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06月22日-09号

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  1. 神奈川県議会 2017-06-22
    06月22日-09号


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    平成29年 第二回 定例会 △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028131-諸事項-出席議員等・議事日程-》         平成29年第2回神奈川県議会定例会会議録第9号〇平成29年6月22日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共105名       出 席 議 員                       古   賀   照   基                       綱   嶋   洋   一                       お ざ わ   良   央                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       米   村   和   彦                       中   村   武   人                       木 佐 木   忠   晶                       君   嶋   ち か 子                       佐 々 木   ゆ み こ                       高   橋   延   幸                       池   田   東 一 郎                       西   村   く に こ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       京   島   け い こ                       石   川   裕   憲                       い と う   康   宏                       斉   藤   た か み                       さ と う   知   一                       大   山   奈 々 子                       藤   井   克   彦                       加   藤   な を 子                       楠       梨 恵 子                       飯   田       満                       谷   口   かずふみ                       亀   井   たかつぐ                       新   堀   史   明                       瀬   戸   良   雄                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       市   川   よ し 子                       早 稲 田   夕   季                       岸   部       都                       井   坂   新   哉                       と う ま   明   男                       菅   原   直   敏                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       守   屋   てるひこ                       柳   下       剛                       八   木   大 二 郎                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       作   山   友   祐                       松   本       清                       てらさき    雄   介                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       馬   場   学   郎                       小 野 寺   慎 一 郎                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       近   藤   大   輔                       山   口   ゆ う 子                       日   下   景   子                       曽 我 部   久 美 子                       た き た   孝   徳                       中   村   省   司                       相   原   高   広                       藤   井   深   介                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       髙   橋       稔                       小   島   健   一                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       久 保 寺   邦   夫                       齋   藤   健   夫                       松   崎       淳                       大   村   博   信                       高   谷       清                       茅   野       誠                       はかりや    珠   江       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           中   島   正   信         同             浅   羽   義   里         同             首   藤   健   治         政策局長          大   竹   准   一         総務局長          中   村   正   樹         安全防災局長        河   原   知   德         県民局長兼拉致問題担当局長 河   合   宏   一         スポーツ局長        宮   越   雄   司         環境農政局長        藤   巻       均         保健福祉局長        武   井   政   二         産業労働局長        楯   岡   信   一         県土整備局長        鈴   木   祥   一         会計管理者兼会計局長    小   野       淳         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   山   口   健 太 郎         情報統括責任者       藁   科   至   德         労務担当局長        大 久 保   雅   一         子どもみらい担当局長    丸   山   尚   子         健康・未病担当局長     市   川   喜 久 江         エネルギー担当局長     松   浦   治   美         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   良   一         同  県立高校改革担当局長 久   我       肇         警察本部長         島   根       悟         警察本部総務部長      野   田   次   郎         人事委員会事務局長     山   田       学         監査事務局長        小   宮   重   寿         労働委員会事務局長     田   中   維   彦         公営企業管理者企業庁長   二   見   研   一         企業庁企業局長       長 谷 川   幹   男   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          松   森       繁         議会局副局長兼総務課長   花   上   光   郎         同  議事課長       田   中       隆         同  政策調査課長     多   田   彰   吾   ───────────────────────────────────────            平成29年第2回神奈川県議会定例会議事日程第9号                            平成29年6月22日午前10時30分開議第1 定県第 53 号議案 平成29年度神奈川県一般会計補正予算(第1号)   定県第 54 号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 55 号議案 神奈川県地方独立行政法人評価委員会条例の一部を改正する条例   定県第 56 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 57 号議案 神奈川県個人情報保護条例の一部を改正する条例   定県第 58 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 59 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 60 号議案 工事請負契約の締結について(県民ホール本館舞台設備改修工事請負契約)   定県第 61 号議案 特定事業契約の締結について(体育センター等特定事業契約)   定県第 62 号議案 特定事業契約の変更について(自動車運転免許試験場整備等事業特定事業契約)   定県第 63 号議案 動産の取得について   定県第 64 号議案 指定管理者の指定について(伊勢原射撃場)   定県第 65 号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学定款   定県第 66 号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期計画の変更の認可について   定県第 67 号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構による重要な財産の譲渡の認可について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028132-質問・答弁-河本文雄議員-一般質問①広域自治体としての県の役割について②多様な人材の育成について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共103名 ○議長(佐藤光) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 審議を行います。  日程第1、定県第53号議案 平成29年度神奈川県一般会計補正予算外14件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕(拍手) ◆河本文雄議員 おはようございます。  相模原市中央区の河本文雄です。  私は自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。  知事、環境農政局長、保健福祉局長、県土整備局長におかれましては、明快かつ前向きなご答弁をお願いいたします。また、議員の皆様におかれましては、いましばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問の第1は、広域自治体としての県の役割についてです。  初めに、小田急多摩線の延伸について伺います。  小田急多摩線は、現在、川崎市内の新百合ヶ丘駅から東京都多摩市内の唐木田駅まで、約11キロの区間が運行されています。  〔資料提示〕  この小田急多摩線を唐木田駅から神奈川県内に延伸すれば、首都圏南西部の広域交通ネットワークが強化され、県央地域から東京都心方面への利便性が向上するほか、橋本・相模原両駅周辺における広域交流拠点都市の形成に貢献すると考えます。  私の地元、相模原市では、自治会や商工会議所などが延伸の早期実現を促進するための協議会をつくり、署名活動、PR活動、関係機関への要望活動など、非常に熱心な取り組みを進めています。  また、町田市、相模原市を初め、愛川町、厚木市、清川村の議員が小田急多摩線延伸を促進する議員連盟を組織しており、私自身も参与を務めていますが、この議員連盟では、延伸の早期実現に向けて、鉄道事業者である小田急電鉄や、国、東京都、県への要望活動を精力的に行っています。  さらに、相模原市と町田市は、リニア中央新幹線が名古屋まで開業される予定の2027年までに、小田急多摩線の延伸実現を目指そうということで、両市が協力してさまざまな取り組みを進めています。  このような取り組みが進められる中、昨年の4月に、国の交通政策審議会から国土交通大臣に対し、東京圏における今後の都市鉄道のあり方についての答申が出されました。  この答申では、相模原市及び町田市と都心部とのアクセス利便性の向上が期待できるとして、小田急多摩線の延伸が地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトに位置づけられました。  さらに、延伸の行き先が、これまでの答申では横浜線・相模線方面とされていたところ、今回の答申では上溝までと明確に示されたところです。  今回の答申には、延伸に係る課題も示されていますが、小田急多摩線の延伸がしっかりと位置づけられたことは、地元地域のこれまでの熱心な活動が実を結んだものであり、延伸の実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができたと認識しております。  一方で、神奈川における交通施策の基本的な方向を示す計画として本県が策定したかながわ交通計画では、小田急多摩線の延伸については、唐木田から横浜線・相模線方面と記載されています。  国の新たな答申において、延伸の行き先が上溝までと明確になったことから、かながわ交通計画においても、延伸の行き先を上溝までと位置づけることを初め、県としても、延伸に向けてしっかり取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  小田急多摩線の延伸に向けて、かながわ交通計画での位置づけをどうするのかを含め、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、境川の河川整備について伺います。  近年、台風などによる記録的な豪雨が頻発し、全国各地で河川の氾濫などによる深刻な水害が発生しています。  平成27年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防決壊などにより、広範囲で甚大な被害が発生しました。  〔資料提示〕  私の地元である、相模原市内の二級河川、境川においても、平成20年8月末の豪雨の際には、津久井治水センターで1時間に91ミリの雨量を観測し、上流の本県管理区間では境川があふれ、188棟もの浸水被害が発生しました。  その後も、梅雨の時期や台風時の豪雨の際は、たびたび境川の水位は上がり、幸いなことに、大きな浸水被害は発生しませんでしたが、平成28年8月の台風9号では、相模原市中央区淵野辺本町などに避難勧告が発令され、いまだ近隣住民から浸水に対する不安の声が多く寄せられています。  市街化地域を流れる境川は、著しい浸水被害が発生するおそれがある都市河川として、特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に指定されており、豪雨による浸水被害を防止するため、施設整備などのハード面、及び流域住民の円滑な避難の確保など、ソフト面の両面からの対策が求められています。  特に、ハード整備については、流域自治体が緊密に連携して、それぞれが管理する施設を整備していくことが必要となります。  相模原市内の境川は東京都との境界を流れることから、東京都と神奈川県が分担して管理や改修工事を進めており、都県境を流れる区間の下流側の約10キロメートルは東京都が、上流側の約13キロメートルは神奈川県が整備を進めていると承知しています。  本県が管理する区間のうち、過去に浸水被害が発生した地域などにおいては、護岸整備などにさらに力を入れ、浸水被害対策の進捗を早めていかなければならないと考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  境川の相模原市域における本県管理区間の河川整備について、現在の整備状況はどうなっているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、生産緑地の保全について伺います。  市街化区域内の農地のうち、生産緑地法に基づき、500平方メートル以上の規模などの要件を満たす一団の農地として、市町村から指定を受けたものが生産緑地です。  〔資料提示〕  この生産緑地の指定を受けると、30年間の営農が条件となり、農業以外での土地利用ができなくなりますが、固定資産税が宅地よりも非常に安い農地課税になるなど、税制上のメリットもあることから、県内では平成28年12月末現在、1,336ヘクタールが指定されています。  なお、指定から30年が経過した場合には、市町村長に対して、生産緑地の買い取りを申し出ることができる制度となっています。  このような生産緑地は、それ以外の市街化区域内農地が開発などにより大きく減少した中で、一定の水準で維持され、県民にとれたての野菜などを直接供給するとともに、貴重な緑、防災空間を提供しています。  しかし、県内においては農家の高齢化などが進んでおり、さらに生産緑地では、周辺の開発に伴う日照条件などの悪化、農薬の散布や農業機械の使用に伴う音の発生による住民とのあつれきなど、住宅地に隣接することに起因するさまざまな課題を抱えながら農業が営まれています。  こうした中、今年5月には、市街化区域内農地の計画的な保全を図ることにより、良好な都市環境の形成に資するため、生産緑地法の一部改正を含む、都市緑地法等の一部を改正する法律が公布されました。  今回の生産緑地の改正では、対象となる農地を拡大するため、市町村条例による指定面積要件の引き下げや、農家の収入確保につながる生産緑地内での直売所、農家レストランの設置、そして、指定後30年経過した後の都市開発を防ぐため、市町村が土地所有者の同意を得て、買取申出を10年間延長する特定生産緑地制度が創設されました。  しかしながら、農家の高齢化が進んでいる現状を踏まえますと、生産緑地の多くが指定から30年を迎える平成34年には、特定生産緑地制度が活用されることなく、生産緑地が大幅に減少するのではないかと懸念しているところです。  そこで、環境農政局長に伺います。  都市農業が持つ多様な機能を発揮していくためには、生産緑地法の改正を積極的に活用し、生産緑地を保全していくことが必要と考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、県産木材の消費の促進について伺います。  本県において平成19年度から取り組んでいるかながわ水源環境保全・再生施策は、今年度から第3期の実行5か年計画に入り、20年の取組期間の折り返し地点に来たと認識しています。  県は、この施策の中で、水源の涵養など、森林が持つ公益的な機能を高めるため、杉やヒノキの人工林を広葉樹のまじる混交林などに整備する取り組みとあわせて、森林資源として活用が可能な森林について、木材を有効活用していくことで、持続的な森林管理を目指す取り組みを進めていると承知しています。  この木材を有効活用する取り組みを着実に推進するためには、森林整備を担う人材を育成し、山から着実に木材を生産するとともに、生産された木材を県民が求める品質の高い製品に加工し、さらには、加工された製品を県民の皆様に優先的に消費していただくといった取り組みを、一体的に進めていくことが必要と考えます。  〔資料提示〕  このうち、人材育成については、かながわ森林塾を実施し、担い手の若返りが図られ、木材の加工についても、民間の製材工場において施設整備が進んだことにより、高品質材の供給が可能になるなど、着実に成果を上げています。  しかし、木材の消費については、神奈川県産材を使おうとした場合、他県産の木材と比べて販売価格が高く、消費者にとっては、費用面でのメリットはないというのが現状です。  県産木材がしっかりと消費されなければ、人材育成や木材の加工における今までの取り組みの成果を、十分に発揮することができなくなることが懸念され、ひいては、県が進める公益的機能の高い森林づくりへの影響も危惧されます。  一方、私の地元である相模原市では、今年の6月から、津久井地域で生産される木材を対象とした産地証明制度を独自に立ち上げ、消費者に対する普及・PRを強化することで、木材の地産地消を進める取り組みを開始しています。  そうした地域ごとの取り組みをさらに充実させるためには、広域行政を担う県として、県民の皆様に県産木材を優先的に使っていただけるよう、取り組みを進めることが重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  県産木材の消費の促進に向け、県はこれまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように進めていくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 河本議員のご質問に順次お答えしてまいります。  広域自治体としての県の役割について、何点かお尋ねがありました。  まず、小田急多摩線の延伸についてです。  小田急多摩線を町田市、相模原市方面に延伸することにより、全国との交流連携の拠点となる橋本駅、相模原駅周辺地区の鉄道網が強化され、その効果は県内外に波及すると認識しています。  そこで、県では、国の交通政策審議会の答申にしっかり盛り込まれるよう、私自身も国土交通大臣に直接要望するなど、相模原市と連携して働きかけてきました。  その結果、昨年4月の答申にこの延伸計画が位置づけられただけでなく、これまで横浜線・相模線方面とされていた延伸区間が、相模原駅を経由して上溝駅までと明確にされたことは非常に大きな成果であると考えています。  今後の県の取り組みですが、かながわ交通計画については、「かながわグランドデザイン」の改定など、関連する計画との整合を図りながら、見直しを行う予定であり、小田急多摩線の延伸についても、今回の答申を踏まえ、しっかり位置づけたいと考えています。  一方、今回の答申では、延伸計画の実現に向けて、採算性の確保に課題があることも明記され、関係者による十分な検討が求められています。これを受け、相模原市と町田市では、国、県、東京都などによる関係者会議を設置しており、県としては、この場で、広域的な観点から助言を行い、計画のレベルアップを図っていきます。  さらに、採算性の確保のため、国に助成制度の拡充を働きかけるなど、今後も、県は関係者と連携して延伸に向けた取り組みを支援してまいります。  次に、県産木材の消費の促進についてです。  県内の森林面積は、全国的に見て規模が小さく、県産木材の生産量は44番目となっています。そのため、スケールメリットが働かず、例えば杉の角材1立方メートル当たりの価格は6万7,000円程度と、全国平均と比べ1割弱高くなっています。  そこで、これまで県では、割高でも県産木材を使ってもらうために、県産木材を使用することの意義を多くの県民の皆様にご理解いただく取り組みを進めてきました。  具体的には、家づくりをテーマとしたイベントを毎年開催し、間伐された木を住宅などに使用することが、水源環境の保全や多様な生物を育む森林づくりにつながることをパネルなどで紹介してきました。  また、工務店などに、県産木材を安心して使っていただくため、木材の搬出や製材加工の現場を見てもらうとともに、かながわ森林・林材業活性化協議会が行っている木材の強度などの品質を認証する制度の周知を図ってきました。  こうした取り組みを通じて、県産木材の消費量は水源環境保全・再生施策がスタートした平成19年度は約1万立方メートルでしたが、昨年度は目標に掲げていた3万立方メートルを超えることができました。  次に、今後の取り組みです。  引き続き、県産木材の消費を促進していくためには、さらに多くの県民の皆様に県産木材を知っていただくことが重要です。そのため、これまでの取り組みに加え、かなチャンTVで動画を活用した広報を行うほか、市町村や企業が開催する環境イベントなどに参加し、県産木材を積極的にPRしていきます。  また、活性化協議会では、県産木材を使用した家づくりを意欲的に行う工務店を認証していますが、現在は13社にとどまっています。今後は、この認証工務店をさらにふやしていくため、県産木材をふんだんに活用した施設の見学会などを拡充してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 県土整備局関係のご質問についてお答えします。  境川の河川整備についてお尋ねがありました。  県では、境川を「都市河川重点整備計画」、いわゆる新セイフティリバーに位置づけ、整備を推進しています。この計画では、平成20年8月の豪雨による浸水被害などを踏まえ、整備目標とする降雨を時間雨量30ミリメートルから、おおむね60ミリメートルに高め、遊水地や護岸の整備をすることとしています。  まず、遊水地についてですが、下流の水位を下げる効果があることから、上流部の相模原市緑区で整備を進めています。必要な用地取得は完了し、平成26年度から工事に着手しており、早期の完成を目指します。  次に、護岸の整備についてですが、中流部の特に川幅が狭い相模原市中央区の約2.9キロメートル区間で優先的に取り組んでいます。これまでに約3割の用地を取得し、約360メートルの護岸整備が完了しました。今後も、土地所有者のご理解をいただきながら、早期の用地取得に努めるとともに、まとまった用地が確保できた箇所から順次護岸の整備を進めていきます。  こうした整備を推進するためには、多額の予算が必要です。県は引き続きさまざまな機会を捉え、河川整備の重要性を強く国に訴え、十分な交付金を確保し、境川の重点的な整備を進め、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 環境農政局関係のご質問にお答えします。  生産緑地の保全についてお尋ねがありました。  県内の生産緑地の面積は、市街化区域内の農地の半分近い1,300ヘクタール余りが指定されており、農業生産の一翼を担っていることから、今後も生産緑地を保全し、生産振興を図っていくことが重要と考えています。  この生産緑地の開発を抑制し、農業の継続を後押しするため、生産緑地法が改正され、この5月に公布されました。今回の改正により、指定から30年経過する生産緑地について、所有農家の同意を得て、市町村が指定を10年延長できるようになり、また、市町村条例により、面積要件の引き下げも可能になりました。  さらに、国では、法律改正を踏まえ、生産緑地を意欲ある農家に貸す仕組みや、税制優遇措置などの検討も進めています。  こうした新たな制度を活用するためには、市町村が生産緑地を含む市街化区域内農地の保全方針や区域などを定める必要があります。そのため、県としましては、市町村の職員を対象に新たな制度に関する研修会等を開催するとともに、農地の保全方針等を定める際に、地域の農業経営に関する情報提供を行っていきます。  また、議員からお話がありましたように、農家の高齢化等により、新たな制度が活用されない懸念もあります。これまでも生産緑地の所有農家が農業の継続が困難となり、市町村へ買い取りの申し出をしても、市町村はそれに応じないことから、農地が転用された事例が少なからずありました。  そこで、農業の継続が難しい場合には、意欲ある農家に農地を貸してもらうためのマッチングなどを進めています。このような取り組みにより、生産緑地を保全することで、神奈川の都市農業の活性化を図っております。  私からの答弁は以上です。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、再質問させていただきます。  まず、小田急多摩線の延伸についてです。  ただいま知事から、国の審議会の答申で示された上溝までという延伸の行き先を、かながわ交通計画にも位置づけていくとの答弁がありました。  国の答申を踏まえて、速やかに計画の改定作業に着手していただきたいと考えますが、地元自治体では、上溝から先、愛川・厚木方面へのさらなる延伸についても熱心に取り組んでいるところです。  そこで、小田急多摩線の愛川・厚木方面への延伸についても、かながわ交通計画に位置づけるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、境川の河川整備についてです。  ただいま県土整備局長から答弁があった境川の整備状況の進捗は、十分とは言えないと考えます。境川は、特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に指定されていますが、特定都市河川については、関係自治体が同法に基づく流域水害対策計画を策定することとされています。  県では、現在、東京都、相模原市などと共同で、境川流域水害対策計画の策定作業を進めていると承知していますが、その計画の中で、広域自治体と基礎自治体との役割分担は、具体的にどのようになるのか伺います。  次に、生産緑地の保全についてです。  今回の生産緑地法の改正では、対象となる農地を拡大するため、市町村が条例を制定することにより、生産緑地指定の面積要件を、それまでの500平方メートルから300平方メートルに引き下げることが可能となりました。  面積要件が引き下げられ、より多くの農地が生産緑地として指定されれば、市街化区域内農地の保全に大きな効果があると考えられます。条例を制定して面積要件を引き下げるかどうかは、市町村の判断となることは承知しております。  県としては、全ての市町村が、今回の法改正の趣旨を踏まえた対応をとるよう働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  小田急多摩線の愛川・厚木方面への延伸についてお尋ねがありました。  国の審議会の答申では、上溝から先のさらなる延伸を検討する場合には、上溝までの整備状況を踏まえることが適当であるとされております。一方、地元では、この延伸に向けた取り組みが行われており、県にも毎年熱心なご要望をいただいているところであります。  かながわ交通計画への位置づけにつきましては、今回の答申を踏まえるとともに、地元の取組状況も考慮しながら、しっかり検討してまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 広域自治体と基礎自治体との役割分担についてお尋ねがありました。  境川流域水害対策計画は、関係自治体がハード、ソフトの両面から、総合的に浸水被害対策を推進することを目的としております。  ハード対策については、広域自治体として河川を管理する県及び東京都は、護岸や遊水地などの整備を進めます。基礎自治体である流域内の市は、雨水管の整備や降った雨が川へ流出する量を抑制するために、一時的に貯める施設の整備などを進めます。  また、ソフト対策については、県及び東京都は洪水浸水想定区域図を作成し、これをもとに市はハザードマップを作成するなど、避難体制を整備します。  こうした役割分担のもと、浸水被害対策が効果的、効率的に進むよう、おのおのの進捗状況を共有し、調整を図るなど、流域の自治体が一体となって取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 生産緑地法改正に伴う市町村条例の制定に関する再質問にお答えいたします。  県としましては、法律改正の趣旨を生かして、市町村が面積要件を引き下げる条例を制定し、小規模な農地の保全を図っていただきたいと考えています。そのため、市町村に対して、機会を捉えて法律改正の趣旨を説明するとともに、情報共有できる場を設定するなど、積極的に働きかけてまいります。  答弁は以上です。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕
    ○議長(佐藤光) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、要望させていただきます。  まず、小田急多摩線の延伸についてです。  昨年8月に、県と東京都、相模原市など関係自治体、国土交通省、小田急電鉄株式会社、学識経験者などによる関係者会議が設置されたとのことですが、今後もこの会議に当たっては、東京都などとの連携を一層深めていただくことを要望します。  また、延伸の行き先のかながわ交通計画への位置づけに当たっては、国の答申に合わせるだけではなく、地元自治体が求める愛川・厚木方面への延伸についても位置づけていくことが、広域自治体としての県の役割と考えておりますので、地元に寄り添った対応を図っていただくことを強く要望いたします。  次に、境川の河川整備についてです。  現在、策定作業を進めている境川流域水害対策計画については、平成27年4月に策定されている「境川水系河川整備計画」との整合性を図った上で、速やかに策定し、流域自治体と連携を図りながら、県が主導して、境川の浸水被害防止対策をさらに充実していただくことを要望いたします。  次に、生産緑地の保全についてです。  平成34年に多くの生産緑地が指定後30年を経過することから、現在、ハウスメーカーなどが、生産緑地の所有者に対し、生産緑地を手放した方がメリットが大きいと働きかけているという話も聞きます。このため、平成34年を迎える前に、所有者の方が生産緑地の指定の解除を決めてしまう可能性もあります。  こうした状況を踏まえ、生産緑地を保全していくためには、市町村やJAなどと連携の上、速やかに所有者の意向を把握するとともに、その結果を踏まえて、今後の対策を検討し、所有者に必要な対応を図っていただくことを要望します。  次に、県産木材の消費の促進についてです。  先ほど知事から、県産木材を使用した家づくりを意欲的に行う工務店を認証しているとの答弁はありましたが、現在、認証を受けている工務店の状況を見ますと、例えば、私の地元、相模原市の工務店が一つもないなど、所在地に偏りも見られます。  こうした偏在の解消は、課題の一つと考えますので、より多くの県民の方に身近な工務店で県産木材を使っていただけるよう、課題の解消に向けて取り組んでいただくことを要望します。  また、今後、相模原市の工務店が新たに認証を受ける際には、相模原市で始まった津久井産材の産地証明制度による証明を受けた木材を優先的に使ってもらうなど、地域の取り組みとの連携も図っていただくことをあわせて要望します。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 質問の第2は、多様な人材の育成についてです。  初めに、高年齢者の就業支援について伺います。  平成27年の国勢調査によると、本県の人口は912万7,300人と、平成22年の前回調査と比較して0.9%増加しているものの、年齢別に見ると65歳以上の人口が215万4,000人で18%ふえているのに対して、15歳から64歳の生産年齢人口は568万2,200人で5.1%減少しており、高齢化は着実に進んでいます。  一方、景気の回復に伴い、平成29年4月の本県の有効求人倍率は1.11倍となっており、これは平成4年以来、25年ぶりの水準とのことであります。  こうした状況で、就職できない学生が減るという点は大変喜ばしいことではありますが、中小企業の中には、募集をしても人が集まらない企業もあるという話も聞いており、現在も不足が叫ばれている介護、保育、建設などの分野を含めて、今後、人手不足への対応が一層必要になってくると考えます。  現在、年金の支給開始年齢が原則65歳となったことから、国は65歳までの安定した雇用を確保するため、企業に対して、定年制の廃止や定年の引き上げ、継続雇用制度の導入のいずれかを義務づけていますが、65歳という年齢ではまだまだ元気な方が多くおられます。  〔資料提示〕  平成25年度に内閣府が60歳以上の男女を対象に実施した高年齢者の地域社会への参加に関する意識調査では、何歳ごろまで仕事をしたいかという問いに対し、働けるうちはいつまでも働きたいと回答した方が約3割おり、これと合わせて、65歳を超えても働きたいと考えている方は全体の約7割となっています。  私は、今後の生産年齢人口の減少に対応し、社会が活力を維持していくためには、65歳を超えた方々の力をおかりすることは不可欠であり、高年齢者でも、意欲と能力、そして体力があれば、その方々に合った仕事につくことができるようにしていくことが重要であると考えます。  そのためには、企業において、これまで1人の人間が担当していた職務を、高年齢者の体力や能力に合った職務に構成し直したり、短時間就労を可能とするように就業規則を改正したりするなど、高年齢者を雇用する企業側の就業環境整備も必要です。  そこで、知事に伺います。  高齢化の進展、人口減少に伴う生産年齢人口の減少に対応し、社会の活力を維持していくためにも、意欲のある元気な高年齢者が活躍し続けることができるよう、高年齢者に対する一層の就業支援や、企業に対する意識啓発が必要と考えますが、県として、今後どのように取り組みを進めていくのか、見解を伺います。  次に、農福連携による障がい者の就農促進について伺います。  現在、農業の分野には、農業従業者の高齢化などを要因として、担い手不足といった課題があります。一方で、障害福祉の分野では、障害者の働く場を確保することや、その収入の増加を図ることなどが課題となっています。  〔資料提示〕  国が進めている農福連携による障害者の就農促進プロジェクトは、農林水産省と厚生労働省が連携して実施をしていますが、こうした双方の課題を、ウイン・ウインの形で解決できる可能性を秘めており、私は大変意義深い事業であると考えています。  例えば、担い手不足という課題を抱える農業の側では、障害者を労働力として期待することができますし、さらに、働く場を障害者に提供することは、農業を通じた社会貢献にもつながるメリットがあります。  また、障害福祉サービス事業所などにとって、農業は、障害の程度や作業能力に応じた仕事の内容を用意することが可能であるほか、一般就労に向けた準備作業の場としても活用できるといったメリットがあります。  県では、国の事業を活用して、平成28年度から、農福連携による障害者の就農促進について取り組みを開始したと承知していますが、せっかく始めたというのに、この事業の目指すべき姿がはっきりしておらず、周囲にも余り伝わってこないように感じております。  この事業は、障害福祉サービス事業所が農業活動を取り入れ、その事業所に通う障害者が農業を経験しながら、次のステップとして農業分野へ就労していくといった流れを見据えた取り組みにしていくべきと考えます。  そのために必要な取り組みとして、まず、農業活動に取り組もうとする障害福祉サービス事業所などを支援することが挙げられます。  農業活動としては、例えば、畑で野菜を栽培するとしても、一定の規模での活動となるため、農業の知識や技術が要求されますが、障害福祉サービス事業所などの職員は余りノウハウを持っていないのではないかと思われますので、こうした事業所に対して、どのように支援していくことができるかが重要であると考えます。  次に必要な取り組みとして、障害者の農業分野での就労の支援が挙げられます。  障害福祉サービス事業所などで農業を経験した障害者が、農業分野で就職したいという希望を持ったとしても、余り情報がないということもあり、実際の就労につながっていかないのではと思われます。障害者の農業分野での就労をしっかりと支援することで、障害者の働く場をより広げていくことができると考えます。  そこで、保健福祉局長に伺います。  農福連携による障害者の就農促進について、平成28年度の実施結果を踏まえ、今後の取り組みについて、どのように考えているのか、見解を伺います。  次に、中小企業におけるIoT技術導入に向けた人材育成について伺います。  近年、経済のグローバル化が進み、あらゆる分野でIoT、ビッグデータ、人工知能を初めとした新たな技術により、第4次産業革命とも言える動きが生じています。  さきの我が会派の代表質問でも、このような社会状況の変化を捉えた上で、さがみロボット産業特区を次の段階に進めていくとの答弁がありました。  こうした新たな技術のうち、例えば、IoT技術を用いることにより、産業用ロボットにセンサーを取りつけ、インターネットに結びつけることで、需要などを予測して最適な生産を行うことができるようになります。  〔資料提示〕  このため、生産性を向上させる観点から、中小企業もIoT技術の導入を積極的に進める必要があると考えます。  私の地元である相模原市では、地方創生の交付金を活用して、さがみはらロボット導入支援センターを設置し、市内の中小企業における産業用ロボットの導入支援を行っており、導入した企業から高い評価を得ていると聞いています。  市によると、さがみはらロボット導入支援センターにおける支援を進めたことにより、一つの作業工程を自動化した会社が他の作業工程も自動化したり、他社の導入事例を参考に、こうした作業工程の自動化に前向きな企業がふえるなど、大変よい循環が生まれているとのことです。  こうした取り組みは相模原市だけでなく、日本全体として取り組むべきであり、神奈川県としても対策をとらなければならない課題であると考えております。  一方で、平成24年に中小企業庁が実施したアンケート調査の結果によると、情報通信技術の活用についての意識はしているものの、活用に成功した中小企業は3割程度にとどまっており、まだまだ中小企業において、IoTを初めとした情報通信技術の活用は進んでいない実態があります。  IoT導入には、技術に精通した人材が必要になりますが、こうした人材はIT企業に偏在しており、中小企業においては、そうした人材の確保、育成が難しいことが、活用が進まない大きな要因と考えております。  私としては、こうしたIoT化などの動きは、中小企業が成長するチャンスであり、中小企業のIoT化を進め、発展につなげるためには、県が中小企業のIoT導入に向けた人材の育成を支援する必要があると考えます。  中小企業のIoT導入については、これまでも県議会においてさまざまな議論が行われ、本年度予算にも新規の事業費が計上されたと承知していますが、相模原市のような取り組みをさらに進めるためにも、人材の育成は大きな課題と考えますので、県としても一層力を入れて取り組むべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  中小企業のIoT技術導入に向けた人材の育成について、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 多様な人材の育成について、何点かお尋ねがありました。  まず、高年齢者の就業支援についてです。  人生100歳時代において、高年齢者が生きがいを持って生涯現役で暮らしていくためには、意欲と能力があれば、年齢にかかわりなく、生き生きと働くことができるような社会にしていく必要があります。そのためには、高年齢者への就業支援を充実するとともに、高年齢者に適した雇用環境の整備を企業に対して意識啓発していくことが重要です。  高年齢者への支援については、シニア・ジョブスタイル・かながわにおいて、これまでも中高年齢者を対象としたキャリアカウンセリングなどを実施してきました。これに加えて、新たに65歳以上の方を対象に、企業が求める人物像や働く心構えなどについて啓発するセミナーを実施し、充実を図っています。  また、昨年度、県が労働団体、経済団体等と設立した神奈川県生涯現役促進協議会では、就業に限らず、起業やボランティアなど、高年齢者の多様な働き方のニーズに対応した幅広い情報を一元化し、ポータルサイトで提供していきます。  一方、企業への意識啓発については、今月末に、私と神奈川労働局長で、経済団体に対して、高年齢者の多様な能力と働き方に対応できる機会の提供等について要請を行います。  また、8月に、県内の企業を対象とした第1回の高年齢者雇用促進フォーラムを開催し、高年齢者に適した雇用環境の先進事例の発表や、パネルディスカッションを行う予定です。このフォーラムでは、私から直接事業主に対して、高年齢者雇用の重要性を強く訴え、積極的な雇用を促してまいります。  最後に、中小企業におけるIoT技術導入に向けた人材育成についてです。  IoTは、生産性の向上や労働力不足の解消につながるとともに、新たな付加価値を生み出す技術であり、大企業だけでなく、中小企業においても導入を進めていく必要があります。  そのため、県では、産業技術センターにおいて、IoT研究会を立ち上げ、導入事例などを紹介するフォーラムの開催のほか、IoT化に必要な試験や評価ができるIoTラボの整備など、これまでも中小企業のIoT化を支援してきました。  こうした取り組みを進める中、中小企業においては、社内でIoT化を進めていくための人材の育成が重要になってきています。  そこで、今年度から、県と地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所─産技総研が連携して、技術者の人材育成を図る新たな取り組みを始めます。  まず、県では、中小企業の技術者を対象に自社のIoT技術導入の際に必要となる情報システムの企画立案から、保守点検までの体系的な知識を取得するための研修を行います。  続いて、産技総研では、IoTラボを活用しながら、実際に導入する際の課題への対応など、中小企業のニーズに合った、より実践的な研修を実施いたします。  さらに、こうした企業内の技術者の育成に加え、仕事を探している求職段階からのIoT人材の育成も大切です。そこで、職業訓練を活用して、既に情報通信の基礎的技術を持つ求職者を対象にスキルアップを図る事業を新たに行えるよう、今回、そのための予算案のご審議をお願いしているところです。  今後も、県と産技総研が連携しながら、中小企業のIoT技術導入に向けた人材育成に積極的に取り組み、県内中小企業のイノベーション創出を支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 保健福祉局関係のご質問にお答えいたします。  農福連携による障害者の就農促進についてお尋ねがございました。  障害者にとって、農業は生産物の収穫など、成果がわかりやすく、自然との触れ合いによる情緒の安定も期待できるなど、さまざまなメリットのある仕事であります。  また、全国の農林漁業分野での障害者の実雇用率は、法定雇用率の2%を上回る2.14%となっており、障害者にとって就労しやすい分野の一つでもあります。  農業分野で障害者の就労を進めるためには、まず障害者の就労体験の場である障害福祉サービス事業所などに農業を知ってもらうことが重要です。そこで、本県は、昨年度から就労体験に農業を取り入れたいと考えている事業所などを対象に、農福連携セミナーを開催しております。  このセミナーでは、農業を取り入れている事業所による農家との連携や加工製品に関する報告、かながわ農業アカデミーによる農業参入の手続や支援制度についての講義などを行いました。  開催後のアンケートでは、具体的な話を聞けて参考になったなどの感想が寄せられたところであり、障害者の就労体験に農業を取り入れてもらう上で効果があったものと考えております。  今後は、障害者が農業分野で実際に就農できるように、就労に至るまでの手続や職場での定着に向けた支援方法を事業所に理解してもらうことが必要です。そこで、本年度は農福連携セミナーの中で、障害者を実際に雇用している農業関係の企業による具体的な取り組みを紹介したいと考えております。  農業分野での障害者の就労は、障害福祉の推進だけでなく、農業の担い手不足への対応という点でも大きな意義がございますので、より多くの障害者が就労できるよう、今後とも積極的な取り組みを進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、再質問をさせていただきます。  まず、高年齢者の就業支援についてです。  高年齢者の就業支援に当たっては、高年齢者が生きがいを持って働けるよう、それぞれのニーズに合った仕事内容や働き方で就業していただくことが重要と考えます。  私は、高年齢者が生きがいを感じるのは、何より人から必要とされているという感覚を持てたときではないかと思います。その意味で、例えば介護や子育てといった人手不足が叫ばれている分野で高年齢者が働くことができれば、生きがいを得られやすいのではないかと考えます。  そこで、高年齢者の就業支援に当たっては、高年齢者に生きがいを持って仕事をしてもらう観点から、介護や子育てなど、人手不足とされている分野への就業を促進するような取り組みも必要と考えますが、見解を伺います。  次に、農福連携による障害者の就農促進についてです。  この事業について、私は、先ほど質問の中で、障害者が農業分野へ就労していくことを見据えた取り組みにすべきと申し上げたところですが、事業実施に当たり、いつごろまでに何名程度の障害者に就農してもらうといった目標はあるのかを伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えしてまいります。  高年齢者に社会の中で必要とされていると感じていただいて活躍していただくということは、生きがいという観点から大変有意義だと考えております。  介護や子育てなど、人手が不足している分野の中には、補助的業務などで、適切な体制のもとであれば、資格がなくても就業可能な業務もあります。そこで、必要なスキルを身につけるための講座を実施するなど、今後はこうした分野への高年齢者の就業促進にも積極的に取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 河本議員の再質問にお答えいたします。  農福連携による障害者の就農促進について、再質問をいただきました。  この事業では、就農する人数や時期など、定まったものはございませんけれども、農業を希望する障害者の方が事業所での日中活動も含め、一人でも多く働くことができるよう取り組んでまいります。  以上でございます。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、要望させていただきます。  まず、農福連携による障害者の就農促進についてです。  ただいま保健福祉局長から、就農する人数や時期など定まったものはないとの答弁がありましたが、障害者が最終的に就業先として農業を選ぶというところまでいかなければ、この事業の効果は十分に得られないと考えます。  先ほどの答弁で、農業が就業しやすい取り組みというご答弁もありました。具体的な数値目標などを設定して取り組んでいかなければ、この事業はそういった農家にとってのメリット、障害者にとってのメリットというものが生かされないと思いますので、そういった目標設定をして取り組んでいただくことを要望します。  また、近年、農業の大規模化が進み、今後、民間企業である農業法人が増加することが見込まれます。こうした状況を踏まえ、取り組みに当たっては、農業部門との連携だけでなく、民間企業における障害者雇用の促進に取り組む雇用対策部門との連携も十分に図っていただくことをあわせて要望します。  次に、中小企業におけるIoT技術導入に向けた人材育成についてです。  相模原市による中小企業へのロボット導入支援のような取り組みとあわせて、人材の育成を進めていくことができれば、中小企業における人手不足への対応とともに、生産性の向上が図られるのではないかと考えます。  先ほど知事から、IoT技術導入に向けた人材育成について、今年度から取り組みを開始したとの答弁がありましたので、中小企業がIoT技術を導入できる環境を整備し、中小企業によい循環が生まれていくよう、引き続き取り組みを進めていくことを要望いたします。  以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(佐藤光) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤光) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時25分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028133-質問・答弁-近藤大輔議員-一般質問①東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とスポーツ振興について②子どもの貧困対策の推進について③「犬猫殺処分ゼロからその先へ」の取組について④民泊を推進する取組について⑤三浦半島地域におけるイノシシ対策について⑥地域の実情に配慮した保健医療計画の改定について》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共99名 ○副議長(小野寺慎一郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(小野寺慎一郎) 質問を続行いたします。  近藤大輔君。  〔近藤大輔議員登壇〕(拍手) ◆近藤大輔議員 逗子市・葉山町から選出されております県会議員の近藤大輔であります。  私はかながわ民進党県議団の一員として、通告に従い、質問を行いますので、知事、スポーツ局長、保健福祉局長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。  また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  今回の私の質問は大きく7点であります。限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきます。  まず、質問の第1は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とスポーツ振興についてであります。  その中の一つは、障がい者アスリートの支援を通じた障がい者スポーツの推進についてお伺いしてまいります。  昨年開催されたリオデジャネイロ・パラリンピック競技大会は、日本人アスリートの連日にわたる活躍により、大変大きな盛り上がりを見せました。そして、2020年の次の東京大会の開催がいよいよ3年後に迫っております。  2020年の東京パラリンピックでリオデジャネイロ大会以上に盛り上げていくことができれば、障害者スポーツのみならず、本県のスポーツ全体の振興にもつながると考える次第です。  〔資料提示〕  そのためには、やはり日本人アスリートの活躍が必要不可欠であり、中でも本県ゆかりのアスリートの活躍に大いに期待するものであります。  また、パラリンピック以外にも、聴覚障害者の大会であるデフリンピック、知的障害者の大会であるスペシャルオリンピックスなど、障害者スポーツの国際大会はさまざまあります。中でもデフリンピックは、スタートや審判の声による合図を視覚的にする以外は、オリンピックと同じルールであり、オリンピックでメダルを獲得したデフアスリートもいるほどであります。  今年の7月には、その中の一つでありますデフリンピックがトルコで開催され、本県からも金沢区から竹村選手を初め、総勢21人の選手が日本選手代表団として派遣される予定であります。私の地元であります逗子市からも、牛尾洋人さんがビーチバレーボールの日本代表監督として参加する予定であります。  そこで、先日、逗子海岸で強化試合を行っている監督の激励に訪れたのですが、監督みずからが砂浜に耕運機を持ち込み、コート整備を行っている姿を見たときには驚きを覚えました。日の丸を背負い、世界の舞台に立つ日本代表監督がコート整備をしているのであります。障害者スポーツに対する支援は、日本代表クラスであってもまだまだ十分とは言えない状況であります。  本県では、平成28年度からパラリンピアン育成事業としてパラリンピックを目指すアスリートや指導者を対象に競技活動費の助成を行っており、このことについては評価をしているところであります。  しかしながら、障害者アスリートへの支援は、金銭的なもののみならず、ボランティアによる人的支援など、さまざまな視点から講じていく必要があり、そうしたことが障害者スポーツ全体の裾野を広げるとともに、県民の障害者スポーツへの理解を深めていくことにもつながると信じております。  今年3月には「神奈川県スポーツ推進条例」とあわせて、「神奈川県スポーツ推進計画」─エンジョイ・スポーツ!かながわプランが策定されました。その取り組みの柱の一つにも障害者スポーツの推進がしっかりと位置づけられております。  そこで、知事にお伺いいたします。  2020年に東京パラリンピック競技大会を迎える中、障害者アスリートの支援を通じて、今後どのように障害者スポーツを推進していくのか、知事の見解を伺います。  次に、スケートボード競技の振興についてお伺いいたします。  東京2020オリンピック競技大会の実施競技が決定し、サーフィンとスケートボードが新たな競技に加わりました。また、自転車競技のBMXフリースタイルパーク種目も加わり、東京オリンピック競技大会の競技種目の決定に当たってキーワードとなっております若者が、より親しみやすい大会になるのではないかと期待をしております。  今回、新競技となりましたサーフィンはサーフボードと波があればできる手軽さと、海という自然を相手に体を動かすその爽快感から年々愛好者がふえ、全国に200万人以上の愛好者がいるという、そういう試算もあります。  スケートボードについても、サーフィン同様のライド感と手軽さから、若者を中心に爆発的な人気を博しており、いずれもオリンピック競技になったことから一層注目されるものと考えます。  神奈川県には湘南の海があることからサーフィンはよく知られている一方で、スケートボードはサーフィンと比べると、スポーツとしての認知度、理解度がまだまだ低いのではないかと考える次第です。  〔資料提示〕  公園などでもスケートボードの利用は禁止されているところが多く、身近な場所で自由にスケートボードができる場所がほとんどないといった状況であり、湘南のサーフメッカであります藤沢市沿岸にある県立湘南海岸公園、県立辻堂海浜公園でもスケートボードは禁止、禁止の看板が立ち並びます。都市公園にはさまざまな目的で多くの公園利用者がいることから、事故防止のためにやむを得ない面もあると一定の理解はいたしますが、これが今の現状です。  そのような中、県立湘南海岸公園内にはスケートボードも利用できる多目的広場が設けられております。こうしたスペースがあるのは県立施設の中でも唯一ではないかと思われますが、同公園の敷地面積に対してわずか1%にも満たない敷地であります。津波避難タワーのすぐそばにある小さなスペースが、オリンピック競技であるスケートボードが県立施設で唯一専用できるスペースでありますので、ぜひとも機会があれば、ごらんいただきたいと思います。約15メートル四方の広場は、10人ものスケーターが入ると満杯になってしまう状況であります。  週末の朝、現場に訪れると、既に若きスケーターたちがスケボーを楽しんでいました。使い勝手などを聞いてみると、オリンピック競技ですよ、スケボー禁止の看板ばかり立てるのではなく、もっと充実したスペースをつくってくれとスケーターから懇願されるてんまつでありました。  さらに申し上げますと、BMXについては、さらに厳しい状況であります。東京大会で正式競技となったスポーツであることから、今後、若者の中から世界を目指す人たちがあらわれてほしいと思いますが、環境が整っていないのは残念でなりません。  今年の5月に静岡市内に7,000平米の広さを持つスケートボードパークがオープンしたので、先日、有志で調査に行ってまいりました。オリンピック競技にスケートボードやBMXが選ばれたこともあり、時の市長の判断により、市が所有する敷地を活用して、2020年まででありますが、暫定的にスケートボードパークを設置されたものであります。盛り上がりによっては、それ以降も使用していくというお話も伺ってまいりました。  オリンピックで競われるパークスタイルとストリートスタイルに対応するものであり、全天候型で夜21時まで営業され、全国のスケーターに注目される施設であります。  県内でも、こうした専用施設が建設され、競技環境が整っていけばよいと殊さらに思うのは私だけでしょうか。そのためには、スケートボードという競技をより多くの方に知っていただき、楽しんでもらうことも大切なことだと考えております。  そこで、スポーツ局長にお伺いいたします。  東京2020オリンピック競技大会で新競技となったスケートボードについて、東京大会を盛り上げていくためにも、県民にとって身近な競技となるよう振興を図ってもらいたいと考えますが、スポーツ局長の見解をお伺いいたします。  次に、子どもの貧困対策の推進について伺います。  あすの神奈川を支えるのは、今を生きる子供たちであります。その子供たちが、自分の可能性を信じ、前向きにさまざまなことにチャレンジしながら成長し、未来を切り開く力をつけていくことが、あすの社会を確かなものにすると考えます。  しかし、平均的な生活水準の半分以下で暮らしている子供の割合を示す子供の貧困率は16.3%で、6人に1人の子供が大変厳しい状況に置かれているとされています。こうした子供たちの将来が決して閉ざされることがあってはなりません。  日本財団の試算によりますと、この問題を放置した場合の社会的損失は、いわゆる貧困の連鎖などにより、42.9兆円とされております。少子・高齢化に対応し、持続可能な共生社会を実現するため、将来、社会を支える側に立つ子供たちをどのように支援していくかという視点からも、子供の貧困対策は喫緊の課題であります。  〔資料提示〕  国は、平成27年度に、地方自治体の子供の貧困対策の取り組みを支援するために、地域子供の未来応援交付金を創設しましたが、昨年12月の段階で1割程度しか利用されていないなど、全国的に見ても、なかなか取り組みが進んでおりません。このため、国では、交付金の使い勝手がよくなるように利用条件を緩和しており、今後の活用が期待されるところであります。ちなみに本県で活用しているのは、横浜市1市のみであります。  県では、平成27年3月に、「神奈川県子どもの貧困対策推進計画」を策定し、昨年5月には、知事を本部長とする神奈川県子ども・青少年みらい本部を立ち上げました。今年度は、子供の貧困対策に取り組むための組織体制を強化し、とりわけ、福祉、労働、住宅、教育の関係部長を兼任させるなど、県の組織で部局横断的な体制を整えたことは一定の評価をしております。  しかし、子供の貧困対策については、県庁の中で横串を貫くとともに、住民に身近な市町村の取り組みが欠かせません。  〔資料提示〕  私の地元では、地域未来塾といった学習支援や、民間での子ども0円食堂などの取り組みが始まっております。  こうした取り組みは困難を抱える子供たちを支援する有益な事業であると考えますが、全ての市町村で実施されているわけではなく、特に小規模な自治体では、財政的にも厳しく、マンパワーにも乏しく、いかに国や県の制度を組み合わせ、民間などの社会資源も活用しながら、有効に事業を進めるべきかを日々模索しております。  今年、県では、企業、NPOと連携し、仮称でありますが、かながわ子どものみらい応援団を結成すると先日の答弁にありました。子供の貧困対策を進めるに当たっては、ぜひ県が市町村の後押しをするなど、県全体で行政が一体となって、民間とともに子供たちを応援する姿勢を強く示していただきたいと思います。  そこで、知事にお伺いします。  今後、子供の貧困対策について、市町村と連携して、どのように進めていこうとしているのか、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、「犬猫殺処分ゼロからその先へ」の取組についてお伺いしてまいります。  平成28年度もさまざまな関係者のご尽力で、県動物保護センターに収容された犬と猫の殺処分がゼロとなり、犬は4年間、猫は3年間殺処分ゼロ継続となりました。全国的に犬猫の殺処分が問題となる中、東京都に次ぐ人口を有する本県が犬猫殺処分ゼロを達成したことは、全国が注目しており、大変すばらしいことであると思います。  一方で、この殺処分ゼロ達成・継続は、ボランティアの方々の長年にわたる懸命な活動により支えられている実態があります。  〔資料提示〕  私の地元に犬を動物保護センターより引き出し、新たな飼い主を探すNPO法人KANAGAWA DOG PROTECTION、通称KDPがあり、幾度となく話を伺ってきました。  県庁でも犬の譲渡会を開催していることから、知事も面識があると思いますが、神奈川の犬猫殺処分ゼロを牽引している有力な団体であります。代表の菊池さんいわく、殺処分ゼロという事実があったことによって、知事が殺処分ゼロ宣言をしてくださった。そのことによって、少しずついい方向に事態が動き出したと、知事の取り組みを絶賛しておりました。  しかしながら、ようやくスタート地点に立てただけであって、現状はまだまだ全然解決されていないとも指摘しています。殺処分を減らす努力は、昔からずっと同じように皆続けていることで、今回達成できた殺処分ゼロは、センターの職員、ボランティアの連携、モチベーション、タイミングの歯車が合ってできたことで、現況は、まだセンターには多くの犬が保護されており、状況は変わらないとのことであります。  ボランティア団体は、県単位でゼロにした例がなかったので、達成すれば一つのきっかけとしてニュースで取り上げられたり、もしかしたら何か変わるかもしれない、その思いで立ち上がったのであります。私が見る限り、彼らは充実した顔をしているものの、私財をなげうち、シェルターを立ち上げ、多いときには130頭もの犬を保護し、今も約70頭の犬と生活をしていました。外出もままならないとのことであり、自分の人生をかけたこの取り組みにただただ頭が下がるばかりであります。  県としても、それらの負担を軽減するため、ボランティアの飼育費用の補助や飼い主のいない猫の避妊・去勢手術費用の補助を始めたことは承知しております。  そうした補助も当然必要なことでありますが、犬猫殺処分ゼロからその先を目指す県としては、そもそも動物保護センターに収容される動物を減らす入り口対策と収容された動物の飼い主への返還、新しい飼い主への譲渡をふやす出口対策をより一層加速させる必要があると考えます。  その一環として、国が、現在、義務化を検討しているマイクロチップによる所有者を明らかにする取り組みは有効だと考えます。  昨年度、所有者不明の迷い犬などとして動物保護センターに収容された犬は306頭で、そのうち飼い主に返還された犬は185頭と6割程度にとどまっております。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県の動物愛護をさらに推進していくため、犬猫殺処分ゼロからその先の第一歩として、県動物保護センターに収容される動物を減らす対策や、もとの飼い主への返還及び新しい飼い主への譲渡の促進について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  次に、民泊を推進する取組についてお伺いしてまいります。  近年、訪日外国人旅行者が年々増加しております。2012年の訪日外国人旅行者数は836万人でありましたが、2016年には推計値で2,404万人となりました。政府は、2020年には4,000万人を見込んでおります。  本県を訪れる外国人旅行者も年々増加し、「県観光振興計画」の訪日外国人旅行者200万人という目標を2年前倒しで達成しております。今後も、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が予定されるなど、宿泊施設に対する需要はますます増加するものと考えます。  新たにホテルなどの建設が予定されている地域もあると聞きますが、なお不足が予想され、これを補うことや多様な宿泊ニーズに対応するためにも、民泊を積極的に活用することは有用な方法であると考えます。  私の地元でも宿泊施設が圧倒的に少ないという状況もあり、民泊仲介サイトに登録してある施設の稼働率は非常に高いものがあると伺っております。  国家戦略特別区域に指定されている本県では、特区民泊の活用について、市町村等と調整を図ってきたと承知していますが、まだ特区民泊の活用は始まっておりません。  一方、今国会において、住宅宿泊事業法が成立し、民泊の推進に向けての法制度が整いつつあります。あわせて、政府は、新法に基づき業界の健全化に取り組むとし、無許可の違法民泊の取り締まりや、都道府県を監督者とし、個人などの事業者に宿泊者の衛生の確保や安全の確保、外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保、宿泊者名簿の備えつけ、周辺地域の騒音などの生活環境への悪影響の防止の措置、苦情などへの対応を義務づけました。そして、違反者には、業務改善命令、業務停止命令などの処分をすることができるとしています。  住宅宿泊事業法では、営業日数は年間180日以内と定められ、さらに都道府県などが条例で地域の実情により日数を短縮できるとされております。  そこで、知事にお伺いいたします。  住宅宿泊事業法の営業日数について、どのように対応していくのか、また、本県では、特区民泊の活用について、どのように考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次の質問は、三浦半島地域におけるイノシシ対策についてであります。  三浦半島は、イノシシの生息は確認されていなかった地域であります。私の地元でもある葉山町では、町制施行から90年以上さかのぼっても、イノシシによる被害は確認されておりません。  〔資料提示〕  ところが、葉山町を中心に4年ほど前から急にイノシシが目撃されるようになりました。イノシシは移動性の高い生物であり、県西地域から市街地を通って三浦半島に来たのでしょうか、それとも房総半島から泳いできたのでしょうか、誰かが放獣したのではないかなどと、イノシシ出没の経緯の謎は深まるばかりであります。  地域の方が畑仕事に汗を流し、収穫を楽しみにしていた矢先に農地が掘り起こされ、作物が荒らされてしまう被害が相次ぎ、農業を営む意欲も失われてしまうことが懸念されます。  また、三浦半島の自然は首都圏の貴重な財産でありますが、山が浅いことから貪欲なイノシシは移動を続け、横須賀や三浦、逗子や鎌倉でも被害が拡大することも懸念されます。餌を求め、人里への出没や、近年観光客も多く来訪し、自然観察やハイキングにトレイルランなど、さまざまな利用がされていることから、イノシシと人との不測の事態が起きることが心配されます。  あわせて、三浦半島の豊かな生態系に深刻な影響を与えることも考えられます。4年前はわずか数件の目撃情報でありましたが、ここ数年は、幼獣が確認されるなど、残念ながら、三浦半島をすみかとし、繁殖していることがうかがい知れます。  現在、県内の各地域において、野生鳥獣がもたらす農林業や生活環境の被害が続いており、県は市町村などに対して、財政的、技術的な支援を実施するとともに、今年の4月には、かながわ鳥獣被害対策支援センターを設置したところと承知しております。  〔資料提示〕  しかし、三浦半島は古くからイノシシと向き合ってきたほかの地域とは異なり、対策の蓄積がございません。それゆえ、自治体や関係者は手探りでイノシシが潜むやぶを刈り払ったり、農地を柵で囲ったりと、苦労しながら、わなによる捕獲を地道に行っております。  捕獲されたイノシシの中には、体重が100キロにも及ぶ大型の個体もいたと聞きます。また、イノシシは繁殖力も旺盛であると聞くので、今以上に生息数が増加したり、生息域が拡大してしまうと、対策の施しようがなくなるのではないかと大変心配しておるところであります。  そこで、知事にお伺いいたします。  三浦半島のイノシシ対策は、今まさに急務である上、地域への県からの支援が欠かせないと考えますが、今後どのように支援策を講じていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  最後の質問は、「神奈川県保健医療計画」の改定について伺います。  超高齢化の進展に伴う医療ニーズの変化を踏まえ、昨年度、各都道府県は、団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)の地域の医療ニーズやあるべき医療の姿をまとめた地域医療構想を策定いたしました。また、そうした状況も踏まえ、今年度は各県の医療政策を総括する計画である保健医療計画を5年ぶりに改定する極めて重要な年であります。  医療機関の病床の整備という観点で見ると、昨年10月に県がまとめた神奈川県地域医療構想では、多くの県が人口の減少等を踏まえ、2025年の必要病床数は現在よりも減少すると推計する中、本県では人口がいまだ増加傾向であり、他県以上に急激な高齢化に伴って、県内では、いわゆる回復期の病床を中心に、現在よりも1万床以上多い病床が必要であると推計しています。  こうしたことを踏まえ、今般の保健医療計画の改定で、病床の整備などをどのように盛り込んでいくのか、注目しているところであります。  一方、県内各地域に視点を移すと、私が住む横須賀三浦地域の二次保健医療圏では、いわゆる急性期の病床は過剰とされており、現状でも救急患者の約85%がこの地域で完結しておりますが、回復期の病床は不足すると推計されております。  しかし、よりきめ細かく見ていくと、横須賀三浦地域の中にあっても、逗子市と葉山町には高度な救急医療機関がなく、いざというときには横浜市や鎌倉市の救急病院に搬送せざるを得ず、逗子市の平均救急搬送時間は42.1分、葉山町では46.5分と近隣他市と比べても約10分も搬送時間が長くなっております。  また、逗子市と葉山町では、県内でも特に高齢化が進んでおり、65歳以上の占める割合は30%を超え、高齢化が進むにつれて救急搬送件数はふえ、ここ五、六年で30%の増加、そのうち、高齢者の搬送が3分の2以上を占めております。  このように一つの二次保健医療圏にあっても、さらなる地域特性があり、各地域がさまざまな実情を有しております。県は、いずれの地域に住んでいても、県民がひとしく良質な医療を受けられるよう、地域の実情を一層踏まえた計画の改定を行っていくことが重要であると考えます。  そこで、保健福祉局長にお伺いします。  今般の神奈川県保健医療計画の改定に当たり、県は各地域の実情をより一層考慮し、改定を行っていくべきと考えますが、保健福祉局長の見解をお伺いします。  以上で、私の第1回目の質問といたします。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 近藤議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とスポーツ振興についてお尋ねがありました。  まず、障害者アスリートの支援を通じた障害者スポーツの推進についてです。  昨年のリオパラリンピック競技大会では、陸上競技の辻沙絵さんや、水泳競技の成田真由美さんなど、本県ゆかりの選手が大いに活躍し、多くの県民に勇気や感動を与えてくれました。  身近な障害者アスリートが世界を舞台に活躍することは、障害者のスポーツ参加への意欲を高めるとともに、県民の理解を深める契機にもなると考えています。  そこで、県では、障害者アスリートの育成に向けた事業を進めているところです。  まず、昨年度、本県ゆかりの選手に対して競技活動費の助成を行うパラリンピアン育成事業を創設しました。現在、35名の選手を支援しており、東京大会では20名の出場を目指します。  また、現在、教育委員会では、県立体育センターを障害者スポーツの推進拠点として活用できるよう、再整備を進めています。  さらに、アスリートの活躍を支える人材の育成も必要です。そこで、県では、昨年度から、障害に対する基礎知識や介助方法を身につけた障害者スポーツサポーターを養成し、地域のスポーツイベント等で活動していただいています。  今後、県内の競技団体と連携し、アスリートの大会でもこのサポーターに活躍していただくことで、競技活動の支援を図っていきます。  県としての障害者アスリート育成や障害者スポーツ推進の取り組みは、緒についたばかりです。東京大会はこれらの取り組みを評価し、新たな施策につなげるための契機でもあります。県としては、今後、選手や競技団体等のご意見を伺いながら、より効果的な推進施策について検討を進めてまいります。  次に、子供の貧困対策の推進についてお尋ねがありました。  家庭の経済的な苦しさから、きょうあすの生活に精いっぱいで、将来に希望を持てない子供たちへの支援は喫緊の課題です。人に知られたくない、誰にも相談できないという貧困の状況は、周りから見えにくいため、直接、子供や親に接する保護センターや小中学校、福祉の窓口などによって、身近な市町村が家庭の状況を把握し、適切な支援につなげていく必要があります。  これまで県では、子供の貧困対策に関する市町村との連絡会議を設けて、情報共有を進め、地域の実情に応じた取り組みが進むよう働きかけてきました。しかし、市町村の中には、実態調査や計画策定を行い、具体的な取り組みを進めている市がある一方で、地域で子ども食堂や学習支援などを行うNPOとの連携がまだ十分にできていない市町村もあります。  そこで、県では、仮称ですが、かながわ子どものみらい応援団を市町村とともに立ち上げ、困難な環境にある子供たちを県全体で応援する機運を醸成し、NPOや企業などとともに地域での取り組みを促進しようと、現在、準備を進めています。  さらに、今年度、新たに福祉、労働、住宅、教育の4分野の部長に子どもみらい担当部長を兼任させ、部局横断的に施策を進めています。  こうした県の取り組みによって、市町村においても部局横断的な取り組みやNPO、企業等との協力が進み、困難な環境にある子供たちに確実に支援が届くよう市町村を後押しします。  そして、貧困が世代を超えて連鎖することがなく、また、子供たちが生まれ育った環境に左右されず、将来に希望を持てる社会となるよう、市町村と連携してしっかりと取り組んでまいります。  次に、犬猫殺処分ゼロからその先への取り組みについてお尋ねがありました。  本県は、平成28年度も犬猫の殺処分ゼロを達成し、犬は4年、猫は3年間、殺処分ゼロを継続することができました。今後とも殺処分ゼロを継続していくためには、保護される犬猫を減らす取り組みとともに、もとの飼い主への返還や新しい飼い主への譲渡を促進していくことが重要です。  まず、保護される犬猫を減らす対策としては、飼い主の皆様に最後まで責任を持って飼っていただけるよう、動物愛護意識を醸成することや、飼い主のいない猫の避妊・去勢手術の促進などが有効です。  そのため、これから犬猫を飼う方への講習会を開催し、動物を飼う心構えや飼育マナー、健康管理などについて啓発を行っているほか、避妊・去勢手術を行うボランティアに対する補助などを行っています。  今後も、こうした取り組みを推進するとともに、より効果的な対策を検討してまいります。  次に、もとの飼い主への返還や新しい飼い主への譲渡を促進する対策についてです。  犬や猫が迷子になってしまった場合でも、鑑札や迷子札、マイクロチップなどが装着されていれば、もとの飼い主に戻すことができます。  特にマイクロチップは、犬や猫への負担が少なく、確実に飼い主がわかるすぐれた方法であるため、動物保護センターが譲渡する犬猫に装着しているほか、動物病院などを通じてリーフレットを配布するなど、積極的な普及啓発に努めています。  また、譲渡を促進するため、譲渡対象の犬猫の写真や譲渡会の日程等を県のホームページで紹介していますが、今後はより多くの方々にごらんいただけるよう、民間のペットサイトにも掲載するなど、新たな取り組みを進めてまいります。  次に、民泊を推進する取り組みについてお尋ねがありました。  まず、住宅宿泊事業法の営業日数についてです。  住宅宿泊事業法では、年間180日を上限として、民泊の提供が可能となりますが、騒音の発生など、生活環境の悪化を防止する必要が特に認められる区域については、条例によって営業日数を短縮することができるとされています。  国内外からの観光客の宿泊需要に的確に対応するという法の趣旨からしますと、営業日数については、基本的に法律上の上限である180日で運用することが適当と考えますが、地域の実情によっては、条例による短縮の検討が必要になることも想定されます。  今後、営業日数を短縮する場合の基準が政令で示される予定ですので、その内容を踏まえ、営業日数の短縮の必要性について、市町村と調整しながら検討していきます。  次に、国家戦略特別区域、いわゆる特区民泊の活用についてです。  特区民泊の活用については、これまで市町村や業界団体と意見交換を重ねてきました。そうした中、市町村からは、一律に推進するのではなく、それぞれの地域の実情を踏まえ、各市町村の意向を尊重するよう要望を受けています。  特区を活用した民泊については、住宅宿泊事業法のような営業日数の制限がないため、周囲の生活環境に対する十分な配慮が必要です。このたびの住宅宿泊事業法の制定により、民泊の提供範囲が拡大する中で、特区活用のメリットや可能性について、改めて市町村の意向を確認し、調整を進めていきたいと考えています。  今後、増加が予想される宿泊需要に対応する上で、民泊による宿泊サービスの提供は有効と考えますので、引き続き市町村と丁寧な調整を行い、各制度の特性を踏まえて、円滑な運用に努めてまいります。  最後に、三浦半島地域におけるイノシシ対策についてお尋ねがありました。  三浦半島地域には、もともとイノシシは生息していませんでしたが、平成25年以降、葉山町を中心に生息が認められ、その後、農作物被害が増加し、さらに市街地でも目撃されるようになりました。  こうした状況の中で、人身被害の発生も懸念されることから、地域が一体となって早期に捕獲などの対策に取り組んでいく必要があると認識しています。  県では、そうした地域ぐるみの対策への支援を強化するために、この4月に鳥獣被害対策支援センターを立ち上げました。そして、この支援センターでは、県内の幾つかの地区を選定して、地域ぐるみの対策を重点的に支援することを予定しています。  そこで、葉山町のイノシシが定着している地区をその一つに選定し、町と連携して捕獲等の対策の実施に向けて支援していきたいと考えています。  具体的には、まず、実態を把握するため、地域の住民の方とともに、イノシシの出没地点を調査し、どこにどのような対策を行うことが効果的であるのか検討します。その後、イノシシの隠れ家となっているやぶの刈り払いや、農地等への侵入を防ぐ柵の設置、さらには箱型のわなを用いた集中的な捕獲などの技術的なアドバイスを行っていきます。  県としましては、こうした取り組みを早期に実施することにより、三浦半島地域にイノシシの被害が拡大することを防止してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(宮越雄司)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 宮越スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(宮越雄司) スポーツ局関連のご質問についてお答えします。  スケートボード競技の振興についてお尋ねがありました。  東京大会で新たな競技として採用されたスケートボード競技は、ダイナミックなジャンプなどで観客を魅了する、若い世代に人気のある競技です。昨年6月には、日本の16歳の女子高校生が国際的なスケートボード大会で日本人初の金メダルを獲得し、話題を呼びました。また、昨年度の国内大会では、神奈川ゆかりの10代の選手3名が国内プロツアーランキングのベスト10に入るなど、東京大会での活躍が期待されています。  しかし、スケートボードと言えば、一般には若者が町なかで楽しむファッションスポーツの一つとしての印象が強く、競技スポーツとしての認知度は必ずしも高いとは言えないのが現状です。  そこで、県では、東京大会を契機に競技スポーツとしての魅力を積極的に発信していきます。具体的には、まず、本県ゆかりの選手に協力していただき、競技のルールやテクニックを実際の迫力ある映像を交えて県のホームページ等で紹介していきます。また、本年10月の県民スポーツ月間で開催するイベントの中で、デモンストレーションや体験会を実施し、多くの方々にその魅力を実感していただきます。  こうした取り組みに加え、県内の競技団体や民間事業者等のご協力をいただきながら、より効果的な普及方策を検討していきます。  今後、県としては、スケートボード競技を一人でも多くの県民の方々に知っていただき、楽しんでいただくことで、東京大会の盛り上げにつなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 保健福祉局関係のご質問にお答えいたします。  地域の実情に配慮した「保健医療計画」の改定についてお尋ねがございました。  県内では、地域によって高齢者人口の増加率や人口当たりの医療施設数、医師や看護師の数など、医療を取り巻く環境に大きな違いがあり、抱える課題もさまざまですので、保健医療施策の推進に当たっては、地域の実情に応じた対応が必要と考えております。  そうした観点から、昨年度に行った「神奈川県地域医療構想」の策定においては、県内を九つの地域に分け、各地域ごとに検討の主体となる地域医療構想調整会議を設置いたしました。  この調整会議は、各地域の医療関係者や市町村職員等で構成し、地域の課題や将来の目指す姿などについて検討を行ったところです。  今回の保健医療計画の改定においても、この調整会議を活用し、それぞれの地域で医療を支えるさまざまな皆さんからご意見をいただきながら、丁寧に検討を進めてまいります。  また、例えば病院の役割分担や在宅医療など、個々の課題については、ワーキンググループを設置し、より深く掘り下げて検討するほか、逗子市、葉山町のような、より細分化された地域特性についても検討するなど、地域の実情や意見をきめ細かく反映できるように努めてまいります。  保健医療計画は、県民の皆様が健やかに安心して暮らせる社会づくりに向けた県の総合的な医療施策を示すものでありますので、その改定に当たっては、地域の実情に十分に配慮してまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上です。  〔近藤大輔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 近藤大輔君。  〔近藤大輔議員登壇〕 ◆近藤大輔議員 それぞれ答弁ありがとうございました。  2分しか残されておりませんので、再質問は控えまして、意見と指摘をしてまいりたいと思います。  まず、障害者アスリートの支援を通じた障害者スポーツの推進についてであります。  サポーター支援とその人材育成をしていくという取り組みが示されました。ぜひとも障害者アスリートの活躍が障害者スポーツの底上げ、ひいては全体のスポーツの振興にもつながります。申し上げましたように、パラリンピックだけではなくて、デフリンピック、スペシャルオリンピックスにも積極的な支援をしていただくように、意見をしておきます。  次に、スケートボード競技の振興についてであります。  これまでスケボーについて、なかなか議論されてきた場所がありませんでした。そんな思いもあって、今回質問させてもらいました。普及啓発、PRで、一人でも多くの人に知ってもらうということでありますけれども、申し上げたように、湘南を初め、非常に愛好者の多いスポーツであります。  引き合いに出しました県立湘南海岸公園、辻堂海浜公園もなんですけれども、サーフメッカである湘南に位置して、目の前にあって、ロケーションも最高で、スペースもある、日本のサーフメッカになる、そういう可能性を秘めた場所なんですね。PRということにとどまらず、ぜひとも施設整備も検討して、スケボーの振興を図っていっていただきたいとお願いを申し上げます。  そして、犬猫殺処分ゼロについてであります。  譲渡を進める上で、民間のペットサイトを利用すると、新しい取り組みを開陳されました。ぜひとも進めていっていただきたいとともに、申し上げたマイクロチップ、非常にいいものであります。国も法改定をしようとしておりますので、あらゆる施策を含め、政策を進めるように、条例の制定も視野に入れて進めていっていただきたいと思います。  最後に、三浦半島のイノシシ対策であります。  重点対策地域に指定していきたいとの知事の思いを伺いました。ぜひとも進めていっていただきたい、町民一丸となって取り組んでいく非常に熱い思いを持った人たちがおります。  ぜひとも、県として、熱い思いを後押ししていただくよう求めまして、私の質問といたします。ありがとうございました。 △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028134-質問・答弁-佐々木正行議員-一般質問①「人生100歳時代」に向けた取組について②地域医療構想の推進について③肝炎の重症化予防対策について④県営住宅への子育て世帯の入居促進について⑤家庭教育支援の取組について⑥震災復興支援業務経験を本県に生かすことについて⑦災害発生時における県警察と民間企業との連携について》   〔佐々木正行議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕(拍手) ◆佐々木正行議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党県議団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、保健福祉局長、教育長並びに警察本部長におかれましては、明快なご答弁をお願いいたします。また、先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、「人生100歳時代」に向けた取組についてです。  〔資料提示〕  知事は昨年の年頭記者会見で、人生100歳時代の設計図を描く取り組みを打ち出し、人生100歳時代を見据えた世代別ライフプランニングのあり方や、健康長寿社会における定年退職後の社会参加のあり方について新しい生活モデル、社会モデルが必要との考えを示されました。  この人生100歳時代の取り組みは大変重要なテーマであり、その必要性と方向性に賛同するところであります。同時に、県民が生活を営む上で多くの課題が山積している中で、人生100歳時代の設計図を県民一人一人が描けるような生活モデル、社会モデルを示していくことは、そう簡単ではないと考えております。  今まで支える側と言われてきた現役世代も、数の上で減少しているだけではなく、子育てと親の介護の同時進行で、働きたくても働けないダブルケアの状態にあるなど、さまざまな問題を抱えている人も少なくありません。  〔資料提示〕  支えられる側の高齢者世代においても、いわゆる老老介護が社会的な問題となり、高齢者世帯の単身化等により、地域におけるつながりも希薄となっていることから、地域社会を持続することが困難になりつつあるのではないかと懸念されております。  このような状況のもと、縦割りの制度の中で、社会保障、福祉制度のはざまにあって、対応されない複合的に陥っている困難の解決が急務であり、雇用の面においては、高齢者を初め、障害や生活困窮の状態にあるなど、さまざまな理由で働きづらい状況にある方を迎え入れ、ともに働くことを目指すユニバーサル就労が社会に広く受け入れられる取り組みも必要であります。  今後、急速に高齢化が進み、多くの現役世代が1人の高齢者を支えてきた胴上げ型社会から、今や3人で1人を支える騎馬戦型社会となり、将来、1人が1人を支える肩車型社会になることが見込まれる中で、支える側を支え直し、支えられる側の参加機会を広げ、社会につなげる制度や政策を推進し、支え合いの形を見直していく必要があると考えます。  知事は、昨年の年頭、神奈川県は人生100歳時代にあっても、新たな生活モデル、社会モデルを創造・発信し、人生100歳時代のあり方の答えを見つけていきますと明言されました。  県は、昨今の厳しい状況を踏まえながら、未来に希望を持って、全ての県民一人一人が人生100歳時代の設計図を描き、人と人とのつながりを大切にし、自分らしく暮らしていけるよう支援していかなければならないと考えます。  そこで、知事に伺います。  県では、平成29年度を基盤づくりの年と位置づけ、大学や企業、NPOなどの多くの力を結集させながら、県民の皆様が生涯を生き生きと暮らせる社会づくりを進めていくと聞いておりますが、人生100歳時代かながわ実現会議(仮称)の設置、普及啓発のためのフォーラムの開催などを通して、人生100歳時代に向けて、具体的にどう取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、地域医療構想の推進についてであります。  県は、団塊の世代が75歳になる2025年を展望し、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す「地域医療構想」を昨年10月に策定しました。今後、地域医療構想を実現するためには、各医療機関が地域内の医療ニーズの将来像を見据えて、自院の方向性を考えていく必要があり、それを促すことが県の重要な役割であります。  県は、地域医療構想調整会議など、各地域の話し合いにより、地域医療構想の実現に向けた動きを進めていくとのことでありますが、医療機関同士の利害関係など、課題も想定され、話し合いだけでは円滑な推進は難しいと考えております。  〔資料提示〕  一方、今般、医療法が改正され、地域医療構想を推進するための新たな制度として、地域医療連携推進法人制度が創設されたところです。これは、地域の複数の医療機関や介護施設等が連携することにより、参加機関の間で病床や人員といった資源を柔軟にやりとりできる制度であり、この制度をうまく活用すれば、地域医療構想の実現に向けて一歩踏み出せるのではないかと期待するところであります。  県は、今年度、医療機関向けセミナーだけでなく、私がさきの定例会の常任委員会で提案しました個別相談会を実施する予定であることは評価いたしますが、さらに一歩、取り組みを進め、さきに申し述べた地域医療連携推進法人制度の活用も含め、医療機関などが自院の将来の方向性を検討する際、こうした相談に医療政策面や経営面などの側面から的確に対応できる体制を、県が中心となってつくっていくべきではないかと考えます。  そのような中で、県では、2025年に向けた医療提供体制を整備するため、平成26年度から、消費税の増収分を活用した地域医療介護総合確保基金が、医療分だけでも毎年度三十数億円程度積み立てられ、その残高は平成28年度末で47億円となっており、平成28年度末の介護分の残高約129億円を合計すると、実に約176億円もの残高となっております。  これまで、県もこの基金を活用して、将来不足が見込まれる回復期病床への転換の支援などに取り組んできましたが、地域医療構想が策定された今、まさに取り組みを加速することが求められています。こうしたことから、基金を活用して医療機関向けの相談体制を整備することは、この活用方策として望ましいものと考えます。  そこで、保健福祉局長に伺います。  地域医療構想の推進に当たり、医療機関等が将来の方向性を検討するための相談に的確に対応できる体制を、県が中心となって整備するべきと考えますが、保健福祉局長のご所見を伺います。  質問の第3は、肝炎の重症化予防対策についてであります。  B型及びC型のウイルス性肝炎は国内最大級の感染症と言われており、適切な治療を行わないまま放置すると慢性化し、肝硬変や肝がんへとより重篤な病態に進行するおそれがあることから、肝炎ウイルスへの感染を早期に発見し、適切に対処することが重要であります。  国によると、肝炎ウイルスの感染者は、全国でB型が110万人から140万人、C型が190万人から230万人の感染者が存在すると推定されており、本県の人口比で考えますと、本県でもB型が8万人から10万人程度、C型が13万人から16万人程度の感染者がいると推定されます。  このため、全ての人が少なくとも一度は肝炎ウイルス検査を受検すべきでありますが、検査は、市町村や県保健福祉事務所が実施するものや、職域の健康診断の検査項目に含まれているケースもあります。  また、自治体の肝炎ウイルス検査を受けるには、みずから希望して申し込む必要があることや、職域の健康診断では、血液検査の中で行われるため、検査を受けた自覚がない方も多いことから、現状では、肝炎ウイルス感染の有無を知ることの重要性が浸透しているとは言えない状況であります。  さらに、肝炎ウイルス検査の結果が陽性であっても、医療機関を継続受診していない方も多く、厚生労働省科学研究のデータでは、その数は全国で53万人から120万人にも上ると推計されており、これも人口比で推計すると、本県でも3万人台後半から8万数千人もの方々が、継続的な受診につながっていないものと考えられます。  以前のウイルス性肝炎の治療は、インターフェロンによる入院治療が主であり、患者の身体的負担も大きかったことから、陽性者が医療機関への受診をためらうケースもありましたが、近年、治療効果の高い新薬が次々と発売されたことで、外来治療が可能になり、特にC型肝炎は撲滅できると言われております。陽性者には、迅速かつ積極的な医療機関の受診受療促進のための周知が必要であります。  県では、平成25年3月に「神奈川県肝炎対策推進計画」を策定しているものの、重症化予防については陽性者に適切な情報提供がなされていないため、陽性者が受診の重要性を認識していないことが考えられます。  〔資料提示〕  厚生労働省の研究によると、佐賀県佐賀市では過去の陽性者で未受診の方に、C型肝炎陽性者の深層心理に基づいて作成された受療勧奨メッセージをリーフレットにし、行政からダイレクトメールとして送付した結果、何にもしない群と比べて、約1割、治療を受ける方がふえたと報告されております。  ウイルス陽性者は肝硬変や肝がんのリスクが日を追うごとに高まっていくことから、陽性者を医療機関につなげていくためには、インパクトのある周知を行うことや、過去のウイルス検査で陽性と判定された方にも、改めて勧奨を行うなど、県が実施できる取り組みについてはスピード感を持って実施することが大変重要であると思います。  厚生労働省の調査によると、他県の多くは計画に数値目標を設けて取り組みを進めているにもかかわらず、本県の計画には数値目標がなく、対策の着実な推進や適切な進行管理を行う点で不十分であると感じています。  そこで、知事に伺います。  今年度末に県計画の改定が予定されている中、肝炎ウイルス検査の陽性者の重症化予防のため、県計画に数値目標を設定して取り組みを進めていくべきと考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。  質問の第4は、県営住宅への子育て世帯の入居促進についてであります。  県営住宅において、65歳以上の入居者の割合は、平成25年の約33%から平成28年には約42%まで上昇し、急速に高齢化が進んでおります。  こうした入居者の高齢化によって、自治会役員のなり手が不足している、子供や若い世代が減って、自治会活動が活発にできなくなったなどの声を聞くことが多く、団地内のコミュニティー活力の低下が課題であると考えております。  県は、こうした入居者の高齢化に対し、団地再生の一環として、団地内の空き住戸を活用したコミュニティー活動の拠点づくりや、コグニサイズや健康相談会の実施などにより、高齢者が健康で安心して住み続けられる健康団地の取り組みを進めていることは承知しておりますが、こうした取り組みに加えて、近年、社会問題化している子供の貧困対策の観点から、子育て世帯の安定的な暮らしを実現し、安心して子育てするための基盤として、県営住宅の入居を促進していくことが一層重要になっていると考えております。  我々公明党は、子供の貧困対策の一環として、高校、大学の授業料の減免などを推進しております。子育ての期間は、就学前や義務教育期間で終わるのではなく、むしろ授業料ほか、費用が多くかかる高校、大学の期間まで長く続くものであり、子育て世代に対しては息の長いサポートが必要であると考えます。  〔資料提示〕  県営住宅において、就学前、義務教育期間の子供、さらには高校生、大学生、そして、子育て中の親世代が増加すれば、多世代の居住によるコミュニティーの維持、活力の向上につながり、健康団地の取り組みも加速化すると考えております。  そうした中、今年度県が組織再編において子どもみらい担当局長の専任配置、子ども支援課の新設をしたほか、福祉、就労、住宅、教育を担当する各局の部長級職員を子どもみらい担当部長に任命し、クロス・ファンクションで子ども・子育て支援に取り組む体制を整備したことは大変評価するところであります。  子育て世帯への支援は、国、地方を挙げての喫緊の課題であります。総合的でスピード感のある施策展開が必要とされる中で、住宅における支援を求める声は大きく、中でも、民間よりも低廉な家賃である県営住宅への入居を希望する世帯が増加し、その取り組みの重要性が増してきていると考えております。  そこで、知事に伺います。  県営住宅への子育て世帯の入居促進について、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、知事のご所見を伺います。  質問の第5は、家庭教育支援の取組についてであります。  〔資料提示〕  家庭教育は全ての教育の出発点と言われ、家族の触れ合いを通して、子供が基本的な生活習慣や生活能力、人に対する信頼感、豊かな情操、他人に対する思いやり、基本的倫理観、自尊心や自立心、社会的なマナーなどを身につけていくものであります。  他県においては、家庭教育支援の条例を制定する地方自治体も複数存在しております。いずれも、家庭教育は、父母その他の保護者の責任において行われるものであるとともに、家庭、学校、地域、事業者、行政等それぞれ関係者の役割を明確にし、社会全体で家庭教育を応援していこうという趣旨を定めております。  家庭教育は、乳幼児の親子のきずなの形成に始まる家族の触れ合いを通じ、基礎的な資質や能力を育成する教育の基礎となるものであります。しかし、現在、家庭を取り巻く環境は、少子化、核家族化などの家族形態の多様化や地域社会とのつながりの希薄化、経済格差による貧困問題等により大きく変化しております。  特に、日本における子供の6人に1人が貧困状態であると言われており、日々の生活に困難を抱えた子供たちは十分な学習機会を得られず、進学など多くのことを諦めざるを得ない状況にあると言われております。  また、子育てに対する不安や問題を抱え、孤立化する保護者も増加しており、さらに、ひとり親世帯の増加など、複雑化、多様化する家庭環境にあって、放任や虐待など、家庭の教育力は低下しております。  家庭教育は一義的に保護者が責任を持つものであり、その自主性は尊重されなければならないことは当然でありますが、子供たちの健全な成長のため、行政や学校、地域等が連携を図り、家庭教育を支えていくことが重要であります。  そこで、教育長に伺います。  県教育委員会において、家庭教育を支援するために、どのように取り組みを進めていくのか、教育長のご所見を伺います。  質問の第6は、震災復興支援業務経験を本県に生かすことについてであります。  東日本大震災から6年が経過し、被災地の復興は着実に進んでおりますが、その推進を担う人材はまだまだ必要な状況が続いております。  本県では、震災発生直後から県職員を被災地に派遣し、その後は、現地が復興のために必要とする専門的な人材を任期付職員として採用し、派遣してきました。現在、その人数は100名を超え、全国でも有数の規模と承知しております。  こうした被災地への派遣職員の経験を、本県の施策に生かせるのではないかとの観点から、私はこれまで予算委員会や本会議の場で取り上げてきており、派遣した職員の経験や意見を県の政策に生かしていく仕組みをつくるとともに、今後派遣されている職員や戻ってきた職員に対して、心のケアも含めて、しっかりと支える体制を各部局が連携して構築していくとの答弁をいただいてまいりました。  〔資料提示〕  数年前に、実際に大災害が起きた現場で、日々復興に取り組んできた派遣職員との懇談会の機会を得、現場でなければ得ることのできない貴重な経験を積み、そこから得たさまざまな教訓があることをお聞きいたしました。  その被災地現場での貴重な経験や教訓は、本県で大災害が発生した場合の避難所運営や職員の心のケア、応援に来てくれる他県の職員との仕事の進め方などに生かしていくべきであり、県政にとって貴重な財産とも言えます。  また、被災地の復旧・復興のために貢献したいという高い志で派遣されたとはいえ、現地でのなれない環境の中、周りに言えない苦労やストレスを感じた職員も少なからずいる現状も、県はしっかりと把握し、全庁的に共有し、将来、本県が被災地となった場合、応援職員などを受け入れる体制に生かしていくことができると考えております。  昨今、首都直下地震など大規模地震発生の切迫性が指摘されております。人口や産業が集積し、都市基盤も発展した本県で大規模災害が発生すると、人的被害はもとより、建物やライフラインなど、社会的基盤が受けるダメージも相当大きなものになることが想定されます。  派遣職員が被災地で得た貴重な経験は、本県が被災した際の迅速な復旧・復興のほか、防災・減災の事前対策に生かせると考えるところであります。  そこで、知事に伺います。  東北の被災地への派遣職員の貴重な経験は、全国有数の派遣を行ってきた本県ならではの貴重な財産であり、県は、派遣職員が感じた率直な意見を取りまとめ、庁内で共有することで、本県の復旧・復興や防災・減災対策に生かすべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。  質問の第7は、災害発生時における県警察と民間企業との連携についてであります。  平成23年に東日本大震災が発生してから既に6年が経過していますが、昨年は、熊本地震や岩手県での水害等、国内ではさまざまな災害が発生し、大規模災害への備えが重要であると改めて感じているところであります。  これらの災害に対しては、県警察から迅速に広域緊急援助隊等を被災地に派遣し、被災者の救出活動や行方不明者の捜索、被災地域のパトロール等に従事したと聞いており、そのご苦労に対し、改めて敬意を表するところであります。  本県でも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の発生が懸念されている中で、政府の地震調査委員会によると、横浜市では今後30年以内に震度6弱以上の地震発生確率が81%と、全国的に見ても高い状況であると承知しております。  県警察では、こうした災害の発生時には、混乱する状況の中で、負傷者の救助、避難誘導のほか、緊急交通路の確保等、多くの重要な任務を限られた人員で対処していくものと考えております。  特に、災害が発生した場合、災害応急対策を迅速かつ円滑に実施するため、緊急交通路を確保することが極めて重要であると伺っております。  〔資料提示〕  こうした中、相模原警察署では、緊急交通路を確保するための資機材の一部を民間企業に保管してもらい、緊急交通路が指定された際に、交通検問所まで搬送してもらう協定を締結していると伺っております。  また、行方不明者の捜索活動等の現場では、必要に応じて民間企業が保有する重機等が活用できれば、現場活動の効率化につながるのではないかと思っております。  このような協定による民間企業との連携は、限られた警察力を効果的に活用でき、災害発生時に、県民の生命、身体、財産を守るために大変重要な施策だと考えております。  そこで、警察本部長に伺います。  災害発生時における県警察と民間企業の連携について、緊急交通路を確保するための資機材の一部を民間企業に分散保管する協定拡大の基本的な考え方について、警察本部長のご所見を伺います。また、重機や燃料供給に関する連携について、あわせて伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 佐々木議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、人生100歳時代に向けた取り組みについてお尋ねがありました。  人生100歳時代の取り組みについては、昨年度を議論の年と位置づけ、対話の広場や県内大学の学長との意見交換など、さまざまな機会を通じて問題提起し、幅広く議論を巻き起こしてきました。  そうした中で、多くの方々から、意欲ある高齢者が学び直し、社会参加や仕事を通じて活躍できる仕組みづくりや、幅広い世代が交流できる地域社会づくりの重要性などの意見をいただきました。  こうした人生100歳時代に対応した社会づくりを進めていくためには、県だけでなく、市町村や大学、企業、NPOなどの多様な主体が連携することが不可欠です。  そこで、シニア世代の活躍などにかかわるさまざまな主体が協働して取り組みを進めていくためのネットワーク、仮称ですが、人生100歳時代かながわ実現会議を6月中に立ち上げます。  このネットワークは、市町村や大学などと連携して、意欲ある高齢者の学びの機会を拡大し、仕事や社会参加につなげる仕組みづくりを進めます。そして、例えば学び直しにより、スキルを身につけた高齢者が子供の学習支援活動に積極的にかかわるなど、地域の中で高齢者の活躍の場を広げ、多世代交流により、地域の活力を高めるモデルづくりにも取り組みます。  また、現役世代や若い世代から意識を持ってもらうことが重要であることから、企業の社員が地域社会に参加することを促進するほか、地域ワークショップの開催を通じた高校生や大学生などへの意識啓発にも努めていきます。  こうした取り組みを通じて、ネットワークをさらに広げ、さまざまな主体の力を結集しながら、県民一人一人が生き生きと暮らせる人生100歳時代の社会づくりを進めてまいります。  次に、肝炎の重症化予防対策についてお尋ねがありました。  B型及びC型のウイルス性肝炎は、肝がんの原因の約8割を占めますが、肝炎ウイルス検査で陽性と判定された方が専門医療機関で精密検査を受け、必要に応じて適切な治療を受けることで、肝がんへの進行を予防し、またはおくらせることができます。  このため、県では、保健福祉事務所の肝炎ウイルス検査で陽性となった方に対して、医師が直接、専門医療機関の受診を勧めるとともに、年1回、受診状況を確認し、フォローアップを行っています。  また、陽性者に対して、精密検査費用を助成するとともに、助成制度や治療方法、専門医療機関の一覧などを掲載した肝臓手帳を2万部作成し、医療機関等を通じて配布して啓発を図っています。  しかし、過去に陽性と判定された方の中には、新薬の発売により治療効果が飛躍的に高まっていることを知らない方も多く、専門医療機関への受診がなかなか進まないといった課題があります。  そこで、県では、「神奈川県肝炎対策推進計画」の改定に当たり、過去に陽性と判定された方に対し、改めて受診を働きかけることや、より効果の高い啓発方法について、市町村とともに検討してまいります。  また、現在、市町村や職域での重症化予防の取り組み方に差があることから、地域や職域において陽性者と専門医療機関をつなぎ、受診に結びつけるコーディネーターを充実させていきたいと考えています。  さらに、県肝炎対策協議会では、改定計画の数値目標として、肝炎の認知度やコーディネーターの人数といった項目が議論されていますので、今後、協議会での議論を踏まえ、適切な数値目標を検討し、改定計画の中に位置づけてまいります。  次に、県営住宅への子育て世代の入居促進についてお尋ねがありました。  県営住宅は低額所得者向けの賃貸住宅で、住宅セーフティーネットとしての役割を担っていることから、高齢者、障害者、子育て世代など、住宅の確保に配慮を要する人が入居しています。  特に、65歳以上の高齢者は入居者の4割以上を占め、県全体の高齢化率に比べても大幅に高い率となっており、入居者の高齢化によって団地内の世代バランスが崩れています。このため、自治会活動など、コミュニティーの活性化を図るため、子育て世代などの若い世代により多く入居していただくことが必要となっています。  また、昨今、子供の貧困が社会問題化している中で、子育て世代の入居を促進していく重要性が高まっていると考えています。  そこで、県営住宅への子育て世代の入居を今後一層促進していくため、これまで進めてきた取り組みを見直すこととします。  具体的には、子育て世代向け住宅へ入居する場合、現在は、入居できる期間を義務教育期間が終了するまでとしていますが、今後は期間の延長などについて検討してまいります。  また、一般世帯向け住宅に子育て世代が応募する場合、現在はひとり親世帯と3人以上の子供がいる世帯の当選率を優遇していますが、今後は優遇する対象の拡大や当選率の引き上げなどについて検討してまいります。  県は、今後も引き続き、子育て世代の入居を促進し、県営住宅のコミュニティーの活性化を図るとともに、住宅セーフティーネットの役割をしっかりと果たせるよう取り組んでまいります。  最後に、震災復興支援業務経験を本県に生かすことについてお尋ねがありました。  私が知事に就任したのは、まさに東日本大震災の直後でした。被災地の壮絶な状況を目の当たりにする中で、私はこれを何とかしたいという思いで被災地の支援に全力で取り組んできました。  震災直後は、石巻市の避難所運営を初め、土木や建築などの分野に多くの県職員を派遣しました。さらに、平成26年からは、任期付で被災地を支援する職員を広く公募し、派遣を継続しています。  今年度の任期付職員の派遣は115名と全国一で、圧倒的な多さになっています。こうした派遣職員の経験に基づく意見を本県の災害対策に活用することは、大変重要な視点です。  私自身、これまでも現地での激励会や派遣終了後の報告会などで、派遣職員から復旧復興に伴う苦労や工夫など、意見を聞いてきました。その中で、例えば、短期的に人が入れかわるのではなく、最低1年以上の派遣が必要との意見がありました。そこで、被災地のニーズや本人の意向も確認した上で、派遣期間を延ばす対応を図ってきたところです。  さらに、このたび派遣職員の意見を集約し、今後に生かすため、アンケート調査を実施しました。アンケートでは、200を超える声が寄せられ、ライフラインを早期に復旧するためには、事業者との事前の協定が必要、避難所に障害のある方など、要配慮者に対応する設備が必要、受け入れ自治体の職員と派遣職員の役割分担を明確にすることが必要など、さまざまな意見をいただきました。  こうした意見を踏まえ、県では、防災に関する協定の締結など、さらに進めてまいります。また、震災復興対策マニュアルや避難所マニュアル策定指針の見直しなどに意見を反映していきます。  今回のアンケート結果については、派遣職員の意見とその対応として体系的にまとめ、庁内で共有するとともに、市町村にも広く発信することで、本県の復旧・復興や防災・減災対策に生かしてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 保健福祉局関係のご質問にお答えいたします。  「地域医療構想」の推進についてお尋ねがございました。  地域医療構想の実現に向けて、病床の機能分化や連携を進める上では、各医療機関が地域の医療提供体制や自院の立ち位置、将来の方向性を主体的に考え、取り組んでいただくことが重要であります。  このため、県では、昨年度から、医療機関向けのセミナーを開催しているほか、今年度からは、経営コンサルタントなどによる個別相談会も実施する予定です。  議員お話しの地域医療連携推進法人制度は、地域の複数の医療機関などが連携して、これを統括する法人をつくり、全体として事業を推進する新たな制度であります。この制度を活用することで、異なる医療法人の間での病床のやりとりが可能となり、人材の交流も容易になるため、地域の医療連携を進める上で有効な手段の一つになるものと考えております。  そこで、県では、この制度の趣旨やメリットを理解していただけるよう、今年度の医療機関向けのセミナーや個別相談会の中で情報提供してまいります。  また、各医療機関が自院の方向性について具体的に検討いただくためには、相談に的確に対応できる体制づくりとともに、地域ごとの医療の特性や病院経営にも精通した専門家による、よりきめ細かなコンサルティングが必要と考えます。  こうしたことを踏まえ、まずは各医療機関がどのような支援を必要としているかのニーズを把握した上で、基金の活用性も含めて、医療機関等に対する総合的な相談体制の整備について検討してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  家庭教育支援の取り組みについてです。  家庭は子供たちにとって安らぎのある楽しい場所であり、社会へ巣立っていくために欠かせない場です。一方、国の調査では、約4割の保護者が子育てについて悩みや不安を抱えているとの結果があります。  こうした中、県教育委員会では、本県教育の総合的指針である「かながわ教育ビジョン」において、家庭教育への支援を重点的な取り組みの一つとして位置づけています。  そして、親子関係や命の大切さなど、家庭教育におけるポイントを解説した冊子、すこやかの作成・配付や、子供が保護者の仕事を体験する子供職場見学会等の開催を県内事業者に働きかけてきました。  しかしながら、社会がますます複雑化する中で、子供たちが抱える課題は多様化し、困難の度合いも増しています。また、家庭教育における課題の解決に向けては、幅広く県民の皆さんとともに、支援のあり方について考えていくことが大切です。  そのため、毎年秋に教育委員会が主催する県民参加型の教育フォーラムにおいて、今年度は家庭教育を支援する仕組みづくりをテーマとして取り上げてまいります。  県教育委員会では県民の皆さんからのご意見等を踏まえ、PTAなどの団体や庁内関係部局と連携しながら、社会全体で家庭教育支援の充実が図られるよう取り組んでまいります。  以上でございます。  〔警察本部長(島根 悟)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 島根警察本部長。 ◎警察本部長(島根悟) 災害発生時における県警察と民間企業との連携についてお答えします。  初めに、緊急交通路を確保するための資機材の一部を民間企業に分散保管する協定拡大の基本的な考え方についてでありますが、県警察では、災害発生時に備え、一般車両の通行を制限する場所で使用するセーフティーコーンなどの資機材を可能な限り分散して保管するよう規定しております。  この定めに基づき、各警察署等では、交番などの警察施設のほか、道路管理者や民間企業にご協力をいただき、その倉庫等に分散保管するよう努めております。  議員からご指摘がありました相模原市内の警察署と民間企業が締結した協定は、災害発生時に資機材を一般車両の通行を制限する場所まで搬送してもらうという点において、県警察の活動を民間企業に補助していただくものであります。  その結果、資機材の搬送に従事するべき警察官をいち早く被災者の救出救助等に配置できるなど、限られた警察力を効率的に運用できる取り組みであると認識しております。  今後も引き続き警察署ごとに考慮すべき事情を勘案しつつ、各警察署等と連携し、民間企業との協定締結を推進してまいりたいと考えております。  次に、重機や燃料供給に関する連携についてでありますが、県警察では、救出救助活動に必要な重機や緊急交通路の確保などの任務に当たる警察車両への燃料供給を優先的に受けることができる協定を締結し、災害時における警察活動に万全を期すこととしております。  具体的には、県が締結している神奈川建設重機協同組合や神奈川県石油業協同組合等との協定において、重機や燃料供給等に必要な支援が受けられることとなっております。また、これらのほか、県警察独自に神奈川県レンタル業協会や複数の民間企業との協定を締結し、さらなる対策の強化を図っております。  今後とも、関係団体や民間企業との連携の拡充を図り、災害対策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔佐々木正行議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕 ◆佐々木正行議員 知事並びに保健福祉局長、教育長、警察本部長におかれましては、真摯なご答弁を頂戴しまして、まことにありがとうございます。  時間がありますので、2点、再質問させていただきたいのですが、人生100歳時代に向けた取り組みでありますけれども、ただいま取り組みを進めるためのネットワークを立ち上げていく、そして、市町村とか大学などと連携して、その仕組みづくりを進める、このような知事のご答弁がありました。  学び直しのスキルを身につけた高齢者が子供の学習支援にかかわるような活躍の場を設けると、多世代交流による地域の活力を高める、そういうモデルもつくる、そういうような話もありましたが、私が質問させていただいた中で、意欲のある高齢者ばかりでなく、貧困のために生活に苦しんでいる、学びだとか、地域交流の余裕のない方もいらっしゃるわけであります。そういう方々に対して、どのように人生100歳時代の設計図を描かせていこうとするのか、そういう方々も含めた社会づくり、県民一人一人に生きるマルチステージを与えていかなければいけない、その件について、再度、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。  それから、「地域医療構想」の推進について再質問させていただきますが、医療機関の連携体制をしっかりと整えていくことは大事なんですけれども、医療介護総合確保基金なので、医療から在宅へいく、病院から在宅へいく、そういうことも復帰できるためのスムーズな体制を整えていかなければいけないのですが、その医療間の連携だけでなく、介護との連携まで含めた相談を受け付けようとしているのか、その辺について保健福祉局長のご所見を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えしてまいります。  意欲のある高齢者だけではなくて、そういう意欲のない貧困、生活困難にあって地域交流の余裕もない、こういう高齢者に対してどう向き合っていくのか、こういう点のご質問でありました。  基本的に人生100歳時代の中で、スマイルあふれるかながわという言い方も同時にしているところであります。我々が目指す社会はどういう社会か、みんながスマイルでいるような社会という中で、困窮にある人たちに対して、どうすれば、その人たちにスマイルを呼び戻すことができるのかといったこと、これはみんなで、地域で、その連携の中で支え合っていく、そういったことが大切なのではないかということであります。そういった機運を醸成していくということ、またコミュニティーを復活させていくということ、さまざまなことをスマイルあふれるかながわという大きな方向性の中で、みんなが豊かな人生の中の人生100歳時代を目指していきたい、そのように考えているところであります。  答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 佐々木議員の再質問にお答えいたします。  相談体制の整備につきましては、今後、詳細を検討してまいりますが、これからの病院経営において、介護との連携も視野に入れることは必要不可欠と考えております。  したがいまして、例えば医療機関から附帯業務として介護事業を実施したい、あるいは連携先として介護事業者をどうやって確保すればよいかといった相談があれば、そうした相談も含めて対応していきたいというふうに考えております。  答弁は以上です。  〔佐々木正行議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕 ◆佐々木正行議員 要望を申し上げます。  先ほど県営住宅の子育て世代の入居促進については、二つの取り組みを行っていくということで答弁がありました。大変これは評価するところであります。この二つあった中の一つに、入居期間の延長について中学校卒業までとしているところを、負担の大きい高校卒業まで延長できれば、子供の貧困対策としても効果が見込めるのではないか、見直しに当たっては条例改正も必要であるとは思いますけれども、できる限り早く実施していただけるように要望いたします。  そして、2点目の当選確率の優遇についても、対象を全ての子育て世代に広げられれば、結果として団地に子育て世代がふえることになると思いますので、この辺についても早期にできれば、次回の11月定例募集から実現できるように要望をさせていただきます。  以上をもちまして、私の質問を終了いたします。  ご清聴まことにありがとうございました。 ○副議長(小野寺慎一郎) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(小野寺慎一郎) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時41分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028135-質問・答弁-加藤なを子議員-一般質問①誰もが安全・安心で快適に過ごせる海水浴場の維持とオリンピックのセーリング競技の円滑な開催について②子どもたちの健やかな成長を保障する県の役割について》                   午後3時5分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共87名 ○議長(佐藤光) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 質問を続行いたします。  加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕(拍手) ◆加藤なを子議員 皆様、こんにちは。  私は日本共産党県議団の一員として、通告に従い、一般質問を行わせていただきます。  質問第1は、誰もが安全・安心で快適に過ごせる海水浴場の維持とオリンピックのセーリング競技の円滑な開催についてです。  初めに、海水浴場の利用ルールの遵守について質問いたします。  藤沢市片瀬海岸では、毎年7月1日、海水浴場の安全と繁栄を祈願する海開きが開催されます。現在、海岸に海の家の建設が行われ、7月からの営業に向けて準備が進められています。  県では、毎年海水浴場ルールに関するガイドラインを作成しています。目的は海水浴場のにぎわいを維持しつつ、地域住民の生活環境との調和を図り、誰もが快適に安全・安心して利用できる海水浴場の確保です。行政機関、海水浴場組合、地元住民、関係団体において海の家及び海水浴場利用者に関するルールを定め、これを遵守する取り組みを促進するため、ルールに盛り込む事項について指針、その他必要な事項を定めています。  藤沢市は、開設者が各海水浴場組合であることから、自主ルールを定めています。組合、地元住民、観光協会、警察、行政などで構成する夏期海岸対策協議会を設置して市の海水浴場ルールを策定し、県に提出しています。  定めている海の家に関する事項では、営業時間、クラブ化形態の営業の禁止、従業員の入れ墨の露出禁止、暴力団排除の徹底などです。また、海水浴利用者には、節度ある飲酒、入れ墨やタトゥーの露出禁止、その他迷惑行為の禁止などです。  海の家の定義は3項目あります。一つ目は更衣・休憩、二つ目は飲食物の提供・販売、三つ目はレジャー用品の販売・レンタルを行う店舗と定められています。県のガイドラインの酒類の提供制限では、泥酔客への酒類の提供は行わない、アルコールの度数の高い提供制限、酒類の提供時間の制限、強引な客引きは行わないとなっています。  私は、我が党の藤沢市議団と一緒に、昨年の夏、夕方から片瀬西浜と東浜海水浴場に行ってみました。東浜海の家は営業時間が17時ですが、西浜の海の家は、日没後は飲食店営業となり、20時半まででした。ガイドラインでは、営業時間について、周辺環境や風紀に影響を及ぼさないよう、海水浴場の開場時間外の営業は必要最小限にとどめ、地域の実情に合った営業時間を定めると記述されています。昨年の救急車の出動では、海の家の飲酒が原因のものは7件確認されています。  〔資料提示〕  昨年の一部の海の家では、テキーラなど強いお酒のメニューが見かけられました。海岸に寝ている男性や海の家の前で過ごす女性のグループ、飲酒した青年が日没後に海に入り、ライフセーバーに注意されている光景などを目にしました。  藤沢市に確認した2016年の海水浴場シーズンにおけるパトロール実施状況は、土日とお盆の時期に午前・午後、25日間、合計59回行われたそうです。  県内の海水浴場の様子も調べましたが、片瀬西浜・鵠沼海岸はとりわけ飲酒の注意件数が多く、約1万件もありました。東浜は約2,000件で、合わせると約1万2,000件にもなります。  海岸のパトロールは大事な役割を果たしていますが、飲み過ぎないようにしてくださいねなどの注意や、協力、お願いであり、効果はなかなかあらわれない状況です。事故が起きないように海水浴場の風紀を守り、治安の維持を図ることが必要です。  そこで、知事に伺います。  県が策定している海水浴場ルールに関するガイドライン平成29年度版が示されています。それを基準として各海水浴場のルールが作成されていますが、県として現状の課題を捉え、より一層、海水浴場の健全化が図られ、家族連れが安心して過ごせるようにガイドラインを見直していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、オリンピックのセーリング競技大会に向けた取組について質問いたします。  以前の東京オリンピック・セーリング競技は10月に開催されました。2020年のセーリング競技は7月26日から8月8日までの開催予定となっています。この時期は海水浴にはトップシーズンであり、多くの海水浴客が訪れます。さらに、夏休みの江の島の観光客、そしてオリンピック・セーリング競技の観覧客が重なることになり、周辺は大変混雑が予想されます。  県作成のオリンピック競技大会推進かながわアクションプログラムには、夏のこの時期の開催に向けての課題の捉え方が不足していると考えます。海の家の営業や海水浴、江の島観光などが制約なく開催できるのか、利用できるのか、予測される会場周辺の混雑や来場者の安全確保、そして地元住民の生活に影響はないのか、課題に向き合い、検討することが必要です。  アクションプログラムには、大会の成功に向けた取り組みとして、江の島に生活の基盤がある地元住民団体との意見交換や情報共有を行い、大会組織委員会等にも地元の意向を伝え、地元と一体となった大会運営を目指すと記述があります。具体的な内容は示されていませんが、懸念される課題はどうなっているのでしょうか。  そこで、知事に伺います。  このような状況での大会開催時の諸課題について、今後どう取り組み、大会組織委員会、県、地元や関係団体などと調整を図るのか伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 加藤議員のご質問に順次お答えしてまいります。  誰もが安全・安心で快適に過ごせる海水浴場の維持とオリンピックのセーリング競技の円滑な開催について、お尋ねがありました。  まず、海水浴場の利用ルールの遵守についてです。  県では、安全・安心で快適な個性と魅力ある海水浴場を創出するため、海の家と利用者の双方を対象とした海水浴場ルールの指針として、平成27年3月にガイドラインを作成しました。このガイドラインに基づき、地域ごとに、県、市町、海水浴場組合等で構成される協議会を設置して、ルールを策定する取り組みを推進しています。  これまでの取り組みの結果、海の家のクラブ化の問題は鎮静化していますが、いまだ利用者の飲酒によるトラブルなどが確認されていることから、今年度はルール遵守を徹底させる取り組みを強化することとしました。  具体的には、海の家に対しては、営業時間厳守、酒類の提供制限などのルールに違反し、県が占用許可を取り消した場合には、翌年度以降の一定期間、その海の家の占用を許可しないこととしました。  また、業者に対しては、問題の多い海水浴場において、協議会と連携してパトロールの充実を図るとともに、実態を把握した上で、必要に応じ、ガイドラインの見直しを検討するなど、誰もが安全・安心で快適に過ごせる海水浴場の実現を目指してまいります。  次に、オリンピックのセーリング競技大会に向けた取り組みについてです。  2020年のセーリング競技開催時の江の島には、国内外から多くの観戦者や観光客が訪れ、交通渋滞や周辺の混雑が予想されます。大会を成功に導くためには、こうした課題への適切な対応が必要です。  そこで、県では、江の島でのセーリング競技開催が決定した直後から、地元自治体や関係団体との意見交換を行ってきました。  また、昨年4月には、相模湾の沿岸自治体や関係団体、交通事業者等から成る江の島セーリング競技推進連絡会議を設置し、対応方策等を調整しているところです。  会議等では、観光客等の増大に伴う交通渋滞のほか、会場周辺のセキュリティー対策などによる住民生活や事業活動への影響を心配するご意見をいただきました。  そこで、県としては、江の島周辺の交通量調査や島内の立ち入り制限が必要なエリアを最小限にとどめる方法の検討などを実施してまいりました。今後は、こうした調査検討の結果に基づき、組織委員会と具体的な対応方策について調整してまいります。  しかし、今回のオリンピックのように、真夏のトップシーズンに10日以上にわたり、世界規模の祭典が開催され、内外から多くの観光客等を迎える経験は初めてです。交通渋滞等のほかにも、例えば言語や文化、マナーの違いをめぐる観光客と地元住民等との行き違いなど、新たな課題への対応が求められることも考えられます。  そこで、県としては、この連絡会議を通じて、想定できる課題をできるだけ具体的に洗い出すとともに、その対応方策についても検討していきます。  そして、その結果を大会の運営主体である組織委員会とも共有し、準備や運営に反映してまいります。  答弁は以上です。  〔加藤なを子議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕 ◆加藤なを子議員 答弁ありがとうございました。  私は、やはり視察をして、現地の状況を見ますと、例えば娘が海水浴に行きたいと言った場合、あそこはちょっと怖いところというふうに言って、別の場所にと言いたくなるような状況もございました。  来年のプレプレ大会は秋に行われると伺っています。やはり開催の時期に現地を見ていただくことが一番大切だと思います。知事におかれましては、ぜひこの時期に現地に訪れていただくことができないかと思っておりますが、質問とさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  これまでもさまざまな現場に行って、多くの皆様と意見交換をしてまいりました。必要があれば現場に行ってみたいとも思っております。  以上です。  〔加藤なを子議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕 ◆加藤なを子議員 それでは、要望をさせていただきます。  今年も海水浴場は海の家を利用する家族連れ、若者で昨年と同様に大変にぎわうことが予想されます。訪れる皆さんが海で楽しく海水浴を楽しんでいただくこと、それを県としても、海の家の占用許可を出しているという責任と役割において進めていただきますようお願いいたします。  また、課題にも前向きに取り組んでいただけるということでございましたが、江の島の住民の方々、また近隣住民は開催時に生活が脅かされるのではないかと大変心配しています。アクションプログラムに示されているように、県として、大会組織委員会に地元の意向を伝え、地域の皆さんと一体となった大会運営を進めていただきますよう、要望いたします。  〔加藤なを子議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕 ◆加藤なを子議員 それでは、質問の2番目に移らせていただきます。  子どもたちの健やかな成長を保障する県の役割についてです。  まず初めに、保育所の待機児解消について質問いたします。  安心して預けられる公立保育所を建設することについてです。  神奈川県の今年の4月1日現在の市町村別保育所等利用待機児童数の推移集計によると、9,431人の子供たちが認可保育所に申し込んでも入れませんでした。県内の保護者は認可保育園に入れず困っています。  安倍首相は17年度末までに待機児をゼロにすると掲げましたが、実現できないままです。それなのに6月2日、政府は認可保育所に入れない待機児解消に向けた子育て安心プランを公表しました。3年先送りの2020年度末までに約22万人の保育の受け皿をつくる予算を確保して待機児解消をするとしていますが、具体的な政策も予算も示さないままで、これまで達成できなかった反省と検討がありません。  女性の就業率や保育需要の分析が十分にされていないこと、政策の優先度がないまま失敗が繰り返されています。多様な保育の推進などを挙げていますが、保護者が望んでいるのは、安心して預けられる認可保育所、とりわけ公立保育所です。全国の保育所で子供の命が奪われる痛ましい事故が起きています。保育の現場で子供の命が奪われることは、あってはなりません。また、この神奈川でも例外ではありません。  待機児童の数を減らすことが最大の目的になり、保育の質がないがしろにされている現実があり、保護者は安心して預けることができません。規制緩和で、保育の資格がなくても保育にかかわれるようにしている小規模保育所や、園長先生以外は新任保育士で保育を担っている保育所もあります。  神奈川県は、2013年と2014年に保育士実態調査を行っています。保育士の就業年数は、民設民営は、就業年数がゼロから4年が約39%、公設公営では、就業年数15年以上が約50%、25年以上の年数の方も約25%以上いらっしゃいます。他の運営主体と比べ、就業通算年数は突出して高くなっています。保育士の年齢構成が幅広く、経験や知識が豊かなベテラン保育士から中堅保育士、新任の保育士まで保育集団が確立できていることです。子供たちを保育士が集団で保育することはとても大切です。  同じように認可された民間が運営する保育所では、さまざまな保育が存在します。もちろん保育の質を守り、高めるために一生懸命取り組んでいる民間の認可保育所もあります。  その一方で、マンションの一室の保育室で、1日に何本ものビデオを見せている、外遊びはなく、ビルの周りを1周歩くことが散歩という保育所も存在します。同じ認可保育所でも、公立と民間の認可保育所では、保育環境や保育内容、また障害児の保育対応にも差があります。  地域の公立保育所には、基幹保育所として重要な役割があります。私は保育所の大切な三つの要件として、園庭があること、避難経路が確保されていること、そして保育所に調理室があり、給食がつくられていることだと思います。そして、求められている地域の子育て支援に責任を持ち、保育の質が保たれ、保育行政の基本となっているのが公立保育所です。保護者は、保育環境が整い、保育の質が守られている公立保育所に預けたいと願っています。  そこで、知事に伺います。  安心して預けられる公立保育所建設のために、県として整備費補助を行い、市町村が新設できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。  次に、保育所建設のために県有地を活用することについて伺います。  市町村が新しく保育所を増設する上で、その開設に欠かせないのが建設用地です。土地代が高く、確保が困難です。また、用地候補場所が見つかっても、近隣からの反対もあり、建設できず困っています。  県として、県内どこでも待機児ゼロを掲げるのであれば、知事としてイニシアチブを発揮して県有地を積極的に活用し、その実現のために取り組みを強めるべきです。  そこで、知事に伺います。  市町村が県有地を活用して保育所建設ができるように、県として積極的活用を奨励すべきです。また、土地を借りて保育所建設を行う場合は無償貸与にすべきです。さらに、市町村が保育所を建設するために用地取得を希望する場合は、さらに優遇すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、保育士の処遇改善について質問いたします。  保育士不足の原因は、資格を持っている人が足りないのではなく、保育士の仕事を選ばない、また仕事についても働き続けられないことです。待遇改善が進まないために大量の潜在保育士が生まれています。  県の保育士実態調査で、改善してほしいことの1位は、給与、賞与等の改善、2位は職員の増員です。この調査を生かすべきです。  東京都北区が正規職員としての保育士を80人募集したところ、500人以上の応募が殺到したそうです。この結果を見ても明らかなように、給与や待遇が重視されていることがわかります。公的保育を保障するためには、施設整備の推進とともに、安定的に仕事を続けることができる職場の確保、給与の引き上げこそ求められています。  また、国の基準よりも手厚く保育士の配置をしなければ、子供の命を守れない現状があります。危険と隣り合わせで、緊張感を持って保育にかかわるその重要な役割を担っているのが保育士です。保育所をふやしても保育士が集まらない、また働き続けられないのは、低い賃金と仕事の大変さであり、処遇改善は待ったなしです。  地域限定保育士で資格者をふやすことや、保育エキスパートで待機児が減るのではありません。  そこで、知事に伺います。  県として、保育士への給与の上乗せを行うべきと考えますが、見解を伺います。  次に、特別支援学校の増設と障がい児が等しく学ぶ権利について質問いたします。  初めに、県立高校に設置されている分教室の環境改善についてです。  現在、神奈川県の特別支援学校は入学を希望する児童・生徒がふえ、過大規模化、過密化が深刻です。在籍状況で、新たな養護学校再編整備検討協議会の報告では、適正規模比が190%から208%の学校が存在していると聞いています。深刻な事態です。教育活動や児童・生徒の安全が守られるよう早急に特別支援学校をふやし、適正規模、適正配置にすべきです。  そのためには、さらなる新設計画を策定することが必要です。県は、今まで障害のある高等部に通う生徒の学校が不足しているのに、特別支援学校をつくらず、分教室で対応してきました。現在、県立高校の中に、五つの教室を使用して分教室が20カ所存在しています。  当時、この方法は窮余の策として、空き教室のある高校を利用する5年間の時限設定として設置されました。ところが、わずか3年後に時限設定を取りやめ、分教室は恒久的なものに位置づけられました。分校との違いは、分校は在籍する生徒に対して、教職員、事務職員が配置されます。分教室では、本校である養護学校の生徒と一緒にカウントされ、教職員の定数も学校全体の数となり、分教室に何人配置されるか、学校の判断になり、教員も事務職員も少なく配置することができるそうです。  高校をお借りしている分教室は、高校が使わないときに体育館や特別教室が使用できますが、十分な教育活動ができません。また、自力で通学できること、集団活動が可能な、障害が軽度な生徒さんが通っています。本校では給食がありますが、分教室は昼食を持参することになります。  〔資料提示〕  県立高校に設置されている分教室は、写真のように一つの教室をロッカーなどで二つに区切り、職員室と保健室が同じ部屋です。さらに、更衣室と応接室も兼ねているところもあります。生徒たちにとって保健室の場所、また養護教諭の果たす役割は重要です。保健室が職員室と併用では、プライバシーもなく、子供たちの人権が守られているとは思えません。  そこで、教育長に伺います。  こうした状況は直ちに改善すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、特別支援学校の増設について質問いたします。  障害のない子供は学校をつくってもらえるのに、なぜ障害のある子供は学校をつくってもらえないのか。これは保護者の言葉です。  〔資料提示〕  県内の特別支援学校は28校と他県と比較しても少なく、分教室が20と突出して多くなっています。さらに分教室をふやすのではなく、どの子もひとしく教育を受ける権利、豊かな発達の保障に責任を持ち、特別支援学校のさらなる新設を進めるべきです。  とりわけ不足している横浜市保土ヶ谷区周辺地域や川崎市幸区、藤沢、鎌倉周辺地域について計画をつくることを求めます。また、障害の重い児童・生徒が遠方に通う状況は改善し、障害の特性にかかわらず、ひとしく教育を受けられる教育環境をつくることが必要です。  そこで、教育長に伺います。  今後、特別支援学校を適正規模化し、適正配置にするために、新設に向けた計画を策定し、特別支援学校を増設すべきと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 子供たちの健やかな成長を保障する県の役割について、何点かお尋ねがありました。  まず、保育所の待機児解消についてです。  初めに、安心して預けられる公立保育所を建設することについてです。  公立の保育所の整備については、平成18年度から整備費に係る国庫補助金が一般財源化されたことに伴い、その費用は市町村が全て負担することとされています。そのため、公立の保育所については、地域の子育て支援における役割も含め、各市町村の判断により取り組んでいただくものと考えています。  一方、県が担う保育所整備への支援は、社会福祉法人を初め、株式会社やNPO等が設置する民間の保育所を対象とするもので、市町村を通じて行っています。県では、安心こども基金を活用して、市町村による民間保育所の整備を支援しており、その結果、平成21年度から28年度までに全県で538カ所の認可保育所が整備され、平成29年度当初では、公立も含め1,585カ所となっています。  今後とも、待機児童の解消に向け、市町村と連携して保育所整備に取り組むとともに、公立であるか、民間設置であるかにかかわらず、保護者の皆さんが安心してお子さんを預けられるよう、保育の質の確保にもしっかりと取り組んでまいります。  次に、保育所建設のために県有地を活用することについてです。  県財政の厳しい状況の中、県が利用しない県有地は売却し、財源に充てることを基本としています。その際、市町村による公的利用を優先すべきと考えているため、市町村に利活用の希望を照会し、希望があれば、譲渡を行い、必要に応じて譲渡価格の減額にも応じています。  特に、市町村にとって重要な保育所や特別養護老人ホームなどの介護保険施設については、整備のための適地が少ない状況にあります。そこで、有償譲渡が原則であるところ、保育所等については、現在、横浜市と川崎市には2カ所ずつ、鎌倉市には1カ所、定期借地による有償貸し付けも行っており、市の具体的な要望に応える形でしっかりと対応しています。  県の財源確保と市町村施策への支援のバランスを考慮しながら、既にこうした配慮をしておりますので、県有地を無償で貸し付けることや、譲渡価格のさらなる減額などを行うことは困難であります。  最後に、保育士の処遇改善についてです。  待機児童を解消するためには、保育所の確保は喫緊の課題であり、保育士の処遇改善は重要であると考えています。そこで、県は、これまでも国に対して、保育士賃金の引き上げなど、処遇改善について要望してきており、平成29年度までの5年間で約10%の賃金引き上げが実現しました。  加えて、県では、今年度から、保育の質の向上や保育士のキャリアアップとあわせた処遇改善策として、保育エキスパート制度をスタートしました。この制度により、中堅の保育士を対象に乳児保育や障害児保育といった専門分野の研修を行い、研修を修了して専門リーダー等となった保育士に対し、国の制度と連動して月額で最大4万円の処遇改善を図ります。  一方で、保育士の賃金は全職種平均と比べ、月額11万円程度低いことから、さらなる給与水準の改善が必要です。保育士の処遇改善は、国全体の制度設計において取り組むべきものと考えておりますので、今後も機会を捉えて、他の職種の給与水準を踏まえたさらなる拡充を国に求めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校に設置されている分教室の環境改善についてです。  県教育委員会では、特別支援学校の過大規模化への対応や知的障害教育部門高等部の新たな学習の場として、現在、県立高校20校に分教室を設置しています。  分教室では、生徒や教員の人数を踏まえて、一つの教室を仕切って職員室及び保健室として使用していますが、生徒のプライバシーに配慮する必要がある場合は、高校のカウンセリングルームなどを活用しています。  一方、職員室と保健室を隣り合わせにすることは、緊急時には養護教諭だけでなく、職員室にいる教員もすぐに対応できるなどのメリットもあります。  また、県教育委員会では、分教室の運営について、各分教室設置の高校及び特別支援学校で構成する校長連絡会を設け、情報交換及び必要な協議調整を行っています。  この連絡会の中では、職員室や保健室の利用について、支障があるという話はありませんが、県教育委員会としては、引き続き分教室の施設利用の状況をしっかり把握し、生徒の教育環境の確保に努めてまいります。  次に、特別支援学校の増設についてです。  現在、県教育委員会では、「新まなびや計画」により、特別支援学校について、過大規模化に対応した新校整備や、児童・生徒の通学時間など地域的な課題に対応した増築や分教室の整備に取り組んでいます。  具体的には、平成32年度開校に向け、県立中里学園の跡地に横浜北部方面特別支援学校の新校整備を進めています。また、平成31年度には、秦野養護学校知的障害教育部門の高等部校舎棟を新設するとともに、既存の校舎を改修して、肢体不自由教育部門の児童・生徒を受け入れる再編整備を行います。さらに、平成33年度開設に向け、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室の整備に取り組んでいます。  今後の特別支援学校の整備については、これらの現在進めている新校等の整備後の各特別支援学校の児童・生徒数やインクルーシブ教育の進捗状況を踏まえながら判断をしてまいります。  答弁は以上でございます。  〔加藤なを子議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕 ◆加藤なを子議員 それでは、再質問をさせていただきます。  まず、保育士処遇改善についてです。  内閣府が保育士処遇改善にかかわる通知というのを出していますけれども、処遇改善加算1というのは、全職員に月額6,000円、この金額ですが、本当に少ないです。また、技能経験を積んだ保育士に対する処遇改善、先ほど知事からお答えいただいたキャリアアップ、保育エキスパートですけれども、これは処遇改善加算2として単純に加算されるものではなく、賃金改善計画の策定や実績の報告、60時間以上の研修、職務の発令、職務手当を含む月給による賃金改善、四つの基本要件を全て満たした場合、4万円の加算となるものです。  これは研修に行く保育士さんのかわりの保育士さんを雇うこと、また存在することが必要ですし、そのかわりの保育士さんの雇用費用も必要です。規模が小さな事業所などでは、人手不足でこの制度を利用することも大変厳しいと聞いています。なかなか、この政府の進めていることだけでは、保育士の処遇改善には抜本的にはつながっていかないと私は思います。  東京都ですけれども、2017年度、保育士1人当たり月額4万4,000円の給与補助をしています。都知事は子供を産み育てやすくすることは、未来の投資につながると、財政負担よりも、むしろ予算を継続的に注入すべきだと強調しています。  処遇改善というのであれば、やはり効果が見込める保育士給与底上げをしていくことが必要だと思います。  そこで、知事に伺います。  国の処遇改善による政策を進めるだけではなく、保育士が保育の仕事につき、働き続けられるように、県として独自の財源を投入して処遇改善を行うべきと考えますが、改めて見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  先ほども申し上げましたけれども、保育士の処遇改善というのは、大変重要な課題であるというふうに認識をしております。ただ、神奈川県の財政の状況といったものを見た上で、できることはできる、できないことはできないと言わざるを得ないわけです。今年度予算を組むだけでも大変苦労したということは、皆さんもおわかりだと思います。貯金を切り崩し、借金までしてやっと予算を立てたというふうな、この現状の中で、どれだけできるかといったことであります。  この保育士の処遇改善というのは、神奈川県だけの問題ではなくて、日本全国の問題でありますので、これは国全体の制度設計において取り組むべきものだということで、しっかりと国に対して訴えていきたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔加藤なを子議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 加藤なを子君。  〔加藤なを子議員登壇〕 ◆加藤なを子議員 それでは、要望を言わせていただきます。  まず、特別支援学校の増設についてです。  分教室対応も県のインクルーシブ教育も障害の軽い生徒が対象になっています。障害の重い児童・生徒は長時間バスで近隣市の養護学校に通学している現実は、ひとしく教育を受ける権利が守れていないことです。  藤沢市の肢体不自由のお子さんたち60人は、藤沢養護学校に肢体不自由部門がないために通えません。茅ケ崎養護や鎌倉養護に長い時間バスに乗り、通っているのが現状です。  障害者差別解消法では、障害を理由とする差別の解消に関して、国・地方公共団体は合理的な配慮を的確に行うため、みずから設置する施設の構造の改善及び設置など、必要な環境の整備に努めなければならないとしています。また、障害者権利条約は障害のない人との平等を基本理念としています。  先ほど計画をいろいろお答えいただきましたが、その先に、ぜひ私は新たな新設の計画を検討していただきたいと思っています。  障害の特性やニーズに合わせた必要な支援を行うことが求められています。「ともに生きる社会かながわ憲章」、子どもの権利条約に沿った県の対応として、新設の計画を踏まえた判断をぜひお願いしたいと思います。  次に、保育所について申し上げます。  国は公立保育所の縮小、統廃合を促進するように、新たな計画づくりを自治体に求めています。待機児童が深刻で保育所が足りないのに、公立保育所が減るという異常な事態が進行しています。  先ほど私が紹介した公立と民間の差、知事からは法人や株式の保育園のことのお話がありましたけれども、やはり公立園と民間法人では、保育の内容に大変差があります。障害児のお子さんを抱えるお母さんが土曜日にお仕事をされるのに、公立には普通に土曜日保育が行われるのに、民間では断られたと、では、公立がそれを強制できるかというと、市はできないんです。お願い規定になります。そこでも運営に差が出ます。そして、無認可に預けている保護者の方は、何とか認可に預けたい、そして認可にいても、民間ではなく、公立保育園に行きたいという希望があり、やはり認可保育所をずっと申し込むという保護者の方もいらっしゃいます。  保活という言葉がありますけれども、さまざま保育園を見ると、保育の質の違いを本当にお母さんたちはよくわかっていきます。安心して預けられる保育所をふやすために、県としてもぜひ力を入れていただきたいと思います。  保育の量も質も拡充するためには、やはり先ほどから申し上げているとおり、保育士確保が大切です。  「かながわグランドデザイン」第2期実施計画では、保育所利用者、待機児童数には子育て世代が安心して子育て、仕事を両立できるために、保育を希望する全ての家庭が保育サービスを利用できるよう、2018年には待機児童数をゼロにするということを目標にしています。このままで実現できるでしょうか。  それから、特別支援学校で、県有地のことは保育園で言ったのですが、体育センターについては、余剰地が出ると聞いています。藤沢養護学校の隣の相談センターがあくということであれば、ぜひそちらの建設もご検討いただくようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成29年第2回-20170622-028136-質問・答弁-瀬戸良雄祐議員-一般質問①「未病を改善する」取組について②商店街の賑わい創出の取組について③外国人観光客の受入環境整備について④精神障がい者に対する支援の充実について⑤災害時における防災関係機関との連携について》   〔瀬戸良雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 瀬戸良雄君。  〔瀬戸良雄議員登壇〕(拍手) ◆瀬戸良雄議員 消滅可能選挙区、南足柄市選出の瀬戸良雄です。  私は地元の応援団の方々の力を得て、自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら、質問を精いっぱいさせていただきます。  知事並びに保健福祉局長、安全防災局長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚の議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  さて、質問の第1は、「未病を改善する」取組についてです。  当選以来、今回が3回目の質問になりますが、私は一貫して未病に関する取り組みについて伺ってきました。  未病に対する考え方は人によってさまざまですが、私は、未病には社会システムの変換を促す力があると考えています。明治以来、築いてきた我が国の制度が制度疲労を起こしていると言われてから久しくなりますが、いまだに新たな社会システムは構築されておらず、さまざまな制度の崩壊が懸念されております。それを加速するように少子・高齢化が進展し、超高齢社会を迎えようとしています。  超高齢社会の到来というと、何となく社会全体が委縮してしまうような、マイナスのイメージがつきまとっていますが、団塊の世代の県会議員として、私には腑に落ちないものがあります。  私たちの先人は長寿を目指して努力を重ねてきました。かつて東海道線に乗ると、長寿の里、二宮という誇らしげな看板が目に入りました。その看板もいつしか取り払われてしまいました。長寿社会の進展に戦々恐々として、何となく後ろめたさを覚えるそんな風潮を感じています。私は、決してそういう社会にしてはならないと思っています。  懸念を払拭するためには、超高齢社会に適合した社会システムを構築しなければならないことは、多くの方々の意見の一致するところです。未病はそのキーワードになると私は考えています。  その観点から、2点お尋ねします。  1点目は、未病概念の普及について伺います。  ヘルスケア・ニューフロンティア政策の根底をなす未病の考え方は、超高齢社会を乗り越えていくための重要な概念として県が打ち出したものですが、政策を進めていくに当たっては、県民や市町村、企業などの理解と協力が何よりも大切だと考えます。  そのためには未病概念の普及が不可欠です。県では、未病概念の普及を図るため、ME-BYOの商標登録を行うとともに、未病産業関連のすぐれた商品・サービスを認定するME-BYOブランドや、国際シンポジウムや展示会、また国内外に未病概念を発信するME-BYOサミットなど、さまざまな取り組みを通じて、未病概念の浸透に努めていると承知しています。  こうした中、先日、県西地域活性化プロジェクトの取り組みの一つとして、県が民間企業や大井町と連携して設置を進めている(仮称)未病いやしの里センターの名称が、未病バレーBIOTOPIAに決定したとの発表がありました。  未病バレーとは、県西地域全体を、未病を改善し、健康な社会を実現するための集積や発信の場所にしていきたいという思いを込めたものと伺っております。今後、県西地域を拠点として、未病が県内はもとより国内外に広がっていくことを大いに期待しているところです。  また、県西地域以外の市町村でも、未病センターの設置が進んでおり、三浦半島地域の市町では、未病を改善する半島宣言に基づいて積極的に取り組むなど、県民の健康寿命延伸や地域活性化のためのさまざまな事業が展開されています。  このように、未病概念は市町村や企業などの間には徐々に広がりを見せつつありますが、県民にはまだ十分浸透しているところまでは至っていないと感じております。今後は、県民一人一人の未病への意識を高め、ライフスタイルの見直しに取り組むよう、行動変革を促していく重要な時期に差しかかっていると考えています。  こういった中、本年2月には、国の健康・医療戦略に未病の考え方などが重要になるという表現とともに、未病の定義が新たに盛り込まれたことは、まさに力水を得た思いがいたしております。  国の戦略に未病が位置づけられたのは初めてのことであり、国が未病への取り組みの重要性を認識したことは、県の取り組みにとって追い風となるものです。このタイミングで、産学官の連携を一層強化して取り組みを進めていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  健康寿命の延伸に向けて、県民の行動変革を一層促すためには、未病概念のさらなる普及が重要であると考えますが、今後どのように展開していくのか、知事の見解を伺います。  2点目は、(仮称)メディカル・イノベーションスクールについて伺います。  県が設置を目指すメディカル・イノベーションスクールは、県立保健福祉大学に新たに設置する大学院研究科で、圧倒的なスピードで進展する超高齢社会を乗り切るため、技術や社会システムの革新を起こすことができる人材を養成することを目的としており、ここで養成された人材は、県が進めるヘルスケア・ニューフロンティアの推進を担う人材となっていくことが期待されています。  現在、学識経験者や産業界など、外部の有識者によって構成されるメディカル・イノベーションスクール設置検討委員会や、その下部組織の学識経験者を委員として構成する専門部会などで、メディカル・イノベーションスクールにおける具体的な教育内容や、教育の多様性などの観点を踏まえた他大学との連携、教育方法などについて、活発な議論がなされていると承知しております。  もちろん、教育内容や他大学との連携などは、教員の配置と並んでメディカル・イノベーションスクールの根幹となる部分であり、この研究科における教育及び研究の効果を高めるためにも、引き続き委員会で活発な議論をしていただき、その議論を十分に参考にしながら、県がカリキュラムや教員の配置、他大学との連携などを決定し、研究科の内容の充実につなげていかなければならないと考えます。  そうした中、平成31年度の開設のためには、平成30年3月末に文部科学省に対し設置認可申請を行わなければならないことから、具体的な講義科目や教員、設置予定場所に加えて、養成する人材像など研究科の内容について、今年の秋、遅くとも冬までには決定する必要があると伺いました。  そのうち、開設予定場所については、設置検討委員会の議論を参考にしながら、今年の2月、川崎市殿町地区とすることが明らかにされましたが、その他の事項についても迅速に決定していき、県がしっかりと進行管理をしながら申請準備を進めなければならないと考えます。  そこで、知事に伺います。  メディカル・イノベーションスクールの認可申請まで1年を切りましたが、申請に向けた現在の進捗状況と今後の進め方について伺います。さらに、研究科を川崎市殿町地区に設置することの意義について、知事の見解を伺います。  質問の第2は、商店街の賑わい創出の取組について伺います。  近年、商店街を取り巻く環境は、消費者のライフスタイルの多様化、経営者の高齢化、後継者不足など、さまざまな課題を抱えて、非常に厳しい状況となっています。  私の地元である南足柄市は、富士フイルムの企業城下町として高度経済成長とともに発展し、市民の足となる伊豆箱根鉄道大雄山線の駅周辺に小売店などが並び、これまで地域のにぎわいの拠点となってきました。  しかしながら、写真のデジタル化による事業所の縮小と相まって、バブル経済の崩壊を機に、地域内の消費低迷が進み、また大型店への顧客流出なども影響し、商店街の人通りも少なくなり、個人が営む小売店は廃業するところもあるなど、依然として厳しい状況が続いております。  これまで小売店などの集まりである商店街は、買い物の場であるとともに、祭りなど地域の伝統行事や文化の継承を支えるためのさまざまな活動を行い、地域住民の生活を支える重要な役目を果たしてきました。  地域コミュニティーの核である商店街を活性化させるためには、何よりもまずにぎわいを取り戻すことが必要であり、人が大勢集まるようになれば、お店もそれぞれの個性を磨き、ひいては商店街全体の魅力が高まるようになるといった好循環が生まれます。  そのためには、地域住民はもとより、県内外、さらには海外からも広く人を商店街に引きつける仕掛けが重要であると思います。例えば、南足柄市周辺は箱根からトレッキングをしてくる外国人観光客や、パワースポットを目当てに大雄山に観光に来る外国人が少しずつですが、増加しており、地元では外国人観光客の呼び込みへの機運が高まりつつあります。  一方、南足柄市には、江戸時代から存在し、文化遺産とも言える山車や、同時代から伝わる伝統芸能である足柄ささら踊、足柄ばやしなど、ご当地の魅力を一層高めることのできる資源があります。  そこで、こうした地域の資源を積極的に活用していくことが、県内、県外からを問わず、海外からも人を地元に呼び込むきっかけとなり、地域全体の継続的な発展につながっていくものと考えます。  このような中、今年度、リニューアルされた県の補助事業である商店街魅力アップ事業費補助金において、商店街の集客力を強化する事業がメニューに追加されました。商店街のにぎわい創出及び地域の活性化の観点から大いに期待しております。  そこで、知事に伺います。  県では地域商業の活性化を図るため、今年度、新たに創設した商店街魅力アップ事業費補助金等を活用し、商店街のにぎわい創出にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  質問の第3は、外国人観光客の受入環境整備について伺います。  本県を訪れる外国人観光客は着実に増加しており、「県観光振興計画」では、外国人旅行者の神奈川への訪問者数は、2018年までに201万人とすることを目標としていましたが、2016年の実績は既に約231万人に達しており、計画の目標値を大きく上回る水準で推移しています。  また、県内の訪問先については、横浜、鎌倉、箱根といった定番の観光スポットから、今まで外国人観光客が余り訪れることがなかったところへも訪問するようになってきています。  私の地元の南足柄周辺でも、先ほど申し上げましたように外国人観光客が増加しており、特に大雄山は、箱根からのトレッキングルートとして、また、パワースポットとして、外国人の人気が徐々に高まってきております。  こうした中、南足柄市商工会は、改めて大雄山最乗寺の観光資源としての価値を見直し、今後は、寺と一体となって、宿坊や座禅体験などで国内外からの観光客を誘致していこうと考えており、国のインバウンド関連の補助事業にも応募しております。  一方、こうした観光資源を訪れた外国人からは、案内標識がわかりにくい、Wi-Fiがつながらないといった不満の声が寄せられています。外国人観光客を呼び込んでいく上では、多言語表記での観光案内や無料Wi-Fiなど、受け入れ環境を整備していくことが有効と考えておりますが、事業者の自主的な取り組みだけに任せるのではなく、県としても、民間事業者の施設などの整備に対して支援をしていく必要があると考えます。  今年度、県として、外国人観光客の受け入れ環境整備に係る補助制度を創設したことは、時宜を得た取り組みであると大いに評価するところですが、より多くの事業者に活用していただき、新たに発掘した観光資源を魅力あるように磨き上げていくことが非常に重要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  外国人観光客の誘致を継続的に進めていく上で必要となる受け入れ環境整備について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  質問の第4は、精神障がい者に対する支援の充実について伺います。  最近、私は、地元南足柄市の方で、精神障害者への支援をされている団体の方からお話を伺う機会がありました。障害者の中でも、精神障害者を対象としたサービスは、身体障害者や知的障害者に比べて、まだまだ不足しているということでしたが、施策がなかなか進展しない理由として、私は、精神障害が目に見える障害と比較して、周囲にはわかりにくいことが背景になっているのではないかと思っております。  精神障害者は、精神疾患という病気が着目され、精神科病院での入院治療など、医療の対象としてのみ捉えられることが長く続き、法的に障害者と位置づけられたのは、障害者基本法が成立した平成5年からです。その後も、平成18年に障害者自立支援法が施行され、身体障害者や知的障害者と共通の仕組みにより、サービスが受けられるようになり、制度としては整ってきております。  しかしながら、本年4月1日の時点で、政令市、中核市を除く県の所管域にある精神障害者だけを支援対象とした障害福祉サービス事業所は、働く場所である就労継続支援B型は37カ所、居住の場所であるグループホームは47カ所ありますが、私の地元、南足柄市には、就労継続支援B型はあるものの、グループホームはありません。先ほどの団体の方が言われるように、まだまだ不足しているというのが実感であると思います。  また、精神科の医療機関に通院をし、自立支援医療を受ける政令市域を除く精神障害者の数は、平成26年度末が4万2,047人、平成27年度末が4万3,477人、平成28年度末が4万5,196人と、毎年1,000人以上ふえ続けています。このように、今後も障害福祉関係のサービスを必要とする人は確実にふえていくと思われます。  「ともに生きる社会かながわ憲章」にも、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現とあります。精神障害者が適切な支援を受けながら、住みなれた地域で安心して暮らすことができるようにするために、一層のサービスの充実が必要だと考えます。  そこで、保健福祉局長に伺います。  精神障害者へのサービスをさらに充実させていくことについて、どのように考えているのか、保健福祉局長の見解を伺います。  質問の第5は、災害時における防災関係機関との連携について伺います。  東日本大震災や熊本地震といった地震災害に加え、近年、御嶽山の噴火や、広島や伊豆大島の土砂災害など、大規模災害が続いています。昨年の台風10号による水害では、東北や北海道で大きな被害が発生したことは記憶に新しいところでございます。  本県では幸い、ここ数年大きな災害は起きていませんが、私の地元の県西地域では、過去、たびたび大きな災害に見舞われています。平成11年に発生した丹沢湖につながる玄倉川の水害では、13名ものとうとい命が失われてしまいました。消防や警察が懸命な救助活動を行う姿が今でも私の脳裏に焼きついております。  こうした悲劇を繰り返さないために、我々は最大限の努力をしていく必要があります。県民一人一人の防災意識の向上に加え、消防や警察、自衛隊などの防災関係機関が災害への対応力を向上させることが必要だと考えます。  こうした中、私は、最近、自衛隊がどのように対応力を向上しているのか、その訓練施設を見学いたしました。私が訪ねた自衛隊富士学校には、都市部の建物や地下街を模した施設があり、実際のオペレーションを想定した実践的な訓練が実施されていると感じました。  消防や警察でも、さまざまな災害を想定した訓練が実施されていることは承知しており、こうした専門的な能力を有する防災関係機関が横の連携を図っていくことで、より相乗効果が発揮されるのではないかと思っています。  東日本大震災では、全国からの消防や警察、自衛隊などの応援部隊が活動しましたが、行政機能が低下している状況で、役割分担や部隊配置など組織的な救助活動という点では課題があったとも聞いております。  本県では、首都直下地震などの大規模地震の発生が懸念されています。また、自然が豊かであるゆえに、水害や土砂災害などへの備えも必要です。さらに、東京オリンピック・パラリンピックなど、大規模なイベントを控え、テロへの対応も喫緊の課題になってくると思っております。  このため、県ではビッグレスキューなどに取り組んでいることは承知しておりますが、災害や危機が発生した場合に、県がしっかりと消防や警察、自衛隊と連携を図り、統制のとれた対応ができるよう体制を整えておくことが必要だと思います。  そこで、安全防災局長に伺います。  地震などの自然災害やテロによる災害など、本県が大規模な災害に見舞われた場合への備えとして、専門的な能力を持つ防災関係機関と連携体制をしっかりと確保しておくべきと考えますが、安全防災局長の見解を伺います。  以上で、私の1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 瀬戸議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、未病を改善する取り組みについてお尋ねがありました。  まず、未病概念の普及についてです。  超高齢社会を乗り越え、健康長寿社会を築いていくためには、県民の皆様が日常の生活の中で未病改善に取り組むことが重要であることから、未病概念の普及に努めてきました。  未病概念をさらに広めていくためには、より多くの県民の皆様に直接届くよう、身近な市町村を通じた普及啓発が大変重要です。市町村では、これまでも健康づくりや生活習慣病対策に取り組んでいます。こうした取り組みを積極的に後押しするとともに、未病コンセプトと丁寧につなげていくことで、市町村と一緒になって県民の皆様に未病概念を伝えていきます。  具体的には、既に30を超える市町村や企業、大学が参加する未病サミットの実行委員会を通じて、産学官のネットワークを活用した普及啓発を図っていきます。  まず、10月の未病月間を中心に箱根で開催する国際シンポジウムや、市町村が実施する約40カ所の健康イベントなどで、住民の健康課題の解決につなげるための未病に関する展示や講演などを企業や大学の協力を得ながら行っていきます。  さらに、市町村と一緒にマイME-BYOカルテを活用した全県的なウオーキングイベントの実施を予定しており、こうしたイベントを活用して、より多くの県民の皆様へ幅広く普及啓発を進めていきます。  また、未病の概念をより広く浸透させていくためには、企業との連携も重要と考えています。企業では、例えば商品や店舗、広告などにME-BYOを表示する事例もふえております。そこで、未病産業研究会の会員企業を中心に、ME-BYOの表示拡大や発信の強化を働きかけていくことで、未病概念の普及につなげていきます。  また、健康経営に取り組む、いわゆるCHO企業が150社に拡大しております。そこで、CHO企業と連携し、マイME-BYOカルテを活用するなど、従業員やその家族に未病の考え方が浸透するよう努めていきます。  今後も、県民の健康寿命の延伸に向けて、市町村や企業としっかり連携しながら、未病概念の普及拡大に全力で取り組んでまいります。  次に、(仮称)メディカル・イノベーションスクールについてです。  同スクールは、未病コンセプトに基づく社会システムや技術の革新を起こすことができる人材の育成を目指しています。  現在、学識経験者や産業界の代表者によって構成される検討委員会や専門部会で、認可申請に必要となる教育内容や教員体制などについて、具体的な検討を進めています。  まず、教育内容については、疫学や生物統計学など、公衆衛生学の基本分野に加えて、イノベーションの創出に必要となる先端技術やビジネスに関するカリキュラムなどを検討しています。  さらに、これらのカリキュラムとともに、未病コンセプトに基づく新たな研究領域を担う教員についても、多彩な分野から魅力的な候補者をリストアップし、現在、個別に調整を進めています。  今後、今年度末の国への認可申請に向けて、引き続き、カリキュラムなどの教育内容を固めるとともに、必要となる教員をしっかりと確保していきます。  また、同スクールが入学者として想定する国内外のヘルスケア産業従事者や健康医療政策担当者などの人材の確保に向けて、効果的な募集方法を検討していきます。  その具体策の一つとして、同スクールにおける教育内容への理解と関心を深め、入学者の確保につながるよう、未病概念や生物統計学、最先端医療技術に関する模擬授業をこの秋から開催することにしています。  次に、川崎市殿町地区に同スクールを設置する意義についてです。  同地区には、国内外から最先端の研究機関、企業などに加え、慶應義塾大学が殿町タウンキャンパスを設けるなど、教育機関も進出しています。こうした他の研究機関や企業、大学との連携による教員交流や単位互換などを図ることで、より高度な教育を効率的に実現することが可能と考えています。  また、殿町地区の研究機関などの集積は、共同研究や同スクールが重視するフィールドワークを実施する際にも大きな利点となります。  さらに、国際的なネットワークの活用に当たっては、殿町地区が羽田空港に隣接していることも大きな強みとなります。  これらの点を総合的に考慮した結果、開設予定場所を川崎市殿町地区としたところです。  今後とも、県民の健康寿命の延伸に貢献する人材の育成を目指して、メディカル・イノベーションスクールの平成31年の設置に全力で取り組んでまいります。  次に、商店街のにぎわい創出の取り組みについてお尋ねがありました。  これまで県は県内外から商店街への集客を図るため、商店街が地域の歴史や町並みなどの資源を活用してブランド化し、その魅力を広く発信する事業に対して補助を行ってきました。また、各種の商店街をめぐる商店街観光ツアーを積極的に実施し、集客力を高めてきたところです。  今後、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、本県を訪れる外国人観光客の大幅な増加が見込まれます。また、従来の観光地だけでなく、日本の伝統的な行事や日常生活の体験に興味を持つ外国人がふえており、彼らを商店街に呼び込むため、積極的に取り組む商店街を支援していく必要性が高まっています。  そこで、今年度、県では地域住民等のニーズに対応しつつ、インバウンドも含めた集客力の強化を図るため、商店街がにぎわいを創出するなど、みずからの魅力を高める事業に対して支援する商店街魅力アップ事業費補助金を創設しました。  この補助制度は、今後3年間の事業計画の策定や事業実施の効果の検証を要件とするなど、つくり出したにぎわいが継続し、発展するよう工夫しています。  例えば、今回の応募の中には、江戸時代から伝わる山車を今年度は展示して関心を集め、その後、修復を図り、3年後には地域全域を練り歩くまで発展させ、広く集客に結びつけるといった企画もあり、採択したところです。  そのほか、にぎわいの創出に取り組み、地域の活性化につなげていこうとする商店街に対して、それぞれのニーズに合わせて専門家を派遣して、継続的にアドバイスを行うほか、外国人観光客への対応の講習などの支援もより積極的に行っていきます。  今後も、補助事業やこのような支援を総合的に行うことで、商店街のマグネット力を高め、それを商店街観光ツアーにもしっかりとつなげていきます。そして、県内外の方々や外国人観光客も含めて商店街の集客力を強化し、にぎわいの創出と地域商業の活性化を図ってまいります。  最後に、外国人観光客の受け入れ環境整備についてお尋ねがありました。  今後、観光振興による地域経済の活性化を図っていくためには、年々増加している訪日外国人観光客を神奈川に着実に誘致することが重要です。そのため、本県では、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、昨年6月に設置した神奈川県観光魅力創造協議会において、新たな観光資源の発掘、磨き上げやそれらを周遊する1,000通りのツアーの企画・商品化の取り組みを進めています。  あわせて、神奈川を訪れた外国人観光客に快適な環境のもとで旅を楽しんでもらい、リピーターになってもらうためには、受け入れ環境の整備も重点的に進めていくことが必要です。  そこで、今年度は、これまで観光魅力創造協議会で発掘した1,076件の観光資源における受け入れ環境の整備を加速していくこととし、新たな補助制度をスタートしました。これは、民間事業者がこれらの観光資源において、無料Wi-Fi設備や多言語での観光案内板、無料で利用できるトイレ等を整備する際に、その費用の2分の1を県が補助するものです。  また、こうしたハード整備とともに、ソフト面での取り組みとして、宿泊施設や飲食店等において、外国人観光客との円滑なコミュニケーションを支援するため、英語、中国語、韓国語の3言語で24時間の通訳サービスを行う多言語コールセンター事業を今月から開始しています。  今後は、こうした仕組みをより多くの民間事業者にご活用いただくため、広く商工団体や観光協会、宿泊施設等に周知を図っていきます。  さらに、これからの県内における受け入れ環境整備のあり方について、関係する事業者団体や市町村、有識者等に幅広く協議していただくため、今年1月に神奈川県観光客受入環境整備協議会を設置しました。  現在、協議会において、具体的な整備の内容や所要経費、行政と民間事業者との役割分担などについて意見交換をしていますので、今後、その結果を踏まえ、市町村や民間事業者と連携しながら、外国人観光客の受け入れ環境整備を積極的に進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔保健福祉局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 武井保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(武井政二) 保健福祉局関係のご質問にお答えいたします。  精神障害者に対する支援の充実についてお尋ねがございました。  精神障害者が地域で安心して暮らしていけるためには、精神科病院を退院した後の受け皿を含め、支援サービスを充実していくことが大切です。  まず、退院するときに身寄りがなく、保証人のないケース、それによってアパートを借りられないケース、あるいは障害の程度からアパートでの生活が難しいケースもあるため、精神障害者が入居できるグループホームの整備が重要です。平成27年度には7,294人のグループホーム利用がありましたが、現行の「障害福祉計画」では、今年度末までに8,565人まで伸ばすことを目標としていますので、さらに設置を進める必要があります。  そのため、県では障害者グループホームサポートセンターを設置し、グループホームの開設を検討している法人などを対象に説明会や個別相談を行っています。昨年度は5回の説明会に79人が参加し、また、電話などの個別相談も94件寄せられております。  今後も、このセンターを活用しながら、グループホームの設置を支援していきたいと考えています。  また、国の調査によると、県内の精神科病院の入院患者のうち、65歳以上の方の割合は48%を占めております。今後、高齢の精神障害者による介護サービス利用の増加が見込まれる中、精神障害の特性を踏まえて、介護サービスを提供できるような環境の整備が必要です。  県では、平成22年度からホームヘルパー向けに精神障害者の特性を理解するための研修を実施しており、昨年度まで927人が修了いたしましたが、引き続きこうした研修の充実に努めてまいります。  誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現に向け、精神障害者を地域で支える受け皿として支援サービスの充実を図ってまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上です。  〔安全防災局長(河原知德)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 河原安全防災局長。 ◎安全防災局長(河原知德) 安全防災局関係のご質問にお答えします。  災害時における防災関係機関との連携についてお尋ねがありました。  大規模災害へ対応するためには、消防や警察、自衛隊など、防災関係機関との緊密な連携が重要です。そのためには、平時からお互いの顔が見える関係づくりが大切です。  そこで、県では、消防、警察、自衛隊などで構成する防災・危機管理対策連絡会議を初め、さまざまな会合などを通じて、災害時の対応について情報共有や意見交換に努めています。また、消防、警察からは現役職員を、自衛隊からは退職幹部を受け入れるなど、人的交流を通じた連携強化も図っているところです。  さらに、各機関との連携が機能するよう、実践的な訓練に努めています。例えば、毎年多くの機関の参加のもと、災害対応のオペレーションをお互いに調整する大規模な図上訓練を実施しています。  また、ビッグレスキューかながわや、かながわ消防の合同訓練、国民保護実動訓練といった自然災害やテロを想定した実動訓練を実施しています。  さらに、災害時に県に参集する関係機関が対策を円滑に調整できるよう、昨年度、県災害対策本部室の活動スペースや通信機器などの充実も図ったところです。  県としては、こうした取り組みを通じて、今後ともオール神奈川の連携体制をしっかりと確保してまいります。  答弁は以上です。  〔瀬戸良雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 瀬戸良雄君。  〔瀬戸良雄議員登壇〕 ◆瀬戸良雄議員 知事並びに保健福祉局長、安全防災局長におかれましては、丁重なご答弁をいただき、ありがとうございました。  1点、再質問をさせていただきたいのですけれども、メディカル・イノベーションスクールについて、殿町に設置することのメリットは、今の答弁で十分理解いたしました。  ただ、メディカル・イノベーションスクールが学部のない大学院の研究科であるということを私も承知しておりますが、大学院大学と考えればよいのかもしれませんけれども、県の県立保健福祉大学の大学院ということで、横須賀キャンパスと離れた川崎市殿町地区に設置することについて、管理運営と教育の面で一抹の不安を感じることもあります。  県ではこのことに対して、どのように対策をとっていこうとしているのか、知事の見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えしてまいります。  瀬戸議員のこの質問の冒頭に、未病とはという話がありました。未病とは社会システムの変革につながるキーワードだと、こういう認識を提示されました。私は驚きました。物事の本質を的確につかんでくださっているのだなということで、本当に心強い思いをしたところであります。  そういった未病の本質をわかった上で、社会のシステムの変革にまでつなげていくという、そういう人材を育てるような教育機関がメディカル・イノベーションスクールということであります。世界のどこにもなかったような、そんな教育機関をつくろうとしているところであります。  そんな中で、先ほど申し上げたように、殿町地区というのも、最先端の再生・細胞医療等の拠点になるわけでありまして、国際的な新しいニュータウンがここに誕生すると、そこにメディカルスクールができるという、このメリットがどれだけ大きなものかといったことでありまして、ご心配の大学本部と大学院のキャンパスが別になるということ以上に、そのメリットのほうが大きいということであると思うわけです。  そして、一般的に言いましても、大学の本部と大学院というのが離れた場所にあるというのは、実は数多く存在しているわけであります。そうした事例も参考にしながら、大学、大学院と一体としての管理運営体制のあり方、また教員間の交流、連携の仕組み、ICTを活用したいろいろな交流方法などについて、しっかりと検討して、議員のご不安がないように、しっかりと努力してまいりたいと思っております。  答弁は以上です。  〔瀬戸良雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 瀬戸良雄君。  〔瀬戸良雄議員登壇〕 ◆瀬戸良雄議員 ご答弁ありがとうございました。  いろいろな手段を講じて、支障がないようにしていくということなので、安心はいたしましたので、ぜひそのようにお願いいたしたいと思います。  この大学院、新たな分野の研究科ということですけれども、それが進んでいって、将来、逆に専門の学部が設置される、そういうようになれば、大変すばらしいなというふうに私は思っておりますし、期待もしております。ぜひ、31年度の開設に向けて、着実に進めていただきたいとお願いいたします。  それでは、時間の許す限り、要望・意見を申し上げます。  まず、未病の概念の普及についてですが、全力で取り組んでいるということですけれども、今、国において未病が市民権を得たということは画期的なことだというふうに、大変喜ばしいことだと思っております。  私は、個人的にですけれども、未病の概念は、医学的な概念と社会学的な概念があるのではないかと考えております。例えば、高血圧症や糖尿病に罹患していても、社会生活を送る上では何の支障もないという方がたくさんいらっしゃいますが、医学的には病気であっても、社会学的には未病の状態にあるのではないか、そういうふうな考え方もできるのではないかというふうに考えております。こういうことですと、未病を治すという言葉がしっくりする場合もあるのかなというふうに考えております。  医学的、社会学的にどうこうというのは今後の課題といたしましても、まずは未病という言葉を万人の共通の言葉にすることが、私はすごく大切なことだと思いますので、そのためにも未病の概念の普及に、今、知事が答弁されましたように、全力で取り組んでいただくようお願いをいたします。  次に、商店街のにぎわいですけれども、中井町の竹灯籠祭りに知事がいらっしゃいましたときに、この祭りは1カ月やったらどうですか、こういうお話を町長に言っておられました。にぎわいを経済効果に結びつけるためには、1日とか2日だけではなく、やはり一定期間、催しを行うということは非常に大切なことだということを実感しております。  この点で、成功しているのは、松田町の桜まつりや開成町のあじさいまつりですが、それぞれ1カ月ぐらいにぎわいが続いております。地域に経済効果をもたらすためには、どのくらいイベントなどの期間を継続させたらいいかということも考慮しながら、この新たな補助金の運用に当たっていただきたいというふうに思っております。  最後に、防災ですけれども、ぜひ日常的な訓練の中で―富士学校にすばらしい施設がありますので、警察だとか、消防だとか、そういうのはその施設を利用して、日常的な合同訓練をぜひ行っていただくよう検討していただければ、大変ありがたいというふうに思っていますし、そのことが防災の力を強くするものだと思います。  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(佐藤光) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤光) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明23日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後4時43分 散会...