• "専攻科"(1/2)
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  1. 富山県議会 2023-11-01
    令和5年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開議 瘧師委員長 おはようございます。  ただいまから、11月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        谷村一成委員の質疑及び答弁 2 瘧師委員長 谷村委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 谷村委員 おはようございます。  自民党議員会の谷村一成です。本日のトップバッター、そして予算特別委員会では初めて質問いたします。どうかよろしくお願いいたします。  初めに、成長戦略の推進とウェルビーイングの向上について5点質問いたします。  我が国におきまして、少子高齢化、人口減少、デジタル化、国土強靱化などといった多くの課題解決に直面し、社会情勢が大きく変動する中、新田知事は、「幸せ人口1000万」をビジョンとして「ウェルビーイング先進地域、富山」を目指し、昨年2月に策定されました富山県成長戦略を着実に進めてきておられます。また、就任以来一貫してこだわってこられた県民目線、スピード重視、現場主義を徹底し、県民が主役の富山県の発展に向け積極的に取り組んでおられます。これらの取組には、知事の富山県に対する熱い思いを感じる次第であります。  来年度当初予算編成におきましても、県民目線、スピード重視、現場主義をさらに徹底し、ウェルビーイング向上効果等を勘案して施策を検討し、前例にとらわれず新たな取組を積極的に進めるとのことです。  その中におきまして、ウェルビーイング指標を活用した本格的な政策形成に取り組むとのことですが、まずはデータ分析をし、どこに課題やニーズがあるのか明確にした上で、議論を進めていかなければならないと考えます。  昨年度、今年度と実施されたウェルビーイング県民意識調査の結果をどのように捉え、来年度当初予算編成をはじめ、今後の政策にどのように取り入れていかれるのか、川津知事政策局長にお伺いいたします。 4 川津知事政策局長 県民意識調査につきましては、これまで2か年実施してまいりましたが、その結果の傾向にぶれはないことから、本県独自のウェルビーイング指標は、一定程度信頼できる指標になっているのではないかと考えております。
     今年度調査の特徴的な点といたしましては、総合実感は昨年と同様な傾向ではありますが、世代別に見ますと、10代が最も高くて、20代、30代と低下し、40代、50代が最も低くなっている状況にあります。昨年度調査と大きな差が見られた点につきましては、20代から30代の評価が昨年に比べて大きく伸びておりまして、一例ではありますが、明るい材料だと感じております。  指標の活用につきましては、今年度、政策構築事業を実施しておりまして、昨年のデータを分析しまして、2つの部局横断的テーマを設定して施策への落とし込みを行っております。  1つのテーマは、「若者・こどもを取り巻く“つながり実感”の充実」でして、こちらのほうは、そういった指標が低いことに着目しております。  2つ目の指標は、「働く人すべてがいきいきと“働きがい”を実感できるウェルビーイング経営の推進」でありまして、こちらのほうも指標に基づいておりまして、いずれのテーマも来年度の施策に向けて検討を進めております。  さらに来年度予算編成におきましても、新たにウェルビーイング指標を活用した施策設計図を用いて企画立案する施策パッケージについて予算を重点配分することになっておりますので、現在、各部局を巻き込みまして、前例にとらわれず、部局の枠にとらわれない形で政策議論を深めておりまして、県民お一人お一人のウェルビーイング向上につながる施策の立案、実施につなげていきたいと考えております。 5 谷村委員 ありがとうございます。  調査につきましては、ウェルビーイング向上施策に生かしていく大事な基礎となると思います。富山県成長戦略の中心にウェルビーイングを掲げていますので、ぜひともそういう形で進めていただきたいと思います。  次に行きます。  ウェルビーイング県民意識調査の総合的な実感ということで、未来のウェルビーイングには、自身の現状からの予測や希望が含まれております。具体的には、「あなたの想像では、5年後どういう状態になっていると思いますか」という問いでありますが、未来について真の幸せを感じるには個々の将来設計が重要であると思うわけです。ウェルビーイング指標の要素の一つである未来のウェルビーイングの向上のためには、県民一人一人が自分自身の未来のライフプランを描くことが重要であり、その意識づけを進める必要があると考えますが、所見を川津知事政策局長にお伺いいたします。 6 川津知事政策局長 成長戦略では、ウェルビーイングを収入などの外形的な価値だけではなく、キャリアなどの社会的立場、周囲の人間関係や地域社会とのつながりなども含めまして、自分らしく生き生きと生きられることと説明しておりまして、委員御指摘のとおり、ウェルビーイング向上には一人一人が自分の人生に思いを巡らし、理想的なありたい姿、未来のライフプランを描くことが大切だと考えております。  行政の役割といたしましては、特定の価値観を押しつけるのではなく、県民お一人お一人が御自身のライフプランを描き、その実現を後押しできるよう、ウェルビーイングに関する気づきを県民の皆様に提供して、自分事として捉えてもらい自主的な行動を促すこと。そのために必要な多様な選択肢を用意しまして、自分の進路や人生を自己決定できる環境をつくること。そうした個人の決断を周囲が尊重して応援できるよう、多様な居場所、社会をつくること。そうすることで、最終的に県民お一人お一人がウェルビーイングを実感できるようにということではないかと考えております。  県ではこれまでも、若者がふるさとに魅力を感じて富山で働いて豊かな人生を送る、という具体的なイメージが持てるよう、高校生等を対象にふるさと教育やキャリア教育、ライフプラン教育を実施しているほか、スタートアップや起業、リスキリング等に挑戦できる環境づくりにより、幅広い世代を後押ししております。  今後ともこれらの取組を通じまして、誰もが自分らしく生き生きと生きることができ、未来に期待感が持てる富山県を目指してまいりたいと考えております。 7 谷村委員 ありがとうございます。  今ほど未来のライフプランを描くことが重要であるということで、そういう認識をされていることがよく分かりましたが、具体的に、未来のウェルビーイング向上のために、県民の方々、特に若い方々がどういうふうにプランを描いていけばいいかというアドバイス的なこととか、県のほうで何か考えていることはないのでしょうか。もう一度お願いします。 8 川津知事政策局長 今ほどのお話にありましたように、やはりライフプランを描くことが大事だということで、県としましては、いろんな機会をつくる、ぜひ富山で働きたい、それから、ぜひ富山で起業したいというようなことに向けて、成長戦略に向けましてスタートアップ戦略、それから未来の設計のための支援をしているところでありまして、そういったものを含めて今後さらに拡充したいと考えております。 9 谷村委員 ありがとうございます。  それでは、次に行きたいと思います。  今年9月頃ですが、私が付き合いをさせていただいています2つの団体──人数は少ないですが、たまたま2団体とも同数で22人だったために計44人でした。一方の年齢は20代が7割、その他の30代以上が3割、もう一方の団体の方々は40代から50代の団体の方々なんですが──、この2つの団体の人たちにウェルビーイングについて単純なアンケートを取ってみました。  「富山県はウェルビーイングの向上を目指しています。ウェルビーイングを知っていますか」ということで、「理解している」「言葉は知っている」「知らない」の3択でした。結果ですが、回答が34ありました。回答率は77.3%。このうち「理解している」が2人で、5.9%、「言葉は知っている」という回答が3人で8.8%、「知らない」というのが29人で85.3%でした。残念ながらこのような結果でしたが、n数が少ないので参考になるのかどうか分かりません。また、自分の身近なコミュニティーの方々だけがそういう意識なのかちょっと定かではありませんが、ウェルビーイングという言葉自体は浸透してきていると自分も思いたいと思っているんです。  しかしながら、その言葉の意味や、県として何を目指しているのかなどについては理解が難しいところもあることから、県民に対して分かりやすく説明していく必要があると考えます。  ウェルビーイングについての県民認知度や指標の活用への理解については、まだまだ低いと感じられます。現在の認知度をどのように捉え、その向上のために今後どのように取り組んでいくのか、川津知事政策局長にお伺いいたします。 10 川津知事政策局長 今年度行いました県政世論調査、こちらのほうは県下一円で1,990名の方に御回答いただいたんですが、その結果でいきますと、ウェルビーイングについて言葉も意味も知っている方が16.9%で、言葉は知っているけど意味は知らないという方が26.0%、そして言葉も意味も知らないという方が56.2%という結果だったものですから、少なくとも4割以上の方に言葉は知っていただいている。だけど、逆に言いますと6割の方にはまだなじみがないのかなと考えておりまして、さらに4分の1の方は言葉は知っていても意味は御存じないという結果なので、ウェルビーイングについてはより理解を高めていく必要があるものと考えております。  県ではこれまで、1月の県独自指標の公表後、特設ウェブサイトですとかSNSなどによって発信を行ってセルフチェックもできるようにしているわけですが、そうしたものを利用する方は──大体4,000人余りの方に御活用いただいていますが──多分よく理解いただいていると思っています。  また、このほか、県民向けの啓発イベントの開催や民間イベントに出展したり、県内では国際的な学術会議ですとか全国イベントなどもやっております。それから、メディアの取材なども通じてPRも行ってきております。  また、県民向けの講演会や出前講座などに知事も積極的に出席しておりますし、職員も行って普及啓発に努めております。  それから、もうちょっと分かりやすいことで言いますと、最近10月では、室井滋さんにより絵本のストーリー制作の発表をいただいておりますし、ウェルビーイングのエピソード募集で県民の皆様にもいろいろ御参画いただくことにしております。  それから、東京にウェルビーイング・コミュニティとやまを開設して参加型の取組も実施、それから、若い方にもなかなか通じていないということで、高校生の提案を生かしたロゲイニング大会の企画ですとか、若年層の認知度向上に向けたアプローチとして、今後、例えば音楽も使いながら周知をしていこうというような準備をしております。  県としましては、言葉の認知度は当然ですが、県民の皆さん一人一人がウェルビーイングを自分のこととして意識していただいて、周りの人、社会のウェルビーイングも考えて行動できるよう、そういった「ウェルビーイング先進地域、富山」を目指しておりますので、引き続き丁寧な説明といろんなところでの普及啓発に努めていきたいと考えております。 11 谷村委員 ありがとうございます。  引き続き認知度向上に向けて取り組んでいただくと同時に、私自身も、周りの人たちがウェルビーイングに対して認知度が高くなるような働きかけもしたいと思っております。  次に行きたいと思います。  子育て環境や教育環境、公共交通など各分野におきまして、今後富山県がどのように変わっていくのか。5年後、10年後にはどのような県になっているのか。県民が将来に対して夢や希望を持つことができるよう、具体的に発言し共有していくことが重要と考えます。  知事は前回の知事選におきまして、「変えていこう!新しい富山へ。」をスローガンに掲げていましたが、就任から3年が経過した今、知事が目指す富山県の将来像についてお伺いいたします。 12 新田知事 委員御指摘のとおり、県民の皆さんが将来に夢や希望を持てるように、ビジョンを発信し共有していくことが大切と考えます。  我が国は成熟した国家と言えます。人口減少あるいは国際情勢などによりまして、経済社会が大きく変動する中で、これまでにないやり方で新しい富山県のさらなる発展を実現したいという思いから、2020年の11月に就任してから3か月後に、公約の1つであります富山県成長戦略会議を設置し、戦略の策定に当たりました。  この策定の過程で中間とりまとめを、もちろん中間でつくりました。その中間とりまとめを私が担いで県内の全市町村を訪問し、戦略のビジョン「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を発信するとともに、各市町村の首長さん、それから公募で応募してくださった県民の皆さんと富山県の将来像を共に考え、頂いた御意見も反映させて、最終的に令和4年、昨年の2月に富山県成長戦略を策定し公表したところです。  この成長戦略のビジョンですが、各分野ごとの計画や具体の政策に落とし込み、目指す将来像を分かりやすくお示しし発信をしています。  例えば、委員が例示された教育分野では、第2期富山県教育大綱において、ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成を目指すこととしており、そのために課題解決型の教育、ICT教育、STEAM教育、地域社会全体で教え合い学び合うチーム富山教育の実現などに取り組むことにしています。  また、公共交通については、今年度内の富山県地域交通戦略の策定に向けて、ウェルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスを実現するため、本県が目指すべき地域交通ネットワークの姿などをこれまでに整理してきているところです。  また、子育て分野においては、社会全体で子育てを支える子育て環境日本一、こどもまんなか共生社会の実現を目指して、子供を真ん中に据え、あらゆるこども・子育て施策を総動員して取り組んでいるわけでありまして、今年8月にはこどもまんなか応援サポーター宣言を行うなど、県民への発信にも努めております。  引き続き、成長戦略をはじめ個別分野のビジョン、将来像について、成長戦略カンファレンスや、各分野での様々な機会を捉えて県民の皆さんに分かりやすく発信、共有することで、県民の皆さんに共感いただいた上でビジョンを着実に推進していくこと、これによって、若者からお年寄りまで希望に満ちた笑顔があふれる富山県、チャンスがあり夢を叶えることができる富山県、委員が言及された3年前の選挙のときに訴えた、そんな富山県を実現してまいりたいと考えております。 13 谷村委員 ありがとうございます。  できるだけ分かりやすく、特に若い方々が富山県って将来こうなるんだなと分かりやすくイメージできるような、そういう形での発信をぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、知事は6月議会におきまして、富山市と高岡市は富山県の2つのエンジンと答弁されましたが、成長戦略の推進に当たり、砺波地区や新川地区などについてはどのように位置づけていくのか、大変気になるところであります。  本県がさらなる成長、発展を遂げるためには、県内各地区、市町村のそれぞれの強みや特色を生かしていくことが重要と考えますが、今後、県全体の発展のため、成長戦略をどのように推進していくのか、新田知事にお伺いいたします。 14 新田知事 委員御指摘のとおり、本県がさらに成長発展を遂げるためには、県内の市町村、また各地区それぞれが強みや特色を生かしながら連携効果を引き出していくことが重要と思います。  令和3年1月に、私の公約の一つでもある「ワンチームとやま」連携推進本部会議を設置しました。これまで定期的に、また臨時の会もありましたが、何度も開催しているところです。  会議では、県と市町村が連携して取り組む共通の課題をみんなで話し合って毎年度設定してまいりました。県内15市町村と忌憚のない議論を行い、これまでに第3子以降の保育料の完全無償化の合意、また有害鳥獣を連携して捕獲すること、道路除排雪対策のため共同利用できる雪捨場の設置、子育てや介護に関する手続のオンライン化のためのシステム導入など、幾つもの政策の実現につながっています。言わば成果が出ていると理解をしております。  成長戦略においても、戦略の実施に当たっては、領域ごとに意欲のある市町村との連携の下、取組を進めると明記してありまして、県の職員が節目節目に各市町村を訪問して、戦略のテーマや課題などを説明した上で議論し、県の施策と市町村施策との相乗効果を生み出すように努めています。  あわせて、「ワンチームとやま」連携推進本部会議においても、ゼロカーボンシティ富山の実現や、自治体行政のデジタル化、こども・子育て施策の連携強化、観光再始動に向けた受入体制整備など、成長戦略の重要な共通テーマについて、事務方による幹事会を開催し、個別具体的な施策の進め方についても議論をしています。  私の6月議会での答弁について、委員から言及がありました。富山市と高岡市は、やはりそこに立地している企業あるいは事業所が多いことから、県内の経済を牽引し成長に結びつけていくという意味で、富山県の2つのエンジンと表現しました。  砺波地区あるいは新川地区は、観光や伝統文化、また再生可能エネルギーの活用という点で優れており、またもちろん、それぞれの産業の立地もあります。県内各地の優れた点を生かして、県全体の成長に結びつけていきたいと考えております。  就任したころよく言ったんですが、ワンチームって何だという話で、もう4年前──今年もラグビーワールドカップイヤーですが、4年前もラグビーのワールドカップがあり、日本で開催でした。そこでジャパンが大活躍して、そのチームのことを「ワンチーム」ということで、流行語にもなりました。  ラグビーというのは、15人それぞれポジションが違い、それぞれ持ち場をしっかりと守りながら、15人全体としてはトライを目指し、また最終的に勝利を目指す、そんなスポーツです。ちょうど富山県も15の市町村があり、それぞれの市町村、また市町村長さんがそれぞれのエリアをしっかりと伸ばしていかれるように努力しておられる。でも、トータルとして富山県として、できれば一つの方向を向いて共に発展に寄与していく、生き合おうということ、そんな思いをこの「ワンチームとやま」連携推進本部会議という名称に込めております。  住民ニーズが多様化して複雑化する中、行政課題も複層化していますので、今後もこの「ワンチームとやま」連携推進本部会議の場を通じて、各市町村の御意見をお聞きし議論した上で、連携することによって、それぞれの市町村、地域における歴史や文化、産業などの強み、多彩な特色を生かして相乗効果を引き出し、本県全体としてさらなる発展につなげていきたいという思いでおります。 15 谷村委員 ありがとうございました。  ちょうどラグビーと市町村の数が同じということで、分かりやすい説明をいただき、ありがとうございます。  それぞれの市町村にはそれぞれの特徴があると思いますので、富山県全体がワンチームとして発展していくように、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  2番目ですが、DXの推進について5点質問いたします。  初めに、オープンデータについて質問いたします。  2013年にG8サミットでオープンデータ憲章が採択され、日本でもオープンデータの活用によって、ビジネスや雇用、新規市場の創出を目的にした支援が実施されてきました。  オープンデータの活用によって官民協働を推進することで、日本が抱えている様々な課題の解決、新しいサービスやビジネスの創出、企業活動の効率化などが促進され、経済の活性化につながることが期待されるため、様々な分野においてオープンデータの活用が欠かせない時代に突入していると感じております。  平成28年には官民データ活用推進基本法が施行され、国と地方公共団体はオープンデータに取り組むこととされましたが、現状は県、市町村によって取組状況がばらばらであるようです。  県民参加、官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化、行政の高度化、効率化を図るためにも、県と市町村が連携してオープンデータを推進すべきと考えますが、県内の取組状況と市町村との連携の状況について、川津知事政策局長にお伺いいたします。 16 川津知事政策局長 委員御指摘のとおり、県と市町村が連携したオープンデータ化の推進は、県民参加、官民協働を通じた課題解決、それから経済活性化につながるだけではなく、行政の高度化、効率化の観点からも重要であると考えております。  このため、富山県オープンデータポータルサイトを開設いたしまして、平成29年10月からオープンデータの提供を行っております。今年3月には、県民の方がさらに閲覧しやすいように、防災・安全、くらし・健康・教育などの分野別のメニューを設けるとともに、データ検索も可能とするようにしてリニューアルを行ったところであります。  ポータルサイトにおけるデータ掲載数につきましては、令和6年度中に1,200ファイルという目標を掲げておりますが、現時点では1,285ファイルという状況になっております。  言うまでもなく、行政が保有するデータは、個人情報など機微なものを除いて、可能な限り公開していくべきと考えておりまして、県と市町村が連携してオープンデータ化を進めております。  ただ、今、委員のほうからも御指摘ありましたが、市町村によってその取組はばらばらというのが現状でありますので、今後とも市町村と連携を十分にしながら、引き続きオープンデータ化の推進を取り組んでいきたいと考えております。 17 谷村委員 ありがとうございます。  本議会の一般質問でも、デジタル化の富山県の評価が高いというお話がありました。前回の一般質問のときもお話ししましたが、確かにデジタル化や、自治体DXの取組状況についても、全国的に富山県は高く評価されています。  そのシステム構築や例えばオープンデータについても、15市町村全てがデータの公開をしているということで、そういうところが100%実施しているという評価につながっていると思うんですが、実際にそういうシステム自体を構築した後どのように使っていくかが非常に重要になってきますので、先ほどワンチームという話がありましたとおり、そういったデータをいかに活用するかということが大事だと思います。富山県全体でそういうデータを生かしながら、次にどういう活用の仕方、サービスができるかということをぜひ考えていただきたいと感じております。  次に行きます。  県は今年度、サービス連携プラットフォームやデータ連携基盤の整備に取り組んでいますが、どの分野で県民の利便性の向上を図り、どのような地域課題の解決を図るかなど、具体的な方法やメリットを示さなければ、市町村や民間事業者による利活用は進まないと思います。  推進に当たっては、県がリーダーシップを発揮して利活用を促進すべきと考えますが、取組の狙いと推進状況、今後の利活用について川津知事政策局長にお伺いします。 18 川津知事政策局長 現在、県や市町村それぞれが住民向けに様々なアプリを提供しておりますが、サービス連携プラットフォームを構築することによりまして、各アプリを有機的に連携させたいと考えております。  このプラットフォームは、IDの管理、認証、それから地域通貨、利用状況の管理など基幹機能を有したもので、県、市町村の提供側としましては、この機能を全体で共通化することで、それぞれのアプリでは省略して構築することができますし、そういう面では、アプリ構築や運用のコスト削減につながると考えております。  また、ユーザーであります県民の皆様にとっては、1つの入り口から県、市町村の様々なアプリに入ることができるほか、一度の認証で連携する全てのアプリが利用できるなどのメリットが生じることと考えております。  このため、まずは来年4月に、まだ仮称ではありますが、子育て応援アプリを稼働させまして、子育て世代の利便性向上を図ることにしております。次のステップとしては、県が提供しております「元気とやまかがやきウォーク」という健康アプリですとか地産地消のアプリを連携させていくこととしておりまして、さらに市町村のアプリや地域通貨サービスとも連携して、体制が整えば、民間への開放ということで順次実施することにして、県民の利便性向上、行政の効率化の両面につなげたいと考えております。  一方、もう一つのデータ連携基盤につきましては、県や市町村等が保有するオープンデータは、先ほど言いましたウェブサイトがありますが、そちらは一元管理できるものは一元的に管理しまして、地図などと連携させることによって分かりやすく提供するための基盤であります。この基盤を活用することにより、県、市町村の提供側は簡便な手続でデータ公開が可能となりますので、よりフレッシュな情報を提供できるようになると。また、ユーザーとなります県民の皆様、それから事業者の方々にとっては、県、市町村の様々なデータを地図上から簡易に同じ形式で入手できるようになり、こちらも利便性の向上、行政側の効率化の両面につなげていきたいと思います。  まず、来年4月には、多く要望いただいております緊急性の高い防災関連の県、市町村等のデータをデジタル防災マップとして公開しまして、その後は分野を拡充していきたいと考えております。 19 谷村委員 取組の手順等をお話しいただきまして、ありがとうございました。よく分かりましたので、ぜひ予定どおり進めていっていただきたいと思います。  次に行きます。  データ連携基盤の構築やオープンデータの活用に当たっては、市町村におけるDX人材の確保が重要な課題となっていると思います。しかしながら、市町村独自での人材の確保はなかなか厳しいのではないでしょうか。  県としての支援が必要と考えますが、所見を川津知事政策局長にお伺いいたします。 20 川津知事政策局長 データ連携基盤をはじめとしたシステム構築やオープンデータの活用を進めるためには、行政遂行能力に加えまして、デジタル技術、課題解決能力にたけた人材の活躍が重要であると考えております。  現在、市町村におきましては、一部の団体では外部人材の登用などによってデジタル化、DXを推進されているところもありますが、多くの団体では、既存の情報系の職員の方々が、従来からのシステム導入や保守業務と並行して取り組まれ、多大な負担となっているのが現状であると考えております。  このため県では、今年度からデジタル化推進室に専任の主幹を配置しまして──課長級の職員でありますが配置して、それから外部人材も登用しまして、市町村のシステム標準化やDXの推進の取組を強化しているところであります。  また、市町村職員研修機構におきましては、市町村職員向けにDX・データ活用研修を実施されて、市町村から参加されておりますが、DXの推進には、デジタル部門のみならず幅広い職員のスキルアップも必要なことから、県では市町村と合同で一般職員向けのDX研修を開催しております。  さらに、課題解決型職員を育成するため県が実施しております公民連携のプロフェッショナルスクールにも、市町村の職員の参加を募りまして合同で研修も実施しているところであります。  今後とも、デジタル化、DX推進のため、技術的支援、人材育成の両面から市町村を強力にバックアップしてまいりたいと考えております。 21 谷村委員 ありがとうございます。  ちょっと1つ確認させていただきたいんですが、具体的に富山市は非常に進んでいると自分も思っているんですが、やはりなかなか人材不足で進まない市町村が多いと感じております。市町村に対して、その市町村自身が人材を確保できるような形で人件費等を県が補助するとか、そういう考えというのは今後ありますか。 22 川津知事政策局長 現時点では、人材のための確保というような支援制度はなくて、総務省でも、県に人材を配置をしてそれぞれの市町村を回るような制度もつくっていただいておりますので、そういうものを活用して、県の人材を確保しながら、いろんな市町村に出向いて相談したり、今はオンラインも使いながら、そういった形で行っているのが現状であります。 23 谷村委員 ありがとうございました。  それでは、次に行きたいと思います。  チャットGPTなど文書や画像を自動的に作り出す生成AIにつきまして、現在、県では、適切な活用に向けて一部の部署で試験的に導入していると認識しております。  今のところ、チャットGPTとアメリカのIT大手グーグルが提供するBardの2つの生成AIが試験的に導入されており、安全に利用できるルールづくりなど適切な活用策を検討しておられると思います。  このチャットGPTなどの生成AIは、インターネット上にある大量のデータを学習することで、利用者の求めに応じて文書や画像などを自動で作成することができ、業務の効率化につながり、市民サービスとしての活用も期待される一方で、情報漏えいや著作権侵害などのリスクが課題となっています。
     そこで、県としての生成AI活用の方向性やリスクに対する考え方について、川津知事政策局長にお伺いいたします。 24 川津知事政策局長 委員御指摘のとおり、生成AIにつきましては、アイデア出しや議事録の要約など様々な業務での利活用が見込め、業務の効率化につながると考えております。  一方で、回答の正確性や情報漏えい、著作権の侵害などのリスクがあることから、その特性を正しく理解して適切に活用することが必要だと考えております。  このため県では、本年6月にワーキングチームを立ち上げ、9月までの間、18所属で無償版の生成AIを試験導入しまして、課題の洗い出しや活用方法等の検討、ノウハウ蓄積に取り組んでまいりました。  それまでの試行を通じまして、アイデア出しやキャッチコピーの作成等の業務においては、庁内独自データを読み込ませない無償版の生成AIでも十分利活用できるんですが、過去資料の検索や要約、県独自のデータや文体を踏まえた文体作成業務に活用するためには、県庁内の内部データを読み込ませる必要があることが分かってまいりました。  加えて、一般的な生成AIはデータサーバーが国外にあるため、セキュリティポリシー上、非公開情報を扱えない状況にあることも課題であります。  このため、今年の9月には、国内サーバーのある生成AIサービス、こちらのほうはベンダーさんがうまく組み合わせてですけど、そちらのサービス提供事業者と実証実験の契約を締結しまして、現在、県庁の内部データを読み込ませまして、過去のデータや専門的な知識を習得、読み込ませておりまして、年明けからより実践的な実証実験に取り組むこととして準備を進めております。  今回の試行、実証実験成果を踏まえまして、今年度中に県として安全に利用できるルールを策定した上で職員研修も行いまして、来年4月からは、庁内資料の検索や議事録要約、行事向けの資料、さらには各種マニュアルや、場合によっては条例等の法令文の作成などの業務におきましても生成AIの本格導入につなげていきたいと考えておりますし、また、こういった実証実験の成果などは市町村のほうにも提供しながら一緒に進めていきたいと考えております。 25 谷村委員 ありがとうございます。  いたちごっこになると思いますが、そういうリスクを想定しながら、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。  次に行きます。  県では、令和3年度にDX・働き方改革推進基本方針とアクションプランを策定し、今年度末までの計画期間において取組を進めてこられましたが、その進捗や課題を踏まえ、来年2月議会に上程される予定の条例案へどのような方針を盛り込むのか、新田知事にお伺いいたします。 26 新田知事 本県ではDX・働き方改革推進基本方針とそれに基づくアクションプランを基に令和3年度以来取組を進めてまいりました。本年度が最終年度に当たっていることから、進捗状況のチェックを行いました。その結果、県の電子申請の取組、あるいはMaaSアプリを活用した公共交通の利便性、富山県立大学のDX教育研究センターの活用や情報工学部開設に向けた取組など、おおむね順調に進んでいることを確認したところです。  一方で、行政手続において県民の利便性をさらに高めるためには、県と市町村の連携をさらに深める必要があること、また、産業分野においてのデジタル化あるいはデジタルを通じた事業変革、企業変革への取組は、業種や企業間でばらつきが大きくていまだに手つかずの事業者さんも多く、高付加価値化、生産性向上を進めて県内産業の成長につなげていくためには、より多くの事業者を巻き込む必要があるという課題も浮き彫りになりました。  こうした課題に対応するとの方針の下で、県では将来のありたい姿を県民の皆さんに分かりやすくお示ししながら、県民はもとより、市町村、業界団体、事業者の皆さんから幅広く御意見を伺った上で、デジタルによる変革を推進するための条例案をまとめたいと考えています。  人口減少が急速に進展し、社会を支える担い手不足が深刻化する中で、サービスや産業の競争力を向上させること、また、地域機能を維持していくことなどを実現していくためには、デジタルの活用が不可欠との認識を共有するとともに、DX・働き方改革の推進体制を強化することで取組を一層加速化してまいりたいと思います。そのための条例づくりということで御理解いただきたいと思います。 27 谷村委員 ありがとうございます。  デジタル化というよりも、DXですか、デジタル技術を活用し、業務組織、プロセス等を変革することがこの分野につきましては最大のテーマだと思いますので、ぜひそういうことを活用なり業務改善という部分にしっかりと結びつくような形で構築をしていただければと思っております。  それでは、次に行きたいと思います。  3項目め、学校の働き方改革について5点質問いたします。  ある新聞の連載記事の一部を少し御紹介いたします。  「西日本の公立中学校の20代男性教諭は、ソフトテニス部の顧問として、少し前までこんな生活を続けてきた。平日は朝練のため午前7時半には校庭へ。──最近はそれはないようですが──終わればすぐに職員朝礼、ホームルーム、授業と続く。授業がない時間は提出物や宿題をチェック。昼休みも委員会活動などで座る時間すらない。放課後になると、すぐに着替えて部活動へ。午後6時に生徒が帰ると、職員室での事務作業が待っている。行事の準備や部活の大会出場申請、生徒指導の書類作成……。朝から動き回って疲れ果て、授業準備に手が回らないまま、午後9時ごろまで働いて学校を後にする。土日も試合や練習で潰れた。数カ月に1回、休みがとれればいい方だった。食事を作る時間も気力もなく、コンビニで弁当を買って帰る日々。風呂で眠り込んでしまうこともしばしばだった。アパートの部屋にどんどんゴミがたまっていった」といった記事がありました。  県内の教員に直接話を聞いたこともありますが、それほど違いがありませんでした。世の中で働き方改革が進む一方、教育現場の長時間労働は減少傾向にあるものの、まだまだ改善が必要と感じています。  今年7月にこんな記事もありました。文部科学省が発表した学校教員統計調査の中間報告により、精神疾患を理由に離職する小中高校の教員が過去最多を更新したことが分かった。精神疾患を理由に休職する教員も増えており、教員の働き方改革が急務となっている状況が改めて浮かんだ。今頃と思いましたが。  それでは質問です。  本県におきましても、教員の多忙化解消に向けて様々な取組や支援が行われていますが、まずは現場の意識改革や業務の見直しを進めることが重要ではないかと考えます。  教員の働き方改革について、学校現場における意識改革や業務の見直しに関する取組の状況と、時間外勤務の月平均時間の推移について、荻布教育長にお伺いいたします。 28 荻布教育長 県教育委員会や市町村教育委員会では、教員の意識改革や業務の見直しにつなげるため、出退勤時間の把握を行ってきております。  また、ICTの活用やスクール・サポート・スタッフ、部活動指導員などの外部人材の活用により、教員の負担軽減に努めてきているところであります。  こうした取組の結果ですが、令和4年度の教員の時間外勤務時間は、月平均ですが、小学校で39.5時間、中学校で52.1時間、高等学校40.3時間、特別支援学校27.3時間となっております。  コロナ禍前の令和元年度の状況は、小学校が49.4時間、中学校65.3時間、高等学校47.7時間、特別支援学校29.9時間でございましたので、これと比較しますと、全ての校種において時間外勤務時間数は減少しております。  特に、小学校では9.9時間の減、中学校では13.2時間の減でありまして、ともに20%以上減少しており、一定の成果は出ているというふうには思っております。  しかしながら、依然として長時間勤務の教員は少なくなく、今年度は、時間外勤務が月80時間を超える教員への個別面談とその業務改善に重点を置いております。加えて、若手教員のワーキンググループを設置しまして、働き方改革や業務改善を含めた自由な議論をしてもらっており、その意見を今後の取組に生かしたいと考えております。  引き続き市町村教育委員会とも連携しまして、教員の意識改革、そして保護者や地域の皆様の御理解を得ながら、教員の働き方改革、多忙化解消を推進してまいりたいと考えております。 29 谷村委員 ありがとうございます。  早く帰らないといけないと、そういう意識があったとしても、やはり業務の見直しをしっかりとやることによって初めて、現実に早く帰れるようになると思いますので、そういった業務の見直しを引き続き進めていただければと思います。  次に、スクール・サポート・スタッフについての質問をいたします。  県教育委員会では、配置基準となっている国の補助事業に加え、希望のなかった一部の小学校を除いては、県独自事業により公立小中1校1人のスクール・サポート・スタッフを配置していると聞いています。  スクール・サポート・スタッフ等の増員については、先日、一般質問にて寺口議員からも話がありました。まだまだ人数が少ないと感じております。教員の負担軽減を図るには、スクール・サポート・スタッフの積極的な活用が必要であり、学校規模に応じた配置を検討すべきではないでしょうか。  現状と課題、そして今後どの程度の人数が必要と考えているのか、荻布教育長にお伺いいたします。 30 荻布教育長 県教育委員会では、教員の負担軽減、そして児童生徒と向き合う時間確保のため、平成30年度よりスクール・サポート・スタッフを配置してきております。  今年度は、国の配置基準である学校規模14学級以上の学校だけではなくて、県独自の取組として、市町村と連携しまして、県が3分の2、市町村3分の1を負担することによって、市町村が要望した全ての公立学校に1名ずつ配置しまして、負担軽減に努めているところでございます。  学校現場からは、スクール・サポート・スタッフがプリント印刷や実験準備などの補助的な業務を担うことで教員の業務の負担が軽減され、教員が学習指導などに専念することができ、学校現場になくてはならない人材になってきていると聞いております。また、全校配置の継続とともに、配置人数や配置時間の拡充についての要望も聞こえてきているところでございます。  文部科学省は、来年度の概算要求で、スクール・サポート・スタッフの全校配置相当の予算を盛り込んでいるところです。  既に、市町村と連携して全校配置している本県でございますが、今年度以上の配置人数や配置時数の拡充には、市町村の財政面での御協力も必要と考えておりまして、国の来年度予算の動向を注視するとともに、学校規模や各学校の実情に応じたスクール・サポート・スタッフの配置の在り方などについては、市町村教育委員会からの御意見を伺いながら研究したいと考えております。 31 谷村委員 ありがとうございます。  今、国の動向を見ながらというお話もありましたが、もう現時点で基準を上回っているところに関しましては、市町村との話合いにより1校1人ということで配置しているという状況です。市町村からも拡充の要望があるということであれば、例えば2人、もう一人欲しいといった要望もあるかと思いますが、そういったところに対して、県の独自事業の一環として、来年度以降増やしていくという、そういう考えとかはございますか。 32 荻布教育長 今年度の予算編成に当たって、コロナの交付金が活用できなくなるという状況があったので、市町村に対してお考えをお聞きしましたところ、教員数が少ない小規模校こそ配置が必要だという御意見もありまして、全校配置の維持というのを強く求められた経緯もございました。  そういったこともございまして、ワンチーム会議での市町村長との協議なども踏まえて、今年度は市町村にも一定の財政面での協力をお願いして、現在の配置状況になったところであります。  次年度以降の配置の在り方などについては、現場の声を踏まえた市町村教育委員会の意見を伺いながら、研究をしていきたいと現時点では考えております。 33 谷村委員 小学校の数は多いので、中学校の例で言いますと、中学校は74校ありまして、配置基準以上の学校が24校です。ということは、残り50校に対して県独自の事業として配置しているわけですが、20学級以上がまだ6校ありまして、その20学級以上のところにも1人しかいないということです。先ほど答弁の中で、少人数学校のほうが人手が足りないというお話ですが、でも、大規模だから1人でいいというのは自分はちょっと腑に落ちなくて、ほかの先生同士で今、役割分担しながらやっているかもしれませんが、そもそも教員がやらなくてもできるような仕事に対してスクール・サポート・スタッフがいるわけです。それだけ学級が多いということは量も多いわけで、例えば20学級以上の6校に対して、要望があれば、1人でも2人でもまだ配置するということもやろうと思えばできるような気がするんですが、そういう意識というのはございますか。 34 荻布教育長 小規模校こそニーズが高いと御紹介しましたが、おっしゃるように、確かに大規模校は先生が多いから問題ないと考えているわけではございません。  ただ、国の概算要求上、夏に示された概算要求の時点では全校配置の予算が示されておりましたが、実際の国の予算でどのように決着するかということもまだ見えませんので、国の予算措置も見ながら、要は、国で全校カバーされるということが保障されている状況ではないという現状もございますので、国の予算状況、予算の措置状況も見ながら、また市町村の御意見も聞いた上で、市町村にも財政負担をお願いしている状況もありますので、御相談もしながら研究したいと考えております。 35 谷村委員 ありがとうございます。  タブレット端末の活用について質問します。  学校現場では、GIGAスクール構想によりICT活用教育が推進されていると感じております。タブレット端末の活用は、生徒一人一人の状況に合わせた学習環境の提供が可能になることに加え、ICT環境が整備され教材がデジタル化されていく中で、生徒のデータ集計や管理が効率化し、教員の多忙化解消の効果も期待できるため有効活用が必要と考えますが、小中学校におけるタブレット端末やデジタル教科書の活用状況と教職員のスキル向上に向けた取組、働き方改革への効果について、荻布教育長にお伺いいたします。 36 荻布教育長 タブレット端末は、令和2年度より県内の公立小中学校の全児童生徒に配布をされ、授業でインターネットによる調べ学習ですとか、共有シートに書き込みをして互いの考えを交換しての話合い学習、また家庭に持ち帰ってのオンライン学習や家庭学習など、様々な場面で活用がされています。  また、学習者用デジタル教科書は、令和5年度、国により、全ての小中学校などに英語、また約5割の小中学校などに算数・数学が導入され、実証研究中であります。朗読音声の再生や、文章や図などの拡大機能といったものを活用して学習活動が行われています。  県教育委員会では、教員のICT活用指導力の向上を図るため、教員の職務や経験に応じた講義型研修、また教員のニーズや活用スキルのレベルに応じた体験型研修を実施するとともに、今年度から授業実践型研修としまして、授業づくりの研修を富山大学と連携して行っております。  また、端末やデジタル教科書の活用アイデア例を総合教育センターのホームページに掲載するなど、広く周知しております。  各市町村では、一人一台端末の環境を使いまして、アプリやウェブフォーム作成ツールなどを活用した身体や心の健康観察、児童生徒の欠席連絡、保護者へのアンケート調査など、業務へのデジタルツールの導入を進めておりまして、集計時間の短縮などの業務効率化やリアルタイムでの情報共有のほか、その後のデータ活用の面でもメリットが大きく、働き方改革につながっているところであります。  今後とも市町村教育委員会と連携し、各市町村での取組や学校でのタブレット端末の有効な活用をさらに推進し、働き方改革につながるよう支援をしてまいります。 37 谷村委員 ありがとうございます。  最後に、部活動の地域移行について質問いたします。  県教育委員会では、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革に基づき、地域部活動推進事業を行っており、本格的にまずは休日の部活動の段階的な地域移行を進められていると理解しております。  新たな地域クラブ活動は、教員の多忙化解消が図られるだけでなく、生徒にとって安全で安心したレベルの高い指導を受けることができる環境が確保されることを期待するわけですが、そこで、県内市町村における地域移行に向けた取組状況と今後の見通しについて荻布教育長にお伺いいたします。 38 荻布教育長 県内市町村における部活動の地域移行の取組状況は、それぞれ地域の実情を踏まえた持続可能な運営方法を検討しながら進められており、令和3年度、4つの市町で開始された国の委託事業も年々実施する学校や競技などが増えておりまして、今年度は10の市町の40校、313の部活動──県全体で部活動は1,134あるんですが、そのうちの313部──で取組が行われております。  実施の市町からは、これらの取組の成果として、地域指導者から専門性の高い指導が受けられたことや、他校の生徒とも交流の機会が持てたことを喜ぶ生徒さんの声も聞こえているほか、大会の引率などを地域の指導者が行ってくださることによって教員の負担軽減につながっていること、また、県や市の指導者講習により、救命救急やけが防止の意識が高まったことなどが報告されております。  また、今後の見通しについてですが、これまで未着手であった市町村においても、地域移行に向けて協議会を立ち上げるなどの動きが見られるところでありまして、来年度もさらに取組が広がるものと見込んでおります。  県教育委員会では、引き続き実証事業の取組事例を全ての市町村に情報提供するとともに、国が昨年12月に策定した新たな地域クラブ活動の整備に向けたガイドラインを踏まえまして、富山県版のガイドラインを現在、作成、検討しておりますが、本年中に策定の上、公表する予定としております。  これによって、適切な運営や指導者の質の確保、保護者の負担軽減、また、応援企業をはじめとする企業との連携などについて参考となるようお示しをして、市町村が円滑に取組を進められるよう支援してまいりたいと考えております。 39 瘧師委員長 谷村委員、持ち時間が少なくなっております。 40 谷村委員 ありがとうございます。最後の質問です。  国が費用負担する実証実験が終わり、本格的な地域移行を迎えるに当たっては、保護者の負担軽減に配慮した上で、安定的な運営体制を整えていかなければいけないと思います。  そのために地域移行によって削減された教員の部活動手当の財源を部活動経費の支援に充てることができるのではないでしょうか。  そこで、各市町村において地域移行を着実に進めるとともに、移行後の地域クラブの持続可能な運営を図るため、指導者への謝金など市町村や保護者が負担する部活動経費に対して県として支援すべきと考えますが、荻布教育長にお伺いいたします。 41 荻布教育長 地域移行に当たっては、指導者謝金や会場使用料などに新たな経費が生じますが、保護者に求める費用負担は、生徒の参加にそれが影響を及ぼすことのないよう配慮が必要であります。  このため、県内市町村では地域移行の取組を進めるに当たり、国の実証事業の活用に加えまして、独自に財政負担などもしながら適切な費用負担の設定などについて検証されています。  また、来年度の実証事業では、受益者負担や行政などの支出、また、企業からの寄附など持続可能な運営体制の検討が求められてきているところでもございます。  県教育委員会ではこれまでも、国への重要要望や全国の教育委員会連合会などの要望を通じて、地域移行に係る指導者謝金や施設使用料、困窮世帯への支援など、各種費用負担への財政支援を要望しており、今後も機会を捉えて国に働きかけをしてまいります。  また、今後も引き続き、指導者の派遣や運営支援に協力いただける部活動応援企業を募集するとともに、移行に向けた連携の仕組みづくりとして、部活動指導員の配置への支援拡充に努めたいと考えております。  また、部活動手当を原資とした支援という御提案を賜りましたが、それを原資に指導者への謝金や活動経費に充てるというふうに特化して考えるというよりは、部活動の地域移行への支援も含めて、教育の充実に向けた取組全体の中で検討する必要があるのではないかと考えております。  今後も引き続き、国の動きも注視しながら、移行後の地域クラブの持続可能な運営に資するため、市町村に対する支援について検討してまいります。 42 瘧師委員長 谷村委員の質疑は以上で終了しました。        亀山彰委員の質疑及び答弁 43 瘧師委員長 亀山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 44 亀山委員 おはようございます。自民党新令和会の亀山です。よろしくお願いいたします。あんまり熱くならないように質問したいと思っております。  昨年、私立高校の総合コースと総合学科の違いを質問しましたが、答弁で違いを理解できませんでした。ものづくり富山県と言いながら、職業科を減らし、普職比率のため特色がなければ普通科を減らす。聞いた話によると、富山いずみ高校の入学式で「我が校は進学校」と言われたそうです。富山いずみ高校のホームページによると、令和5年3月卒業の実績で、卒業者数158名中、進学者153名、進学率96.8%に上っています。合格実績としまして、学部は載っていませんが、富山大学13人、富山県立大学8人、富山国際大学22人、金沢学院大学13人、金沢星稜大学8人など、多数の四年制大学が載っています。専門学校は少数しか載っていません。  ほかの高校普通科と大差がないように思われますが、違いは何なのでしょうか、教育長に伺います。 45 荻布教育長 総合学科は、普通教育及び専門教育を選択履修できる、普通科、専門学科に並ぶ新たな学科として、平成6年度から制度が設けられたものでございます。  県内では、普通科と専門学科が併設されていた小杉高校に平成7年度に初めて設置をされまして、現在は3校に設置をしているところであります。  普通科は、義務教育での普通教育をさらに発展させることで、進学などに向けた学力向上を図ることを目指しております。一方、総合学科は、勤労観や職業観の育成などを目指す学校設定科目である産業社会と人間を原則として入学年次に履修をした上で、専門教科と科目、25単位以上の多様な教科科目から生徒が主体的に選択履修できるようにしております。  また、相互に関連する教科科目によって構成される科目群を複数設けており、御紹介のありました富山いずみ高校では、人文・社会系列、自然・情報系列、生活デザイン系列を設定しておりまして、各系列に応じた専門科目を開設しているところでございます。  こうした様々な学習を通して、生徒が将来の進路選択に向けて、自分の個性や適性を発見し伸ばすということを目指しております。  近年、生徒の進路選択は多様化しておりまして、普通科において就職を目指す生徒、また、職業科において進学を目指す生徒も見られるところです。生徒は各学科での学習活動を通し、自らの進路を切り拓く力を身につけて主体的に進路選択をしているところであり、総合学科においても、就職や大学進学など多様な進路選択を実現しているところであります。  今後とも、各学科の特徴も生かしながら、多様な選択肢を提供し、生徒の可能性を引き出して、自分らしく未来を切り拓いていけるようになるための確かな資質、能力の育成に努めてまいりたいと考えております。 46 亀山委員 ありがとうございます。  何となく、富山いずみ高校ということですから、進学率の高さからすると、普通科と変わらないのではないかと私はいまだに思っております。
     それでは、2問目ということで、総合学科の位置づけは、今の答弁の中にも出てきますが、普通科、職業科、いずれにも属さないと。3校名前が出てきておりますが、内容は、推薦45人枠で上市高校30人、富山いずみ高校45人、小杉高校47人と合格者に差が出ています。推薦枠も埋まらない。総合学科は、従来から県下一円を通学区域として募集が行われてきたが、上市高校は前年度も18人と推薦枠が埋まらず、最終的にも定員割れが生じています。令和6年度入学生からは、普通科における通学区域の制限が撤廃され、県下一円の通学区域となる中で、いま一度、総合学科に対する生徒のニーズを正確に把握し、学科の在り方の見直しを検討するべきではないでしょうか。  来年度、小杉高校を減らす、減らすのはこの推薦枠も含めてですけど、小杉高校ではなくて上市高校ではないでしょうかという感じがします。  教育委員会が富山、富山中部高校普通科の学級数を削減すると、富山東高校が定員割れを起こし、雄山高校は普通科3学級から2学級に削減されると廃校につながるのではと定員割れを起こしました。教育委員会が子供たち、御家族に不安を与えているのではないでしょうか。二次募集でも教育長は志望校であると言われたのに矛盾しているのではないでしょうか。また、同校内で普通科、職業科がある高校は、その学校に入りたいという第2希望に応えるべきであります。教育長に伺います。 47 荻布教育長 本年7月の県教育委員会において、通学区域の設定規則の廃止が議決されまして、令和6年度入学生からは、全ての学科などで県下一円からの通学が可能となります。このことによって、居住する市町村にかかわらず、生徒が自分の学ぶ意欲や能力、適性などに基づき、より主体的に県内全ての県立高校から学校を選択できるようになったところであります。  総合学科では、先ほど申し上げましたとおり、普通教科と専門教科の両方の多様な科目を開設し、科目選択や進路選択に関するガイダンス機能の充実も図っており、生徒が興味・関心、能力・適性、また進路希望などに基づいて履修科目を選択し、学びを深めることが可能でございます。  委員御指摘のとおり、上市高校では近年、年度によっては定員割れが生じておりますが、同様に総合学科を設置している富山いずみ高校や小杉高校では定員は充足していること。また、中学3年生の進路希望調査では、総合学科定員全体で460名を上回る希望者がいることなどを踏まえますと、総合学科に対する生徒のニーズは一定程度あるものと認識をしております。  現在、県立高校教育振興検討会議において、学科やコースの見直しについて多面的な角度から検討をしているところでありまして、今後とも県全体のバランスを見極めながら、総合学科も含めた県立高校の魅力向上に努め、生徒に選ばれる県立高校となるように努力をしてまいります。 48 亀山委員 ありがとうございます。  総合学科3校合わせると、そういう対応になるという、そういう捉え方で正しいのかどうか、その辺もちょっと検討していただきたいなと思っております。  それでは、3問目ということで、昨年も中央農業高校を取り上げましたが、時間がなくて、さっとした質問になってしまいました。北信越地域で唯一指定されている農業経営者育成高等学校ということが生かされていません。そして、義務入寮期間を1年としております。  宮崎県立高鍋農業高等学校は全寮制で、農業経営者育成教育と言いながらも、農業経営者の育成を目的とする園芸科学科、畜産科学科は全員3年間の寮生活を行っています。しかしながら、食品科学科、フードビジネス科は希望入寮となっております。全国農業経営者育成高等学校にふさわしい施設が整っています。  また、広大な土地を保有する日本で一番歴史の古い農業高校の宮城県農業高校は、平成30年に新校舎に移転しました。当校は同じように文部科学省指定の農業経営者育成高等学校であり、寮生活ができます。寮は、農業科、園芸科、生活科の生徒は約1か月の入寮期間が設定されています。食品科学科、農業機械科は2泊3日の体験入寮となっています。  県内生の通いのコースを設けることや、令和2年度に整備した寄宿舎も最大限に活用し、県外から積極的に生徒を呼び込むべきと考えますがどうか。県外生徒受入れ体制を進めていかなければ、北信越唯一の農業経営者育成高等学校という利が生かされません。対応はどうなのか、知事にお伺いいたします。 49 新田知事 中央農業高校は、文部科学省から農業経営者育成高校の指定を受けて、本県農業教育の中核として教育活動に取り組んでおりまして、生徒たちが日本学校農業クラブ全国大会あるいは全国農業高校お米甲子園などの大会で多くの入賞を果たすなど、農業の担い手としての意識を高め、基礎・基本となる技能や実践力の育成を図っています。  近年は、GPSトラクターやドローン、水田の雑草を抑制するアイガモロボなどを導入してスマート農業の実習を行えるようにしたほか、今年度は畜産施設──肉牛ですが、畜産施設においてJGAP認証を取得し、持続可能な農業経営への取組も行っています。  また、今年度から生徒の自主性を育むため、入寮義務期間を1年間から1学期間に見直したところでございますが、仲間と共に生活する中、共働きして学ぶ楽しみや助け合う喜びを感じられるということから、寮生活への生徒自身の満足度が高くて、希望制となる2学期以降も多くの生徒が引き続き入寮しているのが現状だと聞いています。  委員御提案の全国募集を中央農業高校で導入することについては、これはいつも申し上げることなんですが、週末や長期休業期間中は寄宿舎を運営していないということがネックになっていまして、県外生徒の支援体制に課題があると考えております。  ただ、やはり生徒も減っている中ですので、対応策について、引き続き教育委員会と共に研究してまいります。  現在、県立高校教育振興検討会議では、学科の見直しについても検討されておりまして、中央農業高校についてはスマート農業や畜産の体験活動などの取組を進め、農業のすばらしさをもっと中学生にアピールしてほしいという意見をいただいたと聞いています。  今後、総合教育会議でも検討し、中央農業高校がさらに魅力ある学校となるように努めてまいります。 50 亀山委員 ありがとうございました。  ここ二、三日ですけど、東京都では高校生の授業料実質無償化に向けての動きがあります。地方である県は、県外学生の受入れが一層厳しくなっていくのではないでしょうか。  その程度の踏み込んだ答弁ですが、それでいいのでしょうかと思いながら、次の質問に行きます。  GIGAスクール構想の実現に向けて、学習用端末を整備するだけでなく、教員側にITリテラシーが備わっていることも求められますが、教員に対する研修、支援体制について現状はどうなのでしょうか、教育長にお伺いいたします。 51 荻布教育長 教育現場でのICT活用は、児童生徒の知識、技能の習得のみならず、思考力や判断力、表現力などの育成や学習状況の共有、また学びの振り返りを行う際の非常に有効な手段となるため、全ての学校で効果的な活用を推進すべきと考えております。  教員のITリテラシーでございますが、県内公立学校教員の令和4年度の文部科学省の調査結果ですが、公立学校教員の授業中にICTを活用して指導する能力については、「できる」もしくは「ややできる」と回答した教員の割合が80.0%で、全国平均が78.1%ですので上回っているものの、情報技術は日々進歩していますことから、ICTのさらなる効果的活用の推進のためにも、全ての教員が恒常的なスキルアップに努める必要があると考えております。  県教育委員会では、教員の能力向上のため、教員の実情に応じた講義型、体験型研修を行っております。  小中学校では、富山大学と連携した授業でのICT活用に特化した授業実践型研修や、端末やデジタル教科書の活用アイデア例のウェブページへの掲載も行っています。  県立学校では、各校のICTを活用した授業研究や、外部専門講師による教育用クラウドサービスの活用に向けた研修に取り組んでいるところでございます。  また、富山大学と連携し、校種や教科に対応したICT活用実践事例の動画を作成しているほか、教育情報セキュリティー、また生成AIの活用などに関する動画なども作成をして、必要なときに視聴して自主研修できる体制を整えております。  今後とも、ニーズに応じた研修の実施や積極的な情報提供、また事例集の充実も図りまして、教員のITリテラシーの一層の向上に取り組み、ICTの特性や強みを生かしたよりよい学びを進められるよう努力をしてまいります。 52 亀山委員 ありがとうございます。  やっぱり生徒に教える側がしっかりしてないと、教育にならないと思いますので、よろしくお願いいたします。  5番目です。  県立大学における県内学生の確保促進に向けて、県内高等教育機関からの編入学を積極的に募るべきと考えるがどうか。  国立富山高専からは国立大学に編入できますが、県立大学もさらに勉強したいという生徒を受け入れる編入学をすることで、県外流出防止にならないか。過去にあったとするならば復活すべきであります。  また同様に、富山いずみ高校の看護科5年修了後に、県立大学看護学部の3年生に編入を認めれば、県内定着につながるのではないか。看護学を研究するための大学院や、保健師、助産師を養成する専攻科、養護教諭資格取得にもつなげればどうでしょうか。編入学制度導入について、経営管理部長に伺います。 53 南里経営管理部長 委員御指摘のとおり、県内学生の確保には、県内高等教育機関等からの編入学も一つの効果的な手段であると考えておりまして、学生募集要項を高専や短大に送付し、本学の求める学生像に合致した人材を幅広く確保することに努めております。  県立大学の工学部では、毎年度編入学試験を実施しておりまして、近年は高専から毎年1名程度入学いただいているところでございます。  看護学部については、現在、いずれの学年も入学定員以上の学生が在籍しておりまして欠員がない状況でございます。また、県内では富山いずみ高校に看護専攻科があるものの、カリキュラム編成が異なることから、編入に必要な教育内容を履修しているとみなすことは難しく、学則上編入学制度は規定されておりません。しかしながら、看護学部において、富山いずみ高校も含めた県内の高校生を対象に、体験講座の開催や県立大学の教職員による学校訪問を行いまして、看護学の魅力を知っていただく取組を実施しているところでございます。  今年度、県立大学入学者の県内出身者割合は、法人化以来最も高い49.2%、看護学部では56.7%を記録したところでございます。今後とも県内学生に選ばれる大学となるよう、県立大学の県内学生募集の取組を支援してまいります。 54 亀山委員 ありがとうございます。  昨日ですけど、高専のほうから豊橋技術科学大学に進学されたというのをディスプレーで見ていました。そういうことで、こういう質問もありかなということでさせていただきました。  看護学科はカリキュラムが違うと言われればどうしようもないかなと。それは5年やってでも1年生からということは可能だと思いますので、また受入れができれば、よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  県内中小企業の人手不足への対応として、理工系、薬学部生の県内企業への就職、定着を促進するため、奨学金返還助成制度を設けているが、県内大学にも拡充、令和7年4月から適用することになっています。  これは10年間、県内企業に在籍することが条件ですが、転職サイトで報道されていますが、県内企業であれば技術資格にとらわれないのか、営業職に転職した場合はどうなるのでしょうかということと、Uターンなど若者たちに戻ってもらいたいのであれば、奨学金はそれぞれの立場で利用されていると思いますので、事務職の求人が1倍を切っていても、富山県へ帰って職に就きたい方には、文系学部への対象拡充を検討してはどうでしょうか。  本県産業とはものづくりだけではないはず。例えば、12年間県内企業で働くとか、また、首都圏で働く北陸出身の女性の63%は、北陸に戻ることはないと答えていると新聞に掲載されていました。文系女性にとって、戻ってくるなと遠回しに言っているようにもとられかねません。商工労働部長にお伺いいたします。 55 中谷商工労働部長 本県では、本県産業の発展を担う優秀な人材の確保を目的としまして、県内企業に就職した学生の奨学金の返還に対し、10年を基本として、在職期間中、県と企業が折半をして助成をする制度を設けております。  本県は、日本海側有数のものづくり県であります。また、薬の県として発展してきた歴史もありますことから、これらの産業で働く人材を確保するために、対象を理工系、薬学部とし、県内企業からのアプローチが容易ではない県外大学の学生をこれまで対象としてまいりました。  人口減少や少子高齢化が進む中で、デジタル化等の必要性が一層高まり、足元ではコロナ禍からの経済活動の正常化が進む中で、これらの人材の確保は大きな課題となっております。  県内企業における最近の職業別求人倍率を見ましても、今、委員からお話もありましたが、事務従事者は0.68倍と1倍を下回っている一方で、専門的、技術的職業従事者は2.28倍と非常に高い状況となっております。  このため、本年9月に、対象とする学生の範囲にまず県内大学を含める、それから奨学金の範囲を拡充するということといたしました。  引き続き、企業及び学生に対する周知を強化しまして、制度の活用を促進してまいりたいと考えております。 56 亀山委員 例えば薬剤師として、専門職の理工系でもいいですが、就職した場合、企業の中で、おまえ営業に回ってくれんかということで営業に回った場合はどうなるかということもちょっとお聞きしたいなと。 57 中谷商工労働部長 実際に就いた職自体を、今この制度の中で制限しているものではないというふうに考えております。 58 亀山委員 ありがとうございました。今の答えだと、要するに、その企業の中で営業職に回った場合もオーケーだぞということで理解してもよろしいですか。ありがとうございます。  次の質問に入ります。  多くの県議の先生方が質問しておられますが、人里に熊が多く現れています。人身被害が起きていますから、熊駆除も仕方がないかなと思っていますが、秋田県美郷町の熊の駆除をめぐっては、国内各地から苦情や批判の声が殺到し、大きな物議を呼びましたと新聞で読みました。同じ東北でも、捕獲したら積極的に奥山に放獣している県もありますが、秋田県では声を上げる人が少なかったのが現状ではないでしょうか。  朝、家を出る際には、大きな声を出して熊に存在を知らせることもあります。監視カメラを設置したりして対応している方もおいでになります。私も5時半頃、洗濯物を車庫に干しますが、熊よけ鈴を腰にぶら下げたりしております。  生活環境文化部からの資料によりますと、助成対象経費の2分の1に相当する活動支援について補助するとなっておりますが、消防団により見回り巡回が行われますと、出動手当が発生します。どこまで県にカバーしていただけるのか。  知事の提案理由説明で、市町村が行う捕獲、警戒パトロールなどへの補助上限額を緊急的に撤廃し、警戒体制を強化したとありますがどうなのでしょうか。駆除という言葉が出てこない。これもまた配慮しているのかも含めて、生活環境文化部長にお伺いします。 59 廣島生活環境文化部長 県では、クマ対策推進事業費補助金によりまして、1つには熊出没に伴うパトロールや捕獲、追い払いに要する捕獲隊への謝礼などの経費、次に捕獲頭数に応じた報奨費、もう一つは放任果樹の除去等の環境整備経費など、こういったものに市町村が実施される熊対策ですが、これを支援しているところであります。  今年度の申請状況ですが、予算額600万円に対しまして、これまで9市町から約434万円の申請がございます。現時点で昨年時の最終交付実績の2倍となっております。また、これに加えまして、熊が急増しました市町からは追加交付の申請がある旨伺っておりまして、今後さらに増える見込みでございます。  経費の内訳は、パトロール等の経費が約6割、熊捕獲報奨費が3割、放任果樹の除去の環境整備の経費が約1割という構成になっております。  県としては、今後も引き続き、この補助金を活用して熊対策を推進してまいりたいと考えております。  市町村に対して様々な場を通じて内容を周知するとともに、今後の出没の未然防止に向けて、放任果樹等の除去など、環境整備を中心に補助制度の見直しも検討したいと考えております。  今ほど御指摘のありました各市町村の補助対象のほうですが、先ほど申しましたとおり、パトロールに使用する資材購入費ですとか、パトロールの経費というものが対象になっているということでございます。 60 亀山委員 ありがとうございます。  それは本当に実行していただきたいんですけど、最後に付け加えたように、駆除という言葉がこの中には出てきません。これは、捕獲等とか、そういう中に含まれているということでよろしいでしょうか。それとも気配りがあって載せなかったということでしょうか。 61 廣島生活環境文化部長 捕獲等に含まれているということになります。 62 亀山委員 ありがとうございます。  次に行きます。  今の続きですけど、ほとんどの方々が考えは同じだと思いますが、山林の熊の食料が不足となり、餌を求めて人里に下りてくることを防ぐため、餌となるブナ、ミズナラ、コナラなどの植物による森林整備を進めることが必要と考えるがどうでしょうか。  熊対策の予算は何に使われているのか。森林整備とかも熊対策に入るのか、それとも、今までどおりの予算の中でやっておられるのか。森林整備の予算を増やすべきではないかと考えますが、農林水産部長にお伺いいたします。 63 津田農林水産部長 本県の県土の3分の2を占める森林のうち、約6割は自然豊かな天然林で、その中では、熊の餌となるブナ、ミズナラ、コナラ等を中心とした広葉樹が既に9割以上を占めております。  一方、これらブナやミズナラなどの堅果類は、豊作や凶作を周期的に、かつ広域的に同調して繰り返すということでございまして、凶作の場合は山全体にドングリがなくなることで、熊が人里に出没する要因と言われております。  このため、県ではこれまで、富山県森づくりプランに基づき、熊等が生息する自然豊かな奥山の天然林を保全林として、原則、自然の推移に委ねて保全、保護するとともに、手入れ不足で過密となった奥山の人工林につきましては、混交林として杉と広葉樹の混交林化に取り組むなど、野生動物の生息環境の保全にも努めております。  こうした取組の結果、混交林化の実施地では、熊等の野生動物の餌にもなるコナラ、ミズナラ等のドングリ類のほか、桜やクルミなどの実のなる木を含む多くの広葉樹が侵入して成長しております。  また、集落周辺の里山林につきましても、昨年度から新たに熊等の移動経路と想定されます河岸段丘等で森林整備に取り組んでおります。令和8年度までに、さらに868ヘクタールを整備する計画としております。  今後とも、市町村や地域の皆様の要望なども踏まえながら、計画的に進めていきたいと考えております。 64 亀山委員 ありがとうございました。  次に質問する地滑りについての対策にもなると言われていますので、今後ともしっかりと進めていただきたいなと思っております。  次の質問に入ります。  過去に幾度も災害に見舞われています上田市を視察させていただき、令和元年東日本台風(台風第19号)の災害発生と復旧経過を現地視察し、土曜日にもかかわらず市役所にて消防部及び消防団長、復興に当たった本部長に説明をいただき、感謝申し上げたいと思っております。  上田市の資料によりますと、各河川──上田市というのは幾つも川が流れておりますので──想定している雨量の最大規模が表示されています。  県は表示することができるのか。各市町村でやっているよと言われればそれまでですけど、例えば西の空を見ればあしたの天気が何となく想像がつくとか、そういうこともあるものですから、県として一帯を表示できるのか。土砂災害も同様に示せるのか。土砂災害特別警戒区域では、特定の開発行為に対する制限や新築、増改築の際の構造規制などが行われていますが、土砂災害警戒区域からの移転指示はできるのか。警戒指示の空振りは許されるが見逃しは駄目です。土木部長にお伺いいたします。 65 市井土木部長 河川の浸水想定区域図は、県内では、直轄河川や県の水位周知河川など50河川において想定し得る最大規模の降雨を対象に作成、公表しております。この区域図を基に、県内全市町村がハザードマップを作成し、各戸配布済みとなっております。  また、令和3年の水防法改正を受け、新たに浸水想定区域図の作成対象となる県管理の約200の中小河川につきまして、昨年度、区域図作成の検討に着手し、現在、流域が狭く地形の影響を受けやすい中小河川で、かつ急勾配な本県の中小河川に適した氾濫解析の手法の選定等を進めているところでございまして、令和7年の出水期までに区域図を作成する予定でございます。  一方、土砂災害に対する備えといたしましては、土砂災害警戒区域等を県が指定し、ハザードマップを市町村が配布することにより、特別警戒区域内にお住まいの方にも起こり得る災害や避難等の対応の周知が図られ、委員御紹介のとおり、区域内では開発行為に対する制限や新築、増改築の際の構造規制等が行われているところでございます。  委員お尋ねの特別警戒区域からの移転の促しにつきましては、県内の特別警戒区域内にある人家戸数が平成27年度末で県下全域で約3,400戸あることから、各家屋が土砂による衝撃などに対して適格か不適格かを判別し、個々に移転を促すことは現実的ではないと考えているところです。  こうした状況を踏まえまして、県といたしましては、市町村の御協力もいただき、災害の危険性や避難に役立つ情報が掲載された土砂災害ハザードマップの周知を図るとともに、特別警戒区域で移転を希望される方向けの、一定条件下で支援が受けられる国、県、市町村による補助制度を紹介するなど、区域からの移転の促しにつながる取組を進め、また、県のホームページ掲載や配布用資料の作成等も進めることにより、県民の安全・安心の確保に向け努めてまいります。 66 亀山委員 ありがとうございました。  それが市町村を通じてでも構いませんけれど、徹底されればいいと思っております。ありがとうございました。  次の質問に入ります。  警察署の再編に伴い──もちろん上市警察署も再編の対象になっております──本署から一層遠くなると感じる地域が必ず発生してきます。こんな地域をカバーするのが移動交番であります。  教育警務委員会で千葉の警察に行ってまいりまして、見てまいりました。確かにいいものであります。1台が1日4か所出動したとして、15市町村を回るのに、月に二、三回で数時間だけであります。24時間の交番と比べて相談ができないのではないでしょうか。パトロール中のパトカーを停車させ、相談する人はいないでしょう。そういうこともあります。移動交番車を、サンドボックス予算でも構いません、増やすべきであります。パトロールだけではカバーし切れないと思います。警察本部長にお伺いいたします。 67 石井警察本部長 まず、再編により警察署が統合される地域につきましては、旧警察署となる施設に分庁舎を設置し、相談を受ける職員も含めて警察官を配置するとともに、また、この警察署の人員の規模が再編により大きくなりますので、刑事や交通など警察署で勤務する専務の警察官が増えます。これによって、交番、駐在所に勤務する警察官がより駐在所とかで相談を受けたりパトロールしたりという活動、あるいは個別に訪問する巡回連絡とか、こういった活動に従事できる時間が増える見込みであります。  その上で、委員御指摘の移動交番車については、警察署の地域警察活動を補完するものとして、現在、警察本部に専用車両1台、また、県下14の全ての警察署にステッカーを貼付して移動交番車として運用可能な車両を1台ずつ配備しておりまして、大規模イベントにおける臨時交番の開設、熊による人身被害発生地区における通学路警戒、また山間地における広報啓発など、取扱いが増えると見込まれる地域や警察施設から離れた地域へ弾力的に派遣するなど、積極的な運用に努めております。  再編により警察署が遠くなる地域についても、再編後の治安情勢も踏まえながら、必要に応じて移動交番車の積極的な運用を図るとともに、増強配備についても引き続き国に対して要望するなど、情勢に応じた地域警察活動を充実させることにより、住民の方の安全・安心の確保を図っていきたいと考えております。
    68 亀山委員 ありがとうございます。  先日も瘧師委員長さんが、ちょっと不安なところがあるということで質問されたものですから、それさえカバーできればいいかなと思っています。ありがとうございました。  次の質問、これは夢のある質問だと言いながらも、現実論を言われて終わりかなと思っております。夢のある質問をいたします。  会派の視察で宇都宮市に行ってまいりました。ライトライン──こっちはライトレール、向こうはライトラインという名前がついております──に乗ってまいりました。宇都宮市で本年8月に開業したライトレール線では、ネットワーク型コンパクトシティーを構想して、市域を越えて隣接する町まで鉄軌道を走らせ、商業施設や住宅が建ち並ぶ地域の拠点や大規模工業地帯を結び、市中心地への自動車の乗り入れの抑制にパーク・アンド・ライドを設けています。そして、従来のバス路線の再構築などに取り組んでいます。  2004年から交通まちづくり懇談会やオープンハウスを開催し、中長期的な計画を立てていました。次の計画で、宇都宮駅東側から勾配のある2階まで上り西側へ下っていくよう、東西をつなぐ予定とのことであります。ライトラインによって余ったバスで工業地帯内に新設バス路線を増設しています。  富山県に当てはめると、名前が大学前だけではなく球場前で、実際の大学前や呉羽ハイツ近くまでの延長ができるのではないでしょうか。  そして、昔、私の小さい頃は不二越までの山室線──名前が山室線というらしいです──があったように、掘り起こせば線路が出てくると、本当かなと思いながらお話を聞いていました。  来春、富立大橋が4車線化いたします。中央分離帯を取っ払って鉄軌道を走らせれば、立山町側の工業地帯やショッピングセンター、住宅団地からも集客が望め、SDGsにもつながる。市町をまたいでいますので、県の将来への大型投資で公共交通の利用促進と中心市街地の活性化をしませんかということで質問させていただきます。交通政策局長に伺います。 69 田中交通政策局長 8月に開業した宇都宮ライトレールですけども、委員も御視察に行かれたとのお話がありましたが、10月に私も視察をしてまいりました。  宇都宮は雷が多いということで、愛称は雷都ということでライトライン。実際に乗りましたけど、3両の連節で、黒と黄色のツートンカラーの非常にスタイリッシュなデザインの車両でしたし、私が試乗したのは平日の日中だったんですけども、座席がほぼ埋まるぐらいの利用がありまして、路線も道路をまたぐ勾配のある橋梁ですね、跨道橋というんですが、そういうところも整備されていたんですけど、振動や騒音も少なくて非常に乗り心地のいい車両で、委員が御質問されるようないい乗り物だなといいますか、そういうサービスだなという印象は持ちました。  そこで、今回御質問をいただきましたので、私どももこの整備に至る背景というのを少し調べてみました。交通関係の業界の新聞によりますと、この宇都宮駅から委員の紹介のありました工業団地までは、以前、道路混雑が大変激しく、車の移動に1時間30分の時間を要していたこと、これが一番の必要性として挙げられまして、その後、費用面など賛成、反対の両論がある中、地元宇都宮市の強い意志と応援する市民団体の協力の下、構想から約30年を経て開業した路線であります。また、整備に要しました費用は、国の補助金が約326億円あったものの、約684億円となっております。  こういう背景を踏まえますと、今お話がありましたけど、富山市中心部と立山町の住宅団地や工業団地の間の渋滞の状況、また、地元市町や地域住民の動向、事業費の負担の面から検討はなかなか難しいものと考えますが、戦略会議でも議論しておりますけれども、本県は全国で唯一、全ての市町村に鉄道駅がある豊富な鉄軌道ネットワークが強みであります。鉄軌道を中心としました地域交通ネットワークの実現を目指してまいります。 70 亀山委員 ありがとうございました。  夢があるのかないのか。極端なことを言えば難しいなと。田中さんらしい答弁だったかなと思っております。  次の質問に入りたいと思います。  これもまた多くの県議の先生方が質問されました。私も質問させていただきたいと思っております。  「『寿司』と言えば、富山」。今回の議会でも何人もの方が質問されております。ただ、全国的に北海道に大きく水をあけられています。先日、富山市でも、観光誘致に向けて「すしのまち」としてイメージを打ち出すブランド化事業の実施を発表したところであり、富山市と同様に、すし店マップを県下全域で市町村とワンチームで推進する連携として作成されればどうでしょうか。  ますずしと言えば、富山県は全国で1位だと思います。それにあやかってじゃないですけど、まずはトップを取って、それに付け加えてと言ったらサブになっちゃいますけど、新鮮寿司と言えば、富山とか、そういう名称に変更すればどうでしょうか。知事政策局長に伺います。 71 川津知事政策局長 今委員からもありましたが、県がすしでイメージする都道府県を調査したところ、富山県を選択された方は全体の8.9%にとどまっていたということで、コンセプトを明確化してブランド化に取り組むことは大変重要であると考えております。  こうした中で、まず1点目に言われました、富山市ですし店マップを作っておられるということで、我々もそちらのほうを見させていただいておりまして、実は、来年にはウェブサイトを作ってすし店を紹介しようとしておりますが、そうした際には、やっぱり富山市において既に地元のすし店をウェブサイト上の地図にプロットされて紹介しておられるので、県としては、他の市町村も巻き込んで、そうした県の特設ウェブサイトに、富山市の取組をベースにしましてワンチームで全市町村を網羅したデジタル版のすしマップを掲載することで、観光客の皆さんの利便性の向上にぜひ取り組んでいきたいと考えております。 72 亀山委員 ありがとうございます。  これは正直言って、例えばひみ寒ブリは確かに有名です。先日、新聞やテレビを見ていますと、輪島寒ブリといって200万円とか高値がついておりました。それもブランド化の一つだと思いますが、氷見のほうも負けないでいてほしいなと。まだ寒ブリ宣言が出ないとなるとどうなるかなと思いながらちょっと冷や冷やして、県のほうもちょっと尻をたたいてでも宣言すればどうかと思いますけど、よろしくお願いいたします。  今回の質問、10名の方に答弁をいただきました。本当にありがとうございます。年末の最後のサービスじゃないですけど、お願いした次第であります。  次回は残りの部局長、副知事を含めてですけれど、質問したいと思います。ありがとうございました。終わります。 73 瘧師委員長 亀山委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                      午前11時55分休憩                      午後1時00分開議        井加田まり委員の質疑及び答弁 74 井上副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 75 井加田委員 皆さん、お疲れさまでございます。  午後の1番バッターということで、午後はおなかも少し満足して、ちょっと首が固まる方もいらっしゃるのではないかと思いますけど、今回、私は現下の状況を踏まえまして、今、争点になっていることについて主に取り上げさせていただきます。若干、質問の中身が集中しておりまして、その中で前後も変わるかもしれませんけれども、ぜひ趣旨をお酌みいただいてお答えいただければと思っています。  今、少子高齢化、人口減少時代ということをよく申し上げるんですけど、富山県の総人口も2025年には100万人を切るだろうと想定されております。富山県の人口の推移については、県の人口ビジョンによりますと、やや集計を加えた合計特殊出生率は1.45程度で推移することや、社会増減については、2020年から5年間の間に転入超過に転じるということ、それが継続することを基本にして、100万人を切った後の2060年までの推計が出ておりますけれど、総人口は80.6万人という推計になっております。実際には、亡くなる方のほうが生まれる方よりも多いわけで、この少子高齢化という現実の中では、自然減は当面上回るし、人口減少が一段と進むことは確実だと認識しております。  この間、議会でも多くの議論が積み重ねられてきているわけですけれども、そうした状況下で、今後も多くの県の公共施設などが更新時期を迎えようとしておりますが、工夫して施設の長寿命化や利活用をするなど、県立施設の整備の在り方についても、こうした人口減少が進行する社会経済情勢に対応して、その必要性、規模を慎重に吟味する、そして慎重な議論が求められていると思っております。  1点目の質問に入るわけですけど、今議会の争点ともなっております高岡テクノドーム別館建設について、建設費を大幅に増やしても建設を引き受ける事業者が入札に応じない中で、事実上中止となっております。そうした現状を踏まえると、高岡テクノドームの機能拡充について、県立施設としてどのような機能をどのような規模で整備するのかということが一番問われていると思っております。  立憲民主党議員会としては、本館の改修や設備改善、拡充などにおいて、産業展示などの目的は達せられるのではないかと指摘をしてまいりました。そうした背景もあります。機能拡充に当たっては、物価高などの急激な変化に対応する本館の改修や、本館に期待される機能を強化するとともに、別館建設に盛り込む機能や規模については、柔軟な見直しが必要ではないかと考えるものでございます。  補正予算案では、高岡テクノドーム機能拡充等事業について、専門的、技術的調査費が計上されております。慎重に調査を進めていただくことを期待するところでございます。先ほど申し上げたような経済社会情勢を踏まえて、物価高騰の急激な変化に対応する工法自体の見直しや、経済界などが求めていらっしゃる多様なニーズに対応する産業展示館として、本館、別館整備の効果を最大限に発揮できる施設となりますよう、県として責任を持って整備を進めていただきたい、そのように思っております。  改めて知事の決意をお伺いいたします。 76 新田知事 高岡テクノドーム別館整備基本計画では、別館の整備に加えまして、本館についても機能強化を検討する、また費用対効果や整備コストなども十分考慮すること、そしてハード、ソフト両面から本館と別館の一体的な利用に配慮することなども示されています。  一方で、建設費用の高騰、産業展示のニーズなど社会経済情勢が大きく変化しています。また、本館設備の老朽化対応も待ったなしの状況となっています。このため、本館の機能拡充を含め、どのような整備が可能か、本館、別館にそれぞれどのような機能を持たせるかを検討するため、専門的、技術的調査が必要と判断をしたところです。  この調査では、基本計画で示されていた使い方、さらに庁内で部局横断的に検討してきた利活用策などを実施するには、どのような設備や機能が必要なのか。例えばですが、会議室なのか、控室なのか、あるいは通信・音響設備、照明設備なのか、また床材や展示場の間仕切り、設備の収納なのか、それらを整理するとともに、本館ではどのような機能強化が可能なのか、また別館にどのような機能が必要なのか、そのためにどのような整備が必要で、それにどの程度の費用や時間がかかるのかなど調査を行いたいと考えております。  まずはこの調査に着手させていただき、整備の方向性を整理していく中で、今後、県西部の6市や経済界など関係の方々の意見を適時適切にお聞きして、具体的な整備方法を検討していきたいと考えています。 77 井加田委員 具体的な面も含めてお答えをいただいたと思っております。専門的、技術的な調査の中にも盛り込まれているようでございますので、ぜひ高岡市や県西部圏域においての様々な議論にまた知事も耳を傾けていただいて、県立施設としてふさわしい機能拡充を図っていただくようにと申し上げておきます。  では、2点目の城端線・氷見線の再構築実施計画について、質問に入らせていただきます。  地域の公共交通の維持活性化に向けて、それぞれの市や町、地域の実情を踏まえた上で持続可能な公共交通ネットワーク化をどのようにして実現していくのかが、本当に各市町村が頭を悩ませているところでございますし、課題であると思っております。  先ほど質問の冒頭に、県の将来推計人口の減少が一段と確実に進んでいくということを申し上げました。  そこで、城端線・氷見線沿線4市の人口の推移についてもちょっと御紹介したいと思いますけれども、こうした背景も事業計画の要素としては大変重要であることを申し上げます。  県の統計調査課の人口移動調査、11月1日現在の最新のデータをお聞きしましたら、県西部の沿線4市ですね──氷見市、高岡市、砺波市、南砺市、その4市のトータルの人口減少は、11月1日現在で29万5,244人ということだそうでございます。そして、おおむね向こう10年間の推計値で言えば、2035年の数字でありますけれども、4市を合わせた減少数は何と3万3,511人、率にすると11%と推計されております。  だからどうなんだと言われるかもしれませんけれども、この中身を見てみますと、城端線の起点であります南砺市は17%の減少です。そして、氷見線の起点であります氷見市は2割を超える20%減少する、こういう推計でございます。高岡市と砺波市は9%減少という推計ですけれども、この城端線・氷見線沿線上では、その倍近くの人口減少があるという現実をまずは踏まえておく必要があるのではないか。これが沿線4市の現在から向こう10年間にわたる人口減少の現実でございます。そういった将来の計画段階から、こうしたことも踏まえておく必要があるのではないかと私は思っております。  現在の計画についても、前回の9月議会では、やや拙速じゃないかということを申し上げたんですけれども、将来の計画変更も視野に入れて、慎重に進めていく必要があるという考えは今も変わっておりません。そういう慎重さは必要だと思っております。  先日の4回目の検討会に、私ども会派として傍聴させていただきました。その中で、JR城端線・氷見線の事業主体については、あいの風とやま鉄道におおむね5年をめどに移管をしていく、そこを柱とする再構築実施計画が年内にも取りまとめの方向にあって、国の認可を受ける段階に進んでいると、このように認識しております。  そこで、この事業計画の概要について若干申し上げますが、現在の運行数、便数を60本にすると。現在の約1.5倍ということでございます。1.5倍に増やして、日中は等間隔で発着するパターンダイヤを導入して利用者の利便性を図ると。そして、新車両をトータル10両増やして34両を導入すると。全部新車両だったと思うんですけど、間違っていたら御指摘ください。さらにICカードを導入して利便性を図り、乗客数を増加させる工夫をした上で、経営移管後には両線の直通化も実施するという計画概要でなかったかなと思っています。  言い換えれば、新車両の導入までに、施設整備や利便性を図る意味で、駅のホームやレール、枕木などを交換、そういう整備事業もあります。それから、ICカードの導入で、利便性を図るということもございます。ここまで見ると、本来なら、ここまではJR西日本が経営を移管するに当たって主体的に進める事業ではないのかなという印象を持ったわけでございます。  そうした中で、今回の鉄道事業再構築事業については、地方に多く存在しています赤字路線から撤退したい鉄道事業者と──今回の場合はJR西日本でありますけど──地域の移動手段である路線を残したい自治体──県と沿線4市でありますけれども──ここが合意をすれば、国が補助金で支援をするという新しい枠組みに、全国初の事業として、今、富山県が考えているということで、大きな事業ですけども、これは、実は赤字路線を抱える全国の地方の自治体からも、本当に注目されているといった現状があります。  せんだって滋賀県に、会派として交通計画の視察に行ったんですけれども、そこでも指摘をされました。本当に全国的にも注目を浴びている現状にあることを実感してきたわけであります。翻って、第4回城端線・氷見線再構築検討会の中でちょっと感じたんですが、JR西日本は財源の一部として150億円を拠出するけれども、計画の変更または延長時においても拠出額の増減はないものとするという条件を示しておられました。また、計画変更への財政負担には応じないという強い意志が表れていました。  言い換えますと、JR西日本は150億円を拠出した上で、5年後には城端線・氷見線の経営から撤退する。そして、その結果として、県と沿線4市がJR西日本の赤字路線を丸ごと引き受けることになる、こういう現実だと思っております。間違っていたら御指摘ください。  事業期間は、国の認可が必要ということでありますので、来年2月から10年間で、総額382億円の実施計画であります。例えば、今回の県立施設の入札不調にもありましたけれども、施設整備への物価高などの影響とかが、計画全体の中にあるんですけど、乗客数の増加見込みの達成や、果たして赤字縮減につながっていくのかどうかということで、今の段階ではなかなか確実にこうだと言えない。つまり、不確定要素が非常に多い中で、150億円拠出したらあとは知らんよというJR西日本の財政負担の根拠や考え方について、知事はどのように評価をしておられるのかということを、まず初めにお聞きをしたいと思います。 78 新田知事 まず、車両は全て新型に置き換える予定です。34両を予定しています。  4回目の検討会では、JR西日本から、城端線・氷見線の再構築実施計画の実現に向けて150億円を拠出することについて、使途を問わずに拠出するということ、また委員御指摘のように、計画の変更時または延長時においても拠出額の増減はないなどの条件と併せて示されたところであります。  私は、この拠出額については、JR西日本からは総合的に勘案されて精いっぱいの判断をされたというふうに説明されましたが、そのとおりだと思います。  委員の言及の内容は、私は間違ったことはないと思いますが、ただ、言い方はちょっと我々と違う言い方をしておられます。150億円出して、5年たって全く無関係になるのかというところは、ちょっと見解が違いまして、それからも技術的なことや、あるいはもちろん当面足りない人員の派遣などについても協力するということは確約してもらっています。ですから、事業主体は変わるけども、それで一切関係がなくなるということではないことはぜひ御理解をいただきたいと思います。  人的なこと、技術的な面で、やはりJRさんは一日の長がある会社であられますので、そういうところは事業主体移管後も引き続き協力関係を保って、協力を仰いでいきたいと考えています。 79 井加田委員 ちょっと言い方が違うという御指摘でございましたけれども、私も、財政負担の考え方や計画変更への対応についても、事実上、引き続きJR西日本との協議は継続していく必要があると考えております。これも言い方が違うとおっしゃるとあれなんですけど、やっぱりJR西日本は、旧国鉄から引き継いだ地方の路線を維持していくという社会的使命がありますし、国にもあると思っています。そうした観点から、JR西日本が路線を維持していく上で、安心・安全な線路の維持に、やはり移管をしても責任は持つべきだと考えているところです。答弁いただけるようならお願いします。 80 新田知事 移管までの間に、枕木のこととか、レールのこととか、そのようなことは、例えて言うならば、嫁入り前にきれいにしておきますよという、そのようなことも約束はいただいております。これはもちろん今も、JRがJRの路線として運行されているわけですから、安全・安心に運行するためには、当然必要なことだと思っていまして、この約束もしっかりと果たされるものだと思っております。 81 井加田委員 150億円の中で工夫をして使うというふうにも聞こえてくるわけですけれども、いずれにしましても、移管前の準備は、本来であれば、やっぱり経営主体側がそういった費用対効果も考えて投資をする分野ではないかと、自分の中ではちょっと懸念として持っております。  このJRの150億円の負担については、今ほどお聞きしたわけですけれども、県と4市で負担をするという150億円についても若干お聞きしたいと思うんですが、公共サービスへの投資という形で、今ほど紹介のあった施設整備にも県と沿線4市で64億円、そしてその後の経営安定基金に11億円ということで、75億円ずつ県と沿線4市が1対1でこの150億円を負担するという構造になっております。  この150億円を設定した根拠は何かについてお伺いしたいわけですけれども、先ほど触れました施設整備費への物価高の影響など、不確定要素が大変多くございます。やはりこの見通しがやや甘いのではないかという印象は拭えません。また、県と沿線4市との1対1の負担割合についても、県が1で市町村が1なら4分の1ずつになるのかといったことでもないと思うわけですね。  そうしたことを考えますと、金額自体の根拠、それから1対1の負担割合の根拠についても、どのような考えで進められるのかということはお聞きしたいと思っています。沿線4市に過重な負担を求めることがないかも大変気になるところであります。また、今後は県の支援の拡充も必要となる、そういった場面もあるのではないかと心配しております。  やはり慎重な対応が求められると思っていますけど、この辺について、JRの150億円もそうですが、県と沿線4市が負担をする150億円についてのそうした背景を考えると、根拠、金額は妥当かなどなど、いろいろ疑問が湧いてくるわけです。その点についてはどのような見解なのかをお聞きしたいと思います。 82 新田知事 県と沿線4市の負担割合の御質問についてお答えしますが、その前にちょっと基本的な認識を合わせておきたいんですが、まず今回、国の法律が変わったんです。鉄道を再生して活性化していこうと、そういうふうになりました。これは赤字路線を切り捨てて、地元と話し合って廃線に持ち込もうということでなくて、あるいはバスにしていこうという決め打ちではなくて、もう一回デザインをし直そうという趣旨の法律だと私は理解しております。それで間違ってはいないと思います。  それにのっとって我々は、それまでも4市での話合いがずっと続いていたことですから、できるだけ早くこの法律の趣旨にのっとって再生すべく、話をまとめようということで、今、話合いをしているところでございます。それはどうか御理解をいただきたいと思います。  それから、先ほどJRさんが移管前にレールや枕木のことなどはしっかりと更新をするところはするという。例えば枕木も、木のものを3本に1本はコンクリートにする、不燃性のものにする、あるいは不燃の塗料を塗るということは、150億円とは別なんです。まだJRさんが運営しておられるJRさんの路線なので、その間の投資は当然JRさんの投資ということで、拠出いただく150億円とは別ということは、どうか御理解をいただきたいと思います。  4回目の検討会で、実施計画案の中に施設整備費や移管後の経営安定支援に係る県と沿線4市の負担割合の案を示させていただきました。この負担案については、これまでのあいの風とやま鉄道の並行在来線経営安定基金による支援と同じように、県が半分を負担し、残る半分を沿線4市で負担することとしています。  今、その半分を4市で4分の1ずつという言及もされました。それは私たちはちょっと分かりません。どういうふうに4市で話合いをされるかは分かりません。そういうことです。  それから、検討会の翌日には、地元の負担割合について、これまでの例から、県が半分を持ち、残る半分は沿線市でということを4市の一つの砺波市長が発言されたと報道もされているところです。  そして、今年度から市町村と共に取り組んでおります富山地方鉄道の件ですけども、これの安全性、快適性向上の支援をしておりますが、ここでもレールや枕木、あるいは踏切設備などの安全対策の支援事業費に対して、これも県が半分を持ち、残る半分を沿線の7市町村で負担されています。  県の負担割合が少ないのではないかという御意見もあるわけですけども、地域の公共交通を県と沿線市で共に支えるという観点で見ますと、沿線市はもとより、地域の住民の方々にも自分事として考えていただくことが重要と考えています。  これまでのあいの風とやま鉄道や富山地方鉄道の沿線市町村も公共交通を自分事として、いわゆるマイレール意識を持って負担いただいているものと考えておりまして、城端線・氷見線に対する県と沿線市の負担割合を1対1で分け合うということは、私は妥当な分け方ではないかと考えております。  なお、このことについては、多分、沿線4市の市議会でも様々な議論がされているということ、その結果をここに持ち寄って5回目の会議を開きたいと考えております。 83 井加田委員 進める上での基本的な考え方については、私も理解をしているつもりでございます。  申し上げたかったのは、施設整備費の設定、その金額自体もそれで賄えるのかどうか、いろんな社会情勢の中で計画変更もあり得えますよねということなので、今言った沿線市の負担や基金の中身についても、今後変わる可能性は十分あると思うので、そういう意味ではやはり慎重な、それぞれの県民の理解をちゃんと得て、そして共通の認識に立って進めていく。このことは基本中の基本だと思っておりますので、そうした観点で引き続き質問をいたしますけれども、将来の赤字負担についても、これはやはり今のうちに議論をしていく大きな課題ではないかと思います。  実施計画では、利用者数の推移について、計画最終年度の令和15年度に、令和4年の1日9,609人から2,400人増えて1万2,000人になると、このような試算がされています。そしてまた、それに伴う路線収支は、令和4年の10.86億円の赤字から令和15年度において年間3.8億円改善が見込まれると。1万2,000人に増えれば3.8億円の改善が見込まれて赤字幅は圧縮しますよと。しかし、7.06億円の、こうした赤字は残りますと、現段階ではこういう試算がございます。  先ほど申し上げた県の人口移動調査では、沿線4市でトータル11%減少します。そんな中で、一生懸命汗をかかないといけない現状の中で、移管10年後をめどに1日2,400人の利用者を増やすという目的が果たして実現可能なのかどうかという疑問を持ったわけです。  路線継続に向けて、不確定要素がありながらもこうした取組をみんなで一生懸命やろうと、そのことは理解できるんですが、それでも将来赤字が解消できない事態もあるし、場合によっては、運行本数も増えますから、職員の配置も増えるわけで、そういった利便性に併せて経費も増えるとしたら、もしかしたら赤字ももっと減るのではなくて増えるんじゃないかという心配もあります。そういう将来の赤字負担についても、やはりいろんなケースを十分考えて、計画上も柔軟な対応をしつつ進めていく必要があるのではないかと。  今、基金を積まれる予定ですけど、将来の赤字次第では、基金を使い終わったら、その後の運行に誰が責任を持つのかと。私はこのことが非常に心配でございます。多分、移管後の5年後に私はこの場にいるかどうか分かりませんし、ここにいらっしゃる皆さんも10年後、もしかしたら人口減少の1人になっている──自分も含めてですよ。将来の皆さんに、あのときにそんなこと考えてちゃんとやってくれたのかと、自分の子供の世代から恨まれそうで、ここはやはり、もう少し実現可能というところも十分踏まえておく必要があるのではないかと、老婆心から申し上げているのかもしれません。実施計画の中で言われる利用増は、ちょっとこれも計画上は設定が甘いんじゃないかという印象は拭えないわけです。  それで、さっき申し上げましたが、基金を使い果たした後の運行にどこが責任を持つのかという課題は残っていますよねとお伺いしたわけでございます。そうした意味でも、やはり国やJRのいわゆる運営に責任を持つ仕組みは、財政負担だけではなくて、そういう責任を明確にしておく必要があるのではないかと、私はこのように思うわけで、知事の見解を求めたいと思います。 84 新田知事 10年の計画を今つくろうとしています。10年たったときに、1日1万2,000人の方に乗っていただきたいですねということ。それも、冒頭で委員から御紹介いただいた沿線4市の人口減少も織り込んで、いわゆる基本的な数字は減るんだけども、様々な営業努力や新しい需要の掘り起こしで、1日当たり2,400人、減ったところから増やして1万2,000人を目指そうという計画です。それに基づいていろんな計算をしております。  おっしゃるように、経営移管後、計画から10年たった後、収支差は3.8億円改善するんです。これは乗客が増えるということだけではなくて、やはり車両が新しくなるので、メンテナンスのコストなどが飛躍的に減ったりします。そういったことを考えて、3.8億円改善するということになっています。  でも、7億円の収支差が生じるということをお示ししました。それをどうするんですかという話で、経営安定支援については基金を設置して、JR西日本からの拠出金150億円のうちの施設整備費で使用する86億円を除いた64億円は、そちらのほうに組み入れる。これは使途は問いませんという拠出をいただいたので、このようにさせていただきます。設備投資にも使うし、その後の基金、経営安定の資金にも使うということ、そして県と沿線4市も毎年拠出するという案にしています。  この経営安定支援の内容も、関係者間で今後十分協議を行った上で案としてまとめて、今まさにうちの県議会でこうやって議論されていますし、4市の市議会でも意見がいろいろと出ていることだと理解しています。  何事にもリスクはあるものだと私は思っています。もちろん、そのリスクを極力マネジメントしていくということは、これはこれで知恵としてやっていかなければなりません。  ただ、何もしなかったらどうなるんだろうかということですが、人口減少あるいはマイカーの普及で、ローカル鉄道を取り巻く状況というのは本当に富山県に限らずどこでも厳しい。富山県よりもっと厳しいところもたくさんあります。  このままJRにやってもらえばいいんじゃないかという御意見もあります。では、どうなるかということを、ちょっと想像力をたくましくして考えてみますと、多分減便になります。それから、サービスも積極的に向上はしないと思います。それがさらに使用者の減少につながります。いわば悪循環に陥っていくということ。委員御指摘のように、路線の維持そのものが危うくなっていくことが懸念されます。放っておいてたらそうなると思います。そうしちゃいかんということで、沿線4市の方々が中心になって話合いをし続けてこられて、県としてもそれに同調して、今、このようなスキームをつくり上げようとしているところであります。  国に対しては、先月開催された、首相官邸でありました全国知事会議の場で、私から斉藤鉄夫国土交通大臣に対して、公共交通は社会インフラであり、地域交通サービスは地域の活力や魅力に直結する公共サービスであることから、地域交通の活性化へ向けた積極的な取組に対し、しっかり国としても支援するように求めたところでございます。斉藤大臣にもそれを前向きに捉えていただいています。  また、JR西日本の長谷川一明社長からは、行政側が主体的なスタンスで臨んでいただいているので、しっかりコミットメントしていく必要があると発言されており、責任を持って関わっていただけると考えております。
     県としましては、国の支援も得て、またJRの理解も得て、持続可能な路線にしていくべく、もちろんリスクは極力コントロールしながら取り組んでいきたいと考えております。 85 井加田委員 今議会の議論でも、そうした計画については非常に前向きに捉える意見が多かったように思います。  でも、私は、先ほど申し上げたような計画自体に見積もりの甘さがあるんじゃないかと。それから、県と沿線4市の負担の問題ですが、現実にあいの風とやま鉄道は、JR線の貨物の乗り入れ料がなかったら赤字です。ですから、将来にわたって運行していくとしたら、指令も独立して運行も独立してやったにしても、全国ネットの貨物をどうするのか。今、2025年問題で、運転手の不足ということが言われていますけれども、輸送をどう保障していくのかということは、1県だけで考える中身でもないと思っておりますので、そうした意味でのJR、国の責任をちょっと強く申し上げたわけでございました。  決してこの計画自体が、あんた、心配せんでもいいよ、ああ、そうですかとはなかなか思えないので、引き続き知事には、県民目線、現場主義、スピード感に──非常に私はこれは前向きに受け止めておりますけども──ぜひ実現可能性というキーワードも加えていただきたい、こんなことをちょっと要望させていただきたいと思っております。  引き続きまして、ちょっと専門的、技術的なことも入りますので、この後の質問は交通政策局長にお伺いしたいと思っております。  まず、今ほども話題になっていました事業主体、JR西日本からあいの風とやま鉄道へ変更する時期は、新型の鉄道車両34両の受入完了時期のおおむね5年後ということでございます。  それまでの間も、いろいろ準備があると思うんですね。JRが所有する鉄道施設の譲渡や、JR西日本に頼る、頼るという言い方がいいのかどうか、本当は前倒しで、移管前に運転士等の技術職員はJRに出向して技術のノウハウを学ぶ、こういうこともやっぱり必要ではないかと私は思うんですけど、そういった運転士、施設、電気、車両等の技術系職員、技術系要員の確保に向けての条件についてはこれからということでございました。  多分、鋭意検討していただいていると思いますけれども、利便性向上によって運行本数が維持というよりも増えれば、自動運転であるまいし、運転士も必要でございます。一人一人、そういう技術を持った運転士の育成計画になるものも必要だと思いますし、どんな要員が必要かということも算定いただいていると思っていますけど、こうしたことを踏まえて、どのように必要要員を確保していくのかについて、田中交通政策局長に検討状況をお伺いいたします。 86 田中交通政策局長 城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への移管後の安全で持続可能な路線の実現に向けて、技術系職員をはじめとする要員の確保は、委員からお話がありましたが、大変重要なことと認識しております。  9月に開催された第2回の検討会では、あいの風とやま鉄道から経営を引き継ぐ場合の条件の一つとして、運転士や施設、電気、車両など技術系の要員を確保するため、JR西日本の社員が一定期間、あいの風とやま鉄道に出向することを条件として示されております。そして、10月に開催されました第3回の検討会において、JR西日本から協力を行う旨の対応案が示されました。  こうした協議検討を経まして、先日の第4回検討会でお示ししました実施計画案では、運転士や技術系の要員の出向条件等については、事業主体の変更までに関係者間で協議の上、決定することとしております。  必要な人員の確保については、先ほど知事からも答弁申し上げましたが、JR西日本の長谷川社長の発言にありますとおり、JR西日本にも責任を持って関わっていただけると考えており、必要な人員の確保を求めてまいります。 87 井加田委員 4回の開催の中で一定の方向性は出ているんだと思いますけれども、先ほどちょっと言いましたが、専門系の技士、いろんな設備を移すときにおいてでも、指令がJRからあいの風とやま鉄道単独になるわけで、そういった高度な運営や、それに携わる高度な専門職、そしてまた新型車両は34両ということでありますけど、1.5倍に増やすわけですから、今のあいの風とやま鉄道の職員が技術的にもそこを全部担っていけるかどうかということもありますし、出向されるJRも、そこに行くのなら辞めようかという方も中にはおられるかもしれないですし、いろいろな不安定要素はあるんですね。  ですから、基本線はいいと思いますけど、それを実現していくときにリスクというよりも、本当に計画どおりに行くのかという懸念、ここだけで決めていいのかなという懸念を持つわけで、そこは今後の検討ということでございます。現場の皆さんの仕事を継続していく上でのモチベーションや、新しいレールにどうシフトしていくのかという、様々な乗り越える課題は多いですよと申し上げたので、主体は経営移管後にあいの風とやま鉄道がもらって、どうするのということには絶対ならないと思います。負担はしなくても、そういう運行上の引継ぎについては、双方で今のうちからしっかり先を見据えて技術を磨く、あるいは運転士を養成していく。これがなければ計画的に要員の確保もしていかなきゃいけないということで、あいの風とやま鉄道も決して何もしなくていいというわけではないと思うんですね。  計画上はそうしたことまで緻密にこの後の協議の中で決まれば、しっかり実現させていく、そういう責任が局長にはあると思っています。ぜひ受け止めていただきたいと思っています。  もう1つ懸念されることをお聞きしますが、城端線・氷見線の直通化についてでございます。  直通化は、この計画上は、経営移管後に直通化するのであれば全面的にJR側が支援いたしますよという言い方になっていると承知しています。  実はこの城端線・氷見線の直通化については、平成28年の城端線・氷見線直通化調査ということで、既に一定の課題整理が行われています。その結果をちょっと紹介しますと、高岡駅の構内は非常に複雑であります。あいの風とやま鉄道線と城端線・氷見線と、両線の車両の検修庫もあります。そして、JR貨物線も考慮した複雑な線路の形になっています。  この形を、配線を直通化に切り替える、完成するまでには、線路を切り替える必要が6回あります。切り替えるごとにその電車線の設備、それから電灯、電力設備、通信ケーブル、そして信号ケーブルなどの移設、撤去なるものが必要でございます。  そして、その時点で、そのときの試算が約30億円と出されていまして、あのときの議論を振り返ってみれば、それだけの額をかけてそういう整備をする段階にないという結論に至ったと私は理解をしているんですけど、また城端線も氷見線も、パターンダイヤということも先ほどから言われていますが、単線ですね。複線じゃないんです。あいの風とやま鉄道は複線ですから、いろいろパターン化なり増便は比較的スムーズにできるんですけど、JR貨物の倉庫も考慮した信号システムということで、ちょっと全国に例を見ないくらいの複雑なものになるのではないかと思っています。平成28年の検討会の報告でも、こうしたいろんな条件、線路の形、それから走っている電車、JR貨物も含めると弾力的な信号システムを組むことができないと。  そして、氷見線17往復、城端線21往復、今その時点の本数ですけど、日中便を中心として4から8往復は可能であるということで、直通便の観光列車が何回か走っていると思うんですけど、そこを全部切り替えるとなると、運行上そこを止めたりということも──これは心配せんでもいいと言われるかもしれないけど──そのときの報告で仕方ないかと一旦私たちも理解をしたわけです。それこそ線路を敷き直すぐらいの中でないと、並行在来線と直角に走る一本化は、本当に実現できるかなと。これは私が一番大きな懸念を持った中身でございます。  ですから、実施計画でもJRはこんなふうにおっしゃっています。利用者の利便の確保に関する事柄として行う場合については、高度な知識、技能が必要となる連動信号の再整備などについて、JR西日本は技術的要員支援を全面的に行う、このような言い回しになっています。  ですから、私は高岡駅の構造上、平成28年の報告にもありますけれど、巨額の投資を伴う。その時点の30億円ですから、この後の整備は30億円では済まないかもしれません。また、そういうことをやっていただく業者がおられるのかどうかもちょっと不透明だと思います。この両線の直通化ということについては、議論はまだ不足していると思っています。再調査をやられるのか。例えば利便性の確保で各線の往来が増えれば、高岡駅で一旦ホームを乗り換えるにしても、直通化して、現実的に利便性が高まれば、場合によって氷見だけではなくて射水方面から関西方面に行く皆さんが新幹線に乗り入れるということで、あいの風とやま鉄道が直通便になるのか、あいの風とやま鉄道の城端ルートに乗って新幹線駅に行く、こんな姿も思い描けるのではないかと思っています。しかし、この形の両線の直通化というのはかなりハードルが高い事業でないか。本当に巨額の投資も必要でございます。  過去の調査結果、それから今後の費用対効果や、そういった技術的な面も踏まえておく必要があるのではないか。だから、JR西日本は5年前の整備計画じゃなくて、その後の含みを持たせて、やられるのであれば支援しますという言い方になっているのではないか。  移管をしてしまえば、指令上も責任を持てないと思います。あいの風とやま鉄道の中でそれを完結しなければならない、そんな状況になってくるので、これは本当にすごい高度な判断が伴うのじゃないかと思います。  場合によっては慎重な判断が求められているのがこの直通化につながっていくんですけど、何歩か譲って、このことが実現可能であれば、移管後に議論を先送りしてはいけないと思います。移管前にJR西日本と協力をして、責任を持ってこの直通化設備を実施できるような、実現可能性も含めて、私は計画上にそういう曖昧な形で残すべきではないんじゃないか、こんなふうに思っております。  まだ検討段階にないのかもしれませんけども、先送りになっても様々な条件があることは受け止めていただきたいと思っています。検討状況を含めて、局長の見解をお尋ねします。 88 田中交通政策局長 城端線・氷見線の直通化については、第4回検討会でお示しした実施計画案において、整備費用を盛り込むとともに、事業主体がJR西日本からあいの風とやま鉄道に変更する前に検討を行い、あいの風とやま鉄道が現在の路線と城端線・氷見線を一体的に管理運営することになる移管後に整備を行うこととしております。  なお、委員から議論を先送りしているとの御指摘がありましたが、検討会の議論は、城端線・氷見線を管理運営することになる移管後という議論を踏まえて、計画案に盛り込んだものでございます。  また、この計画案には、直通化について、委員からもいろいろハードルの高い事業などとお話がありましたけど、高度な知識、技能が必要となる信号設備等の再整備などについて、JR西日本は技術的、人的支援を全面的に行うこととしております。これまでの検討会の場において、JR西日本からは、直通化を検討する場面であいの風とやま鉄道と協議を行い、技術的なアドバイスや人的な支援についても協力する考えが示されておりまして、JR西日本と共に進めてまいります。 89 井加田委員 移管前から協議が始まっているよということだと思います。先ほど申し上げた平成28年の調査結果では、かなり困難性が高いと思うわけですけども、そのことも踏まえて、移管後に実現可能かどうかということは、しっかり協議をしていただいた上で方向性を出していただきたい。ここは強く申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。  ちょっと残り時間が少なくなりました。もう1件、物価高騰下における暮らしへの支援ということで4問準備していたわけですけども、私の進め方が不手際でして、準備いただいている担当の皆様には非常に申し訳ないと思っております。残りの時間で、4問のうち3問目の補正予算に関わる暮らしへの支援について、知事に答弁を求めているところでございますので、そこに移らせていただきます。  今回、追加提案されました補正予算案の中で、賃上げや非正規労働者の処遇改善に向けた支援が計上されております。持続的な賃上げにつながる支援として、さらなる取組の強化が求められると考えておりますけれども、最近の実施段階においては、それぞれの事業を見てみますと、そんなに成果が上がっている数字にはとても見えにくいなと、そんなふうに思っています。  今回提案されています賃上げ、非正規労働者の処遇改善に向けた支援は、そういった意味では、従前の内容とあまり変わらないという内容のものが多いわけですけど、制度の周知、あるいは手続の簡素化など、対策の強化が求められる局面にあるのではないかと認識しております。知事の御答弁をお願いいたします。 90 新田知事 今、大変なエネルギー高、物価高等、厳しい経営環境の中でも、県内の企業は人材を確保するために賃上げをいわば迫られている状況だったと思います。それでも結構な率での賃上げが多くの企業で行われたことは、経営者の皆さんに本当に敬意を表したいと思っております。  ただ、こういうことはやっぱり長続きはしませんので、継続的にこの賃上げが続くには、価格転嫁が適切に行われること、またDXや省エネ、人への投資などによって、それぞれの企業の生産性が上がっていくことが必要で、そのための支援が必要だということでございます。  国のほうも同じ考えでありまして、今回の総合経済対策では、中小企業の賃上げの環境の整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ支援が強化されていると理解しています。  県としても、今回追加提案させていただいた予算案に、県内中小企業の生産性向上を後押しするため、デジタル化や省エネなどの課題を見える化するための診断費用、そして、その診断に基づいて課題を解決することも支援する新しい補助金、中小企業トランスフォーメーション補助金を創設いたします。  また、県内中小企業の賃上げと設備投資の取組を支援する賃上げサポート補助金、これは委員おっしゃるように同じことをやっていますが、引き続き期間を延長して御活用いただきたいと思っております。  県内中小企業の人への投資の強化に向けて、従業員個人の自発的なリスキリングを推進する企業を支援するリスキリング補助金の拡充をいたします。  また、年収の壁対策と連動して、非正規雇用労働者の処遇改善を図るためのキャリアアップ奨励金、これも拡充いたしました。これまでの支援をさらに強化する内容ということで御理解をいただきたいと思います。  県としては、賃上げが経済の活性化、生産性やスキルの向上をもたらして、それがさらなる賃上げにつながる構造的な賃上げの実現をやっていかなければ、このデフレからの完全脱却ということにはならないと考えております。まずは、これらの強化、拡充した支援策を多くの企業に御活用いただけるように、委員おっしゃるように、まだまだ企業に届いていないという御指摘もいただいております。分かりやすくする、それから伝える努力をよりする、また手続の簡素化に努めるという、このようなことも併せてやってまいりたいと考えております。 91 井加田委員 あまり成果が上がっていないという現状もちょっと申し上げたんですけど、ぜひ補正の趣旨も踏まえて努力をしていただきたいと思います。  冒頭にも申し上げましたけども、いろんな施策の前提に、人口減少時代の現実はやはりしっかり踏まえておく。もちろん踏まえてだと思いますけれども、そうしたことは大事ですし、知事には、知事の政治モットーであります県民目線、現場主義、スピード感、そして、先ほど要らんことをちゃべちゃべと言いましたけど、実現可能性ですね、そういったキーワードもぜひちょっと端のほうに踏まえていただいて、しっかり取り組んでいただきたいと申し上げます。答弁を準備いただいた皆さんには申し訳ないですけど、時間の都合上、これで質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 92 井上副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了いたしました。        鍋嶋慎一郎委員の質疑及び答弁 93 井上副委員長 鍋嶋委員。あなたの持ち時間は60分であります。 94 鍋嶋委員 このたび質問の機会をいただきました自民党富山県議会議員会の鍋嶋慎一郎です。  私にとっても初体験の予算特別委員会であります。質問の機会をいただきました諸先輩方をはじめ、同僚議員に感謝申し上げ、質問に入らせていただきます。  まず初めに、農業振興についてですが、本年の一等米比率が過去最低だったことを受け、来年度の栽培指導をどのように考えているのかについてお伺いいたします。  本年のコシヒカリの一等米比率は、災害とも言える猛暑の影響を受け、45.3%と過去最低となり、作況指数においてもやや不良の98となりました。  今年の概算金を基に単純に計算しても、等級を1つ下げ、収量が10アール当たり1俵減るだけでも、10アール当たり2万1,000円減額となります。さらに等級が三等になり、収量も10アール当たり2俵減るとなると、10アール当たり約4万円の減額となります。  兼業農家の平均と言われる約1ヘクタールでは、20万円から40万円余りが収入減となり、燃料をはじめ肥料、農薬など様々なものが値上がりする中、春から秋まで、梅雨時期の大雨、猛暑続きの夏、真夏を思わせる秋の中、一生懸命田んぼ作業をしてきたのに散々な結果となり、この半年間何をしてきたのかと頭を抱える人も多いと聞いております。  来年もおいしい富山米や基幹産業である農業が存続するために、県内の幾つかの自治体や県においても、来年の品質向上に向け、土作りを進めるための補助金が支払われることになったのは非常にありがたく、そしてかなり助かることと思っております。  ここ数年を見てみましても、酷暑と言われる35度を超える日が多くなってきております。暑さに本当に強かったと、今年は改めて認められた富富富に栽培転換する農家が出てくるとはいえ、まだまだコシヒカリが大半を占めています。今年の作柄を踏まえ、来年へどう対策するのかしっかり考えていかないと、来年も一等米比率が悪いままだと感じております。今年の暑さを乗り越えたコシヒカリの種は、決して暑さに強くなったわけではありません。  来年度の栽培指導をどのように考えているのか、津田農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 95 津田農林水産部長 令和5年産米では、登熟期である8月の平均気温が30.6度と異常な高温となり、白未熟粒が多発したことにより、特にコシヒカリにおきまして一等比率は45.3%と、御紹介いただいたとおりでございます。  一方、本年におけます水稲の技術対策の実施状況は、5月10日以降の田植の割合が64%、それから追加穂肥の実施率が15%にとどまっております。このため、令和6年産に向けましては、11月28日の県米作改良対策本部におきまして、コシヒカリについては5月15日を中心とした田植の徹底、生育診断に基づく確実な追加の施肥、有機物やケイ酸質資材による土作りなどを盛り込んだ生産振興方針と重点技術対策が決定されたところでございます。  これを受けまして、農林振興センターでは、生産者への栽培指導に当たり、5月15日中心の田植時期に合わせた育苗作業の計画作成の支援、ドローンによる散布や水口から流し込む肥料を活用した追加施肥の軽労化、有機物やケイ酸質資材の効果を改めて説明し、継続的な施用を促すことなどを重点的に行うこととしております。  なお、追加施肥の軽労化につきましては、この11月補正予算案で追加計上した異常高温緊急実証事業において、より効果的な方法を実証していくことにしております。  また、県米作改良対策本部では、次年度以降の高温障害への対応として、今年の猛暑におきましても一等米比率が93.1%と実証されました富富富などの高温耐性品種の作付割合を、現行の20%程度から30%以上に拡大する目標を新たに設定したところでございます。  県としても、新たに富富富を作付する農業者への栽培指導にも注力してまいります。 96 鍋嶋委員 来年も恐らく猛暑となるのではないかと考えております。ここ数年を見ても、ずっと暑い年が続いて、今年は特に暑かったわけですけれども、急に来年になって涼しくなるとは考えられないので、来年は、今年も暑かったけど、今年はいい米だったと言えるような栽培方法、また栽培の指導をしていただければと思います。  次に、富富富への転換、生産拡大に向けた対策についてお伺いします。  今年の災害とも言える猛暑の中でも非常にいい生育であった富富富。その富富富への転換、生産拡大の声が各地から聞こえております。平成30年に518ヘクタールから本格的に始まった富富富の栽培は、本年は県全体で1,632ヘクタール栽培され、5年で約3倍まで増えました。  とはいえ、県全体の80%を占めるコシヒカリにはまだまだ到底追いつかないわけですが、県としてコシヒカリに代わる品種として考えているのか、来年はどれぐらいの面積になるのか。多くの人が栽培しやすくするために、農薬の成分使用回数を12から増やしたり、湛水直播もできるようになるなど、栽培要件の緩和も必要と考えますが、津田農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 97 津田農林水産部長 富富富の生産拡大につきましては、今年度中に策定予定の次期戦略において、5年後、令和10年産の目標面積を示すこととしておりまして、去る11月9日に開催されました戦略推進会議等でいただいた御意見も踏まえ、地域の特性に応じた収量安定化技術の確立と指導の徹底、地域の共同乾燥調製施設での受入体制づくり、必要となる種子の計画的な生産を支援することとしております。  委員から今御指摘いただきました富富富の生産者登録に係る要件でございますが、これまでも保有米の数量制限の廃止や生産者による直接販売を可能とすること、乾田V溝直播や密苗栽培を対象とするなど、現場の要望を踏まえた要件の見直しを行ってきております。さらに、令和6年産からは輸出用米の取組を可能としたほか、本年度に湛水直播栽培の現地実証試験に新たに取り組み、現地導入の可能性も探っているところでございます。  一方、化学合成農薬の成分使用回数を12以内とすることや、玄米のたんぱく質含有率を6.4%以内とする基準や目標値につきましては、環境に優しく、おいしいお米としての消費者や実需者に対する一つの大きなセールスポイントでございます。その要件緩和につきましては、流通、実需、消費者の委員の方も参加していただいております「富富富」戦略推進会議で慎重に検討する必要があると考えております。  富富富の面積拡大のためには、生産者登録に係る要件を緩和するということも一つの手法であることは理解しております。ただ、新規生産者の増加が見込まれる中で、安定した品質を確保し、消費者や実需者からの評価を維持するためにも、生産者登録制度自体は当面は維持することが必要ではないかと考えております。  ただ、要件緩和の内容ですとか、その程度につきましては、引き続き戦略推進会議の中で検討していきたいと考えております。 98 鍋嶋委員 ありがとうございます。  今、要件緩和について話がありましたが、富富富の生産者募集に書かれている内容は、確かにいろいろと要件があるわけですけれども、先ほど言いました乾田V溝直播栽培ですね。こちらは、今は大分、湛水直播のほうもコシヒカリにおいては、もうかなり定植と変わらないぐらいの、もちろん収量も出てきておりますので、富富富に関しても十分できるかと思います。  これをすることによって、今、機械を持っている人たちも、そのまま湛水直播できるようになるということで、非常に面積もこなしやすく、苗を作らなくてもいい分、省力化にもなるということで、コシヒカリ同様、富富富もそれで進めていったほうが、より生産者は増えやすいといいますか、作りやすくなると思いますので、ぜひそれは早急にまた改善していただければと思います。  そのことによって、農薬の成分の使用回数12というのが、直播をすることによって、どうしても草と競合するところがある中で、その成分が増えるのを抑えるのであれば、今、成分の低いよく効く除草剤とかもありますので、そういったものの使用を促せば、十分普通の湛水直播に対応できると思うので、V溝だけにこだわらず、ぜひそこもお願いしたく思います。またよろしくお願いします。  では、次の質問に移ります。  富富富の販売促進に向けてお伺いいたします。  県は、様々な販売戦略で富富富の売り込みを行っておられますが、悲しいかな、認知度がいまいちのように感じるのは私だけではないと思います。私も、味もネーミングも最高だと感じているだけに、もったいない気がしてなりません。生産拡大を行っていくのであれば、販売量も拡大しなければいけません。  一般質問の際、筱岡議員が富富富の宣伝に全国的にも有名な朝乃山関を使ってはという話もおっしゃっておられましたが、私も同じように、有名なCMプランナーやコピーライターにお願いして、他県で売られているブランド米の宣伝方法、米にこだわらず、宣伝力の優れたものをまねしてでも、今までにはない大胆なPRをしてみてはいかがかと考えますが、津田農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 99 津田農林水産部長 令和5年度では、生産者の思いや富富富のよさを消費者に伝える販売PRを展開してきております。具体的には、南砺市出身のタレントの池田航さんを起用して、生産者と語り合う、あるいは子供たちと料理で触れ合うCM等の放映、それから子育て世代に向けた情報誌富富富マガジンの配布、農協中央会と連携した学校給食での提供のほか、県内外の飲食店での「富富富」フェアの開催、米卸と連携した店頭での試食販売なども実施しております。  先月開催しました「富富富」戦略推進会議では、販売を担う流通関係の委員から、「5年が経過して認知度も上がり、品質が安定し、環境に配慮した富富富を取り扱いたい意向が増えている」、「富富富への切替えが進めば、バイヤーや消費者への仕掛けを強化して販売を進めていく」といった意見もいただいております。  富富富の販売促進は、今後の生産量の拡大を図る上でも大変重要であります。特に県産米の県外流出量が約7割を占めることから、今後は県外での認知度向上と販売促進を一層進めていく必要があると考えております。  来年2月には、2回目の「富富富」戦略推進会議を開催することとしておりますが、その際には、全国的に認知度の高い銘柄のPRの取組等も紹介しながら、大胆かつ不断のPRを行うための方策についても御議論いただきたいと考えております。 100 鍋嶋委員 大胆なPR、それは本当にこの富富富を有名にする手だと私も思っておりますけれども、今回も多くの質問の中に「『寿司』と言えば、富山」が挙げられております。私も少しはやりに乗せてもらい、「『寿司』と言えば、富山」の話をちょっとさせてもらえればと思います。  今回も天然の生けすと言われる富山湾で捕れるおいしい魚、新鮮なネタの話が多かったかと思います。すしにネタはもちろん大事でありますが、考えてみてください。ネタだけではすしとは言いません。シャリがあってこそのすしではないでしょうか。また、すしのうまさはシャリが6割とも言われているくらい、シャリは大切な存在であることを皆さん、忘れてはおられませんか。  この富富富は、さっぱりした味わいの中にも米の香と甘味があり、心地よいもちもち感で口の中でほどけていく感じが、すしのシャリにも非常に合っていると聞いております。ぜひとも富山県内はもとより、全国のすし屋に向け、「『寿司』と言えば、富山」の富富富、すしといえば富富富、すしを食べてふふふと笑顔になるような感じで宣伝のほうをしていただければいいのかなと思っておりますので、また御検討のほどよろしくお願いいたします。  次に、次世代に向けた新品種の開発についてお伺いいたします。  昭和47年に県の奨励品種に採用されたコシヒカリ。昭和50年当時、富山県で一番多く作付けられていたのが自県で育成された多収品種のハツカオリであります。越路早生、日本晴が次に続く中、昭和48年から栽培し始めたコシヒカリは、昭和52年には良食米として評価が高く、作付面積がトップになり、昭和57年には50%、平成10年には80%を超えるまでになっていきました。  平成15年に県の奨励品種に採用されたのが、今も人気の自県育成早生品種のてんたかくであります。そして同じ年、平成15年から研究が始まり、平成30年から本格的に生産が始まったのが、この富富富であります。  これまでの自県育成の歴史から見ても、富富富がコシヒカリに代わる米となり、これからの気象変動、それに伴う病害虫の変異、さらにブランド力を高めた富山米のことを考えると、次世代に向けた富富富に並ぶ新品種の開発というのは必須であり、早々に取り組んでいくべきと考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 101 新田知事 専門家の鍋嶋さんからの質問に答えるのは緊張しますけども、本県における米の品種育成については、常に不断の努力で継続的に実施をしてきております。これまでには、今おっしゃったように、てんたかく、あるいはてんこもりなど、本県の気象条件に適した品種を育成してきました。  そんな中で、平成15年に開発を始めた富富富は、本県の主力品種であるコシヒカリの弱点、草丈が長く倒れやすい、また夏の高温で品質が低下しやすい──まさに今年起こりました。いもち病に弱い、これらの弱点を克服するために15年の歳月をかけて育成してきた品種であり、猛暑の本年でも一等米比率が93.1%と、高温に強い特性が発揮されています。  さらに、冷めてもおいしいなどという食味の評価も高まってまいりました。富富富の次期戦略では、5年後の作付拡大目標を示すことにしております。  御指摘のように、今後も温暖化による気候変動、それに伴い、病害虫の種類が変化することも想定しなければなりません。一方で、環境に優しく、持続的な生産に取り組むことも求められています。  このため、県が令和4年に策定した農林水産試験研究推進プランでは、高品質、良食味という従来のブランド力を維持しながら、新たなニーズに対応した品種開発の推進を位置づけています。  具体的には、現在の県育成品種に、カメムシに加害されにくい性質や紋枯病に強い性質を加えた品種、また高温に強く、良食味で多収な品種の育成などに取り組んでおりまして、こうした技術開発は農薬使用量の削減や防除作業の軽減などの生産性の向上や消費者ニーズに応じたブランド力向上にもつながるものと考えています。  品種改良や育成には長い歳月を要することから、生産者などの多様なニーズを的確に捉え、先見性を持って技術開発に取り組み、富山米の一層の生産振興を図ってまいります。
    102 鍋嶋委員 富富富の開発は平成15年から平成30年、この15年かかったということから見ても、まさに今、研究所のほうでもいろいろと開発が進んでいるのであればいいのですけれども、これから進めていくということであれば、早急にまたこのことも考えていって、次世代の米作り、富山米となるものをしっかりと確立していっていただければと思います。  次に、令和8年度の県産農林水産物の輸出額120億円に向けた展開についてお伺いいたします。  現在の県産農林水産物の輸出額は33.3億円であります。ここから約3年で90億円程度増加させるというのは並大抵のことではないと思います。  県は、世界各地においてフードエキスポなどの見本市に出展したり、催事などでのプロモーションをしたり、横田副知事におかれても、英国やアイルランドにて売り込みをされてこられました。私も以前、県のプロモーション活動に同行させていただき、香港やシンガポールなどに幾度か行かせてもらった経験があります。海外に売り込むということは本当に大変なことだと、そのとき実感いたしました。  120億円という壮大な輸出額に向けた具体的なロードマップなどはできているのか、横田副知事の考えをお聞かせください。 103 横田副知事 農林水産物、食品の輸出は、事業者の方々が実施するものでありますので、県の施策としては、事業者の皆さんの輸出意欲を高めること、輸出意欲のある事業者を海外の売り先につなぐこと、販売に至るまでの様々な課題解決へ支援することに取り組んでおります。  具体的には、JETRO、市町村、事業者の皆さんと協力いたしまして、まず、とやま輸出コミュニティで輸出に取り組む仲間の拡大、その中での様々な情報の共有、そして地域商社を支援育成することで海外市場での新たな商流を拡大する。海外での展示会、商談会や県産品フェアを実施しまして売り先を拡大する。そして、輸出規制への対応や輸出先ニーズに合わせた輸出用商品の開発など、事業者の皆さんの取組段階に応じた支援を進めているところでございます。  とやま輸出ジャンプアップ計画の2年目となる今年度は、支援事業を活用する事業者も、昨年度は10社でしたけども、今年度は20社に増えまして、新たに輸出に取り組む事業者も出てきております。また、海外でのプロモーションも今年度は6か国と増やしまして、新しい売り先を開拓してきております。  ただ、御指摘のとおり、120億円に達するのは並大抵ではございません。今後の目標達成に向けては、まず今年度、海外での活動でつながった現地輸入業者と具体的な商談を進めていただくとともに、引き続き新たな市場開拓と輸出事業者、品目の拡大を目指し、コミュニティー活動、展示会出展などの海外プロモーション、規制や先方のニーズに合わせた輸出商品の開発、改良などの課題解決への支援を継続いたします。  さらに、既にある商流を太くすることや、新しい取引を開始するに当たっては、商品のラインアップ、ロットの確保、安定的な出荷、ニーズに合わせた商品提案が重要となります。岐阜県、石川県、福井県といった近隣県との連携や輸出産品の生産の安定、拡大への支援も重要と考えます。取り組む事業者の皆さんの現状をよく把握しながら、適切な対策を取ることで着実に輸出を拡大したいと考えております。 104 鍋嶋委員 確かに120億円というのは相当な金額であり、今の33億円から通算でいく分には全然いいんですけれども、単年で120億円を目指すというのは、かなりのことだと思います。今までのプロセスはいろいろあると思うんですけれども、もちろんそれに満足することなく、しっかり目標達成に向けて、これから本当に大変だと思いますけれども、私も農家の一人として120億円を目指して頑張っていきますので、またよろしくお願いします。  次に、とやま農業未来カレッジの機能強化に向けた取組についてお伺いします。  令和6年度からの定員拡充に伴う通年研修の体制強化に400万円、園芸ハウスの整備に3,520万円の補正予算案が計上されるなど、県としてもこの農業未来カレッジに注力されておられ、今後の就農者の増加に期待するところであります。来年度から募集人数も15名程度から25名と増員されましたが、現在の申込みの状況はどうでしょうか。  また、水稲や野菜関係など、様々な作物の生理生態や肥料、病害虫に関する基礎知識、またそれらを栽培する技術を学んだり、農業に関する様々な情報など、関連知識を学ぶことはもちろん大切なことではありますが、農業法人であったり、営農組合での求人状況に合わせた、例えばトラクターや田植機、コンバインなどの農機を一から教えなくてもある程度扱えることや、ホームページ管理、また様々な発注伝票作成、ある程度のパソコンを使った事務作業ができるなどといった専門知識を学べる選択科目も必要かと考えますが、津田農林水産部長の所見をお伺いいたします。 105 津田農林水産部長 とやま農業未来カレッジでは、本県の農業人材確保の観点から、御紹介もいただきましたが、令和6年度通年研修生の定員を、従来の15名程度から25名に拡充しております。募集に対しての受験者は17名となっております。このため、昨日、12月7日から来年2月9日まで特別募集を行うこととしておりまして、農業団体等の協力を得てSNSやテレビ、新聞など様々なツールによる周知を図り、定員確保に努めたいと考えております。  また、現在、農林水産部では、関係課や農業関係団体、中央農業高校等で構成します研修機能拡充準備会議を設置し、カレッジの機能強化に向けて検討を進めております。  具体的には、1点目としては、実習圃場を現在の13アールから新たに農業研究所敷地内に56アール確保し、作物実習を強化したカリキュラムに見直すこととしております。2点目は、令和7年度の自営就農を目指す園芸の2年目コース、いわゆる園芸実践コースの新設に併せて、今議会で補正予算案を計上しております実習用園芸ハウスを整備し、自らの経営計画に基づく模擬経営の実践をカリキュラムに盛り込むこととしております。  御提案のありました営農組合などの求人条件に合った専門知識の習得につきましては、現行では全員が履修する農家派遣実習や就農準備実習において、ある程度、就農先や本人の希望する品目や就農形態に合わせて個別に対応しております。  選択科目の導入につきましては、その効果とか研修先の負担等の観点も含め、準備会議等で検討をしていきたいと考えております。少なくとも現行の実習につきましては、研修先の様々なニーズに応え、より現場感覚を捉えた内容になるよう改善や工夫を図ってまいりたいと考えております。 106 鍋嶋委員 現在17名ということで、25名になるよう、その近くになるよう、また私も願っているところであります。今、2年制になるなどして、いろいろ専門的なことに取り組んでいかれるかと思いますけれども、やはりそこで学んだこと、これだけ学べばもうそれでいいわという自己満足的な計画ではなくて、今言ったような法人であったり、いろんな農家さんからこういった人が欲しいということについてまとめると、大体3つぐらいになるかと思います。やはり機械のオペレーターが欲しいとか、パソコンを使える人、事務作業できるような人。あとは、野菜をたくさん作りたいんだけれども、その専門的な知識を持った、ある程度の種を植えるところから最後の収穫まで管理できるような人、そういうような人たちが欲しいというふうに分かれてくるかと思いますけど、全体的にやるのではなくて、やはり農機具だったら、機械も乗れるし、ある程度の整備もできる、そういった専門科目といいますか、分配させて学ばせるのも一つかなと思います。  そうすることで、入る人も、この授業はあまり受けたくないけれどこれは大好きだというのであれば、そこだけの専門にできるような形にしてあげることが生徒にもいいかと思いますので、その辺もまた考えてもらえればと思います。  では、次に、有害鳥獣被害防止対策について入りたいと思います。  初めに、今年のツキノワグマ被害の状況を踏まえた被害防止対策であります。  ツキノワグマが人家のある里に下りてくる際、草木が生い茂る川沿いを移動してくることが多いと言われております。先日、ツキノワグマが通ってきづらくするために、常願寺川に架かる雷鳥大橋付近の3万平方メートルの草木の伐採という報道がありました。  常願寺川だけではなく、県内各河川においても各地区の方々や各自治体の鳥獣被害対策実施隊などと検討し、ツキノワグマが移動してくる可能性のある河川の伐木や草刈りを行うべきと考えますが、市井土木部長の所見をお伺いいたします。 107 市井土木部長 県が管理する河川の伐木や草刈りは、治水上の必要性を踏まえ、緊急度の高い箇所から順次実施しており、これらは熊対策にもつながるものと考えております。  このうち伐木につきましては、流下の支障となる樹木の繁茂が著しい箇所で実施しており、国の交付金の対象となった平成30年度からは、国の5か年加速化対策等の予算も活用し、県の広い範囲で計画的、重点的に取り組んでおります。今年度は、さらに昨今の熊の出没状況を踏まえ、小川など7河川で計画をさらに前倒しして実施したいと考えており、本議会で追加提案した補正予算案にも必要額を計上したところでございます。  草刈りにつきましては、堤防のクラックや沈下等の異常箇所を早期に発見するため、県単独事業により、毎年6月から8月にかけて実施しております。また、熊対策として、別途、橋の周辺等におきまして出没が増える前の9月から10月にかけてスポット的に実施しており、今年度は県内23河川で実施し、さらに富山市の熊野川では人身被害が発生したことから、例年の延長約6キロメートルに加え、緊急的に約2キロメートルの草の踏み倒しを追加で実施したところでございます。  伐採木等の野外焼却につきましては、煙や悪臭の発生など、生活環境保全上の支障が生じることなどを防止する観点から原則禁止とされており、また河川管理上も堤防の弱体化などの懸念がございますので、難しいと考えておるところでございます。  引き続き国の予算も確保しながら、河川の伐木や草刈りを行い、適切な河川管理に努めてまいります。 108 鍋嶋委員 ありがとうございます。  熊は見えるところはほとんど歩いてこないと言われております。大体隠れながら里のほうに下りてくると言われている中で、私は伐採木等の焼却に関してちょっと詳しく言おうかと思っていたんですけれども、確かにいろんな方に煙で迷惑をかけることもあり、なかなか難しいことではあるかと思います。やはりそういった中でも、廃棄物処理法において、焼却禁止という項目があって、何人も廃棄物を焼却してはならないと定められていますけれども、施行令の中に焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却というのがあって、その中には「国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却」となっていることから、消防や警察、または放送等で近隣の人にしっかりと周知した上で焼却処分することで、やはり踏み倒した草も、その後また起き上がってきて、どうしても隠れ家になりやすいこともあるので、そういった草も根元から全部枯らしてよく見えるようにすることで熊が通りづらい、またはほとんどの動物は火を嫌がります。そういった焼けた臭いがすることによって、ここにいては危険だと感じることで動物も寄りつかないかと思います。  こういったことは河川の、広いところでやる必要もなく、熊が一番最初に来やすい河川の上流──上流というのは大体細くなっております──そういったところで何箇所か試験的にでも行ってみることも一つかと思います。そういった場所であれば、そんなに手間もかからずできるのではないかと思うので、ぜひ取り組んでみてはどうでしょうか。 109 市井土木部長 委員からせっかく御提案いただいたところであるので、また委員の地元の河川においても草刈り、伐木をやっておりますので、また相談をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 110 鍋嶋委員 お願いします。効果があるようであれば、至るところでまたやられれば、やはり今年みたいに熊の大量出没というのは少ないかなと思いますので、またよろしくお願いします。  次に、有害鳥獣出没時の通学方法についてお伺いいたします。  先月、中央農業高校に行くことがありました。ちょうど中央農業高校付近では、熊の目撃情報が非常に多いときでありました。通学している生徒は、最寄りのバス停から学校まで約30分歩いてこないといけないので、この時期の朝夕は非常に危険ということで、先生が交代しながら、就業時間外ではありますが、マイクロバスで送迎しているとのことでした。このようなツキノワグマが出没している危険な時期だけでも、バス業者に頼めないものでしょうか。  また、今回はたまたま中央農業高校に行ったから聞けた話でありますが、このような学校がまだあるのではないかと思います。しっかり調査し、安全対策、または教員の働き方改革の方向からも対策を講じるべきではないかと思いますが、荻布教育長の所見をお伺いいたします。 111 荻布教育長 登下校時を含め、学校生活において生徒の安全を確保するため、県教育委員会では、日頃から学校に対して危機管理に関する通知を周知するほか、学校における危機管理マニュアルがより実践的、実効的になるように点検、見直しを求めています。  また、熊や猿、イノシシなど、生徒に危害を及ぼすおそれがある有害鳥獣が目撃された際には、警察などから連絡を受け、速やかに周辺の学校へ情報を伝える体制を整えております。  出没可能性が高い地域の学校は、危機管理マニュアルに対応策を記載していますほか、出没時には保護者や生徒に安全メールや校内放送などで注意喚起し、生徒への熊鈴の貸与、教職員による校内の巡回、通学路での登下校の見守りなどを行っております。また、必要に応じて警察や農林事務所とも連携をして取り組んでおります。  特に今年は熊の出没頻度が高かったことから、中央農業高校などにおいて、学校の近隣で熊の目撃情報があった場合に、ふだん実習などで使用しているマイクロバスを教職員が運転をし、最寄りのバス停間の送迎を行っているところであります。中央農業高校では、具体的には、今年は5月下旬からの8日間と11月後半の11日間、送迎が行われていたという状況にございます。  なお、事業者等への委託については、出没状況によって急な依頼となることなどから、事前の手配が難しい面もあって、現状では教職員に緊急的な対応をしてもらっているという状況です。  安全管理、危機管理の面から緊急に対応してもらっているわけですが、熊の出没状況や各学校の対応状況も踏まえた上で、バス運行を依頼できる事業者や人材を確保できるかなど、現場の負担軽減を図る方策がないか考えてみたいと思います。  教育委員会としては、警察や生活環境文化部などとも連携して、生徒の安全確保、体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 112 鍋嶋委員 ありがとうございます。  小学生、中学生なら保護者が近くにいて、最寄りの小学校、中学校に通えるわけですけれども、高校となると、やはり遠くから通っている人たちが多いということで、バス停から学校までというのは30分。熊鈴をつけるという話がありましたけれども、今、里に下りて来る熊というのは、人を目がけて下りてくると言われております。鈴の音がしたらそれを目がけて、そこにはおいしいものがあると思って寄ってくる熊もいると聞いておりますので、一概に熊鈴をつけたから安全だ、音を鳴らしたから安全だということではないのかと思っております。  中央農業高校では、8日間と11日間で大体19日間だけだと思いますので、この辺というのは大体時期的にも読めると思います。ぜひその時期には、もう予約してでもその間だけ、空振りになってでもバスで通学させるのが県のやり方ではないかと思います。やはり安全に通学させるのが第一だと思うので、そういったこともまた考えてもらえればと思います。  では、次の質問に移りたいと思います。  県内各地においてのニホンザルの被害と被害防止に向けた対策についてお伺いいたします。  年々ニホンザルによる被害数が増加しているように感じるとともに、生息域の広域化、被害の程度、猿の態度も大きくなってきているように感じております。  地元入善町のまちづくり懇談会での各地域からの要望には、山沿いの地区からは、必ず猿の被害に関することが含まれているくらいであります。何年か前は、畑に植えてあるものや柿などが取られたぐらいだったけれども、そのうち畑から収穫してきたものや買物をしてきたものを、車から家に運んでいるときに近づいてきて威嚇し、落とすと持っていかれるなど、年々被害の程度が悪質なものになってきているように感じます。  近隣の方に聞いた、よりひどい一例ではありますが、台所から物音がするので行ってみると、猿が冷蔵庫や電子レンジを開け、食べ物を食べながらこちらを威嚇してきた。大声を出し追っ払ったが、獣臭がひどく、掃除をしても臭いがなかなか消えないとのことでした。  富山県ニホンザル管理計画の県内ニホンザル加害群の生息状況には、県内42の加害群があり、1,757頭が生息しているとされています。その全ての加害レベルは1から4、4が一番ひどいわけですけれども、加害レベルは、この42の加害群の全てが3か4ということで、どの地域においてもニホンザル被害がひどいことになります。  この管理計画の目的や目標には、人とニホンザルの共生を目指すとあります。自然豊かな富山県、または動物愛護の観点から考えれば、共生しなければいけないことは分かりますが、一度現場を見て、そこで暮らしている人たちの話を聞いてもらいたいと思います。電気柵、防護柵はもちろん設置し、花火やエアガンも使い、時には鳥獣被害対策実施隊の力を借りつつ、被害の減少に向け努力はしているのですが、なかなか減らないのが現状であります。  県として本腰を入れ、加害個体の除去などの対策のほか、全国における様々な対策で効果のあったものなどをどんどん取り入れていくべきと考えますが、廣島生活環境文化部長の所見をお伺いいたします。 113 廣島生活環境文化部長 まず、ニホンザルの被害の状況についてお答えさせていただきますが、県内のニホンザルの人家周辺の生活環境への被害について、県で定めているニホンザル管理計画に基づき、各市町村から毎年被害報告を受けている集計になりますが、被害の種類としましては、まず家庭菜園での野菜、果樹などの食害、また屋根瓦、雨どい、網戸などの破損、加えて人に対する威嚇、取り囲みなどで、昨年度報告がありましたのは259件でございます。この数については、やはり近年増加傾向にあるという認識でございます。  また、家庭菜園等の自家消費を目的とする作物を除いた農作物の被害額になりますが、昨年度は346万円ということで、これは近年は大体同じような金額で推移していると捉えております。  県のニホンザル管理計画では、加害レベルに応じた対策を定めており、これに基づきまして市町では実行計画を定め、群れごとの捕獲数を設定して、鳥獣被害対策実施隊の方々と連携して捕獲を行っているという現状でございます。  今年度の県の取組を御紹介させていただきますと、加害群が確認された9つの市町を対象に、群れを感知するための受信機を貸し出して、その使用方法や効果的な捕獲、追い払い方法等に対する研修を開催しております。こうした地域住民の方、また捕獲従事者と連携した被害防除の取組が必要かと思っております。  被害地域の方々からは、とにかく数を減らしてほしいという声を聞かせていただいております。県といたしましては、捕獲による、例えば群れの分裂等で被害が拡大しないということも念頭に、計画的な捕獲が必要であろうと考えております。このため、まず特に大きな生活環境被害や農作物被害を起こしている加害群を対象に、より正確な生息数をカウントする調査を実施しまして、今後の個体数管理に反映させていきたいと思っております。  また、御意見ございましたが、今、他県で効果を上げている事例を担当職員にもいろいろ調べてもらっています。そうしたものの中には、やっぱり集落ぐるみで徹底した追い払いを実践して効果を上げているという例なども聞いているところでございます。こうしたものも参考にするなど、引き続き関係の部局、また市町、地域住民の皆さんとも連携して被害防止に取り組んでまいりいたと考えております。 114 鍋嶋委員 ありがとうございます。  確かに、まずは実態を知ることが最初かなと思います。そして、今部長も言われたように、やはりとにかく数を減らしてほしいということを毎年言われております。  赤色のベストを着た鳥獣被害対策実施隊の人たちがいるだけでもいいということで、それだけでも出てこないという話で、ベストを貸し出したりもしたらしいですけれども、顔が分かるのか、この人は本当は鉄砲は持っていないと思うのか、それだけだと猿は寄ってくるということも聞いております。  やはり実際に実施隊の人たちが、お金を出してでもその場に行けるような、当番制ででも行けるような、ニホンザルが来なくなるまでそこに行ってもらうとか、そういった取組も必要なのかなと思っておりますので、その辺またちょっといろいろ対策してもらえればと思います。  では、次の質問に移ります。  次に、鳥獣被害対策実施隊の増員に向けてお伺いいたします。  近年の異常気象が原因なのか、山から里に下りてくる野生鳥獣が増えてきています。今ほども話をしましたが、熊や猿もそうですけれども、イノシシであったり、キツネやタヌキ、ハクビシンやカラスなど、多くの野生鳥獣が人の住む居住地域にて、様々な被害を及ぼしているとの声が聞こえています。キツネやタヌキ、ハクビシンに至っては、空き家や、中には人の住んでいる民家の屋根裏部屋などに住み着き、近隣の畑などを荒らしていきます。  その被害対策のため、各自治体には鳥獣被害対策実施隊がいるわけですが、昨今の実施隊は高齢化も著しく、隊員数も減少してきているのが実態であります。興味のある若い人が少ないこと、狩猟免許取得や猟銃を持つまでにお金がかかることが原因の一つとも考えられているわけですが、これからさらに鳥獣被害が増えてくることを考えると、県として動画によるPRであったり、免許取得、猟銃購入への助成も必要ではないかと考えます。廣島生活環境文化部長の所見をお伺いいたします。 115 廣島生活環境文化部長 鳥獣被害防止特別措置法に基づきます鳥獣被害対策実施隊は、県内14の市町で設置されまして、有害鳥獣の捕獲や防護柵の設置などに携わっていただいております。  先ほど申し上げました鳥獣被害防止特措法の制定以前から、各市町村では捕獲活動をされている方もおられ、そうした捕獲従事者のトータルですけども、近年は横ばいで推移し、650から700の間、今年度は684人と把握しております。  この捕獲従事者の増員ということになりますが、これにはまず狩猟免許保持者を増やすことが必要になります。このため県では、狩猟免許の試験回数につきまして、従来年1回であったものを平成19年に2回に、平成26年度からは3回と順次増やして実施しております。また、免許試験の受験者向けの講習会を開催するとともに、令和2年度からは、この実施隊を目指す方々の受講料について助成を始めてきたところでございます。  こうした取組により、免許保持者は、最も少なかった平成18年度の876名から昨年度では1,420名、1.6倍に増加しております。  一方、免許保持者のうち60代以上の方を見ますと、ピーク時では約6割でございました。これが今、約5割とはなりましたが、引き続き高齢者の割合が多いという状況です。後継者の確保が課題ということになります。  このため、一つの方策ではございますが、県が指定管理鳥獣対策として県内8地区に設置している捕獲の専門チーム、こちらにおきましては、ベテランと若手を組み合わせた猟という形式を取り、技術の伝承にも努めているところでございまして、こうした取組を先ほど申し上げました各市町の実施隊にもやっていただくということで、若手メンバーの育成につなげたいと思っております。  また、このほか鳥獣管理や狩猟に興味を持ってもらうため、主に40歳未満の方々を対象として、例えば狩猟体験ツアーや動画の活用などによるPRの強化、こうしたものも検討して、議員の仲間も増やしていきたいと思っているところでございます。よろしくお願いします。 116 鍋嶋委員 今ほど言われた技術の伝承ですか、まさしくこれを伝えていかないと、なかなか山を知ることもできないし、動物のいるところも分からない。それは狩猟から始まるわけですけれども、狩猟に行く際にベテランの方についていって、ここではこんなものが捕れるよ、ここは危ないよとか教えてもらいながら、それが鳥獣被害対策実施隊の作業にも、仕事にもつながってくるものと思っております。  やはりまずは鉄砲に慣れるといいますか、山でいろんなものを捕って、まちでそういった鳥獣被害の出るものを駆除できるようになるまではなかなか難しいわけですけれども、そのためにも若い人たちが少しでも増えて、そしてこの技術の伝承ができるように、急に免許を取ったからって、すぐその日からできるわけでもないので、やはりそういったことが大切になってくると思います。これから長い目でこういったことに取り組んでいかなければ、先がないのかなと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に入ります。  北アルプス横断道路についてお伺いいたします。  平成の初め頃から構想がある北アルプス横断道路。平成30年3月に富山県が策定した富山県総合計画において長期構想に位置づけられるとともに、令和3年6月に富山県策定の新広域道路交通計画においても構想路線と位置づけられました。  我らが上田英俊衆議院議員も、この2月に国会の予算委員会で、この北アルプス横断道路構想について質問されたこともお借りしながら質問させていただきますと、富山県の歴史は水との闘い、治水の歴史でありました。県内の多くの急流河川の恩恵にあずかりながらも、氾濫に悩まされ続けました。先人の方々は水を治め、ダムを築き、水力発電による電力を生み出すことで、アルミ産業等の製造業を呼び込み、今日では日本海側有数と言われるものづくり県となっております。  また、富山県は400年以上の歴史を有する薬の富山でもあります。それらの製造に当たり、富山県を横断する国道8号、縦断する国道41号などの主要幹線道路を使い、多くの原材料が入荷され、出来上がった製品、商品は全国各地に出荷されていきます。  関西方面、東海地方のように、関東甲信地方へのスムーズな物流を考えるとともに、観光などで行き来する関係人口や移動などで立ち寄ってもらえる交流人口の増加にも、この富山県と長野県の間にそびえ立つ北アルプスを貫き、両県をつなぐ北アルプス横断道路は必要不可欠ではないかと考えます。  県内では幾度となく議会で話されてはいますが、長野県では一度も議会で話されたことがないということで、先月の11月27日に上田英俊衆議院議員と長野県選出の務台俊介衆議院議員の口利きで、長野県の阿部守一知事に、富山県内の市長、町長、各市町の議長、富山県議会からは鹿熊議員と私も同行させていただき、総勢30名程度で要望活動に行ってきました。  阿部長野県知事は、新田知事ともしっかり話をしていきたいと言っておられましたが、国のビッグプロジェクトとなると同時に、両知事、両県において歴史に残る今後のビッグプロジェクトとなるよう進めていってもらいたいと思いますが、新田知事の思いをお聞かせください。 117 新田知事 北アルプス横断道路は、実現すれば、長野県ではなくて首都圏とのアクセスが向上し、物流の効率化、産業の活性化や観光振興などに大きく寄与する夢のある構想と考えております。  本県では、県の総合計画のほか、令和3年6月に策定した富山県新広域道路交通計画においても構想路線と位置づけています。この構想の実現には、本県と長野県の双方で機運を高めていくことが大切と考えており、今回の上田英俊先生を会長とする皆さんの阿部知事訪問は、そういう意味では、一歩前進ではないかと考えております。  その上で、両県を結ぶこの横断道路の必要性についてコンセンサスを得ていく必要もあろうかと思います。このため、観光や産業をはじめ、幅広い分野での交流を深めて、県レベル、地域レベル、市町村レベル、それぞれにおいて長野県との連携を強化していくことが大切だと考えます。  富山県でも、長野県の道路部局と事務レベルで北アルプス横断道路構想の内容やこれまでの経緯などについて情報共有を図っております。今年の5月に意見交換を実施しております。先月の27日、皆様が阿部知事に要望され、皆様の熱意が伝わったというふうに聞いておりまして、私も阿部さんとお会いしたときにまた意見交換をさせていただきたいと考えております。  県としては、引き続き北アルプス横断道路構想推進会議の皆さんと連携協力し、本県と長野県、また両県の市町村間における交流が深まるように、国交省、長野県、関係市町村とも意見交換しながら、構想の実現に向けて息長く取り組んでいきたいと考えております。 118 鍋嶋委員 ありがとうございます。  新田知事の2期目に向けた目玉政策の一つとしていただきたく、このビッグプロジェクトをどうにか完成させるように、歴史に残るこの北アルプス横断道路の最初のきっかけとなる質問となるように期待しておりますので、またよろしくお願いいたします。 119 井上副委員長 鍋嶋委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                      午後2時57分休憩                      午後3時10分開議
           瀬川侑希委員の質疑及び答弁 120 瘧師委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  瀬川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 121 瀬川委員 自民党議員会の瀬川です。  お疲れだと思いますが、ラスト、よろしくお願いいたします。  最初は、城端線・氷見線の再構築について5問質問します。  11月29日の再構築検討会では、大変中身の濃いといいますか、肉厚の実施計画が示されたと思っています。会長の知事はもちろんですけれども、特に田中交通政策局長や事務局、そして裏方として支えた黒崎課長、職員の皆さんの御苦労あってのことだと思っております。まだ何も終わっていなくて、ここからがスタートではありますけれども、ひとまず、ここまで大変にお疲れさまでしたと言いたいと思います。  表に出ることは華々しいですし、スピード感がありますけれども、裏で支える方がいないとこうはならないと思っています。裏方のすごさといいますか、県庁の底力みたいなものを感じて非常にいい仕事を見せてもらったように思っています。  さて、実施計画案では多くのことが示されましたが、とても情報量が多いので幾つか確認させてください。  まず、再構築検討会では、新型鉄道車両の導入、そして運行本数の増加、交通系ICカードの導入、4つ目として直通化、この4点が中心に議論されてきました。当然ですが、一度に全てできるものではありません。  実施計画によると、まず交通系ICカードの導入、次に新型鉄道車両の導入、その次に運行本数の増加、最後に直通化というスケジュール、こういう理解でよいのか、まず田中交通政策局長にお聞きします。 122 田中交通政策局長 先日開催しました第4回検討会において実施計画案を示して議論を行いましたけど、今委員から御説明ありましたが、計画の開始からおおむね2年後を目途に、ICカード対応改札機を整備する。そして、おおむね5年後には全ての車両が新型車両に変わります。そして、あいの風とやま鉄道に事業主体が変更した後において運行本数の増加が行われ、その後、直通化というスケジュールを想定しております。  なお、直通化については、あいの風とやま鉄道に事業主体を変更する前に検討を行ってまいります。 123 瀬川委員 ありがとうございます。  なぜこういうことを聞いたかというと、私たちはこの城端線・氷見線を将来にわたって維持する責任があります。そういう意味で、利用者の増加は、これから計画を進める中で常に意識してほしいと思っています。当然ですが、乗る人が多いほうが売上げも立ち、より持続可能なものになります。  そんな中で、城端線・氷見線とは別軸で、令和5年度の県政世論調査というものを行いました。その中で、公共交通に関する質問があります。普段の生活で県内の鉄道、路面電車、バス、タクシーなどをどの程度利用するかというものです。  委員長、ここで資料の掲示の許可をお願いいたします。 124 瘧師委員長 許可いたします。 125 瀬川委員 その結果は、公共交通を利用しない方が41.8%、年1から2日程度利用する方が38.9%、月1から2日程度利用する方が12.5%という結果でした。今赤で囲んだ90%の方が、日常でほとんど公共交通を利用しないというのが、今の富山県の実情だということです。  皆さん、これを見てどう思われますか。少ないというのが第一印象なのではと思いますが、私は逆に可能性の塊にも思えました。チャンスでもあるなと。残り9割の方が日常的には乗っていらっしゃらないわけですけれども、この方々に移動の選択肢として考えてもらえる路線になれば、売上げは2倍にも3倍にも伸ばせるなと、こう思ったわけです。  そこで、先ほど聞きました順番で、まず実施する新型鉄道車両とICカードの導入です。ちょっと嫌な聞き方ですけれども、何が利用者増加のインパクトとなるか「切り分ける」ために、あえて1回聞かせてください。  まず、導入するICカードと新型鉄道車両、この導入で利用者は増えると考えているのか、田中交通政策局長にお聞きします。 126 田中交通政策局長 ローカル鉄道を取り巻く環境は、人口減少やマイカーの普及、さらにはコロナ禍での働き方の変化などの要因により、依然として厳しい状況にあります。  こうした厳しい状況下ではありますが、今般、輸送密度2,000人台の路線では、前例がない全車両を新型にして車両を現行の24両から34両に増車することや、交通系ICカードの導入、運行本数の増など、大幅に利便性を向上する計画案といたしました。このため、再構築実施計画の計画前、令和4年度の利用者数より増加するものとしました。  なお、実施計画では、大幅な利便性向上を踏まえ、コロナ前の令和元年度の利用者数を上回る案としておりまして、個別の新型鉄道車両の導入やICカード導入ごとの利用者数の増加についての数値はございません。 127 瀬川委員 今、ICカード導入や新型鉄道車両で、乗客がどれぐらい増えるか、数値はないという説明だったんですが、これで全く増えないとは思っていませんが、インパクトとしては小さいのではと思っています。  後で見せようかと思ったんですけれども、令和3年3月に県が城端線・氷見線LRT化需要予測調査をやっています。これは今の新型鉄道車両じゃなくて、LRTを導入したときだったんですけれども、LRTを導入して現在と同じ運行間隔の場合、新型鉄道車両に置き換えた場合とほぼイコールかと思います。このときは、2040年で16%から25%減るという予測を富山県がしているわけです。だから、単純に車両を置き換えただけでは乗客は増えないということを令和3年に県が出したわけですね。  やはり利用者を増やすためには、現在の1時間に1本ではなくて、いつ駅に行っても電車がすぐ来るとか、20分か30分に1本などと、毎時間同じ時刻に発着するパターンダイヤの導入が効果的であると考えています。  先ほどの県がやった令和5年の世論調査で、どうやったら公共交通を使いますかというアンケートもしています。分かりやすい、使いやすいダイヤ、運行本数があればという答えが1位の回答になっています。ということは、県民もそれを望んでいますし、先ほどちらっと見せた資料ですけれども──令和3年3月の調査です──ライトレールに置き換えた場合、そして運行本数を増やした場合、これもやはり乗客が増えているという予測を富山県がしています。  現在、11億円の赤字を10年後に7億円に圧縮する予定です。赤字をゼロにとは思いませんし、投資という考え方にも賛成ですけれども、現在乗っていない9割の方がこの中から1割でも乗ったら売上げが倍になります。将来にわたって引き継いで維持するのなら、どうやったらこの状態になるか優先的に考える必要があるんじゃないかと思っています。  短い間隔のパターンダイヤなら利用者が増える。そのためもあってか、再構築実施計画では日中のパターンダイヤ化が目指されています。しかし、これだけではちょっとイメージがつかみにくいところがありますので、確認のため聞かせてください。日中とはどのような時間帯をイメージしているのか、また、それ以外の時間帯でパターンダイヤが難しい理由はどのようなものがあるのか、田中交通政策局長にお聞きします。 128 田中交通政策局長 再構築実施計画案では、利用者の利便の確保に関する事項として、日中の時間帯は現行の1時間に約1本の運行を約2本の運行とし、パターンダイヤの導入など、利用しやすいダイヤについて検討することとしております。  計画案で記載しました日中の時間帯については、朝と夕方の混雑する時間帯を除く、おおむね9時頃から16時頃をイメージしております。  また、日中以外の時間帯のパターンダイヤが難しい理由については、通勤通学で混雑する時間帯は、あいの風とやま鉄道をはじめ列車の運行本数が多く、パターンダイヤよりも他の路線との接続を優先する必要があるためと考えております。 129 瀬川委員 ありがとうございます。  9時から16時のイメージということで、その間も、今1時間に1本ですけれども、30分に1本になるということで、倍ですから、大分利便性が高まって、今まで移動に車を使っていたけれども、電車を使おうというふうに変わってくる人も多くなるのではないかと思って期待しています。  もう1点確認させてください。  再構築実施計画には、将来的な運行本数の増加まで考えられています。先ほどの御説明で、5年で経営移管して、そこから運行本数を増やすということでした。  運行本数を増やした場合は、城端線・氷見線は基本単線なので、行き違い設備が必要なのではないかと思います。ただ、実施計画には、行き違い設備への言及がないように感じています。現在も戸出、福野、福光、伏木、雨晴などで行き違いできますけれども、運行本数を増やした場合、さらにどの区間に行き違い設備が必要だと考えられるのか、そしてその費用は現状では計上していないという理解でよいのか、田中交通政策局長にお聞きします。 130 田中交通政策局長 現在、城端線・氷見線には高岡駅を含めて──委員からも幾つか御紹介がありましたけど──10か所の行き違い施設が設けられておりますが、運行本数が増えることに伴いまして、新たに列車が行き違いできる設備の設置が必要になる可能性があります。  このため、実施計画案では、運行本数が現行の約1.5倍となることを踏まえまして、行き違い施設を1か所増やす経費として、運行本数の増、新車導入、パターンダイヤ化に伴う改良整備費、こういう項目で実は計画に書かれているんですけど、その内数として10億円を盛り込んでおります。  具体の設置か所についてもお尋ねがありましたけれども、これは今後導入する新型鉄道車両の性能を踏まえる必要があるため、現時点では未定でございます。 131 瀬川委員 計画案に費用がもしかしたら計上されていないのではという懸念があったもので聞いたんですけれども、1か所の行き違い設備を想定して入れているということで、非常に安心いたしました。  次の質問に行きたいと思います。  ここまで、既に発表していることも含めまして、確認を幾つかしてきました。整備の順番をまず確認しまして、利用者増を中心に考えてほしいということ、そしてパターンダイヤのイメージや行き違い設備のことを聞いてきました。  ずっと聞いてきて言いたかったことは、要は、利用者を増やすために運行本数を増やしてほしいということを言いたかったわけですけれども、ここまでは実施計画の確認だったんですが、最後のこれだけはお願いになります。交渉してほしいと思っています。  実施計画では運行本数を増やすんですけれども、まず車両を入れ替える、その後、運行本数を増やすということです。  既存の車両は別に走れなくなったわけではないので、既存の車両を走らせながらプラスオンする形で新型鉄道車両を導入できませんでしょうか。早く運行本数を増やすことを考えてほしいと思っています。その分、利用者が増えて売上げが増え、より将来に向けて持続可能になります。  そして現在、車両更新は4年半から5年のようですけれども、34両を4年半から5年の間に一気に入れるのではなくて──今そういう予定なんですけれども──そしたら、5年間本数は増えないし、乗客増も見込みにくいということだと思います。そうではなくて、導入効果が早く出るように、逐次導入を求めていくべきであると考えます。車両更新ではなくて、運行本数の増加によって、県民の利便性や満足度が上がると考えるからです。  プラスオンできないか、そして逐次導入ができないか、そういう交渉をしてもらえないか、新田知事の所見をお聞きします。 132 新田知事 運行本数を増やすためには、それに対応した車両数の確保、これは委員おっしゃるとおり。それと留置施設、置いておく場所の整備が必要だということです。  車両の整備については、JR西日本によると、車両の仕様を設定し設計に着手するまでに、おおむね2年程度を要すると。そして、設計、製造にさらに2年半程度の期間を要するということで、最初の車両が導入されるまでに、早くても4年半は要すると聞いています。特に今回導入する車両は、魅力を増すために一部オリジナルなデザインとすることを考えております。となると、私としても一定の期間は必要だと考えます。  一方で、今回の実施計画案では、運行本数を城端線・氷見線ともに現行の約1.5倍とすることから、県民の利便性や満足度が向上するとは認識しております。このため、新型車両をできるだけ早く導入し、運行本数を増やすことが望ましいと考えています。  となりますと、この留置施設の整備をどうするかという話になります。これもJR西日本に確認したところ、車両の留置施設として高岡駅の構内を想定していますが、そこの改修が必要になります。改修に当たっては、車両数に加えて編成数も踏まえた上で設計し、工事に着手する必要があるということで、これもやはり3年半から4年の期間は必要ということであります。  今後、車両の導入のスケジュール、それから留置施設の整備、あわせて、委員がおっしゃる早いほど乗客の増加も見込めるということ、我々ももちろん、それは同じ問題意識を持っていますので、今後、鉄道事業者さんと協議していきたいと考えております。 133 瀬川委員 ありがとうございます。  御説明いただきまして納得もしたわけですけれども、今の計画なわけですから、今後いろんな話も交渉されていくと思います。乗客増のためにはどうすればいいかということを優先的に考えてほしいと思いますので、先ほど言われたスケジュールは、工事のことなので今すぐ分からないところはありますけれども、少しでも早くならないかということを模索する姿勢を持っていただきたいと思っております。ありがとうございます。  そして、今は中心に考える必要はないと思っていますが、将来的に万葉線と接続の可能性もあります。城端線・氷見線とあいの風鉄道が交差する駅に万葉線も乗り入れています。  何十年にわたって使っていくものを取得するからには、今はないですけれども、いつかこういう議論が起こり得るかもしれないと想定して動くことも大事ではないかと思っています。  そのときに、全く考慮してなくて今いろいろ設計するのと、将来あるかもなと思いながら設計するのとでは中身が全然違ってくると思いますので、接続の余地だけは残しておいてほしいとお願いして、次は、高校再編について7問質問したいと思います。  現在、生徒の減少が見込まれる中、富山県の高校教育を充実するために、県立高校教育振興検討会議が開かれています。2027年度以降に向けて高校再編は避けられず、そのための規模や基準、学科の見直しを検討して、今年度基本的な方針を取りまとめ、来年度に知事と行う総合教育会議でその取りまとめを受けて議論するということです。  まず、これまで3回開かれた県立高校教育振興検討会議ではどのような意見が多いのか、荻布教育長にお聞きします。 134 荻布教育長 今年6月に設置した県立高校教育振興検討会議では、これまで3回にわたって県立高校の在り方や再編に関する方向性について御議論いただき、様々な御意見をいただいてまいりました。  主なものを御紹介いたしますと、学科やコースの見直しについては、農業、水産、工業などの分野で、全国からうらやましく思われるような在り方をこの機会に思い切ってデザインすべきなどの御意見、さらには、工業高校の各学科の専門性について分かりにくい面があるので、一括募集にしたほうが生徒たちは選びやすい、また、学科名を変更すれば、女子生徒も含めて行ってみようかという気持ちになるなど、様々な御意見をいただいているところです。  また、学校の規模については、生徒が学んでよかったと思えるようにするためには、一定水準の教育の質が必要、生徒にとって質の高い教育の一つの要因になるのが教員数の確保であり、学校規模がある程度あることが、部活動など様々なことに対して効果があるという御意見や、規模だけではなく、学科やコースなど県全体のバランスを見極めて学校を配置することが必要である。また、通学の便などの地域の特性にも配慮すべきといった御意見をいただいております。  こうした御意見を踏まえて、第3回会議では県立高校の配置の方向性として、様々な学科構成や規模の高校をバランスよく配置するということを素案として、さらに御議論いただいたところでございます。 135 瀬川委員 ありがとうございます。  この県立高校教育振興検討会議、今幅広くいろんな意見をおっしゃっていただいたんですけれども、私も議事録を読ませていただきましたが、規模に関することに関しては、会議では4学級以上の学校規模を望む声が多かったように感じました。多かったというか、ほとんどの方がそう言われたと思っています。  今度の高校再編で、生徒の減少でクラス数減や合併は避けられないと思っています。今のゼロ歳の方が高校に入学する15年後には3割のクラスを減らさないといけません。ですが、単純に削減の話だけではなくて、これをきっかけに、今よりもっと高校を魅力あるものにできないかと強く思っています。  そして、この問題に取り組むからには、社会がこんなスピードで変わっているので、教育もものすごいスピードで変わっています。自分の経験で語るだけではなくて、やはりしっかり現場を見なきゃいけないと思って、県外も県内もたくさんの高校を見てきました。一定の規模のメリットも感じましたし、小規模のメリットも感じました。というより、規模で生徒が生き生きして充実しているとかはそこまで感じなくて、生徒の自信につながる特徴のある中身をやっていたり、あるいは先生が生き生きしているから生徒が生き生きしている。規模じゃなくて中身のほうが大事だと改めて感じたわけです。  県教育委員会としては、小規模校の利点をどのように考えているのか、荻布教育長にお聞きします。 136 荻布教育長 先ほど申し上げたように、先般の第3回会議では、再編に関する基準について5つの基準例などを参考に御意見をいただきました。  委員からは、生徒が学びたい、学んでよかったと思える学校づくりには、教育の質が必要。全国調査でも4から8学級がよいとされていることから、1学年4学級未満を検討対象とするこれまでの基準がよいという御意見と、今後の大幅な生徒数の減少を想定し、4学級以下の学校などに基準を引き上げるべきといった御意見を半数ほどずついただきました。  また、小規模校のよさもあり、3学級以下に基準を引き下げてもよいのではないかという御意見、また、志願状況や欠員状況を基準にすることについては慎重な検討が必要ではないかなどの御意見もいただいたところです。  小規模校のメリットでございますが、文部科学省の資料において、生徒に目が届きやすく、きめ細かい指導を行いやすいですとか、生徒相互の人間関係が深まりやすいなどとされており、県教育委員会としても同様の認識でおります。また、全国では小規模校であっても地域社会の課題や魅力に着目した学びを進めまして、地域の特色を生かした高校づくりに努めておられる事例もあり、本検討会議においても、全ての小規模校を統合するといったことではなく、地域の実情に応じた再編が必要ではないかという御意見もいただいております。小規模校のメリットも踏まえた上で、バランスのよい配置について検討していきたいと考えております。 137 瀬川委員 ありがとうございます。  ここまで2問、検討会議の内容をおさらいしてきましたが、この上で方向性の話を少し、抽象的になりますけれども、大事だと思っているので2問したいと思います。  先ほども言いましたけれども、県外と県内たくさん高校を見てきました。県外は特徴ある高校を選んで行っているので、単純に県内高校と比較できませんけれども、それでも、今回の再編を機に富山県のより充実した高校教育、魅力ある高校教育をつくるヒントがたくさんあったと思っています。  その一つは出口の考え方です。これは学校だけじゃなくて、親や家族、親戚も考え方を変えないといけませんけれども、出口とはどういうことかというと、一言で言うと卒業後の進路になります。  富山県では、国立大学、有名私立大学何人、就職率100%何年連続とか、○○高校は資格取得率100%で全員資格を取っていますと。県内の高校を回ってこう言われることもありました。  これらは全て富山県は自慢にしてきましたし、生徒にとっても自信になる面はあると思っています。ただ、送り出した後はどうなっているか。今、県内高校生の就職志望者は100%就職していますけれども、その3分の1は3年以内に辞めているんですね。資格も卒業後使えているかどうか把握できていないのが現実かと思います。卒業後関われないのかもしれませんけれども、送り出して終わり、こういう側面は少なからずあるのではないかと思っています。  一方で、他県の先進例は、生徒が望めばそういうことはサポートするけれども、出口を追いかけるのはやめる、検定をメインにするのは違う、こう言うんですね。じゃあ、何に力を入れているかというと、生徒が夢中になれることを探すとか、自分で判断する力をつける、他者と協働、協力して働く経験をとにかくしてもらう。○○ができるという技術だけではなくて、語れる──ナラティブ、そういう表現を使っていましたが──ところまで持っていきたいと、こう言うんですね。  2020年からの新しい学習指導要領は、初めて教師目線、学校目線から生徒目線になったとも評価されています。今紹介した例はまさしく生徒目線の方針だと思って、伺った多くが県立高校だったので、正直、非常に驚いたわけです。  ある方は教育のことを、教育は大型タンカーみたいなもので、30度変えるのに3キロ先を見ないといけないとおっしゃる方もいます。すぐには変われないかもしれませんけれども、今回の高校再編を機に、3キロ先を目指して進み続けなきゃいけないんじゃないかと思っています。今回を逃したら、もうなかなかきっかけがないかもしれない、そういう危機感を自分としては持っています。  何か引き出したいわけではなくて、現時点での教育委員会の考えを聞いておきたいと思います。就職率や資格取得率ではなくて、生徒の夢中になれることを探して、応援して、就職後の定着率の高さとか、離職率の低さですね、生徒の満足度が高い学校を県全体として今後目指していくべきだと考えますが、荻布教育長の所見をお聞きします。 138 荻布教育長 委員からも御紹介ありましたが、令和4年度より実施している高校の学習指導要領では、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開するということが示されています。  このため、富山県立高校の授業でも、グループ学習やICT機器の利活用などで調べたことを教え合ったり、討論により考えをまとめたりする活動が多く行われるようになっております。  また、生徒が興味・関心のあるテーマを設定して、地域や大学、企業などと連携した課題解決型学習ですとか、模擬株式会社の運営、先進的なスマート農業の実習に取り組むなど、資格取得以外の実践型教育にも力を入れております。  こうした活動を通して、知的好奇心や学習意欲、探究心を高め、能力を伸ばすとともに、大きな達成感も得られるように努めているところです。  県教育委員会としても、地域や大学、企業などと連携した、教科等横断的な課題解決型学習の各学校での取組を応援しており、今年1月には、とやま探究フォーラムを開催しまして、県立学校18校の生徒が参加して研究成果を発表いたしました。  今年度は、課題解決型学習を推進するための予算をさらに拡充するとともに、地域や企業などとの連携を促進するコーディネーターを新たに2名配置して支援もしており、来年の2月には、今年度も探究フォーラムの開催予定をしております。  今後も、授業はもとより、生徒自らが創意工夫した学校行事への参加や、部活動も含めて、高校教育全般を通して生徒が夢中になれることを見つけることができ、自己有用感や満足度が高まって、生徒にとって学びたい、そして学んでよかったと思える学校づくりを進めてまいりたいと思います。一生、生き生きと自分らしく暮らせる力を育む高校にしたいと思っております。 139 瀬川委員 ありがとうございます。  すみません、次もちょっと抽象的な話になりますけれども、これまでの人生、生きてきて、いろんな人に出会ったと私は思っています。バランスよくいろんなことをこなせる方もいれば、あれはできるけどこれはできないという方もいらっしゃいました。凸凹している方もいっぱいいらっしゃるというのが自分の感じていることです。  でも、中学教育、高校教育、特に富山県は5教科のバランスをすごく求めるなと、自分もそうでしたし、今もいろんな話を聞いてそう思います。強いところを伸ばそうというよりは、弱いところを補おうという考えが基本的にあると思っています。  しかし、世の中には、公立でも強みを伸ばそうと特定の教科に力を入れている高校もありました。例えば英語です。ほかの4教科は普通だけれども、英語だけはどこにも負けない、また学校としてもそういう機会をつくっている、そんな高校でした。  5教科の合計点を評価するのではなくて、特定の教科を集中的に学習する高校など、強みをもっと伸ばす教育を増やしてもよいのではないかと思いますが、荻布教育長に所見をお聞きします。 140 荻布教育長 委員御指摘の、高校において生徒の個々の強みを伸ばす教育としては、高校に設置されている各学科やコースにおける取組がまず挙げられるかと思います。
     例えば、探究科学科の理数科学科では、専門性の高い理数系科目を多く履修できるようになっています。また、普通科に設置している国際や情報、福祉、体育、音楽などのコースがございますが、ここでは、その内容をより深く学べるよう、特定教科を多く学べるカリキュラムが設定されておりまして、希望して入学した生徒の強みを伸ばす教育に努めています。  また、総合学科では、多種多様な教科、科目の中から、生徒一人一人が学習内容を選択することができ、得意分野を伸ばすことにつながっております。職業系専門学科では、興味・関心の高い分野の課題研究など、実践的、体験的な学習を通して、産業界で求められる専門教科に関する知識、技術を身につけているところであります。  現在、県立高校教育振興検討会議において、学科やコースの見直しについても検討しているところですが、その委員からは、例えば情報系の普通科や工業科の中の情報系が増えるとよいですとか、グローバルコースのようなところで英会話力を高めながら探究活動に力を入れる取組がよいのではないかなど、いろいろな御意見もいただいております。  引き続き検討会議の御意見なども踏まえながら、生徒の個々の強みをより一層伸ばす教育活動について検討を進めていきたいと考えております。 141 瀬川委員 ありがとうございます。  全くやってないとは思いませんし、そして、今おっしゃったこととは違うことを求めているということも分かってはいただいていると思いますが、私、よく言うんですけれども、きれいな正五角形をつくる教育ではなくて、一つでも飛び抜けているものを応援する、そして伸ばしていくようなものを、全部とは言いませんけれども、そういう高校が少し富山県内にもあったら、これは苦手だけれどもこれだけは得意だという生徒がいるのも事実なので、そういう方たちの目指すべき高校になるのではないかと思っています。  3問目、4問目は抽象的に方向性を聞きましたが、次は具体策だと思っています。  各学校の魅力を出さないといけない。それには、校長の方針やリーダーシップはとても重要だと思っています。いろんな学校を回って、学校の色もありますけれども、校長の色も大きいなと感じました。  しかし、富山県では学校長は数年で替わってしまいます。本人も来年この仕事をしているのか分からないながら務めているんじゃないかと思っています。せっかくこういう学校にしたいと思っても、1年や2年で替わってしまう場合が多々あるんですね。  学校長が数年で替わる現在のやり方では、学校の魅力はやはり磨きづらいと思っています。これまで荻布教育長に聞いてきましたが、この質問は新田知事にします。というのも、民間企業や今の仕事を通して、リーダーによってチームはがらりと変わること、優秀なリーダーは複数年かけてより強いチームにしていくことをたくさん見てきたんじゃないかと思っています。どんなに優秀でも一、二年で替えてしまう。こんなもったいないことは会社ではなかなかないんじゃないかと思っています。  先ほどの英語に力を入れる高校、ここはまさに校長が公募で選ばれた学校でした。こういう学校にしたい。そのためにはこんな取組をしていく。もちろん予算も要求する。1年でできないから何年下さいと、こう言うんですね。  特にこういう部分は、新田知事だからこそできる改革があると思ってお聞きします。高校の校長を公募することや、希望とプランがあれば長期の任命をするなど、もっと長い期間関われる仕組みがあってもよいのではないでしょうか。新田知事に所見をお聞きします。 142 新田知事 今、高校には、組織的にまた計画的に各種の教育活動をよりよくしていくために、スクール・ポリシーというものをつくることを義務づけています。そして、委員御指摘のように、学校の魅力を磨くこと、あるいはそのポリシーに従ってよりよい学校にしていくということを実現していくために、1人の校長先生が一定期間関わることがあってもよいのではないかと私も思います。  教育委員会に確認しましたら、本県の高等学校の校長の1校当たりの任用期間はおおむね二、三年ということです。先ほど来年やっているのかどうか分からない、不安な気持ちでやっているんじゃないかという話はありましたが、多分そうではなく、実現したい将来構想など、本人に直接ヒアリングをしているようです。その上で人事を行っている。残るのか異動するのかということです。これまでも、高等学校の再編とか新設時の個別の学校の状況に応じて長期間の任用になった事例もないことはありません。  今のうちのキャリアパスでいきますと、ほぼほぼ校長先生になられる年代は一定の年齢になります。それから、今のルールの中で定年までの間に、どうでしょう、そうたくさんの校長経験をする時間はないのではないかと思っています。それを1校に使うのか、あるいは複数経験したいと思われるのか、そのあたりは人それぞれの考えだと思っています。  じゃあということで、今おっしゃったように、教員の皆さんの中から選ぶのではなくて、公募したりスカウトしたりということもあるのではないかというお話もありました。  確かに全国的には、ITあるいは国際系などこれまでなかった、さっきの英語の教育もそうですけども、そういう特色ある専門家を新設するときに、これまでの教室の中ではふさわしい人がいないという場合に、民間からも含めて校長を公募するという例は多々あります。ただ、中には必ずしも成果が出ないところもあったり、また、一旦公募したけども中止しているところもあると聞いております。  校長の公募制の導入は、民間の経営感覚を入れた学校運営あるいは将来構想の実現が学校の活性化などに最大限生かされる必要があると思いまして、教育委員会には他県での効果や課題、これまでも教育委員会としても調べているんですが、今、議員の皆さんもより多くの事例も見ておられるということですので、そのような他県での効果や課題も含めて研究してもらいたいと思っています。  お答えになったかどうか、そんなところです。 143 瀬川委員 ありがとうございます。  全部そういうふうにやってほしいと思っているわけではなくて、今回の高校再編をきっかけに、やはり魅力ある高校をつくることも私たちのミッションだと思っていて、そのときに、中からの力で変えられることもあれば、一部外からの力でうまく歯車を回していくことも有効な手段だと思いますので、特徴ある教育をつくるためにも、ぜひ、今もやっていただいているということですが、より検討していただきたいと思っています。ありがとうございました。  次の質問に行きます。  今月末に開く第4回県立高校教育振興検討会議では、再編基準の素案が示されるとのことです。第3回会議には5つの考えが示されて、その中には小規模高であっても全県的な視野から特色ある場合は対象としない、という文言があります。もちろん小規模校には、この文言のとおり、特に魅力を出すことを期待しつつも、ただ、この言葉ですね、小規模校から再編統合を検討するという令和2年度の基準の文言を今回は踏襲すべきではないのではないでしょうか。  富山県教育振興基本計画では、ちょっと長いですけども、目指す姿として、教育の振興を通して、すべての県民が生き生きと自分らしく暮らせるウェルビーイングの向上を目指すことと、SDGsに掲げられた質の高い教育を目指し、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現していく、この2つを掲げています。要は、いろんな生徒がいるということをここで言っているわけです。  教員数が確保された一定規模の学校で切磋琢磨することが合っている生徒ももちろんいます。ですが、小規模で自分のペースで成長することが合っている生徒がいるのも事実だと思っています。ですから、いろんな課題、問題が起きたときにそのような対応をしている事例も現にあるわけです。  数は多くなくていいので、最初から小規模校を排除するのをやめませんか。大規模と小規模をバランスよく、どちらもあることが生徒の選択肢だと思っています。小規模校から再編統合を検討するという令和2年度の基準の文言を今回は踏襲すべきではないのではないか、荻布教育長にお聞きします。 144 荻布教育長 現在の学校数を今後も維持したとしますと、今後の中学校卒業予定者数の減少によって各高校の学級数、生徒数が減少することから、中、大規模の学校を配置することが困難になり、多くの県立高校が小規模となることが見込まれます。  そのため、第3回会議では、先ほども御紹介しましたが、県立高校配置の方向性としては、生徒が一定の時間内で通学できる高校から多様な選択ができるよう、様々な学科構成や規模の学校をバランスよく配置することを目指すとする素案を示した上で、5つの基準例を参考に御意見もいただいたところです。  教育委員会としても、アンケート結果で小規模校がよいとする回答もあったことや、検討会議において小規模校のよさもある、県として学校規模の幅をどうするか方向を決めるべきなどの御意見もいただいております。  また、委員から御指摘のありましたように、教育振興基本計画にも「「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」というのを掲げており、小規模校が合っている生徒もおられると考えられます。こうしたことなども踏まえて、委員の御意見も参考にしながら、今後、検討会議でしっかりと検討を進めてまいります。 145 瀬川委員 ありがとうございます。  数は多くなくていいと思いますが、ただ、可能性を残しておいてほしいと思います。  この項最後の質問に行くんですが、再編の発想を、減らす、なくすというとこから始めるのではなくて、どうやったら効果を出せるか、プラスを生み出せるかという視点で考えられないかと思っています。  小さいほうからなくすのではなくて、総合学科と普通科を組み合わせるとか、語学に力を入れているところ同士をくっつけるとか、商業の学科を少し名前も変えながら統合して、その代わりデザインを新しく入れるとか、組み合わせて相乗効果を出せる柔軟な発想で、そういう高校同士をつなぎ合わせるということが次の再編を考えるときに必要だと思いますけれども、新田知事に所見をお聞きします。 146 新田知事 県立高校教育振興検討会議での、富山県としてどういう高校教育を目指すのかという方針が必要だ、あるいは、学校の規模、基準は学科やコースの見直しと併せて検討すべきなどの御意見を踏まえまして、教育長が何度も申し上げているように、第3回会議において県立高校配置の方向性の素案を示し御協議をいただきました。  この素案の根本には、職業系専門学科や普通科、総合学科などの様々な学校構成と小規模校やあるいは中大規模校の学校規模の掛け算で、様々なバリエーションを生み出したいという考えが根底にあります。ある意味では、今の委員のお考えともラップする面はあると思っています。  この素案に対して、様々な学科構成と学校規模のベストミックスを狙うという考え方はよい、学校規模は大小それぞれのメリットがある、大きな高校ばかりでなく専門特化したものについて、県として非常に重要な分野であれば、小規模校でも存続させるべきなどの御意見をいただいたと聞いております。  検討会議では、今年度中に基本的な方針を取りまとめる予定と聞いています。少子化が進む中で、県立高校配置の方向性を実効性ある取組とするためには、委員がおっしゃる相乗効果というもの、ただ、教育における相乗効果というのは、私もすぐはちょっと理解できませんが、様々なバリエーションという考えはあります。実効性のある取組とするためには、多面的な視点から引き続き議論をいただきたいと考えております。  来年度は、その検討会議の取りまとめを受けて、総合教育会議において5回ぐらいやる予定にしておりますが、再編の基本方針、また新しい学科、コースの開設などについて検討を進めていく予定にしております。その際には、オリジナルの総合教育会議メンバーだけではなく、委員の今のような御意見も参考に、地域あるいは産業界、学校関係者と幅広く意見を伺いながら議論を進めていきたいと考えております。  ただ、大切なのはこどもまんなかの視点、これはやはりぶれてはいけないところだと思っています。高校の魅力ある教育環境づくりをしっかり進めていきたいと考えています。 147 瀬川委員 前向きに考えていただけるとのことで、ありがとうございます。  最後におっしゃったこどもまんなかというのがまさに言いたかったことで、切磋琢磨ばかりを選択肢として与えるのではなくて、いろんな生徒の受皿というか、希望をかなえられるような高校再編になればいいなと思っております。  最後に、県民のウェルビーイング向上について2問質問します。  ウェルビーイングというものを県の目指す柱として置いて、私はすごくいいなと思って当初から賛同してきたつもりです。  ですが、県としての発信は目立つのですが、市町村はあまり言っていないように思っています。例えば令和5年度の予算を見ても、富山県ではウェルビーイングという言葉が、何度もありますけれども、市町村の予算、主要事業、15市町村全部さっと見ましたけれども、ウェルビーイングという言葉はなかったように思います。  様々な計画の中の文言。富山県はほぼ入っています。市町村はそうではないと思います。首長のメッセージも同様かと思っています。  私は、富山県民であり、半分は高岡市民です。富山県民と高岡市民、半分半分持っています。皆さんも富山県民であり、○○市町村民だと思います。  15市町村の予算を足し上げたら、富山県の予算とかなり近い数字になります。どういうことかというと、みんな富山県に払っているのと同じくらいの税金をそれぞれの市町村に払っていると、こういう理解もできるわけです。同等の規模になるので、富山県と同じ温度感でこのウェルビーイングに取り組むと、2倍の推進力があると思っています。  せっかくいい概念なので、一緒になって取り組むべきだと考えますが、そもそもの基本的な考え方として、県民のウェルビーイング向上は県の施策だけで実施できると考えているのか、それとも市町村の施策を伴わないと達成できないと考えているのか、ここは大事だと思っておりますので、川津知事政策局長にお聞きします。 148 川津知事政策局長 委員御指摘のとおり、県民のウェルビーイング向上は県の施策だけで実現できるものではなく、市町村はもとより、経済界、企業、また一人一人の県民の方々にも意識を持っていただく必要があると考えております。  施策実現のためには、本当に多くの関係の皆さん、県民のウェルビーイングのイメージを共有しながら、継続的に取り組むことが重要であると考えております。このため、より住民に近い市町村の施策と県が進める広域施策とが相まって、各地域、ひいては県全体のウェルビーイングが高まっていくものと考えております。  それが県が目指すウェルビーイング先進地域の姿だと考えておりますので、今後とも市町村の皆様と情報共有、意見交換を進めながら、県民のウェルビーイングの向上に努めていきたいと考えております。 149 瀬川委員 最後の質問になります。  来年度予算の編成がこれから本格化します。  今の質問はこの質問のために聞いたんですけれども、市町村にももっとウェルビーイングの向上に取り組んでもらえるようにするには、制度的な後押しも必要ではないかと思っています。  例えば脱炭素やDX、これは国全体として目指すという方向なので、国もそれぞれの施策をやりますけれども、県や市町村も、その取組を前に進めるように、補助金という形であったりいろいろな仕掛けをするわけです。  国が脱炭素やDXを達成するために、予算を県や市町村につけるように、県もウェルビーイングに関する市町村の取組に予算をつける、こういう促す仕組みをつくってはどうかと思いますけれども、新田知事に所見をお聞きします。 150 新田知事 県内に10市4町1村ある市町村、そこにお住まいの方々はすなわち県民である、まさにそのとおりだと思います。県民のウェルビーイング向上のためには、県と市町村がワンチームで取り組むことが大切だと考えます。  そのため、県では現在、予算編成における指標の活用にチャレンジをしています。いずれ市町村においても活用いただけるとありがたいと思っています。  来年度の予算編成では、全ての部門において、ウェルビーイング向上効果を勘案して施策を検討してもらっています。今、予算編成のさなかですが、指標を活用した課題解決経費を積極的に要求するように、各部門の職員には指示をしています。現在、このようにウェルビーイング向上に主眼を置いた予算編成に全庁を挙げて取り組んでいるところです。  また、ウェルビーイングに関する市町村の取組を促すためには、これはトップダウンでやれということではなくて、市町村職員の皆様の理解と共感をいただくことが重要であると私は考えています。このため、今年度は「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、指標や県の取組を都度紹介しているところです。  また、この会議の幹事会──職員同士の会ですけども、幹事会を通じて、希望のあった市町村に対して、指標策定の基礎とした県民意識調査データを提供したりもしています。  加えて、先月、ウェルビーイング研究の第一人者と言われる石川さんに県庁内で講演会をしていただきました。ここには、県職員に加えまして市町村職員の方々にも参加をいただきました。大変活発な意見交換になりました。県庁以外の市の職員の方々からも質問がたくさん出ました。  そのときは市しかいらっしゃいませんでしたが、各市の方々も大変に興味を持っておられるということ、また共感をしていただけているんだなということも、活発な質問や意見交換を見ていて私は思いました。この模様は動画でも御覧いただけるので、またよかったら御覧いただきたいと思います。さらに幅広く市町村職員の皆さんに理解を求めていきたいと思っています。  今の臨時国会の冒頭の所信表明演説で、総理の口からもウェルビーイングというものを高めていくんだということが出ました。だんだんと浸透していくのではないかと思っています。明らかに富山県が先進地域ではあります。  でも、だんだんとほかの都道府県などでも機運が高まってきて、それと同時に、県内の市町村の中でもそんな機運も高まってくるものと思っています。  いずれにしろ、情報はどんどん提供していきたいと考えておりますし、このウェルビーイング指標を活用した施策形成というもの、自治体の職員というのはみんな本当に日々よりよい政策、より地域をよくするための施策というものに知恵を絞っています。でも、毎回というか毎年のことですし、また、都度、補正もあります。そんな中で、こういう一つの指標があると、よりクリエーティブな政策の形成に役立つのではないかと思って期待もしているところですが、県民のウェルビーイングの向上に向けて、これからも県と市町村が一層ワンチームとなって取り組めるように、環境を進めていきたいと思いますし、機運も醸成していきたいと考えております。 151 瘧師委員長 瀬川委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、12月12日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後4時11分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...