多摩市議会 2022-06-13
2022年06月13日 令和4年第2回定例会(第2日) 本文
2022年06月13日 : 令和4年第2回定例会(第2日) 本文
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◯議長(いいじま文彦君) ただいまの出席議員は26名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
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◯議長(いいじま文彦君) 本日の議事日程はあらかじめお手元に配付したとおりであります。
日程第1、前回に引き続き代表質問を行います。
初めに、フェアな市政を代表して、岩永ひさか議員の発言を許します。
13番岩永ひさか議員。
(13番岩永ひさか君質問席着席)
◯13番(岩永ひさか君) おはようございます。岩永ひさかです。フェアな市政を代表し、市長所信表明について質問いたします。
市長選挙を前にした前回、第1回定例会における私の代表質問で、真弓定夫先生の「共生共存の思想」と「覚他の精神」について触れました。その際、人間の社会、経済活動のあり方の根本を見つめ直しながら、次の世代につながるまちづくりを進めていくべきとの考えを述べました。
阿部市長は、所信表明の冒頭、ここ数年間、
新型コロナウイルス感染症、パンデミックにより私たちの意識や社会のありようも大きく変わったという認識を示されましたが、その渦中において、市民に最も身近な地方自治体の役割と責任をどう感じてこられたのか。また、そのことを行政全体でどのように共有されたのか、市民生活の安全や安心を支えていく現場で、職員の皆さんの意識はどう変わったとお感じでしょうか。「公務とは何か」、改めて見つめ直すことができた機会になったのではないかとも思います。
まず、「熟議による民主主義」の実現を目指すに当たって期待することについて述べたいと思います。
市長は4期目に臨むに当たり、改めて初心に立ち返り、1、社会で弱い立場にある存在にしっかり目を向けること、2、公正で自由な社会の実現に貢献すること、3、持続可能である市政運営のモデルを模索すること、以上3点を貫いていくと決意されていますが、私はそれと共に、「フェアな市政」をつくるために求められる行政と議会の関係性構築にも心を配っていただきたいと思います。
熟議による民主主義を根底に据え、市民との
合意形成プロセスを大切にしていくことは当然ですし、必要なことと考えますが、同時に、多摩市自治基本条例で「市の意思決定機関」と位置付けられている市議会の機能や役割を存分に発揮させていくことも、市政を発展させていくためには必要不可欠な視点です。市議会における熟議も重視するのであれば、そのために必要な情報提供と協議時間の確保は今まで以上に求められると思います。
今後、市庁舎建替えをはじめ、公共施設のマネジメントに関わる課題など、ある意味、これまで先送りされてきた課題の解決に取り組んでいかなければなりません。さきの3月議会ではレンガ坂改修工事問題で、「議会」と「行政」との関係性が問われましたが、市民とも議会とも丁寧な意思疎通がますます必要になると考えています。「地方自治は民主主義の学校」という言葉がありますが、市長は合意形成のための意思疎通のデザインをどのように思い描いておられるのでしょうか。従来どおりの取り組みの延長線上で考えておられるのでしょうか。
どうか、市長の「熟議による民主主義」が看板倒れにならないよう我慢強く、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。そして、選挙を通して感じられたという「正確な情報」を市民の皆さんにお伝えする機会の必要性を、ご自身の市政運営にもしっかりと生かしていただくよう強く求めたいと思います。
次に、今年度所信表明を踏まえた取り組みをさらに前進させるために期待することについて述べたいと思います。
さきの市長選では「16年は長過ぎる」という批判もありましたが、国政の長期政権になぞらえて権力の腐敗が語られていたことは驚きでした。私が一々講釈を垂れる必要もありませんが、国と地方の政治の仕組みは異なります。むしろ私は3期12年間を踏まえた4期目に市長の真価が問われるような気がします。
私は、「市民主権のまちづくり」を掲げ、市民一人ひとりの思いをより大切に受け止めていこうとする阿部市長のリーダーシップは「調整型」であり、市長が判断、決断していくために、時に時間がかかり過ぎているような印象も抱いてきました。だからこそ、3期12年では中途半端になり、投げ出すわけにはいかないと再選に臨まれたのではないかとも思っています。
所信表明では「これまで多くの歳月をかけ、機能転換や見直しなどを図りながら進めてきた施設の改修、整備がここで花開きつつある」と述べられていましたが、同時に、「
新型コロナウイルス感染症の影響や少子化による人口減少、高齢化の進行等により、税収についても現行水準を維持していくことが厳しくなる状況が想定される」との認識も示されており、私たちフェアな市政がかねてから指摘してきた次世代にツケを残さない市政運営に転換していくための手腕の真価が、これまで以上に問われると考えています。
ところで、今年度の施政方針では、
SDGsウェディングケーキモデルを強く意識したまちづくりは「ひと中心」の社会から「いのち中心」の社会へ視点を変えることを求めますとされていましたが、例えば、テニスコートの人工芝の更新問題に象徴されるように、私たちの暮らしには数多くの矛盾が存在していることを認識しつつ、そこから目を背けずに取り組んでいくことが必要です。
今後、目指したいあるべき姿、方向に向け、着実な活動を重ねていきたいと思いますし、市長もそのようにお考えのはずです。ぜひ市民の目にもわかる「いのち中心」社会の具現化した姿を示してほしいと思います。
そのためにも、市長のリーダーシップと発信力をさらに磨いていただきたいと思います。「いのち中心」の社会へ視点を変えていくためには、私たち市民が「消費者である」という意識をいま一度確認することも求められるような気がいたします。
また、多摩市の理念を表す
ブランドビジョン「くらしに、いつも、NEWを。」に込められている思いが、市外への発信のみならず、ここに住んでいる私
たち市民一人ひとりのライフスタイルをより豊かにしていくことへつながってほしいものです。
「選ばれるまち」に転換するための発信が、現状、現実と照らし合わせ「実際は誇大広告だった」という感想につながってしまうようでは、かえって逆効果、逆作用を生むのではないかと危惧します。若い世代の皆さんと知恵を絞りながら、せっかくつくり上げたビジョンを地に足をつけた取り組みにしていただきたいと思います。
今後、総合計画の改定にも着手され、新たな基本構想(長期ビジョン)もつくられるということですが、阿部市長の4期目スタートに当たり、市長ご自身がこれまで12年間の経験を生かし、将来の多摩市をどのように展望されているのか、そのためにこれからの4年間をいかに使おうとされているのか伺うため、以下質問いたします。
1 「誰一人取り残さない地域社会を築くため」に整えてきた条例の制定はどのように効果をもたらしてきたでしょうか。市長の実感や手応えを具体的なところで伺いたいと思います。条例、制度という「器」は手段であって、目的ではないとも述べられています。以下、3つの条例について伺います。また、現在、条例に基づくまちづくりを進める上で、課題になっている点があればそれについても伺います。
(1)多摩市女と男の平等参画を推進する条例
(2)多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできる
まちづくり条例
(3)多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例
2 これからの50年に向けた市政運営を見据えていくとき、行政のあり方、市民の役割など改めて見直していく必要があると述べられていますが、市長ご自身は「行政の在り方」をどう見直し、「市民の役割」をどう見直していくべきとお考えなのか伺います。
また、その考え方に照らし、現状を捉えたときに課題と感じていることについて改めて伺うとともに、課題解決のためにどのような取り組みを進めていきたいのか、あるいは、どのような取り組みが必要だと考えているのか伺います。
施政方針でも示された「(仮称)地域協創」の仕組みづくりは、かつてから具現化に向けて悪戦苦闘している地域委員会構想のことだと理解していますが、「地域の担い手づくり」が何よりも行き詰まっていると感じています。例えば、
青少年問題協議会の地区委員会も役員の成り手不足で、存続そのものが厳しくなっている現状もあります。集合住宅の管理組合とは異なり、自治会活動についても同様です。
3 「これまでの市民の皆さんとの対話と熟議により積み重ねてきたものをより発展させ、具体的な実践へとつないでいく4年間にしていく」と決意を述べられましたが、改めて、市長の考える「対話と熟議」のデザインについて伺います。また、自治基本条例の内容をさらに進化させ、「民主主義の発展」を促していくことが求められるように思いますが、ご見解を伺います。
4 今後4年間の市政運営の方向性について、以下幾つか伺います。
(1)気候変動問題への対策は喫緊かつ最優先に取り組むべき課題としていますが、
新型コロナウイルス感染症に向き合い、私たちは「ワンヘルス」=「人間・動植物・環境それぞれの間につながりがあり、三者がそろって健康であってこそ、地球の繁栄がある」ことを再認識させられたのではないでしょうか。
環境基本計画の見直しはもちろんのこと、新たな基本構想(長期ビジョン)を策定するに当たっても、多摩市の目指す「環境共生型都市」の考え方に「ワンヘルス」をしっかり意識していく必要があり、取り組みにつなげていくべきと考えますが、ご見解を伺います。
(2)連光寺・
若葉台里山保全区域における農業公園づくりの取り組みが始まりましたが、生態系の保護と農的活用のバランスが保たれる必要があります。今年度中に農業公園構想を策定する予定が示されていますが、農的活用のための検討会により検討された結果を踏まえながらも、丁寧な議論を重ねることが求められるように思います。
福島県二本松市では、地域住民と共にアグロエコロジーを学べる場「あだたら
食農schoolfarm」の取り組みが始まっていますが、生きるために必要な「食」と「農」について、一人ひとりが自ら考え、共に実践できるような場になっていくことを望みます。そもそも水とみどりの保全のために購入した土地を農的活用するに当たっての
コンセプトづくりにどのように取り組んでいくのか伺います。
(3)一人ひとりの生活の質の向上と持続可能な社会保障制度にするために、健康寿命の延伸を図り、平均寿命との差の縮小を実現していくことが必要だと言われています。市長は健幸都市の実現を掲げ、今後も「健幸まちづくりをさらに前進していくこと」を強調されていますが、全国、ほかの地域と健康寿命を比較するだけでなく、「市民の幸福度」を定点で観測していく工夫も求められると思います。
隔年で実施の
多摩市政世論調査では、「市民の幸福感」に対する設問もありますが、市民の回答をさらに分析することが求められ、市民の回答理由が、政策として取り組んできた健幸まちづくりに起因するものであるかどうかの視点が求められるように思います。政策効果をどのように捉えていくのか、ご見解を伺います。
また、まちの魅力を発信し、市民が誇りを持てるような取り組みを進めるということですが、その取り組みの進捗状況が定点で観測されていき、その成果をつかんでいきたいものです。文化芸術の振興、生涯学習・社会教育を支えていくことで市民の皆さんのこのまちへの愛着、
シビックプライドの醸成につなげていくということですが、その政策成果の把握についても伺います。
(4)デジタルを活用した行政サービスの向上を目指すためにも、「ひとに優しいデジタル化」「誰一人取り残さないデジタル化」という視点を常に持ちながら取り組みを進めたいと述べられていますが、そうであるならば、まずは公共施設で市民が気軽に利用できる通信環境を整えていくべきと考えます。改めてお考えを伺います。
(5)
地域医療提供体制をよりよく整えていく視点は大切ですが、将来的には人口が減少するという現実も踏まえながら、市民にとって身近なところに
高度救命救急病院を確保するに当たり、多摩市が一自治体としてどう責任を果たすことが可能か、慎重な議論がなされるべきと考えます。
日本医科大学多摩永山病院の移転、建替え事業の実現に向けて、「本市としても支援し」とありますが、具体的にはどのようなことを考えておられるのか伺います。
5 市政運営を支える「人」の重要性は指摘するまでもなく、阿部市長はもちろんのこと、幹部職員の皆様も常日頃から感じておられることと思います。
(1)
コンプライアンス意識の向上をはじめ、様々な機会を捉え、職員アンケートなども実施されているようですが、一体となった組織運営が求められている状況にあって、例えば職員ワーク・ライフ・
バランスアンケートは回答率が36%となっているのはとても残念です。
今後、働きやすい職場づくりをはじめ、風通しのよく活気に満ちた職場風土を醸成していくことにもさらに取り組んでいくことが述べられていますが、外部機関を利用し、客観的に現状を把握することがよりよい行政運営に欠かすことができないと考えます。その必要性についてお考えを伺います。
(2)また、公共施設の運営を指定管理者に委ねていくことを否定するものではありませんが、施設や空間に命を吹き込み、輝かせていくのは「人」という市長のお考えが浸透してほしいと考えています。そのためには、指定管理者との意思疎通を何よりも重視したいと思います。
特にプレオープンをしたパルテノン多摩は100億円近い税金を投資して大規模改修をしましたが、市民、専門家、市議会が積み重ねてきた議論がないがしろにならないよう監督していく側の責任も問われることを意識しておきたいと思います。
グランドオープンに当たり、改めて指定管理者に期待することを伺いたいと思います。
6 先日、多摩大学でオランダの自転車文化に学ぶトークイベントが開催されました。多摩市のように坂道、起伏の激しい都市構造に一見、自転車はなじまないようにも思いますが、私は移動手段としての自転車は、地球環境にも配慮できるモビリティであり、
自転車まちづくりにも注目をしながら、
ニュータウン再生を考えていくことができるように感じました。
「歩車道分離」というのは、ある意味「車中心社会」の産物とも言え、決して「ひと中心社会」から考えられた都市構造とも言えません。道路空間に目を向ければ、自転車は軽車両ですが、「車」なのか「人」なのか、よくわからないままに走行していると思います。
オランダの
自転車まちづくり、政策づくりは、小さなエリアでの実証実験を重ねながら、検証を重ね、長年かけて熟成させてきたと言います。レンガ坂の大規模改修の際にも、自転車と歩行者の安全確保が話題になりましたが、長期的なビジョンを持ったまちづくりの視点に「自転車文化」を位置づけていく視点は面白いと感じます。お考えを伺います。
7 最後に教育について伺います。
(1)2024年度から、デジタル教科書を本格導入する方向になっていますが、「記憶」や「理解」には、デジタルより紙のほうが優れているという複数の研究結果も存在しています。実際に、
経済協力開発機構(OECD)の
国際学習到達度調査では、本を「紙で読むほうが多い」と答えた日本の生徒の読解力の平均点が、「デジタルで読むほうが多い」生徒より大幅に高かったという結果もあります。
コロナ禍で一気に進んだ
GIGAスクール構想ですが、1人1台タブレット端末による教育・学習活動の成果について常に検証することが求められ、それを踏まえ、今後の多摩市の教育環境を充実させていくべきです。現状をどのように把握し、検証を進めてきたのか、また、2024年度に向けての取り組みについても伺います。
(2)「いのち中心」の社会を育んでいくために、デジタル教育がどのように関わっていくのでしょうか。そのために、教育委員会がどう取り組んでいくのかについても伺います。
以上、ご答弁をいただいた後、必要があれば再質問いたします。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) おはようございます。それでは、フェアな市政の代表質問にお答え申し上げます。
1の(1)についてお答えします。
誰一人取り残さない地域社会を築いていくためには、全ての人の人権が尊重されることが前提となります。日本では人権課題に対応した法律が制定されていますが、パートナーからの暴力、児童虐待、高齢、障害、出身地区などを起因とした差別事象が絶え間なく起きています。そして、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、差別や人権侵害が家庭、職場、学校など日常生活を過ごす地域の中でも見える化されるとともに、これは特定の属性や社会的弱者だけに向けられたものではないことが明らかになりました。
法律だけでなく、地域に根差した条例があることは、「人権は身近なものである」ことへの気づきにつながるとともに、「私たちが暮らすまちは人権を大切にしたまちづくりを進めている」という強いメッセージになると捉えています。
平成26年1月に施行した「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」は、市民と共につくり上げた条例です。制定当時としては先進的に「性的指向」や「性自認」の用語を条例に明記し、ジェンダーにまつわる差別的取扱いを禁止し、多様性を尊重することで「すべての人」の人権尊重をうたっています。
市では、本条で第9条に規定する「
男女平等参画社会の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための行動計画」として、「多摩市女と男がともに生きる行動計画」を策定し、これに基づき取り組みを進めています。本年2月には、性的指向・性自認に関する支援の一つとして
パートナーシップ制度を開始し、また、女性の人権課題であるDVや性暴力の根絶に向けた意識啓発などを行っています。
一方で、社会の中での固定的な性別役割分担や性差、ジェンダーに関する無意識の思い込みや慣行は、依然として根強く残っています。日本は
世界経済フォーラムの
ジェンダーギャップ指数が156か国中120位であり、男女格差はいまだ解消には至っていません。
また、
新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会的に弱い立場にある方々に、より深刻な影響をもたらしています。
本市としては、こうした状況を踏まえつつ、社会状況の変化に適切に対応できるよう施策展開し、本条例がさらに市民の皆さんに浸透するよう努めていきます。
(2)についてお答えします。
令和2年7月に施行した「多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできる
まちづくり条例」は、その策定段階で、ワークショップ、アンケート調査、市民委員会等を通じ、市民、事業者の皆さんと多くの対話・熟議を重ねながら策定したものです。
条例の施行後、そうして生まれた条例が目指す誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向け、市民からの相談窓口の設置、職員研修の実施等による庁内の体制整備とともに、多摩市若者会議との協働による障がい者美術作品展のバージョンアップや、多摩市
障害福祉ネットワーク「たまげんき」との協働による「
たまげんきマルシェ」の開催など、市民や事業者と連携・協力しながら、障害理解の促進・啓発に向けた様々な取り組みを行ってきました。
条例制定による効果について、実際に民間事業者から相談を受け解決に至った事例があったことや、
新型コロナウイルスのワクチン接種に際し、知的障がいのある方向けのわかりやすい版の発行等、庁内において、合理的配慮を行う動きはふえてきており、市民や職員の意識も少しずつ変わってきていると感じています。
今後は、さらなる市民への啓発活動が必要であることや、職員一人ひとりの対応力の向上を課題として捉えています。
このため、今後、事業者における合理的配慮を進める助成制度や
子ども向けハンドブックの作成、また、職員研修の計画的な実施等を通じ、障害理解の促進・啓発を図っていきます。
(3)についてお答えします。
本年4月に施行した「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」では、「権利の保障」、「切れ目のない支援」、「意見表明・まちづくり参画」、「さまざまな主体の相互協力・相互支援」を基本理念として掲げています。
この基本理念に基づく取り組みの成果や効果については、条例制定から間もないこともあり、子ども・若者、また、市民の皆さんが実感できるまでには至っていません。
しかしながら、職員の間では、これまでの市議会における審議や職員への周知啓発等を行ったこともあり、自分の仕事と条例との関係を意識し始めていることがうかがえます。
さらに、今年度は周知に力を入れていく年度と位置づけ、リーフレットの配布やユーチューブでの動画配信を通じて、職員をはじめ市民に広く周知を行い、一人ひとりの意識への浸透を図っているところです。
一方、条例に基づくまちづくりを進める上で欠かすことのできない「意見表明・まちづくり参画」や「権利の保障」を具現化するため、先行自治体への視察を行い、本市に適した仕組みの構築に向けた準備を進めており、早期の実現を目指しているところです。
次に、2についてお答えします。
人口構成や社会環境の変化、市民の価値観の多様化、デジタル技術の進展、気候変動や感染症等に対する社会の変革などを背景に、これまでの手法では解決し切れない課題の多い「正解のない時代」に突入していると考えています。
地域においても、防災や高齢者・子どもの見守り、居場所づくりなど、地域として対応すべきニーズが変化、複雑化する中において、自治会や既存の組織などの担い手だけで対応することが難しくなってきていることから、新たな担い手の確保や一人ひとりの負担軽減に努めつつも、NPOや企業、学校等を含めて、多様な
地域コミュニティの各主体がそれぞれの強みを生かし、弱みを補い合うことが、これまで以上に求められており、このためには、新たな自助・共助・互助・公助がうまく循環していく仕組みを地域の中につくることが必要であると考えています。
この新たな仕組みを自治推進委員会の中間報告では、「(仮称)地域共創」と呼んでおり、地域で活動する団体や企業、大学、個人などの多様な主体が、その地域の将来の姿を共有し、それぞれが「できること」を地域で合わせ、互いにつながり合い、得意なことを発揮し、分担して支え合う仕組みにしていくことで、持続可能なものにしていきたいと考えています。
行政としては、地域の中にこのような仕組みをつくることが最大の役割であり、地域の中で活動している主体の間を「つなぐ」、多様な主体による地域づくりの側面から「支える」、この仕組みの中に新たな人材、多様な主体に参加してもらう「掘り起こす」という役割を担います。
具体的には、地域課題の解決につながるような活動を支援すること、既存の地域活動団体や相談機関だけでなく、多様な地域資源をマッチングさせるなど、多世代がつながる場や機会をつくること、また、新たな活動を始めたいという主体を発掘する機会をつくることなどを通して、市民・地域と行政が連携・協働し、地域にある資源を活用し、地域の課題解決を図っていく活動を応援、コーディネートする職員、「地域担当職員」の配置をこの仕組みの柱にしたいと考えています。
市民の皆さんには、これから地域と関わっていく機会に、「自分のために」「楽しんで」参画してもらいたいと考えています。
地域のために負担を背負う、役職を担わされる、強制的に巻き込まれるというとハードルが高く感じられ、将来にわたって持続していくことは難しくなります。
日常の関係性の中から声を掛け合うことができ、自然とのぞいてみたくなるようなつながりを持つことや、「やってみたいこと」、「できること」を自分のために、近しい誰かのために一歩を踏み出すことから始めてもらえればと思います。
質問にある地域活動の「担い手」は、言い換えると「担わされる」というように受け取られることがあります。そのようにならないための「きっかけ」のデザインを丁寧に行い、その後の地域の将来像の共有、できることの発揮などに徐々に進んでいき、最終的に自治が推進される好循環を起こしていけるよう、行政として支援する仕組みづくりに取り組んでいくことで、地域の中で人と人がつながり合い、支え合う持続可能な「地域共生社会」のモデルケースを本市から構築、発信していきたいと考えています。
この取り組みを通して、自治会や青少協など地域を支える活動がさらに元気になることを期待しているところです。
3についてお答えします。
私は12年前、市長に就任した際、まず、多摩市の憲法とも呼べる最高規範である自治基本条例を市政運営の基盤とすることとし、庁内のあらゆる場面、機会でこのことを申し上げてきました。特に、「私たちが暮らす多摩市は、太陽の光あふれる、緑豊かなまちです」に始まる自治基本条例の前文については、「多摩市の便利な本」「多摩市ホームページ」などに改めて掲載するとともに、市長の挨拶など、あらゆる場面で紹介することを心がけてきました。
現在は、市役所、公民館、コミュニティセンターなどに、この前文を掲げていますが、これは全て、私が当時の企画課長に指示し、掲示してもらったものです。その後、非核平和都市宣言、健幸都市宣言なども掲げています。
市長としての3期12年の間、みどりのルネッサンス、学区の見直し、防災計画、公共施設の見直し、パルテノン多摩、中央図書館、街路樹等樹木の伐採など、あらゆる場面で十分ではなかったかもしれませんが、対話と熟議を実践してきたと考えています。
ときに時間をかけ過ぎではないかというご意見をいただくこともありましたが、自治基本条例の「私たちのまちの自治」で定義している「まちづくりの主体者である市民、市議会及び市の執行機関が、それぞれの役割に応じて連携し、地域社会を築いていくこと」を具現化すべく走ってきました。
これからの4年間では、市民、市議会の皆さんと共に考え、協力し、行動するという「協働」を実践していくことに注力することが、「私たちのまちの自治」の実現につながるものと考えています。
「民主主義の発展」を促していくためにも、新たな協働の仕組みである「(仮称)地域協創」づくりに取り組んでいきます。
次に、4の(1)についてお答えします。
「ワンヘルス」とは、平成5年に開催された世界獣医師会世界大会の「ベルリン宣言」の中で初めて使われた言葉で、地球上の生態系保全や人への感染症予防のために、人と動物の健康、そして環境の健全性を一体的に捉え、保全していく考え方と定義されています。
そしてこの考え方は、人と動物の間で病気が移行する人獣共通感染症の問題で改めて注目されており、近年の
新型コロナウイルス感染症についても、森林破壊などによる生態系の劣化や人口増加、土地利用の変化、気候変動等によって、人と動物との関係性が崩れたことが原因の一つと言われています。
端的に言えば、生態系の保全は人の健康の維持増進にもつながっていると言え、持続可能な発展のためには、土台となる生物圏を整えることが必要であるとするSDGsのウェディングケーキモデルとも重なる考え方です。
私の所信表明の中でも、「環境共生型都市」や「健幸都市の実現」を掲げており、都市にあっても自然との共生を進め、アメニティの高い都市環境を創出することが、誰もが健康で幸せな日々を過ごせるまちの実現につながるものと考え、まちづくりを進めることとしており、現在策定中の「次期多摩市みどりと環境基本計画」の中でも「ワンヘルス」の考え方を意識して、改定作業を進めていきたいと考えています。
(2)についてお答えします。
連光寺・若葉台里山保全地域のうち、令和2年11月に追加指定されたエリアは、希少な動植物が生息・生育する湿地の集水域に当たり、水源涵養機能を将来にわたって保全する必要があり、東京都が定めた保全計画書により、主に農地及び草地として保全・利活用していく方針が示されました。
これを受け、昨年度、農に関する有識者や本市の農業委員、東京都職員の協力を得て取りまとめた「連光寺・若葉台里山保全地域活用検討報告書」において、多様な主体が関わる農業公園として、環境保全型農業を実施することを基本方針とすることや、農地として利用可能なエリアを数年かけて段階的に拡張していく考え方を整理しており、この報告書をベースに、取り組み内容の検討を進めることとしています。
この保全地域を貴重な自然環境資源として、持続可能な形で次世代につなげていくためには、市民の皆さんがその価値を享受できる仕組みの構築が重要と考えています。
そのため、本エリアの活用に当たっては、農活動などを通じて人の手で自然の恵みの活用と環境保全を両立させる里山本体の取り組みを市民の皆さんが「学び・実践できる場」となるよう、農業公園のあり方検討に加え、コアとなる組織体や人材の育成の観点をもって、様々な試験事業や意見交換を重ねながら進めていきたいと考えています。
(3)の前段についてお答えします。
本市で進める「健幸まちづくり」では、「幸せ」を「自分の価値や存在を肯定できる感情を持って、主体的に行動している状態」と定義しています。
「幸せ」の鍵は、市民の皆さんがご自身の興味関心に気づき、選び、意識し、行動できるかどうかであり、本市としては、状況把握のため、健康寿命や介護認定率、地域における市民活動の状況のほか、市政世論調査における「幸福感」、「食生活」、「運動習慣」、「社会的つながり」に関する市民意識などを、健幸まちづくり関連指標として分析し、検証しています。
「健幸まちづくり」は、市民の健康と幸せの獲得を支援するため、「全部署が健幸まちづくり担当部署」という認識のもと、全庁で取り組みを進めています。
このため「健幸まちづくり」の効果が関連指標の推移と直接結びつくか、分析が難しいところですが、様々な角度から指標を把握することにより、健幸まちづくりの成果・進捗状況の把握につなげることができると考えています。
今後も、様々な調査を活用し、「健幸まちづくり」の的確な状況把握に努めるとともに、その成果を市民の皆さんと共有し、さらに市民の皆さんがご自身の健康と幸せに関心を持ち、自ら健康と幸せを獲得しやすい環境づくりを進めていただけるよう取り組んでいきたいと考えています。
後段についてお答えします。
令和3年3月に策定した「第2期多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、「第五次多摩市総合計画第3期基本計画」に基づく実施計画として位置づけています。戦略では、
新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえながら、基本計画に掲げる政策の中でも優先的に取り組むべき施策や事業を抽出し、その取り組みの達成状況について、毎年度評価、検証をしています。
第2期総合戦略の4つの基本目標の一つに、「まちの魅力を高め、これを発信し、多摩市に関わる人をふやす」を置いており、これに向けた具体的な事業として、「駅周辺拠点地区の活性化」や「まちの魅力を発信」、「広報活動の強化」などを掲げています。特に、「駅周辺拠点地区の活性化」では、駅周辺の施設等の整備を進めるとともに、市民、市民団体、事業者、関係機関等と協力しながら魅力的でにぎわいのあるまちづくりを推進しています。
昨年度実施した評価では、
新型コロナウイルス感染症の影響により、集客や人流に関する指標は目標を大きく下回った一方で、SNSを活用した告知や、テレビ・Webニュースなどを積極的に活用し、戦略的な情報発信に取り組んだ結果、まちの魅力の発信や多摩市のシティセールスに関するインターネット調査において、多摩市への好意率、関心率などの指標の目標を達成することができました。
こうした取り組みを通して、本市の魅力を発信し、市民の皆さんがこのまちに愛着を持って住み続けたいと思うまちづくりを進めていきます。
(4)についてお答えします。
公共施設にはそれぞれに施設の設置目的があり、その目的においても多くの市民の方々に利用していただいていることから、気軽に利用できる通信環境として、公衆無線LANを整備するには、その施設の目的に資するかがポイントとなると考えます。
一方、誰もがスマートフォンを持ち、日常的にインターネットを利用することが当たり前になった現在において、市民から公共施設への公衆無線LANの整備を希望する声があることも認識しています。
本市では、これまでに、災害時の通信手段の確保や、来街者へのおもてなし、観光促進といった目的を持って、公衆無線LANの整備を行ってきました。また、DX推進に当たり、行政手続や決済のオンライン化を推進する中で、利用者の通信環境への配慮としての公衆無線LANの整備も今後の検討のポイントであると認識しています。
公共施設における公衆無線LANの整備に当たっては、これらの状況を踏まえながら検討する必要があると考えます。また、このことに限らず、多くの市民がデジタル化の恩恵を受けられるよう、引き続きDXの取り組みを進めていきます。
(5)についてお答えします。
日本医科大学多摩永山病院については、高度な救急医療を提供する救命救急センターのほか、東京都災害拠点病院、東京都がん診療連携拠点病院、東京都周産期連携病院など、40年以上の長きにわたり地域医療に幅広く貢献をしていただいています。
また、
新型コロナウイルス感染症への対応についても、24時間体制で
新型コロナウイルス感染症の重症者の治療に当たるなど、地域医療の中核的存在として、安心・安全な医療提供に貢献していただいています。
これまで本市では、学校法人日本医科大学からの要請を受け、UR都市機構との土地交換により新病院建設予定地の確保や、同用地の土砂災害特別警戒区域の指定解除などの環境整備に取り組んできましたが、令和3年2月、同法人より、厳しいコロナ禍の状況から、当初の2026年度の新病院開設の努力目標について再考したい旨の文書が提出され、現在、実質的な協議は中断となっている状況です。
同法人との協議の再開について検討していましたが、令和4年6月9日付で同法人から、今般、コロナの状況が落ち着きつつあることから、協議を再開したい旨の文書をいただきました。
支援内容については、様々な観点を踏まえながら、市民、市議会の皆さんと共に検討していきたいと考えています。
次に、5の(1)についてお答えします。
風通しがよく、活気に満ちた職場風土の醸成は重要であることから、これまでも職員と一緒に考えながら様々な取り組みを実践してきました。
お尋ねの職員アンケートについては、市政を取り巻く環境変化とともに、職員の世代交代が大きく進む中で、各職場における職場風土、コンプライアンス、ハラスメント、人財育成に関する意識調査を行い、次年度の研修計画や人事施策の参考とするため、令和元年度から開始したものです。
ご指摘のアンケート回収率については、課題と認識しており、より多くの職員が回答しやすくなるよう、ロゴフォームを積極的に活用して、回収率の向上に努めています。
職場風土改革や人財育成は重要なテーマと考えており、ご提案の外部機関の活用についても、まずはこうした工夫を行いながら、並行して研究を進めていきたいと考えています。
(2)についてお答えします。
パルテノン多摩は、令和3年12月に大規模改修を終え、令和4年3月にリニューアルプレオープンを迎えたところです。大規模改修については、約6年間の歳月をかけて実施し、当初は工事費だけで約80億円かかる見込みでしたが、市議会からの指摘なども受けて精査した結果、工事費以外の基本計画や基本設計、実施設計、施工監理、備品購入、その他専門アドバイザーへの業務委託等の対応にかかる経費を含めた上で、総額約80億2,400万円の事業となりました。
この大規模改修に当たっては、改修後のパルテノン多摩の理念や将来像、運営のあり方等について、市民、市議会、行政、専門家が様々な視点で議論を積み重ね、多摩市立複合文化施設等大規模改修工事基本計画を平成30年8月に策定し、令和2年2月には、改修後の管理運営のあり方を定めた多摩市立複合文化施設管理運営計画を策定しました。令和2年3月には、多摩市立複合文化施設条例を改正し、施設の設置目的等を定めたところです。
これらの経緯を踏まえ、指定管理者がパルテノン多摩を運営するに当たり、市及び市民の期待に応えるための施設の管理基準として、令和2年7月に指定管理者管理基準を整理し、指定管理者の選定を行ったところです。
本年7月の
グランドオープンに当たり、市として、指定管理者の運営に期待することとして、一つは、これまで利用されていない人にも興味を持ってもらえるような事業を実施し、大規模改修によって機能向上したパルテノン多摩を、多様な人々が豊かな文化芸術を鑑賞し、創造する場とすることです。
もう一つは、新たな機能である「こどもひろばOLIVE」や、壁を取り払い開放的になったロビー、リニューアルしたミュージアムなどを生かすことで、パルテノン多摩が多様な人々が集い、交流し、にぎわう「みんなの広場」となることです。コロナ禍により、厳しい条件下での
グランドオープンとなりますが、指定管理者には、これらの期待に応えていただきたいと思っています。
今後、市としては、指定管理者の権限や裁量を最大限尊重しつつ、施設の運営状況を確認し、指定管理基準等と照らし合わせた上で、必要に応じて指示や助言を行い、基本計画で定めた3つの将来像の実現に向けて、指定管理者と共によりよい施設運営に力を尽くしていきたいと考えています。
次に、6についてお答えします。
オランダは世界有数の自転車大国であると認識しています。各種情報誌などの公開情報等によれば、初めから自転車文化が普及していたわけではなく、第2次世界大戦以降、自動車が中心のまちづくりによる交通事故の増加を減らそうという社会運動が起きたことや、石油危機が起きたことなどを受け、国が自転車保護の政策を継続的に進めたことで、現在のような「自転車大国」になったものと受け止めています。
近年の我が国においても、健康志向の高まりやカーボンニュートラルなどへの対策が進められる中で、自転車の利活用も改めて見直されています。
国においても道路法の改正などが行われ、車道部においても自動車と自転車の分離が推奨されるようになってきました。
本市においても、都道では自転車優先帯や自転車道の設置が進められてきており、市道では、自転車ナビマークを設置するなどして、自動車と自転車の分離を進めている道路もあります。
ニュータウン開発で整備された「歩車道分離」という道路構造は、高度経済成長期以降の急速な自動車の増加やバスなどの公共交通機関での移動を中心にしたまちづくりを進めてきたものと捉えることができます。
一方で、「歩車道分離」は、自動車と交錯することなく、歩行者・自転車が安全に通行できる自転車歩行者専用道路となっており、ニュータウンの大きな魅力の一つです。
市制施行50周年を迎え、次の50年という長期的なまちづくりについて、市民の皆さんと議論していく上で、ソフト、ハードの両面から、「自転車」というキーワードは重要な視点の一つになると考えています。
7の(1)と(2)については、教育長からお答えします。
◯議長(いいじま文彦君) 千葉教育長。
(教育長千葉正法君登壇)
◯教育長(千葉正法君) 7の(1)についてお答えします。
1人1台端末環境の教育・学習活動については、指導主事の学校訪問をはじめ、各校のICT推進担当による連絡協議会等を通じて現状を把握しています。また、デジタル教科書の活用に関しては、今年度実施している文部科学省の実証事業における市内学校の実践をもとに、効果的な活用方法について検討・検証をしていく予定です。
今後、デジタル教科書の本格導入に向けては、ご指摘にある紙媒体のよさを踏まえつつ、学習内容や目的等に応じて、デジタルのよさを組み合わせたベストミックスな指導が展開できるよう、検討を重ねてまいります。
(2)についてお答えします。
ご指摘の「いのち中心」の社会の実現に向けた教育につきましては、これまでもESDや各教科等における様々な体験活動において、学校教育全体で展開してまいりました。
市教育委員会では、「いのち中心」の社会の実現に向けた教育を充実させるツールの一つがデジタルであり、ご指摘の「デジタル教育」は、ICTを活用する力など、「2050年の大人」に必要な力を育む教育であると認識しています。
今後は、様々な体験活動の中でICT機器を活用したり、デジタルで得た情報をきっかけとして、体験活動につなげたりするなど、実感を伴った教育の展開が重要であると考えております。
◯13番(岩永ひさか君) 多岐にわたる代表質問、いつもながら皆さんにご丁寧にお答えいただきまして、本当にありがとうございました。
まず、市長には、この4期目のスタートに当たって、改めて初心に立ち返りつつということなのですけれども、やはり継続をしっかりと力に変えていただきたいなと思っていて、何よりもこれから4年後、やはり16年は長過ぎたと言われないように取り組んでいただきたいなと思っています。
今回も代表質問なので、特に気になるところだけピックアップしていこうかなと思っているのですが、まず、この4年間の新しい始まりということでは、市長政策の具現化に取り組むのは行政職員の皆さんだと思うわけなのですけれども、改めて市長が期待すること、求めることについて伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) まず、質問者がおっしゃっているように、選挙は4年に一度行われるものであり、そのたびにリセットされるものでありますが、私自身が描いていること、継続していくことというのは大変重要なことであり、また、継続は力なりという言葉もあるように、しっかりそこは、私自身だけでなく職員の皆さんにも伝えていきたいと思っています。
その上で今、質問者がおっしゃったことに重なることになると思いますが、特に私は今回、市長所信表明でも改めて述べさせていただきましたが、この
新型コロナウイルス感染症の中で大きく世の中が変わってきた。また、本来行政が進めなければならない、例えばデジタルトランスフォーメーションなどについても、さらにその動きを急いで、そしてまた状況に合わせて進めていかなければならないという課題が出てきていると思います。
また一方、気候危機はじめ、私たちを取り巻く地球の大きな環境そのものも待ったなしの状況であります。そうした中でやはり私自身が選挙で掲げた公約もそうですが、既に市政方針の演説、それから、今回の所信表明でも述べているように、これを進めていくにはやはり市民の皆さんとの協力・連携が必要です。
併せて質問者もおっしゃっているように、市議会の皆さんとの連携、これはもう当たり前として進めていかなければなりません。そのためには、職員にぜひ求めていきたいということは、やはりその課題解決のために各所管それぞれいろいろなテーマがあります。例えば健幸まちづくり一つとっても、今、市の中では総合計画の中に健幸まちづくり、それぞれ落とし込められています。
ただ一方で、議員の皆さんからの指摘があるように、この健幸まちづくりをどう市民一人ひとりが、我が事のこととして捉えていくのか。そのためにはその間に関わっている事業者の皆さんと職員が一緒に関わる、それから市民の皆さんと行政職員も関わる。今も進めていますが、大事なことは自治基本条例に書かれてあるように、市民が主人公であり、市民が主役である。市長の役割、議会の役割、行政の役割、そうしたことが自治基本条例もきちんと書き込まれていますので、私自身はいつも自治基本条例にまず原点に立ち返り、この多摩市の自治基本条例に書かれてあること、この理念をきちんと職員一人ひとりが把握し、動いていくこと、これが大切なことだと思っています。
結論から言えばやはり事件は現場で起きますので、きちんと職員自身が机上の空論ではなく、現に起きていることを自分のこととしてきちんと捉えていく、その上で、いろいろな施策を実現化していくということだと思います。それができなければ、やはり健幸まちづくりも絵に描いた餅になってしまいますので、そうしたことについては改めて私もそうですが、職員の皆さんと共にこれをきちんと築き上げていきたいと思います。
やはり今地球、特に気候危機についてはなかなか皮膚感覚で感じられない部分もありますので、こうしたことについては科学的エビデンス含めて、しっかり先を見通す目、力も必要ですので学ぶ力も求められてきます。あらゆるところにアンテナを張り、職員自身も学びながら、市民の皆さんと一緒にその時間と空間を共有して進めていくことが大切だと思っています。
併せてもしかすると後ほど私、聞かれるのかもしれませんけれども、今、質問者が今回指摘されたような、例えば多摩市女と男の平等参画を推進する条例であったり、あるいは多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできる
まちづくり条例であったり、あるいは子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例であったり、職員の皆さんは私が提案することによって、今回も手話言語条例であったり口腔ケアの条例であったり、そうしたことをつくろうとすると、職員に負荷がかかってきます。
ただ、やはり地方自治体、地方政府として私は大事なことは、地方政府としてしっかり国や都道府県が行うことだけでなく、国や都道府県に先駆けて、あるいは国や都道府県が行うことを自分の我が事のようにきちんと捉えていくためにも、こうした条例づくりが必要だと思っています。
条例があることによって、予算の上においてもきちんと根拠が出てきますし、また、たとえ首長が変わろうがしっかりその理念が引き継がれているということにもなってきます。
そういう意味では、一定期間負荷はかかるかもしれませんが、それは課長が仕事をするだけではなく、私はもう本当にしっかり係長やその担当する職員が頑張ってやっていただいていると思っていますし、それぞれの中でワークショップ含め、きちんと丁寧に築き上げてきていただいていると思いますので、先ほど冒頭申し上げた職員に求めること、それはもう既に私自身、職員自身やってきていると思いますし、さらにそうしたところで負荷をかけないよう、人事政策その他についてもしっかり手当てをしながら、新たな条例づくりにも踏み出していきたいなと思っております。
◯13番(岩永ひさか君) ありがとうございます。私が市長からやはり伺いたいなと思ったところもきちんとフォローしていただいたような気がするのですけれども、やはり大事なことって、こういう市長の考え方が議場の中でただやり取りをされるだけではなくて、職員の皆さん一人ひとりにきちんと伝わって、理解されていくことだろうなと思っています。
そうすることによって、やはり市役所全体が強いチームになっていく、そのチームになるという一体感が市民生活をもっとよくする方向になっていく、その力になっていくのだろうなと思っています。
そんな意味では、今お話しになったような方針みたいなものが全職員の皆さんにもきちんと共有されていく必要があるのではないかなと思うのですけれども、今までこれについてはどんなふうに取り組んでこられたのか、これに関しては、事務方トップの副市長に伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 浦野副市長。
(副市長浦野卓男君登壇)
◯副市長(浦野卓男君) 今市長が答弁されました。まず私が思っているのは、やはり底辺にあるのは自治基本条例の前文にある、「市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりにかかわること」、こういったことが前文に書かれています。
12年前、阿部市長が市長に当選された。そのとき私は企画課長だったわけですけれども、そのときの所信表明を思い出しますと、そこには市民主権であるとか市民が主役、また、そうなるにはやはり市民も学習する必要があるということも所信表明には書かれていました。
お尋ねの件につきましては、市長の方針としてはやはり公約を掲げて選挙で多くの市民の支持を得て、市長になったわけですから、公約を候補者の公約から行政計画に落としていくということでは、今後策定していく総合計画というものがありますし、総合計画を頂点に各分野別の計画、また個別計画というものがあります。また、例年の施政方針や4年ごとの所信表明、予算編成方針などというものはあります。
これらの方針をどのように共有するかということですけれども、これらの方針等はまず市長の考えを踏まえながらも、まず市の方針でもありますので、策定や作成する段階で全庁的に意見を求めながらつくりますので、まずは策定、作成段階から共有されます。また方針等が確定してからは、文書で通知する以外に、部課長を集めて直接伝えたり、メルマガや動画、また、たま広報の視聴などから、市長自身の言葉でも伝えています。また、定例の経営会議など部課長を通じた形で、それぞれが我が事として理解できるように様々な場面で伝え、共有しているというところでございます。
◯13番(岩永ひさか君) 今、大変丁寧にお答えをいただいてありがたかったのですけれども、まさか皆さん方の中から、いや実はいろいろやっているのだけれども、市長の方針は職員の皆さん一人ひとりにきちんと腑に落ちて理解されるのは難しいのですよと、共有するのは難しいのですよというお答えってなかなかいただけないなと思うのですけれども、私はやはり共有するって言葉で言うほど簡単ではないし、きちんとその形としてフロー図を書いたところで、本当にそのことが職員の皆さんに届くのだろうかということについては、少し疑問もあるところがあると今は言っておきたいと思います。
実は後の5の質問にも関わって、職員の意識アンケートの質問に関わるところなのですけれども、あるほかの市で行政診断というものをやっていて、外部機関を利用しているのですけれども、職員のうち90%の意識調査がありました。
ここの中には、行政として対応すべき課題の優先順位づけに関する市長の方針は明確で、所属係の中で共有されていますかという質問なのですけれども、これについて実は4割の方がされてないという方向で回答しているわけです。
そもそも、私は庁内のアンケートにこうした設問自体を載せるのが難しそうだなと思ったこともあって、そういう意味では第三者の力を借りて、その組織を客観的に診断をしていくような姿勢というのは大事なのかなと思ったというのは今この場では伝えておきたいと思います。
さらにこの行政診断のアンケートでは、何で市長の方針が共有されないのかというところについては、実は、自分の業務が忙しくて追われているから、市長の方針に関心持つ余裕がないと答えている人が50%近くいるわけです。これは一体多摩市はどうですかというところをきちんとエビデンスとして把握をしていく、こうしたことが庁内のアンケートでもできたらいいかなと思うのですけれども、いかんせん先ほど申し上げたとおり、そしてまた、資料でも出していただいたのですけれども、この外部を利用したアンケートというのは、職員からの回答率というのは90%を超えているのです。
それに比べると、多摩市で今ずっとやっているその庁内のアンケートというのは回答率の意味でもなかなか振るわないなというものがありましたので、そういう意味で、第三者機関を利用することによって、もう少し違った角度から職員の皆さんの本音を聞き出すことができたら、それは結構有効なのではないかなということで提案をしたということで、今日は受け止めていただけたらと思っています。
それから、1の質問のところで、国とか東京都にも法規があるのに、何でわざわざあえて多摩市として、まちづくりの基本理念を条例化するのかという点については、先ほど市長にもお答えいただいたと思うのですけれども、まさにその市長のお考えがきちんとこの庁舎の皆さん、仕事をする職員の皆さんに伝わってこそ、はっきり言って仕事ふえるのも嫌だし、面倒くさいこととか、何でこんなことやらなければいけないのだろう、もう法律が既にあるわけだから、国や東京都に任せてもいいではないか。
そうやって片づけることもできるのだけれども、そうではないのだというその市長の思いは、やはり職員の皆さん一人ひとりが受け止めるのがとても大事なのかなと思っておりますので、こうしたことを組織全体としてしっかりと浸透させていくというか、そのご努力を続けてもらいたいなと思っています。
では、質問の2のほうにいきたいのですけれども、先日、あらたに議員も地域担当職員が大事だとおっしゃっていました。机上の空論ではなくやってほしいと思っているのですけれども、それがこれからの地域づくりの要になるとしたら、例えばその職員の役割とか権限、あるいは組織の中での位置づけや配置のあり方、どんなふうになっていくのでしょうか。今の議論の到達点について伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 田島市民自治推進担当部長。
(市民自治推進担当部長田島元君登壇)
◯市民自治推進担当部長(田島元君) 今いただいた地域担当職員です。今、検討中でございますけれども、その職員の役割、権限、位置づけ等についてでございます。
今内部で検討している、また、自治推進委員会からも意見をいただいているところですけれども、こちらの職員については、導入に当たって大きく2層で今検討しております。
本来の業務を持っている中で、地域担当職員としての業務も果たしていただくという併任の職員と、あと本来の業務自体が地域担当という専任職員、今2層で考えてございます。
併任については、例えば若手職員や今市外に在住している職員は3割しかいないということになっていますので、そういった市外に住んでいる職員等に、地域の実情を把握したり、また、そういったコミュニケーション、ファシリテーション能力を市民の方との関係づくりの中で育成してもらうといった、今(仮称)エリアサポーターという言い方をしていますけれども、そういうサポーター的に入ってもらう職と、あと地域に既に出ている、地域の施設で働いている職員、例えば児童館の館長等が当たるかと思っていますけれども、そういった職員についてはいわゆるその専任職員を補佐していただくような職として併任職員で入ってもらおうと思っています。
一番重要なのが専任職員になりますが、専任職員については第一答弁でもお答えしたかと思いますけれども、市民、地域と行政がこれからも連携・協働しながら、特に地域にある課題、また地域の様々な資源を活用して課題解決を図っていくような、そういった市民主体の活動の応援、また、コーディネートするようなことが一番の役割と考えていますので、そういった地域の中の活動を支える、支援したりですとか様々な主体間をマッチングさせたり、特に今回の横のつながりと同時に多世代がつながる、多世代共生型のコミュニティをつくっていきたいと思っていますので、多世代がつながるような場や機会をつくっていくという、これをつなぐと言っています。
また、先ほどもありましたが、様々な担い手不足という課題がありますので、新たにこういった地域の中で活動を始めたいという人材を地域の中で発掘をしていくという、この支えるとつなぐと掘り起こす。これが具体的な業務として地域担当職員、特に専任職員の職務として今考えているところでございます。
◯13番(岩永ひさか君) 何かすごい一生懸命お答えいただいた割には何かよくわからなかったのですけれども、複雑なのだなということだけはよく理解ができました。
私、一番心配しているのは、何か地域を応援するために配置をした職員だったはずが、何か単なる自分の担当したエリアの御用聞きとか、苦情取り次ぐだけの役にならないようにやはり留意して、設計してほしいと思っているし、併任という形で児童館職員との兼務みたいな今ニュアンスのお答えもいただいたのですけれども、今でももう児童館職員はいっぱいいっぱいなので、これ以上業務をふやすことに対してはいかがなものかなというふうにも思うし、あとこの人が今その役割を持って庁内に戻ったときに、どんな権限があるのですかと。そこが一番重要かなと思っていて、何かかえって職員とか、どんなふうに組織を位置づけるのかまだよく説明いただいてないのですけれども、何か屋上屋みたいになってしまったら、かえって手足が重た過ぎて動きづらいのではないかなと思っているのですが、ぜひその辺りを注意していただきたいと思っているのですけれども、もう一度確認したいと思います。
◯市民自治推進担当部長(田島元君) 今いただいたように、確かに庁内との連携ということが特に今置こうとしている専任職員の、もう一つの必要な職務内容と思っております。
今はどうしてもその地域の課題ですとか、いわゆる地域に出ている施設の職員等が地域の課題等を受け止めて、それを庁内に伝えていくような、そういった業務についても今、実は地域の児童館の館長等にやっていただいております。
そういったことを解消していくためにも、今回この専任職員を置くことによって庁内の連携、庁内は基本的には行政分野ごとの縦割り組織ですから、そのエリアという横の課題を縦の組織につないでいくと。そういったことについては今回ここで置きたいと思っている専任職員の地域担当職員、そちらの職員の業務内容の一番大きな重要なところにしていきたいと思っております。
◯13番(岩永ひさか君) これ以上深掘りしないのですけれども、わかったようなわかっていないような感じですということだけお伝えしておきたいと思います。
先ほど答弁の中に、正解のない時代ということがあったと思うのですけれども、この言葉って結構便利で捉え方によれば失敗もなければ成功もないという言葉かもしれないです。そういう意味では、この目的というのは継続できるよりよいコミュニティをつくるということですので、何か少しうまくいかないなと、机上の空論だったなということとかがあれば、地域担当職員はさっと引き揚げて、次の方向を探るぐらいの意気込みでやってほしいなと思ってこれは要望しておきます。
あと、いろいろと対話と熟議ということについても市長に先ほどもお答えいただいたし、先ほど前段の通告に対する答弁でも、実践してきたことを様々挙げていただいたのですけれども、対話とかあるいは熟議とか、そしてまた市民参加というのは、やはり手段でしかなくて目的ではないと思うのです。
何となく対話をやっていれば何かやった感になって、それで終わってしまうということも往々としてあるし、あったのではないかなと思うし、対話ばっかりやってきても結論が全然見えなくて、何となくそこの到達点を結論とするということができるのですけれども、後に残ったのは疲労とストレスみたいな、そんなふうにならないようにきちんとやっていきたいなと思っているのですが、私はこの対話と熟議ということについてはとても大切なことだなと思っているのですけれども、そもそもこのよりよい対話とか熟議の場づくりということについては、必要な環境や条件もあるのかなと私は考えているのですが、その点については、市長はどんなふうに考えているのか伺いたいと思います。
◯市民自治推進担当部長(田島元君) 市長ということですが、私のほうからお答えします。
先ほども市長からもありましたが、これまで対話と熟議というものをすごく大切に、行政運営をしてきました。対話と熟議、特に対話の部分について、対比する言葉としては、私としては説明や説得かなと思っています。対話を通して、特に先ほどもありましたが、意思形成過程を市民の皆さんと共有していく。ここはすごく対話をしていくという意味では重要かなと思っています。
どうしてこういうことをやらなければいけないのかですとか、どういったビジョンを持ってこういった対話をしているのかといった意思をこれから決定していく以前の段階で、そういった市民の方と共有していく。
その前提には、様々な行政が持っている情報の共有というものがあろうかと思いますけれども、そういった過程を通じて決定していったことについては、その後、市民の方もこういった関わったことによって、いわゆるそういった課題や今後の将来のビジョンを自分事として捉えるということができるのではないかと思っておりますので、こういった対応と熟議、一番必要なものはこういった意思形成過程を共有して、そういったこと自体が、決まったことがこれから対話と熟議を通じて、次はそういったものを市民の皆さんで協働して実施をしていくという段階に入ってきますので、そういったことについては、この対話と熟議についてが前提となるので一番必要なことかなと思っております。
場づくりという意味では、様々対話と熟議をつくっていくという意味の場については、いろいろなやり方があろうかと思っています。こういった多様な主体の中でまちづくりを考えていく、そういった場というのは今地域協創の中でも、どういったやり方があるかというのを今検討しているところでございますので、いわゆる分野横断的な個々の分野にとらわれないような、様々な横断的な課題をこれから解決していくという意味では、個別の分野の単位で場をつくったりするよりも、今、やろうとしているエリアの中で、より広いところで場をつくっていくということが、今後は必要になってくるかなと思っております。
◯13番(岩永ひさか君) 対話には説明や説得みたいなこと、その過程をきちんとつくっていくことが大事だというお話があったり、これからはその対話をやるために、地域単位を大事にしていきたいみたいなお話だったのかなと一応受け止めておくのですけれども、私は対話と熟議に一番必要なのは、きちんとスキルのあるファシリテーターを置いておくことだと思っています。
議論をいたずらに左右して、自分たちの思っている方向に持っていくということではないのですけれども、でもファシリテーターの力量によって、すごく議論、最終的な結果の質というのが左右されるなと、私はいろいろなワークショップなんかにも参加をしながら自分自身も経験をしております。
そういう意味では、その人材にきちんとこだわって配置をしていく、やはりそういう人がもし庁内にいないのだったら外部の人材を登用するということも必要だし、ずっと外部の人材を登用し続けるわけにもいかないから、この中でそういう技術を持った人をきちんと育てていくということにも、きちんと目配りをしてほしいなということを要望しておきたいと思っています。
それから、私、場の設定ということで申し上げたいのですけれども、昔、市長も市民自治基本条例をつくる会に参加をされていたと思うのですが、私、あれ、すごい新しいなと思って、自分もすごい若くて参加してびっくりしたのですけれども、市民と行政と、あと議員の方もいらっしゃって、それぞれの皆さんが本当に自分の肩書なく対等な立場でディスカッションをしていたのです。
私はそういう場、すごい活気もあって、ただ目的はいろいろな考え方があるのだけれども、一つだけ、いい条例つくりたいということだけだったのです。何かあの雰囲気というのが、もしかしたら当時、自治基本条例、20年ぐらい前のときはまだまだ世の中に受け入れられなかったのですけれども、これから市長が目指していくようなニューノーマルな時代を考えたときには、こういうやり方も一つの選択肢になるし、新しい時代の民主主義のデザインみたいなことにもつながっていくのかなと思ったりもするのですけれども、それについては、市長も市民自治基本条例をつくる会に参加をされていたので、ご自身の過去の経験とかも踏まえてお答えいただけたらと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) 私も一市民のときに、岩永議員も一市民で、お互いすごい若かったですよね。本当にあのときの熱気はすごいものがありました。
市民の中で、市民自治基本条例をつくる会、大津山さんという方が会長であり、その大津山さんが、当時の渡辺幸子市長との間でパートナーシップ協定を交わし、そして、市民と行政が一緒につくっていく。そのときに市民側のチームと行政職員側のチームがつくられ、議論しながら、一緒に議論をし、時にはチームが分かれ、それぞれ専門的な議論をしながら次の会合では持ち寄って話をする。そのテーブルでは、職員も市民も本当に対等に議論をしてきたと思います。一番盛り上がったのは、ニセコ町長の逢坂さんを招いて市民討論を行ったときには、本当に熱い議論が交わされたと思います。
その後、実は渡辺幸子市長が引き取ったときに、行政としては、団体自治を大切にしていくということで、実は私や岩永さんを含め市民側と激しくぶつかりました。その間に議会が入られたわけです。
市民のほうからすると、議会を間に入れる。だから、この話をすると先ほどの岩永さんご自身にも跳ね返ってくるのですけれども、議会と話をする以前に、パートナーシップ協定を交わしたのは市民と行政ですよねと。議会に委ねるのではなく、市がしっかりと市民に応えるべきである。これを当時の岩永さんや私たちは言っていたと思います。
その後、岩永さんは市議会議員になられたので、言ってみればそこの間にある議会をどうしていくのかということになり、私は市長にということでありますから、市長も団体自治だけでなく、私はこの12年間の中できちんと行政として責任を持って、これを市民の皆さんと連携するだけでなく、やはり市民の皆さんと一緒につくるということを基本理念としてきましたので、そういう意味では、当時の興奮とともにあのプロセス、つくってきた過程を知る人間として、きちんとこれを次の世代につなげていくということも大事だなと。また、職員にもそのことを伝えながら、こうした仕組みをこれから先いろいろな場面で応用していきたいなと思います。
◯13番(岩永ひさか君) 本当にニューノーマルな時代と市長もおっしゃるから、それはどんな形なのかなということを自分も考えたりして、今みたいな市民も行政も、あと議員も含めて肩書1回外して、対等に議論するというのはなかなか難しいことなのですけれども、でも、やれたらいいなと私は思っています。
あと、例えば子どもの参加もそうなのですけれども、子どもたちだけで集めて意見を聞くとかではなくて、今、大人がやっている場に子どもが参加するということによって、大人だけだと何かどうしても議論が現状維持になりがちだと思うのです。でも子どもが入ることによってすごく議論が未来志向に変わっていく可能性もあるのかなと思うので、それこそ正解がない時代ですから、いろいろなことにチャレンジをしながら市民自治を豊かにしていってほしいということをこの場では述べておきたいと思います。
それから、次、環境のほう、時間がないので急いでそちらのほうに進みたいなと思っているのですけれども、SDGsのウェディングケーキモデルとか、あるいはワンヘルスとか横文字を出して大変申しわけないのですけれども、すごく内容も理解いただいて、方向性についてはその流れで一致しているということで、さらに応援をしていきたいと思っているのですけれども、農業公園のところで大きな考え方はわかったのですけれども、今年度中に基本構想を策定するということなのですが、どんな手法で取り組んでいくのかということと、それからもう一つは、環境部がこの環境保全型農業に取り組む意義についてお答えをいただきたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 小柳環境部長。
(環境部長小柳一成君登壇)
◯環境部長(小柳一成君) 昨年度の活用検討会では、土地の活用や事業の可能性、担い手の可能性や運営体制、契約の形態、取り組みの進め方など様々な観点で検討を重ねていただきまして、報告書をまとめていただいてございます。
この報告書をもとに、今年度は土地の開墾エリアを段階的に広げつつ、担い手の人材探しの視点を持って試験事業を進めているところです。当該地は保全地域でございますので、環境の保全が最優先でございます。
現在進めています試験事業を重ねる中で、当該地で作付可能な作物や栽培可能な面積、収穫量の想定などが見えてくると考えていまして、それができて初めて事業の内容や規模、担い手、実現方法などが当該地で行う農業公園の仕組みや骨組みというものの検討が可能になってくると思います。
いずれにしましても、保全地域内を農業公園として活用することは、一つのチャレンジと思っていますので、構想づくりにおいても市や東京都、専門家、環境団体、試験事業にご参加いただいている市民の皆さんと共に、多くの方と意見交換を重ねながら進めていきたいと思っているところでございます。
次に、環境部でその保全型農業に取り組むことの意義というご質問でございますけれども、今回のエリアは、保全地域内の希少な動植物を育成する湿地の集水域にございまして、水源涵養機能を持続的に保って、その保つための手段として、農的活用を検討しているところでございます。
このことについては、昨年度の検討会の中でも、大前提として検討いただいていまして、その中で、一つの選択肢として、有機農法に特化した市民農園の事業の研究などもしていただいて、様々な環境配慮型の手法の導入を検討いただいたところでございます。
また、有機農業だけをとっても、様々なやり方、考え方があると思いますので、その担い手となっていただく方が希望する環境保全型農業の手法ですとか、それの湿地への水源涵養機能の影響については、十分な検証が必要と思っています。
本事業は、保全地域内で行う農的活用であることから、まずは保全地域内そのものの価値、重要性を市民の皆さんと共有をすると。その環境を次世代につなげていくことが重要と思っています。また、その農的活用手法についても単に農業、農法の体験の場ということではなくて、安心・安全な作物の栽培、収穫方法を学んでいただいて、環境配慮型で取り組むことがそこに住む動植物にも健康的であること、食の地産地消はCO2削減につながること、里山活動は生物多様性に貢献することなど、先ほど申し上げましたSDGsやワンヘルスということを学び、実践できる場とすること、そのことがここに関わっていただく市民の意識、行動を環境保全型へとシフトチェンジをすると、そのことが環境部で取り組んでいくことの意義と思ってございます。
◯13番(岩永ひさか君) ご丁寧にお答えいただいてありがとうございます。
私、少し思うのは公園ということになると、一般的には例えば公園の基本構想をつくりますよというと、すごくオープンに誰でも参加してくださいみたいになると思うのです。でもここの公園は、そことは全然性格が違うということをまずはきちんと市民とも共有していく必要があるのかなと思っています。
そういう意味では先ほど環境保全型農業ということでも、いろいろお答えいただいて、ご説明いただいたのですけれども、やはりこの気候非常事態宣言の特徴でもある、この生物多様性にとことんこだわり抜く公園というのはどういうものなのかみたいな、そんなこともぜひこの構想づくりの中で議論していただきたいのです。
例えば全てのエリア、いつも開放して誰でも入れる場所にするとか、そんなこともやはりこれからのニューノーマルな時代、環境の量だけではなくて質も問われる時代に入った公園利用のあり方、緑活用ってどうあるべきかと、そういうことも併せ持った上でこの農業公園を位置づけるということをぜひ頭に置いて、今年度中に基本構想を策定すると伺っておりますけれども、いろいろ実験もやっているところだと思うので、ぜひその期限、日程はあってもそこにこだわって急ぐことなく、着実にこのニューノーマル時代を意識して取り組んでいただきたいということをこの場では申し上げておきたいと思います。
それから、環境行政といったらやはり浦野副市長なので、最後ですから聞かずにはいられないのですけれども、私は先ほど言ったみたいに、これから質にこだわらなければいけないニューノーマルな時代にあっては、こうした環境行政にも、もっと専門性のある職員の配置や育成が必要かなと思っているので、そのことに対して、これまでのご経験を踏まえてぜひお考えを伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 浦野副市長。
(副市長浦野卓男君登壇)
◯副市長(浦野卓男君) 職員の専門性、特に環境行政の専門性というところで、総務を担当する私のほうから答弁をさせていただきます。
まず、市の職員配置の考え方でございますけれども、基本はゼネラリスト配置を基本としつつ、業務の高度化や多様化に対応した高い知識や技能を持つスペシャリストを配置する複線型配置を導入するというのが、現状の市の考え方でございます。その上で環境部長のOBという経験も含めて、私の考えでございますけれども、他の分野も同様ですけれども、やはり専門性というのは必要で、専門家を育てていくということも重要だと思っています。
そのため職員の採用に当たっては、社会人経験者を含めて専門性を有する職員も採用していますし、また、専門職の任期付職員の採用、また、過去にはIT参与といった事例もございます。
ただ、環境の分野というのはやはり非常に幅が広いですので、これを専門性を持った職員でそろえると、環境研究所みたいな、そういったものになってしまいますので、やはり職員に求める専門性と外に求める専門性両方で対応する必要があると考えてございます。
市民の中にも専門家はいるでしょうし、元専門家という方もいるでしょう。また、民間の専門性を活用するという手法もございます。市内には特色を持った大学もあります。私が企画政策部長時代、無理を言ってというか、公民連携係という組織をつくりました。よく自助、共助、互助、公助って答弁にもありましたけれども、私は民の力、自分が勝手に名づけたのですけれども、民助という民の力、民助というのも私は行政運営に必要だと思っています。
自前の職員がいなければ民間から持ってくると。職員には深い全ての専門性はなくても、様々な考え方や手法、そういった情報を収集して取捨選択できる能力、総合マネジメント能力が必要ではないかと思ってございます。
環境分野、なかなかこれが正解というものもありません。
先ほどの農業公園の話で言うと、あそこは水源涵養機能ということを言っていますけれども、最近の言葉で土中環境というものがあって、こういう本も出ています。この土中環境が悪化すると松枯れやナラ枯れが起きると。その害虫の発生が真の原因ではないと言っています。
これは現在の土木技術とは対極にあるような考え方なのですけれども、顕微鏡で土壌を見ると多くの生物が見られます。私もグリーンボランティア講座で、そういう顕微鏡で見たことがございますけれども、やはり職員の専門性というのも重要ですけれども、専門家の力を借りながら、多摩市の環境、地球の環境を保全創出していくことが重要だと思ってございます。
◯13番(岩永ひさか君) おそらく職員にすごく深い知識や専門性がなかったとしても、やはりいろいろな人から学ぶ。先ほど市長も冒頭で学ぶと、アンテナを高くするということがあったなと思っているのですけれども、今の副市長のお答えを聞いて私が一番よくわかるのは、副市長はすごい勉強家なのです。自分が就いた業務について、ただ単に事務作業しているだけではなくて、それについて自分もなかなか専門家には追いつかないかもしれないけれども、そこに近づけるぐらい一生懸命勉強していく。そういう姿勢はすごく大事だなと思うし、そういう姿勢を職員が見せるから市民も応援するのだと私は思っているし、それこそが市民と一緒につくっていくまちの中では欠かせないのではないかなと思っています。
農業公園に関わっておられる職員の皆さん、今すごく一生懸命やっているというお声も、評価も聞こえてきていますので、これから頑張っていただきたいなと思っているのですけれども、今、副市長から述べていただいたことなんかもしっかりと受け止めて、ぜひ今の副市長がこれまでこの中で築き上げてきた環境行政なり、あるいは職員としてのスキル、そうしたものを皆さんにぜひ継承していただきたいということをこの場では申し上げておきたいと思います。
それから時間がないので、パルテノン多摩のほうに行きたいのですけれども、皆さんにもぜひ私の資料要求2)をご覧いただきたいと思います。
グランドオープンを迎えるのですけれども、残念ながらチケットの売れ行きが厳しいなと。今日はこの場でそのことを皆さんと共有したいと思うことと、それからもう一つは、何か少し市民のワークショップや議会とかでも、市民参画や市民の居場所という意見がとても強くあったはずなのですけれども、それがどこに行ったのかなと私は今の状況を見ていて思っているのですけれども、所管にお尋ねしたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 須田くらしと文化部長。
(くらしと文化部長須田雄次郎君登壇)
◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) まず、チケットの関係についてです。資料でお示ししたとおりでございますけれども、一般に、他市のホールの関係でも、大きな改修をしてしばらく休館が続いた後に再オープンした場合には、なかなかチケットの売行き、要はお客様が戻ってくるというところまでは、少し時間がかかるといったようなことは伺ってございます。
そういう意味では、集客あるいは販売、そういったことにもさらに力を入れていく必要があるというふうには思ってございます。
それから、もう一つ、市民の参画といったところでございます。お話のとおり、先ほど市長の答弁でも申し上げたとおり、パルテノン多摩、みんなの広場ということでふだん使いができるといったようなこと、こういったコンセプトで基本計画等を整理をしていただいてございます。
そういう意味では、市民の方が気軽に来られる、それはすなわち運営にも一定関わってくるといったこと、こういう仕掛けというのはやはり大事だろうと思っております。
今、大きく市民学芸員というものと、それから市民サポーター、こういった方々を休館中にも養成をするということで、講座等を実施してございます。実際、プレオープンの初日のところでは、市民学芸員や市民サポーターにミュージアムや貸し館等の案内を行っていただいたといったようなことなどもございます。
また、既に市民学芸員の関係については、市民学芸員が企画した講座なども今実施しつつあるというところで、広報などでもご案内するような手はずになっております。それから、市制施行50周年の記念の展示については、市民学芸員が本格的に活躍する場ということで予定をしているというところでございます。
一方の市民サポーターについては、募集をしたというところはございますが、大規模改修のときのワークショップなんかに参画していただいた方や、あるいは実際に募集に応じていただいた、これまであまり関わりがなかったけれどもということで、手を挙げていただいている方もいらっしゃいます。ただ、まだ実際に活躍していただく場というのがこれからということでございますので、今後に譲られるということでご理解いただけたらなと思います。
実際に今後リニューアル企画の中では、その市民サポーター以外でも市民団体がその企画の中で合唱で参加するだとか、そんなことも今予定をしているということでございます。今後、市民サポーターあるいは市民学芸員のスキルアップに向けての機会をつくっていただくということで、共同事業体のほうには期待をしているところでございます。
いずれにしましても、まだまだ始まったばかりということでございます。これから30年、50年を見据えながらの取り組みということでもありますので、まず、じっくり足腰を鍛えていくということが大事だろうと思っております。
熱しやすく冷めやすいということもございますけれども、そうではなくて、体の芯から温まるようなじっくりとした取り組みというのも一方では必要だと思っておりますので、ぜひ長い目で育てていただくという視点も含めて、見守っていただけるとありがたいと思います。私どもの所管として、しっかりとここについては対応していくということで改めて申し上げたいと思います。
◯13番(岩永ひさか君) 長い目でということですので、私も温かくエールを送りたいと思っているのですけれども、先ほどDXのところで、市民から公共施設への公共無線LANの整備を希望する声があったということをお答えいただいたのですけれども、もともと例えばパルテノン多摩の2階のエントランスの改修ポイントというのは、いろいろな目的で訪れる人が出会って、居場所をつくって相互交流を育む場でなければいけないわけなのです。
何か企画をして、企画されないと人が行かないとかそういうことではなくて、いつでもそこに行けるような環境をつくってほしいと思うわけです。そういうことからすると、あそこにWi-Fiが通っていないというのは、人を何か呼び込むために、市民に来て来てというためには非常にマイナスだなと思っているのですけれども、その点についてはどんなふうにお考えか、確認したいと思います。
◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) パルテノン多摩の中のWi-Fiについては、たしか3月でしょうか、あらたに議員からも一般質問の中で触れていただいていたかと思っておりますけれども、4階の貸し室での対応、これについては今共同事業体のほうで貸し出しをするといったようなことで対応するというふうには聞いております。また、2階につきましてはこれからになりますけれども、7月、
グランドオープンというところを目指して、Wi-Fiの無線LANが活用できるようにということで、今、進める方向で考えているということで確認をしてございます。
◯13番(岩永ひさか君) ぜひ本格オープンを心待ちにするのですけれども、本当にチケット完売ではないのだと思って少しびっくりしました。
改修したけれども、にぎわっているのは4階のこどもひろばOLIVEだけと言われないでほしいなと思っているし、みんなの文化芸術条例をどれだけ意識しているのかなと、私もこれから注目をしていこうと思っています。改めて決算なんかでも取り上げていきたいと思います。
最後、教育のところで確認したいと思います。
DXということで押し寄せていて、それなりの取り組みをしていかなければいけないのだなと私も理解はするのですが、今回私が言いたいのはデジタル一辺倒にしないでほしいということなのです。目が悪くなるとか姿勢が悪くなるとか、そういう健康の問題もこれまで指摘してきたのですけれども、もう一つ、私、デジタル脳ということについても、きちんと教育委員会として意識すべきではないかなと思っているのですが、教育長の見解をお伺いしたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 細谷教育部参事。
(教育部参事細谷俊太郎君登壇)
◯教育部参事(細谷俊太郎君) 教育長にということでありましたが、私のほうからご答弁させていただきます。
デジタル脳というところで、こちらについては教育委員会でも確認をさせていただいているところですが、ICT機器の活用等デジタル教育が進む中で、人や生き物、それから、自然と触れ合うというような、そこから学ぶ体験学習というものはますます重要になってくると考えているところです。
仮想現実が提示する世界を理解する、そのようなことの基盤となるのは実体験であると考えておりまして、デジタルと実体験のバランスを取ったベストミックスな教育、その実現が今後目指していく方向ではないかと考えているところです。
◯13番(岩永ひさか君) 先ほどからもベストミックスとお答えいただいているのですけれども、私はこのデジタル脳ということについて自分は問題を感じて、課題も感じているのですよ。教育長はいかがですか。
◯議長(いいじま文彦君) 千葉教育長。
(教育長千葉正法君登壇)
◯教育長(千葉正法君) デジタル脳というお話でしたけれども、私もこれまで学校教育に携わる中で、例えば過去にはキレやすい子ども、それから、ゲームについて、家庭の中で問題になる子どもたち、そういった子どもたちと接する場面もありました。
実際にいわゆるそのデジタル脳、人間関係や社会生活、また自己実現、こういったものにSNSやビデオゲーム、こういったものから悪影響を及ぼしてしまう。そういったことに課題があると認識をしているところでございます。
実際に学校教育では、こういったことに対して様々対応を進めているところでございますけれども、例えば多摩市においては、これまでも人と人との交流であるとか健康ということについては、多摩市においては特に重要なことと捉えて教育内容にも組み入れてきているところでございます。
実際にこれからもそういった点を踏まえながら、リテラシーの教育も含めて、しっかりと対応していきたいと考えてございます。
◯13番(岩永ひさか君) ありがとうございました。
このことについて、おそらくあまりデジタル脳が大変ですよということで、驚かすことは不必要かなと思っているのですけれども、やはりそういう問題があるということを学校現場の皆さんとも共有をしながら、先ほどおっしゃっていただいたような実体験を大事にしていくということに、より力を入れていく。そうしたところに多摩市がこれまでやってきたESD教育の、それこそ真価が問われていくのではないかなと思っておりますので、本当これからニューノーマルな時代を生きる子どもたち、とても大変だなと思っているのですけれども、やっていかなければいけないことですので、しっかり取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
最後になりますけれども、今いろいろなやり取りも含めながら市長、聞いていただいたと思うのですけれども、ぜひやはり4年後、16年は長過ぎたと言われると私も市長、選挙で応援した身としてはとても悔しいですので、そのように言われないようにしっかり緊張感を持って、これからの市政運営に取り組んでいただきたいということを強く要望いたしまして、私からの代表質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
◯議長(いいじま文彦君) 岩永ひさか議員の代表質問は終わりました。
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◯議長(いいじま文彦君) 次に、ネット・社民の会を代表して、岩崎みなこ議員の発言を許します。
3番岩崎みなこ議員。
(3番岩崎みなこ君質問席着席)
◯3番(岩崎みなこ君) 岩崎みなこです。ネット・社民の会を代表しまして、代表質問をさせていただきます。
4月の市長選挙で、多摩市民は4期目となる阿部市長を再任しました。ついては、「緊迫する世界情勢」や「コロナ禍3年目」の中にありつつ、私たちの足元にある、まちの市長として、この4年間、1年1年をどう臨むのか。果たしてベクトルはどちらを向いているのか、ネット・社民の会を代表し、新たに4期目となる阿部市長の所信表明に対し確認させていただくとともに、質すべきと思う箇所を指摘させていただきます。
1 常に多くの市民が、安心した、暮らしやすい多摩市であることを切望していると思いますが、一方で同じ人が長くリーダーにいることへの不安や懸念もあると感じているように思います。
市長はこの3期12年間において、ご自分が初当選されたときのような、多摩市に新しい風を吹かせる必要性を感じたことはなかったのかお聞きします。また、所信表明で、「改めて初心に立ち返り」とあります。3期12年の間に慣れてしまい、初心を忘れることがあったのか伺います。
2 私たちの会派は、足腰の強い市民自治を支えられる組織のための職員の人材育成の重要性については、事あるごとに指摘してきましたが、この所信表明でも国や都との人事交流について言われています。このことは、副市長や政策監のようなお立場の方に来ていただくことを意味しているのでしょうか。
3 コロナ禍であるとともに、高齢化が進む多摩市ですが、
日本医科大学多摩永山病院の移転、建替えについて市として支援すると表明しています。しかし、できること、できないことはあるはずです。また、以前も病院からの要望はあったと思います。市としてどのような支援をお考えなのでしょうか。
4 昨年11月、本市の理念を表す
ブランドビジョン「くらしに、いつもNEWを。」を発表したとありますが、半年ほどたちました。しかし、どのようなイメージを市が描いているのか、市民が描けばいいのかいまだわかりません。具体的に教えていただけますでしょうか。
5 これが、「くらしに、いつもNEWを。」につながるかわかりませんが、暮らしに直結しているという点でトイレの存在は欠かせません。それこそNEW、新しい視点で考えるべきです。その一つが、荷物をかけるフックの高さを少し低めにできないか、また、前にもお伝えしましたが、内開きを外開きにする必要性についてです。今ではドアの前に立つ人もいないので、外に開く危険性はないのです。他方、高齢化の今何かあったら助けてあげられる、優しい安心したまちのトイレであるために外開きは重要です。ご見解をお聞きします。
ここから幾つか環境についてお聞きします。
6 「改めて団地やマンションなどに再生可能エネルギーを導入するための検討を進め」とあります。多摩市は集合住宅が多いため大いに期待しますが、道筋、具体策をお聞きします。
7 初心と言えば、市長は1期目の所信表明ですばらしいことを表明されています。「循環型環境政策への取り組みとしては、部や課を超えた連携により生物多様性に配慮した水・みどり保全、農業振興、地産地消の学校給食、自然エネルギーの活用など、『食と命の循環が見える』横断的な環境政策を展開します」とありました。今回は所信表明では、「農業公園づくりを通して水とみどりの保全の実践を積み重ねる」としています。似ていますが、違います。整理したいので農業公園の所管を教えてください。水とみどりの保全とは、生物多様性のことでしょうか。また、この担当所管をお聞きします。
8 今年度から、小学校全校プール指導を屋内民間プール等に切り替えました。そのことについて、これは子どもたちの健康への配慮であり、気候変動への適応策であり、子どもたちの未来を守るため「環境共生型都市」を目指しているとしています。しかし、よくわからないのでお聞きしますが、このプール指導の政策で子どもたちは何から守られ、何を学ぶことになるのでしょうか。
さて、人権についてもお聞きします。
9 手話言語条例の制定に向けた準備を進めるとあります。しかし、国は5月19日に、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法を可決成立しました。そのことを踏まえてご見解をお聞きします。
10 本市は4月から、子ども・若者の権利保障の条例を施行しました。にもかかわらず「子ども・若者からの相談体制の充実や救済制度の創設について、これから4年間で取り組む」とあります。待ったなしで創設すべきです。期間を短縮すべきではないでしょうか。
11 たびたび指摘させていただいていますが、この条例では「意見表明・まちづくり」とひとくくりにしています。ここでの意見表明は意見聴取と思うところです。本来の子どもの権利としての意見表明は子どもが自らの権利を守るためのものです。そのハードルを下げるために、「ハードとしての制度」と同時に、個々の子どもに「相談の練習や聴いてもらえる体験」の機会を提供することを車の両輪として考えることが重要です。ご見解を伺います。
12 最後に新市庁舎についてお聞きします。
当然、議会も市民のためにどのような庁舎にすべきなのか、行政から報告を受けるだけでなく提案するなど、考えるべきですので確認するのですが、この半年ほどで基本構想が完成するとしています。規模、機能、場所は、基本構想で決まるのでしょうか。
以上、ご答弁いただいた後、再質問させていただきます。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) それでは、ネット・社民の会の代表質問にお答え申し上げます。
1についてお答えします。
市長には4年という任期があり、私は選挙の都度、新しい気持ちと覚悟で市政にそして市民の皆さんに向き合っています。そのため、経験こそ積み重ねてはいますが、初心を忘れたことは一度もありません。
2についてお答えします。
一般職の国や都との人事交流については、現在、内閣府及び厚生労働省へ3人、東京都総務局及び都市整備局へ2人、それぞれ研修派遣を行っています。また、今年度から東京都水道局より土木技術職1名を本市に派遣していただいています。このほか東京都教育委員会、東京消防庁からの派遣、また、民間の鉄道事業者との間で相互に1名の研修派遣を行っています。
これまでの成果として市からの派遣職員は、国や東京都などでの業務経験を通じて、専門的な知識やノウハウの吸収、分析能力の向上、政策の考え方、職員の意識改革を体得し、帰庁後は各職場のリーダーや管理職として活躍しています。
特別職については、現在、東京都から副市長として、厚生労働省からは健幸まちづくり政策監として任命させていただいています。その目的や必要性などについては、これまでも市議会の皆さんに説明してきていますが、健幸まちづくりをはじめ本市が抱えている政策的な課題を前進させる大きな力となっています。また、各人が国や東京都などで積み上げてきた知見は、市職員の人財育成にも大きく寄与していると考えており、市議会の皆さんにも説明を尽くしながら、その時々の課題や背景に即した形で、国や東京都などとの連携や交流を継続していきたいと考えています。
3についてお答えします。
日本医科大学多摩永山病院については、高度な救急医療を総合的に提供する救命救急センターのほか、
新型コロナウイルス感染症の対応についても、24時間体制で
新型コロナウイルス感染症の重症者の治療に当たっていただいており、地域医療の中核的存在として、40年以上にわたり、安心・安全な医療提供に貢献していただいています。
また、コロナ禍である令和2年度においても、本市国民健康保険と後期高齢者医療のレセプト分析では、国保の外来・入院で26%、後期の外来・入院で28%の市民が受診しており、多くの病院の中で最も受診率が高くなっています。
これまで本市では、学校法人日本医科大学からの要請を受け、UR都市機構との土地交換により新病院建設予定地の確保や、同用地の土砂災害特別警戒区域の指定解除などの環境整備に取り組んできましたが、同法人から令和2年11月30日付で、当該地の造成等に関わる負担や新病院の建設費への財政支援など、7つの事項についての支援に関する依頼文書が提出されました。
本市としては、当病院が多摩市民の健康を支える地域医療の基幹病院としての役割を担っており、また、依頼文書にある、「次の50年も貴市と共にこの地で医療の面からまちづくりの一翼を担い、地域医療の安心を支えていく」との思いを受け止め、どのようなことができるのか検討を始めましたが、令和3年2月15日付で、同法人から、大変厳しいコロナ禍の状況から、2026年度の新病院開設の努力目標について再考したい旨の文書が提出されたため、現在、実質的な協議は中断となっている状況です。
同法人との協議の再開について検討していましたが、令和4年6月9日付で同法人から、今般、コロナの状況が落ち着きつつあることから、協議を再開したい旨の文書をいただきました。
支援内容については、様々な観点を踏まえながら、市民、市議会の皆さんと共に検討していきたいと考えています。
4についてお答えします。
ブランドビジョン「くらしに、いつもNEWを。」は、本市が市制施行50周年を迎えた昨年11月に、これまでの50年を振り返り、その上で、よりよい未来に向けた市政への取り組みの意思を表した言葉として発表しました。
発表後、半年経過しましたが、この間
パートナーシップ制度の導入による“ダイバーシティー&インクルージョン”への挑戦、次の時代を担う若い世代の権利を保障し、支援と活躍を推進する「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」の制定、まちの活性化や成長企業への支援などに資する企業誘致制度の大幅な見直しなど、これからの多摩市での「新しい暮らし」を支えていく制度や条例を次々に整備しています。
また、7月には「パルテノン多摩」の
グランドオープンを迎え、その後もPark-PFIによる多摩中央公園の改修、聖蹟桜ヶ丘のかわまちづくりなど、都市基盤の整備も進化を続けています。
こうした新たな施策やまちの変化を積み重ね、暮らしやすさに挑戦する多摩市らしい姿や未来像を「くらしに、いつもNEWを。」という言葉に込めて、シティセールスのターゲット層である、市外に住む20代から30代の生活者に発信していくものです。
一方、このビジョンは、職員一人ひとりがこの言葉をしっかりと意識しながら、市の様々な課題に対し、新しい発想や試みに取り組むという姿勢を表す言葉でもあります。
シティセールスが目指す子育て世代の転入促進により、選んでもらえるまち多摩市、住み続けたいまち多摩市を目指し、市民の皆さんともこの思いを共有しながら、今後もシティセールスを推進していきます。
5についてお答えします。
一般的にトイレ個室のドアには、扉を開いた際に壁に当たって破損しないよう、戸当たり金具が取り付けられています。この金具は衣類や手荷物をかけるフックの機能も兼ねていますが、頭部に接触しないよう、高さ180センチメートル程度の比較的高い位置に取り付けられています。今後、公共建築物のトイレ整備に当たっては、利便性と安全性の観点からフックの取付け位置について検討していきます。
また、ドアの開き勝手については、外開きの場合、扉が他の利用者に接触する危険性があるため、内開きで整備されている例が多い現状があります。
一方、内開きの場合、個室内で倒れてしまった人を救助する際、倒れている人がいるため扉を開けられないときは、救助する人が扉上部の開き口から乗り越える必要があります。
このため現在は、通常時は内開き、緊急時は外開きにすることができる製品が開発されていることから、本年4月にオープンした市民活動交流センター・多摩ふるさと資料館をはじめ、現在工事中の中央図書館、トムハウス、連光寺複合施設の整備に当たっては採用しました。引き続き、今後の施設整備においても同様に配慮していきます。
6についてお答えします。
本市の地域的な特性として、住宅に占める集合住宅の割合が多いことから、団地等の集合住宅への再生可能エネルギーの導入は、本市の脱炭素化の実現に向けた重要な課題と考えていますが、3月議会の代表質問でもお答えしたとおり、集合住宅については、所有形態や発電した電力の活用手法などの課題があり、なかなか導入が進んでいませんでした。
現在、温暖化対策の取り組みは本市だけでなく、国や東京都も重要テーマに据えており、政府は2030年までに公共施設への太陽光発電設備導入率を50%とすることを目標として示し、東京都は新築戸建て住宅への太陽光発電設備の設置義務化を進めています。
こうした流れを好機と捉え、今後に向けては、UR都市機構や都営住宅などの公的な集合住宅の建替えや大規模改修時の環境配慮設備の導入に向けた働きかけを強化するとともに、分譲団地等へは、日進月歩の発電・蓄電技術の活用など民間事業者との協働により、本市に適した有効・有益な再生可能エネルギー導入策の研究を進めていきたいと考えています。
7についてお答えします。
連光寺・若葉台里山保全地域のうち、令和2年11月に追加指定されたエリアは、希少な動植物が生息・生育する湿地の集水域に当たり、水源涵養機能を将来にわたって保全する必要があります。
そのため、令和4年3月に取りまとめた「連光寺・若葉台里山保全地域活用検討会検討報告書」では、多様な主体が関わる農業公園として、環境保全型農業を実施することを基本方針と定めており、この報告書をベースに、東京都や関係団体と協議しながら、試験事業を重ねていくこととしています。
お尋ねの「水とみどりの保全の実践」とは、この貴重な自然環境を持続可能な形で次世代につなげていくための仕組みづくりのことと考えており、農業公園のあり方検討やコアとなる組織体・人材の育成に向けて、農政を所管する市民経済部と、環境保全を所管する環境部が連携して取り組みを進めていきます。
8については、教育長からお答えします。
9についてお答えします。
令和4年4月に施行された「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」については、障がい者による情報の取得利用・意思疎通に関わる施策を総合的に推進し、共生社会の実現に資することを目的とし、基本理念や国、地方自治体など関係者の責務、基本施策などについて定めるものです。
こうした法の趣旨から、「多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできる
まちづくり条例」の趣旨を踏まえ、手話を言語として使用する方が手話により自立した生活を営み、社会参加し、暮らしやすい地域をつくるために、手話言語条例の制定に向けた準備を進めていきたいと考えています。
10についてお答えします。
「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」の基本理念の一つに、「子ども・若者の権利が保障され、子ども・若者の最善の利益が尊重されること」と規定しています。
条例に基づく取り組みを推進するに当たり「権利の保障」の観点から、相談体制の充実や救済制度の創設については、この条例がしっかり機能するための重要な取り組みであると認識しています。
現在、先行自治体の視察を行う等、各自治体の実施体制を参考に検討を進めており、具体的な権利擁護の取り組みについて、今年度中の実施に向け、検討を進めているところです。
11についてお答えします。
同条例における基本理念の一つである「意見表明」は、子ども・若者が日常生活の中で感じること、望むこと等を表現し、自分や周囲の状況をよりよくしていくことと認識しています。
意見を言うこと、伝えることで、何かが変わる実体験は、この条例が生きる要素として、とても重要です。子ども・若者がためらうことなく、意見を言える環境をしっかり整えていくとともに、家庭をはじめ周囲の人たちも話に耳を傾ける、聞く環境づくりにも力を注いでいきたいと考えています。
12についてお答えします。
市役所本庁舎は、災害時には、事業継続計画に基づき、行政機能を維持し、災害対応、災害復興を行うための必要不可欠な防災拠点、司令塔となります。しかしながら、現本庁舎は、国が定めた防災拠点として必要な耐震基準を満たしておらず、また、狭隘化や老朽化の進行など、市役所本庁舎の建替えは喫緊の課題です。
そのようなことから、築60年を迎える令和11年度までに建替えを確実に進めていくため、昨年度に基本構想策定に着手し、今年度末にまとめる予定です。
現在、行政のデジタル化の進展などの変化を踏まえながら、将来の市民サービスのあり方や本庁舎に必要な機能について、防災や地方自治行政などの専門家で構成する有識者懇談会からの意見や市民アンケート結果などを踏まえ、検討しているところで、7月と8月には市民との懇談の場を設け、意見を伺う予定です。
今年度後半には、本庁舎の規模や場所のあり方・考え方について、引き続き有識者や市民、市議会の意見を聴きながら検討を行い、年度末までに基本構想を策定していく予定です。
所信表明でも申し上げたとおり、基本構想をもとに、令和5年度の基本計画着手までに本庁舎建替えの位置を決めて、基本計画で機能や規模などを具体化していく考えです。
◯議長(いいじま文彦君) この際暫時休憩します。
午後0時02分休憩
──────── - ────────
午後1時00分開議
◯副議長(橋本由美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。議長に代わり、私が議事を進めます。
代表質問を続行いたします。
教育長第一答弁からです。千葉教育長。
(教育長千葉正法君登壇)
◯教育長(千葉正法君) 8についてお答えをします。
小学校全校でプール指導を屋内民間プール等に切り替えたことにより、子どもたちはこれまでと比較すると、猛暑に起因する熱中症や紫外線等による健康被害から守られ、天候に左右されず、指導計画どおりに専門指導員から水泳指導を受け、水泳の技能向上を図ることができます。
一方で、学校併設のプールにはかねてより市議会でも議論いただいてきましたが、施設の維持管理をはじめ、プールに水を張った後、24時間循環器により、水質の管理を行う必要があり、定期的な給水も行ってまいりました。
本年度、こうした維持管理に要しているエネルギー、具体的にはCO2排出量についても本事業による削減効果を確認してまいります。
今後は、その結果も含め、SDGsの目標13、「気候変動に具体的な対策を」の達成に向けた学びをESDの中で実践することが考えられます。
◯3番(岩崎みなこ君) 質問させていただきます。
市長の最初のお話では、私は人間ですから、誰でも慣れであったり緩みがあると思っていますので、答弁で初心を忘れたことが一度もないというのは、そういうふうにおっしゃられるとちょっと眉唾物だったり、あと不安に感じたりするなというところは、私のほうは思いました。ただ13年目というと、例えば職員の方が30代後半だった方がもう50代になられる。そして子どもで言えば小学校、中学校、高校と終える期間なので、例えば高校を卒業した方に小学校1年生のときの思いをお聞きしても、思い出すのは難しいのではないかなと思うと、そのくらいの長い年月なのだということを感じています。
それと同時に、今回4期目の所信表明を読ませていただきましたが、同時に1期目のときの所信表明も読ませていただきました。私はこれを読んですごく感じたのですけれども、一つのA4の文章の中に、私と私たちという言葉がすごいちりばめられています。私に寄せていただいたとか私の認識を申し上げます、私は昨年、あるいは私たちを取り巻く、私は考えています。
これだけ私、私という言葉を書きたくなるほど熱い思いがあったのだろうなということを思うと、やはりその意気込みの高さ、強さというのは、今回の所信表明に比べれば全く違う温度差だなというのは、どうしても少し感じる部分がありました。
つまり、やはりなかなか所信表明にあるように初心に返ってという、言葉では簡単なのですけれども、難しいのではないかというところだけはお伝えしたいなと思いました。
また、ベテランの市長になっているわけですから、ご自身では誰かが言ってくれるのではないかなとか、あるいは誰かがこういうことをそういうふうに伝えてくれると、もしかしたら市長は思っていらっしゃるかもしれませんが、なかなかもうベテランの市長に、ああだこうだ言う方というのはいなくなっていくのではないかなというところも思います。
そうなりますと、ある意味自分を自分で律するというそのすごい大変な状況に今置かれているのだということ、そして、改めて初心に返るということは、本当に今のこの4期目の市長にとっては生易しいものではないのだということだけは、私はここでお伝えさせていただきたいなと思いました。
次に、行かせていただきますけれども、多摩市は、執行部の三役について、今年度、副市長が田代さんから陰山さんに替わっています。そして、田代さんも陰山さんも東京都の方ということで、また、健幸まちづくり政策監も既に3代目ということで、厚生労働省から正野さんに来ていただいています。
市長が4期目となって、13年目を迎えるということで、市長と共に市を牽引するエンジン役の方が国と都ということは、やはり市長は替わらないとしましても、国や都の方はどうしてもある時期が来ますと、お別れしてしまうというか、戻られてしまいます。
そのことを考えますと、市長とその三役のお立場の方では、地方自治というか地方分権というよりは誰とという考え方ではなく、国や都とその力を借りて市を運営するということが、そういうふうに考えてよいのでしょうか、そこをお聞きしたいと思います。
◯副議長(橋本由美子君) 藤浪総務部長。
(総務部長藤浪裕永君登壇)
◯総務部長(藤浪裕永君) 今、ご質問のとおりですけれども、東京都からは蔭山副市長、また、国から、厚生労働省から正野政策監ということで今の体制という形になってございます。
人事交流の意義というところでは、市長の第一答弁の中でもお話しさせていただいたとおりと思ってございまして、人と人が出会うことによる気づきや刺激もありますし、変化、また、教育、学習効果、そういうこともあって組織にとっても非常に刺激にもなりますし、職員を育成する効果というところも非常にあると思ってございます。
こうした中で、今回様々な課題があり、市としての政策を実現していくために副市長、また、政策監という形でお招きしているところでございます。
それぞれ政策監、副市長についても、それぞれのキャリアを積んでいただいたことについて多摩市の中で実際に実現していただいている、そのための力と思ってございますので、それぞれの出元といいますか、それはございますけれども、現在は市の職員ということで、多摩市の職員ということで、政策の牽引役になっていただいているというところであります。
そうした意味で、そうしたキャリアを我々としても勉強させていただくこと、活用させていただくこともありますけれども、やはり市の職員として、市の政策を進めるためのというところの部分で、市の組織を挙げて力を発揮している状況と考えてございます。
◯3番(岩崎みなこ君) 何度も私たちもここでお伝えしていまして、お聞きしているところですけれども、やはりどうしてもこの手法に対しては、会派としても何度も問題提議はしている部分なのですが、どうしても国や都の方というのはいろいろ情報をお持ちだと思います。
そしてつながっているところもあるので、やはりどうしてもそれを使いやすくなっていくということは、中央とは違う自分たちで考案した手法というのがもしかしたらあるかもしれなくても、なかなかそれを職員同士で問題解決する機会というのが失われてしまうことはあるのではないかなというところは懸念している部分です。
そして結果、職員もやはりもう長いですので、この手法に甘んじてしまいやすくなっていくということと、市民と共に考える機会というのはもしかしたら難しくなったり、やはり東京都であったり国の方のほうが正しいことを言っているかもしれないという気持ちもなきにしもあらずかなというところでは、そこの部分はどうしてもここでお伝えしたいなと思いますので、強く指摘させていただきます。
◯副議長(橋本由美子君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) 国や都、質問者の話を伺っていると、あたかも多摩市は国や都の言いなりになっているかのように伺いますが、そのように、あなたお考えなのでしょうか。私は全く国や都の言いなりなんかなってないと思っています。それどころか副市長や政策監に対して失礼な話だと思っています。
国や都で得た知見を先ほど藤浪総務部長も話したように、それはこのお二人にとってのキャリアであって、ここではあくまで多摩市の職員として、副市長として政策監として発言しています。この間、
新型コロナウイルス感染症の中でも、PCR検査をいち早くやれた、それは厚生労働省がバックについているからでは全然ありません、違います。そして、ワクチン接種についても国や都の何か支援があったなんていうことはありません。
独自に、基礎自治体として多摩市として言うべきことは言い、発言し、そして、勝ち取ってきているので、それは職員や市民の皆さんと一緒に連携してきているものです。ですから、何かその国や都の人が来ているから、あたかも何か市の職員たちがそこに委ねていて、何か勉強もしてないかのように言われましたけれども、それは全く違いますので、これについては発言を撤回していただきたいと思います。
◯副議長(橋本由美子君) この際暫時休憩します。
午後1時10分休憩
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午後1時10分開議
◯副議長(橋本由美子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
◯3番(岩崎みなこ君) ありがとうございました。
次、3番のほうに行きますけれども、この答弁のほうでは6月9日に、
日本医科大学多摩永山病院のほうから協議を再開したいというお話があったとありました。こういうふうにあったということで、これから始まるのかなと思うのですけれども、やはりあるないにかかわらず、市民は
日本医科大学多摩永山病院のことをすごく気にしていると思いますので、定期的な情報交換や情報発信も今後もお願いしたいなと思っていますが、その辺をお伺いします。
◯副議長(橋本由美子君) 伊藤保健医療政策担当部長。
(保健医療政策担当部長伊藤重夫君登壇)
◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただいたところでございますが、第一答弁で申し上げましたように、昨年令和3年の2月に
日本医科大学多摩永山病院のほうからコロナ禍の状況を踏まえて、一旦建替え移転の話については中断という形を取っておりました。ただ、それ以降も定期的に相手側の法人とは連絡を取り合いながら、情報共有をしてまいったところでございます。
一方、コロナの状況が落ち着いたというところで、改めてこの6月9日に協議を再開したいという文書をいただいたところでございます。
ご質問者いただいたお話の中でございますが、今までも常任委員会あるいはホームページ等も含めまして、市民の方々についてはその経過等についてお知らせをしているところでございますが、さらに、その辺りのところを十分な情報共有を含めながら、市民の方々にお伝えをしてまいりたいと考えてございます。
◯3番(岩崎みなこ君) ぜひお願いしたいのですけれども、市のほうも今度病院側とお話し合いする中で、こういうことはできるけれども、こういうことは難しいのだということを言われた後に考えるのではなく、ある程度線引きというのが必要だと思いますし、それが市民に対しても、病院に対しても誠実なのではないかなと思うのですが、その辺のところをお聞きします。
◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) 当然のことながら支援をするということについては、できること、できないところもあるかと思いますけれども、それらを含めながら十分に市民の方々と情報共有しながら、本当に必要なもので、病院というのは医療機関でございますので、そうしたところで本当の医療の必要性とかそういったものも十分に検討しながら、相手側とは協議をしてまいりたいと考えてございます。
◯3番(岩崎みなこ君) ぜひお願いしたいなと思っています。市民にとっては本当にこのコロナ禍、病院のことは気になっているかと思いますので、よろしくお願いします。
次に、行きますけれども、この「くらしに、いつもNEWを。」というのがシティセールスという形で外向けのキャッチコピーであるとお聞きしましたし、市民がこういうことのフレーズを、それでも暮らしの中で見聞きすることはあるのではないかなと思うのですが、その際にNEWをとなると新しいという意味となると思いますけれども、説明の中で温故知新であったり、この50年に対してプラスする50年で培っていたものを生かすということもありました。
ただ、今の社会というのはコロナ禍もありニューノーマルですとか新しい生活様式と言って、デジタル化など本当に新しさへのメッセージがあふれているかなと思うのですけれども、あえて私たちのまちがまた新しさを強調することで、市民の方が聞いて疲れてしまったり、ついていけないなど、格差を感じてしまうようなことがあるのではないかというところが心配なのですが、そこのところのご見解をお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木企画政策部長。
(企画政策部長鈴木誠君登壇)
◯企画政策部長(鈴木誠君) ご質問にあったように市民の方に決して疲れさせてしまうような意味ということは全くございません。特に今の時代、予期せぬ事態だとか時代の変化が激しい中、私たちも様々な課題に対応していくためには、これから新しい制度や仕組みづくりというものが必要な場面というところが出てくると思います。
そのための職員一人ひとりが、社会の変化や多様化に、課題に対して対応していくためには、新しい発想で挑戦し続けるということで、「くらしに、いつもNEWを。」を実現できるものと考えてございます。
一方、市民の皆さんに対してというところでございますが、これまでの暮らしの全てを変えることや常に新しいことにチャレンジしてほしいということではございません。市民の方々お一人お一人が、豊かに暮らすためにふだんの日常生活の中で生活の小さな変化やちょっとした取り組みといったものが、全体の大きなNEWの流れになってくると考えてございますので、決して大きく市民の皆さんが、ふだんの日常の生活を変えてほしいということではございませんので、その点に関してはご安心いただければと思います。
◯3番(岩崎みなこ君) その辺を市民の方にも、伝えていくようにお願いしたいなと思います。
その「くらしに、いつもNEWを。」という意味で、ぜひこのトイレこそはやってほしいなと私たち思っていますが、フックのほうは前はドアのほうにつけていたのが壁のほうにつけられるということで、高さを160センチにしていただけるようなお話もありましたので、ぜひお願いしたいのですけれども、このトイレは外にあるトイレ、公園であったりあるいは屋内のトイレとなった場合、所管が違うのですけれども、ぜひ連携を取ってほしいのですが、その辺のところをお伺いします。
◯副議長(橋本由美子君) 榎本施設政策担当部長。
(施設政策担当部長榎本憲志郎君登壇)
◯施設政策担当部長(榎本憲志郎君) 市長の第一答弁で、一般的なトイレの扉のことについて答弁をさせていただきました。その中で現状といたしましては、通常は内開きが多いというような状況もございます。
その一方、議員さんのほうからご質問があったとおり、中で何かあったときに開閉が難しいというところで、外開きというご意見、ご提案をいただいたところでございます。
市長答弁の中でも、回答させていただいたとおり、通常時は内開き、緊急時は外開きという製品も開発されております。市長答弁にもございましたとおり、この4月にオープンした市民活動・交流センターや多摩ふるさと資料館、あと現在工事中の中央図書館、トムハウス、連光寺複合施設の整備に当たってはそのようなものを採用してきております。
引き続き今後の施設整備においても、同様に配慮しながら、その内開き、外開き双方メリット、デメリットございますので、緊急時の対応、平時の対応ということで、リスクを抑えながらも、施設整備においては一定の配慮をして進めていきたいと思っているところでございます。
◯3番(岩崎みなこ君) 私が言い方が少しまずかったのかもしれないのですが、ほかの別の所管とぜひ連携を取って、この整備をやっていただけたらというところをお聞きします。
◯施設政策担当部長(榎本憲志郎君) 私のほうで答弁させていただいて、施設保全課ということで技術的な支援ということで所管と連携をさせていただいているところでございます。
その辺りでは、それぞれの施設の目的や性格や利用者の状況、お子様が多いのか、高齢者が多いのかだとか、あと例えばそこのトイレですと個室の大きさやトイレ自体の大きさや、それによって扉の開閉にも影響があるとかないとかというところで技術的な支援ということで、施設保全課を中心にさせていただいておりますので、各施設の所管課と連携しながら、情報を共有しながら、何が一番最適なのかというところは情報を共有しながら常に進めさせていただいておりますし、今後も進めていきたいと思っています。
◯3番(岩崎みなこ君) 施設と公園にもあるかなというので連携はお願いしたいと思います。
そして、その内開き、外開きの件にこだわるところもあるのですが、やはり広ければ問題ないのですが、狭いと何か非常事態のときだけの内開きではなく、やはり外開きが有効だといろいろなところを歩かせていただいて考えている部分です。なので、何かあったときというだけではなく、荷物があったりそういう部分ではぜひこれからも考えていただきたいなと思っています。
それで、次のほうでいきたいと思います。
6番目なのですが、小林議員の質問でもあったので、UR都市機構や民間のマンションなどは引き続きよろしくお願いしたいのですけれども、2030年までに導入するということで、2030年までにすごい頑張らなければいけないということも答弁には書いてありますが、この学校や公共施設の屋根もありますし、現市庁舎も2030年にはもう使えなくなってしまうので、今からやっても無駄だという考え方もあるのかもわかりませんが、意味のないことなのか、それともこの2030年までという意味でこの7年ぐらいしか使えないこの庁舎は、どういうふうに考えたらよいのかお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 小柳環境部長。
(環境部長小柳一成君登壇)
◯環境部長(小柳一成君) 太陽光発電をはじめとします環境配慮設備の公共施設への設置のご質問かと思います。
今、国や東京都は市町村が実施しますそうした事業への補助等を拡充いただいていますので、これをしっかりと特定財源として活用しながら、進めていきたいと思っています。
その際に、市が直接工事して進める手法とリース方式やPPAという方式がございまして、民間事業者が設計や施工、設置を進めてくれる手法があります。それぞれ設計、施工など設置までにかかる時間やイニシャルコストの多寡、ランニングコストが発生するかしないかですとか、国や東京都の補助金が活用できるかどうかというメリット、デメリットがあります。
また、今、お尋ねにありました施設の耐用年数や今後の改修予定や、あと機器が簡単に移動できるのかどうか、耐用年数が残存年数とマッチするのかどうかというところもございますし、建物の耐荷重性や屋根の防水性への影響の整理などの課題もあります。
いずれにしましても、市域のCO2削減を進めるためにも、また、事業所としての本市の取り組み、率先した取り組みをお示しするためにも、庁舎を含め公共施設全体への環境配慮設備の導入をスピード感を持って進めて、検討してまいりたいと思います。
◯3番(岩崎みなこ君) いろいろな、どちらがよいかということになるかと思いますけれども、できることがあるなら考えていただきたいというところで、よくお考えいただけたらと思いました。よろしくお願いします。
7番のところの同じく環境ですけれども、岩永議員と重なる部分もあるのですが、連光寺の農業公園というところで、答弁では、所管が市民経済部と環境部双方で連携して足並みそろえるとあるようですけれども、何度か言わせていただいている部分ですが、公園の中に農業公園ができるというのとは全く違うのかなと思って、この連光寺・若葉台里山保全地域の中にできる、つまり、環境保全型農業をすることになると思いますし、今後、今の部長さんではない方が部長さんになられるのは20年後とか30年後といった先々のためにも、この里山の保全の視点で、決定権の責任の所在の所管を決めておくというのは重要なのではないかと思いますし、それはやはり環境部になると思うのですが、そこら辺のところをお聞きします。
◯環境部長(小柳一成君) 今のお尋ねでもいただきましたとおり、当該地、連光寺・若葉台里山保全地域は希少な動植物が生育する湿地の環境に加えて、残された多摩丘陵の農地を含む里山環境の保全を目的に、東京都で指定をしたものでございます。
また、令和2年11月に追加指定され、今回市が試験事業を進めているエリアは、湿地の集水域に当たりまして、水源涵養機能を将来にわたって保全する必要があります。東京都が定めた保全計画書、検討委員会がまとめた検討報告書でも、環境保全型で検討することは大前提としておりまして、環境部だけでなく市民経済部も十分に認識をしているところでございます。
試験事業を始めています農的活用は、その貴重な自然環境を持続的に保全していくための有効手段として、検討、実施を試みているところでございますので、市だけでなく専門家や関係団体、東京都の環境局等との情報共有や意見交換を重ねつつ、それぞれの視点で事前の検証、事後の検証を続けていくことが重要と思っています。
そのためには部局を超えて、今後も環境部と市民経済部とで協力して進めていきたいと思ってございます。
◯3番(岩崎みなこ君) 協力は大事だと思いますけれども、責任の所在というところは重要なのではないかなと思いましたし、また、このエリアがあくまでも公園というよりむしろ里山保全地域なので、環境部の中でももしかしたらいろいろな課がありますけれども、決定権になる、あるいはある程度の判断ができる責任を持つということになると、環境のほうになると公園緑地課よりも環境政策課ということもあると思うので、その辺のところもご協議いただきたいと思います。
もう一つお聞きしますが、里山を守るのにはいろいろデリケートな問題があると私もかじりということで本当に深くはないのですが、少しお聞きしました。そうしましたら例えばその検討委員会のホームページの報告を見ましたら、田んぼのエリアがありましたけれども、今まで湿地を守ってきた守る会の市民の方たちによりますと、この田んぼの水というのは少し温かいそうなのです。
そうするとその水がそのまま湿地のほうに流れてしまうと、その多様性の視点から言うと、その水が温まってしまうので、やはりそこは少し変わってしまうということがあるそうで、その人たちも工夫に工夫を重ねてすぐに行かないように、少し湾曲させたりして苦労されているということがあるそうです。
そのような知見や蓄積を持った市民の方たちが、今ありがたいことにいらっしゃいますので、今、環境部長もおっしゃってくださっていましたように、これを守るためには、東京都や市の市民経済部も環境部もそうですが、定期的な定例会というのを実施してほしいなと思うところでは、市民の方も交えて情報共有のできる枠組みというのが重要だとこれから始まっていく。今こそ必要かなと思うのですが、どうでしょうか。
◯環境部長(小柳一成君) エリアにございます湿地の保全についてお答えさせていただきますが、東京都が作成した保全計画書に沿って進めていくと考えてございますけれども、記載された管理方針だけではその湿地の維持管理を適正に行うことは難しく、これまでも湿地の乾燥を防ぐための手法ですとか、例えばキショウブの除去手法などについても、様々な課題対応について東京都や専門家に関わっていただきながら、知見の蓄積というのを今おっしゃっていただいたように重ねてきているところというのが、把握しているところでございます。
今後、これらの保全活動を具体的に継続的に実施していくためには、引き続き東京都の専門家というところも必要ですし、先ほどおっしゃっていただいた関係市民団体を交えた定期的な情報共有や意見交換の場を設定することが必要と思っていますし、その中で一定の合意を得ながら進めていくことが重要と考えています。
その際、保全計画書において、湿地に関する日常管理や周辺地域、市民団体との調整につきましては市の役割となっておりまして、今後の生物多様性保全の見地から情報交換、意見交換、検討の事務局については環境部の中でも環境政策課が担って進めていきたいと思ってございます。
◯3番(岩崎みなこ君) 丁寧なご答弁ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
その後の政策の中のプールのことですけれども、多摩市は気候非常事態宣言を市と議会で共同で宣言している最中です。つまり市は気候非常事態宣言を出すほど、今は非常事態なのだということを学校で子どもたちに、教育委員会として教えているのかということをお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木教育部長。
(教育部長鈴木恭智君登壇)
◯教育部長(鈴木恭智君) 第一答弁でも申し上げましたが、SDGsの目標、13番、「気候変動に具体的な対策を」ということで、各学校では、ESDの中で取り組んでいるところでございます。気候の変動が激しいということの中で、現状は子どもたちに教育活動の中で、しっかり伝えさせていただいている認識です。
◯3番(岩崎みなこ君) であれば、いろいろな身近な変化というのは、本来のまともな夏の過ごし方ではないのだということもわかっていなければいけないということで、夏はもちろん暑いものですけれども、こんなに異常気象によるほどの猛暑というのは、気候の非常事態なので子どもたちに、これは変な状態だと認識させることはすごい重要だと思いますが、その辺のところをお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 細谷教育部参事。
(教育部参事細谷俊太郎君登壇)
◯教育部参事(細谷俊太郎君) 最近の猛暑について、子どもたちにこの状況は非常事態であるということを認識させるということ、これについては環境教育の中で、そういうふうなことを認識させていく必要があるというふうには考えております。
◯3番(岩崎みなこ君) ぜひお願いしたいのですが、そこで、市長はプールは外部指導に切り替えたと成果としているのですけれども、この気候非常事態宣言を出すほど近年の夏は変な状態なのであって、市長は、環境共生型都市を目指すと表明していますが、この環境共生型の都市の環境というのは、このような変な、おかしな状態の環境に共生する都市を目指すべきではないのではないかなと思うと、そこのところをこの状態に環境を適応するというよりは、そこは違う環境になってほしい状況なのに、この今の変な環境に適応してよいのかというところが少しわからないところですが、お聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木教育部長。
(教育部長鈴木恭智君登壇)
◯教育部長(鈴木恭智君) 第一答弁で教育長からもお伝えをさせていただいたところでございます。
市長の所信表明で環境共生型、こういうフレーズがありますけれども、これについては、教育長の第一答弁にありました、プールを外部に委託することには、様々な課題もありましたけれども、メリットもあります。
第一答弁の子どもたちが健康被害から守られてということが、やはり教育委員会としては第一義でありますけれども、答弁の中で水を張って約半年間循環しているところで、相当のエネルギーを消費していると。こちらについては、環境部とも連携をしまして、今年度小学校全校で試行しておりますので、地球温暖化ガスの排出量についてどれぐらい抑制できるのか。こういうことも子どもたちと一緒に学びを深めていく必要があると思いますし、具体的なアクションとして、CO2排出量を減らすことは現在の気候非常事態宣言を解除できる方向に持っていく施策の一つだと認識をしております。
◯3番(岩崎みなこ君) 今おっしゃられたように、もちろんメリットはあるでしょう。
ただ、子どもたちにとってその変な一連の体験、例えば夏休みの前からもう暑過ぎて、そしてCO2を出す体育館のクーラーを設置された。あるいは多摩市は年に5時間程度の屋外の学校のプールにも入れないほどの暑過ぎる気候非常事態宣言の夏なのだという、そういうことを子どもたちに気づかせ、そして子どもたちの力でどのような未来に向かうべきなのか、子どもたちに考えさせて、その先にどのような行動に結びつけていくべきなのかを子どもたちに考えさせるような、このことが多摩市が気候非常事態宣言を出した意味でもあると思いますし、今、教育部長がおっしゃったSDGsの教育だと思うところです。
そして、未来ある子どもたちの力も借りながら、いつかは今、教育部長もおっしゃっていましたけれども、この多摩市の気候非常事態宣言を解除できるようにしなければならないのだということも、この市長の所信表明の中にはありませんでしたが、所信表明に記載していただきたかったというところではあります。つまり、そのようなところが本来の教育だというところは、ここで言わせていただきたいと思います。
次に、移りますが、この障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法のところですけれども、今回、市長の所信表明では手話言語条例と書いておりますが、国のほうはなぜ手話言語法ではなくてアクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法を成立させたと思われているのか、ご見解をお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 小野澤健康福祉部長。
(健康福祉部長小野澤史君登壇)
◯健康福祉部長(小野澤史君) 今回の法が国会に提出された際の提出理由というのが示されております。
全ての障害者が社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加するためには、その必要とする情報を十分に取得し、及び利用し、並びに円滑に意思疎通を図ることができることが極めて重要であることに鑑み、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現に資するということで示されているところでございます。
情報やコミュニケーションについては、障がい者の方々が社会参加をするために欠かせないものでもございます。また、災害時にも必要な情報がきちんと届かないというところについては、それは命に関わる話でもございますので、それが現状でまだ十分に保障されていない、様々な情報格差が存在しているという背景に基づいて、今回法が出されたものだと認識しております。
◯3番(岩崎みなこ君) であるならば、多摩市もその課題は持っているのではないかなと思うのですが、そこのところはどういうふうに整理されたかも少しお聞きしたいところですけれども、ただ、今、障がい者の方というより聴覚が不自由な方の話の中では、世代によって少し違う手法を使っているというか、このデジタルデバイスなどのコミュニケーションで日常的に利用している方も多いというふうにも聞いて、必ずしも皆さんが手話を使っているというのではない時代にも入っているというふうにもお聞きするが、その辺のところはあるのでしょうか。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 現状というところで、今後手話言語条例を制定するに当たりましては、その過程においても様々な方の意見をお聞きしながら議論していくことが重要だと考えております。
議論に当たりましては、聴覚障がいのある当事者の方はもちろんのこと、それ以外の障がいのある方、また、障がいのない方、様々な世代も含めて意見を聴取していきたいと考えております。内容についてもこうした議論をもとに、より深めていきたいと考えております。
◯3番(岩崎みなこ君) 聴覚の障がいの方がデジタルデバイスでのコミュニケーションを利用しているということはあるのか、もう一度お聞きします。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 正確にその辺りの現状を今把握しているというわけではございません。
◯3番(岩崎みなこ君) ありがとうございます。
ただ、これだけ便利なものもあるので、使われている方もいるのかなと感じるのですけれども、今回手話は言語であるということの条例ということになるかなと思うのですが、その部分でもやはり先ほども条例をつくるのにはいろいろな時間や財源がかかるという話もありましたが、やはり全ての人を孤立させないために、あらゆるコミュニケーションに配慮した条例の重要性というのがあるのかなというところは、ここは指摘させていただきたいのと、そこら辺のところを配慮しながら条例をつくっていただきたいですが、ご見解をお聞きします。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 先ほどもご答弁をさせていただきましたけれども、様々な方々の意見を聴取しながら、より議論を深めながら進めていきたいと考えております。
◯3番(岩崎みなこ君) よろしくお願いします。先に行きたいと思います。
今度の子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例ですけれども、答弁ではもう4年かけるのではなく、先延ばしせずにこの年度からも動いていくということでしたので、ぜひそのように丁寧なやり方はしつつも、長い時間をかけるということではない状態で準備をしていただきたいなと思います。
その先のところで同じ条例のことなのですけれども、ご答弁もありましたけれども、相談体制というのはハード面ということで大事だと思っていますが、子どもの権利を守るために、より大事なのは相談になかなか来ないということがあります。
子どもに直接伝え、そして障壁をなくすソフト面というのが大変重要だと思っていますので、ふだんから聞いてもらえたという体験をしておかないと、より深刻なことはなかなかもっと話せないということになるため、この避難訓練的に練習を行うというのは大変重要だと思いますけれども、その意味で子どもたちに、大事だなと思っているところは、子どもたちが知っていることだと思います。
何を知っていればよいのか、例えば話してと言われても、その話すことが告げ口になってしまうのではないか、言いつけになってしまうと思えばなかなか話せないわけで、自分が困ったり友達を助けるために話すのは告げ口や言いつけではなくて相談なのだよということを知っているとか、あるいは性暴力なども女の子にしか起きないと思っていると男の子が言いにくかったりします。それで誰でも起こるのだよとか、あるいはこういうことが起こったときは秘密にしておいてねともし言われてしまったときに、秘密というのはサプライズプレゼントのような秘密は楽しいので、全然守ってもいいのだけれども、怖い嫌な秘密というのは守らないで話していいのだよということを具体的にわかりやすく知っているということがすごく重要かなと思うのですが、そこのところをそういうことの知識というと硬い部分がありますけれども、子どもたちがわかっているということが重要だと思いますけれども、そこのところをお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 本多子ども青少年部長。
(子ども青少年部長本多剛史君登壇)
◯子ども青少年部長(本多剛史君) 相談の仕組みにつきましては、今、困っている子ども・若者が相談しやすい環境を整えるということが非常に重要だと考えております。
具体的な検討に際しましては、私ども2つの要素を念頭に置いて今検討を進めております。1つは相談しやすい場所や人、それと時間、相談を受ける体制の問題が1つあるかと思います。
2つ目は、相談することや意見を言うことをためらうような意識のハードルを下げるということが非常に重要かと考えておりますので、相談することですとか意見を言うこと、これがこうしたことをすることによって状況がよくなることですとか、気持ちも変わるということを経験することですとか感じることが必要だと考えております。
そのためには、相談することや意見を言うことを日頃から日常生活の中ですとか家庭の中で行っていくということが、将来、自分の権利意識に結びつくと考えておりますので、そうした取り組みが必要かなと考えております。
現在、そうした具体的な取り組みを進めるに当たりまして、来月行いますけれども、ワークショップなどを活用して、子どもたちに意見を聞きながら、そういった取り組みの具体策を考えていきたいと思っております。
我々大人の一方的な押しつけの仕組みだけではなくて、やはり子ども目線でそういった仕組みを考えていく必要があるかなという認識でおります。
◯3番(岩崎みなこ君) 本当に常識だろうと大人が思っていることが、やはり子どもたちにとっては高いハードルだったり本当かなと思ってしまって行動に移せないということはよく聞くところです。ぜひそういうところも考えながら、これから動いていただきたいなと思いますし、そこのところが私は大事かなと思っています。
前もよくここでそれは一般質問でもありましたけれども、嫌と言えないとか嫌と言うのが悪いとか、そういうことももしかしたらそんなことは当たり前にないと思っていても、子どもたちの中ではやはり難しかったりするということがございますので、ぜひそこのところは丁寧なヒアリングなり聴取なりして、つくっていっていただきたいなと思いますし、途中でもし課題があったら変えていくという状況も必要かなと思いますので、この条例の大変さというのはこれからだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
庁舎のほうに行きたいと思いますけれども、この最後の答弁のところに具体化すると書かれていますけれども、つまりはこの構想ができたときには、私たちは言葉の、それを読むと、どこにできるのだなとかどういうのができるのだなということが、そのままイメージできると考えることになるのかというところをまずお聞きします。
◯副議長(橋本由美子君) 榎本施設政策担当部長。
(施設政策担当部長榎本憲志郎君登壇)
◯施設政策担当部長(榎本憲志郎君) 新庁舎の規模、機能、場所について決まるのでしょうかというご質問をいただいて、今、関連のご質問をいただいたと思います。
市長答弁の中でも現在ご案内のとおり、基本構想の検討を進めているところでございます。本庁舎を取り巻く状況が大きく変わろうとしている。また、我々も将来のことを見据えて、市民サービスの拠点である本庁舎の建替えによっては将来を見据えて市民サービスのあり方ですとか防災拠点の司令塔としての役割ですとかを十分やはり検討していく必要があるだろうということでございます。
そうした中では、なかなか将来というのを見据えることは難しいのですけれども、有識者懇談会を立ち上げてご意見いただいたりですとか、市民アンケートも実施させていただいて、市民がどういう方法を求めているかというところについても調査をさせていただいているところでございます。
そのような将来の市民サービスのあり方ですとか、本庁舎の必要な機能について検討した中で、今年度の後半には本庁舎の規模ですとか、場所のあり方、考え方について基本構想の中で取りまとめていきたいというところを今予定しているところでございます。
その基本構想を踏まえて、具体的な基本計画の次のステップに当たる前に、長年の課題であります本庁舎の位置についても決めていきたいと、そのようなステップで進めていきたいと検討しているところでございます。
◯3番(岩崎みなこ君) ありがとうございます。確かにこのコロナで、私の頭の中もがらがらがらってなった気がします。
つまり、場所が大事なのだなとずっと思っていましたけれども、場所ではないのかもしれないとか、場所だけではないのかもしれないというような、少し自分の中も整理しなければいけないなと思っているところがございます。
でも、もう構想が11月ということで、議会のほうでも何か提案したりすることができる期間というのも少なくなっていくのか、もう少し議員の中でも話し合わなければいけないのかというところもあるかなと思ったところもあるので、どれだけのものが決まってしまうのかということが気になりましたので、お聞きしました。
ぜひそういう意味では、もう半年が市民にとってはある程度どうなるのだろうと思っていく部分だと思いますので、私たちのほうも考えていかなければいけないかなと思いました。ありがとうございます。
一応、駆け足のような感じでたくさん質問を用意してしまいましたので、こういう状況になってしまったのですけれども、この所信表明ということで4年間のものを市長が打ち出したということだと思います。先ほど市長は自らお話しなさいましたが、声があれだけ強い語気でおっしゃられるということが少し気になりました。
つまり、本当に東京都や国という方から来ても何も変わらないのだとしたら、本当にそんなことをやる必要あるのかとかえって疑問が湧いた部分ではございますけれども、そこのところは何度もこの場でお伝えしている部分でありますので、わかっていただけているのではないかなと思っています。
一応、この所信表明はいろいろなことが書いてありましたので、私のほうも気になったところをたださせていただきましたので、ご理解いただけたらありがたいと思います。
以上で質問終わります。
◯副議長(橋本由美子君) 岩崎みなこ議員の代表質問は終わりました。
これで代表質問を終了いたします。
────────────────────
◯副議長(橋本由美子君) 日程第2、一般質問を行います。
この際申し上げます。
一般質問における各議員の発言時間は、議会運営委員会の決定により、それぞれ30分以内といたしたいと思います。
これにご異議はございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯副議長(橋本由美子君) ご異議なしと認めます。
よって、発言時間は30分以内といたします。
質問の通告がありますので、順次指名いたします。
初めに、本間としえ議員の発言を許します。
19番本間としえ議員。
(19番本間としえ君質問席着席)
◯19番(本間としえ君) 19番本間としえです。通告に基づき1問質問いたします。
1、市民に寄り添う「おくやみコーナー」の設置について
おくやみコーナーの設置については、過去に遠藤めいこ議員、池田けい子議員、折戸小夜子議員が議会で質問をされています。ここで私が改めて質問させていただくのは、今年4月に実の兄を事故で亡くし、身をもって残された遺族が直面する煩雑な手続きを行わなければならない大変さを実感したからです。
以前から、高齢者の遺族から、手続きの大変さについては相談を受けていましたが、初めて自分が直面して、高齢者が1人で行えることではないと感じました。死亡届の提出や年金の停止、福祉サービスの手続きや名義変更、戸籍謄抄本の取得など。家族が亡くなったときに居住する市役所だけでなく、過去の居住していた戸籍をたどる必要もあります。また、市役所以外でも行うべき手続きは多岐にわたります。
それらの作業をワンストップで案内してくれる「おくやみコーナー」や「ご遺族支援コーナー」を設置する地方自治体がこの数年で急増しています。第一号は2016年5月に大分県別府市が設けた「おくやみコーナー」と言われており、2017年には三重県松阪市、2018年には大和市などが同種のコーナーをつくるようになりました。2019年度までは全国で16を数えるほどでしたが、2020年度に169自治体まで急増。全国の約1割の自治体が導入していることになります。
その背景には内閣官房IT総合戦略室が推進している2018年度末にまとめられた「死亡・相続ワンストップサービス」方策があり、デジタルを活用して煩雑になりがちな死亡時の諸手続きの効率化を目指しています。いわば、死亡・相続における行政手続きのデジタル・トランスフォーメーション計画と言えます。
行政手続きを見直して、遺族が行う手続きを削減し、将来的には故人の生前情報をデジタル化し、電子承認で相続人に渡せるようにして、死亡・相続に関する自治体の総合窓口の設置や運営を支援すること。これは、遺族の負担を軽減し、自治体が経済的・精神的に支えを失った遺族に必要な支援を行えるようにすることを目指しています。
おくやみコーナー設置の先駆けとなった別府市では、死亡の手続に来られた市民あるいは関係者の方から、「本当に寄り添ってもらってありがたい」「本当に心が穏やかになりました」という感謝のお手紙がたくさん来ているそうです。また、「おくやみコーナー」を設けたことによって、仕事量が減ったという実感があるそうです。
多摩市も高齢化が進み、年々死亡届の数が増加し、配偶者を亡くし1人残された高齢者に寄り添った支援が求められています。
上記を踏まえ、以下質問いたします。
(1)2020年12月議会で池田議員の質問に対し、おくやみコーナーの設置について前向きな姿勢でありながら、市役所の狭隘さから実現が難しいとの市長答弁がありました。その後の狭隘さに対する改善対策についてお伺いします。
(2)2018年に予約制の「ご遺族支援コーナー」を設置した大和市は、「ご遺族支援コンシェルジュ」が遺族にヒアリングし、書類などを整理し、それをもとに所内をナビゲートし、多くの場合、90分以内に全ての作業が終わると言われています。1日の対応組は午前と午後合わせて4組になり、2020年度末までの対応件数は累計2,215件。同期間の死亡件数で割った利用率は42%。2019年度の「満足」は96.4%に上り、「不満」や「やや不満」の感想は一件もなかったそうです。改めておくやみコーナーの重要性についてお考えを伺います。
また、多摩市が支援コーナーで1日4組の対応を受けたとしたら、年間で何件受けられるのか、利用率は何%ぐらいになるのかをお伺いします。
(3)全ての「おくやみコーナー」が内閣府の支援ナビを導入したわけではなく、大和市や鳥取市、奈良市など、支援ナビが公開される前から同種の取り組みを実施した自治体はそれぞれワンストップを実現するための仕組みを模索して独自に最適化しており、改めて支援ナビを導入するケースはむしろ少数派のようです。
2020年5月以降に設置した自治体でも、北海道旭川市や山梨県笛吹市のように、支援ナビをカスタマイズして導入しているところもあれば、東京都葛飾区のように我流で構築しているケースもあるそうです。支援ナビ・支援ナビのカスタマイズ・我流の構築についての認識と見解を伺います。
(4)多摩市ではライフイベントごとの「窓口チェックリスト」の中の一つに「おくやみ」があります。しかし全てが網羅されているわけではなく、手続きに必要な持ち物や手続きの期間などをわかりやすくまとめておくべきと考えます。また、福生市などでは遺族の方へ、各種手続きをまとめた「おくやみハンドブック」を配布して、国民健康保険や年金の担当課の電話番号や、手続きで用意すべき書類などを掲載。運転免許証返納や電気料金の名義変更・解約など、市役所以外での必要な手続きも参考として各種記載しており、遺族に寄り添ったご案内ができていると感じました。相続の手続などをサポートする地元行政書士や会計事務所などの協賛で作成費用を賄えるようです。早急におくやみハンドブックの作成を要望しますが、市の認識と見解を伺います。
(5)福生市では、家族が亡くなったと電話した段階で、総合窓口に電話を回してくれて、各課にまたがる各種手続きについてわかりやすく丁寧な電話対応をしてくれました。多摩市の現在の電話対応についてお伺いします。
以上、ご答弁いただいた後に、必要があれば再質問させていただきます。
◯副議長(橋本由美子君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) それでは、本間議員のご質問にお答え申し上げます。
1の(1)についてお答えします。
現在の本庁舎が狭隘化なため、窓口のスペースが狭く、相談時などのプライバシーが確保できない、通路が狭く歩行の妨げになるなど業務に支障を来し、市民の皆様にご迷惑をおかけしています。
そのため現在、ベルブ永山を活用した狭隘化対策を検討しており、これによって、本庁舎建替えまでの暫定的なものとして、課題解決に必要な対応を図っていく予定です。
おくやみコーナーのような、複数の部署にまたがる手続をワンストップで対応できる窓口の設置は、単に狭隘化の問題だけではなく、どこでどのような内容をどのような体制で実施していくのかを整理する必要があるため、すぐに設置すると申し上げられませんが、今後の市民サービス向上に向けては重要な課題と認識しており、設置に向けて引き続き検討を進めてまいります。
(2)についてお答えします。
「1つの窓口で複数の用件が済む」ことに対する要望は、平成20年代の複数年にわたる世論調査や、先日行ったばかりの「多摩市役所本庁舎建替についてのアンケート」でも回答の上位を占め、多くの市民から期待され、強く求められていることがわかります。
その中でも、人が亡くなったときの手続は、悲しみや疲労の中にあるご遺族が、行政機関や民間事業者において、数週間、時には数か月にわたって手続を行うという大変負担の大きなものであることから、その負担軽減は大きな課題であると認識しており、おくやみコーナーの設置は負担軽減策の一つとして有用なものと考えています。
1日4組に対応する場合の年間の件数は、ひと月平均20日間とすると合計960組です。令和3年度に亡くなった多摩市民は1,505人で、その64%に当たります。
(3)についてお答えします。
おくやみコーナーの運用を職員の知識や経験のみに頼るのは困難であり、システムの活用は有効な運用手法の一つと考えていますが、どのようなシステムを導入するかは、活用場所や活用主体、また、どこまでを範囲とするのか等によって変わってきます。
内閣府の「おくやみコーナー設置自治体支援ナビ」は、30項目程度の質問に回答することで、必要な行政手続が特定できるソフトウエアで、希望する自治体には無償で提供されます。
標準の手続は全国共通ですが、自治体による独自の施策や表現や申請書の様式が異なる場合には、その自治体に合わせたカスタマイズが必要になります。また、標準のソフトウエアは無料で提供されますが、カスタマイズ費用やソフトを動かすシステムは、自治体で負担する必要があります。
一方で、国が示すもののほか、民間事業者がサービスを用意しているなど、解決の方法は様々であると考えます。
このようにシステムの導入は自治体により様々であり、パッケージでは、自治体の独自制度を十分に反映させるのが困難であることから、本市の事務に即した機能を追加するなど、一定の対応が必要になると考えています。
(4)についてお答えします。
ご指摘の手続チェックリストは、平成29年度に実施した庁内業務改革推進事業の成果を踏まえ、本庁業務のワンストップ化をできるところから実施することとし、平成30年度から導入して、ご好評いただいてきました。
それらの活用状況を鑑み、「おくやみ」についてはステップアップする時期に来ており、その手法の一つとして、「おくやみハンドブック」が有用であると考えています。
「手続チェックリスト」は、7つのライフステージごとの基本的な手続を気軽に手に取れるよう1枚の紙にまとめ、イメージを代表する7色の紙に印刷したもので、基本的な手続の一覧や所管、「多摩市の便利な本」のページを記載しています。
「おくやみ」以外の6つのライフステージである「出生」、「転入」などについては、ご本人やご家族が多摩市で生活しながら、チェックリストを参考に「多摩市の便利な本」での確認や、市への問い合わせにより、準備や手続を進めることができます。
しかし、「おくやみ」に関しては性質が異なり、ご遺族が遠方にお住まいの場合や、亡くなった方の生前の状況によって必要な手続がそれぞれ異なるなど、極めて多岐にわたります。
そのため、行政、民間を含む多くの手続が網羅される「おくやみハンドブック」の有用性が高いと考えています。「おくやみハンドブック」の作成に当たっては、その範囲等も広く、また、広告等を活用して作成しているケースも見られるため、実施手法等も含めて検討してまいります。
(5)についてお答えします。
現在、ご家族が亡くなった際の各種手続については、お問い合わせをいただいた所管課での手続をご案内した上で、次の所管に電話を転送して説明するというリレー方式でご案内しています。
◯19番(本間としえ君) ご答弁ありがとうございました。
今年4月に福生市で、92歳の母と2人で住んでいる兄が突然事故で亡くなりまして、葬儀社の方から渡された死亡届のコピーとおくやみハンドブックを見ながら、福生市役所に電話をして様々な手続をしつつ、母を連れて立川市や国立市のところに行って、戸籍謄本を取りに行ったりとか、あと青梅市の年金事務所、労働基準監督署、税務署、福生市の警察署、傍らで保険会社、また、銀行の民間手続ということで、日頃、自分が書類などを管理しているわけではないので、もう本当に印鑑カードがないとか印鑑がどれなのだとか、本当に家中を捜索するということから始まったという形でした。
遺族は仕事を休んで、限られた時間の中で手続内容を把握して、それぞれの手続の窓口に行って亡くなったこと、また、亡くなった人との関係性、同じことを何度も説明しなければならなくて、精神的な苦しみとともに身体的にも大きな負担がかかってまいります。
そこで、行政がおくやみコーナーをつくることによって、ご遺族の負担を本当にできるだけ軽減して、迅速な手続を可能にして、併せてそれは職員の事務負担を軽減するということにもなると考えます。
まず、(1)から質問をさせていただきます。
ご答弁では、今後の市民サービス向上に向けては重要な課題と認識をしていて、設置に向けて検討してくださるという前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございました。
今回の補正に当たる市役所の狭隘化については、本庁舎建替えまでの暫定的な課題解決に必要な対応を予定ということなのですが、その予定はどのような対応かをお伺いいたします。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木企画政策部長。
(企画政策部長鈴木誠君登壇)
◯企画政策部長(鈴木誠君) 本庁舎の狭隘対策につきましては、今議会の総務常任委員会のほうでもご報告申し上げる予定でございますが、本件につきましては、根本的な課題の解決というのはやはり令和11年度に予定している本庁舎の建替えを待たなければできないかなというところでございますが、当面の間、庁舎外の施設を用いてできることから狭隘化対策を実施していきたいと考えているところでございます。
具体的には移転することにつきましては、マネジメントの効率性の観点というところから部単位である程度まとまりのある組織というところで、教育委員会事務局を移転する予定で進めているところでございます。
また、移転する先につきましては、市民サービスの影響等を考慮いたしまして、施設の分散を可能な限り避けるということから既に公共施設が入所しております庁舎外の施設としては、やはりベルブ永山ということで移転を検討しております。今年度中にそちらのほうは対応していきたいというふうには考えているところでございます。
この本庁舎から組織が移転した後、その空いたスペースを活用しまして、レイアウトを変更して、今窓口が狭いだとか、やはり通路が狭く、特に障害福祉課の前とかお待ちの方々の前を人が通るといった不自由、ご不便をおかけしている部分をまず優先順位をつけながら、課題の解決に努めていきたいと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) 2020年12月、池田議員の質問に対する市長答弁で、設置するには丁寧な対応と個人情報保護の観点から一定の配慮がなされたスペースを設けることが必要であり、現在の市役所の狭隘さなどから、残念ながら実現は難しいということでした。これは、ある程度区切られたスペースで、1人の方に時間をかけて対応するというイメージだったのでしょうか。
◯副議長(橋本由美子君) 磯貝市民経済部長。
(市民経済部長磯貝浩二君登壇)
◯市民経済部長(磯貝浩二君) おくやみコーナーのイメージということですけれども、他市での事例等を参考にしますと、一定程度区切られたスペースの中で、カウンターの市側のほうにシステムを置かせていただいて、そちらでご遺族の方の状況等をお伺いしながら、システムに入力すると。必要な手続、そういったものを抽出していくというイメージで、聞き取り等をしながらやる中では、一定程度の時間を要する、そういうようなイメージを持ってございました。
◯19番(本間としえ君) 今後の市民サービス向上に向けてという課題、また、進めるということなのですけれども、やはりどの程度のスピードで検討していただけるのか、お答えいただけますでしょうか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 今申し上げたようなイメージのものをやろうとすると、すぐにというのは非常に難しいのかなと考えてございます。
単に庁舎の狭隘化だけの問題ではなくて、そのコーナーに設置する人的な問題、また、システムの導入であったりとかコスト的な問題も発生してまいりますので、もう少し検討が必要なのかなというふうには考えてございます。
ただ、そうした中でも、現状で市民サービス向上に当たってどういったことができるのか、おくやみハンドブックというお話もありましたけれども、今使っているチェックリストの運用でもそうですし、さらにステップアップしてより項目の多いおくやみハンドブック等を作成した中で、その運用で、ご遺族の方にできるだけ負担をかけないような運用も取れるのではないかと考えてございますので、まずはできるところから、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) 本当にできることから進めるということが、そういう姿勢が大切だと思います。
(2)のほうに移りますけれども、このおくやみコーナーについて、大和市は死亡件数の42%をワンストップの丁寧な対応をされて市民に喜ばれているということで、多摩市でも1日4組対応すれば1年で960分、1年で、64%の方の対応が可能ということがご答弁でわかりました。
それができれば本当に理想的なのですけれども、今月、立川市のおくやみコーナーの視察をさせていただきました。
立川市は、平成31年に議会から設置提案があって、令和2年に課内検討体制を確立し、大和市に視察をされて、令和3年4月に第一段階としておくやみコーナーを設置をして、8月に庁内連携体制の構築をして、予約制を導入されて、10月におくやみコーナー第2段階の運用開始ということをされています。それは予約制を導入することによって、関係各課の事前調整ができるということで、手続の流れといたしまして聞いたことを少し説明させていただきますと、まず、予約時に遺族からお亡くなりになった方の情報を聞き取って、シートに、こんな簡単なシートですけれども、シートに入力をします。国の支援ナビシステムの中のエクセルの庁内連携シートを加工して使用されています。
次に、関係各課に亡くなった方についての情報提供を行って、必要な手続を確認をして、関係課から対象者の必要な手続についてフォルダに入力すると。庁内のネットワーク上のフォルダに各課がアクセスをする仕組みをつくっているということで、そのフォルダにどういった手続が必要なのか、各課から情報提供をしてもらって集めて、フォルダの整理をするということであります。
次に、来庁前に担当者から遺族に必要な手続とか持ち物をご案内をします。そして、ご遺族が来庁されたら、今度お客様シートという、これがお客様シートというもので亡くなられた方の情報、また、窓口に来られた情報というものを書いて、情報を関係各課に提供するということを同意するという、そんな内容を書いてもらいます。
次に、細かいチェックリストを利用して、これは職員の窓口の方が書いてくれます。利用して必要な手続を案内して、そのチェックリストを持ってご遺族が関係各課を回って必要な手続をすると。最後に窓口で全部回ったかチェックリストで確認をするという流れだということです。
これでわかるように、立川市もまだワンストップではありません。遺族が必要な各課にチェックリストをもらって回るスタンプラリー方式となっています。そこの課が混んでいれば待つこともあると思います。ですが、遺族がやるべきことというのが明確になって、言われたとおりこのチェックリストを持って市役所内を回れば、迷わないで済みます。
足りない資料があって出直したり、あと、やり残したことが後でわかって、何度も役所に来たりしなくて済む。立川市でも場所の確保についてはほかのスペースがないということで、市民課と保険年金課の共用カウンターをおくやみコーナーとしています。写真を見ていただければと思います。
こんな感じで、立川市役所、行かれた方はわかると思いますが、もうすごい長い、広いスペースで窓口が並んでいるのですけれども、その中の一つにおくやみコーナーというのがあります。こんな感じでこういう電光のパネルなのです。これはすごくいいなと思っていろいろ変えられるというのは、本当に使い勝手がいいのではないかなと思います。必要のないときにはまた変えられるということで、そんな感じで紹介させていただきました。
お亡くなりになった方の行政の手続のご案内を目的にしているので、マイナンバーのように特に個人情報を扱っているわけではないので、パーティションなどは置いていないということです。利用者からのご不満や抵抗感などもないということで、今までやっていらっしゃるということでございます。
職員体制としては、週4日の月給制会計年度任用職員1人と、時給制の会計年度任用職員が1人でやっていって、その方2人はおくやみコーナーとして仕事がないときは、戸籍の仕事などをしていらっしゃるそうです。
令和3年4月にスタートとしたおくやみコーナーの利用状況は、死亡者1,906人、対応件数802人、1日の対応件数3.5人、利用率42.1%、予約は1時間に1人入れていて、また予約なしで窓口に来る方というのも結構多い状況です。
利用者アンケートの結果は満足90%、やや満足5%、利用者からは何の手続をしたらよいかわからなかったが、おくやみコーナーで教えてもらって助かったという感謝の言葉を多くいただいているそうです。
役所としても各課の職員からは、死亡後の手続のお客様だということがすぐにわかって、また、亡くなられた方と来庁者の情報というのがすぐにわかるので、スムーズに手続に入れるということでした。このワンストップというのを目指したいということなのですが、今はそういう状況ではないということで、立川市の今後の展開としては目標は待たせない、書かせない、動かせない、記載内容のデジタル化、職員の関わり方として寄り添い、心情を酌み取り、1人ずつ丁寧に対応することを今後の展開だと教えていただきました。
現在の多摩市役所の狭隘さやオンライン化がすぐにどうにかなるというのは本当に難しい状況の中で、最初からワンストップで、完璧な内容や体制でやる必要はないと思います。
出していただいた資料によりますと、多摩市民が亡くなった方の数、令和2年度は1,316人、令和3年度は1,505人、1年で200人近くもふえています。今後高齢化率はもっと高くなっていって、死亡者数の増加が予想されるのではないかと考えます。そして高齢者のみの世帯が市役所などの届出をすることの大変さを考えますと、やはり一日も早く窓口をつくって、遺族の負担を軽くすることが多摩市の重要課題ではないかと思います。できない理由を並べていただくのではなくて要はやる気がないか、やる気があるかということだと思います。この立川方式のようにまずは進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 今ご指摘いただいたとおり、本市においても急速に高齢化が進行しております。また、核家族化が進んでいる中では、今後、お亡くなりになられる方というのは非常に多くなるし、一方で、そのときの手続というのも非常に困難なケースも多いのだろうと承知してございます。
そうした中で、今立川市の例をご紹介いただきましたけれども、まさに立川市の場合もチェックリストを使ったご案内、事前に聞き取り等をした中でのご案内かと思いますので、本市においてもチェックリストをつくっている中では、まさに運用の工夫のところかというふうには考えてございます。
そうした中で、今の体制等の中でもどういった工夫ができるのか、また、プラスアルファ、予算等を伴うもので、どういったものができるのか、これから検討のほうはしてまいりたいと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) 早急に検討を進めていただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、立川市では市民課の窓口の一つをおくやみコーナーとして、利用のないときは別の用途に使っています。今すぐにでも工夫をすれば、市民課の窓口一つをそういうふうに流用的に使うということができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 立川市みたいにほかの自治体で庁舎の建替え等を行った際には、そういった自治体、1階の市民課の窓口、非常に大きく取られているのではないかと思います。
現在、本市の市民課の窓口は決して広い状況ではなくて、現在でも窓口の数、決して十分ではないかなと考えてございます。そうした中で、カウンターの外にパーティション等区切った臨時のコーナー等も設置して、いろいろな対応をさせていただいている状況でございますので、すぐにおくやみコーナーを設置ができるかというとなかなか難しいところがあるのかなと。
ただ、先ほど申し上げたとおり、今できるところでどういった工夫ができるのか、また、臨時的にでもこういったおくやみコーナーができるのかどうかも含めて、今ある体制の中で工夫をしてまいりたいと、そのように考えてございます。
◯19番(本間としえ君) ぜひ工夫をしていただきたいと思います。市民課の業務は市民が一番利用する窓口です。本当に市役所の顔ということなのではないかなと思います。本当にもうどこも狭くて大変なのですけれども、現在の市民課の職員のスペースというのは、自分の机どころか椅子もないという状況なのではないかと思います。保険年金課の奥にある相談室ですか、書類の倉庫になっているようなところありますよね。
こういった改善するところというのは、何とかならないのかなと思うわけなのですけれども、保険年金課を責めているということではなくて、今回の狭隘化の対策をする上で何をすべきなのか、もちろん障害福祉課前の通路も本当に何とかしなければいけない、最重要なことだとは思いますけれども、それだけしかできないのかなと、それはどうなのかなと疑問に思ってしまいます。
今回の狭隘化対策をする上で、ほかにも狭隘化対策しなくてはならないということはどうなのですか。市民課のスペース、やはり窓口は改善しなければいけないのではないかなと考えているのですが、狭隘化対策をまとめる部長さんにお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木企画政策部長。
(企画政策部長鈴木誠君登壇)
◯企画政策部長(鈴木誠君) このご質問につきましては、前回、私が逆におくやみコーナーのほうでお答えしたというところもございますし、市民課の実情というのは十分承知しているところでございます。
ただ、庁舎内、例えば生活福祉課のように、もう職員が擦れ違うのも非常に難しいといったような部署もございます。また、部によっては4フロアぐらいに分かれてしまっているといったような部署もあると。市民課だけの問題ではなく、今回庁舎が狭隘化という中におきましては、様々な部署において、様々な課題を抱えているというところがございます。
その一環として、今回ベルブ永山を活用して、狭隘化対策の暫定的な対応というところを取り組ませていただくところでございますが、やはり全ての課題を解決するにはなかなかいかないかなというふうには考えてございます。
いただいたご意見も踏まえた中で、やはり優先順位をつけた中でどの部分からまずは最優先に取り組むかということはよく考えさせていただいて、その上でどういう形の対策が取れるかということは検討させていただきたいと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) わかりました。しばらく場所がないとしても、人がいれば電話で事前案内をして必要な書類、また、持ち物を案内することということもできるわけですし、まずはそのやるという姿勢が大事なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◯副議長(橋本由美子君) 磯貝市民経済部長。
(市民経済部長磯貝浩二君登壇)
◯市民経済部長(磯貝浩二君) ご指摘いただいたとおりかというふうには考えてございます。現行の体制の中、現行のある資源を活用した中でも、一定程度改善できるものはあるかと思いますので、まずは何ができるのか、その辺をしっかりと検討してまいりたいと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) (4)のおくやみハンドブックの導入についての質問に移らせていただきます。
現在、多摩市のチェックリスト、ステップアップする時期に来ていて、おくやみハンドブックの実施手法等も含めて検討という、前向きなご答弁をいただきましてありがとうございます。
そもそも今のチェックリスト、1枚にまとめたいという気持ちはもうよくまとめてくださっているなと思いますが、やはり高齢者にとってあんな小さい字を読むというのは本当に大変で、ちょっと読めというのかと言いたいようなところもあります。
福生市からもらった、実際に私、利用させてもらったハンドブック、こういったきれいなものなのですけれども、立川市でもこんな感じでハンドブックをつくっていらっしゃいました。
市役所で必要な手続、また、市役所以外の手続の一覧なんかもすごく丁寧に書いてあって、こちらの一覧を一つずつチェックして、これやった、これやったと塗り潰して行けるわけです。本当に煩わしいですが、頭のモヤモヤとしたものが一つずつ消すことができる。
市役所以外の問い合わせ先の住所、電話番号も書いてあるので、スマホで検索できない人にとってはどれだけそれがありがたいと思うか、広告を載せることによって費用もかかりません。
立川市では、事業者さんから1年間の必要量の印刷物を寄附してもらうという形だそうです。どこの事業者を選ぶかということもあると思いますけれども、とにかく一日も早く手配していただきたいです。
予算もかけないでできますので、今期中にできると思いますが、どうでしょうか。いただいた資料にあるようにおくやみハンドブックを導入している、あるいは予定している自治体、26市中もう18市やっているということで、この数字を見てどのように思われるか、お伺いします。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 今現在活用しているチェックリストにつきましては、平成30年度に導入したわけなのですけれども、当時としては、先駆的な取り組みとして多くの自治体から問い合わせをいただきました。
それが3年、4年たった現在では、他市はさらに進んでいる状況があったということを改めて認識してございます。今ご指摘いただいたように他市のおくやみハンドブックを確認させていただいた中では、本市のチェックリスト、多摩市の庁内での手続を主に掲載させていただいてございますけれども、ご遺族の方の手続、この市役所の行政機関だけではなくて、民間の手続というのも非常に多くございます。そういったものも掲載されていて、非常にわかりやすいものなのかなというふうには考えてございます。
できれば、こういった手法を取り入れて実施をしてまいりたいなと考えてございますけれども、まず、広告等を本当に活用して予算なしでできるのかどうか。以前そういった提案、他市がやっているケースもあるようですけれども、コロナ禍の中でなかなか民間の状況も変わっているところもございますので、そういったものも含めて確認をしながら、できるところは速やかに実施してまいりたいなと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) 全庁挙げて早急に検討をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(5)のほうに移らせていただきます。
私、福生市の例えば兄が亡くなって、生命保険の申請のために印鑑証明を取りに行きたいとなったわけです。そうするとまず印鑑カードがどこに行ったのかというのが全然わからなくて、家中を捜索してという感じだったのです。
それを市のほうに電話でどうしたらいいでしょうかということを聞くために、亡くなったのですという話をしたら、もうすぐに総合窓口というところにつなげてくれて、カードが見つからないということに対してそれをどこに通すかというのではなくて、例えばマイナンバーカードを持っていればコンビニで取れますよとか、そういうふうに親切に聞いている人の立場に立って教えてくれる。
そういうことが多摩市ではできるのかなとすごく思ったのですけれども、すいません、その辺、どういうふうに対応されているでしょうか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 今現在はお亡くなりになった場合の総合窓口というのは特に設けてございませんので、基本的にはお問い合わせいただいた課での手続等をご案内させていただいた上で、次に、手続が必要となる所管課のほうにご案内させていただいて、リレー方式での手続をやっていただいていると、そういうような状況でございます。
◯19番(本間としえ君) それはそうなのでしょうけれども、やはりほかの臨機応変な対応というか、そういうことまでやっていただけると本当にすごくありがたいなと実感したのです。そういうことが少しできるように考えていただけるとすごくいいなと思います。
現在、各種手続をリレー方式で案内しているということですけれども、立川市のように予約制になれば、必要書類をしっかり事前に用意をして、最初の窓口でチェックリストを確認されて、忘れ物もないので、遺族と窓口で対応する職員の二度手間という無駄もなくなってくると、事務量も減ると、そういうことなのですけれども、どのようにそういうことが実現すれば予想されるのか、お伺いいたします。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) ご意見いただいたように総合窓口で一旦必要書類等を全て確認させていただいて、ぜひ必要な窓口のご案内ができれば事務としては非常に効率化はされるのだろうと。
ただ、それ以上に様々な手続が必要となるご遺族の方、そういった方の負担の軽減というのが非常にできるのだろうなというふうには考えてございます。ただ一方で、先ほど申し上げたいろいろな手続、ご案内の柔軟性というのは、それぞれ対応する職員のスキルにも大きく影響するところがございますので、そういったところはどこまでできるのかというのは、今後検討が必要かなと考えてございます。
◯19番(本間としえ君) 市総体として事務量が削減できる。そして、遺族の負担が軽減することが大切だと思っていらっしゃるのでしたら、やらない理由がないと思いますので。
最後に、市民に寄り添うおくやみコーナーの設置、おくやみハンドブックの作成について、市長のご決意を伺って、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。お願いいたします。
◯副議長(橋本由美子君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) ご自身の経験に基づく話ですので、すごく話が、内容が重いのと併せてすごくリアルな話として私も受け止めさせていただきました。
私も自分の父親が亡くなったときに、やはり他の自治体ですけれども、同じようなことを味わいましたので、度重ねて市役所に行くということで、私も仕事をしていて休まなければならないということで、やはりその必要に迫られる、特に悲しみの中にうちひしがれていて、なかなかそのご遺族の方の状況によっても確かに遠方に住んでいたりする場合には、何回も足を運ぶということも大変ですので、今、市民経済部長も着任早々部長として懸命に答えておりましたので、私としても市民経済部長の背中をしっかり支えながらやれること。立川市の例などを含めてしっかり学ばせていただき、一日も早くお悔やみのことでお困りになっている方をぜひ市役所の中で迷っていたり、あるいはどう手続を進めたらよいのか困惑している方をお一人でも、本当に気持ちよく、お悔やみのさなかですからなかなか気持ちよくということはできないのかもしれませんが、そこへの負担をかけないように、そのような手続ができるようにしてまいりたいと思いますので、少し見守っていただければと思います。
◯副議長(橋本由美子君) 本間としえ議員の一般質問は終わりました。
────────────────────
◯副議長(橋本由美子君) 次に、渡辺しんじ議員の発言を許します。
16番渡辺しんじ議員。
(16番渡辺しんじ君質問席着席)
◯16番(渡辺しんじ君) 16番渡辺しんじです。通告に基づいて1問、質問をさせていただきます。
1.多摩市のインバウンド戦略と観光力について
巨大な市場が動きつつあります。
2003年、政府はビジット・ジャパン・キャンペーンを立ち上げ、国を挙げて観光の振興に取り組み、観光立国を目指す方針を示しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、円安も追い風となり、2015年には訪日外国人客数1,973万7,000人を記録。その後、訪日外国人客数が予想を上回るペースで増加していることから、2016年に、「2020年に4,000万人、2030年に6,000万人」と目標を上方修正し、2016年には初めて2,000万人を突破、2018年には3,000万人を突破しました。消費額も2019年には4兆8,000億円と大きなマーケットになりました。
しかし、2020年、
新型コロナウイルス感染症の拡大で3月以降減少傾向は続き、最終的に年間の訪日客数は411万6,000人と、1998年の水準に戻ってしまいました。コロナ禍が続く2021年はさらに減少し、24万5,900人です。
このように一落千丈の様相を呈する「インバウンド」(訪日外国人観光客)ですが、ここへ来て、国はアフターコロナを見据え、インバウンド需要を再び回復させようとする取り組みを始めました。
まずは5月24日以降、米国やタイなどの4か国の旅行客を招いて、観光地をめぐる小規模な実証ツアーを行ってきました。6月1日からは、1日当たりの入国者数の上限を1万人から2万人に引き上げる水際対策の緩和を実施し、この2万人の枠内で、6月10日から添乗員同行のパッケージツアーに限定し、訪日外国人観光客を2年2か月ぶりに受け入れることになりました。コロナ禍により低迷する経済を立て直すため、インバウンド需要を回復させることは、重要な成長戦略の一つと位置づけていると思います。
そして、追い風となっているのが円安と
世界経済フォーラム(WEF)が5月24日に発表した2021年の旅行・観光競争力ランキングで、日本が初めて首位となったことです。
コロナ禍という特殊な状況の中、交通やホテルなど観光客向けインフラや観光資源の豊富さが他国より競争力を高めたと評価されたそうです。この状況のもとで、大手旅行会社には海外から問い合わせが殺到し、各鉄道会社も大きな期待を寄せているそうです。
また、インバウンドだけではなく、日本人観光客の観光需要喚起策としての「GoToトラベル」や、東京都の「もっとTokyo」の再開も検討されています。これは5月31日現在です。
コロナ禍により疲弊した経済活動に大きな影響力を与え、成長の起爆剤になり、地域の活性化にもつながる観光需要。多摩市もこの波に乗り遅れることのないよう対応してもらいたく、以下質問します。
(1)多摩市のインバウンドに対する見解を伺います。
(2)平成31年3月に設立した「多摩市観光まちづくり交流協議会」の取り組み状況を伺います。
(3)外国人観光客の困りごとランキング2位はフリーWi-Fi環境(無料公衆無線LAN環境)です。令和2年2月から多摩センター駅南口広場にフリーWi-Fiを設置し、サービスを提供していますが、サービス提供エリアが狭過ぎると議会でも取り上げられました。再度、提供エリアの拡充を要望します。見解を伺います。
(4)外国人観光客困りごとランキングの1位は「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」、つまり言葉の壁です。今後、外国語に精通したツアーガイドなどの観光人材の養成が重要と考えます。市の見解を伺います。
(5)昨年、京王プラザホテル多摩が令和5年1月に閉館するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。多摩センター地区だけではなく、多摩市として大きな損失です。もとよりホテルなどの宿泊施設が少ない多摩市において、観光需要に及ぼす影響は計り知れません。閉館まで約半年、早急な対策が必要と考えますが、市の見解を伺います。
(6)一方で、コロナ禍によりインバウンドが激減した地方の観光地は、「脱インバウンド依存」を掲げ、日本人観光客の取り込みに力を入れて、集客増となっています。パンデミックなどの有事に備え、多摩市としてもインバウンドに頼ることのない観光力アップに取り組むことが必要と考えます。市の見解を伺います。
以上、ご答弁いただいた後に再質問をさせていただきます。
◯副議長(橋本由美子君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) それでは、渡辺議員のご質問にお答え申し上げます。
(1)についてお答えします。
インバウンドについては、本市としましても、国内外への訴求力があるテーマパークが立地しているという恵まれた環境をも生かし、訪日外国人観光客の誘致は積極的に行っていきたいと考えています。
今後、訪日外国人観光客は増加し、コロナ前の水準に戻ることも想定される中、国や東京都の動向を見ながら、本市の魅力発信の取り組みを進めていきたいと考えています。
(2)についてお答えします。
本市では、平成31年3月に、多様な主体により観光を通じた地域経済の発展、さらには、定住につなげられるよう、多摩市の魅力向上や来街者の増加などについて、産学官民が協議し連携した取り組みなどを進めていくことを目的として、自治体や企業、団体等で構成する「多摩市観光まちづくり交流協議会」を設立しました。
令和元年度には、協議会や多摩市の観光振興を推進していくための規範の一歩となる『多摩市観光・交流まちづくりグランドデザイン』が策定され、提言されました。
その後、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、実際の活動が制限される中でも、多摩市の魅力発信の活動として、インスタグラムを開設、グーグルマイマップを利用したオリジナル桜マップの作成を行うなど、各協議会会員の視点からの多摩市の新たな魅力の発信を行っているところです。
本年度につきましても、インスタグラムなどを活用した魅力の発信に加え、協議会会員同士の連携事業など、実際に足を運んでもらえるような事業を企画しながら、多摩市の魅力を発信していく予定です。
(3)についてお答えします。
2020東京オリンピック・パラリンピックを契機として、外国人観光客が増加することが予想され、外国人観光客を含む来街者へのおもてなしの一つとして、多摩センター駅前にフリーWi-Fiの設置を行いました。
現在、新型ウイルス感染症の影響により、外国人観光客をはじめとする来街者は少ない状況となっていますが、その影響が緩和し、来街者が増加した際には、その効果について検証し、今後の取り組みの方向性について検討していきたいと考えています。
(4)についてお答えします。
外国人観光客へのおもてなしとして、言語の壁への対策は重要だと捉えており、これまでもサイン板や観光マップの多言語表記を行ってきたところです。
一方、ツアーガイド等人材の養成については、現在のところ予定をしていませんが、今後は外国人の方も快適に本市を楽しんでいただけるような仕組みづくり、例えばアプリを使った観光案内など、できるところから進めていく必要があると感じています。
(5)についてお答えします。
京王プラザホテル多摩の閉館については、多摩センター地域の宿泊機能としても、また、商業、観光面においても、その影響は大きいと認識しています。そのため、土地建物所有者である京王電鉄株式会社とは、多摩センターのまちづくりへの協力・参画について、引き続き協議していきます。
また、本市では、多摩センターの将来ビジョン策定に向け、令和4年度から令和6年度にかけて基本的な行動の考え方をまとめた「行動指針」を定め、ワーキングチーム等を設置し、検討を開始しました。令和6年度末の多摩中央公園フルオープン時には、多摩センターの将来のビジョン及び行動戦略を具現化していくことを目指しています。
なお、令和5年1月を最初の中間目標とし、早急に将来のビジョンを検討、仮設定していくため、具体的検討に関わる経費を本定例会において予算計上しています。
(6)についてお答えします。
本市では、これまでも日本一長い遊歩道や「新日本歩く道紀行100選」に選ばれた「多摩よこやまの道」などの観光資源の活用に加え、コロナ禍において注目されるマイクロツーリズムとして、近隣自治体との連携により、誘客への取り組みも行ってまいりました。
今後、多摩中央公園の整備が進む多摩センター地区など、新たな観光資源を活用し、国内、域内、様々な地域から来訪していただけるよう、本市の魅力を発信していきたいと考えています。
◯16番(渡辺しんじ君) ご答弁ありがとうございました。それでは、再質問に入らせていただきます。
前回、3月の一般質問で路線バスを活用して多摩市の魅力再発見と、それから、コロナ禍における健康二次被害予防のために、多摩市ナノツーリズムの提案をさせていただきました。
今のところ、いつものようにスルーをされているのかなという感は否めないのですけれども、毎回毎回いろいろな提案型の質問をしてきて、今回もスルー覚悟で質問、提案をさせてもらうわけでございます。
ただ今回この6月議会、新人議員の石山議員が本会議デビューということもありますので、先輩議員として折れない心というものをしっかりと示していきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、多摩市がこのインバウンド事業に関して、前向きに捉えられているということは、ほっとしたなと。これが後ろ向きだと、この次の質問が成り立たないということでもございますので、今ほっとしているところでございます。
今、報道番組やバラエティー番組などでも、メディアがこの観光に関して大きく取り上げております。また、ホテルなどの宿泊業や飲食業、デパートなど様々な業種でインバウンドや国内旅行者の受入れ準備を加速しているというようなことでございます。社会全体で、観光需要回復に大きな期待を寄せているのかなということを改めてここで申し上げておきたいと思います。
(2)の質問に入ります。
多摩市観光まちづくり交流協議会の現在の取り組みは大体わかりました。以前、あらたに議員をはじめ、何人かの議員がこの観光協会の設立に関して取り上げていたのですけれども、その都度、大体の答弁は機運が高まるのを待つ的な答弁でございました。コロナが収束して本格的にこの旅行や観光が復活したら、観光協会設立に向けた動きは加速するのかどうか、まず、そこをお伺いいたします。
◯副議長(橋本由美子君) 磯貝市民経済部長。
(市民経済部長磯貝浩二君登壇)
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 第一答弁のところでもご説明させていただきましたけれども、このコロナ禍の中でも、インスタグラム等の開設であったりとかグーグルマップを活用した電子的なPRというものは行ってまいりました。ただ活動がいろいろと制限される中では、必ずしも十分なPRというのはできなかったのかなと思ってございます。
そうした中で、一定のコロナの影響というのも少しずつ緩和されてきている中では、今年度もう第2回目、観光まちづくり交流協議会もあり、先日、出席してきましたけれども、新たな取り組み等はできないかと今いろいろと検討しているところでございます。今年度、より機運を醸成できるように取り組んでいければというふうには考えてございます。
◯16番(渡辺しんじ君) ありがとうございます。
先頃、岸田政権としては、初めての閣議決定をした骨太方針の中でも、この観光立国の復活ということが盛り込まれておりました。しっかりと機を見て前向きに、また、観光協会に関しては、取り組んでいただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
(3)の質問に入ります。
フリーWi-Fiです。以前、私を含め松田議員なども何人かで取り上げてきたのですけれども、インバウンド需要を見越しての設置ということで、これは令和2年の2月に設置したわけです。
ところが、すぐその後もうコロナ禍ということで、非常にタイミングが悪い状況で残念な状況になってしまったのですけれども、以前、答弁で観光施設まで、観光施設というのはおそらくこのサンリオピューロランドだと思うのですけれども、広げていくことも検討していますとありました。
ただ、ハード面や費用の課題があることは承知をしております。これからインバウンドを中心に観光客がもうわんさかわんさかと集まってきた暁には、再度また検討してもらいたいなと思っております。
ただ、一つ気になったのが、ホームページを見ると南口の広場にフリーWi-Fiのステッカーが貼ってあるとあったのです。私、この間あの周辺、ざっと視察に歩いたのですけれども、このステッカーがどこにも見当たらなかったように思うのです。どの辺に貼ってあって、どのぐらいの大きさで貼っているのか、もしわかったら教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) フリーWi-Fiのご案内のステッカーについては、A4サイズ程度のものを多摩センター駅前のエレベーター棟の壁のほうに設置をさせていただいてございました。
ただ、今担当のほうにも確認させていただいた中では、現在剥がされているのか、天候によって剥がれたのか確認はできないのですけれども、現状では確認ができない状況になっているということで、至急その辺は対応してまいりたいと考えてございます。
◯16番(渡辺しんじ君) エレベーター側というと、あそこのちょうどレンガみたいなところですよね。駅を降りて広場へ入ってそのまま右に折れていくというところだと思うのですけれども、あそこだとほとんど目立たないですよね。
私が言っているのは、もう私もこの令和2年に設置をして、自分で要望しておいて何なのですけれども、すっかり忘れていたのです。もう何回もあそこ2年ぐらい行っているのですけれども、ただ、もっと大きく出してくれれば私もああ、そうだと思い出してつなげたのですけれども、今回初めてつないだということもありまして、例えばキティちゃんの大きな案内板が正面階段のところにあるではないですか。あそこに上のほうでもいいので、少し大きめにまた設置をしておいたほうが、せっかく行ったってここにWi-Fiがつながっているのかどうかというのがあれではわからないですから、せっかく設置したのにもったいないということになりますので、提供範囲はしばらくの間少し我慢しますので、これだけはしっかりやってもらいたい。
市民経済部長、いかがですか。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) ご指摘のとおりかと思います。せっかく市の予算をかけてコストをかけながらWi-Fi設置させていただいている中では、少しでも利用してもらえるようにしていきたいと考えてございますので、わかりやすい位置への掲載のほうは検討してまいります。
◯16番(渡辺しんじ君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。せっかく設置したのにほとんどの人が気がつかないで利用しないというのは本当にもったいないので、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、(4)の質問に移ります。
今インバウンド復活に向けて、ホテルの小売店などで、英語で接客できるように準備をまた再開をしていましたり、それからまた、翻訳アプリや自動翻訳機を活用した準備もしているということで、通告で申し上げたように、このインバウンドの困り事ランキング1位は、コミュニケーションがなかなか日本の場合は取れないと。これは日本人の英語力の問題というのも当然あるのですけれども、4年ほど前、多摩市教育委員会では、日本一英語を話せる児童・生徒を目指してと、大胆な取り組みをスタートさせたと思います。オンラインで外国人の講師とのコミュニケーションレッスンとか、これは私たち議会としても実際のレッスンの模様を見させていただいたということもありました。今、この日本一を目指すということで、どのような形で進んでいるのかそこだけ教えてください。
◯副議長(橋本由美子君) 鈴木教育部長。
(教育部長鈴木恭智君登壇)
◯教育部長(鈴木恭智君) 今ほどご質問者からいただきましたとおり、外部への委託をかけまして、特に英語、ネーティブの先生を一定程度、それぞれ小学校、中学校、学習進度に合わせた教育活動をさせていただいています。
実際、私も何度か学校訪問で、教育長と一緒にそういう場面を確認させていただいていますけれども、個別に先生と一対一で、中学生が英語で話していてすごいなと感じる場面もたくさんありました。こういった活動というのは、引き続き続けていく考えで、今年度も実施をしているところです。
日本一英語が話せる児童・生徒を育てると、こちらは教育委員会として、現在も堅持しているスローガンでございます。
◯16番(渡辺しんじ君) ご答弁ありがとうございます。所管が変わってしまって申しわけないのですが、以前、6年ぐらい前ですか、私のまた一般質問で、オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みとして、生徒たちに英語でのおもてなし、つまり通訳のボランティアの育成を要望したことがありました。
本格的なこのインバウンド復活に向けて、この実践を通した英語力の向上、そしてまた、コミュニケーション力の向上に向けて、この通訳ボランティアの育成を再度提案をさせていただきたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
◯教育部長(鈴木恭智君) 先ほどのやり取りの中でも子どもたちの英語力、こちらに教育委員会としても、今、取り組んでいるところでありますけれども、ご質問者からありました、学ぶと同時に実践の場、あるいは実際の生活の場面で活用するということは、とても大切だと思います。
私も英語はすごく中学・高校と苦手でしたが、外国に旅行に行きたいと思った瞬間から少し英語に対する取り組みも変わってきたような記憶がございます。
まだまだ感染症の収束が見通せない部分ではありますけれども、もういずれというタイミングに来ていますので、感染症の収束を見据えて、多摩市に多くの外国人観光客の方がいらっしゃる機会を捉えて実践できる場、こういった視点で、教育委員会としてもどういうふうに実践できるのか、前向きに検討をさせていただきたいと思います。
◯副議長(橋本由美子君) この際暫時休憩します。
午後2時59分休憩
──────── - ────────
午後3時20分開議
◯議長(いいじま文彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。一般質問を続行します。質問からです。
渡辺議員。
◯16番(渡辺しんじ君) ご答弁ありがとうございました。
通訳のボランティアなのですけれども、本当にグローバル化におけるこの人材育成という点や、また、生徒たちが自分の英語力が今どのぐらいのレベルなのか。そういうことも認識できるいい機会なのかなと思いますので、非常に有意義かなと思っております。ぜひまた検討していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
それでは、(5)の質問に移ります。
京王プラザホテル多摩の閉館です。本当にこれからインバウンドとかで盛り上がっていくのかなという矢先に非常に残念な状況です。周知のように多摩市には世界中にファンがいるキャラクターを擁するテーマパーク、サンリオピューロランドがあります。これはもう観光施設というよりはもう観光資源と言ってよいのではないかなと思っています。
ホテルがなければ、ツアーバスでサンリオピューロランドに乗りつけて、サンリオピューロランドで楽しんで、そのままさよならといった感じで、市内の飲食店や店舗がこれでは全然潤わないということになってしまいます。
やはり滞在型の観光でなければだめかなと思っておりまして、あとは確かにほかの宿泊施設、リンクフォレストだったり、永山のスマイルホテルだったりあるのですが、やはりこれは研修用の宿泊施設というイメージがどうしても拭い切れないなという思いがします。
本音を言うと、何とかこの京王さんに思いとどまってほしいと私、率直に思っているのですが、その可能性というのはやはり市民経済部長、ないのですかね。
◯議長(いいじま文彦君) 磯貝市民経済部長。
(市民経済部長磯貝浩二君登壇)
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 実際にもう報道等でも発表されている中ではなかなか、これの撤回というのは感覚的なものになりますけれども、難しいのかなというふうには考えてございます。
ただ、今ご指摘いただいたとおり、宿泊施設というのは非常にこの多摩地域でも数があまりない中で、重要な施設かと思ってございます。今後のまちづくりにも重要なものであると考えてございますので、引き続き協議等は続けてまいりたいと考えてございます。
◯16番(渡辺しんじ君) 少し答えづらいかと思うのですが、閉館を決めた要因がこのコロナ禍による業績不振ということもあるのかなと思っていますし、ただ、しかし、今、国の方針も観光立国の復活ということもありますので、状況は変わってきているのかなと思うのです。京王さんの方針転換を祈るばかりかなと思っているのですけれども、この多摩市の多摩センターに限らず、多摩市の火が一つ消えてしまうようなものですので、何かしらのこれからアクションを取っていってほしいなと思っていますので、よろしくお願いします。
この京王プラザホテル多摩の話は、今のところ出口が見えないので、次の最後の(6)の質問に入らせてもらいます。
多摩市の観光力、先ほども申し上げたように、多摩市は唯一無二のサンリオピューロランドがあるわけでございます。しかし、それだけでは滞在型のインバウンドの集客は見込めない。やはり付加価値をつけていく必要があるのかなと思っています。
まず、先日多摩センター周辺を見て回ったときに気がついたことがありまして、ココリア多摩センターの中に大型の衣料品店などが入っていて、そういうところは免税店となっているわけです。多摩センターの近隣の店舗も、20以上、この免税店ということがホームページを見るとわかるのですけれども、私、歩いてみたときに、この案内の看板が外に向けて全然ないのです。唯一あったのが、私、マグレブWESTのほうまで歩いたのですけれども、写真をお願いします。
これはショッピングモール、新しくできたこのマグレブのモールのところで、一番初めにどんとくるのがこのドラックストアです。店名を隠すために上のほうを削ってしまいましたけれども、どんとタックスフリーショップという形ですごいインパクトのある看板というか、案内があったわけです。私が見た限りもうこれしか多摩センター周辺のこのタックスフリーの看板は、見当たらなかったです。これももう少し何とかしたほうがよいのではないかなと思っているのです。
なかなか行政として直接この店舗なんかに要請はできないのかなと思うのですけれども、例えば多摩センター地区連絡協議会なんかを通して、看板などを設置したアピールを促すことはできないかどうか。それをお伺いいたします。
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 免税店の表示ということなのですけれども、私もインターネットで調べた範囲なのですけれども、多摩センターエリアで、25店舗ぐらいは免税店があったかなと思います。
ただ一方で、ご指摘いただいたとおり、多摩センターを歩いた中で明らかに免税店がありますというのは、それほどでもないかなと思ってございます。
この表示については、基本的には民間の店舗が営業目的でPRしていくものであろうと考えてございますけれども、一方で、インバウンド需要を捉える貴重な形態であるというふうには認識してございますので、今免税店をやっているのが、必ずしも多摩センター連絡協議会に入っている店舗だけではないのですけれども、いろいろな機会を捉えてそういったご意見等は言ってまいりたいなと考えてございます。
◯16番(渡辺しんじ君) よろしくお願いしたいと思います。これから本当にインバウンドがどんどんふえて、免税店も利用する機会がふえてくるのかなと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
あと、どうしてもこのサンリオピューロランドだけに頼ってはいけないなと。国内外の観光客を呼び込むことはもう一つの目玉のようなものが必要なのかなと思っています。
ここからがスルー覚悟の提案でございますが、第一答弁にあったように、令和6年度の終わりのほうにリニューアルオープンする多摩中央公園というのがございまして、今Park-PFIを用いて、民間事業者が準備を進めているという状況でございます。
親子の遊び場としてのインクルーシブ遊具も併設した大型遊具の設置を計画していて、もう一つは、少し詳細はわからないのですが、プレーパークということで、ちょっとしたフィールドアスレチックみたいなもの、ハンガーでつるしたりするのかな、よくわからないのですけれども、そういう計画もあると聞きました。
私はどうせやるなら、本格的なこのフィールドアスレチックをつくってしまえということを今回スルー覚悟で提案をさせていただきます。
まず、フィールドアスレチック、今全国で非常に人気が高いです。これはイメージの写真、イメージをしてください。大体こういうターザンロープとかそういうのがあると思うのですけれども、これは多摩中央公園です。ちょうどレンガ坂のほうから下りてきて撮った写真です。
右側に樹木が生い茂っていて、多分この手前のあたりにプレーパークだったり、遊具が置かれるのかなと思うのですが、要はこの生い茂った樹木を利用して、このフィールドアスレチックをつくってしまえばというのが今回私の提案でございます。これが逆側から撮った写真で、本当にこの樹木を利用すればいろいろなことができるのかななんて思っているのです。先ほど言ったターザンロープだとかいろいろな綱渡りみたいなものをやりながら、アドベンチャーコースみたいな形で、向こうからずっとこう攻めてくるわけです。
しばらく行くと、これ何だかわからない鳥居のようなモニュメントなのか何か、いまだによくわからないのですけれども、きらめき広場のところの池の前までこうやって来るわけです。いろいろなアドベンチャー的なものをターザンロープとかやりながらここまでたどり着いて、そこの鳥居みたいなものも何か利用をして、また、きらめきの広場の池、きらめきの池と私は言っていましたけれども、ここでいかだか何かで行ってコースにするわけです。それで最終的には、このパルテノン多摩のちょうど大階段上がった一番上のところ、ここに今少し見えたジップライン、これも結構いろいろな地方で、大自然のところでやったりするわけなのですが、ここをジップラインでパルテノン多摩の大階段からびゅーんと滑り下りる。駅まで行くと危ないですから、ココリア十字路ぐらいまでびゅーっと下りていって、フィールドアスレチックが完成すると、完了するというか、非常に夢があるよい提案です。そこまで今回は考えてまいりました。
先ほども言いましたけれども、かなり人気のあるこのフィールドアスレチックなのですが、どうですかね、環境部長。
◯議長(いいじま文彦君) 小柳環境部長。
(環境部長小柳一成君登壇)
◯環境部長(小柳一成君) ご提案いただきまして、ありがとうございます。
多摩中央公園の改修に当たりましては、現状の利用実態を調査した上で、市民ワークショップや市民、学生、生徒さんへのアンケート、あと、公園を利用する団体などにも参加していただきながら、社会実験やワークショップを通じて課題を整理しまして、改修の基本方針を策定してございます。これを与条件として、多摩中央公園の改修に取り組む事業者を公募して、審査の結果、企業グループ、共同企業体になりますけれども、選定させていただいています。
今回、ご提案いただきましたアスレチックやジップラインということにつきまして、共同企業体のほうに確認させていただいたのですが、実は共同企業体の検討段階でも可能性を検討したところですけれども、市のほうでつくっています改修基本方針との整合性や設置場所、あと採算、樹木を傷める可能性などの課題から、提案には至らなかったと聞いてございます。
ただし、先ほど議員からもありましたとおり、現在その共同企業体のほうで計画している内容には、市内全域から、また市外、遠方からも利用のために、その利用を目的にお越しいただけるような大型遊具の設置を予定しているほか、一部施設整備のために伐採する樹木等を活用したプレーパークというものを予定してございます。
そのプレーパークは、利用者と共につくっていくことを予定しているわけですけれども、その中には、木登りや綱渡り、ターザンロープといった、今回ご提案いただいた内容に近いようなものも含まれているところでございます。今回ご提案いただきました趣旨を共同企業体とも共有させていただきまして、よりよい改修を行い、公園のにぎわいが周辺のエリアにもにじみ出ていく、シャワー効果を実現する。そんな魅力的な多摩中央公園にしていきたいと思ってございます。
◯16番(渡辺しんじ君) ありがとうございます。思いは一緒だということがわかりました。
少し大がかりになってしまうと、費用の面だったり安全性だったり、いろいろ問題があるというのは私もわかっておりますので。ただ、今回は観光客をどうやって呼び込むのかということに関して取り上げさせてもらっているので、少し大げさな話になってしまったのかなと思うのですが、思いが一緒だということがわかりました。
あとほかにも今、日本酒が世界的にブームでございます。市内には全国的に有名な酒屋さんがありますので、そういうところに協力してもらって、このちょっと一杯試飲ができる日本酒なんかを、多摩センターのどこかにブースをつくったり、どこかの空き店舗がもしあればそういうところにブースをつくって、当然タックスフリーということで、そこで観光客を呼び込む。
それから、冷えきった中国との関係がこの先どうなるかわからないのですが、改善されれば、また、中国人観光客がどっと押し寄せて爆買いツアーというのがあります。多摩センターには家電量販店ございますので、そういうのもツアーの中に盛り込むとか、知恵と工夫でどんどんこの集客できるのかなと私は思っております。
とにかく今リベンジ消費ということで、行動規制緩和に伴って、社会が動き始めているのかなと思います。10日から始まった都民割「もっとTokyo」は、三、四時間で初日分は売り切れです。はとバスも予約開始から電話が鳴りやまず、海外からは特に韓国からのツアー申込みが急増して、旅行代理店がうれしい悲鳴を上げていると。そして、その流れから求人件数も急増しているらしいのです、時給もどんどん上がっているらしいです。
多摩市の財政状況はコロナによるダメージが思ったほどなかったと聞いていますけれども、私はこれから徐々にボディーブローのようにじわりじわり効いてくるのかなと思っています。
その点、この市内経済の影響に関して、前財政課長の磯貝市民経済部長の見解を少し聞きたいのですけれども、いかがでしょうか。
◯議長(いいじま文彦君) 磯貝市民経済部長。
(市民経済部長磯貝浩二君登壇)
◯市民経済部長(磯貝浩二君) 市内経済、市内企業への影響、今後の見込みというところかと思いますけれども、正直、今後どう転んでいくのか、どういうふうにいくのかなというのがなかなか見えない状況かなと思ってございます。
基本的な流れとしては、このコロナの影響が少しずつ薄まってきて、人々が移動して経済活動が活発になってくれば、経済全体としては少しずつ回復していくのだろうというふうには考えてございます。
一方で、ロシアの問題であったりとか、まだ半導体不足というのも解消されない中では、必ずしも需要がふえたからといって、そのまま消費につながるかというのは非常に見えないところがございます。
あと、事業所のところで言いますと、コロナ禍で様々な対策、融資制度の拡充だったりとかいろいろな支援金、こういったものが対応としてされましたけれども、このコロナの影響が収まって、そういった支援金等がなくなり、融資等についても今度返済する時期になってきたときに、それがどういうふうに影響してくるのかというのが、見えないなというのが正直なところでございます。
今後、その辺りの動向もしっかりつかみながら、その都度対応は必要かなと、そのように考えてございます。
◯16番(渡辺しんじ君) すいません、ありがとうございます。
ですので、やはりこのインバウンド戦略と観光力をしっかりつけて、税収アップにつなげてもらいたいなというのが今回の私の趣旨でございます。
私は今まで道の駅やグリーンスローモビリティや顔出しパネルなど、いろいろ提案してきたわけなのですけれども、私はもう本当にただこの来街や転入などで市の財政が潤えば、今本当に困っている人、また今手を差し伸べなければならない人を救っていけるという思いからこういう提案をさせてもらっています。なので、今回のこのフィールドアスレチックの提案ももう全然スルーして結構です。ただ、職員の皆さん、何かいい知恵はありますかということなのです。
これから本当に少子高齢化が加速して、生産年齢人口が減少する中で、何かこの税収増につながる策はあるのかということを私は問うていきたいと思うのです。私は全ての道、全ての事業は、このシティセールスにつながっていると思っております。例えば窓口の対応一つにとってもそうなのです。
そういう意味で、この間窓口の対応が悪いよということで、クレームの、かなり憤慨されたお電話をいただいたのですけれども、おそらくその職員は事務的には間違ってないとは思います。ただ言い方だったり、対応だったり、その方の立場に立った対応をしなかったことによって、何度もこの市役所に足を運ぶことになってしまったそうです。一事が万事です。
本当にこの多摩市に対して嫌な思いを残して転出してしまったのだなと残念に思います。お役所仕事なんていう言葉はもう死語です。ぜひ職員の皆さん一人ひとりが多摩市の看板を背負っているという思いで、一人ひとりがPR担当という意識をしっかり持って頑張ってもらいたいと思っています。
最後、少し話がそれたかもしれませんが、市長にご意見、ご見解を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) 今日は夢のある話を聞かせていただき、ありがとうございます。
インバウンド、本当にこれまで新型コロナの感染症、ここまで来てしまいましたので、世界がどのようになっていくのか、特に日本が今一番入国に対しては厳しいのではないかと思います。
一方で、ワクチン接種が世界的に見ても、4回目のワクチン接種に入るなどという国はほかにほとんどありませんので、気がついてみたら、ワクチン接種率は世界の中で日本がほぼトップの状態にあります。逆に言えば、それだけ安心して迎えることができるという日本なのかなというふうにも思います。
多摩市独自の何かインバウンド政策ができるということではないと思いますので、海外からの門戸をどう開いていくのかというのはもう国に委ねたいと思いますが、ただ一方で、今日ご指摘のようにそういうときに備えて観光まちづくり推進協議会はじめ、そしてまた、今日提案いただいた夢のあるようなPark-PFIに基づく多摩中央公園、それが実現したときには日本の国内だけで、あまりただ海外からのお客さんだけがにぎわっているのもどうかと思うので、まずは多摩市の子どもたちや周辺の子どもたちが、ご提案のようなことも含めて多摩中央公園で、プレーパークで遊べる、そういうことをまず実現させていただいた上で、海外からのお客様にも存分に楽しんでいただけるように、今日のお話の10分の1になるかもしれませんけれども、ぜひ実現をさせていきたいと、担当部長も頑張っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 渡辺しんじ議員の一般質問は終わりました。
────────────────────
◯議長(いいじま文彦君) 次に、安斉きみ子議員の発言を許します。
2番安斉きみ子議員。
(2番安斉きみ子君質問席着席)
◯2番(安斉きみ子君) 安斉きみ子です。通告に基づき、2問質問いたします。
在宅者を生まない・・知的障がい児・者の卒後対策
多摩市には、特別支援学校の都立多摩桜の丘学園があり、また、市内の小中学校には特別支援学級も多数存在しています。特別支援学校の高等部やまた高校や大学、専門学校などを卒業した多摩市在住の知的障がいを持つ人たちの卒後の受け入れが必要です。多摩市は卒後に受け皿がなくて、在宅で過ごす障がい児・者を出さないというスローガンを掲げています。
今回の質問では知的障がい児・者に絞って、障がい児・者を中心にといいますか、卒後対策を伺います。多摩市の卒後に利用する通所施設は、その多くが障がい児・者に関わる関係者により、立ち上げから施設運営まで苦労を重ねながら営まれてきた事業所がほとんどだと言っても過言ではありません。
2015年の秋から2016年1月にかけて、当時の健康福祉常任委員会は市内の障がい当事者や日中活動系福祉サービス事業所、保護者会などと懇談を重ねました。そして出された要望について市の障害福祉課の回答と健康福祉常任委員会の見解を添えて、ご協力いただいた団体にお返ししました。
卒後に在宅者を生まないという切なる願いはこのときにも出された課題でした。障がい者に係る国の法律は2006年の障害者自立支援法から、2012年の障害者総合支援法へと変わりましたが、障害者自立支援法は違憲と裁判に訴えた訴訟団と、国が和解の「基本合意」を結んだにもかかわらず、障害者総合支援法は、障害者自立支援法の微修正にとどまりました。
今回の質問に当たり、市内の通所施設を再度訪問し、また電話による聞き取りも行いましたが、日々ご苦労されながら懸命に頑張っておられることを痛感しました。以下質問いたします。
(1)知的障がい児・者を対象とする現在の通所施設の実態を伺います。社会福祉法人、NPO法人、民間事業型などの知的(重複)障がい児・者の受け入れ状況(市内・市外)、また、生活介護や就労支援などの項目についてもお答えください。
(2)各事業所の定員、運用定員についてわかる範疇でお答えください。また定員を超えると報酬に影響があるかどうかについて伺います。
(3)2015年(健康福祉常任委員会で障がい者団体と懇談を行った年)以後に新築、改修、移転などにより、施設の改善と合わせて定員の拡充など行われたのか伺います。
(4)建替えや移転に伴う法人などの資金調達などについて市としてつかんでいる情報、また、その際に補助金の活用や土地確保のための支援などについてお答えください。
(5)重症心身障がい児の卒後対策について、受け皿に不足を来していると聞きます。現状と課題について伺います。
2 政治への関心・投票行動を促すためには・・市選挙管理委員会が果たす役割について
今年は4月の市長選挙、市議補欠選挙が行われ、また7月10日には参議院選挙が予定されています。投票率が上がらない、政治に無関心な層が多いなど、マスコミなどでも報道されています。その原因に現在の公職選挙法が「民意の届く」選挙制度になっていないなど多くの問題が指摘されています。
多くの「死票」を生み出し、投票した過半数の民意を切り捨てる小選挙区制は廃止し、民意を正確に反映する比例代表中心の選挙制度に変えるべきです。カネで政治をゆがめる企業・団体献金を全面的に禁止し、政党助成金もなくすべきです。参政権の行使を保障し、選挙活動の自由を拡大することが必要です。供託金を大幅に引き下げ、「お金がなければ立候補できない」状況を改善しなければなりません。現在、町村議のなり手不足が深刻になっているにもかかわらず、2020年から町村議会議員選挙にも供託金15万円を負担させられる法律が通ってしまいました。また、日本は選挙運動を行える期間が決められています。この期間以外は、選挙運動が禁止されています。これは国際的に見てもまれな制限です。本来、「選挙運動」は「政治活動」の一部であり、日常的に行うものです。選挙運動期間の見直しも必要です。
多摩市選挙管理委員会においては、市民の要望を反映して選挙制度の改革を求めていただきたいと思います。
以下質問いたします。
(1)2016年の参議院選挙から18歳選挙権が施行され、6年が経過する中、若い有権者の投票行動はどう推移しているのでしょうか。全国と多摩市の動向を伺います。
(2)多摩市選挙管理委員会はこれまで多摩市内の小中学校、市内の高校で「選挙」についての学びを展開してきました。主権者教育として重要な役割があると思います。その経過と現状と課題について伺います。
(3)日本の公職選挙法は「べからず選挙」と言われ、国連の人権問題からも日本の「選挙運動の制限」について指摘されていますが、多摩市選挙管理委員会で独自に判断し、実施できることは何があるのでしょうか。例えば投票所の増設や投票区の区割りの変更などは可能なのでしょうか。
(4)先日、選挙管理委員会委員長あてに提出された陳情書があったと伺いました。身近な団地の集会所に投票所を設置してほしいという内容だと聞きます。4人の選挙管理委員会でこうした陳情はどう扱われるのでしょうか。
(5)郵便投票の改善については多摩市議会でも複数の議員が取り上げてきました。要介護5でなければ利用できないという今の制度では、該当しない人たちがいます。要介護にこだわるのではなく、選挙に行きたくても選挙期間中の期日前投票や投票日にどうしても行けないという人は必ずいると思います。これまでの多摩市選挙管理委員会から国に要望を上げていると聞きますが、その内容について伺います。
また、コロナ禍の中で選挙が続きますが、コロナ感染の宿泊療養者や本来自宅療養はあってはならないと思いますが、自宅療養者の投票権はどう守られているのでしょうか。
(6)選挙の正当性・公平性を担保するためにも、管理・執行・啓発にかける経費と、選挙事務に従事する人員は十分に確保すべきです。見解を伺います。
ご答弁いただいた後に、再質問をしたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) 安斉議員のご質問にお答え申し上げます。
1の(1)についてお答えします。
市内通所事業所について、知的障がい者を対象とする事業所は、それぞれ生活介護が11事業所、就労継続支援B型事業所が17事業所、就労移行支援事業所が1事業所あり、うち重症心身障がい者を受け入れる市内事業所は、生活介護事業所が2事業所となっています。また、障がい児を対象とする市内通所事業所は、児童発達支援が8事業所、放課後等デイサービスが19事業所あり、うち重症心身障がい児を受け入れる市内事業所は、児童発達・放課後等デイサービスそれぞれ3事業所となっています。
運営法人の類型ごとでは、生活介護事業所のうち社会福祉法人運営が7事業所、NPO法人が2事業所、その他民間法人が2事業所で、就労継続支援B型事業所のうち、社会福祉法人運営が3事業所、NPO法人が12事業所、その他民間法人が2事業所、就労移行支援事業所は民間法人の運営となっています。
また、児童発達支援事業所のうち社会福祉法人運営が1事業所、NPO法人が2事業所、その他民間法人が4事業所、公設が1事業所で、放課後等デイサービス事業所のうち社会福祉法人運営が1事業所、NPO法人が6事業所、その他民間法人が12事業所となっています。
(2)についてお答えします。
市内通所事業所について、知的障がい児・者及び重症心身障がい児・者を対象とする各事業所の定員の総数は、多機能型の指定を受けている事業所に関する重複はありますが、本年6月現在で、それぞれ生活介護が237人、就労継続支援B型が259人、就労移行支援が20人、児童発達支援が122人、放課後等デイサービスが175人となっています。運用定員については、市外利用者の数を算出できないことから、正確な数を把握することは困難な状況です。
報酬算定においては、各サービスごとに定員数による報酬区分が設定されており、当該定員数の大小による報酬上の評価がなされているところですが、指定申請時に届け出ている定員数を超過した場合の取扱いについては、1日の利用者数が、当該利用定員に所定の数値を乗じた数を超える場合に、一定の減算を行うことや、直近の3か月間の延べ利用者数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に100分の125を乗じて得た数を超える場合に、一定の減算を行うことが国の報酬告示の中で示されています。
(3)についてお答えします。
市内の通所事業所において、2015年、平成27年以降、改修など施設の改善と合わせた定員の拡充が実施されたかについては、本市として正確な数字を持ち合わせていません。
なお、通所事業所の新設による定員は、平成27年から現在までで75人増加しており、その内訳として、就労移行支援20人、就労継続支援B型40人、生活介護15人が増加しています。
日中活動の場である通所事業所は、近年、利用者数の増加が続き、それに伴い新規事業所の開設が続いていることからも、引き続き利用ニーズが増加していくものと認識しており、今後も必要な定員数が確保されるよう、行政として支援を行ってまいります。
(4)についてお答えします。
現在、市内通所事業所に対しては、運営経費や家賃などを「多摩市日中活動系サービス推進事業補助金」事業により支援し、安定的なサービス提供体制が確保されるよう取り組みを行っているところです。
一方、市内事業者からは、施設の老朽化対策や障がいのある方の高齢化・重度化に伴う利用ニーズの増加への対応として、市へ施設整備に適した土地、建物のあっせんや、市独自補助による支援等についての要望が寄せられています。
そうした要望に対し、「多摩市障がい者基本計画」では、施設の老朽化による建替えなどの対策として公共財産や
ニュータウン再生により発生する創出用地の活用等の情報提供を行うとともに、市の独自補助による支援を行うことで、事業所が施設整備しやすい環境を整えるものとしており、今後とも、当該計画に基づき、関係者と連携した取り組みを推進してまいります。
(5)についてお答えします。
重症心身障がい児の卒後対策については、特別支援学校卒業時における通所先の確保が重要なものと認識しており、学校関係者等と市障害所管が連携を図りながら、進路の調整につき、対応を図っています。
通所先の確保として、重症心身障がい児・者を受入れ可能とする生活介護事業所の運営が重要ですが、こうした事業所運営は高い専門性が求められることから、「多摩市重症心身障がい児(者)通所事業運営助成」事業により経費の助成を行うことで、安定したサービス提供が可能となるよう支援を行っているところです。
また、令和2年度には、市内で重症心身障がい児・者を受け入れる生活介護と児童発達支援事業の多機能型事業所の開設に関わる施設整備補助事業を実施することで、新たな通所先の確保策に向けた取り組みも行っています。
今後も引き続き、こうした施策を続け、重症心身障がい児・者が取り残されることなく、地域で安心して暮らし続けることができるよう取り組んでまいります。
2については、選挙管理委員会事務局がお答えします。
◯議長(いいじま文彦君) 武村選挙管理委員会事務局長。
(選挙管理委員会事務局長武村力君登壇)
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 安斉委員のご質問にお答え申し上げます。
2の(1)についてお答えします。
平成28年の参議院議員選挙から選挙権年齢が18歳に下げられましたが、その後の選挙結果では、全体投票率から見た若年層投票率は低水準になっています。また、多摩市だけではなく、東京都や国全体の投票率でも同様の傾向となっています。
(2)についてお答えします。
若年層の低投票率の状況を鑑みると、学齢期からの主権者教育は重要であると考えています。
そこで、選挙管理委員会では、主権者教育の出前授業を積極的に取り組んでおり、令和3年度は、小学校13、高校1校で実施しました。
課題についてですが、学校が希望する出前授業の実施日が、選挙執行時期に重なれば、希望に沿えないこともあります。また、担当教諭や校長、副校長先生が替わられた後の継続性です。このような場合でも実施できる仕組みづくりが必要であると考えています。
(3)についてお答えします。
公職選挙法で投票区や投票所に関する規定がありますが、投票区の数や投票所の場所に関する制限はありません。
以前の一般質問でも、市内の投票区について見直しのご意見をいただいています。投票区の見直しについては、現在の衆議院議員選挙の選挙区が「1票の格差」の解消から分区されており、本年度に選挙区の再編が予定されています。ついては、選挙区の再編を注視しながら市内投票区の見直しも検討してまいります。
(4)についてお答えします。
本年5月26日に提出された陳情書「身近な団地の集会所に投票所を設置してほしい」については、本年6月1日に開催されました令和4年第5回多摩市選挙管理委員会定例会で、話し合いをしています。
多摩市の投票区は、市全体から見て、人口や面積のバランスを鑑み、区割りを定めていること、また、投票所の場所については、各投票区の中心にあることが理想的ではあるものの、突然の選挙でも投票所として設置できる場所であるかどうかも含めて定めていることから、現段階では、現状維持が望ましいとまとまりました。
(5)についてお答えします。
郵便投票の対象者拡大については、平成30年10月に全国市区選挙管理委員会連合会より国の関係機関に対し、公職選挙法施行令第59条の2で定める郵便投票の対象者のうち、要介護者について、要介護状態区分を「要介護5」から「要介護3」以上に拡大する旨、要望をしています。
また、令和3年7月4日執行の東京都議会議員選挙から、「特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律」が適用され、
新型コロナウイルス感染症の罹患者または入国後の待機者で、宿泊療養者または自宅療養者も郵便による投票が可能となりました。
(6)についてお答えします。
選挙にかかる経費について、国政選挙は国が、都政選挙は東京都が選挙費用のほとんどを支出します。また、市長選挙と市議会議員選挙は、市の一般財源から支出して執行しています。
選挙事務に従事する人数は、来月の執行が見込まれている参議院議員選挙の場合で、期日前投票所に約65名、選挙当日は約280名の職員を委嘱して執行する予定です。これらを総括する事務局職員は、現在4名の正規職員で事務を執っていますが、この参議院議員選挙では、選管OB職員を中心に12名の職員に兼任の依頼をして、適切な選挙執行をするための調整を進めています。
◯2番(安斉きみ子君) ご答弁ありがとうございました。
それでは、1番の在宅者を生まない、知的障がい児・者を中心とした卒後対策について伺ってまいります。
2015年から16年にかけて、健康福祉常任会で市内の障がい者団体の方たちと懇談したことは冒頭でも触れました。やはり今ではこの利用者数もふえているし、それからまた、社会福祉法人や特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人とは別の一般社団法人とか、あるいは株式会社、こういう参入がふえているということも、利用者が多くなったと見てよいのではないかと思うのですけれども、それで伺いますが、この企業参入の背景に何があるのか、それからまた、法的な根拠があるかと思うのですけれども、その辺りについて伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 小野澤健康福祉部長。
(健康福祉部長小野澤史君登壇)
◯健康福祉部長(小野澤史君) 障害福祉サービス等の提供につきましては、障害者総合支援法や児童福祉法に基づき、都道府県等が指定した事業所において行われ、法令上、指定申請を行うことができるのは法人であるということが規定されておりまして、その法人の類型については特に限定されているものではございません。
近年、一般社団法人ですとか、あるいは株式会社の参入がふえている理由といたしましては、平成24年度に改正児童福祉法が施行され、放課後等デイサービスが創設されるなどの見直しが行われたことや、また、平成27年度の報酬改定において、処遇改善加算が上乗せ評価されたことによる福祉人材の環境改善といった内容が背景にあるものと考えられます。
◯2番(安斉きみ子君) 私も様々な業態の事業所が入ってくるということは一概に否定はできないと思っています。
ただ、やはりどう見ましても根を張って頑張っているのが今まで、これまで多摩市内で営々と築いてきた社会福祉法人やNPO法人、これがまた数も一定あって、それで、しかも非常に多摩市にとっては重要な役割を果たしていると思っているのです。
それでこのNPO法人と、先ほど言われたような一般社団法人あるいは株式会社、こうしたところのこの連絡会があるのかどうか、それから、共通の要望というものが出されているのかどうか、その辺りを伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 本市では、サービス類型ごとに事業所等連絡会を設置しておりまして、この事業所等連絡会の参加については、社会福祉法人、NPO、それから一般社団法人、株式会社、特にそれを問うものではございません。サービス類型ごとに設置をしているということで、事業所間の意見交換ですとか市への要望等を伺う場として、市内の事業所の皆さんに参加をいただいているところでございます。
近年、各事業所において課題感が強いといいますか、要望としていただいているのは、やはり
新型コロナウイルス感染症対策ということで、そうした課題や要望をお伺いする中で、必要となる施策を検討して、障害福祉サービスの事業所等事業継続応援金ですとか、あるいは、障害福祉サービス等事業所
新型コロナウイルス検査経費の補助金、そういった事業を創設することで対応を図ってきたところでございます。
今後も様々な法人形態が事業運営を行うサービス事業所からご意見を伺う場として、事業所連絡会において支援者の皆さんからの声を聞きながら、必要な施策について検討してまいりたいと考えております。
◯2番(安斉きみ子君) 事業所連絡会、大変大事な機関だと私も思います。それから、多摩市民の障がい者で、資料をいろいろいただきました。
資料を見ると本当に多摩市の全域を含めて、どういうふうな障がい者の事業所があって、どういうサービスを行っているのか、どういう人たちが利用されているのかということも本当によくわかる資料になっています。
その中で、私が少し気になるのは、資料の中の生活介護、これは比較的障がいが重い人たちが、どちらかというと日常の生活の支援を受けながらやっていらっしゃると思うのですけれども、市内の事業所を利用している多摩市民の方が135名、実は市外も同数の135名の方たちが市外の施設を利用されているわけです。
これは多摩市内ではもう本当に受け止められない数だと、もちろんよその市外から多摩市に来て、そこでサービスを受けていらっしゃる方もあることはあると思いますが、この同数135名、この数に私も驚きました。
それからもう一つ、就労継続支援B型、これも働く、クッキーをつくったり様々な作業をしながら暮らして、そこの事業所で働いていらっしゃるわけなのだけれども、そういう方たちも実は市内在住の就労継続支援B型利用者のうち約3割は、市外の施設を活用する、通所施設を利用されていると。
この生活介護5割、それから就労継続支援B型の3割が市外事業者にこの利用を委ねるというこの実態、これを市としてはどのように見ていらっしゃるのでしょうか。多摩市内の事業所で十分足り得る実態なのか、その辺りを伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 障がいのある方が実際に通所先を検討する際には、自宅などからのアクセスや送迎の有無、また、各事業所での支援内容といったものを考慮して通所先を決定していると認識をしておりまして、多摩市民の方々が、全て市内の事業所の利用を希望するというものではなくて、一定程度、市外事業所の利用を希望されるケースがあるものと認識をしてございます。
一方で、地域のサービス提供体制を確保するに当たっては、ご質問者ご指摘のように、市内事業所の定員をしっかり確保していくということは重要なものであると認識をしております。
サービス利用の実態や動向を踏まえつつ、行政として必要な支援について検討してまいりたいと考えてございます。
◯2番(安斉きみ子君) 市内に一定あることが必要だとおっしゃいましたけれども、先ほどの数字を見ますと私はやはり市内に一定どころか足りないのだと思っています。
それはなぜかというと、その次の2番目ですけれども、各事業所の定員や運用定員についてお尋ねをしているわけなのですけれども、私は今回訪問したのが3か所、電話で聞き取りしたのが2か所あるのですけれども、定員いっぱいで受けられなくて、もうお断りしたケースを複数の事業所から聞いているわけです。
それで何回も断ったことがあるとか、それから本当に胸が痛んだのだけれども、仕方なく断ったとか、そういうお話を聞く中で、この事業者の皆さんが心配されるのがこの各事業所の定員と運用定員で、先ほどもお話がありましたけれども、運用定員は超えてしまうと1日または1か月について、利用者全員にいわゆる支給料が減額になってしまうのです。だから、ここはやはり手をつけられない、だけれども、受け止めてあげたいという中で、その定員以上に少し受け止めようという気持ちを持ち、そして、それ以上は受け止められないとお答えをなさるという、こういう実態があるということは、私は本当に胸の痛むことだと思います。
そういったことを市としてもしっかりつかんでいただかないと、先ほどのように、一定市内にはあるという認識を健康福祉部長は示されましたけれども、私は足りてないと、話しておきたいと思います。
それから(3)ですけれども、2015年以後ですけれども、新築、改修、移転などにより定員の拡充が行われたのかということでは、明確な定員拡充についてはつかんでいらっしゃらないということですけれども、やはり新しく建った事業所があるとか、それから、1つあったものを2つにしたとかという中で、やはり利用される方が広がったのだなと思うわけです。
それで今でも多分、新築や改修あるいは移転、こういう要望が出ている通所事業所が私はあるのではないかと思うのです。また、それについて市への支援の要望がどんなものがあるのか、伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 現在、市内の通所の事業所からは施設の老朽化対策ですとか障がいのある方の高齢化、重度化に伴う利用ニーズの増加への対応として、市へ施設整備に適した土地等の確保ですとか、市独自補助による支援等について、要望が寄せられているところでございます。
そうした要望に対して、市としては多摩市障がい者基本計画に基づきまして、事業所が施設整備しやすい環境を整えるために、事業所と意見交換を行いながら、公共財産や
ニュータウン再生により発生する創出用地の活用等の情報提供ですとか、市の独自補助による支援等に取り組んでいるところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) 今、事業所と意見交換を行いながら、そういう計画について支援をしていくという、それはそのようなお答えになるかと思うのですけれども、しかし、現実にはやはりその土地を確保しようと思ってもなかなか土地が見つからない。
それから新しく建物を建てるにしても、まさしく社会福祉法人、NPO法人が自分で資金をためて、そして、億という、1億とかと聞きましたけれども、そういうお金をためながら、新しくその建物を建てなければならない。
確かに補助金も先ほどいろいろありましたけれども、出ていることは確かです。だけれども、それではまだ追いつかないような経営の厳しさ、私はそれがあると思うのです。
多摩市障害福祉計画のことは後でまた触れますけれども、なかなかその利用人数についての数は出てくるけれども、その利用人数を受け止める施設は幾つあればよいのか、いつのときに新しくそういう建物を建てればよいのかというのが見えてこないとか、いろいろそういう不満があるわけなのですけれども、私はやはり認識の捉え方が市のほうと事業者さん、あるいはまた利用している保護者の皆さんとに少しずれがあるのではないかなという気がしています。
それで(4)ですけれども、先ほども言いましたけれども、建替えや移転に伴うその法人などの資金調達です。それから、その際に補助金の活用や土地確保のための支援についてなのですけれども、確かに建物を建てる際には、多摩市日中活動系障害福祉サービス施設整備補助金交付という要綱もありまして、これについては私も資料はいただいておりますけれども、この対象には、一般社団法人や株式会社も対象となるのかどうか伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 多摩市日中活動系障害福祉サービス施設整備費補助金交付要綱につきましては、令和3年度に、市内の重症心身障がい児者通所施設の新設に際しまして、市の独自補助による支援を行うために策定したものということでございますので、現在はその要綱自体は廃止となっております。
この補助金の対象については一般社団法人としておりまして、株式会社については含んではおらないところでございます。
市独自の施設整備費補助については、個々の案件に応じて対象者、補助金額等の補助要件を設定しておりまして、今後も必要に応じて適切な支援が行えるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◯2番(安斉きみ子君) 確かにこの要綱というのは建物を新しく造る、そういう場所を整備するというときにその都度その都度要綱をつくるのだそうで、今言われたところも既に出来上がっているので、その要綱はそのとおり次に使えるものではないということは、私も今回初めて知りました。
それで今、一般社団法人は使えるけれども、株式会社は使えないとおっしゃいましたけれども、この間私も「アンドラフ」さんに行ってきて、そこが合同会社なのですけれども、これは該当に値したのではないかと思うのです。そういったところにも支援の手を差し伸べていくということはとても重要なことだと思いますので、私はこういう補助整備事業を使いながら、これからもまた新しく建物を建て替えるところもあるかと思いますので、やはりそういったことについては充実させていただく。
市の要綱でできるということは、幾らかそこに市の裁量が働くということになるのでしょうか。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 今、市の裁量がというお話でございますけれども、その現状での必要性において、その状況を勘案して、市としても判断をさせていただいているというところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) やはりその施設ごとによって、それから行う事業、受け止める障がい者の方たちの状態によって困難さも変わってきますので、ぜひその辺りは十分よく市のほうで受け止めていただいて、それぞれのこの要綱をきちんとつくりながら、手当てをしていただきたいと思います。
それからもう一つ、家賃補助について伺うわけですけれども、これも実は2015年に健康福祉常任委員会と懇談した際にも問題になったことがありました。いわゆる古い建物の建替えだったらば、これは家賃補助を継続してやっていくということなのですけれども、新たな場所に新しく新築した場合にこの家賃補助の対象にならないというその理由、法的根拠について伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 家賃補助でございますけれども、障害福祉サービス事業所に対する家賃補助につきましては、多摩市障がい者日中活動系サービス推進事業補助金交付要綱に基づきまして、障害福祉サービス事業または障害児通所支援事業を旧法体系時から移行して実施をしている事業所及び平成24年4月1日以前から障害福祉サービス事業を実施している事業所等に対して、家賃を支払うとしているところでございます。
この家賃補助につきましては、国や東京都から補助を受けずに、市の独自事業として行っているものでございまして、事業所を新築した場合に家賃補助の対象とならない理由については、本家賃補助の制度趣旨が、旧法体系時に事業実施していた事業所が新法体系移行時に安定した事業運営が継続できるように行うものであるということから、事業所を新築する場合等、事業形態に変更が伴う場合などはその対象としていないというところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) 国や都の補助ではなくて市が独自にやっているということを私は高く評価をするわけなのですけれども、ただし十分かと言えば、その額からすると、私はまだ不十分だろうなと思うわけですけれども、しかし、今その旧体系から新体系に移す中での対策としてそのようにしてあるわけで、新しくつくったものについては出さないということでしたけれども、これについても非常に事業者や保護者の皆さんからも要望が強かったものです。
私はぜひこの国や都の補助ではなくて市が独自にやれるという裁量が利くわけですから、このこともぜひ考えていただいて、なるべくこういう障がい者の事業所を運営される方たちの負担にならないような方向を、ぜひとも手厚くやっていただけるようにお願いをしておきたいと思います。
今度、知的障がいの方たちの卒後対策をずっとこう調査していく中で、一番急を要して足りないのがいわゆる重度心身障がい児の卒後対策だということがわかりました。
それで私も「なかまの樹」とそれから先ほど言った「アンドラフ」さんをお伺いして、その利用者の皆さんの様子と施設運営者の方たちのお話を伺ったわけなのですけれども、「アンドラフ」さんについても非常にいろいろと工夫されていて、子どもたちが寝ている位置からも外の景色が見れるように、下まで全部総ガラスですよね。ちょうどプランターのおいもが、サツマイモとジャガイモが取れたということで、その大きさがちょうど障がい者の方の手の開きにすごくマッチするぐらいの大きさ、そのためにつくったのではないかと思うような、すごく小ぶりなのだけれども、ちょうどいい感触のそういうジャガイモとサツマイモで、それをまた束にしてみたり数を数えたりということをされたり、それから雑貨屋さんというか、昔ながらのそういうものをやっていらっしゃって、そのお金の計算も電卓たたきながら重度心身障がいの方がやっていって、社会とのつながりをしっかりとつくっていると。
そういうところで非常に私は一生懸命やっていらっしゃるのだと。これは多分桜の丘学園を卒業された皆さんが去年は一番数が多かったのです。そういう中で、お母さんたちの声に押されて頑張っていらっしゃるのだなと受け止めました。
なかまの樹は、私は何回か訪れたことがあるのですけれども、こうした重度の心身障がい児、その方たちの保護者会だと思うのですけれども、東京都重症心身障害児(者)を守る会の2022年、今年の5月14日ですが、東京都知事宛ての要望書があります。
この要望書に記載されているのですけれども、都内を見ても、この89施設、定員883人いるけれども、さらに人を、施設をふやしていただかなければ受け止めるところがないのですよということを東京都に要望されているわけなのです。ぜひこういう施設を多摩市だけの視点で見るのではなくて、東京都下の様子も見てやはりふやしていくというか、それが必要ではないかなと思います。
島田療育園もありますけれども、あそこは施設入所対象者の対応が主ですので、「なかまの樹」と「アンドラフ」さんしかないのですが、「なかまの樹」が10名、「アンドラフ」さんが5名、15名なのです。そして桜の丘学園からは、これからもまたそういう卒業生が出てまいります。
こうした通所事業所からどんな要望が出ているのか。例えば「なかまの樹」からは、2021年度の12月24日に、障がい者福祉サービス支援について要請が出ているのですけれども、どういうものになっておりますか。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 重症心身障がい児者を受け入れる事業所について、昨年度、各事業所から特別支援学校卒業生受入れの対応ですとか、
新型コロナウイルス感染症対策などについて、ご要望をいただいているところでございます。「なかまの樹」のほうについても、現状についてご要望をいただいているところでございます。
今後の支援についても要望をいただいているところでございまして、なかなか現状では新たな桜の丘学園の卒業生等の利用者増加への対応ができないと、そういうお話もいただいているところでございます。
卒後対策というところで各事業所との連携、非常に重要なところでございますので、今後も意見交換を行いながら、施策について検討していく必要があると認識をしております。
◯2番(安斉きみ子君) もう一つ、多摩市の障害福祉計画を見てみますと、これの56ページに、日中活動系のサービスというのがあるわけですけれども、ここに生活介護が示されているわけなのです。この生活介護で利用人数の推移が書かれていて、今後の予測も書かれているのですが、これは医療的ケアが必要な人もその中に含まれていると見てよろしいのでしょうか。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 含まれてございます。
◯2番(安斉きみ子君) そういう形の数の出し方では、やはりこの重症心身障がい者の方がどれぐらいの人が必要で、どういうふうなサービスが必要なのかということが出てこないですよね。ここはやはり指摘しておきたいと思います。
それから、私はこの間聞いていくと、新しい土地の確保が最大の課題だというところを複数聞きました。「アンドラフ」さんにしたって、「なかまの樹」にしたってもうこれ以上は受け止められない。
それで墨田区が障害福祉課長名で、2018年に施設運営事業者宛てに出した文書というのがあります。公募に関わる事業者説明会のご案内なのですけれども、そこについての大体の募集概要の書かれている項目について少し説明していただければと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 墨田区の取り組みにつきましては、施設概要としては、区が事業者に対して区有地を無償で貸付け、事業者が当該土地において建物等を整備の上、障害福祉サービス等事業所を設置し、運営するというものであると承知をしているところでございます。
実施事業の概要としては、地域生活支援拠点機能を持つ事業所として、共同生活援助、グループホーム10名程度、短期入所5名程度の事業所を運営すると把握をしているところでございます。
整備費補助については、区独自の補助として施設整備費補助に加え、備品や人件費など、開設準備支援補助を実施していると。また、運営費補助については、障害者総合支援法に基づく介護給付費に上乗せした区独自補助を実施しているものと承知をしております。
◯2番(安斉きみ子君) 少し抜けたのが、いわゆる区と土地使用賃貸契約を締結しますという中に無償で土地を提供するというのがあるのです。それからまた、いわゆるその通常のところでの赤字補填、自主財源として得た額の10%を下回る場合に、運営に関わる費用のうち、区が必要と認める額を予算の範囲内で補助しますという手厚い内容になっているのです。
区と市と自治体は違いますけれども、私はやはりこういう視点があってその事業者さんに対して支援をすることも大事ではないかと思います。ぜひ他市のことも、それから他地区のことも少し検討していただいて、よい方向を考えていただきたいと思います。
それで土地の問題なのですけれども、学校跡地を活用できないかという声を今回も複数聞いております。それで学校跡地ですけれども、今のところ旧南永山小跡地、それから旧豊ヶ丘中学校跡地、それと今図書館がありますけれども、その跡地がまだ残っているわけですけれども、そういう活用についてはどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 学校跡地等の活用というお話ございましたけれども、土地の確保については、事業所からも要望が多く寄せられているところでございますので、重要な課題であると認識をしております。
学校跡地の活用につきましては、多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラムで考え方が示されておりますけれども、具体的に定まっていないものについては、将来のまちづくりの担保用地として、確保されているところでございます。
学校跡地については敷地の大きさから、まとまった土地利用が一つ想定されるところでございますけれども、市内事業者の状況把握に努めながら、その活用の可能性も含めて関係の所管と連携して、土地の確保について支援していきたいと考えてございます。
◯2番(安斉きみ子君) 第6期障害福祉計画には、公共財産
ニュータウン再生による創出用地等の進捗状況を踏まえて、総合的な支援を行うとなっているのですけれども、この公共財産の中に学校跡地があるのではないかと思います。
それで、私はやはり多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできる
まちづくり条例もつくって、市長も所信表明で、社会で弱い立場にある存在にしっかりと目を向けるとおっしゃっているわけですけれども、ぜひここはもう一つ市長の見解を伺いたいと思います。
◯健康福祉部長(小野澤史君) 市長にということでございますけれども、まず、私のほうからご答弁させていただきます。
障がい者施設もかなり老朽化が進んでいる、そうした状況については、現在庁内でも共有しながら検討を進めているところでございます。誰一人取り残さない地域社会を築いていくということで、こちらについては非常に重要な課題と捉えておりまして、引き続き検討を進めていきたいと考えております。
◯議長(いいじま文彦君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) 改めて今日質問者との間で確認をされる中で、市内の事業所の実態も浮かび上がってきました。
一方、いろいろ、それぞれの事業所ごとに課題もあり、全てが市独自に支援ができるものということでもない、その辺も浮かび上がってきました。
ただ一方で、質問者も指摘されるとおり、重症心身障がい児者の卒後対策であったり、通所先の確保であったり、現に今事業所の皆さんが抱えている苦労、そして、引き受けていくためにはやはりそれなりのハードルも高い、そうしたところにおいて、しっかり人材育成、そして人材の獲得といったところについても含めていろいろな支援をしていかなければなと思っているところでもありますので、引き続き誰一人取り残さないということを掲げておりますし、しっかり障がい児者の皆さんが市内で道に迷うことのないように、しっかり支えてまいりたいと思っております。
◯2番(安斉きみ子君) 大きな2問目、選挙のほうについてお伺いをいたします。
2016年、平成28年から18歳から投票が実現して、やっぱりこの年は割と関心があったからか高かったと思うのですけれども、先ほどの資料からもいただきましたし、先ほどの答弁でも、全体投票率から見た若年層の投票率は低水準だという残念な結果なのですが、さらに残念なことは、私たちも最も関係がある多摩市議会議員選挙や市長選挙になると、国政選挙や都知事選挙、都議会議員選挙よりも投票率が落ちるわけです。
それで選挙管理委員会として、こうした身近な市議会議員選挙、市長選挙、こういうところに有権者の方に関心を持ってもらう、そういうふうなのは広報の「しろばら」とありますけれども、そういう中での工夫だとかはこれまでされてきたのか、あるのかないのか伺います。
◯議長(いいじま文彦君) 武村選挙管理委員会事務局長。
(選挙管理委員会事務局長武村力君登壇)
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 多摩市選挙管理委員会としても、若年層の投票率が低い問題、それとまた、市政選挙に対する投票率が低い点については、問題意識を持っています。
この点につきましては、今議員のほうからも言っていただいた、私どもとしてもこういう「しろばら」という広報紙を使ったり、あるいはまた18歳初めての選挙の方については、特別にこういうリーフレットをつくってアピールをしたりということも実施しております。
また、先ほど第一答弁でも申し上げましたとおり、学齢期からの主権者教育というものが非常に重要であると考えていることに併せて、その出前授業の中では身近な事柄、例えば市政のことだとか、そういったものを争点のテーマにして、選挙を体験してもらうような工夫をしております。
◯2番(安斉きみ子君) 出前授業についてお伺いするわけなのですけれども、2021年度はコロナ禍の中でも小学校17校中13校がやったと。小学校はふえているように見えるのですけれども、中学校に伸びが見られない、その理由は何なのでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 一昨年と昨年については、やはり
新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きかった、これは否めないと思います。
また、中学校では、主に3年生に対して出前授業を行っているわけですが、受験を目前にした中で主権者教育の授業のカリキュラムに取り組むタイミングなどから、なかなか伸び悩んでいるのかもしれないと考えております。
◯2番(安斉きみ子君) それはあり得る話かなと思います。私が注目したのはこの都立桜の丘学園での出前授業ですけれども、これについてはどうなのでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 資料でもお示ししたとおり昨年は実施できませんでしたが、毎年1回、桜の丘学園でも3年生の生徒に対する出前授業を実施しています。
これについては、投票所に車椅子でお越しいただいても投票できる記載台だとか、あるいは体の状態により、投票用紙を自分で書けない場合には代理投票という制度もあることなども、出前授業の中でお話ししております。
◯2番(安斉きみ子君) ところで、これはまさしくその選挙管理委員会の仕事だけではなくて、教育委員会としての仕事でもあると私は思うわけなのですけれども、選挙管理委員会と小・中学校との連携について、打合せがあるのかとか事前学習などでつなげていくのかだとか、その辺りを選挙管理委員会と教育委員会と両方から伺いたいと思います。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) それでまず、選挙管理委員会のほうからお答えします。
確かに選挙管理委員会では、各学校の事情や指導要領などについてはつかみ切れていない。また、学校のほうでも、出前授業というものをいきなり選挙管理委員会のほうへ直接ご指名いただくことというものにはハードルがあるのかなと考えている中で、教育委員会が主権者教育について選挙管理委員会がこういうことをやっているということをご案内いただいていることで、各学校でも認識が深まってきているというふうに考えている、このような連携を組んでいるところでございます。
◯議長(いいじま文彦君) 細谷教育部参事。
(教育部参事細谷俊太郎君登壇)
◯教育部参事(細谷俊太郎君) 選挙管理委員会との主権者教育での連携というところですけれども、今ありました出前授業、それ以外にも例えば明るい選挙ポスターの募集の折には、校長会等で周知をするなどという形での連携もさせていただいています。
さらに、実際の模擬選挙の出前授業には、事務局の職員も出向きまして立候補者の役割を担うなど、授業への直接的な協力もしているところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) 選挙管理委員会がやっているよと選挙管理委員会のことをアピールする、それから確かに事務局職員が成り代わってそのシナリオで演説をやっていると、みんなから注目を集め、その中で投票するとかという、それも必要だと思うのですけれども、私は通常の授業の中でこの積み上げの中で本当にこの政治の問題、それがこの学習を積み重ねていく中で自分たちの問題として捉えられていくということが大変大事ではないかと思います。確かにこの「しろばら」にもそのときの子どもたちの感想が載っておりました。
阿部市長は、立会演説会もないと嘆いておられましたけれども、この「しろばら」の中では実は立会演説会をやって、その中で応援演説もやり、そういう中でのよりわかりやすい、お互いの意見の違いなんかも勉強されているわけだけれども、ただ私、もう少し中学生とか高校生、特に唐木田にあります大妻多摩高等学校は非常に人権教育を大事にしていると言うのですけれども、もう少しリアリティーのある選挙の勉強をしてもいいのではないかなと思うのですけれども、大妻多摩高等学校の取り組みについても少し伺いたいと思います。
◯議長(いいじま文彦君) 武村選挙管理委員会事務局長。
(選挙管理委員会事務局長武村力君登壇)
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 各学校での出前授業についてのご要望というのが様々でして、大妻多摩高校では、学校のディベートを学ぶカリキュラムということと組み合あわせして、どうやれば有権者の意識というものを自分のほうに取り込めるのか。つまりは自分自身がまずは候補者となって、そのときに周りの有権者というものにいかにして自分に投票してもらえるかというところを学校でのディベートの授業と組み合わせすることによってやっているということで、我々としても感心をしながら一緒に事業を進めているというところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) 確かに投票権だけではなくて立候補する権利もあるわけなのです。そういうふうなところでは、そのリアルなテーマが必要かなと思いました。
中学生、高校生の中では、やはり各政党のマニフェストを例えば比較して議論するだとか、そして政党名は伏して投票してやってみるだとか、その結果を現実の結果と考えてみるとか、そういうことをやることまでしたほうが、私はリアルにいろいろな問題がつかめると思うのですけれども、その点を伺います。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 令和2年度に、都立永山高校で主権者教育を実施した中ではやはり学校の先生のほうからは、ご要望の中でちょうど令和2年度というと東京都知事選挙が行われた年で、その上位4名の候補者の選挙公報をもとに、実際の候補者名は伏せた上で、永山高校の高校生自身が立候補者役を務めて、選挙を実施するという事業を行っています。このように、学校の要望に応じた事業内容を展開しているというところでございます。
◯2番(安斉きみ子君) 4番目ですけれども、身近な団地の集会所に投票所を設置してほしいという陳情が選挙管理委員会に提出されて、話し合いの結果、現状維持という結論になったとおっしゃいました。
ただ、第一答弁もあったように、この区割り、それから投票所の見直し、これは選挙管理委員会独自にやれるものですよね。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) そのとおりでございます。選挙の区割りについては多摩市の選挙管理委員会で、多摩市の区域については設定することができます。
◯2番(安斉きみ子君) この衆議院の小選挙区の21区、23区の見直しというその時期を待たず、今が大変だから、今70歳以上の方が40%を超えるから、今変えてほしいというのがおそらく陳情の願いだったと思うのです。
やはり先ほど独自にやれるとおっしゃったので今すぐできないのか。例えばそれにお金がかかるとか、投票所に配置する立会人の人材確保が難しいとかそういうことがあるのかどうか。
それから先ほどいわゆる何か事があっても、必ず投票所として開設できるという心配があるようなふうに捉えた第一答弁だったのですけれども、実はUR都市機構の集会所を使って投票所をやっているところがほかの自治体にあります。なので、私はそれには当たらないと思うのですけれども、今すぐできないものかどうかというその辺りについて。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) まさに、有権者にとっては切実な問題であると考えています。また、選挙管理委員会としても、大切な1票については決して無駄にしてほしくないと考えています。
今回いただいた陳情と同様の内容は、永山地域だけではなく、実は市内各所から聞かれております。その全てに要は各所に投票所を設置するということは到底不可能であると考えると、やはりある程度の人口や面積により区割りを決めて投票所を設置しておりますので、この辺についてはご理解いただきたいと考えております。
◯2番(安斉きみ子君) 去年の12月議会に橋本議員が取り上げた永山の都営住宅の方たちが、多摩永山中学校の投票ではなくて、目の前の瓜生小学校の投票所に行きたいという要望を議場でも紹介しました。こちらはすぐに対応できるのではないですかね、どうでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) 永山の都営住宅の件については、以前の市議会でもご要望いただいております。ほかにもいろいろな地域で区割りの見直しについては、これもやはりあります。
区割りの見直しについては、少々別の観点からなのですけれども、多摩市の中でも人口が集中してきている場所と、逆に減少してきている場所というのが顕著になってきています。この傾向からある投票区では、もうアップアップな投票区になっていて、逆にある投票区では、非常に人数が少ないという投票区のアンバランスが今多摩市の中でも起きています。そういった意味からも、投票区の区割りの見直しというのは必要なことと我々でも考えています。
その際には、こちらにいらっしゃる議員の皆様にもご協力いただきながら、区割りの見直しというものをしていかなければいけないと思っておりますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
◯2番(安斉きみ子君) 私、最後のほうに、選挙管理委員会の従事する人たちの人員は十分に確保すべきだと、経費も十分に取るべきだということをお話しいたしました。
確かにその選挙管理委員会に入って投票当日、後片づけもあるでしょうけれども、これだけたくさんの方たちが市役所の中からも皆さん本当に参加していただいて、投票が終わるわけなのですけれども、私が言っているのはこの4名というそのメンバーをもっとふやさないと、例えば今朝のテレビで、障がい者が選挙(投票)しやすい工夫をというテーマで、ニュースでやられておりました。
その中で、埼玉県の選挙管理委員会の取り組みが紹介されていたのですけれども、様々な障がいを持つ方たちの対応マニュアルをつくったという話があったのです。そういうことにしたって、非常に専門性が問われてくるし、仕事量も多くなります。
それから、実は日本障害者協議会(JD)と言うのですけれども、全国の障がい者団体が集まったところで、そこからも選挙の仕方についての改善を求めているということがあるのですけれども、改めてもう一度、その体制について、専門性と人員の確保ということで伺います。それで終わります。
◯選挙管理委員会事務局長(武村力君) ありがとうございます。障がいをお持ちの方、または高齢者など様々なご事情がある中で、できるだけ選挙権というものは無駄にせず、ぜひとも投票に来ていただきたいという中にあって、投票というものは選挙人自分自身の意思表示ですから、その公正な選挙執行には、それなりの人手というのはどうしても必要です。
いろいろお話しいただいて本当にありがたい話なのですけれども、選挙管理委員会事務局の仕事の中では、どうしても選挙期間に仕事が集中してしまうという傾向はあります。それをどうにか時期がずらせる事務というものは、なるべく事前あるいは事後に執行する、遂行するように振り分けています。
また、来年には市議会議員選挙もございますので、いろいろな面で皆様にはご協力いただくことがあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◯議長(いいじま文彦君) 安斉きみ子議員の一般質問は終わりました。
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◯議長(いいじま文彦君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯議長(いいじま文彦君) ご異議なしと認めます。
よって本日はこれにて延会することに決しました。
本日はこれにて延会いたします。
午後4時49分延会...