◎市長(守屋輝彦君) それでは御説明申し上げます。 議案第76号 令和4年度小田原市
一般会計補正予算でありますが、国が9月20日に閣議決定した、住民税非課税世帯等を対象とした電力・ガス・食品等価格高騰緊急支援給付金につきまして、全額、国庫支出金を財源に計上させていただくものであります。 以上をもちまして、提案理由の説明を終わります。
○議長(
大川裕君) 提案理由の説明が終わりましたので、引き続いて議案の細部説明を求めます。
◎財政課長(福井康文君) それでは細部説明を申し上げます。 本日追加いたしました補正予算は、電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえた国庫補助事業でございまして、国が令和4年度の予備費を活用し、特に家計への影響が大きい住民税非課税世帯等に対して1世帯当たり5万円を支給するもので、速やかに支給する必要があることから、所要の経費を計上するものであります。 それでは、補正予算の詳細について御説明申し上げますので、補正予算書の8ページ、9ページをお開きください。 歳入の第15款 国庫支出金におきまして、本補正予算の財源となる住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業費及び事務費に係る補助金を計上するものであります。 次に、歳出について御説明申し上げますので、補正予算書の10ページ、11ページをお開きください。 第3款 民生費の社会福祉総務費におきまして、住民税非課税世帯や家計急変世帯に対する電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金のほか、事務費としてコールセンターの運営費を含めた事務処理等に係る経費を、全額、国庫支出金を財源に計上するものであります。 なお、申請方法につきましては、住民税非課税世帯は課税台帳を基に確認書を送付するプッシュ型とし、家計急変世帯は申請書を提出していただきます。 申請期限につきましては、令和5年1月31日までとし、支給件数を、住民税非課税世帯が2万4000世帯、家計急変世帯が300世帯の合計2万4300世帯と見込んでおります。 以上をもちまして、細部説明を終わらせていただきます。
○議長(
大川裕君) 以上で細部説明は終わりました。 議案調査のため、この際、暫時休憩いたします。 再開は午前11時といたします。 午前10時29分 休憩
----------------------------------- 午前11時0分 開議
○議長(
大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 ただいま議題となっております議案につきましては、先ほど説明が終わっておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
◆23番(横田英司君) 追加提出議案第76号について質問します。 本議案は、物価高騰に対して、国から財源10分の10で緊急に支援給付されるものであり、実施しない自治体はないと聞いております。必要な対策だと思います。 伺いたいのは、市として、個々の物価高騰対策を提案するに際し、物価高騰をどのように認識、把握され、対応されようとしているのか、そして、今回の追加議案をなぜ選択されたのかということです。 私は、6月定例会において、物価高騰について一般質問し、物価高騰は一時的なものではなく、来年度も持続的に上昇し、食料品の高騰は長期的に続くと指摘しました。その上で、本市は物価高騰が市民の暮らしなどに与える影響をどのように考え、また、どのように対策を検討されているかを伺いました。 本9月定例会が開催されるに当たり、市長は定例記者会見で、「このコロナ禍における原油などの輸入価格が高騰したことなどにより、市民生活が圧迫されております。その対策として、国の
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、市民や事業者などへの支援についても予算計上しております」と一言触れ、補正予算が可決されました。 しかし、本市の予算には計上されていませんが、ほかの市が実施している対策があります。例えば、昨日10月5日の神奈川新聞に「子育て世代 家計を応援」として、三浦市は市立小・中学校の給食費を半年無料にする、川崎市は中学校卒業前までの子供がいる世帯に子供1人当たり1万円を支給すると報道されています。また、三浦市教育委員会の担当者は「今回の無料化とは別に、今後対応を検討する必要がある」、川崎市長は「国の対策では、市内の対象者は高齢者が多くなる。子育て世帯も下支えしたい」と述べたことも報道されています。また、10月から実施された後期高齢者医療の窓口負担の2倍化についても、物価高騰対策に真っ向から反するものであり、国に中止を求めるべきであると、私は一般質問で述べました。 物価高騰対策や福祉政策は、市民の暮らしや営業を守るだけでなく、経済を下支えすることにより、最大の経済対策でもあります。こういう認識は、個々の支援策を予算計上するだけでは見えてきません。逆に、こういう認識や課題意識を先に示して、具体的な個々の事業を予算計上すべきではないでしょうか。 市長は、国・県が行う支援策を踏まえてと述べられていますが、国や県の支援策・交付金についても、メニューから本市に必要なものを選ばなければなりません。また、なければ独自予算で実施する必要も出てくるでしょう。そして、独自予算が財政的に困難なら国や県に要請することも出てくるでしょう。 そこで伺います。本市は何に基づいて今回の対策を選択されたのでしょうか。よろしくお願いします。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 今回の給付金は、電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえ、特に家計への影響が大きい住民税非課税世帯や家計急変世帯に対しまして、1世帯当たり5万円を支給すると国が決定したものでございます。本市でもこの国の検討を踏まえ、住民税非課税世帯や家計急変世帯に対する支援として事業を実施することとしたものであります。 以上です。
◆23番(横田英司君) 国が決定したという答弁でした。 それでは3点伺います。そもそも、本市は、市民の暮らしや営業の実態を具体的にどのように把握されているのでしょうか。 そして、どのように認識されていますか。ほかの自治体と比較して特徴的なことはありますか。 その上で課題は何でしょうか。把握の仕方の課題、どのような対策を重点的に実施すべきかという課題が何かということをお答えください。
◎副市長(鳥海義文君) まず一つ目の、物価高騰の影響の把握の仕方ということでございます。物価高騰によります市民生活や事業活動の影響につきましては、基本的には、庁内のいろいろな所管の相談窓口がございますので、そういったものを活用するとともに、各団体の声も聞かなければいけないという中で、社会福祉協議会であったり民生委員児童委員協議会などの市民生活に密接した団体の声をしっかりと把握しながら、あわせて、経済的な部分であれば、小田原箱根商工会議所、小田原市商店街連合会、またJAであったり漁業協同組合などの関係団体を通じて、全庁的にその把握に努めてまいっております。こうした影響を見定めつつ、国・県が行う支援策などを踏まえまして、既に御存じのように6月補正予算においては、生活者支援を中心に、学校や保育所の給食の材料の価格高騰への対応、また、今回の9月補正予算におきましては、事業者の支援も含めながら小規模企業者への事業継続への支援であったり、市内の商店街等で使用できる応援券の発行を通じた子育て世帯の支援などを行うことなど、これまで約7億円程度の規模の対策を打っておりまして、この財源内訳を見ますと、約3億円は市の一般財源をそこの中に加えまして、国のほうの対策だけではなく、やはり市としてはここまでやるべきだろうという判断の下、スピーディーに対応してきたというのが状況でございます。 そして二つ目の、物価高騰の影響への認識でございますが、やはり不安定な国際情勢などによります原油高、物価高騰等は、業種を問わず、多くの事業者が厳しい経営状況に直面しているとともに、市民生活にも多大な影響を及ぼしていると認識してございます。これは、それぞれの市の産業構造や人口構成等、自治体ごとに差はあると思われますが、本市のみならず全国的な問題だと認識してございます。 そして最後に、三つ目といたしまして、この課題についての御質問でございますが、物価高騰の先行きは本当に不透明で、その状況は日々変化をしていることから、これはその対応をスピーディーかつ着実に行う、こういうことが重要になってくるのではないかと考えてございます。また、物価高騰の影響は全国的な課題でございまして広範囲にわたることから、これは、人為的にも財源的にも単一の自治体で全て解決するということは難しいという状況の中でございますので、現在、国のほうでも臨時国会で議論されてございますので、国や県と連携しながらしっかり対応していくことが欠かせないものではないかと考えております。 以上です。
◆23番(横田英司君) 答弁ありがとうございます。 私が特に聞きたかったのは、認識や課題意識を先に示して、具体的な事業、予算を決めたのかという、そのあたりをもう少し答弁していただきたいと思います。 最後に聞きます。物価高騰について、本市が行うほかの課題と比較すると見えてくることがあります。例えば、
新型コロナウイルス感染症対策については、小田原市
新型コロナウイルス感染症対策本部会議を立ち上げて、全庁的に対応しています。市の公式ホームページでも「
新型コロナウイルス感染症関連情報」が真っ先に表示されています。デジタル化推進についても、私は、評価すべきこと、そして問題点があるという二つの意識はありますが、それはさておいて、市デジタル化推進本部を創設し、デジタルイノベーション課も新設しました。 一方、物価高騰対策はどうでしょうか。もう一つ具体的に実は私は見えてこないのです。物価高騰対策は、市民の暮らしを守るという自治体の本分からして、現在最も力を入れなければならないものではないでしょうか。 そこで伺います。本市は物価高騰に対してどのような体制で臨まれていますか。
◎副市長(鳥海義文君) 再々質問にお答えしますが、二つ目の再質問のときに答弁が足らなかったようでございますので。こちらは私も同じような考えでございまして、小田原市としては、昨年度の国際情勢の変化以降、これはしっかりと対応していかなければいけない部分の中の、物価高というものは市民生活に非常に影響が出てくるという認識の下、6月、9月に補正予算を出したものにつきましても、しっかりと各種団体・市民の声を聞きながら、必要な対策を打ってきたというような認識でございます。 それで再々質問でございますが、こちらの市のほうの体制についてでございますが、物価高騰への対応につきましては、現在、企画部、総務部を中心に庁内で取りまとめをスピード感を持って取り組んでございます。この中では物価高騰も長期的な課題となる可能性もあることから、今後も様々な施策を通じて、着実に市民の暮らしや地域経済を守っていきたい、このように考えてございます。 以上です。
○議長(
大川裕君) 質疑も尽きたと思いますので質疑を終結いたします。 お諮りいたします。本件につきましては、委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大川裕君) 御異議ないものと認めます。よって、委員会の審査を省略し、直ちに討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大川裕君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第76号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○議長(
大川裕君) 全員賛成であります。よって、議案第76号 令和4年度小田原市
一般会計補正予算は、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
大川裕君) 次に、日程第16
常任委員会視察報告についてを議題といたします。 ただいま議題となっております
常任委員会視察報告については、お手元に配付した報告書のとおり、所管の常任委員会から提出されておりますので、御了承願います。
----------------------------------- 行政視察報告書 令和4年10月6日委員会名総務常任委員会参加者委員長加藤仁司副委員長荒井信一委員鈴木敦子 鈴木和宏 鈴木美伸
鈴木紀雄 神戸秀典 池田彩乃
岩田泰明期間令和4年7月11日(月)~13日(水)視察地、
調査項目
及び概要山形県
南陽市1 まちづくりに向けた取組について
(1)本市の現状と課題
全国の自治体において、人口減少や高齢化への対策は大きな課題となっている。本市では、「定住人口」の確保に向け、移住定住促進策を展開するほか、地域の活性化に向け、「交流人口」の拡大も踏まえ、観光をはじめとし、様々な視点から、魅力あるまちづくりに向けた調査・研究が進められているところである。
(2)調査目的
南陽市では、平成26年度に、地方創生の総合戦略策定に向けて行った中高生アンケート調査の結果から、南陽市の強みは「ラーメン」であるとし、ラーメンを主役としたまちづくりに官民協働で取り組んでいる。そこで、若者の視点での魅力発信や、官民協働によるまちづくりへの取組について調査を行うことを目的とする。
(3)調査概要
南陽市では、知名度アップを図るため、平成28年に「南陽市役所ラーメン課R&Rプロジェクト」を立ち上げ、交流人口の増加や、魅力あるまちづくりを官民協働により推進している。
市職員のほか、地元大学生をはじめとした一般応募者により構成される「ラーメン課」では、ラーメンマップの作成、テレビの全国放送での露出、Webコミックとのコラボレーション、ラーメンカードラリーなどの取組を行っており、南陽市では令和3年に2000万円以上の経済効果があったとしている。
今後の課題としては、様々な主体とのコラボレーションを通して、「南陽市の認知度」を高めるとともに、ラーメン以外にも、果実等の物販などを通して幅広くブランドイメージを浸透させ、南陽市への波及効果を最大化できるよう、シティプロモーションにつなげていくとのことであった。
(4)考察
南陽市では、中高生へのアンケートを発端とした、「ラーメン」をキーワードにしたまちづくりの取組にあたり、市民や地元企業はもとより、市域、県域を越えた者とも積極的にコラボレーションを拡大・展開することで、より広範囲な地域から「交流人口」を呼び込めている。
このことは、本市における「今後のまちづくり」に向け、参考となるものであった。山形県
山形市1 犯罪被害者等支援について
(1)本市の現状と課題
犯罪被害者等基本法では、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の支援等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と規定されており、条例の制定の検討を促す意見もあるところである。
犯罪被害者等(犯罪被害を受けた者及びその家族又は遺族)に対する支援を目的とし、当該支援に係る基本的事項を定める趣旨の条例については、神奈川県内において、神奈川県及び6市町が制定しているが、現時点において、本市では制定していない状況にある。
(2)調査目的
山形市では、令和4年3月に「山形市犯罪被害者等支援条例」を制定し、令和4年4月1日に施行した。現在、犯罪被害者等に係る総合支援窓口の設置や、犯罪被害者等の経済的負担の軽減を図る見舞金の支給を行うなどしている。そこで、条例制定の経緯や取組の内容について調査を行うことを目的とする。
(3)調査概要
山形市では、条例制定以前は、犯罪被害者等の相談については各課が個別に応じていたが、犯罪被害者等への総合支援窓口を新たに設置したことで、被害者の相談内容を踏まえ、庁内関係課はもとより、必要に応じて他自治体の総合支援窓口との連携が可能となった。「こうしたネットワークが大切であり、限られた自治体が取り組むよりも、多くの自治体が社会全体への普及を目指して取り組んでいくことが必要と感じる」とのことであった。
また、山形市は当該条例の制定に合わせ、山形県内で初となる、犯罪被害者等への見舞金を支給するための要綱を制定している。(遺族見舞金30万円、傷害見舞金10万円)
なお、見舞金の支給には、「まちの安全ふるさと応援基金」を活用している。
(4)考察
犯罪被害者等は、犯罪により、それまでの生活を変えられてしまう。そうした犯罪被害者等が受けた被害を回復又は低減できるよう、総合支援窓口の設置により、個々の犯罪被害者等を取り巻く状況やニーズを把握し、支援することは、地域社会全体で犯罪被害者等を支えるうえで必要であるものと考えられる。
犯罪被害者等の支援の在り方について、参考となるものであった。宮城県
石巻市1 東日本大震災からの復興に係る取組について
(1)本市の現状と課題
近年、大規模自然災害のリスクに対する関心が高まっている中、本市においても、地震や津波、風水害などの災害時に即応できるよう、体制強化に向けた取組が進められているところである。
(2)調査目的
東日本大震災における最大の被災地である石巻市では、これまで復旧・復興に向け、不断の取組を進めてきた。東日本大震災の発生から11年を経た今、これまでの復興に係る取組状況や、復興に係る計画策定等の着眼点が、震災発生前後どのように変化したのかなどについて調査をすることを目的とする。
(3)調査概要
東日本大震災の際に押し寄せた巨大津波により、石巻市庁舎はおおむね120センチ程度浸水した。庁舎のライフラインは壊滅し、通信機器が機能しなくなったことにより、市民に対する避難誘導などの指示ができず、初動対応が後手にまわる状況に陥ったとのことである。
震災後において変化した視点として、主なものとしては、公共施設の整備にあたり、JR石巻駅周辺に「市庁舎」、「石巻市防災センター」、「石巻市立病院」及び「石巻市ささえあいセンター」を、津波対策を講じたうえで整備したほか、文化施設については、津波の被害を受けにくい内陸部に整備することとした。また、発災直後には、仮設住宅の建設用地を確保することが容易でなかったため、公共スペースの在り方について、事前に一定のルール化を図るようにしたとのことである。
視察会場の「石巻市防災センター」は、平常時は、防災に関連した講習などに使用できるよう市民に開放しているが、発災時には、災害対応の要となる「
災害対策本部」になる。このため、建物には免震装置が設置されている。1階には資機材倉庫があるものの、津波の被害を受けないよう、2階及び3階が防災拠点となる。
災害対策本部室となる3階のシミュレーション室には大画面モニターが8面設置され、災害現場の映像などを同時に表示することができ、災害状況の把握や、的確な指示・対応を行ううえで有効に機能するものとなっていた。
(4)考察
石巻市では、東日本大震災から学び得た教訓を踏まえ、「石巻市防災センター」の整備はもとより、個別具体な各種取組についても調査することができ、参考になった。
また、今回の視察は、支援者であり被災者でもある職員の方から、震災当時を振り返り、連絡手段、交通手段、生活手段の3つの手段が奪われる状況下において、1つずつ課題を解決し、次のステップに進んで行くことの大切さなど、直接に、復旧・復興に係る話を聞くとともに、現地を視察する機会を得ることができ、とても有意義なものであった。
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○議長(
大川裕君) 以上で本定例会における議事は全て終了いたしましたので、この定例会を閉会いたします。 午前11時12分 閉会以上会議のてんまつを記載し、その相違ないことを証するため、ここに署名する。 令和4年10月6日 議長
小田原市議会議長
大川 裕 小田原市議会副議長 神戸秀典 署名議員
小田原市議会議員 鈴木和宏
小田原市議会議員 鈴木美伸
小田原市議会議員 杉山三郎...