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  1. 富山県議会 2019-11-01
    令和元年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 武田委員長 おはようございます。  ただいまから11月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしたとおりでありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取り扱いについては、理事会確認事項として、既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        藤井裕久委員の質疑及び答弁 2 武田委員長 藤井裕久委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 藤井(裕)委員 おはようございます。  自民党の藤井裕久です。予算特別委員会のトップバッターということで、順次質問させていただきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。  最初に、本県の総合防災力の向上について質問させていただきたいと思います。  このたびの台風15号及び台風19号とその後の大雨は、関東甲信越、東北と広範囲にわたって甚大な被害をもたらしたのであります。  被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復興を願うものでございます。  11月議会でも、きょうもそうでありますけれども、多くの議員が災害対策を取り上げ、活発な議論が繰り広げられております。  台風19号では、北陸新幹線の10編成、120両が浸水被害を受け、定期便については、東京─金沢間の直通列車が11月末に通常の本数に復旧しましたが、週末の臨時便を含む完全復旧は、まだ先になるようであります。  これらの影響により、本県においても、11月末で営業を終えた立山黒部アルペンルートの2019年の入り込み客数は、紅葉シーズンの県外からの来客に大きな影響がありまして、前年度10%減の88万人にとどまったわけであります。
     このように、直接被害は少ないわけでありますけれども、この台風の被害の全容が、他県においても、我が県においても、これから明らかになってくるものと思っております。  また、さきの報道によれば、県内の自治体が管理する工業団地85カ所の約57%に当たる49カ所が洪水による浸水想定区域に含まれるという指摘もあったところであります。  私は全国の被害状況と、これらのリスク、それを踏まえて指摘されている災害に対する課題について、以下質問したいと思います。  まず、総合的な治水対策についてであります。  台風19号による水害被害は、想定を超える水位、支川への逆流──バックウオーター現象でありますが──などの要因が重なり浸水被害を大きくしたと言われており、浸水被害を防止、軽減するため、本川の河川改修だけではなく、本川へ流れ込む支川の改修、さらには、上流部で洪水を調整する重要な機能を果たす治水ダムを含め、総合的な治水対策が求められているわけでございます。  そこで、本川や支川の河川改修、洪水調整機能を果たす上流部の治水ダムを含め、本県の総合的な治水対策にどう取り組んでいくのか、石井知事の所見を伺います。 4 石井知事 本県には、全国屈指の急流河川が多く、それこそ明治16年の置県以来、過去に大きな災害があったわけですけれども、県民の皆さんの生命や財産を守るために、災害に強く、日本一の安全・安心な県の実現を目指して、河川整備に積極的に取り組んでおります。  その際には、河川や地域の特性を踏まえまして、洪水を安全に流す堤防の整備や、洪水時の水位を低下させるダムの整備など、最も適した対策を効果的に組み合わせて進めております。  例えば、神通川水系におきましては、これまでも、国において本川の堤防や護岸などの整備が進められ、県では支川の県管理河川、具体的には、富山市婦中町の山田川において堤防のかさ上げ、太田川において川幅を広げる改修、いたち川において護岸の整備、坪野川において鉄道橋のかけかえなどを進めますとともに、治水ダムとして、熊野川ダム、室牧ダム及び久婦須川ダムの整備も行っております。  こうしたことによって、流域全体の治水安全度を高めて、浸水被害の軽減が図られております。  国においては、昨日、事業規模26兆円、財政支出13.2兆円の経済対策を取りまとめられまして、そのうち、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保に財政支出5.8兆円を盛り込むとされております。  これは、富山県を初め全国知事会としての要望や、日本海沿岸地帯振興連盟としての要望などを受けとめていただいたものと思っておりまして、せっかくそういった補正予算を組んでいただけるわけですから、県としては、国会議員の皆様や県議会議員の皆様方のお力添えもいただきながら、必要な予算の確保に努めまして、本川や支川の河川改修やダムの整備など、総合的な治水対策が着実に進むように、国と連携しながらしっかり取り組んでまいります。 5 藤井(裕)委員 ありがとうございます。  富山県の発展の歴史は、まさに水を治める、治水の歴史であります。暴れ川をしっかりと治水して、その豊かな水を電源開発に利用して富山県は発展してきたわけでありますので、私が今言いましたような支川にもしっかりと目を配っていただいて、ただいまの答弁で十分だと思いますので、しっかりとまた、取り組んでいただきたいと思います。  次に、新しい消防防災ヘリコプターの運航について伺います。  今回の災害でもそうであったように、大規模災害時には、救助や搬送を初め、捜索活動、被害状況の確認など、ヘリコプターの役割が大きいわけであります。  本県で現在、本格導入の準備が進められている新しい消防防災ヘリコプターにも、県民の大きな期待が寄せられております。この新しい消防防災ヘリコプターは、現在、訓練飛行が行われているところであります。  現行機と比較して、どのようなすぐれた性能を持ち、いつから運航開始されることになるのか、竹野危機管理監に伺います。 6 竹野危機管理監 消防防災ヘリコプター「とやま」につきましては、平成8年4月の運航以来大きな事故もなく、救急救助や火災防御、災害応急など幅広い活動で、県民のとうとい命と貴重な財産を守ってきたほか、大規模災害時には、緊急消防援助隊航空部隊として、被災地の広域災害応援活動に当たるなど、重要な役割を担ってきたところでございます。  本年9月末に納入された更新機につきましては、現行機に比べ、約2倍のパワーがあり、3,000メートル級の山岳地帯で安定してつり下げ救助ができる動力性能を有するととともに、新たに空中衝突防止装置や対地接近警報装置を装備し、安全性が高まったこと、また、客室スペースが約1.6倍となりまして、救出人数や救助用資機材の搭載で余裕が生まれたことなど、富山の厳しい環境下での救助等に対応できる性能と、消防防災ヘリコプター本来の多用途に対応できる装備を備えております。  更新機につきましては、令和2年4月からの運航開始に向けて、現在、現行機による救助等活動と並行して、日々、習熟訓練を行っているところでございます。 7 藤井(裕)委員 ありがとうございました。  大規模災害時に陸路が寸断されるということで、ヘリコプターに対する期待は大きいわけでありますし、ましてや我が県の地形を考えますと、活躍する場面があってはならないことだと思いますけれども、消防防災ヘリコプターに寄せられる期待は大きいわけでありますので、しっかりと運航が図られるようにお願いをしておきます。  次に、現在計画中の防災・危機管理センター(仮称)と広域消防防災センターとの連携について伺います。  広域消防防災センターは、災害時の備蓄や輸送の拠点としての機能、広域的な災害が発生したときの実動部隊の受援機能、災害対策本部の代替機能を有しており、災害対策本部などの防災、危機管理の中核として、令和4年度の完成に向け、現在、実施設計が進められている防災・危機管理センター(仮称)との緊密な連携体制の構築が必要となります。  そこで、防災・危機管理センター(仮称)は、広域消防防災センターとどのような連携体制の構築を図っていかれるのか、竹野危機管理監の所見を伺います。 8 竹野危機管理監 防災・危機管理センター(仮称)と広域消防防災センターとの連携につきましては、有識者や実務者による基本計画検討委員会での協議や議会での議論等を踏まえて、昨年10月に取りまとめた基本計画において、それぞれの施設の特徴を生かして工夫するとしております。  広域消防防災センターは、平常時には、防災関係者の実践的な訓練や研修、また、県民の体験型の防災教育の場として活用されておりますが、災害時には、広域的な応援物資の輸送拠点機能や、広域応援の緊急消防援助隊や自衛隊等の実動部隊が集結する受援機能、また、災害対策本部の代替機能を有する防災拠点施設となります。  特に、防災・危機管理センター(仮称)内の災害対策本部で収集する被災地の情報や映像、また、各広域応援部隊のリエゾンからの人的、物的支援のニーズや支援方針等について、広域消防防災センターに配備する各実動部隊などに迅速かつ的確に伝達し、被災地等へ応援部隊の出動や応援物資の搬送等を効率的に行うことが大変重要となります。  このため、防災・危機管理センター(仮称)で現在進めております実施設計や、今後進めていきます映像情報システムの設計等を通じて、それぞれの施設の立地や周辺環境などの特色を生かして、両センターの連携体制について、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 9 藤井(裕)委員 ありがとうございます。  今、危機管理監から、今後、映像情報システムの共有等も含めて進めていくという答弁がありましたが、両者の情報共有やその通信システムというのは、非常に大事になってまいります。東日本大震災の後の福島の原発事故でもそうでありましたが、昨今の災害も似ておりまして、映像で伝える、そして、通信の大切さというものを心得て、そのあたりしっかりメンテナンスしてほしい、計画に入れていってほしいとお願いをしておきます。  それでは次に、福祉避難所や要配慮者についての質問を何点かさせていただきます。  委員長、ここで資料配付の許可をお願いします。 10 武田委員長 許可いたします。 11 藤井(裕)委員 皆さんには、資料を見ながらお聞きいただければと思いますが、今回の台風19号やその後の大雨災害で、改めて福祉避難所のあり方、避難情報の伝達と避難誘導のあり方が課題となったわけであります。  高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦など、一般の避難所で生活することが困難な要配慮者の方々が避難生活を行う場として、福祉避難所の確保と周知が必要であります。  配付した資料を見ていただくと、福祉避難所のあるべき姿、機能が記載してありますので、各自御確認いただきたいと思います。  そこで、避難所で発生する、いわゆる災害関連死などの痛ましい二次被害の防止に当たり、本県における福祉避難所の確保状況、住民への周知に係る取り組み状況はどうか、市村厚生部長に伺います。 12 市村厚生部長 福祉避難所は、災害発生時に一般の避難所に避難してきた方で、避難所での生活において何らかの特別な配慮が必要な方を対象とする二次的な避難所でございまして、市町村長が指定することになっております。  県ではこれまでも市町村に対し、福祉避難所の必要性について、国のガイドラインや研修会等を通じて周知を図ってきたところでございまして、これまでに全ての市町村で、合計219カ所の福祉避難所が指定されておりますが、さらに指定を促していきたいと考えております。  また、住民への周知につきましては、福祉避難所がどこにあり、どのような方のために確保されているのかといった情報を、住民に十分周知されるよう働きかけてきたところでありまして、市町村では、ホームページへの掲載や防災マップ、防災ハンドブック、災害時マニュアルの配布など、さまざまな方法で周知に努められているところでございます。 13 藤井(裕)委員 ありがとうございます。  最近、小学校単位での自治会主催の自主防災会等が中心になった避難訓練等もございますので、ぜひ、周知を徹底していただきたいと思います。福祉避難所については、なかなか周知が徹底していないと感じておりますので、よろしくお願いします。  要配慮者の中でも、特に福祉的な配慮が必要な要支援者、この要支援者の皆さんにとっては、避難先の避難経路のほか、避難する際の支援者など、個別具体的な誘導方法の準備が必要と考えております。  国において平成17年に災害時要援護者の避難支援ガイドラインが策定されたことを受け、富山県においても、平成17年9月に富山県災害時要援護者支援ガイドラインを策定し、市町村に対し、災害発生時の対応マニュアルの作成や災害時要援護者の支援体制を整備するように働きかけてきました。  福祉的な配慮が必要な避難行動要支援者が円滑に福祉避難所に避難できるようにするには、支援者、避難経路、避難先等を記載した個別の計画が必要となりますが、この避難支援計画(個別計画)の策定に向けて、現在どのように取り組んでおられるのか、市村厚生部長に伺います。 14 市村厚生部長 まず、県内市町村の個別計画の策定状況につきましては、本年11月1日現在で、個別計画の策定に同意いただいた方が約3万1,000人おられまして、このうち、個別計画の策定数は年々増加し、約1万2,000人となっております。  県ではこれまでも、国の取組指針の周知や、全国の先進事例の紹介などを行い、地域の特性や実情を踏まえた要支援者一人一人の個別計画を策定するよう、市町村に要請してきたところでございます。  また、今年度も、市町村向け研修会を開催して、制度概要や必要性について説明を行いまして、個別計画策定への理解促進を図ったところでございます。  今後とも、市町村において、避難支援等関係者と連携を密にいたしまして、個別計画の策定が促進されますとともに、具体的かつ実践的な内容となりますよう、研修会を初め、あらゆる機会を通じて市町村に働きかけてまいりたいと考えております。 15 藤井(裕)委員 当事者の理解が得られればという前提がありますので、なかなか難しいところもございますが、確実に増えていると感じます。しかし、まだ3分の1でありますので、しっかりと地道に取り組んでいただきたいと思います。  この要支援者に対する避難支援計画(個別計画)の前提となります避難行動要支援者名簿は、現在、全ての市町村で作成が進められています。  しかし、名簿登録者数が少ないことや、活用方法について関係者間での相互理解の醸成など、大規模災害発生時に十分役立つような内容にしていくことが大切だと感じております。  そこで、市町村と連携、協力し、避難行動要支援者名簿の充実や活用に向けた取り組みを早急に推進する必要があると考えますが、名簿作成状況と今後どのように取り組んでいくのか、厚生部長に伺います。 16 市村厚生部長 平成25年6月の災害対策基本法の改正によりまして、市町村長は避難行動要支援者の把握に努め、避難支援等を実施するための基礎となる名簿を作成するということになっております。  避難行動要支援者の範囲等は市町村ごとの地域防災計画で定められておりまして、本年11月1日現在、県内全市町村で名簿が作成され、約7万1,000人が掲載されているところでございます。  災害に備えて、避難行動要支援者名簿に掲載されている全ての要支援者から同意を得て、消防機関や民生委員などの避難支援等関係者間での相互理解を図りながら個別計画を策定しますとともに、要支援者が迅速かつ適切に避難するため、日ごろから支援する方々との連携、協力体制づくりが重要であると考えております。  このため県では、引き続き、要支援者の把握と関係者間の相互理解、個別計画の策定を支援しますとともに、県総合防災訓練や市町村での防災訓練等における情報伝達や避難誘導などの実践的な訓練を通じまして、災害発生時の要支援者の避難支援に、市町村とともに取り組んでまいりたいと考えております。 17 藤井(裕)委員 ありがとうございました。  今、関係者の連携という話がありましたが、その情報共有がやはり大事だと思います。昨今、個人情報保護の観点から、なかなか扱いは難しいわけでありますけれども、これだけの大災害が続くわけでありますので、しっかりと、その辺を周知して、理解をいただいて、進めていただきたい。また、市町村にも情報提供してほしいとお願いをしておきます。  さて、平成29年6月に水防法と土砂災害防止法が改正されました。浸水や土砂災害が想定される区域にある社会福祉施設や学校、医療施設などの要配慮者利用施設で、避難確保計画の作成が義務づけられたわけであります。  この計画は、水害や土砂災害が発生するおそれがある場合に、施設の利用者が速やかに避難できるように、個別の施設の所在地に応じた計画について、所有者や管理者が必要な事項を定めるものであります。  その定める事項は、防災体制、避難誘導、施設の整備、防災教育及び訓練の実施、自衛水防組織の業務、そのほか利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な措置となっております。  そこで、水害や土砂災害が発生するおそれがある場合に、要配慮者利用施設の利用者が円滑かつ迅速に避難できるよう、本県の要配慮者利用施設における避難確保計画の作成状況を踏まえ、計画作成の推進にどのように取り組んでいかれるのか、水口土木部長に伺います。 18 水口土木部長 委員御指摘のとおり、市町村が地域防災計画に被害の発生のおそれのある要配慮者利用施設として定めた施設の管理者などに、避難確保計画の作成などが義務づけられました。  計画作成の対象となります要配慮者利用施設数と、その作成状況でございますが、本県では、本年10月末時点で、浸水被害のおそれがある施設が815施設あり、このうち約45%の365施設で作成済み、土砂災害のおそれがある施設が60施設あり、このうち約87%の52施設で作成済みとなっております。  県では、これまでも国と共同での説明会の開催、市町村が開催する説明会への土木部職員の派遣、要配慮者利用施設を所管する庁内関係部局の職員による助言などを行い、対象施設の管理者が計画を速やかに作成できるよう支援を行ってまいりました。  県としましては、浸水被害や土砂災害を防止するハード対策はもとより、ソフト対策も着実に進めることが重要であると考えておりまして、引き続き、市町村など関係機関とも連携して、施設管理者の計画作成などを積極的に支援してまいりたいと考えております。 19 藤井(裕)委員 浸水被害のおそれがある815施設中、約45%の365施設で作成済みとのことで、45%という数字は、まだまだこれからだと感じておりますので、100%目指して、我々議員もそうですけれども、やっぱり推進していかなければならないと感じた次第でありますので、よろしくお願いします。  土砂災害のおそれがある施設については約87%、52施設で作成済みということでありますが、今、部長もおっしゃったソフト対策も物すごく大事でありますので、ぜひ100%を目指していこうじゃありませんか。我々も協力しますのでよろしくお願います。ありがとうございました。  それでは次に、災害派遣福祉チーム(DWAT)について質問させていただきます。  配付資料がございますので、許可願います。 20 武田委員長 許可いたします。 21 藤井(裕)委員 これも資料をごらんいただきながらお聞きいただければと思います。  聞かれたことはあると思いますけれども、今回の災害でも、例えば宮城県、埼玉県、群馬県、長野県などの被災地に災害派遣福祉チーム、いわゆるDWATが避難所へ派遣され、活動されています。  災害時に避難者の生活機能の低下や要介護者の重度化など、二次被害を防止するための福祉的な支援体制の構築が今求められているということであり、本県では10月に災害福祉広域支援ネットワーク協議会が立ち上がったばかりであります。  そこで、本県の災害派遣福祉チーム(DWAT)の派遣に向け、災害福祉に精通した、いわゆる社会福祉士の皆さん、介護福祉士等の専門職団体との連携を加速すべきと考えますが、体制の構築や研修等にどのように取り組んでおられるのか、市村厚生部長の所見を伺います。 22 市村厚生部長 国では、災害派遣福祉チーム(DWAT)の全国展開を図るために、昨年、ガイドラインを策定し、災害時における都道府県ごとの福祉支援体制の構築を推進しており、本県では、本年10月に、県内の福祉関係団体等17団体で構成をいたします富山県災害福祉広域支援ネットワーク協議会を立ち上げまして、災害派遣福祉チーム(DWAT)の体制構築に向けて取り組みを進めております。  現在、災害派遣福祉チーム(DWAT)の活動マニュアルの作成や、県と福祉関係団体との災害福祉支援に係る協定の締結を進めておりまして、社会福祉士や介護福祉士、保育士等の資格を有するチーム員を募集することとしております。  また、参画いただいたチーム員を対象に、業務遂行上必要な知識や技術を身につける研修や災害発生時に避難所での活動を想定した実動訓練を実施いたしまして、チーム員として必要な資質の確保を図り、正式登録を行う予定としております。その上で、遅くとも来年度早々には、災害派遣福祉チーム(DWAT)の体制を整備したいと考えております。  近年、豪雨や台風などの大規模災害が続いておりますので、県民の安全・安心を守るため、一日でも早く災害派遣福祉チーム(DWAT)を派遣できますようにしっかりと取り組んでまいります。 23 藤井(裕)委員 今般の大規模な水害を見ておりましても、今、部長がおっしゃったように、避難所で支援や配慮を要する方、そして障害をお持ちの方へのケアは非常に大事になってきます。  御存じのように、健常者の方々と体育館などのようなスペースで一緒に過ごすことは、やっぱりできないわけでありますので、一刻も早く、福祉避難所への移動等も含めて、DWATの活躍の場は広がっていますし、その活動が大事でありますので、しっかりと派遣できるような体制の整備をお願いします。ありがとうございました。  続きまして、子供の安全対策について伺いたいと思います。  最初に、登下校時の安全対策であります。  先月12日に青森県八戸市で、下校中の小学校6年生女子児童が首を刃物で切りつけられるという痛ましい事件が発生したわけであります。また、ことし5月、神奈川県川崎市において、登校中の児童や保護者が襲われ、2名が死亡、17名が重軽傷を負うという大変痛ましい事故が発生いたしました。昨年5月には、新潟市において、下校中の女子児童の誘拐殺人事件も発生しております。  このように、子供の登下校時には、交通事故などのリスクはもとより、誘拐などの危険も存在しているわけであります。  昨年、富山県内における不審な声かけやつきまといの受理件数は、統計をとり始めて以来、過去最高の件数であったとお聞きしております。不審な声かけやつきまといは前兆事案と呼ばれまして、凶悪犯罪の前ぶれであると指摘されているわけであります。  そこで、近年の富山県内の子供への不審な声かけやつきまといの受理件数の推移はどうなっているのか、また、発生した時間帯や場所、子供たちの性別、小中高校等の発達段階などの特徴はどうか、大原警察本部長に伺います。 24 大原警察本部長 子供に対する犯罪の前兆と見られる声かけ、つきまといなどの事案につきましては、統計をとり始めた平成21年の199件から年々増加し、平成30年中に受理した件数は511件と最も多くなっております。  本年につきましては、10月末現在で313件と、前年同期に比べ137件減少しているものの、過去5年の推移を見ますと、平成26年以降、約350件以上の発生が続いており、高どまりの傾向にあります。  発生時間帯では、小中高校生のいずれも、下校時間帯の午後3時から午後6時までの間が最も多く、道路上が約7割を占め、被害者の約8割が女性となっております。  小中高校生別の特徴につきましては、小学生以下と中学生では声かけ事案が多く、高校生につきましては声かけ事案と卑わいな言動が多くなっております。 25 藤井(裕)委員 今ほどの数字にも驚くわけでありますが、顕在化していない事案もたくさんあると思いますので、相当数増えてきているという現状認識でいいと思います。  今ほどの答弁のとおり、昨年の富山県内での不審な声かけやつきまといの受理状況が過去最多になっているという現状を踏まえて、凶悪犯罪につながる前に早急に対策を打っていくべきと考えているわけであります。  そのため、通学路の犯罪抑止には防犯カメラの設置が有効であるということが、県議会でもしばしば取り上げられるわけでございます。防犯カメラは、犯罪の抑止のみならず、犯罪捜査にも大きな効果を上げています。  県では、先般、9月補正で、可搬式捜査用カメラの予算措置をされていますが、これによりどのような効果を狙っているのか、使用方法とあわせて、大原警察本部長に伺います。 26 大原警察本部長 子供を対象とした凶悪犯罪を未然に防止するためには、その前兆と見られる声かけ、つきまといなどが発生した段階で、これに対処する先制、予防的活動が重要であります。  警察では、声かけなどを認知した際、可能な限り早期に行為者を特定すべく、現場付近での聞き込みや防犯カメラの確認など、所要の捜査を行っておりますが、本県では、防犯カメラの空白地帯が多いことから、これを補完するものとして可搬式捜査用カメラが有用であります。
     可搬式捜査用カメラの使用方法につきましては、捜査手法の中身にかかわることですので、お答えは差し控えさせていただきますが、一般的には、行為者の早期特定につながり、重大事案の未然防止に大きく寄与するものと考えております。 27 藤井(裕)委員 可搬式捜査用カメラの予算は、そんなに大きくはなかったと心得ておりますが、対策としては有効だと思いますので、必要に応じてしっかり要望していただければと我々も考えているわけでありますので、また情報提供をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。  続きまして、登下校時に潜む凶悪犯罪から子供を守るには、今、御答弁いただいた防犯カメラの設置が有効でありますが、このほかにも地域における安全パトロール等の見守り活動などが有効であります。  しかし、根本的な安全確保には、被害の対象である子供たちが、みずから犯罪が起きやすい場所や時間、犯罪の特徴を知り、危険箇所を避けるなど、みずから身を守る行動をとれるようになることが非常に重要であります。  そのための有効なツールとして、地域や学校における地域安全マップの作成が叫ばれております。本県における地域安全マップの作成状況は、小学校では約7割であり、残る3割は未作成ということでありますので、今後さらなる推進が必要と考えているわけであります。  そこで、子供への不審な声かけやつきまといなど、犯罪が起きやすい場所を子供たちみずからが観察し、発見し、認識するため、地域安全マップの作成状況を踏まえ、さらなる作成の推進にどう取り組んでいかれるのか、伍嶋教育長の所見を伺います。 28 伍嶋教育長 地域の防犯力の強化につながる地域安全マップは、犯罪が起こりやすい場所や安全な場所などを、写真などを使って解説した地図でありまして、平成30年度は、委員から御紹介のありましたとおり、県内の約7割の小学校で作成されております。  本県では、本年8月に設置された子どもの安全確保と地域防犯力の強化に関する有識者会議におきまして、県の防犯対策のあり方などについて議論されており、会議では、地域安全マップづくりについて、子供たちがみずからの安全を確保できる能力を向上する観点から有効であると評価されております。  また、その作成に当たり、子供がみずから通学路などを点検して、いわゆる犯罪機会論を踏まえた、誰もが入りやすく、誰からも見えにくい場所、すなわち、犯罪が起こりやすい場所を見きわめ、地図にあらわすというプロセスが重要であることや、教員や保護者等が犯罪機会論を踏まえたマップづくりの手法を学ぶ機会を得ることが必要であること、また、地域安全マップの作成には、地域の方々の協力がぜひとも必要であること、などの意見をいただいたところであります。  県教育委員会といたしましては、地域安全マップの作成が安全教育を進める上で、さまざまな場面において有効かつ重要であると考えており、今後、全ての小学校で作成されるよう、教員向けの防犯教育指導者講習会などにおいて、その作成手法の伝達や地域との連携強化について、周知徹底してまいりたいと考えております。 29 藤井(裕)委員 全ての学校で作成されるよう、ということでございますが、まさにそのとおりだと思います。  加えて、地域との連携強化という話もありましたが、そこがポイントだと思います。地域では自治会長さんが中心になって地域安全マップづくりを進められているところがありますけれども、学校との共通認識が大事でありまして、先生、保護者、自治会の皆さんとの情報共有というか、一体となってつくればベストですので、ぜひ進めていただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、SNSを介した犯罪の未然防止について伺いたいと思います。  近年、SNSを介して言葉巧みに少女を誘い出し、誘拐監禁するという卑劣な事件が相次いで起きております。警察庁のホームページによりますと、SNSを介して被害に遭った18歳未満の児童生徒数は、2018年では1,811件、これは2012年と比べて1.7倍に急増しているわけでございます。  今の子供たちは、生まれたときからインターネットの環境に親しんでおりまして、例えばSNSを使って知り合った方と直接会うことに対する抵抗感が薄れている現状が指摘されるわけでございます。  総務省の平成30年の通信利用動向調査によりますと、小学生(6歳から12歳)の67.1%、中高生(12歳から19歳)では96.6%がインターネットを利用しております。  また、スマートフォンは、小学生では32.9%、3人に1人、中高生では83.8%、ほとんどの方が持っておられるということであります。  さらに、先月末の報道によりますと、政府はSociety5.0の実現を加速するため、さらなるIT教育の必要性が高まる中、現在公立の小中学校でのパソコンの普及率がおよそ生徒5人に1台のところを、2024年までに全国の小中学校で、パソコンもしくはタブレット型端末を生徒1人に1台使えるようにするという方針を固めたわけであります。  このことによって、義務教育においては、ほぼ全ての子供たちがインターネットを利用する環境ができ上がります。これは、子供たちの情報活用能力の向上や学習活動の充実など、子供たちに対する教育の質の向上が大いに期待される取り組みであると評価をするわけでありますが、一方で、子供たちを取り巻く危険に対しても、しっかりと対応していく必要があると考えます。  情報化の進展に伴い、子供たちを取り巻く危険性が急速に高まっております。インターネットやSNSを介した子供たちに対する犯罪を未然に防止するためには、地域社会や警察などの関係者が協力した取り組みが非常に大切であります。  県警察は、ネット犯罪の未然防止や取り締まりを強化するため、サイバーパトロールにも力を入れてまいりました。  そこで、本県における近年の、これは18歳未満ということでございますが、子供の福祉を害する犯罪の検挙状況はどうか。SNSに起因する事案の被害児童数の推移を踏まえて、被害防止に向けてどのように取り組んでいかれるのか、大原警察本部長の所見を伺います。 30 大原警察本部長 児童買春や児童ポルノ事犯など、少年の福祉を害する犯罪の検挙数は、近年、増加傾向にありますほか、SNSに起因する犯罪の被害に遭った少年の数についても、平成26年の19人以降、毎年10人から20人程度が確認されており、インターネットやSNSを介した犯罪による少年の被害は看過できない状況にあります。  こうした被害を未然に防止するためには、警察による取り組みのほか、地域社会や学校と連携した取り組みが重要であります。県警察では、サイバーパトロールはもとより、個別の相談、街頭補導を通じ、被害少年あるいは被害に遭いかねない非行少年の早期発見、保護に努めているほか、加害者側の取り締まりを強力に進めているところであります。  また、地域社会や学校との連携に関しましては、携帯電話販売店に対するフィルタリング普及促進の要請、児童生徒に対するインターネットの安全で正しい利用を啓発する非行防止教室などの開催、保護者に対する啓発活動などに取り組んでいるところであります。  警察としましては、引き続き、これらのサイバーパトロールや取り締まり、地域社会などと連携した取り組みを強力に推進し、インターネットやSNSを介した犯罪による少年の被害の防止に取り組んでまいりたいと考えております。 31 藤井(裕)委員 ありがとうございます。  被害児童数は平成26年の19人以降、毎年10人から20人程度と高どまりしているということでありましたが、犯罪に遭っても言えないという子供たちもいるわけです。  誰かが調べたわけではないので、推測の域を出ませんが、およそ専門家の意見などを聞いておりますと、やっぱり言えない子はどうしても出てくるのだから、未然に防ぐしかないと。親にも言えない、先生にも言えない、友達にも言えないという中で苦しんでいる子供をそういう犯罪に遭わせてはいけないと我々は思っているわけでありますので、未然防止対策をしっかりやってほしい、それしかないと思いますので、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。  近年、全国でSNSを介した事件が相次いで発生しているということは、今ほど私も言いましたし、報告もあったわけであります。子供たちのインターネットの利用やスマートフォンの所持は、今後さらに増加すると──今でも高いわけでありますが、このように考えられます。  子供たちのSNSの使い方次第で、常に凶悪犯罪に巻き込まれる危険と隣り合わせになっているわけであります。  そこでまず、県内の小中学生のインターネットの利用率やスマートフォンの所持率はどうか、伍嶋教育長に伺います。 32 伍嶋教育長 県内の小中学生のインターネットの利用率については、これは全ての媒体やツールに関する調査ではありませんけれども、全国学力・学習状況調査におきまして、スマートフォンや携帯電話によるインターネットの利用について調査しております。  直近の平成29年度の調査によりますと、平日にインターネットを利用していると回答した割合は、小学校6年生が58.9%、また、中学校3年生では80.1%となっておりまして、多くの小中学生がインターネットを利用しているものと考えております。  そのうち、平日1日当たり1時間以上利用していると回答した割合で見ますと、小学校6年生が18.8%、中学校3年生では45.8%となっておりまして、ともに年々やや増加傾向にございます。  また、スマートフォンや携帯電話の所持率について見ますと、年々増加している状況にありまして、平成29年度の全国学力・学習状況調査の結果では、小学校6年生が59%、中学校3年生では80.3%となっております。  こうしたことを踏まえますと、スマートフォン、携帯電話を持っているほとんど全ての児童生徒がインターネットを利用しているものと考えております。 33 藤井(裕)委員 ありがとうございます。  私は、今の数字、まさにそのとおりだと認識しておりますし、携帯電話、スマートフォンやタブレット端末を所持するということそのものは、今、Society5.0に向けて我々も取り組んでおりますが、まことに結構なことだと思っております。  その物を所持する、そこから情報を得る、インターネットを利用する、SNSで通信する、連絡を取り合うというのは、やはり現代社会において当たり前ですし、また、便利なものを我々も安全に利用すればいいわけですから。  私もきょうここに来るまで車に乗ってきましたが、車もそうですね、安全に車を使えば。最近、あおり運転など間違った使い方をする、やはり人間の使い方の問題だと思います。この辺は、これからもしっかりと取り組んでいかないといけないと感じております。  これから義務教育で1人1台のパソコンという時代に入りますので、その機器を利用したネットの使い方をしっかりと教育していってほしいと感じているわけであります。  今ほど私が申しましたとおり、また教育長にもお答えいただきましたが、子供たちを取り巻く環境の危険性が懸念される中で、インターネットやSNSを介した子供たちへの犯罪を未然に防止するには、子供や保護者、教員がそこに潜む危険性について共通認識を持ち、その危険に近づかないための教育こそが大事であると感じております。  そこで、県内の学校におけるネットリテラシー教育について、しっかりと取り組むべきであると考えますが、その取り組み状況や今後の取り組みについて、教育長の所見を伺います。 34 伍嶋教育長 子供たちにとりまして、スマートフォンなどの利用は、現代社会では、日常生活と切り離せないものになってきていると思っております。  しかしながら、委員から御指摘のありましたとおり、利用の仕方によっては、例えば、誘い出しによるさまざまな被害や暴力行為などに巻き込まれるという事態もあることから、県教育委員会では、これまでも、児童生徒や保護者、また教員に対しまして、ネットリテラシーの向上を図る取り組みを進めております。  児童生徒には、みずからが考え、学ぶことが大切であるということから、全ての県立学校におきまして、生徒会が中心となり、生徒自身がネットルールをつくる取り組みを実施しております。  また、小中学校におきましても、同様の取り組みを進めている市町村に対しまして、支援を行っているという状況でございます。  また、授業での取り組みの例といたしましては、小学校では、道徳の授業で、情報社会でのルールなどを守る大切さを学び、中学校では、情報の発信側の責任や受け取る側の正しい判断が必要であること、さらに、高校では、架空請求やフィッシング詐欺などの危険性について学んでおります。  また、保護者に対しましても、ネットに潜む危険性等を掲載した親学びノートを作成して、親学び講座で活用しております。  さらには、教員に対しましても、ネットトラブルに関する最新の情報を周知するため、生徒指導担当の教員や管理職を対象とした実例に基づく研修会を開催しております。  インターネットを介した子供への犯罪等を未然に防止するため、引き続き、児童生徒、家庭、学校がその危険性について、共通認識を持って適切な対応が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 35 藤井(裕)委員 ありがとうございました。  児童生徒、学校、そして保護者と共通認識を持つという答弁がございましたが、そのとおりであります。そこが肝でありまして、ネットリテラシーに関しては、ネットの使用方法もそうですが、機器の使用方法を含めて、親のほうが随分おくれております。先生のほうがおくれております。  私の家でも多分そうですが、子供たちがどんどん先に行って、一体全体何をやっているかわからないと、本当にそのような状況でありますので、PTA、保護者、先生、そして児童生徒が共通認識を持つ、ネットリテラシーの教育を一緒に受けていくということが大切であります。  そこに、もう一つ言えば、地域の皆さんの理解が加わればいいと思っていますので、今後とも、前向きに進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。  最後の質問になりました。  これまで答弁いただいた子供の安全対策についての現状や取り組みを踏まえ、子供たちを取り巻く環境の変化に的確に対応していくことが大事でございます。  登下校時の安全確保では、例えば学校や地域での防犯備品の整備や子供たちの意識向上のほか、地区安全なまちづくり推進センターの活性化、見守り活動の推進──地域で日ごろ大変お世話になっております。また、SNSを介した犯罪の未然防止では、インターネット上に潜む危険性の共有などのさまざまな取り組み、このほか県民全体の防犯意識の向上、地域の防犯力の確保充実も含めて、関係機関が連携協力した、まさに総合的な取り組みが今求められております。  そこで、子供の安全・安心を確保するため、総合的な防犯対策を早急に、強力に推進すべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事の所見を伺います。 36 石井知事 子供の安全・安心の確保につきましては、平成17年3月に制定した富山県安全なまちづくり条例を踏まえた児童等の安全の確保に関する指針など、防犯上の指針に基づき、現在、自主防犯団体等の活動拠点となる地区安全なまちづくり推進センターは、219カ所で設置されておりますほか、民間防犯パトロール隊が591隊、約3万8,000人──これは平成16年12月末、今から15年ほど前は124隊、約6,600人でしたから、5倍ぐらいになっています。  また、青色回転灯装備車両(青パト)も591台活動していますが、これも15年前は13台しかございませんでした。それを考えますと、子供や地域の安全を守る輪が大きく広がっていると思います。  一方で、県内外で、今ほど委員もおっしゃいましたように、子供や地域の安全・安心を脅かす事件が相次いで発生しておりますことなどから、本年8月に、子どもの安全確保と地域防犯力の強化に関する有識者会議──座長に立正大学の小宮教授、この方は犯罪学の第一人者と言われている方ですけれども、こういった方や有識者の方々に入ってもらって、いろいろな御意見、御提言もいただいて、早速9月補正予算で、子供や地域の安全・安心確保を図るための予算を計上いたしまして、各事業を推進しております。  その中には、例えば、防犯ハンドブックの作成、防犯パトロール隊長等実践講座、また、未就学児の安全・安心を守る出前講習、私立幼稚園の防犯カメラの設置促進、県立高校の安全確保のための防犯カメラの整備、このほかにも先ほど委員のお話にありました、通学路における子供の安全確保を図るための可搬式捜査用カメラの整備なども入っているわけでございます。この点については、実施状況を見て、拡充についても検討させていただこうと思います。  また、この有識者会議については、12月20日に第3回目を開催しまして、提言書をいただく予定でございます。こうした提言書も踏まえまして、また、きょうのこの県議会での御議論等も踏まえて、来年2月に、富山県安全なまちづくり推進本部会議を開催いたしまして──市長会、町村会、防犯や消防、教育団体、いろいろな方々が入っておられる会議でございますが、具体的な施策について協議する予定にしております。  方向としては、ホットスポット・パトロールの実施、地域安全マップの作成、防犯上の指針の改定など、いろいろな内容が入ってまいります。  こうしたこともしっかり取り組みまして、今後とも、関係機関、団体の一層の連携強化を図って、子供の安全・安心の確保に向けた総合的な防犯対策に全力で取り組んでまいります。 37 藤井(裕)委員 ありがとうございました。  きょうも傍聴に来ていただいた後援会の皆さんの中には、見守り活動を毎日やっている方もたくさんいらっしゃいます。  防犯パトロールもそうであります。県の施策、そして市町村の施策、県警察、PTA、学校等も含めて、県民一体となって子供たちを守っていくという姿勢がやっぱり大事だと思いますので、よろしくお願いします。 38 武田委員長 藤井裕久委員の質疑は以上で終了しました。        大門良輔委員の質疑及び答弁 39 武田委員長 大門委員。あなたの持ち時間は60分であります。 40 大門委員 おはようございます。  自由民主党の大門良輔でございます。  けさ起きましたら、滑川は一面が雪景色でして、とうとう雪本番かなというような印象を受けております。  私の愛車のアクアはまだタイヤ交換をしておらず、朝早く作業着に着がえてタイヤ交換をして登庁してまいりました。一汗かいてウオーミングアップは万全でございますので、張り切って質問をしてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。  今回は、安心・安全について、地域医療構想について、そして医療的ケア児についての3項目について質問してまいりたいと思います。  特に医療的ケア児についてですが、今回の予算特別委員会の場で質問をすると医療的ケア児を持つお母さん方に話をしましたら、ぜひ傍聴に来たいというお母さん方が数名おられましたが、子供の面倒を見なくてはいけないということで、残念ながら傍聴はかないませんでした。恐らくケーブルテレビの前で関心を持って見ておられると思っておりますので、ぜひ心のこもった答弁をよろしくお願いしたいと思います。以下、質問に移りたいと思います。  それでは、まず安心・安全について質問してまいります。  ことしに入りまして、洪水浸水想定区域図が新たに更新されました。これは、ハザードマップのもととなるデータで、更新されたものは1,000年に一度の規模、24時間の降雨量が800ミリ前後を想定したものとなっております。この洪水浸水想定区域図を見てみますと、今までの50年に一度の規模とは比較にならないくらいの洪水による被害が予想されています。  初めて、この1,000年に一度の規模の洪水浸水想定区域図を見たときは、ここまで被害は起きないだろうと思っておりましたが、昨日の台風19号では、箱根で24時間の降水量が1,000ミリを超えた状況が発生し、実際に1,000年に一度よりも多くの雨が降ったわけであります。  今後、河川の堤防といった防災などの工事を行っていく上で、果たして今までの想定の中で、防災・減災事業を進めていっていいのか、疑問に思うわけであります。  今回の台風は、富山県には大きな被害をもたらすことはなかったわけですが、もし、直接富山県に今回と同等の台風が来ていたらと考えますと、大変恐ろしい状況でもあります。次は富山県に来る可能性も大いにあります。  近年、想定外、想定外とよく耳にしますが、これだけ気象状況が変化している中で、想定外が想定外とならないようにしなければならないと考えております。1,000年に一度の想定を超える雨が降ったことを踏まえまして、今後、防災・減災事業をどのように進めていかれるのか、石井知事にお伺いいたします。 41 石井知事 委員の御指摘のとおり、近年、全国各地で集中豪雨や台風による甚大な被害が発生しております。  そこで、国では、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置され、将来の降雨量、また河川の流量がどの程度増加するかについて、先般10月18日に提言が取りまとめられております。  この提言を見ますと、気温が2度上昇した場合には、降雨量が全国平均で1.1倍、河川の流量は全国平均で1.2倍、また、洪水の発生頻度が全国平均で2倍になると示されておりまして、今後は治水計画の立案に際して、気候変動によって予測される将来降雨を活用する方法に転換することとされているわけであります。  これを受けて、国では、気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会におきまして、さらに詳細な検討が進められていると伺っております。  県では、これまでも、過去に大きな浸水被害が発生した河川や、近年の集中豪雨等により住宅等への被害があった河川について、堤防のかさ上げをしたり、川幅を広げたり、護岸の整備をしたり、また、例えば沖田川などにおいては放水路の建設等を、計画的、重点的に進めてまいりました。  今後は、こうしたことにとどまらず、国で進められている検討結果も踏まえまして、県としても治水計画の見直しを検討してまいりたいと思っております。  先ほど藤井裕久委員にもお答えしましたけれども、昨日、国で事業規模26兆円、財政支出13.2兆円の経済対策、そのうち災害からの復旧・復興と安全・安心の確保に財政支出5.8兆円を盛り込むとされております。  県としましては、国会議員の皆様、また県議会のお力添えもいただいて、必要な予算の確保に努めまして、早期に河川整備を進めて、ハード、ソフト一体となった防災・減災対策に鋭意取り組んでまいります。 42 大門委員 ありがとうございます。  やはり近年多発しています災害を見ますと、県民の皆様も大変心配していることだと思っております。国でまとめた提言も、洪水の確率が上がるという本当に恐ろしい内容ですので、しっかりと防災・減災事業を県でも進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、先日の台風19号において、海岸部は大きな高波が押し寄せました。私が住んでいる滑川市や富山市の水橋は、県内でも有数の高波が打ち寄せるエリアであり、このあたり一帯は5メートルから7メートルの堤防と離岸堤で高波から守ってもらっている状況でありますが、この日は離岸堤に波がぶつかり、7メートルある堤防よりも高く波しぶきが上がり、風に乗って、海岸沿いの民家は潮をかぶっているような状況でもありました。場所によっては、海の漂流物や細かな石などが堤防を乗り越えてきました。  このような高波は年に数回あるわけですが、特に今回の台風19号は、今まで以上に高波が打ち寄せていたのではないかと思っています。  私も海岸沿いに生活をしておりまして、大変怖い思いをしながら一夜を過ごしましたし、次の日、私の愛車のアクアは潮だらけで、すごいことになっておりました。恐らく県内の海岸沿いの市や町は、同じような高波の状況にあったのではないかと想像されます。
     改めて、海を見渡してみますと、離岸堤のブロックが痩せ細って、高さが低くなってきている箇所が見受けられますし、堤防もひび割れなどが目立つ箇所が多くなってきていると感じております。  そこで、県内の離岸堤や堤防は老朽化が進んでいると感じますが、今後の整備が必要と考えられる箇所や整備計画について、水口土木部長にお伺いいたします。 43 水口土木部長 海岸における離岸堤や堤防等の海岸保全施設につきましては、今後急速な老朽化が見込まれるということで、施設の機能を効率的、効果的に確保していくことが重要であります。  このため、この6月に富山県海岸保全施設長寿命化計画を策定し、この計画に基づき、堤防、護岸については、予防保全型を基本とした海岸保全施設の修繕等に取り組んでおります。  具体的には、滑川市の吉浦海岸では既設の護岸のクラック補修や消波ブロックの設置、朝日町の宮崎海岸では護岸の修繕、魚津海岸では堤防の改良などに取り組んでおります。  一方、離岸堤などの沖合施設につきましては、現在、国において改定が進められております海岸保全施設維持管理マニュアルにおきまして、今年度末を目途に、沖合施設の詳細な健全度評価の基準が追加されるということになっております。  県では、これを踏まえ、今後詳細な調査を行った上で、健全度評価を行い、計画的に修繕を進めてまいりたいと考えております。  県民の安全・安心を守りますため、今後とも、長寿命化計画に基づき、離岸堤や堤防等の海岸保全施設の整備にしっかりと取り組んでまいります。 44 大門委員 ありがとうございます。  海岸沿いの方と話す機会がよくありますが、やはり心配されているのは高波でございます。離岸堤や堤防があることによって安心・安全は保たれますが、どんどん浸食をされたり、老朽化することによって、心配される声も多いと思いますので、そういった箇所をまたいろいろ点検していただいて、工事をしっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、先ほども言いましたが、台風19号の影響で高波が打ち寄せておりました。私は、消防団に入っていることもあり、その日は、消防団のメンバーと堤防へ状況を確認しに行きました。そうしたところ、高さ何メートルにもなる高波を見て、恐怖を感じまして、その場を去りました。  危険なので近くで監視するのではなく、海岸の監視カメラの映像がないか携帯電話で調べましたところ、あるにはあったのですけれども、黒部から朝日のエリアだけで、ほかのエリアはインターネットでは見られない状況にありました。  近年、河川には監視カメラがついており、危険な際は住民の自主避難の判断に役立てていると思われますが、海岸については一定のエリアしか見られない状況にあります。  海岸の管理者は、国や県などがあると思いますが、連携をして、危険と思われるエリアには監視カメラを設置し、河川同様、高波のときには近づかないようする啓発が必要ではないかと考えますが、水口土木部長の見解をお伺いいたします。 45 水口土木部長 平成20年2月の入善町や朝日町での高波災害を受けまして、国や県では、下新川海岸を水防警報海岸として指定し、離岸堤や護岸などの整備を進めますとともに、監視体制を強化し、地域住民の迅速な避難にもつなげるため、監視カメラを設置し、一般公開をしているところでございます。  一方、河川の監視カメラにつきましては、住民の皆様の自主的な避難等の判断に役立てていただけるよう、水位周知河川や流域に人家等が多い河川等におきまして設置を進めており、昨年6月から、そのカメラ画像をホームページで一般公開しております。  海岸における監視カメラの設置でございますが、高波により大きな損害のおそれがある水防警報海岸である下新川海岸に限定をしているところでありますけれども、例えば、堤防が高く高波の状況が確認できない海岸などにおきまして、既設の堤防高や背後地の土地利用など、現地の状況を調べますとともに、他県における設置状況なども調査し、必要性を含め検討してまいりたいと考えております。  なお、高波のときに海岸に近づくことは非常に危険を伴うことから、近づかれないよう、県のホームページ等を活用し、周知啓発に努めてまいりたいと考えております。 46 大門委員 ありがとうございます。  私も消防団の使命感で、近づいて見に行きました。本当に高い波が来まして、怖い思いをして逃げたわけであります。  そうした啓発にもなると思うので、私自身は、監視カメラ等をつけまして、住民への見える化というものが必要ではないかと感じております。まだ研究段階、検討段階だとは思いますが、前向きに考えていただきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。  続きまして、地域医療構想についてお伺いしたいと思います。  この地域医療構想は、代表質問で宮本議員、そして一般質問でも種部議員、川上議員と、多くの方々が議論を交わされていたのではないかと思っております。  地域の医療というのは本当に大事な、安心・安全の根幹だと思っておりますので、私自身もしっかりと質問してまいりたいと思います。  地域医療構想は、医師の働き方改革や人口減少、高齢社会にも耐え得る医療提供体制を構築するため、2025年までに必要となる病床数を減らす政策のことであります。  私自身、働き方改革や人口減少、高齢社会に伴う病床数の減少には一定の理解をしておりますし、地域の実情を踏まえて丁寧に進めていかなければいけないと感じております。  そうした中、先日、厚生労働省が再編の必要のある病院を公表し、富山県では、あさひ総合病院、厚生連滑川病院、県リハビリテーション病院・こども支援センター、かみいち総合病院、高岡ふしき病院の5つの病院が挙げられました。公表されてから、私のところに、厚生連滑川病院はなくなるのか、人口が少ないところは切り捨てるのかなど、問い合わせがたくさんあり、この公表で住民の皆さんにかなり不安が広がったのではないかと感じております。  中でも、あさひ総合病院や厚生連滑川病院、かみいち総合病院、高岡ふしき病院は、各医療圏の中でも人口が少ない場所であることや、県リハビリテーション病院・こども支援センターは、リハビリに特化していることもあり、診療実績からいきますとどうしても不利な状況になってしまいますが、やはり地域にとっては必要な基幹病院であります。  そこで、今後、この5病院をどのように捉えて地域医療構想を進めていかれるのか、石井知事にお伺いいたします。 47 石井知事 先般の国の発表は、これまでも申し上げておりますけれども、古いデータに基づいた全国一律の基準で、また、事前に地方団体との協議がなく一方的に示されました。おっしゃるように住民の皆さんの不安、不信をいたずらに招いたなど、大変遺憾に思っております。  今回名前を挙げられた5つの病院のうち、例えば、あさひ総合病院は高齢化の進展を見据えて、既に病棟の集約や病床数の削減、在宅医療・介護を進める地域包括ケア病棟の整備など、地域医療構想に沿った形で再編されております。この4月から新しい形で運営されておりまして、私も先般、視察させていただきましたけれども、ある意味でモデルケースになるものではないかと思っております。  また、厚生連滑川病院におかれても、平成27年に地域包括ケア病棟に転換されており、他の病院も僻地医療や救急医療を担いますなど、それぞれの地域で重要な役割を果たしていると考えております。  一方で、人口減少が進む中の医療提供体制については、この議会で何人かの議員の方々から質問がございまして、また、専門性の高い御指摘もございました。働き方改革を進めなければならない中で、医師や看護師など、医療従事者の過重な負担を避けるためにも、医療資源を効果的かつ効率的に配置しまして、各地域において高度急性期から在宅医療・介護に至るまでの一連の医療サービスが切れ目なく提供される、持続可能なものとすることが重要でありますので、さまざまな課題はありますけれども、そのためにも地域医療構想を進めていく必要があると考えております。  県としましては、今回国で挙げられた5つの病院を含めて、それぞれの医療機関に共通認識を持っていただいた上で、団塊の世代の方々が全て75歳以上となる2025年を見据えた自主的な取り組みを進めていただくとともに、各医療圏で2025年に必要とされる病床数を基礎としまして、今まではそれなりに順調に進んできたのですけれども、これから先はなかなか容易ではないと思いますが、各医療機関が地域で担う役割や機能について、それぞれの地域の実情もあろうかと思いますが、そうしたことも踏まえて、地域医療構想調整会議において十分議論いただいて、将来にわたって地域医療が安定的に確保されますようにしっかりと取り組んでまいります。 48 大門委員 ありがとうございます。  各地域によってそれぞれの実情があると思います。その地域に医療がなくなるということは、地域の皆様に本当に不安を与えることだと思っていますので、しっかりと丁寧に、かつ、時間もないということで、スピーディーに進めなければいけない部分もあると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、次の質問に行きますが、今回、公表されました公的病院の中には、県や市が運営をします公立病院と、そうでない公的病院があります。  そのような公的病院は公立病院と違いまして、診療事業会計に繰り入れを行っていないので、業績が悪ければ給料も下がりますし、賞与もカットされることもありまして、厳しい病院経営を行っています。  ですので、急激な病床の減少や機能集約に伴いまして経営を圧迫しかねないと感じておりますが、今後、地域医療構想を進めるに当たり、ある程度、公立病院ではない公的病院は留意が必要ではないかと考えますが、市村厚生部長に伺います。 49 市村厚生部長 地域医療構想の推進に当たりまして、公立・公的医療機関については、骨太の方針2018において、地域の医療需要等を踏まえ、地域の民間医療機関では担うことができない高度急性期、急性期医療、あるいは不採算部門、過疎地等の医療提供等に重点化するよう医療機能を見直すこととされております。  また、厚生労働省のワーキンググループにおきましては、公立を除く公的医療機関等については、公立と異なり、今ほど委員からもお話がございましたが、法に基づいて診療事業会計に対して繰り入れ等を行っているものではないため、具体的な対応方針の再検証に当たっては、留意を行うこととされております。  県としましては、このような点も考慮しながら、各地域で必要な医療が保たれますよう、経営面も含めた地域の実情等を踏まえて、各医療機関が地域で担う役割や機能について、地域医療構想調整会議等において十分議論いたしまして、よりよい形で合意が得られますよう進めてまいりたいと考えております。 50 大門委員 ありがとうございます。  いろいろな分野で考えなければいけないことが大いにあると思いますが、進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、地域医療構想を進めるに当たり、話し合いの場が富山、新川、高岡、砺波の4つの医療圏に分かれて、地域医療構想調整会議が行われております。  その会議に参加されている方から状況を伺いましたが、1時間半の会議の中で、行政側から1時間程度の報告があり、残り30分、質疑応答の時間を設けていますが、参加している団体が多過ぎて、地域医療構想の深い議論がなかなか進まない、できないという話を聞きました。  今後、機能分担や集約を進めて行く上で、建設的な話し合いができる場をつくるために、病院の関係者や市町村単位で参加する小さな会議の場をつくり、地域医療構想を進める必要があるのではないかと考えておりますが、市村厚生部長に伺います。 51 市村厚生部長 限られた医療資源を有効活用し、地域医療の機能分担等を進めるためには、市町村を越えた、ある程度広域的な圏域で検討することが必要であると考えております。  このため、2次医療圏ごとに地域医療構想調整会議を設置いたしまして、高度急性期から在宅医療・介護に至る医療提供体制について協議しております。  地域医療構想につきましては、県民の医療・福祉の大きな方向性にかかわることから、幅広い関係者間での議論が必要であるため、地域医療構想調整会議等には医療や福祉、行政や医療を受ける立場など、多くの関係者に御参加いただいているところでございます。  また、必要に応じてこれまでも、例えば周産期医療や小児医療等の特定の分野の関係者による会議、病院関係者等による意見交換の場を開催するなど、地域医療提供体制の議論の場を設けてきたところでございます。  県としましては、地域医療の確保を図るためにも、今後とも、必要に応じて適切な単位での話し合いの場の設置について検討するなど、各地域での議論が進みますよう工夫してまいりたいと考えております。 52 大門委員 ありがとうございます。  病院もたくさんございますので、細かな分野での話し合いも必要かと思っております。また、そういった場をつくって進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  今後、病院の機能分担や集約を進めていく際、病床の改修が必要となる場合が出てきます。例えば、急性期の病床から回復期の病床に機能を変えるとなると、廊下の幅や風呂の数などの規定がありまして、大規模な病棟の改修が必要となってくる場合があります。  そこで、今後、地域医療構想を進めるに当たり、資金が必要となってくる病院が数多く出てくるのではないかと懸念しております。  ですので、しっかりと国に対して補助の体制強化を訴えつつ、県でもサポートが必要かと考えますが、市村厚生部長にお伺いいたします。 53 市村厚生部長 医療機関が急性期等の病床を回復期の病床に転換し、単価の高い適切な診療報酬を受けるためには、回復期の療養にふさわしい施設としての基準を満たすよう、病室や廊下の拡張、浴室の設置などが必要となる場合があります。  こうした地域医療構想に沿った改修等に対して、県では平成26年度に地域医療介護総合確保基金を活用して、回復期の病床への転換に対する補助金を創設し、必要な施設、設備整備に助成を行っておりまして、必要に応じて制度の見直し、拡充も行うなど医療機関の取り組みを支援してきたところでございます。  また、先月の第2回国と地方の協議の場におきまして、地域医療構想の実現に向けて、地域医療介護総合確保基金のみならず、公立・公的病院、民間病院の別なく、思い切った財政支援を実施するよう全国知事会を通して、国に申し入れを行っております。  今後とも、2025年を見据えまして、病床機能の転換が円滑に進みますよう、国の動きも見ながらしっかり支援してまいりたいと考えております。 54 大門委員 ありがとうございます。  しっかりと支援の輪を広げていただいて、円滑に病床の転換ができるように県でもサポートをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、公表された病院に聞きますと、やはり一番困るのは人材だそうです。  今後、人材がしっかり入って来るのか心配する声がやはり多くて、公表された5つの病院が統廃合でなくなる可能性があるというような論調で報道されたため、今後、この病院に対して、果たして大学病院はしっかりと医師を派遣してくれるのか、また、病院を志望してくれる医師や看護師がいるのかと、とても懸念をされております。  先日行われました厚生労働省との意見交換会で、風評被害の懸念から病院の公表を撤回してほしいという要望が出されましたが、厚生労働省は、やり方に対して反省の弁は述べておりましたが、撤回はされず、このままでは不安が広がる一方であります。  そこで、県は、地域の医療を守るため、どのような対応をされるのか、市村厚生部長にお伺いいたします。 55 市村厚生部長 先ほども知事から御答弁申し上げましたけれども、地域住民に不安、不信を招いておりますので、県としては、公表直後から全国知事会等と連携して、国に対し抗議しておりますし、国と地方の協議の場等においても、抗議と申し入れを行っております。  また、国では、全国知事会からの抗議を踏まえ、公表の翌日に、この公表が、医療機関そのものの統廃合を決めるものではないこと、病院が担う役割やそれに必要なダウンサイズ等の方向性を機械的に決めるものではないこと、用いたデータが最新でなく、既に機能転換等をしているものが反映されていないなど、一定の条件のもとで分析したものであるということを表明されております。  県においても、今回名前を挙げられた5つの病院と設置主体自治体、それから所在市町全てを訪問いたしまして、今回の公表の趣旨や、県で把握している情報を説明いたしますとともに、各病院の現状、あるいは関係者や住民の皆様方の反応や今後の方針などについて、実情をお伺いしたところでございます。  また、医療圏ごとに設けております厚生センター運営協議会がございますが、こういったところでも説明させていただいております。  県としては、先ほども御答弁しましたが、各医療機関が地域で担う役割や機能について、各地域の実情等も踏まえながら、地域医療構想調整会議において十分議論いただきまして、よりよい形でまとまるように進めてまいりたいと考えております。 56 大門委員 ありがとうございます。  地域医療構想調整会議でいろいろ議論があると思いますが、人材確保というのは、内部の話ではなくて外にどう発信するかということではないかと思っております。そういった風評に関しましても、やはり住民の皆様も一緒だと思いますが、外にどう発信していくのかということが大事だと感じております。  人材の面でも、安心してその病院が成り立つような体制をとっていくためにも、外への発信ということも考えて、安心して働けるような環境を整えるということを考えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは次に、医療的ケア児についてお伺いしていきたいと思います。  先日、医療的ケア児をお持ちの家族が入っているサークルの方々と意見交換会をさせていただきました。このきっかけは1通の手紙からです。少し時間をいただきまして、この手紙を抜粋して読ませていただきたいと思います。  私は71歳の主婦です。孫に男の子が生まれましたが、ママが妊娠6カ月で陣痛が始まり、650グラムで生まれました。それからICU、GCUなど、入院生活で慢性肺疾患と診断されました。肺が弱く、生きていくためには呼吸器の手術を行い、喉に穴をあけ、常に人工呼吸器をつけて生活しなければなりません。  もちろん助けていただいた命には感謝しています。ただ、若い夫婦が我が子と一緒に生活をしていく中で、経済的にも精神的にも追い込まれております。例えば、1回打つのに30万円かかる保険のきかない注射を年3回打たなければなりません。しかし、ママは子供につきっきりで、働きたいけど働けない。家計は苦しい状況です。ママは子供の病気のことや将来の不安でストレスがたまる一方で、見ていてつらいです。どうか、富山県に、障害者にとってよい風が吹きますように。というようなお手紙をいただきました。  このお手紙をいただき、本当に心を打たれて、その方といろいろな話をする中で医療的ケア児のサークルの方々と話す機会をいただきまして、自民党1期のメンバーと行ってまいりました。  そこで目の当たりにしたのは、経管栄養や気管切開、酸素療法など、それぞれ子供の症状は違いますが、経済的にも精神的にも追い込まれている中で、懸命に我が子を育てる家族の姿でありまして、心を打たれました。どうにか政治の力で助けてあげたいと、強く感じた次第でもあります。  現在、発達した医療によりまして、今まで命を落としてきた赤ちゃんの命を救うことができ、医療的ケア児がここ10年で2倍以上にふえてきたとも言われております。  また、医療的ケア児に対する支援も年々よくなってきたと聞いてはおりますが、まだ厳しい現状があり、国でも問題意識を持ち始めております。  サークルの方々が一生懸命集められました34名分のアンケートをいただき、そのアンケートを踏まえて今回質問していきます。  まず、どのお母さんにも同じ意見が多かったわけですが、医療的ケア児として生まれてきて、なかなかすぐに現実を受け入れることができず、産後鬱になる方も多いと聞きます。お話をした方の中にも、産後鬱を経験された方が何名もおられました。  医療的ケア児に生まれてきたのは自分のせいと、自分を責めてしまう方、また、今後子供たちの世話をどのようにしていけばいいのかわからないという大きな不安など、精神的に追い詰められる方が多いと聞きます。  もちろん、病院もその家族に対してサポートをしておりますが、誰にも祝福されず、閉じこもってしまい、現実を受け入れるのに時間がかかり、産後鬱になる方が多いそうでございます。  まずは、生まれてすぐの、母親に対するサポート体制を強化することはできないか、市村厚生部長にお伺いいたします。 57 市村厚生部長 出産後の母親は、心身ともに不安定でストレスが大きく、約1割が産後鬱を発症すると言われております。その要因は周囲のサポート不足や外的要因に加え、母親の疾患歴や精神的な負担、子供の疾患や障害などさまざまでありまして、医療的ケア児の母親へのサポート体制の強化は重要であると考えております。  産後鬱を早期に発見し適切な支援につなげるため、母親に対しましては、県内市町村において、全ての産婦を対象に産婦健康診査を実施しております。健診の結果、心身の不調や育児不安等がある場合には、保健師や助産師が面談や家庭訪問を行いまして、さらに産後鬱のおそれの高い産婦には精神科の受診支援なども行っております。  また、医療的ケア児に対しましても、医療機関において多職種連携による適切な医療の提供や、医療、保健、福祉関係者によるケア会議等による退院支援に取り組まれているほか、退院後は、市町村や支援を行う関係機関が連携協力して、医療的ケアや子育てに関する相談サポート、各種福祉サービスの提供に取り組んでおります。  今後は、各種研修会等におきまして、医療的ケア児の事例検討を行うなどサポート力の強化を図りますとともに、医療、保健、福祉の連携をさらに深めて、医療的ケアが必要な母子への支援体制の強化に努めてまいります。 58 大門委員 ありがとうございます。  医療的ケア児が生まれてきて、祝福されたいけれども祝福されないという状況にあると言っておられました。閉じこもってしまい、恐らく鬱になる方が1割以上、間違いなくいるのではないかと私自身も感じております。  皆さん言われるのは、病院でもいろいろなサポートをしていただきましたが、経験者じゃないよねと、医療的ケア児を育てたことがないよねというふうに言われまして、どちらかというと閉じこもってしまうようなところがあると思っております。  そこで救われたのが、医療的ケア児を経験しているママ友だそうです。同じ経験をされている方の意見、そういった話をすることによって、私、今からでも大丈夫なんだ、この子を育てられるんだというようなことも言っておられました。そういった横のつながりというのも、やはり必要ではないかと思っております。  そういったところを踏まえまして、今後、医療的ケア児を持つママの精神的なサポートを考えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  現在、医療的ケア児が受けられる支援などの情報を入手しようと思った場合、医療的ケア児のママ友からの情報が一番だそうでして、行政に聞いてもなかなかよい答えが返ってこず、たらい回しに遭うとも聞きます。やはりまだまだ医療的ケア児のことを理解しておられる方も少ない状況にあり、行政側も手が回っていないように感じております。  今、国では、各市町村や県に対して、医療的ケア児のコーディネーターの育成に力を入れていると聞いておりますが、県内のコーディネーターの設置状況や育成にどのように取り組んでいくのか、市村厚生部長にお伺いいたします。
    59 市村厚生部長 医療的ケア児に対しましては、本人の状態や御家族の状況に応じた多様な支援を必要とすることから、保健や医療、福祉、教育などの関係機関をコーディネートすることが重要であると考えております。  このため、県では、今年度から令和3年度までの3カ年を目途に、相談支援事業所等において、県内の医療的ケア児受け入れの情報など、医療や福祉等に関するさまざまな支援を総合調整します医療的ケア児等コーディネーターを養成することとしております。  今年度は相談支援事業所等の従事者や市町村の保健師など、28機関34名を養成したところでありまして、医療的ケア児への支援を行う県内の事業所名と市町村などの機関名を県のホームページで公表しているところでございます。  県としましては、来年度も引き続き、コーディネーターの養成に努めるとともに、1人のコーディネーターでは対応が困難な事例というのも想定されますことから、より適切な支援ができますよう、医療的ケア児に関する情報を共有するなど、養成したコーディネーター相互の連携強化にも取り組んでまいりたいと考えております。 60 大門委員 ありがとうございます。  まだまだこのコーディネーターは少ないようですし、市町村においても、医療的ケア児に対する知識に弱い部分があると思っております。  今、助けられる命がふえてきており、そういった子供たちもふえてきておりますので、コーディネーターの強化などに取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、医療的ケア児のサポート体制についてお伺いします。  まず、県内には医療的ケア児が入所できる保育園はほとんどありません。また、訪問介護や居宅介護などサポートしてくれる施設も多くなく、しかも、その施設に医療的ケア児を見てもらおうと思った場合、医療的ケア児を見られる看護師が少ない現状があり、家族がずっと付き添わなければいけません。  結局、医療的ケア児を持っている御家族はサポートしてくれる施設が少ないことから、つきっきりで子供の面倒を見ているので、お母さんは働きたいけど働けない、医療費もかさむことから家計は苦しい。また、お母さんは家庭の中に閉じこもってしまい、ストレスを発散することができず鬱になるなど、負のスパイラルに陥りやすい状況にあります。  ですので、今回も子供たちの預け先がないということで、残念ながら傍聴に来ることもかないませんでした。せめて母子分離ができ、まずはお母さんが気分転換できるような環境づくりが必要でもあります。  そこで、サポートできる体制と医療的ケア児を見られる看護師がまだまだ少ない現状にあると感じますので、その体制強化をすべきと考えますが、市村厚生部長にお伺いいたします。 61 市村厚生部長 保育所における医療的ケア児の受け入れにつきましては、市町村において集団保育の可否の検討や職員配置等の受け入れ体制の整備をした上で実施をしておりまして、今年度は2施設で2人を受け入れております。  また、訪問看護等によるサポートとして、訪問看護事業所は31、障害児通所支援・生活介護事業所は70、短期入所事業所は21ございますが、例えば、対象年齢や、吸引ができるできない、中心静脈栄養ができるできない等々、提供できるサービスの内容は事業所によって異なっているというのが現状でございます。  県としては、こうした医療的ケア児のサポート体制の充実は必要なことであると考えておりまして、市町村において医療的ケアを行う職員配置等に対する国の補助制度がございますので、こういったものを活用しながら、その市町村の実情に応じて、身近な保育所で医療的ケア児の受け入れ体制の整備が図られますよう、補助制度の周知や助言、支援を行ってまいりたいと考えております。  また、各事業所で適切なサポートができるよう、訪問看護ステーションの看護師を対象とする研修等の実施や、富山県医師会主催の医師、看護師等を対象とする小児医療的ケア実技研修会というものがございますが、そういったところへの協力なども行うなど、専門的な人材の養成にも努めております。  今後とも、保育所や医療的ケア児を支援する事業所の受け入れ体制の整備、看護師の養成など、医療的ケア児のサポート体制の強化に取り組んでまいります。 62 大門委員 ありがとうございます。  お母さん方はいろいろなサポート施設を利用されておられますが、看護師さんがおられないということで、結局サポート施設に一緒にいるというような状況となっております。ずっとつきっきりの育児になりまして、ストレスが本当にたまるんだというようなことも言っておられました。  ですので、できるだけ母子分離をして、2時間でも3時間でも時間をあけて、例えば美容院に行けたりネイルをしたり、そういったことをすることによって、子育てのストレスから解放され、今後の子育ても頑張れるのではないかと思っております。  そういった体制強化というのは、本当に急務であると感じておりますので、看護師の育成等々、整備が進められるように力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  現在、富山県は、富山県自立支援協議会に「重症心身障害・医療的ケア部会」を設置して、医療的ケア児の現状や問題把握に動いておられると聞いております。  協議会のメンバーを見てみますと、医療の分野から4名、保健・福祉の分野から6名、教育・保育の分野から3名、そして当事者枠から2名の計15名で構成されています。その当事者枠の2名は、富山県重症心身障害児(者)を守る会の会長と日本ALS協会富山支部の事務局長の2人であります。  現在、医療的ケア児の実態調査を進めていただいていますが、当事者枠に医療的ケア児の関係者がいません。  やはり重症心身障害児と医療的ケア児の取り巻く環境は違うと思います。そこで、例えば、医療的ケア児のママが入っているサークルがあり、サークルには代表の方もおられますので、そういった方に協議会に入っていただいたり、また意見交換する場などをつくることができないか、市村厚生部長にお伺いいたします。 63 市村厚生部長 県では、先ほど御紹介ございましたが、関係機関相互の連携と、重症心身障害や医療的ケアについての諸課題を検討するため、本年1月、富山県自立支援協議会に医療、保健・福祉、教育・保育の関係者と当事者から成る重症心身障害・医療的ケア部会を設置しております。  その当事者の代表として、先ほど御紹介された、富山県重症心身障害児(者)を守る会、日本ALS協会富山県支部の方に御参画をいただき、当事者の立場から御意見をいただいております。  委員御指摘のとおり、医療的ケア児の心身の状況や取り巻く環境は、重症心身障害児とは異なる点もあろうかと思います。そういう意味で意見をお聞きすることは、医療的ケア児や家族に対する支援を検討するためにも必要なことだと考えております。  まずは、庁内関係課で医療的ケア児を育てている御家族などから、じかにお話をお伺いすることを検討したいと思いますし、伺った内容について、先ほどの部会にも報告し、協議の参考にさせていただきたいと考えております。 64 大門委員 ありがとうございます。  やはり医療的ケア児は年々ふえてきてもおりますし、そういった意見が取り入れられるような場も必要だと思っております。  昨日、医療的ケア児の方々が集めたアンケートも県の担当の方にお渡しいたしました。もしかしたら見ておられるかもしれませんが、そういったアンケート結果なども踏まえまして、医療的ケア児を取り巻く環境が少しでもよくなるように、取り組んでいただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  ここまで医療的ケア児についていろいろと質問をしてまいりました。  改めて、今回の話を聞いて、医療的ケア児に対する支援を今後どのように進めていかれるのか、どのような思いを持っておられるのか、最後に石井知事にお伺いしたいと思います。 65 石井知事 先月、2週間ほど前ですけれども、開催されました地域共生ホーム全国セミナーにおきまして、県内の医療的ケア児の子育てで苦労されたお母さんが、「家族が大変厳しい状況だった。NICU退院の際に、支援に関する情報を知らされていなかった。市の窓口に相談したけれども、サービスの利用を断られた。人づてに知った富山型デイサービスに事情を話したところ快く受け入れてくれた。」など──その後、この方の場合、お子さんが亡くなられたようですけれども、大変切実な気持ちを語られたということであります。  今、委員からのお話も聞いて、御家族を取り巻く状況は相当に厳しいものがあるんだなと改めて感じました。  医療的ケア児を育てていらっしゃる御家族が安心して暮らしていくには、家庭や本人の状況などに応じた保健や医療、福祉、就労等に関するさまざまな支援が必要ではないかと考えております。  今ほど部長から答弁いたしましたけれども、県としましては、児童福祉法の改正を受けまして、保健、医療、福祉等の支援機関の連携と医療的ケア児などを取り巻く諸課題を検討するために、この1月に富山県自立支援協議会に「重症心身障害・医療的ケア部会」を設置しましたほか、支援にかかわる看護師等の専門的人材の養成、事業所の受け入れ体制の整備、リハビリテーション病院・こども支援センターでの専門職による相談支援や短期入所の受け入れ等に努めてまいりました。  また、今年度は、新たに県内の医療的ケア児の実態調査を実施する。また、医療的ケア児等コーディネーターの養成を図る。今年度は、まずは28機関で34名の養成を行っております。  また、医療的ケア児支援を行う児童発達支援センターへの補助制度の創設など、施策の充実も図っております。  県としましては、引き続き専門的な人材の養成や事業所の受け入れ体制の整備等に取り組みますとともに、実態調査の結果や御家族の御意見、先ほども重症心身障害・医療的ケア部会のメンバーになっていないという話もありました。またいろいろと御意見などをお聞かせいただいて、そうしたものも踏まえて、市町村や支援を行う関係機関と連携協力しまして、医療的ケア児や御家族に対する支援体制の充実強化にしっかりと取り組んでまいります。 66 大門委員 ありがとうございます。  知事にも医療的ケア児に対する問題は大きいと御認識いただいたと思います。ありがとうございます。  そういった子供たちや家族を取り巻く環境が少しでもよくなるように、また一丸となって取り組んでいただきますようにお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 67 武田委員長 大門委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午前11時54分休憩                     午後1時00分開議        岡崎信也委員の質疑及び答弁 68 藤井副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  岡崎委員。あなたの持ち時間は60分であります。 69 岡崎委員 午後の少しまどろむ中ではございますが、気合いを入れてやりたいと思いますので、どうかおつき合いを願いたいと思います。  まず、最初に知事にお伺いいたします。  次期とやま未来創生戦略ということで、最近は積極的にタウンミーティングも開催されておりまして、県民の皆さんの意見に率直に耳を傾けておられて、大変精力的だと見ています。私は率直に県民の皆さんの声を聞いて、次期とやま未来創生戦略にどう生かしていくのか、この感想をまず知事にお伺いしたいと思っています。  この4年間は北陸新幹線の開業効果などもあって、意気込みを持って、県民を牽引されたと思います。しかし、私が砺波会場でお聞きしていたところ、例えば、私がライフワークにしています公共交通などでは、ラストワンマイルという言葉、知事も恐らく耳に残っているのではないかと思うのですが、城端線から家に至るこのラストワンマイルの公共交通の整備がぜひ必要だと、このように言っておられました。  また、私もよく耳にするのは、例えば保育所などの待機児童の問題です。早く保育所に入りたいと、どうしたらいいのかと、こんなことも伺います。これは女性の就労にもかなり大きくかかわることですので、切実な思いではないかと思っていますし、またことしの4月に教員の未配置──担任が決まらないといった、未配置問題もございました。  私は、これからの次期とやま未来創生戦略、地方を強くしていく、このことについて言えば、派手なことも大事ですが、やはり地道に県民生活に寄り添った、すき間をいかに埋めるのか、このことが非常に重要であると率直に感じております。そういったことも含めて、石井知事にまず所見をお伺いいたします。 70 石井知事 令和2年度からの次期とやま未来創生戦略につきましては、去る10月に戦略の施策体系をまとめたところでありますけれども──第8回とやま未来創造県民会議で了承されていますが、新たに北陸新幹線の敦賀延伸を見据えた取り組みや、SDGsの推進といったような分野横断的な観点を取り入れることにしております。  また、4つの基本目標についても、新戦略では、従来からの少子化対策や医療・福祉の充実、利便性の高い公共交通サービスの充実に加えて、働き方改革等のさらなる推進、豊かで魅力ある中山間地域の実現といった県民生活に直結する重要な課題に取り組むことにしております。  今、委員からお話がありましたけれども、これまでのタウンミーティングでは、御参加の県民の皆様から、新幹線や東海北陸自動車道の整備とあわせまして、農業、水産業や中山間地域の振興、また子育て支援、働き方改革、地域公共交通等について御意見をいただいております。ラストワンマイルという話もありました。  そういった御意見を次の戦略策定に当たって、できるだけ生かして、なかなかそう簡単でないものもありますけれども、できるだけ積極的に取り入れていきたいと思っております。  今後とも県議会はもとよりですが、タウンミーティング等を通じて、県民の皆さんの声に真摯に耳を傾けまして、また市町村とも密接に連携して、県民生活に直結する身近な課題に十分配慮して、富山県の未来創生が着実に進みますように、先ほど申し上げた新たな視点も取り入れて、新戦略の策定に鋭意取り組んでまいります。 71 岡崎委員 どうもありがとうございました。  なかなかタウンミーティングで石井知事に直接質問をするというのは、私は勇気が要るだろうなと思って伺っています。それだけに、かなり深刻に、切実に知事に対して求めておられるのではないかと思いますので、ぜひ県民の皆さんの声を率直に受けとめていただきたいと改めて申し上げたいと思います。  少し公共交通に触れておきますが、県はデマンドタクシーなどデマンド型への転換について支援しているわけですが、私は少し各自治体の公共交通担当者に聞いてみたのですが、やはり高齢化に伴って、駅までの距離、それから駅から目的地までの距離を非常に苦痛に感じる皆さんが多いと感じました。  そこで、これからの公共交通対策としては、知事も砺波会場では大変な課題だというような顔をしておられたのを私は覚えているのですが、既にデマンド型に転換してしまっている自治体があります。これからデマンド型へ転換していく場合は支援対象に入れていくということなので、既に転換した自治体は支援対象にはなりません。今後は既にやっているところも支援してあげたほうがいいのではないかと、私は率直に思いましたので、ぜひまたよろしくお願いしたいと思います。  次に大きな質問の2番目、公共交通対策についてに入っていきたいと思っています。  これから降雪期を迎えるに当たり、バスの位置情報をタイムリーに提供していただけるということで、知事のタウンミーティングの砺波会場でも評価の声が上がっていました。  そこで、よりシステムの精度を高めていく──こういうものはしっかり動いていないと、結局ないのと同じになってしまうのです。見たら違うではないかということになると、結局どれだけ苦労して運用し始めても、もとどおりになってしまうということで、しっかり確立していくことが私は非常に大事だと思っています。  そこで、試行段階で、少しまず厳しいことを言いますが、10月15日から25日まで試行されまして、私も早速使ったのですが、動きが非常に悪くて、いや、これではなと思いました。県民の皆さんの中にも、使ってみたがあんまり動かないので、これ、だめなのでないかという感想を持った方もいらっしゃると思います。今でもそのときの気持ちを引きずっていて、使わないでおこうと思っている方もいらっしゃるように私は感じています。  そこで、とやまロケーションシステムについて周知をしていく、それからまずバス利用者に使ってもらう。その特徴や使用方法など、降雪期に向けてもう一度周知していく必要があるのではないかと思っておりますが、猪俣観光・交通振興局長に所見をお伺いします。 72 猪俣観光・交通振興局長 とやまロケーションシステムにつきましては、11月18日より本格運用しておりますが、その広報に当たっては、これまで駅前での案内チラシの配布、観光案内所や大学等へのチラシの配架、また、バス停へのQRコードの張りつけ、新聞広報、県、市町村のホームページや広報紙への掲載に加え、県のツイッターでの宣伝など、その特徴や使い方につきまして、さまざまな広報を実施してきているところでございます。  加えまして、これからバスの遅延が生じやすい降雪期を迎えることから、富山県のホームページ等でのシステム紹介などを充実したとともに、今後、県の広報番組「こんにちは富山県です」での特集企画も予定されているところでございます。  引き続き、市町村や事業者にも改めて広報の協力を依頼するなど、さらなる周知を図ってまいりたいと思います。  また、このシステムの本格運用開始に当たっては、試験運用でいただきました御意見を踏まえて、スマートフォンの路線検索に際しての表示を市町村などから選択する場合に、県の中の市町村の実際の位置関係に対応する形に修正したほか、バスの現在位置を点ではなく、バス路線のルート上のどこにいるのかわかるよう表示方法を見やすく修正するなど、試験運用でいただきました御意見を最大限反映したところでございます。  引き続きシステムの利用状況も見ながら、市町村などとも協力して、さまざまな機会を捉えて周知に努めてまいりたいと考えております。 73 岡崎委員 局長、ありがとうございました。  私から1つ提案しますが、バス停やホームページもいいのですが、バスの中で宣伝しましょうよ。バスに乗ったら、運転手席の後ろにポスターの掲示場所があります。そこにとやまロケーションシステムを使ってみてくださいという宣伝を、ぜひ事業者の皆さんにお願いをしてやっていただければ、相当見ていただける、バスの中で実際に使っていただける、そういうことになるのではないかと思っています。  もう一つは、やはり精度を高めていくためには、いろいろな方に使っていただかないと、いろいろな意見を吸収しないと、よくなっていきません。そういう施策をぜひお願いしたいと思います。  改善策としては、例えば、富山駅のバスのロータリーでたくさんお客さんが待っていますが、富山駅が始発になっている場合、待機しているたくさんのバスの中に自分の乗るバスが来ているのかどうかがわからないのです。これは、単純な問題かと思ったらかなり難解な問題らしいのですが、ぜひ改善したほうがいいと思います。  そうしないと、やはり寒いロータリーの前で何十分も待たなくてはいけない。きょう見ていたら10分くらいは平気でおくれているので、本当に改善が必要だと思います。といったように、いろいろな意見を吸収してさらに精度を高めていく必要があります。  そのために、例えば県の職員の皆さんはノーマイカー運動が実施されておりますけれども、そのときにぜひとやまロケーションシステムを使ってバスに乗ってくださいと、そして、使ってみてどうですかと、いろいろな意見を提出してくださいと、こういうことを提案したいと思いますが、所見を伺います。 74 猪俣観光・交通振興局長 委員御指摘のとおり、バスを初めとした公共交通の利用促進に向けては、ふだんバスなどを利用しないマイカーの利用の方々にも利用していただく必要があります。  そのため県では、毎年、ノーマイカー運動を実施し、県職員を含めたマイカー利用者に公共交通の利用を促してきておりますほか、先ほどお答えいたしました、とやまロケーションシステムの広報に加え、県職員に対しては、県庁内の電子掲示板でも紹介しているところでございます。  今後、委員御指摘のノーマイカー運動に参加する県職員へのアンケートにおいて感想を求めることに加えまして、マイカー利用者など、ふだんバスを利用しない方々にも目をとめてもらえる場所へのチラシ配架なども検討してまいります。  なお、委員を初めとしたとやまロケーションシステムを御利用いただいた方からの、マイカー利用者への口コミによる宣伝効果も出てくるものと期待しております。  システムのさらなる改善に向けては、先ほどもお答えしましたとおり、とやまロケーションシステムの運用の本格開始に当たり、試験運用でいただいた御意見を最大限反映したところでございますが、委員御指摘のとおり、引き続き実施しているアンケートでの利用者からの御意見なども参考にしまして、可能な限り、引き続きシステムの改善に取り組んでまいりたいと考えております。 75 岡崎委員 よろしくお願いします。  そこで、携帯やスマートフォン等をお使いにならない方もいらっしゃるわけで、そういう皆さんに対してのサービスをどのようにしていくかということも1つの課題でございました。  県からはケーブルテレビネットワークを使って、テロップで表示するというお話を伺っておりますが、その進捗状況に加えて、例えば、富山駅など交通結節点になっているところでデジタルサイネージを使うなど、もう少し使いやすい仕組みがあってもいいのではないかと思っています。御所見をお願いします。 76 猪俣観光・交通振興局長 まず、デジタルサイネージについてでございますが、デジタルサイネージを導入していた小杉駅南口や黒部宇奈月温泉駅などのほか、富山駅前の地鉄バス案内所など合計16カ所でとやまロケーションシステムについて情報提供されているところでございます。また、加越能バスにおきましても、高岡市内などの10カ所で設置に向けて準備中と聞いております。  多くの方にバスを御利用いただく観点からは、より多くのデジタルサイネージの設置が望ましいと考えられますが、屋外のバス停に設置する場合には、風雨などに耐えられるものとする必要があるなど、維持管理に加えまして、設置にもコストが必要となることから、バス事業者や、市、町と相談してまいりたいと考えております。  また、スマートフォンやパソコンなどの操作に不なれな方向けに、県内ケーブルテレビによるバス遅延情報を提供することにつきましては、現在1社におきまして、年度内の情報提供開始を目途に作業を進めていただいているところであります。  今後、さらに多くのケーブルテレビからも情報発信いただけるよう、引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 77 岡崎委員 ありがとうございました。
     外に設置するという話もありましたが、例えば病院は外に設置すると寒いので、中に設置をして中で見てもらうほうがいいと思っていますので、ぜひ御検討をお願いします。  それで、この項の最後に知事にお伺いしたいと思います。本当に全国唯一のシステムということで、御尽力をいただいたことに感謝を申し上げたいのですが、これからだと思うんですね。地域公共交通の活性化やバス利用者の利便性を向上して、自動車保有率全国2位の富山県において、公共交通を活性化していって、移動手段を常に確保していくということが私は大事だと思っています。  とりわけ、高齢者の皆さんにおいては免許返納も加速していますが、システムを利用するのに能力を要しますので、免許を返納した時点で、システムになれていない、またシステム自身をわかっていない方が多くいらっしゃるわけです。  したがって、ハンドルを離す前から、こういうものに親しんでいただくことが移動手段を失わないということになりますし、さらには、日常でたまに使っていただくことによって、結果的にハンドルを握っておられる期間も伸びていくのではないかと、こういうふうに私は期待しているわけでございます。  そういうことで、知事に対しまして、とやまロケーションシステムに対する本格運用を受けて、今後の期待と目標についてお聞きしたいと思います。 78 石井知事 全国初となります県内全域を対象としたとやまロケーションシステムの本格運用、今、局長からもお話しいたしましたが、11月18日から開始して、降雪期を迎える前に開始できたのはよかったと思っておりまして、バスの位置情報がリアルタイムで提供されることによりまして、バスを待つ利用者の不安感が大きく軽減されて、バスの利用促進に寄与するものと期待しております。  今お話がありましたが、自分で運転されている方がハンドルを離す前の段階から、そういう方も含めて、より多くの方にこのシステムを御利用いただくということが大事でありますから、今ほども局長から答弁いたしましたが、さまざまな形で広報に努めておりまして、例えば9月の初めの移住・転勤ママの皆さんと私との座談会の場や、定例会見などいろいろな場で、とやまロケーションシステムのPRをさせていただいております。  とやまロケーションシステムの利用については、現時点で具体的な、何人や何回など、目標が設定されているわけでありませんけれども、トップページへのアクセス回数として、本格運用が開始された11月18日から30日までの13日間のアクセス回数を見ますと、1日平均約850回となっておりまして、試験期間中は1日平均274回でありましたから、三、四倍ぐらいのアクセス数になっておりますので、徐々に普及が進んできているのではないかと認識しております。  今後も、マイカー利用者も含めた多くの方に御利用いただけるように、ノーマイカー運動のときに県の職員ももっと利用するなど、いろいろな御提案がありました。できるだけそういった御提案を生かしながら、さらなる周知に努めてまいります。 79 岡崎委員 ありがとうございました。  知事もたまに黒塗りを離れて、バスに乗られて、バスタウンミーティングなどもいいかなと思います。そうすれば、本当に乗車している皆さんの声が届くと思いますので、半分冗談なんですが、そういうこともぜひやっていただければいいなと思っております。  続いて、防災・減災対策についてお伺いしたいと思っております。  私は先日の総合交通・県土強靱化特別委員会でも質疑をさせていただいたわけですが、私はとりわけ津波に対する防災対策は少し弱いと思っております。先日の県の答弁では、例えば、呉羽山断層帯による地震時の富山市では最高津波水位は5.5メートル、到達時間は2分間とありました。  県の地域防災計画では、最大クラスのレベル2津波は一くくりで早く逃げなさいとなっているのですが、シミュレーションをやってきて、各津波の特性がわかってきている中で、2分間で逃げるというのはあんまりだと思います。ひょっとしたら、まだ余震が起こっている、あるいは情報も伝達されないくらいの時期に来てしまうということを想定すると、やはり何か手を打たなくてはいけないのではないかと思うわけでございます。  そこで、総合的な津波対策、避難について、レベル2津波への対応と一くくりにするのではなくて、津波シミュレーションの調査を踏まえて、各津波の特性に十分応じた避難対策や訓練を講じるべきではないかと考えるわけですが、竹野危機管理監に御所見を伺います。 80 竹野危機管理監 本県の津波からの被害を防止、軽減するためには、県では地域防災計画におきまして、津波対策の基本的な考え方や津波シミュレーションの断層ごとの水位、到達時間、被害想定、浸水面積などを提示するとともに、到達時間が短い本県の津波の特徴や、みずからの判断で迅速にできるだけ高いところへの避難を基本とする津波発生時の行動を記載しております。  また、県が津波災害警戒区域の指定を行いまして、ことし3月までに、沿岸全ての市町で最大クラスの津波を想定した津波ハザードマップマップが作成、公表されております。沿岸の市町では県の想定等を踏まえまして、地域の特性に応じた具体的な津波避難計画や、市町の地域防災計画を作成しております。  例えば、射水市では、津波の浸水開始までに避難が困難な地域を抽出しまして、屋外へ避難するより建物の上層階避難を原則とすることや、海や川から離れ、指定避難所へ避難すること、高岡市では、避難困難地域の解消を図るための津波避難ビルの指定や、既に浸水が始まっている場合は垂直避難することなど、具体的な避難方法を避難計画等に定めて普及啓発しております。  県といたしましては、引き続き、地震・津波防災ハンドブックや出前県庁などで、津波の避難に際し、とるべき行動や避難の心構え等を普及啓発するとともに、総合防災訓練では、津波を想定した避難訓練も行っており、沿岸市町や関係機関とも連携いたしまして、いろいろな機会を捉え、津波対策にしっかり取り組み、県民の安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。 81 岡崎委員 危機管理監、どうもありがとうございました。  何も逃げることがだめだと言っているわけではなくて、逃げられないようになるのではないかと。直下型の震度7が予測されているんですよ。その直後に、逃げろと言ったところで、果たしてどのぐらい頑張れるのかということが非常に心配で、ちょっと心を落ちつくくらい、もう2分くらい、3分くらい、何とか少し食いとめる方法はないものかと、こういうことを思っているわけでございます。  今度は土木部長にお聞きしますが、午前中も大門委員から質問もありましたが、実は私も滑川市の高月海岸の堤防を見てきました。大変すごいものだと思ってきたわけですが、津波は多分高波よりもすごいことになります。非常に大きな質量を持ったものが物すごいスピードで押し寄せるわけですから、エネルギーは多分マシンガンと大砲くらいの違いはあるのではないかと、そういうふうに感じているわけであります。  そこで、県民が安全に避難できる十分な時間の確保のためには、ハード整備がやっぱり必要だと思っています。そういう意味では、沿岸の海岸堤防のかさ上げなどのハード整備については費用と時間もかかります。国にも要望していかなくてはいけないと思うのですが、ぜひそういう気持ちを共有していただけないかということで、水口土木部長に所見を伺います。 82 水口土木部長 県ではこれまで、高波等から背後地を防護いたしますため、海岸堤防のかさ上げに取り組んでおりまして、平成29年度までに、滑川市の高月海岸や朝日町の境海岸で整備を完了し、現在は魚津海岸におきまして鋭意整備を進めております。これは、津波対策にもなっていると考えているわけでございます。  また、高波や津波に対する海岸保全施設の防護機能を適切に確保いたしますため、富山県海岸保全施設長寿命化計画を策定し、これに基づき、予防保全型を基本とした修繕などを進めており、現在は滑川市の吉浦海岸で既設護岸のクラック補修、朝日町の宮崎海岸や魚津港海岸で護岸の修繕を実施しております。  一方、国からは、設計対象の津波高を超えた場合でも、海岸保全施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物の技術開発を進め、整備していくということが示されております。こうした国の動きについても、しっかりと注視してまいりたいと考えております。  県としましては、県民の安全・安心を守りますため、今後とも、海岸堤防のかさ上げや修繕など、必要な海岸保全施設の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。 83 岡崎委員 部長、ありがとうございました。  ただ、何遍も言いますが、2分で到達する箇所もしっかりと見ていただきたいわけでございまして、これは富山市の沿岸は全部該当するわけで、ここに対して、どういう堤防の強化をしていくのか、こういうこともぜひ検討いただきたいと思っております。  続きまして、部長にもう一問ございまして、先般、一級河川などの氾濫により工場団地などが受ける被害を推測した報道がありました。私も記事を見ていて、生産拠点も大変ですが、生産拠点に行くまでに県民の住居区域がかなりありまして、当然そこも巻き込まれるわけで、あの記事を見られた皆さんは大変衝撃を受けたのではないかと思います。  洪水ハザードマップについては、新年度に向けて各自治体がまた準備をされているということですが、かなりそれも大変なものになるのだろうなということが言われているわけでございます。  そこで、とりわけ神通川について部長の所見をお伺いしたいのですが、洪水等によって2メートルから5メートルの浸水と書かれておりまして、少なくともまず堤防は大丈夫なのかと、このようなことを土木部長にお答えいただきたいと思います。 84 水口土木部長 河川管理をしている国によりますと、神通川では堤防が必要な区間、約93キロメートルございますが、このうち、堤防の高さや幅が不足するなどの区間が約30キロあるとしております。  御案内のとおり、神通川では明治期に蛇行しておりました川を真っすぐに改修した馳越線工事など、これまでも河川整備が進められてまいりました。平成29年になりますけれども、神通川水系河川整備計画が策定され、戦後最大規模の洪水を安全に流下させるため、堤防の整備や急流河川対策などを行うとされたところでありまして、神通川左岸におきましても、富山市の草島地先や石坂新地先などで堤防の整備が計画をされております。  また、現在、国におきましては、急流河川対策として、洗掘のおそれがあります添島地区や成子地区の根継ぎ護岸の整備や、堤防の高さが不足している箇所の堤防整備については、神通川右岸の富山市の北陸新幹線橋梁から熊野川合流部までの延長約3.7キロメートルの区間で、今年度から堤防のかさ上げや拡幅等が進められております。また、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の中で、富山市草島地先などにおきまして、樹木伐採や河道掘削も実施されているというところでございます。  県としましては、神通川における治水安全度の向上は大変重要と考えておりまして、今後とも神通川の堤防の整備がさらに促進されるよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。 85 岡崎委員 どうもありがとうございました。  やはり地道に、川の流れをスムーズにしたり強化していくことが大事だと思っていますし、とりわけ下流域は水位が高くなりますので、本当に堤防については注視をいただきたいと考えております。  それでは、続きまして、災害対策についてお聞きしたいと思います。  熊本県の危機管理センターの担当者などからお聞きしたことですが、熊本県は、熊本地震の対応等の評価をされ、冊子にもまとめておられるわけでございますけれども、率直な意見として、うまくいったことは、初期対応において一定の経験がある職員を集中することができたと言っておられるわけでございます。  災害時でありますので、防災・危機管理課の職員だけではままならないということも想定はされると思うのです。どうなるかわからない話なので、そのためには少し裾野を広くして、経験のある職員の皆さんに御協力を求めることも、必要ではないかと感じているところでございます。  そこで、災害発生時には、県担当課の職員がまず招集されますが、加えて経験ある担当課OB職員の皆さんに対しても協力を求めることで、初動体制をより確実なものにすることができるのではないかと考えますが、竹野危機管理監の所見をお伺いいたします。 86 竹野危機管理監 大規模な災害などが発生した場合、被害を最小限に抑えるためには、速やかで的確な応急対応等を行うことが重要でありまして、関係職員が直ちに登庁し、迅速に初動体制を構築することとしております。  委員御指摘のとおり、災害対応の担当職員が被災などによりまして参集できないなど、人員不足が生じることも想定しておく必要があることから、本年3月に策定した県災害時受援計画では、被害状況把握や受援応援を総合調整するなど、災害対応の中心となり、業務が特に集中する総務班及び受援・応援グループに、防災担当OB職員や他県への応援派遣経験者を追加配置することとしており、現在、候補者の洗い出し等を含め、名簿を作成しているところでございます。  また、これまでも、昨年の西日本豪雨の支援に際して、知見を有するOB職員を現地へ派遣したほか、被災した市町村等を支援する仕組みである国の被災市区町村応援職員確保システムの災害マネジメント総括支援員に、防災担当OB職員を登録しておりまして、他県等の支援のためはもとより、被災地支援の経験を本県が被災した際の対応に生かしていくためにも、積極的にOB職員を活用しております。  万一、災害が発生した場合に、速やかに災害対策本部を立ち上げまして、被害状況等の収集、関係機関との連絡調整など、迅速な初動対応ができますよう、引き続きOB職員等の活用も含め、体制整備にしっかりと取り組んでまいります。 87 岡崎委員 もう既にそういうことを想定しながら、経験を積んでいただいているということで理解をしたいと思っています。やはり防災訓練をしていても、人はやったことないことはできないです。いざというときは、どんな取り決めをしっかりしていたとしても、やはり経験が物を言うというところが、私はあると思っています。  そういうことで、危機管理監には、ぜひそういう経験を積んでいただくようにお願いしたいと思いますし、経営管理部長に対しても、そういうことを理解していただきたいと思っています。  続いて、防災・危機管理センター(仮称)についてお伺いいたします。  細かい話ですが、しかし、幾つも今から言う課題を聞いています。何かと言いますと、震度5以上でエレベーターがとまってしまいます。熊本県でも言われましたし、8月に教育警務委員会で視察をした福島県警でも、そのために高層階化は控えたという話がありました。  本県は10階を想定して建設を予定していますので、その場合に、センターたる通信部は低層階ですが、実際に支援を受ける人たちを迎え入れたり、あるいは支援物資を搬入したりするときに、屋上ヘリポートを使うということは十分考えられるわけで、その際にエレベーターが故障すると大変です。熊本県知事は2階から10階まで往復した、それでも大丈夫だったと健脚ぶりを示しておられたそうですが、そういうわけにもいかないのではないかと思うわけです。  したがって、どのように復旧するかということをまず具体的に決めておかなくてはいけないと思います。民間に委託しても、災害時に果たして駆けつけていただけるかどうかわからないので、できれば職員による直営で何とか復旧できるような体制を想定しておいてもいいのではないかと思うわけでございます。このことについて、竹野危機管理監に御所見をお願いします。 88 竹野危機管理監 防災・危機管理センター(仮称)につきましては、地震や豪雨等のさまざまな危機管理事案に対して、迅速かつ的確に対応し、また、平常時には、地域防災力の向上のための施設として利用するために必要な機能を整備することとしておりまして、現在、実施設計を進めているところであります。  地震による強い揺れによりエレベーターが運転停止した場合でも、災害応急対応に支障が生じないように、基本設計において、災害対策本部室や災害対策本部員会議室など、センターの中枢機能を4階、5階に集中しているほか、建物内の東西両サイドに階段を配置しまして、非常時にも円滑な動線が確保できるように工夫しております。  また、地震後もエレベーターを含むセンターの機能が維持でき、直ちに災害応急対応が行えるように、地震時に建物に伝わる振動を軽減する免震構造を採用することとしておりまして、大規模な災害時においても十分に機能するよう、着実に整備を進めてまいりたいと思っております。  なお、県直営でエレベーターの復旧を可能にできないかとの委員の御提案でございますが、強い揺れによるエレベーターの損傷の有無の確認などメーカーの技術者による点検は、エレベーターの安全確保の観点からも欠かせないものと考えております。できるだけ協定等によりまして、優先的にこちらを確認してもらえるよう、話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。 89 岡崎委員 極めて想定的な話で申しわけなかったのですが、危機管理に関してこのようなことも足かせになる可能性があるわけで、十分考えておく必要があるのではないかと思います。  続きまして、災害時の空路についてでございます。  この間、北陸新幹線もあり、台風19号で北陸新幹線が運休したときには空路があるということで評価もされてきているわけで、どちらも大事な命綱だと思っています。ただ、本県の空港は河川敷で、いわば川の中にあると言っても過言ではないわけで、洪水に弱い特性を持っているのではないかということです。これまでは耐えてきたわけですが、線状降水帯によるものなどいろいろな自然災害がありますので、今後どういう対策をとっていくのか、お聞きしたいと思います。  先ほど来から、ヘリコプターによる輸送なども話が出ていましたし、大変重要な空路になると思っていますので、猪俣観光・交通振興局長にお願いしたいと思います。 90 猪俣観光・交通振興局長 富山きときと空港は、委員御紹介のとおり、全国で唯一の河川敷空港でありまして、万が一、水位が約6.3メートル以上に達した場合には滑走路の浸水が想定されております。  このため、空港を拡張した昭和59年に、洪水対策に備えるため富山空港洪水対策規程を設けまして、国土交通省河川情報システムや空港内にある富山気象台観測所、また河川水位計などにより、日ごろから水防情報や水位状況の把握などに努めておりますほか、毎年2回、水防訓練を実施しているところでございます。  また、洪水が発生するおそれがある場合には、具体的には空港の水位が3.8メートルを超えた場合でございますけれども、航空機の避難指示、空港水位が4.0メートルを超えた場合には、ローカライザー(計器誘導装置)等無線施設などを洪水の影響を受けにくい堤防と同じ高さの格納庫に移動させるなど、空港施設被害の軽減と早期復旧に向け、備えることとしております。  なお、仮に航空機の避難指示が出た場合には、ANAさんが航空機を例えば羽田に避難させる、あるいは堤防と同じ高さの避難駐機場所に航空機を引き揚げることも可能となります。  また、災害時には、富山空港が使用可能か使用不能かにかかわらず、本年3月に策定した県災害時受援計画におきまして、広域応援部隊等──自衛隊、消防、警察などでございますが、そういった部隊が活動、進出する拠点として、ヘリコプターの場外離着陸場として利用可能な16ヶ所を含む約90カ所の大規模なグラウンドや公園などをあらかじめリストアップしており、被害状況や拠点の状況等を踏まえ、最適な拠点を選定して人的支援を受け入れますほか、支援物資の受け入れでは、空のみならず、陸上、海上の輸送ルートでのあらゆる手段を活用することとしており、人員や物資を円滑に受け入れる体制を整備しているところでございます。  幸い開港以来、浸水したことはありませんが、今後とも関係機関と連携を図り、大雨などの事態におきましても、空港の機能が損なわれることのないよう、必要な安全対策等に万全を期してまいりたいと考えております。 91 岡崎委員 河川敷ということで心配していたのですが、この間、災害も何とか免れているということで、ただ備えておくことは大事だと思っております。  熊本県も150機ぐらいのヘリがとまれるようなことも想定をしていたのですが、熊本空港がある益城町で直下型の地震が発生したためできなかったということで、支援物資の受け入れや人員の受け入れなどに大変苦労されたという話も聞いておりますので、そのことも踏まえて、今局長がお答えになりましたように、いろいろな準備をしておくことが非常に重要だと思いました。ありがとうございました。  続きまして、災害時における病院や介護施設の停電対応についてお伺いしたいと思っています。  台風15号において、関東圏で想定以上の大規模な停電が起こりまして、復旧までに非常に時間がかかりました。本会議の中では再生可能エネルギーへの転換なども言われておりましたが、私はそれもそうなのですが、まず能力がどのレベルにあるのかということが重要だと思っているわけでございます。  したがって、県立病院はもとより、公的病院等々において、とりわけ酷暑が地球温暖化によってどんどん強まっていますので、どの程度空調設備などを維持できるのかということはしっかりと想定しておくことが重要ではないかと思います。  そこで、酷暑、あるいは厳冬のときに災害によって引き起こされる大規模な停電、長期間の停電に対する対策状況について、市村厚生部長にお伺いいたします。 92 市村厚生部長 医療機関や介護施設の停電対応についてでございますが、医療機関につきましては、災害時の医療活動の中心となる県内8つの災害拠点病院──県立中央病院ほかでございますが、そこでは、少なくとも通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機を保有しておりまして、3日分以上の燃料を備蓄してございます。他の病院に関しましては、毎年県が実施している災害時の危機管理体制調査によれば、8割程度の病院が自家発電機を保有しているというところでございます。  また、停電が長期間に及ぶ場合には、県石油商業組合との協定に基づきまして、県や市町村が指定する施設に燃料の供給を要請することができるという取り扱いでございます。  介護施設につきましては、医療的ケアの必要性が高い介護老人保健施設では、おおむね自家発電機を保有しているとお聞きをしてございます。  また、各施設では、非常災害に関する具体的な計画を立て、災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、定期的に周知、訓練をしておりますし、県でも、例えば自家発電装置の必要性の検討などを内容にした防災計画策定標準マニュアルを作成し、周知しているところでございます。  今後とも、災害時において、継続して適切な医療、福祉サービスが提供できますよう、各医療機関、施設に対し、機会を捉えて、関係機関との連携も含め、災害等に対する備えについて、周知啓発等を図ってまいりたいと考えております。 93 岡崎委員 どうもありがとうございました。  大体8割とか6割とか、そのようなレベルでありますが、第一義的は、電力事業者において停電をできるだけ防ぐということだろうと思います。富山県の電力事業者は、災害対策はしっかりしているのではないかと思っています。原発などいろいろな問題はありますけれども、配電関係は山間部においてもしっかりやられていると私は感じております。  何とか命を守るというところを前提に、やはり1日くらいは何とかもたせることができるような配備を、いかなる施設であってもとっていくと、こういう方向が大事ではないかと思っています。  最後に、働き方改革について触れていきたいと思っております。  この4月から労働時間法制が改正をされまして、年間360時間、月45時間という長時間労働に対する上限が設定されました。中小企業は来年からでありますけれども、一斉にスタートしていますし、県庁もその対象になっているわけであります。  県内の労働者の実態というのは、1人当たりの総労働時間が1,858時間、年休取得率も5割以下であります。  これは、全国的にもあまりいい数字ではないそうなので、これを踏まえて、石井知事も佐藤富山労働局長とともに労働団体に改善を求められたというところです。  しかし、知事は県内イクボスのドンでありますが、その前にまず県庁のイクボスでございます。県庁職員の皆さんのワーク・ライフ・バランスも重々考えながら、まずは身内からしっかりやっていかなくてはいけないと私は思うわけでございます。  県から9月時点のデータも提供いただいているわけですが、まだ時間外の上限オーバーもあると考えます。こういうところをまず改善していかなくてはならないと思うのです。  そこで、知事に、県庁での働き方改革はどのように進んでいるのか、お聞きしたいと思います。 94 石井知事 働き方改革、特に時間外勤務の縮減は、職員の健康保持やワーク・ライフ・バランスの観点から非常に大事だと思っております。これまでも人員体制の整備や業務配分の適正化に努める──一般職員は確かにこの十数年で23%ぐらい減らしたのですけれども、医師、看護師、警察官、学校の先生はむしろふやしたりしてきている、そういう努力もすると同時に、繁忙期のオフィスサポートスタッフの配置や時間外勤務申請システムの見直し、また所属長ヒアリングの実施、働き方改革講演会、部局長を対象にしてですけれども、管理職の意識改革の徹底などに積極的に取り組んでまいりました。  今年度は、オフィスサポートスタッフの増員、これは平成30年6月からまず3人、そして効果があることがわかりましたので、平成30年10月から9人にして、ことしの4月からは15人とふやしてきております。  また、パソコンの使用時間を利用した時間外勤務を正確に把握するための環境整備などを進めました結果、今年度10月末までの知事部局における時間外勤務の実績は、前年度に比べて8%減となっております。  加えて、年度内に定型業務の一部を自動化するICT技術、RPAを導入しまして、さらなる業務効率化を図ることにいたしております。  時間外は、昨年度と比べると8%減、一昨年度と比べると、まだ途中ですけれども、約15%減っているということでございます。  それから、今申し上げたICT技術、RPAというのは、御存じかと思いますが、例えば通勤手当の確認業務につきまして、従来は自宅と勤務地の住所を手作業で入力して、最短距離であるかを目視で確認していたのですけれども、このRPAの導入によりまして、入力作業やデータ抽出、確認作業が自動化できておりまして、先行したある県の数字を見ますと、作業時間が約51%削減できたということですので、こういったことを積極的に取り入れているわけでございます。  また、平成27年、ちょうど4年ほど前に、県庁が率先垂範して、職場を挙げて子育てしやすい環境づくりに取り組もうということで、イクボス宣言を私もさせていただきました。それをきっかけに県内の企業に呼びかけしましたところ、現時点では150の企業、団体の、社長さんや理事長さんにイクボス宣言をしていただいております。  これまで、育児等のための早出遅出勤務は昨年度21名の職員が利用していますし、また在宅型テレワークは昨年度10名実施している。また、男性の育児参加休暇の拡大──これは私が知事に就任させていただいてから導入したものですが、従来5日だったところ、3年前に8日に拡大いたしまして、妻の出産休暇と合わせますと10日間ということになりますから、多分全国で一番かと、いずれにしてもトップクラスかと思います。  さらには、県庁内保育所の整備、これは北陸銀行さん、JAグループと連携して、防災・危機管理センター(仮称)の2階あたりに整備しようとしているのですけれども、ここには地域枠もつくりますし、いずれにしても、県庁と北銀さんとJAグループの職員のお子さんがそこに入ると、その分既存の保育所に…… 95 藤井副委員長 すみません。持ち時間が少なくなっておりますので、答弁を簡潔にお願いします。 96 石井知事 すいません、失礼しました。  ということで、いずれにしても県庁の責任者でありますから、時間外勤務の縮減など、働き方改革を進めるように精いっぱい努力してまいります。 97 岡崎委員 さらに頑張ってください。お願いします。
     最後になりますが、定員管理計画について、経営管理部長にお伺いいたします。  この間、私たちは決算特別委員会の総括質疑なども踏まえて、行政改革をやるときは、人数がどれだけ減って、財源がどれだけ浮いたかということではなくて、一方できちんと職員の労働条件が守られているのか、このことも並行して評価をいただかないと行政改革の評価にはならないと主張をしてきたところでございます。  次期定員管理計画については、本当に職員の健康や労働条件をしっかりと守りながら、県内自治体においてはもう人減らしは限界だと、増員に転じますということも言われているので、そういうことを踏まえて答弁をお願いします。 98 藤井副委員長 滝経営管理部長、岡崎委員の持ち時間が少なくなっておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。 99 滝経営管理部長 今年度中に策定予定の次期定員管理計画につきましては、時代の変化が大変激しい中で、多様化、高度化する県民の方々のニーズに対応する必要がございます。  したがいまして、ICT、AIを活用した業務の効率化、簡素化に取り組みますとともに、今ほどもお話がございましたメンタルヘルスへの対応も含めまして、職員が健康で、持てる能力を最大限に発揮できる労働環境の整備が必要だと思っております。  一方で、少子高齢化による社会保障関係費の増など、厳しい財政状況が続くと見込まれますことや、民間企業においても深刻な人手不足が続いている状況等にも鑑みながら、県民の皆様の幅広い御理解がいただける内容となりますように、総合的に検討してまいりたいと考えております。 100 岡崎委員 もう人減らしありきではないということを知事にも強く訴えさせていただきたいと思います。  終わります。 101 藤井副委員長 岡崎委員の質疑は以上で終了しました。        針山健史委員の質疑及び答弁 102 藤井副委員長 針山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 103 針山委員 お疲れさまでございます。45歳、西暦で言いますと1974年生まれ、就職氷河期世代の針山健史でございます。  きょうは寒い朝を迎えましたが、滑川と違いまして、地元伏木にはまだ雪が降っておりません。車のタイヤも交換しておりませんで、日ごろ心がけておりますスピードを控えた安全運転同様に、やわやわと質問に入っていきたいと思います。  1971年から1982年に生まれ、世の中が好景気に沸きまして、実体経済以上に資産価値が膨れ上がった、いわゆるバブルが吹き飛んだ後の1993年から2004年に学校卒業期を迎えらえた方が就職氷河期世代と呼ばれております。富山県議会議員の中で該当するのは、私を含めて7人くらいかなと思います。  大学3年生から4年生にかけての就職試験は、非常に苛酷なものでありました。大勢の学生がわずかな採用枠をめぐって就職活動を行っておりました。忘れもしません、大きなホテルの一室で行われた某マスコミの入社試験でございます。会場は200名を超える受験生であふれ返っていたわけですが、会社側からは、この中で採用を考えているのは、1人か2人ですと。よくよく聞いてみますと、この試験を受ける前に書類選考でもう既に200名以上が足切りされていると聞きました。こんな状況で、どこにいつ、採用されるのかなと、本当に途方に暮れていたことを思い出します。  22年前にようやく内定をもらったのが金融機関でございました。もうあのような就職活動はしたくないと必死にしがみついて働いてきたわけでございますが、1年前に退職して、4年ごとに就職活動が必要な世界へ足を踏み込んでしまいました。  我々就職氷河期世代は全国で1,700万人、県内では14万人弱と推測されております。しかし、ようやく社会から手を差し伸べてもらえるときが来たのではないかと。兵庫県宝塚市では、就職氷河期世代を対象に正規職員採用試験が行われました。また、11月26日には、政府が就職氷河期世代を重点的に国家公務員として中途採用する方針を示しました。就職氷河期の時期は、県内の有効求人倍率も1.0倍を下回っておりましたが、当時の富山県の職員採用状況について滝経営管理部長、県内事業所における就職状況について芝田商工労働部長にお尋ねいたします。 104 滝経営管理部長 私も就職氷河期世代です。  まず、私から教員や警察官を除いた県職員の採用についてお答えいたします。  いわゆる就職氷河期とされます平成5年度から平成16年度までの12年間における教員や警察官等を除いた県職員の採用者数でございますが、1年当たりの平均は151名でございました。平成28年度から平成30年度までの直近3カ年平均は206名ということでございまして、これと比較するとかなり低い水準であったと認識しております。  なお、この間で最も多かったのは、平成7年度の204名、最も少なかったのは平成13年度の100名でございました。  また、上級採用試験の競争倍率でございますけれども、就職氷河期の平均で11.8倍、そのうち最高は平成12年度の21.5倍、最低は平成5年度の6.4倍でございました。  この背景といたしましては、不況下で民間企業が大幅に採用を抑制したことがあると思っております。近年は、若者そのものの絶対数が減少しておりますし、かつ、景気が好調という中で、民間企業における採用も活発になっております。  こうした影響もございまして、直近3カ年で申し上げますと、採用倍率は平成28年度が4.6倍、平成29年度が4.2倍、平成30年度が3.7倍となっているところでございます。 105 芝田商工労働部長 私は、就職氷河期をかなり上回っておりますけれども、真摯に答えさせていただきます。  いわゆる就職氷河期世代が学卒期を迎えた平成5年度から平成16年度の本県の有効求人倍率は、一貫して全国平均を上回っておりましたが、平成5年度の1.16倍から平成6年度に1倍を切りまして0.98倍となり、平成13年度には、この期間の最低となります0.57倍にまで落ち込みました。平成16年度に1.06倍に回復するまで、1倍を下回る低い水準が続いておりました。  また、大卒者等──短大、高等専門学校を含みますが──の就職内定率は、平成5年度から平成9年度までは95%前後で推移しておりましたけれども、平成10年度に90%を切りまして、平成11年度は87.3%となりました。直近の平成30年度、昨年度は98.7%でございますので、それから比較すると11ポイント以上低かったということになります。  さらに、平成12年の国勢調査によれば、完全失業率は10代後半で10.5%、20代前半で6.2%と、ほかの年代が1%台から4%台でございますのでかなり高く、全国平均を下回ってはいましたけれども、景気低迷に伴う厳しい雇用環境の中で、新卒者の採用が抑えられたものと認識しております。 106 針山委員 就職氷河期世代が多くいることは、逆に力強いことでもございます。でも、やっぱり厳しい就職状況だったなということを今改めて認識しているところでございます。  特に、私も含む1971年から1974年生まれは、団塊ジュニア世代とも言われまして、団塊世代を引き継いで出生数の増加、また消費や生産など、経済活動へも大きく貢献するものとの期待がありました。  しかし、不安定な景気状況の影響で、やむなく非正規で雇用されるケースが相次ぎ、社会に対して悲観的な考えを持つ方が大勢出現しました。我が国の長期低迷の一因となっているとも言われております。  富山県のこれまでの就職氷河期世代に対する就労対応を、芝田商工労働部長にお伺いいたします。 107 芝田商工労働部長 県では、平成5年以降、就職氷河期世代だけというわけではございませんけれども、同世代を含めた若者に対しまして、新規学卒者を対象とした合同企業面接会の開催、これは平成7年から開催しております。  また、各ハローワーク内における新規学卒者就職相談コーナーの設置、Uターンフェアの開催などによりまして、就職を支援してきております。  離転職者に対しましては、技術専門学院等による多様なニーズに応じた公共職業訓練の実施、また国の雇用交付金を活用した緊急雇用創出基金事業などによりまして、就業の機会の拡大を図ってまいりました。  また、平成16年には、その前年に国で策定をされた若者自立・挑戦プランに基づきまして、若者の生の声を聞き、きめ細かな効果のある政策を展開するため、ヤングジョブとやま──いわゆる若者就業支援センターでございますが──を設置いたしました。これは、35歳未満の若者の就業活動を支援するというもので、個別カウンセリングを行うなどの支援の充実を図ったところでございます。  さらに、平成18年からは、地域若者サポートステーション──サポステと言っておりますが──を設置いたしまして、ニートなど社会にうまく適応できず、就労や就職活動に入れない若者に対し、専任のキャリアコンサルタントによる個別相談や、就労に向けた基礎的な力を身につけるための通所型指導相談、企業における職場体験の実施など、メンタル面も含めたきめ細かな就業支援を行ってきたところでございます。  こうしたことにより、例えばヤングジョブとやまにおきましては、開設の平成16年から平成30年度末までに、29万人余りの来所がございまして、そのうち1万7,000人余りの方が就職をされております。  また、地域若者サポートステーションにおきましても、開設から平成30年度末までの登録者は約3,000人ございますが、そのうち約半数の方の就職等の進路が決定したところでございまして、若者の就職に大きな役割を果たしてきていると思っております。 108 針山委員 今も非正規雇用でくすぶっている人材もいるわけでございまして、何とかそういった方を引き出して、世の中の人手不足を解消していきたいと思っております。  また、安定した職につけないことなどを原因としてひきこもりになった50歳の子供の面倒を80歳の親が見なくてはならないという8050問題の深刻化も予想されております。ひきこもり100万人時代と言われますが、そのうち4分の1が就職氷河期世代であります。  親子で就労困難となり、生活困窮家庭が増加する懸念もある8050問題への対応を、市村厚生部長にお伺いいたします。 109 市村厚生部長 国が中高年層を対象として行ったひきこもり調査によれば、全国におけるひきこもり者の数は40歳から64歳の1.45%を占めておりますので、本県においてもいわゆる8050問題の顕在化が懸念されるところでございます。  このため県では、本県におけるひきこもりの実態を把握するために、現在、県独自の調査を実施しておりまして、その結果を年度内に取りまとめ、市町村や関係機関等と広く共有を図るとともに、施策に反映させることとしております。  ひきこもりを含む氷河期世代の雇用対策につきましては、地域若者サポートステーションにおいて、来年度から対象年齢を拡大するなど支援を充実することとされておりますが、ひきこもりにはさまざまな背景があり、すぐに就労現場に適応できない方もおられますので、一人一人の事情に寄り添う形で、県と市に設置している相談窓口におきまして、生活困窮者の自立に向けた包括的な支援を行いますとともに、就労に向けた日常生活の訓練を行う事業を実施しております。  また、国においては、来年度からひきこもり地域支援センターと自立相談支援機関の連携強化や、8050等の複合的な課題を抱える世帯への包括的な支援の一層の推進などに取り組むこととしておりますので、県としましても、これらの施策を十分活用し、市町村や関係機関と連携しながら、本人の希望に沿った社会参加への支援に向けて、丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。 110 針山委員 収入の安定が生活の安定、また生活の安定が地域の安定につながるのではないかと思っておりますので、また積極的に取り組んでいただきたいと思います。  知事は、10月1日の定例会見において、記者からの就職氷河期に対する質問に、「富山県の場合は、調べてみたら就職氷河期世代とほかの世代を比べても、雇用されている人数や比率に大きな差がない」と回答されていました。  確かに、総務省の平成29年就業構造基本調査によりますと、就職氷河期世代のうち、不安定な就労状態にある方の比率は1.8%と、全国一の低さであります。しかし、長期にわたり無業の状態にある方の比率は2.3%であり、ほかの都道府県と比べても無視できない水準かと思います。  改めて、就職氷河期世代に対する認識と発言の真意、根拠について、石井知事にお伺いいたします。 111 石井知事 県では、今ほども部長から答弁申し上げましたけれども、就職氷河期世代を含む若者の就労や、正規雇用に向けた取り組みを行っております。  その結果、本県の就業率は、全国と比べますと、35歳から44歳で約6ポイント高くなっております。  さらに、30歳代後半の正規雇用率が75.9%、これは全国が71.7%ですから、4ポイント以上高く全国で1番、40代前半が74.8%、これも全国より高く全国で2番と、いずれも高い水準にあり、また、他の世代と比較しても、例えば本県では30代前半が78.2%、それから40代後半と50代前半は、ともに73.1%ですから、こういう数字から見ますと、大きな差は見られないところであります。  ただ、委員御指摘のように、厚生労働省が公表したデータによりますと、35歳から44歳のうち、不安定な就労状況にある方の割合は、本県は1.8%で、全国で1番低いのですけれども、長期にわたり無業の状態にある方の割合は、本県は2.3%で、全国平均値と同じということになっております。  そういう状況ですけれども、支援を必要とする方が一定程度存在されるのではないかと、そういう可能性があるのではないかと考えまして、国に先駆けて、県単で就職氷河期世代の就業状況や固有の課題、支援ニーズを把握するための県独自の調査を今実施しているわけでございます。  その中では、正規雇用、パート、アルバイト、派遣といった就業形態、それから転職経験の有無とその理由、それから年収、また、今後就職や転職する場合に希望する業種や業務内容、そして、県の支援事業に対する参加意欲、行政に求める支援等、などを調査しております。  こうした調査結果を踏まえまして、国の施策と十分連携して、市町村や民間企業の協力をいただきながら、幸い富山県人材活躍推進センターをことし5月に開設しておりますので、就職氷河期世代の方々が、意欲と能力に応じて活躍できる環境の整備を進めてまいりたいと思います。  委員がどう受け取られたかわかりませんが、私はこの就職氷河期世代──大学や高校を出て就職された際に、ほかの世代よりも非常に不利な条件にあった方々、そのことによって現在もいろいろな面で恵まれていない方々がいらっしゃれば、精いっぱい支援したいという思いでございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。 112 針山委員 その数字以上に、私たちが感じている閉塞感というのは、根深いんだということを認識していただきたいと思っております。  今ほど知事からも答弁がございましたが、9月補正予算に就職氷河期世代を含む30代半ばから40代半ばを対象にした就業状況調査事業が盛り込まれ、現在実施されております。早期に進めないと、官公庁や企業では、来年度の事業計画の策定に入る時期でもございます。  改めてとなりますが、調査内容と回収や集計、分析、公表などのスケジュールを芝田商工労働部長にお伺いいたします。 113 芝田商工労働部長 現在行っております就職氷河期世代の就業状況調査は、県内在住の就職氷河期世代の中心層であります35歳から44歳の男女4,000人を対象に実施しているものでございます。  具体的な調査内容につきましては、今ほど知事の答弁と重複いたしますけれどもお許しいただきまして、正規雇用、パート、アルバイト、派遣など現在の就業形態とその形態で働いている理由、転職経験の有無と転職した理由、年収、今後就職または転職する場合に希望する業種や業務内容、就職先を選ぶ際に重視する雇用条件、県の支援事業に対する参加意欲、今後行政に求める支援等についてお伺いしております。  スケジュールといたしましては、この12月末を目途に調査結果を速報として取りまとめ、確報につきましては来年2月いっぱいを目途に取りまとめたいと思っております。  こうしたことによりまして、来年度に向けて必要な支援施策の検討に生かしていきたいと考えているところでございます。 114 針山委員 なるべく早期に取り組んでいただいて、早く支援を実現してもらいたいと思います。  今の調査につきまして、国の集中支援プログラムが始まる前に、県の支援施策の検討に向けて早い段階で実施するということは、大いに歓迎したいと思います。  しかし、統計調査として、いわゆる就職氷河期世代のコアの部分だけではなく、全世代あるいは前後の世代も調査対象にしないと、比較ができないのではないかと考えますが、どのように調査結果を生かしていくつもりなのか、芝田商工労働部長にお伺いいたします。 115 芝田商工労働部長 今回、県が独自に実施しております調査につきましては、就職氷河期世代への支援の必要性を十分認識した上で、同世代の状況を他の世代との比較によって、いわゆる統計的アプローチで改めて確認するのではなく、対象者の支援ニーズを把握し、速やかに実効性のある支援策を検討することに重点を置いて、調査対象を同世代の中心層である35歳から44歳に限定して実施したものであります。  具体的には、支援対象者として、不本意ながら非正規雇用で働いているけれども、今後正規雇用への転職意欲がある方や、無業であっても今後就業する意欲のある方をまずは抽出いたしまして、どの程度のボリューム感があるかということをつかんだ上で、県の支援事業に対する参加意欲や、就職や転職の際に行政に求めるニーズ等についてお聞きするものでございます。  今後、この調査結果を踏まえまして、新年度の予算編成等を通じて、就職氷河期世代の方々のさまざまな状況に応じた支援により、正規雇用化を初めとした同世代の方の活躍の場をさらに広げられるような、実効性ある施策を検討していきたいと考えております。 116 針山委員 いち早く実態把握に努めようという取り組み姿勢は、大いに評価したいと思います。調査を通して、本当の実態が把握されて、氷河を解かすくらいの温かい支援につながることを切に願っております。  続きまして、経済情勢についてお伺いいたします。  米中の貿易摩擦や日本と近隣国との関係悪化などで、景気の停滞感が強まっております。2019年の全国の企業倒産件数が11年ぶりに増加する可能性が出ているとの新聞報道もありました。  また、地方銀行の不良債権処理額が増加していること、県内においても、商工労働部の経済情勢報告の指標の中でも変化の兆しが見えております。  一例を挙げますと、倒産企業件数が増加傾向にあったり、また預金残高の伸び率が減少していたり、貸出残高の伸び率が増加傾向にあります。法人企業統計や勤労統計調査からも、企業収益や個人所得の伸び悩みが見られております。  全国各地、また県内各地を駆けめぐっておられる知事でございますが、そのところどころで、肌で感じる数字以外の景況感もあると思います。県内経済の現状と見通しについて、石井知事の所見をお伺いいたします。 117 石井知事 県内経済の現状は直近の経済情勢報告によりますと、生産は8月の鉱工業生産指数が100を下回って、前月比3.5%の低下となったことを踏まえまして、引き続き「弱含んでいる」としたものの、個人消費は緩やかに回復して、雇用情勢は有効求人倍率が全国トップクラスの水準で推移していることから、「景気は緩やかに回復している」としたところですけれども、きょうの報道にもありましたが、総務省の発表によりますと、10月の消費支出は前年同期比でマイナス5.1%──これは消費税が10%に引き上げられたことと9月の消費支出が9.5%の増となったことの反動だと思いますが、これからも経済状況を注意して見ていかなければいけないと思っております。  また、今後の見通しにつきましては、一部に弱さが残るものの、雇用環境の改善が続く中で緩やかな回復が続くことが期待されますけれども、先ほど県内各地を回って実感はどうかとのお話がありましたが、正直大きな企業だけではなくて、中小企業の皆様、これはものづくりや流通関係も含めて、本当に人手不足感が非常に強くなっているなと思います。  また、通商問題をめぐる緊張の増大が世界経済に与える影響、これも、7月、8月、9月ごろまでは余り実感がないなという企業の方も多かったのですが、10月、11月ごろから、やはりちょっと影響があるなとおっしゃる経営者がふえてきたと思っております。  また、もちろん消費税率引き上げによる影響についても、いろいろな対策を政府は打っておられますけれども、十分留意する必要があると思っております。  昨日、閣議決定された国の新たな経済対策──規模も相当大きいものですが──においては、経済の現状について、設備投資は非製造業におけるICT投資など、新しい時代に対応した前向きな投資が進んでいるなど、我が国の景気は内需を中心に緩やかな回復基調にあると言いながら、一方で、やはり米中貿易摩擦の影響など、海外発の経済の下方リスクにはより一層注意が必要であるという現状認識のもとに、経済の下方リスクを乗り越えていくための総合経済対策だとされていますので、こうした国の対策を県としてはできるだけ積極的に活用して、県内経済の活性化、またせっかく投資するのですから、当然ながら将来の成長分野に取り組んでいきます。  それから、先ほど来議論が出ていますけれども、治水や砂防などの災害対策にもしっかり取り組んでいきたいと思っております。 118 針山委員 私も景気が後退しているとか、不景気になっているとか、そういった思いもないですし、そういったことをもちろん望んでいるわけでもございません。好調な県内経済を引き続き牽引していっていただきたいと思っております。  現在、我が国の有効求人倍率は1.56倍、けさのニュースでもありましたが、県内は1.86倍、来春卒業を予定しておられる大学生の就職内定率は10月末で76.8%、同じく県内高校生は78.2%、いずれも全国上位で推移しているわけでございます。  ただ、先日、大手電機メーカーでありますパナソニックは、魚津、砺波にある工場で製造されている半導体事業から撤退するといったニュースも飛び込んできました。両工場で雇用されている1,700人の雇用状況に懸念も出ているわけでございます。  一方で、残念ながら、良好な雇用環境にあっても、就職先での仕事内容、人間関係などに適応できない就職ミスマッチもあると聞いております。  県内高校には、就職を支援するキャリア教育アドバイザーも配置されております。少しでもミスマッチを防ぐために、就活生への企業の仕事内容や企業風土などの情報提供の強化、キャリア教育の充実、キャリア教育アドバイザーの通年でのコンスタントな活動支援などの取り組みを進めるべきと考えますが、伍嶋教育長にお伺いいたします。 119 伍嶋教育長 本県の新規高卒者の就職後3年以内の離職率を見ますと、約3割となっておりまして、全国の約4割に比べて、低い水準で推移はしておりますが、早期離職者が一定数いることから、学校教育の早い段階から、勤労観や職業観を醸成していくことが大切であると考えております。  このため、特に高校では、地元企業へのインターンシップや外部講師による進路講話などを行っておりまして、今年度からは新たに生徒自身が自己の適性を把握するとともに、より多くの企業を体験できるよう17歳の挑戦事業を行っております。  就職のミスマッチの解消のためには、事前に企業風土や経営概況などを十分に理解することが大切でありまして、各高校では、応募する前に企業見学を行っております。  また、県立高校にキャリア教育アドバイザーを2名、定時制高校には就職支援教員を2名配置しております。  これによりまして、求人やインターンシップ受け入れ先の開拓、また企業情報の提供などの個別指導による就職支援、さらには生徒の意向や適性に沿った企業とのマッチングなどを行い、各学校を支援しております。  なお、就職支援員は通年の配置としておりますけれども、委員から御提案のありましたキャリア教育アドバイザーの配置時期につきましては、これまでの学校から要請のあった就職対応の実績を踏まえて、具体的には、全日制高校では支援要請がなくなる時期、あるいは企業側としても採用内定が決まっており、ニーズが少ない時期である2月末までの雇用としておりますが、今後、各学校等の意向等も踏まえて検討してまいりたいと考えております。  今後、新たな取り組みとして、教員自身が県内企業を知る機会を設けることを考えておりまして、さらに生徒が富山県や地元企業のよさを知って、将来の地域を支える人材として成長するように努めてまいりたいと考えております。 120 針山委員 新卒入社といいますと、社会人への入り口でございます。その後の人生設計に大きく影響を与えますことから、しっかりとした就職サポートをお願いしたいと思います。  委員長、資料配付の許可をお願いいたします。
    121 藤井副委員長 はい、許可します。配付をお願いします。 122 針山委員 富山県信用保証協会の資料を御参照ください。  政府が景気のてこ入れのために、事業規模26兆円の経済対策を講じることになりました。景気の停滞を見据えて企業の資金ニーズも高まってくると思われます。金融機関は、リスクを回避するために信用保証協会を利用した融資をふやす傾向も見られる中で、県の制度融資の利用割合が減少しております。  保証協会独自の制度融資である短期継続サポート融資、通称短コロの使い勝手が非常によいということも承知しているわけでございますが、総じて県の制度融資は手続が煩雑であったり、時間がかかるといった声も聞いておりますし、体験もしてきました。  予算措置も含めて、貸出金利引き下げや信用保証料の引き下げ以外にも、融資の相談体制の充実、手続の迅速化、資金メニューの簡素化、利用後のフォローなど、取り組むべき課題があると思いますが、利用しやすい制度融資に向けて、芝田商工労働部長に御所見をお伺いいたします。 123 芝田商工労働部長 県の制度融資につきましては、中小企業を取り巻く経営環境や企業の成長段階に応じて、円滑な資金供給が図られるように、中小企業や商工団体、金融機関等の意見を踏まえ、適時適切に充実したものに見直しまして、きめ細かな制度を構築してまいりました。  今年度におきましては、積極的な設備投資、創業チャレンジの支援に向け、生産性革命推進枠の創設や、実質無利子となるIoT支援特別資金の取扱期間の延長、資金繰り対策として経済変動対策緊急融資等の経営安定資金の取扱期間の延長など、現場のニーズに応じた見直しを行っております。  また、資金メニューの周知などにつきましては、毎年度、特に新規や変更点を中心にわかりやすく冊子にまとめ、金融機関や市町村、関係団体へ説明を行いますとともに、県や関係機関の各種広報媒体へ掲載するなど、幅広く丁寧な周知に努めております。  また、利用の相談に当たっては、県はもとよりでございますが、新世紀産業機構に設置したよろず支援拠点におきまして、ワンストップで受け付けて適切な資金メニューを紹介し、利用後も経営課題の解決に向けて専門家の派遣など、伴走型の支援を行っております。  融資の手続につきましても、事前相談を受け付けるなど審査時間の短縮を図りますとともに、信用保証協会とも並行して審査を進める──以前は信用保証協会の審査の後に県の制度融資の利用承認の手続をしておりましたけれども、最近はこれを並行して進めるといったことなどで、速やかな融資につなげております。  今後とも、金融機関や信用保証協会、商工団体等とより一層連携を深めまして、中小企業の皆様が利用しやすいように、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 124 針山委員 借りやすくするというより、借りたい理由のある人がタイムリーに利用できる制度になることを望みます。  続きまして、県有施設とバスロケーションシステムについて、御質問をさせていただきます。  一昨日、天皇皇后両陛下御即位に関する一連の儀式が無事終了となりました。改めて御即位をお祝いするものでございます。  祝日となりました10月22日の即位礼正殿の儀に際しまして、県有8施設の無料開放が実施されました。これまでも上皇陛下の天皇御在位30年慶祝事業でも行われておりますが、資料の地図を御参照ください。施設を地図で見ますと、富山市中心部から県東部にかけてのみ。  国民、県民が奉祝を享受する中で、県民ふるさとの日のように、県西部を含めた全県的な県有施設無料開放への配慮はなかったものか、蔵堀総合政策局長にお尋ねいたします。 125 蔵堀総合政策局長 去る10月22日に行われました即位礼正殿の儀に際して、国におきまして慶祝事業の一環として、当日、国立の博物館及び美術館の常設展などを無料開放されたところであります。  これに先立ち、国から都道府県などに対しては、可能な範囲で公立博物館を無料開放するよう依頼がありました。この依頼を受けまして、本県としても国と同様に、博物館等を対象に実施した結果、御指摘の資料のとおりということでございます。  県では、県民挙げて奉祝ムードを高めるという必要もございましたので、県内の市町村に対しても市町村立の博物館の無料開放をお願いしております。これを受けまして、例えば高岡市では、高岡市美術館、高岡御車山会館や万葉歴史館なども無料開放されたという状況でございます。  御指摘にもございましたように、県民ふるさとの日における県有施設の無料開放では、こうした博物館のほか、太閤山ランドの一部の施設、高岡総合プールや西部体育センターのトレーニング室なども対象として実施しているところでございます。 126 針山委員 やはり県有施設が富山市中心部、県東部に偏っていると言わざるを得ません。  今定例会でも、武道館機能を含む多目的施設の建設地が大いに議論されております。9月定例会の予算特別委員会では、県西部選出の先輩議員の皆さんがリレー質問という形で取り上げました。  今回の予算特別委員会では、前回、リレー選手から漏れておりました針山と、10日に質問予定の、年は10歳違いますが、同じ8月生まれの瀬川委員と2人、時間差リレー質問をさせていただきたいと思います。  富山県の東西バランス、県土の均衡ある発展、今議会でよく耳にいたします。武道館機能を含む多目的施設というのは、県民共通の財産にもなる施設でございます。  これまでの検討の中で、県内15市町村との役割分担や連携、コミュニケーションはどのように図ってきたのかを石井知事にお尋ねいたします。 127 石井知事 県内では、13の市町で27施設の市町村立の武道館が設置されておりまして、日ごろの稽古や市町村単位の大会等が開催されております。  県の富山武道館と高岡武道館は、国体選手の選抜大会等に利用されておりますけれども、老朽化や競技面が2面しかとれないこと、さらには観客席が極めて少ないことから、近年では県内の参加人数の多い武道大会については、県や市町村の武道館ではなく、大きな体育館等で開催されるケースが多くなっております。  例えば、剣道は、2000年国体のときは庄川町民体育センターで、平成13年以降は県西部体育センターでやっており、また柔道は、射水市の小杉総合体育センターでやっているといったようなことでございます。  新たに整備します武道館機能を有する多目的施設については、まず武道館として必要な役割である武道競技公式大会開催基準を満たす施設とし、主道場は柔道や剣道であれば6面の競技面を確保するとともに、柔道場3面と剣道場3面を整備して、県内の武道競技の拠点となる施設としてはどうかと、県内の既存の市町村立のものも念頭に置いて、そういう判断をしているわけでございます。  ただ同時に、この主道場はかなり広い面積になりますので、武道競技で使わないときは、そのスペースを多くの県民に親しんでいただけるように、バスケットボールやバレーボールなどの室内競技、コンサートなどのイベントも行えるような、そういう多目的利用が可能なものにしたいと、こういうふうに考えているわけでございます。そういった提言になっております。  こうしたことから、立地場所については、県内各地からアクセスしやすい場所とする必要があり、幅広い県民の皆さんが利用できるよう県内からの利便性が高く、生徒、学生が利用できるよう公共交通機関によるアクセスが容易である、また、県外の方の参加もしやすい場所を施設整備候補地の選定基準に基づいて選定してまいりたいと、このように考えておりまして、あわせて市町村施設との役割分担、連携についても、検討委員会で十分検討してまいりたいと考えております。 128 針山委員 知事、立地場所の話はこれからでございます。  富山県においては県有地、市町村においては市町村有地がございます。調べてみますと、県有地は、20.9平方キロメートル、また私の住む高岡市では、3.7平方キロメートルの土地を所有しております。もちろん、現在利用している庁舎、学校、博物館、消防施設、公民館などがあるわけですが、この中には遊休地であったり、統廃合が予定されている施設も含まれております。富山駅周辺など、わざわざ煩雑なところに時間とお金をかけて再整備するよりも、もっと効率的に建設できる場所があるのではないかと考えております。県有地や市町村有地を利用することで、費用も圧縮され、跡地利用に困っている地域の協力も得やすいと考えます。  例えば、万葉線、能越自動車道高岡北インターチェンジ、JR氷見線、国道8号、国道415号に近く、そばには再生可能エネルギーを活用したバイオマス発電所建設が進み、遊休地の利用により循環型社会づくりのモデルともなる、また、世界ブランドになりつつある美しい富山湾が一望できる、また、県が緑地整備計画のため取得を進めている約4ヘクタールもの広大な土地が高岡北部の伏木外港にあります。  まさに、環境と経済、社会の循環を目指すSDGs未来都市、富山県にふさわしい場所ではありませんか。  長年、地元から要望しているクルーズ船の受け入れ施設を兼ね備え、港湾機能の強化を含めたターミナル機能と、武道館機能を含む多目的施設の誘致を提案しようと、いろんな方に相談したところ、「今話題の令和のゆかりの地でいいね」、「海に向かって一本背負い、気持ちいいね」と多くの方から賛同を得ているわけでございますが、「地元のことばかり言ったらだめだ、議論があっち行ったりこっち行ったりする」といったアドバイスと天の声がありまして、まだ声を上げずに胸に秘めておこうと思います。  しかし、今、武道館建てかえを中心として進んでいること、県内のバランス、均衡、利便性、コストを考えれば、先輩方と同様に、やはり新高岡駅周辺の高岡市市有地が最適と考えます。  平成27年度に県が実施した高校生へのアンケートでは、富山に不足しているものは、魅力的なイベントやコンサートが最上位にランクされておりました。まだまだ規模、機能の議論もあるわけですが、次世代を担う若者に今後も富山県に定住してもらうために、夢と希望を抱けるような施設を、しかし、無秩序な開発で将来への負の遺産とならないような場所に選定していただきたいと考えますが、蔵堀総合政策局長に所見をお伺いいたします。 129 蔵堀総合政策局長 武道館機能を有する多目的施設の立地場所につきましては、今ほど知事からも詳しく御答弁申し上げたところでございますけれども、候補地の選定基準に基づいて選定作業を進めるということでございます。  この選定基準の中には、用地取得の確実性が高いことも評価項目といたしております。そうした検討を進めていく中で、当然県有地で適切な場所があれば、これを活用して整備を進めるということは、例えば用地取得に要する時間、コストを抑えることができますし、確実性が高く、有利であると考えております。  なお、市町村所有の土地につきましては、これは一般論ではございますけれども、その土地を取得された経緯、市町村における今後の活用見込み、それから当該市町村のその他の御事情等もよくお聞きをしなければいけないと考えておりますし、場所によっては近隣住民の方などの意見もしっかり確認する必要があると考えております。  いずれにしても、こうしたことを踏まえつつ、選定基準に沿って立地場所の選定を進めてまいりますけれども、当然、県の財政負担の軽減にも十分留意をして検討を進めてまいります。 130 針山委員 ちょっと金融機関に勤務していたときの話をさせていただきます。  「お金ないけど、子供も大きくなってきて部屋が足りなくなった。ちょっと親元から離れて家を建てたいのだけど、どこかいいところはないか。見つけてくれたらあなたのところでローンを組むよ」と。土地購入と建物の建設ということになりますと、4,000万円、5,000万円になる住宅ローンもあるわけでございます。一生懸命に不動産屋さん、役所、いろいろな方から情報を得まして、学校に近い、スーパーに近い、幹線道路からちょっと入った閑静な宅地を見つけまして御紹介したわけでございます。  「いいところだね。今すぐ家に帰って相談するよ」。しかし、次の日に返事があり、「おやじに相談したら、家の横に畑になっている空き地があるので、そこを使えばいい。今から子供にお金もかかるのに、無駄なお金を使うことはない」と怒られたそうで、話はなくなりました。  普通に子供のことを考える親なら、最後はそういうことを言うだろうなと思って、私も聞いておりました。  県の財政を考えれば、なけなしの無駄遣いとなってはいけません。私の父親は昭和20年生まれでありまして、石井知事も昭和20年生まれと聞いております。私にとっては父同然の存在でもありまして、知事、ぜひ今、御子息の顔を思い浮かべて、大変失礼ですが、どうか私の顔に重ねていただきたい。いや、子供たちに迷惑かけられないと、針山の言うことも一理あるなと、間違いなく知事は今そんな顔をしておられます。どうか、その子供を思う親心を持って慎重に議論を進めていただきたい。  さて、11月18日より、全国でも類を見ない県内全域を対象としたバスロケーションシステムが本格運用されました。私も試験運用時から見ておりますが、日常的に使うわけでもなく、たまに少し見るだけなので大変言いにくいのですが、なかなか便利なものだと思って見ております。  30秒ごとに情報が更新されて、バスのおくれなどがタイムリーにわかる。これならわざわざ富山駅周辺に何でもつくらなくても、県内どこでも、交通の利便性はある程度確保されると確信しております。  バスロケーションシステムには、県内移動の利便性向上に大いに期待をしておりまして、通勤通学利用時や冬場の交通利用者のストレス解消ばかりでなく、利用者のデータを蓄積して、ニーズに合った効率的なバス路線の構築や、観光客の利用動向から効果的な観光周遊ルートの確立へと、発展的利用を期待いたしますが、システム利用の状況とあわせて、猪俣観光・交通振興局長の所見をお伺いいたします。 131 猪俣観光・交通振興局長 とやまロケーションシステムの利用状況につきましては、先ほども岡崎委員からの御質問に知事から答弁いたしましたように、これまでの1日の平均アクセス回数は約850回となっております。利用データの蓄積につきましては、とやまロケーションシステムでは、バスの車載器から発信された位置情報をシステムが受信することで、遅延情報をウエブ上に配信するものであることから、いつ、どこから、どこまで、何人が乗ったなどの利用者データを得ることはできないものの、運行便ごとに遅延の発生区間や遅延時間を把握することが可能であります。  このように蓄積できるデータには限界がありますが、いずれにしましても、こうしたデータを蓄積し、人口や企業の分布、観光施設の位置などの関連情報と照らし合わせることで、バス事業者におきまして、既存のバス路線のダイヤや路線の見直し、観光施設を効率よくめぐりるための新たなルートの検討などへの活用が考えられることから、市町やバス事業者と連携しつつ検討してまいりたいと考えております。 132 針山委員 本当に大変すばらしいシステムだと思います。私からも利用者増加に向けたPR、告知、広報に努めていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。  通勤や移動には自家用車を利用する方が多くて、もともと富山県は路線バス利用者の比率が全国でも高くないというデータもございます。直近の国勢調査でも、通勤通学にバスのみを利用される方は1%、バスと電車を利用される方は0.4%というデータも出ております。  イニシャルコストもかけている中で、今後は毎年のランニングコストをどの程度見込んでいるのか。費用対効果を判断して運用を停止したという地域もあると聞いておりますが、本県は継続的なシステム運営にどのように取り組んでいくつもりかを猪俣観光・交通振興局長にお伺いいたします。 133 猪俣観光・交通振興局長 委員御指摘のとおり、富山県は全国でもマイカー利用率が高く、バス利用者の割合が低いことから、県としましては、今後の人口減少や高齢化も見据え、とやまロケーションシステムの活用により、公共交通の促進を図りたいと考えております。  とやまロケーションシステムの運営に当たりましては、システムの保守、維持管理に必要となる費用、いわゆるランニングコストでございますが、年間で約940万円程度と見込んでおりまして、バスに設置した車載機の数などに応じて、市町や民間事業者が分担して負担する予定としております。  また、システムの継続的な運営に向けて、システムの基盤となるダイヤやルートなどのバスデータの取りまとめや、各事業者とシステム会社との連絡調整など、システム運営の全般の取りまとめについて、富山県地域公共交通情報提供推進協議会の事務局である県が行うこととしておりますほか、常に最新のバスデータをシステムに反映する必要があることから、データ作成、入力を行う各事業者や、市町の担当者が操作に習熟するための講習会を開催するなど、取り組んできているところでございます。  こうした取り組みに加えまして、引き続き利用促進に向け、広報に努めてまいりたいと考えております。  関係する市町や民間事業者、また県民の方々、そして県外の観光客の方々に、コスト以上のメリットがあると思っていただけますよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 134 針山委員 さらなるサービス向上も含めて、継続的な運用をお願いしたいと思います。  いつもクールな知事も、大変、情が厚いということを確認することができたよい時間となりました。これで質問を終えさせていただきます。  ありがとうございました。 135 藤井副委員長 針山委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。                     午後3時00分休憩                     午後3時10分開議        藤井大輔委員の質疑及び答弁 136 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  藤井大輔委員。あなたの持ち時間は60分であります。 137 藤井(大)委員 自由民主党の藤井大輔です。  人生初の予算特別委員会での質問となります。この機会をいただきました諸先輩方、同僚議員の皆様に深く感謝申し上げるとともに、初日の大トリを務めるに恥じないような質問となるよう頑張ってまいります。  質問に入る前に、今回の私の質問の軸となる2つの数字について御説明をさせていただきます。その数字が、2025と2040となります。  御承知のとおり2025年は、団塊世代が75歳、後期高齢者となる年、2040年は団塊ジュニア世代、就職氷河期世代も重なりますが、針山委員を含めた私の世代が65歳の前期高齢者となります。  人口減少と高齢化が進む日本において、この2つの年はターニングポイントになるとされ、この2つの年代をターゲットに、既存の社会システムを見直し、新しい時代にアップデートしていく必要がある。もっとはっきり言えば、社会システムをこの時期までにアップデートできなければ、次世代に大きな禍根を残してしまうと私は認識しております。  短期的な目標として、2025年に必達すべきことは2点。経済活動の基盤としての5G対応とデジタルトランスフォーメーションの実現、地域共生社会の基盤としての地域医療構想も含めた、在宅で安心して暮らせる地域包括ケアシステム実現の2つだと考えております。  また、長期的な目標として、2040年を見据えたビジョンは、安心・安全な暮らしが担保され、多様性を受容する経済文化活動が生き生きと行われている富山県、県民の誰もが主人公になれる富山県であると私は思っております。  そんな2025年と2040年を実現するために、来年度から、いや、今すぐにでも取り組まなければいけないことは何かということを、私自身、強い危機感と当事者意識を持って、大きく2つのテーマに分けて質問させていただきます。  まずは、大きなテーマ1つ目、5G以降の富山県の持続的成長についてです。  5G基地局のインフラ整備について、先日の安達議員の一般質問にもあったように、既に全国知事会等で都市と地方の格差が生じないよう、国に要請されていることは承知しておりますけれども、整備は主に携帯キャリアと呼ばれる民間事業者が行うため、オリンピックのある東京がまず優先され、その後、大都市圏、地方へと整備が進むものと考えられます。  この変化の激しいIT化の時代に、仮に富山県が2年程度のおくれで導入されるとすれば、かなりの経済的悪影響が生じる可能性が高いと感じております。  県内での5Gインフラ整備はいつごろになると見込んでいるのか、経営管理部長にお伺いいたします。 138 滝経営管理部長 本年4月に、国が5G電波の割り当てに当たり定めた携帯電話事業者の基地局開設計画の認定基準におきましては、サービスの開始時期について、周波数の割り当て後2年以内に全都道府県でサービスを開始するということを要件としております。  一方で、今、委員から御指摘がありましたとおり、具体的な5G基地局の設置場所、サービス開始時期は、あくまでも各事業者の判断に委ねられているということでございまして、そうした民間事業者主導でいきますと、地方部の整備が後回しになる、また、それが都市と地方の新たな格差につながるということを大変懸念するところでございます。  そうしたこともございまして、これも委員からも御指摘ありましたとおり、全国知事会と連携して、地域間の偏りのない基地局整備に加えて、具体的な基地局設置場所や整備スケジュール等に関する情報提供を国や各事業者に対して求めておりますが、こうした情報につきましては、各社の経営戦略にかかわる事項ということで、各事業者から情報が開示されておらず、本県におけるインフラ整備時期についても具体的な情報が得られていない現状でございます。  ただ、先月の第2回5G×ICTインフラ利活用検討会に出席いただいた携帯電話事業者各社さんからは、もともとの計画を前倒しして、かつ、今までのように都会からではなくて、きちんと地方と同時に整備していくといった一般的な説明はされているということでございます。  県といたしましては、こうした5Gの利活用を検討していく上でも、この基地局の整備というのは大変重要な、必要不可欠なものだと思っております。  私自身も携帯電話各社に直接出向いて、情報の早期開示と本県における基地局の早期設置を直接要望しておりますけれども、引き続き、このインフラ基盤の早期整備促進に向けて、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 139 藤井(大)委員 ありがとうございます。  地方と都会が同時にというような、力強いお言葉もいただきましたが、もう一つ懸念事項として、5Gのインフラ整備は、都市と地方の格差だけではなくて、県内においても都市部と中山間地域の格差が生まれるのではないかという予想もされております。  中山間地域で基地局整備が進まない場合の解決手段として、企業や自治体が独自でネットワーク化できるローカル5Gがあると認識しております。  総務省は、年内に制度整備を完了した上で、免許申請を受け付ける予定としておりますが、県としてどのような準備を進めているのか、経営管理部長にお伺いいたします。 140 滝経営管理部長 御指摘がございましたローカル5Gにつきましては、携帯電話事業者が全国的に展開する5Gサービスとは異なり、まず1つに、携帯電話事業者によるエリア展開がおくれてしまう地域について、5Gシステムを先行して構築することが可能でございますし、2つ目に、使用用途に応じて必要となる性能を柔軟に設定することが可能になります。  また、他の場所の通信障害や災害などの影響を受けにくいといった特徴があると言われております。  このローカル5Gにつきましては、委員からも御紹介ありましたとおり、年内に制度化を行い、免許申請の受け付けを開始する予定とされておりまして、現在、国において、省令等の改正など、関係規定の整備に向け、既にパブリックコメントも行われたところでございます。  また、総務省では、来年度概算要求において、ローカル5Gを活用して地域課題解決を目指す取り組みの開発実証を行うための事業の創設、要望額としては70億円となっていますけれども、こうしたものも盛り込まれているところでございまして、県としては、先日の一般質問でも御答弁申し上げましたとおり、この事業が予算化された場合を見据えて、国の事業採択を目指し、庁内で早速勉強会を開催するなど、提案内容の検討に取り組んでおります。  また、ローカル5Gを導入する場合、無線局の免許申請が必要でありますほか、基地局を扱う無線従事者を置く必要があるなど、電波法等に基づく各種手続も必要となります。
     県では、引き続き、国の動向、それから技術開発の状況に関する情報収集に努めますとともに、ケーブルテレビ協議会などを初めといたします県内の関係団体とも情報共有、連携協力しながら、ローカル5G基地局等の早期整備、その利活用に向けて、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 141 藤井(大)委員 年内というと、もう12月でございますので、本当に日がないなと思いながら、国もそのぐらいの状況であるということですね、ありがとうございます。  ローカル5Gというのは、基本的に、私の認識では、建物内や敷地内でスポット的に構築、利用するものと考えますと、中山間地域でその恩恵を受けられるのは、非常に限定的になるのではないかと思います。  ただ、一方、中山間地域を含めローカル5Gのネットワークを広く一般県民が使うためには、先ほど御答弁にもありましたケーブルテレビのネットワーク網が利活用できるのではないかとお聞きしております。  県内のケーブルテレビ事業者の現時点での世帯カバー率や加入率、そしてローカル5Gの対応の前提となる地域BWA、広帯域移動無線アクセスの導入状況はどうか、経営管理部長にお伺いいたします。 142 滝経営管理部長 本県におけるケーブルテレビの世帯カバー率は100%でございます。加入率については、平成30年3月末現在で66.9%でございまして、これは全国10位の水準であります。また、御指摘にあった地域BWAの導入につきましては、県内4つのケーブルテレビ事業者が既に無線局免許を取得しております。  ローカル5Gのエリア整備に当たりましては、導入当初は、ケーブルテレビ事業者が整備をする地域BWAか、建物や土地の所有者の方みずからが整備する自営BWAのいずれかを利用する必要がございます。  さらに、この地域BWAを整備する場合には、大容量の通信が可能な光回線が必要となりますことから、ケーブルテレビ網の光ファイバーというのが非常に有力な選択肢になるわけでございます。  しかしながら、本県では、ケーブルテレビ網の光ファイバーへの更新が必要なところもあり、その場合には多額の経費が必要なため、特に地方自治体が実質的な経営者であるところでは、地方自治体の財政負担も極めて重いことから、一部地域で事業化の目途が立っていないという状況にございます。  このため、県としても、ケーブルテレビ事業者が行う光ファイバーへの更新に対して、国庫補助金の確保充実、あるいは地方財政措置の充実を国に求めておりますし、全国知事会等の提言でも、そうした内容が取りまとめられております。  引き続き、光ファイバー網の整備に向け、まずは国に対して国庫補助金の増額、採択について、引き続き市町村と連携して働きかけてまいりたいと考えています。 143 藤井(大)委員 先ほど4つのケーブルテレビで地域BWAの免許取得とありましたが、確か県内は6つのケーブルテレビがあったかと思いますが、2つは取得していないという認識でよろしいでしょうか。 144 滝経営管理部長 現時点では、4つのケーブルテレビ事業者のみが免許を取得しているという状況であります。 145 藤井(大)委員 ケーブルテレビ網を使うことで、ローカル5Gの恩恵を幅広くと思っていたのですが、BWAの免許取得をしているケーブルテレビと、していないケーブルテレビにおいて、地域間格差が生まれる可能性があるということを私も認識しました。ありがとうございました。  ここで、委員長に資料配付の許可をお願いいたします。 146 武田委員長 はい、許可いたします。 147 藤井(大)委員 ここまではハード面のお話をしてまいりました。しかし、私が最も憂慮しておりますのは、ソフト面、もっと言えば経営者の意識の部分でございます。  総務省の平成30年の通信利用動向調査によりますと、企業のICT化の指標となるクラウドサービスの導入に企業規模で大きな差があるとされております。  例えば、資本金1,000万円以下の企業におけるクラウド導入は37%、資本金50億円以上の企業は87%と、50ポイントの差があります。  なぜ、小規模事業者はクラウド導入ができないのかということを、こちらの資料1をごらんいただければと思います。パネルも御用意しております。  理由は、私は、お金がない、導入資金がないということが1位になるのかと思いましたら、「必要がない」が堂々のトップです。  今、小規模事業者は、人手不足や生産性向上、働き方改革のためにICT化は必須であると言われているにもかかわらず、現場の経営者の「必要がない」という一声で導入が進まないというようなことが考えられます。  ですので、経営者側の意識改革が進まなければ、仮に5G時代が到来しても、恐らく県内企業でのクラウド導入は進んでいかないのではないかという、私は危機感を持っております。  県内企業向けに、今後の5G社会を見据え、まずはAI、IoT、クラウド等の活用等による業務効率化への理解を促す実践的なイベントやセミナーを実施すべきと考えますが、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 148 芝田商工労働部長 県ではIoTの導入を促進するため、一昨年、富山県IoT推進コンソーシアムを立ち上げておりまして、そこにおいて、講演会やワークショップの開催、県内外の学生が活用アイデアを提案する機会の創出などの機運醸成に努めるほか、融資やモデル補助金により資金面での支援などに取り組んでまいりました。  さらに、今年度は企業のIoTを活用した現場改善につなげるため、新世紀産業機構と連携して、専任コーディネーターを配置して企業からの相談に対応いたしますとともに、IoT等の活用指導者を育成し、企業現場へ派遣する体制も整えております。  一方で、IoT等の導入、活用に当たっての課題として、ことし6月にIoT推進コンソーシアムの会員に調査をしたところ、費用対効果あるいは導入のメリットがわからない、導入費用の確保が困難などの意見が多くありました。  こうしたことから、委員御指摘のとおり、IoT等の導入に踏み切るための「効果の見える化」などの後押しがより一層必要であると考えております。  このため、今年度の9月補正予算におきまして、経営者層を対象に費用対効果や導入のメリットなど、IoT、AI導入への理解促進を図るためのセミナーの開催、また、IoTやAIをまずは小さな単位で試験的に、いわゆるスモールスタートすることによりまして、本格的な導入につなげてもらうためのトライアル補助金を追加で措置して、現在取り組みを進めているところでございます。  今後とも、5G社会の到来を見据えまして、県内企業の経営者の理解を促進し、IoT、AI、クラウド等の普及に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 149 藤井(大)委員 ありがとうございます。  細かなIoT推進のための施策をやられているということですが、ちょっと頑固な、「必要がない」という経営者の方には、まだまだ努力が必要なのかなと思っております。恐らく、単なる体感イベントや啓発セミナーだけでは、この頑固な経営者の意識改革は進まないのではないのかと思っております。  資料の2-1をごらんください。  こちらは、なぜ地方にクラウドサービスが根づかないのかということを、長野県上田市にあります、つづく株式会社というところの代表である井領さんにお話を伺う機会がありました。  井領さんは29歳で、地方の中小企業にこそクラウドサービスが必要で、中小企業が抱える諸問題を解決し、日本中の中小企業を元気にしたいというビジョンで2年前に起業された方です。  そのような彼があるとき、階段をおりられなくなり会社に行けなくなったというようなブログを発表されて、大変話題になりました。  その原因は、中小企業経営者のICTやクラウドへの無理解による導入のハードルに次ぐハードルに心が折れてしまったと。クラウドサービスを導入するには、資料の右側の部分、赤い部分を企業側がみずから理解し行動を起こす必要があります。  しかし、多くの中小企業は、自社の事業課題を分解して理解することがなかなかできない。逆に言えば、この部分を支援できれば、導入による改革は可能だとも言えるわけです。  資料2-2をごらんください。  こちらは廃業寸前だった豆腐屋さんのクラウドシステムの導入事例です。  もともと受発注は紙やメモ用紙で管理しており、見ていただくと、冷蔵庫か何かにメモ用紙が張ってあるわけです。請求システムも手入力されていたそうですが、このつづく株式会社さんが、豆腐屋さんと粘り強く伴走しながら業務分解を進めていったところ、各種クラウドサービスとの接続が可能となって、最終的には年間で600時間以上の労働時間が削減できた。また、今はキャッシュレス対応もされております。  これによって、豆腐屋さんは廃業を逃れるどころか、その時間で新商品の開発、新規の販路開拓ができ、大きく売り上げを伸ばしたと聞いております。  こういった事例は、富山県にもきっとあるのだろうとは思うのですが、富山県で1社でも多くつくっていかなければならないと考えております。それは、5G時代が来る前の現在、今でもできることだと思っています。  逆に言えば、4Gの今できないことは、5Gになってもできない。しかも、ICTは魔法やドラえもんではありません。企業側への伴走型の支援がなければ進まないと考えます。  資料3をごらんください。すみません。パネルはございません。  こちらは経済産業省の資料になります。タイトルには「2025年の崖」という衝撃的なタイトルがつけられております。  先ほどから、ICT化やクラウド化、ITなどの言葉を使ってまいりましたが、それらはデジタルトランスフォーメーション、通称DXという言葉でくくることができます。  この資料は、2025年までにDXが進まなければ、大きな機会損失が起きると警告しております。放置シナリオというところを読んでいただければと思うのですが、2025年から2030年までの5年間で、もしデジタルトランスフォーメーションを放置すれば、毎年12兆円の損失が生じると、そしてデジタル競争の敗者となってしまうと書いてございます。  しかし、これは企業に限った話ではありません。行政や公営企業、教育委員会も同じだと考えております。  そこで、今こそ県がリーダーシップを発揮して、県内企業の手本となるようなデジタルトランスフォーメーションを実現すべく、県庁内や教育委員会の中に、働き方改革とセットで、その実証実験に取り組む組織、体制を設けることにより、デジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組むべきと考えます。  先ほど岡崎委員の答弁で、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)による効率化のお話が知事からありましたけれども、それだけではまだまだ足りないのではないかと思っております。知事の御所見をお伺いいたします。 150 石井知事 デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、委員には釈迦に説法ですが、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させることとされていまして、この進展によって実現した社会の未来像がSociety5.0であるとされております。そして、Society5.0時代にふさわしい仕組みづくりを目指す骨太の方針2019において、デジタル・ガバメントによる行政効率化、地方自治体のデジタル化を推進するとされているわけであります。  富山県では、これまでも全国でも先進的な取り組みとしまして、市町村と県によるシステムのクラウド(共同利用)化、文書管理システムのクラウド化、オープンデータポータルサイトの開設、マイナンバー制度の円滑な運用、また学校現場におけるICT環境の整備充実等々、デジタル化の推進に取り組んでまいりました。  今、委員から、デジタル・ガバメントの実現は、5Gを待たず、現状でも可能であり、積極的に推進すべきではないかとおっしゃいましたけれども、私も現状でも積極的に推進していくことが5Gを活用したSociety5.0時代に近づく早道であると考えております。  そうした認識に立ちまして、行政サービス改革や手続のオンライン原則化、ワンストップサービスの推進、教育現場における先端技術を活用した授業の導入など、庁内横断的に取り組みまして、県の行政や教育現場での生産性や質の向上につなげていきたいと思っております。  また、民間についても、先ほど部長から御説明しましたけれども、正直、2年前、3年前から、全国でもトップクラスで進める体制にして、補助金なども多分全国で初めてつくったんですが、なかなか利用してもらえないんですよね。  そこで、どうしてこうなのかということで、ことしの9月補正予算で、改めて中小企業の経営者層を対象に、費用対効果や導入のメリットなど、IoT、AI導入への理解促進を図るためのセミナーを開催すると。  それから、余り大きな話をすると、皆さんシュリンクされますので、まずは、IoTやAIを小さな単位でもいいから、スモールスタートでもいいからやってほしいということで、トライアル補助金も9月補正予算であわせて追加しまして、とにかく民間の背中を押させていただこうと。  今、森川東京大学教授を中心にした5G×ICTインフラ利活用検討会を進めておりますけれども、森川先生も全国の状況をある程度御存じで、富山県は問題意識を持ったのは一番早いんだけど、なかなか実行が進んでいないねと言って、どうするかということなんですけれども、逆に言うと、あんまり5G、5Gと言っても、かえってイメージが湧かないということになりますから、まさに今おっしゃったように、4Gでもデジタル・ガバメントをどんどん進めていくことが、結果として5Gへの早道だと思っておりまして、しっかり取り組んでまいります。 151 藤井(大)委員 ありがとうございます。  私も検討会の資料の森川先生のお話を読ませていただきまして、余り大きい絵を描くよりも小さな成功体験を積み重ねたほうがいいのではないかと、まさにそのように思っております。  ですので、例えば、当委員会においても、この資料をモニター投影すれば、パネル作成と80枚の資料配付は無駄ですから、削減できます。これも1つのDX、デジタルトランスフォーメーションだと思っておりますので、私も当事者意識を持って、県庁内、議会内のそういったDXを進めていく所存ですので、知事も遠慮なく私を使っていただければと思っております。  DXのコツは、先ほど小さな成功体験を重ねることだと言われておりますが、まずはさまざまな県の相談窓口がございますけれども、いまだ通話での相談が主流で、ウエブサイトの情報提供もスマートフォン向けに最適化されていないものが多くございます。ちなみに、県議会のウエブサイトもまだスマートフォン向けに最適化はされておりません。  県民の相談窓口のウエブサイトのスマートフォン対応及び主に学生、若者向け相談については、LINE等のメッセンジャーアプリによるモバイル完結型の相談対応の追加を進めるべきだと思っておりますが、経営管理部長にお聞きいたします。 152 滝経営管理部長 県の相談窓口は、来庁された方の相談に加えまして、電話、ファクス、電子メール等にも対応しているわけでございます。  このうち、ウエブサイトの窓口では、相談業務等の情報提供とともに、サイト内の問い合わせフォーム等からメールで相談を受け付けているところでございますけれども、今、御指摘ありましたとおり、パソコンの利用を前提としているものが多いということで、スマートフォンなどのモバイル端末からは操作しにくいサイトも多いのが現状でございます。  また、近年、特に若者を中心に、パソコンを使わずモバイル中心で生活をしている方も大変多くなっております。したがいまして、県のウエブサイトにおいても、スマートフォンからのアクセスが多い傾向にございます。  こうした環境の変化も踏まえて、県では来年度に向けて、県のウエブサイトを全面リニューアルし、相談窓口のページを初め、サイト全体をモバイル表示対応といたしますほか、相談窓口の案内ページにカテゴリー別の入り口を設けますなど、モバイルを利用される方が迷わずに相談窓口にたどり着けるサイトとすべく、現在作業を進めているところでございます。 153 藤井(大)委員 モバイル対応していくということはすごく大事ですし、こういったこともデジタルトランスフォーメーションの一つだと思いますが、本当にモバイル化というのは物すごく進んでいまして、私は大学の講義もさせてもらったのですが、今の学生の皆さんはパソコンのブラインドタッチではなくて、スマートフォンでのフリック入力が主になっているというのは、私も本当に驚きだったので、そういう意味では、モバイル対応、スマートフォン対応というのは非常に重要だと思っております。  そして、スマートフォン対応していく流れの中で、県民への行政サービス強化のためには、今度はアプリにしていきましょう、また、UXという、要はもっと操作を使いやすくしていきましょうといったきめ細かな運用を継続的に行っていく必要があります。  先日、厚生環境委員会でも質問させていただいたごみ拾い推進アプリのピリカ、こちらも着想はおもしろいですし、社会的意義も大きいと思いますが、運用やアップデートを継続しないと、月間40名程度の利用ということになってしまいます。  そのため、開発などをしっかりやっていかないといけない中で、従来のウオーターフォール型開発、要は仕様を先に決めて、その仕様に沿って開発を行う考え方ではなくて、アジャイル型開発、サービスを提供しながら県民のニーズに合わせて柔軟に仕様変更できる考え方でサービス開発が可能なIT企業との連携が望ましいと考えますが、経営管理部長にお伺いいたします。 154 滝経営管理部長 御指摘ありましたとおり、相談窓口等のサービス強化に関しましては、先ほど申し上げましたウエブサイトのモバイル表示への対応のほか、専用のアプリ、それからページデザインの工夫などのUXの改善等によりまして、相談者がより利用しやすい環境というのが求められていると思います。  県ではこれまでも、LINEアプリを活用した妊娠、出産等に関する相談窓口の開設、あるいはLINEを使ったいじめ相談をモデル的に行いますなど、相談環境の整備にも努めておりますけれども、今後さらに、県民ニーズの変化に対応したきめ細かな運営を継続的に行うためには、ICT環境の変化に柔軟に対応していく必要があると思っております。  委員から今御質問ありましたアジャイル型開発は、最新のシステム開発手法でござまして、従来のウオーターフォール型が、必要な機能や仕様をあらかじめ定めて一括開発し、開発後の状況変化に必ずしも柔軟に対応できないのに対して、アジャイル型は、優先度の高い機能から順次開発、提供され、各機能の仕様はその開発時に決定していく手法でございます。  まさに、走りながら考えていくという設計のものだと思っておりまして、状況やニーズの変化を適宜取り入れて、早期に必要な情報を柔軟に提供することが可能ということでございます。  行政的な課題としては、契約したときに全体の整備スケジュール、あるいは事業費等の全体像が見えにくいといったような課題もありまして、これは今後検討していかなければいけないと思っております。 155 藤井(大)委員 まさに私も、アジャイル型は走りながら考えるという意味ではすごく理想的ですし、何よりもユーザーファースト、使っている方のことを第一に考えるという意味では、理想のやり方だと思いつつも、予算化が難しいという課題もあると感じておりまして、そういった県庁内の予算化までのプロセスについても、ぜひアジャイル型にも対応できるよう見直していただければと思っております。  さて、移住者はふえてきていますが、一方、移住者創業チャレンジ応援事業やサテライトオフィス誘致に関しては、実績が、残念ながら富山県では上がってきておりません。  ちなみに、サテライトオフィスの誘致では、福井県が10件の誘致に成功しております。石川県は1件だったかと思います。  県移住・UIJターン促進課は、意欲的な攻めの取り組みをされていると私は理解しておりますが、このサテライトオフィス誘致や移住者創業チャレンジ応援事業の実績が上がっていないことに関して、どのように分析し、今後どのような対応が必要と考えているのか、総合政策局長にお伺いいたします。 156 蔵堀総合政策局長 移住者による起業やサテライトオフィス誘致は、多様な人材の流入、新しい働き方の発信など、県内産業の活性化、それから将来的な移住者増にもつながると考えております。  まず、起業支援については、今年度創設した、移住支援金と合わせて最大300万円を交付する移住者創業チャレンジ応援事業の実績は、目標は5件だったのですが、今現在、まだ2件にとどまっているという状況であります。  その要因としては、本県の魅力や起業後に事業提携が可能な企業の周知不足が考えられると思っております。  今後、SNS等も活用しながら周知をしていきたいと思っていますし、9月から東京都内で行っている起業家育成講座にもしっかり取り組んで、引き続き起業家の育成に努めたいと思っています。  それから、サテライトオフィスの誘致でございますが、昨年度から、市町村が行うサテライトオフィスの誘致に向けた出展や、県外の企業を対象とした現地見学会の開催に要する経費を県として一部助成をしております。  一部の市町では、この現地見学会を実施されているところですが、現時点では、まだ県や市町村が窓口となったオフィス開設はないという状況であります。  福井県の例もおっしゃいましたけれども、福井県は平成28年度、かなり早い段階からの取り組みだったのですが、福井県の場合も実績が出たのは、その次の年度以降ということもあって、継続的に取り組むということがまず大事だと思っています。  本県でも、継続的にしっかり市町村と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。 157 藤井(大)委員 ありがとうございます。  おっしゃるとおり、ライバル自治体もたくさんいる中で、すぐに結果が出にくいということは承知しておりますが、私は、特にIT起業家等を呼び込んでいくためには、先ほどのアジャイル型開発ということに関しての行政の理解と、あとはオープンデータの提供が重要なのではないかと考えておりまして、鯖江市はオープンデータ化を非常に先進的にやっていまして、福井県の10件のうち、多くが鯖江市だったと記憶しております。  先ごろ、富山市がLoRaWANというものを整備しまして、データをAPIでオープン化することで、今年度23件の新規事業提案があったと聞いております。  富山県においても、11月に運用開始した全国初のバスロケーションシステムの交通関係のデータ、あるいは介護予防リハビリテーション等の健康寿命化関係等のデータといったものを個人情報とひもづかない形でオープン化することにより、システムやマーケティングにたけた企業の参画が進むのではないかと考えますけれども、県としてオープンデータ化をどう推進していくのか。また、既に開設されている富山県オープンデータポータルサイトの状況も含め、経営管理部長にお伺いいたします。 158 滝経営管理部長 県では、平成29年の10月に富山県オープンデータポータルサイトを開設いたしまして、県が保有するデータのオープンデータ化を進めているところでございます。  また、市町村との連携によりまして、県内の全市町村で地域別人口や公衆無線LAN等のオープンデータ化の取り組みを開始しております。  委員から御指摘がありました交通関係で申し上げますと、昨年度、コミュニティバスも含めた県内全域のバスデータのオープンデータ化を県が取りまとめております。これによりまして、多くの大手検索サイトやアプリで、県内路線バスの乗り継ぎ経路などの検索が可能となったわけでございます。  また、介護関係につきましては、国において、高齢者の状態、ケアの内容等のデータを収集するCHASEの構築を進めております。来年度から、県内介護事業所からもデータを収集する見込みと聞いております。  現在、国の審議会等では、レセプト情報や介護データベース等との連結解析や、自治体での利活用のための環境整備、データ提供の範囲等について検討中と聞いております。  県といたしましても、今後、国の方針を確認した上で、必要に応じて県民に有用なデータが公開されますように要望してまいりたいと考えております。  今ほど御指摘ありましたとおり、オープンデータは地域課題の解決に有効な手法の一つでありますとともに、富山市の例も出されましたけれども、地域における新たなビジネスの展開にもつながるものと考えております。また、IoT、AIをフル活用する5G時代の最も基盤をなすものとも思っております。
     現在、県では、富山県官民データ活用推進基本計画の今年度末の策定に向けまして検討を進めておりますけれども、その中でも、今後、多様化する民間事業者を含めたオープンデータに関する県民ニーズの把握に努めまして、一方で、個人情報の取り扱いにも十分留意しながら、オープンデータ化に取り組んでまいりたいと考えております。 159 藤井(大)委員 ありがとうございます。  非常に積極的にオープンデータ化を進めていかれるという力強い答弁をいただいたと私も思っていますが、でも、データは提供するだけではだめで、質の高いデータをどれだけ提供できるかということが重要だと思っておりますので、そのあたりもぜひよろしくお願いいたします。  続いて、教育現場のお話でございます。ICT化の流れは、当然教育現場でも無視できないこととなっております。  先日、自民党の文教公安部会で視察しましたデンマークの初等教育では、10歳の児童がタブレット端末を片手に、地域課題についての調べ物やディスカッションをしておりました。  デンマークの投票率が90%近いのは、そういった民主的な議論を行う土壌と主権者教育が、ICT化によってさらに進化した結果なのではないかと考えております。  本定例会の一般質問において、平木議員も質問されていましたが、国は、小中学校で1人1台PCを無償で配備する方針を打ち出しました。受け入れる側の県内の小中学校での無線LANの整備、AC電源の確保、配備されるPCの種類、内容の把握など、今後、スマート教室、スマートスクールへの対応状況というのはどうなっているのか、教育長にお伺いいたします。 160 伍嶋教育長 平成30年度における県内普通教室の無線LAN整備率は、小学校では21.1%、中学校では13%と、ともに全国平均を下回る結果になっております。また、市町村別では、整備率に大きな差がありますけれども、今年度中に整備を加速している市町村もございます。  また、電源の確保につきましては、無線LANの整備にあわせて、一度に多くのパソコンを効率的に充電できる充電保管庫を整備するなど、工夫を凝らして整備を行っております。  一方、小中学校の学習者用端末については、これまで整備された端末の種類や性能を把握しておりませんけれども、各市町村において相応の端末を適切に選定されているのではないかと考えております。  また、国から、本年6月に示された推進方策のモデル例としては、無線LAN接続機能を持つノート型、またはタブレット型コンピューターが挙げられておりまして、今後はこのモデル例を参考に整備が進むものと考えております。  県教育委員会では、今年度から新たにICTを活用した授業改善に取り組む市町村を支援しておりまして、教員のICT活用指導力の向上を図るとともに、小中学校の授業における効果的な活用促進に努めております。  今後とも、こうした活用した指導方法の周知を図り、ICT教育の推進に努めてまいりたいと考えております。 161 藤井(大)委員 ありがとうございます。  今回のPC配備に関しては、経済の底上げといった観点もあるということですから、恐らく国内製の端末になり、グーグルには接続してはいけないというようなことになるのではないかと、私は少し思ったりしているのですが、そうなると、本当にICT教育の基盤となり得るのかどうかと、疑問に思っていまして、そうならないことを祈っています。  現在、スマート教育、スマートスクールの対応状況については、無線LANの整備状況が低いとのことですので、ぜひ100%対応にしていただきたいと思っております。  次に、高等教育の現場においても、5G以降の時代の富山県を支える人材を育成するべく取り組みがなされていると思っておりますが、特に平成27年度に富山大学が中心となって、「富山全域の連携が生み出す地方創生-未来の地域リーダー育成事業-」がCOC+──センター・オブ・コミュニティーの略だと思っておりますが──に採択されております。  当プログラムには富山大学を初め、県内高等教育機関も参加しておりますが、富山大学では、本年度の卒業生から、未来の地域リーダー称号取得見込証明書というものが取得できまして、就職活動等で活用できるとされております。  私は、文部科学省で地(知)の拠点整備事業が始まったときに、これはすごくおもしろいことになるのではないかと思って、大変期待しておりましたが、今どのような状況になっているのかということが少し不安でございまして、これまでの取り組み状況や、当事業で実施されている地域課題解決型人材育成プログラムの実施状況について、総合政策局長にお伺いいたします。 162 蔵堀総合政策局長 平成27年度に採択されました国のCOC+、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業ですけれども、県内の大学などが連携をいたしまして、1つには富山県への愛着、意識を高める科目の開講、2つ目にはインターンシップの実施、3つ目には高校生へのキャリア教育など、地域の人材育成や若者の地元定着の向上を図るということで行われております。県内の就職率10%向上、インターンシップ参加者数10%向上を目標にして事業に取り組んでおられます。  ただ、県内の就職率10%向上につきましては、特に最近の人手不足を背景に首都圏等への就職が増加して、達成は困難な状況ということでございます。  また、地域課題解決型人材育成プログラムにつきましては、県内の大学等に在学する学生が、地域志向や地域課題解決科目のうち、4科目8単位以上を履修した場合に、御指摘のありました、未来の地域リーダーの称号が付与されるということでございます。  富山大学では、現在、全学生の50%以上を未来の地域リーダーとして育成することが目標ですけれども、今年度卒業される学生については、既に半数以上は履修済みということでございまして、そういった点では目標を達成しているということになります。  そうした学生さんへは就職活動で活用できる称号取得見込証明書を発行しており、就職活動に活用されていると伺っております。  また、県立大学は、平成29年度の入学生から必修の科目としており、平成29年度入学ですので来年度の卒業生から証明書の発行をするということで準備を進めています。  県としては、このCOC+は今年度で終了するわけですけれども、地域の人材育成、若者の県内定着を図る取り組みとしては大変重要でありますので、今後とも、県内の高等教育機関と連携協力して、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。 163 藤井(大)委員 ありがとうございます。  確かに今年度で終わりのはずなんですが、しっかり取り組んでいかれるというのは、継続されるということなんでしょうか。ちょっとこの辺がわかりませんでしたので、もう一度御答弁をお願いできればと思います。 164 蔵堀総合政策局長 経費ということではなくて、事業推進の上でしっかり連携したいと思いますが、それぞれの大学がどういうふうに進めるかというのも、まず大事だと思っています。少なくとも、県立大学については、今後も継続してやるということでございます。 165 藤井(大)委員 ありがとうございます。  これまでの当たり前を疑う人材というか、好奇心と発想力の高い人材が輩出されることを大変期待していたのですが、4科目8単位ということで、どれぐらいの方がそういった人材になったのかということが、なかなかはかりにくい状況だなと思っておりまして、より実践的というか、本当に富山に愛着を持って、富山に課題感を持って、そういったことをやってくれる学生を生み出すためには、もっともっと工夫が必要なのかなと思いましたし、そういった彼らこそが、5G時代の富山をつくっていくんだと思っております。  次に、大きなテーマの2つ目となります2025年の富山県の地域包括ケアシステムについて質問をさせていただきます。  地域医療構想に関しては、多くの議員の皆さんが質問されているので、私は在宅介護分野に絞った質問をさせていただきます。  ここで、資料の4番目をごらんいただければと思います。パネルはございません。  こちらは、11月14日の社会保障審議会介護保険部会の資料となっております。  国は、2021年度の介護保険制度改定に向けて議論を進めておりまして、この資料によりますと、地域共生社会の実現と2040年への備えということが、改革の目指す方向とされております。  改革の3つの柱として、1番目に介護予防・地域づくり推進~健康寿命の延伸~と、「共生」・「予防」を両輪とする認知症施策の総合的推進ということが記載されてございます。  富山県では、富山型デイサービス、ケアネット21、県立大学看護学部でのユマニチュードの導入など、他県にはない取り組みがございますけれども、県の総合的な認知症施策の全体像について、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 166 石井知事 県では、これまで地域包括ケア推進フォーラムなど認知症の理解促進、また認知症サポート医や認知症サポーターの養成などの人材育成、それから認知症疾患医療センターの設置、運営への支援、さらには認知症高齢者グループホームなどの施設整備や全国に先駆けた富山型デイサービスの支援のほか、ケアネット21など、さまざまな取り組みをやってまいりました。  その結果として、最近3年間で、認知症サポート医は約40人ふえて、平成28年度の76名から平成30年度には113名になり、認知症サポーターは約2万7,000人ふえて、平成30年度には12万900名余りになりました。認知症サポーターは、金融機関や郵便局の従業員、小中学校の生徒、老人クラブの会員など一定の養成講座を受けた方々でございます。  また、認知症高齢者グループホームが18カ所増加しましたほか、認知症疾患医療センターが県内4医療圏全てに設置されるなど、認知症支援体制の充実が着実に図られてきたと思います。  この6月に国が閣議決定しました認知症施策推進大綱では、共生と予防を車の両輪として認知症施策を推進するとされております。  富山県では、この大綱に先駆けまして、今年度から、地域の介護予防教室などにおける脳トレーニングや認知症相談会の開催、また、ユマニチュードを有効な認知症ケアの一つとして位置づけまして、これは我が国では初めてということになりますが、県立大学の看護学部で看護ケアとユマニチュードについて、4年間通じて系統的に教育するとともに、医療、介護関係者への普及啓発の実施も図ります。  また、認知症の御本人等が語り合うピアサポート活動のモデル事業を実施するなど、共生と予防に積極的に取り組んでおります。  現在、国では、認知症基本法の制定について国会で審議中でございますけれども、そうした動きも踏まえながら、引き続き認知症関係施策を推進してまいりたいと思っております。 167 藤井(大)委員 ありがとうございます。  65歳以上高齢者の5人に1人が認知症になる時代が来るというような予測があったりしますけれども、私は、認知症になっても安心して暮らせる富山県というのは、あらゆる人が安心して暮らせる、例えば児童の問題を抱えていたり、障害の問題を抱えていたり、貧困の問題を抱えている人も含めて、安心して暮らせる富山県につながっていくのではないかと思っております。特に、ユマニチュードに関しては、先日、創始者であるイヴ・ジネスト先生の公開講座を受講しまして、ユマニチュードの技術と哲学というのは、発達障害や生きづらさを感じる人たちへのサポートにも有効であるというお話を聞きましたので、大変可能性があると感じております。  県立大学の看護学部の学生だけがユマニチュードを学んでも仕方がないということで、既に現場で働いている看護師、介護職員向けの現任研修にも、ぜひユマニチュードの研修を導入すべきと考えます。ぜひ、研修費用の予算化をお願いしたいところでございます。  さて、認知症施策の需要予測及び施策の効果については、経年でのモニタリングがどうしても必要ではないかと思っております。  先ほど私が言った、5人に1人が認知症になるのではないかという予測に関しては、平成26年に国が実施した大規模な調査をもとにしたもので、要は5年前の調査であると思っております。  県内の認知症患者数、虐待件数、詐欺被害件数、成年後見制度の利用数など、総合的な実態調査を実施すべきと考えますが、厚生部長にお伺いいたします。 168 市村厚生部長 委員御指摘のとおり、県では認知症高齢者の実態把握のために、平成26年度に、約1,600人を対象に保健師の訪問による1次面接と精神科医との同行訪問による2次面接を行う認知症実態調査を実施いたしまして、有病率、それから推計人数、さらには将来予測、認知症リスク等の分析を行い、これに基づき認知症施策を推進してございます。  その後、実態調査は実施してございませんが、今ほど委員御紹介の、例えば認知症高齢者数の推移につきましては、介護保険の要介護認定における認知症高齢者の日常生活自立度で、また、虐待件数や成年後見制度の利用数につきましては、法による調査や関係機関との連携により把握するなど、認知症施策に必要となるデータ等の把握に努めているところでございます。  また、経年のモニタリングということでございますが、国では、認知症予防の推進のKPIとして、先ほども申し上げました、認知症高齢者の日常生活自立度などを指標として扱っておりますので、県としても、こうした指標を施策の評価に活用したいと考えてございます。  今ほど、総合的な実態調査の実施というお話でございますが、平成26年度の県の実態調査結果は、国の公表結果と大体同様な傾向にありますし、今後の有病率等の将来予測も、国と同様な傾向が見込まれております。また、国においても、認知症のいろいろな調査を行っているということもございますので、その調査結果等を参考に、市町村や関係機関と連携をして、日常生活自立度などの情報で補いながら、引き続き認知症施策を進めてまいりたいと考えております。  その上で、施策の推進に当たって必要なものが出てくれば、その情報を補うという意味で、その把握をするための調査を実施したいと考えております。 169 藤井(大)委員 ありがとうございます。  平成26年の調査が、保健師さんや精神科医の方々の丁寧な面談によって行われているということでいうと、その規模で行うのはなかなか難しいことも理解はしましたが、やはり施策の有効性をしっかりと数字で把握していくということと、いわゆるケアの質のようなところを、専門家の意見を取り入れながらやっていくという、数字と定性的なものとの両面で見ていかないと正しい把握はできないのかなと思いましたので、質問に挙げさせていただきました。  それでは、最後の質問となります。  資料4の最後にありますデータ利活用のためのICT基盤についてです。  問1では、しつこいように5G以降のというような話をしておりましたが、当然、在宅介護の部分でも、データ利活用でより強く推進していこうという動きがございます。  私の理解ですと、基本的に個人情報に基づく、例えば、疾病の情報や、その方の家族構成であるジェノグラムといったものが入ったデータを、どう医療、介護に連携させていくかということと、もう一つは、個人情報にひもづかず、いわゆるビッグデータ化することで、全体の把握をしていこうということの2種類のICTデータの基盤があるのではないかと考えておりますので、その観点で質問させていただきます。  まずは、地域包括ケア、在宅医療、介護の情報連携の肝となる、疾病情報などの個人情報にひもづく情報連携について、現在では、県内各地で異なるシステムを運用されていると認識しております。そういったシステムというのは、入力情報が微妙に違ったり、仕様が違うことによって、相互連携が難しいという問題があるのではないかとの声も聞こえてくるのですが、現在、富山県で運用されているシステムについての実績、活用状況はどうか、厚生部長にお伺いいたします。 170 市村厚生部長 県では、在宅医療、介護連携を推進するため、郡市医師会による情報共有システムの整備を支援してきておりまして、これまで9郡市医師会で導入され、今年度、射水市が導入予定でございます。  このシステムは、患者のバイタル情報等を、関係する医療、介護機関が随時確認して、状態に応じた適切な医療や介護サービスを提供するために活用されているものであります。現在、県全体で約700の医療、介護機関が参加し、活用してございます。  これらのシステムについては、各地域において在宅医療に取り組む関係者が協議され、ニーズや費用負担などに応じたものが導入されてきたため、統一されてはおりませんが、必要に応じて他の地域に参加するなど、実際の業務に応じた対応がなされております。  一方、郡市医師会からは、システムの認識不足、ICTにふなれである等の理由から利用されない方も多いとお聞きをしてございます。  県では、現在整備されておりますシステムの活用促進に向け、多職種での事例検討会等に医師会や市町村と取り組むとともに、現在、国において、分散管理されたデータを1つのデータベースのように活用管理する仕組みの構築を目指した検討も進められていることから、その状況も注視し、地域包括ケアや在宅医療、介護の情報連携のあり方について、医師会等とも研究してまいりたいと考えております。 171 武田委員長 簡潔にお願いします。 172 藤井(大)委員 ICTの情報連携ということでは、例えば、お医者さんと介護の現場の人たちが同じ土俵で話ができるかというと、実は使っている言葉が、専門によって違ったりしてなかなか難しいというのは、私も現場で感じております。非常に難しいところだと思いますが、ぜひ進めていただきたいと思います。  最後に、現在、国において、介護DB、VISIT、CHASEなどのビッグデータの提供が行われるものと理解しております。今後、国から提供されるビッグデータを上手に活用できれば、県の医療、介護の各種計画の立案、介護予防における国のインセンティブ交付金の対策にもつながるのではないかと考えますが、今後、国から提供されるデータ利活用のための整備に、県としてはどのように対応されていくのか、厚生部長にお伺いいたします。 173 市村厚生部長 介護関連データベースの一体的な利活用を進める議論が行われておりまして、具体的には、要介護者の情報を格納した介護データベースと、リハビリの評価データを収集したVISIT、それから、まだ開発中ですが、高齢者の状態やケアの内容等のデータを収集するCHASEを一体的に連結することとされております。  これによりまして、要介護者がリハビリ等のサービスを利用した前後の要介護度や栄養状態の変化等を把握することが可能となりまして、効果的なサービスのデータを蓄積していくことで、介護の質の向上が期待されるところでございます。  県では、これまでも介護データベース等から要介護者の状況などのデータを活用して、地域課題を分析し、第7期介護保険事業支援計画に施策を反映してきました。  例えば、本県の高齢者が80歳以上になって重度化する傾向が強いことから、心身機能を改善するためのリハビリ体制の充実が必要ということで、市町村等にリハビリ専門職を派遣する体制を整備してきたところでございます。  今後、国において、介護関連データベースの一体的な利活用の環境整備が進めば、本県における介護の提供内容の地域特性など、新たな視点のデータが提供されることが期待されます。  県としては、国の動向も注視しつつ、こうした情報を活用して地域分析を深め、高齢者とその家族が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、自立支援、重度化防止に資する活用方策を検討してまいりたいと考えております。 174 武田委員長 藤井大輔委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、12月10日の予算特別委員会は午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後4時11分散会 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