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  1. 富山県議会 2006-06-01
    平成18年6月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時02分開議 ◯議長(米原 蕃君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(米原 蕃君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第80号から議案第89号まで及び報告第3号から報告第9号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  高平公嗣君。    〔29番高平公嗣君登壇〕 3 ◯29番(高平公嗣君)おはようございます。  本当に久しぶりの一般質問でございまして、石井知事になられてから初めての一般質問であります。トップバッターも久しぶりでございます。きょうは質問数は吟味して非常に少なくしてありますので、内容のある丁寧な答弁を期待して、以下質問に入りたいと思います。  まず、安全・安心の県づくりに関連して、何点かお伺いしたいと思います。  最初に、消防の広域化について伺います。  今国会では、消防組織法の一部を改正する法律が成立いたしました。この法律は、全国に約800ある市町村の消防本部、消防局の大規模な統合を進めるためのものであり、一消防本部の管轄人口30万人規模を目安とするとも言われております。この背景には、さきの新潟中越地震を初め、各種災害は多様化、大規模化しており、こうした災害や事故に対する的確な対応が求められていることや、加えて、国民保護法施行に伴う消防の役割の重要性など総合的に判断して、法律により確実に広域化を推進しようとするものであります。  一方、本県の消防の広域化については、平成6年に策定された消防広域化基本計画に基づき、管轄人口10万人規模を目途に進められてきたわけでありますが、砺波広域圏消防本部のみが実現したという状況であります。  今回の広域化に当たっては、消防庁長官が基本指針を定め、都道府県は基本指針に基づき、各都道府県が望ましい市町村の組み合わせを示した推進計画を作成し、市町村に協議すると聞いております。本県では市町村合併が進んだところでございますが、富山市、高岡市以外は10万人に満たない市町村であります。  こうした中で、県の推進計画の策定に当たっては、各市町村の意見を十分に聞いた上で、より効果的な広域化を進めてほしいと思いますが、どのような方針で対応するのか、知事政策室長に伺いたいと思います。  次に、消防救急無線の広域化、共同化について伺いたいと思います。  消防庁では、無線法関係審査基準の改正により、現在の消防救急無線を平成28年5月までにデジタル化に移行する必要があるとしていますが、デジタル化に当たっては、市町村の財政的制約から各消防本部での単独整備は厳しい状況であるとしています。また、無線についてはあくまでハードの問題であり、より広域的に整備することで整備費用の節減が図られることから、原則として都道府県を1ブロックとして整備することが望ましいとしております。  そこで、県では市町村、消防本部と協議して、消防救急無線デジタル化の整備計画を18年度までに策定するよう求められていますが、どのような方針で取り組むのか伺いたいと思います。
     こうした消防の広域化などの動きは、従来、消防は各市町村の所管であったところでありますが、県としても、しっかりと取り組むべき時期になっていることのあらわれではないかと思います。  また、先日、富山市西町・総曲輪の密集市街地で火災が発生したところでありますが、このような都市の密集市街地での火災に対する消防の対応力を高めていくためには、一消防本部だけに任せるのではなく、県の主体的な取り組みが必要となってきているのではないかと思います。  そこで、消防の広域化や消防救急無線の広域化、共同化について県のリーダーシップが欠かせないと思いますが、どのように取り組むのか。消防庁長官も務められ、また西町にも御縁の深い知事の所見を伺いたいと思います。  次に、公共工事の安全性と品質の確保について伺います。  耐震強度偽装の問題がマスコミ等で大きく取り上げられてから、今すべての構築物の安全性や品質が問われております。公共工事においても、平成17年4月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、すなわち品確法が施行され、同法においては、発注者に対し、価格と品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることを要請しているところであり、受注に対する企業の適切な施工や技術力の向上意欲を高め、もって公共工事によってもたらされる社会資本の品質を確保することを規定しているのであります。  しかしながら、最近の公共事業の減少を反映して、低入札調査の対象となる低入札が増えており、気になるところであります。富山県低入札価格調査制度実施要領によれば、予定価格が500万円以上の工事で、予定価格の10分の8から3分の2までの範囲内で調査価格を設定し、入札額がこれを下回った場合は、契約の内容に適合した履行が確保されるかを調査し、問題がないことを確認した上で契約を締結することとしているのであります。低入札調査実施報告によれば、平成16年度土木、農林合わせて20件、対予定価格差額約3億円、平成17年度16件、対予定価格差額約16億円と報告されております。  契約については、実施要領により的確に判断するための調査基準が定められていますが、低入札工事の場合、現場の安全確保や品質確保の面で問題が生じることがないよう対応すべきと考えますが、検査体制はどうなのか。国では、低入札価格の工事に対してはかなり厳しい検査を行っていると聞いておりますが、県ではどのように対応しているのか、出納事務局長に伺いたいと思います。  また、県工事について、国の会計検査による指摘事項等で、工事の安全性や品質の確保に問題のある事例があったのか。あったとすればどのように対処したのか、過去5年間の検査状況を伺いたいと思います。  毎年の会計検査の結果概要について、県議会にも適時適切に報告をすべきではと思いますが、答弁は求めませんが、このことを強く要望しておきたいと思います。  次に、土木センターの再編について伺います。  立山土木事務所が安全・安心の県土づくりに果たしてきた役割は大変大きいものがあります。1969年(昭和44年)8月10日、11日に、常願寺川沿川にゲリラ豪雨による大水害が発生いたしました。世にいう44災害であります。当時、社会人1年生だった私も、常願寺川右岸の堤防補強のため、土のうづくりや蛇かごへの玉石投入など、地区住民の皆様と一緒に取り組んだことを今も忘れることはできません。被害総額68億円だったと聞いております。  以後、建設省立山砂防工事事務所は、最上流部のカルデラや称名川等の床固群の設置。県では、道路や中小河川の復旧工事や、抜本的対策として、白岩川上流部には昭和49年に白岩ダムの竣工、栃津川には平成7年にバイパス水路を完成させるなど、精力的に取り組んでいただきました。県債残高を押し上げたかもしれませんが、地元議員として、このことに心から感謝を申し上げたいと思います。  しかし、最近の異常気象の影響もあると思いますが、昨年8月、おととし7月と2年連続でゲリラ豪雨に見舞われ、道路の通行止めや富山地鉄の不通などで、観光客初め多くの方々に御迷惑をおかけいたしました。  災害時にはいち早く現地に赴き、どのような対応をするか、即決即断が求められます。また、緊急な復旧工事を依頼する現場近くの業者の状況も把握していなければ務まりません。最近の災害対応の状況を見ても、立山土木事務所の職員の対応がスピーディーな復旧につながったのは言うまでもありません。災害などの緊急時に果たしてきた役割を考えれば、公共工事の規模等が半減したからといって事務所を安易に再編すべきではないと思いますが、土木部長の考えを伺いたいと思います。  また、業務関係がセンターに集約されることはやむを得ないにしても、地元の意見、要望が届きにくくなることが懸念されます。土木事務所の見直しに当たっては、従来どおり、地元の事情を一番よくわかる身近な土木事務所で処理する機能は残すべきではないかと思いますがどうか、伺いたいと思います。  県民の生命、財産を守ることは行政の根幹にかかわるものであり、単に効率性だけで行政改革を進めるべきではないと強く思います。  次に、農業問題に関連して何点かお伺いしたいと思います。  最近、地元で開催する県政報告会などでは、農業経営の不安感を訴える人が数多くいるのに驚いております。少しでも不安解消になればと思い、以下質問をいたします。  国においては、先日6月14日、担い手経営安定新法が成立し、今後、農政が担い手を重点とした構造改革を推進していくという方向性がはっきりしてきたのだと思います。これに伴い、品目横断的経営安定対策などとともに、平成19年度からは米政策も新たなものに見直すこととなり、今後、具体的な内容の検討が進められていくと聞いております。当然、米政策は本県の水田農業に及ぼす影響が大きく、従来国が主体となっていた米の需給調整を農業者、農業団体が主体的に行うシステムに移行し、また産地づくり対策も見直されることとなっております。  県では、田植え時期の繰り下げ、水管理の徹底など、売れる米づくりのための品質向上に取り組んでいます。しかしながら、このような対策をとっても米の価格は低迷し、消費量も減り続けているのが現状であります。こうした中、生産者は農業活動の見通しが立たず、将来への不安感が増大しております。  そこで、平成19年度からの新たな米政策に対し、県としてどのような対策を講じていこうと考えているのか、知事の所見を伺いたいと思います。  一方で、品質のいい米づくりを進めることはもちろんですが、富山米を売り込んでいく取り組みを強化していかないと、いくら品質がよくても全量落札にならない状況も想定されるわけであります。まさに産地間競争の真っただ中にあり、19年度からは一層厳しい戦いとなるのではないかと懸念されます。  そこで、富山米を売り込んでいく、いわば富山米のブランド化の向上をどのように図っていくのか、農林水産部長にお伺いをいたします。  また、米政策においても担い手育成においても、平場の地域においては経営規模の拡大等において対応できる余地もあるように思われますが、中山間地域においては担い手そのものがいない、圃場区画も小さい、法面が大きく作業効率が悪いなどの条件不利地が多く、極めて厳しい状況下にあります。  そうした中にあっても、中山間地域ではさまざまな工夫をしながら地域の活性化を図っていく必要があると思います。特に地域の特色を生かした特産物をつくり出していくことが重要だと考えますが、県として、中山間地域における特産物振興をどのように進めていこうとしているのかお伺いいたします。  最後に、畜産に関する問題について伺います。  畜産は、大規模化、専業化が昭和30年代後半から進み、昭和50年代には牛、豚、鶏の頭羽数もピークに達しましたが、現在では、近隣で家畜を目にすることがほとんどなくなり、県の畜産経営農家数はかなり減少したと聞いております。しかし、これら少数の農家は幾多の試練を乗り越えながら、日々高品質、低コスト化に取り組んで生き残ってきた専業経営体であり、もはや農家というよりも企業といえるレベルで農業を営んでいる者が多くなってきております。  一方、近年、大規模化が進んだ畜産経営では、家畜伝染病のリスクの少ないことが最重要な課題であり、この点から県外畜産企業が適地として富山に注目しており、私の地元で農場設置の動きもあると聞いております。  そこで、本県における畜産はどのような状況なのか。畜産は単に肉や牛乳、卵を提供するだけではなく、耕畜連携した土づくりや農地の保全などにも役立つ面があると思いますが、畜産の担い手育成も含め、今後の畜産振興についてどのように考えているのか伺いたいと思います。  元気な農業は「元気とやま」の原点だと思います。今後の県の力強い取り組みに期待をして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 4 ◯議長(米原 蕃君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)高平議員の御質問にお答えします。  まず、安全・安心の県づくりについての御質問でございますけれども、近年の社会経済情勢の変化ということもありまして、お話に出ましたように、災害も複雑多様化、広域化しております。また、市町村財政も厳しくなっている中で、小規模な消防本部単独での対応が困難な面が強くなっていると思います。そうした中で、市町村消防の原則を維持しながら、広域行政の役割を担います県の役割も重要となっておりますので、今回の消防組織法の改正で県の役割を明確化されたのも、こうした流れにあると考えております。  まず、消防の広域化につきましては、本県の実情を考えますと、一消防本部の管轄人口を一度に一律に30万人以上を目安にするというのはなかなか難しいんじゃないかと思っておりますけれども、お話にありますように、管轄人口10万人未満の消防本部──県内では13消防本部のうち10消防本部が10万人未満となっておりますので、このままですと、大規模災害時等における迅速な対応に限界もあるという面があろうかと思います。  県としましては、消防の広域化が市町村の自主的な意思に基づき行われるということがもちろん前提でございますが、市町村の意向、希望ですとか、県内におけるこれまでの広域化の経緯、市町村合併の際のいろんな地域の事情もありますので、そうしたものも十分に踏まえて適切に対応したいと思っております。  次に、消防救急無線の広域化、共同化ですけれども、消防無線のデジタル化ということは、まさにこれはハードの問題ですから、今申し上げた消防本部の広域化の問題とは別にしまして、各市町村消防の責務として取り組む必要がありますけれども、市町村の相互の連携協力によりまして、県域を1ブロックとして整備する方法が最も効率的で、費用の軽減が図られて、これは確かに、そういう面からいうと望ましいんじゃないかと思っております。  県としましては、まず市町村が十分協議できる枠組みづくりを支援しまして、市町村の支援も踏まえて、必要な場合、より効率的に消防救急無線デジタル化が進められるように必要な調整も行いますとともに、財源措置の問題がちょっと気になっておりましていろいろ問い合わせておるんですが、現段階でちょっと不明確な面もありますので、そうしたことの充実についても、消防庁など国に働きかけてまいりたいと思っております。  さらに、6月3日、富山市の中心市街地において発生しました火災につきましては、中心市街地の木造店舗が密集しているアーケード街というなかなか難しい状況の中で、消防の皆さん方には大変御尽力いただいたと思っております。  また、議員からお話がありましたが、私も商店街に御縁があるということで、県民の皆さんや議員各位にも大変御心配いただいたり、温かい励ましをいただいたということで恐縮もしておりますし、感謝もしておりますが、今回の火災の検証も踏まえまして、今後、火災予防も含めて、密集市街地火災への対応力をさらに高めていくことが必要だと考えております。  これは特定の地域だけではなくて、県内各地に中心市街地というものがありますので、その防火・防災体制を充実するという観点から、県としましては、今のところ、できれば8月上旬にも県内の消防関係者、あるいは商店街関係者を対象として、専門家を招きまして、密集市街地における消火戦術、あるいは火災予防も含めた各種の防火対策に関する研修会、これを早速開催したいというふうに考えておりまして、各市町村消防と連携して、しっかり取り組んでまいりたいと思います。  本県におきましては、御承知のように、人口当たり火災出火率が15年連続全国最小という誇りとすべき成果もあるんですけれども、今後とも、市町村消防の原則を踏まえまして、消防本部の広域化、消防救急無線デジタル化密集市街地の防火対策、御指摘の点はごもっともでありますので、そういった点を踏まえまして、県としてもできるだけ積極的に対応する。その際には、もちろん市町村の意見も尊重して的確に対応したいと思います。  また、県自身も、御承知のように、一昨年の暮れから宿日直職員の配置による24時間の連絡体制の確保ですとか、危機管理行政の一元化に努めておりますが、今後とも、市町村等にも呼びかけまして、全県的な防災危機管理体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新たな米政策に関する県としての対策についての御質問にお答えいたします。  本県は、我が国の主要な米の供給基地として、高品質な売れる米づくりを目指すと。また米価の安定を図るための生産調整にも着実に取り組んできております。この本県の取り組みは評価していただいていると考えておりまして、本年産米の生産目標数量は、全国の生産目標が減少しております中で、本県への配分だけは2年連続して増加したところでありまして、この2年連続というのは全国で富山県だけだということであります。  こうした中で、19年度からの新たな米政策においては、これまでの国による生産目標数量の配分を廃止しまして、国等による情報提供をして、そして農業者とか農業団体が主体的に需給調整を実施するシステムに移行するということにされておりまして、その具体的な内容について今検討が進められております。  県としましては、現行対策においても、実は全国的に見ますと生産調整がきちんと徹底されていない地域もあるなど、公平性とか実効性の確保が心配な面があります。そこで国に対して、生産目標数量に関する都道府県ごとの情報提供に当たっては、売れる米づくりとか生産調整の取り組み実績を十分考慮してほしいと。それから、生産調整のメリット措置であります新たな産地づくり──米以外の転作作物、大豆とか大麦とか野菜とか、こういった作付への助成、そういうための財源の確保を図ってほしいと。それから、都道府県配分に当たっては、まじめに取り組んでいる地域の努力を反映してほしいと。これは幸い──例えば16年度から18年度までの実績を農家1戸当たりで見ますと、全国平均が6万7,000円に対して、本県が11万8,000円ですから1.7倍以上ということで、それなりに配慮をしてもらっていると思うんですが、私はさらに、まじめにやっているところが報われるようにしてほしいと、こういうことを農水省に働きかけたいと思います。  今後、8月ごろには新たな米政策の具体的内容が国から提示される予定になっておりますが、速やかに新しい制度の周知に努めるようにしまして、また国の政策に対応して、県の水田農業振興基本方針を見直して、これに関する県単独の施策、例えば水田を生かした麦、大豆等の一層の振興のための地力向上対策への支援、それから担い手農家による園芸作物を組み合わせた経営の複合化への支援、農業団体が主体となる地域の水田農業推進協議会の活動への支援などについて、新たな米政策に対応して、国もそれなりの施策、また県としてもそういった施策の構築に努めたいと思います。  これから産地間競争がますます激化することが予想されますので、米は本県農業の中心的なものでありますから、消費者ニーズに対応した高品質で売れる米づくり。また後ほど担当部長から御答弁申し上げますが、首都圏などでのPRを徹底する、もっと充実するということなど、富山米のブランド力の向上を図っていく。それから大豆、大麦、地域に合った園芸の振興対策も強化するということで頑張りたいと思います。  ちなみに、ここのところ、おっしゃるように米の価格は低下傾向にあって、全国平均で平成12年から17年の5年間で8%近く落ちておるんですが、富山県は何とか4%台のマイナスにとどまっていると。今まで富山県よりも格付が上と見られた県なんかは1割近く値段が下がっている中で、何とかそのぐらいで踏みとどまっているという面もあります。これからしっかり頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 6 ◯議長(米原 蕃君)荻澤知事政策室長。    〔知事政策室長荻澤 滋君登壇〕 7 ◯知事政策室長(荻澤 滋君)私からは消防の広域化についてお答えをいたします。  県内の各消防本部の組織体制につきましては、県としてもこれまで広域化に取り組んできたところでございまして、議員のほうから御紹介いただきましたとおり、平成10年には砺波広域圏消防本部が設置されたところでございます。また、その後の市町村合併の進展に伴いまして、現在では13の消防本部となっておりますけれども、富山、高岡、砺波広域圏の3消防本部以外は管轄人口が10万人未満という状況にございます。全国的にも、管轄人口10万人未満の小規模な消防本部が全体の6割を占めているということでございまして、こうした小規模な消防本部では、大規模災害時における迅速な対応に限界があるといったような指摘もなされております。  こうしたことを背景に、今国会において消防組織法が改正されまして、自主的な市町村の消防の広域化を進めるための必要な改正、すなわち国と県の役割の明示等が行われたところでございます。  今後、改正法に基づきまして、消防庁長官において広域化を推進する期間、管轄人口規模等を内容とする基本指針を示すことにしております。各都道府県は、それを受けまして、必要に応じて広域化に係る推進計画を策定することになります。  本県の実情を考えますと、一消防本部の管轄人口を一律に30万人以上を目安とするというのは難しいというふうに考えておりますけれども、一方で、小規模な消防本部では大規模災害時における迅速な対応に限界があるのではないかという指摘がなされているのも事実でございます。したがいまして、県といたしましては、消防の広域化に当たりましては、何よりも市町村の自主的な意思に基づいて行われることが前提であるという基本的な考え方に立ちまして、市町村の意向、県内におけるこれまでの広域化の経緯、市町村合併の実情、これまでの経緯等を十分に踏まえて的確に対応していきたいというふうに考えております。  次に、消防救急無線デジタル化についてのお尋ねでございます。  消防救急無線につきましては、電波利用ニーズの増大に伴う周波数資源の有効活用などの観点から、電波法関係審査基準において、現行のアナログ方式から、平成28年5月までにデジタル方式に移行しなければならないというふうにされたところでございます。  これに対応するため、国、消防庁におきましては、モデル県を設定して検討を進めてきたところでございますけれども、このデジタル化への対応については、消防救急無線の広域化、共同化によって対応することが費用の節減でございますとか、広域での安定した通信を実現する上で有効であるという結論を得まして、それを踏まえて、各都道府県においては、市町村、消防本部と十分協議の上、平成18年度までに消防救急無線の広域化、共同化に係る整備計画を策定すること。また、その策定に当たりましては、地理的または地形的な事情等がある場合を除いて、県域を1ブロックとすることを原則として検討すべきであるという方針を示したところでございます。  消防はもとより、消防組織法に掲げられていますとおり、市町村固有の業務でございますので、消防救急無線デジタル化につきましても、各市町村、各消防本部で取り組んでいただくものでございますけれども、このデジタル化につきましては、基地局整備でございますとか、車載無線機といった整備も含めてハード面の整備が必要になります。  県といたしましては、あくまでもハード面の整備でございまして、消防本部の体制を広域化しようという問題とは別のものでございますので、本県のコンパクトな地形上の特徴も踏まえますと、基地局設備が集約化できる県域を1ブロックとして整備する方法が効果的で費用の節減も図られるのではないか、また費用の節減を図ることが望ましいというふうに考えておるところでございますけれども、今後、できるだけ早期に市町村が十分協議できるような枠組みづくりを支援いたしまして、市町村の意見を聞きながら、より効率的に消防救急無線デジタル化を進められるよう調整してまいりたいというふうに考えておりますし、また国に対しても、財政措置の明確化についても要望、働きかけをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 8 ◯議長(米原 蕃君)林出納事務局長。    〔出納事務局長林 時彦君登壇〕 9 ◯出納事務局長(林 時彦君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る4月1日付をもちまして、出納事務局長を拝命いたしました林時彦でございます。もとより微力ではございますが、誠心誠意努める所存でございますので、議員各位におかれましては、何とぞ御指導、御鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは答弁に移らせていただきます。  安全・安心の県づくりについてのうち、県の工事等に関する2点の御質問をいただきました。まず、低入札価格の工事に対して、県では検査をどのようにしているのかとの御質問にお答えをいたします。  県が発注する建設工事につきましては、質の高い社会資本を整備する必要があること、またその財源が税によって賄われていることから、工事の適正な履行を確保することが重要であると考えております。  このため県におきましては、出納事務局検査室や各土木センター等の検査員が、関係書類と現場の双方について工事の完了を確認する完成検査、また部分払いを行うための出来形検査、さらには、完成検査時には実際に見て確認することができなくなる箇所などを施工途中で確認する中間検査を厳正、公正に行っているところであります。また、工事の適正な施工を図るため、必要に応じまして工事監察を実施し、工事施工途中における工程管理、品質管理、安全管理、下請状況等について、監督員及び請負者に対し指導を行っているところであります。  お尋ねの予定価格の一定割合で設定される調査基準価格を下回って入札された、いわゆる低入札工事につきましては、一般的に手抜き工事、倒産による不履行、下請企業へのしわ寄せなどの発生が危惧される場合がございます。  このため本県におきましては、調査基準価格を下回って入札された場合は、御案内のとおり、低入札価格調査制度実施要領によりまして、契約内容に適合した履行が可能かどうかについて、事前に低入札価格審査会を設置し、十分に調査が行われた上で落札者が決定されているところでございます。  さらに、これらの低入札工事につきましては、工事の工程管理や実施状況などにつきまして、関係部局で監督業務の強化が図られているところでございます。また、出納事務局検査室でも、安全や品質を確保するため、特別に施工体制や下請状況等に重点を置いた工事監察を実施するとともに、中間検査及び完成検査をより厳正に行っているところでございます。  今後とも、関係部局と連携の上、さらに工事の安全や品質の確保が確実に図られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、県工事について、過去5年間の国の会計検査で、工事の安全性や品質の確保に問題のある事例はあったのかとの御質問にお答えをいたします。  国から補助金を受けている公共事業につきましては、会計検査院の実地検査を受けているところでありますが、事業が所期の目的を達成していないもの、工事の施工不良により品質が確保されていないもの、工事費の積算が過大となっているものなどにつきましては、毎年決算検査報告として内閣を経て国会に提出され、結果が公表されているところでございます。  本県の公共工事に関する会計検査院の指摘事項につきましては、過去5年間の決算会計報告におきまして、平成17年度の実地検査で全国調査の結果として、18府県において、橋梁の免震等のための部材単価が割高であるとされた事例が報告されております。しかし、工事の安全性や品質の確保に問題のある事例は報告されておりません。  なお、全国的に会計検査院から指摘された事項につきまして、橋梁など重要な構造物を対象に、毎年度特別監察を約50件程度実施しているところでございます。  今後とも、他の都道府県における会計検査院の検査状況などの情報収集に努め、これらを参考にさまざまな観点から工事検査や工事監察を実施し、公共工事の安全性や品質を確保してまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯議長(米原 蕃君)埴生土木部長。    〔土木部長埴生雅章君登壇〕 11 ◯土木部長(埴生雅章君)安全・安心の県づくりのうち、土木センターの再編につきまして、まず、土木事務所が災害などの緊急時に果たしてきた役割を考えると、公共工事の規模等が半減したからといって事務所を再編すべきではないと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。  現在、土木事務所におきましては、道路、河川等の建設業務や維持管理業務、これらに関係する入札、用地関係業務、また水防、除雪等の災害関係業務等を執行いたしておりますが、議員御指摘のとおり、土木事務所は治水対策を重視する観点から、河川の水系ごとに配置してきたという歴史的な経緯がございます。  今回の土木センター土木事務所の見直しにつきましては、現在、富山県行政改革推進会議の専門小委員会において検討されているところでありますが、その見直しの視点としては、公共事業の規模が減少していることに加え、道路交通網の整備による時間距離の短縮やIT化の進展、また出先機関の集約による機能強化の可能性などが挙げられてきているところであります。  組織機構につきましては、本来、事業量の変化等社会経済情勢を踏まえ、行政の簡素効率化が図られていることに加え、県民サービスの維持向上が図られるものであることなどが重要でありますので、今回の土木事務所の見直しに当たっては、災害時における迅速な対応といった県民の安全・安心の確保の観点に十分配慮しながら検討が進められるものと考えております。  次に、土木事務所の見直しに当たっては、地元の事情を一番よく知っている身近な土木事務所で、地元の要望を処理する機能を残すように配慮してほしいと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。  今ほども申し上げましたが、土木センター及び土木事務所は、県民の安全・安心を確保し、県民がより便利で快適な生活を送ることができるよう、道路や河川等の整備を初め除雪や水防等、日常生活に密接にかかわる業務を担っているところであります。  そうしたことから、これらの業務を行っていくに当たりましては、地元の意見や要望等を十分踏まえて対応していくことが重要であると考えております。このため、土木事務所の見直しに当たっては、地元の要望や意見を受けとめられるような機能を持たせることも必要であると考えております。  いずれにしても、専門小委員会におきまして、このような課題についても配慮され、検討が進められるものと考えているところであります。  以上でございます。 12 ◯議長(米原 蕃君)寺林農林水産部長。    〔農林水産部長寺林 敏君登壇〕 13 ◯農林水産部長(寺林 敏君)私のほうからは農業問題について、3つの御質問にお答えいたします。  まず、富山米のブランド力の向上をどのように図っていくのかとの御質問にお答えいたします。  米政策改革等により、今後米の産地間競争がさらに激化することが予想される中、富山米のブランド力の向上を図るためには、高品質でおいしい売れる米づくりを推進するとともに、県内外におけるPRや消費拡大の取り組みを積極的に展開することが重要であると考えております。  具体的には、まず生産面では、高温化傾向に対応した田植え時期の繰り下げなどにより、高品質でおいしい米づくりを県下全域で進めること、農薬などの使用状況を記録する生産履歴記帳の徹底を図り、消費者に安全・安心情報を提供することなどの取り組みを強化しているところであります。  また、販売面では、首都圏等での大消費地においてブランド力の強化を図るため、1つには、テレビCMの放映や県外の消費者で構成するとやま米ファンクラブに情報提供し、口コミなどによるPRを強化すること。2つには、首都圏等のデパートや量販店等での販売促進キャンペーンなどにおいてもおにぎりなどの試食、販売を行い、富山米のおいしさを実感してもらうこと。3つには、食のとやまブランドに関連する各種事業との連携を図りながら、富山米に係る説話などを盛り込んだ情報を提供することなど、工夫を凝らした取り組みを行ってまいりたいと考えております。  さらに県内においては、1つには、県産米コシヒカリや、それを利用した米粉パンの学校給食への導入に支援し、児童生徒に富山米のおいしさを認識してもらうこと。2つには、県外からの観光客に対して、農業団体が認定している「美味しい富山米使用の店」を中心に県産米のPRに努めていくことなどに取り組み、県産米の消費拡大を図っていきたいと思っております。
     今後とも、このような取り組みを米の生産者を初め関係団体と連携しながら一体となって推進し、富山米のブランド力の向上を図ってまいりたいと考えているところであります。  次に、中山間地域の活性化を図るため、県として中山間地域の特産物振興をどう進めていこうとしているのかとの御質問にお答えいたします。  中山間地域においては、議員御指摘のとおり、一般的に圃場が小規模で傾斜地が多いことや水源の確保が困難なことなど、平地に比べ農業生産の条件が厳しいものがあります。しかし、このような中にあっても、地域の自然条件などを生かした特産物の育成に取り組む地域が見られます。  その具体的な例を申し上げますと、立山町では地域内に自生しているヤマウドに着目し、県内で唯一ヤマウドの収穫体験ができる観光農園を運営していること。また、旧上平村では農業公社を組織して、伝統野菜の赤かぶの生産を拡大し、「赤かぶ漬け」などの特産品開発を進めていること。さらに、砺波市では干ばつに強い柿の導入を図り、地域イベントと連携して「ふく福柿」の特産化を進めていること。また、氷見市では、水田転作作物として導入されたハトムギを「氷見はとむぎ茶」として加工し、地域ブランドの確立を進めていることなどが挙げられます。  これらの取り組みに見られることは、地域の地形や気象条件を生かしていることはもとより、古くから継承されてきた食文化などと結びつけて取り組まれているところであります。加えて、確固とした地域リーダーが存在していること、市町村の積極的な支援があること、また農業普及指導センターやJA等の指導機関が一体となって推進されてきたことが特徴として挙げられるところであります。  県としては、今後とも、中山間地域への直接支払い制度の活用やグリーン・ツーリズムとの連携も図りながら、このような事例をモデルに関係機関・団体と連携して、地域の条件などに適応した特産物の導入を誘導し、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。  次に、本県の畜産業の状況はどうか。また、畜産業の担い手育成を含め、今後の畜産振興についてどのように考えているのかとの御質問にお答えいたします。  本県の畜産の現状を見ますと、牛肉の輸入自由化直前の平成2年に742戸あった農家戸数は、平成16年には216戸と減少し、また飼養頭羽数についても約6割になっていますが、近年は戸数、頭羽数ともほぼ横ばいの状況にあります。  一方、1戸当たりの飼養規模は、平成2年に比べて、乳用牛、肉用牛で1.5倍、豚で3倍、鶏で5倍になるなど、全国的に見ても大型の専業経営が主体となっています。  なお、平成16年の県内消費量に対する県内産の供給割合は、牛乳が90%、牛肉で35%、豚肉で56%、鶏卵で123%となっています。  議員御指摘のとおり、畜産の果たしている役割は、県民に高品質な肉、牛乳、卵を安定的に供給するだけでなく、家畜の堆肥を利用した土づくりによる地力の増強、また転作田を活用した飼料稲の生産や、いわゆる水田放牧による耕作放棄地の活用などの農地の保全、さらに広い牧場の牧歌的な風景や家畜とのふれあいによるゆとりといやし、命の尊さなどを認識する効果などの役割、機能を担うものと考えております。  このため県としましては、1つには、各種事業制度や融資制度などを活用し、規模拡大や経営の効率化などに必要な生産基盤の整備や、家畜管理の省力化などの新たな技術導入を図ることで意欲ある担い手を育成確保すること。2つには、土づくりの推進や飼料基盤を強化するため、堆肥の活用や飼料作物の生産組織の育成などにより耕畜連携を図ること。3つには、県民のニーズにこたえるために、県内産の新鮮で良質で安心な畜産物を供給する地産地消の取り組みを推進すること。4つには、公共牧場のふれあい機能の強化を図ることなどについて積極的に取り組んでいるところであります。  いずれにしましても、資源循環型の環境にやさしい農業などの推進のために、主穀作や園芸作物との連携を図りながら畜産の振興を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(米原 蕃君)渡辺守人君。    〔11番渡辺守人君登壇〕 15 ◯11番(渡辺守人君)おはようございます。  緑もすっかり深まり、夏本番も間近に迫ってまいりました。また、6月は会社の株主総会や各種団体の総会等大変忙しい時期であり、日々追われるように毎日を過ごしておりますが、新しい出会いや各界の方のお話を聞いておりますと、県政に対する大きなヒントが多々あり、非常に勉強になることが多い昨今でございます。  では、早速でございますので、県政一般について質問させていただきます。  まず最初に、新総合計画についてお尋ねをいたします。  昨年、富山県総合計画審議会条例が制定され、社会経済情勢が大幅に変化していることを踏まえ、10年後の県民生活の目指すべき姿を設定、実現すべき新しい総合計画が現在策定中であり、7月には中間報告の取りまとめが行われることになっております。  私ども自由民主党富山県議会議員会も、新総合計画に対して提言もさせていただきました。最近は地方においてもマニフェストが話題になっておりますが、やはりポイントは政策であると私は思います。知事に就任したら何をやるか、任期中の政策公約を県民と約束する、それがマニフェストだと私は思います。与えられた政策を執行するのではなく、みずから作成した政策を執行し、責任を負う、これが今後の自己決定、自己責任の地方自治であると私は考えます。  そこで、最初の質問でございますが、新総合計画と石井知事のマニフェストの整合性、また新総合計画の考え方、視点をどのように石井知事は思っておられるのか、御所見を伺います。  私は、これからの自治体が最も大切にすべきことは、みずから政策をつくることだと思います。政策をうまく立案でき、その結果をしっかり出せるか、本県の発展はその一点にかかっており、これからの自治体は政策官庁としての自治体づくりを目指すことだと思います。  なぜこれまでの日本の自治体は「地方政府」と呼ばず、「地方公共団体」と呼ばれてきたのか。私は、最も基本的な一つの機能が欠落していたのではないかと考えております。その機能とは、政策形成を担う政策体が加わっていなかったことです。真の地方政府になるには、職員の政策形成能力の向上が不可欠であると考えます。よって、これからの分権時代は、地域の政策主体となれる自治体が求められ、これで初めて「地方政府」としての体裁が整うと私は思います。  ついては、新総合計画の策定に当たって、自治体の政策形成能力が問われることになりますが、石井知事の御所見を伺いたいのであります。  次に、新しい総合計画の計画過程を見ておりますと、まさに自治体改革はいかに政策官庁としての自治体に脱皮するかが焦点となっており、政策づくりは役所が独占する時代は終わり、県民やNPO、企業との協働も視野に入れる時代であり、そうした協働参画の地方政府づくり、そこから自治体の再構築を図る考えが私には手にとるようにわかります。  そこで質問ですが、荻澤知事政策室長に、協働に対する新総合計画策定の基本的な考え方を伺いたいのであります。  次に、私は、現段階において県の財政状況を考えれば、あまりにも大きな事業費の事業を盛り込むことは困難であると思っております。私は、今後新総合計画を議論していく際には、ぜひ財政見直しに関する資料を示していただきたいと思います。毎年度の予算編成の際には、「これだけの財政不足が見込まれるから、歳出削減をしないと大変だ」と言われているのに、なぜ新総合計画の策定に当たっては財政見通しが示されていないのでしょうか。財政が苦しいなら苦しいで、どういう県づくりをするのか、県民全体で真剣に私は考えるべきだと思いますが、この件につきましても荻澤知事政策室長にお伺いをいたします。  次に、行政財政問題についてお尋ねをいたします。  最初に、地方交付税の削減についてお尋ねをいたします。  この問題につきましては、我が党の代表質問、また一般質問でも議論があったところですが、地方団体にとって大変大きな問題でもあり、私も知事の所見を聞いてみたいと思っております。  最近の経済財政諮問会議の議論には、正直なところ、危機感を私は抱いております。「骨太の方針2006」に関しては、国の基礎的財政収支を黒字化するための方策について議論されており、いわば財政の帳尻合わせの議論になっております。そして結局、地方交付税の削減ということになっております。  地方が行っている仕事の多くは福祉、医療、教育など、国が義務づけたものであります。国が義務づけた仕事の財源を保障するのが地方交付税なのであります。よって、地方交付税を見直すというのなら、まず国と地方の役割分担を明確にし、その分担に沿って地方交付税を再構築すべきであります。小泉総理は国会で、「地方交付税は地方固有の税源である」と答弁されておりますが、いきなり総額で何兆円削減するというようなやり方は到底認めることは私はできません。私は、地方の財源さえ確保されれば、国が財政赤字でもよいと言っているのでは決してありませんし、地方分権改革の理念に基づき、国と地方の役割分担を再検討し、国でやるべきものは国に、地方でやるべきものは地方で、そして地方でやるべきものについても、その財源をどのようにして確保していくのか、時間をかけた真摯な議論が必要だと思います。  地方六団体では、地方固有の財源であることを明確にし、現行の交付税にかわり、地方側が配分調整に関与する地方共有税の創設を求める意見書を内閣と国会に提出されたところですが、骨太の方針に向けた経済財政諮問会議などの議論は、あまりにも性急な議論ではないかと私は考えております。そもそも、住民に身近な地方団体が行政運営を円滑に実施できるように財源措置を行うことが国の責務ではないかと私は思いますが、このように地方交付税の総額削減の動きがありますが、石井知事の御所見を伺いたいのであります。  次に、新型交付税についてお尋ねをいたします。  竹中総務大臣の私的懇談会は、人口と面積を基準に地方への配分を決める新型交付税を提言しております。来年度から導入し、3年後には、現在の交付税総額の3分の1に当たる5兆円を新型交付税に移行することを求めております。  現在の交付税制度は、算定方法が複雑、不透明で、地方には余分な交付税が配布されているのではないかとの批判を受けてのことのように聞いております。確かに、現在の交付税の算定に当たっては、地方の実情をより正確に反映するために多くの算定基準を設定し、いろいろな補正を行うことから算定方法が複雑になり、国民にはわけがわからない状態になっていることも事実であります。算定方法を簡素化し、国民にその算定が合理的なものであり、交付額が妥当なものであることを示すことが私は必要だと思います。  しかし、先月30日に開催されました全国知事会議で、総務省自治財政局長の「複雑な算定基準を改めて、簡素な算定基準に順次かえていく」との説明に対して、出席の知事からは、「地方の個別の事情が反映されないのはおかしい」などとの意見が多数を占めたことは当然のことだと思っております。「算定方法の簡素化や不交付団体を増やしたいとは、交付税削減のための方策ではないか」という意見もあります。地方交付税の改革に当たりましては、私は、地方交付税が国内のどこでも一定の水準の行政サービスを確保できるように交付されているものであるという制度の原点を忘れてはいけないと思います。  そこで質問ですが、この新型交付税についてどのように受けとめておられるのか、石井知事の御所見を伺いたいのであります。  次に、県税の徴収についてお伺いをいたします。  平成16年度の個人県民税の現年及び滞納繰越分も合わせた調定額の約183億円に対する実際の収入率は93.2%でありました。平成7年度と比較すると2.8ポイントのダウンで、市町村民税も含め、収入率の低下傾向が続いていると聞いております。平成7年度の水準に戻すだけで約5億円の増収になります。いくら歳出の削減に取り組んでも、県税の収入率が低下傾向にあっては効果が減少いたします。この先、一般財源で5億円も歳出を削減することは容易なことではありません。よって、収入率の向上は重要な意味があると私は思います。  三位一体改革では、19年度から、国税である所得税から地方税である個人住民税に3兆円程度移譲されることになっております。個人県民税の17年度の課税標準額ベースで試算すると約179億円が移譲されると見込まれますが、地方財政を取り巻く環境が厳しくなる中、財源確保の観点からも収入率アップはますます大きな課題になります。  個人住民税は、県民税を含めて、これまで市町村が一括徴収してきました。しかし、景気低迷のほか、市町村の人手不足や身近な住民への配慮などもあって収入率は低迷をしてきたと言われております。滞納が増えると、まじめに納税している県民に不公平感を与え、納税意欲の低迷も懸念されます。個人県民税の徴収については、市町村に任せるばかりではなく、悪質な滞納案件に関しましては、県が市町村から徴収を引き継ぐ直接徴収などに取り組むべきと私は考えますが、植出経営管理部長にこの件につきましてお伺いをいたします。  次に、県有資産の売却についてお尋ねをいたします。  政府の国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議では、東京23区の公務員宿舎を売却することを小泉首相に報告をいたしました。売却額は4,000億円を超える見通しです。もちろん、4,000億円で国の財政が好転するわけではありませんが、財政再建に取り組む姿勢は評価してよいと私は思います。  県ではこれまで遊休地の売却に取り組んでこられましたが、なかなか成果が上がっていないようです。しかし、職員住宅を初め多くの土地資産があります。これまでは売却対象は遊休資産に限られてきましたが、真剣に財政再建に取り組むのであれば、現在一定の使用目的があっても、その利用価値が必ずしも高いとは言えないものについては積極的に売却を検討すべきであります。  例えば富山市西田地方や堀川小泉町に県の職員住宅がたくさんありますが、市内でも一等地といえる場所に職員住宅を大量に確保する必要性があるのでしょうか。もっと土地を有効活用し、市街地の活性化を図るとともに、土地を売却し、県の財政再建の一助にしてもよいのではないでしょうか。県民のために県有資産の売却を積極的に進め、県の財政健全化に役立てるべきだと私は考えますが、どのように考えておられるのか、植出経営管理部長にお尋ねをいたします。  次に、富山県立大学についてお尋ねをいたします。  富山県立大学は、日本海側初の工学系公立大学として平成2年に開学以来、絶えず教育研究の充実と高度化に努め、社会の発展に役立つ技術者を輩出してきました。平成16年4月には地域連携センターが設置され、センターは、これまでの産業界、地域とのさまざまな連携交流事業を一本化し、企業、県民の方々のさまざまなニーズをくみ上げ、本学の知的資源を活用して、皆様の課題解決をサポートしようとする機関であります。また、平成16年4月には、富山県立大学研究協力会も同時に設立されました。そして平成18年4月には、これまでの機械システム工学科や電子情報工学科もリニューアルし、機械工学、電子工学、情報工学の融合を目指す知能デザイン工学科、グリーンバイオテクノロジーに取り組む生物工学科を新たに開設し、4学科体制で新生スタートし、今日に至っております。  そこで、最初の質問ですが、過去3年ぐらいまでの県立大学の受験者の状況と卒業後の進路について、植出経営管理部長にお尋ねをいたします。  また、入学志願者の増加、特に県内からの入学志願者の増加を図るためには、大学の活動内容や学生の卒業後の進路等について、県民にわかりやすくPRを工夫することが大事であり、工学系の大学であることが県民にはなじみにくい面もあり、今後の取り組み状況について、植出経営管理部長にお伺いをいたします。  また、県立大学では、本年4月に知能デザイン工学科や生物工学科の新設など学科再編が行われ、私の古くからの友人であり、日本のヒューマノイドロボットの第一人者である川人光男氏が特任教授として招かれ、ロボット技術開発支援事業としてシンポジウムも開催されると聞いておりますが、ロボットの研究を初め、今後の県立大学の目指す方向について、植出経営管理部長にお尋ねをいたします。  次に、富山県立大学研究協力会が平成16年4月に設立され、県立大学でも地域連携センターを設置しているところですが、県立大学における産業界や地域との連携など、地域貢献への取り組み状況はどうなのか。この件に関しましても植出経営管理部長にお尋ねをいたします。  次の質問ですが、産学官連携によりさまざまな商品が開発されておりますが、県立大学や県の試験研究機関が開発にかかわった商品状況と販売促進のための県の支援策、特に商品のイメージアップ戦略など宣伝を工夫しなければ、せっかくの高性能品質の商品開発が私はむだになると思いますが、この件につきまして藤木商工労働部長にお尋ねをいたします。  最後に、高品質な売れる米づくりについて質問させていただきます。  本県産米が激化する産地間競争に打ち勝ち、消費者から高い評価を得るためには、販売対策を強化するとともに、これまで以上に高品質な売れる米づくりを推進して、富山米のブランド化を図る必要があると私は考えますが。  県は、近年の高温傾向に対応した米の品質向上対策として、平成15年から田植え時期の繰り下げを推進していますが、今年度の田植えの繰り下げ実施割合は初めて作付面積の7割を超えたと聞いており、取り組みが浸透しつつあるとも言え、この遅植えの取り組みについては、昨年度の1等米比率が80%を超え、一定の効果が上がっております。  夏の高温被害によるリスクを分散し、高品質な富山米の生産体制を整えるためには、遅植えの推進とともに、主力のコシヒカリを中心として、早生品種のてんたかくや、低コスト化技術として進められております直播き栽培などをバランスよく組み合わせ、計画的かつ戦略的な生産を行うべきと考えます。また、他県においては「ひとめぼれ」「あきたこまち」など非常にうまいネーミングをつけております。  そこで質問ですが、今後どのような富山米ブランドの品ぞろえを行い、それを組み合わせた生産体制を構築されていくのか、寺林農林水産部長にお伺いをいたします。  次に、県が平成8年以来開発を進めております県産晩生新品種富山67号が品種登録に向け最終段階を迎えておりますが、本年度内の品種登録申請や命名ができるのか。また、富山67号を今後どのように位置づけていかれるのか、寺林農林水産部長にお伺いし、私の質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 16 ◯議長(米原 蕃君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 17 ◯知事(石井隆一君)渡辺議員の御質問にお答えしたいと思います。  まず、新総合計画とマニフェストとの整合性等についての御質問にお答えいたします。  マニフェストは、私が知事選挙に立候補するに当たりまして、4年間の在任中にぜひ優先して取り組みたいと考えました重点政策、「活力」「未来」「安心」を3つの柱とした35項目ございますが、これを有権者の皆さんに対してお示しして、できるだけ具体的なお約束として示すために作成したものであります。もとより、候補者としまして、外から県政の状況を拝見してつくったものでございますので、当然ながら、必ずしも県政の課題全般を網羅した体系的なものとなっていないなどの面もあろうかと思いますけれども、いずれにしても、知事の任期中にマニフェストの実行に誠実に取り組んでいきたいと考えております。  一方で、新しい総合計画は、富山県はもとより、日本を取り巻く大きな時代の変化を踏まえまして、20年後の世界、日本、そして富山県を念頭に置きながら、今後10年の県政の大きな方向、目標を明らかにした県政運営の指針、羅針盤となるものであります。また、総合計画においては、どのような県民の皆さんの暮らしが望ましいのか、その実現のためにどのような取り組みが必要なのか、10年後の富山県の期待像を描きまして、県民生活の各分野ごとに、今のところ約50の目標を設定しまして、この目標を県民の皆さんと共有していきたいと思います。  このように、マニフェストと総合計画は性格を異にする面がありますけれども、マニフェストは政権公約として県民の皆さんにお示しして知事に就任いたしたわけですので、その基本的な考え方、政策の方向についてはできる限り総合計画に反映させていきたいと考えております。  もちろん、総合計画は私個人が作成するものではございませんで、県の計画として、幅広い県民の皆さんの参画をいただきながら策定するものでございますから、県議会の議員各位はもとより、市町村との意見交換も十分行い、またタウンミーティングなどで私の考え方、あるいは県の政策の方向を幅広く県民の皆さんに御説明して、いろいろと御意見をいただいた上で、それを反映してつくっていくということが必要だと思います。  今後とも、県民の皆さんの御意見をお聞きして、県民の知恵と力を結集した計画になるように努力していきたいと思います。  次に、分権時代における総合計画の策定に当たっては、自治体の政策形成力が問われることになるんではないかという御質問にお答えいたします。  今、富山県だけではなくて、日本を取り巻く状況が、右肩上がりの経済成長が終わったとか、グローバル化がどんどん進むとか、人口減少時代の到来とか、大きく変化しているわけであります。また、国、地方を通じて極めて厳しい財政状況にあるということを考えますと、地方が政策を国に依存して、それに追随していたら何とかなったという時代は終わったと考えております。  このために、時代の大きな変化に対応しまして、富山県の現実をしっかり踏まえて、将来の展望、方向性を描きながら新しい政策の企画立案、さらには富山発の政策提言を積極的に行って、必要ならば、国の制度や政策の見直しも求めていく姿勢が大切だと考えております。こうしたことから、これまで、中心市街地の活性化ですとか、子育て支援とか次世代育成、あるいは森づくりの推進、終末期医療のあり方、環日本海の環境対策等々について国に積極的な政策提言なり、要請を行ってまいりました。  新しい総合計画については、県民の皆さんの視点に立った具体的な目標を、できる限り県民の皆さんと共有することが大切だと思っております。そのためには、県民の皆さんの代表でいらっしゃる県議会の議員各位、また市町村に十分説明して意見交換することはもとよりですが、さっきも申し上げましたけれども、県民の皆さんに県政を取り巻く状況なり、目指すべき目標なり、必要と考えられる政策の方向などについてできるだけわかりやすく説明して、県民の皆さんからも率直な御意見をいただく、そして真剣な対話を行うといったプロセスを通じて、初めて分権時代にふさわしい富山県としての政策形成能力が磨かれる、県民の参画による総合計画が策定できると考えております。  そのために、これまでタウンミーティングとか中小企業の皆さんとの対話とかいろいろやってまいりましたが、今後とも、オープンでわかりやすい現場重視の県政に努めていきたいと思っております。  また、職員につきましても、随分頑張ってくれておりますが、一層意識改革を図りまして、部局の縦割りを排した総合的な企画立案能力を高めていくことが重要だと考えておりまして、御承知のように戦略的な政策立案、あるいは部局を超えた総合調整ということで知事政策室も設けておりますし、また各部局でも、例えば子育て支援とか森づくり推進、食のブランドといったものについては、特に班を設けまして、部とか課の壁を超えた総合的な対処を行いやすくするように努力をいたしております。  今後ともそういう姿勢で頑張ってまいりますので、議員各位におかれましても、よろしくお願い申し上げます。  次に、交付税の削減論等についての御質問にお答え申し上げます。  先般も申し上げましたが、経済財政諮問会議などでいろいろ議論されておりますけれども、あたかも地方の歳出の削減なり、交付税の削減が焦点であるかのような議論になっているわけでありますが、議員の御指摘のとおり、地方交付税は、地方団体の財源の不均衡を調整する、また国民の皆さんがどの地域に住んでいても、少なくとも最小限一定の行政サービスが受けられるように財源保障をする。そのために、本当は地方税として配るものを国税として──税収格差がありますから、国が地方にかわって徴収して再配分している、そういうものだと考えております。  既にこの3年間で、御承知のように地方交付税、臨時財政特例債を合わせて5兆円以上削減になっている。それから大多数の地方団体においては、むしろ国以上に人員や給与費の削減を行っている。また、補助事業に単独事業を合わせました投資的経費は、議会の皆様に御理解をいただいていますが、ピーク時の11年度の47%まで縮減している。こういったことを考えますと、交付税がさらに大幅に削減されると、本当に県民の皆さんに極めて重大な影響があると考えております。  私は、今の議論は、国民への行政サービス水準についての十分な議論がないままで──例えば国の財政が本当に苦しいとなれば、やっぱりそういう状況だから、例えば、こういう経費は今まで国として財源措置してきたけど、この部分、例えばそれは何かわかりません、いろんな分野があると思いますが、これは国民全体で我慢しようじゃないかと。こういうふうに具体的に議論をした上で、ついては、例えば補助金も減る、交付税も減るじゃないかと、我慢してくれと、こういうことならまだ議論の道筋としてあり得ると思うんですけれども、そういう議論を全くしないで、ただ交付税の額を減らすというのは、御指摘のとおりで、交付税の本質や機能を十分理解しないで──あまりこういう表現はしたくないんですが、国の財政再建のために地方にしわ寄せをしているというふうに懸念されるわけであります。  今後、交付税の改革に当たりましては、地方税の充実を図るといっても、地方団体間の財政力格差が厳然としてあります。  地方団体の歳出の大部分が国の法令や基準に基づいて執行しておりまして、一般歳出のほぼ9割はそういった国の法令や基準に基づいて執行しているということであります。したがいまして、議員御指摘のとおり、医療、福祉、教育などの住民に身近な行政サービスを行っている地方団体の行財政が立ち行くように国がきちんと財源保障をしていただく、これを大前提として議論すべきだと思っております。  全国知事会の場でも申し上げておりますし、また県、県議会、市町村、市町村議会の代表者から成る富山県地方分権推進会議におきましても緊急決議をいたしまして、関係者それぞれ、政府や関係方面に強く要請しておりますし、また先般、来県された小泉総理にも私から改めて──何か地方のほうが余裕があるという思い込みがあるんですが、少なくとも国家公務員は自分の給料を引き下げてないんですね。例えば富山県は職員や、あるいは議会の皆さんに御協力いただいて、本来もらうべきものをみんなもらわないでやっているわけですから、そういう現実を私は総理にも十分申し上げたつもりであります。  去る7日には、地方六団体から政府等に対しまして自治法に基づく意見書を出して、例えば、そういうことであれば、いっそ地方交付税を地方共有税ということにして、もっとわかりやすくしたらどうかといったようなこともお話ししておりました。今後とも努力してまいりたいと思います。  それから、竹中総務大臣の懇談会が提言した新型交付税についてでありますけれども、総務大臣の私的懇談会で地方分権21世紀ビジョン懇談会というのが、御承知のとおりあるわけですが、この懇談会が先月26日に、1つは新型交付税の導入、それから再生型破綻法制──地方自治体が破綻した場合の法制の整備、それから税財源配分の見直しということを内容とする最終報告書──なぜか、最終報告と言いながら「暫定版」となってるんですが、そういう取りまとめが行われているわけであります。  お尋ねの新型交付税は、現行の交付税の算定方式が複雑でわかりにくいという問題意識に立って、人口と面積を基本にして19年度から3年間5兆円程度を目指して導入するという方針と伺っております。その制度の詳細はまだ明らかになってないんですが、私は、算定基準の簡素化とか透明化を図ること自体は、必ずしも否定すべきじゃないと考えております。実際にこれまでも、補正係数の単位費用化とか、経費の種類の統合とか、事業費補正の見直しなどの取り組みもやっておりまして、例えば5年前の13年度に比較しますと、補正係数が半分ぐらいになっているということであります。  しかしながら、人口と面積を基本とした算定方法の導入について、そもそも地方団体の歳出の大部分が、さっき申し上げたように、国の法令とか基準によってやってるものが大部分だということであります。また、介護保険の実施経費のように、やっぱり高齢者が多いところは当然要介護人口が多いわけですから、人口や面積には比例しないものがあるのは当然だといったことを十分に考慮しませんと、財政力の豊かな地域とそれ以外の地域の格差が拡大して不公平な結果を招くおそれがある。よほど慎重な検討が必要じゃないかと思います。  特に、議員の皆さんは御理解いただけると思うんですが、富山県は、例えば東京都下の市町村に比べると財政力が低いと。例えば南砺市の税収は東京都下の市町村の1人当たりの半分ぐらいしかないと。それは、南砺市の住民の皆さんが東京都下の住民の皆さんよりも努力していないからなのかと。私はそうじゃなくて、一生懸命みんなやってると思うんですよ。一生懸命やってるのに差がつくのはなぜか。それは首都が東京にあるからなんであって、そういう努力をしても埋められない差というものを、国が責任を持って保障するのが地方交付税制度だと。こういうことをしっかり言っていきたいと思います。  総務省では、福祉とか教育など国の基準づけがある行政分野の財政需要は、従来の交付税の枠組みで算定しますと。新型交付税の具体の制度設計は、人口規模とか土地の利用形態等による行政コスト差も反映しますと。一定の経過措置も設けます。これは私自身も、財政局長や事務次官にも会ってまいりましたし、そういうふうに言ってくれておりますけれども、やはりその内容をよく見ていく必要がある。またおかしなことにならないようにしっかりチェックする必要があると思っております。  先月30日に全国知事会で総務省からも説明がありましたが、各県の知事からも、これは交付税を削減しやすくするための手だてではないかといった懸念も出たところであります。また私は、ぜひ議員の皆様方にも御理解いただきたいんですが、一方で国が、地方自治体が住民に必要不可欠なサービスを提供するために必要な地方交付税総額を減らしたり、あるいは新型交付税という、ちょっとまだまだ内容が不明確な算定方式を提案する。どっちかというと減らすという方向での議論で提案する。と同時に、地方自治体が破綻したら、その首長なんかの責任を問うような法制を整備するというようなことを一緒に議論されているんですが、一生懸命努力しても格差のある弱い地域にすごく厳しい仕組みをつくって、その上さらに、破綻したら責任を問うという仕組みをつくるというのは、どうも何かおかしいんじゃないかと。よくよくこうした動きについて、国民の皆さんに不安を招かないように、それから格差社会を助長するようなことにならないように、しっかり努力してまいりたいと思います。議員各位におかれましても、よろしく御理解と御指導をお願いしたいと思います。  以上でございます。 18 ◯議長(米原 蕃君)荻澤知事政策室長。    〔知事政策室長荻澤 滋君登壇〕 19 ◯知事政策室長(荻澤 滋君)私からは総合計画について、2点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、協働についての基本的考え方でございます。  従来、公共サービスは行政だけが担うものという考え方も、ややもするとあったようでございますけれども、現在、県民の価値観、ニーズも多様化、高度化しておりますし、こうした中で、よりニーズに応じた効率的なサービスを提供していくためには、福祉、環境、教育はもとよりでございますけれども、まちづくりなど公共サービス全般にわたって、県だけではなくて、県民、NPO、企業など県内のさまざまな方々の知恵と力を結集いたしまして、協働で取り組んでいくことが必要であるというふうに考えておるところでございます。  新しい総合計画では、10年後の県民生活の目指すべき将来像を描きまして、県民の視点に立って、県政全般を横断的に網羅する約50の具体的な目標を設定することにしておりますけれども、この目標を達成するためには、県の取り組みだけでなくて、やはり県民、NPO、企業、市町村にも大きな役割を担っていただき、協働で県づくりに取り組んでいく必要があるというふうに考えておるところでございます。  この目標をいろいろ検討しておりますけれども、その中で中心市街地のにぎわいの創出という目標も検討しておりますけれども、これを例にして挙げますと、例えば県民の方々には、中心市街地についてはまちの顔であるという意識を持っていただいて、できればまちづくり活動にも参加していただきたいと考えておりますし、企業、商業者の方々にはイベント開催など、商店街活性化に向けた取り組みにも積極的に参加いただきたい。また、中心市街地での優良な住宅、店舗、事業所を供給していただく役割も担っていただきたい。またさらに市町村には、中心市街地活性化のための計画づくり、住民との協働によるまちづくり、中心市街地での公共施設の整備などの役割を担っていただきたいというふうに考えているところでございます。  このようなそれぞれ期待する役割につきまして、新しい計画については、県民、NPO、企業、市町村など、それぞれ具体的に期待する役割を盛り込んでいきたいというふうに考えておりまして、それを通して、協働の県づくりを進めていく柱とするようにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
     次に、財政見通しについてでございます。  現在、策定中の新しい総合計画では、事業量、事業費を中心にというよりは、どちらかというと県民の視点に立って、県民生活の目指すべき将来像ともたらされる成果を重視して目標を設定したいというふうに考えておるところでございます。このような目標を達成するためには、今ほど申し上げましたとおり、県民、NPO、企業、市町村などと県が協働で取り組んでいく必要があるというふうに考えておるわけでございます。  この計画は、目標を明示するという点でいわば羅針盤ということで、毎年度その時々の県政運営の指針になるものでございますけれども、例えば毎年度取り組む事業をあらかじめ詳細、具体的に定めて、また毎年度の県予算を積み上げたような事業計画を盛り込むものではないというふうには考えております。  ただし、目標の達成に向けて県がどのように取り組むかを示すことは必要ではないかというふうに考えているところでございまして、県が取り組む主要な事業を内容とする、例えば5年間程度のアクションプランを策定することは必要だというふうに考えております。あわせて県の財政見通しも、もちろん必要であるというふうに考えておりまして、今後国が策定する19年度以降の中期地方財政ビジョンでございますとか、その後の国の地方財政対策の動向なども見きわめて、どのようにかけるのか検討していきたいというふうに考えているところでございます。 20 ◯議長(米原 蕃君)植出経営管理部長。    〔経営管理部長植出耕一君登壇〕 21 ◯経営管理部長(植出耕一君)それでは、6問お答えいたしたいと存じます。  まず、財源確保の観点から、個人県民税の徴収について、悪質な滞納案件については直接徴収など云々という御質問でございます。  先ほど議員のほうからも数字の紹介が幾つかございましたが、平成16年度の個人県民税の滞納額は11億2,200万円でございます。収入率は、現年課税分が98.4%、滞納繰越分が17.6%、全体で93.2%となっているところでございます。過去10年間の収入率を見てまいりますと、現年課税分ではおおむね98%台で推移しておりますけれども、滞納繰越分が平成7年度には33.0%でありましたものが、年々低下してきている状況にございます。  また、平成19年度からは、これも議員の御指摘ございましたが、三位一体改革に伴います所得税から個人住民税への税源移譲によりまして、個人県民税は大幅に増える見込みでございます。個人県民税の徴収確保対策は、財源確保の観点はもとより、税負担の公平の観点から考えましても大変重要な課題であろうというふうに認識をいたしております。  個人県民税は、市町村が市町村民税とあわせて賦課徴収することになっておりますが、これまでも市町村職員に対しまして、徴収能力向上のための研修会、それから県と共同で行います文書催告や共同臨戸などを実施してきたところでございます。  さらに、県の体制でございますが、昨年10月の県税事務所の統合に際しまして、個人住民税・自動車税対策班というのを設置いたしました。そして、個人県民税の徴収対策に専門的、主体的に取り組むことといたしまして、より実践的な徴収能力養成のために、市町村職員を対象とした研修を実施いたしますとともに、1つには徴収に関する市町村からの各種相談、2つには県との共同催告、共同臨戸、3つには差し押さえ物件の共同公売、4つには地方税法第48条に基づきます県の直接徴収などの方法を適切に組み合わせた支援計画を、市町村と現在協議、調整をいたしておりまして、この8月にも策定をいたしたいと考えております。そしてこれを確実に実施することにより、個人県民税の滞納額の圧縮に努めてまいりたいというふうに考えております。  中でも、議員御指摘のありました、直接県が市町村から徴収業務を引き継いで徴収する直接徴収でございますが、東京都でございますとか、近県の石川、福井など32都道府県で実施をされております。効果を上げているというふうに聞いております。  本県といたしましても、高額滞納者や、特に支払い能力があるにもかかわらず長期にわたって納付の意思のない悪質な滞納事案などにつきましては、非常に市町村も苦慮しているわけでございますので、直接徴収を実施する予定にいたしておりまして、本年当初から、各市町村に滞納事案のヒアリングを行いますとともに、直接徴収の理解を求めてきているところでございます。  今後さらに市町村との協議、調整を重ね、直接徴収する案件の洗い出し、絞り込みを行いまして、10月にも直接徴収が実施できるよう現在準備を進めているところであり、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、県の財政健全化に役立てるために、県有財産の売却を積極的に進めてはどうかというふうな御質問でございます。  県では、県有財産の売却につきましては、できる限り民間で有効に活用してもらうとともに、財源確保の一助とする観点から、平成11年度から県有未利用地の売却に積極的に取り組んできたところであります。17年度までに44件、金額にいたしまして22億9,600万円余の県有地を売却してきたところでございます。  先般、国におきましては、都心の土地の高度利用を図り、あわせて財政の健全化に役立てる観点から、国家公務員宿舎の移転、跡地利用について検討を進め、有識者会議により、その報告書が取りまとめられたところでございます。  御指摘の県職員住宅につきましては、国家公務員宿舎とは立地、規模等が異なると思いますが、現在、富山市内の3カ所──議員御指摘のありました西田地方、堀川小泉、それから蓮町でございますが──に10棟180戸の職員住宅と1棟50室の独身寮を有しております。県外出身者や遠隔地等の職員とその家族が入居しているところでございます。  この職員住宅でございますが、公務の円滑な推進でございますとか、職員の福利厚生のみならず、優秀な職員の確保の観点からも大きな役割を果たしておりまして、さらに、職員住宅入居者のうち本庁に勤務する職員──これは入居者全体の41%でございますが、これは大規模災害時には、県庁に登庁する災害対策要員として指定いたしております。災害対策の一翼も担っているなどいろいろ考え合わせますと、職員住宅の必要性は依然として高いのではないかというふうに考えております。  ただ、独身の男子職員に対しまして住居を提供するために設置した独身寮でございますが、これにつきましては施設の構造面から入居状況が低下をいたしております。これにつきましては、施設の有効活用も含めて、そのあり方について検討をしてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、県としては、職員住宅を初め県有財産につきましては、施設の利用状況や管理運営費の状況などを見ながら、施設の必要性やその管理のあり方について絶えず点検を行い、引き続き県有財産の売却の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、県立大学関係の御質問でございます。  県立大学の受験者、卒業後の進路の状況等についてでございます。  過去3年の受験者の状況について申し上げますと、平成16年度は、募集定員160人に対しまして受験者は603人ということで、受験倍率は3.8倍でございます。平成17年度は受験者数463人で、受験倍率は2.9倍でございます。4学科再編成をいたしまして初めての入試となりました平成18年度でございますが、募集定員が190人でございまして受験者数は1,074人、受験倍率は5.7倍ということになっております。受験者数、受験倍率ともに、平成17年度に比べ大幅に増加をしたところでございます。  次に、卒業後の進路状況でございますが、卒業生の約4割が大学院に進学をいたしております。残り6割が就職をしているわけでございますが、大学院進学者の大半は本学の大学院への進学者でございます。就職につきましては、就職希望者のほぼ100%が就職をしている状況にございます。  17年度卒業者の就職状況を見てまいりますと、就職企業の業種別でございますが、製造業が大体58.8%、情報通信業21.6%、合わせましてほぼ8割が大学で学んだ専門知識を生かせる分野に就職しているのではないかと考えております。また、地域別でございますが、富山県内で40.2%、それから関東のほうには20.6%、近畿のほうに5.2%、東海に17.5%というふうなことで、全国各地の大手主要企業にも数多く就職しているところでございます。  手前みそになりますが、このように県立大学の就職率がほぼ100%を達成しているということで、就職に強い大学として全国的に高く評価をされているところでございます。大手経済誌におきまして発表している大学の就職ランキングでは、県立大学は、平成15年度卒業生で第1位、16年度卒業生で第2位となったところであります。若干宣伝をさせていただきました。  それでは、その次でございますが、入学志願者、特に県内からの入学志願者の増加を図るための取り組みについての御質問でございます。  大学全入時代の到来を迎えまして、各大学には魅力と個性が強く求められております。教育や研究内容を充実することに加え、大学の魅力を積極的、効果的にPRすることが大変重要であると考えております。  このため県立大学におきましては、1つには、高校生に実際に大学に来てもらう、そして各学科を紹介、模擬講義を行う、研究室等の見学などを行うという、いわゆるオープンキャンパスの開催をいたしております。これは大体年2回の開催でございまして、本年も1回目を6月17日に、つい先日でございますが開催をいたしまして、県内を中心としまして41高校、227名の生徒が参加をいたしております。  それから2つには、大学の教員が高校に出向いて講義を行います県立大学サテライトキャンパスの実施を行っております。  それから3つには、子供たちを中心に多くの県民の方々に科学のおもしろさを体験していただくダ・ヴィンチ祭を開催し、科学への親しみを深めていただいているところでございます。17年度の参加者は延べ5,931名で、ほぼ6,000人規模になっております。大変御好評をいただいております。  いずれにいたしましても、今後とも、小中高校生はもとより、広く県民一般にも県立大学を十分理解いただけますよう、わかりやすいPRの工夫に努めることにより、県内入学志願者の増加を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、ロボット研究を初め、今後の県立大学の目指すべき方向ということでございます。  21世紀は、新しい知識、情報、技術が社会のあらゆる領域で飛躍的に重要性を増します、いわゆる知識基盤社会の時代であるというふうに言われております。県内への企業立地を推進し、産業の振興を図るためには、技術開発や研究の面で産業界と連携協力できる、しっかりとした地方大学の存在が大きな意味を持つものと考えております。  県立大学では、県内産業界や県民の要望により的確にこたえることができますよう、本年4月に工学部の学科を再編いたしまして、従来の2学科から4学科体制に拡充をしたところでございます。  具体的には、1つには、ロボットやナノテクなど機械工学と電子情報工学の先端技術の融合を目指します知能デザイン工学科、それから生物を利用した省エネで環境にやさしいグリーンバイオテクノロジーの教育研究の拠点として生物工学科を新設するとともに、2つには、機械システム工学科につきましては、機械と材料を中心に環境調和型ものづくりを目指す学科に、また3つ目でございます電子情報工学科につきましては、真に豊かな人間生活の実現に寄与する情報ネットワークの構築を目指す情報システム工学科に、それぞれ特化をいたしまして、教育研究分野の重点化を図ったところでございます。  また、ロボット、知能情報、生物情報の各分野で日本を代表する研究者を県立大学の特任教授として委嘱をし、世界最先端の研究や質の高い技術を直接学ぶことができる環境を整えたところでございます。  今後とも、不断の大学改革によりまして、県民、産業界からのニーズに的確にこたえることのできる大学、小規模でもきらりと光る存在感のある大学として発展するよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、県立大学の産業界や地域との連携など、地域貢献への取り組み状況についての御質問でございます。  富山県立大学では、平成2年の開学以来、地域に密着した大学として企業との共同研究などの産学連携事業、それから一般県民に対します公開講座などの生涯学習事業を通じて、教育研究の地域への還元に積極的に取り組んできたところでございます。  しかし、一部企業から窓口がよくわからないとか、あるいは敷居が高いように感ずるとかの御意見もあったことから、平成16年4月に、産業界や地域社会を結ぶ総合窓口機関といたしまして、地域連携センターを設置いたしました。産業界、地域とのさまざまな連携、交流事業を一本化して、企業や県民の方々のニーズをくみ上げ、そして県立大学の知的資源を活用して、課題解決をサポートしていくこととしたところでございます。  この地域連携センターには、産学官連携コーディネーター3名、それから地域連携マネジャー1名を配置いたしまして、1つには、企業向け技術相談や研究者の紹介など地域連携などの企画立案。それから2つには、企業からの課題を学生の卒論テーマとして研究いたします卒論テーマ公募事業。それから、地元企業の要請により大学教員が出前講義を行いますモバイル・ラボ、いわゆるお出かけ研究室というふうに言っておりますが、それらを実施する際の窓口となりますなど、多彩な産学連携事業にも取り組んでおるところでございます。  また、地元企業から成る富山県立大学研究協力会が平成16年4月に設立をされましたが、現在、法人会員が214、個人会員が27、合計241会員のもとで、会員と県立大学との共同研究、研究協力などの活動を展開しながら、県立大学の産学連携を学外からサポートしていただいております。  県立大学といたしましては、こうした地元産業界からの熱い期待にこたえていくためにも、今後とも産業界や地域との連携を強化し、真の地域に貢献する大学としてさらに発展してまいりたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯議長(米原 蕃君)藤木商工労働部長。    〔商工労働部長藤木俊光君登壇〕 23 ◯商工労働部長(藤木俊光君)県立大学や県の試験研究機関が開発に携わった商品の販売状況、それから販売促進のための県の支援策についてお答え申し上げます。  県立大学や県の試験研究機関と企業との共同研究で開発した新技術や新商品が県内外で広く普及活用されることは、県内企業、産業の活性化を図る上で大変重要なことであると考えております。  県立大学や県の試験研究機関と企業との共同研究で開発し、商品化された案件、これは約100件というふうになっておりますが、共同研究に関しまして、それぞれ関与の仕方にはさまざまな態様がございますので、販売状況についてすべて統一的に把握しているわけではありませんが、例えばクーラーボックス内の温度を0度以下にできる低温型保冷剤、これは平成16年に販売を開始しておりますが、販売開始以来今までに20万個の販売実績がございます。また、高齢者の生活状況を確認する緊急通報システムは平成13年に販売を開始して以来5,000台の販売。それから本年1月から販売を開始しております、富山オリジナルブランドの医薬品でございますパナワンに関しましては、今まで約半年の間に1万6,000箱の販売実績がございます。さらに林業技術センターがかかわりましたヤマブシタケに関しましては、平成17年度、昨年度4.8トンの生産実績というような結果を聞いております。  こうした共同研究で開発した新商品のPRに関しましては、何をおいてもまず開発企業が中心となってやっていただくということが大原則でありますが、同時に県立大学や県の試験研究機関としても、さまざまな研究発表や産学官の交流会、各種の展示会といった場を活用しまして、商品紹介などのPRに取り組んでいるところでございます。  また、こうした共同研究開発の商品も含めまして、県内企業の商品の販路拡大という観点から、例えば大都市等における広域商談会の開催、地域見本市への出展、コーディネーターによる商品のマーケティングから市場投入までの総合的なアドバイスの実施、ベンチャー企業等のビジネスパートナーの発掘、さらにはトライアル発注制度の導入といったさまざまな手段によりまして、積極的に販路開拓の支援を行っているところでございます。  今後とも、さまざま工夫を凝らしながら、販路拡大ということに積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 24 ◯議長(米原 蕃君)寺林農林水産部長。    〔農林水産部長寺林 敏君登壇〕 25 ◯農林水産部長(寺林 敏君)私のほうからは高品質な売れる米づくりについて、2つの御質問にお答えいたします。  まず最初に、今後どのような富山米ブランドの品ぞろえを行っていくのか。また、高品質な富山米の生産体制をどのように構築していくのかとの御質問にお答えいたします。  本県の稲作は、今後とも、これまで培われてきた良質米生産の基盤を生かして、多様な消費者ニーズに対応したより高品質で売れる米づくりを目指していく必要があると考えております。このため県としましては、コシヒカリを中心に早生、中生、晩生の品種バランスを考え、それぞれにおいて高品質な富山米ブランドの品ぞろえを図っていくこととしています。  具体的に申し上げますと、1つには、主力である中生品種のコシヒカリについては、温暖化の影響により品質が不安定になっていることを受け、土づくりを基本に、田植え時期の繰り下げによる高温登熟の回避などの技術対策を徹底し、品質向上を図っていくこと。  2つには、コシヒカリ以外の品種についても、本県が育成した早生品種であるてんたかくが気象変動の中でも品質や収量が安定し、流通業者からも良好な評価を得ていることなどから、計画的に生産拡大を進めること。また、コシヒカリより収穫時期が遅い本県独自の優良な晩生品種を育成すること。  3つには、直播き栽培について、移植栽培に比べ成熟期が約1週間遅くなるという特徴を生かして、コシヒカリを中心とした直播き栽培の普及拡大を図ることなどにより、将来的に作付比率が早生品種で2割、中生品種で7割、直播き栽培のコシヒカリを含む晩生品種で1割となるよう、関係機関・団体と一体となって取り組んでいるところであります。  今後、品目横断的経営安定対策の推進により、認定農業者や集落営農組織などによる米の生産シェアが徐々に拡大していくと見込まれる中で、収穫作業の集中の緩和や、異常気象による収量や品質へのリスク分散を図っていく上でも、今ほど申し上げました作付誘導を図っていくことが大切であると思っており、今後とも、関係機関・団体と一体となって生産者などの理解増進に努めてまいりたいと考えております。  次に、富山67号について、本年度内の品種登録申請や命名ができるのか。また、今後富山67号をどのように位置づけていくのかとの御質問にお答えいたします。  県が育成中の晩生の新品種であります富山67号は、農業技術センターや一般農家での試験栽培の成績を見ますと、安定して高品質を確保でき、食味もコシヒカリ並みであること、また成熟期がコシヒカリに比べ7日間程度遅いこと、さらにコシヒカリに比べ倒伏しにくく、直播き栽培に適していることなどの特性が認められております。このため富山67号は、主に大規模経営体等において、コシヒカリの後に収穫する晩生の品種として、早生のてんたかくや中生のコシヒカリなどとの組み合わせによる収穫作業などの分散や、直播き栽培の安定生産に寄与できる品種であると考えております。  本年度は、大規模経営体での栽培実証とともに、米の市場性などについてさらに調査するため、県下8カ所で約6.2ヘクタールの試験栽培に取り組んでいるところであります。また、コシヒカリより遅く出回るという条件から、市場での需要見込みや価格、販売戦略などを十分検討していく必要があると思っており、ことしの秋に収穫した米を県内外の業者に送付し、市場評価を受ける予定にしているところであります。  いずれにいたしましても、今後、本年の市場評価の結果も踏まえ、農業団体と連携して、品種登録など富山67号の将来の取り扱いについて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(米原 蕃君)暫時休憩いたします。  正午休憩      ─────────────────────  午後1時01分開議 27 ◯副議長(酒井眞次君)休憩前に引き続き会議を開きます。  江西甚昇君。    〔37番江西甚昇君登壇〕 28 ◯37番(江西甚昇君)久しぶりの一般質問であります。先ほどから「あんた、一般質問より予特のほうがいいがに」っていうて、皆さん方から警告を受けました。またはみ出ないように、特に山上議員からは「あんた、原稿書いてきたがだから、そのとおり読まれ」という指摘を受けまして、江西節は言うなという話でありますが、ほんの1分間だけね。  きょう皆さん方が議論をしてる中で、どういうことを感じたかというと、30年前議論したのも、今議論しておることも一緒だなということを痛切に感じました。特に米の問題なんかというのはまるっきり、皆さん方、今の時代の人たちが話してるこれなんかというのは──昭和46年に富山県へコシヒカリが入ってきました。47年に奨励品種になったわけですが、そのころは大変コシヒカリをつくるのは難しくて、まず、いもち病に弱いということで、倒伏するということで、なかなか農家の皆さん方に受け入れてもらえなかったんですよ。それが、うまいということでありまして、入善の笹島氏がめちゃくちゃにつくり出したら、入善だけにコシヒカリをつくろうという運動が始まりまして、「おい、そういううまいが、おらっちゃもつくらせんにゃだめだ」ということで農林部と大げんかをして、富山県じゅうにコシヒカリの作付制限をやめさせたのが昭和54年だったと思います。それ以来、コシヒカリが今一番日本でうまくて、いくら何をつくってもコシヒカリに勝つものがないというのが、今日本の米市場の大きい問題点であります。  こんなことを言っとっても始まらんわけでありますが、そのほかに、先ほど渡辺氏が県のあり方、特に委員会制度のあり方について言うておりますが、これは何と、私がならん先に、俗にいう高平・玉生軍団で、こういう問題が県議会で議論になりましてね。そのときの知事を大変困らせて、民主化というもののすすめを大先輩がやってくれたことを今思い出しておるわけであります。  特に委員会制度、今の自民党の皆さん方はいろんな制度を決めるとこでも、発言の自由を抑えるということが一般的に見受けられるわけです。発言はいくらしたっていいじゃありませんか、皆さん。なぜ代表質問が30分になったり、一般質問が20分になったりするんでしょう。何かしら自民党の皆さん方は、当局の機嫌とりのために質問をさせないんじゃないかと、私は実際そう思いますよ……(発言する者あり)違うなら後ではっきりやりましょう、討論会でね。  そのほかに、昔は予算特別委員会は……(発言する者あり)だれしゃべっとんが。予算特別委員会でも、要求さえあれば2時間でもしゃべれたんです。それが今1時間制約だと。こういうことを私たち自身が考えて、開けた県政をつくっていくのが議員の務めだと思います。これに反対する人もいるようでありますが、大変立派な人がおられますので、今この胸に、だれが反対したか記録をしておきました。みんなの前で堂々と、この人はこういうことを言ったということを、その選挙区で頑張っていきたいと思いますので、よろしく御支援をいただきたいと思います。  では早速、農業問題でありますが、県では水田の集約化や農業の担い手対策などを進めておりますが、どういう考え方で取り組んでいるのか。また、実際どのような効果があると考えておりますか。農業機械等も備え、大型農場を整備し、集落営農と後継者を一体的に育成するモデル事業を実施するなど、現実問題として、集約した水田をだれがどうやって維持していくのか、仕組みづくりを考えなければならないと思っています。  ところで、一番基本的に大事なことは、食える農業。食える農業ということが、今集約化の基本的な考え方になっておるわけであります。食える農業というのは、270万農家を20万人に切り捨てて、それで農業を合わせていこうというのが国の考え方なんですね。だから、富山県も国の方針に従うんなら、その先にやるべきことは多々あると思います。実際、モデル事業だとかいろんなことをやってきました。集落営農もそうでありますし、後継者問題も、富山県がみずから手を差し伸べて農民の集約化に努力をしてあげねば、農家自身がどうしてやるんですか。田んぼを集める、そんなことできるわけないわけですから、こういうことも富山県がよく考えて指導していってもらいたいと、こういうふうに思っておるわけであります。  また、ちょっと皮肉でありますが、役所は格好いいことばっかりやりたがる。皆さん知ってますか、帰農塾。寺林さん、堪忍せやの、いじめておるがでないがだからの。帰農塾という発想しますね。今、東京からいろんなところから帰ってきた者に農業をさせようという帰農塾をやったって、30坪や50坪ならみんなやりますよ。実際、1反の田んぼがどんな広いか。俗にいう圃場整備が終わった4反半の田んぼ、横30メーター、縦150メーターの田んぼを見て、だれが農業をする気になると思いますか。このへんもよく考えて指導していかないと、格好だけつけるということになりますので、よくよく考えて、実際農地を守っている農家のことを考えて施策を立ててもらいたいと思います。  また、WTOの農産物自由化により、日本の農業を取り巻く環境はますます厳しさを増すことになりました。国で言われている農業政策をどう認識し、県としてはどのようにこれに対応していくかということを書いておりますが、実際、WTOを日本の国が受け入れたら、皆さんどうなると思いますか。米の価格は、今世界ではたった3,500円しかしません。中国では1俵700円ですよ。それは労働者の賃金や、それからまた一般大衆の賃金が安いから、それに合った価格が掲示されるわけでありまして、今の日本の現状では、国際価格に右倣えするということ自体が難しいわけであります。  俗にいうデカップリングだとか、農業をやめられたら困るわけでありますから、そういう意味で国家予算を投じてでも農業を守っていく時代が来ております。特にEC諸国はもうそうなってしまっているんですよ。そういう意味からしますと、日本のデカップリングがやっと7年前から始まりまして、これからももっと富山県自体のデカップリングのことも考えて、意欲的に米をつくらせていきたいと、こういうふうに思っておるわけであります。大分書いてありますが、省略しまして……。  厳しい財政、事業のあり方についてであります。  県営のらいちょうバレーをこのほど3月末で廃止しましたが、特に残された32億円の累積赤字については、県としては、自分のところで処理して、そのきれいになったものを富山市へやると、こう言っておるわけであります。だけど、これはだれの責任なんでしょうね。赤字が出たから、「おい、なら、県で払うてやんまいか」と。本来なら、やっぱり中沖さんに1億円ぐらい払ってもらうとか、前の出納長──ここでも責任がある人いっぱいおる。私もその一人でありますが。そういうことを踏まえて、行政機関がいろんな事業をやった尻またいをどうしていくかということも、本質的に考える時代が来たと思います。  また、富山市は、僕がこの前県の委員会で質問したあれが森君のところへ行ったのかどうか知りませんが、「おら、受けたことない」ということを最近言っていますね。検討して受けると。私は、富山市にやらせるんなら金でもつけてやって、「あと、お願いします」というのが基本的な考え方だと思うんですよ。  しかしながら、去年1年間、ことしの春までやって1億1,000万の赤字なんですよ。それを今度は富山市へかつけたら──企業局ではどういうことを言うかというと、1億1,000万は償却費が入って1億1,000万。だから、今度は、財産はゼロにしてあげるんだから、償却はないからもうかるというような発想があるわけでありますが、これもナンセンスな話なんですね。償却なくて新しいものができると思いますか、継続できると思いますか。役所はつくっても償却することないと言いますが、少なくても県民や市民の金を集めて事業をする場合は、永遠にそのものが続くような償却というものを考えながらやっていってもらいたいと、こういうふうに思っておりますので、県知事もそのへん、補助金をひとつ富山市にがっぽり出していただくことをお願いをしたいと思います。  次は、住民の税金負担を含めて、三位一体という言葉がよくあるわけでありますが、だけど、最後は役所のだれ一人──それは所得税に応じて払いますが、一番大事な納税者を入れずに三位一体で好きなことをやられては困る。少なくとも四位一体が日本の政治の基本にならなきゃならないと、私はそう思うわけであります。  最後にもう1つ言っておきますが、県営スキー場で、今110万人の県民で負担するんですね。これが償却をしたわ、何や言うて、富山市は42万人、俗にいう今までの3倍の負担を担がなきゃならない。こんなことがあってもいいんでしょうか、皆さん。だから、やめるものは思い切ってやめると。10年間やって、合わんにゃやめんまいかという話は無意味なものでありますから、こういうことを含めて頑張ってもらいたいと。企業局、頼むぜ。  次は、最近、全国的に知事の退職金が問題になりました。3月議会で、中沖さんの退職金規定がなかったということで、だれが気を回したか知りませんよ、新しい県知事に対する退職金制度を決めました。これは、1期務めると4,000万払うというような決め方でありました。  これは、中沖さんが6期やりまして2億7,000万もらったわけでありますが、これに及ばぬどころか、それ以上とは言いませんが、それに匹敵する退職金が、今度石井さんがやめられたときに当たるんですよ。確かににっこりしていますよ、知事のほうは。県議会の皆さん方は退職金が一銭もないですね。だけど、県知事だって、一生懸命やった者にみんなで退職金として払うことに考え方を変えるべきだろうと、こういうふうに思っておるわけでありますので、どうかまた、これからも──役所自体があまり県知事の機嫌をとるがに、執行部、植出さん、勝手につくるなよ、いいか。  次に、医療費助成のあり方懇談会でまとめられた中間整理では、65歳以上の重中度障害のある高齢者の自己負担率が1割増えるということになるそうであります。この制度を受け入れている県は、全国で今のところ10県、富山県を入れて11県になるだろうと思っています。何も、年寄りがやっとかっとおるがに、むち打って、銭払えという、まさかおれんとこの知事はそんなこと考えたことないと思うわ。だれじゃい、そういうこと考えたやつは。だから、こういうことなど、本気になって一般大衆、県民のために頑張ってもらいたいと。知事、この案は引っ込められたらどうですか。頼んますよ。あんまり言うたらしかられるから、このへんでやめておかんならんと思うんですが……。  一番今心配している問題が一つあるわけであります。私は先週の金曜日、東京から2時55分の飛行機に乗ってきました。そのときに、外国の飛行機が2台入って、国内便が2台入って、4台駐留しておりました。飛行機は混雑のためおりれないということで、1時間ほど上で回っていました。これは何かあると大変な事故になるということを私は心配しているわけでありまして、こういうことも、格好だけつけて国際便だ、国際便だと、川の中へつくった小っちゃい飛行場に外国の飛行機をだわだわおろさんならんと。この発想も──石井知事は初めはそうでなかったがやぞ。そんなことやらんでもいいと頑張っておったが、どこからどう間違ったか知らんけど、最近頑張って、私もおかげで協力させてもらった。農業団体でも350人以上出したし、今度は建設会社に行け言うてせめておるそうでありますが、こういうことがないようにひとつよろしく指導してもらいたいと、こういうふうに思っておるわけであります。  特に、知事の言う、何でも有識者だとか学識経験者で委員会をつくって、その人が言うたから、議会の皆さん方、あんた聞きなさいというやり方は、これは中曽根君が始めた手法であります。大将は少数派だったもんだから、国会議員をいためるために、東大の何々がいるだとか、こういうことで委員会をつくりましたが、この委員会制度というのは、東京で言われているのは、閣議と一緒だというんですよ。なぜかというと、総理が出てきて「おい、どうなっとるか」と言ったら、だれも反対する者がいなくて、当局の提案をそのまま飲み込んでシャン、シャンだというのが、その委員会の制度だと。  また、有識者だとか学識経験者というのは、おらよくわからんが。医者が有識者なら、医者の有識は何だろうと。盲腸を切るのがうまいとか、頭の中を掃除するのがうまいのが医者の腕なんですよね。  また、学校の先生は物を教えることがうまいといったって、きのう私はテレビを見てがっかりしたの。サッカーをやっておって、あのクロアチアやら何やらという国の選手は、「君が代」を歌っているとき、みんな胸のところに手を当ててやっておる。日本人でやっておった選手は三都主だけ。三都主はもともと日本人でないんだ。その人間が日本国民を代表して、胸に手を当てて「君が代」を歌っていると。これは大事な問題だろうと思います。
     あとのこと、まだでかいとあるがだけど、最後に嫌な話で、もう時間がないんでありますが…… 29 ◯副議長(酒井眞次君)制限時間です。 30 ◯37番(江西甚昇君)ああ、わかった。  警察の駐車場の問題について、県警のほうから御返事をいただきたいと思います。  全部読めんだが、これで終わっておけばいいがでないがか。  これで終わります。 31 ◯副議長(酒井眞次君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 32 ◯知事(石井隆一君)江西議員の御質問にお答えしたいと思いますが、いろいろなお話がございましたので、基本的な事項につきましては私から、その他の事項については担当部長からお答えを申し上げたいと思います。  まず、国の農業政策をどう認識して、県としてどのように対処していくのかという御質問にお答え申し上げます。  現在交渉が行われておりますWTO農業交渉におきましては、我が国は、御承知と思いますが、関税削減率の抑制、上限関税の導入反対などを主張しているわけですが、これは本当に交渉が難航しているわけでありまして、この結果いかんでは、我が国の農業、また社会経済全体に大きな影響を及ぼすと懸念いたしております。また、この結果は、兼業農家が多くて稲作を中心とする本県農業にとっても大変大きな影響がありますので、県としても、先般の国に対する重点事項要望、あるいは全国知事会などを通じまして、できるだけ我が国の主張が通るように、強い姿勢で交渉していただくように要請をしております。  こうした中で、御承知のように、国においては担い手への支援の集中化、重点化を図るということで、6月14日に担い手経営安定新法というものを成立させたわけであります。これは、従来すべての農業者を対象に、米、大豆、麦など品目ごとに一律に講じておりました価格政策を、米とか麦とか大豆、バレイショといったようなものを、品目横断的に経営安定対策による担い手への所得政策に移行するというふうに、これまでの国の農業政策を大きく転換するものだと考えております。  また、これにあわせて農地などの保全活動を支援しなくちゃいけないということで、農地・水・環境保全対策の導入。それから、過剰傾向にあります米の需給調整を行う米政策改革推進対策の見直しも行われることになっております。  そこで、国に対しては、御承知のように、なるべく本県の実態に合うようなものにしていただきたいということで、品目横断的経営安定対策では、この集落営農組織の対象範囲をできるだけ緩和してもらったり、また中山間地域ではさらにその要件を緩和してもらったというふうにしていただいておりますし、また、農地・水・環境保全対策はモデル地区での実証検討──これは今年度10地区で県内でやりますが、この検討を踏まえて地域の実態に合った対策になるように。また、米政策については、19年産米の生産目標数量の情報提供に当たりまして、生産調整をしっかり本県のようにまじめにやっているところ、また米の需給実績を反映してほしいといったような提案をしております。  こうした提案も国にお願いし、また働きかけしながら、本年度は担い手育成のための緊急対策事業などを行いまして、1つは3ヘクタール程度ぐらいしかないという担い手を、何とか4ヘクタール以上になってもらうように経営規模の拡大を図ろうと。また、営農組織の組織化なり法人化を図ろうと。また、売れる米づくりをやろうといったようなことで支援を強化しているところであります。  農業は──釈迦に説法になりますが、県民の命と暮らしを支えるものでありますので、いろいろ厳しい状況もありますが、県内では若い農業者が意欲を持って取り組んでいる地域もあります。この間も入善町に行きまして、若い農業者の方といろいろお話ししたんですが、お聞きしますと、認定農業者が73人、平均の規模が20ヘクタールということでありまして、なかなか頑張っている皆さんがいるなと思って非常に心強く思ったわけですが、そういう熱心な皆さんが希望を持って対応できるように、県も一生懸命努力いたしますし、また議員各位にもひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。  次に、県営スキー場の累積欠損金32億円について、県としてどう考えているのかという御質問でございます。  県営スキー場につきましては、県議会でもいろいろ厳しい御議論もいただきました。また、県行政改革推進会議の提言もいただいて、本年3月末をもって事業を廃止したところでありまして、その後の取り扱いについて、現在、富山市とスキー場移管に関する協議や地元交渉を進めているところでございます。  先ごろまとまった公営企業会計の17年度決算では、おっしゃるように、県営スキー場の累積欠損金約32億円となっております。こうした多額の累積欠損を抱えるに至りました要因としましては、昭和60年以降、レジャーの多様化によって、もともとスキー人口も減少してまいりましたし、また県西部でも相次いで本格的なスキー場が開設されたとかいろんなことがありまして、スキー場開設当時に考えていたよりは入り込み客数が大幅に減少したとか、あるいは地域振興ということで、レストランとか飲食店とかホテル、こういった宿泊部門は地元の民間事業者の方の経営にお願いをしたと、ゆだねたと。さらには、スキー場設備の投資のすべてを借入金で賄いましたので、金利負担が重かったといったようなことだと考えておるわけであります。  この32億円の累積欠損金は、企業局で負担処理するのが原則だとは思いますけれども、約30年間の長きにわたりまして、県営スキー場が県のプロジェクトである立山山麓開発の一環として取り組まれて、観光拠点開発とか地域振興に寄与してきたこと。また、本県における本格的なスキー場として県民の冬季スポーツの振興と競技力向上に貢献してきたこと。また、グリーンシーズンで多様な野外活動機会を提供するために、採算の面でいいますと、いろいろ議論のありますゴンドラリフトの通年運行を行ってきたといったようなことも踏まえまして、今後具体的な処理方法について十分検討してまいりたいと思っております。  次に、医療費助成制度のあり方懇談会の中間整理で、障害のある高齢者の分野の一部で自己負担が増えることをどう考えているかという点でありますけれども、このあり方懇談会ではこれまで6回の会議が開催されまして、その間、県民の皆さん、各界の皆さんの意見聴取を行いながら、少子高齢化も進むといったような社会経済情勢の変化なり、そもそも医療費助成制度をつくったときの趣旨、その後の推移、今の県の状況、それから他県はどうしているかといったようなこと。また、例えば所得制限について言いますと、こういう時代ですから、県民の皆さんの間の経済的な公平制度を確保したらいいのか、あるいは支給方法のあり方については受給者の方のコスト意識をどう喚起するか、と同時に利便性をどうするかとか、いろんな観点から幅広い議論が行われまして、今後のあり方について中間的整理が先般行われたところであります。  御質問は、65歳以上の重中度障害者の分野について、重中度心身障害者の保健の向上、あるいは福祉の増進を図るということから、あり方懇談会では、この点についての県単独の医療費助成制度は継続すべきだとされております。ただ、現在のこの制度は、国の制度での本来の自己負担が、一般の所得者は1割、現役並みの収入のある所得者については2割となっておりますが、一般所得者について1割、また現役並み所得者2割を助成して、結果として患者負担を無料にしているわけであります。  そこで、このあり方懇談会では、今回、この部分の県単医療費助成制度は継続すべきだけれども、今般の国の医療制度改革に伴って、本年10月から現役並み所得者については、本来の自己負担が2割から3割に引き上げられるが、国の医療制度改革というのは、その趣旨は、現役並みの所得のある方はそれにふさわしい相応の負担を求めていいんじゃないかということが基本的な考え方でありますので、そういたしますと、県単独医療費助成制度への影響も踏まえた適切な対応がやっぱり県としても必要だろうと。そうすると、これまでの助成割合は従来どおり2割ということにして、引き上げられる1割部分は患者に持っていただいたらどうかと、こういう案になっているわけであります。  そんなことでありますけれども、いろいろこのことについては県民の皆さんの幅広い御意見をお聞きする必要があると考えまして、現在、パブリックコメントを実施しております。今後、県議会での御議論、また7月ごろに予定されております中間報告なり報告を踏まえまして、市町村とも十分相談しなきゃいけませんし、また県民の皆さんの声に耳を傾けて、医療費助成制度の適切なあり方について十分検討して取り組んでいきたいと思っております。  最後に、県の将来を決める重要な案件について、懇談会等からの提言で決定されていく傾向にあるが、どうなんだという御質問にお答えいたしたいと思います。  懇談会とか委員会とか、いわゆる審議会は、特定の重要事項について調査審議していただく、また行政への専門的、あるいは高度な知識や経験の導入とか、できるだけ幅広い各界各層の皆さんの意見を反映するということで、道理にかなった公正、透明な行政を実現する上で重要な役割を果たしていると思っております。  ただ、そのためには、審議会の委員について、その機能が十分発揮されますように、各界の代表者、学識経験者のほかに、幅広い分野からいろんな分野の人をできるだけ選任するということと、県民の皆さんの県政への参画を促進するという観点から、できるだけ公募制も導入するということで、今も全体29の審議会で公募委員が38人というようなことになっているわけであります。  議員の御指摘は、委員会等の提言で既成事実をつくって決定するんじゃないかというような御指摘だったかと思いますが、委員からもちろんいろんな御意見をいただいて提言を審議会等でおまとめになるわけですから、もちろんその提言等はできるだけ活用し、尊重したいと思っているんですけれども、お話にありましたように、最終的に県政の運営に責任を持ちますのは、県民の皆さんから選挙で選ばれました知事である私自身と、またこの議場にいらっしゃる、それぞれ県民の代表でいらっしゃる県議会議員の各位であると考えております。そういうことで、今後とも、県政の重要な事項については県議会で十分御議論いただきたいと考えておりますので、議員各位の御理解、また御指導を賜りたいと、こういうふうに考えております。  以上でございます。 33 ◯副議長(酒井眞次君)寺林農林水産部長。    〔農林水産部長寺林 敏君登壇〕 34 ◯農林水産部長(寺林 敏君)農業問題についてのうち、県では水田の集約化や農業の担い手対策などを進めてきているが、どういう考えのもとで取り組んでいるのか。また、実際にどのような効果があったと考えるかとの御質問にお答えいたします。  国においては、経営感覚にすぐれた農業経営を中心とした生産構造の確立に向けて、担い手への支援の集中化、重点化を図ることとしております。  本県といたしましても、その農業政策の基本方向に即して、認定農業者の育成とその経営規模の拡大を図っていくことが基本であると考えております。しかしながら、認定農業者等のプロ農家が見当たらない地域もありますので、こうした地域では集落営農の組織化を進めること、また集落営農が定着している地域にあっては、それを協業化、法人化へと体質強化し、さらには組織の経営を担う後継者を育成していくことが必要であると考えております。  このため、これまで、認定農業者等への農地集積に対する支援、また認定農業者の規模拡大や集落営農の組織化に必要な農業機械、施設整備への支援、さらに集落営農の協業化や法人化への取り組みの支援など、担い手の育成に向けたソフト、ハード両面にわたる支援策を行ってきたところであり、平成18年3月末現在、認定農業者は1,037、集落営農組織は478が育成されているところであります。これらの担い手については、100ヘクタールを超える受託組織や集落営農法人が存在するなど、担い手への農地、農作業の集積が進むことにより生産コストの低減が図られており、これらの点において一定の成果が得られたものと思っております。  また、昨年10月に品目横断的経営安定対策が決定され、その対象となる要件が示されたところでありますが、本県においては、担い手がいない地域が依然としてあること、あるいは経営面積が面積要件にあと一歩の農業者がいること、さらに法人化計画などの要件を満たさない集落営農組織が少なからずあることなどから、これまでの担い手育成対策に加え、平成18年度には、あと一歩で対象となる農業者を重点とした農業経営体育成緊急対策事業を実施するなど、ソフト、ハード両面の支援を積極的に展開しているところであります。  一方、農業環境が不利でどうしても担い手が育成できない地域においては、農協などが出資する生産法人などが担い手としての役割を発揮する必要があると考えていることから、これらに対する支援についても展開してまいりたいと思っております。  いずれにしても、本県農業の振興を図るためには、品目横断的経営安定対策の対象となる担い手を少しでも多く育成することが必要であると思っており、市町村、農協など関係機関と一体となって取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 35 ◯副議長(酒井眞次君)棚瀬企業局長。    〔企業局長棚瀬佳明君登壇〕 36 ◯企業局長(棚瀬佳明君)厳しい財政状況下での事業等のあり方についてのうち、赤字のスキー場を市へ移管した場合に採算が合うのかとの御質問にお答えをいたします。  県営スキー場につきましては、先ほど知事からお答えしたように、多額の累積欠損金を抱えていること、それから県議会における厳しい御議論や県行政改革推進会議からの提言があること、こうしたことを踏まえまして、本年3月末をもって県営としての事業を廃止したところでございます。  県営スキー場の廃止後の取り扱いにつきましては、昨年来、富山市と実務協議を進めてきておりますが、この中では、移管後の経営存続のために必要となる条件として、1つにはリフト、駅舎等の施設の無償譲渡、それから既存債務の県負担、それから専門家等による索道施設調査などを踏まえた施設整備に要する費用の県負担などにつきまして協議をしてきておるところでございます。  なお、施設の整備費につきましては、施設の古いもので30年を経過しておりますので、特に人を輸送するということで、安全面での十分な配慮が必要であるということで整備の検討をしておるところでございます。  また、富山市からの要請によりまして、私どものほうで地権者と地代の引き下げ、それから借地終了後の植林条項を引き継がないこと、それから10年目以降は当然に契約更新されるものではないこと、この3点につきまして地権者との合意の取りつけに今努めておるところでございます。  これまでの富山市との協議の中では、今後10年間の経営収支について検討しておるわけでございますけども、先ほど申しました施設の無償譲渡、それから施設の整備費の県負担、こういうことによりまして資産の取得費や整備費がかからない。また、富山市も、10年以降は当然に更新されるものではないということでございますので、この10年を考えますと、減価償却の負担を考える必要がなく、また修繕費も軽減されること。2つには、既存債務の県負担により、これに係る支払い利息の負担がないこと。3つには、隣接スキー場との一体的経営により、効率化によりまして人件費等の軽減が見込まれること。それから、地元協力によりまして、土地賃借料がこれまでより約3割軽減されることなどによりまして、当然に経営努力は必要ではございますが、多額の赤字を出さざるを得なかった私ども企業局の時代に比べまして大幅な経費節減が可能となり、安定した経営が見込まれるものと考えておるところでございます。  引き続きまして、スキー場の円滑な移管に向けて富山市と十分協議しますとともに、地元調整にも努力をしてまいりたいと、こんなふうに考えております。 37 ◯副議長(酒井眞次君)植出経営管理部長。    〔経営管理部長植出耕一君登壇〕 38 ◯経営管理部長(植出耕一君)本県の知事の退職手当額についてどう考えているのかというふうな御質問でございます。  退職手当につきましては、地方自治法におきまして、一般職であるか特別職であるかを問わず、条例によりまして常勤の職員に支給することができるものとされております。  本県では、特別職につきまして、昨年6月県議会定例会におきまして、富山県知事等退職手当支給条例を定めたところでございます。当該条例におきまして、知事の退職手当額は、他のすべての都道府県と同様に、退職時給料月額に在職月数と支給割合を乗じて算定する方式になったところでございます。その支給割合は、厳しい財政状況にかんがみまして、全国平均であります70%よりも低い65%としたところでありまして、本県の知事の退職手当額は全国的には低い水準にあるのではないかと考えております。  いずれにいたしましても、知事の退職手当は住民の税により賄われておりますことから、住民の理解と納得が得られるようなものでなければならないというふうに考えておりまして、今後も社会経済情勢や他の都道府県の状況を見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。 39 ◯副議長(酒井眞次君)埴生土木部長。    〔土木部長埴生雅章君登壇〕 40 ◯土木部長(埴生雅章君)富山空港につきまして、飛行機の到着が重なったりするので、空港の安全について心配をしているが、問題はないのかとの趣旨の御質問にお答えをいたしたいと思います。  富山空港につきましては、発着枠が最大で15便であるということ、それから河川敷空港のために滑走路の延長ができないということ、駐機スポットが5機分しか確保できないといったようなことなどいろいろな制約がございます。県といたしましては、こうした制約のある中で、新たな定期路線の開設などに取り組んできているところでございまして、現在、国内定期便は東京、札幌、福岡の3路線、国際定期便はソウル、ウラジオストク、大連、上海の4路線が就航するなど、富山空港は地方拠点空港として着実な発展を遂げてきていると思っております。  昨年度の富山空港の運航状況を見ますと、定期便の就航は1日当たり10便から13便となっておりまして、チャーター便につきましては1日15便という発着枠の中で就航してもらっているところでございまして、昨年度は計241便就航しているという状況でございます。  それから、今年度からは東京便の大型機の就航が増えまして、国際定期便も各路線増便されたところでありまして、具体的に申し上げますと、大連便と上海便が駐機している昼ごろの時間帯に東京便のボーイング777が到着することがございまして、到着してからの駐機場内の安全を確保するというふうなことで、通常は自走により駐機するところを駐機位置まで牽引するということで、駐機スポットの効率的な運用に努めるなどの工夫をしているところでございます。  運航管理の面につきましては、平成17年10月に、飛行場管制業務のための航空管制官が配置されたことによりまして、富山空港に離着陸する航空機に対し、離着陸の順序、時機、方法などを指示できるようになりましたので、より安全性が高まったものと考えております。  このようにいろいろな制約がある中ではございますけれども、今申し上げましたような工夫とか努力を重ねてきているところでございまして、県といたしましては、今後とも、安全で利用者に親しまれる空港となりますよう機能の強化に努めてまいりたいと考えております。 41 ◯副議長(酒井眞次君)安村警察本部長。    〔警察本部長安村隆司君登壇〕 42 ◯警察本部長(安村隆司君)お答えいたします。  警察は駐車違反について御検討をという御質問でございましたが、民間の駐車監視員による取り締まりがスタートし、本県では富山中央警察署管内に2名を配置しているが、民間監視員導入の意義と本県における配置の考え方について問う。郵便局車両は特例扱いとなっており、不公平感が生まれているという御趣旨であろうというふうに理解をいたしまして、御答弁申し上げます。  ことし6月1日から民間の駐車監視員の導入、車の使用者などを対象とした放置違反金制度の導入、放置違反金不納付者に対する車検拒否などを内容とする新たな駐車対策法制が施行されたところでございます。このうち、民間の駐車監視員の導入については警察が現在持っている人員だけでは駐車違反取り締まりにおのずと限界があり、民間の力を活用することで取り締まりを確保しようということで、意義あるものと考えているところでございます。  富山中央署管内ですけれども、現在2人1組の駐車監視員を配置いたしまして、ガイドラインで示す取り締まり重点地区において公平かつ適正にステッカーの取りつけ業務等に当たっているところでございます。  この考え方ですけれども、中央署の管内で過去5年間の110番等による駐車取り締まりの要望苦情件数が年平均438件ということで、県下全体の約65%を占めた等の駐車実態がございますので、そういうことを総合的に勘案して、配置を決定したところでございます。 43 ◯副議長(酒井眞次君)江西甚昇君。    〔37番江西甚昇君登壇〕 44 ◯37番(江西甚昇君)飛行場の問題でありますが、最近、777が海上からダイレクトで着陸するより、山側を回って着陸するのが、7・3ぐらいの割合で山側を回っているんですね。これはなぜかというと、777は大変重くて滑走距離が長いと。あこに高速道路があるから、あこの高さを維持しなきゃならないということで、着陸速度を高めておりるから向こうを回りなさいというのが、裏の話かどうか知りませんが、そういうふうに言っておる人もおるわけでありますので、その点は国際便として、特に外人のパイロットは、富山空港はおりにくいと。安心しておりれるような、そういう空港にしてもらいたいということを言っていますので、何か直す方法がないか、ひとつよく考えてもらいたいと思っております。  次は、先ほど企業局長が、富山市へやったら10年間やれと。合わんもんを10年間やらせるということは、とてもじゃないけど大変な話であります。こういう発想は、県より弱い市町村に圧力をかけてやらせるというような感覚を受けるわけでありますが、この点について県知事のほうから、合わんもん、やめりゃいいねかと。何か土地所有者の問題などで県が苦慮しておるようでありますが、すっきりしないと、いくらたっても行政は甘さがあるということで、私は頑張ってほしいと。すっきりやったほうが私いいと思います。  それと、先ほどから、大分非難ごうごうとはいきませんだが、本部長が少し文句を言われて、私小さい声で言うたら、あんたの耳に入ったから答えてくれたもんだと、こういうふうに思っていますので、大変感謝をしておるわけであります。  それでもう1つだけ言っておきたいのは、今三国人というか、ソ連、パキスタン、それが小杉だとか富山市の呉羽地域に販売所を設置していますが、そこにはいい車は入れても、壊れた車は路上駐車をしているという問題を始終地元が言い続けております。ひとつ何とかしてくれということで、大変県警には協力をしてもらって、どかすたんびに、3日たったらもとのもくあみでありますので、このへんも考えて何か、本部長、頑張って政策を考えてもらいたいと、こういうふうに思います。本当に農道にまるっきり並べたら、農業車も入れないというのが実態でありますので、こういうことを含めてひとつ県警も頑張っていただくようにお願いをして、再質問を終わらせてもらいます。 45 ◯副議長(酒井眞次君)埴生土木部長。    〔土木部長埴生雅章君登壇〕 46 ◯土木部長(埴生雅章君)富山空港に関する再質問にお答えをいたしたいと思います。  777が山側から回っておりるという点につきましては、私は風向の問題でないかというふうに理解をしておりますけども、なお調査をしてみたいというふうに思っております。  それから、外国のパイロットから見ましておりにくい空港であるという指摘があるというふうなことでございますけども、富山空港につきましては、確かに河川敷空港でございまして、滑走路を延長できないというふうなこととか、先ほどからも申し上げておりますが、着陸帯の幅も限定されているというふうなことで、いわゆる計器飛行といいますか、ILS(計器着陸装置)を導入できないというふうな制約があるわけでございます。  しかしながら、これまで簡易式進入灯でありますとか進入路指示灯とか、そういうふうなものも整備をいたしまして、また先ほど申しましたような航空管制官の配置といったようなことで、安全性の向上にも努めてきているところでございます。  なお、滑走路に進入しようと上空から近づきましたときに、鉄塔でございますとか、あるいは橋でございますとか、そういう物理的な障害物もあることは事実でございまして、着陸条件が厳しい空港であるというふうなことは事実であろうかというふうに思っております。しかしながら、今後とも、富山空港の安全面の向上、そしてまた特に冬期間における着陸の率の向上というふうなことも含めまして、十分研究をしてまいりたいというふうに思っております。 47 ◯副議長(酒井眞次君)棚瀬企業局長。    〔企業局長棚瀬佳明君登壇〕 48 ◯企業局長(棚瀬佳明君)県営スキー場につきまして完全に廃止すべきでないかと、こういう御質問であったかと思います。  県としては、先ほど申しましたように、この3月末をもって県営としてのスキー場事業を廃止することといたしたところでございますけれども、地元への影響も懸念されますことから、昨年来、地元であります富山市とスキー場の移管の可能性や、またそのための条件について率直に話し合ってきたところでございます。  現在、富山市の御理解を得まして、移管のための諸条件についていろいろ検討協議を進めますとともに、また富山市の要請も受けまして、地代の引き下げなどについての地元へのお願いも私どもでしておるところでございます。  そういうことで、議員御指摘のように、圧力をかけたというふうなことは決してございませんので、御理解をお願いしたいと思います。 49 ◯副議長(酒井眞次君)高野行雄君。    〔18番高野行雄君登壇〕 50 ◯18番(高野行雄君)くしくも、酒井副議長のもとで質問させていただくわけでありますが、我々は高校生のときに2年間同級生でありました。高校のとき、また学校での成績と逆の立場になりましたが、これから幾つか質問させていただきたいと思います。  まず、エネルギー問題についてお尋ねいたします。  今、原油高騰により、いろんなところに影響が出ているわけであります。産業活動はもとより一般家庭にも直撃し、車の乗り控えなどしなければならない状況です。漁業などは出漁を見合わせるなど、深刻な状態であります。この趨勢は、中国、インドの近代化などにより需給のバランスが崩れ、また国際政治の不安定化など、複数の要因が絡み合って生じたものであり、長期化すると言われております。  我が国の経済活動のまさに根幹であるエネルギーの自給率は4%にすぎず、世界の先進国では最悪であります。ちなみにフランスは五十数%、ドイツは40%であります。食料自給率も低いわけでありますが、まだこれには国民は関心を持ち、努力をしているところであります。  例えば発電の方法において、油は現状のように価格が変動的であり、二酸化炭素を排出することで環境に悪影響を与えると言われています。また、最も効率のいい原子力は、運用の安全性などにおいてアレルギーな意見もあります。水力発電においても、クリーンなエネルギーでありますが、環境破壊や建設に多額の資金が必要とされ、またダム建設にも一方的な反対意見が根強く、新しいダムの建設は厳しい状況であります。水素のような化学エネルギーは、まだまだ現実的ではないわけであります。  しかし、エネルギー問題を解決しないとすべての活動がとまり、国は滅びてしまいます。このような重要な問題の全体像を見ないで、一部の突出した意見がまかり通っている現状であります。これは本来、国が早急に取り組んでいかねばならないわけでありますが、県においても真剣に考えていかねばならない課題であります。知事は今後のエネルギー問題をどう考え、どのように進めていくべきか、御所見をお尋ねいたします。  本県においても、現在、新たに大規模なダム建設などは難しいところであります。しかし、可能な限りエネルギーを確保していく努力をしていかねばなりません。富山県は急流で、水量豊かな河川が多く、農業用水などを使った小規模発電の可能性は、岐阜県に次いで全国で2番目であります。この小水力発電は、環境にもやさしく、太陽光や風力発電のように自然に左右されることなく、安定した発電が期待できます。また、新エネルギー発電の一定量を電力会社が買い取らねばならないRPS法では、1,000キロワット以下の小水力発電も対象となったわけであります。しかし、水利権の調整やもろもろの許認可などの障壁があり、なかなか普及していかない現状であります。  しかし、ことし全国で初めて、県内で産学官における小水力推進協議会が発足しました。この時期を好機ととらえ、県民にその必要性などを広く啓蒙できるシンポジウムなどを展開していかねばならないと考えるわけであります。県のこの小水力発電の開発に対する考え方と取り組む姿勢について、あわせてお尋ねをいたします。  県内にこの適地は無数にあるわけであります。しかし、下流に影響がなくとも、多くの認可、規制があるわけであり、それらをクリアするには時間がかかり過ぎるわけであります。  そこで、細かい規制などを取り外して進めていくためにも、再度、富山県小水力発電特区を検討し、国に申請すべきと思うが、見解をお尋ねいたします。
     次に、こしのくに音楽祭についてお尋ねいたします。  富山県は、住みやすさ、生活の豊かさにおいては全国でも最も高いところに位置しています。文化ホールも各地区に整備されています。しかし、人間として真の豊かさを感じるためには、より高度な芸術などに身近に触れることができ、心、精神の充実を図れるということも必要であります。  しかし、他県と比べると、隣の石川県では故岩城宏之氏が結成したアンサンブル金沢というすばらしい室内オーケストラを持ち、また、長野の松本では毎年9月にサイトウキネンとして、小澤征爾が中心となり、世界から一流の演奏者が集い、音楽祭が催されるわけであります。本県は、ウイーン・フィルハーモニーオーケストラなどが来県したことがありましたが、必ずしもこの点で充実しているとは言いがたいわけであります。  ところが今度、立山で生涯を閉じた世界的なバイオリニスト、シモン・ゴールドベルクの崇高な精神を受け継いだこしのくに音楽祭が9月よりスタートすることになりました。  彼は、16歳で最も歴史のあるドレスデン・フィルのコンサートマスターに、そして19歳で、あの大指揮者フルトヴェングラーに招聘され、世界最高峰のベルリン・フィルのコンサートマスターとして、天才の名をほしいままに活躍してきました。しかし、ユダヤ系ということもあり、ナチから追放され、流転の人生を送ります。オランダやアメリカを経て、晩年は富山県の立山のホテルを拠点として、活動や研究に取り組むことになりました。彼の言葉をかりれば、2度日本人にとらわれの身となった。最初は、第二次世界大戦のときジャワ島で日本兵に。2度目は、愛妻となったピアニストの美代子夫人に。  そして、この音楽祭を機会に、ワシントンのスミソニアン博物館に眠っていた彼の愛器、まさにバイオリンの至宝と言われるバロン・ヴィッタを愛弟子ニコラス・キッチン氏に貸与し、その名器の音色をゆかりの地、立山博物館や富山市民プラザにおいてメモリアルコンサートとして開催します。そして、魚津の学びの森交流館などではメモリアルセミナーを開き、世界の一流音楽家の育成にと、多彩な催し物の音楽祭になるわけであります。これらの運営は、すべて地元の企業メセナとして行うわけであります。実行委員長の新木会長によれば、将来富山を世界の音楽のメッカ、ザルツブルクのように発信できる町にへと、大きな夢に向かっているわけであります。  シモン・ゴールドベルクの芸術の感性を知る上において、彼は花屋の切り花を見て、「これは本当の花の色ではない。ゴッホやセザンヌがこれを見て絵を描こうとは思わなかったはずだ」と言った。しかし、立山に住んでから、夫人と散歩によく出て行き、自然に咲いている花をこよなく愛し、観賞しました。そこにはみずみずしい、生命力に息づく自然の力強い息吹を感じとれることができると。彼のバイオリンの音は、今レコードを通してしか聞くことができないわけですが、その音色は生命の一瞬一瞬の尊さを凝縮した、まさに自然の力としての音の息づきと躍動の深さを感じることができます。  さて、知事は彼の音楽をレコードで聞いたことがおありですか。また、県民のより高い文化、芸術意識の向上を図っていくべき必要性をどのように考えておられるのか。また、毎年継続していく予定のこしのくに音楽祭の意義をどのように受けとめておられるのか、お尋ねをいたします。  また、県内での前代未聞のこの音楽祭に、国内外に大変な関心と期待が集まっています。この開催を成功に導き、「芸術富山」の名を発信しなければなりません。メセナとはいえ、県はどのようにかかわり、どう支援していくのか、知事にお尋ねいたします。  また、これを機に、名門ドレスデン・フィルが、2008年からゴールドベルクの名を冠する国際的なコンクールを開催することになりました。音楽を通しての国際交流も考えていくべきでありましょう。この音楽祭を通して、県内観光の活性化などに結びつくよう、より経済効果の期待できる取り組みを考えていかねばなりません。見解と対応をお尋ねいたします。  次に、県の行政の進め方についてお尋ねいたします。  財政厳しい中、行政改革の一環として、県の出先機関などの統廃合などについて検討していく必要があるのは十分理解できます。しかし、それを進めるに当たり、議会や地域の声を聞く前に、先に結論を出している傾向を強く感じるわけであります。  今も意見もありましたが、あり方懇談会や推進協議会などにおいて、有識者や専門家の意見を大所高所から聞いて参考にすることは必要であり、立派な意見や答申もあるわけであります。しかし、これによって県民すべての意見を集約する絶対的なものとして、これを県がまさに、行政を進める免罪符のようにしているようにも感じるわけであります。例えば厚生センターの支所の統合について、行革推進会議がこの議論をまだ始めていないにもかかわらず、結論を持って対象の地域に根回しをし始めているわけであります。  また、このような協議会の委員会メンバーに、直接関係する人や地域全体をわかり得る代表者が入っていないわけであります。どんなに立派な有識者でも、県内に住み、地域や現場を知らなければ、結論を出しづらいと思います。中坊公平さんは「現場に神宿る」と常に言っておられました。まさに地域の声を行政は真摯に受けとめていかねばならないわけであります。  知事は、国の今後の交付税のあり方についての経済財政諮問会議の民間議員などの意見や結論は、「地方の努力や現状を全く認識せず、都会での机上論」と厳しく非難されています。まさに、地方の声を無視した中央からの上意下達であります。しかし、県においても、地域や現場の関係者の意見を聞き、理解し反映しなければ、国の手法に対する県の憤りと同じように、県からの上意下達になるわけであります。このような状況にならないために、どのように対応しているのか。また、いろいろな懇談会や協議会に直接関係している方々の声、地域の意見をどのような形で反映させるのかお尋ねをいたします。  県庁内のイメージアップについて申し上げます。  一般の県民にとりましては、どうしても県庁は敷居が高く、応対も、一部の職員でありますが、いつも苦虫をかみつぶして、官尊民卑を地でいくような、無愛想で高慢に感じる役人の方もおられるわけであります。無論、にこにこして親切な役人も多いわけであります。特にこのひな壇に座っておられる方は、皆さん親切で、謙虚で頭が低く、さすが偉くなられる方は違うと、まさに頭の下がる思いであります。我々議員は地元において、選挙も近いこともあり、平身低頭であり、いつも腰を低くしており、電信柱にさえ頭を下げるこのごろであります。  役所、役人というのは、入り、話しづらいというイメージがつきまとっているせいもあるでしょう。しかし、県庁は県民への奉仕の拠点の場であります。特に出先機関は県民と接する機会が多いところでもあり、せめて部屋に来られる人にはやさしく声をかけるなどして、それを払拭し、県民に親切で、親しみやすい開かれた県庁を目指すべきと思います。それが石井県政のイメージアップに、また県民の県政への期待にもつながるわけであります。どのように考え、どう取り組まれるか御所見をお尋ねいたします。  先日、富山の中心商店街の火災において、知事が育った実家が被害に遭われたことに心からお見舞いを申し上げます。  昭和31年9月10日の台風の夜、魚津市において火災が発生し、中心商店街など町部1,600戸が焼失するという大火から、ちょうど今年で50年という節目の年を迎えたわけであります。  私は小学校低学年でありました。家も学校も焼け、今まで見ることができなかった海が、遮るものがなくなり、手が届くように近くに見えたことが強く印象に残っています。火災から数日後、クラスの仲間が遠く離れた公民館で集まっていると聞き、兄に連れて行ってもらいました。中に入ったら、担任の女先生が涙を流しながら、「行雄ちゃん、生きとったん」と抱きしめてくれました。今からは考えられないくらい情報もなく、悲惨なものでありました。復興には大変な時間と労力がかかり、学校再建にも2年半もかかりました。先人の血の出るような努力で復興することができた商店街も、今は空き店舗が目立ちます。  何はともあれ、中沖前知事が常に口にしていたように、「災害、火災は忘れないうちに必ずやってくる」と。魚津市はこの機会に、これを教訓として、記念的な行事と啓発活動を展開する予定であります。  そこで、県においても、この魚津大火復興50周年記念事業にどのように支援協力できるのか、知事政策室長にお尋ねをいたします。  また、特に最近の火災はひとり暮らしの老人の家庭や認知症のお年寄りのいる家庭などに多発し、火災による高齢者の死者が増加しています。女性消防団などはそのような家庭を巡回する活動を行っていますが、今後高齢化社会が進む中で、県も高齢者に対する防火啓蒙活動に取り組むべきと考えます。どのようにこの状況を受けとめ、どのような対策を立てていくのか、お尋ねをいたします。  また今度、消防防災課が経営管理部より離れ、知事政策室の消防・危機管理課となりました。その基本的なねらいとメリット、またとり行う課題などの違いはどのようなものか、お尋ねをいたします。  次に、全日本大学女子野球大会が、魚津の桃山球場を中心として8月に開催されます。これまた、ことし20年目の記念大会となるわけであります。洗足女子大学が閉校してからも、市民や企業の物心両面での協力と努力で、ここまで継続することができました。女子野球の甲子園あるいは神宮球場のように、あこがれの場としての大会であります。大変充実もしてきましたが、まだ県内全体としての盛り上がりが薄く、観客も少ない状況であります。他県から大会の場を誘致したいとの働きかけがあります。  しかし、ここで歴史をつくり、富山のよさを発信するためにも続けていかねばなりません。女子野球はクラブのところもありますが、大半はサークルであり、大学の援助もなかなかままならなく、選手にとれば、旅費、滞在費も大変です。早稲田、慶應のようにOBで激励会などを開いてくれるところもあります。そのためにも、それぞれの大学のOBなどに働きかけるなど、より広く知らしめていく必要があろうかと思います。県として、この20周年記念大会をどのように支援していくのか、見解をお尋ねいたします。  また、この記念大会に高円宮久子妃殿下が御来場されることになっています。知事にも、さらに盛り上げていただくためにも、開会式にはぜひ出席をしていただき、お二人で始球式をとり行ってほしいわけであります。どちらがピッチャーで、どちらがキャッチャーをするかは2人で話し合って決めていただきたいと思います。  地元が苦労しながら長く続けてきたこの大会を、知事としてどのように受けとめておられるのか、あわせて御見解をお尋ねいたしまして、質問を終わります。 51 ◯副議長(酒井眞次君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 52 ◯知事(石井隆一君)高野議員の御質問にお答えいたします。  まず、エネルギー問題についての御質問でございますが、御指摘のとおり、エネルギー問題は、21世紀における我が国の存立にかかわる国家的な問題でありまして、まずもって国においてしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。  国においては、昨今のエネルギー情勢に対処しますために、この5月末に新・国家エネルギー戦略というものを打ち出しておりまして、それによりますと、まずエネルギー安全保障の確立、またエネルギー問題と環境問題の一体的な解決による持続可能な成長基盤の確立、またアジア・世界のエネルギー問題克服への積極的貢献という3つの目標のもとに、利用効率の向上ですとか、エネルギー源の多様化・分散化、あるいは産油国やアジア諸国との関係強化、地球的規模の課題への貢献等による資源外交、あるいはエネルギー環境協力の総合的強化、また備蓄制度の機動力強化とかいったようなことを計画的に取り組んでいくこととされております。  こうした国の施策を総合的に、効果的に推進するためには、それは確かに国だけではなくて、地方自治体や民間企業も連携協力して施策を行うことが重要だと思っておりまして、県におきましても、地域の事情に応じた施策の推進、それから広報普及活動に努めております。  例えば新エネルギーの開発導入の促進につきましては、公共施設への率先導入、例えば平成15年には太閤山の県営住宅に太陽光発電を導入しておりますし、またこれは市町村ですけども、大門小学校等幾つかのところで太陽光発電をやっております。また、風力発電なんかについては、本年度入善町で下水処理施設として整備して、浄化センター電力として使用するといったような試みもされておりますし、高岡や富山でバイオディーゼル関係の事業も進んでおるわけであります。  県としましては、こういうふうに県、市町村ともにできるだけそういう努力をしますと同時に、そういった導入の事例とかあるいは国の補助制度等を紹介したパンフレットの作成配布、それからホームページを活用した普及啓発などを行っております。  また、省エネルギーの推進も大事でございまして、新県庁エコプランの策定とかISOの14001認証の取得ですとか、あるいは夏はできるだけ職員も軽装でいくとか、あるいは民間企業でも─これは企業名を挙げていいと思いますが、北電さんとかインテックさんとかいろんな企業、28事業所が随分努力していただいていますので、そういった企業の公表とかPRとか、エコライフスタイルを促進する啓発イベントをやっているわけであります。それから、来年3月竣工予定の県の警察学校については、これは国費をいただいて、太陽光発電の導入もやることにしておりますし、また今議員おっしゃったような情勢、おっしゃるとおりであります。中国、インドの台頭とかいろんなことがありますから、パンフレットの内容も見直して、新しいエネルギーの一層の普及啓発、また省エネルギーの推進、こういったことにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。  それから次に、こしのくに音楽祭についてのお尋ねでございます。  まず、シモン・ゴールドベルク氏のレコードを聞いたことがあるかという点ですが、おかげさまで、去る1月、シモン・ゴールドベルクさんの奥様でいらっしゃる山根美代子夫人にお目にかかることがございまして、ゴールドベルク氏の演奏によりますブラームスのバイオリン・ソナタのCDをいただきました。また、私はゴールドベルクさんのベートーヴェンとかドビュッシーなんかのバイオリン・ソナタのCDを何度かお聞きしておりますが、あくまで素人ですけど、非常に端正で、澄んだ透き通るような音色でありまして、やさしさもある。品格もある。ある批評家によりますと、非常に心のゆかしさを感じさせる演奏だと、こういうふうに言われておりまして、そのとおりだなと思った次第であります。  次に、県民の文化、芸術意識の向上の必要性についてでありますけれども、私どもは、人はやっぱり美しいものとか、真実なものとか、あるいは根源的なものに出会って深く感動する、あるいは感動したいという本質的な欲求を持った存在だと思っておりまして、そうした人間の本来的な欲求にこたえるのが芸術文化だと考えております。  加えまして、芸術文化を振興することは、心豊かで魅力ある地域づくりにもつながるものでありますので、県としても、現在、新世紀とやま文化振興計画──仮称ですけれども、この策定を進めますとともに、中長期の視点に立って、県民の文化芸術意識のさらなる向上等を図っていきたいと思っております。  今般のこしのくに音楽祭ですけれども、本年9月8日に立山博物館・遥望館での前夜祭を皮切りに、11月までコンサートとか出前演奏会とか、若手音楽家等々を育成するセミナーなど、非常に多彩な内容で開催していただけると聞いております。  県としましては、何といいましても、今お話があったとおりで、シモン・ゴールドベルクさんといえば大変な方でありますから、そういう方が立山を終焉の地として御縁のある方だということでありますので、このお方を記念してテーマとする音楽祭は大変うれしいことであります。また、ゴールドベルクさんの愛弟子である、さっきお話に出ましたニコラス・キッチンさん初めいろんな方々、国際的に活躍されているすぐれた演奏家が集まっていただける。また、この企画が、これは大変うれしいんですが、我々県の行政内部じゃなくて、むしろ民間の皆さんが非常に熱意を持って取り組んでいただいている。こういうことから、私は、これは民間主導の本県の新しい芸術文化の創造に向けた取り組みであると、非常に高く評価しているところであります。  県としましても、このこしのくに音楽祭を未来とやま戦略アクションプランの中に位置づけたいと考えておりますし、この音楽祭はまだ始まったばかりで、いろんな可能性を秘めていると思います。こういう芸術文化への情熱とか、高い志を持った民間の方々の自主的な取り組みをできるだけ支援していくということで、県内だけではなくて、首都圏などの他地域からも多くの人が集まるような音楽祭に発展する可能性もあると期待しておりまして、できるだけ支援をしていきたいと思っております。  それから、この音楽祭について具体的な支援をどうするのかというお話ですけれども、今申し上げたように、大変意義のある、また芸術文化振興というだけではなくて、地域振興にも資する取り組みだと考えております。  本年度の当初予算では、まだその時点では事業の詳細がよくわからなかったということもございまして、シモン・ゴールドベルク・メモリアル音楽振興ということで100万円計上して支援するということにしておるわけであります。  さらに、だんだん具体的になってまいりまして、コンサートの開催だけではなくて、美術館とか小学校とか身近な場所で出前演奏会をやってもらうと。例えば演奏家のボロメーオ・ストリング・クァルテット─このニコラス・キッチンさんがその一員なわけですが、そのほかに弦楽器の製作者として著名なマルコ・コッピアルディさんもいらっしゃると。それが立山町なり魚津市なり富山市などの小学校を訪問して演奏会等をやっていただけるということで、大変ありがたいことだと思います。  また、地域文化の担い手を育成するとやま文化塾の開催といったようないろんなプロジェクトがありますので、本年度に創設しました地域資源の魅力向上を支援するふるさと資源ブラッシュアップ事業、これは当初予算に計上させていただいておりますが、上限100万円、補助率3分の1となっていますが、こういった角度からの支援も──いろんな事業ありますので、検討してまいりたいと思っております。  今後とも、せっかくの音楽祭ですから、県の交流人口の拡大につながるように、「とやまマガジン」というのも今回近く発刊しようと思っていますが、そういったところにも載せまして、県内外にアピールしてまいりたいと思います。  最後に、全日本大学女子野球選手権大会を地元の努力で長く続けてきたが、どのように考えているか。また、開会式に出席してほしいという御質問にお答えいたしたいと思います。  この全日本大学女子野球選手権大会は、昭和56年以来のいろんな経緯があるわけですけれども、62年に全国大学女子軟式野球大会の名称で、第1回が魚津市で開催されたことが最初であります。その後、大会を陰から支えてこられた全日本大学女子野球連盟とか大会実行委員会、魚津市を初め関係の皆さんの御努力がいろいろあったと、今回改めて勉強してお聞きしまして、心から敬意を表したいと思います。こうした御努力の結果、大会は「マドンナたちの甲子園」ということで定着していると。  こうした実績で、平成14年に第8回女子野球ジャパンカップとか、16年は第4回の女子野球世界選手権大会が開催されたというようなことで、魚津市が名実ともに女子野球のメッカということで、全国的にも認知されていることは大変うれしいことであります。本年は記念すべき20回目の大会ということで、高円宮久子妃殿下の御臨席のもとに開催されるということであります。  今後とも、野球を愛する全国の女子大学生の目標となる大会として、末永く魚津市において開催されることを期待しております。  開会式への出席でありますけれども、出席の正式の御依頼をいただいたのは昨日ということなんだそうでありまして、ちょっとはっきりしたことは申し上げにくいんですけれども、前後の日程も調整しながら、できるだけ出席する方向で──ピッチャーかキャッチャーかというお話もありましたが、まだそこまでいきませんけど、とにかく出席の方向で、何とかならないか努力をいたしたいと思います。  以上でございます。 53 ◯副議長(酒井眞次君)藤木商工労働部長。    〔商工労働部長藤木俊光君登壇〕 54 ◯商工労働部長(藤木俊光君)エネルギー問題に関しまして、2点お答え申し上げます。  1点目は、小水力発電に関しての県の考え方と今後の取り組みという点でございます。  小水力発電を初めといたしました新エネルギーの導入の促進ということは、地球温暖化など環境問題への対応、また石油価格が高騰するなど、将来のエネルギーの安定供給の観点から極めて大切であると考えております。  一方で、新エネルギーに関しましては、現在の技術水準からすると、まだ発電コストが割高であるといったような点など解決すべき問題も多いところでありまして、県内では導入が可能なところから導入を進めていただくと同時に、今後の技術開発の進展ということも重要になってくるのではないかと考えております。  特にその中でも、議員御指摘の小水力発電に関しましては、本県は包蔵水力全国2位でありまして、また未開発の包蔵水力は全国5位ということでございまして、小水力発電は、太陽光発電や廃棄物発電などともに大変有望な新エネルギーの一つであると考えております。  県といたしましては、これまでも、小水力発電など新エネルギーの導入に関するパンフレット等を活用しまして、県民向けに普及啓発を図るとともに、県単独の新商品新事業創出公募事業に新エネルギー枠というものを設定いたしまして、産学官連携による技術開発などを進めているところでございます。また、具体的な事業計画等の御相談があれば、新エネルギー・産業技術総合開発機構等で助成事業を行っております。こうしたものが活用できますよう、さまざまな支援、助言などを行っているところでございます。  議員から御紹介ございました富山県小水力利用推進協議会は、本年の2月に設立されたところでありまして、これを機会として、小水力発電など新エネルギー導入の取り組みの機運が一層高まることを期待しているところでございます。県といたしましても、シンポジウムの開催など、新エネルギーの普及促進について、この協議会やNEDOなど関係機関と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  2点目でございますが、こうした小水力発電を進めていく上で多くの認可、規制があり、特区ということを検討すべきではないかという御質問でございます。  議員から御紹介ありましたように、小水力発電を推進するための構造改革特区につきましては、平成16年6月に、農業用水を利用した水力発電を推進する内容のふるさと創造小水力発電プランということで、発電水利権取得に係る規制の緩和などを提案したところでございます。ただ残念ながら、こうした許可手続に関しましては、新たに行う発電用の取水が、既に取水している利用者や河川流量に与える影響を把握する必要があるということで、緩和できないということで特区認定に至らなかったと、こういう経緯があるわけであります。  しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、小水力発電は本県の新エネルギー分野において潜在的な可能性を秘めたエネルギー源でございまして、まさに本年2月に設立されました富山県小水力利用推進協議会を初めといたしました産学官の連携を図りながら、こうした小水力発電など、こうしたものの活用推進ということに向けまして、さまざまな規制の問題も含めて研究、検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 55 ◯副議長(酒井眞次君)荻澤知事政策室長。    〔知事政策室長荻澤 滋君登壇〕 56 ◯知事政策室長(荻澤 滋君)まず、こしのくに音楽祭でございますけれども、この音楽祭におきましては、コンサートだけではなくて、若手演奏家の育成を目的としたワークショップでございますとか、アートコーディネーターを目指す学生を対象にした講座なども予定されておりまして、県外からも多くの方が来ていただけるものというふうに期待しているところでございます。  議員のほうから御指摘いただきましたとおり、このような機会をさらに県内の観光振興に幅広く結びつけまして、地域の活性化に活用していくことが重要であるというふうに考えております。このためには、県外からの多くの方々の来県に合わせまして、新たな広域観光ルートを提供することや受け入れ態勢の整備に取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。  県といたしましては、本年度、交流人口の拡大、半定住の促進を目的といたしまして、本県が有する豊かな自然、歴史、文化などを素材といたしまして、富山の魅力を体験していただくモニターツアーなどを行うときどき富山県民推進事業というのを計画しておりますけれども、今後、この事業におきましても、こしのくに音楽祭を組み込んだ滞在型ツアーを企画していきたいというふうに考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、こしのくに音楽祭が本県の芸術文化の振興だけではなくて、交流人口の拡大を通じた観光振興など経済効果面にも寄与するよう、できる限り取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、魚津大火の50周年を迎えての防火活動についてのお尋ねでございます。  魚津大火は昭和31年9月10日に発生いたしまして、焼損棟数が1,677棟という本県では戦後最大の火災被害となったところでございます。御紹介ございましたとおり、魚津市におかれましては、この復興50周年記念事業といたしまして、本年9月9日に記念式典、フォーラム、また9月10日には総合防災訓練を開催する予定であるというふうに伺っているところでございます。  県といたしましても、これを機に総合防災訓練を実施していただきますことは大変時宜にかなったことだというふうに考えておりまして、従来から市町村の総合防災訓練、消防防災ヘリコプターの出動など支援しているところでございますけれども、今回は新たに、総合防災情報システムによる情報収集・伝達訓練への参加、またヘリコプターテレビ電送システムによる画像伝送、また自主防災組織による高齢者等の避難支援訓練に対する助言、交通規制訓練への協力などを実施し、できるだけ総合的な支援協力を行っていきたいというふうに考えております。  また、自主防災組織のリーダー等を対象とした研修会でございますけれども、今年度は9月中旬に魚津市において開催いたします。これは日本防火協会と共催で、大体70名程度の参加を見込む比較的大きな研修会でございますけれども、この訓練におきましても、大火を想定いたしまして、例えば自主防災組織による住民の避難誘導、救助活動といったものも図上訓練に盛り込むなど、記念事業の一環として位置づけて、協力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。  次に、ひとり暮らしの老人の家庭、お年寄りへの配慮についてのお尋ねでございます。  平成17年の火災につきましては、全国では住宅火災による死者の過半が65歳以上の高齢者となっておりまして、本県におきましても住宅火災における死者9名のうち6名の方々が高齢者ということで、全国とほぼ同様の傾向を示しておるところでございます。こうした状況は、今後の高齢化の進展とともにさらに進むことが懸念されるところでございまして、議員御指摘のとおり、高齢者に対する防火対策に積極的に取り組む必要があるというふうに考えています。  このため、高齢者に対する火災予防対策といたしまして、各消防本部では、春秋の火災予防運動期間等におきまして、消防職員、女性消防団員等により、高齢者世帯、ひとり暮らしの高齢者宅への防火診断を実施しているところでございます。また、県におきましても、県老人クラブ連合会の研修会等におきまして住宅防火対策についての講演を行うなど、防火思想の普及啓発に努めているところでございます。  さらに、県といたしましては、被害を軽減する対策として、まず防災面でございますけれども、市町村での高齢者等に対する避難支援計画の作成、自主防災組織において、災害時において避難誘導を行うといった高齢者等の避難支援対策に取り組むとともに、ひとり暮らしの方を初めといたしまして、高齢者の被害が少なくなるよう、住宅用火災警報器の設置についても積極的に啓発していきたいというふうに考えております。  このような予防対策、被害軽減対策に総合的に取り組んで、高齢者の火災の予防、火災による被害低減に努めてまいりたいというふうに考えております。  最後に、消防防災課が知事政策室へ所管がえになったことについてのお尋ねでございます。  本年4月の組織機構の見直しにより、総合的な取り組みが必要な課題については、総合調整機能を強化し、戦略的かつ迅速に対応するため、知事政策室の機能の充実を図ることにしたわけでございますけれども、その一環といたしまして、知事政策室に消防・危機管理課を設置したところでございます。  具体的には、知事政策室で所管しておりました危機管理事務と経営管理部の消防防災課で所管しておりました国民保護、消防防災事務について一元的に対応するために、新たに知事政策室に消防・危機管理課を設置いたしまして、その中に危機管理班というのを新たに設けまして、危機管理組織の一元化、危機管理体制の強化を図ったところでございます。  一元化したことによるメリットといたしましては、これまで消防防災課で国民保護、消防防災事務などを扱ってきたわけでございますけれども、こうした危機管理事案を知事政策室へ移行いたしまして、一般的な危機管理事案と一元的かつ迅速に対応することができるようになったというふうに考えておるわけでございます。  具体的には、不審船やテロ対応から国民保護措置へ移行する場合でございますとか、また河川、海上等での油の流出事故、高速道路等の大事故など、消防防災にとどまらず、環境保全、交通維持など大変幅広い所管に及ぶケースが考えられるわけでございますけれども、こうしたケースにおいて、初動時の迅速な情報収集から対応策まで一貫した情報の共有、対応をとることができるというふうに考えております。  また、被害拡大のおそれ、社会的影響の観点から必要がある場合には、知事を本部長といたします災害対策本部、国民保護対策本部、危機管理対策本部などをそれぞれの事案に応じて設置することにしておりますけれども、いずれの場合にも危機管理監、また危機管理監代理が運営を担っていくことによりまして、これらの事務についても一元的に指揮監督することができるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、県民の生命、身体、財産を守るための市町村の消防業務でございますけれども、従来どおり支援していく必要があるというふうに考えておりまして、知事政策室所管になっておるわけでございますけれども、従来どおり市町村と十分に連携して行っていきたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 57 ◯副議長(酒井眞次君)植出経営管理部長。    〔経営管理部長植出耕一君登壇〕 58 ◯経営管理部長(植出耕一君)それでは、まず県行政の進め方についての中でございますが、県の出先機関の統合等を検討しているが、県からの上意下達とならないようにするためにはどのように対応しているのか。また、いろいろな懇談会で直接の関係者や地域の意見をどのように反映させるのかという御質問でございます。  現在、県内に複数設置されております大規模出先機関につきましては、富山県行政改革推進会議の専門小委員会で見直しの検討が進められております。見直しの視点といたしましては、道路交通網の整備によります時間距離の短縮。それから、例えば土木等でございますと、公共事業の規模がピーク時の半分程度になっているそういう出先機関のあり方。それから出先機関の集約によります機能強化の可能性などが挙げられておりまして、これらの観点等を踏まえて検討が進められているところでございます。  この検討の過程におきまして、専門小委員会では関係部から対象機関の現状や課題等をヒアリングいたしました上で、専門小委員会としての見直しの方向性などを検討し、その後、利用者等の関係団体からの見直しの方向性や課題などに対する意見や要望などを聴取したところでございます。これは専門小委員会として提言をまとめていくための過程で行われているものでございますが、出先機関は県民に直接サービスを提供しており、その見直しに当たりましては、行政の簡素効率化の観点はもとより、県民サービスの維持向上についても十分に配慮すべきものでありますことから、専門小委員会では、このように関係者から意見を聞き、慎重に検討が進められておるところでございます。  いずれにいたしましても、組織機構につきましては、社会経済情勢等を踏まえまして、行政の簡素効率化が図られているものであること、それから高度化、多様化する県民ニーズに迅速かつ的確に対応できるものであること、さらには県民サービスの維持向上が図られるものであることが大切であると考えております。  県といたしましては、具体的な提言を受けた後、全国の状況でございますとか、市町村関係者の意見なども参考としながら適切に対処してまいりたいと考えております。  また、各種の審議会には、検討課題に関しまして、当該分野の学識経験者のほか、関係団体の代表者、市町村代表者の方などの関係分野を中心に、幅広い分野から選任されているところでございます。また、検討事項の専門性、特殊性によりまして、当該委員のみの審議では設置目的を達成し得ない場合には、必要に応じまして委員以外の専門家の方に御出席をいただき、専門的事項などに対する事情聴取、意見聴取なども行われているところでございます。
     いずれにいたしましても、各種の審議会などにおきましては、それぞれの設置目的に応じた役割が十分果たされるよう運営に工夫がなされているところでありまして、今後とも、県政運営に対して貴重な御意見や御提言などをいただきたいというふうに考えておるところでございます。  それからその次に、県民に親切でやさしく、入りやすい、開かれた県庁を目指すべきと思うがどうかというふうなことで、一部ではあるが、無愛想で高慢な職員もおるというふうな御指摘でございます。  言うまでもなく、県政は、県民の負託を受けまして、県民の皆さんに納めていただく税金によって行われておりまして、県民奉仕の精神は、これは常日ごろ知事も言っておりますけれども、県職員としての原点でございます。また、いわゆる公共サービスという広い意味でのサービス業に従事する県職員にとりましては、親切で丁寧な接遇というふうなものは職務遂行の基本であります。  このことから、県職員に対しましては、常日ごろからあらゆる機会をとらえまして、1つには、現場重視の姿勢で県民の皆さんの声に謙虚に耳を傾けること、2つには、他人の痛みがわかるやさしい心を持つことなどを心がけるように指導しているところであります。  それから職員の接遇の向上を図りますために、1つには、新規採用職員、採用3年目の職員、新任係長、新任所属長を対象にしました必修の研修。それから年齢で28歳、34歳、40歳、46歳の職員を対象としたステップ研修におきまして、接遇でありますとか、公務員倫理に関する研修も実施をしておるところでございます。またそのほかに、庁内の電子掲示板に「県民の目コーナー」というふうなものを設置いたしまして、県職員の接遇等に対します県民の皆様からのおしかりでありますとか、励ましの具体例を掲載するなど、職員の意識啓発を図っているところでございます。  しかしながら、議員御指摘のような、一部の職員の不的確な接遇によりまして、県民の皆様の中に不快に感じる、あるいは県庁に入りにくいといった印象があるとすれば、まことに遺憾なことであります。今後とも、接遇向上のための研修の充実を初め、さまざまな機会をとらえた意識啓発を図り、県民の皆様に入りやすい、開かれた県庁になったと言っていただけるように、さらに努力してまいりたいと考えております。  それから次に、女子大学野球の選手権の件でございます。  全日本大学女子野球選手権大会につきましては、先ほど知事も御答弁申し上げましたが、昭和62年に始まり、今回で20回目という記念の大会でございます。県では、この大会に対しまして後援を行い、知事が大会名誉顧問に就任するとともに、優勝チームに贈られます知事杯の贈呈や開催費の助成などを行い、積極的に支援してきたところでございます。また、県のホームページにおきまして、イベント情報などを県内外に発信する「Toyama Just Now」に掲載するなど、大会の周知にも努めておるところでございます。  今回は20回目という節目の大会でありますことから、大変厳しい財政状況の中ではありますが、例年より補助金も増額いたしたところでございます。  今後とも、この大会が夏の富山を彩るスポーツイベントとしてますます盛り上がりますよう、大会の周知にも努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 59 ◯副議長(酒井眞次君)暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  午後2時52分休憩      ─────────────────────  午後3時06分開議 60 ◯議長(米原 蕃君)休憩前に引き続き会議を開きます。  山本修君。    〔35番山本 修君登壇〕 61 ◯35番(山本 修君)ただいまも御紹介ございましたように、3年ぶりの一般質問という場をお与えいただきました。ありがたく思っております。  では、早速質問に入ってまいりたいと思います。  初めに、少子化対策・子育て支援等についてお尋ねいたします。  平成17年における合計特殊出生率が全国で1.25、富山県でも1.33と過去最低を更新するなど、人口減少社会の到来が現実のものとなった今、少子化対策は喫緊の課題となっており、将来を担う子供たちの健やかな成長のために、社会全体で子育てをサポートする体制を早急に充実させていくことが必要となっております。  財政状況が極めて厳しいにもかかわらず、少子化対策・子育て関連予算の充実に努められたところであり、石井知事の英断を高く評価をするものであります。また、この4月に石井知事は猪口少子化担当大臣と会談され、子育て世帯に対する税額控除の導入や事業所内の保育所を設置するなど、意欲的に取り組む企業への支援などについて積極的に政策提案されたところであります。  私は、少子化対策・子育て支援は、地方自治体としてももちろん取り組んでいく必要はありますが、少子化は日本の将来にかかわる、極めて重大な影響を及ぼす重要課題であります。特に経済的負担の軽減などについては、基本的に国においてしっかりと取り組むべきと考えております。その点におきましても、石井知事の国に対する積極的な政策提言の姿勢を評価するものであります。今後とも、少子化対策の推進に向け、国に対し積極的に働きかけていただきたいと感じているところであります。  さて、少子化対策は、子育て家庭の経済的支援といった面ばかりでなく、地域や社会における子育てのための環境整備、企業における仕事と子育ての両立支援など、総合的に施策を展開していく必要があると考えております。  そこで、本県の少子化対策・子育て支援について幾つか質問をしてまいりたいと思います。  まず、子育て家庭を支援するためのとやま子育て家庭応援優待制度についてであります。  この制度は、子供連れの家庭が協賛店舗や施設等を利用した場合に、飲食料金や入場料の割引などのサービスを受けることができるものであります。県においては、本年10月を目途にスタートができるよう準備を進められていると思います。隣の石川県においては本県より一足早く、去る1月からプレミアム・パスポート事業として実施されているようでありますが、その二番せんじとならないよう、富山県らしい独自性を持った制度となるよう工夫され、ぜひとも石川県に負けない制度としてもらいたいと期待をしておるところであります。  そこで、石井知事にお伺いいたしたいと思いますが、このとやま子育て家庭応援優待制度は、できるだけ多くの企業からの協賛・協力を得て、県民挙げて子育て支援をする機運が醸成されるよう取り組むべきだと考えますが、知事の御所見を承りたいのであります。  次は、地域における子育てのための環境整備についてであります。  平成12年にこども未来財団がまとめた子育てに関する意識調査報告書によりますと、子育ての負担感が大きいと感じる方が、共稼ぎ家庭の母親の場合は29.1%であるのに対し、専業主婦の場合は45.3%となっており、共働き家庭の母親よりも在宅で育児を行う専業主婦のほうが子育ての負担感をより強く感じているという調査結果となっております。これは、核家族化が進行する中にあって、地域において孤立しがちな若い母親が、子育ての悩みなどについて気軽に相談できる場が不足しているからではないかと考えられ、子育て支援・相談体制をさらに充実していく必要があると考えるものであります。  そこで厚生部長にお尋ねいたしますが、共働き家庭の母親よりも在宅で育児を行う専業主婦のほうが子育ての負担感をより強く感じているという調査結果を踏まえて、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いをするものであります。  次は、男性の育児休業取得についてであります。  今ほど、専業主婦の子育ての負担感がより強いという調査結果を申し上げましたが、子育ての負担感をできるだけ解消していくためには、子育て支援・相談体制を充実していくことに加え、子育ては男女が協力して行うものとの意識改革を進め、男性の子育て参加を促進していくことが大変重要であります。  子育てと両立できる職場環境の整備を進めるため、平成3年5月に育児休業制度が法制化されましたが、女性にはある程度の定着はしているものの、男性による取得はほとんど進んでいないという実態であります。厚生労働省の平成16年度女性雇用管理基本調査においても、男性の育児休業取得率はわずか0.56%にすぎないという結果になっており、この背景としては、男性の職場優先の意識、職場の雰囲気などの要因が指摘されているところであります。  そこで商工労働部長にお尋ねいたしますが、男性の育児休業取得を促進するためには、何よりも経営者と従業員双方の意識改革を進めることが不可欠と考えるが、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いをするものであります。  続きまして、文化の振興についてお尋ねいたします。  県では、この4月に文化芸術の振興に係る行政の充実と一元化を図るため、生活環境部の名称を生活環境文化部に改められ、新たに文化振興課を設置されました。また現在、新世紀とやま文化振興計画(仮称)の策定に取り組まれておりますが、この8月には本県で日露文化フォーラム委員会が開催され、この委員会の開催とあわせて、県内各地で多彩な文化事業が実施されることとなっております。さらに12月には、幅広い県民の参加と交流を図る新しい美術公募展「美の祭典 越中アートフェスタ2006」の開催が予定され、現在準備が進められていると聞いております。  このように、文化の振興については、単に県庁内の組織が見直されただけでなく、さまざまな文化事業が新たに企画され、スピード感を持って展開されていると感じております。文化を通じて世界に羽ばたく「元気とやま」の創造を目指そうとするものとして、大変すばらしいことと評価するものであります。  そこで、本県の文化の振興について幾つか質問をいたしたいと思います。  まず、現在策定が進められている新世紀とやま文化振興計画(仮称)についてであります。  昨年7月から、県の文化審議会における審議や、県民や文化団体等へのアンケート調査を実施しながら検討が進められ、この4月に中間報告案が示されたところであります。この中間報告案では、文化面でのとやまブランドの確立や産業、観光との連携といった、これまでにない新しい内容も盛り込まれており、文化振興における総合的、戦略的な計画として評価をしております。「元気とやま」を創造するためには、やはりすべての県民、特にあすを担う子供たちが文化に親しみ、豊かな心を醸成することが大事であると考えるものであります。  そこで生活環境文化部長にお尋ねいたしますが、新世紀とやま文化振興計画(仮称)のねらいは何なのか、お伺いをするものであります。  次は、新しい美術公募展についてであります。  県においては、これまで準備委員会や実行委員会を開催し、美術関係者や有識者など県民の御意見を幅広く聞きながら、その具体的な内容を検討してきたところであり、県民の幅広い参加と交流を図る美術の祭典として、12月に開催することなどの骨格が固まったと聞いております。一方、これまでも県民参加型の美術公募展として県展があり、毎年6月に開催されてきているところであります。  そこで生活環境文化部長にお尋ねいたしますが、新しい美術公募展は、県展との違いを明確にし、その開催を契機として、県民の文化活動がこれまで以上に活発になるような工夫が必要と考えるんですが、新しい美術公募展のねらいとあわせてお伺いをするものであります。  次は、日露文化フォーラムについてであります。  先ほども申し上げましたとおり、この8月には本県で、日本とロシアの文化交流事業である第4回日露文化フォーラム委員会の開催が予定されております。石井知事も委員として参加されるとともに、この委員会の開催とあわせて、県内各地でロシアの演劇やバレエ、美術展など多彩な文化事業が実施されようとしております。この日露文化フォーラムの開催は、県民が日本とロシア両国の質の高い文化に触れることができる絶好の機会であることはもとより、文化交流に理解のある政治家や文化人などの委員を初め、国内外の多くの方々が来県され、全国初の芸術特区として認定を受けた利賀の舞台芸術など、本県の世界に誇る文化等を発信する絶好の機会となるものと考えております。  そこで石井知事にお伺いいたしますが、日露の文化交流を目的とする日露文化フォーラムの開催は、本県にとってどのような意義があるとお考えになっているのか、御見解を承りたいのであります。  続きまして、環境問題についてお尋ねいたします。  今日の地球温暖化やごみ問題を初めとする環境問題は、資源やエネルギー等の消費を通じ、私たちの日常生活や通常の事業活動、言いかえれば、便利で快適な暮らしに起因していると言えます。私は、このような環境問題を解決していくためには、原因者でもある県民や事業者一人一人の環境保全に向けた自主的な活動が不可欠であり、取り組み意欲の向上を図っていく必要があると考えております。  そこで石井知事にお伺いいたしますが、本県の恵み豊かな環境を保全し、創造していくため、地球温暖化防止やごみの排出抑制など今日の環境問題に県としてどのような方針で取り組んでいくのか、御見解を承りたいのであります。  次に、環境問題の中でも地球温暖化については、人類の生存を脅かす重大な環境問題の一つと言われており、これに各国が適切に対応するため、1997年12月、先進国に対して温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書が採択され、昨年2月に発効いたしました。  我が国では、この議定書で2008年から12年までの温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減することを国際約束しております。この達成に向けて、昨年4月に京都議定書目標達成計画が策定され、この計画に基づいて、温室効果ガス排出削減対策や二酸化炭素の吸収源対策等のさまざまな対策が推進されております。  県においても、平成16年3月にとやま温暖化ストップ計画を策定し、2010年度の温室効果ガス排出量を1990年度比で6%削減することを目標に掲げ、この達成に向けて各種の対策が推進されているところであります。しかしながら、国と同様、本県においても、豊かで便利な生活が要因となっている民生部門からの排出量の増加が大きくなっており、その対策としては、家庭などでできる身近な温暖化防止の取り組みの普及を図り、それを定着させていくことが極めて大切であると考えるのであります。  そこで生活環境文化部長にお尋ねいたしますが、本県の温室効果ガスの排出の現状をどのように認識しているのか。また、排出量の増加が大きい民生部門においてどのような対策を講じようとされているのか、お尋ねをするものであります。  最後に、国際観光の振興についてお尋ねいたします。  県においては、台湾での観光キャンペーンの実施や、上海市等で本県を紹介する旅行番組の放映など、国際観光の振興に積極的に取り組まれているところであり、県内経済の活性化に資するものと評価をしておるところであります。  しかしながら、観光客の状況を見てみますと、日本から最も近い隣国である韓国からの観光客数は、ここ数年大きく伸びてきてはおりますが、台湾からの観光客数に比較するとまだまだ少ない状況にあります。本県はソウルとの直行便があり、そのメリットを生かして、県内関係機関だけではなく、隣接県とも連携協力しながら誘客の促進に努めるべきと考えるものであります。  そこで商工労働部長にお尋ねいたしますが、韓国からの観光客の増大を図るために、一般の観光客のほか、修学旅行客、ゴルフやスキー客など多様な観光客を受け入れるよう誘客に努めるべきと考えますが、お伺いするものであります。  また、この4月から富山-ソウル間の定期便が週3便から5便体制に増便となり、輸送力が増大しておりますが、この体制を維持、発展させるためには、韓国からより一層の誘客を図る必要があると思います。知事は今定例会で提案理由として、「できるだけ早期に、知事自身が韓国を訪れ、県内観光地の魅力を強くアピールする」と表明されているのであります。知事のトップセールスによって、さらなる誘客が期待できるところであります。私は、知事の訪韓は早ければ早いほうがよく、可能な限り早期に訪韓すべきではないかという考えを持つものであります。  そこで石井知事に承りたいと思いますが、韓国からの一層の誘客を図るためには、できるだけ早期に知事みずから韓国を訪問し、トップセールスを行う必要があると思うが、石井知事の御所見を承り、以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。 62 ◯議長(米原 蕃君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 63 ◯知事(石井隆一君)山本議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、とやま子育て家庭応援優待制度についての御質問でございます。  御指摘のとおり、社会全体で県民挙げて子育て家庭を支援する機運を高めていくことは大変大事だと思っておりまして、子供連れの家族が協賛店舗等で飲食料金とかあるいは入場料の割引──割引率は5%とか10%とかになると思いますけれども、そういったサービスを受けることができるとやま子育て家庭応援優待制度──仮称ですけれども、この10月半ばごろを目途にスタートできるように、現在鋭意準備をしております。  議員のお話にございましたお隣の石川県さんでも、本年1月からプレミアム・パスポート事業というのをなさっておるんですが、この内容は、対象を3人以上のお子さんがいる多子世帯─約1万7,000世帯だそうですけれども──に限定して、経済的支援を主な目的として実施をされているということであります。  一方で、本県が目指しております優待制度は、地域全体で子育て家庭を応援する機運を盛り上げることを目的として実施するものでありまして、子供の数にかかわらず、子供連れであれば優待サービスの対象としたいと考えておりまして、対象世帯数は、18歳未満の子供がいらっしゃる世帯すべてということですから、約10万8,000世帯と、石川方式の場合の約6倍以上となる見込みであります。  また、サービスの利用に当たりましても、石川方式はなかなかよく考えられた仕組みだと敬意を表したいとは思いますけれども、今二番せんじはだめだよという御注意もいただきましたが、子供3人以上の世帯だということに限定しますと、それを証明するパスポートの発行──子育て支援財団というところから出されて、それを受ける必要があるとか、パスポートを持っていらっしゃる方が本当に本人かどうか確認が必要になるとか、それから子供さんが2人だったら、どうして優待サービスを受けられないのかといったような議論もあるように聞いております。  そこで、本県の取り組みとしては、今申し上げたように、お子さんがたとえ2人でも1人でも、お子さん連れでいらした方に、みんなで、地域全体で子育てを応援するという考え方でいこうというふうに考えておりまして、できるだけ多くの方に参加していただきますように、県のホームページとか、あるいは新聞等に掲載されている優待券を入手して、それを協賛店舗等で提示しますと優待サービスが受けられるという、なるべく簡素で利用しやすい制度となるように工夫を凝らしたいと思っております。こうした優待制度を利用して、家族そろって利用していただくと、家族のふれあいを深めたり、子供を育てる喜びを実感していただけるのではないかと考えておりまして、多くの方に利用していただくことを期待しております。  現在、企業や店舗等に協賛・協力いただけるように、商工会議所連合会とか、商工会連合会、商店街振興組合連合会、あるいは料理、飲食業など子育て世帯の暮らしに身近な業界団体等にお願いをして回っているんですが、今のところ皆さん、協力しようじゃないかと、いいことやということで言っていただいていると聞いておりまして、県民挙げて子育て家庭を支援する機運が醸成されるように努力してまいりたいと思います。  次に、日露文化フォーラムについての御質問にお答えいたします。  日露文化フォーラム委員会は、日本とロシアの文化庁長官を初めとしまして、両国の政治家とか文化人等で構成されておりまして、私もおかげさまで昨年委員にしていただきましたが、日露の文化芸術の幅広い交流を通じまして両国民の相互理解を深めるということで、これまで第1回は東京、2回目がモスクワ、3回目が神戸で、4回目がことし8月、富山県で開催されるということであります。  この委員会の開催にあわせまして、ロシアの文化を紹介するさまざまな事業として、富山市のオーバード・ホールでのバレエとか、高岡文化ホール、利賀芸術公園での演劇の上演とか、また県立近代美術館や南砺市の福野文化創造センターヘリオスでの美術展の開催、また演出家の鈴木忠志さんによる日露の俳優を対象とした舞台芸術家の育成事業などが県内各地で開催されることになっております。  このように、日露文化フォーラムといいましても、バレエとか演劇とか美術とか各分野の多彩な事業が、一つの県で集中的に開催されるのは今回が初めてでありまして、また、財源面でも国に配慮をしていただいているわけであります。  これらの事業は、昨年秋の日露両首脳会談の成果として、本年度開催されますロシア文化フェスティバル2006 IN JAPANの主要プログラムに位置づけられております。また、このフォーラムの開催に先立ちまして、7月には本県において、河合文化庁長官による記念講演とパネルディスカッションを開催することにしております。  このフォーラムが本県で開催されますことは、県民の皆さんにとりますと、芸術文化の面ではいろいろありますけれども、やっぱり芸術文化の点では世界の中でも有数の歴史と伝統のあるロシアのすぐれた文化に直接触れるということ、また文化に理解のある日露両国の政治家や文化人の方が富山を訪れまして、富山の地で文化交流をやるということですから、富山県がいろいろ難しい課題のある日露文化交流の橋渡しもできると。また、去る3月31日に全国で初めて芸術特区として認定を受けた南砺市利賀におきまして、演劇の聖地にふさわしい舞台芸術を披露できて、これは舞台芸術特区TOGAというのを世界にアピールするいい機会になるなど、いろんな意義があると思っております。  また、中国や韓国と並んで、最近、ロシアは非常に経済面での復興、発展が著しくなっております。こうしたロシアの関係者と文化交流を行って友好関係を強化しておきますことは、東アジアの発展に伴って、日本海はかつて冷戦時代は緊張感のある閉ざされた海だったわけですが、これからは交流、発展の海として位置づけを高めていく必要がある。最近、テポドンの問題だとか懸念される動きもありますけど、やっぱりこういうふうに交流、発展を深めていかにゃいかんと思っておりまして、このフォーラムを機会に、一層世界に羽ばたく「元気とやま」ということで努力してまいりたいと思います。  次に、環境問題への取り組み方針についての御質問にお答えします。  今日の環境問題は、ごみの発生抑制とかリサイクル、あるいは地球温暖化などいろいろございますが、その多くはやっぱり日常生活や事業活動に起因しているわけでして、例えば地球温暖化につながる温室効果ガスの県内での排出量を見ますと、結局、県民の皆さんの生活、民生部門から出るのが29%、それから産業活動から出るのが46%、それからマイカーなんかも含めまして運輸部門から出るのが17%、こういうふうになっております。  そうしますと、こうした地球温暖化対策のために、例えばCO2を減らすということになりますと、県民や事業者の方が、やっぱり環境問題を自分の問題としてとらえて、理解を深めていただいて、ライフスタイルとか事業活動のあり方を見直して、将来とも持続可能な社会にしていかなきゃいかんということであります。従来から県は、循環型・脱温暖化社会の構築ということで、ごみとか二酸化炭素の排出抑制といったようなことをいろいろやってまいりました。また、市町村やとやま環境財団とも連携してきたわけであります。  まず、ことしですけれども、去る6月11日にはエコライフスタイル推進大会ということで、500人ぐらいの県民の皆さんにも参加していただきましたが、富山市内で──ここにいらっしゃる米原議長さんにもお出ましいただいて、企業トップの皆さんとクールビズのファッションショーをやることになりまして、私も少し恥ずかしい思いもいたしましたが、出させていただきました。また、環境に関する基調講演とか高校生による寸劇など、県民の皆さんに楽しみながらエコライフの重要性を認識していただいたわけであります。  この大会を皮切りに、7月から11月にかけまして、県内10都市でマイバッグの利用促進とか、省エネルギー機器の普及とか、リサイクルの推進をテーマにいろんなイベント等が開催されることになっておりまして、何とかエコライフスタイルの定着を図りたいと思っております。  また、平成15年3月にとやま廃棄物プランというものをつくっておりますが、生ごみのリサイクル推進に取り組む市町村への助成ですとか、産廃のリサイクルの研究開発に取り組む民間事業者への助成とか、あるいは技術相談、アドバイザーの派遣、あるいは環境フェア、講演会、いろんなことをやって努力をしてまいっております。  今後、脱温暖化社会の構築ということで、また担当部長から詳しく答弁申し上げますが、16年3月にとやま温暖化ストップ計画というのをつくっておりまして、何とか2010年度に、1990年度に比べて6%温室効果ガスを減らそうということでエコアクション21推進事業、これは県内のいろんな民間事業所なんかにも協力してもらわにゃいけませんし、また、環境家計簿の作成とか省エネルギー機器の導入とか──とやまエコ・メイト事業と言っていますが、これは各家庭等にも御協力いただくということで取り組んでいるわけであります。  なかなかそう一筋縄ではいかない大きな問題ですけれども、何とか地道に努力をして、将来、次世代に美しい環境を引き継いでいくということで努力してまいりたいと思います。  最後に、国際観光の振興についての御質問にお答えします。  韓国からの誘客に関するこれまでの取り組みにつきましては、後ほど商工労働部長から申し上げますが、私自身が韓国を訪れて交流を深めることは、確かに意義あることと思います。何とか日程調整をして、できれば7月初旬に民間の皆さんと一緒に韓国を訪問したいと思っておりまして、例えばロッテ観光の金会長さんなんかは、昨年9月でしたか、わざわざお見えになって、その際にぜひ韓国に来てくれと言っておられましたし、またアシアナ航空の首脳、あるいは観光事業関係の皆さんに、これまで大変熱心に誘客に努めていただきましたんで、こうしたことについてお礼を申し上げますとともに、改めてソウルで観光説明会も開催しまして、これまで以上に韓国からの誘客に御協力、御尽力いただくように強くお願いしてまいりたいと思います。  また、訪韓にあわせまして、街頭ビジョン広告を市内の3カ所、それからバス停での広告も市内10カ所、それから新聞、雑誌広告などを行って韓国で富山県を大いにアピールして、できるだけ効果を上げたいと思っております。  これからも国際観光、やっぱり富山県の活性化のためにぜひ必要でありますので、努力してまいりたいと思っております。  以上でございます。 64 ◯議長(米原 蕃君)鎌仲厚生部長。    〔厚生部長鎌仲 博君登壇〕 65 ◯厚生部長(鎌仲 博君)少子化対策・子育て支援についてのうち、専業主婦のほうが子育ての負担感をより強く感じているとの調査結果を踏まえ、県としてどのように取り組んでいくのかという御質問にお答えを申し上げます。  議員御指摘のように、子育て中の専業主婦は24時間乳幼児と向き合って気の休まる暇がないこと、それから保育所など地域とのかかわりを持ちにくいこと、それから子育てにすべてを費やさなければならないという意識も強いことなどから、共働き家庭の母親に比べまして子育ての負担感が大きいというふうに言われております。  核家族化が進む中、専業主婦の子育ての負担感を軽減することは、母親の育児ストレスや不安を解消するとともに、子供の健やかな育ちのためにも大変大切なことでありまして、専業主婦を含めました子育て中の親に対する相談・支援体制を整備することが重要であるというふうに考えております。  このため県におきましては、これまでも親子が集い、相談や交流などを行います地域子育て支援センター、あるいはつどいの広場の設置を進めること、それから子育てに関する24時間電話相談、子育てほっとラインや、臨床心理士等による家庭教育カウンセリングを実施すること、また子育て支援情報リーフレットを配布することなどに取り組んでいるところでございます。  さらに、今年度から新たに、より身近な地域で子育ての相談や交流の場を提供するとやまっ子子育てミニサロン事業、あるいは産後うつ病等の予防、早期発見のための相談指導などを行います母の心のケア推進事業、また子育てに不安や悩みを持つ親を支援するための学習プログラムを作成普及いたします親を学び伝えるサポート事業などに取り組むこととしております。また、子育てに専念する親が育児疲れを解消し、リフレッシュできるよう、子供の預かり事業といたしまして、保育所による一時保育、あるいはファミリー・サポート・センター事業、子育てたすけ愛事業などを推進しているところでございます。
     今後とも、市町村、学校、家庭を含めた地域社会、地域住民等と連携して、専業主婦を含めた子育て中の親の負担軽減対策を進めまして、子育てを楽しいと感じられる環境づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 66 ◯議長(米原 蕃君)藤木商工労働部長。    〔商工労働部長藤木俊光君登壇〕 67 ◯商工労働部長(藤木俊光君)少子化・子育て支援のうち、男性の育児休業取得の促進に関してお答え申し上げます。  育児休業取得に関しましては、女性についてはある程度定着してきたものの、男性についてはほとんど進んでいない状況ということでございまして、こうした背景には、男性の職場優先の意識、育児休業が取得しづらい職場の雰囲気、事業主の理解不足といったような要因が指摘されているところでございます。こうした意味で、御指摘のように、経営者と従業員双方の意識改革を進めることが不可欠だと考えております。  このため県といたしましては、今年度から仕事と子育て両立支援員を増員いたしまして、この推進員が個別に企業訪問を行って、男性の育児参加や長時間労働の解消など、働き方の見直しに向け、企業に対する働きかけを強化しているところでございます。  また、現在、男性の育休チャレンジ普及事業ということで、男性の子育て体験談や企業の取り組みを募集しているところでございまして、今後、事例集の作成や県のホームページなどの掲載を通じまして、普及啓発を行うこととしております。  さらに、この8月でございますが、元気とやま!仕事と子育て両立支援セミナーにおきまして、今回、1年間育児休業を実際に取得された方の体験談をお話しいただく、あるいはこうした仕事と子育ての両立支援の取り組みがすぐれている企業表彰を行うといったような取り組みを行うこととしております。  また、この秋には、経済団体と連携いたしまして、企業トップセミナーということで、企業のトップ、経営レベルの方に、男性の子育て参加ということに関する意識啓発を行うこととしております。  また、県庁自身におきましても、昨年から子育て支援職員プログラムということで、男性職員に関しても、連続5日以上の休暇を取得というような取り組みを進めているところでありまして、こうした取り組みが県内企業に普及していくよう、引き続き普及啓発に取り組んでまいりたいと思っております。  県といたしましては、こうしたさまざまな取り組みを通じて、経営者、従業員双方の意識改革を進めてまいりたいと考えております。  国際観光の振興につきまして、韓国からの観光客の増大のために、一般の観光客のほか、修学旅行客、ゴルフやスキー客など多様な観光客を受け入れるよう努めるべきという御質問でございます。  韓国からの誘客につきましては、一昨年以来、韓国の大手旅行会社と連携して取り組んできたところでございますが、県内の主要宿泊施設におきます韓国人の宿泊者数は、平成15年には6,304人、平成16年には9,086人、平成17年では1万1,763人ということで、順調な伸びを示してきているところでございます。  また、昨年からはゴルフ客やスキー客の誘致にも積極的に取り組んでいるところでありまして、韓国のスポーツ専門旅行社に対しましても、県内ゴルフ場やスキー場との橋渡しをするなど、協力関係を深めてきております。こうした協力の結果、本県へのゴルフ客につきましては、昨年は約200名、ことしも4月、5月の2カ月間で約60名という実績を上げているところでございます。  また、修学旅行に関しましても、ことし2月に教育関係者を招聘いたしまして、実際に県内を視察いただいたわけでありますが、この7月半ばに初めて韓国から約400名の修学旅行の受け入れが決まっておりまして、また9月にもさらにもう1団体といったような見込みもあるところでございます。  いずれにいたしましても、韓国からのさらなる観光客の増加を図るというためには、御指摘のように、多様な観光客のニーズに対応したPR、あるいはきめ細かな対応が必要だろうというふうに思っておりまして、各種宿泊施設など民間企業、あるいは市町村や観光連盟、さらには近隣各県とも連携しながら、観光客の誘致に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 68 ◯議長(米原 蕃君)岩元生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長岩元達弘君登壇〕 69 ◯生活環境文化部長(岩元達弘君)私のほうからは文化の振興について2問、環境問題について1問、合わせて3つの質問についてお答えいたします。  まず、現在策定を進めている新しい文化振興計画についての質問でありますが、現代社会は、経済成長の結果、物質的な面では充足が進み、成熟社会となった反面、閉塞感がある中で、人々は心の安らぎやいやしを求めるようになってきております。こうした中、文化の力が地域社会や経済の活性化、教育や福祉の充実など、生活の向上に果たす役割はまことに大きいものがあり、この文化の持つ力を最大限に発揮していくよう、文化の振興を図ることは極めて重要であると考えております。  県ではこれまで、平成10年に策定した富山県民文化計画に基づき、文化振興施策を推進してきたところでありますが、策定から8年が経過し、国際化、情報化、少子高齢化の急速な進展、県民の文化活動の状況や県の財政状況の変化など、社会情勢が大きく変化していることを踏まえ、新しい文化振興計画を策定することとし、現在、県の文化審議会において審議していただいているところであります。  去る4月20日の文化審議会で検討いただいた中間報告案では、これまで実施してまいりました文化に関する県民アンケートや文化団体、企業、市町村へのアンケート調査の結果も踏まえ、施策の方向を「文化活動への幅広い県民の参加」「質の高い文化の創造と世界への発信」「文化と、観光、地域づくり、産業等の他分野との連携」の3つの柱で構成することとしております。  また、議員から御指摘のありました、次世代を担う子供たちの文化活動の充実については大変重要な課題であると考えておりまして、文化審議会におきましても、小さいころから本物の芸術文化に触れるべきであるとして、活発な議論がなされ、主な重点施策の中に、青少年の芸術鑑賞、体験事業の充実、青少年の創作活動への支援、学校教育における文化活動の充実と地域の文化活動への理解の促進など、さまざまな施策を盛り込んでいるところであります。  新しい文化振興計画につきましては、今後パブリックコメントを実施し、文化審議会からの答申を受け、本年秋ごろの策定を目指すこととしているところであります。新しい文化振興計画により、富山県における文化活動が一層活発になり、文化の水準が向上することによって文化が地域の誇りとなり、「元気とやま」の創造が実現されるように取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新しい美術展についての質問にお答えいたします。  新しい美術展については、新しい時代にふさわしい公募型の美術展、県民の皆さんが幅広く参加し交流する美術展、春の県展に対する秋の美術展の3つの観点から、2月以降、準備委員会、実行委員会を開催し、美術関係者、有識者など県民の幅広い御意見を伺いながら、その具体的な内容について検討してきたところであります。その結果、新しい美術展の名称は「美の祭典 越中アートフェスタ」となり、今年度は12月に県民会館において開催することとなりました。  新しい美術展の特徴としては、対象となる分野に新しくデザインやガラス、立体造形などを加え、幅広い分野の作品を対象とすることとし、また部門につきましては、県展では日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真6部門に細かく分類しているのに対し、新しい美術展では平面と立体の2部門に大きくくくることとし、さらに鑑賞者のための講評などの交流事業を行うなど、より多くの県民が参加できるように工夫しているところであります。  県展につきましてはプロ作家の登竜門とも位置づけられておりますが、新しい美術展につきましては、幅広い分野からできるだけ多くの方々が美術作品を出品され、作品を制作する人と鑑賞する人が交流し、ともに楽しめる美術の祭典として県民に愛され、親しまれる内容になるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、環境問題のうち、本県の温室効果ガスの排出の現状の認識と、排出量の増加が大きい民生部門においてどのような対策を講じていくかとの質問にお答えいたします。  県では、地球温暖化対策を地域レベルで計画的、体系的に推進するため、平成16年3月にとやま温暖化ストップ計画を策定し、2010年度の県内の温室効果ガス排出量を、日本全体と同様に、1990年度比で6%削減する目標の達成に向けて排出削減対策等を推進しております。  2003年度における県内の温室効果ガス排出量は1,318万4,000トンと、1990年度比で7.1%増加しており、この状況を部門別に見ますと、産業部門では4.3%減少しているものの、民生家庭部門では41.2%の増加、事務所、商業施設等の民生業務部門では48.3%の増と、議員御指摘のとおり、民生部門において大幅に増加しており、排出量の増加の要因となっております。  民生家庭部門の増加の要因は、世帯数の増加や家電製品の普及に伴う電力消費量の増加等であると考えられており、また民生業務部門については、事務所ビル等の延べ床面積の増加やOA機器の普及に伴う電力消費量の増加等によるものと考えております。  このような現状を踏まえ、県としては民生部門の対策を一層推進していく必要があると考えており、先ほど知事から答弁申し上げたとおり、本年度新たに、エコライフスタイル推進事業、エコアクション21推進事業、とやまエコ・メイト事業を実施することとしているほか、民生家庭部門における取り組みとしては、10歳の児童が家族とともに節電や節水などの地球温暖化対策を家庭で実践する、とやま環境チャレンジ10事業を昨年度の27校から本年度は48校に拡充して実施するとともに、経済的でエネルギー消費効率にすぐれた家電製品の普及拡大を図るとやまCO2削減ラベルキャンペーンを昨年度から引き続き実施しております。さらに、地域レベルでの活動が推進されるよう、地域の温暖化対策のリーダーである地球温暖化防止活動推進員を増員し、地域で行う普及啓発、指導助言等の活動を支援するとともに、地域活動の場である地球温暖化対策地域協議会の設立及びその活動を支援しているところであります。  また、民生業務部門における取り組みとしては、事業者の地球温暖化防止への取り組みを登録してもらい、広く県民に紹介するとやまストップ温暖化トライアル事業を昨年度から引き続き実施しているほか、本年度から新たに、中小企業環境施設整備資金融資の対象に省エネルギー型ボイラー、ビル屋上を利用した緑化等、温室効果ガスの排出抑制等のために必要な施設等を追加するなど、事業者の自主的な対策を促進しております。  いずれにしても、脱温暖化社会を構築するためには、県民、事業者がライフスタイルや事業活動を見直し、温室効果ガスの削減に取り組む必要があると考えており、今後とも、県民、事業者の理解と参加を得ながら、民生部門における地球温暖化対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 70 ◯議長(米原 蕃君)以上で本日の一般質問、質疑を終わります。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。          常任委員会への審査付託 71 ◯議長(米原 蕃君)次に、ただいま議題となっております議案第80号から第89号まで及び報告第3号については、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 72 ◯議長(米原 蕃君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明6月21日は休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 73 ◯議長(米原 蕃君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次に議会の日程を申し上げます。  6月22日は予算特別委員会を、23日は各常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。  次回の本会議は6月26日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後3時57分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...