調布市議会 > 2013-12-05 >
平成25年 第4回 定例会−12月05日-04号

ツイート シェア
  1. 調布市議会 2013-12-05
    平成25年 第4回 定例会−12月05日-04号


    取得元: 調布市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    平成25年 第4回 定例会−12月05日-04号平成25年 第4回 定例会       平 成                        第4回           調布市議会会議録第 21 号       25年                        定例会      12月 5日(木曜日)        出席議員(28人)          第 1番議員            平 野   充          第 2番議員            須 山 妙 子          第 3番議員            高 橋 祐 司          第 4番議員            ドゥマンジュ恭子          第 5番議員            清 水 仁 恵          第 6番議員            福 田 貴 史          第 7番議員            鈴 木 宗 貴          第 8番議員            田 中 久 和          第 9番議員            橘   正 俊          第10番議員            内 藤 美貴子          第11番議員            雨 宮 英 雄          第12番議員            井 樋 匡 利
             第13番議員            井 上 耕 志          第14番議員            宮 本 和 実          第15番議員            川 畑 英 樹          第16番議員            小 林 充 夫          第17番議員            渡 辺 進二郎          第18番議員            鮎 川 有 祐          第19番議員            小 林 市 之          第20番議員            大 河 巳渡子          第21番議員            雨 宮 幸 男          第22番議員            武 藤 千 里          第23番議員            広 瀬 美知子          第24番議員            漁   郡 司          第25番議員            林   明 裕          第26番議員            伊 藤   学          第27番議員            大須賀 浩 裕          第28番議員            元 木   勇        欠席議員(0人)        ―――――――――――― ―― ――――――――――――        出席説明員          市長                長 友 貴 樹          副市長               小 林 一 三          副市長               初 宿 和 夫          教育長               大和田 正 治          行政経営部長            伊 藤 栄 敏          調整担当部長            長 岡 博 之          総務部長              小 杉   茂          危機管理担当部長          広 田 茂 雄          市民部長              金 子 収 二          生活文化スポーツ部長        花 角 美智子          産業振興担当部長          八 田 主 税          子ども生活部長           大 木 正 勝          福祉健康部長            山 本 雅 章          福祉健康部参事           吉 田 育 子          環境部長              柏 原 公 毅          都市整備部長            岩 本 宏 樹          都市整備部参事           江 田 信 久          会計管理者             肥 田 文 隆          教育部長              宇津木 光次郎          選挙管理委員会事務局長       大 森 康 正          監査事務局長            風 間 直 樹        ―――――――――――― ―― ――――――――――――        事務局職員出席者          事務局長              小 林 明 信          事務局次長             堀 江 正 憲          事務局主幹             宮 川 節 夫          議事係長              佐 野 竜 也 12月 5日 議事日程(第4号)  第 1   一 般 質 問        48  10番 内 藤 美貴子 議員        49   4番 ドゥマンジュ恭子 議員        50  13番 井 上 耕 志 議員        51  15番 川 畑 英 樹 議員        52   5番 清 水 仁 恵 議員        53  20番 大 河 巳渡子 議員    午前 9時10分 開議 ○林明裕 議長  おはようございます。ただいまより、平成25年第4回調布市議会定例会を再開いたします。  ただいまの出席議員の数は28人であります。したがいまして、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。  直ちに会議に入ります。  日程に入る前に、本日も行政経営部広報課並びに議会事務局による本会議場の写真撮影を許可しておりますので、御了承をお願いいたします。  これより日程に入ります。        ――――――――――― ―― ――――――――――― △第1 一般質問     48 10番 内藤美貴子議員 ○林明裕 議長  日程第1 一般質問。  昨日に引き続きまして、質問通告の順序により10番、内藤美貴子議員の質問を許します。  10番、内藤美貴子議員。    〔10番 内藤美貴子議員質問者席登壇〕 ◆10番(内藤美貴子 議員)  皆様、おはようございます。議席番号10番、公明党の内藤美貴子でございます。ただいま林明裕議長より発言のお許しをいただきましたので、これより一問一答方式で一般質問をさせていただきます。  2020年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることが決定しました。東京招致ではパラリンピック陸上の女子選手が、義足になっても苦難を乗り越えて夢をつかむことができたというスピーチには本当に感動いたしました。1964年に開催された東京オリンピックと大きく変わる点は、パラリンピックが開催されることであります。開催までの7年間で障害を持っている方もスポーツを安心して楽しめるよう、環境整備が加速されることを期待しているところでございます。  さて、障害者への差別を禁止し、尊厳と権利を保障することを義務づけた国連障害者権利条約は既に130カ国が批准しておりますが、日本においてもいよいよ昨日の参院本会議で、この障害者権利条約の締結承認案が全会一致で正式に承認されました。差別のない共生社会の実現に向けて、公明党は日本の批准を目指すために国内法の整備が必要との御意見を受けて進めてまいりました。  障害者施策の憲法と言われる障害者基本法が平成23年8月に改正され、障害のある人の法律や制度について国連障害者権利条約の考え方に合わせて改正されたほか、この7年ぐらいで障害者福祉の仕組みを新たにする法律や障害のある人への差別を禁止する法律など、障害者関連の法整備が集中的に進んでまいりました。今後は障害者関連の法律に見合った制度が整備されるよう、受け皿となっている自治体での対応が重要になります。  そこで、大きく3点にわたり質問をさせていただきます。初めに、ともに暮らす地域社会の構築について3点伺います。  まず、障害者差別解消法による環境整備についてお伺いいたします。障害を理由に差別することを禁止する障害者差別解消法が6月19日に成立し、2016年4月1日からの施行となります。目的は共生社会の実現を目指すものであり、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律と名づけられています。障害者差別解消法は、障害者基本法で禁止されている障害に基づく差別について具体化されたもので、国連の障害者権利条約を庇護するために必要な国内法の整備とも位置づけられています。  障害者差別解消法の大きなポイントは、障害を理由とした差別的取り扱いと、障害者に必要な配慮や措置を講じない合理的配慮の不提供の禁止であります。つまり、例えば目の見えない人に点字などで物事を説明したり、耳が聞こえない人に手話通訳などを提供したりすることを、国や地方自治体などの公的機関は義務化されます。差別の解消は、障害者が何を差別と感じるかを一つ一つ国民の皆様にわかってもらう作業であります。法律名が禁止ではなく解消法になった意義は、そこにあると言われております。  そこでお尋ねをいたしますが、障害者差別解消法の意味についてどのように認識されているのでしょうか。また、この法律に定められている合理的配慮の不提供の禁止。これは先ほど述べましたように障害を理由とした差別的取り扱いと、障害者に必要な配慮や措置を講じないことへの禁止が義務づけられたことについては全庁的な意識改革が重要であります。このことについて、どのように取り組まれていくのでしょうか。御答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  障害者差別解消法についてお答えします。  障害者差別解消法の意義についてですが、法の目的は全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進するものとされております。平成25年度からの調布市基本構想においても、まちづくりの基本理念を個の尊重、共生の実現として、市民一人一人が性別や年齢、障害の有無等に関係なく互いを尊重し、支え合い、助け合いながら自己実現できるまちづくりを進めることとしております。法の意義は市の基本理念と合致しているものであり、法の規定に基づき共生のまちづくりの具現化を図ってまいります。  次に、全庁的な意識改革についてであります。法に基づく施策については、国が基本方針を定めることとしています。国や地方公共団体、独立行政法人等はその基本方針に即し、職員対応要領の作成に努めることとなります。  障害者差別解消法では、障害者に対する合理的配慮の不提供を禁止しています。つまり、障害者に対する配慮が不十分であることが差別につながるということです。障害当事者にとっては、日常生活に不便を感じていることが決して少なくないと思いますが、そのことが障害者に対する差別につながるということを職員が自覚しなければなりません。市から発するさまざまな情報などが、コミュニケーション支援が必要な障害者に配慮して提供されているのか、イベントを開催するに当たり障害者の参加を想定した配慮がなされているか、まず職員がそのような視点で企画に当たる必要があります。  共生社会の実現に向けた共通ルールを明確にして機能させていくために、調布市としては、障害者に対する理解の促進と法の普及に向けて職員の意識改革に取り組むほか、関係機関との連携を図るとともに市民に対する啓発活動を行ってまいります。法に基づき差別を解消するための必要な体制整備について、全庁的な取り組みを推進してまいります。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  御答弁ありがとうございました。職員への意識改革や障害者への配慮に対する取り組みなど、市の決意をお聞かせいただきました。今後、国では何が差別に該当するのかの判断基準や具体的な事例を示し、ガイドラインとして定められますが、それを受けて自治体でも作成していくことになります。差別のない共生社会を目指すための環境整備が着実に実行されますよう、お願いいたします。  2点目は、障害者総合支援法による支援策についてお伺いいたします。  本年4月1日から障害者自立支援法障害者総合支援法と改められ、障害者の日常生活や社会生活を総合的に支援する障害者福祉の仕組みが新たになりました。改正の主なポイントは、障害者の範囲の見直しがなされ、制度の谷間にあった難病患者が障害者の定義に追加され、障害福祉サービスが受けられるようになりました。また支援の必要度を判定する障害程度区分について、これまでの制度では身体状況に重点を置いて福祉サービスが決められていましたが、今後は心身の状態に応じて必要とされる支援の度合いを総合的に示す障害支援区分に改められました。  また、平成26年4月1日から重度訪問介護の対象者がこれまでの重度肢体不自由者に加え、重度の知的障害者、精神障害者に拡大されたほか、ケアホーム、グループホームへの一元化などが実施されます。  そこで2点お尋ねをいたしますが、調布市の障害福祉計画については平成24年度から26年度までになっていますが、今回の改正に当たりどのように計画に盛り込んでいかれるのか、今後の取り組みについてお聞かせください。  また、ケアホーム、グループホームが一元化されていきますが、調布市では市内で初めてとなる重度重複障害者ケアホームが26年5月に開設予定と伺っております。これまで重い障害を持つ子の親御さんから、親亡き後を考えて何とか施設をつくっていただきたいという切実なお訴えもありまして、これまで私も議会で取り上げさせていただきました。開設に当たっての御努力に対しましては高く評価させていただきます。しかし、知的障害者に対する受け入れ施設もまだまだ足りてないと聞いておりますし、重い障害がある当事者やその親も高齢化が進み、市にとっても地域生活の基盤となる住まいの場を拡充していくことが重要課題であると考えます。市の御見解をお聞かせください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  障害者総合支援法による支援策についてお答えいたします。  障害者総合支援法は、共生社会を実現するための基本理念を新たに掲げ、制度内容も障害者の範囲に難病等を加えるなど障害者支援を拡充する内容となっています。  特に、平成26年4月に施行が予定されている重度訪問介護の対象者拡大及びケアホームとグループホームの一元化は、障害福祉サービスの見込み量と目標値を定める障害福祉計画に大きくかかわるものであります。  平成26年度までを計画期間としている現在の障害福祉計画は、さまざまな意見を取り入れるため、学識経験者や障害当事者などから構成される策定委員会で議論を行うとともに、障害者地域自立支援協議会から提言を受け策定いたしました。平成27年度から平成29年度までを計画期間とする次期障害福祉計画も多くの方の意見を取り入れるため、同様の方法により平成26年度中に策定いたします。  計画策定に当たっては、重度訪問介護の拡大に伴い新たに対象となる利用者数及び利用量を適切に見込みます。またケアホームとグループホームの一元化の影響も勘案し、サービス量を見込んでまいります。  不足しているケアホーム、グループホームについては、平成25年度にケアホームを2カ所開設し、合計12人の定員拡大を図りました。平成26年度には、重度重複障害者ケアホームを開設するとともに新たな整備を計画しています。  また、調布市基本計画においても障害者グループホームの整備を基本計画事業として掲げており、平成26年度以降もその促進を図ってまいります。  今後については法改正の影響も見据えつつ、より効率的、効果的な方法で整備し、障害者が地域で自立した生活を送れるよう居住の場の確保を図ってまいります。  以上です。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。再質問させていただきます。
     重度訪問介護の対象者が拡大をされたことで、受け入れ施設の拡充が求められています。しかし、福祉の人材不足も大きな課題となっております。福祉人材の質を高めるための研修や人材確保に向けての取り組みも重要であると考えますが、御見解をお聞かせください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  福祉人材の質の向上及び人材確保のための取り組みについて再質問いただきましたので、お答えいたします。  議員御指摘のとおり、障害者一人一人に合った障害福祉サービスを提供するには、それを担う福祉人材の確保、質の向上は重要な課題であると認識しております。現在、調布市障害者地域自立支援協議会で福祉人材の育成をテーマに検討を重ねており、障害福祉分野における人材確保、ネットワークの形成や従事する職員の専門性を向上させるための課題が明らかになっております。その課題に対応するためには、現在、福祉職場で働いているヘルパーなど福祉従事者の質的向上を図るためのフォローアップや、職層別研修体制の構築が求められ、また多様な市民が福祉事業に携わり多くの人を支えていく必要があります。  そこで、福祉人材の研修、養成拠点の整備に向けて障害者地域自立支援協議会での議論を踏まえた検討を進め、福祉人材の質の向上と人材確保を目指してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。今回の改正に当たっての計画や施設整備の拡充についても、しっかり対応策について検討されていると御答弁いただきました。人材確保については、福祉人材の研修、養成拠点の整備への取り組みはますます重要になってくるかと思います。実現に向けて一層の御努力をお願いいたします。  次に、3点目の障害者優先調達推進法による就労、自立支援についてお伺いいたします。  厚生労働省の調査によりますと、障害者の総数は国民の約6%に当たる約744万人で、このうち雇用施策の対象者は約332万人となっています。また、そのうち一般企業の就労者は約37万人で、福祉的就労は20数万人という実態となっております。障害者の就労環境は自立というほどにはほど遠く、作業所の平均工賃は1人当たり月額1万3,000円程度と極めて低いのが現実であります。  そこで、障害者に経済的自立の道をつくるために本年4月、障害者優先調達推進法が施行され、国や地方自治体が障害者の就労施設から優先的に発注できる仕組みが整えられました。これにより障害者の就労機会の拡大や自立支援など、障害者の働く環境づくりが一歩前進されたわけでございます。これまでの法律では障害者の就労施設に発注できるのが物品に限られていましたが、今後は公園の清掃、印刷、ビルのメンテナンスなどの役務についても発注できるようになりました。  本日付の市報でございますが、もう皆様のお手元に届きましたでしょうか。12月3日から9日までが障害者週間ということで、それにちなんでこのように大きく掲載をしていただいておりますけれども、ここには、障害者優先調達推進法についてもこちらに記述をしていただきまして、障害者への理解や就労支援につながっていかれるのではと期待をするところでございます。  今後、自治体では障害者が就労施設でつくった製品の購入や清掃などの業務委託を優先的に行うよう、障害者施設の受注機会の拡大を図るよう求められています。また自治体では国の基本方針を受け優先発注を進める調達目標を立て、毎年、調達方針を策定し、調達の結果を公表するよう定められています。  そこでお尋ねをいたしますが、市内の作業所等における受注の現状はどうなっているのでしょうか。また施設の経営基盤の強化を図るため、受注機会の拡大に向けた調達目標、調達方針、調達結果の公表についてどのように検討されているのか、市の方向性をお聞かせください。御答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  障害者優先調達推進法に関する調布市の取り組み状況についてお答えいたします。  調布市では、法に基づき、本年10月1日に平成25年度の調達方針を策定しました。障害者の就労支援及び自立と社会参加の促進を図るため、障害者就労施設等からの物品及び役務の調達の維持・向上に努めるとの目標を定めており、特に市内の障害者就労施設を優先して物品などを調達する方針としております。市長部局に限った調達方針を策定している自治体もある中、調布市では全庁的に適用されるものとしています。  また、市内福祉作業所の数は43カ所ありますが、うち物品や役務を請け負うことのできる施設は28カ所となります。受注している業務は、菓子、手づくり品などの販売や、清掃、クリーニング、印刷、ポスティングなど多岐にわたり、メンタルヘルス講座コミュニケーション講座の講義を受注している施設もあります。  市役所の各部署の発注状況についてですが、物品のみならず公園清掃などの役務などさまざまなサービスが含まれており、過去の調達実績は近隣市を大きく上回る状況となっております。また市からの提案により会議録のテープ起こしやアンケート集計作業など、これまで取り組んでいなかった作業に対応した施設もあり、今後も障害者の特性を生かした業務の幅を広げる取り組みを進めてまいります。  なお、今年度の調達実績は年度終了後に取りまとめ、公表することとしています。  障害者就労施設等の受注の機会の増大を図り、働く障害者が地域で自立した生活を実現するため、引き続き全庁はもとより、関係団体に対しても法の周知と障害者支援施設等への発注の協力依頼をするなど、これまでの取り組みを一層推進してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。本市においては10月に調達方針が策定され、調達結果も公表するとのことでした。この法律には商品と業務の質を向上させるため、施設同士の連携や協力も推奨されております。また近年では、パソコン入力が得意な方もいらっしゃることからパソコンデータ入力業務を取り入れるなど、さらに仕事の幅を広げていかれますよう引き続き御努力をお願いいたします。  次に、大きく2点目の聴覚障害者(児)の情報・コミュニケーション支援についてお伺いいたします。  現在、日本で障害者手帳を持つ人は約27万人と言われておりますが、実際には日本の認定条件は国際的に見てもかなり厳しく、国連機関であるWHOの基準で算出すると、少なくても聴覚障害者の数は500万人を超えていると見られております。さらに日本は高齢化が加速しているため老人性の難聴者も激増していて、現段階での難聴者人口は約2,000万人となっているという説もあるようです。聴覚障害はコミュニケーション障害、情報障害とも呼ばれ、外見ではわからないために周囲に理解されなかったり、誤解をされるなどさまざまな不便を感じて生活されています。  公明党の推進で日本映画への字幕が導入をされ、映画のバリアフリー化が徐々に進んでおりますが、日本のテレビへの字幕は4割強という現状で、聴覚障害者への情報のバリアフリー化への促進が急がれているところであります。聴覚障害者にとって生きる力である情報を確保するために、本市における支援策について3点お伺いいたします。  まず、中途失聴者、難聴者への要約筆記についてお伺いいたします。聴覚障害者の情報・コミュニケーション支援には手話、要約筆記、筆談などがありますが、中途失聴者や難聴者には手話がわからない人が多く、要約筆記による支援が必要であります。  要約筆記は話の内容だけではなく、放送や笑い声などの周辺の音声情報も通訳し、聞こえない人も聞こえる人も同じ場所で同じ情報を共有し、その場に参加できるように文字にして伝えることです。要約筆記は地域生活支援事業のコミュニケーション事業として派遣されることになっていますが、本年4月から施行された障害者総合支援法では、要約筆記者の養成が都道府県の必須事業となりました。  ことし味の素スタジアムで開催された国体や障害者スポーツ大会では、大きなスクリーンに要約した字幕が流れており、まさにユニバーサルデザインのスポーツ大会であったと実感することができました。  本市では、要約筆記については当事者が参加する一部の行事に限られています。ぜひ要約筆記の必要性について全庁的に周知を図っていただくとともに、当事者から申し出があった場合や当事者が参加する行事などはもちろんのこと、多くの方が来られる行事や大きなイベント等には、申し出がなくても要約筆記や字幕による情報のバリアフリー化を図っていただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  中途失聴者や中途難聴者への要約筆記についてお答えいたします。  聴覚障害者は一見してその障害がわかりづらく、援助が必要であることが周囲から理解されにくく、必要な情報を得ることに苦労するなど、その障害特性により日常生活の中でさまざまな不便を感じております。  聴覚障害者のコミュニケーションの方法は手話、要約筆記、筆談など、聴覚障害の種類や程度などにより一人一人異なります。とりわけ要約筆記については、手話を使えない中途失聴者や中途難聴者にとっての情報伝達の手段として、その有効性については十分認識しております。  現在、調布市では、各部署で所管する講演会などにおいて手話通訳を配置している部署はありますが、要約筆記については、市議会本会議や調布市障害者地域自立支援協議会が開催する講演会など、その配置は限られており、庁内においても認識が広がっていないと考えております。そのため、要約筆記の必要性や有用性について庁内各課に周知してまいります。その上で、今後は市や監理団体が主催する大規模なイベントや講演会などにおいて、要約筆記者や手話通訳者の配置などに努め、聴覚障害者の特性に対応した情報のバリアフリー化を推進してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  答弁ありがとうございました。聴覚障害者の情報伝達方法として、要約筆記の必要性や有用性について庁内各課に周知してまいりますとの前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。同じ場所で喜びも感動も共有できるような環境整備をされていくことが、共生社会の第一歩だと思います。今後の一層の取り組みをよろしくお願いいたします。  次に、2点目の防災訓練における聴覚障害者(児)の情報伝達方法についてお伺いいたします。  東日本大震災では、障害者の死亡率は健常者の2倍にも上りました。その犠牲になった障害者の中で最も多かったのが聴覚障害者で、津波警報が聞こえなかったために犠牲になった人が多かったと言われております。  改正障害者基本法では、東日本大震災で障害者への情報伝達や支援がうまくいかなかったことを踏まえて、国や自治体に防災・防犯対策を講じることが義務づけられています。  しかし、聴覚障害者から以前、調布市の防災訓練に参加したが、一体何をやっているのかわからなかったという声が寄せられました。炊き出しのカレーが配られていても気がつかなかったそうです。ここ数年はマイクを通して訓練の工程についてアナウンスをしていただくようになりましたが、私でさえ遠くで何をやっている訓練なのか、以前は全くわかりませんでした。ましてや聴覚障害者の方は、そのマイクの音も聞こえなければ何もわかりません。また、聴覚障害者は見た目ではわからないために周囲への理解や協力を求めづらい状況にあります。  これは、広島県呉市で作成された聴覚障害者用の災害マニュアルであります。また、これは豊島区の障害者防災の手引ということで独自につくられております。このように各自治体でこういった障害者を対象とした防災訓練や、こういったマニュアル等の作成についてもかなり取り組みが広がってきておりますけれども、私もその必要性をこれまで議会でも取り上げてまいりましたが、残念ながら本市においてはまだ行われておりません。であれば要援護者である障害者が防災訓練に参加できるよう、しっかり福祉の担当部署と防災の担当部署が連携をして対応策を検討すべきではないでしょうか。  聴覚障害者に対する情報・コミュニケーション支援として、防災訓練のような広い場所ではプラカードやホワイトボードなどの活用がされているようですが、場所や使用方法、防災訓練の内容、状況の変化など、適切に伝えることができる情報伝達方法について早急に検討すべきではないでしょうか。御答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。広田危機管理担当部長。 ◎広田茂雄 危機管理担当部長  防災訓練における聴覚障害者(児)の情報伝達方法についてお答えいたします。  10月27日に予定しておりました平成25年度の調布市総合防災訓練は、かねてよりいただいていた御意見を踏まえ、聴覚障害者(児)を初めとする障害のある方への対応を実施する予定でおりましたが、台風27号の接近により中止となりました。  予定していた内容としましては、受付及び案内の担当者の増員を行い、優先席へ御案内すること。また優先席については福祉担当部署の職員を配置し、平成24年度の2倍のスペースを確保すること。さらに手話通訳の配置や訓練の進行に合わせ、内容をお知らせするためのめくり式の案内板を準備していたところであります。また炊き出し訓練で提供する試食についても、優先枠を用意する準備を進めておりました。会場で配布するリーフレットや会場内に設置する看板には、歩行者経路、訓練実施場所、手話通訳の配置を記載し、来場者に対し、よりわかりやすい案内ができるよう心がけました。また、手話通訳の実施につきましては事前の市報でもお知らせいたしました。  平成26年度以降の総合防災訓練を初めとする市民向けの訓練においても、障害のある方への対応について福祉関係部署を初めとした庁内各課と連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。  以上でございます。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。あいにく台風で中止になりました防災訓練におきましては、障害者への対応が実施される予定だったということでございました。訓練内容をお聞きしましても、要援護者の避難支援がより実効性のあるものになっていくのではと大変期待をするところであります。今後も聴覚障害者の情報伝達方法も含め、障害者の特性に合わせた訓練がしっかり開催できますように、あわせてお願いをいたします。  次に、3点目の学校でFM補聴器を使う聴覚障害児への支援についてお伺いいたします。  乳幼児や学齢期は、言語の習得やコミュニケーション能力の発達にとって重要な時期と言われています。東京都では、身体障害者手帳を交付されない中等度の難聴児を対象に補聴器購入費用の助成制度を開始し、本市におきましても、この10月1日から施行されました。しかし、耳に障害を持つ子どもが学校生活を送る場合、普通の補聴器では周囲の雑音の中で先生の声が埋もれてしまい、授業にもついていけなくなります。  そこで、教育現場における聴覚障害児への支援として、学校の授業を聞きやすくするFM電波を使ったFM補聴器というのがあります。このFM補聴器の送受信機購入については補装具の支給対象となっています。今回、写真を少し伸ばしてお見せしようと思ったんですが、ちょっと見づらい、わかりづらいのでやめました。紙の無駄になるといけないのでやめました。  ちょっと説明をいたしますと、FM送信機というのがイメージ的に携帯電話と同じぐらいの大きさでございまして、よくウオークマンというんでしょうか。そこにマイクロホンが、コードがついておりまして、それが送信機です。そして、このFM受信機というのはお子さんがつける補聴器よりも少し大き目になっておりまして、これは難聴児のお子さんがつけるものであります。これによって、送信機と受信機によって、FM電波を通して先生の声を生徒の補聴器へ届けることができるわけであります。先生はこのFM補聴器を身につけて、マイクロホンを使って、そしてお話をします。そうすると先生と生徒の距離が離れていてもFM送信機のマイクロホンを使って話をすることで、すぐそばで話を聞いているように音声を届けることができるものであります。教室でほかの子どもが発表するときには、ちょっとそのマイクを向けてあげるようにしたり、話し合いのときには、真ん中にFM補聴器を置いてあげれば一緒に参加することができます。また体育館のように広い場所では、こういったマイクにつけてあげることで、先生がお話しされているときにはしっかりと聞くことができるわけであります。  市内では4人のお子さんが利用されていると聞いていますが、そのうちの1人が市内の幼稚園に通っていると伺いました。今後、そのお子さんが市内の小学校に入学することになった場合、学校生活においてもFM補聴器がスムーズに使えるよう、学校への周知、協力をいただくような体制づくりに取り組んでいただきたいと考えますが、御見解をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  学校でFM補聴器を使う聴覚障害児への支援についてお答えします。  現在、市内には補装具費支給制度を活用し、FM補聴器を利用して生活をされている方がいらっしゃいます。市内の小・中学校には対象の児童・生徒はおりませんが、FM補聴器を利用する児童が市内の小学校に入学した場合には、学校の授業において先生の話を聞きやすくするため、FM電波を使ったFM補聴器を利用しての授業体制が必要となります。  調布市教育委員会は、子ども一人一人を本当に大切にする教育を目指していることから、FM補聴器を使用する児童・生徒が学校生活を送ることに関しても、その支援体制について保護者と相談をしながら、安心して学校生活が送れるよう十分な体制を整えてまいりたいと考えております。  また、その際にはFM補聴器を使用する当該児童・生徒に対する周囲の理解とともに、児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、教職員や保護者等への周知により協力を求めていくことにも努めてまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。安心して学校生活が送れるよう、十分な体制を整えていくとの力強い御答弁をいただきました。入学をされる際には保護者の不安が解消できますよう丁寧な対応をお願いするとともに、お子さんが楽しい学校生活が送れますよう万全な体制を、どうぞよろしくお願いいたします。  大きく3点目の、障害者の視点に立ったバリアフリーのまちづくりについて伺います。  高齢者や障害者など、あらゆる人たちが安全で快適に暮らせるまちづくりを目指し、私たち公明党が一貫して推進してきた新たなバリアフリー法が2006年に施行されてから、建築物や交通機関などのバリアフリー化を初め、高齢者や障害者などが移動しやすい一体的なまちづくりのバリアフリー化が進められてきました。こうしたバリアフリー施策の基本となっているのが障害者基本法でありますが、共生社会の理念や障害者の自立、社会参加の支援策の充実であります。  調布市では、バリアフリー法に基づいた調布市バリアフリー基本構想が24年3月に策定され、さらに具体的に事業を計画するための特定事業計画が本年3月に策定されました。またバリアフリー化を促進するために国民の理解、協力を求める「こころのバリアフリー」も作成されました。  ここでちょっとお見せをいたしますが、バリアフリー基本構想や特定事業計画の概要版、「こころのバリアフリー」、小規模建築物・既存建築物小冊子。これですね。この4つにしっかりと音声コードを添付していただきました。ありがとうございました。こういったことに対しましては高く評価をさせていただきたいと思います。  しかし、バリアフリー法や福祉のまちづくり条例などにおいて基準どおりに整備されていても、当事者にとっては実際に使いにくいといった指摘や、施設ごとにばらばらにバリアフリー化が進められ、連続的なバリアフリー対策が求められています。そこで障害者の視点に立ったバリアフリーのまちづくりについて、市のお考えをお伺いいたします。  まず、調布市バリアフリー推進協議会についてお伺いいたします。調布市では、特定事業計画によりますと、基本構想に定める重点整備地区には調布駅、布田駅、国領駅周辺地区と新たに飛田給駅周辺地区が位置づけられ、具体的に事業を計画するために特定事業計画においては、調布市バリアフリー推進協議会の中で関係する事業者との調整を図りながら進めてきたとあります。今後は各事業者の責任において計画に従って事業を実施していくが、実施状況の把握や事業実施後の点検と改善策の提案等を継続的に行っていくため、調布市バリアフリー推進協議会を引き続き設置していくと記述されています。バリアフリー新法では、基本構想を作成する際に高齢者、障害者などの当事者参加を図るために協議会制度が定められておりまして、さらに高齢者、障害者などから市町村に対して基本構想の作成、見直しを提案できる制度が創設をされています。  そこでお尋ねをいたしますが、基本構想は平成32年度を目標に評価、見直し等がされていくと聞いておりますが、バリアフリー推進協議会は今後どのように進められていくのでしょうか。方向性についてお聞かせください。また、バリアフリー推進協議会において市はどのような役割を担っているのでしょうか。改めて伺います。御答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。岩本都市整備部長。 ◎岩本宏樹 都市整備部長  調布市バリアフリー推進協議会についてお答えいたします。  バリアフリー推進協議会の位置づけでありますが、バリアフリー法第26条では、基本構想を作成しようとする市町村は、基本構想の作成に関する協議及び基本構想の実施に係る連絡調整を行うための協議会を組織することができると規定をされております。調布市では、市民、学識経験者、公共交通事業者、福祉関係者などから構成する調布市バリアフリー推進協議会を組織し、さまざまな議論を進めてきたところであります。  基本構想の策定をもって協議会の実質的な役目を終える自治体がある中、調布市では、特定事業計画の取りまとめや各種特定事業を着実に進捗管理するとともに、高齢者、障害者等の意見を反映する重要な役割を担う組織として協議会を存続し、今後も定期的に継続して開催する必要があると考えております。  バリアフリー推進協議会における市の役割ですが、大きく2点あります。  1点目は、協議会のメンバーとしての役割です。現在20名の委員のうち、市からは1名、都市整備部長が委員として出席しております。市の取り組みについて発信をするとともに、いただいた意見、要望について関係機関や関係部署と情報を共有化し、バリアフリーに関する各種事業を円滑に推進していく役割を担っていると考えております。  2点目は、事業者の一員としての役割です。道路特定事業及び建築物特定事業の中には市が管理をする施設も含まれており、事業者として特定事業計画に位置づけた事業を着実に推進する責務があると考えております。  以上であります。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。まとめは、この後の質問の後にあわせてまとめさせていただきます。  次に、障害者の意見を反映する取り組みについてお伺いいたします。  10月4日に調布市バリアフリー推進協議会が開催され、傍聴させていただきました。この推進協議会では、重点地区におけるバリアフリー化について意見交換会が行われておりましたが、やはり地下化された調布駅のバリアフリー化についての要望がたくさん出されていました。調布駅が地下化されたのが昨年の8月でありますが、バリアフリー協議会で出された要望がほとんど反映されなかったとの苦情が障害者団体から寄せられ、市の働きで10月には当事者の方々と京王電鉄が一緒に現地点検を行い、ふぐあいや改善点などが伝えられています。  しかし、それからちょうど1年が経過しているにもかかわらず、いまだに改善できてないものがあり、それに対して明確な回答がないものが多々ありました。当事者の方々からは、できなければ、その理由を丁寧に説明してほしい。検討するという回答をしたならば進捗状況も聞かせてほしい。なぜできないのか、どのように検討されているのか全く見えてこない等、厳しい御指摘がありました。  調布市特定事業計画の80ページでありますけれども、ここにもしっかり、この80ページのところに書いてありますけれども、少し抜粋をいたしますと、高齢者、障害者等の意見を反映する仕組みとして、その一部、抜粋させていただきまして、施設整備に当たっては、実際に利用する高齢者、障害者等の意見反映が必要である。また特定事業等に位置づけられた事業のうち、施設の新設や大規模な改修などに当たっては、移動円滑化推進の観点から構想・計画作成段階にとどまらず、設計・施工段階においても高齢者、障害者等の意見を反映するため、意見交換の機会を設けますと記述されています。つまり、つくる前にちゃんと高齢者、障害者等の意見を反映するために意見交換会をしますと示されてることが、いまだに実行されてないことには本当に残念で仕方がありません。  そこで今後、新たなまちづくりが整備されていく中で駅舎を初め、駅を中心とした周辺のバリアフリー化について具体的にお尋ねをしたいと思います。  まず、1点目は駅舎についてです。バリアフリー法では具体的なバリアフリー施策の内容について、高齢者、障害者など当事者の参加のもとで検証し、その結果に基づいて新たな施策や措置を講じることによって、段階的、継続的な発展を図っていくスパイラルアップを国や地方自治体の責務とされています。このことから調布駅等のバリアフリー化については障害者等の意見がしっかり反映できますよう、鉄道事業者に対して積極的に働きかけていくべきではないでしょうか。  2点目は、調布駅周辺のバリアフリー化についてですが、南口交差点付近の歩道が傾斜になっておりまして電動車椅子が通れない。こういう御意見もあります。  また、音響信号機が統一をされていない。つまりどういうことなのかといいますと、横断歩道のところに設置されてる音響信号機につきましてはピヨピヨという音が鳴るわけであります。そのピヨピヨという合図を視覚障害者の方は耳で聞いて、そしてそのピヨピヨという合図をもとに音響信号機に近づくことができるわけであります。そして、そこの音響信号機を、例えば上からたたくと信号が青に変わることができるんです。ところが、それが統一されてないためにどこで押したらいいのか使い方が全くわかっていない、知らされていないのが現状であります。ましてや、そこの南口に設置されてる音響信号機。点字ブロックを通じてようやく音響信号機にたどり着くわけでありますが、もう手前のところで切れてるために音響信号機にたどり着くことができないんです。こういう現状があります。  こういった改善要望が出ておりますけれども、この中には市で認識されているものもあると伺いました。具体的な事例を挙げさせていただきましたが、既に関係機関に働きかけているものや改善できない理由があるそうですが、そのことがきちんと当事者の方には伝わっておりません。当事者の方々に対しての説明の場や意見交換会の場を持つべきではないでしょうか。  3点目は、駅前広場でございます。バリアフリー協議会では、今後、駅前広場のバリアフリー化についてしっかり協議してもらえるのかという不安の声も出ておりました。駅前広場についても意見交換会の場を持っていただけないでしょうか。  4点目は、再開発ビルへのバリアフリー化の問題でございます。たづくり前、これはアフラック側とサウスゲートビル前の出入り口には点字ブロック、誘導ブロックが設置されておりますが、視覚障害者や車椅子を利用されている身体障害者の方々から、点字ブロック、誘導ブロックがステンレス製になっているために滑りやすい。材質、位置、高さ、幅、デザイン等について統一してほしいという声が寄せられました。これはバリアフリー協議会でも意見が出ていたかと思います。よくよく聞いてみますと、最初にたづくり前にこのステンレス製が設置されたときに、危ないので、転びそうになったそうなんです。今後は、このタイプは設置しないでほしいということを要望したにもかかわらず、サウスゲートビルが完成したらまた設置されてしまったので本当にがっかりされたと伺いました。これはビルの管理者が設置されたものだということですが、今後、新たに開発されるビルには当事者の意見としてステンレス製のものが設置されないよう、ぜひ働きかけをお願いしたいと思います。それぞれ御答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。岩本都市整備部長。 ◎岩本宏樹 都市整備部長  障害者の意見を反映する取り組みについてお答えいたします。  バリアフリー基本構想では、全市的に取り組む事業として調布市バリアフリー推進協議会を活用した高齢者、障害者等の意見反映システムの構築を位置づけ、バリアフリー特定事業計画では、特定事業のうち施設の新設や大規模な改修に当たっては高齢者、障害者等の意見を反映するため、事業の実施主体が意見交換の機会を適宜設けることとしております。さらに意見交換の方法や実施結果については協議会へ報告し、実施状況を確認することとしております。  駅舎等については、平成24年度の地下化切りかえ後に意見交換会及び現地点検が実施され、市民から挙げられたより使いやすくするための意見や要望に対し、京王電鉄からは、駅舎完成までに対応する。あるいは今後の検討課題、今後の施設整備の参考にするといった回答がなされております。今年度開催いたしましたバリアフリー推進協議会において協議会委員から、その後の結果についての御質問があり、それらについては早期対応に向けた調整を現在進めているところであります。  調布駅、布田駅、国領駅周辺の重点整備地区につきましては、調布市バリアフリー基本構想の策定に当たって平成23年度に4回開催した推進協議会での議論のほか、各種部会やまちあるき・ワークショップによる現地点検を実施し、いただいたさまざまな意見を取り入れた形で生活関連施設や生活関連経路における特定事業を位置づけております。  調布駅南口交差点の視覚障害者誘導ブロックの連続設置や、総合福祉センター南側の市道の歩道における横断勾配の改善につきましては、現時点でふぐあいが残っていることも認識をしております。しかし一時的、暫定的な対応では新たなふぐあいが生じる可能性があることから、駅前広場を整備する時期に合わせて実施することを予定しており、今後、事業実施の前段階で高齢者、障害者等の意見を反映するための意見交換の場を適宜設けてまいります。
     音響式信号機の統一に関しましては、特定事業の位置づけはございませんが、今後、交通管理者へ働きかけをしてまいります。  駅前広場等の計画に当たっては整備内容の詳細を検討する段階で、平成22年度及び23年度に福祉関連団体にお声がけをさせていただき、駅前広場の検討状況の報告と要望等に関する意見交換を計6回実施しております。そのうち2回は聴覚障害者及び視覚障害者の方々を対象に、障害の特性を踏まえた資料を準備するなど個別対応も実施してきたところです。これらの実施結果については、事業実施前の段階で協議会へ報告する予定でございます。  次に、再開発ビルのバリアフリーですが、市は市街地再開発組合、または個人施行者に対して市街地再開発事業の施行を促進するため、必要な勧告、助言、もしくは援助を行う立場にあります。建物本体はもちろんのこと、建築敷地に視覚障害者ブロックを設置する際には連続性への配慮に加え、視認性のよいもの、滑りにくい素材の使用を求めるなど、バリアフリー化に向け積極的に働きかけてまいります。  以上であります。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  ありがとうございました。再質問させていただきます。  バリアフリー協議会で出された調布駅に関してのさまざまな意見、要望に対して、御答弁では早期対応に向けた調整を進めていると言われましたが、具体的にどのように調整を進めているのでしょうか。また新駅の問題から今後新たなまちづくりが進められていく中で、意見を聞いてくれるのか、協議会の場を持ってくれるのか、不安を感じていらっしゃいます。重点整備地区や駅前広場に関しても当事者の意見が反映できるよう、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、部長、もう一度お考えをお聞かせください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。岩本都市整備部長。 ◎岩本宏樹 都市整備部長  今、2点にわたり再質問いただきましたのでお答えさせていただきます。  調布駅に関するさまざまな意見や改善要望については、本年10月に開催いたしましたバリアフリー推進協議会の中でも協議会委員から、できたもの、できなかったものについて理由も含めた報告が欲しいという発言がございました。この件につきましては、協議会を代表しまして協議会の会長が我々事務局とともに改めて現地点検をした上で、鉄道事業者から意見を言われた市民委員に対して報告をする場を設定するという調整を現在行っているところであります。  2点目でございますが、今後、京王線連続立体交差事業の進捗に合わせて、調布駅周辺ではさまざまな事業が展開をされていくこととなります。特定事業の進捗状況を確認するだけでなく、その他の事業についての情報提供、情報交換の場としてもバリアフリー推進協議会を有効に活用していきたいと考えております。  当事者の要望には比較的短期間で対応が可能なもの、長期的な取り組みの必要なもの、また対応が困難なもの等さまざまございますが、当事者の意見を酌み取るための丁寧なやりとりと信頼関係の構築が何よりも大切であると考えております。これまで以上に当事者意見を反映できる場の設定をするなど、スパイラルアップに向けた取り組みを積極的に進めてまいります。よろしくお願いいたします。 ○林明裕 議長  10番、内藤美貴子議員。 ◆10番(内藤美貴子 議員)  丁寧な御答弁ありがとうございました。つい数日前に視覚障害者の方から、このようなお電話をいただきました。ようやく調布駅の階段に設置されている音声案内の音が鳴るようになりましたと、御連絡をいただきました。音声案内のピヨピヨという音は、視覚障害者が階段から落ちないように階段があるということを知らせるものです。本当にこれを聞いて1年たってようやくついた、事故がなくてよかった。このように本当に思いました。と同時に、本当に申しわけなかったなという思いでいっぱいになりました。  日本でも権利条約への締結がされて、実効性のあるものに大きく育てることが重要であります。まちづくりにおいても差別のない共生社会実現のために、高齢者、障害者など、あらゆる人たちが安全で快適に暮らせるまちづくりの実現を切に願いまして、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○林明裕 議長  以上で10番、内藤美貴子議員の質問は終わりました。        ――――――――――― ―― ―――――――――――     49  4番 ドゥマンジュ恭子議員 ○林明裕 議長  続いて4番、ドゥマンジュ恭子議員の質問を許します。  4番、ドゥマンジュ恭子議員。    〔4 番 ドゥマンジュ恭子議員質問者席登壇〕 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  こんにちは。生活者ネットワークのドゥマンジュ恭子です。今回の私の質問は、困難を抱える子どもたちに学びの支援をということと、高次脳機能障害者の支援について、大きく2点から質問をいたします。  まず最初に、困難を抱える子どもたちに学びの支援をについてです。  日本は、世界的に見て子どもの貧困率が高い国です。昨年、ユニセフが公表した子どもの貧困についての国際比較では、1人当たり国民総生産の高い先進20カ国ではワースト4位です。2009年の厚生労働省の調査では子どもの貧困率は15.7%と日本の子どもの6人に1人が、さらにひとり親世帯については50.8%と実に2人に1人以上が貧困状態にあり、先進国の中では最悪の水準です。  今日の貧困の拡大は、経済のグローバル化や競争の激化による雇用の不安定、賃金水準の低下、社会福祉などの公共的支出の削減が要因になっています。貧困は単に個人や家庭の問題ではなく、日本ではこれらの要因に対して適切な政策がとられてこなかったことによると言えます。  政府が行う貧困削減政策として再分配があります。これは国民から受け取った税や社会保険料を、生活保護費や児童手当などの社会保障給付として貧困層に回すものですが、日本では他の国に比べ再分配による子どもの貧困削減の効果が圧倒的に少ないことが指摘されています。  その要因としては、貧困世帯でも社会保険料の負担が大きいにもかかわらず、ひとり親や子育て世帯への社会保障の給付が少ないことが挙げられます。それは親が働いているにもかかわらず貧困に陥る家庭が多いという、ほかの先進国にはない日本の貧困の大きな特徴にもあらわれています。不登校や引きこもり、高校の中退などの背景の1つには経済的な困窮があるとの指摘もあります。親が仕事に追われ、精神的に追い詰められて子どもと十分に向き合う時間がとれず、孤立感を持った子どもは自信を失い、自己評価が低くなり、意欲や将来の希望を持つことが難しくなります。それが成長してからの仕事や家族形成にも影響を与え、貧困の連鎖がつくられてくるという専門家の意見もあります。  日本では、教育費は家庭が自己負担するものという意識が根強く、国民総生産に占める公的な教育費は先進30カ国中、最低水準にあるというのも現実です。  このように、欧米先進国に比べ余りにもおくれている子どもの貧困対策を求める世論の高まりを受け、ことし6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が国会で可決されました。この法律は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現するため、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備し、教育の機会均等を図ることなどを目的としています。この法律によって地方公共団体には、子どもの貧困対策を国と協力して地域の状況に応じた施策を実施する責任があることが明確になりました。その基本的施策には低所得者世帯への無料学習支援や奨学金の充実、貧困状況にある子どもとその保護者に対するサポートシステムの構築などが挙げられています。今後は理念だけではなく、これをもとにいかに具体的な施策を進め、地方自治体で子どもの貧困対策の目標と計画づくりが実行できるかが問われています。  そこで最初の質問は、子どもの貧困対策の推進に関する法律への対応について市の考えをお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  子どもの貧困対策の推進に関する法律への対応についてお答えします。  近年、経済格差の広がりにより子どもの貧困問題が社会問題となっています。社会保障審議会、生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書によれば、生活保護を受給している世帯主の約25%が生活保護世帯で育ったというデータからも、貧困の連鎖が生じていることがうかがわれます。  こうした中、家庭の経済状態によって子どもの将来が左右されることのない社会を実現することを理念として、さきの国会で子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、平成26年度での施行が予定されているところであります。この法律では、就学の援助、学資の援助、学習の支援などの必要な施策を策定することが地方自治体の役割として定められています。  一方、平成27年4月に施行が予定されている生活困窮者自立支援法でも、生活困窮家庭の子どもへの学習支援事業など、生活困窮者の自立の促進に必要な事業の実施が市町村の役割として掲げられています。このことから調布市としても、教育支援を中心とした貧困対策の構築が重要な課題であると認識しています。  調布市では、平成25年度から生活保護受給世帯の子どもを対象に次世代育成支援の一環として塾代等の支給を実施し、学習支援を行っております。しかしながら、貧困家庭では子どもの学習意欲が失われ、進学自体を最初から諦めていることも考えられ、次世代を担う子どもたちに貧困の連鎖や教育格差を生じさせないためにも、経済的支援だけでなく、さまざまな手だてを講じていくことが必要です。  今後は国や他市の動向を注視するとともに、福祉法人等との連携なども模索しながら必要な支援、方策のあり方について検討してまいります。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  2015年施行予定の生活困窮者自立支援法でも、生活困窮者家庭の学習支援事業が位置づけられているということですが、まさに子どもの貧困は生活基盤である衣食住や医療のみならず、学習、進学の機会が十分に保障されないという不利をもたらします。その結果、子どもが持っている能力を伸ばすことを阻み、就労の選択と可能性を制限してしまうことも貧困の連鎖を生むもう1つの側面になっています。  2011年の厚生労働省調査では、全国の高校進学率は一般世帯が98.2%であるのに対し、生活保護世帯では89.5%と10%近く低い数値です。  富山県では、30年以上前から高校進学に積極的に取り組んで進学率が全国一になり、結果的に女性の就労率と豊かさ度が高く、生活保護率は全国最低になっています。これは高校進学の徹底が地域全体での豊かさを実現し、貧困の連鎖をとめる重要な政策であることを示唆しています。  そこで、市の生活保護世帯の小・中学生数と経年での高校進学率をお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  生活保護世帯の小・中学生数と高校進学率についてお答えいたします。  調布市における生活保護受給世帯の小・中学生の人数ですが、平成25年4月の時点で小学生は57人、中学生は51人で、合計108人でした。また、進学率については平成23年度が91.7%、平成24年度が100%、平成25年度が95.8%と推移しています。  なお、平成25年度の東京都全体の被保護世帯の子どもの高等学校等の進学率は90.2%となっております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  それでは、自立支援事業の通塾費用について質問いたします。  市の被保護世帯の高校進学率は、3年間を平均すると95.6%ということですが、行政としてできる限り100%に近づける努力が求められます。それに向けた取り組みの1つとして、調布市でも今年度から被保護世帯の小・中学生が学習塾に通うための費用助成が始まっています。これは小学4年生から中学3年生までの子どものいる被保護世帯を対象に、小学4年生から中学2年生までは1年間10万円を、中学3年生は15万円を上限として学習塾の受講費用の助成をするものです。塾に通うことが困難な子どもへの学習の機会をふやし、進学への意欲を持ってもらうためにも有効な事業だと考えます。それだけに広くこの事業の周知を図り、利用者をふやすことが重要だと考えますが、現在の利用者数と周知方法をお聞きします。  そして、学習支援教室の開設についてです。府中市では2009年からこの学習塾に通う費用の助成事業を行ってきましたが、利用する世帯が少なかったことからさらに踏み込んだ支援が必要と、この10月から被保護世帯の中学生を対象に、市の施設を利用した4カ所で無料の学習支援教室を開設しています。それとともに子ども支援員1名を配置し、ケースワーカーと連携しながら全ての家庭を訪問して、中学生一人一人への参加の働きかけや相談にも当たるという丁寧な対応で、より多くの子どもたちに学習の機会を提供しています。市内のNPOに委託し、学習支援と子ども支援員を一体の事業として、10月からの開始で既に中学生30人が登録し、学習しています。  みらサポと名づけられたこの学習支援室では、少人数の個別学習できめ細かい指導をし、子どもの意識、学力、学習意欲の底上げを通して高校進学、将来の夢へとつなげることを目指しており、その効果が期待されます。この事業は厚生労働省の補助金により行われていますが、調布市においても被保護世帯の中学生を対象とした学習支援教室の開設を求めます。見解をお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  自立支援事業の通塾費用助成についてお答えいたします。  調布市では、平成25年度に自立促進支援事業の拡充を図り、小学4年生から中学3年生までの子どもがいる被保護世帯を対象に、塾代等の支給を行う次世代育成支援プログラムを策定しました。これについては担当のケースワーカーが日常業務で行う訪問活動や面接などの際に、当該事業の情報提供を行うとともに申請の案内を行っており、11月時点で中学生9人が利用しております。被保護世帯の状況把握をする中で需要の掘り起こしに努め、さらなるプログラムの活用促進を目指してまいりたいと考えております。  次に、学習支援教室の開設についてお答えします。生活保護世帯の子どもが、いわゆる貧困の連鎖から抜け出すためには、義務教育段階からのさまざまな学習支援や居場所づくりの取り組みが必要であり、既に幾つかの自治体や民間の団体で一定の成果を上げているところです。国も生活困窮者自立支援法の中で、生活保護受給世帯も含めた低所得者世帯の子どもへの学習支援事業を位置づけております。  調布市では、今年度実施を始めた被保護世帯を対象とした塾代等の支給について検証しつつ、このような国の動向や先進的な取り組みを実施している他の自治体の状況などを踏まえ、貧困の連鎖解消に向けた効果的な学習支援の施策について検討してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  続いて、就学援助についてです。受けられる人数の拡大についてです。  今後、いずれは生活保護世帯だけではなく、低所得者世帯への学習支援も視野に入れた検討をしていくということと認識しましたが、低所得者世帯にとって就学助成が受けられるかどうかは切実な問題です。就学助成は生活保護世帯と、それに近い程度に困窮している準要保護世帯が支給対象で、学校給食費や学用品費、入学準備金や修学旅行費などを学校教育法に基づき支給する制度です。準要保護の認定は全国一律ではなく、各自治体の教育委員会の独自の基準で行われており、三位一体改革によって国庫補助が打ち切られて一般財源化され削減に向かった自治体もあり、自治体間の格差が生じていることには問題がある制度と言えます。  一方、国では、ことしの8月から生活保護費のうち生活扶助の切り下げを開始し、3年間で最大10%削減する方針を示しました。子どものいる生活保護世帯に与える影響は大きく、ますます教育費を捻出することが困難になることは明らかです。そして、それは準要保護世帯にも影響を及ぼします。  調布市では昨年、1,967人の小・中学生が就学援助を受けていますが、生活保護費の引き下げにより、今まで準要保護の対象だったのに該当しない児童・生徒が出てくることも懸念されます。そこで基準率が近隣市では日野市の1.3倍など、調布市の1.1倍よりも高いところもあることから基準率の見直しをして受けられる人数の拡大を求めますが、見解をお聞きします。  もう1点は、申請書提出への対応についてです。日本の母子世帯の母親は8割以上が働いており、得られる年収は平均で180万円という厳しい現状にあり、昼夜にわたってのダブルワークにならざるを得ない家庭もあります。そのため保護者に時間や余裕がなく、就学援助の対象になるにもかかわらず申請書が提出できず、中学生が給食を食べられないというケースもありました。貧困、DV、ひとり親、病気など重層的に課題を抱える世帯がふえてきている現状を踏まえ、制度の周知を図り、申請書の提出については必要な世帯には寄り添い型の丁寧な対応を望みますが、現状と今後の対応についてお答えください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  就学援助についてお答えいたします。  就学援助制度は、生活保護受給者に加え保護受給者に準ずる程度に困窮する方、いわゆる準要保護者も対象とする制度であり、調布市では準要保護者の認定に当たり世帯の総所得額を基準としております。多摩地域の26市では所得額を認定基準としている市が半数ある一方、残りの13市においては収入額を基準として対象者を判定しています。所得額を用いて基準を設定している市のうち、6市が調布市と同じく生活保護基準額の1.1倍の所得額を認定基準としており、調布市の水準は近隣各市と比較した場合、標準的な水準にあるものと考えております。  しかしながら、本年8月の生活保護基準の見直しに伴い、調布市の就学援助制度としては平成27年度以降の認定から影響を受けることとなります。  準要保護者に対する就学援助については、その算出基礎として生活保護の基準額を用いる必要があると考えておりますが、基準の設定については経済的理由で就学困難な児童・生徒に対し、必要な援助を行うという制度の趣旨に基づき検討してまいりたいと考えております。  申請書の提出への対応としては、現在、小学校新1年生に対しては、入学前の保護者説明会において制度説明のパンフレットを配布しております。入学後には年度当初に全児童・生徒の保護者宛てに申請書を配布し、あわせて市報、ホームページに掲載するなど、制度の趣旨及び申請手続について周知を図っております。  また、申請を希望する保護者が適時に申請、相談ができるよう担当課へ直接提出していただく手続のほか、全児童・生徒に配布した申請書に返信用封筒を同封し、郵送での受け付けや在籍する学校を通じての提出も可能とするなど柔軟な対応を行っております。  今後については学校を初め、スクールソーシャルワーカー、生活福祉課のケースワーカー、母子自立支援員などに対しても改めて制度の周知を図り、適時、適切な働きかけを行うなど、援助の対象となり得る方が申請機会を逸することのないよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  再び学習支援について質問します。算数、数学や英語などの教科は理解の積み重ねが大切です。一度学習の理解につまずくと、その後の授業が理解しにくく意欲の低下に結びつきます。学習のつまずきのある子どもたちには、できるだけ早い段階での学習支援が必要です。そのためには生活保護世帯に限定することなく、全ての子どもたちへ学校の内外を問わず、多様な学習支援の機会が提供されることを求めます。  その実践例として大分県豊後高田市の寺子屋講座は、2週間ごとの土曜日に公民館や小・中学校など、市内18カ所で実施される小・中学生向けの無料の塾です。講師は現役の教師を初め、元教員や塾講師、教員資格を持つ主婦など80名で、わずかな謝礼ながら教えることにやりがいを感じているということです。子どもたちからは、わからないときにすぐ質問でき、家よりも勉強が進むという感想が出されています。また土曜日に参加できない児童・生徒のためには市のケーブルテレビで教員らによる講座を放送したり、平日放課後に学校の宿題を見る学習支援活動も行われています。この事業は、市長のリーダーシップによって2002年から始まっています。また教育長が、行政が本気になればその熱意は地域住民や教員、子どもたちにも伝わる。さらに充実させていきたいという声が、この事業の取り組みとともに先月の新聞紙上で紹介されていました。  ぜひ調布市でも、学習のつまずきや不登校の児童・生徒の学習のおくれに対しての学習支援も、地域のNPOや市民などとの協働で学習の場を保障し、拡充していくことを求めます。見解をお答えください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  学習のつまずきや、不登校児童・生徒の学習のおくれに対応できる学習支援の場についてお答えします。  調布市では、学習のつまずきやおくれの多い教科指導の対応として少人数指導や習熟度別指導、チームティーチングなどのきめ細かな指導を実施するため、都の制度を活用した加配教員による複数体制での学習指導を推進し、児童・生徒一人一人の状況に応じた指導を展開しております。  市の取り組みといたしましては、小学校低学年の算数において少人数指導講師を全小学校に配置することにより、算数学習の初期段階におけるつまずきの解消に努めております。通常の授業において学習内容が身についていない児童・生徒には、朝や放課後等を利用して補習や個別指導などを行っております。  また、中学校においては定期試験1週間前になると部活動を停止し、学習週間として学習の時間を確保するとともに、各教科で質問教室や補習教室を実施することにより、理解が不十分な生徒への対応に努めている学校もあります。  このほか、夏季休業日中に学習教室を設けて1学期の学習内容の復習を行うことで学習のおくれを取り戻し、不安を少しでも解消し、2学期からの授業に臨めるよう各学校で工夫を凝らした指導を展開しております。  次に、不登校児童・生徒に対する学習支援といたしましては、東京学芸大学と連携・協力し、心理学を学んだ学生によるメンタルフレンドの派遣や、学生によるテラコヤスイッチという不登校生徒の居場所づくりを教育会館内に設け、個別学習支援の機会をつくっております。  また、不登校児童のための適応指導教室太陽の子や、不登校生徒のための七中相談学級においては、小集団や個別での学習を通して学校復帰に向けた取り組みを行うなど学習支援を図っております。  さらに、教育支援コーディネーター室の不登校対策事業として、教育支援コーディネーターやスクールソーシャルワーカーがNPO法人などと連絡・連携を図り、学習支援の機会をふやすことに努めております。  今後も一人一人の状況に応じた不登校児童・生徒の学習支援の場づくりに努め、学習のつまずきやおくれの解消に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  今やっていることではなく提案についてのお考えをお聞きしましたが、意見については最後のまとめで述べます。  さて、第八中学校では学校支援地域本部との連携によって、土曜学習部として全学年の希望者を対象とした学習支援が行われています。この取り組みは学校選択制により2010年度の新入生が19人となってしまうことを受け、生徒減少の解決を図るプロジェクトの一環としてスタートしました。この土曜塾の効果もあってか、2010年度は128人だった全校生徒は今年度は224人になっています。指導に当たる有償の学生ボランティアは登録制で、その手配は学校支援地域本部が担っています。現在、土曜塾の登録人数は90人で、その7割から8割の生徒が、ここで学ぶことが自分の役に立っていると実感しているということです。その効果からしても土曜塾の取り組みを全ての学校で行うべきだと考えますが、お答えください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  第八中学校の土曜塾の取り組みと、各中学校の取り組みについてお答えいたします。  第八中学校では土曜日を利用し、全学年の希望者を対象に地域の学習ボランティアによる学習教室を実施しており、小規模校の特色を生かした取り組みとして効果を上げております。この取り組みは、平成21年度に第八中学校の入学者数が激減したことによる八中プロジェクトの1つとして始めたものであります。  一方、その他の中学校では、学力向上、部活熱中、行事団結などの目標を掲げ、学校の実態に即した特色ある教育活動を推進しており、土曜日の活動については学校によって実施の状況が異なっております。  このような取り組みは、東京都からの通知において土曜日の授業設定に関する基本的な考え方や、学校週5日制の趣旨を踏まえつつ、保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進めるという観点が示されていることを受け、各学校が土曜日の教育活動を計画し、実施をしております。  教育委員会といたしましては、今後も国や都の動向を踏まえ、各学校の特色ある教育活動の推進に向けて支援をしてまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  さて、最後は、子どもたちが働く場で自分の未来をどうつくっていくのかを考えられる教育を求めます。
     現在、貧困の連鎖により、家庭で育つ環境の中で働くことをイメージできない子どもたちが出ていることが社会問題になっています。  大阪教育センターでは非正規雇用の問題について考えたり、セーフティーネットについての知識を得て自分が貧困状態にならないよう行動できるよう、また周りの人が貧困になってもそこから抜け出すよう支援ができる人間に成長できるよう、エンパワーメントするキャリア教育教材もつくっています。ぜひそのような教材も参考にして児童・生徒の発達段階を踏まえ、キャリア教育により将来に向けて自分の可能性を伸ばそうとする意欲、意識を育て、働くことを通して自分の未来をどうつくっていくのかが考えられる教育をしていくべきですが、見解をお答えください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  働くことで自分の未来を考える教育についてお答えします。  子どもの発達段階に応じたキャリア教育を推進することは、子どもたちが自分の未来予想図を描き、よりよい人生を切り開くことができることにつながるものと認識しております。  キャリア教育では、人間関係形成能力、情報活用能力、将来設計能力、意思決定能力の4つの能力を育てることが求められており、小学校段階からの組織的、系統的な指導が必要であります。  小学校においては、低学年でのキャリア教育として挨拶や当番活動などの日常活動における指導を行っております。中学年、高学年においても、子どもたちの発達に合わせた取り組みを実施しております。  中学校における主な取り組み例としては、1年生では職業調べ、2年生では職場体験、3年生では進路学習が挙げられます。特に職場体験については今年度も市内各事業所の御協力のもと、全中学校の2年生1,292名の生徒たちが、延べ419カ所の事業所において充実した職業体験を実施することができ、将来を考えるための望ましい職業観を育てる機会となっております。今後も各学校においてキャリア教育の推進と充実に努めてまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  では、この質問についてまとめさせていただきます。  どんな子どもも本来、勉強をしたい、もっとわかりたいという気持ちを持っています。全ての子にはその発達する環境を守られる権利があり、学習支援は現行教育システムになじまない子どもたち全てに必要なシステムだと思います。  今回、府中市の学習支援教室を取り上げましたが、この事業のポイントは子ども支援員の存在です。家にはお金がないと進学を諦めている子どもにじかに働きかけ、また保護者には進学の必要性を説明したり、相談に乗り、学習支援という目的だけに集中して動ける人だからです。国や他市の動向ではなく、調布市の子どもを見てぜひ実現していただきたいと思います。塾に通う費用の助成は、みずから行こうという気持ちのある子どもにとっては効果があると思われますが、学習支援教室では学習のつまずきなど個人に合わせたより丁寧な指導を行い、わかるという体験を通して自己肯定観を持ち、高校進学への意欲も出てくることが期待されます。高校に進学したものの、中途退学をするケースもあります。中卒資格で社会に出た若者にとって就労が厳しい状況になることも社会問題になっています。高校に進学すること、そして高校に通い続けられる学力の定着が重要です。そのためにも、学習支援教室の開設について前向きな検討を要望します。  また、豊後高田市の市長主導で始められた学習支援事業も紹介しました。この事業は今全国の注目を集めているそうですが、首長の子どもの学びに対しての熱い思いがあったからこそ実現したのだと、うらやましく思います。そして行政の本気が市民や教員、子どもの本気をも引き出したという教育長の言葉にも感動しました。しかし、それに比べて市長部局だ、教育委員会だという枠組みに縛られているような今回の答弁には、本当に困っている子どもの支援が進むのだろうかという懸念を感じてしまいます。  市内には、既に無料の学びの支援に動き出している市民やNPOがいます。高校生による中学生への学習支援や、市内のNPOによる不登校の児童・生徒への学習支援が行われています。このような活動をする市民やNPOにとって課題となるのが活動の場の確保です。高校生による学習支援は当初中学校で行われていましたが、途中から学校が使えないことになり、受け入れてくださったお寺に活動の場を移さざるを得なくなりました。またNPOによる不登校の学習支援は誰でも来やすいように無償で行われていますが、毎回の教育会館の使用料は運営に響きます。市の施設を無料で活用でき、場の確保が保障されれば、学習支援などで子どもたちの力になりたい市民やNPOの活動がふえ、広がることにつながります。基本計画に協働を掲げる調布市として、市の公共施設を協働の活動の場として提供し、子どもたちへの学習の場をふやすことに積極的に取り組むことを強く要望します。  今回の議会では、教育長から、守るべき第一義は子どもですという大変力強い言葉を聞かせていただきました。子どもの学びに関して、ぜひそれを具体的な施策で実現していただきたいと思います。そして市長には、子どもの学習権を保障する立場からリーダーシップを持って取り組まれることを望みます。  続いて大きな2番、高次脳機能障害者への支援についてです。  高次脳機能障害とは、脳血管障害や事故、感染症などで脳の部分的な損傷によって起きる後遺症で、話す、記憶する、判断するなどの高次の脳の機能障害を言います。日常生活では人に意思を伝えたり、人が言ったことの理解が困難になったり、新しいことが覚えられない。また集中力や注意力の低下といった症状が見られ、さらに感情や行動の抑制がきかなくなったり、障害が受け入れられず鬱状態になるなど精神的、心理的な症状が出る場合もあり、日常生活や社会生活に支障を来すことになります。しかし、この障害に対して社会の周知はまだまだ進んでおらず、身体的な障害と違って目に見えないため周囲の理解を得にくいことも、この障害の特徴です。また本人に自覚がない場合もあり、障害を持った人はもちろん、支える家族がこの障害を理解することも大切です。  東京都が2008年に行った調査では、都内の高次脳機能障害者は約4万6,000人と推計されていますが、救命救急医療の発達とともに、今後さらにこの障害になる方がふえることが予想されます。これまで当事者や御家族の働きかけで徐々に支援制度は進んできていますが、この障害の専門性を持った病院や医師、退院後の地域でのリハビリの場や障害に対応できるサービス事業所もまだまだ少なく、その受け皿をふやしていくことともに広域的な支援による支援体制が求められています。  では、最初の質問です。退院時からの情報提供による自立に向けた支援体制についてです。交通事故や脳の障害で一命を取りとめられ、その後、高次脳機能障害と診断された方、またその可能性がある方が退院に当たって在宅での療養、リハビリ、また復職に向けた支援などについて、本人も御家族もさまざまな不安を抱えられていると思います。それを少しでも解消するためには、入院中から在宅になったときの生活に見通しが持てる情報提供が必要です。しかし、病院によってはほとんど情報提供がない場合もあります。また病院にいる間には不都合を感じなくても、生活の場に戻ってきてから後遺症による困難さに直面するケースが多くあります。しかし、そのときにはどこに相談をしたらいいのか。訓練や支援サービスが受けられることもわからず、結果として医療や福祉の谷間に落ちてしまう場合もあります。このように障害者が本来受けることができる医療から福祉までの連携したケアが、高次脳機能障害では適切に提供されていないことが課題になっています。  一方、2010年の障害者自立支援法の改正により高次脳機能障害も対象になったことで、ホームヘルプ、自立訓練や就労継続の支援など障害福祉サービスが利用できるようになり、第3次調布市障害福祉計画にも高次脳機能障害の相談支援体制の充実が位置づけられました。  市内では、総合福祉センター内の障害者地域活動支援センタードルチェで相談支援を行い、サロンも開設されてほっとできる居場所として機能しています。また、高次脳機能障害に特化した生活訓練と就労支援のグループリハビリを行うサービス事業者や家族会もあります。このような情報を得て在宅での生活に見通しが持てることが重要ですが、退院時からの情報提供による自立に向けた支援体制についてお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  退院時からの情報提供による自立に向けた支援体制についてお答えします。  調布市では、東京都の高次脳機能障害者支援促進事業を活用し、社会福祉協議会に専門相談窓口を設置しております。高次脳機能障害は脳損傷の部位や重症度によりあらわれる障害はさまざまで、個人差の大きいものです。そのため相談内容は多岐にわたり、幅広い支援が必要になります。  脳血管障害や脳外傷などの治療が一段落するとリハビリテーションが行われますが、運動面中心の急性期リハビリテーション終了後、ある程度身の回りの動作が自立できても、高次脳機能障害のために自立できない状況が続く場合は、高次脳機能障害の認知リハビリテーションが入院と外来の両方で実施されます。退院に当たり地域での支援が必要であれば病院から専門相談窓口を紹介されることもありますが、退院後、日常生活や職場に復帰した後に高次脳機能障害の問題が明らかになるという事例も少なくありません。切れ目のない支援を実施するため、調布市では専門相談窓口だけではなく、社会福祉協議会を中心に関係機関との地域支援ネットワークを構築し、地域で支える体制を整備しています。  また、スムーズに相談につながるよう、市民に対する普及啓発にも力を入れているところです。市民向けの高次脳機能障害講演会やサポーター養成講座を毎年実施し、専門医による障害の基礎知識や、対応方法についての講演や当事者による体験談などを通じて理解を深める取り組みをしています。こうした取り組みにより、高次脳機能障害者が医療と福祉の谷間に置かれないよう支援体制を強化してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  まとめは最後に行います。  2番目の質問、障害特性を把握したヘルパーの育成についてです。  この障害は、注意障害や記憶障害などにより情報をうまく処理することや、行動や感情を自分でコントロールすることが難しく、社会生活、日常生活への適応が困難になります。退院して初めて日常生活の困難さがあらわれてきますが、本人が生活する場に訪問して料理や掃除、買い物などの場面で本人の持つ力を活用しながら生活支援を行い、行動を定着させて自立を支援する生活版のジョブコーチが求められます。今の時点でそれを担うのはホームヘルパーだと思いますが、これまでのホームヘルプは高齢者介護にシフトしてきました。そのため、ヘルパーの側からも、障害者への適切な支援をしたくても、障害者対応を相談するための窓口や学ぶ機会がないという声も出ています。障害の種別によっても対応の仕方が違うため、ヘルパーが高次脳機能障害の特性を学んだり、相談できる体制をつくり、高次脳機能障害支援に専門性を持ったヘルパーの育成を求めますが、見解をお聞きします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  障害特性を把握したヘルパー育成についてお答えいたします。  退院後、在宅生活を開始しても、規則正しい生活や身の回りのことを自分で行うなど、家庭の中でできることをふやすための回復期リハビリテーションが必要となります。在宅生活を安定させるために生活支援が大切であり、そのためには介護保険や障害者総合支援法に基づくホームヘルプサービスを活用しながら、回復期リハビリテーションを継続する必要があります。  現在、ホームヘルパーの養成研修カリキュラムは高齢者介護に関する内容がほとんどであり、障害者に関する内容はとても少ない状況です。障害福祉分野は高次脳機能障害を初めとし、障害の種類も多岐にわたり、状態像やニーズも個人差が大きいものとなっています。一人一人のニーズに応じたきめ細やかなサービスを提供するためには、それぞれの障害特性に対応できるホームヘルパーが必要です。支援者を対象とした高次脳機能障害講習会を毎年開催していますが、昨年度は介護職、ケアマネジャー、医療機関等を対象としました。  また、調布市では障害者地域自立支援協議会のワーキンググループの中で、ホームヘルパーを初めとした福祉人材の育成をテーマに検討を重ねているところです。市内と近郊の訪問介護事業所へのアンケートやヒアリング調査を踏まえ、現状や課題について協議する中、障害福祉分野における事業所間のネットワークの形成や、従事する職員の専門性の向上についての課題が明らかになってきています。今後も議論を重ねながら、調布市における福祉人材の研修、養成拠点の整備に向け検討してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  続いて、成年後見制度の利用支援についてです。  この障害にかかわらず、障害を持った方の御家族は自分が亡き後の御本人のことを心配されています。当事者とその御家族の高齢化が進む中、障害者の権利擁護に向けた対策と取り組みが急務となっています。成年後見制度の利用支援を進めることについて見解をお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  成年後見制度の利用支援についてお答えします。  高次脳機能障害により判断能力が不十分で、日常生活を営む上で必要な福祉サービスの利用や契約などの法律行為、財産管理等を適切に実施することが困難な方も少なくありません。こうした方々の権利を守り、法的に保護し、安心して地域で暮らし続けることができるよう支援をするためには、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度などを活用していくことが必要です。  調布市としても、支援の必要な人がスムーズに適切な窓口につながるよう、相談支援体制や経済支援の仕組みを整えているところです。例えば福祉総務課における成年後見制度に係る相談支援を初め、障害者総合支援法の地域生活支援事業として、生活困窮者を対象とした後見人などの報酬を助成する制度があります。また申立人がいないなどの理由で成年後見制度の利用が困難となっている障害者については、市長申し立ての制度を活用し、市内の相談支援事業所と障害福祉課ケースワーカーが連携を図りながら積極的に対応し、成年後見制度の利用につなげています。  成年後見制度の活用を初めとした権利擁護に向けた対策や利用支援が進むことで、親亡き後の本人の生活を心配される御家族の不安の軽減にもつながります。今後も高次脳機能障害者の本人、家族に向けて成年後見制度の案内などの取り組みを一層進めてまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  続きまして、職場、学校も含めた社会への周知についてです。  言語、記憶、注意、遂行機能といったことに障害が出るために、職場や学校や集団活動などの社会生活の場において特に困難が明らかになってきます。しかし、外見からはわかりにくいため、怠けているとか、変な人と思われてしまいます。  当事者の方が復職したときに職場の理解がなく、ジョブコーチをつけることも断られ、また会社側がミスすることを恐れて仕事を与えられずに、結局退職を余儀なくされたケースもあると聞きました。また子どもが事故や脳の病気になり後遺症を持って学校に戻ったときに、障害に対しての理解が周りにないため発達障害として扱われたり、偏見やいじめに遭って学校に行けなくなっている事例も報告されています。まずは教職員に、この障害の周知を図ることが求められます。必要な支援が受けられずにいる高次脳機能障害児の掘り起こしと支援について、そして職場や学校も含めた社会への周知についてお尋ねします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  職場、学校も含めた社会への周知についてお答えします。  復学、就学に当たっては、学校の教職員に障害を理解してもらうことが必要となります。学習についていけなかったり、友達関係がうまくいかないことにより、トラブルや孤立を招く可能性もあります。周囲の理解と適切な支援があれば適応できることが少なくありません。現在のところ高次脳機能障害児に関する相談はありませんが、埋もれているニーズを掘り起こすめにも教職員が障害について知っていることが必要です。  今年度の支援者向け講習会は学校関係者を対象とし、市内小・中学校、保育園、特別支援学校に周知いたしました。教職員が障害を正しく理解し、それぞれの状況に応じた対応ができるよう、引き続き高次脳機能障害周知用リーフレットや各種講習会を活用して、障害特性や対応方法などを学校に周知してまいります。  また、就労に当たっては一人一人異なる症状があることから、本人が一日でも早く就職や復職をしたいと望んでも、年齢や職種によっては仕事に適した状態まで必ずしも回復していないことがあります。それぞれの状況に応じて長期的な観点で安定して働くために、相談、準備、就職活動、復職、職場定着など、場面に応じて市内2カ所の就労支援センターがきめ細かく支援しております。職場については障害者の個別支援を通じて、個々の状況に応じた高次脳機能障害の特性に関する情報提供や専門的助言を通じて適切に周知、支援してまいります。  加えて市民への周知については、障害への理解を深める取り組みをさらに充実してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  では、最後の質問です。広域的な連携についてです。  高次脳機能障害に対応した医療と福祉の切れ目のない支援が提供されるためには、専門性を持った病院や医師、地域で継続的なリハビリを受けられるための施設、障害に対応したホームヘルプサービスなどの充実が求められますが、その受け皿がまだまだ少ない現状です。その解決を図っていくためにも広域的な連携が求められます。昨年より慈恵第三病院を核として北多摩南部圏域での連携事業が行われていますが、その目的と取り組みについてお聞きします。そして広域的なネットワークの強化により、高次脳機能障害者とその家族の立場に立ったよりよい支援制度に変えていくことを国や東京都に求めていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。山本福祉健康部長。 ◎山本雅章 福祉健康部長  高次脳機能障害者支援における広域的な連携についてお答えします。  専門的な診断や治療を必要とする高次脳機能障害に対応できる大学病院を中心とした医療機関は、市町村ごとに設置されているわけではありません。地域における拠点となる医療機関を中心とした広域的な連携が必要です。この広域的な連携といたしましては、平成24年度から東京都の委託を受けた医療機関である慈恵医科大学附属第三病院が中核となり、北多摩南部圏域高次脳機能障害者普及啓発事業が進められております。  本事業は、高次脳機能障害の特性に応じた切れ目のない支援を提供できる体制の充実を目的とし、北多摩南部圏域に当たる調布市、狛江市、府中市、三鷹市、武蔵野市、小金井市の6市の行政及び専門相談窓口を設置する事業所により構成されています。今年度は地域をつなぐをテーマに、圏域内の高次脳機能障害者の支援機関マップの作成に取り組んでいるほか、定期的な合同会議において各市の現状報告や問題点の共有を図っているところです。ここで明確となった課題を国や都に働きかけていくことも大きな役割と考えています。  また、高次脳機能障害の正しい理解を促進するため高次脳機能障害地域支援研修会が開催され、本年6月に開催された研修会では本市から調布市社会福祉協議会における実践と、高次脳機能障害者を受け入れている市内作業所の取り組みが報告されました。  高次脳機能障害者を地域で支える仕組みを構築するには、市町村における取り組みのみではなく医療と福祉をつなぎ、市を越えた広域にわたる協働や連携が重要です。引き続き医療機関や近隣市とともに高次脳機能障害者支援についての情報共有、理解促進、地域における支援機関の充実を図るため、広域的なネットワークの強化に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  4番、ドゥマンジュ恭子議員。 ◆4番(ドゥマンジュ恭子 議員)  ありがとうございました。  それでは、この質問についてまとめてまいります。先日、市内にある高次脳機能障害者活動センターで開催されたドリームサロンに参加させていただきました。そこでトレイニーと呼ばれる、当事者の方や御家族からのお話を伺いました。クモ膜下出血や脳溢血、バイク事故などの原因である日突然、この障害になった経緯をお聞きして、誰にでも起き得ることであるという思いを強くしました。そして御本人たちからは、ここで初めてこの障害の知識を知ったとか、家にいたときはふさぎ込んでいたけれども、この場所に来るようになって残りの人生を楽しもうと思うようになった。また御家族からは、ここに来るようになってみるみる表情が明るくなってきたという声をお聞きしました。この場所が情報や知識を得る場所であり、グループリハビリを通して人とかかわることで持っている力を取り戻していける。本人にも、そして御家族にとってもエンパワーメントの場になっていることを強く感じました。  調布市では、そのほかに2つの家族会、相談窓口や就労支援センターもあり、専門病院はないものの、市民との協働もあって先進的な取り組みがされていると思います。それは、生活者ネットワークがことしの秋に行った高次脳機能障害の自治体調査を見ても明らかになりました。  さて、障害特性を把握したヘルパーの育成については、地域自立支援協議会のワーキンググループの中でも課題として捉え、研修と養成拠点の整備を検討していくということでした。当事者の意見を反映させながら、ぜひ実現していただきたいと思います。  高次脳機能障害者支援について当初から活動をしているNPO法人日本脳外傷友の会からは、高次脳機能障害の本人と家族、支援者に向けて災害時対応のリーフレットが出されています。「高次脳機能障害もしものときリーフレット」というものですが、このように中を見てみますと高次脳機能障害の方が抱えている問題ですとか、災害時に対応される方にこういう注意点があります。何度も同じことを聞くですとか、並べない、待てない、判断できない、パニックになるなどの注意点が書かれています。そして御家族の方に向けては、もしものときに備えて準備しておくこと。地域の人にも本人の症状や特性を知ってもらう。また本人とともに準備することとして、もしものときの行動を決めて安心カードなどに記載して本人が携帯するなどの細かい、災害時に役に立つようなリーフレットもできております。ぜひこのようなツールも使って、防災対策についても進めていただきたいと思います。   国でも、この障害への本格的な支援事業が始まって10年余りしかたっておらず、やはり一番重要なのは社会に向けて広く周知を図っていくことだと思います。そして広域連携により支援体制の強化を図って、高次脳機能障害をお持ちの方が途切れることのない支援が受けられる社会をつくっていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。 ○林明裕 議長  以上で4番、ドゥマンジュ恭子議員の質問は終わりました。        ――――――――――― ―― ―――――――――――     50 13番 井上 耕志議員 ○林明裕 議長  次に13番、井上耕志議員の質問を許します。  13番、井上耕志議員。    〔13番 井上 耕志議員質問者席登壇〕 ◆13番(井上耕志 議員)  皆さん、こんにちは。議席番号13番、井上耕志でございます。発言の御許可をいただきましたので、これから一般質問を行わせていただきます。なお、一問一答が導入されてから、実は初めてこの方式で質問をさせていただきます。お聞きづらい点があろうかと思いますけれども、ぜひ御容赦いただきまして、おつき合いいただきますようよろしくお願い申し上げます。  このたび質問をさせていただく事項は2点、保育園待機児童問題を調布市だけではなく広域的に捉えて対応することができないか、そして退職された地域の人材が輝けるまちづくりをと題して進めてまいります。待機児童問題に関しては、今議会でもお2人の議員から質問がございましたので重複することもあろうかと思いますが、御理解をいただきたいと思います。  それでは、大きな1点目、保育園待機児童問題の質問に入ります。  市長は平成14年の就任以来、保育園待機児童解消に向けた取り組みを重点的な施策と位置づけられまして、選挙の際にも公約として盛り込むなど精力的に対応を講じられました。結果として、1,700名を超える定員拡大が実現することとなりました。この間の取り組みに関しましては、担当課の皆さんの努力に対しましても本当に頭の下がる思いであります。ありがとうございます。  しかしながら、残念ながら、現在まで待機児童の解消を実現するには至っておりません。今週の月曜日、12月2日から平成26年度4月入園希望の方々の申し込みが始まりました。調布市の保育園に入るには東大の入試に合格するよりも難しいなどといった、本当に悲痛にも似た御意見も耳にしているところであります。待機児童を抱えられている保護者の方々からしてみれば、どれだけ力を尽くしてきたと行政のほうから説明をされたとしても、現実問題、子どもを預けて働くことができない以上、やっぱり調布での保育園の入園は難しいのねと、こういったことになるわけであります。  そこで、なぜ保育園の待機児童が発生をしてしまうのか。これまで調布市は本気でどのような待機児童対策を講じてきたのか。では、どうしたらこの問題の解消につなげていくことができるのかについて、特になぜの部分を掘り下げて伺いたく質問するものであります。議員の皆様方におかれましては、たび重なる本会議、あるいは委員会における質疑で承知をされていることとは存じますが、この場で、あるいはインターネットで傍聴をされている皆様方にも状況を理解していただくべく、少し細かい数値も用いて質疑をいたしてまいります。  それでは、まず冒頭にお伺いをいたします。平成25年度当初、4月に市長は前年度、平成24年度の4月1日現在の待機児童180名の解消に向けてその2倍以上、469名にも及ぶ過去最大級の定員拡大を実施されました。ちなみに、これまでの年度の4月1日現在の待機児童数は、平成20年から204名、21年221名、22年249名、23年225名となっております。これまでの年度当初の待機児童数を大幅に上回るほどの大英断の定員拡大を行ったにもかかわらず、平成25年度4月の待機児童数は208名を数えることとなってしまいました。これまでの取り組みを受けても、本年度当初の定員拡大はまさに本気の取り組みと言っても過言ではないものであると受けとめております。それでも待機児童が発生してしまいました。この点に関しまして取り組みへの評価はさせていただくものですが、解消に至らなかった理由、これをどのように分析されているのでしょうか。また平成25年度はかなり力を入れて取り組みをされたわけでありますが、来年度、平成26年度当初に関しましてはどのようなお考えをもって臨むおつもりでしょうか。市長の見解をお伺いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  平成26年度当初の保育園待機児童解消に向けた考えについてお答えします。  私は就任以来、これまで希望される全ての保護者が安心してお子様を預けて働くことができるよう、その環境整備を市政の重点施策の1つとして位置づけ、待機児童解消を目指してまいりました。整備に当たっては、社会福祉法人とともに株式会社や学校法人など、多様な事業者による認可保育園参入を積極的に促進したほか、認証保育所やグループ型保育施設を誘致するなど、あらゆる手段を講じてまいりました。その結果、平成14年からの11年間で1,750人の定員拡大を実施しました。  しかしながら、平成25年4月時点においても208人の待機児童がいる状況であります。昨年度は認可保育園5園、グループ型保育施設2カ所の計469人という過去最大規模の定員拡大を行いましたが、待機児童数が増加したことから、その要因について分析してまいりました。  平成24年度と平成25年度の申し込み状況を近隣市と比較してみますと、他市の状況が平均で82人、最大で148人の増加となったのに対し、調布市では申し込み者数が317人の増加という結果となりました。これは近隣市と比較して大きく定員を拡大したことにより、潜在的なニーズを顕在化させたと捉えることもできると考えます。  現在、平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度の実施に向けたニーズ調査を実施しており、現在と将来の保育サービス等の子育て支援ニーズの把握に努めているところであります。  平成26年度の取り組みとしましては、基本計画に沿って認可保育園1園の整備を予定しております。また、来年4月に入園を希望される方の申し込み状況と4月時点の待機児童の状況を踏まえ、必要な対策を見きわめてまいります。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございました。総括的なまとめの内容につきまては最後に述べさせていただくことといたしまして、次の質問に入ります。  2点目としては、この間の保育園待機児童解消関連予算についてであります。社会的な背景もあり、年々保育園への入園希望は増加をしているものと受けとめておりますが、一体関連予算の伸び率、これはどのようになっているのでしょうか。よく行政に政策的な物事を依頼をしますと、多くの皆さんが耳にされたことがあるフレーズ、予算がありませんから、こういう言葉ではないかと思っております。果たして本気で待機児童の解消に向けて取り組まれた調布市は、この間どれだけの予算を充ててこの問題に取り組まれてきたのでしょうか。あわせて、ただ予算を増額したということではなく、効率的な予算の運用に関しましても、定員をふやすに当たりどのような工夫をもって臨まれたのでしょうか。  さらに、そもそも0歳から5歳児の園児1人当たりにかかる経費。これは一体どれぐらいなのでしょうか。平均額と年齢別、それぞれにお答えをいただきたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。大木子ども生活部長
    ◎大木正勝 子ども生活部長  保育園待機児童解消関連予算の推移についてお答えします。  認可保育園を初めとした待機児童対策に係る施設整備費につきましては、年度ごとに数字は増減しますが、平成20年度からの5年間のトータルでは約11億6,000万円となっています。この数字には昨年の認可保育園5園とグループ型保育施設2カ所分の整備費、約6億4,000万円が含まれています。非常に多額の施設整備費が支出されていますが、定員を1人拡大するために要した施設整備費を近隣10市と比較いたしますと、10市の平均が約190万円であるのに対し、調布市は約120万円であり、効率的な定員拡大に努めてまいりました。  これは調布市が保育の質の維持・向上を第一に配慮した上で、株式会社や学校法人など多様な法人形態による参入を積極的に促進し、効率的な投資を行った結果であり、今後も費用対効果を考慮しながら進めてまいりたいと考えております。また保育施設の運営に要する経費は、この5年間で約12億円の増、22.3%の伸びを示しています。  なお、園児1人当たりにかかる経費は平均で約160万円となります。年齢別では、社会福祉法人が運営する園を例にとりますと、5歳児では約120万円の経費が必要となり、0歳児では約290万円が必要となっております。  以上です。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございました。平成20年度からの施設整備費。これが5年間でトータル11億6,000万円。そのうち昨年の整備費が6億4,000万ということで、かなり熱のこもった予算計上であったのではないかと受けとめております。また年齢別に係る経費につきましても、待機児童が多い0歳、1歳、2歳にかかわる経費が多額であり、特に0歳児は1人当たり年間およそ290万円がかかるというのは、数字として目の前に出されると本当にそんなにかかっているんだなとお感じになった方もいらっしゃるのではないかと思います。  私のほうでも昨年度の決算ベースで調べさせていただきましたが、平成24年度の一般会計決算が792億8,000万円余り、そのうち施設整備及び運営に係る保育園関係費は67億9,000万円余りとのことでありました。これ、ざっと計算しても調布市の1年間の総予算、一般会計の予算に対して8.5%にも及ぶ保育園関連費ということになります。  では調布市として、これだけ大きな予算をかけて保育園待機児童対策に取り組まれているわけでありますが、都市部では社会問題として大きくクローズアップされており、自治体によっては訴訟にまで発展しているこの問題点に対しまして、調布の近隣自治体の待機児童数の推移に関してはどのように把握されているのでしょうか。お伺いをいたしたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。大木子ども生活部長。 ◎大木正勝 子ども生活部長  近隣自治体の待機児童数の推移についてお答えします。  平成24年と平成25年の待機児童数を比較しますと、近隣市においても一部の市を除いておおむね増加しています。  待機児童数は、その自治体の就学前児童数により大きく左右されます。就学前児童数に対する施設整備率と待機児童割合で調布の現状を考えますと、施設整備率、すなわち就学前児童数に対する公的な保育サービスの受け入れ定員の割合は、平成25年4月現在で調布市は約34%となっており、近隣市が29%から40%の範囲にあることから、おおむね平均的な数値にあると考えています。  また待機児童割合、すなわち就学前児童に対する待機児童数は1.8%となっており、近隣市が1%から3.3%の範囲にあることから、この数値に関しても平均的なものと考えます。  近隣市と比較しますと、調布市は隣の府中市に次いで就学前児童数が多く、また微増傾向が続いている中にあって、これまで毎年、施設整備により定員枠を拡大させることにより、待機児童割合を平均に保ってまいりました。これは、これまで積極的に保育需要に応えてきた結果であると考えております。  以上です。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございます。答弁から、近隣市との比較をしてみても、特段調布市の待機児童数が群を抜いているということではないということは理解いたしました。  しかしながら、平成25年度当初にこれだけの定員拡大に取り組まれたのにもかかわらず、平成24年度当初以上の待機児童が発生してしまったということから、例えば調布の大幅な定員拡大の情報を受けて、転居による入園希望者が増加したのではないかということも考えられるのかなと思いますけれども、この点についてはどのような検証をされているのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。大木子ども生活部長。 ◎大木正勝 子ども生活部長  調布市への転居による入園希望者の増加についてお答えします。  市内の就学前児童数は、平成24年が1万1,647人、平成25年が1万1,832人と微増しております。一方で出生数はおおむね2,000人前後と横ばいとなっていることから、就学前児童数の微増は転入による微増と考えております。転入の理由別の人数については、その調査を行っていないことから正確な数字は把握しておりませんが、就学前児童数については今後しばらくの間、微増から横ばい傾向が続くと想定しております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございます。今いただいた答弁からは、出生数はおおむね横ばいであり、就学前の児童数は平成24年比で185人ふえているということであります。転居理由についての調査がなされてないということでありますので、この増加した人数がそのまま入園希望者ということで直結させることはもちろんできませんけれども、これからの保育ニーズ。これを広域的に捉えていくための1つのデータとして、可能であればですけれども、保育園の入園者の方から転入等を含めてアンケートをとっていくということも、今後必要なのではないかというふうに考えます。  これまで待機児童の解消に向けた考え方、そして予算の推移、近隣自治体との比較、転居による入園希望者の増加という観点から、この問題に対しての市の対応についてお伺いをしてまいりました。では、これからの保育園待機児童対策をどのように進めていくということが効果的なんでしょう。予算が無尽蔵に使えるということであれば何も苦労はないわけですけれども、今回定員拡大に要した整備費が6億4,000万円。そして、それらの新設の施設。この運営費は、本年度の予算ベースで6億7,000万円余りかかってくるというふうに伺っております。つまり、つくればつくっただけ、その後の運営費が毎年毎年かかってくるということになるわけであります。  そこで大規模な予算投入以外の策で、現時点で検討されている事項等ありましたらお聞かせいただきたいと思います。また現在、市内における事業所内保育施設の状況。こちらについてはどのような把握をされているのでしょうか。民間企業の事業所内保育施設との連携。これは、これからの待機児童解消に向けた取り組みへの1つの可能性として感じることのできる方策であるとも思いますので、見解をお聞かせいただきたいと思います。  あわせて、現在建設が予定されている調布駅の駅ビル内に保育施設等の誘致。これを申し入れるべきじゃないかというふうに考えるんですけれども、これは一時保育機能を含めてさまざまな市内の保育ニーズ。これは行政のほうは当然お持ちなわけで、それを事業者である民間の相手さんにも伝えながら、こうした申し入れを進めていっていただきたいなというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。大木子ども生活部長。 ◎大木正勝 子ども生活部長  これからの保育園待機児童対策をどのように進めるべきかについてお答えします。  先ほど市長の答弁にもありましたように、平成27年度から子ども・子育て支援新制度の実施に向けてニーズ調査を実施しており、この調査により把握した必要な保育の量に対応した子ども・子育て支援事業計画を策定することとしております。  計画の策定に当たっては新たな制度の枠組みの中で、これまでの認可保育園を対象とする施設型給付とともに、地域型給付事業として小規模保育や家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育まで、多様な施設や事業の中から利用者のニーズに応じて選択できる仕組みになっております。このことから、グループ型保育やスマート保育などの小規模の保育施設を待機児童が集中する地区に効果的に整備するなど、面と点の両面から対策を講じてまいりたいと考えております。  また、これまで調布市を含む市町村は子育て環境充実のためさまざまな施策を展開してまいりましたが、これからも子育てにおける経済的な負担軽減を図るとともに、安心して子どもを産み育てることができる環境の充実について、財政措置を含めた積極的な支援を市長会等を通じて国と東京都に働きかけてまいりたいと存じます。  市内の事業所内保育施設等の状況につきましては、6施設を東京都へ届け出された施設として確認しております。その内訳といたしましては、企業や学校などの事業所内保育施設が2カ所、病院内保育施設が4カ所となっております。そのほか、ベビーホテルなどが3カ所、病児・病後児保育施設が2カ所、市内に設置されております。  次に、建設が予定されている調布駅の駅ビル内に保育施設等を設置するよう申し入れるべきとの御質問についてお答えします。  保護者の方が保育施設を選ぶに当たって通勤駅周辺の施設を希望されるのは、その利便性から当然のことと考えます。こうしたことから、建設が予定されている調布駅の駅ビルの中に一時保育機能を含めた保育施設を誘致することについて、現在事業者へ申し入れを行っているところです。  以上でございます。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  答弁ありがとうございました。現在、調布駅駅ビルへの保育施設誘致に関しては申し入れを行っているということであります。  平成22年に出されました保育サービスと施設等に関する意識調査報告書によりますと、保育園、幼稚園に預ける場合に重視することとして、自宅に近いこと、最寄り駅の近くにあることが数多く挙げられているところであります。ぜひこの点に関しましては、このニーズを反映できるように対応を行っていただきたいと思います。  あわせて、現在のところまだ議会のほうには報告されておりませんけれども、南口東地区再開発ビルに今予定をされている公共床スペースですね。この利用に関しましても、市の顔である調布駅の前に新しくスペースができるということであります。長友市長が、これまで特に力を入れて取り組みを進められてきました子どもたちに対する施策。これは子育てがしやすい調布市を標榜するということで、やっぱりシンボル的な事業が特に展開されるように利用していただきたいなという願望についても、ちょっとここで述べさせていただきたいなというふうに思います。  このテーマでは最後になりますけれども、子育てがしやすい調布市。これを実現するためにということで、質問をさせていただきたいと思います。  これまでも申し上げてまいりましたけれども、調布市1市で本気で予算計上して、前年度の倍以上の定員拡大を行っても待機児童が解消されないというのが現実であります。ぜひこの現実を近隣自治体とも共同をしていただいて、例えば近隣市との市境に都との連携のもと保育施設を誘致してくるとか、つくるとか、東京都との連携をとっていく中での対策を講じていくということを求めたいというふうに思いますけれども、この点に関しましてはどのようにお考えでしょうか。お伺いをしたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。大木子ども生活部長。 ◎大木正勝 子ども生活部長  子育てがしやすい調布市を実現するためのことについてお答えします。  これまで積極的に待機児童対策を進めてまいりましたが、財政的な面からも毎年大規模な定員拡大を図ることは容易ではありません。また一自治体が積極的な対策をとっても、場合によっては予想以上の人口流入が生じる可能性も否定できません。  一方で、個々の市の事情が異なることから広域的な待機児童対策は決して容易ではありませんが、東京都との連携により近隣市とともに広域的な対策をとることができないか、子ども主管部長会などの機会を捉えて研究してまいります。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございます。国においては、平成27年4月からスタートするとされております子ども・子育て新制度の実施によって、待機児童の解消が図られるというふうにされています。また例えば都議会においても、東京都全体の待機児童の解消という視点からさまざまなやりとりがされているということも承知をしております。ただ、自治体間の保育園関連予算の配分に関しましては、当然その自治体間によってばらつきがありますし、その年度年度での重点政策についても自治体によって異なるわけであります。どれだけ社会問題として取り上げられたとしても、果たしてこの待機児童の解消、この問題がどこまで進むのかというのは非常に悩ましいところでもあります。  冒頭、市長の答弁の中でも、これまで潜在的であったニーズが顕在化をしてきた結果というのも考えられるのではないかというふうにありました。経済状況とか社会状況を鑑みたときに、これからも保育園への入園ニーズというのが今まで以上に高まってくることも予測されるわけであります。そのような中、例えば民間事業者の英知をおかりする。また東京都に対しては補助を仰ぐというだけではなくて、近隣市とのバランスをとった広域的な対応策。こういったものを検討していただくということも、都に対してもしっかりと訴えていっていただきたいというふうに思います。今まで以上にそうした形の中で強固な連携を進めていただくことをお願いいたしまして、このテーマでの質問を終了します。  続いて、大きな2点目のテーマ、退職された地域の人材が輝けるまちづくりをと題しまして質問を行ってまいります。  このテーマにつきましては、私自身、平成16年第4回定例会において戦後世代の定年ラッシュが始まる、いわゆる2007年問題についてと題して質問をさせていただきました。団塊の世代と称される1947年前後に生まれた方々が一斉に60歳という定年退職を迎えるという時期であり、この年代の方々が退職後、地域で輝いて活動をしやすい。そうした環境づくりのため、行政に対応を求めるといった内容でありました。  当時の質問から9年が経過をいたしました。私ごとになるんですけれども、父の勤める会社では定年が65歳ということもありまして、実はいよいよ来月、退職するということだそうです。たまにしか会うことがありませんので余り話をすることもないんですけれども、さて退職後は何をしようかなというのが、このところ久しぶりに会うときの口癖のような気がいたしております。40年以上にわたって長い会社員生活を終えて地元の地域で新しい生活が待っているとなりますと、それは不安にも、あるいは期待にも似た感覚なのかもしれません。  また父親とは関係ない多くの実際に退職した、あるいは退職間近の方からお話を伺ってみますと、これまで全く縁がなかった地域社会にどのように溶け込んでいくのか、そのきっかけをどうするのか、本当になじめるのかといった不安な声というのもお聞きすることがあります。  一方でこの間、前回の質問から9年間ですね。質問した後で、退職されて実際地域で生活をされている多くの市民の方々からお話をお伺いしたんですけれども、例えば簡単なアルバイト、シルバー人材センターの募集で働かれている方、NPO、NGO、法人を立ち上げて活動をされている方、御自宅でのんびり悠々自適に生活をして、しょっちゅう旅行に行かれる方、あるいは地域の趣味のサークル活動に参加される方など、本当に多種多様なスタイルで皆さん生活をされているということでありますが、こうした方々の多くの関心事。これは健康についてということであると。私が聞いた範囲ではですけれども。実際今の私にはぴんとこないんですけれども、老後はどこまで健康でいられるのかが最大のポイントであると言っても過言ではないというくらい、皆さん健康には非常に留意されているという状況であります。  退職された方々の力を発揮していただいて、地域発展にぜひ寄与していただきたいという思いを私自身は持つものでありますけれども、一方でこうした方々が生きがいを持って生き生きと元気に生活を続けていただくことによって、非常に大きい視点にはなりますけれども医療費の抑制。あるいは、ひとり暮らしになったとしても、いろんなサークルに所属しているというようなことも含めて孤立をするということを防いでいく。こうした点についても効果は、なかなか検証をどうしていくのかという問題点はあろうかと思いますけども、1つの効果については考えることもできるんじゃないかというふうに思っています。そうした観点に注目して今回は質問をしていきたいというふうに思います。  まず1点目として、定年を迎えて退職された人材の現状をどういった形で把握をされているでしょうか。これから超高齢社会を迎えるに当たりまして退職をされた方々の動向。大きなお世話だよという方もいらっしゃると思いますので全てをということではありませんけれども、実際どういったニーズがあるのかという点については、注視をしておく必要があるのではないかというふうに考えるものであります。実際どういった形で見ていらっしゃるんでしょうか。また特に人口的に大きな比重を占めていらっしゃる、団塊の世代と言われる方々の大量退職が本格的に始まっているわけでありますけれども、これらの方々の現状については何か把握をされていらっしゃるんでしょうか。お伺いをしたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。花角生活文化スポーツ部長。 ◎花角美智子 生活文化スポーツ部長  定年を迎え退職された人材の現状についての御質問にお答えいたします。  平成24年度から、いわゆる団塊の世代と呼ばれる方々が65歳に達し始めました。65歳以上を高齢者と捉えた場合、団塊の世代は高齢者層の大きな比重を占めることになり、社会に大きな影響を与え得る世代となります。また団塊の世代は、これまで社会のさまざまな分野の第一線で活躍してきた経験を生かした雇用、就労、社会参加活動などが期待されていることから、この世代の方々の意識を把握することは重要であります。  平成24年度に行われた内閣府の団塊の世代の意識に関する調査結果によりますと、この世代が生活上で重視していることは、仕事・事業をしたいが最も多く、次いで趣味や勉強に取り組みたいとなっております。就労目的は、生活費を得るためが半数を超えています。また今後の社会活動への参加意向については、趣味・スポーツ活動が3割を超えており、生きがいを感じるときについては、趣味に熱中しているときがおよそ半数を占める結果となっています。  さらに調布市においては、平成22年度に実施した市民福祉ニーズ調査では、定年退職後の地域活動支援に対する市への要望について伺い、活動と活動したい人を結びつける相談窓口の設置、近所に住んでいる人と協力できる機会を提供すること、これまでの仕事を生かして地域で仕事を立ち上げるときに支援することが上位3位となっています。  また、平成23年度に実施した生涯学習振興計画策定に向けたアンケート調査結果報告書では、生涯学習に関するニーズや意向が明らかになり、今後生涯学習をしてみたいと思うかについて、してみたいと思う、どちらかといえばしてみたいと思うが8割を超えました。  これらのことをあわせてみますと、団塊の世代を初めとする定年退職をされた方たちは、地域の中で生き生きと暮らし続けたいと望んでいらっしゃる方が多いものと受けとめております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございます。今答弁をいただいた中にありました各種アンケート調査などによりますと、仕事あるいは趣味、生涯学習など、さまざまなニーズをお持ちであるということはわかったわけでありますが、その点を踏まえて、では調布市は一体、この間どういった取り組みをされてきたのでしょうか。退職された方々の地域デビューと言っていいんですかね。地域での活動のスタートの成功例なんかを、実際に広報していくというようなことによって同じ思いの方々が、例えばより集まりやすくなったりするというようなことも考えられるんじゃないかなというふうに思います。  実際、今活動されてる方、それから活動するのが全然嫌ではないというか、積極的に活動される方、仕事をされる方も本当にいらっしゃると思いますけれども、そういう方は別にどんどんやっていただいて、ぜひ頑張っていただければと思いますが、実際さてどうしたものかという方々がいらっしゃるわけで、何も積極的に行政のほうからアプローチをということではなくて、まずはそのきっかけをつくっていただくというようなアプローチというのが、私、必要なんじゃないかなというふうに考えます。そうしたアプローチなんかも含めて実際行われているのであれば、その事例も教えていただきたいと思います。あわせて、含めて特徴的な取り組みの事例などがありましたら教えていただきたい、お答えいただきたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。花角生活文化スポーツ部長。 ◎花角美智子 生活文化スポーツ部長  この間の行政の取り組みについてお答えいたします。  調布市では、平成18年度から団塊の世代を初めとするシニア層を対象に地域活動への参加のきっかけづくりを支援し、市民のまちづくり活動を推進させることを目的とする地域デビュー歓迎会という事業を実施しております。実施に当たっては市民による実行委員会を立ち上げ、昨年度はiPad、健康ウオーキング、歴史、男の料理など14回の分科会を開催し、延べ452人の参加を得ました。  1年間の活動のまとめとなる全体会では、前年度以前の実行委員卒業生がパネリストとして登場し、コミュニティビジネスを立ち上げ事業を行っている方、福祉のボランティア活動をしている方、パソコンサークルに入り指導をしている方、別の市民グループで講座の企画・運営をしている方などが実体験をお話しいただき大いに盛り上がりました。  毎回の分科会や全体会の広報は、市報や市のホームページはもとより、今後のセカンドライフ予備軍でもある58歳から65歳の方を対象に、3回にわたって3,800通のダイレクトメールを実行委員会から送付いたしました。これにより分科会や全体会に参加していただいた方も多数いらっしゃいますので、効果があったと認識しております。  そのほか、生涯学習サークル体験、発表会を実施し、800余りある登録サークルの協力をいただきながら体験教室を実施し、ふだんの生活に生涯学習を取り入れる契機や地域とかかわりを持つきっかけづくりに努めております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございました。  続きまして、このテーマで3点目として、ニーズを的確に把握し地域発展に寄与いただける仕組みづくりをという観点から質問をしたいと思います。  これまで実際、退職された方々へのアプローチなどについてお伺いをしてまいりましたけれども、では退職される前の40代、あるいは50代のまだ働かれている方々へのアプローチを行っていくというのはどうでしょうか。  これは最近、大手の企業では地域に帰ってボランティア活動を行うということを、実際社員の方に勧めているというところもあるそうです。これは何かというと、実際今地域においてさまざまな体験を行うということで、仕事の上でも新しいアイデアが生まれたり、本人たちも生き生きするということで、企業にとってはプラスの側面があるということで、こうした取り組みがあるそうです。こうした民間企業の例をとってみても、行政として企業に対して、例えばボランティア活動を通じた連携の申し込みを行っていく。年代についても、現役世代の方々にも目を当ててみる。そうした取り組みはできないものかなというふうに思います。それによって退職をして直後に地域に飛び込むということではなくて、ある程度助走をつけたといいますか、なじんだ形で地域に入っていくということにもつながるんじゃないかなというふうに思います。この辺についてちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。  また、NPOやコミュニティビジネスの支援など、多様なニーズに対して的確にフォローができる。こうした体制の整備も必要かというふうに思います。さらに地域デビューへの戸惑い、これを感じられている方への地域との橋渡し役。これができるような取り組みというものも積極的に進めるべきというふうに思います。これらに関しての見解をお聞かせ願いたいと思います。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。花角生活文化スポーツ部長。 ◎花角美智子 生活文化スポーツ部長  ニーズを的確に把握し地域発展に寄与いただける仕組みづくりについてお答えします。  現在、民間企業がボランティア活動などを通じて地域のニーズに応じた貢献を社員に求めています。その具体例として、市内企業とNPO等が参加する地域貢献事業ちょうふチャリティーウオークや、遠野市を拠点とした東日本大震災被災地復興支援など、調布市においては企業と地域、行政が連携するボランティア活動を実施しております。こうした活動に参加される定年退職を前にした40歳から50歳代にかけた社員の方たちの継続した地域貢献活動が推進されるよう、今後も企業との連携を図っていきたいと考えております。  一方、市民の退職後のニーズは多様であると認識しております。例えばまだまだ現役で仕事や事業を継続させたいという方には文化会館たづくり11階の生涯学習情報コーナーを通じて、産業振興センターの創業支援や市民活動支援センターのNPO法人の設立支援を御案内しています。  また、地域デビュー歓迎会事業では卒業時に市内のさまざまな活動団体を紹介し、自分に合う活動につなげていただけるようアフターフォローを行っています。  さらに生涯学習情報コーナーでは、生涯学習まちづくり推進員がさがす見つかるシステムを利用しながら、市内のグループや団体等の紹介や相談に応じるだけではなく、コーディネートも行い、さまざまなニーズに応えられるような体制の整備に努めています。  今後も退職後の地域デビューに戸惑いを感じられる方たちに対して、庁内のさまざまな部署と連携しながら生涯学習情報や地域との関係づくりを提供するなど、行政としての役割を果たしてまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  13番、井上耕志議員。 ◆13番(井上耕志 議員)  ありがとうございました。この問題を通じまして、実際喫緊の課題という話ではないんですけれども、私自身は行政が退職された全ての方に注視をしてほしいということを申し上げるつもりはありません。80歳を超えて働かれている方ももちろんいらっしゃる。個人で活動を展開されている方もいらっしゃる。また地域活動に全く興味がないという方もいらっしゃると思います。  ただ、いろいろな方がいて、いろいろな考え方がある中で、例えばボランティアというような形で退職された地域の人材。これを生かしていくための、これからの行政としての役割。地域の発展のために、例えば地域で求められているもの。これをどういうふうに掘り起こしていくのか。そうした退職された方々の意欲をそそるプラン。こうしたものを提起をしていく。そして、それと地域の受益者の方々のニーズの掘り起こし。こうしたことを、さらにその両者のニーズというもののマッチングというものを、行政としては行っていただきたいというふうに思います。その際にはNPOだったり、民間企業だったり、そうしたところの資金、人材、ノウハウ。こうしたものの活用も必要になるのではないかなというふうに思っております。これは時間がかかるかもしれませんし、決して即効性があるものではないんですけれども、中長期的に見た場合に引きこもる方を出さない。あるいは、元気に生きがいを持って生き生きと暮らし続けることができる。そうした地域というのをつくっていくと。時間がかかるんでなかなかぴんとこないというところはあるんだと思うんですけども、例えば見守りというものは、もう今すぐ本当に行政が行わなければいけない施策であるというふうに思っています。これも大切な施策です。  ただ、地域活動というものに少し注視をしていただくということによって、10年後、あるいは15年後、20年後の仲間というのができてきて、そことの、皆さんとの連携のもとで、それが見守りのネットワークにつながっていくと。今の見守りネットワークに予算をつける。それはそれで大事なんですけれども、そういうものを、だからこれから時間をかけて構築をしていくと。こうした視点というのも、これからの個人と地域とのかかわりというものを、行政として橋渡し役としてつくっていくためにも、これは大事な視点なんじゃないかなというふうに私自身は感じております。いろんなニーズがありますんで一概にこうだということは言えないんですけども、そうしたニーズを一つ一つ、時間がかかると思いますけれども拾い上げていただいて、これからの地域の発展にそうした方の英知、それから力というものを発揮していただく。そんなまちづくりを実現していっていただきたいというふうに思っております。ということで私の質問は以上であります。ありがとうございました。 ○林明裕 議長  以上で13番、井上耕志議員の質問は終わりました。  ここで暫時休憩いたします。    午前11時56分 休憩        ――――――――――― ―― ―――――――――――    午後 1時29分 開議 ○林明裕 議長  本会議を再開いたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――
        51 15番 川畑 英樹議員 ○林明裕 議長  続いて15番、川畑英樹議員の質問を許します。  15番、川畑英樹議員。    〔15番 川畑 英樹議員質問者席登壇〕 ◆15番(川畑英樹 議員)  皆さん、こんにちは。チャレンジ調布21の川畑英樹でございます。議長から発言のお許しをいただきましたので、ただいまより一般質問をさせていただきます。今回の一般質問は、以前質問いたしましたテーマを織り込みながら一括で質問させていただきます。  私で16番目の質問者となります。若干、以前に質問された方と重複する点がございますが、御了承いただきたいと思います。それと質問が私の所管に当たるところがございますが、大局的な提案ということでございますので御了承いただきたいと思います。  今回は、大きく2つのテーマについて質問させていただきます。まちのにぎわいの創出と防災の備えについてと、高齢者が安心して生活できるまちづくりについての2点であります。  まず、まちのにぎわいの創出と防災の備えについてですが、(1)番、魅力ある中心市街地とにぎわいの創出について、これにつきましては第2回定例会で我が会派の漁郡司議員も質問されましたし、中心市街地に関しましては以前にも多くの議員の方々が質問されております。  平成24年8月19日の深夜から早朝にかけまして、京王線の地下化への切りかえ工事が行われました。およそ1年と3カ月がたとうとしています。御承知のとおり、この事業は京王線の約2.8キロと相模原線の0.9キロを地下化して、あかずの踏切をなくして交通の円滑化を図ることを目的としたものであります。踏切だった18カ所の渋滞が解消されました。市の中央を線路が走ることで南北に分断されていた生活動線が大きく変わりました。都市計画決定からおよそ40年を経て実現した地下化に伴い、今後の事業、そして興味は線路跡地の有効利用及び調布駅、布田駅、国領駅の駅前整備へと移ってまいりました。夢のある魅力あるまちづくりのため、この機会を逃さないようにしていただきたいものであります。  現在、近隣では吉祥寺の駅が再開発を行っています。住みたいまちとして人気が高い吉祥寺ですが、京王電鉄が160億円を投じて建設中の地上10階、地下2階の駅ビル、来春に開業します。吉祥寺は大きく変わろうとしています。既に11月には南口に大型安売り店が進出いたしました。さらに来年3月には南口に大型家電量販店が、来年7月には北口に大型衣料品店が完成します。吉祥寺ではこのように大型店がふえていく反面で小さな店舗は出しにくくなり、今や8割型がチェーン店ということです。この状況につきまして成蹊大学経済学部・井出多加子教授は、大型店進出によって客がふえるのは一時的である。継続的に人を呼ぶためには、吉祥寺ならでは、吉祥寺らしさを高めるまちづくりが必要と指摘しています。ですが吉祥寺の集客力は近隣では群を抜いているものがあります。  さて、話を調布駅周辺に戻しますと、本年5月23日に開かれました全員協議会におきまして、駅ビルを含む3つの商業施設ビルが鉄道敷地と三角地帯にできることが明らかになりました。これとは別に、現在進行中の3つの再開発ビルが平成27年ごろから完成してきます。合わせますと、6つものビルが数年後には調布駅周辺に出現してくるわけであります。働く人、住む人、ふえるでしょう。大型商業施設も進出してくるでしょう。既存の中小の商店に与える影響は大きいものだと思います。できるだけ早い段階で情報提供が必要です。その上で相乗効果を狙える戦略を立てていかなければなりません。  中心市街地活性化プランに掲載されました市民アンケート調査結果によりますと、中心市街地商店街の不便、不満の理由の第1位は駐車場、駐輪場がないこと。2位は品ぞろえが少ないこと。第3位は店が少なく比べ買いができないこと。第4位は休息場所、くつろぐ場所がないこと。第5位は買い物以外で楽しめないことでした。行政経営担当、都市整備担当、産業振興担当がプロジェクトチームをつくり、このような不便、不満を解消することはもとより、どのような調布駅にしていくのか。しっかりとしたイメージを持って調布ならではの、調布らしいまちづくりに取り組んでいただきたいと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  ところで、中心市街地活性化プランでは調布市の地域資源である映画、映像を生かした活性化をうたっています。私は平成19年第4回定例会で、調布のまちづくりには東洋のハリウッド・調布の財産である映像資源を活用すべきと一般質問させていただきました。その際、長友市長は映画「三丁目の夕日」を引き合いに出され、みずからの映画に対する思いを語られました。映画産業という媒体が調布のこれからの振興、発展に欠かすことのできない、そういう業種であろうという強い信念をいまだに持っておりますと答弁されております。  そこで、改めてお伺いいたします。映画のまち調布なのに現在、映画館は一つもありません。ぜひともシネマコンプレックスの誘致を実現していただき、そこに映画関連の貴重な財産を展示し、映画のまち調布をアピールしていただきたいと思います。  あわせて、ストリート・オブ・フェイムの実現を改めて提案させていただきます。ストリート・オブ・フェイムとは有名俳優の手形が埋め込まれた歩道です。ハリウッドのハリウッド・ウオーク・オブ・フェイムには、オスカー俳優ら映画関係者だけでも1,000人以上が刻まれています。香港のアベニュー・オブ・スターズには、ブルース・リーやジャッキー・チェンら73人の手形とサインが並んでいます。  調布では、日活スター石原裕次郎さんら俳優60人と監督4人の手形モニュメントが日活100周年を記念して作成され、スポーツ祭東京2013の開催に合わせて飛田給の駅に設置されましたが、これを新しい駅前広場に移動して展示してはどうでしょうか。また調布駅をおりるとゴジラやガメラ、大魔神がお迎えをする。映画のまち調布をアピールする方法だと思います。  にぎわいの創出のための仕掛けとしましては、駅前広場の床面にLED照明を埋め込み各種イベント時に有効に点滅させるとか、東京駅のオープニングのインパクトで記憶に新しい3Dプロジェクションマッピングを活用するなど、夢のあるまちづくりの演出方法はいろいろと考えられます。また調布独自のマルシェを開催するなど、調布市以外の人たちも調布に行きたい、調布でおりて買い物がしたい、映画を見たいと思っていただけるようなまちづくりを進めていただくことが必要ではないでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に、まちのにぎわいの創出と防災の備えについて、2番、京王各駅と線路跡地に防災の備えについて質問させていただきます。  東日本大震災から2年と7カ月が過ぎ、12月4日、昨日で1,000日を迎えました。本年10月10日現在の死者数は1万5,883人、避難所生活を続けていらっしゃる方は29万人に上ります。都内でも震度5強を観測する大きな揺れを感じ電車がとまったことから、多くの帰宅困難者が発生しました。後に内閣府と東京都がまとめたところでは、帰宅困難者数は515万人に上ったそうです。  調布でも各駅に帰宅困難者があふれました。その後の報告によりますと、3月11日、午後2時46分に大地震が発生した後に、午後4時には既にグリーンホール小ホールに滞留者がいたということです。集計によりますとグリーンホールに800人、第一小学校に270人、滝坂小学校に64人、国領小及び金子団地集会所に79人、総合福祉センターに8人など各駅に滞留者がいたそうです。報告されているだけで1,221人の避難者が利用し、宿泊せざるを得なかった人は517人に上ったということです。  今後、4年以内に首都直下型地震が起き得る確率は70%とされています。従来の想定を上回る震度7の地震が東京を襲う可能性が指摘されています。東京都が昨年4月18日、公表したところによりますと、マグニチュード7.3の首都直下型地震が発生した場合、都内の被害者は死者9,700人、負傷者14万7,600人、建物被害は30万4,300棟、ピーク時の避難者の数は339万人、帰宅困難者の数は517万人と推定されています。大地震はいつ、どこで起きるかわかりません。私たちにできることは地震への備えを可能な限り備えておくことです。  私は10月に、大阪府八尾市の防災公園を総務委員会の皆様とともに視察してまいりました。災害時には一時避難所として、また避難物資の緊急輸送の拠点として、かまどベンチや非常用マンホールトイレ、耐震性緊急貯水槽を整備し、滞留者の避難に備えていました。近隣では三鷹市が下連雀防災公園に続き2つ目の防災拠点公園をふじみ衛生組合の隣接地、三鷹市役所東側に設置、平成28年度に完成させると発表しました。世田谷区の下北沢駅では地下化工事線路跡地に帰宅困難者向けの物資を保管する防災倉庫、水がなくても使えるトイレ、初期消火用の防水水槽などの設置を平成30年度までに行うとしています。  災害に強いまちづくりは喫緊の課題です。京王線の地下化によってできた線路跡地及び3駅に、災害時に使えるかまどベンチ、マンホール型トイレ、防災パーゴラ、防災倉庫を設置し、防災機能を付加すべきだと考えます。これにつきましては東日本大震災の1年と3カ月前、平成21年第4回定例会での一般質問でも線路跡地を防災機能つき公園として整備すべきと提案、質問させていただきましたが、今回、改めて質問させていただきます。また、ほかの京王各駅にも防災機能を整備するよう提案させていただきますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。  次に、大きな2つ目、高齢者が安心して生活ができるまちづくりについてですが、これは3点にわたり質問させていただきます。  まず、悪徳詐欺商法に対する取り組みについて質問させていただきます。高齢者を狙った悪徳商法が後を絶ちません。一口に悪徳商法と言ってもいろいろありますが、代表的なものとしてかたり、点検商法。これは消火器が義務化されていますよと、あたかも公的機関からの派遣を装っての詐欺的商法です。また商品先物取引で絶対もうかります、損はさせませんと強引に勧誘しての投資商法。ほかにマルチ商法、資格商法、催眠商法、送りつけ商法、霊感商法、悪徳リフォーム商法など、まだまだ数え切れないほど詐欺商法があります。  一方、近年圧倒的に増加してきているのが特殊詐欺です。これは電話やメール、ネット、パンフレットなどを使って面識のない人から現金をだまし取る詐欺商法です。オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証詐欺、還付金詐欺、金融商品取引仮称詐欺、ギャンブル必勝法提供詐欺、異性交際あっせん詐欺などといった詐欺を、警察庁では平成11年4月、特殊詐欺と分類いたしました。  本年10月末までに全国の特殊詐欺の被害総額は、過去最悪の383億円に上ります。過去最悪だった去年、平成24年の364億円を既に上回っています。このうち、いわゆるオレオレ詐欺は134億円で昨年に比べて46億円、52%もふえております。被害は首都圏に集中していると12月3日の読売新聞で報道されました。調布市を管轄する調布警察署管内でのことしの特殊詐欺被害も72件、2億5,000万円を上回っているということです。既に昨年を上回っております。調布警察署管内の被害額は去年は都内でワーストワン、1番です。ことしはワースト2位、不名誉な状況が続いています。  警察が振り込め詐欺の水際作戦として力を入れているのが銀行窓口など、高齢者への声かけでございます。調布警察署管内でことし51件、1億6,900万円の被害を水際で阻止しました。これは都内で一番優秀な成績でした。しかし近年、振り込みではなく現金を受け取る手口がふえてきております。オレオレ詐欺には、新しく母さん助けて詐欺の名前がつきました。銀行窓口で水際作戦以外にもさまざまな取り組みがされています。何といっても、母さん助けて詐欺の入り口は電話です。この入り口のところで侵入を阻止することで被害の防止になるはずであります。  警視庁は詐欺対策の一環として、自動通話録音機の高齢者への貸し出しを本年4月1日より始めました。自動通話録音機は、通話内容を自動的に録音する機械です。録音した会話の内容や声紋を分析することで犯人逮捕に結びつけることができます。また呼び出し音の前に、この電話は振り込め詐欺の犯罪防止のために会話内容が録音されていますと警告のメッセージが流れることから、犯罪抑止効果も見込まれています。  また、これとは別に迷惑電話を識別し、ランプで警告をしてくれる装置があるそうです。通信会社とシステム開発会社が共同開発した迷惑電話チェッカーというはがき大の装置で、これを固定電話につないでおくと犯罪に使用された電話番号など、あらかじめ登録された番号からかかってきたとしても、赤ランプが光って警告をしてくれます。その際、着信音は鳴らないように設定することもできるということです。迷惑電話番号は、警視庁から提供を受けた悪質な電話番号2万件を常にアップデートしているということです。なお、家族や知人など、あらかじめ登録した番号がかかりますと青色に光ります。登録していない番号にかかりますと黄色に光ります。着信音が鳴ります。この装置は現在、西東京市の高齢者宅、約1,000件を対象に期限つきで無償貸し出しされ実証実験が行われていますが、危険な電話を回避するために大変有効だと思いますので、御検討いただきたいと思います。  装置によらない対策といたしましては、母さん助けて詐欺の実践的な研修がされております。本格実施は平成26年からですが、警視庁は昨年11月から金融会社やメーカーなど会社勤めの方を対象に先行的に始めています。母さん助けて詐欺の大半が会社員の身分を装い親や祖母を狙っていることから、会社員とその親に詐欺の電話を実体験してもらうというものであります。研修者が親に携帯番号が変わった、会社で失敗したのでお金を送ってくれなどと自分の携帯以外から電話をし、親から折り返し電話がかかってきたところで訓練だったことを説明します。私はニュースで訓練の様子を見ましたが、親が自分の本来の携帯電話にしてくれるかどうか、息子がはらはらしている様子が印象でした。このように、母さん助けて詐欺への対抗手段はハードとソフトの両面から開発されています。詐欺師グループのほうも多様化、巧妙化しています。調布市における自動通話録音機の普及状況を含め、取り組みと相談体制についての御答弁をぜひともお願い申し上げます。  次に、高齢者が安心して生活できるまちづくりについて、(2)番、孤独死を防ぐための取り組みを質問させていただきます。  調布市の人口は、ことし11月1日現在22万4,014人ですが、そのうち65歳以上の高齢者は4万5,393人です。高齢化率は20.26%となっています。私が一般質問で初めて高齢者問題を取り上げたのは平成18年でした。そのときの高齢化率は16.7%でした。次に取り上げたのが平成21年で18.2%。今回は20.26%です。高齢化率14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会でありますので、調布市も近い将来、確実に超高齢社会となってくると思います。  調布市の平成25年度世帯状況調査報告についてによりますと、7月1日現在、70歳以上の高齢者の人口は3万2,835人です。世帯構成内容では住民票上も、居住状態もひとり暮らしの方が5,628人。同居人が長期入院や施設入院などで実質的にひとり暮らしの方が124人。高齢者世帯の高齢者が9,173人。高齢者以外の方と同居する高齢者が4,458人などとなっています。  これらの数字を踏まえた上で、孤独死を防ぐための取り組みについて伺います。実は孤独死には明確な定義がありません。国の統計データもないのですが、年間2万人から2万5,000人の方が孤独死していると推計されています。これは毎年3万人超を数える自殺者数に匹敵いたします。  昨年、立川市の都営住宅で、90歳代と60歳代の母と娘と見られる遺体が発見されたことは大きく報道されました。立川市は住宅を管理する公社から住民と連絡がとれないとの通報を受けながらも、5日間も放置してしまいました。司法解剖の結果、発見された2人は死後1カ月前後たっていたことが判明しました。60代と見られる娘は病死の可能性があり、90代と見られる母親は胃の内容物がほとんどなく衰弱死したと見られるということです。  東京都監察医務院のデータによりますと、2012年に東京23区で5,061人が孤独死しています。孤独死には貧困や格差などの影響も指摘されています。生活に困窮された方が公共料金等を滞納し、電気やガスの供給がとめられた状態で発見されるという大変痛ましい事案も発生しています。  そこでお伺いいたします。第5期高齢者総合計画の中におきまして、孤独死についてどのように取り組んでいるのかをお聞かせいただきたいと思います。  最後に、高齢者が安心して生活できるまちづくりについての(3)番、高齢者虐待についてお尋ねいたします。  厚生労働省によりますと、2011年の全国の高齢者虐待の相談の通報は前年時と比べまして321件、13%の増です。2万5,636件でした。過去最高です。このうち虐待があったと判断された件数は1万6,599件に上りました。このうち身体的虐待は64.5%、心理的虐待が37.4%となっています。加害者は被害者の息子が最も多く40.7%、次いで夫が17.5%、娘が16.5%となっています。被害者の半数近くが認知症患者です。  朝日新聞と日本高齢者虐待防止学会による実態調査では、家庭で高齢者を日常的に介護する中で虐待をしてしまった人のうち6割は、1人で介護をしていました。介護疲れの悩みを抱えており、半数は経済的に困窮していたと分析されています。調布市においても数年前、78歳の認知症の母親に対し51歳の息子が暴行を加え死亡させるという悲惨な事件が起きました。息子が母親の認知症を認めない状況で起きた事件でありました。第5期高齢者総合計画では、虐待を未然に防ぐためには高齢者や家族の孤立をさせないことが大切であるとあります。虐待防止についての具体的な取り組みについてお聞かせください。また、介護施設での虐待の報告はないのかお聞かせいただきたいと思います。  以上、多岐にわたりましての質問でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  ただいま川畑英樹議員から、大きく2点にわたり御質問いただきました。私からは、まちのにぎわい創出と防災の備えについてのうち、魅力ある市街地と人が集えるにぎわいの創出についての御質問にお答えします。  調布市では、中心市街地活性化プランに基づき、京王線地下化を契機としたソフト、ハード両面からのさまざまな活性化プランに取り組んでいるところです。本プランでは、さらなる中心市街地活性化に向けた基本方針として、地域文化の発信・交流の拠点とする。まちを回遊し賑わいを創出する。賑わいのある商業地域をつくるという3点を設定しております。  この基本方針を具現化する各プランを着実に実施するため、中心市街地の市民、事業者の皆様はもとより各実施主体とも緊密に連携し、さまざまな活性化事業を推進することによって、市内全域のにぎわいの創出、また回遊性の向上が可能になるものと考えます。  また、新たな商業施設の創出により従来からの購買行動の市外流出が抑制されることに加え、市外からより多くの方が調布市を訪れることにより消費拡大が見込まれるとともに、品ぞろえやサービスの差別化によって既存商業との共存共栄によるまちの発展が期待できるものと考えております。  今後、段階的、計画的な整備を予定するハード面の進捗に合わせ、社会経済情勢の変化などを踏まえた活性化事業の展開とともに、にぎわい創出につながる事業者の誘致など、より実効性、実現性のある中心市街地の活性化に鋭意取り組んでまいります。  次に、調布駅周辺のにぎわいの創出についてお答えします。  調布市の地域資源を活用した取り組みの1つである映画のまち調布の推進は、にぎわいの創出に必要な施策であり、その旨基本計画にも位置づけております。  調布市中心市街地活性化プランにおいても、まちの回遊性の向上と、にぎわいの創出を目指すシネマコンプレックスの誘致をプランの1つに掲げており、現在、京王電鉄による調布駅周辺の複合商業施設に含まれるよう要望しております。  また、調布市の玄関口ともなる新たな駅前広場には、市内の映画・映像関連企業と連携し、映画のまち調布ならではのテーマ性のあるモニュメントの設置や、魅力的な空間の演出などを検討してまいります。  なお、段階的な整備を予定している駅前の空間を最大限活用し、市内事業者や団体とも連携した魅力的なマルシェの展開についても検討を進めているところです。  調布市特有の地域資源を活用した魅力の発信と積極的な展開により、市民がまちに愛着と誇りを持ち、市外から多くの方が訪れたいと思われる、にぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。 ○林明裕 議長  広田危機管理担当部長。 ◎広田茂雄 危機管理担当部長  私からは、まちのにぎわいの創出と防災の備えについてのうち、京王線各駅と線路敷地における防災の備えについてお答えいたします。  地震を初めとする災害が発生した際における帰宅困難者及び駅前滞留者に係る課題については、実際に東日本大震災で多くの帰宅困難者の発生に対応した経験を踏まえ、地域防災計画の修正において帰宅困難者対策を施策の1つとして挙げ、対策を推進していくこととしております。  帰宅困難者対策は、東京都が制定した東京都帰宅困難者対策条例に基づいた事業者等による一斉帰宅抑制の推進が基本となると考えておりますが、一方で帰宅困難者が駅に集中することを想定した対策を進める必要もあると認識しております。  市では、駅前滞留者等の帰宅困難者について可能な限り市施設での対応を図る予定ですが、多くの方が集中した場合のトイレ対策や支援物資、休息場所の確保が必要だと考えております。京王線の地下化に伴う駅前整備や鉄道敷地の利用は、こうした対策を進める機会であると捉えております。駅前滞留者が集中すると考えられる調布駅周辺や鉄道敷地の整備に当たっては、マンホール型トイレやかまどベンチ等の防災設備の設置について関係部署と協議してまいります。  また、防災拠点の整備として市内東西南北及び中央に防災備蓄倉庫の設置を進めておりますが、中央の整備に当たっては鉄道敷地の活用も含めて検討してまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  花角生活文化スポーツ部長。 ◎花角美智子 生活文化スポーツ部長  私からは、高齢者の悪徳詐欺商法に対する取り組みについてお答えいたします。  近年、高齢者をターゲットにした振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺については全国的に被害が増加しており、警視庁管内においても被害件数、被害額ともに昨年を上回る被害が発生しています。調布市を管轄する調布警察署管内においても例外ではなく、平成25年11月26日現在で被害件数72件、被害額約2億7,000万円となり、調布市内においては被害件数54件、被害額約2億4,000万円と昨年を上回る被害となっております。  また、高齢者の関心事である健康、お金などのキーワードを巧みに操った投資詐欺、送りつけ商法、悪質な訪問販売などに関する消費者相談の割合も増加しており、その被害者は繰り返し被害の対象となる現状もあります。  こうしたことから警視庁では、母さん助けて詐欺など新たな名称を掲げ広くわかりやすい注意喚起を行っており、財務省や消費者庁、東京都でも積極的に啓発活動を展開し、被害を未然に防止するべく鋭意取り組んでいるところです。  市としても、調布警察署や関係機関と連携しながら市報やホームページ、防災・安全情報メールなどによるリアルタイムな情報提供、調布FM、各種キャンペーンなど、あらゆる媒体、機会を活用した広報活動を行い、被害防止のため啓発に努めているところであります。  具体的には調布警察署、調布地区防犯協会と連携した駅頭での振り込め詐欺防止キャンペーンのほか、高齢者を対象としたふれあい給食や高齢者を見守る包括支援センター職員への出前講座などにおいて、啓発DVDや寸劇を活用した視覚、聴覚に訴えかける講義などを実施したり、自治会を通じて訪問販売お断りシールを配布するなど、被害の未然防止に努めております。  また、調布市では現在、オレオレ詐欺防止啓発用DVDを作成中であります。この中では高齢者の方々だけではなく、成り済ましの対象となる世代に注意喚起を促す内容がありますので、より多くの市民の皆さんへ効果的な啓発ツールとして活用してまいります。  さらに、調布警察署では高齢者被害防止アドバイザーの派遣の継続や、年金支給日に市内の金融機関のATMに捜査員を配置するなど徹底した警戒を行っております。また新たな取り組みとして、平成25年4月から調布警察署管内において電話を自動録音する機器「振込め詐欺見張隊」を無料で貸し出す被害防止対策を開始し、現在まで155件の高齢者宅に設置しています。このような取り組みの結果、現在までに51件、約1億7,000万円の被害を未然に防止しています。  被害防止については、これまでの取り組みを継続的に実施していく中でより効果的な対策が求められております。議員御提案の迷惑電話チェッカーの活用や企業の協力による被害防止訓練など、より効果的な啓発内容について先進事例などを含め調査研究を進め、調布警察署や関係機関、庁内関連部署と連携しながら、さまざまな場面、機会を捉えて一人でも多くの市民が被害に遭わないよう粘り強く取り組んでまいります。  以上でございます。 ○林明裕 議長  吉田福祉健康部参事。 ◎吉田育子 福祉健康部参事  私からは、孤独死を防ぐための取り組みと高齢者虐待防止の取り組みについてお答えいたします。  高齢者が社会的に孤立し、周囲の誰にも気づかれずに亡くなる痛ましい事件が相次いでおり、社会的な問題となっていることから、調布市でもその対応が課題であると認識しております。  調布市では、高齢者が安心して暮らし続けるまちづくりを目指しており、孤独死する人がないよう、さまざまな取り組みを実施しております。その取り組みの1つとして、民生児童委員の協力のもと、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の居住状況や近所づき合いなどの生活実態を把握する世帯状況調査を実施し、必要に応じて適切なサービスにつなげるなどの対応を行っております。  また、体調急変時の支援である緊急通報システムや食事を届ける際に安否確認をあわせて行う配食サービス、社会福祉協議会が実施しているおはようふれあい訪問事業などのほか、閉じこもりによる孤立を防ぐことにつながる老人クラブの活動や、ひだまりサロンなどの集いの場の支援を行っております。  平成25年度世帯状況調査から、ひとり暮らし高齢者のうち85歳の方を抽出して集計したところ、全員が介護保険サービスまたは緊急通報システム、配食などの一般施策のいずれかの福祉サービスを利用していることがわかりました。このことは、これまでの取り組みの成果であると考えております。  また、高齢者が地域で安心して暮らし続けていくためには地域での見守りが必要不可欠であり、孤独死の防止にもつながる重要な手段と捉えています。  調布市では、自治会、老人クラブ、民生児童委員、商店会及び医療機関など地域の多様な団体等の協力を得て、地域で心配な方を見かけたら地域包括支援センターへ連絡していただくというソフトな見守り、緩やかな働きかけをモットーとした見守りネットワーク、通称みまもっとを実施し、必要な見守りやサービスにつなげております。  孤独死防止対策については、昨年度実施した職員提案制度によるアイデアを参考にしながら検討してまいりました。その結果、ぐあいが悪い状態を誰も知らない、誰もお世話をしていないという状態にならないようにすることが重要であり、そのためには見守りネットワークの広報啓発や、市民の方が利用しやすい見守りサービスを開始する必要があると考えました。見守りネットワークについては、今後もさまざまな媒体を使って広報啓発に取り組んでまいります。また利用しやすい見守りサービスについては、産学連携により高齢者が元気なうちから利用可能な実効性のある見守り機器の研究を行っているところです。事業化の可否については、本機器及びシステムの実証実験による有効性の検証も踏まえ検討するなど、孤独死のないまちとなるよう次期高齢者総合計画の中で計画してまいります。  次に、調布市での高齢者虐待の実態と対応についてですが、在宅の高齢者虐待に関する通報は、平成23年度は79件、平成24年度は71件受理しました。そのうち高齢者虐待と判断した事例は、平成23年度58件、平成24年度46件となっております。通報のほとんどがケアマネジャーから地域包括支援センターに寄せられております。内容としては、虐待を受ける人は女性が多く、また虐待する側は息子が一番多く、次いで夫、娘の順となっています。虐待の種類では、身体的虐待、心理的虐待及び介護等の放棄、放任を受けている事例が多くあります。  最近の傾向として、ごく初期の段階での暴言や暴力の通報がふえております。これは地域包括支援センターがケアマネジャーなどに対し虐待防止研修を実施した効果であり、このような早い気づきが早期の支援につながっております。また認知症の人を認知症の人が介護する、いわゆる認認介護の事例で介護者が相手の病状を理解できなかったり、問題解決能力が低下したために暴力で解決しようとする事例が少しずつふえており、当事者の理解を得て支援することが困難なことも課題となっております。  原則的には、高齢者虐待については東京都のマニュアルに沿って対応しており、緊急を要する事例には48時間以内に状況確認を行い、必要に応じて緊急一時保護を実施しています。今後も引き続き介護困難家庭に対し早期に適切な支援ができるよう、ケアマネジャーなどへの啓発や地域包括支援センター及び市職員のスキルアップを図るとともに、見守りネットワークの充実や関係機関との連携強化を図ってまいります。  施設での虐待の実態については、平成23年度、24年度ともに虐待通報はありません。引き続き虐待の防止について各種施設に対し啓発してまいります。  今後とも高齢者が安心して生活を送ることができるようまちづくりに取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ○林明裕 議長  15番、川畑英樹議員。 ◆15番(川畑英樹 議員)  それでは、まとめさせていただきます。市長からと各担当部長さんから御答弁いただきました。ありがとうございました。  まちのにぎわいの創出と防災の備えについての1番、魅力ある中心市街地と人が集えるにぎわいの創出についてでございますが、期待と不安の中で中心市街地が新しく大きく変わろうとしています。調布駅は、調布の玄関としてどのようなまちにしていくのかが大きな課題であります。既存の中小商店と新しくできるビルと共存共栄し、相乗効果をもたらすことのできる戦略と、しっかりとしたビジョンを持って取り組んでいただきたいと思います。ほかの市に人が流れていっております。それをとめ置き、あるいは調布に来てもらい、調布で回遊し、楽しんでもらえる魅力あるまちづくりをお願いしたいと思います。  また、調布らしさを打ち出すためには映画館、シネマコンプレックスの誘致が絶対不可欠であります。京王電鉄による調布駅周辺の複合施設に誘致できるよう要望しているというお言葉がありました。ぜひとも実現していただくようお願いをする次第であります。それと映画のまちならではのテーマ性のモニュメントの設置や魅力的な空間の演出などの提案に対しまして、前向きな御答弁であったと思っております。期待をしております。  私は若いころに、映像、映画の世界で出演する側として仕事をさせていただいておりました。映画のまち調布の、この調布駅の前に噴水がありました。そこでロケの待ち合わせをしたのを思い出します。今は全く面影がありませんが、ぜひとも調布の映画資源を活用して夢のあるまち調布として、またこの調布がにぎわっていくことを切に切に願っている次第であります。  中心市街地のまちづくりのにぎわいの創出、調布を魅力あるまちにするためには、単独単独の課部ではできません。産業振興担当、都市整備担当、行政経営担当、その他関係部署がしっかりとスクラムを組んで連携し、情報を共有し、一丸となって取り組んでいただきますよう要望いたします。  京王線各駅と線路跡地に防災の備えについてですが、せっかく魅力ある中心市街地、にぎわいのあるまちになったとしても、いつ大きな災害が襲ってくるかもわかりません。今後、首都直下地震が4年以内に起きる確率としては70%とされています。起きてしまったときにはまだ工事中かもしれませんが、大地震が起こったら東日本大震災のときのように帰宅困難者、滞留者、避難者が出るのは必定であります。災害時に対応するために、かまどベンチ、マンホール型トイレ、パーゴラ、防災倉庫等の設置を前向きに御検討していただき、災害に強い、災害の備えのあるまち調布にしていただきますようお願い申し上げます。  高齢者が安心して生活できるまちづくりについてでございますが、まず悪徳詐欺商法に対する取り組みについてです。この問題は社会的な大きな課題です。調布署管轄で非常に残念なことにワースト上位であります。昨日、資料をとりに行くために調布署にお邪魔いたしました。署の方々は、ぜひ市と連携して取り組んでいきたいとおっしゃっておりました。何とか狙われている高齢者を守らなければなりません。提案いたしました電話自動録音機、また電話に出なければ詐欺に遭わないための迷惑電話チェッカー。実践研修の先進事例などぜひとも検討していただき、有効な手段を講じていただきますよう要望いたします。また啓発活動、声かけ運動、消費者相談の体制の強化もよろしくお願い申し上げます。  次に、孤独死を防ぐための取り組みについてですが、調布市では孤独死に対するさまざまな施策を実践しているところであります。民生児童委員の協力での世帯状況調査の実施、社会福祉協議会による緊急通報システム、あるいは安否確認をあわせて行う配食サービスなど、孤立を未然に防ぐ努力をしているとお伺いいたしました。平成25年世帯状況調査の集計では、ひとり暮らしの85歳以上の全員が介護保険サービス、あるいは緊急通報システム、配膳サービスを利用しているとのこと。これは見守りの取り組みの成果であると評価をさせていただきます。  ほかの自治体では電気製品の利用状況の確認。例えば冷蔵庫のあけ閉めなど、そういう使ったか使わないかによって安否確認をしているという自治体もあると聞いております。調布におきましては、産学連携により実効性のある見守り機器の研究を行っているということでございます。ぜひ実現をさせていただきたいものであります。調布市は高齢者を孤立させない、孤独死させないをモットーに、見守りネットワークと連携をとっていただくようお願いを申し上げます。  最後に、高齢者虐待防止の取り組みについてでございます。在宅の高齢者に対する虐待に関する通報は、先ほど教えていただきましたように平成23年度が79件、平成24年度が71件。うち虐待と判断された件数は23年度が58件、24年度が46件と、そして通報者のほとんどがケアマネジャーだということです。内容は、残念なことに被害者が母親、あるいは妻である女性。加害者は息子、夫、娘の順だということです。  高齢社会になれば介護が必要な世帯がふえてきます。また老老介護もふえてきます。そんな中で誰にも相談できず、介護疲れ、あるいは母、妻の認知を認めることができない状態での虐待がふえているということです。虐待防止には早期発見、早期の支援が必要です。見守りネットワークの充実並びに連携強化を図るとのお答えでございましたので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。
     市長も、議長も、当然私も、そしてこの議場にいらっしゃる全ての方、いずれ年をとります。人は皆、年老いていきます。80歳、90歳、100歳、まだまだ元気な方も大勢いらっしゃいますが、誰もが年を重ねていくんです。そのときに高齢者に優しいまちであってほしいものだと、私は切に願っております。夢のある調布のまちづくりに、長友市長のリーダーシップに期待いたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○林明裕 議長  以上で15番、川畑英樹議員の質問は終わりました。        ――――――――――― ―― ―――――――――――     52  5番 清水 仁恵議員 ○林明裕 議長  次に5番、清水仁恵議員の質問を許します。  5番、清水仁恵議員。    〔5 番 清水 仁恵議員質問者席登壇〕 ◆5番(清水仁恵 議員)  皆様、こんにちは。チャレンジ調布21、清水仁恵でございます。林議長より発言許可の御指示をいただきましたので、一般質問を開始いたします。  今回は平和への取り組み、さらなる推進をと題しまして、質問を大きく3点行ってまいります。一昨日、平和祈念事業についての御質問がありましたので、一部内容が重複いたしますことを御了承ください。どうぞ最後までおつき合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。  さて、皆様も御承知のとおり、7年後の2020年に東京オリンピックが開催されることが先日決定いたしました。1964年に東京でオリンピックが開催されてから実に約半世紀を経ての開催となります。過去に私は草の根で行われる日中間の民間友好交流をアレンジ、サポートする仕事についておりました。東洋の魔女と言われたバレーボール女子日本を主将として率い、金メダルを獲得した河西昌枝さんもまた、日中間の友好交流を通して世界平和に寄与したいという思いをお持ちになっておられたお1人で、一緒にお仕事をする機会に私の知らない当時のオリンピックのことをよくお話ししてくださいましたが、一時代を築かれたその河西さんも去る10月初めに80歳でお亡くなりになられたそうです。御冥福をお祈りいたしたいと存じます。  私は幸いにも河西さんのお話から当時のオリンピックの一端をうかがい知ることができましたが、1964年当時には現在の40代世代、私たち30代世代、あるいはそれ以下の世代はまだこの世に生を受けておりませんので、まさに私たち世代を初め、多くの国民が初めてのオリンピック開催を自分たちの住まう国で経験することとなります。東京オリンピックが開催されるころには、開催地東京に位置しております我が調布市におきましてもオリンピック競技が行われ、世界中から大勢のお客様をお迎えするものと今からわくわくし、期待を膨らませるのは私だけではなく、皆様方もきっと同じお気持ちではないでしょうか。  オリンピックは平和の祭典と言われております。紀元前の昔に行われていた古代オリンピックでは、オリンピックが開催される年には、たとえ戦争をしていたとしても戦争を中断したと言われており、近代オリンピックの考え方も、オリンピックによって平和な世界づくりに貢献することにあります。調布市におきましても、東京オリンピックを見据えた平和の祭典の一開催地となるにふさわしい平和への取り組みをさらに充実させていく必要があると考えます。  過去に私は世界平和につながるよう多文化共生の視点から、地域が国際協力の身近な実践の場となる施策の充実を提案させていただきました。今回は、また違った角度からの世界平和につながる取り組みについて質問を行いたいと存じます。特に戦争、戦中体験を有し、次世代へとその経験を語り継ぐことができる人々の高齢化が進み、若い世代、子ども世代が戦争について直接学ぶ機会に乏しくなっていることが懸念されます。調布市でもそれを認識され、戦争体験を語ってくれる市民を画像におさめるなどの努力を行われていることに大きく評価をいたしておりますが、平和に向けた施策展開、平和事業のさらなる推進が望まれます。戦後半世紀を過ぎた今だからこそ、また平和の祭典をお迎えする準備の一環として、調布市における積極的な平和の取り組みのさらなる推進を提案するものであります。  まず、質問通告1番目、市の考え方についてです。  調布市における平和に関する歴史を振り返ってみますと、1983年9月27日、調布市非核平和都市宣言が市議会によって採択され、その7年後の1990年3月23日に調布市国際交流平和都市宣言が市によって行われています。そして直近では2010年8月1日に、長友市長が当時の平和市長会議に加盟されました。なお、平和市長会議は本年8月、広島市で開催された総会において規約改正が行われ、現在では平和首長会議という名称に変更されています。  ホームページによりますと、1982年に設立された平和首長会議は、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続ける世界の自治体で構成される無党派の組織であり、国連の経済社会理事会に登録されたNGO。本年11月現在158の国、地域から5,804の都市が加盟しており、その人口は世界の総人口の7分の1に当たる10億人に及んでいるとのことであります。日本国内の加盟都市は全市区町村の79.6%に当たる1,387に及んでおり、加盟都市数は国内外とも増加の一途をたどっているそうです。こうした中、平和首長会議では加盟都市市民と連携し、2020年までの核兵器廃絶を目指す2020ビジョンの積極的展開を図っているそうです。2020年には被爆者の平均年齢が78歳を超えるとの記載もありました。  ここでは、平和首長会議の加盟市としての長友市長の見解をお尋ねしたいと存じます。長友市長が平和首長会議に加盟してから3年が経過いたしました。加盟4年目の今、市長はどのようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。市長が加盟したことによる成果、市民にもたらされた効果をお聞かせください。また今後、加盟市としてどのような取り組みを行っていかれるのでしょうか。平和首長会議が目指す2020ビジョンは、くしくも東京オリンピック開催の年であります。平和の祭典であるオリンピック開催予定地の首長としての平和へのお考えを、改めてお聞かせいただきたいと存じます。  次に、非核宣言を行った自治体の連携組織である日本非核宣言自治体協議会についてお尋ねをいたします。  日本非核宣言自治体協議会は1984年、広島県府中町で設立された非核宣言を行った自治体の連携組織です。真の平和実現に寄与するため、全国自治体、全世界全ての自治体に核兵器廃絶、平和宣言を呼びかけるとともに非核宣言を実施した自治体間の協力体制を確立することを目的とし、情報・資料の収集、調査研究、平和事業推進を行っています。設立趣旨には、世界恒久平和の実現に寄与することが自治体に課せられた重大な使命であるとも書かれてあり、全国の300近くの自治体により組織されており、総会、研修会のほか、さまざまな平和事業を通して設立の趣旨の実現に努力されているそうです。多摩地区におきましては、武蔵野、三鷹、昭島、町田、小金井、日野、西東京、青梅、国分寺、多摩の10市が加入しています。  世界的な規模の平和首長会議に比べ、国内組織である日本非核宣言自治体協議会では、国内自治体間のよりコンパクトな活動や、協議会の施す充実した制度の利用が可能であると考えます。加入資格は非核宣言を行った自治体であること。これは自治体が行った宣言でも、議会決議でもどちらでも結構とのことですので、調布市には加入資格があります。人口5万人以上の市及び特別区の分担金は年間6万円だそうです。この組織を調布市ではどのように捉えられているのか。また加入することによる市としてのメリットやデメリットなどを含め、市としての加入の意向を伺いたいと存じます。  続きまして、条例制定や基金の創設についてお尋ねをいたします。  調布南口駅前公園に設置されている、世界の平和を願い平成3年に設置された平和と文化のモニュメントですが、調布駅前広場の整備に伴い撤去されると伺っております。代替のものを検討されているとは聞き及んでおりますが、まちづくりの変貌や体制の変化、予算の大小に伴い、平和と文化のモニュメントにかかわらず平和を目的として長年にわたり構築してきたものが、ある日突然、姿を消すのではないかと危惧します。近隣他市では平和に関する条例を制定し、長く平和を守っていこう、考えていこうという姿勢を示している自治体があるのですが、調布市ではどのようにお考えでしょうか。さらに平和に関する基金を設置している自治体も存在しており、将来にわたる事業の継続的な実施が重要である平和事業の財源を安定的に確保するために基金制度を活用しているそうです。  調布市においては厳しい財政状況のもと、単独に平和に関する基金を新たに設置することは困難かもしれません。しかしながら、調布市国際交流基金を改組し、平和を目的とした事業にも適用できるよう国際交流平和基金として対象事業の拡大を行うことは可能かと考えますが、御見解をお聞かせください。  市の考え方についての最後に、平和の日や平和週間、平和月間の制定についてお尋ねいたします。  東京都においては、平成2年、平和国家日本の首都として戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、東京都平和の日条例を制定。昭和20年の大空襲により一夜にして多くのとうとい命が奪われた3月10日を、平和の日として制定しています。都内や近隣自治体においても、平和の日、平和週間、月間を制定している自治体が多くあります。年間を通して市民が平和について考えることができる環境を構築することはもちろん、特に重点的に平和について考える特定の日や期間を設けることが戦後半世紀を過ぎた今だからこそ必要と考えますが、市としての見解をお伺いいたします。  次に、質問通告大きな2番、市民に向けた啓発事業についてお尋ねしてまいります。  ここでは、まず戦争遺跡の保存状況や、それらを活用した平和学習についてお尋ねいたします。調布市平和祈念のチラシを拝見すると昭和20年ごろの調布市域が掲載されており、戦争に関係する軍事施設、軍需産業、学童疎開地などがプロットされていました。その数を数えますと、およそ40カ所にも上ります。このような戦争遺跡や戦争に関する場所を訪ね、平和に思いをはせる事業を郷土博物館と連携して行ってはいかがでしょうか。親子で平和について考える機会を提供するため、戦争遺跡や戦争に関する場所をめぐる親子バスツアーを行っている自治体もありますが、調布市における市内の戦争遺跡や戦争に関する場所の保存状況や活用についてお尋ねしたいと存じます。  次に、平和事業における市民との協働、ほか自治体との連携についてです。  市民との協働した平和事業として、毎年9月に市内で行われる平和を祈念するセプテンバーコンサートが挙げられますが、今年度、市民に向けた新たな取り組みの1つに折り鶴を市民と協働し準備し、調布市から平和首長会議の総会開催に合わせ開催地である広島へ送ったと伺っています。折り鶴を折った市民の平和への思いを被爆地広島へと届けられたすばらしい事業と評価しております。今後、平和事業や平和の啓発を市民とどのように協働して行っていくのか、現状とあわせて将来的な方向もお聞かせいただきたいと存じます。  さらに平和な社会を持続させていくことや、戦争体験者が高齢化し、若い世代や子どもたちの学習機会が減少していく傾向にあるのは調布市だけの問題ではありません。多摩地区にも戦争に関係する遺跡やストーリーが点在していると聞き及んでおります。ほか自治体と連携した平和事業を行っていくことも必要かと考えますが、御意向をお聞かせいただきたいと存じます。  市民に向けた啓発事業についての最後に、被爆地への親子派遣、青少年派遣を御提案させていただきたいと存じます。  私は15歳まで広島で育ちました。市の事業も、学校教育の中でも常に平和を考える仕組みがありました。小学校が夏休みを迎える毎年8月6日は登校日とされ、原爆が投下された8時15分には全校児童が黙祷をささげたこと。中学生のとき被爆された方のお話を直接聞き、戦争は二度と繰り返してはならないと教えられたことなど、数を挙げれば切りがないほどです。世界遺産の原爆ドームを初め、数多くの被爆建物を学区に持つ私の卒業した小学校では、チョークで書かれた壁に残された伝言や爆風でゆがんだ鉄製のドアなど被爆した校舎の一部を当時のままに保存し、現在では広島市立袋町小学校平和資料館として無料で一般に開放され、国内外から多くの方々が訪れているそうです。ぜひとも調布市からも被爆地へと市民を派遣していただき、平和な社会を後世に継承していただきたいと願うものであります。  平成24年度、多摩地区においては6つの自治体、武蔵野、小金井、小平、国分寺、西東京、清瀬の各市が何かしらの形で市民を被爆地へと派遣しています。そのほか平成25年度、青梅市では世界連邦平和年宣言55周年記念として広島へと親子派遣を行っています。この青梅市の親子派遣に参加した小学校6年生の感想文があります。率直に今の子どもたちが思っていることを代表するような文章ですので、一部御紹介させていただきたいと思います。  平和について? 平和って言われても、まあいいじゃない。日本は今でも十分平和だよ。そんなのどうでもいいじゃない。広島に行く前の僕の平和に対する興味は、面倒な宿題の興味より低かった。平和に対する考えなんてあるわけない。僕はまだ小学校6年生だ。平和なんて具体的なイメージも湧かないし、そもそも広島って暑いだけじゃないの。平和記念式典でも座れるかどうかわからないんだから、出席しなくていいと思う。家のテレビで見ればいいじゃないの。平和記念資料館だって、パソコンで調べればいいじゃない。写真くらいなら出てくるよ。僕は広島に行くことに否定的だった。平和には適当な意識しか持っていなかった。ところが、僕の平和に対する意識は広島に行ってぐるりと変わった。資料館のろう人形を見たときには怖いと思った。北朝鮮とかが核戦争とか言ってるけれど、そんなことをやったら人類が滅亡してしまう。相手だけでなく自分たちも死んでしまう。勝ちも負けもない。待っているのは破滅だけだ。もっと仲よくできないのか。これこそが本当の平和だと思った。広島に行って平和の具体的なイメージがつかめた気がする。平和とは地球の国々がお互いのことをもっとよく知り、仲よくかかわっていく。これが僕にとっての平和です。その平和を実現するために僕は外国語ももっと積極的に勉強したいと思いますと、子どもがつづっています。  一緒に参加したお母様からは、平和で生きられる、当たり前のことのように思っていたことに考える機会を与えてくださったことに感謝し、これから親子で平和について考えていきたいですという感想がありました。  財政が厳しい中で、より多くの人数の市民を派遣することは困難かもしれません。しかしながら、自治体によっては数組の親子を対象とし、長崎、広島へと派遣するもの。平和に関するポスターや川柳などを募集し、そのインセンティブとして派遣するもの。市民に費用負担してもらい派遣している自治体もあります。工夫次第で可能な事業であると考えます。  冒頭申し上げましたとおり、2020年には被爆者の平均年齢が78歳を超えるという現実が待ち構えています。被爆をした方の生の声を聞くことのできる時間が迫っている今だからこそ、被爆地への親子派遣、あるいは子ども・青少年派遣を実施していただきたいと願うものですが、いかがでしょうか。さらに広島、長崎ともに、市費を投じた青少年、子どもたちが学べるワークショップなどを取り入れた独自の平和学習プログラムを持っています。これらのプログラムは調布市にはないものです。これらの平和学習プログラムに子どもたちを派遣し、青少年を派遣し、そこで学んだ成果の報告会などを行い、広く平和を波及、浸透させる取り組みを行っていただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。  続きまして、質問通告大きな3番、学校教育における取り組みについてお尋ねしてまいります。  まず、学校教育の中における平和学習についてです。平成18年12月、戦争体験を有する市民グループの方々が、上ノ原小学校で6年生全員を対象に戦争体験の語り部を始めたと伺いました。平成21年からは北ノ台小学校で、平成23年度には第一小学校、富士見台小学校、調和小学校からも依頼があったそうです。語り部の話を聞き子どもたちちは、これから戦争の恐ろしさを語る人は少なくなっていくと思います。私たちがそれを語り継ぎ戦争の恐ろしさを伝えようと思います。お話を聞いて戦争という真実は決して忘れてはいけないことだと思いましたなどの感想を述べ、かかわった語り部の方々は、12歳の子どもたちがこのように自分たちの話を聞いて感想を述べられるようになったことは大変心強く、うれしい限りであると述べられています。  これらは市内一部の小学校の取り組みであるようですが、市としては学校教育の中で戦争体験を今後どのように継承していくのか。また、平和学習の必要性についてどのようにお考えかをお聞かせいただきたいと存じます。また平和学習は体系的に学習することが望ましいと考えますが、各学校タイトな授業時間数の中でどのような工夫が図られているのか。平和学習にまつわる地域との連携、郷土博物館や市の平和事業との連携、戦争体験のある市民が語る様子を収録したDVDや、実際にお話をしていただける語り部の活用の実態もあわせてお尋ねいたします。  続きまして、中学校の修学旅行先についてです。昨年11月に行われた関東地区公立中学校修学旅行研究発表会の中で、埼玉県熊谷市の中条中学校が平成24年度から修学旅行を奈良・京都ルートから、広島・京都ルートへ変更したという取り組みが研究発表されています。変更した理由として、太平洋戦争の惨禍をこうむり、世界でも例を見ない被爆地広島の過去の痛ましい事実を風化させてはならない。戦争体験世代が2010年時点で総人口の16.5%となっているため、今の生徒たちにとっては祖父母から戦争体験談を聞けるという状況は難しくなってきている。平和教育を実践しているが、やはり実物を直接見られる体験学習から得られる効果には及ばない。今後の日本、そして世界の平和のあり方についての指針を与えてくれるはずである。原爆により一瞬にして奪い取られた命のとうとさや家族の嘆き、そして60数年たった今なお被爆による後遺症との闘いに苦しむ人々の現実をしっかり把握させることができる。東日本大震災に伴う福島第一原発事故の影響の傷跡は深く、長期的展望に立った対応策が迫られている。今後も放射性物質についての正しい知識と正しい対応策を身につけ、立ち向かわなければならない現実がある。悲惨な戦争がもたらした原爆被害を知るとともに、今後の平和のあり方やエネルギー問題等を適切に解決していく一助になると思われるなどが挙げられています。  中条中学校の生徒たちは事前学習として、2年生の歴史的分野では古代から近代の日本における京都の歴史を学習、3年生の歴史的分野において第二次世界大戦における広島を学習、同時に埼玉県平和資料館の出前授業ピースキャラバンを実施したそうです。さらに総合的な学習の時間や理科の時間において放射線について知識の習得や、京都における名所旧跡等の歴史的由来について調査を行ったそうです。事後学習では理科分野のエネルギーで放射線について再度確認し、国語分野及び総合的な学習の時間では修学旅行記として修学旅行を振り返りながら平和学習及び歴史学習をまとめ、公民的分野の私たちの政治の項目において改めて平和のとうとさと平和を愛する心情をより深めたとのことです。  胎内被曝をした広島被爆者援護会の担当ガイド女性は生徒に宛てた手紙に、生徒の皆様に戦争の悲惨さ、平和、生命のとうとさを語りたい。そして一緒に考えたい。被爆者は病気や高齢化で語る人が少なくなりつつありますが、一人でも多くの若者に伝える活動をライフワークにしたいと強く思っていると記述しています。  一方で生徒の感想は、原爆の悲惨さがわかった。後の世代にも伝えたい。家族や友達に教え、いろいろな人に戦争や原爆のことを受け継ぎたい。大人になっても広島に行き、平和学習、原爆、戦争のことを学んだということを忘れないようにしたい。自分の子どもができたら話せるようにしたいなどと、おおむね誰かに伝えたいという感想を持っていることがわかります。そのほかにも、原子爆弾の恐ろしさは熱風や爆風だけでなく、放射能が一番怖いということがわかりました。放射能のせいでそのとき受けた人だけでなく、その後の人たちまでも原子爆弾の恐怖から逃れられないということがわかりましたと、放射能の影響について感想を述べているものもありました。学校側も、胎内被曝者であるガイドさんによる平和公園内の案内は広島の苦悩等の生の声を聞くことができ、大変効果的であったと記述しています。  ここでは、中学校の修学旅行における平和学習の取り組みについてお尋ねをいたします。中学校選択制を取り入れている調布市においては、熊谷市中条中学校のように年次での系統的な平和学習に特色を持ち、広島や長崎などの被爆地へ修学旅行として訪問し、見て聞いて体験し、被爆地で得たことを後の世代に伝えていく取り組みを行う中学校があってもよいのではないかと考えます。市内の中学校の修学旅行先は軒並み京都・奈良であると伺っておりますが、修学旅行の実態とあわせて御見解をお聞かせください。  学校教育の中における取り組みについての最後に、平和的解決手法であるピアメディエーションを用いた学習を学校教育の中に取り入れることを御提案いたします。  ピアメディエーションとは、1980年代からアメリカで開発されてきた子ども同士による調停プログラムで、ピアとは仲間、メディエーションには調停や仲裁という意味があり、もめごとに遭遇した子どもたちが話し合いのルールに従って互いに意見を言い合い、仲間の子どもが中立的な調停者として話し合いを助けていくものだそうです。その話し合いの中には、トラブル自体を全て悪だと回避するのではなく率直に話し合い、お互いの考え方の違いを認めて、双方が満足できる状態を自分たち自身で探していくというプロセスがあります。子どもたちの言い分を教師が判断、指導するのではない、このピアメディエーションによる子ども同士の解決は、トラブルに陥っている子どもの自尊心や自立心を尊重し、また調停者となった子どもの、仲間の役に立っているという自尊感情を高めることができます。ピアメディエーションはトラブルの平和的解決方法となるにとどまらず、ちょっとしたいさかいが大きなトラブルへ発展することへの予防策としても期待できます。  大人の力をかりずに話し合いを進める、子どもたちの掃除の時間を想定したロールプレイの1こまです。Aさん、「掃除をちゃんとしてください」。B君、「したよ」。Aさん、「まだごみが落ちているじゃない」。B君、「僕じゃないよ」と、掃除の時間によくある風景です。そこに仲裁役の子どもが登場し、「ごみが落ちていたからAさんは注意したんだよね。それについてB君はどう思う?」などと仲裁役は両者の言葉を受けとめて繰り返し、もめごとの内容を把握し、両者の感情を受けとめ、どうしたいのかを聞き取って解決策は示さずに安心して話せる環境をつくります。仲裁役の声かけに導かれ、けんかをしていた2人が出した結論は、残りのごみをみんなで拾うであったそうです。取り組み後の感想として、子どもは、けんかをとめられる人がいて先生を呼ばなくて済む。教師は、何か起きても子どもたちは争いを客観的に見ることができるようだと述べています。  このように、平和的解決に導くピアメディエーションの教育現場への導入を提案するものであります。核家族化、少子化が進行し、人と人のつながりが弱くなっている現代においては、子ども同士でトラブルを解決するチャンスにも恵まれません。もっとも平和的に解決することに視点を置かれた手法ではありますが、さらに生きる力である人間関係づくりやコミュニケーション力向上のためにも有効であると考えますが、御見解をお聞かせください。  以上、多岐にわたり質問を行ってまいりましたが、御答弁をよろしくお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  ただいま清水仁恵議員から、平和への取り組みについて御質問をいただきました。私からは、平和施策に関する考え方についてお答えします。  初めに、平和首長会議についてであります。  平和首長会議――これは当初は市長会議でありましたが――に加盟したことを契機に、平成24年度から夏休みに広島の原爆資料を展示する平和展を毎年開催しております。調布市では、戦争の悲惨さについて若い世代に語り継ぐ取り組みを継続して実施してきましたが、この平和展は小学校6年生が社会科で第二次世界大戦の歴史学習をすることから、学校と連携した事業として特に力を入れたものです。この催しでは親子で来場する姿も多く見受けられ、平和首長会議への加盟が取り組みの効果に大きく寄与しているものと考えます。  平和首長会議の2020ビジョンの目標年である2020年は東京オリンピックの開催年であり、調布市も競技開催予定地の1つでありますので、一層平和な世界の実現についての働きかけができる好機と捉えて対応を講ずるべきと考えております。  次に、日本非核宣言自治体協議会への加盟についてであります。  調布市では、既に市議会において調布市非核平和都市宣言が発せられており、協議会に加盟せずともさまざまな平和事業を広範に実施することにより、調布市民の平和を希求する思いをより周知させていくことは十分可能であると考えております。   その他の御質問については、担当よりお答えいたします。 ○林明裕 議長  花角生活文化スポーツ部長。 ◎花角美智子 生活文化スポーツ部長  私からは、平和と文化のモニュメント、平和の日や月間の制定と平和についての市民への啓発事業についてお答えいたします。  初めに、平和と文化のモニュメントについてです。このモニュメントは設置から20年以上が経過し、市民の皆様に愛着を持っていただいておりますので、調布駅前整備により撤去するとしても代替の取り組みを検討してまいります。  次に、平和に関する事業についての条例や基金についてです。平和を希求することは日本国憲法に掲げられており、調布市基本計画では、まちづくりの基本理念の実現に向け、平和・人権施策の推進を位置づけております。これにより、平和事業を推進していくことは基礎自治体の責務であると考えます。今回の条例や基金については貴重な御提案と受けとめさせていただきます。  平和の日や週間、月間の制定につきましては、調布市基本計画で示すとおり特定の期間に特別のPR事業を実施することよりも、年間を通じてあらゆる機会に平和のとうとさと戦争の悲惨さを、特に若い世代に伝えるという目的を重視した事業の展開を目指す所存であります。  また、この年間を通した啓発事業については先ほどの原爆資料展のほか、調布市文化・コミュニティ振興財団と共催で実施する平和事業の実施内容にも反映しており、昨年度の大沼英樹写真展「忘れえぬ桜たち」や、今年度の渡部陽一写真展及び講演会の実施など、若い世代への事業参加に向けた取り組みをさらに充実した形で、市民の皆様に戦争の悲惨さや平和のとうとさを訴える事業として実施してまいりたいと考えております。  次に、市内に残る戦争遺跡を活用した平和学習についてです。市内にある戦争遺跡につきましては既に撤去されたり、他の建造物に建てかわったりしていることが多く、また一部残存するものであっても、個人の敷地内である場合は一般開放が困難な状況です。  調布市内には戦争体験者の証言により、戦争遺跡だけではなく戦争の爪跡を今も残す植物や場所があることがわかり、市民の戦争体験記録集にも記載されております。この記録集は図書館、小・中学校に配架しております。また市内の都立高校で、こうした少ない戦争遺跡や証言された市内の戦争の爪跡をめぐる公開講座を実施したほか、郷土博物館や図書館でも戦争に関する資料を活用した事業を実施しております。  市民との協働や他の自治体との連携による平和事業の実施については、今年度、台風被害のため中止となった飛行場まつりにおいて、三鷹、府中、調布市が所蔵している平和に関する資料の展示を予定したところであります。今後とも近隣市との協働による事業の実施について取り組んでまいります。  被爆地への親子派遣、青少年の派遣につきましては近隣市でも派遣をしている自治体があり、現地で実際に被爆した方の生の声を聞いたり、現物を目にすることは、戦争の悲惨さを実感する大変重要なことだと考えます。今後、広島平和記念資料館から被爆資料をお借りした原爆展など、より多くの市民に平和な世界について考えていただける取り組みを重ねる中で検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  宇津木教育部長。 ◎宇津木光次郎 教育部長  私からは、学校教育における平和について学習する取り組みについてお答えいたします。  各学校では、学習指導要領に示されている伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛し、公共の精神をとうとび、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献する主体性ある日本人を育成することを目指し、教育活動を展開しております。  戦争については、小学校3、4年生の国語で戦争を題材にした文学的な読み物の学習や社会の歴史分野での学習、総合的な学習の時間における課題探求学習など、各教科等において学習指導要領に基づき学習をしております。その中で戦争に関するDVDを活用したり、語り部を講師として招聘するなど、各学校での学習状況に合わせ学習内容の理解を深めるために工夫をしております。  また、これらの学習は児童・生徒の発達段階に応じ各教科等の狙いを達成するため、前年度までに教育課程を編成し、系統的な計画に沿って指導をしております。  さらに郷土博物館と連携をして、市内の教員を対象とした戦争遺跡の見学会を実施するなど、学習を充実させるための取り組みを行っております。  平和について学習することは、とても大切であると受けとめております。戦争のない平和な世界を築くことを児童・生徒には学習をさせ、戦争の悲惨さや平和であることの大切さなどについて、さまざまな情報や資料、さらには学習の機会を提供することに努めることが大切であると考えております。  次に、中学校の修学旅行についてですが、学習指導要領の集団宿泊的行事の目標にある伝統、文化を尊重することや、体験活動の充実が図れるよう各学校の実態に応じた取り組みを実施しております。  修学旅行先については、修学旅行の狙いや保護者等の要望を踏まえた上で決定をしており、京都・奈良での実施が7校、学校の特色を生かした取り組みとして沖縄で1校実施をしている状況であります。沖縄で修学旅行を実施している第八中学校においては、事前指導において沖縄の平和について戦争に関するDVDを鑑賞した後、沖縄の伝統、文化、歴史、平和等について学習をしております。  最後に、平和的な解決手法の1つであるピアメディエーションの導入につきましては、いじめの予防などに効果が期待されるコミュニケーションツールであると認識をしておりますが、学校の授業に取り入れられている事例が少なく、その教育効果が定まっていないため、今後注視していくことが必要であると考えております。  現在、小・中学校では各教科等の学習において聞く、話す、伝え合うなどの言語活動を重視した活動を積極的に取り入れ、互いの意思疎通が円滑に図れ、コミュニケーション能力を高める指導の充実を図っております。  特に中学校の特別活動や総合的な学習の時間において、外部団体と連携を図りながらソーシャルスキルトレーニングやコミュニケーション講座なども実施しており、それらの取り組みの充実を図りながらピアメディエーションのような新たな手法についても研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○林明裕 議長  5番、清水仁恵議員。 ◆5番(清水仁恵 議員)  御答弁ありがとうございました。再質問はございませんので、まとめとさせていただきたいと思います。  市長からは、平和首長会議の2020ビジョンの目標年である2020年は、調布市が東京オリンピックの競技開催予定地の1つであるので、一層平和な世界の実現について対応をとっていきたいと前向きな御答弁もいただきました。平和な世界の実現への働きかけに向けて、今後市民とともに起こしていく数々のアクションを具体化し、実行していただけるものと大きく期待をいたしております。  広島の原爆資料を展示する平和展を学校と連携した事業として特に力を入れていただき、親子での参加も多くあったことに評価をいたしております。また市と市民が協働して平和への思いを込めて千羽鶴を折る事業も、もちろん大きく評価し、継続を要望するものですが、市民の思いを宅急便で被爆地へと届けるのではなく、平和首長会議の総会は4年に1回、長崎と広島で交互に開催されるとのことですので、ぜひとも次回総会の際には市民と市長の手によって、被爆したその地で千羽鶴を手向ける機会を設けてくださることを重ねて要望いたします。さらには、158もの多くの国から多くの都市が加盟している平和首長会議への調布市の加盟がさらなる効果を生むために、国外自治体の平和への取り組みについてもぜひとも研究していただき、私たち市民にお伝えしていただきたいと存じます。  日本非核宣言自治体協議会の加盟については、協議会に加盟せずとも調布市民の平和を希求する考えは広く周知されていると認識されているということですが、協議会に加盟することは調布市民の平和を希求する考えを広く周知するにとどまらないと思います。質問の中で申し上げましたとおり、平和な社会を持続させることや、若い世代や子どもたちの学習機会が減少していく傾向にあるのは調布市だけの問題ではないのです。今後は近隣市との協働による事業の実施を取り組んでいくと部長答弁にありましたように、ほか自治体との連携をとりつつ平和事業を推進していくことが、平和な社会を持続させることにつながる時代となるのではないでしょうか。ほか自治体に学ぶこともたくさんあると思います。そのためにも日本非核宣言自治体協議会に加盟することは今後大きな意義をなすものと考えますので、加盟の御検討をお願いしたいと存じます。  市民に向けた啓発事業に関しまして、特に若い世代に対する啓発は講演会や講座なども有効とは思いますが、参画することによって自身の平和に対する考えを見つけていけるようなワークショップなどの体験型、参加型の事業を多く取り入れられることを要望いたします。さらに、親子を対象とする機会もふやしていっていただきたいと存じます。その中でも、特に被爆地への親子派遣、青少年派遣に関しては継承するという観点からも、被爆した方からのお話が御本人から直接聞けるよう早期実施していただけることを強く要望いたします。  学校教育における取り組みについては、教育部長より平和について学習することはとても大切であると受けとめている。さまざまな情報や資料、さらには学習の機会を提供することに努めることが大切との御答弁をいただいております。子どもたちが戦争体験を直接語り部の方々から聞く取り組みも、学校ボランティアなどの仕組みを活用し、全校の子どもたちがその機会に恵まれるよう努力していただきたいと存じます。また、それらを子どもたち自身が次の世代に継承する取り組みにも期待をいたしております。  中学校の修学旅行については、第八中学校のみが平和学習も含んだ学習を行うため、沖縄を訪問しているとのことでした。沖縄も戦争の爪跡を多く残す場所ですから学ぶことも多いかと思います。一方で、原子爆弾を投下されたのは長崎と広島です。戦後半世紀たった今なお、原爆の影響により苦しんでいる方が生きていらっしゃいます。今ならまだ彼らから直接話を聞くことができ、生徒たちが得るものも大きいはずです。修学旅行先は各中学校に委ねられていますが、市内中学校校長先生方には、この直接体験できるという何にもかえられない価値を改めて見直していただき、熊谷市中条中学校の例を参考にしていただきたいと切に願っております。  平和的に解決を図るピアメディエーションにつきましても、地域において見識のある方もいらっしゃるとお伺いしておりますので、研究して実施していただきたい存じます。調布の語り部の方々により出版された、ここに冊子があるのですが、「子どもたちに伝えたい戦中、戦後の暮らし」ということで発行されております。この子どもたちのメッセージという中にあるのですが、この中には暴力をなくし、あくまでも相手ととことん論争することだけが最高の解決策ではないだろうか。暴力を排し、話し合いでトラブルと向き合い解決しようねと、子どもたちに向けた真摯なメッセージが書かれてあります。しっかりと自分の言葉で話し合いのできる子どもを育成するためにも、特に小学校でのピアメディエーションを活用することは有効であると思います。  私は広島の出身でありますが、今は御縁あって調布市民となりました。被爆地広島の世界平和の思いは、どこの地へ私が行ったとしても継承する責務があると考えています。調布には地元の方、地方からいらっしゃった方、あるいは海外からいらっしゃった方と、さまざまな人々が生活しています。今回の私の質問を通じて皆様に平和への一端でも共感を得ていただけましたら、被爆地広島の出身者としては幸いです。今後も皆様とともに平和を継承する一員となりまして、調布市の平和への取り組みのさらなる推進を求めてまいりたいと存じます。  以上、平和の祭典に向けた調布市の平和への取り組みの充実に大きく期待をいたしまして、私の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 ○林明裕 議長  以上で5番、清水仁恵議員の質問は終わりました。  ここで暫時休憩いたします。    午後 3時 8分 休憩        ――――――――――― ―― ―――――――――――    午後 3時39分 開議 ○林明裕 議長  本会議を再開いたします。        ――――――――――― ―― ―――――――――――
        53 20番 大河巳渡子議員 ○林明裕 議長  続いて20番、大河巳渡子議員の質問を許します。  20番、大河巳渡子議員。    〔20番 大河巳渡子議員質問者席登壇〕 ◆20番(大河巳渡子 議員)  こんにちは。12月議会、最後の一般質問でございます。大河巳渡子です。ただいまから一般質問をさせていただきます。  元気派市民の会は、地方分権時代にふさわしいまちづくりは、そこに暮らす人々が思いを持って地域環境を守り生かしていくこと、市民が自治の担い手としての責任を果たすための新時代の市政経営の方向性を指し示す施策が重要と認識しております。  現在、税制改革が進められていますが、基礎自治体の財政基盤が大きく揺るがされる動きも出てきています。厳しい時代ですが、この流れに翻弄されず、調布市自治の理念と市政運営に関する基本条例にあるように、私たちは調布らしさを大切にしながら、将来の世代にこのまちを引き継いでいかなければなりません。自分たちのまちは自分たちでつくるという自主・自立の精神と責任を持って、ともに力を合わせながらまちづくりに取り組む時代を迎えました。地方自治の本旨は住民自治です。自治によるまちづくりを進めるために、条例にも定められているように財政規律を保持し、健全性の維持に努め、最少の経費で最大の効果を上げる努力をすることが大変重要です。そのためには身の丈に合った予算編成をされること。将来世代に負債を回さず、市民の血税が市民の幸せ、市民の福祉の向上のために無駄なく生かされ、市民の暮らしを大切にした、市民の視点でのまちづくりが推進されるように、そして終末期まで安心して住み続けられるまちづくりを市長に求める立場から、2点について順次質問してまいります。  初めに、平成26年度の市政経営について、大きく2点についてお聞きします。  まず、平成26年度の位置づけについて3つの角度からお聞きします。  最初に、平成26年度はどういう年度と考えているかについてお聞きいたします。平成26年度は新たな総合計画がスタートした2年目に当たります。市では昨年度起きた食物アレルギーへの対策など新たな課題がある中で、消費税増税のほかに法人市民税に対する税制改革の動きがあり、税収が定まらない中にありまして、新聞報道を見れば政治不安が増す社会状況ですが、市としては平成26年度をどういう年度と考えているのでしょうか。お答えください。  次に、基本計画における平成26年度の位置づけについてお伺いいたします。これまで基本計画は前期、後期に分かれ実施計画を策定して施策を展開してきましたが、新総合計画は市長の任期に合わせて計画を見直すという大きな特徴があります。これが新しい総合計画ですけど、これは今までと違うということですね。この点を考慮すると、26年度について行政としての位置づけは明確だと思いますが、基本計画における平成26年度の位置づけについて、市長はどう認識されているのかお聞かせください。  最後に、現計画を見直し、27年度から4年間の計画を作成する意義と考え方でありますけれども、平成26年度は現基本計画を見直して、平成27年度から4年間の計画を作成することになっております。総合計画を作成され、市政を4年の節目と捉えて――市長任期に合わせてということですね――対応していく考え方に立っているわけでありますけれども、その意義と作成の考え方について市長の答弁を求めたいと思います。  2点目としまして、平成26年度財政フレームと現状の予算見積もり状況について、4つの角度からお聞きしたいと思います。  初めに、現在の予算見積もり状況についてお聞きします。市政経営方針の説明資料を見ますと、議会開会日には各課とのヒアリングを終え、今まさに財政課職員の皆さんは体を壊さんばかりに奮闘しているというふうに承知しているところでありますけれども、最終調整段階にあると推察をしております。平成26年度の経営方針には、市の財政状況を厳しさが続いていると表現されています。これは、経常収支比率は上昇し、単年度収支、実質単年度収支はともに3年連続のマイナスになっている。また財政調整基金を初めとする基金残高も減少傾向にある。こういうくだりがあります。この状況は何がどう厳しいのか、市の財政状況はどういう状況になってきているのかイメージしにくいものですが、この点につきまして具体的に御説明をいただきたいと思います。こういった財政状況を、ではどのように認識され、予算編成方針を定めたのか、わかりやすい説明を求めるものです。また現在の予算見積もり状況はどうなっているのか、具体的な数字を挙げて御答弁をお願いいたします。  次に、財政計画との乖離状況について質問いたします。各収支が3年連続のマイナスで基金残高も減少しているということは、赤字が3年連続続いているとすれば、これが企業であれば社内留保金で持ちこたえているが、資金が枯渇すれば倒産するということです。基礎自治体でも利益を求められる関係団体の経営状況に置きかえて考えれば、その経営を包括委託し、何としてでも経営改善を目指すという大胆な改革を検討せざるを得ないと判断するわけです。行政は利益を出す企業とは異なりますが、私たちの残した借金で将来世代が持続可能な地域社会をつくろうとしたときの妨げになるようでは困ります。私は少なくとも赤字を出さない方向で財政運営することが、不交付団体である調布市が財政運営に臨む基本と考えています。  しかしながら、平成26年度は基本計画の財政フレームを見ますと最も財政需要が高い年度になっております。アレルギー対応など新たな課題も抱えているときですけれども、しかも臨時財政対策債の借り入れも見込めないわけでありますので、大切な貯金であります財政調整基金を何も見直さずに取り崩していけば、いずれ枯渇してしまうわけです。事業の見直しもさることながら財政調整基金をどう維持するのか。その財源を確保する方策も大変必要になってまいります。新たな見直しの視点としてシーリングを行うとありますが、これはどういう考えに基づいて提案されたのでしょうか。現時点で基本計画におけます財政フレームとの乖離はどんな状況なのか。またこの状況をどう受けとめ、今後どのように調整していくのか。それぞれについて御答弁をいただきたいと思います。  次に、税制改革における市財政への影響と、それに対する意思表示はどうするのかということについてお聞きしたいと思います。消費税の増税は確定いたしましたけれども、消費税そのものの内容がいまだにはっきりしておりません。市は地方消費税交付金の増収は見込めますが、年度当初から歳入に入ってくるものではありません。当然市は消費税を払う側でもあります。市の税収の根幹を揺るがしかねない法人市民税の見直しも聞こえ、さまざまな不安定要素が多く緊張感がある中で予算編成に取り組んでいると思いますが、消費税の影響をどのように想定しているのでしょうか。現在、国と地方との攻防戦が続いておりますが、地方分権とは地方自治を充実していくことが原点であります。しかし、今は財政が豊かな自治体と厳しい自治体との攻防戦にもなりかねません。交付税率の見直しなど本来の基礎自治体の役割に鑑み、抜本的な見直しを国に求めていくべきではないでしょうか。調布市は不交付団体です。みずからの足で立つ自立した団体として子どもにツケを回さない。市債を負債化させず、身の丈に合った財政運営を行いつつ、地方自治体全体を見て、国に対してあるべき税率について他市とも連携をして改善を求めていくべきだと考えるところですが、市長の御見解をお聞きしたいと思います。  次に、全施策における経費縮減のための不断の努力をという角度からお聞きしたいと思います。持続可能な財政運営が持続可能な市政経営の推進につながっていく。こういうふうに捉えますと、行政は主権者である市民とともに協働のまちづくりを推進するには、市民も行政に各事業の継続を求めるのではなく、ともに見直し、場合によっては市民も痛みを伴う場合もあるでしょうが、今私たちに必要なサービスは何か、市民が担えるものは何か、税金で行うべきものは何か、行う必要がないものは何かなど、常に検証しながらしっかりと考えていく必要があります。当然その前提には、市みずからが市民に任されました財政運営が未来世代に負債を残すような身の丈を超えた財政運営になっていないのか。まずはみずからが行革を進めていく不断の努力があってこそ、市民からも信頼される行政として厳しい時代を乗り越えていく持続可能な市政運営が可能になってくるのではと考えます。  少子高齢化が進む中で新しい需要に応えていくためにも、全施策における経費縮減のための不断の努力が求められます。基本計画には質の高いサービスを提供するために、行財政改革推進委員会、財政規律の新ガイドラインに基づく進行管理など、さまざまな行財政改革を推進していく予定になっておりますが、具体的にはどのように進めていくのかお聞かせください。  次に大きな質問、安心して終末期まで住み続けられるまちづくりについて、3つの角度からお聞きしたいと思います。  まず初めに、現在の終末期に対する政策についてです。私ごとでありますが、10月に実母を食道がんで亡くしました。長野の実家で最期は訪問介護、訪問診療の支えもありまして、家族でみとることができました。長く同居しております義母は9月末に2度目の脳梗塞で緊急入院いたしまして、療養型病院に転院を予定しております。今後の在宅療養はなかなかに難しい状況になってきました。  私は、安心して住み続けられるまちづくりを提案してきました。平成26年度の4つの重点プロジェクトに、安心して住み続けられるまちをつくるプロジェクトが市では掲げられております。みとり、在宅介護から療養型病院への入院という体験を通しまして、住みなれたまちで人生を全うできるまちづくりが今後大きな課題だと実感したところであります。  11月7日の高齢者推進協議会介護保険部会を傍聴いたしましたが、この日は訪問診療と在宅ホスピスをされている先生から、今後の在宅ケアと地域包括ケアについて住みなれた地域で最期までとして、在宅緩和ケアの現状と押し寄せる地域包括ケアの波という視点からのお話でありました。日本の現状は約13%が自宅で、ほとんどは病院で亡くなっているそうです。しかし、これから40年間で6,000万人が旅立つというお話をされておりまして、こういったことを考慮すれば超高齢化多死時代。多くの死ということですね。たくさんの方が亡くなられる時代に入っていく。在宅医療は最期の切り札とのお話でありました。質疑応答の中で介護保険制度の設計にかかわった先生からは、保険を創設したときには終着点は何か、暮らし続けた先について考えてこなかった。そういった発言もありました。死は誰にでも平等に訪れます。市がこのテーマを取り上げたことは課題認識があるからだと思いますが、安心して終末期まで住み続けられるまちづくりに向けて、まずは市が現在行っている終末期に対する政策についてお聞きしたいと思います。  次に、今後どのように捉えていくのか、3点お聞きしたいと思います。  まず、福祉計画での位置づけについてです。残念ながら、まだ認知症の正しい知識が広く知られてない実態がございます。認知症高齢者の現状につきまして、平成22年度の調査によりますと全国の65歳以上高齢者2,874万人のうち、介護保険制度を利用している認知症高齢者は280万人ですが、認知症有病者数――認知症を持っている方ですね――439万人で高齢者全体の15%、7人に1人は認知症ということになります。平常と認知症との中間状態の人。この方が380万人、13%だそうです。そうしますと、認知症は国民的課題としてさまざまな施策展開が国を挙げて今始まっているわけであります。かつて認知症は施設や病院を利用するしかないといった考え方がありましたが、現在は認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で最期まで暮らし続けられる社会の実現を目指すための政策を推進する必要があります。  調布市第5期高齢者総合計画は、平成26年度までが計画期間です。次期計画は平成27年度から29年度までの3年間でありますので、26年度は計画を見直す年であります。次期計画には終末期も含め、このまちに住み続けられる計画。特に在宅における終末期も含めた介護について組み込んでいく必要があります。終末期に対する位置づけを今後どう捉えていくのでしょうか。  高齢者推進協議会は、さまざまな分野の専門家と市民で構成されている協議会です。政策提案が可能な組織だと考えます。今後は機能する会議の場として、次期計画に対して協議会からの具体的な政策提案を受け、第6期総合計画がより市民に寄り添った計画になるよう求めるものですが、この点も含めてお聞かせください。  次に、医療と福祉の連携についてお伺いいたします。保険事業計画を見ますと、高齢者人口における要支援、要介護認定は計画値よりも実績値が高い点を見ますと、今後は予防も含めたさまざまな施策展開が必要ではないでしょうか。包括ケアをいかにつくり上げていくかが今後の課題であります。介護認定を受けた方は、持病や身体機能の低下に伴う病気の悪化もあり在宅医療の充実は不可欠であります。終末期までを考えますと、住みなれた自宅で最期まで過ごすには医療と福祉の連携は欠かせません。終末期のケアに対する考え方を整理して、市の方向性を示しながら具体的な取り組みを始める必要があります。例えばかかりつけ医、病院などと連携して在宅介護、看護の充実を図ることも重要です。将来を見通して在宅医療体制の整備に向けての努力は欠かせませんが、調布市における在宅介護に対する医療面からの支援体制はどんな状況かをお聞かせください。かかりつけ医の支援として緩和ケアの研修、あるいは病院の体制などさまざまな整備が必要ですが、今後の施策についてはどのように考えているのかもあわせてお聞かせください。  次に、ホームヘルパーのレベルアップについてお聞きしたいと思います。在宅介護を支えていくためには、困っていることに対応しながらも、本人の生活力の低下や意欲の衰えを改善するためのサポート役のホームヘルパーのレベルアップは不可欠です。基本計画の施策に、共に支え合う地域福祉の推進を進めていく基本的取り組みには4つの施策がありますが、1つに福祉人材の育成があります。福祉事業者が専門性を高めていく必要性を考えると、人材センター的な機能を持った取り組みの検討も重要です。今後この点もしっかりと政策展開されていくとは思いますが、ヘルパーへの啓蒙、研修への支援はどう考えているでしょうか。現在、離職率や介護事故など考慮すれば、ホームヘルパーの質を確保していくこと、魅力的な職場を確保する努力も必要であります。例えば医師会と連携をしまして研修を企画、修了書を発行するなど、市内ホームヘルパーのための資質向上への努力を求めるものですが、この点についてどうお考えでしょうか。  次に、介護者・ケアラーへの支援について、4点お伺いいたします。  まず、市民の活動と連携するシステムづくりについてお伺いいたします。高齢社会が進む中で介護保険の利用者は急速に伸びておりますが、それに伴い介護者の負担に対するケアも求められております。英国では、被介護者と介護者の尊重が基本にうたわれております。しかし、日本ではまだこの点がまだまだ認識されておりません。誰もがそれぞれの当事者になる可能性があります。日本では、介護保険制度の中で介護者が明確に位置づけられてはおりません。今要介護高齢者や障害者、依存症など、さまざまなケアを担っている無償の介護者をケアラーと呼んでいます。今や高齢の配偶者、子ども、孫など、あらゆる介護者・ケアラーが存在しております。  今後、在宅で過ごす高齢者が増加の一途をたどることを考慮すれば、保険者でもある市は、当事者と同時に介護者であるケアラー支援への早急な取り組みが求められています。特に介護が長期化した場合、介護を担う家族らは当事者への責任感や義務感などからの睡眠不足、精神面の疲れやストレスなどに大変苦しんでおります。当事者支援だけでなく、支える家族、関係するさまざまな立場のケアラー支援も含めた総合的な取り組みが必要です。府中市では、社会福祉協議会主催で行われました介護者・ケアラーの会の立ち上げの学習会では、学習会の後にグループができたというふうに聞いております。  私は6月議会で、ゆうあい福祉公社の経営状態の質疑をいたしましたけれども、そのとき、家族会の開催や家族介護者の支援ネットワークの団体への後方支援という、そういった答弁がございましたが、まずはこういった問題は、市が介護者・ケアラーへの問題をしっかり捉えていくことが基本であります。現在ある第5期高齢者総合計画に家族介護者の支援についての記述は少しありますが、介護者は日々追い詰められ深刻な状況にあることを思うと早急な充実、これを大きな課題として第6期に生かしていっていただきたいと思います。  ところで、市は認知症サポーター講座を推進しておりますが、市内には調布介護者支援ネットワークという会も立ち上がりまして、市民への学習会の場を提供するなどの活躍も目にしております。こういったチラシは議会のところのポスター、入っていたと思いますけれども、認知症サポート講座受講者とネットワークの会が、これからの被介護者を支えていく重要なキーワードになっていくのではないかと考えます。市は市民と協働してこれらの市民をつなぎ、地域で支え合うネットワークづくりへ対応していくべきではないでしょうか。例えば介護者の会を立ち上げ、運営していくための勉強会の開催、認知症への理解を進める学習会の開催、介護者への場の提供など、今後市としてはどのような方向性を持って進めていくのでしょうか。特に市民の活動と連携するシステムづくりについて、また実際に連携してできる事業は何があるか、具体的な説明を求めるものであります。  次に、介護者・ケアラーが集える場づくりについてお聞きしたいと思います。私は去る12月1日に、立教大学で開催されましたフォーラム「認知症カフェを考える〜暮らしの中、支え合う地域を目指して〜」に参加をしたわけですけれども、そこで厚生労働省の方から国で計画しました25年から29年までの認知症施策推進5か年計画――いわゆるオレンジプランですね――についての説明を聞いたわけです。プランは7つの施策展開がありますが、地域での日常生活、家族の支援の強化として25年度以降、認知症カフェ。これは認知症の人と家族、地域住民、専門職など誰もが参加できる、集う場ということですね。その普及などにより、認知症の人やその家族に対する支援を推進していく。当然補助もつくという話で、そういった方針を聞いたわけであります。そのときは宇都宮ですとか、京都、あるいは陸前高田の、こういった場所のところからの方のお話もございました。  私は阿佐ヶ谷の認知症カフェ、ケアラーズカフェというのがあるんですけれども、そこは近くに包括支援センターもすぐ隣にありまして、さまざまな立場のケアラーへの研修もあり、相談もでき、何よりも憩いの場になっているところでした。ワンコインでの昼食、あるいは夜はバーになるんですね。勤め帰りのケアラーの男性の方のとまり木にもなっているわけです。  現在、介護者が集える場が不足して地域で孤立している介護者・ケアラーを考えますと、集える場としてのカフェの確保が急がれます。なかなか外出できない介護者を考えれば1圏域に1つが理想であるわけですけれども、国から自治体への補助金もありますが、例えば地域にできたグループが活動できる空き家情報の提供、ひだまりとの連携など、市が介護者支援について、ケアラーカフェについてできることというのはあると思います。今後、具体的に介護者・ケアラーの集える場についてどう考えているのでしょうか。  次に、デイサービスについてお聞きしたいと思います。集う場が不足しているという話を、介護者の皆さんの声を聞いたわけですけども、そこでまたふえてきている若年の認知症男性の行くデイサービスがないという話を多く聞きました。オレンジプランの中でも若年性認知症施策の強化は7つの柱の1つでありますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。今後さらに増加すると思われますが、市として具体的な対策をどのように考えているのかお聞かせください。  最後に、情報提供の必要性について質問いたします。先ほど高齢者2,874万人のうち多くの方が認知症、あるいは平常でもなく認知症でもない中間状態になるというお話をしましたけれども、認知症というのは私自身の問題であり、家族、ひいては地域の課題とも言えます。多くの市民により理解を広めていく必要があります。早くから教育現場でも学習できる機会も必要です。いずれ自宅で暮らし、年老いていく高齢者がふえ、当然終末期を自宅で迎える方も今後はふえてきます。老後のさまざまな課題について、認知症、終末期について制度の問題など早くからあらゆる場で気軽に話を聞ける。例えば図書館にそういったコーナーがあるとか、老いの準備という点からいけば体操教室で、あるいは生涯学習の場で学べる工夫も必要でしょう。また、わかりやすいリーフレットも必要ではないでしょうか。今後の情報提供についてはどうお考えでしょうか。それぞれの質問についてわかりやすい答弁をお願いいたします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  ただいま大河巳渡子議員より、大きく2点にわたり御質問いただきました。私からは平成26年度の市政経営方針についてのうち、平成26年度の位置づけについてお答えします。  調布市は今年度、これまでの諸計画における取り組み成果を引き継ぎ、新たな総合計画をスタートさせたところであります。  平成26年度はその2年次目として、基本構想に掲げたまちの将来像「みんなが笑顔でつながる・ぬくもりと輝きのまち調布」の実現に向け、4つの視点による重点プロジェクトを初め、各施策、事業の着実な推進を図っていくとともに、基本計画に位置づけのない新たな課題についても必要に応じて重要性や緊急度を踏まえ、組織横断的な連携と創意工夫により課題解決に取り組んでいかなければならない年であると考えております。  特に食物アレルギー対策については、食物アレルギー事故再発防止検討委員会からの提言を踏まえ、事故の再発防止に向けて全庁を挙げて万全の体制を構築することとしており、新体制となった教育委員会とともに全庁一丸となって取り組んでまいる所存であります。  一方で、市財政に関しては健全性を維持しつつも依然として厳しい状況が続いており、財政構造の見直しや財政基盤の強化は不可欠であります。  また、我が国の社会経済状況を見ると景気回復への期待感や、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催決定など明るい兆しも見られますが、地域経済や市政への波及効果は現段階では不透明であります。消費税増税についても今後の市民生活や市政に及ぼす影響を的確に把握し、適切な対応を図っていかなければなりません。  そうした中で、平成26年度の予算編成に当たっては各基本計画事業の年度別計画を指針として、事業の取り組み状況に応じた時点修正や経費縮減など必要な調整を図っているところであります。公共建築物維持保全計画に基づく大規模公共施設の改修や、21世紀のまちの骨格づくりなどにより、基本計画期間中の6カ年の財政フレームにおいて、平成26年度は最も財政需要度の高い年度となっております。依然として厳しい財政状況が続く中ではありますが、その中にあっても市政の第一の責務としての市民の安全・安心を守る施策や、広範な分野における市民生活の支援策に引き続き取り組むとともに、基本計画に掲げた重点プロジェクトを着実に前進させてまいります。  その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。 ○林明裕 議長  長岡調整担当部長。 ◎長岡博之 調整担当部長  私からは平成26年度の市政経営方針についてのうち、基本計画の見直し及び平成26年度財政フレームと現状の予算見積もり状況についてお答えいたします。  初めに、基本計画の見直しについてであります。新たな基本計画においては市長任期との連動性を考慮し、策定から2年後に見直しを行い、その後は計画期間を4年間としてローリングしていくこととしております。これは計画期間内における市政の目指す方向の実現に向けて、より実効性のある行政計画とするため、4年ごとの選挙を通じて選ばれる市長の政策や、その時点の民意を反映しやすい仕組みとなるよう期間の設定をしたものであります。  基本計画は、議会において議決をいただいた基本構想の内容に沿って施策を体系化しておりますので、大きな枠組みの変更は想定しておりませんが、平成26年度は市政を取り巻く環境の変化等を踏まえ、基本計画の2年目として計画に位置づけた各施策・事業の取り組みや、財政フレームにおける時点修正という視点から必要な見直しを行ってまいります。  次に、平成26年度財政フレームと予算見積もり状況についてであります。平成26年度予算編成については、本年10月に予算編成方針を全庁に通知いたしました。この予算編成方針においては、厳しい財政状況が継続する中、基本計画2年目として基本計画に基づくまちづくりを着実に推進するとともに、新たな課題として食物アレルギー対策についても対応していくこととしております。また平成24年度決算では経常収支比率が上昇し、財政の弾力性が低下していること。実質単年度収支は3年連続のマイナスとなっていること。財政調整基金を初めとする基金残高が減少傾向であることから、持続可能で健全な財政運営を維持していくためには、それらの改善が不可欠な状況であると認識しております。このため、基本計画期間の財政フレームを基本としながらも、財政フレーム作成後の要因として消費税増税の影響の把握と適切な予算措置、食物アレルギー対策などに対する財源確保はもとより、財政状況の改善として、特に実質単年度収支のマイナスを減少させるために財政調整基金の活用を抑制することが何より必要となります。  これらの課題に対処するため、今回の予算編成においてはこれまでの既存事業の見直し、改革・改善や財源確保、経費縮減の取り組みをより一層推進するほか、新たな取り組みとして経常的経費の縮減に向けたシーリングを実施することといたしました。  こうしたことを踏まえ、基本計画事業の着実な推進と新たな重要課題への対応、市民の安全・安心の確保と市民生活支援への継続的な取り組み、行財政改革を推進し、財政構造の改善と財政基盤強化への取り組みの3つを基本姿勢として定め、現在、方針に基づき予算編成に取り組んでいるところであります。  現時点での見積もり状況についてでありますが、新規・拡充事業の要望も含めて各部の歳出見積もり総額は845億円余であり、一方、歳入見積もり総額は783億円余であることから、62億円余の財源不足となっております。  次に、財政フレームとの比較についてであります。財政フレームでは平成26年度の財政規模を797億円と見込んでおりますが、新たな財政需要や制度改正による影響、また消費税増税に伴う変動要因などは反映していない内容となっております。したがって、現時点では、歳入において収入額が不確定である消費税増税に伴う地方消費税交付金の増収分や財政調整基金の活用などを見込んでいないことから、歳入は13億円余の不足となっております。また、歳出については48億円余の超過となっております。  こうした状況を踏まえ、全庁で見積もり状況の情報共有を図るとともに、各部課との予算ヒアリングと並行して改めて全庁的に事業の見直し、財源確保、経費縮減の取り組みを行うこととし、財源不足解消に向け現在取り組んでいるところであります。  今後の収支均衡に向けては全庁的な取り組み結果も踏まえた上で、歳入では市税収入の時点修正を初め、消費税増税分の早期把握、歳出連動の特定財源の最大限の確保に取り組み、歳出では事業の進捗調整を含めた優先度の精査や新規・拡充事業の厳選、シーリングの徹底などのほか、将来負担に留意した市債活用や各種基金の活用など総合的な調整に取り組んでまいります。  次に、税制改正における市財政への影響と、それに対する意思表示についてであります。消費税増税の市財政への影響についてですが、来年4月以降、地方消費税率が現在の1%から1.7%に引き上げられるため、調布市の地方消費税交付金は、平成24年度決算額22億円余を1.7倍した15億円程度が増収となるものと想定しています。しかし、変更初年度の平成26年度については増税分が交付金として配分されるまでのタイムラグが生じ、通年ベースの交付にならないことから、現在、交付水準の把握に努めているところであります。  一方、歳出については課税対象経費である委託料、工事請負費などの経費や消費税増税に関連して負担増となる経費についても、現在確認しているところであります。  税制改正については、国において都市と地方の財政力格差是正のため、市町村の貴重な財源でもある法人住民税や償却資産税、自動車取得税などについて見直しが検討されております。これらの見直しは市の歳入の根幹である市税や各種交付金に大きく影響することから、その動向について注視するとともに情報収集に努めているところであります。  本来、都市と地方の財政力格差については地方の財源保障という観点で見直すべきであり、本年11月にも全国市長会では都市税財源の充実強化や地方交付税総額の確保などに関する決議を行い、意思を表明しているところであります。引き続き地方分権推進の立場からも、地方自治体の財源拡充についてさまざまな機会を通じて意思の表明を行ってまいります。  次に、全施策における経費縮減についてであります。今後の市政を取り巻く状況を展望すると、歳入では景気回復への期待感はあるものの、地域経済や市政への波及効果は現段階ではいまだ不透明であります。  一方、歳出では増加する社会保障関係経費や公共施設の維持保全経費、中心市街地の基盤整備費、また新たな重要課題への対応など、さまざまな財政需要により歳入歳出のギャップは拡大していくものと想定されます。  また、今後の国の制度改正の動向も不透明であり、持続可能な財政運営を行っていくためには歳入歳出両面からの不断の見直し、改革・改善に継続的に取り組んでいく必要があります。このため、全ての経費について精査、検証を行った上で1件ごとのきめ細かなチェック、点検を行い、選択と集中の視点からこれまで以上に事業の優先度や事業効果を厳しく精査、見直しを行うとともに、新規・拡充事業については厳選して編成作業を進めているところであります。  また、市政経営の2つの基本的な考え方である参加と協働のまちづくりと、持続可能な市政経営を踏まえた行革プラン2013を着実に推進し、不断の行財政改革に取り組んでまいります。これらの取り組みにより本市における財政規律を保持し、持続可能な財政運営に努めてまいります。  以上です。 ○林明裕 議長  吉田福祉健康部参事。 ◎吉田育子 福祉健康部参事  私からは、安心して終末期まで住み続けられるまちづくについてお答えいたします。  初めに、終末期に関する現在の政策についてです。我が国では高齢化率の上昇とともに、2040年には死亡者数が今より約40万人増加し、多くの高齢者が同時期に終末を迎えることが予測されています。そのため、国はついの住みかとして病院や施設だけでなく、在宅におけるみとりについても積極的に推進する方向性を打ち出しているところです。高齢者を取り巻く環境は大きく変化し、核家族、老老介護、ひとり暮らしの増加による介護力の低下などにより、在宅においても家族だけでなく知人、友人、地域でのみとりも求められるという、みとり、みとられる時代が来ていると言えます。  平成22年の調布市民福祉ニーズ調査によると、85歳以上の高齢者の7割の方が人生の最期は自宅で過ごしたいと回答しており、本人にとっても、家族にとっても満足のいく平穏な終末期を迎えることができるよう、さまざまな面から支援する体制づくりは喫緊の課題であると認識しています。  現在、調布市における特徴的な取り組みとしては、医師会との連携によりちょうふ在宅医療相談室を昨年度より本格実施し、退院後の在宅療養を支援する訪問医師の紹介や在宅療養のための相談に応じているところです。  また、地域包括支援センター等においてエンディングノートをテーマにした介護教室を実施するほか、地域ケア会議において事例をもとにみとりについて検討するなど、終末期のあり方を考えておく大切さを啓発しております。まだ日本においては人生のエンディングに対する理解や普及啓発が十分ではなく、本人の主体的な意思が尊重されているとは言えない状況です。今後、自分自身が望むエンディングが迎えられるよう、さらにその理解の促進に努めてまいります。  次に、今後の医療と福祉の連携及び福祉計画での位置づけについてです。国は高齢者が自宅で安心して生活が続けられるよう、介護、予防、医療、生活支援及び住まいが包括的、継続的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進していることから、調布市としてもこの考え方を計画に反映してまいります。特に在宅で終末期を迎える高齢者には医療と介護の両方を提供する必要があり、加えて両者の連携が図られることで、高齢者だけでなく家族も安心して過ごすことができるものと考えています。現在、ちょうふ在宅医療相談室では、かかりつけ医への研修など今後の在宅医療の体制を整えるための取り組みも行っていることから、市としましては、こうした取り組みがさらに推進されるよう支援してまいります。  また、来年度に計画している第6期高齢者総合計画の策定については、学識経験者、医師、ケアマネジャー、市民公募委員など、医療と介護などにかかわる委員が構成メンバーとなる高齢者福祉推進協議会で審議されます。今後、高齢者から求められる幅広いニーズを分析するとともに、終末期も見据えた医療と福祉の体制及びその連携について十分な議論の上、提言をいただき、第6期計画に位置づけていく予定です。  次に、ホームヘルパーのレベルアップについてです。ホームヘルパーは介護を必要とする利用者本人へのケアのみならず、利用者家族の精神的なケアや介護の技術的なアドバイスを行うなど、在宅介護生活を支える重要な役割を担っております。  現在、67の介護事業者が加入している介護保険サービス事業者調布連絡協議会では、事業者相互の情報交換や研修を年10数回実施しております。その内容としましては、実技や知識に関するもの、危機管理に関するもの、円滑なサービス提供のためのマナー研修など多岐にわたっています。また、ちょうふ在宅医療相談室では介護職に対する医療的な知識を提供する研修も実施しています。今後もこれらの団体と連携を図り、医療と介護に携わる職員のレベルアップを図ってまいります。  また調布市基本計画、共に支え合う地域福祉の推進において、福祉人材の育成を位置づけており、福祉従事者がその専門性を高められるとともにヘルパーの人材確保ができるよう、福祉人材の育成及び養成拠点の整備に向け検討してまいります。  次に、介護者・ケアラーへの支援についてです。介護者にとっては、介護サービスの利用だけでは解決しない心理的な介護負担があり、介護者同士の語り合いなどでこの負担感が軽減されることは認識しています。市内には家族会などの介護者を支援する市民の活動団体が幾つかあり、有効に機能していると捉えております。現在、調布ゆうあい福祉公社では高齢者介護家族支援マップを作成し、家族会などの情報を掲載して近々発行する予定です。また介護者・ケアラーがいつでも立ち寄れるカフェについては、同じ悩みを抱える人が集うことによりお互いの思いを共有し、共感し合うことでさまざまな介護の形を知ることができ、解決することはなくても自分だけではないことに改めて気づき、元気を取り戻す効果があるものと捉えています。今後は他自治体の事例を参考にしながら、介護者を支援するさまざまな団体や専門職と連携しながら、介護や家族支援等の学習会を通して点在する家族介護者をつなげる取り組みを検討してまいります。  また、認知症サポーターについてですが、調布市では認知症サポーター養成講座を開催し、多くの方に受講していただくことで認知症に対する理解を広げ、地域での認知症高齢者の早期発見と見守りができる地域づくりを目指しています。平成18年度から地域の集まりや企業へ出向いての出前講座のほか、小・中学校を対象とした学校での講座など幅広く認知症サポーター養成に取り組んだ結果、講座修了者は現在約2,400人となりました。このような認知症サポーター養成講座を修了した方は、認知症高齢者に対する地域の支え手としてその役割は大きいものがあり、活躍が期待されます。  そこで今後、このサポーター養成講座の実施に当たっては、ゆうあい福祉公社と連携し支援することで、講座で得た認知症高齢者に対する知識を見守りだけでなく、協力会員やボランティアとして地域で生かせるよう取り組んでまいります。  さらに、ボランティア活動で得た知識やネットワークを家族会への支援に生かしていく視点を持つことや、現在さまざまな活動を行っている調布介護者支援ネットワークなどの市民団体と協力していく仕組みをつくっていくことも重要です。  さきに述べた介護者・ケアラーのカフェの設置に当たっては、今後、運営の支援に認知症サポーターに協力していただくなどの方法も検討しながら、専門的な知見を有する法人等にその設置を働きかけるなど総合的な調整を図ってまいります。  次に、デイサービスの充実についてです。現在、認知症デイや介護予防デイなどさまざまなデイサービスがあり、総合福祉センターでは40歳以上65歳未満の第2号被保険者を対象に言語訓練などのデイサービスを実施しています。デイサービスが単なる余暇活動の場ではなく、介護予防や家族介護者の休息、いわゆるレスパイトとして有効なサービスとなるよう、介護保険サービス事業者調布連絡協議会の協力を得ながら、一人一人のニーズに応じた多様なサービスの配置に向け取り組んでまいります。特に若年性認知症のデイサービスについては、そのニーズが高まると予想しており重要な課題と認識しています。今後、実施場所や担い手の確保など実施に向けた検討を進めてまいります。  最後に、高齢者に関する情報提供についてですが、現在、市報やホームページのほか、FMやケーブルテレビなどのさまざまな媒体を活用し情報提供しているほか、毎年更新される、くらしの案内〜シルバー編〜や、介護事業所の案内などの冊子を発行しています。今後は、さらに要介護の状態に応じた適切な介護・医療サービスの情報を提供するなど、情報の提示の仕方を工夫するとともに、元気なうちから終末期の準備について考えてもらえるような情報発信をしてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。  以上です。 ○林明裕 議長  20番、大河巳渡子議員。 ◆20番(大河巳渡子 議員)  御答弁ありがとうございました。時間が押してきましたので1点、再質問させていただきます。  私、質問した項目の中に今回、4年間の見直しをして、その計画を作成する意義はどこにあるのかということをお聞きしましたら、部長答弁にありましたけれども、やはり今回の総合計画で見直しを決定したのは市長でありますので、来年、市長選もあるわけですが、どなたが担うかは別としましても計画の棚卸しをして、そしてそのことについて市長の任期と連動するということがあるわけですので、その節目と捉えてやっていくということを作成した、そういうふうに考えた真意はどこにあるかということを、やはり当事者であります市長にお聞きしたいと思います。1点よろしくお願いします。 ○林明裕 議長  答弁を求めます。長友市長。 ◎長友貴樹 市長  基本計画の期間を市長任期と連動させることの意義は、先ほど調整担当部長が答弁したとおり4年ごとの選挙を通じて選ばれる市長の政策や、その時点の民意を反映しやすい仕組みとするためであります。  私自身のことを思い起こしてみましても、2期目のスタートの際は平成19年度からの基本計画の策定時期と重なったことから、私の考えを基本計画に盛り込み、それを基軸に市政経営を展開することができました。そうした経験からも計画行政の指針となる基本計画について、そのスパンやスタート時期を4年の任期と連動させる必要性を痛感したところです。  今の基本計画は実施計画と財政計画の要素を包含し、より実効性を高めた計画となっています。また主要な事業やまちづくり指標を一体的に示すことにより、施策の到達目標や成果をわかりやすくした内容となっております。その毎年の進行管理と評価は、これまで定着化させてきた行政評価や決算振り返りを通じて行うこととしており、もってPDCAマネジメントサイクルによる市政経営を推進してまいります。その1つの区切りとして4年ごとの民意に基づき基本計画を評価し、見直しする仕組みは、市政を取り巻く環境の変化に適切に対応する上でも必須であると考えております。 ○林明裕 議長  20番、大河巳渡子議員。 ◆20番(大河巳渡子 議員)  ありがとうございました。ちょっと時間が押してきましたので、ここでまとめさせていただきます。  調布市では、地方分権にふさわしく自治の担い手となります基本原則を定め、まちづくりが進められておりますが、国の税制改正やさまざまに展開されています政策を見ますと、中央集権化して時代の針が逆に回り始めたような気がしております。  繰り返しになりますが、地方自治の本旨は住民自治です。冒頭申し上げましたように、私たちのまちは自分たちでつくる。自主・自立の精神と責任を持ち、ともに力を合わせ、まちづくりに取り組む時代だというふうに私は認識しております。  私は自治の種まく人として、自治によるまちづくりを進めるためにも財政基盤が危うい厳しい状況のとき、臨む姿勢は身の丈に合った予算編成をと申し上げたいと思います。そして将来世代に負債を回さずに、市民の血税が市民の幸せ、市民の福祉の向上のために無駄なく生かす。そのときの市長、受かった方の政策や、その時点での民意を反映しやすくする仕組みだという話がありましたけれども、やはり市民の暮らしを大切にした、市民の視点でのまちづくりを改めて要望したいと思います。  現時点での予算編成状況では62億円余の財源不足、26年度の財政フレームと比較すると13億円の歳入不足と、48億円余の歳出の超過という答弁もありました。私たちは、家庭と同様に限られた財源の中でできることをまず考えるべきです。国の負担金、補助金と活用してきましたが、既に多額な借金を抱えている国は、臨財債のように国が借金をしてお金を用立ててくれるわけですから、国民一人一人に最後はツケが回ってくるわけです。であれば、今後は安易に手を出さずに本当に必要な事業なのかどうかを立ちどまって、私は吟味する必要があると思います。
     次年度予算での答弁に財政状況の改善は全く待ったなしであり、特に実質単年度収支のマイナスを減少するために財政調整基金の活用を抑制するということが何よりも必要との御認識。そして、そのことでシーリングしたというお話がありました。3年連続赤字が続いているということ、大変重く受けとめております。歳入の不確定要素を考慮すれば、ともに各事業を見直すことで財源を確保することは大変重要な視点です。今回、敬老金の見直しが提案されておりますが、高齢化時代に求められる高齢者の見守りや老い支度への支援といった新たな時代に必要なサービスが、こういった見直しにより実現できるわけであります。今私たちに必要なサービスは何か、市民が担えるものは何か、税金で行うべきものは何か、税金で行う必要がないものは何か。常に検証し、お互いに議論し、納得しながら進めていくためにも十分な情報提供をされ、それから十分な情報の共有をしていくことがまずは前提条件だと思います。市民が知り得た情報は国のものでも、市のものでもなく、まさに市民のものであります。家庭では借金をする前にまず支出を見直し、やりくりをして、新たな収入としてパートに行くなり努力をして、そして借金を考えるわけです。自分で返せないような借金をして、子どもの将来展望がなくなるようなことをする人はそうはいないはずです。  行財政改革は単に切るという発想ではなく、今求められているサービスを実現するために、基本計画にもありますように参加と協働の視点を取り入れながら創意工夫して、我がまちで終末期まで安心して暮らし続けられるための努力が一人一人に求められているのだということを、私自身、質問しながら再認識いたしました。行政には今後、見直しを検討できる十分な情報提供と、十分な検討時間の確保を要望したいと思います。  やはりあれもこれも一遍に、まさに一気呵成にできる時代ではありません。市民一人一人の夢は異なります。市長の夢は、市民の夢ではありません。それぞれ異なるわけです。私たちは東日本大震災を経験して、何より大切なことは何か深く考えさせられました。命と向かい合うということはどういうことか。自然災害は各地に今も起きています。かけがえのない一人一人の命。それを大切にして多少不便でも譲り合い、助け合い、そこでみんなが笑顔でつながり、ぬくもりと命の輝きを感じるまちをつくっていきたいものです。  今回は認知症について触れましたけれども、超高齢化、多死、多くの方が亡くなっていく時代が到来しています。認知症はもはや特別な病ではなく、私たち誰にも訪れるかもしれない、そういった病気であります。そのために必要な施策に多くのソフト事業があります。少ない支出でも多くの方が助かる事業があります。例えば急がれる福祉人材の育成は前倒ししてやる。そのためには予定されている基盤整備の進捗状況の進行管理を見直す必要もあるでしょう。介護保険の保険者として市は介護者への支援の視点も持ち、集える場への支援など市民と協働して、終末期まで我が調布のまちで安心して住み続けられるまちづくりへの市の皆様の一層の努力を要望いたしまして、私の今回の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○林明裕 議長  以上で20番、大河巳渡子議員の質問は終わりました。これで一般質問は全て終了いたしました。        ――――――――――― ―― ――――――――――― ○林明裕 議長  以上で本日の日程は全て終了いたしました。  お諮りいたします。  議会運営委員長の報告のとおり、委員会審査等のため、12月6日から12月16日までの11日間休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○林明裕 議長  御異議なしと認めます。よって、12月6日から12月16日までの11日間休会とすることに決しました。  したがいまして、12月17日午前9時に御参集をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでございました。    午後 4時39分 散会...