川崎市議会 2012-09-21
平成24年 決算審査特別委員会-09月21日-02号
(13)議案第167号 平成23年度川崎市
公共用地先行取得等事業特別会計歳入歳出決算認定について
(14)議案第168号 平成23年度川崎市
公債管理特別会計歳入歳出決算認定について
(15)議案第169号 平成23年度川崎市
病院事業会計決算認定について
(16)議案第170号 平成23年度川崎市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分及び決算認定について
(17)議案第171号 平成23年度川崎市水道事業会計未処分利益剰余金の処分及び決算認定について
(18)議案第172号 平成23年度川崎市
工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分及び決算認定について
(19)議案第173号 平成23年度川崎市
自動車運送事業会計決算認定について
(20)議案第174号 平成23年度川崎市
高速鉄道事業会計決算認定について
出席委員 (58人)
小川顕正
小田理恵子
竹田宣廣
押本吉司
添田 勝
三宅隆介
猪股美恵
川島雅裕
田村伸一郎
原 典之
青木功雄
橋本 勝
大庭裕子
勝又光江
為谷義隆
松川正二郎
月本琢也
木庭理香子
吉田史子
露木明美
河野ゆかり
浜田昌利
かわの忠正
林 浩美
尾作 均
松原成文
吉沢章子
山崎直史
井口真美
佐野仁昭
斉藤隆司
岩隈千尋
山田益男
織田勝久
粕谷葉子
吉岡俊祐
山田晴彦
岡村テル子
沼沢和明
廣田健一
石田康博
浅野文直
大島 明
石田和子
宮原春夫
市古映美
竹間幸一
潮田智信
飯塚正良
雨笠裕治
花輪孝一
菅原 進
後藤晶一
岩崎善幸
嶋崎嘉夫
鏑木茂哉
矢澤博孝
坂本 茂
出席説明員
副市長 砂田慎治
副市長 三浦 淳
副市長 齋藤力良
病院事業管理者 秋月哲史
上下水道事業管理者 平岡陽一
総務局長 船橋兵悟
総合企画局長 飛彈良一
財政局長 小林 隆
市民・こども局長 山﨑 茂
こども本部長 岡本 隆
経済労働局長 伊藤和良
環境局長 稲垣 正
健康福祉局長 木村 実
まちづくり局長 金子 弘
建設緑政局長 大谷雄二
港湾局長 大村研一
会計管理者 鈴木 孝
交通局長 田巻耕一
病院局長 三浦政良
消防局長 福井昭久
市民オンブズマン事務局長
栗山敏子
教育長 渡邊直美
選挙管理委員会事務局長
井出長生
代表監査委員 松川欣起
監査委員 奥宮京子
監査委員 東 正則
監査委員 石川建二
監査事務局長 桑原賢治
人事委員会事務局長 間中一彦
外関係理事者
出席議会局職員
総務部長 安藤 勲
議事調査部長 野村正人
庶務課長 福井和彦
議事課長 石塚秀和
政策調査課長 鈴木和恵
議事係長 小泉幸弘
議事課担当係長 山本 縁
議事課担当係長 鈴木智晴
外関係職員
午前10時0分開会
○岩隈千尋 副委員長 ただいまから、
決算審査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付してありますとおり、議案第155号から第174号までの20議案に対する審査であります。各案件を一括して議題といたします。(資料編2ページ参照)
直ちに審査に入りたいと思いますが、念のため申し上げます。質疑に当たっては、御意見、御要望もあわせてお願いいたします。また、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。なお、一問一答方式で質疑をされる委員は、予定している質疑項目を最初に御提示されるようお願いいたします。
それでは、御発言を願います。
◆原典之 委員 おはようございます。私は、一問一答方式で2款2項5目情報管理費、そして、
水道事業会計決算、8款1項建設緑政管理費に関連して伺います。
まず、2款2項5目情報管理費に関連して、川崎市のホームページ及びメール配信等の情報伝達体系について伺います。今月2日に行われました総合防災訓練では、緊急速報メール、
エリアワンセグ等情報伝達ツールの確認と、代表質問初日の12日にも
全国瞬時警報システム、
通称J-ALERTの全国一斉緊急情報伝達試験が行われました。こうした公共的メール配信、小学生の保護者へのメール配信や消防団員へのメール配信等は、市民の皆様が非常に防災、防犯に対し関心が高まったことによる対応だと思います。まず、このJ-ALERTですが、新聞記事によりますと44都道府県で、そして、神奈川県内では8市町村でトラブルがあったと記載がございました。本市においてはどういったトラブルがあったのか伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 J-ALERTについての御質問でございますが、神奈川県下の一部の市及び町におきましては、このたびのJ-ALERTの試験において、同
報系防災行政無線が自動起動しなかったり、市民向けのメールニュースが自動配信されなかったなどの障害が発生したと伺っております。本市におきましては、当初の予定どおり、9月12日の午前10時と10時半にそれぞれ総務省消防庁からJ-ALERTによる試験情報を正常に受信しております。受信後直ちにメールニュースかわさき防災気象情報及び
市ホームページ防災情報ポータルサイトに自動配信するとともに、職員による同
報系防災行政無線の放送、
テレビ神奈川データ放送及びケーブルテレビの
イッツコムデータ放送へ試験情報の配信を行ったところでございまして、いずれも障害等の発生はございませんでした。以上でございます。
◆原典之 委員 J-ALERTから来る人、来ない人があったと聞いておりますが、なぜこのようなことが起きたのか伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 J-ALERTのメール配信についての御質問でございますが、このたびの試験におきましては、メールニュースかわさき防災気象情報の登録者を対象として情報の自動配信を行ったところでございます。このため、メールニュースかわさき防災気象情報に登録をされていなかった方には、J-ALERTの試験情報が届かなかったものでございます。なお、実際の危機事象が生じた際に、J-ALERTから国民保護に関する情報や東海地震の観測、予知情報を受信した場合には、NTTドコモのエリアメール、メールニュースかわさき防災気象情報及び市ホームページに自動配信するとともに、同
報系防災行政無線の放送、KDDI及びソフトバンクモバイルの緊急速報メール、
テレビ神奈川データ放送、ケーブルテレビの
イッツコムデータ放送のほか広報車など、あらゆる情報伝達手段を活用して迅速に市民の皆様へ情報提供することとしております。以上でございます。
◆原典之 委員 新聞記事によりますと、県内においては防災行政無線を自動的に起動させるシステムを本市を除くすべての市町村に導入しているとのことですが、今後の見解を伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 同
報系防災行政無線の自動起動についての御質問でございますが、本市の同
報系防災行政無線につきましては、県内の他の自治体と比べますと早い時期に導入しておりまして、昭和62年からアナログ方式により運用を開始しております。このため、J-ALERTによる自動起動放送に対応しておりませんが、現在、その改修に向けて詳細設計を実施しております同
報系防災行政無線のデジタル化再整備の際には、自動起動の機能につきましても整備していくこととしております。なお、危機管理室におきましては、年間を通しまして24時間体制をしいておりまして、国民保護に関する情報など、緊急的な事態が発生した際には適切な対応ができるようにしているところでございます。以上でございます。
◆原典之 委員 さて、こうしたメール配信の登録は、まず川崎市のホームページから入るわけですが、このホームページについて何点か伺ってまいります。まず、このホームページの関心度及び利用率について伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 本市ホームページについての御質問でございますが、平成22年度に総務局が実施したかわ
さき市民アンケートにおいて、市からのお知らせや情報をどのような手段で入手しているかとの設問に対して、「市政だより」「町内会回覧板」に次いで、22%の方が「ホームページ」から情報を取得すると回答しております。また、市ホームページのトップページにつきましては、平成24年8月は約25万件のアクセス数となっており、効果的な情報発信手段であると考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 まず、ディスプレーをお願いします。これは川崎市のホームページなんですけれども、全体像で非常に見にくいのでちょっとアップにいたしますと、これでもまだ見にくいんですけれども、文字ばかりのホームページということで、たくさん情報があることはすばらしいとは思うんですけれども、正直見づらいと言わざるを得ません。このホームページの画面作成は外部委託なのか伺います。また、この予算経費についても伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 本市ホームページのトップページについての御質問でございますが、現在のホームページのトップページにつきましては、平成17年3月にホームページのコンテンツを管理するシステムであるCMSを外部委託により導入し、あわせてトップページのデザインを大幅に変更したものでございます。その後は、大きなデザインの変更による経費は発生しておりません。また、現在、アクセシビリティに十分配慮したホームページとなるようリニューアルに向けた取り組みを進めており、今後も利用者にとって使いやすく、親しみやすいホームページとなるよう努めてまいります。以上でございます。
◆原典之 委員 本市は143万人の人口ということでありますけれども、例えば、子どもが生まれるときにどこで産もうかですとか、家族に御不幸があったときどうしようかですとか、また、
災害情報配信メール手続をしよう等、目的を持って見ても、正直わかりづらいと思うんですけれども、例えば、川崎市に引っ越してこられた方がぱっと見てもわかりやすいようなデザインと、横浜市の事例なんですけれども、これもちょっと見にくくて、もう一度アップにしますけれども、こうしたアイコンを使ったようなぱっと見でわかりやすいホームページが作成されておるところでございます。例えば、この上のほうですと、横浜市もサッカーチームですとか野球チームですとか、いろんなフラッシュ版でトピックスとして取り上げております。これと全く同じものをつくってくださいというわけではないんですけれども、例えば、川崎市の観光名所ですとか季節の野菜や果物、イベント情報、特に今月はドラえもんが川崎市民になったというわけでございますので、文章1行で済ますのではなく、ドラえもんの画像をこういったところに張るなどをして、リアルタイムにPRすることもいかがでしょうか。また、佐賀県武雄市では、日本で初めてホームページをフェイスブックに移行したところ、人口約5万人に対してファンが1万2,500人いると知りました。これは武雄市の人口約25%、川崎市では計算しますと6.6%が現状であります。こういったソーシャル・ネットワーキング・サービス、フェイスブックやツイッターの公式アカウントを取得し、利用し、攻めの広報活動が情報受信者をふやす一因かと思いますので、要望させていただきます。ディスプレーは結構でございます。
次に、メールニュースかわさきについて伺います。このメールニュースかわさきは、気象情報や災害情報、そして、防犯情報に加え各区も選べるシステムではありますが、市民の登録状況について伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 メールニュースかわさきについての御質問でございますが、メールニュースかわさきは、防災や防犯情報、イベント情報、地域情報など、必要な情報を利用者が選択してパソコンや携帯電話で情報を受け取ることができるシステムでございます。登録件数につきましては、平成24年8月末時点では9万4,000件となっており、震災前の平成23年2月末時点と比較して約2倍の登録件数となっております。今後も登録者数をふやす取り組みを進めながら、さまざまな情報を発信してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 次に、この配信システムの中には消防団員に送られるものもあります。私も当初は川崎市のホームページから登録をさせていただきました。中原消防団からも登録をしたわけなんですけれども、当初の配信メールに比べると、現在は細かい番地や火災状況まで送られてくるようになり、充実強化が図られてきたと思っております。そこで、この配信システムはどの消防団が採用しているのか、また、各団の消防団員のメール配信登録率について伺います。
◎福井昭久 消防局長 消防団の川崎市
総合防災情報システムの活用などについての御質問でございますが、初めに、当該システムを活用している消防団についてでございますが、平成24年9月20日現在、市内8消防団中3消防団が活用しておりまして、中原消防団につきましては平成21年6月から全階級の団員を対象として運用しているほか、平成24年8月から川崎消防団が、また、同年9月から多摩消防団がそれぞれ部長以上の階級の団員を対象に試行運用を開始したところでございます。次に、当該システムを活用している各消防団の団員の登録率についてでございますが、中原消防団58.7%、川崎消防団29.2%、多摩消防団13.8%となっております。以上でございます。
◆原典之 委員 もちろん、このことは局と各消防団長との会議を踏まえ、消防団ごとの判断にもよりますけれども、既に採用している消防団を見て、これなら採用してもいいかと思わせるような作業が大事だと考えております。例えば、電話連絡網での伝達手段だけではなく、補助的にメール配信を行うなんていうのはいかがでしょうか。目の前で火事が起きていれば、これは消防団員としてではなく市民として活動するのは当然の責務ではありますけれども、電話で招集命令が来ないと出動するのかしないのかとやきもきしているのが、私みたいな末端にいる団員の気持ちであります。そこで、先ほどお話しした補助的にメール配信があれば出動も可能となるわけですから、これは危機管理室と消防局との管轄の違い、縦割り行政の弊害もあるとは思いますけれども、システム構築を取り入れることへの見解を伺います。
◎福井昭久 消防局長 消防団への連絡体制等の御質問でございますが、消防団への火災発生の連絡は、現在、原則として固定電話などへの電話連絡により行っておりますが、補助的に一部の消防団で川崎市
総合防災情報システムのメール配信や消防署からの電子メールによる配信を活用しているところでございます。メールの配信は東日本大震災発生直後、固定電話や携帯電話の音声通話が通信規制をされた中でも活用できたことから、災害時の出場に係る連絡には有効であると考えております。したがいまして、今後、現在メール配信を活用している消防団の皆様の御意見を伺うとともに、その有効性や問題点を抽出し、消防団長会議にもお諮りをしながら、システムの構築に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 災害に対してはさまざまな対策や取り組みが行われておりますが、これからも継続して行わなければいけない事業ですし、災害は海から、川から、山から、空からどこで起きるかわかりません。だからこそ情報伝達の迅速化は急務と考えております。先ほどの川崎市
メール配信サービスで各小中学校から保護者がメールを受け取るかどうかなど、任意で登録できるシステムの導入なども取り組んでいただくように要望し、次の質問に移ります。
次に、
水道事業会計決算のうち、生田の天然水「恵水」について伺います。将来にわたり持続可能な経営に向けて施設の更新や耐震化などを進め、一層の行財政改革に取り組んでいる水道事業ですが、そのうち「恵水」ですが、取扱いに関する要綱の中で製造販売の目的を3つ定めております。1つは災害時に備えた市民に対する飲料水の備蓄、2つ目は市民に対し水道水をPRすることによる水道水の使用の促進、3つ目が本市におけるシティセールスへの寄与であります。そこで、
上下水道事業管理者に何点か伺います。企業を初め東京都、横浜市など他の自治体においても、ペットボトルや缶に入った水が販売されております。多くの種類があるわけですが、ほかと比べ「恵水」の特徴、セールスポイントについて伺います。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 生田の天然水「恵水」の特徴等についての御質問でございますが、「恵水」は、本市の北部に位置する生田・菅削井群からくみ上げた地下水を用いて製造されたペットボトル水でございまして、平成15年度から災害時に備えた飲料水の備蓄啓発等を目的に製造販売を行ってまいりました。ペットボトル水につきましては、多くの自治体におきまして製造されておりまして、その原材料は水道水や河川の表流水等さまざまなものがございますが、近隣の東京都や横浜市と比較して、「恵水」の特徴といたしましては、原材料に地下水を使用していることが挙げられます。次に、セールスポイントといたしましては、二酸化炭素やミネラル分などが適量に溶解している
ナチュラルミネラルウオーターでございまして、マイルドで飲みやすいと利用者から好評を得ているところでございます。また、「恵水」のペットボトルにつきましては、災害時の備蓄用として活用していただくことを考慮して、保管スペースの効率性と外部からの衝撃への耐久性を確保するために形状を角形にしていることもセールスポイントでございます。以上でございます。
◆原典之 委員 次に、この「恵水」ですが、1年間で何本製造して、どのような利用をしているのか。何本売って、さらに無償で配布したり、賞味期限切れなどにより処分というものもあるようですが、過去5年間の実績について伺います。加えて、平成23年度の「恵水」の収支についても伺います。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 製造本数等についての御質問でございますが、「恵水」につきましては、賞味期限が製造日から2年でございますので、その2年間の中で製造や在庫の調整を行っているところでございます。また、用途につきましては、契約店、上下水道局での販売や防災訓練、浄水場施設見学等での無償配布で利用しているものでございます。「恵水」の過去5年間の実績につきましては、平成19年度は、製造が約3万9,000本、有償分が約2万6,000本、無償分が約2万6,000本、平成20年度は、製造が約8万本、有償分が約2万4,000本、無償分が約2万1,000本、平成21年度は、製造が約2万本、有償分が約3万4,000本、無償分が約2万8,000本、平成22年度は、製造が約2万本、有償分が約2万本、無償分が約2万3,000本、平成23年度は、製造が約8万本、有償分が約4万7,000本、無償分が約3,000本でございます。また、賞味期限を経過し廃棄処分といたしたものにつきましては、平成20年度に製造いたしました約3,000本のみでございます。次に、平成23年度の収支につきましては、「恵水」の販売収入は約470万円、製造委託費及び水質検査費等の支出は約680万円でございます。以上でございます。
◆原典之 委員 製造本数は、在庫がございますので年によってばらつきがあると思います。販売本数は減少傾向にあると見られるんですけれども、平成23年度の4万7,000本というのは増加のように見えますけれども、昨年の震災に対する災害備蓄に対して、川崎市が3万5,000本を購入しております。収支も赤字とのことですが、その原因を分析なさっていると思います。私も御商売をなさっている方からは、卸値が高過ぎて商売にならないという声もよく聞いておりまして、上下水道局が直接売る場合は要綱にもあるように100円で売るわけなのですが、販売事業者が売る場合は卸値が高いから販売価格は120円ぐらいになってしまいます。そこで、販売本数がふえない理由と今後の対応、販売目標について伺います。また、販売して利益を得ることが目的ではないとのことですが、「恵水」の取扱い要綱に掲げている事業の目的を達成するため、どのような対策を行い、最終的な目標をどう設定しているのか伺います。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 販売本数等についての御質問でございますが、「恵水」は災害時に備えた飲料水の備蓄啓発、水道水のPR、シティセールスへの寄与の3つの目的を実現するため製造を行っているものでございますが、「恵水」の販売に対する考え方につきましては、この事業を効率的・効果的に実現するために、「恵水」の製造費用と販売収入が均衡するような事業展開を目指しているものでございます。「恵水」の販売本数が契約店においてふえない理由につきましては、大手飲料水メーカと比較して卸値が高いことが主な要因と考えております。今後の対応につきましては、「恵水」の販売本数をふやすために、区民まつりや国際環境技術展等の集客力のあるイベントで積極的に販売を行うとともに、契約店の協力が得られるよう、販売の基本的な考え方に基づいて、卸値をどのように設定すれば妥当なのか、総合的に検討してまいりたいと考えております。次に、販売目標につきましては、現在「恵水」の製造費用と販売収入が均衡していない状況でございますので、それが近づくよう適正な販売目標を設定しながら、最終的には収支の均衡を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 私も実際に被災地視察に何度か行かせていただきました。その際に、多くの自治体の御意見を聞くところによると、災害瓦れきが出るのは当然だが、送っていただきました救援物資に対するごみの課題があるとも伺いました。災害時にはごみをふやさないという視点も必要と考えております。ペットボトルの再利用方法を啓発するとか、水を飲んだ後はかさばらないように、例えば注ぎ口がついたビニールの容器などを導入するとか、また、ペットボトルを入れている段ボールは災害時にはテーブルとして使えるとか、災害時にごみをふやさないという視点の取り組みについて伺います。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 災害時にごみをふやさないという視点の取り組みについての御質問でございますが、「恵水」につきましては、3つの製造目的を達成するため、容量や容器の形状、ラベルを決定しているところでございます。しかしながら、災害時におけるごみの発生抑制も重要な視点と考えておりますので、製造費用、賞味期限に配慮した製造方法を含めまして、段ボールや容器の形状などについて研究を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 今後の取り組みに期待をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、8款1項建設緑政管理費に関連して伺います。1目22節補償補填及び賠償金について、それぞれの内訳について伺います。
◎大谷雄二 建設緑政局長 補償金及び賠償金についての御質問でございますが、初めに、補償金についてでございますが、これは本市が道路占用許可をした電柱等の物件が道路の構造または交通に著しい支障を与えた場合に、占用者に対し、占用物件の移転、除却等を命じ、占用者が移転、除却等を行った際に、道路法第72条の規定に基づき、通常生ずべき損失を補償するものでございます。これに係る平成23年度の補償金の支出は6件、287万7,200円でございます。次に、賠償金についてでございますが、これは本市が国家賠償法の規定による賠償責任があると認めた場合に支払うもので、平成23年度は15件、1,106万9,257円でございます。以上でございます。
◆原典之 委員 まず、ディスプレーをお願いします。この写真なんですけれども、歩道にガラスのようなものが飛び散っているように思えますけれども、ちょっとアップにしますと、結構なガラスが飛び散っております。これは恐らく前の写真の――このダンプがぶつけているわけじゃないんですけれども、大型車が電柱にサイドミラーをぶつけての要因かと思われますけれども、この電柱をアップにしますと、結構ぶつかっている跡があると確認できます。また、次の写真ですと、これはちょっと形がわかりづらいんですけれども、民地の中にサイドミラーらしきものが投げ込まれているというような形跡もございました。先ほどのガラス片の写真に関しては週に一度は近隣の方々が掃除をしてくださっているということを踏まえて、質問に移らせていただきます。ディスプレー、結構でございます。この案件は昨年9月に近くにお住まいの方から陳情をいただき、中原区道路公園センターに問い合わせをいたしました。何ら返事がなく1年弱が過ぎた先月8月に、再び同じ方から同じ陳情をいただきました。そのときには私も耳を疑いましたけれども、道路公園センターから陳情者への回答は予算がないからと非常に心ないお話であったと聞いております。限られた予算の中での事業かと思いますけれども、この件に対する優先順位といいますか、見解について伺います。また、なぜ1年以上にわたり放置されていたのか伺います。
◎大谷雄二 建設緑政局長 中原区内の電柱移設等についての御質問でございますが、本件につきましては、昨年8月に市民の方から電柱移設の御要望をいただき、中原区道路公園センターが現地を確認して、当該電柱が交通安全上、支障を生じていると判断し、占用者に移設を命じた案件でございます。現地の電柱には反射テープを設置し、暫定的な対策を講じたところでございますが、抜本的な対策としての移設につきましては、占用者との調整等に時間を要したため、今年度の施工となるものでございます。今後におきましては、交通安全上、支障があると判断されるものにつきましては、現地確認の上、迅速に安全対策を講じるよう取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆原典之 委員 ここでの件は、電柱に対して大型車がサイドミラーをぶつけていくことが容易に想像ができます。もし、この飛び散った破片が歩行者にぶつかり、けがを負わせた場合の責任の所在について見解を伺います。
◎大谷雄二 建設緑政局長 電柱に起因する事故についての御質問でございますが、当該電柱に通行車両が接触して事故が発生した場合につきましては、一義的には車の運転者の責任であると考えますが、事故によるガラスの破片等が長期間放置されている場合には、通常有すべき安全性の欠如に当たることから、道路管理者の責任が生じるものと考えております。今後におきましては、道路の交通安全を確保するため、迅速かつ的確な対応に努めてまいります。以上でございます。
◆原典之 委員 今、建設緑政局長からも御明確な御答弁をいただきました。幸い通行人、住民の方がけがをされたとの報告を私はまだ聞いておりませんけれども、実際に、本当にいないとも限りません。近所の方はこの歩道が危ないので通っていないとも聞いております。私も実際この写真を撮っているときには、大型トラックが何台も通り過ぎていき、いつサイドミラーの破片が飛んでくるのか冷や冷やしておりました。歩道でありながらこういった恐怖心があるのはいかがなものかなと思っております。交通管理者、そして、道路管理者との連携が図られていないという現実もあるからだと私も指摘をさせていただきます。ぜひともこういった危険な場所を放置することがないように要望いたしまして、質問を終わります。
◆田村伸一郎 委員 おはようございます。私は、一問一答方式で、女性保護事業についてこども本部長、総務局長、三浦副市長、そして、し尿処理事業について環境局長、がん対策事業について病院局長に伺ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、4款こども費2項3目、女性保護事業について伺います。社会構造が変化をする中で、従来の社会保障の柱であります年金、医療、介護、そして、子育て支援だけでは対処できない課題が浮き彫りになってきております。DV、児童虐待、うつ病など、現代的な課題にこたえる新しい福祉の実現に取り組んでいかなければならないと思います。そこで、DVについてでございますけれども、平成23年度、全国の配偶者暴力相談支援センターと警察に寄せられました相談件数は合わせて11万6,482件でございまして、DV防止法が施行されて以来最も多い状況であるとお聞きしております。そこで、本市における昨年のDVの実態、そして相談件数、一時保護施設の利用件数等をこども本部長に伺ってまいります。
◎岡本隆 こども本部長 女性保護事業についての御質問でございますが、DVの実態といたしましては、身体的暴力のほか、性的暴力、精神的暴力、経済的暴力、社会的隔離等さまざまな様態がございまして、本市における平成23年度のDV相談の件数は1,275件となっております。また、被害者の方等の一時保護の件数につきましては89件で、そのうちDV防止法における配偶者からの暴力による一時保護は40件でございました。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。続いて、女性相談事業についてでございます。平成23年度の女性相談員の配置状況、そして非常勤職員の報酬、各区相談員が抱える件数、課題、取り組みを伺います。また、女性相談員は毎日のように多くの深刻な相談が寄せられ、業務量、精神的な負担が大きくなっていると思います。非常勤職員の増員等の相談体制の拡充が急務だと思いますが、現状と今後の取り組みを伺います。
そして、これまで女性相談員の処遇については、幾度となく議論をさせていただきました。非常勤職員は現行、基本的に最長で5年間と年数に上限がありますけれども、こちらについての見直しも図るべきと考えますが、その後の検討状況を総務局長に伺います。
◎岡本隆 こども本部長 女性相談事業についての御質問でございますが、女性相談員の配置状況につきましては、川崎区に常勤職員を1名、その他の各区に非常勤職員を1名ずつ、計7名を配置しております。また、非常勤職員の平成23年度における報酬の決算額は1,398万9,600円、各相談員の報酬月額は19万4,300円となっております。平成23年度の区役所におけるDV相談を含む女性相談の総件数は1,462件で、区ごとの件数は、川崎区が444件、幸区が134件、中原区が126件、高津区が107件、宮前区が215件、多摩区が303件、麻生区が133件となっております。次に、課題としましては、相談件数が多くかつ相談内容が複雑化しており、支援の困難な事例もありますことから、各区保健福祉センターでの組織的な対応の充実に努めているところでございます。今後の相談体制につきましては、相談件数の増加や相談内容の複雑化に留意しつつ、相談体制の強化について検討してまいります。以上でございます。
◎船橋兵悟 総務局長 非常勤職員についての御質問でございますが、非常勤職員につきましては、任用期間を含めた勤務条件など、今後の職のあり方等について検討すべき課題があるものと認識しているところでございます。これまでも各政令市との情報交換を初めとした調査を行ってきたところでございますが、民間の有期労働契約に係る労働契約法の改正や非常勤職員を取り巻く社会的状況の変化を見きわめながら、引き続き関係局と連携の上、これらの課題について他都市の事例なども参考に調査研究を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。御答弁で相談体制の強化について検討していくとのことですので、この女性相談員の増員という職の設置については、大師出張所、また田島出張所の相談件数も約100件と増加しておりますので、そこへの新たな配置も要望しておきたいと思います。
次に、DV被害者への支援について伺います。DV被害者の住所など個人情報が加害者に渡ることを防ぐための支援体制が重要だと思います。住民基本台帳等の閲覧制限を求める際に必要な支援についてさらなる拡充が必要と考えますが、見解と今後の取り組みを伺います。また、このDV問題は複雑で深刻化していく中で、相談者も高齢者や障害者、外国人など広範になってきているのが現状でございます。これらの相談に的確に対応するために幅広い知識や技術を持った相談員の育成、資質の向上が重要だと思いますけれども、取り組みを伺います。
◎岡本隆 こども本部長 DV被害者への支援についての御質問でございますが、現在、DV被害者の方から住民基本台帳の閲覧制限について申し出があった場合には、警察及び配偶者暴力相談支援センターの意見により支援の必要性を確認の上、閲覧制限が実施されているところでございます。今後につきましては、被害者の方の負担軽減及び危険防止のため支援の充実が必要でございますことから、警察及び配偶者暴力相談支援センターに加え、各区保健福祉センター、各地区健康福祉ステーションにおける意見によりましても、今年度中に閲覧制限を開始できるよう関係部局との調整を進めているところでございます。次に、外国人や障害者、高齢者の相談についてでございますが、各区保健福祉センターの担当課や関係機関と連携し、それぞれの相談ニーズに応じた支援に努めております。各相談員の育成や専門性の向上につきましては、被害者支援団体、弁護士会等の協力を得て研修会を実施するなど、支援の充実に努めているところでございます。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 本当に必要な支援体制でございますので、よろしくお願いいたします。
次に、お隣の横浜市では、県内市町村初めての取り組みといたしまして、横浜市DV相談支援センターを昨年9月に開設いたしました。DV被害者の支援体制を強化し、相談、安全確保から自立まで切れ目のない支援を実施するため開設をされたわけでございます。特徴といたしましては、DV専門の電話相談窓口で相談時間の延長、土日、祝日の相談も行っている。既にことしで1年がたちましたけれども、数多くの相談が寄せられているようです。本市においても、DV専門の相談支援センター等の開設に取り組むべきではないでしょうか、見解と今後の取り組みを伺います。
◎岡本隆 こども本部長 DV専門の相談支援センターについての御質問でございますが、本市ではDV被害者支援基本計画に基づいて、各区保健福祉センター、男女共同参画センター及び人権オンブズパーソンで電話相談、面接相談を実施しております。今後につきましては、相談の状況や相談者のニーズ、他都市の状況等に留意しつつ、DVを初めとした女性相談への総合的な支援についてさまざまな角度から調査研究してまいります。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 御答弁では、DVを初めとした女性相談への総合的な支援についてはさまざまな角度から調査研究をしていくということでございます。課題があることは理解をしております。しかし、横浜市がDV専門の電話相談、特に土曜日、日曜日、祝日を開設したことによって市民の利便性が図られているのは事実でございます。本市も土日も相談窓口があるということでございますが、土曜日の相談は9時から15時の時間に川崎市人権オンブズパーソンへ、日曜日の相談は12時から17時に川崎市男女共同参画センターへと統一性がないと思います。DVの悩み、不安を抱えている市民にとってはわかりづらく、不便さを感じていると思います。まずは土曜日、日曜日の相談窓口を統一して、専用回線を設け、電話相談体制の整備を進めていくことが、川崎市の基本計画にもあります、被害者が安全に安心して地域で暮らしていけるよう相談から自立まで被害者の立場に立った切れ目のない支援ということになるのではないでしょうか、三浦副市長、伺いたいと思います。
◎三浦淳 副市長 DV相談等についての御質問でございますが、DVは被害者やその子どもの心身に深い傷を残し、社会全体に深刻な悪影響を与えるものであり、社会がその解消に取り組まなければならない重要課題の一つであると認識しているところでございます。本市におきましては、DV被害に係る相談に当たりましては、関係する部署が相互に連携を図りながら実施してきているところでございます。今後につきましても、引き続き被害者への相談窓口の一層の周知や連携を図るとともに、DVに係る専門機関の必要性も含めまして相談体制の強化について検討をしてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 大変にありがとうございます。ぜひDV専門の相談窓口の設置をよろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。6款4項1目し尿処理費について伺います。災害用トイレについてでございますが、阪神大震災、東日本大震災を契機に災害用トイレの必要性が改めて認識されております。衛生環境の維持、また身体的負担の限界など、避難生活をする上でトイレ対策は、食料、飲料の確保以上に切実なものでございます。これまでも災害用トイレの備蓄がいかに重要であるかということを申し上げてまいりました。市民の皆様からは災害用トイレの重要性、必要性から備蓄状況に対しての御心配の声を多くいただいております。昨年、本市はいわき市、多賀城市、陸前高田市とそれぞれ100基の災害用トイレの支援を実施いたしましたが、3・11震災前の平成22年度末、平成23年度末の本市の整備状況並びに避難所となる小中学校等の備蓄状況を伺います。
◎稲垣正 環境局長 災害用トイレの備蓄状況についての御質問でございますが、昨年3月の東日本大震災以降、本市におきましては、災害用トイレ300基を速やかに福島県、宮城県、岩手県の市町村に寄贈いたしますとともに、被災地へ職員を派遣し、現地で実際に組み立てるなどの支援を行ってきたところでございます。こうした取り組みを行いながら、本市の災害用トイレの備蓄についても拡充を図ってきたところでございまして、平成22年度末の約2,600基に約400基の増設を行い、平成23年度末の備蓄数は約3,000基となっております。次に、小中学校等避難所における災害用トイレの備蓄状況についてでございますが、平成22年度末の備蓄数は約700基でございましたが、この1年間で購入及び移設を合わせて約400基増設し、平成23年度末現在では約1,100基となっており、避難所の約8割で備蓄している状況にございますが、引き続き関係局との連携のもと、その拡充に努めてまいります。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。次に、今後の避難所における災害用トイレの備蓄に向けた取り組みを伺います。また、これまでも機種についての統一化というのを求めてまいりましたが、その後の取り組みを伺います。
◎稲垣正 環境局長 災害用トイレ備蓄の今後の取り組みについての御質問でございますが、昨年度の約400基の増設に加え、今年度新たに330基を購入したところでございまして、現段階で配置されていない避難所や新たに備蓄倉庫が設置された避難所に対し、順次配置を進めていく予定でございます。また、現在、市全体で地域防災計画の見直し作業を進めておりますので、今後におきましては、この見直しにあわせて関係局と連携を図りながら、備蓄の拡充に向けて取り組んでまいりたいと考えております。次に、機種の統一化についてでございますが、既に幾つかの種類の災害用トイレが備蓄されておりますことから、すぐにすべてを更新し統一化を図ることは難しい面がございますが、設備の機能、安全性、耐久性、快適性、さらには運搬や避難所における組み立ての容易性などから機種の選定を行い、順次使いやすい機種への入れかえや増設に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 御答弁で、今後は地域防災計画の見直しにあわせて拡充に取り組んでいくということでございました。今回の中間取りまとめでは、被害数は全体的に低く想定をされておりますけれども、川崎直下の地震の前回調査時の想定避難者数は約41万5,000人と高い数字のほうで設定して、しっかりと備えていくべきだと思います。したがって、災害用トイレの設置需要というのは4,150基、現在の備蓄数は3,300基、あと850基ということでございます。これまでのように毎年50基のペースで進めてまいりますと、17年も要してしまいます。また、早い段階での目標達成に向けた計画を立てるべき、そしてまた、避難所となる小中学校等の備蓄状況ですが、中学校6校、小学校26校には依然として備蓄がされていない状況でございます。すべての避難所に備蓄されるよう独立型備蓄倉庫の整備も進められていますので、あわせて早急な取り組みを要望させていただきまして、次の質問に移ります。
最後に、がん対策事業について、幾つかの角度から伺ってまいります。政府は、2012年度から5年間のがん対策を定めた国の新がん対策推進基本計画を6月8日に閣議決定いたしました。次の5年間のがん対策の方向を決めるもので、働く世代や小児がん対策の充実、成人の喫煙率4割減を目指す数値目標の設定、また、一口にがんといっても400種類もありまして、それぞれの患者数や治療法、経過などが異なり、特に患者数の少ない希少がんについては、サンプリング調査での正確な実態を把握することは困難だと言われております。がんの実態を正確に把握するためには、がん登録を法制化し全員登録が必要でございます。その法制化の検討も今回新しく盛り込まれたわけでございますが、この院内がん登録、地域がん登録の推進には、我が党の先輩議員の平子さんが長い期間取り組んできた結果、井田病院、多摩病院で実施されております。これまでの市立3病院での院内がん登録、地域がん登録の状況、また見解を伺います。
◎三浦政良 病院局長 市立3病院のがん登録の状況についての御質問でございますが、現在、井田病院及び多摩病院におきましては、院内がん登録及び地域がん登録を実施しているところでございまして、県立がんセンターへの報告件数といたしましては、井田病院では、平成21年分が518件、平成22年分が636件となっており、多摩病院では、平成22年度が618件となっているところでございます。川崎病院におきましては、現在のところ、院内がん登録及び地域がん登録を実施しておりませんが、がん登録は個人情報の保護に十分配慮しながら、がんの罹患やがん患者の転帰などの状況を把握し、がん対策の基礎となるデータを得るとともに、がん患者に対して適切な医療の提供と治療の選択の場を与えるために必要な仕組みであることから、本市の基幹病院として地域がん登録に取り組むことは重要であると認識しております。このため平成24年4月より、がん登録に必要な体制整備の一環として、診療情報管理士1名を非常勤嘱託員として採用し、より正確なデータ提出のため、必要な人員の確保や育成及び効率的かつ適正な実施方法の検証を行うなど、平成25年度の事業開始に向けて取り組みを進めているところでございます。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。井田病院が平成18年8月に地域がん診療連携拠点病院として指定を受けまして、がん対策の中核病院として運営されているわけですが、ことしで6年目になります。平成23年度、昨年度、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針の一部改正がございました。研修の実施や医療相談が義務づけられたわけでございますが、これに対応する体制整備とこれまでの実績、実施状況を伺いたいと思います。
◎三浦政良 病院局長 地域がん診療連携拠点病院の指定要件についての御質問でございますが、平成23年3月の厚生労働省健康局長通知による指定要件の改正点といたしましては、院内の見やすい場所にがん診療連携拠点病院である旨の掲示をすること、2次医療圏におけるがん医療に携わる医師等を対象とした研修において、副作用対応を含めた放射線療法、化学療法に関する内容についても研修内容に追加すること、相談支援センターの業務に成人T細胞白血病に関する医療相談が追加されたことなどでございます。井田病院におきましては、この通知に基づき体制を整備しているところでございまして、実施が義務づけられております緩和ケアに関する研修等につきましては、両病院の緩和ケアを専門とする医師や認定看護師、薬剤師、診療放射線技師等が講師となって、平成22年11月から翌年10月までの間、計16回実施したところであり、そのうち1回が副作用対応を含めた放射線療法、化学療法に関する内容となっております。これらの研修会は予定を超える出席者数となるなど、高い関心をいただいているところでございます。また、医療相談につきましては、専任のがん相談員を配置し、看護師や社会福祉士とともに対応しているところでありまして、平成23年度の実績といたしましては計663件で、そのうち成人T細胞白血病に関する相談はございませんでした。今後もがんの患者数が増加していくことが予想されておりますので、引き続き相談支援センターの体制を確保するとともに、がんと診断されたときから患者さんのさまざまな病状や病態に合わせ、外来、在宅、入院と切れ目のない緩和ケアを受けることが可能な体制を提供していくなど、患者さんが安心かつ納得できる医療や支援を受けられるよう、地域がん診療連携拠点病院としての使命を果たしてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。次に、小児がん医療の支援についてでございますが、今回の基本計画に小児がん対策の充実も新たに盛り込まれました。小児の死亡原因の第1位はがんでございます。小児がんは成人のがんとは異なって生活習慣とも関係なく、乳幼児から思春期の幅広い年齢に発症し、希少で多種多様ながんが発症します。小児がんの年間患者数は2,000人から2,500人と言われており、小児がんを扱う医療施設は約200程度と言われております。地域によっては治療経験の少ない医療施設で治療を受けている可能性があり、必ずしも適切な医療を受けられていないわけでございます。これから市立病院に求められる小児がん対策は大変に重要な取り組みになります。今月、小児がん医療・支援の提供体制のあり方についての報告書が発表されました。その内容を明らかにしていただき、これを踏まえて今後の市立病院の取り組みと見解について伺います。
◎三浦政良 病院局長 小児がんについての御質問でございますが、小児がんは小児の病死原因の第1位となっており、成人のがんと同様に国民の生命と健康にとって重大な問題と認識しているところでございます。小児がん患者は、強力な治療による合併症や成長発達期の治療によるその後の合併症――これらの合併症を晩期合併症と呼びますけれども――が治癒した後も問題となるなど、成人とは異なる問題を抱えているにもかかわらず、我が国の小児がん対策はおくれておりました。こうした現状を改善するため、厚生労働省から、ことし6月にがん対策推進基本計画が、また9月には小児がん医療・支援の提供体制のあり方についての報告書が出されました。これらの計画等によりますと、小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援が受けられるような環境の整備を目指し、小児がん医療提供体制を構築するため、全国を7つ程度に分割し、設定される地域ブロックごとに1~3カ所、合計10カ所程度の小児がん拠点病院を5年以内に整備し、全国に1カ所の中核的な機関の整備を開始することが目標とされております。これらの中核機関や拠点病院に小児がんの少ない症例数を集約し、また、小児がん全般に対応可能な複数の専門家を集め、医療技術を集中させることにより診療の質を高めることが重要であり、その結果、小児がん患者のだれもが適切な医療を受けることができるものと期待されるところでございます。小児がんの7割が治癒する時代において、20歳代の約1,000人に1人が小児がん経験者と推定され、今後も増加が見込まれる中で、小児がん治癒後に起こる発育・発達障害、内分泌障害といった晩期合併症などが大きな課題となっておりますので、市立病院といたしましては、日常生活や就学、就労に支障を来すなど、長期的な支援が必要とされる患者やその家族を支える取り組みを検討するとともに、今後、各地域ブロックにおいて、小児がん拠点病院を中心に構成されるネットワークとの連携を図りながら、公立病院としての役割を果たしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 よろしくお願いいたします。続いて、井田病院における緩和ケアの取り組みについてでございますけれども、外来、在宅、入院のいずれであっても安心して緩和ケアを受けられる環境、体制が重要であるとこれまでも求めてまいりました。がんの罹患者数が増加する一方で、医師、看護師不足など人材不足が続くと予想されています。緩和ケア外来等の受診状況、予約状況、そして病棟、在宅についての現状と課題、今後の取り組みを伺いたいと思います。
◎三浦政良 病院局長 井田病院の緩和ケアについての御質問でございますが、ことし4月から8月までの外来延べ患者数は、初診が126名、再診が796名、入院実患者数は88名となっており、昨年度の同時期と比べて、外来は、初診が35名の増、再診が185名の増、入院が7名の増となっております。また、在宅ケアにつきましては、ことし4月から8月までの延べ往診患者数は699名で、昨年度の同時期と比べて133名の増となっております。初診外来の予約状況につきましては、現在、1~2カ月程度待っていただくことになっておりますが、緩和ケア病棟への入院につきましては、重篤度に応じて前後はありますが、1カ月程度の待ちとなっているところでございます。井田病院の緩和ケアにつきましては、がん患者さんの病状に応じて、緩和ケア病棟での入院、外来での経過観察、在宅での緩和ケアなど、患者、家族にとって最適な療養場所を選択できるよう支援するとともに、熟達した医師、認定看護師、ケースワーカーなど専門スタッフの緊密なチーム医療などにより質の高い医療を提供しているところでございます。いずれにいたしましても、今後、人口の高齢化とともにがんの罹患者数及び死亡者数が増加し、緩和ケアの必要性がますます高まる一方で、医師、看護師等の医療従事者の人材不足が依然として続くことが予想されますので、必要な人材を確保、育成し、がん以外の疾患も含め、今後の国の方針にも留意しながら、さまざまな医療ニーズに柔軟に対応できるよう取り組むことにより、地域医療に貢献してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆田村伸一郎 委員 ありがとうございます。さまざま御答弁ありがとうございました。先日、宮前区にお住まいの御家族にお話を伺う機会がございました。鳥越俊太郎の医療の現場!という番組でも取り上げられていましたが、ことしの2月に二十になるお嬢様が白血病の告知を受け、お姉様から骨髄液の移植、末梢血造血幹細胞移植――8月29日にこちらの法案が通りましたけれども、奇跡的な回復で、それからわずか3カ月で復学できたという感動的な内容でございました。御本人の病魔に負けない気持ちと感謝の思い、御家族の支えや団結、そして医療者側のがん治療に対する不断の努力と取り組みによって、このようなすばらしい結果につながったと思います。今後も引き続きがん対策に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
◆添田勝 委員 私は、公営企業会計の病院事業と上下水道事業会計と一般会計の福祉人材確保事業の3つを伺います。
まず、病院事業に関してですが、収支の面では黒字決算ということで、これは2年連続で、他の自治体を考えれば7~8割が赤字決算という中で、これは率直に評したいなと思います。ただ、そういう総論の評価だけじゃなくて各論に目を転じれば、やはりまだまだ課題があるなと感じます。とりわけ未収金のところでは、それもまた大きな課題の一つであると思っていまして、私は、病院にかかった際――外来とか入院とかの際、私たちが当たり前に払う自己負担金の未収金のところに焦点を絞って話をしたいんですが、昨今の社会状況を考えれば、無保険者であったり、あるいは外国人であったりと、なかなか回収が厳しいような人がふえているということもあるし、また、経済状況も考えれば回収が簡単じゃないということは理解をします。ただ、一方で、時効の援用とかを知っていながら、あえて確信犯的にそういう自己負担金を踏み倒すという人間も確実に存在するという話も聞いています。そこで、ちゃんと保険料を納めて、自己負担金を払っている人からすれば、やっぱりそれは公平性が担保されないという話になってしまいますから、ぜひそこは力を入れていただきたいんですが、それを踏まえて、今までそうした回収が難しいという債権について、どれだけの期間追っかけて、またどういう対応をしてきたか。それ以後、追っかけられなくなってからの債権の取り扱い、最終的な処理等々について伺います。
◎三浦政良 病院局長 未収金の回収についての御質問でございますが、具体的な未収金の回収に向けた取り組みといたしましては、電話・文書による催告、戸別訪問等を行っているほか、平成19年4月からはクレジットカードによる支払い、平成22年3月からはコンビニエンスストア払いを導入し、また、未収金の発生を未然に防ぐための取り組みといたしまして、高額療養費限度額適用認定証の利用促進や出産育児一時金の直接払い制度の利用促進を図っているところでございます。平成23年度におきましては、コンビニエンスストア払いや高額療養費限度額適用認定証の利用件数が着実に増加しておりまして、今後も一層の催告の強化を図るとともに、未収金の発生抑制に努めてまいります。次に、回収が難しい債権についての取り扱いについてでございますが、未収金の発生から5年間は電話や文書による催告、戸別訪問などを実施し、回収に向けた取り組みを継続して行っております。5年経過してもなお未収の場合は不納欠損処理を行い、その後は簿外で債権管理をしております。以上でございます。
◆添田勝 委員 不納欠損というのは、本市からすれば実質的な債権放棄、不良債権化しているものであると理解をするんですが、それに関してなんですけれども、平成17年度に地方公営企業法が全部適用になって病院事業が新たな体制で経営をスタートしたわけですが、それの前後で不納欠損の累積額をそれぞれ教えていただきたいのと、あと、増加率を確認する意味で、それぞれの年平均の額について教えてください。
◎三浦政良 病院局長 不納欠損額についての御質問でございますが、平成元年度から平成16年度までの16年間の不納欠損の累積額は1億3,543万2,666円でございまして、地方公営企業法全部適用後の平成17年度から平成23年度までの7年間の不納欠損の累積額は1億9,783万6,306円でございます。また、平成元年度から平成16年度までの不納欠損の年平均額は846万4,542円でございまして、平成17年度から平成23年度までの不納欠損の年平均額は2,826万2,329円でございます。以上でございます。
◆添田勝 委員 ディスプレーをお願いします。今答弁いただいた不納欠損の話が上の表で、下が年平均の額なんですが、若干見づらいんですけれども、黄色のマーカーをしているところがそれぞれの年における前後の合計でありまして、平成17年度より前――平成元年から平成16年度までは16年間で約1億4,000万円弱と。それ以後がわずか6年で2億円弱というところまでふえている。それは結局、合計すれば3億3,000万円以上という巨額のお金が消えてなくなっているということがわかります。増加率ということの参考に、年平均ですね。下の表を見ていただければわかるんですが、平成17年度より前は平均額が年平均で約840万円だったのが、それ以後は2,800万円を超えるということで、実に3倍以上の増加率を示していますから、いかに平成17年度以降、そうした未収金、不納欠損、消えてなくなっているお金がふえているなというのがわかります。それを踏まえて、今までこの不納欠損というのは過年度損益修正損という形で、いわば財務諸表上は丸めて記載をしてきたということがあったと聞いています。私は市民感覚として、市民にとっても行政にとってもそうですが、耳ざわりのよくない情報もちゃんと見えやすい形でオープンにすべきじゃないかなと思っています。市立病院というのは行政だけでつくっていくわけじゃなくて、やはり市民と一緒になって地域医療を守り、育てていくことが大原則であると思いますから、ああいう情報もちゃんとオープンにして、それこそ本当に丸めて表現するんじゃなくて、特出しで見えやすい形で報告書に載せるべきじゃないかなと思っています。やっぱり情報の開示というのが信頼確保に向けては第一歩になると思うので、ぜひそれは要望したいと思います。
少し話題を変えまして、この質問の最後になりますが、病院事業独特の話として膨大な累積欠損金についてなんですけれども、平成22年度の約227億円から前年度が減って221億円になったということなんですが、やはりこれは膨大過ぎる額であって、さらに今、井田病院の建てかえ等もあれば、減価償却費もどんと乗ってくるわけですから、やはり意識をせざるを得ないと思うんですよね。それを踏まえて診療報酬等の影響も受けると思うんですが、累積の欠損というのはいずれ解消に向けて動いていかなければいけないと思っているんですけれども、それが長期経営計画という中で、どのぐらいの期間でもって解消に向けて動いていけるかということ。完全に、明確に解消は難しいし、また期間も言いにくいかもしれませんが、現段階で思うところがあれば、ぜひ見解をお願いします。
◎三浦政良 病院局長 累積欠損金についての御質問でございますが、病院事業における収益的収支の結果生じた赤字額が、昭和46年度以降累積したものが累積欠損金でございます。平成23年度は、病院事業全体で昨年度に引き続き2年連続の黒字決算となりましたことから、累積欠損金は平成22年度末の227億円から約6億円減少して約221億円となったところでございまして、この2年間で約11億円累積欠損金を縮減させ、経営健全化に向け推移しているところでございます。しかしながら、井田病院再編整備事業に伴う減価償却費や旧病棟の解体に伴う資産減耗費の影響及び平成26年度から適用される新会計基準に伴う退職給付引当金等の計上によって、一時的には累積欠損金が増加することが見込まれている状況でございます。さらなる医療の質の向上と経営基盤の強化を図るため、平成24年度からの3カ年を計画期間とする第3次川崎市病院事業経営健全化計画を策定したところでございますが、病院収入の根幹である診療報酬の今後の動向が不透明でありますことから、将来的な累積欠損金の解消時期を明確にすることは非常に難しい状況でございます。今後につきましても、引き続き経営基盤の強化に向け、累積欠損金の縮減、解消に向け努力してまいりますが、同時に市立病院は地域医療を支える一員として、民間病院では対応し切れない地域に不足する医療を補完的かつ継続的に提供していくことが求められておりますので、災害医療、救急医療、小児・周産期医療、緩和ケアの充実など、市民の医療ニーズへの対応を柔軟かつ継続的に行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆添田勝 委員 民間病院では、超長期の計画の中で、そうした累積欠損を何十年スパンで解消していくことをうたっているところも少なくないですから、もちろん今お話にあったように、公立病院は政策医療の多くを担っているという中で、確かに民間病院と一概に比較しにくいところもあるんですが、やはりそういった超長期的な視点というのも必要だと思っていますので、ぜひそれも肝に銘じていただければなと思います。
次に、上下水道事業会計について伺います。損益で見ればこれも黒字化ではあるんですが、先ほどの病院事業と同様に、未収金というところではいささか課題があるかなと思っています。単純に徴収率だけ考えれば、これは理事者の方から再三再四言われたんですが、99.9%だということで非常に高いとその方はおっしゃってはいたんですけれども、では、逆に0.1%だから無視していいのかというと、そんなこともないのかなと思っていまして、もちろん経営の効率性だけ考えれば、0.1%を追うのは極めて非効率だというのはわかるんですが、さっきの病院の話と同じで、やっぱりそれは公平性の担保という観点で見れば、決して看過できないものであると思います。それを踏まえて質問なんですが、この未収金の中で特に問題視されているのは長期の滞納債権についてであると聞いています。長期の滞納債権は慢性的に回収が円滑にいっているとは言いがたいとも聞いています。そこで、直近3年間でこの水道料金と下水道使用料の未収金とその徴収金、さらにはその徴収率を教えてください。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 長期滞納債権の未収金等についての御質問でございますが、長期滞納債権につきましては、調定後1年を経過してもなお未収となっているものでございまして、督促行為や最終手段としての給水停止を実施することなどにより、回収に努めているところでございます。直近3年間における未収金及び徴収金の額並びに徴収率でございますが、水道料金につきましては、平成21年度は、未収金が約2,160万円、徴収金が約880万円、徴収率が28.9%、平成22年度は、未収金が約2,670万円、徴収金が約940万円、徴収率が26%、平成23年度は、未収金が約2,880万円、徴収金が約1,130万円、徴収率が28%でございます。次に、下水道使用料につきましては、平成21年度は、未収金が約2,490万円、徴収金が約1,030万円、徴収率が29.2%、平成22年度は、未収金が約3,140万円、徴収金が約1,060万円、徴収率が25.2%、平成23年度は、未収金が約3,390万円、徴収金が約1,330万円、徴収率が28.2%でございます。以上でございます。
◆添田勝 委員 ディスプレーをお願いします。今、答弁いただいた上が水道料金の表で、下が下水道使用料についてなんですが、マーカーをしてあるように、徴収率を見れば3割を切っているというのが上も下も同じ話でありますから、今答弁があったように、この表もそうですが、長期の滞納者に対しては円滑に回収というのは簡単ではないんだなということがこれでわかると思います。それを踏まえて、先般、外部監査の結果を受けて、給水停止措置というのを適切にとっていれば、料金調定から3カ月を超える滞納はなかった可能性があるんじゃないかという指摘がなされています。しかし、1年以上水道料金を滞納していながら、給水停止の措置に至っていないというケースも間々あると聞いています。そこで、1年以上の滞納者に対して、直近で給水停止の業務を行ったその実績件数と、あわせてそれについての見解もお願いします。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 給水停止措置の実績件数等についての御質問でございますが、平成23年度末における長期滞納債権は26件でございまして、給水停止措置の実績件数はございません。その理由につきましては、滞納者との交渉により、誓約書や支払い計画に基づく分割納入等が履行されたことによるものでございます。長期滞納債権につきましては、滞納者と密接にきめ細かく粘り強い折衝を行うとともに、支払いが滞った場合には給水停止措置の制度を適切に運用するなど、長期滞納債権の解消に努めているところでございます。以上でございます。
◆添田勝 委員 実績がないということでしたが、それが適切かどうかというのは、若干僕ははかりかねると思っていて、給水停止の実施作業というのは委託業者が行うことになっていると思うんですが、彼らがそれを円滑に行える体制になっていたのかどうかというところでちょっと疑義があるんですけれども、業務委託仕様書を見れば、給水停止の業務というのは集金業務の付随業務であると記されているということで、しかし、私は、付随業務ということよりも、もっと重要視した一つの本来業務として仕様書には書くべきじゃないかと思っていまして、その理由としては、集金業務というのは、根拠法として水道料金の支払請求権というところがその根拠になっている。一方で、給水停止の業務というのは民法の抗弁権が根拠になっているということで、根拠法が異なる。性格を異にするというところがあります。抗弁権というのは、御承知のとおり、一方の債務の履行がなされない場合は、行政側としても債務を履行する必要がないということで、ある意味、双方が債務を履行して、そして成り立つという双務契約の話でありますから、法律的にも給水停止というのは十分担保されている話でありますから、今後も交渉だけで妥結しないケースも当然多々あると思いますので、そういう人に対してはやはり厳格にやっていただきたいなと思っています。その結果、ちゃんと水道料金を納める人と、そうじゃない人の不公平感をなくしていくという努力が不可欠であると思いますから、ぜひそこも意識していただければと思います。
今、断固たる姿勢という話をしましたが、あわせて法的手続ということも、より深掘りすれば必要になってくるのかなと思っています。そこで、そういう滞納者に対して、水道料金における訴訟手続を行った実績、あるいは下水道の使用料については滞納処分を行った実績がもしあれば、ぜひお聞かせください。また、あわせて見解もお願いします。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 滞納者への訴訟手続及び滞納処分についての御質問でございますが、水道料金は私法上の債権、下水道使用料は公法上の債権で、それぞれ法的な性格が異なっております。水道料金につきましては長期滞納債権ではございますが、分割納入や給水停止などにより回収に努めているところでございますので、これまで訴訟手続には至っておりません。下水道使用料につきましては、これまで滞納処分は行っていないものの、滞納処分の例により強制徴収することが可能でございます。今後は、公平性の観点から他都市の状況も踏まえまして、訴訟手続及び滞納処分を含めて適切な債権管理に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆添田勝 委員 これもまたやはり実績がないということでありましたが、水道料金の場合でいえば、地方自治法施行令の第171条で、履行延期の特約もしくは徴収停止の措置をとらない場合は、訴訟手続をとるべきであるということがうたわれています。また、下水道使用料については、地方自治法の第231条において、督促として10日たっても払っていないという場合においては滞納処分、同じ価値の財産をとるということが、またこれもうたわれていますから、これもまた法的に担保されている話なので、本当に毅然とした対応ができる環境には十分なっていると思いますので、ぜひそこも考慮していただければと思っています。
それらを踏まえて、先ほどの病院事業と同じように不良債権化した未収金、不納欠損についての確認なんですけれども、水道料金と下水道使用料の未収金の取り扱いと時効援用についての考え方、そして、あわせて不納欠損金の直近3年間の推移についても教えてください。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 未収金及び不納欠損金についての御質問でございますが、水道料金につきましては私法上の債権でございますので、2年を経過した転居先不明などの者について、徴収停止の手続を行った後に不納欠損処理をしておりますが、時効の援用がなされない限り債権は消滅しないところでございます。下水道使用料につきましては公法上の債権でございますので、5年で時効により債権が消滅するものでございます。次に、不納欠損金の直近3年間の推移でございますが、水道料金につきましては、平成21年度が約3,300万円、平成22年度が約1,900万円、平成23年度が約1,600万円でございます。次に、下水道使用料につきましては、平成21年度が約1,700万円、平成22年度が約1,800万円、平成23年度が約2,100万円でございます。以上でございます。
◆添田勝 委員 今、答弁いただいた不納欠損金の経年での変化についてでありますけれども、今あったように、もちろん額としては決して大きくはないんですけれども、それでも上と下を見ておわかりいただけると思いますが、この業務において毎年2,000万円前後のお金が消えてなくなっているという事実は決して小さくないと思いますので、ぜひそこは改めて認識を高く持っていただければなと思っています。今、時効の考え方について伺いましたが、答弁でいただいたとおり、水道料金というのは私債権であるから、相手が時効の援用というものを申し出ない限りは、法律上、債権は存在するということで、それを不納欠損というふうに処理をしてしまうことが果たして適切かどうかというところで私は疑義がありまして、それについては同じように外部監査の報告書にも載っているわけであって、そうした会計上の処理と法律上の不一致があって、それは不適切じゃないかという指摘があったと思うんですが、それを踏まえてですが、不納欠損についての改めてのお考えと、そして、これからそれについてどう対応していくかということを教えてください。
◎平岡陽一
上下水道事業管理者 外部監査の指摘を受けた不納欠損についての御質問でございますが、不納欠損につきましては、債務者が転居先不明の場合や破産した場合など、回収手続を行わないものについて、債権が消滅しなくても、会計処理上、不納欠損を行うことは可能なものと考えております。しかしながら、事務手続について適切に行うよう指摘を受けておりますことから、他の企業会計など関係局と調整を行いながら、今後も適切な債権管理に努めてまいります。以上でございます。
◆添田勝 委員 この外部監査報告書が出たのがことしの1月ぐらいでしたから、その意味では、既に半年以上経過している中、関係局というのは、さっきの病院もそうですし、あとは保育料の関係であったり、市営住宅の関係であったりと、いわゆる私債権をつかさどる部局との連携ということですが、その意味では、半年たってまだ協議中ということであれば、随分長く協議しておられるなという印象を受けるんですけれども、外部監査報告書というのは1月にオープンになって、市民にもちゃんと読めるようになっていますから、その点では、そういう指摘があったというのは重く受けとめなければいけないと思うんですよね。それについて、当然市としても説明責任というものが出てきますから、今回は上下水道が指摘の対象になったわけですから、上下水道がやはりこの議論を牽引して、この問題について今後どのように対応していくかということを明確に、ぜひ協議を早く進めていただければなということを改めて要望したいと思います。
時間が中途半端になってしまったので、また3点目については別の機会にしたいと思います。質問を終わります。
◆佐野仁昭 委員 それでは、一問一答方式によりまして、5款7項6目医療対策費に関連して、救急医療を支えるための川崎市における療養病床問題については消防局長と健康福祉局長に、2款3項1目危機管理対策費に関連して、区役所を中心とする災害対策と災害弱者対策については消防局長、総務局長、健康福祉局長にそれぞれ伺います。
まず、救急医療を支えるための川崎市における療養病床問題について、まず、救急搬送時の現場滞在時間短縮策として、川崎スタンダード体制を救急の日の2010年9月9日午前9時から導入しました。導入以降の成果について消防局長に伺います。
◎福井昭久 消防局長 川崎スタンダード導入の成果についての御質問でございますが、川崎スタンダード導入前の期間と直近1年間のデータとなります平成23年9月9日から平成24年9月8日までを比較しますと、重症以上の現場滞在時間30分以上の割合は17.4%から12.4%に5ポイント減少し、改善しているところでございます。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 今、この川崎スタンダードという、必要な情報だけを救急告示医療機関に連絡して3分以内に返事をもらうという形でやった場合に、17.4%から12.4%に5ポイント改善したと言いますけれども、これでは制度の限界というのがあると思うんですね。やはり受け入れ先がなければ、これが改善されないので、受け入れ先をどう広げていくかというのがあわせて必要になってくるわけですけれども、2010年8月6日に健康福祉局幹部から、川崎社会保険病院の講堂において、「川崎市における療養病床問題 救急医療を支えるために」と題するパワーポイントを使っての説明がされました。救急医療問題の要因の一つとなっている療養病床の不足を改善するために、現在、医師、看護師不足などによって休診中の病床を、人工呼吸器を装着するなど重症患者を受け入れる高度な療養病床として活用したいということでした。そのために2011年度――平成23年度の予算には地域連携療養病床整備費補助金を1億800万円予算計上し、決算ではたま日吉台病院分院への医療機器整備費補助金として2,150万円が計上されております。こうした政策医療に対する補助を創設したことについては大事なことと考えておりますけれども、事業による高度な療養病床整備に対する効果について伺います。結果として、社会保険病院の療養病床整備には支出されませんでしたが、川崎南部への療養病床整備の今後の見通しについて健康福祉局長に伺います。また、この間、療養病床の減少が続いておりますけれども、2010年以降の療養病床の推移についても伺います。
◎木村実 健康福祉局長 療養病床についての御質問でございますが、初めに、呼吸管理や人工透析に対応できる高度な療養病床の整備効果についてでございますが、本事業につきましては、救急医療の後方病床となる療養病床の不足が救急医療の阻害要因の一つと考えられることや、救急告示医療機関などからの長期入院が必要となる患者を受け入れる療養病床整備の要望に対応したものでございますので、救急医療の円滑化に寄与するものと考えております。次に、療養病床整備の見通しについてでございますが、川崎社会保険病院におきましては医療法人社団葵会への譲渡が決定しており、本件譲渡につきましては、譲渡後2年以内に休床病床50床を療養病床に転換整備し、現状の療養病床50床と合わせて100床以上の療養病床を稼働させること、このうち10床以上については呼吸管理に応需できること、また、人工透析を5床以上稼働させ、療養病床入院患者にも対応できることなどの譲渡条件が定められております。このため、本市南部保健医療圏におきましては、遅くとも平成26年度末までに50床以上の療養病床が整備されるものと考えております。次に、療養病床数の推移についてでございますが、平成18年度の診療報酬改定で療養病棟入院基本料が大幅に減額されたことなどにより、全国的に療養病床が減少したところでございます。本市におきましては、平成18年4月には1,202床の療養病床がございましたが、翌平成19年には1,062床に減少し、平成22年まで同数で推移しております。平成22年度の川崎社会保険病院の療養病床整備により1,112床に増加し、さらに、平成23年度のたま日吉台病院分院の開院などにより、平成24年4月時点では1,241床に増加したところでございます。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 療養病床の整備は当初、井田病院で検討されておりましたけれども、療養病床は削除されました。民間病院でも、先ほど御説明があったように、国の医療制度改悪の影響もあり、不採算としてなかなか整備が進まない。また、川崎社会保険病院に50床整備して、平成22年については増床しているということですけれども、結局、川崎市からの転院というのがほとんどなされていないという話もありましたので、当初おっしゃっていたように、今後、救急医療を支えるための療養病床をどうするのかというのがやはり課題になってくるわけですけれども、特に高度な療養病床の整備を精力的に政策医療として進めるべきと思いますけれども、健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 療養病床整備の推進についての御質問でございますが、本市におきましては、救急告示医療機関などからの強い要望にこたえ、昨年度から川崎市地域連携療養病床整備費補助金交付要綱に基づく補助事業を開始しており、呼吸管理や人工透析に応需する高度な療養病床の整備を推進しているところでございます。今後につきましても、引き続き市内の医療機関に対しまして、この補助事業を活用した療養病床の整備をお願いしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 引き続きこの問題については取り上げてまいりたいと思います。
それでは次に、区役所を中心とする災害対策と災害弱者対策について伺います。まず、消火活動能力というのか、消防局長に伺いますけれども、震災直後の平成23年度――2011年度の活動において、消防局では、被災地支援、福島第一原発の緊急消防援助隊の出動、コンビナートの保安対応など、総力を挙げて当たられたと思います。被災地ではテントなどの資器材の不足から、雪の降る中、地べたに寝袋で寝起きしながらアルファ米を食べて活動に当たられたとも伺いました。昼夜を問わず任務に当たられた皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。そこで、震災発生自体が平成22年度末になるわけですけれども、引き続く平成23年度の活動を振り返って、成果と課題について消防局長に伺います。震災等により同時多発的に住宅火災が発生した場合、現在の消防能力をもってして何件まで対応が可能なのか、消防局長に見解を伺います。
◎福井昭久 消防局長 震災時における消防活動などについての御質問でございますが、初めに、東日本大震災時の緊急消防援助隊などの活動の成果と課題についてでございますが、宮城県仙台市への緊急消防援助隊の応援活動においては、余震が頻発し、常に津波の危険にさらされながらも浸水や瓦れきの中での活動で生存者を救出できたこと、また、福島第一原子力発電所の事故におきましては、被曝の危険に脅かされながら初めてとなる放水活動を実施し、原子炉の冷却に成功し、最悪の事態を免れることができたことなどが成果として挙げられます。これらの活動における課題といたしましては、エアテントなどの救助資器材や隊員の安全装備品、衛星携帯電話などの通信機器の不足などが課題として挙げられます。次に、震災等により同時多発的に住宅火災が発生した場合の対応についてでございますが、消防局では、平成9年の川崎市地震被害想定調査報告書に基づき、大規模地震が発生した場合に想定される同時多発火災に備えて、平成10年に同時多発火災活動計画を策定しております。この計画の中で、同時多発の火災発生件数を最大81件と想定しておりまして、現在通常の警備配置における消火隊の編成数は43隊でございますので、1件の火災に消火隊1隊を対応させても、38件の火災に対して初期対応できないことになります。初期対応ができない火災の消火活動につきましては、逐次参集してきた職員により非常用消防自動車等を編成させるとともに、消防団とも連携しながら消火活動に当たることとしております。これでも不足する場合には、県内の消防相互応援協定に基づく応援要請のほか、規模に応じて緊急消防援助隊の応援要請もすることとしております。また、現在、川崎市地震被害想定調査の見直しが行われておりますので、報告書が公表され次第、この同時多発火災活動計画の見直しを行うこととしております。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 先ほどの成果と課題については、課題でエアテントなどの資器材の不足、それから通信機器の不足ということで、これについては平成23年度の補正予算、また新年度予算で対応されたということですので、不足についてはぜひ引き続き充足できるように要望しておきたいと思います。
同時に、消火隊の編成が43隊ということで、非常参集により参集してきた職員で新たに非常用消防自動車等を編成するということなんですけれども、現実には1件1隊で43件を超える火災については初期消火が難しいということが挙げられました。消防団、また自衛消防隊がフルに活動しても、断水することも想定すれば、どうすることもできなくなるということです。震災時の現実問題をどう解決するかということで、これを全市で、同時火災について一気にどうするかということだけでは対応が不十分、到底解決できないということで、そこで、それぞれ区役所・支所、中学校区単位の災害を想定した事前対策がどうしても不可欠になってくると考えます。被害想定をもとに、中学校区や町内会での独自に被害を想定したハザードマップの作成等の取り組み状況についてお答えください。それから、先進的な事例を全市に広げるべきと思いますけれども、あわせて総務局長に見解を伺います。
次に、ハザードマップ作成時に話題となるのが、長期にわたり空き家となって放置されている家屋の管理についてです。居住者の死亡や転居などさまざまな事情により空き家となった住宅が放置されております。災害時に倒壊する危険も指摘されておりまして、こうした空き家住宅の把握についてはどうなっているのか、現状と今後の対策について消防局長に伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 ハザードマップの作成等についての御質問でございますが、ハザードマップにつきましては、平成23年3月に策定いたしました川崎市地震防災戦略におきまして、ハザードマップの作成手順をマニュアル化し、作成の普及促進を進めるとともに、作成にあわせて訓練を実施していくことを目標に掲げております。ハザードマップの作成に当たりましては、住民の方が地域の危険箇所や消火栓などの防災設備の位置などを把握するとともに、災害時における避難経路を検討することにより地域の防災力強化につながるものと考えております。現在、地震防災戦略の見直しを進めているところでございますので、ハザードマップ作成の普及促進手法につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。なお、町内会等における状況といたしましては、平成22年に多摩区の町内会において、私立大学と連携し、地域の危険箇所等を記載したマップを作成した事例などがございますことから、自主防災組織のリーダー研修会等におきまして、この事例紹介などを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◎福井昭久 消防局長 空き家の把握等についての御質問でございますが、初めに、空き家の把握の現状についてでございますが、新たな空き家につきましては、消防車両による地水利調査等の出向時及び消防職員による立入検査、違反処理等の実施時、空き家の疑いのある建物の付近住民の皆様からの情報提供により把握をしております。また、空き家の所有者、管理者等の確認ができない場合は、関係局及び関係機関に照会し、把握に努めているところでございます。既に把握をしている空き家につきましては、空き家の防火管理指導基準に基づきまして、3カ月に1回以上検査を行い、玄関、窓等の施錠、電気及びガスの遮断のほか、放置された可燃物の有無など空き家の管理状況を確認し、不備な点がある場合には、所有者に対して管理を徹底するよう、川崎市火災予防条例に基づき指導しているところでございます。次に、今後の対策についてでございますが、引き続き空き家の防火管理指導基準に基づく指導を実施するほか、倒壊する危険がある空き家に対しては、必要に応じて関係局と連携し対応してまいります。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 それでは引き続きまして、先日、「釜石の“奇跡”いのちを守る 特別授業」という番組の中で、子どもたちの防災教育に尽力された群馬大学の片田教授のお話の中で3つの原則を述べておられました。1つは想定にとらわれるな、2つ目はその状況下において最善を尽くせ、3つ目は率先避難者たれということですけれども、ハザードマップの想定で、過去の被害から津波が来ないという想定になっているところで多くの犠牲者を出してしまったということから、ハザードマップを公表するだけでなく、出された状況から何を読み取るのかということも含めて市民への情報公開が必要です。人間の心理として、交通事故で死亡するなんて自分は当てはまらないと考える方がほとんどだと思いますけれども、それよりも450分の1の確率でしか当たらない宝くじについては当たるように感じるという、都合のいい情報は過大評価して、都合の悪い情報は過小評価するという傾向があると言われています。そうしたことを踏まえて、都合の悪い情報でもそこから何を読み解くのかを含めて、区ごとの被害想定をまとめるべきと思いますが、総務局長に見解を伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 地震被害想定についての御質問でございますが、現在、地震被害想定調査の見直しを進めているところでございまして、18日には中間取りまとめとして、川崎市直下の地震と元禄型関東地震の震度分布と揺れによる建物被害等を公表したところでございますが、各区において区内の被害状況を把握し、被害特性を考慮した防災対策を推進することは重要であると考えております。地震被害想定調査につきましては、火災被害や人的被害、津波被害、液状化の危険度などの各種被害を区ごとに調査し、公表しているところでございます。各区別に被害想定を取りまとめることにつきましては、区の状況がより把握しやすくなる点も考えられますので検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 ぜひよろしくお願いします。事前の調査で各区の地域防災計画の見直し作業が行われているということで、10月からすべての行政区について、区ごとの地域防災計画がホームページに掲載されるということですので、期待しておきたいと思います。
それでは、災害時要援護者対策について、震災後ということで、今後、想定される大規模地震に備えて実際に機能するのかどうか検証する機会となったと思いますけれども、平成23年度の活動について総務局長に伺います。また、成果と課題についても伺います。さらに、現在の登録者数についても伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 災害時要援護者についての御質問でございますが、災害時要援護者避難支援制度につきましては、災害時に自力で避難することが困難な方で、支援組織への個人情報の提供に同意された方を対象に、支援組織などによる安否確認や避難支援などを行う制度となっております。平成23年度につきましては、東日本大震災を受け、本制度の課題等を把握するため、自主防災組織を中心とする支援組織に対しまして、地震発生時の活動状況などに関するアンケート調査を実施したところでございます。その結果、登録いただいた要援護者を支援する支援者が一部決まっていないなど、支援体制が整っていない場合があること、また、支援者の高齢化や支援者が外出している場合の対応などの課題が明らかになったところでございます。このため、各区役所、健康福祉局、市民・こども局、消防局など、関係局で構成しております災害時要援護者避難支援対策専門部会等を開催し、対応策について検討するとともに、民生委員児童委員協議会や自主防災組織連絡協議会とも課題解決に向けて協議を行っているところでございます。また、本制度の登録者数についてでございますが、平成24年8月末現在で5,885人となっているところでございます。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 そういう課題がいろいろとお示しされましたけれども、震災関連死ということで、東日本大震災で震災関連死が阪神大震災を抜いて1,600名を超えたと。所在がわからなくなる等、安否確認すらできないこと、迷惑をかけると遠慮されて避難所に避難されないで、津波で流された自宅の残された部屋に住み続けているなど、災害時要援護者の課題が明らかになりました。特に難病患者等疾病を抱える被災者に対する対策のおくれが指摘されております。こうした実態を踏まえて災害時要援護者対策を強化すべきです。まず、平成23年度の活動を踏まえて要援護者支援マニュアルを作成すべきですけれども、総務局長に見解を伺います。
また、盛岡市では、マニュアルの作成と同時に避難支援プラン個別計画の策定、さらに盛岡市あんしん連絡パックを平成23年6月に配付しております。他都市の事例を踏まえて検討すべきですけれども、健康福祉局長に見解を伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 要援護者支援マニュアルについての御質問でございますが、災害時要援護者避難支援制度につきましては、支援組織向けのマニュアルとして支援ガイドを作成しております。各区において開催しております支援組織向けの説明会等において配付して、制度の運用方法等についてお知らせしているところでございます。また、今年度におきましては、東日本大震災を受け、よりわかりやすい支援ガイドにするための改訂を予定しておりまして、自主防災組織からの御意見を伺うとともに、各区役所や関係局とも連携しながら、改訂に向けた調整を進めているところでございます。以上でございます。
◎木村実 健康福祉局長 災害時要援護者対策についての御質問でございますが、高齢者や障害者等の災害時要援護者避難支援制度に登録した方につきましては、それぞれの特性に応じた個別の支援が必要であると考えております。制度に登録した方に対しましては、安否確認や避難支援などを行っていただく支援組織が、初回訪問時の面談において、災害時における情報伝達や避難支援の方法、実際に支援する際に必要なことなどを確認しているところでございます。また、要援護者の情報等につきましては、災害時要援護者の方が災害に対する準備をしていただくために発行しております災害時要援護者のための防災行動ガイドの中で、災害時緊急連絡カードの作成について周知広報しております。このカードに住所、氏名とともに、避難方法、必要な補装具、服用薬、支援医療ケアなど、迅速な救護活動や治療のために重要な情報を記入し、常備しておくことで災害時の避難支援に資するものであることを御案内しているところでございます。このカードを活用した災害時の医療情報の伝達方法など、カードの有効利用の方法につきましては引き続き検討してまいります。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 ぜひこういう取り組みをもう少し踏み込んで、盛岡でやっているようなことも参考にしていただきながら対応していただきたいと思いますけれども、要援護者対策ともかぶりますけれども、先ほど紹介した盛岡市あんしん連絡パックよりも簡易な取り組みとして、今、全国で広がっている救急医療情報キットがあります。これは以前、私が平成20年9月の決算議会で最初に取り上げさせていただきましたが、改めて取り上げさせていただきます。麻生区の民生委員児童委員協議会の皆さんが、平成22年度から日本赤十字社からの支援を受けて、救急医療情報キットの普及をされていると伺いました。600件以上の規模で普及されているということで、消防局との連携を行い、結果としてこれまでに5件のケースで救急医療情報キットを救急搬送時に活用されたということです。消防局としての評価と課題について消防局長に伺います。
◎福井昭久 消防局長 救急医療情報キットの活用などについての御質問でございますが、初めに、救急医療情報キットの評価についてでございますが、活用した救急隊からは、キット内の情報を活用することによって、病院連絡がスムーズにできた、自分で説明できない方の情報を得るのに有効であったなど、迅速な救急搬送に効果的であったと評価しているところでございます。次に、課題でございますが、情報が常に最新の内容に更新されているか、利用者が表示を統一した場所に貼付していないケースがある、個人情報の管理などが挙げられます。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 今、消防局長の御答弁で、非常に迅速な救急搬送に効果的であったという評価の一方、常に情報が最新の内容に更新されているかということと、利用者が表示を統一した場所に貼付していないということ、個人情報の管理ということで、民生・児童委員のところでお願いしている中で、やっぱりここに限界があるのではないかと。そういう意味では、全市的に行政が一緒になってこれに取り組むというのが、どこでもそうなんですけれども、必要だと思います。消防局長ですけれども、仮に全市展開になった場合に、消防局として対応は可能なのか見解を伺います。また、それぞれの団体が個別に行うよりも、全市が統一された形式やステッカー等で行われるほうが望ましいと考えますけれども、消防局としての見解を伺います。
◎福井昭久 消防局長 救急医療情報キットの全市展開についての御質問でございますが、現在、麻生区内の民生委員児童委員協議会からの協力依頼を受け、この情報を市内全救急隊に周知し運用しているところでございまして、この取り組みが全市に展開された場合であっても、同様に有効活用してまいりたいと存じます。次に、表示の統一についてでございますが、形式やステッカー等が統一されることで運用が容易となることから大変好ましいと考えております。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 そういうことで、実際に活用している局の意見を踏まえて、これは総務局長と健康福祉局長に、全市への展開に向けてぜひ検討していただきたいと要望させていただきます。
それでは次に、災害弱者の中で、例えば、人工透析患者は透析治療を受けなければ死に至ってしまうということですけれども、透析治療には電気と水を大量に必要とされることから、東京都などで透析患者災害対策マニュアルの作成を行っています。人工透析が受けられないことを想定して、食事制限を続けることができるマニュアルと防災備蓄が必要と考えますけれども、健康福祉局長に対策を伺います。
◎木村実 健康福祉局長 人工透析患者の食料等の防災備蓄についての御質問でございますが、本市におきましては、市民の方々に対し、1人3日分以上の飲料水や食料品、生活必需品等の確保に努めていただくとともに、川崎市備蓄計画に基づき、全壊・焼失し、自宅から物資を持ち出すことが困難な方を対象に、必要な物資やその数量の確保に努めているところでございます。しかしながら、人工透析患者の食料等の防災備蓄につきましては、お一人お一人の病状がさまざまであり、必要なエネルギーやカリウム、塩分の制限など対応も個別性が高く、また、季節によっても状態が変化することから、その管理は非常に難しく、平時からの主治医との相談や自己管理が重要と言われております。いずれにいたしましても、被災後、透析が復旧されるまでの間の自己管理に向けた支援策について、今後、関係機関等と協議し、効果的な啓発方法等について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆佐野仁昭 委員 これは先ほど御紹介した東京都区部災害時透析医療ネットワークのマニュアルですけれども、これは今御指摘があったような個別にそれぞれ状況が違うことを全部記載できるようになっているんですね。こういうものを活用して、川崎のよりすぐれたものをぜひつくっていただきたいと思います。
最後に、地震や台風自体が災害を起こすということではなくて、それ自体は自然現象ですけれども、人間の営みが加わることで災害をもたらすということになるわけです。特にしばらく地震を免れていた地域で、地震のことを忘れている、想定していないところで、いざ地震が起きたときに大きな被害が発生するわけです。これについては、過剰な恐怖感をあおるのではなくて、正しくこの事態について想定をして、恐れて、適切な対応を心がけることが重要です。そのために大きな役割を発揮するのが行政職員の使命ですけれども、今回の質問を通じて、自助、共助という言葉が呪文のように浸透している、職員の思考停止状態を生み出しているとも感じました。未曾有の災害が起きたときに、あらゆる状況に置かれている市民をどう守っていくのか、そのことを第一目標として、情報力と想像力をフルに働かせて、自分たちの仕事の領域にとらわれず、領域をはみ出してあらゆる部局が連携して知恵と力を結集していただくこと、ぜひ、昼夜を問わず震災に立ち向かわれた皆さんの公務員魂を発揮して、すぐれた対策を生み出していただけることを期待しておきます。以上で終わります。
◆竹田宣廣 委員 私は、一問一答方式で、平成23年度の本市が出資法人であるかわさき市民放送株式会社に対して支出しているコミュニティ放送番組委託料について市民・こども局長に、そして、平成23年度の決算期における本市の出資法人への貸付金残高についてこども本部長、まちづくり局長、港湾局長に、順次伺ってまいります。
本市は行財政改革を進めておりますが、中でも出資法人改革は透明性が低く、まだまだ改善の余地があると考えております。今回の質疑で幾つか問題点を明らかにして、改善の提言をして出資法人改革の推進につなげていきたいと思います。まず、本市が出資法人であるかわさき市民放送株式会社に対して支出しているコミュニティ放送番組委託料、平成23年度の決算では税込みで5,280万8,015円について追及していきたいと思います。当該出資法人の主事業は、ラジオ「かわさきFM」の放送でございます。本市からコミュニティ放送番組委託料をもとに、アクセスかわさきFM市政だより、アクセスかわさき930、アクセスかわさき6カ国語情報、セレクトかわさきの4番組を放送しております。ディスプレーの表示をお願いします。ただいまディスプレーに表示されたのは、かわさきFMの平成23年10月から平成24年3月における平成23年度後期のパンフレットとそのパンフレットの中身の番組表でございます。非常に見えにくくて恐縮でございますが、番組表の一番濃いピンクの部分が本市からのコミュニティ放送番組委託料がもとであります4番組でございます。番組表を一見しただけでもわかりますが、非常にその割合が少ないことが明らかでございます。率直におかしいと思います。議会へ報告されている当該出資法人の平成23年度の決算の詳細を見ますと、当該出資法人の売上高は全体で7,735万429円でございます。確認したところ、これは税抜きの売り上げであるので、税込みとしての売上高は約8,100万円となります。そして、本市からのコミュニティ放送番組委託料は、先ほど申し上げたとおり、税込みで5,300万円でございます。本市からのコミュニティ放送番組委託料は当該出資法人の売上高全体の約65%も占めているにもかかわらず、この番組量の少なさはなぜでしょうか、追及していきたいと思います。平成23年度のアクセスかわさきFM市政だよりの番組表から見てみますと、アクセスかわさきFM市政だよりは10分番組で、毎週月曜日から金曜日まで放送され、1週間の総計放送時間は50分、再放送を含めると200分、アクセスかわさき930は30分番組で、毎週月曜日から金曜日まで放送され、1週間の総計放送時間は150分です。再放送を含めると300分でございます。アクセスかわさき6カ国語情報は15分番組で、毎週月曜日から金曜日まで放送され、1週間の総計放送時間は75分、再放送を含めると150分、セレクトかわさきは60分番組で、毎週日曜日に放送され、1週間の総計放送時間は60分、これは再放送はございません。これから平成23年度の本市からのコミュニティ放送番組委託料がもとである4番組の1週間の総計放送時間を試算すると710分となりました。1週間は1万と80分あり、たったの710分でございます。今述べたことをまとめたのがディスプレーに表示されている表でございました。
続きまして、平成23年度におけるかわさきFMの各放送番組、放送時間の詳細をさらに調べ、まとめた表が今ディスプレーに表示された表でございます。平成23年度は本市からのコミュニティ放送番組委託料をもととして、4番組の1週間の総計放送時間は710分、それ以外の民間制作番組等は3,735分、そして有線放送を流している時間は5,635分という試算結果になりました。本市からのコミュニティ放送番組委託料は当該出資法人の売上高全体の約65%を占めているにもかかわらず、放送時間は全体のうち約7%でございます。非常に疑問に思います。だれが見てもおかしいと思います。どう考えても民間制作番組やそれよりも安く制作されて、税金から支出されているコミュニティ放送番組委託料を用いて、本来ならば安くできるはずなのに、高額で番組を制作して放送しているという実態があるように思います。このようなことは看過できません。かわさき市民放送株式会社はあくまでも株式会社、民間企業でございます。川崎市の公営企業ではございません。本市の出資法人の経営改善指針では、委託料の算定に当たっては、類似事業を実施している民間企業の単価を可能な限り反映するなどして、委託料について抑制を図ると明確に掲げられております。本市は当該出資法人に対しては7,700万円を出資し、取締役にも市民・こども局長がつかれ、本市の出資法人の経営改善指針に基づき、財政的関与の見直し、委託料の見直し、経営改善を指導監督する立場にございます。こうしたことをかんがみても、やはり本市のコミュニティ放送番組委託料は適切に支出されているとは思えません。以上について、当該出資法人の取締役につかれている市民・こども局長に、なぜこのような実態なのか、見解を伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 かわさき市民放送についての御質問でございますが、かわさき市民放送は、地域に密着したコミュニティ放送局として地域情報や市政情報を放送するとともに、地震や台風などの災害発生時には市と連携を図りながら災害情報の発信を行っているところでございます。災害情報につきましては、通常の番組放送の時間帯に加え、有線放送を利用し、24時間いつでも発信が行えるよう対応を図っているところから、かわさきFM制作の1週間の番組放送時間は5,635分の有線放送時間を除く4,445分に相当し、その中にアクセスかわさき、セレクトかわさき等、本市の広報番組が延べ41回、710分が含まれているものでございます。その他3,735分にはかわさきFMの自主制作番組2,315分が含まれているところでございます。また、市の広報番組の制作に当たりましては、市政情報や地域の魅力情報のテーマにあわせ、身近な話題を取り上げ、パーソナリティによる現地取材やゲストのインタビューなどを行い、きめ細やかでわかりやすい番組を制作しているもので、他の番組の制作の仕方とは違いがあると伺っておりますことから、単純に比較することは難しいと考えております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 先ほども申し上げましたとおり、本市は出資法人の経営改善指針に基づき、出資法人への財政的関与の見直し、委託料の見直し、経営改善の指導監督をする立場にございます。コミュニティ放送番組委託料は税金であり、本市には市民が納得のできる説明責任がございます。しかし、やはりその適正性を疑問に思えるところがまだぬぐえません。説明責任も果たされていないので、これまで指摘させていただき質問をしましたが、全く見当外れな御答弁でございました。ただいまの御答弁では、災害情報などを24時間いつでも発信が行える状況にするため有線放送時間が長い、そのため川崎市からのコミュニティ放送番組委託料による番組やほかの民間制作番組などが短い、そういうふうに受け取れました。よくわかりません。再度これについて市民・こども局長に御説明いただきたいと思います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 コミュニティ放送番組委託料についての御質問でございますが、かわさき市民放送株式会社での広報番組の放送に当たりましては、各番組ごとに放送及び制作委託料の見積書をかわさき市民放送株式会社から徴取し、その内容、金額が適切かどうか精査を行い、委託料額を決定しているものでございます。また、かわさき市民放送株式会社の経営につきましては、自立した財務体質の確立が求められておりまして、そのためにはより一層の経費の縮減に努めるとともに、本市の委託料だけでなく、民間企業などからの広告収入やスポンサー収入増が大きな課題となっているところでございます。かわさき市民放送株式会社では継続した経営改善に取り組んでおりますが、厳しい社会経済状況、コミュニティ放送局の限られた人的体制を踏まえ、本市と連携し、監査法人ヒアリングを経て、平成23年度に3カ年で取り組む目標を盛り込んだ経営改善計画を新たに策定したところでございます。その取り組みの結果といたしまして、平成23年度は震災の影響もある中、民間スポンサーによる収入増などから、平成20年度以降、継続して単年度収支の黒字を維持しているところでございます。今後も市委託料の内容の精査とともに、新たな広告収入の獲得や民間スポンサー収入の増など、かわさき市民放送株式会社の一層の経営改善に向け、連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 私が質問したことと全く違う発言というか、御答弁でよくわからなかったんですけれども、ここで議論して明らかにしたいのは、なぜこの委託料に応じた放送時間が短くて、民間のほうが放送時間が長くて、売上高が少なくなっているのか、それを明らかにしたいと思っておりますので、さらに追及していきたいと思っております。最初の御答弁で、本市の広報番組の制作に当たっては、きめ細やかでわかりやすい番組を制作して、ほかの番組の制作の仕方と違いがあると伺っておりますことから、単純に比較することは難しいと考えている、また、ただいまの御答弁では、当該出資法人から見積書をいただいて、それに応じて支出をしている、委託料をそのまま随意契約で出している、そういったことと認識をしております。税金をもとに委託料を出して番組制作がされているのに、このようなやり方は納得できません。冒頭にも申し上げましたとおり、民間の番組制作をしているほうに準拠して、番組の制作料、委託料を出すことが当然だと思います。見解を市民・こども局長に伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 コミュニティ放送の番組委託料の精査につきましては、先ほど申し上げたとおり、番組表の中にございます番組がそれぞれ、さまざまな形で制作されておりますので、本市の予定しております番組の内容につきましては、その内容に応じた委託料を精査して支出しているところでございまして、民間の番組につきましては、例えばパーソナリティが音楽を流していたり、情報を出したりということもございますでしょうし、それぞれ番組の内容は異なりますから、一概に比較はできないと申し上げているわけでございまして、少なくとも川崎市が委託料として支出している分につきましては、その内容を精査して支出しているということを申し上げているわけでございます。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 それは民間も同じだと思います。民間の番組放送も同じように番組ごとにパーソナリティをつけたり、インタビュー取材を行ったり、その中で幾らで番組を制作して放送する、料金が設定される、全く同じことだと思います。大差はないと思っております。なのに、この売り上げの違い、委託料が多くて番組の時間が少ない、民間のほうは番組の時間が多くて売上高が少ない、やはり疑問に思えて仕方がありません。出資法人には地方自治法上、住民監査請求が及ばず、問題点は議員が追及して改善することが強く求められているところです。だからこそ、徹底して議論をさせていただきたいと思っております。これまでの御答弁ではやはり納得ができません。放送時間を占める割合から見ても、明らかに民間に対して、本市は高額でもって放送しているという実態でございます。今後、民間に準拠した適正な金額での委託料とすること、来年度からの減額を求めます。この実態を踏まえると、民間に準拠すると、平成23年度の決算額5,280万8,015円から半額以上の減額が期待されるところでございます。見解を市民・こども局長にお願いします。
◎山﨑茂 市民・こども局長 番組委託料についての御質問でございますが、先ほどから何回も答弁申し上げていますけれども、本市が委託している内容に応じた見積書を徴取して、その内容が適切かどうかということで支出をしているわけでございますので、単純に時間に応じて金額が算定されるものではないと思っております。しかしながら、その番組の放送の内容につきましてはきちっと精査して、委託料についてはきちっと検討してまいりたいと思っております。しかし、何回も申し上げますけれども、番組の内容によって制作費は変わるものと認識しております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 委託料を見直し、検討していただくという御答弁がございました。ぜひともそれはやっていただくことを強く要望したいと思います。私は、この追及をさせていただくに当たって、かわさき市民放送株式会社が行っているかわさきFMについて否定するつもりはございません。先ほども局長からの御答弁があったとおり、災害時の防災情報、こういったことは市民にとって、地域コミュニティにとって、コミュニティ放送のあり方として当然必要だと思っております。ただ、本市が委託料として出しているコミュニティ放送番組委託料は、今のところ、適正な金額とはどうしても思えません。この質問をさせていただくに当たり、当該出資法人に出向いたり、また、市側のほうに民間と川崎市がやっている番組の比較ができない根拠として契約書なり見積書なりをいろいろ見せていただきたい、取り寄せたいと申し上げましたが、拒まれてしまいました。株式会社さんと相手の取引先との民間対民間のやりとりがあるので、それは守秘義務なり、個人情報保護なり、また取引上の契約なりがあって見せられないということで、こうした抽象的なやりとりしかできなかったことが非常に残念に思えるところでございます。ぜひとも見直しをしっかりとしていただくことを要望して、私もこの件をさらに追及して、本当に適正かどうか確認をしていきたいと思っております。
それでは、次のテーマに移りたいと思います。次のテーマは、平成23年度の決算期における本市の出資法人への貸付金残高について取り上げたいと思います。本市の出資法人の経営改善指針では、本市から出資法人に対し、出資法人の自立的な経営努力を促す面からも補助金や委託料、貸付金などの財政的関与を必要最低限とすることが掲げられております。貸付金を行っていること自体、これも否定はしません。しかし、貸し付けをする場合に、原則として市場の貸付金利等を参考として適正な利息を徴収することも指針の中で明確に掲げられております。当然のことだと思います。それを前提として議論をしていきたいと思います。本市が出資とは別に貸付金を出している出資法人は4社です。その4社の出資法人、平成23年度の決算期でのそれぞれの残高は、財団法人川崎市母子寡婦福祉協議会に5万円、神奈川県住宅供給公社に1億1,956万7,000円、財団法人川崎市まちづくり公社に136億997万2,000円、かわさきファズ株式会社に37億円でございます。総計すると、174億2,958万9,000円と相当な金額になります。こちらももとは言うまでもなく税金でございます。適正な貸付金であるか明らかにしたいと思います。それぞれの貸付金の貸付年度、返済期間、貸付金利等を調査いたしました。ディスプレーの表示をお願いします。非常に見えにくくて恐縮でございますが、読み上げながら進めていきたいと思います。まず、川崎市母子寡婦福祉協議会に5万円の貸付残高があることについて述べていきたいと思います。平成16年度に貸し付け、残りも5万円と少額でございますが、これはもうことし中に完済される見込みでございます。調査をしたところ、平成16年5月に貸し付けを426万円行っておりました。当財団が南部斎苑の中で売店事業を開始するための事業開始資金でございまして、無利子となっている貸し付けでございまして、その根拠は母子及び寡婦福祉法令に基づいて、連帯保証人を立てて無利子としております。この連帯保証人は当該財団の理事長となっております。というふうに、法的根拠や連帯保証人をつけての無利子の貸し付けが行われていたということでございました。
続いては、神奈川県住宅供給公社へ1億1,956万7,000円の貸付残高があることについて、まちづくり局長に伺っていきたいと思います。大分昔から行われてきたような貸付金ですが、返済期間が56年と長期であり、無利子の期間もあるようでございます。この貸付金についての詳細をまちづくり局長より御答弁お願いします。
◎金子弘 まちづくり局長 神奈川県住宅供給公社への貸付金についての御質問でございますが、初めに、同公社への貸付金についてでございますが、同公社が設立された昭和25年度から昭和46年度まで、同公社が川崎市内において不足している賃貸住宅を建設する際に、賃貸住宅建設資金として複数回にわたり貸し付けたものでございます。貸付金額の合計は2億4,343万1,724円、見込まれた利息収入は4,567万3,752円でございます。また、債務保証は実施しておりません。次に、貸付金の償還についてでございますが、契約書によりますと、貸し付け後30年から50年間の据え置き期間を置きまして、償還を開始することとしております。利率は住宅金融公庫と同じ年5.5%でございました。同公社の設立目的といたしまして、住宅不足の解消に向け、賃貸住宅や分譲住宅の供給の役割を担っていたことから、本市といたしましても、長期の据え置き期間を設け、低利の資金を貸し付けることによって、勤労者に向け良好な住宅を供給できたものと考えております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 わかりました。債務保証などがないのが気になるところでございますが、もう50~60年前からされた貸付金であり、当時の高度成長期における本市にとって、御答弁どおり、住宅不足の問題解決のために有効に活用され、また、利息収入も多くある貸付金だと認識できました。
続けて、財団法人川崎市まちづくり公社への計136億997万2,000円の貸付金残高について、まちづくり局長に詳細を伺います。御答弁をお願いします。
◎金子弘 まちづくり局長 財団法人川崎市まちづくり公社への貸付金についての御質問でございますが、初めに、同公社への平成18年度と平成19年度の貸付金についてでございますが、中原消防署・ホテル複合施設の建設に係る建設資金を貸し付けたものでございまして、貸付金額は27億8,100万円、見込まれる利息収入は約8億8,400万円でございます。また、債権担保といたしまして当該建物に抵当権を設定しているところでございます。次に、平成22年度の貸付金につきましては、溝口再開発事業における財産取得に係る資金を貸し付けたものでございまして、貸付金額112億2,440万2,000円、見込まれる利息収入は約4億3,100万円でございます。また、債権担保といたしまして当該土地建物に抵当権を設定しているところでございます。いずれも本市における良好な都市環境の形成に必要な建物の適切な維持管理に寄与しているものと考えております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 御答弁ありがとうございます。1つ気になる点がございまして、平成22年度に貸し付けた溝口再開発事業における財産取得に係る資金のための貸付金112億2,440万2,000円について、再度伺っていきたいと思います。見込まれる利息収入は約4億3,100万円とのことですが、利率設定が低過ぎ、利子収入が小さいと思います。特に平成23年度決算期で残高が42億3,440万2,000円である貸付金についての部分です。この貸付金以外は市債発行に係る費用をもとに利率が設定されております。しかし、この貸付金だけは利率が0.02%であり、やはり低過ぎると思えます。債務担保として抵当権を設定しているとのことですが、やはり抵当権設定という債務担保があっても、一般的に土地や家屋を担保として抵当権を設定して住宅ローンなどを組む場合、利率が0.02%なんて現在はあり得ません。この貸付金、見直しが必要だと思いますが、どうお考えでしょうか。まちづくり局長、見解をお願いいたします。
◎金子弘 まちづくり局長 まちづくり公社への貸付金の利率についての御質問でございますが、貸付利率の設定につきましては、貸付金の財源に係る総費用などをもとに所要の金利水準を設定しているところでございます。本貸付金は市債を財源とせずに貸し付けたもので、資金調達コストが発生しないことや市の要請によりまちづくり公社が取得した再開発ビルが適正に維持されるよう、本貸付金の今後の償還確実な返済計画の設定などを考慮いたしまして、市中銀行の普通預金金利をもとに設定したものでございます。このような政策目的から金利設定を行ったものでございまして、現行の金利設定を維持する必要があると考えております。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 わかりました。低い利率が設定されて貸し付けを行っている。それに見合った政策目的、また川崎市のさらなる発展という副次的効果があって、そういったことを全体的に踏まえた上での貸付金ということを認識いたしました。
続きまして、かわさきファズ株式会社への37億円の貸付金について、港湾局長に詳細を伺いたいと思います。御答弁をお願いします。
◎大村研一 港湾局長 かわさきファズ株式会社に対する貸付金についての御質問でございますが、初めに、貸付金額等についてでございますが、貸付金額は37億円でございまして、同社の経営安定化に資するよう、既存借入金返済計画の再構築を目的として行ったものでございます。また、利息収入でございますが、平成23年度におきましては約2,960万円であり、仮に現在の利率で試算いたしますと、返済の完了する平成40年までの累計では約5億2,000万円となるものでございます。次に、元本の返済時期についてでございますが、契約上10年間据え置くこととなっており、平成25年7月からの返済予定でございます。また、債権の担保でございますが、同社が事業の実施により取得した建物や設備等に係る物権をもって組成されている工場財団の上に抵当権を設定しておりまして、その評価額は約200億円でございます。なお、当該工場財団には設立当初に融資を行った金融機関が既に抵当権を設定していたため順位は第3順位となっておりますが、第1順位である金融機関からの無利子融資での借入金返済が平成26年度当初に終了するので、第2順位に繰り上がる予定となっております。次に、当該貸し付けの有効性についてでございますが、同社は初期投資に係る資金のほとんどを金融機関からの借入金により調達したことから、その返済額が資金計画において大きなウエートを占めておりました。そうした中、金融庁の指導により融資条件が厳格化され、当初計画どおりの返済が困難となった状況を受け、金融機関を初めとした関係者間で交渉を行い、同社の経営状況が順調に推移していることから、新たな資金計画の構築に向け検討をするという合意がなされ、それに基づき協議を重ねたものでございます。その結果、同社がより一層の経費節減に努める一方、各金融機関においては返済期間の繰り延べ及び金利の低減に応じることとし、本市も貸し付けを行うことにより、平成15年に新たな資金計画を構築したものでございます。以後、同社の経営安定化が図られ、物流機能の強化など臨海部活性化に向けた本市の施策推進に大きく寄与してまいりましたことから、当該貸し付けは大きな効果をもたらしたものと考えております。次に、利率についてでございますが、一般的に金融機関が融資を実行する際には、基準金利に資金調達に係るコストや利ざや等を加味した短期プライムレートを用いますが、本市による当該貸し付けは、同社の新たな資金計画を構築することにより経営安定化を図ることを主眼としておりましたことから、政策金利としての意味合いの強かった公定歩合、現在で言うところの基準割引率及び基準貸付利率を基準金利として利率を設定したものであり、平成23年度の利率は0.8%でございます。以上でございます。
◆竹田宣廣 委員 詳細な御答弁ありがとうございました。わかりました。終わります。
○岩隈千尋 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岩隈千尋 副委員長 御異議ないものと認めます。およそ1時間休憩いたします。
午後0時16分休憩
午後1時14分再開
○かわの忠正 委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。
◆橋本勝 委員 自民党の橋本でございます。5点につきまして一問一答でよろしくお願いいたします。多摩川施策推進費に関連して建設緑政局長、道路整備費について同じく建設緑政局長、財政局長、計画調査費に関連してまちづくり局長、危機管理費に関連して総務局長、老人福祉総務費に関連して健康福祉局長、それぞれよろしくお願いいたします。
まず、建設緑政局長に伺います。歳出8款8項3目多摩川施策推進費に関連してでございますが、昨今、多摩川河川敷の小田急線の高架下及び多摩水道橋下においてバーベキュー利用者がふえてきており、近隣に迷惑がかかっていると聞いているんですけれども、現状把握をされているのか伺います。また、多摩川河川敷は本来どのように利用されるべきであるのか伺いたいと思います。以上です。
◎大谷雄二 建設緑政局長 多摩川のバーベキューについての御質問でございますが、初めに、登戸周辺のバーベキュー行為の状況についてでございますが、多摩川は原則、自由使用となっておりますので、御指摘のように、多摩水道橋や小田急線の橋梁下及びその周辺でバーベキューが行われていることを確認しているところでございます。次に、河川敷の利用についてでございますが、川崎市多摩川プランにおきましては、河川敷は身近で貴重な自然とレクリエーションの空間としておりますことから、多摩川を訪れる方々が快適に憩える環境となるよう、マナーを守って利用していただくことが望ましいと考えております。以上でございます。
◆橋本勝 委員 市民は美化活動などに積極的に参加して、多摩川を少しでもきれいにとの思いで活動をされておられますけれども、このような思いを踏みにじる行為は慎まれるべきであると思いますし、何かしらの対応をしなければエスカレートしていくおそれがありますけれども、どのような対応ができるのか伺います。以上です。
◎大谷雄二 建設緑政局長 登戸周辺のバーベキュー行為への対応についての御質問でございますが、多摩川河川敷のバーベキュー行為につきましては、平成23年1月策定の多摩川河川敷バーベキュー適正利用計画に基づき、二子橋周辺の河原部分をバーベキュー利用可能区域と定め、その他の区域につきましては原則禁止としているところでございます。しかしながら、登戸周辺の河川敷につきましては、主に道路や鉄道の橋梁下などにおいてバーベキュー行為が行われており、ごみの不法投棄などの迷惑行為が発生していることを確認しておりますことから、本市といたしましてもバーベキュー利用の実態把握に努めるとともに、河川管理者である国や施設管理者と情報交換を行い、河川敷の適正な管理が図られるよう検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 ありがとうございました。周辺への配慮やマナーを守ってもらえればとも思いますけれども、そこに期待ができなければ、これは手を打たなければならないと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
続きまして、8款2項4目道路整備費について建設緑政局長と財政局長に伺います。52億円余の当初予算に対し、決算額は27億円余で執行率が約53%となっておりますが、その理由と13億円余の不用額の内容について伺います。以上です。
◎大谷雄二 建設緑政局長 道路整備費についての御質問でございますが、道路整備費は、市が管理する道路の改良事業及び国が管理する道路の新設、改築等に係る費用の一部を負担する国直轄道路事業負担金などの事業で構成されており、平成23年度の決算額は約27億8,600万円となっております。理由といたしましては、道路改良事業に伴う用地買収において、土地の価格、建物の補償額などについて地権者との合意が得られず、契約の締結に至らなかったことや年度内に事業が完了しないことから、一部の事業についてやむを得ず翌年度に繰り越したことなどによるものでございます。また、不用額13億円余の主な内容といたしましては、国直轄道路事業負担金として約6億4,500万円、公有財産購入費として約2億5,000万円、補償補填及び賠償金として約2億6,500万円となっております。予算執行管理を適正に行うことは重要であると考えておりますので、引き続き事業の執行管理を適正に行い、不用額の縮減に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆橋本勝 委員 不用額は国の影響によるものが大きいようでありますけれども、繰越額も含めて、ここら辺の数字が大きいとやっぱり事業が進んでいないように見られがちですので、適切な執行をお願いしたいと思います。
引き続き道路整備についてですけれども、神奈川県は県内の法人から道路整備に充てるための超過課税を徴収していますけれども、その中には当然本市法人も含まれています。従前は指定都市には県からの道路整備への支出はありませんでしたが、指定都市からの税も上がっておりますから見直しを強く求めた結果、指定都市の道路整備にも補助をしていくんだという方針に改められました。この超過課税の総額と事業内容について財政局長に伺いたいと思います。また、市内法人の超過課税納税額についてもお答えをお願いします。
さらに、大事なことは本市道路整備にこの部分が反映されているということでありますけれども、この実績につきまして建設緑政局長に伺います。以上です。
◎小林隆 財政局長 神奈川県の超過課税についての御質問でございますが、神奈川県の法人県民税及び法人事業税における超過課税の平成22年度の総額は144億円でございまして、うち市内法人の納税額は、本市において試算いたしますと23億円でございます。次に、超過課税を活用する事業内容についてでございますが、平成22年11月から平成27年10月までの5年間につきましては道路等の社会基盤整備に重点化して活用することとされておりまして、具体的な項目としては、県土構造の骨格となる自動車専用道路網等の整備、地域の交流・連携を支える幹線道路網等の整備、安全・安心な道路環境の確保の3つとされております。また、政令市域におきましても、県土の均衡ある発展を図るという観点から、自動車専用道路網等の整備や市域外との連携を目的とする幹線道路網の整備について助成の対象とされております。以上でございます。
◎大谷雄二 建設緑政局長 超過課税についての御質問でございますが、平成23年度決算におきましては、政令市道路整備臨時交付金といたしまして2億1,483万3,000円を国道409号ほか13路線の用地買収及び道路改良に充当したところでございます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 神奈川県では、極度の収支不足から市町村への補助金を凍結することもあり得るというような報道がありましたけれども、お示しをいただきましたとおり、試算ですけれども、市内法人からは23億円の税を徴収していると、決して小さい数字ではないと思います。この部分が本市に還元されることは当然だと、このように思います。還元額は2億円余という額でございますけれども、これはやっぱり貴重な補助金と言えると思いますので、対象が国道とか県道とか幹線道路となっているわけですが、今後もぜひ道路渋滞の緩和とかそういう道路整備にこのお金が充当されるように、県とも調整をしていただきたいと思います。
続きまして、歳出10款2項2目計画調査費に関連して、まちづくり局長に伺います。川崎市地区まちづくり育成条例が施行されて2年半が経過をしておりますが、この条例によって地域においてどのようなまちづくりが進められているのか、運用状況について伺いたいと思います。以上です。
◎金子弘 まちづくり局長 地区まちづくり育成条例についての御質問でございますが、地区まちづくり育成条例は、市民などの主体的な地区まちづくりの取り組みを支援する仕組みを整備し、居住環境の維持または改善に資することを目的に平成22年4月1日に施行されました。運用状況についてでございますが、条例施行後に10地区から地区まちづくりの相談があり、制度の説明やまちづくりの勉強会などの支援を行いました。そのうち、地区まちづくりのグループの登録を4地区、地区まちづくり組織の認定を1地区、地区まちづくり構想の認定を1地区で行っております。支援を行った地区は、それぞれ住環境保全ルールの策定を目指す地区、住環境向上を目指すまちづくり活動計画を検討する地区、既存ルールの実効性を高めることを目指す地区など、さまざまなタイプがございますが、今後も地域特性に応じた効果的な支援を行い、市民の方々がみずから地域の課題解決に向けて取り組む地区まちづくりの推進を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆橋本勝 委員 今、お答えいただきましたまちづくり組織認定が1地区、まちづくり構想の認定が1地区――これは手前みそなんですけれども、私の地元の二ヶ領用水宿河原堀まちづくり協議会なんですけれども、この協議会の活動に対してどのような支援を行ってきたのか伺います。また、今後まとめられた地区まちづくり構想の実現に向けてはどのような取り組み、支援を行うのか伺いたいと思います。以上です。
◎金子弘 まちづくり局長 二ヶ領用水宿河原堀まちづくり協議会についての御質問でございますが、初めに、活動に対する支援についてでございますが、当協議会のまちづくりに対する取り組みへの支援といたしまして、地区住民等への周知活動や意見聴取活動などを支援し、平成23年5月27日には地区まちづくり組織の認定を行いました。その後、地区住民の意見を考慮した地区まちづくり構想の取りまとめなどの作業を円滑に実施するため、職員による技術的支援及び専門的知識を有する者を派遣して資料作成や助言等の支援を行い、平成24年7月13日には二ヶ領用水宿河原堀沿いの景観を守り、育てることを目的とする基準を定めた地区まちづくり構想の認定を行いました。次に、地区まちづくり構想を実現するための取り組み等についてでございますが、地区まちづくり構想に沿って、地区の住民の方々が主体的にまちづくりの取り組みを推進し、本構想の実現を目指していくこととなりますので、本市といたしましても、本構想をまとめた冊子をまちづくり局及び各区役所に備え置くとともに、市のホームページ上のガイドマップかわさきなどに掲載しまして、事業者等に幅広く周知しているところでございます。また、必要に応じて、地区の住民の方々がまちづくりの推進を円滑に行えるよう、技術的な支援などを行ってまいります。以上でございます。
◆橋本勝 委員 引き続きよろしくお願いしたいと思います。
まちづくり支援ということでちょっと関連しますが、財団法人川崎市まちづくり公社の事業にまちづくりコンサルタントの派遣という事業がありまして、まちづくりを支援するという内容は、この育成条例に基づく本市の支援事業と似たようなものではないのかと思いますけれども、違いはどこにあるのか伺いたいと思います。言うまでもなく、まちづくり公社は本市出資法人でありますし、事業内容はきちんと精査をすべきものでありますけれども、公社がこの事業を行う必要性について伺いたいと思います。以上です。
◎金子弘 まちづくり局長 財団法人川崎市まちづくり公社のコンサルタント派遣事業についての御質問でございますが、地区まちづくり育成条例に基づく支援事業との違いなどについてでございますが、条例に基づく専門的知識を有する者の派遣につきましては、地区まちづくり組織が行う地区まちづくり構想などの策定に対する支援を行っておりまして、年度ごとに派遣するものでございます。一方で、まちづくり公社のコンサルタント派遣事業につきましては、公社の自主事業としてまちづくりの初動期における活動支援や具体的な建物の共同化計画案の作成など、地区まちづくり育成条例に基づく支援対象にはなじまない活動も対象とし、派遣期間もその都度協議して派遣するものでございます。この制度では、市民等の団体が地区まちづくりに取り組むか否か模索している段階においても派遣が可能であり、地区まちづくりのすそ野を広げる役割を担うことができる有効な事業であると考えております。以上でございます。
◆橋本勝 委員 どうも御答弁ありがとうございました。川崎市の事業との違いはあるんだよというお答えだったと思いますけれども、我々自民党はたびたび議会ごとに本市出資法人につきまして、その事業内容とかを精査させていただいておりますが、このまちづくり公社の事業につきましても、公益性がどこまであるのかなということも感じたところもございましたけれども、そういうことを求める市民もいるというお話でもございましたから、すそ野を広くやるという意味では、また今後とも市と協力し合いながら進めていっていただければと思います。
続きまして、歳出2款3項危機管理費に関連して総務局長に伺います。東京都は地域防災計画の中に、被害を少なくするために具体的な数値目標を盛り込んだと聞いております。先日、本市におきましても地震被害想定が発表されておりますが、これを受けて、本市防災計画での減災についての考え方を伺いたいと思います。以上です。
◎船橋兵悟 総務局長 減災目標についての御質問でございますが、東京都におきましては、今後10年以内に地震による死者数を6割、建築物の全壊棟数を6割減少させること等の目標を定め、対策を推進すると先日公表したところでございます。本市の減災目標につきましては、平成23年3月に策定いたしました川崎市地震防災戦略において、平成23年度から平成27年度までの5年間で想定される死者数を4割減、直接経済被害につきましては3割減を目標としているところでございます。しかしながら、東日本大震災を受け、減災対策の進捗を早めることが課題でございますので、9月18日に公表いたしました地震被害想定調査の中間報告及び川崎市地域防災計画第2期修正に向けた各種防災計画などの見直しの考え方において、平成22年度に策定した減災目標をできるだけ早期に達成させることとしたところでございまして、この考え方に基づき、各種防災対策に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 次に、避難所整備について伺いたいと思います。以前より避難所のエネルギー確保について必要性を訴えてまいりました。川崎市の避難所整備促進条例等もあるわけでございまして、かねてより申し上げているLPガス設備を避難所に常設することを防災計画の中に位置づけることが重要であると考えますけれども、お考えを伺いたいと思います。
◎船橋兵悟 総務局長 避難所におけるLPガス設備についての御質問でございますが、平成22年に公表しております川崎市地震被害想定調査では地震動及び液状化による都市ガス施設への被害が想定されておりまして、供給停止から復旧までは7日間かかるとされております。このような事態に備え、本市におきましては避難所となる学校等にLPガスを供給するため、神奈川県エルピーガス協会と災害時における応急救護用燃料の供給協力に関する協定を締結しているところでございます。現在、避難所として指定されている小中学校等の中には都市ガスとLPガスを使用している施設がございますが、LPガスを使用していない避難所につきましては、LPガスの配置に当たっての場所や管理方法などについて、関係局と検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、LPガスや都市ガスなどによる複数の熱源の確保につきまして、現在進めております地震防災戦略などの見直しの中で検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆橋本勝 委員 避難所整備はまさしく大事なことでありますが、一方で避難所に行くことができない市民もいるわけであります。仙台市での話を聞いたところ、さきの大震災で避難所に集まった市民は約1割だったという話でございました。9割方の人々は避難所以外のところで生活をしていた、こういうことになるわけですが、自分の身を自分で守る、いわゆる自助が可能な人は、さらに共助の助け合いの行動をとっていただくということであったとしても、障害者の方、高齢者、身体的弱者の方には自助、共助は望めないわけでございまして、このような避難したくてもできないような人には、どのような援助ができるのか伺いたいと思います。あわせて、そういう避難所に来られないような方々には、まちなかにある各町内会館は日ごろから地域で利用されている施設であり、災害時には情報の収集や連絡など一定の役割を果たす施設ととらえられますけれども、防災計画の中での位置づけとどのような役割を期待するのか伺いたいと思います。以上です。
◎船橋兵悟 総務局長 障害者や高齢者等の方についての御質問でございますが、本市では平成19年12月に災害時要援護者避難支援制度を制定し、障害者や高齢者の方など災害時に自力で避難することが困難な方で、支援組織への個人情報の提供に同意された方を対象に、自主防災組織を中心とする支援組織などによる安否確認や避難支援などを行う取り組みを進めているところでございます。この制度の周知につきましては、市政だよりやホームページなどによる広報に加え、毎年度、新たに本制度の対象となる方にダイレクトメールによるお知らせを行っております。また、今年度からは地区の担当民生委員の協力を得ながら、支援が必要な方への登録案内のお知らせなども始めたところでございます。次に、町内会館についてでございますが、川崎市地域防災計画におきましては、避難所として市立の小中学校等を指定するとともに、公共施設、町内会館等の民間施設につきましては、市民の方々が容易に避難できるよう、地域の実情に応じて避難所を補完する施設として位置づけているところでございます。このようなことから、町内会館につきましては、町内会活動等の主要な拠点としての役割だけではなく、災害発生時における地域の一時的な避難場所として重要な施設であると考えているところでございます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 御答弁ありがとうございました。LPガスの避難所への常設につきまして、せんだっては協会の方々と市長への要望活動もさせていただきました。ぜひスピード感を持って御検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
これは町内会館のほうなんですけれども、建てかえとかの支援について、市民・こども局でもいろいろと新しく制度をつくってもらったりしましたが、やっぱり現場の声を聞くと、もうちょっとそれを充実させてもらいたいという声がありますので、これは総務局長ではなくて市民・こども局長によくお聞きいただいて、またいろいろと検討していただければなと思います。
続きまして、歳出5款4項1目老人福祉総務費の中で、福祉人材バンクの委託料について健康福祉局長に伺いたいと思います。これは以前もちょっとお聞きしたことがあるんですけれども、まず、過去3年間の委託料と事業の執行体制、そして実績について伺いたいと思います。以上です。
◎木村実 健康福祉局長 福祉人材バンクについての御質問でございますが、福祉人材バンクは福祉の仕事につくことを希望する方と福祉関連の職場との橋渡しをすることを目的としており、都道府県に設置された福祉人材センターの支所として、来所やインターネットによる無料職業紹介事業などを行っております。本市における福祉人材バンクの運営につきましては川崎市社会福祉協議会に委託して実施しており、職員数は、所長1名、常勤職員2名、非常勤職員1名の4名体制で運営しているところでございます。過去3年間の委託料の決算額につきましては、平成21年度3,001万6,000円、平成22年度2,880万円、平成23年度2,917万1,000円でございまして、このうちの半額は国庫補助でございます。次に、事業の実績につきましては、平成21年度は、登録求人数2,551名、求職者数1,089名、インターネットアクセス数5万5,567件、相談件数4,048件、平成22年度は、登録求人数1,491名、求職者数959名、インターネットアクセス数10万7,686件、相談件数3,384件、平成23年度は、登録求人数1,407名、求職者数967名、インターネットアクセス数8万6,310件、相談件数3,211件でございます。また、無料職業紹介事業のほかに、採用予定のある事業者と求職者が個別に面談を行う就職相談会、あるいは看護師の福祉施設への就労を促進するためのセミナー、福祉の仕事の魅力を伝えるための福祉のお仕事ガイダンス、福祉職員の職場への定着を支援するためのメンタルヘルス相談なども実施しているところでございます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 今、お示しいただいた実績につきまして、どのような分析を行っているのか伺いたいと思います。以上です。
◎木村実 健康福祉局長 福祉人材バンクの事業実績についての御質問でございますが、本事業につきましては、全国的に求人数、求職者数などが減少しており、本市におきましても同様の傾向がございます。主な原因といたしましては、インターネットシステムを利用して直接的に求職活動を行う方が増加する傾向にあることや、求人側と求職者側との間で雇用条件の隔たりがあることなどが考えられるところでございます。このため、本年1月、全国的に統一された福祉人材情報システムの機能がリニューアルされ、求職活動を行う方の利便性が向上するよう、希望する職種や保有する資格に合った仕事を詳細な条件により検索し、応募することが可能となりました。今後につきましても、電子媒体を活用したきめ細やかな情報提供を行うなど、時代に即した業務を行ってまいります。以上でございます。
◆橋本勝 委員 超高齢社会に突入している中で、特養や老健などの施設整備についてと、それに連動する介護人材の確保、育成についての考えを伺いたいと思います。以上です。
◎木村実 健康福祉局長 介護人材の確保、育成についての御質問でございますが、本市におきましては、現在、平成20年11月に策定した特別養護老人ホーム整備促進プラン等に基づき、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の整備を推進しているところでございます。介護人材の確保が全国的に課題となっている中、本市が平成22年度に実施した高齢者実態調査におきましても、施設を初め居宅介護サービス事業所など多くの事業者が人材の確保が困難であることを事業を展開する上での問題点、課題として挙げているところでございます。こうした状況の中で、第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画――かわさきいきいき長寿プランにおきましては、介護人材の確保と定着の支援を主な取り組みとして位置づけ、福祉人材バンク及び人材開発研修センター、保健福祉研究センターと連携を図りながら、介護サービスに従事する人材の確保と介護人材のキャリアアップと定着の支援に向けて、さまざまな取り組みを推進しているところでございます。以上でございます。
◆橋本勝 委員 どうも御答弁ありがとうございました。インターネットのアクセス数が伸びているということは、ホームページの内容が充実してきているのかなと思います。以前質問したときには更新がスムーズでなかったということを指摘しておきましたので、改善は見られたようでありますが、ただ、実際に就職に結びついた件数が把握をしておられるところでは余り伸びていないというようなことでございました。インターネットでの直接の求職活動により把握が難しいと、このようにおっしゃっておられますけれども、3,000万円からの委託料を支出しておりますので、職につくことができたという人をきちんと把握することはある意味当然ではないかと思います。それがこの福祉人材バンクの目的であるわけですので、ぜひその辺のことをよくわきまえていただいて、これからも充実させていただくようによろしくお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
◆河野ゆかり 委員 一問一答方式で、高齢者支援事業、福祉人材確保対策事業について、救急医療事業について、区役所等窓口サービス機能再編事業について、ねこの不妊去勢手術補助金について、順次伺ってまいります。
初めに、5款4項老人福祉費、在宅高齢者支援事業及び福祉人材確保対策事業について健康福祉局長に伺います。健康寿命と呼ばれる自立して健康に生活できる期間は平均で、男性が約70年、女性で約74年と言われています。平均寿命から健康寿命を差し引いた期間は約10年です。この約10年は日常生活に何らかの支障があると考えられます。その中で、高齢者の要介護認定者は年々増加をしています。厚労省の推計によりますと、1人にかかる生涯医療費は約2,300万円で、その医療費の半分は70歳以上で使うと出ています。本市における70歳以上の要介護認定者は、平成22年度3万4,090人、平成23年度で3万6,190人と大変に多く、また年々増加をしています。平成23年度の地域密着型サービスの利用状況を伺います。また、平成24年度から地域密着型サービスに複合サービスとして小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせたサービスを開始しました。取り組み状況と課題を健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 地域密着型サービスについての御質問でございますが、初めに、地域密着型サービスの利用状況についてでございますが、本年3月の実績におきましては、夜間対応型訪問介護の利用者294人、認知症対応型通所介護の利用者延べ809人、小規模多機能型居宅介護の利用者287人、認知症対応型共同生活介護の入居者1,161人などの利用がございました。次に、複合型サービスにつきましては、国が本年4月に新たに創設したサービスでございまして、小規模多機能型居宅介護と訪問看護の機能を有し、利用者の状態に応じ、通い、泊まり、訪問による介護・看護サービスを柔軟に提供するサービスでございまして、現在、事業者が採算性等を踏まえ、サービス提供に向け検討している状況にございますことから、国の財源等を活用した整備費補助を行うなど、事業者の参入意欲を高める取り組みを推進することが必要であると考えております。第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画――かわさきいきいき長寿プランにおきましては、在宅生活を支える中心的な役割を担う事業である小規模多機能型居宅介護と新たなサービスである複合型サービスをあわせ、49事業所の整備を計画したところでございます。小規模多機能型居宅介護につきましては、認知症高齢者グループホーム選考基準において、事業所併設の際の優先度を高めることなどにより、現在、整備目標に対して、平成24年9月1日現在、26事業所が開設しており、そのほか内定が3事業所の状況でございますので、今後におきましては複合型サービスとあわせ着実な整備に努めてまいります。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 また、住みなれた地域で介護を受けるために24時間定期巡回・随時対応サービスが、本市においては5事業所でスタートしました。新サービスの周知と課題について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 定期巡回・随時対応型訪問介護看護についての御質問でございますが、本サービスにつきましては、本年4月から5事業所が運営を開始したところでございますが、今般の介護保険制度の改正により創設された新しいサービスであることから、全体的に事業展開のノウハウの蓄積が浅いことや人材の確保、制度の周知などが課題であると考えております。本市におきましては、3月21日に川崎市内の介護事業所に対して行った平成24年度介護報酬改定説明会において、サービス内容と予定事業所の周知を行ったところでございまして、その後につきましても、9月7日に行われた老人福祉大会においてリーフレットを作成し市民に配付するなど、さまざまな機会をとらえて周知に努めているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 本市の要介護者は現状で3万6,000人を超え、さらにふえています。在宅ケア体制に欠かせない訪問看護ですが、今回のやりとりでは、複合型サービスも24時間対応サービスも本市としてどう整備していくのか、具体的な方向性がないというのが現状です。地域密着型サービスの着実な整備は、訪問看護の人材確保ができなくては進みません。本市として何人ほどの看護者の需要があり、どれくらい足りないのか把握して、明確な取り組みが必要です。そこで伺います。要介護認定者の増加に伴い、訪問看護師の拡充と質の向上が求められます。平成23年度、訪問看護師養成講習会の実施状況と課題、今後の取り組みについて健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 訪問看護師養成講習会についての御質問でございますが、この事業は訪問看護に従事している、または始めようとする看護師などが訪問看護に必要な基本的知識、技術を習得し、質の高いサービスを提供することを目的として、川崎市看護協会へ事業委託することで実施しているものでございます。平成23年度の実施状況といたしましては、実習4日間を含む28日間の講習会を行い、受講者数は15名でございました。例年30名の定員に対して受講者の確保が課題となっておりますので、受講者のニーズに即した研修プログラムの見直しを行うとともに、事業者向けメールニュースの配信など、多様な媒体を活用することにより事業の周知に努め、受講者の確保に向け取り組んでまいります。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 大変に内容のよい研修なんですが、定員割れという現状は大変にもったいないです。しっかり周知広報を要望いたします。
また、在宅での介護、看護が必要な方が増加する中、介護、看護に伴うさまざまな手続に戸惑う声もふえています。在宅療養者やその家族が利用しやすい高齢者の支援の施策、訪問看護師等の地域医療の施策、また介護保険制度や高齢者の医療制度等、一元化してわかりやすく提供するための福祉総合窓口などの行政窓口の設置が求められますが、取り組みを健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 高齢者の方の相談窓口についての御質問でございますが、高齢者の方の福祉や介護、医療等に関する相談や支援などにつきましては、各区役所の高齢者支援課や地域保健福祉課で担うとともに、長寿医療制度の手続や相談等につきましては保険年金課で行っているところでございますが、高齢者や御家族の方からの相談内容が担当課を超えて多岐にわたる場合などにつきましては、関係各課で調整し、連携を図りながら対応に努めているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 役所に手続に行く高齢者の方の中には、バスを乗り継いで大変な思いで行っている方や、介護で疲れた中、時間を工夫して行き、手続を早く済ませ、帰宅してまた介護をしないといけない方等、大変な状況にある方の側に立った対応を要望いたします。
関連して、高齢者支援の施策の中で予防接種事業について伺います。平成23年度の高齢者インフルエンザ予防接種の実績を伺います。高齢者の死因の上位に位置する肺炎の対策についてです。年間約11万人を超す高齢者が肺炎により亡くなっていると言われています。予防ワクチン接種の啓発について伺います。肺炎の最も多い原因となる肺炎球菌を予防するのに高齢者用肺炎球菌ワクチンがあります。ワクチン接種により免疫をつけることができ、約5年間、効果が持続すると言われています。ワクチン接種に当たり助成の要望があります。今後の対応を健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 高齢者に対する予防接種についての御質問でございますが、高齢者を対象とするインフルエンザ予防接種は、平成23年度決算においては事業費が約2億9,000万円となっており、65歳以上の対象者のうち、9万9,000人ほどの方が接種し、接種率は約42%となっております。次に、高齢者の死因の上位に位置する肺炎についてでございますが、細菌性肺炎のうち、4分の1から3分の1が肺炎球菌に起因するものと推定され、その予防にはワクチン接種が有効とされておりますので、高齢者インフルエンザ予防接種のチラシに掲載し、お知らせしているところでございます。成人用肺炎球菌ワクチンにつきましては、厚生労働省の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会において医学的観点から広く接種を推進することが望ましいとして、予防接種法の疾病・ワクチンの追加の検討対象となっておりますことから、引き続きこうした国の動向を注視してまいります。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 この秋、冬にかけて肺炎が心配される季節ですので、対応をよろしくお願いいたします。
次に、救急医療事業について伺います。5款7項6目医療対策費について健康福祉局長に伺います。救急病院等確保事業補助金について、救急告示医療機関に指定された病院に出されている補助金の基本額90万円の根拠について伺います。また、平成23年度の救急告示医療機関は28ありますが、救急搬送の受け入れ状況は病院により大きく異なります。少ない受け入れでは35件、多い病院では4,986件と、病院の規模の違いもありますが、100倍以上もの差がある中で、補助金の基本額が一律90万円というのはどうかと感じます。見解と今後の対応を伺います。
◎木村実 健康福祉局長 救急病院等確保事業についての御質問でございますが、初めに、基本額の根拠についてでございますが、各救急告示医療機関が救急車を受け入れる態勢を維持するためには、救急医療について相当の知識及び経験を有する医師を初めとした医療従事者の確保、救急医療を行うために必要な施設及び設備、専用病床の確保などの態勢整備が必要となりますので、これらの態勢を整え、24時間365日維持していただくための経費の一部を支援しているものでございます。次に、基本額の考え方と今後の対応についてでございますが、救急告示医療機関のうち、大規模な病院は診療科が多岐にわたり専門の医師、看護師など医療従事者も多く、高度な医療設備を有しており、さまざまな救急患者への応需ができることなどから、救急車の受け入れ件数が多くなっているものと考えております。しかしながら、大病院に救急患者が集中すれば、重症患者の受け入れが困難となるほか、救急を担う医療従事者が疲弊することにもつながりますので、そうした事態を回避するためにも、より多くの医療機関において、それぞれの専門性と患者受け入れ能力に応じ適切な救急医療を担っていただくことが重要と考えております。こうしたことから、すべての救急告示医療機関において態勢を整備していただくため、本補助金につきましては、受け入れ件数の多寡にかかわらず、救急車受け入れ態勢確保への支援を行っているところでございます。今後につきましても、救急搬送受け入れ件数の推移などを見きわめながら、適宜必要な見直し等の検討をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 御答弁ありがとうございます。検討をよろしくお願いいたします。
また、川崎スタンダード導入後の救急車の現場滞在時間30分以上の統計について、重症、中等症のそれぞれにおいて、南部と北部の現状を消防局長に伺います。
◎福井昭久 消防局長 救急車の現場滞在時間の状況についての御質問でございますが、現場滞在時間の短縮を目指して導入した川崎スタンダードを平成22年9月9日から運用しておりまして、直近1年間のデータとなります平成23年9月9日から平成24年9月8日までと導入前の同期間における南部、北部別の現場滞在時間30分以上の割合について比較いたしますと、重症では、南部6.9ポイント、北部2.6ポイント、中等症では、南部3.9ポイント、北部0.3ポイント、それぞれ減少しているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 川崎スタンダード導入の効果が少しずつあらわれている様子ですが、救急車の搬送状況において、平成23年の約5万人のうち約3万1,000人、6割強の搬送が軽症だったと伺っています。搬送したけれども、救急車の出動が必要だと思われなかったものの事例を消防局長に伺います。
◎福井昭久 消防局長 軽症の救急搬送事例についての御質問でございますが、救急隊員からの聞き取り調査結果では、突き指や指先の切り傷、慢性的な関節痛、飲み過ぎによる気分悪化、日焼けによる痛み、救急車で行ったほうがすぐ診てもらえる、テレビゲームによる目の痛み、虫歯や親知らずによる歯の痛み、赤ちゃんの夜泣きなどの事例がございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 救急車を呼ぶ前に少し冷静な判断や相談する人がいなかったものかと感じます。そこで、救急車の適正利用の促進は、かけがえのない命を守るためには大変に重要な課題です。町会行事等でのチラシの配布やイベント開催時等を利用しての広報など、具体的な取り組みと今後の対応を伺います。
◎福井昭久 消防局長 救急車の適正利用についての御質問でございますが、救急車の適正利用のこれまでの取り組みといたしまして、救急車へのステッカーの貼付や、緊急度、重症度がわかりやすいようイラストを用いたチラシを作成し、応急手当講習、母親学級や防災イベント等において配布しているほか、JR川崎駅アゼリアビジョンや成人の日を祝うつどいにおいて、救急車適正利用動画の上映を行って啓発に取り組んできたところでございます。また、今年度からの新たな試みといたしましては、路線バスのつり下げチラシによる広報、等々力サッカー場川崎フロンターレホームゲームでのオーロラビジョンへの動画上映、通常走行中の救急車を活用した広報宣伝など、その充実に努めているところでございます。今後の対応といたしましては、新たに家庭でできる仮称救急自己診断ガイドをホームページへ掲載することについて関係局と協議を進めるほか、現在、国が平成24年度事業として3都市で実証検証を始めております、家庭でできる自己判断、救急電話相談、119番通報時・救急現場の各段階における緊急度判定の結果も踏まえながら、真に救急車を必要とする方々を選定する仕組みづくりの検討を進め、救急車の適正利用を促す需要対策につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 よろしくお願いいたします。
6月に新築開院した川崎幸病院は、8月から川崎市傷病者の搬送及び受入れ実施基準の受入医療機関確保基準の該当施設として指定されました。また、8月には新百合ヶ丘総合病院がオープンし、毎日救急車の搬入を行っています。整備が進む中で本市の救急車の現場滞在時間の改善がなされると仄聞しておりますが、今後の見通しについて伺います。
◎福井昭久 消防局長 救急車の現場滞在時間の改善等についての御質問でございますが、川崎市傷病者の搬送及び受入れ実施基準の第6号――受入医療機関確保基準でございますが、この基準は、救急隊によって医療機関への連絡が4回以上または現場滞在時間30分以上経過しても搬送先が決定しない場合、本基準を適用し搬送することができるようになったものでございます。この川崎幸病院では、運用を開始した8月一月で6号基準適用の受け入れ実績は32件となっており、さらに新百合ヶ丘総合病院につきましても、救急指定告示前の医療機関ではございますが、8月中に238件の救急車の受け入れに積極的に御協力をいただいているところでございまして、両病院とも運用を開始してから間もない状況でありますことから、改善状況を単純に評価することは難しいところではございますが、今後、現場滞在時間の一層の改善が見込まれるものと考えております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 ありがとうございます。
消防との連携で、8月から日本医科大学武蔵小杉病院でドクターカーが試行運行をしています。これまでの実績を消防局長に伺います。
◎福井昭久 消防局長 ドクターカーについての御質問でございますが、初めに、消防局と日本医科大学武蔵小杉病院ドクターカーが連携した試行運用を8月10日から開始したところでございますが、約1カ月間の運用実績では5件出場し、医師による医療処置が早い段階で行われたことで、5例中、心肺停止3例のうち2例の心拍が再開し、重篤な状態の傷病者2例が容体改善するなどの効果が上がっております。次に、今後につきましては、平成25年2月まで試行運用を行い、この間の検証結果を踏まえ、3月からの本格運用につなげてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 御答弁ありがとうございました。まだ2カ月とわずかな期間にもかかわらず、ドクターカーがあったから救われた命があり、本当によかったと感じるとともに、消防士やドクターの活躍に感謝をいたします。本格運行をよろしくお願いいたします。
次に移ります。11款1項区政振興費、区役所等窓口サービス機能再編事業について市民・こども局長に伺います。区役所サービス向上指針を改定し、窓口サービスの向上の取り組みを行っています。区役所サービスの理念の中には、市民と共感――市民が安心して話しやすい雰囲気をつくり、市民の話をよく聞いて受けとめます、ニーズの把握――市民が何を求めているのか、市民の話をよく聞いて引き出すことに努めますとあります。この理念の周知、目指す職員像への具体的な取り組みを伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 区役所サービス向上指針の取り組みについての御質問でございますが、区役所サービスのさらなる向上を図るため、昨年度、従来の指針を見直し、区役所サービスの理念や区役所サービス基準等の項目を追加するなどの改定を行い、今年度から新たな指針に基づく取り組みを推進しているところでございます。推進体制といたしましては、管理職から成る区役所サービス向上委員会を区役所ごとに設置しております。また、今年度における取り組みでございますが、改定後の初年度であることから、区役所サービスの理念を含めた新たな指針の周知を図るため、年度当初に説明会を実施したほか、その定着のため管理職や係長級の職員を対象とした研修会等を各区役所において順次実施しているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 現在、市民、区民の方が声を上げる手段として、市長への手紙、市民オンブズマンへの申し立て等があります。職員対応についての声には、長時間待たされた、説明がわかりにくい、電話をしても名乗らない、書類の書き方がわからず、わかるところだけ書いたら全然書けていないと言われ不親切だった等、寄せられています。区役所のサービス向上に向けて区民の声が大切です。各区役所に意見箱の設置をすべきですが、対応を伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 区役所サービスの向上に向けた意見箱の設置についての御質問でございますが、区役所に来庁された市民の皆様が窓口対応等に満足いただけたかどうかを把握し、改善につなげることは、サービス向上の取り組みを進める上で効果的であると考えており、これまでも市長への手紙やサンキューコールかわさきなどの広聴制度を通じていただいた御意見をサービス向上の取り組みの参考としてきたところでございます。既に来庁者向けの意見箱等を設置している区役所もございますが、サービス向上の観点から区役所サービスに関する御意見を伺う仕組みづくりに向け、区役所とともに検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 どうぞよろしくお願いいたします。
窓口に立つ職員にはさまざまな専門的な知識が求められ、質の向上が望まれます。市民の皆様に満足していただくとともに、そこで働く職員としての満足度も大切です。例えば、高齢者の方や障害のある方の中には目や手が不自由で代読、代筆を求める方もいます。情報支援員等の研修を受け技術を習得し、サービスを向上させるなど、具体的な取り組みを伺います。また、丁寧な言葉遣いや説明のわかりやすさ、さらにトラブルが起こったときの対応の仕方など、接遇能力の向上についての具体的な取り組みについて伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 高齢者等に対するサービスについての御質問でございますが、区役所においては、窓口に限らず、高齢者や障害のある方を含め、すべての市民の皆様に対し適切なサービスを提供することが求められており、その方の立場に立ったサービスを提供することが重要であると認識しております。そのため、各区役所におきましては、各種研修等を通じて接遇能力の向上に努めているところでございます。あわせて、平成23年度からは窓口の案内や必要書類の確認など、手続に関して気軽に質問していただけるようにフロア案内担当者を各区役所の区民課に配置しており、代読や代筆につきましても、状況に応じて直接または窓口職員へつなげるなどの対応に努めているところでございます。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 ありがとうございます。対応ができている窓口とそうでない窓口がある様子です。窓口サービスにおいて、どのように向上していっているのかをはかるために何らかの評価を行うことが必要と考えます。横浜市では、平成17年から毎年市民アンケートによる窓口サービス満足度調査を行い、評価をしています。具体的内容には、あいさつ、説明の様子、言葉遣いの丁寧さ、待ち時間等細かい項目で行い、平成17年度の「満足」は約42%だったのが、平成22年度には約68%に向上し、「やや満足」との評価と合わせると91%の方から高い評価を受けるまでに向上しています。本市においても、毎年、市民、区民からのアンケート調査による評価も行うべきですが、取り組みを伺います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 評価についての御質問でございますが、これまでも各区役所において、さまざまな方法で市民の皆様から御意見をいただいてきたところでございますが、区役所サービスの向上は市民の皆様に満足いただけるサービスを提供することを目的としておりますことから、より効果的なサービスの向上につなげるため、市民の皆様から評価をいただく仕組みづくりについて、区役所とともに検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 ありがとうございます。業務の質の向上、サービスの向上は単発的にでき上がるものではなく、向上したサービスの持続、さらなる向上が求められます。日々、月々、年々と向上し続けるため、ぜひ全区を挙げたアンケート調査評価を行い、向上するための評価を行い続け、川崎市の職員の方の対応は気持ちがいいと各所で声が上がる取り組みを要望し、次の質問に移ります。
5款7項5目環境衛生費、ねこの不妊去勢手術補助金について健康福祉局長に伺います。ねこの不妊去勢手術補助金、この制度の目的と取り組み状況について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 ねこの不妊去勢手術補助の目的等についての御質問でございますが、ねこの不妊去勢手術補助金交付事業は、動物の愛護及び管理に関する法律に基づく動物の適正管理の推進として、不妊去勢手術の普及啓発並びに猫に起因する生活環境被害を防止する目的で実施しております。本市におきましては、昭和49年度から一部中断を挟み、飼い犬と飼い猫を対象に実施してまいりましたが、平成19年度には補助の対象を飼い猫だけではなく、所有者の判明しない猫についても責任を持って世話している方がいる場合には対象にすることといたしました。また、手術を実施する指定獣医師の範囲を、平成17年度から市内だけでなく本市に隣接する市や区の動物病院の獣医師にまで拡大し、利用される方の利便性の向上を図っております。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 この補助制度はここ十数年間全額執行がなされています。毎年受け付け開始は5月ぐらいからですが、11月には予算額になり受け付けが終了するという現状です。この猫の不妊去勢手術ですが、野良猫を減らすため、地域のボランティアの方が猫の不妊去勢手術を受けさせている事例も多くあると聞いています。あるボランティアの方からは、この手術を受けるには、獣医さんによりますが、約1万円から2万5,000円ほどの費用がかかると聞きました。また、その猫を引き取り育てる猫の里親を探し、引き渡す際にはさらに猫の細菌検査などを受けさせるのに約3万円の費用がかかるとのお話でした。ボランティアとして取り組むには負担が大き過ぎるけれども、野良猫をなくすためには放置できず、取り組んでいるそうです。この猫の不妊去勢手術費助成ですが、横浜市は野良猫には6,000円、相模原市や厚木市は猫に4,000円の助成を行っています。本市においてもさらなる拡充を求める声がありますが、今後の対応を健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 今後の対応についての御質問でございますが、野良猫の不妊去勢手術は新たな野良猫をふやさないための重要な対策であり、近年、動物愛護センターに収容される猫の数が減少している一つの要因として、地域のボランティアの方々の御尽力もあるものと認識しております。助成金額につきましては、本制度をより多くの市民の方に利用していただくために、1頭当たりの助成金額を雌で3,000円、雄で2,000円とさせていただいております。一方で、飼い猫に対する終生飼養や屋内飼育、不妊去勢手術の実施など適正な飼養が普及徹底されることも必要でございますので、飼い主に対する適正飼養の普及啓発についてもさらに努めてまいります。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 猫の課題はさまざま寄せられています。本市ではねこの適正飼養ガイドラインを作成していますが、地域ねこ活動の基本ルールなど、その周知について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 地域ねこ活動の基本ルールなどの周知についての御質問でございますが、本市におきましては、猫に関する近隣間のトラブルの解消を目的として、平成17年に策定したねこの適正飼養ガイドラインを市のホームページに掲載するとともに、区役所窓口で配布し、地域ねこ活動の基本ルールについて広く市民の皆様に広報しております。また、猫に係る御相談を各区役所の保健福祉センター衛生課にいただいた場合には、職員がガイドラインに基づき、えさやりを実施している方に基本ルールについて説明しながら指導を行っております。さらに、昨年度3月にガイドラインを改訂いたしましたので、5月に全町内会連合会役員会においてガイドラインや地域猫についての御説明をさせていただきました。今後ともさまざまな機会をとらえ、市民の皆様への広報に努めてまいります。以上でございます。
◆河野ゆかり 委員 ありがとうございます。動物愛護の観点から、今後、環境改善を要望し、質問を終わります。
◆山田益男 委員 私は、個人市民税について砂田副市長、財政局長に、インフルエンザ予防接種事業について健康福祉局長に、一問一答で伺ってまいります。
まず、歳入1款1項1目、個人市民税について何点か伺います。平成23年度予算の課税見込みでは、市民税、個人市民税の納税者見込みを73万4,827人、課税調定額を1,097億8,259万円、収入見込み率を97.5%とし、収入見込み額を1,070億3,802万5,000円としていましたが、決算における納税者数について伺います。また、本市では政令市の中でも人口増加率が数年トップであるにもかかわらず、納税者数が余り変化をしていません。平成23年度予算調定額と決算収入済額について、納税者の動向を含め、どのように分析されているのか財政局長に伺います。
◎小林隆 財政局長 個人市民税の納税者数等についての御質問でございますが、予算計上における個人市民税の納税者数は、本市の人口動態に係る統計や厚生労働省等が公表しております毎月勤労統計調査などの数値を参考に、人口や所得の増減の影響等を勘案して見込んでおります。平成23年度当初予算におきましては、納税者数を73万4,827人と見込んだところでございますが、人口は増加したものの、課税対象となる人が少なかったことなどから、決算においては見込みを5,954人下回る72万8,873人となったところでございます。また、当初予算におきましては、現年課税分の収入額は収入率を97.5%とし、1,070億3,802万5,000円と見込んだところでございますが、決算におきましては、収入率が見込みを0.6ポイント上回る98.1%となったことなどにより、1,077億6,549万8,000円となったところでございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 見込みより6,000人、決算において納税者数が下回った、しかし収入率見込みを0.6ポイント上回ったために、予算よりも約7億円増の個人市民税があったということでございます。次に、個人市民税の納入に関して伺います。個人市民税は、毎年1月末日までに事業所から提出される給与支払い報告書により、特別徴収――これは納税義務者である個人から直接徴収し納付させるのではなくて、当該納税義務者が得る給与や公的年金を支払う事業者が税金等をかわって預かり、その徴収すべき税金等を納入させることを言いますが、これと普通徴収を区分し、おおむね5月中旬までにその特別徴収義務者に特別徴収税額の通知書を送った後、6月から翌年5月に支払う給与から通知書に記載された月割り額を差し引き、事業所ごとに市町村などに納付する仕組みです。本市の決算年度が毎年4月から翌年の3月ですから、4月、5月は前年度の徴収額となりますが、この差額はどのように調整されるのか伺います。また、平成23年度決算での調整差額と全体の算定税額における割合について伺います。
◎小林隆 財政局長 個人市民税における調整差額についての御質問でございますが、給与から特別徴収されている方の個人市民税については、6月から年税額の12分の1ずつを毎月徴収されますので、最後の2カ月の4月、5月分は市の収入としては翌年度のものとなります。したがいまして、個人市民税の予算額の算定に当たりましては、年間の算定税額に前年度から繰り越される2カ月分を加えると同時に、翌年度に繰り越す2カ月分を差し引いております。この繰り越される額と繰り越す額の差額が前・翌年度の調整差額でございます。平成23年度決算におきましては、平成22年度から繰り越された額は平成22年度算定税額に対する割合が11.5%の126億2,521万8,000円、平成24年度へ繰り越した額は平成23年度算定税額に対する割合が11.6%の127億1,277万1,000円となり、調整差額はマイナス8,755万3,000円となったところでございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、市民税の減免について伺います。個人市民税の減免を受けられる場合はどのような理由のときに受けられるのか、減免割合を含め伺います。
◎小林隆 財政局長 個人市民税の減免理由とその割合についての御質問でございますが、個人市民税の減免につきましては、市税条例第34条及び同条例施行規則第8条等におきまして、災害に遭ったときや死亡したときなど納付が困難と認められる場合には、その状況に応じて減免を受けられることとし、その理由ごとに割合を定めております。震災や風水害などの天災及び火災や交通災害などの人為的災害を受けたときで、納税者が所有する家屋または家財が被災した場合は被災の状況に応じて8分の1から全額まで、納税者が死亡した場合は全額、納税者が特別障害者となった場合は10分の9の割合としております。次に、勤労所得者が退職またはけがや病気による休廃業などにより所得が減少し、前年の合計所得金額が一定の金額以下の場合は、所得の減少の程度に応じて10分の2から全額までとしております。次に、勤労所得者が死亡し、前年の合計所得金額が一定の金額以下の場合は、前年の所得に応じて10分の4から全額までとしております。次に、生活扶助を受けている場合、所得金額が市税条例施行規則で定める金額以下の少額所得者の場合及び学生または生徒で同規則に定める所得の内容の場合は全額としております。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、平成23年度決算における全額減免のうち、納税者が死亡した場合、生活扶助を受けている場合、少額所得者の場合、学生または生徒の場合について、その対象人数を伺います。
◎小林隆 財政局長 個人市民税において全額が減免の対象となった人数についての御質問でございますが、平成23年度におきましては、納税者の死亡によるものは150人、生活扶助の受給者は313人、少額所得者は763人、学生または生徒は4人でございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、居住期間に関連して、外国航路に勤務をする日本人船員に対する個人住民税の減免について伺います。外国航路に勤務する日本人船員は、長期間にわたる海上労働を通じて国民生活を支えるという極めて重要な役割を果たしているわけでありますが、これらの勤務形態の特殊性により継続して日本に居住をしていない期間が長期にわたるため、地方公共団体の住民サービスの享受が制約されている現状にあります。これら1年のうち大半を船の上で生活する船員の住民税減免制度導入については、過去から多くの要望が出されてまいりましたが、平成元年8月1日付の自治省税務局市町村税課長の内簡――これは行政機関において必要な事項を伝達するために国から地方自治体に対して送付される文書のことを言いますが、この内簡により、単に1年以上海外に出漁していることをもって個人住民税を非課税にしたり、一たん納付された住民税を還付したりすることのないようにとの内容で地方自治体は指導され、現実的には実現に至っていないこととなっています。しかし、平成23年11月25日に開催されました税制調査会の席上、福田総務大臣政務官から、平成元年における先ほどの内簡は地方団体に対する助言にすぎず、拘束力を持たないものである、不均一課税については地方税法にのっとって各自治体の判断で可能であると表明をされました。このことは全国の自治体に対してお知らせをすると述べておられます。外国航路に勤務をします日本人船員に対しての個人市民税の減免については、船舶に乗り組んだ期間を考慮した上で、地方自治体の自主的な判断にゆだねられるとされているわけであります。昨年の東日本大震災以降、船舶運搬の重要性が再認識されるとともに、国際コンテナ戦略港湾にも指定されている川崎港を有する本市として、これら船員に対する個人市民税の減免制度導入についてのお考えを砂田副市長に伺います。
◎砂田慎治 副市長 個人市民税の減免についての御質問でございますが、個人市民税の減免につきましては、地方税法に基づき、税負担の公平の見地から見て、減免が相当とされる強い公益性があるものに限り行うこととされているところでございます。したがいまして、他の同程度の所得の納税者との均衡を失することがないよう、客観的に見て担税力が著しく喪失している者に対して行うことができるものであり、外航船員など特定の者について一律に判断すべきものではないと存じます。また、不均一課税につきましても、法人市民税における中小企業等の負担の軽減のように、一般の税率と異なる税率で課税することが広く住民一般の利益を増進すると認められる場合に限って行われるべきとされておりますので、特定の者について異なる取り扱いをすべきものではないと存じます。港湾の振興は、貿易立国である日本の経済、産業や市民生活を支える上で重要であると認識しており、川崎港を含む京浜港は、国際コンテナ戦略港湾として重要な役割を担っているところでございますが、市税の取り扱いにつきましては、他の納税者との均衡など税負担の公平性に配慮し、適切に対応してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆山田益男 委員 ただいま答弁をいただきました。市民税の減免については、一般的には地方税法の規定に適合していることが必要であり、税負担の公平の見地から見ても、減免を相当とする程度の強い公益性があることが条件であると思います。このことに関しては国が実態に合った地方税法の改正をしていくのが本来の姿だと思いますが、外航船員につきましては長期間にわたる海上労務という勤務形態の特殊性から、継続して日本に居住していない期間中は、行政サービスの受益が制約されているという状態は指摘をしておきたいと思います。国土交通省におきましても、船舶に乗り組んだ期間が6カ月以上である船員に係る個人市民税について、海外で乗船している期間を反映した課税となるよう見直すことが必要であるとの税制改正の要望が行われていると仄聞しています。このような状況を踏まえ、外航船員の個人市民税の課税については、長期の海外出張など他の同様のケースも含めて、市民税の応益的な性格の面から法的整理を行っていただくよう要望いたします。
次に、インフルエンザの予防接種事業について健康福祉局長に伺います。先ほど河野委員からもありましたので少し重複いたしますが、歳出5款7項3目のインフルエンザ予防接種事業費2億9,000万円弱の決算となっていますが、この事業内容について法律的な位置づけ、具体的な事業内容及び予防接種を受ける義務等について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 インフルエンザ予防接種事業についての御質問でございますが、インフルエンザは予防接種法の二類疾病として位置づけられ、対象者は65歳以上の方及び心臓等に障害1級程度の機能障害のある60歳から64歳の方となっており、平成23年度は流行期前の10月1日から12月31日まで予防接種事業を実施いたしました。予防接種法の一類疾病がその発生及び蔓延を予防することを目的としているのに対しまして、二類疾病の予防接種につきましては、主に個人の発病またはその重症化を防ぐために行うものであることから、一類疾病の予防接種には努力義務が課せられているのに対し、二類疾病の予防接種は対象者の希望によるものとされているところでございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、先ほど一部答弁をいただきましたけれども、平成23年度の全市の予防接種事業の対象者数及び予防接種を受けた方の数、また、区別の対象者数と予防接種を受けた方の数について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 平成23年度の対象者数及び被接種者数についての御質問でございますが、平成23年度の本市における65歳以上の人口はおよそ23万8,000人であり、そのうち9万9,000人ほどの方が接種し、接種率にして約42%となっております。区別に見ますと、川崎区が対象者約4万4,000人に対しまして接種者が約1万8,000人、以下同様に、幸区約3万人に対し約1万3,000人、中原区約3万2,000人に対し約1万6,000人、高津区約3万2,000人に対し約1万4,000人、宮前区約3万5,000人に対し約1万2,000人、多摩区約3万3,000人に対し約1万3,000人、麻生区約3万1,000人に対し約1万3,000人となっております。以上でございます。
◆山田益男 委員 割合でいきますと34%から、また高い区では50%とのことでございます。次に、本市が発行している案内リーフレットによれば、この事業の条件として御本人が接種を希望していることとあります。その確認方法はどのようにするのか伺います。また、御本人の接種希望が確認できない場合は、御家族が接種を希望されても公費負担で接種することはできませんとの記述もありますが、御本人の意思が確認できれば代理で手続をすることができるのか、その方法も含め伺います。
◎木村実 健康福祉局長 接種意思の確認及び代理人での手続方法等についての御質問でございますが、予防接種法に基づく予防接種につきましては、接種を受ける前に説明書を読む、または医師から説明を受けることにより、予防接種の効果、副反応及び予防接種健康被害救済制度について理解した上で、みずからの意思と責任で接種を希望する場合に接種を行うこととされております。接種意思の確認につきましては、予防接種予診票の中の接種希望欄に被接種者本人が署名することにより行っておりますが、何らかの事情で御本人が接種を希望していても署名できない場合には、接種希望の意思確認ができれば、署名については御家族による代筆が可能でございます。なお、代筆できる御家族がいない場合は、あらかじめ接種をする前に区役所または市役所の担当部署に御連絡をいただき、個別の状況により御相談に応じているところでございます。このことにつきましては、医療機関を対象とした説明会においても御説明しており、接種医への周知を図っているところでございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 予防接種については、できるだけ多くの方に接種していただくことが本来の目的であると思いますが、この本人の意思確認についてこのように厳格に運用されるのはなぜか、その背景について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 本人意思確認の背景についての御質問でございますが、御本人の意思確認に関しましては、予防接種法及び予防接種実施規則において、予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者またはその保護者に対して、予防接種の効果及び副反応について当該者の理解を得るよう適切な説明を行い、文書により同意を得なければならないと規定されておりますことから、このような対応となっているものでございます。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、全額公費負担の場合の条件及びそのことを証明するための必要書類、また接種時にはどのような注意事項があるのか伺います。
◎木村実 健康福祉局長 自己負担金免除等についての御質問でございますが、本市におきましては、高齢者インフルエンザ予防接種については自己負担金1,500円を徴収しておりますが、生活保護世帯、市県民税非課税世帯の方などは自己負担金を免除としております。必要な証明書類として、その年度発行の生活保護決定通知書または被保護証明書、8月以降に発行された介護保険料納入通知書、市民税・県民税非課税証明書などを医療機関の窓口で提示していただいております。また、接種を受けるときの注意事項といたしましては、健康保険証など本人確認ができるものを持参していただくようお願いしております。以上でございます。
◆山田益男 委員 次に、歳出5款8項公害保健費にもインフルエンザ予防接種助成事業費として152万円余の決算となっていますが、この事業費の内容について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 公害保健費のインフルエンザ予防接種助成事業についての御質問でございますが、本事業は、川崎市における公害保健福祉事業に係るインフルエンザ予防接種費用の助成要綱に基づき、住所地や年齢を問わず、本市が認定しているすべての公害病被認定者を対象として、インフルエンザ予防接種を受けた場合の自己負担分の費用について全額を償還払いで助成しております。財源は、独立行政法人環境再生保全機構からの公害保健福祉事業費納付金が4分の3、残り4分の1が市の一般財源でございます。平成23年度におきましては、対象者数は1,583人、助成実績は546人でございまして、決算額は152万3,320円、その内訳といたしましては、自己負担分に係る助成費が129万1,065円、その他の事務費が23万2,255円となっております。以上でございます。
◆山田益男 委員 今回の確認をさせていただきましたきっかけは、高齢者の方から、インフルエンザの予防接種を一部自己負担で受けられるのは大変ありがたい、自分でサインできないと高いお金を払って接種を受けなければならない人がいるのは仕組みとしておかしいのではないかという疑問の声を伺ったことによります。平成6年10月の予防接種法改正の解説によれば、予防接種の重要な役目を確認しつつ、近年、生活環境の改善や衛生水準の向上、あるいは医療技術の進歩によって重篤な感染症の発生は少なくなってきており、まれにではあるが、予防接種の副反応によって健康被害をこうむることがあり、予防接種に関する正確な情報の提供や安全な予防接種を実施するための体制の整備、予防接種による健康被害者に対する救済措置の充実などがより強く求められるようになったこととされています。改正の要点は、従来、予防接種については、市町村に対して実施する義務、国民に対して接種を受ける義務が定められていましたが、国民の義務については、予防接種を受けるよう努めなければならないと改められたことです。強制的な義務接種ではなく、努力義務であることが法文上も明記されました。このことから、予防接種法による取り扱いについては、本人が接種を希望していることが大前提の市町村長が行う勧奨接種と、全額自己負担による医療行為の一つとして行う任意接種のみとなったわけであります。しかし、新型インフルエンザ対応の際は全国民が対象であるにもかかわらず、あくまでも本人希望の原則を崩さなかったことや、例えになりますが、同じ特養ホームでも意思確認の差により法的接種を受けられる人とそうでない人が出てしまうなど、実施現場の課題としてじくじたる思いも感じていると伺っております。本市独自での改善要望は難しいのかもしれませんが、同じ思いを持つ自治体が共同して課題解決のための意見提言を進めていただくよう要望して、質問を終わります。
◆斉藤隆司 委員 私は、まず最初に、まちづくり局長に区画整理事業について、経済労働局長に商店街支援と農業生産者支援について、そして建設緑政局長に生田緑地について、一問一答で伺っていきます。
まず、まちづくり局長に登戸土地区画整理事業についてです。昨年度の建物移転件数は21棟で2010年度より10棟少なく、移転した建物は全体の48.7%で、道路築造は8月末までで全体の44%となりました。2011年度移転棟数が減った理由についてまず伺います。
◎金子弘 まちづくり局長 登戸土地区画整理事業についての御質問でございますが、建物移転棟数についてでございますが、これまでは住宅地を中心に建物移転を進めてまいりましたが、昨年度は商店街を中心とした建物移転を進めたところでございます。商店街におきましては、土地の所有者、借地権者及び借家権者の権利関係がふくそうしてございまして、建物等移転補償の内容のみならず、移転先の選定、移転後の生活設計などさまざまな課題があり、これらを総合的に調整し解決する必要があったことから時間を要したところでございます。また、地区内には大規模なマンションが所在し、その移転には多くの権利者全員の合意形成が必要なことから時間を要したところでございます。これらの結果、平成23年度に移転予定の建物33棟のうち年度内に21棟の建物移転が完了し、残りの12棟につきましてもことし7月末までに建物移転が完了しております。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 今後、事業は小泉橋周辺、都市計画道路1号線、3号線周辺から登栄会商店街、東通り商店街へと進んできます。この事業、まちづくりを商店街の活性化へどのようにしてつなげていくかが大きな課題となっています。現在の商店街の道路幅、形状は、商店街を発展させ、にぎわいのあるまちにしていこうということで、権利者との合意を基本に事業の設計に取り入れられました。商店街への支援、活性化などの対策について伺います。また、商店街の方々から出されている要望などは実現できているのか伺います。
◎金子弘 まちづくり局長 登戸土地区画整理事業における商店街への支援、活性化についての御質問でございますが、登戸土地区画整理事業において都市基盤の整備とともに地域の拠点となる商店街の活性化に対する支援が必要と認識しておりまして、商店街の街並み形成に向けたルールづくりの支援や景観に配慮した道路空間整備など、商店街の活性化に資する取り組みを進めるとともに、コンサルタント派遣など関係局とも連携を図りながら、商店街の活性化に向けた支援に取り組んでいるところでございます。また、商店街の方々からの御要望につきましては、事業に対するさまざまな要望を受けているところでございますが、建物の移転期間中の補償として仮設店舗での営業を希望される方につきましては、商店街の機能を維持し、にぎわいを保持しつつ事業を進めるため、新たに仮設店舗を設置するなどの対応を行っております。今後とも商店街の方々からの御要望につきましても可能な限り対応してまいります。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 弱小権利者についてです。商店街の方からは、事業が進んでも仕事は続けたいと言われます。借家権者の場合、建物が壊されず、そのまま換地に移転した場合は借家権は継続されます。再築工法で移転した場合や建物を壊さなければならなくなった場合など、建物の建てかえというケースになったら、大家さんと借家権者との話し合いということになります。しかし、移転工法を認定するのは施行者です。施行者の決定で利用状況の維持ができなくなり、借家権が消滅してしまうのではないでしょうか、大変心配されています。大家さんと借家人との契約関係などをどうするか、施行者は責任を持って対応すべきです。調整に積極的に取り組むべきですが、伺います。
◎金子弘 まちづくり局長 借家の継続についての御質問でございますが、建物移転に伴う借家の継続などにつきましては、建物所有者と借家人との話し合いで決めていただくものでございますが、その交渉が難航している場合などにつきましては、区画整理事業における無料の法律相談や不動産相談なども御活用いただきながら、施行者としても積極的に調整に努めてまいります。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 弱小権利者対策についてですが、この事業の初めには、区画整理を進めればすっきりとした街並みができて地域が発展し、みんなの利益になるということで、多くの権利者と活気あるまちづくりを目指して議論などを進めてきました。今、事業は商店街の中心まで来ました。移転も行われています。商店街での事業を進めていく上で借家人への対策が重要で、避けて通ることができない課題です。現在の要綱では、現状の地主さんが借家契約を継続しない場合は仮設店舗の利用はできないと聞いています。しかし、このままでは商店街への進捗が図れず、事業はおくれるばかりです。借家人の問題を解決していかなければいけないと考えますが、見解を伺います。商店街の活性化のために関係局との連携をさらに具体的に強めるべきですが、伺います。以上です。
◎金子弘 まちづくり局長 仮設店舗などについての御質問でございますが、仮設店舗の使用につきましては、登戸土地区画整理事業用仮設住宅等使用要綱に基づき管理運営を行っておりまして、入居の条件として、従前の借家人が新たな換地先の店舗に入居することが確実な場合で、借家人が移転期間中の仮店舗などを探すことが困難な場合に入居できることとなっております。しかしながら、今後、商店街での移転交渉を進めていく中で建物所有者と借家人との交渉が難航し、借家人の移転先が決まらない場合などは、区画整理事業の進捗に支障が生じることも考えられますので、今後、仮設店舗のより有効な活用が図れるよう先進都市の事例なども調査してまいります。また、商店街の活性化に向けた関係局との連携についてでございますが、今後、区画整理事業のほか、商店街の振興に資する情報交換を行うなど関係局と連携を密にしてまいります。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 答弁をいただきました。借家人の問題についてはこれから調査していくと答弁されました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
続いて、経済労働局長に伺います。川崎市は平成23年3月に商店街実態調査及び課題解決支援事業報告書を出しています。川崎市民1,713人から回答を得た消費者行動実態調査によれば、住んでいる地域で不便なことや気になる点について全体で22.1%が「日常の買い物に不便」を挙げています。特に麻生区31.6%、高津区28.3%においてその割合が高く、多摩区23.9%、宮前区23.6%は全体平均より高い地域になっています。そしてその理由に、23.4%が「品ぞろえが少ない」、22.5%が「店舗数が少ない」ことを挙げています。「店舗数が少ない」ことは麻生区では30.6%となり、麻生区、宮前区、高津区においては「店舗数が少ない」ことが第1位の指摘順位になっています。川崎市のまちは商業的に見て日常生活の買い物に不便な地域が大きく広がっていることが調査結果から浮き彫りになっています。住む家の近くで日常的に買い物をすることが不便な住みにくいまちになっていくのではないでしょうか、見解を伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 消費者行動実態調査についての御質問でございますが、本調査につきましては、川崎市民5,000人を対象に市民の買い物に関する現状、特性を把握するとともに、地域商店街の利用実態や意向等を把握し、今後の商業振興策を検討する上での基礎資料とするため、平成22年11月にアンケート調査を実施したものでございます。調査におきまして、住んでいる地域で不便なことや気になる点という設問に対して、全体の22.1%が「日常の買い物に不便」を挙げておりますが、一方、不便なこと、気になる点は「特にない」と回答した方が全体で30.8%と最も多い上、本調査の品目のうち「生鮮食品」や「加工食品」「パン・菓子類」「日用雑貨品」の最寄り品の地元購買率はほぼ80%を超えております。また、これらに「衣料品・服飾品」や「贈答品・プレゼント品」など6品目を含めた10品目の平均地元購買率は67.4%となっておりまして、多くの市民の皆様が市内で買い物をしていただいていると認識しているところでございます。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 調査員が商店街を中心とする商業集積エリア255エリアを現地踏査した商店街等業種構成調査の結果について次のように述べています。営業店舗ベースで見てみると、川崎駅周辺の超広域拠点及び小杉駅周辺等の広域拠点の2つのタイプは、それぞれの合計で前回調査時より465件、395件の増加となっている、川崎駅周辺の東と西の超広域拠点の2地区は特に物販の店舗増が見られる、川崎駅周辺や小杉駅周辺、溝口駅周辺、新百合ヶ丘駅周辺など、ほかのタイプの拠点の営業店舗はいずれも減少しており、中でもコミュニティ拠点は住民に最も身近でコミュニティの核となる商業集積エリアのことですが、1,000件を超える減少となっています、鉄道駅に近接する公共交通の利便性の高いエリアである地域拠点は幸区合計と麻生区合計の2つでプラスでありますが、コミュニティ拠点はいずれの区も合計値が減少、特に川崎区合計が434件、幸区合計が288件減となっていると述べています。川崎駅周辺や小杉駅周辺などの超広域拠点、広域拠点の商店はふえても、その他の地域では商店が激しく減少しているだけでなく、その拠点地域の隣の地域でも減少していると述べているわけです。まちなかの商店街、コミュニティ拠点への支援を強めるべきですが、伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 コミュニティ拠点型エリアについての御質問でございますが、高齢社会が進む中で、駅から離れた地域に立地するコミュニティ拠点型エリアの商店街がコミュニティの核として活力ある商業集積を形成することは、豊かな地域社会を実現する上で重要であると認識しております。平成20年度に策定した川崎市商業振興ビジョンでは、商業集積エリアを立地の特性や性格づけなどを基本に、超広域拠点型、広域拠点型、地域拠点型、コミュニティ拠点型、テーマ型の5つに分類し、それぞれの地域特性に応じた取り組みを推進しているところでございます。このうち平成23年度のコミュニティ拠点型エリアの事業実績といたしましては、商店街魅力アップ支援事業において、桜本商店街振興組合がおいしいキムチを集めたキムチグランプリとあわせて実施した日本のまつりや、向ケ丘地区の複数の商店街が平瀬川の流域でまちづくりにかかわるさまざまな地域団体と連携して実施した七夕サミット、新ゆりグリーンプラザ商店会が初めて大学生のインターンシップと連携して実施した歳末大売出しイベントなどがございます。さらに、エリアプロデュース事業におきましても、日吉エリアにおきまして南加瀬原町商店会と小倉商栄会でデジタル地図を活用したスタンプラリーを導入し、商店街同士の回遊性の向上を促進する取り組みを実施いたしました。本市といたしましては、こうした商店街の創意工夫ある取り組みを推進することで、コミュニティ拠点型の商店街も含めた市内商店街の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので、引き続き商店街魅力アップ支援事業やエリアプロデュース事業などを活用し、積極的に支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 答弁では、全体の22.1%の市民が日常の買い物に不便を感じているけれども、不便なことや気になることが「特にない」と回答した方が30.8%いるなどを挙げて、多くの市民が市内で買い物をしている、だから問題ないと言わんばかりの答弁でした。本当にこのような認識でいいのでしょうか。22%以上もの市民が日常的買い物に不便を感じていると訴えることが問題視されるべきです。日常的な買い物は川崎市商業振興ビジョンで言うところのコミュニティ拠点型エリアで行われているのですから、日常の買い物に不便を感じさせている原因である店舗数が少ないという問題は、コミュニティ拠点型エリアの商店街の問題なのです。市はコミュニティ拠点型エリアに商店街魅力アップ支援事業やエリアプロデュース事業を行っていると言いますが、さきにも指摘したように、コミュニティ拠点型エリアでは店舗数を大幅に減少させているのが実態で、その店舗の減少を食いとめることができていません。そのことが日常の買い物に不便を感じる地域を広げているとの認識に立って、コミュニティ拠点型エリアの商店街への支援を予算措置も含め抜本的にふやすことが必要と考えますが、伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 コミュニティ拠点型エリアの商店街への支援についての御質問でございますが、川崎市商業振興ビジョンで定めたコミュニティ拠点型エリアの方向性といたしましては、生活者に最も身近でコミュニティの核となる商業集積の形成を図ることを目標に掲げ、暮らしに必要な買い物のできる商店街の維持強化と、多様なネットワークによる地域課題の解決を取り組みの中心課題としているところでございます。このビジョンに基づき、高齢社会における暮らしに必要な買い物の場として、空き店舗の活用による商店街の再生、イベント実施による集客力の回復とにぎわいの定着、高齢者支援や子育て支援グループとの連携による地域の実情に応じたコミュニティ機能の強化などを目指して、空き店舗活用・創業支援事業、商店街魅力アップ支援事業、地域課題解決型コミュニティビジネス支援事業などを展開しているところでございます。また、こうした事業にあわせまして、商業アドバイス事業による専門家派遣や川崎商工会議所が設立いたしました街おこし協力隊による商店街に密着した活性化への取り組み、地域特性やテーマに応じてプロデューサーを派遣するエリアプロデュース事業などにより、今後も商店街の発意や創意工夫を促し、私ども職員もその一員として加わりながら、商店街とともに考え、関係機関とも連携して商店街支援に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 ただいまの答弁で、局長を初めとして職員の皆さんが一丸となって商店街とともに考えて支援していくという答弁をいただきました。大変力強い答弁で、商店街の皆さんにも大きな励ましになるのではないかと思います。
それでは続いて、農業支援策についてです。かわさき産業振興プラン新実行プログラムで川崎の農業について、市民に新鮮、安全・安心な農産物を供給するとともに、土・緑の空間、防災、レクリエーション等多面的な機能を有する農業、農地の重要性は高まっているということで、都市農地の保全活用を推進していくとしています。農産物の自給率向上と農業再生に向けた取り組みには強い関心が寄せられていますが、しかし、本市の市街化区域内農地面積でも、2000年の580ヘクタールから2010年にはこの10年間で456ヘクタールと減り続け、大変な事態になっていると考えます。特産物である多摩川梨の登録生産面積は2000年約37ヘクタール、登録農家数153件から、10年後の2010年で登録生産面積約33ヘクタール、登録農家数は132件にまで落ち込み、生産量が不足している状況になっています。農地、農産物の減少にストップをかけて、農業従事者の方々が希望を持って生産活動に携わっていけるように、あらゆる対策、支援が必要だと思います。今問題になっているのは自然災害などによる農作物への被害です。その被害について伺います。ことしは5月に3回もひょうの被害がありました。自然災害などによる被害について伺います。被害を受けた生産者への支援などはどのように行われてきたのか伺います。以上です。
◎伊藤和良 経済労働局長 農業支援についての御質問でございますが、本市におきましては、かわさき「農」の新生プランに基づき、市内に残された貴重な農地を活用した都市農業の振興と、地産地消による市民への安全・安心な農産物の提供など、川崎の農業振興を進めているところでございます。初めに、自然災害などによる被害についてでございますが、特に被害がありましたのは、ことし5月上旬から中旬にかけて3回にわたり発生しました降ひょうによるものでございまして、市内農産物に多くの被害が発生しております。JAセレサ川崎の調査によりますと、被害を受けた農家数といたしましては、果樹を初め野菜、花卉など178戸に及んでいるとのことでございます。次に、被害農家への支援についてでございますが、被害の報告を受け、5月30日にJAセレサ川崎、生産者、本市によるひょう害対策会議を開催し、降ひょうによる被害状況、対応策等について協議を行い、本市といたしましては、ひょう害による病害対策、生産量確保等に向けた技術的な指導を行ってきたところでございます。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 さらに、深刻な事態になっております鳥獣被害についても状況と対策について伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 農産物の鳥獣被害についての御質問でございますが、神奈川県の調査によりますと、本市の農産物に対する鳥獣被害はここ数年横ばい傾向にありますが、比率で見ますと6割以上がハクビシンによる食害となっております。本市では有害鳥獣による農産物の被害を防止するため有害鳥獣駆除事業を実施しており、実施主体であるJAセレサ川崎に対して助成を行っているところでございますが、ハクビシンにつきましては、JAセレサ川崎が捕獲許可を取得した後、わなを農業者に貸し出し、捕獲し、処分するという対応を行っております。今後も鳥獣被害について農業者からの情報収集や被害対策についての啓発を進め、JAセレサ川崎や農業者と連携しながら効果的な駆除に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 被害を受けた農産物への補償は行うべきではないでしょうか。出荷奨励金の引き上げ、所得補償や価格保証などの導入を図り、安定した経営が継続できるような対策を立てるべきですが、伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 被害を受けた農産物への補償等についての御質問でございますが、ひょうなどの自然災害や鳥獣による農産物被害の補償につきましては、神奈川県農業共済組合による共済制度がございますので、この制度への加入をJAセレサ川崎と連携し、農業者に対し周知しているところでございます。また、伝統的特産物である多摩川梨につきましては、これまで多摩川ナシ保存奨励事業などにより生産者の支援を行ってまいりましたが、ひょう害あるいは鳥害などに備える多目的防災網の設置などの施設整備につきましては、川崎市農業生産緑地等振興事業などの制度により農業者の支援を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 答弁をいただきました。農業共済組合に入っている加入者が余りにも少ないので、ぜひともこの共済制度についてJAと一緒になって周知していただくよう要望しておきます。
生田緑地について建設緑政局長に伺います。生田緑地は1941年、川崎市都市計画緑地第1号として計画決定され、用地の取得や施設の整備などが進められてきています。昨年度は中央広場の整備や藤子・F・不二雄ミュージアムが完成するなど、生田緑地の魅力ある自然資源とあわせ、市民の憩いの場となっています。生田緑地運営の基本的な考え方に示されていますが、今後、緑地内での用地取得はどのように進められていくのか、計画について伺います。現在179.3ヘクタールに上る緑地と民有地の緑地内の境界の管理が必要だと考えますが、伺います。また、雨水の民有地への流入や危険ながけの点検管理などは行われているのか伺います。
◎大谷雄二 建設緑政局長 生田緑地についての御質問でございますが、初めに、生田緑地の用地取得につきましては、平成23年度末におきまして都市計画決定区域の面積179.3ヘクタールのうち約72%の用地を取得しており、事業区域内におきましては68.3ヘクタールのうち約94%の用地を取得しているところでございます。今後におきましても、事業区域内の用地取得を優先してまいりたいと存じます。次に、民有地との境界の管理についてでございますが、今後とも区役所と連携し、越境している樹木の剪定など適切な管理を行ってまいりたいと考えております。また、民有地への雨水の流入や斜面地の点検管理などにつきましては、隣接する住宅の安全の確保を図る上でも重要であると認識しておりますので、順次擁壁や排水処理の整備を行うとともに、斜面地の樹木管理等を適切に行い、安全対策に努めているところでございます。以上でございます。
◆斉藤隆司 委員 答弁ありがとうございました。ぜひこの生田緑地の管理を適正にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。以上で終わります。
◆鏑木茂哉 委員 それでは、公共建築物の耐震化事業に関連して本庁舎の耐震対策についてを総務局長に、ミューザ川崎シンフォニーホールの協賛金について市民・こども局長に、それぞれ一問一答で質問させていただきます。
まず、公共建築物の耐震化事業に関連して本庁舎の耐震対策についてですが、昨年の3・11以来、市民の防災、減災に対する意識の高揚は圧倒的な広がりを持って、組織の末端に至るまで、いざというときの危機管理体制の新たな構築を望むようになりました。発災すると直ちに災害対策本部を市長を本部長として、さらには各区においても区長を本部長として立ち上げるようになっておりますが、それぞれの対策本部が手際よく機能することが重要であるわけですが、シミュレーションを確立し訓練を繰り返すことが必要になります。そのためには災害対策本部中枢の人的確保は必須であります。最近の報道によりますと、神奈川県は現在、民間の設計会社に庁舎の強度などの調査を委託しており、昭和30年建設の分庁舎と昭和41年建設の新庁舎について、震度6クラスの地震を想定した場合、継続使用には大規模な補強が必要との中間報告を受けたとのことで、県では年内に最終報告を受け、県庁舎の耐震対策について基本構想案を取りまとめる方針だということであります。また、東京都新宿区は昭和41年に建設された区役所本庁舎について、震度6強の地震で倒壊、崩落のおそれがあることから、免震工事により耐震補強する方針で、詳しい調査、設計をした上で再来年には工事を始めたいとしています。さらには、千葉県市原市では昭和47年建設の議会棟について、もともと改修計画があったとのことでありますけれども、調査により耐震強度上危険な状態にあることが判明し、定例市議会の初日、傍聴席を閉鎖し、議員や市幹部がヘルメット持参で出席する事態となり、今後、対応策を検討するということであります。
そこで伺いますが、本市の公共建築物の対策については、平成7年の阪神・淡路大震災以降、各公共施設の耐震診断を行い、耐震改修促進計画や耐震対策実施計画を策定して対策を進め、平成27年度までの完了を目指しているとのことですが、本庁舎及び第2庁舎については緊急対策工事を行ったものの、倒壊の危険性が低いとされるCランクの強度にはいまだ至っていないと聞いております。昨年の東日本大震災には庁舎の揺れが大きく、壁面のクラックや天井の落下などがあり、大変不安な思いをしました。そこで、本庁舎及び第2庁舎の耐震対策について、これまでの取り組み経過について伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 本庁舎及び第2庁舎の耐震対策の取り組み経過についての御質問でございますが、本市では平成19年4月に川崎市耐震改修促進計画を策定し、平成27年度までの耐震化完了を目指して、公共建築物の耐震対策を計画的に実施しているところでございます。本庁舎及び第2庁舎につきましては、平成20年度までに緊急補強工事を実施いたしまして、耐震性能の低いAランクからBランクへと向上を図りましたが、構造耐震指標であるIs値0.6以上の震度6強から7程度の震動が発生した場合に倒壊し、または崩壊する危険性が低いとされますCランクの耐震性能が確保できていないことから、抜本的な対策が必要でございまして、耐震対策基本方針の策定に向けまして、平成23年7月に関係局長を委員とする本庁舎等耐震対策検討委員会を設置いたしました。平成23年度の委員会におきましては、平成24年度中に耐震対策基本方針案を策定することを確認し、必要な予算措置等を行いまして、現在、調査検討作業を進めているところでございます。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 先ほど紹介したとおり、神奈川県では年内に調査委託先からの報告を受け、県庁舎の耐震対策について基本構想案を取りまとめる方針だと報じられております。現在の市庁舎の課題として、民間ビルなどに本庁機能が分散している状況が挙げられます。日常業務はもとより、災害発生時の応急対策を効率的に行うためには分散化の解消も必要であります。一例を挙げましたが、これ以外にも現在の市庁舎の課題はあると考えます。本市においては検討委員会を設置して検討を行っているとのことですが、本庁舎及び第2庁舎の耐震対策について現在どのような検討を行っているのか、その具体的な内容と進捗状況について伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 進捗状況等についての御質問でございますが、検討委員会での検討内容でございますが、庁舎の耐震補強策はもとより、庁舎老朽化に伴う施設機能の低下や維持管理経費の増大、庁舎の狭隘化、分散化による効率性低下や賃借料負担など、現庁舎におけるさまざまな課題を抽出するとともに、市庁舎に求められる規模や防災対策機能の確保、高度情報化社会への対応、環境配慮対策、ユニバーサル対策、セキュリティ対策などといった機能や要件についても整理した上で、将来展望も踏まえさまざまな耐震対策の手法を想定し、幅広く検討を行っております。また、あわせて耐震性能をCランクに向上するための耐震補強工事を行う場合の工法、工期、概算の工事費用等について、9月末を目途に、現在、専門業者による調査を行っているところでございます。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 いつもそれぞれ皆さんも認識しておりますけれども、地震はいつ起きるかわかりません。東日本大震災で明らかになりましたように、復旧・復興のためには市役所機能の維持確保が重要です。早急に耐震方針をまとめるべきと考えますが、今後の対応について伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 今後の対応についての御質問でございますが、9月末に予定されております耐震補強調査の結果を踏まえまして、庁舎分散化や災害時の市役所機能の維持確保といった課題を考慮した上で、専門家の御意見も伺いながら、さまざまな耐震対策の手法や費用などを比較検討いたしまして、今年度末を目途に耐震対策基本方針案としてまとめる予定でございます。また、基本方針案につきましては来年度公表し、パブリックコメントを経て、本庁舎等耐震対策基本方針としてまとめてまいりたいと考えております。なお、現在調査中の耐震補強調査の結果によりましては、荷重軽減等の観点から、庁舎上部階の非事務室化などの緊急対応策を早急に実施する可能性が出てまいりますので、そうした対策につきましてもあわせて検討を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 本庁舎は昭和13年、第2庁舎は昭和36年に建築されたもので、老朽化が進んでおります。抜本的対策を検討するとのことですが、本庁舎及び第2庁舎の全面建てかえも視野に入れて検討を行っているのか、そこは重要ですから伺いたいと思います。
◎船橋兵悟 総務局長 抜本的な耐震対策についての御質問でございますが、御指摘のとおり、本庁舎は本年で築74年、第2庁舎は築51年となっております。したがいまして、耐震対策を検討するに当たりましては、耐震補強工事だけではなく、本庁舎及び第2庁舎の全面建てかえを含むさまざまな耐震対策手法を想定し、実現可能性、機能、コスト等、総合的な評価を行い、最も有利な手法を選定してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 今、実現可能性という言葉もありましたけれども、各議員、会派はこの7階、6階にいていろいろ政務を行ったり、あるいは本会議で――ここにきょう皆さんいますけれども、ここが万が一崩れたときは全員どうなってしまうかということでもありますので、そういう危機管理意識からもぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次のミューザ川崎シンフォニーホールの協賛金について伺います。さきの代表質問において協賛金はミューザで開催される指定管理者主催の公演に対し支援をいただいているもので、協賛者の皆様にはホールが使用できない状況を御理解いただいて活用している、そういう答弁がありましたが、その用途について確認をしておきたいと思います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 協賛金についての御質問でございますが、協賛金の募集につきましては、ミューザの主催事業及びシリーズ公演に対して行っており、用途につきましては、フェスタ サマーミューザの事業費やシリーズ公演のランチタイム&ナイトコンサートへ充てていると伺っております。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 それでは、その協賛金の用途についてですが、限定的であると思われますが、その理由についてお答えをいただきたいと思います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 協賛金についての御質問でございますが、主催公演の中でもフェスタ サマーミューザは、ミューザのシンボル的な事業としてオーケストラを中心とした多彩な内容で、クラシックコンサートに足を運んだことのない方たちにも気軽に聞けるクラシックコンサートとして実施しております。フェスタ サマーミューザに協賛金を充てることで良質な音楽を廉価で提供できることから、音楽のまち・かわさきのすそ野の拡大につながるものと考えております。さらに、フェスタ サマーミューザでクラシックに興味を持っていただき、フランチャイズオーケストラの東京交響楽団がよりすぐりの指揮者とともに、世界の名曲をお届けする名曲全集に足を運んでいただくことで、東京交響楽団のファン拡大にもつながるものと考えております。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 協賛金が充てられているフェスタ サマーミューザですが、今年度は市と文化財団グループとの共催事業となっておりまして、実際の参加オーケストラのスケジュールや曲目についてどのように決められたのかお答えをいただきたいと思います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 スケジュール等の決定についての御質問でございますが、フェスタ サマーミューザのスケジュール等につきましてはミューザの指定管理者が決定しております。オープニング及びフィナーレコンサートはフランチャイズオーケストラである東京交響楽団に依頼しており、その他の公演につきましては、各楽団の公演可能日及び近隣他都市での公演スケジュールなどを勘案し、日程調整を行っていると伺っております。また、曲目につきましては、各楽団の指揮者やソリストが得意とする曲、また、その指揮者ならではの曲などを優先して依頼を行っていると伺っているところでございます。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 今、ミューザの指定管理者が決定しておりますということでしたけれども、ずっと私も今まで質問してきましたが、市が共催する場合は資金元である川崎市がもう少し色を出して要求して、それをのんでいただいてもいいのかなと思うんです。指定管理者側の学芸員みたいなそういう専門的な方がいらっしゃると思うんですが、そういう人たちの意向がほとんどすっと入ってきて、こちらの言うことがどうなのかなと思うような事態が感じられなくもないんですね。そんなことも含めて考えますと、こういうクラシック公演事業に限らず、文化事業は専門的な知識等が求められるところでありまして、市主催事業を実施していく場合などは、特に現在の所管局においてその知識等を身につけることも、特に川崎市らしい文化事業を推進していく上で大切なことと思いますが、職員の人材育成についての考え方を伺いたいと思います。
◎山﨑茂 市民・こども局長 職員の人材育成についての御質問でございますが、文化芸術を生かしたまちづくり進めるためには、文化行政を総合的に推進する職員や文化施設の管理運営を行う職員、文化芸術分野における専門的な知識を持った職員などの育成が必要と考えております。そのため、庁内公募による職員の配置や大学や研究機関への派遣、他機関の実施する研修への派遣などを進めてまいりました。今後とも職員の人材育成を進めるために、専門分野別研修などを通じて、職員の文化行政に関するさらなる知識の習得を図るとともに、人事配置について関係局と協議してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆鏑木茂哉 委員 ぜひよろしくお願いします。フェスタ サマーミューザですけれども、今年度当然ミューザ以外でやったわけですけれども、何でこういう質問をといいますと、この間も私は言ったのかもしれませんが、洗足学園音楽大学の前田ホールでやった演奏会はたしかお客さんが3分の1ぐらいだったんですね。そんなことを考えると、曜日、これはスタートしたときにはたしかウイークデーの夏休みということもあったのでしょうけれども、夏休みの午後3時開演というのがあって、そんなことも含めて、最近はウイークデーの午後やるというのはなくなって、ウイークデーの場合は夜間ですけれども、そういうのが当たり外れがあるのか、それともだれが決めるのかなと、そんなことも思ったし、やる側にとってはお客さんが少ないと、本当にモチベーションの問題があるということと、あとそのフェスタ サマーミューザのお客さんをさらに名曲全集につなげるということですけれども、名曲全集も震災前の状況から見れば、まだまだとてもどうなのかなと思います。それも含めて、川崎らしい選曲だとかいろいろなことを含めて、もう少し意思が貫けるような体制も必要だということで、専門職員をぜひ育成していただいて、よろしくお願いしたいと思います。終わります。
○かわの忠正 委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○かわの忠正 委員長 御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後3時21分休憩
午後3時49分再開
○岩隈千尋 副委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。
◆浜田昌利 委員 私は、一問一答方式で、1番目に13款1項5目、スクールソーシャルワーカー配置事業について教育長に、2番目に2款2項1目、区役所での法律相談など相談窓口事業について総務局長に、3番目に7款5項1目、就業支援室「キャリアサポートかわさき」事業について経済労働局長に、以上3点について順次質問してまいります。
まず初めに、13款1項5目、スクールソーシャルワーカー配置事業について教育長に伺います。スクールソーシャルワーカーは平成20年4月に当初1名でスタートし、その同じ平成20年度内の11月から3名体制となり、平成22年度4名、平成23年度5名、平成24年度6名と順次充実が図られてきています。平成22年度、平成23年度の活動状況について、活動実績、成果を教育長に伺います。また、児童生徒の抱える問題について具体的にどのようなものがあるのか、平成23年度の実態についても教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 スクールソーシャルワーカーについての御質問でございますが、児童生徒が抱えている問題につきましては、家庭、生育歴、発達などの要因が複雑に絡み合った、学校だけでは解決が困難であるケースが多くなっております。スクールソーシャルワーカーは、それらの問題解決のため、社会福祉等の専門的な立場から、児童生徒や保護者の相談並びに児童相談所等の福祉機関、発達相談センター等の医療機関、教育相談センター等の教育機関、区役所の保健福祉サービス課、保護課等とのネットワークを活用した支援、助言を行っているところでございます。スクールソーシャルワーカーの活動実績及び成果につきましては、平成22年度の対応学校数79校、対応児童生徒数291名、延べ対応数824回、支援中であるが好転件数を含む解決率は52%となっております。平成23年度につきましては、対応学校数90校、対応児童生徒数262名、延べ対応数は938回、解決率は45%と成果を上げているところでございます。次に、平成23年度のスクールソーシャルワーカーの対応した児童生徒の抱える主な問題についてでございますが、発達障害等に関する問題が42%、不登校に関する問題が19%、家庭環境に関する問題が12%となっております。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 スクールソーシャルワーカーは新しい事業ですので、教職員の皆さんに十分に知られているのかどうかという点に若干の不安を感じますが、一方で、ただいまの答弁にありましたように、解決が困難な問題を抱えている中で約5割の解決率で、かなりの解決事例が蓄積していっていると思いますので、ぜひともさらに積極的に推進していただきたいと思うものです。スクールカウンセラーの場合は、スクールカウンセラーの活動内容や相談室の開設日時、場所などをお知らせするスクールカウンセラー便りのようなものが定期的に出されているようです。スクールソーシャルワーカーの場合も、活動状況などについてぜひ積極的に学校長を初め教職員の皆さんにお知らせしていただきたいと思いますが、教育長に見解を伺います。また、解決事例などを今後どのように生かしていくのかについても教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 スクールソーシャルワーカーの周知についての御質問でございますが、スクールソーシャルワーカー配置事業は、学校の要請に基づき区教育担当から派遣をするため、年度初めの支部・地区校長会の場においてスクールソーシャルワーカー本人を紹介し、事業説明を行いまして各学校の積極的な活用を図っているところでございます。また、教職員につきましても、研修会等において情報を提供し周知しております。今後につきましても、これらの事業説明や各種研修会の場においてスクールソーシャルワーカーの実践事例や解決事例を紹介することでより事業の理解を深め、効果的な活用を図り、問題の解決につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 スクールソーシャルワーカーは、学校長を初め教職員の皆さんが必要に応じて派遣を要請するもので、児童生徒や保護者が直接要請するものではないようですので、まず学校長、教職員の皆さんが十分にその役割を認識していただいて、困難な問題を解決した事例などを知っていただくということが必要と思いますが、同時に、これだけ毎日のように全国各地でいじめなどのニュースを耳にしておりますので、児童生徒や保護者、また、市民の皆さんにスクールソーシャルワーカーそのものを知っていただくということではなくても、川崎市の教育委員会が毎年毎年新しい事業を行ったり事業を拡充したりしながら教育の改善、改革を図っているということをもっと情報発信していただきたいと思うものでございます。スクールソーシャルワーカーの広報紙での情報発信については、平成20年度の事業スタートからの4年間で、調べていただきましたら、平成21年3月号の教育だよりで1回広報されたということがございましたが、スクールソーシャルワーカーは児童生徒や保護者が直接要請するものではないようですし、スクールソーシャルワーカーですべてが解決するとは私も思いませんし、そうも言いませんが、しかしながら、困難な問題を数多く解決してきているわけです。順次配置人数もふやしてきているわけですから、本市の教育現場の改善、改革の明るいニュースの一つとしてもっと積極的に広報し、児童生徒や保護者、市民の皆さんが抱いている教育の現状への不安感を払拭するように努力するということは、教育委員会に課せられた重大な使命の一つではないかと思いますが、教育長の見解を伺います。
◎渡邊直美 教育長 スクールソーシャルワーカーの広報についての御質問でございますが、これまで教育だよりかわさきやホームページでの情報発信を行っておりますが、今後も児童生徒、保護者に向け、スクールソーシャルワーカーの役割などについてより周知を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 短い答弁ではございましたが、ぜひスクールソーシャルワーカーを知っていただいて、保護者の方がスクールソーシャルワーカーにすぐ相談したいと、こういうわけじゃない仕組みだということと、また解決事例なども、本当はもっと人のふり見て我がふり直せで、わかる、知るということが自分の場合にも当てはめて、あっ、相談してみようというきっかけにもなるのではないかと私は思うんですけれども、いろんな個人情報とかプライバシーのこともあるということでございますが、そういう新しい試みもたくさんしているのだということで、いろんなニュースを耳にすることがあるかもしれないけれども、川崎市もこんなに頑張っているのだということをぜひ積極的に広報していただきたいということを要望させていただきます。
次に、2款2項1目、区役所での法律相談など相談窓口事業について伺います。現在、本市では各区役所において相談窓口が開設され、弁護士や司法書士、行政書士などによる法律相談、相続・遺言・成年後見相談などさまざまな相談事業が行われています。平成22年度からは高津区役所と多摩区役所で新たに予約制による弁護士法律相談がスタートしましたが、平成23年度の相談に来られた人の区ごとの人数を伺います。7区すべてで実施されている先着順での弁護士法律相談について、1日2時間で何人まで受け付けるのか伺います。また、平成23年度の、窓口へ来たけれども人数がいっぱいで、結果として相談を受けることができなかった人の区ごとの人数もお聞かせください。予約制による弁護士法律相談は高津区役所と多摩区役所だけでの実施です。さらに拡充すべきと思いますが、お考えを伺います。あわせて、相談を担当された弁護士などの皆さんへは何らかのお金を出しているのか、出しているとすれば、どのような形で幾ら出しているのか、総務局長に伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 区役所での法律相談などについての御質問でございますが、初めに、平成23年度の高津区役所での予約制法律相談の相談者の区ごとの人数につきましては、川崎区が2人、幸区は12人、中原区24人、高津区168人、宮前区57人、多摩区6人、麻生区1人、合計270人、多摩区役所での予約制法律相談の相談者の区ごとの人数につきましては、川崎区は1人、幸区がゼロ人、中原区が5人、高津区15人、宮前区26人、多摩区199人、麻生区14人、合計260人でございます。次に、7区役所で実施しております先着順法律相談についてでございますが、各区とも1日2時間、3人の弁護士で対応しておりまして、原則として1日18人を想定しておりますが、時間内であれば柔軟に対応しているところでございます。次に、先着順法律相談の平成23年度の相談が受けられなかった人数についてでございますが、川崎区9人、幸区ゼロ人、中原区34人、高津区2人、宮前区13人、多摩区ゼロ人、麻生区13人で合計71人でございます。次に、予約制法律相談の拡大についてでございますが、先着順を希望される市民の方々もおられますことから、相談件数の推移や区役所相談体制の変更に伴う効果や、他機関が実施しております相談窓口開設状況を考慮し、検討してまいりたいと存じます。次に、法律相談に係る経費についてでございますが、横浜弁護士会川崎支部と業務委託契約を締結し、1名の弁護士当たり1日2時間、1万6,800円として、平成23年度の決算額は1,853万400円でございます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 そういう答弁を受けまして、まず要望事項ですけれども、先着順での弁護士法律相談は、相談員の弁護士が3名体制で対応しているということでございました。先着順以外の相談員は行政書士さんの場合が2名体制であるというのを除きますと、すべて1名体制なんですね。川崎市で発行しております相談一覧表というのがあるんですけれども、そこでも相談員はほとんどが1名で対応していて、この先着順のところが弁護士さん3名、行政書士さんの相談が2名ということで、あとは全部1名なんですね。ぜひ相談の一覧表の相談員のところに、3名と2名のところは、それぞれの複数名の3名、2名で対応しているということを表記していただきたいということを要望いたします。私はこの質問をするまで1名なのかなと思っていまして、そうすると先着順でも2時間で何人なんだろう、行ったけれども、受けられないという方が多いのではないかと思っていましたけれども、3名ということなので、そういったことを表記していただければ、かなりの方が受けられるということはわかるのではないかということで、この点は要望させていただきます。
司法書士による相談については、クレジット・サラ金相談が減ってきているのに対し、相続・遺言・成年後見相談がふえてきているように聞いていますが、その推移を伺います。クレジット・サラ金相談については、その相談窓口の名称がそのものずばり過ぎて相談に行きにくいとの声も聞きます。名称の変更についての見解及び相続・遺言・成年後見相談との統合についての見解を伺います。また、現在は実施されていない幸区役所での司法書士相談について、実施へ向けての考えを伺います。交通事故相談について、専門相談員による相談は高津区役所において平日の10時から16時の時間帯で毎日、電話相談も可として実施されていますが、弁護士による相談は中原区役所において月1回、第3火曜日だけの実施です。弁護士による交通事故相談をさらにふやすべきと思いますが、総務局長に見解を伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 司法書士相談、交通事故相談についての御質問でございますが、初めに、クレジット・サラ金相談の推移でございますが、平成21年度277人、平成22年度195人、平成23年度116人となっております。次に、相続・遺言・成年後見相談の推移でございますが、平成21年度205人、平成22年度227人、平成23年度198人となっております。次に、司法書士による相談についてでございますが、クレジット・サラ金相談の相談件数は減少してきたことから、平成24年4月よりクレジット・サラ金相談の枠を相続・遺言・成年後見相談にシフトいたしまして、中原区役所、宮前区役所、多摩区役所で新たに相談を開始したところでございます。次に、クレジット・サラ金相談のネーミングにつきましては、多重債務整理等の専門相談として相談者にわかりやすい名称としているものでございます。また、相続・遺言・成年後見相談との統合につきましては、今後の相談件数の推移などを見きわめた上で、関係機関等と協議してまいりたいと存じます。幸区役所における司法書士相談につきましては、県の相談窓口である川崎県民センターで法律相談が実施されていること、比較的相談件数が少ないことから、現在、相談を実施しておりませんが、今後の相談窓口開設等につきましては、相談状況の推移により検討してまいりたいと存じます。次に、交通事故相談についてでございますが、高津区役所での相談は月曜日から金曜日までの休日を除く毎日、中原区役所での相談はサンキューコールへ電話予約された方を対象に、毎月1回、第3火曜日に相談対応を行ってまいりました。相談件数につきましては、昨年度1年間で専門相談員による相談件数は510件、1日当たり2件、弁護士による相談が32件、1日当たり2.6件であり、今のところ相談窓口が少ないとの要望、苦情等もいただいていない状況でございます。また、人身事故の発生件数も11年連続で減少しておりまして、今後につきましては相談件数、事故の発生件数の推移を見ながら対応してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 川崎駅西口の県民センターで行っています神奈川県の予約制による弁護士法律相談は、毎週水曜日の相談窓口を夕方の17時から19時30分という時間帯で行いまして、市民が利用しやすいように配慮しているところでございます。本市におきましても、市民がさらに利用しやすいものにするためには、土日や夜間の相談窓口及び支所や出張所における相談窓口も検討すべきと思います。見解を伺います。また、相談窓口において相談者へ名刺を渡すことについて、現状では担当者から先に名刺を渡すことは営業活動に当たるおそれがあることから慎重に考えているものの、相談者から名刺をいただきたいとの申し出があれば名刺を渡してもよいとしているようでございますが、市民への利便性を考えた場合には、むしろ名刺をいただきたい場合は申し出てくださいと表示するなど、相談者に名刺を渡せる旨を示すべきと思います。総務局長の見解を伺います。
◎船橋兵悟 総務局長 相談窓口についての御質問でございますが、初めに、土日、夜間の相談窓口、支所・出張所における相談窓口についてでございますが、相談体制の維持、窓口開設に伴う新たな経費支出の可能性や今後の相談窓口の見直しにも関連しますことから、慎重な検討が必要であると考えております。次に、相談窓口において相談者へ名刺を渡すことについてでございますが、営業活動に当たるおそれがあることから慎重に対応しているところでございます。御指摘の名刺をいただきたい場合は申し出てくださいとの表示をした場合に、相談者からの申し出に対して、相談員は必ず名刺を渡さなければならないという懸念も発生しますことから、希望する相談者からの申し出により相互に合意した場合に名刺を渡せることとしているところでございます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 今の名刺の渡し方については、相談員である弁護士さんや司法書士さんなどにしっかりと伝えていただきたいということをまず要望します。その上で、相談員さんが、お見えになって初めましてとあいさつして、すぐに名刺を渡すというのが本当は日本の文化なんですけれども、ただ、公的な場所での営業活動に当たりかねないという懸念があるということでしたので、そういったことには一定の理解を示しますけれども、しかしながら、相談の終わりの段階に来て、さらに具体的に進めることが大事だと相談員さんが感じたときなどは、相談者から名刺をいただきたいと言われなくても、その流れから渡したほうがより丁寧になるなという判断をして名刺を渡すということもあってもいいのではないかと思います。その点はしっかりと検討していただきたいということを、これも要望させていただきます。また、土日、夜間の相談窓口の開設につきましては、市民の利便性向上につながりますし、ニーズがあると思いますので、午後の相談時間の設定を1時から3時で設定しているところもありますけれども、そういったものをもう少し繰り下げるとか、そういったことも含めまして、引き続き検討していただきますようよろしくお願いいたします。
続きまして、7款5項1目、就業支援室「キャリアサポートかわさき」事業について経済労働局長に伺います。
最初に、突然ではございますが、三浦副市長にお伺いしたいと思うんですけれども、平成24年度版――今年度版の高齢社会白書には、人生65年を前提とした社会から脱却し、人生90年時代に対応した超高齢社会における基本的な考え方というものが示されまして、65歳は高齢者かという問題提起とともに、意欲と能力のある65歳以上の者には支える側に回ってもらう意識改革が必要であるとの記述がされています。新聞でもさまざまな論及がありましたし、私もこの白書の中身をすべてそのとおりとは思っていませんが、しかしながら、日常生活の中で年配の皆さんと会って年齢を聞く機会がありますと、65歳でも70歳でも若々しい方がたくさんいらっしゃいましてびっくりします。60代でもまだまだ老人会に入りたくないとおっしゃる方もありますし、確かに支えられる側ではないなと感じることがあるのは事実でございます。そこで、意欲と能力のある65歳以上の人が支える側に回るためには、働く意欲と能力のある60歳以上の人がしっかりと働き続けることができるような環境づくりが必要だと思うものですが、三浦副市長は、例えば65歳以上も御自分は何らかの仕事を持って働きたいと思いますでしょうか、それとも職員の皆さんは60歳まで大変に忙しく激しく働いていらっしゃることはよくわかっていますので、65歳以上は働きたいとは思わないでしょうか。働きたいか、または働きたいと思わないかということをお答えいただければと思います。
◎三浦淳 副市長 65歳以上の働きぐあい、私も委員が言われるように、いろんな地域に出たときでも60代はもとより、70歳を超えても意欲と活力で動いていらっしゃると本当にびっくりするぐらいなことを感じています。できれば私も65歳を超えてもぜひそういったような形になれるように、これからも精進をしてまいりたいと思います。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 ぜひ60歳以上も、65歳以上も働き続けられる環境づくりを頑張ってほしいなと思うんですね。梅ちゃん先生で下村建造先生が死ぬまで医者でありたいと言ったということが放送されておりまして、死ぬまで何らかの仕事をし続けていたいというのも一つの幸せの姿ではないかなと私は思うわけです。そういう意味で、重なってであれですが、意欲と能力のある60歳以上の方が働けるような環境づくりをぜひ市として進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
そこで、本市の就業支援室「キャリアサポートかわさき」では、10代から70代まで年齢制限なく、すべての年代の皆さんを対象として就職支援が行われていますが、昨年度の登録者数と就職決定者数について年代別に経済労働局長に伺います。また、就職準備セミナーについては、若年者向け、女性向け、中高年齢者向けなどいろいろな種類のセミナーがありますが、それぞれの昨年度の実施回数と1回当たりの平均の参加者数を伺います。特に中高年齢者向けセミナーにつきましては、昨年度の参加者の年代別内訳についても経済労働局長に伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 キャリアサポートかわさきについての御質問でございますが、初めに、平成23年度の年代別の登録者数及び就職決定者数でございますが、求職登録者につきましては752人となっておりまして、内訳といたしましては、10代の方が3人、20代の方が117人、30代の方が176人、40代の方が188人、50代の方が150人、60代の方が106人、70代の方が12人でございまして、年代別構成比といたしましては、10代から30代が39.4%、40代から50代が44.9%、60代以上は15.7%となっております。就職決定者につきましては311人となっておりまして、内訳といたしましては、10代の方が2人、20代の方が40人、30代の方が78人、40代の方が75人、50代の方が63人、60代の方が46人、70代の方が7人でございまして、年代別構成比といたしましては、10代から30代が38.6%、40代から50代が44.4%、60代以上は17.1%となっております。次に、就職準備セミナーについてでございますが、全世代を対象とした基礎コースを15回、応用コースを16回、ビジネスコミュニケーションセミナーを2回実施し、加えて対象別セミナーとして若年者向けセミナーを6回、女性向けセミナーを8回、中高年齢者向けセミナーを9回実施し、合計で56回のセミナーを開催し、543人の方に受講していただき、1回当たりの平均の参加者数は9.7人となっております。また、中高年齢者向けセミナーの参加者における年代別内訳についてでございますが、参加していただいた方からのアンケートによりますと、30代の方が4人で全体の約4%、40代の方が31人で全体の約28%、50代の方が38人で全体の約35%、60歳以上の方が33人で全体の約30%となっております。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 答弁から、キャリアサポートかわさきの登録者における60代、70代の割合は15.7%、就職採用決定者における60代、70代の割合は17.1%、中高年齢者向けセミナーの参加者における60代、70代の割合は30%と、60歳以上の方が多く来られていて、就職決定にも至っていることがわかりました。働く意欲と能力のある60歳以上の人がしっかりと働けるような環境整備をより一層進めていくためには、キャリアサポートかわさきに60歳以上の方が多く来られていて、就職決定にも至っているという実態をさらにしっかりと市民の皆さんに伝えていくことが必要と思います。キャリアサポートかわさきのパンフレットをシニア向け、シルバー向けにもアピールしていくものにするなど、もう一段の取り組みが必要と思いますが、経済労働局長に見解を伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 キャリアサポートかわさきの広報についての御質問でございますが、事業の広報につきましては、市施設を初めとして、シルバー人材センターや社会福祉協議会などの関係機関へのパンフレット配付、町内会への全戸回覧、情報誌やホームページへの掲載を通じて周知に努めているところでございます。今後、事業の広報につきましては、高齢者の方にも広く周知できるよう、パンフレットのデザイン等も含め検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 キャリアとかサポートとか片仮名が続くということで若い人向けというような印象があるのかなと思うのですが、年配者の方も大事な対象であるということをぜひアピールしていただきたいと思います。パンフレットのデザイン等も含め検討ということですので、そういった高齢者の方にも対象となっている窓口だということが強くわかるような工夫をぜひともお願いいたします。以上です。
◆木庭理香子 委員 私は、一問一答方式で、くしくも今、浜田委員もおっしゃっていましたが、公益財団法人川崎市シルバー人材センターについて健康福祉局長に、それから6款3項1目19節、生ごみ処理機購入補助金、生ごみリサイクル推進事業補助金についてと8節報償費について、13節、堆肥型モデル事業実施委託料について、1項1目13節、環境教育・学習推進事業実施委託料について環境局長に伺います。
まずは公益財団法人川崎市シルバー人材センターについて健康福祉局長に伺います。高齢化が進んでいる日本の中で、本市も例外ではありませんが、まちを見回してみて感じることは、実年齢より若く見えるシニアの方が多い時代になったということです。モニターをお願いいたします。これはシルバー人材センターに登録している会員数と就業機会の格差についてあらわした表です。仕事を引退したシルバー世代の働き先の一つであるシルバー人材センターに登録されている方々は年々ふえ、本市の昨年度の会員数は4,933人です。しかし、その人数に比べ、実際に仕事をした就業実人員の数が昨年度実績では半数にも満たない2,182人しかいないことに疑問を感じます。シルバー人材センターでは60歳以上の健康な方であれば定年なく働くことができるということですが、登録した方からは、結局、1年以上一度も就業機会がなかったというお話もよく聞かれます。受注件数が少ないために仕事が回ってこないことも考えられますが、昨年度の実績を見ても、受注件数は法人、個人合わせて7,576件あり、単純に計算しても1人につき1.5件は就業できたはずです。さらに、延べ人員で見ると、昨年度の実績で26万4,000人働いたと報告があり、これを登録会員数で割ると1人当たり年間53.5日働けたはずなのですが、実際に就業できたのは4,933人のうち2,182人のみです。つまり、2,182人の方は121日も就業する機会を与えられ、残りの2,751人の方は登録をしただけで一度も就業の機会を与えてもらえていなかったというアンバランスな状態となっています。この状態は昨年だけの話ではありません。平成22年度は4,981人中2,680人、平成21年度は4,785人中2,640人、平成20年度は3,671人中1,765人の方が一度も就業機会を与えられずに終わっています。数字を見る限り、この傾向は年々悪化しているようにも思えます。この理由について健康福祉局長に伺います。
◎木村実 健康福祉局長 シルバー人材センターについての御質問でございますが、シルバー人材センターでは会員登録を行う際に、会員に希望する職種、就業可能な曜日、時間、勤務地などの就業条件をお伺いしております。仕事の発注があった場合には、この就業条件と照合して就業可能な会員に仕事を紹介することとしておりますが、発注者と会員の就業条件が適合しないことから、就業機会が得られない会員の方がいらっしゃいます。また、例えば植木の剪定は受注件数が多い業務でございますが、専門的な技術が必要なため、仕事を紹介できる会員が限られるという事情があるほか、会員が発注者の自宅に上がって業務を行う家事援助サービスや子どもの送迎などを行う子育て支援サービスにつきましては、発注者から同じ会員の方に業務を依頼したいという要望があるため、発注者と信頼関係が築かれている会員に同じ仕事を紹介することもございます。さらに、会員の中には登録後に就職された方や健康上の理由により就業できない方も登録されたままになっている状況もございます。こうしたことから、登録された会員の中で就業した方の割合が低い水準にとどまっているものと考えております。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 ところで、シルバー人材センターに登録する場合、1,000円の登録料が必要ですが、これは以前から徴収していたわけではなく、最近始まったと伺いました。徴収が始まった時期と理由、料金が1,000円になった理由と用途について伺います。また、登録料を払っている人といない人が同じ時期に在籍していることにも大変違和感を覚えます。現在、登録料を払っている人といない方の割合と、この不平等と言える状態についての見解を伺います。
◎木村実 健康福祉局長 シルバー人材センターの登録についての御質問でございますが、シルバー人材センターでは、高齢化による会員数の増加に伴い、会員登録にかかわる費用の負担が大きくなったことから、法人の経営安定化に向けた自主財源の確保のため、他都市の状況なども参考にしながら、平成22年4月から新たに会員登録を行う方に、会員登録時にお渡ししている会員証と会員手帳などの実費相当分といたしまして1,000円の登録手数料を御負担していただいているところでございます。また、平成24年8月末現在で登録手数料を支払った会員は会員全体の約4割でございまして、平成22年4月より前に登録した会員の方からさかのぼって徴収することは困難であることから、会員登録手数料を徴収しておりませんが、会員の皆様には会報等を通じて情報提供を行うことにより御理解をいただいているものと考えております。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 先ほどの答弁にもありましたように、シルバー人材センターで請け負う職種の中には子どもの送迎や生活援助など、同じ人に依頼をしたいという発注した側の事情もある程度は理解できます。また、例えば病気や家族の介護、ほかの仕事に就職しながら登録抹消手続をしていないなど登録した側の事情も影響していることは理解できます。しかし、そのことを考慮したとしても、延べ26万4,000人の就業実績がありながら、就業実人員が2,182人しかいないということは、やはり登録者の半数以上がそういった事情に該当するとは考えにくく、格差が大き過ぎると言わざるを得ません。昨年度の実績で見ると、仕事を発注した7,576件のうち個人からの依頼は6,021件あり、約80%を占めていることがわかりますが、公共や企業からの発注は20%あるわけです。シルバー人材センターには、人材派遣業務事業所として公共や企業への派遣はできるだけ多くの方がチャンスを得られるよう取り計らうことはもちろん、発注してきた個人に対してもシルバー人材センターの存在意義を説明し、できるだけ多くの方が就業機会を得られるために御協力いただくことも役割の一つだと思います。このことに関する見解と今後の対応について伺います。
◎木村実 健康福祉局長 シルバー人材センターの就業機会についての御質問でございますが、シルバー人材センターの設置目的は、高齢者の就業を通しての生きがいづくり、社会参加の促進でございますので、より多くの会員の方に仕事を提供することは、生きがい、介護予防施策において大変重要なことと考えております。その趣旨に基づき、これまで会員の就業機会の確保に努めてきたところでございますが、今後につきましても、発注者にシルバー人材センターの趣旨を説明し、会員の就業条件とのマッチングをきめ細やかに行うとともに、新しい仕事の受注開拓や就業率の高い他都市の事例研究などを通じて、より多くの会員に就業機会を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 御答弁ありがとうございました。川崎市のシニア世代の多くは介護認定を受けず元気に生活されています。シルバー人材センターはこうしたシニア世代の方々が働くことの喜びをいつまでも得られる貴重な場であり、また、長年培ってこられた御自身の技能を生かせる生きがいの場でもあります。だからこそ、年々登録者がふえているのだと思いますし、期待されているからこそ登録料にも理解をされているのだと思います。シルバー人材センターは公益財団法人ですが、人材派遣事業所だということを再認識し、発注してくださる企業や個人がふえるようますます営業活動に取り組むことと、登録している方に満遍なく仕事を割り振ることができるよう調整にも尽力し、不公平感や不満を感じる登録者が一人でも減ることに取り組んでいただくよう強く要望して、次の質問に移ります。
次に、6款3項1目19節、生ごみ処理機購入補助金、生ごみリサイクル推進事業補助金について、8節報償費について、13節、堆肥型モデル事業実施委託料について、1項1目13節、環境教育・学習推進事業実施委託料について環境局長に伺います。平成17年4月に策定されました川崎市一般廃棄物処理基本計画によると、基本的な考え方の一つに地球環境問題を視野に入れた取り組みの推進があります。これまで3年ごとに見直しを繰り返しながら計画を推進し、普通ごみの収集回数を平成25年9月より、これまでの週3回から2回に変更することを目指し取り組んでいると説明を受けております。前回、平成19年4月に収集回数を4回から3回に変更した結果、約7,000トンものごみの減量につながり、また、作業の効率化により約6億円相当の経費縮減効果を生み、小学校の冷房設備設置費用など他の施策に還元するなど大きな成果を上げたと聞いております。ところで、3項1目19節に生ごみ処理機購入補助金という項目があります。モニターをお願いします。これは川崎市が助成を行っている生ごみ処理機のパンフレットから作成したものです。ちょっと見にくかったので大きくしたのですけれども、大体価格が4万円とか電動式のものは高くて、2万円マックスで補助が出ます。これはコンポスト型の容器といいまして、これだけ実物を見ることができたのですが、イラストから想像していたよりもかなり大きなもので、高さは70センチぐらいありました。モニターは結構です。平成23年度はこれら129基分149万9,900円助成したと報告がありますが、平成23年度当初の予算では370基分464万8,000円の予算が組まれていました。しかしながら、予定数のわずか3分の1程度の129基しか申し込みがなかったということは、せっかくの取り組みがまだまだ市民に浸透していないと言わざるを得ないと思います。
ところで、平成23年度までに生ごみ処理機を購入し助成した方に対し、アンケートによる追跡調査を行っていると伺いました。結果の速報値を拝見すると、購入したものの続けられなかった人は3割ほどで、理由を見ると、においや虫の発生、堆肥の使い道がないということで、適切な相談相手や堆肥の受け入れ先が身近に存在すれば継続使用できる方がふえるように思います。また、ごみの減量化に対しても、8割近くの方が生ごみの量が大幅に減ったという効果を実感し、ごみの分別やリサイクルについて考え方が変わったという回答も多く寄せられていました。生ごみ処理機を購入する方々なので、もともとごみに対して関心の高い方であろうということは想像できますが、生ごみ処理機購入助成制度は減量化に一定程度効果が期待できることがわかります。この生ごみ処理機を使用するに当たり、本市には生ごみリサイクルリーダー派遣制度というものがあります。これは生ごみコンポストの悩みに対応するため、リサイクルリーダーと呼ばれる方が依頼された家庭に赴き、実地での指導や電話相談を受けるなど継続的な活用が可能になるようなサポートをしてくれる制度です。しかし、アンケートを見ても8割以上の方が制度そのものを知らないと回答しており、制度はあるものの活用されていない現状をあらわしていると思います。このリサイクルリーダーへの謝礼金は3項1目8節の報償費15万8,000円に含まれていると伺いました。現在、このリサイクルリーダーに登録している人数と在住している区、年間の活動回数と内容、謝礼金について伺います。
◎稲垣正 環境局長 リサイクルリーダーについての御質問でございますが、市民の方々のリサイクル意識の向上を図り、生ごみリサイクルの推進を図るため、平成19年度から生ごみリサイクルリーダー認定制度を発足し、本年8月末現在、高津区1名、多摩区2名、麻生区8名、合計11名の方々にリサイクルリーダーをお願いしております。このリサイクルリーダーの平成23年度の活動状況についてでございますが、家庭での実地指導を初め、リサイクルに関する講習会や普及啓発イベントなどにおいて延べ54回御活動いただいており、謝礼金につきましては、交通費相当額を含め1人1回当たり2,000円をお支払いしているところでございます。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 ごみの収集回数が減ることで、ごみの減量化、リサイクルに関心を持つ市民が今まで以上にふえることは想像できます。今はリサイクルリーダー11人のうちほとんどの方が麻生区在住など1つの地区に集中しています。交通費相当額を含め活動費2,000円をお渡ししているとのことですが、仮に麻生区から川崎区の海側の地域まで赴けば、まさに交通費だけで終わってしまいますし、往復の移動だけで半日費やしてしまいます。こうしたことからも、リサイクルリーダーを全区で養成することも必要なことと思われますが、養成するための手続はどのようなものか、また、養成にかかる費用は1人につきどの程度か、今後の計画とあわせて伺います。
◎稲垣正 環境局長 生ごみリサイクルリーダーの養成についての御質問でございますが、このリサイクルリーダーは、生ごみリサイクルの推進に対する熱意や豊富な知識を有する市民の中で、原則として3年以上の活動実績をお持ちの方を対象に認定しているものでございます。また、3年以上の実績を有しない場合においても、市が実施する生ごみリサイクル講習会を受講するなど、一定の要件を満たした場合には認定しているところでございまして、リーダーの養成に係る費用といたしましては、この講習会の開催経費や普及広報のための事務経費などが必要となるところでございます。次に、生ごみリサイクルリーダーの認定の拡大に向けた取り組みについてでございますが、農地や緑地の多くが市の北部に集中している本市の地域特性から、麻生区を初め、北部地域にリサイクルリーダーが偏在している傾向がございますが、最近では集合住宅のベランダ等でも実施することができ、臭気が出にくい段ボールコンポストなどの取り組みも普及しつつありますので、今後におきましては、北部地域以外においてもリサイクルリーダーの認定が拡大されるよう、普及広報活動の充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 やはりどのようなことでも詳しい人に直接指導していただけるということは、特に初心者にとっては心強いものです。養成に当たり、もともと熱心に活動してこられた、いわばプロに頼むため、特に養成に要する費用は必要ないということです。今後、本当にリサイクルリーダー制度を充実させていくつもりであれば、活動費を報償費ではなく、しっかり予算立てをして、活動しやすい環境を整備していくべきだと考えます。ぜひ御検討ください。
次に、3項1目13節にある堆肥型モデル事業実施委託料98万円について伺います。この事業は、川崎区川中島小学校、中原区住吉小学校、多摩区生田小学校に電動式の大型生ごみ処理機を設置し、給食残渣等から堆肥をつくり、校内の花壇や菜園で活用するほか、希望する保護者にも配付すると伺っています。これからの環境学習の一端として、子どもたちに分別回収の方法だけでなく、このように自然の力で生ごみが堆肥となり、また植物を育てる土に変わっていくサイクルを教えることは、生きた授業としてモデル校だけではな」く全校で実施できるようにするべきだと考えます。そこで、98万円の使途について伺います。
◎稲垣正 環境局長 堆肥型モデル事業実施委託料についての御質問でございますが、この経費は小学校モデル校3校の大型電動生ごみ処理機を安定的に運転管理するために必要なランニングコストでございまして、主な内訳といたしましては、機器の点検などのメンテナンス費用、消耗品や光熱水費、さらに処理機で生成された生ごみ堆肥の成分含有量の分析費用などでございます。なお、このモデル事業につきましては、事業者から寄附をいただいた処理機を活用し実施しているものでございまして、こうした事業の拡大に際しましては、このほか処理機の本体価格及び設置工事費用等で1校当たり数百万円のイニシャルコストが別途必要となるところでございます。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 今お話にあったとおり、今行っているモデル事業は、導入だけではなく、維持費までかなり高額のため、113校の小学校すべてで同様の機種による対応は難しいことがわかりました。教育委員会には学校ごとの独自性を重視するという考え方があるとは思いますが、特に環境教育は学習内容や体験できる内容も学校ごとに異なるため、取り組み内容に温度差があると常々感じておりました。そこで、このごみ減量化について市を挙げて推進している今こそ、むしろ川崎市では、このような環境教育を子どもたちに行っていると言えるような市内共通の取り組みを始めるべきだと思います。例えば生ごみの堆肥化などは、現在モデル校で取り入れているような電動式の高額なものではなくても取り組むことは可能です。むしろ子どもたちが土と生ごみをかきまぜたり、においを確認したり、生ごみが微生物によって分解されて土に返っていく様子を観察したり、温度を調べたり、できた堆肥で植物や野菜を育て、それを調理したり慈しんだり感謝する心を養ったりと、単なる環境学習ではなく、さまざまな角度から学ぶことができる最高の生きた教材だと思います。この件についての見解などはあえて伺いませんが、環境局長にも教育長にもぜひ今後前向きに検討していただきたいと思います。
ところで、環境局では同じく1項1目13節に環境教育・学習推進事業実施委託料として165万600円使用した報告があり、地域環境リーダー育成講座の関係経費と伺っています。この内容について伺います。また、受講者の講座修了後の活動実績についてもあわせて伺います。
◎稲垣正 環境局長 地域環境リーダー育成講座についての御質問でございますが、この講座は地域や職場で環境保全活動等を率先して行う人材の育成を目指し、低炭素、資源循環、自然共生を初めとした環境施策全般に関する基礎知識や活動を円滑に行うための合意形成手法など、地域における保全活動に際して必要な知識やノウハウを習得するための講義、実習などを実施しておりまして、定員は30名、受講期間は10日間でございます。次に、実績についてでございますが、昨年度末までで累計249名の方々が受講され、その多くの方々が市民健康の森などを初めとしてそれぞれの地域で活動するとともに、地球温暖化防止活動推進員や廃棄物減量指導員として活動を行うなど、市のさまざまな環境施策の推進の一翼を担っていただいているところでございます。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 今の答弁を伺うまでは、定員30人に対し10日間しか行われない地域環境リーダー育成講座の関係経費が165万円もかかり、しかも個人から講習参加費は徴収せず、全額市の負担ということに対し、正直に申し上げて理解できませんでした。というのも、先ほどのリサイクルリーダーもそうですが、もっと低予算で行われているリーダー育成を目的とした市民向けの講座は幾つもあるからです。しかし、この講座を修了した方々が市の推進する環境施策などで指導員として積極的に活動されていると伺い、今回は納得することができました。そこで、修了生の方々には、ごみの減量化が本格的に始まる今後はさらに活動の場が広がるよう市も積極的に働きかけていくことが必要だと思いますが、伺います。
◎稲垣正 環境局長 講座を受講された方々のその後の活動についての御質問でございますが、今日の環境問題は市民一人一人のライフスタイルが密接に関連しており、良好な環境を保全し創造していくためには、こうした講座を修了された方々が地域の環境リーダーとして、環境配慮行動の実践に向けて継続的に御活動いただくことが大変重要であると考えております。こうしたことから、それぞれの地域での実践活動につながるよう地域の活動団体を紹介したり、また、さまざまな環境イベントなどを通じて市民活動を体験する場を提供するなどの工夫を行っているところでございまして、今後におきましても受講された方々の活動の場が広がり、地域活動に取り組みやすいよう積極的に情報発信を行うとともに、機会や場の提供に努めてまいります。以上でございます。
◆木庭理香子 委員 答弁いろいろとありがとうございました。今回、環境局が所管するものをいろいろ検証させていただいたところ、全体的に着眼点はよく、さまざまな活動に広く取り組んでいることはわかりましたが、残念ながらそれらが市民に広く伝わっていないこともわかり、活用し切れていないという印象が残りました。平成25年9月から全市で一斉に開始される普通ごみの収集回数の見直し、プラスチック製容器包装の分別回収は、市が本気でごみの減量化に取り組む姿勢を示すよい機会だと思います。まずは新たな分別が始まるプラスチック製容器包装や、分別回収が始まってからかなり経過してもいまだに浸透していないミックスペーパーに関しても、市民が分別方法に混乱し分別することをあきらめることがないように、一目でわかる分別表を作成していただくことを要望します。そして、先ほどの講座からも多数輩出されています廃棄物減量指導員の協力のもと、前回4回から3回に変更したとき以上の効果が得られるよう、さまざまな角度から検証、検討していただくことを要望し、質問を終わります。
◆猪股美恵 委員 私は、県の市長会についてと、ごみの飛灰、主灰の処理について、生ごみについて、地域リハビリテーションセンター整備基本計画について、4点、一問一答で行います。
初めに、2款4項1目総合企画費の中の神奈川県市長会負担金111万円について伺います。2011年度神奈川県市長会一般会計予算を見ますと、リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会に神奈川県市長会から負担金が出されています。負担額、負担開始年度、負担はいつどこでどう決まったのかお聞かせください。
◎飛彈良一 総合企画局長 神奈川県市長会のリニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会への負担金についての御質問でございますが、初めに、県市長会は本市を含む神奈川県内の全19市からの負担金等により運営されているところでございまして、平成23年度に県市長会が同期成同盟会に対して支出した負担額は19万円となっております。次に、県市長会が県期成同盟会への負担を決定した経過についてでございますが、平成2年6月に県知事、県内のすべての市町村長、商工会議所連合会会頭等を会員とする県期成同盟会が設立されました。この設立を受け、同会の構成員の多くを占める県市長会では、平成3年度の予算案において県期成同盟会運営費の一部を負担することについて承認し、現在に至っているところでございます。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 市民の税金が毎年111万円余り負担金として県市長会に支払われています。答弁では、期成同盟会の予算が承認されたと言われておりますけれども、私はその予算がついた前の年から今日までの会議録を全部見させてもらいましたけれども、どこにもその資料からは議論された足跡は見当たりません。こういうのは不明金と言うんじゃないのかなと思いまして、予算を承認している事実についてはどういうふうに考えられるのか伺います。
また、今年度は――ディスプレーをお願いします。こんな立派なパンフレットを3,000部もつくって、アリバイ的な説明会を開催した場で配っておられました。川崎市もリニア新幹線に全面的に責任を持つというのか伺います。また、これだけ応援団として旗を振っている立場で、公正なアセス等、市民理解を得られるのか伺います。また、JR東海は中間駅は1時間に1本とめると言っていますが、期成同盟会は5本とめなければ地域の活性化につながらないと言っています。どういうふうなことなのか見解を求めます。
◎飛彈良一 総合企画局長 神奈川県市長会における神奈川県期成同盟会への負担金についての御質問でございますが、県市長会事務局に照会しましたところ、県期成同盟会への負担の開始を承認した平成3年2月の県市長会議の概要録及び予算案が保管されておりまして、予算案としての承認の経過を確認しましたが、個別の負担金を予算化するに当たっての説明書類や議論の経過などは保管されていないということでございました。以上でございます。
◎金子弘 まちづくり局長 リニア中央新幹線計画についての御質問でございますが、初めに、本計画は全国新幹線鉄道整備法に基づき、国土交通大臣がJR東海に対して建設主体、営業主体の指名を行い、整備計画の決定後、建設の指示を行ったものでございますので、国やJR東海の責任で進められている計画と認識しておりまして、本市といたしましては、JR東海に対して、みずから早期に本市や市民に対し本計画に関する適切な情報提供や説明を行うことなど、その責任にこたえる取り組みを求めているところでございます。次に、環境影響評価についてでございますが、他の計画と同様に、計画主体や事業主体にかかわらず、公正公平な立場で手続が行われているところでございます。したがいまして、その手続につきましては御理解を得られるものと考えております。次に、神奈川県駅による地域の活性化についてでございますが、JR東海は説明会において開業時の実際の運行パターンは運行開始間際に決定すると説明されており、神奈川県駅への具体的な停車本数は未定でございます。また、平成23年度に神奈川県がリニア中央新幹線に関する調査を行っておりまして、その中で駅設置がもたらす経済波及効果を推計しております。その際、停車本数を1時間当たり1本から5本の設定で検討しており、停車本数に応じ、それぞれの効果が算出されております。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 本当は市長に聞きたいのですけれども、いらっしゃらないので、砂田副市長に伺いますけれども、今おっしゃっていた経済波及効果というようなところは、今そこに出ている新幹線のパンフレットなのですけれども、ここには、相模原の橋本駅のところにその駅ができたことによって、観光客が115万人ですよ、115万人、年にやってきて、経済波及効果は約120億円あると。これは、私はアクアラインのときの需要予測のでたらめさよりも、このほうがもっと過剰な予測だろうと思っているんですけれども、こういうふうに波及効果の確証もない上に、しかも答弁の中では責任を持てるのかと聞いたところ、国やJR東海の責任で進めていると。川崎の責任は適切な情報提供や説明を行うことだとおっしゃっていて、責任が持てる話ではない。私はこういうふうなことで進めていくのであれば旗振り役をおりるべきだろうと思うんですよ。期成同盟会から手を引くべきだということについての見解を求めます。
◎砂田慎治 副市長 リニア中央新幹線の県の期成同盟会なりその旗振りからおりるべきだというような御指摘でございますけれども、全体としてリニア中央新幹線は我が国にとって非常に重要な交通インフラだということで、神奈川県域にも大きな経済効果をもたらすのではないかということを期待し、たしか平成2年だったと思いますが、期成同盟会が長洲知事の当時だと思いますが結成をされ、路線を神奈川県内に誘致をし、駅を県内でつくりたいということで継続して運動が広がっているということだろうと思います。私ども川崎市にとっても、そのリニア新幹線に反対をするとか、あるいは否定をするという立場にはございませんし、県の市長会の中で行動をともにするという認識でおりますので、旗振り役になっているかどうかということは別にしまして、県の市長会から、あるいは期成同盟会から川崎市が脱退をするということにはならないのではないかと思っております。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 反対しなさいとは言っていないんですよ。本当に旗振りをやめなさいと。これは平成2年とおっしゃったけれども、その予算がついたときに、その会議録なんかも全部見たけれども、リニアのリの字も、期成同盟会のキの字も出ていない。それで何の質問も意見もない中でずっとその予算が承認されてきているという、どこでだれが言って、どう決めたんだというのが何もないものなんですよ。これって私は、去年の原発の事故のときに責任所在のあいまいなままに安全だけがひとり歩きしていった、その体質と同じなのだろうと思っていて、去年のあの原発事故の教訓というのは、私たちはそういう体質を変えていくんだというところに学ばなければいけないんじゃないのかなと思うわけで、このことについてはアセスなどの市民の感情からしても、旗を振っている者が公正にできるのかというような感情の問題もありますし、もう一度その辺は検討するべきだと申し上げておきたいと思います。
次に参ります。市内の一般ごみの焼却主灰、飛灰について、6款3項6目廃棄物海面埋立費について伺います。この額は2011年度の焼却主灰の埋め立てに要した費用なんですけれども、2010年度の3月に福島の原発事故があって、それの影響で放射性廃棄物の検出があったということで、去年の7月から主灰と飛灰を分けて保管されました。当然、飛灰と主灰というのは明確に分けられていると信じていましたけれども、先日、市民と焼却炉を見に行きましたら、同じピットに飛灰も主灰も出ていました。ディスプレーをお願いします。これなんですけれども、同じ灰ピットの中で向こうの白い部分が飛灰、手前が主灰ということで、これが埋立地に持っていくトラックの中に両方白いのも灰色も一緒に積まれていたということがあるんですけれども、本当に明確に分けられているのか伺います。
◎稲垣正 環境局長 焼却灰についての御質問でございますが、平成9年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行令等が改正され、主灰と飛灰を分離して貯留することが定められたところでございますが、その後の経過措置期間に定められた施行令により、既設の焼却施設にあっては、飛灰に薬剤等による安定化処理を行う場合には同一の灰ピット内に貯留することが認められているところでございます。こうしたことから、施行令改正以前に建設された浮島、堤根、橘の各処理センターにつきましては主灰と飛灰を同一のピット内に貯留しておりますが、排出口は別々となっており、主灰は黒みがかった色で、飛灰は乳白色でありますことから、灰ピット内の主灰と飛灰については、その色で識別が可能な状態となっております。こうした状況の中で、飛灰の搬出作業につきましては、主灰側に飛灰が混入しないよう十分に注意を払い、安全側に立った作業を行うよう周知してきたところでございます。しかしながら、心配の声も寄せられましたことから、この8月、主灰と飛灰が接する部分につきましては飛灰として扱い、一時保管を行うことを徹底するよう改めて各施設長あて文書で通知するとともに、所長会議で確認をしたところでございます。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 消してください。再質問ですけれども、1997年の法改正はダイオキシン対策のための改正だったわけです。法改正では経過措置として、既存の焼却施設は薬剤などで安定化処理をすれば同一ピットでも認められるということでしたけれども、放射能濃度については今後もどういう事態になってくるかわかりません。飛灰と主灰の分離に向けた回収は物理的に無理なのか、やるとすればどんな課題があるのか、具体的に検討すべきと思いますが、見解を求めます。
◎稲垣正 環境局長 焼却灰の分離についての御質問でございますが、主灰と飛灰の施設構造上の分離につきましては、昨年7月に焼却灰から放射性物質が検出されて以降、飛灰の一時保管を行う中で検討を重ねてきたところでございます。しかしながら、主灰と飛灰を構造的に分離するためには、灰ピット内に擁壁等、相当な強度を持つ中仕切りを設置することが必要なこと、また、灰クレーンの操作や排水処理に支障が生じること、さらには、こうした改修工事を行う場合には焼却炉の長期間の停止が必要であり、市民生活のライフラインであるごみの収集処理に大きな影響が生じるとともに、多額の経費を要することなど、さまざまな課題があるところでございます。このような状況から、本市といたしましては作業面での安全対策を行ってきたところでございまして、今後におきましても排出段階で主灰に飛灰が混入しない対応を行うことはもとより、排出から運搬、コンテナ容器での一時保管、一連の過程において安全確保の徹底を図るよう改めて施設管理者に指示いたしますとともに、副市長が座長となり、関係局長で構成する放射性物質対策検討特別部会において、飛灰の安全な最終処分に向けて引き続き検討を行ってまいります。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 私は、今回のことで市民が非常に不信と不安を抱いたということが大変大きな問題だと思っています。市政運営においても行政が市民の信頼を得るということは、すごく立派な施策を展開する以上に大事なことだろうと思っています。これは砂田副市長、市長にしっかりと言っておいてくださいね、信頼を得るということがどれだけ大事なことかということ。今回の行政が失った信頼と市民に生じた不安を解消するための場と手段を確保していただくことを強く求めておきます。そして、飛灰、主灰の分離は王禅寺を除く3施設の改修時期までできないということであれば、今、排水も分離されていないんです。排水も一緒に出てきている。海面埋め立てへの不安というのもこれからも続くわけですから、データの積極的な公開を求めておきます。
それでは、次に参ります。6款3項1目ごみ処理総務費のうち生ごみ処理について伺います。木庭さんの意を受けて頑張りたいと思います。生ごみについては、川崎市は2007年2月に、市民、事業者、農業関係者、学識経験者に検討してもらってかわさき生ごみリサイクルプランを作成しました。市として積極的に取り組む姿勢を市長は示された上で、市の具体的な取り組みを短期、中期、長期と分類し、短期目標は3年をめどに取り組みを開始するということになっていた。2010年には開始されて中期目標課題にも手がつけられていなければなりません。市民が購入した処理機の数が毎年減少していますが、とりわけ平成23年度に激減していることについての理由をお聞かせください。また、公共施設での生ごみリサイクルシステム整備に向けた推進会議の設置と取り組み状況についてお聞かせください。
◎稲垣正 環境局長 生ごみリサイクルの推進に関する御質問でございますが、初めに、家庭用生ごみ処理機の購入助成についてでございますが、かわさき生ごみリサイクルプランに沿った取り組みといたしまして、平成19年度に助成金額の上限を2倍に引き上げたところでございます。その結果、特に平成19年度、平成20年度の2カ年につきましては申請件数が増加したところでございますが、その後申請件数は減少傾向にございますので、生ごみ処理機の普及拡大に向けてより一層普及広報活動の充実を図ってまいります。次に、市公共施設での生ごみリサイクル推進に関する協議や取り組みの状況についてでございますが、公共施設における生ごみのリサイクルにつきましては、教育委員会、経済労働局、区役所等と随時協議や調整を行い、その推進を図ってきたところでございまして、現在、市内の小学校15校の給食残渣や多摩区、麻生区の区役所レストランの調理残渣等を堆肥化、飼料化するなどのモデル事業を実施しているところでございます。こうした中で、このたび一般廃棄物処理基本計画の行動計画を改定したところでございまして、来年秋以降、普通ごみの収集回数の見直しを計画しておりますので、生ごみのリサイクルの推進を図ることがこれまで以上に重要になってくると考えているところでございます。このため、これまで東京農業大学と実施してまいりましたモデル事業の成果などを踏まえながら、本年4月、麻生区黒川に農場を開場した明治大学とも連携を深め、さらなる生ごみリサイクルの推進に向けて取り組んでまいりたいと考えておりまして、こうした取り組みを進める中で、生ごみリサイクルの促進を図る全庁的な協議組織につきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 2011年度の事業評価というのを見ますと、生ごみリサイクルプランの進行管理が本当にできていないと思います。PDCA事業評価でもランク3、A2となって、ほぼ目標は達成されていると評価されています。来年度予算に向けたサマーレビューでは、2013年度においてもなお、生ごみリサイクル事業についてモデル事業の成果等を踏まえ具体的な事業化を検討しますと言われています。生ごみリサイクルプランが順調に進んでいるのであれば、その検討は2011年度に行われているものなんです。私は、認識が甘い、自己評価も甘いと思います。これは川崎市の生ごみへ取り組む腹が据わっていないというのですか、言葉をかえれば方針が定まっていない、私はそんなふうに思っています。本当はミックスペーパー、その他プラスチックが全市展開し、そして一般ごみが週2回収集されるときにサービス低下につながらないためにも、この生ごみの処理ということへの一歩が始まっていなければいけなかったと私は思っています。とにかく、まず公共施設、あるいは学校への全面展開を早急に実現してほしいと求めておきます。
それでは、次に参ります。5款5項2目障害者福祉事業費のうち北部リハビリテーションセンター管理運営委託料1億円余に関連して伺います。かつて川崎市は中原区井田地区に高度で専門的な障害者リハビリテーション機能を集中させてまいりました。当初は精神障害者の総合的リハビリテーションセンターとして全国から注目されていました。しかし、障害者の地域における自立支援サービスが求められるようになり、一極集中型では対応できなくなってまいりました。地域密着型支援は当然の流れだと思います。より当事者中心のサービス支援を構築するために伺います。地域リハビリテーションセンター整備基本計画案では、地域での生活の場を起点とした支援をベースに重層的組織体系を考えるということですけれども、障害者当事者の生活圏域で支援体制を完結させていく体制をとるべきだと思います。地域での総合的リハビリ体制の具現化です。就労支援についても生活の場と切り離されたところでの支援ではなく、各区で就労支援すべきだと思っています。見解を伺います。
それから、これは総務局長ですが、川崎市の職員採用に当たりましても、精神障害者や障害者の定義というものが拡大されることで新たな障害者の雇用というのが求められてきているわけですけれども、具体的にどうされるのか伺います。
◎木村実 健康福祉局長 障害者の就労支援についての御質問でございますが、就労支援につきましては、市内3カ所の就労援助センターを中心に、精神保健福祉センター等の専門機関や地域の就労支援事業所等と連携しながら支援をしております。また、就職後の職場定着や離職後の再就職の際には生活面の支援が重要となりますので、生活の場を起点とするため、地域に密着した総合的な相談機関である各区の保健福祉センターや障害者生活支援センターと連携し支援を行っているところでございます。地域リハビリテーションセンター整備基本計画案における地域リハビリテーションセンターにつきましては、あらゆる障害に対応していく専門的なリハビリテーション技術を提供していく専門性の確保と、障害者の生活の場できめ細やかに支援していくために障害者が身近に相談しやすい距離を勘案し、南部、中部、北部の3カ所の整備を基本的な考え方としております。就労援助センターにつきましては、就労支援に関する専門的相談機関と位置づけておりますので、地域リハビリテーションセンターと同様に専門性を確保する必要があることや、企業との連携のために比較的広域にわたって活動をすることから、現状の3カ所を基本としての機能充実に向けて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◎船橋兵悟 総務局長 障害者雇用についての御質問でございますが、障害者雇用につきましては、障害者の方々が個々の障害の状況に応じて、その能力を十分に発揮できる環境を整備することは大変重要なことと認識しております。今後の障害者雇用のあり方につきましては、先月上旬に厚生労働省において3つの研究会の報告書が取りまとめられ公表されたところでございます。これらの内容につきましては、今後、労働政策審議会の障害者雇用分科会における議論が予定されておりますことから、本市職員の採用につきましても、今後の議論の動向等に注視しながら、庁内の関係課で構成いたします障害者採用促進調整会議において検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 総務局長のほうには先に意見を申し上げたいと思います。今までは3障害の特性を踏まえた採用基準というので行われてきておられましたけれども、今後は一人一人の障害者の一人一人の特性に応じて採用していかなければならない、そういうことを思いますと、今回の精神障害者の就労支援というようなものも、川崎市は全国に先駆けてそうしたノウハウをすごく蓄積されてきているところですから、そんなものを生かしながら早いうちからこの検討をしてもらいたいと思いますので、申し上げておきたいと思います。
それから、健康福祉局長のほうに再度伺います。ディスプレー、お願いいたします。この表は川崎市の障害者の就労登録者数のグラフです。2011年には593人になっています。この表は川崎市の障害者の就労総数のグラフです。ずっと伸び続けていることがわかると思います。これは3年間のグラフです。就労者数も登録者数もふえ続けている中で、とりわけ精神障害者の方が急増しております。これは全体が下がっているように見えますけれども、全体はふえている中で、黄色いのが精神障害者ですけれども、ふえ続けてきている現状があります。消してもらっていいです。精神障害者の増加が今のでわかると思いますけれども、ハローワーク川崎北では10年間に精神障害者の方が11倍にもふえてきていると言われています。こうした川崎市の現状と法改正によるニーズの拡大を見越した体制としては、3カ所で各200人、300人規模の就労支援体制で行うより、各区100人規模の就労支援体制を構築することが私は現実的だと思います。さらには、精神障害者の就労支援は、障害特性を考慮すると、生活圏での支援がとりわけ求められます。法改正に伴い、地域社会像が大きく変わろうとしているときの再編整備計画は現状追認ではなく、当事者主体で今後考えるべきです。見解を伺います。
◎木村実 健康福祉局長 障害者の就労支援体制についての御質問でございますが、近年、就職を希望する障害者は増加し、国においても精神障害者の雇用義務化に向けた検討が進められるなど、障害のある方の就労支援の重要性はますます高まっており、本市におきましても就労支援体制の充実強化が必要と考えております。就労に関する相談は、企業などで一定期間集中的な支援が必要な方や、就労状況が比較的安定しており、今後トラブルが生じたときのために予防的に登録を継続する方、就労に向けてまずは生活の安定を図る方など、さまざまな状況の方がいらっしゃいます。そのため、相談支援体制といたしましては、就労も含めた身近な総合相談窓口としての各区の保健福祉センターや障害者生活支援センターと、就労に関する専門的相談支援機関としての就労援助センターが、それぞれの機能を果たしながら重層的な支援を展開しているところでございます。就労援助センターにつきましては、訪問による支援を積極的に行っているほか、就労先の開拓や企業との調整などの役割が求められており、専門性の確保が重要でございますので、地域リハビリテーションセンターと同様に3カ所を基本としながら、ニーズの増加や多様化に対応できるよう機能の充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆猪股美恵 委員 健康福祉局長の御答弁は本当に優秀な方の御答弁で、職員の方たちも大変優秀で、その答弁だと思います。私は、言葉としてはわかりませんけれども、例えば成長していく子どもに服を与えるときに、成長するのがわかっていて、同じような今着られる服だけを買うのか、親としては将来を見越した来年でも着られるような服を買うのか、そういったことだと思いますし、それに当事者の気持ちというのをもっと酌むべきだろうと。優秀な方だからこそ、これからの地域社会をどういうふうに描くのかという、その地域を描くというところまで優秀な職員はしてほしいなと私は思いました。計画もこれからまだ少し延びるやにも聞いておりますので、専門性を高めるために3カ所だということだけではなく、地域の身近な生活圏の中ですべてサービスが完結していけるような、そんなあり方を私は模索してほしいということを申し上げて、終わります。
○岩隈千尋 副委員長 お諮りいたします。本日はこの程度をもちまして終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岩隈千尋 副委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定をいたしました。
なお、来週24日も引き続き質疑を行いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後5時10分閉会...