富山市議会 > 2023-03-05 >
令和5年3月定例会 (第5日目) 名簿
令和5年3月定例会 (第5日目) 本文

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  1. 富山市議会 2023-03-05
    令和5年3月定例会 (第5日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                                午前10時  開議 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  ただいまから、本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配付のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───          一般質問並びに議案第1号から議案第70号まで、          及び報告第1号から報告第5号まで(質疑) 2 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第1号から議案第70号まで、及び報告第1号から報告第5号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  4番 飯山 勝彦君。   〔4番 飯山 勝彦君 登壇〕 3 ◯ 4番(飯山 勝彦君)  おはようございます。  令和5年3月定例会に当たり、富山市議会自由民主党より一般質問をさせていただきます。  今回、私は、浜黒崎浄化センターについてお尋ねします。
     浜黒崎浄化センターは、神通川と常願寺川に挟まれた旧富山市内の各家庭や学校などから排出される生活排水を微生物の働きを利用した方法で汚れた水をきれいにし、消毒してから富山湾へ放流している汚水処理施設であります。昭和54年に供用を開始して以降、下水道の飛躍的な整備の進捗により公衆衛生の向上や生活環境の改善が図られ、快適かつ衛生的な生活が送れるようになってきております。  一方、近年では、下水道の果たすべき役割が公共用水域の水質改善や保全のみならず、これまで注目されてこなかった潜在的な資源やエネルギーとしての付加価値に大きな期待が寄せられています。例えば下水汚泥はその1つであり、多くの可能性を秘めている都市資源とも言えるのではないかと考えます。  そこでお伺いします。  浜黒崎浄化センターでは、下水汚泥の処理をどのように行われているのかお聞かせください。  下水汚泥を有効活用していくことは重要な取組であると考えており、先日視察に行かせていただいた福岡市和白水処理センターでは、下水汚泥から希少資源であるリンを抽出し、肥料として有効活用する取組を実施しておられました。  このように下水汚泥からリンを抽出することで肥料として資源の循環を図っていくことは、限りある資源を有効に活用し、下水道の付加価値を高めるよい取組であり、本市においても、SDGs未来都市であることから、今後進めていくことが望ましいと考えます。  そこでお伺いします。  浜黒崎浄化センターでリンの抽出を行うとした場合、効率的にリンを抽出できる処理方法を採用しておられるのかお聞かせください。  福岡市域は北側に位置する博多湾を取り囲むように形成されており、市内を流れる河川及び下水処理水のほとんどが博多湾へ流入しています。そのため、都市化の進展に伴う流出汚濁負荷の増大及び湾の口が狭い閉鎖性水域であるという地形的要因から、博多湾の富栄養化の進行を防止するにはその原因となる窒素、リンなどの栄養塩類の流入を削減する必要があり、湾内の富栄養化に大きな影響を与えているリンを除去するための高度処理施設整備を平成5年度より開始し、平成11年度に完了させました。  浜黒崎浄化センターでは、下水処理後に放流される水質の基準が福岡市ほど厳しくないのではと考えますが、それ以外にも、ロシアのウクライナ侵攻が原因でリン鉱石の輸入量が激減し肥料の価格が高騰しており、安定した供給ができない状態が続いています。  これらのことを踏まえ、リンの抽出はとても必要なことだと考えます。  浜黒崎浄化センターにおいて同様の取組を行うとした場合、導入には様々な課題があると考えます。  しかしながら、資源を有効利用する取組は、本市のみならず、日本全体の問題でもあり、可能性を含め、検討を進めていく必要があると考えます。  そこでお伺いします。  今後の社会情勢などを踏まえ、本市においてリンを抽出する取組を進めていく計画があるのかお聞かせください。  また、下水道がこれまで果たしてきた海や河川の水質改善や公衆衛生の向上といった側面のみではなく、新たな環境対策として下水汚泥の持つ未利用エネルギーを活用することにより、2030年のカーボンハーフや2050年のカーボンニュートラルへの貢献が期待されています。  このような中、本市の浜黒崎浄化センターが昨年12月に国土交通省のカーボンニュートラル地域モデル処理場計画に全国で初めて登録されたところであり、全国の下水処理場の先駆的なモデルとして注目されるものと考えております。  そこでお伺いします。  カーボンニュートラル地域モデル処理場計画とはどのような制度なのかお聞かせください。  カーボンニュートラルを推進することは、地球温暖化を抑制するためにも取組を強化していくことが望まれます。その1つのモデルとして本市の浜黒崎浄化センターが登録されたことは非常に名誉なことである一方、取組の推進には財源が必要となるわけであります。  そこでお伺いします。  カーボンニュートラル地域モデル処理場計画に登録された場合、国からどのような支援を受けることができるのかお聞かせください。  財政的にも国に全面的にバックアップしていただけることは非常に心強いことであり、計画の内容を推進していくことで効果を発現させていくことが求められるかと思います。  それでは、最後にお伺いします。  このたびの浜黒崎浄化センターカーボンニュートラル地域モデル処理場計画にて実施予定である取組についてお聞かせください。  結びに、浜黒崎浄化センターの施設関係者の方々は、地元の代表の方と年に数回、運営委員会を開いています。そこでは、施設内の機械の更新や施設周辺の臭い等の自主検査について報告を行うなどのしっかりとしたコミュニケーションが取られています。  私たちが生活する上で必要不可欠な施設であります。どうか引き続きしっかりとした運営管理をよろしくお願いします。  以上で私からの質問を終わります。 4 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  当局の答弁を求めます。  山崎上下水道局長。   〔上下水道局長 山崎 耕一君 登壇〕 5 ◯ 上下水道局長(山崎 耕一君)  おはようございます。  富山市議会自由民主党、飯山議員の御質問にお答えいたします。  浜黒崎浄化センターについてお尋ねのうち、まず、浜黒崎浄化センターでは下水汚泥の処理をどのように行っているのかにお答えいたします。  下水汚泥とは生活排水を処理する過程で発生する泥状の廃棄物であり、浜黒崎浄化センターでは年間約1万トン発生しています。発生した下水汚泥は産業廃棄物として適正に処理を行う必要があることから、県または市において産業廃棄物処理業の許可を受けた民間企業が運搬し、処理をしております。  また、その処理につきましては、富山地区広域圏クリーンセンターにおいて、ごみの焼却によって発生する熱を利用した発電の効率性を高めるための固形燃料として有効利用されております。  次に、リンの抽出についてお尋ねのうち、浜黒崎浄化センターにおいてリンの抽出を行うとした場合、効率的にリンを抽出する方法を採用しているのかにお答えいたします。  一般的に、処理場では、放流先の海域などの状況を考慮して窒素やリンの含有量などの放流水質を定め、その基準を満たす処理方法を採用する必要があり、浜黒崎浄化センターでは、放流先である富山湾の状況を考慮した結果、標準的な処理方法で基準を満たすことから、リンを効率的に抽出する高度な処理方法は採用しておりません。  なお、議員がおっしゃるとおり、博多湾や琵琶湖など、放流先が窒素やリンが滞留しやすく、水質の悪化が懸念される閉鎖的な海域などにおいては、放流水に含まれる窒素やリンを削減するため、下水を処理する工程で専用の薬品を使用することなどにより強制的にリンを抽出する高度な処理方法が採用されております。  次に、本市においてリンを抽出する取組を進めていく計画があるのかにお答えいたします。  リンは、化学肥料の原料として必須な物質であるものの、国内で利用しているほぼ全量を輸入に依存していることから、希少資源であるリンを抽出し、肥料として活用することは資源の循環を図る上でも有効な取組であると認識しているところであります。  こうした中、近年のリンの価格高騰を背景に、昨年から国土交通省及び農林水産省が連携し、下水汚泥を活用したリンをはじめとする肥料利用の拡大に向けて実務レベルでの検討を重ね、本年1月に下水汚泥資源の肥料利用拡大に向けた課題解決のための取組の方向性が示されたところであり、国土交通省におかれましては、令和4年度第2次補正予算においてリンを効率的に抽出する技術開発の実証研究が進められようとしています。  しかしながら、浜黒崎浄化センターにおいてリンを効率的に抽出する取組を進めていく上では、1つに、現在の処理方法を変更する必要があり、大規模な施設の改築を要することから、投資に見合う費用対効果が見込めないこと、2つに、処理水に含まれるリンの濃度が著しく低下することから、生態系への影響が懸念されること、3つに、抽出したリンを肥料として活用するための販路の確保が必要になることなどの課題があると考えております。  上下水道局といたしましては、これらの課題を踏まえつつ、国の実証事業や先進都市の動向を注視した上で調査・研究してまいりたいと考えております。  次に、カーボンニュートラル地域モデル処理場計画についてお尋ねのうち、初めに、浜黒崎浄化センターが国土交通省より昨年12月に全国で初めてカーボンニュートラル地域モデル処理場計画に登録されたが、どのような制度なのかにお答えいたします。  国では、2050年カーボンニュートラルの実現とともに、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度に比べ46%削減することを目指し、様々な取組を推進しています。  こうした中、下水道分野においては、下水道が有する資源や新技術を最大限活用することで温室効果ガスの削減を図る取組の1つとして、昨年10月にカーボンニュートラル地域モデル処理場計画登録制度が創設されたところであります。この制度は、全国の約2,200か所ある処理場のうち、脱炭素化に貢献する効果的な技術を積極的に導入する他の模範となる処理場を登録し、支援する制度であり、全国の処理場におけるトップランナーとして、今回初めて本市の浜黒崎浄化センターを含む3か所の処理場が登録されたところであります。  次に、登録された場合、国からどのような支援を受けることができるのかにお答えいたします。  本制度で登録された下水処理場は、老朽化した設備を省エネルギー機器へ更新するなど、脱炭素化の推進に有効な技術を導入する取組に対し、社会資本整備総合交付金が重点配分されるなど、国から財政的・技術的な支援を受けることができるようになります。そのため、浜黒崎浄化センターでは、温室効果ガスの削減を図りつつ、老朽化に伴う施設の改築や更新をより一層推進することができるようになるものと考えております。  最後に、浜黒崎浄化センターにおいて、カーボンニュートラル地域モデル処理場計画にて実施予定の取組について問うにお答えいたします。  浜黒崎浄化センターでは、これまで再生可能エネルギーである消化ガスを活用した官民連携による消化ガス発電や下水汚泥を活用した固形燃料による発電といった創エネルギー対策に取り組み、年間3,900世帯分に相当する電力を発電するなど、既に高い温室効果ガスの削減効果が得られていることに加え、老朽化が進む施設の更新においていち早く省エネルギー効果の見える化を行い、対策を進めるなど、2050年カーボンニュートラルに向けての取組が高く評価され、本計画の登録に至ったものと考えております。  今後、この計画に基づき、1つに、消化ガスを発生させる消化タンクの改築、更新を推進することで消化ガスを安定的に供給し、持続的な消化ガス発電を図ること、2つに、下水汚泥を活用した固形燃料による発電の継続を図ること、3つに、老朽化した水処理施設の機械設備などの省エネルギー機器への更新を推進することとしており、本制度の趣旨である全国の処理場の模範となるよう積極的に取組を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 6 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これで飯山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  10番 吉田  修君。 7 ◯ 10番(吉田  修君)  令和5年3月定例会に当たって、日本共産党の一般質問を行います。  今日は、少子化対策にもつながる子育て支援を中心に幾つか質問したいと思います。  まず、小・中学校の学校給食費の無償化の問題でございます。  この問題で我が党は、本年1月11日に教育長と市長宛てに負担増をストップさせる申入れを行いました。そして、本年3月2日には2,097人分の署名を添えて要請書を提出いたしました。  本市の学校給食費は、2022年度当初、年5,000円の引上げを決定し、小学校で年5万8,000円、中学校では年6万8,000円であります。しかし、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、約1億5,000万円を使って負担増を回避することになり、大変よかったと思います。  昨年の春、市教育委員会は、保護者負担の改定で、牛乳の代わりに果汁飲料などを年10回程度提供していたのを原則牛乳を毎日出す、オレンジは6分の1カットに抑えていたのを4分の1カットにする、年5回程度だった炊き込み御飯を9回に増やす、サラダはもやしであったのをコマツナを使うなど、給食の内容を改善すると説明しておりました。  この1年、さらなる物価高騰が続いていますし、物価高騰は4月以降も続くだろうと思います。  春以降、給食の質に影響を受けることはないのでしょうか。伺います。 8 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  当局の答弁を求めます。  砂田教育委員会事務局長。 9 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  日本共産党、吉田 修議員の御質問にお答えいたします。  本市の学校給食におきましては、今ほど議員からも御紹介がございましたけれども、令和3年度までは、食材料費等の物価上昇に対して、主菜や果物のサイズを小さくする、炊き込み御飯の回数を減らす、旬の食材や地元の食材を安価な食材に代替するなどの対応をしておりましたが、令和4年4月からは給食費を引き上げ、サイズや提供回数の改善を進めたことで従来の提供内容の水準に戻すことができております。  お尋ねの物価高騰による提供内容への影響につきましては、物価の先行きが依然として不透明な状況ではありますが、市教育委員会といたしましては、栄養バランスを十分に考慮し、安全・安心な学校給食の提供に引き続き努めてまいりたいと考えております。 10 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 11 ◯ 10番(吉田  修君)  心配であります。ぜひ質をこれ以上落とさない、維持するという点でも、年度途中からでも一般財源を投入してでも維持していただきたいと思います。  千葉県市川市は、この春から完全無償化を実施します。人口49万人規模の都市であります。市のホームページにこう書いてありました。「子どもたちが、いつでも安心して栄養のある給食が食べられるよう、本市では、全国に先駆けて学校給食費を無償にします」、私は、子育て世代と子どもたちへのすばらしいメッセージだと感心をいたしました。  そこで伺います。  新年度から保護者負担を5,000円引き上げることは、子育て支援にも、全国の無償化の流れにも逆行するものではないでしょうか。市教育委員会の見解を伺います。 12 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 13 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  今年度の学校給食費につきましては、これも議員から先ほど御紹介がありましたけれども改めて申し上げれば、国の交付金を財源に、あくまでも物価高騰による子育て世代の負担軽減策の1つとして給食用食材を一括で発注、購入しておられる公益財団法人富山市学校給食会に対し相当額の補助を行ったことにより、年額で5,000円減額となったものであります。  したがいまして、新年度において昨年4月に改定した給食費自体を年額5,000円引き上げることは、先ほどもお答えしましたように、児童・生徒の成長期に必要な栄養価の確保にとって影響が懸念されるため、考えていないところであります。 14 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 15 ◯ 10番(吉田  修君)  県内の自治体に幾つか聞いてみました。入善町は、従来から子ども1人当たり1,000円を助成していたと。去年の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で2,000円にそれを引き上げて、新年度以降も2,000円助成するというふうに言っています。南砺市でも、物価高騰の中で保護者負担を増やさないために当初予算から一定の予算を組んだと、そういうふうに言っております。  年度途中からでも間に合います。私は、負担増を避ける予算措置を強く求めたいと思います。  さて、学校給食は食育、教育の一環であります。憲法第26条は義務教育の無償化をうたっており、学校給食費も本来無償であるべきであります。  ところが、学校給食法第11条第2項で食材料費は保護者負担と規定しております。  2018年、日本共産党の吉良 佳子参議院議員が国会で質問して、それに対して文部科学省は、自治体が全額補助することを否定しないと答弁し、設置者が予算計上し、保護者に補助することを禁止しておりません。  先ほども言いましたが、学校給食費の無償化は、我が党の「しんぶん赤旗」の調査によれば、昨年12月1日現在、全国271自治体、約15%に広がっております。先ほど言った千葉県市川市は人口49万人、東京都葛飾区は46万人など、富山市と同規模の自治体にも広がっているのが今回の特徴であります。  県内では、朝日町に続いて上市町が本年4月から完全無償化、約8,000万円の予算を組んだそうであります。  そこで、本市が単独で無償化した場合、予算必要額はどの程度かかるのか伺います。 16 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 17 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)
     まず、ただいまの御質問に先立って、先ほど私、答弁したときにちょっと言い間違いをしたようでありまして、訂正させていただきますが、よろしいでしょうか。  新年度において、昨年4月に改定した給食費自体を年額5,000円引き下げることはと説明すべきところを引き上げるというふうに申しました。引き下げることはということで訂正させていただきたいと思います。先ほどお答えしたように、児童・生徒の成長期に必要な栄養価の確保にとって影響が懸念されるため、考えていないということで先ほどの答弁は御理解いただければと思います。  そこで、今のお尋ねでございますけれども、今、この件も議員から一部御紹介がございましたように、まず、学校給食法第11条第2項では、学校給食費は学校給食を受ける児童・生徒の保護者の負担と規定されております。  このことを踏まえ、本市の全児童・生徒、約3万人の学校給食費を市が補助することによって無償化する場合には、年間で約18億円の費用が必要となります。 18 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 19 ◯ 10番(吉田  修君)  岸田政権が掲げる次元の異なる少子化対策、子ども予算の倍加、これを本気でやるのであれば、全額国費で無償化しても4,500億円程度だと言われております。決して法外な予算規模ではありません。  先の見えない物価高騰が続き、子育て世代の生活も直撃しています。全国で無償化が広がっているのは一過性ではありません。子育て世代が最も求めている教育費の軽減に応えた動きだと私は思います。  新年度予算を終えた段階で、300自治体に迫る大きな流れになっております。今国会で岸田首相は、野党の質問に対してこう答えました。自治体で無償化が広がっているのは承知している、負担軽減へ国としての役割を果たしていきたいと。これは前向きな答弁と言えるのかどうかは分かりませんが、そう答弁しています。  本市でも、学校給食費の無償化に踏み出すべきではないかと考えますが、藤井市長の見解を伺います。 20 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  藤井市長。 21 ◯ 市長(藤井 裕久君)  お答えいたします。  これまで何度も答弁してまいりましたとおり、学校給食の実施に必要な施設及び施設に要する経費、修繕費、人件費、調理場の光熱水費、給食センターから各学校への配送費など、多額の経費を市が負担している中、食材料費分のみを学校給食費として保護者に御負担いただいているところであります。  こうしたことから、今のところ、市独自での補助による無償化については考えていないところでございます。 22 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 23 ◯ 10番(吉田  修君)  実は、子ども施策は、この10年余り、地方から進んで国を動かしてきた歴史があります。例えば就学前のこども医療費を3割負担から2割負担に国は改善しました。これは、全国でこども医療費の無料化が進んだ影響であります。国民健康保険のペナルティーと言われるいわゆる現物給付、窓口無料にしている自治体に対する国庫補助金の減額、これも就学前までは廃止されました。国民健康保険料の均等割、これも就学前まで半額になりました。このように、子ども施策は地方から充実が進んで、そして、国を動かすと、こういう構図になったわけであります。  この学校給食費無償化の問題も地方から前進させて国を動かすと、こういう流れをぜひつくってほしいと思います。  富山市でも、部分的な形でも検討を開始してほしいと強く求めたいと思います。  次に、こども医療費助成制度の問題であります。  昨年、県の助成が3歳児から就学前まで拡大したことによって──これは県の予算で1億5,000万円です──県内13自治体で18歳までの対象の拡大が、この4月から進みました。中学3年生までというのは富山市と上市町だけであります。  そこで伺います。  県の助成拡大で本市の財政の軽減額は幾らになったのか、幾らあったのか伺います。 24 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  古川こども家庭部長。 25 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)  こども医療費助成制度における県の補助につきましては、令和4年4月に通院分の対象が4歳未満から未就学児まで拡大され、所得制限も廃止されたところであります。  本市における令和4年度こども医療費助成の支出額は13億3,000万円余りを見込んでおり、令和3年度と比較し5,100万円余りの増となります。  また、令和4年度の県の補助額は2億4,000万円余りを見込んでおり、令和3年度と比較し8,800万円余りの増となります。  これに伴い、本市の財政負担は3,700万円余り軽減される見込みであります。 26 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 27 ◯ 10番(吉田  修君)  富山市が18歳まで拡大した場合、市の予算の必要額はどの程度を見込んでおられるでしょうか。 28 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  古川こども家庭部長。 29 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)  本市におけるこども医療費助成制度につきましては、現在は入院、通院とも助成対象を中学校3年生までとし、令和5年1月末において4万7,000人余りが助成対象となっています。  議員御指摘のこども医療費助成の対象を18歳まで拡大する場合、令和5年1月末で試算しますと、対象者が1万1,000人余り増加することとなり、必要な助成額は1億9,000万円余り増加する見込みであります。 30 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 31 ◯ 10番(吉田  修君)  富山市も18歳まで拡大すべきと考えます。  なぜ対象拡大に踏み出さないのでしょうか。市長の見解を伺います。 32 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  藤井市長。 33 ◯ 市長(藤井 裕久君)  お答えいたします。  本市におけるこども医療費助成制度につきましては、都市の総合力を高め、選ばれる都市となるための施策の1つとして今まで拡充してまいりました経緯があり、現在は入院、通院とも助成対象を中学校3年生までとし、子育て世代の経済的負担の軽減を図ってきたところでございます。  一方、こうした助成制度の拡大は、保護者の経済的負担の軽減などに寄与している反面、医療費増大の一因になっていることも指摘されており、それぞれの自治体が制度の妥当性や将来にわたる財政的な負担などを独自に判断して実施されております。  本市といたしましては、義務教育期間である中学校3年生までを対象とした現行の制度をしっかり維持していくことが妥当であると考えております。 34 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 35 ◯ 10番(吉田  修君)  次に、少子化対策、子育て支援への本市の取組の基本について伺います。  市長は、高田 真里議員の質問に対して、機運を盛り上げていくとおっしゃっていました。岸田首相も、国会で何度となく同様のことを言っておられます。  しかし、今求められているのは誰が機運を盛り上げるのかということであります。私は、政府と地方自治体こそが若者と子育て世代に将来への希望のメッセージ、そして、具体的で有効な少子化対策、子育て支援を打ち出すことではないでしょうか。  生涯未婚率、50歳時、1995年は男性で9.0%、2020年で28.3%、女性は17.8%、これは本当にびっくりいたします。  結婚するかしないか、子どもをつくるのかつくらないのかは個人の自由であります。戦前のような産めよ増やせよという時代ではありません。しかし、若者や子育て世代に本当に具体的な支援策を講じて、未来に希望が持てる、そういう国づくりをすることが今大事なのではないでしょうか。  非正規労働者、24歳から35歳、女性で34.3%、男性で14.4%、そして、2022年の出生数が80万人を切ったと。まさに少子化対策は待ったなし、私もそう思います。  ある専門家は、2025年までに手を打ち、2030年から効果を上げなければチャンスを逃してしまうと。なぜなら、1990年代に生まれた子どもたちは120万人。その人たちがそろそろこの2025年から2030年にそういう時期を迎えるわけであります。  そういう点で、少子化対策、子育て支援にどう取り組むのか、市長の基本的な考え方、若者や子育て世代に希望のあるメッセージを発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 36 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  藤井市長。 37 ◯ 市長(藤井 裕久君)  お答えいたします。  本市では、令和4年3月に策定した第2次富山市総合計画後期基本計画において、少子高齢化と人口減少への対応を大きな課題の1つとして位置づけております。  本市における少子化対策、子育て支援への取組につきましては、富山市議会自由民主党の高田 真里議員の御質問に答弁申し上げましたとおり、子育て環境の充実はもとより、結婚に向けた男女の出会いの機会の創出や若い世代の経済的な不安定さを解消するための雇用の安定など、様々な分野において地域や事業者、各種団体等の社会が一体となって取り組むことが重要であると考えております。  一方、国においては、本年4月に発足されるこども家庭庁の下、従来とは次元の異なる少子化対策の実現に取り組むこととされております。  本市といたしましては、今後の国の様々な少子化対策に呼応するとともに、基礎自治体ならではの視点で、きめ細かな子育て支援施策を継続して推進してまいりたいと考えております。  以上です。 38 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 39 ◯ 10番(吉田  修君)  この生涯未婚率──先ほど言いました、1995年から急速に直線的に上がっているわけですね。やっぱりここには根源的な原因がある。そこに手を打たなければならない。私は、全てではないですが、やはり働き方、2000年代から非正規、そして派遣が急速に伸びてきた、結婚したくてもできない、やっぱりこういう状況、そこにメスを入れなければ解決できないような気がします。  残念ながら、今、岸田政権の次元の異なる少子化対策、子ども予算の2倍化、これはまだまだ見えていない、中身が見えないというのが率直な現状であります。国待ちにならず、市長が先ほど言われました基礎自治体でできることをぜひ一つ一つ具体化して推進していただきたいと思います。  最後に、いわゆる大人のひきこもり問題についてお伺いします。  若い世代、大人のひきこもりが増大しております。8050問題も含めて、大きな社会問題になっています。  私の知人にも悩んでいる人がいます。知人──父親が82歳で、子どもが48歳。もう10年以上引き籠もっている。この問題は友達でもなかなか踏み込めない。地域の民生児童委員さんに聞くと、民生児童委員は玄関から上へ上がれない。玄関越しなのですね。全くそれはつかめない、どう援助したらいいのか分からない、そういう状況を聞いております。  本市としても、軽視してはならないテーマではないでしょうか。  内閣府の調査で、少し古いのですが、平成30年、40歳から64歳のひきこもり──これは推定です──61万3,000人。2015年、もっと古い平成27年、15歳から39歳で54万1,000人。合わせて115万人余りが大人のひきこもり状態と言われております。  この問題、私はずっと前から問題意識はあったのですけれども、全く私自身も取組ができておりませんで、これは大事な問題だと、改めて今思っている次第であります。  そこで、本市のいわゆる実態についてどのように把握されているのか伺いたいと思います。 40 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  田中福祉保健部長。 41 ◯ 福祉保健部長(田中 伸浩君)  本市独自でのひきこもりの調査はしておりませんが、県がひきこもり状態にある方の実態を把握し、今後のひきこもり支援施策の基礎資料とすることを目的として、令和元年度に実施されました生活状況に関する調査報告書によりますと、社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている、いわゆるひきこもりは、県内では15歳から39歳までの人口の1.19%で約3,000人、40歳から59歳までの人口の1.24%で約4,000人、60歳から64歳までの人口の3.4%で約2,000人であり、合計約9,000人と推計されております。  この調査結果を基に本市のひきこもりの人数を人口案分により推計しますと、15歳から39歳までが約1,300人、40歳から59歳までが約1,500人、60歳から64歳までが約800人であり、合計で約3,600人になると考えられます。 42 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 43 ◯ 10番(吉田  修君)  ある調査によりますと、大人のひきこもりの約41%は中学時代に不登校になった経験があると答えているそうであります。そういう点では、今増えております小・中学生、あるいは高校生もですが、不登校の問題とこの大人のひきこもりは地続きの問題だと思います。そういう点では、不登校の問題の解決も極めて重要だと私は思います。  そして本市は、今年度から重層的支援体制整備事業に手を挙げて取り組んでおられます。取組の現況と今後の方向性について伺います。 44 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  田中福祉保健部長。 45 ◯ 福祉保健部長(田中 伸浩君)
     本市で今年度から実施している重層的支援体制整備事業につきましては、市民の複雑で複合的な課題や制度のはざまのニーズを具体の支援につなげるため、各支援機関の連携体制の構築をはじめ、必要に応じた訪問支援や居場所づくりなどの参加支援事業を設けるなど、重層的な支援の体制づくりに取り組んでいるところであります。  こうした中、今年度、この事業の中で、地域包括支援センターの相談窓口を通じて、障害のある無職でひきこもり状態の子と要介護認定を受ける80代の親が経済的問題を抱える、いわゆる8050問題として把握した事例があり、関係者が情報を共有しながら支援方針を検討するため支援会議を開催し、世帯が抱える課題を整理した上で、適切なサービスへつなげることができたところであります。  これまでも生活困窮や高齢、障害など、分野や世代をまたがる複雑で複合的な課題につきましては、多様な支援機関が関わり、課題を解きほぐして個別の支援につながるよう取り組んでまいりましたが、この重層的支援体制整備事業という新たな支援の仕組みを設けたことで各支援機関の取組がさらに充実したものとなるよう後押しすることができるものと考えております。  今後、重層的支援体制整備事業につきましては、その時々の社会情勢の変化に合わせて的確に対応していく必要があるものと考えており、引き続き各支援機関との連携を深め、包括的な支援体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。 46 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  10番 吉田  修君。 47 ◯ 10番(吉田  修君)  すぐに結論が出たり、解決する問題ではない地味な取組ですが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  全国の自治体には、例えば豊中市や東京都豊島区など、先進的な取組をされている自治体もあります。その2つの区や市では、コミュニティソーシャルワーカーという職種を配置して、本当に粘り強く地域の皆さんと協力してやっている。そういう先進地にも学びながら、この富山市でもぜひ頑張っていただきたい。  私も今後、積極的に関わっていきたいと思っております。  ぜひ共に頑張っていきたいということを申し上げまして、質問を終わるわけですが、いずれにしても、少子化対策につながる子育て支援、これに全力を挙げて、当面の最重点の1つとして取り組んでいただきたいことを最後に強調して、終わります。ありがとうございました。 48 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これで吉田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。   〔29番 橋本 雅雄君 登壇〕  29番 橋本 雅雄君。 49 ◯ 29番(橋本 雅雄君)  令和5年3月定例会に当たり、会派 誠政より一般質問をいたします。  今回は、富山市の人口ビジョンについて質問をいたします。  昨年の3月定例会でも人口減少問題について伺いましたが、この問題は本市においても最重要課題と捉え、今議会でも再度取り上げたいと思います。  本市では、令和42年(2060年)の目標人口を34万5,000人程度に設定しています。これは、あらゆる対策を講じ、人口減少を最小限にとどめることを前提に求められた数字だと思います。令和4年12月末日時点での本市の人口は40万9,075人でしたから、今後、約6万4,000人の減少が見込まれた目標値は、ある程度理解しながらも、大変残念な数字に感じられます。富山市として都市機能を維持していくためには最低限この目標は達成しなければならないと考え、以下、質問をしていきます。  それではまず、社会動態について考えます。  富山市人口ビジョンは平成27年度に策定され、本市が目指すべき将来の方向と人口の将来展望が示されています。このビジョンの策定時及び令和2年の改定時は、平成20年から続いていた社会増の状況でありました。したがって、令和42年の目標人口を34万5,000人程度に設定するに当たり、社会減の状況に陥ることは想定されていなかったのではないでしょうか。  しかしながら、令和3年には521人の社会減に転じてしまいます。令和4年は再び576人の社会増へと立て直すことができましたが、まだまだ予断を許さない状況です。果たして、目標人口が下方修正されることもあるのでしょうか。  そこで質問です。  社会減の状況が続いた場合、目標人口にどのような影響があると考えられるのかお聞かせください。  昨年、私は、令和3年に転出超過に転じた社会動態について当局ではどのような認識を持っているのかと質問いたしました。当局では、新型コロナウイルスの感染拡大によって、国内、国外を問わず人の移動が大きく制限されており、このことによって本市における人口の社会動態にも影響がもたらされているものと考えていると答弁されています。移動が制限されているのならば転出も制限されているはずで、転出超過の理由にはならないのではないかと疑問が残ったものです。  それはさておき、このところ、人口の東京への一極集中が再び加速しているようです。総務省が公表した2022年の住民基本台帳に基づく人口移動報告では、東京都の転入超過が3万8,023人であり、超過幅が3年ぶりに増加したと言います。コロナ禍の影響はもはや理由にならなくなっているのではないでしょうか。  その上でお聞きします。  このような状況の中で、今後、本市の社会動態はどのように推移していくと考えられるのか見解を伺います。  これまでは、社会増を維持するために移住者を増やそうという観点から様々な施策を講じてきたところではないでしょうか。もちろんこれも大事なことには違いありませんが、これからは、いかに転出者を減らすのかが安定した社会動態のために必要であると考えています。  市民の皆様に本市にとどまっていただけることはもちろん、住み続けたいと思われるような取組を強化しなければならないと思います。当局の見解を伺います。  20代前半の女性の転出が最も多いことは人口ビジョンにも示されていますし、昨年の市民生活部長の答弁にもありました。ここを何とかしなければなりません。本市の出生率、出生数にもつながります。  若い女性の転出が多い主な要因は、進学や就職によるものと考えられています。さすがに新しく大学や専門学校等をつくるわけにはいかないと思いますが、県内の学校への進学に導くような取組ならば可能でしょう。  また、地元で就職していただくためにも、若い女性に選ばれる職場づくりや新産業の創出等、今取り組むべきことは必ずあるはずです。  誰からも選ばれるまちづくりはもとより、女性に選ばれるまちづくりも重要な課題です。  令和4年3月には第2次富山市男女共同参画プラン後期実施計画が策定されています。この計画に基づき、どのような取組が行われ、その成果をどう捉えておられるのでしょうか。  また、新年度に新たな取組等があれば、併せてお聞かせください。  次に、自然動態に関する出生率について質問いたします。  人口ビジョンでは、その目標人口の設定に当たり、出生率について3つの推計パターンが示されていました。どのパターンを選択するかで全く違った人口推計が導き出されるのです。  令和42年の目標人口を34万5,000人程度としたのは、富山市民の希望出生率である1.88を目標出生率としたパターンを用いたものです。  そこで質問です。  この推計パターンを選択した理由についてお答えください。  本市の合計特殊出生率は、平成17年の1.35から年々上昇基調が続いているとされ、平成27年以降は国の値を上回る1.5台で推移、平成30年には1.55まで回復しています。13年でプラス0.2という数字を見れば、今後の目標値1.88までのプラス0.33は現実的な数字に思えます。  しかしながら、これはあくまでも最低値からの積み上げであり、もう少し長いスパンで見ると、平成の約30年間、始まりと終わりの出生率はほぼ同じであります。果たして出生率1.88は達成可能な数字なのか、当局の見解を伺います。  出生率が現状のまま推移した場合、令和42年の総人口は32万6,591人と推計され、年少人口は大幅に減少すると見込まれています。先ほどの目標人口34万5,000人とその差は約1万8,400人、総人口で見れば大きな数字に見えないかもしれませんが、これはほぼ年少人口の数であり、この後も続くであろう負の連鎖は容易に想像がつきます。  出生率を高めるためにはさらなる取組が不可欠です。短期的に取り組むこと、中長期的な視点で考えること、あらゆる施策を展開しなければならないでしょう。  出生率向上に向け、今後の取組について見解を伺います。  国が子育てにどれだけ支出したかを示すものに家族関係社会支出があります。これは、子どもや独り親を対象とした現金給付、産前産後の休業補償、保育、幼児教育や児童養護をはじめとした現物給付などであり、家族関係と称されつつ、実態は子育て関連支出と言えます。  2022年版少子化社会対策白書によると、日本の家族関係社会支出は、児童手当の段階的拡充や保育の受皿拡大等により着実に増加してきたものの、2019年度の対国内総生産(GDP)比では1.7%にすぎません。同年度の統計ではなく、2017年度の数字になりますが、スウェーデンは3.4%、イギリスは3.24%でした。国民負担率の違いもあり、単純に比較できないとしながらも、日本は欧州諸国と比べて家族政策全体の財政的な規模が小さいと言います。そして、家族関係社会支出と出生率は正の相関関係が成り立つとも言われます。  私は、さすがに一概に言い切ることもできないと思っているものの、1つの指標にはなると考えています。  家族関係社会支出と出生率の相関関係について、当局ではどのような認識をお持ちでしょうか。見解を伺います。  岸田首相は、本年の通常国会、施政方針演説の中で、従来とは次元の異なる少子化対策を実現したいと力強く訴えられました。その後の衆議院予算委員会では、家族関係社会支出を2020年度のGDP比2%から倍増を目指す考えを示されています。大いに期待し、ここで岸田首相の意気込みに対する市長の見解をお聞きしようと通告していました。しかしながら、その後の首相の発言を注視する上で一定の方向性が見えてこないため、この質問は割愛させていただきます。  さて、そこで、本市の予算に占める子ども・子育て関連支出の比率が気になるところです。いま一度、昨年3月の企画管理部長の答弁を引用します。「本市ではこれまで子育て支援策の充実に努めてきましたが、その結果、合計特殊出生率は平成17年の1.35から年々上昇基調が続いており、平成27年以降は国の値を上回る1.5台で推移する状況となっております」ということでした。  それでは、この間、子ども・子育て関連の予算比率はどのように推移していたのかお答えください。  ここまで、子ども・子育て関連の予算を増額せよとの視点で質問してきました。ただ、私はやみくもに増やせ、増やせと言うつもりはなく、その使途は十分に議論を尽くすべきです。  私は、無償化や給付、助成といった経済的な支援はどこかで歯止めをかけるべきだと思っており、それよりも子育てをする上での安心・安全のために注力することが少子化対策になると考えています。  保育士や保育教諭、教職員の加配、障害の有無に関わらず誰もが安心して預けられる保育環境や安全に通うことのできる学校づくり等々、さらに、極端に言えば、生活費を得るための賃金アップや子育てしやすい職場環境づくり等も少子化対策のための子ども・子育て関連予算だと捉えています。  本市の子ども・子育て施策を考える上で、今後重要視されるのはどのようなことでしょうか。見解を伺います。  今後、国からの子ども・子育てに関する予算が増額されていけば、当然本市においてもその比率が高まっていくものと考えられます。  しかしながら、国から下りてくる事業をそのまま実行していくだけなら、全国の自治体全てにおいて一律の制度が出来上がるにすぎません。  私は、この富山市が子ども・子育てに関して日本一の自治体でありたいと願っています。比較的小規模な自治体が思い切った施策を講じている例もありますが、中核市である本市がその名のりを上げることに大きな意味があると思うのです。  藤井市長のスマートシティ構想とともに、子ども・子育て日本一を掲げてみてはいかがでしょうか。本市においても異次元の少子化対策の実現を期待したいものです。  スマートシティ構想における今後の子ども・子育て施策について藤井市長の見解を伺います。  以上です。 50 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  藤井市長の答弁を求めます。   〔市長 藤井 裕久君 登壇〕 51 ◯ 市長(藤井 裕久君)  橋本議員の御質問にお答えいたします。  私からは、富山市人口ビジョンについてのうち1点にお答えし、その他の事項につきましては担当部長からお答えを申し上げます。  まず、富山市人口ビジョンについてのうち、スマートシティ構想における今後の子ども・子育て施策について見解を問うについてでありますが、昨年11月に策定した富山市スマートシティ推進ビジョンでは、子ども・子育てに関する目標として「地域の宝を未来へつなぐ地域づくり・人づくりのまち」を掲げております。このまちづくりの目標を実現するため「地域ぐるみで子育てがサポートされている」を重点的な取組の方向性として掲げており、この中で、デジタル技術を活用した切れ目のない子育て支援にも取り組んでいくこととしております。  デジタル技術を活用した具体的な施策といたしましては、子育て支援AIチャットボットの導入に加え、本市の子育て関連施設やサービスを紹介する冊子にQRコードを掲載することで各施設のウェブサイトや動画に容易にアクセスできるようにするなど、子育て世帯が分かりやすい情報をスムーズに得られるよう積極的に取り組んできたところでございます。  また、今年度において、保育施設の申込み手続の一部や児童扶養手当に関する面談予約等の手続のオンライン化にも取り組んでおります。  さらに、新年度において市公式LINEを活用した子育て支援情報の発信や独り親家庭等の高校生を対象とするスマート端末を利用した学習支援に取り組むため、必要な経費を令和5年度当初予算案として本定例会に提案したところでございます。  今後につきましては、地域の宝である子どもたちを地域全体で守り、育む環境づくりに取り組むとともに、地域のどこに住んでいても安全・安心で、誰もが豊かさを享受し、実感できるような社会の実現を目指して、フェイス・トゥ・フェイスの中で寄り添いながらのぬくもりのある支援はもちろんのことでありますけれども、スマートシティ構想においても子ども・子育て施策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 52 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  前田企画管理部長。   〔企画管理部長 前田 一士君 登壇〕 53 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  私からは、富山市人口ビジョンについての質問5点にお答えいたします。  まず、転出超過が続くと目標人口にどのような影響があると考えられるのかのお尋ねにお答えいたします。  初めに、人口ビジョンはまち・ひと・しごと創生法に基づき、地方公共団体における人口の現状と将来の展望を提示するものであり、本市は、地域の実情に応じた今後5か年の施策の方向を示す地方版総合戦略の策定と併せて、平成27年度に策定いたしました。  その後、国の人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂に伴い、本市におきましても、最初のビジョン等の策定から約5年が経過した令和2年3月に第2期となる富山市人口ビジョン及び富山市まち・ひと・しごと総合戦略を策定したものであります。  本市の第2期人口ビジョンの策定に当たりましては、国からの通知や国が示した地方人口ビジョンの策定のための手引きを活用しながら、平成27年国勢調査の人口を基準に、平成25年9月と平成30年9月の住民基本台帳人口を比較した人口の移動率のほか、出生率や生残率など、国立社会保障・人口問題研究所の推計データ等も参考にしながら分析した結果、令和42年(2060年)における本市の目標人口を34万5,000人程度と定めたものであります。  現在のところ、第2期人口ビジョンにおける目標人口自体を修正する考えはありませんが、2年後に予定される次期人口ビジョンの策定の際には、人口の社会動態の動向など、第2期人口ビジョン策定時以降の状況の変化なども十分踏まえて対応してまいりたいと考えております。  次に、今後、本市の社会動態はどのように推移していくと考えられるのかのお尋ねにお答えいたします。  本市では、平成20年から転入者数が転出者数を上回る人口の社会増の傾向が13年連続で続いておりましたが、令和3年は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、特に外国人の日本への移動が大幅に制限された影響もあって、本市においても人口動態が、先ほど議員が御紹介されましたように、マイナス521人の社会減となったものでありますが、令和4年には再びプラス576人の社会増となっております。  日本では、新型コロナウイルス感染症に係る感染症法上の位置づけを、本年5月8日から、二類相当から季節性インフルエンザと同様の五類感染症に移行することが決定しており、社会経済活動は徐々に正常化に向けて回復が進んでいくものと考えられることから、今後、人の移動もさらに活発化していくものと見込まれます。  こうしたことから本市では、人口の社会増が今後再び継続していくことを期待しているところでありますが、議員御指摘のとおり、東京圏への転入超過が再び拡大する動きも見られることから、今後の動向については注視する必要があるものと考えております。  次に、市民が住み続けたいと思う取組を強化しなければならないと考えるが、見解を問うにお答えいたします。  議員御指摘のとおり、転出者、とりわけ若年層の県外への転出を減少させることは、本市の人口力を一定程度維持し、人口減少をマイルドにする上で大変重要な視点であると考えております。  このたび本市では、これまでも将来世代に責任が持てる持続可能な都市経営の構築を目指し、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを政策の基本に据え、雇用や教育、福祉、子育て、環境、文化など、様々な分野の施策に包括的に取り組み、都市の総合力を高めることで住み続けたいまち、暮らしたいまちとして誰からも選ばれるまちづくりを進めてきたところであります。  さらに、今後市では、これまでのコンパクトシティ政策とデジタル技術の活用により行政サービスの効率化や市民の生活の質の向上を図るスマートシティ政策との融合を推し進めることで、市域のどこに住んでいても不便さを感じることなく、安全・安心で、誰もが豊かさを享受できる地域社会の実現を目指す取組も開始したところであります。  令和2年に本市が18歳以上の市民約5,000人を対象に行った富山市民意識調査の結果では、約9割の方が「住み良い」と回答され、また、8割以上の方が住み続けたいと回答されております。  また、民間の調査ではありますが、全国住み続けたい街ランキング2020で本市が第1位に選ばれるなど、実際に本市に住んでいる方がその住みやすさを実感されていることが様々な調査結果において現れているものと受け止めております。  本市といたしましては、市民の皆さんに今後も本市に住み続けたい、暮らし続けたいと感じていただける、市民からも選ばれ続けるまちづくりをさらに進めてまいりたいと考えております。  次に、目標人口の設定方法について、3つの推計パターンのうち、富山市民の希望出生率1.88を目標出生率とした推計パターンを選択した理由についてのお尋ねにお答えいたします。  第2期人口ビジョンを策定するに当たり、本市では、その前提条件である合計特殊出生率の設定方法の違いにより3通りの人口推計を行っております。まず1つ目が、合計特殊出生率の値を第1期人口ビジョンを策定した平成27年の1.53を基準とし、令和42年(2060年)まで1.50から1.53程度で推移することを前提として推計したもの、2つ目が、人口が増加も減少もしない均衡した状態、いわゆる人口置換水準である2.07に向けて、令和22年(2040年)まで上昇し、その後は変化しないことを前提として推計したもの、3つ目が、市民アンケートの結果を基に算出した市民の希望出生率である1.88に向けて、令和42年(2060年)まで上昇することを前提として推計したもの、以上、3通りの方法によって行ったものであります。  第2期人口ビジョンでは、3つ目の方法、すなわち出生率が市民の希望出生率である1.88まで上昇するパターンを採用いたしましたが、その理由といたしましては、令和42年(2060年)時点の推計人口である34万5,000人程度が3通りの推計方法の中で中間の値を示す結果であったこと、また、人口ビジョンが本市の目指す人口の将来像を示す性質のものである以上、富山市民の希望出生率を用いることが最もふさわしい方法であると判断したためであります。
     最後に、出生率1.88は可能な数字なのかのお尋ねにお答えいたします。  本市における合計特殊出生率の推移を見ますと、平成17年の1.35から上昇基調にありましたが、平成30年の1.55をピークに減少に転じており、令和3年は新型コロナウイルス感染症が蔓延したことの影響から出産を控える動きが強まったこともあり、1.43にまで低下しております。  こうした中、本市の第2期人口ビジョンに掲げた目標出生率1.88は、先ほど申し上げましたように、令和2年に行った市民アンケートを基に算出した富山市民の希望出生率を表す数値であります。  もとより、少子化対策は本市の行財政運営上の最大の課題であり、また、国においても国家的な課題であるとされており、「こどもまんなか社会」の実現に向けてこの4月にこども家庭庁を新設するなど、子ども・子育て政策を最重要課題と位置づけ、次元の異なる少子化対策を実行する方針が示されております。  本市におきましては、国に先駆け、平成29年4月にこども家庭部を設置し、包括的な体制の下で子ども・子育て支援政策の充実に努めてきたところであります。  また、令和5年度当初予算編成においては、重点施策の1つとして出産・子育て環境の充実の項目を設定し、予算の重点的・効率的な配分に努めたところであり、引き続き子どもを産み育てやすい環境の整備に鋭意努めてまいる所存であります。  いずれにいたしましても、静かな有事とも言える少子化の進行に歯止めをかけるため、本市としても、国や他の地方公共団体の動向などを注視するとともに、組織を挙げて少子化対策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 54 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  大沢市民生活部長。   〔市民生活部長 大沢 一貴君 登壇〕 55 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  私からは、富山市人口ビジョンについてのお尋ねのうち、第2次富山市男女共同参画プラン後期実施計画に基づき、どのような取組が行われ、その成果をどう捉えているのか、また、新年度の新たな取組について問うにお答えいたします。  本市では、平成29年3月に策定した第2次富山市男女共同参画プラン前期実施計画の下、豊かで活力に満ちた男女共同参画社会の実現を目指し様々な事業に取り組んでまいりましたが、依然として男女が平等ではないと感じられている分野が見受けられるなど、課題が残る状況でありました。  こうしたことを踏まえて、令和4年3月に策定した第2次富山市男女共同参画プラン後期実施計画では、1つに、「男女共同参画の意識の醸成から行動を促す」、2つに、「誰もが共にいきいきと活躍する社会を創る」、3つに、「支え合う家族・地域社会づくりの推進」、4つに、「あらゆる暴力ゼロの環境づくりの推進」の4つの基本目標と施策を定め、各事業を総合的かつ計画的に推進しております。  具体的な取組としましては、1つに、男女共同参画の意識を浸透させるための広報、啓発活動として、男女共同参画とやま市民フェスティバルの開催や男女共同参画に関する情報交流誌「あいのかぜ」の発行、2つに、男性の家事参画を促し、女性の負担を減らすことで女性が活躍できる環境づくりの推進として「家事ダン」マイスター認定事業の実施、3つに、家族一人一人が育児に対して責任を持ち、男性が積極的に育児を担う意識を醸成するためのパパママセミナーの実施、4つに、パートナー間のあらゆる暴力根絶のための意識づくりの推進としてDV防止啓発講座の開催など、様々な事業を実施しており、前期実施計画の目標の達成状況から、少しずつではありますが、男女共同参画社会の実現に向けた成果が現れてきていると考えております。  次に、新年度の新たな取組としましては、多胎妊娠の妊婦が通常の14回の妊婦健診に追加して受診する健診費用を助成する事業や低所得者の妊婦で妊娠判定のために受診した初回の受診費用を助成する事業、さらに、妊娠期から子育て期まで一貫して相談できる伴走型相談支援と出産や子育てを応援するギフトを支給する経済的支援を一体的に実施する事業などが予定されております。  本市といたしましては、社会の多様性と活力を高め、より豊かに発展していくため、男性も女性も性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 56 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  古川こども家庭部長。   〔こども家庭部長 古川 安代君 登壇〕 57 ◯ こども家庭部長(古川 安代君)  橋本議員の富山市人口ビジョンについての御質問の4点についてお答えいたします。  初めに、出生率向上に向けた今後の取組について問うにお答えいたします。  本市では、これまで全ての妊産婦や子育て世帯が安心して出産や子育てをできる環境づくりを推進してまいりました。具体的には、1つに、産後ケア応援室やお迎え型病児保育などを行うまちなか総合ケアセンターの開設、2つに、妊娠期から子育て期にわたり保健師等が妊産婦や乳幼児等の支援を行う子育て世代包括支援センターの設置、3つに、子育てに関わる各関係機関が連携して支援する育児サポートネットワーク富山市版ネウボラの構築、4つに、保育所や認定こども園等の教育・保育の受皿の整備など、妊娠から出産、乳幼児、青少年に至るまで切れ目のない子育て支援の充実に取り組んできたところであります。  また、男性の家庭生活への参画を促進する「家事ダン」マイスター認定事業や、妊娠、出産の正しい知識の普及や父親の育児参加を促進するパパママセミナーを実施するなど、女性に偏る家事・育児の負担の軽減を図り、男女が共に仕事と家庭を両立できるよう各種施策に取り組んでまいりました。  一方、国においては、若い世代の結婚や出産の希望をかなえる希望出生率の実現に向け、本年4月に発足されるこども家庭庁の下で総合的な少子化対策を大胆に進める、従来とは次元の異なる対策の実現を掲げておられます。  本市といたしましては、今後の国の様々な少子化対策に呼応するとともに、基礎自治体ならではの視点でのきめ細やかな子育て支援策の充実により出生率の向上につなげたいと考えており、新年度において出産・子育て応援事業や多胎妊娠、低所得の妊婦への支援、子育て支援センターの新設などに取り組むため、必要な経費を令和5年度当初予算案として本定例会に提案したところであります。  次に、家族関係社会支出と出生率の相関関係について見解を問うにお答えいたします。  令和2年5月に閣議決定された少子化社会対策大綱において、我が国の家族関係社会支出の対GDP比は、フランス、スウェーデン、ドイツなど、出生率の回復を実現した欧州諸国と比べて低水準であることが指摘されております。  また、我が国と諸外国との社会経済や国民負担の在り方の差異に留意しつつ少子化対策を検討することが重要であるとされております。  議員お尋ねの家族関係社会支出と出生率の相関関係につきましては、国単位の諸事情を踏まえて考える必要があることから一自治体の立場から申し上げられませんが、本市といたしましては、子育て環境の充実を含む少子化対策において効率的かつ効果的な施策を検討し、必要な予算を確保することが重要であると考えております。  次に、子ども・子育て関連の予算比率の推移について問うにお答えいたします。  本市の子ども・子育て関連の予算比率につきましては、こども家庭部創設初年度である平成29年度当初予算では、こども家庭部所管予算は246億7,000万円余りであり、一般会計予算総額に占める割合は16.0%でありました。その後、幼児教育・保育の無償化等によりこども家庭部所管予算は増加しており、令和2年度には292億1,000万円余りで17.6%と最も高くなっております。令和3年度には市立保育所の建設費用の減などにより287億2,000万円余りで16.6%と減少しておりますが、今年度は289億5,000万円余りで17.2%と増加し、全体としては増加傾向で推移しております。  最後に、子ども・子育て施策で今後重要視することについて見解を問うにお答えいたします。  近年、少子化・核家族化の進展、共働き世帯の増加、地域のつながりの希薄化が進むなど、子どもや家庭を取り巻く環境が大きく変化しており、子育てを社会全体で支えることができる環境づくりが喫緊の課題となっております。  こうした中、本市において誰もが安心して子どもを産み育てられる環境を整備するためには、社会環境の変化や市民ニーズの適切な把握や社会が一体となって子育てを支える機運の醸成に取り組むことが重要であると考えております。  このため、新年度において子ども・子育て支援に関するニーズ調査や子どもの貧困に関する調査に加え、地域の民生委員などを対象に本市の子育て支援の取組に関する情報発信を行うため、必要な経費を令和5年度当初予算案として本定例会に提案したところであります。  以上であります。 58 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これで橋本議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                              午前11時29分 休憩                              ───────────                              午後 1時10分 再開 59 ◯ 副議長(成田 光雄君)  議長が都合により出席できませんので、私が代わって議事を進めさせていただきます。  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  33番 佐藤 則寿君。   〔33番 佐藤 則寿君 登壇〕 60 ◯ 33番(佐藤 則寿君)  令和5年3月定例会に当たり、公明党より一般質問並びに議案の質疑を行わせていただきます。  私は、平成15年4月、合併前の旧富山市の市議会議員として初当選させていただいてより、間もなく20年という節目を迎えます。富山市議会公明党において初の4人目の議席を獲得させていただき、当選後、速やかに議会改革に関する会派要望書を議長に提出したことや、平成15年6月の初議会では手が震えるほどの緊張の中で元気いっぱいに初質問に臨み、議長をはじめ、諸先輩議員や市長からの激励をいただいたことを思い出します。改めて、これまでお世話になった議員各位、市長、当局関係者の皆様に心から感謝の思いを込めまして、誠に勝手ながら、最後の一般質問をさせていただきます。  私からは、藤井市長による今後の市政運営について伺います。  藤井市長の誕生から間もなく2年、1期目の折り返し点を迎えました。藤井市政は、コロナ禍において激変する様々な情報への対応や市民の生活を支えるための施策を迅速に実行する中で「幸せ日本一とやま」の実現を目指してスタートされ、明年度予算案にはスマートシティ推進ビジョン特別枠や部局主導裁量枠を新設するなどにより、いよいよ藤井カラーが如実に現れ始めております。  将来市民に希望をつなぐ政策の推進に向け、市長らしいさらなる手腕の発揮を心から期待しております。  私は当選当初から、公明議員として、バブル崩壊後の財政が脆弱化する県内市町村の未来を見据えると行財政の効率化は必須であり、旧富山市だけの持続を探るのではなく、人口減少時代を見据えた広域行政の必要性を訴え、市町村合併の推進もいたしました。  そこで初めに、持続可能な行財政運営の観点から、7市町村が合併した現富山市の評価について見解を伺います。  公明党と自民党との連立政権の発足から既に23年が経過しました。公明党が政権入りして真っ先に取り組んだ1つが中心市街地の活性化に伴う法整備であり、そうした中での本市の中心市街地活性化基本計画が国の認定第1号として承認されました。  本市では、その後も環境モデル都市、環境未来都市、今ではSDGs未来都市など、我が党が主導する国策と呼応して地方主導型のまちづくりを展開してきました。  バブル経済崩壊後の我が国では、右肩上がりの高度経済成長下において進められてきた中央主導の国策に従うのではなく、地方行政が力強く主体的に行う施策に対して国がサポートするよう誘導してきた公明党が富山市の発展に大きく寄与してきたと、私なりに確信をしております。  そこで改めて、我が党が富山市の発展に果たした役割について市長の所見をお聞かせください。  本市のコンパクトシティ政策の1つの到達点として、新幹線の開通とともに、JR等の鉄軌道の高架化と路面電車の開通により富山駅周辺の南北の分断が解消されたことは大変喜ばしく、市民からも本市の魅力のさらなる拡大に大きな期待が寄せられております。  藤井市長におかれては、合併後の総括を踏まえながら、今後も根気強く、旧町村に住み続けられる方々にも寄り添う中で、明年度予算案に数多くの新規事業など、スマートシティ政策の推進がなされており、その結実に尽力されるものと期待をしております。  一方で、富山駅などの中心街にも近く、居住地域としても大いに期待が持たれながら、いわゆる市街化調整区域であるため宅地開発が進まず、住民人口が減り続け、さらに、農業振興についても希望が見いだせないとの現実的な悲痛な声があります。  こうした地域のまちづくりにおいても住民に寄り添った今後の施策を願いますが、見解を伺います。  旧富山市地域においても様々な将来不安を抱かれる方々がおられることも事実であり、こうした地域住民や自治会などに対しても十分に寄り添い、変容する社会情勢にも即した積極的な施策の考案を期待しますが、おのおのの地域住民の課題解決に対して、今後どのように取り組まれるのか市長の御所見を伺います。  私は、これまで福祉施策についても様々な観点から議会質問でも取り上げてまいりましたが、改めて振り返りますと、合併前の富山市議会議員としてスタートしたからか、いわゆる選ばれる富山市を目指し、ともすると、県内の市町村との差別化を顕著にする施策を提案する傾向もあったかと率直な反省点があります。例えば、本市の子どもの医療費の無料化においては幾度も拡充をしてきましたが、一面では、県内の市町村間で競いながら推進してきたようにも見えます。おのおのが特徴ある施策を持とうとすることにも理解をいたしますが、高校生までの医療費の無料化やがん患者らへのアピアランスケアの助成制度などの福祉施策では、県内どこでも同じサービス水準にしたほうがよいと思われる施策があります。  私は、これまで県内唯一の中核市として広域連携をリードすべきだとも主張してきましたが、現在は新田県知事の下で「ワンチームとやま」連携推進本部会議が設けられました。ぜひとも、このような福祉施策についても検討いただきたいと考えますが、本市の今後の取組を伺います。  さて、東日本大震災の発災からちょうど12年を迎えるに当たり、改めて震災によってお亡くなりになった方々の御冥福を心より祈念するとともに、復興に挑み続ける方々に敬意を表するものであります。  私は、この20年間の議会活動の中で一貫して取り組んできたことの1つが、災害に対する施策であります。災害と一言で言っても、地震や台風、豪雪などの自然災害から感染症の流行など様々であり、その対策についても無限にあるとも言えます。  そうした中で、阪神・淡路大震災のときに被災者支援のシステムを開発、統括された吉田 稔被災者支援システム全国サポートセンター長を訪ね、直接お話を伺うなど、12年前から導入を提案してきた被災者生活再建支援システムが明年度予算案に計上され、心から歓迎しております。  また、今年度においても、長きにわたり求めてきた防災危機管理部が藤井市政の下で新設されました。  そこで改めて、設置から1年が経過し、その成果や今後の取組について所見を伺います。  大規模災害等の対応については、事前の防災対策から発災直後の初動対応、市民生活の復旧・復興までのタイムラインの中での具体策や、県や国など、関係機関との連携や訓練など、様々な体制やシステムの整備が重要と考えます。  消防、救急、上下水道、病院、教育機関や福祉関係機関等との連携など、市長を中心として全部局がマニュアルを超えた想定外の事象にも対抗する発想力と果敢な実行力を期待しております。  そこで、被災住民の身近で対応に当たる代表的な部局として、消防局、上下水道局、病院事業局、福祉保健部、環境部において想定される主な課題や今後の取組について伺います。  住民生活に直結する富山市の行政機関においては、被災者の心の復興に至るまで寄り添い、誰一人取り残さないとの強い決意の下、多岐にわたる施策の展開が望まれます。既にスマートシティ政策に取り組むこれまでの質疑の中でそうした思いにも通ずる市長答弁もございましたが、改めて、危機事象に対する防災・減災への取組について市長の決意を伺い、私の最後の一般質問といたします。  長きにわたり、当局並びに議員各位、皆様には大変にお世話になりました。誠にありがとうございました。                                    (拍 手) 61 ◯ 副議長(成田 光雄君)  藤井市長の答弁を求めます。   〔市長 藤井 裕久君 登壇〕 62 ◯ 市長(藤井 裕久君)  佐藤議員の御質問にお答えいたします。  私からは、今後の市政運営についてのうち3点にお答えし、その他の事項につきましては担当部局長から答弁をいたします。  まず、藤井市長による今後の市政運営についてのうち、公明党が富山市の発展に果たした役割について見解を問うにお答えいたします。  国政の場におきましては、平成24年12月執行の第46回衆議院議員総選挙の結果を受けて自公連立政権が復活して以来、その後の国政選挙で幾度も国民の審判を経ながら、今日まで連立政権が続いていることは御承知のとおりでございます。このことは、安定した政権基盤の下、国の内外に山積する困難な課題にしっかりと対応していただきたいという国民の強い期待の表れであると私自身は受け止めており、政権の一翼を担う公明党の果たすべき役割は極めて大きいと認識をしております。  一方、本市におきましては、公明党の副代表を務められ、一昨年に政界を引退されました本市出身の井上 義久先生には、これまで大所高所から市政の推進に大変なお力添えをいただき、心より感謝をしております。  また、本市が森前市長の時代から政策の柱として取り組んでおります公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進するに当たって、故冬柴 鐵三先生には、国土交通大臣在任中、市内電車環状線事業において、軌道法の特例として上下分離方式による軌道事業第1号認定をいただいたほか、太田 昭宏先生並びに石井 啓一先生には、それぞれ国土交通大臣在任中、富山駅路面電車南北接続事業において、上下分離方式で軌道施設の整備が可能となる軌道運送高度化実施計画についての国の認定をいただいたところであります。  さらに、赤羽 一嘉先生には、令和2年3月の富山駅路面電車南北接続開通式及び南北自由通路完成式に現職の国土交通大臣として御出席いただき祝辞を賜るなど、本市は、公明党の国会議員の先生方にはこれまで大変お世話になってきたものと承知をしてございます。  また、長期化するコロナ禍において、子育て世帯や住民税非課税世帯への給付金事業など、政権与党である公明党におかれましては、暮らしを守るための様々な施策を提案され、国の施策として事業化されたものが多く──これは議員紹介のとおりであります──本市におきましても、市民の命と安全、生活を守るため、これらの国の制度を十分に活用させていただいてきたところでございます。  いずれにいたしましても、本市といたしましては、今後ともコンパクトシティ政策を継続、深化させるとともに、スマートシティ政策との融合を推し進めていくことで「幸せ日本一とやま」の実現を目指してまいりたいと考えておりますので、引き続き御党の大きなお力添えをいただくことをお願い申し上げる次第でございます。  次に、地域住民や自治会等に対して寄り添い、積極的な施策の考案を期待するが、おのおのの課題解決に今後どのように取り組むのか見解を問うにお答えいたします。  本市には1,400余りの町内会があり、小学校区を基本として町内会が構成メンバーとなる自治振興会が79団体あり、臨海部から中山間地域、都市部や農村部において様々な活動を通して地域の活性化を図っておられるとともに、それぞれの地域課題に対し要望活動を熱心に行われるなど、これまでも課題解決に努めておられ、地域の皆様には深く敬意を表するところであります。  こうした中、昨年、市内のある町内会が、人口減少や高齢化により役員の成り手が僅か数人に限られ、自治振興会から割り当てられている役員選出ができないとの理由により自治振興会に対して脱会を強く要望され、自治振興会では慰留に努められましたが、結果として引き止めることができなかったという事例も発生してございます。  加えて、コロナ禍によりこれまでの3年間は地域行事等の中止や延期、縮小など、思うような活動ができない状況が続き、この間の役員の経験不足なども相まって、行事等をコロナ禍前の状態に戻すには大変厳しいものがあるということを自治会の関係者の皆さんから伺っているところであります。  本市では、これまでも地域住民の活動の拠点となる市立公民館を82か所整備するとともに、地区センター等の出先機関を79か所設け、1か所当たり平均3人から4人の職員を配置し、各地域の課題や要望等を直接把握するなど、地域住民と行政がフェイス・トゥ・フェイスで地域の課題に取り組み、きめ細かなサービスが提供できる体制を構築してまいりました。
     本市といたしましては、まずは地区センター所長をはじめとする職員が町内会や地域の皆様方の身近な相談相手であり、アドバイザーとしての役割を担っていることから、気軽に相談していただくとともに、職員がこれまで以上に地域に目を配り、アンテナを高くして、各町内会が抱える課題の把握に努めてまいりたいと考えております。  さらに、将来的にも人口減少が避けられない中にあって、これまでのコンパクトシティ政策を深化させるとともに、各地域における地域振興やコミュニティ活性化等の取組を強化するため新たに地域コミュニティ推進課を設け、加えて、各行政サービスセンター及び中核型地区センターに地域振興担当職員を配置し、これまで以上に地域と連携し、支援に努めてまいりたいと考えております。  この地域コミュニティ推進課では、令和5年度予算案の部局主導裁量枠において、停滞していた自治会活動を再開し、町内会が自らの課題解決に向けた新たな取組に対し支援する地域コミュニティ再構築支援事業を実施する予定であります。  本市といたしましては、こうした取組を通して、自治振興会をはじめ、町内会の皆様方が相互に支え合うことで地域コミュニティーの活性化が図られることに期待するものであり、今後とも、市民の皆様や自治会関係者の皆さんの声を丁寧に聞きながら信頼関係を築き、地域課題の解決が図られるよう鋭意努めてまいりたいと考えております。  最後に、改めて危機事象に対する防災・減災への取組について決意を問うにお答えいたします。  私は、市民の生命と財産、そして、安全・安心な暮らしを守るため、「守る未来!~安全・安心まちづくり日本一とやま」を公約の1つとして掲げ、市長就任からこれまで、本市の危機管理能力や災害対応力の充実・強化に取り組んでまいりました。防災・減災への具体的な取組といたしましては、地域防災計画や国土強靱化計画等に基づく公共施設の耐震化、行政機能や社会インフラの整備、強化などの事業を着実に実施するとともに、昨年4月には、本市の危機管理、防災、防犯、交通安全部門を一元化した防災危機管理部を創設し、危機事象全般に関する組織体制の強化に努めたところでございます。  また、市民の生命や暮らしを様々な自然災害等から守り抜くためには、まずは災害対応の最前線に立つ市職員の育成が重要であると考え、全ての第1次避難所を対象とした避難所開設訓練を新たに実施するとともに、緊急時における職員の安否状況の把握や連絡体制を確認するための訓練を実施するなど、より実践的な訓練の実施にも取り組んでまいりました。  さらに、本市の災害対策本部長として指揮を執る私自身も、消防庁が主催する市町村長の災害対応力強化のための研修や県主催の災害対策専門研修トップフォーラムに参加するなど、自らの研さんに鋭意努めてまいりました。  今後につきましては、災害に強いまちづくりを一層進めるべく、引き続き様々な訓練を通じて市職員の危機管理能力や災害対応力の充実・強化に取り組むとともに、市民一人一人が自分の命は自分で守る自助、共助の取組への支援、さらには、デジタル技術の活用、女性や高齢者等の多様なニーズへの対応といった新たな課題にも対応しながら、市民の安全と安心を守る「幸せ日本一とやま」の実現に向けて不断の取組を進めてまいりたいと考えております。  なお、佐藤議員には、20年間にわたり、市政発展のために御尽力いただき、私からも心より感謝を申し上げます。この上は、健康に十分留意されて、御活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。  以上です。 63 ◯ 副議長(成田 光雄君)  前田企画管理部長。   〔企画管理部長 前田 一士君 登壇〕 64 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  私からは、藤井市長による今後の市政運営についての御質問のうち、持続可能な行財政運営の観点から、7市町村が合併した現富山市の評価についてのお尋ねにお答えいたします。  本市は、富山地域における先の市町村合併の意義や効果、そして、課題等の検証を行うため、本年度、第三者委員会へ諮問し、本年1月には同委員会から答申をいただいたところであります。  その報告書では、合併検証の総括として、中核市としての経済力と堅実な行財政状況を維持していることなどから、中長期的な観点からも期待した一定の成果を上げてきたと評価できるとされたところであります。  一方、報告書では、課題として、公共施設の老朽化への対応や類似施設等の見直しなど、4点が指摘されております。  本市といたしましては、今回の答申内容を十分尊重し、引き続き人事管理や給与の適正化に取り組むとともに、公共施設を適切に維持管理していくためファシリティマネジメントをさらに推進し、行政サービスの効率化と質の向上を図ることで将来市民にも責任が持てる持続可能な都市経営に鋭意努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 65 ◯ 副議長(成田 光雄君)  中村活力都市創造部長。   〔活力都市創造部長 中村 雅也君 登壇〕 66 ◯ 活力都市創造部長(中村 雅也君)  藤井市長による今後の市政運営についてお尋ねのうち、中心街にも近いが市街化調整区域で宅地開発が進まず、農業振興の希望もないと不安を抱く地域住民にも寄り添った施策について見解を問うにお答えいたします。  本市の都市マスタープランでは、郊外での居住やまちなかでの居住など、多様な住まい方を選択できるまちづくりを目標に掲げており、郊外では、地域に応じて生活に必要な道路や下水道などの整備、農業活動などに必要な整備を進めることとし、市街化調整区域などの集落地域については、生活の場として生活環境の改善を図りながらコミュニティーの維持に努めることとしております。  このため本市では、都市計画法において市街化を抑制すべき区域とされている市街化調整区域であっても、周辺住民の日常生活のために必要な物品の販売などを営む店舗や、いわゆる分家住宅などで一定の要件を満たすもので市街化を促進するおそれがないと認められる場合には建築することが可能としております。  また、農業振興地域からの除外が見込まれる区域や災害発生のおそれがない区域など、一定の条件を満たす場合には都市計画法で定める地区計画の手法を活用した開発も可能となり、これまでに既存集落の維持、活性化などを目的に市内14の地区において地区計画が決定されております。  このように、市街化調整区域であっても、現行の都市計画の枠組みの中で無秩序な開発による市街地の拡大を抑制しつつ優良な開発を認めることとしており、引き続き地域の実情に寄り添いながら、既存集落や地域コミュニティーの維持などに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 67 ◯ 副議長(成田 光雄君)  田中福祉保健部長。   〔福祉保健部長 田中 伸浩君 登壇〕 68 ◯ 福祉保健部長(田中 伸浩君)  私からは、県内市町村で同じサービス水準にしたほうがよい福祉施策について本市の取組を問うについてお答えをいたします。  こども医療費助成制度の拡大につきましては、本日、日本共産党の吉田議員の御質問で市長が答弁いたしましたとおり、保護者の経済的負担の軽減などに寄与している反面、医療費増大の一因になっているとも指摘されており、それぞれの自治体が制度の妥当性や将来にわたる財政的な負担などを独自に判断して実施されております。  本市といたしましては、義務教育期間である中学校3年生までを対象とした現行の制度を今後とも維持していくこととしております。  また、がん患者に対するアピアランスケアの助成制度の導入につきましては、昨年9月議会の御質問でも市長が答弁しましたけれども、本来、国全体での制度の在り方が望ましいと考えており、本市といたしましては、現時点において助成制度の導入は考えておりません。  このことから、議員御指摘のこれらの福祉施策につきましては、「ワンチームとやま」連携推進本部に議題として提案することは、現在のところ考えておりません。  次に、大規模災害時等の対応において想定される主な課題や今後の取組について福祉保健部に問うにお答えをいたします。  富山市地域防災計画では、災害発生時における福祉保健部の役割として要配慮者の安否確認や医療救護班の派遣、社会福祉施設への支援、被災者の衛生指導などを担うこととなります。  とりわけ高齢者や障害者など、要配慮者が利用する社会福祉施設につきましては、利用者御本人やその家族の日常生活を支えるために不可欠な福祉サービスを提供しており、大規模災害時において利用できなくなることは深刻な課題であると考えております。  各社会福祉施設においては、災害時に利用者の安全を確保し、最低限必要なサービスの提供を確保するため、事業継続に必要な事項を定める業務継続計画を作成することをはじめ、浸水や土砂災害が想定される区域に立地する社会福祉施設等においては、避難確保計画の作成や避難訓練を実施することなど、平時から災害に備えた体制づくりが重要であります。  こうしたことから、各施設における計画の作成を支援するため市ホームページに作成の手引やガイドライン等を掲載しているほか、避難確保計画の作成に向けた講習会を開催してきたところであり、引き続き計画の未作成施設に対して作成を働きかけるなど、大規模災害時における要配慮者への支援体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 69 ◯ 副議長(成田 光雄君)  中村防災危機管理部長。   〔防災危機管理部長 中村 敏之君 登壇〕 70 ◯ 防災危機管理部長(中村 敏之君)  私からは、防災危機管理部の設置から1年が経過したが、その成果や今後の取組についてお答えいたします。  先ほどの市長答弁でもお答えしておりますが、防災危機管理部は、近年、頻発化・激甚化する自然災害や新型コロナウイルス感染症など、様々な危機事象への対応力を強化するため、本市の危機管理、防災、防犯、交通安全部門を一元化し、昨年4月に創設したものであります。  防災危機管理部設置後の主な成果といたしましては、1つに、平常時から危機事象に関する情報が防災危機管理部に一元的に蓄積されることで、実際に危機事象が発生した場合にも迅速で的確な初動対応や情報発信につながるとの認識が組織内に浸透し、各部局との相互連携が円滑に行えるようになったこと、2つに、土木職、気象予報士、消防士、警察からの派遣職員など、危機管理や災害対応を行う上で必要とされるスキルや経験のある職員を配置したことにより専門的な知見に基づく的確な対応が可能になるとともに、これまで以上に気象台や警察など、関係機関との緊密な連携が可能になったこと、3つに、これまで実施していた訓練等の内容についてより実践的な視点で見直しを行い、避難所開設訓練などの新たな訓練を企画、実施することで市職員の災害対応力の向上につなげることができたことなどが挙げられると考えております。  本市といたしましては、今後とも、研修や各種防災訓練等を通じて職員の育成や関係機関とのさらなる連携強化、市民の防災意識の向上を図るとともに、デジタル技術の活用や多様性に配慮した被災者支援の実施など、技術の進歩や社会情勢の変化等も捉えながら、様々な危機事象に対する総合的な対応力の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯ 副議長(成田 光雄君)  相澤消防局長。   〔消防局長 相澤 充則君 登壇〕 72 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  私からは、大規模災害等の対応において想定される主な課題や今後の取組について消防局に問うにお答えいたします。  地震等の大規模災害の発生時には、被害が同時多発的に発生し、本市の消防力を上回る多くの火災、救助、救急の通報が集中することが予想されます。このような災害発生時に備えた消防の広域応援体制として、富山県市町村消防相互応援協定に基づく県内応援や平成7年の阪神・淡路大震災を契機として創設された全国規模の緊急消防援助隊が組織化されており、多くの部隊が被災地へ派遣される計画となっております。  しかしながら、この応援部隊が到着するまでの間を本市の消防力でいかに効率よく対応していくのか、また、これまで大規模災害に伴う受援の経験がないことから、災害対応を行いながらの応援部隊の受入れ準備やその運用方法が課題であると考えております。  このことから消防局では、日頃の各種災害を想定した訓練を通じて初動対応を確認するとともに、毎年、富山県総合防災訓練や緊急消防援助隊合同訓練などの広域的・実践的な連携訓練に参加して応援、受援の知見を深めており、さらに、今年度には本市が被災した場合における事前計画として定めている緊急消防援助隊受援計画に基づく図上訓練を実施し、効率的な消防車両等の運用を含む初動対応や応援部隊の受入れ体制等の確認を行うとともに、問題点の洗い出しを行ったところであり、今後計画の見直しを図っていくこととしております。  消防局といたしましては、大規模災害発生時にはタイムラインに沿った適時適切な対応が必要であり、特に発災からの効果的な初動対応がその後の被害軽減のためには重要であると考えていることから、今後もあらゆる災害を想定した訓練を積み重ねるとともに、本市の関係部局をはじめ、医療機関や国、県の防災関係機関等との連携強化を図りながら、さらなる災害対応能力の向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 73 ◯ 副議長(成田 光雄君)  山崎上下水道局長。   〔上下水道局長 山崎 耕一君 登壇〕 74 ◯ 上下水道局長(山崎 耕一君)  私からは、大規模災害等の対応において想定される主な課題や今後の取組について上下水道局に問うにお答えいたします。  大規模災害の発生により上下水道施設が被災し、断水やトイレが使用できない事態となった場合には、施設の機能が回復するまでの間、医療機関や学校、コミュニティセンターなどの避難所を拠点に応急給水やマンホールトイレの設置などを行うとともに、応急復旧も行う必要があります。  しかしながら、これらの作業には多くの資機材や人員を要することから、事業体単独では対応が困難であるという課題があります。  このため、水道、下水道とも、近隣の自治体や民間事業者などと災害発生時における支援協定などを締結しているところであり、具体的には、公益社団法人日本水道協会において災害時に会員相互が迅速かつ円滑に応援活動を実施するための体制が構築されております。  これまでも上下水道局では、阪神・淡路大震災や東日本大震災、昨年、静岡市で発生した台風による断水事故などにおいて応急給水や応急復旧活動への職員の派遣、物資、資機材の提供などを行ってきたところであります。これらの活動は単なる応援にとどまらず、被災地の現状を認識することや、災害時の対応を直接経験することで組織や職員の災害への対応能力の向上に大いに寄与しているものと考えております。  また、日常的に事業体間の連携の強化に努めるとともに、富山市管工事協同組合などの民間事業者とも災害発生時の応急給水や応急復旧活動に関する応援協定を結び、災害に備えているところであります。  上下水道局といたしましては、最も重要なライフラインである上下水道施設の機能を災害時においても確保するため施設の耐震化を着実に進めるとともに、官民との協力体制を維持しながら大規模災害等への備えに万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 75 ◯ 副議長(成田 光雄君)  山本病院事業局管理部長。   〔病院事業局管理部長 山本 貴俊君 登壇〕 76 ◯ 病院事業局管理部長(山本 貴俊君)  私のほうからは、大規模災害等の対応において想定される主な課題や今後の取組について病院事業局に問うにお答えいたします。  富山市地域防災計画では、災害発生時における富山市民病院、富山まちなか病院を含む病院事業局全体の役割として医療救護活動に関することや被災医療機関への支援に関することなどが位置づけられております。  また、富山市民病院は県から地域災害拠点病院に指定されております。指定の要件には、1つには、24時間体制で災害時の傷病者搬送や物資の輸送を行える機能があること、2つには、災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、その派遣体制があること、3つには、病院の敷地内にヘリコプターの離着陸場があること、4つには、被災後に診療機能を早期に回復できるよう業務継続計画(BCP)を整備していることなどがあります。  このような中、富山市民病院では、県内の公立、公的病院の中で最も早くBCPを策定するなど、率先してこうした災害時の医療提供体制を整えてきたところであります。  災害時には通常の2倍程度の入院患者、通常の5倍程度の外来患者に対応できることが望ましいとされておりますが、平時から災害時に必要となる物資や災害診療に対応できる能力を持った人材を一定数確保することが課題となります。  このため富山市民病院では、災害時に必要な診療器材、食料の備蓄等について随時点検の上、更新しているほか、多くの傷病者の来院や搬送を想定した独自の災害対策マニュアルを整備するとともに、毎年、大規模災害実働訓練を実施しております。また、そこで明らかになった問題点に基づいてBCPの定期的な見直しも行っているところです。  さらには、富山県総合防災訓練にDMATが参加するなど、その時々の知見を踏まえたより実践的な訓練も行っており、こうした取組を通じて、災害時に必要な病院機能を維持し、被災者に適切な医療を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 77 ◯ 副議長(成田 光雄君)  杉谷環境部長。   〔環境部長 杉谷  要君 登壇〕 78 ◯ 環境部長(杉谷  要君)  大規模災害等の対応において想定される主な課題や今後の取組について環境部に問うにお答えいたします。  環境部といたしましては、大規模災害の発生時において災害廃棄物への対応が主な課題であると考えております。  災害廃棄物については、燃やせるごみや燃やせないごみのほか、畳や瓦礫などの廃棄物が短期間にかつ多量に混在して排出され、また、震災や水害など、災害の種類によっても廃棄物の状態が異なるため、通常時に比べ処理が困難になります。  このため、迅速に被害状況を把握し、災害廃棄物の発生量を見込み、仮置場の設置、収集運搬に係る人員や車両の確保など、災害廃棄物の処理体制を早期に構築することが課題になってくるものと想定され、さらには、通常のごみ処理業務と並行しながら早期の復旧・復興につなげていくことが求められます。  平成23年の東日本大震災や令和元年の台風19号による災害では、本市が収集業務において一定規模の直営体制を保有し、迅速かつ機動的に対応できる人員や車両を自ら保有していたことから宮城県南三陸町や長野県佐久市の被災地へ市職員を派遣することができたものであり、支援活動を通して災害現場を直接体験する貴重な機会ともなったところであります。  本市においては、今後も一定規模の直営体制を維持していくことで、万一、本市で災害が発生した場合においても通常週2回の収集を最低でも週1回の収集ができ、災害廃棄物についても迅速な収集ができるものと考えております。  また、県と連携した災害廃棄物処理の初動対応に係る実地訓練や市の総合防災訓練などを通して、災害発生時におけるノウハウの蓄積と職員の現場対応及び危機対応能力の向上などに努めてまいりたいと考えております。
     以上でございます。 79 ◯ 副議長(成田 光雄君)  これで佐藤議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  2番 藤田 克樹君。 80 ◯ 2番(藤田 克樹君)  令和5年3月定例会に当たり、自由民主党より一般質問及び議案の質疑を行います。  初めに、林業についてです。  本市は、令和3年にゼロカーボンシティを表明しております。森林はCO2を吸収し固定をするとともに、木材の利用はカーボンニュートラルにも寄与します。  こうした背景に、ウッド・チェンジと題して、2021年10月1日に都市(まち)の木造化推進法が施行されました。これを契機に、2022年6月に純木造の高さ44メートル、地下1階、地上11階建ての高層ビルが誕生し、木材利用の可能性が大きく広がっています。  また、円安や輸入木材の価格高騰によってウッド・チェンジがさらに進む可能性もあり、特に、本市は総面積のうち約70%が森林で、大山地域、大沢野地域、細入地域、八尾地域、山田地域ではそのポテンシャルの高さがうかがえます。  そのポテンシャルを生かすためには適正な森林管理が求められますが、全国の林業従事者数は4万5,000人前後まで減少しています。  一方で、「緑の雇用」事業の取組によって第1次産業の中で林業は若返りが進んでおり、希望ある職場でもあると思います。「緑の雇用」事業によりますと、全国の森林事業者の高齢化率の推移は2000年に30%を超えていましたが、2015年には25%を切るまでに下がり、逆に、若年者率は1990年の6%から2015年にはおおよそ3倍の17%へと上がっています。林業の時代の潮流が変わり、林業に目を向ける人の割合は確実に上がっているものと思います。  林業従事者が減少する中においてでも林業に熱い目を向けてくれる若者に何と応えていくのか、これが一番の課題であると考えます。  そこで、まずは本市の林業従事者の現状についてお伺いします。 81 ◯ 副議長(成田 光雄君)  当局の答弁を求めます。  金山農林水産部長。 82 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  自由民主党、藤田議員の御質問にお答えします。  本市における林業従事者の現状といたしましては、県が昨年3月に作成した統計書「林業労働の現況」によりますと、森林組合所属の林業従事者と企業などの林業従事者の合計は、平成22年に116名であったものが、令和2年では20名減少し、96名となっております。  このうち、森林組合においてはこの10年間で39名減少しており、林業従事者の確保が喫緊の課題となっております。 83 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 84 ◯ 2番(藤田 克樹君)  やっぱり全国的な傾向と類似しているのではないかなと思うのですけれども、先日、森林組合の方にお伺いしました。結婚を機に本市で林業をなりわいとしたい男性が年末に森林組合に来られ、年明けに面接をする予定となったのですが、いやいや、この機会を絶対に逃してはならないと、何よりも優先してすぐに年内に面接を行ったそうです。  そこで、林業への新規就業者を確保するために本市が行っている支援についてお伺いいたします。 85 ◯ 副議長(成田 光雄君)  金山農林水産部長。 86 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  林業への新規就業者を確保する支援といたしましては、平成6年に県が中心となり、生産性の高い林業や若者を中心とした林業就業者の発掘を目的とする林業担い手センターを公益社団法人富山県農林水産公社内に設置され、林業の担い手対策事業に取り組まれております。  林業担い手センターでは、県内林業への就業相談会の開催、林業体験会の実施、林業事業体とのマッチングや就業後のスキルアップ支援など、新規就業者を幅広くサポートする体制を構築されており、本市といたしましても、ホームページ上で紹介するなど、運営に協力しているところであります。  加えまして、本市の支援としましては、森林組合職員の資格取得、技術向上のための研修会参加費用に対する助成や現場作業員の労働負担を軽減するための高性能林業機械の導入に対する助成を行っており、若者などの新規就業につながるよう支援しているところであります。 87 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 88 ◯ 2番(藤田 克樹君)  ぜひ継続して行っていただきたいと思うわけなのですけれども、他都市の取組の事例で、森林環境譲与税、これを財源に新規就業者の雇用の促進や定着の支援に活用しているケースがありました。この支援では、新規就業者を雇用するときの費用や住宅費の支援、加えて、林業作業員の特殊手当の支援を行い、成果を上げておられました。  この支援は、本市においても同様に成果を上げられるのではないかと考えます。ぜひとも森林環境譲与税の財源を林業に熱い目を向けてくれる若者に活用いただきますよう御検討をお願いいたします。  一方で、気がかりなのが新規就業者の定着率であります。「緑の雇用」事業の評価に関する調査では、就業年数を経るごとに低下し、7年目以降は5割を下回る程度に定着率が下がります。体力面や処遇の不安が大きいことが定着率の低い原因ではないかと分析されています。  様々な可能性のある林業のチャンスを逃さないためにも、定着率を上げなければならないと考えます。  そこで、本市の森林組合における作業員の雇用形態や雇用条件についてお伺いいたします。 89 ◯ 副議長(成田 光雄君)  金山農林水産部長。 90 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  市内には2つの森林組合があり、神通川右岸の市域のほか、立山町及び上市町を施業区域とする立山山麓森林組合と、神通川左岸の市域を施業区域とする婦負森林組合が本市の林業を支えております。  森林組合の作業員の雇用形態と雇用条件の状況について両森林組合に確認しましたところ、まず作業員の雇用形態につきましては、両森林組合の作業員、合わせて38名のうち21名が通年雇用であり、約半数の17名は季節雇用という状況であります。  また、雇用条件につきましては、全ての作業員の給与体制が日給制となっており、月給制の導入には至っていない状況となっております。  なお、作業員の労働条件の改善を図るため、林業労働災害保険及び林業労働者退職金制度への加入に対して県と市が費用の一部を支援しているところであります。 91 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 92 ◯ 2番(藤田 克樹君)  半数の方が季節労働者という形で雇用されているということなのですけれども、本市は積雪量が多いので、冬期間の業務が少ないと収入面の不安が大きくなると考えます。  林業従事者に対する冬期間の業務確保が気がかりなのですが、そこで、作業員の通年雇用化に向けて冬期間の業務確保の見解についてお伺いいたします。 93 ◯ 副議長(成田 光雄君)  金山農林水産部長。 94 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  本市の人工林は標高400メートル以上に多く分布し、急峻な地形に加えて、積雪の影響もあることから冬期間の森林施業は困難を極めており、安定的な業務の確保が難しい状況となっております。  このことから、両森林組合とも全ての作業員を通年雇用するには至らず、先ほどもお答えしましたとおり、通年雇用、季節雇用の2つの雇用形態を採用しており、季節雇用の作業員は、冬期間は林業以外の業種に携わっているのが現状であります。  また、作業員の退職等に伴い、ハローワーク等で新規就業者を募集したものの、冬期間の業務が少なく収入が安定しないことから応募に至らないケースもあると伺っております。  これを受けまして本市では、森林組合における冬期間の業務を確保するため、里山再生整備事業などの比較的標高の低い地域で実施する森林施業において、地形条件などを勘案し、積雪時でも作業が可能な一部の広葉樹林や竹林の整備業務を冬期間に発注するなど、業務の平準化に努めているところであります。  本市といたしましては、作業員の通年雇用化には年間を通した安定的な事業量の確保による所得向上を図ることが重要であると考えており、引き続き冬期間の業務確保や労働条件の改善などの支援に努めてまいりたいと考えております。 95 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 96 ◯ 2番(藤田 克樹君)  先日、本市で林業に従事されている方に冬期間どのような仕事を確保しているのかということを直接伺ったのですけれども、除雪作業員と土木作業員の兼業や灯油の配達員など、冬季に需要が高まる仕事に就いているそうです。ほかに、スキー場の仕事に就いている方もおられると伺いました。  こうした見方を変えていくと、冬期間の働き方に多様性があると、もしかしたら希望に合わせた働き方の選択ができて、もしかしたら体力面とか収入面の不安の解消につながっていくのではないかと、やがては林業への定着につながるのではないかと考えます。  こういった働き方は本市の林業の強みにもなるのではないかと思い、冬の雇用のマッチングをぜひとも支援していただきたいなと思います。こういった支援をするためには部局間の連携がどうしても必要かと思いますので、新しく林業に熱い目を向けてくれる一人でも多くの若者に応えるために、ぜひとも前向きな検討をお願いしたいと思います。  次に、地域計画についてお尋ねいたします。  昨年12月定例会における私の質問に対する答弁で、担い手の確保も含め、耕作地の実績に応じた農地の集約や利用を計画し、休耕田や耕作放棄地の発生の抑制に向けて令和5年度より地域計画の策定を開始すると答弁がありました。このため、令和5年の予算案には、地域計画の策定を本格的に始め、目標地図を作成する予算が計上されています。  そこで、農業委員会では目標地図の素案をどのようなスケジュール、方法で作成するのかお伺いいたします。 97 ◯ 副議長(成田 光雄君)  高嶋農業委員会事務局長。 98 ◯ 農業委員会事務局長(高嶋 善秀君)  昨年5月、国では、農業者の高齢化や減少が進む中、適切な農地利用を推進するため農業経営基盤強化促進法を改正いたしました。この改正により、市町村には、これまでの人・農地プランに代わり、将来の地域農業の在り方や農地の効率的かつ総合的な利用を定めた地域計画と農地利用者を表示した目標地図の策定が、また、農業委員会には、その目標地図の素案の作成が義務づけられました。  農業委員会では、目標地図の素案を現在の人・農地プランを策定した38地区をベースとして作成する予定であり、そのスケジュールは、市による目標地図を含む地域計画の策定・公表期限が令和6年度末とされていることから、遅くとも令和6年度上半期までに作成したいと考えております。  また、目標地図の素案の作成方法につきましては、まず、約1万5,000人の農業者などへ農業の継続意思や後継者の有無など、概ね10年後の農地利用に関する意向調査を実施いたします。次に、収集した意向を国から提供される目標地図作成システムに入力することで、集積・集約化が見込まれる農地や、受け手がおらず、今後、調整が必要となる農地などを明示した素案を作成することとしております。 99 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 100 ◯ 2番(藤田 克樹君)  先日、農家の方とお話しする機会がございまして、農地の集約に積極的に取り組みたい方、一方で、高齢のため体調を突然崩されたりだとか、体力面で不安になられ、突然農業を引退される方、そういったお話を聞きました。  農地の集約には、積極的な思いと後継者に託したいという思いが擦れ違い、休耕田とならないようなリスク評価をぜひとも行い、スピード感を持って地域計画を作成することが必要であるかと私は思います。  そこで、農業委員会ではどのような思いを持って目標地図の素案作成に取り組まれるのか、お伺いいたします。 101 ◯ 副議長(成田 光雄君)  高嶋農業委員会事務局長。 102 ◯ 農業委員会事務局長(高嶋 善秀君)  農業委員会では、地域の住民や農業者などの努力で守り続けてきた農地を次の世代に引き継ぐために、目標地図の素案作成は危機感を持って話合いが行えるよい機会と捉えており、まずは地域の方々が主体となって自主的に話合いをしていただきたいと考えております。  また、特に担い手が少なく、遊休農地が多い中山間地域などにつきましては、地域外からの就農者の呼び込みや福祉団体などの他業種との連携事例、放牧や景観作物の栽培による粗放的利用や鳥獣緩衝帯の設置など、新たな農地の活用や保全の方法を情報として提供してまいります。  さらに、こうした情報も参考にしていただきながら、その地域の実情に応じた将来の地域農業の在り方や農地利用の方向性について徹底した議論が行われ、それぞれの地域の特色が反映された目標地図の素案が出来上がることを期待して事業に取り組んでまいります。 103 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 104 ◯ 2番(藤田 克樹君)  この事業は、中山間地の最後の希望ではないかと私は思っております。私も一生懸命、汗をかいていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、鳥獣被害についてお尋ねいたします。  一度味をしめてしまった獣の執念はすごいと思います。鳥獣被害の根底にはこの執念があると私は思っております。  農家の大切な田んぼや畑が無償で獣たちに食べ物を提供し続ける獣食堂になってはならないと思うわけであります。  まずは、イノシシ対策用の電気柵の設置延長及び事業費についてお伺いいたします。 105 ◯ 副議長(成田 光雄君)  金山農林水産部長。 106 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  本市におけるイノシシによる農作物被害は平成13年度に初めて確認され、その後、中山間地域に広がっていったことから、本市では、イノシシの農地への侵入を防止する対策として平成21年度から電気柵の設置支援を継続して行っております。  令和3年度末現在での設置延長は約560キロメートル、事業費は約1億3,000万円となっております。
    107 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 108 ◯ 2番(藤田 克樹君)  やっぱり設置延長を聞くとインパクトがあります。ここから大阪までは約270キロメートルなので、ほぼほぼ往復できてしまうような距離になります。  イノシシは強い執念で電気柵で囲われていない農地を探しに来るので、現状、決定的な対策はなかなか見つからないと考えています。  しかしながら、緩衝地帯を設け、電気柵を戦略的に設けて一定の防衛ラインを決めるなど、一体的な対策に当たることでイノシシが里に下りてくるリスクを低減できるのではと考えております。あわせて、イノシシ対策用の電気柵の無尽蔵な追加も抑えられるのではないかと私は考えております。  そこで、電気柵の設置場所は集落間に一体的に設置したほうがよいと考えますが、見解をお伺いします。 109 ◯ 副議長(成田 光雄君)  金山農林水産部長。 110 ◯ 農林水産部長(金山  靖君)  電気柵の設置場所につきましては、農地ごとに設置するよりも集落や地域全体で計画的に設置したほうが効率的に多くの農地を守れることから、集落から電気柵設置の要望があった際には、これまでも現地状況を踏まえ、隣接する集落も含めた電気柵を設置するなど、効果的な防除対策となるよう電気柵の設置場所について調整してきたところであります。例えば、婦中町友坂及び安田集落では、集落西側の呉羽丘陵沿いに延長約4キロメートルの電気柵を集落間で一体的に設置いたしました。  本市といたしましては、イノシシによる被害の対策には電気柵が現時点で最も効果的な防除方法であることから、今後も、守るべき農地や周囲の地形などを勘案し、集落と調整を図りながら、引き続き電気柵の設置を進めてまいりたいと考えております。 111 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 112 ◯ 2番(藤田 克樹君)  そういった取組なのですけれども、なかなか知らない集落もあるかと思いますので、ぜひ周知をしていただければと思います。そうすることによって住民の方たちの考え方も変わり、一体的な戦略的なイノシシへの対応ができるかと思います。  繰り返しますが、一度味をしめた獣の執念はすごいわけであります。農家の大切な田んぼ、畑を獣食堂にしてはならないと思います。費用対効果を含め、効果があるような今後の取組に期待いたします。  次に、観光のデジタル化についてお尋ねいたします。  情報発信力がライバル都市より弱いと国内外の観光客の誘致に後塵を拝してしまうのではないかととても気がかりです。インバウンドに向けた日本の情報を発信する人気のウェブマガジンに本市の紹介記事がございました。「富山市内には南から北へ7本の川が流れ、山からの澄んだ水が日本海に注ぎ込みます。そのため富山は水の都として名高く、時に東洋のベニスと称されることもあります」と紹介されておりました。びっくりして、松川遊覧船の記事を思わず全部読んでしまいました。松川遊覧船の魅力の再発見でした。  全国の観光地は、インバウンドの獲得に向けて、熾烈な競争が各地で繰り広げられるものと思います。  また、本市の観光案内のパンフレットは非常に出来栄えのよいものばかりで、特に私としましては、とやま朝食MAP、とやま銭湯MAPが分かりやすくて親しみやすいと思いました。これは、ビジネスで本市に来られた方にも大変重宝するのではないかというようなパンフレットだと思います。  こういったパンフレットをウェブ化し、公式サイトに掲載することは情報発信力の強化となり、本市の魅力の発見や、やがて観光客の誘致につながると考えます。  そこで、紙の観光パンフレットが公式サイト「観光とやまねっと」にPDFデータで掲載されていますが、これでは検索エンジンにヒットされにくいので、ウェブページ化して、改めて掲載してはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。 113 ◯ 副議長(成田 光雄君)  関野商工労働部長。 114 ◯ 商工労働部長(関野 孝俊君)  お答えします。  本市の観光公式サイトであります「観光とやまねっと」につきましては、中心市街地や岩瀬エリアをはじめとする本市全域の観光情報に加え、おすしやブラックラーメンなどの本市ならではの食の情報、チンドンコンクールや富山まつりなど、四季折々のイベント情報などを掲載しております。  この「観光とやまねっと」につきましては、アクセス数は年々増加しており、今年度は2月末時点で約268万件とコロナ禍前の令和元年度同時期の2.4倍を超えるなど、現在では本市の観光情報を発信する主要な手段となっております。  こうした中、「観光とやまねっと」内のパンフレットギャラリーにはPDFファイル化した22種類の観光マップや観光パンフレットを掲載しておりますが、PDFファイルで掲載する理由につきましては、利用者がスマートフォンにダウンロードする際にレイアウトが保たれ、紙媒体の観光マップなどと同じように取り扱うことにPDFファイルが適しているからであり、まち歩きの際に気軽に活用してもらうことを想定しております。  一方で、議員御指摘のように、PDFファイルではその記載内容が検索エンジンで検索されにくいという傾向がありますので、ウェブページ化することにつきましては、今後、効果や観光客のニーズなどを見極めながら調査・研究してまいりたいと考えております。 115 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 116 ◯ 2番(藤田 克樹君)  ウェブ化するといいことがちょっとありまして、公式サイトは検索エンジンで優遇されております。「富山市」と検索しますと、本市の公式サイト、続いて、富山市のウィキペディア、その次に、観光協会といった並びできます。他の観光サイトより必ず上位に表示される仕掛けになっておりまして、これは非常に情報発信に対する優位な状況にあります。このため、公式サイトが他都市と比較されやすい状態にもあります。  公式サイトに対する興味が薄れないためにも、公式サイトに掲載されている観光情報の魅力や新鮮さを保つことは大切であると考えます。ましてや、公式サイトに掲載される宿泊施設の料金や空室などの情報についても同様であるべきであると考えます。  そこで、宿泊施設の料金や空室などの情報について、宿泊サイトを利用し「観光とやまねっと」に掲載すれば宿泊増につながると考えますが、御見解を伺います。 117 ◯ 副議長(成田 光雄君)  関野商工労働部長。 118 ◯ 商工労働部長(関野 孝俊君)  日本旅館協会の令和3年度の調査によりますと、宿泊施設を予約する方のうち、ウェブ上のみで業務を行う旅行会社の予約サイトを利用する方の割合が約45%となっており、現在では、宿泊予約サイトは予約手段の主流となっております。  こうした中、県の観光ホームページ「とやま観光ナビ」におきましては、複数の宿泊予約サイトが提供する宿泊プランを一括して検索し、比較できるサービスが導入されていることから、本市といたしましては、「観光とやまねっと」から当該サービスへのリンクによる誘導を行うことで宿泊される方への利便性を高め、宿泊増につなげてまいりたいと考えております。 119 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 120 ◯ 2番(藤田 克樹君)  追加されるリンク等に、ぜひ検索されやすい、ヒットするようなキーワードをつけてリンクを貼っていただければというふうに思うわけであります。  公式サイトや公式SNSに投稿される情報の鮮度はとても大切であるわけですが、一方で、観光情報の深さも私は大切だと思います。かつてディープな富山の観光情報を掲載した地元ライターによる「ロカルちゃ!」というフリーペーパーが発行されていました。これは、何と10年たった今でもフリーマーケットサイトで売買されるフリーペーパーです。  公式サイトや公式SNSにディープな富山市の観光情報が掲載されると、観光客の誘致のみならず、市民にも愛されることにつながり、そのような情報発信力は観光客の誘致にもつながると私は考えます。  そこで、地元ライターなどから観光情報の提供を継続的に受け、「観光とやまねっと」や観光協会のSNSで発信してはと思うのですが、見解をお伺いします。 121 ◯ 副議長(成田 光雄君)  関野商工労働部長。 122 ◯ 商工労働部長(関野 孝俊君)  現在、「観光とやまねっと」では、富山市観光協会の職員が四季折々の旬な情報を基に定期的にブログを更新し、観光情報の発信を行っております。  また、最近ではSNSでの情報発信にも努めており、一例を紹介いたしますと、本年1月に観光協会の公式ツイッターに雄大な立山連峰の冬景色を車窓から撮影した動画を投稿したところ、本年2月末現在で142万回以上も再生されるなど、大きな反響がありました。  議員御提案のタウン情報誌などの地元ライターからの情報を「観光とやまねっと」などに掲載することは新たな目線により観光資源などの多様な発信につながるものと考えられますが、先ほど御紹介いたしましたように、観光協会におきましても趣向を凝らし取材に取り組んでおりますので、その効果や課題などについて、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。 123 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 124 ◯ 2番(藤田 克樹君)  多くの観光客がこういったサイトを見て、観光地に理解がないまま訪れることがないよう情報の充実に努めていただきたいなというふうに思います。本市のリピーターが増えるように、ぜひとも公式サイトやSNSの充実をお願いしたいわけでございます。  一方で、公式サイトの人気記事はどれなのかというところが気になるわけであります。公式サイトを訪れる人は特に気になるポイントだと考えます。公式サイト内での人気の記事がそのまま人気のスポットになるケースが多いのではないかと思うわけです。  そこで、「観光とやまねっと」のサイトの中の記事のアクセスランキングなどを掲載すれば、観光地や記事などの公式サイトにある人気情報をもっと観光客に知ってもらえることになると思うわけですので、それについての御見解をお伺いいたします。 125 ◯ 副議長(成田 光雄君)  関野商工労働部長。 126 ◯ 商工労働部長(関野 孝俊君)  「観光とやまねっと」では、観光情報やイベント情報についてテーマ別、地域別に人気のある情報などを整理して掲載しているところであり、新着情報やSNSなどにおいて旬な情報などを取り上げて発信しております。本サイト内でアクセスの多い記事はお土産や食に関するものであり、年間を通じ、同じ記事へのアクセスが集中していることから、本市といたしましては、旬の情報を分かりやすく発信したいと考えており、アクセスランキングを掲載することは考えていないところであります。  なお、先ほど申し上げましたとおり、今後も「観光とやまねっと」では、旬な情報を、協会職員が自ら地域を巡り、収集し、SNSなどを通してタイムリーに発信することに努めてまいりたいと考えております。 127 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 128 ◯ 2番(藤田 克樹君)  次に、移ります。  観光案内所は、観光客が気軽に立ち寄れ、観光地周辺の情報が得られます。観光客と地元住民がリアルにつながる大切な場所であると思います。  しかしながら、観光案内所の数は、先日、我が会派の泉議員の御答弁にありましたとおりの箇所しかございません。  そこで、観光客が気軽に立ち寄り、観光地周辺の情報が得られるよう、民間の御協力を得て、御案内を行っていただく拠点を設けてはどうかと思いますが、見解をお伺いします。 129 ◯ 副議長(成田 光雄君)  関野商工労働部長。 130 ◯ 商工労働部長(関野 孝俊君)  本市における観光情報の提供体制といたしましては、まず観光案内所が挙げられ、富山駅構内に2か所と城址公園内に1か所、合計3か所を設け、観光客からの相談に対応するとともに、観光パンフレットなどを配置しております。  また、先ほど御紹介しましたように、公式サイト「観光とやまねっと」において最新の観光情報を分かりやすく提供するよう努めております。  加えまして、多くの観光客が利用されるホテル、旅館などの宿泊施設やCiCビル1階の物産店「ととやま」などに観光パンフレットを配置していただくなど、民間事業者にも御協力をいただいているところであります。  さらには、地域でボランティアとして活動される観光ガイドグループの育成に努めており、専用パンフレットなどで各グループを紹介するなど、本市では観光情報を提供する体制の充実を図っていることから、議員御提案の民間店舗を活用した新たな観光案内拠点を設けることは考えていないところでございます。 131 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 132 ◯ 2番(藤田 克樹君)  公式サイトと民間の御協力を得た観光案内の連携は、観光に訪れた方の満足度の向上や観光地に商機のチャンスが新たに生まれるなど、相乗効果を発揮できるものと思っております。  また、地元の方とのコミュニケーションをこういった形で取ることは、観光客に本市のリピーターとなっていただく絶好の機会にもなると思います。  公式サイトや公式SNS、観光案内所は、観光客の情報収集の起点であります。力強い御支援をお願いいたします。  最後の質問に移ります。  高山本線ブラッシュアップ施策についてお尋ねいたします。  昨年12月定例会の答弁にもありましたが、活性化事業実施前の平成17年度より約31%増加の成果が出ております。JR高山本線沿線に住む者にとっては、まちづくりとの連携はさらなる利便性の向上につながると大いに期待しているところです。  そこで、令和5年2月21日に第5回高山本線ブラッシュアップ会議が行われ、高山本線ブラッシュアップ基本計画が取りまとめられました。今後どのように施策を進めるのかお伺いいたします。 133 ◯ 副議長(成田 光雄君)  美濃部副市長。 134 ◯ 副市長(美濃部 雄人君)  お答えします。  本市では、持続可能な公共交通の実現に向け、県、市、JR西日本の3者で構成する高山本線ブラッシュアップ会議を、議員の質問の中にありましたとおり、令和3年3月に設立し、2か年かけて議論を行い、令和5年2月に開催した第5回の会議において高山本線ブラッシュアップ基本計画を取りまとめたところであります。  この基本計画では、沿線住民の生活の足の確保や沿線地域の活性化を図るため、JR高山本線沿線のバス等を含む公共交通機関を1つのサービスと捉え、目的地に応じた最適な公共交通の組合せが可能な環境を目指した「いつでも」「誰でも」「気軽に」都心を往来できる公共交通の実現を基本方針に掲げ、この基本方針を実現するための3つの取組方針の下、ブラッシュアップ施策を位置づけております。  その3つの取組方針と主なブラッシュアップ施策につきましては、1つに、取組方針1「持続可能な協調型公共交通ネットワークの実現」については、公共サービスとして望ましい運行頻度の確保やICカード等のデジタル技術の活用を可能とする基盤の整備、ハイブリッド車両等の新型車両の導入、2つに、取組方針2「地域のニーズに寄り添う最適な公共交通サービスの実現」については、公共サービスとして望ましいダイヤの改善や高齢者向け割引乗車券等の運賃施策、沿線イベントや地域との連携、3つに、取組方針3「関係機関相互の連携強化と役割分担体制の構築」については、新たな関係者を含めたブラッシュアップ会議の継続や関係機関の持続可能で新しい役割分担の構築となっております。各ブラッシュアップ施策につきましては、短期、中期、長期のスケジュールを設定し、関係機関相互の適切な役割分担の下、実現可能な方策から実施することとしております。  なお、この基本方針の実現は、鉄道事業者であるJR西日本単独では実施が困難であることから、これまでの高山本線ブラッシュアップ会議に路線バス運行事業者である富山地方鉄道などの新たな関係者を加えた高山本線沿線ブラッシュアップ会議へと拡大し、施策の実現に向けて、引き続き議論を深めてまいりたいと考えております。  以上です。 135 ◯ 副議長(成田 光雄君)
     2番 藤田 克樹君。 136 ◯ 2番(藤田 克樹君)  ますます盛り上がってくるJR高山本線のブラッシュアップに期待したいと思います。  JR高山本線は、昭和9年10月25日に富山・岐阜間が全線開通しました。令和6年10月25日は全線開通90周年に当たります。  JR高山本線が活性化している中、地元では周年祭イベントなどを契機ににぎわいを取り戻せないか、プロジェクトを計画したいなど、期待が膨らんでいるわけです。  そこで、高山本線ブラッシュアップ施策において沿線地域と協働したにぎわいの創出が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。 137 ◯ 副議長(成田 光雄君)  美濃部副市長。 138 ◯ 副市長(美濃部 雄人君)  先ほどお答えしました高山本線ブラッシュアップ基本計画において定めた3つの取組方針のうち、取組方針2「地域のニーズに寄り添う最適な公共交通サービスの実現」におきましては、地域のニーズに応じた鉄道駅などの交通結節拠点を活性化するとともに、地域協働の観点も踏まえ、地域にとって親しみのある拠点づくりを目指すため、沿線地域と協働したにぎわい創出についてもブラッシュアップ施策に位置づけたところであります。  令和5年度は、地域の各種団体が越中八尾駅の駅前広場や笹津コミュニティ施設の駅関連施設等をイベントで活用することを検討されており、今後、JR西日本などと連携しながら、JR高山本線の利用促進や沿線地域のにぎわい創出につなげてまいりたいと考えております。 139 ◯ 副議長(成田 光雄君)  2番 藤田 克樹君。 140 ◯ 2番(藤田 克樹君)  最後になります。  JR高山本線の利便性やにぎわいの創出による沿線の価値を高め、JR高山本線を利用する全ての方の満足度が向上されるものと大いに期待して、私の質問を終わらせていただきます。 141 ◯ 副議長(成田 光雄君)  これで藤田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  1番 金岡 貴裕君。 142 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  令和5年3月定例会に当たり、自由民主党より一般質問いたします。  私は、本市を人口の流出に歯止めをかける、とりわけ人が集まる魅力あるまちにしたいという思いを強く持っています。それはなぜか。15年弱勤めた大学職員時代の心残りのある1つの仕事に起因しています。  その仕事は、COC+と名づけられた地(知)の拠点大学による地方創生推進事業です。この事業は、地域で活躍する人材の育成や大学を核とした地域産業の活性化、地方への人口集積等を推進するため、地域における複数の大学が地域活性化政策を担う地方公共団体、人材を受け入れる企業や地域活性化を目的に活動するNPOや民間団体等と協働し、当該地域における雇用創出や学卒者の地元定着率の向上を推進するものでした。  この事業を国が推し進めた背景には、人口減少が地域経済の縮小及び地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルが発生するからです。そして、地方と東京の経済格差拡大が魅力ある職を求める我が国の人口を地方から東京圏へ流出させている、とりわけ人口の流出は大学入学時及び大学卒業、就職時の若い世代に集中しているところにあります。  事業の求めるものは、当然人口流出に歯止めをかけることにありましたが、正直、本県には大学などの高等教育機関が他県より少ない。例えば、高等教育機関で構成されている大学コンソーシアムは、お隣の石川県では高等教育機関21校で構成されておりますが、富山県は7校で3分の1にすぎないという理由もあるため、18歳人口の流出は止まりません。また、大学卒業時には、県外出身学生が県内企業に就職するために企業等と連携し努力しましたが、県内にあまりとどまらず、思ったほどの成果は残せませんでした。  そうした中で、国が地方創生の充実・強化に向けて始めた地方創生推進交付金を活用した本市移住支援金ですが、始まった令和元年度では2件で6人が活用し、移住してこられました。令和4年度は23件で54人の方々が移住支援金を活用し、移住してこられましたが、その増加した理由についてお伺いします。 143 ◯ 副議長(成田 光雄君)  当局の答弁を求めます。  前田企画管理部長。 144 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  自由民主党、金岡議員の一般質問にお答えいたします。  お尋ねのありました移住支援金制度は、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)への過度な一極集中の是正及び地方における中小企業の人手不足の解消や起業支援など、地方創生を推進するため国が令和元年度に創設した制度であり、東京23区に在住または通勤する方が本市へ移住し、市内で起業や就業等を行う場合、県と共同で交付金を支給するもので、家族共々、世帯で移住の場合は100万円、また、単身で移住の場合は60万円を支給する事業であります。  お尋ねの移住支援金の支給件数が増加した要因としては、事業開始から4年目となり、制度自体の周知が行き届いてきたことに加え、令和2年度からは移住先でテレワークにより移住前の業務を継続する場合も支給対象となったことや、令和4年度からは18歳未満の子など1人につき30万円が加算されるようになったことなど、制度の拡充が図られてきたことも影響しているものと考えております。  なお、18歳未満の子などへの加算額について、国は令和5年度から1人当たり100万円に引き上げる方針であり、本市におきましてもこれと同様に対応してまいりたいと考えております。 145 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 146 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  その制度の拡充だとか、あと、コロナ禍におけるテレワークということもあったと思います。コロナ禍とはいえ、本市に移住した人が増えたことは大いに喜ばしいことです。  移住支援の業務については、どうして富山市を選んでもらうかというためのPR、移住手続、移住した後のサポートなど、多岐にわたります。  令和4年度より移住支援の窓口は企画調整課に移りました。現在、本市における移住支援の体制はどうなっているのか伺います。 147 ◯ 副議長(成田 光雄君)  前田企画管理部長。 148 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  本市では、令和4年4月の組織改正に伴い、企画調整課に地域政策係を新設し、移住や交流に関する市の総合相談窓口機能を持たせたところであり、移住支援金の申請受付及び交付事務を担当するほか、移住に関する様々な相談、問合せに関して市の担当課などとの連絡調整役を担っているところであります。 149 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 150 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  20年にわたり、全国の自治体と連携して地方移住を支援する──昨年、私も話を聞きに行ったことがあるのですが──認定NPO法人ふるさと回帰支援センターでは、昨年の移住相談件数は5万2,312件と過去最多だった令和3年の4万9,514件を大きく上回り、移住への関心は高まりを見せています。  ふるさと回帰支援センターの理事長は、昨年も地方移住への追い風がコロナ禍で引き続き吹いており、センターの相談窓口の体制を強化し、首都圏の移住希望者の動向を注視し、うまく捉えた都道府県が相談件数を伸ばしたとおっしゃっていました。  移住相談者のアンケート結果の特徴として、1つに、移住希望地では、対前年度比で地方都市を希望する人が64.9%から73.6%と増えたこと、そして、農村を希望する人も19.7%から23.8%と増えているという点があります。これは、中核市であり、また、広く農地や中山間地が広がる本市にとっては選んでもらえるチャンスではないでしょうか。  また、相談者の年齢は、昨年も一昨年に引き続き40代以下が全体の7割程度を占めるとのことなので、現役世代、子育て世代が中心であることがうかがえます。こういった若い世代が多いということは魅力的なターゲットです。  そうした現状の中での移住支援事業を好機と捉え、ほかの自治体とは違う、本市だけの独自の支援事業もやっていくべきだと考えますが、当局の見解を伺います。 151 ◯ 副議長(成田 光雄君)  前田企画管理部長。 152 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  移住を希望される方が実際に移住先を決定する際には、そのまちの暮らしやすさや魅力、すなわち、子育てや教育環境が充実していることや雇用の場があること、公共交通の利便性、医療や福祉の水準、災害が少なく治安がよいこと、スポーツ観戦のほか、コンサートや演劇を鑑賞できる文化施設などが整っていることなど、様々な面から総合的に評価されて、初めて移住先としての選択がなされるものと考えております。  こうしたことから、個別の移住支援策を他都市と競うという考え方も当然あるとは思いますが、市といたしましては、産業や教育、文化、福祉など、全体としてバランスよく都市の総合力を高める施策を着実に推進することで暮らしたいまち、住み続けたいまちとして多くの方々から選ばれるまちづくりに取り組んでいくことが何よりもまずは重要であると考えており、今後ともこうした基本姿勢で各種施策を推進してまいりたいと考えております。 153 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 154 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  冒頭申し上げましたとおり、人口減少は地域経済の縮小及び地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルが発生します。今こうした移住支援があるチャンスのときに攻めの姿勢でいかないと、今後の富山市が成り立たなくなるような気もいたします。  午前中、会派 誠政、橋本議員への答弁でもありましたように、富山市は、住んでもらえれば、住み続けたいまち1位に輝いたこともある市です。そのためにも、まずは住んでもらわなければいけないと思っております。多くの移住希望者を本市に引き込めるように、独自の施策を打ち出して、攻めの姿勢で当たっていただけることを望みます。  次に、小・中学生のスポーツについて質問します。  私は、中学、高校と野球部で過ごしましたが、今でもそのときの仲間との懇親もあり、いい思い出となっています。しかし、現役のときは、つらい練習の中で、その中でも指導者から心ない言葉を浴びせられたこともあったかと思います。長い年月の中でいい思い出だけが残り、嫌な思い出が風化することもありますが、一生の傷となって残っている人も多くいます。  スポーツ指導の現場は閉ざされた環境下で行われているため、正しいことか間違っていることかが、選手、子ども、保護者に分かりづらい。子どもは指導者の言動が正しいことだと勘違いしてしまう。強いチームだと、周囲や親同士が正しいことだと勘違いしてしまう。小学校、中学校などの地域で行っているチームでは移籍がしづらく、やめたら競技そのものを続けにくくなるなどの問題があります。  特に、小・中学校の現場では指導者はボランティアの方が多いので、教えてやっているという上から目線の気持ちから強い言葉をかけるのが当たり前になってきてしまう方が多いのかもしれません。  先般の新聞報道で、2022年度の日本スポーツ協会が設置した窓口への相談件数のうち、暴力パワハラ問題の相談件数が本年1月の段階で290件に上っており、被害者の6割以上が小・中学生との報道がありました。日本スポーツ協会に問い合わせたところ、290件の所在地の内訳を教えてもらうことは、相談の性質上、できませんでした。  今後、部活動の地域移行化の話が進んだときにはこのような問題が噴出しかねません。  このようなスポーツ現場における暴力行為などの相談があった場合、本市においてどのように対応するのか伺います。 155 ◯ 副議長(成田 光雄君)  大沢市民生活部長。 156 ◯ 市民生活部長(大沢 一貴君)  スポーツ指導者による暴力やハラスメント等の行為は、フェアプレーの精神や人間性の尊重といったスポーツの価値を否定し、スポーツを通じた健全な活動や心身の成長を阻害するものであり、たとえどのような理由であれ、断じて許されるものではありません。  日本スポーツ協会におかれましては、平成25年にスポーツ界における暴力行為根絶宣言を採択され、あわせて、スポーツにおける暴力行為等相談窓口を設置し、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者やスポーツ少年団登録者についてのスポーツ現場における暴力行為等に関して電話やウェブで相談に応じておられます。  本市におきましては、このような専用の相談窓口は設置しておりませんが、本市で同様にスポーツ現場における暴力やパワハラ等の相談があった場合は、まずは内容をしっかりお聞きし、その後、本県におけるスポーツに関する暴力等の相談に応じている公益財団法人富山県体育協会と協議し、対応を検討するほか、必要に応じて、日本スポーツ協会へ報告することとしております。  なお、暴力やハラスメント被害といった人権に関する相談については、本市で開設しているなやみごと人権相談や法務省が設けている各種の人権相談窓口を御紹介し、さらに、法的な解決方法についての相談については、本市で開設しております弁護士法律相談を案内しているところでございます。 157 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 158 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  子どもたちの可能性を閉ざすことのないように、引き続き丁寧な対応はもとより、本市としても啓発に努めていただきたいと思います。  次に、部活動の地域移行についてお伺いします。  部活動の地域移行は、2022年6月、スポーツ庁での有識者会議で提言された公立中学校における休日の運動部の部活動を外部に移行する部活動改革の1つですが、移行先には地域のスポーツクラブや民間企業、スポーツ少年団などが想定されており、移行先では複数の中学校で集まることが可能となります。  しかしながら、現状では、地域のスポーツ大会へ参加を認められるのは学校単位限定で、スポーツ団体の参加は不可能な大会が数多くあります。本市においても、部活動の地域移行に先んじて積極的に受入れを表明しているスポーツ団体も出てきましたが、実際にそういった団体に入って従来どおり大会に出られるのか不安に思われている保護者の声も耳にしました。  上市町や朝日町など、本県においても地域移行に積極的な支援を見せている自治体が出てくるなど、部活動の地域移行が各地で活発に議論されておりますが、本市においては明確な方針が打ち出されておらず、不安に思っている保護者や受け入れる側のスポーツ団体にもどうしたらいいのか分からないという声が少なくありません。  本市における令和4年度の部活動の地域移行の取組の進捗と今後の見通しについて伺います。 159 ◯ 副議長(成田 光雄君)  砂田教育委員会事務局長。 160 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  本市における休日の部活動の地域移行につきましては、今年度、1つに、市内全中学校を対象とした休日の部活動の地域移行に関する調査の実施、2つに、大沢野中学校における実践研究の取組などに関する市内全中学校への情報提供に取り組んだところであります。  まず、市内中学校教員に対して行った調査におきましては、1つに、休日の部活動指導の軽減が図られ、働き方改革の一助となる、2つに、指導者並びに活動する施設設備の確保ができないため移行が難しい部活動が多い、3つに、指導の一貫性を考え、休日も部活動指導に関わりたいなど、様々な意見が寄せられました。  また、市中学校長会等において、今ほど申し上げました調査の結果や、大沢野中学校での実践研究の成果や課題について情報提供を行ったところ、1つに、学校と地域クラブとの間を取り持つコーディネーターや外部指導者の人材バンクの必要性、2つに、大会への参加条件が競技ごとに異なることについて戸惑う生徒や保護者への対応、3つに、地域移行を各学校が主体となって進めることへの不安などといった学校が抱えている課題も見え、これらから休日の部活動の地域移行が一朝一夕に進められるものではないことがより明らかとなりました。  こうしたことから市教育委員会といたしましては、達成時期を一律に定めないとした国の動向も注視しつつ、休日の部活動の地域移行に関し、より一層連携を深めるため、今後、行政と関係団体、学校関係者等による協議会を設置し、課題の解決と必要な施策について協議してまいりたいと考えております。 161 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 162 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  今言われたような現状を伝えるということも不安を取り除くために必要なことだと思います。協議によっては方針の急転換も考えられますが、子どもたちや保護者に不安を与えないように、見通しの立った時点で速やかに伝えていくことを望みます。  最後に、不登校児童・生徒へのオンライン授業について質問します。  まずは、昨年9月定例会より設置に向けてお願いしてきた不登校特例校については、新年度より本格的に調査・研究していただけるということに感謝申し上げます。  令和4年3月定例会における公明党、佐藤議員のオンライン授業等の取組に対する教育委員会の見解を問われたときに教育長は、授業は本来、児童・生徒同士が顔を寄せ合い対面での活動を通して考えを深めていくことが基本であると考えており、不登校児童・生徒に向けてオンラインの授業配信が常態化することは、場合によっては学校への行きづらさを助長してしまうことも懸念されるため、現在はオンラインでの授業配信を推奨しておりませんとの答弁でした。  先般、不登校児童・生徒の保護者と話をする機会があり、そのうちの1人からは、コロナ禍前から不登校になっていたが、コロナ禍でオンライン授業があったときは前向きに授業を受けていた。それでもやっぱり学校には足が向かず、オンライン授業がなくなって無気力になってしまったという話をされました。
     本市においては、学校以外にも、適応指導教室など、不登校児童・生徒の居場所づくりに力を入れておられますが、やはり対面式だと足が向かないという子どもは多くいます。それでも、そういう子どもたちでも何かの拍子に学校に行けるタイミングが出てくることがあります。そうしたときに、学力の遅れからやはり行きたくないということが発生しないよう、不登校の期間も学習支援がどうしても必要となってきます。  担任がオンライン授業をすると、どうしても現場の負担が大きくなります。  不登校児童・生徒への教育委員会によるオンラインでの学習支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。 163 ◯ 副議長(成田 光雄君)  砂田教育委員会事務局長。 164 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  本市においても不登校児童・生徒が年々増加し、不登校対策は喫緊の課題であると考えており、市教育委員会では、不登校児童・生徒への支援の取組の1つとして、昨年11月から豊田や婦中の適応指導教室において1人1台端末を利用したオンライン相談を実施しております。この取組では、適応指導教室に通級していない不登校児童・生徒が適応指導教室の教育指導員に分からない問題について質問したり、その子に合った学習の仕方を一緒に考えるなど、オンラインの双方向性を生かした支援が行われております。  また、市教育委員会では、オンラインを用いた学習支援として、学校に対し、放課後等に担任がオンラインで不登校児童・生徒の質問に答えたり、自宅で解いた問題を添削するなどの活用例を示しております。  しかしながら、これらの取組を推進する前提として、学校と不登校児童・生徒やその保護者が信頼関係を構築し、不登校児童・生徒がオンラインでの学習に取り組もうとする意欲を高めることが何よりも重要であると考えております。  市教育委員会といたしましては、不登校児童・生徒のオンラインによる学習支援が一層図られるよう、他の自治体の事例も参考にしながら関連施策の充実に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 165 ◯ 副議長(成田 光雄君)  1番 金岡 貴裕君。 166 ◯ 1番(金岡 貴裕君)  今ほど言われた各学校におけるオンライン指導というのもお聞きしましたけれども、教育委員会が、双方向ではなくて、一方向で授業を流すという方法も学習支援という意味では1つの方法であると考えております。  先日、文部科学省の担当官からレクチャーを受ける機会もありましたが、不登校の子どもたちに対して選択肢が広がることが大切だとの話も聞きました。まさにそのとおりで、今後も不登校の子どもたちに対しては希望の持てる施策を引き続き打ち出してほしいと思います。  そのことをお願いして、私の一般質問を終わりにしたいと思います。 167 ◯ 副議長(成田 光雄君)  これで金岡議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                              午後 3時00分 休憩                              ───────────                              午後 3時20分 再開 168 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  23番 東   篤君。 169 ◯ 23番(東   篤君)  令和5年3月定例会に当たり、立憲民主市民の会より一般質問を行います。  初めの大項目として、救急出動の状況について質問します。  総務省消防庁によると、コロナ禍の巣籠もりなどで落ち着いていた救急車の出動件数が増加に転じたとのことです。全国で救急車の出動は、2019年に過去最多の663万件を記録し、2020年に600万件を切りましたが、2021年は619万件に増えました。  先月21日の報道では2022年の全国統計はまとまっていないとのことでしたが、全国各地の消防本部では過去最多の更新が相次いでいます。結果として、入電してから救急車が現場に到着するまでの平均時間は一貫して伸び続け、2021年の9分24秒は20年前と比べ3分以上遅くなっています。  富山市消防局においても、昨年、119番通報を受けてから現場に到着するまでの所要時間が速報値で、先日の代表質問に対する消防局長の答弁にもあったとおり、平均9分9秒で、2005年の市町村合併後、初めて9分を超えました。大きな要因は、市民の高齢化や新型コロナウイルスの影響で救急出動が急増したことだと見られるとのことです。  本市消防局の現場到着までの所要時間は、2019年まで全国トップクラスの速さの7分台で推移していたものの、2020年と2021年は新型コロナウイルス対策で感染予防の装備が増えたため、2019年までと比べ出動件数は減ったものの、所要時間は8分台になり、さらに、昨年は20秒長くなったとのことです。  本市消防局は、消防署や出張所など16か所に1台ずつ救急車を配置、通常は現場に最も近い拠点から出動します。昨年は救急出動が前年比3,143件増の2万1,697件と初めて2万件を超え、出動が重なり、遠い地域から救急車が向かうケースが増えたために所要時間が長くなったと見られるとのことです。  救える命を救うために、健康を守るために所要時間の短縮が求められます。  そこで最初の質問ですが、「発熱やせきなどの症状があり、感染が心配だ」「カッターで指先を切った」「これから入院予定なので運んでほしい」などの119番通報もあるとのことですが、このような通報でも救急出動しているのかお伺いします。 170 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  当局の答弁を求めます。  相澤消防局長。 171 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  立憲民主市民の会、東議員の質問にお答えいたします。  本市では、119番通報を受信した通信指令課職員が、通報者から傷病者の状態を聴取しますが、又聞きや動揺などで情報が正確ではない場合や軽い症状でも時間とともに容態が悪化することもあり、救急隊員が直接傷病者の容態を観察することが重要であることから、基本的に通報があれば全て出動しております。  議員御質問の「指先を切った」や「入院予定なので運んでほしい」などの際には、傷の程度や病状等を聴取し、緊急性が低いと判断した場合、御自身や御家族などの協力で医療機関へ向かうことが可能な方には救急車を利用せずに受診するよう促すこともありますが、基本的には全て出動しております。 172 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 173 ◯ 23番(東   篤君)  基本的には出動するということでありまして、市民の皆様の命ですとか、健康を守るために大変な重責を担っていただいているということに心より感謝を申し上げる次第です。  若干重なるとも思いますけれども、次の質問として、そんな基本がある中でも救急出動するのかしないのかの判断基準や目安というものがありましたら、また答弁をお願いします。 174 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  相澤消防局長。 175 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  本市では、出動するかしないかの判断基準や目安は作成しておりません。  先ほども申し上げましたとおり、通信指令課職員が傷病者の状態等を聴取し、その内容によっては救急車以外での受診を促すこともありますが、基本的には全て出動しております。 176 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 177 ◯ 23番(東   篤君)  呼ぶほうにしてみれば、急なけがや病気をしたときに救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐに病院に行ったほうがいいのかなど、判断に迷うこともあると思います。  そんなとき、専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口が救急安心センター事業(#7119)で、救急車の出動件数の抑制効果は実証済みとの評価も得ております。  総務省消防庁のホームページには、「#7119に寄せられた相談は、電話口で医師、看護師、相談員がお話を伺い、病気やケガの症状を把握して、救急車を呼んだ方がいいか、急いで病院を受診した方がいいか、受診できる医療機関はどこか等を案内します」と紹介されています。  国は、この♯7119の導入を促していますが、財源問題などで、消防庁ホームページによると、県内全域で導入しているのは、全国では東京都や、近隣では新潟県など12都府県、都道府県の一部で導入しているのは、近隣では周辺部を含む岐阜市など6地域にとどまっているということのようです。  過去に、本市の2018年6月議会で#7119を導入すべきとの質問に対し、当該事業を早急に市単独で導入する必要性は低いものと考えているとの答弁がされました。  そのときから5年近くが経過しております。また、消防局長も替わっております。  そこで、改めての質問ということですが、救急安心センター事業(#7119)について本市でも導入すべきと考えますが、その必要性について見解を伺います。 178 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  相澤消防局長。 179 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  今ほど東議員から#7119について御説明がありましたが、改めて説明させていただきます。  御質問の救急安心センター事業(#7119)につきましては、急な病気やけがをしたときに救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐ病院に行ったほうがいいのかなどで迷った際の相談窓口として、原則24時間365日、医師や看護師等が相談員として対応し、病気やけがの症状を把握して、救急車要請の要否の助言、応急手当の方法、適切な診療科及び医療機関案内等を行っている事業であります。これは、増加する救急出動に対し救急車の適時適切な利用に向けた取組の1つであり、総務省消防庁が平成21年度にモデル地域を指定して開始し、現在、東京都など13都府県及び横浜市や札幌市等を含む6地域で実施されております。  消防庁の通知では、本事業の実施に当たっては、都道府県と市町村、消防行政と医療行政が適切な連携を図ることはもとより、地域の医師会や病院等の医療関係者など、幅広い関係者との連携・協力が欠かせないものとされております。  また、本事業の実施地域の単位といたしましては、原則として都道府県単位が適当とされており、実施主体といたしましては、都道府県が実施主体となる、あるいは実施を指導するパターンが今後の典型的な事業実施モデルとされております。  本市の令和4年の救急出動件数につきましては、先ほど東議員からも御紹介いただきましたが、初の2万件台となる2万1,697件と前年比3,143件の大幅な増加となっております。  また、県内全ての消防本部におきましても救急出動件数は過去最多となっており、今後の高齢社会の進展を考えますと、救急要請は増加するものと考えております。  本市といたしましては、限りある資源である救急車を緊急性の高い傷病者に活用するための1つの方策として本事業は有効であると考えておりますが、運用には救急医療に精通している複数の医師や看護師の確保など、市単独での導入には課題も多いことから、まずは県の動向を注視しながら、事業の実施に向けて調査・研究してまいりたいと考えております。 180 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 181 ◯ 23番(東   篤君)  消防局長からは、有効であるが、県の動向を注視していきたいということでありました。  しかし、今、消防局長からもありましたように、県内どこの消防局も出動が増えているということでありますし、富山市がもう県内の4割方を占めるということでもありますから、やはり富山市から他の市町村等の消防のリードを取っていくというか、そういう形で県に導入を促すということも1つの手であろうかと思いますので、御検討いただきたいというふうに思います。  そこで、続いての質問になりますが、それでは、この救急車の適正利用を推進していくためにこれまで実施してきた対策について答弁を求めます。 182 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  相澤消防局長。 183 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  本市が実施しております対策といたしましては、「広報とやま」やホームページへの掲載をはじめ、FMラジオ「防災一口メモ」での放送など、各種広報媒体により救急車の適正利用について広く市民に呼びかけております。  また、タウンミーティングや消防総合訓練など、市民が集まる機会を捉えて緊急性が低いと思われた実例を紹介するとともに、緊急性が高く、直ちに救急車を要請すべき心筋梗塞や脳卒中などの症状についても併せて紹介し、救急車の適正利用について理解が深まるよう説明しております。  さらに、毎年9月の救急医療週間には、国や各関係機関が作成した救急車の適正利用のポスターを消防庁舎や消防分団器具置場に掲示するとともに、医療機関や事業所等へ配布し、掲示の協力をお願いしております。  加えて、昨年の救急医療週間では、富山駅南側広場で救急フェスタを初めて開催し、消防音楽隊による演奏を通じて救急車の適正利用を呼びかけるとともに、リーフレットを配布するなどの広報活動を行っております。 184 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 185 ◯ 23番(東   篤君)  今ほど消防局長からこれまでやってきたことに関して、救急車の適正利用を推進するために様々な取組を実施してきましたよということでるる御紹介を受けました。これらの活動に対しても改めて敬意を表します。  次に、これらの適正利用に向けてということで、消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」について若干紹介させていただきます。Q助は、画面上で症状を選択すると緊急度の目安が分かるというアプリケーションソフトウエアです。消防庁のホームページによると、住民の緊急度判定を支援し、利用できる医療機関や受診手段の情報を提供するため、緊急度判定プロトコルver.2──これは家庭自己判断と言われるものですけれども──これを基に作成されています。主な機能として、該当する症状及び症候を画面上で選択していくと救急度に応じた必要な対応、例えば「今すぐ救急車を呼びましょう」「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」「緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう」、または「引き続き、注意して様子をみてください」という表示がされ、その後、医療機関の検索──これは隣県の情報も閲覧できるよう厚生労働省の「医療情報ネット」にリンクしているそうです。また、受診手段の検索を行うことができるということで、一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の「全国タクシーガイド」にリンクしているアプリですよと説明されています。  そこで質問ですが、救急車の適正利用を市民に理解してもらうため、総務省消防庁のアプリQ助などの活用をはじめ、積極的なさらなる広報活動が必要と考えますが、見解を伺います。 186 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  相澤消防局長。 187 ◯ 消防局長(相澤 充則君)  今ほど議員からQ助について事細かく説明いただきましたが、もう一度説明させていただきます。申し訳ございません。  議員御紹介のQ助は、全国版救急受診アプリの愛称で、総務省消防庁が救急車の適時適切な利用を促すため、病気やけがをした際に病院を受診したほうがいいのか、救急車を呼ぶべきなのかなど、迷ったときに判断の一助となることを目的に、日本救急医学会監修の下、作成されたアプリでございます。具体的には、急な病気やけがをしたときに該当する症状を画面上で選択していくと、「家庭での経過観察または通常の診療時間内での受診を勧めます」や「今すぐ救急車を呼びましょう」など、緊急度に応じた必要な対応が表示され、病院の受診時期や救急要請を促すものであります。  また、Q助以外に、別の事業といたしまして、子ども医療電話相談事業(♯8000)があります。この事業は、保護者の方が休日・夜間の子どもの症状にどのように対処していいのか、病院を受診したほうがいいのかなど、判断に迷ったときに小児科医師や看護師に電話で相談できる窓口であります。  消防局といたしましては、今後も救急需要の増加が予想されることから、救急車を有効活用していただけるよう、これまで行ってまいりました広報活動を継続するとともに、Q助や#8000についても消防総合訓練などでの紹介やホームページに掲載するなど、あらゆる機会を通じて市民の認知、理解が深まるよう積極的に広報しながら、救急車の適正利用につなげてまいりたいと考えております。 188 ◯ 議長(鋪田 博紀君)
     23番 東   篤君。 189 ◯ 23番(東   篤君)  結果的にですが、全国で2021年に救急搬送された患者のうち、3週間以上の入院加療を必要とする重症は8.5%、入院は必要だが重症には至らない中等症は45%で、入院を必要としない軽症は44%ということで調べたらなっておりました。  しかし、先ほど消防局長からもございましたように、軽い症状に見えても実際には緊急性が高い場合もあるということで、とりわけ気が動転しているような、救急車を呼ぼうかというときには、なかなか市民の皆さんは判断がつきにくくなるというふうに思います。  そのような中で、今ほど消防局長からも説明がありましたが、保護者の方が休日や夜間の子どもの症状にどのように対処したらいいのか、病院を受診したほうがいいのかなど、判断に迷ったときに小児科医師や看護師に電話で相談できる、この#8000事業というものがあったり、調べてみるといろいろとあるわけなのですが、私たちはやはりなかなか知らないことが多いというふうに思います。  これまでもいろんな広報をしてきたということですけれども、例えばホームページだと、実際に何かあったときに開こうとなってもなかなかすぐに開けるものではない。広報にいろんな対応方を載せても、どうしても広報は一度読んだらもうどこかにしまってしまうということで、例えばごみの収集のもののように、ずっと身近に目につくところに置いておけるような広報媒体といいますか、そういうものを各家庭に配布するというようなことも改めて考えていただいたらいかがかなというふうに思っております。  やはり本当に救急車で搬送が必要な人を速やかに運ぶための方策を今後もしっかりと求めていくということで、また御尽力をいただきたいというふうに思います。  それでは、続いて2つ目の大項目に進みます。  今定例会において、立憲民主市民の会として、村石議員が代表質問で本市における募集した職員数を採用するための対策について、岡部議員が一般質問で本市における職員採用の現状と見直しが必要と思われる課題等について質問をいたしました。我が会派の連携プレーということで、私からは本市職員の自己都合退職について質問をいたします。  本市職員採用試験に応募する人材が減り、とりわけ幾つかの技術職では応募定員を満たさない応募状況となっているというのは残念の極みであります。  そんな状況において、本市に採用された職員が一人でも多く定年まで働き続ける職場にすることが、ひいては市民サービスや市民生活の向上につながるということは言うまでもありません。  しかし、現実には、定年まで働き続けることなく、自己都合退職する職員が散見されております。  そこで質問ですが、婚姻などにより遠隔地に転居し、勤務することができなくなった職員を除き、本年度末までの予定を含む自己都合退職者の人数について答弁を求めます。 190 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  前田企画管理部長。 191 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  初めに、退職の理由につきましては、職員個人のプライバシーに関する情報が含まれるため、その理由について詳しく調査することは基本的には行っておりません。  したがって、あくまで退職予定を含む今年度の自己都合による退職者全体の人数について申し上げますと、現時点では113名と見込んでいるところであります。 192 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 193 ◯ 23番(東   篤君)  113名ということで、思っていたよりも大きい数字でしたので、ちょっと驚いているところなのですが、少しこれを掘り下げて質問させていただきますが、この本年度末までの予定を含む自己都合退職者について年齢構成ごとの人数を伺います。 194 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  前田企画管理部長。 195 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  現時点で見込まれます自己都合退職者113名の年代別の内訳は、20歳代以下が40名、30歳代が40名、40歳代が19名、50歳代以上は14名となっております。 196 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 197 ◯ 23番(東   篤君)  20歳代以下、30歳代という、まさに仕事を始めて、そして、働き盛り、これからもっともっと市のために働いていただきたい、市民のために働いていただきたいという世代の方で自己都合退職が多いということで、本当にちょっと残念な数字だという感想を持ちました。  そこで質問ですが、先ほど部長のほうからはプライベートな問題なので基本的に調査はしないということもありましたけれども、あえてまたお伺いしますが、本年度末までの予定を含む自己都合退職者について、主な退職理由を伺います。 198 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  前田企画管理部長。 199 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  先ほど申しましたとおり、市では基本的には退職を申し出た職員に対してその具体の理由を確認しておりませんが、一般的には職員自身の結婚や転職、家族の介護、その他健康上の理由などによるものが多いものと考えております。 200 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 201 ◯ 23番(東   篤君)  今ほど企画管理部長のほうからも答弁がございましたが、聞いているところでは、仕事量が多いことから残業や休日出勤も多くなり休めないとか、結果として、自分が自由に使える時間が十分に取れない、中には、オーバーワークからメンタル面で不調を来し、働き続けられなくなる。これは、先ほど部長が言われた健康に通ずる理由にもなるというふうに思います。あるいは、他の企業に勤める友人、知人と比較すると賃金が安いなどとの理由で自己都合退職する職員がいるというふうに仄聞もしております。  記録として残る退職願で、やはり一身上の都合との理由が多いのではと推察もされますけれども、その一身上の都合は果たしてどのような都合なのか。自己都合退職した職員の所属する職場の管理職がやはり実態を把握するということが必要、これからいろんな健康等の理由で自己都合退職される方を少なくするということにつながるというふうに思っています。  そこで質問ですが、自己都合退職する職員を減らし、定年まで働く職員を増やしていくことが、冒頭にも申しました市民サービスや市民生活の向上にもつながると考えますが、これまでどのような対策をしてきたのか、また、これからしようと考えている対策について答弁を求めます。 202 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  前田企画管理部長。 203 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  本市では、結婚や出産、子育てのほか、自身の学び直しのための修学や家族の介護など、ライフステージにおける様々な転換期を迎えた職員が、その職を辞することなく、長く働き続けることができるよう、育児休業制度や家族を介護するための介護休暇制度など、各種制度の周知・啓発に努めるとともに、例えば、1つには、最長で3年間、外国で勤務や修学する配偶者と生活を共にするための配偶者同行休業、2つとして、最長で3年間、大学等における修学や国際貢献活動に参加するための自己啓発等休業、3つとして、定年までの一定期間、定年退職後の人生設計の準備やボランティア活動など、地域貢献活動に従事するための高齢者部分休業などの各種制度を整備してきたところであり、また、本年1月からは、特別休暇である看護休暇の対象を子以外の配偶者や父母などへも拡充を図ったところであります。  市としましては、職員がこうした既存の様々な制度を有効に活用しながら仕事と家庭の両立を図ることでできるだけ長く働き続けることができれば、結果として、公務内に経験豊富な人材が数多く存在することになり、組織力の維持・向上が図られるだけではなく、市民サービスの向上にもつながるものと考えているところであります。  このため、1つには、常日頃から管理監督者と部下職員とのコミュニケーションが十分図られ、ささいなことでも相談や報告のできる風通しのよい職場づくり、2つに、職員の能力や資質、適性などを踏まえた適材適所の人事配置、3つとして、産業医による面談や心の健康相談教室の開催、ハラスメント相談窓口の設置といったメンタルヘルスに関する取組の充実などに引き続き取り組むことで、意欲と能力のある職員がやりがいを持って生き生きと長く働き続けることのできる組織風土の醸成に今後一層努めてまいりたいと考えております。 204 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 205 ◯ 23番(東   篤君)  今、企画管理部長から言われました、コミュニケーションがしっかりと上司と部下でできて風通しのいい職場、あと、適材適所の人事配置、あるいは心の健康、メンタルヘルス等、本当に大事なことだと思います。これこそ、この市役所内で部局を超えてやはりお互いに見ていくということが必要だというふうに思っております。もっともっと皆さんが定年まで働き続けられる職場になるように御努力をいただきたいというふうに思います。  続いて、3つ目の大項目として、県地域交通戦略会議と本市の公共交通の拡充について質問をいたします。  富山県地域交通戦略会議では、2023年度末までに持続可能な公共交通の法定計画をつくることを目指しています。昨年6月2日に第1回会議を開催して協議を開始して以降、今年2月8日の第4回会議までに、鉄軌道サービス部会は3回、地域モビリティ部会は2回、サービス連携高度化部会は2回、交通ワンチーム部会は3回の会合を開催してきているということです。  そして、第4回会議では、策定する持続可能な公共交通の法定計画の土台となる地域交通ネットワークの目指すべき姿を提示し、鉄軌道を幹に例え、1本の木のように他の交通手段やサービスが広域でつながっていくのが理想像としました。実現には自治体の協力が不可欠で、交通分野にとどまらない予算の総動員が必要との意見で一致しております。県は、実現には予算拡充が不可欠とし、観光や教育、医療、福祉などの交通以外を含む関連部局の予算の総動員をポイントに挙げたというふうに聞いております。  そこで質問ですが、今申し上げたとおり、富山県地域交通戦略会議は、本年2月8日、持続可能な公共交通の法定計画の土台となる地域交通ネットワークの目指すべき姿を提示しましたが、その内容についての本市の見解と実現に向けての決意をお伺いします。 206 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  美濃部副市長。 207 ◯ 副市長(美濃部 雄人君)  本年2月8日に開催された第4回富山県地域交通戦略会議の内容でございますけれども、議員から御指摘がありましたとおり、全市町村に鉄道が通る本県の強みを生かして、鉄軌道や駅を中心にあらゆるサービスが1つにつながるネットワークを県全体で形成し、ウェルビーイングを向上させる、持続可能で最適な地域交通サービスを実現するための4つの目指すべき姿を提案しております。1つ目が、鉄軌道サービスの利便性・快適性向上、2つ目が、結節点となる駅の機能強化、3つ目が、地域内のモビリティーサービスの確保、4つ目が、ネットワーク内のサービスの統合・進化ということが示されております。  この目指すべき姿につきましては、鉄軌道を中心としたネットワークの実現を図るため、サービスレベルの向上に向けた自治体の積極的な関与や、まちづくりの中心となる駅を拠点化し、市町村のまちづくりと連携することが重要であるとされております。  このことは、本市が進める公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりと相交わる内容となっており、また、富山市地域公共交通網形成計画の基本方針とも整合性が取れていることから、第4回富山県地域交通戦略会議において、この提示に対し賛同するとの意見を述べたところでございます。  本市といたしましては、この目指すべき姿と現在策定を進めております富山市地域公共交通計画の整合性を図るとともに、本市における市民生活や経済活動を支える地域公共交通を再構築(リデザイン)することで利便性の高い持続可能な公共交通の実現を目指してまいりたいと考えております。 208 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 209 ◯ 23番(東   篤君)  この富山県地域交通戦略会議、富山市からは美濃部副市長が委員ということで参画をされているということで、今、直接副市長のほうから答弁をいただいたのだというふうに理解をしております。この方針、目指すべき姿の提示について本市として賛同したということでございます。またしっかりとその会議に参画していっていただきたいと思います。  そこで質問ですが、2023年度末までに本市についても法定計画を策定することになりますが、どのような方針で本市としては策定していく予定であるのか答弁を求めます。 210 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  中村活力都市創造部長。 211 ◯ 活力都市創造部長(中村 雅也君)  本市では、近年の公共交通を取り巻く社会情勢に対応することに加え、昨年11月に策定した富山市スマートシティ推進ビジョンとの連携を図ること、さらには、今年度実施した公共交通に関する市民意識調査での新たなモビリティーサービスへのニーズなどを踏まえながら、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりをさらに深化させるため、今年度と来年度と2か年で法定計画である富山市地域公共交通計画を策定することとしております。  今年度は、地域の現状や公共交通の概況を整理するとともに、移動特性やニーズなどを把握するための調査を実施し、法定協議会である富山市都市交通協議会にて結果を共有するとともに、意見交換を行い、各委員から様々な助言をいただいたところであります。  今後、本市といたしましては、今年度の調査結果を踏まえ、地域特性やニーズに応じた交通体系を検討し、同協議会の御意見を踏まえ、県の地域交通戦略との整合性を図りながら富山市地域公共交通計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。 212 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 213 ◯ 23番(東   篤君)  私は、この富山県地域交通戦略会議に関して、昨年6月に立ち上がって、その直後、6月の市議会定例会でも質問をいたしました。やはりこの計画がしっかりと策定されて、そして、富山市としてもしっかりと取り組んでいくことが、毎回の市民意識調査で不満の割合が高い施策に交通体系の整備ということで挙がっておりますので、これをしっかりと市民の皆さんが満足いくように、少しでも近づけていく、そのために大変重要な富山県地域交通戦略会議だというふうに思っておりますので、今回新たにこの土台となる地域交通ネットワークの目指すべき姿が提示されたということで、改めて質問させていただいた次第であります。  そこで質問ですが、今ほども申し上げましたが、令和2年度の直近の富山市民意識調査の結果においても不満の割合が高い施策、これは交通体系の整備となっておりまして、この不満を低減するには公共交通の空白地域をなくしていくことが私は必要だと考えておりますが、空白地域をなくすことについて、いかに市として進めていくのか答弁を求めます。 214 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  中村活力都市創造部長。 215 ◯ 活力都市創造部長(中村 雅也君)  本市では、民間交通事業者により交通サービスが提供されない公共交通空白地域などにおいては、地域の住民や企業が連携・協力して運行する地域自主運行バスを支援するとともに、中山間地域においては、大山地域、八尾地域、山田地域における市営コミュニティバスや大沢野地域でのデマンド型のシルバータクシーの運行を本市が行ってきたところであります。  こうした結果、公共交通利用圏域人口割合──これは鉄軌道の駅及び停留場やコミュニティバスを含む民間の路線バスのバス停から750メートルの範囲内の人口カバー率でありますが──これが、平成17年で94.4%だったものが令和3年には98.1%と3.7ポイント上昇しており、公共交通空白地域の解消につながっていると考えております。  また、議員から御指摘がありましたように、令和2年度の富山市民意識調査においては、交通体系の整備は不満の割合が高い結果となっておりますが、平成30年度の前回調査と比べると、51.4%から44.7%と6.7ポイント減少しております。  さらに、今年度に実施した公共交通に関する市民意識調査におきましても、公共交通が便利、やや便利と回答した方の割合が、令和元年度の前回調査と比べると、40.9%から52.7%と11.8ポイント増加しております。  このことはこれまで本市が進めてきた公共交通の活性化の取組の成果であり、今後もこれまでの取組を深化させるとともに、地域特性に応じた新たな公共交通の活性化施策にも積極的に取り組む必要があると考えております。  こうしたことから今年度は、八尾コミュニティバスでのルートやダイヤの見直しや、郊外部の熊野地区でのグリーンスローモビリティの運行社会実験などに取り組んでおり、さらに、令和5年度からの新たな取組として、婦中地域での自動運転移動サービスや上条地域での地域自主運行バスの試行、大山地域でのAIオンデマンド交通システムを活用した社会実験などに要する事業費を本定例会に当初予算案として提案したところであります。  本市としては、今後これらの施策をしっかりと推し進めていくことで市民の暮らしの満足度の向上や公共交通空白地域の解消につなげてまいりたいと考えております。 216 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  23番 東   篤君。 217 ◯ 23番(東   篤君)  富山市として、この公共交通空白地帯を減らしていく努力がこれまでも様々されてきているということを私も認識させていただいておりますけれども、富山市の公共交通マップ、おでかけのりものマップなんかを見てみると、中山間地のみならず、まだまだ平地でも、中心市街地を外れた郊外なんかで公共交通がやっぱりないよと、750メートル圏内に入っていませんよという地域がまだまだあります。人口カバー率ですか、もう既に98.1%が公共交通から750メートル圏内にありますよといっても、まだまだ空白になっている地域もあるわけで、やはり私はこの空白地域を少しずつでも埋めていくことが交通体系の整備に関する不満を減らしていく大きなポイントになるのではないかというふうに思っております。  ぜひともこれを解消しながら、市内のどこに住んでいても歩いてバス停や駅に行き、そして、買物や病院に行くことができるような公共交通網を確立していく、このことが本市の持続可能な公共交通の法定計画として盛り込まれていくということをお願い申し上げます。  また、森前市長もずっとこの間、公共交通を一生懸命やってこられましたけれども、過日の報道によりますと、公共交通は準公財だから将来世代のためにも行政が関わっていくのは当然だという見解を述べていらっしゃいます。やはり行政が関わっていくということが大変重要だと思います。  富山市としても、さらに公共交通の充実に向けて一層努力されますことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 218 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これで東議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  11番 久保 大憲君。 219 ◯ 11番(久保 大憲君)  令和5年3月定例会に当たりまして、自由民主党より一般質問いたします。
     富山グラウジーズは新B1リーグ参入を目標として様々な取組をしており、本市でも様々な支援をしています。今後も本市が富山グラウジーズを物心ともに支援していく際には、今よりももっと多くの市民の理解が必要というふうに考えます。  ところが、富山グラウジーズは今シーズン、成績面で大変苦戦をしております。一般的にプロスポーツではチームの成績が低迷すると観客数も減ることが多く、富山グラウジーズも例外ではなく、この悪循環に陥っています。  観客数を増やすためにはこのリピーターの増加、獲得が不可欠なわけですが、リピーターの獲得には、まず満員の会場──先日、沖縄アリーナも見てきました──その満員の会場になると、一体感や興奮度、満足度も高まって、また見に来ようという、そういった好循環が沖縄のチームにはありました。不思議なもので、観客が増えるとチームの成績もよくなると、こういった状況であります。  今の悪循環から好循環に変えて、確実に残留していただいた上、そのためには、来年度や来シーズンではなく、今すぐ市として観客増員につながるような取組を始めるべきと考えます。  当然予算がありませんので、予算をかけずにどうやって観客を増やしていくのか。例えば市民課や地区センターなど、市の様々な施設でポスターを掲示する、こういったことを地道にやりながら予算をかけずに機運の醸成を図っていく、こういったことが必要だろうと思います。  まずは残留に向けて、そこから新B1リーグ参入に向けて、応援団長として市民の先頭に立つ藤井市長の熱い思いを語っていただきたいなと思います。 220 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  藤井市長の答弁を求めます。 221 ◯ 市長(藤井 裕久君)  久保議員の御質問にお答えします。  富山グラウジーズが目指している新B1リーグ参入の要件であります平均入場者数につきましては、今シーズンの富山グラウジーズにとって非常に厳しい数字であります。このことから、新B1リーグ参入のため、今シーズンの残る試合、これに全力で取り組んでいただきたいというふうに思っておりますとともに、来シーズンはその数字以上の目標を持って、さらに力を入れて取り組んでいただきたいなというふうに考えております。  私自身、今シーズンのホームでの開幕戦を観戦させていただきました。当日は、残念ながら、最後4点差で惜敗いたしました。しかし、富山市総合体育館という1つのこの屋内空間に約2,300人を超える観客、ブースター等々が詰めかけて、非常に熱心に応援しておられました。会場は非常に一体感があって、他のスポーツではなかなか味わえない、選手と応援する我々との距離等々も含めて、そういう一体感があったというふうに感じております。  また、距離も近いものですから、選手、監督、コーチの話、表情、体の筋肉の躍動だとかも非常によく見えまして、いわゆる臨場感がある、迫力があるプレーを間近に見られるわけであります。さらに、バスケの場合は攻守の入れ替わりが非常に早いわけでありますので、一瞬とも目を離せないような展開であったというふうにも感じております。非常に興奮して、行った仲間全員で応援していたということでありますけれども、また、この試合の観戦のみならず、試合前やハーフタイムに行われるダンスチームやマスコットキャラのパフォーマンスもすばらしいものがありまして、音楽だとか照明による演出も相当洗練されておりまして、エンターテインメント性があるもので非常に楽しませていただけるということでありました。  議員おっしゃるように、市民、県民の方々、ますます多くの方々に、ぜひこの一体感のあるような、元気が出るような会場に、私自身、足を運んでいただきたいなという思いでいっぱいであります。  市も一生懸命発信していきますけれども、富山グラウジーズがSNSやいろんな媒体を使って発信しておられますけれども、さらに力を入れて積極的に発信していただきたいなというふうにも考えるわけであります。我々も、それに応える意味でも一生懸命発信していきたいなというふうに思っています。  本市といたしましては、富山グラウジーズの新B1リーグ参入をぜひ実現させたいなというふうに考えております。  目標達成のために何ができるのか、富山グラウジーズとも緊密に連携を取りながら共に検討していくとともに、チームから様々な企画提案だとか要望もあると思いますので、積極的に応えて、共に頑張っていきたいなというふうに思っています。  以上です。 222 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 223 ◯ 11番(久保 大憲君)  ぜひ、私も観戦に行くことがありますので、部局長の皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。  次に、教育委員会の質問に入ります前に、昨年12月定例会において、いじめ防止対策推進法第14条で定められているいじめ問題対策連絡協議会は、これは条例設置ということになっていますよと、早急に条例を制定するよう提案したところ、早速、本定例会に条例案件として提出をされました。提案を真摯に受け止めていただき、改善されたことを心より歓迎いたします。  平成30年9月定例会において、学校がいじめ防止対策推進法第23条第2項による調査を行った場合は市教育委員会に報告する義務が課せられているというふうな指摘をして、特に調査の結果、いじめが認められなかった場合に学校が市教育委員会に報告していない、こういったケースが多々あるということで指摘をし、改善を求めました。  しかしながら、令和4年12月定例会で、いまだに学校から市教育委員会に対し報告していないケースがあることが発覚しました。  報告漏れが生じないように今後どのように取り組むのか、市教育委員会の見解を伺います。 224 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 225 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  いじめの事実の有無に関わらず、学校から事案の報告が速やかにかつ着実になされることで法や福祉の専門家、関係機関と連携し、客観的な視点からの内容の精査が可能となることから、市教育委員会では、いじめを認知した場合だけでなく、いじめが疑われるような場合においても、法に基づき、速やかに第一報を入れるよう各学校に指導してきております。  こうした考えの下、先月10日の定例校園長会においては、教職員全員がいじめの定義を正しく理解し、いじめの認知漏れはないかという危機意識を持って、1つに、児童・生徒及び保護者の訴えを真摯に傾聴し、いち早く被害児童・生徒の安全を確保すること、2つに、事実関係の調査・確認を迅速に行うこと、3つに、いじめの兆候や訴えが確実に管理職に報告されるよう報告、連絡、相談及び組織対応を徹底することについて改めて周知するとともに、各校のいじめ防止基本方針を再確認し、児童・生徒がいじめを受けていると思われるときは速やかに事実確認を行い、その結果を市教育委員会に漏れなく報告することを徹底するよう指示したところであります。  市教育委員会といたしましては、今後も引き続き定例校園長会や各種研修会等の機会を捉えて、法の趣旨に基づいた行動を確実に行うよう、繰り返し指導・助言に努めてまいりたいと考えております。 226 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 227 ◯ 11番(久保 大憲君)  報告がなければ、市教育委員会がしっかりと助言・指導することもできなくなるわけです。そのしわ寄せは、全て被害児童・生徒に行くことになります。  また、これは繰り返しになりますが、報告漏れは明確な法令違反であって、法令違反ということであれば、本来なら懲戒処分にも該当しかねない、そういった行為であるということを改めて認識をして取り組んでいただきたいと思います。  被害児童・生徒にとって、大人や教員、学校にいじめの被害を訴えることはとても勇気の要ることです。  ところが、学校の調査において、いじめがなかったというふうな結論に至ることがあります。いじめがなかったという結論は被害児童・生徒の訴えを学校側が否定するということと同義でありまして、被害児童・生徒の自己肯定感や自尊感情を傷つけるだけでなく、学校との信頼関係も崩れてしまうということになりかねません。これが最悪の場合、不登校であったりとか、重大事態につながりかねない、こういったリスクがあります。  被害児童・生徒の主張と学校の調査結果が一致しない場合は教育委員会が調査結果を精査し、被害児童・生徒に調査結果をフィードバックする際にはケアを一体的に行うなど、細心の注意を払うべきと考えますが、見解を伺います。 228 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 229 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  文部科学省が策定したいじめの防止等のための基本的な方針では、調査により明らかになった事実関係について、いじめを受けた児童・生徒やその保護者に対して説明すると示されており、各学校では、調査の結果、いじめが確認できなかった場合であっても、いじめを受けたと感じている児童・生徒とその保護者に対し、精神的な苦痛に配慮しつつ丁寧な説明を行っております。  こうした中で、学校からのいじめが確認できないとの説明と、いじめを受けたと感じている児童・生徒の訴えが相反する場合、市教育委員会では、他の事案と同様、必要に応じて、富山市いじめ調査委員会の委員やスクールロイヤー、警察等の関係機関などから適切な助言や協力を得るなどして、学校からの報告の客観的な精査に努めているところであります。  その上で、学校の調査が不十分であると判断した場合には、市教育委員会が学校へ再調査について指導・助言したり、事案の内容によっては市教育委員会が主体となって調査を行い、児童・生徒とその保護者に対し意向を伺った上で、調査によって明らかとなった事実関係及びその他の必要な情報を適切に提供することとしております。  一方、各学校においては、いじめを訴えた児童・生徒へのケアを最優先にした対応として、電話連絡や家庭訪問を勤務時間外である夜間にも行ったり、傷ついた心のケアを行うカウンセリングを、担任はもとより、養護教諭、臨床心理士等が組織的に継続して行っております。  また、こうした支援を進めても児童・生徒の動揺が大きく、精神的に不安定になっている場合には医療機関の受診を保護者に勧めたり、市教育委員会からは臨床心理士やスクールソーシャルワーカーを派遣し、当該児童・生徒のケアに努めることとしております。 230 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 231 ◯ 11番(久保 大憲君)  こういった対応を教育委員会側、関連機関と協働してやっていくことの最低限の大前提は情報、報告があるということになりますので、この報告が徹底されるよう今後も取り組んでいっていただきたいなと思います。  昨年12月定例会において、不登校児童・生徒の中でいじめの重大事態を見落としている可能性を指摘いたしまして、全件再調査をすべきというふうに提案をしました。  その後、どのような調査が行われ、調査により新たに見つかった重大事態があれば、その件数について答弁を求めます。 232 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 233 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  市教育委員会では昨年の11月24日に臨時校園長会を開催し、いじめの重大事態はもとより、疑いがあるものについても幅広く捉え、詳細に報告するよう再点検を指示いたしました。  これを受け、各学校では、病気、不登校、保護者の教育に関する考え方等の理由により30日以上の長期欠席をしている児童・生徒一人一人の状況把握が的確であるか、欠席理由を誤って認識していないか、また、発生から現在に至るまでの期間で理由が変化していないかという視点に立って事案内容の再点検を行いました。  こうした各学校での再点検と併せ、市教育委員会においても長期欠席児童・生徒の一人一人の現況や欠席理由を精査したところ、重大事態または重大事態の疑い事案として新たに4件が確認されました。 234 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 235 ◯ 11番(久保 大憲君)  いじめの重大事態とは、いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めたとき、また、いじめにより当該学校に在籍する児童などが相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めたとき、これが4件あったということになります。こういった状態が再調査されるまで放置されてきたということは、市の教育行政の信頼をも根幹から揺るがしかねない重大なことであるというふうに思います。  この重大事態が今まで見落とされてきた理由と再発防止に向けてどのような取組をするのか教育委員会の見解をお伺いします。 236 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 237 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  教職員がいじめを発見したり、児童・生徒や保護者などからいじめの訴えがあった場合には学校において速やかに調査を行っており、事実関係を児童・生徒とその保護者に伝えております。  しかしながら、これまで報告された事案の中には、1つには、調査に際して当該児童・生徒から聞き取りを行うことができないもの、2つに、調査はしたものの、限られた証拠や証言の範囲ではいじめの事実を具体的に確認することができないもの、3つに、欠席といじめの因果関係が明確に把握できないものなど、いじめとして判断しづらいケースがあり、重大事態の疑いが潜んでいながらも重大事態として認識するには至らなかったものと考えております。  市教育委員会といたしましては、今後とも校園長会や生徒指導主事研修会等を通して、いじめの重大事態として疑わしいものについても幅広く捉え、ちゅうちょなく報告するよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。 238 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 239 ◯ 11番(久保 大憲君)  先日、文部科学省の担当者と意見交換をしてきました。令和3年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、全国の国公私立の小・中学生のうち24万4,940人が不登校と。そのうち、不登校の主たる理由がいじめの児童・生徒は0.2%という調査結果でした。この調査は学校側が回答しています。  それとは別に、不登校児童・生徒、保護者に直接調査をしたところ、約25%はいじめが原因と回答があったという調査もあるそうです。ただ、この調査は返答率が非常に低くてサンプル数も少ないことから単純に比較はできないですが、学校の認識と実態が乖離していると、こういうことはもう明らかであろうというふうに思うわけです。  これは、本市で不登校児童・生徒の支援をしている団体の主張とも合致するわけです。  今回、新たに4件が発覚しましたが、児童・生徒もしくは保護者から直接意見を聴取すればまだまだ増える可能性があるのではないかというふうに思いますので、ぜひ調査の継続を徹底していただきたいなと思います。  次に、新たに発覚した重大事態の今後の対応についてお伺いをします。  いじめ防止対策推進法では、第3条の基本理念に「いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要である」と書かれています。  ところが、先ほどもあったのですが、児童から聞き取りができないとか、いじめの事実が確認できないと、そういったところにこだわるあまり、学校現場ではそういった調査にばかり目が行って、重大事態としての報告が教育委員会になされないと。その結果、その調査や見つからないと言っている間、ずっとその被害児童が放置されてしまっていると、こういうことになりかねないわけです。  こういうようなケースが疑われる場合は、いじめがあったかどうかとか、事実がどうだとか、それよりもまず最初に、学校に来ることができない子どもたちの心のケアを最優先すべきというふうに考えますが、教育委員会の見解をお伺いします。 240 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長。 241 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  各学校から、疑いを含め、いじめの重大事態として報告を受けた事案につきましては、事実関係の調査を継続しているものや調査を終えているものなど、その対応の段階は様々でありますが、いずれのケースにおきましても、各学校においては、児童・生徒の不安に寄り添い、被害児童・生徒を徹底して守り通すことを伝えるなど、心のケアを最優先にした対応を行っております。  具体的には、不登校の状態となっている児童・生徒や保護者の思いに寄り添い、加害児童・生徒との関係修復を図りながらいじめの解消に努めるとともに、1つに、担任をはじめ、養護教諭、学年主任など、児童・生徒と関係ができている教員による電話連絡や家庭訪問、2つに、スクールカウンセラーによる面談やスクールソーシャルワーカーによる訪問相談など、児童・生徒や保護者とのつながりを継続し、心に寄り添い、登校復帰に向けた支援を根気よく行っているところであります。  市教育委員会といたしましては、今後とも、各学校が調査した内容及び不登校児童・生徒の状況を踏まえて、児童・生徒が一日でも早く学校に復帰できるよう、1つに、臨床心理士等の派遣、2つに、支援、対応を検討するケース会議等での指導・助言、3つに、専門家や関係機関との連絡、連携などを行い、事案の内容や不登校児童・生徒の実情に応じた対応を学校が適切に行うことができるよう引き続き支援に努めてまいりたいと考えております。 242 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 243 ◯ 11番(久保 大憲君)  いじめの重大事態というのは、いじめが原因と疑われるような状態で概ね30日ぐらいの連続した欠席が続いているようなケースになります。かなり専門的で高度な心のケアが必要だというふうに私は思っていまして、学校の先生はもちろんふだんの教員としての作業がある中で、そこまで高度できめの細かい対応まで強いることは現場の先生にとっても大変なのだろうなというふうに思うわけです。  重大事態というふうになれば、市長への報告もなされるわけです。市長に報告がなされれば、もしも教育委員会や学校の現場でマンパワーが足りなければ、市長も積極的にそういったところにケア──マンパワーを割いたりとか、さらなる支援を受けることができるようになると思います。  優秀な先生がいらっしゃって、その方が熱心にケアをされているという話もよく聞きます。ただ、そういった先生にもそのパワーに限界があるわけですから、やはりそういったことが組織的に対応ができる、そのためにも報告の徹底、重大事態を法律に照らし合わせて、もうこれは重大事態だと成立するものについては、積極的に教育委員会のほうで重大事態として取り扱っていくと、この姿勢を堅持していただきたいなというふうに思います。  そして、新たに発覚した事案の中には、もしかしたらもうすぐ卒業を迎える児童・生徒もいるかと思います。児童・生徒の新たな門出に間に合うように迅速な対応、これも重ねてお願いを申し上げます。  いじめの重大事態に発展するまでの間に、過去の調査や対応をめぐり、学校と被害児童・生徒、保護者との信頼関係が破綻しているケースもあります。保護者が重大事態の調査において、過去の学校の対応に対して、法律や基本方針等に照らし合わせて重大な過失を指摘しているケースもあると思います。  その場合、ガイドラインには教職員の懲戒処分等の要否を検討することということが明記されているわけです。この懲戒処分の対象となり得る利害関係者が調査に当たることは私は適切ではないというふうに思います。  現状で言いますと、まずは学校での調査というものに重きを置いているというふうに仄聞しておりますが、そこで、重大事態が発生した場合、被害児童・生徒、保護者が希望した場合や教職員が懲戒処分を受ける可能性がある事案については、学校ではなく、教育委員会が調査を担うべきと考えますが、見解を伺います。 244 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  砂田教育委員会事務局長
    245 ◯ 教育委員会事務局長(砂田 友和君)  いじめ防止対策推進法第28条によれば、重大事態への対処及び発生防止に資するため、学校の設置者──この場合は教育委員会を指しまして、以降もそのように御理解いただければと思いますけれども──または、その設置する学校の下に組織を設け調査を行うものと規定されております。  また、文部科学省策定のいじめ防止等のための基本的な方針によれば、事案の調査を行う主体やどのような調査組織とするかについては学校の設置者が判断するとされております。  さらには、従前の経緯や事案の特性、いじめられた児童・生徒または保護者の訴えなどを踏まえ、学校主体の調査では十分な結果を得られないと判断した場合や学校の教育活動に支障が生じるおそれがある場合は学校の設置者において調査を実施するとされております。  加えて、同じく文部科学省策定の不登校重大事態に係る調査の指針では、調査主体の決定について、調査は主としていじめ解消と対象児童・生徒の学校復帰の支援につなげるためのものであり、校内の日常の様子や教職員、児童・生徒の状況は学校において把握していることを踏まえると、調査に際して学校の果たす役割は大きく、学校が調査に当たることを原則とすると示されております。  これらを踏まえ、重大事態を認知した際には学校において即時に対応するとともに、教育委員会における調査について適時適切に判断し、対処してまいりたいと考えております。 246 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 247 ◯ 11番(久保 大憲君)  最後に、教育長に一言お伺いをしたいと思います。  今回、再調査によって4件、いじめの重大事態が発覚しました。これは私は大変重いことだと思っております。  現場で働いている教員のこと、そして、教育長として、今回の事案について今後こういった見落としがないように強いメッセージをいただきたいと思います。 248 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  宮口教育長。 249 ◯ 教育長(宮口 克志君)  議員おっしゃられるように、報告の徹底ということが最重要課題であるかと思っています。学校のほうの認識がどうであったのかと、そういったことについて一つ一つ私が確認したわけではないわけですけれども、心の中にこれくらいだったらというふうな隙があってはならない問題だと思っています。ですから、全てのこういった情報についてこちらのほうに学校のほうから上げて、その上で、双方でしっかり精査する。場合によっては、弁護士さんであるとか、警察、関係機関と連携しながらアドバイスをもらって、徹底的に精査するというふうなこと、これがとても大事だと思っています。  これは、被害に遭った児童・生徒については一生の大きな痛手というか、心の傷につながることもありますし、また、加害の児童・生徒についても、自分の生き方というふうなものをしっかりと見据えて、これからの社会を生きていく上で自分はどうあればいいのかということを考えるとても重要な機会としていく必要があると思いますので、ただ「ごめんなさい」と謝れば済むという話ではなくて、双方においてしっかりと自分自身の行動を見詰め直し、今後の在り方を考えていく、そういった上で重要な案件だと思っていますので、最初に言いました報告の徹底ということと、改めて見落としがないかというふうなことを、機会を捉えて、繰り返し繰り返し指導してまいりたいと思っております。 250 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  11番 久保 大憲君。 251 ◯ 11番(久保 大憲君)  いじめで悩んでいる児童・生徒が、少しでも教員もしくは教育委員会に希望を持って…… 252 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  久保議員に申し上げます。時間がもう経過しております。 253 ◯ 11番(久保 大憲君)  今後も取り組んでいただきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わります。 254 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  これで久保議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 255 ◯ 議長(鋪田 博紀君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  明日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑などを行います。  本日はこれをもって散会いたします。                              午後 4時31分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...