(4) 質疑・応答
光澤委員
・
訪問看護ステーションについて
・
若手看護職員の離職対策について
種部委員
・
介護支援専門員及び
主任介護支援専門員の確保に
ついて
井加田委員
・
プラスチックごみの一括回収について
・
新型コロナウイルス感染症の相談件数及び相談内
容の変化について
五十嵐委員
・インフルエンザの感染状況について
大井委員
・富山マラソン2023について
・熊対策の状況について
・認知症高齢者の
ウェルビーイング向上について
2 澤崎委員長 報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入りたいと思います。
質疑・質問はありませんか。
3 光澤委員 早速ではございますが、質問に入らせていただきます。
自民党富山県連青年局では、活動の一環として県内の各青年団体との意見交換会を実施しております。
先月10月26日には、奥野委員と共に富山県看護連盟の青年部の皆様との意見交換会を実施し、併せて
看護研修センター内の施設見学もさせていただきました。
当日の施設見学や意見交換会を通じて、幾つか御意見等を頂きましたので、本日は当日の先方とのやり取りも踏まえて2つの項目について質問させていただきたいと思います。
1点目は、
訪問看護ステーションについての質問でございます。
施設見学時に富山県
訪問看護総合支援センターを見学し、いろいろとお話を伺ってまいりました。当センターでは、訪問看護に関する相談受付や、普及啓発、訪問看護への就業促進など、様々な取組を実施しているとのことでした。その中で、県内においても高齢化等に伴う在宅医療等のニーズが増えている現状があると伺いました。
一方で、県内の
訪問看護ステーションの数は令和5年10月1日時点で、99か所となっております。この数字だけを見ると、他県と比較して少ないように感じるところもございますが、この現状をどのように受け止めているのか、まずは、
中村高齢福祉課長に伺います。
4
中村高齢福祉課長 直近で全国比較ができる令和4年4月現在の
訪問看護ステーション数は、人口10万人当たりで、本県は8.4事業所、全国平均では11.4事業所となっておりまして、地理的条件や医療資源の状況などもございますが、一概に比較はできないものの、全国よりも少なく、十分とは言えない状況となっております。
また昨年度、
日本看護協会が実施した
アンケート調査によりますと、
常勤看護職員5人未満の
小規模事業所は45%となっておりますが、本県の
小規模事業所は、令和2年は約52%、令和3年は約54%、令和4年は約55%と半数以上を占めて推移しておりまして、本県の
小規模事業所の割合が高い状況となっております。
このため
訪問看護ステーションの数を増やしていくことも必要ではございますが、大規模化に向けた支援をしていくことも重要でありまして、職員の確保や経営面も含めて各事業所の
訪問看護体制を充実していく必要があると考えております。
5 光澤委員 現状について承知をいたしました。
事業所数については全国平均よりも低いということでありましたので、事業所数の増や大規模化とか、そういったところを人材の確保、経営面を含めて、しっかり支援していただきたいなと思っております。
現在、第8次の富山県医療計画を策定しているところと承知をしております。訪問看護を取り巻く現状や、今後ますます進む高齢化、
在宅医療ニーズの増加等を踏まえると、本計画においても
訪問看護ステーションについて、先ほどおっしゃられた大規模化や共同化も含めた、数だけではない質の向上、これも考慮したさらなる
訪問看護提供体制の安定化、機能強化が必要であると考えますが、
中村高齢福祉課長に所見を伺います。
6
中村高齢福祉課長 安定した質の高い
訪問看護サービスを提供するためには、退院支援や日常の療養支援、急変時の対応、みとりなど、患者の容体に応じて、24時間365日切れ目なくサービスを提供できる体制を構築していく必要があります。
このため医療機関と連携し、円滑な在宅療養移行に向けた退院支援につながる仕組みづくりや、
訪問看護ステーションの確保はもとより、大規模化や連携による機能強化を進め、柔軟な人員配置などにより24時間体制で、緊急時の受入れなど多様なサービスが提供できる体制を確保すること、また小児や人工呼吸器など難易度の高い看護ケアを提供できる訪問看護の技術向上を図っていくことが重要であります。
こうした点を踏まえまして、現在策定している第8次医療計画においては、円滑な在宅への移行に向けた多職種連携を推進する研修会を開催することや、
訪問看護ステーションの新設、規模拡大に向けた整備への支援、管理者など関係者を集めた意見交換、また
訪問看護ステーションの機能強化に向けた
総合支援体制の整備や、
訪問看護ニーズの多様化を踏まえた訪問看護師の資質向上につながる技術的な研修会の開催などを盛り込むこととしておりまして、
訪問看護ステーションの体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
7 光澤委員 第8次の医療計画の中でもしっかりと充実させていくということを確認できました。やはり住民、県民の皆様の中にもこれからの人口減少や高齢化が進んでいく中で、自分たちの医療体制がどうなっていくのか不安に思われている方がおり、そういった状況の中では、
訪問看護ステーションというものへの関心が高まっていると思いますので、ぜひしっかりと進めていただければと思っております。
次に、
若手看護職員の離職対策についての質問でございます。
人口減少や少子高齢化が進む中で、看護職員の確保は医療体制を維持する上で重要であると考えます。
意見交換会において、精神的理由で離職する若手職員が多いとの声をお聞きしました。人手不足、長時間勤務、新人教育の負担、パワハラ等、心理的負担となっている事象が散見されるとの声をいただいたところでございます。
日本看護協会中央ナースセンターによる2021年度
ナースセンター登録データに基づく看護職の求人、求職、就職に関する分析報告書を見てみますと、20代の退職理由の中で自分の健康、主に精神的理由で退職するのが8.9%となっており、ほかの年代よりも高い傾向であることが分かります。
このような現状を踏まえ、
若手看護職員向けの研修会など、コロナ禍で実施できていなかった取組もあるとは承知しておりますが、
若手看護職員の離職対策に向けた取組について、松原医師・
看護職員確保対策班長に伺います。
8 松原医師・
看護職員確保対策班長 本県で毎年実施しております看護職員の実態調査によりますと、近年看護職員の退職者のうち、勤務年数5年未満の職員の方が4割程度を占めております。退職理由としましては、精神的な理由による退職もございまして、その要因としては徐々に任される仕事が増え、責任や周囲からの期待が大きくなる時期でもあり、不安や悩みが増えてくることなどが考えられるところでございます。
このため、県ではこれまで
新卒看護職員を対象とした研修会を開催し、看護職員としての自覚や意欲を高め、職場への定着促進を図っているほか、
新人看護職員を指導、教育する立場にある職員を対象とした
指導者研修会を開催し、
新人看護職員に対するメンタルサポートなどについての研修を実施しているところでございます。
また、先ほど委員からも御発言がございましたが、就職後3年から5年目の看護職員の方を対象としました
若手看護職員研修会、交流会を開催し、同じような悩みを乗り越えてきた先輩からの体験談やアドバイスを聞いたり、若手職員同士が交流し、情報交換できる場などを設けているところでございます。特に今年度は新型コロナが5類となりまして、4年ぶりに若手職員の皆さんが同じ場所で集合し、研修会を開催できました。大変有意義な機会になったのではないかと考えております。
引き続き、若手職員の職場定着に向けまして、看護協会など関係機関とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
9 光澤委員 いろいろと取組をされているということで、承知しました。
研修会も4年ぶりに開催できたということで、大変有意義なものになったのかなと思います。私が参加した意見交換会でも、いらっしゃった先輩や青年部でない方々が、そういった研修会は非常に有意義だということをおっしゃっておりましたので、こういったところをしっかり充実させていただきたいなと思います。
少し思うのは、今、いろいろな業種で人材不足が言われていて、看護の分野でも例外ではありません。それで、伺ったところによりますと、人材を確保するためいろいろ取組をしていても、不安や悩みで辞めた人たちは全然違う職域に行ってしまうような話も聞いておりまして、せっかく人材を育てたのに、それは少しもったいないような気もいたします。
先ほど言いましたけれども、医療体制のところで看護職員というのは絶対必要な人員であると思いますので、引き続き、最前線で勤務する若手の職員にも寄り添いながら、安心して働ける
環境体制づくりを県としてもしっかり支えていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
10 種部委員 まず、先ほど御報告がありました
サンドボックス予算での
HPVワクチン接種促進の啓発事業について、予算をつけて取り組んでいただきありがとうございます。
残り期間が非常に短い中で、残りあと3万人から4万人ほどいますが全員が接種してくれれば、少なくとも100人くらいの命が救えるということで、事業を続けていくに当たり、接種が進まない場合はどこに球を打っていけばいいのかを評価して、実効性を高めながら進めていただければと思います。また御報告いただければと思います。
質問に移りたいと思います。
人口が減ってきますと、どうしても医療機能は集約をしなければいけないということで、第8次医療計画でも集約化を踏まえて富山県の医療の在り方を考えていただいていますが、その中で、在宅介護への移行が非常に重要だと思ってこれまで何度も質問してきました。
ACP──アドバンス・ケア・プランニング、これを推進するに当たり、急性期からできれば在宅へ持っていくときにキーパーソンになるのが
ケアマネジャーさんです。
医師、看護師の確保も大変大事ですけれども、最後は
ケアマネジャーさんがおうちに帰っても大丈夫ですよ、何とかなりますよと言ってくれなければ、家には行かないということがありまして、本当に大事な立場だと思っています。
ところが、前回の委員会でも本会議でも質問しましたが、
ケアマネジャーさんも
主任ケアマネジャーさんも確保が非常に困難な状況です。特に
居宅介護支援事業所、ここは、実際に在宅で生活をしていこうということで病院から移行するときに支援をする立場だと理解していますが、その中での
ケアマネジャーと
主任ケアマネジャーがいないと聞いています。
国は平成30年の介護報酬改定のときに、
居宅介護支援事業所の管理者を
主任ケアマネジャーにすべし、としましたけれども、この資格を継続できないので撤退せざるを得ないという事業所が少なくないということであります。
令和2年には、管理者要件の適用を猶予する、
主任ケアマネジャーでなくてもいいよという通知を発出しています。これを受けて、富山市は令和9年度まで猶予年数を延長することを10月に発表していました。
実質、
主任ケアマネジャーが不在でも事業所は継続しないといけない状況になっているので、ペンディングして、何とか維持しているという状況だと思うのです。すなわち、それだけ
主任ケアマネジャーがいないということだと思います。最近では
地域包括支援センターにも
主任ケアマネジャーがおらず、確保できないために、厚労省も
主任ケアマネジャー資格がなくてもいいという、そんな要件を打ち出す方針を出したと報道されていました。
しかし、それでいいのかと思います。やはり質の高いケアプランというのはとても大事だと思うので、
介護支援専門員、
ケアマネジャーさん及び
主任ケアマネジャーを確保するようきちんと努めていかなければならないと思います。
9月7日の
厚生環境委員会でもこのことを質問しました。
ケアマネジャーの需給バランスについて、ケアプランに関わっている
ケアマネジャーは県内で2,000人、
ケアマネジャー1人当たりのケアプランが32.7人で、令和12年度には1人当たり35.2人になるという答弁だったと思います。要は1人で抱えるケースは増えるだろうという需給バランスの見込みについて教えていただきました。負荷がこれから増えていくということなので、やはり人数の確保は大事だと思います。ただ、1人当たりのケアプランは40人までが一応適正とされているのでまだ余裕があるのかなと聞こえたのですけれども、現実とはやはり乖離している感じがしました。
サンドボックス予算で実情を調査しているという答弁もありまして、さきほど御報告があったとおり6月に調査されています。
それを踏まえて、
ケアマネジャー及び
主任ケアマネジャーの確保、そして
居宅介護支援事業所の事業継続に関して現状どうなっているのかということ、どう認識していらっしゃるのか
中村高齢福祉課長にお伺いいたします。
11
中村高齢福祉課長 介護支援専門員の
ケアマネジメント実態調査につきましては、
アンケート調査により、
介護支援専門員の活動状況について取りまとめたところでありますが、委員お尋ねの
ケアマネジャーの確保状況などにつきましては、来月上旬まで
地域包括支援センターへの
ヒアリング調査を行って、各地域における
ケアマネジメントの現状や課題を取りまとめることにしております。
これまでのヒアリングでは、
介護支援専門員の確保につきましては、
介護支援専門員の募集をしても就労希望者がいない、
介護支援専門員の高齢化に伴い退職者が増加している、
介護支援専門員が不足し、
居宅介護支援事業所の閉鎖につながっているといった御意見を伺っております。
県としては、要介護者が増える中で、利用者へ質の高い介護サービスを適切に提供するためにも、
介護支援専門員の確保は喫緊の課題であると認識しているところでございます。
12 種部委員 調査結果の中身をまた解析してとは思っていますが、現状としては、やはり人が足りないという声を多く聞いています。
そこに仕事をしていただかないと在宅に移行できず、痛いところでありますので、現状調査とその結果報告をお待ちしております。
それと前回の本会議において、そのような事業所が経営を継続していくに当たり、加算がなかなか取りにくいということで、在宅移行というのであればそこをやりやすいような加算をつけるべきだということを申し上げたのですが、次の診療報酬改定はそういう方向に向かっていないというところで、要望もしていく必要があると思っています。
また、
ケアマネジャーさんたちは資格更新の研修に時間を相当取られています。加えて、経費が非常にかさむ状況の中で、研修費用もなかなかお高いということで、事業所がそれらを負担しているところが多いかと思いますが報酬が見合っていません。特に
主任ケアマネジャーが事業者や管理者である場合、自分の給料を削りながら取り組んでいらっしゃるところもあり、お金の問題で資格更新を続けることが困難ということも聞きました。
特にこのACPを実行できる力のある
ケアマネジャーさんは高齢化しているということで、力のある人たちにこれからもずっと続けてもらうのは難しい状況ではないかと思います。
本当に
ケアマネジャーは取り合い状態になっているというのを聞いておりまして、そんな中、この研修費用を100%補助する自治体がありました。東京都の荒川区と港区でしたかね。100%補助の自治体があると、そういうところに人が流れてしまう可能性もあります。
研修費用は県に設定の責任があると思うのですけれども、適正な配置を促す意味でも少し安くするとか、そういうことを検討してはどうかと思いますが、
中村高齢福祉課長にお伺いいたします。
13
中村高齢福祉課長 資格更新のための法定研修の費用は、受講料と教材代について受講生に負担いただいております。
受講料につきましては、各都道府県がそれぞれ独自に設定し、講師謝礼や会場費、資料代などの経費に見合った形で算定しておりまして、本県の受講料は全国平均を下回る状況にあります。
会場を完全にオンライン化することで、さらに経費を削減し、受講料の減額につなげることも考えられますが、通信環境がなくオンラインでの受講が難しいとか、対面で
グループワークや事例検討を行いたいという受講生の意見もあるため、現時点では難しい状況であると考えております。
研修費用の負担軽減につきましては、県としてもできるだけ抑制したいと考えておりまして、現時点では受講料の引下げは考えていないものの、受講生が有料で準備している教材について、厚生労働省がオンラインで提供している教材を無料で活用することで、全体として受講生の研修費用の負担を削減できないか、富山県
介護支援専門員協会とも協議しながら進めているところであります。
引き続き研修の質を確保した上で、研修費用の負担軽減についてどういった方策が適切か検討してまいりたいと考えております。
14 種部委員 また御検討いただきたいと思います。
受講者の数を調べてみたら、新規で参入する方がすごく減っています。そして更新の人もおそらく相当高齢化しているので、なかなか
オンライン対応も難しいのかなと思っています。となると、当然、力を持った高齢の方たちにも更新してほしいですけれども、新規の人を増やすという意味では、価格についても考えないと参入者が減るのではないかなと思っています。負担もあるところですけれども、引き続きの検討をぜひお願いいたします。
15 井加田委員 私のほうからは、今日は2問お伺いしたいと思って準備してまいりました。
まず、1問目は
プラスチックごみの一括回収とリサイクルの現状についてという項目でございます。
今、国において、
プラスチック資源循環の取組を促進するということで「
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」、略して
プラスチック資源循環法と言うそうですが、これが昨年4月から施行されている状況です。
この法律では、市町村が
容器包装プラスチックに加えて、
容器包装リサイクル法の対象外として扱われていたいわゆる洗面器、歯ブラシ、文房具、CD、おもちゃ、ハンガーなど要は
プラスチック素材でできている製品、たくさんあると思うのですけれども、これらについても
容器包装プラスチックとともに
プラスチック資源として回収して、リサイクルの対象として分別収集や再商品化に努めることとされています。
なかなか読み取りにくい法律なのですけれども、実は11月19日に北日本新聞の社説にもこのことが報告されておりました。その関連でお聞きしているのですけれども、市町村には、
分別一括回収は努力義務として要請されている状況だと思います。
一方で、国連環境計画によりますと、2020年に世界ではトータル2億3,800万トンのプラごみが発生していて、うち半分の1億700万トンが自然環境へ流出しているということでございます。このまま放置をすれば、2040年には4億トン以上という天文学的な量のプラごみが生じるおそれがあると指摘がされているところでございます。
また、ごみ焼却のために燃やし続けるということであれば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出にも歯止めがかからないということで、プラごみ削減と
地球温暖化対策の両面から、
分別一括回収とリサイクル再資源化という資源循環の仕組みをつくり、環境への負荷を抑制する目的で策定された法律であると理解しております。
プラスチック消費からプラごみ発生、それから廃棄まで産業構造の根本に関わるようなことなので、分別して収集して済むという簡単な問題ではないですけれども、やはりごみの減量化ということは大事な課題ですし、法律としても方向づけられております。また富山県も率先して減量化の取組を進めてきておりますし、前提としては大量生産、大量消費の見直し、そしてリサイクルによる再資源化の流れをつくることがごみ減量化につながっていくものと理解しております。
それで、新聞報道では県内のいくつかの市が、一括回収に向けた試行を始めるといった紹介があったのですけれども、現在、県内市町村のプラごみ回収の取組の現状はどうなっているのか。それから、こうした市町村の取組を後押しするためには、県としてどのような支援を行っているのかについてお伺いしたいと思います。
16 森廃棄物対策班長 御紹介がございました
プラスチックごみですけれども、
容器包装プラスチックと
プラスチック使用製品の2種類がありまして、前者、
容器包装プラスチックのほうにつきましては、既にリサイクルが進められているところでございますが、
プラスチック使用製品につきましては、現在多くの自治体のほうで可燃ごみ等として処分されているものでございます。
県内市町村の可燃ごみの年間収集量でございますけれども、約27万トンということでございますが、その中の1割から2割程度が
プラスチックと推計されておりまして、これに
プラスチック使用製品が含まれていると考えております。
令和4年4月に施行された
プラスチック資源循環法では
プラスチック使用製品についても
容器包装プラスチックと一緒に一括して回収して、製品にリサイクルするということが求められているところでございます。
現在、富山市、高岡市、砺波市、南砺市が市や広域圏事務組合として、令和6年度からの一括回収開始に向けて準備を進めておられます。また、射水市や新川広域圏事務組合におきましても、今年度、実証試験を行い、効率的、効果的な回収方法などを検討されているところでございます。
一方で、一括回収を実施するに当たりまして、
プラスチック使用製品からリサイクルに支障を及ぼす異物が混入することがないよう、分別方法を住民に周知し、徹底していただく必要があることですとか、回収や再商品化などリサイクルに係る経費がかかるといった課題があると聞いております。
県といたしましては、これまで市町村一般廃棄物対策推進協議会や担当者との意見交換の場で、法制度の説明に加えまして、リサイクルの取組事例ですとか、住民への周知に関する事例等の情報提供などを行いますとともに、国への重要要望で、市町村の取組に対する財政支援の充実要望を行ってきております。
今後とも協議会などの機会を利用いたしまして、国の動きや他県の先行事例の情報提供を行いますとともに、課題や実証実験に関する意見交換を進めるなど、市町村の取組が拡大されるように努めたいと考えております。
17 井加田委員 なかなか先が長いわけですけれども、そうは言っても、お金がかかってでもそういう流れはつくらなければいけないと思います。
また
プラスチック製品といっても、金属が混じったりいろいろな様態の製品がありまして、他県の事例を調べてみますと、やはりそこのところの分別はかなり困難で、分別しきれないものもあるようでした。
そういう意味では、一括回収してもそれをどう分別するかというところにかなり力を割く必要があるし、お金も必要ではないかということが容易に推測できるわけで、そうした課題にきちんと対応いただく必要があると思います。ただそうは言っても、将来的にごみの発生を少なくしていく取組は非常に大事なことなので、そうした観点で地道に取組を進めていただきたいと思うわけであります。
それで、一括回収だけ行えばいいというわけではなくて、再資源化の流れをどうつくっていくかというのも大変大きな課題であります。
製品
プラスチックの生産に携わっている事業者や販売からリサイクルに至るまでの関連事業者など、県内における再資源化に係る一連の事業者の取組の現状について森班長にお伺いします。
18 森廃棄物対策班長 県内の事業者の取組の状況でございますけれども、例えばとやまエコ・ストア制度という制度がございますが、こちらに参加するスーパー等の協力店舗におきましては、レジ袋の無料配布の廃止、詰め替え商品の販売の促進、トレー等の店頭回収、
プラスチックトレーへの転換、削減などの取組を行っておられるところです。
また、
プラスチック資源循環法の施行を受けまして、県内のコンビニエンスストアや宿泊施設などにおきましては、スプーンやフォーク、アメニティーなどのいわゆるワンウェイ
プラスチック、こちらについて提供の見直しや紙、バイオマスなどへの転換を進めておられるところでございます。
県といたしましても、こういった事業者の取組を御支援したいということで、廃
プラスチックやバイオマスを利用した製品の開発協力ですとか、トレーの削減や転換の呼びかけなど
プラスチックの使用、排出の削減に関する事業に取り組んできております。
さらに、今年度は排出事業者、リサイクル事業者、製品メーカー等、リサイクルに関連する皆さんが情報交換、連携できる取組をしたいということで、マッチングサイトを構築することとしておりまして、今後、このサイトを活用して、例えば建材メーカーなど
プラスチックの排出量が多い分野、そういった分野の事業者を中心に新たなリサイクル事例の創出というのを支援してまいりたいと考えております。
県内では事業者から出る
プラスチックにつきましては、年間約10万トンということになっておりますけれども、その約半分が再生利用されていないという現状がございます。事業者の
プラスチック削減の取組も進むように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
19 井加田委員 県内の現状について御報告をいただきましたけれども、事業者のごみについてもかなり多いと思いました。10万トンのうち半分は再利用されていないということですから、市町村の回収に加えて、事業者への対応というのも非常に大事な視点かなと思いました。なかなか地味な仕事で見えないところだと思いますけれども、やはり環境保護の観点から、これはお金がかかってもしっかり取り組んでいただく必要があると思います。
また事業化にしても、そこに新たな雇用を生み出すようなそういう仕組みもインセンティブになるのかなと思いますので、ぜひそういった観点からも県として進めていただきたいと申し上げておきたいと思います。
もう1点、お伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症についてです。
6月、9月の委員会でも私のほうから
新型コロナウイルス感染症対策について質問をさせていただいております。
前回9月の委員会では、県内の新型コロナウイルス感染者が増加傾向にある中での質問でしたけれども、その後若干減ってきたという状況がございます。そのときは5類移行後の外来診療や入院治療の状況とか、感染拡大に伴う相談窓口に寄せられる相談件数や相談内容の推移について質問させていただきました。
9月の時点では第37週ということでしたけれども、一方で9月の中旬頃から並行してインフルエンザが増え始めております。徐々に感染者が増えて、学級閉鎖等の措置が取られたところも出てきています。
第45週、11月に入ってからは、警報、注意状態ということで、全国的な流行に迫る勢いで増加の状態が継続しており、流行が本格化しているなという状況でございます。
新型コロナウイルスの感染状況については、直近のデータで第46週、11月13日から19日のデータですけれども、11月22日の速報値では、新規患者推計値は614人で前週よりは30%増と出ておりました。全体的にカーブは下がっていますので、このまま落ち着いていけばいいかなと思いますけれども、若干増える傾向があるのかなと。
それからインフルエンザが猛威を振るっているということもあり、ダブル感染のようなこともあるのではないかと気がかりでありまして、引き続き、発生動向には注視していただくことが必要かなと思っております。
そうした中で、新型コロナウイルスの感染状況の推移や相談窓口に寄せられている相談件数の推移、あるいは相談内容について、その後、どのような変化があるのか、それぞれ個々の相談への対応状況も含めてお伺いしたいと思います。
20 森安感染症対策課長 新型コロナの感染状況につきましては、5類移行後、夏場にかけて増加傾向でございましたけれども、現在、1週間の1定点医療機関当たりの患者数で言いますと、9月10日時点で22.13人というのがピークでございまして、その後は減少に転じております。
委員からの御紹介もありました11月19日時点が最新の情報になりますけれども2.71人となっております。
また、相談窓口での相談件数につきましては、5類移行後のピークが8月の1か月間で2,470件ございましたけれども、9月が1,780件、10月が521件と感染者数の減少に伴って減少しているところでございます。
相談内容の内訳でございますけれども、10月にありました内訳といたしましては、症状、受診等に関することが521件中の364件と最も多くなっておりまして、具体的には、発熱や微熱、せきや喉の痛みなど、症状に伴う相談が多い状況でございます。相談の内容、症状とも感染者数の多かった8月と大きな変化はございません。
今後、冬季に向けましては、新型コロナに加えまして、委員御指摘の既に注意報レベルとなっておりますインフルエンザなど、ほかの感染症も流行しやすいことから、引き続き感染動向の把握に努めまして、24時間体制での相談窓口での対応のほか、感染状況の情報提供、それから感染対策の周知に努めてまいりたいと考えております。
21 井加田委員 これからどういう感染状況になるのか十分注意を払って、注意喚起を行っていただきたいと思います。
22 五十嵐委員 今ほどの井加田委員の質問にも関連しますが、インフルエンザの感染について少しお伺いしたいと思っております。
今年の第45週、11月6日から12日の感染症発生動向調査では、1定点医療機関当たりのインフルエンザの患者報告数が10.27人となり、注意報レベルの目安である10人を超えていました。2019年では第48週に目安の10人を超えており、秋に注意報レベルに拡大するのは4年ぶりと理解しております。続く第46週の11月13日から19日の発生状況は15.71人となっており、さらに感染者が増えてきております。
このような今年のインフルエンザの感染状況をどのように認識しているのか、森安感染症対策課長にお尋ねいたします。
23 森安感染症対策課長 委員御指摘のとおり、新型コロナが流行していた過去3年間におきましては、11月上旬と中旬の季節性インフルエンザの流行はほとんど確認されておりませんでした。例えば昨シーズンは、同じ第45週、第46週の発生状況はゼロということでございました。秋に注意報レベルの定点当たり10人を超えるまで拡大するのは4シーズンぶりになっております。
また注意報入りした時期は、4シーズン前の2019年は第48週ということで11月の下旬でございました。今シーズンはそれよりも3週間早くなっております。
全国では第41週、10月9日から10月15日の週でございますけれども、第41週で定点当たり10人を超えているという状況です。それと比べますと、本県は全国よりも約4週間遅いものの、例年と比べて早い時期から感染が拡大していると認識しております。
24 五十嵐委員 9月から感染が拡大することによって、学級閉鎖、学年閉鎖の件数も9月が9施設、10月は28施設となっているのかなと思いますし、今月はさらにそれを上回ってきております。
現時点での学級閉鎖、学年閉鎖についてどのような数値になっているのかお答えください。
25 森安感染症対策課長 学校におけるインフルエンザの発生状況につきましては、国の調査依頼に基づきまして、各施設から教育委員会の保健体育課を通じて情報提供いただきまして、それを取りまとめまして、県のホームページに掲載し注意喚起を行っております。
状況でございますけれども、委員御指摘のとおり9月は9施設、10月が28施設、それから11月は24日の時点で56施設と感染拡大に伴い増加している状況でございます。
また、56施設の内訳でございますけれども、小学校が37施設と最も多くなっておりまして、中学校が7施設、高校などが12施設となっております。学級閉鎖、学年閉鎖はおおむね1日から3日程度の休業措置がなされまして、その後再開するということです。
引き続き、県のホームページで措置期間も含めた情報提供を行ってまいりたいと考えております。
26 五十嵐委員 やはりインフルエンザの感染予防に効果があるのはワクチン接種かなと思っています。
富山市では65歳以上に一部接種費用の補助があり1,700円の実費負担ということでありまして、私も今月受けてまいりましたし、私の女房はこれまでインフルエンザにかかったことがないから打たないと言っていたのですが、新型コロナのワクチンと一緒に接種できるということで病院へ連れて行って打たせました。
また、富山市では、小・中学生については1回3,000円が助成されているという状況であります。ほとんどの市町村では小・中学生は全て助成されていますが、高校生への助成は氷見市や小矢部市など8市町村にとどまっているのかなと理解しております。
また、県では未就学児に補助を出しております。私の孫は今、年中児でありまして、先々週にインフルエンザワクチンを接種したところ、3日間は腕の腫れが引かなくて、本当に打ってよかったのかどうかと若干不安に思っているところであります。
患者の8割を超える方が15歳未満ということでありますから、やはりワクチン接種を進めなければ学級閉鎖も減らない、感染者数も減らないと思っているわけです。
インフルエンザのワクチン接種率については、どのように把握しておられるのかお尋ねしたいと思います。
27 森安感染症対策課長 予防接種につきましては、委員から御紹介がありましたとおり、各市町村において65歳以上の方などにおかれましては予防接種法に基づいて定期接種として実施されております。また、65歳未満の方々は法に基づかない任意接種として実施されておりまして、未就学児については県が、小学生、中学生については市町村が接種費用を支援しております。また、一部の市町村では高校まで支援されております。
現在の状況でございますけれども、本格的に接種が実施されているという状況で、まだ正確な接種状況は県のほうでは把握できておりませんが、国によりますと、インフルエンザワクチンは通常年と同等の供給量が確保されているということです。そうした中、医薬品卸売販売業者への調査におきましては、前年同時期以上の本数のワクチンが県内の医療機関等に納入されていると聞いております。
また、実施主体である市町村からも、現在のところ問題なく接種は進んでいると聞いておりまして、引き続き希望される方には早期に接種していただけるよう呼びかけていきたいと考えております。
28 五十嵐委員 予防接種の開始時期について、未就学児は、県が10月から行っていますが、小・中学生については、富山市の場合は11月からということであります。
今年のように早い時期から発生するとなると、予防接種の開始時期の前倒しを検討していかなければいけないのではないかなと思いますが、そういったことも含めて、今後の在り方について議論していただければと思っています。
先ほど井加田委員からも話がありました第46週の
新型コロナウイルス感染症が10週ぶりに増加したということであり、まだまだ数は少ないですが、ただそのほかにもプール熱も警戒レベルにあるということであります。
年間を通して、感染症対策にしっかりと取り組んでいかなければいけないのではないかなと思っておりますけれども、その辺の所見をお聞きしたいと思います。
29 森安感染症対策課長 現在、感染が拡大しておりますインフルエンザや、昨年冬に大きな流行となった新型コロナウイルスにつきましては、重症化予防に効果があるとされております予防接種について、委員に先ほど示していただいた支援策も活用しながら、希望される方が速やかに接種できるように、市町村医療機関と連携して周知しているところでございます。
通年での感染の傾向があるという御指摘については、我々のほうもそのように認識しておりまして、これから冬にかけましては、RSウイルスなど、ほかの感染症も流行しやすくなってくると考えております。加えて、先ほども御紹介いただいた、本来は夏に流行しやすい咽頭結膜熱、いわゆるプール熱も流行しているところです。
いずれも飛沫感染が主な感染経路ということで、新型コロナと同様に人で混雑している場所でのマスクの着用ですとか、小まめな手洗い、それから感染予防で効果的とされておりますいろいろな対策につきまして、引き続き県民に注意喚起いたしますとともに、感染症の発生状況について、適時適切な情報発信が必要だと考えております。地域別や年代別の流行状況の情報発信にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
30 大井委員 私からは3問、富山マラソン、熊、高齢者の美容ケアについて質問させていただきます。
まずは、富山マラソンについてです。
11月5日に開催された富山マラソンについては、参加者の増加と盛り上がりが続いておりまして、昨年からの改善点と今回の反省点についてお伺いしたいと思います。
私も富山マラソンにチャレンジさせていただきましたが、非常に大変でした。何度も途中リタイアしようと思ったのですけれども、沿道からの歓声や知り合いの皆さんからもたくさん応援を頂きまして何とか完走することができました。
議員の中でもチャレンジされた方がおられますし、部局の皆さんもたくさん参加されたかと思います。
やはりスポーツは、県民の一体感が出ますし達成感も感じることができます。そして何よりも健康増進の意識づけとしてもいいのかなと思っています。
今回、完走者にヒアリングをいたしました。そのヒアリングの中から質問させていただきたいなと思っております。
まず、給水所が非常に混雑しております。あと、当日の電車が混雑していました。それと30キロメートル地点からボランティアの数が非常に不足しているのではないかという意見がありました。そして後半は給食が不足しておりました。私もますずしを非常に楽しみにしていたのですが、タイム的に遅かったものですから食べることができませんでした。あと、県外の方からは、食事の種類が少ないという意見も頂きました。
このような課題に対して、昨年からの改善点と今回の反省点について、どのような対策を考えておられるのか堺富山マラソン推進班長にお伺いいたします。
31 堺富山マラソン推進班長 今月5日に開催しました富山マラソン2023には、県内外から過去最多の1万4,646人に参加いただき、また沿道の応援も全面的に再開したところでございます。
当日は晴天に恵まれましたが、スタート時の気温が21度、フィニッシュ地点では最高で25度を超えまして、ランナーの皆さんには厳しい気象環境となりました。酷暑の中、ゴールを目指して懸命に走り続けられたその姿に感動しましたし、心より敬意を表します。
御質問の昨年度からの改善点や今回の反省点についてですが、まず、給水所につきましては、過去最高の気温22度となりました2021年大会を基準とし、かつ昨年の消費量を上回る十分な飲料水とコップを用意し、途中でも補充を行いましたが、暑さのため水を体にかける方が続出しまして、給水所の混雑と水、コップの不足が生じました。
今後、今回の結果を踏まえた十分な数量の配置と、あと飲用とは別の水や体にかける用のひしゃくを用意するなどの改善を検討したいと考えております。
また、給食につきましては、各ステーションで参加者数と同数程度の個数とし、後半では昨年の2倍に増やしたところですが、やはり一部で過不足が生じました。今後、ますずしなど人気が高い富山ならではの食品の充実を図るとともに、全体の配置について検討したいと考えております。
また、電車の混雑ということでございますが、あいの風とやま鉄道において、朝の富山高岡間の1便当たりの車両数を通常便4便と臨時便3便、計7便全てを上限の4両編成に拡充して運行していただきました。便数については、臨時便を含め10分間に1本の間隔での運行でありましたが、これ以上の増便はなかなか難しいと聞いております。そういうことで、参加者に対しましては、北陸新幹線を合わせた移動手段の検討をこれまで以上に呼びかけてまいりたいと考えております。
また、30キロ地点過ぎからの応援ということでございますが、今回新たにホームページ等で募集した盛り上げ隊の皆さんによる大声援、または、これまで都道府県ごとに製作、設置してきている応援
のぼり旗の応援対象に、海外参加者の出身国も追加するなどによりランナーの力走を後押ししているところでございますが、やはり田園地帯ということ、あと直線部分が長いということで、なかなか人数が少なく感じる箇所でもありますので、どのような対応が可能か検討してまいりたいと思います。
今後、次回大会に向けまして、参加者の皆様からいただいた御意見を一つ一つ検証していくとともに、来月開催の実行委員会でも御意見を伺うこととしております。
ランナーの皆さんの満足度向上を目指しまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
32 大井委員 ただいま給水所、電車の混雑、30キロ地点のボランティア関係、そして給食について御答弁いただきました。これから改善されるということで承知いたしましたので、来年に向けて楽しみにしております。一緒になって盛り上げていければなと思っております。
では次に、熊に対する被害について質問させていただきます。
全国的に熊の被害が過去最多となっております。10月に入ってからの被害に関して、各テレビ局の取材による数を集計した結果、被害に遭った人は少なくとも10月で51名、環境省から公表されている9月までの集計を合わせると、全国で160人の被害があったということでございます。これは過去最も多い数字でありまして、3年前の2020年のときには、10月時点で158名となっております。
そこで、今年の富山県内での熊の出没と人身被害の状況をお尋ねしたいと思います。
33 上田自然保護課長 今年の県内における熊の出没件数は、本日、11月27日現在で609件となっておりまして、そのうち特に出没が急増いたしました10月、11月の出没件数を合わせますと424件となっております。これは昨年同時期の10月、11月計の28件に比べまして、実に約15倍となっております。さらに平野部、市街地の出没件数でございますが、609件のうち495件となっておりまして、目撃件数の約8割を占めている状況になっております。
次に、県内での熊による人身被害の状況についてですが、今年度は7件発生いたしまして、9名の方が被害に遭われております。そのうち1名が亡くなられたという状況になっております。熊による死亡事案につきましては、平成18年10月に入善町で発生して以来17年ぶりでございまして、非常に深刻に受け止めているところでございます。
県では、これまでツキノワグマ出没警報を5回発令いたしますととともに、県の関係部局や、国、市町村、警察、関係団体などで構成されますツキノワグマ緊急対策会議を2回開催いたしまして、本年度の出没状況、その特徴などを共有するとともに、パトロールなど警戒体制強化などについて再確認したという状況でございます。
34 大井委員 県内でも熊が民家に入って人を襲う事案が発生したことは皆さん御存じだとは思います。
熊のZ世代という言葉を聞きしました。人を恐れない、そして人の近くには餌があるという感覚を持っている熊がおります。
前年から15倍とびっくりするほどの出没件数なんですけれども、恐らく来年も同じ行動を取るのではなかろうかということが予想されます。
そこで、人の生活圏内での熊による被害を防止するために、民家の柿の木の伐採などの対策が必要だと考えますが、熊対策の補助金の充実と一層の被害防止に向けて、どのような取組を検討しているか伺います。
35 上田自然保護課長 人の生活圏内に出没する熊の被害防止という件に関しては、富山県のツキノワグマ管理計画におきまして、人間活動が活発で、熊が本来生息していない地域での熊の被害防除対策といたしまして、柿などの誘引物の除去、管理に努めることとしております。
このため県ではクマ対策推進事業補助金において、地域住民が実施する柿などの誘引物の除去、伐採など、熊出没未然防止に関する環境整備経費につきまして、市町村に対して支援しているところでございます。
また、この補助金では、捕獲警戒パトロールなどの活動経費に対しても支援をしておりまして、これまで市町村ごとの限度額を30万円としてきたところですが、今般の深刻な人身被害の発生を受けて、本年度につきましては、市町村などが行うパトロールに要する経費に対しては、補助限度額を設けないという対応をいたしたところでございます。
引き続き、市町村や関係機関と連携いたしまして、県民の皆様に対して、柿の木や生ごみなど、熊を引き寄せる誘引物の除去、適切な処分、そういったものを周知していきますとともに、柿の木伐採中に人身被害が発生したケースが本年あったところですから、出没情報がある場合は、屋外作業を控えていただくような注意啓発を行ってまいりたいと思っております。
それと、今後、将来の大量出没などに備えるということも必要かと思いますので、御指摘がございました当補助金の拡充などの見直しにつきましても検討、調整してまいりたいと考えております。
36 大井委員 被害は本年度も続いております。おっしゃるとおり今年の対策と来年に向けてさらなる対策を今から練っていく必要があるかと思います。かといって、むやみに民間の方にお願いしていると、柿の木伐採中に熊に襲われたという事例も発生しておりますので、今年については取りあえず、まずは自分の身を守るということを中心に啓発していく必要があるのかなと考えております。
次に、猟友会からお話を聞きましたが、市街で熊が出たら駆除が必要かと思います。熊の駆除に当たっては市町村、警察、そして捕獲隊との連携が重要になってくると思います。
捕獲隊の活動は非常に危険が伴うこともありますが保険や手当の整備がどのようになっているかお尋ねしたいと思います。
37 上田自然保護課長 県内で熊の出没情報があった際には、富山県ツキノワグマ対策マニュアルに定めます役割、対応に基づきまして、通報のあった最寄りの市町村、警察が捕獲従事者と連携いたしまして、現地のパトロールを行いますとともに、熊による人身被害が生じるおそれがあると判断された場合には、県の許可等により捕獲従事者が捕獲を行うこととしております。
捕獲従事者の方々は、県内14の市町ごとに設けられております鳥獣被害対策実施隊の方々が中心になっております。このうち民間の隊員につきましては、非常勤公務員としてその職を委嘱しておりまして、万が一、活動中に人身被害があった場合には、公務員に係る職務遂行上の保険であります公務災害補償制度が適用されることとなっております。
またこの捕獲従事者の活動に対する手当につきましてですが、出没時のパトロールでは、市町から1回もしくは1日当たり2,000円から1万円の手当が支給されております。併せて捕獲時には、捕獲した頭数に応じた報奨金が謝礼として支払われております。
このパトロールと捕獲報奨金、いずれの経費につきましても、今ほどの答弁でも触れました県のクマ対策推進事業補助金の補助対象としております。
引き続き、地域住民の人身被害を未然に防ぐために活動いただいている捕獲従事者の皆様、その方々自身が熊による人身被害に遭わないように市町村、警察と連携してまいりたいと思っておりますし、県としてもその活動に対して支援してまいりたいと考えております。
38 大井委員 捕獲従事者自身が被害に遭った場合は公務員と同等の補償があるということですが、駆除に当たって物損、例えば猟銃を撃った際に車を壊してしまったとか、誰かに当たったとか、そういった場合は、どのような保険といいますか、ものがあるのか伺います。
39 上田自然保護課長 基本的には鳥獣被害対策実施隊に入っている方々、いわゆるハンターの資格を持つ方々で許可されているのは狩猟経験3年以上の方になっていると思います。そういった方々は、基本的には、いわゆるハンター保険等にも入っておられますので、そちらのほうでの弁済になってくると考えております。
あと別途、富山県にも自然保護管理協力員という形で、現場に協力していただく方がいるのですけれども、そういった方々については、必要があれば県のほうでまとめて、いわゆる損害補償等の保険にも加入しているところでございます。
40 大井委員 引き続き、御対応をよろしくお願いします。
それでは3問目の認知症高齢者のウェルビーイングの向上についてです。
先日、女性用のネイルサロンを運営している団体から陳情を受けました。高齢者や障害者の爪の美容を行っている団体でございます。福祉ネイルと呼ばれるその団体から話を聞いていると非常に感銘を受けました。家庭の中でも奥さんを大事にすると家庭が円満になるという、そういう話がございます。社会でも女性を輝かせると社会全体が輝くということで女性をもっと持ち上げていく必要があるのかなと私は思っておりますが、施設に入ると、女性高齢者や障害を持った女性の方の美容ケアを行うことはそう容易なことではございません。
施設に入った高齢者に生き生きとした生活を送っていただく、特に女性の高齢者については、美容ケアが認知機能を向上させるという情報もあります。そういったことで、民間の力を借りて高齢女性のウェルビーイングの向上につなげてみてはいかがかなと考えております。