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  1. 富山県議会 2021-12-13
    令和3年県土整備農林水産委員会 開催日: 2021-12-13


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 11月定例会付託案件の審査  (1)  質疑・応答 薮田委員長 本定例会において本委員会に付託されました諸案件の審査に入ります。  付託されております諸案件は、お手元にお配りしてある議案付託表のとおりであります。  これより付託案件についての質疑に入ります。  質疑はありませんか。──ないようでありますので、質疑なしと認めます。  (2)  討 論 2 薮田委員長 これより討論に入ります。  討論はありませんか。──ないようでありますので、討論なしと認めます。  (3)  採 決 3 薮田委員長 これより付託案件の採決に入ります。  本委員会に付託されました議案第134号令和3年度富山県一般会計補正予算(第10号)のうち本委員会所管分外14件及び報告第20号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。  〔賛成者挙手〕 4 薮田委員長 挙手全員であります。  よって、議案第134号外14件及び報告第20号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。  2 請願・陳情の審査 5 薮田委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。  3 閉会中継続審査事件の申し出について 6 薮田委員長 次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。  本委員会の閉会中継続審査事件については、お手元にお配りしてある申し出案のとおり議長に申し出たいと思います。
     これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7 薮田委員長 御異議なしと認めます。  よって、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。  4 県土整備農林水産行政当面の諸問題について  (1)  報告事項    阿部都市計画課長    ・令和3年度サンドボックス枠予算の執行状況  (2)  質疑・応答    八嶋委員    ・農地の確保及び有効利用について    庄司委員    ・園芸作物の生産拡大について    ・農業の担い手確保について    奥野委員    ・空港スポーツ緑地におけるインクルーシブ遊具設置     試行事業について    筱岡委員    ・カラー舗装の整備について    ・「防災・減災、国土強靱化」について    ・米の生産目標について    山本委員    ・アルミカーポートの建築確認申請について    ・単品スライド条項の適用について    ・除雪オペレーターの確保について    菅沢委員    ・有峰林道東岸線の改築について 8 薮田委員長 報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。  質疑、質問はありませんか。 9 八嶋委員 おはようございます。  薮田委員長から目くばせがありまして、手を挙げました。前回できなかった質問の機会を与えていただき、ありがたいことでございます。  今日は冷え込んだ日になりまして、私は地元の放生津のほうで交通安全協会の支部長をしておりますが、先週の土曜日から年末の交通安全県民運動が始まっております。「ゆっくり走ろう雪のふる里北陸路」がスローガンでございまして、取締りが強化されるということを杉本県警本部長から聞いております。皆さんも十分に注意して交通安全に取り組んでいただきたいと思っております。  今朝も街頭指導をやっておりましたが、横断歩道でのハンドサインというのが始まりまして、横断歩道を渡るときは、小中学生もお年寄りの方も、運転手から見えるように手を挙げていただいて、土木部の歩道整備と合わせてしっかり取り組んでいきたいと思っているところでございます。  特に質問とは関係ないのですが、発言の機会がありましたのでアナウンスさせていただきました。 10 薮田委員長 簡潔にお願いします。 11 八嶋委員 昨今、様々な要因で農地が減り続けていることが想像されます。道路開発なら○○団地、あるいは、早い段階で耕作復帰できればということで、円滑な承継や大規模農家の引継ぎなどがあればよいのですが、耕作放棄地や荒地になってしまっては、せっかくの農地がもったいないと思うわけでございます。  最近、遊休農地利用状況調査荒廃農地調査が統合されて、全農地情報が一元化されるということを新聞報道で知ったわけでございますが、その背景と狙いは何なのか、青山農業経営課長にお尋ねしたいと思います。 12 青山農業経営課長 委員御案内のとおり、農地の利用に関する調査につきましては、利用状況調査荒廃農地調査の2つの調査が実施されてまいりました。今年4月から現場段階での負担軽減及び調査の効率化を図るため、2つの調査が統合され、調査主体も農業委員会に一本化されたところでございます。 13 八嶋委員 来年度予算編成を行っていると思いますけれども、調査を行っている市町村農業委員会とともに、今後、優良農地の確保と遊休農地の有効利用についてどのように取り組んでいかれるのでしょうか、青山農業経営課長にお尋ねします。 14 青山農業経営課長 今回、調査の統合に併せまして、遊休農地区分が、周辺に比べて利用の程度が著しく劣っている農地、草刈りなどにより直ちに耕作が可能になる農地、及び整地などの基盤整備により再生可能となる農地の3段階に細分化されるとともに、遊休農地の1筆ごとに面積や現況などのデータの把握が求められるなど、調査内容の見直しが行われております。  その結果、農業委員会が1筆ごとの動態等を把握するなど、遊休農地の状況をより詳細に分析することで、地域の状況に応じた解消目標の設定や、有効利用に向けた具体的な方策の検討につながるものと考えているところでございます。  本県では、農業者の高齢化が進展しております。今後、農地の遊休化や所有者不明遊休農地の発生も見込まれることから、県内の農業生産に必要な農地を営農に適した状態で確保し、遊休化を防ぎ、その有効利用を図っていくことが重要であると考えております。  このため、県といたしましては、農地転用許可制度農業振興地域制度の適切な運用による優良農地の確保や、農業委員農地利用最適化推進委員の活動への支援を通じて、遊休農地の解消に取り組むこととしております。  加えまして、今回調査内容が見直された利用状況調査などの結果を活用いたしまして、農地中間管理機構とも連携の上、遊休農地の発生防止や有効利用に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 15 八嶋委員 農地法の3条、4条、5条も緩和されるようでございます。便利な場所は非常にそれで活用が進むわけでございますけれども、農地バンク──農地中間管理機構がなかなか機能していないという現状もあるし、農地ナビもほとんど更新されていないということも聞いています。農家の高齢化や担い手不足を背景とした耕作放棄地が増加していくことは、やはり心配されるところでございます。ぜひ来年度に向けて、しっかり連携を取っていただければと思います。  結局、富山県も含めて日本は国土が狭いので、もともと農地の確保が難しいところでございます。ぜひ、高齢化対策担い手不足、新規就農を合わせて促進していただいて、荒地解消に来年度もまた取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 16 庄司委員 引き続きまして、私も農業のことについて質問させていただきます。  今ほど八嶋副委員長からもお話しありましたとおり、農業の担い手は高齢化が大変進んでいると思っております。前回は、地域農業について、集落営農や法人などの担い手の質問をさせていただきましたけれども、今コロナ禍で農業に興味を持つ方もたくさん出ておられまして、実際、私も地元で仕事をさせていただいておりますと、やってみたいという方が一気に増えてきたなと肌で感じております。そういった方をぜひ取り込んでいただいて、農業に熱意のある皆さんをしっかり育てていただきたいと思っております。  そして今、人材不足と言われております。定年が60歳、70歳とどんどん延びていくと、皆さんそれぞれお仕事もあって、自治会もそうですけれども、地域の集落営農に関わることがなかなかできなくなっていくんじゃないかと思っています。実際に現場では、高齢化で新しい人がなかなか入ってこないねという声も聞いております。  そういった意味で、担い手を確保することも大事ですけれども、まずは農業がしっかりもうかって、魅力のあるものでなければいけないと思っております。  まず1つ目ですけれども、米の需要が低下する中で、園芸作物の生産拡大ということも非常に大事になってくると思っています。米だけではなくて、年間いろいろな仕事、そして複合経営をすることで、経営も安定していくと思っております。  2031年度を目標年次とする、新たな農業・農村振興計画骨子案の中で、1億円産地づくり事業については販売金額の目標指標を廃止して、事業そのものの廃止も含めて検討中であるということで、今定例会の一般質問で川上議員からも質問があったと思っております。生産拡大は喫緊の課題であると思っておりまして、園芸作物に今後どのように取り組んでいかれるのか、津田農産食品課長にお伺いいたします。 17 津田農産食品課長 1億円産地づくりにつきましては、平成22年度から各JAが定めた戦略品目に対しまして、栽培実証や機械施設の整備等に支援をしてきておりまして、戦略品目全体の販売額は、取組前の平成21年度の4.8億円から令和2年度には13.9億円と、約3倍となるなどの成果があったところです。  しかし、近年の気象変動によりまして、生育状況に応じたきめ細かい栽培管理が十分に行えず収量や品質が安定しないことや、収穫や選別作業等に手間がかかることが多いということで労働力が確保できないなどの課題によりまして、規模拡大が進んでいない事例もございます。  このため、園芸生産の拡大に向けましては、1億円産地づくりの品目も含めまして、地域の特色ある作物生産や、規模拡大に意欲的な園芸産地を中心に収量、品質を向上するために産地をリードする経営体に対しまして重点的な指導を行い、それを産地全体へ横展開するということ、地域の特産ではありますが、手間のかかる品目では、労働力を確保するために作業の受委託を行う農業支援サービスの活用、また、販売面ではニーズに応じた生産に向けた生産者と加工業者等のマッチングなどによりまして、園芸作物全体の拡大を進めていきたいと考えております。  こうしたことから、現在見直し作業を進めております県農業・農村振興計画では、1億円産地づくりの戦略品目に限定した生産額の目標ではなく、園芸全体の生産額目標を設定してはどうかと提案したところでございまして、目標については検討しているところでございます。  引き続き、これまでの1億円産地づくりの成果やノウハウを生かしながら、JAや市町村、農業団体等と連携いたしまして、意欲ある担い手や産地の育成、生産から流通販売までの一貫的なサポートなどによりまして、園芸作物の生産拡大を図っていきたいと考えております。 18 庄司委員 今ほど、産地をリードする法人などに後押しすると言っておられましたけれども、やはり核になる先進的な事例というか、そういったところが非常に大事になってくると思っています。そういったところに担い手が集まってきて、産地の活性化になるのではないかと思っております。  そしてまた、今新しく、園芸作物の1億円産地じゃなくても、本当に意欲的に、イチゴやブルーベリーなど、いろいろなものが広がってきておりますので、そういったことに熱心に取り組んでおられる方にぜひ力を貸していただければと思っております。  2問目は、担い手の確保についてです。  今ほどもお話しいただきましたが、農業の担い手の育成、そしてまた産地をリードする担い手といったところが非常に大事になってくると思っています。  ただ、農業を始めるには、機械や作業所など初期投資が物すごく大きくなります。前回の委員会で、国の方針が変わって1,000万円の補助が検討されているという話を質問させていただきましたけれども、コロナで農業が見直されております。農業をゼロからやってみたい方々をサポートするために、技術もお金もないけれども熱意のある就農希望者を育てる産地ごとの拠点づくりが必要になってくるのではないかと思っています。  今、インキュベーションファームというのも、全国的に少しずつ出てきていると思います。地域の産地づくりにゼロから関わっていけるようなインキュベーションファームを整備して、仲間で共同して切磋琢磨しながら、農業機械や作業所をレンタルできるようなことをすれば、初期投資も少なく済んで、熱意のある方が入りやすい環境ができてくると思っておりまして、農家の指導を直接受けたり普及指導員の方々にもお力添えをいただいて、担い手を育成するような仕組みができないかと思っております。青山農業経営課長にお伺いいたします。 19 青山農業経営課長 就農希望者が栽培技術や経営管理手法等を学べ、園芸を中心に研修用の農場などを備えました、委員のおっしゃるインキュベーションファームなどと呼ばれる研修施設は、全国的に見ても整備されてきているところでございます。  本県におきましては、とやま農業未来カレッジでの研修のほか、特に園芸希望者には、先進農家での研修などを組み合わせ、実践的な技術が学べるよう、市町村と連携して取組を進めているところでございます。これまで、カレッジ卒業生78名のうち11名が県内で園芸作を経営しているところでございます。  また、全農とやまが令和3年7月にチャレンジファームを整備し、運用開始に向けた準備を進めているほか、朝日町では新規就農希望者が、宿泊施設でございます「あさひ農学舎」で生活しながら農業法人等で研修を受講できる体制を整備し、県外から新たな人材の受入れを行っているところでございます。  こうした取組成果を踏まえまして、インキュベーションファームなど、園芸人材の確保手法について検討していく必要があると考えているところでございます。  現在、県農業・農村振興計画見直しの議論の中で、地域や産地が主体となった、人材の呼び込みから就農定着までの一貫した受入れ体制づくりを論点の一つとして御議論いただいているところでございます。  今後とも関係機関と連携し、熱意ある新規就農者の確保・育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。 20 庄司委員 県内でもそういった取組があるということなので、少しずつ広めていただきたいと思います。  未来カレッジは、基になる、種まきみたいなところだと思いますけれども、もうちょっと進んで、現地に入ってみて、少しの面積でもいいからまずは取りかかってみて、経営するのか法人に入るのかといった判断もできるのではないかと思っております。成長に併せて段階的に現地で対応できるような拠点があれば担い手も育っていくのではないかと思っておりますので、ぜひお力添えを賜りますようにお願いします。  また、やる気のある人材を、富山県だけではなくて全国から集めるということも非常に大事になってくると思っております。  今、水橋地区で大型の圃場整備がスタートしておりまして、スマート農業を推進しながら、ニンジンやタマネギ、キャベツなどの園芸作物、高収益作物の普及を目指しておられます。  ただ、この圃場整備は本当に大規模で、実際に担い手が育っていくのか非常に心配しています。圃場整備しても、今ほど言ったように、整備している中で担い手はどんどん高齢化していきますし、冒頭言ったように、なかなか集まらなくなっているのが現状だと思っています。  全国にすばらしい圃場が出来上がるということなので、全国にも発信しながら、しかも、ただ紙を配ったりホームページに載せるだけではなくて、熱意のある方をどんどん引っ張ってくるような工夫が必要だと思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、青山農業経営課長に伺います。 21 青山農業経営課長 委員おっしゃいますように、水橋地区では今、大区画などの圃場整備が進められております。こうした中、収益性の高い農業経営体を育成するため、園芸作物等の導入に取り組むこととしており、御指摘のように、担い手人材の確保が課題の一つと考えているところでございます。  このため県では、県農林水産公社による就農情報サイト「とやま就農ナビ」の開設や、「新・農業人フェア」などの大都市圏での就農相談イベントへの出展等を支援するとともに、昨年度には本県農業の魅力や就農の姿のイメージを膨らませていただくための動画配信やオンライン就農相談など、県内外の就農希望者への情報発信を強化してきているところでございます。  また、とやま農業未来カレッジ入校希望者の多くがホームページ等で情報収集しているということでございますので、現在、カレッジのホームページの内容を見直し、写真等を活用した分かりやすいカリキュラムの紹介など、掲載情報の充実を図ることとしているところでございます。  加えて、コロナ禍により首都圏等での地方移住に対する関心が高まっていることもございまして、都市住民を対象に、地域の特色を生かした農作業などの田舎暮らしを体験する「とやま帰農塾」や、求人中の農業法人等を直接訪問いたします「就農マッチングバスツアー」の開催支援など、様々な機会の提供にも取り組んでいくこととしているところでございます。  引き続き、富山県が就農先として全国の農業に関心を持つ方々に選ばれますよう、本県農業の魅力や就農受入れ体制について情報発信の強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。 22 庄司委員 今ほど動画という話もありました。やはり、そういうものを活用して、分かりやすく伝わるようにぜひ改善していただきたいと思いますし、バスツアーなど、コロナ禍でなかなかできなかったことを今からされるということです。現場を見ていろいろ感じることはあると思います。熱意のある方に現場を見てもらうことは非常に大事だと思いますので、ぜひ力を入れていただきたいと思っております。よろしくお願いします。 23 奥野委員 私からは、先ほど報告事項にございました、空港スポーツ緑地で実施したインクルーシブ遊具設置試行事業について質問いたします。  設置のときにも質問させていただきまして、大変この事業に期待しておりました。設置後はニュース等でもたくさん取り上げていただき、ニュース映像を見た保護者の方から、今どきこういうものがあるんだねと感想をいただきました。  このアンケートについての詳しい解説はありませんでしたけれども、見ておりますと、おおむね好意的な意見が多いのではないかと思いますし、私のところにも、障害のあるお子さんとその兄弟がいらっしゃる保護者の方からは、兄弟一緒に遊べる公園ができて使ってみたけれども、とてもよかったという話もいただいたところであります。  今は、サンドボックス枠での試行設置という形でありましたけれども、このアンケート結果をどのように評価しているのか、阿部都市計画課長に伺いたいと思います。 24 阿部都市計画課長 今回の試行事業では、たくさんの県民の方々に利用していただきまして、また、多くの方にアンケートを通じてインクルーシブ遊具の導入に関して御意見をいただいたところでございます。  アンケート結果からは、683件のうち95%の方が、本公園のゲートボール広場の全部または一部についてこれを改修してインクルーシブ遊具を設置することに賛成ということで、多くの方々がインクルーシブ遊具の常設を望んでおられると考えております。  また、試行設置した3つの遊具でございますが、附帯施設などに関する御意見もございましたが、年齢や障害の有無にかかわらず安心して遊べると、おおむね高い評価をいただいていると考えております。 25 奥野委員 ぜひ常設設置していただきたいと思っております。  サンドボックス枠で試行的に事業を実施するときにも申し上げましたし、アンケート結果の中にもありますけれども、この1か所だけではなくて、これからは、インクルーシブの概念の下、横展開をしていって、子供たちの公園というのは、障害のあるなしや運動が得意か苦手などにかかわらず、使いやすい公園にどんどん変わっていくことが大事だと思っています。  それと同時に、前回も指摘しましたけれども、遊具を置いただけではインクルーシブパークというものは完成しないのでありまして、体の不自由なお子さんや障害の重いお子さんもいらっしゃるので、けがのないように、先行地では、例えば遊具の周りにゴムチップが敷いてあって、砂利や土にはなっていないということや、また、このアンケート結果の中にも、駐車場やトイレが近いと利用しやすいという回答がたくさんありますけれども、駐車場やトイレにつきましても、小さなお子さんを連れた保護者の方が使いやすいものにしていかなくては、全体の空間としてはまだちょっと不十分でないかと思うところもあります。  例えば駐車場1つとってみても、車いすのお子さんの場合は、当然隣の車との幅が必要でありますし、そうでなくても、小さいお子さんの場合、ベビーカーを使う保護者の方がいらっしゃると、子供をそこに乗せたり降ろしたりということで、安全が確保できるようなスペースが必要だと思います。  また、トイレについても、特にこういう公園は多くの未就学児の子が使うことが想定されますので、小さいお子さんたちが自分でトイレを使えるような、例えば手洗い場が低いものの設置も必要であるし、体の不自由なお子さんが使うための広いスペースも必要だと思います。  そういうことも合わせて今後整備を進めていただきたいと思っておりますけれども、どのように取り組んでいかれるのか伺います。 26 阿部都市計画課長 アンケート結果からは、遊具の周辺施設に関しましては、見守りのためのベンチ、休憩所の設置、手洗いの設置、また、駐車場の間隔がもう少し広ければ車いすの乗降がしやすいといった御意見も多くいただいたところでございます。  今後、アンケート結果を踏まえまして、また関係者の方々の御意見もお聞きしながら、今回試行設置した3つの遊具を基本に、委員から御提案ございました遊具の周りの緩衝チップの設置など、施設周辺の安全性、利便性の向上策も含めまして、空港スポーツ緑地での具体的な整備内容について検討してまいりたいと考えております。  また、他の都市公園につきましても、遊具の更新、新設を行う際には、今回の試行事業で得られた知見を生かしてまいりたいと考えております。 27 奥野委員 ぜひ期待をしております。県の都市公園だけではなくて市町村管轄の公園でもこういう動きが広まるように、県としてリードしていただきたいということで、期待を込めて質問を終わります。 28 筱岡委員 八嶋副委員長は今朝、交通安全運動で頑張ってきたということでございますが、それに関係しまして、最近、日が短くなりまして、夕方特に運転しにくくなってきているわけでございますが、私の通勤範囲内で見ていると、赤っぽい舗装や青い舗装の交差点や横断歩道があります。また、ところによっては青くチカチカと点滅したりして、暗いときでもここに横断歩道があるなということで、交通事故防止の観点からも分かりやすくていいのではないかと思っております。  全国でもいろいろなところで事故が絶えないわけでございまして、交差点や横断歩道が特に今問題になっております。カラー舗装や点滅のサイン等、県内での整備状況と今後の方針について、まずはお伺いします。
    29 金谷道路課長 これまでカラー舗装につきましては、主に交通事故防止の観点から、横断歩道や交差点の付近、また通学路などにおいて実施してきているところであります。  具体的には、委員から幾つか御紹介いただきましたけれども、例えば横断歩道におきましては、横断部に引いてある白線以外の部分をカラー化することや、また交差点では、交差点の手前あるいは中をカラー化することで、ドライバーに横断歩道や交差点があることを少しでも見やすくすることで注意を促しているものでございます。  また、歩道がない通学路におきましては、歩行空間を明確化するということで、ドライバーに速度抑制を促すため、路肩部分でございますけれどもカラー舗装などを行っております。  今年度も、歩行空間を明示するものとしまして、県道では堀江魚津線の魚津市住吉地内、あるいは本町高木出線の砺波市鹿島地内などで、路肩部分のカラー舗装などを8か所で実施または実施予定ということでございます。  路面のカラー舗装につきまして、あるいは点滅ということも言われましたが、恐らく歩車道境界ブロックの上で反射する視線誘導や、歩道と車道の区切りを示すものだと思いますが、道路の交通安全対策としては効果的な手法だと考えております。  今後とも、事故が多い交差点や通学路などにおきまして、警察などとも連携しながら、いろいろな手法がありますけれども、それぞれの箇所にふさわしい手法を導入することによりまして、安全で円滑な道路となるよう努めてまいりたいと考えております。 30 筱岡委員 雪国は、特に雪の後、塗装がすぐはげて、春になれば塗装し直しておられると思っておりますが、毎年1回やらなければならないところがほとんどだと思うので、そういう際はぜひ、特におっしゃった通学路あたりの歩道を極力カラー舗装されたほうがいいと思うのですが、どうでしょうか。 31 金谷道路課長 今までカラー舗装してきているところの管理には引き続き努めてまいりたいと考えております。  ただ、歩道の部分の中になりますと、なかなかそれを全て塗り替えるところまで至れるかどうかというのがございます。  車道の部分につきましては、白線を塗り直す際に合わせて、カラー舗装でしっかり塗り直せるように努めてまいりたいと思っております。 32 筱岡委員 当然、交通事故防止の観点からでございますが、できるだけそういう路線を増やしていただきたいということで、よろしくお願いします。  それと、今ちょうど国で大型補正予算案の審議が、今日は予算委員会が行われておりますが、三十数兆円という大規模な補正でございます。その中で、防災・減災、国土強靱化には4兆6,000億円という大きな予算が組まれているわけでございますが、富山県として、単純に言えば、1%なら460億円ほどかなと思ったりしております。  具体的な目標金額はなかなか言えないかもしれませんし、多いにこしたことはございませんが、最低1%程度は富山県に配分されるように努力してほしいと思います。今回の大型の国土強靱化予算に対して、富山県として国に対する要請やその活用について、土木部長の意気込みをお聞かせ願いたいと思います。 33 江幡土木部長 今ほど委員から経済対策の4.6兆円という数字もございましたけれども、これは、大変大きい数字でございますが、公共事業以外も含んだ数字でありまして、例えば原発の廃炉や自衛隊の関係などを含んだ数字だということでございまして、このうち、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策分としては、2.6兆円ということで見込んでおります。  この5か年加速化対策分というのは、全体で15兆円と言われていた数字でございますが、これは今年度を初年度としまして、令和3年度から令和7年度までの5年間でございますので、大体年間3兆円ぐらいが相場の数字でございますけれども、初年度は前倒しで昨年度の補正で計上されましたが、その分が4.2兆円と少し多く出ています。ですから今回の2.6兆円という数字は、大体この2.6兆円が今年度を含めて4年間続くと全体で15兆円というぐらいの相場観だと想定しているところでございます。  今回の補正において、国土交通省は特に、流域治水の推進、インフラの老朽化対策、道路ネットワークの機能強化、道路のり面の防災対策などの分野における取組に、重点的な支援を行うこととしておりまして、県としましては、県民の安全・安心を確保するために、引き続き、河川整備などの治水、土砂災害対策、道路のり面の防災対策、緊急輸送道路等の道路ネットワークの整備やインフラの老朽化対策などを計画的に進めていきたいと考えております。  昨年度の補正で、県土木部の執行分としては97億円ぐらいありまして、国の予算規模から見ると昨年度より少し減っていますので、97億円まで確保するのはちょっと難しいかなとは思っております。ただ、今回の国の経済対策に基づく補正予算をしっかり確保しまして、災害に強い強靱な県土の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 34 筱岡委員 97億円と言ったら、1%に届かないんですね。それだけ国も加速化に、1年前倒しぐらいの勢いで予算をつけてくれているということで、今の与党といいますか国の対策には我々もありがたいと思っておりますので、せっかくの予算を大いに活用していただきたいと思っております。  次は農業で1点でございますが、来年の生産目標が決まる1週間ほど前に、この委員会でも申し上げて、12月3日に県の農業再生協議会で決まったと思いますが、前の委員会のときに部長に、国は対前年比で3%減の675万トンの目標を出したと申し上げました。  国がそういう目安を出したけれども、富山県は当然それより小さい数字で、前にも申し上げたとおり、富山県のコシヒカリは、卸業者といいますか、関東・関西の業者ともに人気があり、しっかりした需要がありますから、そこまで当然下げないでしょうねと申し上げておりました。部長も頑張りますとおっしゃっておられたけれども、12月3日のある報道では、3.1%減という数字が大きく出て、これは国の下げ幅と同じじゃないかということで、富山県の再生協は今年は弱気だったなと思ったりしたところでございますが、実は今年の実績対比では2%減だということもおっしゃるわけでありまして、非常に分かりにくいわけであります。  国と同じ下げ幅だと、富山県の農家が苦労して作っていて、しかも、特にコシヒカリを中心として安定的に需要があるのに残念だという大変な誤解があるわけでございます。その辺、農業者に分かりやすいような説明を、もう一度部長にお伺いしたいと思います。 35 堀口農林水産部長 来年産の米の生産数量目標ということで、本県では、富山県農業再生協議会でいろいろ議論しながら決定をし、公表させていただいております。当然、その検討に当たっては、国が生産数量の目安をその前に出しておりますので、そういうことも参考に出しますし、今の在庫がどうなって、あるいは相対取引価格がどう推移しているかなどのいろいろな状況で、富山米は、委員御指摘もございましたとおり、非常に人気があるということでございますので、そういった富山米の需要なども勘案して決定をしてまいりました。  ただ、国の生産数量の目安も非常に大きな材料でございますので、そういったことを参考にさせていただいております。  国の生産数量の目安でございますけれども、実は昨年11月の公表時点──これは翌年の令和3年産の米の生産数量の目安ということで公表されましたけれども、そのときには、前年の数量目標、目標の目安との比較ということで、昨年は3.3%国が下げますよということでございました。当然富山県もそれを参考にして、昨年は、率までは正確に再生協のほうから資料としては出ていないんですけれども、一応生産数量目標との比較ということで御提示をさせていただきました。  今年の国の発表の仕方でございますが、当然必要数量を勘案しまして、全体で675万トンという数量を出しました。比較は、前年の目標の目安との比較ではなくて、実績比較として今回は、国は公表したということでございまして、委員おっしゃるとおり、それが、平年作ベースですけれども、実績に比べて来年産は3%減ということで、全体で675万トンということで公表されました。当然数字はマイナス3.0%というのが公表されているということであります。  富山県の場合は、再生協でいろいろ議論いたしまして、実際には国が実績との比較で出されたものですから、分かりやすいように広報しましょうということで、実績比較ということで、全体の数量としては富山県は17万2,125トンでございまして、これを前年の実績比較──令和3年産米ですけれども、実績比較として出したのがマイナス2%ということでございます。国のマイナス3%に対して富山県はマイナス2%で来年は作っていこうということで、再生協から公表させていただいたということでございます。  このように、今年は実績比較に変えましたけれども、昨年度までは、目標、あるいは目標の目安との比較で国も県も出していたものですから、一部報道では前年の目標数量との比較で3.1%富山県は下げますよと。国が3.0%減に対して富山県は数量目標比較で3.1%の減ということになりましたので、数字だけを捉まえると国よりもまだ下げるのかというような御指摘だと思います。そのあたりの公表の仕方については、今後協議会でもしっかり協議しながら、丁寧に説明をしていく必要があるだろうと思っています。  一応、公表の資料としてはマイナス2%、これは実績比較ですよということで出しておりますが、やはり一部の報道では少し違った公表の仕方をされたということでございますので、やはりその辺については丁寧に説明していく必要があると思っていますし、当然、県民の皆さんに分かりやすい広報というのは、私どもとしても心がけていかなきゃいけないことでございますので、協議会の中でもしっかりと議論して考えていきたいと思っております。  なお、決定した数字については、面積換算も合わせて出しております。この面積換算と合わせまして、地域の農業再生協議会、あるいはJA、市町村にしっかりと説明したところでございまして、今後、その啓発資料なども作成いたしまして、農業者にはしっかりと説明し、周知をし、そして理解をいただいていくことになろうかと思います。  いずれにいたしましても、いろいろ反省点もございますので、今後の施策に生かしていきたいと思っております。 36 筱岡委員 毎年基準が違ったらいろいろ誤解を招くわけでございまして、その辺、統一といいますか、例年の比較を分かりやすく正確な数字でしていただきたいと思っております。  生産調整は、普通は面積でいくわけですが、大概の市町村の再生協では、目標を出した数字より、実際はどうしても余剰分が出るといいますか過剰に生産調整──どうしてもその数字より上げたらいけないと思うので、結局過剰に生産調整しているのが実態なんです。富山県内でも100ヘクタールぐらい数字が動くのは、大体毎年余分に生産調整して、もったいないなと言いつつも、なかなか細かい数字まで各市町村で調整できないということであります。だから今回も、多分100ヘクタールほどが目標よりも実際は少ないと。  なおかつ、6月に200ヘクタール過剰に調整したこともあるのかもしれませんけれども、同じ生産調整するのでも、本当は主食用米をできるだけ作りたいわけですから、過剰に生産調整する必要がないように、その辺も県に主導してもらえばありがたいと思っているところでございます。これは要望にしておきます。  今年はこれで最後です。来年は寅年です。トラブルなくいい年になるようにお願い申し上げて、終わります。 37 山本委員 アルミカーポートの建築確認申請について質問いたします。  家を建ててから、家の前のところを、随分長い間砂利で放置しておりまして、それをコンクリートにする際に、せっかくだからアルミカーポートを建てることにしました。先にコンクリートを敷いて、コンクリートに穴を空ける機械を持ってきて、頑丈で立派なものを造っていただきました。  最初は、雪をどかすのは大変だし、車の上にたくさん雪が乗っているのが大変みっともなくて、やっぱり屋根が欲しいと思いました。何とか安く済ませたいものですからインターネットなどで見ておりますと、二、三十万円でサンルーフというものがあるんですけれども、業者さんに相談すると、北陸ではこんなものではもたない。やっぱり4本なり6本の柱でしっかり地面にくっつけないと駄目ですよと。それだと100万円を超えていくという話になりましたが、思い切ってそれをつけることになりました。  近所を走っていましても、アルミかどうか分かりませんが、カーポートのない家というのはなかなかなくて、特に新興住宅地を走っていると、ほとんどカーポートがセットでついていると思います。  家を建てるときに最初からカーポート込みで建てる場合には全く問題ないんですけれども、後からカーポートだけ建てようとすると結構大変なんです。4本柱で建てるものだから、建物としての確認申請を取らなくちゃいけないと。そのためにいろいろな調査をしたり、書類を出したりしなければならないということがあって、そのことがいろいろな意味で負担になっているというお話を聞きました。  6月に、アルミカーポートの申請について法改正がされて、一部緩和されたとお聞きしたのですが、どういう内容なのか、本江課長にお聞きしたいと思います。 38 本江建築住宅課長 委員からお話がありましたとおり、国では、アルミ製のカーポートやサンルームなど、アルミニウム合金造の建築物が規制緩和の対象とされまして、建築基準法の関係告示が本年6月30日に一部改正、施行されたところでございます。  その内容でございますが、アルミカーポート等の構造基準やその審査の合理化を図るといったものでありまして、具体的には構造計算──構造計算というのは建築物の強さを計算するものでございますが、この構造計算が必要となる建築物の規模について、これまで50平米を超えるものが計算が必要となっておりましたが、これが、200平米を超えるものに緩和されたところでございます。  また、建築士によりアルミカーポート等が設計された場合、建築確認を受ける一部の審査が省略できる、そういう内容の改正となっております。 39 山本委員 随分と規制緩和されたことは、大変望ましいことだと思います。確認申請に係る手続が省略されるのは、業者さんにとっても、建てようと思う施主さんにとっても、もちろん処理していく側にとっても、お互いにいいことだろうと思います。  緩和されたことによってどんな影響があると考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 40 本江建築住宅課長 アルミカーポートの建築確認においては、これまで、例えば基礎の構造や柱、梁の接合方法など、告示の内容に適合していることを示すチェックリスト、それから計算書等の添付が必要だったということでございますが、今回の告示の改正によりまして、建築士が設計した場合はこれらの図書の添付は不要となり、建築確認申請の負担が軽減されたということでございます。  それから、申請を審査する場合でございますが、これまで、図面の不足やチェックリストの内容に疑義がある場合の再確認など、県や市が審査の際に質疑応答に時間を要することが多かったわけでございますが、図書の省略によりまして審査機関の側でも審査に要する時間や負担が軽減されたことから、申請者と審査機関の双方にメリットがあると考えております。 41 山本委員 建築士が設計された場合は、図書を出さなくてもいい部分があるということですが、これは、建築士でなければならないほど難しい書類なのでしょうか。  というのは、カーポートを建てるときに建築士さんに頼むと、そのために費用が別途生じまして、工事費とは別に10万円ほど必要になるんです。  私も後から建てましたけれども、家を建てるときに、カーポートをつけるところまで手が回らないわけです。家を建てた当初はカーポートなしで我慢してきたけれども、やはりどうしても建てたいということで、ためてきたお金で100万円近くのカーポートを建てると。そこに確認申請でさらに10万円余計にかかるとなると、うーんみたいなところは少なからずあると思っています。こういうことを緩和によって何とか解消できないのかという思いがあります。  例えば、構造計算と言われましたけれども、見ていますと、強度や耐久性についてはメーカーが大丈夫だと保証しているカーポートが結構あります。そこでしっかり担保されているのに、建てるときにもう一遍構造計算して出してくれというのも、私、専門ではありませんが、どうも違うような気がして、まだまだ緩和の余地があるのではないかと思うのです。そのあたりのところをどう思ってみておられるか、お聞きしたいと思います。 42 本江建築住宅課長 私の家でも同じように、後からカーポートを建てて、たしか100万円ぐらいかかっておったかと思います。  建築確認制度でございますが、防火や構造、避難など、建築物として安全性が確保されているというのが大変重要でございます。また、建蔽率や容積率、高さ制限など、良好なまちづくりのための基準に適合しているかといったことで、建築物に関わる最低限の基準に適合しているかどうかをチェックするものでございます。  今回の改正では、建築士の設計であれば一部の添付図書が省略されるなど、規制が大きく緩和されていると考えております。  建築物の安全性や良好な住環境を守ることは大変重要なことでありまして、現時点ではさらなる緩和というのはなかなか難しいのではないかと考えております。  県ではこれまでも、法改正に係る情報やアルミカーポートの建築確認──そもそも建築確認が必要であるといったこと、さらに申請書の見本や留意事項等を県のホームページに掲載しまして、分かりやすい説明に努めているところでございます。  今後とも、国の制度改正等の情報をなるべく早く、分かりやすく周知することにしておりまして、県として建築確認制度の適切な運用に努めてまいりたいと思います。  なお、必ず建築士がということではないのですけれども、そうでない場合に、いろいろ審査する場合に、正直、足りないものや修正が必要といったことで、かなりの手間がかかっているという現場の声も聞いております。どうぞまたよろしくお願いしたいと思います。 43 山本委員 これは、建築士でないと書けないくらい難しいのでしょうか。専門の知識がないと書けないようなものなのか、確認させてください。 44 本江建築住宅課長 図面そのものは、いろいろレベルがあるかと思いますが、書けますけれども、それによって現場に合うような構造計算、いわゆる強度があることを示すのが非常に大変でございまして、しっかりしたものを出していただければ建築確認申請もスムーズにいくのではないかと考えております。 45 山本委員 よく分かりました。  建築物そのものの強度は、先ほど言ったように、メーカーがある程度保証している。だから、あとは建てつけの部分の安全確認や、いろいろな要件を満たしているかどうかのチェックだろうと思いますが、お互いに緩和されるようなことがあればカーポートの設置が進むのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。  中には大変悪質な業者がおられて、安く済ませるためにいろいろなことをするところもあるとお聞きしますので、しっかりお願いしたいと思います。  続きまして、建設関係の質問を2つしたいと思います。  先日、建設業協会の皆様方とお話をさせていただいた中で、やはり建築資材の価格が大変上がってきているということ。原油のみならず、いろいろな資材がそれに伴って上がっている。円安の状況もあるということで、非常に苦しいところがあり、半導体も入らないということをお聞きしております。入ってくるのを待っていれば、また工事の期間も延びていくということで、現場のほうは大変御苦労しながら進めておられるということです。  その中で、当然それぞれの現場で対応して、土木事務所や現場監督の間でいろいろ対処しながら進めてきておられると理解しておりますし、この苦しい状況でお互いの立場を尊重しながらやっておられると思います。  ただ、やはり幾つかどうも間尺に合わないのではないかと思われるところがあって、特に単品スライド条項を適用しようとするときに、工事期間が2か月残っていないと適用されないという決まりになっているということでございます。  工事期間がもともと2か月ぐらいしかない工事では適用されない。だけれども、設計はずっと前にやっているとか、工事の請負が決まったのはずっと前とか、そういうようなところもあって、現状に合わないケースがあるとお聞きしております。  何で工事期間が2か月残っていないと駄目なのか、いろんなことを含めてお聞きしたいのと、できればもう少し現場に合ったようなものにしていただけないかと思いまして、城光寺建設技術企画課長にお聞きしたいと思います。 46 城光寺建設技術企画課長 県では、工事期間内に主要な工事材料の県内における価格が大きく変動して請負代金額が適当でなかった場合には、発注者または受注者が相手方に対して請負代金の変更請求ができる単品スライド条項に基づきまして、請負代金を変更して対応しております。  これは、国が平成20年6月に、原油や原材料の高騰対策として運用を定めたものでございまして、本県においても同様の運用を行っております。  御指摘のとおり、単品スライド条項の適用に関する請求時期につきましては、工期末の2か月前と決められております。これは発注者側、受注者側双方の協議に必要な期間や契約変更前の手続に要する期間が確保されるようにということで決められたものでございます。  一方、2か月しか工期がない工事だったら適用されないのではないかという御指摘でございますけれども、確かに2か月未満の工事では実質上適用されません。しかし、それぞれ、契約する際にどれだけの工事費がかかるということを受注者は想定して入札しているわけでございまして、その時点と、実際に工事を実施するために資材を購入する時期というのは、工期が短い場合には時期が、何と言いましょうか、変わらないと想定されまして、実際に工期が2か月よりも短い工期について物価のスライドが起こることは想定しにくいのではないかと考えております。  では、どんなときに想定されるかといいますと、委員から御紹介いただきましたけれども、ある程度の長い工期があって、何らかの理由で予定どおりに着手できない状況になって、どんどん工期が短くなって、いざ着工するときに、実際資材を発注するときに単価が高騰しているケースは考えられると思っております。そのようなときには、発注者とすれば適切な工期を確保する──延長するなどの対応は必要であると思っております。  もう一つ、請求時期でございますけれども、請求時期につきましては、受注者が、主要な工事材料の購入において実勢単価が著しく変動し、単品スライド条項が適用できるのではないかという時点で請求いただくことは可能です。県単価が改定される前でも行っていただくことが可能でございますので、このような場合には、遅滞なく発注者に対して請求を行っていただきたいと考えております。  県としましては、単品スライドの運用は全国統一のルールで行われていることから、請求を行う期限を緩和することについては難しいと考えておりますけれども、受注者が単品スライドを請求する機会を適切に確保できるよう、運用ルールについて各出先機関に改めて周知をしたところでございまして、受注者からの協議があった場合には速やかに回答するなど、今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。 47 山本委員 原油価格を見ていますと、ここ2か月で、ガソリン価格だけを見ても、1リットル当たり20円近く上がった格好になっています。もちろん原油価格と円安のダブルなんですけれども、僕はガソリンスタンドをやっていたからよく分かりますが、メーカーというのは、明日からこれだけの価格ですよとファクス1枚流すだけなんですね。それをガソリンスタンドはどうするかというと、ガソリン価格が上げられないときは飲み込みます。利益が減るということです。  各段階でこういうことが行われるのはすごく寂しいことです。建設業界だってそうでしょう。仕入れの段階でたたいて、どんどんたたいていくわけですから、お互いに本当はこれだけ利益があったものがぎゅうっとみんな少しずつ減っていくことになります。  建設業界がコロナの影響がなかったとは言えないと思いますけれども、いろいろな意味で、やはり適正な──価格はもちろん価格競争して入札して、これならできると業者さんが言ったんだから、それでやってくださいよという、それは確かにそうだと思いますけれども、後からの要因で変わってきたことについては、これだけの利益が見込めるということで入札をして、もちろん利益の幅があるからこそ受けることになるわけですから、そこのところが想定以上に削られるようなケースになった場合には、やはり何らかの形で、特に工事のミスではなく、世の中の実情に合わなくなった計算でやっているものについてはなるべく対処してあげないと、しわというのはどんどん誰かが食っているわけです。誰かがそこを埋めているわけなんです。  「適正な価格」とよく言われますけれども、やはり適正な価格で取引してあげないと次につながらないし、どんどん及び腰になります。苦しいと仕事を取らなくちゃいけないんだけれども、それだと利益が上がらないような工事なんて、それは商売とは言えないと思います。この話というのは、ずっとここ近年繰り返しされてきた議論だと思っています。  せんだって、予算特別委員会で瀬川委員が質問していましたけれども、工期を急がせたり少しでも安いものを取ろうとすると、今はインターネットの時代ですから、そういうところから取るようになります。そうすると、県内の事業者が置いていかれる場合もあります。これまでの付き合いの中では我慢できなくなっていて、「それ、できんわ」と言ったら県外に流れてしまうケースもあるわけです。  ですから、適正価格というのはとても大事だと思っています。建設業界は裾野の広い業界だ、だからしっかりやろうよというふうにやってきましたが、今はどこからでも仕入れることができるような時代になってきているところもあるわけですから、しっかり地元を守っていくようなことをある程度考えていく必要があるのではないかと思っています。来年も建設業界の方が仕事ができる、再来年もできていく。そのために道路がちゃんと整備されていく。除雪もされていくというようなことが、あまり言いたくはありませんけれどもウエルビーイング以外の何物でもないという気がします。自分たちのことが評価されないのは大変悲しいことだと思います。もちろん現場で御苦労されているのは分かりましたけれども、そういうことなんだということをもう少し見てあげていただけると大変ありがたいと思います。  同じような話ですけれども、除雪オペレーターの話でございます。これも何度も言われてきたことだろうと思います。特に、人手不足の状況もあって技術者も減っている。そういう中でオペレーターの確保というのはとても大変で、各業者さん、苦しい中でやっておられます。  聞いていると、ジョイントベンチャーで仕事を受けるんだそうですけれども、例えばコロナが出ると会社のみんなが待機になって、要するに仕事ができない状況になると、誰が除雪するのかとか、それぞれの業者さんにはそうならないようにしていただかないといけないんでしょうけれども、そういうことなども心配されながら、特に若い方にオペレーターを頼んでいるので、やはりそういう人たちは、いろいろな形でまだちょっと注意が足りなかったりするということもあり、本当に現場は苦労されているということをお聞きしています。  少雪時においても必要経費が確保できる仕組みづくりというのは喫緊の課題としてまだあるとお聞きしております。例えば最低保証制度などをつくることはできないのか、金谷道路課長にお聞きします。 48 金谷道路課長 県では、将来にわたり安定的な除雪体制を維持していくことが極めて重要だと考えておりまして、これまで、除雪オペレーターの育成支援をはじめ、委託経費の見直しなどの支援を行っております。  具体的には、建設企業が保有する除雪機械を借り上げる場合の委託経費を見直しておりまして、昨年度からは、機械損料のうち償却費の半分を追加で計上しましたほか、新たな除雪オペレーターの確保につながりますよう、これまで行ってまいりました大型特殊免許の取得費用、それから講習会の受講費用の補助率を、今年度は2分の1から4分の3に引き上げております。  委員御紹介いただきました最低保証制度につきましては、全国でこれまで北海道、福島、新潟、青森など5つの道県で運用されております。  一方で、国では、昨年12月になりますけれども、有識者会議の中で、雪が少ないときにおきましても道路の除雪体制を維持していくために必要となる固定的な経費の積算の在り方について検討されておりまして、今後も検討していくと伺っております。  県としましては、まずこうした国の議論などを注視していきたいと考えております。その上で、除雪等を担っていただいている企業からの御意見も伺いながら、必要に応じて委託経費の見直しを行うなど、安定した除雪体制が維持できるよう努めてまいりたいと考えております。 49 山本委員 雪が降りそうな感じになっています。現場は大変でしょうけれども、よろしくお願いします。 50 菅沢委員 有峰林道の東岸線のことを再度取り上げてまいりたいと思います。  この間は、小見線の工事の竣工もあって、大変御苦労さまでございました。有峰は、ミズナラやカエデの紅葉もきれいで、今はもう厳冬期に入りつつあろうかと思いますし、雪ももう積もっているかもしれません。  まず牧野班長に質問させていただきますが、7月に第3回の検討委員会が開かれて、現地調査が実施されております。この経過は前回も若干報告があったのですが、改めて、現地調査を踏まえながら、東岸線のハクバサンショウウオの保全対策が中心になりますが、いわゆる保全対策の中で検討されている代償措置、つまりハクバサンショウウオの生息地、産卵地を人工池で確保して保全に当たるという考え方、この方向が、検討会の現地調査を踏まえて、現在どういう段階なのか。  私は、以前の常任委員会でも、代償措置としての人工池の造成というのは極めて難しい対応になるのではないかと申し上げてまいりました。牧野班長、特に人工池の造成をめぐる検討段階はどうなっていますか。 51 牧野森林整備班長 ハクバサンショウウオの人工産卵池の造成については、自然環境保全検討委員会におきまして、ハクバサンショウウオの繁殖等に影響を与えないよう、成体の行動圏外に設置すること、維持管理が必要なこと、標高の高い場所で人工産卵池の維持管理を実施した事例がない等の意見をいただいております。  現地におきましても、実際に候補地を見ていただいた際、斜面のほうから土砂が流入するなど、維持管理を恒常的に行う必要があるとの意見をいただきました。  これらの意見を踏まえ、県では類似のトウキョウサンショウウオの事例等も参考に、東岸区間での適用を検討しました。しかしながら、標高や気象等の条件に相違があること、有効性を確認するためのモニタリング調査に相当の時間がかかることなどの課題もあり、人工産卵池の造成による保全対策は厳しいと考えております。 52 菅沢委員 人工産卵池の造成によるハクバサンショウウオの移植ですが、不確実性や難易度が高いとか、効果の把握に数年間のモニタリングが必要になるということも含めて、今の班長のお話を含めて、前回の常任委員会でも議論させていただいたところです。  今のお話でも、その困難性について、検討委員会の現地調査も踏まえながら一定の方向性──大変困難だという方向性が出されてきている。つまりそういう方向は断念するということなんですね。
    53 牧野森林整備班長 委員御指摘のとおり、かなり困難だと。断念というか、可能性は少しは残っているかと思いますが、人工産卵池の造成が厳しいことから、林道の線形を変更する必要があると考えております。  産卵場所と計画する林道に一定の空間を確保する方向で見直しを検討しておりまして、この見直し案により、自然環境調査で把握している産卵場所を全て回避できるのではないかと考えております。 54 菅沢委員 今のお話は、大分前に進んだお話だと思います。  ハクバサンショウウオの保全対策としては、人工繁殖池を造成して移植を行うという代償案と連携する案として、ハクバサンショウウオへの影響を低減するために、東岸線の山側道路を残しながら、つまり山側の道路の側溝といいますか、そのライン上にハクバサンショウウオの生息が多数確認されていて、そこが産卵地にもなっているという状況ですけれども、その山側道路を残しながら、もちろん産卵時期には公道工事を実施しないで、そして道路を、有峰湖側へ盛土の工事などを工夫しながら道路を改築していくという案と移植の案はセットになっているように思います。  そうしますと、今の話ですと、いわゆる保全対策として示されてきた山側道路を残しながら盛土をして、線形を変更していくという案もなかなか取れないと、そういう案の見通しもなかなか難しくなってきている。つまり、あなたのお話ですと、新しいルートの方向で今後検討を進めなきゃならないと理解しましたが、そういうことでよろしいですか。 55 牧野森林整備班長 今ほど答弁しましたとおり、産卵場所と計画する林道との間に一定の空間、例えば2メートル以上の空間──これは現道の約2分の1に相当しますが、そういった距離を確保して現道の一部を利用する案や、5メートル以上現道と距離を離すことによって生息箇所に影響がないようにということで検討して、何とかそれをもって保全対策につなげられないかと考えております。 56 菅沢委員 2メートルや5メートルというお話がございましたけれども、東岸線は今舗装されておりません。9キロメートルを超える路線で非常に複雑な線形をしておりますけれども、今のお話は、ここから2メートルや5メートル離すということですか。 57 牧野森林整備班長 はい。 58 菅沢委員 新しいルートという場合に、その程度の見直しで済むんですかね。相当線形も複雑で、山側からの渓流や出水のあるところもあったり、非常に複雑な地形でありますので、新しいルートという場合には相当大きな見直しをせざるを得ないのではないかと思います。  ハクバサンショウウオの生息地は、山側の、側溝というと何でありますけれども、林道に沿ったそこに生息しているという観測結果があるわけですので、2メートルや5メートルで影響を及ぼさない工事が可能なのか、非常に疑問ですね。どうですか。 59 牧野森林整備班長 今ほど委員から御指摘ありましたように、山あいの工事ですので、その辺を配慮して、極力影響のないように、工事に関しては考えていきたいと思います。  また、空間を取って保全する件につきましては、20日に第4回の検討委員会を開催しますので、その場で専門の方からも意見を頂戴して、影響について御意見をいただきたいと考えております。 60 菅沢委員 私は、今の話から、人工繁殖池の造成について、ある意味では撤退というか断念というか、方向転換を明確になさったように、そういう印象を受けました。  そういう中で、ハクバサンショウウオの保全のためには、山側の道路側溝を残す、道路を残すという、いわゆる保全対策の中で示されている提言案ですね、これもある意味では修正せざるを得ないんだろうなと思います。そういう中からあなたのおっしゃる新しいルート案が出されてきているのではないかと思っております。  20日に検討委員会を開いて専門家の皆さんの御意見を伺うことはそれでいいんですけれども、現に、富山農林振興センターを中心にして概略設計も行われているわけであります。  では、概略設計の中では、あなたの今のお話のとおり、2メートルか5メートルぐらい現道と距離を置いて線形を再検討していくという案になっているのですか。そういう作業をしているのですか。 61 牧野森林整備班長 現在、農林振興センターで設計等を行っているところでございます。 62 菅沢委員 その概略設計の中で今検討されている新しいルートというのは、まだ概略設計ですけれども、概要でもいいのですが、大体示されている方向というのは、今日の段階ではまだ明らかにならないのでしょうか。 63 牧野森林整備班長 先ほど申し上げましたように、例えば2メートル、あるいは5メートルの空間を、それぞれハクバサンショウウオが確認された生息箇所から離すような形で、ここに線形を移動して検討している状況でございます。それが内容になります。 64 菅沢委員 驚きながらお伺いしますが、現道沿いにもう何百か所という生息地が確認をされ、そこで林道工事を実施することをめぐって、大きな環境への影響があるということはもう必然でして、ましてやコンクリート舗装をしたら甚大な影響を環境に及ぼすと、ハクバサンショウウオの生息に決定的なダメージを与えるという専門家の指摘もあります。そういう中で、先ほどの、切土をできるだけやめて盛土で線形を変更していくとか、生息地を人工池に移植するという案が検討されているのが今の現状なんですよ。  くどいようですが、人工池をあきらめるという大きな判断をなさった以上は、私は、ルートの変更を前提にするならば、相当大きな新しいルートの変更になると思います。しかし、新しいルートは急峻な山岳地帯へさらに入っての工事になりますから、この線形をどうするのか。例えばトンネル工事では土砂も大量に出るでしょう。これまた環境への大きな負荷になるわけであります。  そういう意味で、今概略設計が行われているというお話でありますけれども、この概略設計は一体どんな中身で今後明らかにされるのか。実は概略設計の中身は、1週間後の20日に農林振興センターの作業結果が検討委員会に報告されるという……。  今日は県議会の大事な常任委員会なんですよ。ここで、そういうことをめぐってしっかり議論ができないというこの現実を、私は非常に遺憾に思っております。もちろん検討委員会も大事です。概略設計はちゃんとした計画に基づいてやられているわけでしょうから、明らかにせよという無理は申し上げません。申し上げませんけれども、かみ合った議論にならないことを非常に私は残念に思っております。  いずれにしても、2メートルか5メートル距離を置いた林道の新しいルートが検討されているなんて、私に言わせれば甚だナンセンスです。専門のあなた方がこんな場でよくおっしゃるなと思いますよ。  恐らく新しいルートというのは、全く新しい線形で、東岸線の未舗装の現道から相当山側に入ったところに引かれるんじゃないかと思いますよ。そのことをめぐっていろいろ議論もしなければならないと思っていますが、牧野班長、大変失礼ですけれども、専門家のあなたたちがあまり理屈に合わないようなことをおっしゃってはいけませんよ。いかがですか。 65 牧野森林整備班長 非常に厳しい御意見をいただいたと思っております。  専門家と言われますけれども、私たちは森林土木の専門家で、環境といいますと、やはりいろいろな生物学の先生、そういった方々の見識をいただき、そういうことで検討してまいりたいと考えております。  距離でいいますと、先ほど言いましたのは水平距離ということで、水環境の影響や高低差の関係もありますので、そういった点も含めまして、まさしく専門家の方に御意見をいただきたいと考えている次第でございます。 66 菅沢委員 だけれども、現在の検討委員会というのは、まさに環境関係の専門家でメンバーが構成されています。そして現在の検討委員会の役割というのは、公共工事の実施に当たっては、貴重な野生生物の生息・生育情報を収集し、専門家の指導・助言を受け、希少種への影響の回避または軽減に努める。このことの必要性から年間を通して調査を実施し、検討委員会より調査データに基づく環境保全措置の指導・助言を得ることを目的に設置されているんです。まさに環境に関する検討委員会なんです。  概略設計というのは、まさに工事の中身や在り方について方向性を一定程度明らかにする作業なんです。これを環境問題の検討委員会に報告して意見を得るということはあってもいいけれども、結論めいた話や何らかの判断が示されるような、そういうレベルのものじゃないと私は思いますよ。  つまり、線形の変更を行うのであれば、それはまさに前の常任委員会でも申し上げましたように、新たな工事に関わる検討委員会なるものを立ち上げて、そこで意見を求めるということになるのであって、だから20日の検討委員会は、概略設計に基づいた線形の変更がハクバサンショウウオの生息や環境にどういう影響を与えるかという、そのことをめぐる御意見を伺うことはあるかもしれませんけれども、線形変更で新しい工事なんていうのはずっと先の話ですよ。ちゃんとした整理をしながらこの問題を進めていただきたいと思います。いかがですか。 67 牧野森林整備班長 その辺につきましても、これまでも検討委員会の意見等を踏まえて、どのようにしていくかというプロセスについては、今後検討委員会の結果を踏まえて考えていきたいと思っております。 68 菅沢委員 私は今日は、人工池は断念すると。しかし、そういう対策については配慮し、新しいルート、線形を検討するということで、大事な方向性が示されていると思います。新しいルートについては問題点を指摘しました。それを設計するのは行政当局かもしれませんけれども、それに対していろいろな意見を求めるのは、新たな工事に対する検討委員会──いつつくるのかということをめぐって議論いたしましたけれども、来年になるのか来年度になるのか分かりませんがね。  つまり、新しいルートということになりますと、例えば事業費がどうなるのか、工事期間がどうなるのか、さらには新たな環境に対する調査も必要になりますよ。専門家がそのように求めています。いろいろな意味で今日は、東岸線の問題の重大な岐路に差しかかっていると理解します。  そこで部長、いろいろ申し上げてまいりましたが、私は、ルートの変更というのは相当真剣に考えないと、今の班長のお話の程度では非常に大きな問題をはらんでいると思います。  大きな転換点に差しかかって、新しいルートをどう考えるのか、部長の見解も求めたいと思います。 69 堀口農林水産部長 ハクバサンショウウオを中心とした自然環境保全という観点で、これまで3回にわたって、現地調査も含めまして自然環境保全検討委員会を開催してまいりました。1週間後の月曜日には第4回ということで、さらに議論を進めていくこととしております。  人工池については、そういった回避というのが全国的にもあるということで、そういったものができないかというような御提案を事務局からもしてまいりましたが、委員の皆さんからは大変厳しい御意見がございました。実際に冬場は通行止めになりまして、一般の人が有峰に上がれない状況になりますので、人工池を造ってもきちんと管理をしていかないと、どういう形でハクバサンショウウオが守られていくのか分からないという御指摘もありましたので、直ちに人工池を造るのは難しいだろうということで班長から答弁させていただきました。  では、次に何を考えればいいかということで、例えば委員御指摘のとおりルートを変える、あるいは橋梁等でそういった生息地を回避するというようなことになろうかと思います。来週の検討委員会では、現道4メートル幅の舗装されていない林道があるんですけれども、それと斜面側の水たまりで生息が確認されているということでありますので、湖側のほうに少し線形を振ることも一つ考えられるということで、それを2メートルあるいは5メートル離して、全線9.1キロメートルをそういうふうに造れるかというと、地形的な問題もあってなかなかそういうふうにはいきませんけれども、できるだけ今の生息地への影響を回避するような形で、例えば2メートル離す、あるいは5メートル離すといったやり方も考えられます。そういった場合には、自然環境にどういう影響があるかということで、自然環境の専門の方々にも御意見をいただこうと考えております。  概略設計というふうにありますけれども、まずルートを敷いて、そこの概略設計の金額でやりましょうということではなくて、あくまでも、2メートルあるいは5メートル線形を振ったときにはどのくらいの工事費になるかという、概算の金額を出してということでございますので、ルートはまだ決まっておりません。  そういうようなことで、できるだけ回避できるような形については、第4回の検討委員会が終わった後に、いろいろな専門の方々に、あるいは有識者にも入っていただかなきゃいけないと思っています。  有峰地域というのは、過去、共存共栄しながら発展してきた、林道は有峰地域の活性化にもつながってきたということもございますので、地元の方々の御意見もお伺いしなきゃいけないだろうし、これまで有峰地域を愛して利活用されてきた方々もたくさんいらっしゃいます。そういった方々の御意見、あるいは県民の皆さんの御意見などもお伺いしなきゃいけないと思っておりまして、新たに林道を造って大丈夫なのかどうか、自然環境にどう影響があるのか、そういうことをしっかりと議論するような場の設置についても、少し考えていかなきゃいけないだろうと思っております。  いずれにしても、来週の第4回の検討委員会の後に、いろいろな方々にも御意見をいただくようなことを考えていきたいということでございますので、来週の月曜日に、直ちに線形をこういう形でやります、5メートル離して造りますということではないので、そのあたりは御理解をいただければと思っております。  いずれにしても、議論する場については改めて検討していくことになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 70 菅沢委員 これで最後にしますけれども、要するに、新しいルートにせざるを得ないというか、そういう方向が明らかにされて、しかし、新しいルートがどういう線形になるかはまだ決まっていないと。概略設計の段階では、それはそうでしょう。それは分かりましたよ。それは今後の課題になるのでしょうが、新しいルートになるということが今日はっきりしたことは、大変重大だと思っています。  新しいルートということになると、例えば事業費が今後どういうふうになっていくのか、工事の期間はどうなるのか、できるだけトンネルを避けるとか、道路の幅員についても7メートルを5メートルに縮小するなど、つまりこれらは全て、自然環境に与える影響をできるだけ軽減するという観点もあったと思っております。  そういう点では、この林道建設が本当に必要なのか、今、県民の理解という答弁もありましたけれども、私はそういう議論を本格的にやっていく段階に来ていると思っております。  有峰に関する林業の位置づけや在り方の問題ですが、北陸電力や富山市の重要な水源涵養の樹林帯と位置づけられておりまして、有峰の林業はどういう基盤が形成されているのか。そんなに大きなものではないという話もいろいろ聞いております。  本来、今ある小見線から西岸線をたどった高山・大山線で十分機能できるのではないかという議論については、私もなるほどなと聞いております。さらには、大規模林道の建設をめぐって、自然環境との関係や、広域的な林業の形成というものが実際必要なのかどうかという根本議論もいろいろ聞いております。いろいろな意味で、本格的な議論に今後なっていくんだろうと思います。  そういう意味では、林道建設の必要性について、今日の状況の中で、検討のための委員会を早く立ち上げて、専門的な議論も含めて入るべきだと思っております。部長は具体的にいつ頃そういう検討委員会の立ち上げを考えておられるのか、最後に聞いておきたいと思います。 71 堀口農林水産部長 林道の可否、必要性も含めて、林道建設あるいは整備の可否について議論するような場は、今後検討していかなきゃいけないと思っております。これまで、自然環境保全検討委員会を立ち上げて、自然保護の観点からいろいろ御意見をいただいてまいりました。20日に第4回の委員会を開催しますので、その後に新たに、林道の可否を含めて検討するような場も設けていかなきゃいけないと思っています。  時期については、自然環境保全検討委員会が終わって、実際にどういう方々から意見をいただかなきゃいけないのかということもしっかりと議論する必要がございますので、今すぐこの時期にスタートしますということは申し上げられないのですが、いろいろな人選も含めて今後検討していかなきゃいけないと思っておりますし、あまり期間を長くしてだらだらとやるつもりもございませんので、できるだけ早く、専門家あるいは有識者の皆さんからもしっかりとした御意見をいただいて、実際、林道を造るのかどうかというのは、本当は早急に結論を出していかなきゃいけないと思っておりますので、なるべく早く検討の場がつくれるように努力してまいります。 72 菅沢委員 この間、富山市の古沢小学校で、ホクリクサンショウウオを子供たちが観察する出前授業があったという報道がありまして、地域住民や富山市ファミリーパークなどが子供たちに観察の機会を設けていることはすばらしいことだなと思って、聞いたり見たりしていました。  そういう意味では、農林水産部の事業も、林道を造ることが中心で、環境はその周辺の問題なんだという位置づけでは駄目ですよ。今の時代というのは、事業を行う場合、環境のことも考えなきゃ駄目です。雇用のことも考えなきゃ駄目、福祉との関連も考えなきゃ駄目というふうに、もっと視野を広げて、そういう視点で事業、工事を考えることが大事なのであって、ハクバサンショウウオの問題は、どこかほかの問題ではないですよ。もう県民が関心を持つようになっていることを肝に銘じて仕事してください。終わります。 73 薮田委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終了いたします。  5 行政視察について 74 薮田委員長 次に、閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。  県内行政視察につきましては、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 75 薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  以上で付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに何か御意見等はございませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。  御苦労さまでございました。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...