佐 藤 誠 内 山 幸 紀 小 泉 仲 之
以上の
てんまつは
会議録のとおりであるので署名する。
農業活性化調査特別委員長 水 澤 仁
○
水澤仁 委員長 ただいまから
農業活性化調査特別委員会を開会します。(午前9:58)
本日の欠席はありません。
本日は,最初の
委員会ですので,初めに
付議事項及び
所管課について御確認をお願いし,次に今後の
委員会の
進め方についてお諮りしたいと思いますが,いかがでしょうか。
(異 議 な し)
○
水澤仁 委員長 そのように行います。
本日使用する資料は,お手元に配付してありますので,御確認願います。
初めに,当
委員会の
付議事項は,6月19日の本会議で決定したとおり,持続可能な
農業確立,
農業特区及び食の安全にかかわる調査,研究です。
次に,当
委員会の
所管課は
農林水産部,
保健衛生部を中心に,必要に応じ,その都度調査,
研究項目に関する
所管課の出席をお願いすることとしたいと思いますが,いかがですか。
(異 議 な し)
○
水澤仁 委員長 そのように確認しました。
次に,これまでの当
委員会の
取り組みです。お配りした資料をごらんください。本市の
取り組みについて
執行部から説明を受けるとともに,
参考人をお呼びして意見をお聞きしたり,市内の
現地視察及び
県外先進地等への視察を行うなど,
委員会として調査,研究を行ってきました。先般の2月
定例会においては,本市における農業は極めて重要な
基幹産業であるにもかかわらず,
就農者の減少が懸念される。
中小営農者に対してより具体的な支援や対策が重要であり,
生産者と
消費者とのつながりを強める必要もあるため,今後も調査,研究を継続していく必要があるとの結論に達したとの
中間報告を行ったところです。これらを踏まえ,今後の
委員会の
進め方について御協議いただきたいと思います。具体的にどのように調査,研究を進めるか,委員の皆様から御意見をいただきながら確認したいと思います。
今後の
進め方について委員の
皆さんから何か御意見はありませんか。
◆
佐藤幸雄 委員
中間報告にまさしく書いてありますように,新潟の農業は
米一辺倒でしたが,新潟の
出荷額が落ちていることがわかって,それ以来新潟市,県も今物すごく園芸に力を入れているところです。もちろん園芸に力を入れているといっても,先回熊本県や宮崎県へ行って
キュウリや
トマトの研究をしてきましたが,なかなか産地によって特産物も違うので,果たして新潟市に合う農産,園芸,伸びる作物は何かの研究を主体に考えていったらいいのではないかという思いが1つと,もう一つは
後継者の育っていない農業,新潟で高齢化し過ぎていて,なかなか新規に園芸に取り組もうという体制が整っていません。これらは,女性でも簡単に取り組める園芸はないかという模索や,女性でも稼げる農業,若い人でも稼げる農業があるかといったものを調べていけばあるのではないかと思うのです。農業の一番悪いのは,
農業者の子供なら農業は簡単にやれるのです。
農業者ではない子供が新しく新規に農業をするのはまず不可能なので,若い
人たちを仕向けられる園芸があるかも模索していってもらいたいと思いますし,その中でどういうものがあるかは別にしても,具体的に
園芸品目を伸ばしてもらいたい。枝豆や
ル・レクチェといったものの欠点やいろいろなことを調べたりする方向であればいいのではないかという思いがします。
○
水澤仁 委員長 今
佐藤幸雄委員から大半の総体的なお考えを述べていただきました。
先ほど話がありましたように
後継者不足,そして問題は,稼げる農業でなければ当然
後継者もなかなか育ってこないというのもありますので,それが一番のメーンにはなると思いますが,その辺に対してまた
皆さんからほかに御意見がありましたらお伺いしたいと思います。
◆田村要介 委員
佐藤幸雄委員のおっしゃっていることはごもっともだと思うのですが,反面1つ,新潟は米あってというところで,米の輸出や,いろいろ風向きが変わっている中で,米にも1つ置いておいていただきたいというのが正直なところです。我が地域,
中野小屋ですが,
担い手不足もあるのですが,兼業の中の
米農家が圃場の整備に入ったり,いろいろなところでチャレンジしています。その中で,兼業の方々がどちらを向いて進んでいくのか,それに対してどうやって押していただくのか,内外いろいろお話しさせていただいた中で前へ進めていただければというところも入れておいていただければと思います。
◆
金子益夫 委員 初会合なので,これから
特別委員会引き続きということで,一応委員の任期も2年とはいいますが,
特別委員会は大体今までの慣例からすれば4年続けてもらっているのが多いようですし,私も4年やらせてもらいましたが,新潟市と合併する15年前は
田園型政令市という3つの大きな目標を掲げ,全国一,20ある
政令市の中で一番
農地面積が多いのも一つのうたい文句で,
代表質問で私3回ぐらい言ったのですが,農家にとっては
ドリームランドへ,夢の国へ行ける,そんな錯覚さえも覚えながら新潟市に合併しました。当然現実はそんな甘いものではないわけで,今
佐藤幸雄委員,あるいは
田村委員の言われるように,
新潟農業といったらコシヒカリに例を見るごとくやはり米なのです。
ただ,我々が高校下がったころ,
市役所に入っても8,000円ぐらい,あの会社行った人1万円だってと言われた時代に4,000円だった米が,三,四年の間に
田中内閣になり8,000円になって,1万2,000円になって,あの当時,経済的にすごく農家はよくなったのです。今
後継者が育たないと言っているのは,私は自分ではまだプロの
専業農家だと思っているものだから,今も毎朝,4時には起きて4時半から7時半までは4人の雇い人と
トマトもぎを毎朝1車ずつやっているのです。そういう中で,園芸,園芸といいますが,鉄骨の
ハウスを建てると坪10万円かかるのです。うち1,000坪あると1億円ですよ。上手にやって国,県,市の
補助金を半分もらったとしても,5,000万円の金を借りて返す,金利も安いですが,農家に大変なリスクを負わせるのですよ,技術もないわけです。だから,飯食えないから,
後継者を
サラリーマンにするのです。農家の次・三男坊,長男であろうと,町の
皆さんの子供でも会社に入ると給料は同じなのです,
市役所に入っても。ところが,
農業技術のない中で,去年行ってきた宮崎県みたいに,県,市で月20万円だかの金をくれて1年間研修に出してやるなんていうのはすごいなと見たりします。1年に1回ぐらいはやはり全国,これまでも私も東国原さんの
マンゴー,確かに行ってみて驚いたり,国から来ていただいている
農林水産部長の同期
あたりの東大出の
皆さんの中には,
農水省からいろいろな県や
政令市の課長か補佐に出ている人が大勢いるのです。だから,そこと連携をとりながら,私はほとんど全国を見たつもりですが,すばらしい農業を見る視察,みんなでためになるところへ行きたい。それから,県内,もっと言えば
新潟市内にもすばらしい
農業経営をやっている人がいっぱいいるので,そういう
人たちの現場。
それから,米に関しては経済連や全農や
農水省,今まで意外と少なかったのは
農水省への陳情です。農業をもうからせるには単価が倍にならなければだめなのですが,それをやっては
消費者が怒ってだめだし,
自由貿易の原点の中で外国からどんどん入ってくる。
アメリカなんか
輸出補助金まで出して日本へ送ろうとしているわけではないですか。そういう中で
消費者が8割,9割の日本で
農産物単価を倍にするのは不可能な話なのです。
ではどうするかということになると,単純的にはかかる経費に,だからがんばる
農家支援事業を
皆さんが喜んでくれたのです。同じように,4,000万円からスタートして,私
委員長として本当にばかになってやって,今8億円になりましたが,半分とか,3分の1補助がこれだけ農家に受けたではないですか。それと同じように,特に農業でない方も大勢来ておられるが,すごい
理解者なのだから,
消費者目線も大事だし,だから市内の優秀な農家を見て歩くこと。それから,優秀な農家の立派にやっている何々ファームなんていう法人の人に1年に1回ぐらい来てもらって現場の話を聞くのもどうしても必要だと思うし,
消費者,
男女同権の時代に主婦連なんて言うと悪いですが,どちらかといえば
女性目線の人からどういう食物がどうだとか,安全とかという勉強も1年に1回ぐらいしたいとも思います。
特別委員会で
農水省へ行って,私が今一番思っているのは
土地改良費です。随分安くなって,私らが,
風間委員のお父さんなんか土改の
理事長で,随分私やんやとやって,学校下がり,あれだけの1反田を4反田につくりかえるごろ
土改費の国の
補助金が67.5%だったのだが,今は上手にやると95とか,100%補助もあるのですよ。これからやはり
農水省に対して
土改費の陳情。私が持っている10アール当たりの経費が大体1万から1万2,000円です。それをまた割ると半分が
事務所経費で半分がいわゆる
事業経費です。その
事業経費は自分がやっているのだから,ある程度わかるのですが,
共済組合あたりだったら
全額国庫,いわゆる
行政負担の経費なのに
アメリカが終戦後,農業を土改と共済と農協の3つに割って,それぞれ特色は持たせましたが,あれから70年たってその制度も疲弊しているのです。
そういう中で,土改の
事務所費ぐらい何とか
農水省予算で持ってもらう時代にならないと,私も田んぼを4町歩ぐらいつくっているわけですが,米の値段を上げられない中で一番に上がるのが
土改費です。これを軽減する施策は国へ行かなければだめだし,県土連とも連携しながらという格好にはなりますが,それが地についた仕事になっていくと思います。国,県への
要望事項もこの
委員会で県と一緒になってタッグを組みながらいろいろな
補助事業,
補助金があるからやる事業というのは大体失敗するのです。本当にやろうとする人が
補助金を有効に活用すれば産地は伸びるのです。成木になるまで15年も20年もかかる
ル・レクチェやナシなんていうのを今から植えて,何も収入がない間どうやって生きるのですか。現実は厳しいのです。みんなプロでやっているのですが,もうからないからやめていき,
耕作放棄地が出るのです。そのことを考えて……
○
水澤仁 委員長 思いの丈十分伝わりましたので,まとめて。
◆
金子益夫 委員
消費者目線も大事だし,いろいろな意見があっていいので,まず,みんなの意見で全体の1年間の計画を立てるべきです。
◆
内山幸紀 委員 今言われた話の流れも同じですが,今年間で700人
弱離農者が出ているのです。今までの
補助金政策,がんばる農家だのいろいろやっているのですが,それでも実際は年間700人ずつやめていっている。このままでいったら,10年ぐらいすると農家の数が全くいなくなってしまう状況に立っていると考えてもらったほうがいいと思います。何で農家がやめていくのか。やはりもうからないからですね。もうかるための仕組みをどうやってつくるか。それを米でいったら新之助もいろいろ言われて,
補助金をつけてやりなさい,やりなさいとやったが,
農家目線からいったら新潟県は四季があって,冬のあすあす雪が降るときにコンバインで刈らなければいけない米はなかなか合わないのです。地域性に合ったものでブランド化してちゃんと収益がとれるものを考えないとだめな時期だと思うので,ぜひ茨城県,千葉県など近いところに研修に行って見たり聞いたりしながら,またここに合ったものをできる政策を
皆さんで出し合ってやっていけたらと思います。
◆
風間ルミ子 委員 私はもうからないのは国のせいだと思っていますから,それはそれなのですが,前に部長にも聞いたことがあるのですが,
トマトとか,
キュウリとか,
施設園芸を大型でやっている方は実際にいます。ところが,年をとってきて
後継者がいない方はこれから何年もできないのがわかっているときに,もとはちゃんとしていても,ハードの部分,
ビニールを張りかえることがなかなか決断できないわけです。そういうときに,新規に
施設園芸をやってみたいという方を紹介し合うとかいう実績があるところがあれば,そんなところも見て,取り入れられる政策があればいいと思うのです。
金子委員もいっぱい
トマトをつくっていますが,豊栄に
トマト農家がいっぱいいます。
後継者がいればちゃんと金もかけて設備も施設もよくするのでしょうが,鉄骨の枠組みはちゃんとしていても,なかなか金をかけて
ビニールを張りかえるまではという話を聞いているので,もったいないと思って,新規に就農したい方がいるかもわかりませんが,もしいる場合は,県にあるそうですが,つなげる施策を市としても研究してもいいと思っています。
○
水澤仁 委員長 JAにおられた
保苅委員の立場からどうですか。
◆保苅浩 委員 まず私は見て聞いてというのが大事だと思います。どこにあるのかわかりませんが,本当に
後継者,あるいは担い手が育っている
先進地があったら,どんな仕掛けでそうなっているのか見てみたいのが1つと,当地域は
施設園芸もできるでしょうが,大きな資本が必要なので,できれば露地で稼いでいるような,同じような気候の
先進地があればいいと思っています。たまたま黒埼では2月ぐらいから種まきが始まって
春ブロッコリーをつくり,5月ぐらいに収穫が終わると今度枝豆を植えて,それが終わるとまた秋に
ブロッコリーをつくってということで,ほぼ2回転,場所によって3回転で2月から11月くらいまで稼いで,あと12月,1月は休憩,それぐらいでも結構いい売り上げを上げている
生産者がいますので,必ずしも施設にこだわる必要はないと。露地でやっている,同じような気候の
先進地を見て聞いてというのを進めていただけるとありがたいと思っています。
◆田村要介 委員
佐藤幸雄委員がおっしゃっていたのですが,例えば私
中野小屋に入って,子供が農業をやりたいといってもなかなかハードルが高いのです。
新規就農で地域で入れて,空き家まで用意して,その場で若い人を集めて結婚させて,国の土地を与えるなんていうところもありました。その辺どうしたらいいのかわからない
人たちが結構いるのは事実です。
あと最近読んだ本の中で,CCRCの一つの展開の中で,湯沢町
あたりは結構いるらしいのですが,60歳代の方々が東京から出てきて何かやりたい,就農したいがどうすればいいかという
仕組みづくりを新潟の中でも始めています。
後継者,いろいろ問題があるのは実感しているのですが,やりたいと思っている人に門戸を開くいい形がとれればというのと,3月のとき気づかなかったのですが,
中間報告で「農家の
女性たちが雇用され」と書いてありますが,八代市に行ったときに実際は
ブラジル人でしたよね。だから,やはり現実あそこはもうかっているのです。もうかっているから,
後継者はいるし,嫁はいる。ただし,やる人がいないから女性ではなくて,
外国人に門戸を開いて地域の
まちづくりに生かしていました。
皆さんのお話を聞いていて,そういった中でのいろいろな事例を我々も感じて共有することが,今実際地域の中で起きている問題とリンクするのではないかという気がしました。
◆
佐藤幸雄 委員
伊藤教授の
勉強会でわかるように,新潟県の
出荷額が減っていて,おくれている原因が秋田県や山形県に比べると米に一辺倒だったことがわかって,米を捨てるということではないのですが,園芸にシフトして,秋田県は四,五年前からそれに気づいて県知事が園芸に必死になって農協,
市町村までくどいて制度をつくって園芸に向けました。実際秋田の枝豆が食べられるかというと,お粗末な枝豆ですが,それでも
大田市場を席巻しています。秋田ではそれに続いて
白神ネギとか,ネギの
一大産地化してやっています。新潟市も決してお米をやめるのではないのですが,お
米一辺倒なために園芸がおくれてきている事実があったわけです。それがようやく3年前,秋田県の方式を見て新潟市も何とか予算化しようと1億円つけて,初年度はJAみらいと
JA新潟市が
スイカの
ハウスを建てました。
皆さん言うように,お金をかけたのでは採算がとれないではないですか。それを6,000万円,県が半分,
市町村が4分の1,農協が4分の1という制度をつくったのです。我々も一生懸命
皆さんの力をかりて動かせてもらって。今使われているのが
スイカですが,ちょうど
一大産地の熊本県が雨で流れたり,鳥取県の砂丘が雨で流れたりして,とにかく新潟市が全国的に最近よくて,産地化する
ハウスを建てました。
ハウスを建てると,20棟建てて6,000万円のうち3,000万円が県,新潟市が1,500万円出しました。農協が1,500万円出したのですが,農協は2,000万円で上手に10年間貸して,農家の
人たちは1棟でも10万円で借りられるわけです。
設備投資を減らしたおかげで,産地化できる
仕組みづくりはしたのですが,もう一歩広げて
田村委員も勉強されているように,実は研修生も,国が大体年間150万円,農業に行くのであれば出しますよと言ってくれている制度があるのです。そういった若手を,何か作物さえ指定をして上手にしていけば新潟市も産地化できるのではないかという思いがあります。その
あたり私や
金子委員たちみんな勉強させてもらったのですが,そういった作物を見つけることとか,いろいろなことを考えられるのではないかと思います。例えば越後姫なんか物すごく人気があって,これは高設床でやると女性でも簡単にできるような,市場がどうかは基本的にはわかりませんが,
設備費がかかり過ぎることを抜きにすると,
皆さん研究していけば結構作物があると思うのです。そこら辺の研究も含めてやっていければいい
委員会にはなるかと思います。
◆
小泉仲之 委員
皆さん非常にいい話をされて,私も勉強になっているのですが,私はこの
委員会は前回2年間やってきて,それの
中間報告が出ているわけですし,その前からもずっと農業の問題について
調査特別委員会をやってきた流れの中で前回の
中間報告が出ているので,
中間報告の中で出てきた課題をさらに深化させる
方向性をやっていけば,今
皆さんが言われたことがほぼ網羅できるのではないかと思っています。前回も持続可能な農業という切り口の中で,例えば
家族農業とか,園芸の問題等々いろいろなことが出ているのですが,
中間報告の最後のページにまとめとして今後の
方向性,
委員会のあり方について問題提起されているわけですから,そこに沿って具体的な課題を整理していくことが私はベターではないかと思っていまして,
皆さんにも検討していただきたいと思います。
◆
内山幸紀 委員 先ほどからの話の関連でいうと,
新規就農者の数が前年度よりも何十人かふえてきているのですが,実は裏があって,今までは本当に
新規就農で,全く農家もやっていない県外の
人たちを受け入れた場合が
新規就農の扱いになっていたのですが,実績が欲しいのか何かで,農家のせがれが農家を継いだだけでも
新規就農者扱いになってしまったのです。それで一気に実績が伸びた感じになっているのですが,これも問題点の一つかなというのと,先ほど宮崎県の話の関連で
マンゴーの話をすると,宮崎という温暖な地域を利用して
マンゴーをつくったらどうかというところから始まったのです。新潟市の場合は四季があって,熊本の
トマトが出てから新潟の
トマトが出てくるので,後追いでどうしても価格が暴落しがちなのです。そういったのもあるので,いろいろな観点から,新潟市の気候に合ったもので
品種選定をしっかり見きわめながらブランド化するものを
皆さんで知恵を出しながら選んで,それを国内外に発信していければ,多少単価が上がってくるのではないかという一つの案を出させていただきます。
◆
佐藤幸雄 委員 宮崎県へ
農協単位で毎年何十人も
新規就農者を育成している組織を見に行きました。そこでは,
キュウリとピーマンをつくっていたのですが,
内山委員がおっしゃるように新潟と何が違うかと,出荷の時期だけではないのです。暖かいから,1
ハウスでできる
キュウリの量が,
新潟あたりでは暖房を使って一生懸命つくっても10トンなのが向こうは18トンです。そんな違いがあるので新潟市に合う作物は何かを模索していかなければと思います。
◆
金子益夫 委員 誤解を受けると悪いから,
委員会として思っているのは,今の新潟市の農家を全部残していくわけにはいかないのかもしれませんが,
農林水産部の意見を聞いていると,
新規就農とか,新しい事業をやるのに
補助金をつけたがるのです。それは厳に戒めようと思って私は時たま苦言を指しているのですが,新しいことも当然やらなければだめですが,今ある農村をどう残すのか,日本型の
農業形態を残すことを考えていかないで,新しいものをやれ,あれやれば
補助金くれる,これやればといったってできないのです。それより私らにすれば,
ハウスのつけ根が腐ったのを直す
補助金なんていうのが一番ありがたいことで,目先の新しいもの好きではだめなのです。もっと悪い言い方すれば,60まで
サラリーマンで,60過ぎたら85まで農業するといううちがみんながっちりしているのです。わかりますか。
私らの地区には4万坪ぐらいの
ビニールハウスがあって,100人ぐらいやりましたが,農協へ集まる量が3分の1になったのです。私は農協の役員を30年,この間まで副組合長していて,
トマトも毎日持っていっていましたが,
豊栄トマトの量が3分の1になりました。熊本からのせいですよ,それはわかっています。それで,悪い病気とか何かで一つの集落に四,五人やめていく。どうするか,鉄骨屋に鉄骨くれるといったって今安いから,高くなったらもらうといわれ,
耕作放棄地になります。
農業委員も5期やらせてもらって一緒にやっていました。そういう中でうまくいっている事例,1つだけ明るい話をすると,おじいちゃんが
校長先生で,その息子さんも学校の先生だったのにやめて5年たちます。うちの集落の私の前のうちの
ハウスを借りて高設の
イチゴ栽培を始めて,すぐ近くで福祉の仕事をしていた奥さんもやめて,2人で毎日イチゴ。また,わからないのもいい。施設に金をかけないで県の
補助金であれだけの高設の1棟を1年3万円か5万円で借りて,それこそ椅子に腰かけながら仕事していかれるのです。それで,経営がペイすると大変に喜ばれて,地元の
園芸組合に入ってもらいました。
ただ問題はここなのです。我々の
トマトもそうですが,
中央市場へ毎日出している私が言うのだから間違いないのですが,
農協経由は
消費者に売っている
直売所の単価の半分とれないのです。
直売所に出した
皆さんの値段は私がコンテナで毎日農協に運んでいる値段の大体40から45%だと思うのです。その差額が上積み,まんま食えるのに,うちらは農協に出して半分が経費になって,1コンテナ出しても2,000円かそんな値段です。おととい,3月分の油代と
ビニール代引いたら315万円。通帳に350万円今月入っていないだろうと思ったらやはり入っていません。売り上げよりも支払いが多いのが現実です。これだけ一生懸命誰より早く頑張っているのですが,そんなのが本当の話なのです。だから,今あるものをどう残すかも考えていかなければだめだということです。
◆小柳聡 委員 今
金子委員からもありましたとおり,いろいろな新しい作物の話も大事ですが,実態をしっかり見ながら今あるものをどう残していくのかという視点も非常に重要だと思いますので,
土改費といった話も含めて両方ちゃんと見ながら進めていくほうがいいのかなと感じました。
◆石附幸子 委員 初めての
委員会で,非常に素人で,
皆さんのお話を聞きながら深刻かつ具体的な話で非常に勉強させてもらっています。的外れな話になるかもしれませんが,先ほどの
田村委員の農業の担い手の話の中で,例えば今,新潟日報でも
トマト農家のことや,移住女子,農村で暮らしている,非常にあの
あたりすごくPR力があって,農業に対するイメージアップになっていると思っています。秋田なんかに行くと写真でも農業に対してのよさをすごくアピールするポスターが結構あるのです。新潟ももっと外に農業に対しての前向きなポジティブな,若い人の目を引くようなPRができたらいいなといつも感じていましたので,ここでは違うのかもしれませんが,そのようなことをやっていくといいと思います。
それから,西区のいっぺこ〜とは,向かいにある原信と競うぐらい売り上げが高くて,9時半開店なのですが,9時15分になると行列ができるのです。ですから,ああいう
直売所,あれは農協がやっているのでしょうが,ああいう売れる,行くとおもしろいという,
消費者からの視点も取り入れられるのかなということが1つと,詳しくわからないのですが,
家族農業,小さな家族単位の農業に対してのアプローチを丁寧にやっていくのはすごく今は重要なのかなと感じています。
○
水澤仁 委員長 大体御意見出ましたかね。現状と,それこそ今現場の声をお持ちの委員の
皆さんもおられますし,これまでの
取り組みの流れの中で,新潟市の農業が今置かれている状況,これらいろいろな形の中で委員の
皆さんから御意見が出たと思います。これを踏まえて,私としては引き続き,これまでと同様に
現地視察や関係者との意見交換を通しての課題を整理し,本市農業の活性化のための具体策を検討していき,
委員会として最終的に具体的な提言を行っていければよいと考えていますが,いかがでしょうか。
(異 議 な し)
○
水澤仁 委員長 そのように確認しました。
今後も委員の
皆さんで活発な議論を行いながら
委員会を運営していきたいと思いますので,よろしくお願いします。
以上で本日の日程を終了し,
委員会を閉会します。(午前10:35)...