富山市議会 > 2024-03-04 >
令和6年3月定例会 (第4日目) 本文
令和6年3月定例会 (第4日目) 名簿

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  1. 富山市議会 2024-03-04
    令和6年3月定例会 (第4日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                                午前10時  開議 ◯ 議長(金厚 有豊君)  ただいまから、本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配付のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───          一般質問並びに議案第1号から議案第97号まで、          及び報告第1号から報告第9号まで(質疑) 2 ◯ 議長(金厚 有豊君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第1号から議案第97号まで、及び報告第1号から報告第9号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  8番 田辺 裕三君。 3 ◯ 8番(田辺 裕三君)  おはようございます。  令和6年3月定例会に当たり、一般質問を富山市議会自由民主党より行います。  今回は、各会派の代表質問においても震災関連の質問が様々な角度でされました。当局の答弁で、自助、共助、公助の中で、公助には限界がある、やはり基本は自助、共助を周知し、そして後押ししていく、その姿勢が当局の姿勢であるということを印象的に感じました。  私も今回の地震を通して、避難所で一晩過ごさせていただいた立場として、本当に様々な課題を感じたわけでございます。その中で、やはり人と人とのつながりや、市長もよく言っておられますフェイス・トゥ・フェイスの関係、これをいかに築いていくのか、それがやっぱりこういう大きな災害のときに非常に力になるのだろうと、そう思います。そしてまた、それが一人一人の生きる力にもつながってくるのだろうと思わされました。
     その中で、今回私からの質問は、自助、共助、公助の中で、共助の部分の質問に当たると思います。家族あるいは御近所、そして町内会、自治振興会という共助の中でいろんな方法があるわけでございますけれども、その補助ツールとして電子回覧板というものがあるわけでございます。その電子回覧板の活用についてお尋ねをしたいと思います。  本市では令和3年度に、2つの町内会や自治振興会などの団体で電子回覧板アプリをモデル事業として試行されました。そして、翌年、令和4年度においてもモデル事業として10の団体を募集したところ、関心の高さからか31の団体から申込みがあり、抽せんによって10の団体を決定したと聞いております。関心の高さがうかがえると思います。  本年度からは、モデル事業ではなく、導入の支援事業として100の団体を募集したと聞いております。  電子回覧板にはいろいろあるわけでありますけれども、KNB(北日本放送)が事業拠点として展開されている結ネットというアプリが、県内で多数導入されている代表的なアプリでございます。  この電子回覧板の利便性についてお聞かせください。 4 ◯ 議長(金厚 有豊君)  当局の答弁を求めます。  大沢市民生活部長。 5 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  おはようございます。  富山市議会自由民主党、田辺議員の御質問にお答えいたします。  本市が導入を支援している、いわゆる電子回覧板とは、スマートフォンアプリを活用したデジタル回覧板のことであり、その利便性といたしましては、1つに、従来は紙で回覧していた町内会の各種イベントや案内等を一斉送信することができ、利用者は各自のスマートフォンで時間や場所を問わず閲覧できること、2つに、閲覧済みの内容がメニュー項目ごとに整理されており、いつでもどこでも好きなときに内容を見返すことができること、3つに、会議やイベントの出欠確認が自動集計され、役員の負担が軽減されることなどが考えられ、町内会活動をサポートする大変有用なツールであると認識しております。 6 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 7 ◯ 8番(田辺 裕三君)  先ほども令和4年度は抽せんにより10の団体を決定したと話したところでありますが、これまで導入した町内会等の団体は幾つあるのか教えてください。 8 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 9 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  令和3年度は2団体、令和4年度は10団体、令和5年度は32団体の合計44団体となっております。 10 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 11 ◯ 8番(田辺 裕三君)  富山市には1,400余りの町内会組織があると言われておりますけれども、まだまだかなり少ない導入だと感じます。  今年度、令和5年度は導入支援事業として100の団体の枠を用意したと伺っておりますけれども、32の団体しか応募がなかったということを伺っております。  普及が進んでいないように思われますが、その要因についてどう分析しているのか教えてください。 12 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 13 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  議員御指摘のとおり、今年度の当事業における補助金の枠は100団体分でありましたが、今年度の補助実績は32団体となっており、上限件数には達しておりません。  電子回覧板の普及が思うように進まない要因といたしましては、事前説明会や利用者アンケート調査において様々な御意見をいただいておりますが、その一部を御紹介いたしますと、1つに、導入するための費用を町内会等の予算に計上するには、役員会や総会などに諮る必要があること、2つに、電子回覧板の利用を望まれない世帯には、従来どおり紙での回覧も必要となること、3つに、電子回覧板を管理運用したり情報を発信することができる一定程度のスキルが必要であることなど、組織として導入を決定しなければならないことの難しさや、運用面での課題が挙げられております。  加えて、スマートフォンの普及が進んでいるものの、使いこなすまでには至っていない方もおられるため、これらの要因が重なることで電子回覧板の導入に踏み切れない町内会等があるのではないかと推察しております。 14 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 15 ◯ 8番(田辺 裕三君)  昨年の9月にも久保議員が関連の質問をされておりましたけれども、役員の皆さんの運営管理の負担が軽減されるためにも、やはりスマートフォンの普及率はどんどん増えているわけでございますから、導入している団体に対して「広報とやま」などのアプリへの掲載など、本市からもお知らせを発信していく必要があると考えますが、本市としての見解を教えてください。 16 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 17 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  電子回覧板は町内会等において、イベントのお知らせや役員会等の出欠確認、会議資料の共有、各種回覧物の一斉配信など、これまでに様々な方法で活用されております。  しかしながら、この活用事例はあくまで町内会内部でのやり取りにとどまるものであり、市など外部から発信された情報については、役員自らがその情報を収集され、電子回覧板で発信することが必要となります。  昨年5月に実施した事前説明会では、自分たちで広報を市ホームページからダウンロードし回覧板に掲載するのに手間がかかる、市からのお知らせページをつくれないのかといった要望も多く聞かれたところであります。  このことから、本市では電子回覧板の機能を拡充し、市から電子回覧板の利用者へ情報発信をするための経費を本定例会に当初予算案として提案したところであります。  具体的な内容といたしましては、要望の多かった中から市のお知らせとして「広報とやま」やごみカレンダーを予定しており、市民生活に関連した情報について掲載を検討しております。 18 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 19 ◯ 8番(田辺 裕三君)  本年1月1日の元旦に能登半島地震が発生し、富山県内でも震度5強を観測するなど、これまでに経験したことのない地震で市民の多くの皆さんがパニックになり、避難に関しての課題も浮き彫りになったと思います。その分析についてしっかりと検証していただきたいと思います。  そんな中で、県内で電子回覧板を導入している町内会などで、地震発生から災害モードに切り替えて住民の安否確認などが行われたと聞いております。  どのように使われたのか、その活用事例を教えてください。 20 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 21 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  このたびの地震発生時における電子回覧板の活用事例といたしましては、1つに、町内会住民の安否確認、2つに、町内における道路や建物等の被害状況の把握、3つに、避難所の開設状況や町内会住民への避難所における運営協力依頼、4つに、水道施設の断水や復旧日時の共有など、それぞれの町内会等が情報を発信されました。中には、利用者自らがスマートフォンで撮影した被害状況や避難所の現状が分かる写真データを共有された事例もあると伺っております。  今回の地震のような大規模災害時は、情報が不足する中で、電子回覧板により近隣で発生した被害状況や避難所の開設状況などが即時に情報発信されたことで、避難者の不安も和らいだとお聞きしており、本市といたしましても、情報共有ツールとして電子回覧板が有効活用されたと再認識いたしました。 22 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 23 ◯ 8番(田辺 裕三君)  非常にうまく活用された、そういう事例があるということで、非常に感心いたしました。  また、小学校や中学校においてもtetoruというアプリを使って安否確認をされたと聞いておりますけれども、どのような使われ方をしたのかお聞かせください。 24 ◯ 議長(金厚 有豊君)  宮口教育長。 25 ◯ 教育長(宮口 克志君)  市教育委員会におきましては、令和5年4月から保護者連絡システム「tetoru」を導入しており、今回の令和6年能登半島地震の発生時には、各学校においてこのtetoruを利用して児童・生徒の安否確認を行いました。  その具体的な方法といたしましては、各学校がtetoruの一斉配信機能を使って全保護者へ安否確認の依頼を送信し、受け取った保護者は返信機能を利用し被害状況を報告するといったものでありました。  保護者への連絡につきましては、tetoruを導入する以前におきましても、県教育委員会のシステムにおける電子メールで一斉配信を行っておりましたが、保護者からの返信は学校代表アドレスに限られ、仮に今回のような災害が発生した際には、担任等が限定された端末内に届いている大量の返信メールを1つずつ開き、内容を見ながら全児童・生徒の安否を確認する必要がありました。  一方、市独自で導入したtetoruでは、保護者からの返信内容が、学校内全体はもとより、自動的に作成された学級ごとの一覧表で簡単に閲覧できるようになったことに加え、各学級担任が自分の学級の児童・生徒の安否確認をそれぞれの端末で行うことができたことから、迅速な情報収集が行えたものと考えております。 26 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 27 ◯ 8番(田辺 裕三君)  今回の小・中学校の安否確認には、非常に良いツールとして認識されているのだろうと思います。こういうアプリは本当に有効だと考えられますので、今後もっと普及していかなければならないだろうと思います。  これまで富山県内は自然災害が少なく住みやすい県だと言われてきましたが、昨年7月の大雨、そして今回の能登半島地震と、1年に2回も大きな自然災害が発生いたしました。  今後も自然災害は起こらないとは限りません。ふだんからの地域コミュニティ活動による地域の絆があってこそ、電子回覧板の活用が生きてくると私も確信いたします。  そのためにも導入に対して本市の支援継続が必要と考えられますが、見解をお聞かせください。 28 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 29 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  昨年度実施した電子回覧板の利用者アンケート調査結果では、93%の方が使いやすいと回答され、72%の方が今後も使い続けたいと回答されており、電子回覧板に対してよい印象をお持ちの方が多いと認識しております。  また、アンケートの自由記載欄においては、以前より町内のことや市のことに関心が持てるようになったという感想があることから、電子回覧板は町内会活動や地域コミュニティーの活性化に一定程度の効果があったものと考えております。  このような御意見等も踏まえ、本市といたしましては、今後も初期導入費用の補助──6万6,000円になりますけれども──このほか電子回覧板を操作できる体験会を開催するなど、町内会等への支援を継続してまいりたいと考えております。 30 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 31 ◯ 8番(田辺 裕三君)  ぜひとも多くの町内会がこの電子回覧板を活用してくださることを願っております。引き続き本市もその支援を継続してお願いしたい、そのように思うわけでございます。  それでは、次の質問に移ります。  次に、富山市地域ふれあい活動支援事業についてお伺いをいたします。  本年度、令和5年度より実施している町内会などの地域住民、ボランティア、NPO法人が食堂を開設することに対する、地域ふれあい活動支援事業、いわゆる地域ふれあい食堂、この実績がなかったと伺っております。  その状況を踏まえて、支援を継続していくに当たり事業内容を見直す必要があると思いますが、その見解をお伺いいたします。 32 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。 33 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  本市では、議員からも御紹介がありましたが、地域コミュニティーの活性化やボランティア活動の推進を図るため、町内会等の地域住民やボランティア等が開設する、子どもから高齢者まで誰もが参加できる地域の食堂に対し、その開設費用の一部を補助する地域ふれあい活動支援事業を今年度から開始しております。  本事業は富山県子どもほっとサロン事業補助金を活用したものでありますが、本市といたしましては、継続的かつ定期的に一定程度の回数を実施していただくことが、地域コミュニティーの活性化とボランティア活動の推進のためには重要であると考えていることから、原則として年間24回以上の実施を補助要件としているところであります。  昨年4月の募集開始以来、補助についての問合せ等はございましたが、開催準備が間に合わなかった、あるいは計画は立てたものの実施が困難だったなどの理由で、残念ながら現在に至るまで申請がなかったものであります。  問合せ等のあった団体からは、年間24回以上の開催という補助要件のハードルが高く、継続した取組につなげられなかったという声もお聞きしているところであり、これを踏まえて本市では、令和6年度からは補助要件の実施回数を年間24回以上から12回以上に見直す予定であります。  なお、県では令和6年度から初年度運営費の一部を補助対象経費に加える予定とお聞きしておりますので、本市におきましても同様に、補助対象経費を拡充して令和6年度当初予算案として本定例会に提案したところであります。 34 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 35 ◯ 8番(田辺 裕三君)  今年度は9件の問合せがあったということでありますけれども、結局は申請にまでつながらなかったということであります。
     24回の開設というのは、やっぱりかなりハードルが高いのだろうと思います。ぜひまた、初期の費用だけではなく、継続の費用もお願いできればありがたいなと、こう思うわけでございます。  本当に地域のそういったふれあい事業というのは非常に地域コミュニティーにとっては大切だと思いますので、継続的な支援をぜひお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  来年度、令和6年度の新規事業として提案されております移住者受入促進事業についてお伺いをいたします。  総務省が今年1月に公表した令和5年の人口動態報告によれば、東京都への転入者が転出者を上回る転入超過の数が前年から大幅に増え、コロナ禍前の水準に近づき、東京一極集中が進んでいる状況でございます。  コロナ禍で人々の生活スタイルも変化する中、地方移住への関心も高まっているところであり、地方都市である富山市においても、その流れ、機運を途切れさせない取組が必要であると考えられます。  富山市ではこれまで、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを政策の基本とし、都市の総合力を高める取組を進めてきており、人口動態の社会増を維持してきております。  そのような中にあって、令和6年度当初予算の新規事業として、移住者受入促進事業という、より直接的な移住者を呼び込む事業を提案しております。  そこでお尋ねいたしますが、本事業を提案するに至った経緯についてお伺いをいたします。 36 ◯ 議長(金厚 有豊君)  前田企画管理部長。 37 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、民間企業を中心にテレワークの導入が進むなど、人々の暮らし方や働き方が多様化する中、地方移住への関心も高まっているものと捉えており、実際に本市への移住に関する問合せも近年増加している状況にあります。  本市は、令和4年4月の組織改正において、企画管理部の企画調整課に地域政策係を新設し、移住に関する市の総合窓口機能を置き、移住支援金の申請受付や移住に関する様々な相談、問合せに対応しているところであります。  新型コロナウイルス感染症が五類へと移行し、社会経済活動が正常化したことで、再び東京一極集中の加速化が懸念される中、本市が持続可能な都市として人口の社会増の基調を引き続き維持するため、市は新たな取組の1つとして、首都圏在住の方を対象とした移住セミナーや生活体験ツアーの実施を検討し、関係事業費を新年度予算案に計上したものであります。 38 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 39 ◯ 8番(田辺 裕三君)  その中で移住セミナーというものがあるわけですけれども、その移住セミナーというのはどういう内容なのか教えてください。 40 ◯ 議長(金厚 有豊君)  前田企画管理部長。 41 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  移住セミナーの内容としては、今後詳細を詰めていくこととしておりますが、今のところ、例えば本市のまちづくりや市及び国や県が行う移住支援策の紹介のほか、来年度実施を予定している富山市内での生活体験ツアーに関する説明などを検討しているところであります。  また、実施時期は、NPO法人ふるさと回帰支援センターが本年9月頃に東京国際フォーラムで開催するふるさと回帰フェアに合わせ、その隣接会場において実施する予定としております。 42 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 43 ◯ 8番(田辺 裕三君)  また、移住体験ツアー、これはどういうような内容なのか、これも教えていただけますか。 44 ◯ 議長(金厚 有豊君)  前田企画管理部長。 45 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  これにつきましても詳細については今後詰めてまいりますが、今のところ、移住先を決定する上で重要な要素とされる、暮らし、仕事、住まいの3点を中心に、富山市での生活を実体験できる内容にしたいと考えております。  まず暮らしについては、スーパーマーケットや小・中学校、保育園、その他利用可能な公共交通機関の案内などを、また仕事については、既に富山市へ移住された方が働く企業やテレワーク施設の見学、住まいについては、市内の空き家を案内するとともに、戸建てのゲストハウスや住宅メーカーのモデルハウスでの宿泊や民泊体験などを検討しており、本市への移住に対する不安などが少しでも解消されるような取組にしていきたいと考えているところであります。 46 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 47 ◯ 8番(田辺 裕三君)  ぜひ富山市の魅力をいろんなツールを通して伝えていただいて、富山市に移住をしていただけるように促していただきたいなと思います。  それでは、また次の質問に入ります。  次に、超高齢社会における健康づくりについて御質問をさせてください。  高齢化が進む中、団塊の世代が75歳になる2025年問題、2025年以降は今までよりさらに在宅医療の需要は大幅に増加すると見込まれます。これまで以上に医療依存度の高い患者や、人生の最終段階における医療を必要とする患者を在宅で診る必要が出てくると予測されます。  昨年2月に実施した高齢者保健福祉実態調査では、介護が必要になっても住み慣れた自宅で生活やみとりを希望する割合が半数以上であった一方、在宅医療の提供体制が不安とする回答も半数近くになりました。  そこで、地域包括ケアを推進していく上で在宅での医療体制の備えは不可欠でありますが、本市の現状と今後の在り方について見解をお聞かせください。 48 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 49 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本市ではかねてより、高齢者の在宅療養生活は開業医が往診などを行うことによって支えてまいりました。  そうした中、高齢化の進行に伴い在宅医療や介護の需要が増加し、医療や介護が必要になっても住み慣れた自宅で暮らしたいという患者の希望に寄り添うため、平成29年4月に市直営のまちなか診療所を開設し、医療依存度の高い患者の受入れやみとりを行うとともに、往診代行などの開業医へのサポートや、医療機関の少ない中山間地域での訪問診療を行ってまいりました。  また、訪問診療のさらなる充実や在宅医療への理解を深めてもらうため、医療従事者向けの研修なども実施してまいりました。  こうしたことなどから、市内では在宅医療を担う民間の診療所や医師が増え、厚生労働省の医療施設静態調査によると、まちなか診療所開設以前の平成26年と直近の令和2年を比較いたしますと、在宅療養支援診療所は6か所増加し、本市内における1か月当たりの訪問診療件数は約1,100件増加して約1.5倍になり、また、本市内における1か月当たりの在宅みとり件数は25件増加して約2.8倍になるなど、在宅における医療体制は充実し、患者本人や家族が望めば自宅でのみとりが十分に可能になる状況になっております。  このように本市における在宅医療の体制は充実してきておりますが、今後は少子・高齢化がさらに進行し、訪問診療などへのニーズはこれまで以上に高まっていくことが見込まれます。  このため、在宅医療を担う医療機関がさらに増えていくとともに、医療機関同士のさらなる連携の深まりにより、本市の在宅での医療体制がこれまで以上に充実していくことを期待しているものでございます。  また、訪問診療医が急性期や回復期を担う医療機関や薬局や介護などの関係機関との連携を一層強化することで、退院から在宅療養、急変時、みとりまでの切れ目のない在宅医療を推進することにより、今後とも市民の皆さんが在宅においてその人らしく安心して生活を送れる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 50 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 51 ◯ 8番(田辺 裕三君)  誰しもがやはり住み慣れた地域で、住み慣れた家で、老後、そして最期を迎えたいというのは共通の思いだろうと思います。  しかしながら、それにはやっぱり家族の支え、これが不可欠なわけです。それが、だんだん家族の支えが十二分に行き届かない今の現状があろうと思います。皆、共稼ぎで仕事をしていらっしゃる方々が多いわけです。そこの辺の矛盾が非常に多いわけですから、そこら辺も御理解いただいてサポートしていただければありがたいなと、こう思うわけでございます。  2025年に65歳以上の5人に1人、全国では約700万人が認知症になると推計されている中、認知症が正しく理解され、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らせるよう、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が本年1月1日に施行となりました。  また、本市においては、令和6年度から令和8年度までを期間とする富山市高齢者総合福祉プランに認知症とともに暮らすまちづくりの推進、これを重点テーマとして位置づけておりますが、今後どのように認知症の施策に取り組んでいくのか、見解をお聞かせください。 52 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 53 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本年1月に施行されました共生社会の実現を推進するための認知症基本法におきましては、認知症の人を含めた国民一人一人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができる共生社会の実現を推進するとして、国民が認知症に関する正しい知識や理解を深めることができるようにすることや、認知症の人の意向を十分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療、福祉のサービスが切れ目なく提供されることなどが基本理念として規定されております。  このため、令和6年度から始まります次期高齢者総合福祉プランにおきましては、認知症とともに暮らすまちづくりの推進を重点テーマの1つとして、4つの施策に取り組むこととしております。  1つに、認知症に対する正しい理解の促進といたしまして、認知症は誰もがなり得る我が事として捉えることなどの新しい認知症観の普及や、認知症サポーター上級者の養成などを進めてまいります。  2つに、認知症ケア体制の整備・強化といたしまして、認知症初期集中支援チームの拡充を検討するなど、早期発見・早期支援のさらなる体制整備を進めてまいります。  3つに、認知症バリアフリーの推進といたしまして、本人ミーティングを開催し、認知症の人本人から直接聞き取った日常生活で障壁となっていることなどについての意見を認知症施策に反映するように努めるとともに、徘徊対策への支援として、新たに2次元コードシールを活用した認知症高齢者見守りシール事業に取り組んでまいります。  4つに認知症予防対策の推進といたしまして、フレイル予防、介護予防の取組などを進めてまいりたいと考えております。 54 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 55 ◯ 8番(田辺 裕三君)  私も母が認知症になりまして、約3年間面倒を見てきましたけれども、認知症の人を抱える家族は本当に大変なことを実感として感じております。日々衰えていく自分の親の姿を見ていくと、何とも言えない気持ちになっていくわけです。それを本当に御理解いただいて、またサポートを引き続きお願いしたいなと、こう思うわけです。  平均寿命が延びて人生100年時代を迎えようとする今、誰もがより長く、元気で、活躍できる社会が求められております。  国においても、健康増進法に規定している国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針、健康日本21が新たに示され、今後、健康寿命の延伸がますます重要になると考えられますが、富山市健康プラン21(第3次)ではどのように取り組んでいくのか、見解をお聞かせください。 56 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 57 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  昨年5月に国が策定した第3次健康日本21を受け、本市では、現行の第2次健康プラン21の成果や課題、施策の評価などを踏まえまして、令和6年度から令和18年度までの13年間を計画期間とする第3次健康プラン21を新たに策定し、全ての市民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現に努めることとしております。  次期プランにおいては、現行プランと同様に健康寿命の延伸を基本目標として、1つに、生活習慣の改善や生活習慣病の発症予防及び重症化予防に取り組む個人の行動と健康状態の改善、2つに、健康に関心の薄い方を含む幅広い対象に向けた自然に健康になれる環境づくりなどの社会環境の質の改善、これらに取り組むこととしております。  また、市民の皆さんが生涯を通して健康な生活を送るため、新たな施策として、乳幼児期や学齢期からのよりよい生活習慣の形成や青壮年期における生活習慣病の予防や重症化予防、高齢期における生活機能の維持・向上といった、人の生涯を経時的に捉えたライフコースアプローチを踏まえた健康づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  この新しいライフコースアプローチを踏まえた健康づくりにおいては、取組の1つに骨粗鬆症の予防があり、その予防のためには、学齢期には、骨密度を増やすために運動・食生活を意識した生活習慣を形成すること、青壮年期には、運動・食生活を見直し規則正しい生活を送るとともに、骨粗鬆症検診を受診し自身の骨の状態を確認すること、高齢期には、骨密度を把握し、骨密度をできるだけ減らさないための運動や食生活を意識することに取り組む必要があります。  このため本市では、骨密度や野菜摂取量を測定するデジタル機器を各保健福祉センターなどで実施する健康づくり事業に導入し、個人の健康情報を見える化し、その健康情報を経時的に測定することによって、骨粗鬆症予防に取り組む方の行動変容を促すなど、市民の健康づくりを下支えしてまいりたいと考えております。 58 ◯ 議長(金厚 有豊君)  8番 田辺 裕三君。 59 ◯ 8番(田辺 裕三君)  本当に誰しもが長生きして、そして健康でいたい、そういう思いはみんな思っているわけでございます。そして、最期を迎えるときはぴんぴんころりと、こう逝きたいのが理想であろうと、こう思うわけでございます。  基本的には自分自身が一番気をつけなければならないのだろうと思いますけれども、そのサポートをぜひとも後押ししてあげてほしいなと、こう思いますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 60 ◯ 議長(金厚 有豊君)  これで田辺議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  14番 泉  英之君。 61 ◯ 14番(泉  英之君)  自由民主党の泉でございます。  今回は、藤井市長が選挙公約にも掲げておられましたスマートシティ政策におけるデジタルトランスフォーメーションの手法を用いた郊外地域の活性化に対する実証実験の取組についてから質問を始めます。  まずは、大山地域のデマンドバスの質問になりますが、この取組は、地形が平たんであることから自転車による移動が容易だとして、旧大山町時代から合併後のつい6年前まで公共交通バスによる移動手段がなかった大山地域の上滝地区、大庄地区に開設された大庄循環線の運行に対して、AIによって目的地の優先度を自動判定して運行すると伺っていますが、この大庄循環線を路線運行からデマンド運行に変更した意図とその成果について、答弁を求めます。 62 ◯ 議長(金厚 有豊君)  当局の答弁を求めます。  深山活力都市創造部長。 63 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  自由民主党、泉議員の御質問にお答えをいたします。
     本市ではこれまでの路線定期型の運行に代わる新たな運行形態として、AIを活用した利便性の高いAIオンデマンド交通システムの導入可能性を検証するため、大山コミュニティバスの大庄循環線の運行エリアにおいて、昨年10月から社会実験を行っております。  利用状況につきましては、実験開始から本年1月までの一月当たりの平均の延べ利用者数が159人となっており、コロナ禍前の令和元年度の大庄循環線の利用者数である143人と比較をいたしますと、1割程度の増加となっております。  昨年12月に実施した地域住民を対象としたAIオンデマンド交通システムの導入に関するアンケート調査では、予約が面倒、停留所が少ないなどの御意見がある一方で、乗りたい時間に乗れる、待ち時間が短い、電話で予約ができるなど、利用しやすくなったという御意見が多数あり、満足度に関する問いに対しては7割の方が「満足」「やや満足」と回答をされており、一定の評価をいただいたところであります。  こうしたことから本市といたしましては、実験中の利用者数の推移やAIオンデマンド交通システムに関する地域の肯定的な声を踏まえ、アンケート調査で得られた御意見、御要望に可能な限りお応えする形で、本年4月より本格運行に移行してまいりたいと考えております。 64 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 65 ◯ 14番(泉  英之君)  そこで、初年度の実証実験を受けて、次年度に向けた改善点などの取組について答弁を求めます。 66 ◯ 議長(金厚 有豊君)  深山活力都市創造部長。 67 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  社会実験の実施に当たり開催した地元説明会や地域住民を対象としたアンケート調査では、上滝地区や月岡地区で新たな停留所の設置を望む意見をいただいたことから、これまで地元自治振興会をはじめ、地権者や道路管理者などの関係機関と停留所の設置について協議を行ってまいりました。  こうしたことで、本年4月からのAIオンデマンド交通システムの本格運行に合わせて、新たに上滝地区では中滝公民館前など7か所、月岡地区では月岡中学校前などの3か所の停留所を新設し、さらなる利便性向上を図ってまいりたいと考えております。  さらに、地域の身近な拠点となる地区センターへのアクセス性向上を図るため、大庄地区センター前と月岡地区センター前に新たに停留所を設置し、地区センターを拠点とした地域コミュニティーの活性化にもつなげてまいりたいと考えております。 68 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 69 ◯ 14番(泉  英之君)  今、大山地域から始まった取組が旧富山市の郊外にも波及することは大変有意義で、合併から18年を経て少しずつ1つの富山市として融和の道が見えてきた実証に喜びを感じております。  来年度の実績を受けてからになるとは思いますが、大山地域は御存じのとおり大変広い面積を有しており、まだ自家用車でしか移動できない地区がいまだに存在しています。  そこで、例えば立山山麓地域のように、コミュニティバス運行が存在しないエリアにもこの仕組みを波及させるべきと考えますが、見解を求めます。 70 ◯ 議長(金厚 有豊君)  深山活力都市創造部長。 71 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  AIオンデマンド交通システムの導入につきましては、住宅や医療、商業施設などが面的に立地し、一定以上の利用が見込まれるエリアが適地と考えておりますが、立山山麓地域など山あいの集落では、住宅が線的に立地し、利用も限定的であることから、その導入効果に限界があるものと考えております。  また、大山コミュニティバスの既存路線である才覚地線を立山山麓地域まで延伸することも考えられますが、途中の停留所から路線を新設して相当の距離を走行することになることから、現在の限られた人員や車両では対応することが困難であると考えております。  しかしながら、中山間地域や公共交通空白地域における生活の足の確保は重要であることから、本市といたしましては、国において議論が進められている地域の自家用車や一般ドライバーを生かしたライドシェアや、地域住民などによるボランティア輸送などの活用の可能性について、今後研究してまいりたいと考えております。 72 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 73 ◯ 14番(泉  英之君)  ライドシェアの考え方も柔軟に取り入れていただいて、とにかく今、立山山麓のほうは高齢者が多く、自動車の免許の返納も続いておりますが、そういった方々は結局移動手段がありません。ですから、なるべく前倒しして早めに御検討いただければなとお願い申し上げておきます。  次も、大山地域の小見地区、牧地区の住民に対するオンライン診療の実証実験についての質問に移りますが、これらの集落にお住まいで、入院の必要のない比較的安定した症状に落ち着いている高齢の患者さんたちにあっては、僅か5分程度の診療時間と薬の受け取りのためだけに半日以上を費やさなければならないのが、今の中山間地の現状であります。  昨日の代表質問にも同様の質問がありましたが、このオンライン診療の実証実験はどのような意図の下に開始したのか、また、今年度の取組状況と次年度の取組について答弁を求めます。 74 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 75 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本市の中山間地域や郊外部においては、人口減少と高齢化を背景に、医療機関が少なく公共交通機関の利便性が低いために通院負担が大きいといった地域課題が深刻化しております。  こうした中、本市では、平成29年に市直営のまちなか診療所を開設し、中山間地域などにおいても在宅医療を提供する体制を整えてまいりました。  一方で、本市ではスマートシティ政策として、富山市スマートシティ推進ビジョンにおける「誰一人取り残されることなく便利で安心して暮らせるまち」を目指し、ICT技術などを活用して、中山間地域や通院困難な高齢者にも医療が提供できる体制の構築を図るため、令和5年度からの2年間で、大山地域において中山間地域オンライン診療・服薬指導実証実験事業に取り組んでいるところでございます。  実証実験の1年目に当たる今年度においては、対象地域を大山地域のうち中山間地域に当たる小見地区と牧地区に設定し、おおやま病院に通院している慢性疾患患者のうち希望された方が、看護師や市の委託業者の支援の下、スマートフォンなどを使ってオンライン診療や服薬指導を受けるものとして実施しております。  今年度の実証実験における取組状況としては、オンライン診療や服薬指導を開始した昨年10月からは1名の患者が参加しているほか、この3月下旬からは2人目の患者が新たに参加する予定になっております。  また、どなたでも参加できるみんなの保健室を令和5年8月から12月の5か月間に2か所の市立公民館で延べ10回開催し、延べ94名が参加しておられます。  実証実験の2年目となる令和6年度においては、オンライン診療や服薬指導、みんなの保健室について、4月から対象地域を大山地域全域に広げ、参加する患者などを増やして今年度と同様の仕組みで継続して実施するとともに、参加者や関係機関への聞き取りやアンケート調査を実施するなど、2か年の実証実験の結果を分析して評価・検証を行うこととしております。 76 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 77 ◯ 14番(泉  英之君)  2問目は、今年度の取組を継続して小見地区、牧地区から大山地域全域に広げ、2年間の取組をもって今後の検証を判断し、将来の医療体系に生かしていく方向だとの昨日の答弁をいただきまして理解しましたので、割愛させていただきます。  そこで、小見地区や牧地区など対象病院から距離の遠い住民にあって、曜日や時間をあらかじめ割り振った上で、集落ごとの自治公民館に対象者を集めて診察したほうが、患者にとっても病院側にとっても効率がよいと個人的には考えておりますので、これら集落に存在する自治公民館にオンライン診療が可能なネット回線整備を富山市が補助し、オンライン診療の実施場所としてはどうかと提案するものです。このことは、今回の能登半島地震で多く見られたような、病院への道路が寸断され孤立集落になった場合においても迅速な集団診療が可能となり、本地域には幸いヘリコプターの緊急着陸地点も多く指定されていることから、薬の供給問題にも寄与し、何より二次的災害死者数を抑制させる有効な取組だと考えておりますので、見解を求めます。 78 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 79 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  オンライン診療やオンライン服薬指導につきましては、本来、各医療機関などがそれぞれの診療方針や診療体制に基づき、その仕組みを検討され取り組まれるものでございます。  一方で、本市では、医療資源が乏しい中山間地域などにおいて、スマートシティ政策の一環としてオンライン診療やオンライン服薬指導を広める方策を探るため、今回の実証実験に取り組むこととしたものでありますが、オンライン診療は、法令や患者のプライバシーに配慮する必要があること、さらには、医師や患者が使用するデバイスや通信環境の初期投資を極力抑える必要があることなど、様々な限られた条件の中で実施しなければならないことから、今回の実証実験の内容や仕組みについては、連携する医療機関と共に時間をかけて慎重に検討してきたものでございます。  このため、今回の実証実験につきましては、事業開始から2年間を通して同じ仕組みで継続して実施することとしているものでございまして、今ほど議員が御提案されました仕組みにつきましては、今後、本市においてオンライン診療やオンライン服薬指導を広めていく方策や、医療資源が乏しい中山間地域などにおける診療体制の在り方などを検討していく際の参考とさせていただきたいと考えております。 80 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 81 ◯ 14番(泉  英之君)  幸いなことなのですが、大山地域の全居住地域にケーブルテレビ富山の回線が来ております。要は、公民館の前にすぐ電線があるということで、引込みの費用を聞いてみましたところ、二、三万円で引き込めるという話もありますので、今後ぜひ検討していただきたいなと思っています。  これらの取組は、富山市長の藤井市長の掲げる一丁目一番地の政策でもあることから、ぜひとも成功に導かれんことを願って、次の質問に移ります。  大項目の2番目は、細入地域、山田地域、大山地域などの、市街地からは距離の遠い中山間地における小・中学校の存在意義に焦点を絞って質問いたしますので、あらかじめ御承知おきください。  現在、富山県では、県立高校再編統合に向けた議論が活発化していますが、県教育委員会においては、令和2年の再編時と同様、一方的な見地により、近隣市町村や地域住民の意見に歩み寄る姿勢が今のところみじんも見られない感じを受けて、大きな危惧を感じております。  一例になりますが、立山町に校舎がある雄山高校に対して、前回の査定で普通科学級を1学級減らした上で、今回のターゲットを県の指針では、再編基準を1学年3学級未満の学校は優先して検討するとして決め打ちされており、まるで軒下を借りておいて家まで取ってしまうようなあからさまな手法と感じており、県教育委員会によるいじめではないかとまで私のほうは思っております。  もともと旧大山町には普通科高校は存在せず、立山山麓地域から一番近かったこの高校がなくなった場合には、1時間もの通学時間を費やして富山南高校か富山いずみ高校や富山高校まで、南富山まで通うことになり、ますます中山間の過疎化に拍車がかかるのではと思われ、加えて、富山市の藤ノ木地区周辺からも多くの生徒が通っている現状を考えると、単に立山町の問題にとどまらず、富山市にも大きく関わる問題だと訴えるものです。  そこで、当局におかれましては、県立高校再編統合に関して富山市民にも影響が及ぶことをきちんと訴え、立山町の舟橋町長の孤軍奮闘に対して援護射撃をすべきだと考えておりますが、見解を求めます。 82 ◯ 議長(金厚 有豊君)  宮口教育長。 83 ◯ 教育長(宮口 克志君)  少子化が進む中、県においては県立高校の令和9年度以降の再編統合が検討されており、再編基準に該当するとされている雄山高校につきましては、本市の中学生の高校進学における選択肢の1つでもあります。  近年においては、令和2年の水橋高校と富山北部高校の再編統合に当たり、本市の中学校の進路指導に関わるものとして、再編統合に伴う募集定員の変化、新しいカリキュラムの内容、特色ある部活動の設置等を踏まえた進路指導が各中学校で行われたと認識しております。  県立高校を所管しているのは県教育委員会であり、市教育委員会といたしましては県立高校の再編統合について見解を述べることは差し控えさせていただきますが、市内の中学生が自らの将来に向けて必要な選択が可能な高校の配置になっていることが肝要であると考えており、今後の動向を注視しながら、必要に応じて各校に情報提供してまいりたいと考えております。 84 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 85 ◯ 14番(泉  英之君)  本来なら市長部局からお答えいただきたかったところなのですが、同じ教育委員会で親子の関係にもあることから、やむを得ない答弁とは思います。ただ、少なくとも近隣の市町村エリアにある高校は、その市町村単体の問題ではないということを主張したく、冒頭の質問とさせていただきました。  次は、昨年の9月定例会において、久保議員から活力都市創造部に対して、地域から学校がなくなると次の若い世代は移り住むことを敬遠することから、学校を都市施設に位置づけるべきという質問がされておりましたが、この質問に対し深山部長は、学校の統廃合などの学校再編につきましては、学校の規模や配置の適正化などについて市教育委員会において総合的に検討しており、都市計画と学校再編は、現在の人口減少や少子・超高齢化等の社会情勢の変化への対応を求められている点では共通しておりますが、都市の土地利用等を定める都市計画と教育環境の充実を目指す学校再編はその目的や手段などが異なることから、個々に取り組んでいくべき課題であると考えており、富山市都市計画審議会において学校の統廃合について議論することは考えておりません、なお、今後、学校の統廃合が行われることによって新たに都市計画に定める必要が出てきた場合には、富山市都市計画審議会に諮るなど、必要な手続を進めてまいりたいと考えておりますと答弁されておりました。  つまり、活力都市創造部とすれば、学校がなくなった後において、さらに都市計画策定の必要性が認められる場合にしか対応を考えないと解釈される表現ですが、この姿勢は今も変わっていないのか、改めて答弁を求めます。 86 ◯ 議長(金厚 有豊君)  深山活力都市創造部長。 87 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  今ほど議員のほうから御紹介がありましたけれども、現在におきましても都市の土地利用等を定める都市計画と教育環境の充実を目指す学校再編は、その目的や手段などが異なることから、個々に取り組んでいくべき課題であると考えております。  こうしたことから本市といたしましては、富山市都市計画審議会において学校の統廃合の議論は行わないものの、今後、都市計画区域内で学校の統廃合により、その周辺において土地利用の変化や新たな都市施設が必要となり、新たに都市計画に定める必要が出てきた場合には、その手続を進めるといった考え方に変わりはないものであります。 88 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 89 ◯ 14番(泉  英之君)  昨年の11月、東京に出向き、国土交通省都市計画担当官と市街化調整区域や中山間地を含めた白地地域における学校の位置づけに関して議論してきましたが、都市計画はそもそも都市部とその他の用途のすみ分けを目的としたものであり、全国の地方によっては、病院や駅や港、消防や警察などの存在が重要視される地域も多くあることから、学校を特別に選定することは地方行政の足かせとなる場合も考えられるとし、今おっしゃった深山部長の答弁と寸分も変わらない見解をいただいてまいりました。  ただ、その担当官がおっしゃるには、どんな施設がその地方に重要な役割を果たしているのかは国が把握するのは困難であり、一元的に文字としてお示ししていないことは禁止条項では決してなく、逆に地方公共団体の裁量によってお決めになられる間口を開けていると御理解いただきたいとの言葉を添えておられましたので、市の裁量として関わることができることは確認できたと思います。  次は不登校特例校についてになります。これまで何度も不登校特例校について質問し、小規模特認校との併設における校長の人数や教員配置に関する市の財政負担など、認識の差が大きく隔たったままでしたが、今回は学びの多様化学校と呼称を改め、新規の事業提案もなされておりますので、代表質問にもありましたが、不登校特例校の名称を改め、学びの多様化学校に関わる進捗状況について答弁を求めます。 90 ◯ 議長(金厚 有豊君)  宮口教育長。 91 ◯ 教育長(宮口 克志君)  富山市議会自由民主党会派の代表質問で答弁いたしましたとおり、市教育委員会では学びの多様化学校を不登校の児童・生徒に対する新たな支援策の1つとして捉え、今年度、設置の可能性に関する調査を実施したところであります。  今年度の調査では、児童・生徒及び保護者へのアンケートや関係機関へのヒアリング、他都市の学びの多様化学校の視察等を行い、この調査により、本市において不登校の児童・生徒を支援するための新たな学びの場が必要であるとの結果が得られたところであります。  このことから来年度には、学びの多様化学校の設置に向け施設形態や学校規模、活用可能な施設等について調査するとともに、類型ごとに必要となる事業費の積算を行うなど、具体的な検討を実施することとしております。その後、市として学びの多様化学校の設置についての意思決定を行い、開校に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。 92 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 93 ◯ 14番(泉  英之君)  学びの多様化学校の対象児童については、これまでの質問でも明らかになっているように、大規模校への通学に対する抵抗感を感じているなどの子どもたちも多く存在しており、小見小学校のように自然とのふれあいの多い小規模特認校は、ある意味、共通項を有していると思っております。  今年度は、グラウンドに併設されていたジャンプ台の修繕が終了し、2年ぶりのジャンプ練習再開で元気いっぱいの笑顔が戻ってまいりましたこと、この場をお借りして御礼申し上げておきます。  また、先月、地元で開催された冬季インターハイのノルディックスキー・コンバインド競技で、ついこの間まで小見小学校に在学し上滝中学校を卒業した眞正 蓮君と綸ちゃんの兄弟がアベック優勝するという快挙を成し遂げました。このようなすばらしい成果からも、特色ある中山間地にある小規模校の存在意義は軽視されるべきではないと感じております。  以前にも紹介しましたが、小見小学校への通学手段は、現在、上滝中学校に通学のために立山山麓方面に迎えに行く朝早い時間のスクールバスに乗り込むことと父兄からは認識されていますが、小学校のすぐそばには富山地方鉄道有峰口駅があり、鉄道線及び市内電車の乗り放題の通学定期券を発行されており、本年3月時点の料金は月額1万3,620円と比較的安価に設定されていることから、こういった公共交通手段も校区外の父兄に紹介することにより、入学希望者も増えるのではないかと考えております。  少子化にもかかわらず不登校児童が増え続けている現状と、富山市教育委員会の取組も深まってきていることから、地域の存亡を担う中山間地域の小規模特認校に対し、校区外からの通学負担を軽減させるための積極的支援に転換できないものか、再度見解を求めます。
    94 ◯ 議長(金厚 有豊君)  砂田教育委員会事務局長。 95 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  令和3年12月議会においても御質問にお答えいたしましたとおり、改めての答弁となりますが、本市では、通学区域外に居住する児童とその保護者が小規模特認校への入学を希望する場合、保護者の負担及び責任において通学させることなどを要件として就学を認めていることから、通学支援については考えていないところでございます。 96 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 97 ◯ 14番(泉  英之君)  何度も申し上げますが、藤井市長がこどもまんなか応援サポーター宣言をされているにもかかわらず、本元の教育委員会がなぜこれほどまでにかたくななのか、全く理解に苦しみます。予算もそうかかるわけではありません。そして、不登校特例校のほうも、今、不登校の方々は増えています。なぜ小規模特認校をこういった救済の場としてでも使えないのか、もう一度再考していただきたいと思います。  3日前の日曜日に放送された富山テレビの朝の番組に出演された、県の成長戦略会議委員であり、地域振興や人口問題に詳しい藻谷 浩介氏が、自身の長年の持論としてと断った上で、学校再編に対し、明治時代に最初に造られた公共施設は学校であり、学校と郵便局があれば地域は維持される、子どもに対する予算は減らしてはいけない、何も先生を必死になって減らすことはないだろう、何でも集中して大きいほうが適正規模だと言っていることは昭和以外の何物でもなく、そもそも適正規模・適正配置の考えそのものが適正なのか、加えて、少人数教育が受けられることはチャンスであるとの考えの上で、学校を減らすのは間違っている、地域にとって学校は最後まで残さないといけないと、短い時間でしたが堰を切ったように核心部分について提言されておられましたので、この場で紹介申し上げておきます。  これも一例ではありますが、旧大山町時代に既に廃止された牧小学校下の現在の居住年齢人口は、高齢者が限りなく100%に近い数字に達しており、年々空き家だけが増加する寂しい状況に陥っております。  そこで、中山間地域の学校廃止はそのまま限界集落を決定づける極めて重要な判断と考えますが、教育長の見解を求めます。 98 ◯ 議長(金厚 有豊君)  宮口教育長。 99 ◯ 教育長(宮口 克志君)  全国的に少子化に歯止めがかからない状況下において、本市の小・中学校が10年後、15年後も今以上に小規模化し、小学校における複式学級や中学校における免許外指導がさらに増えていくことがこれからの子どもたちにとってよいことなのか、現在だけでなく将来を見据えて、今から保護者や地域の皆様と一緒に検討することが大切であると考えております。  こうしたことから、本市が進める学校再編につきましては、行政のみで統合するのかどうかを判断するものではなく、地域の学校の将来の在り方については地域で決めていただくことが肝要であるとの考えに基づき、市教育委員会が将来の児童・生徒数の推移や小規模校や大規模校のメリット・デメリットといった情報を提供しながら、地域の方や保護者の皆様が主体となって学校再編の方向性を決める地域協議会を設立し、検討していただく手順で進めているところであります。  いずれにいたしましても市教育委員会といたしましては、中山間地域に限らず全市的に少子化が進行している状況で、学校を廃止することが過疎化の進行や限界集落となることにどれだけ影響を及ぼすのかは分かりかねますが、学校の存続と地域の衰退を結びつけて考えるのではなく、学校再編については、将来の子どもたちの教育環境に重きを置き、前向きに検討していただくことを切に願うものであります。 100 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 101 ◯ 14番(泉  英之君)  県の教育委員会とは違って、富山市の教育委員会は強引な手法は取らないという考えは理解できましたので、住民の要望には耳を傾けていただきたいと感じております。  言い尽くされた言葉ですが、山を守ることはまちや海を守るという原理は、コンパクトシティ政策の旗の下、棚上げにされたままで、これまで中山間地域に対しては人口減少を理由に、小見地区だけでも私が議員になった直近7年間、瓶岩橋を筆頭に、らいちょうバレーゴンドラリフトを含めた立山山麓スキー場、大山観光協会、小見幼稚園、白樺ハイツ、大山歴史民俗資料館等と、いつもなくす前提からの提案をもって協議が開始され、費用対効果と予算不足を理由に、再建・維持に関する建設的な施策の実現には地域住民の過大なる時間と労力ばかりが費やされ、学校統廃合による里山崩壊の危機に対して、その責任すら教育長の肩に負わせようとしているのが今の現状に思えます。  したがって、殊、中山間地域の学校統廃合は一般論から切り離し、教育委員会の判断はあくまで教育分野における1つの提案であるとの位置づけにおいて取りまとめを受けた後に、多面的な市長部局からの建設的な提案や施策を加えて再度協議し、最終的には極力、中山間地域の学校存続を基本とする中山間地域救済の方向に転換すべきと考えますが、藤井市長の見解を求めます。 102 ◯ 議長(金厚 有豊君)  藤井市長。 103 ◯ 市長(藤井 裕久君)  お答えいたします。  市長である私は、市政全体を統括する立場にございます。学校再編につきましても当然にその責任の一端があり、そのことをあえて申し上げますとともに、今ほど教育長から申し上げましたように、学校再編の判断は地域が主体となって行われるということを承知しております。学校再編の進捗状況につきましては、常に教育委員会と情報交換を行って共有をしているというところでございます。  その上で申し上げますと、これまで私はタウンミーティングや出前トーク、教育委員会主催のワークショップあるいはフォーラムに出席してまいりました。現在教育委員会で進められております学校再編に対しまして、地域の皆さんから今ほど議員がおっしゃったような御意見も多く伺っております。  例えば、地元から小・中学校がなくなると地域全体が疲弊し、歴史や文化が失われるといったような声は何度も伺っております。また、学校再編の対象校がある地域の皆様方の御懸念は、直接意見交換する中で十分承知しているというふうに考えております。  一方で、子どもたちがより多くの子どもたちと切磋琢磨し、多様な価値観に触れ、力強く将来のこの地域を支える人材に育ってほしいであるだとか、子どもたちのために再編をもっと早く推進すべきだといった保護者の方々からの声があるのも事実でございます。  いずれにいたしましても、少子化・人口減少下において、この学校再編は第一義的には、本市の将来を担う子どもたちを育成するために本来の学校のあるべき姿をしっかりと見詰め、質の高い教育環境を提供するための重要な政策であることはもちろんでありますが、同時に、地域の方々が主体性を持って地域を見詰め直す絶好の機会であるというふうにも考えております。  例えば八尾地域の黒瀬谷地区におかれましては、令和4年8月に樫尾小学校の将来の在り方を決める地域協議会が設立されました。地域の子どもたちにとってのあるべき教育環境の姿に重きを置いた前向きな議論を重ねられ、結果として令和6年4月に八尾小学校への統合を決断されたということでございます。  そのことを契機として、住民の皆さん自ら地域活性化のための活動を始められたというふうに認識しており、その御労苦と決断あるいは熱意に敬意を表するものであります。将来、樫尾地区が小学校がなくなった後にどういう地域として活性化していくのか、あるいは存続していくのか、あるいは子どもたち、若い方々がそこで暮らし続けていくのかというようなことも積極的に議論されているということでございます。  私といたしましては、将来を見据えた学校再編の議論の末には、新しい学校を核として次世代に向けた地域連携が始まり、住民の間に新たな一体感が生まれていくことを大いに期待するとともに、教育委員会だけでは対応ができないことについては、市長部局も積極的に一緒になって考えてまいりたいというふうに思っております。  私は、昨日、山田地域の牛岳温泉スキー場エリアの話もございましたが、立山山麓エリア一帯は、有峰地区も含めて、小見地区だとか本宮地区だとかも含めて、牧地区だとかいろいろなことが出ましたけれども、もっと言えば対岸地域も含めて、非常に魅力のある地域だというふうに思っております。今ほど議員から、ジャンプ台を修復したことによって、2年ぶりに小学校の子どもたちが生き生きとスキーのジャンプをやっているというような御紹介もございましたが、今ほど眞正さんの話もあったり、山元 豪選手の話もありますけれども、この山元 豪君なんかは、やっぱりその地域で育てられた自分としては、その地域の小学校や小学生や地域そのものにこれから競技を通して恩返しをしていきたいと、アスリートとして恩返しをしていきたいと、そういうふうに、昨年、市長室を訪れて決意を述べておられたわけであります。  ですから、その小学校というのはこういう希有な人材を輩出しているというところでございますので、地域にとって非常に大事であるということを私も共有しておりますので、しっかりと小規模特認校も含めて、あるいは富山市内の企業等々の協力も含めて、我々市長部局、教育委員会だけではなくて、全体にいろんな相談も、あるいはお知恵もお借りしながら進めていかれればいいというふうにも考えていますし、そういうふうに私も大切なものであるというふうには認識をしているところでございます。  以上であります。 104 ◯ 議長(金厚 有豊君)  14番 泉  英之君。 105 ◯ 14番(泉  英之君)  市長から温かい言葉をいただきました。富山市に合併してからなのですが、とにかく旧大山町みたいな広い面積にとっては、移動手段があれば──要は、もしも小学校が合併した場合には、今まで幼稚園だった子がスクールバスに乗って上滝地区まで何十分もかけて、30分、40分かけて移動しなければならない。こういった状況も基本的には避けたいと考えております。  そこで最後になりますが、くしくも昨年の豪雨災害や今年の能登半島地震により、市街地の脆弱性が浮き彫りとなりました。また、熊や猿が居住地を闊歩し、人間がおりに閉じ込められるがごときの社会にしてはなりません。  教育委員会も市長部局も、いま一度中山間地域や里山を守っている住民の暮らしに対し施策も予算も投じていただき、全富山市の均衡ある発展について再考いただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。 106 ◯ 議長(金厚 有豊君)  これで泉議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                              午前11時24分 休憩                              ───────────                              午後 1時10分 再開 107 ◯ 副議長(高田 真里君)  議長が都合により出席できませんので、私が代わって議事を進めさせていただきます。  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  5番 織田 伸一君。   〔5番 織田 伸一君 登壇〕 108 ◯ 5番(織田 伸一君)  令和6年3月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問を行います。  主体性の育みと教育改革について伺います。  フランスの哲学者ジャン・ジャック・ルソーの言葉に、「あれしなさい、これしなさい、あれするな、これするなとばかり言われて育った子どもは、そのうち、息をしろと言わないと呼吸すらしなくなるぞ」というのがあります。子育てをしてきた親として、責任を痛感する言葉です。  今、改めて私は、子どもには元来主体性があって、自ら学ぶ姿勢が備わっていると感じています。大人は、その主体的な学びを途切れさせることなく援助していくことで、さらに主体性を育みながら、子どもには生きる力が備わり、未来を力強く生きていけるものと思います。  最近、孫の様子を見て気づかされます。子どもは生まれて間もなく、おなかが減れば泣いてそれを伝え、うんこが出れば気持ち悪いと泣き、自分ではいはいを始め、動くものに興味を示し、あらゆるものを手で触り、口に入れてみる。事故のないように目を離せないから子育ては大変で、そこで笑顔を振りまいて親を喜ばせる。親の援助を上手にもらう生きる知恵も備えている。そして、幼児期には、主体的な遊びや生活を通じて様々な力や感性を育んでいきます。  しかし、小学校に入ると、学ぶ内容、方法、時間、場所などが与えられ、自己決定の機会が減り、これまでの世界観が大きく揺さぶられます。これまでの自身の主体的で創造的な学びから、受け身的に先生から教わるという場面が増えます。  また、教師や大人たちももっともっとよい教育を与えようと腐心し、それらを与え続けます。  こうしたことから、結果的に子どもたちはサービスを受け続ける側の存在となり、主体性を育む機会を失ってきたのではないかと思います。もし主体性を育まずに子どもに与え続けるとすれば、もはや援助ではなく、ルソーの言葉どおりの結果を招きかねません。  ビジネスでは、主体性に欠ける指示待ち型という社会現象が指摘されています。指示があればそれをやるけれど、指示以上のことは意に介さない、指示がなければ動かないというものです。  また、日本財団が2019年に日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国、インド、インドネシア、ベトナムの9か国の18歳を対象に行った意識調査「国や社会に対する意識」によれば、自分の行動で国や社会を変えられると思うへの回答は、日本は18.3%と極めて低く、そのほかの自分を大人だと思う、責任ある社会の一員だと思う、国に解決したい社会課題があるという問いも含め、日本は全てにわたって他国に比べ群を抜いて低いものでした。これがつい最近までの総じて日本の現状だと思います。  そこで、これまで培ってきた富山市の教育のよさを生かしつつ、改めて子どもたちの主体性を育む教育の土台をしっかりと築き直す必要があると思います。  主体性のある子どもの育成にどのような思いを込めておられるのか伺います。  本市は今、イエナプラン的教育、問題解決的学習、ICT活用など、多様なアプローチから主体的な学びの実践に取り組んでいます。また、「「教える」から「育てる」へ」を掲げ、教育実践全般において、これまで受動的、画一的、同質的と言われてきた従来の教育から、子ども主体の教育へ大転換を宣言しておられます。  しかし、このような大転換を含む学校教育改革を実現する上で、まず変わらなければならないのは教員の意識だと思いますが、先生方にとっては、従来の教育モデルで積み上げてこられた実績や自信、磨いてこられた技術があり、変わるということはたやすいことではないと思います。また、意識だけでは変わることはできず、新たなスキルの習得や実践経験を積むことも重要になってまいります。  そこで、教員研修の一層の充実を図ることが必要だと思います。また、子どもたちの主体性を育むには、教員の主体的な学びの姿勢こそ求められると考えます。  教員の意識改革と授業改善において、主体的な学び研修会の目的と成果、また課題、展望を伺います。  千代田区立麹町中学校で子どもの主体性を育む先駆的な教育改革を行い、現在、横浜創英中学・高等学校に移られてからも革新的な改革を進めている工藤 勇一校長の書かれた新書「校長の力」が先日出版されました。その中で工藤校長は、校長ができることは想像以上に多く、校長の力は大きい、例えば、覚悟さえすれば、今の制度の中であっても、校長が教育課程を全て決めることができる、また、校長の意識が変われば学校全体が変わりますと語っておられます。学校が変わるためには、教員の意識改革とともに、組織として学校長の果たす役割は大きいものと思います。  また一方で、工藤校長が多くの改革をなした麹町中学校での在籍期間は6年であり、また、先日の市教育フォーラムにもお越しいただいた、イエナプラン教育のエッセンスを導入し深化させている名古屋市立山吹小学校の山内校長は、現在、赴任して10年目です。本市では、学校長の在籍期間はもっと短いものと思います。  学校教育改革における学校長の果たす役割と改革の継続性について見解を伺います。  学びというものは、元来、自らが興味や関心を持って主体的に取り組むことによって、知識や技能が実践的に身につくものだと思います。また、学び方などの自己選択、自己決定を繰り返すことによって、責任を伴う主体性が同時に育まれるものと思います。  しかし、これまでの授業の多くは、同じ内容を同じ方法で、そして同じ時間で学ぶという一斉授業のスタイルで行われてきました。一方、教室には、説明をそんなに聞かなくても分かってしまう子もいれば、十分な個別指導が必要な子もいる。分かっている子どもにとっては退屈な時間だし、分からない子にとっては孤独な時間となります。いろいろな子どもがいて、一人一人、皆、習熟度が違います。  一斉授業は、一定の内容を効率よく伝達することができるほか、教室の仲間との一体感や切磋琢磨ができるなど、よい面もありますが、子ども一人一人の学びへの興味・関心を十分に生かすことは難しい面があります。  そこで、授業における子どもたちが、学習計画や学び方の自己決定の機会や多様な学び方を取り入れることができる自由進度学習の導入が進められています。  自由進度学習の取組においては、全国で様々な手法が実践をされています。学校ごとの学びの特色を生かすためにも、一層の導入、普及を図る必要があると思います。  自由進度学習導入の現状、成果、課題と展望を伺います。  今後のグローバルで多様性あふれる時代を生き抜く子どもたちには、自らの考えをしっかりと自己主張できる技能が必要です。しかし、子どもに限らず、人前で話すことに苦手意識を持つ方は多いと思います。  その背景は、出るくいに例えられるように、これまで文化的に自己主張が包容される社会的安心感が低かったためや、そもそも人前で発表するという技能を体系的に学ぶ機会が乏しかったためだとも指摘されています。  そのような中、本市は一昨年、一般社団法人アルバ・エデュ代表理事、竹内 明日香さんと連携協定を結び、子どもたちのプレゼンテーション能力向上に取り組んでいます。  この取組により、テーマの選択、情報収集とその分析、そして、自分視点を持ちながら、その思いを他者に伝えるという一連の技能の総合的な育みとなるほか、教室を出るくいにしない心理的安全性向上への取組が期待されます。  こうしたことから、この取組はプレゼン技能にとどまらず、広く主体性の育みに寄与するものと感じており、今後の導入拡大を期待しています。  アルバ・エデュの導入の状況と取組、その成果を伺います。  2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授らは、子どもの将来の成功に影響しているとされた能力は、学力テストで計測されるような認知能力というよりは、意欲や自制心などの非認知能力であると主張し、これをきっかけに研究が進み、非認知能力の高さが将来の経済的成功や社会的成功に大きく影響するという点において、その育成の大切さが重視されるようになりました。  非認知能力とは具体的には、やる気、やり抜く力、忍耐力、協調性、自制心など、人間の気質や性格的な特徴のようなものを指します。日本でも2015年に教育経済学者、中室 牧子さんの著書「「学力」の経済学」がベストセラーになり、多くの教育関係者や親御さんが非認知能力の大切さを知ることとなりました。  現在、本市においても非認知能力の育成を掲げて取り組んでいますが、これらの資質や能力をしっかりと育む必要があると思います。  一方、非認知能力は、専門的な方法を使って数値化や分析はできるものの、一般的にはテストの点数のように数値で表したり可視化することは難しいとされています。  しかしながら、捉えにくいこの能力ではありますが、この育みの成果を把握し、子どもや教育実践にフィードバックしていくことが必要ではないかと考えます。  非認知能力の育みをどのように評価していくのか、見解を伺います。  一般的に目標と手段ですが、まず最上位の目標があって、その目標を達成するために手段があります。そして、その手段のための手段があり、これが下層に広がっていきます。つまり、手段が目標に変わりながら、どんどんと階層構造を構成することになります。  こうしたことから、いつの間にか最上位の目標に対する意識が薄れてしまい、全ての手段が漠然と目的化してしまう場合があります。これは本市の教育においても長らく積み上げられてこられたがゆえに、同じ側面があるのではないかと思います。  今、我々は、明治5年の学制頒布から150年の節目にあって、教育の大転換を図ることが求められています。残すべきものは残し、変えるべきものは変える。不易流行の実践が必要となります。  そのような中で、これまで連綿と続けてきた様々な教育実践や取組、行事や指導の在り方、新たに行うべき教育実践について、何を基準にして正しい選択や判断をすればよいのかが重要になります。  そこで、本市の重点事項として主体性のある子どもの育成を掲げています。私は、改めてこの重点事項を実践の羅針盤にして、いつでもこの本質に立ち返り判断をすることが最重要であると考えます。また、学校に限らず、保護者や地域社会においても、この重点事項の理解を深め、共有し、総がかりでこの実現に向かう必要があると思っています。私は、この重点事項こそが最上位の目標だと考えています。
     重点事項について、見解を伺います。  英語教育について伺います。  先日、海外の名立たるオーケストラで活躍し、「世界のオザワ」と評されたマエストロ、小澤 征爾さんがお亡くなりになられました。  小澤さんは若手音楽家の育成にも力を入れてこられ、その指導の様子を動画で何度か拝見したことがあります。本人も英語が得意ではないと言っておられましたが、いわゆるネイティブアクセントではありません。また、かなり簡単な文法でお話をされ、とてもシンプルですが、その伝える力は圧倒的だと感じました。このことは英語教育を考える上で示唆があるのではないかと思っています。  グローバル化の進展の中で、国際的言語である英語力の向上は子どもたちの将来にとって極めて重要であります。これまで読み書きや受験英語に重点が置かれていて、実践的なコミュニケーションツールとしての英語が身につかないという指摘の下、学習指導要領が大幅に改訂され、小・中・高を通じた英語技能の改善・充実が図られています。  そのような中、文部科学省では令和4年度に英語教育実施状況調査が実施され、結果が報告されました。それによると、習熟度や能力をはかる国際的な指標のCEFR、A1レベル──これは英検3級相当以上ですが──これを達成した中学生の割合は49.2%に達し、目標50%に対して毎年着実に改善が進んでいるということになっています。  本市の英語教育の現状をどのように捉えているのか伺います。  また、一方で、昨年7月、令和5年度全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。中学校の英語では、「話す」の平均正答率は12.4%にとどまりました。自治体ごとの正答率は公表されていませんが、本市の結果も同様なのではないかと危惧をしています。  英語教育においては、「読む」「聞く」「書く」「対話的に話すこと」「発表的に話すこと」の5つの技能のバランスの取れた習熟が重要と言われていますが、とりわけ「聞く」「話す」の会話技能はコミュニケーションの基本であり、重点的に習熟が図られるべきと考えます。そして、その学びの段階段階で、そのレベルに応じた日常会話ができることは大切なことだと考えます。  本市は、「聞く」「話す」の重要性をどのように認識しているのか伺います。  また、英語教育におけるこれまでの取組と課題を、そして今後の取組と展望を伺います。  英語は技能ですから、自ら磨けば光るし、怠ればきっと曇るものだと思います。また、体育の授業で学んで、それだけで国体選手になるということでもないと思いますし、学校教育だけで完結するものでもないと思います。ここにも主体性を育む教育の重要性があると思います。  英語教育における学校の果たす役割を伺います。  以上で質問を終わります。 109 ◯ 副議長(高田 真里君)  当局の答弁を求めます。  宮口教育長。   〔教育長 宮口 克志君 登壇〕 110 ◯ 教育長(宮口 克志君)  富山市議会自由民主党、織田議員の御質問にお答えいたします。  初めに、主体性の育みと教育改革についてお尋ねのうち、主体性のある子どもの育成にどのような思いを込めているのかにお答えいたします。  グローバル化や情報化の進展など、変化が激しく将来の予測が困難な時代の中で、様々な変化に向き合い、未知の課題に臆することなく果敢に挑戦し、仲間と協働しながら課題を解決していくことができる子どもを育んでいくことが学校教育の使命であると考えております。  こうした次の時代を担う子どもたちがよりよい社会の創り手となって力強く生き抜くために、これまでの知識・技能の習得に加え、忍耐力や協調性といった非認知能力の育成が必要であると考え、市教育委員会では令和2年度に、主体性のある子どもの育成を本市の学校教育指導方針の重点事項に位置づけました。  この重点事項に基づき、学校教育における問題解決的な学習の充実やイエナプラン的教育の推進、ICT活用の促進などに加え、学校教育を支える教員の育成や多様な学びの場の設置等を推進していくことで、1つに、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、よりよく問題を解決する力、2つに、自らを律しつつ、他人とも協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性、3つに、たくましく生きていくための健康や体力と変化の激しい時代を生き抜く実践力といった、子どもたちに必要な資質・能力を育んでまいりたいと考えております。  市教育委員会におきましては、令和4年度に本市のこれからの教育の全体像を構造的に示した「未来へつなぐ 富山市の教育~「教える」から「育てる」へ~」を策定し、今ほど申しました主体性のある子どもの育成を最優先すべき重点事項として明示しており、本市における教育の転換期である今、柔軟な視点と確固たる信念を持ち合わせながら、本市の教育を鋭意推進してまいりたいと考えております。  次に、教員の意識改革と授業改善において、主体的な学び研修会の目的と成果、また課題、展望を問うにお答えいたします。  市教育委員会におきましては、本市の学校教育指導方針の重点事項である主体性のある子どもの育成を推進するため、令和2年度に主体的な学び研修会を立ち上げ、参加する教員が実践事例を持ち寄って語り合ったり、主体的な学び推進校による授業公開を基に具体的な授業の展開を学ぶことで、教員の意識改革と授業改善を図ってまいりました。  今年度からはこうした取組をより一層充実したものとするため、これまでの主体的な学び研修会から主体性を育む研修会へと名称を変え、イエナプラン的教育や1人1台端末の有効活用などの視点も加えるとともに、教員の自主的参加のみならず、各校の研修主任の参加も求めて実施しております。  この主体性を育む研修会におけるこれまでの成果といたしましては、1つに、参加した教員が、子どもが主体的に自分の学び方を選択したり、仲間と共に学び合うような授業の具体的なイメージを持つことができたこと、2つに、各学校において問題解決的な学習や自由進度学習など、子どもが自ら学習計画を立て、主体的に学びを進める授業実践が増加したこと、3つに、各学校の研修主任が中心となってイエナプラン教育の理念やエッセンスについて学ぶ校内研修が増加したことなどが挙げられています。  その一方で、各教員が研修会で学んだことを学校に持ち帰り、校内研修の質的な充実を図っていこうとする機運を一層高め、教員一人一人が具体的な実践へとつなげていくことが課題であると考えております。  今後の展望といたしましては、校長のリーダーシップの下、学校内全体で主体的な子どもの育成に取り組む体制が整えられ、市内全ての小・中学校において主体性のある子どもを育成する教育活動が展開されていくことと捉えていることから、市教育委員会といたしましては、その実現に向けて学校訪問研修における指導助言や教員研修のより一層の充実を図ってまいります。  次に、学校教育改革における学校長の果たす役割と改革の継続性について見解を問うにお答えいたします。  本市における教育改革とは、さきに述べました本市学校教育指導方針の重点事項に位置づく主体性のある子どもの育成の実現に向け、授業改善と教員の意識改革を図ることであります。  そのため校長には、1つに、本市の重点事項の趣旨を理解し、各学校における授業改善と教員の意識改革の方針を明確に示すこと、2つに、学校の実情に応じた教育課程の編成と学校運営の体制を整えること、3つに、教員の資質向上に向け適切な指導と助言を行い、人材の育成に努めることなどの役割があり、絶えず取組の進捗を管理するとともに、取組結果の適切な評価と改善を行いながら、目指すべき成果を生み出すことが求められております。  また、議員御指摘の教育改革の継続性につきましては、各校長は本市の学校教育指導方針の重点事項に基づいた学校経営の方針等を定め、その実現に向けた授業改善と教員の意識改革に取り組んでいるものと理解しておりますことから、途切れることなく重点事項に沿った教育改革が各学校において推進されているものと認識しております。  次に、自由進度学習導入の現状と成果、また課題、展望を問うにお答えいたします。  自由進度学習とは、1つに、教員が一斉一律に教える授業とは異なり、単元の一部もしくは全体の学習において、子ども自身が自由に時間配分をし、個々に学習計画を立てて自分のペースで学習を進めることができる、2つに、子どもが学習の仕方や誰と学ぶのかということを自分で選択しながら、子どもが自らの判断と責任で自由に学んでいくことができるなど、子どもの主体性を引き出す授業の1つであります。  また、いずれの学校においても、先ほど議員からもありましたが、学習内容をすぐに理解できる子どももいれば、ゆっくりとしたペースでないとなかなか理解できない子どもがいるなど、理解の進み具合は子ども一人一人によって違いがあり、これまでの一斉一律の授業では、内容が理解できないまま置き去りになっていく子どもや、逆に、すぐに理解できてしまい、授業が退屈に感じる子どもが出てくる状況を克服する1つの授業形態と捉えており、本市において自由進度学習を取り入れる学校は年々増えてきております。  こうした自由進度学習の導入を進めてきた本市の学校からは、その成果として、1つに、これまでノートを書くことが苦手だと思われていた子どもが自分の考えを進んで書くようになったり、あまり得意ではなかった教科の学習にも積極的に取り組むようになった、2つに、子どもが自分で学習を進める中で、分からなくなったときにはその場で仲間に相談して互いに教え合うことで、説明する力が向上したことを子ども自身が実感している、3つに、学校に行きづらいと感じていた子どもが、自分のペースで学習ができるようになったことで学校に足を運ぶようになったなど、子どもの具体的な成長の姿として表れているとの報告を受けております。  一方、課題といたしましては、各自のペースで学んでいくため、子どもにどのような力がついているのか、どのようなところにつまずいているのかなど、子ども一人一人の状況を捉え適切な支援を行っていく教員の力量を高めること、子どもの力を信じて委ねる姿勢など、教員の授業改善への意識改革が一層求められることであります。  今後の展望としましては、各学校が子どもの主体性を育むことを目指し、自由進度学習に限らず、問題解決的な学習やイエナプラン的教育など、子どもの実態や地域の実情に合わせた実践を着実に展開していくことであり、市教育委員会といたしましては、各校の実践事例を基に情報交換ができる研修会を実施したり、指導主事の派遣等を通じて各学校における授業改善を支援してまいりたいと考えております。  次に、アルバ・エデュの教育プログラムの導入の状況と取組、その成果を問うにお答えいたします。  本市におきましては、主体性のある子どもの育成の実現のために、子どもたちの自己肯定感と学級内の心理的安全性の向上を図り、子どもたちに話す力、生きる力を育むことが必要であると考え、そのことに通じるアルバ・エデュの教育プログラムを令和4年度から山室小学校を拠点校として取り入れております。  プログラムの具体的な内容につきましては、アルバ・エデュの講師による話す力を育むことの重要性について見識を深める教員研修と、子どもたちを対象としたプレゼンテーション能力の向上を図る授業を実施してきており、その機会ごとに隣接する小・中学校の教員にもこの教員研修への参加を求めるほか、講師による講義や演習を収録した動画を市内全小・中学校に配信するなど、全市的な横展開を図ってきたところであります。  拠点校からはその成果として、1つに、全国学力・学習状況調査の質問紙調査においても、自分にはよいところがある、自分と違う意見について考えるのが楽しいなどの項目で肯定的な回答が多く見られた、2つに、総合的な学習の時間に学校の中庭改造計画と題し、子どもたちが願う学校の中庭を自分たちで立案するとともに、校長にプレゼンテーションを行い、実現に至ったことで達成感を味わうことにつながった、3つに、教員間で子どもについての対話が増え、学校全体としても授業改善に前向きに取り組むようになったなどの報告を受けており、令和6年度におきましても小・中学校の2校で実施する予算案を本定例会に提案したところであり、こうした取組を引き続き行っていくことで、主体性のある子どもの育成の実現に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、非認知能力の育みをどのように評価していくのかにお答えいたします。  非認知能力は、子どもたちの自尊心や自制心、忍耐力、仲間と協力する態度、困難を乗り越え様々なことに挑戦する態度など、他者との関わりや集団生活などで育まれるものであります。  これらの非認知能力は数値では表せない力であることから、その評価においては、教員が日々の子どもの具体的な姿から取り組む姿勢や考え方のよさ等を見つけ、記録を累積することで、一人一人の言動の変容や意識の高まりを的確に捉えることが重要となります。  また、評価は優劣をつけることが目的ではなく、教員が日々の様々な場面で機を逃さず子どもに声をかけたり、子どもの作文や絵画等の作品にコメントを加えたり、累積した記録を基に、子どもだけではなく保護者にも文章や言葉で伝えることなどを通して、子ども自身が自分のよさを自覚し、自己肯定感を高めたり、主体的に様々な活動に取り組もうとする好循環を生み出すものであるとの認識が大切であると考えております。  なお、教員からの評価に加え、子ども自身による自己評価が大切であり、自分のこれまでの取組を振り返り、その成果や課題を子ども自身が見詰め、今後の自分の取組に生かしていくことが重要であると考えております。  次に、重点事項について見解を問うにお答えいたします。  市教育委員会といたしましては、先ほども答弁しましたとおり、本市における学校教育の重点事項として主体性のある子どもの育成を位置づけ、その実現に向けた授業改善と教員の意識改革に取り組んでおります。  この重点事項は市内小・中学校において共通した目標であり、各学校では、問題解決的な学習や自由進度学習、1人1台端末の活用などの授業はもとより、運動会や遠足、学習発表会などの学校行事や清掃活動、部活動など、日常の教育活動全体を通して、校長のリーダーシップの下、地域の人的・物的な教育資源を活用するなど、工夫しながら目標の具現化に向けた学校運営を進めております。  また、こうした学校運営を着実に進めるためには、教育活動の成果と課題を明らかにし、見直しと改善を図っていくことが必要であり、各学校におきましては、児童・生徒や保護者、教職員を対象とした学校評価アンケートを実施しながら、重点事項への着実なアプローチを推進しております。  さらに、こうした学校評価の結果と併せ、子どもが自分で見つけた課題の解決に取り組む姿や仲間との協働によるボランティア活動の様子など、子どもたちの主体性を基盤とした実践の成果を、学校だよりやホームページ、学校運営協議会会議などを通じて学校から保護者、地域に広く紹介することで、市の重点事項である主体性のある子どもの育成の意義について浸透が図られております。  市教育委員会といたしましても、こうした学校の努力と併せて、富山市PTA連絡協議会との懇談会や、本年1月20日に開催した教育フォーラム「未来へつなぐ富山市の教育」において、今ほど申しました意義を市民の皆様と共有させていただいており、今後とも全市一体となって主体性のある子どもの育成に向けた教育活動の着実な推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、英語教育についてお尋ねのうち、まず、本市の英語教育の現状をどのように捉えているのかにお答えいたします。  本市における英語教育におきましては、学習指導要領に基づいて小学校3年生から中学校3年生まで系統立てて進めており、令和5年度に中学3年生を対象に実施された全国学力・学習状況調査において、「聞くこと」「読むこと」「書くこと」の全3領域において、本市の合計平均正答率は県平均、全国平均ともに上回っております。  一方で、学習指導要領では、英語で互いの考えや気持ちなどを伝え合う対話的な言語活動やまとまりのある内容を話すことなどを重視する観点から、「話すこと」については「やり取り」と「発表」の2つの領域が設定されており、先ほど申しました3領域と合わせた5つの領域における指導の充実が求められております。  本市の小・中学校における英語の授業においては、話すこと自体に恥ずかしさや目的意識を持てないなどの理由で、英語によるコミュニケーションへの抵抗を感じている子どもたちが一定数いると認識しております。  グローバル化が進展し、社会で活躍するための英語力につきましては、場に応じた会話のやり取りや、とっさに聞かれたことに対して適切に答えたり、自分の考えや思いを伝える力を育成していくことがますます重要になるものと考えております。  次に、市は、「聞く」「話す」の重要性をどのように認識しているのか、また、英語教育におけるこれまでの取組と課題、今後の取組と展望を問うにお答えいたします。  人との関わりの中で、相手の話を聞いて理解し、自らの考えや思いをしっかりと伝えることは、社会生活を送る上でとても大切なことであり、英語教育においても「聞く」「話す」という技能の習熟は、他者とのコミュニケーションを図る上で大変重要であると考えております。  こうした中、本市における英語教育においては、1つに、外国語指導助手、いわゆるALTを市内全小・中学校に配置し、児童・生徒がネイティブな英語に触れる機会を通して、実際のコミュニケーションにつながる言語活動の充実を図る、2つに、小学校外国語夏季集中研修会を夏季休業中に3日間実施し、富山外国語専門学校のネイティブスピーカーによる英語研修を通して、小学校教員が実践的な授業力を身につける場を設定する、3つに、子どもたちが日常的に英語になれ親しみ、自然に英語でのコミュニケーションを図ろうとする態度を育てるために、英語に浸すという趣旨のイマージョン教育の取組として、英語のフレーズを集めたデジタル教材を市独自に作成し、学校や家庭において1人1台端末による活用を促すなどの取組を進めてきたところであり、授業中や休み時間などに子どもたちがALTや教員に積極的に英語で話しかける姿が以前よりも見られるようになってきました。  しかしながら、市独自で行っている学力調査においては、過去に学習した英語表現等を活用しながら、自分の考えや気持ちなどを適切に伝えることに課題があることが浮き彫りになっております。  こうしたことを踏まえ、市教育委員会といたしましては、令和6年度から水橋地区の4小学校において、通常の外国語指導助手(ALT)とは別に専門のALTを配置し、イマージョン教育の効果の検証を行ってまいりたいと考えております。  その取組内容としましては、小学校1年生から6年生まで全ての学年において、主に体育科や音楽科の授業に担任と共にイマージョン教育担当ALTが参加し、英語を使いながら活動し、子どもたちが日常から英語でコミュニケーションを楽しむ機会を増やすものであり、このことで日常の中で使う自然な英語表現や音声になれ親しむことを狙いとしております。  今後の展望といたしましては、水橋地区4小学校におけるイマージョン教育の効果検証を行いながら、児童・生徒が簡単な日常会話を気軽にかつ臆することなくできるよう、市内小・中学校における英語教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  最後に、英語教育における学校の果たす役割についてお答えいたします。  小・中学校での英語教育においては、学習指導要領「外国語活動・外国語の目標」を踏まえ、各学校が「聞くこと」「話すこと」「読むこと」などの領域ごとに具体的な到達目標を設定し、各学年に応じた基礎的・基本的な力である認知能力が高まるように指導の充実を図っております。  また、英語を学ぶことを通して、子どもたちがもっと外国の人と英語で会話したい、いろいろな国に行ってみたい、外国の歴史や文化をもっと知りたいという思いや願いを高めていくことや、グローバルな視点を持ち、多様な文化や人々を受け入れる豊かな心などの非認知能力を育んでいくことも、学校教育の大きな役割の1つであると考えております。  市教育委員会といたしましては、児童・生徒が英語を用いて情報や考えなどを理解したり、表現したり、また伝え合ったりするコミュニケーションの資質・能力の育成に向けて、学校をしっかりと支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 111 ◯ 副議長(高田 真里君)  これで織田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  15番 岡部  享君。 112 ◯ 15番(岡部  享君)  令和6年3月定例会に当たり、立憲民主市民の会より一般質問を行います。  初めに、昨年12月に公表された富山市民意識調査に関して伺います。  市民意識調査は、本市の施策に対する満足度や市政への要望などについて市民の考えや意見を調査し、今後の総合計画など市政の推進に反映させていくことを目的に、住民基本台帳に基づき、本市に現存する18歳以上の方5,000人を居住地域別に無作為抽出し、本市の住みよさや施策の満足度、今後のまちづくりなどについて2年ないし3年ごとに実施、調査結果と分析は、過去の調査も含めて本市のホームページに公表されています。  そこで、市民の意識に基づいた本市の施策等について質問します。  まず、調査票の回収率について伺います。  過去3回の回収率は、平成30年度が41.7%、令和2年度が40.3%、令和5年度は37.6%と調査のたびに減少していますが、回収率が低下している要因についてどのように分析しているのかお聞かせください。 113 ◯ 副議長(高田 真里君)  当局の答弁を求めます。  前田企画管理部長。 114 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  今回の調査を含め、直近5回分の市民意識調査の回収率はいずれも40%前後で推移しておりますが、最近やや低下傾向にあることは、国や他の自治体が行う各種調査でも同様に見られる傾向であると認識しております。 115 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 116 ◯ 15番(岡部  享君)  私もこの調査票を記入してみました。記入する項目がおおよそ90か所と非常に多いことも回収率が低下している要因ではないかと思います。  さて、さきに申し上げましたとおり、この調査は、市民の皆さんの施策に対する満足度や市政への要望を把握するとともに、本市の総合計画や市政の推進に反映させることを目的としているということでありますから、少なくとも50%を超える回収率を目指すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 117 ◯ 副議長(高田 真里君)  前田企画管理部長。 118 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  市民意識調査は、国勢調査のような全数調査とは異なり、調査対象の一部を調査することで全体の状況を推測する標本調査という方法を用いて実施しております。  このような標本調査の場合、信頼できる結果を導くために必要なサンプル数──回答数でありますが──これを統計理論上の計算式によって算出できることが総務省統計局の資料にも記載されており、例えば本市の市民意識調査のように、市の人口である約41万人を対象とした調査の場合、必要なサンプル数として384件の回答が集まれば信頼できる結果が得られることになります。  今年度実施した市民意識調査では、無作為抽出した市民5,000人に対し調査票を送り、回収率37.6%に相当する1,882人から回答を得ていることから、今回の調査の信頼度は十分確保されており、調査結果は市民の意識や考え方などが概ね反映されたものであると考えております。 119 ◯ 副議長(高田 真里君)
     15番 岡部  享君。 120 ◯ 15番(岡部  享君)  今、部長おっしゃるとおり、信頼度といいますか、概ね400ぐらい集まればいいという答弁でございましたが、先ほどもありましたとおり、過去、平成17年からの回収率を見てみますと、最高でも42.7%、ほぼ40%前後でずっと来ていると、こういう傾向でありました。  ただ、今回はいよいよ40%を切ったということでありますので、やはり過去最低の結果ということでもありますから、回収率というのはやっぱり気になるところなのですね。こんなに低いので大丈夫なのかということもありますので、回収率を上げるためにどのような対策を検討しているのか、していないのか、お聞かせください。 121 ◯ 副議長(高田 真里君)  前田企画管理部長。 122 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  統計理論上の計算によって算出される調査に必要なサンプル数が回収できれば、その調査の信頼性が確保されるものでありますが、一方で、サンプル数が多ければ多いほど、多様な意見等に接する機会も増えることが想定されます。  こうした観点から、今後、市民意識調査の回収率の向上に向けて調査・研究してまいりたいと考えております。 123 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 124 ◯ 15番(岡部  享君)  やっぱり市民の皆さんの市政に対する意識の傾向、あるいは経年変化というものも当然見ていく必要があります。できれば、やっぱり回答しやすい調査票というものが回収率が伸びる原因にもなりますので、ぜひそんなことも含めて引き続き検討いただきたいというふうに思っています。  次に、具体的な意識調査の中身として、施策の満足度、今後のまちづくりの重点、富山市の印象という項目に絞って、調査結果と本市の施策の推進について伺いたいと思います。  まず施策の満足度についてですが、前々回、前回に引き続き、今回の調査でも交通体系の整備の不満が全体の1位ということになっています。また、公共交通沿線エリアの居住者においても不満の2位というふうになっています。  多くの市民が不満に感じている交通体系の整備について、どのように取り組むのかお聞かせください。 125 ◯ 副議長(高田 真里君)  深山活力都市創造部長。 126 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  本年度実施をいたしました富山市民意識調査におきましては、交通体系の整備が「不満」「やや不満」と回答された割合は48.7%と、不満度は、今ほど議員から御紹介のありましたとおり、第1位となっております。居住エリア別でも、公共交通沿線エリアにおいては46.2%と、不満度が第2位となっております。  今回の調査ではその理由までは尋ねておりませんが、昨年度実施した公共交通に関する市民意識調査の結果を基に考察いたしますと、運行頻度の少なさや駅やバス停へのアクセスの悪さ、高額な運賃設定、混雑状況などが主な原因であると考えております。  このことから、今年度策定する富山市総合交通計画におきましては、3つの取組方針の下に56の施策を位置づけ、この計画を着実に推進することで公共交通の不満解消に努めてまいりたいと考えております。  その主な施策といたしましては、1つに、鉄道においては、JR高山本線の増便運行や西富山駅の西側からのアクセス改善、2つに、路面電車においては、ICカード地上機の導入や南富山駅における富山地方鉄道上滝線との乗り継ぎ強化、3つに、路線バスにおいては、運行本数等の最適化や上屋の整備、新型車両導入などによる活性化としております。  本市といたしましては、計画に位置づけた施策をしっかりと推し進めていくことでさらなる公共交通の活性化を図り、持続可能で利便性の高い公共交通サービスを提供してまいりたいと考えております。 127 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 128 ◯ 15番(岡部  享君)  この市民意識調査に基づいて、部としても調査をしていると。これは非常にいいことだなというふうに思っています。ぜひ今言われた3つの柱に従って、この公共交通、公共交通沿線が悪いというのはちょっとびっくりしたのですけれども、そんなような回答が少しでも減るように努力をいただければと、こういうふうに思っております。  続いて、今後のまちづくりの重点では、1位が出産・子育て環境の充実、2位は保健・医療・福祉の連携、充実、3位が高齢者・障害者への支援というふうになっています。  まず、出産・子育ての環境の充実に向け、子育て世代を支援するため、令和6年度新たに実施する事業についてお聞かせください。 129 ◯ 副議長(高田 真里君)  古川こども家庭部長。 130 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)  令和6年度当初予算案における子育て世帯を支援するための新たな取組といたしましては、1つに、妊婦歯科健康診査に係る1,500円の自己負担金の廃止、2つに、産後ケア事業の利用対象を産後1年までの母親と子どもに拡大し、心身のケアや育児のサポート等を民間に委託して実施する民間産科医療機関における産後ケア事業、3つに、2歳児から年長児までの子どもとその父親を対象に、「お父さんと遊ぼう」親学講座、4つに、私立保育施設の3歳以上児に係る副食費について市立施設と同額の支援を行うこととし、保育認定児童は月額700円、教育認定児童は月額500円を減額し、保護者の負担を軽減する施設に対して相当額を助成する副食費負担軽減事業、5つに、ヤングケアラー等を対象に訪問支援員が居宅を訪ね、家事や家族の世話などに係る負担の軽減・解消を図る子育て世帯訪問支援事業、6つに、独り親家庭等の高校3年生と中学3年生を対象に、受験料や模擬試験の費用を助成するひとり親家庭等がんばる受験生応援事業を実施することとしており、所要額を本定例会に当初予算案として提案したところであります。 131 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 132 ◯ 15番(岡部  享君)  今、大変多くの新規事業について紹介をいただいたわけですけれども、子どもたちが健やかで幸せに成長できる、いわゆる「子育て日本一とやま」を目指して、今ほどの新規事業とともに、当然拡充事業もたくさんあるわけでありまして、引き続き市民の皆さんの意見を踏まえ、国の取組にとどまらず、本市の独自の子育て支援の取組を進めていただくよう期待をいたしております。  続いて、市民が生きがいを持ち、健康で安心して暮らせるよう、健康づくりや福祉の充実など、令和6年度予算における新規事業や拡充する事業など、重点的な取組についてお聞かせください。 133 ◯ 副議長(高田 真里君)  清水福祉保健部長。 134 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  健康づくりや福祉の充実として令和6年度において取り組む主な新規・拡充事業といたしましては、まずは、フレイル予防などのために市民の皆さんが身近な地域で自主的に健康づくりに取り組むことができるよう、大沢野地域と八尾地域の既存施設においてパワーリハビリテーションなどのフレイル予防のためのプログラムを実施するほか、高齢者の生きがいづくりや、あらゆる世代が参加して地域の活性化にもつながる様々な取組を実施してまいります。  また、地域の高齢者の安心・安全な日常生活を支援するため、夏季の熱中症対策として、自宅にエアコンがない高齢者世帯などを対象に、その設置費用に対する助成事業を実施するほか、認知症高齢者の徘徊対策への支援として、新たに二次元コードシールを活用した認知症高齢者見守りシール事業を実施してまいります。  さらには、生活困窮者への対応として、生活保護世帯などの子どもが将来へ希望を持って進学し、将来的な自立につながり貧困の連鎖を断ち切る取組として、学習支援事業において、子どもや保護者と面接して学習意欲を高めるなどの支援を行う家庭相談員を1名から2名に増員するとともに、福祉奨学事業において、生活保護世帯などの子どもが県内外の4年制大学へ進学する際の進路選択の幅を広げるため、国家資格等の取得要件を緩和することとしております。  これらのほかにも、帯状疱疹予防接種事業やスマートウエルネス推進事業などを新たに実施することとしており、市民の皆さんがいつまでも健康で安心して暮らし続けられるよう、引き続き福祉・保健分野における様々な施策に取り組んでまいります。 135 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 136 ◯ 15番(岡部  享君)  今ありましたフレイル予防だとか、大変多くの施策ですね。帯状疱疹の予防、これは最近よくテレビでもコマーシャルをしているという中身でありますけれども、そういうようなことも新規事業としてやられますし、さらに高齢者の生きがいづくり、そして健康で安心して暮らせる保健・医療・福祉に関する事業の取組について、引き続き、やはりこれもまた市民の皆さんや議会での意見も含めて、ぜひ今後も進めていただきたいというふうに思います。  いずれにしろ、この福祉関係、子育て関係は、非常に市民の皆さんも関心の高い、要望の高いところでございますので、ぜひ中心的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。  続いて、調査の項目に富山の印象という設問があります。回答は、「お米やお魚など農林水産物の美味しいまちである」「沿岸部から中山間地まで恵まれた自然環境である」など、富山のよさが設問に設定され、毎回この項目が上位となっています。  この富山の印象という設問については、項目内容や項目数も毎年若干変更がされていますが、調査の目的について、まずお聞かせください。 137 ◯ 副議長(高田 真里君)  前田企画管理部長。 138 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  市民意識調査では、経年比較のため、毎回必ず設定している質問項目がある一方、行政を取り巻く環境の変化等に応じた市民意識の変化などを把握するため、質問項目の追加や削除、修正を行うなど、内容の見直しについても随時行っております。  今回の調査では、スマートシティの認知・関心度や地域コミュニティーの取組などに関する調査項目を追加したほか、今ほど御質問がありました富山市の印象に関する調査項目においても、市民の多様な考えをより正確に把握できるようにするため、「出産・子育て環境が充実している」と「沿岸部から中山間地まで恵まれた自然環境である」という2つの質問を追加するなどの見直しを行ったところであります。 139 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 140 ◯ 15番(岡部  享君)  もちろん富山市の印象について問うこと自体を私は否定しているわけでありませんが、今紹介がありましたとおり、今回の調査では、「出産・子育て環境が充実している」という、こういう問いが新たに出たと。市民の皆さんはどう思っているのかなというところに関心があるのではないかというふうに思っています。それが追加されており、設問の項目によっては、今後の総合計画や本市の施策に十分生かせるのではないかと、こういうふうに思っています。  そのような意味から言えば、現在ある設問の中に、若者の定着にも影響すると思われる「趣味やレジャーを楽しめる施設が充実している」という設問に対して、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」との回答が合わせて63.9%で、3回連続ワーストワンという、そういうことになっています。  本市におけるこの間のこういう課題に対する対応等についてお聞かせください。 141 ◯ 副議長(高田 真里君)  前田企画管理部長。 142 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  今回の調査結果に表れたような声は、これまでにも多く聞かれているところであります。しかし、そのような声は、ある意味、富山らしさの裏返しでもあるものと考えております。  確かに富山には、東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのような大型レジャー施設などはありませんが、幼児から高齢者まで、毎年年間で30万人程度が来場するファミリーパークや割山森林公園天湖森があります。天湖森は、再整備事業によって、今春、グランピング施設やキャンピングカー用のオートキャンプサイトなどが新たにオープンいたします。  また、一流のミュージカルや演劇、コンサートなどを鑑賞できるオーバード・ホール大ホールや中ホールがあり、市総合体育館や県総合運動公園陸上競技場では、地元のプロスポーツチームが出場するバスケットボールやサッカーの試合を観戦できます。まちなかには現代ガラス芸術を鑑賞できるガラス美術館や図書館、郊外には複数のスキー場があり、また温泉施設も豊富です。大型スクリーンを備えたシネマコンプレックスが市内2か所にあり、富山競輪場では迫力ある自転車レースを楽しむこともできます。  しかし、何といっても、釣りやヨット、山登り、サイクリングなど多種多様な趣味やレジャーを楽しめる海や山、豊かな自然が身近にあるアメイジングな都市であるのが富山の特徴ではないかと考えます。  今後とも富山らしさを輝かせ、そして市民のシビックプライドを醸成することで、暮らしたいまち、暮らし続けたいまちであると多くの市民に思ってもらえるよう、様々な施策に取り組んでまいります。 143 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 144 ◯ 15番(岡部  享君)  富山らしさということで、現状あるものなどいろいろお話をいただいたわけですけれども、やはり何か不満といいますか、もっとこういうものがあればいいという思いがこの調査の結果に表れているというふうに。現状結構あるではないかと、こういうふうに言われますけれども、やっぱりもう1つそういう楽しめること、小さい子どもからある程度の大人まで楽しめる施設、レジャーを楽しむ施設というものの誘致についても、ぜひ検討いただくようにしていただきたいというふうに考えております。  次に、令和6年能登半島地震における課題と自主防災組織の活動について伺います。  今定例会では代表質問や一般質問において多くの質問がされていますので、関連する部分もありますが、何点かお聞きいたします。  まず、海岸付近に建設されている市営住宅では、地震の発生によりエレベーターが緊急停止したため、車椅子対応住宅の入居者が上層階へ避難ができず、周辺の入居者が介助して避難をさせたが、大変苦労したとのお話を聞きました。  車椅子対応の住宅は上層階にも設置する必要があると考えますが、見解をお聞かせください。 145 ◯ 副議長(高田 真里君)  狩野建設部長。 146 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)  車椅子対応の住宅を提供している海岸付近の市営住宅としては、布目団地2戸と水橋中村団地4戸があり、いずれも日常生活において車椅子利用者や介助者の移動に便利な建物の1階に設置しております。  議員御提案の車椅子対応の住宅を上層階に設置することにつきましては、エレベーターの緊急停止を伴う地震・津波災害や洪水災害が発生した際に、車椅子利用者の生命身体を守るとともに、避難を支援する方の負担を軽減できるメリットがあると思われます。  しかしながら一方では、火災などの建物外部へ避難しなければならないケースでは、かえって避難が遅れるリスクが考えられることや、車椅子利用者に配慮した出入口の段差解消や広い廊下の確保、トイレや浴室等の改修などが必要なことなどの課題もあります。  こうしたことから、車椅子対応の住宅の上層階の設置につきましては、津波や洪水災害など非常時の安全面を優先したニーズがあるのか、入居者の御意見や他の自治体の事例などを参考に調査・研究してまいりたいと考えております。 147 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 148 ◯ 15番(岡部  享君)  確かにおっしゃるとおり、住宅の1階は建物の外へ避難するときには本当に速やかな行動が取れるという利点はあるわけですけれども、今回の場合は津波ということでしたので、むしろやっぱり上層階へ避難をするというのがベストだというふうで、周辺の皆さんもそういう思いでやられたと思います。  ぜひいろいろな意見も聞きながら、改修できるところがあれば、そういうことも含めて検討いただきたいというふうに思っております。  続いて、自主防災組織について伺います。  まず最初に、本市における自主防災組織は、小学校区単位と町内会単位とした組織があると私は認識しております。  令和6年1月現在の組織数は全体で590組織、組織率は全体で75.7%となっていますが、小学校区と町内会の単位ごとの組織状況についてお聞かせください。 149 ◯ 副議長(高田 真里君)  中村防災危機管理部長。 150 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  本市における自主防災組織は、自治振興会単位の組織と町内会単位の組織があり、町内会単位の組織には、単独の町内会から成る組織と複数の町内会で構成する連合町内会から成る組織がございます。  お尋ねの自主防災組織の結成済みの自治振興会数は、全79自治振興会中30自治振興会、町内会数は約1,400町内会中、単独での結成が500町内会、連合での結成が161町内会と、計661町内会となっております。
    151 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 152 ◯ 15番(岡部  享君)  自主防災組織の結成促進に向けた取組については、昨日、押田議員の質問に対して答弁がされていますので、取組内容への答弁は不要ですが、避難所の運営を考えたときに、今答弁いただいた第1次避難所となる小学校区、いわゆる自治振興会単位の自主防災組織の結成は大変少ないように思われました。できれば、この自治振興会単位の自主防災組織の結成を重点に取り組んでいただくように今後進めていただきたいというふうに考えています。  また、活動の強化について少し述べますが、この間のコロナ禍によって、本当に自主防災組織の活動が中止になったりということがありました。それから役員についても、活動もないですわけですから、引継ぎも十分になっていないということがあります。  結果、災害時の安否確認や避難誘導などに役立てるための避難行動要支援者名簿が避難支援関係者である自主防災組織に情報提供されても、個人情報ということもあり、組織で全体化されていないと。昨日こういうものは提供していますよという話はあったわけですけれども、やっぱり全体化されていないという防災会もあるというふうにお聞きしました。  名簿の取扱いの徹底など、自主防災組織の強化に向けた今後の取組についてお聞かせください。 153 ◯ 副議長(高田 真里君)  中村防災危機管理部長。 154 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  本市では、自主防災組織への活動に対する支援として、1つに、初期消火訓練や避難誘導訓練、救出救命訓練等の実施に対する補助金、2つに、日頃の訓練や災害対応に必要な防災対策用品の購入等に対する補助金、3つに、感染症や停電対策など、新たな課題に対応するための防災資機材の充実・強化に対する補助金など、各種制度を設け、未結成地域に向けては結成を促進する側面と、結成済みの団体に対してはその活動を充実・強化させる側面の両面で支援を行っております。  さらに、自主防災組織を対象として、気象や防災に関する知識はもとより、災害が発生した場合の自主防災組織の活動についての理解を深めていただくため、防災講座や防災リーダー育成研修等を実施しております。  加えて、富山県防災士会とも連携し、地域の特性に応じた地区防災計画の策定や避難所運営訓練の実施についてもサポートするなど、人材育成やスキルアップの面でも積極的な支援を行っております。  なお、議員から御指摘のありました避難行動要支援者名簿につきましては、要支援者の方々の個別避難計画作成のためにも必要な名簿であり、計画作成には、自主防災組織をはじめ民生委員、自治振興会の支援があって初めて出来上がるものであることから、平時からの協力体制も築いてまいりたいと考えております。  本市といたしましては、各種制度の周知を図ることで自主防災組織の新規結成を促進するとともに、引き続き継続的な支援を行うことで、災害発生時にも地域における共助の取組が活発に実施されるよう、自主防災組織のさらなる強化に努めてまいりたいと考えております。 155 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 156 ◯ 15番(岡部  享君)  ぜひ避難行動要支援者名簿の取扱いについても周知をいただきたいというふうに思います。  次に、奥田ビルの現状と今後の対応について伺います。  奥田ビル跡地の活用に向けて、本年1月31日にサウンディング型市場調査の結果が公表されました。  奥田団地の跡地利用については、奥田地域の活性化の大変重要なポイントになるわけでありまして、開発に向けて地元の皆さんの関心も高く、今後の進め方などについてお聞きしたいと思います。  その前に、本年1月1日に発生した能登半島地震の大きな揺れが収まって、私自身まず心配になったのが奥田ビルでした。直ちに現場に向かい周辺を確認したところ、内部は閉鎖されていますので分かりませんが、外壁も落下しておらず、一安心した次第です。  初めに、能登半島地震における奥田ビルの被災状況、いわゆる地震の影響についてお聞かせください。 157 ◯ 副議長(高田 真里君)  狩野建設部長。 158 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)  今回の地震における奥田団地の被災状況につきましては、本市の建築技術職員や指定管理者による目視点検を行ったところ、現時点で特段の被害は確認されておりません。 159 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 160 ◯ 15番(岡部  享君)  特に被害は見られなかったということですけれども、1店舗を除いて全ての住宅と店舗の移転が昨年11月に完了したということや、あとは残っている店舗も、1月1日ということで休業日であったことが被害がなかった要因と考えられます。  奥田団地はそれまで高齢者の多い住宅であったことから、住民が残っていれば大変大きな被害も出ていたのではないかというふうに思います。そういう意味では、いわゆる転居が終わってよかったなというふうに思っているわけであります。  何にしろ、住民に寄り添ってこれまで対応された担当課の皆さんに私からも本当に感謝を申し上げたいと思います。  次に、奥田団地の跡地活用に向けてサウンディング型市場調査の結果が公表され、地元奥田校下の自治振興会からの要望に近い内容が提案もされています。また、新年度予算において跡地利活用可能性調査委託料の議案も提案されていますが、今後の進め方についてお聞かせください。 161 ◯ 副議長(高田 真里君)  狩野建設部長。 162 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)  奥田団地の建物解体や跡地の活用方法等を検討するに当たり、民間事業者からの提案や意見を参考とするため、昨年10月23日から12月8日にかけてサウンディング型市場調査を実施したところ、企業グループ1者からの応募がありました。  この提案内容は、3棟の既存建物を解体し、跡地3区画を一括利用して賃貸・分譲マンションと商業施設等の複合施設の開発を行うものであり、概要については市ホームページにおいて公表しているところであります。  事業者からの提案は、議員御指摘のとおり、地元の自治振興会の要望に沿った内容となっており、本市としても魅力的なまちづくり計画であると思いますが、一方で、応募者が1者のみだったことから、提案内容を比較検討する情報が十分でないことや事業の実現性が懸念されることなど、跡地の活用方法を決定する上で課題を残す状況となっております。  こうしたことから本市では、来年度当初予算案として本定例会に提案している奥田団地跡地利活用可能性調査において、応募者を含む複数の事業者へ跡地活用などに関するアンケート調査を実施し情報の収集や分析を行うなど、引き続き今後の跡地活用について検討を進めてまいりたいと考えております。 163 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 164 ◯ 15番(岡部  享君)  昨年12月定例会では建設部長のほうから、2号棟と3号棟の明渡しが完了したということから、明け渡された建物の解体や跡地の処分、活用方法などを検討していかなければならないという考え方が示されたというふうに思っています。  奥田ビルは、今回の地震は大丈夫でしたけれども、もともと耐震基準は満たしていないということで、倒壊の危険も否定できないことから、3棟一斉の開発ではなく、できるところから実施するべきと考えるわけですが、見解をお聞かせください。 165 ◯ 副議長(高田 真里君)  狩野建設部長。 166 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)  奥田団地につきましては、過去の耐震診断では建物は震度6から7程度の地震で倒壊または崩壊する可能性が高いとされており、今回の能登半島地震では、先ほど申し上げましたとおり特段の被害は確認されておりませんが、危険性を考慮すれば、できるところから建物の解体を実施することは必要であると考えております。  こうした中、現在、奥田団地の2号棟及び3号棟については全ての入居者の退去が完了しておりますが、1号棟については残る1店舗の入居者の明渡しを求めて係争中であり、裁判が結審する時期は未定となっております。  このような状況を踏まえ、サウンディング型市場調査において応募した事業者に開発範囲についてヒアリングしたところ、全ての入居者の退去が完了した後に3棟一括の開発が望ましいとの提案がありました。  こうしたことから本市といたしましては、明渡し訴訟の動向を注視しながら、来年度に実施予定の奥田団地跡地利活用可能性調査の中で、建物の解体の進め方や開発の範囲などについて検討してまいりたいと考えております。 167 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 168 ◯ 15番(岡部  享君)  多くの方も御存じであると思いますけれども、奥田ビルの西側にはすぐ民家があるということですし、東側は大変交通量の多い主要県道でもあります。今回の地震で建物がダメージを受けている、こういう可能性も考えられることから、できるだけ早い解体と再開発に向けて方向性を示していただきたいというふうに思っています。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後の質問に入ります。  本市における年間を通した働きやすい服装、いわゆるノーネクタイの推進について質問します。  ちなみに、ノーネクタイはナチュラル・ビズ・スタイルとかエコスタイルとかフリースタイルなどとも呼ばれています。  本市をはじめ多くの自治体や企業において、これまで省エネルギー及び環境問題への配慮から、夏季期間のクールビズが実施され、現在では完全に定着をしているというふうに思います。また、最近ではSDGs推進及び働き方改革の一環として、新たにウォームビズ──いわゆる11月から3月ぐらいですね──も推奨がされています。  環境省も、令和3年度からクールビズとウォームビズの取組を統合し、個別の期間設定を行わず、通年で一人一人が判断して軽装等を行う方針を明らかにし、働きやすい職場環境づくりを目指し、TPOに配慮した一定の基準の下、通年のノーネクタイの取組が全国の自治体でも進められています。  私が調査した限りでは、62の中核市のうち、試行も含めて23市、37.1%が実施をしているというふうに見てとれました。  そういう意味では本市においても推進すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 169 ◯ 副議長(高田 真里君)  前田企画管理部長。 170 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  本市は、節電による省エネ対策の推進と職員の公務能率の向上を図る観点から、上着やネクタイの着用を要しない、いわゆるクールビズをこれまでも実施しており、平成26年度からは、それまでの6月から9月までの4か月間から5月から10月までの半年間に期間を延長しているところであります。  こうした中、近年の猛暑などの異常気象に見られるように地球温暖化が一段と進行する中、県内10市のうち7市が勤務時間中における職員のノーネクタイを昨年度または今年度から通年実施しており、また、富山県でも今年度から開始したことを承知しております。  ゼロカーボンシティを表明している本市といたしましては、こうした状況なども踏まえ、職員のノーネクタイの通年実施に向けて今後検討してまいりたいと考えております。 171 ◯ 副議長(高田 真里君)  15番 岡部  享君。 172 ◯ 15番(岡部  享君)  今、部長のほうから紹介がありました。中核市以外にも大変多くの自治体で通年のノーネクタイというものが実施をされていますし、富山県、石川県、福井県の県庁もそういう方向になっています。  職員の働き方改革の一環、それからカーボンニュートラルという意味からしても、当面ウォームビズも含めて、先にやるとかということも含めて検討されることを最後に申し上げ、私の質問を終わっていきたいと思います。  ありがとうございました。 173 ◯ 副議長(高田 真里君)  これで岡部議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                              午後 2時39分 休憩                              ───────────                              午後 3時00分 再開 174 ◯ 議長(金厚 有豊君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  30番 松井 桂将君。 175 ◯ 30番(松井 桂将君)  令和6年3月定例会に当たり、公明党より一般質問並びに議案の質疑を行います。  初めに、防災対策について伺います。  被災地において断水した上水道の復旧は最優先です。そして、断水時には給水車の配備は重要です。長期の断水対策として、防災用や災害応急用など災害時協力井戸として、井戸水を有効活用すべきと考えます。  特に農村地域や中山間地域では、数多くの農家さんが井戸水を日常生活などで利用されております。  市民や民間企業が保有する井戸水を災害時に活用する制度づくりについてお聞かせください。 176 ◯ 議長(金厚 有豊君)  中村防災危機管理部長。 177 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  公明党、松井 桂将議員の御質問にお答えいたします。  災害時における飲料水の確保は、生命を維持する上でも大変重要であると考えており、本市ではペットボトルの飲料水の備蓄に加え、耐震性貯水槽5か所や消雪用井戸25か所を活用した緊急用給水栓の設置、さらには寄附を受けた防災井戸2か所の活用など、災害時に飲料水の供給が滞ることのないよう備えてまいりました。  この25か所の消雪用井戸により毎日12万5,000人分の飲料水の供給が可能となり、さらにはペットボトルの備蓄と耐震性貯水槽により5万5,000人、3日分の飲料水が確保でき、これは、呉羽山断層帯地震で想定される全避難者数約12万8,000人を大きく上回ることとなります。  このほかにも、県の備蓄や協定先からの調達に加え他自治体からの支援等により、さらなる飲料水の確保が可能であると考えております。
     このことから、御紹介のありました市民や民間企業が保有する井戸の活用について、災害時における水の確保として有効な手だてであるとは認識しておりますが、現時点で直ちに制度づくりを進める必要はないものと考えております。 178 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 179 ◯ 30番(松井 桂将君)  これから制度化する場合もあると思いますが、制度が創設された場合に井戸水の水質検査等が必要と考えますが、見解をお聞かせください。 180 ◯ 議長(金厚 有豊君)  中村防災危機管理部長。 181 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  先ほども答弁したとおり、市民や民間企業が保有する井戸の活用は現時点では考えておりませんので、水質検査についても必要ないものと考えております。  なお、緊急用給水設備として活用する予定としている消雪用井戸や防災井戸につきましては、飲料に適しているのかを確認するため、年1回水質検査を実施しているところであります。 182 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 183 ◯ 30番(松井 桂将君)  次へ行きます。  地震対策として、富山市地域防災計画に位置づけた第1次避難所──小学校──や公園等の下水管に接続するマンホールトイレ設置があります。これまでも上下水道局と連携し設置を推進しておられます。  災害時のトイレ対策は大変重要です。劣悪なトイレ環境は避難生活のストレスを高めたり、急性胃腸炎を招くノロウイルスなどの集団感染の原因となるだけではなく、災害関連死の危険性を高めます。避難者が水分摂取を控えるため、血液中に血の塊ができ、肺に詰まって重篤な障害を引き起こすエコノミークラス症候群を誘発してしまいます。  指定避難所におけるマンホールトイレの設置状況と今後の取組についてお聞かせください。 184 ◯ 議長(金厚 有豊君)  中村防災危機管理部長。 185 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  本市におきましては、平成28年度よりマンホールトイレの整備を進めており、本年2月現在の整備状況につきましては、まちなか総合ケアセンター、新庄小学校、舞台芸術パーク、倉垣小学校、奥田北小学校、奥田小学校の6か所に合計52基を整備しており、現在、堀川小学校に10基整備を進めているところであります。  今回の地震により、珠洲市では管路延長の9割を超える下水道管で流下機能を失ったと伺っており、トイレを我慢することによる健康被害や感染症の蔓延などが懸念され、下水道施設の耐震化やマンホールトイレの整備などの重要性を再認識したところであります。  今後につきましては、本市の都市マスタープランで定める市内14ブロックに対し、まずは各ブロック1か所10基ずつを目標に、地域バランスにも配慮しながら、計画的かつ確実に整備を進めてまいりたいと考えております。 186 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 187 ◯ 30番(松井 桂将君)  今お聞きしましたように、今後、災害トイレの確保、そしてまた管理計画が必要ではないかと考えます。  それでは次は、高齢者支援について伺います。  認知症施策について伺います。  認知症は誰にでも起こり得る脳の病気です。現在、65歳以上の約7人に1人が認知症であり、国では2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計しております。  2021年1月に、共生社会の実現を推進する認知症基本法が施行されました。  基本法の目的は、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができる社会の構築です。この目標に向かってまず大切なことは、認知症に対する正しい理解を深めることだと考えます。  そこで、本定例会の議案にある認知症高齢者見守り支援事業について伺います。  徘徊高齢者の探索支援として、本市では認知症高齢者徘徊SOS緊急ダイヤル事業を実施しています。  このSOS緊急ダイヤル事業の内容と登録者数をお聞かせください。 188 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 189 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  認知症高齢者徘徊SOS緊急ダイヤル事業は、事前に登録された認知症高齢者などが行方不明になった際に、当該情報を認知症高齢者見守りネットワーク協力団体として登録された団体や警察署などへ電子メールで即時提供し、探索に協力いただくことで早期の発見につなげるものでございます。  登録状況といたしましては、令和6年2月末現在で登録者は399人、認知症高齢者見守りネットワーク協力団体は555団体となっております。 190 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 191 ◯ 30番(松井 桂将君)  このたび令和6年度予算に認知症高齢者見守りシール事業が上げられておりますけれども、その内容についてお聞かせください。 192 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 193 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本市が令和6年度から取り組む二次元コードシールを活用した認知症高齢者見守りシール事業につきましては、まず、SOS緊急ダイヤル登録者のうち希望される方にその方の情報を事前に登録してもらい、その情報にひもづく二次元コードが記載されたシールを1人当たり40枚程度作成し、そのシールを対象者の衣服やつえなど、日頃から身につけるものや持ち歩くものに貼り付けていただきます。  そして、実際に徘徊が発生した場合には、探索に協力していただく認知症高齢者見守りネットワーク協力団体の方や偶然に居合わせた一般の方などが、シールに記載された二次元コードをスマートフォンで読み取ることで、家族の方などに発見通知メールを送信することができるようになっております。  また、メールの送信と同時に、専用のチャット形式の伝言板サイトで、徘徊者の家族の方などと発見者が連絡を取り合うことができるようになるという仕組みでございます。  なお、発見者がスマートフォンをお持ちでない場合であっても、二次元コードとともに記載された記号番号を本市や警察に問い合わせていただくことで、高齢者の身元を確認することが可能となっております。 194 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 195 ◯ 30番(松井 桂将君)  今ほどお聞きしましたが、徘徊高齢者も多くなってくるということで、効果のある事業ではないかというふうに思っております。  それでは次に、認知症に対するこういった正しい理解を深める広報活動の取組について、見解をお聞かせください。 196 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 197 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  今般制定されましたいわゆる認知症基本法においては、地方公共団体は認知症施策を策定・実施すること、また、国民は認知症に関する正しい知識と理解を深め、共生社会の実現に寄与するよう努めることが責務とされております。  こうしたことから本市では、市民の皆さんに認知症に関する正しい理解を深めていただくことが重要であると考えております。  本市ではこれまでも、認知症の予防や状態に応じたケアの流れを分かりやすく記載した認知症ガイドブックを作成し、長寿福祉課の窓口や地域包括支援センターで配布するとともに、認知症地域説明会などにおいて活用し、周知・啓発に取り組んでおります。  また、9月21日の世界アルツハイマーデーに合わせて毎年9月を認知症月間として、1つに、認知症見守りネットワーク講演会の開催、2つに、富山城を認知症のシンボルカラーであるオレンジ色にライトアップすること、3つに、「広報とやま」における特集記事の掲載、4つに、富山市公式LINEにおける情報の発信、5つに、認知症高齢者見守りネットワーク協力団体などへの「とやまオレンジ通信」の発行などにも取り組んでおります。  今後とも、新たに制定されたいわゆる認知症基本法の趣旨を踏まえ、認知症ガイドブックの改訂を検討するとともに、これまでと同様にそのガイドブックを広く活用し、さらなる周知・啓発に努めてまいりたいと考えております。 198 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 199 ◯ 30番(松井 桂将君)  今ほどありましたように、認知症については認知症サポーターもおります。この認知症サポーターの養成については、本市も取り組んでおります。  認知症サポーター数やその養成の取組についてお聞かせください。 200 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 201 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  認知症サポーターの数につきましては、現在、全国で約1,500万人となっており、本市におきましても平成18年度より養成に取り組み、地域住民に加え、小・中・高校生などの若い世代や、地域の商業施設、郵便局や銀行など高齢者が日常的に利用する施設の方々にも養成講座を受講していただいており、令和6年1月現在では約4万4,000人となっております。  また、平成26年度からは、市職員全員が認知症サポーターとなることを目指して職員を対象とした養成講座を実施しており、今年度におきましても新規採用職員などを中心に90名が講座を受講しており、令和6年1月末現在では、特別職や部局長などの管理職員を含め、約2,300人となっております。  認知症サポーターの養成の取組につきましては、認知症に関する専門的な知識を持つキャラバンメイトが講師となり、認知症サポーター養成講座を開設し、受講していただくものでありますが、その講座においては、基本的な知識や認知症の方への接し方など、90分の講義により認知症に対する正しい理解を深めていただくものとなっております。 202 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 203 ◯ 30番(松井 桂将君)  今ほど御紹介もありました認知症サポーターには上級サポーター等もありますけれども、今回はあえてお聞きをいたしません。  東京都八王子市では、小学生の認知症の方への手助けを学ぶ授業が話題となっております。  現在、認知症サポーター養成講座が全国で展開され、認知症サポーターの育成を図っておりますが、座学を中心とした講義では受動的になってしまう傾向があります。  八王子市では、この講義形式での講習を駄菓子屋での応対という体験型の学習として、認知症の人と子どもたちが売手や買手となって交流を図るという体験学習を講座に組み込みました。  認知症の当事者と直接交流することにより、当事者と同じ目線に立って当事者の気持ちや考えに触れることで、体感として認知症への理解を深めることを狙いにしているとのことです。  そして、体験学習を終えた子どもからの、認知症の人は何もできない、何で忘れてしまうのかと思っていた、でも実際は違っていた、話せば普通だし、一緒に交流できて楽しかった、少し手伝えばみんなと同じように生活できるのだと分かったとの感想から、認知症への偏見は全く見られなかったとのことです。  そこで、できることを一緒にして、できないことを手助けしてあげるという当たり前の人と人との関係の在り方を学ぶという意味でも、本市において認知症の体験型学習を取り入れて、認知症の方への偏見をなくす教育環境を整えるべきと考えます。  認知症の人への理解を深める体験型教育について見解をお聞かせください。 204 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 205 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  未来を担う子どもたちが認知症に対する正しい理解を深めること、また、認知症の人であっても地域で共に暮らしていく一員であることを理解することは、福祉教育の一環として大変重要であると考えております。  このため本市では、市内の学校を対象に地域包括支援センターが中心となり認知症サポーター養成講座を実施しており、この講座の実施に当たっては、認知症の人への声がけや接し方などをクイズ形式で学んだり、自分たちならどんなことができるのかなどをテーマにグループで考えたりするなど、子どもたちにもより分かりやすく、認知症を我が事として興味を持ってもらえるよう、内容を工夫して取り組んでおります。  一方、議員御質問の認知症に関する体験型の学習につきましては、子どもたちが認知症の人と一緒に活動しながら、そうした体験を通して認知症への理解を深めていく学習であると理解しておりますが、こうした学習活動に認知症の人本人に参加していただくためには、認知症の人に講座の目的や内容を理解していただき、その理解を持ち続けた上で当日参加していただくことが必要となり、本人に大きな負担がかかるなど、その実施に当たっては様々な課題があると考えられます。  このため現時点では認知症に関する体験型学習に取り組むことは難しいものと考えておりますが、今後とも、より効果的な認知症に関する学習方法について調査・研究してまいりたいと考えております。 206 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 207 ◯ 30番(松井 桂将君)  認知症は早期発見と早期治療がとても重要です。アルツハイマー型認知症の場合も、発症の早期から薬物療法を行うことで進行を遅らせることができるので、早めの受診が肝腎です。早い段階から服薬を始めるほど、認知機能障害に悩まされる時間を短くすることができます。  認知症の早期診断と早期発見がなぜ重要なのか。それは、早い段階で認知症を発見できた場合、今後の治療や介護の方針を本人も交えてゆっくりと話し合うことができるからです。  年のせいという理由から発見が遅れがちになる認知症ですが、早めの対策をどうやって講じるのかが認知症治療の1つのポイントであると考えます。  また、認知症のチェックを受けて専門医による診察につなげることもできます。
     東京都が開設している「とうきょう認知症ナビ」では、認知症の基礎知識を深めることに加えて、10項目のチェックリストで認知症の可能性を診断できるとのことです。  認知症のスクリーニングについて、認知症なのではと気になっているときは気軽にチェックできる環境の整備も非常に有意義と考えますが、見解をお聞かせください。 208 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 209 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本市では、市民の皆さんが認知症の疑いがあるのかどうかを気軽にチェックできるよう、10の質問から成る認知症チェックリストを認知症ガイドブックに掲載して市のホームページで公開するとともに、地域包括支援センターが実施する認知症地域説明会などにおいて、そのガイドブックを活用して、認知症の早期発見・早期受診に向けた啓発を行っております。  現在、市のホームページでは認知症チェックリストへのアクセスがしづらいとの御意見があるということも伺っておりますので、今後は、市のホームページにおいて掲載している認知症ガイドブックへよりアクセスがしやすいように工夫するとともに、認知症ガイドブックの紙媒体でのさらなる配布を進めるなど、市民の皆さんが認知症の疑いがあるのかどうか、気軽にチェックできる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 210 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 211 ◯ 30番(松井 桂将君)  認知症に関する理解促進、早期診断、対応につなげる、そういった仕組みがやっぱり大事だというふうに考えます。  認知症を発症しても安心して暮らせる社会、富山市を目指す意味からも、この認知症の早期発見のための検診が必要と考えますが、見解をお聞かせください。 212 ◯ 議長(金厚 有豊君)  清水福祉保健部長。 213 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)  本市では、認知症を早い段階で発見し適切な治療やケアにつなげることは、本人らしい生活を続けるためには大変重要であると考えており、これまでも認知症初期集中支援チームの設置や警察との連携などの早期発見・早期支援の体制づくりに努めてきております。  また、先ほど申しました認知症ガイドブックに掲載した認知症チェックリストの活用のほか、要介護認定を受けていない70歳、75歳の方に送付しております介護予防のための基本チェックリストにおいても認知症に関する質問項目を設けており、市民の皆さんが自ら認知症を早期に発見し得る取組も行っております。  さらには、後期高齢者の健康診査の問診票には認知機能に関する質問項目が設けられており、簡易的ではありますが、認知症の早期発見のための検診が行われているものと考えております。  本格的な認知症の早期発見のための検診の実施につきましては、自分自身が認知症と診断されることへの抵抗感から、受診をためらう方がいらっしゃるとも考えられることなどから、市民ニーズや費用対効果なども含め、調査・研究してまいりたいと考えております。 214 ◯ 議長(金厚 有豊君)  30番 松井 桂将君。 215 ◯ 30番(松井 桂将君)  しっかり今後とも認知症早期発見のための努力をよろしくお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。 216 ◯ 議長(金厚 有豊君)  これで松井 桂将議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  4番 飯山 勝彦君。   〔4番 飯山 勝彦君 登壇〕 217 ◯ 4番(飯山 勝彦君)  令和6年3月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問をさせていただきます。  今回、私は、富山市民球場アルペンスタジアムについて、鉄道駅周辺のまちづくりについて、富山駅周辺整備について、そして災害発生時の消防局の対応についてお尋ねします。  まず、富山市民球場アルペンスタジアムについて質問いたします。  富山市民球場アルペンスタジアムは、本市において3万人が収容できる最大のスポーツ施設であり、我が北部地区としても拠点となる重要な施設であります。  昨年の7月18日には12年ぶりにプロ野球フレッシュオールスターゲーム2023が開催され、富山県出身であり読売ジャイアンツ所属の山田 龍聖投手も登板し、久しぶりに大きな盛り上がりを見せました。  そして今回、日本野球機構は4年に一度のプロ野球オールスターゲーム地方開催を富山市民球場で開催することによって、北陸地方の全ての方々に元気と勇気、そして支援のメッセージを届けたいとの趣旨から、令和8年7月に富山市民球場でオールスターゲームを開催することを決定しました。  また、藤井市長は会見で被災地の子どもたちを招待できればいいと述べられ、石川県、福井県の自治体と連携し、大会を通じて能登半島地震からの復興支援のメッセージを打ち出したいとのことですが、オールスターゲームを本市で開催することによりどのような効果がもたらされるのか、お聞かせください。  また、平成4年の完成から30年余りがたち、至るところで老朽化が目立ってきており、スコアボードや照明などのリフレッシュ工事を順次行っていますが、今後の整備状況についてお聞かせください。  次に、サブグラウンドの利用状況はどのようになっているのでしょうか。今後の利便性を踏まえ人工芝と言いたいところでございますが、そうではなく今回は、ナイター施設を設置することにより夜間の利用が可能となると考えますが、見解をお聞かせください。  富山市民球場アルペンスタジアムについて最後の質問になりますが、藤井市長にお伺いします。  今後の利用状況について、今年の5月14日に読売ジャイアンツ対横浜DeNAベイスターズの公式戦が組まれており、令和8年7月にはプロ野球オールスターゲームの開催が予定されていますが、そのほかの予定について何か決まっているのか、また今後どのように利活用していくのか、お聞かせください。  次に、鉄道駅周辺のまちづくりについてお伺いします。  本市では、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進するため、鉄軌道をはじめとする公共交通の活性化や公共交通沿線への居住推進などに取り組んできました。  特に公共交通の軸となるあいの風とやま鉄道やJR高山本線などの鉄道の主要駅は、地域にとって重要な拠点となることから、本市においてもこれまで鉄道駅周辺でまちづくりが進められてきたものと考えております。  そこで、地域の拠点となる呉羽駅や東富山駅において、改札の設置や駅前広場の整備、宅地整備などによるまちづくりの成果についてお聞かせください。  呉羽駅や東富山駅周辺では変化するまちの姿が見えてきましたが、そのほかの鉄道駅周辺では、今後の少子・高齢化や人口減少に伴う居住人口の減少、駅利用者の減少などにより、駅周辺の活力の低下が懸念されます。  そこで、コンパクトなまちづくりを深化させるためにも、今後継続して鉄道駅周辺のまちづくりを進めていく必要があると考えるが、見解をお聞かせください。  次に、これまでの市が事業主体の富山駅周辺整備の事業費、連続立体交差事業に対する市の負担額及び事業効果についてお伺いします。  本市においては、北陸新幹線の長野・金沢間開業から約9年が経過し、本年3月16日には金沢・敦賀間が開業され、北陸が国内外から再注目される絶好の機会であることから、多くの観光客が本市へ来訪することを心待ちにしております。  整備新幹線は人の動きを大きく変えるとともに、まちづくりに大きな変化をもたらす事業であると考えます。  富山駅周辺においても、北陸新幹線の整備に合わせ、並行在来線の連続立体交差事業や、本市が事業主体として路面電車の南北接続事業や土地区画整理事業などの富山駅周辺整備事業を推進した結果、富山駅の交通結節機能が強化され、ホテルや商業施設「マルート」開業など、都市としての利便施設が大きく向上したと考えております。  富山駅周辺エリアは、これまでの事業投資により高い効果が現れているエリアだと思っております。これまでも市が事業主体として進めている富山駅周辺整備事業には多額の費用が投入されており、また、県が事業主体として進めている連続立体交差事業についても、多額の市負担額が支払われているかと思われます。  そこでお伺いします。  これまでの市が事業主体の富山駅周辺整備の事業費、連続立体交差事業に対する市の負担額及び事業効果についてお聞かせください。  富山駅周辺整備は着実に進んでいると思いますが、富山駅北口駅前広場については、バス・タクシー事業者と協議した上で車両配置数など運用方法を決めたと聞いておりますが、バス、タクシーの利用が少なく寂しい感じがします。  そこでお伺いします。  富山駅北口駅前広場を管理する富山市として、ロータリーの活用が図られるようバス・タクシー事業者に働きかけてみてはと考えるが、見解をお聞かせください。  また、富山駅東側においては昨年より富山地方鉄道本線の高架化工事が始まり、その高架化工事区間において、今後、駅東側直近を南北に結ぶ都市計画道路富山駅横断東線の整備や、牛島新町と桜町一丁目を結ぶ都市計画道路堀川線の整備が予定されており、整備が完成することで鉄道の高架下を生かした交通環境の改善を図るものと考えております。  富山駅周辺の整備が推進され、さらなる事業効果が生まれることで、その効果は本市全体へ波及、牽引するものと考えております。  そこでお伺いします。  今後の市が事業主体の富山駅周辺整備の事業費、連続立体交差事業に対する市負担額及び事業予定についてお聞かせください。  最後に、災害発生時の消防局の対応についてお伺いします。  このたびの能登半島地震において、輪島市の朝市周辺で発生した木造密集地域火災の状況について、地震による断水で消火栓が使用できない状況などから、消火活動が遅れ被害が拡大したという報道もされていましたが、このような火災が本市で発生した場合、どのような対応をするのかお聞かせください。  また、今回の地震では石川県能登地方に大津波警報が発表される中、そのエリアの一部では津波により多くの被害が発生しております。  富山市においても津波警報が発表されましたが、万が一このような津波が発生すると、多くの人命と財産が一度に失われることが予想されることから、事前の計画は非常に重要と考えられるが、津波警報の発表時には本市ではどのような活動を行うこととしているのか、お聞かせください。  以上で私からの質問を終わります。 218 ◯ 議長(金厚 有豊君)  藤井市長の答弁を求めます。   〔市長 藤井 裕久君 登壇〕 219 ◯ 市長(藤井 裕久君)  飯山議員の御質問にお答えいたします。  私からは、富山市民球場アルペンスタジアムについてのうち1点にお答えし、その他の事項につきましては担当部局長から答弁を申し上げます。  富山市民球場アルペンスタジアムについてでありますが、今後の大会などの利用について問うにお答えいたします。  富山市民球場のメイングラウンドについては、整備当初はコンサートなどでの利用もありましたが、近年はプロ野球のほか、社会人野球や高校野球、学童野球など、幅広い年代における大会等の公式戦や練習といった野球での利用のみとなってございます。  来年度には、5月のプロ野球公式戦や6月の高校野球の招待試合をはじめ、都市対抗野球や全国高校野球選手権の県予選大会などが予定されておりまして、今後もこうした大会の継続的な開催に加え、県内の野球関係者等と連携し、プロ・アマや年代の垣根を越えて、独立リーグや社会人、大学、高校等が参加する野球大会といった新たな大会の開催等を目指してまいりたいと考えております。  また、スコアボードや音響設備の更新に加え、今年度更新した夜間照明は演出効果も可能な仕様となるとともに、来年度は人工芝の更新も行うこととしております。  こうした設備を持つ他の野球場では、例えばクイズ大会や企業の運動会などのイベント、フットサル等の他のスポーツでも活用している事例もございますことから、本施設でも幅広い活用が可能であると考えており、今後は指定管理者とも連携しながら、その実現に向けて検討してまいりたいと考えております。  また、これらの改修により、富山市民球場は2026年の開催が決定しましたプロ野球オールスターゲームの開催にふさわしい施設に生まれ変わることになります。  このオールスターゲームの開催決定に当たり日本野球機構より、能登半島地震で被害を受けた本市において開催することにより、震災被害が大きかった北陸地方に元気と勇気、そして支援のメッセージを届けていきたいとの思いをお伝えいただきました。  北陸地方は震災により大きな被害を受けたわけでございますが、一方では、間もなく迎える北陸新幹線敦賀延伸により、さらなる交流の促進が期待されているところでもございます。  こうしたことから、北陸地方の自治体等と連携・協力し2026年の開催に向けた取組を進め、このオールスターゲームを単なるイベントではなく復興のシンボルとなるような大会とすることで、北陸の皆様に元気と勇気、夢、希望を届けられるとともに、北陸地方の一体感の醸成、そして地域の発展につなげていくように鋭意努力していく所存でございます。 220 ◯ 議長(金厚 有豊君)  大沢市民生活部長。   〔市民生活部長 大沢 一貴君 登壇〕 221 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  私からは、富山市民球場アルペンスタジアムについてのお尋ねのうち、まず、プロ野球オールスターゲーム開催による本市における効果についてお答えいたします。  本市ではこれまで、プロ野球オールスターゲーム2026の富山市民球場での開催について、積極的に誘致活動を展開してまいりましたが、御案内のとおり、先般その開催が正式に決定したところであります。  このオールスターゲームはまさに野球界を代表する選手が集まる夢の祭典であり、多くの市民、とりわけ子どもたちがそうした選手の一流のプレーに間近に触れることは、本市におけるスポーツ振興にとって大変大きな効果があるものと考えております。  また、このオールスターゲームが開催されることにより、全国から観客や関係者等が本市を訪れ様々な消費活動を行うことによる経済効果や、新聞やテレビをはじめとした様々な媒体に本市が紹介されることによるプロモーション効果もあると考えております。  本市ではこうした効果について具体的な金額を試算してはおりませんが、前回の松山市での開催では、県内で約11億円の経済効果があると試算されたと伺っております。  さらには、今ほど市長の答弁にもありましたように、日本野球機構からの北陸地方に元気と勇気、そして支援のメッセージを届けていきたいとの思いを受け止め取組を進めていくことで、被災者の方々に元気と勇気を届け、そして少しでも笑顔になっていただければと考えております。  次に、今後の整備状況についてお答えいたします。  富山市民球場については、築30年が経過し老朽化が進んでいることから、計画的に大規模な改修を進めているところであります。  令和3年度までの3か年で内野席の一部の更新を行ったことをはじめ、令和4年度にはスコアボードのLED化と音響設備の更新、今年度は夜間照明のLED化を行ったところであります。  また、来年度には人工芝及び防護マットの更新を行う予定であり、これによって競技に必要となる一連の大規模な改修は完了することとなります。  今後につきましては、引き続き指定管理者からの報告に基づき、そのほかの設備等についても修繕、更新が必要となった場合には、他の施設の状況も勘案しながら、可能な範囲で対応してまいりたいと考えております。  最後に、サブグラウンドの利用状況とナイター施設設置について問うにお答えいたします。  富山市民球場のサブグラウンドの利用状況につきましては、供用している9時から17時の観覧者を除いた集計で、令和4年度は利用日数65日、利用人数2,314人、令和5年度においては1月末現在で利用日数が56日、利用人数2,809人となっており、スポーツ団体の練習や各種大会等で使用されております。  なお、メイングラウンドを大会で利用する場合には、希望があればサブグラウンドを利用できますが、メイングラウンド利用者のうち何人がサブグラウンドを利用されたのかについては集計しておりません。  御質問のナイター施設設置につきましては、各スポーツ団体の夜間練習場所の確保など一定の需要があると見込まれるものの、本市は非常に多くのスポーツ施設を保有しており、その維持管理に要する費用が大きな負担となっていることから、ナイター施設といった大規模な施設を新たに整備することは難しいものと考えております。  一方で、メイングラウンドについては、令和4年度では日中の利用が117日であるものの、夜間の利用が20日と限られている状況であること、また、本年度夜間照明を更新し、来年度は人工芝の更新を予定していることから、グレードアップした環境をぜひ体験していただきたいという思いからも、皆さんにはメイングラウンドを大いに利用していただきたいと考えております。
     以上でございます。 222 ◯ 議長(金厚 有豊君)  深山活力都市創造部長。   〔活力都市創造部長 深山  隆君 登壇〕 223 ◯ 活力都市創造部長(深山  隆君)  私からは、鉄道駅周辺のまちづくりについてお尋ねのうち、まず、呉羽駅や東富山駅において、改札の設置や駅前広場の整備、宅地整備などによるまちづくりの成果についてお答えをいたします。  本市では、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進するため、平成28年に行われた富山高岡広域都市計画区域の区域区分の見直しにおいて、呉羽駅と東富山駅の駅周辺を市街化区域に編入し、行政や鉄道事業者、開発事業者との官民連携によるそれぞれの役割分担の下、駅の改札や駅前広場、アクセス道路、住宅地などの都市基盤を整備し、居住や日常生活に必要な都市機能の誘導を進めてまいりました。  その結果、東富山駅周辺においては約200区画の住宅地が整備され、駅から半径500メートル以内に住む人口は、市街化区域編入前の平成27年の1,043人から、編入後の令和5年6月末時点では1,675人と632人の増加となり、居住の誘導が図られるとともに、スーパーマーケットや生活雑貨店などの日常生活に必要な商業施設が立地をしております。  また、呉羽駅においては、あいの風とやま鉄道が整備を進めてきた北口改札と、本市が整備を進めてきた北口駅前広場がともに今月22日から供用開始となり、北側から駅へのアクセス強化が図られるとともに、開発事業者による宅地開発により約80区画の住宅地が整備され、商業施設などの建築が現在進められております。  このように、鉄道駅周辺において、市街化区域編入を契機に官民連携により地域の核となる拠点を整備し、新たなまちが形成され市民生活の質と利便性の向上が図られたことは、本市が目指す拠点集中型のコンパクトなまちづくりを進める上で大きな成果であると考えております。  次に、コンパクトなまちづくりを深化させるためにも、今後継続して鉄道駅周辺のまちづくりを進めていく必要があると考えるが、見解を問うにお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、呉羽駅や東富山駅のような地域の拠点となる鉄道駅周辺のまちづくりを全市的に進めることは、本市のコンパクトなまちづくりの骨格となる、いわゆるお団子と串の形成につながり、非常に重要な取組であると考えております。  このことから、現在富山県によって進められている富山高岡広域都市計画区域の区域区分の見直しにおいても、本市は鉄道駅の水橋駅周辺と速星駅周辺を住居系の土地利用を図る市街化区域への編入希望箇所として、令和5年2月に富山県へ回答をしたところであります。  こうした地区では、市街化区域に編入されることで宅地開発等により土地利用の変化が見込まれることから、駅へのアクセス機能の強化や利便性の向上の取組等、今後の駅周辺の在り方について地域住民や民間事業者等と共に検討していくことが必要であると考えております。  こうしたことから、まずは駅周辺における地域住民等へのヒアリングや駅利用者へのアンケートを通して現状の課題やニーズを把握し、今後の駅周辺の在り方を検討するための事業費を本定例会に当初予算案として提案をしたところであります。  本市といたしましては、呉羽駅や東富山駅周辺のような地域の拠点となる新たなまちの姿を他の鉄道駅周辺においても官民連携により形成していくことで、将来にわたって持続可能な都市の実現につなげてまいりたいと考えております。  次に、富山駅周辺整備についてお尋ねのうち、まず、これまでの市が事業主体の富山駅周辺整備の事業費、連続立体交差事業に対する市の負担額及び事業効果についてお答えをいたします。  これまでの本市が事業主体の富山駅周辺整備における事業費につきましては、まず、富山駅周辺地区土地区画整理事業として、南口・北口駅前広場や都市計画道路富山駅南北線等の完成により、令和4年度末時点で約132億円を支出しております。  次に、自由通路整備事業として、南北自由通路の完成、東西自由通路の一部完成により、令和4年度末時点で約19億円を支出しております。  次に、路面電車南北接続事業として、令和2年3月の富山駅南北接続の完成により約40億円を支出しております。  これまでの富山駅周辺整備の合計額として、約191億円を支出しております。  また、富山県が事業主体の富山駅付近連続立体交差事業につきましては、あいの風とやま鉄道線、JR高山本線の高架化が平成31年3月に完成し、今年度から富山地方鉄道本線の高架化工事を進めておられます。  本事業に対する本市の総負担額は約108億円になると伺っており、令和4年度末時点で約73億円を負担しております。  これらの事業による効果といたしましては、富山駅では、路面電車やバス、タクシーなどの多様な公共交通が結節し利便性が向上したことにより、公共交通利用者の増加につながっております。  また、自由通路や駅前広場を新たな交流空間として整備し、様々なイベントの開催が可能になったことにより、多くの市民や来訪者が集い、駅で大きなにぎわいが創出されております。  さらには、富山駅周辺では、鉄道で分断されていた南北市街地の一体化が進み、民間投資が活発化していることにより地価が上昇し、土地利用の高度化が図られているといった効果も発現しているものと考えております。  次に、富山駅北口駅前広場を管理する本市として、ロータリーの活用が図られるようバス・タクシー事業者に働きかけてみてはどうかにお答えをいたします。  富山駅北口駅前広場のロータリーにつきましては、平成18年に設置した国、県、市、県警、学識経験者、交通事業者などで組織する富山駅周辺整備事業推進協議会において、公共交通と一般車の交錯を避けるため、バス、タクシーのみが利用することを決定し、その後、ロータリーを利用する交通事業者との協議や障害者団体等からの要望を踏まえ、乗降場所やバース数、車両が待機する箇所などを定めて整備を行い、令和4年4月から供用を開始しているところであります。  北口駅前広場ロータリーの活用状況につきましては、整備前の段階から交通事業者との協議において、南北の駅前広場ロータリー全体で効果的な利用が図られるよう要請をしておりましたが、供用後において北口ロータリーの利用頻度は南口ロータリーと比較して低い状況にあると認識をしております。  本市といたしましては、北口駅前広場ロータリーは富山駅の重要な交通結節機能であるとともに、県内外の多くの人が行き交う県都富山市の玄関口でもあることから、まずは交通事業者と南北の駅前広場ロータリーの利用状況や課題等を共有する場を改めて設け、北口駅前広場ロータリーの効果的な運用について意見交換をしてまいりたいと考えております。  最後に、今後の市が事業主体となる富山駅周辺整備の事業費、連続立体交差事業に対する市の負担額及び事業予定についてお答えをいたします。  今後の本市が事業主体となる富山駅周辺整備における事業費につきましては、まず、富山駅周辺地区土地区画整理事業として、富山駅の南北を駅東側直近で結ぶ都市計画道路富山駅横断東線等の整備に約13億円の支出を予定しており、富山地方鉄道本線の高架化工事と工程調整を図りながら、令和14年度頃の事業完成を目指しております。  次に、自由通路整備事業として、東西自由通路20メートルの整備に約9,000万円の支出を予定しており、令和6年度末での全区間の完成を見込んでおります。  次に、関連街路整備事業として、富山地方鉄道本線の高架化に合わせて、都市計画道路堀川線の牛島新町交差点から中央郵便局前交差点までの約450メートル区間において、拡幅平面化や電線類地中化等の整備に約19億円の支出を予定しており、高架化工事と工程調整を図りながら、令和16年度頃の完成を目指しております。  今後の富山駅周辺整備の合計額としては、約32億9,000万円の支出を予定しております。  また、県が事業主体である富山駅付近連続立体交差事業につきましては、富山地方鉄道本線の高架化工事及び電鉄富山駅の駅舎工事等を令和12年度頃までに完成させる予定と伺っており、本市は約35億円の負担を予定しております。  本市といたしましては、富山駅周辺整備の各事業の完成により、富山駅周辺が持つポテンシャルを最大限に発揮することで本市としての魅力がさらに高まることから、各事業の早期完成に向けて、関係機関と連携しながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 224 ◯ 議長(金厚 有豊君)  河部消防局長。   〔消防局長 河部 勝巳君 登壇〕 225 ◯ 消防局長(河部 勝巳君)  私からは、災害発生時の消防局の対応について2点お尋ねのうち、まず、輪島市の朝市周辺で発生した木造密集地域火災の状況について、このような火災が本市で発生した場合、どのように対応するのかにお答えします。  このたびの能登半島地震における輪島市の朝市周辺での火災においては、管轄の消防本部では、発災直後から消防職団員の招集を行い、車両を追加出動させるなどの対応を行ったところでありますが、建物の倒壊などで現場付近に近づくことができなかったり、また、地震の被害により消火栓や防火水槽が使用できず、使用可能な水源を求めながらの活動となるなど、苛酷を極める現場であったと伺っております。  本市では、木造密集地域の火災に対応するための出動計画として、消防ポンプ自動車17台に加えて、必要に応じ10トンの消火水を積載した水槽車を出動させるなど、初動から多くの消防車両を投入することとしており、大規模火災に拡大させないよう、出動体制に万全を期しているところであります。  しかしながら、輪島市で起きた火災のように、建物の倒壊や道路の損壊などにより現場に近づくことができず、また、消火栓や防火水槽も使用できない火災現場も想定されることから、これまでも災害現場から離れた場所にある用水や河川、海等の水源を利用した遠距離中継の送水訓練に取り組んできたところでありますが、引き続き訓練を積み重ねながら、水利の確保が困難な状況における木造密集地域火災への対応力の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、津波警報発表時にはどのような活動を行うこととしているのかにお答えします。  津波警報発表時における活動につきまして、消防局の事前計画では、富山市津波ハザードマップで想定されている津波浸水区域外において、消防車両等を使用しての避難広報活動を行うとともに、被害状況などの情報収集に努めることとしております。  なお、津波浸水区域内での活動につきましては、津波による二次被害のおそれもあることから、津波警報等が解除されるまでは、例えば津波浸水区域内で火災が発生した場合においても、この区域外から消火活動を行うなど活動が限定されるものと考えておりますが、切迫した人命危険がある場合には、気象情報や災害状況、活動の危険性等を総合的に判断し対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 226 ◯ 議長(金厚 有豊君)  これで飯山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇─── 227 ◯ 議長(金厚 有豊君)  お諮りいたします。議案調査のため、3月7日の1日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 228 ◯ 議長(金厚 有豊君)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 229 ◯ 議長(金厚 有豊君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  3月8日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                              午後 4時01分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...