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12月07日-15号

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  1. 神奈川県議会 2020-12-07
    12月07日-15号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 2年 第三回 定例会 △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028783-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和2年第3回神奈川県議会定例会会議録第15号〇令和2年12月7日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共105名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       松   本       清                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       作   山   ゆうすけ                       長   田   進   治                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          和   泉   雅   幸         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長        前   田   光   哉         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         共生担当局長        安   井   由 美 子         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         大   賀   眞   一         同  総務部長       和   智       勉   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          谷   川   純   一         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       小 野 関   浩   人         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和2年第3回神奈川県議会定例会議事日程第15号                            令和2年12月7日午後1時開議第1 定県第 118号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)   定県第 119号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第1号)   定県第 120号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 121号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計補正予算(第1号)   定県第 122号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計補正予算(第1号)   定県第 123号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 124号議案 神奈川県固定資産評価審議会条例の一部を改正する条例   定県第 125号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 126号議案 神奈川県統計調査条例の一部を改正する条例   定県第 128号議案 神奈川県行政機関設置条例の一部を改正する条例   定県第 131号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 132号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 133号議案 行政財産の用途又は目的を妨げない限度における使用に係る使用料に関する条例の一部を改正する条例   定県第 134号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 135号議案 神奈川県ふぐ取扱い及び販売条例の一部を改正する条例   定県第 136号議案 食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 137号議案 神奈川県食の安全・安心の確保推進条例の一部を改正する条例   定県第 138号議案 神奈川県法定外公共用財産使用料徴収条例の一部を改正する条例   定県第 139号議案 神奈川県都市公園条例の一部を改正する条例   定県第 140号議案 神奈川県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例   定県第 141号議案 神奈川県流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例   定県第 142号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 143号議案 神奈川県海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例   定県第 144号議案 神奈川県砂防指定地の管理に関する条例の一部を改正する条例   定県第 145号議案 特定事業契約の変更について(衛生研究所特定事業契約)   定県第 146号議案 指定管理者の指定の変更について(湘南港)   定県第 147号議案 指定管理者の指定の変更について(葉山港)   定県第 148号議案 和解について   定県第 149号議案 和解について   定県第 150号議案 当せん金付証票の発売について   定県第 151号議案 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所定款の変更について第2 請願第24号 議会承認案件の工事の軽易な変更についての請願   請願第25号 悪質商法による消費者被害をなくすために、預託法の改正及び執行強化、並びに特定商取引法の改正、同法指針の改正及び執行強化を求める請願   請願第26号 政務活動費で作成した県政報告書等を議員のホームページに掲載することを求める請願   請願第27号 委員会等の終了後傍聴者に配布された資料を持ち帰ることが出来るようにすることを求める請願   請願第28号-1 教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願   請願第28号-2 同    件   請願第29号 県の小児医療費助成制度の拡充についての請願   請願第30号 県立高校改革実施計画(Ⅱ期)で計画されている逗葉高校と逗子高校の統廃合についての請願   請願第31号 教育費の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028784-諸事項-諸報告等-》    〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共102名 ○副議長(いそもと桂太郎) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────(請願:議事日程参照)   ───────────────────────────────────────外8件 請願文書表のとおり                            〔本会議録別冊140頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) この際、申し上げます。  北井宏昭議員から質問趣意書が提出されておりますので、執行機関に送付しますから、御了承を願います。                            〔本会議録別冊162頁参照〕  受理いたしました陳情書は、陳情文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、御了承を願います。  県内に住所を有しない陳情者から提出された陳情書につきましては、その写しを配付してありますから、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028785-質問・答弁-市川よし子議員-一般質問①県政における喫緊の課題について②その先の神奈川に向けた取組について》 ○副議長(いそもと桂太郎) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第118号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算外30件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕(拍手) ◆市川よし子議員 立憲民主党・民権クラブ県議団の市川よし子です。  議長のお許しを頂き、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  御答弁者におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  それでは、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、県政における喫緊の課題について伺います。  まず、コロナ禍における対策について、2点伺います。  初めに、新型コロナウイルス感染症対応病床の確保についてです。  神奈川県では、医療崩壊を防ぐための医療提供体制「神奈川モデル」を整備し、これまで新型コロナウイルス対策に取り組んできたと承知しています。  11月以降の感染拡大で、本県でも新規感染者が200名を超える日も多くなる中、県は11月14日に医療アラートを発出し、医療機関に病床確保を求めたと承知しています。  感染状況を捉えるモニタリング指標には、病床の逼迫具合というものがありますが、県が確保している新型コロナ感染者向けの病床、いわゆる確保病床、最大1,939床に対して、12月2日時点で発表されている12月1日の速報値によれば、重症病床200床に入院60人の利用率30.0%、中等症1,739床に入院392人の利用率22.54%と公表されていますが、確保病床ではなく、実際の受入可能な即応病床の数を基に利用率を算定すると、重症病床88床に入院60人の利用率68.2%、中等症685床に入院392人の利用率57.2%となり、現実には、危機的と言わざるを得ない状況であると感じております。  11月14日の知事が発出した医療アラートは、2週間で650床から1,100床を目標とし、医療機関に対して450床のさらなる病床拡大を要請したものですが、2週間以上たった現在も100床ほどしか増えていないと聞いています。  感染拡大のスピードに病床の確保が追いついておらず、今後、ステージが進んでいった際、確保病床1,939床を整えることができないのではないかと強く危惧しています。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらない場合、確保病床1,939床を速やかに確保できるのか、また、法的な制限があるのは承知していますが、現在の状況を鑑みれば、臨時医療施設をさらに開設させることも視野に入れるべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、コロナ禍におけるメンタルヘルスケアとしてのうつ病対策についてです。  現在、新型コロナウイルス感染症については、第3波が到来したと言われ、全国的に感染が広がっており、多くの人が健康被害や経済的困窮等、出口の見えない不安を抱いている状況にあります。  また、テレワークやオンライン授業等の増加、行事の中止により、人とのコミュニケーションが取りづらい状況も続き、多くの県民がストレスを抱える中で生活しているのが実情と実感します。  また、コロナ鬱という言葉にもあるとおり、このような我慢やストレスがたまることにより、心の病を抱えてしまう人も多く、鬱病等の体調悪化から自殺につながってしまうなど、コロナ禍でのメンタルヘルス面への影響が大変危惧されるところであります。  〔資料提示〕  11月24日、厚生労働省が先月の自殺者の年代別の情報を公表し、特に女性の20代と40代が、前年同月と比べ2倍以上に増えていることが分かりました。非常に憂慮すべき状況と思います。  既に本県では、こころのLINE相談など、相談体制を強化し、実績を上げているのは承知し、評価するところでありますが、自殺者の原因・動機には、健康問題の割合が高く、その中でも鬱病を含む精神疾患が原因となっていることが多いため、メンタルヘルスケアとして、相談だけではなく、鬱病対策に焦点を合わせ、取り組んでいかなければならない段階ではないかと考えます。  鬱病は特別な病気ではなく、ストレスなどにより誰でもなる可能性がある病でありますが、心療内科への受診は、心理的にハードルが高いのも事実であり、まずは、県民が鬱病について正しく御理解していただく必要があります。  また、現在、新型コロナウイルスの感染を恐れ、医療機関への受診を控える動きもありますが、心に悩みを抱えた方に対する相談対応だけでなく、鬱病にかかってしまった方を、周囲の目を気にせず受診できるオンライン診療も含め、適切に医療機関へつなげていくことも重要です。  そこで、知事に伺います。  コロナ禍において、県として、今後、鬱病対策について、どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、ヘイトクライム等につながるSNS上の誹謗中傷に対する取組についてです。  総務省の令和元年の調査結果では、本県のインターネット利用率は92.7%であり、そのうち、68.7%がスマートフォンによるインターネット利用であることからも、誰もが気軽にスマートフォンでSNSを楽しんでいる状況であると認識しています。  その一方で、最近は、このSNS上における他人への誹謗中傷が大きな人権問題となっており、書き込みが一度なされると、瞬時に広がってしまい、それをきっかけに、最悪の場合、脅迫といった犯罪や自死へ追い込むといったケースに発展してしまう事案も発生しています。  障害者へのゆがんだ偏見や差別意識が起因となった未曾有のヘイトクライムとも言われる津久井やまゆり園での殺傷事件や、脅迫事件も起きてしまった川崎でのヘイトスピーチデモといった、人権に関わる大きな問題が発生している本県だからこそ、ヘイトクライムや、人を自死へと追い込むような悪質なSNS上における誹謗中傷には、知事が先頭となり、毅然とした姿勢で対策を講じるべきと考えます。  しかしながら、インターネット上での誹謗中傷に対しての対策の実情に目を向けると、既にヘイトスピーチに関する条例を制定している川崎市における運用状況を見ていても、書き込みの削除要請に至るまでにも、相当時間を要する上に、要請以上の行為はできないことなど、実効性の面から、なかなか難しい状況にあるのも事実です。  特に今年は、新型コロナウイルス感染症による患者や医療従事者、さらに周辺の方々に対するインターネットによる偏見や差別も起きており、行き過ぎた正義感が脅迫のような、法に抵触する行為に発展しないか危惧するところであります。  インターネット上の書き込みにより尊厳を傷つけられるといった被害だけでなく、ヘイトクライムにつながるような行為の発生に対しては、法的整備だけでなく、SNS事業者の自主的対応といった協力が必要不可欠ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  ヘイトクライム等につながるSNS上の誹謗中傷に対して、県として、SNS事業者への対応を含め、実効性ある取組を進めていくべきと考えますが、御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、少年非行の情勢とその対応についてです。  平成27年2月、私の地元である川崎市において、当時中学1年生の生徒が、多摩川の河川敷において複数の少年により殺害されるという大変痛ましい事件が発生しました。  川崎に生まれ育った私にとり、このような少年犯罪は二度と繰り返してはならない事件であり、少年を犯罪者にも被害者にもしてはならないというのは、私の議員としての使命でもあると考えております。  その後の県警察や関係機関・団体による取組の成果もあり、川崎市における、ここ数年の少年非行の情勢を見ると、検挙・補導された非行少年は減少し続けています。  しかしながら、私が地元を歩いてみても、体感としては、少年犯罪の芽は新たな形を変えながら顕在しており、実際、報道等においては、特殊詐欺に加担したとして検挙される少年が多いことや、薬物事犯で検挙される少年が多いと聞いており、少年非行情勢は、依然として予断を許さない状況にあると考えます。  私たち大人が、次代を担う子供たちの健やかな成長を図らなければならない立場にあることを鑑みれば、私たちは、日々変化する様々な社会的要因が、子供たちの心とその成長に大きく影響を及ぼすものであることを十分に認識した上で、その健やかな成長のため、良好な社会環境の整備に配慮する必要があるのではないでしょうか。  〔資料提示〕  私の選挙区、川崎市幸区には、少年相談・保護センターという警察の相談機関があります。この少年相談・保護センターは、まさに子供の特性等に応じ、子供たちの様々な問題への相談に応じてくれるものであり、子供たちの健やかな成長が図られるようにするための有益な社会資源の一つであると思います。  そこで、警察本部長にお伺いします。  県内における非行少年の検挙・補導状況の推移とその特徴について、また、少年が犯罪に加担しない取組として、どのような活動を行っているのか、さらに、少年相談・保護センターはどのように取り組んでいるのか、伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 市川議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県政における喫緊の課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、コロナ禍における対策についてです。  初めに、新型コロナウイルス感染症対応病床の確保についてです。  県では、医療提供体制「神奈川モデル」を構築し、新型コロナの感染拡大による医療崩壊を防いできましたが、現在の感染拡大の局面において、医療提供体制の厳しい状況は続いています。  今後、感染が拡大し、確保病床数1,939床の全てを新型コロナ患者の入院に対応できるように拡大する場合は、通常医療を制限しなければならず、すぐに対応することは難しいと考えています。  そこで、県は、65歳以上の軽症者・無症状者を全員入院させる必要はないのではないか、との医療現場の声を踏まえ、65歳以上や基礎疾患のある方全てを一律に入院させるのではなく、重症度やリスクを勘案した基準を設定し、医師が入院の必要性を判断することとしました。  具体的には、65歳以上は2点、75歳以上は3点、透析患者は6点、高血圧は2点といったように、患者のリスク因子を重みづけし、5点以上の方を入院の目安としています。  この取組により、これまで新型コロナで入院対象としていた方の半数程度が、自宅等での療養となりますので、入院が必要な患者に病床が振り分けられ、実質的な病床の確保につながります。  次に、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく臨時医療施設については、緊急事態宣言が発令された地域の都道府県知事が設置できるものであり、現在、新たな設置はできません。  なお、本県においては、既に臨時の医療施設を5月に開設しており、全体で5棟180床を整備していますが、いまだ3棟しか使用していないため、新たに臨時医療施設を開設する必要はないと考えています。  仮に、患者がさらに急増し、緊急事態宣言が発令される状況となれば、設置の可否についての検討が必要となりますが、医師、看護師等の確保が課題となりますので、感染状況を見極めながら、慎重に判断します。  県では、医療提供体制「神奈川モデル」を維持できるよう、病床を確保するとともに、県民の皆様が必要な医療を安心して受けられるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、コロナ禍におけるメンタルヘルスケアとしてのうつ病対策についてです。  現在、コロナ禍で、多くの方がストレスを抱えていますが、心や体のストレス等、様々な要因が重なると鬱病につながる可能性があります。  鬱病は、誰でもなる可能性があり、適切な治療を受けることにより、回復することが可能です。しかし、御自分や御家族の心や体の不調の原因が、鬱病にあると気づかないことが多いため、県民の皆様に鬱病について正しく理解していただき、適切な治療につなげていくことが重要です。  県では、これまで、セミナーやイベント等で、鬱病の普及啓発に取り組むほか、こころの健康相談を行ってきました。  また、鬱病の患者は、不眠など、体の不調から、内科医等のかかりつけ医を受診することが多いため、内科医等を対象にしたうつ病対応力向上研修などを実施してきました。  一方、いまだ専門の診療機関での受診につながっていない方も多く、新型コロナの影響で受診を控える傾向もあるため、速やかな鬱病の治療につながるよう、さらなる取組が必要です。  そこで、今後は、鬱病に関する理解を一層深めていただくよう、鬱病のセルフチェックシートなどを県のホームページに掲載するとともに、かかりつけ医と連携して周知するなど、取組を強化していきます。  また、新型コロナの状況下で、治療が受けやすくなるよう、鬱病等のオンライン診療を行う医療機関を新型コロナ対策パーソナルサポートを活用して周知していきます。  県では、今後、鬱病の早期発見、早期治療に向け、取組を一層強化し、コロナ禍における鬱病対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、ヘイトクライム等につながるSNS上の誹謗中傷に対する取組についてです。  インターネットの普及により、コミュニケーションの輪が飛躍的に広がる一方、SNS上での他人への誹謗中傷や、差別的書き込みなど、人権やプライバシーの侵害につながる情報の拡散が社会問題化しています。  県では、これまで、子供、障害者、外国籍県民といった様々な分野における人権課題の解消に向け、取り組んできましたが、昨今のインターネットでの誹謗中傷といった問題についても、大変深刻な人権課題と受け止めています。  そこで、ルールやモラルを守ったインターネットの正しい使い方や、被害に遭った場合の対応方法をホームページ等で周知、啓発しているほか、ヘイトスピーチ等に関しては、差別的な書き込みをチェックするモニタリングの実施や、弁護士相談窓口を開設しています。  今後は、このヘイトスピーチ相談だけでなく、インターネットによる誹謗中傷でお悩みの方を対象にした弁護士相談を、今年度中に追加実施する予定です。  さらに、県民が加害者や被害者にならないよう、SNSの適切な利用を普及啓発するため、SNSの事業者団体や関係機関で構成する連絡会において、子供や大人、学生といった対象に応じた効果的な手法を検討し、順次着手します。  また、この連絡会の場では、インターネットの誹謗中傷対策について、広く意見交換を行いながら、利用規約に違反する投稿の削除等、事業者の自主的取組が一層促進されるように、事業者団体に働きかけを行うなど、取り組んでまいります。  県では、引き続き、インターネットの誹謗中傷対策について、関係機関と連携して、実効性ある取組を進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(大賀眞一)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 大賀警察本部長。 ◎警察本部長(大賀眞一) 少年非行の情勢とその対応について、お答えいたします。  まず、少年非行の情勢についてです。  県警察が検挙・補導した非行少年については、平成24年以降、減少をし続けており、令和元年が1,953人と、5年前の平成27年の3,942人と比べても、マイナス約50.5%と半減をしております。  こうした中、近年、特殊詐欺に加担して検挙した少年や、薬物事犯で検挙した少年が増加しているということが、特徴の一つとして挙げられます。  特殊詐欺に加担して検挙した少年については、令和元年が48人と、平成27年の27人と比べて、約77.8%増加しております。また、薬物事犯で検挙した少年については、令和元年が87人と、平成27年の23人と比べて約278.3%の増加となっております。  次に、このように増加している少年による特殊詐欺の加担や薬物乱用への取組について、お答えいたします。  特殊詐欺加担防止対策として、県警察では、加担の防止、加担からの離脱、そして再加担の防止という、三つの観点から対策を推進しております。  対策の一例を申し上げますと、加担の防止のための取組として、県内の高校生の協力を得て、啓発DVDを制作し、高校等に配付して活用を呼びかけております。  また、薬物乱用防止対策として、県警察では、学校と連携して、児童・生徒に対する薬物乱用防止教室を実施しております。この教室では、大麻等の薬物が身体に及ぼす影響を説明するなどしております。  次に、少年相談・保護センターについてお答えします。  県警察では、県内8か所に少年相談・保護センターを設け、警察官や専門の相談員が、少年や保護者等からの非行問題や犯罪被害等に関する相談に応じております。  相談対応では、少年の特性の理解に努めながら、少年に対する指導・助言を行っているほか、保護者や学校関係者に対しても、少年の特性に基づいた対応ができるよう、助言を行うなど、家庭や学校等とも連携して対応しております。  県警察では、引き続き、少年非行の情勢を踏まえながら、必要な対策を講じるとともに、警察による対応の中で、非行問題を抱える少年やそれに悩む保護者を把握した場合には、少年相談・保護センターの利用を働きかけるなど、その利用促進等を図って、少年の健全な育成を図ってまいります。  以上でございます。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 知事並びに警察本部長、御答弁ありがとうございました。  それでは、1点、再質問をさせていただきます。  病床の確保についてです。  御答弁では、1,939床の早期の確保はかなり厳しいという旨の御認識が示されました。その上で、実質的な病床確保のために、入院基準の見直しを図ったということですが、こういった基準は、他県では取り入れられておらず、入院の対象とならなかった65歳以上の方や基礎疾患のある方に、万が一のことが起きれば、大きな問題となる、非常に大胆な見直しだと考えます。  県は、この入院基準について、きちんと安全を担保していると言えるのか、知事にお伺いさせていただきます。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  今回の入院基準の検討に当たりましては、これまでの県内の入院患者の症状等を分析した上で、リスク因子を数値化しましたが、入院の要否をスコアに基づいて機械的に判断するのではなく、最終的に医師が総合判断することとしています。  また、判断の結果、入院の対象とならず、宿泊施設や自宅で療養される方には、毎日、電話やLINEで健康観察を行っていきます。  体調が悪化したときには、看護師が24時間体制で電話相談を受け付け、状況によっては、医師が状態を確認して、オンライン診療や薬の処方、さらには緊急搬送の可能な体制を整えています。  あわせて、これまで以上に療養者の健康観察をしっかり行うため、高齢者や基礎疾患がある方には、呼吸不全の状態が確認できるパルスオキシメーターを貸し出すことといたしました。  そもそも、このアイデアといったものは、現場の医師の声に基づいてつくったものでありまして、これを私がいろいろなところでお話をしても、現場の医師からは、大変評価を受けているといったことが現状であります。  答弁は以上です。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、意見、要望を申し上げます。  まず、病床確保についてです。  私の地元、川崎市でも、今日から時短要請が始まります。医療と経済の両立、二律背反するテーマですけれども、本当に難しい局面であり、正解は時間を経なければ分からないと思います。  ただ、今は、批判覚悟での決断が求められるときと、私も感じております。  しかし、一方で、ワクチン開発なども進み、出口もようやく見えてきました。  私は、少なくとも今から数週間は、医療に対して大きな危機感を持つべきフェーズだと思っています。  御答弁で、事実上、早期の1,939床の確保、これは厳しいという御認識が示されましたけれども、そもそもこの1,939床という、なかなか今確保できていない確保病床の数字が、本県の本当に逼迫している医療現場の実態を県民に見えなくしている状況ではないかと思っています。  東京や他県と比べて、まだ大丈夫というような、県民へのミスリードになってしまわないかと私は懸念しています。  臨時施設は最後の手段としても、想定外を想定して、あらゆる手を打っていかなければならないと思います。特に、年末年始は医療機関も休診になる時期です。救急医療などへの影響も懸念されます。  また、知事もおっしゃっていたように、ベッドを準備しても、一番確保が必要なのは医療スタッフなどであることは言うまでもありません。  現在、献身的にコロナの医療に携わっておられる医療機関に、さらなる支援はもとより、広域的な協力や、現在、職に就かれていない医療関係者に、例えばボランティアを募るなど、あらゆる手法を検討されておくことを要望します。  さらに、まさに今日から始まる入院基準の見直しについては、知事から、少し詳細に御答弁を頂きましたが、その一方で、御心配の県民の声があるのも事実です。  とにかく命を守ることを第一に、特に県民の不安を払拭していただくためにも、先ほど御答弁ありましたような、具体的な対応の内容を県民に説明して、理解していただく、これをまず、行っていただきたいと要望させていただきます。  また、療養中のモニタリング、これが一番大事になると思います。しっかりと対応していただきたい、これは強く要望させていただきたいと思います。  また、昼夜分かたず頑張っていらっしゃる担当の県の職員の方々も疲弊しています。応援体制も、知事、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。  続いて、SNSの誹謗中傷について意見を申し上げます。  これについては、御答弁ありましたが、私は、ぜひ知事が先頭に立って、事業者への御協力を頂くことをお願いしていただきますよう、要望させていただきます。  その他の質問に関しましては、それぞれ前向きな御答弁を頂きました。よろしくお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇
    ◆市川よし子 議員  〔資料提示〕  質問の第2は、その先の神奈川に向けた取組について伺います。  初めに、かながわ共同会(指定管理者)に対する県の監督責任についてです。  10月7日の厚生常任委員会で、私は、県立愛名やまゆり園にて、指定管理者である、かながわ共同会が理事長名で職員宛てに発出した、障害者虐待防止法に抵触するおそれもある文書を取り上げましたが、私がこの文書でもう一つ強く違和感を抱いたのは、当局は明確に否定されましたが、立入調査に入った県職員から法人に謝罪があったなど、文書内に見える、法人と監督者である県との関係についてでありました。  それに先立つ6月中旬、私は、同法人が津久井やまゆり園において、県からの指摘を受け、改善策などを文書で回答したことを知り、委員会質疑のために、その内容を当局に照会しました。  ところが、その後2か月以上、当局からは回答がなく、度重なる要求の結果、何と委員会開催直前の9月になって、当局から文書が出されました。  しかし、その中身は、情報公開条例を根拠に、内容は全て真っ黒なマスキング、いわゆる黒塗りになった文書でありました。条例根拠ならば、受け入れるしかありませんが、なぜ2か月以上も回答がなかったのか、私はいまだに理解に苦しんでおります。  県立障害者施設3か所の指定管理者である同法人と、監督者の立場である県との関わりはどうであったのか。私は、特に津久井やまゆり園事件前後の同施設のモニタリング報告書を詳細に調べさせていただきました。  〔資料提示〕  事件前年の平成27年度の報告書では、利用者6人に4人の職員配置で食事中、利用者のお一人が骨つきのフライドチキンを喉に詰まらせ、結果お亡くなりになるという重大事故が報告されていますが、何と随時モニタリングは実施されておりませんでした。  ちなみに、このときの3項目評価は最高の評価Sでありました。  また、私が調べた限りでは、この事故について、議会報告はありませんでした。  平成30年度には、利用者に原因不明のけがが複数上がったことから、随時モニタリングを実施していましたが、結果は問題なしということで、指導や改善勧告はありませんでした。  事件翌年の平成29年度にも、死亡に至る事故が1件報告されています。  さらに、愛名やまゆり園の報告書を見ると、平成28年度、やはり食べ物を喉に詰まらせ、死亡に至った事故のほか、4件の骨折等の報告がありましたが、死亡事故について、随時モニタリングは実施しているものの、指導・改善勧告はなし、評価はA。平成29年度は、4月18日から5月12日までの短期間に3件の骨折が報告されていますが、指導・改善勧告はなく、評価はS。平成30年度も6件の骨折等の報告がありますが、指導・改善勧告はなく、評価はAでした。  こうした報告を検証すると、県として妥当な監督を行っていたのか、率直に懸念を抱かざるを得ません。  現在の同法人の経営体制を見ると、理事長はじめ4人の理事が県のOBであります。また、福祉行政は、福祉職の公務員がその多くの職務を担うため、他の行政部署と異なり、職員の異動が少ないと聞いております。  さらに、同法人が本県の障害者政策を担うため、県によって設立された経緯もあり、歴代理事長の8人のうち6人が県OBであり、多くの県職員が退職後、同法人に再就職をされていると仄聞します。  そうしたことから、県と同法人は、他の指定管理施設を運営する法人以上に、関係が密接ではないのかと指摘する声があるのも事実です。  現在、県では、かながわ共同会に対し、ガバナンスの改善を求めていると承知しておりますが、まずは、県としての監督責任はどうだったのか、過去の検証も含め、県としてのガバナンスを見直すことが先ではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  県立障害者施設の指定管理者である、かながわ共同会に対しての県としての監督責任をどのように検証し、また、今後どのようにその責任を果たしていくのか、御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、デジタル行政における審議会等のオンライン化についてです。  県では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、本年2月26日に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた県の基本方針を策定し、県が主催する会議等について、不要不急の会議は、中止または延期とし、開催せざるを得ない場合は、電子会議への切替え、書面開催を検討するとしていることは承知しています。  調べてみると、法律や条例に基づき設置されている県の審議会等、95会議のうち、今年度1回でも開催したものは65会議ありますが、そのうちウェブで開催したものは、4会議にとどまっています。  〔資料提示〕  一方、国や他の都道府県の審議会においては、コロナ禍の中、ウェブ会議が多く導入されていたと仄聞します。  ウェブ会議を前提とすれば、会議室の賃借料など、会議に係る費用のコストダウンにつながるとともに、委員は自らの自宅やオフィスから参加することができるため、多忙な方や遠方の方にも、委員の就任依頼をすることもできるなど、委員選定の選択の幅が広がり、県にとって、大きなメリットがあります。  県では、11月に、デジタル戦略本部室を立ち上げるなど、デジタル化に力を入れていくこととしていますが、デジタル化を効果的に進めていくためには、システムを導入するだけでなく、あわせて、仕事に対する意識を変えていく必要があります。  そのため、会議は会議室でという古い考えを捨て、ウェブ会議を積極的に取り入れることで、デジタル化に向け、職員の意識を変える突破口にしていくべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  デジタル化をさらに進めるため、県の審議会等において、積極的にウェブ会議を導入すべきと考えますが、御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県立高校におけるオンライン配信授業についてです。  私は、公約の一つとして次世代の教育を掲げており、昨年6月の第2回定例会で、県立高校のICTの活用についての質問を行いましたが、その際に、ICT利活用授業研究推進校の県立生田高校を視察させていただきました。  そこでは、生徒がスマートフォンを使って問題を解き、意見を共有するなど、先進的な授業をしており、驚きを感じるとともに、まさに未来の教室を見た思いでありました。  その一方で、こうしたICTを活用した教育の途についていない学校と、教育内容の質の面で、大きな格差が生じることへの懸念を覚えたのも事実です。  質問では、教育長から、BYODをはじめとして、ICTを活用した教育に取り組むという前向きな御答弁を頂きました。  そうした中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、昨年度末から行われた学校の臨時休業において、子供たちの学びの保障の点から、オンラインを活用したICT教育が注目されたことは御承知のとおりであります。  〔資料提示〕  県教育委員会では、昨年度末に全県立高校でBYODを可能にしており、コロナ禍の中で有効活用されていると承知していますが、全ての学校において、一定の教育の質を確保するためには、生田高校のように、生徒のICT活用能力を向上させることができるよう、教員の指導力を高めることや、効果的な学習のための授業方法等の工夫を進めていくことが必要であることは言うまでもありません。  そうした取組の一つとして、全校に無線LAN環境が整備されている現状を生かして、先進的な授業を他校にも配信し、ICTの活用が苦手な教員が、実際に自分の授業に取り入れてみることで、体験的に学ぶことなどが考えられると思います。  オンライン授業の利点は、授業を受ける場所を選ばないこと、そして、授業を多人数で共有できることであります。このような形での授業の配信を行うことができれば、他校の生徒とオンラインで意見交換をすることができるなど、多様な取組につながる可能性があり、例えば、外部講師などを招くシチズンシップ教育などにも活用できると考えます。  ハード面での整備が進められている県立高校において、これから先、その環境を効果的に活用していくためには、ICTを活用した先進的な取組をオンライン配信で学び、全ての学校で教育の質の向上を図ることが必要なのではないでしょうか。  そこで、教育長に伺います。  ICTを活用した質の高い教育の実現のために、県立高校においてオンライン授業の配信を、より一層活用していくべきと考えますが、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、川崎合同庁舎跡地の利活用についてです。  川崎合同庁舎は、もともと、青少年会館として県民に親しまれた施設であり、国の法務局や裁判所、税務署、川崎市のスポーツ文化施設などが集積された富士見エリアに位置しています。  川崎合同庁舎の再整備に当たって、私は、県民利用施設を含め、この地区にふさわしい再整備の検討を行うべきと、PPP方式の導入や、隣接する川崎市の施設との合築を提案するなど、これまで本会議で何度も取り上げてきました。  今年度内に今後の利活用について、一定の方向を出すため、再整備に係る調査業務を委託していると承知しています。  川崎合同庁舎に入っていた川崎県税事務所は、現在、民間ビルに移転し、その賃料が年間約5,000万円に上ることから、コスト削減の面からも、年度内に一定の再整備に向けた方向性を出さなければならないことは理解しています。  しかしながら、現在、コロナ禍の中、民間事業者の経営状況や今後の見通しも不透明で、その多くが不安を抱えている状況であり、このような中でPPP方式の導入を模索しても、積極的に検討できる事業者は少ないと考えます。  また、この県有地は川崎市に唯一残された利活用可能な用地であり、県として、今後の政策展開などを考えると、安易な売却はすべきではありません。  また、コロナ禍の中にあって、社会環境も激変する中で、サテライトオフィスや行政におけるデジタル化の推進など、新たな働き方や施設利用の可能性が出てきていることを鑑みると、全く新たな発想の利活用の在り方も検討できるのではないかと考えます。  そこで、総務局長に伺います。  コロナ禍においては、これからの時代の変化を見据えた川崎合同庁舎跡地の利活用を目指すべきと考えますが、御見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) その先の神奈川に向けた取組についてお尋ねがありました。  まず、かながわ共同会に対する県の監督責任についてです。  現在、かながわ共同会には、利用者支援の課題について、ガバナンスの在り方の見直しも含めた再発防止策に取り組むよう求めています。  一方で、津久井やまゆり園利用者支援検証委員会からは、県のモニタリングは、利用者の状況や支援の質などを積極的に把握し、改善しようとする姿勢が乏しかったとの指摘を受けています。  私は、かながわ共同会へのこれまでの県の指導、監督に問題があったと厳しく受け止めており、福祉子どもみらい局にチームを編成し、自ら検証を行うよう厳命したところです。  その検証チームは、監査やモニタリング等によって、津久井やまゆり園の支援の調査や指導に関わった約30名の県職員からヒアリングを行うなど、県の関与の実態について検証を進めています。  今後、この検証結果については、障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会から御意見を頂いた上で、具体的な改善策を取りまとめていきます。  なお、こうした改善策の取りまとめを待たずに、津久井やまゆり園をはじめとする指定管理で運営している県立障害福祉施設へのモニタリングについては、書類審査に比重を置いていたものを、利用者の居室といった現場に入って、支援内容を直接確認するなど、既に改善強化に取り組んでいます。  また、今週中に、現在行われている身体拘束の状況を、事例ごとに県のホームページで公表します。これが支援の工夫により、改善されていく状況を、1週間ごとに更新するなど、見える化を図り、身体拘束ゼロの実現を目指していきます。  さらに、県職員の資質向上に向けて、研修内容の抜本的見直しや、民間施設との積極的な交流についても検討していきます。  県自体も利用者の目線に立ち、身を切る覚悟で生まれ変わらなければなりません。これまでの関与の実態をしっかり検証し、改善を進めることにより、県の責任を果たしてまいります。  次に、デジタル行政における審議会等のオンライン化についてです。  県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本年4月に、外部とのウェブ会議が開催できる環境を整えた結果、民間事業者との打合せなどは、11月末日までに約3,000回の利用があり、ウェブ会議は県の業務に浸透してきています。  今後、新型コロナ対応の長期化が想定される中、ウェブ会議の導入拡大を図り、行政のデジタル化を一層推進していくことが重要ですが、そのためには、幾つかの課題を解決していくことが必要です。  その一つが、セキュリティの確保です。  法律等で設置している審議会の中には、個人情報や法人の不利益な情報を扱っているため、審議が公開できないものもあり、ウェブ会議の導入に当たっては、セキュリティの確保に十分に留意する必要があります。  また、会議システムの利用時間に制限があることや、通信環境の整っていない外部委員への対応などの課題もあります。  そこで、まずは、通信時間が確保できる会議システムの導入や、通信環境が確保されていない委員のためには、会議参加スペースを確保するなど、ウェブ会議を開催しやすい環境を整えていきます。  また、審議会等の性質上、会議を非公開にしているものについては、セキュリティの確保がいまだ十分に担保できないことから、現時点での一律の導入は困難ですが、今後の技術的な動向を注視し、環境が整い次第、速やかに対応してまいります。  このように、様々な課題をできることから解決し、開催実績を積み重ねることで、ノウハウを蓄積し、ウェブ会議の導入拡大につなげていきます。  こうした審議会等におけるウェブ会議の導入をはじめ、デジタル化を推進することで、業務の効率化と県民サービスの向上を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔総務局長(和泉雅幸)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 和泉総務局長。 ◎総務局長(和泉雅幸) 総務局関係の御質問にお答えします。  川崎合同庁舎跡地の利活用についてお尋ねがありました。  現在、川崎合同庁舎の跡地は、民間ビルに仮移転している川崎県税事務所の庁舎整備用地として利用する方向で検討を行っています。  この検討に当たっては、ほかの県施設や国、川崎市の施設との集約、民間活力の活用による費用対効果の高い整備手法という視点を中心に調整を進めてきました。  まず、施設の集約についてですが、県施設については、立地や必要な床面積などの物理的な理由から、集約は難しい状況です。また、国や川崎市の施設との集約についても、集約の可能性の有無を確認していますが、そうした意向は得ていません。  こうしたことから、集約による合同庁舎としての施設整備は難しい面がありますが、今後、サテライトオフィスなど、Withコロナ時代の新たな働き方を踏まえた利活用についても、民間事業者の意向を把握していきたいと考えています。  また、民間活力の活用につきましては、本年度、事業用定期借地権を用いた整備手法の導入可能性調査を行ったところですが、昨今のコロナ禍の影響などから、事業者の参入意欲は非常に低く、導入は厳しい状況です。  今後、設計施工一括方式など、民間活力を活用した、ほかの整備手法についても検討していきます。  合同庁舎跡地の利活用については、その検討に一定の時間を要するため、今年度中に方針決定することは難しい状況ですが、できる限り早期に利活用の方針を決定していきたいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校におけるオンライン配信授業についてです。  県教育委員会では、平成28年度から県立高校6校をICT利活用授業研究推進校に指定し、校内の通信環境等を整備した上で、ICTを活用した授業研究を進めてきました。  各県立高校では、これらの研究推進校等の取組を参考に、臨時休業中、オンラインを活用し、生徒の学びの保障に取り組んできました。  学校再開後の授業においても、BYODによるグループ学習や予習用のオンデマンド型の授業動画の配信など、オンラインを活用した学習活動を継続しています。  また、この11月に開催した、教科ごとの教員向け教育課程説明会では、こうした取組の中の優れた学習活動を紹介し、授業でのICT活用の手法等を全校で共有しています。  コロナ禍にあって、オンラインを活用した取組は、学校内でのBYODなどによる学習活動だけでなく、さらに様々な場面で取り入れていくことが求められています。  そのため、今後、例えば、スーパーサイエンスハイスクールの学校同士で課題研究の授業において、オンラインによる発表や質疑応答を行うなど、通信環境を活用した新たな取組の研究を進めていきます。  こうした取組は、離れた場所でも双方向性を実現できるといったオンラインのメリットを生かして、より多くの生徒に効率的な学びを提供するとともに、他校生徒との意見交換などを行うことで、意欲的な学びにつながるものと考えています。  今後、コロナ後の県立高校における教育活動も見据えながら、オンライン授業の配信等を、より一層進め、教育の質の向上を図ってまいります。  答弁は以上でございます。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 それぞれ、御答弁ありがとうございました。  それでは、2点、再質問させていただきます。  まず、かながわ共同会に対する県の監督責任についてです。  知事から、るる御答弁ございまして、私は、今回、過去のモニタリングというのに触れたのですけれども、正直言って、調べながら驚きました。こういうことが本当にあったのだということで、何を一体見てきたのだろうという、私は非常に問題があった、先ほど知事も問題があったと考えておられるということはお示しになられましたけれども、私は、これは本当に氷山の一角ではないのかと思いながら見ておりました。  知事は率直にどうお感じになったのか、お聞かせいただければと思います。  また、県との関与で言うならば、今後、中立性や透明性を打ち出すためには、第三者の目を取り入れることも重要と考えるのですけれども、併せて伺います。  次に、県立高校におけるオンライン配信授業について再質問いたします。  前向きな御答弁、本当にありがとうございます。双方向のオンライン配信授業。  私、質問でも触れましたけれども、例えばシチズンシップの教育などで、外部の専門家等を招いて行う特別講座、こういったものを複数の学校にオンラインで同時配信することなどもできるのではないかと考えています。  これは、私の持論ですけれども、金融教育、これは社会に出る前に、高校生のうちから、しっかりと学習しておくべきと私は思っているのですけれども、県教委でも、金融教育の取組を進めていると承知していますが、例えばこういったところに、こうした取組を検討できないか伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県は、指定管理施設で事故が発生した場合、基本協定書に基づいて、指定管理者から速やかに報告を求め、必要に応じて現地の確認や指導を行うことになっています。  共同会が運営する施設で起きた骨折や死亡事故などの重大事案についても、全て事故報告を受け、指導を行ってきたはずでした。しかしながら、これまでの指導が不十分であったと認識しております。  既に、モニタリングの改善を行っていますけれども、今後さらに、第三者でもあります検討部会から御意見を頂きまして、具体的な改善策を取りまとめていきたいと考えております。  県自体も利用者の目線に立って、これまでの取組をしっかりと検証して、県としての監督責任を果たしてまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 再質問にお答えいたします。  シチズンシップ教育などでは、外部講師を招いての特別授業が行われており、実施している学校だけではなく、他の学校にもオンラインで同時配信をすれば、多くの生徒が専門的な話を聞き、学びを深めることにつながるものと考えています。  そのため、今後、生徒の学習効果を高めるために、どのような工夫が必要となるのか、まずはシチズンシップ教育などを研究する指定校での講演会等で、他校へのオンライン配信を試行してまいります。  答弁は以上です。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、要望を申し上げてまいりたいと思います。  かながわ共同会への県としての監督責任についてです。  先ほど、再答弁を知事から頂きましたけれども、隗より始めよという言葉がございますけれども、まず法人としてのガバナンスを問うとするならば、県としては一体どうだったのであろうかと、これを問うていかなければいけないと思います。  前の定例会でも、我が会派の須田議員が指摘しているのですけれども、OBの多い法人であるということで、特にそういったところは、県民に説明するために、しっかりと検証していかなければいけない部分もあるのかなと思っています。  虐待ゼロを目指して、これは実現していく、そして、この神奈川から新しい障害者福祉の在り方を打ち出していくためには、まず、ここを改めずしては前に進めません。しっかりと検証していただき、何よりも尊重しなければならないのは、利用者の方々の人権であります。そこを改めて認識した上で、未来につなげていくよう要望させていただきます。  次に、県立高校のオンライン配信授業についてです。  私は、次世代の教育の可能性がここにあると思っています。双方向授業も、このオンラインでやっていくと可能になっていくと思います。  未来の教室、シチズンシップ教育などでも試行的にやっていっていただくという、本当に前向きな御答弁を頂きました。生徒たちの新しい人生の道につながるような、そういう可能性もある教育だと思っています。  わくわくするような様々な取組を御検討していただけるように、本当に心からお願い申し上げたいと思います。  川崎合同庁舎跡地の利活用についてです。  御答弁を頂きました。私は、何度もこれを取り上げたのですが、質問でも申し上げましたが、ここは唯一、川崎に残された利活用可能な県有地です。ぜひ安易な売却ではなくて、もう少し時間をかけて検討されることをお願いしたいと思います。  特に、先ほど、なかなか集約が難しいということもおっしゃられておりましたし、定借もなかなか難しいという御見解もあるのですけれども、これからいろいろな可能性があると思います。  私は、昔から、ここに殿町とリンクさせて、県立川崎図書館のブランチはどうかなと思っているのですが、いろいろな可能性も含めて、じっくり、もう少し御検討していただくことをお願い申し上げまして、時間も参りましたので、これにて私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028786-質問・答弁-新堀史明議員-一般質問①感染防止対策取組書の更なる普及について②子どもの手話習得支援について③米軍根岸住宅地区の返還に向けた取組について④大岡川河川再生計画における親水拠点の整備と周辺地域の魅力的な観光資源の発信について⑤脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーの利用拡大について⑥三浦半島から横浜にかけての異臭問題について⑦県立高等学校の入学者選抜における感染症対策について》   〔副議長退席、議長着席〕  〔新堀史明議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 新堀史明君。  〔新堀史明議員登壇〕(拍手) ◆新堀史明議員 自民党の新堀です。  私は自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問をさせていただきます。  知事並びに環境農政局長、教育長におかれましては、明快な御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  それでは、早速、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、感染防止対策取組書の更なる普及についてです。  本年2月、クルーズ船が横浜港に寄港したときから、本県の新型コロナウイルス感染症との闘いは始まりました。  県は、これまでの間、黒岩知事を先頭に、県民の健康と生活を守るため、あらゆる対策を講じてきたと承知していますが、残念ながら、現在においても、感染の拡大は続いています。  そして、本日より12月17日までの間、横浜市、川崎市全域の酒類を提供する飲食店、カラオケ店に時間短縮営業の要請も出されました。大変厳しい状況であると思います。  しかしながら、こうした状況下においても、引き続き感染拡大の防止とともに、県内の経済活動を維持していくことは、県や我々議会にとっての重要課題であると考えます。  〔資料提示〕  そうした中、県がいち早く取組を始めた感染防止対策取組書は、各事業者における感染防止対策を応援するツールとして、業種ごとに定められた感染防止のチェックリストに基づき、店舗や施設等が実施している対策を一覧で示し、見える化したものです。  これにより、来訪された方に、安心して店舗等を御利用いただくとともに、多くの事業者が参加することで、新たな感染拡大の波を抑え、持続可能な営業環境を保つことができるものと承知しています。  現在、取組書の登録事業者数は、全業種で約8万件となり、そのうち飲食店に関しては、県内飲食店の約8割となる約2万6,000件の登録をいただいており、県がこれまで実施してきた様々な広報の成果であると評価しています。  一方、県では、県民に向けて、新型コロナウイルス感染防止対策取組書に関する調査を実施していますが、6月に実施した調査結果では、県民の79.4%が、ガイドラインに沿った感染防止対策を実行する業者をもっと増やすべきという回答や、74.7%の人が、どのような感染防止対策を行っているかを利用前に知りたい、との回答が得られています。  現在、第3波と言われる感染拡大の波が日本全国で猛威を振るっており、今こそ、こうした県民ニーズにしっかりと応えることが、コロナ禍における県民の不安を払拭し、安心できる県民生活を送る上で、大変重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  感染防止対策取組書のさらなる普及にどのように取り組んでいくのか、また、店舗等の利用前に感染防止対策の内容を事前確認できる取組の充実が必要と考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、子どもの手話習得支援についてです。  神奈川県手話言語条例は、議員提案により上程され、平成27年4月から施行されており、翌28年3月には、県は、手話を多くの方に知ってもらうために、神奈川県手話推進計画を策定して、手話の普及、手話に関する教育及び学習の振興、手話を使用しやすい環境の整備の三つの方向性に沿って、様々な取組を進めてきたと承知しています。  また、我々県議会は、この12月に、超党派による手話言語普及推進議員連盟の設立を予定しており、より一層の手話の普及を目指し、活動していく決意であります。  聴覚障害のある方が、自分の気持ちや意見を十分に表現でき、周囲と円滑なコミュニケーションを取りながら、自己肯定感を持って成長していくためには、手話を習得する機会の確保が重要であります。  しかし、保護者が手話を使えない聴覚障害のある乳幼児には、言語の習得の重要な時期に、手話の自然な習得が難しく、家庭でもコミュニケーションを取りづらいケースがあったり、また、言語能力の発達にも支障を生じる可能性があるなどの課題があると聞いています。  このため、昨年9月の本会議において、我が会派から、聴覚障害のある乳幼児が手話を習得する機会の確保の必要性について取り上げたところです。  〔資料提示〕  こうした動きを受けて、県でも、令和2年度から、新たに聴覚障がい児等手話言語獲得支援事業を予算化し、去る11月7日に、地球市民かながわプラザで第1回目の手話交流会「しゅわまる」が開催されました。  私も、この交流会に参加しましたが、聾者のスタッフが声や音を使わずに行う手話の手遊びに合わせて、子供たちが楽しむ様子が見られました。  また、交流会後半に実施された保護者向けの手話サロンでは、参加者の方から、この事業への期待とともに、聴覚障害のある乳幼児と保護者が手話を学ぶ機会が、これまでほとんどなかったという話をお聞きし、改めて、この事業の重要性を認識したところです。  誰もが、その人らしく暮らせる地域社会を目指す神奈川県として、聴覚障害のある乳幼児が手話を習得する機会を確保し、子供とその保護者を支援していくためには、こうした事業を、これからも引き続き充実させていく必要があると考えます。  また、来年度、改定が予定されている神奈川県手話推進計画の中にも、しっかりと位置づけて、進めていくべきだと考えます。  そこで、知事に伺います。  聴覚障害のある乳幼児の手話習得支援について、県として、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、米軍根岸住宅地区の返還に向けた取組についてです。  根岸住宅地区は、在日米海軍の住宅施設であり、私の地元、横浜市南区など、三つの区にまたがり、43ヘクタールもの広大な敷地を有しています。  根岸住宅地区については、平成30年11月の日米合意において、早期返還に向け、原状回復や返還時期について、日米で協議を行っていくことが決定し、さらに昨年11月には、日本政府が原状回復作業を行うため、米軍と共同使用することが合意されました。  私は、今後、返還に向けた動きが活発化するものと期待しておりますが、現状は、フェンスに囲まれた地区内で、具体的な進展が見えてこないのも事実であります。  国からは、原状回復作業を経て、おおむね3年をめどに返還を実現するというプランが示されている以上、今後も確実な事業の進展を期待するところであります。  私は、この根岸住宅地区の返還に向けた取組について、これまでも、度々、本会議において取り上げ、地区内に私有地を所有する地権者の方々に、一日も早く、土地の返還を実現する必要性を訴えてきましたが、今年度に入り、跡地利用について大きな進展が見られました。  本年9月、横浜市は、地権者の方々の意向を酌んだ跡地利用の基本計画案を策定しました。その中では、今後の跡地利用の方向性として、地権者の方々のための住宅ゾーン、国有地の活用を想定した教育・研究施設等から成る文教ゾーン、既存の根岸森林公園とつながる森林公園ゾーンの三つのゾーンに区分けし、道路ネットワークの構築や、アクセスの向上を図ることも計画されているところです。  特に、文教ゾーンは、横浜市立大学附属病院の再整備の最有力候補地に位置づけられています。この再整備計画は跡地活用の核となるものであり、既存2病院の跡地活用と併せ、私もその実現を期待しているところであります。  また、昨年の本会議で指摘しましたが、根岸住宅地区の敷地の約4割を占める民有地は、土地境界や面積が確定しておらず、多くの地権者の方が、境界や面積を確定してからの返還を望んでいます。  こうした課題にもしっかりと対応して、地元の意向に沿った返還が実現するよう、取り組んでいただく必要があります。  根岸住宅地区の返還は、地元の悲願であり、跡地が基地周辺の住民にとっても、また、多くの市民にとっても歓迎されるよう、有効活用を図っていくことが必要です。そのためには、早期返還の実現と併せ、市が目指す基本計画の実現に向け、県として支援していくことも重要ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  米軍根岸住宅地区の現状を踏まえ、地元の意向に沿った返還の実現に向け、今後どのように取り組んでいくのか、また、横浜市の跡地利用計画の実現に向け、どのように支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、大岡川河川再生計画における親水拠点の整備と周辺地域の魅力的な観光資源の発信についてです。  現在のコロナ禍において、本県を訪れるインバウンドを中心とした観光客数は大幅に減少しています。  国は、GO TO トラベル事業等により、失われた観光需要の回復や、地域の観光関連の喚起を図っているところですが、さらなる感染の拡大により、一部地域での一時除外など、対応に追われている状況であります。  しかしながら、私は、今後の新しい生活様式を取り入れた社会においても、観光による地域経済の活性化は必要であると考えますし、将来的には、世界中の人々が安心して観光を楽しめる社会が必ず戻ってくると信じています。  再び本県に多くの観光客が戻ってくる日のために、こうしたコロナ禍においても、様々な準備は必要と考えます。  そのような観点から、私は、先月、横浜市が事務局となっている、よこはま都心部水上交通実行委員会が大岡川水系で開催した、よこはま運河チャレンジ2020に参加し、石川町駅前の中村川に設置された仮設の桟橋から乗船し、大岡川を経て、一度、東京湾に出てから、みなとみらい地区などを経由し、再び石川町駅前に戻るクルージングを体験しました。  川から見る風景は、これまでに見慣れた陸地からのものと異なり、また水辺に映る夜景もひときわ美しいものでした。  周辺の地域には魅力的な観光スポットも多く、国内外からの観光客を引きつけるコンテンツとして注目すべきであるということを強く思ったところであります。  こうした中、県は、大岡川河川再生計画に基づき、大岡川水系の河川内に親水拠点の整備を進めており、既に整備された日ノ出町地区や、みなとみらい地区の桟橋等の施設では、現在、にぎわいが創出されています。  横浜市では、横浜の中心部における水辺の活用について、意欲的な検討がなされているところですが、県で進める親水拠点の整備は、地域の憩いの場のみならず、地域振興の面から、周辺商店街などの地元の期待も大きく、市の取組の後押しになるものと考えます。  また、親水拠点が横浜の観光地などを結ぶクルージング等に活用されれば、水辺空間に恵まれた横浜の新たな観光資源となるため、県はその整備を促進することに併せ、市や地元と連携して、周辺地域の魅力的な観光スポットのPRにも取り組む必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、県は、大岡川河川再生計画における親水拠点の整備や周辺地域の魅力的な観光資源の発信に、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーの利用拡大についてです。  近年の自然災害の激甚化や夏場の高温など、気候変動の影響は既に現れており、その要因の一つである地球温暖化への対応は、コロナ禍においても喫緊の課題であります。  2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、いわゆるCOP21において採択されたパリ協定では、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の上昇を2度以内、できれば1.5度以内に抑えることとしています。  平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるためには、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質ゼロとする、いわゆる脱炭素社会の実現が必要であるとされており、既に世界の121か国が表明しています。  我が国でも、本年10月に、菅内閣総理大臣が、就任後初の所信表明演説において、成長戦略の柱として、経済と環境を好循環させるグリーン社会の実現に注力することとし、産業構造や経済社会の変革を促すため、2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことを宣言したところであります。  菅総理のお膝元でもある神奈川県としては、他都道府県の先頭に立って脱炭素社会の実現を目指すべきだと思います。  県は、国に先駆け、既に昨年11月の我が会派の代表質問に対する知事の答弁において、2050年の脱炭素社会の実現を目指すと表明しており、県内では、本県をはじめ、横浜市、小田原市など8自治体が表明していると承知しています。  本県のみならず、脱炭素の表明は、国内で急速に拡大しており、12月3日の時点で、全国で181の自治体に及んでいます。  私は、この脱炭素社会の実現のためには、再生可能エネルギー、いわゆる再エネの利用拡大が不可欠であると考えます。  こうした中、横浜市では、今年6月に移転した新市庁舎で使用する電力を、市内のごみ焼却工場で発電した電力等を活用し、100%再エネ由来とする取組を進めています。  県では、二酸化炭素の排出量を削減するため、省エネ対策や再エネの導入など、様々な取組を進めていると承知していますが、今後は、県有施設で使用する電力を再エネに転換していくなど、県自らが率先して再エネ利用を進めるとともに、市町村と連携して、県民の皆様に再エネ利用を促していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーの利用拡大について、今後、県有施設における率先利用や家庭での利用促進に、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、三浦半島から横浜にかけての異臭問題についてです。  本年6月4日、横須賀市内及び三浦市内の東京湾沿岸を中心に、広い範囲で異臭が発生し、ガス臭い、あるいは、ゴムが焼けたような臭いがするなど、200件以上もの通報があったと報じられました。  その後、横須賀市内では、6月よりは小規模であるものの、7月から9月まで月1回程度の頻度で、同じような異臭が発生し、次第に社会的な関心が高まりました。  さらに、10月に入ってからは、ほぼ毎週のように異臭が発生し、発生場所も横須賀市内だけでなく、私の地元である横浜市内にも広がり、特に10月12日に発生した異臭では、横浜駅構内への入場が一時規制されるといった、社会的な影響まで出ています。  また、10月24日には、藤沢市や茅ケ崎市など、相模湾側でも異臭の通報が消防に寄せられ、これまでの臭いとは異なり、硫黄臭いといった通報もあったと聞いています。  これら一連の異臭問題は、連日マスコミで大きく取り上げられたほか、ネット上やSNS等でも、様々な憶測が飛び交うなど、多くの県民から不安の声が上がりました。  異臭の原因については、これまでメディアで報じられているだけでも、地震の前兆となる地殻変動、東京湾での青潮の発生といった自然由来の説や、東京湾を航行するタンカー等のガス抜き、工場・事業所の石油タンク等からの漏洩など、人為的な説まで取り沙汰され、特定できていないことから、県民の皆様の不安が増していると感じています。  〔資料提示〕  こうした事態に対し、本年10月、黒岩知事は、小泉環境大臣と面会し、原因の究明に向けた協力依頼を行ったと承知しています。  また、県は、地元市と協力して異臭を採取しようと試みましたが、臭いがすぐに消えてしまうため、なかなか採取できず、ようやく10月に入ってから、横須賀市と三浦市で採取に成功し、成分分析の結果、ガソリンに含まれる成分が検出されたと発表がありました。横浜市においても、同様の成分が検出されたとのことです。  これらは、直ちに健康に影響を及ぼすおそれはないとのことなので、ひとまずは安心いたしましたが、複数の県内自治体で発生しているこの問題に対して、広域行政としての県の役割は重要だと思います。  既に、最初の異臭が発生してから約半年が経過しており、一刻も早く原因を究明して異臭問題を解決し、県民の皆様の不安を解消することが急務であると考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  三浦半島から横浜市内にかけて6月以降発生している異臭問題について、県民の皆様の不安解消のため、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、県立高等学校の入学者選抜における感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、予断を許さない状況となっている中、令和3年度の県立高校の入学者選抜の実施が近づいています。例年とは異なる環境の中での受検となりますが、受検生には、今後の進路に大きく影響する入学者選抜を無事に乗り切っていただきたいと切に願っています。  こうした状況の中、県教育委員会では、今回の入学者選抜の実施に当たり、コロナ禍の中で、受検生が安心して受検に臨むことができるように、様々な検討を進めていると承知しています。  今年7月には、臨時休業の影響による授業時数の不足等に配慮し、学力検査の出題範囲を限定して、生徒が実際に中学校で学んだ範囲しか出題をしないという方針を表明しています。  加えて、11月19日には、感染拡大防止の取組として、志願手続の郵送対応や学力検査等の際の感染防止対策、新型コロナウイルス感染症の感染者及び濃厚接触者等の受検機会を確保する取組として、濃厚接触者で無症状の者が受検する条件、追加の2次募集等を発表しました。  また、学力検査当日の対応として、発熱等の体調不良がある場合には、無理をせず、追検査を受検するように指導することに加え、健康観察票で健康状態の把握をするとともに、検査会場での受検生の間隔を、おおむね1メートル取るなど、会場内での感染拡大防止に配慮した対応についても発表したと承知しています。  今回の新たな対応については、一定の評価をしています。コロナ禍におけるこうした対応は、受検生の安心につながるものであり、全ての受検生や保護者に対して周知の徹底を図ることが大切です。  そのためには、様々な方法で周知するとともに、受検生を抱える中学校や、同じ公立学校である横浜市、川崎市、横須賀市などの市立高校と連携して対応することも必要になると考えます。  特に、受検生の健康管理については、受検生が在籍する中学校の指導によるところが大きく、例年とは異なる状況にある今年に関しては、より緊密な連携を図ることが大切であると考えます。  そこで、教育長に伺います。  県教育委員会として、入学者選抜の実施に向け、どのように周知していくのか、中学校等との連携も含めて、見解を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 新堀議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、感染防止対策取組書の更なる普及についてお尋ねがありました。  まず、取組書の普及についてです。  取組書は、店舗等における感染防止対策を見える化することで、県民の皆様に安心して御利用いただける環境づくりをサポートする仕組みです。  これまで、ポスター等の各種媒体による広報をはじめ、関係団体を通じた働きかけや、直接訪問などにより、登録の促進を図ってきました。  また、企業が実施する感染防止対策への補助要件や、Go To Eat事業への参加要件とするなど、政策的な連携も進めてきました。  その結果、全体の登録数は約8万件となり、特に、飲食店では約8割に登録いただいていますが、感染拡大の防止と社会経済活動の維持のため、さらなる普及に取り組む必要があります。  そこで、インターネット環境のない事業者でも手軽に登録できるよう、県による代行登録の一層の周知に努め、利用の拡大を図っていきます。  また、県民アンケートの結果、飲食店の次に感染防止対策の徹底が求められている小売店にも、ダイレクトメール等で登録を促し、取組書の普及拡大に努めていきます。  次に、店舗等の利用前に対策内容を確認できる取組の充実についてです。  県民の皆様が実際に店舗を利用する前に、スマートフォン等で感染防止対策の内容を確認できることは、安心の確保と感染防止を図る上で重要です。  飲食店、ホテル・旅館、理美容については、既に県のホームページから、感染防止対策の事前確認ができますが、今後は新たに小売店を加えるなど、充実を図っていきます。  コロナ禍における県民の皆様の不安を払拭するため、取組書のさらなる普及や情報提供の充実を図り、感染拡大防止と社会経済活動の両立に精力的に取り組んでまいります。  次に、子どもの手話習得支援についてお尋ねがありました。  聴覚障害の子供は、家族など、身近に手話を使う人がいないことも多いため、乳幼児期から手話に触れる機会を持ち、手話言語の習得を進めることが大切です。  このため、県では、今年度から、子供たちが保護者や大人の聾者と一緒に、遊びを通して手話に触れることができる交流会「しゅわまる」を実施しています。  この交流会は、今年度、7回のプログラムを組んでおり、先月行った1回目は、7家族、23人の参加がありました。  参加した保護者からは、子供が興味を持って参加しており、継続して実施してほしいとの声や、親自身が他の保護者や大人の聾者から話が聞けて心が軽くなった等の感想を頂いています。  今後開催する残り6回のプログラムでは、新たな参加希望者に対応できるよう、定員を増やしていきます。  また、神奈川県手話推進計画については、令和3年度中の改定に向けて、現在、神奈川県手話言語普及推進協議会の構成員である当事者団体や学識経験者等との意見交換を行っています。  当事者団体などからは、聴覚障害者が手話を習得する取組を充実すべきとの御意見も頂いていますので、乳幼児期における手話習得支援の取組についても、計画に位置づける方向で検討を行っていきます。  県としては、こうした取組を通して、聴覚障害の子供たちが生き生きと暮らしていけるよう、しっかりと支援してまいります。  次に、米軍根岸住宅地区の返還に向けた取組についてお尋ねがありました。  根岸住宅地区は、在日米海軍の住宅施設として、横浜市の中心部に43ヘクタールもの広大な面積を占めています。  土地のおよそ4割は民有地であり、地権者の方々をはじめ、地元の意向に沿った早期の返還の実現が重要です。  現在、日米両国政府間で返還に向けた動きが進んでおり、昨年11月には、返還に先立ち、日本政府が建物の撤去等の作業を行うため、施設を日米両国で共同使用することが合意されました。  国からは、これまでに、作業に必要な期間はおおむね3年程度との見通しが示され、現在、今後の建物等の撤去作業に必要となる現地調査や、建物の配置図の作成などを行っているとの説明がありました。  同施設の返還に向けては、民有地など、土地が入り組んでおり、境界が不明確になっているとの課題もあります。  市のアンケート調査によると、地権者の方々の多くは、境界や面積を確定してからの返還を望まれています。  このため、県は市と連携し、神奈川県基地関係県市連絡協議会を通じて、地元の意向に沿った早期返還を求めるとともに、今年度の要望からは、施設内の土地の境界画定を確実に行うよう、国に求めました。  今後も、境界画定を含め、返還に向けた作業の進捗について、適時適切に情報提供することや、作業の安全管理に万全を期した上で、地元の意向に沿った返還が早期に実現できるよう、国に働きかけていきます。  また、横浜市は、本年9月に策定した根岸住宅地区跡地利用基本計画案の中で、返還予定地の一部を横浜市立大学附属病院の再整備の最有力候補地と位置づけました。  これまでに、市は市民の方々からの意見募集を行ったと聞いていますが、県としては、市からの求めに応じて、計画の実現に向けて必要な協力を行うとともに、国に対しても、必要な支援を求めていきます。  今後も、根岸住宅地区の早期返還及び跡地利用計画の実現に向けて、横浜市と連携して取組を進めてまいります。  次に、大岡川河川再生計画における親水拠点の整備と周辺地域の魅力的な観光資源の発信について、お尋ねがありました。  横浜の中心部を流れる大岡川水系の川沿いでは、地域に密着した様々なイベントが開催されており、また、水上では、SUPなどを楽しむ方が大勢いらっしゃいます。  そこで、県は、横浜市と連携して、大岡川水系に9か所の親水拠点を整備することとし、これまでに日ノ出町駅付近など、4か所の拠点が完成し、地域のイベントに活用されています。  現在、磯子区の掘割川の河口付近で、令和3年度の完成を目指して、桟橋などの工事を進めており、中村川のJR石川町駅付近でも、地元と連携して、新たな拠点の具体的な計画の詰めを行っています。  こうした親水拠点の整備が進む中、横浜市では、水上交通の検討も進めており、地域にある豊富な観光資源の魅力を発信することで、水辺を活用した回遊性が高まり、地域のさらなるにぎわいの創出が期待できます。  計画されている9か所の親水拠点の周辺には、落語で有名な三吉演芸場や、古くから横浜下町の庶民の台所としてにぎわう横浜橋通商店街など、様々な観光資源が存在しています。  また、大岡川沿いの桜のプロムナードは、花見をしながらのクルージングなど、国内外観光客誘致にも期待できます。  こうした水辺の観光の魅力について、今後、横浜市をはじめ、地元とも連携しながら、季節やテーマに応じて、国内観光客向けウェブサイト「観光かながわNOW」や、外国語観光情報ウェブサイト「Tokyo Day Trip」を通じて、国内外に向けて発信していきます。  県は、引き続き、市や地元関係者と協力して、大岡川水系の親水拠点の整備に取り組むとともに、周辺地域の魅力的な観光資源の発信にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーの利用拡大についてお尋ねがありました。  今や、2050年脱炭素社会の実現は、世界の潮流となっており、我が国も、去る10月に菅総理の所信表明演説で宣言し、その実現に向けて、再生可能エネルギーを最大限導入することを打ち出しました。  本県では、再エネの導入拡大に向け、これまで様々な支援策のほか、県自らの取組として、県有施設の新築時等に太陽光発電設備を設置してきました。  また、昨年11月には、国に先駆けて、2050年脱炭素社会の実現を表明し、県内における再エネ利用の普及に取り組むことにしました。  今年度は、家庭で再エネ電力を共同購入し、価格低減を図る「みんなでいっしょに自然の電気」、略して「みい電」の取組を九都県市で始めたところ、初回募集だけで、県内2,600世帯以上から申込みを頂くなど、利用促進の効果がありました。  しかしながら、まだ再エネ利用が社会全体に浸透しているとは言えない状況であり、県が率先利用するとともに、県民の皆様に、再エネ利用の意義や効果等を分かりやすく示し、普及を図る必要があります。  そこで、県では、新たに県有施設で再エネ100%の電力を利用する取組を始めます。具体的には、単独庁舎で価格の検証が行いやすく、新たな環境施策を発信するという観点から、まず、来年度は環境科学センターで実施したいと考えています。そして、他の県有施設に順次拡大していきます。  加えて、市町村や企業等に対し、こうした県の電力調達の実績を提供し、再エネ利用を働きかけていきます。  さらに、家庭向けには、市町村と連携して広報紙やホームページ等を通じて、みい電を周知し、再エネへの切替えを呼びかけます。  県としては、脱炭素社会の実現に向け、今後も再生可能エネルギーの率先利用を進めるとともに、市町村と連携して、家庭での利用促進にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石渡環境農政局長。 ◎環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  三浦半島から横浜にかけての異臭問題についてお尋ねがありました。  本年6月から11月までに、地元市の消防局に異臭発生の通報は12回ありました。8月までの3回は、市が調査しましたが、原因究明には至りませんでした。  そこで、県が、横須賀市、三浦市、県警察、海上保安庁に呼びかけて9月1日に連絡会を設置し、各機関で情報共有を図るとともに、異臭の採取は消防局、分析は県環境科学センターで行うことを取り決めました。  また、環境省からも、異臭の採取機器40台を借り受けて、通報受理後、直ちに異臭を採取できる体制を整え、ようやく10月に計4回の採取に成功しました。  これらを分析したところ、いずれもガソリンに含まれるイソペンタンやブタン等が検出されたことから、原因は地震などの自然由来ではなく、人為的な由来の可能性が高いと推測しています。  また、検出成分が微量であるため、直ちに健康に影響を及ぼすおそれはないと考えています。  しかし、日によって、ガス臭やシンナー臭など、通報内容が異なり、エリアや風向き等も異なるため、原因が複数あるとも考えられ、異臭の発生源もたどれないことから、原因究明にはさらなる知見の集積が必要です。  そこで、県では、引き続き、異臭の採取・分析を行い、特徴的な成分の有無など、データの収集に努めるとともに、市消防局や海上保安庁等の協力も得て、原因究明につながる知見の収集に努めます。  また、県民の皆様の不安解消のため、異臭発生状況や分析結果などの情報をホームページ等で速やかに発信していきます。  さらに、今後の異臭発生に備え、関係機関が迅速に対応できるよう、各機関の役割分担や緊急時の連絡体制等を明確化していきます。  県としては、県民の皆様の不安を一日でも早く解消できるよう、地元市や国など、関係機関と連携し、異臭問題にしっかりと対応してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高等学校の入学者選抜における感染症対策についてです。  コロナ禍での入学者選抜の実施に当たっては、何よりも受検生の安全・安心を図ることが必要です。  また、感染者や濃厚接触者と特定された受検生が、そのことを理由として不利益を被ることがないように配慮していかなければなりません。  そこで、県教育委員会では、県立高校と同じ入学者選抜を行う横浜市教育委員会等と連携し、郵送による出題や、感染などにより受検できなかった受検生を対象とした追加の検査、追加の2次募集などの対策を講じることとしました。  今年度の入学者選抜は、こうした対策について、受検生一人一人がよく理解した上で、対応してもらうことが大切です。  そのためには、中学校を通じた、しっかりとした周知が不可欠です。既に11月17日から19日にかけて、地域ごとに県立高等学校長と公立中学校長が一堂に会する進路指導中高連絡協議会を開催しています。そして、その場で、対策の詳細を、全ての公立中学校長に対し、説明するとともに、生徒への丁寧な説明を依頼しました。  現在、各中学校では、県教育委員会が作成した志願のてびきを3年生全員に配付しており、受検に向けた指導を行う中で、郵送による出願や追加の検査などについて、生徒に説明しているところです。  また、今回の入学者選抜では、検査当日の健康観察などについて、中学校におけるきめ細かな指導が必要となります。そのため、引き続き、公立中学校長会と生徒への指導などについて、綿密な意見交換を行っていきます。  今後とも、県教育委員会では、横浜市教育委員会や公立中学校長会等と連携しつつ、受検時の感染症対策について、しっかりと周知してまいります。  そして、コロナ禍においても、受検生が安心して検査に臨み、自分の力を発揮できるよう、入学者選抜を実施してまいります。  以上でございます。  〔新堀史明議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 新堀史明君。  〔新堀史明議員登壇〕 ◆新堀史明議員 知事並びに環境農政局長、教育長に御答弁を頂きました。  いずれも前向きな御答弁を頂いたと受け止めさせていただいております。  それでは、2点ほど、再質問させていただきたいのですが、まず、感染防止対策取組書の更なる普及についてですけれども、現在の感染拡大のこの状況から考えますと、基本的な感染防止対策を徹底するという観点からも、取組書の普及、これはますます重要になってくると思われます。  県では、さらに、この取組書に登録する際のチェックリストがありますけれども、そこにマスク会食の徹底という項目を追加されたというふうに承知しております。  そこで、知事に伺いたいのですが、マスク会食の普及について、今後どのように考えているか、見解を伺います。  もう1点でございますが、子どもの手話習得支援についてです。  神奈川県手話推進計画について、現行の計画を策定した際に実施したパブリックコメントでは、何と約2万5,000件もの意見が寄せられたという経緯がありました。  当時、計画の策定に関わった関係者の方から、パブリックコメントに寄せられた多くの意見への対応を、十分に検討する時間が欲しいという要望が寄せられたというふうに聞いております。  そこで、知事に伺いますが、今回も多くのパブリックコメントが寄せられることを想定して、これを十分に検討できる余裕のあるスケジュールで、改定作業を進めるべきと考えますが、改めて、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  新型コロナウイルスは飛沫による感染が知られていますが、通学・通勤、職場、買物等ではマスクを着用されている方も、会食時にはマスクを外されるということが多いために、感染リスクが高まると考えています。  そこで、基本的な感染防止対策「M・A・S・K」─マスクの一つとして、飛沫に徹底用心いただくために、マスクをつけたままで会食を行う「マスク会食」、これを新しいマナーとして普及させたいと考えています。  マスク会食のさらなる普及に向けて、広く動画やチラシによる広報を実施するほか、マスク会食に取り組む店舗へのマスクプレゼントや、マスク会食のアイデア動画を広く募集するなど、積極的なPRを実施してまいります。  次に、神奈川県手話推進計画についての御質問であります。  現行計画を策定したときには、素案を作成後の平成27年12月から翌28年1月にかけてパブリックコメントを実施し、2万4,767件もの多数の御意見を頂き、これを2月までの1か月間という非常に短い時間で整理をしました。  この経験を生かし、次期計画については、来年9月の県議会に計画の素案をお示しして、その後10月からパブリックコメントを実施する予定です。  この皆様から寄せられる御意見を、11月から翌年2月までの3か月間という十分な時間をかけて、当事者団体や関係者の皆様とともに、しっかりと検討していきます。  多くの皆様の意見が反映された、よりよい計画となるよう努めてまいります。  答弁は以上です。  〔新堀史明議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 新堀史明君。  〔新堀史明議員登壇〕 ◆新堀史明議員 知事、再答弁ありがとうございました。  それでは、残り時間の許す限り、意見、要望を述べさせていただきたいと思います。  まず、今、再答弁いただいた感染防止対策取組書の更なる普及についてでございますが、県の感染防止対策取組書は、飲食店などで一定の効果を上げてきたというふうに評価しています。  先ほどの御答弁では、今後は小売店のほうにも普及していただくということでございますので、これはぜひ引き続き続けていただきたいというふうに思います。  しかしながら、先ほど知事もおっしゃっていましたけれども、会食時に飛沫が原因で感染が広がっていくという可能性が高いというふうに言われておりますので、そうなると、会食時にさらに一歩踏み込んだ対応、これが今後、必要になってくると思います。  県が提唱しているマスク会食、知事もこのことをテレビでよくおっしゃっていますけれども、最初、私は県の動画を見たときは、これは県民の方に定着するのかなと、やや懐疑的な意見も持っていたのですが、もはやそういう状況ではなくなっていると実感しています。  私も、先日、某飲食店でマスク会食を挑戦してまいりました。やってみると、意外と楽しく、不自由なく会食を楽しむことができました。これは実践させていただきましたので、ここから先、感染状況を見ながらにはなりますが、マスク会食を取組書とセットで、県民の皆様にしっかり理解していただく、普及していただくということを、より一層徹底して取り組んでいただくことを要望させていただきたいと思います。  次に、子どもの手話習得支援についてですけれども、子供たちが手話を習得する機会の確保については、引き続きしっかりと支援を、次年度も続けていただきたいと思いますし、また、先ほどの御答弁にもありました手話推進計画においても、パブコメ等の現場の意見をしっかりと反映した改定の実現に向けて、着実に取り組んでいただきたいというふうに思っています。  質問の中でも申し上げましたけれども、私は、11月7日に、手話交流会「しゅわまる」の会場に行ってまいりました。  一人のお母さんが、涙ながらに、交流会を開催してくれてありがとうございますという言葉を聞きました。改めて、こういった支援事業の重要性というのを本当に痛感したところであります。  先ほど知事もおっしゃっていましたが、まだこれから年度内6回あるということでございますので、大変お忙しいとは思いますけれども、知事もぜひ一度、現場に足を運んでいただいて、直接皆さんの声を聞いていただくということをお勧めしたいと思っております。  次に、米軍根岸住宅地区でございますが、まず、地区内の土地境界などを、国に対して、調査の要望を出していただいて、本当にありがとうございます。  周辺の住民からいたしますと、今どうなっているのか、非常に分かりづらい状態になっておりますので、いろいろな情報、今、土壌調査等もやっているようでございますし、そういった結果が分かれば、ぜひ県民の方々にしっかり周知をしていただくということをお願いしたいのと、また、横浜市が11月末までにパブリックコメントを集めました。もう間もなく結果が出てくると思いますので、そこをしっかり反映した再利用計画というのを、市と連携してやっていただきたいということを要望したいと思います。  大岡川の河川再生計画における親水拠点の整備等でございますけれども、私の地元を流れる大岡川、これは本当に横浜では有名な桜の名所になっております。  国内外の観光客の方々にとって、非常に大きな観光のコンテンツ、人気のコンテンツになると思っていますので、ぜひ引き続き整備をお願いしたいと思っております。  今、外国人は羽田空港から日本を旅行するのに陸路を使っていますけれども、先ほど知事も御答弁の中にありましたけれども、船を使った水上交通、これを整備すれば、より横浜、神奈川の魅力というのが増していくのではないかというふうに思っております。  まずは、しっかりと河川の整備をしていただいて、そして、国と市と連携して、この取組をしっかり進めていただきたいというふうにお願いいたします。  脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーの利用でございますけれども、御答弁で県有施設の再エネ化、環境科学センターでというお話がありました。これは大変評価したいと思います。  ぜひその他の施設にも進めていただいて、この脱炭素社会をしっかりと実現させていただきたいと思います。  最後に、県立高等学校の入学者選抜における感染症対策でございます。  これからますます冬に向けて、受検シーズンに向けて、コロナだけではなくて、インフルエンザなどの流行も危惧されることがあります。今まで以上に、今までもしっかりやってもらっていますが、しっかりとした対応がさらに必要になる可能性があります。  ぜひ全ての生徒が、公正で公平、不利益のない受検になることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時1分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028787-質問・答弁-川本学議員-一般質問①森林環境譲与税の使途公表について②コロナ禍における薬物乱用防止対策について③就職氷河期世代に対する支援について④災害拠点病院について⑤大規模災害に備えた消防体制の整備について⑥多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策について⑦地域における子どもたちのスポーツ活動の推進について》                   午後3時21分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共97名 ○議長(嶋村ただし) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 質問を続行いたします。  川本学君。  〔川本 学議員登壇〕(拍手) ◆川本学議員 自由民主党の川本学でございます。  私は自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びにくらし安全防災局長、県土整備局長、スポーツ局長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩議員、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、森林環境譲与税の使途公表について伺います。  森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が、平成31年4月から施行され、都道府県及び市町村による森林環境譲与税を活用した取組がスタートしました。  森林環境譲与税の県内への譲与額については、国における検討当初は、森林面積割として1.8億円だったものが、我が党県内選出国会議員の働きかけによって、人口割及び林業従事者という視点が入り、14億円に大幅に増額されました。  また、その使途についても、当初は森林整備に限定されていたものが、森林整備を促進するための取組である木材利用などにも拡大されました。  本県は、県央部・県西部に丹沢や箱根の山々を擁していますが、全国的な視点で捉えれば、都市部に位置しており、木材の大消費地であることから、森林環境譲与税の使途は、森林整備だけではなく、県産木材や全国で生産される木材を積極的に活用していくことが重要な役割であると言えます。  〔資料提示〕  そうした中、私の地元である川崎市では、木材利用を積極的に推進しており、森林環境譲与税を活用して、中原区役所の内装の一部を木質化したり、多くの市民が集まるフードコートなどの民間の建物に、木材利用の支援などを行ったりしています。  これらの取組は、国が発表した、令和元年度における全国の取組状況の中でも、先進事例として紹介されております。  また、今年は、県内各地でナラやシイなどの樹木が枯れてしまう、いわゆるナラ枯れの被害が急に目立つようになり、被害の把握や防除対策が必要となっているところですが、市町村の中には、早速、森林環境譲与税を活用して、ナラ枯れ対策に取り組んでいるところもあると聞いています。  こうした森林環境譲与税の使途については、都道府県・市町村において、決算を議会の認定に付したとき、インターネットなどの方法によって公表することとされており、今後、本県及び県内市町村の初めての公表が待たれます。  本県では、森林環境譲与税が創設される前の平成19年度から、将来にわたり県民が必要とする良質な水の安定的な確保のため、水源環境保全税を県民の皆様に御負担していただいております。  そのため、森林環境譲与税に係る議会の審議の中において、県民の皆様に両税の必要性をきちんと理解していただけるよう、県は水源環境保全税と森林環境譲与税の使途を明確にすみ分け、両税を効果的に組み合わせることで、県全体の森林保全・再生を図ることとした経緯があります。  こうした本県特有の状況を踏まえ、森林環境譲与税の使途公表に当たっては、水源環境保全税の活用も含め、分かりやすく説明する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  昨年度の森林環境譲与税の使途について、県として、今後どのように公表していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、コロナ禍における薬物乱用防止対策について伺います。  薬物の乱用は、世界的にも、依然として社会をむしばむ深刻な問題となっており、我が国においても、その根絶を目指した主な対策として、取締機関、行政機関及び関係団体において、取締りや啓発活動を行っています。  そのような中、新型コロナウイルスによる感染が拡大している状況にあっても、芸能人などによる薬物犯罪が度々報道されており、この問題の深刻さを思い知らされています。  また、このところ、大麻の乱用が増加していますが、若年層によって引き起こされる事例が目立ってきており、薬物乱用が低年齢化している状況に愕然とする思いを抱くとともに、薬物乱用防止対策の重要性を改めて感じています。  薬物乱用防止対策である取締りについては、海外から密輸される薬物の押収などの水際対策が重要ですが、現在は、コロナ禍によって海外との往来が減少していることもあり、全国の税関における令和2年上半期の薬物押収量は、前年同期から約60%減少したと発表されています。  〔資料提示〕  その一方で、薬物乱用の入り口として、気軽に使ってしまう人がいるとされる、液状に加工された大麻や合成麻薬のMDMAは、今年6月までの半年間だけで、去年1年間の押収量を上回ったとも公表されており、依然として危険な状況にあると言えます。  こうした中、国は、観光立国推進基本計画を掲げており、また、来年は東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えていることから、今後、インバウンドが回復していくことも考えられ、それに伴い、海外からの薬物の密輸が増大する事態も懸念されます。  もう一方の対策である啓発活動については、薬物を使用したことがない人が、安易に手を出さないようにする入り口対策として、様々な機会を捉え、薬物乱用の恐ろしさを県民に訴えかけていくことがとても重要ですが、コロナ禍が収まらない中で、講演会や街頭キャンペーンが中止、延期となるなど、その活動にも影響が及んでいるとお聞きします。  このように、コロナ禍は、薬物乱用防止対策にも様々な影響を及ぼしていますが、何よりも大きな社会不安をもたらし、こうした状況が薬物乱用を助長することにならないか、大変憂慮しております。  そこで、知事に伺います。  コロナ禍の状況において、県として薬物乱用防止対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、就職氷河期世代に対する支援について伺います。  バブル景気の崩壊後に当たる1993年から2004年の間に、大学や高校の卒業時期を迎えた、いわゆる就職氷河期世代の方には、就職活動を行った時期の雇用環境が悪かったことから、希望する職に就くことが難しく、非正規雇用職員として働かざるを得なかった方や、職を得られずに無業の状況になってしまった方が少なくありません。  こうした方々は、社会人としてのキャリアを形成する初期の段階において、企業から十分な能力開発の機会を与えられずに、職業能力を高める貴重な機会を失ってしまったことから、賃金面においても不利な状況に置かれております。  また、その後の転職などを通じて、自らの雇用状況を改善しようとしても、新卒者を正社員として一括採用した上で、教育投資を行って育成し、企業としての競争力を高めていくといった、いわゆる日本型雇用慣行の下では、現在、30代半ばから40代半ばとなった就職氷河期世代の方々については、転職と言っても、その多くは非正規雇用から非正規雇用への転職であり、正社員への転職は困難な状況でありました。  こうした就職氷河期世代への支援については、昨年6月に政府が打ち出した支援プログラムに基づき、今年度から3年間にわたって、国を挙げて取り組むこととされました。  本県においても、6月補正予算において、就職氷河期世代を支援するための合同就職面接会に関する予算措置を講じ、また、8月には、国、市町村、県内経済団体などの関係機関などとともに、かながわ就職氷河期世代活躍支援プラットフォームを設置したことは承知しておりますが、いまだに収束が見通せない新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化の影響により、この世代が再び苦境に陥る可能性が高まっているのではないかと危惧しており、こうした状況の中、支援策を講じていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  就職氷河期世代に対する支援については、新型コロナウイルスによる景気悪化の影響が懸念される中、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、災害拠点病院について伺います。  昨年は、9月に令和元年房総半島台風、10月に令和元年東日本台風が日本列島に上陸し、県内の様々な地域においても、その爪痕を残しました。  中でも、令和元年東日本台風は、強い勢力を保ったまま、12日夜に静岡県伊豆半島に上陸した後、関東地方と東北地方を通過し、1都12県で大雨特別警報が発令されました。  箱根町では、10日の降り始めからの総雨量が1,000ミリを超え、土砂災害の被害を受けた箱根登山鉄道は、復旧のため、約1年間の運休を余儀なくされたところであります。  〔資料提示〕  私の地元である川崎市でも、広範囲で河川や水路の水位が上昇し、多摩川流域で浸水被害が発生しました。  当時、私も消防団員として、水につかりながら救助活動に加わりましたが、その際、災害時の医療について危惧したことから、川崎市に確認したところ、市内に六つある災害拠点病院のうち、五つの病院が洪水浸水想定区域内に立地しているとのことでございました。  この点について調べてみたところ、他県の例となりますが、過去には、市街地が広範囲にわたり冠水した結果、災害拠点病院への救急車への乗り入れが、数時間にわたって困難となった状況が発生したことがあるとお聞きしました。  先ほど触れた川崎市においても、災害拠点病院が洪水浸水想定区域に立地していることを危惧し、高台にある市立井田病院を災害拠点病院として追加指定するよう、市議会議長から知事宛てに意見書を提出したと聞いています。  今年も、九州などに被害をもたらした7月豪雨があり、また直前に勢力が衰えましたが、台風10号も、一時は大型で非常に強い台風として、過去最大の荒天が想定されたところでもあります。  今後も、気候変動の影響により、大規模な水害の発生が懸念される中、改めて災害時の医療体制についても検証しておく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  災害拠点病院について、風水害の視点からも、在り方を検討すべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、大規模災害に備えた消防体制の整備について伺います。  近年、大型化する台風などによって、全国各地で土砂崩れや河川の氾濫といった大規模な自然災害が、繰り返し発生しています。  本県でも、昨年9月の令和元年房総半島台風では、鎌倉市二階堂において土砂崩れが発生し、さらに翌10月の令和元年東日本台風では、相模原市牧野で大規模な土砂崩れが発生し、貴い命が失われました。  相模原市の土砂災害の現場では、地元消防局からの応援要請を受けて、県内の複数の消防本部が出動し、約2週間にわたって救助活動を行ったと聞いています。  〔資料提示〕  このように、災害が発生した場合には、まず、被災地の消防本部が出動し、被災者の救助に当たりますが、大規模災害発生時においては、被災地の消防本部だけでは対応できず、他の消防本部から応援を受けたり、近隣都県から緊急消防援助隊の応援を受けたりして、救助活動を行う必要があります。  本県は、県西部には丹沢山地や箱根山地があり、都市部が広がる県東部においても崖地が多く見られます。また、多摩川や相模川、酒匂川をはじめとする様々な河川が都市部を流れており、一たび強い勢力の台風が来れば、大規模な土砂災害や浸水被害が発生する危険性があります。  こうした本県の特性を踏まえますと、大規模な自然災害の発生に備えて、県内の消防本部による広域応援体制をより強化していく必要があると考えます。  そこで、くらし安全防災局長に伺います。  頻発する土砂災害や浸水被害などに対応するため、県内の消防本部による広域応援の円滑な実施や、救助体制の強化を図る必要があると考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策について伺います。  令和元年東日本台風では、東日本の広範囲で記録的な豪雨となり、県内にも大きな爪痕を残しました。  川崎市内では、多摩川の水位上昇などに伴い、広い範囲で浸水被害が発生し、私の地元の武蔵小杉でも、長時間の浸水に見舞われ、交通機関が麻痺するなど、住環境へ大きな影響を及ぼし、改めて自然災害の猛威を実感したところであります。  今年は、幸いにも、現在まで台風の上陸が記録されておらず、本県では大きな水害は発生していませんが、令和2年7月豪雨では、線状降水帯による豪雨により、熊本県の球磨川が氾濫し、多くの人命が失われるなど、国内では、今年も豪雨による大規模な災害が発生しており、安心することなく、引き続き、水害への備えをしっかり進めていくことが必要と考えます。  こうした中、多摩川流域においては、令和2年1月に、国が多摩川緊急治水対策プロジェクトを取りまとめ、県や東京都、川崎市など流域の関係者と連携して、被害軽減に向けた治水対策に取り組んでいると承知しています。  一方、川崎市は、市内の浸水被害を検証するため、令和元年12月から、市民や学識経験者の意見を聴きながら検証報告書を取りまとめ、令和2年5月に公表いたしました。  〔資料提示〕  この報告書では、多摩川に合流する県管理河川の平瀬川や三沢川の浸水被害も報告されており、平瀬川では、水位上昇により堤防などから越水し、合流部付近の約6ヘクタールにわたり浸水被害が発生し、三沢川でも、接続する水路からの越水により、約12ヘクタールの浸水被害が発生したとされています。  県では、今年の2月に、今後、激甚化・頻発化が懸念される大規模な水害への対応力強化のため、神奈川県水防災戦略を策定、公表し、計画的、重点的に河川の対策などを進めることとしましたが、県が管理する平瀬川や三沢川においても、川崎市の検証を踏まえて、国や市と連携し、治水対策に取り組んでいくことが必要であると考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  県は、多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策に、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、地域における子どもたちのスポーツ活動の推進について伺います。  昨年の本会議、9月定例会において、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への子供たちの参加機会の拡大について触れさせていただきましたが、子供にとって、スポーツは心身の健全な発達・成長を促すとともに、生涯にわたって健康的な生活を送るための体力の基礎を養うものであり、道徳心や規律、社会性を培う教育的な意義を有するものと思います。  これまで、我が国における子供のスポーツは、学校での授業や部活動のほか、スポーツ少年団をはじめとした地域のスポーツクラブ、家庭などが基盤となり、その活動の場が確保された経緯があります。  しかしながら、現在、子供たちを取り巻く社会環境に変化がある中で、運動実施の二極化やスポーツ離れなどの問題が生じており、例えば、さきのNHKの報道によれば、創設以来50年以上の歴史を持つスポーツ少年団で活動する子供の数が、ピークの112万人に比べ、昨年度はおよそ65万人と、40%以上減少しているとのことでありました。  今年はさらに、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、さらなる減少の危機に直面しているとのことであります。  このような少年団の状況は、子供たちのスポーツ活動の状況を示す一例ではありますが、国が実施する体力・運動能力調査の結果では、昭和60年頃と比べ、子供たちの運動能力の低下は明らかであり、子供たちの未来への警笛であると感じています。  こうした中で、来年開催予定の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、世界のトップアスリートが繰り広げるパフォーマンスを間近に見ることは、スポーツに興味を持ったり、新たにスポーツを始めたりすることにつながる大きなチャンスになると思います。  この絶好の機会を捉え、運動やスポーツ離れ、運動能力の低下といった課題の解決に向けて、子供たちが身近なところで、スポーツに親しめる環境を整えていくことが大切です。  そこで、スポーツ局長に伺います。  来年開催される東京2020大会後のスポーツ振興を見据え、今後、地域において子供たちがスポーツに親しむため、県として、どのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 川本議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、森林環境譲与税の使途公表についてお尋ねがありました。  森林環境譲与税を活用した森林整備や木材利用等の事業は、市町村が実施し、県は市町村への技術指導や支援を行う役割とされています。また、税の使途は、市町村と県がそれぞれ公表することとされています。  県では、譲与税の開始前から、各市町村と打合せを重ね、実施に向けた課題を丁寧に伺うとともに、取組事例等を紹介した本県独自のガイドラインを作成し、市町村の事業開始を支援してきました。  また、譲与税開始後は、県が設置した市町村林政サポートセンターの専門職員が、森林整備の現場指導や県産木材利用施設の見学会を開催するなど、市町村が円滑に事業を実施できるよう支援しています。  その結果、昨年度、市町村では、人工林の間伐や保全緑地の手入れ、小中学校のフローリングの木質化など、譲与税を活用した森林整備や木材利用の事業が始まっています。  本年度、使途公表を初めて行うに当たっては、譲与税が各市町村で有効に活用されていることをお示しする必要があります。  また、譲与税は温室効果ガス排出削減の目的とすることから、市町村が取り組む木材利用によって、二酸化炭素の排出を削減する効果があるということも、分かりやすく説明したいと考えています。  そこで、県では、ホームページでの公表について、地図上に市町村の取組箇所を示し、クリックすると、事業内容が画像で見える化され、一目で分かるようにするなど、掲載方法を工夫していきます。  また、二酸化炭素の排出削減効果については、例えば、譲与税を活用した年間の木材利用量が、一般家庭の年間の二酸化炭素排出量の何軒分に相当するといった、身近な例で説明することを考えています。  さらに、本県では、平成19年度から、水源地域の森林の保全・再生の目的で、水源環境保全税を導入しており、譲与税と水源税を効果的に組み合わせて、県全体の森林環境保全に活用していることも周知していきます。  このように、森林環境譲与税の使途について、取組内容や成果を県民の皆様に御理解いただけるよう、県独自の方法で、分かりやすい公表に努めてまいります。  次に、コロナ禍における薬物乱用防止対策についてお尋ねがありました。  薬物乱用の状況を全国の薬物事犯の検挙者数で見てみますと、本年の上半期は、昨年同期に匹敵する約6,300人となっています。  その中でも、大麻事犯については、若年層を中心に、平成26年以降、増加し、本年の上半期は約2,200人となっており、過去最多となった昨年同期より増加しています。  また、本年の上半期における横浜税関による薬物の密輸摘発件数については、昨年同期より2割減少していますが、押収量は増加しています。  このように、薬物の乱用は、コロナ禍においても見過ごすことができない大きな問題であり、薬物乱用防止対策を継続して実施していく必要があります。  県では、薬物乱用対策推進本部の下、県内市町村、民間団体、取締機関と連携して、主に、啓発活動の推進に取り組んでいます。  本年は、新型コロナの流行に伴い、街頭キャンペーンなどの啓発活動は中止していますが、県のホームページ、マイME-BYOカルテのお知らせ配信機能や、県教育委員会と連携して行う学校での薬物乱用防止教室など、コロナ禍でも可能な方法を用いて、薬物乱用防止に関する正しい知識の普及を図っています。  特に、若年層での乱用が問題となっている大麻については、県ホームページのほか、ツイッターなどのSNSによる発信や、県内大学の協力を得て、学生に向けて呼びかけるなど、大麻による精神や身体への悪影響を若年層に訴えています。  また、海外からの薬物の密輸や取締状況については、警察、関東信越厚生局や税関などと情報共有を図り、啓発活動に活用していますが、インバウンドの回復に伴う薬物乱用への影響についても、情報収集に努めていきます。  このように、今後とも、様々な方法や媒体を用いて、薬物乱用の有害性や違法性について、県民の皆様へ強く訴えかけるとともに、関係機関と連携して対応していきます。  いまだに収束が見えないコロナ禍ですが、薬物に決して手を出さない、薬物にクリーンな神奈川を目指し、引き続き薬物乱用防止対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、就職氷河期世代に対する支援についてお尋ねがありました。  不安定な就労や無職の状態にある就職氷河期世代の方は、現在の生活が厳しいだけではなく、老後の生活不安も懸念されるため、正規雇用など、本人が希望する就労に向けた支援が重要です。  そこで、県は、今年度、正規雇用を目指す方のために、コミュニケーション力やビジネスマナーを学ぶグループワークや、大型自動車免許取得により、早期の就職を目指す職業訓練など、新たな取組を始めました。  また、この世代の方を対象にした県職員採用選考を実施し、10月に17名の方を採用しました。  さらに、11月には、国や市町村、経済団体などと共に設置した、かながわ就職氷河期世代活躍支援プラットフォームにおいて、取組目標や支援策をまとめた事業実施計画を策定したところです。  しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化の影響により、企業側の就職氷河期世代に対する採用意欲が低下している状況となっています。  そこで、今後、企業向けオンラインセミナーを開催し、この世代の方の採用、育成、定着に関する留意点の解説、成功事例や国の助成金の紹介を行い、企業の採用意欲を喚起して、さらなる求人の開拓を目指します。  その上で、約150社の企業と、就職氷河期世代の方とのマッチングを図る合同就職面接会を開催し、正社員として就職できるよう支援します。  また、就職氷河期世代には、経験、スキルなどの不足により、自分に自信を失い、就職活動を諦めている方も多く、こうした方は、合同就職面接会だけでは就職にはつながりません。  そこで、来年度に向けて、一人一人に寄り添ったカウンセリングにより、自分の長所への気づきを促し、その長所の生かし方を学ぶ特別コースを委託事業で創設することも検討していきます。  こうした取組により、就職氷河期世代の方の就労を促進し、この世代の方が、将来への希望を持ちながら社会で活躍できるよう、しっかりと支援してまいります。  最後に、災害拠点病院についてお尋ねがありました。  災害拠点病院は、高度な診療機能を有しており、災害発生時は重篤な傷病者を受け入れるとともに、地域の医療機関を支援するなど、医療救護活動の中心的な役割を担う医療機関です。  この災害拠点病院は、阪神・淡路大震災を契機に制度化され、本県においては、現在、33病院を指定しています。  本県の災害拠点病院の指定に当たっては、国の基準に基づき、耐震構造を有すること、自家発電機等の保有などを要件としていますが、立地場所については、特に規定を設けていません。  このことから、災害拠点病院の中には、豪雨などにより、河川が氾濫した場合に、浸水が想定される区域に立地しているものもあります。  県保健医療救護計画では、二次保健医療圏ごとに、複数の災害拠点病院等を指定し、相互の支援体制を構築していることから、災害拠点病院が洪水浸水想定区域内にあることをもって、直ちに、災害時の医療救護体制に支障が生じるものではありません。  しかしながら、近年、全国的に暴風雨などによる局所的な激甚災害が発生している状況も踏まえ、本県においても、こうした事態を想定して、改めて、県内の医療救護体制を検証しておく必要があると考えています。  そこで、既存の災害拠点病院には、風水害を想定した対策を促すとともに、拠点病院の指定の要件については、風水害の影響も加味したものとなるように、今後、市町村や医療関係者と共に検討していきます。  県としては、こうした様々な災害に対応できるよう、災害拠点病院を中心とした医療救護体制を充実強化し、引き続き県民の皆様の命をしっかりと守っていきます。  私からの答弁は以上です。  〔くらし安全防災局長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 花田くらし安全防災局長。 ◎くらし安全防災局長(花田忠雄) くらし安全防災局関係の御質問にお答えします。  大規模災害に備えた消防体制の整備についてお尋ねがありました。  大規模な浸水被害や土砂災害から県民の皆様の命を守るためには、県と県内消防本部が一丸となって、被災地における救出救助活動を支援することが重要です。  県は、平成28年4月に、大規模災害発生時における県内全ての消防本部による広域応援体制として、全国に先駆けて、かながわ消防の仕組みをつくりました。  また、昨年度には、LINE WORKSを活用して、県と県内消防本部が瞬時に情報共有できるシステム─Kアラートを構築して、かながわ消防の初動対応力を強化しました。  さらに、これらの実効性を確保するため、県が実施するかながわ消防訓練で、Kアラートによる情報受伝達訓練や、実践的な救出救助訓練などを通じて、消防本部間の連携を確認しています。  一方、国は、大規模な土砂災害などに備えるため、平成31年4月に、各都道府県の緊急消防援助隊に土砂・風水害機動支援部隊を置く、新たな制度を創設しました。  これを受け、本県では、県内7消防本部の消防職員78名で構成する支援部隊を設置し、併せて、消防庁から部隊に必要となる重機と重機搬送車が相模原市消防局に、水陸両用バギーが平塚市消防本部に配備されました。  県では、県内外における大規模な土砂災害等に備えて、昨年度に実施したかながわ消防訓練において、この水陸両用バギーを活用した浸水域救助訓練を実施しました。  今後も、本県の支援部隊や特殊車両を活用した訓練を積極的に実施していきます。  県としては、こうした取組を通じて、県内消防本部による広域応援の円滑な実施や救助体制の強化をしっかりと図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策についてお尋ねがありました。  昨年の東日本台風により、多摩川上流では過去最高の雨量を観測するなど、未曾有の豪雨に見舞われ、多摩川下流の川崎市内でも、支川である平瀬川や三沢川などで浸水被害が発生しました。  平瀬川では、合流する多摩川の水位が上昇したことに伴い、水位が上昇し、平瀬川の堤防から越水したことなどで、地域に被害が生じました。  平瀬川は、県が管理する河川ですが、河川法に基づく、県と市の協議により、地元の事情に精通した川崎市が工事と維持を行っており、今回の浸水被害を踏まえ、市が堤防のかさ上げ工事等の検討を行っています。  工事の実施に当たっては、本来、管理者の県が河川整備の内容などを定めた平瀬川の河川整備計画を変更する必要があるため、現在、その具体的な内容について、市と調整しています。  今後、計画案を取りまとめた上で、速やかに国との協議などを進め、来年度上半期の計画策定を目指します。  また、三沢川では、川の水位の上昇に伴い、水路の水が流れ込めず、水路側の地域で内水氾濫による被害が生じました。  県は、被害の再発を防ぐため、今年度、三沢川の水位を下げる効果がある堆積土砂の撤去を実施しました。引き続き、パトロール等により、堆積土砂の状況等を把握し、適切な維持管理に努めます。  また、国や関係自治体と連携して取り組む多摩川緊急治水対策プロジェクトに基づき、平瀬川では、夜間でも見やすい河川監視カメラに更新するとともに、三沢川では、浸水被害のあった水路との合流点付近にカメラを新設しました。  今後とも、県は、県民の安全・安心のため、国や川崎市と連携して、平瀬川と三沢川の治水対策にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(平田良徳)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 平田スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(平田良徳) スポーツ局関係の御質問にお答えします。  地域における子どもたちのスポーツ活動の推進についてお尋ねがありました。  子供たちにとって、スポーツは、体力の向上や身体の発育・発達に大変重要な役割を果たすとともに、チームプレーを通して、仲間と協力することの楽しさを感じることは、心の成長にもつながります。  しかし、近年、スマートフォン等で手軽にゲームが楽しめるようになったり、塾や習い事に追われるなど、子供を取り巻く環境の変化に伴い、積極的にスポーツをする子供と、そうでない子供の二極化が指摘されています。  こうした二極化を解消するため、県は、これまで、乳幼児期から運動やスポーツに親しんでもらえるよう、市町村が実施している乳幼児健診の場で、親子ふれあい体操教室などの普及に努めてきました。  また、オリンピック等で活躍したトップアスリートを県内の小学校等に派遣し、スポーツの魅力を直接子供たちに伝える取組も進めてきました。  そして、来年は、スポーツに消極的な子供たちの意識や行動の変容を促す機会ともなる東京2020大会を迎えます。  今後は、この機を逸することなく、地域や学校が連携して、子供たちの関心をスポーツに引きつけ、実践に結びつけていくための取組を積極的に進めていきます。  具体的には、まず、県教育委員会や市町村と連携し、子供たちや保護者などに対して、子供の運動や外遊びなど、スポーツの重要性への理解を深めてもらうための取組について検討していきます。  そして、スポーツに興味を持った子供たちが、気軽にスポーツに親しめる場となる総合型地域スポーツクラブの活動を広く周知することにより、一層の活用を促していきます。  さらに、総合型クラブの指導者が、子供の成長段階に応じた指導方法を身につけられるよう、研修等も実施していきます。  県としては、こうした取組を積極的に進めることで、多くの子供たちがスポーツの楽しさを実感できる地域づくりに努めてまいります。  答弁は以上です。  〔川本 学議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 川本学君。  〔川本 学議員登壇〕 ◆川本学議員 知事並びにくらし安全防災局長、県土整備局長、スポーツ局長におかれましては、御答弁ありがとうございました。  それでは、再質問を1問させていただきます。  森林環境譲与税の使途公表についてでございますが、先ほど知事のほうから、県独自の方法で分かりやすく公表していくということは理解しました。  市町村の公表内容はどのようなものになるのか、また、今後、県及び県内市町村の使途公表はいつ頃になるのか、お伺いさせていただきたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) この件に関しましては、内容が詳細にわたりますので、環境農政局長から答弁させます。  〔環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石渡環境農政局長。 ◎環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の再質問にお答えします。  市町村の公表内容については、本年度の公表は、国が例示した事業名、事業費、実施場所等ですが、今後、木材利用施設の写真を掲載するなど、公表内容を充実させる市町村もあると伺っています。  こうした市町村の取組は、県のホームページにまとめて掲載し、相互にリンクを張って公表する予定です。  また、使途公表の時期については、県は、明日、12月8日付で公表を予定しており、市町村は既に公表済みの6市町を除き、2市町が年明けに、その他は年内に公表予定と伺っています。  答弁は以上です。  〔川本 学議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 川本学君。  〔川本 学議員登壇〕 ◆川本学議員 再答弁ありがとうございました。  早速、明日からということでございました。本当にありがとうございます。  それでは、何点か、時間の許す限り、意見、要望を述べたいと思います。  初めに、森林環境譲与税の使途公表についてであります。  本県の使途公表については、法が定めた県の使途だけではなく、市町村の取組や県の水源環境保全税の取組も併せて公表しているほか、取組の成果についても、分かりやすい指標を用いて公表するなど、県民への理解を得るための独自の工夫がなされていることが分かりました。  国の森林環境税は、県の水源環境保全税に加えて、今後、新たに県民の皆様に特別に御負担いただいている税であることから、両税の取組に対する県民の皆様の理解を得ていくことは、大変重要でありますので、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、せっかく本県の増額を勝ち取ったものでありますので、市町村への指導、また支援により、一層努めていただき、本県の譲与税を余すことなく、有効に活用していただくよう、要望させていただきます。  続きまして、コロナ禍における薬物乱用防止対策であります。  現在、社会全体で新型コロナウイルス感染症との闘いを行っているところでございますが、不正薬物は社会をむしばむ悪性のウイルスとも言えるものであり、新型コロナウイルス感染症に勝るとも劣らない、非常に厄介な存在であります。  その厄介な存在である不正薬物の蔓延を防ぐ水際取締業務を行い、安全・安心な社会の実現のため、幅広い業務に当たるのが税関であります。  先月、11月27日にも、横浜税関において、海外からのコンテナ貨物から、237キロもの覚醒剤が発見、摘発されたとのことであります。  このように、コロナ禍にあっても、大量の不正薬物が密輸されようとしていることを踏まえると、今後、インバウンドの回復時に、海外から、そのさらなる不正薬物の流入が懸念されます。  特に、京浜港を抱える本県は、大型クルーズ船の寄港増加などによる水際対策業務の増加が見込まれます。そのため、県内への不正薬物の蔓延を水際で取り締まるには、税関の定員確保をされる必要があると考えます。  不正薬物の乱用防止のためにも、税関における人員確保に向けて、県としても、声を上げていくことを要望させていただきます。  続きまして、就職氷河期世代に対する支援についてであります。  就職氷河期世代の方は、雇用環境の改善が見られた2000年代後半の時点で、既に30歳前後であり、そこで一定の待遇改善はあったものの、2009年頃からは、リーマンショックの影響で再び雇用環境が悪化し、また、収まりかけた頃には、労働市場における一つの壁とされる35歳を過ぎており、正社員としての就労する機会に恵まれないまま、今に至る方もあるようでございます。  今回のコロナ禍で、再び難しい状況に立たれることになったこの世代に対しては、支援の手を緩めることなく、今年を含め、3年間、県としてしっかりと取り組んでいただくよう、要望させていただきます。  続きまして、災害拠点病院についてであります。  災害時に同一医療圏内の複数の災害拠点病院が被災し、機能不全となってしまった場合、疾病者を遠方まで搬送しなければならず、県民の命に関わる問題となります。  激甚化する風水害を見据えた検証をしっかり行い、必要に応じ、災害拠点病院を追加指定するなど、強固な災害拠点病院の体制の構築に向けて、しっかりと取り組むよう、要望させていただきます。  続きまして、大規模災害に備えた消防体制の整備についてであります。  今年の7月にも、九州地方から中部地方、東北地方にかけて豪雨が襲い、土砂災害や浸水被害などにより、多数の命が失われました。  また、県では、平成28年度に、かながわ消防の仕組みを整えるなど、県内消防本部による広域応援体制を常に強化していると承知しておりますけれども、毎年、全国各地で発生している土砂災害などの状況を見ますと、より一層の取組が必要であると思います。  引き続き、県内消防本部と連携して、広域応援体制の強化、充実に取り組むよう、要望させていただきます。  続きまして、多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策であります。  昨年の台風による様々な浸水被害を契機に、国は多摩川治水対策プロジェクトを早々に取りまとめ、また、県も、かながわ気候非常事態宣言とともに、神奈川県水防災戦略を取りまとめ、計画的、重点的に河川の対策を進めていることは大変心強く思っております。  しかし、昨年の台風による浸水被害は、市民に大きな打撃を与え、市民の危機感は増していることは言うまでもなく、より一層、治水対策の促進が望まれます。  河川整備は一日も早く取りまとめていただいて、国や市と連携しながら、多摩川水系の平瀬川と三沢川の治水対策にしっかりと取り組んでいただくよう、要望させていただきます。  要望の最後は、地域における子どもたちのスポーツ活動の推進についてであります。  今後も、一層、子供たちが地域で様々なスポーツを楽しめる環境づくりに取り組むよう、要望させていただきます。  以上で、私の質問を終了させていただきます。  御清聴、誠にありがとうございました。 △《本会議録-令和2年第3回-20201207-028788-諸事項-議案付託・請願付託等-》 ○議長(嶋村ただし) 以上で質問並びに質疑を終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  日程第1につきましては、この程度で、議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊206頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 次に、日程第2、請願第24号 議会承認案件の工事の軽易な変更についての請願外8件を議題といたします。  請願書の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊140頁参照〕  お諮りいたします。  以上、請願9件につきましては、請願付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊208頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明8日から16日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、12月17日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時18分 散会...