富山市議会 2024-03-03
令和6年3月定例会 (第3日目) 本文
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───◇ ◇ ◇───
開 議
午前10時 開議
◯ 議長(金厚 有豊君)
ただいまから、本日の会議を開きます。
議事日程は、お手元に配付のとおりであります。
───◇ ◇ ◇───
代表質問並びに議案第1号から議案第97号まで、
及び報告第1号から報告第9号まで(質疑)
2 ◯ 議長(金厚 有豊君)
これより、日程第1 代表質問並びに議案第1号から議案第97号まで、及び報告第1号から報告第9号までを一括議題といたします。
これより、代表質問及び議案の質疑を行います。
順次発言を許します。
32番 村石 篤君。
〔32番 村石 篤君 登壇〕
3 ◯ 32番(村石 篤君)
皆さん、おはようございます。
令和6年3月定例会に当たり、
立憲民主市民の会より代表質問を行います。
初めに、政府の令和6年度
地方財政対策への本市としての対応について伺います。
総務省自治財政局財政課(以下、「総務省」という)の令和6年度
地方財政対策の概要では、歳出の中の
一般行政経費としてこども・
子育て支援加速化プラン分、補助と単独でプラス8,000億円、こども・
子育て単独事業分でプラス1,000億円、
会計年度任用職員の勤勉手当分でプラス2,000億円となっています。
国では、令和5年12月22日に
こども未来戦略が閣議決定され、令和6年度からの3年間に集中して取り組むこととし、こども・
子育て支援加速化プランを示したところです。こども・
子育て支援加速化プランの主な施策として児童手当の抜本的拡充や保育所における4・5歳児の職員配置基準の改善のほか、出産・
子育て応援交付金、
ヤングケアラー支援が盛り込まれたところです。
そこで、本市におけるこども・
子育て支援加速化プランのこれらへの施策への対応について伺います。
総務省は、
会計年度任用職員への勤勉手当の支給に要する経費について1,810億円を計上しています。
本市の
会計年度任用職員への
勤勉手当支給に要する経費について、その人数と予算額について伺います。
総務省は、物価高への対応として、学校、福祉施設、図書館、文化施設など、自治体施設の光熱費の高騰やごみ収集、学校給食などの自治体のサービス・施設管理等の委託料の増加を踏まえ、
一般行政経費(単独)に700億円を計上しています。
ごみ収集、学校給食の民間委託費については、普通交付税の単位費用措置は3%程度引上げされていますが、本市の現状はどうなっているのか伺います。
また、今後引き上げる予定があるのか伺います。
次に、避難所運営について伺います。
本市の
避難所運営マニュアル(以下、「マニュアル」という)の「はじめに」では、「富山県が作成した「
避難所運営マニュアル策定指針」を踏まえつつ、先進都市の事例を参考とし、行政と住民のみなさんで避難所をスムーズに運営するために必要と思われることをまとめたものです」と記載しています。マニュアルにおける避難所の開設の責任者の業務としては、「
市指定避難所開設の責任者は、原則として
避難所管理者(市職員)、
避難所従事職員(市職員)とし、
避難所管理者、
避難所従事職員が不在で緊急の場合は、施設管理者(学校長、施設長)が代行する」としています。
令和6年
能登半島地震で、呉羽地域の避難所の鍵を開けた時間については、早い避難所は午後4時30分で、遅い避難所は午後6時であったことから、1時間30分の差があったことになります。鍵開けの早い避難所は、学校開放で体育館の鍵を管理している地区の方が開けたと聞いています。
マニュアルにおいて「
市指定避難所の開設は、
避難所管理者、
避難所従事職員と施設管理者が協力して行う」としています。
そこで、
能登半島地震における
避難所運営マニュアルと現状について伺います。
まず、
避難所状況報告書(初動期用)で開設日時の項目がありますが、今回の地震において最も早く開設した時刻と最も遅かった時刻について伺います。
マニュアルでは、
避難所運営管理チームの
地区センター班は、施設管理者、
避難所管理者、
避難所従事職員となっています。そして、
避難所従事職員(
地区センター班要員)の活動として、
受入れスペースを確認、避難者名簿の整理、避難者の受入れ、食料・物資等の要請とあります。
能登半島地震時の富山市職員である
避難所管理者及び
避難所従事職員の参集状況について伺います。
呉羽地域の避難所では、2か所に命と健康を守るための飲料水、食料(ビスケット、非常食パン)、毛布等が備蓄されていました。
能登半島地震では、1か所には午後10時40分頃、1か所には翌日午前0時頃に搬送されたと聞いています。また、2か所には備蓄品が搬送されなかったと聞いています。呉羽中学校へは、呉羽小学校の備蓄品を
避難所従事職員が搬送したと聞いています。
マニュアルでは、避難所への最低限の生活支援として「水・食料及び物資の提供」となっていますが、食料・物資等が必要なだけ搬送されたのか伺います。
富山市
津波ハザードマップの浸水想定区域は、海岸から遠いところで1,000メートルとなっています。また、「津波からの避難のしかた」として「地震のとき、海底地盤のずれにより海水が上下動して津波が発生します。津波が来てからではなく、揺れを感じたらすぐに避難しましょう」となっています。
能登半島地震では、津波警報が出たことから、多くの方が高台を目指して移動しました。
一般社団法人日本標識工業会の
津波避難誘導標識システムでは、津波注意標識は「津波が来襲する恐れがある地域に設置する」、
津波避難情報標識は「
図記号案内標識、
避難経路標識、
海抜表示シート、津波の歴史、記録、言い伝えなど日頃目に触れることで学習効果がある情報を記載した標識を必要に応じて設置する」、
津波避難誘導標識は「
津波避難場所又は津波避難ビルまで標識にしたがって安全に避難できるよう記載した標識を途切れることなく設置する」、
津波避難場所標識は「この場所(建物)が津波に対して安全な避難場所であることを目につきやすい場所に表示する」となっています。
津波避難誘導標識システムを参考に必要な看板を適切な場所に設置すべきと考えますが、見解を伺います。
本市の避難所における災害備蓄品の数について示してほしいと依頼したところ、すぐに出せないと言われ、呉羽地域の2か所のみを出してもらいました。
佐賀市では、災害備蓄品の在庫管理にオンラインシステムを導入し、全庁的に見える化に取り組んでいることから、本市においても同様のシステムを導入することを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
呉羽地域のある避難所では、寒さから身を守るために暖房機4機を使用し、近くで暖を取った、また、床が冷たいことから、体育館の周りの腰かけやパイプ椅子を使って寒さをしのいだと聞きました。災害時に避難所となる体育館においては、熱中症や寒さ対策には空調設備は欠かせません。
東京都町田市では、全ての小・中学校62校にエアコンと輻射パネルを併用した空調設備を導入し、快適な環境を整えています。
本市においても、
小・中学校体育館の空調設備が必要と考えますが、見解を伺います。
奥能登広域圏事務組合消防本部の指令センターでは、管轄する石川県の輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の2市2町からの119番通報を一括して受け付け、それぞれの地域を担当する9つの消防署や分署に消防車や救急車を出動するよう指令を出しています。
能登半島地震の発災直後に輪島市や珠洲市などを管轄する消防本部の指令システムに不具合が生じ、出動の指令を出す操作ができなくなっていたことが分かりましたとNHKが本年1月31日、報道しました。
呉羽山断層による地震を想定した予測震度分布によると、
消防局合同庁舎のエリアは震度6強となっています。震度6強の地震を受けても庁舎や
消防指令システムに影響がないと考えてよいのか伺います。
次に、
男女共同参画の推進について伺います。
世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2023によると、世界各国の
男女平等度合いを指数化した
ジェンダー・ギャップ指数の日本の順位は、調査対象国146か国中125位と、2022年の116位から大きく後退しました。先進7か国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)の中では最下位となっています。
総務省の令和3年
社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果によると、男性女性それぞれの1日当たりの家事関連時間は、5年前、平成28年の調査と比較すると、男性は7分増加して51分、女性は4分減少して3時間24分となっています。また、これを6歳未満の子どもがいる世帯で見ると、夫は31分増加して1時間54分、妻は6分減少して7時間28分となっています。
日本においては、
ライフイベントとも言われる妊娠・出産が女性のキャリア形成を中断する要因にもなっています。男性の育児休業や
男性版産休制度など、制度面での整備は進んでいますが、依然として妊娠・出産が女性に与える影響は大きいと言えます。
夫と妻が支え合い、家事や育児を共に担う環境をつくるためには
男女共同参画社会の実現が大事であると考えますが、本市ではどのような取組をしているのか伺います。
次に、富山市保育所等について伺います。
初めに、保育施設等における安全確保の取組について伺います。
国では、令和4年12月15日付の事務連絡(以下、「事務連絡」という)において、家庭での安全教育の実施等を促すなど、児童の安全に関する連携を図るため、保育施設等における安全確保の取組について入園時等の機会において保護者へ説明等を行い、周知することを求めています。
本市の保育施設等における安全確保について保護者にどのように周知しているのか伺います。
事務連絡において、地震や火災だけでなく、地域特性に応じた様々な災害を想定して訓練を行うことを求めています。
本市の保育施設等における津波の避難訓練の実施状況について伺います。
同じく、事務連絡において保育施設等が安全確保のための取組を行っているのかを指導監査する必要があるとしています。
保育施設等に対する本市の指導監査の実施状況について伺います。
次に、本市における独り親家庭の子どもに対する学習支援の拡充について伺います。
国では、令和6年度に向けて、子どもの貧困を解消し、貧困の連鎖を断ち切るために子どもの生活支援、学習支援をさらに強化することを打ち出しています。
これを踏まえて、現在本市が行っている独り親家庭の子どもを対象にした学習支援の拡充に向けて検討すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、本市の水道管路の耐震化の考え方について伺います。
令和6年
能登半島地震における水道管路の破損に伴い、広範囲で長期間の断水が発生し、市民生活や企業活動に大きな影響が出ていることから、社会インフラである水道管路の耐震化の重要性が再認識させられました。水道管路について調べたところ、水道管路は基幹管路と配水管路に大別され、基幹管路は原水を水源から浄水場まで導く導水管、浄水を浄水場から配水池まで送る送水管、浄水を配水池から配水支管まで配る配水本管といった役割別に分類され、また、配水支管には配水幹線から給水管へ浄水を配る役割があることが分かりました。
本市においては、第2次富山市
上下水道事業中長期ビジョンに基づき老朽管の更新とともに耐震化を進めていますが、水道管路の役割や重要性を踏まえた優先順位づけにより事業が進められていると考えています。
基幹管路及び配水支管を含む全水道管路について、本市の耐震化の考え方と目標について伺います。
次に、富山市職員の働き方について伺います。
内閣官房内閣人事局の令和6年1月19日の報道資料では、国家公務員の令和4年度の
配偶者出産休暇取得率は93.3%になっています。
本市の男性職員の
配偶者出産休暇取得率は、令和元年度41.3%、令和2年度44.4%、令和3年度63.5%、令和4年度65.2%で推移していますが、令和6年度の目標である75%以上を実現するための対策について伺います。
富山県民男女共同参画計画(第5次)の主な目標指標として、女性の管理職比率は令和8年度の目標を30%としています。
本市の管理的地位にある女性職員(課長相当職以上の職員)の割合を令和6年度に概ね20%とする目標としていますが、その見通しや、実現しないとすれば、その理由について伺います。
政府においては、国家公務員の育児休業等の取得を促進するとともに、「子供が生まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に育児に伴う休暇・休業を、原則として子の出生後1年以内に取得できることを目指して取組を進めており、その取得状況について
フォローアップ調査を行った」としています。令和4年度に新たに育児休業を取得した男性職員の取得率は43.9%、女性職員の取得率は102.2%になっています。
内閣官房内閣人事局では、国家公務員(一般職・特別職)の育児休業等の取得状況の
フォローアップ及び
男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の1か月以上取得促進に係る
フォローアップについてを報道資料として出しています。
本市においてもこのような取組を行い、報道すべきと考えますが、見解を伺います。
以上で代表質問を終わります。
4 ◯ 議長(金厚 有豊君)
藤井市長の答弁を求めます。
〔市長 藤井 裕久君 登壇〕
5 ◯ 市長(藤井 裕久君)
立憲民主市民の会を代表されましての村石議員の御質問にお答えいたします。
私からは、基本的な事項にお答えし、その他の事項につきましては担当部局長から答弁を申し上げます。
まず、政府の令和6年度
地方財政対策の概要を受けた本市の対応についてのうち、こども・
子育て支援加速化プランの施策への対応についてお答えいたします。
こども未来戦略のこども・
子育て支援加速化プランに盛り込まれた施策のうち、児童手当につきましては、1つに、支給期間を高校生年代までに延長、2つに、所得制限を撤廃、3つに、第3子以降の多子加算を3万円に増額、4つに、支払い月を年3回から隔月の年6回とするとされることから、本市といたしましては、令和6年12月支給分から遅滞なく支給できるように準備を進めてまいります。
次に、保育所における4・5歳児の保育士の配置基準につきましては、30対1から25対1への改善を図り、それに対応する加算措置を設けることとされております。
まず、本市の市立施設におきましては、25対1での職員配置ができる見込みでございます。また、私立施設につきましても、新たな公定価格の加算の詳細について国から示された後、職員配置の状況を把握し、配置基準の改善に向けた予算措置等の対応をしてまいりたいと考えております。
また、令和5年3月から実施している出産・
子育て応援事業の
伴走型相談支援と経済的支援につきましては、今国会に提案されている子ども・
子育て支援法等の一部を改正する法律案におきまして恒久的な制度とされる予定となっております。
本市といたしましては、今後の国の動向を注視しながら、引き続き
伴走型相談支援と経済的支援を実施してまいりたいと考えております。
最後に、
ヤングケアラー等に対する支援につきましては、令和6年度から新たに
子育て世帯訪問支援事業を実施する中で、訪問支援員が居宅を訪ね、家事や家族の世話等の支援を行い、当該児童の負担の軽減、解消を図りたいと考えており、所要額を本定例会に当初予算案として提案したところでございます。
次に、
男女共同参画の推進について、夫と妻が支え合い、家事や育児を共に担う環境をつくるためには
男女共同参画社会の実現が大事であると考えるが、本市の取組について問うにお答えいたします。
本市では、令和4年3月に策定いたしました第2次富山市
男女共同参画プラン後期実施計画において「支え合う家族・
地域社会づくりの推進」を基本目標の1つとしており、仕事と生活の調和を目指した家族ぐるみの支え合いを主要テーマに挙げているところであります。具体的な取組といたしましては、1つに、
男女共同参画意識を浸透させるための広報、啓発活動として情報交流誌「あいのかぜ」の発行や
男女共同参画とやま
市民フェスティバルの開催、2つに、男性の家事参画を促し、女性の負担を減らすことで女性が活躍できる環境づくりを推進するための「家事ダン」
マイスター認定事業の実施、3つに、家族一人一人がこれから迎える出産や育児に対して心構えを自覚し、夫やパートナーが積極的に家事や育児を担う意識を高めるためのパパママセミナーの実施、4つに、次世代を担う子どもたち一人一人が将来にわたり十分に個性と能力を発揮し、自らの考えで多様な選択ができるよう感受性の豊かな学童期から意識啓発を図るため、小学生を対象とした啓発冊子「自分らしく生きる」の作成、中学生を対象とした
男女共同参画社会づくり作文コンクールの実施など、様々な事業を行っているところでございます。
また、今年度の「家事ダン」
マイスター認定事業では、昨年度に続き定員を上回る申込みがあったほか、情報交流誌「あいのかぜ」では、女性に偏る家事・育児の負担の軽減と、男女が共に仕事と家庭を両立できるよう意識啓発を図るため、家事の見直しや料理教室に通う男性受講者への
インタビュー記事、無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャス・バイアスを考える記事などを掲載いたしました。
このほか、「広報とやま」に「みんなで
子育て~子育て日本一とやまを目指して~」と題しまして、夫婦が互いに協力し、家事や育児を分担する大切さや企業が独自に行う出産・育児の両立支援の取組など、子育てに関する特集記事を掲載するなど、周知に努めているところでございます。
本市といたしましては、男女が互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合いながら、性別に関係なく、その個性と能力を十分に発揮することができる
男女共同参画社会の実現に向けて今後も引き続き取り組んでまいる所存でございます。
6 ◯ 議長(金厚 有豊君)
前田企画管理部長。
〔
企画管理部長 前田 一士君 登壇〕
7
◯ 企画管理部長(前田 一士君)
政府の令和6年度
地方財政対策の概要を受けた本市の対応についてのお尋ねのうち、
会計年度任用職員への
勤勉手当支給に要する経費について、その人数と予算額についての御質問にお答えいたします。
会計年度任用職員に対する
勤勉手当相当分として令和6年度当初予算案に計上した内容は、一般会計では、1,419人分として3億9,792万2,000円、特別会計全体では、50人分として1,633万8,000円、企業会計全体では、269人分として9,876万4,000円であります。
次に、富山市職員の働き方について3点の御質問がありました。
初めに、男性職員の配偶者の
出産休暇取得率について、令和6年度の目標である75%以上を実現するための対策についてお答えいたします。
男性職員の配偶者の出産休暇は、配偶者の出産に伴う入退院の付添いなどの補助が必要な場合に認められる特別休暇であり、付与日数は、出産予定日前1週間から出産後2週間の間で2日以内と定まっております。
本市では、男性の育児への積極的な参加を促進する観点から、法に基づく本市の
特定事業主行動計画において配偶者の出産休暇の取得率を令和6年度に75%以上とする目標を掲げるとともに、研修などを通して
育児関連休暇や休業制度の取得促進を図ってきたところであります。
この結果、配偶者の出産休暇の取得率は年々増加しており、議員から御紹介のありましたとおり、令和元年度及び令和2年度には40%台であったものが、令和3年度以降は60%台に上昇して推移しているところであります。
今後とも、
育児関連休暇や休業制度の周知に努めるとともに、研修などの機会を通じて職員の意識啓発を図るなど、
特定事業主行動計画の目標の達成に向けて取り組んでまいります。
次に、管理的地位にある女性職員の割合を令和6年度に概ね20%とする目標としているが、その見通しや、実現しないとすれば、その理由についてのお尋ねにお答えいたします。
現在、令和6年4月1日
付定期人事異動に向けた作業の真っ最中であり、答弁は控えさせていただきますが、例年、
定期人事異動の発表に合わせて管理職に占める女性職員の割合についても公表しているところでありますので、御理解願います。
なお、過去3か年の
定期人事異動において新たに管理職に登用した女性職員の人数は、令和3年度が15人、令和4年度が18人、令和5年度が25人と積極的な登用を図っているところであり、令和5年4月1日現在、管理的地位にある職員に占める女性職員の割合は、前年度から1.4%増の17.3%となっております。
最後に、
内閣官房内閣人事局では、国家公務員(一般職・特別職)の育児休業等の取得状況の
フォローアップ及び
男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の1か月以上取得促進に係る
フォローアップについてと題する報道資料を公表している。本市においてもこのような取組をすべきと考えるが、見解を問うというお尋ねにお答えいたします。
国では、国家公務員、中でも男性職員の育児休業等の取得促進を図るための
フォローアップの取組として、国家公務員全体の育児休業等の取得状況と同時に、男性職員や省庁ごとの取得状況などについても毎年公表しております。
本市におきましても、職員の育児休業や部分休業などの取得状況として、男性職員と女性職員を合計した人数について毎年公表しているところでありますが、特に男性職員の取得促進のため男性職員の取得状況を見える化するなど、国の取組なども参考にしながら、今後公表方法について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
8 ◯ 議長(金厚 有豊君)
舟崎環境部長。
〔環境部長 舟崎 文彦君 登壇〕
9 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
私からは、政府の令和6年度
地方財政対策の概要を受けた本市の対応についてお尋ねのうち、ごみ収集、学校給食の民間委託費について普通交付税の単位費用措置は3%程度引上げされているが、ごみ収集の現状と引上げの予定について問うにお答えいたします。
市が行う家庭ごみなどの廃棄物収集運搬業務は市民生活に欠かすことができないことから、しっかりとサービスを維持しているところであり、現在本市では、家庭ごみの収集及び運搬業務の約50%を民間事業者に委託しております。
この業務委託につきましては、作業員の人件費や燃料費などの単価を国の基準や市況に応じて毎年見直すとともに、収集日数や車両台数、稼働時間も考慮した経費を予定価格として算定した上で、入札を経て契約を締結しているところであり、今後とも適正な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
参考までに申し上げますと、令和5年度と令和6年度の委託費を比較いたしますと、予算ベースで約3%増となっております。
以上でございます。
10 ◯ 議長(金厚 有豊君)
砂田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 砂田 友和君 登壇〕
11 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)
私からは、政府の令和6年度
地方財政対策の概要を受けた本市の対応について、普通交付税の単位費用措置は3%程度引上げされているが、学校給食の民間委託費の現状と引上げの予定についての御質問にお答えいたします。
学校給食における調理等業務委託費につきましては、委託期間中における賃金の変動を考慮した3か年度分の人件費や予定給食数等を基に債務負担行為を設定し、契約額に基づいた予算措置を行ってきております。
こうした中で、令和2年度に契約した令和3年度からの3か年度にわたる調理等業務委託についての契約額による予算額と令和5年度に更新した翌3か年度にわたる同業務委託の契約額による予算額とを比較しますと、平均して約7.2%の増となっております。
市教育委員会といたしましては、今後とも最新の経済動向を注視しながら調理等業務委託費の適切な予算措置に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯ 議長(金厚 有豊君)
中村防災危機管理部長。
〔防災危機管理部長 中村 敏之君 登壇〕
13 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
私からは、避難所運営等について、
避難所運営マニュアルについて3点の御質問がございました。
初めに、今回の地震において最も早く開設した時刻と最も遅かった時刻についてお答えいたします。
今回の
能登半島地震では、地震発生から8分後の16時18分に全
地区センター班要員へ第1次避難所を開設するよう指示を行っております。
議員お尋ねの避難所の開設時刻につきましては、市により開設した避難所のうち、最も早い避難所で16時20分、最も遅い避難所で19時53分となります。
なお、1時間以内に開設した避難所が50か所で全体の半数を超え、全体の平均でも58分となっており、今回の地震が年末年始の長期休暇中に発生したことを考えると、避難所開設の対応としては概ね良好であったと認識しております。
一方、避難所の開設が最も遅くなった避難所につきましては、
地区センター班要員が参集し、避難所の安全点検を行ったところ、天井の破損が確認されたため、代替の避難所の選定や開設に時間を要したものとなっております。
次に、
避難所管理者及び
避難所従事職員の参集状況についてお答えいたします。
今回の地震における避難所担当職員の参集時間につきましては、地震発生直後の16時18分に各
地区センター班要員に対し避難所への参集及び開設指示を発信し、指示から30分後の16時48分には約4割に当たる33か所、1時間後の17時18分には約9割に当たる68か所の避難所で職員が到着し、開設準備を始めたところであります。
避難所への参集や開設等の初動につきましては、昨年度より実施している避難所開設訓練や情報伝達訓練において対応をあらかじめ確認していたこともあり、各避難所において概ね迅速な初動対応が取れていたのではないかと振り返っております。
一方、避難所によっては、正月の休日ということもあり、所定の職員がそろわず運営に苦慮したケースもあったことから、今回の対応状況を避難所ごとに振り返り、地域の住民の方々とも連携しながら、災害発生時には迅速かつ的確な初動対応が実現できるよう日頃からの訓練や研修などに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、避難所へ食料・物資等が必要なだけ搬送されたのかにお答えいたします。
富山市議会自由民主党の代表質問で答弁いたしましたとおり、今回の地震対応においては、物資の要請があった避難所に対し、14班編成の輸送班が36か所の避難所へ備蓄物資を配送し、大部分の避難所への配送については概ね適切に対応ができたものと考えております。
一方、議員御指摘のとおり、避難所によっては徐々に増加する避難者のニーズを確認できなかったケースがあったことから、避難された皆さんに持参していただくのが原則ではありますが、今後、避難所開設の手順を確認するための職員研修や訓練を実施するとともに、配送方法については、協定締結事業者との連携も含め、検討してまいりたいと考えております。
次に、
津波避難誘導標識システムを参考に必要な看板を適切な場所に設置すべきと考えるが、見解を問うにお答えいたします。
津波避難誘導標識システムは、津波の影響を受ける地域の人々を速やかに指定された
津波避難場所まで誘導することを目的とする標識システムのことであり、産業標準化法に基づき、平成26年に経済産業大臣が制定した全国共通の規格であります。
本市では、
津波避難誘導標識システムが制定される以前の平成24年までに国土交通省が設置を推奨し、この
津波避難誘導標識システムでも用いられている
海抜表示シートを国道8号より北側に位置する小・中学校や地区センター、駅舎に40か所設置し、津波に関する市民への情報提供と防災意識の向上に取り組んでまいりました。
しかしながら、今回の地震において津波警報が発表されたことに伴い、山側へ避難しようとする車両によって渋滞が発生するなど、津波に関する情報提供の難しさを痛感したところであり、
津波避難誘導標識システムも含め、有効な情報提供の手法について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
加えて、津波警報等が発表された際に迅速かつ適切に市民が避難を実施するためには避難行動に関する周知・啓発が何よりも重要であると考えていることから、今後、
津波ハザードマップを用いた津波のリスク意識の醸成や日頃からの備えの充実などについてより一層周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市においても災害備蓄品の在庫管理にオンラインシステムを導入することを検討すべきと考えるが、見解を問うにお答えいたします。
佐賀市では、防災倉庫及び避難所等の約130か所で災害備蓄品を保管していることから、在庫管理システムを導入し、在庫管理の簡略化と在庫状況の見える化を図っていると伺っております。
一方、本市では、小学校や地域の行政サービスセンターの空きスペース等も活用しながら市内28か所の拠点に防災備蓄品を配備しているところであり、在庫管理につきましては表計算ソフトを用いて簡略に納入や使用、廃棄などを管理しており、現在、特段の支障はないところであります。
しかしながら、今後、備蓄量の増加や新たな備蓄品目の追加に伴い備蓄場所の増設等が必要となった場合、在庫管理が煩雑化することが懸念されることから、災害備蓄品の更新や見直しを行う場合には、本市にふさわしい在庫管理の手法について調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、本市においても
小・中学校体育館の空調設備が必要と考えるが、見解を問うにお答えいたします。
今回の
能登半島地震がそうであるように、災害時には多くの市民が小・中学校の体育館等へ避難することとなり、慣れない環境の中で生活を送ることから、避難者の健康を守るための暑さ寒さ対策は大変重要であると考えております。
このことから、避難所の運営においては避難者の健康チェックをしっかりと行うとともに、例えば今回のような寒さへの対策としましては、備蓄品である毛布を配布したほか、富山県石油業協同組合と連携し、要望のあった7か所の避難所に急遽灯油を配達するなどの対応を行ったところであります。
また、気候に応じて、エアコンが設置されている普通教室等に避難スペースを設け、臨機応変に避難者を誘導するなどの対応も必要であると考えており、猛暑となった昨年には、小・中学校を管理する市教育委員会と課題を共有し、対策を検討しているところであります。
加えて、富山市議会自由民主党の代表質問でも答弁いたしましたとおり、市教育委員会においては、他都市の事例を参考に空調設備の導入に向けて検討するための業務委託費を本定例会に当初予算案として提案したところであります。
今後は、避難所開設・運営の観点からも、この空調設備検討業務の結果に注視するとともに、避難所開設者として避難者に健康被害を生じさせないよう、できる限りの対応に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
14 ◯ 議長(金厚 有豊君)
河部消防局長。
〔消防局長 河部 勝巳君 登壇〕
15 ◯ 消防局長(河部 勝巳君)
私からは、避難所運営等についてお尋ねのうち、震度6強の地震を受けても
消防局合同庁舎や
消防指令システムに影響がないと考えてよいかにお答えします。
消防局・富山消防署合同庁舎につきましては、平成元年11月に竣工し、昭和56年から施行された、いわゆる新耐震基準で建築された庁舎であることから、震度6強程度の大規模地震でも倒壊等の被害は免れる構造となっており、消防庁舎として火災や救急、救助等の消防活動を維持する機能は確保できるものと考えております。
また、
消防指令システムにつきましても、地震による被害を最小限に抑えるためシステムを構成する機器の固定やモニター等の転倒防止措置を行うとともに、停電時の対策として非常用発電機等を整備しているところでありますが、システム障害等の不測の事態に備え、消防局で策定した危機管理対応マニュアルに基づき定期的に訓練を行っているところであります。
以上でございます。
16 ◯ 議長(金厚 有豊君)
古川こども家庭部長。
〔こども家庭部長 古川 安代君 登壇〕
17 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
富山市保育所等について、保育施設等における安全確保の取組について3点お尋ねのうち、まず、本市の保育施設等における安全確保について保護者にどのように周知しているのかについてお答えいたします。
保育施設等では、災害発生時の児童の安全確保に加え、緊急時の連絡手段や避難場所、児童の引渡し方法等について日頃から保護者と情報共有しておくことが重要であると考えております。
このことから、本市の保育施設等では、入所時説明会や保護者会総会のほか、児童の送迎時などの機会を捉えて、保護者に対し、施設が行う避難訓練などの安全確保の取組について説明を行っております。このほかにも、施設の災害時対応マニュアルや避難場所、ハザードマップ等を施設玄関に掲示したり、災害対応訓練の対応や様子を保育所便りや保育業務支援システムを活用して発信するなど、児童の安全確保に向けて、家庭との連携を強化するため、保護者に対して積極的に周知を行っているところであります。
次に、津波の避難訓練の実施状況について問うにお答えいたします。
本市の保育施設等においては、地震、火災だけでなく、土砂災害や洪水等の地域特性に応じて発生する災害を想定して様々な訓練を毎年実施しております。
議員お尋ねの津波を想定した避難訓練につきましては、富山市
津波ハザードマップの浸水想定区域や沿岸部の保育所を中心に、近隣の小学校の2階屋上へ避難する訓練やゼロ歳児をベビーカーに乗せて避難する訓練のほか、1・2歳児を担任や調理員、用務員などがだっこして避難する訓練などを年1回以上行っており、令和5年度は、市立保育施設においては6か所、私立保育施設においては42か所の計48か所で実施しているところでございます。
次に、保育施設等に対する本市の指導監査の実施状況について問うにお答えいたします。
本市では、保育施設等に対し、児童福祉法並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく指導監査を保育所と地域型保育事業所、認可外保育施設、市立の幼保連携型認定こども園については年1回、私立の幼保連携型認定こども園については3年に1回実施しており、その中で児童の安全確保の取組についても確認を行っております。
令和5年度につきましては、市立、私立合わせ、保育所36か所、地域型保育事業所11か所、幼保連携型認定こども園18か所、認可外保育施設42か所、計107か所の監査を実施しているところであり、児童の安全確保については適切に対応されていることを確認しております。
本市といたしましては、今後も引き続き指導監査の機会を通じて安全かつ適切な施設運営がなされるよう指導に努めてまいりたいと考えております。
次に、独り親家庭の子どもに対する学習支援の拡充について、拡充に向けて検討すべきと考えるが、見解を問うにお答えいたします。
独り親家庭に対する学習支援事業につきましては、児童の学習習慣と基礎学力の定着を図り、貧困の連鎖を断ち切ることを目的に、平成27年度から中学生を対象とした通所型学習支援を実施しております。
また、今年度からは、高校生に対して、通所型学習支援に加え、オンラインによる学習支援等を提供する、いわゆるスマート学習支援を開始し、中学から高校卒業に至るまで切れ目ない支援に取り組んでおります。
なお、このスマート学習支援の1つであるウェブコンテンツの提供につきましては、令和6年度から対象を中学生にまで拡充し、より多くの学習機会の提供を図りたいと考えております。
さらに、令和6年度から実施する新たな取組といたしまして、子どもの進学に向けたチャレンジを後押しするため、学習支援事業に参加している高校3年生と中学3年生を対象に受験料や模擬試験の費用を助成する事業費を本定例会に当初予算案として提案したところであります。
本市といたしましては、これまでも子どもたちの声を聞き、必要に応じて学習支援事業を拡充してまいりましたが、今後も引き続き独り親家庭の様々なニーズに応えるべく、支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
18 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
〔上下水道局長 酒井 正道君 登壇〕
19 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
私からは、水道管路の耐震化の考え方について、基幹管路及び配水支管を含む全水道管路について本市の耐震化の考え方と目標を問うについてお答えいたします。
水道管路の耐震化につきましては、国において、頻発する地震災害に対し、水道事業者が計画的かつ効率的に進めるための水道の耐震化計画等策定指針が定められ、1つに、水道管路の耐震化には非常に多くの経費と時間を要することから、優先順位をつけ耐震化を進めること、2つに、各事業体の水道施設の特性に応じた耐震化目標を設定し、計画的に施策を推進することなどの方針が示されております。
この方針に基づき、本市では、1つに、呉羽山断層帯による想定規模がマグニチュード7.2程度の地震動による被害、2つに、丘陵地及び山間部を除いた地域で発生が懸念される液状化による被害、3つに、水道管路の管種や蓄積されている漏水事故の実績等に基づき算出した漏水発生割合など、想定される大規模災害発生リスクや本市の水道管路の特性を踏まえた富山市水道施設耐震化計画を平成26年3月に策定したところであります。
この計画において、耐震化を優先すべき管路として、1つに、基幹管路のうち、断水の影響が甚大で、かつ復旧期間の長期化が想定される配水幹線、2つに、漏水発生割合の上昇が顕著となる布設後30年以上を経過した塩化ビニール管や石綿セメント管など、3つに、災害時に特に水道水を必要とする救急告示医療機関及び地域防災計画で定める避難所などの給水拠点へ接続する管路について最優先に取り組むこととしております。
また、令和8年度までを計画期間とする第2次富山市
上下水道事業中長期ビジョンにおいて成果指標を定め、進捗を管理しており、1つに、配水幹線の耐震化については、全体延長102.3キロメートルのうち94.7キロメートル、2つに、全水道管路の耐震化については、全体延長3,206.2キロメートルのうち1,459.2キロメートル、3つに、給水拠点機能整備については、給水拠点177か所のうち98か所を耐震化することとしており、いずれの事業も令和4年度末時点では概ね順調に進捗しているものと考えております。
なお、このたびの
能登半島地震で被災した氷見市や七尾市における応援活動において基幹管路の破損に伴い断水が長期化した地域の現状を目の当たりにして、これらの事業を着実に実施していくことが重要であると再認識したところであります。
また、あわせて、発災時に的確かつ迅速な応急給水や応急復旧を実施するための行動計画をまとめた富山市上下水道局事業継続計画につきましても、このたびの応援活動などから得られた知見を踏まえた見直しを行うことにより大規模地震等への備えのさらなる向上を図り、市民の皆様へ安全・安心かつ確実な水道水の供給となるよう万全を期してまいりたいと考えております。
以上でございます。
20 ◯ 議長(金厚 有豊君)
これで村石議員の代表質問及び議案の質疑を終了いたします。
27番 松尾 茂君。
〔27番 松尾 茂君 登壇〕
21 ◯ 27番(松尾 茂君)
令和6年3月定例会に当たり、公明党より代表質問を行います。
初めに、災害に強い富山市の構築について、日本経済は長く苦しいコロナ禍を乗り越え、本格的な経済再生に向けた歩みを始めようとしています。しかし、その矢先に起きた令和6年
能登半島地震、お亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。
被害を受けた市民の皆様に希望が持てる支援をすることが政治の役割と感じます。寄り添うことから始まり、具体的な将来像を描けるように、希望の光を見いだし、被災された方々を照らしてあげなければなりません。まず、少しでも不安を取り除くために相談体制を整える必要があると実感しています。
高齢化に伴って、様々な申請手続で必要な情報が入らない、理解ができないことが起こっています。各地域が協力し合って、この難局を乗り越えようと頑張っておられますが、当事者にしてみると、肉体的にも精神的にも困難を極めております。
被災者相談ダイヤルの必要性を感じます。また、庁内に被災者相談窓口があるだけで安心につながると考えます。そこで全ての対応はできないにせよ、担当課を案内いただくだけでも助かります。被災者相談体制について見解を伺います。
災害復旧・復興に向けた財政的支援について、大規模な被害により多大な支障が生じている道路、橋梁、漁港等の公共土木施設、福祉施設、文教施設、農林水産業基盤等の早期復旧・復興を行うに当たり、国による全面的な財政支援が必要です。本市の考えをお聞かせください。
本市においては、特に生活再建に大きな障壁となっている液状化被害の対策です。被災者生活再建支援の審査では一部損壊判定ですが、現実には住めない状況です。財政支援をどのようにお考えかお聞かせください。
震災により半壊以上の被害を受けた家屋については、国の基準に基づいて市が公費解体を実施されることを決定されましたが、敷地内の傾いたブロック塀についても対応が急がれます。今後の市の対応をお聞かせください。
修繕して住むのか、ほかに住居を構えるのか、どこに住めるのかが今後の大きな課題であり、老夫婦にしてみれば、地域から離れたくないというのが本音です。
そこで、空き家をうまく活用できないかと考えますが、本市の見解を伺います。
復興は、中長期的に検討する必要があり、限りある財源の課題も大きいと考えます。被災者を支援するための基金の創設が必要と考えますが、見解を伺います。
道路や橋梁の被害状況が気になります。特に、夏場にかけて道路が陥没することだけは避けなければなりません。道路の陥没対策における現在の状況及び今後の取組についてお聞かせください。
防災危機管理部を中心とした機能強化及び地域の災害対応力の向上は喫緊の課題と考えます。今回の震災により多くの課題が浮き彫りになりました。本市が災害対応の機能を果たすための防災危機管理部が担う役割及び地域の災害対応力の向上について、現状の課題と今後の取組をお聞かせください。
防災士の養成強化、特に女性防災リーダーの育成推進にも積極的に取り組む必要があります。本市の取組をお聞かせください。
大規模災害時には本市の消防力では困難となることが予想されますが、本市の課題と今後の取組をお聞かせください。
風水害に強いまちづくり、地震などに備えるインフラ老朽化対策の現状と今後の取組をお聞かせください。
災害時に障害者や高齢者などを迅速に避難させる個別避難計画の着実な作成などにも取り組む必要があります。地域の力もお借りした今後の取組についてお聞かせください。
震災時の消防団の在り方について、今回の震災における避難所運営において支援物資の運搬に人手が足りず、地元消防団のお力添えをいただき大変助かりました。しかし、本来の役割からすれば、火災発生に備え詰所待機が本当だと思いますが、見解を伺います。
次に、物価高から生活を守る経済対策について、長引く物価高騰の影響で年金暮らしの高齢者や低所得の子育て世帯などが経済的に厳しい生活を余儀なくされています。赤字の企業も対象となる賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁のための新しい指針、前例のない思い切った投資減税や中小企業の省力化投資の支援など、企業の稼ぐ力を強化し、賃上げの原資をつくろうとする施策が徐々に動き出しています。
国の総合経済対策に盛り込まれた重点支援地方交付金においては生活者、事業者の双方の支援となりますが、現状と課題についてお聞かせください。
政府が後押しすることを表明した地方版政労使会議について、昨年末に発表された労務費転嫁のための指針の浸透を図り、中堅・中小企業の現場の皆様と認識を共有され、効果を最大限発揮できる場とすることが期待されます。
こうした中、中小企業の賃上げに向けた本市の取組をお聞かせください。
深刻な人手不足解消、生産性向上のための設備投資に役立つIoTやロボットなどの汎用製品をカタログ形式で簡単に選択できる中小企業省力化投資補助制度ができました。今後、カタログに掲載する製品の公募を開始した上で、できる限り早く事業者向けの公募を開始するとのことです。
早期に中小企業省力化投資補助金を受けるため企業等が準備する必要があると考えますが、見解を伺います。
エネルギー価格が高騰する中、電気・ガスの料金への直接の補助金も継続しておりますが、ランニングコスト削減にもつながる省エネ、GX、カーボンニュートラルに取り組む事業者を支援するとしていますが、様々な施策はあるものの、具体的に何をやればよいのか分からないとの中小企業の声も多いのが現実です。省エネの専門家が中小企業を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイスする仕組みもあります。
そこで、省エネ対策に取り組む中小企業への支援について、本市の取組をお聞かせください。
地域経済活性化のための消費喚起事業として、観光庁は本年2月13日、北陸応援割の概要を正式に発表しました。
この取組について、本市としてどのように後押しをしていくのかお聞かせください。
続きまして、こどもまんなか社会の実現に向けた取組について、最重要課題である少子化対策に加え、いじめや不登校、虐待、貧困といった子どもや子育て家庭をめぐる課題への対応が急がれます。
こども未来戦略の加速化プランについて、昨年末に政府が決定した
こども未来戦略により約3.6兆円規模の加速化プランが今年の4月から3年をかけて順次スタートします。これにより日本の子ども・子育て関係予算は子ども1人当たりの家族関係支出で見てOECDトップ水準のスウェーデンを上回る水準となり、画期的に前進すると言われています。
この加速化プランは大きく3つの柱に分類されています。1つ目の柱は、若い世代の所得向上です。例えば児童手当の拡充、出産・
子育て応援交付金の制度化や子育て世帯への住宅支援なども盛り込まれました。さらに、国は、大学等の高等教育の負担軽減、貸与型奨学金の月々の返還額を減額できる制度として、年収400万円までを基本に、子どもが2人いれば500万円、3人いれば600万円までの人が自分の判断で返還額を減らして返還でき、返還期間が延びた分の利息は国が持つようになります。
2つ目の柱は、全ての子ども・子育て世帯への支援の拡充です。特に独り親家庭への支援に欠かせない児童扶養手当も拡充します。あわせて、障害児支援や子どもの貧困対策、
ヤングケアラー支援など、様々な困難を抱える子どもたちへの支援も拡充されます。特に、近年注目されている
ヤングケアラー支援についてどのように取り組むのかお聞かせください。
3つ目の柱は、共働き・共育ての推進です。特に男性の育休が当たり前の社会を実現するため、育休が取りにくい状況を打破するための応援手当支給の助成拡充は本年1月から始まりました。さらに、来年4月から育児休業給付については、手取り10割相当の実現や時短勤務における新たな給付も始まります。
共働き・共育ての推進に向けた本市の取組をお聞かせください。
こども・子育て政策の強化に係る地方財源の確保として、国の令和6年度予算案ではこども・子育て政策に係る地方財源も確保されています。地方自治体が地域の実情に応じてきめ細かに独自のソフト面におけるこども・子育て政策を実現できるよう、地方財政計画の
一般行政経費を1,000億円増額し、普通交付税で措置します。あわせて、普通交付税の算定に当たり、新たな算定費目としてこども子育て費が創設されます。
また、新たな地方債としてこども・子育て支援事業債──仮称ではありますが──が創設されます。事業費は500億円。これによりハード面における子ども・子育て支援機能強化のための施設整備や環境改善などの地方単独事業を速やかに実施できるようになります。
この地方債の活用について見解をお聞かせください。
妊産婦に対する
伴走型相談支援と妊娠届出時及び出生届出時の計10万円の経済対策支援について、国は、継続的に実施するため、令和7年度から制度化する方針を示しております。
本市としてどのように対応していくのかお聞かせください。
子どもの生活実態調査や富山駅等、市内3か所でのアンケート調査を実施されますが、子どもや若者の意見を施策に反映する取組は大変重要と考えます。
この目的とその結果をどのように活用していくのかお聞かせください。
続きまして、誰もが安心して暮らせる社会の取組について、少子・高齢化、人口減少が急速に進む中で、年金、医療、介護、障害者福祉サービスの充実など、一人一人の生活を支える全世代型社会保障の構築が急務であり、誰もが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な共生社会づくりを推進するため、重層的支援体制の整備、生活困窮者への支援、障害者支援、依存症対策、成年後見制度の利用促進、困難な問題を抱える女性への支援の推進、自殺総合対策やひきこもり支援を推進し、多様な居場所づくりに取り組む必要があります。地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制構築のため重層的支援体制整備事業は大変重要です。本市の取組をお聞かせください。
困難な問題を抱える女性に対する支援が必要であり、女性の人権が尊重され、安心して、かつ自立して暮らせる社会の実現のため、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が令和6年度から施行されます。本市の取組をお聞かせください。
学校教育について伺います。
きめ細かな教育を持続的に実行する観点から、30人以下学級の実現や教員の魅力向上をめぐっては働き方改革を早急に進めることが大切であり、勤務時間や給与などの待遇改善、職務内容の適正化に向けた施策が必要です。さらに、教員が生き生きとして児童・生徒に接すること、その環境をつくることは本市の未来を開く大事な取組であります。このことは、教育委員会だけではなく、市長部局とも連携して取り組むべき課題であります。
給食費等の集金について、児童・生徒が現金を運ぶリスクや、万が一、紛失、盗難などの事故があった場合の責任の所在など、現行の学校集金の仕組みについて多くの教員が不安を感じていることも明らかになっています。給食費に関しては、無償化に向けて国に対しても要望しているところではありますが、現状、早急な対応が必要であり、市が給食の費用を一元管理することで経理の透明性を確保し、支払い方法も市が指定する金融機関での口座振替やコンビニでの納付書払いなど、選択肢の幅を広げることも可能になると考えます。
そこで、教員、保護者の負担軽減のため、市立の幼稚園と小・中学校の給食費を市の会計に組み入れる公会計にできないかと考えますが、本市の見解を伺います。
教員は様々な事務作業にも対応していますが、実際は教員でなくても対応できるものが多いと聞きます。事務職員に依頼できる内容を分類し、業務を分担できないか検討する必要があります。例えば成績処理や学校行事の準備、運営などは事務職員でも十分に対応可能と考えますが、見解を伺います。
次に、教員の負担軽減にもなる部活動の地域移行ですが、子どもたちの思いを重要視することが大事であると考えます。部活動の地域移行について、児童・生徒を対象としたアンケート調査をどのように分析しているのかお聞かせください。
文部科学省によりますと、昨年度、鬱病などの精神疾患で休職した公立学校の教員は、小学校で3,202人、中学校で1,576人と過去最多と言われています。長時間労働などにより鬱病と診断されて働けなくなった教員の相談しやすい環境の整備が必要です。
教員の相談体制について、学校内で起こっていることを校内で相談するのは難しいことも考えられ、学校や教育委員会ではなく、市長部局で相談体制をつくるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、スマートシティ推進ビジョンの着実な推進について、スマートシティ官民連携プラットフォームを活用した産学官民連携により市民の暮らしや働き方、産業や地域社会の新たな改革を進めていくことは重要な取組となります。
また、若者の起業支援、ワーケーション環境整備による移住促進など、多様な働き方を応援したいと考えます。
次に、医療、介護、健康サービス体制、高齢者の移動手段確保、公共交通の不便地域の対策を強化するなど、どこに住んでいても不便を感じないまちづくりに取り組まなければなりません。
スマートシティ政策は着実に推進していく必要があります。富山市スマートシティ推進プラットフォームを活用した産学官民連携により市民ニーズに即したサービスを創出することが重要なテーマであります。
本市としての役割、具体的な取組についてお聞かせください。
高齢者の移動手段確保、公共交通の不便地域の対策強化は重要な課題であり、これまでも公共交通空白地域における自動運転の社会実験を実施してきました。今後の本市の取組についてお聞かせください。
どこにいても医療、介護、健康サービスが受けられる体制づくりは大きな課題であり、人口減少と高齢化が進行している医療機関が少ない地域への対応としてオンライン診療の実証実験をされていますが、今後の取組をお聞かせください。
以上で終わります。
22 ◯ 議長(金厚 有豊君)
藤井市長の答弁を求めます。
〔市長 藤井 裕久君 登壇〕
23 ◯ 市長(藤井 裕久君)
公明党を代表されましての松尾議員の質問にお答えいたします。
私からは、基本的な事項にお答えし、その他の事項につきましては教育長及び担当部局長から答弁を申し上げます。
まず、災害に強い富山市の構築についてのうち、本市が災害対応機能を果たすため防災危機管理部が担う役割、及び地域の災害対応力の向上について現状の課題と今後の取組を問うにお答えいたします。
今回の
能登半島地震がそうであるように、近年、頻発化・激甚化する自然災害をはじめとする重大な危機事象への対応力を強化するため、令和4年4月に防災危機管理部を創設したところでございます。
まず、市としての災害対応機能を果たすため防災危機管理部が担う役割につきましては、平時におきましては、災害の発生に備え、自助、共助、公助のバランスの取れた地域防災力の向上を図ることはもとより、市職員の危機意識や災害対応力の向上を図るところであり、また、有事においては、市における危機対応の総括的窓口として情報の収集、取りまとめを行うとともに、関係部局の応急活動を調整し、市民へ発信することであると考えております。
部の新設以降、新たな訓練や研修などの実施、さらには、昨年7月の豪雨災害を経験したことにより、災害に関する業務であっても、平時の業務との関係において自分ごととして捉えて行動するといった各部局及び職員の危機意識は目に見えて向上しているものと認識しております。まずは、今後もこの危機意識をさらに向上させ、各部局における職員の危機対応力の向上、有事における初動対応の迅速化や応急対策の質の向上を図り、市全体の災害対応機能を強化していくことが必要であり、これまで行ってきた各種訓練や職員研修をさらに充実させてまいりたいと考えております。
次に、地域の災害対応力の向上につきましては、本市では、これまで出前講座や「広報とやま」、富山市公式LINEなどによる防災情報の発信、富山市総合防災訓練や防災講演会などの実施による防災啓発、自主防災組織の育成や結成の促進など、市民一人一人の防災意識を高め、地域における災害対応力向上のための様々な取組を積極的に実施してきたところでございます。
しかしながら、今回の地震におきましては、避難時の自動車の使用や家庭における非常持ち出し品の準備不足などが見受けられたこともあり、まだまだ周知・啓発が不足していることを痛感しております。
このような市民一人一人の防災意識の高まりがあって初めてリーダーが生まれ、継続的な地域での防災活動が実現するものと認識していることから、本定例会に防災の手引を新たに作成し各家庭に配布するなど、周知・啓発を強化するための事業費を当初予算案として提案したところであり、今後とも地道に、かつ、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、自助、共助と公助がしっかりと機能し、お互いに補い合うことが重要であり、本市といたしましては、市民や地域の災害対応力の基礎となる自助や共助を後押しすることで災害に強いまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、スマートシティ推進ビジョンの着実な推進についてのうち、産学官民の連携による市民ニーズに即したサービスの創出に当たって、本市の役割と具体的な取組について問うにお答えいたします。
本市が目指す富山市版スマートシティは、行政だけで実現できるものではなく、企業や大学等が持つ人材や技術、ノウハウ等の資源を有効に活用し、産学官が連携して市民の困り事や地域の課題解決に資する新たなサービスの創出に結びつけることが重要であり、こうした仕組みを構築することが市の大切な役割であると認識をいたしております。
このため、昨年11月に産学官で構成する富山市スマートシティ推進プラットフォームを設立したところであり、先月末現在、152の企業や団体に会員登録していただいているところでございます。
本市では、今後の取組としてスマートシティ関連の実証事業に要する経費の補助制度の創設などを検討しており、こうした取組などを通じて市民ニーズに即したスマートシティ関連サービスの創出を促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
24 ◯ 議長(金厚 有豊君)
宮口教育長。
〔教育長 宮口 克志君 登壇〕
25 ◯ 教育長(宮口 克志君)
私からは、誰もが安心して暮らせる社会の取組についてお尋ねのうち、学校教育について、まず、市立の幼稚園と小・中学校の給食費を市の会計に組み入れる公会計にできないかにお答えいたします。
本市において学校給食費の公会計化を行う場合、市教育委員会が児童・生徒約3万2,000人分の給食費を集中して徴収、管理することとなり、業務を効率的に行うためのシステム導入経費の負担や業務量の増加に見合った職員数の適正な配置等が課題となります。
加えて、令和5年12月22日の
こども未来戦略の閣議決定を受け、国は学校給食費の無償化の実現に向けた具体的方策の検討を行うこととされており、学校給食費の公会計化への影響を見極めていく必要があるものと考えております。
こうしたことから市教育委員会といたしましては、学校給食費の公会計化につきましては、国等の動向を注視していくとともに、他自治体の状況を調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、成績処理や学校行事の準備、運営などの教員の事務作業は事務職員でも十分に対応可能と考えるが、見解を問うにお答えいたします。
平成31年1月に中央教育審議会から文部科学大臣へなされた新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策についてと題する答申においては、これまで学校、教師が担ってきた個別業務を基本的には学校以外が担うべき業務、学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務、教師の業務だが、負担軽減が可能な業務として大きく3つに整理し、また、事務職員等による対応が可能な業務として調査・統計等への回答等、学校行事等の準備・運営、進路指導が挙げられております。
こうした中、本市の小・中学校では、これまでも学校行事の準備、運営などにおいては事務職員が受付や案内文書の発送等を担うことで教員の負担軽減が図られておりますが、学校における働き方改革の実効性をより高めるためには、国の答申にある学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務や教師の業務だが、負担軽減が可能な業務について、事務職員のみならず、教員業務支援員や助手など、学校の人的資源を最大限に生かして遂行していく必要があると考えております。
市教育委員会といたしましては、各学校の好事例を他校に周知することなどに引き続き取り組み、教職員の働き方改革を推進してまいりたいと考えております。
次に、部活動の地域移行について、児童・生徒を対象としたアンケート調査の結果をどのように分析しているのかにお答えいたします。
部活動の地域移行に対する児童・生徒のニーズを把握するためのアンケート調査につきましては、市内の小学5・6年生と中学1・2年生を対象に実施し、休日における地域クラブ活動への期待や気になっていることを中心に調査いたしました。調査の回答率につきましては、小学5・6年生が約50%、中学1・2年生が約60%であり、休日において地域クラブでの活動に参加したいと考えている児童・生徒の理由として回答が多かったものは、休日も部活動と同じ活動をしたい、より専門的な指導を受けたい、さらに体力や技術を向上させたいなど、自己の技能の高まりを求めて地域クラブのスタートに大変期待を膨らませている児童・生徒が一定数いることがうかがえました。一方、休日は自由に過ごしたい、地域クラブになると他の中学校の生徒も加わるため、人間関係をつくることができるのか不安である、他の中学校の生徒の技能のレベル等についていけるのかが不安であるなど、地域クラブの参加に消極的な児童・生徒も一定数いることが明らかとなってきました。
市教育委員会といたしましては、このアンケート調査の結果を関係機関、団体等と共有し、よりよい地域移行の在り方を引き続き検討してまいりたいと考えております。
最後に、鬱病と診断されて働けなくなった教員が学校内で起こっていることを校内で相談するのは難しいと考えられ、学校や教育委員会ではなく、市長部局で相談体制をつくるべきと考えるが、見解を問うにお答えいたします。
精神疾患により勤務が困難になった教員の相談につきましては、教員に対する安全配慮義務がある学校が第一義的に対応しております。具体的な対応につきましては、管理職が本人や家族と定期的に面談を行ったり、本人の了解を得て、主治医から症状の説明や学校として配慮すべきことの助言を受けたりしながら職場復帰に向けた支援を行っております。
一方、市教育委員会といたしましては、精神疾患等により悩みを抱えている教員について定期的に校長から書面による報告を受け、対応への助言を行うとともに、電話や面談での相談窓口の設置や必要に応じて臨床心理士を派遣するなど、状況に応じて柔軟な支援に取り組んでいるところであります。
また、産業医による面談が随時可能であることを教員に周知するよう、年度当初において各学校長宛てに通知しており、希望する場合に相談できる体制も整備しております。
市教育委員会といたしましては、教員の相談対応における具体的な支援は教員の職務や学校組織について熟知していることが肝要と考えていることから、市教育委員会が中心となり、任命権者である県教育委員会と相談しながら進めていくことが適切であると考えております。
以上でございます。
26 ◯ 議長(金厚 有豊君)
中村防災危機管理部長。
〔防災危機管理部長 中村 敏之君 登壇〕
27 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
私からは、災害に強い富山市の構築についてのうち、初めに、被災者相談体制について見解を問うにお答えいたします。
今回の
能登半島地震における本市の被災者に対する相談体制につきましては、被災された方々からの多様な相談や問合せを迅速かつ的確に対応することが何よりも重要であることから、地震発生直後から市災害対策本部室の広聴班において一元的に電話対応を集約し、丁寧に被災状況の聞き取りや各所管課が担当する各種支援窓口の案内等を行ったところであります。
また、被災者の相談体制につきましては、電話だけでなく、窓口においても一元的に対応する市民相談センターを市役所本庁舎内の1階に設置し、罹災証明書の手続に来庁された被災者の方などに対し、各種支援制度や担当窓口の案内を行ってまいりました。
さらには、大規模な災害が発生した際には、財産や隣人とのトラブル等の法律的な問題が生じることもあることから、昨年12月に災害発生時における法律相談業務等に関する協定を締結した富山県弁護士会と連携を図り、速やかに
能登半島地震に関する特別法律相談会等を実施し、市民の不安解消にも努めたところであります。
本市といたしましては、今回の
能登半島地震における教訓も踏まえ、災害発生時には市民の皆さんに一刻も早く安心を感じていただけるよう被災者に寄り添う姿勢を大切にしながら、災害時には相談体制を迅速に構築できるよう平時からの備えに万全を期してまいりたいと考えております。
次に、災害復旧・復興に向けた財政的支援について、被災者を支援するための基金の創設が必要と考えるが、見解を問うにお答えいたします。
被害の規模が大きい災害が発生した場合には、災害救助法や激甚災害に対処するための特別の財政援助に関する法律、
被災者生活再建支援法が適用され、市町村が実施する事業に対し国による手厚い財政支援等が受けられることとなっており、今回の地震においても、いずれも富山県及び富山市がその適用を受けております。
本市では、地震発生以降、補正予算を2度にわたり専決処分し、復旧・復興に向けた事業を進めておりますが、その事業費の多くは国や県からの補助金等を財源とし、本市の負担分については財政調整基金を繰り入れながら対応してきているところであり、現時点では災害復興の目的に特化した基金の創設については考えておりません。
一方、被災者の生活再建やインフラ等の復興には時間がかかることもあり、スピード感もさることながら、中長期的な視点を持つことも大切だと考えていることから、その安定的な財源確保は大変重要な課題であると認識しております。
富山県においては、本年1月24日に新田知事が松本総務大臣に県、市町村の復旧・復興や被災者の支援等に要する経費について、国庫補助率や地方債の交付税措置率のかさ上げ、復興基金等に対する手厚い措置等について要望書を提出したと伺っておりますので、国や県の動向に注視しながら被災者の方の一刻も早い生活再建に鋭意努めてまいりたいと考えております。
次に、防災士の養成強化、特に女性防災リーダーの育成推進に対する本市の取組を問うについてお答えいたします。
近年、地震や豪雨、暴風などの自然災害が頻発化・激甚化する中で、災害に対する豊富な知識と経験を有する防災士は、自主防災組織や学校、福祉施設、企業など、様々な分野で活躍されているとお聞きしております。
こうした中で、本市では、地域の防災活動の要となる自主防災組織の活性化を図るため、概ね1小学校区に1名以上の防災士を配置することを目標として防災士の育成支援に努めているところであります。具体的には、富山県防災士会と連携した自主防災組織を対象とする防災講座や防災リーダー育成研修の実施や、県の防災士養成講座について自治振興会等の推薦を受けた受講者の受講料の全額を県と市が共同で負担することで受講を促進するための取組を実施しているところであり、今年度は37名が受講し、これまで213名が合格したところであります。
また、議員がおっしゃるとおり、防災計画の策定や避難所運営などの際には女性の視点からの配慮も大変重要であることから、今後、防災士養成講座の受講者を地域から推薦を募る際には女性や若年層などの幅広い人材の推薦を働きかけるなどの取組も必要であると考えております。
本市といたしましては、引き続き県や富山県防災士会とも連携しながら防災士の養成及び防災リーダーの育成推進に努めるとともに、特に女性による防災対策への参画を進め、多様なニーズに配慮した誰もが安心できる防災対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、災害時に障害者や高齢者などを迅速に避難させる個別避難計画の作成促進に向けた今後の取組についてお答えいたします。
本市が作成している避難行動要支援者名簿は、令和6年1月末現在で全体名簿登録者数は1万8,590人、そのうち要支援者が自らの避難計画をまとめた個別避難計画の作成者は2,136人となっておりますが、個別避難計画の作成者が同意者名簿登録者6,414人の約33%にとどまっている状況であり、市民や福祉関係者への啓発に課題があるものと認識しております。
このことから、昨年来、福祉部局や福祉関係団体との意見交換や認識の共有を図っているところであり、例えば支援が必要な子どもへの対応を視野に入れて、子育て情報ポータルサイト「育さぽとやま」で制度を周知したり、医療や介護関係者が参加する会議で制度の説明を行うなどの取組を実施してまいりました。
また、個別避難計画の作成を促進する上では指定避難所における支援の充実が大切であると考えており、支援に必要な資機材や専門職による巡回を行う体制の充実・強化についても検討を進めているところであります。
加えて、専門職の健康チェックの結果、医療機関や福祉避難所に移送することが必要となった場合の移動手段、あるいは医療や福祉専門職の移動手段の確保を目的として、去る2月14日には富山個人タクシー協同組合と協定を締結するなど、要配慮者への支援の仕組みづくりにも努めております。
もとより、この個別避難計画を含め、避難行動要支援者支援制度は、地域の民生委員、町内会長、自主防災組織の支援があって初めて成り立つ制度であることから、引き続き平時からの協力体制を築きつつ、先ほど申し上げた様々な取組を着実に進めることで要配慮者が安心して避難できる環境が整うよう、平素からの備えを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
28 ◯ 議長(金厚 有豊君)
牧田財務部長。
〔財務部長 牧田 栄一君 登壇〕
29 ◯ 財務部長(牧田 栄一君)
初めに、災害に強い富山市の構築についてのうち、早期復旧・復興を行うに当たり、国による全面的な財政支援の必要性について問うにお答えします。
災害による道路や公共施設等の復旧について、国においては、自治体の財政負担が大きいことから、国庫補助制度と災害復旧事業債の交付税措置による地方債制度の両面から財政措置を講じております。
加えて、今回の
能登半島地震では、特別交付税の繰上げ交付や激甚災害の指定による災害復旧事業等における補助率のかさ上げなど、国による支援措置が講じられております。
こうした中、本市では、地震により被害を受けた漁港や農業用施設、道路、橋梁、公園等の早期復旧を図るため、本年1月と2月に専決処分した補正予算、本定例会に提出している3月補正予算並びに令和6年度当初予算を編成してきたところであります。これらの復旧費用の財源には、国や県支出金、災害復旧事業債などを活用した上で、必要となる一般財源は財政調整基金等で対応しており、今後も引き続き復旧のための予算措置や財源を確保する必要があると考えております。
こうしたことから、本年1月19日には全国市長会、北信越市長会を通じて、国による全面的な財政支援措置など、被災地の一日も早い復旧・復興のための緊急要請を行っております。
さらに、先月11日に公明党の山口代表が来県された際には、国による全面的な財政支援措置をはじめ、復旧・復興に向けた財政的支援などについて本市として要望したところであります。
被災した道路等の復旧には財源の確保も重要であることから、今後も必要に応じて国へ要望するなど、国の支援策等を活用しながら早期の復旧を目指してまいりたいと考えております。
次に、物価高から生活を守る経済対策についてのうち、重点支援地方交付金の現状と課題について問うにお答えします。
国の令和5年度補正予算に計上された重点支援地方交付金は、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対する支援として地方公共団体が地域の実情に応じて実施する事業に活用できるものであります。
本市においては、この交付金を活用し、今年度はエネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた障害者福祉や高齢者福祉等の事業者へ光熱費等の補助などを行ってまいりました。また、令和6年度には、保育施設の副食費や学校給食費の負担軽減を図り、子育て世帯への支援を実施することとしております。
これらの取組により既に本市へ配分された重点支援地方交付金の全額を活用する見込みでありますが、今後とも物価高騰に直面する市民や事業者に対する支援が可能となるよう国において本交付金のさらなる予算措置を期待するものであり、その際には本市としても速やかに対応してまいりたいと考えております。
以上です。
30 ◯ 議長(金厚 有豊君)
深山活力都市創造部長。
〔活力都市創造部長 深山 隆君 登壇〕
31 ◯ 活力都市創造部長(深山 隆君)
私からは、災害に強い富山市の構築について、災害復旧・復興に向けた財政的支援についてお尋ねのうち、まず、液状化被害の対策について、被災者生活再建支援の審査では一部損壊判定でも現実には住めない状況であるが、財政支援をどのように考えるのかにお答えをいたします。
本市では、令和6年
能登半島地震により被害を受けられた住宅の罹災証明書を発行しており、罹災証明書は、被害認定調査により、住宅の被害の程度に応じて、全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊、準半壊、準半壊に至らない(一部損壊)に区分されます。
現状で個人が液状化被害の対策に活用できる支援制度といたしましては、半壊以上では、災害見舞金、災害援護資金貸付金があり、準半壊以上では、被災者生活再建支援金、災害救助法に基づく応急修理があり、議員御指摘の一部損壊以上で利用できる支援制度といたしましては災害義援金があります。
また、今回の被災状況を踏まえ、さらなる被災者支援のため、罹災証明を受けた木造住宅について、かねてから実施しております木造住宅耐震改修等支援事業の拡充を予定しており、補助対象となる住宅につきましては、従来の昭和56年5月以前に着工した木造住宅に加え、昭和56年6月以降に着工したもので罹災証明で準半壊以上と判定され、耐震診断において耐震性なしと判断された木造住宅も対象に加えることとしております。補助対象となる工事につきましては、耐震改修工事に加え、現地での建て替えも対象とするものとし、建て替えに先立って行う基礎補強工事や耐震補強に併せて行う沈下・傾斜対策工事等を追加するものとしております。
一部損壊となった住宅については件数が膨大であり、まずは被害の程度が大きい住宅を優先したいことから対象に加えることは現在のところ考えてはおりませんが、状況を注視してまいりたいと考えております。
次に、空き家をうまく活用できないかと考えるが、見解を問うにお答えをいたします。
本市におきましては、地震の発生後から、被災された方々に一時的なお住まいを確保していただくため、空室となっている市営住宅の一時入居や民間賃貸住宅を借り上げて提供する賃貸型応急住宅制度による支援を実施しております。
また、災害からの復旧・復興時における議員御指摘の空き家を活用した住宅の確保につきましては、市内に多く存在する空き家の解消や利活用の面からも有効な取組であると考えております。
一方で、空き家は個人の財産であり、その多くでは家財道具等が残されており、すぐに他の方へお貸しできる状態ではないことから、被災された方々へ速やかに空き家をお住まいとして提供することは困難であると考えております。
しかしながら、本市ではこれまでも不動産を取り扱う業界団体の協力を得ながら空き家対策等の事業を推進していることから、災害時におきましても被災された方がお住まいの地域を離れずに住宅を確保できるよう、業界団体との連携を強化し、空き家も含めた不動産情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
加えて本市では、売却物件や賃貸物件となっている空き家を紹介するウェブサイト、富山市空き家情報バンクを開設し、空き家を購入または賃借したい方とのマッチングを行っていることから、今後、当空き家情報バンクにつきましては、被災された方が御希望の住宅を確保する一助となるよう、登録物件の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、スマートシティ推進ビジョンの着実な推進についてお尋ねのうち、これまで公共交通空白地域において自動運転の社会実験を実施してきたが、今後の本市の取組について問うにお答えをいたします。
自動運転の社会実験につきましては、AIやIoTなどのデジタル技術を活用して車を自由に使えない高齢者などの交通弱者の移動手段を確保することを目的に、今年度、婦中地域の朝日地区において実施をしております。
一般乗車の実証につきましては、地元住民を中心に延べ150人の方に御乗車いただき、自動運転に対する関心や期待の高さがうかがえたところであり、利用者アンケートでは、自動運転車両の乗車について92%の方が「満足」「やや満足」との回答をされております。また、技術面におきましては、見通しの悪い交差点において自動運転車両のセンサーやカメラのみでは自動車や歩行者等を検知できないことや、歩車分離されていない区間において、自動運転車両が歩行者や自転車と接近することで、安全管理上、自動走行が困難となり、運転手が操作を行う手動介入を行った事例が見られました。
こうしたことから、来年度は、道路に設置したセンサー等で検知した道路状況を自動運転車両に提供する路車協調システムや車線と路肩を視覚的に区分する路面標示の施工など、走行空間の安全性向上に資する社会実験を実施することで自動運転車両の手動介入の低減を図ることとしており、さらに、生活の足としてより多くの方に御乗車いただけるよう、今年度の2人乗り車両から13人乗りのEVバス車両への変更も予定しております。
本市といたしましては、こうした最先端技術を活用した新たな公共交通の施策に積極的に取り組むことで、高齢者等の交通弱者の移動手段の確保はもとより、コンパクトシティとスマートシティの融合により市民生活の質の向上を図り、誰もが住みやすく、健康で歩いて暮らせる活力ある都市の実現を目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
32 ◯ 議長(金厚 有豊君)
舟崎環境部長。
〔環境部長 舟崎 文彦君 登壇〕
33 ◯ 環境部長(舟崎 文彦君)
私からは、災害に強い富山市の構築について、災害復旧・復興に向けた財政的支援についてお尋ねのうち、敷地内の傾いたブロック塀についても対応が急がれるが、今後の市の対応について問うにお答えいたします。
市は、倒壊したブロック塀や石灯籠のほかに、傾いて倒壊のおそれのあるブロック塀についても、通学や市民生活の安全確保の観点から、公費により解体撤去する予算を本年1月16日に専決処分したところであります。
本年2月末現在、傾いたブロック塀については75件あり、1月31日からは所有者立会いの下、市職員による現地確認を順次実施しており、2月末現在で約5割となる36件の調査を終えたところであり、今後とも速やかな対応に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
34 ◯ 議長(金厚 有豊君)
狩野建設部長。
〔建設部長 狩野 雅人君 登壇〕
35 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)
私からは、災害に強い富山市の構築についてお尋ねのうち、初めに、道路の陥没対策における現在の状況及び今後の取組について問うにお答えいたします。
道路の陥没は、事故やけがにつながるだけでなく、快適な日常生活や経済活動を支える物流などに多大な影響を及ぼすおそれがあることから、本市では、平成26年度から道路の陥没事故を防ぐことを目的として、中心市街地の交通量が多い幹線道路や緊急輸送道路などについて道路の路面下の空洞調査を実施してきております。この調査は、地中レーダーを搭載した探査車などを走行させ、地中の空洞などが疑われる箇所で検出される異常信号を分析し、空洞の大きさや深さを推定するものであります。令和4年度末までに延べ289路線、延長約287キロメートルについて調査を実施したところ、529か所で異常信号が検出され、このうち61か所では空洞の想定深さが路面から20センチメートル未満と非常に浅く、国土交通省の路面下空洞調査点検マニュアルにおいて陥没の危険性が高いとされる陥没危険度Aランクに該当していたことから、応急修繕を実施してきたところでございます。
また、本年度は12月に市道草島東線や大泉稲荷線など8路線、延長約23キロメートルについて調査を実施したところ、27か所で異常信号が検出され、このうち1か所がAランクとなっています。
こうした中、本年1月に
能登半島地震が発生したことから、調査業者の協力により同一路線について再調査を実施したところ、状態の変化などは確認されませんでしたが、地震の影響が危惧された他の路線についても調査した結果、危険な箇所が新たに確認されたことから、昨年12月の調査で確認した箇所と併せ、速やかに対応を行っているところであります。
道路の路面下の空洞の主な発生要因は地下水位の状況や埋設物の破損などが考えられ、年月の経過により状態の変化や新たな空洞が発生するおそれがあります。
このことから本市では、幹線道路や緊急輸送道路などを概ね3年から5年サイクルで空洞の再調査を実施する計画としており、引き続き日常の道路パトロールと併せ、道路の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、風水害に強いまちづくり、地震などに備えるインフラ老朽化対策の現状と今後の取組について問うにお答えいたします。
近年、気候変動の影響により台風や集中豪雨による水災害や土砂災害などの風水害が全国各地で激甚化・頻発化しており、本市におきましても、昨年7月に県内で初めてとなる線状降水帯が発生し、市内各所において浸水被害や土砂崩れ等の大きな被害が発生しております。
本市の水災害対策につきましては、現在、準用河川の改修や雨水幹線の整備等のハード対策を中心に実施しておりますが、令和4年度から策定を進めている新たな浸水対策基本計画では、近年の気候変動を踏まえたハード対策に加え、計画降雨を上回る降雨の対応として、流域治水の考え方に基づき、河川流域のあらゆる関係者と連携して取り組むソフト対策の検討も併せて実施し、対策の強化を図ることとしております。
また、土砂災害対策につきましては、急傾斜地崩壊危険区域においてのり枠工や擁壁工等のハード対策に加え、出前講座等を活用した土砂災害ハザードマップの周知や啓発等のソフト対策も実施しているところであり、今後も継続してハード、ソフトの両面から進めることとしております。
次に、地震などに備えるインフラ老朽化対策につきましては、道路や橋梁、公園などは、平時はもとより、災害時においても緊急物資の輸送や避難、救助・救急、復旧活動などに必要不可欠な社会インフラであることから、強靱な地域社会を形成するためにも老朽化対策や耐震化対策を推進する必要があると考えております。
このため現在、富山市では、富山市公共施設等総合管理計画や道路、公園などの個別施設計画に基づき、選択と集中によるめり張りのある維持管理に努めているところであります。とりわけ橋梁の老朽化対策につきましては、計画的に人員の拡充や組織体制の強化を図るとともに、研究機関や民間企業との共同研究を実施し、技術力の底上げや継承に努めるほか、新技術やモニタリングシステムの導入など、業務の高度化・効率化、的確な修繕、更新による橋梁の機能維持・向上に努めております。
本市といたしましては、今後とも市民生活や都市活動における安心・安全を確保することを優先するとともに、国や県をはじめ、あらゆる関係者と連携を図りながら、引き続き水災害や土砂災害などの風水害に強いまちづくりや地震などに備えるインフラ老朽化対策を着実に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
36 ◯ 議長(金厚 有豊君)
暫時休憩いたします。
午後 0時02分 休憩
───────────
午後 1時10分 再開
37 ◯ 議長(金厚 有豊君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問及び議案の質疑を継続いたします。
当局の答弁を求めます。
河部消防局長。
〔消防局長 河部 勝巳君 登壇〕
38 ◯ 消防局長(河部 勝巳君)
午前中に引き続きまして、公明党を代表されての松尾 茂議員の御質問に対する答弁をさせていただきます。
私からは、災害に強い富山市の構築についてお尋ねのうち、まず、大規模災害時には富山市の消防力のみでは対応が困難となることが予想されるが、本市の課題と今後の取組について問うにお答えします。
このたびの
能登半島地震のような大地震が発生した場合や、昨今頻発している土砂災害や風水害などにより大規模な被害が発生した場合には、短時間に多くの出動要請が集中すると予想されます。本市では、このような災害が発生した場合やそのおそれがある場合には、消防力を最大限発揮するため事前計画に基づき消防職団員の参集等を行い、部隊の増強を図ることとしており、このたびの地震発生時においても全職員が参集して災害対応を行ったところであり、団員につきましてもそれぞれの分団器具置場に参集して災害出動等に備えていたところであります。
しかしながら、このような災害時には、議員御指摘のとおり、本市の消防力のみでは対応困難となることが予想されることから、富山県市町村消防相互応援協定による県内応援や全国規模の応援体制である緊急消防援助隊の派遣を要請することとしておりますが、これらの応援部隊が到着するまでの間を本市の消防力でいかに効率よく対応していくのかが課題であると考えております。
これらのことから本市といたしましては、このたびの地震に伴う石川県内の消防本部の発災直後からの初動対応やその後の応援部隊の受入れ体制等について情報を得ながら検討を行うとともに、今後もあらゆる災害を想定した訓練を積み重ね、関係部局をはじめ、防災関係機関との連携強化を図りながら、さらなる災害対応能力の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、震災時の消防団の在り方について、避難所運営に協力いただいたが、火災発生に備えるべきではないかにお答えします。
議員御指摘のとおり、震災時に消防団員が火災等の災害の発生に備えて分団器具置場に待機し、即応体制を取ることは消防団の基本的な役割であると考えております。
しかしながら、消防団につきましては地域に密着した組織であることから、地域住民の求めに応じ、災害対応に支障がない範囲で自治振興会や自主防災組織と連携して様々な支援活動に協力することも消防団に期待される地域貢献の1つであると考えております。
以上でございます。
39 ◯ 議長(金厚 有豊君)
山本商工労働部長。
〔商工労働部長 山本 貴俊君 登壇〕
40 ◯ 商工労働部長(山本 貴俊君)
私のほうからは、物価高から生活を守る経済対策についてのお尋ねのうち、まず、中小企業の賃上げに向けた本市の取組について問うにお答えします。
国においては、持続的な構造的賃上げを図るため、令和5年11月に発注者及び受注者が取るべき行動を労務費の転嫁のための価格交渉に関する指針として定めるとともに、本年1月に開催された政労使会議においてその行動の徹底を経済界に要請されたところであります。
こうした取組が地方においても進むよう、富山労働局及び県では、先月27日に富山県経営者協会や富山県商工会議所連合会、連合富山などの関係団体と富山版政労使会議を開催され、県内の中小企業等の賃上げに向けた機運の醸成を図るための取組等について意見交換されたと伺っております。
こうした中、本市におきましては、企業の賃上げのためにはまずその原資を確保する必要があり、そのためには企業の人材の確保や生産性の向上が不可欠であると考え、先月から市内の中小企業等に対し、採用活動や各種資格取得、作業員の負荷軽減への支援を行い、企業の賃上げに向けた取組を後押ししているところであります。
今後とも、市内中小企業等の賃上げに向けた環境整備を支援するとともに、市内企業において適切な価格転嫁が行われるよう、県や富山商工会議所等の関係機関と連携を図りながら、様々な機会を捉え、積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、早期に中小企業省力化投資補助金を受けるため企業等が準備をする必要があると考えるが、見解を問うにお答えします。
国は、昨年11月に閣議決定したデフレ完全脱却のための総合経済対策を踏まえ、人手不足に悩む中小企業や小規模事業者に対し、付加価値額の増加や生産性の向上による賃上げを促すことを目的として中小企業省力化投資補助制度を創設されました。この制度は、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品をカタログに掲載し、そこから中小企業等が選択した機器を導入する際の事業費等の2分の1、最大で1,500万円を補助するものであり、簡易で即効性がある省力化投資を推進することとされております。
国では現在、このカタログに掲載する商品の承認に向け準備を進められているところであり、できるだけ早期に事業者の募集を始め、令和8年9月末までに15回程度公募を行い、12万件程度の採択を予定していると伺っております。
本事業は、補助対象となる省エネ製品をカタログから選んで導入する新しい仕組みの補助制度であり、事務手続も簡易となり、迅速に業務の省力化が図られるものと考えております。
本市といたしましては、できるだけ早期にこの制度を活用していただくためには、自社の生産工程の見直しやロボットの導入により自動化できるプロセスの把握を行うなど、あらかじめ導入に向けた検討を進めていただく必要があると考えておりますことから、補助事業の詳細に関し情報収集に努めるとともに、業界団体を通じて制度の周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、省エネ対策に取り組む中小企業等への支援について本市の取組を問うにお答えします。
国におきましては、エネルギーコスト上昇に対する省エネ支援として令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージを本年1月に公表されたところであります。このパッケージでは、具体的に何をすればよいのか分からない中小企業者に対し、専門家がエネルギー使用の改善をアドバイスする省エネ診断を受けるための支援や、脱炭素化やカーボンニュートラルなどに向けた省エネ設備への更新に対する支援を行うこととされております。
また、県におきましては、富山県中小企業トランスフォーメーション補助金に課題見える化枠を設け、外部の専門家の診断、助言によるエネルギー使用量の見える化やその結果を現場改善につなげる取組等への支援を実施されているところです。
本市におきましても、富山商工会議所等と連携して中小企業診断士やITコーディネーターなどの専門家との相談体制を整える小規模事業者相談支援事業を行い、省エネ設備の導入やDXに関する相談に対応しているほか、昨年9月には、脱炭素に向けた取組についてカードゲームの体験等により学ぶセミナーを開催し、企業の取組事例や各種支援制度の紹介を行ったところであります。
本市といたしましては、中小企業等が省エネ対策に取り組むことは安定的な事業活動の継続につながるものと考えておりますことから、国、県や富山商工会議所等と連携しながら、引き続き省エネに取り組む中小企業等を支援してまいりたいと考えております。
次に、北陸応援割の取組についてどのように後押ししていくのか問うにお答えします。
本年2月13日に国から発表された北陸応援割を受け、県においては、
能登半島地震による観光需要の早期回復を図るため、北陸応援割「とやま応援キャンペーン」を本年3月16日から4月26日までの宿泊分を対象に実施し、1人当たりの旅行代金や宿泊料金の最大50%を補助することとしております。
さらに県では、北陸応援割に先駆けて、独自に本年2月20日から宿泊者が飲食店や物産店などで利用できるクーポンを配布するとやま応援クーポン事業を実施されています。
本市においては、こうした取組を富山市公式ウェブサイト及び観光とやまねっとを通して市民に周知することに加え、昨年から開設しております、すしのまちとやまのXにおいても北陸応援割やとやま応援クーポンの内容を発信し、市内の宿泊施設やすし店での利用を促しているところであります。
また、この4月に70回を迎える富山の春の風物詩、全日本チンドンコンクールが開催されますが、観光客の方々がこの北陸応援割を利用してお越しいただけるよう、富山商工会議所のチンドンコンクールのホームページなどでも周知を図るほか、富山市ホテル旅館事業協同組合などの関係団体にも協力していただくことで観光需要の後押しとなるよう努めてまいりたいと考えております。
最後に、こどもまんなか社会の実現に向けた取組についての御質問のうち、
こども未来戦略の加速化プランについて、共働き・共育ての推進に向けた本市の取組について問うにお答えします。
共働き・共育ての推進を図るためには、夫婦が相互に協力しながら子どもを育て、そのことを職場や地域など、社会全体が支援する仕組みを構築する必要があります。
特に企業においては、出産・育児の支援を人的資産等への投資と捉え、職場の文化、雰囲気を抜本的に見直し、男性、女性ともに当たり前に育児休業制度を利用できるような取組を実施していく必要があるとされております。
こうしたことから国におきましては、両立支援等助成金制度を設け、男性、女性に限らず、全ての労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境の整備に支援されているほか、両親がともに育児休業を取得した場合の育児休業給付の拡充や育児時短就業給付の創設などを盛り込んだ関連法改正案を先月、閣議決定されたところであります。
また、県におきましては、仕事と子育ての両立を支援するため、男性の育児休業取得者とその事業主、さらには、従業員が利用した家事代行サービス等に助成するなど、先進的な取組を行う事業主などに対して助成を行っておられます。
本市におきましては、こうした共働き・共育ての機運の浸透を図るため、企業訪問の際に家庭における様々なニーズに対応した柔軟で多様な働き方の普及に向けての意見交換を行っているほか、企業向け妊娠・子育て応援シンポジウムを開催し、企業による先進的な取組事例や育児と仕事の両立に向けた制度について周知・啓発を行っております。
さらに、仕事と子育てを両立できる環境整備を促すため、市内の認定こども園等と連携し、子どもを預けながら仕事ができるテレワーク施設の開設費用を助成する制度も設けているところであり、引き続き市内企業の経営者等に対し、企業訪問する際など、様々な機会を捉えて、共働き・共育ての推進について働きかけを行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
41 ◯ 議長(金厚 有豊君)
古川こども家庭部長。
〔こども家庭部長 古川 安代君 登壇〕
42 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)
私からは、こどもまんなか社会の実現に向けた取組について、
こども未来戦略の加速化プランについての御質問のうち、
ヤングケアラー支援についてどのように取り組むのかにお答えいたします。
ヤングケアラーについては、家庭内のデリケートな問題であることや、本人や家族に自覚がないなどといった理由から支援が必要であっても表面化しにくく、ヤングケアラーを早期に発見し支援するためには、福祉、介護、医療、教育等といった様々な分野が連携して対応することが重要であるとされております。
こうしたことから本市では、ヤングケアラーの支援に当たっては、既存の相談支援の取組を生かしつつ、分野別の支援体制では対応が困難で複合的な課題がある場合などは重層的支援体制整備事業において関係部局、民間団体など、他機関と連携して対応しているところであります。
また、ヤングケアラーが担っている家事や家族の世話等に係る負担の軽減、解消を図る
子育て世帯訪問支援事業を新たに実施するため、所要額を本定例会に当初予算案として提案したところであります。
次に、こども・子育て政策の強化に係る地方財源の確保について2点御質問があります。
まず、新たに創設される(仮称)こども・子育て支援事業債の活用について見解を問うにお答えいたします。
令和6年度地方財政計画によりますと、(仮称)こども・子育て支援事業債は、子ども・子育て支援機能の強化につながる施設整備や子育て関連施設の環境改善に活用でき、その元利償還金の一部が交付税措置される有利な地方債であります。
本市では、後年度の負担を極力抑制し、健全な財政運営を堅持していくため、長期的な視点に立って事業の必要性等を十分検討することとしており、真に必要な事業については有利な財源となる(仮称)こども・子育て支援事業債の活用を検討していくことになるものと考えております。
なお、令和6年度につきましては、市立保育施設等の全ての保育室においてWi-Fi環境を整備する事業など、3つの事業でこの地方債を活用することとしており、所要額を本定例会に当初予算案として提案したところであります。
次に、国は妊産婦に対する
伴走型相談支援と経済的支援を令和7年度から制度化する方針を示しているが、本市としてどのように対応していくのかにお答えいたします。
本市が令和5年3月から実施している出産・
子育て応援事業の
伴走型相談支援と経済的支援につきましては、今国会に提案されている子ども・
子育て支援法等の一部を改正する法律案において令和7年4月から恒久的な制度とされる予定となっております。
本市といたしましては、今後の国の動向を注視しながら、引き続き
伴走型相談支援と経済的支援を実施し、全ての妊産婦や子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境整備に努めてまいりたいと考えております。
最後に、子どもの生活実態調査やアンケート調査の目的と、その結果をどのように活用していくのかにお答えいたします。
本市では、今年度、市立の小学5年生、中学2年生全員とその保護者を対象に、生活実態や、子どもや保護者が求める具体的な支援策等について把握するため子どもの生活実態調査を実施いたしました。子どもへの具体的な調査内容としましては、1つに、学習状況や食事、就寝時間等の生活状況、2つに、困っていることや悩みを相談できる相手や、ほっとできる居場所、3つに、各種相談等の支援の利用状況とその効果、4つに、市役所にやってほしいこと、伝えたいことなど、全24の項目を設けております。
加えて、子どもや若者、子育て中の方の多様な意見を広く聴取するため、富山駅や大型商業施設、中心市街地の3か所においてアンケート調査も実施し、1,088名の方に協力いただいたところであります。これらの調査結果については、来年度に策定する本市における今後の子ども・子育て支援の方向を示す(仮称)富山市こども計画に反映させるとともに、職員ポータルサイトを通じて職員に周知し、子どもや若者の視点に立った施策の検討に広く活用してまいりたいと考えております。
以上です。
43 ◯ 議長(金厚 有豊君)
清水福祉保健部長。
〔福祉保健部長 清水 裕樹君 登壇〕
44 ◯ 福祉保健部長(清水 裕樹君)
私からは、まず、誰もが安心して暮らせる社会の取組についてお尋ねのうち、重層的支援体制整備事業が大変重要であると考えられての本市の取組をお尋ねの御質問にお答えいたします。
本市では、既存の相談支援の取組を生かしつつ、分野別の支援体制では対応が困難な複雑で複合的な課題や制度のはざまの課題を抱えた方などを必要な支援につなげるため、令和4年度から重層的支援体制整備事業に取り組んでおります。
この重層的支援体制整備事業におきましては、包括的な支援体制の充実を図るため、まずは相談支援として、いわゆる8050問題など、1つの世帯に複数の課題が存在している相談を世代や属性に関わらず受け付け、関係機関が協働して支援方針を検討しております。
一方で、自ら支援を求めることが難しい方などに対しては、必要な支援を届けるための訪問を行っております。
また、参加支援として、社会とのつながりが希薄化している方を社会福祉法人などと連携して就労へ結びつけるなど、地域の社会資源等を活用した社会とのつながりを支援しております。
さらには、人と人、人と地域がつながり、支え合う地域づくりに向けた支援として、地域における社会的孤立を防止し、住民同士の支え合う関係性を育むため世代や属性を超えて交流できる場や居場所づくりなどの支援を行っており、こうした3つの支援に一体的に取り組んでおります。
次に、スマートシティ推進ビジョンの着実な推進についてお尋ねのうち、オンライン診療の実証実験を実施していることについて今後の取組をお尋ねの御質問にお答えいたします。
本市では、富山市スマートシティ推進ビジョンにおける「誰一人取り残されることなく便利で安心して暮らせるまち」を目指して、人口減少と高齢化が顕著で公共交通機関の利便性が低く、医療資源が乏しい中山間地域や郊外部において、令和5年度からの2か年の取組としてオンライン診療やオンライン服薬指導などの実証実験を実施しております。この実証実験は、大山地域を対象としておおやま病院とチューリップ大山薬局と連携して実施しておりますが、1年目となる今年度においては、対象地域を中山間地域に当たる小見地区と牧地区に設定し、おおやま病院に通院している慢性疾患患者のうち、希望された方が看護師や市の委託事業者の支援の下、スマートフォンなどを使って診療や服薬指導を受けるものとして実施しております。
また、どなたでも参加できるみんなの保健室を市立公民館で開催して健康相談や健康チェックなどを行うとともに、オンライン診療やオンライン服薬指導を紹介するなど、身近な場所での地域住民の健康増進や実証実験の周知・啓発に取り組んでおります。
2年目となる令和6年度においては、4月からオンライン診療とオンライン服薬指導の実証実験の対象地域を大山地域全域に広げ、参加する患者を増やして今年度と同様の取組で継続実施することとしております。
また、みんなの保健室も今年度と同様に大山地域で開催するほか、参加者や関係機関への聞き取りや、アンケート調査を実施するなど、実証実験の結果を分析して評価、検証を行うこととしております。
そうした評価、検証の結果につきましては、今後、本市においてオンライン診療などを広げるための方策や中山間地域などの医療資源が乏しい地域での医療体制の充実を検討する際の基礎資料として活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
45 ◯ 議長(金厚 有豊君)
大沢市民生活部長。
〔市民生活部長 大沢 一貴君 登壇〕
46 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)
私からは、誰もが安心して暮らせる社会の取組についてお尋ねのうち、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律について本市の取組を問うにお答えいたします。
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律は、女性が日常生活または社会生活を営むに当たり、女性であることにより様々な問題に直面することが多いことから、困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図り、女性の人権が尊重され、安心して、かつ自立して暮らせる社会の実現のために制定され、令和6年度から施行されるものであります。
本市では、家庭問題や経済状況、子どもの養育、健康問題等、女性に関する様々な相談に対応するため、夫婦・男女に関する悩み相談、DV相談、女性相談、ひとり親相談、家庭児童相談員による養育相談など、女性の職員が応対する相談窓口を設置しているほか、保健福祉センターでは保健師が健康相談に応じているところであります。
本市といたしましては、様々な問題を抱える女性への支援は今後も取り組むべき重要な課題であることから、DVに関する相談窓口の連携等を活用し、引き続き生活環境や健康上の問題など、女性が置かれている状況を把握し、女性が相談しやすいようきめ細かな応対に努めてまいりたいと考えております。
なお、この法律では、これらの困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じるため、国の基本方針に即して都道府県が施策の実施に関する基本計画を策定することとされており、県ではこの3月に基本計画を策定する予定と伺っております。
一方、市町村の基本計画については、国の基本方針に即し、かつ県の基本計画を勘案して策定に努めるものとされておりますが、
男女共同参画社会基本法第14条第3項に規定する市町村
男女共同参画計画等と一体のものとして策定することができることから、本市といたしましては、今後、第3次富山市
男女共同参画プランの改定に併せて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
47 ◯ 議長(金厚 有豊君)
これで松尾議員の代表質問及び議案の質疑を終了いたします。
これをもって、代表質問を終結いたします。
暫時休憩いたします。
午後 1時40分 休憩
───────────
午後 2時00分 再開
48 ◯ 副議長(高田 真里君)
議長が都合により出席できませんので、私が代わって議事を進めさせていただきます。
休憩前に引き続き会議を開きます。
───◇ ◇ ◇───
一般質問並びに議案第1号から議案第97号まで、
及び報告第1号から報告第9号まで(質疑)
49 ◯ 副議長(高田 真里君)
これより、日程第2 一般質問並びに議案第1号から議案第97号まで、及び報告第1号から報告第9号までを一括議題といたします。
これより、一般質問及び議案の質疑を行います。
順次発言を許します。
36番 高田 重信君。
〔36番 高田 重信君 登壇〕
50 ◯ 36番(高田 重信君)
令和6年3月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問及び議案の質疑を行います。
初めに、第2次富山市総合計画後期基本計画、ネクストステージ重点プロジェクトについてお伺いいたします。
富山市総合計画は本市のまちづくりにおける長期的かつ基本的な方向や目指すべき都市の将来像を示すもので、総合力の高い魅力あるまちづくりに取り組んでおられます。第2次富山市総合計画は、現在、令和4年から令和8年までの後期基本計画に入っており、後期基本計画では、優先的に取り組む事業をネクストステージ重点プロジェクトとして掲げ、コンパクトシティ政策の深化やスマートシティの構築など、7つの項目を重点テーマに位置づけられていますが、改めて、後期基本計画においてネクストステージ重点プロジェクトが創設された経緯をお伺いいたします。
また、重点テーマにはそれぞれに方向性と主な取組が示されておりますが、現在の進捗状況をどのように捉え、今後どのように展開されるのかお伺いします。
次に、防災介助士の育成と普及についてお伺いいたします。
今回の
能登半島地震では、本市において95か所の避難所が開設されました。車椅子で避難される方、高齢者の方などの要配慮者、避難行動要支援者の方々の姿も見かけました。避難者の中に生活上の配慮を必要とする方が確認された場合には、福祉避難所の管理責任者に開設を要請し、受入れ可能な人数を確認の上、体制が整い次第、対象者を福祉避難所に受け入れるとされています。
しかし、今回は福祉避難所の開設までには至らなかったようであります。
第1次避難所において、要配慮者、避難行動要支援者の方々への配慮については、それぞれの方に応じた支援や準備が必要になることから、専門的な知識や経験がある方が地域や避難所に配置されることにより、要配慮者、避難行動要支援者に寄り添う安心・安全で確実な避難、避難生活の確保が実現されると考えます。
そこで、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定する防災介助士の育成と普及について提案いたします。
防災介助士とは、地震や台風をはじめとする災害について理解し、災害への備えや災害時に取るべき適切な行動を学び、それらを実践する技術を身につける。あわせて、高齢者や障害者などの支援、配慮が必要な方々への対応に焦点を当てていることが特徴である民間資格です。防災介助士は、災害や防災におけるバリアフリーやユニバーサルデザインを実現するための人材とされています。
災害時において誰一人置き去りにしないインクルーシブな防災を目指し、避難支援を必要とする方々の理解を相互に深めていくことにより、地域の支え合いによる安心・安全な地域づくりに取り組んでいくことが重要です。
本市では、これまで防災士の育成に取り組まれてきたところですが、今後、防災介助士の育成や普及についても必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、地震被害の対応についてお伺いいたします。
今回の地震の原因について、東京大学地震研究所の古村所長は、地下の水が断続的な群発地震を誘発し、それによって活断層がずれを起こした。今後、周辺の活断層が刺激を受けて大規模な地震を引き起こす可能性があり、富山県も最大限の警戒が必要だと強調されています。そして、太平洋側の南海トラフなどがよく注目されるが、日本海側にも活断層はたくさんある。予測能力がいくら進歩しても、耐震基準を満たしていない家に住んでいては意味がない。いま一度、家や家具の状況を見直してほしい。安全な空間が確保されることで科学の力も最大限生かされるはずだとも述べておられます。
また、複数の研究機関で
能登半島地震の余震の解析がされており、その数値を基に地下気象研究所では、今後、最大余震マグニチュード6.5程度が発生することが否定できないとしておられます。
このことを念頭に置きながら、以下、質問をいたします。
今回の地震は、安政5年(1858年)4月9日に起きた飛越地震以来で、当時の記録によりますと、富山城の本丸や二の丸の石垣が崩れたり、土橋が潰れたりするなど、甚大な被害があったとされています。
そして、今般の地震においても、現在の富山城、城址公園及び松川公園においても地震は大きな爪痕を残しました。城址公園は本市のランドマークとして富山県を代表する公園であり、市民の皆様の関心も高く、本市の復旧・復興を象徴する上でも着実に災害復旧事業を進めていただきたいと考えています。
そこで、この城址公園の被災状況と今後の復旧についてお伺いいたします。
また、この城址公園に隣接し、本市中心部を流れる松川の岸辺を散策できるよう整備されている松川公園は、まちなかの貴重な水辺空間として日頃市民の皆様の憩いの場として大変親しまれています。特に桜が咲く時期には県内外から多くの観光客が訪れる本県を代表する桜の名所です。
しかしながら、今般の地震で松川公園も大きな被害を受けており、市民の皆様から今年は松川べりの桜を楽しむことができないのかと不安の声も聞かれます。
そこで、松川公園の被災状況と今後の復旧についてお伺いいたします。
今回の地震により、各地で大切に継承されてきた民俗芸能や伝統工芸などにも大きな被害が生じていると報道されています。私は常々、災害が起こってもなお人々の心を支え、未来への希望をつなぎ、地域を再生していく上で伝統文化や芸術の果たす役割は大きいものと考えています。
災害時における伝統文化や芸術への支援について本市ではどのように考えているのか御所見をお伺いいたします。
能登半島は伝統工芸産業が盛んで、中でも輪島塗は実用性と美しさを兼ね備えた漆器として全国的にも人気があります。その輪島塗の工房でも多くの被害が出ているとの報道があります。隣県を代表する伝統工芸が存続の危機に直面している中で、本市としても何かできることはあるのではないかと感じております。
そこで、輪島塗再建に向けた支援についてお伺いいたします。
次に、観光・交流のまちづくりについてお伺いします。
JR富山駅に県と共同で総合案内所及びとやま観光案内所が設置され、一体的に運営しながら、県内外や外国からの観光客に対して観光案内や宿泊施設等の紹介、二次交通の案内など、きめ細やかなサービスが提供されています。令和4年度の利用実績は、両施設合わせて16万5,636人となっています。
新型コロナウイルス感染症の五類への移行により、県外からの観光客、インバウンドも徐々に増えてきているように感じていましたが、今回の地震によって観光産業にも大きな被害が出ています。富山市の魅力をしっかりとアピールし、観光客の勢いを取り戻し、都市間競争に臨んでいかなければならないと考えています。
そうした中、富山湾で取れた新鮮で多彩な海の幸を使ったおいしいすしを手軽に味わえることから、そのことをテーマとしてアピールし、誘客につなげる「すしのまちとやま」ブランド化事業を展開されています。そのPR方法について、富山市観光協会ホームページやSNSを活用され、SNSフォロー&リポストキャンペーンなどが展開されていました。
そのようなキャンペーンによりどのような成果が得られたのか、また、来年度どのように「すしのまちとやま」ブランド化事業を実施されるのかお伺いします。
北陸新幹線敦賀延伸については今月16日と目前に迫ってきていますが、JR西日本等により様々な媒体でPRされてきており、先日も新たなテレビコマーシャルが公開され、日増しに北陸への交流促進の期待が高まってきています。
また、今年秋にはJR6社と北陸3県、旅行代理店等による北陸デスティネーションキャンペーンが予定され、さらに北陸への観光について注目が高まると期待できます。
こうした機会を生かして本市への誘客を図ることが必要と考えますが、その取組についてお伺いいたします。
令和4年度に県内で開かれた学会や大会など、コンベンションの開催状況は前年度の1.7倍の110件、参加者数が29倍の3万1,000人余りとなっており、コロナ禍前の令和元年度には及びませんが、大きく回復してきています。
その中でも、コロナ禍で中止や延期となっていた参加者1,000人以上の大規模学会や国際会議も開催されたことで、県外及び国外からの参加者数は約5倍に急増しています。令和5年度にはG7富山・金沢教育大臣会合が開催され、先進7か国から訪れた要人やマスコミなど、世界に向けて本市のアピールができました。
本市は、コンベンションを誘致するため、開催者への支援に取り組んでおられます。コンベンションの参加者は、一般的な観光客と比べ滞在時間が長く、宿泊や飲食、交通、観光などへの支出が大きく、コンベンションの開催は地域への高い経済効果が期待でき、さらなる誘致に向けた取組が必要と考えます。
本市における令和5年度のコンベンションの開催状況及びコンベンション振興のための取組について見解をお伺いします。
とやまイメージアップ事業として、本市では、平成26年3月からANAグループとシティプロモーションを推進する目的で協定書を締結して以来、ANAの現役キャビンアテンダント1名が地域づくりマネージャーとして常駐派遣され、ANAのブランド力やネットワークを活用してプロモーション事業を展開してこられました。現在も1名が派遣されていますが、企業で培われた知見や経験を生かしてどのような活動をされているのか、また、これまでの活動について市はどのように評価されているのかお伺いいたします。
牛岳エリアでは、観光客を見込み、旧山田村時代に積極的に施設整備が行われました。現在では、牛岳温泉スキー場をはじめ、温浴施設の牛岳温泉健康センター、オートキャンプ場「きらら」などの営業が続けられていますが、施設の老朽化が進む中、運営費等の持ち出しが多くなってきています。また、利用者の減少や施設の老朽化に伴い、現在、宿泊施設の牛岳ハイツ及びレストハウスのてんころの館が休館となっています。
今年度は、牛岳エリア活性化の観点から、これらの施設について管理や改修、新たな施設整備の可能性など、魅力向上に資する牛岳温泉スキー場及び周辺施設再整備基本構想を策定されると聞いております。
この基本構想における施設利活用の基本的な方向性と今後の取組について市長にお伺いをいたします。
また、牛岳温泉スキー場に関心と親しみをもっと多くの人に持ってもらえるようキャッチコピーを採用したらよいと考えますが、見解をお伺いいたします。例えば「ビューティフル牛岳で恋を!アクティブ牛岳で青春を!」。
次の質問に入ります。
ガラスの街とやまに関する広報活動について伺います。
新型コロナウイルス感染症が五類に移行したことを機に、富山市ガラス美術館でも客足が戻り、富山ガラス工房でも富山ガラスの売上げが回復しつつあると聞いています。
本市では、これまでも様々な媒体を使ってガラスのまちづくりの魅力を発信されてきましたが、社会が平常を取り戻しつつある今、改めて、本市が30年以上にわたって取り組んでこられたガラスを通じた本市の魅力発信、誘客効果を期待したいものであります。
そこで、今回ガラスの街とやまのPR動画を作成された狙いと今後の活用についてお伺いいたします。
また、富山ガラスは最近、富山ガラス工房のオンラインショップをはじめ、売上げが好調ですが、実際に作品を見て購入を決めたいお客さんにとっては、富山ガラス工房の店舗以外には富山市ガラス美術館のミュージアムショップで一部の作品を見られる程度で、観光客が富山ガラスの実物を目にする機会が少ないのが現状ではないでしょうか。
そのような中で、このたび富山空港にガラスのPRブースを設置されましたが、改めて、富山空港にガラスのPRブースを設置された狙いと今後の展開についてお伺いいたします。
最後に、多文化共生のまちづくりの推進についてお伺いいたします。
新聞報道によれば、県内の外国人住民数(2024年1月1日現在)は101か国2万1,917人となり、初めて2万人を超え、県の総人口の2.2%に当たり、2年連続で過去を更新したそうです。最多はベトナムの5,462人(658人増)で、24.9%、市町村別では、富山市が8,444人で874人の増でした。
また、県におかれては、富山県外国人材活躍・多文化共生推進連絡会議が本年2月20日に開催され、令和6年
能登半島地震での県内在住外国人に対する対応や推進プランの改定について意見交換が行われました。
本市においても多文化共生のまちづくりに取り組んでおられますが、これまで取り組んでこられた事業内容、その評価及び今後の展開についてお伺いいたします。
また、外国人同士が知り合い、交流するきっかけとなる事業等の現状や方向性についてお伺いいたします。
以上で質問を終わります。
51 ◯ 副議長(高田 真里君)
藤井市長の答弁を求めます。
〔市長 藤井 裕久君 登壇〕
52 ◯ 市長(藤井 裕久君)
高田 重信議員の質問にお答えします。
私からは、観光・交流のまちづくりについてのうち1点にお答えし、その他の事項については担当部長から答弁を申し上げます。
観光・交流のまちづくりの中で、牛岳温泉スキー場及び周辺施設再整備基本構想における施設利活用の基本的な方向性及び今後の取組についての見解でございますが、牛岳温泉スキー場及び周辺施設は、昭和46年に旧山田村による村営スキー場として開設された後、牛岳温泉健康センターやオートキャンプ場「きらら」等が開業し、市民のレクリエーションや健康増進に資する施設として長年親しまれてまいりましたが、近年では、少子・高齢化やレジャーの多様化に伴う利用者数の減少、施設の老朽化などが懸案となっておりました。
このため、本市といたしましては、これらの施設を単独ではなく、地域を全体的に俯瞰したエリアマネジメントの観点から検討を進めることが重要であると考え、本年度、再整備基本構想の策定を進めてきたところでございます。
その策定に当たっては、まず、施設の利活用の方向性について地元の方々によるワークショップや全国のスキー場及びキャンプ場などを手がける民間事業者へのヒアリングを行い、どのような形が望ましいのか検討を行ってまいりました。
また、施設の現状を把握する必要があることから、建築や機械設備等に関する詳細な調査を行ったところ、多くの施設が広範囲に大変劣化していることが判明をいたしました。
こうしたことを踏まえ、再整備基本構想においては、牛岳周辺エリアを、グリーンシーズンは頂上から眺望が楽しめる場所、スノーシーズンはウインタースポーツが楽しめる場所と位置づけ、ファミリー層を中心に「誰もが集い、富山を見渡せる場所」をコンセプトに、官民連携、集客向上、通年活用を再整備の柱に、一定程度公共による整備費等の負担も行いながら、レクリエーションや癒やし、にぎわい創出機能を有したエリアを目指すこととしております。
また、観光レクリエーション施設は、民間事業者が比較的参入しやすい分野であることから、事業者ができるだけ自由な裁量権を持つことができる運営手法の導入を検討してまいりたいと考えてございます。
今後の取組といたしましては、この基本構想に基づき、既存施設の活用方法やその実現の可能性、地域との関わり方等について経験やノウハウを持つ事業者にサウンディングを行い、民間事業者の参入条件等を見極めながら事業者を募集した上で、令和9年度を目途として運営開始を目指してまいりたいと思います。
私もこの牛岳温泉スキー場で本格的にスキーを始めたわけでありますが、それから行ける年は毎年行くようにしております。夏はカブトムシだとかミヤマクワガタだとか、本当にオールシーズンを通して大自然にふれあえる大変貴重な自然を持ったエリアだというふうに思っていますので、何とか中興を果たしてまいりたいなと思っております。一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
以上です。
53 ◯ 副議長(高田 真里君)
前田企画管理部長。
〔
企画管理部長 前田 一士君 登壇〕
54
◯ 企画管理部長(前田 一士君)
第2次富山市総合計画後期基本計画のネクストステージ重点プロジェクトについて2点の御質問がありました。
初めに、ネクストステージ重点プロジェクトが創設された経緯についてお答えいたします。
平成29年度からの5年間を計画期間とする第2次富山市総合計画の前期基本計画では、選択と集中により優先的に取り組む事柄をリーディングプロジェクトと定め、人口規模の維持・拡大、災害に強く回復力のあるまちづくり、そして、持続可能な都市構造への展開の3つのテーマを位置づけておりました。
お尋ねのありました前期基本計画に続く令和4年度からの後期基本計画では、前期基本計画におけるリーディングプロジェクトに代わるものとしてネクストステージ重点プロジェクトを設定し、スマートシティの構築、地域を担うひとづくり、循環型社会づくりの推進など、7つの重点テーマを位置づけたものであり、これらのテーマに基づき、包括的かつ優先的に各種事業を展開することにより実効性のある持続可能なまちづくりを推進することを目指しているところであります。
次に、現在の進捗状況をどのように捉え、今後どのように展開するのかにお答えいたします。
今年度は後期基本計画の2年目に当たることから、現時点で進捗状況を把握するまでには至っておりませんが、今後、総合計画のローリングを実施する中で重点プロジェクトに位置づけたテーマごとの達成状況などについても確認してまいりたいと考えており、大変厳しい財政状況の中ではありますが、引き続き総合計画後期基本計画に位置づけた各種事業の着実な推進に努めてまいります。
次に、地震被害の対応についてのお尋ねのうち、災害時における伝統文化や芸術への支援についてどのように考えているのかにお答えいたします。
民俗芸能や伝統工芸などの伝統文化は、時代や世代を超えて受け継がれてきたものであり、音楽や演劇などの芸術とともに人々が心豊かな生活を送る糧となり、社会に潤いをもたらす大きな原動力となるものであります。
このことから本市では、これまでも地域の伝統芸能や文化活動に対して支援を行ってきたところでありますが、地震などの災害によってこれらに甚大な被害等が生じた場合には、その復興や再生に向けて必要な支援を行うことは行政の重要な役割であると考えております。
次に、観光・交流のまちづくりについてのお尋ねのうち、地域づくりマネージャーは企業で培った知見や経験を生かしてどのような活動をしているのか、また、これまでの活動についての評価についての御質問にお答えいたします。
本市は、平成26年3月にANAグループとの間でシティプロモーション推進に関する協定を締結しており、本市への地域づくりマネージャーの派遣はこの連携協定に基づく取組の一環として実施されているものであります。
平成26年4月以降、これまでに本市へ派遣された方は計5名に上っており、いずれの方もキャビンアテンダントとして国内や海外の各都市を訪問した経験を有する方々であり、地域づくりマネージャーとして本市に常駐する間、自ら市内各地を巡り、本市の食や自然、文化などにじかに触れることで新たな魅力の発掘や国内外にPRできる素材を選抜し、各方面に発信するなどの活動を担っておられます。
また、派遣期間が終了した後も富山のファンとして様々な形で富山を応援いただいており、こうした地域づくりマネージャーの活動は本市の認知度やイメージの向上に大いに寄与しているものと考えております。
次に、ガラスの街とやまに関する広報活動について2点のお尋ねがありました。
最初に、ガラスの街とやまのPR動画を作成した狙いと今後の活用についてお答えいたします。
およそ30年にわたりガラスのまちづくりに取り組んできた本市は、富山ガラスを県内外に向けてより効果的に発信し、一層の認知度向上を図るため、今年度、一般財団法人富山市ガラス工芸センターとの連携により新たなPR動画を制作し、本年1月下旬から各方面でこれを用いた富山ガラスのPRに努めております。
この動画は、特に幅広い年齢層の女性から支持されているタレントのはなさんが、市内のガラス関連施設や飲食店などを訪れながらガラスの街とやまの魅力を紹介する内容となっており、既に富山ガラス工房の公式ユーチューブチャンネルに掲載されているほか、富山市ガラス美術館や富山空港施設内で放映されるなど、不特定多数の方々の目に留まるよう活用が図られているところであります。
次に、富山空港にガラスのPRブースを設置した狙いと今後の展開についてお答えいたします。
富山ガラス工房が長年にわたる研究開発により完成させた全5色のオリジナル色ガラス「富山曼荼羅彩」やラグジュアリーブランドとして開発した富山アイコニックなど、世界でここにしかない富山独自の質の高い作品の制作並びに広報活動によって、近年、富山ガラス工房の商品の売上げが伸びており、特にコロナ禍以降、オンラインショップでの販売が順調に推移しております。先ほど議員からも御紹介をいただきました。
一方で、富山市ガラス美術館のミュージアムショップ以外、富山駅周辺や中心商店街などで富山ガラスを専門に取り扱っている店舗等がないことから、富山を訪れた観光客などに富山ガラスを実際に手に取って購入いただく機会が限られている現状にあります。
このような中、富山空港ターミナルビル株式会社からビル2階にある遊休スペースの利活用について打診があり、市では、富山空港を利用して国内外から富山を訪れる方々に富山ガラスの魅力をPRするため本年1月下旬からガラス作品を展示、紹介するブースを出展しており、このブースでは富山アイコニックなどのほか、地元作家の作品を常時約30点展示、紹介しております。
今回、富山空港でのブースを開設できる期間は本年5月中旬頃までの期間限定でありますが、今後は富山空港以外に富山駅周辺の商業施設などでも富山ガラスの展示、紹介ができるスペースを確保できないか検討してまいりたいと考えております。
次に、多文化共生のまちづくりの推進についてのお尋ねがありました。
初めに、これまで取り組んできた事業内容、その評価及び今後の展開についてお答えいたします。
日本人のみならず、外国人の方にとっても暮らしやすく住みやすい多文化共生社会を実現するには、国や県などの行政機関や企業・団体、市民などが十分に連携・協力を図りながら取り組む必要があります。
こうした中、本市ではこれまで、1つに、富山駅前CiCビル3階に富山市国際交流センターを設置し、このセンターが中心となって国際社会への市民の理解促進や市民による国際交流活動の推進を図ってきたほか、外国人住民への生活情報ガイドブックなど、暮らしに役立つ情報の提供、外国人留学生への国民健康保険料の一部助成、市民レベルでの国際交流や国際協力活動を行う富山市民国際交流協会の活動に対する支援など、様々な取組を継続的に行ってまいりました。こうした本市のこれまでの取組への評価については、今後、市民意識調査などを通じて把握することなどを検討してまいりたいと考えております。
本市といたしましては、今後とも、国や県などの関係機関や企業・団体、市民との連携・協力を図りながら、国籍や文化、生活習慣の違いなどに関係なく、互いを認め、尊重し、助け合いながら共に暮らしていける多文化共生社会の実現に一層努めてまいりたいと考えております。
最後に、外国人同士が知り合い、交流するきっかけとなる事業などの現状や方向性についての御質問にお答えいたします。
本市で暮らす外国人が参加し、外国人同士、また、外国人と日本人が交流するイベントとしては、富山市民国際交流協会の主催による国際交流フェスティバルや新春国際交流のつどいなどが挙げられます。
国際交流フェスティバルについては、コロナ禍を経て、昨年11月に4年ぶりに開催され、会場となったオーバード・ホールの中ホールにはおよそ1,300人が来場されました。会場内は、中ホールの最大の特徴でもある客席を収納し、平土間空間に切り替えた状態の中、海外20か国の紹介ブースが設置され、多くの外国人が自国や自身の活動を紹介したり、他国のブースを巡って対話を楽しんだりしている様子が見られました。
また、今月24日(日曜日)には、本市が富山市民国際交流協会及び富山市民文化事業団と連携し、富山駅南北自由通路や南口駅前広場において世界の音楽やダンス、食などをテーマとした国際交流イベント、TOYAMA WORLD FESTIVALを国際的なダンサーであるケント・モリ氏を迎えて開催することとしており、国籍を問わず、多くの方々にぜひ御来場いただきたいと考えております。
こうした国籍や言語、文化や生活習慣の違いを越えて、本市に住む住民同士が互いにふれあい、理解し合える機会を設けることは、多文化共生を推進する上で大変重要であり、今後も富山市民国際交流協会などと十分に連携しながら交流機会の創出に努めてまいります。
以上でございます。
55 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
〔防災危機管理部長 中村 敏之君 登壇〕
56 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
私からは、防災介助士の普及について、防災介助士の育成や普及についてお答えいたします。
大規模災害発生時においては、行政による救助や救援には限界があることから、要介護認定や障害認定を受けた方、独り暮らし高齢者などの避難行動要支援者の安否確認や迅速な避難のためには、何より自助、共助の取組が重要であると考えております。
このことから本市では、避難行動要支援者があらかじめ避難先や避難の際の支援者を決めておく個別避難計画の作成を勧奨するとともに、情報提供に同意された避難行動要支援者の名簿を民生委員や町内会長、自主防災組織等の地域の関係者へ共有するなど、自助、共助の取組に基づいた支援を実施しているところであります。
地域で自助、共助の取組を推進していくためには、地域の防災活動を支えるリーダーの確保が不可欠であることから、本市では、県の取組に呼応する形で防災士養成研修講座の受講料の自己負担費用について支援を行うとともに、富山県防災士会と連携して地域の防災リーダー研修を実施するなど、防災士の普及、育成に努めているところであります。
これらのことから、防災介助士の普及や育成につきましては現在のところ考えておりませんが、防災介助士を確保することが自助、共助の取組や避難行動要支援者の個別避難計画の策定に資するものであるかについて、国や県、他自治体の動向にも注視しながら調査・研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
57 ◯ 副議長(高田 真里君)
狩野建設部長。
〔建設部長 狩野 雅人君 登壇〕
58 ◯ 建設部長(狩野 雅人君)
私からは、地震被害の対応についてお尋ねのうち、初めに、城址公園の被災状況と今後の復旧について問うにお答えいたします。
城址公園の被災状況につきましては、1つに、国際会議場前の西堀の護岸が崩れ、土砂が堀に流出し、この影響による中央トイレの傾きや周辺の地割れなど、2つに、西堀に面している石垣の一部にずれやはらみ、天端部の地割れ、3つに、公園南側の国際会議場側から本丸へ至る土橋の石張り舗装のずれ、4つに、公園北側の景雲橋や松川に架かる七十二峰橋のたもとのタイル割れや段差、5つに、公園中央の芝生広場の周辺園路や公園西側の観光バス駐車場などの舗装のひび割れや段差、そのほか、園内各所で地割れや段差、石碑の倒壊などが発生しております。
このことから、本年1月補正や2月補正、令和6年度当初予算において災害復旧に係る経費を計上しており、既にできるところから復旧工事に取りかかるとともに、西堀護岸などの復旧設計や石垣調査などの業務を進めております。
次に、城址公園の復旧見通しにつきましては、土橋や公園西側の観光バス駐車場、園内各所の細かな地割れ、段差などについては本年の夏前をめどに復旧したいと考えており、さらに、西堀の護岸や中央トイレ付近、芝生広場周辺園路、南西広場の復旧については来年3月までに完了させたいと考えております。
また、西堀に面している石垣につきましては、専門家に確認したところ、今すぐに崩れるような状態ではないと考えられるが、石垣の動きを監視する装置を設置し、変状や変化を確認したほうがよいと思われるとの御意見をいただいており、当分の間はモニタリングを継続し、石垣の状態を観察してまいりたいと考えております。
次に、松川公園の被災状況と今後の復旧について問うにお答えいたします。
松川公園の被災状況につきましては、城址公園西側のすずかけ通りに架かる安住橋から城址公園東側の城址大通りに架かる塩倉橋までの県庁沿いの区間において地割れや隆起などによる舗装のひび割れや液状化による陥没などで園路が大きく損傷し、現在、この区間の約300メートルを立入禁止としております。このほか、塩倉橋から桜橋電車通りの桜橋までの区間においても園路の一部が損傷しております。
松川公園の被災箇所につきましては、公園部分と並列する市道や松川の護岸も被害を受けていることから、国の災害認定を受けながら、これらの災害復旧工事と連携して対応することとしております。
本市では現在、この市道の復旧工事を実施しており、その後、県において松川護岸の復旧を行い、この復旧の後に護岸の上部に当たる松川公園の園路の復旧を行う計画としております。
このことから、松川公園の安住橋から塩倉橋までの区間の復旧見通しにつきましては来年3月までを見込んでおり、市民の皆様には御不便をおかけいたしますが、本市といたしましては、県とも連携を図りながら全力を挙げて災害復旧事業に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
59 ◯ 副議長(高田 真里君)
山本商工労働部長。
〔商工労働部長 山本 貴俊君 登壇〕
60 ◯ 商工労働部長(山本 貴俊君)
私のほうからは、地震被害の対応についてのお尋ねのうち、輪島塗の再建への支援について問うにお答えいたします。
輪島塗は、1つの商品を塗り上げるまでに120以上の工程を手作業の分業制で制作されており、丁寧な塗りや繊細な加飾が魅力的な国指定の伝統工芸品であります。
今回の
能登半島地震により輪島漆器商工業協同組合の組合員の各事業所が焼失したことや、制作に要する資材の不足や道具を失ったことにより輪島を離れる人もいらっしゃるとのことで、分業体制が機能しづらくなっているとお伺いしております。
このような丁寧な工程を経て商品を制作される輪島塗の伝統の技を絶やさぬためには、その再建に向けてどのような支援が可能か、現在、本市としての支援の在り方について検討しているところであります。
当面は、輪島塗の魅力に触れる機会を多くの方に提供することが輪島塗のPRや販路拡大につながることから、本市が大都市圏で開催する観光物産展や中心市街地で開催するデザイン展に輪島塗のPRブースを設けることも効果的と考えておりますが、輪島漆器商工業協同組合などの皆さんの御意見もお聞きしながら、産地の皆様に寄り添い、支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、観光・交流のまちづくりについてのお尋ねのうち、まず、SNSフォロー&リポストキャンペーンなどによりどのような成果を得られたのか、また、来年度どのように「すしのまちとやま」ブランド化事業を実施するのかにお答えします。
「すしのまちとやま」ブランド化事業では、昨年12月1日から市内のすし店やますずし店を紹介するホームページを公開し、個々の店の情報を幅広く周知するためSNSのXを活用したキャンペーンを実施してまいりました。その第1弾として、昨年12月4日から本年1月8日までの間実施したSNSフォロー&リポストキャンペーンでは、2,226件の応募があり、第2弾の本年1月15日から2月18日までの間実施したSNSフォロー&投稿キャンペーンでは、推しの店舗やすし種など、66件の応募に加え、投稿ページがユーザーに表示された回数は約62万回に上るなど、非常に多くの方に拡散されたものと考えております。
お尋ねのキャンペーンの成果といたしましては、昨年12月1日から本年2月18日までの2か月半でのホームページへのアクセス数が約2万回となっております。地域別の内訳では、富山県に次いで、東京都、大阪府、愛知県などの都市圏から多くアクセスがあり、年代別では、男女ともに20代後半から40代前半の方が全体の半数以上を占めるなど、比較的若い年代に興味を持っていただき、SNSを活用した効果があったものと考えております。
新年度の取組といたしましては、ホームページやSNSにおいて旬な魚やすし種などの情報を週1回のペースで発信するとともに、セントラム等をすしのデザインにラッピングし、11月1日のすしの日に合わせて運行するなどの所要額を本定例会に当初予算案として提案しており、すしの消費意欲の拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
また、インフルエンサー等を活用しながら、すしに関連する動画を制作、配信することで継続的に話題を提供する取組を実施するなど、より効果的なPRを行ってまいりたいと考えております。
次に、北陸デスティネーションキャンペーン等を生かして誘客を図る取組について問うにお答えします。
北陸新幹線敦賀延伸を契機とした誘客を図るため、本年2月17日、18日に東京駅構内において金沢市、福井市と連携し開催したかがやきの北陸観光&物産展では、特別舞台として実施したおわら演舞に多くの方々にお立ち寄りいただくとともに、物産販売についても用意したますずしが2日とも完売するなど、
能登半島地震からの復興支援の動きも相まって、北陸観光に対する注目度が高まっていると実感しております。
そして、本年秋にはJR6社と北陸3県等による日本最大規模の観光キャンペーン、北陸デスティネーションキャンペーンの開催が予定されており、平成27年の北陸新幹線開業時にも好評であったキャッチフレーズ「「Japanese Beauty Hokuriku」~日本の美は、北陸にあり。~」を引き継ぎ、美観、美食といった美をテーマとした取組が実施されますことから、今後、様々なメディアを通じて北陸が取り上げられる場面が増えてくるものと予想しております。
こうしたことから本市では、この機会を捉え、本市の魅力を全国に向けてPRすることはもとより、敦賀延伸によりアクセスが向上する中京圏や関西圏をターゲットとし誘客を図ることが重要であると考えておりますことから、この夏には、人流が多く、PR効果の高いJR大阪駅において金沢市、福井市と連携した3市合同でのPRイベントを行うとともに、秋には富山広域連携中枢都市圏の5市町村による大阪市の天神橋筋商店街での共同PRを実施することとし、所要額を本定例会に当初予算案として提案しております。
本市といたしましては、こうしたキャンペーンによる盛り上がりを一時的なものとしないよう、県や周辺都市、関係団体等と連携しながら、引き続き本市並びに北陸への観光客誘致拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市における令和5年度のコンベンションの開催状況及びコンベンション振興のための取組について問うにお答えします。
コンベンションの開催は、議員御指摘のとおり、宿泊業にとどまらず、飲食業、土産品等の販売業など、幅広い業種に経済効果をもたらすとされており、令和元年度の富山コンベンションビューローの調査によりますと、コンベンション参加者の県内での宿泊数は平均2.7泊、平均消費額は、食費やお土産代なども含め、6万8,592円となっております。
また、コンベンションへの参加を機に本市が有する食や文化を体感していただくことは、本市の認知度を高め、シティプロモーションの取組にもつながるものと考えております。
このことから本市では、コンベンションやスポーツ大会の開催に対し補助制度を設けているほか、県及び富山コンベンションビューローと連携したきめ細やかな情報提供、さらには、アフターコンベンションのためのタクシー助成事業などの取組を進めてきたところであります。
お尋ねの令和5年度の本市でのコンベンションの開催状況につきましては、富山国際会議場をメイン会場としたG7富山・金沢教育大臣会合をはじめ、9件の国際会議が開催されたこともあり、令和6年2月末時点でのコンベンション開催事業補助金の申請による推計参加者数は約2万8,000人、うち県外参加者数は約2万2,500人、対前年度比で145.3%となっており、コロナ禍前の水準には達しないものの、国内外から本市を訪れる参加者が回復傾向にあるものと認識しております。
さらに本市では、こうした動きを後押しするため、新年度から文化・スポーツ大会、合宿等を誘致する地元団体に対する奨励金制度を創設することとしているほか、大会や合宿の参加者がますずしの手作り体験など、本市ならではの特色ある体験プログラムへの参加費の一部を助成することも予定しており、所要額を本定例会に当初予算案として提案しております。
本市といたしましては、コンベンション誘致によりさらなる交流人口の拡大を図るとともに、コンベンションの開催地として選ばれる都市を目指してまいりたいと考えております。
最後に、牛岳温泉スキー場にキャッチコピーを採用することについて見解を問うにお答えします。
牛岳温泉スキー場は、頂上から美しい富山湾と富山平野が眼下に広がり、立山連峰までを一望できるすばらしい眺望を有し、昨年4月には新たに「立山あおぐ特等席」に追加され、スキー場のホームページでも眺望日本一のスキー場としてPRしております。
お尋ねのキャッチコピーについては、その地域ならではの環境やイメージ、地域資源を短いフレーズで表現するものであり、地域に住む方々の誇りを端的に表し、見た方が思わず訪れるきっかけになるものと考えております。
議員御提案のとおり、多くの方がスキー場に関心や親しみを持ってもらえるようキャッチコピーを策定することは効果的な取組であり、例えば将来を担う山田小・中学生からのキャッチコピーの募集や、今後、官民連携で検討を進める牛岳エリア活性化の取組において山田地域の住民の方々から御意見をいただくことなど、様々な方法があるものと考えております。
本市といたしましては、再整備基本構想に基づき整備を行う際に、地元住民の方々とも相談しながら、キャッチコピーについても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
61 ◯ 副議長(高田 真里君)
これで高田 重信議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
19番 押田 大祐君。
62 ◯ 19番(押田 大祐君)
自由民主党より一般質問及び議案の質疑を行います。
元日に令和6年
能登半島地震が発生し、富山県では初めて震度5強の揺れを体験しました。私は富山市の海際の小学校区に住んでおり、地震発生当時はすぐ近くの小学校に避難しましたが、元日の午後5時前ということ、地震発生から1時間もたたないこともあり、まだ避難所である校舎の鍵は開いていませんでした。
今回の地震では、避難所の開設に関して多数のメディアで取り上げられています。それだけ震災時の避難については市民の関心が高い内容であったのだろうと思うところです。
そこでまず、災害時の避難所開設について伺います。
今回の地震では、災害直後に避難所に向かったが避難所が開いていない、鍵はどこにあるのだ、誰が鍵を持っているのだとの市民の声が多く上がりました。
まずは、避難所開設について、市が指定する第1次避難所の鍵は誰が持っているのか、また、誰が避難所を開錠するのかお伺いいたします。
63 ◯ 副議長(高田 真里君)
当局の答弁を求めます。
中村防災危機管理部長。
64 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
自由民主党、押田議員の御質問にお答えいたします。
地震や津波の発生時における避難所開設について、順序立てて説明させていただきます。
まず、避難指示の発令を行う際は、災害対策本部を設置いたします。災害対策本部は、富山市地域防災計画において、1つに、震度5弱以上の地震が発生したとき、2つに、大津波警報が発表されたときを基準として設置することとしております。
次に、避難所を開設する際には、災害対策本部から
地区センター班要員へ避難所の開設準備を行うよう指示します。
地区センター班とは、地区センターを1つの地区単位とした現地情報の集約拠点であり、区域内で市民への情報発信や避難所を開設した場合に災害対策本部との連絡調整及び対応を行う役割があるため、迅速な参集や土地カン等を考慮し、4月の人事異動後、速やかに、できる限り近隣の職員とすることを基本として要員を指名しております。
市の
避難所運営マニュアルでは、
市指定避難所の開設は市職員、つまり、今ほど説明いたしました
地区センター班要員としており、施設の開錠も原則、市職員が行うこととしております。
また、各避難所の鍵につきましては、基本的には各
地区センター班要員が施設側から鍵をお借りし管理しているところでありますが、施設側の事情により
地区センター班要員側で管理することが難しい場合には、鍵を管理している学校開放運営委員会や自治振興会等の方から鍵を都度お借りして開錠することとしているところもあります。
65 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
66 ◯ 19番(押田 大祐君)
班体制を組んで対応されていること、そのほか理解いたしました。
先日、富山市では市内全79自治振興会を対象にしたアンケートの結果報告がなされましたが、こちらでも鍵の問題について25件の課題や改善提案があったそうです。恐らくは一刻も早く避難所を開けてもらいたいという内容と認識しています。
では、市では各避難所をどのぐらいの時間で開設するものと想定しているのかお伺いいたします。
67 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
68 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
災害の種類や時間帯、曜日、天候など、様々な条件に加え、職員自身や家族が被災することや、参集途上の道路や橋梁の損傷によるリスクを回避する必要があること、さらには、施設ごとの安全確認等に要する時間も一律ではないことから、時間の設定はしておりません。災害対策本部からの指示後、あくまでも市職員としての使命感によって速やかな開設に努めているところであります。
なお、
地区センター班要員の選定に当たっては、地区センター所長及び近隣に居住する市職員を指名し、徒歩または自転車で概ね30分以内に参集できる職員とすることを指名する上での目安としているところであります。
この30分という目安につきましては30分後に避難所を開設するという時間ではなく、参集前には職員自身の安全確保、参集後には施設内外の安全確認や避難者の受入れ準備を行うための時間が必要となります。
また、富山市議会自由民主党の代表質問でも答弁いたしましたが、地震や津波における避難の目的地は、周辺の家屋の倒壊や火災の延焼などから身を守るための広い空間、すなわち緊急避難場所であって、その後、避難生活が必要になった場合、安全を確認した上で屋内の避難所に移動することが基本であるということについても周知・啓発が必要であると考えております。
69 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
70 ◯ 19番(押田 大祐君)
今回の
能登半島地震では、震源から離れた富山市も地震の発生から僅か3分で津波の第1波が到達しました。また、市の
津波ハザードマップは、呉羽山断層帯を震源とする震度7の直下型地震が起きたら、僅か2分で最大5.5メートル超の津波が来る事態を想定しています。
速やかに、概ね30分目安との答弁でしたが、ここは市民の命を守るための避難所開設、特に沿岸部では1分1秒が生死の分かれ目となるところです。富山市の津波防災の要となる点だと思いますので、今後も十分な対策を講じるべきだと考えます。
さて、次の質問に移ります。
先ほどの答弁では、市は班体制を組み、随時避難所の鍵を開けることとしているそうですが、今回の地震では、各避難所の開設、いわゆる鍵を開けたのは実際には誰が行ったのか、その内訳について伺います。
71 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
72 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
今回の地震により市が把握している避難所95か所を開設した者の内訳につきましては、市職員が57か所、教職員が19か所、学校開放運営委員が7か所、市民が12か所となっております。
先ほども申し上げたとおり、市地域防災計画では、災害対策本部から避難所の開設指示を受けた
地区センター班要員または教職員が開設することとしており、今回の地震は休日で各施設が施錠されている時間帯に発生したことに加え、地震は風水害と違いリードタイムがない災害であることから、避難所を開設する職員よりも避難者が先に到着した避難所が一定程度あった結果であると認識しております。
73 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
74 ◯ 19番(押田 大祐君)
今回の地震における避難所の開設について、最も早く開設した時間と最も遅く開設した時間について問う予定でしたが、
立憲民主市民の会、村石議員が代表質問にて質問なさったので割愛いたします。
先ほども申しましたが、富山市の
津波ハザードマップでは僅か2分で最大5.5メートル超の津波が来る事態を想定しています。一概に2分で津波浸水想定区域を丸のみにするとは思えませんが、沿岸部では1秒でも早い避難所開設を望むところです。
さて、今回は班体制の職員、地区センター所長や職員、学校関係者などが駆けつけることが多かったとの答弁がありました。
しかし、津波警報が発令している中、沿岸部の避難所に駆けつける職員は命がけです。富山市の沿岸部、いわゆる津波による浸水想定区域の近辺の避難所に駆けつけるには危険が伴います。
そこで、開錠する職員が避難所から遠隔地に住んでいる場合、地震発生後に移動することになりますが、道路の亀裂や津波の危険性も想定されます。
避難所開設を担当する職員の安全は確保されているのか、市の見解をお伺いいたします。
75 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
76 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
災害時において、避難所の開設等を担当する職員の行動については、平素から準備をしておくべきことや災害が発生した場合の行動について取りまとめた富山市職員防災ハンドブックを令和2年3月に作成し、職員に配付するとともに、職員用電子掲示板にも掲載しているところであります。
防災ハンドブックでは、勤務時間外の場合における行動として、1つに、自分自身、家族、近隣住民の安全を最優先に行動する、2つに、災害情報の収集に努める、3つに、自分自身や周囲の安全確保を行った後、二次災害の防止に努めると規定しているところであり、今回の地震においては、年末年始の休暇期間中であり、帰省するなどの職員もいる中ではありましたが、参集や避難所開設において概ね適切な行動が取れたものと考えており、参集等において職員がけがをしたという報告は受けていないところであります。
しかしながら、避難所への移動や、施設の安全確認のスキルや知識にはばらつきがあることも事実であります。
このことから、今後とも職員に対する研修や訓練の実施により防災知識や安全意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。
77 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
78 ◯ 19番(押田 大祐君)
安全第一、二次災害防止に努めることはすごく大事だと思います。
基本は班体制、いわゆる避難所に比較的近い職員が班要員として向かうことになるのは分かりますが、実際には地区センター所長らが公務員の責任感として自ら地区センター、避難所に向かわねばと思っていたことと思います。仮に岩瀬地区に住んでいる職員が水橋地区の避難所の開設に向かう場合、津波浸水想定区域の海沿いを走り向かわねばなりません。これは非常に恐怖を感じるところです。
今後の避難所開設については、班体制の在り方と職員の安全に最善を図ることが重要と考えます。
そこで、私は、地域で避難所の鍵を管理できることを認めるべきではないかと考えます。
地区センター班要員がいたとしても、現実的に市職員や教職員だけで開閉するのは難しいことです。今回のように到着が遅れ、住民がパニックになれば、違う危険性も発生します。班の職員がどこにいようとも、地区センター所長がどこに住んでいようとも、すぐに開閉できる仕組みにしたほうがいいと感じております。ぜひ検討の上、改善を願うところです。
さて、避難所の開錠における対策についてですが、避難所の開設は適切に行われたのかから、ガラスを割って避難所に入ったことについての市の見解を問うまでの質問に関しては、昨日、富山市議会自由民主党、鋪田議員が代表質問で大半伺われておりますので、割愛いたします。
さて、私も避難所のガラスを割った当事者ですが、避難者の命の安全を考えると致し方なかったことと思っています。そのときの状況を思い起こしてみれば、津波警報が出ている、富山市には3メートルの津波を予想している、水橋西部地区の海抜は2メートル前後、耐震性があり、少しでも堅牢で高い建物である小学校──避難所避難したいと思うことはごく普通のことと感じています。
東日本大震災で津波を受けた宮城県の閖上小中学校では、地上から屋上まで避難できる階段を設置しています。しかし、鍵はつけておらず、いざというときに外しやすいプラスチックのカバーで覆われているだけですが、これまでいたずら等はないということです。
また、宮崎県の命の丘や高知県の津波避難タワーなど、津波対策の先進地が多数あります。富山市の沿岸部の津波対策や避難所の入り方などには今後の改善が必要と思っていますので、それらを参考に十分検討をお願いいたします。
さて、自治振興会を対象に行ったアンケート報告では、避難所に毛布が届かないなど、寒さ関連が26件、さらに、備蓄品への要望が28件あったと聞きます。
災害時に備えての避難所の備蓄物資についてですが、市の備蓄物資はどのように配備されているのか、次に量的な問題、市の備蓄量は十分と言えるのか、この2問も富山市議会自由民主党の代表質問にありましたので割愛いたします。
富山市では、28か所の備蓄庫に備蓄品を配備して、そこから分配輸送をする方式を取っているとの答弁でしたが、今回の
能登半島地震では道路の混雑によって輸送が遅れ、市民から寒い、遅いとの苦情が相次いだということです。
ちなみに、高岡市では各避難所に備蓄品を配備しているということです。
それでは、富山市では、各避難所に備蓄をしなかったその理由についてお伺いします。
79 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
80 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
備蓄場所につきましては、あらゆる規模や種類の災害を想定し、市内28か所の拠点に備蓄物資を分散配備することで様々なケースに柔軟に対応することのできる備蓄物資の供給体制を構築しております。
今回の地震においては、物資の要請があった避難所と備蓄場所、車両の輸送能力から配送ルートを決定し、大部分の避難所への運搬については概ね想定どおり対応できたものと考えておりますが、一部の避難所からは配送が遅いといった声が上がったと聞いていることから、より効率的な配送方法について、協定締結事業者との連携も含めて検討してまいりたいと考えております。
また、全ての避難所に物資を備蓄することについては、持続可能な防災対策として調査・研究していくとともに、自主防災組織が進める備蓄や家庭内備蓄の促進が何よりも重要であると考えており、今後はこれまで以上に強く啓発してまいりたいと考えております。
同時に、避難所に避難して直ちに避難生活が始まるのではなく、難を逃れるための緊急避難場所で身の安全を確保した後、自宅に戻れない、あるいは自宅が倒壊して食料や物資を取り出せない方が避難所に入り、避難生活が始まりますので、その後、市の備蓄物資が必要となる順序についても広く理解をしていただきたいと思っております。
81 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
82 ◯ 19番(押田 大祐君)
家庭内備蓄は本当に重要だと思いますけれども、私個人としては、そもそも指定避難所に備蓄品がないのが問題ではないかと考えています。大雨にせよ、大雪にせよ、地震にせよ、災害が発生した直後は路面状況が悪く、すぐさまの輸送が困難になるケースは容易に想定できます。少なくとも二、三日は避難所の備蓄でやりくりできる状況でないと、避難所として機能しないのではないかと考えます。
さらに、通信が寸断された場合には、どこにどのくらいの備蓄品を運べばいいのかすら把握が困難になることも想定しておかなければならないと考えます。
改めて、各避難所への備蓄品配備をしておくべきだと思います。この備蓄品に関しましては、先ほども言いましたけれども、各自治振興会のアンケートでも要望が強かった件です。一刻も早く改善されることをお願いいたします。
次に、避難所開設に係る訓練についてですが、市では避難所開設訓練の実施をしていると伺いました。
今回の地震を経験して、避難所開設訓練の実施についてどのように評価をしているのか市の見解を伺います。
83 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
84 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
本市では、市町村合併以降、市職員が発災の連絡を受けてから迅速に各自の配備場所へ参集するための参集訓練を実施しておりましたが、令和4年度から
地区センター班要員や教職員等が避難所の開設をより迅速かつ的確に実施できるようになることを目的に、全ての第1次避難所において避難所開設に係る実践的な内容を盛り込んだ避難所開設訓練を実施してきたところであります。
今回の地震発生時には、多くの
地区センター班要員が参集基準に基づき各避難所へ駆けつけ、おのおの自立して避難所を開設することができていることから、これらの訓練の成果が一定程度発揮されたものと受け止めているところであります。
一方で、津波に関する避難行動の知識不足等により、市職員間でも避難所開設の対応にずれが生じたことや鍵の管理者よりも早く避難所に到達した避難者への対応が発生したことなど、訓練の想定外の事象も生じております。
このことから、今後、今回の地震発生時の避難所開設に係る役割分担や、市職員の災害や避難行動に対する知識やスキルの向上などの課題を整理し、職員研修や避難所開設訓練の実施項目の見直し等を検討してまいりたいと考えております。
85 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
86 ◯ 19番(押田 大祐君)
令和4年度、防災危機管理部が発足したことによりこの訓練が実施されたということだと思います。今回も概ね良好ということで、一定の成果を上げているのだと判断します。
しかしながら、富山市で実際に巨大地震が発生したことを受け、より効果の上がる訓練、より生きた訓練を構築していただいて、市民の安全に努めていただきたいと思います。
今後の防災体制についてに移ります。
先日、北日本新聞の記事に記者の意見として次のことが掲載されていました。災害時は備えていたことしか役に立たないと言われる。何を準備しておき、災害時はどこにどう逃げるのか、道路が渋滞していたらどうするのか、震災の記憶が残っているうちに考えておきたい。まさしくそのとおりで、備えていないとどうにもならないのです。
その備えとして、今回の地震を契機として住民による訓練や自主防災組織の結成の促進を図るべきではないかと考えますが、市の見解を伺います。
87 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
88 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
今回の
能登半島地震の発生を受け、市民一人一人の避難行動や備蓄に対する理解を深めることや災害時の避難所運営などの防災活動の中心的な役割を果たす自主防災組織の結成は、地域防災力の強化を図る上で大変重要であると改めて実感したところであります。
本市では、これまで市民の災害対応力や防災意識を高めることを目的とした富山市総合防災訓練をはじめとする各種訓練や出前講座、富山市公式LINEなどの様々な媒体を用いた情報発信により市民に対する防災啓発を進めてまいりました。
また、自主防災組織の育成や結成を促進するため、災害対応に必要な資機材の購入等に対する支援に加え、自主防災組織を対象とした防災講座や防災リーダー育成研修等の開催、さらには、地域の特性に応じた地区防災計画の策定支援など、様々な取組を積極的に実施してきたところであります。
こういった取組は、市民の災害への感受性が高まっている今だからこそ効果的であるとも言えることから、時期を逃さず、しっかりと取り組んでいくことが必要であると考えております。
こうしたことから本市では、これまでの取組について、より多くの市民に関心を持っていただけるよう周知方法を見直し、充実させていくとともに、今定例会に令和6年度新規事業として提案している防災の手引の作成、全戸配布を行うなど、幅広く防災意識の醸成が図られ、市民による訓練や地域における自主防災組織の結成が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。
89 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
90 ◯ 19番(押田 大祐君)
昨日、藤井市長もおっしゃっておられましたが、備えていたことしか役に立たない、この言葉を忘れずに進めていただきたいと思います。
さて、富山市は広い市です。海、山、里、まちとあるため、災害時にはそれぞれの避難体制、防災対策が必要です。
沿岸部や平野部、中山間地における災害対策や避難所の在り方について住民の意見を広く取り入れてはどうかと思います。昨日も少し触れておられましたが、ここは改めて市の見解をお伺いいたします。
91 ◯ 副議長(高田 真里君)
中村防災危機管理部長。
92 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)
議員がおっしゃるとおり、本市は、都市部から郊外部、中山間地域までの多様な都市構造を持つことから、地震や津波、洪水、土砂災害、雪害など、想定される災害やその被害も地域によって様々であります。
このことから、これまで地震、津波、洪水、土砂災害、内水、ため池の災害別及び地区別に6種類、計137のハザードマップを作成し、必要に応じて対象地域に戸別配布するとともに、計100回を超える防災をテーマとした出前講座や防災士による講座ではそれぞれの地域の特性に応じた内容をお伝えするとともに、全ての第1次避難所で行ってきた避難所開設訓練でも地域の代表に周知し、避難所開設に関する情報の共有に努めてきたところであります。
しかしながら、今回の地震では、自動車を使用した避難や避難所を開設する職員よりも避難者が先に到着し、避難所に入るために窓ガラスを割るといった事態が発生するなど、市と地域住民との認識の違いやコミュニケーション不足があったものと感じているところであります。
このようなことから、自主防災組織の結成の促進はもとより、地域の特性に応じた災害対策や避難所の在り方について出前講座やタウンミーティングなどの場において双方向での意見交換を行いながら、地域防災力の一層の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
93 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
94 ◯ 19番(押田 大祐君)
今回の
能登半島地震は、テレビで見聞きするような遠いところの話ではありません。この富山市も被災地です。自然の力に対して人間の力というものは非常にちっぽけなものですけれども、最低限のこととして命を守ることが重要です。自らの地をよく知る住民らの意見を取り入れて、富山市として市民の命を守ることに全力をもって対応していただきたいと思います。
今度は大規模農地整備に関して質問いたします。
今年1月30日にスマート農業・次世代農業推進セミナーが水橋地区で開催されました。ここではスマート農業の普及・啓発とその事例が紹介されたと伺っています。
水橋地区の国営、県営の農地整備が着実に進んでいるように思いますが、当然富山市は農地整備を基に次世代農業を進めていかなければならないと思います。
まずは、水橋地区における国営、県営の農地整備について、これまでの実施状況と今後のスケジュールはどうなっていくのか伺います。
95 ◯ 副議長(高田 真里君)
金山農林水産部長。
96 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
国営農地再編整備事業につきましては、水橋地区の約460ヘクタールに滑川市及び上市町の一部を合わせた約612ヘクタールの農地を対象に、国が事業主体となり、整備を実施するものです。令和3年度から事業着手され、地元地権者などの合意形成が得られた水橋狐塚や水橋桜木などから工事が始まり、現在、約30ヘクタールの農地整備が進められているところであります。
今後は、令和15年度の事業完了を目指し、引き続き国や県などと連携しながら事業の円滑な推進に努めてまいります。
また、県営農地整備事業につきましては、水橋地区の約187ヘクタールの農地を対象に、県が事業主体となり、整備を実施しているものです。平成27年度の事業着手から令和5年度までの9年間で約158ヘクタールの工事が進められており、現在、進捗率は約85%で、令和8年度の完成を予定しております。
97 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
98 ◯ 19番(押田 大祐君)
国営の農地整備においては、令和3年度に全国で初めて国営農地再編整備事業(次世代農業促進型)として水橋地区が採択されたと伺っております。
ちょっと時間の関係がありますのでこの質問は割愛しますが、この事業には高収益作物、農地の集積・集約、そして、スマート農業の各柱があると伺っています。その中でもスマート農業の導入は日本の農業の今後を担う大きなテーマとして認識しております。
スマート農業の導入は国営圃場水橋地区と県営の水橋エリアも併せて促進していますが、どのようなスマート農業を想定しているのかお聞かせください。
99 ◯ 副議長(高田 真里君)
金山農林水産部長。
100 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
水橋地区のスマート農業は、国営や県営農地整備事業エリアにおいて広く一体的に展開することとしており、1区画最大3ヘクタールとなる農地の大区画化や情報通信環境が整備促進されることから、1つに、大区画農地や広い農道を遠隔操作で自動走行、作業するトラクターやコンバインなどのロボット農機、2つに、水田の水量を調整するために複数の取水口の操作等を一括管理するICT水管理システム、3つに、空中からの病虫害診断を行い、ピンポイントで農薬散布を可能にする農業用ドローンなどの導入を想定しております。
全国有数の大型農地整備において、デジタル技術やデータを利活用した最先端のスマート農業が効率的で高品質な生産を実現し、持続可能で環境負荷の低減にもつながる農業が展開されるものと考えております。
101 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
102 ◯ 19番(押田 大祐君)
この農業にデジタルというのが今まであまり入ってこなかったので驚いておりますが、そのスマート農業にも高規格の通信設備が必要になると思われます。大規模農地の計画がある水橋地区の一部は携帯電話会社の5Gエリアとなっていますが、実質は4Gと同じ周波数帯を利用しているため、4Gと同等の情報通信環境にあります。5Gの携帯電話が使えますが、通信速度は4Gという、いわゆるなんちゃって5Gの地区です。
5Gの通信速度は4Gの20倍とも言われています。精度にも格段の違いがあり、農作業機器も、5Gであれば20センチの誤差しか生じないのですが、4Gならば誤差が2メートルとも聞いています。これではスマート農業用のトラクターや田植機、稲刈り機、ドローンなどは使えません。
このように、スマート農業には情報通信環境の高速化が必要不可欠だと思われます。
そこで、今議会に提出された水橋地区におけるスマート農業に対応した情報通信環境の整備に向けた取組はどのようなものなのか、また、今後のスケジュールはどうなるのかをお伺いいたします。
103 ◯ 副議長(高田 真里君)
金山農林水産部長。
104 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
本市では、水橋地区においてスマート農業に適した情報通信環境を整備するため、国の交付金を活用し、学識経験者、農業者、土地改良区、企業、関係団体等で構成するスマート農業情報通信環境整備協議会を昨年8月に設立し、調査や普及・啓発活動などに取り組んでいるところであります。
具体的には、水橋地区に適したスマート農業機器や通信方式の選定に関すること、2つに、GPSの精度向上を図る基地局等に関すること、3つに、情報通信設備の運営、維持管理に関することなどの調査を行い、富山市水橋地区スマート農業情報通信環境整備計画を令和6年度までの2年間で策定することとしております。
また、普及・啓発活動として農業分野でICTを活用した技術等を紹介するスマート農業次世代農業推進セミナーを行っております。
今後は、引き続き普及・啓発のためのセミナー等を開催するとともに、整備計画に基づき、令和7年度から令和9年度までの3年間で情報通信環境を整備していく予定としております。
105 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
106 ◯ 19番(押田 大祐君)
次に、スマート農業をはじめとする新たな農業を進める上で、農業に取り組む担い手が重要であると考えます。現在、農業就業人口の減少と高齢化は、我が国の農業にとっては大きな問題となっています。
このような中、昨年、水橋地区で開催されましたタウンミーティングにおいて農林水産部から説明があった資料でも、本市の農家数は30年前1万3,000戸程度で、それと比べて3分の1程度の5,000戸までに減少しており、農業従事者の年齢別割合に占める60歳以上の割合は2005年時点でも85%と高かったものが、2020年には91%とさらに高齢化が加速しており、農業者数の減少、高齢化していることが一目瞭然です。
このまま何の手だても打たずにいれば、現在の生産水準を維持することは困難なことはもちろん、農地や農業施設などといった生産基盤の維持管理も難しくなることが予想されています。いつの日にか富山の農業は廃れていくのではないかと非常に心配をしているところです。
しかしながら、今議会には未来の農業担い手育成プロジェクト事業が新規施策として上がっています。
来年度、新規で取り組む未来の農業担い手育成プロジェクト事業とはどのような事業内容なのか説明を求めます。
107 ◯ 副議長(高田 真里君)
金山農林水産部長。
108 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
本定例会において当初予算案として提案している未来の農業担い手育成プロジェクト事業につきましては、現在、全国初の次世代農業促進型として水橋地区で進められている国営農地再編整備事業を未来を担う子どもたちに実際に体験してもらうことでスマート農業等の重要性を伝え、次世代の農業に関心を持ってもらい、将来の農業の担い手確保につなげることを目指すものです。
具体的には、水橋地区の4小学校の5年生を対象に、1つに、水橋地区の農業の現状や高収益作物の導入意義などについての講義、2つに、大区画化された農地の現場見学、3つに、スマート農機の実演見学、4つに、栽培実証圃場での収穫体験などを行うことを予定しており、現在、北陸農政局や市教育委員会などの関係機関と連携しながら準備を進めているところであります。
なお、来年度は水橋地区の小学校を対象としておりますが、将来的には市内全域の小学校に対象を拡大してまいりたいと考えております。
109 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
110 ◯ 19番(押田 大祐君)
実は、旧上条小学校区の住民が小学生を対象に田植と稲刈りを体験させる田んぼの学校プロジェクトというのを行っています。稲刈り後に行われたおにぎりの試食会では生徒たちの学習発表があり、農業の重要性を十分に理解していることに感銘を受けたものです。
市が本腰を入れて次世代の農業の担い手を育てるという事業はすばらしいこととして受け止めます。
今質問させていただきました事業はまさに農業政策の核心とも言える事業と考えていますので、ぜひ成功を収めていただきたいと思います。
次が最後の質問になりますが、富山市が将来、水橋地区で目指す農業とは一体どのようなものなのか市の考え方をお聞かせください。
111 ◯ 副議長(高田 真里君)
金山農林水産部長。
112 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
水橋地区の農地整備事業では、農地の大区画化・汎用化及び担い手への農地の利用集積に併せてスマート農業技術が導入されることから、農作業の省力化や効率化が図られ、その効果で創出された時間や余剰労働力を活用することでタマネギ、ニンジンなどの高収益作物への作付転換や一大産地化に取り組むことが可能となります。
さらには、1つに、農産物の6次産業化による収益性の向上、2つに、農産物等のブランド化と輸出等による販路の拡大、3つに、観光農園等による交流人口の増加などにより地域全体の農業所得の向上を図り、農業振興を柱とした地域の活性化につながるものと考えております。
これらの取組により水橋地区は先端技術を活用した農業を展開する次世代農業を行うモデル地区として生まれ変わり、成長産業として地域に根差した魅力ある稼げる農業の実現を目指してまいりたいと考えております。
113 ◯ 副議長(高田 真里君)
19番 押田 大祐君。
114 ◯ 19番(押田 大祐君)
高収益作物の一大産地化、6次産業化、また、ブランド化、観光農地、人流促進、地域の活性化といろいろありましたし、稼げる農業、うれしいばかりの農業未来図として感じております。
また、今回の情報通信環境の整備においては、高度な情報通信環境エリアが農業従事者の事務所や居住エリアもカバーすることになれば、スマート農業だけではなく、様々な社会課題の解決に向かうことになります。今後、同時に進んでいくだろうと思われるスマート漁業や移動、配達を助ける自動運転システム、河川の氾濫や降雪状況の監視など、災害への対策や災害時の迅速な対処、それ以外にも幅広い活用につながる取組と考えます。
この情報通信環境が水橋地区のスマート農業の導入促進と、さらには地域活性化につながるように整備していただき、また、担い手もしっかりと育成していただいて、全国的にも先進的な農業モデル地区となるように期待しまして、私からの質問を終了いたします。ありがとうございました。
115 ◯ 副議長(高田 真里君)
これで押田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。
午後 3時36分 休憩
───────────
午後 4時00分 再開
116 ◯ 議長(金厚 有豊君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
7番 高原 譲君。
117 ◯ 7番(高原 譲君)
令和6年3月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問及び議案の質疑を行います。
まず、令和6年
能登半島地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
今回の
能登半島地震では断水の長期化による影響について連日報道されており、改めて水道水の重要性が認識されたところであります。
そこで、令和6年
能登半島地震における他都市への応援について伺います。
本市における水道施設の被害とその対応については、富山地域において配水管の破裂による漏水、山田地域において配水場内の送水管の破裂による漏水、八尾地域においては事業所敷地内での漏水が発生し、応急復旧工事、貯水量の確保など、3地区4か所で被害の対応をされております。いずれの箇所においても迅速な復旧作業により市民生活への影響が最小限にとどめられましたが、水道施設以外に下水道施設も被災したと伺っており、本市の被災した施設の対応を行いながら他都市への応援活動をされたことに敬意を表します。
そこで、水道事業に対する他都市への応援についてお聞かせください。
118 ◯ 議長(金厚 有豊君)
当局の答弁を求めます。
酒井上下水道局長。
119 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
富山市議会自由民主党、高原議員の御質問にお答えいたします。
被災した他都市の水道事業に対する応援につきましては、公益社団法人日本水道協会において応援活動に係る共通ルールを定め、災害時に会員相互が迅速かつ円滑に応援活動を実施するための体制が構築されており、今回、本市からは氷見市、高岡市、小矢部市、七尾市に対して応援活動を実施しております。
まず、氷見市における応急給水活動につきましては、本市が所有する2トン給水車を使用し、氷見市が開設した公民館などの避難所での給水や、小学校や介護施設の受水槽への補給を実施し、本年1月4日から18日までの15日間において延べ18班、36名の職員が従事いたしました。
また、高岡市には、本年1月2日に1トンの給水タンク1基を貸し出し、小矢部市には、本年1月5日に給水袋600枚の貸出しを行ったところであります。
さらに、七尾市における応急復旧活動については、本年2月5日から29日までの25日間において職員2名と富山市管工事協同組合員6名を1班とする応急復旧隊2班を派遣し、通水エリア拡大のため、水道管の漏水調査とそれにより確認された破損箇所の応急復旧工事を進めてきており、これまで延べ10班80名が従事し、現在も活動を継続しているところであります。
120 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
121 ◯ 7番(高原 譲君)
水道は、施設の被害を受けても供給を継続しなければならないことから、他のインフラの復旧より多くの人材や水道特有の資材が多く必要となります。これらの全てをあらかじめ準備していくことは負担が非常に大きいことから、日本水道協会による相互応援は、各自治体の負担軽減のみならず、早期復旧につながる有効な仕組みだと感じました。
それでは次に、下水道事業に対する他都市への応援についてお聞かせください。
122 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
123 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
被災した他都市の下水道事業に対する応援につきましては、大規模地震等により被災した自治体の下水道施設の被害調査から復旧までの支援を目的として定められた下水道事業災害時中部ブロック支援に関するルールに基づき、富山県からの要請を受け、氷見市において被害調査を行ったところであります。
この被害調査では、本年1月11日から13日までと15日から17日までの計6日間において1日当たり4人の職員を派遣し、1日につき約60か所のマンホールやマンホールと管のつなぎ目の損傷状況、及び汚水の流れや水位の状況等について確認を行うとともに、約3キロメートルの管路について下水道管の損傷に起因する道路陥没や液状化の痕跡の確認を行ったところであります。
124 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
125 ◯ 7番(高原 譲君)
下水道についても、地下に埋設されていることから被害の状況を把握することは容易でなく、数多くのマンホールとマンホール内の調整をするためには事業体の連携が必要であると理解しました。そのためのルールがあらかじめ準備されていることは、水道事業と同様に非常に有効だと感じます。
今回、本市の水道施設には大きな被害はありませんでしたが、莫大な被害を受けた自治体への積極的な応援活動により得たものは大きいものと思います。
そこで、今回、応援活動を通じてどのようなことを感じたのか、また、この経験をどう生かすのかお聞かせください。
126 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
127 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
今回の氷見市と七尾市での応援活動におきましては、想定を大きく超える災害に際して被災地の事業体職員は限られた人数で数多くの災害対応業務に従事せざるを得ず、関係機関との連絡体制の確保や応援事業体への必要な指示もままならないことにより迅速な応援活動ができない状況であると感じたところであります。
万が一、本市の上下水道施設に大規模な被害が生じ、他の自治体から応援を受ける立場となった場合には、速やかに応援活動が開始できるよう受入れ体制を整える必要があるものと考えております。
このことから、今回の応援活動から得られた知見を踏まえ、富山市上下水道局事業継続計画を見直すとともに、新たに応援受入れ計画の策定について調査・研究してまいりたいと考えております。
128 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
129 ◯ 7番(高原 譲君)
今回の経験から応援を受け入れる立場となった場合の受入れ体制や応援自治体を有効に活用するための計画についても準備の必要性を感じたとのことですが、上下水道事業とともに応援体制やルールづくりがされている中で、これをより有効な活用とすることは早期復旧への近道であると思いますので、しっかり検討していただくようお願いいたします。
また、市職員が貴重な経験を積むことは上下水道局の財産であり、他の自治体への信頼関係や協力体制にも寄与することから、今後の積極的な活動にも期待するところであります。
続いて、下水道施設の耐震化についてお聞きします。
下水道施設が被災した場合、住民の健康や社会活動に重大な影響を及ぼします。下水道施設は他のライフラインと異なり、地震時に同等の機能を代替する手段がないにもかかわらず、膨大な施設の耐震化が完了していません。
国土交通省では、重要な施設の耐震化を図る防災、被災を想定して被害の最小限化を図る減災を組み合わせた総合的な地震対策を推進しています。
そこで、お尋ねします。
本市では、過去の他地区の地震による教訓を踏まえ、下水道施設はどのような方針で耐震化を進めておられるのか考えをお聞かせください。
130 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
131 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
下水道施設における耐震化を実施する上での対策方針につきましては、国が示す下水道施設の耐震対策指針と解説に定められており、昭和56年に初版が作成されて以降、平成7年の阪神・淡路大震災や平成16年の新潟県中越地震、さらには、平成23年の東日本大震災などでの被害状況を踏まえ、直下型地震や液状化などへの対応を図るようその都度改定がなされており、上下水道局においても同指針の改定に合わせた施設整備を進めてきたところであります。
また、平成25年度に施設の老朽化対策の本格的な実施に併せ、施設の耐震化を図ることを目的とした富山市下水道総合地震対策計画を策定し、1つに、緊急輸送道路における道路陥没やマンホール浮上など、救助活動に支障となる影響の排除、2つに、医療機関や避難所などから汚水を受ける下水道管の機能確保、3つに、下水処理場における最低限の処理機能や能力の確保などの基本方針を定め、地域防災計画に位置づけられた緊急輸送道路に埋設されている下水道管など約38キロメートルの耐震化や下水処理場5施設の耐震化を計画期間である令和8年度までに重点的に進めているところであります。
132 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
133 ◯ 7番(高原 譲君)
下水道は重要なインフラであり、トイレが使用できなくなることは衛生上、好ましくないなど、健康面での懸念が心配であります。地震時も下水道が使用できるよう、耐震化をできるだけ進めていただきたいと思います。
続いて、本定例会に下水道施設を復旧するために実施設計を行う費用が補正予算として計上されています。
そこでお尋ねします。
本市において、今回の地震によって被災した施設はどの程度あったのかお聞かせください。
134 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
135 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
今回の地震によって被災した下水道施設につきましては、まず、道路に液状化などの異状が見られた綾田町1丁目地内や向新庄町7丁目地内などにおける下水道管約1.4キロメートルの区間にたるみや蛇行などを確認したところであります。
また、田中町2丁目地内などにおきましては、雨水幹線など、約0.6キロメートルにわたって水路の破損やずれを確認しております。
なお、下水処理場につきましては、処理機能及び能力に影響を及ぼすような異常は確認されませんでした。
136 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
137 ◯ 7番(高原 譲君)
本市でも、下水道施設に被害があったということですが、速やかな復旧につながるよう、引き続き対応をお願いしたいと思います。
次に、今回の地震によりなぜ被害が発生したと考えられるのか、その要因をお聞かせください。
138 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
139 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
被害が発生した要因につきましては、1つに、今回の地震により発生した下水道管のたるみや蛇行、雨水幹線での破損やずれといった被害状況は他都市での液状化による被災事例と同様の状況であったこと、2つに、被災した全ての施設が国の下水道施設の耐震対策指針と解説において液状化対策を講じることが規定された平成18年以前に整備された施設であったこと、3つに、下水道施設に被害が発生した地域における道路や周辺の地盤で液状化が確認されていることなどから、液状化が要因となって被災したものであると考えられます。
140 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
141 ◯ 7番(高原 譲君)
下水道施設の被害要因は液状化によるものだということで、本市も海沿いを中心に液状化しやすい地盤であることが国の液状化しやすさマップで公表されており、下水道施設に限らず、今後の液状化の対応を取っていくということは重要であると認識された地震であったとも思います。
今回の地震により被災が確認された施設を今後どのように対応するのかお聞かせください。
また、今回の地震を踏まえ、下水道施設の耐震化に向け今後どのように取り組んでいくのか併せてお聞かせください。
142 ◯ 議長(金厚 有豊君)
酒井上下水道局長。
143 ◯ 上下水道局長(酒井 正道君)
まず、今回被災した下水道施設における今後の対応につきましては、テレビカメラを用いた詳細調査が完了した後、国の災害査定を踏まえ、災害復旧事業により詳細設計を経て、敷設替えなどによる機能の復旧を図るよう迅速に対応してまいりたいと考えております。
また、耐震化に向けた今後の取組につきましては、今回の地震によりこれまで耐震化を進めてきた施設には被害が確認されておらず、一定の成果が得られていることから、引き続き計画的に耐震化を進め、地震時においても処理機能及び能力が適正に維持できるよう努めてまいりたいと考えております。
加えて、施設の耐震化は長期に及ぶことから、完了するまでの間にも地震が発生することを想定し、氷見市での応援活動で得られた知見などを生かし、迅速な初動対応が着実に実施できるよう事業継続計画の見直しを行うとともに、職員の参集や情報伝達、施設の緊急点検などの訓練も定期的に行うなど、総合的な地震対策を進めてまいりたいと考えております。
144 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
145 ◯ 7番(高原 譲君)
被災した施設については、国の災害復旧事業を活用していただき、一刻も早く復旧を進めていただきますようお願いいたします。
そして、施設の耐震化には長期間必要ですが、引き続き災害に強い強靱で市民が安心して暮らせるまちづくりの基盤を強固なものとするとともに、今回の地震により初動体制の重要性も再認識されたものと感じておりますので、業務継続計画などを含めた総合的な取組をさらに進めていただきますようお願いいたします。
次に、熊対策についてお聞きします。
昨年、市内各地にツキノワグマが出没し、人身被害も相次ぎました。猟友会、ファミリーパーク、関係機関で構成される富山市クマ対策会議において今後の熊対策は十分に検討なされたものと考えます。
この中、令和6年度当初予算案において熊対策拡充予算が計上されています。熊対策の拡充予算の概要についてお聞きします。
146 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
147 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
昨年は県内全域で熊の餌となるドングリの実が不作となり、本市においては令和4年の6倍を超える347件の熊の目撃情報が寄せられたほか、7件9名の人身被害も発生し、令和元年以来の熊の大量出没年となりました。
これを受け本市では、令和6年度に向け、地域での主体的な熊対策活動に対し支援を行う富山市熊対策活動支援事業の制度の見直しを行い、熊の誘引物となる柿などの放任果樹の伐採活動に対する補助金を増額するなど事業の拡充を図るほか、円滑な捕獲活動をサポートするため、捕獲者である鳥獣被害対策実施隊の安全装備を支援する事業を新設するなど、熊による人身被害防止対策を強化してまいりたいと考えております。
このことから、令和6年度の本市の熊対策につきましては、これらの新規・拡充事業費約405万円に従来からの実施隊のパトロールや捕獲等に係る経費に対する支援費を合わせ、今年度の約3倍となる540万円の当初予算案を本定例会に提案したところであります。
148 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
149 ◯ 7番(高原 譲君)
予算を拡充することは市民に安心感を与えると思いますが、何よりも今年は熊を見るのはファミリーパークだけと願っております。
熊が住宅地に出ないようにする対策は市民の皆様の協力が必要です。熊は背の高い草や川沿いの茂みなど、体を隠せる場所を好んで移動するため、草刈りをして熊の通り道を遮り、見晴らしをよくすることで熊と人がお互いを見つけやすくなり、ばったり出会って事故に遭うリスクを減らせます。
また、熊の餌となり得る柿の木の伐採なども効果がある対策であります。
説明の中にありました放任果樹伐採活動経費の1本当たり7,500円の根拠について伺います。
150 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
151 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
熊が出没した場所の近隣には柿の木が存在するケースが多く、柿の実が熊の誘因物となっていることから、本市では不要な柿の木などの放任果樹の伐採を行う自治振興会を富山市熊対策活動支援事業で支援してきたところであります。
放任果樹の伐採については、これまで1本当たり一律1,500円の単価を定め地域での活動費を助成してきたところでありますが、これは当事業の策定時に当たる平成19年度の住民による伐採に係る労賃を基準としており、現在の時勢を反映していない単価となっているものと考えられたことから、今般単価の見直しを検討することといたしました。
また県は、令和2年度に市町村の熊対策活動を支援するクマ対策推進事業において、集落内の狭隘地でクレーン作業が必要な木を1日10本伐採することを想定し、1本当たり最大で1万5,000円という単価を積算しております。本市では、この県の単価を基に、これまでクレーンを用いず伐採する集落がほとんどであった実態を勘案し、1本当たり一律7,500円の単価を算出したものであります。
なお、この事業につきましては、住民の方が活動を行う際の安全対策として必要な熊よけスプレーなどの器具の購入経費等を補助対象に追加するほか、1地域当たりの総事業の上限額も8万円から20万円に増額するよう制度を見直しております。
152 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
153 ◯ 7番(高原 譲君)
今回の体制は実情に合った改正だと思いますが、何よりも市民の皆様の協力が必要な対策ですから、さらなる拡充を期待しています。
環境省では、全国で熊の被害が相次いだことから、熊の指定管理鳥獣への追加が検討されています。
そこで、熊が指定管理鳥獣に追加された場合の本市への影響について伺います。
154 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
155 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
昨年の全国での熊の大量出没による人身被害を受け、環境省は今年の4月に熊を指定管理鳥獣に追加し、都道府県による捕獲などの事業を交付金により支援する方針を発表したところであります。
ただし、熊の追加に当たっては、既に指定されている繁殖力の高いイノシシやニホンジカの方針と異なり、過度の捕獲が行われないようゾーニングの徹底やモニタリングの重要性を踏まえて対応することとされております。
また、この方針を受けた現段階において、県からは、具体的な事業内容は示されていない状況であるため、内容が判明すれば迅速に対応していきたいと伺っております。
このことから本市といたしましては、今後の国、県の動向を注視し支援策につなげてまいりたいと考えておりますが、いずれにせよ、今後の熊対策については国、県、市が一体となり、人身被害防止に向けた取組の一層の強化が図られるものと考えております。
156 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
157 ◯ 7番(高原 譲君)
国、県との連携を強化し、指定による科学的・計画的な管理を推進し、被害防止対策をお願いいたします。
また、国の指定管理鳥獣に指定されると猟友会のマンパワーや焼却施設のキャパシティーが心配されるという意見もありますので、見解をお聞かせください。
158 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
159 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
現在、有害鳥獣の捕獲活動等を担う本市の実施隊員は135名で構成されており、うち熊の捕獲については、県から緊急捕獲許可証を付与された旧市町村単位でおのおの12名の方を中心に出動していただいております。
熊の指定管理鳥獣への追加に伴う国の対策は、先ほども述べましたとおり、過度の捕獲を避ける方針ではありますが、仮に捕獲の強化が管理の中心的な施策に位置づけられるような場合においては、実施隊員の方にはこれまで以上の負担がかかることが想定されます。
実施隊員や市内猟友会の会員の高齢化が進む中、本市では、有害鳥獣対策の担い手の裾野を広げるため、狩猟に興味のある方を対象とした狩猟入門ガイドを毎年開催しているほか、狩猟免許取得に係る経費の一部を支援する事業を実施しており、今後もこの取組を継続することで実施隊員の負担を少しでも減らしてまいりたいと考えております。
また、熊の捕獲等、身体に危険が伴う場合の出動については、令和3年度に制度を見直し、実施隊員への1日最大9,000円の日額報酬を定めたところですが、今後負担が増加する場合は、他市町村の動向を見ながら報酬額の拡充等を検討してまいりたいと考えております。
次に、富山地区広域圏事務組合が管理運営する有害鳥獣焼却施設については、搬入された個体は、まず冷凍保管した後、焼却炉2台によって随時焼却処理を行っており、事務局からは、令和4年6月の竣工以降、個体の搬入量が施設の能力を超えたことはなく、搬入量が最も多かった令和5年8月でも冷凍庫の最大容量の44%にとどまった旨を伺っており、本市といたしましては、今後熊の捕獲頭数がある程度増加したとしても焼却施設の受入れ容量に支障を及ぼすことはないものと考えております。
160 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
161 ◯ 7番(高原 譲君)
熊との共存を考え、国からの指定管理鳥獣の交付金を有効に活用し、市民の安心・安全のためにさらなる熊対策の推進を期待し、次の質問に移ります。
スマート農業の現状と今後についてお聞きします。
本市では、令和2年度から農林水産業においてICTやスマート技術の導入に取り組んでおられますが、この取組は業務の効率化・省力化、さらには後継者不足を解消する手段として大いに期待ができ、本市の進めるスマートシティ推進の一翼を担い、農林水産業に従事する従事者の皆様のみならず、市民の関心も高い事業であると思っています。
本市の農林水産業分野でのスマート事業は、スマート農業としてエゴマ栽培におけるセンサーネットワークを活用したリモートセンシングや除草ロボットなどの開発、スマート果樹としては、梨栽培におけるリモートセンシングや除草ロボット、運搬ロボットなどの開発、スマート水産業としては、ホタルイカ漁における定置網のかかり具合をスマホで確認できるICT技術の導入、スマート水路普及支援事業等がありますが、まず、本市が取り組むスマート農業・果樹の現状と今後の展開について伺います。
162 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
163 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
令和2年度から取り組んでいるスマート農業は、本市の農業が抱える高齢化、担い手不足などの課題に対応するため、先端技術を実際の生産現場に導入し、効果を検証する農研機構の委託事業として採択を受け、開始したものであります。
このスマート農業の実証事業は、エゴマ栽培を対象にICTやロボット技術を導入、活用することで農作業の省力化を目指し、大沢野地域塩地区の大規模圃場において市や農業関係者、富山県立大学などでコンソーシアムを構成し、進めてまいりました。この事業におきましては、ロボット技術を活用した自動運転トラクターと有人トラクターとの協調作業により、耕起・畝立て、播種の作業時間が約4割削減されるなど、省力化について一定の効果が実証されております。
また、別の展開といたしましては、エゴマ栽培において手間のかかる除草作業の省力化を目的に畝の間を移動して雑草のみを除草するロボットの開発についても取り組んでいるところであり、実証で得られた技術を他の作物へ応用することもできればと考えております。
次に、スマート果樹につきましては、令和3年度から呉羽地区の梨栽培において作業効率の向上などを目的に、市、農業者、県立大学などで構成するコンソーシアムで取り組んでいるところであります。具体的な内容といたしましては、現在、梨の圃場で自律走行できる果樹運搬支援ロボットを開発しておりますが、自律走行に必要な位置情報の取得に使用されている一般的な電波方式であるGPSは梨の枝を支える鉄製の果樹棚のある環境下では使用できないことから、別の電波方式での開発を進めているところであります。
スマート果樹の取組は開始からの期間が浅く、データの蓄積が不十分なことから、引き続きデータの蓄積や解析を行い、梨の圃場でも自律走行できる果樹運搬支援ロボットの開発など、作業効率の向上に資するスマート果樹の実証事業に取り組んでいくこととしております。
164 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
165 ◯ 7番(高原 譲君)
スマート農業の確立は農業経営の安定と基盤強化にもつながることから、一刻も早い実用化を期待しています。
次に、本市が普及展開しているスマート水路の現状と今後の展開について伺います。
166 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
167 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
本市では、富山市センサーネットワークを活用し、水路管理者が土地改良区の事務所や自宅においてパソコンやスマートフォンで農業用水の水位の遠方監視ができるスマート水路の普及展開を図っているところです。
令和元年度から令和3年度にかけて広田用水土地改良区において実証実験に取り組み、巡視回数の大幅な減少やそれに伴う用水転落等の事故の防止、水位異常時の迅速な対応についてその効果を十分に確認されたことから、令和4年度から本格的に導入されているところであります。
その後、令和5年度には牛ヶ首用水、井田川水系の各土地改良区でも順次導入されたところであり、現在、3つの土地改良区の15か所で遠方監視が可能となっております。
本市では、水路管理者の不足や高齢化が進行していることから、富山県土地改良事業団体連合会と連携して、未導入の土地改良区に対しては手引や啓発チラシを配布することによりスマート水路の普及に向け、その効果を周知してきたところであります。
さらに、導入に前向きな意向を示された土地改良区には、現地見学などを通してその利便性を実感していただいており、導入を決定された土地改良区に対しては、正確な水位を計測するために効果的な設置箇所についての助言や地元負担軽減のための設置費用補助などの支援を行ってきているところであります。
本市といたしましては、土地改良区の業務の省力化や効率化を図り、本市農業の主体である水稲栽培に必要な用水の安定的な確保を目指すため、引き続きこうした取組によりスマート水路のさらなる普及・拡大に努めてまいりたいと考えております。
168 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
169 ◯ 7番(高原 譲君)
スマート水路の普及は、豪雨時においても遠隔操作ができるため、二次災害の防止にも役立つと思いますので、さらなる推進と横展開を期待しております。
次に、既に実用化されているスマート農業機械などを購入することで農作業の省力化・効率化が図れることは農業者が恩恵を大きく感じられるところだと思います。
スマート農業機械は最新技術が導入されていることもあり、普通の農機具より値段が高いと伺っております。機械を導入する際の補助制度があれば導入に前向きになり、スマート農業の推進にもつながるのではないかと考えますが、本市のスマート農業機械を導入する際の支援と実績について伺います。
170 ◯ 議長(金厚 有豊君)
金山農林水産部長。
171 ◯ 農林水産部長(金山 靖君)
スマート農業機械については、作業効率の向上や疲労の軽減等に効果があることから、農業者の減少及び高齢化による労働力不足の解消に有効であると認識しております。
このため本市では、これまで国や県の補助事業を活用してスマート農業機械の導入を支援してきたところですが、国や県の補助事業は採択を受けるための面積要件等の条件が厳しく、活用できる農業経営体が少なかったことから、本市では、利用しやすい補助事業が必要と考え、今年度新たに市の単独事業として国、県事業の採択要件である作業下限面積などを緩和したスマート農業機械導入支援事業を設けたところであります。この事業は、人・農地プランに位置づけられている認定農業者や集落営農組織等の中心経営体を対象とし、導入経費の3分の1を市の補助金で支援するもので、補助金の上限額は100万円としております。
今年度の実績といたしましては、7件の農業経営体が直進アシスト機能付きのトラクターや田植機、農業用ドローンを導入しておられます。このうち5件は直進アシスト機能付田植機を導入しており、操作が不慣れな経験の浅い方でも直進アシスト機能により真っすぐな田植が可能になるばかりでなく、熟練の農業者においても疲労が軽減され、作業効率も向上したとお聞きしております。
本市といたしましては、今後もスマート農業機械の導入要望が高まるものと予想しており、国、県事業に加え、市単独事業が一層活用されることで後継者や新たな担い手の確保等に結びつくことを期待しております。
172 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
173 ◯ 7番(高原 譲君)
市単独で補助制度があることは大変すばらしいことだと思います。農業者の皆様がこの事業を活用していただき、スマート農業機械の普及が進むことを期待しています。
最後に、選ばれるまちづくり事業についてお聞きします。
今年は北陸新幹線金沢・敦賀間延伸や黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放などにより北陸新幹線の金沢開業以来の大きな変化を迎える年となります。この機会を捉え、多くの人から訪れたい、暮らしたい、住み続けたいまちとして選ばれるために本市がこれまで取り組んできた総合力の高いまちづくりはもとより、豊かな自然や新鮮な食なども含めた本市の魅力を県外に積極的に発信し、交流人口や関係人口の一層の拡大や定住人口の増加を図ることが重要であると考えます。
本市では、今年度新たに今後のシティプロモーションの在り方や方向性を示したシティプロモーションを推進するための計画を策定していると伺っており、より効果的なシティプロモーションが推進されることを期待しています。
そこで、新たに策定されるシティプロモーション推進指針の主な内容について伺います。
174 ◯ 議長(金厚 有豊君)
前田企画管理部長。
175
◯ 企画管理部長(前田 一士君)
富山市シティプロモーション推進指針については、大学教授や雑誌の編集者など、6名の外部委員で構成する有識者会議での計3回にわたる議論を踏まえ、現在、市において策定に向けた詰めの作業を進めているところであります。
今のところ、指針の主な内容として、1つには、シビックプライドを向上させることで市民を通じた情報発信の強化につなげるとともに、行政からの情報発信との相乗効果を引き出すこと、2つに、ターゲットを明確に定め、受け手に応じた効果的な情報発信を行うこと、3つに、成果指標を定め、効果検証を行いながら有効な取組を進めることなどを要点として整理する方針であり、今後の本市のシティプロモーションの在り方や取組の方向性を示すものとして今月中に策定の上、公表したいと考えております。
今後は、この新たな指針について市の組織全体で共有を図るとともに、指針に基づいた活動を全庁を挙げて積極的に展開していくことで誰からも選ばれるまちの実現を目指してまいります。
以上です。
176 ◯ 議長(金厚 有豊君)
7番 高原 譲君。
177 ◯ 7番(高原 譲君)
本市の新たな魅力が伝わり、富山ファンがますます増えることを大いに期待して、質問を終わります。
178 ◯ 議長(金厚 有豊君)
これで高原議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。
───◇ ◇ ◇───
散 会
179 ◯ 議長(金厚 有豊君)
以上で、本日の日程は終了いたしました。
明日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 4時44分 散会
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