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  1. 富山県議会 2024-02-01
    令和6年2月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開会 永森委員長 おはようございます。  予算特別委員会の開会に当たり、委員長としてお願い申し上げます。  13年前の本日、3月11日、予算特別委員会の開催中に東日本大震災が発生し、多くの方が犠牲になられました。そこで、亡くなられた方々に哀悼の意を表したいと思います。  また、1月1日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々に対しても、改めて哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと思います。  御起立をお願いいたします。  〔全員起立〕 2 永森委員長 黙祷。  〔黙祷〕 3 永森委員長 黙祷を終わります。御着席願います。  ただいまから、2月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、日程の一部についてやむを得ざる事情が生じたことから、本日、理事会を開催しましたので、その結果を御報告いたします。  今ほど追加で配付しましたとおり、3月15日の予算特別委員会においては、午後の休憩後の再開時間を従来とは異なる午後3時40分頃とし、委員会終了時間を午後4時40分頃といたしたいと思います。どうか御了承を賜りたいと思います。  また、特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いをいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので、御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        川上浩委員の質疑及び答弁
    4 永森委員長 川上委員。あなたの持ち時間は60分であります。 5 川上委員 おはようございます。  今ほど、冒頭、13年前の東日本大震災の方々への御冥福をお祈りいたしました。  私も13年前、まだ市議会議員のときでありましたが、まさに予算特別委員会の最中で、一体何が起こったのかということで、あの当時を振り返って思い出したりしているところであります。  いまだ2,500名の方々が不明であると伺っております。改めて、13年の経過を思い起こしつつ、哀悼の誠をささげたいと思います。  さて、地元の黒部市美術館では、1月13日より3月17日まで東日本大震災の記録と津波の災害史「海と生きる、記憶をたどる物語」と題した写真、被災物、調査記録等の展示会が今開催されております。  内容は、災害被害の実態を調査記録し、復旧・復興活動に活用できるようにまとめること、そして、今後も想定される地震、津波災害に向けて、災害教育のための資料として活用可能にすること、また、地域の重要な歴史、文化的記録として後世に伝えるとともに、国内外で行われている災害対策事業等への具体的な資料提供を行うこと等を目的としてまとめられた災害資料と伺っております。  この企画展が能登半島地震の発生間もないこの時期に開催されることになっているとは、もともと誰もが予見しなかったことだと思います。改めて、能登半島地震で犠牲になられた方々に心から哀悼の意をささげます。そしてまた、発災から70日が過ぎても、当たり前の日常が奪われたままの状態です。被災された方々には心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  それでは、質問に入ります。  1月1日元日の能登半島地震は、初詣やお神酒を頂くなど、正月気分にどっぷりつかっている時間帯、16時10分頃に発生しました。恐らく発災時、知事には緊急呼出しがかかったかと思います。  発災時から第1回災害対策本部会議の開催に向けて、知事御自身はどのようなことを考え、行動されていたのか、また、登庁までの被災の光景を目の当たりにして、率直にどのようなことを感じておられたのか、まずお聞きしたいと思います。知事よろしくお願いします。 6 新田知事 元日の地震、本県で観測史上初めて震度5強を観測ということで甚大な被害が予想されました。私は当時、外出をしていまして、実は孫とたこ揚げをしていましたが、これは大変なことだと思い、すぐに家に戻り、着替え、登庁いたしました。17時過ぎから防災危機管理センター4階に設置しましたオペレーションルームに詰めて初動の対応に当たりました。あの部屋は幾らでも区切れるようになっているんですね。最初は1つの部屋だったんですが、どんどん職員が増えてきたので、都度、パーティションをどんどん広げていって、最終的にワンフロア全部が本部となりました。各市町村からの被災状況の収集、それから支援ニーズの聞き取り、また県民に向けた知事メッセージの発出、それから、災害救助法をどこに適用するのかということを内閣府とやり取りをしておりました。それから自衛隊への災害派遣要請など、報告を受けながら、都度、決断、指示を行ったわけでございます。  その間、私も自分のX(旧ツイッター)のアカウントからその時々でできる限りの情報発信に努めました。もちろん公式の広報の発信もやっておりました。私からもやっていたということであります。  また、避難所がなかなか開いていないという県民の皆さんからの声もどんどん本部に入ってきましたので、それについてはまた、市町村に一刻も早く避難所の開設を依頼したということ、そしてまた、どの避難所が開いているのかという情報もなかったものですから、県のホームページの避難所一覧に入力をお願いしたりしました。  大体概要の入り口ぐらいまで分かってきたので、ここで一回災害対策本部員会議を開催しようということで21時に招集し、各部局、それから気象台、自衛隊、また志賀の関係もありますから北陸電力も出ていただきました。そして、被害状況や対応状況を確認しました。強い余震がまだ続いており、職員には、県民に最大限の支援を行うようにということを指示しました。  防災危機管理センターの館内を回りますと、安全な場所であろうと多分思われて、県民の皆さんが結構な人数、50人ぐらいだったと思いますが、避難に来ておられました。避難所ではないんですけども、いらっしゃった方を受け入れて、そして、備蓄がありましたので水、毛布などを提供したということであります。それから、1階の寒いところで待っている方もおられたので、私自ら「上のほうにどうぞ」と案内をしたりもしました。  家から登庁までの間ということですが、私の家から車ですと本当五、六分なので、その間、市内は特に大きな被害はありませんでしたが、最後、県庁に入ろうとしたところ、松川べりの県庁南側の道路がもう陥没していて、道の真ん中に車がはまっていました。これはやっぱり大変なことだと改めて思ったことであります。そこで、妻に送ってもらったのですが、車を降りて防災危機管理センターに走り込んだということであります。  このとき、また思い出したのは、先ほど13年前の東日本の話、皆さんで黙とうをいたしましたが、さらに、その前の29年前の阪神・淡路大震災のとき、私はまだ青年会議所で現役の危機管理担当役員でした。  そのとき、実は司令官であるJCの会頭自身が被災者になっておられました。でも、被災地からどんどん指示を送ってくるんです。我々は、テレビでいかにひどいことが起きているのかということを見ているんですが、渦中にいる会頭は全くそれが見えてなかったということを思い出して、今我々自身も被災地にいて、被災者も多いということですから、やっぱり情報収集が一番大切なことだと思っております。 7 川上委員 ありがとうございます。  知事は、2020年10月の初当選以来、新型コロナ感染症パンデミック対応にまず追われ、そしてまた、昨年ようやくこの感染症の広がりが収まりを見せたわけでして、さあこれから成長戦略、ウェルビーイングの県政施策の展開へと進めていた矢先のこの能登半島地震、自然の猛威にさらされたということでありましょうか。  昨日、現地に入られたという報道が流れておりました。改めて富山県を預かる為政者として、県民の生命と財産を守る土台があってこそ、未来を見据えた社会課題、県民ニーズに応え、持続する富山県づくりに取り組むことができるのではないかと考えますが、知事の御所見を伺いたいと思います。 8 新田知事 おっしゃるように、コロナが一段落したなと思っていたところに、また今回の天災ということでございます。  ただ、コロナの最中でも成長戦略の推進については、コロナも100%、それから、その他の政策も100%というつもりで職員と共に取り組んできました。今回も予算などでは復旧・復興を最優先ということは申し上げましたが、と同時に、子供施策はじめ成長戦略についても100%で取り組んでいきたいと考えております。  ただ、改めて先ほども申し上げたように、防災危機管理センターに避難しておられる方々の本当に不安そうな顔を見て、改めてこの方々を責任を持って守らなければならないということも、決意を新たにしたところでございます。 9 川上委員 ぜひその思いを忘れず、これからも取り組んでいただきたいと思います。  次に、入りたいと思います。  私は、発災時、初詣の帰りの車の中で地震を知ったわけでして、車ではあんまりよく分からなかったのですが、電信柱だけすごく揺れていたのが印象的でした。  自宅に帰ってから、地元では防災士もやっているものですから指定避難場所となっている交流センターへ向かいました。途中で車が止まって見慣れない方から「トイレどこにあるがけ」と聞かれて、一瞬ちゅうちょして「交流センターにあります」と答えたんですが、そのときは、避難して来られた方々とは想像だにしませんでした。交流センターでは避難誘導への準備が始まっており、自治振興会長をトップとする自主防災組織のメンバーや消防団員が対応に当たっていたわけであります。避難所の開設、運営の訓練は行ってはきましたが、まさにこの発災時、現場がそこにあるということに直面したのであります。  地域によっては、指定避難場所以外への避難もあったと聞いています。また、一部では、ガラスを割って避難所として開けたという話も聞いております。  発生時における県内の避難場所の開設数や避難者数、そしてまた、自主防災組織との連携など、運営の状況はどのような状態であったのか、危機管理局長にお伺いします。 10 武隈危機管理局長 県内の避難所の開設状況ですけれども、今回の地震では15市町村全てで避難所を開設され、県内では417か所に設置されております。1月2日午前5時時点で約1万5,000人の県民の皆さんが避難されました。  また、市町村と自主防災組織との連携につきましては、県と市町村との振り返り会議では、「自主的に避難所を開設、運営した自主防災組織があった」ですとか「一部の自主防災会が地区の公民館等を自主避難所として開設、運営された」という意見が聞かれましたところでありまして、日頃から災害の備えをしている地域の方々、また組織の皆さんが積極的に活動されたものと評価しております。  一方で、「避難所開設に時間を要した」とか「地域によって自主防災組織の活動に差があった」、「自主防災組織の活性化のためには、防災士の育成が必要である」などの意見もありました。  大規模災害時における避難所の開設、自主防災組織の活動やそれらを担う防災人材の育成などの面で、今後改善すべき課題が多いと実感したところでございます。 11 川上委員 ここで、資料と画面の表示をお願いしたいと思います。 12 永森委員長 許可いたします。 13 川上委員 今、画面に表示しましたのは、黒部市の状況です。矢印は、どういう方向にいろんな人が避難に動いたかを示す矢印であります。そして、主立った道路に名前をつけており、メートルと書いてあるのは大体の標高であります。こういった位置関係であるということを見ていただきたいと思います。そして、点々の部分というのは、その辺りに避難された方が多かったといったことを示す図であります。  そこでであります。  自主防災組織では繰り返し地区内の避難訓練を実施してきたわけですが、今回の避難者の顔ぶれは、見慣れない地区外の方が非常に多かったことに気づいたわけであります。しばらくして市役所職員が到着し、避難者の名簿作りや本部との連絡に当たっていました。  一方、黒部市では、特に旧8号線──県道魚津入善線という道路です──から以南、いわゆる山側のほう、矢印を見ても分かるように、あちらへの避難者が非常に多かったということで旧8号線が大渋滞となりました。私の知り合いも、帰ってくるとき、帰れないものだから、地元の人は裏道を知っていますから何とか帰ってきたということであったわけであります。  今後、災害時における道路の混乱状況を的確に把握し、県民の安全な避難行動を誘導するため速やかな対応を取る体制をつくる必要があると考えますが、今回における対応状況と、今後どのような対策が望ましいと考えているのか、警察本部長にお伺いしたいと思います。 14 石井警察本部長 今回の津波では、津波警報が発表されて、津波被害が想定されていない地域も含めて多くの住民の方が車で避難して、黒部市もそうですけれども、射水、高岡、滑川の沿岸部は各地で交通渋滞が発生したものと承知しております。  県警察では、発災直後から住民の避難誘導や家屋、道路、交通安全施設等の被災状況の確認を行っており、その範囲で円滑な交通を確保するための交通整理や交通誘導を実施しました。また、渋滞の状況については、道路交通情報通信システム、いわゆるVICSによって、カーナビを搭載した車両のドライバーには随時提供されておりました。  他方、地震発生時に同時多発的に発生する渋滞に、警察において全て対処することは困難であるところ、渋滞に巻き込まれての被災を防ぐ観点から、まずは住民の方に、津波からの避難は原則徒歩などの最適な避難行動を取っていただくことが最も重要と認識しております。  警察としても関係部局、自治体と連携しながら、防災訓練への参加などの活動を通じて、避難方法への理解を促進するとともに、やむを得ず車で避難せざるを得ない方もいらっしゃると思いますので、こういった方の安全かつ確実な避難方策について、市町村から要望があれば、しっかり協議をしていきたいと考えております。  また、福島では、大津波警報の発表時、車を早い段階で止めて津波被害を減らすため、防災対応型信号機を整備して──これは沿岸部に向かう交通を規制する取組を始めたものと承知しており、こうした他県の取組の情報収集も行っていきたいと思いますが、他方で、短時間で到達する本県の津波の特性も踏まえて、効果等はしっかり検討した上で、震災時における交通規制の在り方の研究も進めていきたいと考えております。  このほか、さらに大きな地震が当県を直撃する場合も想定して、渋滞した道路でも機動力のあるオフロードバイク等二輪車、あるいはドローン、こういったものの整備活用についても検討して、現場警察官の初動対応を強化したいと考えております。 15 川上委員 まさに現場がそこにあったわけでして、訓練はいろいろやってきましたけれども、現場を踏まえたこれからの対応をまた望みたいと思います。  実は地元黒部市では、市長自らが防災無線のマイクを握って避難するように呼びかけ、市民から大きな評価を得ております。呼びかけを簡単に言いますと、「3メートルの津波が予想されています。3メートルの津波はおおむねあいの風とやま鉄道の線路辺りまでの高さ、それよりも内陸に避難するよう指示します。国道8号バイパスよりも内陸に避難していただけるよう、避難場所を開設、準備に入っています。」、このようなアナウンスが黒部市内に響きわたりました。  今回の地震において有効な伝達手段である市町村の防災行政無線の運用について、県としてどのように評価しているのか、また、今後の運用面においては、課題は何なのか。危機管理局長に伺います。 16 武隈危機管理局長 防災行政無線ですけれども、県の地域防災計画では、「市町村は、住民に対する災害時の情報の迅速かつ的確な情報収集伝達を図るため、防災行政無線の整備に努める」とされており、災害時の有効な情報伝達手段と認識しております。  今回の地震では、委員からも御紹介あったとおり、黒部市長さん自ら防災行政無線を使って避難を呼びかけられ、それが住民の皆さんの適切な避難につながったと聞いてございます。防災行政無線を運用する上で、好事例、とてもいい事例と評価しているところでございます。その一方で、他の市町村からは、屋外スピーカーであるために、屋内では放送内容が聞き取りにくいといった課題も指摘されているところでございます。  災害時は、市町村がいち早く避難情報を発信、周知することによって、県民の皆さんの生命、身体、財産を守ることが何よりも重要と考えております。  県としては、来年度開催しますワンチーム会議のワーキンググループの中で黒部市さんの好事例を情報共有いたしますとともに、防災行政無線の課題などの情報を市町村からよくお聞きしながら、その改善に努めてまいりたいと考えております。 17 川上委員 よろしくお願いします。  次に、この画面を御覧ください。  画面の左下のほうに、にいかわ総合支援学校を示す赤丸が見えているかと思います。海の近くのところであります。そこには隣に黒部学園もあるんですが、発災時、黒部学園には17名の児童があり、8名の職員が放送による津波の高さに不安を感じて避難行動に出たといいます。生徒を抱きかかえて、隣接する、海抜およそ2メートルのにいかわ総合支援学校に避難したということであります。  にいかわ総合支援学校については、かねて要望していた給食施設改築が現在検討されていると聞いているわけでありますけれども、津波発生時の避難場所としても対応できるのではないかと。ましてやこの海岸縁にあるわけですから、設計、構造等を検討してはどうかと考えるわけですが、教育長にお答えいただきます。 18 荻布教育長 にいかわ総合支援学校では、現在の給食施設では提供可能な調理数が足りないということで、高等部の分は黒部学園に調理を依頼している状況にあります。  このため、現在、学校において必要とされる給食需要に対応するため、高性能な調理機器の導入、調理室のスペース拡大など様々な角度から検討を行っているところでありまして、教育委員会としては、学校現場からの意見を聞きながら、全ての児童生徒に給食を提供できるよう施設整備に取り組んでまいります。  また、にいかわ総合支援学校の高等部棟が津波発生時の緊急避難施設、津波避難ビルとして黒部市から指定されております。指定を受けている建物は、校舎のうち、鉄筋コンクリート造り二階建ての高等部棟だけでございますが、他の平屋建ての校舎の屋上部分も津波発生時には避難所として活用できるよう、避難路も含めて整備を行っているところです。  これらの避難施設は、地上から4メートル以上の高さ、高等部棟の床高は4.65メートルでございまして、県の津波浸水想定図では、学校周辺の浸水深が1メートル以上3メートル未満でありますことから、おおむね避難者の安全は確保できると考えられているものであります。  なお、今後、津波浸水想定が見直されて、現在より浸水深が大きくなるなどした場合には、児童生徒の安全確保のため、より高所における避難場所の確保などについて検討するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 19 川上委員 ありがとうございました。  先ほど申しました、市長さんがマイクで流された部分、やはり安全性を求めて避難を呼びかけられています。資料では、バイパスのところが5メートルと書いております。あの上部へ避難をということを言っておられるわけなので、そういう点も考えると、これからの対応をぜひ考えていただきたいと思います。  次に、黒部市の沿岸地域では、地震発生から間もない1月12日から20日にかけて、地震発生時の地区民の行動やその思いについて振り返りアンケートを行っております。約1,800戸に配布し、870戸から回答、48%という非常に高い回答率で、記入項目にも多くの振り返りが記入されていたとのことであります。  一部だけ御紹介します。「訓練をしてきたが、有効性はどうであったか」、それから「発災時におけるふだんからの家族との話合いが足りなかった」、「避難所に鍵がかかっていたため壊して入った」、「民間の高いビルとの災害時避難協定等の必要性を感じた」など、検証に向けた貴重な意見も見られ、記憶が風化しないうちに振り返ることの必要性を改めて感じたところであります。  そこで、今回の災害の検証に当たり、人流データの活用による避難行動の分析を行うということでありますが、具体的にはどのような情報を把握できるのか、また、地域レベルのアンケート等の活用による詳細な実態把握を速やかに行う必要があると考えるわけでありますが、危機管理局長にお伺いいたします。 20 武隈危機管理局長 今回の地震はこれまで経験したことのない大規模な災害であり、多岐にわたる課題が発生いたしました。特に、津波被害が想定されない地域も含め、広い範囲の住民の方が車で避難されたために、県内各地で道路渋滞が起こるなど、津波避難に大きな課題が顕在化いたしました。  このため県では、新年度、住民の避難行動を人流データを活用して検証することとし、具体的にですが、携帯電話の所有者の年代ですとか、性別、居住地などの属性データと位置情報を基にしまして、津波警報の直後にどのような人がどのように避難したか、また、その避難行動は適切であったかどうかなどについて詳細に分析、検証することとしております。  この分析によりまして、例えば、どの世代の、またはどこにお住まいの方が適切な避難行動を取れたかですとか、どの経路に誘導すれば道路渋滞が発生しなかったのか、また、どの経路であればスムーズに避難行動ができたのかということについて、今後、津波対策に役立つような結果が得られることを期待しております。  また、県としましては、今後、検証作業を進めるに当たりまして、地震の記憶が鮮明なうちに県民アンケートも実施したいと考えております。  また、委員から御紹介もございました市町村、あと地域のほうでもアンケートですとか聞き取り調査が行われているようでございますので、そういった情報もできるだけ収集して今回の地震に関する詳細な実態把握に努めてまいりたいと考えております。 21 川上委員 記憶が冷めないうちに、ぜひ早めに取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございます。  県や市町村が実施する地域防災訓練や、地区ごとで自主防災組織が実施する地区の防災訓練、そしてまた、防災士等が講師となって行う図上によるDIG(災害図上訓練)やHUG(避難所運営訓練)などが定期的に実施されている地区があります。ちなみに私が住む地区では、ついこの間、2月18日に年間行事としていたHUG訓練が実施され、私も参加してきたところであります。  県内の自治体や地域等で実施する想定災害別の防災訓練の実施状況と、現在の地区防災計画の策定状況はどうなっているのか。また、県の今後の目標とそれに対する支援策はどのようにするのか、危機管理局長に伺います。 22 武隈危機管理局長 県内の市町村が実施する想定災害別の防災訓練ですけれども、令和4年度は、地震を想定した訓練が14回、風水害が11回、土砂災害が9回、津波が3回実施されております。このほかにも原子力防災訓練ですとか火山防災訓練など、地域の特性に応じた防災訓練も実施されているところでございます。なお、地域単位で実施される訓練につきましては、自治会行事と併せて実施されるような小規模なものが多いものですから、市町村においてその内容は把握していないということでございました。  また、地区防災計画ですけれども、現在41の地区で作成されております。年々増加はしているんですけれども、まだ少ない状況にあると認識しております。  県では令和4年度から、地区防災計画の策定を支援するモデル事業を実施するとともに、計画策定の事例やノウハウをまとめた手引書等を作成し、公表しております。また、本年度は事例発表会も開催しまして、県内の自主防災組織等にモデル的な取組の横展開を図っているところでございます。  地区防災計画は住民の皆さんが地域のリスクや必要な防災行動を自ら考え、自主的に定める計画でございまして、県として具体的な数値目標というものは定めておりません。  県としては、今回の震災を経験し、県民の間に災害への関心が高まっていることを追い風としまして、地区防災計画の取組を全県的に広めるようにしたいと考えておりまして、市町村や県防災士会と連携しながら地区防災計画の策定支援に努めてまいります。 23 川上委員 ありがとうございました。  私の地区でももう大分前から地区防災計画の策定、昨年ですか、最後に作ったわけですけども、それ以前、避難訓練をやるときに、地域の中では「こんなもん何のためにやるがよ」という話が非常に多くて、「そんなもん分かっているやろう」というようなことだったんですけど、やっぱり回を重ねるというのは浸透していくんですよね。今回も地区の防災のリーダーのほうからそれぞれの集落に連絡が入って、状況がどうか把握してくれって伝えたそうなんです。そしたらちゃんと返ってきたということで、私は本当にすごいなと改めて思ったところでありますけども、こういう訓練をきちっとやっていく、それを浸透していくということが大切だと思います。またよろしくお願いしたいと思います。  さて、次ですが、私も先日、針山県議に御同行いただきまして、高岡市伏木の現地を見させていただきました。えらいことになっとるなということを改めて感じると同時に、ここに立ったそれぞれの人たちはどんなことが頭をよぎるんだなということを改めて感じてきたところであります。  その後、その足で、七尾のほうに氷見から移り住んで定置網をしておられる私の先輩がおいでになるものですから、そちらのほうも行ってきました。七尾のほうの被害は、知事さんは見て来られたからよく御存じだと思うんですが、家の中で車が押しつぶされた状態とか、そういったことがありました。たまたまそのときには先輩に会えなかったわけですけども、昨日、その先輩から近況報告を手紙で頂きました。本当にタイミングよくて、昨日でした。  「2月末にようやく断水が解除され、2か月ぶりに水道が出たときは手をたたいて感動しました。幸いにも停電にならなかったので、給水車からポリタンクで水をもらい、ペットボトルの水を飲んで生活していました。もしも電気と水道の両方が止まったら、この冬場に家には住めなかっただろうな」等々書かれていたわけであります。本当に現場の声だなということを改めて感じたところです。  今回の災害でも明らかになったように、水の確保は欠かせないものであります。被災地における長期にわたる断水は、衛生面、生活面、飲料水の問題につながります。  厚生労働省の資料によると、国土強靱化計画の中では、水道においての震度6強程度の大地震に耐えられる水道管の割合、耐震適合率というそうですが、2025年度末までに54%に引き上げるとしているわけであります。  そこでであります。  県内の水道施設の耐震化を早期に進め、災害対応を強化する必要があると考えるわけでありますが、現在の耐震化の状況と今後どのような取組を進めるのか、厚生部長にお伺いいたします。 24 有賀厚生部長 水道事業は、水道法に基づき、原則市町村が経営するものとされております。水道管の耐震化は、耐用年数が経過した管路の更新に合わせて実施されており、県内の水道施設における基幹管路の耐震適合率は、令和4年度末現在で42.1%と全国平均並みではございますが、事業体別に見ると、進み具合には格差があるという状況にあります。  県ではこれまでも各水道事業者に対して、施設の老朽化の状況なども踏まえて、水道施設の耐震化を国の補助制度を活用して計画的に進めるようにということで御助言申し上げてきたところでございますが、今回の地震を踏まえまして、耐震化のペースをさらに加速させることが重要であり、そのための財源確保が課題の一つと考えております。  このため、これまでの県の重要要望において、水道施設の長寿命化等の戦略的維持管理、更新の実施への支援を求めるとともに、他の都道府県と連携して補助率の引上げや採択基準の緩和、拡充等のさらなる支援について要望してきたところでありますが、引き続き国にはこのように働きかけてまいりたいと思っております。 25 川上委員 命の水であります。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  続いてですが、資料2をお願いしたいと思います。  昨年11月ですが、県議会山村振興議員連盟の一員として、島根県の中山間地域対策について、農村型RMO(農村型地域運営組織)の先駆的地域である島根県安来市のえーひだカンパニーを視察してまいりました。農業の加工品販売だけでなく、生活用品の購買事業まで地域ぐるみで手がけ、地域の雇用や暮らしやすい環境づくりを行っていると、担当者は生き生きとして説明されておりました。  この資料にもありますように、中山間地域では、高齢化、人口減少の進行により、農業生産活動のみならず、農地、水路などの地域資源の保全や、生活における買物、子育てなどの集落維持に必要な機能が弱体化しているというのが現状であります。農家、非農家が一体となり様々な関係者と連携し、地域コミュニティーの機能を維持強化する取組が必要なのではないでしょうか。  先日、地元において6地区から幅広い関係者が集い、農村RMOの設立総会がありました。地域協議会等が作成する将来ビジョンに基づく農用地保全、地域資源活用、生活支援に係る取組に対して支援する、農村型地域運営組織(農村RMO)モデル形成支援事業について、現在の取組状況と課題、今後の展望について農林水産部長にお伺いいたします。
    26 津田農林水産部長 今ほど御紹介いただきました農村RMOモデル形成支援事業でございますが、現在、県内では3市1町の5地区で取り組んでいただいております。  この事業は、地域の取組を3年間にわたり支援する事業でございます。  令和4年度に将来ビジョンを策定されました立山町釜ヶ渕地区では、今年度は耕作放棄地を活用した市民農園の開設や無農薬栽培での米づくり、空き家を活用した農泊の実証等に取り組んでおられます。残りの4地区では、今年度から将来ビジョン作成に向けた話合いが行われております。また、令和6年度にも新たに2地区で取組が計画されており、黒部市東山地区では、閉店した直売所の活用が検討されていると承知しております。  農村RMOの形成には、複数集落で地域資源の利活用や生活支援等について将来ビジョンを描いてもらうことが肝要であり、そのために、地域と伴走しサポートする人材の確保が課題だと考えております。県では、こうした人材を育成するため、今年度から市町村やNPO法人等関係者を対象に、農村RMOの形成までのプロセスを習得する「農村RMO伴走者育成講座」を開催しており、新年度にはモデル地域でのより実践的な研修を予定しております。  県としましては、先行する農村RMOの取組が本県のモデルとして3年間の事業期間終了後もしっかりと運営され、自走できるよう、引き続き市町村などと連携し、地域の実情に寄り添った伴走支援を行うこととしております。  こうした農村RMOの取組が県内のほかの地域にも横展開され、豊かで美しい農村が持続的に維持できるよう、引き続き取り組んでまいります。 27 川上委員 この農村RMOの取組ということであります。  これまでも、特に中山間地の集落をどうやって維持していくかという取組はいろいろな角度からあったと思うんです。例えば、南砺市辺りは、小規模多機能自治ということへの取組の先進的なところになっているかと思います。今度は、さらに農業側の切り口からの農村RMOではないかなという見方をしているわけでありますけれども、ともかく中山間地を荒廃させない、いや、コンパクトシティーだからあるところにまとまればいいんだという話もありますが、そうじゃなくて、富山県の場合にはちゃんと中山間地を守っていく、こういった活動の一つとしてこのRMOの事業に取り組んでいくことは非常に有効なことだと私も思っています。  ただ、今言われたように伴走支援は大変だと思います。その伴走支援について、どのような体制を取っていかれようとしているのか、農林水産部長さん、お願いいたします。 28 津田農林水産部長 先ほど申し上げました農村RMOの伴走者育成講座でございますが、委員のほうから御紹介いただきました先進県である島根県の、成功していらっしゃる一般社団法人、持続可能な地域社会総合研究所──島根県の団体ですが──に委託して、成功事例なんかをしっかりと聞いた上で対応していくということで考えております。 29 川上委員 ありがとうございます。  そこでですが、今回新聞報道で、横田副知事さんが農林水産省に戻られるという記事を見たわけです。  これから戻られる農林水産省において、この農業型RMOというのはこれからの農村を支えていくときの大きな一つの鍵になってくるんじゃないかと思うわけです。副知事さんは、しばらく富山県におられて、特に幅広い分野を担当しておられましたから、富山県の実態を見ながら、今帰られる時点でどのようなことを思っておられるのか、率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。 30 横田副知事 すみません、御質問ありがとうございます。  今後の話についてはまだこれからという話ですので、それを置いておいて、農村RMOについての可能性というのは、富山県の中でも私自身大変感じているところでございます。風景もきれいですし、そして扇状地でコンパクトであるということで、中山間地といってもどこからでも大変訪れやすい場所であると思っていますし、そして地域資源についてもいろんなものがございます。  例えば黒部市で言いますと、シロネギ、1億円産地になりました。そして丸イモも特産であります。そして米粉の工場などもあります。この3つがそろうと、広島出身の私としては、まずお好み焼きができてくるんじゃないかとか。いろんな地域資源をもっと活用する余地というのがあるんじゃないかと。  先進地を見ていても、魅力的な空間をつくって、それこそ外国人も含めていろんな方が訪れるようになってお金を落としてくれるということもあるんですけれども、そういった方々が農地の保全だったり、農産物の収穫だったりを手伝っていくという、すごく交流の場になっているということもあります。  ぜひ富山県の中でもそういった農村RMOの活動を通じて、それを活用していろんな場所で活性化をしていくということにぜひ取り組んでいただければと思います。私も今後ずっと、そういったことがちゃんと実現していくかどうかということに、支援も含めて取り組んでまいりたいと思っております。 31 川上委員 ありがとうございました。お好み焼きを広めたいと思います。  それでは、続いて、観光面の話に移りたいと思います。スライドを動かします。  キャニオンルートの話をするんですけども、キャニオンルートという言葉は御存じでも、キャニオンルートちゃ一体どこからどこを言うがかということをなかなか認識されてないんじゃないかと思ってその図を出してみました。  キャニオンルートというのは、トロッコ電車の終点の欅平から黒部ダムの間です。その後に黒部ダム側にアルペンルートがありますし、宇奈月側には黒部峡谷鉄道があるといったものであります。そして、今年からと言っているところは、これを黒部峡谷鉄道、そしてキャニオンルートを通ってダムからアルペンルートへ行くのか、大町側に抜けるのかといったルートのことを今、盛んにこれからの商品として売り込もうと、こんな話をしているということをまず、御理解いただきたいと思います。  そこでであります。  今週末16日はいよいよ北陸新幹線金沢─敦賀間が開業します。この開業が1年遅れになったことにより、ある意味キャニオンルートの一般開放と同じタイミングになったという意味では、ちょっとまたインパクトがあるのかなと思っていたところでありました。NHKの「ブラタモリ」でも黒部峡谷、キャニオンルートが紹介され、開業機運がさらに盛り上がっていたように感じているわけであります。  しかし、元日に起きた能登半島地震の影響により、黒部峡谷鉄道の鐘釣橋に落石があるということで、ちょっとこの図では分かりませんけれども、鉄橋の一部が破損して開業が遅れるとの報道が流れました。実は、落石事件を聞いた瞬間に、開通が来年になるのかなと頭をよぎったのであります。というのも、2002年にも同じように鐘釣橋への落石事故があり、この年は9月に落石があり、翌年7月まで開通できなかったということがあったからであります。「落石防止対策工事を先行実施した上で、その後、鐘釣橋の復旧工事に着手し、10月1日頃の全線開通を目指してまいります」との報道に大変胸をなで下ろしたわけであります。また、一部区間、営業開始は4月20日頃、宇奈月─猫又間で開始するということであります。それはいわゆる黒部峡谷鉄道の部分であります。  3か月遅れとなり、受入れ人員が8,000人から3,000人と少なくなるとの報道ではありますが、キャニオンルートは、紅葉期に入る季節から天候も安定し、奥山が初雪をかぶり、いわゆる4段染めと言われるすばらしい光景が望める季節が10月からであります。10月からの一般開放に、安堵感とともに期待感も膨らんでいるところであります。  その大変景色のいい場所というのは、この図でいうと、仙人谷から上部のインクラインを超えて、そして、そこに黒部トンネルというバスで走っている部分があるんですが、その途中、樽沢横坑というところであります。ここからの光景は本当に絶品であり、天候によってはなかなか会えないのでありますけれども、そういう面では非常に希少価値もある光景ではないかと思っているところであります。  そこでであります。  能登半島地震による落石で峡谷鉄道の橋が損傷した影響により、キャニオンルートの旅行商品化の販売が当初開始時期より延期したわけでありますが、これに伴い、販売やこれまでの準備状況などへの影響はないのか、どのようなものか、地方創生局長にお伺いしたいと思います。 32 竹内地方創生局長 黒部宇奈月キャニオンルートにつきましては、黒部峡谷鉄道が損傷した鐘釣橋の復旧工事を行った後、10月1日頃の全線開通を目指すとされましたことを受けまして、予定しておりました6月30日の開始を延期し、10月1日頃に開始することとしたところでございます。地震の影響でやむを得ないとはいえ、延期は大変残念でございますし、また、新たな観光ルートの誕生に期待されていた地元の皆様や心待ちにしていただいた全国の多くの皆様に申し訳ないと感じているところでございます。  販売開始を延期している旅行商品は、遅くとも7月上旬までに販売を開始したいと考えております。キャニオンルート開始延期の旅行商品販売への影響をお尋ねでございますけれども、まずは宿泊、交通、食事などの提供事業者がツアーの催行で得られる収入の減、また、ツアーを催行できる期間が5か月から2か月となるため、ツアー造成を希望する旅行会社自体が少なくなるのではないかといったような課題が考えられるところでございます。  このため、雪解け後に始まる復旧工事の進捗状況も確認しながら、関西電力や黒部峡谷鉄道、旅行会社など関係者と協議して、できるだけ早く旅行商品の販売が開始できるようにしたいと考えております。また、できるだけ多くのツアーを造成いただけるように、全国の旅行会社にも呼びかけてまいりたいと思っております。  図らずもでございますけれども、開始までに時間ができたことから、旅行商品としてのさらなる磨き上げも検討し、キャニオンルートの魅力が向上するよう、関係の皆様と協力して準備を進めてまいります。 33 川上委員 ありがとうございます。  このルートについては、先ほどから何遍も申し上げますけども、キャニオンルートに何か問題が起きたわけではないのです。キャニオンルート自体は、安全性を確保するためにもいろいろな整備をされました。そこで今回の問題が起きているわけじゃない。起きたのは黒部峡谷鉄道の今まであった部分で、先ほども申しましたように、以前にもあった、そしてまた対策も取られていたんですけれども、それをまた超えるような被害、事故が起きたということであります。  そういう面では、いわゆるキャニオンルートの一般開放に向けて2018年10月に協定が整ったわけでありますが、あの時の状況から考えると、非常にある意味ではよくここまで来たなという思いもあります。  さらにあわせて、黒部峡谷鉄道の一日も早い復旧に対しての取り組む姿勢も、何かこの開業に合わせてやらなきゃいけないという、関電さんの意向も伝わってくるような気がします。そういう面では非常にこれから大きな期待を持ちたいと思いますし、また、思いをお互いに伝えるということも大切じゃないかなということで、知事にもまたその関係の方にお会いになることがありましたら、もっと言えば、もう一歩進んで、これ以前からこのルートの話をしたときも、ぜひ足をかけてくださいってお話をしていたかと思います。あの過去からの計画も踏まえて、今まさに目の前でこんなことが起きたわけです。ですから、そういう点はぜひ知事にも御配慮いただきたいなと思うわけであります。  知事どうですか。そういう点、御配慮いただきたい。 34 新田知事 私自身、もちろん関西電力さん、それから黒部峡谷鉄道さんと直接面談をして、一日も早い開業ができるようにということをお願いしてきたところであります。私も、数か月遅れたとはいえ、年内に一般開放商品化できることを実はほっとしております。 35 川上委員 ぜひ、またよろしくお願いしたいと思います。  そこでですが、先ほども言いましたように、黒部ダム側からのキャニオンルートは通ることができるといいますか、キャニオンルートの整備はもうほぼできております、そういう状態であります。  そこでですが、黒部峡谷鉄道部分の全線を開通するのを待つのではなく、アルペンルート側から入って、その代替部分、いわゆるキャニオンルートに入れる、こういった企画も考えられるんじゃないかということを思ったわけですけども、そういった検討について、地方創生局長はどのように考えられるのかということと、あと一方で、黒部峡谷鉄道から入って一気通貫のこの商品の期待度が下がっては困るんですが、そういった思いも含めて、御検討の件について地方創生局長に伺いたいと思います。 36 竹内地方創生局長 黒部宇奈月キャニオンルートの再考につきましては、黒部峡谷鉄道の全線開通時期に関して様々な場合を想定して関係者と協議をしてまいりました。この中で、黒部峡谷鉄道を利用せず、黒部ダムから委員御説明のキャニオンルートに入り、いずれかの地点で折り返すルート案についても検討を行いました。  ただ、この案につきましては、往路、復路とも同じルートを通るという旅行商品としての魅力の問題、これに加えまして、関西電力からは、黒部峡谷鉄道と比べ、黒部ダム側からの輸送力は5分の1程度であり、その中で通常の発電施設の維持管理に必要な作業員や資材輸送がダム側に振り替わること、また、鐘釣橋の復旧工事に係る輸送をダム側からも行うことから輸送工程の調整が難しいというお話がございました。また、商品造成を行ってきた旅行会社からは、満足度の高い商品となるよう、ガイドの案内を含め商品を磨き上げてきたところであり、異なるコースで電源開発の軌跡を体感できる質の高い商品を短期間で造成することは難しいといった意見もございました。こうした事情に鐘釣橋の復旧工事を最優先という状況も踏まえますと、今回の場合、代替コースの実施は困難であると考えております。  一方で、御質問にもありましたように、キャニオンルートの開始の遅れにより、このルートへの注目度や期待が下がるということは極力避ける必要がございます。このため、旅行商品としてのさらなる磨き上げ、また、今年度行ってまいりましたメディアを活用したプロモーションを引き続き継続するとともに、関係者や地元の皆様と連携してキャニオンルートへの期待度をさらに向上できるように取り組んでまいります。 37 川上委員 ありがとうございます。  期待度が下がらないようにとの一心で、私もあれやこれやと申し上げたわけなのであります。よろしくお願いしたいと思います。  次に、10月にはJRによる北陸デスティネーションキャンペーンが始まります。まさにこのキャンペーンと、キャニオンルートの一般開放への助走というべき期間に関西圏の情報発信拠点がオープンするわけであります。  本年7月に北陸3県による共同開設を予定する関西圏情報発信拠点について、地震による影響も含めた現在の準備状況を伺います。 38 竹内地方創生局長 北陸3県が連携して初めて関西に開設する富山・石川・福井情報発信拠点、名称を「HOKURIKU+(ホクリクプラス)」、先日発表させていただいたところでございますけれども、こちらは、今月16日の北陸新幹線の敦賀開業、来年に開催されます大阪関西万博、その先の大阪延伸も見据え、今年の7月の開業に向け準備を進めております。  令和6年能登半島地震によりまして、石川県能登町にある什器製作工場が被災して、製作中の什器等が一部全損、破損といったようなことで、一部その被害がこの準備にも影響があったところでございますけれども、リペア作業や再製作は順調に進んでおりまして、開業時期に特段の影響はないと聞いております。  運営につきましては、現在、3県と運営を委託します事業者で、サイネージなど設備機器について検討を進めております。また、店舗責任者として大手百貨店や海外での勤務経験のある方を起用したところでございます。取扱商品につきましても、運営事業者が3県からヒアリングしながらリストアップをしており、5月中には商品を選定する予定でございます。観光情報案内、販売スタッフは既に現地で募集を始めておりまして、5月下旬までには採用し、その後オープンまで研修を行う予定としているところでございます。  開業の際には、3県の知事がそろってオープニング式典や開業イベントを開催することも検討してございます。また、開業後イベントでは、地震で被災した生産者の復興の一助となるような企画も検討したいと考えております。  先日、正式名称と併せロゴマークを決定、発表したところですが、今月16日、17日に実施いたします大阪駅での北陸新幹線敦賀開業イベントでも富山県の観光PRはもちろんのこと、「HOKURIKU+」についてもしっかりPRしたいと考えております。  オープンに向けて準備を進め、関西圏から本県への誘客につなげてまいります。 39 永森委員長 川上委員、持ち時間が少なくなっています。 40 川上委員 はい、分かりました。  大いに期待いたしたいと思います。ありがとうございます。  最後であります。北方領土についてです。  ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてから2年が経過しました。日本はウクライナを支援し、ロシアに厳しい経済制裁を課してきました。これに対してロシアは、日本を非友好国として平和条約交渉を停止し、30年間続いていた北方4島とのビザなし交流が断ち切られてしまいました。北方領土をめぐる日ロ交渉や北方4島との交流が全て今途絶えている状況であります。  2月3日、北方領土返還要求運動富山県大会があり、その中の中学生の発表であります。「北方領土に関する問題意識が薄くなっていく。絶対解決させなければならない。未来を担う私たちが情報発信者として伝え続けることを私たちは心に誓う」との発表があり、大変力強く感じました。  北方領土の早期返還を図るため、関係団体と協力して、厳しい現況下ではありますが、引き続き北方領土返還要求運動に取り組んでいく必要があると考えます。知事の力強いお言葉をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 41 新田知事 言うまでもなく北方領土は、我が国の先人が大変な苦労を重ねて引き切り拓いた我が国固有の領土でありますが、にもかかわらず、この問題が戦後78年を経過した今も未解決で続いていることは本当に残念に思っています。  私も若い頃、青年会議所の一員として根室にも何度も行き、そこで「北方領土を返せ」とみんなでスローガンを叫んだことがあります。また、知事就任後は、当時の市長さんにも御案内いただきまして北方領土資料室を訪問しました。日本でもああいう施設があるのは本当に珍しいことでありまして、元島民の方からの望郷の念、あるいは返還への強い決意をお聞きすると、早期復帰に強い思いを持って、私も返還要求運動の一翼を担っていきたいと考えております。  新しい年度も返還要求富山県大会、また北方領土の日記念大会をはじめとして、元島民による出前講座、中学校巡回パネル展、中学生の根室地域への派遣などを予定しています。今、委員のお話にもありましたように、若い世代にそういった思いが引き継がれているということはとても大切なことですし、今後もより増やしていかなければならないと思っています。なので、このような中学生向けの事業などもしっかりと続けていきたいと思います。  県民挙げての機運を高めていく。今、ウクライナ侵攻で国対国の交渉はなかなか厳しい状況にありますけれども、機運を盛り上げることは今も可能だと思います。国とも、また黒部市ともしっかり連携しながら、返還要求運動を続けていきたいと考えております。 42 川上委員 ありがとうございます。  これで質問を終わります。 43 永森委員長 川上委員の質疑は以上で終了しました。        大井陽司委員の質疑及び答弁 44 永森委員長 大井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 45 大井委員 自由民主党富山県議会議員会の大井陽司でございます。  質問に先立ちまして、能登半島地震で被害を受けた全ての方に哀悼の意を込めまして、お悔やみ並びにお見舞いを申し上げたいと思っております。また、今回の震災で迅速に対応してくださいました知事並びに部局の皆様、私からも感謝を申し上げたいと思います。  また、質問に入る前に一言申し上げたいと思います。  このたび経験した能登半島地震は、富山県が経験した災害史の中では類がないもので、歴史としてしっかりと記憶として残し、そして学び、今後の災害時のリスク管理にも役立てるべき教訓だと捉えることが重要だと考えております。  それでは、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。  まず初めに、能登半島地震の被害への対応について質問いたします。  今回の地震について、本定例会で議論をしている最中ではございますが、私の出身中学校であります富山市岩瀬中学校の付近にあります東蓮町において、地震の影響で住宅地が液状化して地盤が沈下し、甚大な被害が確認されております。  私も元日の地震を経験し、2日目から東蓮町の現地に行き対応しておりますが、被害状況といたしまして、全壊、半壊、一部損壊を含め66軒の住宅が被災しております。今なお増加している状況ではございますが、本県といたしましても迅速な対応が求められると思っております。  今回の東蓮町の被害において、まず初めに私が注目したのが、付近に位置する住友運河でございます。富山県が時代の要請に応じまして推進してきた事業だからでございます。とりわけ、戦前から県の工業化に貢献してきた事業でして、その一環として、岩瀬にございます富山港から富山駅北側までの物流ルートの確立が計画されました。  昭和5年に始まった富岩運河工事は、岩瀬と富山駅北部を結び、海上輸送の要の役割を果たしてまいりました。さらに昭和15年には、横のラインであります東蓮町にある当時の住友金属工業と富山駅北部を結ぶ住友運河の工事が開始されました。地域産業の発展に寄与し、富岩運河から掘り出された土砂は、今、富山市中心部神通川の埋立てに利用されております。ここの県庁もその土砂を埋め立てて造られた場所でございます。  しかし、不透明なのは、住友運河の工事で発生した土砂の最終的な処分の場所でございます。岩瀬スポーツ公園に見られる土の山は、もしかすると当時の工事で生じた土砂によるものではないかというような声もございます。特に東蓮町では、かつての沼地を埋め立てて造られたため、この土砂が使用された可能性が高いと感じております。  現在、県庁横で松川沿いの工事を進めておられますが、東蓮町における工事は今まだ大規模なものは手がつけられておりません。私は、この東蓮町が富山県の工業化における重要な貢献をしてきた地であると強く信じておりますし、この地の歴史的背景とその価値を再認識し、県としても適切な対応策を講じるべきだと思っております。  そこで、液状化被害に遭った地域の土地の成り立ちを調査した上で、歴史的経緯を踏まえて今後の対応を進めていくべきと考えますが、市井土木部長の御所見をお伺いいたします。 46 市井土木部長 令和元年の国の市街地液状化対策推進ガイダンスによりますと、液状化は地下水位が高く、砂質土が緩く堆積した場所で起きやすいとされております。  今回の地震では、東蓮町を含む富山市、氷見市、高岡市、射水市などで、地面から砂が吹き出す噴砂や地盤沈下など液状化が原因と見られる現象が確認されており、こうした現場は、海沿いなど地下水位が高く砂質土が分布する、液状化が起きやすい地域に該当するのではないかと考えております。  今後、液状化被害へ対応していくためには、委員御紹介並びに御提案いただきましたとおり、土地の成り立ちなど歴史的経緯を踏まえることが有効であると考えております。実際、国、県、市による勉強会において報告された液状化防止の先進事例では、市が液状化対策事業を進めるに当たり、被災状況の把握とともに被害要因を把握するため、新旧2つの地図を用いた、旧地形と現地形との比較による造成履歴の調査も行われております。  これ以外にも、過去の地質調査データなどの既存資料の収集、噴砂や沈下、亀裂等の被災状況の観測及び被害戸数の把握等の基礎調査を行った上で、ボーリング調査や再液状化の可能性の検証、対策区域や対策工法の検討を行い、その後、住民への説明、同意などの段階を経て工事着手に至っておられるところでございます。  本県におきましても先進事例同様、造成履歴や地質情報等を調査し、被害要因の把握に努め、その被災地域に適した液状化対策が取られるよう、勉強会などの機会を通じ、国や被災市と連携し対応してまいります。 47 大井委員 市井土木部長、御答弁ありがとうございます。  地元の伝承と科学的調査を組み合わせたアプローチを高く評価したいと思っております。  ただ、地質調査と対応の策定には時間がかかり過ぎますので、その間も同様の災害リスクが残ることから、短期的にも住民の安全を確保するための措置を講じることが急務でございます。また、対策の具体化に当たり、財源の確保と計画の透明性を確保することが重要だと考えますので、引き続きよろしくお願いいたします。  では次にですが、県内の各地域における家屋の被害の判定にはばらつきがあり、その結果、地震被害への支援に差が出ているのではないかと指摘されております。  被災者生活再建支援金や、液状化等により被災された家屋への支援について、被害の程度が支援額等に影響いたします。市町村ごとの考え方、財政状況などの違いにより支援策の内容に差が出ることは、ある程度致し方ない面もある一方、家屋の被害認定については、どの地域においても、同じ被害であれば同じ判定であるべきだと考えます。  そこで、家屋の被害の正確な把握のため、適正な被害認定調査に向けて取り組んでいくべきだと考えますが、有賀厚生部長の御所見をお伺いいたします。 48 有賀厚生部長 住家の被害認定調査は、市町村が地震等により被災した住家の被害の程度を認定するもので、被災者から申請があったときは、内閣府の「災害の被害認定基準」に基づき、遅滞なく、住家の被害の状況を調査し、被災者へ罹災証明書を交付することとされております。  県では、発災後速やかに、市町村を対象とした住家被害の調査や罹災証明書の交付に係る事務説明会を開催し、市町村が被害認定を迅速かつ的確に実施できるよう支援したところでございます。また、今回の地震では被害が全市町村にわたっており、調査、判定方法にばらつきが生じることのないよう、県では適宜各市町村における課題の共有や対応の検討等を行うことにより、被災市町村間の調整に努めております。  さらに、県では、市町村における住家の被害認定調査や罹災証明書の交付が円滑に進むよう、被災市からの求めに応じて、これまで県職員のほか、県内市町村や全国の自治体の御協力を得て必要な職員を派遣しているところでございます。
     以上です。 49 大井委員 有賀厚生部長の御答弁に感謝申し上げます。  被害認定の公平性と精度向上に向けた取組は大変重要でございます。引き続きの努力を期待しております。特に専門家による研修会の定期開催や市町村との連携強化による一貫性が非常に大切だと思っております。被災者の早期生活再建に不可欠でございますので、公平かつ適切に支援を受けられるよう、部署間のさらなる協力をお願いしたいと思っております。  では、次に移ります。  地震により家屋に被害を受け、全壊や半壊などに至った場合、残念ながら家屋を解体し転居を選択せざるを得ない場合もあります。しかし、高齢者や生活困窮者の中には、被災家屋を解体、撤去する意思があっても、自分で解体資金の融資を受け、解体業者を探して契約するといったことを負担に感じ、ためらう方もおられると聞きます。そして、家主不在で危険な状態の家屋が残ると、周囲の生活環境に悪影響が及びかねません。  そこで、公費解体制度の周知を図るなど、高齢者や生活困窮者が所有する被災家屋等における公費解体制度の活用の促進についてどう考えておられるか、廣島生活環境文化部長に御所見をお伺いいたします。 50 廣島生活環境文化部長 委員御紹介の公費解体制度について少し説明させていただきますと、まず、本来私有財産の処分は原則として所有者の責任になります。ただし、災害からの復旧・復興という面に重きを置きまして、特例といたしまして公費解体というものが認められ、市町村が国の補助金を活用して全壊家屋、ほか倉庫なども含め、解体を行うことができるとされております。  さらに、今回の令和6年能登半島地震は特定非常災害に指定されまして、補助対象範囲が半壊家屋まで広がっているということでございます。こうしたことで、県内では氷見市と小矢部市が既に公費解体の申請の受付を開始されておりまして、今後、富山市、高岡市、射水市において公費解体が実施される予定になっております。  公費解体は、市町村から罹災証明書の交付を受けた被災家屋などの所有者からの申請が前提になります。このため、高齢者や生活困窮者を含めた被災者の方々が、制度を知らなかったために支援を受けられないといったことがないよう、それぞれの市におかれましては、市のホームページや広報紙での紹介、また地域の自治会での周知文書での回覧といったものに加えまして、罹災証明書の交付の場で直接書類を手渡したり、半壊以上の被害認定を受けられた被災者に直接資料を送付したりする、一種プッシュ型の手法でも周知に努められているところでございます。  また、県のほうでも、ホームページで公表しました被災者支援パッケージの中で手続など関連する情報を紹介していますほか、環境省と連携しまして、災害廃棄物処理の経験のある自治体職員を各市に派遣させていただいて、公費解体の申請受付などの手続の円滑な実施を支援しています。  今後も市町村に対し、こうした制度のプッシュ型の周知、広報の勧奨、また業務の実施体制の支援などを行ってまいりたいと考えております。 51 大井委員 廣島部長、御答弁ありがとうございます。  市町村が主体であることは理解しております。県としても被災者支援のための積極的な役割を期待しておりますし、特に情報のアクセス性向上と周知活動の強化は、被災者が支援を受ける上で非常に重要でございますので、その辺連携を取って進めていっていただきたいなと思っております。  次に移ります。  地震や津波に備えた避難計画の有効性を確保するため、ハザードマップの見直しを含めた技術的な検証の取組が不可欠と考えております。  先ほど川上委員からも黒部の話がございました。私の住む富山市北部沿岸部も小学校校区で見ると、ハザードマップの想定と異なる避難行動が取られておりました。避難所でも想定外の状況が発生しまして、それは、津波の被害が想定されていない小学校が避難場所であるにもかかわらず、みんな車で町なかや山のほうに逃げたことでございます。  これは、地震が想定されていた糸魚川沖、そして富山湾西側、そして呉羽山の断層だけではなく、今回能登半島地震を引き起こした能登北岸にある海陸境界の断層の存在が、ハザードマップ上の津波の想定にどの程度反映されていたか、疑問を抱かされます。  このような背景から、津波のハザードマップの精度向上と、津波発生時の避難行動計画の検証の必要性について、どのようにお考えでありますか。武隈危機管理局長の御所見をお伺いいたします。 52 武隈危機管理局長 今回の地震では、多くの住民の皆さんが車で避難されたり、津波被害が想定されていない地域を含む広い範囲の住民の皆さんが一斉に避難されたため、県内の各所で道路渋滞が発生するなど、津波に対する避難行動が大きな課題となりました。  県と市町村との振り返り会議では、津波ハザードマップのさらなる周知が課題であるといった意見が多数ありまして、地震発生後の津波に対する避難行動を検証し、住民の皆さんに適切な避難行動を周知啓発することが必要と考えております。  このため県では、新年度、人流データを活用し、津波警報の直後にどのくらいの方が避難されたか、また避難行動は適切であったのかなどを分析、検証することとしております。  県としては、この検証結果を踏まえまして、県民の皆さんが適切な避難行動を常に取れるよう、津波避難対策の推進に努めてまいります。  また、来年度はワンチーム会議のワーキンググループにおいて、津波対策につきましても市町村の皆さんとお話合いをしていくこととしておりますので、そちらのほうで、市町村が自ら作成されました津波ハザードマップや、また、津波発生時の避難行動の検証、見直しを行われる際には、県としても必要に応じて適切な助言等を行っていきたいと考えております。 53 大井委員 御答弁ありがとうございます。  今回の能登半島地震を引き起こした断層であります、海陸境界の断層については、科学的知見をどのように反映していくか、よろしければ御答弁よろしくお願いします。 54 武隈危機管理局長 今回の断層については、県の津波シミュレーションの中には入っていない断層ではありました。今後、専門家の方の意見も聞いて、どんな調査ができるかについて検討してまいりたいと考えております。 55 大井委員 よろしくお願いします。しっかり経験したものをハザードマップに盛り込んで、この経験を生かすようにこれからもやっていきたいと思います。引き続き市民の命を守るための対策に全力を尽くしていただきたいと思っております。ありがとうございます。  次にですが、海沿いの地域では、津波避難施設の整備は災害時の安全確保において極めて重要でございます。また、整備に当たっては、地域の方が誰でも知っている地域のお祭りの拠点、例えば曳山ミュージアムや山蔵を防災拠点としてはどうかという意見がございます。  そこで、県内の津波避難施設の整備状況と、今後、市町村において整備を進める上で直面する課題や将来的な展望についてどのようなお考えでいるか、武隈危機管理局長の御所見をお伺いいたします。 56 武隈危機管理局長 県内の津波避難施設ですけれども、沿岸市町では、津波から緊急的に避難できる公共施設や民間ビルを津波避難ビルとして指定しておりまして、現在県内には52施設ございます。ただ、一部の市町からは、津波の浸水想定区域内に堅牢な建物や高い建物がないことなどの理由で指定が進んでいないといった課題もあると聞いております。  また、平成28年度に県が行いました津波シミュレーション調査では、本県の津波の特徴の一つとして、震源となる海底断層が陸地に近いことや、また、海底地滑りの影響などで、津波の到達時間が早い地域があるという結果も得られているところでございます。  今回の震災でも地震発生から僅か3分で津波の第一波が到達しておりまして、こうした津波の特徴も踏まえながら適切な津波対策を講じる必要があると考えております。  今後の津波避難施設の整備につきましては、まずは沿岸市町においてその必要性や整備手法などについて御検討いただくことになりますが、県といたしましても、来年度のワンチーム会議ワーキンググループの議論の中で、津波避難施設の整備に係る課題や対応について、沿岸市町と話し合ってまいりたいと考えております。 57 大井委員 御答弁ありがとうございます。  海沿いの地域は、今御答弁ございましたように、やはり津波への被害に対する危機感も非常に強いですし、特に富山湾は早く到達すると聞いております。  そこで、地元の象徴的な施設を活用した防災拠点の考え方は、住民にとって親しみやすいので逃げやすいことです。2分から5分以内で逃げてくださいと言ったときに、だけどぱっとどこに逃げりゃいいがや、という話でございますので、やはり親しみやすいところが避難場所の一環になることが非常に大事なのかなと思っております。ぜひとも御検討いただければと思います。  では次にですが、今回の地震は、富山県が経験したことのない液状化を経験いたしました。また、この被害の記録を後世に残し、県民への啓発活動を強化することの重要性も認識しております。  そこで、地域防災計画を改定し、液状化対策を充実させていくとともに、液状化被害の記録を風化させず歴史に残していくために、防災危機管理センターにおいてパネル展示を実施するなど、県民への啓発を行っていくべきだと考えますが、武隈危機管理局長の御所見をお伺いいたします。 58 武隈危機管理局長 今回の地震では、特に液状化が原因と見られる被害が氷見、高岡、射水、富山の海沿いの地域を中心に発生し、大きな被害につながったところでございます。  県の地域防災計画では、地盤の液状化危険度の調査研究や地盤データの収集、液状化に関する知識の普及啓発、液状化対策工法の推進などを規定しまして、県として地盤の液状化対策を推進することとしております。  県では新年度、今回の災害対応等について検証する外部有識者等も入れました検証会議を開催し、各種計画やマニュアル等を総点検することとしており、この検証結果を踏まえまして、地域防災計画の液状化対策につきましても、必要に応じて見直しをしたいと考えております。  また、液状化による被害を未然に防止するためには、県民の皆さんに地盤液状化発生の仕組みですとか、液状化の危険性の高い地域など、液状化に関する知識の普及啓発を図ることが、委員御指摘のとおり重要であると考えております。  県としては、防災危機管理センターでのパネル展示、このほかにも防災意識の向上のためには、県のほうで四季防災館というものがございますので、そういった施設において、県民の液状化に対する理解促進に努めてまいりたいと考えております。 59 大井委員 ありがとうございます。  私は入り口と出口が大事かと思っております。今回、出口、被害記録の啓発活動に向けた取組、非常に重要だと思っておりますし、啓発活動につきましては、パネル展示だけではなく、ワークショップや講演会などをお開きくださいまして、多角的なアプローチを検討することも有効ではないかと思っております。また、被害情報のデジタルアーカイブ化を検討することも重要ではないかと思いますので、ぜひとも検討していただければと思っております。ありがとうございました。  それでは次に、サーキュラーエコノミーについて質問いたします。  皆さん、モノのパスポートという言葉を御存じでしょうか。  富山県におけるカーボンニュートラル実現のための取組について教えてください。  県としての再生可能エネルギー源の利用拡大に向けた施策の推進、カーボンフットプリントの計測と公表を通じた情報共有の促進について、新年度予算が組まれております。  そこで、サーキュラーエコノミー推進の一環として、アルミ産業における成長力強化戦略についてどのように取り組んでいるのか、新田知事に御所見をお伺いいたします。 60 新田知事 本県は、従来よりアルミ産業が盛んに発展をしてまいりました。当初は、精錬から一貫して手がけることであったんですが、今、精錬は国内では成り立たず、アルミごと購入してからそれを加工していく、アルミ製品を作る産業が発達しております。  このアルミというのはリサイクルすることがとても大切でありまして、バージンのアルミを作るよりも大幅にCO2の発生が削減できるということになりますので、サーキュラーエコノミー、循環経済を推進していく上では大きな意義を持つものだと我々は捉えておりまして、力を入れているところであります。  本県においては、このアルミ製品を作るという動脈の産業と、その廃棄物を回収したりする静脈の産業が集積していますので、この特徴を生かして循環型アルミ産業網──アルミバリューチェーン、リサイクルのチェーンの構築を目指しています。アルミリサイクルの技術の開発、それからCO2排出量の見える化などを、産学官連携してやっているところであります。  具体的には、とやまアルミコンソーシアムにおいて、アルミ素材をリサイクルする技術開発を支援しています。また、製品の設計、製造の段階から廃棄や再生までの環境負荷低減などの実現を目指して、リサイクルアルミの溶解工程におけるCO2排出量の評価なども行ってまいりました。また、アルミ製品のライフサイクル全体での排出量を把握するために、県立大学と連携してアプリケーションの開発にも取り組みました。  新年度は、このアプリケーションを言わば横串にして企業間のデータ連携の強化を支援しまして、チェーン全体でのCO2排出量の見える化の社会実装を進めていきます。さらに、こういう取組について、企業立地セミナーや展示会などの機会を通じて積極的にPRをしていきたいと考えます。県内外の関連産業や関連企業、また団体との新たな取引や連携領域の拡大にも努めていきたいと考えます。  本県アルミ産業におけるこのサーキュラーエコノミーの推進、これを本県の産業の成長力の一つの大きな柱にしていくべく、取り組んでまいります。 61 大井委員 新田知事、ありがとうございます。  カーボンニュートラルに向けた県の取組、特にアルミ産業の持続可能性を高める方針について理解いたしました。ありがとうございます。  今後も産業の環境負荷を減らしながら経済成長を実現するためには、地域住民や企業との連携がキーとなると思っております。そのために県として、ステークホルダーとの協力体制の強化や、アルミ製品のリサイクル性向上に向けた具体的な施策について、取り組んでいただければと思っております。  では次に移ります。  カーボンニュートラルの推進に伴い、中小企業でもCO2排出に関する負担が増加することが予想されております。特に、製造業における炭素税、カーボンプライシングの導入は、企業経営に新たな挑戦をもたらすことだと思います。ものづくりにおいて排出するCO2に金銭的負担が発生する、CO2を出すのにお金がかかる、そういう時代が到来いたします。  そこで、CO2などの温室効果ガス排出量の見える化について、どのように測定し算出するか、廣島生活環境文化部長に御所見をお伺いいたします。 62 廣島生活環境文化部長 県内の温室効果ガス排出量でございますが、環境省が示します「地方公共団体実行計画策定・実施マニュアル」に基づき、毎年算出しております。  直近の算出結果は2020年度のもので、県内総排出量は1,041万トン、国が11億ちょっとですので約0.9%になりますが、こちらの数字は、昨年策定しましたカーボンニュートラル戦略の基準年度の2013年度から21.7%が減少しております。ちなみに、2030年度の目標は53%の削減ということでございます。  この1,041万トンの内訳ですが、私どもおおむね5つに分けてその数字を算出しております。まず1つは、工場等の産業部門が361万トン、34.7%で一番多い。続きまして、家庭部門が195万トン、オフィスや商店等の業務部門が135万トンとなっています。これとはちょっと別の分け方になるんですが、自動車などの運輸部門という区分の仕方で4つ目なんですが、これが217万トンでございます。あと5番目に、その他ということで132万トンと、大体この5つに分類してきていると。  それぞれの算出方法、ちょっと特殊な技術的なこともやっておりますが、概略を申し上げますと、最初の3つ、工場、家庭、オフィス等、この3部門については、エネルギーの消費量から算出しています。例えば電気ですと、使用量に1キロワットアワー当たりのCO2の排出量を掛け算する。また、灯油や重油等の燃料は使用量に単位当たりのCO2排出量を乗ずる。これらを足し算していく。また、このほかメタンやフロンといったものについてもCO2に換算して加算しているというのが、初めの3つのものです。  もう一つの運輸部門のほうなんですが、こちらのほうは、乗用車や貨物車の区分に応じて走行距離1キロメートル当たりのCO2排出量に、県内の台数ですとか走行距離を掛け算しています。こうしたちょっと割と複雑な方法で算定をしております。  こうして求めた温室効果ガス排出量につきましては、カーボンニュートラル戦略の目標の達成に向け施策を展開する上で重要な指標でございますので、県民の皆様に見える化を図りまして、温室効果ガスの削減の取組につなげていきます。  このため県では、ホームページで公表するほか、地球温暖化防止を呼びかけますリーフレット等々に掲載し、各種イベントで配布するなど、温室効果ガスの排出状況とその削減の必要性の周知、理解促進に努めてまいります。 63 大井委員 御答弁ありがとうございます。  特に中小企業に対する具体的な支援策やセミナーの開催等は、カーボンニュートラルへの移行期において非常に重要な取組であると考えております。町工場は認識ないんです。まだまだありません。県としてもしっかりと情報共有を行っていただきたい。県全体の持続可能な発展にとって必要だと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。  では次に移ります。  カーボンニュートラル戦略では、富山県には太陽光の発電導入の大きなポテンシャルがあると。そして、最大限導入していくこととされていますが、一般的には、富山県は日射量が少なく、太陽光発電には不利な地域とのイメージを持っている県民がたくさんいると思います。  そこで、カーボンニュートラルの推進に向けて、本県における太陽光発電のポテンシャルや、水力や水素などの利用についてどのようにお考えであるか、川津知事政策局長にお伺いいたします。 64 川津知事政策局長 県のカーボンニュートラル戦略では、今後導入を目指します再生可能エネルギー容量を推計しておりますが、最もポテンシャルが高いのは太陽光でありまして、今委員からもお話ありましたが、全体の7割、次いで水力が2割弱であり、当面はこの2つの再生可能エネルギーを中心に据えながら、水素などの次世代エネルギー導入にも取り組むこととしております。  まず、太陽光発電につきましては、本県は降水、降雪量が多いことから、今も御説明ありましたように、不利な地域とのイメージはありますが、資源エネルギー庁の調査によりますと、実際に発電できる電力量は太平洋側に位置する、例えば東京都と比べますと、その99%と、ほぼ同じくらいの結果が出ておりますので、今後とも補助金や融資制度により太陽光発電の導入を積極的に推進していくこととしております。  なお、この太陽光発電に関する技術革新は日進月歩で進んでおりまして、軽量で折り曲げ可能なペロブスカイト型の太陽電池というものの開発も進んでおりますので、近いうちに実用化が進めば、太陽光発電の発電目標の上積みも検討したいと考えております。  また、水力発電につきましても、本県は発電に利用可能な水量、包蔵水力と言っておりますが、全国第3位のポテンシャルを有しておりますので、今年度の新たな小水力発電の適地調査の結果も活用しながら、多様な主体によります小水力発電の参入促進を進めてまいります。  さらに、水素につきましても、県内にいち早く水素ステーションが整備されまして、産学官の連携体制も整備されておりますので、引き続き、燃料電池自動車やフォークリフトの導入を支援するとともに、熱源などの幅広い分野で水素の導入も促進したいと考えております。 65 大井委員 川津局長、御答弁ありがとうございます。  再生可能エネルギーの多様な活用に向けまして、富山県の取組に期待を寄せております。特に太陽光の発電に関しましての技術革新を含めた可能性の再評価と、地域資源を活用した水力や水素エネルギーの推進について、具体的な施策の展開を希望します。これらが県民の環境意識の向上と経済発展に寄与することを期待しております。  では次にですが、本県の魅力はやはり水力発電かと思っております。当初予算でも45億8,000万円の予算を計上されております。  そこで、県営水力発電所のリプレースの進捗状況と今後の見通しについて、籠浦企業局長にお伺いいたします。 66 籠浦企業局長 県企業局では、再生可能エネルギーを安定供給するため、施設の老朽化対策として、現在4つの県営水力発電所でリプレースに取り組んでおります。  このうち若土発電所につきましては、建屋と管路の工事はもう完了しておりまして、あとは水車発電機などの機器を据え付けた後に各種の試験を行って、新年度初め頃での運転再開を目指している状況でございます。そのほかの3つの発電所につきましても、今年度は既設設備の撤去に着手するなど工事は順調に進んでおります。新年度以降も、引き続き撤去工事のほか、新しい機器の製作、それから建屋の改修などを計画的に進めてまいります。  それぞれの竣工予定時期でございますが、庄東第一発電所が令和7年度末、それから仁歩発電所は8年度、それから大長谷第二発電所は10年度を見通しております。  今回のリプレースに当たりましては、最新の技術を採用した設備を導入しまして発電電力量の増加を図ることとしておりまして、工事が完了する令和10年度における発電能力の予定は、ほかの発電所でも行ってきました機器の更新などによる電力量の増加も合わせますと、老朽化対策の検討を始めた平成29年度に比べて5.2%増、約5億4,200万キロワットアワーを予定しております。これは、二酸化炭素の削減効果に換算しますと年間で約2万トン、これは例えば私どもの平均的な小水力発電所で言いますと約10個分の削減効果に相当すると考えております。  県企業局としましては、今後もリプレース工事を着実に進めまして、水力発電による再生可能エネルギーの拡大を通じてカーボンニュートラルの推進に貢献してまいります。 67 大井委員 籠浦局長、ありがとうございます。  県営水力発電所のリプレースが計画どおりに進んでいることは非常にうれしく思っております。持続可能なエネルギー供給の重要性は今後も増していくことでしょう。県としてのさらなる技術革新や、環境に優しい発電方法の探求に期待しておりますし、また、予算の有効活用により、富山県が再生可能エネルギーのモデル地区としての役割を果たすことに期待しております。  では次に、「寿司といえば、富山」について質問いたします。  「寿司といえば、富山」を掲げるブランディング戦略について、すしのブランディングを強化するために東京すしアカデミーの福江社長の意見を参考にさせていただきました。  社長いわく「すしだけではなく、すしに合う周辺の整備が必要」とアドバイスをいただきました。富山のおいしいお酒、そしてガラスの器、おつまみ料理、そして泊まれる宿の確保などを組み合わせた全体的なプロモーションの必要性が指摘されております。  例えば、敦賀駅で上映するPR動画の中にそのような富山を代表する物を入れてみてはどうかと思っておりますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 68 新田知事 県議会議員の立場からも「寿司といえば、富山」に共に取り組んでいただいていること、大変にありがたく、また心強く思います。  「寿司」を入り口に、一緒にたしなむおいしいお酒、また料理を引き立てるガラス器あるいは漆器などを楽しむ、いわゆるコト消費、これを通してその背景にある歴史や文化、伝統、食文化といった本県の魅力に触れていただけるようにPRしていくことが大切だと考えています。  このため、本県ゆかりの美食家で美食に関するベストセラー作家でもある日本ガストロノミー協会会長の柏原光太郎さんに、料理と地酒を一緒に楽しむ本県特有の「呑み寿司」などの食文化をはじめ、地元ならではの魅力を発信いただいています。また、特設ウェブサイトやSNSでも幅広くPRをしています。  新年度予算には、秋の北陸デスティネーションキャンペーンに向けて、委員に今御提案いただきましたように、新たにPR動画を作成し、敦賀駅などの観光客が多数利用する場所で放映することによって、すしやお酒、工芸品などの魅力を一体的に発信したいと考えています。  また、震災の関係で延期となりましたが、キックオフイベントでは、すしに加えて、地酒とのペアリングあるいは伝統工芸の器などにも趣向を凝らし、富山ならではの上質で特別な美食体験を提供したいと考えています。  さらに、この「寿司」を入り口に本県の魅力を体験できる新たなモデルルートを造成する際に、酒蔵、伝統工芸の工房などもこのコースに組み込んで、ウェルビーイングな富山の魅力に触れていただけるものとしたいと考えています。
     また、今、県立図書館も連携してくれていまして、24日までですけども、県立図書館所蔵のすしに関する書籍の、150点以上と聞いていますが、私まだ行けていないんですけども、展示をしてより機運を盛り上げていこうということでございます。  今後も関係団体等と連携し、「寿司」を入り口に本県の様々な魅力を効果的に発信し、本県の認知度を高め、ひいては幸せ人口1000万の創出、拡大につなげていきたいと考えます。 69 大井委員 新田知事、ありがとうございました。  富山県が「寿司といえば、富山」のブランディング戦略を総合的に推進していく姿勢を強く感じました。特に、すし文化の構築と併せて富山のお酒や伝統工芸品をPRすることで、富山県の魅力をより多面的に伝えられることを期待しております。引き続き、県の具体的な取組と成果を見守っていきたいと思っております。  最後になります。障害者就労支援事業所の活用等について質問させていただきます。  県では、これまでも障害者の工賃向上に向けて様々な取組を行ってきたものと承知しておりますが、さらに取組を進めていく必要があると思っております。  先般の能登半島地震では、県庁内の書類棚から書類が落下したりする被害があったと聞いております。こうした被害を防ぐために、書類整理やペーパーレス化の業務を障害者就労継続支援事業所等にお願いするのも一つの手だと思っております。また、県庁内の業務に限らず、県内の事業所の活躍の場を広げていくとともに、ICTの導入を支援することで、障害者の工賃のさらなる向上につなげていくべきだと考えますが、有賀厚生部長の御所見をお伺いいたします。 70 有賀厚生部長 今後新しく需要が見込まれる分野への進出など、就労継続支援事業所に通う利用者の活躍の場を広げていくことは、工賃向上に向けた取組として重要であると考えており、県ではこれまで、農福連携の取組の推進や、新分野進出等に関する研修会を開催するなど、障害者の方の多様な就労機会の確保に努めてきたところであります。また、就労継続支援事業所にICT機器を導入することによって、障害者の方がこれまでできなかった業務が新たに行えるようになったり、生産能力の強化が期待できるなど、工賃の向上につながるものと考えております。  そのため、2月補正予算案で新たに、障害者就労継続支援事業所に通う利用者の工賃向上に資するICT機器の導入支援と、その有効な活用方法等について学ぶ研修経費を計上したところでございます。  県としては、引き続き農福連携などの多様な就労機会の確保に取り組むとともに、ICT機器を活用した新たな工賃向上策についても、全国や県内の先進事例の普及、啓発などにより取組が加速するように引き続き支援してまいります。 71 大井委員 御答弁ありがとうございます。  障害者の就労支援は、社会参加を推進する上で極めて重要でございますので、書類整理やペーパーレス化業務の障害者就労支援事業所への委託を含めて、県庁業務での障害者雇用の拡大を進めていただければと思っております。  また、やはり書類を整理したほうがいいと思います。県庁内を歩きますと、ここから書類が落ちてきたらどうなるんだろうか、今回は元日での震災だったけれども、例えば平日の震災ですと皆さん潰れてしまいますということを私は非常に感じておりますので、その辺の対応もよろしくお願いいたします。  では次に、移ります。  障害者の工賃向上の取組についてもう1点、農福連携の取組についてお伺いいたします。  昨年9月議会では、障害者を受け入れる農業者側の環境整備について、他県での取組状況を参考にどのような支援が可能か検討していくとの御答弁をいただきました。その後どのように検討されたのでしょうか。令和6年度の取組について、津田農林水産部長にお伺いいたします。 72 津田農林水産部長 昨年8月に開催しました県の農福連携推進会議において、農福連携を推進するには、障害者が障害の特性等に応じて最大限活躍できることが重要であり、そのためにも作業環境の整備が必要との御意見をいただいております。  昨年の夏の猛暑は、新たに農福連携に取り組もうとする農業者と福祉事業者とのマッチングにおいても影響があり、作業環境などが整わず取組を断念した事例もあったところです。  こうしたことを踏まえ、県では、受入れ側の条件整備を行うため、この令和6年度予算案において、新たに作業環境の改善を行うための農福連携環境整備支援事業を盛り込んだところでございます。  具体的には、エアコンやミスト扇風機、空調服──ファン付ベストでございますが──などの作業環境の改善に必要な備品などの導入に対して、1経営体当たり対象経費50万円を上限として、県と市町村で合わせてその2分の1を補助する事業でございます。また、このほか、国にも休憩所やトイレ整備などの安全、衛生面に係る整備を支援する事業もあることから、併せて周知してまいりたいと考えております。  受入れ側の作業環境の整備は、福祉側においては障害のある皆さんが生き生きと最大限活躍できる場が広がり、ひいては工賃向上にもつながることが期待できること、また、農業側では労働力不足の解消にもつながることから、大きな効果があると考えております。  引き続き、事業者の皆さんが県や国の事業も活用していただき、農福連携の取組が広がり、さらに定着するよう努めてまいります。 73 大井委員 津田農林水産部長、ありがとうございます。  障害者の工賃向上に向けた具体的な取組が進められていることに感謝いたします。特に、農福連携の枠組みの中での環境整備や支援策の強化は、障害者の就労機会拡大にとって非常に重要でございます。今後も障害者が農業分野でよりよい条件で働けるよう、継続的な支援と取組の充実を期待しております。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 74 永森委員長 大井委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                      午前11時58分休憩                      午後1時00分開議        岡崎信也委員の質疑及び答弁 75 川島副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  岡崎委員。あなたの持ち時間は60分であります。 76 岡崎委員 立憲民主党議員会の岡崎でございます。  令和6年能登半島地震から2か月と10日となりました。そしてまた、今日は東日本大震災の発生日でもございます。私は、被災された皆様にお見舞いと、お亡くなりになりました皆様に深甚なる御冥福を申し上げたいと思っております。また、被災地復興のために昼夜御尽力をいただいている皆さんに敬意を表するものでございます。  新田県政はウェルビーイング県政ということであります。新田知事の笑顔のとおり、ウェルビーイングのある県政を目指していかなければいけない。ただウェルビーイングというのは、まず不安をなくす、このことが一番県民にとってのウェルビーイングだと思っています。やり方は違っても多分目標は同じだろうと私は理解をしたいと思っています。  今、県民生活を見ますと、物価高でありますとかエネルギー高騰、そして子育てや教育に係る悩み、長時間労働、また医療・介護の負担増、数え切れない不安が蔓延しています。こうした不安を少しでも取り除く、そしてまた、1月1日には能登半島地震が発生いたしました。こうした県民の願いに応えて、本当に不安のない県政を目指していくことが私たちの役割だろうと思っています。  まず、令和6年能登半島地震における災害対応の検証課題から始めさせていただきたいと思います。  我々の会派は、能登半島地震を教訓に最大のリスクを想定して備えることが県の防災危機管理の基本に据えられる、そして県民の命を守るため、地震津波対策をしっかりと見直していく、こういう立場であります。  私は海岸部に住んでおりまして、大津波警報に直面した一人として、津波避難を中心にしながら検証してまいりたいと思います。  津波からの避難については、2017年の津波シミュレーションでも明らかなように、一刻も早い行動が求められると考えています。そこでまず、生命を守ることを第一に質疑をしたいと思っています。その上で、富山県に被害を及ぼす活断層の調査など、中長期的な課題についても見解を求めてまいりたいと思います。  まず問1、災害対応の検証課題について伺います。  避難行動に係る県民意識について質疑をいたしたいと思います。  令和5年度県政世論調査結果によりますと、「富山県のどのようなところを誇りに思うか」という設問の回答に「災害が少ない、治安や防災がしっかりしていること」があり、57.5%と第3位になっています。  災害防災がしっかりしているということは大事なことでございますが、一方で、この回答に災害が少ないという項目があること自体、県民に安全神話を意識させることになっているのではないかなと感じるわけです。知事はいつも「災害は必ず来るんだ」と言っておられますが、一方で、安全神話というのは他人事に災害を追いやってしまう、こういうことではないか。そういうことが、災害の備え、構えが薄くなって、今回の避難行動に顕著に表れたのではないかと思うわけでございます。今後はこうした回答項目を改めて、防災力の強化を進めることが求められます。  ということで、今回の能登半島地震により、県民の意識は多分相当大きく変わったと思います。それで、まず防災対策としてアンケートを取って県民の意識を十分理解する、また防災に対する要望を聞く、こういうことをやりながら、災害にあっても的確な避難行動へと誘導する対策を取る必要があると考えるところでございます。  まず、新田知事に所見をお伺いいたします。 77 新田知事 委員おっしゃるように、本県では長らく大きな地震や津波による被害がない、そういう意味では幸せな日々であったと思います。統計を見ますと、令和4年までの過去30年で震度3以上の地震の発生回数は全国最少という事実があります。このため、県民の意識として、もしかしたら災害が少ない県との認識が強くなったのではないかと考えています。  また、令和4年7月に県が実施しました県民の災害対策に関する意識調査では、大規模災害の発生について、約9割の方が「関心がある」と回答した一方で、「自身の防災対策が進んでいない」と回答した方が過半数を超えるという結果もあります。  しかし、昨年6月、7月に発生した豪雨災害に加えまして、本県で観測史上初となる震度5強の今回の地震、そこで住宅や道路、港湾など多くの被害が発生しましたが、委員御指摘のとおり、天災によることではありますが、県民の意識は大きく変化をしたのは事実だと思います。そして、今まさに防災への関心が高まっていると感じています。そのことは、住宅の耐震診断の申込み件数が震災後に大幅に増加したことにも表れています。それに関しての予算も倍増して今お願いをしているところでございます。  県ではこうした機会を捉えまして、今回の地震を踏まえた県民の防災意識の変化や地震発生時の避難行動などを把握するために、改めてアンケート調査を比較的早い時期に実施したいと考えています。この調査によりまして、県民自ら発災当時の行動を振り返り、確認することを促すとともに、その結果を今後の災害対応の検証に活用し、住民がより的確な避難行動が取れるよう、県地域防災計画はじめ各種計画やマニュアルの見直しにつなげたいと考えています。  県としては、県民の防災意識の高まりを一過性のものとすることなく、今回の地震災害の経験を継承し、さらに、決してまた起きてほしくはないんですが、万が一の次の災害発生の際により適切な対応ができるように、地震、津波対策に取り組んでいきたいと考えています。  委員冒頭におっしゃったように、ウェルビーイングの反対がイルビーイングでありまして、イルビーイングを極力小さくしていく、それも大切な取組だと思っております。 78 岡崎委員 ありがとうございました。  やはり初めが肝腎で、記憶が新しいうちに対策を取って、県民に啓発をしていくことが大事だと思っています。  せんだってNHKの番組を見ていましたら、東日本大震災の振り返りみたいなことをやっていまして、この中では津波の高さ、そして映像に住民は着目していたことが分かってまいりました。  川島副委員長、ここで資料の提供と掲示をお願いいたします。 79 川島副委員長 許可いたします。 80 岡崎委員 災害時における情報は、避難行動において生命を左右するものでございます。SNS情報は有効でありますけれども、撮影者の危険も伴い、それにばかり頼るわけにはいかないと私は思っています。正しく知ることは、災害に対する構えをつくることになると考えます。  一方で、公的機関において、映像など災害の事実を記録したデータは非常に少ないのではないかなと思っています。現在皆さんにお見せしていますが、これは富山市草島にある検潮所、潮と波を記録する場所の波形なんですが、これくらいだったと思っています。その先に、映像として、これは国土交通省の河川整備局から提供いただきましたが、波が連続している動画が見えますが、こうしたものが、これは神通川河口でありますが、確認をされています。ただ、この整備局の波形画像については全部映したものではないんです。あくまでも川の状態を見るためということでございます。私は、津波の映像やデータは大切な教訓として記録されていく必要があるなと思います。  そこで、災害時における情報発信について、今後は十分な情報収集を行い、県民に発信可能となるよう、気象庁やそのほか国の機関と協議をしていく必要があると考えますが、武隈危機管理局長に所見をお伺いいたします。 81 武隈危機管理局長 気象庁の津波データを観測する検潮所ですけれども、県内では富山市草島の1か所だけでございまして、富山地方気象台に確認しましたところ、監視カメラなどは設置しておらず、映像情報は提供できないということでございました。  委員もおっしゃられましたが、災害による被害を最小限にとどめるためには、県民の皆さんにより多くの正確な情報を迅速にお伝えすることが重要でございます。  県では、今回の震災の際にも元日の地震発生直後から県ホームページや富山防災WEB、あと県公式X、また動画を配信する公式のユーチューブも活用いたしまして、地震津波警報をはじめ、気象情報ですとか被害の状況、避難所の開設状況、道路交通情報に加えまして、命を守る行動の呼びかけや災害時に役立つ情報など、災害に関連する様々な情報を迅速に発信し、県民の安全な避難行動に役立ててもらえるよう努めているところでございます。  県としましては、今回の災害対応を検証しまして、今後の地震津波対策の検討を進める中で、映像を含めまして、気象庁から津波に関する情報、さらに詳細な情報が提供いただけないか、気象庁とよく相談してまいりたいと考えております。 82 岡崎委員 あとまだ2問続きますので、よろしくお願いします。  やはり県だけではなかなかできないと私は思います。河川などは国土交通省が所管していますし、港もそうですよね。したがって、そういうところとも十分また協議をして、海の状態も見えるような施設整備が必要ではないかと思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。  それで次に、避難行動、これは、あした津波が来たらどうするんだということも含めて、早急に適切な避難の在り方を取っていかなくてはいけない、決めておくということが大事だと思っています。まず、生き延びるすべを重視して、屋内の垂直避難を再度呼びかけることが必要でありますし、また余裕があれば、身近な高台、高所へと避難を誘導する必要があります。  また、車両での移動は大渋滞を引き起こし、万が一大きな津波が来た場合には渋滞のまま被災をする、これは大変な場合なんですが、そういうことだってあるかもしれない。  こういうところは県のロードマップから読み取れないと私は思っているわけで、早急な対策をぜひやるべきだと思います。したがって、情報提供の一環として、津波からの避難には徒歩避難を再度呼びかける必要があると考えますが、所見をお願いしたいと思います。 83 武隈危機管理局長 県の地域防災計画では、津波からの避難につきまして、徒歩で避難することや、自らの判断で迅速にできるだけ高い場所に避難することを基本としております。沿岸市町が作成する津波ハザードマップにおきましても、津波の浸水想定区域や津波到達時間に加えまして、避難する場合には同様の考え方が基本ルールとして記載されており、市町村では住民の皆様に周知を図っていただいております。  今回の地震では、地震発生2分後には津波警報が発表され、さらにその1分後、地震から3分後には津波の第一波が到達しており、本県では短時間で津波が到達することや、それに対して迅速な避難行動が必要であることを実感いたしました。  また県では、先ほど知事からもお答えしたとおり、できるだけ地震の記憶が鮮明なうちに、避難時の意識ですとか移動手段などについての県民アンケートを実施したいと考えております。また、携帯電話の位置情報に基づく人流データを活用し、津波警報の直後の住民の避難行動を分析、検証することとしております。  県としては、津波の特徴やこうした検証結果を踏まえまして、津波が発生した際に県民の皆さんが適切な避難行動を取れるよう、市町村と連携しながら、徒歩避難など避難のルールの周知啓発の強化や、奥能登地域で被害の最小化につながったとされます地域での津波避難訓練、こういった実施も早急に呼びかけてまいりたいと考えております。 84 岡崎委員 せっかくですので提示資料の説明をしておきますが、16時23分の0.5メートルの津波、それから16時35分の0.8メートル、これは気象庁が公表したものです。気象庁のお話によると、まず16時11分ぐらいに実は、潮位が下がりはじめており、13分には、明確な引き潮が起こっていまして、津波の兆候が確認をされたと伝わっています。  気象庁から話はされませんけれども、私のスケールで換算した、大体の値ですが、17時30分に0.7メートルの津波が来ているということで、繰り返し何度も津波は来ているということがお分かりになるかと思います。  そこで、海岸部に位置する企業は、協定のいかんに関わらず積極的に避難者を受け入れて高台に誘導をされたとお聞きをしております。一方で、多くの避難所において、施錠されているため避難場所に入れず右往左往した事例がありました。こうしたことを教訓に、避難所の鍵開けに関しては、各自治体が様々な手法を展開しながら、どのような仕組みが最適なのか試行錯誤しているようでございますが、統一見解を持ったほうがいいと私は思います。  そこで、避難所について自動施錠が盛んに進められておりますけれども、特に海岸部は津波避難において一刻を争う事態であり、万が一開錠できない場合に備えて、誰もが破砕可能なガラスを設置することも有効な手法ではないかと私は考えております。局長に見解を求めます。 85 武隈危機管理局長 今回の地震では、避難所の開設に時間を要する傾向にあり、一部の避難所では、住民が緊急避難として窓ガラスや入り口扉のガラスを破壊して鍵を開けるという事態も発生いたしました。  その要因としまして、市町村との振り返り会議では、「津波警報の発表により近隣住民が安全な施設を目指して短時間で避難したため、鍵を持っていた職員より先に到着してしまった」、また「鍵を持った職員が渋滞に巻き込まれて到着が遅れた」などの報告がございました。この対策として、5つの市町において避難所に遠隔操作で開錠する自動施錠システムを導入するという検討がされていると聞いております。  また、県では新年度、津波警報直後の住民の避難行動を検証することとしておりまして、検証結果を市町村と共有し、避難場所や避難経路の見直しなどに生かしていきたいと考えております。  さらに、外部有識者を入れた検証会議やワンチーム会議のワーキンググループにおきまして、今回の災害対応を検証することとしておりますが、この検証作業を進める中で、避難所の開錠方法を議題といたしまして、例えば、自主防災組織や近所の方に鍵を渡しておくことでスムーズな避難所の開錠に結びついたという事例もございますので、こうした情報を共有するとともに、委員からも御提案頂きました破砕可能なガラスの活用、こういったものを含めまして、迅速で確実な避難所の開錠、鍵開けが実現するよう、ハード、ソフト両面で様々な対応を市町村と共に検討していきたいと考えております。 86 岡崎委員 ありがとうございました。  鍵問題は、この津波に限らず、本当に何回も繰り返されているんですよ。私、富山市議会の時代にも同じようなことを経験していまして、浸水したときに、ある小学校に入れずにガラスを割ったということがあって、その後も鍵の対応をしていると思うんですけれども、また起こっているんですよね。したがって、自動施錠も私は悪いと言いません。ただ、確実に入れる、避難ができる、そのことを第一に据えてまた議論していただきたいと思います。  続いて、中長期的な課題で、これは知事にお伺いしたいと思うんですが、津波を正しく認識するシミュレーションについて2問お尋ねしたいと思います。  東北大学の今村教授はシミュレーションで、津波の発生が富山湾の地滑りによるものという仮説を発表されたところであります。先ほど説明しました1分、2分の話です。ただし、この中で気象庁が解析した津波シミュレーション、一番高い0.8メートルはぴったり合いました。それぐらい精度も高く、起こる活断層が限定できれば、シミュレーションは非常にきれいに出て有効な情報になり得ると私は思いました。  県民に津波のイメージを見せることが的確な避難行動を生み出す判断材料になると思います。また、今回のような複数の活断層の連動も例外なくシミュレーションすべきであると考えています。  そこで、津波や地震の複合災害において、活断層の連動などによる津波シミュレーションを積極的に行って、県民に示す必要があると思いますが、新田知事に御所見をお願いします。 87 新田知事 東日本大震災を契機に、ちょうど13年ですが、平成23年度に呉羽山断層帯を震源とする津波を想定したシミュレーション調査を実施しました。その後、津波防災地域づくりに関する法律に基づいて日本海における新たな断層モデルが公表されましたことから、平成28年度に改めて津波シミュレーション調査を実施しました。5年後ですね。この調査では、糸魚川沖、富山湾西側、呉羽山断層の3断層を対象断層としまして、本県沿岸域で想定される最大クラスの津波による浸水想定面積、市町ごとの最高津波到達水位や到達時間などと、それによる人的被害、建物被害について予測を行いました。また、文部科学省からの委託を受けて東京大学が調査した日本海地震津波調査プロジェクトで対象とされた6つの断層についても参考として調査対象に加え、合わせて9断層についての調査結果を公表しました。  このたびの地震に関して、政府の地震調査研究推進本部では、今回の震源と推定される活断層の存在は知られてはいたが、詳細な調査が行われていなかったこと、また、複数の活断層の関連や委員が御指摘された海底地滑りが発生した可能性が高いという報告などもあったと聞いています。  今後、調査の推移を注視しつつ、委員から御提案のあった複数の活断層の連動を想定した調査を含め、県としてどのような津波シミュレーション調査が可能かについて、専門家を交えて意見を聞きながら、今後検討してまいります。 88 岡崎委員 知事、ぜひ例外なくいろいろな調査を進めていってほしいなと、石井県政とは違う新田県政をぜひ見せていただきたいと思います。  次に、既存活断層の監視についてもう1問、知事にお願いしたいと思います。  大変地震の被害も大きかったということで、専門家の中には既存断層への影響調査への必要性を指摘する声も上がり始めているわけでございます。本県においても、今ほど知事がお答えになった呉羽山断層はじめ、既存断層が存在しているわけでございますが、これが今の地震によって大きな影響を受けていないか、こういうことを確認していく必要があるのではないかと思っています。  既存断層に対する影響を継続的に調査してデータ照合を行い、分析するなど監視体制を強化していく必要があると私は考えています。能登半島地震の影響に鑑み、呉羽山断層帯など既存活断層を監視していく必要について、新田知事に所見をお伺いします。 89 新田知事 今回の地震では、本県で観測史上最大の震度5強を観測しましたが、かつ記録に残るところで初めて津波警報が発表されたと。地震発生から25分後の16時35分に最大で約80センチメートルの津波が観測されました。本県における地震、津波による影響について改めて検証する必要性を認識しております。  県では、昨年5月に発生した能登地方での地震活動を受けて、この地震活動が近接する活断層と連動し、より大きな地震につながることなどを懸念しまして、昨年6月に行った県への重要要望において、この群発地震が本県に与える影響を早急に調査してほしいと求めていました。
     さらに1月1日に発生した地震を受けて、1月20日には松原防災担当大臣に今回の地震をはじめとする群発地震が本県に与える影響の早期調査を改めて要望いたしました。  先月19日に開催された政府の地震調査研究推進本部では、今回の地震に関して、能登半島沖を含む日本海側の海域活断層の位置あるいは形状や発生する地震の規模などの評価を早急に取りまとめて、令和6年度中に公表する方針が示されました。来年度中ということですね。しかし、海域の活断層は直接観測が難しく、調査結果の整理、分析の段階から多くの検討が必要とされているということです。  県としましては、能登半島沖での活発な地震活動が本県の活断層などに与える影響を早急に分析するよう、引き続き国に要望してまいります。  あわせて、国任せにするのではなく、県としてもどのような調査が可能かについて専門家の意見を聞きながら対処をしてまいりたいと考えます。 90 岡崎委員 知事、ありがとうございました。  今まであんまりそんなことをやってなかったのではないかと私は思いますので、ぜひこれをきっかけにして既存断層についてもしっかりと検証していく、監視していく、このことをぜひやっていただきたいと思います。  最後に、配置薬事業への被害支援についてお聞きしたいと思います。  配置薬事業者のお話では、珠洲市や輪島市に多くの顧客を抱えており、能登半島地震で配置薬全てが被害を受けるという状態だそうですが、しかし確認もできない、こんなことをお聞きしています。被害額は300万円近くに上るとお聞きをしているわけですが、今のなりわい支援では、なかなか商品そのものの被災を補償するようなことはできないというお話でございます。東日本大震災における支援の前例もあったわけでございますから、県においても調査を進めて支援につなげてほしいと思います。  そこで、薬都とやまを根づかせた配置薬事業に対し、地震による影響など実態調査を進め支援すべきと考えますが、有賀厚生部長に所見をお聞きしたいと思います。 91 有賀厚生部長 能登半島地震発生後、富山県薬業連合会では、富山県氷見市や石川県輪島市、珠洲市など、被災地域を回商している配置販売業者64業者に対して、顧客宅に配置してあった医薬品等の流出や毀損などの被害状況について、郵送による実態調査を実施されました。  2月28日時点で64業者中20業者から回答いただいたということですけれども、「配置員が直接出向いて確認することができない」、「電話をしてもつながらない」といったことなどから、約1万件の回り先のうち、確認済みは約130件にとどまっており、被害の全容を把握できないという状況にあると伺っております。  そのような中、県としても個別に配置販売業者の方々に被災地の状況について直接お聞きしたところ、「顧客の家屋が倒壊したり、津波で流されたりして、配置してあった医薬品がほとんど消失してしまっていると思う」といったことや「被災した顧客への代金の請求は難しい」、「電話で連絡が取れたものの避難所等での生活をしておられるため、新たな再配置も私には難しい」といったようなお話を伺っております。  県としては、引き続き薬業連合会と連携協力して、まずは詳細な被害状況について確認を進めてまいります。 92 岡崎委員 どうもありがとうございました。  厚生部自身も頑張ってもなかなかその状況をつかめないとは思うんですが、ぜひ調査を継続して、薬業連合会の皆さんと共に何か支援できないか検討いただきたいなと思っています。  続いて、問2に行きたいと思います。  価格転嫁と賃金引上げ、子育て、交通など県民生活向上についてお伺いをいたしたいと思います。  中小企業については、企業側や労働側の意見を吸い上げて的確に対処して生産性向上につなげ、賃金引上げにつなげていく、これは至上命題だと思っています。  春闘が開始されておりますけれども、価格転嫁が全然中小企業に届かない、こういう声をお聞きしているわけでございます。経営が厳しいから従業員に対して我慢してくれと、こういう話もあって本当に厳しいんだなということがひしひし伝わってくるわけでございますが、一番の問題は、県内企業における春闘要求額についても、昨年は中小と大企業、あんまり変わらなかったそうなんですが、今年はやはりこの価格転嫁の厳しさもあってか、中小企業を中心に賃上げ率、要求額が低くなっているという傾向が出ているようでございます。  やはり肝腎要なのは、知事が進めておられるパートナーシップ構築宣言が、大企業と中小企業とでどの程度本当に信頼関係を持って効果を上げているのか、それが大事なところだと思っています。価格転嫁を推進するため、県ではパートナーシップ構築宣言を推進されているわけですが、成果の上がるような点検をしていく必要があると考えます。知事に御所見をお願いしたいと思います。 93 新田知事 適切な価格転嫁を推進するために、県内の経済団体と連携してパートナーシップ構築宣言の普及啓発に取り組んできました。各団体からも積極的に傘下の会員の企業にも促していただいた結果、この1年で約4倍以上に登録が増えました。大企業を含めて適切な価格転嫁の機運の醸成には大いに寄与したと考えておりますが、国の調査では、価格交渉の実施状況などは、改善は見られるものの、価格転嫁の率を見ますと、特に労務費において進んでいないという状況にあるということが見て取れます。  また、県では今年度、各経済団体が実施するセミナー、研修会、相談窓口の対応などを支援してきましたが、中小・小規模事業者における原価計算に関するノウハウが不足しているということも分かり、これが価格交渉力に説得力を持たせる上での課題となっています。  このため新年度予算では、パートナーシップ構築宣言に登録済みの県内企業に対しましてアンケート調査を実施し、下請取引に関する価格転嫁の実態の把握を改めて行いたいと思っています。専門家と現場を訪問して、発注側企業との価格交渉に向けた助言を実施する経費も盛り込んでいます。また、価格転嫁に関する優良な取組事例などを紹介するシンポジウムの開催も予定して予算を立てております。  また、大企業を中心とした発注側の企業には、直接の下請のみならずサプライチェーン全体での共存共栄についての理解を深めていただくということが大切だと。下請企業が付加価値を確保し、下請企業も賃上げを実施できるように、国や経済団体、また労働団体とも連携し取り組んでいきたいと考えます。 94 岡崎委員 ありがとうございました。  やはり大企業は非常に利益も好調に上がっておりますが、中小企業の皆さんは、ぜひ知事に伝えてほしいんだと言われるわけです。これは知事の責任ではないと私は思いますけれども、やはり今、材料費等をしっかりと価格に転嫁して体力を上げないと、高い経済循環は望めないと私は思います。これこそまさにトリクルダウンが起きない原因じゃないですか、本当に。私は、ここを何としても進めていくことが今求められていると思っています。知事に期待をしたいと思っています。  続いてもう一つ、中谷商工労働部長にお聞きしますが、物流の2024年問題です。  国は、中長期で、荷待ちですとか、あるいは荷役時間を減らし、30年度までの運転手一人当たり125時間の労働時間短縮とトラック運転手の待遇改善に向けて、24年度に10%前後の賃上げを目指すとしておられます。国土交通省は、標準輸送費の指標となる標準的運賃を平均8%引き上げる告示を23年度内、今年度中に出す方針で、荷役料金を適正に受け取れる環境整備と合わせて10%前後の賃上げにつなげるということを言っておられます。  しかし、この課題の重要なテーマは、やはり価格転嫁だと思います。物流、運送業界も2024年問題について、荷主の理解を求め、価格転嫁されるよう合意形成を図る必要があると考えますが、どのようにこれを支援していくのか、中谷商工労働部長に所見をお願いしたいと思います。 95 中谷商工労働部長 昨年9月の国の価格交渉促進月間におけるフォローアップ調査の結果によりますと、コスト増に対する価格転嫁率については、全業種平均が45.7%となっているのに対して、トラック運送業は24.2%と全27業種の最下位となっています。  4月からのトラック運転手の時間外労働の厳格化等々も相まって、持続可能な物流の確保には、荷主事業者、それから一般消費者も協力をして、要はその順番に転嫁されていくということについて皆さんが理解をしていただいて、協力をして、物流事業者が適正な運賃を収受できる環境が必要だと考えています。  今、委員からお話がありましたとおり、国においては、トラック物流事業者が荷主事業者との交渉に臨む際の参考指標とするために標準的運賃を告示しております。昨年7月にはトラックGメンを新設して、この標準的運賃の活用状況について監視するということ等で制度の実効性の確保を図っているところであります。  本県では毎年度、運輸事業振興助成交付金を富山県トラック協会に交付して、標準的運賃制度のPRを行う広報紙の発行、ホームページの作成等を支援しております。6月補正予算では、物流効率化支援事業を予算化させていただいて、この協会が標準的運賃を考慮した適正な取引等について荷主事業者に協力を求める意見広告を掲載する取組を支援しております。去る2月28日に議決をいただきました2月補正予算におきましても、物流効率化支援事業の増額を盛り込ませていただいております。その翌日、2月29日から第3次の募集を開始しております。  今後、この事業によりまして、業界団体が行う荷主事業者に向けた広報等を支援することによって標準的運賃が改定をされれば、県においても国と協力をして周知を図りまして、荷主事業者とトラック物流事業者との間で価格転嫁に関する交渉が円滑に進むように、関係機関とも協力をして取り組んでまいりたいと考えております。 96 岡崎委員 ありがとうございました。  なかなか簡単ではないと私は思うんですが、まずやはりAmazonなどで買ういろいろな商品は価格転嫁されるものだと認識をしていくことも大事だなと思います。そうなっていかないとなかなか価格転嫁も進まないのかなと思うわけでございます。  また、県もそういう制度をしっかり守っていかなくてはいけないということで、広告について支援をされるということでございますけれども、しっかり、ぜひまた、県としての意見も入れていただきたいなと思います。  次ですが、子育て支援について知事にお聞きしたいと思います。  報道機関は、新年度予算について積極的にまちかどインタビューを実施されておりまして、これは本当に生の声が伝わっていいなと思っています。知事も日頃、現場主義を掲げられて、現場が大事、県民の声が大事ということでやっておられるのは、私はよく理解をしているわけでございます。  今、多子世帯、3人目の子供に対する支援を重点的にやっているわけですけれども、県民の皆さんからは、ちょっとぴんとこないなというのが正直な感想のようです。まちかどインタビューに応じた人たちは、1人とか2人とかのお子さんを連れておられましたけれども、もう1人ですかみたいな感じも受けましたし、お子さんが1人の方は、まだ2人目も生まれていないのに3人目のことはちょっとまだぴんとこないと、このような感じだったと思います。  ホームページで「くらしたい国、富山」というのがあって、ここに県や国も含めてですが、各自治体の支援メニューが全部まとめて出ているんです。昨日見たらなぜかまとまっているページがノットファウンドになって出てこなかったんですけれども、それはそうと、非常にいいサービスだなと思っていましたが、そういうところでもやはり多子世帯に対する支援に向かっているのかなと思います。  子育て支援については第3子をターゲットにしているものがあるのですが、長期的な視点に立てば、出生率が2.0に届かない現状の中では、3人未満の支援を手厚くすることも、現実的な手法ではないかと思いますが、知事に見解を求めたいと思います。 97 新田知事 私たちは、子供の数に関わりなく、全ての子育て家庭を支援することが重要だと考えています。  県の子育て応援券事業ですが、これまでは第1子、1万円、第2子、2万円、第3子、3万円とだんだん増えていっていたんですが、このたび、第1子、第2子も第3子と同じ支援額3万円で一律に、1歳半のときに地域通貨を付与する子育て支援ポイント制度を創設することとしました。新年度予算においてこの経費を計上しています。  一方で、第3子以上のお子さんがおられる多子世帯では、子育て費用がかさむことは事実だと思います。そうした家庭の子育てが円滑に進むように支援することも必要であると考えておりまして、言わばバランスが大切なのではないかと思います。  お子さんを授かりたいけれども授かれない、そんなカップルに対してゼロから1になるように、そのためにプレ妊活検診とか、あるいは不妊治療の助成などもやはり大切だと思いますし、一方で、お1人いらっしゃるカップルには2人、さらに2人には3人といって増やしていく、お子さんが欲しくてもゼロのカップルもおられるので、産めるといったら語弊がありますが、たくさん持てるカップルは大いに持っていただきたい、そのようなことも進めていけばと思います。平均として、それで出生率というものが出るわけだと思います。  また、昨年10月には県内の子育て世帯を対象とした子育て支援サービスに関する調査を実施しました。きめ細かく子育て家庭のニーズの把握に取り組んでいます。私もこども食堂を視察した際に、子育て家族といろいろと話をしたり、また、町を歩いていてもよく呼び止められたりしますが、そんなときにもお子さん連れのファミリーの声なども聞くようにしています。  新年度においては、子育て支援・少子化対策の新たな基本計画の策定作業を行うことにしています。そうした現場の声、多くの県民の御意見を反映した計画にするとともに、今委員のおっしゃったようなまちかどでのそんな声もぜひまた聞かせていただければと思います。様々な子育て支援施策に取り組んでいきたいと考えます。 98 岡崎委員 ありがとうございました。  第1子、第2子も同額ということで、非常に前進をしていると受け止めているわけですが、なかなか少子化というのはそんな簡単にはいかない。支援したからといって、それでよくなるかということもあるのですけれども、本当にこの子育て、こどもまんなか施策は、県の最重要課題ではないかと思っています。また引き続き議論させていただきたいなと思っています。  次に公共交通について田中局長に2問続けてしたいと思います。  1問目は、公共交通の整備というのは、県民には常に関心の高い項目になっています。  域内交通を整備することは、公共交通のネットワークでいう幹となっている、今非常に課題になっていますあいの風とやま鉄道、そしてJR線などへの利用促進につながるということになると思います。  この域内交通なんですが、ざっくり言うと、公共交通利用は、通勤通学時間帯で大量輸送が必要な時間帯、そして日中のお買物をされたり通院される高齢者の方、そういう多目的型、目的がばらばらで少数の移動と、こう大別されると私は思います。とりわけ富山の郊外なんかはそうではないかと思うんです。したがって、通勤通学時間帯はバスがどうしても必要だと思います。しかし、一方で日中は、AI活用によるオンデマンド乗り合い交通が、これは非常にぴったりくるのではないかなと私は考えています。  そこで、公共交通の整備について、県内の優れた域内交通を検証し、郊外の多い本県においてモデルとして県民に示すとともに、サービスの立ち上げ等を支援していくべきと考えますが、局長に所見をお伺いしたいと思います。 99 田中交通政策局長 今、域内交通の御質問がありましたけど、県ではこれまでも、地域内の移動を支えるサービスに対しましていろいろと支援を行ってきております。  高齢者等のスムーズな移動に貢献した点などから総務大臣賞を受賞しましたノッカルあさひまちの取組、かなり有名なんですけど、これがモデル事例として総務省のホームページで全国に紹介されているといった点もございます。モデルの例を県民の皆さんにお示ししてはという話なので、こういう全国区の取組もあるということも情報の周知を図っていきたいと思っています。  また、戦略会議を一昨年6月に立ち上げまして、地域モビリティーサービスの部会を設けていまして、いろいろこう議論をずっと重ねる中で報道機関にも全てオープンで議論をやってまいりましたので、その中で紹介された域内交通の事例が、委員も御存じだと思いますけど、新聞やテレビを通じまして、かなり具体的に分かりやすく報道されたケースも多くございます。こうした点からも、報道機関に対する情報発信についても引き続き行っていきたいと思っています。  新年度予算案では、域内交通のお話がありましたけど、市町村や地域住民、交通事業者等の関係者による協議を通じまして、地域が新たに取り組む移動サービスの立ち上げを支援する事業を盛り込んでおります。この事業では、立ち上げ時の支援ももちろんですけれども、国の支援制度の活用などを見据えた持続可能なサービスとなりますよう、関係者による協議には県も加わることとしております。  今後も域内交通の確保が図られるよう努めてまいります。 100 岡崎委員 ありがとうございました。  県民、住民は足が欲しいんですよ。欲しいけれども、どうしたらいいか分からない。いろいろ報道とか、あるいはホームページとかとお答えいただいたんですけれども、やはり具体的にこんなのがあるんだよということを、特に富山県っていうのは郊外ですよね。郊外の公共交通が非常にまだまだのところが私はあると思うんです。近くにスーパーがあっても、近くといってもこれは2キロ、3キロなんですよ。これをお年寄りが買物兼乳母車みたいなものを押しながら、雨が降る中でも移動しておられる光景を見ることがあるんです。こういうことをなくすというのは本当にウェルビーイングになると思いますし、何かあっちから買物の材料を運んでくれるということではなくて、自分で行きたいところに行けるということがやはり健康寿命を確実に延ばすと私は思っています。そういう意味で、ぜひ本当に力を入れて、県が率先して取り組んでいただきたいと思っています。  もう1問は、よく似た話ですが、県立中央病院のロビーが耐震化を兼ねて改装されたようでありますけれども、そこにとやまロケーションシステムと連動したデジタルサイネージもきれいに配置されまして、すごくモデル的なケースになったなと思っています。本当に中央病院には感謝をしたいと思います。そこで非常に和やかにお待ちになっている県民の皆さんを私は見ることができました。やはり体を病んで来ておられるわけですから、そうやって寒いところで待ったり、暑いところで待ったりしなくてもいいようにする、そういう心配りが必要だと思います。  一方、病院というのは何も県立中央病院だけではなくて、自治体病院でない場合もあります。医薬大なんかもあります。医薬大も県に対して問合せをしたけれども、支援メニューになっていないということで断念せざるを得なかったということですが、病院は同様に公共交通結節点になっているわけですから、ぜひこんなところにも支援の手が届くようにお願いしたいと思います。局長に見解をお伺いします。 101 田中交通政策局長 とやまロケーションシステムの運行情報を案内するデジタルサイネージのお話を御紹介いただいたと思いますが、この施設への設置については、外で待つことなく、快適かつ安心してバス等が利用できる、また、通院できるなど、利便性、快適性の向上につながる有効な取組であると考えております。このため、先般取りまとめました県の地域交通戦略では、最寄りのバスや鉄道等の運行情報を案内するデジタルサイネージを設置するなど、地域交通サービスを中心としたまちづくりに向けた地域の取組を推進すると施策に位置づけました。  県ではこれまでも、御紹介ありました県立中央病院はじめ、県内の複数の自治体病院におけるデジタルサイネージの設置を支援してまいりました。  新年度予算案では、先ほど申し上げた戦略に位置づけた施策を実施するため、交通デジタル投資促進事業を創設しまして、自治体病院以外の医療機関に対してもデジタルサイネージの設置について支援を行うことといたしました。  県としましては、交通結節点は複数の路線が乗り入れ、多くの方が利用されることから、関係機関と連携を図りながら引き続き取り組んでまいります。 102 岡崎委員 局長、ありがとうございました。すごく皆さんに喜ばれると思います。ぜひまたそういう支援メニューがあるということを通達してあげてほしいなと思います。  最後に、南里経営管理部長にお聞きしたいと思います。  今、県庁活性化の取組を進めておられまして、社訓のようなものを掲げられるとお聞きしております。これは、職員の皆さんから公募してつくられたものですから、新田さんの訓示ではなくて、職員が掲げられるということです。  民間の皆さんにも少し意見を聞いてみました。県でこんなことをやるよということで話したら、目標はいいと、その社訓はいいんだけども、やはりそれを見ながら県民に対して何ができるかということを、別に評価をもらうとかそういうことじゃなくて、各職員の皆さんが小さいことでもいいからぜひ取り組んでいったらよくなるんじゃないかなということを言っておられました。  しかし、どれだけそういうものを掲げてみても、県庁の実態というのは大変だと思うんです。通常業務でも相当行政改革をやったりしてすごく効率化を図られていると思うんですが、一方で、災害が起こったり、突発的な事象もかなり起こっていて、そのたびに疲弊するということもあると思っています。県政運営には職員が心身ともに健康であり、生活にもウェルビーイングを感じることがもちろん重要であります。  しかし、一方では、人を増やしたくても採用が困難だと、こんなことも南里経営管理部長も度々言っておられまして、大変だなとは思っているんですが、ぜひ民間に負けない初任給などの処遇改善もやらないと人が来ないのではないかと思います。あんまり崇高なことばかり掲げてやっていても進まない。  そこで、新田一郎さん、八朗さんではなくて一郎さんです。元経営管理部長でありまして、現在、総務省財政課長の任についておられます。私はたまたま講演をお聞きしたことがあるんですが、今期の地方交付税交付金については、人件費は根拠を持ってしっかりと積み上げて算定をしたと言っておられました。民間の賃金引上げを官でも実現していく必要があるときっぱりと言っておられました。県も人件費の削減ばっかりではなくて処遇改善を実施することも私は必要だと思っています。  それで、県庁活性化の取組について、職員の多忙化や人手不足の中、職員の労働環境改善など困難な課題に取り組むことになると思いますが、所見を南里経営管理部長にお聞きしたいと思います。 103 南里経営管理部長 社会情勢の変化、それから災害の激甚化、頻発化、こういったことにも対応しながら、職員が心身ともに健康でやりがいを持って働ける職場環境づくりを推進することは大変重要だと考えております。  このため、業務の見直しやDXによる働き方改革などの県庁活性化に取り組むとともに、今般、人材育成・確保基本方針を策定し、職員が主体的にキャリア開発に取り組み、成長できる仕組みを導入し、職員のチャレンジと成長を応援していくこととしております。  また、職員の職場環境の改善に向けてですけれども、テレワーク、時差出勤などの多様で柔軟な働き方の推進、男性育休の取得促進など、仕事と家庭生活の両立支援、職員の心身の健康保持推進のための総合的対策の実施、新しい働き方にふさわしいモデルオフィスの整備や職員のコミュニケーションを活性化するための共創スペース「コクリ」の活用などを進めております。  さらに、持続可能な行政サービスの提供体制の構築、県民、そして職員自らのウェルビーイングの向上のためには、優秀な人材確保が重要だと考えております。選ばれる組織を目指して、SNSなどを活用した県庁職場の魅力発信、多様な人材の採用に向けた試験制度などの工夫や外部人材の活用に取り組むとともに、昨年秋の人事委員会勧告に基づきまして、初任給を含む若年層の給与を改善したところでございます。  こうした取組に加えて、職員が中心となって策定した職員行動指針により、職員の意識改革も一体的に推進することで、風通しがよく、やりがいを持って働ける職場づくりと職員のウェルビーイング向上に努めまして、「職員一人一人が自ら考えて、始動する富山県」を目指し取り組んでまいります。 104 岡崎委員 何か分かったような分からんような感じだったんですが、勧告の中ではそうしたと。  肝腎要なのは、やはり意識高揚とかそういうことだけではなくて、しっかりと環境を整えると、これが双方かみ合わないと、せっかくのいい人材がまた離れてしまう。最近何かそういう傾向があるようにちょっと私も聞いていたりするので、少し心配ですが。 105 川島副委員長 岡崎委員、制限時間が過ぎましたので、質問を終わらせてください。 106 岡崎委員 これで終わります。そういうことでよろしくお願いします。 107 川島副委員長 岡崎委員の質疑は以上で終了いたしました。        嶋川武秀委員の質疑及び答弁 108 川島副委員長 嶋川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 109 嶋川委員 自由民主党富山県議会議員会の嶋川武秀です。  とにかく人を、地域を、そして町を笑顔にしたい、そう政治信条を掲げる私にとって、元日の能登半島地震は大変多くの笑顔を失うという実に悲しい災害となってしまいました。犠牲となられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。  ここにおられる方、皆様全てあまねく被災者であります。そんな中、使命感を持って復旧・復興に全力で取り組んでおられる県庁職員、関係各所の皆様に、改めて一県民としても心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。私も少しでも笑顔を取り戻せるように全力で取り組んでまいりたいと思っております。  それでは、決意を新たにいたしまして、早速質問に入らせていただきます。  まずは問1、県民の安全・安心の確保についてお伺いいたします。  今議会に上程されました予算案では、能登半島地震からの復旧・復興、8つの柱から成る重点施策、そしてその1つ目の柱に少子化対策、女性活躍の推進、こどもまんなか社会の実現を掲げておられます。  こどもまんなか社会を実現するためには、そもそも子供がいなくては話になりません。重要なのは、子供を安心して産むことができるという環境づくり。課題は、持続可能な周産期医療体制の確保であろうと思っております。具体的には、医療資源の集約化、重点化、また産科医の確保など、安全を確保しつつこれらにどのように取り組むのか、県としての姿勢を明確に示すべきであり、そうして初めて県民の安心が確保されると考えております。  これらを踏まえ、今月末に策定されます第8次医療計画にどのような方針を盛り込むおつもりなのか、まず新田知事にお伺いいたします。 110 新田知事 今年度、周産期保健医療協議会などにおきまして、第8次医療計画策定に向けた議論を進めているところです。協議会では、本県はコンパクトな県であるので、圏域ごとに周産期母子医療センターを中心として、ほかの分娩対応病院、診療所との間で分娩のリスクに応じた機能分担がうまく機能しており、この体制を維持していくことが大切だと。また、医師の働き方改革に沿った勤務環境づくりを進めて、若い産婦人科医師の確保に努めることも重要、そして産前産後ケアをさらに充実することが必要、これらの意見が出ました。  人口減少が進行する中で、今後、地域ごとに医療機関の機能の分担と重点化──集約化と言ったことはあまりないんですけれど、分担と重点化を一層進め、安全で質の高い周産期医療を効果的に提供する体制を充実させて、県民の安心を確保するとともに、医師の働き方改革にも対応しながら、引き続き産婦人科医の確保と育成に取り組んでいくこととしています。
     こうした方向性を盛り込んだ第8次医療計画案ですが、先月パブリックコメントを行うとともに、市町村などへの意見聴取も行っています。これらを踏まえた計画案を今月下旬に開催予定の県医療審議会に諮問し、御議論いただくことにしています。  今後も関係者の方々の意見をよくお聞きして、安全で安心な周産期医療体制、これが、おっしゃるようにこどもまんなかの必要条件です。これの確保に努めていきたいと考えます。 111 嶋川委員 ありがとうございます。  知事が今おっしゃった、富山県はコンパクトな医療圏であるということ。いろいろな、例えば、以前有賀厚生部長にもお話を伺いましたが、青森県であれば、なかなか大変な医療圏になっていると。それは地域ごとの差はあると思います。ただ、富山県に生まれ育って住んでおられる方というのは、この医療圏の中で安心を確保して安全という環境下で育ってこられた。富山県の皆さんにとっては今ある状況が安心につながっていると私は考えております。  そこで、昨年の高岡市民病院からの産科医の引揚げということは、やはり地元にとっては大変深刻な話題となってしまいました。やはり喫緊の課題は、医師の確保ではなかろうかと。  国では、医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会というものが設置されており、令和11年頃に医師の需要と供給のバランスが均衡すると推定されておりまして、医学部の臨時定員枠を減らすという方向で今検討が進められております。ちなみに、富山大学の医学部の現在の臨時定員枠は10名ということが今回、分かりました。この10名というのがまた減らされるということであれば、さらに本県の医師不足は一層深刻化することが見込まれるであろうと。  そこで、この本県の実情や医師の働き方改革なども踏まえまして、定員の維持を国へ働きかけるなどの対応が必要なのではないか。今後の見通しと対応について、有賀厚生部長にお伺いします。 112 有賀厚生部長 国では、令和7年度の医学部臨時定員については暫定的に維持するとしておりますけれども、中長期的な医療ニーズや医師の働き方改革を織り込んだ医師の需給推計などを踏まえると、令和5年の医学部入学者が医師になると想定される令和11年頃に需給が均衡し、人口減少に伴い、将来的には医師需要が減少局面に入るため、令和8年度の臨時定員については見直す方向ということで、国のほうでの検討ということでございます。  県では昨年、国に対しまして、医学部臨時定員の取扱いについては、各地域一律に減じるということではなくて、地域の実情を踏まえ慎重に検討するように要望したところであり、引き続き、臨時定員の見直しの検討に当たっては、この4月から始まる医師の働き方改革の影響など地域の実態を十分考慮するように要望してまいります。 113 嶋川委員 ありがとうございます。  先ほど知事もおっしゃいましたけれども、やはり重点化をしていく上でばっさり、ぎゅっと行くのではなくて、いかに地域事情に合わせてソフトにソフトに重点化を図っていくのかということを、国に要望していただいていることは大変ありがたいなと思っております。  このほど、医師の確保に向けまして、富山県地域医療再生修学資金というものが拡充されるということで、特に県外出身者も対象になることは大変にありがたいことであります。  しかし、近県の状況を見ますと、喜んでばかりはいられないのではないか。富山県では後期コース医学生、5年生と6年生だけで見ますと、拡充されたとはいえ年間120万円の貸与ということになっております。では、近県の石川県や福井県ではどうかと見ますと、それぞれ石川県は240万円、福井県では234万円の貸与となっております。利子など多少の条件の違いはありましても、金額だけを見れば富山県の約2倍であると。富山大学医学部では県外学生が6割程度を占めているということを聞いております。ということは、実家暮らしをしているよりも、富山県に来て生活するわけですからよりお金がかかります。貸与の金額が高ければ、バイトをせずに済みますし、その分勉強の時間も取れるであろうと。  医師の確保もさることながら、私は、医師の質の確保も重要ではないかと思っております。県外にも目を向けて戦略的に進めるべきで、金額が低い、あるいは、同じ取組ということであれば、本県で従事するというインセンティブはなかなか働かないのではないかと考えます。  今回の事業を拡充する狙いと見込まれる効果について、有賀厚生部長にお伺いしたいと思います。 114 有賀厚生部長 医師の確保について、地元出身医師の地域定着の割合が高いということで、県では特別枠などの県内出身医学生向けの修学資金制度を活用して医師の確保を図るとともに、富山大学においても独自の地元出身者枠を設定するなど、これまで主として県内出身の医学生を対象とした確保に取り組んできたところであります。  一方で、富山大学に入学される学生さんについては、今委員の御指摘があったとおり、多くが県外出身者でございまして、今後さらなる医師の確保を図るためには、こうした県外出身の医学生が県内に定着していただく必要があると考えております。  このため、今回、医学部入学後に貸与申請することができる地域医療再生修学資金については、新年度から貸与額も低かったものを増額するとともに、県外出身者も対象に加えることといたしました。今後、この修学資金のPRに努めまして、富山大学医学部に入学される、特に県外出身者の医学生にこの修学資金を活用していただきまして、一人でも多くの医師が県内に定着していただければと考えております。  引き続き、富山大学等と連携協力しながら、医師の確保に努めてまいります。 115 嶋川委員 富山大学の医学部の学生さんは定着率が高いというお話でしたので、とにかく県外から少しでも多くの優秀なお医者さんになってくださる学生さんが来ていただけるよう、引き続き御支援いただければと思います。ありがとうございます。  それでは、次の問いに移らせていただきます。  カーボンニュートラルの推進についてお伺いをさせていただきます。  政府は、2050年までに実質ゼロとするカーボンニュートラルの実現というものを掲げております。  次世代燃料として期待をするのは、燃料時に温室効果ガスを出さないという水素であります。この水素、少し失念しましたけれども先ほど次世代の再生可能エネルギーで有用なのは太陽光発電だという御答弁もありましたけれども、やはり未来を見据えて県政運営をしていく、あるいは富山県を引っ張っていくということを考えたら、喫緊という対応もさることながら、やはり10年、20年そして30年先を見据えて、エネルギーは特に考えていく必要があるのではなかろうかと私は考えます。  水素、なぜなかなか前に進んでいかないか。恐らく課題はコストの削減であろうというところにあります。やはり大規模で安定的に水素を調達するというサプライチェーンの構築が必要であろうと。  おととしの2月になります。ちょうど2年前、オーストラリアで生産されました水素を液化水素運搬船で海上輸送しまして、陸上で液化水素貯蔵タンクに充填するという政府のモデル事業が、神戸港で成功しております。この大規模な液化水素の海上輸送は世界でも初めての試みだった。2年前に成功しているというわけであります。  政府は現在、全国の港湾を管理する自治体に水素の需要を推計するように求めており、自治体の報告や立地条件などを考慮した上で複数の港を指定するという方向だそうです。  国際拠点港湾にも指定されております伏木富山港。世界市場を見据え、アジア、日本海においては、韓国の釜山港ではなくて伏木富山港を選んでもらおうと。これはDX、GXだけではなく、私今回初めて知ったんですがOX、オーシャントランスフォーメーションというのがあるそうでございまして、このオーシャントランスフォーメーションというものを推進して、今こそ世界の伏木富山港として名のりを上げるべきではなかろうかと考えます。  そこでお伺いをさせていただきます。  伏木富山港のカーボンニュートラルポートの形成に向け、新たに水素の受入れに必要な設備、体制の調査に取り組むということでありますけれども、水素の需要量や取扱量をどの程度見込み、どのような機能を果たしていこうとしているのか、市井土木部長にお伺いいたします。 116 市井土木部長 県が、カーボンニュートラルポートの形成に向け、民間事業者の方にも御参画いただき設置した伏木富山港港湾脱炭素化推進協議会では、港湾周辺企業のエネルギー転換や荷役機械の脱炭素化等の検討を進めており、港湾周辺の製造業等で現在使用されている化石燃料が今後、次世代エネルギーである水素等に段階的に転換されると想定し、将来の需要量を推計しております。  その結果、7年後の2030年度は、製造業等の使用燃料のうち約1割が、その20年後の2050年度では、国の目標などから全てが転換されると見込んで、それぞれ約1万トン、約7万トンと想定しております。  一方、県内の水素供給量は、現時点で製品製造の過程で発生する水素の約1,000トンにとどまっており、工場での燃料や水素ステーションへの供給に使用されております。  このため、水素等の将来需要を見据えると、今後、外部からの調達が必要となることから、委員御提案のとおり、大量かつ安定、安価な輸送を可能とする港湾における受入れ環境の整備が求められているところでございます。  委員御紹介のとおり、新年度予算案では、伏木富山港での水素等の受入れに必要な設備、体制の調査費を計上しております。具体的には、当面本県で見込まれる水素等の需要量を踏まえ、まずは海外から直接受け入れる拠点港からの二次輸送を念頭に、民間事業者等の意見を協議会の場などを通じて伺いながら、伏木富山港における受入れ体制や利用者への運搬方法等を検討してまいります。 117 嶋川委員 ありがとうございます。  まずは、港での受入れができるかどうかを考えると。そして、拠点から、国内で言うと、例えば神戸港からの二次輸送ということで受け入れられないかという検討をしておられるということでありました。  先ほども申しましたけれども、日本海側で大きな港というと、国際拠点港湾というのは2か所ある。アジアの日本海というところを見たときは、大きな港というのは韓国の釜山か日本海側でいうと伏木富山港か新潟になるのでありましょうか。であれば、やはりアジアの日本海というところを見たときには、世界で戦える港にしていくことが、これから富山県の未来を切り開く上では大切になってくるのではなかろうかと。  もちろん、まずは二次輸送の受入れができるかどうかというところが大切であろうかとも思いますけれども、大きくビジョンを描くという上では、やはり一番を目指していくということが最初は大事ではなかろうかと。  ここに関して、大きく描くアジア、あるいは世界市場と大きく見たときに、富山県はどういうビジョンを描いていくべきかというところを、新田知事に御所見をお伺いしたい。意気込みといいますか、その辺をお伺いしたいなと思っております。お願いいたします。 118 新田知事 2050年にカーボンニュートラルを目指すというのは、もう県民に対して、また世界に対しての約束であります。国としても着実にその手を打っておられて、そこに進んでいくものと理解しております。  そんな中で、富山県もしっかりとした富山県としての役割を果たしていく。47都道府県それぞれ置かれた状況は違います。打つ手も違うと思います。富山県は富山県として、昨年度末にカーボンニュートラル戦略を策定したところでございます。それに沿って進めてまいりたいと考えております。 119 嶋川委員 ありがとうございます。他県事例にも引けを取らずに進めていこうというお気持ちを受け止めさせていただきました。  受け入れる体制におきまして、その地域においても機運の醸成が必要であろうと私考えます。  以前御答弁いただいた中に、水素ステーション、今富山県には呉東に2か所あります。呉西には1か所もありませんという御答弁がありました。ですけれども、御答弁の中では、他県の事例を見ると平均的に設置されておりますというお話でありました。でも、平均的に設置をされている状況で、果たしてアジア、あるいは世界というシェアを見たときに、どうなのか。  今高岡でも脱炭素先行地域が選ばれました。一つ大きなチャンスを迎えている、転機も迎えてきているというところであれば、一歩でも二歩でも先に踏み込んで何でも挑戦していく必要があるのではなかろうか。今回のこの伏木富山港での調査をするというのも、10分の10が国の支援事業であります。だから大いに活用して、何としてでも、日本海側でも一番を目指すんだというような気概で進めていただきたいなと思っております。ありがとうございます。  今もお話をさせていただきましたけれども、港だけ受け入れてもうまくいかないというのは、やはりその地域、あるいは受け入れる体制が必要であろうと。カーボンニュートラルを推進する上で、港だけ整備されても意味がない。社会全体で取り組んでいく必要があります。  特に温室効果ガスの排出量が多い産業部門、先ほども御答弁がありましたが、富山県は製造業が多くございますから、もちろん排出量も多くなってくるであろうということであります。こうした産業部門において脱炭素化が進むことは大変重要でありますけれども、まだまだ中小・小規模事業者にとっては、ノウハウや資金の面でハードルが高いことから、きめ細かな伴走支援が必要であると考えますけれども、中谷商工労働部長に御所見をお伺いいたします。 120 中谷商工労働部長 先ほども答弁があったと思いますが、本県では産業部門における温室効果ガスの排出割合が県全体の約35%と高く、カーボンニュートラルの実現には、大企業の取組に加えまして、県内企業の9割を占める中小企業における、脱炭素経営の推進が重要であります。中小企業の意識には温度差がありまして、ノウハウや資金、人材不足の課題があると、今委員おっしゃられたとおりだと思っています。  このため県では、県内中小企業における脱炭素経営の導入を促進するために、セミナー、検討会を開催いたしますとともに、温室効果ガス排出量の削減に資する設備投資への制度融資における利子補給、それから最近スタートさせました、GX等を通じた生産性向上の取組を支援します中小企業トランスフォーメーション補助金により、支援をしております。こうした取組に加えまして、新年度予算案には、新たにモデルとなる企業の再エネ、省エネ設備の導入を支援する制度を盛り込んでおります。併せて、これらの取組の横展開を推進してまいりたいと考えています。  このほかにも、県内中小企業が抱える課題、悩みに対応するために、商工団体が行う専門指導員による経営相談の支援、地域密着型の省エネ支援団体の紹介、中小企業向け環境マネジメントシステム、エコアクション21の認証取得に向けた講習会の開催など、脱炭素経営の導入から導入後のフォローアップまで、きめ細かく伴走支援を行っていきたいと考えています。  今後とも県内中小企業におきまして、脱炭素化をコストではなく投資と捉えた事業経営が浸透して、新たな成長産業につながるよう、取り組んでまいります。 121 嶋川委員 ありがとうございます。  横展開の取組を進めていくということで、社会あるいは産業全体で機運を盛り上げていただけるよう、ぜひお願いしたいなと思います。脱炭素化を目指すのは、何とおっしゃいましたっけ、コストではなく投資であると、また一つ勉強させていただきました。どうか御支援いただきたいと思います。  さらにカーボンニュートラルの推進というのを進める場合は、社会全体もそうでありますけれども、何よりも個人レベルの理解や機運の醸成も必要だろうと思っております。  今回、ウェルビーイングの指標を活用して、課題解決の一つとしてデコ活の取組拡大というものが提案をされております。脱炭素とエコを組み合わせたデコ活、つまり環境配慮意識を高めることで行動を変容させ、結果として負担を感じずに脱炭素社会の実現を目指すものと私は理解しておりますが、施策設計図に落とし込まれているとおり、どのように県民自身のウェルビーイングの向上につながるのかを丁寧に伝え、環境配慮の行動を身近に感じてもらうことが大切だろうと思います。  そこで、脱炭素社会の実現に向けた県民一人一人の行動を促すために、今後どのように機運醸成や普及啓発に取り組んでいかれるのか、廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。 122 廣島生活環境文化部長 私どもが環境面で描きます実現したい将来の一つの姿は、県民の皆さんが環境に配慮する意識が高まり、かつなるべく低い負担感で行動が変容していく、これによって脱炭素社会が実現している姿でございます。  県内の温室効果ガスの約2割が、県民の日常生活である家庭部門から排出されております。こうした中、昨年度の県政世論調査では、特に20歳から40歳の世代でカーボンニュートラルへの関心度が低いという傾向が見られました。併せて、この世代は、経済的なゆとりや安心、心の余裕といったウェルビーイング指標も低下するという傾向があります。  こうした中、今委員から御紹介いただきまして、国も推進しておりますデコ活ですけれども、例えば、再エネ機器の導入、省エネ家電への買い替えのほか、地産地消、テレワークといった、ハード、ソフト両面で生活を豊かにしながら省エネに貢献できる。また、省エネは財布にも優しいというメリット、こうしたことから、今ほど申しましたが、脱炭素への関心がちょっと低くて経済的なゆとりも求めるという20歳代から40歳代の世代には取り組みやすい、取り組んでいただきたい性質のものと考えたところでございます。  こうした実現したい姿、それに関する背景、現状、また課題を踏まえた対応ということで、今回この施策設計図も活用して検討して、一つの策といたしまして、新年度においてデコ活参加促進キャンペーンに取り組みたいと考えております。  具体的には、テレビCMやSNSを活用したPR動画の配信、また各種イベントでの展示などにおいて、特に子育て世代に訴える内容、そうしたものを工夫しながら、デコ活というものの周知を図っていきたいというものでございます。  こうした脱炭素の取組は経済的ゆとりのほか、将来への安心などウェルビーイングの向上に資するということですので、今後も県民一人一人の行動につながるよう周知等努めてまいります。 123 嶋川委員 ありがとうございました。  若者の脱炭素化の意識が低い。でも、省エネをすることでコストもお得になって、結果的にウェルビーイングも向上する、大変いい循環のある取組になるなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。  それでは、3つ目の問いに移らせていただきます。  地域産業の活性化についてお伺いをさせていただきます。  物流の2024年問題についてお伺いをいたします。先ほど岡崎委員も質問しておられました。  いよいよ来月から運輸業の時間外労働が年960時間までということになります。中部圏社会経済研究所の推計によりますと、来月からは法定労働時間換算で県内運輸業では608人の人材が不足するという発表がございました。この不足分を現実的にどのように補うのか。まさか過少申告というものを認めるというわけにはいかないと思います。  国ではこれまで、荷主企業、消費者の意識改革やトラックGメンの監視による取引の適正化などに取り組んできており、県においても県内企業の物流効率化への支援を行ってきておられます。  これまでの取組の検証や県内企業のフォローアップを行う必要があるのではないか。そこで、今年4月からの規制強化が目前に迫る中、本県においてどの程度対策が進んでいるのか、現状と見通しについて、中谷商工労働部長にお伺いいたします。 124 中谷商工労働部長 物流の2024年問題につきましては、先ほども申し上げましたが、物流事業者だけではなくて、荷主事業者、一般消費者が協力をして日本全体の物流環境を整備していかなければならない、そういう課題だと理解しています。  今、委員からお話がありましたとおり、国においては、荷主事業者、一般消費者の意識改革、それから行動変容を促す取組、それにトラックGメンの新設による荷主事業者への監視の強化というのが行われていると理解しています。  県では、関係者に幅広くこの2024年問題を認識していただくために、国に先駆けまして6月補正予算に物流効率化支援事業を盛り込みました。先月末までに物流生産性の向上を図る取組が13件、担い手確保、女性活躍のための環境整備に係る取組が6件、業界団体による荷主企業や消費者への広報活動等の取組が1件、計20件の事業を採択しております。このうち配送システムを導入した事業者からは、荷積みや配達の確認に要する時間が3分の1になったとか、配送用の什器を入れ替えた荷主事業者からは、積載率が15%向上したという御意見をお伺いしているところでございます。基本的に、幾つか支援をしていますが、僅かということだと思っております。  一方、昨年12月の民間調査会社の全国調査によりますと、「2024年問題への対応がある」という回答をした企業は約63%、「特に対応していない」とした企業は26%となっています。また「特に対応していない」とした企業のうち「4月以降問題が生じた際には対応を検討する」または「自社だけでは対応策が検討できない」としている企業がいずれも約3割となっております。対応を決めかねている事業所もまだ相当程度残っていると認識しております。 125 嶋川委員 大変差し迫る中で20件の申請があって、支援をしておられると。ただ、この数字というのは、全体から見るとまだまだ取り組んでいただきたい事業者さんはたくさんおられるのではないかというお話でありました。また、全国の事例、数字をお話しいただきましたけれども、ぜひ富山県においてはどういう数字が見て取れるのか、あるいは富山県の今の状況、取組状況とかを全国数字だけではなくて、これからも把握に努めていただきたいなと思っております。ありがとうございます。  次の質問に参ります。  厚生労働省の2023年8月の発表によれば、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.68倍ととても高い水準であることが分かっております。まさにその業界では人の取り合いということでありまして、特に小規模の物流事業者はドライバーの確保に苦労をしておられると。私も運輸業の方々とお話をさせていただいて、そのようにお伺いをしております。  行政による寄り添った支援がさらに必要なのではないでしょうか。国と県が今後それぞれ実施予定の物流効率化の支援が早期に実施されることはもとより、外国人労働者の雇用など、これから顕在化してくるであろう課題にも迅速に対応していかなければならないと考えます。  そこで、いまだ対策が取られていない物流事業者や荷主事業者に対して、今後どのように支援をしていくのか、新田知事にお伺いしたいと思います。 126 新田知事 今ほど商工労働部長からも答弁しましたが、6月補正で盛り込んだ支援事業については20件の事業を採択したところです。  一方で、国では昨年6月2日に閣議決定があり、物流革新に向けた政策パッケージに基づいて、令和5年度補正予算及び令和6年度予算案にモーダルシフトや物流DXの推進などの物流の効率化を支援する事業を盛り込んでおられます。また、外国人材を含めた多様な人材の活用・育成も推進されており、特定技能外国人材を受け入れる対象分野に新たに自動車運送業を加える方向で調整が進められていると聞いております。  そして、今、委員が御指摘の、いまだ対策が取られていない事業者に対してどうするかということですが、国の物流効率化に係る補助申請は新年度に入ってから受付が開始される見込みとなっていますことから、県では来る4月1日からのトラック運転手の時間外労働規制の厳格化に向けて、切れ目のない関係事業者への支援が可能となるように、2月の補正予算に物流効率化支援事業の増額を盛り込み、先般2月28日に議決をいただき、その翌日の29日から募集をしているところです。また、外国人材活用支援デスクを昨年の9月に開設して、県内企業の外国人材の受入れを総合的に支援もしています。こうした国の支援制度や特定技能制度の見直しだけではなく、荷主の行動変容や商慣習の見直しも進めていかなければなりません。  今後も関係事業者のニーズを踏まえた上で、さらなる支援の在り方にもっと知恵を絞っていかなければならないと思います。総力を挙げて2024年問題に取り組んでいかなければならないと考えているところです。 127 嶋川委員 ありがとうございます。  私、いわゆる運送業の方とお話をさせていただきました。そしたら、この物流効率化支援事業というのは大変にありがたいという現場の声を聞かせていただきました。というのは、女性を起用する上でもシャワー室とか仮眠室を整備しなければいけないですし、例えば、外国人の方を雇うとなったら、なかなか現場レベルでは、この荷物を向こうに運ぶんだよということだけでも、例えば番号を振ってあげるとか、そういうこともやはりシステムを導入する必要がある。こういうことに対してもきめ細かく支援をいただけるというのは大変ありがたい、というお声もいただいていますので、引き続き支援をしていただけたらなと思っております。よろしくお願いいたします。  それでは次に、地域の活性化ということに関してお伺いをさせていただきます。  富山県には自然という地の利がございます。  今回、新たに民間活力導入の可能性というものを調査することになりました、対象場所である雨晴野営場。ここら周辺は、能登半島国定公園の一部として富山湾や二上山など自然環境や景観に恵まれ、大きなポテンシャルを秘めております。  現に、今年5月に開催されます「第3回万葉の里高岡二上山トレイルラン」という二上山を走り回る、山道を駆けめぐる大会があるんですけれども、実は今回の元日の震災から近県でのトレイルランの大会は全て中止になっておりまして、この二上山での開催は、何とか景気づけたいということで地元の方が頑張って募集を開始されました。今年は450人の定員で募集をしましたら、たったの2日で満員になりました。しかも今年は県外だけの参加者ではなく、何とわざわざスペインからこの大会に出たいと言って来日、来県されるという参加者もおられるということで、いよいよ世界から注目されつつある富山県になるのではなかろうかと思っております。  この機運に乗じて、今回の調査において、民間企業からの提案に委ねるだけではなくて、利活用に向けた県としてのビジョンを明確に示した上で取組を進めていくべきと考えます。そこで、雨晴野営場周辺の利活用のために民間活力導入に向けた取組が進められておりますけれども、県としてどのようなビジョンを描いておられるのか、廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。 128 廣島生活環境文化部長 県におきましては、雨晴野営場周辺地域の活性化のため、今年度のサンドボックス予算を活用しまして、このエリアの現状や課題の整理、利用者のニーズの把握、導入可能な施設の検討などの基礎調査を行いました。  この調査の結果は、利用者ニーズとしては、飲食フェスなどイベントの開催、飲食、温浴施設の設置などを求める声がある。また、自然公園法や海岸法、森林法などの規制はございますものの、今後の方向性としては、例えば民間ノウハウを活用した新たな施設整備や事業実施の可能性があるとされたところでございます。  これを踏まえまして、新年度におきましては、まず民間企業の知見を生かさせていただくためのサウンディング調査を行い、事業への参入意向や事業化に向けた課題等についてヒアリングを行うこととしております。併せて、高岡市の職員の方や地元自治振興会、有識者の方にも参画いただいて、整備方針策定委員会を設置して、こちらの対象とするエリア、新たな整備をする施設の候補、これに加えまして、民間企業が参加する場合の権限の範囲などについて議論を進めたいと考えております。  委員御指摘のとおり、雨晴の周辺は自然環境や景観に恵まれ、ポテンシャルがございます。県といたしましては、自然環境の保護との両立を図りつつ、自然や風致を生かし、魅力にあふれ、より活力あるエリアを目指すことを基本とします。このため、民間企業からの提案や策定委員会での議論を踏まえまして、高岡市や地元の方々と連携して構想を具体化してまいります。 129 嶋川委員 地元と連携されるというのは、非常に地元も盛り上がるし、機運も醸成されると思っています。ただ1点だけ、せっかく進めていくのであれば、雨晴野営場、この野営場というネーミングを少し変えて進まれたらいかがかなと思っております。よろしくお願いします。  それでは、最後、私から震災からの復興についてお伺いをいたします。  先日、能登半島地震に係る富山県復旧・復興ロードマップの骨子案が示されました。新田知事が提案理由で石川県の支援に迅速に対応すると述べられておられましたように、その骨子案の中には、北陸全体の復興に向けた連携項目に石川県での各活動支援のメニューも明記されております。  特にこれから必要となってきます復旧活動の一つに、災害廃棄物処理の支援があります。今回の震災での産業廃棄物の量は、石川県におきましては通年の約7年分に相当すると言われております。石川県の産業廃棄物処理実行計画では、船舶による海上輸送も想定されておりまして、石川県支援を表明している本県において、それら災害廃棄物の伏木富山港での受入れについても準備を進めておく必要があるのではなかろうかと考えます。  石川県で発生した災害廃棄物の受入れ、処理につきまして、現在の対応状況と今後の見通しについて、廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。
    130 廣島生活環境文化部長 石川県の産業廃棄物の受入れ、処理につきましては、発災当初はまず、大規模災害時廃棄物対策中部ブロック協議会の広域処理の枠組みに基づきまして、石川県から環境省を通じ県に協力要請がございました。  これまで県産業資源循環協会の会員企業が穴水町の仮置場の片づけごみを運搬、処理し、その一部は富山地域広域圏の施設で焼却処理しております。また、県環境保全組合の会員企業が輪島市などの避難所のし尿を運搬し、高岡市の施設で処理をしております。今後でございますが、石川県内の被災家屋などの解体の本格化に伴いまして大量の解体ごみの発生が見込まれます。  委員が言及されましたとおり、先月末に公表されました石川県災害廃棄物処理実行計画では、災害廃棄物の量を約244万トン、これが7年分ということになりますが、推計しておられまして、その大部分は石川県内で処理し、処理できない約38万トンについて陸上または海上輸送により本県及び福井、新潟、各県の民間事業者などで処理することを想定しております。この38万トンの災害廃棄物のうち約28万トンが海上輸送されるとされておりまして、本県で受け入れる場合は、本県の港で陸揚げされ、県内の処理場に向かうということになります。現段階では、搬出元の石川県の市町や搬出の時期、またどのような種類になるのかというようなことは不明でございます。そうした中でございますが、港湾管理者であります県土木部のほうには、搬入を検討している廃棄物処理業者から、利用できる岸壁などについての相談も寄せられているところでございます。  今後、本県への搬出計画が具体化すれば、事業者により港湾管理者や港湾関係事業者との調整、また受入先関係者への周知などが行われる見込みです。  県としては、引き続き事業者や関係市町村との連携、調整など、円滑な受入れ、処理に向けて支援に努めてまいります。 131 嶋川委員 ありがとうございました。  ちょっと失礼いたしました。私、1問飛ばしてしまいまして、1つ戻って質問させていただきたいと思います。  地域や産業の活性化についてお伺いさせていただきます。川津知事政策局長、お願いいたします。  やはり活性化に欠かせないのは人材だろうと。先日、都市経営プロフェッショナルスクール北陸富山キャンパス研修最終報告会、新田知事も来ておられましたけれども、私も見学に行ってまいりました。9つのグループが10分ずつの発表。発表後の講師の方々の駄目出し、これは厳しいものがありました。厳しい中でも的確なアドバイスゆえに、受講生の皆さんもとても真剣で大きく成長されるという可能性を私感じました。受講生の皆さんには、県庁の職員さんはじめ富山市、南砺市、射水市の職員さんもおられました。残念ながら高岡市の職員さんはおられませんでした。  こうした状況を鑑みますと、人材育成において市町村ごとに温度差があるのではないかということを感じました。自治体職員が失敗を恐れず挑戦し、企画力を磨いていくことが重要です。首長だけではなく、それぞれの職員もワンチームで連携し、切磋琢磨していくべきだと強く感じました。  そこで、都市経営プロフェッショナルスクールをはじめとする官民連携に向けた人材育成について、県と市町村がさらに連携して取り組むべきと考えますが、川津知事政策局長に御所見をお伺いいたします。 132 川津知事政策局長 今ほど委員からも御紹介いただきましたが、都市経営プロフェッショナルスクールは、都市の経営課題を公民連携で解決する人材育成を目的に、公民連携事業機構ほかが開設しておりますが、スクールは座学ではなくて、実際に直面する課題を題材に受講生が自ら地域に出て行って、試しながら、多面的なコーチ、それから関係者と連携いたしまして、プロジェクト育成に結びつけるカリキュラムで、全国各地で行われております。  委員に先般見ていただきました同スクールの北陸富山キャンパスは、県が働きかけまして全国初の地方スクールとして2年前に開設されて、今年度は、今ほども御紹介いただきましたが、県職員16名、県内の3市から4名、民間から1名、計21名が参加しております。受講生は民間企業プレーヤーとして地域課題をいかに解決するかといったことや、地域開発プロジェクトにいかに民間の資本や支援を呼び込むかという課題に取り組んでおり、その成果として、来年度は、県、市町村で、県高性能リノベーション住宅への改修支援ですとか廃校舎の利活用、廃工場の跡地を利用した地域開発などのプロジェクトが予算案に計上されて、実際のプロジェクトとして進む見込みであります。  現在、様々な場面におきまして官民連携に関する研修が実施され、それぞれ成果が上がっておりますが、都市経営プロスクールのように実際のプロジェクトを立ち上げながら、公民連携で実績のある講師陣の大変強い指導の下なんですけど、県や市町村の職員が切磋琢磨していく場を得ることは大変重要であり、今後も参画していない市町村には、成果を示しながら参画を呼びかけることによりまして、職員同士のワンチーム連携を強化していきたいと考えております。 133 嶋川委員 ぜひよろしくお願いいたします。  それでは、心の復興の質問に戻らせていただきます。  実は私、13年前の今日、まさにこの時間どこにいたかといいますと、福島市におりました。福島市で東日本大震災に遭いました。原発や津波から命からがら逃げてきた人たちで避難所はあふれかえっておりました。右に行った人が助かった、左に行った方が亡くなった。命の選択を迫られた方が、生きる上で最低限必要な衣食住を求めて避難所にやって来られた。  そんな人たちが次に訴えたのは何か。おっしゃっておられたのは、「心まで死にだぐね」と。福島弁で、死にたくないと。求めたのは笑顔だったわけであります。ですから、私は当時、必死で避難所に笑顔を届けようということで回らせていただいておりました。13年たった今でもずっと福島には寄り添い続けさせていただいております。  今回の能登半島地震でもそうでした。発生から1週間後に、知り合いでもございます、かわいがっていただいているテツandトモさんから、何とか笑顔を届けたいということで1週間後に連絡をいただきまして、一緒に笑顔を届けようということで、2月22日に氷見市のほうでお客さん800人の前で笑いを届けさせていただきました。本当に涙を流して笑顔で楽しんでいただきました。  被災者の一日も早い生活再建に取り組むことはもちろんですけれども、被災者が心の元気というものを取り戻さなければ、真の復興とは言えないのではないかと私は確信をしております。今後の復旧・復興に向けたロードマップの骨子案、示されておりますけれども、被災された方々の心の復興の観点を盛り込んでいくべきではなかろうかと考えております。ここにこそ、知事が日頃よりおっしゃるウェルビーイング、その指標の向上に向けたものを盛り込んでいくべきではないかと考えますが、新田知事にお伺いをいたします。 134 新田知事 今回の地震、本当に大きな被害があり、それから範囲も多岐にわたっています。  まずは被災者の方々の平常を取り戻していただく、これが最優先ということで、先月27日に復旧・復興に向けた取組の全体像を見える化しようという意味合いでロードマップの骨子を公表しました。御指摘のとおり、住宅被害などに伴いまして長期にわたって避難されている方、転居を余儀なくされた方、生活環境が変化する中、被災された方々の心の復興という観点は本当に大切なことだと考えています。  このため、先般公表しましたロードマップ骨子においては、ハード面での復旧・復興も大きな項目を占めるんですが、被災者の心のケア、また児童生徒のカウンセリング、地域コミュニティーの維持再生への支援、また県民の皆さんが心のよりどころとして長く承継されてきた文化財の復旧支援など、被災者の皆さんの心の復旧につながる対策も盛り込んでいます。現在、このロードマップの骨子を基にして、市町村や関係団体、県民の皆さんから御意見を伺っておりまして、寄せられた様々な御意見、県議会での御意見も踏まえて、年度内には中間取りまとめとしてお示ししたいと考えています。  このロードマップの検討に当たっては、被災者の心の復興の観点からも、やはりこのウェルビーイングということはここでも大変大切な要素であることは、委員が御指摘いただいたとおりであります。例えば芸術文化、あるいは地域の活性化、観光振興などの取組についても幅広に盛り込んでいくことを検討しております。  引き続き県の総力を結集してやりたいと考えておりますが、今、ウェルビーイングの指標を使って施策設計図を描き、政策を立案するということ、緒に就いたところでありまして、まだまだ役所としてはあまり得意な分野ではないことも認めなければなりません。そうなるとやはり、我々総力を出して結集しますが、プラスして民間の力、またあるいはNPOの力、さらには母心の力もお借りして、心の復興を含めた日常を取り戻して、より多くの県民の皆さんがウェルビーイングを再び実感できるように取り組んでいきたいと考えております。 135 川島副委員長 嶋川委員、持ち時間が少なくなっておりますので、簡潔にお願いします。 136 嶋川委員 知事、ありがとうございます。  それでは、私から最後の質問をさせていただきたいと思います。  提案にもなるかと思うんですけれども、震災後のまちおこしや県産品のPRイベントなど、県民が元気を取り戻す取組というものが必要になってくるだろうと。例えば、阪神・淡路大震災の際には復興のシンボルとして神戸市にパンダが誘致されております。東日本大震災を受けて、仙台市において誘致活動がずっと続けられております。私もパンダは個人的に好きで、例えばどんなしぐさがあるかというと、寝そべって横になってお尻をずっとかいているとか、坂道を逆さになって転がっていくとか、非常に愛嬌がある。パンダが来てくれたら、心の復興、ウェルビーイングも確実に上がるんじゃないかと、先ほど言っていただいて大変ありがたいんですが、母心よりもはるかに効果があるだろうと考えてもおります。  今年は、富山県は、中国遼寧省と友好締結40周年ということで、調べてみますと、遼寧省の鞍山動物園というところにパンダが3頭いるようでして、もし相互交流されるのであれば、ちょっと借りられないかなと、一言でも聞くだけでも聞いていただけないかなという意味も含めまして、今後パンダの誘致も含めて復興イベントの開催などに積極的に取り組むべきと考えますけれども、最後、新田知事の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。 137 新田知事 県民に元気になっていただく取組を積極的に進めていきたいと考えています。御指摘の地域活性化や観光振興についても、にぎわいの創出、あるいは県の魅力発信に積極的に取り組んでいきたいと考えます。  例えばなんですが、来月受付を開始する富山マラソンでは、参加料の一部を災害義援金とする能登半島地震チャリティー枠を新設いたします。また、来月開催する富山湾岸サイクリングでは、多くの参加者がコースの発着点である氷見市内で宿泊、飲食されるほか、伏木地区や新湊地区をはじめ、まさに被災の度合いが厳しいエリアを通っていくわけでありまして、これらの市で設置される休憩ポイントにおいて地元の食や景色を楽しんでいただくことを通じて、関連産業の支援にもつなげていきたいと考えます。  また、東京の日本橋とやま館や、有楽町いきいき富山館、2つアンテナショップでは、氷見市をはじめ県内被災地の特産品を買って食べて応援、という企画を実施していますし、また、石川県と連携して能登地域を含む石川県の特産品も販売し、北陸の事業者支援にもつなげています。  さらに、いよいよ始まるというか、もう予約が始まっていますが、旅行支援の北陸応援割、また秋のデスティネーションキャンペーンなど、北陸全体の復興に向けた需要喚起にも取り組んでいきます。  まちづくりの面では、従来から地域資源を生かしたまちなかのにぎわい創出や中山間地域の活性化などを支援してきましたが、被災しダメージを受けた地域においては、市町村と連携し、地域の話合いの取組やまちづくりへの支援など、地域コミュニティーの維持再生をこれまで以上に積極的に支援をしてまいります。  なお、御紹介の復興のシンボルとしてパンダを誘致した神戸市の事例などは、本当に心の復興にもつながる、そして本当に確実な取組なんでしょうけれども、本県では受入れ態勢が今のところ十分ではないという課題もあります。同様の対応はちょっと厳しいかなというのが直感でありますが、しかし、今後も県民が日常を取り戻す取組に加えて、心の復興、元気を取り戻す取組という観点を忘れずに進めていければと考えています。 138 川島副委員長 嶋川委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                      午後3時03分休憩                      午後3時15分開議        山崎宗良委員の質疑及び答弁 139 永森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山崎委員。あなたの持ち時間は60分であります。 140 山崎委員 このたびの能登地震でお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げ、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。また、復旧・復興に連日取り組んでおられる関係者の皆様に心から敬意を表し、感謝を申し上げます。富山県内においても再建の見通しが立たず困惑されている方も多くおられることから、被災された方々が一日も早く日常に戻れるように、共に力を合わせてまいりたいと思います。  それでは、質問に入ります。  大規模災害においては、道路や河川などの公共物に対しては、国や県などの予算が用いられ復旧事業が進められますが、液状化による住宅被害、農地の損壊、工場における生産設備など、民間財産の復旧に公費を投じることに対しては慎重に取り扱われるようです。東日本大震災や熊本地震などの例では、被災後に被害のあらましが明らかになってから約1年後に復興基金が設けられ、民間の財産についても一定の手当てがなされています。  今回の地震に対して国は、富山県の場合、復興基金ではなく特別交付税などの別の財源を用いることが検討されているようで、これに対しては、富山県が具体的にどのような支援が必要となるのかを取りまとめた上で、要望してほしいとの言葉を聞いています。  富山県として、早期復旧・復興を目指すために、住宅などの県民の生活基盤、各種産業の損害や復旧に向けた所要額を積み上げ、さらなる支援を国に要望していくべきと考えますが、今後どのように進めていかれるのか、新田知事に伺います。 141 新田知事 今回の地震による住宅被害ですが、3月6日現在の市町村の集計で1万3,586件ありました。そのうち全壊が192件、半壊が587件ということであります。現在も被害認定調査が行われている段階であり、まずはこの認定調査による状況把握を急ぐ必要があると考えております。  こうした中で本県では、住宅の液状化被害に対する国の支援として、従来ありました住宅耐震改修のスキームと併せて施工される地盤改良などの基礎補強工事等への支援を国に働きかけ、結構タフな調整をしました結果、調整が整い、先週7日、住宅の耐震化を推進する事業に予算11億9,100万円を計上する追加の提案を行わせていただきました。  また、中小企業等の被害については、商工団体によるヒアリング調査を基に、なりわい再建支援補助金の予算を専決処分させていただきまして、先月28日に募集受付を開始しました。できるだけスピーディーにと考えております。当面、60億円の被害に対応できるように措置しておりますが、引き続き、被災事業者の復旧ニーズを聞き取りながら、必要な支援が行き届くように取り組んでまいります。  なお、企業の被害の総額はなかなかまだ全貌は分かりません。その旨は国でも理解いただいておりまして、齋藤健経済産業大臣には直接、今後も被害額が膨らむ可能性があると、その辺りは柔軟に対応してくださいということは直接申し上げております。  これまでも液状化対策については、技術的、財政的な支援を国に働きかけてきました。引き続き、さらなる支援の要望について、市町村が必要とする支援を丁寧に確認、把握した上で、国からの十分な財政的支援も得られるように、県議会あるいは市町村の皆さんと連携して取り組んでまいりたいと考えております。 142 山崎委員 ありがとうございます。  大変広範囲なものを、また時系列で少しずつ実態が分かってくるという中で、取りまとめていくというのは大変な作業だと思います。また、我々も国に対して一緒になって支援を求めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  続きまして、農業についてお伺いをいたします。  農地についても、液状化で田んぼに砂が噴き出たり、地割れがあったり法面が崩れたりしているとの声を、私の地元でも聞いております。この春に水稲の作付ができればよいのですけれども、できない場合は収入がなくなり、農業機械用資金の返済ができなくなるなどして離農が進むことが心配されます。離農者が増えないように、兼業農家も含めて農業経営が継続できるよう、何らかの支援が必要と思われます。国に帰られます横田副知事に、ぜひともお答えいただきたいと思います。 143 横田副知事 今回の地震では、農地、農業用水路などの被害が現時点で2,157か所確認されています。5月の田植に間に合うように、農業者の皆さん、土地改良区、国、市と一緒になって復旧作業を進めているところでございます。  国の災害復旧事業のほか、県単独事業、市単独事業、さらには地域の取組を支援するため国から交付されます多面的機能支払も活用することとしまして、現在市町村と、具体的にどの事業費を充てていくか調整をしているところでございます。  国の復旧事業と県単独事業につきましては、いろいろと条件があるわけですけれども、ただその条件に当てはまらない場合には、市単独事業や、先ほど少し御説明しました多面的機能支払を充てられるよう、調整をしております。  その要件を今後どうしていくかに関しましては、また、今後の通水や営農活動によって判明する箇所の状況を見ながら、さらに検討していくということでございます。いずれにしても、具体のケースで不都合がないように、そして基本的には春の水稲を植え付けていくんだという心構えで、関係者と進めてまいりたいと考えております。  もしも水稲作付けが困難になった場合は、大豆やハト麦などへの作付転換、あるいは地力増進作物の作付という手法もありますので、それに対する支援というものも国と連携して講じていきたいと考えております。 144 山崎委員 ありがとうございます。  農家の皆さんが安心して農業を続けられるように、今後も富山県に対しましていい意味でのえこひいきをよろしくお願いしたいと思います。 145 横田副知事 しっかり対応してまいります。 146 山崎委員 ありがとうございます。  それでは、次に参ります。  今回の地震では津波警報が発表され、沿岸沿いの住民は内陸部へ向かって避難をしました。このため、私の住む上市町の避難所では、町内の避難者が3割、町外の避難者が7割となり、市町村をまたいだ広域的な避難が多くなりました。地元では、地震発生前においては、市町村をまたいだ広域避難は想定されず、所在地の地域からの避難だけを想定していたと思います。こうしたことから、避難所の運営についても、今後さらに県の広域的、積極的な支援が必要になると思います。  また、ほかの地域の、体育館が避難所になったところでは、避難所が寒く床も冷たいために、ここに避難はできないと自宅へ戻ったケースがあったと聞きました。ストーブや段ボールベッド、毛布などの物資が不足していたのだと思われます。  今回、全ての人が初めて経験することばかりなのですが、この経験を基に、避難物資の備蓄、配送をはじめ、避難所運営の課題を検証する必要があると思います。県としての課題認識と今後どう改善につなげていくのか、武隈危機管理局長に伺います。 147 武隈危機管理局長 県と市町村との振り返り会議では、避難所の運営の課題として、特に物資の備蓄、搬送について多く意見がございました。  県では、災害救助物資として、非常食をはじめ毛布や防水シートなどの現物備蓄物資を、県内4つの広域市町村圏の16か所に分散保管しているところでございます。  今回の地震では、非常食や毛布、おむつ、段ボールベッドなどの不足が発生した被災市町村から県に対し供給要請がございまして、県では県トラック協会等に応援をいただき、県の備蓄物資を搬送するとともに、民間企業との協定等に基づく流通備蓄も活用することにより、市町村からの要請に速やかに応えることができました。  一方で、市町村からは、市町村の物資の拠点施設から避難所に物資搬送したが、住民に届くのが間に合わないケースがあったと聞いておりまして、今後、物資を避難所ごとに分散配置するようなことも検討されると聞いております。  避難所についてはこのほかにも、迅速な開錠、鍵開けをどうするかですとか、運営を担う職員が不足しているなど、多くの課題があると認識しております。  県としては、来年度、ワンチーム会議のワーキンググループ等において、今回の災害を踏まえた地震対策を検討する中で、市町村と共に、避難所運営の課題をさらに洗い出しまして、その改善策をしっかり検討してまいりたいと考えております。 148 山崎委員 ありがとうございます。  集約すれば搬送が大変になりますし、分散するとまた管理が大変になろうかと思います。こういったときには、行政だけではなくて民間も一緒になってやるということが大事かと思いました。  今回の地震では、市町村の避難所だけでなく、各地域の自治会等が運営する自主避難所が重要な役割を果たしました。上市町においても商業施設や公的駐車場だけでなく、幹線道路に多くの自家用車が路上駐車するなどの状況があったため、地域の自治会の判断で公民館を開けて避難所が開設されました。このような貴重な判断をしてくださった自治会の皆さんに、心から敬意を表します。  この事例はまれな例だと思います。同じ状況下でも開設に至っていないところもあります。これは誰しも初めての経験ということもあるのですが、こんなときにリーダーシップを発揮できる人材の育成が大切なのだと思います。  自主避難所を設置、運営できる地域のリーダーとなる人材として想定される、防災士のスキルアップのための研修事業が、令和6年度予算に計上されていますが、今回の体験を踏まえた実践的な研修とする必要があると思います。武隈危機管理局長に伺います。 149 武隈危機管理局長 今回の地震のように大規模災害時において、自主的に避難や救助を行う「共助」の取組というのが不可欠であり、この共助を担う防災士などの地域防災人材の育成が重要と考えております。  先月開催しました県と市町村との振り返り会議では、自発的に市公式LINE等から情報を入手し、主体的に避難所運営を行った地域があったという御意見があった一方で、自主防災組織の活性化のためにも防災士の養成が必要といった課題も聞かれたところでございます。  県では、今年度から防災士養成研修の定員を前年度の240名から480名に倍増しているところでございます。また、新年度は、防災士資格の取得者を対象としまして、災害時の防災リーダーとして活躍いただくためのスキルアップ研修を新設することとしております。この研修では、被災地と研修会場をウェブ接続しまして、リモートで災害対応従事者や被災者から災害現場の実情を学んだり、避難所の開設や運営をロールプレイングで実践するなど、今回の災害体験も踏まえました、より実践的な研修にしたいと考えております。  県としては、市町村、県の防災士会と連携しながら、引き続き地域の防災リーダーとしての防災士の育成、スキルアップに努めてまいります。 150 山崎委員 ありがとうございます。  開設を判断されるのは自治会長さんなどの地域のリーダーの方々だと思います。そういうケースが多いのではないかと思いますが、その方々が皆さん防災士資格を持っておられればいいのですけれども、そこでヘッドが複数になるということで混乱を招きかねない部分もあると思いますので、また御配慮のほどよろしくお願いを申し上げます。  地震発災後、1月3日に氷見の中山間地にある親戚を訪ねました。山あいなので水は大丈夫だろうと思っていましたが、給水車の水をもらうなど水に困っている状態でした。早速自宅に帰り、ホームセンターでポリタンクを探しましたが、売り切れで水を入れる容器を買うことができませんでした。  また、元同僚議員は自宅が損壊し、近隣市町村の親類の家に身を寄せ、そこから弁当持参で氷見市内へ片づけに通う状態でありました。「水がないからお昼にやっとる店もない」という言葉に、被害の大きさというか、実際どうなっているのかをそのとき初めて実感することができました。  この経験から、常日頃からちゃんと準備しておかないと、いざというときになったら何もできないのだということを強く思いました。  私自身も含めて富山県民はこれまで、県内で災害は起きないという認識から、災害用の物資を備蓄している家庭は少ないと思います。具体的には、数日分の水、食料、携帯用トイレ、ビニールシートなどの資材は最低限必要だと思います。特に今回被害の少なかった地域の人たちに、避難生活の体験談を語り、知っていただき、平時にできる大事なアクションとして、災害への備えを県民運動にしていく必要があると思いますが、武隈危機管理局長に伺います。 151 武隈危機管理局長 災害発生直後は救援物資が十分に行き届かないことが想定されることから、県では、出前県庁や研修会など様々な機会を捉えまして、自分の命は自分で守るという自助の観点から、最低3日分の非常食や飲料水など、家庭での備蓄を県民の皆さんに呼びかけております。  しかしながら、県が令和4年度に実施しました県民意識調査では、「日頃からの災害の備えを行っていない」と回答した人が約4割という結果が出ておりまして、県民に防災意識が十分根づいていないということが判明いたしました。  また、今回の地震では、県内417か所で避難所が開設され、最大約1万5,000人を超える方が避難されたわけですが、市町村との振り返り会議では、避難所に到着してすぐに食料の要望があったとか、各世帯に備蓄を呼びかけているが、実際に持参された方はほとんどおられなかったというような意見もありまして、家庭での備蓄等の必要性について十分理解されていない現状が、浮き彫りとなりました。  委員御指摘のとおり、いつ発生するか分からない災害に備え、日頃から備蓄する自助の取組は大変重要であると考えております。県としては、来年度、ワンチーム会議のワーキンググループで協議する中で、県民の防災意識を高め、災害に備えた備蓄の習慣を定着させるためにはどのような取組が効果的かなどにつきまして、市町村と話し合ってまいりたいと思います。 152 山崎委員 ありがとうございます。
     能登から佐渡島へ向かう断層の8割が動いたけれども、あと2割は残っているという話を聞いておりまして、そうなると、あと2割が不安定な状態で残っているとも考えられます。いつ起こってもおかしくない地震だと思いますので、共に県民にPR、働きかけていきたいと思います。ありがとうございます。  次に参ります。  SNS上では、能登半島地震の復旧・復興のために寄附したというコメントをよく目にしました。また、寄附をしたいが、どこにすればいいのかという問合せもいただきました。石川県の情報はテレビやほかのマスメディアでも多く報道されていることもありますが、同じ被災地でも富山県の情報は少ない傾向にあります。  能登半島地震からの復旧・復興に役立ててほしいと寄附を希望する個人や企業が増えていることから、県公式SNSなどを活用し、寄附の受付窓口の周知や被災状況の情報発信を図っていくべきと考えますが、川津知事政策局長に伺います。 153 川津知事政策局長 県では元日の地震発生直後から、県のホームページに加えまして、公式X、LINE、ユーチューブなどのSNSも活用しまして、フェーズに応じた災害情報や災害に関する情報を発信してまいりました。  災害直後は、県ホームページに緊急時暫定版のトップページを設けまして、被災状況が伝わる写真の掲載ですとか、見出しやバナーを活用しまして、迅速かつ体系的、視覚的にも分かりやすいよう工夫しました。結果として、1月のホームページのアクセス数は、12月の約1.7倍ということになっております。  また、被災状況が一定程度落ち着いた2月以降は、県ホームページを通常版に戻しまして、支援を希望される県内外の方々向けに、災害義援金やふるさと納税を通じた寄附の受付、災害ボランティアバンクの情報などのページを前面に掲出しております。  また、県公式Xなどでも、今ほど委員からもありましたが、皆様の力をお貸しくださいなどの響きやすい言葉を添えて発信しておりまして、一例を申し上げますと、1月5日の投稿で義援金の受付開始の情報を出したわけなのですが、県のXのフォロワーは、実は4.8万人なのですけど、その50倍超の251万ビュー、250万人以上の方に見ていただきまして、リポスト、再投稿の件数も1.4万人というような状況になっております。  県内では依然、住宅の損傷でお困りの方も多く、インフラの復旧も途上で、なりわい支援も必要な一方、観光需要の周知、掘り起こしも必要であります。こうした状況下では、県内の復旧が進み、観光客の受入れ体制は整っていることを発信しながら、義援金等を通じた御支援を募ることが重要であるということで、議員御指摘のとおり、SNSの特性であります拡散性を生かしまして、御支援いただける方にピントを絞って発信する時期にあると考えております。  このため、今後の展開としましては、例えば、災害ボランティアの生の声で被災地の現状や必要な支援をお伝えするなどして、支援の輪がさらに広がるように、積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 154 山崎委員 ありがとうございます。いろいろと拡散をしていただいているようでありまして、私も拡散に加わってまいりたいと思います。  それでは、次に参ります。  輪島市の永井豪記念館に保管されていた貴重な原画やフィギュアなどが、消失せずに無傷で残っていたと聞いています。これは、建設時に施した耐火対策が功を奏したということであり、事前の対策の重要性を物語っていると思います。  富山県では、県立図書館や公文書館において富山県の大変重要な史料が保管されていますが、デジタル化は進められているもののクラウド化には至っていないと聞きました。  この際、クラウド化を進めて今どきの保管方法にしてはどうかと思いますが、南里経営管理部長に伺います。 155 南里経営管理部長 委員御指摘のとおり、県立図書館や公文書館の収蔵品は県民の貴重な財産でありまして、一度失われると二度と復元できないものも多いことから、これまでも史料のデジタル化を進めてきており、今回の震災を機に、改めてその重要性を確認したところでございます。  県立図書館では、平成11年度より史料的価値や希少性の高い貴重な書をデジタル化しており、現在、ホームページ上の「古絵図・貴重書ギャラリー」で約3,600点を公開しています。新年度には江戸時代の俳諧書もデジタル化することとしています。このデジタルデータは、バックアップデータを複数か所で保存するなど、その管理には十分配慮した上で、広く閲覧、活用いただける形を取っています。  また、公文書館ですけれども、歴史的に貴重な史料については、その保存、活用を図るため、令和4年度に、クラウド上に保存した画像データを公開します「富山県公文書館デジタルアーカイブ」を構築し、今年度末で約180点が閲覧可能となります。また、史料を撮影したマイクロフィルムも保管していますが、この中には原史料が当主交代や土蔵の取壊しなどで行方不明となっている事例もあることから、新年度から経年劣化が進むマイクロフィルムのデジタル化も進めることとしています。  今後とも県民の貴重な財産を後世に引き継いでいくために、収蔵史料を計画的にデジタル化し、適切に保管してまいります。 156 山崎委員 ありがとうございます。  上市のまちなかの地図を探したところ、ちゃんとデジタルで保管されていまして、これを活用していろいろ動いたという経験があります。本当に大事な財産でありますので、何とぞよろしくお願いをいたします。  次に、地震及び豪雨災害の復旧工事について伺います。  昨年夏の令和5年度梅雨前線豪雨の災害復旧工事が順次進められています。災害復旧事業の期間は3年と決められていることから、工事が期間内に終了できるように、県土木部においても、地元建設業者においても、努力をしていただいているところであります。皆さんの取組に心から敬意を表したいと思います。  そのさなかに今回の能登半島地震が発生しました。その被害は広範囲で大きな爪痕を残していること、また、雪解けを待って山間部の被害を調査しないと復旧工事の全体像はつかめませんし、富山県の建設業者さんが能登の復旧工事に応援に行っているということもあります。  今後、復旧工事のスケジュールがさらにタイトになることが想定されますが、どのように優先順位をつけて工事を完成させるのか、市井土木部長に伺います。 157 市井土木部長 昨年6月から7月の豪雨では、県の公共土木施設の146か所が被災し、さらに今回の地震でも112か所が被災しております。双方合わせて同一年度に200を超える被災箇所の復旧となることから、これらの工事を円滑に進めるためには入念な進捗管理が必要となっております。  このうち、豪雨災害の復旧工事につきましては、2月末時点で、全146か所のうち白岩川の護岸復旧工事など全体の約7割となる97か所が発注済みとなっております。さらに今年度末までには29か所の発注を見込んでおり、発注率は約9割弱となる予定でございます。  また、残る20か所につきましても、国等の関係機関との調整状況や隣接工事の進捗状況を踏まえ、新年度、順次発注していくこととしております。  今後、新年度に向け、現在査定中の地震災害の復旧工事が本格化していくことから、豪雨災害の復旧工事のスケジュールに遅れが生じないよう、これまで以上に関係団体と連携を密にして、地域ごとの受注環境を把握し、工事の規模や施工時期、工期を設定するなど、きめ細やかな発注管理に努めてまいります。 158 山崎委員 ありがとうございます。  豪雨災害にも地震災害にもどっちが優先ということは実際にはないのだと思いますが、現場でございますので、どこから手をつけていくかということは、実際には判断をしていかなければならない、そういう難しい局面があろうかと思いますが、何とぞよろしくお願いをしたいと思っております。  今回の豪雨災害と震災の復旧工事等によりまして、平時でも不足していた骨材不足が深刻となっていると聞いています。もともと早月川水系の砂利が不足気味でしたが、現状では神通川水系、庄川水系においても需給が逼迫していると聞いています。  しかし、災害復旧を遅らせるわけにはいかないので、供給量を減らさないよう、まずは土木部として県内の砂利の生産量を把握し、枯渇傾向にある資材供給の全体像を管理する必要があると思います。その上で骨材の生産量を少しでも安定化させるために、河川砂利の採取基準を緩和するとともに、土木部において県内での砂利採取量を調整し、不足を生じさせないよう努めるべきと考えますが、市井土木部長に伺います。 159 市井土木部長 県では、砂利採取について、これまで土石採取の関係団体と年2回意見交換を行っております。この中で、骨材となる砂利の需給状況についても情報交換を行っております。  このうち河川における砂利採取につきましては、採取業者からの申請に対し、河川の維持管理上支障がなく、計画河床より上に堆積した土砂に限り、採取を認めております。採取基準の緩和、例えば計画河床よりも川底をさらに掘り上げることにつきましては、河床が低下することによる護岸や橋梁の損傷、海岸侵食の進行も想定されることから難しく、全国的には山砕石への転換が進んでいるところでございます。  このことにつきましては、団体にもお伝えしており、団体からは、今後、山砕石の採取を検討したいと思っているが、砕石としての品質や保安林等の課題がある、ということを伺っているところでございます。  こうした中、県におきましては、少しでも円滑な供給を図りたいとの団体からの御要望を受け、砂利採取申請手続について順次見直しを行っております。  令和4年度には、申請が連続する場合、現地での採取作業の隙間が極力少なくなるよう、最初の申請による埋め戻しがおおむね完了した時点で次の申請を認めることといたしました。今年度は、公共残土置場の土砂を利用する場合、県内全ての置場から選んで利用できるようにいたしました。  今後とも引き続き、団体との意見交換等を通じ、骨材の需給動向を把握し、骨材不足が生じないよう努めてまいります。 160 山崎委員 ありがとうございます。  安宅さんの「シン・ニホン」では、コンクリートをやめて大きな岩とかで護岸をするとか、今後新しい工法を考えていかねばならないということを言っておられます。それはそれですばらしいことではありますが、今のコンクリートに代わる物というのは、そう簡単には見つからない。現実的に今のコンクリートに頼っていくしかないのだろうと思います。  震災復旧でも、河川の復旧についても、砂利はたくさん使います。これがないということになりますと、当然その資材単価もどんどん上がってまいりますし、工事のボリュームそのものを考えなければならない事態にもなってこようかと思います。ぜひとも柔軟に対応いただきまして、枯渇することがないように管理をしていただければと思う次第であります。  続きまして、災害復旧の影響もありまして建設資材価格が高騰しているということについてであります。今後さらに拍車がかかると考えられます。  この物価高騰に県発注工事の設計単価が追いつかず、実勢価格とのギャップから、一部ではありますが、不落が発生していると聞きます。急がれる復旧工事に遅れを来さないためにも、設計価格を柔軟に見直すべきと考えます。特に舗装用アスファルトの単価が上がっていないと聞いています。市井土木部長に伺います。 161 市井土木部長 工事発注の際に用いる資材単価につきましては、実際に建設企業がメーカーや流通業者と取り交わす標準的な取引数量における取引価格を調査し、その結果を踏まえて定めております。  このうち、委員御指摘の舗装用アスファルト合材につきましては、本年1月の建設関係団体と土木部との意見交換の場におきまして、団体から、アスファルト合材の単価が上がらないのは、県が価格調査の対象としている企業とプラントとの間で取り交わされる標準的な取引数量と、県発注工事において使用されているアスファルト合材の一般的な使用量、この2つの量の間に乖離があることによるのではないか、との御指摘を頂いたところでございます。  この御指摘を受け、その後、県発注のアスファルト合材を使用する工事における合材の使用量を改めて確認したところ、価格調査の対象となる工事よりも比較的規模の小さな、取扱量が200トン以下の工事が大半でございました。このため、本県の取引実態に即した価格調査が実施できないか、現在調整を進めているところでございます。  引き続き、工事の発注に当たりましては、建設資材の需給や価格の動向を注視するとともに、価格調査を適正に実施し、最新の実勢価格を反映いたします。また、契約後におきましても受注者と協議の上、スライド条項を適用するなど、その後の状況も踏まえた変更を行い、適切な工事価格が設定できるよう、改善に努めてまいります。 162 山崎委員 ありがとうございます。  いろいろと努力をしていただいているということが分かりました。  実際に調査を先にしなければならないので、その調査期間がどうしてもありますから、実勢価格との差というのは出てきやすいのだと思います。入札時点での単価に開きがあった場合には、そういった取決めもあるかもしれませんけれども、現実に工事が進むように柔軟に対応をしていただきたいと、お願いを申し上げる次第であります。  我が会派の永森議員の代表質問にもありましたが、昨年6月、7月の豪雨において線状降水帯が発生し、ダムの水位が急激に上昇したため、ダムの緊急放流が行われました。  現在の法律や基準では、線状降水帯のような急激な増水が想定されていないため、本来であれば今後、線状降水帯等の頻発を想定して法律や基準を変えていくことが急務だと考えています。しかし、豪雨災害は、法や基準の改正を待ってはくれません。ネット上では今年も酷暑が予想されるとの情報も出ています。この夏もまた線状降水帯が発生しないとは言い切れませんし、むしろ今年もやってくる前提で準備する必要があります。  今後、線状降水帯による豪雨が予想される際に、どのようにダム操作や情報提供を行うのか、昨年の経験を基に新たな対応を検討し実施すべきと思いますが、市井土木部長に伺います。 163 市井土木部長 県が設置した、ダム等に関する情報提供のあり方検討会では、委員からの御意見を踏まえ、年度末に開催予定の第3回の検討会で今後の方策案を取りまとめ、可能な方策から順次実施することとしております。  このうち、情報伝達訓練につきましては、白岩川ダム管理事務所で、昨年10月に上市町、11月に立山町と、新たなツールを活用した訓練を先行実施しております。異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流の各段階を想定し、本庁からの承認を受けたダム管理事務所の職員が、まず町担当者へメールでの予告、その上で町長へのホットライン、さらに検討会の委員からの御指摘を踏まえチャットでも町長や担当者に通知を行ったところでございます。  また、監視カメラにつきましては、白岩川と和田川において、次期出水期までにダム下流に1基ずつ増設し、公開できるよう準備を進めております。  一方、ダム操作につきましては、昨年、白岩川ダムと和田川ダムで線状降水帯等による降雨が予測に基づく事前放流に至らなかったことを踏まえ、両ダムにおいて洪水の予測される出水期の期間中、利水者の御協力の下、利水上可能な範囲でダムの水位をあらかじめ低下させ、治水容量を確保する暫定運用が試行できないか、現在協議を行っているところでございます。  県といたしましては、次期出水期に向け、市町村等関係機関の協力を得て、迅速かつ有効な情報提供に努め、ダムを含む河川管理者としての務めを果たしてまいります。 164 山崎委員 現行法と基準の下で、今、県が何をできるのかということで大変努力をしていただいていることに、心から感謝を申し上げたいと思いますが、また一緒に、早く法律を変えていただく、基準を変えていただくことによって、この予想以上の増水に対応していけるように、共に取り組んでいければと思う次第であります。ありがとうございました。  続きまして、県立高校の再編について3問伺いたいと思います。  県立高校再編は、人口減少により生徒の数が減ったことに端を発していると思いますが、人口減少だけでなく、教育の質、まちづくりの観点も勘案すべき大切なポイントだと認識しています。  人口減少とともに働き方改革やDX、感染症対策や戦争の勃発など、あらゆる社会情勢も大きく変化しており、生徒を含めた若者が描く理想像や社会像も変化してきていると考えます。  その中で課題となっているいじめなどは、これまでも存在していたものの、多様化を認める社会へと今まさに変化している中で現れてきている社会のひずみなのだと個人的には理解をしています。  これまでの画一的な価値観による知識偏重社会から、個々の個性を尊重し伸ばすこと、真の人間力につながる自主性や経験、体験の重視などへの変化をしながら、社会情勢の変化を捉えた生徒を主役とした、生徒に選ばれる学科、コースの再編、教育の質の向上が必要と考えます。荻布教育長に伺います。 165 荻布教育長 県教育委員会では、Society5.0の到来など社会が大きく変化する中での県立高校の在り方について、生徒や保護者などへのアンケートを行い、総合教育会議においても議論を深めた上で、昨年5月に報告書を取りまとめました。  その中では、生徒育成の目指す姿として、未来を切り拓いていくための確かな資質能力と意欲の育成、そして主体的に課題を発見し解決する力や他者と協働する力の育成、さらに自分と他者を尊重し、多様な価値観を認め合う態度の育成の3点を挙げております。  この報告書を踏まえ、県立高校教育振興検討会議において、高校教育の充実に向けて議論を重ねており、先般、今年度末に取りまとめられる基本的な方針の素案が示されたところです。その素案では、生徒が学びたい、学んでよかったと思える魅力ある高校づくりを実現するための目指す姿として、学びの質の向上、生徒の幅広い選択肢の確保、社会のニーズを踏まえた教育体制の整備の3点が示されております。  また、学科、コースの見直しに関する今後の方向性として、例えば普通系学科では、「データサイエンスやグローバル化に対応するため、英会話力を高め、探究活動に取り組む」学科の新設、工業科では、「工業デザインや防災、社会基盤維持などについて学ぶことができる」コースの新設などが示されております。  新年度は、この提言を基に総合教育会議でさらに議論を深めていただき、会議での御意見も踏まえながら、引き続き生徒に選ばれる県立高校の魅力ある教育環境を進めてまいりたいと考えております。 166 山崎委員 ありがとうございます。  個人的には、地域の特徴を生かした学科なども検討していただけると大変いいんじゃないかなと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。  市町村内に県立高校があるか否かによって、まちづくりの在り方も大きく変わってきます。さきの再編統合では、泊高校や南砺福光高校が対象となりました。この2つの事例では、地域の活力に大変大きなインパクトを与えたことは紛れもない事実であります。  先日、富山県成長戦略会議委員である藻谷浩介さんが、テレビ番組で高校再編について次のような意見を述べておられたので、紹介します。「学校を減らすのは間違っている。地域において学校は最後まで残したほうがいい。これが世界でのグローバルスタンダードでもある。学校を減らすことは、子供にとっての将来性がないという雰囲気を地域につくってしまう。どんなに減っても子供に関する予算は削らないという意地を示すことがとても重要。大人数教育は昭和の遺産。少人数のほうが教育の質は高まる。突き詰めて一つのユニークなことをやる探究教育をしっかりやっている人のほうが優秀な社員になる。世の中のニーズは少人数教育へ向かっている。少人数教育ができるようになったということがチャンスだ。適正規模、適正配置は大都市至上主義を容認しかねない。何でも集中して大きいほうが適正な規模という考え方から脱却し、人口が少なくてもきちんとやったほうが豊かになるということに早く気づくべきである」とおっしゃっておられました。  高校再編におけるまちづくりの視点をどのように認識しておられるのか、首長さん方の意見も聞いておられるのだと思いますが、新田知事に伺います。 167 新田知事 第2期教育大綱では、基本理念を「ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成」としています。これは実は、第1期から変わらぬ基本理念です。ここら辺はぶれないものが必要だと思っています。  そして、その基本理念を達成するために9つの基本方針を挙げています。この9つの中には、「学校、家庭、地域で取り組む子供の成長支援」、「ふるさとを学び楽しむ環境づくり」、あるいは「教育を通した『ふるさと富山』の創生」とあり、本当に教育にとっての地域、ふるさとを考えるということの重要さが表れていると思います。  こうしたことから県立高校では、地域の多様な機関と連携をして、地域資源を生かした課題解決型の学習に取り組んでおりまして、生徒が自らの可能性を発揮し、未来を切り拓いていく力を育む活動を行っています。  具体的には、委員の御地元の上市高校では、県の薬用植物指導センターの指導を受け、漢方薬に使われる薬草ミシマサイコの栽培、乾パンに地元特産のショウガを練り込んだ「上高パン」の制作などを行っており、その他の高校においても、地域と連携した課題解決型学習や、地域と協働したボランティア活動の取組、地域の小中学生や社会人などと共に教え学ぶ活動などを行っています。このように、地域資源を生かして高校教育に広がりや深みを付加することはとても大切なことだと思っています。  私は、高校は本来的に教育、人づくりのためにあるものであり、今後の県立高校の在り方の検討に当たっては、まずは高校生にとってどういう教育環境が望ましいのかなど、「こどもまんなか」の視点に立って、高校教育の充実の観点を最も重視すべきではないかと考えております。 168 山崎委員 ありがとうございます。  高校生が希望を持てるということは非常に大事なことであると思います。自分の住んでいるまちに誇りを持つ、このことを外して物事は考えられないだろうと思いますので、ぜひとも、地域の高校という視点もまちづくりに関係するんだということも、御認識いただきたいと思います。  自民党議員会では、県立高校再編に当たって地域協議会の設置を求めていますが、令和6年度当初予算には当該協議会の経費は盛り込まれていません。地域に大きなインパクトがあるからこそ、丁寧に各地で生の声を聞き、反映させるべきだと考えます。具体的にどのような方法で地域の声を反映させようとされているのか、新田知事に伺います。 169 新田知事 県立高校の再編については、県立高校教育振興検討会議において、有識者、教育関係者、市町村、PTAなど幅広い見識を持った方々により検討されています。また、市町村長や市町村教育長との意見交換会や、高岡と富山における県立高校教育振興フォーラムを行いました。これらで様々な意見をいただいています。そして、先月の検討会議や総合教育会議にもこれらでの発言内容が報告され、検討がさらに進められています。  私としては、今年度中に取りまとめられる検討会議の提言を参考に、新年度の総合教育会議において、地域の代表の方々にもぜひ出席いただき、御意見を伺いながら、県立高校の在り方に関する基本方針などについて丁寧に議論を深めていきたいと考えています。  具体的にということですが、先ほども申し上げましたように、現在、多くの高校が地域と連携した探究活動に取り組んでいる中、子供たちによりよい教育の場を提供するために地域はどのようなことができるのかとか、このようなことも伺っていきたいと思います。また、今後少子化が急速に進む中で、県全体の高校教育はどうあるべきかという課題を、地域のお立場からもお聞きをしたいと考えております。  そして、生徒や社会のニーズなどを踏まえた観点での教育体制の整備も必要であり、保護者や産業界の代表の方にも総合教育会議に御出席いただき、幅広く意見を伺いたいと考えています。  地域の皆さんからこうやって御意見を伺う場があることは大変に意義深いことと考えております。教育委員会には、新年度も意見交換会を学区ごとや、あるいは希望のある地域で複数回開催し、いただいた御意見を総合教育会議において報告してもらう予定にしております。  地域の皆様の声を丁寧にお聞きしながら、高校生にとって望ましい教育環境とは何か、それをしっかりと掘り下げていきたいと考えております。 170 山崎委員 ありがとうございます。  いろんな会議が行われる際には、必ず予算づけが行われましてその場がつくられるわけですけれども、そういうことで丁寧な意見が拾えてくるのだと思いますが、今回は盛り込まれておりません。これは盛り込まれることはないのでしょうか。 171 新田知事 総合教育会議は、かなりの回数開催することにしておりますが、その予算は盛り込んでおり、地域の声を伺うというのはその中で予算も見込んでおります。 172 山崎委員 ありがとうございます。  総合教育会議のメンバーだけだとちょっと幅が狭いと思いますので、ぜひとも枠を広げていただきたい、丁寧に聞いていただきたいと思います。これはお願いであります。  続きまして、公共交通の再編について伺います。  城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への移管が決まり、県西部の再編は大きな目鼻がついたところです。今後、県東部の再編に向けて具体的に検討が進められていくものと考えます。  地域公共交通の要は、個人が行きたいときに行きたいところへ行けることだと思います。そういう意味では、鉄道路線は幹になりますが、一番大切なところは、ラストワンマイルや、自宅からスーパーや病院などへの生活拠点へなるべく不便を感じずに行けるかどうかだと思います。これによって豊かさや幸せが感じられ、まさにウェルビーイングにつながるのだと思います。  高校生への出前事業では、公共交通の増便要望が多く、また、単位を取るためにボランティアに出かけたいが、現地に行く交通手段がなく断念することもあると聞きます。  県東部における公共交通の再編に向けて、今後どのように展開していくのか、具体的な検討に向け、議論の方向性を示すべきと考えますが、田中交通政策局長に伺います。 173 田中交通政策局長 先月取りまとめました富山県地域交通戦略では、本県の地域交通ネットワークの目指すべき姿として、骨格となる鉄軌道を中心としたネットワークを実現することを掲げております。また、ポイントとして、鉄軌道サービスを強化するため、自治体の積極的な関与や、駅を中心としたまちづくりを進める市町村との連携というのもお示しいたしました。
     また、関係者の役割分担として、地域交通サービスはその地域の活力、魅力に直結する公共サービスであり、自らの地域をよりよくするため必要なサービスの確保・向上についての自治体、県民の役割を、これまでは事業者への側面支援ということでしたが、自らの地域に対する投資、参画へと、かじを切ることといたしました。  特に自治体の役割として、交通事業者の経営の範囲を超えるものの、その地域が必要と考えるサービスレベルの確保・向上については、地域の当事者として自らの投資により実現することもお示ししました。  この目指すべき姿や役割分担をはじめとした戦略の内容については、取りまとめ後速やかに、全ての市町村等で構成します交通ワンチーム部会を開催いたしまして、丁寧に説明を行いました。  また、委員からもお話ありましたけど、この鉄道の幹につながるラストワンマイルということで、そこの交通の支援をはじめ、新年度予算の内容につきましても、説明を行ったところであります。  今後、市町村においては、県の戦略などを踏まえて投資、参画の議論が進むものと考えており、相談がありました際には、県としても適切に丁寧に対応してまいります。 174 山崎委員 ありがとうございます。  行政と、地域と、一緒になってということだと思います。また、共に切磋琢磨していきたいと思います。  以上で終わります。 175 永森委員長 山崎委員の質疑は以上で終了いたしました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、3月13日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後4時13分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...