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  1. 富山県議会 2023-11-01
    令和5年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開議 瘧師委員長 ただいまから、本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        瀧田孝吉委員の質疑及び答弁 2 瘧師委員長 瀧田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 瀧田委員 皆さん、おはようございます。自由民主党富山県議会議員会の瀧田孝吉です。予算特別委員会の場では初めて質問をさせていただきます。大変緊張していますが、一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。  12月に入りまして、この冬はこれまでまとまった降雪はありませんが、北陸の冬ですので、この先どうなるかは分からない状況です。もちろん雪が待ち遠しい方もいらっしゃると思いますが、何年か前の大雪による災害級の被害が発生しないことを願うばかりです。  ところで、県内での自然災害といえば、今年の6月、7月の大雨は県内に非常に大きな被害をもたらしました。特に7月12日には、富山県にとっては初めて線状降水帯が発生し、それに伴って顕著な大雨に関する情報が発表され、警戒を強めましたが、観測史上最大の雨量を観測するなど記録的な大雨によって、結果的に河川の氾濫や浸水害、土砂災害などが相次ぎました。当日は、防災危機管理センター開設後初であり、また県としては39年ぶりに災害対策本部を設置して、各方面への対応に当たられました。  富山県は災害が少ないと言われますが、全国各地で自然災害などが頻発化、そして激甚化している中にあって、またいつ発生するかは本当に分かりません。そんな中で、7月の経験を大切にし、そして次につなげることが重要です。  国土交通省が東日本大震災の経験を踏まえ、内部資料として作成した指揮官向けの災害対応危機管理マニュアルの「東日本大震災の実体験に基づく災害初動期指揮心得」の中にある「備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった」という文言が示すとおり、あらゆる分野、方面において常に最新で最適な体制を構築しておかなければなりません。そのためにもしっかり検証し、今後に生かさなければならないと思います。  そこで、災害対策本部での対応などについて、どう認識し、今後に向けた課題をどう捉えておられるのか、災害対策本部長として陣頭指揮を執られた新田知事に所見をお伺いいたします。 4 新田知事 県では、本年7月の豪雨の際に、速やかに災害対策本部を設置し、本県では初めて線状降水帯が発生するなど、かつて経験したことのない大きな災害に県庁総ぐるみで対応に当たってきました。  このたびは、昨年10月に供用を開始した防災危機管理センターで初めての本部設置となりました。常設の本部員室など、防災拠点機能を活用して対応に当たりました。具体的には、4回にわたり災害対策本部員会議を開催し、気象予測や被害状況、また支援体制を確認し、迅速な応急対策につなげることができたと思っております。  また、関係課から職員がオペレーションルームに緊急に集まり、被害状況の把握や最新状況の発信、応急対応などに当たりました。さらに富山市など4市に災害救助法を適用し、大雨による被災者への緊急支援パッケージを取りまとめ、早急に被災者支援を実施することができました。  一方、発災直後で業務が錯綜する市町村からの被害状況の収集に苦慮したことや、新たに導入した映像情報システムの有効活用──せっかくのシステムですが、十分に活用できなかったという反省もあります。委員おっしゃるように、訓練と実際の対応では異なる点も多く、これらは改善すべき教訓と捉えております。  県としては今後、市町村における被害状況の迅速な収集と応急対応への支援ができるよう、県から市町村への応援職員、リエゾンの派遣について検討するとともに、センターの施設や整備をフル活用できるよう、その使い方に習熟していくことが必要だと考えております。また、災害で起こり得る様々な事態を想定し、備えることの重要性を改めて実感したところであり、実践的な訓練を積み重ねながら、災害対策本部の運用を一層高度化してまいりたいと考えます。 5 瀧田委員 県内広範に災害被害が及ぶ場合は、やはり市町村との連携、市町村の情報をいかに早く適切に収集するか、これに尽きるだろうと思っています。また、システムの活用方法についても今後しっかり対応していただけますように、どうぞよろしくお願いいたします。いつ起こるか分からない災害に対しては、それぞれ地域特性があると思いますので、それぞれに住まう県民の方々としっかり防災、減災意識も共有しながら備えていかなければならないと思っています。どうぞよろしくお願いします。  さて、身近に起きる災害への対応という意味では、地域防災力の強化が重要です。それには自治会、町内会単位での自助による防災対策という点では自主防災組織が、また共助という観点からは、各地域に存在している消防団がしっかりその機能を果たすことが大きなポイントです。
     そこで気になる県内の自主防災組織の組織率ですが、今年4月時点で89.1%となっており、全国平均を上回っています。県では自主防災組織の活性化のため、まだ組織が結成されていない地区の町内会の役員などを対象とした研修会の開催や、モデル事業による地区防災計画の策定を促進しているところで、理解が進むことに期待したいと思います。  次に、消防団ですが、消防団は自主防災組織に対して、災害時には協力機関、平常時はアドバイザーという二面性を保持する存在と位置づけられています。そんな中で、地域防災力の要とも言える消防団は、近年、団員の高齢化と成り手不足が全国的に大きな問題となっていて、国主導による処遇改善策などが施されています。消防団運営は、基本的には基礎自治体である市町村が主体となりますが、県においても多方面から消防団への支援を行う必要があるとの思いから、この後は消防団について質問をさせていただきます。  消防団の機能を維持するためには、団員の確保が最重要課題ですが、全国的に少子高齢化、人口減少時代にあって、消防団員の減少には歯止めがかからない状況です。富山県の状況としては、今年4月1日現在、各市町村が条例で定める消防団員の定数9,981人に対して8,482人で、充足率は85%となっており、年々減少しています。  地域の消防分団によっては、充足率100%という分団もありますが、ほとんどの消防団では成り手不足が深刻な課題となっていて、市町村や各消防団でも様々な勧誘活動を行っておられます。  県でも消防団員の成り手を確保するために、大谷翔平選手になぞらえて、若者に刺さりやすいように二刀流というフレーズを使用したポスターやリーフレットの作成、さらには現役団員にSNSなどに出演していただいて広報活動を実施しておられます。これまでの取組状況や成果を踏まえ、今後どのように進めていくのか武隈危機管理局長にお伺いいたします。 6 武隈危機管理局長 県では、消防団員の確保に向けまして、ポスターやリーフレットに加えて、若者向けに映画館やプロスポーツ会場でのPR等をこれまで実施してきました。  また、令和3年度に消防団員の確保対策に関する県民意識調査を実施したところ、「活動を知らない人が多くテレビ等で宣伝すればいい」や「若者にはSNS等で活動を具体的にアピールしてはどうか」などの意見が寄せられたことから、昨年度は、テレビCMやSNSを活用した広報、消防団操法大会ケーブルテレビでのライブ中継など、PR手法を拡充しております。  今年度は、引き続き操法大会の生配信やケーブルテレビで放映したほか、新たに企業経営者や企業で働いている方を対象に、県内経済団体等の協力を得まして、各企業等へのポスター掲示や、地域住民を対象に、地元商店や郵便局窓口でのポスター掲示を実施しております。さらに今後、若年層向けに消防団活動と仕事の二刀流で活躍する団員をSNSで紹介する事業にも取り組むこととしております。  こうした取組の成果ですけれども、例えば操法大会の配信に係るアンケートでは、訓練を地域の方に認知してもらえるよい機会になっているですとか、消防団への理解が深まったなどの御意見をいただいております。また、SNSによる広報では、消防団にはどのような手続で入れるのかといった問合せもいただいているところでございます。  県としては、地域の方に消防団活動に興味や関心を持っていただけるよう、また特に若い世代や女性の方の消防団入団につながるよう、様々な媒体、手法を活用しながら、引き続き普及啓発に積極的に取り組んでまいります。 7 瀧田委員 ありがとうございます。  アンケートの結果を受けて、身近な取組は功を奏しておられるのだろうと思っています。今後も継続していただければと思います。  消防団活性化のための質問というのは、これまで議会の場でもいろいろ取り上げられてこられました。議員の方にも、委員の方にも現役の消防団員の方はいらっしゃいますし、この会場には瘧師委員長が砺波、宮本委員は富山、亀山委員は立山と、それぞれ消防団長を務めておられますし、現役の分団員もいます。ちなみにといいますか、今回初当選した10人の初当選組の中では、私も含めて6人がボランティアファイヤーファイターということで一生懸命活動をしています。また、職員が率先して地元消防団に入るという市町村もありますし、市町村議員の方々も消防団で積極的に活動していらっしゃるという例もあります。  以前は、自営業者が地元消防団で活動するのが当たり前のような風潮がありましたが、就業構造の変化によって、現在は団員の約7割がサラリーマンであり、その実情を考えれば、消防団活動社会貢献活動と位置づけて、活動しやすい環境や勧誘しやすい状況をつくることが重要です。  そこで、消防団に対して少しでも興味を持っていただけるように、また県職員の方々は、地元の消防団で活動しにくいという事情もあって、なかなかそういった勧誘に積極的じゃないような側面があるかもしれませんが、そこはやはり、ぜひ地元の消防団の活性化のために、大きなお声がけをいただきたいと思いますし、そういったことにつながればという思いで、次の質問に入りたいと思います。  消防団員の確保対策であり、福利厚生的な要素も持つ施策に、市町村が実施している消防団応援の店という事業があります。これは消防団員を地域ぐるみで応援して、団員の士気高揚や入団促進を図ることを目的としていて、趣旨に賛同する店舗などに御登録いただき、消防団員やその家族などを対象に、各種サービスや割引などを提供していただく制度です。先ほど申し上げた活動しやすい環境づくりの一環とも言える施策だと思います。  そこで今回、私はこの制度の県有施設への展開を提案させていただきます。例えば太閤山ランドの駐車料金や県立美術館などで割引などのサービスを受けることができれば、まさに消防団の中心となる子育て世代団員への効果は大きなものがありますし、家族が消防団で活動することへの理解促進、また未来の団員獲得につながるのではないかと考えます。  県有施設での優遇サービスの提供について、協力いただける事業所や施設の拡充に向けた市町村との連携の推進と併せて、武隈危機管理局長にお伺いいたします。 8 武隈危機管理局長 消防団応援の店ですけれども、店舗や事業所等が各市町村に登録しまして、消防団への入団促進や士気高揚につなげる制度でございます。令和5年10月時点で、県内では13の市町で746店舗、団体が登録しておられます。  消防団応援の店は、地域における消防団応援の機運を醸成し、ひいては地域防災力の強化にもつながる有効な取組と考えておりまして、県ではこれまでも制度の周知啓発に取り組む市町村を支援してまいりました。また、県でもパンフレットを作成しまして、周知に努めているところでございまして、今後とも消防団応援の店の登録店舗の拡大に協力してまいりたいと考えております。  また、今ほど委員から御指摘がありました、県有施設での優遇サービスの提供につきましては、現在、海王丸パークで実施しておりまして、乗船料の割引を行っております。優遇サービスを行う県有施設が増えることにより、消防団応援に向けて機運の一層の醸成につながるということ、また施設側にとっても割引サービスが減収の懸念とはなるものの、コロナ禍で落ち込んだ利用の回復に寄与することが期待されます。  今後、制度の運用主体である市町村の意見も聞きながら、優遇サービスの要望のある県有施設につきまして、導入の可否など関係部局とよく協議してまいります。 9 瀧田委員 県内では、13の市町がこの事業に取り組んでおられるということで、15市町村全てに波及することが期待されますし、そのようにまた支援といいますか、していただければと思います。  また、県有施設については、もっともっと広げていただく必要があると思っています。私は先日、県立美術館の「金曜ロードショーとジブリ展」に行ったんですが、やはり子供連れが多くて、当然若い方もいらっしゃる。幅広い年代層の中で、特に子供連れの方もいらっしゃったし、県立美術館は上に遊ぶような施設もありますし、まだまだほかにも県の施設で子供、家族連れが楽しめるようなところがあります。そういったところに消防団で活動しているお父さん──もしくはお母さんでもいいんですが──と一緒にみんなで遊びに行っていい思い出をつくって、こんな楽しい思いができるんだったら、大きくなったら消防団に入りたいな、なんてつながることも、あながちないことでもないと思っています。ぜひ局長の関係部局といいますか、関係機関とリーダーシップのことを協議していただいて、ぜひとも広めていただきますようによろしくお願いします。  それでは、次の質問に入ります。  消防庁では、時代に即した新たな消防団づくりを推進するため、消防団の力向上モデル事業を実施して、消防団運営の普及促進を図っています。全額国庫負担ということが特徴的なこの施策ですが、他県では、例えば団員減少などの社会情勢を鑑みて、より安全、かつ効率的な消防団活動への転換が求められていることを受けて、高性能防火衣や多機能型ノズルといった装備品の充実強化を図ることで、消防団の火災対応能力の近代化につなげる事例や、より実践的な防災教育、研修を行うなど、ハード、ソフトそれぞれに消防団機能の充実を目指す事例があります。  そこで、この事業について、本県での実施状況と成果について武隈危機管理局長にお伺いいたします。 10 武隈危機管理局長 本県におけるモデル事業の実施状況でございますが、令和4年度は、若年層向けにSNSを活用した広報やテレビCMなど、また令和5年度、今年度ですけれども、県消防団操法大会ケーブルテレビでの放映やユーチューブでの生配信を実施しております。  その成果としては、住民の方に消防団活動の理解を図るため、このような機会は必要との意見があったほか、団員のモチベーションにつながると、大変好評をいただいているところでございます。ちなみに今年度のユーチューブの再生回数ですが、1万回を超えたところでございます。  また、今年度は、富山市もこの事業を活用しておりまして、団員を募集するラッピング路面電車ファイトラムといいますけれども、これを8月下旬から運行し、あわせて富山市の広報誌の表紙にその写真を掲載しております。富山市からは、運行開始時からの入団者数が、前年同期比で4倍に増えたと、かなり反響があったと聞いております。  県では、市町村での活用においても、富山市の例のように効果が期待できることから、市町村の来年度予算編成時期に合わせた10月上旬に、本事業の活用を促す通知を発出しております。  委員から御紹介ありましたように、この国のモデル事業は、消防団員の確保対策のほか、装備品の充実強化や実践的な研修の実施など、社会環境の変化に応じた消防機能の充実を図るための先進的な取組に活用できる、とても有利な制度だと考えております。本県では、これまで国のモデル事業を団員確保に向けたPR事業に活用しておりますが、今後、他県での活用事例なども参考としながら、県での活用や市町村での活用促進に努めてまいります。 11 瀧田委員 富山市のファイトラムは、まといがかわいく描かれていたりして、本当に目につくなと、今ほど反響の大きさも御紹介いただきましたが、やはり県内各市町村でも、こういった有利といいますか、有効な事業、施策についてはどんどんどんどん活用してもらうように、発出した通知が功を奏することを期待するわけですが、どんどんどんどんプッシュするというか、そういう形でぜひぜひ支援のほうをよろしくお願いしたいと思います。  消防団関係については最後の質問になります。  地域の安全・安心を守るための拠点に対する考え方も時代とともに変化しています。特に東日本大震災以降は、人、物の動きを可能な限り正確に把握するという情報の一元化が求められるようになりました。  そういう観点から消防団詰所、いわゆる消防屯所の機能の複合化には、多方面から注目が集まっています。例えば消防屯所に自主防災組織の活動拠点の機能を持たせることで、両者の関係性がより透明化されます。また、地域コミュニティー施設の要素も包含することで、地域住民にとっては避難場所の機能も併せ持つことにつながります。一部では喫緊の課題となっている施設の老朽化対策、また消防団自体の組織形態の変化の可能性を考えると、機能集約化による地域防災力の一層の強化なども視野に、幅広い視点を持った整備が必要だと考えます。  主たる事業者の市町村においては、厳しい財政運営、限られた財源の中で苦慮している現状があります。例えば県有地や遊休県有施設の利活用という観点に基づき、地域公共施設との併設といった形態の可能性も含め、新しい時代における柔軟な整備方法について県としても支援すべきではないかと考えますが、武隈危機管理局長に所見をお伺いいたします。 12 武隈危機管理局長 今ほど委員からお話ありました、消防屯所と公共施設の併設による機能の複合化ですけれども、地域住民への教育、訓練や消防団員と自主防災組織の連携強化、防災資機材等の保管など、地域防災力強化の観点から効果が想定されるものでございます。また、人口減少の進展を背景に、今後、公共施設は再編統合などによる効率的な施設利用が進むと見込まれますけれども、施設の併設は、そうした流れと方向性を同じくするものと考えております。  県内では、既に富山市のほか、幾つかの市町で消防屯所と公民館とを併設している事例がございますが、各市町に確認をしましたところ、併設の経緯ですとか、理由は不明であると、分からないという回答でございました。また、併設することによって、災害時に住民や自家用車などで混雑しまして、担当者レベルではございますが、消防団の出動に支障を来すのではないかと懸念する声もあったところでございます。  県としては、まずは設置主体である市町村のニーズや意見をよく聞きながら、その把握に努めるとともに、他県の先行事例等を情報収集するなど、併設によるメリット、デメリットについてよく勉強してまいりいたいと考えております。  また、市町村から相談がありますれば、県有の遊休施設の情報を提供したり、利活用を進めたり、関係部局と連携しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 13 瀧田委員 ありがとうございました。  最初のほうにも言われましたが、公共施設の併設については時代の流れがある程度あるんだろうという認識もお持ちでしょうし、市町村で実際にある例については、経緯というか、原因は不明というような回答もあったかもしれませんが、これはもうやはり固めることによって効果が高まるという理念、概念の下に実施、実行されたものだろうと思っています。様々な可能性があるということだと思いますが、丁寧に、でも、喫緊の課題でもありますので、スピード感をもって取り組んでいただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。局長、どうもありがとうございました。  本日は大きく3項目の質問を用意しています。続きまして、大きく2項目めの質問に入りたいと思います。  いよいよ年末が近づいてまいりました。この時期は犯罪が発生しやすいというか、犯罪件数が増加する傾向にあります。その背景には、ボーナス時期や忘年会などの行事が多いこと、そしてまた、今年は新型コロナが5類に移行されたことも、そういった行事、イベント等が多くなっていることに大きく影響していることだろうと思っています。  特にこれからの時期は、旅行や帰省に伴う窃盗関連の犯罪に巻き込まれないように、防犯対策をしっかりと講じることがとても重要だと思います。また、最近は闇バイトやますます巧妙化している特殊詐欺のほかにも、組織犯罪や外国人による犯罪など、手口の高度化、多様化した事案が増えているとも感じています。  そこで、近年の治安状況、犯罪発生状況の傾向を踏まえ、時代の流れに伴い変化する犯罪への対策に適切に取り組むべきだと考えますが、対策の現状について石井警察本部長にお伺いいたします。 14 石井警察本部長 県内における刑法犯の認知件数は、本年は新型コロナが落ち着いて人出が増えたこともあるかと思いますけれども、自転車盗などが増加しておりまして、11月末現在で前年比496件、パーセンテージにして13.7%増加の4,121件になっております。  一番多かった時期、平成13年当時に比べれば、4分の1まで低下しておりますけれども、ただ一方、ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)あるいは児童虐待など、プライベートな領域での事案や、あと委員にも御指摘いただいたように、特殊詐欺とかサイバー犯罪、こういった加害者と被害者が対面しない形での犯罪も増加しておりますし、また闇バイトとかを通じて安易に犯罪に加担するものも増えておりまして、警察が対処する事案は複雑化、多様化する傾向を見せております。  こうした治安情勢に対応するため、現在、富山県警を含む全国警察で、人的リソースの重点化などによって体制を抜本的に強化して推進すべき事項といたしまして、サイバー空間における対処能力の強化、それから特殊詐欺に係る広域的な捜査連携の強化、そして匿名・動型犯罪グループと我々は呼んでおりますけれども、暴力団などそれに準ずるもの、あるいは先ほどの闇バイトのように、SNS等で緩やかにつながって犯罪を犯すグループもございます。こういったものへの戦略的な取締り、それから昨年の奈良での安倍元総理、あるいは今年の和歌山の岸田総理の事案等、長野での猟銃使用事案もございましたが、こういった不特定多数のものに危害を加える恐れのあるようなものへの対策を進めているところでありまして、県警察においても、具体的には特殊詐欺等プロジェクトチームの発足など体制強化を進めるとともに、必要な捜査用装備資機材の整備、あるいは防犯カメラ等の設置促進などの取組の充実を図っております。  また、組織内の人的リソースを一層有効に活用するためには、業務の効率化、合理化が必要との観点から、警察署再編によって、初動対応能力を強化したり、あと機動警ら隊へのドローン導入など、先端技術の活用などで警察活動のさらなる高度化を進めているところです。  今後とも犯罪情勢の変化に適応しつつ、将来を見据えた取組を不断に推進することで、県民の安全・安心を脅かす犯罪の抑止と検挙を徹底したいと考えております。 15 瀧田委員 よく分かりました。丁寧な対応をお願いします。  石井本部長は、以前の赴任先で特殊詐欺における先駆的な取組というか作戦、具体的には、だまされたふり作戦を実施されて大きな成果を上げられているということでもあります。富山県の事情を鑑みて、事件解決に効果的な、また犯罪件数、犯罪発生を抑制するような、そういった対策を進めていただきますように、どうぞよろしくお願いします。  続けて質問させていただきます。  本部長からもちらっとおっしゃいましたが、今、警察署再編が丁寧に進められています。それに伴って既存の交番、駐在所も運用や在り方について見直しや変化が必要になるのは当然でありますし、今定例会でも数名の議員からそれに関して発言があり、また質問もされています。  身近な安全・安心拠点である交番、駐在所においても、日々の治安維持活動のほかに犯罪などが質的に大きく変化している今日、現場での対応は複雑多様化しています。一方で、加速度的に進む人口減少社会にあって、人員不足や警察官の働き方改革といった課題に向き合いながら、交番や駐在所の機能を維持強化していくためには、デジタル技術の活用を進めていくべきだと考えますが、これからどのように取り組んでいかれるのか石井警察本部長にお伺いいたします。 16 石井警察本部長 交番、駐在所は、管内のパトロールや巡回連絡など、地域に密着した活動を行うほか、事件事故の発生時に初動対応に当たるなど、日常的な治安維持の主体となっております。  現在、交番、駐在所の警察官は、スマートフォン型の専用端末を携帯しておりまして、110番通報の内容を文字情報でいち早く確認できるようになっております。また、本年4月から本格運用している110番映像通報システムを通じて、通報者の方から送信される現場の映像などをリアルタイムで把握するなど、デジタル技術を日常的に活用して迅速な現場対応を図っているところであります。  このほか他県では、警察官が不在であっても交番等への来訪者に的確に対応できるAIを活用したネットワークカメラを導入した事例があり、また警察庁では、交番、駐在所でも対応する落とし物関係、遺失物関係の手続のオンライン化を令和8年度末までに全国展開する予定でございまして、現場警察官の対応状況を警察署等の幹部が直接確認できるウェアラブルカメラ──個々の警察官がカメラをつけて活動を行う──このモデル事業も検討されているところでございますので、こういった動向も踏まえながら、当県においてもデジタル技術をはじめ、新たな技術の活用を検討していきたいと考えております。 17 瀧田委員 他県の例ということで、AIカメラとかオンライン手続は、もう速やかに導入していくような方向で、そのような趣旨の御答弁だったかと思いますが、進めていっていただきたいと思います。  交番、駐在所について、もう少しお聞きします。  現在、施設の4割以上が耐用年数を経過しており、中には老朽化によって、やむを得ず通い駐在となっているところもあるとのことです。水回りや外観など、修繕を重ねて使用している施設も多くある中で、治安拠点としての機能を維持、または向上させるには、修繕による延命化を図るだけではなく、早急な建て替えも選択肢に含めて、施設全体の管理を検討することが必要だと考えますが、施設の老朽化状況や修繕実績を踏まえ、今後の整備に向けた考え方について石井警察本部長にお伺いいたします。 18 石井警察本部長 今、委員御指摘のように、現在147か所ある交番、駐在所施設の4割以上、62か所が既に耐用年数を超過しておりまして、老朽化した施設の建て替え整備や空調設備、あるいは給湯設備の取替えなど、必要な維持管理──昨年度では170件ほど実施しておりますけども──こういったことを行ったり、セキュリティー対策の強化、女性警察官も増えておりますので女性仮眠室の整備といった機能改善を行っているところであります。交番、駐在所の整備につきましては、人口の推移や犯罪情勢など、周辺環境の変化、そして耐用年数などを総合的に判断して老朽化が著しい施設の建て替え整備を進めているところです。  これも御指摘いただきましたように、近年の建設費増加等財政的な負担も考慮して、来年度はリノベーションによる整備も取り入れておりますけれども、当然建て替えるべき施設はしっかり新築すべきだと考えておりますので、今後とも適切な手法によって、計画的な施設整備を行ってまいりたいと考えておりますし、あと当然交番の設備も重要ですけども、実際に安全を守るのはそこで勤務している人、警察官ですので、隣の交番、駐在所とのブロック運用とか、そういった運用面も併せてしっかり地域の安全を確保できるように取組を進めてまいりたいと考えております。 19 瀧田委員 よろしくお願いします。  軽微なといいますか、修繕して直すなど、まだまだ対応できるといった施設については対応していただく必要があるだろうと思いますし、先ほど、例として通い駐在のことも申し上げましたが、100万円ほどの──100万円が決して安価という意味じゃないんですが──しっかりした修繕をして、通い駐在だったものがしっかり駐在さんが住まいできるような機能を復活、回復したということも聞いております。  ケース・バイ・ケースといったものをしっかり考慮しながら、ただ新しく整備するものは整備する、いろんな考え方を取り入れた上で整備することをこれから取り組んでいただけたらと思っています。よろしくお願いします。  交番、駐在所について、最後にもう1点お尋ねいたします。  人口減少、超高齢化といった社会環境が大きく変化していく中で、安全・安心なまちづくりを行っていく上においては、公共施設の在り方について、地域特性を勘案しながら、費用対効果など様々な視点が重要です。例えば地域住民の安全・安心拠点という視点で考えたとき、警察機能のほかにも消防施設や防災施設などの公共施設と一体的な施設として整備していくことも検討してはどうかと考えますが、石井警察本部長に所見をお伺いいたします。 20 石井警察本部長 交番、駐在所と公共施設等を一体的な施設として整備を図ることは、警察と消防や市町村との業務の連携強化、それから施設整備や管理の効率化などファシリティーマネジメント、さらに地域住民の利便性の観点から、非常に意義があるものと考えておりまして、他県においても市役所支所などの公共施設のほか、商業施設やマンションなどの民間施設に交番などを整備した先行事例もあると承知しております。  こういった複合施設の実現には、立地条件やほかの機関の施設整備時期との整合性などといった制約や、施設のセキュリティー対策などの課題もありますが、県警察としては、他県の先行事例なども参考としながら、県内の関係市町村等とも情報共有の上、複合施設の整備の実現を考えていきたいと思っております。 21 瀧田委員 ありがとうございます。  先ほどの消防屯所整備にもつながるというか、関係する、リンクするなど、これからのまちづくり、地域の安心・安全を考えたときは、いろんなものに複合機能を持たせて、そういう形で整備していくことは普通の流れ、普通の考えだと思います。  警察署、駐在所と交番と市役所とか、交番とマンションとか、いろんな組合せは、それこそ、その地域の特性であったり、またこれから警察署再編を進めていかれる中においても、しっかり地域の方々の声を拾うといいますか、吸い上げるといったことで対応していく必要があるだろうと思っています。  既に警察署再編が進んでいる地域においては、私は射水市ですので、射水市では、そういったことについていろいろヒアリングや、情報収集に努めておられると伺っております。いろんな幅広い方の声を吸い上げながら、今、関係市町村というお話もありましたが、これはもう部局横断的に、それこそ県庁の中で、全庁的に、また県内全域を通して進めてく、考えていくといった事案だろうと。それがこれからの新しい時代の地域づくり、まちづくり、そしてそのことに県として携われることだろうと思っていますので、少し古い言い回しで、私なりの解釈を加えて申し上げますと、選択と集中という考え方に基づいて、これからの公共施設の在り方は、マネジメントという面も含めて、しっかり進めていくことだろうと。これは、もちろん本部長だけではなくて、県庁の皆さん方に対して、これからもこういったテーマについて、折に触れていろいろ議論をさせていただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いします。  今日は、本部長、どうもありがとうございました。  それでは、引き続き、3項目めに入りたいと思います。  大切な地域やふるさとに対して、何らかの形で貢献したい、応援したい、恩返ししたいと思っていらっしゃる方は、大勢おられるのではないかと思います。その中で、何かに役立ててもらいたいということで、寄附金という形で県を応援してくださる方々がおられます。  もちろん寄附額には大小ありますが、大変ありがたいことだと思っていて、その寄附額は、令和2年度が約2億7,400万円、令和3年度が約2億6,700万円、そして昨年、令和4年度は約3億2,500万円となっています。  例年に比べて、昨年はやや多いですが、大体約3億円前後の寄附金が寄せられているということで、県の予算規模は令和2年度が約5,700億円、昨年度は約6,300億円ですので、当初予算ベースという意味で捉えたときは、少額かもしれないですが、寄附者の方に感謝しながら、各施策に充当しておられることだろうと思っています。  寄附してくださる方の中には、例えば子育て分野に、福祉分野になどと使い方、使途を指定されて寄附される方もいらっしゃるのではないかと思います。各施策の展開にあって、県民の意向をはかるということは、とても重要だと思います。寄附者の意向を踏まえた寄附金の活用例について、南里経営管理部長にお伺いいたします。 22 南里経営管理部長 御紹介いただいたとおり、県で受け入れた寄附金は、新たな県の取組に期待するなどのコメントなどを添えた高額寄附が続くなど、近年増加傾向にありまして、令和4年度の総額は約3億2,500万円となりました。改めて寄附された方々に御礼申し上げます。  寄附の受入れに先立ち、寄附者の御趣旨や寄附に込められた思いなどを聞き取り、どういった形で活用させていただくことが望ましいか、十分検討の上、対応させていただいております。  令和4年度の例では、水産資源の保護に活用いただきたいとの御意向に沿って、水産研究所での研究経費に活用したもの、芸術文化の振興に役立ててほしいとの御希望により、県美術館、博物館での美術品や資料購入に活用したもの、そのほか医療機器の購入、医薬品産業の振興、県立高校の学習環境の改善、児童養護施設での物品経費、地域での日本語教室の開催経費、アルミ産業の成長産業化に向けた研究開発支援などに活用させていただきました。  このほか新型コロナの感染拡大時には、県民の皆さんから第一線で対応されている医療従事者の皆さんを応援したいとの声を受けまして、新たに基金を設置し、当時、県議会議員の皆さんの期末手当の減額分も含め、総額約1.2億円の御寄附をいただいたところ、医療従事者の方々への慰労金の交付や医療機関での勤務環境改善への支援などに活用いたしました。ありがとうございました。  引き続き寄附金の受入れに当たりましては、富山県に貢献されたいという思いに敬意を表し、寄附者の御意向に沿った施策等の推進のために有効に活用してまいります。 23 瀧田委員 詳しくといいますか、丁寧に御回答、御答弁いただきましてありがとうございます。  その中でも、やはり時代背景というか、世の中の情勢を鑑みた充当や使い方など、寄附された方にとっても非常に満足、納得というか、よかった、よかったと思っていただけるのではないかと思いますし、そういった配慮がやはり何といっても県民サービスを展開していく中では重要だろうと思っています。本当に貴重な取組を続けていただいていると思います。よろしくお願いします。  また、お金を出していろんな分野を応援したいという気持ち、考えというのは、まさに県民お一人お一人の方の意思表示でもあり、それはある意味で県民ニーズとも捉えることができると思います。小さな意見をいっぱい寄せていただき、ちり積もじゃないですが、いろんな方の御意見を踏まえて、有効な県民サービス、県民福祉の向上につながるような施策をこれからも展開していただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、寄附ということで、ふるさと納税について伺います。  富山県出身者が含まれるとはいえ、県外の方からもふるさと納税という形で県政を応援していただいています。動機には、純粋にふるさと納税という形で県政を応援したいという方、また何かのつながりのある富山県に対して制度を活用して応援したいという方、様々だと思いますが、ふるさと納税の制度を様々な目的、理由で御活用していらっしゃるんだと思います。  いずれにしましても、結果的には本県施策の充実につながっていると考えれば、県のふるさと納税額のさらなる向上を目指す必要があると思います。返礼品となる各事業の実績も踏まえ、多くの方に本県を応援したいと思ってもらえるような事業を検討し、募集する事業の見直しも積極的に進めるべきだと考えますが、ふるさと納税の運用について今後どのように改善を図っていくのか、南里経営管理部長にお伺いいたします。 24 南里経営管理部長 ふるさと納税は、歳入確保はもとより、寄附者の富山県に対する関心、愛着を高め、関係人口の増加に資するものと考えております。  このため、これまで返礼品の拡充など順次改善を図ってきておりまして、昨年度は本県の具体的な取組、例えば県警山岳警備隊の装備充実や母校の特色ある取組などに対して寄附を募るプロジェクト型を導入したところ、3,000万円を超える寄附が集まりまして、ふるさと納税全体額が約1億3,000万円となり、5年前の約30倍にまで伸びてきております。  今年度は、ふるさと納税額のさらなる向上を目指しまして、人気の高いプロジェクト型について、立山の高山植物保護や医薬品産業の人材育成など、本県ならではの取組を追加しまして、対象事業数を15から26事業へと大幅に拡充、また新たな大手ポータルサイトを11月に追加しまして、寄附が集中する年末に向けて、返礼品を拡充する。また、ふるさと納税を熟知する外部人材を活用したPRの強化、継続的に本県を応援していただけるよう、昨年度のプロジェクト型への寄附の活用状況の公表、寄附いただいた方々には、電子メールや郵便で直接御案内するなど、取組の充実を図ってきているところではございます。  令和6年度予算編成に当たっても、ふるさと納税の積極的な活用に知恵を絞るよう、全所属に周知したところでありまして、今後ともたくさんの県外の方々に本県の取組を応援していただけるよう工夫を凝らしてまいります。 25 瀧田委員 ありがとうございました。  プロジェクト型ということで、ふるさと納税に関心を持っておられる多くの方は、興味を持たれるような分野だろうと思っています。似たような感じでクラウドファンディングを活用した施策というのをよく基礎的自治体の市町村のほうで行っている例もありますし、県としてどういったものがふさわしいのか、このプロジェクト型のふるさと納税をどんどん推進して、そのとき、そのときの反響具合もしっかり精査、検証しながら、毎年新しいものにしていく。そして、最後のほうにもおっしゃいましたけど、大手ポーサルサイトと言われるものは随分増えてきて、どうなんだというところもあるんですが、こちらとしてはいろんな手だてを用意しておいて、いろんな方の間口を広げる、そういった取組も単純に必要かなと思っていますので、今後も継続してそういった取組、改善を目指していただきたいと思います。よろしくお願いします。  最後の質問です。
     ふるさと納税は、寄附するほうとされるほうのどちらにも狙いやメリットがあります。制度開始から紆余曲折はありましたが、自治体、寄附者、納税者、それぞれにとって有意義な効果を得ることを目指し、活用していけばいいのだと思っています。  自治体側とすれば、歳入確保に加えて関係人口増加など、地域活性化に直接結びつけることができるという意識を強く持つ必要があると考えます。体験型プログラムや県内施設の宿泊券など、富山に来ていただくきっかけをつくり、滞在中は充実した時間を過ごしていただくことで富山のファンになってもらう。そのことは、県が目指している関係人口の増加への一助となります。実際、全国でも、返礼品を物から事にシフトする動きも見られ、地元企業やスポーツチームとの連携など、工夫を凝らした取組で人を呼び込んでいます。  関係人口1,000万人を目指して広く富山県をPRするためにも、ふるさと納税における体験型の拡充など、返礼品を強化すべきだと考えますが、新田知事の所見をお伺いいたします。 26 新田知事 委員御指摘のとおり、寄附をされる方々に、実際に本県を訪れてもらうことは、生まれ故郷はもちろん、これから応援したい地域へ貢献する、というふるさと納税の意義をまさに体現した返礼方法であり、立山連峰から富山湾に至る雄大な自然や豊かな食文化、歴史、文化、伝統工芸といった富山県の魅力に直接触れて関係人口になっていただく絶好の機会と考えます。  このため県では、実際の来県につながる体験型の返礼品は、実は結構取りそろえています。具体的に言いますと、あいの風とやま鉄道の観光列車、一万三千尺物語の乗車券、それから富山湾鮨のクーポン、大手旅行サイトの宿泊クーポンなど、魅力あふれる観光体験に加えまして、富山マラソンの出走権、それからアユ釣り遊漁券といった季節イベントへの参加体験の返礼品も拡充させてきています。こうした取組の結果、特に富山マラソンの出走権は、例年、定員枠がほぼ埋まるなど、大変好評をいただいております。  また、県内の市町村もいろいろと工夫しておられまして、地元スポーツチームとの交流、また路面電車の貸切乗車券、ますのすし作り、伝統工芸品の制作、滝行など様々な工夫が凝らされておりまして、県全体で各地域の魅力を体験できる返礼品が広がりを見せてきています。  県では、今後とも県内市町村や地元企業などと連携協力して、ふるさと納税の新たな体験型返礼品の拡充に努めるとともに、全国への情報発信を強化することで、より多くの方々を本県に呼び込み、幸せ人口1000万に向けた関係人口の増加や県内経済の活性化、そしてもちろん歳入確保の一体的な実現につなげてまいりたいと考えます。 27 瀧田委員 ありがとうございます。  いろいろ取りそろえておられるということで、るる御紹介もいただきました。本当に幅広く取りそろえておられるなという印象です。歴史、文化、食、景観といったよく言われることとのほかに、レジャーといいますか、釣りなどはまさにそうだと思いますし、そういったいろんな方々、幅広い方々のニーズや、思いというか、いろんな興味・関心、そういったものを捉えるような様々なものを用意しておられるだろうと思います。さらにこれをもっともっと深く、幅広く準備することが大事ではないかと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。  北陸新幹線の延伸がいよいよ来年3月ということになっていますし、その延伸に伴ってインバウンドのみならず、アウトバウンドも含めて、まだまだ大きく飛躍するチャンスや可能性があるこの富山県だと思っています。  関係人口1,000万、ワクワク富山の創造のために何ができるのか、できることはとにかく何でもやってみよう、そういうチャレンジ精神みたいな姿勢も実は必要なんだろうと思っていて、おそらく新田知事には、そういう感覚は多分にお持ちだと思いますし、そういったことを大事にしながら、富山県を挙げて富山県の魅力を発信、富山県をPRして、どんどんどんどん富山県に来ていただける、富山県を売り込んでいく、そういった場面を多くつくっていきたい。そうすることで県民のウェルビーイングの向上にもつながるのではないのかと思います。こじつけのような気もしますが、そんなこともないと自分自身は思っています。  いずれにいたしましても、これからも富山県が大きく発展するためにいろいろな施策をしっかり展開していくことが大事だと思っていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わります。  ありがとうございました。 28 瘧師委員長 瀧田委員の質疑は以上で終了しました。        立村好司委員の質疑及び答弁 29 瘧師委員長 立村委員。あなたの持ち時間は60分であります。 30 立村委員 皆さん、おはようございます。自民党富山県議会議員会の立村好司です。時間に限りもありますので、早速質問に入らせていただきます。私はリスクを回避して、初めから紙で準備いたしましたので、よろしくお願いします。  まず初めに、中山間地域における人材確保等に関し、7点お伺いいたします。  近年の異常気象は、中山間地域の農業に重大な影響を与えており、今年の6月及び7月の豪雨災害がそれに拍車をかけました。国の災害査定から漏れた場合、県や市町村による支援を受けられるケースもありますが、地元負担分が重くのしかかり、耕作継続を断念された方、一部耕作を続けるが、現在の第5期の中山間地域等直接支払制度が終了する令和6年度をもって耕作をやめるといった方、いろんな方々の悲痛な声を聞いてまいりました。耕作放棄地の増加や担い手の不足といった農業構造問題、過疎化、高齢化の進行に伴う人口減少問題、この2つの課題がともに深刻化し、将来展望が描ききれないのが中山間地域の現状であります。  今年は熊の出没が平野部でも相次ぎました。緩衝地帯となっていた中山間地域に人の営みがなくなれば、その影響は平野部の住民に及ぶのです。今、中山間地域は危機的な状況にあります。行政による支援が強く求められております。中山間地域を守り、美しい郷土を未来を担う子供たちにつなげていくために、中山間地域における人材確保といった観点からお伺いいたします。  まず初めに、県ではこれまでも、中山間地域における農業人材の確保に向けて、様々な施策を講じてこられました。その一つとして、平成26年度から、とやま農業・農村サポーター活動支援事業を実施していますが、これまでの実績の評価と今後の課題について、津田農林水産部長にお伺いします。 31 津田農林水産部長 とやま農業・農村サポーター活動支援事業では、平成26年度からの10年間に農業用水路の江ざらい、それからイノシシの侵入防止柵設置等の農村ボランティア活動に、延べ89地域で180回、1,326名の方に参加いただきました。事業開始当時は、参加者が集まらなかった活動もありましたが、近年は募集人数に対する参加者数の割合が9割を超えており、今年度は11月末時点で過去最多となる255名の参加がございます。受入れされた地域ではもとより、参加者からも、地域に貢献でき、充実感が得られたと好評をいただいております。  今後の課題といたしましては、若者の主体的な参加が減り、参加者が固定化している実態がございますので、都市部に住む若年層への認知度向上が必要であると考えております。このため、県では今年度サンドボックス予算の活用により、大学生などの4団体を都市農村交流事業広報アンバサダーとして任命いたしまして、実際に活動に参加して農村の魅力をSNSで発信するとともに、若者の目線で効果的な広報企画案を提言していただいております。これまでの中間報告では、例えば若者の大多数が使用しているLINEによる都市農村交流事業の広報発信や募集の一元化、それからショート動画を活用した広報発信などの提言があり、来年2月には最終報告をいただく予定としております。  今後こうした取組の成果を生かしながら、若者に刺さるような効果的な広報を行うことにより、中山間地域に人材を呼び込み、持続可能な中山間地域となりますよう取り組んでまいります。 32 立村委員 ありがとうございます。  今年度は過去最高の数ということで、やはりこういった事業というのは、私は需要はあると思っております。ただどうしても参加者が固定傾向にあるのではないかということを危惧しております。今の答弁では、サンドボックス予算を用いて、新たな、特に若年層をターゲットにして、そういった方々の開拓に努めておられるということで、今後もそういったPR活動、新規開拓に向けて積極的に取り組んでいただければと思います。  続きまして、サポーター事業は、主に個人をターゲットとしているのに対して、企業や団体等の参加を狙っているのが中山間地域保全パートナーシップ推進事業ではないかと認識しております。  先日、当該事業として、富山市山田の清水地内において、草刈りや雑木の伐採などが行われ、地元住民からは大変助かったと喜びの声が聞かれたところです。  この事業に対するニーズは、大いにあると思っております。地域は助かりますし、企業等にとっては、自社のイメージアップにつながります。ただ、周知不足はちょっと否めません。そもそも中山間地域に住む人々が減少しているのですから、ただ窓口になるだけでは、効果は限定的となることから、県としては伴走的に支援していく必要もあるのではないかと考えております。  マッチング数の増加のためには、地域の実情をよく知り、推進デスクとして位置づけられている農林振興センターが対象地域や企業、団体等に対して参加を直接働きかけるなど主体的に取り組むべきと考えますが、津田部長にお伺いします。 33 津田農林水産部長 県では、中山間地域の人材確保に対応するため、今ほど御紹介いただきました中山間地域保全パートナーシップ推進事業を平成20年からやっております。農村振興課と各農林振興センターにパートナーシップ推進デスクを設置し、草刈り等の地域活動が困難になっている集落と社会貢献活動を希望する企業、団体とのマッチングを支援しております。  ここ数年はコロナ禍の影響もありまして、積極的な活動が行えず、県のホームページやチラシによる広報が主体でございましたが、今年度は参加希望団体を掘り起こすため、県内の企業629社を対象に中山間地域における協働活動への意向調査を行ったところ、回答のあった173社のうち38社から好意的な回答が得られたところです。  その結果につきまして、各農林振興センターと共有し、現在、推進デスク担当職員が管内企業を訪問して意向確認を行うとともに、人材不足に悩む集落からも聞き取りをしているところでございます。例えば富山市山田清水地内の活動も、こうしたマッチング活動の一環であり、今後も継続的な協働活動となるよう、協定等の締結に向けた支援を行っているところでございます。  委員御指摘のとおり、県の役割はマッチングの単なる窓口や仲介役にとどまらず、双方の合意形成や協働活動への助言指導も含め、継続的に伴走支援していくことが重要でございます。今後とも農林振興センターが中心となり、地域の課題やニーズを踏まえながら、協働活動が継続できるよう取り組んでまいります。 34 立村委員 ありがとうございます。  今ほどのお話で、コロナ禍で一旦冷え込んだ事業だったが、そういった企業に対して直接、意向調査をなさった。好意的な回答を38社から得たということで、大変心強く思っております。今後も地元等の聞き取りもあろうかと思いますが、一つでも多くマッチングにつながるように、また御努力いただければと思います。  このサポーター事業もパートナーシップ事業も、平成の時代から行われている事業ですから、その都度課題の解消等には努めてきておられると思います。個人的には大変いい事業だと思っております。ただ、マンネリ化することなく、よりよい制度、中山間地域のためになる事業としてブラッシュアップしていただければと思います。  続きまして、今の2つの事業は、宿泊を伴わない短期的な事業であると認識しておりますところ、今年度から新たに農繁期に短期、中期的に滞在し、地域の農作業に従事するとやまノームステイを試行的に実施しているとのことですが、その実績と今後の課題について津田部長にお伺いします。 35 津田農林水産部長 とやまノームステイ事業は短期、中期的に農作業、そして農村滞在を希望される方と、農繁期に地域で農作業労働者の受入れを希望する地域とをマッチングする事業でございまして、今年度から3年間を予定しております。  本年11月末までに4地区で県外から延べ10名の参加があり、合計48日間にわたり、サツマイモやサトイモの植付け、収穫などの農作業、牛の餌やり、梅干しの加工補助等の作業に従事していただきました。受入れ地域からは、「作業量が多いにもかかわらず、大変助かった」、参加者からは、「農家の皆さんの役に立ててうれしい、地域との交流ができてよかった」、「定住についても検討する」という意見もございました。  今年度、明らかとなった課題としましては、手頃な宿泊先の確保やWi-Fiなどの環境整備、宿泊先と作業現場間の交通手段の確保、受入れ地域側と参加者側との希望する作業内容のミスマッチなどがございました。また、参加者の実人員が少なく、今後もこの事業を継続していくことを考えますと、より多くの方に継続的に参加していただくことが必要と考えております。  次年度以降に向けては、地域の受入れ環境の改善や、より多くの参加者に参加してもらえますよう広報に努めますとともに、宿泊、食事、体験のサービス提供などの面でノウハウを蓄積し、参加希望者に選ばれる地域を創出し、農業の労働力不足の解消と交流を通じた関係人口の拡大に努めてまいります。 36 立村委員 ありがとうございます。  ちょっと1点確認させていただきますが、冒頭、今年度から3年間予定しておられるとおっしゃいましたが、その辺のところをもうちょっと詳しく。 37 津田農林水産部長 これは、国が10分の10の事業でございまして、試行的に3年間することを予定しております。 38 立村委員 ありがとうございます。  この事業、今年度はいろいろ課題が見えてきたところで、残り2年度、来年度から本格実施になるのか。最低残り2年度はやられることになろうかと思いますけれども、3年を過ぎていい事業になっていれば、それこそ県単ででも行えるような事業になるように、また努力していっていただければと思います。部長、どうもありがとうございました。  さて、県内での農泊を推進する組織として、昨年度に富山県農泊推進ネットワーク会議が設置されました。農泊など都市と農村との交流事業を今後も推進していくためには、交流事業の担い手となる農村での人材育成が重要ですが、農村では高齢化が進み、農泊などを受け入れる側の人材確保に苦労されていると聞いております。  知事は富山県成長戦略のビジョンの中で、関係人口1,000万人を目指すとされています。その達成のためにも、農泊など都市と農村との交流を促す取組、そしてその取組を担う人材の育成、こういったことを強化していくべきと考えますが、新田知事にお伺いいたします。 39 新田知事 県ではこれまで、都市との交流による農山漁村地域の活性化に関する条例に基づき、グリーンツーリズムなどによる都市との活発な交流、農山漁村における定住の促進、地域の担い手となる人材の確保育成などに取り組んできましたが、今後とも関係人口の拡大を進めるに当たり、首都圏等を中心とした農村地域に関心を持った方々をより一層受け入れていく必要があると考えます。  このため、昨年の8月に県、市町村、県内農泊地域などで構成する富山県農泊推進ネットワーク会議を設置しました。そして、受入れ地域の人材育成を目的として、先進地の視察、農泊事業の進め方、農泊地域と行政の連携などのテーマで座学の研修も開催しています。また、関係人口の拡大を目的とした首都圏や関西圏での交流フェアへの参加や共通ロゴマーク、グッズ、PR動画を制作するなど、県として一体的に農泊の広報を実施してきたところです。  そのほかにも、今年度、新たな交流を促す取組として、先ほど部長からも答弁がありましたが、都市農村交流事業広報アンバサダー事業、そしてとやまノームステイ事業のほかに、初めて都市農村交流に取り組む地域を支援する中山間地域交流スタートアップ支援事業も行いました。  ライフスタイルが多様化する中で、中山間地域の農業や地域活動への関心が高まっていると感じています。ここを好機と捉えまして、関係人口1,000万人を達成する上でも、農村における受入れ人材の育成や効果的な情報発信によりまして、都市農村交流事業を強化していければと考えています。 40 立村委員 ありがとうございます。  知事におかれましては、疲弊する中山間地域の現状を御認識いただきまして、県の先頭に立って中山間地域対策を積極的に進めていかれますようお願いいたします。  さて、今議会でも物流の2024年問題に関する質問が幾つかありましたが、特に人口減少や高齢化が進む中山間地域では、宅配便が必要不可欠なサービスになっており、喫緊の課題と言えます。  今年度、県では7月から9月までの間、南砺市において中山間地域における持続可能な物流モデルの構築を目指し、箱で受けますプロジェクトと銘打ち、家庭に宅配ボックスを配置してもらい、宅配事業者は、配送時に受取人が不在の際は、このボックスに荷物を入れておくといった実証実験を行ったと聞いております。その成果をどう捉え、そして今後どのような対策に取り組んでいかれるのか、竹内地方創生局長にお伺いします。 41 竹内地方創生局長 地域内の店舗の減少等による買物弱者の増加が懸念される中山間地域では、今後、買物の手段としてインターネットよる日用品や食料品等の購入の需要が高まると想定しております。そのための宅配の物流サービスの維持は、地域社会の存続に向けて重要な課題であるというふうに認識しております。  他方、御紹介もありましたが、2024年問題と言われるようなドライバー不足等が懸念されます物流業界では、経営の効率化が喫緊の課題であるため、県におきまして、中山間地域における持続可能な物流モデルの早期構築に向けて、宅配事業者と連携して検討、検証に取り組んでいるところでございます。  具体的には、荷物の受取人不在による再配達が配達効率の低下を招いているといった事業者意見を踏まえまして、宅配ボックス設置により、再配達削減効果を検証する実証実験、箱で受けますプロジェクトを実施したところでございます。南砺市の平地域、上平地域及び利賀地域で全世帯の約3割に当たる220世帯を対象に、今年7月から約3か月間実施し、期間終了後に宅配ボックス設置の協力世帯、宅配事業者及び宅配ドライバーへのアンケート調査を実施しております。  現在、実験結果を集計中で、暫定の値ではございますけれども、宅配事業者が午前中に配達を完了した荷物の割合が64.7%から78.9%に、14.2ポイント向上したという結果を伺っております。配達効率の向上に一定の成果があったと考えております。また、協力世帯からは、「宅配ボックスは使いやすかったので、継続して使用したい」、「物流に係る社会問題を考える機会になった」などの回答が多く寄せられているところであります。  県としましては、今回の実験結果も踏まえ、来年度以降に向けて宅配事業者等と連携して、引き続き中山間地域における持続可能な物流モデル構築を検討するとともに、地域で安心して快適な生活が続けられるよう取り組んでまいります。 42 立村委員 ありがとうございます。ちょっとまだよろしいですか。  今ほど御答弁いただきました。それなりの成果があったかと思いますけれども、例えば昨日の記事にもありましたが、富山市では来年度から、八尾、大山、そして山田地域の市営コミュニティーバスで荷物を運ぶ貨客混載を導入すると聞いております。  こういった市町村は市町村で、もうそういった中山間地域の宅配に関して手を打とうとしている。こういった市町村との事業の連携を図っていくことも大切ではないかと思いますが、竹内局長の御見解をお聞かせください。 43 竹内地方創生局長 今後、物流の効率化を維持しないと物流自体が維持できないという時代になります。であれば、当然連携すべきところは、市町村ももちろんそうですし、その他、例えば地域の事業協同組合の皆さんもいらっしゃいます。できる連携は、全て考えていきたいと思っておりますし、物流の維持と同時に、送り手としてのインターネットによる食料品や日用品を販売していらっしゃる皆さん、こういった方たちとの連携も当然必要になってまいります。そういった意味では、物流の効率化、そして物流の維持に必要な連携は全て検討していきたいと考えております。 44 立村委員 それでは、市町村との連携も含めまして、とにかく中山間地域における物流サービスが低下しないよう、またいろんな施策を講じて、検討していただければと思います。ありがとうございました。  次に、外国人材の受入れについて2点お伺いします。  人口減少時代にあって、外国人労働者の受入れは、労働力不足を補う重要な選択肢の一つとなっています。  県では9月に、とやま外国人材活用支援デスクを設置し、特定技能外国人や高度外国人材と県内企業等とのマッチングを支援しているところですが、これまでの相談等の実績と制度を運用していく上での課題について中谷商工労働部長にお伺いします。 45 中谷商工労働部長 人口減少が進む中で、企業が外国人材の活用に取り組まれるためには、各事業場でリーダーとなる人材の活躍、定着が有効であると考えています。しかし、多くの県内企業にとって、高度外国人材というのは、まだ身近な存在とはなっていないということで、県ではその活用を総合的に支援する外国人材活用支援デスクを9月に設置したところであります。  その実績につきましては、高度外国人材等に関心のある企業に対する制度の周知啓発のため、10月にセミナーを開催しておりますが、その参加者は208名、企業に対する個別訪問は約150件、それから高度外国人材等の受入れを行おうとする企業からの相談件数は12件、まだ少ないですね。それから、実際の受入れに当たり、県に登録された外国人材紹介会社を通じたマッチング支援はまだ2件でございます。  本支援デスクの運用上の課題としましては、まずこの取組を多くの県内企業に知っていただくこと、また、人手不足に悩む企業に外国人材の活用という選択肢があること、その制度や実際の活用方法について御理解いただくことと考えています。このため、外国人材を受け入れている全ての企業のほか、広く県内企業に対し支援デスクが行うセミナーへの参加を呼びかけるとともに、同セミナーでは外国人材の受入れに係る制度の解説、県内企業の身近な実例紹介を行うことによりまして、県内企業の新たな取組を支援してまいりたいと考えております。 46 立村委員 ありがとうございます。  相談件数、マッチング件数に関しては、まだ始まったばかりですから、これからかなというところはありますけれども、今の部長のお話によれば、企業へ実際に、PRのために訪問されているということもありますし、今後どんどんどんどんそういった周知活動に努めていかれることによって、実績が上がってくるものと期待しております。  部長もおっしゃいましたが、本県では技能実習生という言葉には、なじみはありますけれども、特定技能や高度外国人材、そういった言葉の浸透度といいましょうか、認知度が低いのではないかという印象を私は持っております。  まして、近年の円安傾向によって、以前に比べて外国人にとっても日本で働くメリットは減少していると言われている中にあって、そうなると他県との外国人材の獲得競争になるのではないかと危惧されるところであります。こういった制度の周知に努めて、より多くの相談を受けて、それがマッチングにつながっていけるよう、また今後とも取り組んでいっていただきたいと思います。  さて、先般、政府有識者会議から、現行の技能実習制度を廃止して、人材確保、育成を目的とする育成就労制度を創設することを柱とした最終報告書が法務大臣に提出されました。報告書によれば、転籍制限は残しつつも、従来の制度より緩和されることから、賃金の高い都市部へ外国人材の流出が懸念されます。また、今回の見直しの視点として、外国人の人権保護や安全・安心、共生社会などが挙げられており、受入れ側の意識改革も必要となります。政府は、来年の通常国会に関連法案の提出を目指すということであり、先行きがちょっと不透明なところもありますが、手後れにならないよう、早期に検討すべきと考えております。  そこで、現在、本県で働く技能実習生や特定技能者を含めまして、将来の外国人材の確保を見据えて、住居等の生活面や労働環境の充実を図るための受入れ事業者の取組に対する助成制度を設けるとともに、受入れ事業者の意識改革を促すことが重要と考えますが、外国人材の県内定着を促進するために、県として今後どのように取り組んでいくのか、中谷部長にお伺いします。 47 中谷商工労働部長 今、委員からお話がありましたように、現在、国において見直しが検討されている技能実習に代わる新制度では、転籍制限が緩和され、長期就労が可能な特定技能制度と、特定技能は転籍制限はないので、それと一体的に運用することが検討されています。このため今後、外国人材の皆さんについて、地方から都市部への流出も含めて、賃金、職場や生活の環境など、よりよい条件の場所、働き先へ移動が活発になることが想定をされます。  県では、これまでも富山県外国人材活躍・多文化共生推進プランに基づきまして、地域における生活者としての外国人のサポート、多文化共生への地域づくりへの支援に取り組むほか、国に対しても外国人材の地方の企業による受入れへの支援や、技能実習に代わる新制度が継続的な人材確保に資する制度となるよう要望を行ってきたところであります。  長期就労の外国人材に本県を選んでもらうためには、こうした行政の取組に併せまして、企業においても待遇や職場環境の改善に取り組んでいただくこと、また地域においても外国人材が地域社会に溶け込み、安心して生活できる環境をつくっていただくことが重要であると考えています。  このため県としましては、本県が外国人材に選ばれ、定着していただけるよう、県内企業や地域の意識改革及び受入れ環境の整備の取組を促進するために、国のこういった検討状況も踏まえなから、効果的な政策を検討していきたいと思います。 48 立村委員 ありがとうございます。  外国人材の獲得競争になるのかどうか分かりませんが、そこに本県が取り残されないよう、逐次、早めにまた御検討のほどをよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。  次に、交通安全対策について3点お伺いします。  今年度、私の地元の婦中町速星地区において、交通死亡事故が2件発生し、うち1件はひき逃げ事件でした。改めて亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々に対し、謹んで哀悼の意を表します。  ひき逃げ事件の現場は、私の町内の交差点付近でした。私の友人は、事件当時の近い時間帯に現場近くを車で通ったことから、事故現場に赴き、その旨、警察の方に告げたところ、もちろん任意ですが、ドライブレコーダーのメモリーの貸与要請があり、お渡しし、数日後に返却されたとのことでした。その記録が事件解決に寄与したのかは分かりませんが、場合によっては、ドラレコの記録は事故当事者の特定、あるいは事故の過失割合を検証する際に有用なツールになるものだと改めて認識したところです。  数年前のあおり運転の厳罰化の影響もあり、ドラレコの普及は進んでいるといった印象を持っておりましたが、民間保険会社の調査によれば、その利用者は51.5%にとどまり、利用していない理由としては、費用がかかるためが62.5%で最多となっています。  私の娘が先日、中古車を購入したのですが、保険会社は、ドラレコの設置は当然といった感じでした。車両購入時にはドラレコを設置するが、まだ買換え時期ではない利用者には、ドラレコは普及していないのかもしれません。  そこで、他県でも例がありますが、ドラレコの設置に係る補助制度を創設するなど、その普及に向けた取組を強化すべきと考えますが、廣島生活環境文化部長にお伺いします。 49 廣島生活環境文化部長 ドライブレコーダーは、事故発生時の映像が記録されることで、事故後の客観的な検証になり、委員のおっしゃられたとおりの部分があろうかと思います。逃走した車両の特定や事故の解明に役立つと。また、県警察におかれましては、高齢者向けの運転教室において、ドライブレコーダーの映像を活用した運転指導というものも行っておられます。運転者自身の運転行動が記録されることから、安全運転の行動を促す効果を持っていると考えられます。  こうしたことを踏まえまして、県ではこの春、夏、秋、また年末の年4回実施しております交通安全運動におきまして、ドライブレコーダーの普及促進を運動項目に掲げまして、県警察、関係団体と連携して広報啓発を図っております。  委員から御提案いただきました運転者に対する補助制度について、全国の状況を確認いたしましたところ、制度を有している自治体は、都道府県単位では2県ということでございます。そのうち2県とも、いずれも補助対象を65歳以上の高齢者に限定している。先ほどのお話からすると、安全運転のほうに重きを置いているというイメージと考えます。  こうしたことを踏まえまして、補助制度については、引き続き他都道府県の状況などをよく注視して研究していく必要があると考えているところでございます。 50 立村委員 ありがとうございます。  昨日から、年末の交通安全県民運動が始まりました。そのリーフレットを今ここにお持ちしていますけど、そのリーフレットには、先ほど部長からも紹介がありましたが、重点事項の3の中で、ドライブレコーダーの普及促進等に関する広報啓発の推進とはっきりと書かれております。悲惨な交通事故の防止に向けて、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
     さて、ひき逃げ事件の現場は、信号機はありませんが、横断歩道がある交差点付近でありました。これまでもよく事故が発生している箇所です。横断歩道での車両の一時停止、これについてはJAFが10月に公表した全国調査結果によれば、本県の一時停止率は50%で初めて全国平均を上回ったとのことですが、横断歩道での一時停止率のさらなる向上を目指し、今後どのように取り組んでいかれるのか石井警察本部長にお伺いします。 51 石井警察本部長 委員御指摘のとおり、日本自動車連盟の調査による一時停止率は、令和元年に5.3%と全国44位であったものが年々上昇しまして、今年は50%、全国20位となっております。  この間、横断歩道上の人身事故発生件数も100件から昨年55件まで減少しましたが、本年は11月末現在で57件と前年よりも増加しておりまして、広報啓発活動と違反取締りの推進により、一時停止率を向上させ、事故の減少を図る必要があるものと認識しております。  広報啓発活動につきましては、今年度から、横断歩道は歩行者優先というメッセージを施したパト電車の走行、横断歩道安全対策のモデル校区の指定や、昨日から20日まで展開する年末の交通安全県民運動で、今日、12日を横断歩道おもいやりの日と設定するなどにより、横断歩道の利用促進、ハンドサインによる安全な横断──これは、停止率全国1位の長野県では、横断時にお子さんが手を上げてドライバーにお礼をすることが定着していると聞いておりますけれども──こういった歩行者のマナー向上を含む各種安全対策を推進しておりまして、今後とも工夫を凝らした効果的な広報啓発活動を展開する予定であります。  一方、横断歩行者等妨害などの違反取締りにつきましては、令和元年2,473件であったものが、昨年は4,842件と増加しましたが、本年11月末現在では2,220件と減少しております。  これは、一時停止率が向上して違反が減少していると推測されますけれども、今後とも事故が発生した交差点や横断歩道に重点を置きながら、ドローンを活用した違反取締りも視野に入れながら、違反取締りを徹底する方針です。このほか標識の周りにLEDライトを取り付けた横断歩道標識や、横断歩道の白線と白線の間にカラー舗装化による視認性向上などで停止率の向上を図る県もあると承知しております。こういった他県の取組やその費用対効果も研究しながら、粘り強く各種取組を進めることで、横断歩道での歩行者優先を定着させてまいりたいと考えております。 52 立村委員 本部長、すみません。今ほどドローンを利用した取締りというお話がありましたが、それは実際本県で実績といいましょうか、やっておられるケースはあるんでしょうか。 53 石井警察本部長 現在きちっとできるかどうか、実験をしているところでございます。まだ実施はしておりませんが、もし仮に活用ができるとなれば、通常パトカーで取締りをしようと思うと、どうしてもパトカーを駐車する場所が限られるところもありますので、そういった駐留場所の確保が困難な狭い道路や通学路などで──横断歩道歩行者等妨害だけではないですけれども──効果的な取締りができるかどうかは今、検討しているところでございます。 54 立村委員 ありがとうございます。  ドローンを活用した取締り等、そういった新しいツールも活用して交通安全、交通違反の取締りにまた力を入れていっていただきたいと思います。  ちょっと気になるのが、横断歩道の白線が薄くなっている箇所が県内各地で見られることです。この問題に関しては、先般我が会派の代表質問において、武田議員から問題提起があったところですが、本部長からは、地元からの情報や事故の危険性を踏まえながら、計画的にやっていくといった御答弁がありましたので、私のほうからは、再度お伺いすることはしませんが、こういった事故が多発する場所に関しては、特に注意して引き直しなどの手配を進めていただくことをお願いいたします。ありがとうございました。  さて、県では市町村の交通安全母の会への委託事業として、世代間交流ヒヤリマップ作成事業を実施しています。地域内のひやり、はっとした場所の地図を地元の園児や小学生と共に作成し、世代間交流を図っています。  その趣旨には、私も大いに賛成するものですが、課題としては、委託先を交通安全母の会に限定しているせいか、過去の実績を見ると実施団体が固定化されつつあること、周辺地域への波及効果がちょっと見られないことが挙げられるかと思っております。  今、地域の町内会や自治会などは、担い手不足や役員の高齢化などが問題となっているところ、新型コロナにより、地域行事が軒並み中止となった影響もあり、町内会などの組織そのものの存続すら危ぶまれる地域もあります。  交通安全意識の高揚はもちろんですが、地域コミュニティーの活性を図るという観点からも、この事業の委託先を拡大、あるいは限定を解除し、その成果を横展開できるように、例えば県自治会連合会、県交通安全協会など、地域に根ざした活動を実践している団体が構成員になっている富山県交通対策協議会に関わってもらうなど、もっと幅広くヒヤリハットマップの作成を推奨、支援していくべきと考えますが、廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。 55 廣島生活環境文化部長 御紹介にありましたヒヤリハットマップは、地域住民お一人お一人のひやり、はっとした体験を基に、危険箇所を地図に表示したものでございまして、高齢者の事故防止、また地域の交通安全対策に役立てるため、作成されております。  案内がございましたとおり、平成15年度から世代間交流ヒヤリマップ作成事業として、市町村の交通安全母の会に委託して実施しておりまして、これまで県内122地域において取り組まれております。この事業は、母の会や地域の高齢者のほか、小学生が世代間を超えて交流することで、楽しみながら合同で作成しており、地域のつながりや地域への愛着をさらに深める効果もあるといった評価もいただいております。また、完成したマップは地域の高齢者宅に配付するほか、町内の掲示板や公民館等で掲示されております。危険箇所情報を住民に共有し、地域の交通安全に寄与していると考えております。  御指摘いただきましたように、さらに県内各地域に広めていくためには、この事業により、取組地域を増やしていくとともに、各地域で自主的に取り組んでいただくような取組、そういったことも大切ではないかと考えております。  委員から御紹介のありました県交通対策協議会は御案内のとおり、県が事務局になった上で行政機関、教育関係団体のほか、自治会連合会、交通安全協会、婦人会、老人クラブ連合会などで構成しておりまして、このヒヤリハットマップの取組を進める観点で、こうしたことに協力いただける可能性もあるのではないかと思っています。そこにつきましては、各構成員の皆さんとそれぞれ協議し、この事業も平成15年から時間もたってきている事業ですので、いろいろなやり方について研究していきたいと考えております。 56 立村委員 ありがとうございました。前向きな御答弁をいただいたと思っております。  おっしゃるとおり、何もそういった対象を限ることなく、例えば長寿会の方にやってもらっても全然構わないと思いますので、繰り返しになりますが、こうしたヒヤリマップ作成事業への支援を通じて、第一義的には、交通安全意識の高揚ですが、あわせて地域コミュニティーの活性化にも資する事業でありますので、そういったことにも御配慮いただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、福祉施策の効果的、効率的な運用について3点お伺いします。  障害者差別解消法が改正され、来年度からは行政機関だけでなく、民間事業者にも合理的配慮の提供が全国で義務化されますが、本県においては、平成26年12月に議員提案条例として、障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例を制定し、同条例では、法律に先んじて全ての者に対して合理的配慮の提供を義務づけてきたところです。  今回の法改正を受けて、改めて合理的配慮の提供について、社会全体に浸透させていくための取組を進めていくべきと考えますが、有賀厚生部長にお伺いします。 57 有賀厚生部長 障害者差別解消法の令和6年4月の法改正は、合理的配慮の提供義務の範囲を従来の行政機関等から民間事業者に拡大すること、そして国及び地方公共団体の連携強化の責務の追加、相談体制の充実や事例等の収集整理及び提供の確保をはじめとした支援措置の強化を内容としております。  県の障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例では、平成28年4月の施行当初から、合理的配慮の提供義務の範囲を「何人も」と規定し、全ての県民に合理的配慮を義務づけております。  県では、専任の相談員を配置し、障害のある方や御家族等からの相談を受け、差別的な取扱いや合理的配慮の提供の状況について聞き取り、助言や相手方との調整を行っております。また、条例のパンフレットやチラシ、中学生向けのブックレットの配付や、県主催の研修会や企業、学校等へ講師を派遣すること等によって、合理的配慮の提供等についての周知に努めております。  法改正を機に、民間事業者からの相談が増加すると考えられますが、県では国の基本方針や対応方針に基づきまして、適切に相談対応をいたしますとともに、法改正の内容や県条例について、改めて関係機関等に周知いたしまして、民間事業者の方々の障害のある方への合理的配慮の取組が一層推進するように努めてまいります。 58 立村委員 ありがとうございます。ぜひ取組をお願いしたいと思います。  障害者差別解消法が改正される一方で、いわゆるカスタマーハラスメント、迷惑行為を繰り返す客に対してサービスを拒否できる法規制といったものも進められております。先日の報道で富山福祉短大の鷹西先生のコメントとして、障害者が合理的な配慮を求めることは、迷惑行為とは異なるといった記事が掲載されていましたが、全くそのとおりでございます。合理的配慮の提供をはじめとする障害者差別解消法や条例の趣旨、内容の理解を深めるための周知、それに努めていただきたいと思います。  さて、先般、石川県かほく市のグループホームにおいて、入所者の食事を半分に減らしていた行為を虐待に当たるとし、かほく市は生命に危険を及ぼす重大な人格尊重義務違反があったと判断し、介護保険法に基づき、事業者の指定を取り消したという事案がありました。そこで、本県の昨年度の高齢者施設、障害者、障害児施設の指導監査の実施状況と、本県及び全国の行政処分の件数について、有賀部長にお伺いします。 59 有賀厚生部長 昨年度、県が実施いたしました高齢者施設に対する指導監査の状況は、運営指導を165件、法令基準違反等の疑いがあることによる監査を1件実施しております。このうち146事業所に対して、運営規程等の書類の記載の不備など、改善するべき事項があるとして、文書により改善報告を求めております。  行政処分については、直近で全国比較できる令和3年度の国調査では、本県では処分事例はございませんが、全国では32件あり、そのうち指定取消しは5つの県で16件、指定の効力の停止は8都道県で15件、改善命令は1件の処分実績となっておりました。  また、昨年度の障害福祉サービス事業所等に対する指導監査の状況は、実地指導等を185件、法令基準違反等の疑いがあることによる監査を3件実施しております。このうち51事業所に対して要件を満たさない加算の取得があるなど、改善するべき事項があるとして文書指摘をしたほか、82事業所に対して運営規程と重要事項説明書にそごがあるなどということで、口頭により指摘をしたところでございます。  行政処分については、直近の令和4年度では、本県では処分事例はございませんが、国による調査がないため、他の都道府県から本県に行政処分の通知が届いたものを集計したところ、58件ございまして、そのうち指定取消しは16都道府県で42件、指定の効力の停止は9道県で16件の処分実績となっておりました。 60 立村委員 ありがとうございます。  かなりの数の指導監査をなされているなというのが率直な印象であります。にもかかわらず、行政処分まで至ったケースが本県においてはないといった点には、いささかちょっと不可解な感じがいたします。  私は、施設を所管する課が通常業務に加え、指導監査業務も一手に担っていることに何か要因があるのではないかと思っています。  指導監査業務は、膨大な書類の事前審査に始まり、当日の指導監査、そして問題があれば、先ほど部長からもありましたが、文書で指摘し、後日改善されたことを確認した上で報告書の完成といった大変な作業量であります。  そうした事情を踏まえてか、他県状況ですが、障害福祉課から頂いた資料によれば、一部の施設の指導監査については、所管課とは別の組織で行うなど、各県によっていろいろですけれども、本県のように全て完全に施設所管課イコール指導監査担当課になっているのは、本県のほか和歌山県、山口県、香川県の4県しかありません。ちなみに富山市は中核市ですから、基本的に市内の福祉施設の指導監査業務を担っておられますが、福祉保健部の中に指導監査業務を独立して行う指導監査課が設けられているところであります。  指導監査が適時適切になされなければ、先ほど述べたかほく市の例のように、福祉サービスの質の低下などが見抜けず、結果としてサービスを受ける県民の不利益につながります。よって、施設所管課イコール指導監査担当課という現行の県の体制を改め、指導監査業務を専門で行う組織を別途設けるべきと考えますが、有賀厚生部長にお伺いします。 61 有賀厚生部長 現在、指導監査業務は高齢者施設、障害者、障害児施設、児童施設を所管している各課において実施しており、各福祉サービスの質の確保はもとより、不正、違反行為の有無や、虐待や犯罪等重大事案の未然防止に加え、直接現場の声を聞くことで課題を把握できるなど、利用者に適切なサービスが提供されるための重要な業務に位置づけられております。  一方で、増加する事業所に対する監査業務は、職員一人一人が複雑な制度を理解した上で資料の事前審査、当日の監査業務、報告書の作成に加え、不正事案が発覚した場合、職員は事業者への指導業務などに膨大な時間を要し、通常業務を時間外に行うなどの負担増につながっており、結果として監査業務の実施体制にも影響が及ぶということは、確かに懸念されることでございます。  県といたしまして、指導監査業務の実施については、職員の業務負担に配慮をしつつ、より適正に監査を実施することにより、監査業務の質を確保し、ひいては県民サービスの維持向上につなげることが大切であると考えております。  このため、他県の事例を参考としながら、監査業務を行う専門組織を別途設置するメリット、デメリットの整理も含めまして、効率的な実施方法について検討していきたいと考えております。 62 立村委員 ありがとうございます。  職員を守る、そして福祉サービスを受ける県民を守るといった観点から御検討の上、必要な対策を講じられるよう、厚生部長、そしてこれは経営管理部長にもお願いしておきます。どうもありがとうございました。  最後に、周年事業についてお伺いいたします。さきの9月議会での韓国江原特別自治道との交流30周年記念事業の補正予算に続き、今議会では11月補正予算案として、中国遼寧省との友好県省締結40周年記念友好訪問団の派遣準備費用として、債務負担行為の設定が提案されております。  私は、周年事業を否定するつもりは毛頭ありません。ただ、5年ごとに漫然と周年だからといった感じで実施するのは、行政改革の観点から見ればどうなのと言いたくなるところであります。  昨年度のオレゴン州との友好提携30周年記念事業では、記念行事での覚書の締結、経済交流、起業、ビジネス関係、学術交流の分野で大きな成果を上げられました。昨年12月には、オレゴン州の大学生もオンラインで参加し、初めてオレゴンカップ英語プレゼンテーションコンテストが開催されたところであります。そこで、今年度には韓国江原特別自治道、来年度には中国遼寧省との周年事業が予定されているわけですが、これらの周年事業の成果として何を目指すのか、新田知事の所見をお伺いします。 63 新田知事 本県は、アメリカのオレゴン州、中国遼寧省など4つの地域と友好提携を締結しておりますほか、韓国の江原特別自治道をはじめ、多くの地域と交流実績を積み重ねて交流分野の幅も広げてまいりました。  本年は、江原特別自治道との交流30周年であり、つい先日、金(キム)道知事を本県にお迎えし、韓国文化紹介イベントを開催しました。新たに協定書も締結し、これまでの文化、スポーツ、環境などの交流に加えて、経済、観光など幅広い分野での交流促進に取り組むことを確認しました。また、来月現地で開催される江原ユースオリンピックの開幕式に合わせて訪問団の派遣を予定しています。  遼寧省とは、来年度、友好県省40周年を迎えることから、5月に本県から経済界や観光分野の方々も参加する訪問団を派遣するとともに、遼寧省からも訪問団をお迎えする方向で調整しています。さらに青少年の相互理解を促進するため、両県省から大学生が相互に訪問しての、ホームステイや交流事業を検討しておりまして、次の世代に向けてもこの友好県省の絆をしっかりと継承していく、さらに強固にしていく、そのようなことも考えております。  国際交流事業は、県として活力ある地域社会の実現、国際的視野を有する人材の育成、国際理解の促進、国際社会への貢献を進めるため、友好提携先との幅広い交流、協力関係を築くことが目的です。特に周年事業は、5年、あるいは10年といった節目に、これまでの取組を振り返り、今後の友好関係の深化──深めることや相互発展に向けた連携協力について確認する機会として、私は意義があると考えております。それ自体にも成果があると考えています。ただ、委員おっしゃるように、漫然と続けることが目的になってはいけないと思っております。  引き続き市町村や各分野の関係団体と連携し、国際交流事業のさらなる充実に努めてまいります。 64 立村委員 ありがとうございます。  今ほどおっしゃったことで、知事の周年事業に対する思いはよく分かりました。その上で再度知事にお伺いします。  私が期待するのは成果ということで、国際定期便の早期再開に向けた知事のトップセールスです。知事は、私の9月の一般質問、ソウル便の運航再開に向けた質問で、知事のトップセールスにより、早期の運航再開を求めるべきという問いに対し、知事自身、あるいは副知事の訪問を検討する旨、答弁されたところです。  当然知事が行かれるからには、事前に事務方で十分に交渉、協議を重ねることが前提になろうかとは思います。その上で、富山県の代表者である知事、あるいはその命を受けた副知事がトップセールスをされること、それ自体が訪問の成果になるのではないかと考えます。すぐにはかなわないかもしれませんが、後日、富山県の代表者がわざわざ訪れたということは、運航再開の大きなきっかけになるのではないかと考えております。  そこで、再度お伺いしますが、韓国、中国訪問の際には、定期便の再開、あるいは既に運航を再開していれば、運航の安定継続や増便などに向けたトップセールスを行うべきと考えますが、新田知事の所見をお伺いいたします。 65 新田知事 昨年の8月に、上海便はいち早く戻ることができました。戻ってくれました。大変ありがたいと思っています。それから、韓国との関係は、ソウルと釜山からも──釜山はこれまでなかったんですが──臨時便が数多く来てくれています。それから、台北便は、これも春、秋と臨時便が続きまして、先般発表しましたが、来年の1月31日から、今度は──これも臨時便には変わりないんですが──水曜と土曜という曜日をつけて臨時便を18便飛ばしてくれることになりました。中華航空です。これは定期便に一歩近づいたものと理解をしております。そういう意味で、来年1月の台北便については、よりこちらからのアウトバウンドもしっかりと確保していく必要があろうかと思います。  これについては、然るべきときには、私もまさにトップセールスで中華航空、今年行ったときには、副総経理にお会いしましたが、やはりここは総経理にお会いする機会をうかがっているというのが現状です。韓国につきましては、これも今、水面下といいますか、事務同士の折衝は続けております。これも機を見て、私自身行くこともやぶさかではございません。それから、大連もあります。4つの便が全部コロナ前のようにそろうことを一日も早く実現したいというふうに考えております。 66 立村委員 ありがとうございます。  県民の皆さんも国際定期便の早期の再開を望んでおられるところであります。せっかく訪韓、訪中されるわけでありますから、タイミングというのもあるとは思いますけれども、知事のほうから積極的に運航再開に向けた取組を、絶好の機会だと思いますので、ぜひそういった方向で御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。  これで終わります。 67 瘧師委員長 立村委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                      午前11時51分休憩                      午後1時00分開議        火爪弘子委員の質疑及び答弁 68 井上副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  火爪委員。あなたの持ち時間は60分であります。 69 火爪委員 日本共産党の火爪弘子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、城端線・氷見線問題についてです。  今日の全国の赤字ローカル線の事態を招いた最大の原因は、公共交通の柱である鉄道を民間会社に丸投げした36年前の国鉄分割民営化にあります。あわせて、その体制にあっても、内部補助でローカル線を守ると約束したはずのJR各社が、ローカル線維持への公的企業としての責任を放棄してきたことにあると言わなければなりません。  2021年、JR西日本が内部補助の崩壊論を主張した際に、新田知事も8月、全国22道県知事とともに、同じ立場から国に対し対策を求める緊急提言を発してきたと思っております。  今年4月の地域公共交通活性化再生法改正の際に、我が党は、全国の赤字ローカル線は今後、路線、駅などの鉄道インフラを国が保有、管理し、運行はJRが行う上下分離方式とするよう提言をしてまいりました。政府は地方任せにするのではなく、国とJRの責任で全国の鉄道網を守るべきです。  こうした立場も踏まえながら、今回の県の再構築実施計画案について質問をしてまいります。  まず、知事に2点伺います。  1点目は、第1回から第3回の城端線・氷見線再構築検討会までの間、僅か3か月、検討の進め方に大きな問題があるのではないかという点です。  確かに県は第2回再構築検討会の際、あいの風とやま鉄道の出席が提案されたときには、県東部の市町村を訪問して説明をし、了承を得たようであります。  ところが、肝心なあいの風とやま鉄道への経営移管という方針を決める際には、県東部の自治体や首長に何の説明もなく、意見を聞く場も持たれませんでした。ある市長さんは9月市議会で全く聞いていないと答弁されています。明確に反対を表明している町長さんもおられます。ましてや、各線の利用者や県民に対して説明し意見を求めたのかということであります。  地方自治体は県民が主役です。これまでどんなときにも県民説明会やパブリックコメント、またアンケートなどをやってきました。仮に直接の財政負担がなくとも、人材や技術者の確保をはじめ、あいの風とやま鉄道の経営への影響は今後避けられません。だから、知事も、当初はあいの風とやま鉄道のステークホルダーの意見を聞く必要があるとの発言をされたのではなかったでしょうか。  決定とする前に県民の意見を聞いたのか、知事の見解を伺います。 70 新田知事 城端線・氷見線問題と言われましたが、私は別に問題と思っていませんので、これは前向きなとてもよい話だと理解しています。  その再構築実施計画ですが、計画の重要な項目である一つは、事業主体の変更による沿線市以外の財政負担、また、あいの風とやま鉄道の要員確保や移管に伴う整備について、ステークホルダーである沿線市以外の全ての市町村長に対して説明を行い、意見を伺っています。それから、もちろんあいの風とやま鉄道の株主、それから取締役などにも説明をしています。  具体的には、議論が本格化した第2回検討会──これは、第1回目は7月30日、第2回目は9月6日──その前、そして第3回検討会──これは10月23日ですが──この前にも、それぞれ県と沿線4市長から丁寧に説明をしてきました。  計画の策定そのものに反対はなく進めてきているわけですけども、今後も財政負担の懸念を抱かれることのないようにしっかりと対応してまいりたいと考えています。  県民の皆さんの意見ということですが、この再構築検討会を全て公開で実施しております。資料や議事録も県のホームページで公開して、正確に情報が伝わる形で進めてきております。  さらに、県民の皆さんの求めに応じて職員を派遣し、検討の経過や現状を説明し、意見交換もしてきております。  また、今、私はこの県議会で御説明しておりますが、4市長さんは、それぞれの市の議会でもしっかりと説明しておられることと思っております。  そして、今、並行して進めております地域交通戦略会議ですが、この議論では、地域交通サービスを公共サービスとして自らの地域に対する投資へとかじを切ることを申し合わせており、今議会をはじめ、これも丁寧に説明をしてきているつもりでございます。  県ではこれまでも、富山地方鉄道やあいの風とやま鉄道の安全性、快適性向上の取組に対し、沿線市町村とともに、公共交通を自分事として、いわゆるマイレール意識を持って負担し、支援をしております。  県としましては、引き続きマイレール意識の醸成に努めて、持続可能な路線の実現に向けて取り組んでまいります。  7月30日の第1回目からこれで4か月余りがたっているわけであります。これを短いと言われるのかどうか。もちろん、この会議と会議の間には様々な打合せや、あるいは交渉もしております。それで、各回の会議、検討会に臨んでいるということでありまして、大変に密度の濃い4か月だということはぜひ御理解いただきたいと思います。 71 火爪委員 知事の認識と多くの東部の県民の認識とはかなり落差があるのではないかと思って答弁を聞きました。
     今の時点でも、自治体の東部の市長さんからは不安の声が上がっております。  9月市議会で、我が党の議員に対して、あいの風とやま鉄道の会議への参加については説明があったけれども、内容について説明を直接聞いていないという答弁が出ています。先日の市町村の会議でも一抹の不安を感じるという発言がありました。  ましてや、県主催で県民の意見を聞く県民説明会もやっていません。パブリックコメントもやっていません。公開しているからいいではないかということではないと思うんです。県民の意見を聞くという姿勢がこの検討会の過程の中ではほとんどなかったと言ってもいいのではないかと思っています。  私は、新田知事が「ワンチームとやま」連携推進本部会議を開催することを歓迎してきました。しかし、この段になって、県民が主人公、県民が主役という自治体の首長の運営の在り方として、姿勢に疑問を、今後の施策についても大きな疑問を感じざるを得ませんでした。ぜひ改めて再検討いただきたいと思います。  次に進みます。  2点目は、JR西日本の拠出金150億円が妥当なのか、どうして経営移管は10年後ではなくて5年後なのかということであります。  先月29日の第4回再構築検討会で、JR西日本は、拠出金を社会資本整備総合交付金の制度上、出資が義務づけられた負担金も含めて150億円とし、あいの風とやま鉄道への経営移管時期は10年後ではなくて5年後、しかも、再構築実施計画の変更や延長があっても追加拠出はしないとしました。しかし、この後、資材の高騰や利用見込みの変動など何があるか分かりません。  大体、単年度赤字が10億8,900万円ですから、15年分しか赤字補填の金額が埋まらないではありませんか。50億円のレールの交換など施設の交換についても、本来、経営移管がなければJRが50億円使って出すべきお金ではないでしょうか。私は、社会資本整備総合交付金による分担金は別に負担をするのが筋だと考えます。  JR西日本は、内部留保を2021年3月時点で7,417億円も抱えています。内部補助の破綻と崩壊と言いますけれども、コロナ後、利用者は回復しており、破綻論は成り立ちません。体力は十分だと思っています。  並行在来線、あいの風とやま鉄道をつくるときにも、JR西日本と大変厳しい交渉を石井知事はされました。そのときには県議会も知事を応援する決議を上げて、JRに対する要望、決議をもって私たちも超党派でJR西日本の本社に要請に行きました。  JRとの厳しい交渉には、こういう県民を味方につける、議会で議論して議会も後押しをする、そういうことが不可欠。そうでなければ、いい交渉結果は得られないのではないかと思っています。  今回も県民、世論の力も借りて、JR西日本と粘り強く再交渉すべきと考えます。知事の見解を伺います。 72 新田知事 まず、先ほどの質問に戻らせていただきます。ちょっと誤解があったようなので。  1回目の検討会が7月31日に開かれました。そして、その場で沿線の4市長さんから、あいの風とやま鉄道にもできるだけ早く入ってもらったらどうか、次から入ってもらったらどうかというお話があったので、私どもで2回目の前に、各市町村長さんはじめステークホルダーの皆さんに御説明に行きました。そのときは、おっしゃるように、あいの風とやま鉄道がこの検討会に参加をしますということの説明に行きました。中身についてはまだ何も決まっていないので、一切説明をしていません。そして、次の会、3回目の前には中身まで説明しました。そのことは御理解をいただきたいと思います。  地域公共交通活性化再生法の改正法ですけども、再構築実施計画を策定し大臣の認定を受けた場合は、新たに社会資本整備総合交付金等の補助制度が活用できることになりました。  また、旅客輸送における大量輸送の特性が十分に発揮できない線区として、輸送密度が原則4,000人未満であれば、JR西日本はじめJR東日本、JR東海のほか大手民鉄の路線も、この法律で…… 73 火爪委員 聞いてないことに答えないでください。時間がもったいないので、聞かれたことにだけ答えてください。 74 新田知事 いえいえ、なぜ今こういうことをスピード感を持ってやっているかという話を、この法律を説明しないとなかなか。 75 火爪委員 時間がなくなります。 76 新田知事 それで、城端線・氷見線は2,000人台ですので、まさにこの法律の対象になるということで、我々は取りかかっているわけであります。  新型鉄道車両の導入後のおおむね5年後をめどに、事業主体をJR西日本からあいの風とやま鉄道に変更することについては、新型車両が整備でき次第、できるだけ早く運行本数を増加させるなどして、県民の利便性や満足度を上げることによって、より持続可能な路線にすることが望ましいと考えるためであります。  JR西日本からの拠出額ですが、総合的に勘案して精いっぱいの判断をされたという説明がありましたが、私もそのように思っております。  検討会における地元の意向を踏まえて、施設整備費だけではなく、移管後の経営安定支援にも活用できる形での150億円の拠出という大きな決断をいただいたものと私は認識をしております。  また、この150億円で終わりというような言い方をされますが、そうではなく、JR西日本は城端線・氷見線が安全で持続可能な路線となるように、移管後の運営にも人的、技術的支援や観光面の協力をする意思を示されていると。これはこの計画にも書き込みます。  そうしたことから、事業主体の変更時期や拠出額について再折衝することは現状考えていません。 77 火爪委員 時間が短いので、知事に長々と答弁をされると困るんですが、1問目の質問に対して触れられました。  御存じのように、11月6日に県の担当部局から、我が党の呉西地区議員団に質問状の回答をいただいています。その回答では、あいの風とやま鉄道に検討会への参加を求めることについては説明をして回ったと。基本的に了解をいただいたと。その後は、正式決定とされるまでに、説明をやっていないことになっているんですよ。  なお、あいの風とやま鉄道への移管については、1つの自治体から現在の路線の影響を懸念する意見をいただいております。どう説明をしたかという回答は全くありません。  きちんとした説明が、決定と報道されるまでなかったというのが私たちの認識であるし、県民に対しても、説明会やパブリックコメントや意見を聞く姿勢を示した対応がなされなかったことを改めて指摘しておきたいと思います。  交渉をする予定はないという知事の答弁についても大変遺憾に思います。JRとの交渉が甘いのではないか。改めて強く指摘をしておきたいと思います。  次に移ります。  11月23日に、高岡で開かれた学習会で、国会にも参考人招致された日本大学名誉教授の桜井徹さんが、「経営移管する場合はJR西の資本参加を求めることが必要。技術者、保線要員の確保、派遣などにも将来にわたって責任を持ってもらうべき」と提起をされています。  知事から、今、答弁がありましたように、JR西日本は協力すると言っています。協力するんです。責任を持つとは言っていません。今までのJR西日本の対応から見たら、協力するでは安心できないわけであります。  全国には、第三セクター会社にJRが資本参加している肥薩おれんじ鉄道など各事例もあります。ぜひJR西日本に資本参加を求める交渉を行っていただきたいと思いますが、交通政策局長に伺います。 78 田中交通政策局長 今、委員からお話がありました資本参加の件ですけど、検討会における議論も踏まえまして、資本参加といったさらなる金銭面の負担を求めるのではなく、移管後の安全、安定した輸送を行うために、不可欠な保線要員の確保など、技術的人的支援を求めております。JR西日本からは、安全で持続可能な路線となるよう、人的、技術的な面で協力していく旨の発言がありました。  資本参加については求めておりませんが、JR西日本からの資本参加のないあいの風とやま鉄道や富山ライトレールを見ましても、JR西日本の運営時とは異なり、地域に密着した鉄道会社として独自に地元のニーズを踏まえ、運行本数の増加、新駅の設置など、利便性、快適性の向上に積極的に取り組まれているところであります。こうした点からも、JR西日本に対して資本参加を求めることは考えておりません。  将来にわたり責任を持ってもらうと、こんなお話がありましたけども、先般の検討会で、北陸新幹線と城端線が新高岡駅で接続していることから、JR西日本としても広域周遊観光を強力に推進し、利用者増を目指すとの発言もあり、将来にわたって協力関係を築いていけるものと考えております。 79 火爪委員 次に、資産譲渡交渉について伺います。  桜井先生は、赤字の線路を引き継ぐ場合は、鉄道資産については収益還元法による計算が必要だと指摘をされております。路線収支がマイナス10億8,600万円の場合は約330億円を受け取る計算になると、具体的に指摘をされております。ぜひ参考にしたいものだと思っています。  今後、資産譲渡の条件は交渉をしていく、経営移管前に交渉するとのことですが、ぜひ情報開示をして、全体共有しながら交渉してほしいと思っています。今後どう取り組んでいくのか伺います。 80 田中交通政策局長 JR西日本の鉄道施設のあいの風とやま鉄道への譲渡については、事業主体の変更までに関係者間で協議することとしております。  今、委員から御紹介ありました収益還元法も一つの考え方だと思いますが、JR西日本の拠出額については、先ほど知事からも答弁しましたとおり、総合的に勘案して精いっぱいの判断をされたものと考えております。このため、第4回検討会でお示しした実施計画案では、150億円の拠出金以外にJR西日本の負担は盛り込んでおりません。  城端線・氷見線の再構築に向けた取組は、国土交通大臣が先進的で意欲的な案と評価されております。また、JR西日本の長谷川社長も、これまでに例がないリーディングケースと述べられております。  本事業は全国から注目されており、これは国やJR西日本も同じお考えをお持ちだと思います。  県としましては、城端線・氷見線の取組が、全国のモデルとして、国やJR西日本の協力が最大限得られるようしっかり協議してまいります。 81 火爪委員 JRとの交渉がどんなに大変な交渉なのかということは、私たち県議会も、あいの風とやま鉄道をつくるときにずっと経験をしてまいりました。どうしてそんなにJR西の肩を持つのかと不思議に思いながら、これまでの答弁を聞きました。  今回の再構築実施計画の取りまとめは、これまで述べてきたように、拙速というのは、城端線・氷見線の課題に取り組むのが早過ぎるという意味で拙速と言っているのでは決してありません。JRとの交渉の在り方、県民との合意の取り方、そういうものが極めて不十分で拙速だと。そのまま結論を出してしまうのが拙速だと私は表現をしてまいりました。  私はぜひ知事と県当局の皆さんに、改めてJR西日本との交渉を粘り強く行っていただきたいし、正式決定とする前に、東部の市町村の方々を含めて、多くの県民により情報開示をして、議論をして、意見を集約して決定をしていただきたいと思います。  今年中に国に申請をして、今年度中に認可を得なければ間に合わないという論調もありました。しかし、国の制度ですから、今年出しても来年出しても、それは利益に違いがあれば制度としておかしい話です。  そして、今、局長からお話がありました、全国に先駆けてこういう事例をつくっていくのならなおのこと、150億円で追加支出はしないということを前例にしてしまっていいんでしょうか。前例をつくるならばもっと慎重に、ちゃんとしたいい計画になるように、もっと粘り強く取り組んでいただきたいというのが私たちの考えであります。  改めて知事に伺います。今回の再構築実施計画の取りまとめは、県民との合意形成という点でも、JR西日本との交渉という点でも、不十分、拙速と言わなければならないと考えます。改めて知事の答弁を求めます。 82 新田知事 城端線・氷見線については、沿線4市を中心に、交通事業者はもとより、経済団体あるいは自治会、駅の利用促進団体など、幅広い関係者で構成する城端・氷見線活性化推進協議会を昭和62年10月に設置し、法定の地域公共交通計画を策定するなど、関係者が連携協力して路線の活性化に取り組んでこられた結構長い歴史があります。  また、3年前、令和2年1月のJR西日本からの提案を受け、新しい交通体系の検討結果を踏まえて、再構築に関する国の支援制度活用に向けた実施計画策定の議論に至っていると捉えています。  この2020年6月からは、城端線・氷見線LRT化検討会という名前でありましたけども、やはり地元でしっかりと議論を積み重ねてこられたということは御理解をいただきたい。決してこの7月から始まった話ではないということは御理解いただきたいと思います。  再構築実施計画の国への申請時期ですが、いち早く実施計画の認定を得ることで、計画に定めた事業を実施するために必要な国の予算を確保できると私どもは考えております。  具体的に申し上げると、今年度内に申請して認定が得られれば、再構築事業の費用負担を含めた事業スキームが担保されることになります。  一方、来年度以降に申請を行い、全国の他の地域と申請が重なってくる場合、国の予算総額の制約から、再構築実施計画に盛り込んでいる事業が計画どおりに実施できない可能性もあると考えております。  今トップを走っているんです。このまま行けば計画どおり認められることを私は期待しております。  県としては、人口減少やマイカーの普及など、ローカル鉄道を取り巻く現下の厳しい状況を踏まえると、少しでも早く対策を講じて、県民の利便性や満足度を向上させ、持続可能な路線とする必要があると考えています。  JR西日本にも責任を持って関わっていただけると考えており、国の支援を得て、関係者とともに取り組んでまいります。 83 火爪委員 早ければいいというものではないと。1番目であろうと、2番目であろうと、3番目であろうと、県の制度は決まっているわけですから、中身が国の認可のテーマだというふうに、行政に関わるものですから、そう信じております。  城端線・氷見線LRT化検討会は前からやっていました。私はもちろん、突然ではないんだという御説明も今まで伺ってまいりました。  しかし、我が党の呉西地区の議員団が10月30日に質問状を出していろいろ伺いました。11月6日にちゃんと期日どおりの回答をいただきました。担当課は偉かったと思います。私たちがお願いした期日までに回答をいただきました。しかし、そこには計画の内容の数字は全部、これから協議と検討ということでありました。11月6日の時点であります。それから、第4回検討会で初めて数字が出てきた。  だから、JRに経営移管するということも分からない、決められてない、提案されていない、数字も全く分からない時点で、東部の首長さんや県民の多くが意見を出そうと思ったって出せない。事実上、出せる期間はこんなに短かったということを私は改めて主張したいと思います。  先進事例をつくるならばJRの懐に入るのではなくて、先進事例をつくるなら県民としっかり力を込めて国にも物を言う、JRにも交渉する、県民的な世論も巻き起こす、こういう作業と一体でないと、将来にわたって持続可能ないい計画はできない。地方自治体というのは住民が主人公、マイレール意識というのはそうでなきゃ醸成できないんだということを改めて強く指摘しておきたいと思います。  次に移ります。  順番を変えたいと思います。カドミウムの汚染田の修復工事の質問を先に伺っておきたいと思います。農林水産部長、よろしくお願いをいたします。  神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会の皆さんが、2012年に完了したはずのカドミウム汚染田の復元工事の実施圃場で、地盤が緩み農業機械が沈んで耕作に支障を来す事態の解決を強く訴えておられます。県は2014年と2018年に調査を実施し、2026年までの補修工事を進めてまいりました。  ところが、資材高騰などで経費が増額となり、2026年までの補修工事費の確保が危うい事態となっております。増額が必要となっています。また、2026年までの計画に入っていない箇所での不具合が次から次へと見つかり、2027年度以降の追加工事の実施もどうしても必要となっております。  どうしてこんな事態になったのか。もともと復元工事の不備による水田の沈下です。裁判後の協定に基づく工事の追加補修という性格の工事であるはずです。工事の完成検査に当たった県の責任は一体どうなるんでしょうか。  県は、前回調査による2026年度までの工事の完了については、予算を増額し責任を持つべきだと思いますが、同時に追加調査を実施した上で、その後の補修工事の実施にも責任をしっかり持つべきだと思います。農林水産部長の見解を伺います。 84 津田農林水産部長 県では、昭和54年度から平成23年度──予算を繰り越しまして24年度になりましたが──神通川流域におけるカドミウム汚染用地1,686ヘクタールのうち、公共施設用地等への転用面積を除いた863.1ヘクタールにつきまして、営農再開を目的に公害防除特別土地改良事業を実施しました。  一方で、工事の完了から一定の期間、10年程度が経過した復元田におきまして、経年変化が原因と見られる、ぬかるみや陥没等によりコンバイン等の農業機械が立ち往生するなど、農作業に支障を来す事象が見られたため、地元農家等の要望を踏まえ、県単事業として、平成15年度から、地耐力の確保や排水機能の強化等の補修工事を実施しております。  補修工事に当たりましては、これまで実施地域を複数回に分けて現地調査を行い、順次、期間を協議検討の上、対応してきておりまして、現行の計画ですが、平成26年度と30年度に調査した箇所の工事につきまして令和8年度までに完了することとしております。  地元農家の方からは、今委員からお話がありましたが、近年の物価高騰等に伴い工事費が増嵩している中にあっても、工事を予定どおり完了すること、そして、現在の対応箇所以外にも支障のある農地があるため、追加調査を実施するよう要望を受けております。  県としましては、現在、令和8年度までに現行計画が完了できるよう、工事費の増額に向けて関係者と調整をしているところでございます。  また、補修箇所の追加調査につきましても真摯に対応したいと考えており、関係者と継続して協議してまいります。 85 火爪委員 追加工事の調査もしていただけるという答弁をいただきました。ありがとうございます。  あわせて、地元の皆さんが強く要望されているのは、この補修工事にかけられている住民負担5.61%の解消であります。  汚染田の復元工事には住民負担はありませんでした。1972年の裁判での完全勝訴とその後の企業との協定に基づき、県議会でもかんかんがくがくの議論を行い、汚染原因企業の負担割合は39.39%と決められたわけであります。  ところが、2003年に補修工事が地域営農確立促進事業として始まった際に、なぜか住民負担5.61%が導入されました。そして、2020年から国補助が50%入ることになった際にも、この地元負担は解消されませんでした。なぜなのでしょうか。  逆に汚染原因企業の負担39.39%が9.39%に軽減され、県の負担も40%から20%に下げられています。地元負担が解消されずに県の負担が半分になる。汚染原因企業の負担が3割も減らされる。このことに強い抗議の声が上がっています。  イタイイタイ病問題、そして汚染土壌の復元には県議会も深く関わってまいりました。この経過について、県議会の各会派にも報告は全くこの間ありませんでした。  この際、住民負担はなくすべきだというのが地元の強い願いであります。住民負担がなくならなければ、追加工事に手を挙げない農業者がたくさん生まれる。放棄田がたくさん生まれる。耕作をしている人と持っている人が違う、地主が違うと、耕作している人は、このままでは所有者が地元負担を拒否したので耕作できなくなるという強い要望の声を上げておられます。  どう取り組んでいくのか部長に伺います。 86 津田農林水産部長 この農地の復元工事でございますが、事業創設に当たって、平成13年度に地元の土地改良区からの要望を踏まえて、関係者間で議論を重ね、地元からの負担金のほか、原因企業であります三井金属鉱業──以下「企業」と言いますけれど──からも負担協力の形で進めてきたものでございます。  通常、土地改良事業は受益者である地元の方の負担があり、この補修工事につきましても、工事の完了から一定程度の期間が経過した補修工事であるということで、ほかの県単事業と同様に地元負担をいただいているものでございます。  補修工事は、令和2年度からは国庫補助事業を活用し、団体営事業として実施しております。これは、多くの要望に応えるために事業費を増やすということで、事業の進捗を図るためのものでございまして、御指摘のとおり、確かに企業や県の負担率は下がっておりますが、負担額そのものは、これまでとほぼ同額または増額となっております。  地元負担でございますけれど、これまでの補修工事との公平性の観点から、現行計画におきましては従来どおりお願いしたいと考えております。  御理解を得られるよう、引き続き地元の方とよく話し合ってまいりたいと思っております。 87 火爪委員 決して理解は得られないと思います。  地元の皆さんは、過去に遡って返してほしいということは言わないと。だけれども、今後、圃場を復元する上で地元負担がなくならなければ、地元の農業はめちゃめちゃになってしまうんだと。  部長は、県の割合は減ったけど、額は減ってないんだと言われましたが、地元の負担額も、率そのままですからどんどん増えていくわけですよね。  経年変化によって起きたんだと部長は言われましたけど、分からないわけですよ。工事が原因だったという可能性のほうが私は高いと思います。経年変化が原因なので、そもそもの復元工事とは直接関係がないんだという論法は通用しないと思います。  ぜひ三井金属鉱業の協力も得るよう努力をしながら、県からも三井に働きかけてほしいし、地元の皆さんも三井に働きかけるとおっしゃっておられます。地元負担がなくなるように、県も最大限努力をしていただきたい。強く要望しておきたいと思います。ありがとうございました。  次に移ります。  戻って、環境問題について伺いたいと思います。  今年度から2年間の計画で、10年ぶりにレッドデータブックとやまの改訂作業が行われております。県内における絶滅のおそれのある野生生物の保全、ひいては県内の生物多様性と自然環境保全のための大切な基礎資料だと思っております。  しかし、今年度の検討委員会の開催が遅れたこともあって、文献調査及び野外調査の期間が9か月しか確保できないという事態になっております。各分野の作成委員の皆さんは別に仕事を持っておられる方々も多くて、事前によくこのスケジュールを周知していただかなければ対応できない。しかも9か月です。夏の期間の調査はできません。このままでは現地調査が十分行えないとの声が上がっています。  取組の意義と作業の現状について、まず生活環境文化部長に伺っておきたいと思います。
    88 廣島生活環境文化部長 県では、県内の希少な動植物の分布状況などを取りまとめましたレッドデータブックとやまの初版を平成14年度に、また平成24年に改訂を行いまして、これにつきましては、県内の希少な動植物の保護活動や県民の理解の促進、また開発行為に対する指導など幅広く活用してまいりました。  今回の改訂の目的は、前回改訂時から10年以上が経過し、状況に変化があると考えられますことから、現在の生息状況等を反映させたいというものでございます。  改訂に当たりましては、哺乳類、淡水魚類、鳥類など7つの分野ごとに有識者が文献調査、現地調査を行うワーキンググループ、及びワーキンググループの長などで構成される改訂全般について検討、決定します検討委員会の二層構造で行っております。  検討期間は今年度から2か年を予定し、この4月には事務局業務を担う事業者を選定する予定でございましたが、想定していました事業者との契約が成立せず、改めて委託先の検討や公募手続を行うこととなったため、当初5月に予定していた検討のキックオフとなります1回目の検討委員会の開催が9月となったところでございます。  その後の作業状況でございますが、各分野のワーキンググループが順次開催されておりまして、現在、ワーキンググループによる文献調査と現地調査が進められております。来年2月に第2回の検討委員会を開催する予定としているところでございます。  今後もそのワーキンググループや検討委員会など改訂に関わる方々と、丁寧に協議しながら改訂作業を進める必要があると考えております。 89 火爪委員 予定より短くなったので、1年実地調査は取れなくなった。でも、もともと当初の計画に無理があったのではないかと考えています。  今まで2年でやってきたから2年だという説明なのでありますけれども、近県の取組を見てみました。石川県は2015年に策定委員会を設置し、5年間かけて改訂しています。福井県でも改訂に4年、野外調査、文献調査に3年程度かけております。富山県でも、少なくとも調査に3年程度はかけてほしいと、ぜひ資料価値の高いレッドデータブックとやまを作りたい、関係者からそういう要望の声が上がっております。  期間の延長も含めて、スケジュールの再検討を求めて答弁を求めます。 90 廣島生活環境文化部長 まず、この検討体制ですけども、各分野の有識者でありますワーキンググループ、検討委員会、合わせて62名で構成して、平成14年の初版時の27名、平成24年の改訂時の59名ということからしますと、一応体制を整えていると。  こうした体制を整備すること、また前回改訂作業に関わった方々にワーキンググループのリーダーに就任いただいていること、また過去2回の基礎データの蓄積があることから、前回の改訂時と比べますと、1年短縮した約2年として今年度から作業に着手し、令和6年度末までとしたところでございます。  こうした中、先ほど申しましたとおり、事務局を担います事業者の決定に時間を要したため、当初計画から遅れが生じております。検討委員の方々からも、事業のスタートが遅れ、このままで実際に整った調査が完成するのか、2年計画での取りまとめは難しくなったのでないか、半年程度事業を延ばすことができれば中身も違ってくるのではないかというような意見が出ているところでございます。  2月に開催予定の第2回検討委員会では、各分野のワーキンググループの検討の進捗状況も報告される予定でございます。改めて各委員の意見も伺いたいと考えております。その場での議論、改訂作業の進捗も含めまして、改訂作業にかかる期間についても検討したいと。それで成果につなげてまいりたいと考えております。 91 火爪委員 ありがとうございました。ぜひしっかりよろしくお願いしたいと思います。  次に移ります。  遅まきながら、私も日本共産党呉西地区議員団の皆さんと一緒に、岐阜県高山市荘川町六厩地区で計画されている産業廃棄物最終処分場予定地を視察してまいりました。まさに庄川最上流の水源地そのものでした。  富山県立大学で教鞭を執られた環境水質学、上下水道工学の専門家からも、水道の浄水場で処理できるのは河川水の濁りと細菌であり、水に溶け込んだ重金属などは処理できず、体内や土壌に沈殿しかねないとの御指摘をいただきました。  その先生は、少なくとも水道水源に産廃処分場は建設すべきではないと明確に述べられました。県西部4市35万人のまさに水道水源です。  そこで、まず、県西部水道水供給事業で庄川の水源を使って水道水を供給する責任者である企業局長に、水道水源に産廃処分場を造るというこの計画についての見解を伺います。 92 籠浦企業局長 庄川を水源とする企業局の和田川浄水場でございます。河川水に含まれる汚濁を除去し、消毒を行って水質検査をした上で、水道法による水質基準に適合する水道水として、常に必要な量を受水団体に提供しております。  水道用水は、当たり前の話ですけども、安全であることが必要。それから、生活用水として使うことに支障があってはならないということがございますので、水質の安全の確保については水道用水の供給事業者としての責務と考えております。  御質問のありました産業廃棄物の最終処分場につきましては、岐阜県のほうにおきまして県の条例、それから関係の法令に基づいて適切に審査手続が進められるものと考えております。例えば、最終処分場の排水を河川に流す際は、環境省令に定める排水基準に適合させる必要がありまして、これをクリアできるような設備、機能を整えることも含めて審査されるものと受け止めております。  また、一般論にはなりますが、河川水に含まれる成分の中には、カドミウムや鉛、そういう重金属が含まれている可能性もございます。ただ、それにつきましても、通常は浄水場の沈殿とろ過の処理で、水質基準を満たすレベルの濃度までの処理は可能と考えております。  とはいえ、企業局は水道用水を供給する立場でございますので、今回御質問のあった案件に限らず、水道水源近隣での事業活動が、いろいろ行われております。そういうところに対しては、常に関心を持って動向を注視しながら、安全な水の供給を続けてまいりたいというふうに考えております。 93 火爪委員 この産廃施設に埋められる計画の中には、環境基準のない重金属も含まれております。そういうものが沈殿すると大変なことになる。しかも、災害が起きた場合には、それがまともに富山県に流れてくるということで、私は国に対して、水道水源への産廃施設の建設について規制をするルールを求めるべきだと思います。  産廃施設は必要です。必要だから、どこか場所を探さなければいけない。しかし、これだけの水源地に造るということについては、規制ができるようにすべきだと、国に対して声を上げていかなければいけないと思っています。  そこで知事に伺っておきます。  私は心配になって、高山市で対策協議会の会長さんや我が党の県会議員とも懇談をしてまいりました。感じたのは、高山市の市長さんも含めて地元は反対をしているけれども、高山市というのは県境のごくごく一部の地域であって、岐阜県議会ではこれはさほど問題になっていないということでありました。  私は、岐阜県にとってよりも富山県にとってのほうが影響が大きい、庄川の下流である富山県こそが声を上げなければならないと強く感じてきたわけであります。  六厩川周辺には多くの活断層も走っています。大規模災害も覚悟しなければなりません。  そこで、今、直接該当にはならないのかもしれないけれども、廃棄物処理法というのは、産廃施設の設置者に対して利害関係を有する者の意見提出の権利を認めています。たとえ県境を挟んでいても、間違いなく富山県は利害関係者です。富山県として、岐阜県にこれまでよりもより明確な意思表示をすべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 94 新田知事 高山市での最終処分場について、令和元年の10月に事業者から岐阜県に対して事業計画書が提出され、先月、その審査が終了したと伺っております。  今後の手続としては、同条例に基づく住民への周知計画書の提出と県の審査、岐阜県環境影響評価条例に基づく環境影響調査や住民説明会の開催など、住民との合意形成手続の実施、また、廃棄物処理法に基づく許可申請書の提出と県の審査など、専門家の意見も聞きながら、時間をかけ慎重に審査が進められるものと承知をしております。  これまでも機会を捉えて、岐阜県に対しては、事業計画の審査状況を確認し、条例や法に基づく適切な対応を要請してまいりました。また先月、処分場の建設計画に対して、県西部の農業、漁業、土地改良区などから成る協議会が設立されるなど、庄川流域で不安の声があることもしっかりと伝えてきております。  法律に基づく許可申請書の提出があった場合、当該施設の設置について利害関係を有する者は、生活環境の保全上の見地から意見書を提出することができるとされているのは、委員おっしゃるとおりです。  この利害関係者に関する明確な定めはないものの、施設の設置により、水質汚濁や騒音、悪臭など、生活環境への影響を及ぼすおそれのある周辺地域の住民や事業者などが該当するのではと考えられますが、これは最終的には岐阜県の判断と考えております。  県としては、今後も岐阜県における法令に基づく一連の手続の状況について適切に行われるように要請していきますとともに、情報収集をしっかりと行ってまいります。 95 火爪委員 伺います。  利害関係者であるはずなので、富山県にも意見を言わせろと手を挙げることはできないんでしょうか。 96 新田知事 今までもそういうふうに意見は言い続けています。それから、沿川の不安も伝えています。ただ、利害関係者かどうかというのは岐阜県が判断されることです。 97 火爪委員 岐阜県に対して、富山県は利害関係者だと、庄川沿川の住民は利害関係者なので意見を提出させてほしいと、ぜひ声を上げて、求めていただきたいと要望しておきます。  では、次に移ります。  最後に、障害者福祉に関連して2問伺います。  先ほど障害者の差別解消に関わる法律と条例について質問もありました。私は、その中のごくごく一部でありますが、手話言語条例に関連して伺っておきたいと思います。  2018年2月議会で手話言語条例が制定され、5年が経過いたしました。言語としての手話の普及と活用のために、障害当事者を関係団体と共に県や市町村が支援し、取組を進めてきたと思っています。  振り返ってみれば、知事の記者会見の際に手話通訳者がつくようになりました。手話通訳者の養成や派遣事業も進んできたものと思っています。今後、手話通訳者の役割はさらに大きくなると思っています。  私は、これまで本会議の一般質問でも、まだまだお隣の石川県とは、手話通訳士や通訳者の育成や利活用、手話通訳者派遣事業における報酬などに開きがあることを具体的に指摘し、努力を求めてまいりました。少しですが、その際には報酬を引き上げていただきましたけれども、まだまだ開きがあると思っています。  新年度に向けまして、県内の障害者団体から処遇のさらなる改善を求める要望が寄せられております。どう取り組んでいくのか厚生部長に伺います。 98 有賀厚生部長 県内では、全ての市町村が手話通訳者等の派遣事業を実施する一方で、県においても障害者団体等が主催する行事など、市町村域を越えて手話通訳等を必要とする場合に、手話通訳者や要約筆記者を派遣しております。  手話通訳者等の報酬については、平成29年度に単価の見直しを行いまして、1時間当たり1,200円から1,500円に増額し、交通費の支給も行っています。  平成30年4月の富山県手話言語条例の施行を踏まえまして、通訳者等の役割の重要性がより認識され、手話通訳、要約筆記に対するニーズが今後もさらに高まることが考えられます。  単価の見直しに当たりましては、県聴覚障害者協会から、県と市町村で差が生じぬようにという要望もいただいております。このこともありますので、市町村や聴覚障害者協会など関係団体と協議を進めながら、手話施策推進協議会等での処遇改善についてしっかり検討していきたいと思っております。 99 火爪委員 ありがとうございました。  最後です。  富山県盲ろう者友の会という団体ができて、人数は少ないですけれども、活発に活動をしておられます。  県内の通訳・介助員派遣事業についての要望を富山県盲ろう者友の会からいただいております。2012年の厚生労働省の資料によれば、県内で目も不自由、耳も不自由という方、盲ろう者は147人となっております。しかし、その中で、通訳・介助員派遣事業に登録しておられる方は現在6人しかいないということでありました。  今、障害福祉計画の見直し時期でありますけれども、次期、第7期障害福祉計画素案を見ましても、この盲ろう者への支援はきちんと位置づけられておりました。通訳・介助員の研修を受けている方が98人はおられるという数字を見て、ちゃんと位置づけられているんだなと改めて認識いたしました。  そこで、昨年12月、厚生環境委員会で質問をして取組をお願いしております。そのときに挙げたのは岐阜県。岐阜県では各家庭に制度案内をまず郵送して、返信があった方を訪問する盲ろう者掘り起こし研修事業に取り組んで成果を上げておられます。鳥取県では、単年度でありますけれども、県がコーディネーターを雇用し、家庭訪問を行う取組をし、成果を上げているということでありました。  昨年の質問に続いての質問になりますけれども、その後の取組を含めて今後どう取り組んでいくのか、部長の見解を伺います。 100 有賀厚生部長 盲ろう者が自立した生活や社会参加をするに当たって、コミュニケーションや情報収集、移動等に対する支援は必要不可欠でございます。  県では、盲ろう者に通訳や介助を行う支援員を派遣するとともに、支援人材を養成する研修の開催に取り組んできました。  平成24年度に国が実施した盲ろう者に対する調査結果では、福祉サービスの利用状況について「ほとんどない」、「全くない」の回答割合が高く、その理由としては、「家族のサポート」や「自分でできる」ということが挙げられた一方で、「サービス利用の方法が分からない」や「知らない」といった実態が判明しまして、御指摘のとおり、本県においても同様の課題があると考えております。  このため、今年度は、通訳・介助員派遣事業のさらなる利用促進に向けまして、今おっしゃられた岐阜県や鳥取県の取組も参考にしまして、県聴覚障害者協会や盲ろう者友の会の御協力の下、障害者手帳情報を基に御本人や御家族等にパンフレット等を配付し、支援情報を届けた上で、御連絡いただいた方には、通訳・介助員と盲ろう者友の会のスタッフが訪問し、制度登録、利用を促すとともに、相談支援を行う取組を実施する予定でございます。 101 火爪委員 ありがとうございました。  引き続き期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  終わります。 102 井上副委員長 火爪委員の質疑は以上で終了しました。        藤井大輔委員の質疑及び答弁 103 井上副委員長 藤井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 104 藤井委員 藤井大輔でございます。  本定例会も大詰めを迎えております。最終ランナーである宮本委員にしっかりバトンをつなぐように、早速質問に入りたいと思います。  まずは、将来の負の遺産にならないよう公共施設をどう検討しているかということについてです。  副委員長、資料掲示の許可をお願いいたします。 105 井上副委員長 許可いたします。 106 藤井委員 こちらの資料になります。  これは、富山県の公共施設等総合管理方針で示されました県有施設の老朽化状況であります。縦軸は延べ床面積になっております。これを見ると、やはり昭和の高度成長期やバブル期に県有施設がたくさん建設されたことが分かります。特に1970年以前に建設されたもの、私が生まれる前ですね、これは50年以上経過しておりまして、施設の更新や長寿命化が必要となっております。  これに伴い、富山県公共施設等総合管理方針では、令和4年度から30年間で施設整備の更新を含めた維持管理費、いわゆる事後保全型の維持管理の場合ですが、1兆5,000億円以上の予算が必要だと試算されております。  それに加えて、今後10年間で整備される予定の県施設は、富山県武道館が91億円、高岡テクノドームが46億円、新川こども施設が28億円で、この大型3施設で約170億円、あと県立大学の新学部棟が約30億円、それと再編される警察署、あと富山児童相談所の2拠点化については、整備費は未定でありますが、確定しているものだけでも総額200億円、未定のものを加えれば300億円以上になるのではと私は推測しているわけです。  県管理の公共施設やインフラの維持管理は、県民の生活を支える上で非常に重要なものであります。  また、新設の公共施設の整備費等が与える県財政への影響についてどうなのか、南里経営管理部長にお尋ねいたします。 107 南里経営管理部長 県の公共施設の建物は、築50年以上が21%、30年以上が67%を占め、インフラ施設の老朽化が進んでおります。  公共施設等総合管理方針では、これら公共施設等の今後30年間の維持管理費は、長寿命化対策を講じず耐用年数ごとに更新した場合は約1.5兆円、年514億円、長寿命化対策を講じて耐用年数を超えて使用する場合でも約9,000億円、年299億円が必要だとしております。  現在、施設の更新整備費用は年279億円でありますが、今後、これまで以上に県財政への負担が大きくなるものと考えております。  一方、新しい大型施設の整備につきましても、多額の財政負担を伴うことになり、また、今後、高齢化の進展等により社会保障関係費が増加するとともに、公債費が高い水準で推移するほか、新たな財政需要として、子供政策の充実や地域公共交通の維持確保などの歳出増が見込まれることもあることから、引き続き、県債残高への影響、金利の動向に十分留意していく必要があります。  また、今後の公共施設等の維持管理につきましては、長寿命化などのファシリティーマネジメントに努めていくとともに、人口減少社会、技術人材の確保の観点からも保有総量の適正化を見極め、効果的、効率的な維持管理を行ってまいります。  施設整備につきましては、運営も含めて、引き続き民間事業者の経営能力や技術等を効果的に活用しつつ、中期的な財政見通し、地方財政計画等を踏まえまして、公共施設等の更新なども含めた県全体の投資的経費の中で適切な水準となるよう、事業の優先度を考慮して予算計上するなど、県財政への影響を最大限抑えながら、持続可能な財政運営に努めてまいります。 108 藤井委員 ありがとうございます。  コロナが明けまして、地域の会合に出る機会が非常に増えました。その中でも、いわゆる箱物については皆さん関心が高くて、私は富山市の在住ですけれども、県と市で似たような施設が多いよね、これ以上必要なのかといった声とか、将来世代への負の遺産にならないようにしてほしいといった声を実際に聞いております。  現在、県と市町村による公共施設等のあり方の検討というのが進められていると聞いております。市町村の類似施設を含めた公共施設の統廃合の議論というのは、非常に合意形成が難しい議論になるんじゃないかと思っておりますが、私は、地域交通戦略会議で、今回実施されたようなバックキャスティングの手法で要件を整理されて、市町村と民間事業者、住民を巻き込んだ開かれた検討会議を、ぜひ実施していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、公共施設の整備や更新について、コスト面でもサービス面でも、先ほど御答弁あったように民間活力を導入し、公民連携を図っていくことは重要だと思っております。その中でも、今、県ではPFI方式導入を一生懸命進められているんですが、なかなか妥当性判断についてどうなのかという面がありましたので御質問させていただきます。  資料を御覧いただければと思います。こちらは、高岡テクノドーム別館の民間活力導入可能性調査から私が独自で作成したものです。サウンディング調査の結果において、1番、建設は公共、運営は民間の、いわゆるPFI-O方式をよしとした事業者は、建設企業ではゼロ、運営企業では4社、金融機関では1社ありました。一方、2番目の実施設計から運営まで一体的に民間のPFI-BTO方式をよしとしたのは、建設企業で2社、運営企業で2社、金融機関でゼロとなっております。  最終的に、県としては1番のPFI-O方式を判断されましたが、この妥当性判断はどうだったのかと思っています。建設企業においては、公共で建設しましょうということはゼロと回答されました。その中で1番を選んだということで、今回残念ながら入札不調になったわけなんですが、もしかしたら、このサウンディングの事態からも読み取れた可能性もあります。  私は、PFIをやめろとか、高岡テクノドーム別館の整備をやめろと言っているわけでは一切ありません。むしろPFIを成功させるために指摘していると御理解いただきたいんですけれども、PFIには非常に高度な判断が必要になると感じております。その判断がもし今回間違ったのであれば、その反省を次に生かすべきと考えております。  横田副知事に御所見をお伺いいたします。 109 横田副知事 高岡テクノドーム別館につきましては、令和3年度に専門事業者に委託して実施しました民間活力導入可能性調査がございます。  整備、運営などに民間の資金や経営能力、技術的能力を活用することで、財政負担の軽減、施設の利用促進、サービス向上、魅力的な企画の実施などが可能かどうか検討いたしました。  現地の状況の確認、建設企業や運営企業などの民間事業者への事業スキームへの要望、関心度についてのヒアリングなど、多角的な観点から事業方法の総合的な評価を行いました。  その結果、当時、既に実施を終えていました基本設計を大幅に変更することなく整備が可能であること、実施設計や建設工事中に並行して運営事業者の選定手続を行えるため、早期開業が可能であること、VFM、財政負担軽減効果が最も高いこと、そして、長期運営のメリットにより運営事業者の関心が高いといったことから、総合的にPFI-O方式の評価が最も高くなりました。
     また、令和4年2月に貴会派からも御提言をいただいておりまして、テクノドーム別館につきまして、運営面で民間事業者の創意工夫の余地が高く、競争性が見込まれる、長期的視点に立った運営を前提に指定管理者制度とPFI手法を比較して、どちらがサービス向上などのメリットを最大限発揮できるのか慎重に議論されたいなどの御提言も十分考慮した上で、令和4年2月にPFI-O方式の採用を決定したところでございます。  民間活力導入手法の選定と、その後の建築工事で急激な物価高騰などによって入札中止となったことは、直接的には関係しないものと考えますけれども、今回の入札中止の結果というのは重く受け止めて、今回補正予算案に計上しています本館・別館の機能に関する専門的、技術的調査にしっかりと取り組んでまいります。 110 藤井委員 ありがとうございます。  おっしゃられるとおり、令和4年2月に、我が会派のほうからPPP/PFIにおける提言を行いました。その中では、県武道館も高岡テクノドームもPFI導入にはいろいろ懸念がありますよというような指摘もさせていただいたところです。  おっしゃられている理由は、物価高騰や入札不調というような中断ではありましたけれども、私はやっぱり、導入可能性調査の検証というのもしっかり行っていただいて、次に生かしていただきたいと思っておりますので、理由は異なるので可能性調査はもういいやというような感じではなくて、しっかり検証いただきたいと思っております。ありがとうございます。  さて、次は新川こども施設になります。  こちらは、建設と運営が一体となる、県としては初の本格的PFI導入事例。さきの2施設のように、導入可能性調査とは別の理由で変更、中断、立ち止まるということがないようにぜひ進めていただきたいと思います。  去る11月末に要求水準書案を公表し、来年4月の入札公告まで非常に重要な局面を今迎えていると思っております。  そこで、資料を御覧いただければと思います。先ほど申しました2月に我が会派が出した提言の中から、県庁内でのPPP/PFIのノウハウ蓄積についてという部分を抜粋させていただいております。  私たちは、PFIがやっぱりうまくいかなかった事例も、他県の事例でたくさん見てきました。その中で、できるだけ県民にとって付加価値の高いものにするためには、県庁内にノウハウが蓄積されるような組織人事体制をぜひつくってほしいと求めております。  もう一つ資料を御覧ください。こちらは富山市の資料になります。県内でもPFIの導入事例が数多くある富山市は、失敗も経験しながら多くのノウハウを蓄積されております。  この赤い部分をぜひ見ていただければと思うんですけれども、特に官民対話の重要性を説いておられますし、サウンディングにおいては、効率的なやり方、短時間で低コストでやる方法もありますよとか、民間にやらせればよいという上から目線ではいけないよという御指摘もあるわけであります。  ここで新田知事にお伺いいたします。  新川こども施設について、県武道館や高岡テクノドーム別館でのPFI検討が不調に終わっている事実から何を学び、県民主体の施設に整備していくために、県民や民間事業者とどのように向き合うのか、組織人事体制等も含めた対応を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 111 新田知事 新川こども施設については、新川地域の保護者を対象とした意識調査や子育て世代へのヒアリングなど、様々な県民の御意見を踏まえて作成した素案を検討会で御議論いただき、基本計画を策定しました。  昨年度の民間活力導入可能性調査では、定性、定量評価に加え、事業者ヒアリングで事業の市場性があることを確認し、PFI-BTO方式を導入しました。当初からPFIを導入するため、民間提案余地が大きく、県民や事業者の声を聞くことが重要であると考えております。  現在、事業の要求水準書案を公表しました。事業者から質問や意見を募っているところですが、この案では、PFI事業の趣旨を踏まえ、県建物の配置、構造、遊具の種類などについて、民間の知恵、提案を引き出しやすい内容となるように留意をしたところです。今後の資材や人件費の動向なども注視しながら、引き続き丁寧に手続を進めてまいります。  加えて、住民参加の意見交換会などを通じ、利用者のニーズを基本設計に反映することや、地域の様々な主体と連携したプログラムの実施などを義務づけておりまして、ソフト、ハード両面で県民の意見が反映される施設を目指したいと考えております。  公共施設の整備、運営につきましては、昨年度から外部専門人材の公民連携推進監を配置しております。また、公民連携を所管する課を新設いたしました。それらの組織人事体制で、今、民間活力導入を推進しているところです。  また、各部局次長から成るPFI推進会議で情報共有を徹底するとともに、このPFI/PPPでは一日も二日も長がある富山市さんと地元金融機関で結成されましたとやま地域プラットフォーム、これに後ればせながら入らせていただきまして、こちらでも様々な知見を今積み重ねているところでございます。こういったことも蓄積してまいりたいと思います。その地域プラットフォームでは、民間事業者との情報交換なども活発に行っております。  今後ともノウハウが蓄積できる体制の整備に努めてまいります。PFI法が施行されてからもう20年以上たちますが、本県では実例が1件もありません。その遅れを取り戻すべく、様々な手段を使って知見を積み重ねていって、特に委員おっしゃるように、この新川こども施設、順調に運ぶように丁寧に進めてまいりたいと思います。 112 藤井委員 ありがとうございます。  新川こども施設の所管は、今、地方創生局地方創生・移住交流課だと認識しております。富山県にとって初のPFIの成功事例にするためにも、ぜひこの部局だけでなく、県庁挙げてのバックアップ体制でお願いしたいと思います。  また、御答弁あったように、今年度からとやま地域プラットフォームの運営は、たしか富山市から富山県に移管されているものと思います。失敗事例からの学びも含めて、県庁内のノウハウの蓄積をぜひお願いしたいと思っております。  続きまして、今回追加提案された補正予算案についてお伺いします。  国は補正予算で、重点支援地方創生臨時交付金1.6兆円を追加しております。この交付金は、低所得世帯への支援枠と物価高騰の影響により厳しさが増す生活者や事業者への支援をする推奨事業メニューの2つに分けられております。  富山県はこの推奨事業メニューの事業費として、交付限度額30.8億円の通知があったと承知しておりますが、この重点支援地方創生臨時交付金を活用した事業の目玉について、新田知事にお伺いしたいと思います。 113 新田知事 去る6日に追加提案させていただきました補正予算案では、本県に配分された重点支援地方創生臨時交付金──切り上げると約30.9億円になります──の全額を活用し、現下のエネルギー価格、物価高騰などにより影響を受ける県民生活、そして事業者さんの活動、これを積極的に迅速に支援するために、広範にわたる対策を講じることにしております。  具体的には、プレミアム商品券の発行支援や省エネ家電機器への買換え促進、EV導入支援などの消費喚起、生活者支援、特別高圧電力を使用する中小企業への電気料金高騰分支援のほか、社会福祉施設、医療機関、農林水産事業者、交通事業者などへの光熱費や、また食材料費への支援、そして賃上げ促進、人材の確保、定着への支援など、現下の社会経済情勢や現場のニーズを踏まえて、これまでの対策を拡充、延長することとしています。  さらに、これまで多くの企業に活用いただいたビヨンドコロナ補助金を発展させ、中小企業トランスフォーメーション補助金を創設しました。県内中小企業者がエネルギー使用量などを見える化する対策、あるいはDXやGXを通じて生産性向上を図る取組を支援するための事業を計上しております。  コロナ禍からの社会経済活動が正常化している中、より高いレベルの取組に挑戦してもらうため、補助要件を緩和、そして補助上限を300万円から500万円に増やすという拡充も行いました。県内中小企業の生産性向上、そして賃上げを後押しし、デフレからの完全脱却を目指してまいりたいと思います。  この予算案をお認めいただければ、国の経済対策の効果を早期に波及させるために、支援の必要な方々に速やかに届くよう、スピード感を持って取り組んでまいります。 114 藤井委員 私も国の補正予算がすぐさま県の、特に支援が必要な世帯であったり事業者に届くよう願っております。  私は、知事がおっしゃる県民のウェルビーイングを向上させる先進県にするんだと、そういう意欲的な取組に関しては賛成する立場です。  一方、県民のウェルビーイングの実現には、令和の時代に合ったウエルフェアの政策の充実が必要なのではないかと思っております。  ちょっと資料を御覧いただければと思います。  また、片仮名ばかりだと怒られそうですけども、改めて私、社会福祉士の国家資格の勉強をしたときの資料をひっくり返して見直したんですけれども、日本語で言うと、ウエルフェアもウェルビーイングも福祉という言葉に訳されるんですが、この言葉の定義は異なっております。ウエルフェアは社会的弱者の保護、救貧的な意味合いが強く、ウェルビーイングは個人の自己決定の尊重をしていくもの。これはピラミッドのような構造だと思っていまして、いわゆる基幹的なところが基盤になるのがウエルフェア、国家や行政が行うウエルフェアであり、その上にあるのが個人の自己実現、いわゆるウェルビーイングという構造になっているものだと理解をしております。  こういう意味でも、県のウェルビーイング実現に至るには、このウエルフェア施策の充実が欠かせないと感じているんですが、本当に県のウエルフェア施策が十分なのかという疑問も抱いております。  まずは、独り親家庭支援についてですが、この資料を御覧いただければと思います。  これは子供の生活状況調査において、独り親世帯とふたり親世帯の世帯収入の状況を比較したものになります。下が独り親世帯になるわけですけれども、生活困窮の状態が明らかになっております。  追加補正予算では、こどもの生活・学習支援事業というものが計上されております。その狙いをお伺いしたいのと、加えて、独り親世帯により直接的な生活支援策が必要なのではないかと考えますが、国や市町村の支援策も含め、県が把握している支援状況を松井こども家庭支援監にお伺いいたします。 115 松井こども家庭支援監 今回の国の経済対策を活用した、こどもの生活・学習支援事業の狙いは、子供への学習支援を行う中で、進学段階で貧困の連鎖を断ち切るため、今ほど委員から御紹介ありました資料のとおり、独り親世帯は収入の水準が低い割合が高いということで、そういったことから、経済的課題を抱える独り親家庭などの子供に対して受験料や模試費用を支援することで、進学に向けたチャレンジを後押しするものでございます。  また、独り親家庭に対する国や県、市町村の支援策は様々なものがありますが、例えば、国制度によるものとしては、県と市における児童扶養手当の支給、県は町村分となりますが、それから生活安定に資する看護師や保育士等の資格を取得するため、養成機関で就業する場合に、生活費の負担を軽減する高等職業訓練促進給付金の支給などがあります。  また、県の支援策としては、国補助を受け、入居している住宅の家賃相当額の貸付けを行いまして、その貸付けから1年以内に就職され、1年間継続して就業されたときは、貸付金の償還を免除する住宅支援資金貸付などがあります。  それから、市町村の支援策としては、県補助制度を活用した独り親とその子供の医療費の助成、それから、放課後児童クラブやファミリーサポートセンターの利用料の助成などがございます。  さらに、県独自の支援策として、これまで生活支援給付金の支給や商品券の配付を行いましたほか、今年度は県産品や生活必需品などの応援セットの提供などを行ったところでございます。 116 藤井委員 ありがとうございます。  たくさんの支援策がありますよということだと思うんですが、私も一度聞いただけでは全く分からないような形です。  このアンケートの中でも、子供の生活状況調査の中でも、その支援が届いていないときに情報自体が受け取れていないというか、知らなかったので支援を受けられなかったという人の数もそれなりにあったと記憶しております。そういう意味では、支援策がしっかりと届くように、情報の提供というところにもぜひ配慮いただきたいと思います。  また、独り親家庭支援について、改めてその部局横断組織であるこども未来PTが令和4年度から設置されていると承知しています。これまでこのこども未来PTでは、どのような課題が整理され、どのような支援が必要だという議論があったのでしょうか。  次年度の予算編成方針では、県のウェルビーイング指標を活用していくことが示されております。ぜひ、独り親家庭のウェルビーイング度といったものもしっかり捉えた施策を期待しているんですが、このあたりについて、松井こども家庭支援監にお尋ねいたします。 117 松井こども家庭支援監 独り親家庭の支援に関しまして、庁内のこども未来プロジェクトチームにおいて、支援の必要性の高い子供や、子育て家庭の支援体制の強化をテーマとして協議しているところでございます。  独り親家庭はふたり親家庭に比べて、仕事と家事、育児の両立が困難で、経済的に厳しい状況に置かれている場合が多いと考えられることから、先ほども申し上げましたが、今年度新たに、県産品や生活必需品などの応援セットを提供したところでございます。  また、独り親家庭の9割以上が就業しており、平日に相談する時間を確保することが難しい方も多く、委員から今ほど御指摘ありました、情報を得る機会が少ないことも課題として挙げられ、現在、独り親家庭の相談、情報提供のさらなる充実強化について検討しているところでございます。  それから、昨年度実施しました、今ほど御紹介いただきましたこどもの生活状況調査の中で、ウェルビーイング度の評価として、生活の満足度が高い方──0から10の11段階のうち6以上を選択された割合ですけど、0は全く満足していない、10は十分満足している、その6以上──を回答した割合が、ふたり親家庭の小学生は82.3%、中学生は72.7%、一方で、独り親家庭の小学生は75.0%、中学生は68.5%で、いずれも低い結果となっております。  今後、こうした検討結果や調査結果などを踏まえまして、必要な支援策について検討していくとともに、来年度に改定作業を行います「ひとり親家庭等自立促進計画」の中でも、独り親家庭におけるウェルビーイングの向上策について検討してまいります。 118 藤井委員 ありがとうございます。ぜひ次年度も積極的な取組をお願いいたします。  今度は、こちらの写真を御覧いただければと思います。  これ、何だと思いますか。尾山委員、これ、何だと思います?  答えはこちらです。児童公園。真ん中にあるジャングルジム、分かりますか。これがまさしくこっちではジャングルになっています。ジャングルジムがそのままジャングルになっているわけですが、写真で言うと、この写真が今年の4月に撮ったものです。先ほどの写真が10月に撮ったものです。6か月でこんなになっております。どうしてこうなったんでしょうかと。  富山県の児童公園ですが、県営住宅が所有する児童公園になります。県営住宅の中にある児童公園ということで、県営住宅条例の第21条と22条では共同施設に位置づけられまして、その維持管理や費用負担は住民が行うものとされています。  しかし、県営住宅のうち、この団地もそうなんですが、高齢化が非常に進んでいまして、現在、この住宅も含めて65%を超えている団地が幾つかございまして、住民の自治による維持管理ができなくなってきています。時代の変化に伴い、救貧的な支援や障害者支援の入居条件を見直してきて、そういった県営住宅の役割も変わってきているわけであります。  そういう中で、共同施設だから住民でよろしくというようなことでいいんでしょうか。そういう意味では、ずばり条例改正が必要なのではないでしょうか。  また、公営住宅の維持管理においては、学生を活用した先進事例があります。愛知県の豊明市では豊明団地学生居住プロジェクトがありまして、もう9年になっているんですが、藤田医科大学の学生が35人居住し、まちかどお助け隊などの活動を通じて、自治会の運営、地域包括ケアの実践に取り組んでいます。  富山県でも、富山県立大学の学生が太閤山の県営住宅に入居し、町内活動の担い手となるモデル事業が、2022年から実施されていますが、こちらは太閤山の60号棟の5戸、5住戸5戸のみと極めて限定的になっています。このモデル事業、せっかくですから、他の県内大学や専修学校に広げてみてはどうかと考えますが、条例改正の必要性と併せて市井土木部長に所見をお伺いいたします。 119 市井土木部長 県営住宅では、家賃が低廉に抑えられ、住宅に困窮する方々に御入居いただいているところでございます。  ただし、集会場や植栽など共同で必要な施設につきましては、委員御紹介のとおり、条例に基づき、修繕が県、維持が入居者の負担とされており、各団地の自治会活動の中で担っていただいているところでございます。  現在、高齢者や障害者の入居率が高いことから、御指摘のとおり、その活動による維持が難しくなっている団地もあると伺っております。  御紹介の平成27年に始まった豊明団地のプロジェクトでは、地域医療福祉拠点の形成に向けた取組の一つとして、愛知県の医療系私立大学の学生が校舎に隣接するUR都市機構の団地に割安で入居され、地域の行事やボランティアに取り組まれているところでございます。  本県でも、令和4年から太閤山県営住宅の空き住戸を、地元の自治会活動に参加することを条件に低額の家賃で県立大学の学生に提供する、学生居住支援モデル事業を実施しております。  現在、募集した5戸に入居する学生の皆さんが、定期清掃や除雪活動など、地域活動に参加されているところで御報告もいただいております。  こうした取組は、学生が入居することで世代間の新たな交流が生まれるきっかけとなり、高齢化が進む団地の自治会活動の活性化につながるものと考えているところでございます。  時代の変化を受けた県営住宅の役割を見据え、条例改正等の対応の御提案もいただいたところでございますが、まずは、昨年度から始めて現在進めておりますこのモデル事業につきまして、入居学生や団地の自治会に状況を伺い、ほかの学校等の意向や県営住宅のほかの団地の空き状況を考慮しながら、事業の充実や他団地への展開について検討してまいります。 120 藤井委員 そうなると、市井土木部長、この写真の状態はずっと維持したままということでよろしいでしょうか。 121 市井土木部長 今御指摘の現下の草刈りに係るところの負担の軽減につきましては、各自治会の意見を丁寧に伺いながら、居住者の負担が少しでも軽減されるよう、例えば、児童遊園の一部を雑草の生えにくい仕上げや防草土に置き換えるなどの工夫ができないか検討してまいります。 122 藤井委員 児童公園ですからね、ここでどうやって児童が遊ぶのかという話もありますし、高齢の町内会長にお話を伺うと、何とかしたいと思うんだけど、昔は自分たちでやっていたんだけど、もう俺も80を超えてくる中で、もうできんわと。どうしたらいいがかねと。僕、その声を聞いて、自分でやろうかと思ったぐらいです。  でも、本当にそういう意味では、こういった困った県営住宅はたくさんあると思いますので、よく入居者の方の御意見を聞いていただければと思っております。  続きまして、不登校対策についてであります。  本定例会でも、澤崎議員、嶋川議員、寺口議員をはじめ、多くの議員から不登校対策の指摘がありました。  また、本定例会には、富山県社会福祉士会から、「学びの保障に向けた不登校対策を推進するため県内全域で取組みを求める請願」が提出されております。  令和4年度の文科省の調査では、県内の不登校状態にある児童生徒は、小中学校で1,000名当たり30名、高校において1,000名当たり19.2名となっております。  不登校状態となる要因は児童生徒によって様々であり、個人の心の問題と特定される方もあり、意外と個人の心の問題なのではないかと思われる方が多いかもしれませんが、取り巻く環境や、体調の問題であったり、そういう意味では、一人一人に対しての調整、支援が必要になってきます。  そのためにも、学校における相談指導体制の強化は喫緊の課題であると考えますが、富山県内の不登校対策の現状について、荻布教育長にお伺いいたします。 123 荻布教育長 県内においても、不登校児童生徒数は全国と同様、増加傾向にあり、その要因は多様で複雑化しております。学校における相談指導体制の強化は喫緊の課題でございます。  県教育委員会では、子供たち一人一人の社会的な自立と、誰一人取り残されない学びの保障を目指して、不登校の予防や早期からの支援のため、子供たちの悩みなどを相談できるスクールカウンセラーや、家庭を取り巻く環境の調整や支援のためのスクールソーシャルワーカーの配置拡充に努めております。  また、今年度は、教員が子供からの小さなSOSに気づけるように、そのポイントなどを示した事例集をテーマごとに6種類、順次作成をして、県内全ての学校に配付し活用してもらうとともに、スクールカウンセラーのスーパーバイザー3名を新たに配置しまして、学校外の施設に通う子供やその保護者がカウンセリングを受けられるようにもしております。  さらに、外部施設の代表の方にも参画いただいている不登校児童生徒支援協議会では、よりよい連携の仕方について協議を進めておりまして、多様な学びの場における支援や連携に努めております。  また、市町村教育委員会において、子供たちのメンタルヘルス上の変化や小さなSOSを察知して積極的支援につなげるため、1人1台端末などを活用した心の健康観察や相談ツールを導入するといった取組も行われてきているところでございます。 124 藤井委員 ありがとうございます。  いろんな支援体制があるとおっしゃられました。  スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの役割の違いというのは、意外とどうでしょう、分かっていらっしゃるか分かりませんが、スクールカウンセラーは基本的に学校の中にいて──いてというか時間が限られていますが──生徒個人の問題に対応していきますが、スクールソーシャルワーカーは環境の問題に携わるということで、家庭なり何なりにちょっと影響があるのであれば、家庭側に訪問をしたりするのは多くはスクールソーシャルワーカーがやっていると聞いております。  でも、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーはかなり密接な状況で、個人と環境の接点の中に、その課題の解決だったり、そういった支援の在り方があるということで、そういう意味では、富山県社会福祉士会がスクールソーシャルワーカーの一部分を担っているわけですけども、今回の請願で、「校内教育センターの設置を促進し、専任の指導者及びスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをスペシャルサポートチームとして配置する」ことで、児童生徒への相談支援体制の充実と教員の負担軽減が図られるとあります。要は、校内教育支援センターの中にスクールソーシャルワーカーもスクールカウンセラーも同時にいられるような状態。今はばらばらに運営するケースもやっぱりある。会議ではもちろん同席するんですけれども、ある程度同席できるような環境づくりというのが必要なんじゃないかと聞いております。  嶋川議員からも、校内居場所カフェという提案が今議会でありましたけれども、私もソーシャルワーカーの一員として、ぜひ積極的な校内での相談支援体制の整備を新田知事に求めたいと思います。 125 新田知事 不登校児童生徒が増加する中、その対策は喫緊の課題であり、誰一人取り残されない学びの保障に向けて取り組んでいるところで、それは先ほど教育長がお答えしたとおりです。  その中で、校内教育支援センターについては、自分の学級に入りづらい児童生徒が、落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習、生活できる学校内の居場所として、国においてもその設置を推奨しているところです。  本県では、一部の市町村で校内教育支援センターを設置しているほか、ほとんどの小中高等学校で、校内教育支援センターに準ずる場所として、空き教室を活用した相談室などを設けています。  県の教育委員会では、全ての小中高等学校にスクールカウンセラーを、全ての中学校区などにスクールソーシャルワーカーを配置し、その拡充に努めています。  また、小学校では、教室に入りづらい児童の話し相手や悩み相談、家庭との連携支援を行う子どもと親の相談員を12校に配置しています。中学校では、教育相談の専任教員であるカウンセリング指導員を35校に配置しております。そのほか、富山大学と連携し、休み時間などに生徒の話し相手となる大学生の心のサポーターを5校に派遣し、児童生徒に応じた柔軟な相談体制づくりにも努めています。  相談支援の充実、教員の負担軽減の両面から、御指摘のように、チームで組織的な体制の充実を図っていくことが大切です。  今後とも、スクールカウンセラーなどの配置拡充に努めるとともに、校内教育支援センターなどでの相談支援体制の充実を図ってまいります。
    126 藤井委員 ありがとうございます。本当に全校に広げていただきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、ふれあいコミュニティ・ケアネット21事業についてお伺いいたします。  実は今回、ウェルビーイングとウエルフェアの関係性をテーマにしたんですが、有賀厚生部長との会話からヒントをいただいておりまして、有賀さんとは、ウェルビーイングの実現というのは、ウエルフェアとウェルビーイングをつなぐ共助の仕組みみたいなものも大事だよねという話をしまして、私も同じような問題意識を持っているわけです。  その中で、富山県が平成15年から全国に先駆けて実施してきたケアネット21という共助の仕組みがあります。これは誇れることではあるんですが、令和6年度、次年度から、これまでの県単独予算での支援ではなく国の補助事業を活用するよう、各市町村や市町村社会福祉協議会に呼びかけていると聞いております。  これまでのケアネット21の評価とその課題、また、新年度に向けての補助体制を変更したことの意図について、有賀厚生部長にお伺いいたします。 127 有賀厚生部長 平成15年度から、今御紹介いただいた県内で取り組まれておりますケアネット21事業によりまして、要支援者への見守り、話し相手など個別支援活動にとどまらず、要支援者の生活課題に地域住民や関係機関、専門職が一体となって、地域全体で支援する体制づくりが進んできております。  地域住民同士による支え合いの活動として、住民参加による福祉コミュニティーづくりにつながるなど、地域の総合的な福祉活動として定着が図られているものと考えております。  また、主な課題としては、未実施地区への拡大、活動のさらなる活性化、支える側の住民の負担軽減や担い手の確保などが挙げられます。  こうした中、令和3年度、国において重層的支援体制整備事業が創設され、県といたしましても、市町村に対して重層事業への移行を支援していくこととしております。  令和4年度からは、新たに地域における多世代の交流や居場所の確保を目的とした地域づくり事業に対する国庫補助メニューが創設されております。  これは、ケアネット21事業における、ふれあいサロンの開催などのふれあい型事業の実施内容が補助対象となるということで、これまで県単独事業として実施してきておりましたケアネット21事業の一部に、新たに国庫補助の活用が可能となったわけでございます。  このため、県といたしましては、来年度からは、ケアネット21事業の全体の補助体系を見直すこととしまして、具体的には、ふれあい型事業については補助メニューを廃止しますけれども、重層事業等を活用して事業を継続することとして、現在、市町村や市町村社協と調整をしているところでございます。 128 藤井委員 ありがとうございます。  今年の初めぐらいですか、ケアネット21事業の補助がなくなるというな話で、どうなるんだと、一時期こういう地域福祉をやっていた人たちにはあったんですが、要は、国の補助メニューなので変わらないよという理解でよろしいでしょうか。 129 有賀厚生部長 御指摘のとおりでございます。 130 藤井委員 ありがとうございます。  先ほど有賀さんからもありました、2020年の社会福祉法の改正によって重層的支援体制整備事業が新設されております。これは、児童、障害、高齢と分野ごとに分かれていた地域福祉を横断的に、家族まるごととか、地域まるごととか、あとは断らない相談支援というようなキーワードで再構築することを目指していると私は理解しているんですが、これはある意味、ケアネット21の思想と非常に似通っているんのではないかと思っています。  そういう意味では、ケアネット21のある富山県であれば、この重層的支援体制への移行はスムーズだったんじゃないかなと思ったんですが、現実はそうでもないというふうに思っております。  現在、富山県内での重層的支援体制整備事業への移行状況はどうなのか、また移行できていない市町村に対する支援について、有賀厚生部長にお伺いいたします。 131 有賀厚生部長 県内市町村における重層的支援体制整備事業の現在の実施状況は、氷見市が事業創設時の令和3年度から、また富山市が令和4年度から取り組まれております。  また、今後の予定といたしましては、令和6年度からは高岡市、南砺市、射水市及び舟橋村の3市1村が実施予定と伺っています。  さらに、魚津市さんは今後の実施に向けた体制整備を図るため、来年度、関係機関等との連携体制を構築する移行準備事業を実施される予定と聞いております。  県では、令和3年度から市町村職員や市町村社協職員を対象に、県の福祉顧問──大橋謙策先生ですけれども──や学識経験者による講演や、全国の先進市による実践事例の紹介などを内容とした研修会を開催しているほか、適宜、市町村への同事業に係る情報提供や事業実施への積極的な働きかけを行っているところであります。  県としては、今後とも希望する市町村が円滑に重層的支援体制整備事業に移行できるように、積極的に市町村への後方支援に努めていきたいと思っております。 132 藤井委員 先ほどの準備段階である魚津市も含めて、これで6市1村になると思うんですが、富山県は15市町村あるわけで、そういう意味でいくと、8市町がまだ移行についての準備もなかなかできないという状況のような感じがしますが、これはどうしてそうなっているか、何かお答えいただけますでしょうか。 133 有賀厚生部長 市町に聞いてみないと、もちろん実際のところ、そこまで突っ込んで聞けているわけではないと思いますが、ただ、今おっしゃったような8市町についても、時期は未定ながら実施する可能性はあるという姿勢でお答えはいただいているところです。  なので、そこがもし目詰まりというか、何か問題があるのであれば、こちらでまたお聞きしたり、これはやはり、確かに県が直接首根っこをつかまえてやらせるわけにはいかないものでありますけれども、大変重要なものでありますし、その重要性や意義というのがもっとしっかり伝わって取り組んでいただけるように、またこういった研修会や、いろんなお話を聞いていただく機会を設けていきたいと思っております。 134 藤井委員 よろしくお願いします。  非常に難易度の高い事業であると私も理解しておりますが、ぜひ御支援をお願いいたします。  最後に、関係人口創出や人づくりの環境整備について3問御質問したいと思います。  1万人以上が参加した富山マラソン2023ですけれども、これまでと異なり、参加者の評価が非常に低い状況です。例えば、ランナーのポータルサイトRUNNETというものがあるんですが、この評価は、2023の富山マラソン63.7点、2年前は94.0点、前年度は79.1点でしたから、大きく評価を落としています。ちなみに、1位はオホーツク網走マラソンの95.2点。近県では、金沢マラソンが87.1点、長野マラソンが85.5点となっています。口コミの内容も、富山マラソンへの運営の厳しい指摘も結構見られております。  6時間台以降のランナーの方に食事や水などの飲料が提供できなかったということもあって、実際、ペースメーカーの方からも、命の危険もあった、看過できない状況だったと怒りの声も聞かれました。  富山マラソンは県外から参加者も多く、先ほど知事からも、ふるさと納税の体験型返礼品になっているという御紹介がありました。せっかく関係人口の創出の機会であるイベントですけれども、このままだと富山の評判を落とすことになりかねません。今回のイベントの反省と今後に向けた取組について、廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。 135 廣島生活環境文化部長 先月5日の富山マラソン2023には、県外からの約6,000人を含む過去最多の1万4,646人の参加がございました。当日は晴天に恵まれましたが、スタート時の気温が21度、フィニッシュ地点では最高で25度を超えて、季節外れのという表現が正しいのか分かりませんが、ランナーの皆さんには厳しい気象環境であったということです。  今、委員から御指摘されたとおり、いろいろな御意見をいただいております。まず、最も多数の御意見があった給水でございますが、晴天で最高気温21.8度であった昨年の大会の消費量に、申込者数の増加も加味した飲料水と紙コップを準備しました。しかしながら、暑さのため、水を体にかけられるランナーが続出し、途中で補充も試みましたが、ステーションの中には、混雑した上に水と紙コップが不足したところがあったということです。  今後、今回の結果を踏まえて、十分な数量の確保、また、飲み水とは別に、水やひしゃくを各ステーションに用意するなど改善を検討していきたいと考えております。  また、次に多数の意見がありました給食につきましては、昨年も不足したステーションがありましたことから、13ありますステーションのうち3番目以降の各ステーションで、参加者数と同数程度の個数を準備するなど充実を図りました。この結果、コース後半ではトータルで昨年の2倍に増やしたところですけども、一部のステーションでは不足が生じたということです。  今後、ますずしなど人気が高い富山ならではの食品の充実、またステーションごとの配置数、ランナーの皆様方への周知も含めて検討を進めていきたいと思っております。  給水等が命に関わるという御指摘については、真摯に受け止める必要があろうかと思っております。ランナーの皆さんからいただきました意見を一つ一つ検証し、次回の大会に向けてできる限りの対応を考えていきたい。また、ボランティアの皆さんの対応など、高い評価もいただいているところもございます。そうした点も持続できるよう、一層満足度向上を目指して取り組んでまいります。 136 藤井委員 ありがとうございます。  今、部長おっしゃられたとおり、ボランティアへの評価は非常に高いですし、ボランティアの皆さんの努力が、こういった水が不足してしまっているというところで、一気に評価を落としてしまっては非常にもったいないと思っております。それこそ、ごみ袋に入った水を手ですくって飲んだとかというようなすごいレポートもあったものですから、ぜひまた改善のほうをよろしくお願いいたします。  次に、また資料を提示させていただければと思います。こちらの写真を御覧いただければと思います。左側の写真は耕作放棄地ではございません。富山北部高校のサッカー部のグラウンドです。  実際見に行きましたが、非常に凸凹や傾斜があって、こんなところで本当に練習しているのかという率直な感想を抱きました。  富山北部高校といえば、旧水橋高校との統合によって県内唯一の体育コース設置校となっております。その統合効果もあって、運動部活動が活性化して、野球やサッカーは県大会予選で準優勝という成果も出ているところでありますが、実際のサッカー部のトレーニンググラウンドはこのような状態です。  もう1つ、右の写真は石動高校のトレーニングルームになります。石動高校はホッケーの強豪校ですが、玄関横の吹きさらしの、本来であれば石油や灯油などを備蓄するようなところですかね、そういった場所で生徒が筋トレをしているという状況でありました。  このように、県立高校のスポーツ強豪校であっても、トレーニング環境が劣悪であったり、技術指導者が不足していたりする問題を抱えています。県内の中学生には、よりよいスポーツ環境を求め、県外の高校を選択する生徒もいます。  体育コース設置校や部活動指導に特徴を持つ県立学校においては、施設整備や指導員を投資という観点で強化することも必要ではないかと考えますが、荻布教育長の所見をお願いいたします。 137 荻布教育長 県立学校の施設設備については、グラウンド整備を含め、学校施設全体の老朽化への対応を進めておりまして、長寿命化改修、また施設の維持管理のための修繕、空調設置など、様々な施設整備に努めているところであります。  グラウンド整備については、前回の整備から20年以上経過し、経年劣化などによって使用に支障が出ているものから順次改修を実施しているという現状でございます。  一方、部活動指導についても、教員配置に加え、部活動指導員やスポーツエキスパートなど、実技指導力を持つ外部人材の配置充実にも努めております。  御紹介のありました富山北部高校でございますが、令和2年4月の高校再編での旧水橋高校との統合により、普通科に県内唯一の体育コースが引き続き開設をされたということもありまして、サッカー部をはじめ、野球部、カヌー部など、運動部の活躍が著しいところでございます。  学校からは、グラウンドの約半分、サッカー利用部分──写真にあったところだと思いますが──の人工芝化の要望が出てきておりますが、整備には大きな投資が必要となります。  近隣施設の利活用など活動状況も勘案し、また県立高校全体のバランスも踏まえまして、これまでの整備方針を基本としつつ、学校からの要望の丁寧な聞き取り、また現地確認などを行いまして、整備の緊急性や必要性、課題などについて整理の上、対応していきたいと思います。  また、指導者についても、学校の意向も踏まえながら、今後も外部人材のさらなる活用も含めて配置充実に努めたいと考えております。 138 藤井委員 ありがとうございます。  ちなみに、富山北部高校のサッカー部のグラウンドは、ボールが正しく蹴れないし止まらない、思いどおりに走れないし止まれない、氷の上か田んぼの上でサッカーをする感じ、跳ねるボールに注視しなければならず、周囲の状況把握や判断が困難になるという、サッカーにとっては致命的なグラウンドでございます。県外の高校との練習試合もできないぐらいの状況だということで、ちょっとこれはやっぱり整備が必要ではないかと思いましたので、また御検討をお願いいたします。  では、最後になります。  先日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。東京都が令和6年度から所得制限を撤廃し、高校の授業料を実質無償化すると、都議会で小池知事が表明されたことは記憶に新しいと思います。  これは、我々地方から見れば、東京一極集中を助長し、地方創生に逆行するような取組になるのではと大きな懸念があります。  また、大阪府も令和6年度から段階的に高校無償化を進めるとしております。  財源の多い自治体だけが手厚い教育支援をするということは、教育の公平性からも、私自身、大きな疑問があります。  国に対して、東京一極集中の是正はもちろん、教育の機会均等の確保など、ぜひ強く求めていくべきだと考えますが、新田知事の御所見をお伺いしたいと思います。 139 新田知事 人口減少が続く中で、人口動態、経済活動面で東京への一極集中が続いておりまして、行政サービスの財源となる税収も東京都への集中が続いています。  自治体の財政力の差によって、地方創生や子育て、教育の施策に地域間格差が生じることは望ましくないと考えております。  県ではこれまでも、重要要望や全国知事会の場において、国に対し、税源偏在の是正や移住の促進、政府機関の地方移転、東京23区内の大学の定員増加抑制措置の適切な運用、地方大学の振興など、東京一極集中是正に向けた取組を提言、要望し続けてまいりました。  また、授業料支援に係る国の高等学校等就学支援金についても、県議会と共に国に対して制度の拡充を要望しています。  昨年末に閣議決定された国のデジタル田園都市国家構想総合戦略では、デジタルの力を活用して地方創生を深化、深めて加速化し、東京圏への過度の一極集中の是正を図ることとされています。  県としては、引き続き地方が中長期的な視点による地方創生施策を展開できるよう、また、教育の機会均等を図る観点から、所得に応じた格差や都道府県間での格差が生じないよう、全国知事会などとも連携をして国に働きかけてまいります。 140 藤井委員 ありがとうございます。  全国知事会を通じて、ぜひ力強い発言を期待しております。  終わります。 141 井上副委員長 藤井委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  再開時間は3時10分といたしたいと思います。                      午後3時00分休憩                      午後3時10分開議        宮本光明委員の質疑及び答弁 142 瘧師委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  宮本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 143 宮本委員 皆さん、どうも御苦労さまでございます。  本定例会の中でも、たくさんの議員の皆さん方が御質問されて、若干内容が重なる点もあると思いますけれども、質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  まず1番目に、本県の経済状況への対応と施策の展開方法について、何点かお伺いをしたいと思っています。  我が国の経済は、このコロナ禍の3年間を乗り越えて改善しつつあると思っております。  2023年の4月から6月期のGDPは、名目、実質とも3四半期連続のプラス成長となり、過去最高水準だと言われているわけであります。  県内の経済状況も、この新型コロナ5類以降、経済活動正常化の動きが活発化し、内需の押し上げにより個人消費は緩やかに回復しつつあり、景気は持ち直しつつあるという認識を私も実は持っているわけでありますけれども、しかし、残念ながら、皆さん御承知のとおり、この輸入物価の上昇に端を発する物価高の継続は、県民生活や事業活動を圧迫し、回復に伴う生活実感や業績の改善を妨げているという現状にあるのではないかと思っております。  そこでまず、本県経済の現状をどのように受け止めているのか、商工労働部長にお伺いいたします。 144 中谷商工労働部長 県内における個人消費につきましては、大型小売店の販売額が堅調に推移し、新車登録台数は自動車用半導体不足の緩和で前年同月比10%以上の増加が続くなど、緩やかに回復しつつあると考えておりますが、食料品や光熱水費をはじめ、消費者物価指数の上昇が続いております。  また、県内の春闘における賃上げ状況は、連合富山によると、賃上げ率は全体3.5%、中小企業においても3%前後と、前年同時期の2%前後に比べ高い水準にありますが、名目賃金から物価変動の影響を差し引いて算出された全国の実質賃金指数は、18か月連続で前年同月比を下回っており、物価上昇に追いついていないという状況にあると認識しております。  また、生産につきましては、鉱工業生産指数が7月から8月にかけて前年比で一時マイナスになりましたが、9月に前月比で7.1%上昇しておりまして、持ち直しの兆しが見られます。  しかし、企業の皆さんからは、エネルギー価格の高騰が収益を圧迫しているといった声が多く聞かれますほか、海外景気の減速懸念から、顧客の設備投資意欲が低下している、物価高や中国市況悪化等による需要減退の中では、コストアップを製品価格へ十分に転嫁し切れないといった声も聞かれるところでございます。  また、北陸財務局の法人企業景気予測調査によれば、製造業、非製造業ともに従業員が不足ぎみと答える企業が多く、中小・小規模事業者にとって厳しい経営状況にあると考えております。 145 宮本委員 今、答弁いただいたとおり、それぞれの指標等々があるわけでありまして、確かに実態を把握していると感じています。  中でもやはり大企業中心に、利益であるとか、人材がそれぞれ流れていっているのが現実問題かなと思っています。  そうした中で、総合経済対策を受けた国の補正予算が11月29日に成立したことから、先日、今議会において、一般会計約324億4,000万円強の大型の県補正予算案が追加提案されたわけであります。  今ほど部長の御答弁にあったとおり、本県はこの中小企業、小規模事業者が多いわけでありまして、県内企業の大部分約99.7%を占めているわけであります。また、御答弁等々含めて、経済情勢の影響をもろに受けていると実は感じているわけでありまして、特に中小企業、また小規模事業者にとっては、現下の資材や燃料等の価格高騰でありますとか、人手不足などの目の前の課題への対応に追われて、なかなかこのDXや人材の育成等々の将来への投資が見えない現状にあると私自身も理解しているわけであります。  先般のこの追加補正予算案の流れの中でも、特にこうした中小企業に対して、生産支援や消費喚起のプロジェクトの支援、中小企業のトランスフォーメーションの補助金など、当然このビヨンドコロナ応援資金、新規融資枠の拡充等々含めて、中小企業や小規模事業者に対する支援が提案されているわけですが、この支援がどのように今回の補正予算案に盛り込まれ、また実行していくのか、商工労働部長にお伺いしたいと思います。
    146 中谷商工労働部長 御説明する機会をいただき、ありがとうございます。  県内の中小企業・小規模事業者は原材料の価格高騰等分が販売価格に十分転嫁できていないこと、人材確保のための賃上げを迫られていることなど、厳しい経営状況にあると認識しております。  このような中、適切な価格転嫁の下、DXや省エネ、人への投資等による生産性向上のための支援が必要不可欠であると考えております。  このため、追加提案いたしました補正予算案においては、中小企業トランスフォーメーション補助金の創設を盛り込んでおります。中小企業等が、今、委員からお話がありましたように、DXやGXの実現に向け、直面する自社課題を見える化するための診断アドバイスを受ける費用を助成することにしております。  これは、今お話がありました、どのように取り組むべきか分からないという声を私どももよく聞いておりますので、ぜひそれにお答えをしたいということで、その課題解決に向けた取組とともに、アドバイスとそれに伴う設備投資を併せて支援していこうというものでございます。限度額も従来の300万円から500万円に引き上げております。  また、賃上げと設備投資を支援する賃上げサポート補助金は実施期間の延長、それから、非正規雇用労働者の処遇改善を図るためのキャリアアップ奨励金については、今、国が取り組む年収の壁対策というものにも、これでしっかり対応していきましょうということにしております。  もう一つ、企業経営に必要な人材の育成を支援するリスキリング補助金については、従業員個人が自発的にリスキリングを推進する、そういったものを企業が支援をする、それも支援していきましょうということで、新たに対象に追加することを盛り込んでおります。  引き続き、県商工会連合会をはじめ、商工団体、金融機関、新世紀産業機構などの中小企業等支援機関や労働局等の皆さんと協力し、これらの支援策が必要とされる事業者の皆さんに行き届くよう取り組んでまいります。 147 宮本委員 御説明をしていただきまして、ありがとうございます。非常に重要なことだと認識をしております。  この後この質問をすると、私の場合は、天に唾をするのか、ちょっと分からなくなりますので質問はいたしませんけれども、これだけ多くの事業や制度とか本当にたくさんあるわけで、どれも重要なことだという認識ではありますけれども、私の関係する団体も含めて、なかなか従業員や職員から、そういった多くの企業に十分伝わっていかないと、こういうジレンマを実は抱えているという声も多く聞くわけで、それぞれの立場でみんな努力をしているわけですけれども、その辺がやはりなかなか多くの企業の皆さん方に伝わりづらいというのが率直な思いであります。  私の元へ戻ってきても構いませんので、部長、何かその辺の、どうもっと広く皆さんに理解をして周知してもらうかということについて、何か所見があればお聞かせください。 148 中谷商工労働部長 いろんな会議でそういうお話をお聞きしていまして、実際にアンケートを取ってもそういう声をお聞きするところでございます。  正直、全く利用するつもりがない方には、必ずしも届かなきゃいけないというわけではないと思うんですが、やはり必要とされている方にいかにしてこの制度を知っていただくか、それを活用していただくかというのは、商工会連合会の皆さん、商工会議所の皆さん、金融機関の皆さん、こういった方々を通して、各企業に入り込んでいる方々にしっかり私どももお知らせをして、また、ホームページとかそういった新しい取組も今後検討していきたいと思いますので、そういった中で努力をしていきたいと思います。  どうぞよろしくお願います。 149 宮本委員 ぜひよろしくお願いいたします。  今ほどの答弁も含めて、もちろん、コロナ禍も当然そうでありましたけれども、平常時においてでも、知事も含め、中小企業、また小規模事業者の支援には大変御尽力をいただいているという認識でありまして、引き続き、ぜひ御尽力賜りたいということと、やはり今回のこの補正予算案が、無事この本会議で成立するという運びになれば、何とか一日も早く事業者の皆さん方に届くように、引き続きの御尽力をお願いを申し上げたいと思っております。  次に、ウェルビーイングの県民意識調査等々含めた企業のウェルビーイングについて若干触れようと思っておりますが、先ほど、このウェルビーイングのことだけでも私が十分まだ理解してない流れの中で、ウエルフェアというまた新たな課題を藤井委員から突きつけられて、自らの実力のなさを今痛感しておるところでありますが、めげずに、その辺について何点かお伺いをしたいと思っております。  ウェルビーイング県民意識調査が行われて、調査結果の速報が11月1日に公表されたわけであります。  ウェルビーイングの議論をした当初から、この調査の意図するところは、それぞれ個々の問題もそうですが、1つには、様々な分野ごとの、また段階ごとの状況の分析等が可能になる、非常に重要な指標だと何度も御説明を聞いたと思っています。  そういうことを前提として、特に県内の従業者数や付加価値額、ともに約3割を占める製造業について若干お伺いをしたいと思います。  今回の意識調査の中で、県内の製造業の企業経営者及び従事しておられる人のウェルビーイングの現状について、他業種と比べてどのような傾向が出ているのかということについて、まず知事政策局長にお伺いしたいと思います。 150 川津知事政策局長 令和5年度のウェルビーイング県民意識調査は、7月から8月にかけて実施いたしましたが、業種別に比較できるもののうち製造業と非製造業──具体的には答えていただける方が働いていらっしゃれば業種をお伺いしていますので──そちらに関して特徴的なものを御紹介いたします。  まず、現在の生活の満足度でございますが、満足度が高い方の割合を見ますと、製造業では46%の方が満足度が高いと。非製造業では50%ということで、4ポイントの差があったということ。そのうち、さらに経営者の方に限ってみますと、製造業では51%の方が満足だったと、非製造業のほうは58%でしたので、若干下回っている状況にあります。  また、働きがいにつきましても調べておりまして、働きがいがあると感じている方の割合は、製造業の方は28%で、非製造業の方は47%でしたので、こちらのほうは19ポイント下回っているという形です。経営者の方に限ってみましても、製造業は26%で、非製造業の49%、やはり23ポイントぐらい下回っていると。  ただ、もう一つ、働きやすさというところも聞いておりまして、働きやすいと感じていらっしゃる方は、非製造業、製造業、両方5割を超えていらっしゃるんですが、実は経営者に限ってみますと、非製造業の方は5割以上の方、58%だったんですが、製造業の経営者の方は39%ということで、5割を切っていらっしゃると。こういったようなことでありまして、ただ、業種別のサンプルは、業種別に聞いているものですから若干ばらつきがあるということで、おおむねの傾向ということで御留意いただければと思っております。 151 宮本委員 調査結果の数字について、一喜一憂するとか、何というか、卑下するということではもちろんないと思いますし、私どももなかなか理解できないと言いつつも、こうしていろいろな業種別であるとか、従業員の皆さんやまた経営者の皆さん方、それぞれの立場で、こうした数字を拾い出していけるというのはなるほどだなと理解しつつあるわけであります。  今回のこの調査についても、今、若干お話しいただいた流れの中では、サンプル数が多少少ないという問題があったり、いろいろあるけれども、特に製造業の経営者は、従業員の皆さん方にとって、ウェルビーイングの傾向としては数字的にちょっと低い結果が出ていると受け止めさせていただきます。  そのことを顧みると、私も立場上、多くの製造業を営む中小企業の経営者の声をお聞きすると、皆さんと同じように、今の社会情勢の中で、なかなか将来展望が見いだせないという話や、後継者はいるんだけれども、跡を継いでくれるかどうかちょっと分からない、また一方で、本当にこのような状況の中で継がせてよいのかも分からないという声も大変多く、また、その時々の経営を維持するだけで精いっぱいだという声を私なりに多く聞いていると思っている次第であります。  やはり、このような現状と将来への不安が、今回のこうした意識調査の結果にも出ているのかなと感じているわけでありますが、逆に言えば、今回の調査結果を受けて、特にこの製造業の経営者に向け、今後どのような施策を推進するのか問われると思っていまして、商工労働部長にその辺もお聞きしたいと思います。 152 中谷商工労働部長 将来展望が見いだせないというお話も少しありましたが、少子高齢化に伴う人手不足、それからデジタル化が急速に進展をしていること、カーボンニュートラルなど国際標準化や、SDGsといった国際的な要請があるということで、県内中小企業を取り巻く環境は大きく変化しつつある真っただ中にあると考えています。  こうした状況を踏まえまして、現在、県では、ものづくり産業の持続的な発展につなげるため、ものづくり産業未来戦略の改定に取り組んでおります。若手経営者や実務を担う方々の作業部会で、現在意見交換を進めているところであります。GXなど政府の戦略や投資重点化の最新の動向を踏まえた施策を示して、企業が目指す方向性のヒントとなる戦略としたいと考えております。  その上で、経営者を含め、企業で働く方々が自社の理念やビジョンを共有していただき、それに向かってチャレンジし、自らの成長が実感できる経営に取り組んでいただきたいと考えております。  このため、1つには、経営者の方々を対象としたセミナーを充実強化していくということを検討しております。  また、今回追加提案した中小企業トランスフォーメーション補助金では、DX、GXの実現に向けて、人材確保に課題のある中小企業が専門事業者と連携して取り組めるように、コンサルティング経費を含めて支援するということにしております。  加えて、事業承継につきましては、初期診断等の費用の支援、県制度融資での保証料率を引き下げるといったことを実施しておりますほか、中小企業の新たなチャレンジを支援するために、国が推進する経営者保証の提供を不要とする制度の活用促進につきまして、県においても、県信用保証協会や金融機関とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。  経営者と従業員のウェルビーイングの向上が、新たな付加価値の創造を含め、生産性の向上につながって、それが企業等の成長や魅力を向上するという好循環を目指して取り組んでまいりたいと思います。 153 宮本委員 今ほどいろいろな施策のことについて触れていただきました。調査結果も含めて、やはり製造業、特に中小企業という観点からも、賃金や将来の見通しなどいろんなことがあるとしてでも、逆に社長というか経営者と従業員の方は近い位置にあって、ひょっとしたら、うまく心が通じたり、会社の中でいろんな議論ができることによって、また一緒になって新たな展開ができるという、その可能性というのは逆に大企業と比べて物すごくポテンシャルを持っているような気がしています。そうなればなおさら、県全体の施策をつくっていく作業部会の中でも、現場の声を取り入れていくとか、また、企業経営者の皆さん方がそういったことを考えるコンサル業務を含めたいろんなことに手を伸ばしていく、そして経営者と従業員が一緒になって会社の将来を議論する、こういう明るいイメージを持てるような施策の展開を進めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。  ウェルビーイングの調査のことについて触れてきたわけでありますけれども、最近、ウェルビーイング経営といった言葉も実は耳にするようになったわけであります。  先月、日本経済新聞主催のウェルビーイングシンポジウムが開催され、紙面にも、ウェルビーイングの可視化を人的資本経営に生かすといった特集も組まれるなど、大企業を中心に波及し始めているのではないかなと私自身感じているわけであります。  県においても、成長戦略のウェルビーイング戦略プロジェクトチームにおいて、働く人すべてがいきいきと働きがいを実感できるウェルビーイング経営の推進、これを重点検討課題に据えて取組を進めているということであります。  ここで私が発言すると、いつも分からんとかばかり言っているように思われるかもしれないのですが、やはり先ほどから申し上げているように、中小企業や小規模事業者にとっては、何度も申し上げるように、足元の対応や、先ほどから皆さんいろんな御答弁もいただいていることも含めて、何をどう取り組めばいいのか分からないという声があることは事実と思っていて、やはりなかなかそういったことが伝わっていないというのが率直な思いであります。  そこで、この県内企業のウェルビーイング経営の推進について、どのような戦略で取り組もうとされているのか、知事にお伺いしたいと思います。 154 新田知事 今ほど宮本委員がおっしゃったように、トップと社員の距離が近くて、いつも顔が見えているような企業でしたら、例えば社長のことをおやじと言うような会社だったら、私もこんなややこしいことは言わなくて、おやじと社員が和気あいあいと意見交換する。「おまえ、最近元気ないやないか。元気出せよ」と、これがウェルビーイングが高まる一番の近道だというふうに思います。  ただ、やはり一定程度以上の企業になると、人数も多くなり、いろいろな仕掛けも必要だと思います。  私は、そこで出てくるのがウェルビーイング経営だと思いまして、従業員のウェルビーイングを高めて、企業で働く一人一人が、生き生きと自分らしくやりがいを持って能力を発揮していくことで、企業の中長期的な成長につなげていく、そんな企業経営の在り方をウェルビーイング経営と言っています。  これは、従業員の創造性や生産性も高める、また欠勤率あるいは離職率は低めるといった、そんな効果が期待できるという学術的な研究もあります。  県内の動きとしては、例えば富山経済同友会ではウェルビーイング小委員会が組織されていまして、7月にはウェルビーイング経営に関する講演会も開催されました。また、JC富山ブロック協議会と県では、先般、ウェルビーイング推進に関する連携協定を結びました。両方の経済団体では、会員企業、経済同友会、約430名ということは430社、それからJC富山ブロックは約500社、これらの会員企業への浸透の取組が今始まっているところです。  また、県内の幾つかの企業においても、従業員を大切にするという大前提、これが理念の基ですね。例えば、今日よかったことを3つ挙げて社員全員で共有するというスリー・グッド・シングス、こういったことを実施する。ちょっとしたことかもしれませんが、それを毎日実践するということが意味があるんだと思います。あるいは、従業員の資格取得を支援するなど、ウェルビーイング経営に向けた取組が進みつつあると理解しています。  こうした中で、県では何をやっているかというと、中小企業大学校と連携して、ワークエンゲージメント講座というものを開催しています。  また、成長戦略カンファレンスにおいて、ウェルビーイング経営に取り組む先進企業の事例を紹介するなどの取組、それを横展開するということを進めています。  今後も、成長戦略会議のウェルビーイング戦略プロジェクトチームというのがありますが、この議論も踏まえて、「働く人すべてがいきいきと働きがいを実感できるウェルビーイング経営の推進」をテーマに据えて、関係先と情報共有をしたり、また、来年度予算編成に向けた施策の検討などを進めて、中小企業の皆さんのウェルビーイングが高まり、働きがいを実感できるように取り組んでいきたいと考えております。 155 宮本委員 知事の御答弁を受けて感じるのは、先ほど中小企業の話も申し上げたとおり、このウェルビーイング経営は、会社で働く一人一人が生き生きと自分らしく、やりがいを持って能力を発揮することができる、企業の成長につながる、こういったようなことがなるほど重要なことだなと思いましたし、創造であるとか、欠勤率を防ぐとか、もちろん離職云々等々含めて、まさに重要なことだと思っています。この話を最初からもう一度繰り返して申し上げると、ぜひ積極的に推進していただきたいということでありますし、今度はやはり進め方の中で、例えば、僕は昨日、たまたまテレビを見ていまして、アイスのガリガリ君を作っている会社の新入社員が1年間で1,000個の新しいガリガリ君を発想するのがノルマだという番組を見ていて面白いなと。ついひねくれると、1,000個も作れというのはパワハラにならないのかと思ってみたり。でも、従業員の皆さん方がインタビューに答えているのを見ると、会社の中で自分に与えられる仕事があって、その発想が認められて商品化になっていくというのは、もうまさに夢のような世界で、そういったことがやはり中小の企業の中でも実践できるように、我々の立場もいろいろと寄り添っていくことが重要だと思います。やはり政策の推進に当たっては、ぜひそういったことに寄り添っていただきながら推進をしていただければありがたいと思っている次第であります。  それでは、次に、ウェルビーイング指標の活用について伺いたいと思います。  先般、知事が推し進めるウェルビーイング指標の策定と政策展開の取組が、国の地方公共団体における統計データ利活用表彰において最高賞となる総理大臣賞を受賞したということでありまして、大変喜ばしいことであります。  実はこのことについて、知事の感想を聞く質問を通告するのを忘れました。知事、ぜひ一言、このことについて知事の御感想をお願いいたします。 156 新田知事 総理大臣表彰ならもっとよかったんですが、総務大臣表彰でありまして、それでも大変名誉なことだと思っています。  ただ、これは期待が7割の賞だと思っています。我々はまだ、具体的に何も成し遂げていないので。でも、そういったことに想像力を発揮して指標をつくったねということに3割の御褒美、そして残り7割は、あとこれをしっかり活用して頑張れよという期待が7割の賞だと思っています。謙虚に受け止めて、これを励みにしてしっかり活用していきたいと考えております。 157 宮本委員 突然すみません。総務大臣賞の受賞でありまして、喜ばしいことだと思っております。  そうした中で、この10月下旬に発表された来年度の当初予算編成方針において、全ての部門において、このウェルビーイング向上効果等を勘案して施策を検討するとのことであります。  また、ウェルビーイング指標を活用した課題解決に係る経費については、要求上限なしでの要求を認めるという、こういった方針も示されたわけであります。  予算編成方針においては、施策設計図、要は、ウェルビーイング向上を意識した事業の整理に基づいてということだと聞いておりますけれども、このウェルビーイング指標を活用し、パッケージとして新たな企画立案した事業には優先的に配分することが発表されているわけであります。  いつも批判的な話ばかりするわけではないのでありますけれども、ウェルビーイングを推進されて以来、庁舎内のいろいろな進捗状況はどうでしょうかとか、県民の理解度はどうですよとか、こういった話が再三されているわけでありまして、庁内にウェルビーイング指標の活用方法が本当にどこまで浸透しているのか、若干、私自身は気がかりな部分があるわけでありまして、各部局において、政策立案過程でどの程度利用されているのかということについて、知事政策局長にお伺いしたいと思います。 158 川津知事政策局長 今ほど知事からもありましたが、まだまだこれからということではありますが、ウェルビーイング指標を活用して予算編成を行うためには、まず県職員それぞれが、施策の対象となる県民の皆様がどういった意識、どういう像かということを十分意識した上で、その方々のウェルビーイングを想像する必要があるものと考えております。  このための準備といたしまして、職員向けの庁内広報や研修、講演会等を通じまして意義を伝えるとともに、指標の活用方法の周知に努めております。  現在、各部局で作業中でありますが、実際の来年度の予算要求作業におきましては、新規重点事業を要求する際には、まずターゲットになります具体的な県民像を明らかにした上で、向上させたいウェルビーイング指標を特定し、実現したい未来像、テーマに係る現状、課題、指標向上の観点から見た事業の必要性を整理してもらっているところであります。  また、もう一つ、全部局において重点配分の対象となります施策のパッケージ、先ほど御紹介いただきましたパッケージの策定に向けた検討も進めていただいておりまして、その際には、部局の枠にとらわれないテーマを設定した上で、今ほど御紹介もいただきましたが、施策の設計図をつくりまして、縦割りを排して関連する事業のパッケージづくりに取り組んでいるところであります。  施策パッケージを策定する際には、ウェルビーイング推進課のほうが伴走支援をしつつ、職員同士で指標を意識した議論を進めることとしておりますので、まだ途中ではありますけど、職員の理解は徐々に深まっているものと感じているところであります。 159 宮本委員 ここまで知事が上限なしで政策に反映すると、おっしゃっているのに、そのことがなかなか浸透し切れていないというような発言にはもちろんならないわけですし、そうならないようにしていくということであると思うので、そこはしっかりと精査をしていってほしいと思っています。一方で、県庁内にはたくさんの事業があって、もちろん、そのことの必要性云々等についても議論されていることは十分承知でありますが、そのことによって非常に事業が進捗したりとか、関係する皆さん方もたくさんおられるということも含めていくと、どこに予算を集中していくのかという部分と、多くの声なき県民の声にどう応えていくのかということが政策の重要な部分だと思っています。まだまだ県民の皆さん方にも、なかなか十分分かったぞという声が少ないという状況も含めて、しっかりとこういった政策に生かすということであれば、精度を高めていただくことが重要だと思っていますので、要望をしておきたいと思っております。  また、今回の予算編成方針におけるもう一つの柱、これは知事の政策の柱と申し上げてよいと思いますが、新しい社会経済システムの構築に係る経費についても、要求上限なしでの要求は認められているということであります。  知事は、新しい社会経済システムの構築に積極的に取り組むということで、議会答弁等の中でも何度かこの言葉が出ているわけでありますけれども、正直言ってなかなか具体的なイメージが湧きにくいというのが私の率直な思いであります。  そこで、この新しい社会経済システムの構築について、具体的にどのような姿を目指しているのかということについて、知事にお伺いをしたいと思います。 160 新田知事 ウェルビーイングの向上と経済成長の好循環をつくり出していこうというのが富山県成長戦略の基本的な戦略であります。そして、それをしっかりと持続可能に回していくために必要なのが、未来を担う人づくりと新しい社会経済システム、この2本の柱ということです。  まずは今日、新しい社会経済システムの構築ということについて御質問いただきました。  残念ですが、人口減少社会です。社会構造も大きく変わっています。それで、従来の常識を見直していかなければならない中で、社会課題は多様化しますし、また複層化して、もう本当に複雑にもなっています。  そんな中で、質の高い行政サービスを提供することが我々には求められています。  そのためには、これまでにない新しいビジネスの形、あるいは業務プロセスなどをつくり上げていかなければなりません。そして、県と民間、あるいは県と市町村、富山県と近隣県、これらの役割分担や連携なども果たしていかなければならないと考えています。  まず、その新しいビジネスの形や業務プロセスの構築ですが、ここは我々職員も一生懸命考えてはいるんですが、そこにさらに外部の有識者の知見も大いに取り入れていく。そのために成長戦略会議の委員で議論を進めているところであります。  成長戦略会議の親会というのは11人でやっています。さらにその下にプロジェクトチームというものをつくって、そこにも多くの有識者に入ってもらっています。そんな方々と議論を進め、そして具体的な政策に取りまとめていく。そして、毎年──先日も10月に開きましたが──成長戦略カンファレンスというものをつくっています。ここでも様々な議論あるいは提案なども受けています。  ここで出てきた様々な政策が、例えば本県独自の、先ほどの質問にもありましたウェルビーイング指標を政策形成に組み込んでいくという取組、これも新しい社会経済システムの一つです。  それから、ウェルビーイング経営、先ほどの質問にもありましたウェルビーイング経営を進めていくということ、これも新しい社会経済システムの一つです。  また、起業家の育成支援のための支援者の育成も含めたスタートアップエコシステムの構築、これも今富山には残念ながらない。そんなものも新しい社会経済システムの実例です。  そして、これも最近話題になっていますが、「寿司」をフックとした一点突破のブランディング戦略も新しい社会経済システムの実例と思っていただきたいと思います。  そして、何よりもデジタル化による行政手続の効率化など、これはもう待ったなしでどんどん進めているところでございます。これも新しい社会経済システムの一つと思っています。  また、次の市町村などとの連携の件ですが、これも先ほどまでの質問でも取り上げられていますが、公共交通について、地域交通サービスを公共サービスとして位置づけて、城端線・氷見線の再構築に沿線市と交通事業者と共に取組を進めておりますが、県内15市町村と一堂に会した「ワンチームとやま」連携推進本部会議での忌憚のない議論、これも私どもの言うところの新しい社会経済システムであると言えます。  また、近隣の県とは北陸三県知事懇談会あるいは三霊山連携協定、これらの締結なども進めています。  民間との連携という意味では、空港のコンセッションを着々と今進めているところです。  また、先ほど藤井委員の質問にもありました新川こども施設でのPFIの取組など、このように、多様な社会課題への対応、新しい価値の創出を進めていく、新しい枠組みをこの3年間、曲がりなりにもつくってきたと私は思っております。  今後も、この新しい社会経済システムの構築を不断に進めていく必要があり、これが富山県のさらなる発展、そして「ウェルビーイング先進地域、富山」が持続的に続いていく、そのようなことにつながっていくと考えております。 161 宮本委員 ありがとうございます。  どの項目を取っても、知事がおっしゃる一つ一つの推進の私が同感できる部分は、人口減少の社会であったり、価値観の違いであったり、多様性であったりとかで、どんどん大きく社会が変わっている中で、どういう社会をつくっていくのか、どういう県をつくっていくのかという意味においては、一つ一つ非常に重要な案件だと思っておりますので、私ももちろんそのことについて一緒になって推進できればと思うわけでありますが、最後のほうで、「ワンチームとやま」の連携推進会議のお話も出たわけであります。  先般の瀬川委員からのウェルビーイングに関する質問の中で、市町村との連携について、まだまだ不十分ではないかという話があったり、また知事政策局長からは、市町村との連携は重要で進めていくというようなことであったわけですけれども、やはり県が直接県民に対していろいろな施策をどんどん推進していくという、これももちろん重要ですし、新たな取組をしていくということは非常に重要だと思っています。一方で、例えばウェルビーイングの向上施策についても、市町村の施策の中に、言葉だけを入れる必要はないと思いますが、何となくそのワンチームの中で議論がされているのかいないのか、形が見えてこないなという気がしています。やはり県が一生懸命推進しようとしても、市町村のそれぞれの事業の中で、こういったものが取り入れられていくとか、そういったものを進めようとする姿勢は非常に重要だと思って、強制するわけにもいかないけれども、県と市町村が同じ方向を向いた形で進んでいかなければならない、若干その部分がまだ不足しているのではないかと感じております。  今後どのように市町村と連携して施策を展開していくのか、知事にお伺いしたいと思います。 162 新田知事 今、曖昧で、いろいろなものが変動し、不確実で複雑な時代と言われています。そんな中でも、住民のウェルビーイングを向上させて、幸せを実感できる富山県を次の世代に引き継いでいくことが我々に課せられた使命です。そのためには、変化を恐れることなく、政策の展開を図っていかなければならないと考えます。  一方で、変化をしながらも、住民に対して安定的に行政サービスを提供していくこと、それには、我々広域の自治体である県と基礎自治体たる市町村がしっかりと連携し施策を展開していくことが非常に重要だと考えております。  このため、今年度、「ワンチームとやま」連携推進本部会議での指標や県の取組紹介、そして希望する市町へは県民意識調査データの提供を行っております。委員おっしゃるように、これをやれと市町村長さんに強制することはできませんし、したくもありません。望まれるところには様々なデータややり方などを提供する、そんなことを今やっています。  先月、県の職員向けのウェルビーイング講演会を行いました。日本の第一人者を招いてお話をいただきましたが、そのときも市町村の職員の皆さんにもお声がけをして聴講いただいたところです。来られた方々は積極的に質問もされ、大いに持ち帰っていただけたと思っています。  一方、ウェルビーイング指標を活用した政策形成ですが、現在、県としても新たに予算編成の中でその具体化に努めています。住民の皆さんのウェルビーイングの状況を意識しながら、政策を立案する際には、県だけではなく市町村と連携して取り組むべき施策も出てくると思います。  こうした施策の連携はもとより、ウェルビーイングを意識した政策形成手法についても、県において好事例をつくり出して、それを市町村にも展開できるように取り組んでいければと考えております。  予算編成でのウェルビーイング指標の活用は全国的にも例がなく、とてもチャレンジングなことです。新しい社会経済システムの形成にも資するウェルビーイング政策を構築して、その意義を私からもワンチームの場などで直接、市町村長の皆様にもお話をし、市町村への共感を広げていきたいと考えています。 163 宮本委員 ありがとうございます。
     市町村長さん方はもちろん市町村長さん方で、自分のまちの市民、町民、村民の皆さん方の課題に直面して、なかなか新たな展開や新たな事業をという、そんな余裕もない部分もあったりとか、大変厳しい環境におられるとは思っています。  ただ、やはりこうしてワンチームの会議等で、首長さん方が忌憚のない意見交換をできる機会があるとすれば、そういったところで知事の思いをしっかりとお伝えされて、県と一緒になって方向性を見いだしていくということが今後も重要だと思っていますので、ぜひ御尽力いただければと思っています。  次に、人材育成という観点から若干お伺いしたいと思います。  今定例会において、県立高校の再編の在り方や高等教育の将来像等について、大変多くの議論がされたと思っております。もちろんその観点は、再編の在り方であるとか、内容のことであるとか様々でありますけれども、総じて、将来を担う児童生徒の育成や、本県教育に対する関心の高さということで、皆さん方の大変熱い思いが伝わってきたと私も思っております。  知事の政策の柱である「未来に向けた人づくり」についてでありますけれども、多様化する社会の中で、今後どのような人材、人づくりを目指していくのか、極めて難しいというか重要であるけれども、どういった人材を目指していくのかということも、またこれは難しい課題だと感じているわけであります。  知事も先ほどから何度もおっしゃったように、社会がいろいろ変わってきたり、いろんな思いも変わってくる中で、この政策の柱に位置づけておられる「未来に向けた人づくり」、この各種施策を展開すると言っておられるわけですが、現代社会が直面する諸課題の中で、富山県の発展のためにどのような人づくり、人材育成を目指しているのかということについて知事にお伺いをしたいと思います。 164 新田知事 この時代の変化と多様性に柔軟に対応し、そして果敢に未来を切り開く人材を育てていくことが大切だと考えています。  若い世代が人生を肯定できる、そして生き生きと新しい時代を創造的に切り拓いていけるような教育の仕組みを推進すべきだと思い、G7教育大臣会合の成果文書「富山・金沢宣言」に、ICTを活用した教育、また、社会課題の解決とイノベーションを結びつけて成長を生み出す人材の育成、子供たちの可能性を引き出す教育の実現、国際教育交流の推進に取り組むということが盛り込まれました。これらはまさに、本県の第2期の教育大綱あるいは教育振興基本計画と全く方向性は同じくするものであります。  そして、人づくりといっても、大きく分けて学校教育と社会人ということになるかと思います。まず学校教育ですが、具体的には、1人1台端末を積極的に活用したより効果的な授業の実施、児童生徒が他者と協働、共に働きながら協働しながら、新しい時代を創造する力を育成するための課題解決型教育やSTEAM教育を推進するプロジェクト学習の実施、また、社会の発展に貢献するグローバル人材育成のための高校生の海外派遣、社会に学ぶ14歳の挑戦、社会へ羽ばたく17歳の挑戦、このようなことを行っております。  あわせて、将来に向けた産業や地域づくりを牽引する専門的な能力を有する人材づくりについてですが、経済発展の起爆剤となるスタートアップを創出するために、起業マインドの醸成や突き抜けた起業への集中支援などによる起業家の育成、さらに、デジタル活用が急速に進展する中、県立大学のDX教育研究センターや情報工学部の設置を進め、DX人材の育成強化も図っています。  引き続き、教育については総合教育会議の場などにおいて、時代の変化と要請に応えるため、子供たちに必要な能力を高める育成方針、あるいは適切な選択肢を提供できる教育の在り方について議論を進めてまいります。  そして、DX人材や創造的な人材など、将来を見据えた人材の育成、集積、活用についても議論を深めて、未来を担う人材づくりに努めてまいりたいと考えます。  私どもにできることは、こういう人間、そういう人間像を提示はします。でも、こういう人間になれよということは、それは私はおこがましいことだと思っています。環境を整え、選択肢を提供する。そして、一人一人、子供も大人も自己決定をしていただく。そんな選択肢を適切に提供することが、私たちが人材育成についてできることだと考えております。 165 宮本委員 その中で、知事もおられた中小企業人材育成県民会議において、委員の中から、人手不足の対応や高度デジタル人材の育成等々、現下の人口減少下での人材育成についていろいろな意見が出されたわけでありますが、特に高等教育機関の関係者から、人材育成と言うけれども、人が足りないから人が欲しいのか。いや、そうではなく、このような技術、能力を備えた人材を育成してほしいと、そういった声がなかなか県から聞こえてこないよという御意見もあったように思いますけれども、先ほど知事がおっしゃったこの新しい社会経済システムづくりのために、求める人材というものも明確にしていく必要があると思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。 166 新田知事 先ほども、従来の常識が見直される中で、多様化する、また複雑になる社会課題に的確に対応するためには、急速に進んでいるデジタル化、また、脱炭素経営などに専門的な知識を持ちながら、変化に柔軟に対応して挑戦できるクリエーティブな人材が求められていると認識しています。  先月6日、委員御指摘の中小企業の振興と人材の育成等に関する県民会議を開きましたが、そこでも、急速に普及が進む生成AIなど新たなデジタル技術が使いこなせる人材育成の需要について意見をいただいたところです。  県ではこれまで、県内企業のDX推進のために、富山大学や県立大学と連携した各種セミナーによる人材育成の支援や、企業の従業員をDXサポーターとして養成してまいりました。また、県内企業の脱炭素経営実現のため、経営者などへのセミナー等を通じたモデル企業の育成にも取り組んでいます。さらに、生産性向上や成長分野への挑戦のための人材へのリスキリングも支援しています。  現在、成長戦略会議の新産業戦略プロジェクトチームにおきまして、県内企業のDX・高付加価値化支援や脱炭素化に向け、カーボンニュートラルなどの国際標準化への対応も重要であると。また、クリエーティブな人材の育成、活用などについても議論をしています。  その中で提案された新たなビジネスモデルなど、新しい社会経済システムづくりに必要な経営層を含むビジネスマンのDXに関する基礎的な知識やスキル、マインドを整理して、その底上げを図ることが大切です。  また、カーボンニュートラルなど国際的に対応するべき企業課題にも適切に的確に対応して、新たな成長分野へ挑戦する人材の育成支援に努めていきたいと考えております。  これが今考えていることです。 167 宮本委員 社会の現場、高等教育等々、話をしたわけですけれども、県立高校の課題についてもいろんな議論がある中で、県立高校の魅力の向上や新たな学科の新設についても様々議論がされているわけですけれども、現場でどのような人材育成が重要となってくるのかということも、今、極めて重要かと思っていますが、知事のお考えをお聞きしたいと思っております。 168 新田知事 繰り返しになりますが、社会が大きく変化する中で求められる県立高校の在り方について、県教育委員会や総合教育会議においても議論を深めた上で、本年の5月に報告書が取りまとめられました。  その中では、生徒育成の目指す姿を描いております。未来を切り拓いていくための確かな資質、能力と意欲の育成、また、主体的に課題を発見し解決する力や、他者と協働する──共に働く協働する──力の育成、自分と他者を尊重し多様な価値観を認め合う態度の育成、この3点が挙げられています。  この報告書を踏まえて、今年度は、県立高校教育振興検討会議において、高校教育の充実に向けて、魅力向上や学科、コースの見直しなどについて検討が進められています。これについても、今回の議会でも多くの議員から御質問いただいたところです。  これまで、「社会から求められている能力や技術も変化しているので、今の形に合ったような学科の組替えがあってもよい」、また「ITを全面的に学べる学科ができれば、工業科に進む生徒も増えてくるのではないか」などの御意見を今のところ検討会議でいただいています。今後も多面的な視点で議論を進めていただきたいと考えています。  私としても、今後の人材育成を進める上で、高校の在り方については、学びの質の向上、生徒の選択肢の確保、社会の変化やニーズを重視して検討する必要があると考えています。  検討会議の取りまとめを受けて、総合教育会議において、時代の変化に対応した人材育成の観点を重視して、地域や産業界、学校関係者など幅広く意見を伺いながら、丁寧に議論を進めたいと考えております。そのために、来年度は、総合教育会議を5回ほどは開催したいと考えております。  今後もこどもまんなかの視点に立って、高校の魅力ある教育環境づくりを進めてまいりたいと考えています。 169 瘧師委員長 宮本委員、持ち時間が少なくなっております。 170 宮本委員 知事の大変熱い人づくり、教育についての思いは伝わってまいりました。  ただ1点、私が懸念したのは、私どもの会派の代表質問で、教育の権限は全て教育委員会にあるというような御趣旨の発言があったわけであります。それは教育委員会でやってねと、そんなことをおっしゃっているということでは決してないということは十分承知であります。  総合教育会議等々を踏まえて、これからの将来を担う重要な県立高校の再編でありますとか在り方の議論を進める上においては、やはり県のトップである知事が責任を持ってしっかりとやっていくと。このことをやはり皆さんに明確にお伝えをされていくことが、この議論をしっかりとまとめ上げていくことにつながると思っておりまして、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 171 瘧師委員長 新田知事、答弁は簡潔にお願いいたします。 172 新田知事 委員がおっしゃる、平成27年の教育委員会総合教育会議の設置のときの改革の意図はもちろん理解をしているつもりでございます。  私としても、今進んでいる県立高等教育振興検討会議で、今年度末に出る取りまとめを踏まえまして、来年度、総合教育会議において、地域や産業界、また保護者の方々などの御意見を伺うとともに、知事として、県立高校の再編や在り方について、教育委員会との意見交換や議論をより深め、こどもまんなかの視点に立って高校教育の充実にしっかりと取り組んでまいります。 173 瘧師委員長 宮本委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって、本委員会の質疑は全て終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し深く敬意を表します。  これをもって、令和5年11月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。  お疲れさまでした。                      午後4時10分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...