富山県議会 2020-09-01
令和2年9月定例会 代表質問
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午前10時00分開議
◯議長(上田英俊君)ただいまから本日の会議を開きます。
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報 告
2 ◯議長(上田英俊君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。
去る9月8日、知事から提案されました議案第103号について、地方自治法第243条の2第2項の規定に基づき、議会から監査委員の意見を求めておきましたところ、9月9日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申出がありましたので、御報告いたします。
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3 ◯議長(上田英俊君)これより本日の日程に入ります。
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県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表)
4 ◯議長(上田英俊君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第96号から議案第114号まで及び報告第14号から報告第18号までを議題といたします。
これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、発言を許します。
宮本光明君。
〔30番宮本光明君登壇〕
5 ◯30番(宮本光明君)皆さん、おはようございます。
私は、自由民主党を代表いたしまして、本定例会に提出されました諸案件並びに当面の諸問題について質問をいたします。
質問に先立ちまして一言申し上げます。
初めに、先般の令和2年7月豪雨では、九州地方を中心とした西日本から東海、中部地方にかけて記録的な豪雨となり、大規模な河川の氾濫や土砂災害などにより、多数の人的被害や物的被害をもたらしました。その後も、大型の台風により九州地方を中心に被害が出ています。
亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々、今なお大変な御苦労をしておられる方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
何十年に一度、かつてない、といった自然災害が毎年のように起きている現状を踏まえ、本県においても油断することなく、防災・減災、国土の強靱化に向けた一層の取組が必要であると認識を新たにしております。
また、一時落ち着きを見せておりました
新型コロナウイルス感染症ですが、
社会経済活動の再開とともに、大都市部での感染者の増加傾向が瞬く間に全国各地まで波及しました。
本県においても7月以降、感染者が増加しており、昨日は1名の
新規感染者が確認され、
累計感染者は409名となりました。
今後、インフルエンザが流行する冬に向かい、さらに感染が拡大すれば、高齢者などの重症患者が増加するとともに、
医療提供体制が逼迫するおそれが出てきます。今こそ危機感を新たにし、地域の力を結集して感染拡大に歯止めをかけるべく、全力で取り組まなければなりません。
こうした中での安倍総理の突然の辞意表明は正直驚きでありましたが、体調問題で国政に支障を与えるべきでないとの御本人の慎重な熟慮に基づく御決断であり、残念ではありますが、やむを得ないものと受け止めております。
これまで歴代最長となる約7年8か月にわたり、安倍総理の力強いリーダーシップの下、
経済雇用対策をはじめ諸外国との外交や減災・防災の
国土強靱化、地方創生の推進、そして新たな国難である
新型コロナウイルス感染症への対応など、地方の声を聞きながら全力で取り組んでいただきました。
まずは安倍総理のこれまでの御苦労に対するねぎらいとともに、多大なる功績に対して心から感謝を申し上げますとともに、一日も早く万全な体調に回復され、元気なお姿を見せていただくことを願うばかりであります。
新型コロナウイルスを克服し、我が国の経済、雇用、社会活動を再生するために、今は極めて重要な時期であります。政府・与党におかれましては早急に万全な新体制を固め、国家の難局を乗り越えられるよう、引き続き全力を尽くしていただきたいと思います。
私
たち自民党議員会も、県民の声を真摯に受け止め、適時適切な提言と行動により、県民の皆さんが、安心感と希望を持てる
社会づくりに努めてまいる決意であることを申し上げ、質問に入ります。
初めに、
新型コロナウイルス感染症への
危機管理対応等について質問します。
新型コロナウイルス感染症の猛威は全世界に及んでいますが、本県も例外ではありません。知事には、これまで補正予算の編成や予備費の活用などにより、検査体制の充実や
医療提供体制の整備などの
感染拡大防止対策の強化と、雇用の維持と事業の継続、経済活動の回復に向けた取組という両立の難しい課題に迅速に対処してこられました。しかしながら、感染症による危機は現在も続いており、ワクチンや治療薬の開発、実用化がされるまで終わることはないものと考えます。
足元の経済情勢は依然厳しく、その影響は本年のみならず、来年度以降の国、地方の財政運営にも影響することが懸念され、この国難とも言うべきウイルスとの闘いに打ちかつためには、リーダーとして秀でた危機管理の手腕が求められます。
そこで、現在も続いているこの危機に対し、人的、財政的な資源が限られる中で、
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えながら、経済、雇用や社会活動への負の影響を最小限にとどめるために、どのような工夫を凝らし対策に取り組んできたのか、また、今後どのように対応していくのか、石井知事の所見を伺います。
次に、地方創生の深化に向けた取組について4点質問します。
まず、9月
補正予算案の編成方針等について伺います。
最近の本県の景気は、
新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続いているものの、一部では下げ止まりの動きが見られ、先行きについては、
感染拡大防止策を講じつつ、
社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていく中、持ち直しに向かうことが期待されています。
一方、
社会経済活動の活発化に伴い、東京をはじめ大都市を中心に感染者数が急増し、先月に本県では
新型コロナウイルス感染拡大警報、いわゆる
富山アラートが発出されました。
また、国内では毎年のように大型台風や豪雨などの自然災害による甚大な被害が発生しており、防災・減災、
県土強靱化の推進は喫緊の課題であります。
そこで、
感染拡大防止と
社会経済活動との両立や、防災・減災、
県土強靱化の推進などにスピード感を持って取り組む必要があると考えますが、9月
補正予算案についてどのような方針で予算編成に当たったのか、また、
緊急経済対策として実施される納税猶予の特例措置が適用された金額は、6月末までに国税で約2,618億円、地方税で約957億円に上っていることから、本県における県税収入の減少が懸念されますが、どの程度の影響になると見込んでおり、どのように対応するのか、知事の所見を伺います。
次に、コロナ禍を契機とした東京一極集中から地方分散型への社会構造の転換について伺います。
感染症に伴う影響は、人の生命や健康、生活のみならず、社会経済など多方面で全国に及んでいますが、感染者の約半数は東京都及び隣接する千葉、埼玉、神奈川県の1都3県で確認されており、東京一極集中の弊害、リスクが改めて明らかになりました。
東京一極集中の是正は、地方創生のみならず、国全体の危機管理の観点からも重要な課題であることから、国においては、
経済財政運営と改革の基本方針2020、いわゆる骨太の方針に東京一極集中から多核連携型への転換を盛り込んでいます。
県では、県内全域の
光ファイバー網の整備を促進するため、6月補正予算に18億6,000万円の事業費を計上していますが、地方創生に資する5G、ローカル5Gの普及展開のほか、地方回帰や地方移住、二地域移住に資するテレワークの推進や
サテライトオフィスの誘致などにつなげ、本県への人の流れをさらに加速し、定着、活躍していただけるよう支援する仕組みが必要と考えます。
そこで、東京一極集中から地方分散型へ社会構造を転換することは、地方創生のみならず危機管理の観点からも重要ですが、デジタル化の推進をはじめ、どのような戦略を掲げて取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、とやまゼロ
カーボン実現に向けた取組について伺います。
本県では、全国初の
レジ袋無料配布の廃止に平成20年から取り組んでいるほか、小水力発電の整備や県民参加の森づくり、
使用済み小型家電リサイクルの実施など、全国に先駆けた様々な環境施策を進めているところであり、本年3月には、民間団体と共同で2050年までの
温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けて、とやまゼロ
カーボン推進宣言を発表したところであります。
去る7月には、本県の取組がモデルとなったレジ袋の有料化が全国の小売店で義務づけられるなど、国内でゼロ
カーボン達成に向けた機運が一層高まっており、環境・
エネルギー先端県として発信する好機であると考えます。
そこで、本県のこれまでの脱
炭素社会づくりに向けた取組の成果をどのように認識しているのか、また、それを踏まえ、とやまゼロ
カーボン実現に向けて今後どのように取り組むのか、知事の所見をお伺いいたします。
次に、
アフターコロナ時代を見据えた
経済社会構想について伺います。
去る6月定例会における我が党の代表質問において、コロナ禍を契機としたウイズコロナ、
アフターコロナの経済社会の在り方について広く検討し、今後のビジョンを策定されるよう知事に提案したところであります。
知事からは、経済社会の在り方に関する構想について、新たに検討会議を設置し、できるだけ早期に調査検討を始めたいとの旨答弁があり、先月、
アフターコロナ時代を見据えた
経済社会構想検討会議が設置され、第1回会議が開催されました。
そこで、
アフターコロナ時代を見据えた
経済社会構想について、主要な論点は何か、またどのような
スケジュール感で取りまとめるのか、知事の所見を伺います。
次に、地域経済の活性化について7点質問します。
まず、
経済雇用対策について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いは今も衰えず、引き続き
経済雇用情勢に深刻な影響を与えております。
2020年4月から6月
期四半期別GDPは、年率換算でマイナス28.1%と戦後最悪の落ち込みとなり、また9月4日時点の
新型コロナウイルスに関連する倒産件数は、県内で6件、解雇・雇い止め件数は655件に至っています。
特に本県の基幹産業である製造業をはじめとする、
ものづくり産業は、世界的な感染拡大に伴う
サプライチェーンの混乱や需要の激減により、深刻な打撃を受けています。また、
緊急事態宣言に伴う外出自粛により、宿泊業や飲食業などの
観光関連産業も大きな影響を受けています。
県では、6月補正予算での富山県
地域企業再起支援事業費補助金の拡充をはじめ、これまで様々な経済対策を講じていますが、この富山県
地域企業再起支援事業費補助金についても、拡充後早々に助成枠に達するなど、県民の経済対策に対するニーズが非常に高いことがうかがえます。
今後、県内の
経済雇用情勢を好転させるためには、業種ごとの状況を正しく把握、分析した上で効果的な対策を講じる必要があると考えます。
そこで、
ものづくり産業や
観光関連産業など、感染拡大の影響が大きいと考えられる業種の現在の
経済雇用情勢について、どのように認識しているのか、また、それを踏まえ今後どのような
経済雇用対策を講じるのか、知事の所見を伺います。
次に、公共事業の発注状況等について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込む経済を、公的需要でしっかりと下支えする必要があります。景気の悪化に伴い全国的に求人倍率は低下傾向にありますが、県内の
建設関連職種は人手不足が著しく、7月末時点における求人倍率は8.02倍と、引き続き高い水準となっています。
また、今年7月の豪雨災害など、近年、激甚化する災害に対して事前防災の観点から、予算をしっかりと手当てすることが重要であり、防災・減災、
国土強靱化のための3か年緊急対策の令和3年度以降の延長に向けた国への働きかけを強化すべきであります。
そこで、現下のコロナ禍や人手不足を踏まえ、公共工事の適切な発注管理が不可欠と考えますが、上半期の発注状況と下半期の発注見通しはどうか、また、防災・減災、
国土強靱化のための3か年緊急対策の令和3年度以降の延長に向けた国への働きかけについて、
江幡土木部長に伺います。
次に、
観光キャンペーンの成果と今後の展望について伺います。
今般の感染拡大で最も影響を受けた産業の一つは、
観光関連産業であります。県では、段階的な
県内観光需要の回復を図るとともに、まずは県民に県内観光地の魅力を再発見してもらうため、
県内宿泊施設の宿泊割引をはじめ、県内を周遊する小旅行の旅行代金や乗車券等の割引を行う
キャンペーンを実施しています。中でも、地元で泊まろう!
県民割引キャンペーンは、非常に好評を博しており、海外や県外への観光を控えている県民にとっては、魅力的な取組であると思います。
これらの事業は、コロナ禍で
インバウンド需要が失われ大変厳しい状況に置かれている宿泊業などの観光産業の雇用の維持と事業の継続につながるものと期待していますが、所期の効果が得られたのかしっかりと分析し、今後の事業展開に生かすことが重要であります。
そこで、地元で泊まろう!
県民割引キャンペーンをはじめとする県の
観光キャンペーンについて、国のGo To
トラベル事業に関わる分も含め、その成果と今後の展望について、中谷観光・
交通振興局長に伺います。
次に、本県の
医薬品生産額1兆円に向けた取組について伺います。
医薬品産業は本県の重要な基幹産業の一つであり、生産金額は6,000億円を超え、人口当たりの
医薬品生産金額、製造所数、
製造所従業員数は全国1位となっています。
県では、
医薬品産業をさらに発展させ、令和8年度には生産金額を1兆円とする目標を立てている一方、先般の薬価の
マイナス改定や今後の人口減少による国内市場の縮小など、県内の
医薬品産業を取り巻く環境は厳しくなると見込まれています。
こうした中、東大病院の観察研究において、県内に生産拠点を置く企業が生産している、
急性膵炎治療薬であるフサンとアビガンの併用療法の
新型コロナウイルス感染症の重症例の治療における有効性が示唆されたほか、
厚生労働科学特別研究による「
新型コロナウイルス感染症診療の手引き」に、抗
炎症薬デキサメタゾンが掲載されるなど、本県の
医薬品製造業に改めて注目が集まる好機であると考えます。
そこで、
医薬品産業1兆円の実現に向けたこれまでの取組の成果を、どのように認識しているのか、また今後どのような方針で取り組むのか、知事の所見を伺います。
次に、本県産業における
デジタルトランスフォーメーションの加速化について伺います。
ロボットやIoT、AI、そして、今年度から本格的に商用開始された高速大容量の5Gなど、第4次産業革命と呼ばれる技術革新の進展により、本県の基幹産業である製造業をはじめとした、
ものづくり産業を取り巻く環境も大きく変化しています。
さらに、今般の
新型コロナウイルスの感染拡大は、製造業に限らず様々な業種において、テレワークや
オンライン会議などの
リモートワークをはじめとした、
ICT技術を活用した働き方の導入を促しました。
今後、
リモートワークを含め、
ICT技術の活用により
ビジネスモデル自体を変革していく
デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXが、さらに加速していくことが見込まれます。
このような状況の下、本県産業界においても、この波に乗り遅れることなく、このコロナ禍のピンチをチャンスに変える好機と捉え、積極的にDXの導入、加速化を図るべきであります。
そこで、本県産業においてもDXを加速させるため、県としても経営面での支援や県のビジョンの策定など積極的に推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、米政策について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う
飲食店向けの需要の落ち込みにより、主食用米のうち特に業務用米の価格が下落し、生産者の所得への影響が懸念されています。
先月、JAと2020年産米の
委託販売契約を結んだ生産者に対して支払われる概算金の金額が公表され、
市場デビュー3年目を迎える富富富とコシヒカリは前年と同額に据え置かれましたが、業務用需要の低迷の影響を受けやすい、てんたかくやてんこもりは、前年産よりも低くなっています。
2018年産米から国による生産調整が廃止され、以降、本県では、それまでの減産路線から転換し、需要減の中でも生産量を維持してきましたが、米離れや消費税増税に伴う消費の冷え込みに加え、
新型コロナウイルスの影響で米余りも危惧される中において、生産者の所得を確保するためにも、飼料用米や加工用米への転換や海外進出の加速など、来年度以降の米政策について改めて検討する必要があると考えます。
そこで、感染拡大の影響や今年の概算金額の状況を踏まえ、来年産米の生産目標の設定など、米政策をどのような方針の下で進めるのか、
堀口農林水産部長に伺います。
次に、水産業への支援について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や休業要請の影響で、県産水産物の
飲食店向けの需要が激減しています。特にホタルイカやシロエビなどは、例年であれば本県を代表する水産物として首都圏などの大消費地において高値で取引されていますが、今年は需要が壊滅的な打撃を受けていることから、市場価格も大幅に下落しています。
価格低下を食い止めるため、4月から5月にかけてシロエビ漁が一時休業に追い込まれ、結果的にシロエビの4月から7月までの漁獲量は昨年の6割にとどまるなど、漁業者をはじめとする水産業を取り巻く環境は非常に厳しい状況に置かれています。
一方、近年、児童生徒をはじめとした若い世代の魚離れが指摘されています。県外での消費が落ち込んでいる今こそ、県民、特に若い世代に栄養豊富でおいしい県産水産物の魅力をPRし、県内消費を拡大させる好機であると考えます。
そこで、所得が減少した漁業者への支援や県民等に対する県産水産物の消費喚起に向けた
魅力発信キャンペーンの実施など、水産業への支援にも力を入れるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、安全・安心な暮らしの実現について5点質問いたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症の第1波への対応の検証と今後の感染拡大への備えについて伺います。
先般の感染拡大の第1波では、本県においては3月末に初めて感染者が確認されて以降、連日感染者が確認され複数のクラスターが発生し、人口10万人当たりの感染者数が一時全国3位になるなど、厳しい状況となりました。
この間、県においては、
医療提供体制や検査体制の確保充実、
社会福祉施設等における
感染防止策への支援など、各般の対応を進めてきたところであり、一定の評価をするものであります。
全国の自治体では、医療現場において、人員や医療資機材、
感染症病床の不足、
医療従事者の疲弊、一般診療の休止、縮小など、医療体制の課題が表面化することとなりました。
多くの地域で再び感染者が増加し、本県でも感染の再拡大が懸念されている状況ですが、今後想定される新たな感染拡大への対処においては、第1波を受けて整備した支援体制や
各種支援策等が、医療、介護の現場で有効に活用され、実効性のあるものとなるよう備える必要があると考えます。
そこで、本県における感染第1波への対応をどのように検証しているのか、また検証結果を人材や病床の確保計画など、今後の感染拡大への備えに反映させるべきと考えますが、どのような方針で取り組むのか、知事の所見を伺います。
次に、洪水災害に対するダムの機能強化と流域治水について伺います。
令和2年7月豪雨では、線状降水帯が複数の地域で局地的、集中的に長時間継続し、熊本県球磨川流域、
木曽川水系飛騨川など、多くの河川で氾濫が発生しました。
神通川上流の岐阜県でも
大雨特別警報が出され、神通大橋では
氾濫注意水位を大きく超え、観測史上5位となる6.6メートルの水位を観測しております。
未曽有の豪雨に備え、県民の命と財産を守るためには、様々な洪水対策を総合的に実施すべきであり、河道拡幅・掘削、堤防強化のほか、
国土交通省で現在進めている既存ダムの
洪水調節機能の強化が急がれます。
また、
国土交通省の
社会資本整備審議会河川分科会の気候変動を踏まえた
水災害対策検討小委員会が7月にまとめた答申では、地球温暖化による気候変動で、災害の激甚化、頻発化が見込まれることを踏まえ、
河川整備計画などの見直しや、河川流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策、いわゆる流域治水への転換を求めています。
そこで、県内河川で進めている既存ダムの利水容量の活用による
洪水調節機能の強化と流域治水にどのように取り組むのか、土木部長に伺います。
次に、
農業用水路における
事故防止対策について伺います。
本県は農地に占める水田の割合が
全国トップクラスであり、
農業用水路が県内一円に張り巡らされていますが、残念なことに、死亡事故を含む用水路での転落事故も多発しています。
このような中、県では、昨年12月に全国に先駆けて、
農業用水路の事故防止に向けた
安全対策ガイドラインを策定しました。今年度は、この
ガイドラインに基づく転落防止柵の緊急整備やモデル地区における
危険箇所マップ、
安全対策マップの作成など、ハード、ソフト両面から事故防止に向けた対策を実施しています。
その中で、相変わらず用水路での事故が発生しており、本年4月以降も
農業用水路に転落するなどして、県内で9人の方が亡くなられております。
そこで、これ以上痛ましい事故が起きないよう、ハード、ソフト両面において
ガイドラインに基づいた取組を強化、加速化させる必要があると考えますが、
農林水産部長に伺います。
次に、
災害廃棄物大量発生への備えについて伺います。
地震や洪水などの大規模災害が発生した際には、通常の生活ごみのほか、使えなくなった家具や家電製品、布団や畳等の家財道具などの片づけごみや瓦礫等の
災害廃棄物等が大量に発生し、その処理に関しては過去の災害でも課題となってきました。
平成30年7月の西日本豪雨で発生した
災害廃棄物は、岡山県だけで約44万トンに上り、その処理には約2年を要したとされています。
また、先般の令和2年7月豪雨においては、
災害廃棄物の仮置場予定地が道路の寸断や浸水などで使用不能となり、急遽、場所が変更されたり、
災害廃棄物を持ち込もうとする車が交通渋滞を引き起こすなど、混乱が生じたと報道されています。
大量の
災害廃棄物は、復旧作業の妨げになるほか衛生面での懸念も生じることから、その迅速な処理が求められます。
そこで、頻発する自然災害による
災害廃棄物の大量発生に備えた本県における具体的な対応策について、竹野生活環境文化部長に伺います。
次に、高齢者の特殊詐欺の被害防止について伺います。
警察庁によると、令和元年中の特殊詐欺の認知件数と被害額は、いずれも前年より減少したものの、高齢者を中心に全国で1日当たり約8,650万円もの被害が生じているなど、依然として深刻な情勢にあります。
特殊詐欺全体の認知件数に占める65歳以上の高齢者が被害者となった件数の割合は、引き続き高い水準で推移しており、令和元年は全体の83.7%にも上っています。特に65歳以上の高齢女性が被害者となった件数は全体の65.3%、オレオレ詐欺では84.4%を占めており、高齢者の被害防止は喫緊の課題となっています。今年度は
新型コロナウイルス感染症に便乗して各種給付金を装った特殊詐欺も見られることから、注意が必要であります。
そこで、高齢者の特殊詐欺の被害防止に向け、高齢者の子供や孫世代も含めた幅広い世代に対して、引き続き日常的に家族間で連絡を取り合うことを促すほか、被害防止に向けたより効果的な広報啓発の取組を実施する必要があると考えます。大原警察本部長に伺います。
次に、明日を拓く人づくりについて3点質問します。
まず、富山県教育大綱の改定について伺います。
県では、ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り開く人材を育成することを基本理念とする富山県教育大綱を平成28年に策定していますが、本年度は対象期間の最終年度となりました。
先月には第1回富山県教育大綱改定に関する有識者委員会が開催され、改定に向けた現状と課題、取組の基本方向等について議論がされました。
今回の教育大綱の改定では、コロナ禍で顕在化した課題も踏まえ、さらなる教育の充実のため、教育環境のデジタル化の推進や教員の働き方改革の推進など、新たな視点を踏まえて検討を進めていくと伺っております。
そこで、現教育大綱の対象期間の5年間にどのような成果があったと認識しているのか、また、教育県富山の良き伝統を継承、発展させ、子供たちが健やかにたくましく成長するため、どのような大綱を目指しているのか、知事の所見を伺います。
次に、教育のICT環境の整備とデジタル化について伺います。
高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴い、社会のあらゆる場面でICTが活用されており、このたびのコロナ禍においても、その必要性が一層明らかになりました。
学校教育においても、多様な子供たち一人一人の資質、能力を一層確実に育成できる教育ICT環境を実現し、これまでの教育実践と最先端のICTのベストミックスを図り、教師、児童生徒の力を最大限に引き出すことが重要であります。
文部科学省が推進するGIGAスクール構想では、小中学校における1人に1台の端末が整備されることによって、双方向の授業で、きめ細やかな指導ができることはもとより、理解度に応じた個別学習も可能になることから、子供たちの学びは一層充実すると期待されています。
令和2年度の国の補正予算において、GIGAスクール構想推進のため、1人1台端末の早期実現や家庭でもつながる通信環境の整備など、ハード、ソフト、人材を一体とした整備を加速するための予算が計上されました。
そこで、一日でも早いICT環境の整備が必要と考えますが、今年度中の整備予定と今後の整備方針について、教職員のICT活用指導力の向上などのソフト面での充実策と併せて、伍嶋教育長に伺います。
次に、学校休校に伴う不登校への対応について伺います。
今般の
新型コロナウイルス感染症による長期の休校により、学校再開後においても、例えば、感染への不安や学習面、進学、進路についての不安、生活リズムが乱れたことによる規則的な学校生活へのストレスなど、子供たちは様々な不安やストレスを抱えているものと思います。また家庭の経済状況の変化や長期外出自粛による家庭内不和など、家庭状況の悪化も懸念されています。
これらは不登校につながりかねないものであり、コロナ対策で学校現場が多忙化している中にあっても、精神的に不安定な子供たちの状況を丁寧に把握するとともに、しっかりと支援する必要があります。
そこで、学校休校に伴う不登校の実態を早急に把握するとともに、子供たちが抱えている不安やストレスの内容に即してきめ細やかな支援を行い、不登校の未然防止にしっかりと取り組むべきと考えますが、教育長に伺います。
最後に、知事の今任期4年間の成果と今後の課題について質問いたします。
石井知事には4年間の任期の最後の定例会となりますが、さきの6月定例会の我が党の代表質問において、秋の知事選への出馬要請に対し、引き続き県政を担う決意と抱負を力強く表明されました。
我が党としては、石井知事に引き続き県政を担っていただくため支援することとしております。
新型コロナウイルス感染症の再拡大による現下の危機を克服するとともに、感染症の脅威にも強くしなやかに対応し、持続的に成長できる地方分散型の社会構造を目指し、思い切った変革に取り組む必要があると考えます。
そこで、この4年間を振り返って、任期中の成果と、今後、本県がさらに発展、飛躍していくための課題について、どのように考えているのか、それに対する意気込みも含めて、知事の所見を伺います。
以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
6 ◯議長(上田英俊君)ここで、換気のため暫時休憩いたします。
休憩時間は10分間といたします。
午前10時39分休憩
─────────────────────
午前10時50分開議
─────────────────────
7 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
8 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての宮本議員の御質問にお答えをいたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症への
危機管理対応等についての御質問であります。
新型コロナへの対応につきましては、いわゆる第1波の際、ロードマップを策定し、
感染拡大防止と
社会経済活動の両立に向け対策を講じてまいりました。また7月以降、感染者数が再び増加したことなどを踏まえまして、有識者の御意見を伺った上で、その内容を改定するなど、感染状況に応じてスピード感を持って対応してまいりました。
8月には、カラオケ利用によるクラスター発生などを受けまして、
富山アラートを発出しますとともに、県民、事業者の皆様に高い緊張感を持った行動を要請する。さらに、感染拡大に備えて、検査相談体制の一層の強化や医療提携体制の充実、インフルエンザの流行期に備えた予防接種費用の助成などに取り組むことにしております。
また、経済、雇用の面では、市町村や関係団体と連携しまして、事業持続化・地域再生支援金や
地域企業再起支援事業費補助金による支援に加えまして、
新型コロナウイルス感染症対応資金等による資金繰り支援や、社会保険労務士の派遣による相談体制の充実等に取り組んでおります。
協力金のほかに事業持続化・地域再生支援金、こういったものを支援している県は5月時点で全国で初めてでしたし、現状でもあと1県あるだけでございます。
今後も、資金繰り支援の融資枠を2倍に拡充するとか、新規コロナの影響による離職者のトライアル雇用を経た上での再就職支援制度の創設──これも全国初めてかと思います──など、事業継続や雇用維持に積極的に取り組んでまいります。
新型コロナについては長丁場の対応が予想されますけれども、国に対しては、全国知事会とも連携して継続的な財政措置を強く求めますとともに、今後も
感染拡大防止と併せまして、経済、雇用や社会活動への負の影響を最小限にとどめますために、市町村や関係団体と連携して、各般の施策を強力かつスピード感を持って推進してまいります。
次に、9月
補正予算案の編成方針、県税収入の減収見通しとその対応についてお答えをいたします。
9月
補正予算案の編成に当たりましては、現下の最重要課題である新型コロナ対策と
社会経済活動との両立に向けまして、本県に1次、2次合わせて176億円配分された臨時交付金を最大限活用しまして、
感染拡大防止、医療・介護等提供体制の整備はもちろん、事業の継続と雇用の維持や県民生活への支援、経済活動の回復や
デジタルトランスフォーメーションの推進に積極的に取り組むことにいたしております。
さらに、先ほどもお話に出ましたが、全国的に災害が相次いでいることを踏まえまして、災害未然防止等に寄与する公共事業の増額、昨年の9月補正予算同士で比較しますと4割増になっているわけでありますし、また、主要県単事業の追加ですとか、社会基盤、生活基盤の整備を進めて、県民の安全・安心の確保に必要不可欠な施策を計上いたしております。
一方で、県税収入については、新型コロナの影響で企業収益が大幅に減少したことなどもありまして、法人事業税について、現時点で確定しました減収額を12億円減額することにいたしました。
今後の県税収入の見通しについては、年度後半における新型コロナの感染状況や経済動向を踏まえる必要があり、現時点で年間の減収額を見積もるのは難しい面がございますけれども、令和3年度に向けて、リーマンショック時と同様、大幅な県税収入の減──リーマンショックのときは約300億円ほど税収が減ったんですね──そういった可能性もあるなど、県の財政状況は予断を許さない厳しい状況にございます。
県税収入のうち、法人県民税の法人税割あるいは法人事業税等の減収に対しては、現行制度で減収補填債の発行が認められておりますけれども、対象税目とされていない地方消費税──今日では県税収入の約3割が地方消費税となっていますから──通常は比較的安定した税目ですけれども、今回はちょっと話が違うということで、ぜひ、この減収補填債の対象に含めていただくように、富山県としても、また全国知事会とも連携して国に強く要望しているところであります。
県としましては、引き続き国に対して、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保充実はもちろんですけれども、感染症対策、
経済雇用対策に引き続き迅速かつ的確に対応するための財源としまして、地方創生臨時交付金とか包括支援交付金等の国交付金の追加配分についても積極的に働きかけをしております。
一昨日も北村地方創生担当大臣とウェブ会議で意見交換をし、国の予備費を活用した地方創生臨時交付金のさらなる増額や、令和3年度以降も新型コロナが収束しない場合には、引き続き地方創生臨時交付金などを確保することを、全国知事会の地方税財政常任委員長として要望させていただきましたところ、大臣からは、地方の実情を踏まえてしっかりと対応するとの回答をいただきました。引き続き知事会とも連携しながら、市町村をはじめ幅広い県民の皆様と心を一つにして全力で対応してまいります。
次に、地方分散型社会への戦略についてお答えをいたします。
今回の新型コロナの問題で、東京一極集中型の社会構造のリスクが改めて明らかになりました。今が、DXを加速化させまして我が国の社会構造を地方分散型に変えて、真の地方創生の実現を図る大きなチャンスにしなければならないと思っております。
このため県では、DXの加速化を最重点課題として、未来技術を活用した
ものづくり産業の高度化、観光振興、スマート農業の振興といったようなこと、またオンラインによる教育、文化、医療、福祉の充実などに取り組みまして、県民の皆様はもちろんですけれども、若者や女性の移住先としての富山県の魅力を一層高めたいと思っております。
そのためにも、6月補正予算で市町村と連携して、全国で2県目となる光ケーブルの世帯カバー率100%化を図る県独自の補助制度を創設しておりまして、中山間地域も含め情報通信インフラの整備や5G等の利活用に、全国に先駆けて取り組みたいと思っております。
また、9月
補正予算案では、コロナ禍におけるテレワークなど、働き方改革、働き方の変化に対応しまして、県外の先進的なテレワーク事業者を誘致し県内企業との交流を促進することによりまして、県内企業のテレワークの推進や新たなビジネスの創設、デジタル化の促進、企業誘致等につなげることにいたしております。
加えて、ITエンジニアですとか、ウェブのデザイナー等のリモートワーカーの本県の移住ですとか、二地域居住を促進するために
リモートワーク体験ツアーを実施するほか、
サテライトオフィスの誘致に取り組む市町村に対して、本年度は補助限度額を大幅に引き上げて支援することにしております。
こうした取組を着実に進めまして、県民の皆さんが輝いて働き暮らせる県、また東京圏などの若者や女性から見ても、移住先として魅力的な県となりますように全力で取り組んでまいります。
次に、とやまゼロ
カーボン実現についての御質問にお答えをいたします。
本県では、県単位では全国初の
レジ袋無料配布廃止に12年前から取り組みますとともに、G7富山環境大臣会合において採択された富山物質循環フレームワークに即した3Rの推進ですとか、水と緑の森づくり税を活用した県民参加の森づくり、また発電設備容量が全国1位となっております小水力発電の整備など、全国に先駆けた様々な脱炭素政策を進めてまいりました。
こうした取組によりまして、県内の温室効果ガスの排出量は、近年減少しておりますだけでなく、昨年7月には本県の先進的な取組が評価されまして、SDGs未来都市に選定されますなど、相当の成果が上がっていると言えるかと思います。
とやまゼロカーボン宣言につきましては、小泉環境大臣からのお求めにお応えしたものという形になりましたが、ほかの県の事例と異なって、全国で初めて行政と事業者、県民の3者また4者とも言えますが、その共同宣言といたしました。具体的には、婦人会、消費者協会の代表の方、また、とやま環境財団の方々であります。これは行政や事業者や民間が連携して初めて、大変高度で達成が容易ではないゼロカーボンを目指すことができるという考え方に基づくものであります。
県としましては、国のゼロカーボンに向けての未来技術の開発などを求めますとともに、まずは昨年策定した新とやま温暖化ストップ計画を着実に推進することといたしまして、そのためにも、ウイズコロナ、
アフターコロナ時代の新しい生活様式の下で、例えば食品トレーを袋や紙素材などに転換するモデル事業ですとか、バイオプラスチック等の容器導入への補助制度の創設など、より低炭素型への転換を進めております。今後も努力してまいります。
なお、本県の取組については、先月開催された全国知事会のプロジェクトチームでも私から紹介させていただいて、小泉環境大臣から、大臣の表現によりますと、富山県はぶっちぎって前に行っていると、こういう御評価をいただきました。今後とも様々な機会を捉えて発信しまして、環境・
エネルギー先端県とやまのPRに努めてまいります。
次に、
アフターコロナ時代を見据えた
経済社会構想検討会議に関する御質問にお答えをいたします。
6月定例会で県議会自民党の鹿熊議員から御提案いただきました検討会議では、東京一極集中型の社会構造のリスクの顕在化やデジタル革命の進展を踏まえまして、
アフターコロナ時代の本県のさらなる発展に向けて議論いただくことにしております。
特にDXの進展が経済社会に及ぼす影響を踏まえまして、本県の目指すべき将来像、本県のさらなる発展に向け取り組むべき戦略プロジェクトにつきまして、産業、経済から暮らしまで幅広く検討いただきたいとお願いしております。
1回目の検討会議では、各委員から、産業・経済分野では、5G、AI等の技術の活用によるイノベーションの創出ですとか、デジタル人材の育成。観光・地域づくり分野では、地域資源の発見、また磨き上げ、
リモートワークやワーケーションの推進。暮らしの分野では、オンラインによる介護やICT教育、交通サービスの充実。行政の面では、手続のオンライン化など、DXの進展に伴い検討すべき課題、具体的な論点について御意見をいただきました。
また、若手代表者から成る未来戦略PTでは、2つの部会に分かれて議論していただいたんですが、斬新なプロジェクトの御提言に向けて議論を深めていただきました。その中では、例えば行政のデジタル化をもっと進めて、インターネット1つで手続が済むようにすべきであるとか、いろんな御意見がありました。
今後、検討会議及び未来戦略PTを年度内に2回ずつ開催する、年度末には本県が重点的に取り組むべき成長戦略を御提言いただきたいと思っております。
県としても、こうした議論を踏まえて、全国のモデル県を目指してしっかり取り組んでまいります。
次に、
経済雇用情勢の認識と今後の対応についての御質問にお答えをいたします。
本県経済については、生産は減少し、雇用情勢についても、有効求人倍率が9か月連続して低下して、3月以降、感染症の影響による解雇、雇い止めを受けた離職者の方が、9月4日時点ですけれども655人となりますなど、厳しい情勢が続いております。
一方、個人消費は、このところ持ち直しの動きが見られますなど、一部では下げ止まりの動きが見られます。
新型コロナウイルスによる影響については、特に飲食業や宿泊業が大変大きな影響を受けておりますけれども、小売業や卸売業、製造業、建設業についても影響を受けておりまして、影響は幅広い業種にわたっているものと考えております。
そこで、事業持続化・地域再生支援金の増額ですとか申請期間の延長、資金繰り支援の融資枠を拡充しますとともに、全国初の取組となります、新型コロナの影響による離職者のトライアル雇用を経た上での再就職支援制度を創設しますなど、幅広い業種の支援に努めることにしております。
また、国のGo To
トラベル事業と連携した冬の誘客を含む観光需要の回復、国のGo To 商店街やGo To Eat
キャンペーンと連携した商店街のにぎわい回復の取組への支援、また県産食材の需要拡大にも努めることにいたします。
さらに、富山県としても、また全国知事会とも連携して、民間金融機関における実質無利子・無担保融資の保証申入れ期間の延長ですとか、持続化給付金の売上げ減少要件の緩和等の検討について、近く国に要望することにいたしております。
今後も、本県の
経済雇用情勢を注視して適時適切に対策を講じてまいります。
次に、
医薬品産業の振興についてお答えをいたします。
これまで、創薬研究開発センターの整備を図りましたり、また付加価値の高い医薬品の研究開発、人材育成の支援体制を強化しております。また世界の薬都スイス・バーゼル地域との国際交流の推進とか、また医薬品医療機器総合機構の北陸支部ですとか、アジアトレーニングセンター研修所の県内設置、あるいはGMP研修等の実施ですとか、またPIC/Sの総会・セミナー、49の国と地域から52の査察当局が参加する世界総会ですから、大変意義があったと思います。
こうした様々な取組の積み重ねの結果、本県の
医薬品産業は、その生産額が平成27年から2年連続で全国1位となりますなど、
全国トップクラスの医薬品の生産拠点となっておりまして、また議員お話しのフサンとかアビガンとかデキサメタゾンなど、くすりの富山が世界レベルで大きな注目を集めますなど、目覚ましい成果が上がっていると言えます。
また、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムは、国の地方大学・地域産業創生事業7件の一つに採択されましたし、また国内外のトップレベル人材、例えばドイツのハラルド・グレーガー教授は大変に有名な方ですし、こういった方々の招聘によって研究開発を推進する。また東京圏の学生を対象にしたサマースクールやバイオ医薬品の製造方法を学ぶ人材育成プログラムの実施など、さらなる飛躍のための新たなステージに入っております。
今後も、世界水準の研究開発、また、くすりの富山を支える専門人材の育成確保に取り組んで、何とか早く富山県の
医薬品産業1兆円を目指して全力投球をしてまいります。
次に、
デジタルトランスフォーメーションの導入促進についてお答えをいたします。
今般の新型コロナ問題を通じまして、県内の企業においても、テレワークや
オンライン会議等の取組が一定程度浸透しましたので、今がデジタル革命を加速化させる大きなチャンスだと考えております。
そこで、早速、6月補正予算で
地域企業再起支援事業費補助金にデジタル革命推進枠を設けまして、
アフターコロナ時代を見据えた企業のDXを重点的に支援することにしたところ、多くの申請がございました。
また、9月
補正予算案では、これらの取組を加速化しますために、総合デザインセンターにデジタルコンテンツの制作に必要な設備を新たに導入しますとともに、デジタルツールを活用したオンライン商談等に取り組む企業の販路開拓を支援することにいたしました。
さらに、県外の先進的なテレワーク事業者を誘致しまして、県内企業との交流を促進することによって、県内企業のテレワークの推進や新たなビジネスの創出、デジタル化の促進を図りますほか、企業誘致や二地域居住促進にもつなげてまいりたいと思います。
県外の先進的なテレワーク事業者、グーグルとか、ヤフーとか、メルカリとか、楽天とかが考えられるわけですけれども、こうしたところにもしっかりとアプローチをしてまいります。
なお、現在、DXの進展を含めた
アフターコロナ時代の富山県の姿について、将来ビジョンを検討しております。近く、
ものづくり産業の振興についても検討を開始することにしておりまして、今後とも本県産業界でDXが積極的に推進されますようにしっかり取り組んでまいります。
次に、水産業への支援についてお答えをいたします。
県内水産業については、外出自粛等に伴って外食需要の落ち込みが、例えばシロエビとかカマスとかヒラメなど、比較的値段の高い高級魚を中心に、価格低下による売上げの減少や在庫の増加が見られております。
そこで、県としましては、事業持続化・地域再生支援金によって漁業者の方の経営継続ができますような助成をするとか、融資相談窓口を設置する、漁業共済制度の活用促進などの経営安定の支援策を進めますとともに、コロナで需要が減少したホタルイカ等の学校給食への提供ですとか、また、漁業関係者と例えばセブン-イレブン・ジャパンによるシロエビ等を活用した新商品の開発、販売への支援など、県産水産物の消費拡大に取り組んでおります。
また、県産水産物の魅力発信のために、来月開催予定の越中とやま食の王国フェスタ~秋の陣~におきまして、
感染拡大防止対策を講じながら魚料理をPR、販売するほか、東京駅構内の飲食店で富山のさかなを使ったメニューを提供するレストランフェアを1か月にわたり開催することにしております。
おかげさまで、シロエビとかベニズワイガニ、こういったものは東京でも知名度が大変上がってきております。しっかり取り組んでまいります。
さらに、県民等への消費喚起としまして、水産物を含む県産品を優先的に購入していただくための県産品購入ポイント制度を実施いたしますほか、9月
補正予算案におきまして、国のGo To Eat
キャンペーンと連携した県産食材の需要拡大ですとか、県民生活の支援といたしまして、ひとり親家庭に県産農水産品等を購入できる商品券を提供する事業なども計上いたしております。
県内水産業は、この秋から最盛期を迎えます。引き続き状況を見守りながら、漁業者の方々の支援や県内水産物の魅力発信、消費拡大に取り組んでまいります。
次に、新型コロナ第1波の検証と今後の対応についてでございます。
本県における、いわゆる第1波の特徴としましては、3月30日以降患者が急増しまして、5月18日までに227人の感染者があったこと、このうち富山市で192人と県内の約85%を占めましたこと、また富山市内の介護老人保健施設とか富山市民病院等においてクラスターが発生して、県内感染者の半数近くを占めたこと、また県内全体の感染者数は相当多いんですけれども、感染経路不明な方は比較的少なかったといったことなどがあると分析しております。
主な課題としましては、病床については感染者数の急増に備えて、常に一定程度確保する必要があること、また介護老人保健施設におけるクラスターの予防、また仮に発生しても拡大を抑制するための対策が必要であること、施設サービスを維持するためクラスター発生施設への職員の応援派遣が必要なことなどがあるというふうに思っております。
県としましては、こうした課題に対して、まず病床確保については、感染患者受入れのための空床確保に係る費用の支援、それから、感染のフェーズに応じて段階的に増やして最大500床の病床確保計画を策定いたしましたり、また軽症者、無症状者用の宿泊療養施設を確保いたしましたり、またクラスターの予防、拡大防止については、医療機関や介護施設による
感染拡大防止の取組を補助いたしましたり、また残念ながら発生した際には、初期対応のための感染症対策チームを新設、3チームをつくり、またDMATとの連携協力体制を整備する、また高齢者施設関係団体と、感染症発生時における介護職員等を応援派遣するための協定の締結をする、また医療用資機材等の確保については、防護具の配布に要する経費とか簡易陰圧装置等の備品整備に対する支援ですとか、さらにはECMOを操作する人材の育成などの取組も進めております。
こうしたことを着実に進めて、医療や介護の提供体制が継続できるようにしっかりと取り組んでまいります。
次に、教育大綱の改定についてお答えをいたします。
教育大綱については、平成28年3月に策定して以来、これまでの5年間、幼児教育センターの設置ですとか、本県独自の少人数教育の実施、あるいは小学校英語専科教員、スクール・サポート・スタッフの配置とか、17歳の挑戦事業の実施とか、また魅力と活力ある県立高校とするための高校再編とか、あるいは県立大学の看護学部や医薬品工学科、電気電子工学科、情報システム工学科の開設など、新時代にふさわしい取組を進めてまいりました。
この間、全国学力・学習状況調査の平均正答率は、毎年度、
全国トップクラスを維持しておりまして、また昨年度の高校卒業者就職率は全国1位となりますなど、相当大きな成果につながっていると思います。
今回の改定では、AIやIoTなど技術革新の進展ですとか、ウイズ・
アフターコロナ時代を見据えた新たな視点として、教育環境のデジタル化の推進、教員の働き方改革、不登校や外国人児童生徒等への教育支援などについて検討しております。
また、富山ならではの教育の推進としまして、高校や県立大学において、
ものづくり産業などの地域産業を担いデジタル技術など先端技術を活用できる人材、また、ふるさとの先人の生き方や富山の自然科学を学びながら社会の発展に貢献できる人材の育成方法等についても検討を進めております。
現在、改定に向けて総合教育会議や有識者委員会で協議を進めておりまして、今後とも幅広く有識者や県民の御意見を伺って、もちろん県議会の御意見も拝聴いたしまして、教育県富山のよき伝統を継承し、さらに発展させて日本一の人づくり県を目指して、子供たちが健やかにたくましく成長するための指針を示す大綱となりますように、しっかりと取り組んでまいります。
最後に、4年間の成果と今後の課題についてお答えをいたします。
この4年間、一貫して活力、未来、安心の3つの基本政策や、重要政策、人づくり、こういったことを全力で取り組んでまいりました。
例えば活力の分野では、先ほども申し上げた地方大学・地域産業創生法の成立と、国の7プロジェクトの一つに「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムの採択をいただいたこと、また60年来の懸案でありました黒部ルートの一般開放の協定の締結ができたこと、また世界で最も美しい湾クラブ世界総会が開けたこと、東海北陸自動車道の4車線化が大幅に前進したこと、また富富富のデビュー等もありましたし、併せて東京に過度に集中している税の大幅な偏在是正といったこともありました。
また、未来の分野では、本県への移住者が、12年ほど前は200人ぐらいだったのが926人にまで増えてきたとか、Uターン率も向上して全国2番目になっているとか、あるいは第3子の保育料の原則無償化などによりまして、出生率が以前に比べますとかなり向上しているとか、あるいは県立大工学部の大幅拡充とか、看護学部の開学、富山県美術館の開館、
シアター・オリンピックス。
また、安心の分野では、中央病院の先端医療棟の整備、がん、救急などの高度医療の提供、ドクターヘリの運用と救命率の向上、また県のリハビリテーション病院・こども支援センターの設置とか、また健康寿命も相当全国トップレベルになってきたとか。
また、人づくりの分野では、起業未来塾や観光未来創造塾、農業未来カレッジ、煌めく女性リーダー塾等の卒塾生が県内各地で活躍してくれるとか、いろんな一定の成果があったかなと思います。
特に、本県への移住やUターン率のさらなる向上については、もちろん、まだまだ課題はあるんですけれども、富山県が、今、若い世代の方々に、ここで住みたい、働きたい、家庭を持ちたいと思って選んでもらえる県の一つになりつつあるのではないかなと思っております。
県議会はもちろんですけれども、案件によって、国会議員の先生方、また市町村、経済界、幅広い県民の皆様の御協力、御尽力に心から感謝申し上げます。
現下の新型コロナにつきましては、県民の皆様の命と健康を守るということで、
感染拡大防止、
医療提供体制の整備、また冬に向けたインフルエンザ予防、そういったことと
社会経済活動の持続、活性化と両立を目指して、全力かつ迅速に取り組んでまいります。
その上で、先ほども申し上げましたように、この危機をチャンスに変えて、コロナの感染や災害リスクの高い東京への一極集中を是正して、DXの推進によってICT、AI、5Gなどの先端技術を最大限生かしながら富山県の強みをさらに伸ばし、富山県をぜひ
アフターコロナ時代の全国のモデル県に飛躍させたいと考えております。
これと併せて、北陸新幹線の早期の大阪延伸、黒部ルートの一般開放の実現、立山砂防の世界文化遺産への登録、また東海北陸自動車道の全線完全4車線化、また防災・減災、県土の強靱化、またJR西日本さんの御提案の城端線、氷見線のLRT化についても真摯に検討しまして、何とか持続可能な形で実現できないか、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
まだまだ多くの課題がありますけれども、私はこれまで培ってきた行政経験や知識ですとか人のネットワークを生かして、危機をチャンスに変えて、
アフターコロナ時代にあっても、県民の皆様お一人お一人が、未来に向けて夢や希望を持って輝いて働き暮らせる元気な富山県を実現させる揺るぎない礎をつくりたいと思います。
そして、次の時代を担う若い世代の方、準備のできた立派な志、見識、実行力のある方に県政をしっかりと引き継ぐべく、県政の総仕上げに向けて全身全霊をかけて働く覚悟でございます。
議員各位、県民の皆様の御理解、御支持をいただけますように、全力を挙げて取り組んでまいります。よろしくお願い申し上げます。
終わります。
9 ◯議長(上田英俊君)
江幡土木部長。
〔土木部長江幡光博君登壇〕
10 ◯土木部長(江幡光博君)私から2問お答えをいたします。
まず、公共工事の発注等についての御質問にお答えをいたします。
公共工事等の発注につきましては、今年度8月末時点の発注総額は約600億円、発注率は約64%であり、新型コロナ感染拡大や建設業の人手不足など厳しい状況にあって、昨年の同時期、これは521億円でありますけれども、これを約80億円上回っております。
また、下半期の発注につきましては、9月
補正予算案で公共事業費等を約127億円と大幅に増額しておりますが、公共事業の補正額については、昨年度に引き続き繰越明許費を設定するとともに、今年度はさらに主要県単独事業も追加いたしまして、発注時期の適切な設定や余裕のある工期設定など、平準化に努めることとしております。
今後とも、建設企業の受注状況等を把握しまして、きめ細かな発注管理により計画的な予算執行に努めてまいります。
また、県では、国の3か年緊急対策により必要な予算を確保し、災害に強い県土づくりに取り組んでまいりましたが、河川改修、土砂災害対策、社会インフラの老朽化対策など、県民の安全・安心を確保するために取り組むべき事業は、まだまだたくさんあると考えております。
このため、国の3か年緊急対策後の所要予算の確保につきまして、知事から赤羽国土交通大臣に対して強く要望したところであり、また国への重要要望にも、対象事業の拡大と別枠による予算の確保などを盛り込んでおります。
令和3年度以降も、防災・減災対策を含む社会資本整備を着実に進め、地域経済の下支えにもつなげられるよう、必要な公共事業予算の確保を国に強く働きかけてまいります。
最後に、流域治水についての御質問にお答えいたします。
近年の水害の激甚化、頻発化を踏まえまして、国では、河川管理者が主体となって行う治水事業を、これまで以上に推進するとともに、あらゆる関係者が協働して流域全体で取り組む流域治水への転換を進めることとしております。
この中では、大規模な洪水が発生した河川の整備計画の見直しや、緊急時に既存ダムの利水容量を一時的に洪水調節容量として活用する事前放流、また不動産取引時の水害リスク情報の提供などが示されております。
現在、国が中心となり、全国の一級水系において流域治水プロジェクトの策定が進められており、本県においても、神通川など5水系でハード、ソフトの両面から、流域全体で早急に実施すべき対策について、県や市町村などとの協議を踏まえて今年度内に取りまとめられる予定であります。
このうち、既存ダムの事前放流につきましては、県内の一級5水系において今年の出水期から、県土木部が管理する8ダムを含む58のダムで運用を開始したところでありまして、二級7水系でも、県が主体となって早期運用に向けて関係者と協議を進めているところであります。
県ではこれまでも、過去に大きな浸水被害が発生した河川などにおいて堤防の整備など計画的に進めてきておりまして、引き続きこれらの整備を推進するとともに、河川の流域の関係者全員が協働して行う流域治水の推進にしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
11 ◯議長(上田英俊君)中谷観光・
交通振興局長。
〔観光・
交通振興局長中谷 仁君登壇〕
12 ◯観光・
交通振興局長(中谷 仁君)私からは、観光振興についての御質問にお答えをいたします。
県では、新型コロナの影響により落ち込んだ
県内観光需要の回復を図るため、6月中旬から県民の皆さんに、感染防止を図りながら県内観光地の魅力を再発見していただけるように、
県内宿泊施設や公共交通機関等の県民向け割引
キャンペーンを展開してきておりまして、多くの県民の皆さんに御利用いただいております。
このうち、県民宿泊割引
キャンペーンにつきましては、一時は40倍近い応募をいただき、宿泊施設の方々からは、これまで利用の少なかった県民の皆さんからの問合せが大きく増加したという声もいただきました。県民の皆さんのニーズが大変大きいことから、2回にわたり事業の拡充をさせていただきましたが、7月下旬からは国のGo To
トラベル事業が開始されましたことや、県民の皆さんの利用が進んだこと等によりまして、最終の第9期の応募につきましては2倍台に落ち着いたところであります。全体で約4万4,000人を当選者とさせていただきました。
一方、国のGo To
トラベル事業の利用者につきましては、国によりますと、開始後1か月の実績で全国で556万人とされておりまして、来年1月末までの6か月間で利用が想定されている宿泊者数のまだ8%弱ということになっております。これは、全国的な感染症の再拡大や東京都発着が対象外となっていること、地域共通クーポン券の発行が未実施であること等によるものと考えられます。
このような中、今月初めに改めて県内の40余りの宿泊施設に利用状況を伺いましたところ、7月は対前年比約56%、8月は44%と、依然厳しい状況が続いております。
県民宿泊割引の申込みにつきましては8月末をもって終了いたしましたが、県といたしましては、9月から新たに国のGo To
トラベル事業と連携いたしまして、県内で宿泊されたグループを対象に、本県の特産品や体験メニューなどの特典を先着でプレゼントいたしますウェルカム富山県
キャンペーンを開始したところであります。
県民の皆さんには、本県の食や暮らし、文化の魅力を再発見いただき、県外からの旅行者の皆さんには、本県のファンになり再度訪問していただくきっかけといたしますとともに、新しい旅のエチケットの周知、
新型コロナウイルス感染症アプリの設定の協力依頼等によりまして、感染防止を図りながら県内の観光需要を確保していくことといたしております。
以上でございます。
13 ◯議長(上田英俊君)
堀口農林水産部長。
〔
農林水産部長堀口 正君登壇〕
14 ◯
農林水産部長(堀口 正君)私から2問お答えをいたします。
まず、米政策についての御質問にお答えをします。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けまして、全国的には外食産業等において業務用米の需要が低迷している一方で、弁当やおにぎり、家庭での消費が好調な面もあり、全農とやまによりますと、令和元年産米の販売契約はほぼ完了しております。
また、本県産米は家庭用向けの割合が高いこともあり、令和2年産米の概算金につきましては、コシヒカリ、富富富は前年同額、業務用仕向けが多いてんたかく、てんこもりは、やや減額となっております。
県といたしましては、米の消費量減少と価格低下への影響が懸念される中、水田フル活用により、主食用米に加えまして加工用米等の非主食用米についても、実需者のニーズに対応した生産を図り、生産者の所得を確保していくことが重要であると考えており、国の戦略作物助成など水田活用の直接支払交付金や、県の麦跡への加工用米の作付助成等によりまして支援をしているほか、米の輸出促進にも取り組んでおります。
また、令和3年産米につきましては、今後、富山県農業再生協議会におきまして、国が11月末頃に公表します米の基本指針なども注視しながら、本県産米の需要見通しや生産者団体等の意見を十分に踏まえまして、米の生産目標あるいは作物別の生産方針などを検討していくことになります。
今後とも、需要に応じた米生産を基本に、加工用米や輸出用米等の作付に加えまして、タマネギやニンジン等、高収益作物の導入による水田フル活用等により生産者の所得が確保できますよう、関係団体と連携してしっかり取り組んでまいります。
次に、
農業用水路の転落
事故防止対策についての御質問にお答えをいたします。
県では、昨年策定した
農業用水路安全対策ガイドラインに基づきまして、行政や土地改良区などの関係団体、地域組織などの連携の下、ソフト、ハード両面から総合的な安全対策を実施し、事故の起こらない地域づくりを推進することとしております。
具体的には、令和元年度の国補正予算を活用した事業費3億円に加えまして、令和2年度当初予算においても国費を含め3億2,300万円を確保し、まずソフト対策として、今年度から春と秋に設定した事故防止強化期間に、土地改良区が県や市町村、地域住民と共に危険箇所の一斉点検を行っているほか、広報誌等による注意喚起など広報啓発活動を強化しております。
また、ハード対策として、おおむね水路幅1メートル以上の幹線水路を中心に、転落防止柵等の整備を県内約20キロメートルで進めております。
さらに、事故が多発している支線末端水路については、県内全市町村を対象に33か所のモデル地区を選定し、自治会や多面的機能支払組織などの参画によるワークショップを7月から順次開催しており、地域ごとの安全点検や対策の検討、
危険箇所マップづくりなどに取り組んでおります。
今後は、この
危険箇所マップを地域の注意喚起に活用しますとともに、
ガイドラインで示した優先度に応じ、転落防止柵のハード対策に加えまして、今年度創設した県単独事業を活用し、網状の用水路蓋やポールコーンの設置等のセミハード対策など、地域のニーズや実情に応じた効果的な対策に順次取り組むこととしております。
今後とも、事故防止のため、地域と行政が一体となった実効性の高い安全対策を強化し加速化してまいります。
以上でございます。
15 ◯議長(上田英俊君)竹野生活環境文化部長。
〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕
16 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、
災害廃棄物の大量発生に備えた本県における対応策についての御質問にお答えいたします。
災害廃棄物は一般廃棄物であることから、一義的には市町村が処理することになりますが、近年、他県で発生しているような大規模災害では、多種多様な
災害廃棄物が一度に大量に発生しておりまして、被災市町村単独での円滑、迅速な処理が困難となることが予想されます。
このため、本年3月に改定いたしました県
災害廃棄物処理計画では、県が市町村、廃棄物関係団体、近隣他県及び国との協力支援体制を整備し、発災時に必要な連絡調整を行うこととしております。
具体的には、廃棄物団体につきましては、県では県産業資源循環協会など4つの団体と支援協定を締結しておりまして、市町村からの要請を受けまして、人員、資機材等を提供いただくこととしております。
また、近隣他県及び国とは、国の
災害廃棄物中部ブロック広域連携計画におきまして、中部9県及び環境省中部地方環境事務所の広域的な相互協力体制が整備されており、毎年、市町村も含めて情報伝達訓練を実施しております。
この相互協力体制の下、昨年10月の台風19号によります長野県の被害においては、本県が幹事支援県となりまして、人員、資機材の派遣と
災害廃棄物の広域処理への支援を行ったところでございます。
この経験も踏まえまして、県では市町村に対して、
災害廃棄物の仮置場候補地のリスト化や資機材の備蓄を促すなど、技術的な支援や助言を行うとともに、
災害廃棄物処理に関する教育訓練を実施するなど、実効性の向上と人材の育成にも努めて、災害発生時の対応に万全を期してまいりたいと考えております。
以上でございます。
17 ◯議長(上田英俊君)大原警察本部長。
〔警察本部長大原光博君登壇〕
18 ◯警察本部長(大原光博君)高齢者の特殊詐欺についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、高齢者の特殊詐欺の被害は、全国レベルはもとより、本県においても深刻な情勢にあり、被害防止に向けた広報啓発の取組は極めて重要な課題であります。
そうした取組の中でも、被害に遭いやすい高齢者だけではなく、その子供や孫世代も含めて、家族間で継続的に連絡を取り合うよう働きかけることは効果的であります。
このため、全国的な取組として、幅広い世代に対し高い発信力を有する著名人で結成されたSOS47プロジェクトチームと連携して、そのポスターや動画を活用した注意喚起及び啓発に努めているところであります。
また、本県独自にも、富山県民だまされんちゃ官民合同会議、特殊詐欺被害ゼロ地区運動を通じた、職域及び地域ごとの実践的な活動のほか、高原兄氏を、だまされんちゃ県民名誉応援団長に任命し、特殊詐欺被害防止ソング「だまされんちゃ!」を制作いただいて、様々な場面での情報発信に活用するなどの取組を進めております。
今後とも不断に創意工夫を凝らしながら、高齢者をはじめとした幅広い世代に対する広報啓発に努めてまいります。
19 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。
〔教育長伍嶋二美男君登壇〕
20 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、学校教育におけるICT環境の整備に関する御質問にお答えをいたします。
県内の全ての市町村では、学校教育のICT環境の整備に向けまして、国のGIGAスクール構想で示された小中学校の児童生徒1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備につきまして、国の補正予算を活用して、今年度内に前倒しして整備する予定となっております。
こうした学校内のハード整備に併せまして、コロナ禍においても家庭等において双方向型の遠隔授業等を可能とする環境整備を図ることとしておりまして、生徒の理解度に応じた効果的な授業の展開に取り組むとともに、緊急時における学びの保障にもつなげることとしております。
また、県立学校については、今年度中に各校のネットワーク回線容量の増強や無線LAN環境の拡充を図りますほか、現在、整備を進めております特別支援学校の小中学部の児童生徒に加えまして、この9月
補正予算案において、高校生及び教員用の1人1台端末の整備のための経費を計上させていただいており、できるだけ早く配備を行い、最先端技術や民間の教育クラウドを活用した質の高い教育の実践とともに、遠隔事業などのオンライン教育に取り組むこととしております。
さらに、指導者である教員のICT活用指導力の向上を図るため、小中学校を対象といたしまして、各教科のICT活用研修会などを対面型研修とオンライン型研修の両建てで実施いたしますほか、県立学校では、デジタル教科書の導入効果の検証や実践事例を掲載いたしました
ガイドラインの作成などを進めております。
今後、対面とオンラインによるハイブリッド型の授業など、ICTを活用した学習活動の充実を図りまして、教員及び児童生徒の資質、能力を最大限に引き出せるよう取り組んでまいります。
次に、学校休校に伴う不登校の未然防止に関する御質問にお答えをいたします。
県内の小中学校における今年度の1学期末での不登校の状況は、これは事業日数が短いことから単純比較は困難でありますが、昨年に比べると減少しているという状況にあります。
一方で、スクールカウンセラーへの相談件数を見ますと、昨年との比較では、本年の6月と7月は不登校に関する相談が増加しております。
このうち、長期休校が影響した相談事例といたしましては、家庭に閉じ籠もるなど、生活のリズムが乱れたことによる心身の不調によるものや、感染拡大に対する恐怖心や学習の遅れへの不安などの多様な悩みを抱える子供が増えております。
こうした生活状況の中で2学期が始まっており、今後、新たな不登校者が生じないよう、きめ細かな対応が求められると考えております。
このため、県教育委員会では、臨時休校期間中から学校と保護者との連絡を密にいたしまして、不登校に至る前兆としての子供たちが抱える不安やストレス等の心身の健康状態の的確な把握に努めることや、子供たちの相談にいつでも丁寧に応じることができる体制を整えて、子供の実態に即してきめ細かな支援に努めるよう、各学校に周知をしてきております。
さらに、スクールカウンセラーなどの専門家と連携した心のケアや環境改善に向けた支援の促進に努めますとともに、様々な悩みやストレスに関する相談窓口を周知するなど、不登校の未然防止やその支援に取り組んできております。
今後とも、不登校の実態の詳細な把握に努めますとともに、各学校における支援体制の強化をはじめとして、不登校の未然防止に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
21 ◯議長(上田英俊君)以上で宮本光明君の質問は終了いたしました。
以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。
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22 ◯議長(上田英俊君)次にお諮りいたします。
議案調査のため、明9月11日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
23 ◯議長(上田英俊君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は9月14日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
本日は、これをもって散会いたします。
午前11時51分散会
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