日野市議会 2021-11-24
令和3年第4回定例会(第2日) 本文 開催日: 2021-11-24
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時03分 開議
◯副議長(谷 和彦君) 本日の会議を開きます。
ただいまの出席議員23名であります。
私、副議長が任を務めますので、特段の御協力をお願いいたします。
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2 ◯副議長(谷 和彦君) これより日程第1、一般質問を行います。
一般質問1の1、市民とともに
気候危機打開への取組をの
通告質問者、
大高哲史議員の質問を許します。
〔15番議員 登壇〕
3 ◯15番(大高哲史君) おはようございます。
それでは、一般質問を始めさせていただきます。
今回の質問では、タイトルにもありますように、緊急的課題であります
気候危機打開へ向けて、日野市はどうすべきか、どうあるべきかという趣旨で質問をさせていただきます。ただいま、その議論がこの日野市でも真っ最中ですので、その議論に参加すべく質問で取り上げることといたしました。
世界の動きとしては、パリ協定における到達点を踏まえ、COP26が先日、閉幕をして、この会議において、私どもの評価としては不十分であったけれども目標が明確にされ、合意がなされました。
日本政府のほうはというと、パリ協定を受けた形で
地球温暖化対策の推進に関する法律が今年3月に一部改正されております。さらには、先ほど紹介したCOP26を受けて、どのように具体化していくのかが世界から注目されております。
それでは、日野市での状況はどうかと言いますと、コロナの影響を受けまして改定作業が延期されていた第3次日野市
環境基本計画の素案と第4次日野市
地球温暖化対策実行計画(案)の策定作業は、今、真っ最中というところになっております。私は先週11月18日に開かれました、令和3年第2回日野市
環境審議会も傍聴をさせていただきましたので、それも踏まえて今回質問をさせていただきます。
気候危機打開といいますとテーマが大きくてですね、課題が幾つもあります。ただ、時間の限りもありますので、今回の私の質問では、主には、緑を守ること、
再生可能エネルギーの導入拡大、それから、省エネ、この辺りに絞って質問を進めたいと思います。
それでは、最初の質問です。
これは
日野市内各地でも課題となっています開発、建築行為も含めますが、開発行為と緑を守る取組について伺いたいと思います。まとめて2問伺います。
一つ目は、市内における開発行為、これは建築行為も含みますが、において、緑を積極的に守り、増やす方向へと誘導する、その
仕組みづくりについてです。
日野市では、この点において関係する制度として、
まちづくり指導基準、また、同指導要綱という制度を持っています。これらの制度を土台に、
気候危機打開という観点で、さらに発展させていく。そして、緑豊かに日野市を守っていく。もっと言えば、緑を削る乱開発を許さない。こうしたことが必要になってまいります。
地域の事業者の皆さんや、また、開発行為については東京都とも連携をして、これまでの延長線ではない積極的な取組がCO2の削減や、このCOP26を受けた対応にとっても求められるというふうに私は考えます。これについても市の考えを伺います。
二つ目としては、一つ目と少し重なりますけれども、CO2を吸収しようというふうに考えれば、ただ単に緑を守るということだけでなく、この間も
環境審議会でも議論がありましたが、緑を更新するということで増やしていく、こうした取組がどこまで進んで、これからどういうふうに具体化されていくのかということも重要になってまいります。具体的には、枯れた木を植え直していくようなそうした作業や、実際にないところに植える植樹、これらも必要になってくるのではないかというふうに思います。
まず、以上2点について市の見解を伺います。
4 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。
環境共生部長。
5
◯環境共生部長(小笠俊樹君) 開発行為と緑を守る取組について御質問いただきました。順次、回答させていただきます。
日野市の緑を確保する取組について説明させていただきます。みどりの基本計画や緑確保の総合的な方針などに基づき、定期的に公園用地や緑地を取得してきているところでございます。近年では、令和元年度には、通称、
林間公園用地など落川地区、また多摩平地区において約0.4ヘクタール、令和2年度におきましては、通称、
百草六地蔵緑地ほか百草地区や落川地区において、およそ0.4ヘクタールの公園用地及び緑地を取得してきております。
そのほか
開発事業区域面積が3,000平米以上の開発事業などに関しましては6%、
多摩丘陵自然公園内では10%の公園緑地の設置を求めるとともに、また、
開発事業区域に自然樹林地や有効な植生地などが存在する場合には、基準に基づき32%以上の
当該樹林地等の保全に努めてきているところでございます。
また、百草・倉沢地区では、緑の重点地区に位置づけられ、里山などの農地の保全につきましても、緑地としての公有化を進めてきているところでございます。寄附や買収により公有化した緑地につきましては、百草・倉沢地区ではおよそ12ヘクタールとなり、これらの維持管理につきましては、
ボランティア団体の方々と
パートナーシップ協定等を締結し、協働して維持管理も進めてきているところでございます。
次に、CO2削減という観点からでございます。CO2削減という観点からは、樹林地の多くの樹木は大木化、また老木化してきており、吸収源効果が弱まっていることから、萌芽更新の手法を活用した樹木の再生も検討していく必要があると考えております。
樹林地の老木化等の原因により、令和2年頃から市内でも急激にナラ枯れの被害が拡大してきており、伐採等の維持管理も必要となってきていることから、今議会で補正予算を御審議いただくことになっております。
さらには、市民に対しても、出生、転入等を記念して植栽した樹木や生け垣の設置についての緑化の推進や、また、登録樹林への維持管理費の補助など、きめ細かな緑確保のための制度を用意してきているところでございます。これからも市民へ快適な生活をもたらすとともに、CO2吸収効果のある緑の確保について取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
7 ◯15番(大高哲史君) 今、
環境審議会等々で議論の真っ最中ですので、これをすべきということを言うつもりはないんですけども、今の議論をさらに皆さんとともに発展をさせてですね、CO2を吸収しよう、
気候危機打開しようという側面からのバージョンアップを期待したいというふうに思います。この点については、最後に市長にも伺いたいと思います。
次の質問です。次の質問は、
太陽光パネルの設置拡充に向けた取組について伺います。特には、市内の公共施設への
太陽光パネル設置へ向けた取組についてです。
市内の公共施設への
太陽光パネル設置が、私なりに要約すればですね、日野市の財政事情などを理由として、まだまだ抜本的に増えていない、進んでいないというふうに私は評価しています。実際に、第3次日野市
地球温暖化対策実行計画の目標に照らしてみますとですね、目標累計は200キロワットだったんですけれども、令和2年を終わってみて達成できたのは198キロワット、こういう報告があります。200キロワットという数字がどういう数字かと言いますと、市内の全小学校17校に15キロワット程度の発電能力のある
太陽光パネルを設置すると255キロワットになります。日野市が定めた累計目標値というのは、こういう数字だったということを紹介しておきたいと思います。
市内に
太陽光パネルの設置、それから、市民に
太陽光パネルの設置をお願いするということも日野市はやっているわけですから、市が率先して
公共施設等への
太陽光パネル設置を推進してですね、その効果を市民に示すことで、さらにこうした取組が広がっていくということを推し進める必要があるのではないかというふうに思います。市の見解を伺います。
もう一方で、今、紹介しました一般住宅などへはどうでしょうか。
一般住宅等への設置促進に向けては、東京都の補助制度を活用するのは当然としてもですね、市としても市民の負担軽減を図るための助成制度をさらに前へ進めていく必要があるというふうに思います。必要性については否定するところはないかというふうに思いますけれども、この間、日野市はですね、補助金は
パネル設置への誘導効果が薄い、こういった趣旨で、今、
設置補助事業をやめてしまっているのが現状です。当然やらなければいけないことが、今止まっているということですから、COP26が終わり、今関心が高まっているところでもありますので、
太陽光パネル設置のための補助金が有効に活用されるんではないか、私はこのことを期待します。
また、一般住宅に限らず、賃貸住宅も視野に入れて、市民の皆さんが
太陽光パネルが設置できるよう、その
財政的補助復活拡充が必要ではないでしょうか。
以上2点について、市の見解を再質問にて伺います。
8 ◯副議長(谷 和彦君)
環境共生部長。
9
◯環境共生部長(小笠俊樹君)
一般市民向け並びに公共施設での
太陽光パネルの設置等についてお答えしたいと思います。
太陽光発電システム等普及促進補助金につきましては、日野市において平成22年度から令和元年度までの10年間、事業を実施してまいりました。その間340件1,527キロワットの
太陽光発電システムを設置したところでございます。啓発が浸透し、補助金とは関係なく普及が進んでいること、また、第3次
地球温暖化対策実行計画において目標としておりました、設置件数300件につきましても、令和2年度までに達成していることや、補助金申請時のアンケートでも、補助金があったから設置したと答えた方が全体の7%とごく僅かで、市の補助金がなくても設置していたと答えた方が大多数を占めており、補助金が
太陽光発電システムの設置を促進させる効果は少ないと判断し、令和元年度をもって事業を廃止したところでございます。
今後につきましては、CO2の排出量削減に向けて、引き続き社会情勢の把握に努め、市が普及を後押しすべき機器等の調査研究をしてまいります。
また、東京都では、令和3年度、省エネ性能の高い住宅を新築する方に対し、併せて
太陽光発電設備を設置した場合に、その一部を助成しております。そのほかにも東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県等、首都圏9都県市で連携して取り組んでいる、電気の
共同購入事業、みんなでいっしょに自然の電気がございます。
太陽光パネルが設置できない御家庭でも電力契約を切り替えることで太陽光、風力などの
再生可能エネルギーが利用できる事業となっております。
次に、公共施設についてでございます。令和2年度末時点での日野市の公共施設における
太陽光パネルの設置状況については、13施設、約207キロワットとなっており、今後も市が率先してCO2削減に取り組み、市民への啓発となるよう、新施設建設の時期においては、
太陽光発電等の
再生可能エネルギーの導入や、既に
カワセミハウスでは導入しておりますが、CO2削減に効果のある
再生可能エネルギー由来の電力の活用など、状況に合わせて検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
10 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
11 ◯15番(大高哲史君) 状況、情勢も少し変化をしているということで、補助金の復活拡充については、改めて強く要望しておきたいと思います。
あわせて、ここで意見として指摘しておきたいのは、計画にも盛り込まれようとはしておりますけれども、建物の熱効率をよくするための改修工事、また、これに対する補助の拡充です。
これについては、冷暖房効果を高めることによって
省エネ効果を高めようという、こうした取組ですけれども、東京都や日野市としても、この点の位置づけについては、第4次の計画にも盛り込まれようとしていますし、議論もされることというふうに思いますので、ぜひ具体的な取組に発展をさせていっていただきたいと思います。夏涼しく、冬暖かい、これが住宅自体がそういう能力を持てば、当然冷暖房についての
省エネ効果が高まるということですので、世界でも取り組まれてるこうした取組を、日野市でもぜひ発展、拡充していただきたいというふうに思います。
最後の質問は、市民参加の目標と計画の策定についてです。
ただいま議論中ですけれども、
環境審議会だけでなく、市民の皆さんが参加して意見を述べ合うような、そうした場が必要ではないかということで、改めて提案をしたいと思います。
10月には環境団体、市民の皆さんの声を聞くイベントが
カワセミハウスでも行われて、ユーチューブでも配信がされていましたけれども、これらの声がどのように
計画づくりに反映されて、具体化の中でもどのように盛り込まれていくのかが、今後、日野市で
気候危機打開に向けた取組を進める上で大変重要なポイントになってくると思います。先般行われました総選挙でも大いに議論がされて、若い皆さんを中心に関心が高まっています。子どもたちから高齢者まで多様な意見を交わす場を、皆さんの意見を聞きながら行政が一緒になってつくっていくことが必要ではないでしょうか。市の見解を伺います。
12 ◯副議長(谷 和彦君)
環境共生部長。
13
◯環境共生部長(小笠俊樹君) 市民参加の目標と
計画づくりについてお答えいたします。令和4年4月から施行を予定しております、現在、第3次日野市
環境基本計画を策定しているところでございます。
この策定に当たりまして、これまでの、みどり、水、ごみ、
地球温暖化、生活環境の五つの分野であった基本目標に、生き物という項目を新たに追加し、また、
地球温暖化につきましては、気候変動に変え、施策体系を六つに変更してきております。
計画の骨格づくりから
環境基本計画の推進に御尽力いただいている分野ごとのグループの皆様方と、また、市民団体の皆様方との説明会や
意見交換会を約20回ほど実施してきております。そのうち1回は、今、議員からも御指摘ございましたように、10月23日には市民とのライブ配信を併用した
意見交換会も実施してきております。
また、日野市
環境審議会での審議につきましては2回実施してきており、議論を重ね、多くの方から御意見をいただき、素案づくりに取り組んできたところでございます。この
環境基本計画策定後につきましても、
環境基本計画と関連のある日野市
地球温暖化対策実行計画、ひの
生きものプラン、日野市ごみゼロプラン、日野市
下水道プラン、日野市
農業振興計画・
アクションプランなど、各実行計画において各施策に取り組んでまいりますが、どの実行計画も市民の協力なくしては実現できないものばかりでございます。
第3次
環境基本計画策定後につきましても、様々な形で市民の皆様との接点を持ち、環境問題を自分のこととして捉えてもらえるよう啓発し、2050年カーボンゼロに向けたCO2の取組や、生き物の生息環境でもあり、市民の安らぎや憩いの場を与えてくれる樹林地や水辺の保全、農業支援等、日野市の環境像をさらに創造していき、今日まで受け継いできた自然環境を次の世代につないでいけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
14 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
15 ◯15番(大高哲史君) すみません、時間がないので、最後、市長に伺います。
今、質問で、るる答弁いただいた以外にも、市長に提起したいのは、
再生可能エネルギー、省エネ、こうした
気候危機打開の対策が取り組めたとしても、また、
地球温暖化を少しでも解消できたというふうになったとしても、そのとき市民の暮らしがよくなっていないとしたらどうでしょうか。それは、私たちが目指す未来ではないというふうに思います。そうならないために、自治体は市民の暮らしを支え、もっと言えば、貧困と格差を解消していく取組に同時に全力で取り組んでいくということが地球を次世代に引き継いでいくことを可能にするのではないかというふうに思います。最後に市長の見解を伺いたいと思います。
16 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
17 ◯市長(大坪冬彦君)
大高哲史議員より、市民とともに
気候危機打開への取組をという御質問をいただきました。
最後に御質問をいただきました貧困と格差の問題でありますが、もともと気候危機というのは、SDGs的に言えば、経済、環境、社会、全てに絡んだ問題であります。単に気候危機に対応して
再生エネルギーをという議論だけしてもしようがない、そういう議論も含めて市民の暮らしに関わることでありますので、議員がおっしゃったような視点で、市民の暮らしとエネルギーの問題ということについては、当然、取り組んでいく場合には、社会、経済、環境、全て絡んできますので、市民の暮らしという視点があると思いますので、そういう視点に立ってCOP26の今回の到達点を踏まえて、市長として、自治体としての
気候危機対策をこれまで以上に踏み込んで取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
18 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
19 ◯15番(大高哲史君) 市長、ありがとうございます。
私も一緒に取り組む決意を述べまして、この質問を終わります。
20 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって1の1の質問を終わります。
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21 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問1の2、
川辺堀之内土地区画整理事業をめぐって、新たに解明が求められていることの
通告質問者、
大高哲史議員の質問を許します。
22 ◯15番(大高哲史君) タイトルのとおりです。今でも次々新たな疑惑が浮上しているわけですけれども、その全てについて、当然、解明が必要ですが、今回の質問では、その中から以下3点について質問をします。
一つは、裁判で今問われている不正な会計操作について。
一つは、
区画整理事業を受託した企業公社における不正疑惑について。
三つ目は、
区画整理事業における河内氏の
個人委託契約について、一つ一つ伺っていきたいと思います。
まず、
川辺堀之内土地区画整理事業において裁判で問われている不正な会計操作の実態解明についてでございます。
川辺堀之内土地区画整理事業は、平成21年3月24日から今も継続しています。ここでは、二つまとめて伺います。
一つは、市の補助金をだまし取ったということで裁判で問われているわけですけれども、
川辺堀之内土地区画整理組合における不正な会計操作は、ほかの年にも行われていたということで調査が進められているはずです。到達を確認させてください。
もう一つは、
川辺堀之内土地区画整理事業に対する市助成金が、現在まで
幾ら執行済みとなっているのかを確認させてください。
23 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。
まちづくり部長。
24
◯まちづくり部長(宮田 守君)
川辺堀之内土地区画整理事業における裁判で問われた不正の実態等についてでございます。組合の
理事長相談役であった元副市長は、日野市企業公社より派遣され、組合業務に従事していた職員2名と共謀し、
土地区画整理事業の名の下に、市から現金をだまし取ろうと考え、平成29年7月、平成30年度助成金として1億5,000万円を市に要望した上、同年9月、市役所で開催されたヒアリングにおいて、区画整理課の職員に対し、事業終了時までに歳出を予定していた
理事長相談役らの給料等を工事費の一部であるかのように装った内容虚偽の資金計画が記載された第5回変更の事業計画書等を提出するなどし、資金計画に計上された工事費は正当な工事費として歳出されるものであり、市が助成金を交付しなければ事業終了時に組合に約1億9,900万円の欠損金が生じることが見込まれるため、組合による平成30年度助成対象事業に対して、助成金8,000万円を交付する必要があるものと市を誤信させ、平成30年5月から同年10月までの間、組合に対する平成30年度助成金を8,000万円と決定させるとともに、平成31年3月、市に対象事業が完了した旨、報告するなどして、助成金額を8,000万円に確定させ、同年4月、市に組合名義の口座に現金8,000万円を入金させたものであります。
このことについては、市はこれまでの調査で明らかとなったあらゆる疑惑について、刑事犯罪としての嫌疑を抱いたことから、令和2年8月から9月にかけて警視庁への相談を行って以降、捜査機関の捜査に全面協力し、その後の捜査の進展を踏まえ、平成30年度助成金詐欺容疑としての告訴状を令和3年2月15日に警視庁に提出し、同年2月17日、被告訴人3名が逮捕されたところであります。
その後、令和3年3月10日、元
理事長相談役と企業公社元職員1名が起訴処分となり、企業公社元職員には、去る10月12日に懲役2年、執行猶予4年の執行猶予つき判決、元
理事長相談役には、去る11月18日に懲役2年6か月の実刑判決が東京地方裁判所立川支部で宣告されたところであります。
本件については、市は組合の顧問弁護士及び公認会計士等と協議を行い、平成30年度助成金8,000万円及びこれに対する遅延損害金を市に返還するよう、令和3年7月5日付で内容証明による支払通知を組合に発出したところであります。
これに対し組合は、令和3年8月2日付で遅延損害金を含む損害賠償金として計8,923万451円を市に納付し、本件に関する金銭的な被害回復は完了しているところであります。
しかしながら、刑事裁判において、元副市長が組合の
理事長相談役に就任後、平成30年度以外にも科目の偽装を行っていた点が指摘されているため、この科目偽装が及ぼした全体事業への影響及び市助成金との因果関係等について、民事上の対応として引き続き調査を進め、その結果を踏まえて市としての適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
続きまして、2点目の市助成金についてでございます。組合における平成21年度の当初の事業計画では、助成金総額は7億円、平成29年度の第5回変更の事業計画では、助成金総額は7億7,000万円となっております。これに対し、これまでの市の助成金の執行状況については、平成21年度600万円、22年度1,000万円、23年度2,000万円、24年度2,000万円、25年度3,000万円、26年度3,000万円、27年度5,000万円、28年度8,000万円、29年度8,500万円、30年度8,000万円、これで計4億1,100万円となってございます。
なお、さきに御説明させていただいたとおり、平成30年度分8,000万円は、遅延損害金を含め組合より既に返還を受けておりますので、この返還額を除く実質的な市の助成金の執行額は、現時点で計3億3,100万円となってございます。
以上でございます。
25 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
26 ◯15番(大高哲史君) 長きにわたって科目偽装が行われていたであろうという調査が進められているということでした。
組合設立の準備段階では、当初、市の助成金は3.6億円が必要だというふうに言われていましたので、既にそれを下回っている。こうした疑惑、偽装の全てが明らかになったときに、果たしてこの組合施行の区画整理に市の補助金が必要だったのかということすら疑われる事態ではないかというふうな感想を持ちました。指摘して、次の質問に行きます。
次は、
川辺堀之内土地区画整理事業を受託していた日野市企業公社の実態解明についてです。
受託先である企業公社との関係における組合絡みの不正、疑惑の解明はどこまで進んだでしょうか。現在の状況、到達点などを確認させていただきたいと思います。
27 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
28
◯まちづくり部長(宮田 守君)
川辺堀之内土地区画整理事業における日野市企業公社の実態等についてでございます。
私からは、市と組合による調査状況等について答弁させていただきます。組合における令和2年8月開催の第23回総会及び11月開催の第24回総会において、報告のあった組合役員及び企業公社職員に対する処務規程違反等の不適正な報酬及び諸手当について、市は組合の顧問弁護士及び公認会計士と連携し、調査を実施してまいりました。そして、組合における調査解明の進展状況を踏まえて、市は令和3年6月7日付で不正な支出の返納措置を組合に要請し、同年6月30日付で組合よりこれに対する報告を受け、現在、この報告内容の実態解明と是正等を順次進めているところであります。
主な状況でございます。現任の理事、監事、計10名においては、平成29年1月から令和2年3月までの処務規程違反額の一部、計1億1,644万8,000円を令和3年6月に組合会計へ返納しており、残りの計9.674万500円についても、順次返還に向けた検討を進めているところであります。
また、議員御質問の企業公社に関してでございます。企業公社から組合に派遣されていた事務局職員や、企業公社の元代表取締役及び本社職員などにおいても不適正な支出が確認されており、組合の顧問弁護士及び公認会計士が中心となって、返還計画の検討を進めているところでございます。
あわせまして、組合事業を受託していた企業公社の事業者としての責任及び使用者としての責任を果たすことについて、株主である日野市に対して、企業公社の現経営陣に是正措置を講じるよう、また、当時の経営陣の責任を追及するよう、組合より強く求められているところであります。
市としては、これらを重く受け止め、認可権者である東京都と連携し、組合からの報告内容についての事実確認及び実態解明を進め、是正につなげているところでございます。
現在の組合には、公認会計士及び顧問弁護士が組合のあらゆる運営に深く関わっており、実態解明に向けた十分な体制が構築されているものと認識しております。
また、組合からの指摘を踏まえた企業公社に関する不正に関しては、令和2年12月2日付で市から企業公社に対し、全容解明に向けた調査を実施するよう依頼を行ったところであります。これを受け、企業公社は12月に弁護士を雇い、令和3年1月から調査に着手しているところでございます。
私からは以上でございます。
29 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
30 ◯企画部長(岡田正和君) 企業公社の調査の状況でございます。企業公社の弁護士代理人により関係者に対し、
区画整理事業を請け負っていた当時の状況などについてヒアリングを開始しております。企業公社及び弁護士代理人としては、引き続き調査を継続する必要があり、現時点ではヒアリング結果を御報告できる段階にはないと聞いております。
以上でございます。
31 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
32 ◯15番(大高哲史君) 今、紹介なかった部分を、ちょっと解説的に私のほうから説明もさせていただきたいと思いますけれども。この間の調査で、まだ疑惑の段階ですけれども、企業公社の本社社員への同組合からの休日手当の支給というのが、今、答弁いただいたことの疑惑の中心点であって、企業公社の社員が区画整理組合から休日手当を受けるというようなことが問題視され、調査がされているということであります。
本来であれば、企業公社の社員ですから、当然、企業公社から休日手当なり、そうした報酬というのは支払われるべきであるところを、
川辺堀之内土地区画整理事業の事業費の中から出していたのではないかということが調査をされていると。これが事実であれば、組合の事業費や市民の税金を食い物にしたとも言えなくないわけで、許した企業公社の歴代社長も責任を問われなければならないし、場合によっては歴代社長に弁済をさせるということも必要になってくるということで、今、調査が行われているということでした。
その上で伺いますけども、こうした一連の不正について、株主である日野市としては、市長にも責任がある、問われるという問題になってまいりますので、このことについて最後に市長にも答えていただきたいと思いますし、徹底調査を進めていっていただきたいというふうに思います。この点は最後に確認します。
質問の3点目、最後になりますけれども、
川辺堀之内土地区画整理事業における河内元副市長、河内氏、河内元副市長というふうに表現をさせていただきますが、市立病院で勤めながら区画整理の相談役をやり、さらに個人的に契約を結んで報酬、要はお金を頂いていたというこの個人契約についての経過と市の認識について聞きたいと思います。
このことについては、この議会でも繰り返し取り上げられていますので、時間の都合上少しはしょりまして、初めに改めて確認したいのは、市は、同組合と河内氏との、私たちから言わせれば違法な個人契約ですね、をしていたという事実をいつ知ったのかということを、まず確認をさせていただいて、その上で再質問をさせていただきたいと思います。
33 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
34
◯まちづくり部長(宮田 守君)
川辺堀之内土地区画整理事業における元副市長への個人委託についてでございます。
市は、平成31年第1回市議会定例会での質疑を端緒として組合に関する調査を本格的に開始いたしました。そして、平成31年3月末に行った組合へのヒアリングの際に、個人への業務委託の実態等について把握をしたところでございます。
元副市長への個人委託に関しては、平成24年4月に開催された第42回組合の理事会において、元副市長の
理事長相談役への就任が承認され、同年5月1日に組合と元副市長との間で委託契約が締結され、その委託契約額は月21万6,000円であったことを確認しております。
この経緯としては、組合が企業公社に対し、事業の全部を委託していたものの、企業公社だけでは事業が円滑に推進するかどうかという点に不安があったため、当時、企業公社の社長であった前副市長の推薦により、元副市長との委託契約を締結したことが、これまでの調査の中で明らかとなっております。
この組合における個人委託に関しましては、その履行の確保をどのように担保するかが大きな課題と捉えております。基本的には区画整理組合の事業には、個人委託は不透明かつ不正常な委託形態であると市としては認識をしているところでございます。
以上でございます。
35 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
36 ◯15番(大高哲史君) 私が質問で取り上げ、問題にしているのは、今、答弁ありましたけれども、区画整理の理事会ですね、組合の理事会の中で河内氏が相談役に就任するわけですけども、その際、個人委託、当初は21万6,000円だったという答弁ありましたけれども、契約を交わしてお金を得る、そういう関係性にあったことがある、そういう契約を交わしたことが2012年、平成24年の時点で理事会の中で確認されている、複数の皆さんがそれを認識された、それが2012年、かなり前の出来事です。東京都からの指導を受けながら組合施行というのは進みますけれども、市が全くノータッチということはあり得ないわけです。当初から市の助成金も出そうという計画にのっとった
組合施行事業ですから、当然、市も、1から100までとは言わないまでも、ある程度の大きな出来事というのは把握して当然だというふうなことが、経験上は思うわけです。
そこで、2012年から、今、答弁ありました平成31年、2019年まで全くそのことについて気づかなかったというのが、とても不可解であります。日本共産党都議団の独自調査で東京都の担当課長に伺いました。同組合と河内氏の個人契約というのは、今、紹介しました2012年、平成24年の3月の理事会で確認され、その後の理事会でも繰り返しそのことが議題になり、また確認事項として話し合われていることもヒアリングや議事録では確認ができていますが、この担当課長、東京都の担当課長によりますと、2012年3月の組合の理事会で承認されていることが、東京都としても会議録で確認はできたと。理事会で諮っているので随意契約は問題だと考えずに、このように市民に回答したという証言をしています。この出来事があったのが2017年になります。市が把握する2年前というふうにも取れます。
市は、2017年の時点で、同組合が河内氏と個人契約を交わしていた。理事会で承認されたということが東京都も把握していながら、その事実をなぜ把握できない、しなかったのかという問題です。東京都は2017年、平成29年に把握した。組合側は今、述べましたように、2012年の時点でもう既に理事会で承認はされている。たくさんの理事の皆さんが確認をしている。ただ、日野市が知ったのは2019年、平成31年になってからということになります。個人委託が開始されてこれだけ時間がたっても、気づくことができなかったという言い訳は通じないというふうに思うんですけども、当時は市だけが組合との河内氏の個人契約を把握していなかったということになってしまいます。市は、同組合が河内氏と何らかの契約を交わして金銭のやり取りがあったのではないかと、その間も多分疑ったのではないかと、担当者を含めてですね、疑ったのではないかというふうに思います。
2012年から2019年といえば、大坪市長は2011年から市の
まちづくり部長でした。2013年4月からは現職市長として今も続けられております。その間、この事実について確認を怠ったということがなかったかどうか。2017年、東京都の調査の際、河内氏の組合との個人契約について問合せがあったんじゃないですか。部長、いかがでしょうか。
37 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
38
◯まちづくり部長(宮田 守君) 御質問としては、なぜこの間、個人委託に市として気づかなかったということなのかなと思います。
まず一つが、組合の決算書でございますけど、組合の決算書のほうに記載されております。これ総会資料等で出てくるものでありますけど、その総会資料の中に調査設計業務というものの一覧表があるわけでありますけど、この調査設計業務の一覧表に委託先の明記がないということがございました。
また、その後の市からの問合せ等で組合のほうが個人情報を盾にして、内容について開示をしていただけないという、そういう状況がございました。したがいまして、個人に委託している疑いというものは当時から分かっていたわけでありますけど、その詳細な内容をその後の中で読み取ることができなかったことによるものでございます。その点の調査の不足については深く反省しているところでございます。
以上でございます。
39 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
40 ◯15番(大高哲史君) 最後に、市長に伺います。
大坪市長は2011年から
まちづくり部長、13年から市長を務められております。今、部長から疑いが、当時分かっていたというふうな答弁がありました。市長も
まちづくり部長として長く市役所に勤めておられれば、動きや見聞きしたことで、何となくこういうことが市役所の中で起こっているんではないかというふうに感じてはいたはずなんですよね。しかし、その感じていたことについて、市長として河内さんがやっているからさらなる調査をしなかった、いうことがなかったかどうか、市長に最後確認したいと思います。
41 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
42 ◯市長(大坪冬彦君) 職責から言うと、当然疑いが発生すれば、それについて調査等をするべきでありますが、当時の状況の中で
川辺堀之内土地区画整理組合全体の業務の中のほんの一部でありますんで、そのことについて、とりわけ問題意識を持ってどうするという話、そういう感覚で仕事はしてなかったかというように思います。それは市長になってからも同じでありまして、残念ながら、そのとき問題意識を持ってしっかりチェックすべきであったとは思いますけども、残念ながらそうではなく、時間が過ぎてしまったというのが実情でございます。
以上です。
43 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
44 ◯15番(大高哲史君) 違法が見過ごされたということが、今、確認できました。
私の質問は、これで、以上で終わります。
45 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって1の2の質問を終わります。
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46 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問1の3、市民の暮らし営業がひっ迫する中、なぜ、国保税値上げ提案かの
通告質問者、
大高哲史議員の質問を許します。
47 ◯15番(大高哲史君) 今回の質問のテーマは、国民健康保険税のさらなる値上げです。市民への増税負担増がテーマです。
まず、この計画について、私なりの解釈で少し紹介しておきたいと思います。一つは、皆さんの、もし御存じなければ紹介したいと思ったのは、日野市の国民健康保険税が今でも高い、高くて払えないという声が上がる中で、令和元年度、平成31年度に値上げがされ、東京都、国の指導と言わせてもらいますけど、によって、さらなる値上げ計画をつくれと言われ、提出をしているところです。
今回、最新の値上げ計画を確認してみると、来年の4月からの値上げに始まり、令和14年まで全6回にわたり、今回は約1万円の値上げが提案されています、それがもしかしたら6回連続するかもしれないという計画書を東京都に、今、日野市が提出しております。
市民の皆さんの暮らしが逼迫する中で、どう生活や営業を支えていくのかということが、今問われているさなかに、先月、行われた国民健康保険の運営協議会にてさらなる値上げが提案されてまいりました。これは諮問、お伺いを立てるということで、運営委員会の意見を聴くという場でありましたけれども、反対したのは私だけでございました。このことについて伺っていきたいと思います。
今、市民の皆さんの暮らし、コロナ禍の中でどんな状況にあるのか、私たちがつかんでいることではなくて、市がどのように把握しているのかを確認するために答弁をいただきたいと思います。各部署で実態調査などもされています。ぜひ御紹介をいただきたいと思います。
48 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
49 ◯健康福祉部長(山下義之君) 市民の暮らしについてでございます。特に生活の困窮の実態をうかがい知ることができるものの一つに、ひきこもり等実態調査の結果がございます。この調査では、民生・児童委員、市の関係課職員、関係支援機関等に対して、それぞれが把握しているひきこもりと思われる事例について、問題点を挙げるとしたら何かということを質問しておりますが、これに対して、経済的困窮と答えた割合は約17%を占めております。
また、同様の調査に、子どもの生活実態調査がございます。この調査では、父親の就労状況について、平成28年度に行ったデータと比較しまして、民間企業の正社員の率が下がっているという結果が得られております。また、家計においては、食費、光熱水費、日用品費に対する出費が増え、家計を圧迫している状況がうかがえます。さらに、独り親家庭については、特に母親の非正規就労率が高く、不規則、不安定な就労状況がうかがえます。こうした世帯の暮らしは、コロナ禍の影響を非常に受けやすく、コロナ禍の長期化によってさらに深刻な状況に陥っているものと認識をしております。
私からは以上でございます。
50 ◯副議長(谷 和彦君) 産業スポーツ部長。
51 ◯産業スポーツ部長(仁賀田 宏君) 私からは、市内事業者の営業の実態と、これに対する市の認識について答弁させていただきます。
今年10月に商工会が行ったアンケート調査では、150事業者の回答中、業績が悪化し続けている、持ち直したが戻り切っていないと回答した事業者が120いる一方、全体の16%に当たる24の事業者は、戻った、良化したと回答しております。加えて、4月から産業振興課が直接事業者に赴いて実施している事業者ヒアリングにおいても同様の傾向となっております。
商工会によると、2年前と今年、昨年と今年の対比をしてみると、今年のほうが売上げへの影響は小さくなっており、全体的に業績は改善傾向にあると分析しております。悪化したと回答している事業者についても、市、都、国が実施している給付金、協力金などの支援制度を利用することにより、事業が継続できていると推察しているところでございます。
さらに、廃業を機に商工会を脱会する事業者数も令和2年度、3年度は例年と比較して少ない傾向にあり、分析を裏づける結果となっております。
市内企業をはじめ、多摩地域の企業の多数がメインバンクとしている多摩信用金庫が定期的に発行している、多摩けいざいのたましん中小企業景況調査報告でも、多摩地域の傾向としては、全体として新型コロナウイルス感染拡大の影響が緩和されつつあり、業況は持ち直しているが、製造業の半導体やウッドショックによる建築業の木材の調達が難しくなっているなどの声が寄せられており、一部業種においては依然厳しい状況にあるという報告が出され、市も同様の認識をしているところでございます。
以上でございます。
52 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
53 ◯15番(大高哲史君) 特に独り親家庭であるとか、要は零細企業ですね、そうした業者の皆さんを中心に、引き続き厳しい状況が続いているという認識だということが述べられました。
では、その上でどうするのかということで、国や東京都の対策だけでは、こうした皆さんがこれからも安心して生きていけるという状況にないことは明らかだと思われますので、では、そうした状況を把握した日野市として、市民の暮らし、営業を支える、底上げする対策をどのように取っていくのかということで、その対策についても伺っていきたいと思います。
54 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
55 ◯健康福祉部長(山下義之君) 私からは、市民への生活への対策ということでお答えいたします。
生活に困窮されている方に対しては、これまでも国によりまして緊急小口資金及び総合支援資金、住居確保給付金の対象の拡大や期間延長、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金といった経済対策が講じられてきております。また、生活保護制度においては、申請は国民の権利であるということが強く啓発されているところでございます。
さらに、市独自の対策としては、独り親家庭への家賃助成について、令和2年度から19歳、または二十、20歳になる学生などを扶養している世帯にも対象を拡大し、令和3年度も継続しており、生活の下支えを行っているところでございます。今後も状況に応じて必要な対応を検討していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
56 ◯副議長(谷 和彦君) 産業スポーツ部長。
57 ◯産業スポーツ部長(仁賀田 宏君) 私からは、市内事業者の営業を底上げする対策について答弁させていただきます。
昨年度に続き、今年度も産業振興課では、商工業者の生活を支える取組として、商工会と連携し、新型コロナウイルス感染症対策店舗等支援事業補助金や、ペイペイを活用したキャッシュレス決済経済支援事業を含む六つの事業を実施しております。
今後については、先ほど述べた調査結果などを踏まえ、国の経済支援対策などを活用しながら、アフターコロナ、ウィズコロナに対応する事業者への支援を検討しているところでございます。
以上でございます。
58 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
59 ◯15番(大高哲史君) コロナ禍を踏まえた市民、事業者の皆さんへの対策が今紹介をされました。そうした認識、対策を踏まえるならばということで、再質問で最後確認したいと思います。
特にコロナ禍で苦しい生活を余儀なくされている市民の皆さん、事業者の皆さんを支えようというふうに考えれば、当然、今答弁があったような下支え対策ですね、市としてできることを精いっぱいやっていくという姿勢が必要なわけです。ですから市としても、苦しい生活を余儀なくされている皆さんへの対策を打っているわけですね。
そこで再質問で伺いたいのは、コロナ禍で苦しい生活を余儀なくされている市民の暮らし、営業を見れば、現状よりもさらに負担が増えるような施策は行うべきではないというふうに私は考えますが、市はどのようにお考えでしょうか。
60 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
61 ◯市民部長(青木奈保子君) 国民健康保険税率改定について答弁いたします。
市では、平成30年度の国民健康保険制度改革の趣旨にのっとり、東京都に提出している財政健全化計画(赤字削減・解消計画)のとおり、一般会計からの繰入額を計画的に削減するため、東京都から示される標準保険税率を目指していくべきと考えております。この基本的な考え方に基づき、11月4日に開催した令和3年度第3回国民健康保険運営協議会にて令和4年度に向けた保険税率改定の内容を示し、諮問をいたしました。今後、協議会より答申をいただく予定となっております。
諮問させていただくに当たり、新型コロナウイルス感染症の影響を最も重要視し、私どもで可能な限り調べられる範囲で市民の皆様の暮らしぶりも確認いたしました。
まず、市税に関しましては、個人住民税、国民健康保険税調定額、保険税現年徴収率等を確認いたしました。どの項目についても、新型コロナウイルス感染症の拡大により数値が大きく落ち込んでいる点は見受けられませんでした。
ただし、国民健康保険加入者のうち、非正規雇用の方々や自営業の方々については、新型コロナ減免の申請状況等から推察すると、少なからず新型コロナウイルスの感染症の影響があったと推察しております。しかし、そのような方々に対しても、国民健康保険では、地方税法に基づき軽減や減免の一定の手当を実施しております。軽減としては、前年の所得が一定以上ある世帯に対して課税限度額の設定や、会社都合による離職や雇い止めなどによる離職に対する軽減、世帯の前年度所得額に応じた7割、5割、2割の減額賦課を行っております。また、減免としては、新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少世帯に対する減免を令和2年度に新設し、従来の災害、貧困等による収入減少などと併せて実施しております。これらの策を講じることで、生活が厳しく、保険税のお支払いが困難な方々への対応を引き続きしてまいります。
また、財政健全化計画では、令和2年度に令和3年度に向けた税率改定を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明だったことにより、市民の生活を第一に考え、改定を見送らせていただきました。
今回の令和4年度に向けた税率改定の内容につきましても、市民の皆様も急激な負担を強いることのないよう、上げ幅については十分配慮させていただいた経緯もございます。平成30年度の国民健康保険制度改革において、全国どこに住んでいても、かかった医療費が同じで、所得が同じであれば、保険税の負担も同じが望ましいとの考え方を踏まえて、保険税率を見直し、一般会計からの繰り入れを削減する制度の基本的な考えに基づいて、全国の自治体と同様に、令和4年度に向けた税率改定の準備を進めていくものであります。
62 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
63 ◯15番(大高哲史君) 答弁を聞いていて、皆さん、気がつかれたでしょうか。負担軽減策を進めている日野市で、国民健康保険税については値上げをして軽減をするという、おかしなことをやろうとしているということが答弁でもよく分かったと思います。これは国や東京都が進める施策によって、市がやらされているというのが実態であります。
ここで最後、市長に伺いますけれども、21日の報道によれば、全国知事会の増額要求にも応える形で、政府が21年度の補正予算案で自治体向けの臨時交付金を6兆円増額するという方向で調整が進んでいるということが報道でも明らかになっております。市の基金を活用する、一般財源を繰り入れる、政府の臨時交付金を活用するなどして、コロナ対策、市民の暮らしを支えようと思ったら、最も効果的なのは、上げないことではないでしょうか。市民の暮らしを本気で守るとしたら、財政投入という決断以外にないと思います。国民健康保険法の第1条は、この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとあります。
では、社会保障とは何でしょうか。辞書で引けば、国家が国民の生活を保障する制度、また国民の生存権を確保することを目的とする保障のことと出てきています。要は、借金をしてでも国民の暮らしを守ろうというのが社会保障制度の基本であります。
以上のことから、国民健康保険の事業費を確保することを優先するのではなく、市民の暮らしを支えるために、国保税の値上げは中止すべきではないかというふうに思います。市長の見解を伺います。(「無責任だ」「失礼だよ市長に」と呼ぶ者あり)
64 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
65 ◯市長(大坪冬彦君) 先ほど市民部長が答弁したとおりであります。緊急のコロナ対策も必要であります。しかし、これからはウィズコロナの時代にどうやって経済社会を回していくか、そういう視点も必要であります。そういう視点において、国保料についてはしっかりと東京都に提出した計画に基づいての値上げ、税額改定等を行っていくというのは市の方針であります。
以上です。
66 ◯副議長(谷 和彦君)
大高哲史議員。
67 ◯15番(大高哲史君) 市民と一緒に声を上げて、中止させていきたいというふうに思います。
以上で質問を終わります。
68 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって
大高哲史議員の一般質問を終わります。
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69 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問2の1、国民健康保険のあるべき姿についての
通告質問者、田原茂議員の質問を許します。
〔21番議員 登壇〕
70 ◯21番(田原 茂君) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今回のテーマは、国民健康保険制度についてであります。
値上げのたびに、反対のための反対を決め込む政党や勢力があり、いたずらに市民の不安をあおる方々がいますので、今回はそのような不毛な議論に終止符を打てるように、国保制度の本来のあるべき姿について明らかにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)
それでは、まずお聞きしたいのは、平成30年に行われた国民健康保険の制度改革、いわゆる広域化についてであります。広域化に至った経緯やそのメリットは何かについて、お答えいただければと思います。
71 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。市民部長。
72 ◯市民部長(青木奈保子君) 国民健康保険制度改革の経緯について御説明いたします。
平成30年度以前は、全国の市町村がそれぞれ独立して国民健康保険を運営していました。歳出の医療費等の給付に必要な歳入を国等からの補助金及び保険税で確保していましたが、不足する分は一般会計から繰り入れて運営していました。全国を見渡すと、一般会計繰入金は財政力のある東京都の自治体に集中しており、首都圏以外の自治体は一般会計繰入金にも限界があることから、結果的に保険税が高くなっていました。
平成30年度の国民健康保険制度改革は、国の財政支援を強化し、医療費は全額都道府県が負担すること、市町村は都道府県に医療費に見合った納付金を納めることとなりました。その納付金を納めるために必要な保険税率を全国どこに住んでいても、かかった医療費が同じで、所得が同じであれば、保険税の負担も同じが望ましいとの考えに基づいて、全国統一基準で各市町村に標準保険税率として示すことになりました。同時に、国民健康保険特別会計での赤字を一般会計からの繰入金で運営している保険者には、財政健全化計画(赤字削減・解消計画)を策定し、赤字解消を求めることとなりました。
広域化のメリットといたしましては、都道府県も保険者となり、医療費の全額負担など財政運営の責任主体として安定的な財政運営やスケールメリットを生かした効率的な事業の確保が挙げられます。
また、市民の方へのメリットとしては、高額療養費の該当回数の計算などがあります。これまで市区町村をまたいで転居した場合は国保の資格を喪失してしまうため、該当回数は通算されませんでしたが、広域化に伴い東京都内の転居であれば喪失とならないため、市をまたいで通算できるようになり、自己負担額の軽減が図られました。また、広域化により外国人向け多言語の案内等の作成を東京都が中心となり各区市町村合同で作成できるようになり、単独では実施できなかった言語の案内も安価に作成でき、市民サービスが向上いたしました。
73 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
74 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
全国どこに住んでいても、かかった医療費が同じで所得が同じであれば、保険税の負担も同じが望ましいという考え方は、私は至極当然のことと理解できます。また、高額療養費の自己負担額の軽減も図られるとのことで、メリットもあるということが分かりました。
問題は、国民健康保険特別会計での赤字分を一般会計からの繰り入れで運営している保険者には、財政の健全化計画を策定し、赤字解消を求めることとなったということであります。問題の核心は、私はこの赤字解消計画が無理のない範囲で、市民の理解の下、行えるかどうかにかかっていると思っているところでございます。今日の質疑を通して、それらを明らかにしていきたいと思います。
次の質問は、赤字解消計画と標準保険税率及び令和4年度に向けての保険税率改定についてお聞きしたいと思います。
また、現行の49区市での順位と、島しょ部も含めた医療体制についてもお聞かせいただければと思います。
75 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
76 ◯市民部長(青木奈保子君) 財政健全化計画と標準保険税率について御説明いたします。
財政健全化計画は、毎年度末に東京都へ提出することとなっており、令和3年3月に策定し、東京都へ提出した直近の計画では、令和4年度に税率改定を行い、解消の目標年度は令和14年度に定めたものとなっております。
赤字解消削減のための具体的取組内容として、標準保険税率を見据えた保険税率の見直し、保健事業による医療費の適正化、収納率の向上対策の取組を実施し、一般会計からの繰り入れを削減していく計画内容となっております。
東京都から示される標準保険税率は毎年変更されるため、計画についても毎年見直しを行う必要があります。
令和3年度に東京都から示されている標準保険税率と現行の保険税率の差分について、医療分、後期高齢者支援金分、介護分の順で御説明いたします。
医療分所得割は6.43%、現行税率との差は1.23%、同じく医療分均等割は3万7,808円、現行税率との差は9,008円。後期高齢者支援金分所得割は2.56%、現行税率との差は1.06%、同じく後期高齢者支援金分均等割は1万4,667円、現行税率との差は5,067円。介護分所得割は2.56%、現行税率との差は1.06%、同じく介護分均等割は1万8,658円、現行税率との差は6,358円でございます。標準保険税率まで、まだまだ大きな差があると認識しており、市では標準保険税率に少しでも近づけていく必要があると認識しています。
東京都内49区市の令和3年度東京都内国民健康保険税料率についてモデルケースを用いて積算したところ、日野市の保険税額は上から43番目、下から7番目に位置しており、東京都内で見ても日野市の健康保険税率が低いことが分かります。都内でも日野市より低い標準保険税率が示されているところもございます。主に島嶼部や山間部などですが、日野市と比較すると医療提供体制にも違いがあります。日野市には市立病院や医療機関も多々あり、必要なときに適切な医療を受診できる環境も整っています。島嶼部や山間部などと比較しても、相応の保険税の負担が相当と考えられます。
続いて、令和4年度に向けた保険税率改定について御説明いたします。最新の財政健全化計画に基づき、令和4年度に向けた国民健康保険税率改定について、令和3年11月4日に開催した国民健康保険運営協議会へ諮問を行いました。改定の内容については、所得割を0.6%、均等割を3,600円増額する改定案とし、市民の皆様に急激な負担を強いることのないよう、赤字削減・解消計画に沿った上げ幅で諮問いたしました。
当日は様々な御意見や御質問をいただきましたが、被用者保険等を代表する委員の方からは、社会保険では高齢者医療拠出金が支出全体の約44%を占め、特に前期高齢者納付金は伸びが著しい。東京都26市や日野市の置かれている状況、特に標準保険税率と現行税率が乖離している状況を踏まえると、税率改定を実施して財政を健全化していく必要があると考えるという御意見を頂戴し、また、御質問では、新型コロナウイルス感染症も収束していない中、なぜ今、税率改定を行うのか、法定外繰入は幾らまで減らすことを目指しているのか、他市の改定状況は、令和4年度以降の改定予定はなど、多くの御質問をいただきました。
御質問に対しては丁寧に御説明した上で、今後、協議会より諮問に対する答申を頂戴し、令和4年3月市議会定例会に議案上程し、御審議いただく予定としております。
以上でございます。
77 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
78 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
現行では49区市で上から43番目、下から7番目の位置にあるとの説明でした。医療提供体制についても、本市は恵まれた環境にあるとの説明もありました。これらの指標も国保税値上げを考える際の大きな判断材料になると思いますので、ここのところはしっかり押さえておきたいと思います。
また、値上げを諮問した国民健康保険運営協議会では、特に被用者保険等を代表する委員からは、標準保険税率と現行税率が乖離している状況を踏まえると、税率改定を実施して財政を健全化していく必要があるとの意見もあったということは、特筆すべきであると思います。
先ほどの具体的な改定の内容が説明されましたが、それでは再質問として、令和4年度の税率改定を見送った場合、どのような影響が出てくるのかお聞かせいただきたいと思います。
79 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
80 ◯市民部長(青木奈保子君) 制度改革当初の財政健全化計画では、令和3年度に税率改定を予定しておりましたが、改定について検討した令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響が不透明であったため、改定を見送った経緯がございます。その中で、さらに令和4年度の税率改定を見送った場合は、一般会計からの繰入金が改定した場合と比較して、約2億円増加すると見込んでおります。本来、一般会計で予定していた事業、福祉、子ども、公園、道路、教育等においても、休止や新たな事業を行えない等の影響が出る可能性があると思っております。
制度改革では公平な税負担として財源を確保し、一般会計に頼らず独立した財政運営になることを目指していることを御理解いただきたいと思っております。
81 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
82 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
本来、令和3年度で値上げをする予定であったけれども、コロナ禍の影響もあり、令和3年度の値上げを見送ったと。さらに、今回、改定の諮問が出ているわけでありますけども、今回もこれをもし見送った場合には、一般会計からの繰入金が約2億円増加するという御説明でございました。
この2億円増加する、これ大変大きな金額と言わざるを得ません。この値上げを反対する方々は、この2億円をどのように考えているんでしょうか。先ほど答弁にもありましたように、福祉、教育、子ども事業、もろもろの重要な施策が日野市はめじろ押しであります、そういったものを中止していいんでしょうか。この2億円というのは、そういう非常に重要なお金であります。そういったこともしっかりと考えていっていただきたいなということを強く訴えておきたいと思います。
次の質問は、新型コロナウイルス感染症の影響と減免の状況はどうなっているのか。
また、国保運営協議会の中で新型コロナウイルス感染症も収束していない中、なぜ今、税率改定を行うのかとの質問もあったようでありますけども、先ほど一般質問でもありましたけども、再度これについて私からも、再度御答弁をお願いしたいというふうに思います。
83 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
84 ◯市民部長(青木奈保子君) 新型コロナウイルス感染症の影響について、まず市税の観点から御説明いたします。
初めに、個人住民税調定額の決算時点での比較でございます。令和2年度は135億8,518万6,000円、令和元年度は134億9,424万8,000円、平成30年度は131億7,022万2,000円でありました。この3か年の比較では微増の状況でございました。
続いて、国民健康保険税については、当初賦課時点での比較で、令和3年度は28億4,019万1,000円、令和2年度は28億5,261万8,000円、令和元年度は29億5,502万4,000円でありました。減の理由は、主に加入者の減によるものと見込んでおり、大きな変化はないものと判断しております。
また、国民健康保険税現年徴収率の決算時点での比較は、令和2年度93.6%、令和元年度93.3%、平成30年度は94.0%でございました。一旦下がったものの、令和2年度は微増となりました。したがって、市税からは新型コロナウイルス感染症による景気変動は、それほど影響していないと推察いたしました。
一方、国民健康保険加入者のうち非正規雇用の給与所得者や自営業の方々については、失業による国保加入や令和2年度の減免申請状況から推察すると、新型コロナウイルス感染症の影響があった方がいらっしゃるのも事実でございます。影響のあった方々には、状況に応じて次のような対応をいたしました。国民健康保険税については、所得額や離職理由等に応じた軽減や新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少に対する減免を行っております。
初めに、所得額に応じた軽減として、課税限度額の適用です。前年の所得が一定以上ある世帯に対して限度額を設定しております。令和3年度は、世帯限度額99万円で、該当した世帯数は当初賦課時点での比較で、令和3年度は279世帯、令和2年度は247世帯、令和元年度は324世帯ございました。
次に、非自発的失業による軽減でございます。倒産や解雇による離職等により社会保険から国民健康保険へ切替えとなった方に対して、加入後2か年度分の保険税を軽減しています。軽減額は、御本人の前年の給与所得を10分の3とみなして保険税を計算いたします。該当した世帯数は、当初賦課時点での比較で、令和3年度は274世帯、令和2年度は295世帯、令和元年度は282世帯ございました。
課税限度額の適用も非自発的失業による軽減も、令和2年度以降の件数には新型コロナウイルス感染症の影響による加入の方々が含まれております。
次に、国が定める7割、5割、2割軽減賦課でございます。世帯の前年の所得額に応じて、3段階で均等割額を軽減するものでございます。該当した世帯数は、当初賦課時点での比較で、令和3年度は、7割軽減が6,724世帯、5割軽減が2,598世帯、2割軽減が2,667世帯。令和2年度は、7割軽減が6,487世帯、5割軽減が2,593世帯、2割軽減が2,722世帯。令和元年度は、7割軽減が6,525世帯、5割軽減が2,545世帯、2割軽減が2,668世帯ございました。さきに説明した非自発的失業による軽減で、所得を減額計算したことにより、この軽減が受けられるようになった方も多くいらっしゃいます。このような対策で被保険者に納税通知書を送付する前の計算で、御負担を軽くする対応をしております。
一方、従前から御加入いただいていた方々の中にも新型コロナウイルス感染症の影響による減収等の影響のある方がいらっしゃると思います。その方々には納税通知書を送付後に新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少世帯に対する減免も行っております。令和2年度から開始した制度で、減免決定数が580件、減免決定金額が8,211万5,000円でございました。
また、新型コロナウイルス感染症罹患者の救済措置として、被用者保険者に対して傷病手当金の支給を行いました。実績として令和2年度は4件、35万3,094円の支給をいたしました。令和3年度は、令和3年11月17日現在で14件、171万5,741円の支給でございます。新型コロナウイルス感染症も収束していない中、なぜ今、税率改定を行うのかについて御説明いたします。
冒頭申し上げましたとおり、平成30年度に国保は大規模な制度改革が実行されました。全国的に公平な負担となるように示された標準保険税率を目指して税率改定を行い、赤字解消に全国の自治体が取り組んでおります。日野市としても標準保険税率へ近づくための努力は行っていくべきと考えております。増額改定とともに、新型コロナウイルス感染症による市民への影響につきましても、先ほど答弁させていただいたとおり、軽減や減免、また、令和4年度から国が制度化を予定している子どもの均等割半額制度も併せて必要な手だてを実施していく考えでございます。
また、県内統一税率とする動きも進んでいる中、近い将来予測される東京都内保険税料率統一に向け、いざ統一が図られたとしても市民への急激な負担を求めることのないよう、今から少しずつ改定を行い、標準保険税率に近づけておきたいという考えから、このたび税率改定の諮問をさせていただいたものでございます。
以上です。
85 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
86 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
国保税も含めた市税の観点からは、新型コロナウイルス感染症による景気変動はそれほど影響していないとの御答弁でした。
非正規雇用の給与所得者や自営業、離職者等については、新型コロナウイルス感染症の影響があったが、各種減免制度や軽減策を適用して、丁寧な対応をされた状況が分かりました。
その上で、将来予想される東京都内保険税率統一に向け、市民への急激な負担を求めることのないように少しずつ改定を行い、標準保険税率に近づけておきたいとの御答弁でございました。この点も理解できるところであります。
次の質問は、具体的な事例を通して、値上げ幅が所得に応じてどのぐらいの負担になるのか、また、ならないのかを見ていきたいと思います。
また、先ほどの御答弁にもありましたが、令和4年度から国が制度化を予定している子どもの均等割半額の制度も併せてお聞きしたいと思います。
低収入の年金受給者及びシングルマザーと平均的な収入の年金受給者及びシングルマザーに絞って、その対比をしていく形でお聞きしていきたいと思います。
それでは、年金生活者については、まず、年金収入100万円の単身世帯及び2人世帯の場合はどうか。及び収入をちょっと上げて、平均的な収入、年金収入250万円、2人世帯の場合はどうか。
次に、シングルマザーであります。年収100万円及び年収250万円のシングルマザー世帯の場合の値上げ幅についてお聞かせいただきたいと思います。
87 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
88 ◯市民部長(青木奈保子君) 現在、国民健康保険運営協議会に諮問中の保険税率で、令和3年度と4年度の保険税額の比較をいたしました。
被保険者1人だけに年金収入がある世帯についてでございます。年金収入100万円の単身者の場合、令和3年現行税額は7割軽減が適用され、1万1,400円でございます。これが令和4年度改定した場合、引き続き7割軽減で1万2,200円となり、年間で800円の増額となります。
年金収入100万円で御夫婦お二人世帯の場合、令和3年度は現行額7割軽減が適用され2万2,900円でございます。これが令和4年度改定した場合、引き続き7割軽減が適用され2万4,600円となり、年間で1,700円の増額となります。
年金収入250万円の御夫婦お二人世帯の場合、令和3年度現行税額は2割軽減が適用され12万6,400円でございます。これが令和4年度改定した場合、引き続き2割軽減が適用され13万4,500円となり、年間で8,100円の増額となります。
続いて、被保険者1人だけに給与収入があるシングルマザーについてでございます。給与収入が100万円で未就学児の子どもが1人いる世帯の場合、令和3年度現行税額は5割軽減が適用され3万9,700円でございます。これが令和4年度改定した場合、3万2,200円となり、令和4年4月1日から適用開始予定の未就学児の均等割2分の1軽減が反映され、年間で7,500円の減額となります。
給与収入250万円で未就学児の子どもが1人いる世帯の場合、令和3年度現行額が15万9,800円でございます。これが令和4年度改定した場合、14万9,600円となり、こちらも未就学児均等割2分の1軽減が反映され、年間で1万200円の減額となります。
子どもの均等割5割軽減は、制度上、未就学児にとどまりますが、一定の効果があるものと考え、令和4年度実施に向けて国からの通知に基づいて、令和4年第1回定例会に議案上程させていただく予定でおります。
以上でございます。
89 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
90 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
ただいま、きめ細かく御説明をいただきました。年金収入100万円の単身者の場合は、7割軽減が適用され800円の増額。同じく、年金収入100万円の2人世帯についても7割軽減が適用され年間1,700円の増額。先ほど部長が1万7,000円と言い間違えたように、私も一瞬1万7,000円の増なのかなと思ってましたけども、1,700円なんです。1,700円なんです、1万円じゃないんです。先ほど質問された方は、平均1万円になるなどと言ってましたけども、個々にこうやって見ていかなければいけないんですよ。一律に1万円上がるとしたら、もう驚きますよ。1,700円だとか、800円だとか、こうなっているんですよ。
また、年金収入250万円、この年金収入の方は一般的なサラリーマンだった方の年金収入かなと思いますが、この2人世帯でも、これら年金250万円の世帯でも2割軽減が適用され、年間8,100円の増額なんですよ、1万に満たないんですよ、1万円になってないんですよ。これを1万円上がる、1万円上がる、5割上がる、こんなことを言っている方々がいるんですよ、とんでもないことですね。(「そうだ」「そうだ」と呼ぶ者あり)
いいですか、しっかり聞いてくださいよ、もう一回言いますよ。年金収入250万円の方でさえも2人世帯、年間8,100円の増額にとどまっているんですよ。さらにシングルマザーの例ですが、給与収入100万円で未就学の子どもが一人いる世帯では、5割軽減が適用され、かつ令和4年度から導入される子どもの均等割半額軽減もあり、年間7,500円の減額ですよ。値上げじゃないんですよ。(「制度の在り方に……」と呼ぶ者あり)皆さんね、反対する方々は、こういったこともきちっと知らせてやってくださいよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)減額するケースがあるんです。(「制度の在り方として……」と呼ぶ者あり)シングルマザーで1世帯の100万円の収入の方々は7,500円の減額ですよ、説明してくださいよ、ちゃんとこれを。(「値上げしない……」と呼ぶ者あり)一律1万円上がるなんて言っちゃ駄目ですよ。(「そうだ」「そうだ」と呼ぶ者あり)今日しっかりと言っておきます、この議場で、公の場で私は。(「いろんな場面で値上げを行っているんです」「そこまでちゃんと言えよ、説明を」と呼ぶ者あり)
また、給与収入250万円で未就学児童の子どもがいる一人世帯、同じく子どもの均等割半額軽減が適用され、年間1万200円の減額ですよ。(発言する者あり)先ほどは1万円の値上げだなんて言っていたでしょう。1万200円の減額なんですよ、今度。しっかりとこれも説明していただきたい。それでも反対するのかどうか、(「誰に言っている」と呼ぶ者あり)支持者に聞いてもらってくださいよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)減額ですよ、あるんです、今回は。
この年収250万については、シングルマザーの平均所得が240万円と言われていますよ。ですからシングルマザーの平均的な収入の方々については、年間1万200円の減額になるんですよということなんですよ。しっかりと押さえておいていただきたい。この具体的な数字をしっかり押さえていただきたいと思います。(「制度の在り方としておかしいです」と呼ぶ者あり)
収入の低い年金生活者やシングルマザーなどは7割、5割、2割軽減や、令和4年度から導入される子どもの均等割半額軽減なども導入され、むしろ減額になる事例もあり、シングルマザーの平均収入の世帯では年間1万200円の減額にもなるということを再度強調しておきたいと思います。
このように収入別の状況を細かく見ていきますと、低収入の年金受給者については年間800円の値上がりだったり、(発言する者あり)シングルマザー世帯では、むしろ減額になるというケースもあるということが分かりました。そういう意味でも、今回の値上げ内容は、私は無理のない値上げ幅になっているのかなというふうに思っています。反対される方々は、この数字もきちんと示して、皆様に訴えていただきたい。(「そうだ」「そうだ」と呼ぶ者あり)いたずらに不安をあおるようなやり方はやめていただきたい(「そうだ」と呼ぶ者あり)と強く訴えておきたいと思います。(発言する者あり)
平均値をもって(発言する者あり)全員が一律に上がるかのような言い方については、平成30年の窪田議員の鋭い追及に遭い、悪質な全くのデマ宣伝だったことが明らかになっています。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ともあれ保険税の値上げをするということは金額の多寡を問わず、(発言する者あり)痛みを伴うのも事実であります。そこは丁寧に理解のいくまで説明していく必要があると思っています。
次にお聞きしたいのは、赤字解消のためには、保健事業による医療費の適正化も重要な観点です。そこで、国保のデータヘルス事業の取組と実績及び健康課が行っている健康事業についてお聞きしたいと思います。
91 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
92 ◯市民部長(青木奈保子君) 国保のデータヘルス事業の取組と実績についてでございます。平成25年6月14日に閣議決定された日本再興戦略において、保険者はレセプト等のデータ分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画としてデータヘルス計画の作成、公表、事業実施、評価等の取組が求められました。
日野市では、平成27年度に日野市国民健康保険データヘルス計画を策定し、疾病予防について広く呼びかけるポピュレーションアプローチと一定の条件の被保険者を対象に疾病の重症化を予防するハイリスクアプローチの両面から国保の保健事業に取り組み、健康になることで医療費の適正化を目指しています。
現在は、平成30年度から令和5年度までの計画期間である、第2期日野市国民健康保険データヘルス計画に基づいて事業を実施しております。
具体的には、糖尿病性腎症重症化予防事業、多受診対策、特定健診・特定保健指導、各種がん検診及び人間ドック助成事業等を実施しておりますが、これまでの実績としては、ジェネリック医薬品への切替普及率では、国が目標とする80%に達しており、インセンティブ補助金においても高い評価をいただいております。
糖尿病性腎症対策については、平成27年度より実施している重症化予防プログラムの参加者全員が人工透析に至っておらず、事業の効果を認識しています。
また、平成29年度から開始した微量アルブミン尿検査についても、糖尿病性腎症重症化予防事業の川上対策として、日野市医師会の協力により実施しており、全国的にも先進的な事業として注目されております。自覚症状のない方が早期発見により治療を開始することができた状況など、12月1日号広報でも実績を公表する予定でおります。
今後もPDCAサイクルに沿った、より効率的かつ効果的な保健事業のさらなる充実を目指しているところでございます。
93 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
94 ◯健康福祉部長(山下義之君) 私からは、健康課が行っております健康事業のうち、主に基本健康診査、がん検診について答弁をいたします。
健康課では、健康増進法及び高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、疾病の早期発見、早期治療を目的とし、国民健康保険加入者を対象に基本健康診査、75歳以上の後期高齢者を対象に、いきいき健康診査を実施をしております。市内63医療機関において受診が可能で、令和2年度の受診率は、訪問審査を合わせ47.5%でございました。
次に、がん検診についてでございます。令和2年度より市内医療機関において、50歳以上を対象とした内視鏡による胃がん検診を開始いたしました。当面は生活・保健センターでの40歳以上を対象としたエックス線による胃がん検診と併用し、実施をいたします。
また、令和3年度は、働く世代の受診率向上と身近な場所での検診実施を目的とした新たな試みとして、教育委員会協力の下、市内中学校での乳がん検診を初めて実施をいたしました。検診の際には、併せて保健師による自己触診法などの個別指導を実施し、定期的な受診の必要性などを伝えることができました。
今後は、今回の実施内容を検証し、拡大に向け、教育委員会及び学校と連携しながら進めてまいりたいと思います。
また、がん検診の受診率向上を目指した別の取組として、基本健康診査受診対象者には、がん検診実施案内リーフレットを同封したり、特定の年齢の対象者には、無料クーポン券や個別勧奨通知の送付を行っております。
そのほかには、ほとんどの検診において、土日開催や保育実施日を設けるなど、市民ががん検診を受けやすいような環境づくりにも努めております。
さらに、集団で行うがん検診等の際には、生活習慣見直しの動機づけとして、肺がん検診受診者への禁煙相談など、保健師など専門職による健康相談を併せて実施をしております。引き続き健康増進推進のため、様々な工夫を取り入れて事業展開してまいりたいと考えております。
以上でございます。
95 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
96 ◯21番(田原 茂君) 全国的にも先進的な事業として注目されているものもあるということでございました。
また、令和2年度より内視鏡による胃がん検診を開始したことは、高く評価するものであります。今後は、各種検診の受診率向上に努めていただきたいと要望させていただきたいと思います。
次の質問は、市民が気軽に相談できる体制の整備についてお聞きしたいと思います。
97 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
98 ◯市民部長(青木奈保子君) これまでも毎年、年度初め及び7月の広報への掲載や、7月に全加入者世帯に発送する当初納税通知書の同封物に国保制度に関する改正内容や保険税の減免、軽減等の御案内は行ってきております。
日常的にも保険税額に関するお問合せも多くいただいており、世帯や年齢、収入状況によって異なる保険税額について試算等を行い、正確な保険税額の御案内に努めているところでございます。引き続き、広報、ホームページを活用した市民への周知及び窓口や電話による個別具体的な保険税額に関するお問合せも正確な試算に努め、市民の皆様に御理解、周知が図られるよう丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。
99 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
100 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
先ほどもお話ししたとおり、金額の多寡にかかわらず、税が上がるということは、これは理解をしたとしても、これはやはり大変なストレスになるわけであります。自分は幾ら上がるだろうかとの不安が募るのも無理はないと思います。したがって、通り一遍に、問合せ先は下記みたいな、こういうやり方はやめていただきたいというふうに思います。もっと丁寧に、もっと丁寧に、個別的にも、あなたの保険税がどうなるか。いつでもきちっと対応いたします、お答えいたします、気軽にいつでもお電話くださいというような、本当に丁寧な書き方で、何かこれを見たら電話したくなっちゃったというぐらいの、そういう丁寧な対応をしっかりとお願いを申し上げたいと思います。
最後にお聞きしたいのは、先ほどの一般質問でもありましたが、先ほどの一般質問の方は、(「個人攻撃」と呼ぶ者あり)声高に、この国民健康保険制度を、声高に社会保障制度というふうに、声高におっしゃっておりました。
そこでお聞きしたいのは、主管課として、この辺のところをきちっと整理して、(「自助、共助の制度でないと」と呼ぶ者あり)きちっと整理した形で今日はお話をしていただきたい。
確かに、法律には、社会保障制度としての国保と書かれていますが、本来の国保のあるべき姿をどのように捉えておられるのか、市の見解をここでもう一度きちっと皆様にお示しいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
101 ◯副議長(谷 和彦君) 市民部長。
102 ◯市民部長(青木奈保子君) 社会保障制度としての国保の在り方について御説明いたします。
国民健康保険制度は、国民健康保険法第1条及び第2条で、被保険者の疾病、負傷、出産及び死亡に関して必要な保険給付を行い、社会保障及び国民保健の向上に寄与することと規定されています。国民健康保険制度は、日本の社会保障制度の一つであり、経済的支援の方法は保険的方法により行うものであります。保険的方法である以上、生活保護制度等とは異なり、被保険者の皆様にも一定の御負担をいただきながら、皆で支え合って運営していく制度でございます。
現在、日野市が策定している財政健全化計画(赤字解消・削減計画)及び東京都国民健康保険運営方針に沿った考えでありまして、社会保障制度及び国民健康保険制度を向上していく考えで進めているものでございます。
このような社会保障制度の枠組みにある国民健康保険制度については、なかなか市民に周知する機会がこれまでありませんでした。今後は、国、東京都の動向も含め、可能な限り広く市民へ周知できるよう努力してまいりたいと考えております。
103 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
104 ◯21番(田原 茂君) ありがとうございました。
やはり保険制度である以上、被保険者の皆様にも一定の御負担をいただきながら、皆で支え合って運営をしていく制度である、このことはなかなか分かっているようで分からない人が多いんですね。市がやっているから、当然、市が面倒見てくれる、そういうように思っている方が、私は大変多いんじゃないかなというふうに思います。(「全国知事会は……早期……しろと言っています」と呼ぶ者あり)
また、平成30年に制度改革があった、このことも、私はこのことについては、まさしくほとんどの方々は、私は知らないのじゃないかな。都道府県になったということぐらいは知っていますけども、なったから、もう負担はなくなるんだと、逆に思っちゃっている方もいらっしゃるかもしれません。そういった意味では、今この国民健康保険の制度改革、これは今、大きな私は岐路に立たされているというか、転換点だと思います。この時期にきちっと私は市民の方々にも、この国民健康保険の制度のありようということをですね、しっかりと私はお伝えをしていただきたい。そうしなければ、市民の方々の理解が得られなければ、この国民健康保険制度改革は、私は成し遂げられないというふうに思います。しっかりと市民の方々に制度の概要、また、改革の概要、30年の広域化の概要、こういったものを私は、丁寧に何回も、広報等、ホームページ等、特集を組んだりなんかしながらも、しつこいぐらいに、私は、これは市民の方々にぜひお知らせをしていっていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。そういう中での説明責任をしっかりと果たしていただきたい、これを強く要望しておきたいと思います。
最後に、市長より御所見を伺って終わりにしていきたいと思います。
105 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
106 ◯市長(大坪冬彦君) 田原茂議員より、国民健康保険のあるべき姿についてということでの御質問をいただきました。
今回の改定に至るその手前の段階のそもそもの制度、そして社会保障制度における位置づけ等、多岐にわたり深い御質問をいただいたというふうに思います。
この制度改革、そもそもが冒頭で市民部長が申し上げましたように、全国どこに住んでいても、かかった医療費が同じで、所得が同じであれば、保険税の負担も同じが望ましいという考えに基づいて、全国統一基準で各市町村に標準保険税率を示し、それに近づけていくという制度でございます。
今、ある意味、東京都の自治体は例外的に財政的な余裕があるということで、一般会計からの繰入金を投入することによって、その赤字を補填するということができていた。ただし、それはいつまでも続くわけではないし、今申し上げたような趣旨に近づけていくということで、当然そのための努力をしていかなければならないと思っております。
ただ、もちろんこの制度において、国の負担、国の補助金等について、国の財政支援というのは前提としてあるべきだと思っておりますし、それは私ども自治体としても、この間ずっと申し上げていることであります。それを前提にした上で、さらにこの制度改正を進めていかなければならないというのが、この肝かなというふうに思っております。
現在の日野市の税率、税額は、都内でも下位である、著しく下位であるというお話をさせていただきました。今、日野市以外にも複数の自治体が制度改正、税率改定を行おうとしております。ほとんどが値上げをするということになりますので、そうすると結果的に日野市の順位は相変わらず下位であるということは申し上げておきたいというふうに思っております。
その上で、全体の景気動向の反映はどうかという話についても、全体の市民税の標準、景気動向の反映、税額の状況、課税標準等については、コロナによる大きな影響はなくということを申し上げさせていただきました。ただし、やはり非正規雇用の方を中心にということで、その影響はあります。それにつきましては、先ほど申し上げましたように、未就学児の均等割の軽減の制度、これを導入することによって、かなりの負担が軽減できるという形になっておりますし、この間の様々な減免制度もつくって、それはこれから機能してまいりますので、支えが必要な方に対する措置はしっかりやっていくということになるのかなというふうに思います。
前回、令和3年度を見送った、そのときについては、新型コロナウイルス感染症がどうなるか分からない。そして、この病気の正体も分からない。そして、国や東京都がどれぐらいこの件について、各自治体に対しいろんな支援ができるか分からない。そんな不安の中でありましたので、当然そのときについては先が見えないし、どういうことになるか分からない。大幅な財政支援を市単独でやらなければならないこともあった。そういう状況の中で、令和3年度においては、改定を見送ったわけであります。
ただ、その後、国、そして東京都のほうから、手厚い交付金等があり、比較的、市の財政支援の導入はすることが少ない状況で、何とかコロナ禍を乗り切ってこれたという話であります。
そして、今、現在ワクチン接種が7割以上になって、そして、3回目のワクチン接種も始まる。そして、今、経口薬の開発の話もあります。恐らく第6波は来るかもしれませんが、今までの第5波までのコロナウイルスの波とは違ってくるだろうということは、ウィズコロナの時代ということになります。コロナでどうするという話はもちろんありますけど、コロナとともに経済社会をしっかり回していく中での市の財政というのを考えていかなければならない。
そうした場合に、緊急事態として回避した令和3年度の税率改定は、今回はそういう形でなく、言わば、ある程度常態として、恒常的な形としてウィズコロナの時代が続くようなことがこれから見えますので、それに応じて、再度、赤字改定計画をつくり、それに基づいて税率改定をさせていただく。そのように今回考えているところでございます。そういう形で、先日の運営協議会に提案をさせていただいたということでございます。当然、提案でございますので、御議論いただいた上で、最終的には市議会での議決になりますけども、そういう形で私としては示させていただいたので、どうか御理解をいただきたいと思います。
もちろん、この改定につきましては、先ほど御指摘いただきましたように、多くの市民の方々に誤解のないように丁寧な説明をし、御理解をいただくということが前提でありますので、そのための努力は、自治体の長として、一生懸命やっていきたいと思っております。
以上です。
107 ◯副議長(谷 和彦君) 田原茂議員。
108 ◯21番(田原 茂君) 以上をもちまして、この質問を終わります。
109 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって田原茂議員の一般質問を終わります。
お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
110 ◯副議長(谷 和彦君) 御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午前11時56分 休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後1時12分 再開
111 ◯副議長(谷 和彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問3の1、高齢者にやさしいまちづくりについての
通告質問者、峯岸弘行議員の質問を許します。
〔12番議員 登壇〕
112 ◯12番(峯岸弘行君) 議長のお許しをいただきましたので、市議4期目、最後の一般質問ですが、目いっぱいやらせていただきます。
まず、今回は、高齢者にやさしいまちづくりについてとのテーマで質問します。
前半は、高齢者の困り事や見守りについて、後半では、高齢者が外出しやすい環境づくりについて質問いたします。
1問目は、今年3月に中止となりました高齢者等ちょこっと困りごとサービスについてです。
6月議会では、その代替サービスのを立ち上げをと要望していましたが、1回の謝金を300円から1,000円に値上げしてもいいので、地区社協や包括支援センター、自治会等の協力をお願いして、地域包括支援センターエリアごとに支援グループを立ち上げができないかと考えていましたが、平山地域で、市の高齢者等生活支援事業の補助金を活用して、困りごとお助けサービスが立ち上がりました。
その概要と、この仕組みを全市に広げていただきたいと思いますが、御所見をお願いします。
113 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
114 ◯健康福祉部長(山下義之君) 困りごとお助けサービスの内容について御説明をさせていただきます。
こちらは、京王平山困りごとお助けクラブが京王平山住宅の住民に対し、ちょっとした困り事や軽易な作業を行う事業でございます。令和3年度、高齢福祉課が実施いたしました高齢者への支援を行う団体に対し補助金を交付する、「地域でささえる・つながるプロジェクト補助金」を活用した事業となります。
今後は、介護保険制度の枠組みである介護予防・生活支援サービス事業に、地域の多様な主体が実施する生活支援サービスB型を開始し、住民主体の生活支援の取組を日野市全域で広げていきたいと考えております。
以上でございます。
115 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
116 ◯12番(峯岸弘行君) 平山地区の先進事例を全市に広げていただけるとのこと、ありがとうございます。
聞くと、サービスを受けられる対象は、平山地区の住民限定とのことなので、来年度中に日野市全体に広げていただくことをお願いしておきます。
また、先日、多摩市のURにある高齢者見守り相談室を視察してきました。これからは歩いて行ける距離に、高齢者の相談窓口が必要になると思います。
2問目には、地域包括支援センターの出張所として、例えば、百草団地のようなマンモス団地に、高齢者見守り相談室が設置できないでしょうか。御答弁をお願いします。
117 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
118 ◯健康福祉部長(山下義之君) 高齢者見守り相談室について御説明をいたします。
多摩市が実施をしております高齢者見守り相談室は、東京都の高齢者見守り相談窓口事業を利用して実施しているものでございます。
日野市では、平成16年度から、高齢者見守り推進ネットワーク事業を立ち上げ、身近な相談窓口である地域包括支援センターを中心とした見守り支援相談事業を展開しているため、東京都の見守り相談窓口事業については実施していない状況でございます。
市内の地域包括支援センターでは、センター以外の場所で、認知症の方や地域の方など、誰でも参加ができるオレンジ広場を月1回実施しており、相談等を受け付けております。
地域包括支援センターから遠い地域のURを活用した相談場所の設置については、URとの協議、地域包括支援センターの人員、財政的な課題を解決する必要がありますので、まずは、オレンジ広場の拡大等による相談場所の拡大を検討してまいります。
以上でございます。
119 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
120 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
将来的には高齢者が歩いて行ける距離に高齢者の相談室を設置すべきと改めて要望しておきたいと思います。
3問目の1点目に、市内の独居高齢者の数値と見守りが必要とされる高齢者への状況について教えてください。
2点目に、市内の自治会では、補助金を使って高齢者の見守りをされている自治会が幾つかあります。鹿島台自治会では、昨年度から、東京都地域の底力発展事業補助金を活用して、IT機器を活用した高齢者見守り事業が始められました。具体的には、点灯、消灯するたびに、メールで家族や見守りをされている方の携帯に連絡が行くハローライトの活用です。
4問目に、日野市としても、このようなIoTの高齢者見守り事業に助成ができないでしょうか。併せて御答弁お願いします。
121 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
122 ◯健康福祉部長(山下義之君) 初めに、独居世帯の数値と見守り状況についてでございます。
独居世帯の数につきましては、平成27年度と令和3年度現在の数値についてお答えをいたします。
平成27年度、65歳以上の独居世帯は8,823世帯でございましたが、令和3年度10月時点で高齢福祉課が把握をしております世帯は約1万3,000世帯となっております。独居世帯の方は、地域包括支援センター、見守り推進員、民生委員の方々が特に気にかけて見守っていただいております。
次に、IoTを活用した独居高齢者への見守りについてでございます。現在、市では、民間賃貸住宅にお一人でお住まいの高齢者、障害者等、一定の条件を満たす方に対し、ハローライトの利用助成を行っているほか、慢性疾患のある高齢者に対し、専用の通報機器を貸し出すサービスを行っております。また、UR等の民間集合住宅では、独自の見守りシステムを導入していると伺っております。
議員御質問の戸建て住宅にお住まい独居高齢者へのIoTを活用した見守りへの助成制度につきましては、各市の状況等も調査をしていきたいと考えております。
以上でございます。
123 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
124 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
ハローライトは、民間賃貸住宅の独居世帯に対して利用助成が既に行われていることが分かりました。今後、地域の高齢者の支え手である自治会を通じての戸建て住宅にお住まいの高齢者への情報提供と利用助成についても引き続き御検討ください。
続いて、5問目は、昨年度、試験運行が行われ、乗車人数が規定に満たないということで運行が休止された丘陵地ワゴンタクシーについてです。
昨年度は、コロナ禍で外出制限もあり、試験運行には適さない時期でしたが、現在、日野市内の感染者もほぼゼロになり、ようやく高齢者も外出の機会が増えてまいりました。特に、明星大学ルートは、コロナ前は、財政負担額に関する基準で、年間の運行収支率の15%を超えて26%であり、需要量に関する基準の土日祝日の平均乗車密度2.0人に対しては0.9人と不足はしていますが、土日運行が休止されて不便を感じる高齢者がたくさんおられます。来年度には再度の試験運行を開始すべきと思いますが、御所見をお願いします。
125 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
126
◯まちづくり部長(宮田 守君) 丘陵地ワゴンタクシーの土日祝日運行についてでございます。
令和元年度から2年度にかけて、土日祝日の本格運行に向けた実証実験を実施いたしました。その実績を分析、検証した結果、日野市地域公共交通会議で定めた本格運行移行判断基準を満たさず、また、運行内容を見直したとしても基準値を満たすような改善は見込めなかったため、令和3年度以降の土日祝日運行は、本格運行に移行しないことといたしました。
しかしながら、令和2年度は、コロナ禍による実証実験であったため、正確な数値を得られていない可能性があることから、新型コロナウイルス感染症が収束した段階で、改めて実証実験を実施することについて検討してまいりたいと考えてございます。このことについては、令和3年7月に開催した地域公共交通会議にも諮り、承認が得られているところであります。
丘陵地ワゴンタクシーの利用者数については、新型コロナウイルス感染症拡大前の令和元年度と、令和3年10月の乗車状況を比較すると、平山ルートが67%、明星ルートが74%と、いまだに利用者数が回復しておらず、現時点では、再度、実証実験を行うタイミングには至っておりません。
したがいまして、利用者数の今後の動向を引き続き注視し、再開時期を見定めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
127 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
128 ◯12番(峯岸弘行君) 来年度の実証実験は難しいとのことです。コロナが完全収束した後に、必ず再度の実証実験の実施をお願いしておきます。
続いて、昨今、高齢者によるアクセルとブレーキを踏み間違えての大きな交通事故が後を絶ちません。先日も大阪府狭山市では、ブレーキを踏み間違えた高齢者が運転する乗用車が、歩行者を跳ね、男性1人死亡、女性2人がけがを負う事故が発生したばかりです。国は、高齢者に運転免許証の返納を呼びかけていますが、運転免許証を取り上げられるということは、ある意味、足を奪われることにもなります。
7問目に、運転免許証の返納時に、例えば、ミニバスや丘陵地ワゴンタクシーの利用券1万円分を1回限定で支給してはどうかと思います。また、併せて、大阪の摂津市のように、一部の放置自転車を整備し、65歳以上の希望する市民に対して譲渡してはと思います。併せて御所見をお願いします。
129 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
130 ◯健康福祉部長(山下義之君) 私からは、運転免許返納時の交通利用券の支給についてお答えをいたします。
高齢者運転免許自主返納事業につきましては、平成2年から29年度までセーフティネットコールセンターで実施をしておりました。75歳以上の非課税世帯の方を対象に、シルバーパスの費用を年額1,000円補助していましたが、高齢者の事故の減少や制度利用者の減少から、事業は終了となっております。
高齢福祉課といたしましては、運転が困難になってきた高齢者には、早期の自主返納を促していく啓発活動に力を入れてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
131 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
132
◯まちづくり部長(宮田 守君) 私からは放置自転車の整備と譲渡についてお答えいたします。
まず、日野市の放置自転車の処理の経過についてでございます。平成29年12月までは、引き取りのない放置自転車について、日野市シルバー人材センターにて修理、修繕を行った後、日野輪業会にて市民などへの売却を行ってまいりました。しかしながら、その後、放置自転車を修理、修繕するシルバー人材センターのスタッフがいなくなってしまったこと。また、自転車をストックするスペースの確保が難しいことが重なり、平成30年1月から令和元年度までは、放置自転車を廃棄処分しておりました。また、その後、令和3年度以降は、放置自転車を入札方式にて売却しております。
議員から御指摘のあった放置自転車の整備と譲渡に関しては、修理、修繕する人材の問題、自転車保管場所の問題、修理不可能な放置自転車が多数あること。製造物責任法、PL法との整理等々、一つ一つその課題を解決しなければなりませんが、一つの御提案として頂戴し、今後の検討に生かしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
133 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
134 ◯12番(峯岸弘行君) ただいまの部長の答弁の中で、高齢者の事故は減少していると言われましたけれども、専門家によると、75歳以上の運転手の死亡事故は、過去10年間減っていません。逆に重大事故は増えていると思います。運転免許免許返納に対するインセンティブは絶対に必要です。重ねて要望しておきます。
最後に、7問目は、高齢者が安心して外出しやすくするためには、町なかにちょっと腰かけられる場所が必要です。駅周辺でもベンチがないため、地べたに座っている高齢者をよく見かけます。以前提案しましたが、公園やバス、町なか等に、市民や企業の協賛金でベンチを設置する制度について、国立市等で行っていますけれども、検討されたのか教えてください。
また、商店会でのベンチ設置事業に補助金が出せないでしょうか。あの商店街には、ベンチや椅子があるから安心して買物ができるわと高齢者が安心して外出できる日野市にしていくべきだと思います。御所見をお願いします。
135 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
136
◯まちづくり部長(宮田 守君) 協賛金を活用したベンチの設置等についてでございます。
日野市では、これから高齢化社会を迎えていく上で、誰もが安全で安心に歩ける道づくりを目指し、歩道上、または道路沿いに憩いの場としてのベンチやポケットパークを整備することにより、住みやすい、気軽に出かけられるまちづくりを進めていくため、平成17年度に道路いこいの場整備計画を策定し、これまでに市内18か所のミニバスのバス停周辺や、駅前の歩道上等にベンチ等の設置などを行ってまいりました。ベンチの設置に当たりましては、歩道上が第一に考えられますが、設置するには一定以上の空間が必要であり、特に、車椅子やベビーカーの利用者の通行の妨げにならないように配慮しなければなりません。
また、駅前等へのベンチ設置に関しましては、人のたまり場となり、夜間などに利用者が騒ぐことで周辺住民とのトラブルとなり、市に撤去要望が寄せられるなど、設置場所については周辺の状況に応じた慎重な検討が必要であることを学んできております。
議員から御提案のあった協賛金を募ったベンチの設置に関しては、設置箇所が最も重要な検討事項であることから、改めて設置箇所等を含め、関係部署と連携を図りながら、協賛金の可能性についても併せて検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
137 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
138 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
部長の言われている意味はよく分かります。コンビニや大規模商業施設の前のベンチというのは、非常にごみがたまり、また、ホームレス等の方が居座るということもありますので、注意が必要です。
ただ、駅前であっても、そういう場所とちょっとずれたところであれば、荷物をちょっと置いたり、高齢者の方が休める、そういうベンチが必要だと思いますので、これからも具体的にベンチが必要な場所については提案していきたいと思います。
以上でこの質問を終わります。
139 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって3の1の質問を終わります。
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140 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問3の2、魅力あるまち日野のまちづくりについての
通告質問者、峯岸弘行議員の質問を許します。
141 ◯12番(峯岸弘行君) 続いて、魅力あるまち日野のまちづくりについてのテーマで質問します。
このテーマでは、日頃の市民要望も含めて、胸がわくわくするような提案をしていきたいと思います。
先週、青梅市を視察した際に、青梅産業観光まつりについて伺ってまいりました。日野市では、市内最大のお祭りである産業祭が2年続けて中止となっていますけれども、青梅市では、毎年このような飲食店や事業所などを回ってスタンプを押していく、こういう移動型の産業祭みたいなものをやっておられます。抽せんで電動自転車等が当たるというような仕組みになっています。
1番目に、今までどおりの産業祭を復活できるようになるまで、別の形での産業祭を真剣に検討すべきときが来ていると思いますが、改めて御所見をお願いします。
142 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。産業スポーツ部長。
143 ◯産業スポーツ部長(仁賀田 宏君) 日野市産業まつりは、実行委員会で開催可否を検討した本年6月から7月は、新型コロナウイルス感染者の増加していた時期であり、実施するためには、国のイベントに関する感染拡大防止ガイドラインに沿って3密を回避するための出店制限や入場制限が必要となるため、今までのような農業、商工業の関係者が一体となった開催は厳しいと判断し、昨年度に続き、2年連続で中止となりました。
今年度の実行委員会においては、以前、議員から御提案のあった羽村市の分散開催の手法も検討しましたが、集客面などの課題があり採用には至りませんでした。
来年度の開催については、農業者、商工業者の意向に沿って、まずは従前の形での開催を前提に検討しているところでございます。
しかし、今後の感染の状況によっては、今年度の青梅市のような一極集中型の会場だけでなく、市内全域を会場に見立てたスタンプラリー形式も実行委員会に提案していきたいと考えているところでございます。
いずれにしましても、他市の事例をしっかりと研究し、新型コロナウイルスが収束していない状況であっても、農業者、商工業者と連携した産業まつりを開催していく方向で実施内容を検討し、実行委員会に提案していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
144 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
145 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
先日、日野青年会議所が実施した謎解きHINO歩き、イベントに参加してきました。日野市内のふれあい橋や高幡不動尊などの散歩スポットや、やすらぎ農園での大根掘り体験、飲食店での日野産野菜を使用した料理を頂くなど、QRコードを活用したスタンプラリーの仕立てになっていて、参加者も大満足のようでした。うまいもん大図鑑のモバイルスタンプラリーも大変いい試みだと思いますが、今後は、別々ではなく、主要3駅を中心に、市全体をカバーして、市民と商店会と農家を巻き込んでのまち歩き産業祭の開催を提案しておきたいと思います。
2問目に、多摩テックが廃業してもう10年以上たちますが、行ってのぞいてみると多摩テックの残骸がまだ散見されて寂しい限りです。現状認識について教えてください。
3問目は、蚕糸試験場跡地のリノベーションについて提案します。
先日、青梅市の国の有形文化財に指定されている蚕糸試験場をリノベーションして、今年オープンしたシネマネコというカフェを併設したミニシアターを視察してきました。外観は、昭和ロマンあふれる古い建物で、水色を基調としている建物なんですけど、もう中に入ると、このようなシアターになっていまして、非常に洗練されたデザインのミニシアターであります。
国の有形文化財でも、外観さえいじらなければ建物内部は全面的にリノベーションは可能で、観光消費創出事業補助金を活用し、費用の3分の2の5,000万円の補助を国から受けて、クラウドファンディングで500万円、企業協賛300万円、残りを自己資金で地元の若手経営者が運営していました。
日野市の蚕糸試験場跡地も改修保存が終わって一部公開も始まっていますが、今後、多くの方に繰り返し来て見てもらわなければ改修保存した意味がありません。そこで、外観はそのままに、内部の一部を公募して、カフェやミニシアターにしてはいかがでしょうか。
次に、4問目です。これを見てください。これは、新庄市市民会館が主催した、開運!なんでも鑑定団の出場案内書です。日野市は、昨年度、郷土資料館がみんなのひの宝モノ語り展を開催し、日野市民の宝を募集して展示しました。開運!なんでも鑑定団の誘致で、日野市の隠れた魅力的で価値のあるお宝は、きっと現れると確信します。これも御所見をお願いします。
以上、3問について、続けて御答弁お願いします。
146 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
147
◯まちづくり部長(宮田 守君) 私からは、1点目の多摩テックの跡地についてお答えさせていただきます。
多摩テックの跡地については、明治大学のスポーツパーク構想に基づき、平成22年度から開発事業の手続を開始いたしました。同箇所は、市街化調整区域で建築が制限されていることから、構想実現のため学校に限って土地利用ができるよう、平成24年に七生丘陵西地区地区計画を策定したところであります。
しかしながら、平成25年に明治大学が事業計画を撤回し、共同で開発を進めていた三菱商事株式会社との裁判を経て、明治大学の事業中止と、三菱商事株式会社が所有権を持つことが確定いたしました。
その後、三菱商事株式会社は、所有権を三菱商事都市開発株式会社に移転し、令和3年度に入り、開発事業の廃止届が提出され、まちづくり条例の手続としては終了しているところであります。
多摩テック跡地の活用につきましては、市として、地区計画に沿った土地利用を所有者である三菱商事都市開発株式会社に要請してきておりますが、現状では実現の見通しは立っておりません。引き続き定期的な意見交換を行い、進捗状況等を確認してまいりたいと考えてございます。
私からは以上でございます。
148 ◯副議長(谷 和彦君)
環境共生部長。
149
◯環境共生部長(小笠俊樹君) 私からは、蚕糸試験場跡地についてお答えしたいと思います。
旧農林省蚕糸試験場日野桑園第一蚕室、通称、桑ハウスでございますが、平成28年度に策定いたしました保存活用計画書に基づき、令和元年度から令和2年度にかけて、保存修復工事を実施いたしたところでございます。
令和3年度につきましては、今後の利活用について、有効的かつ具体的な公開活用方法を検討するための業務委託を発注し、現在、利活用に関する検討会を立ち上げるため、保存修復に関わった団体等への参加意向調査と、今後、新たに関わりたい団体等の募集を行い、年内の立ち上げを目指しているところでございます。
この検討会において、登録有形文化財の価値を保存しつつ、地域で活動している団体と協力しながら、地域活性化や憩いのあるコミュニティーの拠点となるようなカフェスペースなどの整備を含んで、公開活用方法を検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
150 ◯副議長(谷 和彦君) 産業スポーツ部長。
151 ◯産業スポーツ部長(仁賀田 宏君) 私からは、テレビ、開運!なんでも鑑定団の誘致について御答弁させていただきます。
各地に眠るお宝を鑑定する同番組の出張鑑定企画は、全国各地で開催されており、開催地については番組制作者の意向により決定されております。市としても、これまで様々な主体と協働し、観光の魅力を発信し、市への来訪意向を高める取組を行ってまいりました。直近では、市内を走る鉄道3社や日野市観光協会と協働し、謎解き宝探し企画「新選組のふるさと日野に隠された~土方歳三の宝~」を実施しております。
御提案の開運!なんでも鑑定団をはじめ、様々なテレビ番組などで取り上げられることによって、市への来訪意向を高める効果もありますので、番組制作者にも選ばれるよう、今後、様々な主体と協働しながら、市の観光、魅力の発信に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
152 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
153 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
2問目の多摩テック跡地については、かつて温泉も出たエリアです。最近はやりのバーベキューが楽しめるキャンプ場やスケートボード場などとして開発してはと思います。そのために必要な用途地域の地区変更も真剣に検討すべきではないでしょうか。多摩動物公園とれーるランドとバスで結べば、日野市の新たな魅力スポットエリアに変身の可能性は十分あると思います。
3問目の桑ハウスのリノベーションですが、カフェについては、既に検討されているとのこと。日野市には、映画館がありませんので、森の中のミニシアターは、多くの世代の交流スペースにもなると思います。青梅市のシネマネコを運営する菊池康弘さんに聞くと、このシアターでは、地域の小学校の運動会の録画映像の上映会も開催され、周辺の商店街ともスタンプラリー事業を実施していて、そこには、地域の高校生もマップの作成に参加しているそうです。日野市初のミニシアターは、大変夢のあるプロジェクトになると思います。ぜひクラウドファンディング等も活用し、御検討をお願いします。
4番目については、先ほどの御答弁では、開催については、番組制作者の意向により決定されているという御発言がありましたが、私もかつて議員になる前に出演しましたが、地元から手を挙げていただければ喜んで検討します。新選組のふるさと日野市からのオファーをお待ちしていますと言われたことを思い出しました。市の周年事業や土方歳三没後155年等のよきタイミングで、ぜひ手を挙げていただきますよう、強く要望しておきます。
日野市には、古い土蔵などに幕末の頃の隠れたお宝がまだまだ眠っていると思います。なんでも鑑定団の開催が世の中に出すきっかけになると思います。
次に、5問目は、以前、女優の石原さとみ主演のドラマで高幡不動尊がロケで紹介された折に、境内の土方歳三の銅像の刀、和泉守兼定のさやの端にハートマークに見える装飾があり、これなんですけど、ちょっと遠くて見えないでしょうね。これ刀なんですけど、この一番下のところがハートマークの逆に見えるようになっていまして、こういうデザイン、多分見られたことがある方もいらっしゃると思うんですけど、があり、これを恋人同士が一緒に見ると恋が成就するという都市伝説についての創作が紹介されていました。恋人の聖地選定委員会に申請し、認められれば、恋人の聖地を名のることができるそうです。
現在は、全国で138か所。東京では、六本木ヒルズ、東京スカイツリー、ヴィーナスフォート、そして、多摩市のサンリオピューロランドの4か所しかありません。高幡不動尊は、以前、抽せんで選ばれた新東京百景の第1位にもなっています。もちろん地元の熱い声があってのことですが、日野市には、新選組好きなカップルが、わざわざ日野市役所に来て、婚姻届を出しに来るほどですから、新選組のふるさとに加えて、恋人の聖地のある日野市とうたうのも大きなシティセールスにつながると思います。これも御所見を伺います。
次に、6問目に、日野市では、先日のパラリンピックで活躍した山崎選手に、日野市民スポーツ栄誉賞をつくって授与し、話題となりました。日野市は、今年、七生緑小学校が、NHK子ども音楽コンクールで8回連続金賞受賞を達成。それに先立って、旭が丘小学校が全日本合唱コンクール小学生部門で金賞を初受賞しました。音楽でも日野市音楽特別賞をつくって授与すれば、子どもたちの励みになると思いますが、それができなくても、特別に記念品を贈り、表彰すべきと思いますが御所見をお願いします。
次に、最後に7問目です。先日、南相馬市を訪問した際に、大型の人工芝屋内遊技場、あそびばラシクルを視察しました。大きさは、小学校の体育館ほどの大きさで、予約制で様々な遊具を使って親子で遊べる施設でした。日野市では、屋外であれば、万願寺中央公園のような原っぱはありますが、雨天の際に、親子で遊べる屋内型の子ども広場を造ってほしいとの市民相談を思い出しました。しかし、今、新たな施設の建設は、財政的に難しいと思います。例えば、新南平体育館の人工芝スペースを活用して、週に一度でも親子が自由に遊べるスペースの確保はできないでしょうか。御所見をお願いします。
以上3問、御答弁お願いします。
154 ◯副議長(谷 和彦君) 産業スポーツ部長。
155 ◯産業スポーツ部長(仁賀田 宏君) 3点御質問をいただきましたので、順次御答弁させていただきます。
最初に、高幡不動尊を恋人の聖地にとの御提案でございます。恋人の聖地とは、NPO法人地域活性化センターが、少子化対策と地域の活性化への貢献をテーマとした、観光地域の広域連携を目的に展開する恋人の聖地プロジェクトにおいて、全国の観光地域の中から、プロポーズにふさわしいロマンティストなスポットを選定しているものでございます。
公式ホームページによりますと、主体者からの申請を受け、年4回開催される選定委員会を経て選定されており、令和3年9月現在、全国137か所の聖地があるということでございます。
選定をされると、恋人の聖地と記載されている銘板が提供され、公式ホームページにて紹介されております。関東三大不動の一つである高幡不動尊は、四季折々の見どころがあり、現在でも、年間を通して多くの来訪者を迎えております。恋人の聖地への申請については、選定されると毎年、年間税別で23万円の負担金も発生することから、選定による効果や、高幡不動尊の御意向などを踏まえて進めていく必要があると考えているところでございます。
続きまして、日野市音楽特別賞の設置について答弁いたします。現在、市では、教育、文化、スポーツ等の大会などに出場する個人または団体の活躍に対し、その栄誉をたたえ、日野市文化・スポーツ功労者顕彰の授与を行っております。直近では、七生緑小学校の合唱団が11月7日に開催された第88回NHK全国学校音楽コンクール、全国コンクールで8回連続の金賞、日本一を受賞し、12月21日に8回目の日野市文化・スポーツ功労者顕彰を予定しております。
また、本年は、旭が丘小学校合唱団についても、11月6日に開催された第74回全日本合唱コンクール全国大会で金賞、こちらは11校受賞の中の1校でございますが受賞し、同じく日野市文化・スポーツ功労者顕彰の受賞を予定しているところでございます。
御質問のありました日野市音楽特別賞の設置につきましては、藝術文化の薫るまちを推奨する日野市において、音楽に特化した表彰制度となることから大変意義あるものと考えておりますが、さきに述べました既存の日野市文化・スポーツ功労者顕彰の趣旨にも鑑み、今後、どのように日野市としての特徴を位置づけていくかなどを検討させていただきたいと考えているところでございます。
まずは、既存の顕彰制度を通じて、教育、文化、スポーツ活動で活躍された方々に対し、その栄誉をたたえ、そのことを広く市民に顕彰することにより、さらなる教育、文化、スポーツ活動の振興につなげてまいりたいと考えております。
3点目、室内の遊び場の設置について答弁させていただきます。現在、建設工事を進めている新南平体育館の2階に、旧の南平体育館と同様に弓道場を設けており、基本的には、弓道やアーチェリー競技に関わる皆様に御利用いただく予定となっております。
新たな南平体育館では、その利用に加え、施設を幅広い市民の皆様に御利用いただくことを目的として、弓を射るスペースの射場と射た先の的のあるスペースの的場との間のスペースである矢道、面積243.6平方メートルに人工芝を敷き詰め、平日の日中に、小さなお子様連れの方や小学生などに無料開放する予定で検討しております。矢道を市民の憩いの場、子どもたちの遊び場など、フリースペースとして活用いただき、新たな南平体育館のコンセプトの一つである市民の交流拠点としての場の整備を目指していきたいと考えております。
以上でございます。
156 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
157 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
5問目の恋人の聖地については、地元からの盛り上がりが出てきたら、ぜひ御支援ください。
6問目については、以前も提案していますが、日野市は今後、音楽のまち、合唱のまちというシティプロモーションも検討されてはと思います。また、青梅市のように、日野市児童合唱団というものを結成して、七生緑小学校や旭が丘小学校の先生方に広く、多くのひのっ子児童に合唱指導されてはという提案もさせていただきたいと思います。これは青梅市の児童合唱団ですね。
7問目の雨天の子育てひろばについては、新南平体育館の弓道場の人工芝の部分を無料で活用できると聞いてうれしく思います。早速、御相談いただいたお母さん方に御報告したいと思います。
以上でこの質問を終わります。
158 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって3の2の質問を終わります。
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159 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問3の3、大坪市政における地方公務員法違反疑惑及びたかはた保育園の機能移転に伴う疑惑に関する第三者委員会の報告を元に再発防止に全力を尽くせの
通告質問者、峯岸弘行議員の質問を許します。
160 ◯12番(峯岸弘行君) それでは、最後に、大坪市政における地方公務員法違反疑惑及びたかはた保育園の機能移転に伴う疑惑に関する第三者委員会の報告を元に再発防止に全力を尽くせとのテーマで質問をさせていただきます。
この質問の通告後に、東京地裁で河内元副市長の裁判が結審し、執行猶予なしの懲役2年6か月の実刑判決が出ました。また、先日公表された第三者委員会の報告書が明らかとなり、新たに医療法人が2か所、福祉法人が1か所の違法な兼業があったことも分かりました。
この報告書を受けて、大坪市長より、議会の初日に所見も発表され、3時間を超える質疑も行われましたが、私は、私の視点で、この問題に一つの決着をつけるために質問することにいたしました。
この1年間、他市の方から、日野市は汚職と不正のまちとささやかれ、一部の市民からは、日野市は大丈夫なのか、副市長が逮捕されたり、次々と疑惑が出てきているが、元副市長問題は、今、どうなっているんだと聞かれることが多くなりました。
しかし、市民の皆様に、知っていただきたいのは、大坪市長が議会の3度の議決を受けて、第三者委員会をつくり、調査し、その資料を警察に提出した。その後の警察と司直の捜査によって疑惑が解明できて、今回の有罪判決に至ったのであります。一部の会派の方々は、市長は全てを知っていたはずだ。市議会によるさらなる疑惑解明を求める署名をと叫んでいますが、市議会としてできることは限りがあります。今回は、同じ過ちを起こさないように、具体的にどうするかが最も大事だと思います。
そこで、まず1問目は、第三者委員会から不当とされた事項についての市の受け止めと、今後の対応について、内部通報制度や内部統制制度の有効性について改めて御所見をお願いします。
2問目に、残っているべき資料が存在しない点。具体的には、市立病院の臨時雇用確認書について、平成24年4月以降の再度の任用に係る回議書について。
加えて、むこうじま保育園の親水路整備確認書で対象とされていた範囲外の私有地が交換の対象とされていた経緯及び等価交換ではなく、等積交換とされていることについて、その妥当性を検討した資料について、市に保管されていない理由について、それぞれ御答弁をお願いします。
161 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。総務部長。
162 ◯総務部長(小平裕明君) まず、私からは、第三者委員会からの報告書の市の受け止め、今後の対応、内部通報制度等の有効性についてお答えをいたします。
このたびの調査の結果、第三者委員会から複数の点について、不当との御指摘をいただきました。特にその中で、重要な事案に係る、その経緯を記録した文書の作成、保管の問題につきましては、非常に大きな問題があったと認識しております。
次に、今回の事案を受けての今後の対応ですが、内部通報制度等の有効性についてでございます。一連の元副市長に関する問題の再発防止策として、既に内部通報制度や内部統制制度について導入し、運用を開始したところでございます。その制度の導入、運用に際して、職員への周知徹底が図られたことで、組織や事務における問題、リスクへの関心が高まったことがまず有効性として挙げられます。
現に、内部通報制度においては、コンプライアンス違反などの問題事例は相談をすべきものという認識が職員に伝わることになり、市内部において、相談、通報がなされ、対応が図られているところでございます。
今後は、その機能的な運用を図るとともに、今回の事案を受けて見えてきた課題について検討、整理し、再発防止に努めてまいります。
私から、まずは以上でございます。
163 ◯副議長(谷 和彦君) 病院事務長。
164 ◯病院事務長(赤久保洋司君) 私から、市立病院の元院長相談役の臨時職員雇用確認書に係る回議書の有無について答弁をさせていただきます。
河内氏に関する臨時職員雇用確認書については、臨時職員として雇用を開始した平成24年4月分は、河内氏のみの個別で回議書を作成していましたが、それ以降、平成31年3月までの再度の雇用に係る回議書は、ほかの臨時職員同様、複数の臨時職員の雇用確認書を一括して起案しておりましたので、回議書がないと思われがちですが、河内氏の雇用に関する文書は存在してございます。
私からは以上でございます。
165 ◯副議長(谷 和彦君) 総務部長。
166 ◯総務部長(小平裕明君) 都道から機能移転先保育園までの進入道路の整備等に関して、複数の点において、その決定の経緯が不明との指摘を第三者委員会から受けました。
重要な事案につきましては、その経緯も残す必要があると、もちろん認識はしております。職員の意識として、最後に決定した結論のみを重視し、途中経過を省略する傾向が市全体において見受けられるところでございます。
また、この進入路の整備については、複数の部課にまたがる事案であったにもかかわらず、市全体としての推進体制が定められておらず、元副市長主導の下、その指示を受けて、各課の職員がそれぞれ関与し、事業を進めたため、主管課としてのその経緯について、組織的に文書を作成、保管しなければならないという意識が働かなかったものとも考えられます。
市の事務として、説明責任の観点から、事案の経緯を残すべき役割を担う担当課をあらかじめ明確にしておくとともに、重要な事案について、その経緯を文書として残さなければならないことを強く意識し、起案や決裁をする際に、その経緯が文書として残されていないことに疑問を持つべきであったものと考えております。
以上でございます。
167 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
168 ◯12番(峯岸弘行君) 地方公務員法第38条第1項に、職員は、任命権者の許可がなければ、報酬を得ている事業若しくは事務に従事してはならないと定め、一般職に属する全ての地方公務員は、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得ていかなる事業若しくは事務に従事してはならないとされています。要は、事前に市長に対し許可は求めずに自分の好きなように報酬額を上げたり、社福や病院からの報酬を得たりしていたということ。元副市長の立場に、周りの一部の市職員も見て見ぬふりをしていたのではということだと思います。
再質問です。1点目に、事前に市長が許可を求められていたら、どのように対応されていましたか。
2点目に、河内氏は、市立病院の臨時職員雇用確認書によると、給与が平成24年4月から、平成31年3月までに、月額28万円、34万2,000円、36万円、55万円とお手盛りで給料を上げていました。一般常識から考えれば、現役の副市長を退任後に、馬場元市長に求められて市立病院立て直しのために働かれていたわけですが、月額28万円でも多いくらい。ボランティア的に働いておられれば、何の問題もなかったと思います。
今後は、同様な事態を招かないためにどのように対応されるおつもりか、御所見をお願いします。
169 ◯副議長(谷 和彦君) 総務部長。
170 ◯総務部長(小平裕明君) まず、私からは、兼業に関して、事前に許可を求められていたらどのように対応していたのかについてお答えいたします。
兼業の許可に関しましては、日野市職員の兼業許可等に関する事務取扱規程に定めております。当該規定において、職員は、兼業を行うとするときは、あらかじめ営利企業等の従事許可申請書により申請し、兼業の許可を受けなければならないとしております。
今回、明らかとなった元副市長の兼業につきましては、個別の状況の精査はしなければなりませんが、規定されている兼業を許可しない場合に該当し、許可しないものになるものと思われます。
私から、まず以上です。
171 ◯副議長(谷 和彦君) 病院事務長。
172 ◯病院事務長(赤久保洋司君) 私からは、市立病院における、今回のような不正に対する今後の対応についてでございます。
元院長相談役の度重なる賃金の増額を認めてしまった背景としては、当時、病院内では、院長相談役から業務に見合った賃金の支払いを繰り返し要求された際、院内では誰も拒否することができない状況があり、やむなく受け入れていたものと考えてございます。
今後、このような不正に対しては、内部通報制度により、通報者が守られる形で不正等を通告する仕組みを機能させること。また、内部統制制度に基づき、日常業務の中での必要な事務手続のチェック機能を働かせることが必要ですが、これは病院だけでなく、市役所全体で情報を共有し、対応していくことが重要であると考えてございます。
私からは以上でございます。
173 ◯副議長(谷 和彦君) 総務部長。
174 ◯総務部長(小平裕明君) 私からは、この件に関して、再発を防ぐ対応等についてお答えいたします。
現在ですね、非常勤職員である会計年度任用職員を雇用する際には、日野市会計年度任用職員の給与に関する条例及び同条例規則に、給料、初任給や、昇給の基準に関して定められました。これにより、勤務条件に応じて給料が支払われるようになっております。
このような非常勤職員の任用制度におきましては、元副市長のときのような状況には至らないものと考えております。
以上でございます。
175 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
176 ◯12番(峯岸弘行君) 3問目に、今回の元副市長の一連の問題を今後、起こさないために、内部通報制度もつくられ、一定の成果を上げられていると思います。あくまでも市長、副市長、教育長の三役、また部長クラス等、有償ボランティア程度ならまだしも、公共事業や区画整理、区画整理組合、社福関係の団体から、多額の報酬の供与を受ける雇用契約を結ばないことを申し送りすることができないでしょうか。
さらに、今回の問題の裏には、地方公務員法で兼業による報酬を得ることが法律違反であることを一般企業や諸団体で知らなかったという実態があると思います。
そこで2点目に、市内の商工会や各種団体に対して、地方公務員法で任命権者の許可がなければ兼業は法律違反であるということを文書でお知らせしてはいかがと思いますが、御答弁お願いします。
177 ◯副議長(谷 和彦君) 総務部長。
178 ◯総務部長(小平裕明君) まず、一般職の退職管理についてお答えをいたします。
地方公務員は、再就職により、現職の職員等に対して、在職時の勤務に関連して有する影響力を行使することにより、職務の公正な執行及び公務に対する住民の信頼を損ねるおそれがあるため、離職前の職場への働きかけが地方公務員法により規制されております。
当該規制の違反行為を監視するなど、退職管理の適正を確保するために、日野市においては、職員の退職管理に関する条例及び同規則にて、離職後2年間は、営利企業等に部課長職だった者が再就職した場合、任命権者に届け出ることとなっております。あくまで離職前の職場への働きかけが規制されているものであり、再就職そのものが規制されているものではありませんが、離職前の職場への働きかけが規制されていることの趣旨を踏まえ、離職後の再就職先での働き方について、対象となる者へ説明をしてまいります。
また、理事者については、現在規定などはありませんが、今後は何らかの制限を設ける制度の設計を考えてまいります。
続いて、他団体との退職管理に係る関係についてでございます。地方公務員は、職務専念義務を負うのは勤務時間中に限られますが、職員の勤務時間外の行為であっても、直接、間接に、この職務専念義務の遂行に支障を来し、または職務の公正な執行を妨げるおそれがあれば、そのような行為を制限する必要があり、勤務時間の内外を問わず、職員が営利企業等に従事することを原則制限しております。
このように地方公務員が課せられている職務上の義務については、市民の皆様等にも御理解をいただくことは必要と思います。
まずは、職員が職務上の義務を理解し、兼業を行おうとするときの手続などを確認できるよう、改めて職員に周知するとともに、兼業の許可ができるものなどの明示なども行ってまいります。
以上でございます。
179 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
180 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
今、部長から、三役については、何らかの制限を設けていくという初めての答弁がありました。ぜひその方向でしっかりとやり遂げていただきたいと思います。
最後に、4問目に、大坪市長には、今後も山積する市政の課題解決のために、ぜひ継続して働いていただきたいと思います。
市長は、市長選の際に、市民の皆様に対し、私が解決する。必ず市政を改革すると訴えられました。私たち市長与党の議員も、大坪市長を信じて、私たちも共に、日野市の課題を解決しますと訴えておりました。私は今もその気持ちに変わりはありません。どうかその決意で、今後、二度とこのようなことが起こらないようにするための再発防止と、そして、今後の組織風土の改革と、自らの責任の取り方も含めて、最後に大坪市長より御所見をお願いします。
181 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
182 ◯市長(大坪冬彦君) 峯岸弘行議員より、大坪市政における地方公務員法違反疑惑及びたかはた保育園機能移転に伴う疑惑に関する第三者委員会の報告を元に再発防止を全力で尽くせという御質問をいただきました。
この問題、それぞれ各部長から答弁をさせていただきました。内部通報制度、内部統制制度の有効性、これにつきましては、じわじわと組織体制を変えていくというお話でありますから、これは、直ちにこれがストッパーになるという話ではないというふうに思っております。これと並行して、やはりいろんな出来事が起きた場合、または、起きる可能性があるということで、外部的な監査、外部的なチェックは併せて必要であると思っております。内部統制、内部通報は、長い時間かけて、これは組織的に浸透させてくものでありますので、少し時間がかかるというふうに思っております。
その上で、今回の問題、やはり大きな問題というのは、元副市長によって、その力に逆らえない状況が組織に生まれて、いろんな形で指揮系統が乱れてという話であります。そこにつきまして、私自身もその中にいて、また、私が市長になってからも、その状況を見逃し、許してしまった。これが一番、私の罪であるというふうに思っております。その下で職員が働かざるを得なかったということが、大きな原因かなというふうに思っております。
したがって、そういうようなことが起きた場合に、率先してトップである私が、そういう大きな影響力を先頭に立って排除していくような、そういうような姿勢が必要であったかなというふうに思いますし、今後は、そういう姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。
その上で文書管理等、補助金の在り方について、公平性、透明性に従った様々な基準やチェック体制もつくっていくということも併せて求められているのかなというふうに思います。
いずれにしろ、そういうことが、職員一人ひとりに浸透していく。そして、私自身は今、申し上げた姿勢で臨んでいく。そうすることによって日野市を変えていくということになるんだろうというふうに思っております。
責任の取り方ということですが、最大の責任の取り方は、こういう大きな事件を起こした私の立場で、この問題について、数々の疑惑について解明していき、また、こういうことが起きないような形で組織を変えていくことを通じて責任を取るしかないのかなというふうに思っております。もちろん個々の責任、例えば、私自身は、処分等の対象でありませんから、別の形の責任の取り方あると思いますけれども、それはそれで、また皆様に御提案をさせていただくという形でやっていきたいと思っております。
いずれにしろ、私自身の大きな責任、この間の見逃し、甘さ、そして、職員に対して、非常に不条理な力が働く下での事務の進め方を許容してしまった、その責任は大きいと思っておりますので、しっかりとその責任を取っていくということで、これからの市政運営に臨んでいきたいと思っております。
以上です。
183 ◯副議長(谷 和彦君) 峯岸弘行議員。
184 ◯12番(峯岸弘行君) ありがとうございました。
市長から、改めて同じ過ちは繰り返さないための御決意を賜りました。
最後になりますけれども、来年2月20日に、市議会選挙がまた行われるわけでございます。これまで多くの市長側の批判をしてきたわけですけれども、実は、我々市議会議員一人ひとりもですね、これまで幾つかの、後に、第三者委員会から不当と言われる予算について、賛成をしてきた立場でもあります。そのことに関しては真摯に受け止め、引き続き真剣に一つ一つの予算について、より慎重に取り扱うというふうに考えたいと思います。
これからも大坪市長には、引き続き市政改革について全力で臨んでいただきたいと申し上げ、今回の質問を終わります。
ありがとうございました。
185 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって峯岸弘行議員の一般質問を終わります。
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186 ◯副議長(谷 和彦君) 一般質問4の1、「旧たかはた保育園の機能移転に伴う一連の疑惑に関する第三者実態調査委員会報告書」で明らかになったこと、ならなかったこと!~歴代市長と議会の責任が問われている~の
通告質問者、中野昭人議員の質問を許します。
〔16番議員 登壇〕
187 ◯16番(中野昭人君) それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
第三者委員会報告書と第三者委員会による聞き取り調査に関する記事が、記録が明らかにしたことは何か。市長や市議会に問われ、求められていることは何か。初日の質疑、やり取りも踏まえて伺っていきたいと思います。
第三者委員会報告書は、18回の調査検討会の基本的視点を次のように据えています。事業の計画及び推進は、河内氏の指導の下、市も主体的に関与していたことが認められる。このような状況下での補助金等の支出、業者等の選定手続の適正等の検証の必要性があると、こう視点を据えた上で、書類調査や関係者へのヒアリングが実施され、検討結果が報告書にまとめられたわけであります。
私は、この報告書と関係者へのヒアリング録、初日の質疑を通じて、やはり河内氏関与によるイレギュラーな補助金増額。河内氏による利益供与の疑い。そして、馬場前市長、大坪市長の抜き難い責任が浮き彫りになってきていると考えます。
今日は、初日質疑で触れなかった民営化園への家賃設定と補助金をめぐる疑惑問題。そして、民営化園への進入道路への補助金をめぐる疑惑問題、この2点に絞って具体的に伺うとともに、最後に、市長が初日に表明された認識とやり取りを踏まえて、市長は自らの責任についてどう考えておられるのかを改めて伺いたいと思います。
最初に、民営化園への家賃問題について伺っていきたいと思います。
第三者委員会の報告書は390万円という月額家賃に関して、日野市の規則、賃料は地域の水準に照らして適正な額以下でなければならない。この規則に適合しているかについて、不動産鑑定を行って査定し、387万円という結果を基に、適正な額と見解を示しました。同時に、二つの疑義、疑問を呈しています。
一つは、不動産鑑定結果387万円は、内装工事費を含む建物建設費全てを土地所有者が負担することを前提に算定されているとした上で、しかし実際のところは、内装工事費は、そのほとんど2億1,300万円が、補助金によって賄われ、土地所有者が負担していないことを指摘し、その上で390万円という賃料及び賃料に対する補助額の決定について、どういう検討がされたのかどうか、確認することができなかったという問題、疑問を提起しています。
いま一つは、この賃料は、土地の進入路が4メートルから6メートルへ拡張されることによって、その評価額が平米単価16万円から20万円に引き上げられているが、その拡張は、全額市補助金1億円で実施されており、道路拡張への補助と補助による賃料増額に対する補助の増額という二重の補助金が支出されているように見えるとの指摘、疑問が提起されています。
この2点にわたる本質的な提起、指摘を市はどう受け止めているのか、まず伺いたいと思います。
188 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。子ども部長。
189 ◯子ども部長(中田秀幸君) まず、第三者委員会報告書におきまして、賃料につきましては、運営法人の負担を軽減し、安定的な経営を行うための補助を行うことや、市の補助金負担の軽減を図るという必要性自体は、妥当性を有するとされ、また、賃料に対する補助金の支出については、ただいま議員から御紹介ございましたように、賃借料は地域の水準に照らして適正な額以下でなければならないという条例施行規則に反するものとは考えられないとしつつも、四つの点が意見として補足をされております。
1点目といたしまして、多額の補助金の支出を行うにもかかわらず、計画当初の段階における支出の見通しが具体性に欠け、十分な検討がなされていないという点において、事業の進め方に疑問が残ること。
2点目といたしまして、内装工事費補助との関係については、当時、建物部分のうち、内装工事が補助対象となっていることを検討の上、賃料額の検証及び賃料に対する補助額が決定されたかについては、残された資料等によっては確認をすることができなかったこと。
3点目といたしまして、進入道路整備補助との関係については、進入路の拡張に市の補助金が支出されていながら、賃料について、拡張後の道路幅を基に算出しているとして、その妥当性の十分な検討がなされていない可能性があること。
そして、最後4点目、前賃料補助を行ったにもかかわらず、金利相当額が反映された額となっていることや、前渡金が契約期間満15年分とされており、所有者にとって有利になっていると思われることから不当だということで、4点御意見を頂戴をしております。
当時、保育課におきまして、様々な視点から検討した経過、これはうかがい知ることはできるものの、具体的に賃料の額を地域の水準に照らして検討していない点など、妥当性の検討としては不十分との指摘として受け止めております。
以上でございます。
190 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
191 ◯16番(中野昭人君) 賃料390万円が違法とは言えない、妥当なものであるという認識が、第三者委員会からは表明されているわけですが、一方で、その根拠を考えると、この賃料設定については妥当性を欠くということをえんきょく的な表現ですけれども、指摘をしているというふうに読むのが自然ではないかというふうに思うんですよ。なぜ387万円という鑑定結果が出たのか。それは、全額土地所有者が建物を建てる。その建物を建てるコストを賃料に転嫁することが合理性がある。この立場から算定がされたものなわけですね。
しかし、実際は多くの補助金が入っているわけです。となると、この賃料390万円、あるいは鑑定で示した387万円が妥当なのかどうか、疑問を呈されているわけです。違法じゃないから問題ないという結論を報告書は、第三者委員会は導き出したわけでは決してない。そのことを改めて指摘をしておきたいと思います。
なお、この鑑定結果、鑑定方法についても、今回の鑑定の報告書を見ると、積算法が適用されています。今、鑑定方法には三つあると言われていますが、事例比較法、最も合理性があり、現実性があると言われているそうした方法は採用されていない。改めて鑑定についても、多面的な検討が必要だということについては指摘をさせていただきたいというふうに思います。
別の角度から、もう1点、伺っておきたいと思います。390万円の賃料額の妥当性について、当時、幾つかの検討が行われている。資料に基づいて行われていることが見てとれます。算定根拠の一つとして、固定資産税、都市計画税が月額45万円の支払い。これが必要になるということで、根拠づけられて390万円の一つの理由、根拠とされています。しかし実際の公租公課、固定資産税、都市計画税がどのくらいかかっているのか。この根拠が正しかったのか。調査し、検討が必要なわけでありますが、これはやられてきませんでした。この点については、9月議会でも指摘をさせていただいております。第三者委員会では、特段の言及は、この点ではありません。
しかし、この家賃の、賃料390万円の根拠の一つとして示されているわけでありますから、この妥当性について、当然、市として調査をし、結果を明らかにする必要があるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
192 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
193 ◯子ども部長(中田秀幸君) 公租公課に関する個々の具体的な内容につきましては、個人に関する情報のため、主管課以外がその情報を知り得ることはできませんが、保育課におきまして、路線価等に基づく税額の算定を試みました。
不動産の賃借料の設定方法には様々な要素が考えられますが、公租公課もその一つの要素であると認識をしており、この点について、大きな問題はないというふうな認識でございます。
以上でございます。
194 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
195 ◯16番(中野昭人君) 実態はどうだったのか。公租公課、固定資産税、都市計画税がどのように額として支払われていることになっているのか、これ確認する必要があるというふうに思うんです。なぜなら、それを根拠に算定された家賃が、家賃に対して補助を入れているわけです。市民の税金を投入するに足る適正な根拠があるのか、家賃について。当然、公益性を持った情報として明らかにすべきことだと思います。
情報公開条例で、第9条で、公益性がある場合には、個人情報であっても解除対象となるというふうに定めています。明らかにすべきではないですか。いかがですが。
196 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
197 ◯子ども部長(中田秀幸君) 繰り返しになりますが、個人に関する具体的なその内容については、主管課以外がその情報を知ることはできませんので、保育課におきまして路線価等に基づく税額の算定を試みたところでございます。この点について、特に大きな問題はないというふうに認識をしてございます。
以上です。
198 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
199 ◯16番(中野昭人君) 家賃390万円という設定をするときに、検討資料として、固定資産税、都市計画税月額45万円かかると。積み重ねていけば、それで390万円が妥当だという説明をされているわけです。それを基に議会での補助を決定しているわけです。情報公開条例第9条、公益上の理由による裁量的公開。実施機関は、公開請求に係る行政情報に非公開情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、請求者に対し、当該行政情報公開することができる。
補助金に直結する情報ですよ。これをなぜ公開できないのか、明らかにできないのか、妥当性の検証ができないのか。本当に疑問に思います。
次の質問に入りたいというふうに思います。
民営化園に対する進入道路の拡幅整備に関する補助。これに対する第三者委員会の見解についてであります。
第三者委員会は、この進入道路の拡幅整備に関する補助金1億999万1,000円に関して、土地交換等について違法性は認められないとしながらも、4点にわたって不当というふうに断じています。
第1に、補助対象の工事費の妥当性を確認していないこと。
第2に、道路拡幅用地買収費が補助対象となった、方針変更になった経緯が不明であり、かつ用地買収費の妥当性の確認がされていないこと。
第3に、土地所有者と企業公社との契約内容が不明であること。
第4に、水路敷の使用許可の経緯が不明であり、補助額及び水路敷の使用許可を出していること。この4点を指摘をしております。
市は、この指摘をどう受け止めて、今後、どういうふうな対応をしようとしているのか伺っておきたいと思います。
200 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
201 ◯子ども部長(中田秀幸君) 第三者委員会報告書によれば、都道から当該保育園までの進入路の整備費を助成したこと、及び本件水路敷の使用を許可したことについては、条例及び要綱上、市には、広範な裁量が認められることから違法性はないとしながらも、ただいま議員御紹介のとおり、4点について指摘をされております。
1点目が、補助対象の工事費の妥当性の確認がされていない。2点目として、道路拡幅用地買収費が補助対象となった経緯が不明であり、かつ買収費の妥当性の確認がされていない。3点目として、本件土地所有者と企業公社との契約内容が不明である。4点目として、本件水路敷の使用許可の経緯が不明であること。
以上の点から、道路拡幅及び整備期間短縮の必要性を考慮しても、なお補助額及び本件水路敷の使用許可は不当と考える、このような評価を頂戴したところでございます。
市といたしましては、第三者委員会の評価を真摯に受け止め、今後の措置、再発防止に向けて、事実経過を確認してまいります。
まず、私からは以上です。
202 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
203 ◯企画部長(岡田正和君) 私から、企業公社の関与についてお答えいたします。
日野市企業公社が、土地所有者から受託していた業務契約の内容を把握するため、企業公社に保管されている文書を市として、調査、確認いたしました。
土地所有者から受託した契約が2件あったものと分かりました。一つは、保育所進入路拡幅整備工事に伴う事務管理等の契約ということで600万円。もう一つは、新井医療福祉総合施設建設に伴う施工監理業務の点検指導業務の契約、こっちが71万4,000円でございました。
企業公社に残されていた資料から、公社は、事業者からの依頼に基づき、保育所進入路拡幅整備に伴う、仮設道路また本設道路、及び水路擁壁の設計業者の選定。仮設道路工事や水路擁壁工事など施工業者の選定。それから、支障移転の見積り、新井医療福祉総合施設建設に伴う施工監理業務の点検指導業務など、業者選定や契約書の作成、施工の点検業務などの技術的事務に関して、土地所有者のサポートを担っていたものと判断しております。
なお、進入路本体工事そのものに関する詳細な積算資料等はございませんでした。
第三者委員会による、二人の元社長へのヒアリングでは、土地所有者からの依頼に基づく技術的な事務支援であったというふうに証言しており、残されていた書類と同様の内容と確認できました。
以上でございます。
204 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
205 ◯16番(中野昭人君) 4点指摘をされていて、今、答弁がありましたが、一体どうしようとしているのか、どういうふうに受け止めているのかと、具体的な検討、答弁はありませんでした。
2点、改めて伺っていきたいと思います。
一つは、工事費の妥当性についてです。この工事費は、総額1億999万円、道路の拡張整備に関する補助金が入っています。これは、その25年の12月議会に提案されたものが、翌年の3月議会に増額補正が行われています。そして結論として、1億999万円の支出になっています。
12年から翌年の3月までの数か月間で、1,000万円増額が必要になったということで、増額の補正が組まれたということだと思います。この増額予算、どういう経過、どういう理由で必要となったのか。また、誰が要求してきたのか、伺いたいと思います。いかがですか。
206 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
207 ◯子ども部長(中田秀幸君) 進入道路整備に係る補助金でございます。日野市立たかはた保育園機能移転に伴う移転場所周辺道路等整備事業補助金について、平成26年の3月補正予算にて、建築資材等の高騰により増額した工事費分について増額をし、補助をいたしております。
道路等整備に関する補助の相手方は所有者であることから、この建設資材等の高騰による増額分を含めて、所有者からの交付申請に基づき支出をされております。
以上でございます。
208 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
209 ◯16番(中野昭人君) 進入道路の拡幅整備予算が計上されて可決されたのは、先ほど私も強調しましたが、平成25年の12月議会です。その僅か2か月後に建設資材等の高騰を理由に追加補正を求められて、そのまま予算化されているわけです。3月補正で。
これ、誰が要求したのか、伺ったんですけど答弁がありませんでした。いかがですか。
210 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
211 ◯子ども部長(中田秀幸君) ただいま申し上げましたとおりですね、道路等整備に関する補助の相手方は、あくまで所有者でございます。この建設資材等の高騰による増額分も含めまして、所有者からの交付申請に基づき支出されてございます。
以上です。
212 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
213 ◯16番(中野昭人君) 形式的なことを聞いているわけじゃありません。
同時期に、内装費の増額要求が出ています。当時の担当課長は、追加工事の発生の原因の経緯について、どう認識しているのかということですけども、内装費の追加工事について、こう言っています。開園の2か月ほど前、河内氏より工事が遅れている。このままでは4月の開園ができない旨があったと。業者に泣いてくれというわけにはいかない。追加補正が必要だ、補助金が必要だというふうに言ってきた。河内氏がどうしても必要なものだとしてやることにしたと。
これ内装費ですよ。同じ時期に内装費の増額要求が、河内氏から市に出され、恐らく同じ時期に、同じタイミングで道路の1,000万円の増額要請が出たんではないですか。ここ把握していませんか、いかがですか。
214 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
215 ◯子ども部長(中田秀幸君) 内装工事費に関します増額につきましては、ただいま議員から御紹介があったとおり、これは当時の担当課長からヒアリングを聴取しておりまして、そういった証言を得ていることは事実でございます。
ただ、道路整備の追加工事に関しての経過等については不明でございます。
以上です。
216 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
217 ◯16番(中野昭人君) 状況から察するに、河内氏から要求されたということは、大いに想定できる話だと思います。
さらに伺いたいと思いますが、この建築資材の高騰などを理由に、道路整備費のコストが増えて工事費がかかったと、増えたと。その分の増額ということで、補助金1,000万円が増額されたということになります。
実績報告書を見てみました。実績報告書を見ると、この時期にコスト面で増額になって、契約変更が行われた形跡はほとんど見当たりません。一つだけ、既存水路の擁壁設置工事の請負変更契約書が平成26年2月24日に締結されていて18万6,000円の増額となっている契約変更の書類があるだけです。1,000万円の増額補正は行われていながら、18万6,000円の契約変更の書類があるだけというふうになっています。
実際は、追加補正の必要性を裏づけるような、工事や工事費の増大はなかったのではないか。実績報告書、添付書類を読む限り、そうとしか考えられませんが、いかがですか。どう感じられていますか。
218 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
219 ◯子ども部長(中田秀幸君) 約1,000万円の増額の内訳につきましては、残された資料から工事用の仮設道路工事追加工事、水路土留等改修工事、道路拡幅工事等を主な内容として把握をしており、これが建築資材等の高騰による増額分という形で、増額の補正をされたということで認識をしております。
以上です。
220 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
221 ◯16番(中野昭人君) 今、おっしゃった中身というのは、契約変更されていないんですね、この当時に。つまり平成25年の12月に9,953万円の予算を組んだわけです。そうした必要経費に対して。しかし、2か月後に建築資材が高騰した。1,000万円の増額が必要だ。じゃあ、その間に、そうした事情を反映した契約変更なんかはあってしかるべきだと思うんですが、一切ない。一体どういうことなのか。この補助金増額というのは、どういったことだったのか。疑われる事態だと思います。
さらに伺いたいと思います。進入道路の拡幅整備補助金、全体1億999万円が適切に支出されているのか。実績報告書及び添付書類を確認してみました。そうしたら幾つか契約書や見積書のみで補助金の支出が行われていることが分かりました。ATMにしろ、窓口にしろ、銀行が発行した帳票、ATMであれば振込の明細書、窓口であれば振込の受付書などが添付されてしかるべきだと思います。ところが、それがない。そうした事業が幾つか散見されました。これでは本当に1億999万円が地主に市から渡って、その先に、適切な事業に使われたのかどうか、根拠がないことになりかねないと思いますが、これも不明ということになりかねないと思いますが、いかがですか。
222 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
223 ◯子ども部長(中田秀幸君) 日野市立たかはた保育園機能移転に伴う移転場所周辺道路等整備事業補助金につきましては、平成26年7月15日に、土地所有者より実績報告をいただいております。実績報告書には、関係書類を添付をして報告を求めるようにしてございまして、その中で領収書、振込明細書、出金伝票等が添付されております。その内容について確認を行い、補助金が支出をされてございます。
所有者から提出をされました振込明細等のうち、その額について、保育所に係るものとして、面積案分をしたりなど、内容が精査をされ、その結果、補助額1億999万円に相当する明細書等が添付されていたことを確認をして、補助金が支出をされてございます。
以上です。
224 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
225 ◯16番(中野昭人君) 今、何を言われているのか、さっぱり分かりませんでしたが、実績報告書が上がっているわけです。この書類の中で、多くは、銀行発行の帳票がしっかり添付されているんです。お金がちゃんと銀行を通じて業者に支出されているかどうかが分かる。補助事業ですから、そこを確認しなければ、補助金が行方不明になることになるわけです。そこについてちゃんとチェックをすべきなのに、企業公社への──先ほど契約があったと──への支出が、その根拠を裏づけるような銀行帳票がない。
もう一つは、工事の施工業者1,300万円当たりの施工業者との契約に基づく補助金、税金の支出を裏づけるような銀行の帳票がない。そういう事態になっているわけです。いかがですか。おかしいと思いませんか。
226 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
227 ◯子ども部長(中田秀幸君) 支払い根拠の書類として添付をされているもの、そして、それがないもの、こちらについては、契約書等、変更契約書等により、その内容を確認しているという状況でございます。
以上です。
228 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
229 ◯16番(中野昭人君) 全然お答えいただいていないと思うんですが。実際に契約書しかないんです。しかし、今、日野の多くの現場で補助事業をやるときに、国の持続化給付金も全部そうですけども、しっかりとその補助事業に適用した事業がやられているかどうか、お金が支出されているのかどうか確認するでしょう。そうしたものについて、日野では添付の必要性はないということですか。それがスタンダードにやられているということですか。いかがですか。もう一度伺います。
230 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
231 ◯子ども部長(中田秀幸君) 当然、その補助金の支出に当たっての実績報告でございますので、明確な出金伝票等なり、添付しておくことというのは必要だというふうに認識しております。
以上です。
232 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
233 ◯16番(中野昭人君) それが、工事の施工業者と企業公社600万円と、二つについてはないということについて、今、指摘をしているんです。いかがですか。
234 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
235 ◯子ども部長(中田秀幸君) 申し訳ございません。その点、ないということについては不明でございます。
以上です。
236 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
237 ◯16番(中野昭人君) 事前に確認していることなんですけど。実績報告書、確かに要綱で、それは添付が義務づけられていないんです。この要綱には、工事請負契約書の写し、工事完了図面、工事完了を確認するための書類、これが添付書類として報告することが求められている。そうした要綱がつくられているんです。
私、この要綱って、物すごい違和感があるんですが、この要綱は誰がつくったのか。いかがですか。
238 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
239 ◯子ども部長(中田秀幸君) 当時の保育課によって作成をされたというふうに認識しております。
240 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
241 ◯16番(中野昭人君) 保育課が作成したと。
ヒアリング録を読んでみて、ここまでやっていたのかという証言がありました。それは、課長補佐の証言です。進入道路の拡幅整備補助に関する質問に答えて、恐らく課長補佐は何げに言われたことだと思いますが、次のくだりです。要綱についても河内氏から言われたのを打った記憶があると。この必要な、最低限支出が明らかになるような書類の添付が必要でないこの要綱について、河内氏がつくった。つくったものを保育課長補佐が、それを打ったんだ。そういう背景が浮かび上がってくる、明らかになっているということだと思います。
何でここまで河内氏が補助金の支出をめぐる根拠について、明確な裏づけを持った資料添付を義務づけないで、契約書だけでいい。こうした要綱をつくったのか、つくらせたのか。本当に奇怪であります。
その要綱の下で、ほとんどの補助金支出については、銀行発行の調票が添付されているにもかかわらず、なぜか工事施工業者の一部の工事費と企業公社への事務管理委託費、この契約については添付がされていない。極めて不自然。強烈な違和感を感じざるを得ません。果たして、そうした事業に対して、補助金が支払われたのかどうか。そうした事業は、本当に行われたのかどうか。重大な疑義が生じているというふうに思います。いかがですか、この二つの点について。
242 ◯副議長(谷 和彦君) 子ども部長。
243 ◯子ども部長(中田秀幸君) 補助金の執行に当たっての必要とされる行政文書等が不明であるということ。そういった点については、非常に大きな問題、課題だというふうに認識をしてございます。
今後の再発防止に向けて、しっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
以上です。
244 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
245 ◯16番(中野昭人君) 再発防止じゃないんですよ。税金の補助金が行方不明になっているんですよ。解明して、徹底的に明らかにしていくことが必要じゃないですか。
具体的に企業公社の件について伺いたいと思います。
繰り返しますが、進入道路の拡幅整備は、全額市の補助金で行われています。総額1億999万円の補助金が事業主に支払われて、それぞれの設計、施工、事務管理、そうした業者に事業主から支払われたということになっています。
企業公社は、事業主と事務管理業務を受託する契約書を結んでいるわけでありますが、その契約に基づいて、どんな仕事をするのか、内容を確認できる書類がないことが第三者委員会から指摘をされているわけです。
しかし、それだけではなくて、契約に基づいて現金の支払いが行われたことを証明できる銀行発行の帳票、ATMであれば振込明細書等々がないということだと思います。異常なことだと思いますが、部長、いかがですか。
246 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
247 ◯企画部長(岡田正和君) 市議会に報告している企業公社のその決算報告において、平成24年度に300万円、平成25年度に同じく300万円を自主事業による売上げとして計上しており、それをもって、ちょっと私のほうで初日の中野議員との答弁の中で、分割して入金されたというような報告をさせていただきました。
このことについて企業公社に詳細を調査させたところ、平成26年の5月1日に600万円が一括で入金されていたことを企業公社に残っていた帳簿で確認しております。この600万円だけでなく、先ほど説明しました新井の医療福祉総合施設建設に伴う施工監理業務等と併せて一括で入金されているということを帳簿と、あと通帳の写しが入手できましたので、そこで確認をしておりますので、事業主側にはそのような資料の提出がなかったということですが、企業公社側にはですね、銀行の通帳のほうで入金がされているという確認しております。
ただ、24年度の決算報告での売上げ300万円及び平成25年度の売上げ300万円は、決算時点では未収金ということで入金されていたというような私の答弁は正確ではなく、申し訳ございませんでした。
なお、企業公社が分割して売上げに計上した理由については、現時点では分かっておりません。引き続き、そこの辺は調査してまいりたいと考えております。
以上です。
248 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
249 ◯16番(中野昭人君) 企業公社側から、今、そういう答弁が、初めて説明がありましたけれども、売上げを年度に分けて、年度を分けて計上するというのは、企業会計ではあり得ることだと思います。
ただ、それは会計年度で、例えばこの委託契約については13か月の委託契約になっていて、平成25年の2月から平成26年の3月までの委託契約になっています。24年度にもし計上するとするならば、24年度の残りの分、2か月分に相当する金額、これの売上げを算入すべきであって、300万、300万で売上げを算入する、収入として算入すること自体、極めてイレギュラーなことだというふうに思います。
実際に、現金はそこでは入っていかないわけですね、企業会計はそういうことになっていると思いますけども。異常なことだと思います。
さらに、この契約が交わされた背景について伺っておきたいと思いますが、平成25年2月当時、施設管理部長でその年の7月から社長になった方、これ第三者委員会のヒアリングに答えておられます。契約があること自体知らなかった。市は予算がなかったので企業公社としてできることはできるだけやろうという気持ちだった。職員はみんな、本件については無償でやっていたという認識だと、こう証言しています。
では、この契約書は、誰が、どういう形で結んだのか。平成25年2月当時社長だった方、同年6月から日野市の副市長になる堀之内氏なわけですけれども、委員会のヒアリングに答えて、地主、事業主から委託契約に関する相談が持ちかけられたことを話しながら、地主と対応したのはあなた1人だけかとの質問に、企業公社は狭い部屋なので私だけだと思うと証言し、地主からの話を受ける決定はどうやって決まったのかという質問に、その段階では私1人でと証言しています。
さらに、引き受けることを検討した議事録などはあるのかとの質問に、あくまでも短い時間での話合いだったのでということで、議事録はないことも認めている。再度、誰が決めたのかの質問に、そのときは1人でと、また繰り返し述べています。
つまり、契約自体は当時の社長、堀之内氏1人で行ったということで、他の職員がこの契約自体を知らなかったとしても不思議ではありません。そうした背景の下に、地主から企業公社に600万円前の支払いをした振込明細書が提出がなく、600万円は本当に企業公社に支払われて、あるいは支払われたとしても、それが適切に企業公社で算入されているのかどうか、疑う事態だというふうに思います。いかがですか。
250 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
251 ◯企画部長(岡田正和君) 第三者委員会のヒアリングの中で、元の社長のうちの1人がそのような発言をしていたということは承知しておりますが、その後本人が本件に関する工事等に係る見積りの依頼等を起案をして事務をやられていたというような文書は企業公社のほうに残っておりますので、なぜそのような契約があったということを知らなかったというふうに証言したかというのは、ちょっと分かりませんが、認識して事務をやられていたのではないかというふうに私は思っております。
252 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
253 ◯16番(中野昭人君) この当時のその社長は、確かにその600万円とは別に71万4,000円の全体の施工監理に関する契約は行ったということは証言をされています。しかし、その前段の600万円については知らなかったというふうに、徹頭徹尾、答えておられるわけですね。
そもそもなぜ企業公社がここに関わることになったのか。ヒアリングに答えて当時の課長補佐は、市のOBが多く在籍し、河内氏からのオファーで関わったのではないかと述べ、当時の課長は施工監理をする者として河内氏が決めたと、企業公社に。全て河内氏がよく知ってる人間に頼んで、河内氏自身で管理していくつもりだったのだと思うと、こう証言をしています。ここでも、企業公社に決めた背景にも河内氏が関与していた、主導していたということであります。
河内氏、地主、堀之内氏のラインで1億999万円の進入路拡幅整備事業の事務管理業務、当然、現金の出し入れも担うことになったと考えられますが、そうした業務を行うために企業公社を使ったということだと思います。
では、この事務管理業務を誰が担っていたのか、実際。堀之内氏は、担当は誰というのかははっきり覚えていない、こういうふうにヒアリングに答えています。
市は、この600万円の補助金の入った事務管理業務を誰が企業公社で担ったというふうに把握されているのか伺いたいと思います。
254 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
255 ◯企画部長(岡田正和君) 本設道路に関する資料は、すみません、ちょっと残ってはいないんですけども、そのほかの仮設道路や、先ほどの建物の施工監理等に関する文書は残っておりますので、そこにはちゃんと、その担当していた者が起案したことになっております。その者が担当していたというふうに判断しております。
256 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
257 ◯16番(中野昭人君) また、別の違う角度から伺いたいと思います。
第三者委員会のヒアリングでは、河内氏の主導、関与とともに、もう1人の、ごめんなさい、川辺堀之内の区画整備組合の違法な会計操作を行って、補助金をだまし取ったとして有罪判決を受けたO氏が企業公社の社員としていたかと思うんです。この事務管理業務にO氏が関与していたということはありませんか、確認をさせていただきたい。
258 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
259 ◯企画部長(岡田正和君) 関連する起案文書等にO氏の名前はございませんでした。
260 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
261 ◯16番(中野昭人君) さらに伺いたいと思います。
第三者委員会のヒアリングでは、河内氏の主導、関与とともにもう1人の役割に注目していることが分かるやり取り、ヒアリングのやり取りが複数回行われています。地権者、事業者などと定例会議を仕切っていたのは、との第三者委員会の質問に、当時の課長は、河内氏と答え、河内氏の下でN氏が補助的な立場で事務を仕切っていたと証言しています。
また、当時の課長補佐は同じ質問に対して、会議を仕切っていたのは河内氏やN氏。N氏の印象が強いと証言しています。このN氏は、現役時代、文字どおり河内副市長の下で腹心的に働いていたとされる人物で、この当時は市役所を一旦退職した後、再任用職員として道路課で、特に進入道路の拡幅整備事業をめぐって中心的な役割を担っていたとされており、第三者委員会もここに注目をしていたというふうに思われます。
伺いたいと思いますが、第三者委員会は当然、このN氏への調査ヒアリングを計画していたと思いますが、第三者委員会は、このN氏へのヒアリング調査、実際求めたのか。また、求めたが応じていただけなかったということなのか、説明をいただきたいと思います。
262 ◯副議長(谷 和彦君) 総務部長。
263 ◯総務部長(小平裕明君) 仮にN氏ということでございます。求めたけれども実現しなかったということでございます。
以上でございます。
264 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
265 ◯16番(中野昭人君) この民営化園の進入路の拡幅整備事業に対する一部の補助金に関して、例えば事務管理事業、この委託契約を結んでいる企業公社との関係に対しても、また一部の施工業者との契約書に対して、裏づけとなる銀行の発行の帳票などがないという点でも、補助金の行方がどうなっているのか、確認が取れない状況になっています。
第三者委員会は、河内氏による利益供与が疑われる点があったと指摘していますが、この補助金の不透明性、不明な動きについては、さらに重大な懸念が生まれる事態だと考えます。
誰がこの事務管理を担っていたのかの調査、河内氏と共に中心的に動いてたとされるN氏、重要人物がヒアリング調査をされていないわけです。私は、N氏への調査も必要だと、どうしても必要だと思います。
企業公社の事務管理に関して徹底的な、さらなる調査解明が必要だと思いますが、市はいかがお考えでしょうか。
266 ◯副議長(谷 和彦君) 企画部長。
267 ◯企画部長(岡田正和君) 企業公社のその600万円等の委託費がですね、河内氏ですとか、その他の方に流れたんじゃないかというような疑義があるということだと思うんですけども、企業公社の資料の中では、そういったものに報酬が支払われたという記録はないということを確認しております。
268 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
269 ◯16番(中野昭人君) 企業公社の事務委託について、第三者委員会も、その委託の中身が不明だと指摘をされている。地主から企業公社へ現金を支払ったという書類が提出されていない問題。
先ほど、銀行の記帳がされていると言われましたけれども、その根拠となる資料が提出されていない。口頭ではそう言われているけども、改めて調査が必要だというふうに思います。
市長に伺いたいと思います。この民営化園への進入道路拡幅整備補助金をめぐっては、その行き先が一体どうなっているのか、まともに裏づけとなる帳票が添付されていない。幾つかそういう契約がある。お金の出し入れが確認できていない、出し入れがやられているかどうか、その懸念さえ、私はある事態だと思います。
そして、そのことを知り得る事務委託を担っていた人物が一体誰なのか。河内氏と一緒に仕切っていたとされる重要人物、そのN氏はヒアリングを拒否しているわけです。私は異常な事態だと思います。事は貴重な市民の税金、補助金が行方不明になり得る、河内氏による地主への利益供与、あるいはその見返りの流れが疑われる事態だと私は思います。
重大な疑惑ありと、調査が必要だと思いますが、市長の見解を求めたいと思います。
270 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
271 ◯市長(大坪冬彦君) 第三者委員会からも指摘されていて、今、議員から疑惑、そして、不明点についての御指摘がありました。
当然、工事は行われた、これは事実でありますから、その分の補助金は支出されたと思います。ただ、どういう形で、どういう人間が関わって、どうしたかが分からないものがたくさんあるという御指摘いただきましたので、当然これについては、継続して調査しなければならないなというふうに考えております。
以上です。
272 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
273 ◯16番(中野昭人君) 区画整備組合における詐欺容疑での逮捕と有罪判決、この背景は、区画整理組合の事業会計の会計操作にありました。
今回の企業公社をめぐる一連の、私は疑惑だと思いますが、今日、午前中、大高議員が指摘した、あるいは市も共有している中身についても、なぜ休日手当がこの区画整理組合の事業費から捻出されていたのか。一体、企業公社の会計はどうなっているのか、疑われる事態だと思うんです。徹底的な調査解明がやっぱり必要になっていると。
原資は、貴重な市民の税金です。その補助金が適切に執行されたのかどうか、調査が必要だというふうに改めて指摘をしておきたいと思います。
さらに市長に伺っていきたいと思います。
この第三者委員会の調査で極めて生々しく明らかになったことは、一連の業者の選定、入札、そして、あらゆる補助金増額の背景に、必ず河内氏の存在があり、通常では考えられないイレギュラーな増額要求が河内氏からあったことであります。
地権者が建物を建設することになった経緯について問われ、当時の課長は、河内氏が最初からそういうプランを持ってきたと答え、保育園の運営法人選定の経緯についても、河内氏が最初にその話を持ってきた。信頼の置ける法人なので、そこでやりたいとの話が最初から言われた。既定事項だったと証言しています。
さらに、運営法人が支払う家賃額の決定の経緯について問われた課長は、河内氏より地主が損をしないようにしなければならないと資料を示された。家賃の金額の妥当性について自分と河内氏の間でやり取りをしたが、河内氏がこれでいいんだとのことで、ほぼ河内氏の提案どおりの数字となったと証言しています。
さらに、2億4,000万円の前家賃補助については、発案は河内氏。河内氏の提案について市が了解し、決定したと証言しています。
さらに、内装費の追加工事について。開園の2か月ほど前、河内氏より工事が遅れている、このままでは4月開園ができない旨の連絡があった。業者に泣いてくれという額ではなく、追加補助が必要とのこと。納得のいく説明が難しいなと思っていたが、河内氏がどうしても必要なものだとしてやることにした、こう証言しています。
ことごとく、河内氏がこの増額要求をしていたことが明らかになっているわけであります。
さらに第三者委員会から、河内氏のこの件における立場への認識を問われたのに対し、課長は、絶対的な存在。河内氏の考えに反対、修正するなどは絶対にできないと答え、補助金が大きくなっていることを問われたのに対し、事業規模がどんどん膨らみ、前例のない金額となっていたので、このままでいいのか部長に相談したが、河内氏がやれということなので、これで進めるしかないとの答えがあったと証言しています。
市長、こうした河内氏からの無理難題、補助金の増額要求を、そのまま市長は決裁したのではありませんか。こうした背景の下で、増額支出された補助金を、市長は決裁するという形で正当化したわけであります。しかも、この背景を市長は知っていた。第三者委員会からのヒアリングで、この件について報告を受けていたとのことであるが、それは子ども部長からかとの問いに答えて、市長は、だと思うと答えています。
また、当時の子ども部長もヒアリングの最後にこう答えています。当時の市長、副市長や
まちづくり部長であった現市長、企画部長であった現副市長に確認したほうが一番正確に事を認識できるのかなと思うと。真相は市長が一番分かってるはずです。市長に聞いてくれと言われているわけであります。
市長は補助金増額をめぐる背景、河内氏による理不尽な増額要求であったことを分かった上で決裁をした。この問題の最大の直接的な責任は市長自身にある。(「そうだ」と呼ぶ者あり)極めて重いと言わざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。(「私が解決する」と呼ぶ者あり)
274 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
275 ◯市長(大坪冬彦君) おっしゃるとおり、当然、この決裁した責任は、私が最大の責任者であります。前段のほうの、そもそもこの話を持ってきた話等については、私は当時、詳細は知りませんでした。今から明らかになったことも多々あります。ただ、前市長からの引継ぎで家賃の決定、それから道路の補助金等についてはという話があって、この問題については決裁いたしました。
当時としては、平成26年4月からの保育園の開園、それに向けて準備が進めていて、保護者も子どもたちもそういう状況になっていて、交流保育も行われている。その状況の中で、その問題については飲み込むしかないというふうに判断したことは事実であります。
ただし、その場合に、今、さんざん御指摘いただいたこと、実際の補助金等の支出における添付書類等については、私は詳細は知りませんでしたけども、いずれにしろ、そこに対するチェック等を怠ったのも私の責任でありますし、最終的にそれを飲み込んだのも私の責任であります。その上で決裁したということは、私の責任は重大であると考えております。
以上です。
276 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
277 ◯16番(中野昭人君) 市長は、議会初日に行った第三者委員会の報告を受けた見解表明で次のように語っておられます。
本件に関わった職員が深く考え、異論を唱えることをしなかったのは、中略で、服務の根本基準や公務員倫理が欠如していたことが考えられます。本来あるべき姿としては、河内氏の利益相反的行為を疑い、その行動に対し異論を唱えるべきであったと。または、相談するなど必要な措置をとるべきであったものと考えられます。職員においては、本来あるべき姿や行わなければならない仕事について、長年染み付いた職員意識、組織風土などから「やらなければならない」という認識が希薄になってしまったことが、また、市長、副市長においては、その状況を看過してしまったことが。今回の大きな問題だったと考えられますと、こう言われています。
率直に私は、市長は何を言っておられるのか。職員は悩み、相談をされているのではありませんか。部長は市長に相談をしているのではないでしょうか。公務員倫理が問われるのは、一体誰なのかと。(「そうだ」「そのとおり」と呼ぶ者あり)第三者委員会から、通常であれば市立病院の仕事をする立場である河内氏が、そのラインとは違う保育園の仕事をしているのであるから、改めて話をすることは考えなかったのかと、市長に問うています。
市長は、大体の枠組みは決まっていたから、あとは保育部門でのやり取りで話が進んでいるとの認識だったと。話をする考えはなかったと答えておられます。それは河内氏が、もう調整役としてそこまで動かないだろうと考えていたのかと問われて、市長は、動くかもしれないが、私が直接、河内氏と話をしてという認識はなかったと答えておられます。
市長は、組織のガバナンス、責任ある者による統制が働いていない、指揮命令系統が機能していないことを分かっていながら、河内氏に話をする必要はないと、その体制を放置、黙認したわけであります。
地方自治法は次のように定めています。
第138条の3、普通地方公共団体の執行機関
の組織は、普通地方公共団体の長の所轄の下
に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を
有する執行機関によつて、系統的にこれを構
成しなければならない。普通地方公共団体の
長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互
の間にその権限につき疑義が生じたときは、
これを調整するように努めなければならな
い。
第147条、普通地方公共団体の長は、当該普
通地方公共団体を統轄し、これを代表する。
第148条、普通地方公共団体の長は、当該普
通地方公共団体の事務を管理し及びこれを
執行する。
第167条、副知事及び副市町村長は、普通地
方公共団体の長を補佐し、普通地方公共団体
の長の命を受け政策及び企画をつかさどり、
その補助機関である職員の担任する事務を
監督し、別に定めるところにより、普通地方
公共団体の長の職務を代理する。
こうなっています。
何の職務権限もない河内氏の専横を黙認し、許し、理不尽極まる補助金増額要求に唯々諾々と応じ決裁し、自治体の執行機関としてのガバナンスを崩壊させた市長、副市長の対応、態度というのは、地方自治法違反の責任放棄そのものであり、抜き難い重大な責任、政治責任があると言わざるを得ません。どう判断されているのか、最後に伺いたいと思います。
278 ◯副議長(谷 和彦君) 傍聴人に申し上げます。静粛に願います。副市長。
279 ◯副市長(荻原弘次君) 先ほど中野議員が引用された当時の子ども部長のですね、ヒアリングの内容をちょっと確認をさせていただいていますが、その中で、ちょっとこれは今の状況の中のということではなくて、私が当時、企画部長であった。それから、現市長は
まちづくり部長であった。そのときのですね、ここにありますけれども、自分が子ども部長に着任したときはシナリオは既にできていたと、このことについて……、申し訳ございません、当時の企画部長である私がこのことを知っていたのであろうということでのヒアリング内容だということで、これはその後のですね、いわゆる追加工事であるとか、補助金支出であるとか、そういうことの相談という内容ではないということだけは、一言申し添えさせていただきます。
280 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
281 ◯市長(大坪冬彦君) 11月19日に私のほうで第三者委員会の報告を受けて話をした内容について、先ほど議員から引用をいただきました。
あの中でも、最終的に責任は私にあるというふうに結んでおりますけども、組織的に考えた場合はそれぞれのプロセス、つまり仕事をする場合に当然、担当職員がいて、係があって、係長がいて、課長がいて、課長補佐もいますけども、部長があってという、そういうそれぞれのところにおいて必要な役割、真偽の判断、プロセス、当然、地方自治法等を守るという判断があります。それが働いていなかったのは事実であります。その点について指摘をした。
つまり、今回の問題は組織の在り方、組織をどう変えていくんだ、どこに問題があったか問われております。そうした場合に、当然、強力な人物による権限があって、それに逆らえない状態があった。これが一つ大きな要因であります。これがほとんど全てかもしれないけども、ただ、それがあった場合に、それに逆らえずに、ある意味、行政をねじ曲げてしまう、これは組織の体質として大きな問題であるし、それは個々の関わった職員も問われるべきでということで申し上げました。それ自体は、私はおかしくないと思っております。
ただし、当然、その上に立つ私自身が同じようなことを言われてしかるべきということはありますし、その点においては、私の不作為、そして、私の責任権限が一番大きいということは、もちろん認めます。それぞれの組織成員、それぞれのレベルにおいて大きな責任があって、最終的に私自身がそういう意味での法令遵守についての意識の欠落があって、こういう事態を招いてしまったという認識がございますので、深く反省しなければならないと思っております。
以上です。
282 ◯副議長(谷 和彦君) 中野昭人議員。
283 ◯16番(中野昭人君) 職員がそうした無理難題、無理筋な補助金の増額要求に逡巡しながら、これこのまま認めていいのか悩みながら部長に相談をし、部長も市長に相談をし、報告されていると。一連の補助金について、恐らくそういう背景が見てとれます。
26年9月議会に内装費の補助金増額を予算化されたときに、私たち日本共産党市議団は、これはやめるべきだと進言をし、申入れを行いました。市長は、あるいは副市長は、その申入れ、十分承知していたはずであります。しかし、その背景に何があったのか、十分、分かった上でこれを強行したことだと思うんです。職員に公務員倫理を説く前に、市長自身が一番問われている。そのことを肝に銘じる必要がある。判断をすべきときだと私は思います。
改めて、そのことを申し添えて質問を終わりたいところですが、議会も、私は問われているんじゃないかと思います。権限を行使して、議会としての調査特別委員会を設置して、本格的な調査を進めようではありませんか。
以上で質問を終わります。
284 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって中野昭人議員の一般質問を終わります。
お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
285 ◯副議長(谷 和彦君) 御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後3時08分 休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後3時41分 再開
286 ◯副議長(谷 和彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問5の1、認め愛の社会生活の実現へ~主権者教育について、日野市障害者計画より学ぶ~の
通告質問者、森沢美和子議員の質問を許します。
〔9番議員 登壇〕
287 ◯9番(森沢美和子君) 立憲民主党、森沢美和子です。
日本国憲法三つの原則には、国民主権、基本的人権の尊重、そして、平和主義があります。時のたつのは早いもので、私にとって16回目の一般質問です。これまでの質問では、自分らしく生きる権利、つまり基本的人権の尊重について、あらゆる分野で提言を行ってまいりました。
そこでお伝えしてきたことは、一貫していました。一部の人のためだけではなく、社会全体で支え合う仕組みをつくっていくため、そのためにはお互いさまに状況を理解し、そして分かち合っていくことが大切である。そういう視点からずっと申し上げてまいりました。
しかし、今の社会の実態を見て、これまで提言に欠けていたことは、支え合い分かち合う前に、まず、多くの方たちの存在を認めることが必要だと思いました。日野市の行政しかり、人々の社会生活においても、権力ある者の意見が反映される現実は、いまだ否定できません。全ての人が対等な関係で日常を送るためには、他者を認めること。認めるといっても、人それぞれ様々な意味を含んでいると思います。あえて認め合うことを認め愛と表現させていただきました。
任期最後の一般質問は、人それぞれ様々な思いがある中で、もっと認め合える社会とするために、現状の一つ一つの施策の市の認識を再確認させていただきます。
また、憲法の三つの原則の一つである国民主権について、政治の在り方は国民が決め、一人ひとりが政治に対する意見を示す権利であると思います。本当に今、全ての人が対等な条件の中で意見を示すことができているのか、その環境が整えられているのか、確認をさせていただきたいと思います。
さきの総選挙において、これまでこの地域で活動してきた国会議員が突然の予期せぬ出来事から車椅子に乗って選挙を戦うこととなりました。小選挙区では力及ばず完敗でしたが、何とか比例復活を遂げ、この地域に初の車椅子の代議士が誕生いたしました。ソーシャルインクルージョンの実現のために、当事者の立場から国の制度や仕組みを見直すことができることを大いに活用し、今後も共に取り組んでいきたいと思っております。
そのような立場に置かれている方は、今の日本の制度や仕組みでは、障害者という表現でくくられています。このこと自体が私にとっては違和感です。しかし、条約や、法律や、条例、そして、プランにはこの文言が使われておりますので、不本意ではありますが、あえてその表現をいたしますことを初めに申し上げさせていただきます。
2006年に障害者権利条約が採択され、障害は個人ではなく社会の側にあり、障害者の権利と尊重を保証するという考え方が世界的に広まってきました。日本でも2013年6月に障害者差別解消法が成立し、翌年施行されました。日野市でも障害者差別解消推進条例が2020年に施行されました。
今、社会にある障害を取り除くこと、まさに求められていることです。障害を個人のモデルとして捉えてきた従来の考え方を社会モデルとして考えていく、社会モデルの考え方の視点を獲得することで環境が変化していく、多様な人々がもっと暮らしやすい世の中になる。このことは、障害は障害者が努力をして解決するべきという意識ではなく、障害は周りの環境をみんなで変えていくことで解決していくという認識だと思います。
これまでの市政の取組を振り返っても、障害福祉計画をはじめ、第4期日野市高齢者福祉総合計画、新!ひのっ子すくすくプラン、第4次男女平等行動計画など、社会構造から改善を第一に考えていくところが見てとれております。
障害者計画の基本目標1には、認め合い暮らす。認め合いという言葉を既に使っていらっしゃいました。この計画は6か年、既に取り組んでいることについて、市への確認をさせていただきます。
最初の質問です。
この間、障害者差別解消地域協議会の立ち上げと障害者差別解消推進の取組を前に進め、適切な相談対応をしてこられたことを、プランの進行管理表で確認をしております。障害者差別事案に関する相談で、令和2年度に困難事例はなかったとのことです。日常的に感じる差別こそ、私はくみしなければならないことだと思っております。
困難事例と判断しなかったが、ほかにはどのような事例があったのか。どのように判断をして、適切な対応はどのようなものだったのかについて、最初の質問をさせていただきます。
288 ◯副議長(谷 和彦君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
289 ◯健康福祉部長(山下義之君) 日野市障害者差別解消推進条例に基づく障害を理由とする差別等事案に関する相談について答弁をさせていただきます。
現在、市では、日野市障害者差別解消推進条例に基づき障害福祉課等で障害を理由とする差別に関する相談をお受けしております。相談があった際には、まずは、相談者御本人の主訴は何か、相談の背景に差別の問題が隠れていないかなどを丁寧にお聞きしております。その上で、相談者の意思を尊重し必要に応じて関係者へ聞取りを行いながら、お困りの状況を解決するための調整を行っているところでございます。また、事案が解決した後も必要に応じて支援をしていくこととしております。
令和2年度は全部で8件の相談を受けており、その内訳としては、不当な差別的取扱いが4件、合理的配慮の不提供が4件となっております。
一例といたしましては、令和2年度にケーブルテレビで新型コロナウイルス感染症に関する市長の会見映像が配信された際、手話通訳もテロップもなかったことから聴覚障害者への配慮を行ってほしいとの御相談をいただきました。
これを受け、市のホームページで配信する際には、手話通訳及び字幕のテロップを追加し、解決につなげることができました。
なお、令和2年度に御相談をいただいた8件は、市で調整を行い、事案の当事者双方が納得をして全て解決に至っております。
御質問の困難事例とは判断しなかったとは、市の調整で双方納得して解決できたという意味でございます。
逆に、困難事例と判断する場合とは、市の調整では解決に至らず、日野市障害者差別解消支援地域協議会に解決の助言を仰ぐに至った場合を想定しております。
今後の対応として相談の多くが市の窓口での職員対応が原因となっていることを踏まえ、障害当事者の方に御協力をいただき、みんなにとって優しい窓口対応とは何だろうをテーマに職員研修向けの動画を作成しております。
まずは職員が条例の趣旨を十分に理解するとともに、相手を認め合い、尊重し、適切な合理的配慮の提供が行えるよう、周知啓発の取組を進めてまいります。
以上でございます。
290 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
291 ◯9番(森沢美和子君) 困難事例とは、差別を感じた方の困難ではなく、差別を受ける原因となった方との調整が困難であるという解釈であること。支援地域協議会の助言を求める困難事例が令和2年度にはなかったということで理解をいたしました。
分かち合うことについて困難はなかった。しかし、支え合いの中で困難を抱えている方が相談をしてこられたということは、その事実は受け止めていただきたいと思います。人間関係で差別を感じる事例が多いということ、その方の大切な存在を認めることから、全庁わたっての共有をお願いしたいと思います。
では、次の質問です。
認め合う社会の実現のために様々な施策が講じられておりますが、日野市でも協議会の設置などその存在を理解することから取組を始めた医療的ケア児の支援について、コーディネーターの役割や対応策の検討内容など協議会設置後の取組を教えてください。
292 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
293 ◯健康福祉部長(山下義之君) 医療的ケア児者への支援に関する取組について答弁させていただきます。
医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が、令和3年9月18日に施行されました。それに先立ち、市では令和3年8月19日、医師、訪問看護事業者、保健所、特別支援学校、障害福祉サービス事業者、医療的ケア児の家族などで構成されました日野市医療的ケア児等支援協議会を初めて開催いたしました。
御質問の医療的ケア児コーディネーターは、医療的ケア児とその家族からの相談に応じ、必要とされる医療、福祉、教育等の支援関係機関につなぐとともに、各支援関係機関を連携させるなど、医療的ケア児に対する支援を総合調整する重要な役割であると認識をしております。
一方で先行市の事例を調べていく中で、その役割が機能している事例がなかなか見当たらないのも実態でございます。
各支援機関をつなぐ役割として幅広い知識が必要であると考えてはおりますが、医療的ケア児の保護者からは、医療的ケア児を育てた経験を通じて得た知識を踏まえて相談に応じてもよいという声もいただいており、医療的ケア児の保護者にコーディネーター的役割を担ってもらうという手法も選択肢の一つと考えられます。
今後、当該コーディネーターの配置に向けて、当協議会を通じてどのような職種の方が担うことが望ましいのか等について検討してまいります。
以上でございます。
294 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
295 ◯9番(森沢美和子君) ありがとうございます。
協議会の実施から支援の方法を生み出していくこと、それを検討中であるということが分かりました。
自らケア児を育てて、同じ困難を経験した方の力は、私は専門職以上に貴重であると思います。何よりも同じ境遇にいる方を認めることができるからです。専門職とペアとなって専門的知見と経験値が組み合わさった支援となればよいと思います。
御検討の上、ピュアコーディネーターの協力、ピュアコーディネーターに御協力いただく場合は、労働者協同組合法の活用も視野に団体を立ち上げていくなどの御考慮もいただきたいと思います。
それでは、プランには、障害者の市政参画支援が障害福祉計画でも新たに加わっております。その最終年度目標には、障害者が市政に参画できるよう意思疎通の支援、資料提供、環境整備等の実施とあります。
障害者の市政参画の支援の二つ目には、障害者が選挙しやすい環境づくりを推進とあります。
令和2年度の実績には、障害者が選挙しやすい環境つくりのために選挙事務従事者用のマニュアルの作成、事務従事者への周知啓発を行ったとありますが、このことについて具体的な取組内容を伺います。
296 ◯副議長(谷 和彦君) 選挙管理委員会事務局長。
297 ◯選挙管理委員会事務局長(嵩原安嗣君) 障害者が選挙しやすい環境づくりのために選挙事務従事者用のマニュアルの作成等、具体的な周知啓発、取組内容についてお答えいたします。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行に伴い、地方公共団体の職員は障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止及び障害者への合理的配慮の提供が義務づけられました。これにより、選挙の投票事務を行う場合にも障害者差別解消法の趣旨及び公職選挙法の規定を踏まえた対応となり、選挙事務従事者用のマニュアルとして従来から作成しております投票所事務要領に、障害のある選挙人への対応についてを新たに追加し、全ての選挙人が平等に投票できるようにしているところでございます。
具体的には、不当な差別の取扱いとして、身体障害者補助犬の同伴を拒むこと、障害があることを理由に投票の順番を後回しにすること、障害のある選挙人本人を無視して介助者や付添者にのみ話しかけるなど、差別的な対応に注意することなどを明記しました。
また、合理的な配慮として投票所入り口の段差解消のためのスロープ設置、車椅子の配置、車椅子用の記載台の設置、点字器の用意、拡大鏡や筆談器等の用意、投票箱の投函口に識別点字シールの貼付、投票所内の表示に絵文字ピクトグラムを使用、手話通訳者の手配などを上げて、障害のある選挙人の方々が健常者と同じように不安なく投票ができるよう投票所の事務従事者に周知しております。
以上でございます。
298 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
299 ◯9番(森沢美和子君) ありがとうございます。
国の法律に準じた対応を、日野市独自のマニュアルとして選管でも創意工夫されて実施していることを理解いたしました。
認め合うことを前提に考えた基準であれば、これは当たり前のことです。2013年に法律ができてやっとつくられた社会生活の当たり前の基準、たった8年前のことです。障害を抱え、投票の権利さえなかなか遂行できなかった方たちは、これまでどうしていたのか。投票を諦めてしまった方もいらっしゃったと思います。今、ここで指摘することすら遅かったと私自身も反省をしております。
国の対応に準ずることを待っていたら、地域で自分らしく生きるための基本的人権すら阻害されてしまわないか、懸念することが、今、湧き上がってきました。この地域に見合った対策を考えていただきたいです。市内には、誰もが同じ条件の中で投票できる体制を求め、これまで長い間、活動してきた方もいらっしゃいます。
次の質問です。
現状、障害者の選挙参加について、視覚障害者は点字投票を行っておりますが、障害を抱える方々へ、選挙へ行こうという啓発活動はどのように行っているのでしょうか。
投票できる環境づくりと、投票するための情報提供という視点から具体的な例などを聞かせてください。
ごめんなさい、あと一つ。また、教育委員会と選挙管理委員会に、意思疎通に困難を抱えている知的障害者や発達障害者への主権者教育について、日野市の取組の現状を教えてください。
300 ◯副議長(谷 和彦君) 選挙管理委員会事務局長。
301 ◯選挙管理委員会事務局長(嵩原安嗣君) 私からは、障害者に対しての選挙に行こうという啓発活動、投票できる環境づくりと投票するための情報提供についてお答えいたします。
投票所へは様々な障害のある選挙人の方が来られます。お話をする際には、ゆっくり丁寧に繰り返し説明し、内容が理解されたことを確認しながら対応しております。
また、意思疎通が不得手な選挙人に対しては、質問や依頼をイラストにまとめたコミュニケーションボードなどを活用しております。自筆が困難な場合には本人の意思を確認した上で、補助者2名の立会いの下、代理投票を行い、視覚に障害のある方には点字による投票を、また、介護保険要介護5の方や、一定の障害の程度をお持ちの方などの郵便等による不在者投票も行っているところでございます。
10月の衆議院小選挙区選出議員選挙では、代理投票が326人、点字投票が92人、郵便等による不在者投票が28人ありました。また、選挙情報の提供として、音訳や点訳による東京ヘレン・ケラー協会が出版する点字ジャーナルの号外として、選挙のお知らせを配布し、投票所入場整理券の封筒に音声コードを印刷し、読取用機器により選挙に関する情報を音声で聞くことができるようにしております。
今後も投票に来られる全ての選挙人が平等に投票できるよう配慮しながら、投票環境の向上に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
302 ◯副議長(谷 和彦君) 教育部参事。
303 ◯教育部参事(谷川拓也君) 私からは、日野市立小・中学校における主権者教育の状況について御説明いたします。
現在、市内小・中学校では、新学習指導要領に基づき主権者教育を進めております。小学校及び中学校学習指導要領解説総則編には、現代的な諸問題に関する教科等横断的な教育内容の中に、主権者に関する教育として、社会科、特別の教科道徳、特別活動など関連する主要な内容が参考として示されております。日野市立学校は、授業や学校行事、児童会や生徒会活動、また、ボランティア活動等を通じて主権者としての資質能力を図っております。
教育委員会事務局といたしましては、学校が学習指導要領に基づいた教育活動を充実させ、子どもたちが主体的に主権者として必要な資質能力を身につけていけるよう支援をしてまいります。
私からは以上でございます。
304 ◯副議長(谷 和彦君) 選挙管理委員会事務局長。
305 ◯選挙管理委員会事務局長(嵩原安嗣君) 選挙管理委員会における主権者教育についての取組についてお答えいたします。
選挙管理委員会における主権者教育についてですが、現在、市内にあります都立の日野台高校と七生特別支援学校高等部に選挙管理委員会が出向き、1年に1度、選挙の仕組みや投票方法を学ぶ機会として、選挙管理委員会事務局の職員が講師となり選挙制度の内容をクイズ形式にした出前授業、実際の投票機材を使用し投票の流れを体験する模擬投票を行っております。
昨年、今年については新型コロナの影響で実施できませんでしたが、来年以降も継続的に実施し、啓発に努めてまいりたいと考えております。
また、市内の中学校からの依頼により、投票箱や投票記載台などの貸出しも行っております。
以上でございます。
306 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
307 ◯9番(森沢美和子君) 投票するための情報は、音訳や点字などの選挙案内を行っている。投票できる環境づくりは、丁寧な説明や筆談ボードや代筆などで行っているとのことでした。
また、次の質問の意図である意思疎通に困難を抱えている方々への具体的な対応を含んだ主権者教育という観点からは、選管では出前授業を年に1回行っているということが分かりました。大切なことだと思いますが、いずれも高等部で、各学校の希望で行っているというようです。
小学校、中学校での実施は、教育委員会からの答弁で、学習指導要領に基づいた教育の中で主体的に主権者としての資質を身につけるという内容でしたが、ちょっと具体的なところが分からなかったと思います。恐らく各学校の取組となるのだと思います。
知的や発達に困難を抱える方、または認知症などの方は、意思疎通にも困難を抱えています。個々の事情に応じた生きる権利の認め合いを共有していただきたいと思います。
ここでは、各地域で先進的な事例として、狛江市の主権者教育の手引きというのを参考にさせていただきます。狛江市では、誰にとっても優しい選挙を広め、分かりやすさと模擬投票に取り組んでこられました。模擬投票は日野市の選管でも取り組んでいらっしゃいましたし、日野市の学校教育においても、児童会や生徒会などで自らが選ぶという実践がされていると思います。
では、意思疎通に困難を抱える方たちへどう伝えていくか。それがどうすれば分かりやすいか。狛江市の手引には、実際に取り組んできた事例が書かれていました。18歳で実際に選挙を行使することを目標として、小学部では選択力を身につけること、中学部では意思を他者に伝える力を身につけること、そして、高等部は課題を解決する方法を身につけると、段階を踏んだ実践が丁寧に記されていました。
それ以外にも、「選挙って?」何から始まり、決まりごとは自分たちでは決められません。他の人が別の考えを持っているかもしれません。そのために、みんなのことをじっくり考えてくれる人がいてくれるといいよね。そういう自分たちの代表を選ぶことが選挙なんだよ。このような内容でした。支え合い、分かち合っていく社会を伝えているように思います。
でも、あと一歩足りないこと。それは、私たちがこの方たちの当たり前に投票できる権利を認めていない、社会自体が認めていないということではないのかなと思いました。
判断能力というところで、少し触れさせていただきます。障害者計画の施策にもありました障害者の権利擁護制度の周知と利用促進についてです。障害者計画です。
プランには、個人の権利を守るための成年後見制度の利用の促進とありました。主に、これは財産管理の能力を判断し利用する制度であり、私も必要性は認めております。
1945年に公職選挙法が制定され二十歳以上の男女が等しく投票できる普通選挙権、普通選挙が行われてきましたが、そこには禁治産者と被後見人という個人の能力で選挙権が制限をされていました。個人の判断能力を、他人や法律が判断してしまうことには疑問を感じます。
前回の一般質問で取り上げさせていただいたエールの療育においては、訓練することで特性を伸ばす、そこに重点を置いていると思います。
この制限は、2013年の東京地裁の違憲判決などから撤廃をされ、いわゆる後見類型とされた方々の選挙権が回復をいたしました。ここに改正公職選挙法が成立したことで、本当の意味での完全普通選挙権が実現をしております。現在は、18歳以上の方は、その能力に問わず選挙権があるのです。今の社会の不条理を一番伝えていただきたい方たちだと私は思っております。
しかし、それを実行するための日野市の現状は、公的教育や選管でも、療育の訓練とまでは及ばない現状だと思っております。今の社会がその必要性を認めていないのではと疑ってしまいます。日野市の障害者計画、そして差別解消推進条例にのっとり障害者の選挙参加については、身体的な困難をお持ちの方のみならず、意思疎通に困難を抱えている方たちの支援をぜひ考えていただきたく御配慮いただきますようお願いをいたします。
次に、冒頭述べた社会モデルの考え方の視点を獲得することで、環境は変化し多様な人々がもっと暮らしやすい世の中になる、障害は周りの環境をみんなで変えていくことで解決していくという意識についてです。
まず初めに、ユニバーサルデザインのまちづくり、市のこれまでの取組について詳細を教えてください。
308 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
309
◯まちづくり部長(宮田 守君) ユニバーサルデザインの取組についてでございます。
市では平成21年4月に市、市民、事業者の参画、連携、協働の下、日野市ユニバーサルデザイン推進条例を施行いたしました。
本条例は、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進するために必要なことを定めることにより、市民誰もが自らの意思で自由に行動し、あらゆる活動に参加し、人生を楽しみながら希望を持って生きられる社会を築くことを目的としております。
また、本条例に基づき平成22年1月に、市のユニバーサルデザインのまちづくりに関する施策を、総合的かつ計画的に推進する上で必要な事項を調査、審議するため、日野市ユニバーサルデザイン推進協議会を発足させ、現在の委員は障害当事者3名を含む計12名で構成をしているところであります。
また平成24年6月に本協議会及び市民によるバリアフリー点検のためのまち歩き、施設点検、ワークショップを実施するとともに、障害者、高齢者、子育て世帯などにヒアリングを行い、誰もが自由に快適に移動でき、かつ情報を発信し得られるユニバーサルデザインのまちづくりを目指し、日野市ユニバーサルデザインまちづくり推進計画を策定したところであります。
本計画では第二次日野市バリアフリー基本構想を位置づけ、駅周辺を中心とした七つの重点整備地区を定め、これまでにこのバリアフリー整備を進めてきたことにより令和2年度末時点で計画事業の約65%が達成されているところであります。
本計画については、令和3年度に計画期間の満了に伴う改定作業を行っており、これまで取り組んできた事業の達成度を評価した上で、課題を整理し、事業内容の見直しを行っているところであります。
あわせまして、心のバリアフリーの強化として、教育啓発特定事業を新たに位置づけることで現在検討を行っているところであります。
計画改定に向けた今後の予定としては、ユニバーサルデザイン推進協議会にお諮りしながら、令和4年1月に素案の作成、2月にパブリックコメント、その上で3月の改定計画の策定につなげてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
310 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
311 ◯9番(森沢美和子君) 日野市は、認め合うまちづくりを10年以上前から推進し、まち歩きなど、人が感じて気づくことでつながるといったきっかけも提供しているということをよく理解できました。
では、プランの障害理解促進・啓発事業で心のバリアフリー職員研修について伺います。
令和2年度はコロナ禍で中止、令和3年度は聴覚障害関係で実施目標となっておりますが、具体的な心のバリアフリー研修の内容を教えてください。
312 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
313
◯まちづくり部長(宮田 守君) 心のバリアフリーの取組についてでございます。ユニバーサルデザイン推進計画では、物理的なバリアフリーだけではなく、高齢者や障害者等に対する偏見などをなくし、理解、協力する心を持つ、いわゆる心のバリアフリーへの取組を位置づけしております。
その一環として、市では、障害者や高齢者、乳幼児連れなどの方へ、よりよい対応をするための職員研修の推進を掲げ、心のバリアフリー研修を実施してきているところであります。
この研修は、窓口業務のある職場から約30名程度の職員を集め、コロナ禍であった昨年度を除き、平成25年度より毎年度開催をしてきているところであります。
この研修は、障害当事者が感じている困難を自らの問題として認識することを目的とし、障害当事者から講演をいただくということと体験講習の2部の構成で実施をしてきております。
これまで実施してきた主な内容としましては、肢体障害の講演、車椅子体験や聴覚障害に関する講演、手話体験及び視覚障害に関する講演、アイマスク着用による白杖体験等を実施してきております。
研修を受けた職員へのアンケートでは、講義を聞いて障害に対する自身の考えから変えていかなければならないと感じたとか、日常では気づかない様々な不便さを実感することができたなどの感想が多く、それぞれの窓口業務に生かされているものと考えております。
なお、令和3年度の研修は、去る11月19日に日野市聴覚障害者協会より講師を招き、当事者の方の講演と手話体験を行ったところであります。また、令和4年度からは、障害福祉課で実施する差別解消に向けた職員研修との連携を図り、より効果的な講習となるよう検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
314 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
315 ◯9番(森沢美和子君) 当事者の気持ちを理解することで、その境界をなくすことも対人援助職が学ぶ心のバリアフリーであると思います。
窓口職員の研修をユニバーサルデザインの一環として、担当の都市計画課が障害福祉課と連携して推進をしているとのことでした。心のバリアフリーという部分は、人が直接当事者と関わることでしかできないのでしょうか。私は、教育啓発以外にもできると思います。まちづくりという観点から心のバリアフリーの提案をさせていただくとしたら、こういう側面もあるのかなと、次の質問をさせていただきます。
とうきょうユニバーサルナビなどから、主要な施設は事前にバリアフリーを確認することができますが、当事者が訪れたいときの不安解消のためのバリアフリーマップなどの作成はあるのでしょうか。
316 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
317
◯まちづくり部長(宮田 守君) バリアフリーマップについてでございます。バリアフリーマップにつきましては、以前からユニバーサルデザイン推進協議会においても、公共施設だけでなく広い範囲を網羅したものが欲しい。また、ホームページにも載せてほしいなどの御意見をいただいており、継続して検討を行ってきております。
バリアフリーマップの課題としましては、高齢者や障害者当事者の利用実態に即すことが必要であることや、紙媒体では内容の変更等があった際の随時の更新が困難であることが上げられております。
今後は、高齢者や障害者の当事者目線で実用性や運用しやすい媒体等について、本協議会にて検討を行い、併せて改定作業中のユニバーサルデザイン推進計画の中に施策としての位置づけを行ってまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
318 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
319 ◯9番(森沢美和子君) これは渋川市の事例から質問をさせていただきました。伊香保温泉で有名なあの石段のある観光地ですが、車椅子ユーザーが観光を楽しめる石段の迂回路を示したマップが紙媒体で記されていました、作られていました。全ての方が不安なく快適な観光ができること、安心できる日々の生活を送るための事前情報も心のバリアフリーなのかなと思いました。その地域に合った求められる対応を、協議会にて御検討いただきたいと思います。
次に、私が日野市内で一番歩いている道、そこで気づいたことです。
自宅と最寄り駅の豊田駅をつなぐ道は、もう半世紀以上歩いております。そこで設置されている点字ブロックについて、福祉に携わる者であったんですけど、詳細に認識していなかったことを大きく反省をしているところです。
豊田駅北口からの都道なんですけれども、両脇の歩道には点字ブロックが設置されています。その道のりで、日野二中の入り口の交差点から多摩平五丁目の信号までの歩道ですね、そこの点字ブロックは、直線で2列設置となっています。先日、雨の日に若者が乗る自転車の車輪が点字ブロックのへりにはまり転倒されて、後に救急搬送されたという情報を市民の方からいただきました。
そこで、この点字ブロックの設置について伺います。市内には、点字ブロックが1段のところと、直線でも2段のところがあるんですけれども、その目的を教えてください。
320 ◯副議長(谷 和彦君)
まちづくり部長。
321
◯まちづくり部長(宮田 守君) 視覚障害者誘導ブロックについてでございます。視覚障害者誘導ブロックの設置方法につきましては、国より、視覚障害者誘導用ブロック設置指針が示されており、横断歩道接続部は横断歩道に合わせて2列設置し、また、出入口等の注意喚起部についても原則2列設置することとなっておりますが、連続的に案内を行う誘導ブロックについては原則1列で設置することとなっております。
議員御指摘の箇所は、東京都管理の道路となっており、連続的に案内を行う誘導ブロックが2列で設置されており、このことについては平成30年に実施しましたユニバーサルデザイン推進協議会での豊田地区のまち歩きをした際にも、視覚障害当事者より設置の意図が分からない、分かりづらいなどの御意見が出されていたところであります。
このことも踏まえ、今後、東京都による舗装改修等の際には指針等に基づいた整備を行うよう、道路管理者である東京都南多摩西部建設事務所と調整をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
322 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
323 ◯9番(森沢美和子君) 点字ブロックの設置により、視覚に困難を抱える方がまちを歩く光景は日常となってきました。認め合いのまちとなりつつありますが、その一方で、それが障壁となってしまうこともあるようです。
既に3年も前に当事者の方から声が出ているということです。全ての方たちが分かり合えるまちづくりを進めていっていただきたいと思います。
また、視覚に困難を抱える方のための音声装置付信号機ですが、設置されているボタンの向いている方向が、それぞれの信号によってまちまちであるということに、ちょっとつい先日、気づいたんですけれども、当事者の方が迷われないのかなと思ったりもいたしました。それぞれの立場にある方が認め合える社会は、私たち自身もその状態を理解する必要があるのではないのかなと思いました。心のバリアフリーとは、人が介して当事者の気持ちに気づき、まちづくりを考えていくことでも実現できるのではないかなと思いました。
市としても、なお、まちづくりにおける心のバリアフリー実現をさらに前に進めていっていただきたいと思います。移動に困難を抱えている方たちは、まだまだたくさんいらっしゃると思います。外出するときに支援を必要とする方もいます。
次の質問をさせていただきます。プランの外出支援等サービスの充実について。
重度障害者に対応する同行支援と行動援護の福祉サービスは条件がとても厳しい現状なんですけれども、地域生活支援事業の移動支援においては、日野市独自の認定資格をつくることになり、福祉人材育成事業の委託業務で事業開始とのことですが、その詳細を教えていただけますでしょうか。
324 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
325 ◯健康福祉部長(山下義之君) 日野市障害者福祉人材育成事業の取組の中で、令和3年度から実施することといたしました日野市独自の移動支援従事者養成研修についてお答えをいたします。
移動支援とは、視覚、下肢、体幹などの機能障害による身体障害者手帳、愛の手帳、精神保健福祉手帳、自立支援医療証の交付を受けている屋外での移動が困難な小学生以上の方を利用対象としており、通勤、通学、営利目的以外の社会生活上必要不可欠な外出や余暇活動等のための外出の際に移動の支援をするサービスのことでございます。
移動支援事業におきまして、若い方々には活動的な利用ニーズ、例えば早足の散歩、丘陵地のハイキングなどが多くあるものの、そのニーズに合った支援ができる体力のある従事者が特に不足をしている現状がございます。これまでは東京都の研修修了者に限って従事できる仕組みで運用しておりましたが、人材不足の課題に対応するため、市独自の研修の仕組みを日野市障害者福祉人材育成事業の中に導入し運用を始めました。明星大学及び日野市内社会福祉法人ネットワークと連携し、明星大学の人文学部福祉実践学科の学生を対象に市独自の研修に参加していただけるよう学生を募集した結果、初年度である令和3年度は7名の参加がございました。
また、当該の研修では、移動支援の講師や現場実習の受入先として五つの事業所に御協力をいただいており、受入先事業所内での現場実習や、最終日には利用者と受講生、講師の皆さんと多摩動物公園への外出で現場実習を実施し、研修を修了しております。
その後の流れでございますが、市は研修の修了者を雇用していただける事業者と協定を締結し、協定事業所は、研修修了者で移動支援に従事することを希望する方と雇用契約を結び、実際の現場でOJTを原則24時間修了すると移動支援従事者として独り立ちできる仕組みとしております。
以上のように、学生が障害福祉に関心を持ち、日野市独自の研修を受講し、実際の支援に関わっていただくことで、短期的には移動支援従事者が増えることによるサービス利用件数の増、長期的には市内の障害福祉サービス事業所に就職し、障害福祉を担うような人材となっていただくことを願って事業を継続していきたいと考えております。
以上でございます。
326 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
327 ◯9番(森沢美和子君) 福祉人材不足を将来的に見据え、移動に困難を抱える方の支援充実のため、雇用あっせんにもなるという、考え抜かれたと思われるすばらしい事業の実施だと思いました。
このように支援の足りていないところに学生や民間の力とのコーディネートは、認め合いから始まると思います。このような視点からの他の事業の創設もぜひ期待をいたします。
では、次に、地域自立支援協議会相談支援部会の運営について質問をいたします。
障害のある人の支援体制の整備、人権と権利を守るための啓発と体制の充実にはセルフの対応、基幹相談支援センターの検討、そして、市による独自の支援策について検討ということがプランに記されていたのですが、どんな検討をしているのでしょうか。
328 ◯副議長(谷 和彦君) 健康福祉部長。
329 ◯健康福祉部長(山下義之君) 障害福祉サービスを受給するサービスの計画作成についてでございます。まずお答えいたします。
サービスの計画作成は、基本的には民間の専門の相談員が応じますが、御自分で作成することも可能であり、これをセルフプランというような形で呼んでおります。市では、このセルフプランの作成の比率が高い状況でありますけれども、比率が高くなる要因の一つとして、事業所のマンパワー不足で新規計画相談を引き受けてくれる事業者がなかなか見つからず、結果的に自分で作成しなければならないこととなる場合があり、市としての課題の一つと考えております。国も令和4年の報酬改定において改善を図ったところでございますが、効果があるかどうかは、これから国において検証をされていくことと思います。
市といたしましても、地域自立支援協議会の部会である相談支援部会でセルフプランの課題を話し合っているものの、報酬額が主な要因だといたしますと市単独での改善は難しく、国が定める報酬のさらなる改善が必要だと考えております。
次に、基幹相談支援センターの検討状況でございます。近年は、認知症の親、障害があるひきこもりの当事者等、複数の問題を抱え、世帯全体を見渡して支援しなければならないケースも増えてきております。こうしたケースにつきましては、単独の事業者だけでは対応することは困難な状況でございます。一般的には、関係機関が集まって支援会議を開き支援をすることになりますが、必ずしも各機関の連携がスムーズとは言えない状況でございます。
地域の相談支援の拠点といたしまして、総合的、専門的な相談支援等の地域における相談支援の中核的役割を担う機関として基幹相談支援センターがございますが、障害分野のみでは解決できない事案も増えてきていることから、精神、知的、身体の3障害を所掌範囲とする障害の基幹相談支援センターでは現状に追いつかないことが想定をされます。基幹相談支援センターの整備については、令和2年度に策定しました第6期日野市障害福祉計画におきまして財源の確保、整備方法等を引き続き、日野市地域自立支援協議会等での協議や先行事例等を参考としながら検討を進めることとしております。
今後も日野市地域自立支援協議会の相談支援部会を中心に、既存の相談支援事業から見えてくる課題などを整理しながら、高齢、生活困窮、障害など、福祉分野全体を見渡せる支援体制の在り方も念頭に置いて、日野市が目指すべき基幹相談支援センターについて議論を進めてまいります。
以上でございます。
330 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
331 ◯9番(森沢美和子君) 適切なサービスを利用するための計画相談が、事業者不足と国の制度や仕組みから自治体でも課題であるとのことでした。
複合的なニーズを抱えている家庭が多く、家族それぞれが困難を抱えているケースもある。障害にかかわらず基幹相談があったとしても、複合的なニーズから機能を果たせないという懸念を持ち、次の対策を模索しているということでした。
社会的課題が悪化すると、家庭生活は悪循環を招いてしまうという現実があります。市が検討している間に市民の新たな課題も発生してしまいます。コロナ禍でも経験したように、人は、いつどこで、突然、何が起こるか予測できません。いざというときの公共サービスが足りない現状だったとしたら、市民の不安はさらにあおります。市民生活の状況は流動的だからこそ、近い将来には、福祉分野全体を見渡せる日野市が目指すべき持続可能な基幹相談の必要性を私も感じます。
障害という定義には、長年にわたり日常生活や社会生活に制限を受ける状態が続くこと、それが障害です。回復がすぐに見込めないという現実があるのです。だからニーズは増える一方であるということを、まず社会で認めていかなければならないと思います。
頑張ろうとしても頑張ることができないと感じている方、それは支援者であっても、困難な状況にある人であっても、同様に感じていることです。それぞれの立場を認め合うことから、国の制度を待つのではなく、日野市独自で生み出した移動支援のような現場の困難を改善する制度の仕組みを基礎自治体で先行して行い、日野市から認め合う社会の啓発を行っていただきたいと思います。
障害福祉計画でも掲げている認め合い暮らす、何か困難が起こってから気づく、このことは誰かが置き去りにされる困難かもしれません。これが、今の社会の流れであっては、誰も置き去りにしないということは厳しいと思います。声を上げてもらうことはもちろん必要です。しかし、ノイジーマイノリティーよりもサイレントマイノリティーの方々こそ困難を抱えているというのが今の社会ではないでしょうか。市民の声に向き合ってきたというこれまでの役所業務の手法には、恐らくなかったと思います。届かない声を拾いに行く、大切な存在を認めるという観点から、まちを歩きながら、その方たちの立場となって考え、対策を生み出していただきたいと思っております。まずは、行政と議員間でも認め合うことから始めてまいりましょう。市政は、今以上に前に進むと思っております。
では最後に、市長の御所見をいただきたいと思います。お願いします。
332 ◯副議長(谷 和彦君) 市長。
333 ◯市長(大坪冬彦君) 森沢美和子議員より認め愛の社会生活への実現、主権者教育について、日野市障害者計画より学ぶということで御質問をいただきました。
認め合い暮らすというキーワードから質問に入っていただきました。障害の社会モデル、周りの環境を改善していく、それだけではなくてというお話をいただきました。最後にサイレントマジョリティー、(「マイノリティー」と呼ぶ者あり)声を上げた方の声を拾いに行くだけではなくてという話をいただいたかなと思います。そういう視点でどこまでやれているかということで、障害者計画についてそれに沿って質問いただいたかなというふうに思います。
日野市は、2020年に市の条例で差別解消条例をつくりということで、その運営についての実態について、先ほど健康福祉部長より答弁させていただきました。まだこれからという話であります。今のところ困難事例ではないけれどもという指摘もいただきました。
医療的ケア児については、新しいサービスとして法も変わって、これから始めている。まずは協議会から始めるということであります。先行事例を参考にしながら、かなりの困難が伴いますけども、ようやく始まったということでありますので、しっかりと根づかせる形で支援の輪を広げていく、そして、支援の社会資源をより充実させていくように努めていきたいと思ってるところでございます。
そして選挙がありました。今年は選挙たくさんありましたけども、その場合に、やはり、ややもすると障害者の投票についてのいろんなケア、それについてどこまでできているかという話でございます。先ほど御質問いただきました視点をこれからも生かしていただく。
主権者教育といった場合に、今、選挙投票年齢が18歳になったということで、そこばかりに注目が行きますけども、当然、それだけではなくてという話が必要であるということであります。様々な工夫を行っておりますけども、これからさらに、まだまだ足りない部分が多々ございますので、しっかりやっていかなければならないというふうに思っております。
学校における主権者教育の話もありました。障害児の学校、それぞれの持ち場における教育もこれから必要なのかなと思っておりますので、健常児だけではなくてという話が必要なのかなというふうに思います。
日野市は、ユニバーサルデザインのまちづくりをこの間、取り組んでまいりました。様々な歴史があってということで部長から答弁がありましたけれども、その到達点を踏まえて、これからさらに充実を図っていくのかなというふうに思います。バリアフリーマップの作成についても、これから検討していかなければならないということであります。ちょっと時間がなくてすみません。
最後に、基幹型の相談支援センターの話をいただきました。非常に難しい話であります。例えば高齢者の地域包括支援センターがあって、様々であります。この間、日野市は、特定の分野に偏らず、あらゆるよろず相談を受けるようなトライ、試みを行ってきましたけれども、必ずしもうまくいっていない、どうするかという課題もございます。各分野において総合的な相談支援の問題提起があって、それがなかなかうまくいってない。それぞれの分野において、いろんな課題があって、その課題に対する実験の経験を踏まえてどうしていくのかというのが問われていると思います。しっかりとこの分野、先進事例を学びながら、今までの経験を生かして、各分野の垣根を越えた形での相談支援センターをつくる努力をしていきたいと思っております。
以上です。
334 ◯副議長(谷 和彦君) 森沢美和子議員。
335 ◯9番(森沢美和子君) 市長、ありがとうございました。
一つ一つの質問に言及をしていただいたことに感謝申し上げます。
これで私の一般質問を終わります。
336 ◯副議長(谷 和彦君) これをもって森沢美和子議員の一般質問を終わります。
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337 ◯副議長(谷 和彦君) 本日の日程は全て終わりました。
明日の本会議は午前10時より開議いたします。時間厳守で御参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後4時42分 散会
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