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12月22日-開会、議案説明、一般質問-01号

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  1. 新潟県議会 1947-12-22
    12月22日-開会、議案説明、一般質問-01号


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    昭和22年 12月定例会 本会議   ―――――――――――――――――   12月22日(月曜日)   午後2時34分開會   ―――――――――――――――――出席議員  1番 須貝綱太郎 君  2番 雲尾 東岳 君  5番 吉岡喜三郎 君  6番 揖斐仙次郎 君  7番 鈴木吉治郎 君 10番 北村  基 君 11番 小林 寅次 君 12番 池田 榮松 君 13番 木原 正雄 君 14番 山田 正雄 君 15番 若月 文雄 君 16番 橋本 辰次 君 17番 布施 津三 君 18番 瀧澤 正直 君 19番 酒井  登 君 20番 外川 藤藏 君 21番 上野 周吾 君 22番 貝瀨高重郎 君 23番 佐藤 兵部 君 24番 高野六太郎 君 26番 川上 昌司 君 27番 村田種次郎 君 28番 野水 吉治 君 29番 小黑 岩人 君 30番 兒玉龍太郎 君 31番 西川彌平治 君 32番 松木  明 君 33番 藤原 熊男 君 34番 内山 大三 君 35番 土田 杢平 君 36番 石黑 武久 君 38番 岩野定市郎 君 39番 大島 憲吾 君 40番 高澤三樹太郎君 41番 小笠原九一 君 42番 木村 新一 君 43番 松井 源内 君 44番 山崎 和雄 君 45番 岡田 幸平 君 47番 塚野 淸一 君 48番 島田 久吉 君 49番 飯塚 信太 君 50番 村山吉五郎 君 51番 桑名 義廣 君 52番 田卷 恒彦 君 53番 丸山直一郎 君 54番 佐伯 利作 君 55番 森山善治郎 君 56番 阿部 隆治 君 57番 澤口 久藏 君 58番 小田長四郎 君 59番 佐藤久次郎 君 60番 加藤長三郎 君 62番 中川 光男 君 63番 高橋淸一郎 君 64番 寺尾  愛 君不參議員  3番 田村 高作 君  4番 塚田淸一郎 君  8番 瀧澤 一治 君 25番 大瀧 正義 君 37番 石塚 善治 君 46番 皆川 正藏 君 61番 吉田 吉平 君提出議案第1號議案 昭和22年度一般會計更正追加豫算第號議案 同  (待遇改善分)第3號議案 特別會計追加豫算實業學校作業資金)第4號議案 特別會計更追加豫算勸業費作業資金)第5號議案 起債變更の件(土木施設費)第6號議案 縣民税臨時增徴條例改正條例第7號議案 監査委員條例改正條例報告第1號 專決處分報告(一時借入金)     請 願 5 件1、地方職員給與に關する請願2、中蒲原郡曾野木村大字合子ケ作黑崎村合併請願3、神納郷排水事業起工請願4、電力料金改訂及電力制限緩和請願5、高田工業學校工業科獨立分離に際し高田商業學校獨立設置請願   ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) これより新潟縣議會定例會を開會いたします。   ――――――――――――――――― 12月22日(月曜日) △午後2時35分開議    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) これより開議いたします。 本日の出席議長のほか54名。不參8名――3番、4番、8番、25番、26番、37番、46番、61番。 報告がありますから書記をして朗讀させます。   ―――――――――――――――――一般報告    ―――――――――――――――――   〔書記朗讀地方自治法第112條によつて別紙通り議案を提出する  昭和22年12月22日         提出者            1番議員  須貝綱太郎                    外61名 新潟縣議會議長 兒玉龍太郎殿     決  議  案 新潟縣議會新潟軍政部長コツクス中佐の本縣供米完遂に對する厚意に充てる御指導と御協力に對して深甚なる感謝の意を表す。 右決議す。  昭和22年12月22日          新潟縣議會議長 兒玉龍太郎   ―――――――――――――――――會期及び議事日程の決定    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) 私よりお諮りいたします。このたびの會期は5日間といたしまして、本日の議事日程は、會議録署名議員選擧及び提出議案全部竝びに一般質問といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長兒玉龍太郎君) 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。   ―――――――――――――――――會議録署名議員の選擧    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) これより會議録署名議員を選擧いたしたいと思いますが、先例によつて4人といたしまして、議長から指名をもつて決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長兒玉龍太郎君) 御異議なしと認めまして、私から指名いたします。會議録署名議員に           15番   若 月 文 雄 君           21番   上 野 周 吾 君           47番   塚 野 淸 一 君           53番   丸 山 直一郎 君 以上4名の方々を御指名申し上げましたが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長兒玉龍太郎君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。   ―――――――――――――――――決議案上程    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) 先ほど報告になりました決議案、これは新潟軍政部長コツクス中佐の、本縣供米に關しての甚大なる御協力御指導に對して、特に感謝の意を表したいと思いまして、この案を提出した次第であります。ただいまより本決議案を上程いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長兒玉龍太郎君) 御異議ないと認めます。   ――――――――――――――――― △採決    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) それではこれよりコツクス中佐に對する感謝決議案を上程いたしまして、ただちに採決いたしたいと思います。 本決議案提出者のほか全員御賛成でありますが、なお念のため全員御起立でもつて賛意を表していただきたいと思います。   〔總員起立〕 ○議長兒玉龍太郎君) 滿場一致御賛成と認めました。 本決議案は、全員異議ないことで可決確定いたしました。この感謝決議案は後刻私より適當の處理をいたしたいと思います。   ―――――――――――――――――議案全部上程(第一讀會)    ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) 次に第1號議案ないし第8號議案及び報告第1號を一括上程いたしまして第一讀會を開きます。朗讀は例により省略いたさせていただきます。議案に對する知事の御説明を求めます。   ―――――――――――――――――
    知事議案説明    ―――――――――――――――――   〔知事岡田正平登壇〕 ◎知事岡田正平君) お寒いところを御苦勞でございます。このたびの追加豫算の編成は、國の指示に基く職員待遇改善費及び物價高騰に伴うまことにやむを得ない事務的の經費のみでございます。今回は事務處理の都合上、一般會計追加豫算職員給與に關するものとその他のものとに區分をいたしました。今回の追加額の總計は、職員給與關係追加で1億5,844萬餘圓、その他の追加が1億1,299萬餘圓、合計で2億7,143萬3,105圓、既決豫算との累計を申し上げますと實に15億418萬2,365圓という數字に上つておるのでございます。なおこの詳細につきましては財務當局よりお尋ねによつて申し上げたいと存じます。歳入といたしましては、特定財源として國庫下渡金その他1億5,066萬八千餘圓でありまして、殘額は縣民税の5割の增徴、分與税の追加交付額、營業税の增收見込額遊興税税率改訂による增收、義務敎育職員家族手當に對する國庫下渡金等を充當いたしておる次第でございます。まことに簡單でございまするが、以上をもちまして豫算の大綱を申し上げた次第でございます。 なおこの機會にこの席から先ほど御決議になりました供米に關する軍政部長のお骨折、これはただいま御決議になりました通りでございまして、本年の供米はまことに容易ならぬ状態であるのでございます。昨年より豊作とは決して申されません。しかも本年はそれに1割を增加しておるような割當でごぎいまして、農家の困難は察するに餘りあるのでございまするが、この供出は世界的の食糧事情國内事情に鑑みまして、穀倉たる本縣といたしましては、まことに重大なる責任があるのでございます。縣といたしましてはでき得る限りの努力はいたしまするが、一面食糧調整委員方々竝びに縣議會の皆樣方が異常なる御關心をおもちくださいまして、お蔭で今日はややその上昇を見ておりまするが、完納期限を眼前に控えてまだ90%に至らぬというような状態に立ち至つて、これを100%まで漕ぎつけるには並大抵のことではないのでございます。縣といたしましては、この期間にあらゆる努力を拂うことは當然でございまするが、まことに恐縮でございまするけれども、どうぞ國を救うという思召しをもつて、また縣の責任の立場において、皆樣からして今後一層のお骨折と御指導、御支援を心からお願い申し上げる次第でございます。今日の状態から申しまして、本縣といたしましても、もし輸入食糧がない、供出が完全にいかないために補給することができないというような場合に至りますれば、計數において實に三十餘萬人の餓死者が出なければならぬという状態に立ち至つておるのでございます。明年の再生産の裏づけ等にぜひ食いつなぎをしなければならぬのはもちろん、外國から輸入食糧を仰ぐ。昨日議員總會議員の方の御發議のように、あるいは農家變つた生産の途を考え、あるいは食い延ばしというような手を打つことは當然ではございますが、いかなる困難がございましても、まず完遂をいたしまして、今後再生産に差支えないだけの食糧をぜひとも懇請しなければならぬ状態に立ち至つておるのであります。先般軍政部長と話合いの場合におきましても、個人の完納のできない場合には知事はどうするか。もし個人において完納のできない場合には部落、その部落において都合のつかない場合においてはその村、その郡、その縣、なお力の及ばざる場合においては國、國においてもなおこれが危機を訴える場合においては、連合軍によつてこの危局を打開しなければならぬ。連合軍とともに生き連合軍とともに飢える、これだけの覺悟をもつているということを申しましたのであります。まつたくその通りであるが、本年はぜひこの新潟、しかも新潟縣供出そのものはワシントンにおいて重大なる關心をもつておるとまで言われたのでございます。先ほど申し上げましたように、いろいろのことでまことにお忙しいことは萬々お察し申しまするが、この完納期間を眼前に控えておる今日、皆樣方から特段のお骨折お願い申し上げるとともに、軍政部の要請によりまして一旦納期を決定いたしましたが、電力事情と降雪の關係上、納期を延期してはどうかという要請が軍政部長より參りました。その要請に應じまして、軍政部の言う通り期間ではございませんが、ここに昨年の未完納者に對しては本年の12月30日、その他の一般につきましては1月20日と定めましたので、今後いかなることがありましても、これを再延期するというようなことは申し述べない決意でございます。また昨日の食糧調整委員會の席においても特に檢察廳が臨席されまして、本年の未完納者に對する強權の發動は、ときを移さず適宜の處置をとるというような言明をされておるのであります。年々歳々供米の完遂ができず、しかも強權を發動されるというようなことは、まつたく今日の状態といたしまして相濟まぬことと存ずるのでございます。重ねてお願いを申し上げまするが、願わくば皆樣方の特段の御指導と御支援をひたすらお願い申し上げる次第でございます。(拍手)   ―――――――――――――――――議長兒玉龍太郎君) ただいま26番議員が御出席になりました。 縣政一般に關する質問の通告があります。質問者の御發言を求めます。   ―――――――――――――――――一般質問    ―――――――――――――――――   〔63番高橋淸一郎登壇〕(拍手) ◆63番(高橋清一郎君) 私は當局にまず1番目の問題として戰爭犧牲者越冬對策ということにつきましてお伺いしたいのであります。關連いたしまして引揚促進運動ということにつきまして、大體2項目にわたりまする質問内容でございます。 5月議會が開かれまして本月まで8箇月でございますが、未だかつてこの本會議場で戰爭犧牲者の問題に關連いたしまして御質問くださいました方は一人もなかつたのであります。各委員會は存じません。私自身が引揚者でございます關係上、身につまされるものがありますまま、ここに率直に御意見をお伺いし各種の施策にわたりまする御質問をしたい、こういうわけなのであります。 農村出身方々農家方々のお氣持を一番よくわかると同じことで、63名おります縣議會議員のうちで、しからばこの戰爭犧牲者という範疇にはいる者は何人かと申しますならば、私は失禮にあたるかもしれませんが、きようはつきり申し上げます。引揚者がおります。先ほど申し上げましたように私と民主黨の席におります岩野定市郎氏の2人でございます。縣議會議員のうちに引揚者が2人おる。今まで農村關係のことにつきましては、鈴木吉治郎氏以下各派の精鋭がこの問題につきまして當局に迫つたのでございまするが、私ども2人は本日私が代表いたしまして御質問申し上げるわけなのでございます。この點もお含みくださいまして、議會にも2人の戰爭犧牲者の範疇に加わる者がおるということを了承の上御答辯願わなければならぬと思うのであります。賢明なる皆さん方におかれましては、もうすでに御承知と思いますが、戰爭犧牲者というもの、いわゆる戰災者引揚者復員者が全國で何名おるかということは、はつきりした數字は申しかねますが、大體申し上げまして日本の人口を7,800萬といたしますと、その1割に當ります者がこの種犧牲者なのであります。從いましてもし全人口の1割に當ります者が、外地で慘々な目に遭い無一物で歸つてきて、國または縣の方途よろしきを得ざるがために、思想的に惡い方向に行きました場合に、社會不安をもたらすがごとき導因を誘發する者が萬が一あるといたしますならば、ゆゆしき重大問題であるということを御想起願わなければならぬのであります。日本人の性格といたしまして非常に辛抱強いのでございます。しかるに外地から温い氣持で私どもが迎えられるであろうと思つて歸つてきた途端に、いろいろ冷眼視して冷やかな態度で迎えられたといたしますならば、人間は人情をもつておりまして、ひがみたくないと思いましても、自然に惡い方向に導かれるであろうということは喋々を要すまでもないと私は思うのであります。8,000萬のうちの1割が、やけのやん八になりました場合には、どのような破目に相なるかということをひとつよく御考慮願わなければならぬのであります。8人のうちの1人がままよという氣持をもつたならば、日本再建などということは、とうてい及びもつかないと御認識願わなければならぬことを深く危惧しなければならぬのであります。今日差迫りました年の瀨、降り積りまするこの雪の中、戰災者引揚者復員者の連中ははたして何を糧にどのような考えで一生懸命やつておるか。こんな切ないことならばいつそ死んだ方がよいという氣持をたくさんもつております。何とかきよう一日の糧が欲しいものである、こういう氣持で一ぱいになつておるのであります。たとえて申しますならば、越冬對策と申しましてまず住宅問題でございます。簡單に申し上げましよう、1つの部屋に七、八人がごつちや寢をしております。このインフレ下に行き所なくして橋下生活をしておる者が相當數あるのであります。假小屋生活をしております。できないことかもしれぬけれども縣費で住宅はできないものだろうか。遊休施設が相當あるのだが何とかここをうまく利用することができないだろうかということを私はしよつちよう考えているのであります。衣料配給の問題いかがでございますか。適時適切なる配給を願わなければならぬのであります。冬に欲しいもの、厚地のものが欲しいのです。ぴつたりくる肌着が欲しいのです。毛布が欲しいのです。ところが、これらの配給が去年手遲れになりました。遺憾なことでございます。ほんとうを申しますと今どき手にさしてもらいたいのです。冬が來ない前に手にさして欲しいのです。ところが一昨年、一昨々年のことは知りませんけれども、去年のごときはせつかくの冬物が5月、6月入荷したという事實がある。こうした一例を申しましても、この私ども氣持に對しまして、適時適切なる考慮を得ないがために、せつかくの思召し、親心もむだになるということがあり得るということをひとつ御考慮願わなければならぬということを申し上げんとするものであります。燃料問題でございます。未だかつて戰爭犧牲者にお前たちは切符はなくても結構なんだ、今日まで半俵でもよい、3分の1俵でもよいが、これだけ特配でございますと手を打たれたことはないのでございます。遺憾なことでございます。何とかその邊もうまいこと林務課長さんお願いするわけにいかぬものでございましようか。警察部長さんにお願いしたいことがございます。なるほど法の適用に當りましては、峻嚴なる態度をもつて臨まなければならぬことは言うまでもないのでありまして、この點につきましては難癖をつけるのではないのでございますけれども、しかしながら法の適用に當りまして一片の涙というものが考えられるものではなかろうかということを私はほんとうを申しますとお願いしたいのであります。戰災者引揚者は、何とかきよう一日をしのぎたいという氣持で、寒々した恰好で、きたない姿態で、場合によつてうしろ暗いことをやつているかもしらんのでございます。しかしながらこの連中にこういう警察法を適用する云々の大小の事件があつた場合におきまして、いわゆる大やみ師白晝公然云々につきましては、今日まで巷間傳えられるところによりますと、相當の實績をあげているかのごとく聞いておりますけれども、まずもつて主眼をこの方にお置きくださいまして、戰災者引揚者必ずしもりつぱな連中がおるわけではございません。まことに瑣々たる惡德行爲を重ねる者が一部にはあると思うのでございますが、この邊何とか御考慮を相願うわけにいかぬものであろうかということを、この席上からまことに相濟みませんが警察部長さんの御答辯を願わなければならぬところなのでございます。 私はこの種戰爭犧牲者の問題に關連いたしまして、過般5月の縣議會で申し上げ、皆樣の御協賛、御決議を得ましたことでありますが、在外同胞がまだ朔北の地に80萬人殘つております。この人たちを一刻も早く御歸還せしめてくださいますようにということを提案いたしたことがございますが、實を申し上げますと、新潟縣はこの種問題につきましては運動がきわめて低調なのです。全國の各委員が集まりましての席上で、新潟縣のこの運動はきわめて低調だつたということなのであります。實は私自身新潟縣の歸還促進團體の新潟市の支部長をしておりまして責任を感じておりますが、希わくは、縣議會議員の諸公におかれましても、各市町村のその方を兼ねておられる方々が相當多かろうと思います。どうか郷土にお歸りくださいまして、表立つた運動は町長、村長の立場においてはむずかしいところがあろうと思われますがゆえに、側面運動で何とかうまく調子をとつていただきたいということを申し上げるものでございます。まだ歸らぬ三たびの冬を迎えるであろうところの、何とも同情の言葉を知らないさびしい惠まれざる人たちが、ソビエト地區で六十何萬、中共地區で6萬何千、在外地合計いたしまして約八十餘萬の者が未歸還の實情なのでございます。これを待つております留守家族人たちを考えますと、まことに慄然たらざるを得ないという氣持に押し迫らされるわけでございます。この件につきましても、どうか縣當局指導精神よろしきを得ていただきまして、陰になつての御後援ひたすらお願いするわけなのであります。質問やらお願いやらわからぬのでございますが、ここに壇上に上りまして思いつきのまま申し上げたような次第であります。如上につきましての御答辯お願いいたします。(拍手)   〔議長退席、副議長着席〕 ○副議長木村新一君) 議長軍政部へ參りましたので、しばらく私代つて議長の職務を行います。縣當局から御答辯願います。   ―――――――――――――――――答辯    ―――――――――――――――――   〔知事久保田才次郎登壇〕 ◎副知事久保田才次郎君) ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。 海外に勇飛されましてりつぱな地歩を占められて大いに活躍されておられた皆さんが、敗戰のために故國に歸られて、しかも非常に御不自由な生活をなさつていらつしやる。こういうことにつきましてはお互い御同情にたえないのであります。從つてどもとしましても、こういうお歸りになつた方々が、早く生活の安定を得て、復興のために御盡力いただくことが、日本復興に非常な役割をするので、ぜひそういうことにお願いしたいと思つておる次第であります。數ははつきりいたしませんが、新潟縣全體復員者引揚者、こういう方がもうすでに二十數萬人お歸りになつております。それでなお現在は2萬5,000名くらいが海外におられるではないか、こういう想像をいたしておるのであります。それでまずお歸りになりまして身寄りのある方、それからすぐ生活ができる方、こういう方は別としまして、當座お困りの方、こういう方には生活相談所を設けておきまして、同胞援護會、あるいは更生同盟、學生連盟、こういうようなものと連絡をとりながら御相談に應じます。そうして場合によれば無料の宿泊を斡旋し、それから汽車賃あるいは旅費、こういうものにつきましても實費を差上げておるというようなことをやつておる次第であります。それからいよいよ定着されまして、何か御商賣をなさるという場合には、生業資金貸付をいたしております。昨年は年間に5,400萬圓程度の豫定でございまして、これは全部貸付を終りましたが、本年は約1,141萬圓を割當てられております。現在のところおよそその65%の貸付をしております。殘り分はおそらく來年の1月ごろまでには貸付が完了するものと思つております。この貸付につきましては、適正を期すために資金貸付審議委員會、こういうものを設けまして、迅速かつ適正に貸付をいたしております。またその貸付けたあとで監督を前記委員會がいたしておる次第であります。その次はそういうことをいたしましてもなお非常に生活にお困りの方がおありであるというような場合には、現在ではこれは必ずしも引揚者戰災者という意味ではありませんが、全體としまして生活保護法、これが昨年の10月に實施されました。この實施によりまして、從來方面委員と言われておつた方民生委員と名前がかわりまして、現在では縣下に2,800名くらいございますので、こういう方が實際の生活の實情を調査してくださいまして、これによつて、場合によれば生業資金を貸すとか葬祭のいくらかの資料を差上げるとか、醫療劵を發行しまして無料で醫療をいたしますとか、そういうようなことをいたしておるのであります。これは一般的な問題であります。 次は住宅でありますが、現在これも數字はよくわかりませんが、およそ1萬5,000名くらいの方々が住宅で困つておられる、こういうように想像しているのであります。これには對策としましてまず餘裕住宅を開放する、こういうことが一番手つとり早いのでありますので、先月24日から1週間住宅開放強調週間といたしまして大いにやつたのでありますが、實際の効果は殘念ながらあまりあがつておりません。これはどうしてもお互いが助け合いの氣持をもつてやらなければなりませんので、各援護團體と連絡をとりまして、今後も引續き餘裕住宅を開放していくということには力を盡したいと思つております。それから新設でありますが、住宅の新設は御承知の通り時節柄非常に困難であります。從つて現在遊休のもの、これを改造するということが手つとり早いと思います。そこで國の經費でありますが、緊急援護事業、これによりまして昨年縣内に40箇所1,990所帶、人員にしますと7,964人、これだけの收容をいたしております。それからまた同胞援護會におきましては、ことしの10月長岡市に母子寮を12戸建てまして、いくらかの役立ちになつているわけであります。新潟市には350名を收容し得る共同住宅を2箇所建てる。これはいくらかの改造でありますが、計畫をしておりまして、1月中には完了する見込みであります。縣といたしましても、この住宅問題につきましては豫算をとつて、なるべく御希望に副うようにいたしたいと考えております。 それから衣料の問題でありますが、本年4月から今までに約4萬點の衣料を配給しております。冬に向いまして先ほどお話がありましたように、この冬に間に合うようにもつとたくさん配給したい。こういうことで厚生省、商工省、この方面に何回も交渉いたしたのでありますが、1月一ぱいになりませんと豫定が完了いたしません。その豫定は無償で配給するもの、越冬用の衣料に毛布、軍用被服、こういうものが6萬6,430點、それから引揚者用の應急衣料として服、肌着、生地、こういうものが1萬8,421點、一方いくらか金をとりまして有償配給するものにつきましては、引場者、戰災者、そのほか困つておる方々のために外套とか、肌着とか、たびとか、蚊帳とか、こういうものを25萬8,500點、ふとん綿1萬950點、メリヤス、靴下7萬4,300點、こんなような計畫をもつておりまして、これは1月一ぱいに完了する豫定であります。なお御承知のアメリカにララ委員會というのがございまして、ここから送られた生活物資をすでに數回配給しております。なお先ほど御質問警察部長答辯をというお話を、私が代りまして申し上げますが、私どもとしましても、引揚げられた方々が早く生活の安定を得られるということが目標でありますので、無理のない法の適用をしたいという考えをもつております。それから燃料問題の御質問がありましたが、これは一般配給以外には現在のところ非常に少いために特別な配給ができないことを非常に殘念に思つております。 以上御質問にお答えした次第であります。   ―――――――――――――――――質問打切り、議案審議の動議    ――――――――――――――――― ◆22番(貝瀨高重郎君) 本日の質問はこの程度にして打切りまして、ただちに上程議案の審議を進められんことを希望いたします。 ○副議長木村新一君) ただいまの22番の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長木村新一君) 御異議ないと認めます。ではただちに議案の審議に入ります。   ――――――――――――――――― △第二讀會に入るの動議    ――――――――――――――――― ◆22番(貝瀨高重郎君) ただいま上程になりました議案は、第一讀會におきましては原案をとることといたしまして、ただちに第二讀會を開かれんことを希望いたします。 ○副議長木村新一君) 22番の動議の通り第二讀會に入ることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   ―――――――――――――――――議案全部上程(第二讀會)    ――――――――――――――――― ○副議長木村新一君) ただいま上程の議案全部は第一讀會において原案をとり、第二讀會に移ります。   ―――――――――――――――――議案分類、委員付託、委員指名の動議    ――――――――――――――――― ◆22番(貝瀨高重郎君) 第二讀會に付議せられました議案は、正副議長を除く全議員をもつて2部の委員會を構成いたしまして、これに調査を付託せられんことを希望いたします。なお調査部門の分類、委員の數、指名等はすべて議長に一任したいと思います。 ○副議長木村新一君) ただいま22番のおつしやる通り皆樣御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   ―――――――――――――――――議案分類    ――――――――――――――――― ○副議長木村新一君) 御異議はないと認めましてさようにいたします。すなわち議案の各部の分類はかようにいたしたいと思います。第1號議案のうちの歳入の部、第2號議案のうちの歳入の部、第5號ないし第8號議案及び報告1件を第一部の委員会に委囑し、第二部は第1號議案のうちの歳出の部、第2號議案のうちの歳出の部、第3號議案及び第4號議案といたします。それからさらに議長の手もとに參つております請願5件は第一部の委員に併せて付託いたしたいと思いますが、いかがでございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   ―――――――――――――――――議案調査委員指名    ――――――――――――――――― ○副議長木村新一君) では私より委員を指名いたします。書記をして朗讀せしめます。   〔書記朗讀〕 第一部 議案調査委員(30名)   鈴木吉治郎君  岩野定市郎君  北村  基君   布施 津三君  揖斐仙次郎君  雲尾 東岳君   山田 正雄君  瀧澤 一治君  塚田淸一郎君   若月 文雄君  松木  明君  佐伯 利作君   佐藤 兵部君  内山 大三君  貝瀨高重郎君   川上 昌司君  酒井  登君  高野六太郎君   石黑 武久君  高澤三樹太郎君 山崎 和雄君   皆川 正藏君  島田 久吉君  桑名 義廣君   丸山直一郎君  田卷 恒彦君  澤口 久藏君   中川 光男君  高橋淸一郎君  寺尾  愛君 第二部 議案調査委員(31名)   西川彌平治君  加藤長三郎君  池田 榮松君   木原 正雄君  瀧澤 正直君  橋本 辰次君   須貝綱太郎君  小林 寅次君  田村 高作君   吉岡喜三郎君  大瀧 正義君  村田種次郎君   外川 藤藏君  小黑 岩人君  藤原 熊男君   野水 吉治君  上野 周吾君  土田 杢平君   石塚 善治君  大島 憲吾君  小笠原九一君   松井 源内君  岡田 幸平君  塚野 淸一君   飯塚 信太君  森山善治郎君  吉田 吉平君   小田長四郎君  阿部 隆治君  佐藤久次郎君   村山吉五郎君 ○副議長木村新一君) 以上書記朗讀の通りそれぞれ御指名申し上げましたが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長木村新一君) 御異議ないものと認めてさよう決定いたします。 ついては今御指名申し上げました第一部及び第二部の委員各位はそれぞれ委員長及び副委員長を御決定の上、ただちにこちらへ御報告を願います。それまでしばらく御休憩を願います。   午後3時18分休憇   ―――――――――――――――――   午後3時20分開議 ○副議長木村新一君) これより休憩前に引續きまして開議いたします。報告をいたします。   ―――――――――――――――――議案調査委員長、副委員長當選報告    ―――――――――――――――――   〔書記朗讀〕 第一部議案調査委員長には7番議員鈴木吉治郎君、副委員長には38番議員岩野定市郎君が當選せられました。第二部議案調査委員長には31番議員西川彌平治君、副委員長には60番議員加藤長三郎君が當選せられました。   ――――――――――――――――― △散會の動議    ――――――――――――――――― ◆22番(貝瀨高重郎君) 本日はこの程度において散會いたしまして、明23日は議案審議のため休會、明後24日午後1時より本會議を開かれんことを希望いたします。 ○副議長木村新一君) ただいまの22番の動議の通りいたして差支えありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長木村新一君) 御異議なければ明日23日は議案審議のため休會、24日午後1時より本會議を開くことにいたします、日程は議案全部といたします。 本日はこれをもつて散會いたします。 △午後3時21分散會...