長岡市議会 2022-03-09
令和 4年 3月定例会本会議−03月09日-04号
令和 4年 3月定例会本会議−03月09日-04号令和 4年 3月定例会本会議
令和4年3月9日
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議 事 日 程 第4号
令和4年3月9日(水曜日)午後1時開議
第1
会議録署名議員の指名について
第2 市政に対する一般質問(4人)
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〇本日の会議に付した事件 ページ
日程第1
会議録署名議員の指名について………………………………………………………80
日程第2 市政に対する一般質問(続)
1
新型コロナウイルス感染症対策と市民生活の支援等について
長岡市の医師確保と在宅医療の推進等について
宅地開発に伴い設置されている調整池について
田んぼダムについて(諸橋虎雄君)………………………………………………………81
2 ポストコロナを見据えたスマートツーリズムの取組について(豊田 朗君)………89
3 教職員の働き方改革について
東川口保育園の移転・新築について
副市長の退職金について(桑原 望君)…………………………………………………96
4 子ども・若者支援の諸課題について
新型コロナウイルス感染禍における高齢者政策と介護保険事業への影響について(池田明弘君)
……………………………………………………………………………………………108
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〇出席議員(32人)
多 田 光 輝 君 神 林 克 彦 君
豊 田 朗 君 諏 佐 武 史 君
松 野 憲一郎 君 深 見 太 朗 君
池 田 明 弘 君 荒 木 法 子 君
田 中 茂 樹 君 大 竹 雅 春 君
池 田 和 幸 君 五十嵐 良 一 君
加 藤 尚 登 君 関 充 夫 君
杵 渕 俊 久 君 中 村 耕 一 君
丸 山 広 司 君 長谷川 一 作 君
藤 井 達 徳 君 諸 橋 虎 雄 君
丸 山 勝 総 君 古川原 直 人 君
桑 原 望 君 関 正 史 君
松 井 一 男 君 水 科 三 郎 君
笠 井 則 雄 君 関 貴 志 君
酒 井 正 春 君 高 野 正 義 君
五 井 文 雄 君 小坂井 和 夫 君
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〇欠席議員(1人)
山 田 省 吾 君
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〇欠員(1人)
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〇説明のため出席した者
市長 磯 田 達 伸 君 副市長 高 見 真 二 君
副市長 大 滝 靖 君 教育長 金 澤 俊 道 君
政策監兼危機管理監 地域政策監 渡 邉 則 道 君
野 口 和 弘 君
総務部長 近 藤 信 行 君 財務部長 小 嶋 洋 一 君
福祉保健部長 近 藤 知 彦 君
新型コロナウイルスワクチン接種事業担当部長
大 矢 芳 彦 君
商工部長 長谷川 亨 君 観光・交流部長 伊 藤 美 彦 君
農林水産部長 北 村 清 隆 君 土木部長 中 川 信 行 君
消防長 高 坂 篤 君 教育部長 安 達 敏 幸 君
子ども未来部長 水 島 幸 枝 君
代表監査委員 阿 部 隆 夫 君
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〇職務のため出席した事務局職員
事務局長 小 池 隆 宏 君 課長 山 田 あゆみ 君
課長補佐 宮 島 和 広 君 議事係長 木 村 圭 介 君
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午後1時開議
○議長(松井一男君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(松井一男君) なお、報道関係者から写真撮影の申出がありましたため、傍聴規則に基づいて議長においてこれを許可いたしましたので、御了承願います。
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△日程第1
会議録署名議員の指名について
○議長(松井一男君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において小坂井和夫議員及び多田光輝議員を指名いたします。
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△日程第2 市政に対する一般質問(続)
○議長(松井一男君) 日程第2、市政に対する一般質問を行います。
昨日に引き続き、通告順により発言を許します。
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△質問項目
新型コロナウイルス感染症対策と市民生活の支援等について
長岡市の医師確保と在宅医療の推進等について
宅地開発に伴い設置されている調整池について
田んぼダムについて
○議長(松井一男君)
新型コロナウイルス感染症対策と市民生活の支援等について、長岡市の医師確保と在宅医療の推進等について、宅地開発に伴い設置されている調整池について、田んぼダムについて、諸橋虎雄議員。
〔諸橋虎雄君登壇〕
◆諸橋虎雄君
日本共産党議員団の諸橋虎雄です。通告に従い、一括方式で質問します。
初めに、
新型コロナウイルス感染症対策と市民生活の支援等について質問します。新潟県の
まん延防止等重点措置は3月6日で解除されましたが、
新型コロナウイルス感染症対策は引き続き重要です。市としても様々な対策を講じておられますが、感染拡大防止と命を守るためのワクチン接種やPCR検査等の実施、医療提供体制の強化、事業者や市民生活への支援、地域経済対策などが引き続き重要です。そこで、特に重視して取り組んでいただきたい幾つかのことについて質問します。
質問の1点目は、高齢者の3回目のワクチン接種についてです。オミクロン株に対しては、2回目の接種から6か月がたつとワクチンによる発症予防効果はほとんどなくなると言われており、6か月後のワクチン接種を急がなければなりません。長岡市では、医療・介護従事者等への接種及び重症化のリスクが高い入所者が多い高齢者施設、妊産婦や基礎疾患のある子どもへの接種を優先して実施しています。また、学校、保育園、施設等での感染から家庭内感染へ広がるケースが目立っており、高齢者が感染し、重症化することが懸念されているとして、高齢者の3回目のワクチン接種を可能な限り前倒しするよう全力で取り組んでおり、個別接種のほか、集団接種の前倒しは2月分と3月分を合わせて1万2,600人分となっています。
そこで、現時点において65歳以上の高齢者施設における3回目の接種はどれくらい実施されたのか、高齢者全体でどれくらい実施されたのか、それぞれについて伺います。また、接種希望者の3回目の接種が全て終了するのはいつ頃になるのか、接種を推進する上での課題等がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
2点目は、PCR検査等についてです。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するには、引き続き全額国費による無料のPCR検査等を誰でも受けられるようにする必要があります。新潟県は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止しながら、日常生活や経済社会活動の継続を可能とすることを目的として、無症状の市民を対象とした無料の
PCR等検査所を設置しています。長岡市においては、アオーレ長岡のナカドマや薬局など31か所でPCR検査や抗原検査が行われています。そして、無料で受診できる期間は3月6日までとなっていましたが、3月31日までに延長となりました。政府は、補正予算で
地方創生臨時交付金に予約不要の無料検査の拡大枠を設置し、3,200億円の予算措置をしています。感染拡大やワクチン接種の現状からして、県には3月31日以降も引き続き無料で実施できるようにしていただかなければならないのではないかと考えられます。また、市独自でもPCR検査の支援を強めていただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
3点目は、
事業復活支援金についてです。
事業復活支援金は、2020年度に実施された持続化給付金の半分程度であり、対象期間が昨年11月から今年3月までの5か月であるなど不十分な点もありますが、売上げが30%以上減少した事業者も初めて対象になるなど、フリーランスを含む個人事業主、小規模事業者、中小企業者等にとっては大変助かる制度と考えられます。ところが、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことを説明できなければ申請できないのではないかとか、申請手続が難しいのではないかとの心配から申請をためらっている方がおられます。また、支援金を受けられると思われる方でも制度自体を知らない方も少なからずおられます。申請で困っている方は、商工会議所や商工会などに相談されればいつでも相談に応じていただけると思います。また、長岡市の相談窓口などでも相談できると思いますので、困っている方がより気楽に相談できるように、制度の内容も含めて市の広報などで改めて市民に周知していただきたいものと思いますが、市の考えを伺います。
4点目は、長岡市飲食・
サービス安心応援給付金についてです。この制度は、
新型コロナウイルス対策として冬場の換気対策を徹底していただくため、換気ファンの設置や
二酸化炭素センサーの準備など、安全・安心な環境整備への取組を応援する給付金を支給するとして、1事業所当たり10万円の計画となっていました。対象事業者はかなり広く、宿泊業、飲食サービス業、
生活関連サービス業、娯楽業、卸売業、小売業、運輸業となっており、2021年10月から2022年1月までの期間において、月の売上高が2か月連続して前年比または前々年比20%以上減少したことが要件となっていました。ところが、残念なことに受付期間が2月28日までとなっており、終了してしまいました。
新型コロナウイルスの市中感染は続いています。飲食・
サービス安心応援給付金の春版や新たな給付金制度を創設していただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
5点目は、介護職員の給与引上げについてです。コロナ禍の下で介護職員の方々は大変苦労されていますが、全産業の平均より8万円も低いと言われている介護職員の給与が国の
介護人材処遇改善により平均で月額9,000円程度引上げとなりました。しかし、引上げ分は今年2月から9月分までは補正予算により全額国庫負担で措置されますが、10月分以降は2022年度介護報酬改定による介護報酬上での対応に切り替わる予定となっています。そのため、10月以降は国の負担が大幅に減り、自治体負担や
サービス利用者、被保険者の新たな負担が懸念されます。市として
サービス利用者や被保険者の新たな負担増とならないように、国に公的責任の発揮を求めると同時に、市独自の支援策が求められますが、市の考えを伺います。
6点目は、
国民健康保険料の減免についてです。
国民健康保険料は大変高く、国保料の減免は国保加入者の大きな願いです。令和3年度の減免について、政府は「
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る
国民健康保険料(税)の減免等に係る財政支援の拡充について」を発出。減免を実施する自治体の保険料減免分は、保険料(税)の減免総額の10分の10に相当する額を
国民健康保険災害等臨時特例補助金及び特別調整交付金により交付され、自治体負担はありませんでした。令和4年度の減免についても
全額国庫負担継続の要望が出ており、国は財政支援の在り方を検討しているようです。
そこで、国庫負担による減免が可能になるならば、長岡市も国の交付金を活用し、該当者の減免を積極的に行っていただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
7点目は、ガソリン税の引下げについてです。ガソリンの価格が異常に高くなり、市民生活を苦しめています。2月19日付の新聞報道によりますと、18日の
衆議院予算委員会で、石油元売会社に支給している補助の増額に加え、ガソリン税を軽減するトリガー条項の凍結解除を問われた岸田首相は、あらゆる選択肢を排除せず集中的に検討すると述べていました。トリガー条項は、
レギュラーガソリン価格が1リットル当たり160円を3か月連続で超えた場合に約25円の課税を停止する措置であり、実施すればガソリン価格が約25円下がります。政府はその後、ロシアがウクライナに本格侵攻したことを受け、ガソリンなどの燃料の高騰対策として、石油元売会社に支給している補助金の上限引上げを決めていましたが、ガソリンの補助金支給額は1リットル当たり15円前後とし、明日の10日から適用するようです。しかし、それだけでは不十分と考えます。ガソリンは、高い税込み価格にさらに10%の消費税がかかるという二重課税となっています。市として、トリガー条項の凍結解除や二重課税の解消などでガソリン価格を大幅に引き下げるよう政府に求めていただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
次に、長岡市の医師確保と在宅医療の推進等について質問します。政府は、オミクロン株の感染拡大の下でも新型コロナ対応の中心となる公立・公的病院の病床削減計画を推進し、全国の各地で深刻な矛盾に直面しています。三条市や燕地域などを圏域とする県央基幹病院は、2023年の開設に向け建設が進んでいます。県央基幹病院の建設によって、長岡市や新潟市に搬送される救急患者が25%から5%になるなど救急医療は改善されるようです。しかし、医師を増やさず、医師を基幹病院に集中し、県央地域の公立病院や公的病院の病床数を大幅に減らす計画になっており、地域医療は大丈夫なのかという不安が広がっています。
長岡市においては、長岡赤十字病院、
長岡中央綜合病院、立川綜合病院が基幹病院として高度専門的医療の中心を担うとともに、病院、診療所との役割分担や連携で対応すべき医療機能は基本的に可能とされているようです。しかし、長岡市においてはかつて入院機能があった栃尾地域や小国地域をはじめ、山古志地域や寺泊地域などは診療所のみであり、しかも医師の高齢化が進み、診療所の運営や訪問診療、往診の対応などが心配されています。
そこで、質問の1点目は、
県央基幹病院建設に伴う長岡市の医療への影響についてです。県央地域から搬送される救急患者の減少で長岡市の基幹病院等の救急業務は緩和されると思います。また、県央地域の県立病院や公的病院の病床削減で病院を利用する長岡市民への影響は少ないのではないかと考えられます。しかし、医師不足は依然として深刻であり、長岡市の病院や診療所の医師、看護師の確保に影響を及ぼしてくるのではないかと心配されます。市は、
県央基幹病院建設に伴う長岡市の医療への影響について、どのように考えるか伺います。
2点目は、診療所の状況と訪問診療、往診についてです。在宅医療を支えるのは診療所です。在宅医療の推進と在宅ケアにとって、訪問診療と急病人への往診は重要です。ところが、ほとんどの診療所で医師数は1人であり、医師が高齢化してきています。しかも、栃尾地域では、長岡地域などから診療所に通勤している医師が多くなってきています。そのため、訪問診療はある程度行われているようですが、夜間・休日や急病人に対する往診は難しい状況になってきています。また、栃尾地域においては数年前に内科系の診療所が1か所閉院しましたが、今年3月にも診療所が閉院されるようです。そこで、市営の小国、山古志、寺泊の各診療所の医師の状況と、訪問診療や急病人への往診等はどのような状況になっているか伺います。
3点目は、在宅ケアに不可欠な訪問看護についてです。医師による夜間・休日の対応や、急病人への往診が難しくなってきている中で、在宅患者を守るには24時間対応の訪問看護や
訪問看護ステーション体制の強化が必要です。幸いにも栃尾地域においては、
長岡中央綜合病院附属の
訪問看護ステーションがあり、24時間対応で訪問看護が行われています。また、そのほかにも民間の
訪問看護事業者があります。しかし、看護師の人数は少なく、豪雪地でもあり、夜間の訪問看護などに大変苦労されているようであります。そこで、市営の小国、山古志、寺泊の各診療所地域の
訪問看護ステーションや24時間対応の訪問看護などの現状と今後の取組について、市の考えを伺います。
4点目は、救急車による急病人の搬送についてです。急病人に対する医師の往診が難しい状況下で、救急車による病院への搬送がますます重要になっています。県防災局消防課がまとめた2020年4月時点の新潟県内の救急業務の現況によりますと、搬送される人は65歳以上が最も多く、全国平均より5ポイント高く、救急車の出動件数、搬送人員とも急病人が毎年増加しています。2019年度には、搬送人員のうち急病人が64.3%に増加しています。長岡市における急病人の病院への搬送と、そのうち支所地域からの基幹病院等への搬送はどのような状況か伺います。
5点目は、医師確保の取組についてです。病院の閉鎖やベッド数の削減により、在宅医療の役割はますます重要になっている一方、医師の高齢化等による診療所機能の低下が心配されます。病院の医師確保と同時に、在宅医療を支える診療所の医師を確保し、診療所の機能を強化するには医師の絶対数を増やす必要があります。日本の医師をOECD(
経済協力開発機構)並みにするには14万人増やす必要があり、新潟県の人口当たりの医師数は全国で44番目と言われており、最低の水準です。医療機関や県民の運動により、2009年より新潟大学医学部の定員100人に地域枠5人がプラスされ105人となり、2021年には地域枠33人がプラスされ133人となり、2022年には地域枠が53人プラスされ153人となりましたが、さらに地域枠の拡大と併せ、国による公的な医師派遣制度の創設など、医師確保の強化を図るよう国・県に強く求めていただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
6点目は、基幹病院や病院への通院費助成についてです。病院のベッド数削減などで早期退院による在宅患者や、診療所のみでは対応できない患者の支所地域から長岡中心部への基幹病院や病院への通院者が増えてきています。自家用車を運転できず、家族からも送迎してもらえない高齢者や患者にとって通院費は大変な負担になっています。特に中心部から遠い支所地域においてはバス料金の負担も大きく、タクシーを利用しなければならない人は往復1万円以上にもなるところも少なくありません。そういった方々に対する通院費の助成が必要です。少なくとも収入が国民年金だけの高齢者や
住民税非課税世帯の高齢者への通院費助成は必要です。市の助成を真剣に検討していただきたいものと思いますが、市の考えを伺います。
次に、宅地開発等に伴い設置されている調整池について質問します。宅地等の1万平方メートル以上の開発行為については、原則として調整池を設けなければならないこととなっています。調整池は、開発に伴い住居や舗装道路の建設などで地下に雨水が浸透することなく一気に流出量が増大するため、一時的に池にためて徐々に河川に放流することにより、河川の氾濫や洪水を防ぐことを目的に設置されるものです。近年、記録的豪雨が頻繁に発生しており、調整池の役割が大きくなっているものと考えられます。
そこで1点目に、中之島地域のみずほ団地の調整池について伺います。中之島地域のみずほ団地は広く、調整池もかなり広く設置されています。住民の話では、団地の分譲が進み空き地がなくなってきていることもあり、豪雨ともなると団地からの雨水が一気に調整池に流れ込みます。ところが、平地のため調整池の雨水を排水路に流すことができずに団地へ逆流し、団地の一部で床下浸水や道路が冠水する被害が3回ほど発生しているとのことです。住民からは、逆流が起きないようにと中之島支所に再三にわたる要望があり、支所としても令和元年には調整池の土砂をしゅんせつし、豪雨時にはポンプで排水しているようですが、1台では足りないことから可搬式ポンプを購入する予定であるということであります。そこで、市としても必要な財政措置を行い、抜本的な逆流防止対策を講じていただきたいと思いますが、市の考えを伺います。
2点目に、調整池の維持管理と豪雨時の防災対策について伺います。まず、長岡市には市が管理する調整池がどれくらいあるのか伺います。また、調整池に堆積した土砂のしゅんせつ、草刈り、必要に応じた補修工事や清掃等、豪雨に備えた維持管理が大切と考えますが、市は調整池の点検と維持管理をどのように行っているのか伺います。あわせて、豪雨時の監視体制と防災対策について伺います。
最後に、田んぼダムについて質問します。田んぼダムは、田んぼが持っている水をためる機能を利用し、大雨が降ったときには田んぼに一時的に水をためることで住宅などの洪水被害を防いだり、軽減しようという取組です。この取組は、全国に先駆けて平成14年度に新潟県の旧神林村、現在の村上市で実施されたということです。現在は、新潟県の過半数の市町村で何らかの取組があり、長岡市においても令和2年度に
田んぼダム推進事業として実施箇所の点検が行われました。そこで、その検討結果とその後の取組について伺います。また、田んぼダムの期待される効果と実施に当たっての課題等について伺います。
○議長(松井一男君) 磯田市長。
〔市長磯田達伸君登壇〕
◎市長(磯田達伸君) ただいまの諸橋議員の御質問にお答えいたします。私からは、医師確保の取組についてお答え申し上げたいと思います。
医師の絶対数が足りないんだということは、誠にそのとおりだと思います。とりわけ新潟県は医師の絶対数が不足していることから、いろいろな要望なり、また問題が出ているというふうに感じております。新潟県の医師確保策につきましては、議員から御紹介のあった大学地域枠の設定や就学資金の貸与、臨床研修医確保の取組がなされておりまして、令和4年度の臨床研修医の内定が前年比2割増しとなったということも聞いており、一部で一定の成果もあったと感じているところであります。市といたしましても、引き続き県の市長会等を通じ、医師確保に向け働きかけをしてまいりたいと考えております。
また、来年度は市独自の医師確保策として、各基幹病院が医師招聘や臨床研修内容の充実、院内保育所の拡充などに使える補助制度を新設いたしまして予算を計上いたしました。これにより市内基幹病院による二次救急輪番制と高度な医療水準を堅持し、市民の安全・安心のさらなる確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でありますが、残りの御質問についてはそれぞれ担当部長からお答え申し上げます。
○議長(松井一男君)
大矢新型コロナウイルスワクチン接種事業担当部長。
〔
新型コロナウイルスワクチン接種事業担当部長大矢芳彦君登壇〕
◎
新型コロナウイルスワクチン接種事業担当部長(大矢芳彦君) 私からは、高齢者の3回目のワクチン接種についてお答えをいたします。
まず、接種の状況ですが、3月6日時点で高齢者施設の入所者及び従事者を合わせた9,998人のうち接種した方の数は9,534人、接種率は95.4%となっております。また、高齢者全体では対象者8万3,127人のうち接種者数は4万1,956人、接種率は50.5%となっております。
次に、終了見込みにつきましては、高齢者の1、2回目接種が昨年12月まで続いておりましたので、おおむね6月頃の終了を見込んでおります。今後につきましても、希望する高齢者が早期に接種を受けられるようさらなる接種体制の充実を図るとともに、民生委員などの協力を得ながら予約できずに困っている方の把握に努め、しっかりと支援につなげてまいります。
以上であります。
○議長(松井一男君) 近藤福祉保健部長。
〔福祉保健部長近藤知彦君登壇〕
◎福祉保健部長(近藤知彦君) 私からは、感染症対策の御質問のうち、まずPCR検査についてお答えします。県の無症状者の無料PCR等検査につきましては、本市も延長の要望をいたしまして、議員もおっしゃいましたように、このたび3月31日までの延長が決定しました。また、市独自のPCR検査助成制度につきましては、これまでも感染の不安を抱える多くの市民に御利用いただいており、特に医療機関における検査の需要が増えておりまして、新年度も予算計上しております。制度のさらなる延長要望や拡充につきましては、今後の感染状況を見据え検討してまいります。
次に、介護職員の給与引上げについてですが、国は処遇改善加算の取得と本年2月から9月までの間に職員賃金のさらなる改善を行った介護事業所に対し、補助金を直接交付することとし、10月以降については臨時の介護報酬改定により事業所への支援の継続を検討しておりますが、市としましてはこれによる利用者の負担が増えることのないよう、機会を捉えて国に要望してまいりたいと考えております。
次に、国保料の減免についてですが、令和4年度の国保料の減免については、県を通じ国に確認したところ、現在まだ検討中との回答がございました。令和4年度も
新型コロナウイルス感染症の影響による保険料減免が継続して実施されることになりましたら、今年度と同様に引き続きしっかりと取り組んでまいります。
次に、医師確保と在宅医療についての御質問のうち、まず
県央基幹病院建設に伴う長岡市の医療への影響についてお答えします。議員のおっしゃるとおり、県央基幹病院は急性期を担う中核病院と位置づけられており、これまで長岡市の基幹病院が担ってきた救急医療が緩和されることも期待されますが、一方で県内では医師、看護師不足が顕著であり、長岡市内の医療機関からも医師等の確保に影響を与えることも懸念されておりますので、今後も医師会や基幹病院の皆様とともに状況を注視しながら、中越地域医療構想調整会議などの場で医師や看護師の確保について要望してまいりたいと考えております。
次に、診療所の医師や訪問診療、往診の状況についてお答えします。市営の3つの診療所につきましては、それぞれ専任医師が常駐し、週3日から5日開設しており、安定的な医療を提供しております。訪問診療については、山古志地域、寺泊地域においてはそれぞれ市営の診療所が、小国地域においては民間の診療所がそれぞれ月10回程度実施しております。往診についても必要に応じて各医師の判断により実施しており、地域の在宅医療の需要に対応しております。
次に、訪問看護の現状と今後の取組についてお答えします。小国、山古志、寺泊の3地域においては地域外からの
訪問看護ステーションによるサービスが提供されております。また、必要に応じて24時間や緊急時の対応も行われ、利用者へのサービス提供はおおむね充足しております。市といたしましては、今後も医療ニーズの高い要介護者等への支援がますます重要であると認識しておりますので、病院、診療所、訪問看護事業所をはじめとした関係機関と連携しながら、この3地域も含めた市内全域のサービス提供体制の確保に取り組んでまいります。
次に、基幹病院や病院への通院費助成についてお答えします。現在長岡市では、通院に対する支援として、要介護認定者など自力での移動が難しい方を対象に、各地区の社会福祉協議会、福祉会による無料の福祉送迎サービスや、NPO法人によるタクシー料金のおおむね半額で利用できる福祉有償運送を行っております。議員からは、より多くを対象とした通院費の支援という観点で御質問を頂きましたが、これにつきましては地域医療や公共交通の在り方、生活弱者支援など総合的かつ多角的な検討が必要な課題であると認識しております。したがいまして、今後の医療体制の先行き等を見定めつつ研究してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○議長(松井一男君) 長谷川商工部長。
〔商工部長長谷川亨君登壇〕
◎商工部長(長谷川亨君) 私からは、事業所への支援金、給付金とガソリン税についてお答えいたします。
まず、
事業復活支援金についてですが、市でも現在事業所向け総合相談窓口において対面と専用電話で各種相談に対応しており、引き続きしっかりと取り組んでまいります。制度の周知については、飲食店など関連する事業者約2,000社に郵送したほか、業界団体や市の広報を通じて行っておりますが、今後も様々な機会を捉えて周知を強化してまいります。
次に、新たな給付金制度の創設についてお答えします。現在、先月末で締め切った一律10万円の市独自の飲食・
サービス安心応援給付金冬版について、600件を超える申請の交付手続を急いでいるところです。今後につきましては、まずは
事業復活支援金といった国や県の給付金の活用を第一に進めるとともに、市内の感染状況を踏まえ、市として適切な支援策を検討してまいります。
次に、ガソリン税の引下げについてお答えします。価格が高騰していることについては憂慮しておりますが、ガソリン税の引下げは現在国会において審議、対応されているところですので、その動向をしっかりと注視していきたいと考えております。
私からは以上です。
○議長(松井一男君) 高坂消防長。
〔消防長高坂篤君登壇〕
◎消防長(高坂篤君) 私からは、救急車による急病人の搬送状況についてお答えいたします。
まず、救急搬送される方のうち高齢者が占める割合ですが、令和3年中の救急搬送人員は9,673人、そのうち65歳以上の方は6,464人で、割合は66.8%となっており、年々増加している傾向にあります。また、救急搬送を事故種別で見ますと、急病は令和3年中の出動件数の66.0%を占めており、こちらは例年同様の数値となっております。
次に、急病人の医療機関への搬送状況についてですが、長岡市は基幹3病院による輪番体制が構築されているため、傷病者の方が市外の医療機関にかかりつけの場合などを除き、支所地域を含めたほぼ全ての傷病者を基幹病院から受け入れていただいておりますので、救急搬送は極めて円滑に行われております。また、救急搬送に時間を要する支所地域にはヘリポートを整備し、ドクターヘリによる早期の医療介入を行うことで救命率の向上を図っております。
私からは以上であります。
○議長(松井一男君) 中川土木部長。
〔土木部長中川信行君登壇〕
◎土木部長(中川信行君) 私からは、宅地開発に伴い設置されている調整池についてお答えいたします。
まず、中之島地域のみずほ団地では、議員御指摘のとおり、過去に一部の地域で浸水被害が発生しております。市では、豪雨時には排水先の中之島川の水位が急上昇し、調整池からの排水が困難となることから、仮設ポンプによる排水作業を行っているところですが、このたびの補正予算を活用して排水ポンプをさらに増強いたします。加えまして、中之島川から調整池への逆流を防止するため、逆流防止弁も設置いたします。今後も引き続き調整池の適正な管理に努めるとともに、有効的な浸水対策を検討の上、実施してまいります。
次に、市が管理する調整池の数は96施設あり、出水期前の点検、堆積土砂のしゅんせつ、排水路の清掃などを適宜実施しております。また、豪雨時にはパトロールを行い、適切に排水がされているか状況を確認しております。なお、調整池の機能確保には適切な維持管理が不可欠でありますので、今後も浸水被害の防止に向けてしっかりと対応してまいりたいと考えております。
私からは以上になります。
○議長(松井一男君) 北村農林水産部長。
〔農林水産部長北村清隆君登壇〕
◎農林水産部長(北村清隆君) 最後に、私から田んぼダムについてお答えいたします。
長岡市では、令和2年度に田んぼダムが有効と思われる地域を検討した結果、浸水被害軽減が見込まれるのは中小河川流域のごく一部でありました。検討結果を踏まえ、農家や土地改良区など関係者の方々に田んぼダムへの取組を紹介したところ、令和4年度から一部の地域で取り組みたい旨の申出がありました。
次に、期待される効果は、浸水被害の軽減とともに、排水機場などの農業用施設の負荷軽減、防災意識の向上など波及的な効果も見込まれるものと考えております。実施に当たっての課題は、何よりも農家の方々の御理解と御協力が不可欠なことであります。また、農地及び農作物に及ぼす影響の検証と、流域治水の観点からの普及方法や効果の検証手法などを国でも検討中です。市としましては、国の動向を見ながら田んぼダムの研究を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
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△質問項目
ポストコロナを見据えたスマートツーリズムの取組について
○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。
ポストコロナを見据えたスマートツーリズムの取組について、豊田朗議員。
〔豊田朗君登壇〕
◆豊田朗君 市民クラブの豊田朗でございます。通告に従い、一括にて質問させていただきます。
私からは、ポストコロナを見据えたスマートツーリズムの取組につきまして、2点ほど質問いたします。初めに、ポストコロナにおける本市の観光戦略についてお伺いいたします。御承知のとおり、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって多くの業界がダメージを受け、変革を迫られております。その中でも観光業界は最も大きな影響を受けた業界の1つであり、失われた需要を喚起するため、現在業界や自治体によって様々な取組が行われております。
我が国は、2017年に新たな観光立国推進基本計画を策定し、観光が日本の成長戦略の柱として、世界の観光需要を取り込む観光立国推進の方向性を示しました。そして、観光立国、観光先進国の実現に向け、各種施策を展開してまいりました。その結果、2019年の年間訪日外客数は、前年比2.2%増の3,188万2,000人となり、過去最高の数値となりました。しかし、その後は
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、訪日外国人旅行者4,000万人達成を目標として掲げた2020年には結果として411万人と、対目標値比では10%、前年比では13%と著しく低い値となりました。インバウンドのみならず国内旅行者数も大きく減少し、宿泊と日帰りを合わせた日本人国内延べ旅行者数は2億9,177万人、前年比で50%となりました。観光立国と観光先進国の実現に向け、各種施策を推進してきた我が国の観光事業でありますが、現在大きな試練を迎えております。今後、この事態の収束は想定されるものの、日常生活の変容による観光の復活や再生にはかなり時間を要するものと思われます。
本市におきましては、長岡の観光関連産業にイノベーションをもたらし、交流人口を拡大することを目的に、5か年計画の長岡市観光戦略プランを2018年に策定しております。共通の視点として来訪者の視点、デザイン思考による観光イノベーションなどを掲げたほか、地域資源を生かした観光の推進、様々な分野における来訪者の拡大など10の戦略を立て、この取組を市民、事業者、関係機関と連携を図り、官民一体となって推進することを目指しております。さらに、数値目標も上げ、観光入り込み客数を2016年の約750万人から、2022年には900万人とすることを目的としております。
そこでお伺いいたします。計画の4年度目を迎える本プランでありますが、本市におきましても
新型コロナウイルス感染症流行の影響は甚大であり、想定どおりのプラン執行とはいかなかったものと思われます。
新型コロナウイルス感染症が本市の観光事業に与えた影響も含め、現在までどのような成果及び課題が見られたのかにつきまして、数値目標と現状との乖離も含めてお聞かせください。
一方で、明るい兆しも見え始めております。昨年より世界中で
新型コロナウイルスワクチンの接種割合が上がり、一部の国や地域では行動制限の解除が始まっております。我が国におきましては、現在も水際対策による海外からの入国制限を継続しておりますが、ワクチン接種率の上昇に伴い、早期の訪日観光客の受入れ再開が期待されるところであります。しかし、コロナ禍収束後におきましても、従来の形態では観光客が以前のようには戻らないことも懸念されており、失われた需要を喚起するため、各分野でポストコロナにおける観光の取組が様々検討されております。本市におきましても、観光を取り巻く環境は当面厳しい状況が続くことが予想されますが、コロナ禍による苦境を新たな観光モデル創出のための好機と捉え、多様な関係組織との連携を強化しながら、官民一体となって事業体制の構築と成長のための取組を着実に進めるべきと考えます。また、今後本市の観光戦略につきましてもポストコロナの社会をにらみ、引き続き新しい視点や価値を取り入れる必要があります。そして、事業環境や需要の回復状況を勘案しながら、必要に応じて柔軟に見直しを行っていかなければなりません。
そこでお伺いいたします。失われた需要を喚起するため、各自治体においてポストコロナを見据えた様々な取組が検討され始めておりますが、本市におきましてはポストコロナの観光戦略の方向性をどのように考えていられるのかお聞かせください。
続きまして、本市におけるスマートツーリズムの取組についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって観光を取り巻く環境が大きく変化する中、最近はデジタル技術を活用した取組が増えております。その1つがオンラインツアーであり、ズーム等を活用することで自宅から観光地の様子を見て回ったり、現地の人と交流したりすることができるというものであります。料金も安価であり、コロナ禍で自粛が求められる中において、観光気分を味わいたいという層のニーズを取り込み、オンラインツアー専用の検索サイトまで登場しております。また、観光分野でVR、いわゆるバーチャルリアリティーを活用した取組も注目されており、魅力発信の手段として活用している自治体も増えております。訪れたい目的地を遠く離れた自宅からでも観光体験が可能となり、新しい形の体験や感動を提供することが可能となります。会津若松市や鳥取県などでは、既に観光分野でVRを活用した取組が実際に行われております。私の知人である東京在住の長岡花火ファンからは、長岡市でもVRを活用して長岡花火が見れないものかといった声も聞かれております。今後、観光事業の活性化を目指すためには、デジタル技術を効果的に活用することが重要であります。観光する側の情報収集源がインターネットに移行したことで、発信側もそのニーズに伴い発信スタイルを変えて、デジタル化に転換しなければなりません。
一方、別の角度から考えますと、デジタル化に取り組まれなければならないもう1つの背景として、世代の変化があります。10年後の旅行市場の主役となるのは、40歳未満のいわゆるミレニアル世代と、その下のいわゆるZ世代と言われる世代となります。我が国においては、これらの世代より上の世代の人口ボリュームが多いわけですが、世界的には既にこうした世代へターゲットが移行しており、インバウンドが回復したときにはこの世代が主役になってくると言えます。これらの世代は、小さな頃からインターネットやパソコン、スマートフォンのある環境で育った、いわゆるデジタルネーティブと呼ばれる世代です。そのため、こうしたデジタルネーティブの要請に応える準備を今から進めていかなければならないと考えます。
そこでお伺いします。本市におきましては、2018年より
長岡版イノベーションを掲げ、産業活性化や起業・創業の支援、変化に対応する人材の育成、行政サービスの改善の4つをテーマに市政を推進しております。そして、変化する時代に合わせた最適な行政サービスを追求するために、市民サービスの向上と行政事務の効率化を図り、デジタル技術の活用が進められてきております。そこで、観光分野におけるデジタル化を踏まえた本市のイノベーションの考え方につきまして、また現在の取組と今後の方向性についてお聞かせください。
観光分野におけるデジタル化につきましては、近年スマートツーリズムという言葉で取組が始まっており、観光関連の国際会議で議題として大きく取り上げられ、非常に注目を集めております。スマートツーリズムは、スマートシティーを観光に適用するという概念で、ここ数年研究が進められております。こうした動きを受け、我が国でもスマートツーリズムを普及していくことを目的に、経産省は2019年度のローカルクールジャパン推進事業で国内外の先進事例の調査を行っております。スマートツーリズムとは、デジタル技術を活用してこれからの消費者の観光ニーズを満たす観光サービスを提供するツーリズムを指します。すなわち、ICTの様々な技術を駆使して観光地における観光コンテンツや状況、訪問者の体験、さらには事業プロセスまでもデジタル化し、それらをリアルタイムに共有し、官民協働・共創により新しい価値を創出することを目指しておるものであります。官民の共創を実現するためには、まず観光地や自治体が提供する観光情報のオープンデータ化が必須となります。近年、自治体が保有する情報を機械判読可能かつ二次利用しやすい形で提供する取組、いわゆる公共データのオープンデータ化が世界中で行われており、オープンデータを活用した地域課題の解決や民間事業者等の新たなビジネス創出に対する期待が高まっております。オープンデータとは、機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータであり、人手を多くかけずにデータの二次利用を可能とするものであります。つまり、誰でも許可されたルールの範囲内で自由に複製や加工、頒布などができるデータをいいます。もちろん商用としても利用可能であります。人口統計や公共施設の場所などをはじめとする様々な公共データを市民や民間企業などに有効活用してもらい、社会経済全体の発展に寄与することを目的として、世界中で同様の試みがなされております。
こうした潮流において、我が国は2016年に官民データ活用推進基本法を制定し、自治体は官民データの活用推進に向けた基本計画の策定を義務づけられました。これに伴い、本市におきましてもオープンデータ推進に関する取組方針を策定し、経済活性化や地域の課題解決のため、情報を可能な限りオープンデータとして公開するよう着手しております。そして、現在、市ホームページのデータカタログにおいて、人口情報や防災情報をはじめ975件のデータを公開しております。自治体オープンデータの推進は、鯖江市、横浜市、流山市などにおいて先進的な取組が始められております。鯖江市では、市内のトイレ情報から始まり、観光やイベント情報、人口統計、避難所といった施設情報など様々なデータを公開しております。また、市営バスの運行情報がリアルタイムで確認できるなど、官民協働でサービスを提供しております。こうした中、現在観光分野における官民連携のオープンデータの活用が大変注目されており、全国の自治体において様々な取組が行われております。オープンデータを推進する各種コンテストにおいて、観光分野に関するオープンデータが多数エントリーされていることがそれを裏づけております。自治体が保有する観光情報をオープンデータとして活用することにより、既存の情報サービスの拡充やデータの収集コストの削減、あるいは多様な情報サービス間での連携活用により、地域情報の流通や促進が可能となり、新たな情報化社会への進展につながります。また、こうした観光情報の発信が地域活性化の手段として大きな役割を果たすものと思われます。残念ながら我が長岡市におきましては、観光資源が豊富にもかかわらず、公開されているデータカタログに観光分野で有効活用できる観光施設一覧やイベント一覧、文化財一覧といった情報が見られません。これはいささかもったいない気がいたします。
そこでお伺いします。観光分野における官民連携のオープンデータの活用に期待が寄せられる昨今、観光資源が豊富な本市において、なぜ観光施設一覧やイベント一覧、そして文化財一覧などの情報が公開されていないのか、その理由についてお聞かせください。
前述のとおり、国は官民データ活用推進基本法において、オープンデータへの取組により国民参加、官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化、行政の高度化、効率化を期待しております。一方で、自治体がオープンデータ化に取り組む際には様々な課題や問題点があるようです。内閣府は、自治体がオープンデータに取り組む際の課題の抽出及びオープンデータの取組促進に向けた効果的な支援策の検討に役立てることを目的に、2016年と2018年の2回にわたり自治体へアンケート調査を実施しております。そして、前回のアンケート実施から2年が経過した2020年に、最新状況を把握するため、改めてアンケート調査を実施しました。その結果によりますと、全国的にオープンデータの効果やメリット、ニーズが不明確、オープンデータを担当する人的リソースがないといった目的と効果及び人手についての課題が多く挙げられておりました。なお、本市の回答も同様の課題を挙げているほか、予算がない、オープンデータとして出すデータと出さないデータの仕分や判断ができないといった課題も挙げられておりました。
そこでお伺いします。自治体情報のオープンデータ化につきましては、前述したとおり様々な課題と問題点が挙げられているわけですが、改めて本市としてこの取組についてどのような課題と問題点があると思われるか、具体的にお聞かせください。
内閣府は、自治体によるオープンデータの公開とその利活用を促進することを目的に、政府として公開を推奨するデータと、そのデータの作成に当たり準拠すべきルールやフォーマット等を取りまとめた、いわゆる推奨データセットを作成しております。そして、オープンデータに取り組み始める自治体向けの基本編14種類と自治体、民間事業者向けの応用編8種類の計22種類を公開し、可能な限り各自治体で準拠するよう促しております。また、内閣府は推奨データセットに基づいたデータ公開のメリットを幾つか挙げておりますが、中でも公開したデータが他のアプリケーションから利用されやすくなる点については特に観光関連データに多く見られ、準拠している自治体からは、観光情報サイトや乗換案内サイトに活用されるようになった等の事例も挙げられております。前述のアンケート調査によると、21%の自治体が観光に関するデータセットを公開しておりますが、そのうち55%の自治体が推奨データセットに準拠したデータを公開しております。今後、推奨データセットに準拠したデータが増加していくことにより、さらにオープンデータの活用が進むことが期待されます。
そこでお伺いします。推奨データセットに基づくデータ公開により、観光分野では官民で利活用が大きく期待されるところであります。しかし、同アンケートの回答によりますと、本市においては現在のところ準拠しておらないようです。そこで、本市において準拠しない理由及び今後準拠を検討されているのかについて、本市の考えをお聞かせください。
最後に、観光情報オープンデータの活用についてお伺いいたします。政府CIOポータルには、オープンデータ100として、オープンデータの取組を検討する地域の参考になるよう、様々な事業者や自治体によるオープンデータの利活用の事例や、特筆すべき継続的なイベントやプロジェクトが公開されております。そして、近年のスマート化の潮流を受ける形で観光に関連する事例も増えてきております。函館市にあります公立はこだて未来大学では、2012年度より着地型観光情報のオープンデータ化と、それらを活用する観光モバイルアプリの開発に取り組んでおります。これは、ソフトエンジニアを目指す学部1年生から大学院生までを対象とした高度ICT演習の一環として取り組まれたものであります。そして、函館の観光や飲食店に関する膨大な情報を閲覧できる函館観光マップのアプリケーション「はこだてMap+」を開発しました。実際にアプリを開き、周辺の地図を見るというところをタップしますと、函館駅を中心とした地図が表示されます。観光名所や飲食店の場所にピンが立っており、そのピンをタップしますと各地点の詳細な情報が閲覧できるようになっております。そして、アプリのホーム画面に戻り、今度はコース一覧を見るというところをタップしますと、きらめきのライトアップ教会編、また幕末の志士たちが駆け抜けた函館などのテーマ別観光ルートが22コース表示されます。コースを選びタップしますと、地図の画面に切り替わり、ルートを教えてくれます。さらに、防災情報も設定されており、災害を想定していない観光客でも災害に対応できるような配慮がなされております。活用しているデータは、主に函館市が公開しているオープンデータであります。また、函館市をはじめ、地域団体との協働の下、函館市や商工会議所、函館高専などが作成しているウェブサイトなど、地域の観光情報コンテンツを活用しております。まさに産・官・学連携による観光情報のオープンデータ化と、それらを活用した着地型観光モバイルアプリケーションの開発の実践例であります。
こうした観光事業に関する産・官・学連携の取組は、仮に本市で実践することを想定した場合、環境的にも観光資源のボリュームから見ても、決して不可能なことではないと思われます。さらに、全てのコースのスタート拠点を例えばながおか花火館やミライエ長岡に置くことで総合的な効果も期待されます。こうした取組は、むしろ次世代に対応する観光施策として、あるいはポストコロナを見据えた観光イノベーションの方向性として、既に検討する段階に来ていると考えます。以上のように、地域の観光オープンデータは様々な地域連携を通じて初めて作成可能となります。しかし、その主体となるのはやはり自治体であり、地域の観光関連団体であります。それらが適切に連携、協働することにより、観光データが縦割りに多重管理されることなく即時に共有され、消費者の利便性向上に寄与します。そして、それが結果として
新型コロナウイルス感染症流行で大きなダメージを受けた本市の観光事業の復活、再生につながるものと思われます。
そこでお伺いします。次世代への対応並びにポストコロナの観光イノベーションとして、本市におきましても産・官・学による観光情報のオープンデータ化、さらにそれを活用した着地型観光モバイルアプリケーションの開発を検討すべきと考えますが、本市の考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 磯田市長。
〔市長磯田達伸君登壇〕
◎市長(磯田達伸君) ただいまの豊田議員の御質問にお答えします。
私からは、観光イノベーションの基本的な考え方について申し上げたいと思いますが、今の豊田議員の御質問を聞いていて、まさにデジタル技術を活用したときに、我々の生活とか社会というか、経済も含めてどのような可能性があるのか、どういう展開がこれからできるのかということを観光という切り口でお話しになったという感じを持ちました。そういう意味では、
長岡版イノベーションが目的とする新しい技術によって新しい長岡を切り開いていくというお話でもあったのかなというふうに思っているわけであります。御紹介のあった一つ一つは確かにそのとおりだなと思いながら、今までの長岡市の観光の考え方は、やはり1つはコンテンツをしっかりとつくっていくと、地域の宝とか長岡の宝、観光拠点をつくっていくということにやっぱり注力してきたわけでありますが、これからはデジタル技術を使ってオープンデータ化し、オープンイノベーションによってそれをどういうふうに結びつけ、発信していくか、そして人を呼び込んでいくかということが本当に大きな課題というか、これからやるべき仕事であると私も思っているところであります。そういう意味で、スマートツーリズムの御紹介がありましたが、長岡の観光にとっても非常に有効な、必要な手段であると認識しているところでございます。もともとイノベーションの考え方の中には、もちろん多様な考え方があって、こうだというふうには言えないわけでありますが、利用者あるいは顧客、長岡であれば長岡市民、観光であれば観光客、観光に行きたいと思っている方々のニーズや思い、願望をまず把握して、そして実現しようという動機が出発点になろうかというふうに私は思っております。そういった意味では長岡の本当の魅力が何かというものは、これからも地域の皆様、長岡市民の皆様と一緒につくっていきたいと思っているところであります。そして、それを生かす手段として最も効果的なのがデジタル技術ということについては、全くそのとおりだと思っております。本市においては、デジタルスタンプラリーとか観光案内でQRコードを使ったりとかを少しずつやり始めているわけなんですが、今後は道の駅ながおか花火館や米百俵プレイスミライエ長岡におきましてもデジタル技術を活用し、御紹介いただいたような観光ルートや地域資源などの情報の発信強化に取り組んでいきたいというふうに考えております。そういう意味では、正直に申し上げて長岡の観光のスマートツーリズムはまだまだ始まったばかりというのが正直なところでございます。そういう中で今後の展開を考えたときに私がちょっと思っているのは、昨日の五十嵐議員の一般質問の答弁でも触れました、山古志住民会議が電子住民票を発行してデジタル上の関係人口をつくろうという仮想山古志プロジェクトでありますが、こうした取組はまさに先駆的かつ示唆的な取組だというふうに感じております。本当にデジタル後進国と言われて久しい日本国内においても、観光情報のネット発信の強化はもとより、仮想現実、VRや拡張現実、ARなどデジタル技術を活用した新たな試みが出てきております。御指摘いただいたとおりでございます。これからこうしたデジタル化、デジタル技術の活用というのは加速していくと感じておりますので、仮想山古志プロジェクトのような言わば仮想の世界においても観光あるいは体験ができ、そしてそれが現実の長岡の観光や長岡市民とのコミュニケーションや経済的なつながりを持つことにつながっていく、リアルワールドとつながっていくような、そういった新しいデジタル技術を活用した試みも積極的にやっていきたいと考えているところであります。
コロナ禍の収束後を考えますと、確かに接触型から非接触型へという流れはある程度残るのかなと思う一方で、日本は本当に世界でもまれな物価の安い国、食事も宿泊も交通費も本当に格段に安価な国になっていますので、そういう意味では世界からまた多くの観光客が押し寄せるインバウンドが復活する可能性も十分にあるというふうに考えております。その受け皿をつくっていく、あるいは長岡の観光におけるデジタル化や観光戦略にしっかりと取り組んで多くの方々を受け入れるといった体制をつくっていきたいと考えているところであります。
私からは以上でありまして、残りの御質問については観光・交流部長からお答え申し上げます。
○議長(松井一男君) 伊藤観光・交流部長。
〔観光・交流部長伊藤美彦君登壇〕
◎観光・交流部長(伊藤美彦君) 私からは、ポストコロナにおける本市の観光戦略とスマートツーリズムについて、市長の答弁以外の御質問にお答えいたします。
初めに、観光戦略プランにつきましては平成29年度に策定した計画であり、数値目標としている観光入り込み客数は、計画最終年度である令和4年度の目標値900万人に対し、直近の確定値の令和2年度では412万人と、新型コロナの影響により大きく落ち込んでいる状況にありますが、道の駅ながおか花火館や旧機那サフラン酒製造本舗の米蔵のオープン、長岡花火、日本酒、錦鯉などの地域資源のブランド強化、情報発信などに努め、観光誘客に取り組んでまいりました。現行プランの課題としましては、新型コロナの影響による観光スタイルの変化、そして急速に浸透する社会のデジタル化を踏まえた取組を進めることであり、次期プランの策定においてはポストコロナを見据え、これらの課題を反映した計画の策定に取り組んでまいります。
次に、観光分野におけるオープンデータの活用につきましては、これまで市の観光情報データは国の推奨データセットに準拠したデータも含め、データ公開に対する効果を十分に認識していなかったため、現在公開しておりませんでした。このことに対する課題や問題については、先ほど議員から御紹介のありましたアンケート調査のとおり、オープンデータの効果やメリット、ニーズが不明確などでありましたが、データの公開が観光アプリの開発など民間企業の観光事業を促すとともに、長岡への観光誘客や地域経済の活性化に資することから、今後データの公開に取り組んでまいります。
最後に、着地型観光情報のオープンデータ化及び観光モバイルアプリケーションの開発につきましては、まずはオープンデータ化に向けた地域資源の魅力向上や観光関連事業者などが企画する体験プログラムの整備に取り組み、併せて他市の先進事例を参考にするとともに、関係団体や企業とも連携しながらモバイルアプリなどのデジタル技術の活用に取り組んでまいります。
私からは以上です。
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○議長(松井一男君) この際、20分程度休憩いたします。
午後2時22分休憩
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午後2時40分開議
○議長(松井一男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(松井一男君) なお、報道関係者からテレビ撮影の申出がありましたため、傍聴規則に基づいて議長においてこれを許可いたしましたので、御了承願います。
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△質問項目
教職員の働き方改革について
東川口保育園の移転・新築について
副市長の退職金について
○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。
教職員の働き方改革について、東川口保育園の移転・新築について、副市長の退職金について、桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 桑原望です。通告に従いまして、教職員の働き方改革について、東川口保育園の移転・新築について、副市長の退職金についての3項目について、一問一答方式にて質問をさせていただきます。
まず初めに、教職員の働き方改革についてお聞きいたします。教育の課題は多様化、複雑化、深刻化してきました。このような課題は、学校や教職員に対する過度な期待となり、教職員の長時間勤務という形で表れました。もはや教職員の勤務実態は看過できない状態となっております。私たちは、今の教育水準は当たり前のことだと思いがちですが、今の教職員の勤務状況では意欲と能力のある人材が教師を志さなくなり、学校教育の水準が低下することが危惧されております。教育の課題を解決するためにも、教育を最前線で支える教師の長時間勤務の是正は待ったなしの状態であります。長岡市教育委員会は、長岡市立学校における働き方改革推進のメッセージの中で、1、長岡市教育委員会が進める働き方改革の目標、2、市立学校における時間外勤務の現状、3、市立学校における共通取組の内容、4、市立学校における取組の例を紹介しております。長岡市教育委員会が進める働き方改革の目標は、時間外に勤務する時間は1か月で45時間以内、時間外に勤務する時間は1年間で360時間以内としています。特に、過労死や健康障害の危険性が高まる時間外の勤務が月80時間以上の教職員数、時間外の勤務時間が年間720時間を超える教職員をゼロにする取組を進めております。最近では
新型コロナウイルスの影響が学校現場にもあり、
新型コロナウイルス感染症対策による新たな負担がある一方で、感染症対策によって行事が縮小、中止されている現状もあります。そこで、教職員の働き方改革の取組状況について、勤務時間の実績や主な取組についてお聞きいたします。
○議長(松井一男君) 安達教育部長。
〔教育部長安達敏幸君登壇〕
◎教育部長(安達敏幸君) 御質問にお答えいたします。
長岡市では、令和元年度より本格的に教職員の働き方改革に取り組んでまいりました。令和2年10月に長岡市立学校における教職員の働き方改革のガイドラインを定め、御紹介のありました長岡市立学校における働き方改革推進のメッセージを令和3年度に発出いたしました。保護者や地域住民と連携、協力して進めてまいりました。具体的には電話の受付時間の設定や、学校の業務の見直しなどに取り組んでまいりました。また、全ての学校が運動会や合唱コンクールなどの学校行事を見直しております。さらに、校時をはじめ会議や打合せの精選、各種便りの工夫、通知表の簡略化などにも取り組んでまいりました。このような取組の成果といたしまして、今年度の1月末現在で、時間外の勤務時間が月45時間を超える教職員の割合は約40%であり、本格的にスタートした一昨年度の同時期よりも10ポイント近く減少しております。また、月80時間を超える長時間勤務の割合は4%で、半減しております。コロナ禍の影響があるとはいえ、超過勤務時間の減少傾向は働き方改革推進の1つの成果であると認識しております。
以上であります。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 次の質問に移ります。
厚生労働省によりますと、そもそも働き方改革は、働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する改革としております。また、働き方改革が行われた背景には、労働生産性が低下していることがあります。教育における生産性とは、未来を担う子どもたちのためになっているかどうかであります。勤務時間の長い教職員は、子どもたちのためにと一生懸命仕事をしている人がほとんどであり、その意識はすばらしいのですが、結果として心身に不調を来したり、研さんの時間が確保できないのでは、本来の子どもたちのためになっているとは言えません。私は、教職員の働き方改革を成功させるためには、単に教職員の負担軽減の視点だけではなく、子どもたちのためにという視点が必要であると考えます。今まで継続的に行われてきた行事や仕組みなど、子どもたちのためになっているかどうかという視点で抜本的に見直す教育改革が必要だと考えますが、長岡市の考えについてお聞きいたします。
○議長(松井一男君) 安達教育部長。
〔教育部長安達敏幸君登壇〕
◎教育部長(安達敏幸君) お答えいたします。
これまで当たり前のこととしてあった学校の様々な教育活動について、改めて見直すことは働き方改革を推進するために必要なことと考えます。その際には、何よりも子どものためを中心に据え、教職員の負担軽減につながるといった視点で取り組む必要があります。そもそも教職員の働き方改革を推進する目的は、教職員がワーク・ライフ・バランスを整え、教育に対する熱意と使命感をさらに高め、やりがいや充実感を持つことにあります。このような教職員の手による教育活動は、子ども一人一人の個性を輝かせ、幸せをつくり出していける教育の実現につながるものと考えます。教職員が働き方改革の目的を見失わずに、単に勤務時間を縮減するだけでなく、日々の授業改善をはじめ、より質の高い教育を提供することができるよう、引き続き指導してまいります。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 今ほど、働き方改革を進めるためには子どもたちのためにという視点を持つ必要があると述べさせていただきました。この視点を踏まえまして、エデュダイバー構想についてお聞きいたします。
今児童・生徒に必要なのは、個別最適化された学びの保障です。不登校、発達障害や学習障害、ギフテッド、子どもの貧困家庭、外国人や日本語が苦手な子どもなど様々な課題があります。このような課題に、教師が1人で大勢の児童・生徒に対して授業する一斉授業で対応することは物理的に困難であります。児童・生徒一人一人に個別最適な学びを提供するために優れているのがICTの活用であります。1人1台のパソコンやタブレットが実現した現在、その活用方法が重要です。長岡市は、ICTを活用した長岡市独自の教育体制としてエデュダイバー構想を進めておりますが、この構想は児童・生徒に個別最適な教育を提供することが可能でありながら、同時に教職員の働き方改革も進めることが可能な構想だと期待しております。そこで、エデュダイバー構想の進捗についてお聞かせください。
○議長(松井一男君) 安達教育部長。
〔教育部長安達敏幸君登壇〕
◎教育部長(安達敏幸君) お答えいたします。
エデュダイバー構想につきまして、その中で現在進めております長岡市双方向型教育情報プラットフォームで提供するコンテンツにつきましては、幅広い興味や関心を持つ子どもたちに教育的ニーズに対応できるよう、高等教育機関、企業等に制作や登録の協力を幅広く呼びかけていく予定であります。教職員に対しては、教育活動に取り入れることができる体験活動や職場体験情報を提供するとともに、そこから申込みができる仕組みづくりを導入し、提供いたします。これまで教職員が企業や大学等に個別に依頼していた業務をプラットフォームでつなぐことで、業務負担の大幅な軽減と利便性の向上を図ってまいります。今後は、ユーザーインターフェースやコンテンツ、体験活動等のより具体的な内容について検討を進めていきまして、来年度半ばには試験的運用を始めていきたいと思っております。このことを通して、より有効で利便性の高いものを提供し、教職員の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 続いて、部活動の在り方について質問させていただきます。
部活動の指導は、教員の多忙化の原因の1つとされ、負担を感じている教職員も多くなってきております。公立学校の教職員は残業手当が支給されないため、教職員は少額の手当のみで休日の部活動を指導しています。このように現在の部活動は、教員の献身的な取組によって支えられておりますが、このままの形で継続することは限界に来ています。一方、生徒や保護者の立場からはいろいろな要望がございます。保護者からは、経験があり指導できる教職員から部活動の顧問になってほしいという要望がありますが、必ずしも経験のある方が顧問として配置されているわけではありません。また、少子化の影響もあり中学校の部活動の数が少なく、希望する部活動に所属し、活動することができない状況もあります。このように現在の部活動は、教職員の方々の懸命な貢献により行われております一方で、多くの課題があります。このようなこともあり、文部科学省では部活動の段階的な地域移行の方向で議論されております。そこで、長岡市として部活動の在り方についてどのような検討がなされているのかお聞かせください。
○議長(松井一男君) 金澤教育長。
〔教育長金澤俊道君登壇〕
◎教育長(金澤俊道君) お答えいたします。
まずもって部活動は、仲間と力を合わせて目標に向かって努力する中で、喜びや挫折、また感動などを味わいながら、仲間の大切さ、協調性、それから対応力など大切なことを数多く学ぶことができる教育的意義が非常に高い活動であると認識しています。しかし、議員御指摘のとおり、昨今部活動においては多くの課題が指摘されています。生徒数や教職員数の減少に伴い部活動の設置数が減り、自分が通う学校にやりたい部活がない、専門的に指導できる教員が少ないなどの課題もございます。また、教員の働き方改革の視点から、部活動が中学校教員の超過勤務の原因の1つになっていることも大きな課題であります。こうした課題を解決するために、現在部活動の検討委員会で関係のスポーツ団体やPTA連合会等と連携し、本市における部活動の在り方について、地域移行も含め協議を行っているところであります。その中で、御自身も仕事を抱えながら子どもたちの指導を行っている競技団体の指導者の方からは、現状でも厳しい中、地域移行は教員の負担軽減のためなのかというような御意見を頂くこともございます。長岡市では、部活動の教育的意義を見失うことなく、生徒たちが環境的、経済的な理由などによらず、やりたいスポーツや文化活動を誰もが気軽にできる場をつくり出すことが何より大切だと思っています。子どもたちのため、教職員やスポーツ団体、地域の方々それぞれがのり代を出し合いながら進めていくことが必要であり、今後検討会を通して教職員の負担軽減も含め、一部に負担がかからぬよう、よりよいスポーツ、文化活動の受け皿づくり、環境整備を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。
続きまして、東川口保育園の移転・新築について質問をさせていただきます。平成28年度に川口地域の地域委員会から、川口地域内の東川口保育園及び西川口保育園を統合し、統合保育園の新設を要望する川口地域の子育てに関する要望書が提出されました。令和元年度には西川口、東川口保育園が統合されまして、長岡市は令和2年7月に開催された東川口保育園の保護者向け説明会にて、東川口保育園を民営化し、川口中学校敷地内で建設することを説明されました。説明会では、保護者から民営化の不安と水害への不安の意見が多く寄せられました。川口中学校は、平成23年度の水害で床下浸水となっている場所であり、水害が心配だという保護者の意見に対して長岡市は、緊急時には中学校舎の3階以上を避難場所として使用できれば安心だと考えているとお答えになりました。しかし、長岡市の洪水ハザードマップでは、信濃川が氾濫した場合の川口中学校の想定浸水深は6.27メートルであり、長岡方式の避難行動フローでは、5.0メートル以上は何階建てであっても浸水しない場所へ車等で避難する立ち退き避難が最適とされている場所であり、自宅より上の階に避難する屋内安全確保はふさわしくないとされております。このようなことから、東川口保育園の川口中学校敷地内への移転・新築について、私は安全面と手続面から大きな問題があると令和3年6月定例会の文教福祉委員会にて取り上げさせていただき、その後も一般質問や委員会の所管事項に関する質問で取り上げさせていただきました。長岡市は民営化の手続を一時中止し、今日までの間に保護者や地域委員会に対する説明会や、保護者アンケートなどを実施してきました。そして、先日、長岡市の方針である「東川口保育園の移転・新築に係る現状と今後の対応について」が示されました。その方針の中で、1、東川口保育園の移転先は川口中学校敷地とし、水害対策をしっかり取り、安全・安心な保育園をつくる。2、民営化の受け手がない場合、最終的には公設公営で保育園を確保する。3、新しい保育園は令和6年度中の開園を目指す。4、今後も引き続き保護者に対して適宜説明や懇談の場を設けると、地域住民及び保護者へお知らせした上で、民営化の手続を再開すると記載されております。以上、これまでの経緯や議会での議論、保護者の意見を踏まえ、重要だと思われる点について幾つか質問をさせていただきます。
まず初めに、園舎の安全性についてです。基本は水平避難であるということは先ほども述べさせていただきましたが、万が一を考えると園舎そのものの水害対策も重要であります。今回の基本方針である東川口保育園の移転・新築に係る現状と今後の対応についてでは、園舎の水害対策という保護者からの意見は市としても対応可能な内容とあります。また、水害対策をしっかり取り、安全・安心な保育園をつくるとも記載されています。そもそも令和2年7月の保護者説明会では、建設する園舎は垂直避難ができる建物を考えていると保護者に説明しております。また、令和3年6月定例会の文教福祉委員会で高見副市長は、きちんと説明をして十分に安全な園舎を建設すれば、ここでの立地は可能だと考えていますと答弁されております。これらのことから、川口中学校の敷地内に建設する場合、万が一のときに備え、例えば鉄筋3階建てなど垂直避難ができる十分に安全な園舎を建設することが最低限の義務だと考えますが、園舎の安全性についてお聞かせください。
○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。
〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕
◎子ども未来部長(水島幸枝君) 園舎の建設に当たりまして、ハード面の安全性を確保することはまず第一に考えるべきことだと思っております。それは当然のことながら、今回川口地域に新たに整備する保育園においても重要視しております。また、そういった御意見もこれまでの間で様々伺ってまいりました。そのため、現在市内の社会福祉法人等を対象に民営化の公募条件を整理する目的で行っているサウンディング型市場調査の中で、市として施設整備における安全確保に対する考え方をお示しし、各法人と意見交換した上で、公募の段階において適切な条件を設定したいと考えております。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。
続いて、川口中学校の保護者への説明についてお聞きいたします。保育園の保護者に対するアンケートでは、水害時には中学生に園児の避難を手伝わせるのか、また中学校のグラウンドが狭くなるのか心配など、保育園を中学校敷地内に建設することに対する不安の声も多くありました。令和3年7月と12月に行われた保育園の保護者説明会に私も参加させていただきました。説明会の中で保護者から、中学校の保護者に対する説明会をしてほしいとの声が多く出されました。しかし、東川口保育園の移転先の候補が川口中学校となってから現在までの間、川口中学校の保護者への説明会は行われておりません。川口中学校の敷地に保育園を移転・新築するのであれば、中学校の生徒や保護者も当事者であり、保護者に対して説明を行うのは当然のことであります。また、今回示された長岡市の方針の中にある保護者に対して適宜説明や懇談の場を設けるとの方針からも、川口中学校の保護者に対し説明を行うべきと考えます。そこで、川口中学校の保護者への説明について、お考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。
〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕
◎子ども未来部長(水島幸枝君) 川口中学校の保護者に対する説明についてでございます。昨年12月、未就学児のお子さんをお持ちの保護者を対象とした説明の中での御意見を踏まえ、私どもといたしましても丁寧な情報発信に努めることが必要と考え、川口小学校及び中学校の保護者に対して、まずもって2月下旬に文書を配布いたしました。文書の内容につきましては、保育園の建設地を川口中学校の敷地内とした市の考え方、そして多分ここが御心配であろうと思われますけれども、中学校の教育活動と保育園の保育活動が互いに干渉しないよう、学校とともに十分配慮していくことなどを説明したものであります。今後の進め方につきましては、保育園の移転・新築の進捗に伴いまして、必要な対応をしていきたいと考えております。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 続いて、民営化と公設公営についてお聞きいたします。
民営化の受け手がない場合、最終的に公設公営で保育園を確保するという長岡市の方針が今回示されました。東川口保育園の移転・新築は、地域委員会などから要望がありましたが、民営化に関しては地域委員会や保護者から要望があったわけではないと私は理解しております。民営化に関しては、保護者から不安の声が当初からありました。令和2年7月の保護者説明会では、民営化の受け手となる法人はどのような法人を想定しているのかという保護者の質問に対し、長岡市内で保育施設を運営している実績のある社会福祉法人や学校法人を考えているとお答えになっています。しかしながら、令和3年の保護者説明会では、応募法人がなかった場合の対応に関する保護者からの質問に対して、市外法人も含めて再公募のパターンも想定しているというお答えがありました。一方、令和3年10月に行われた保護者向けアンケートの民営化方針(案)の中では、公募に関して応募法人がなかった場合はどうなるのかという問いに対し、東川口保育園は川口地域で唯一の保育園ですので、応募がなかった場合には公設公営として保育を確保していく必要があると考えていますと記載されておりました。このような経緯から、私は昨年12月の文教福祉委員会で、民営化を行った際に市内の法人で公募がなかった場合に市外法人も含めて改めて再公募するのか、それとも公設公営で進めるのかということについてお聞きいたしましたが、今のところ決まっていないというのがそのときの答弁でございました。今回長岡市の方針として、民営化の受け手がない場合、最終的に公設公営で保育園を確保するとの方針が示されたこともあり、市内法人から民営化の公募がなかった場合にどのように対応するのか、民営化と公設公営についてお考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。
〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕
◎子ども未来部長(水島幸枝君) 民営化の対応についてですけれども、今回の件につきましては川口中学校の敷地内に保育園を建てるということ、それから民営化を進めるということも含めまして、いろいろな地域の皆様の思いもあると思いますけれども、一定程度の御理解を頂いたということで進めさせていただいているところです。現在、市内の社会福祉法人等を対象にサウンディング型市場調査を行っており、まずもって民営化の受け手として応募する意向があるかどうかを確認しているところです。この中で、応募に意欲を持つ法人があれば公募手続を進め、民営化の受け手となる法人がないと判明した場合には公設公営として保育園を確保してまいります。なお、これまでの検討の中で、民営化における市内法人の実績を踏まえ、さらには新しい保育園の早期開設を目指す観点から、市外法人への意向調査は行わない方向で考えております。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。今の答弁は明確で、非常によく分かる答弁だったんじゃないかなというふうに思います。
続いて、将来的な安全面の確保について質問をさせていただきます。現在の東川口保育園は、昭和53年4月に設置されましたので、建設から40年以上の月日が流れています。新しく建設される園舎も恐らく長くて40年、短くても20年から30年は活用されると予想されます。そのため、将来的な安全面の確保も重要な課題だと私は考えます。IPCC、気候変動に関する政府間パネルの第6次報告書では、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がないと明記されております。パリ協定は、産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目標として掲げ、各国に削減目標の提出、更新を義務づけています。2度未満の達成には2030年に10年比で約25%減、1.5度の達成には約45%減が必要とされますが、各国の削減目標改定が遅れており、気候変動枠組条約のエスピノーザ条約事務局長は、現在の削減の水準ではパリ協定の目標達成は到底おぼつかないとしています。そして、RCPシナリオでは、21世紀末頃には産業革命以前と比べて2度及び4度気温が上昇する予測となっているが、2040年から2050年頃にはいずれのシナリオでも2度程度上昇すると予想されております。さらに、2度上昇した場合の降雨量は約1.1倍、流量は1.2倍、洪水発生頻度は約2倍になると予想されております。つまり、今から20年から30年後の2040年から2050年頃には、洪水発生頻度は約2倍になることが確実視されているわけであります。残念ながら、時間の経過とともに防災の意識は低下しがちです。だからこそ、今の段階から将来につながる仕組みをつくり、将来的な安全面の確保について準備する必要があります。今回の東川口保育園の移転・新築について、保護者の中には高い関心を持つ方は少なくありません。保育園の安全性を確保するのは、園舎が完成して終わりではありません。例えば避難訓練や園との連絡体制など、ふだんからの関係づくりが重要になります。今保護者の方を中心に、防災意識が高いうちに保護者と保育園、行政とで連携を取っていくことが保育園の安全性はもちろん、川口地域のまちづくりにもつながっていくことと考えます。そこで、将来的な安全面の確保についてお聞かせください。
○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。
〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕
◎子ども未来部長(水島幸枝君) まずもって、市内の全ての保育園では、災害時の対応について入園時に保護者へ説明するとともに、毎月実施している避難訓練、そして定期的に行う園児の引渡訓練により、園児、保護者、保育園が緊急時の行動について確認をしております。また、このたびは川口中学校の敷地内に保育園の移転ということを伴いますので、当然のことながら新たな避難確保計画を策定し、災害時の対応について、保護者はもとより地域、隣接する小・中学校とも情報を共有してまいります。市といたしましては、防災関係部局と密接に連携しながらこうした防災対策に引き続き取り組むことにより、今後も保育園における防災力の維持・向上に努めてまいります。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 次の質問に移ります。
副市長の退職金について質問をさせていただきます。私は、令和3年3月定例会において、副市長の退職金について一般質問をさせていただきました。長岡市の副市長の退職金は、退職手当率が高過ぎるために、県内他市や同規模の特例市と比べて高額になっております。特に新潟市の副市長の退職金と比較し、退職手当率だけではなく、実際の金額も高額な長岡市の副市長の退職金は、市民や職員に対し説明がつかない金額であり、引き下げるべきだと述べさせていただきました。あれから1年がたち、この間に特別職報酬等審議会も開催されましたが、長岡市の副市長の退職金は高いままであります。議論に先立ち、まずは副市長の退職金の計算式や、県内他市や中核市と比べてどうなのか、副市長の任期がいつになるのかを踏まえ、副市長の退職金に対する認識についてお考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) お答えいたします。
副市長の退職手当の算出方法につきましては、報酬月額に在職月数と退職手当率を乗じて算出した額となります。特別職の退職手当につきましては、過去の特別職報酬等審議会におきまして、手当の額や率のみを比較対象とするのではなく、報酬や手当を含めた1任期の総収入額で比較することが適当であるという意見が出されております。このことから退職手当のみで比較すると、施行時特例市は23市ございますけれども、23団体中2番目、県内では1番目となっておりますが、先ほどの総収入額で比較すると、施行時特例市23団体の中では14番目、県内では新潟市に次いで2番目となっており、適切な順位にあると認識しております。ちなみに、4年間の1任期総収入の額では、新潟市の副市長のそれよりも長岡市の場合は500万円以上低い額となっております。
なお、副市長の任期は4年でありまして、高見副市長の任期は令和5年7月まで、大滝副市長の任期は令和7年3月までであります。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。今ほど1任期総収入という言葉が出てきておりまして、それはまた後ほど聞きますけれども、特別職報酬等審議会ということが今出てきまして、今年度も報酬審議会が行われていると思いますが、昨年度の報酬審議会は
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため書面表決となりました。私は1年前の一般質問で実際に会って開催すべきだと質問させていただきまして、今年度は開催されましたが、副市長の退職金については引き下がるという結果にはなりませんでした。そこで、今年度の報酬審議会についてどのような議論が行われ、どのような結論になったかお聞かせください。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) 特別職報酬等審議会では、市長、副市長のほか、教育長や議員等の特別職の報酬、給料、退職手当について、類似団体や県内他市の状況、市の財政状況、これまでの改定状況等について資料をお示しした上で毎年度判断いただいております。今年度も審議会開催日前に資料を配付しまして、過去の審議会での意見を踏まえ、検討の視点として1任期総収入の考え方を含めて説明の上、審議いただきました。委員からは、いずれの項目についても据置きが妥当ではないかという意見や、他団体の動向や経済情勢を考慮して1任期の総収入という考え方で均衡を図ることが必要ではないかという意見が改めて出されました。結論としまして、長岡市内の経済情勢が
新型コロナウイルス感染症の影響により先行き不透明であることや、同規模の施行時特例市及び県内他市において大きな改定の動きがないことなどの理由から、各項目とも現行の額に据え置くことが適当との答申を頂いております。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 御答弁ありがとうございました。先ほど来1任期総収入で判断という言葉が出ておりますが、私は1任期総収入で判断するということがそもそも間違っていると考えております。なぜかというと、月額報酬と退職金はそれぞれ別のものですから、本来別の目的があるはずであります。1任期総収入で考えるのであれば全部合わせた額、そもそも月額報酬とか退職金という制度をなくしてやるべきでありますし、さらに仮に1任期で判断というのであれば月額報酬を議論すべきであって、1任期総収入を調整する調整弁のような形で退職金を使うこと自体が間違っていると考えておりますが、改めて市の考えをお聞きいたします。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) 今ほどの御質問ですけれども、やはり給料月額ですとか、あるいは退職金といった1点1点の単一のものについて、その妥当性を議論するというのがなかなか難しい、やっぱりそれはそれぞれの市の情勢とかがございますので、難しいというのがございます。それで、やはり委員の皆様からどういう判断基準が妥当といいますか、適切に検討できるのかという中で、1任期総収入で比較するのが今のところは一番妥当ではないかという御判断をいただきまして、これまではそれに従っているというところであります。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。これは副市長に限らず特別職という意味で、1任期総収入という考え方について、これは市長も含めてということで今まで議論されていると思うんですけれども、私はこの退職金の算定方法としての1任期総収入ということについて調査いたしましたが、1任期総収入で特別職の退職金を判断すべきだなどといった国からの指針やガイドラインのようなものは見つけられませんでした。さらには、全国の他市において、私が知っている限り、1任期総収入で判断している事例は見つかりませんでした。これだけ極めて珍しい判断の基準を長岡市独自で用いていると考えますし、国からの指針でもなく、全国でもこのような指針で決めている例はないという状況だと考えますが、市の認識についてお聞きいたします。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) すみません、私も国の指針のところまではよく調べておりませんので、何とも申し上げられないのですけれども、確かに国の指針がこうであるからといって、それに従って判断しているというわけではないと思います。ほかの市とは審議の対象項目がやはり若干違うと。例えば新潟市や上越市であれば、退職手当というのはそこの審議には入ってこない。逆に議員であれば議員の政務活動費が入ってきたりすることもありまして、どの額を細かく内訳でやっていくかというのはそれぞれの市によって違うものがありますので、やはりそれはそれぞれの市のやり方があると思います。そういった中で、長岡市では1任期総収入という任期の中で全体の収入が幾らかというのを判断させていただくと。それであれば、ほかの市でも当然退職金とかボーナスもあるわけですから、比較ができるということで1任期総収入という考え方を採用しているというところであります。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 今のところで再質問をさせていただきます。
細かい項目が違うということで、新潟市や上越市の例もありましたけれども、私が調べた限りでは、全国の中でも1任期総収入でやっている例は見つかりませんでした。もしかするとあるのかもしれませんけれども、少なくとも主要な、大多数が採用している判断の基準ではないと思います。もう一度確認しますが、長岡市独自の判断基準ということでよろしいでしょうか。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) お答えいたします。
すみません、私のほうでも他市がどういった、1任期総収入というやり方を取っているかどうかというのをよく調べておりませんので、私のほうでは1任期総収入というのが長岡市のやり方としてここ数年間は理解を得られている考え方だと思っておりまして、これまではその考え方でやってきたところであります。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございます。私は、今回の質問前に情報公開制度を活用いたしまして、過去の報酬審議会の議事録に目を通しました。もちろん古いものは破棄されておりますので、平成6年頃からしかなかったと思います。今ほど報酬審議会で認められているというか、同意されているみたいな感じで言われましたけれども、その議事録の中では何名かの委員から、例えば報酬月額の引上げと併せて退職手当率を下げるなどの工夫が必要、または年収と退職手当額のバランスが悪い。施行時特例市の中でも上位にあることは事務局でも理解とありますし、事務局が説明している中では、昭和41年に退職手当の条例ができ、当時の市長は高くてもよいという考えがあったのではないかと聞いていると。それで、退職金の条例の制定当初から高かったと。事務局の説明の中では、条例制定当初から県内他市も高かったようなのですが、他の市は徐々に引き下げていたのに対し、長岡市は据置きを続けた結果、県内第1位という結果になったというような説明が事務局からなされております。私は、必ずしも全ての報酬審議会の委員の皆さんが現状に納得しているとは思わないのですが、お考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) 今ほど議員がおっしゃられてきたこれまでの議事録の中身につきまして、そのような御意見もあったかと思います。ただ、それについては市長の退職手当についての意見が主だったんじゃないかなと思っておりまして、当然それについてはそのときも事務局としては何かしらお答えはしていると思いますが、そこで納得といいますか、意見のやり取りがあって、最終的には全体の意見の調和として妥当とか、きっとそういった答えが出たんじゃないかなとは思っているんですけれども、そういった中でその意見があったと。確かに委員の中ではいろんな意見があって、市長の退職手当が高いという意見もあったと思います。それを基にして、一昨年には市長の退職手当について、施行時特例市の23団体の中で平均の位置にあるようにするために削減したという実績はあるということであります。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 御答弁ありがとうございました。総務部長と私とでは考え方に違いがあると思いますが、少なくとも総務部長の中では報酬審議会にということを大切にしているということであります。
そこで、私はこれまでの議論で指摘させていただいたように、長岡市の副市長の退職金は退職手当率が高いために県内では新潟市よりも退職金額が高くなっており、施行時特例市の中でも高くなっているということで、先ほど紹介したように、市長のということではありましたけれども、報酬審議会の委員からも意見が出ております。1任期総収入の判断基準は長岡市独自の判断基準であり、合理的な判断基準ではないと私は考えます。令和4年報酬審議会では議題として、議会の議員報酬の額並びに市長、副市長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額並びに市長、副市長、教育長及び常勤の監査委員の退職手当の額についてという形で議題が設定されておりますが、このように議題を設定するのではなく、副市長の退職金について事務局がしっかりと説明を行った上で、報酬審議会の中で副市長の退職金について集中して議論していただく必要があると考えますが、市の認識についてお考えをお聞きします。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) 特別職報酬等審議会では、原則として特定の特別職や特定の項目に限って議題を設定して議論するのではなくて、対象である特別職の項目全般にわたって御確認をいただきながら、適切に審議いただいているものと認識しております。当然先ほども申しましたように事前に事務局のほうで資料を配り、説明をし、当日も事務局のほうでその項目ごとに説明をして、それをもって審議していただいている。今年度も同じように御審議いただいた結果、据置きの答申がなされたものと認識しております。ですので、今後も類似団体の状況等をお伝えした上で、審議会委員の皆様から適切に御判断、御審議いただきたいと考えておりますし、もしもその特定の項目に委員のほうで異議があれば当然その場で発言いただいて、その場で審議されるべきですし、当然そこでまた事務局のほうで答えるものがあれば答えたいと思っております。
以上です。
○議長(松井一男君) 桑原望議員。
〔桑原望君登壇〕
◆桑原望君 ありがとうございました。今ほどの総務部長の答弁では、特定の特別職について議論することはないというような答えだったかというふうに思います。私が今回のテーマを考えるときに唯一参考になるのが、令和2年1月に開催された報酬審議会での議論であります。令和2年1月に開催された報酬審議会では、市長の給料の額については現行のまま据え置き、退職手当の支給率を100分の70から100分の56に改定することが適当と答申されています。報酬審議会の議事録を確認したところ、この市長の退職手当額を削減することや率というのは報酬審議会の中から独自に出た数字ではなく、市長からの諮問内容として退職手当率の引下げ、または引き下げられる手当率まで示されて諮問されております。このことから今の答弁とは大きく矛盾があるというふうに思いますが、その市長から諮問内容について、審議会の委員が適当であるとし、答申されております。本来であれば、このときに副市長の退職金の手当率も引き下げることを諮問内容に入れて御審議いただくべきだったと私は考えますが、このように報酬審議会に副市長の退職金の手当率を下げること、そしてその率を市長からの諮問内容として報酬審議会の皆様に御審議していただくことは可能であり、そうすべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
○議長(松井一男君) 近藤総務部長。
〔総務部長近藤信行君登壇〕
◎総務部長(近藤信行君) お答えいたします。
一昨年の市長の退職金の減額の諮問につきましては、確かに事務局のほうからそういった諮問をしました。それは、先ほども申しましたとおり、従前の報酬審議会の議論の中でやはり市長の退職手当が突出しているのではないかといった意見があり、それを踏まえて事務局のほうでもそれは平均値に持ってこようという考えがありましたので、そこで諮問をさせていただいたということであります。確かにそれもそうでしたし、過去に議員の報酬をアップしたときもやはりこちらのほうから諮問させていただきました。それは、別に委員のほうから上げたほうがいいんじゃないかというような意見があったわけではございません。ただ、副市長の退職手当につきましては、先ほどから申し上げますとおり、23団体の施行時特例市の中では、県内20市でもそうですけれども、1任期総収入の額とすれば決して突出している額ではなくて、ちゃんと適正な額であるということから、事務局のほうではそこは諮問しなくても大丈夫なものと考えて、これまでも諮問してこなかったというところでございます。
以上です。
────────────────────────
△質問項目
子ども・若者支援の諸課題について
新型コロナウイルス感染禍における高齢者政策と介護保険事業への影響について
○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。
子ども・若者支援の諸課題について、
新型コロナウイルス感染禍における高齢者政策と介護保険事業への影響について、池田明弘議員。
〔池田明弘君登壇〕
◆池田明弘君 長岡市公明党の池田明弘です。通告に従い、分割方式にて2項目質問いたします。
1項目めは、子ども・若者支援の諸課題についてです。昨年の子どもの出生数は84万人と過去最低を記録し、少子化が年々進んでいます。一方で、子どもの自殺が増え続けています。文部科学省の発表によれば、令和2年度に自殺した小学校から高校の児童・生徒数は415人と過去最多を更新。10年前の2.7倍に急増しています。さらに、10歳から39歳の各年代における死因の第1位は自殺と、日本は世界で例のない国です。また、令和元年版の「子供・若者白書」では、満13歳から29歳への自分自身に満足をしているかとの質問に対し、そう思うと回答した日本人は10.4%、アメリカ人は57.9%、韓国、イギリス、ドイツなどでは30%から40%と、諸外国に比べ日本の若者の自己肯定感の低さが指摘されています。
新型コロナウイルスの感染拡大は、触れ合いやつながる機会を奪い、孤独や孤立が深刻化し、さらに生きづらさを感じるようになっていると考えます。次代を担う大切な子どもや若者が少しでも不安を解消し、希望を持って未来に向かって生き抜いてほしいとの思いから質問いたします。
初めに、コロナ禍の長期化による子どもたちへの影響についてです。
新型コロナウイルス禍の自粛生活は様々なストレスを与え、経済的影響は特にひとり親世帯や非正規雇用世帯などで大きく、さらに感染拡大の波が繰り返されることで社会は先の見えない不安を抱えています。そうした中、子どもたちは家庭では大人の不安を敏感に感じ、学校生活においても日々の感染対策から友達との距離感を迫られ、様々な行事や部活動が縮小、休止されるなど、成長期の多感な子どもたちへの影響は非常に大きいと考えます。そこで、コロナ禍の長期化による子どもたちの影響をどのように認識されているのか伺います。
次に、エデュダイバー構想について2点伺います。1点目は、自宅待機や不登校の児童・生徒へのオンライン授業についてです。感染や濃厚接触等による自宅待機や不登校の児童・生徒への家庭からのオンライン授業については、昨年9月議会での市の答弁で、7月に全ての学校においてタブレットを持ち帰り、インターネットにつなぐテストを行って確認済みであり、9月時点で既に実施しているとの答弁があり、評価をしておりました。しかしながら、今年に入り1月以降のオミクロン禍において、保護者より、兄弟で自宅待機をしていても、小学校ではオンライン授業が実施されているが、中学校ではされていない。また、不登校の中学生の両親が学校にオンライン授業を求めた際、学校側からはそういう対応は一切していないとの回答があったなどのお声が届いています。実態はどうなっているのでしょうか。また、教育委員会の認識と学校現場の対応が異なっていると思われますが、その原因と対応について伺います。
2点目は、タブレットの持ち帰りについてです。今後のエデュダイバー構想において教育情報プラットフォームを構築し、タブレットの自宅での活用や持ち帰りについても今年秋頃から試行的に始め、令和5年度から本格的に進める予定だと承知しております。プラットフォームの構築で様々な教材を学べるようになることは大変にすばらしいことだと評価し、期待をするところでございます。一方で、コロナ禍で社会のデジタル化が進む中で、家庭でインターネットが自由に使える子は分からない問題や様々な情報を自らインターネットで調べることができ、それが当たり前になっています。家庭でのインターネット環境の違いによって、教育格差や友達付き合いなどに影響が出ることを防ぐためにも、皆がタブレットを持ち帰れる環境が大切だと考えます。また、タブレットを持ち帰ることで、子どもの貧困対策としての学習支援もオンラインを活用した幅広い対応ができるようになるのではないでしょうか。こうした観点から、プラットフォームの構築を待たずに、一刻も早く子どもたちがタブレットを家庭に持ち帰って自由に使えるようにするべきだと考えますが、市の考えを伺います。
次に、不登校支援のための居場所についてです。市民から、最近不登校の子が増えたように感じるとの声が聞かれます。不登校とは状況を表すもので、様々な原因で誰にでも起こるものです。文部科学省の発表によると、令和2年度は過去最多となる19万6,000人を超え、小学生の100人に1人、中学生の24人に1人が不登校となっています。小・中学生が減少しているにもかかわらず、不登校児童・生徒が増え続けています。本市においても同様に令和2年度は過去最高の395人となり、平成28年度の240人から5年間で約1.7倍と急激に増加しています。そのほかにも教室以外の校内適応教室に通う児童・生徒が100人を超えています。学校現場、教育委員会をはじめ様々な機関が連携し、不登校児童・生徒に対し懸命に取り組んでいただいていると思いますが、まずその取組状況と評価について伺います。
次に、不登校児童・生徒の居場所の整備についてです。不登校児童・生徒の半分以上が90日以上の長期欠席です。文科省は、こうした長期で不登校となっている児童・生徒が行う学校以外の場での学習等に対する支援を行い、その社会的自立や社会参加を目指すことが必要だとしています。しかしながら、本市において不登校が年々増える一方で、学校以外で過ごせる場所は増えていません。現在、市内には公設のフレンドリールーム等が長岡地域に1か所、支所地域に3か所の計4か所あるだけで、その利用者数は訪問対応を含めて60名ほど、不登校児童・生徒数の15%しか受け入れられていません。ほかに民間のフリースクールが1か所ありますが、週5日通うと月4万7,000円がかかるようです。一般家庭にはとても大きな負担ですが、支援制度はありません。そこで、不登校児童・生徒の居場所について3点伺います。
1つ目は、居場所に対する認識についてです。市内にあるフリースクール、あうるの森に通う子どもたちが不登校の体験をつづった書籍「不登校宣言」には、普通に学校に通えないことで自分への自信をなくし、将来への不安を抱えた子どもたちがあうるの森でお互いに接することで不登校は自分だけではないことを自覚し、不安を減らしていく姿、また安心していられることのできる場所を得られた子どもたちが自分を認めて前向きに生きようとする姿がつづられています。現在のフレンドリールームは、校外適応指導教室として学校への復帰に向けた支援を前提としたものですが、不登校児童・生徒の状況に応じ、まずは本人が自分自身を取り戻し、自己肯定感を育むことを最優先の目的とするような安心できる居場所が必要だと考えますが、市の考えを伺います。
2つ目は、居場所の数についてです。不登校の児童・生徒数は5年前の1.7倍に増え、利用したいと思ってもできない状況があるのではないかと心配です。居場所の数を早急に増やすべきと考えますが、どのようにお考えなのか伺います。
3つ目は、居場所の整備についてです。居場所を増やすに際し、公設公営にこだわる必要はないと思います。公設でも民営でも多様な受け皿が増えることが望ましいと考えます。兵庫県西宮市では、不登校児童・生徒を支援する民間施設との連携や保護者に対する情報提供を進めるため、不登校児童・生徒を支援する民間施設に関するガイドラインを策定し、民間施設における不登校児童・生徒への相談や指導について、校長が指導要録上の出席扱いを判断する際に留意すべき点を示すとともに、不登校支援に関する学校や教育委員会の取組、出席扱いを判断するための望ましい流れなどを示しています。市民協働で多様な主体が関わることができる環境を整備するためにも、西宮市のように居場所に通った際に出席扱いとするための基準を明確にするとともに、そこに通う子どもや施設を運営する法人への支援体制を整備する対応なども必要だと考えますが、市の考えを伺います。
次に、義務教育終了後の若者への切れ目のない支援体制について3点質問いたします。1つ目は、子ども・青少年相談センターの相談支援状況と課題についてです。令和元年6月議会で、私が不登校でひきこもり状態が続く子どもたちが義務教育終了後も切れ目のない支援を継続的に受けられる体制を求めたことに対し、市からは、中学校卒業後に進路が決まらない生徒や高校を中退した生徒への十分なケアやサポートは大変重要であるとの御答弁があり、翌令和2年度には小学生から20歳未満を対象にした子ども・青少年相談センターが設置され、評価するところでございます。その後間もなく2年が経過しようとしていますが、相談支援の状況と課題について伺います。
2つ目は、困難を抱える若者への支援状況と課題についてです。文科省の令和3年度学校基本調査によれば、大学卒業者の約1割が進学も就職もしていないとされています。新型コロナ不況においても人手不足で売手市場にもかかわらず、大卒の10人に1人は就職できない。また、新卒の就職後3年以内離職率は高卒、大卒ともに3割を超え、そのままひきこもりになる若者が増えています。コロナ禍の行動制限による分断、孤立も加わり、今後さらにこうした状況が増えることが懸念されます。令和2年12月議会産業市民委員会における困難を抱える若者への就労支援についての議論で、若者サポートステーションは働く意欲のある人しか支援を受けることができない制度になっており、そこに至らない若者に対しては、サポステに通う前の段階で社会とつながりを持つ居場所が必要であると市から答弁があり、さらに市長からは精神的な自立支援も含めるとサポステの仕組みで充足していくのは難しく、いろんなネットワークと連携する中で、全体として断らない支援をつくり上げていきたいという趣旨の御答弁を頂いたところです。その後1年以上が経過しましたが、困難を抱える若者への支援状況と課題について伺います。
この項最後の質問は、子ども・若者総合相談センターの設置についてです。社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者の問題が深刻な状況にあることを踏まえ、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界があるとして、その総合的な推進のための枠組みと困難を有する子ども・若者を支援するためのネットワークを整備することを目的として、平成22年に子ども・若者育成支援推進法が施行されています。その中で地方公共団体は、その支援拠点として子ども・若者総合相談センターの設置に努めるものとされています。コロナ禍の長期化で困難を抱える若者のさらなる増加が危惧される中、現在本市には20歳以上の若者の相談窓口がありません。また、児童虐待、貧困、発達障害等の精神疾患など、子どもをめぐる問題が多様化、複雑化しています。子育て日本一を掲げ、若者を地方創生の主役とする長岡市として、多くの困難を抱える子ども・若者の支援をさらに強化するため、現存する子ども・青少年相談センターからその対象を拡大、充実し、さらにネットワークの拠点として子ども・若者総合相談センターを設置してはどうかと考えますが、市の考えを伺います。
○議長(松井一男君) 安達教育部長。
〔教育部長安達敏幸君登壇〕
◎教育部長(安達敏幸君) 私からは、
新型コロナウイルス感染禍の長期化による子どもたちへの影響、エデュダイバー構想、不登校の児童・生徒への支援及び子ども・青少年相談センターに関する質問についてお答えいたします。
初めに、
新型コロナウイルス感染禍の長期化による子どもたちへの影響についてお答えいたします。市立学校におきましては、本市の感染状況に応じて養護教諭等を中心に基本的な感染対策の徹底を行うとともに、学習活動を工夫しながら、子どもたちの健やかな学びを保障していくため、可能な限り学校教育活動の継続を行ってまいりました。しかしながら、感染禍による家庭環境の変化に起因する相談数の増加や子どもたちの体力低下の実態などから、
新型コロナウイルス禍の長期化が子どもの心と体に少なからず影響を及ぼしているものと考えております。
次に、エデュダイバー構想におきます自宅待機や不登校児童・生徒への対応についてお答えいたします。
新型コロナウイルスへの感染や濃厚接触者となり登校できない児童・生徒や、不登校の児童・生徒に対し、学習機会を保障するため、市といたしましては自宅等から授業に参加するオンライン学習を原則行うものとしております。しかしながら、本人と保護者の望むレベルが違ったり、考えが違うケース、本人が画面を通じて授業に参加するだけではなくて、個別対応の授業を希望するケースがあるなど、全てのケースに対応することは難しい現状があり、準備ができていてもオンライン学習を行っていない場合もあることは認識しております。引き続き学習機会の確保を図るために、オンライン学習の充実に向け好事例を蓄積し、個別最適な学習支援が実施されるよう指導してまいりたいと考えております。
続きまして、タブレットの持ち帰りに関してお答えいたします。タブレットの持ち帰りにより、児童・生徒が家庭において学習に活用することは有効なことであると考えております。しかし、持ち帰りを進めるに当たり、既に先行して実施している自治体においては、家庭におけるタブレット使用による健康への影響や生活のリズムの乱れが問題となっているケースがあると伺っております。児童・生徒が適正に使いこなすために、ルールの設定やハード面の制限など使用に関する対策を講じる必要があります。それらの対策を取った上でより効果的に活用するために、長岡市双方向型教育情報プラットフォームの構築に併せ、持ち帰りの体制整備を進めてまいります。
次に、不登校の児童・生徒への支援についてお答えいたします。長岡市では、不登校の基準としています年間30日以上の欠席者は近年300人台で推移し、年々増加傾向にあることから、不登校の新規の発生、未然防止と個別対応の充実が喫緊の課題となっております。
続きまして、不登校児童・生徒の居場所の現状と確保についてお答えいたします。まず、現状におきましては、学校において登校しても教室に入れない児童・生徒に対して校内に別室の適応指導教室等を設けております。また、学校に登校することが困難な状況の児童・生徒に対して、フレンドリールームをはじめ、市内4か所に適応指導教室を設置し支援を行っているほか、自宅を居場所としている児童・生徒に対しては、訪問相談を通じた支援を行っております。あわせて、不登校支援を行っている民間のフリースクール等の施設も子どもの居場所となっており、居場所の意義は非常に大きいと認識しております。不登校への対応につきまして、全ての子どもたちが再登校することのみをゴールとせず、自立することを目指し、社会性を身につけることが重要であると考えております。そのためには、子どもの現状をきめ細やかに分析し、その都度最適な支援を見立てながら、個に応じた支援を行うことが必要となっております。不登校児童・生徒の居場所づくりについても、施設数だけでなく、その子に応じた多様な支援ができる居場所づくりが重要であると考えております。また、民間の活用等につきましては、今後は民間のフリースクールとの連携もさらに強化しながら一人一人のケースに応じた居場所の確保に努めてまいりますし、その上で民間との連携や支援の方法等についても研究してまいりたいと考えております。
次に、義務教育終了後の切れ目ない相談に対応するための質問につきましては、長岡市の子ども・青少年相談センターの相談支援状況、またその課題についてお答えしたいと思います。現在、子ども・青少年相談センターは、小学生から20歳に至るまでの子ども・青少年に関わる様々な悩みや不安などの相談をワンストップで受けており、相談の傾向といたしましては不登校の相談が最も多くなっております。相談の対象を義務教育終了後から20歳未満まで拡大したこともあり、中学校で不登校支援を受けていた生徒から卒業後も継続して相談を受けたり、新たに高校生以上の相談を受けたりすることができています。今後は高校生以上の相談に対応する中で、高等学校と連携した支援をより適切に行っていくための情報共有の在り方を検討していくことが課題であると考えております。
私からは以上です。
○議長(松井一男君) 長谷川商工部長。
〔商工部長長谷川亨君登壇〕
◎商工部長(長谷川亨君) 私からは、困難を抱える若者への支援状況と課題について、雇用政策の面からお答えいたします。
長岡地域若者サポートステーションでは、若者と就職氷河期世代を対象に15歳から49歳の就労を支援しています。特に就職氷河期世代については、関係機関で組織するプラットフォームを立ち上げるなど、コミュニケーショントレーニングや職場体験など様々な経験を積み、就職後も働き続けられるよう取組を進めております。課題の1つとしては、就労に対する自信が持てず、結果として長期利用になっている事例が見受けられます。また、就労意欲を持った若者がサポートステーションにつながることができる掘り起こしなど、こうしたことへの対策強化が課題だと考えております。
私からは以上です。
○議長(松井一男君) 近藤福祉保健部長。
〔福祉保健部長近藤知彦君登壇〕
◎福祉保健部長(近藤知彦君) 私からは、子ども・若者総合相談センターの設置について、福祉保健の切り口からお答えいたします。
様々な事情により就労や自立に結びつかない若者については、いわゆるひきこもりや親亡き後の将来的な生活困窮につながることが考えられ、早期の対応が必要であると考えております。市では現在、パーソナル・サポート・センターが年齢を問わず生活全般にわたる困り事の相談窓口として対応を行っております。また、福祉相談窓口、地域を回っている保健師、地域包括支援センターなどでも御相談をお受けしております。相談をお受けしましたら、関係部局や外部関係機関と横の連携を取り、ニーズに応じた支援につながるよう取り組んでおります。御提案の子ども・若者総合相談センターの設置につきましては、他市の事例等を参考にしながら今後研究してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(松井一男君) 池田明弘議員。
〔池田明弘君登壇〕
◆池田明弘君 1点だけ再質問をさせていただきます。
不登校の児童・生徒の数が増えている件、それに合わせた居場所の数に対する現状の認識について、よく聞き取れませんでしたので再度御答弁をお願いいたします。
○議長(松井一男君) 金澤教育長。
〔教育長金澤俊道君登壇〕
◎教育長(金澤俊道君) 不登校児童・生徒の居場所の施設数の件でございますが、その前に1点、不登校の現状について少しだけお話をさせていただきたいのですけれども、小・中学校では年間35週を基本に教育計画をつくります。実際は37週から38週ぐらい実施されることになります。年間30日の欠席ということは、週に1日の欠席で年間35日から37日の欠席という形になります。長岡市では令和2年度は300人弱の不登校児童・生徒がおりますが、その中には非常に様々なケースの子がいるという認識をまず私たちは持っています。ということは、フレンドリールームは15%の子しか活用していないという先ほどの話で、60人。実際にその300人の中で学校に全く来れていないという子は、ほんの少ない数になるわけですが、学校に通いながら欠席日数が30日を超えてしまった児童・生徒、それから学校に来ているんだけれども、正規の授業を受けられずに保健室や校内の適応指導教室、それから放課後の時間だけ来て指導を受けるというようなケースもあります。ということで、その居場所ということはやっぱり幅広に考えていく必要があるなということは1つ私ども考えています。といって、今の数が充足しているかということについては検討が必要でございます。それから、先ほど教育部長から答弁がありましたけど、そうなると数だけの問題ではなくて、例えばニュース報道であった、あうるの森の子どもたちの自立した姿と自分の考えを述べる姿に私はちょっとびっくりしたんですけど、ある子は週に2日学校に行きます、それ以外はここで過ごしますと。自分で決めて、居場所を考えて過ごしている子がいます。それは、それぞれの場所で自分がどう生活するかということを明確に決めているということであります。こういう時代になったんだなというのを考えながら、そうすると必要な子に必要な、その子に合った居場所や支援がこれからは必要になってくるんだろうなというふうに考えています。ですので、絶対数ということもまた検討の材料ですけれども、やはりその子その子に合った、ニーズに合った多様性のある居場所というのがこれから必要になってくるのかなと。そう考えると、フレンドリールームの在り方についても今後検討が必要かなというふうに思っております。
以上です。
○議長(松井一男君) 池田明弘議員。
〔池田明弘君登壇〕
◆池田明弘君 教育長から御答弁いただいて、ありがとうございます。今の御答弁に合わせてもう少し質問させてください。
その子に合った居場所ということで、まさにそのとおりだというふうに思っております。その上で、今の不登校の児童・生徒の約半分は欠席が90日以上と。90日以上の人をベースにしても、やっぱり居場所の数は足りないと私は思います。そうした上で、あうるの森の状況から、不登校は自分だけではないという場があることだけでもすばらしいことであるという点が1つ。
もう1点、その子に合った居場所ということは多種多様な居場所があっていいということだと思うので、その上からは公設公営にかかわらず民間が参加しやすい環境を整えるべきだというふうに思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○議長(松井一男君) 金澤教育長。
〔教育長金澤俊道君登壇〕
◎教育長(金澤俊道君) まず、あうるの森に代表される民間のフリースクールですけど、先ほどもちょっとお話をさせてもらいましたが、本当にいい運営をされているというふうに私たちは評価をしているところです。それもありまして、教育委員会の指導主事も訪問して子どもたちの様子を見せていただいたり、また経営者の方とよく連携を取りながらコミュニケーションを取らせていただいています。その中で支援の必要性についてのお話も伺っておりますので、それについては具体的な検討は進めたいというふうに考えております。
また、民間のフリースクールについて、これからさらに民間が増えてはというような御質問かなというふうに受けました。長岡市には過去にも幾つかあったわけですが、先ほど出席にカウントするかどうかというような基準を明確にという話もありましたけど、やはりそれは教育内容をよく精査して、それが学校でいう出席に値するかどうかというのはよく吟味する必要があると思います。ただ預かっているだけで出席ということにはならないと。基本的には出席の基準は校長が決めますので、その方針を私どもが示すことは大事かと思いますけれども、校長がそれぞれのフリースクールの教育内容を精査して、それが出席に値するかどうかを決める。つまり、質の問題もありますので、そういったフリースクールが増えていくことについては大いに応援をしたいなというふうに思っているところであります。
以上です。
○議長(松井一男君) 池田明弘議員。
〔池田明弘君登壇〕
◆池田明弘君 それでは、2項目めの質問に移らせていただきます。
2項目めは、
新型コロナウイルス感染禍における高齢者政策と介護保険事業への影響についてです。コロナ禍も3年目に突入し、外出自粛など行動が制限される中、運動習慣の乱れや対人機会の減少により認知症やうつ病の発症の増加等、健康であった高齢者のフレイルや要介護状態への進行が危惧されます。まず、コロナ禍の長期化による高齢者への影響を市はどのように認識されているのか。また、介護予防事業もコロナ禍で利用人数の減少傾向が続いているようですが、どのような対策を進めてきたのか伺います。
次に、介護保険サービスの利用状況と事業者の経営状況についてです。コロナ禍で介護業界の苦境が深刻化しています。感染を防ぐために通所を中心に利用控えが相次ぎ、昨年の介護老人福祉施設の倒産が全国で118件と、過去最多となっています。また、オミクロン株の感染急拡大により、家族に感染者や濃厚接触者が出る状況が増えたことによる介護職員の出勤停止がサービス提供の縮小になっているのではないかと懸念されます。そこで、本市における介護サービスの利用状況と事業者の経営状況について伺います。
次に、介護保険事業の諸課題について3点質問いたします。昨年3月議会で第8期介護保険事業計画について質問しましたが、改めてその後の取組状況も含め確認させていただきます。
1点目は、地域密着型サービスについてです。地域包括ケアシステムを推進する上で大変重要な地域密着型サービスについて、その利用が計画値を大きく下回る傾向への対応として、今後介護事業所との連携をより重視しながら事業運営の課題把握と分析に努めるとともに、利用者への認知度を高める取組を進めると市から答弁がありました。1年が経過しましたが、その後の取組状況とその成果について伺います。
2点目は、要介護認定者の状況についてです。昨年の御答弁では、本市の軽度要介護認定者の発生率が全国平均や新潟県と比較すると下回る状況にあるのは、介護予防の取組に一定の効果が現れていると考えるとの答弁がありました。もちろんそういう視点もあると思いますが、別の視点から見ますと、本市の要介護認定率は全国や県と比較すると低いにもかかわらず、重度認定率については逆に高い状況があります。裏を返せば、要介護度が重くなるまで認定を受けない、すなわち1人で生活することができなくなって初めて認定申請をするという傾向があると考えられるのではないでしょうか。そして、そうした背景には、介護サービスを受けるようになったら終わりだというような根強い考え方があるように感じます。病気であれば早く医療機関にかかることで軽く済むのと同じように、軽度の段階で認定を受け、早めに介護サービスを利用することで重度化を予防し、自立した生活の延伸を図ることができる。また、そのことが結果的に介護保険事業の適正化、持続可能性を高めることにつながると考えますが、市の認識と取組状況について伺います。
最後に、介護職員処遇改善支援補助金の効果についてです。岸田首相は、新しい資本主義の実現を掲げ、分配戦略の目玉として公的価格の在り方の抜本見直しを進めるとし、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策に基づき、介護職員を対象に賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、介護職員1人当たり月額9,000円相当の介護職員処遇改善補助金を交付するとしていますが、この補助金による効果をどのように見込まれているのか伺います。
○議長(松井一男君) 磯田市長。
〔市長磯田達伸君登壇〕
◎市長(磯田達伸君) ただいまの池田明弘議員の御質問にお答えいたします。私からは、介護保険事業の諸課題についてお答え申し上げたいと思います。
御指摘のようにこのウイルス禍が長期化する中で、介護現場は本当に大変な状況であります。そういう中で頑張っていただいている介護事業所の皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
そこで、介護保険事業の諸課題でございます。まず、地域密着型サービスについてでありますが、これは介護を必要とする方が住み慣れた地域で自分らしい生活を送るために、本市が全国に先駆けて取り組んだ本市における地域包括ケアを支えるこの考え方は、全国的にも先駆的な取組だというふうに考えておりまして、この地域包括ケアシステムを支える重要なサービスがこの課題であると考えております。このサービスの利用促進を図るために、市では事業所の皆さんと意見交換を重ねてきた中で、看護職員の高齢化、そしてこのサービスの強みをPRし切れていないことが課題であるという御意見が寄せられました。市といたしましては、こうした課題を踏まえて、人材の確保、サービスの認知度向上について、事業所の皆様と一体となり、知恵を絞りながら、利用促進に努めてまいりたいというふうに思います。
そして、要介護認定率でありますが、御指摘のように本市は要介護認定率全体では国・県の平均を下回っているものの、要介護3以上の重度の方の認定率が国や県よりも高い傾向にあるということであります。これは、やはり池田明弘議員のおっしゃるように、状態が重度化するまでサービスを利用しない方が多いということが主な要因であると感じているところであります。市といたしましては、重度化してからではなく適切な段階でのサービス利用を促すとともに、介護認定に至る前から予防に努めていただくことが重要であると考えているところであります。これまで市では、関節疾患や骨折、転倒による軽度の要介護状態となる方の割合が高いために、運動機能向上などの介護予防事業によって重度化への防止を図っております。そして、新年度からは高齢者の健康づくりと介護予防を一層強化するため、健康課に多世代健康づくり推進室を新設いたします。これにより保健師等の専門職が地域に積極的に介入し、医療との連携も図りながら、市民の健康増進と健康寿命の延伸、そして御指摘いただいた早めに適正なサービスを受けていくということの考え方、これがないと本当にどんどん年齢を重ねるごとに体が動かなくなって、最終的には非常に重度な認定になってしまうという状況が出てまいりますので、こうした適正なサービスを受けるということについても普及啓発していきたいと考えております。こうしたことによって市民の健康増進、健康寿命の延伸に努めてまいりたいと考えているところであります。
残りの質問につきましては、福祉保健部長からお答えいたします。
○議長(松井一男君) 近藤福祉保健部長。
〔福祉保健部長近藤知彦君登壇〕
◎福祉保健部長(近藤知彦君) 残りの御質問にお答えします。
初めに、
新型コロナウイルス感染禍の長期化による高齢者への影響と対策についてお答えいたします。市内においても長期にわたる感染禍により、生活不活発や介護サービスの利用控えなどを要因とした心身の機能低下が懸念され、健康への影響が少なからず生じているものと認識しております。市では、これまでも感染禍であっても気軽に自宅で介護予防に取り組めるよう、体操の動画配信、DVD配布などにより高齢者の心身の機能低下の防止に取り組んでまいりました。また、ワクチン接種機会の確保が困難な介護施設等への医師派遣の調整や施設職員等に対するPCR検査費用補助などにより感染防止対策を支援し、高齢者が安心してサービスを利用できるような体制づくりに努めてまいりました。今後も高齢者の心身機能への影響について注視し、介護予防の継続的な取組を促すとともに、介護事業所等への支援を継続してまいります。
次に、介護保険サービスの利用状況でございますが、感染拡大前と比較すると、通所や短期入所サービスにおいて3密回避などによる利用者数の減少が見られ、
新型コロナウイルス感染症が少なからず影響しているものと考えております。これにより事業者の経営状況についても懸念されるところですが、現在市内で経営が逼迫している事業者はないと聞いております。
最後に、介護職員処遇改善支援補助金の効果についてお答えします。国は、介護職員の処遇改善を図るため、処遇改善加算の取得と本年2月から9月までの間に職員賃金のさらなる改善を行った事業者に対し、直接補助金を交付することとしております。この補助金を活用することにより、従来の介護職員の処遇改善加算と併せ、介護職員のさらなる処遇改善が期待され、介護人材の確保やモチベーション向上につながるものと考えております。市といたしましても今後も事業者に寄り添い、お互いに情報共有を図りながら、必要な支援を行ってまいります。
以上です。
○議長(松井一男君) 池田明弘議員。
〔池田明弘君登壇〕
◆池田明弘君 2点再質問させていただきます。
1点目は、事業者の経営状況についてです。今ほど利用状況は減っており、少なからず影響はあるけれども、逼迫はないという御答弁でございました。そうした中で今年度は、事業者の動きが結構あったようにお聞きしております。居宅介護サービスにおいてショートステイの休止、廃止が各1件、地域密着型介護サービスでグループホームの撤退が2件、通所介護の廃止が1件と、施設が減少していると聞いております。こうした状況に対して経営が悪化しているという判断にならないのかどうか、その点についてどのように認識されているのか。
もう1点、地域密着型サービスの課題において、介護職員の高齢化が課題という御答弁がありました。定年退職の年齢が60歳という介護事業所が多いように聞いております。今民間企業では基本的には65歳、また70歳へという動きがあるかと思いますけれども、もちろん現場の介護士の皆さんは体の負担も大きいですし、事業者にとってみれば介護報酬が上がらずに、退職していかれる方の給与とのバランスが難しいという課題もあるようですが、実際は新たに入ってくる介護の担い手の方が少ないわけですから、そうした点も踏まえて今後の対応が必要かと思いますので、どのようにお考えかお伺いします。
以上の2点について、よろしくお願いします。
○議長(松井一男君) 近藤福祉保健部長。
〔福祉保健部長近藤知彦君登壇〕
◎福祉保健部長(近藤知彦君) 再質問にお答えいたします。
1点目の事業所の経営状況でございますが、議員からサービスの一部休止ですとか撤退のお話もございました。全体としては、サービスの供給についておおむね需要を満たしていると、今のところはそのように認識しております。そういう中で先ほど申し上げたように、今のところ市内では経営そのものが逼迫して倒産の危機にあるというような事業所はないということでございます。
それから2点目の、介護人材の話につきましても、日頃から介護事業所の皆さんと意見交換をしてきております。今回、介護事業所の方からのアイデアとして、施設に就職してからより若いうちから、つまり介護福祉士等を養成する専門学校があるんですけれども、専門学校に入学するような若いうちから支援をする必要があるのではないかというアイデアも頂きました。それを踏まえて、市では新年度に新規事業として介護福祉士養成学校の入学者の支援事業も予算計上したところでありまして、こうして事業所の皆様の意見や要望も酌み取って、一体となっていろんな課題に対応していきたいというふうに考えております。
以上です。
────────────※───────────
○議長(松井一男君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時30分散会
────────────※───────────
地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
長岡市議会議長 松 井 一 男
長岡市議会議員 小坂井 和 夫
長岡市議会議員 多 田 光 輝...