6年能登半島地震では、富山地域の北部を中心に農地や農業用施設が被災し、本年5月末時点での被災件数は、農地79件、農業用施設165件、合計244件となっております。
被災した農地等の復旧状況につきましては、地震発生後、土地改良区などから随時報告される被害箇所を現地確認し、通水や水張りに支障を来している農業用排水路の破損や農地の陥没について既存予算の活用や本年1月及び2月補正にて予算措置し、仮復旧を行い、春からのコメの作付に間に合うよう迅速に対応したところであります。
なお、市内全体の水稲作付面積7,922ヘクタールのうち、今年のコメの作付を断念された面積は農地の陥没等の影響による0.5ヘクタールと聞いております。
また、今後の対応につきましては、国の災害復旧事業の対象となる本復旧に必要な予算について本定例会にて補正予算案を提案しているところであり、今月中旬以降の災害査定を受けた後、詳細設計を実施し、順次発注する予定としております。
一方、農地の噴砂や農道の部分的な亀裂、農業用排水路の軽微な損傷など、比較的小規模な被害に対応するための市単独災害復旧事業につきましては、現在、順次復旧を進めているところであります。
本市といたしましては、富山市復旧・復興ロードマップにより市民の皆様にお示ししたとおり、令和8年度末までに災害復旧事業の完了を目指すこととしており、引き続き早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
256 ◯ 議長(横野 昭君)
これで織田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
28番 尾上 一彦君。
257 ◯ 28番(尾上 一彦君)
令和6年6月定例会に当たり、会派 誠政より質問をいたします。
今回は子育て支援についてお伺いをしていきます。
岸田総理は、昨年の年頭記者会見において、異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代からようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現すべく、大胆に検討を進めてもらいますと述べられ、その年の4月1日にはこども家庭庁が設置されました。
しかしながら、令和5年の出生数は72万7,277人と過去最少になりました。政府の推計より11年速いペースで減少しています。
一方、死亡者数は157万5,936人と過去最多となり、その差は84万8,659人のマイナスになりました。1年間で小さな県1つ分の人口が減少したことになります。
富山県の出生数も、前年比510人減の5,512人で初めて6,000人を割り込みました。本年4月1日時点の人口も100万人を割り込み、99万9,476人となっております。
本市でも、昨年1年間の自然動態では3,124人の減となっております。
岸田総理の言う、その異次元の少子化対策に期待するところでございます。
本年6月5日に子ども・子育て支援法の改正案が可決成立しました。今回の目玉の1つは児童手当の拡充でありまして、所得制限の撤廃、中学生から高校生まで3年分の支給を延長、第3子以降の支給額を月額3万円に増額などでございます。この程度のことなら誰でも考え得る支援策ではないかなというふうに思っております。こども家庭庁が設置され1年余りしか経過していませんので、これから本格的に異次元の少子化対策が実行されていくものというふうに思っております。
ただ、この異次元の少子化対策に充てられる財源は、好調な税収に加え、無駄な財政支出を減らすなどして捻出するものと多分ほとんどの国民が思っていたというふうに思いますが、まさか社会保険料に上乗せして徴収されるとは夢にも思っていなかったのではないでしょうか。ある意味、これが岸田総理の言う異次元だったのかもしれません。
余談はさておき、本市では、国に先立ち、平成29年4月1日にこども家庭部を設置し、子育て支援を精力的に行っていただいております。こども家庭部を設置して7年余りが経過いたしましたので、そろそろ成果も現れているのではないかというふうに思っております。
本市においても異次元の少子化対策が必要だと思っております。国の施策も大切でありますが、本市としてこれからの子育て支援をどのように考えておられるのか市長の見解をお伺いいたします。
258 ◯ 議長(横野 昭君)
藤井市長の答弁を求めます。
259 ◯ 市長(藤井 裕久君)
尾上議員の御質問にお答えいたします。
少子化が進む中、国においては、今ほど御紹介ありましたとおり、若年人口が急激に減少する2030年までが少子化の傾向を反転できるかどうかのラストチャンスというふうに捉えて、令和5年12月に策定したこども未来戦略の加速化プランに沿って児童手当の拡充あるいはこども誰でも通園制度等の各種施策を実施するというふうにしておられます。
本市といたしましては、まずはこのような国の施策に呼応しながら、基礎自治体としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
子育て中の方は、子どもと過ごす時間を通して大きな喜びや幸せを感じる一方で、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期の各段階を経て大人になるまでライフステージに応じた様々な悩みや不安を抱え、苦労しながら子育てをされておられるのではないかというふうに感じているわけでございます。
そのため本市といたしましては、今年度、子どもの声も聞きながら策定する、仮称でありますが、富山市こども計画に基づきまして、子どもや若者、子育て当事者の心身の状況や置かれている環境に寄り添ったよりきめ細やかで切れ目のない子育て支援を推進するとともに、行政、地域、事業者、各種団体など、社会全体が一体となって子育てを支える機運の醸成が図られるよう、国、県としっかり連携しながら「子育て日本一とやま」、これを目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
議員御指摘のように、金銭的な御負担というのは子育てにとって大変に大きい部分であるというふうにも認識しております。しかし、基礎自治体単独でできることには限りがあるということでございますので、まかり間違っても、県内の基礎自治体や隣の基礎自治体と、何というか、いわゆる医療費であるだとか給食費であるだとか、そういうことで競い合っていても、大きな視点からすると、日本全体あるいは富山県全体で減っていくという点では変わりがないわけでありますので、これでは何の解決にもならないという視点に立って、それでも基礎自治体としてできること、どんなことができるのかということも含めて考えてまいりたいと思っています。
以上です。
260 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
261 ◯ 28番(尾上 一彦君)
今、市長のほうからもありました、育てられる人は、4人、5人育てている方も今でもたくさんいらっしゃいます。そんな中で、今言われたように県内で闘っていても何の意味もないので、本当に大胆な施策をこれからも講じていただければなというふうに思っております。
私は、以前から少子化対策や子育て支援についての質問をしておりました。そのときは少子化の1つの要因は結婚しない男女が増加したためで、本市としても婚活支援をすべきではないかという質問をさせていただいたことがございます。そのときは県が婚活支援を行っていること、そして、本市としてとやま月イチ読学部という男女の出会いの場を提供していることなどから婚活支援は行わないというような答弁がございました。
確かに二重行政をするわけにはいきませんので、それは仕方のないことなのかもしれませんが、先日テレビの報道番組を見ておりましたら、少子化の問題について議論を交わすような場面がございました。その中で、以前は未婚化や晩婚化が少子化の要因の1つとなっていましたが、近年では、結婚しても子どもを望まない夫婦が増加しており、少子化に拍車がかかっているというようなことが報道されておりました。データを示して発言されたわけではなかったので本当のところは私も分かりませんが、ただ、先日たまたま会合に出たときに、私の周りの人で、娘が結婚したのだけれども、子どもは要らないと言っているというようなことをお聞きしましたので、一定程度そういった方もいらっしゃるのかなというふうに思っております。
結婚しても子どもを望まない夫婦が増加している状況を当局として把握しているのかお伺いいたします。
262 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
263 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
お答えいたします。
国立社会保障・人口問題研究所が国内の結婚・出産・子育ての現状と課題を調べるために実施している出生動向基本調査報告書によりますと、夫婦で何人のお子さんを持つつもりですかという問いに対し、「子どもは持たない」と答えた人の割合は、平成4年の調査では2.4%、平成14年では3.5%、平成22年では4.1%、令和3年では5.7%となっており、結婚しても子どもを望まない夫婦の割合が増加していると認識しております。
264 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
265 ◯ 28番(尾上 一彦君)
結婚しても子どもを望まない夫婦が増加している要因には、いろいろとあるというふうには思いますが、育児に対する経済的負担が大きいとか、依然として男女の賃金格差が存在していること、また、育児や家事に対する女性の負担が大きいことなどが挙げられておりました。
そうは言っても、この少子化対策、また、子育て支援、いろんな方向からアプローチする必要があるというふうに思っております。何をしたらいいのかというのは、私もちょっと、今行われているような支援のほかに具体的に何があるのかというのは非常に難しいところもあるのですが、本市の合計特殊出生率を見てみますと、昭和46年から昭和49年にかけての第2次ベビーブーム後、1.89でした。その後、急激に低下をし、平成10年には1.4にまで落ち込んでおります。その後、しばらく1.4前後をふらふらしていたのですが、平成20年頃から上昇に転じ、平成30年には1.55まで回復しています。その後、新型コロナウイルス感染症の影響で出産控え等がありまして、令和4年のデータとしては1.45となっております。
この合計特殊出生率ですが、至近年の最高であります1.55でも人口の維持はできないということでありました。
ある機関の研究では、人口維持に必要な合計特殊出生率は概ね2.07だそうです。この2.07という数字は、本市の希望出生率というものが書いてあるのですけれども、1.8ぐらいだったというふうに思いますが、それをはるかに上回る数字で、非常に難しいところもあるというふうに思っております。
私が議員になった11年余り前から見ると、本市の子育て支援というものはかなり充実してきているというふうに思っておりますし、本市としてもいろいろと努力していただいているなというふうに思っております。
私が子育てを始めた30年前に比べたらなおさらのことでありますが、先ほども申しましたが、本当に何をしたらこの合計特殊出生率2.07を上回れるのか皆目見当もつきませんし、一地方自治体でできる支援には限りがある、限界があるというふうに思っております。
本市がこれまでに実施してきた子育て支援について成果や課題をお伺いいたします。
266 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
267 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
本市における合計特殊出生率の推移を見ますと、平成17年の1.35から上昇傾向にありましたが、平成30年の1.55をピークに減少に転じており、その後、令和3年には、新型コロナウイルス感染症の影響から出産を控える動きが強まったこともあり、1.43に低下しました。令和4年には1.45と再び上昇しております。
本市の合計特殊出生率が、平成26年以降、全国の数値を上回る水準を維持していることは、本市が平成29年度にこども家庭部を創設し、1つに、全国初となる自治体直営の産後ケア応援室やお迎え型病児保育などを行うまちなか総合ケアセンターの開設、2つに、子育てに関わる各関係機関が連携して支援する富山市版ネウボラの構築、3つに、保育所や認定こども園等の教育・保育の受皿の整備、4つに、放課後児童クラブの受皿の拡充など、これまできめ細やかで切れ目のない子育て支援を推進してきた成果と考えております。
しかしながら、全国の合計特殊出生率は平成27年の1.45をピークに減少を続け、令和5年は1.20と過去最少を記録しており、国においては、若年人口が急激に減少する2030年までが少子化の傾向を反転できるかどうかのラストチャンスとされております。
このことから本市といたしましては、これまでの子育て支援施策を引き続き推進するとともに、若い世代が希望どおりに出産し、安心して子育てできる環境づくりに向けた取組を組織一体となって加速させていくことが課題であると考えております。
268 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
269 ◯ 28番(尾上 一彦君)
今までも一生懸命やっていただいているということは私も理解しておりますし、先ほども申しました、本当に充実してきているというふうには思っているのですが、いかんせん、この数字に表れてこないというのが大変残念に思っているところでございます。
先日、とある新聞に「2人目の壁高く」という大見出しが出ておりました。何のことなのかなと思って中の記事を読んでみますと、仕事と育児の両立や経済的負担などで、子どもはかわいいと思っているのだけれども、2人目の子どもを産み育てるのは現実的ではないと考える夫婦がいるというような内容が書かれておりました。
近年、男性の育児休業とかも積極的に取るような施策が講じられておりまして、母親だけでなくて、家族で子どもを育てるというような風潮が出てきているというふうには思っているのですが、令和5年の男性育休の取得状況について厚生労働省が従業員1,000人以上の組織に行った調査では、男性の育休平均取得日数は46.5日だったそうです。また、育休等取得率は46.2%まで伸びているそうです。
本市においても、育休を取られている男性職員も結構いらっしゃるというふうに思っております。
しかし、中小企業も含めた令和4年度雇用均等基本調査というものがありまして、これは令和5年度と令和4年度でちょっと変わるのですが、これによりますと、男性の育児休業取得率は17.13%となっておりました。中小企業の取得率が非常に低いということだというふうに思いますが、なかなか難しいところもあるというふうに思っております。
また、こうして男性の育児休業制度とかは充実はしてきているのですが、ずっと2人で一緒に育てていくということはどうしてもできないということもありまして、結局、御主人が育児休業が終わったり、また、他の家族──自分の母親だとか、そういった人の支援が終わると、その後はワンオペ育児というようなことを言うそうですが、お母さんが1人で育児をしなければならないというような問題もあるようであります。
本市では、産前産後の母親を対象とした様々な支援メニューを準備されていますが、改めて御紹介いただき、成果と課題について見解をお伺いいたします。
270 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
271 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
本市の産前産後の母親を対象とした支援につきましては、1つに、妊婦歯科健診の費用助成、2つに、妊娠中から学ぶパパママセミナー、3つに、産前産後ヘルパー派遣事業等、各種事業を実施しております。
まず、妊婦歯科健診につきましては、健診と健診時の保健指導を受け、正しい習慣を身につけることで妊娠中の母親の歯と口の健康を保ち、早産や低体重での出産のリスクを抑える効果があります。令和4年度の受診率が34%と低く、より多くの妊婦に受診していただくことが課題となっていたことから、今年度から歯科健診の費用を無料としております。
次に、パパママセミナーにつきましては、夫婦で協力して出産や子育てに臨むため、妊娠・出産・育児の正しい知識を知ってもらうことを目的に年24回実施しており、そのうち休日に実施する14回については定員を上回る申込みがあるなど、好評をいただいております。このため、申込み開始直後に定員に達することが多く、受講できる人が限られていたことから、今年度から休日の開催を3回増やすほか、利便性を考慮し、富山市公式LINEによる申込みを開始したところです。
また、産前産後ヘルパー派遣事業では、これまでは出産後の家庭を対象に実施しており、妊娠中のつわりなどで日常生活が困難な方の支援が課題となっていたことから、今年度から産前の方の利用もできるようにしております。
今後も利用状況や利用者の声を把握し、課題の解決に努め、それぞれの状況に応じて切れ目なく支援し、安心して出産、子育てできる環境づくりに取り組んでまいります。
272 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
273 ◯ 28番(尾上 一彦君)
先ほど申しましたワンオペ育児の手助けとしてヘルパー派遣事業なんかは非常に助かっているのではないかなというふうに思っておりますので、また、申込みがかなり定員オーバーするような支援もあるようなので、引き続き積極的に行っていただければというふうに思っております。
話は変わりますが、皆様は小1の壁という言葉をお聞きになったことはありますか。多分皆さん知っておられて釈迦に説法かもしれませんが、小1の壁とは、子どもが保育園に通っていたときよりも小学校に上がってからのほうが子育てと仕事の両立が難しくなる状況を指した言葉だそうです。小1の壁の要因の1つに、小学校に上がると預かり時間が短くなるということが挙げられております。
本市のほとんどの保育園で、延長保育を利用すれば朝7時から、夜というか夕方というか18時まで、遅い園では19時から20時まで預かってもらえるところもあります。
しかし、小学校に上がると、登校時間は朝8時前後、低学年は帰宅も14時頃となりまして、保育園に通っていた頃に比べると大幅に短くなります。
放課後は先ほど御紹介いただきました学童保育なんかが本市ではかなり充実してきているというふうに思いますので大丈夫なのですが、登校時間が遅くなるというのが一番の問題になっているようです。
私は、朝だけ近所の交差点で大久保小学校の見守り隊をやっているのですが、1年生の保護者から小1の壁に直面しているというようなこともお伺いをしております。
朝7時から小学校が受入れを始める8時頃までの児童の預かりについて、保護者からの要望等がないかお伺いいたします。
274 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
275 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
現在のところ、こども家庭部では、個別の預かりの相談はありますが、児童の登校前の朝の預かり事業を学校等で行ってほしいという要望はお聞きしておりません。
276 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
277 ◯ 28番(尾上 一彦君)
保育所が朝7時からやっているということは、多分その需要があるからだというふうに思っております。ということは、ある程度、朝7時から預けて仕事に行っていらっしゃる方も多いのではないかなというふうに思っております。
ということは、今言う小1の壁という問題はあまり表には出ていないかもしれませんが、工夫しながら多分皆さんやっておられるというふうに思っているのですが、大阪府豊中市では、小1の壁を解消するため、今年度より小学校31校で午前7時に校門を開放し、警備員と見守り員を配置して、体育館等で子どもを見守る体制を整えたそうです。そのほかにも、放課後児童クラブの預かり時間延長や夕食の提供など、小1の壁の解消のために多くの施策を講じておられます。
豊中市のほかにも、校門の開放時間を早めている自治体は幾つかあるように仄聞をしております。
大阪府豊中市は全部で39校ということで本市の半分程度しかございませんが、本市でもニーズの高い──聞いておられないということはニーズが高いのかどうかは分からないというふうには思うのですが──朝の預かり事業の実施を検討してはと思いますが、見解をお伺いします。
278 ◯ 議長(横野 昭君)
古川こども家庭部長。
279 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
本市では、児童の登校前の朝の預かりの相談があった場合は、ファミリー・サポート・センター事業の利用を案内しております。
児童の登校前の朝の預かりを学校等で行うには、1つに、事業の実施主体、運営方法をどうするのか、2つに、実施場所を確保できるのか、3つに、児童を見守る人材を確保できるのか等、様々な課題があることから、現在のところ、事業を実施することは考えておりません。
280 ◯ 議長(横野 昭君)
28番 尾上 一彦君。
281 ◯ 28番(尾上 一彦君)
私もなかなか難しい話を言っているなというふうに自分でも思ってはいるのですが、先ほども申しました、保育所が午前7時から預かれるようになっている理由というものもあるというふうに思いますので、教育委員会と連携を取りながら、何か施策を考えていただければありがたいなというふうに思います。
多分こんなことを言っても駄目なのだろうと思って言わない御家庭もあるというふうに思いますので、やりますと言ったら、多分かなりの需要があるのではないかなというふうに思っておりますので、本当にこの小1の壁、下手をすると転職とか離職とかに直結する大きな問題であります。
先ほども申しましたが、本市では放課後の支援はかなり充実していると思いますので、子育て世代が最悪の状態とならないように、早期にというか、また考えていただければありがたいなというふうに思っております。
先ほども申しました、本当に何をしたら少子化に歯止めがかかるのか全く分からないところではありますが、これは本市だけで考えていてもなかなか難しいところはあるというふうに思いますが、これからも国、県と連携をしながら対策を進めていただければというふうに思っております。
以上で質問を終わります。
282 ◯ 議長(横野 昭君)
これで尾上議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
───◇ ◇ ◇───
283 ◯ 議長(横野 昭君)
お諮りいたします。議案調査のため、6月14日の1日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
284 ◯ 議長(横野 昭君)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
───◇ ◇ ◇───
散 会
285 ◯ 議長(横野 昭君)
以上で、本日の日程は終了いたしました。
6月17日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑などを行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 4時14分 散会
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