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  1. 荒川区議会 2018-06-01
    06月20日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    平成30年度定例会・6月会議荒川区議会会議録(第一日目)==============一、日  時   平成三十年六月二十日 午前十時一、場  所   荒川区議会議場一、出席議員(三十名) 一番 瀬野喜代君 二番 小坂英二君 三番 小林行男君 四番 安部キヨ子君 五番 横山幸次君 六番 斉藤邦子君 八番 小島和男君 九番 町田 高君 十番 中島義夫君 十一番 菅谷元昭君 十二番 明戸真弓美君 十三番 茂木 弘君 十四番 若林清子君 十五番 小坂眞三君 十六番 服部敏夫君 十七番 並木一元君 十八番 斎藤泰紀君 十九番 北城貞治君 二十一番 鳥飼秀夫君 二十二番 志村博司君 二十三番 斉藤裕子君 二十四番 藤澤志光君 二十五番 竹内明浩君 二十六番 清水啓史君 二十七番 森本達夫君 二十八番 菊地秀信君 二十九番 松田智子君 三十番 吉田詠子君 三十一番 保坂正仁君 三十二番 中村尚郎君一、欠席議員(なし)一、出席説明員 区長 西川太一郎君 副区長 佐藤安夫君 副区長 北川嘉昭君 総務企画部長 五味智子君 財政担当部長 宮腰 肇君 区政広報部長兼  全国連携担当部長 米澤貴幸君 管理部長 梅原一彦君 区民生活部長 三枝直樹君 地域文化スポーツ部長 池田洋子君 産業経済部長 石原 久君 環境清掃部長 古瀬清美君 福祉部長 片岡 孝君 健康部長 倉橋俊至君 子育て支援部長 青山敏郎君 防災都市づくり部長 松土民雄君 再開発担当部長兼  都市計画担当部長 松崎保昌君 会計管理部長兼  債権管理担当部長 丹 雅敏君 総務企画課長 小林直彦君 教育長 高梨博和君 教育委員会事務局  教育部長 阿部忠資君 選挙管理委員会委員長 田代 貢君 代表監査委員 岩下嘉之君一、職務のため出席した事務局職員 事務局長 濱島明光 庶務係長 小原 実 議事係長 幸野佳紀 主任主事 染谷沙織 主事 肥塚喜史 主事 堀川光佑 主事 山本麻由来 企画調査係長 細井貴洋議事日程 平成三十年六月二十日 午前十時開議第一               一般質問について           午前十時開議 ○議長(若林清子君) ただいまより六月会議を開きます。 会議に先立ち、議長より申し上げます。 一昨日発生した大阪北部を震源とする地震により多くの避難者が発生するなど、市民生活に甚大な被害が生じております。この地震により犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に対しまして、心からお見舞い申し上げます。 また、被災地等におきまして、救援や復旧支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表し、被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。 次に、六月会議の会議期間は、本日から七月五日までの十六日間といたします。 この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) ただいま若林議長から御発言がございましたように、一昨日、大阪北部を震源とする震度六弱の地震が発生いたしました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げる次第であります。同時に、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げる次第でございます。 今回、学校のブロック塀の倒壊により、不幸にもお亡くなりになりました児童の悲報に接し、改めて公共施設の安全の確保に努めていかなければならないとの思いを一層強くいたした次第でございます。早速、区の全施設につきまして、とりあえず目視による緊急点検を行ったところでございます。日ごろより、日常点検によって安全性を確認しているところではございますが、改めて安全性を担保するため、今後必要な施設につきましては、構造検査等を行い、速やかに修繕を、また、必要ならば、さらに撤去を行ってまいりたいと存じます。 さて、平成三十年度区議会定例会・六月会議が本日より開会となります。 六月会議には、荒川区手話言語条例など重要な案件を御提案申し上げております。どうぞよろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(若林清子君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十名、欠席なしでございます。 六月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により議長より御指名いたします。        五  番 横 山 幸 次 議員        二十一番 鳥 飼 秀 夫 議員        二十六番 清 水 啓 史 議員 以上、三名の方にお願いいたします。 日程第一、一般質問について。───────────────○─────────────── △一般質問について ○議長(若林清子君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十七番並木一元議員。   〔並木一元君登壇〕 ◆十七番(並木一元君) 平成三十年度・六月会議におきまして、自由民主党荒川議会議員団を代表して質問をさせていただきます。 質問に先立ちまして、一昨日に発生した大阪北部地震において犠牲になられた五名の方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。あわせて、被災された方々や負傷された方々に対しましても、心よりお見舞い申し上げます。 我々の日常の生活の中で見なれた光景である通学路を登校中のお子さんや子どもたちの安全を見守っている方々が一瞬のうちに尊い命を奪われてしまう、こういった悲報に触れまして、身につまされる思いがございます。 後ほど災害関連の質問を申し上げますが、災害に強いまちづくりは自治体にとって最重要課題であるということを痛感いたしました。 なお、先ほど議長、区長からお話がありました。今回の地震を踏まえて、荒川区では、早速全ての施設の緊急点検を行い、安全確認を行ったと伺っております。区長、また、区の皆様に対して、その迅速な対応に対し、評価をさせていただきます。 それでは、質問に入らせていただきます。区長をはじめ関係理事者の皆様には積極的な御答弁をお願い申し上げます。 「平成」という二文字が書かれた色紙が当時の小渕恵三官房長官から掲げられ、幕開けした「平成」の時代も残り一年を切ってまいりました。平成という時代が終わることに一抹の寂しさを感じますが、一方で新たな時代の始まりに期待を寄せるものであります。 今回、新しい時代に向かいゆく荒川区に必要と思われる事項について、幾つか質問をさせていただきます。区長をはじめ関係理事者の皆様におかれましては、積極的な御答弁をお願い申し上げます。 質問の第一は、新たな視点による行財政改革についてであります。 まず、今後の取り組み姿勢についてお伺いいたします。 荒川区の財政状況や行財政改革につきましては、これまで私も数多く質問させていただきました。特に平成十九年、夕張市が財政破綻した後、予算に関する特別委員会におきまして、荒川区の財政状況についてお伺いしたことを思い出します。荒川区も現在に比べれば厳しい財政状況でありましたが、西川区長の心強い施政方針を伺い、私も安心するとともに、今後しっかりとかぶとの緒を締めて取り組んでいきたいと語ったことを覚えております。 現在は、当時と比較にならぬほど安定した財政状況でありますが、引き続きかぶとの緒を締めるという気持ちで、新たな視点による行財政改革について質問をさせていただきます。 平成の三十年間で荒川区の人口は減少局面から増加局面へと転じ、一番人口の少なかった平成十年時の十七万九千人余りと比べて、現在三万七千人近くも増加しました。人口の増加に関しては、付随する多くの課題も伴って発生するわけであり、その対応も必要となってまいりますが、しかし、やはり区が活性化していく一つの要因であろうと思っております。これも都心へのアクセスのよさや再開発の進捗、子育てサービスをはじめとする各種行政サービスの充実により、住みやすいまちとして評価されていることによるものと感じております。 この間の人口構造の変化を見ますと、高齢化率が約一三パーセントから二三パーセントへと上昇しておりますが、年少人口においては、平成初期とほぼ同規模程度まで回復してきております。 このような状況を背景に、区民の行政需要も多岐にわたってきております。一般会計を見ましても、当初予算で平成元年の六百四十二億円から本年度は九百九十五億円となっております。この数字を見ただけでも、この間、行政需要が高まり、区の仕事が増加していることがわかるところであります。 こうした中で、自由民主党荒川議会議員団では、以前より、サービスの充実とそのための財政基盤の確立に向けて、行財政改革を積極的に推進する意見を述べ、実践を促してまいりました。今後、区の平成二十九年度の各種財務指標、決算のとりまとめを示していただけるわけでありますが、これまでの数字を拝見させていただいた限りでは、継続的に行財政改革に取り組んできた成果があらわれていると感じております。 先ほども述べましたが、現状においては安定的な行財政運営を行っているところでありますが、今後、超高齢社会のさらなる進展や過去に整備した各施設の老朽化問題が発生してくることは間違いなく、これに対する対策を行うことが待ったなしの状況にあり、毎年の財政支出も増加していくことが見込まれます。 こうした状況の中にあっては、これまで以上に行財政運営に当たって中長期を見通した新たな視点からの工夫を行っていくべきだと考えております。当然のことながら、財源、人材等の経営資源に限りがある中で、より質が高く効率的、効果的な行政サービスを提供していくためには、さらに高度な戦略をもって取り組んでいく必要があります。諸情勢の変化の激しい中、改めて区の新たな視点による行財政改革に関しての御認識をお伺いいたします。 次に、具体的な提案をさせていただきます。 福祉施設の効果的再編によるサービスの充実についてであります。 平成元年に区内に初めて整備された在宅高齢者通所サービスセンターは、その後、介護保険制度により多数の民間事業者が参加するようになり、現在、デイサービスだけでも六十社近い事業者が区内でサービスを提供している状況にあります。 当然のことでありますが、事業者の参画により民間のサービスが充実する一方で、競合する区立のサービスセンターの利用率は減少傾向にあります。荒川区高齢者プランや荒川区障がい者総合プランでも示されているように、福祉分野におきましては、行政が支援するという形で行うべき領域は非常に多岐にわたってきております。特に障がい者の居場所については、近年の医療技術の進歩等により、医療的ケアを受けながら日常生活を送る子どもの数が全国的にこの十年で倍増するなど、住みなれた地域での居場所づくりの要望は高まる一方であります。 荒川区におきまして、これまで地域生活支援事業や親なき後支援事業等を拡大・充実してきたことは評価させていただきますが、先ほどの要望に対する定員の拡大は限界に近く、数年後には施設が不足する見込みとのことであります。 区内におきまして、施設の新設を行うことには大変困難であると思います。それゆえ、既存施設の機能の再整理を行い、福祉分野全体のサービス向上に向け、限りある財産を有効に活用していくことが必要ではないかと思います。 介護保険法の改正を平成三十二年に迎えます。このタイミングをもって施設の機能の見直しを図り、新たな行政需要に応えていくことが必要ではないかと思いますが、区の御認識をお伺いいたします。 次に、災害対策について、三点お伺いいたします。 私が区議会議員になった三カ月後、四十名以上の命が瞬時に奪われた雲仙普賢岳の火砕流が発生しました。振り返ってみれば、あの災害はその後も平成の時代に続く大きな災害の始まりではなかったかと感ずるところであります。 当時、報道で現場の様子に触れ、一瞬で平和な日常生活を奪い去る自然の壮大な力、人間の無力さ、平時からの意識の重要さ、的確な情報伝達の大切さ、そして、災害対応の厳しさ、難しさ等、災害に対してさまざまな思いを感じたところでございます。当時、新たに区政に携わる立場となった者として、改めて災害に対し、身の引き締まる思いを感じたところであります。 その後、阪神・淡路大震災では、都市型災害の脅威とハード・ソフト両面にわたる対策の重要性、東日本大震災では、津波発生のほか、想定外を想定することの大切さ、また、防災教育の重要性も勉強しました。熊本地震におきましては、人的・物的両面にわたる支援・受援体制の重要性を痛感いたしました。 また、今回の大阪北部地震におきましても、都市部インフラの脆弱性という課題とともに、四十年前の宮城県沖地震から顕在化してまいりましたブロック塀等危険構築物に対する安全対策が浮き彫りとなってまいりました。また、この期間、水害も多く発生し、特に鬼怒川の氾濫では、避難勧告のタイミングの難しさを痛感させられました。 いずれの災害からも、さまざまな観点から貴重な教訓をいただいたものであります。 地元の問題に移りますが、ことし二月の都内地震危険度調査では、町屋地区をはじめとする区内各所において、危険度が高いという結果になりました。この問題につきましては、地元に住む議員として、調査方法や結果に対する疑問を感じまして、意見を委員会で多く述べさせていただきましたが、こうした結果が出てしまったことも対策強化の契機として捉え、改めて万全の災害対策を進めていく必要があると思っております。 以下、災害対策に関しまして、三点お伺いいたします。 まず、一点目、災害対策本部機能の充実・強化についてお伺いいたします。 言うまでもなく、大規模災害発生時において重要なのは、区民の生命と財産をいかに守るかということであります。大規模災害発生時には、区に災害対策本部が設置されるわけでありますが、この災害対策本部がいかに迅速かつ的確に活動を行うかが、まさに区民の生命と安全、財産を守ることに直結するのであります。 災害対策本部には、避難所運営、物資搬送、給水、受援等さまざまな業務が割り当てられておりますが、区の各部が密接に連携して対応していく必要があります。 実際の災害発生時にこのような迅速かつ的確な活動を遂行できるようにするためには、何度も言われておりますが、十分な事前の体制整備と訓練が重要であります。 そこで、災害対策本部の体制整備の状況や訓練の実施状況についてお伺いさせていただくとともに、災害対策本部の訓練を繰り返し実施し、不断の見直しを行い、災害対策本部の機能強化を図っていくべきと考えますが、区の現時点での状況、見解をお伺いいたします。 二点目として、災害情報の効率的な収集、管理、伝達についてお伺いいたします。 災害発生時には、火災や建物の倒壊、道路の寸断等、さまざまな種類の膨大な量の情報が災害対策本部に寄せられることが想定されます。情報の中には、重要性において差がある情報が混在しております。これらの情報を有効に利用するには、次々と寄せられるさまざまな情報を効率的に集約し、重要な情報を選別し、それに対し的確な意思決定をして、区民に対して正確に情報を伝達する必要があります。 お話によると、現在、荒川区では、災害情報を効率的に収集、管理、伝達できるシステムの再構築について検討を進めていると伺っております。これらのシステムの構築は、区の災害対応体制を強化する上で非常に重要な事項であります。ぜひしっかりとした設計、再構築を進めてほしいと思います。 また、システムの導入に当たっては、幾つか念頭に置くべき留意点があると思います。まず、システムを導入したとしても、災害時の混乱する状況のもとで、的確に活用できないことも考えられます。これでは意味がありません。そのため、システムや機器をどのような場面でどのように使用し、どのように活用するか、具体的に想定した上で荒川区の特性にできるだけ合わせて検証を行い、実効性を確保していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 また、これらのシステムは、通常、中長期にわたって使用するものでありますが、例えば、皆さん御承知のように、通信機器等については、今後も技術の進歩により最新の機器が出てくることが想定されます。今後、システムの導入に当たっては、区民の生命・財産に直接かかわる災害対策機器でありますから、適宜最新の技術に対応できる能力も必要ではないかと思います。つまり、汎用性については、しっかり確保していただきたいと思っております。 さらに、システムの構築には多くの費用がかかると思われますが、これにつきましては、可能な限りコストの低減を図る努力を行ってほしいとも思っております。 以上のような視点を十分に踏まえた上で、災害発生時に効率的に被災情報の収集、管理、伝達を行うことができるシステムの設計を進め、災害対応体制の強化を図るべきと思いますが、これにつきましての区の見解をお伺いいたします。 三点目は、防災課の本庁舎移転についてであります。 平成二十七年九月、先ほど申しました鬼怒川の大規模洪水が発生いたしました。この災害で茨城県常総市が広範囲な浸水により甚大な被害を受けたことは記憶に新しいところであります。このとき常総市からは被災体験や復興状況が多く発信されましたが、この水害を受けて常総市では検証委員会を設置し、報告書をまとめております。この報告書の内容の一つに災害対策本部の位置についての記述があります。 水害の発生時、災害対策本部が本庁舎の三階に設置されましたが、災害対策本部を担当する安全安心課は二階に存在していたということであります。二階の安全安心課で収集した情報を三階の災害対策本部に伝達するときと、逆に三階の災害対策本部での避難指示等を二階の安全安心課に伝達するときの双方で、電話連絡や伝令役の往復による時間のロスが発生するなど、時間的、効率的な面での課題が指摘されております。二階、三階の間でこのようなことが起こったそうであります。 荒川区では、災害発生時に災害対策の中枢である災害対策本部が設置されるのは、本庁舎の三階会議室と聞いております。ただ、現在の防災課は本庁舎から距離のある防災センターにあり、災害発生時における迅速な初動態勢の構築及び災害対策本部の効率的な運営という点で課題があるのではないかと考えています。 本庁舎の耐震工事も済んだ今、危機管理対応に万全を期すためにも、防災課を本庁舎に移転させ、災害対策本部と防災課の設置場所を可能な限り近接させるべきであると思いますが、この件につきまして、区の御意見をお伺いいたします。 大項目の三番目は、モノづくりセンサスに基づく産業の活性化についてであります。まず、調査結果に基づく課題についてお伺いいたします。 昨年度実施し、この三月に報告がまとめられたモノづくりセンサスは、区内製造業等の全数調査であります。元来、センサスとは、国勢調査、事業所統計調査などについて、それら全数調査につきまして言うものでありますが、ものづくりという荒川区にとって大変重要な位置を占める分野に着目されたことは、産業振興施策から見ても役立つものと評価をしております。 今回のモノづくりセンサス結果は、前回調査と比べて、景気が上向いていると感じている事業所はふえる一方で、よくないと感じている事業所が半数以上を占めており、依然厳しい経営状況が続いているものと認識いたします。このモノづくりセンサスの調査結果をしっかりと受けとめ、区に活力をもたらす区内産業の活性化に向け、実効性がある取り組みを推進すべきと思うところであります。 そこで、今回の調査を通じて、どのような課題が浮かび上がったのか、その課題に対し、どう対応し、どのような分野について重点的に取り組んでいくのか、これについてお考えをお伺いいたします。 二点目は、事業承継についてであります。この事業承継につきましては、現在の我が国の中小企業の一大テーマと言える問題であり、荒川区の中小・小規模事業者にとっても大変重要な課題であります。 中小・小規模事業者におきましては、人手不足、資金的問題、また、AIやICT化のおくれ等々さまざまな課題を抱えておりますが、最も大きな問題は、その企業自体が存続できなくなることであります。 モノづくりセンサスの調査結果では、区内事業所の経営者の高齢化が進み、区内製造業の三割に当たる事業所は廃業を検討しているとの結果が出ております。事業所の減少は、地域の活力を減退させ、地域経済へも大きな影響を及ぼすなど、区の将来をも脅かすことにもつながりかねません。 事業承継には多くの時間と労力を有し、悩んでおられる方には何から手をつければいいのか、どこに相談したらいいのかもわからないというのが実情かと思います。一人一人、一社一社、個別の事情が存在するわけでありますから、じっくり時間をかけて相談を受けるべきと思います。ぜひ広く相談窓口の整備をし、多くの手法を提案できるシステムを構築していただきたい、努力をお願いいたします。この点につきまして、いかに積極的に取り組むのか、お気持ちをお伺いいたします。 産業活性化に関する三点目の質問は、設備投資を踏まえた生産性の向上についてであります。 景気の拡大が続く中、人材の獲得競争が激しさを増しており、中小事業者の人材確保は極めて困難な状態になっています。区内中小事業者の人材確保が難しいとなると、人材不足を補うために、AIやICTの活用や設備投資を推進していくほかありません。区としても、今後、推進を強く後押しする方向に向かって大きくかじをきっていただきたいと思います。 区がこれまで実施してきた小規模事業者を支援するための設備投資補助は、私ども非常に有意義な施策と評価しております。これまでの五年弱で四百件、約二億四千八百万円を交付し、これにより区内小規模事業者は老朽化した設備を更新するなど、必要な設備投資補助を行ったと考えております。 人手不足が喫緊の課題となっている今日においては、生産性を向上するための設備投資が非常に重要になるものと考えます。そうした投資の後押しとなるよう、現行の制度の見直し、事業者の規模や区内での事業継続年数の要件についてもあわせて見直しを行い、より使い勝手のよい、より効果の見込める制度に再編すべきであると考えます。区として、この点についてどのように考えているか、見解をお伺いしたいと思います。 四番目は、学校における働き方改革についてであります。区や荒川区の将来を担う子どもたちのために、教育のさらなる充実を図るという視点から質問させていただきます。 現在、国会において、働き方改革関連法案についての議論が進んでおります。働き方改革は、日本の経済だけにとどまらず、私たちの生活にも大きな打撃を与えることが予想され、これも喫緊に取り組むべき問題であると考えております。 一般企業の働き方改革とは少し違いますが、区民に近い学校内において、近ごろ教職員の方々の学校における働き方が問題になることも多くなり、その改革について早急に取り組むべきであると考えております。 区内小中学校どこでも、子どもたちの生き生きとした姿を見ることができます。これも日ごろから小中学校の教職員の方々が児童・生徒の教育に熱心に取り組んでいるあかしであります。 しかし、業務の多さ、また、熱心さの余り、早朝から深夜まで学校で働き、休日まで児童・生徒の教育に携わっている教員が多くいらっしゃることも認識しております。 学校における働き方改革というと、単に教職員の仕事の軽減や見直しのように捉えがちですが、私は決してはそうは考えません。経済活動の低下が私たちの生活に悪影響を及ぼすように、教職員の勤務状況は、成長期の児童・生徒の教育や生活に大きな影響を与えるものと考えております。教員の疲弊は、児童・生徒の学力やその他の能力低下にもつながるのではないでしょうか。この際、荒川区の児童・生徒の将来のために、見直しというレベルではなく、大胆に文字どおり改革を行ってはいかがでしょうか。 学校では、学力の向上はもちろんのこと、感性の育成や健康、体力づくり、地域と一体となった活動など、多くの取り組みを行っています。時代とともに、教育の内容は年々多種多様化しており、一人一人の教職員の仕事もふえてきてしまっているのが現状ではないでしょうか。特に言われている副校長の労働、対外的な対応や教員のマネジメント等、さまざまな業務によりかなり長時間の勤務になっているのではないかと思います。 決して甘い気持ちではなく、教職員の方々には充実した心身をもって子どもの教育に携わってほしいという気持ちから思うことであります。まず、教職員の勤務の実態を十分に把握、分析し、課題を見つけ、その課題に対する対応策を示した「働き方改革プラン」を早急に策定すべきと考えます。教育委員会のお考えをお聞かせください。 次に、働き方改革と関連して、部活動における外部指導員の充実についてお伺いいたします。 私は、日ごろから学校の部活動の重要性について発言をしておりますが、ことしになって、スポーツ庁と教育委員会がそれぞれ運動部のあり方についてガイドライン・指標を策定しました。これを受けて、自治体の学校の働き方プランに部活動の項目を入れたり、また、国会から地方議会に至るまで、多くの議会で部活動についての議論が始まったようであります。 ここでは、先ほどの教員の働き方改革と関連して、外部指導員制度の充実についてを中心に質問させていただきます。 多くの学校で見られるように、教員に部活動の全てをお任せするというのは、働き方改革という視点から見まして、見直さなくてはなりません。だからといって、ただ部を縮小したり、活動時間を短縮するだけでは、学生の部活への情熱や楽しみ、スポーツや文化活動における可能性をつぶしてしまうことになります。 荒川区は、このような観点から、部活動に外部指導員を配置しているわけでありますが、その報酬や立場、責任の所在等、問題がいろいろあります。活動に一定の成果を上げておりますが、これからもますます充実させていくことにより、教員の負担軽減や部活動の存続に結びついていくと思われます。学校における働き方改革を語る上で、この外部指導員の充実も含めた部活動のあり方を考えることは不可欠です。教育委員会の考えている今後の方針と認識をお聞かせください。 次に、東京女子医科大学東医療センターの移転についてお伺いいたします。 本年六月、足立区が東京女子医科大学東医療センター移転に関する基本計画、そして東京都と土地の売買契約を七月上旬に結ぶ等のスケジュールを発表いたしました。さきの予算に関する特別委員会におきまして、我が党から、極めて残念ではあるが、もはや東京女子医科大学東医療センターの移転は仕方がないという前提に立って、積極的に医療と健康の拠点の整備を進めていかなくてはならない時期であるとの質問をし、区からは具体策が示せるようスピードアップし、熟度を高めていく旨の御答弁がありました。残念ではありますが、現在では、これら懸念したとおりの動きとなっていると言わざるを得ない状況にあります。 我が党といたしましては、昨年の本会議や決算に関する特別委員会におきまして、あらゆる場面を想定し、地域医療体制の維持、災害拠点病院の確保、医療と介護の連携、地域のにぎわいの創出という四点の方向性で東京女子医科大学移転後の対策を検討すべきと主張し、これを受けて、区もさまざまな努力をされてきたものと受けとめております。 災害拠点病院の条件である二百床のベッド確保については、これまでのさまざまな働きかけが実り、区東北部の基準病床数が四百六十床増加することで可能性が見えてきたことに対しては、大きく評価したいと思います。また、区、そして我々が目指している災害拠点病院の実現に不可欠となる東京女子医科大学が東京電力から借りている土地等の確保・活用についても、区の意向が実現する方向で進んでいると聞いているところでございます。 私は、具体的に東京電力所有の土地に加え、東京女子医科大学が所有する土地・建物について、マンションなどの乱開発を防ぐためにも早急に手を打ち、そこに災害拠点病院となる病院を誘致し、医療と介護の連携や地域のにぎわいの創出を実現するため、条件を整えることが必要と考えております。また、そのために必要となる区の財政支出におきましても、財源の最大限の確保の戦略を含めて、しっかりと積み上げておく必要があります。加えて、地元では一部、この一連の動きに不安を感じておられる方がいらっしゃるのも事実であります。実現性の担保との兼ね合いになると思いますが、適切な時期に地元の方々に対し、十分な説明をしていただきたいと思っております。 また、特に土地や建物の取得や病院の誘致については、相手のある交渉ごとで非常にデリケートな問題でもあり、特に慎重に対応していただきたいと思いますので、ここでは交渉上、支障となるような答弁はあえて求めません。ぜひよい結果を得るために最大限の努力をしてほしいと思うところであります。 そこで、確認をさせていただきたいと思いますが、申し上げたように、東京女子医科大学東医療センターの移転が現実のものとなってきつつある中、区としては、今後、どのように取り組んでいくおつもりか、改めてここでお伺い申し上げます。 これで第一回の質問を終了させていただきます。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 並木一元議員の質問に答弁を申し上げます。 区民ニーズが多様化する中で、効率的、効果的な行政サービスを提供していくためには、新たな視点により行財政改革に取り組んでいく必要があるとの御指摘、それに対する区の認識についてのお尋ねにまずお答えをさせていただきます。 御質問に対して、私は、思い起こしますと、区長就任以来、区民の皆様に荒川区に住んで、荒川区をベースにして、幸福を実感していただくために何をしたらよいかということで、今、振り返りますと、千五百を超える新規・充実施策を展開してまいりました。もちろん事業の見直しや経費の削減をはじめ、施設のあり方、管理運営の方法等も見直しをしてまいりました。自由民主党荒川議会議員団が積極的に取り組んできた行財政改革につきましても、着実に推進してまいったつもりであります。さらに、行政評価の仕組みを通して、毎年事業の見直しを行いますとともに、荒川区財政経営戦略プランに基づきまして、区政運営のさらなる効率化に取り組んでいるところでございます。 こうしたたゆまぬ努力の結果、ゆいの森あらかわの整備をはじめ、介護予防のさらなる充実や保育定員の拡大、防犯・防災対策の推進など、多くの区民サービスを充実させながら、基金残高に対して起債残高が大きく上回るという状況を脱却し、平成二十九年度末の見込みでは、平成十六年度末に比べて基金残高は百七十七億円増加する一方、起債残高は百七十三億円減少させ、実質三百五十億円の改善を見る予定になっているところでございます。 財政面でも大きく改善いたしました一方、こうした区民サービスの充実、また、子育てしやすいまち荒川といった評価の高まりもあり、区の人口は大幅に増加してまいりました。また、公共施設の老朽化への対応等も課題でございます。こうしたことに対して、平成十八年度から他区に先駆けて取り組んでまいりました公会計制度の改革につきまして、平成二十八年度から複式簿記等による精密な分析が可能となる新公会計制度をスタートさせました。 新たな公会計制度を最大限活用することで、職員のコスト意識の徹底を図り、効率的かつ効果的な事業運営を進めてまいりたいと思います。 また、最近注目されております人工知能を活用した事務改善につきましても、積極的に検討を行ってまいります。 このたびの並木一元議員の御質問は、区の安定した行財政運営を着実に行い、区民の皆様の幸福を実現するために欠かすことのできない大切な視点であると私も認識いたしております。 区といたしましては、限られた財源、人材等の行政資源を有効に活用するために、新たな手法を積極的に活用した既存事業の見直しを行うなど、さらなる高みを目指した行財政運営を推進してまいりたいと存じます。 次に、ものづくりに対しての調査を行い、それに基づく産業の活性化をするべきだという御提案の中で、特に事業継承について私から御答弁を申し上げます。 去る六月六日に実施いたしました幸せリーグ総会におきまして、安藤久佳中小企業庁長官にお出ましをいただき、中小・小規模企業事業者の事業承継、人材不足をテーマとする講演を行っていただきました。区のモノづくりセンサスでも、今後重点的に取り組むべき課題の一つとして、事業承継が挙げられます。私も三村日本商工会議所会頭さんや政府高官の方々と意見を交わす中で、事業承継は地域経済の活力を維持、発展させるためには大変重要な課題であると認識し、取り組んでまいりました。 中小企業庁によれば、今後十年間に七十歳を超える中小企業経営者の半数が後継者未定のため放置いたしますと、二〇二五年までに、二〇十五年比で約六百五十万人の雇用と約二十二兆円のGDPが失われるとのことであります。このため、国においても、事業承継税制、気づきの機会提供、マッチングの支援などを強化していく方向が確実に見られております。 事業承継には長い時間を必要とするケースもございますため、私は早い段階から計画的に準備することが肝要と考えております。 これまで区では、相談窓口の設置、専門家の派遣、若手経営者の育成支援などを実施してまいりましたが、必ずしも円滑な事業承継が行われない事例もございました。そこで、新たな事業承継の強化月間を設け、国や都と連携した中で、集中相談会、セミナーの開催、先進事例の紹介、メディアを通じたPR等によって、経営者に早期の準備を促す取り組みを行ってまいります。 あわせて、事業承継は個々の経営者ごとに事情が異なることでございますので、経営者の声を丁寧に伺いながら、きめ細かく対応してまいりたいと存じます。 円滑な事業承継による事業の継続・発展は、地域経済の活力を維持するために極めて重要でございますので、引き続き支援に努めてまいりたいと存じます。 これ以外の並木議員の御質問に対しましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) 初めに、学校における働き方改革プランについての御質問にお答えいたします。 国では、平成二十九年十二月に中央教育審議会において、学校における働き方改革に関する総合的な方策について、中間の取りまとめを行い、本年二月には緊急対策を策定し、業務改善及び勤務時間管理等にかかわる取り組みの徹底について、都道府県教育委員会に通知がなされました。 また、東京都教育委員会でも、教員の長時間労働の改善に取り組むため、同じく本年二月に学校における働き方改革推進プランを策定いたしました。その中では、学校の実態を勘案しながら、取り組み方針や取り組み内容などを盛り込んだ実施計画を平成三十一年度末までに各区市町村教育委員会において策定することが求められております。 区教育委員会におきましても、平成二十九年三月に荒川区学校教育ビジョンを策定し、教師が子どもと向き合う時間を確保することを施策の大きな柱に位置づけ、現在、その目標に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。 議員御指摘のとおり、教員の働き方を改善することは、教育の質の向上に直結するものと考えてございます。教育委員会として、このたびの御提案を踏まえ、教員の勤務の実態を十分に把握し、平成三十一年度末を待つことなく、具体的な取り組み内容を盛り込んだ働き方改革プランを早期に策定してまいります。 続きまして、部活動における外部指導員の充実についての御質問にお答えいたします。 国では、平成三十年三月にスポーツ庁が運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインを策定し、生徒の視点に立った学校の運動部改革に向けた取り組みを示してございます。それを受けまして、東京都も本年四月に東京都教育委員会運動部活動のあり方に関する方針を策定いたしました。区教育委員会では、平成三十年二月に策定した学びの推進プランにおきまして、部活動は子ども同士や指導者との人間関係の構築を図るなどの教育的意義が大きく、さらに、みずからの適性や興味関心等を深く追求していく機会でもあるとして、その充実を図ることを推進目標に位置づけており、中学校における部活動の重要性につきましては、議員と同様に認識しておるところでございます。 一方で、御質問にもございましたように、運動部をはじめとした部活動に関する指導が教員の長時間勤務の要因の一つともなっており、そのあり方をいかにしていくかが重要な課題であると考えてございます。今後、国や東京都のガイドラインを踏まえつつ、校長会とも十分な調整を行った上で、部活動のあり方についての指針を早期に取りまとめるとともに、外部指導員の拡充を含め、子どもたちの将来のために部活動のさらなる充実を図ってまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 福祉施設の再編によるサービスの充実に関する御質問にお答えいたします。 平成十二年の介護保険制度導入以前、高齢者福祉施設における介護サービスの提供は、自治体または社会福祉法人だけが可能であり、公的責任において実施する措置制度でありました。その後、国は高齢化社会の進展を視野に、介護保険制度の創設により、この分野への民間活力を積極的に導入し、競争原理を働かせるともに、そのノウハウから多彩なサービスの選択ができるようにしております。そうしたことから、現在では、区内に多くの民間事業所が開設されました。 区は、これまで区立の高齢者通所サービスセンターとして区民の皆様に必要な介護サービスの提供に努めてまいりましたが、ここ数年、利用率が七〇パーセントを割る施設もあり、区といたしましても、議員と同様の認識から、部内にPTをつくり、今後のあり方について統廃合を含め、鋭意検討を進めております。 一方、区では、これまでも障がい者の社会的自立や社会参加を促進するため、既存の施設の積極的な活用により定員を拡大するなど工夫を凝らしながら、障がい者の日中活動の場の確保に最大限努めてまいりました。しかしながら、近年、特別支援学校の卒業後の進路として、特に生活介護施設希望者が増加傾向にあり、御指摘のとおり、これまでの工夫だけでは対応に限界が近づいております。 今回の御提案は、こうした喫緊の課題の解決に向け、大変有効な策と考えておりますので、既存の施設目的にとらわれることなく、行政資源の効率的な活用を図り、区民ニーズへの的確な対応を着実かつ積極的に進めてまいります。   〔区民生活部長三枝直樹君登壇〕 ◎区民生活部長(三枝直樹君) 初めに、災害対策本部機能の充実強化に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで災害対策本部をはじめ、災対各部ごとに職員がとるべき行動手順を示したマニュアルを整備し、これらのマニュアルに基づく訓練を実施するなど、災害対応力の強化に努めてまいりました。また、これらの訓練の結果から災害発生時に情報収集、分析、作戦、受援調整等を担う災害対策本部運用班の指揮命令系統の一層の強化の必要性が明らかとなったため、今年度からは、これまで防災課職員及び職員寮に居住する職員で構成していた運用班員につきまして、総務企画部及び区政広報部の管理職、区内在住の係長級職員を追加することによりまして、指揮命令系統の強化を図ったところでございます。 さらに、災害発生時におけます活動体制の一層の充実強化を図るため、訓練計画の作成、訓練の実施、課題の抽出及び解決策の検討、マニュアル等への反映という、いわゆるPDCAサイクルを災対各部において実施する体制を構築し、不断の改善、見直しを行うとともに、関係する複数の部が連携した災対各部連携訓練も実施する予定でございます。 今後も、御指摘の趣旨を十分に踏まえまして、大規模災害発生時に迅速かつ的確な対応ができるよう訓練を重ねて、職員の危機管理能力の強化を図りますとともに、訓練等を踏まえた具体的な改善、見直しを行うことにより、災害対策本部機能の充実強化を推進してまいります。 続きまして、災害情報の効率的な収集、管理、伝達に関する御質問にお答えいたします。 大規模災害発生時には、多種多様で大量の情報が災害対策本部に一斉に集まってくることが予想されております。それらの情報を効率的に集約、整理するとともに、緊急度や重要度に応じて意思決定した上で、区民へ情報提供や避難勧告等を行っていくためには、災害時の情報収集から管理、伝達までを行うシステムを活用することがとても有効であると考えております。 区では、荒川区防災センターの整備時にこうした機能を持つ防災システムを配備し、適宜更新を行ってきたところでございますが、一部のシステムでは機能の陳腐化や老朽化等が目立ってきたことから、現在、システム全体のリニューアルに向けて導入方針に関する基本設計等を進めているところでございます。 この後、詳細な設計を行う予定でございますが、その際には議員の御指摘を十分に踏まえまして、実際の活用場面を具体的に想定した上でのシステムへの反映や、技術の進歩を見越した汎用性のある機器の導入、ランニングコストも含めた経費の縮減等といった視点なども欠かすことなく、システムの構築を進めてまいる所存でございます。 そして、いざ大規模災害が発生した際には、迅速かつ的確な対応ができますよう、これらのシステムを効果的に活用することにより、区民の安全の確保に万全を期してまいります。 最後に、防災課の本庁舎移転に関する御質問についてお答えいたします。 荒川区防災センターは、当時の本庁舎の耐震性に課題があったことや、さまざまな通信機器等を整備する必要があったことなどから、平成十年に本庁舎とは別に整備されました。現在では、本庁舎の耐震化により安全性が向上したことから、災害対策本部は本庁舎に設置することとしてございます。 一方、御質問にありましたように、鬼怒川の水害では、災害対策本部と災害対策担当課の設置階が別々であったことから、さまざまな弊害が発生したという常総市による災害対応に関する検証報告がされております。この教訓を踏まえますと、災害対策本部が設置される本庁舎に災害対策本部の事務局、参謀機能を担う防災課を配置することは、大規模災害発生時における危機管理体制を強化する意味におきましても、非常に重要な御指摘であると考えております。 区といたしましても、御提案の趣旨を十分に踏まえ、発災時等における対応力のさらなる強化を目指し、防災関連システムを含めた防災課の本庁舎への移転につきまして、具体的な検討を進めてまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) モノづくりセンサスの調査結果に基づく課題等の御質問にお答えします。 この調査は、区内の中小製造業者等の全数に対し調査を行ったもので、今般の調査の結果、今後重点的に取り組むべき課題としましては、販路開拓、人材不足、事業承継、設備投資の四点が挙げられます。まず、販路開拓につきましては、ターゲットに応じた見本市への出展補助、効果的な情報発信を行うとともに、機械要素技術展への共同出展を実施してまいりました。今後とも積極的に出展するとともに、BtoCに対応したブランディングについても検討してまいります。 次に、人材不足につきましては、職場環境や労働条件等の経営基盤を支援するとともに、人材募集から採用まで一貫した支援を行っております。さらに今年度からは、採用後の若手従業員の職場定着を図るため、区内企業合同の研修会を実施してまいります。 なお、事業承継につきましては、先ほど区長が答弁いたしましたとおり、積極的に周知することで気づきを促し、早目の事業承継につなげられるよう支援してまいります。 次に、設備投資を踏まえた生産性の向上についてお答えします。 国内の労働人口が減少していく中で、人手不足を補うための生産性の向上は喫緊の課題と考えております。国におきましても、三年を時限とする固定資産税の減免を伴う特別措置法を定め、中小企業等の生産性の向上のための設備投資の支援を推進しております。 区では、平成二十六年度から小規模事業者を対象とした設備補助制度の支援を実施してまいりました。この制度は、御質問にもありましたとおり、大変多くの事業者に御利用いただきました。この結果、老朽設備の更新に係る投資は一巡したものと認識しております。 このため、区におきましても、国の動きと合わせてICT等の導入にとどまらず、区内中小事業者の生産性の向上に直結するような設備投資を後押しできる新たな枠組みについて検討しているところであります。 なお、これまでの小規模事業者を対象とした設備投資補助は、国や東京都の制度に合致せず、十年以上の老朽化した設備を更新できないでいる小規模事業者を支援する目的で実施してまいりました。しかし、これからは生産性の向上を目的とした設備投資補助とするため、議員御指摘の事業規模の見直しや事業継続年数の緩和についても視野に入れ、国の制度も参考にしながら検討を進めてまいります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 東京女子医科大学東医療センターの移転に関する御質問にお答えいたします。 区では、御質問ございましたように、さきの予算に関する特別委員会での御党の御意見を踏まえ、移転やむなしということを前提として、地域医療体制の維持、災害拠点病院の確保、医療と介護の連携や地域のにぎわいの創出という方向性を軸に、対応策の具体化に努めているところでございます。 この間の区長を先頭とした関係機関等とのさまざまな折衝の努力が実を結び、区東北部の基準病床数を四百六十床増加することができ、また、東京電力用地等の確保・活用につきましても、望ましい方向で調整が進んでいるところでございます。 区といたしましては、このような成果を区が目指す東京女子医科大学東医療センター移転後の具体策につなげていく段階に入ったと認識しており、議員御指摘のとおり、東京女子医科大学東医療センター移転後の東京女子医科大学用地と東京電力用地、そこに建つ施設を活用し、災害拠点病院の機能を有する病院を誘致し、医療と介護の連携や地域のにぎわいの創出を実現するための条件を積極的に整えていきたいと考えております。 今後は、東京女子医科大学東医療センターの土地、建物に対する対応と災害拠点病院誘致のための諸条件の検討が重要な鍵となってまいります。 区といたしましては、区民の健康を守り、災害時の応急救護を機動的に実施するための非常に重要な役割を担う災害拠点病院の誘致に当たっては、議員や区民の皆様の御理解をいただいた上で一定の負担をする必要があると考えております。現在、そのために必要となる区の財政支出について最大限の財源確保ができるよう工夫することを含め、関係する部署が知恵を出しながら検討を進めております。 また、諸条件を整理した上で、可能な限り早期に議会や区民の皆様に東京女子医科大学東医療センター移転後の方向性をお示しできるよう努めてまいります。 ○議長(若林清子君) 三十二番中村尚郎議員。   〔中村尚郎君登壇〕   〔議長退席、副議長着席〕 ◆三十二番(中村尚郎君) 質問に先立ちまして、一昨日の朝、大阪北部で地震が発生いたしました。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。 特に大阪府高槻市内の小学校に通う児童が同小学校プール脇を登校中、地震の揺れによってプールのブロック塀が崩れ、その下敷きになって死亡するという痛ましい事故が起きました。 未来ある子どもたちの安心・安全を守ることは、教育行政の重要な責任であります。荒川区においてこのような悲惨な事故を防ぐため、公明党荒川区議会議員団として、区内の全小中学校の施設及び通学路に危険箇所がないか、速やかに詳細な点検を行うよう強く要請させていただきます。 それでは、大きく二つの項目について質問させていただきます。 質問の第一は、公共施設の諸課題についてであります。 公共施設の課題は、現状、老朽化した施設の更新財源が確保される予定がないため、公共施設のマネジメントに取り組む必要があるということであります。 もちろん財源が確保されていたとしても、人口減少や人口構成の変化の中で、合理的、効果的な公共施設の配置を検討しなければなりませんが、主たる要因はやはり財源不足にあると考えます。荒川区は、今後、公共施設の老朽化の問題は本当に大丈夫なのでしょうか。心配はないのでしょうか。私はこのことを大変に懸念をしております。 昨年の三月に発表された公共施設等総合管理計画では、十年後の総床面積はおおむね現状維持となっています。また、改修更新費用に関する財源は、基金の積み立て等の財政的な準備を講じていくことが重要としか記載されておらず、具体的な財源の確保策は示されていないと認識しております。 今後、財政状況が厳しくなる状況の中で、基本的に財源不足を解決する主要なメニューは何なのか。やはり公共施設総面積の縮小であると考えざるを得ません。 行政機関として税金を使った事業を進める際に、そのプランを計画という形で示し、何らかの公的な意思決定が必要なことは言うまでもありません。しかし、計画が必要なのに、なぜ平成二十三年の地方自治法の改正で、総合計画と言われる基本構想や基本計画の策定、また、議会の議決の義務条項が削除されたのでしょうか。それは近年の経済社会状況の急激な変化に長期的かつ総合的な計画が成り立たなくなっている状況が背景にあります。 計画策定作業の過程が情報収集、審議会を含めた会議の開催、資料の作成の時間等、意思決定までに平均二年程度を要しているのではないでしょうか。計画ができ上がったときは、既に時代変化に対応できない部分が目立つようになり、再検討の必要性が発生せざるを得ない状況になるからであります。 これまでのように、社会資本形成や福祉サービスの拡大の時代にあって、各種の計画を拡大させ、充実させる「拡充」の方向でありました。拡充の方向であれば、その実現に向けて資金と人材を投入すれば可能でした。しかし、現在課題となっている公共施設などの更新問題は、そのほとんどが縮小して充実させるという、「縮充」という初めての体験に荒川区としても直面せざるを得ないということであります。しっかりとした計画を策定することは当然であります。 ただし、いたずらに精緻な計画策定を追求し、策定後、肝心な実践部分が先送りされたならば本末転倒であります。変化の激しい時代にあって、公共施設等総合管理計画を従来のように完成された計画を実施するということではなく、基本的方向を確認し、実践し、課題をフィードバックしながら必要な修正を図る、走りながら考える手法を組み込むべきであると考えますが、御見解を伺います。 次に、公共施設マネジメントの推進による財源確保について伺います。 我が国の経済は、成長型から成熟型へ変化してまいりました。この変化により、限られた財源を前提とした行政サービスへの財源配分が厳しく問われていることは、周知のとおりであります。 したがって、行政、議会、住民の間で政策選択、合意形成の論点に関し、有効かつ合理的な財源配分の選択を提議することが重要であります。 財源不足と施設の老朽化問題は、尊い住民の命と財産に大きな影響を与えます。したがって、公共施設マネジメントを着実に進めなければ、安心・安全と財源確保が不安定となり、福祉、子育て、教育、防犯、防災、まちづくりなどの基本的な行政サービスが十分に提供されない可能性や、住民負担も大きくなる可能性もあります。財源確保のため、既存施設の管理運営費の削減、施設使用料収入の増加策、インフラ資産を含めた遊休資産の売却など、さまざまな方策を組み合わせることが肝要であります。 公共施設マネジメントと聞くと、ハードウエアとしての施設の再編をイメージすることが多いのですが、安心・安全な施設を維持しながら、財源確保を含めた自治体経営全般の課題に取り組むことが重要であると考えます。御見解を伺います。 次に、学校施設の今後のあり方について質問いたします。 荒川区の学校施設の延べ床面積は、全体の公共施設の四七・八パーセントを占めています。平成二十七年三月に文部科学省が策定した文部科学省インフラ長寿命化行動計画に基づき、各自治体は当該団体の公共施設等総合管理計画を踏まえ、長寿命化に関しての個別施設計画を平成三十二年度までに策定することになっています。 この個別計画は、公共施設等総合管理計画の整合性を維持するために、教育委員会だけでなく、政策部門、財政部門、技術部門が緊密に連携し、庁内横断的な組織により検討を進めるべきであります。 計画内容は、教育施設を現下の厳しい財政状況の中でどう長寿命化を着実に進めていくのかということを目的としていますが、加えて、文部科学省が平成二十七年一月に策定し、教育委員会に通知した小規模校対策の基本的方向性や考慮すべき要素、留意点等をまとめた公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引きに基づく検討、地域による人口構成の変化における問題点の解消を含めた学校の適正規模・適正配置等の検討も考えなければならないと思います。 さらに、地域によっては学びの場である学校施設を拠点として、地域コミュニティの形成を推進する観点や、人口減少等による利用需要の変化等を見据えた学校施設と社会教育施設等の複合化についての検討も進めるべきであります。三つの観点についての御見解を伺います。 次に、学校施設を最大限活用する機能の見直しについて伺います。 この数年、全国各地で地震や津波はもちろんのこと、異常気象が常態化し、毎年のように大規模災害が起きています。一昨日の大阪の地震、平成二十八年の熊本地震、さらには平成二十六年には集中豪雨により、広島県、福岡県、北海道を含め、他の地域でも大きな被害をもたらしました。また、昨年は福岡県、佐賀県、大分県などで観測史上最大級の集中豪雨となりました。本年は福井県を中心として三十七年ぶりの大雪が降りました。 これらの大災害はほぼ確実に地球温暖化の影響であり、これからますます多くの異常気象による災害が起き、今後も続く可能性が高いことは多くの人々の共通認識となっています。 どこでも家屋の甚大な被害があり、一時的にでも住居を離れ、避難生活を余儀なくされます。多くの場合、避難所として小中学校の体育館等が指定されていますが、一昼夜の避難であれば何とか過ごすことができても、数日から数カ月を余儀なくされるときは、災害による直接的な被害と同時に上下水道が機能しなくなり、排せつ物がそのままトイレ内に放置されるため、出るものが出なくなるという身体的な変調やプライバシーが侵害されるなど、心理的なストレスなどによる間接的な被害も増大します。避難所として滞在に耐え得る最低限の施設設備のあり方を検討しなければならないと考えます。 荒川区は、今年度予算から順次、小中学校の体育館に空調設備を整備するとしております。加えて、避難所として最低限の施設設備に関し、絶対に必要なのは、機能するトイレとシャワー室、更衣室です。多くの学校体育館では、体育授業での使用を想定し、トイレと更衣室は設置されていません。ましてやシャワー設備はほとんどないのが現状であります。 平成二十九年度・二月会議で我が党の森本議員がスフィア基準に基づく避難所の環境整備を提唱しました。大規模災害のときに悲惨な収容所になる可能性の高い体育館を、空調設備に加えて最低限の施設整備を早急に構築し、快適な避難所に整備すべきであります。御見解を伺います。 学校プールという施設について伺います。この質問に関して、学校における水泳授業の存在意義を否定するつもりは毛頭ありません。あくまでも公共施設マネジメントの一要素として質問と提案をさせていただきます。 まず、日本の小中学校のプールの設置推移を見ますと、昭和三十八年の学校プール設置率は一二パーセントでありました。昭和四十四年には二八パーセント、昭和五十年には五二パーセントとなり、昭和四十年から昭和五十年に急速に整備が進みました。 一方、学校プール建設と水泳授業が広まる要因はいろいろな説があるようですが、明確な理由はないようであります。 そこで、プール整備によって位置づけがなされた水泳授業でありますが、小学校設置基準において、プールは必置とされておりません。学習指導要領において、小学校・中学校の全学年において水泳指導が義務づけられておりますが、適切な水泳場の確保が困難な場合には取り扱わないことができるとあります。 水泳授業は、一般的に夏の六月中旬から九月中旬に実施されています。しかし、当該期間でも天候によってプールを使用できないことなどを考慮すると、一年間を通して実質的な使用期間は限られており、大変短い状況であります。 一方、小学校においては、短期間の中で子どもたちの泳ぐ力、泳力を効果的に高めるため、水泳指導は担任教員のみが行うのではなく、専科教員も加わり、職員が一丸となって指導しており、こうした水泳指導の体制は学校にとって負担になっていないか、検証が必要ではないでしょうか。 ある調査によりますと、屋外プールにおける一年間のライフサイクルコストは約七百万円という試算があります。学校ごとに設置されている屋外プールの活用は、利用期間、時間に限りがある中で、安定した水泳指導を確保するためには、学校の負担もあり、コスト的な面も問題があると考えます。 この際、現在の区内小中学校の屋内プールを温水プールにし、複数校の共有施設として屋内プールを活用すれば、気温や天候に左右されることなく、年間スケジュールに沿って水泳授業が行うことができ、共有することで一時的な初期投資はあるものの、長期的にはコストの削減になります。さらに、学校で使用しない時間帯は地域住民に開放することもできます。 千葉県佐倉市では、学校施設の老朽化を背景として、教育効果の維持・向上、児童・生徒の安全衛生面の確保、維持管理コストの削減を目的に、市内のフィットネスクラブに市から水泳指導の業務委託を行い、民間プールを利用し、平成二十五年度から水泳授業が行われています。コスト的にかなり削減になっており、また、学校の負担軽減になるとともに、保護者からも能力別指導により子どもたちが楽しみに水泳に取り組んでいると好評だそうであります。このような形で学校プールにおける水泳指導を見直すこともできます。 ほとんどの学校の屋外プールは二十五メートル、五レーン、三メートルぐらいのプールサイドが確保されており、プールの面積は約五百平米ぐらい、さらに、附属施設を想定すれば、約六百平米となります。地域によっては児童の増加によって教室数が不足する、また、今後の需要が見込まれる保育園や幼稚園の施設整備にプール跡地を活用できます。 税収の頭打ち、更新費用を考慮すれば、これまでの常識を根本から疑い、発想転換を行い、合理的な設置、利用形態に関して積極的に対応すべき選択肢となると考えます。御見解を伺います。 次に、(仮称)総合施設経営担当の設置について伺います。 私は、全ての施設をこのまま維持することは財政破綻につながる一要因と考えています。一般論として論じるならば、施設の管理運営担当部署の職員にとっても、統廃合や縮充となれば、新たな仕事がふえ、利用者との調整に矢面に立つことになるので、少しでも時期をおくらせ、先送りしたいと積極的に推進することに意欲を持つ職員は数少ないと推察します。施設利用者にとっても、施設の管理運営担当者にとっても、施設規模の見直しは理解しつつも、各論消極という心理状況は共通しています。 中長期計画では、担当部署としては具体的な統廃合などの計画年度目標を確定せざるを得ませんが、一般的には実施年度を確定するためには、住民や庁内の合意形成という厄介な調整作業があるので、十年のどこかでという程度の曖昧な時間設定を望むことになります。 中長期計画期間で数十という施設がリストアップされ、縮減目標面積も示されるかもしれません。しかし、年度ごとの具体的な統廃合計画として施設名称や縮減面積目標が明記されることは少なく、それが一般的な公共施設再配置計画の姿であります。 さらに、総合管理計画策定や施設再編整備の担当は、少人数の職員配置がなされている状況の中で、長寿命化、建て替え、統廃合等を具体的な事業として推進するだけの経験も時間も圧倒的に足りないのが現状であります。 そこで、公共施設の総合管理の実施は、常に総資産量を把握し、組織横断的な調整機能や進行管理を行い、方針の改定や目標見直しを行い、技術的な検証が重要であることも踏まえ、専門技術力を有する職員を継続的に養成し、手法、管理水準の見直しを確実に実施できる体制を整えていく必要があると考えます。 全国で先駆的に専門実施組織を設置している自治体はあります。区長直轄である程度の権限を持たせ、全体を一元的に管理する専門実施組織、(仮称)総合施設経営担当を設置し、公共施設の老朽化対策を実効性のあるものにすべきと考えます。御見解を伺います。 最後に、公共施設管理上の業務上過失致死等の対応について伺います。 古い話になりますが、二〇〇六年七月、埼玉県ふじみ野市で小学二年生の女の子が流水プール内の給水溝より地下水路パイプに吸い込まれ、死亡する痛ましい事故が発生しました。死因は、急なスピードで吸い込まれ、水路壁に強く頭を打ちつけられたことによる脳幹損傷による即死でした。亡くなられた児童の御冥福を心より祈り、今後二度とこのような事故を起こさないことを切に願います。 その後の捜査により、ふじみ野市から管理委託を受けていた業者が市役所に黙って下請会社に業務を丸投げしていたこと、プールの監視員はきちんとした研修や指導を行っておらず、泳げない監視員も多数いたこと、ふたが外れているとの通報が事故前にあったにもかかわらず、客をプールから出さずに係員が工具を取りに行っている間に事故が起こったこと等が明らかになりました。 これらの行動は委託業者側で行われていました。しかしながら、市職員の体育課長、管理係長、同係員、委託先業者社長、再任委託先業者社長、同現場責任者が二〇〇六年十一月に書類送検され、体育課長、管理係長は執行猶予つきの有罪判決となり、地方公務員法の欠格条項に触れ、懲戒免職で仕事を失いました。 最高裁判所は、施設所有者が利用客の安全の義務を負う、施設管理者の責任が果たせていない、トータルの総合責任者は担当課長であるという結論になりました。 本来、市役所が行う業務の仕様書に具体的に明示して委託する、入札して仕様書が出され、業者は必要な人員を確保するに当たって経費等を計算して見積もりを出すわけであります。協定書に瑕疵担保責任等の明記等の対策を講じておかないと、この公務員のように路頭に迷ってしまう結果になってしまいます。被害者も加害者も大変に痛ましい事件でありました。 指定管理委託業務の範囲を決めるのは荒川区、業者を決定する意思決定は荒川区であります。施設の利用者の安全を第一に考え、最大限の責任を果たしていく体制を構築していくことは当然でありますし、これから先、痛ましい事故を起こさないようにするように最大限傾注すべきでありますが、万が一荒川区でこのような老朽化した施設で事故や事件が起きたとき、幹部職員の業務上の責任に直面したときの対応策はきちんととられているのでしょうか。御見解を伺います。 質問の第二は、新公会計制度の考え方に基づく公共施設のための積み立てについて伺います。 将来予測が非常に難しい時代でありますが、新公会計制度の資産や債務に関する情報を開示し、適正な管理を進め、税収を効率的に使う自治体運営に努めなければなりません。 今後、一層わかりやすい財務情報の公表について研究を重ね、区民の皆様へ説明責任を果たすとともに、事業別、施設別などのコスト分析による事業評価を行い、より効率的な行政サービスの手法を確立することによって、持続可能な行財政運営が行われるものと考えます。 減価償却費は理屈上、基金などの形で貯金しておくべき資金相当額をあらわしていると言われております。なぜなら、毎年住民の皆様が区の設備を使用した分だけ設備が痛み、床もすり減ります。公共施設については、一部を除き使用料をいただいていますが、減価償却費の金額だけ帳簿上の設備価値は目減りしていきます。途中、修繕等を加えなければ、やがて設備は寿命を迎え、建て替えや除却を求められる状態に至ります。 新たな資産の更新を控えていたため、資産の老朽化が進んでいます。もはやこのままの状態で資産の更新を行うことは不可能ですし、何をどう引き継ぐのか、選択と集中の時代に入ったと言えます。 合理的かつ住民の納得のいく選択と集中を行うには、正しいデータに基づいた適正な計画が必要であります。西川区長の御英断で平成二十八年度決算から新公会計制度を導入していただきました。改めて御礼と感謝を申し上げます。 新公会計制度の何よりの成果は、その基礎データを提供し得たことであります。毎年の減価償却費相当額を実際に毎年の税収等から現金を積み立てておかなければ、当然ながら建て替えるお金はないわけであります。重ねてで恐縮でありますが、荒川区にとって最も大きな問題は、将来の更新問題です。公共施設更新のための積立は必要であると考えますが、御見解を伺います。 次に、公共施設・インフラの更新・改修費用の必要額及び更新期間八十年の長寿命化の根拠について質問いたします。 老朽化率を判断するのは、資産の取得価格に対して減価償却累計額がどのような比率になっているかであり、これが多いほど資産の老朽化率が進んでいることになります。 全国の自治体の老朽化率は平均四〇パーセントですが、荒川区では五二パーセント、特に建物は五〇パーセント、工作物は八一パーセントと非常に高くなっております。減価償却累計額とは、将来の更新に対する準備額であり、民間企業では内部留保として何割かが積み立てられていますが、平成二十八年度末の荒川区の減価償却累計額六百六十八億円に対し、公共施設整備基金等は九十億円にすぎません。 平成二十九年三月に発表された公共施設総合管理計画の中で、公共施設・インフラの更新費・改修費用を更新周期六十五年、今後四十年で二千百四十四億円と推計されています。四十年で平均五十三・六億円、しかし、過去五年間の普通建設事業費の平均五十億円を上回ることになり、財源不足が生じる。だから更新周期を八十年に長寿命化できれば、平均四十八・七億円となり、四十年間で千九百四十八億円となり、過去の建設事業費との財源の見合いを考慮すると、更新問題は乗り越えられるという計画であります。 長寿命化によって解消すると思うのであれば、六十五年を八十年にする場合、一年当たりのコストにおいて更新期までの費用が八十分の六十五に減ることになります。ライフサイクルコストが六十五分の八十以下であれば、長寿命化によって全体のコストは安くなります。しかし、一方、六十五分の八十を超えた場合、長寿命化したほうがコスト的に採算が合わなくなります。長寿命化の意義がなくなります。 更新期間八十年に長寿命化する具体的かつ技術的な根拠はいかなるものなのか、長寿命化に係るコストは実際のところ幾らを見込んでいるのでしょうか。単なる「たられば」の次元の机上の空論になることはないのでしょうか。あわせて御答弁をお願いいたします。 次に、減価償却の考え方に基づく基金の積み立てと具体的なルール化に基づく条例改正について伺います。 これまでの公会計制度では減価償却という考え方はありませんでした。しかし、公共施設の老朽化問題が社会問題化し、公会計制度改革による財務諸表作成が求められる現状において、減価償却の考え方を導入し、将来の施設更新コストを内部留保していくことは再三申し上げました。すなわち、財源確保策であります。 現状、基金積み立ての条例はありますが、それはあくまでも総論的な条例であります。そこで、具体的に減価償却累計額の一定金額まで認める積み立て、基金の使途、運用方法、運用益金の処理等の一定のルールのもとで条例を改正すべきであると考えます。御見解を伺います。 ある大学教授は、「基金は地方自治体が貸借対照表に計上している減価償却累計額の相手勘定である。もしこれがなければ、インフラや施設の更新が不可能になる」と述べられております。私も同感であります。 このことに関し、現在の貸借対照表の基金区分は、財政調整基金、特別区債管理基金、特定目的基金となっていますが、貸借対照表上、常に問題意識を持ち、一目瞭然にわかるように、新たに(仮称)公共施設等の再生基金という項目を別枠で区分して設け、明記すべきと思います。御見解を伺います。 以上で、一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 長い間、会計学に非常に通じておられ、いろいろな場面で御教示をいただいてまいりましたが、副議長職におつきになっている間、その御意見を拝聴することはございませんでしたけれど、久しぶりに大変すばらしい御質問をいただきました。心から敬意を表したいと思います。 さて、まず私からは、公共施設の諸課題及び新公会計制度の考え方に基づく公共施設更新のための積み立てについての以上二つの御質問に答弁をさせていただきます。あわせて、総括的な考えをお示し申し上げますことを事前に御理解をいただきたいと思います。 平成十一年度決算に関する特別委員会における当時の公会計の諸課題についての問題提起を中村議員からいただきましたことを皮切りに、その後、複式簿記の導入など、長年にわたり荒川区の公会計制度改革の契機となる御提案を数々いただいております。そのことに敬意を表したいと思います。 昨年度開催された新公会計制度推進シンポジウムをはじめ、これまでも多くの研究会等に御参加をいただくなど、公会計改革に向けた熱心な取り組みに改めて敬意を表する次第であります。 さて、私は常々、地方自治体を取り巻いております運営上の幾つかの問題について、これを効率化するために幾つかの仕分けを申し上げたいと思いますが、一つは職員の意識改革を図ること、また、職員の経営力を強化いたしますとともに、主権者であられ、納税者であられる区民の皆様への説明責任を果たすことが肝要であるといつも考え、また、そのように発言しております。 このような認識のもと、区では、平成十九年度に自治体公会計改革宣言を行いますとともに、平成二十年には総務省方式改定モデルによる財務諸表を作成、公表するなど、いち早く公会計改革に取り組んでまいりました。平成二十八年度からはより精緻な分析が可能となります日々仕訳による本格的な複式簿記であります新公会計制度を導入し、事業別、施設別にもストック情報やフルコスト情報を明らかにできるようにいたしました。 今後は、この新公会計制度による成果を区政の最重要課題の一つでございます公共施設の適切かつ効率的な維持管理や老朽化対策に活用していかなければなりません。 新公会計制度により作成されました施設分析シート等の財務情報と施設の利用状況等の非財務情報を組み合わせて、施設の特性や将来的な需要等のさまざまな視点を加えて、施設の運営における課題の検討や今後の施設のあり方を定めていくなど、取り組みを進めてまいりたいと思います。 中村議員とともにつくり上げてきたと言っても過言でない荒川区の新公会計システムの活用の段階まで高めることによりまして、行財政運営の効率化、適正化を推進し、幸福実感都市あらかわを目指してまいりたいと存じます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。   〔教育長高梨博和君登壇〕
    ◎教育長(高梨博和君) 初めに、学校施設のあり方に関する御質問にお答えいたします。 区が公共施設のマネジメントの取り組みを進めていく上で、学校施設の今後のあり方を検討することが重要であるという議員の御指摘につきましては、私どもも同様の認識をいたしておるところでございます。 教育委員会におきましては、学校施設の長寿命化に向けた取り組みを計画的に推進するため、現在、教育施設個別管理計画の策定を進めております。トータルコストの縮減や予算の平準化を目指すとともに、将来的な建て替えを見据え、関係部署と連携し、総合的に検討を進めてまいる所存でございます。 また、建て替えに当たりましては、議員の御質問にもありましたように、人口動向を踏まえた推計により学校施設の適正規模や適正配置、さらに、限りある公共施設を有効活用するための施設の複合化を検討する視点が欠かせないものと考えてございます。 教育委員会といたしましては、学校施設の今後のあり方について、関係部署と緊密に連携を図りながら、将来を見据えた良好な教育環境の実現に向けて、今後とも全力で取り組んでまいります。 次に、学校施設の機能強化に関する御質問にお答えいたします。 学校施設は、多くの児童・生徒が一日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、地震等の災害発生時には区民の避難所として活用される、災害応急対策上、大変重要な施設として位置づけられており、議員御指摘のとおり、多くの避難者の安全を確保する屋内施設として、その機能を強化することは大変重要であると認識してございます。 教育委員会では、平成二十八年度から三カ年で全小中学校のトイレの洋式化に取り組んでおり、今年度をもって整備が完了する予定となってございます。これにより、児童・生徒の生活環境が大きく改善されるとともに、災害時における避難所機能の向上にも寄与するものと考えてございます。さらに、全小中学校体育館への空調設備の設置に向けて、今年度は四カ所のモデル体育館で空調効果等の検証を行います。 議員御指摘の更衣室やシャワー室等につきましては、長期間に及ぶことも想定される避難所での生活をより快適に過ごす上で必要な機能の一つと認識してございます。 一方で、既存の体育館ではスペース面等での制約といった課題もございます。今後、防災関係部署と連携しながら、鋭意調査研究してまいります。 教育委員会といたしましては、議員御質問の趣旨を踏まえ、災害時での活用も考慮しながら、体育館をはじめとした学校施設機能のさらなる充実に努めてまいります。 続きまして、学校プールに関する御質問にお答えいたします。 荒川区では、各小中学校でカリキュラムを組み、六月中旬から九月中旬にかけておおむね十時間程度の水泳指導を行っております。また、夏休みには、十日間程度、希望する児童・生徒に水泳指導を行っております。 議員御提案のとおり、屋内プールを温水化し、年間を通して学校間で共有したり、民間プールを活用し、水泳指導を業務委託したりすることで、使用しない学校プールの跡地を有効活用することや、関連経費を縮減したり、学校の負担を軽減するといった効果が期待できるものと考えてございます。 一方、荒川区では、共有化できる可動式の屋根がついた屋内プールが二校と少なく、また、その二校でも夏季以外は児童・生徒の貴重な運動スペースとして活用されていること、共有化した屋内プール等へ移動する際の安全確保など検討すべき課題も少なからずございます。 発想の転換により学校施設を最大限活用できるよう、機能の見直しを図ることは大変重要な視点であり、教育委員会といたしましては、議員御指摘の趣旨を踏まえ、学校プールのあり方を含め、将来を見据えた学校施設の有効活用を図るべく、今後とも鋭意取り組んでまいる所存でございます。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 初めに、公共施設等総合管理計画に関する御質問にお答えいたします。 区では、公共施設等の安全性や効率性の確保を目指し、平成二十九年三月に公共施設等総合管理計画を策定いたしました。本計画においては、事後保全型から予防保全型の維持管理に移行することによる老朽化への対応、人口推移や社会情勢等を適切に把握し、変化する行政需要への対応、事業の効率化等による財政状況への対応と三つの考え方に基づき、公共施設等の管理や整備、更新を行い、区民ニーズに応じた行政サービスを継続的に提供することとし、そのもとに施設類型ごとの基本的な方針を示しました。 現在、施設ごとに長寿命化に向けたメンテナンスサイクルやコストの見通しなど具体の対応方針を定める個別施設計画の策定に向け、まず、学校施設において検討を進めております。個別施設計画策定に当たっては、全庁横断的な体制の中でさまざまな条件を想定し、計画の策定を進めてまいりますが、議員御指摘のとおり、昨今の急激な社会経済情勢の変化や区民ニーズの多様化等を踏まえますと、常にその計画が公共施設等の管理を行うに当たり適切なものになっているかを確認し、必要な修正を行うことは重要であり、今後その確認の仕組みについて鋭意検討をしてまいります。 次に、公共施設マネジメントに関する御質問にお答えいたします。 公共施設を適切に維持管理し、最大限活用していくためにも、財源の確保は極めて重要であると認識しております。 区では、これまでも公共施設の整備や維持管理を実施する中で、財源確保につながる取り組みとして、国家戦略特区制度を活用した公園用地の活用や、公共施設の順次建て替えに伴う建設コストの縮減、保育園の民設民営化による施設整備費の削減など、さまざまな方法により財政基盤の強化に努めてまいりました。今後は、これまでの取り組みをさらに強化するとともに、新公会計制度との連携を図り、事業の見直し等を行いながら財源確保に努めてまいります。 次に、公共施設の老朽化対策のための専門組織に関する御質問にお答えいたします。 公共施設の老朽化対策については、全庁的な施設にかかわる問題であり、将来にわたる財政負担の観点からも、総合的かつ計画的に推進を図るべき課題であると認識しております。 こうした認識を踏まえ、公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、企画、財政、営繕部門と各施設所管部がそれぞれ連携を図りながら、全庁の総合調整機能を担う総務企画部において取りまとめを行い、その推進を図っているところでございます。 さらに強力に推進していく体制を整備すべきとの議員の御提案は、今後本格化する公共施設の老朽化対策を着実に進めていくためには大切な視点の一つであると認識しております。 一方、老朽化対策においては、各種施設における事業の性質、内容、実施状況等を十分踏まえた上で進めることが肝要であり、施設の実態を把握している現場の職員がみずから問題意識を持ち、対応していく必要があります。 区といたしましては、こうした状況も踏まえ、施設の管理運営を担う所管部を含めた全庁横断的な連携体制を整え、さらなる推進を図るとともに、新たな公会計制度によるきめ細かな施設分析等も活用しながら、区全体として中長期にわたり最適な対策が講じていけるようしっかり取り組んでまいります。 次に、指定管理施設における事故等の対応に関する質問にお答えいたします。 区では、現在、ふれあい館や文化施設、福祉施設等の五十六施設において指定管理者制度を導入し、民間事業者等が有するノウハウを活用して、効果的、効率的な施設運営に取り組んでおります。 御質問にございました他自治体の事故については、決して同様の事態が発生しないよう毎年度指定管理施設を運営する事業者に対し、運営協議会等の機会を捉え、安全な施設運営に万全を期すよう周知を図っております。あわせて、課長をはじめとした担当所管課職員が直接施設に赴き、施設の維持管理及び運営状況等を的確に把握するとともに、必要な指導、助言を行っております。 このように、区といたしましては、各施設の安全管理に努めることを第一とし、さまざまな取り組みを行うとともに、不測の事態が発生した場合には、まず利用者の安全を確保できる緊急体制を整えております。また、自治体賠償責任保険に加入し、区民等への補償の体制を整えるとともに、協定書には損害賠償等の条項を記載し、指定管理者との責任の明確化を明記しております。加えて職員については、公務員賠償責任保険制度の活用により、訴訟等への対応を講じているところでございます。 いずれにいたしましても、区の施設において事故等が発生しないよう、日ごろより指定管理者との連携を密に図り、安全対策に万全を期してまいります。 最後に、公共施設等総合管理計画における更新期間に関する御質問にお答えいたします。 区では、公共施設等総合管理計画において施設を最大限活用することを念頭に更新周期を八十年と定めております。これは文部科学省が公表した学校施設の長寿命化改修の手引きにおいて、適切な補修、改修を行うことで耐用年数を三十年程度延ばすことができる旨が示されていることに加え、これまで区における施設の改修期間がおおむね十五年であったことから、中長期修繕計画の示す六十五年に十五年を加えた八十年として定めたものであります。 公共施設・インフラの改修・更新費用につきましては、議員の御質問にもございましたとおり、本計画において、更新周期を六十五年で試算した場合、計画策定後の四十年間の平均額は約五十三・六億円となり、過去五年間の公共施設及びインフラに係る普通建設事業費の平均額約五十億円を上回ること、このたびの更新周期八十年で試算した場合には約四十八・七億円となり、これまでの平均額を下回ることをお示ししております。 区といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、行政需要への対応や財政状況等を考慮し、必要に応じて計画の修正も視野に入れながら適切に対応してまいります。   〔財政担当部長宮腰肇君登壇〕 ◎財政担当部長(宮腰肇君) 公共施設更新のための基金に関する御質問にお答えします。 区では、現在、公共施設の更新に備えた財源確保のための基金として、使途を小中学校に特定した義務教育施設整備基金とその他の公共施設等を対象とした公共施設等整備基金を設置しております。 老朽化した公共施設の更新は、区にとって非常に大きな財政需要であり、実施に際しては、国や都の補助金等が見込まれるものは最大限活用するとしても、残りの多くの財源を単年度の税収等で賄うことは非常に困難です。そのため、適正な範囲内での起債の発行と、それまでに積み立てた両基金の取り崩しとを併用することで財源を確保する必要があると考えております。 こうしたことから、区では、近年の決算剰余金処分に際し、特に両基金への積み立てを重点的に行ってきたところであります。 御質問の減価償却の考え方に基づく基金積立につきましては、新公会計制度に基づく財務情報を中長期的な財政運営に有効に活用する方策として大変意義のある御提案と受けとめさせていただきました。 御指摘のように、できることなら毎年の減価償却費相当額を実際に毎年積み立てておくことが望ましいと存じますが、現実には税収等に限りがある中で、直面する需要への対応と将来需要に備える基金積み立てとでバランスを考慮しながらの予算編成となります。このため、両基金の現在高は、対象施設の減価償却費累計額に比べて大きく不足する状況がございます。 区といたしましては、御質問の趣旨を十分に踏まえ、公共施設に係る建物等の減価償却費累計額を確保すべき両基金の資金需要の一つの目安と捉えて、これまで以上に積極的な積み立てに努めるとともに、財政運営の柔軟性を損なわない基金積み立てのルール化につきましても研究してまいります。 また、現行の貸借対照表の基金区分では、両基金の現在高を特定目的基金に含めておりますが、御提案のような新たな区分を設けて表示することは、公共施設更新に対する区としての備えを区民にわかりやすく開示する上で大変有効と考えます。関係所管と連携しながら、鋭意検討してまいります。 今後も引き続き新公会計制度に基づく財務諸表や経常収支比率などの財政指標の活用等を通じて、健全な行財政運営に取り組んでまいります。 ○副議長(吉田詠子君) この際、議事の都合により休憩をいたします。           午前十一時五十五分休憩   午後一時開議 ○議長(若林清子君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 八番小島和男議員。   〔小島和男君登壇〕 ◆八番(小島和男君) 私は、日本共産党区議会議員団を代表して六項目の質問を行います。 質問に入る前に一言申し上げます。 一昨日、大阪北部で震度六弱の激しい地震があり、死者五名、負傷者四百八名となり、インフラにも大きな被害が広がっています。被災地の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 ことし四月に島根県西部で震度五強、六月に千葉県南部で震度四の地震が発生するなど地震が多発しています。首都直下型地震の可能性が極めて高いと言われています。 大阪北部地震は、人口密集地での直下型地震の危険性を改めて示したものであり、荒川区としてさらなる震災対策の強化を強く求めます。 それでは、質問を行います。 質問の第一は、社会保障費削減で厳しさを増す区民生活応援の強化についてであります。 安倍政権による社会保障費削減によって、この五年間で社会保障予算の自然増を一兆四千六百億円削減し、医療費の負担増、介護の利用料値上げ、生活費の切り下げなど、社会保障制度の基盤を掘り崩し、国民生活に深刻な打撃を与えています。その影響を最も深刻に受けているのが高齢者、障がい者です。 介護保険法の改定でことし十月から年金収入など一定の所得を超える高齢者の利用料は三割負担となります。現在の二割負担対象高齢者には、高額所得とは言えない人が多数含まれています。 二〇一五年に現役並み収入の方に二割負担が導入されました。このとき、厚生労働省は、負担がふえるのは余裕のある世帯と説明しましたが、データを都合よく書きかえていたことが国会で大問題になったことは記憶に新しいところです。 実際、二割負担が始まってから、利用者やその家族から負担がふえて生活が成り立たないなどの声が挙がり、厚生労働省の調査でも、一割の利用負担が二割になって、利用回数を減らす割合が高くなっています。 そうした矢先に今回三割負担導入です。対象の高齢者は、税金や医療保険料を払い、高齢による病気も多く、医療費の負担も大変です。暮らしの実態を見ないで三割負担にすることは、医療と介護のダブルパンチで、現役並み高齢者の暮らし破壊につながりかねません。 介護保険料利用料三割負担について、国に三割負担の撤回を求め、区独自に負担軽減を実施することを求めます。答弁ください。 厚生労働省は十月から訪問介護利用者で調理や清掃などを行う生活援助サービスだけを利用している方について、一日一回を基本に、要介護ごとの利用回数基準を決めました。その基準を超えたケアプランの場合、ケアマネジャーがそのサービスの必要性を証明するアセスメントやモニタリング調査など多くの新たな書類を作成し、各自治体の地域ケア会議などに提出しなければならなくなります。必要性があっても、基準回数以内に計画を抑制することにならないか、不安が広がっています。 公益法人認知症の人と家族の会は、ことしの総会アピールで、必要なサービスを利用できなくなるおそれがあり、自立支援どころか、重度化を招きかねず容認できないと基準の撤回を強く求めています。 事の発端は、昨年の夏に財務省が月平均九回なのに三十一回も利用していて無駄遣いだと言い出したことでした。しかし、昨年十一月、厚生労働省は月に九十回以上を超える訪問事例を調査しましたが、各自治体の回答でそのうち九六パーセントが適切なサービスだと回答し、回数が多く無駄だとする根拠は完全に崩れました。 荒川区でもことし三月の基準回数を超えた生活援助サービスを受けた利用者は三十六人です。利用者にとって必要なサービスが基準を超えたからと抑制することがあってはなりません。訪問介護の生活援助サービス基準については、利用抑制やケアマネジャーの負担増につながらないようにすること、答弁を求めます。 ことし四月から障害者福祉サービス報酬の改定が行われ、成果主義のさらなる強化が行われました。特に顕著なのが就労支援B型です。基本報酬は平均工賃月額に応じ七段階となりました。そもそも福祉作業所などに成果主義を導入することはあってはならないことです。重度の方でも平均工賃は低いが、働くことを一生懸命実践している事業所は頑張っていないと評価されることになってしまいます。就労支援の作業場は働くだけでなく、余暇活動や生活支援なども利用者に行っています。 障害者団体きょうされんがことし三月に行った調査では、基本報酬及び主な加算、減収について、昨年四月から九月の実績をもとに年間報酬を試算し、それをもとに二〇一八年度の報酬見込みを試算したものを活用して、全国六百三十事業所の回答を得ました。就労支援B型では三百五十一件中、百万円以上の減収が百十七カ所、三百万円以上が二十五カ所に上っています。 荒川区内でもある就労支援B型の作業所では、年間二百万円の減収になるのではないかと心配の声も寄せられています。就労移行支援事業所や障害者グループホームなどでも報酬改定による減収の影響が心配されています。 現場の皆さんからは、重度障がい者や短時間しか働けない利用者の利用抑制や契約拒否につながらないか懸念される、事業所収入が大幅に減収すると、余暇活動や生活支援の縮小、職員の人件費削減で対応せざるを得ない事業所が多々ふえ、職員の非常勤化、非正規社員の割合の増加などが深刻な問題になるなどの意見が寄せられています。 障害者福祉サービスの報酬改定における影響調査を行い、必要な財政支援を行うこと、答弁を求めます。 第二に、全ての子どもたちが明るく生き生き成長できるようにするためについてであります。 日本共産党荒川区議団は、ことし三月に兵庫県明石市の視察を行いました。明石市では、泉市長が「子どもはまちの未来」だとして、全ての子どもたちを市民みんなで応援する、そのことでまち全体が発展するとして、中学生までの子ども医療費、第二子以降の保育料、市営施設の子ども利用などを無料化し、全て所得制限なしで実施しています。このほうが納税者に理解してもらえると語っています。 明石市が全ての子どもたちが生き生きと成長できるような対策を講じていることは、自治体本来の役割を発揮していると実感しました。中でも児童扶養手当支給の毎月支給やひとり親家庭支援については、ちょっとした工夫で喜ばれるサービスになると感じました。 明石市ではひとり親家庭応援貸付制度を開始し、希望者には児童扶養手当の支給のない月に同額の一カ月分を貸し付け、まとめ支給に合わせて返金してもらい、支給のばらつきをなくして、家計のやりくりが安定するようにしました。貸し付けと返還は児童扶養手当の振込先口座を使い、振り込みによる支払い、口座振替による引き落としですから、一度の手続でできるのです。荒川区でも希望者に毎月児童扶養手当を支給できるようにすること、答弁を求めます。 また、明石市では、ひとり親家庭への支援では、月一回の現況届の提出の際に事前に送付したアンケートも提出してもらい、アンケートを提出した方にはプレゼントをお渡しして、別な場所で生活、健康、子育て、就学・就労、離婚後の子育てガイダンス、法律の六項目の相談コーナーを用意して相談に応じています。また、現況届についての提出方法も、アンケートで出された意見をもとに受付時間を拡充し、土日、夜間も受け付けるようになりました。 荒川区でも、アンケートを同封して現況届と一緒に提出してもらい、相談の予約をとるようになっています。しかし、具体的な実情や困りごとを把握できるようにする必要がありますし、その日のうちに各種相談もできるようにしたらよいと思います。総合的な相談をその場で行えるようにすべきです。 児童手当現況届の提出時間は夜間、土日にも行うこと、また、現況届提出時に暮らしの実態把握や相談コーナーなどもつくること、答弁を求めます。 次に、学童クラブについてであります。 厚生労働省の学童クラブの設備運営基準では、一学童クラブの児童数をおおむね四十人以下としています。また、学童クラブの占有面積として、遊び、生活の場としての機能、静養するための機能を備えたスペースを児童一人につき一・六五平米以上としています。荒川区も既に条例化しています。二年後の二〇二〇年四月からは、一・六五平米が完全適用となり、定員オーバーして入所させることはできなくなります。 現在でも、南千住地域では、第一、第二学童クラブの定員を調整するために、四年生以上は他の学童クラブに移動させました。汐入東小学童クラブについても、定員を十八名オーバーし、他の学童クラブに移動、第二瑞光小学童クラブも二十三名が移動となっています。熊野前、西尾久学童クラブも定員オーバーなど、増設の検討が必要です。 また、三日小学童クラブや西日暮里二丁目、日暮里学童クラブは定員いっぱいです。近くの学童クラブに入所できない状況は、子どもたちのために改善しなくてはなりません。 来年度以降も学童クラブの利用者がふえ続けることになることは十分予想されます。荒川区において、マンション増加などで児童がふえ、学校の教室確保も苦労していることは十分承知しておりますが、それだけに今から学童クラブ増設に用地の確保など必要な手だてを尽くすことが求められています。区として学童クラブ占有面積基準を満たすために、今後の増設計画を明らかにすること、答弁を求めます。 第三に、ひきこもり対策の充実についてであります。 ことし一月に北海道札幌市内のアパートの一室で八十四歳の母親と五十二歳の娘の二人暮らしと見られる御遺体が発見されました。警察によると、娘さんは長年ひきこもり状態で、母親が先に亡くなり、一人になった娘さんも誰にも気づかれず衰弱死したと見ています。 全国でも親子ともに高齢となり、社会から孤立する八〇五〇問題がいよいよ顕著となり、専門家は支援策を整えなければ同様の孤立死がふえ続けると指摘しています。 人口六万八千人の岡山県総社市では、社会福祉協議会がまず独自にひきこもり調査を行い、二百一件訪問のうち、ひきこもりが四十件と多かったことから、社会福祉協議会として総社市に対し市内全域でのひきこもりの実態調査を求めたところ、総社市と社会福祉協議会が協働してひきこもり調査や実施され、市内全域でひきこもりが二百七件あったことが判明しました。 この結果を生かして、ことし四月にはひきこもり支援センター「ワンタッチ」を開設し、社会福祉士や臨床心理士が相談に応じています。また、今後、居場所づくりの検討も始まっています。 荒川区では、ひきこもり家族会「たびだちの会」がことし三月に再開されてから月一回定例会が行われるようになりました。荒川区社会福祉協議会が場所の提供などを行っていることや、保健所の保健師が直接かかわっていることなどは、東京全体の家族会で評価されています。小中学校で不登校となり、中学を卒業すると、荒川区として状況が把握できません。対応がおくれ、長時間引きこもるケースがふえており、早期の対応が必要です。そのために、中高生など若い皆さんの居場所づくりも必要です。 また、学校を卒業し、就労してから、会社の上司のパワハラなどで会社を退職後にひきこもりが長期化し、親子とも高齢化になっており、対策が必要です。関係する方々に家族会などの情報が届いていません。民生委員の皆さんや区の関係者に、ひきこもり家族会の情報を提供しておくことも必要です。 ひきこもり対策強化の重要性を認識して、区内のひきこもり実態調査を行うこと、荒川区としてひきこもり家族会「たびだちの会」への支援を強化して居場所づくりなどを検討すること、ひきこもり支援センターの設置を検討すること、以上三点について答弁を求めます。 第四に、特別支援教室の充実についてであります。 発達障害や情緒障害への支援は、二〇一六年までは各学校から拠点校に通う通級指導学級でしたが、昨年から拠点校から各学校に教員が回って支援する特別支援教室となりました。 通級時代には、教員が集団で障がい児の状況をつかみ、必要な援助を的確に取り組むメリットがある一方で、週一回は児童が拠点校に通わなければならないデメリットもありました。 通級指導学級の最後の年には百六十八名が通っていましたが、特別支援教室になった昨年は百八十四名、ことしは二百六十三名とふえています。しかも、昨年もことしも年度途中に児童はふえています。しかし、現在は第二瑞光小学校、第四峡田小学校、尾久宮前小学校の三校の拠点校が二十四校を巡回、拠点校が七から八校を担当していますが、範囲が広過ぎます。拠点校は三、四校に一校設置すること、当面、日暮里地域に拠点校を設置すること、答弁ください。 児童の増加は年度途中にもあります。都の教員配置は四月一日が基準で、その後、児童がふえた場合の教員配置ができない状況を改善し、年度途中での児童増に対応した教員の配置を東京都に求めること、同時に区独自に教員を配置すること、答弁を求めます。 小学校二十四校の特別支援学級のうち、八校では多目的室や英語教室などを使っており、専用教室でないためにパーテーションを事前に準備しますが、児童が落ちついて授業を受けられないところもあるようです。専用教室のない学校は児童増で教室不足の学校が多いので、専用教室の確保が大変なことは理解します。子どもたちにとって落ちついて支援を受けることができるようにする環境の整備が必要です。 また、発達障害や情緒障害といっても、一人一人の児童の障害の程度に違いがあり、教員が一人一人に合った授業のため、担当教諭は教材を抱えて巡回しており、備品の充実も必要です。各学校に専用教室を整備し、それぞれの児童の指導内容に即した備品を充実すること、答弁を求めます。 年度当初の四月の時点で児童の状況を的確に把握した個別支援計画の作成が必要ですが、荒川区立教育センターで調査などを行う心理専門相談員の定員は二〇〇九年度から小学校担当は十二名のままです。しかも、現在二名欠員で、年度当初の対応も間に合わず、個別支援計画作成がおくれています。 特別支援教室となって児童がふえる中で、心理専門相談員を欠員の補充だけでなく、定員そのものをふやすことも必要です。荒川区立教育センターの心理専門相談員を増員して、丁寧に相談に応じて、児童の支援につなげること、答弁を求めます。 第五に、西日暮里駅前地区再開発についてであります。 今、二〇二〇年の東京オリンピックに向けて、二〇一六年以降、三菱地所による容積率二二〇〇パーセント、高さ三百九十メートルの日本一高い常磐橋再開発など、東京駅周辺の三カ所の再開発ビルで面積三百五十ヘクタール、総事業費は三兆円規模になっています。 この再開発を可能にしているのは、国の都市再生緊急整備地域あるいは国家戦略特区です。国家戦略特区では広域会議が設けられており、区域計画が総理大臣の承認を得られれば許認可を得たものとされ、開発業者は開発計画の企画書を持ち込めば、都市計画手続も超スピードで処理され、ワンストップで済まされます。 しかし、巨大開発の一方で今後、人口減少が進み、経済成長の鈍化という大きな構造的な変化が生じます。住宅需要層の生産力人口は二〇二〇年以降減少し、団塊の世代が二〇二五年以降後期高齢者になると、相続問題で不動産市場の過剰傾向は一層強まり、価格下落に拍車がかかります。巨額な投資だけにバブルが崩壊すれば、二〇二〇年以降の人口減少、高齢化で景気回復力は弱く、長期にわたって深刻な経済が続くことが危惧されています。それでも巨大開発が行われるのは、不動産の証券化によるものだと指摘されています。 売れなくなるとわかっていても、当面、巨大開発に投資すれば大きな利益になることから、再開発をとめられないのです。 西日暮里駅前再開発でも大手のデベロッパーがもうけを確保するために、容積率も規制緩和して九〇〇パーセントから九五〇パーセントに引き上げて、地権者分を除く保留床を処分して、超高層ビルに一千戸の住宅をつくるとしています。 当該地域は防災総合危険度は二と低く、住宅も密集しているわけでもありません。首都直下型地震が切迫する中で、区内の総合危険度五が十四町会、四は十六町会もある中で、住宅密集地域を改善することが重要になっています。しかし、不燃化特区の予算は年間九億円しかありません。 一方、西日暮里駅前地区には百五十億円の巨額の税金が投入されようとしています。財源の投入の点でも、駅前再開発を見直して、木造密集地域の改善など震災対策を抜本的に強化することが必要です。 今後、住宅の過剰が想定される中で、再開発先にありきで千戸の住宅を中心にした西日暮里駅前再開発を推進することは、計画そのものが破綻することになりかねません。超高層マンションを中心にした西日暮里駅前地区の再開発を見直すこと、答弁を求めます。 質問の最後は、荒川区内各駅のバリアフリー化についてお伺いします。 JR日暮里駅、西日暮里駅は、一日の乗降客がそれぞれ十一万五百二十九人、十一万二百七十六人と利用者が多く、荒川区民も多く利用していますが、京浜東北線上り下りホームにはホームドアが設置されていません。 JRは乗降客の多い順に設置を進めるために、日暮里駅、西日暮里駅はオリンピック後になる予定です。日暮里駅、西日暮里駅では、京浜東北線は日中、電車は停車せず、駅のホームを速い速度で通過しますが、以前も日暮里駅ホームから転落した人を救出しようとした韓国の青年が死亡するなど事故が相次いでいます。こうした事故を繰り返さないためにも、荒川区として早急に日暮里駅、西日暮里駅など区内JR各駅に早急にホームドア設置をJRに働きかけること、答弁を求めます。 ことし四月十二日に、聴覚障害の方々が参加して、JR日暮里駅のバリアフリー化の実態調査が行われました。参加された方々から、点字ブックについて、古いブロックと新しいブロックでは表示方法は違うのでわかりにくい、JR日暮里駅東口から区の公道が交差する場所で点字ブロックが途切れているためにどこに行くかわからず困ってしまう、改善してほしい、また、JR日暮里駅のホームの両端は柵がなく、テープの仕切るだけの対応では線路に落ちる危険性が高いので、柵を設置してほしいなどの要望が出されました。点字ブロックは区独自でも改善すべきです。荒川区としてJR日暮里駅の点字ブロックの改善、駅両端のホームからの転落防止用の柵の設置について、速やかにJRに働きかけること、答弁を求めます。 以上で、第一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 小島議員の御質問にお答えをいたします。 まず、私からは、子どもたちの健やかな成長に関するお尋ねにお答えを申し上げます。 私は、未来社会の守護者である子どもたちが明るく健やかに育つことが地域社会の発展にとって必要不可欠であるとの認識のもと、子育て環境の充実を区政の最重要課題の一つと位置づけて積極的に推進してまいりました。 具体的には、喫緊の課題であります待機児童の解消に向けて、国有地や鉄道敷地の活用など多様な手法で新たな保育園を整備し、平成十九年度からの十年間で二千二百人以上の保育定員を拡大いたしますとともに、放課後子ども教室や学童クラブの整備、拡充に取り組みますとともに、児童の遊びと生活の場の確保に努めております。 また、在宅で育児をなさる御家庭を支援させていただくために、親子が気軽に訪れ、同世代の親子同士が交流できる子育て交流サロンを区内十八カ所に開設し、一時預かりの事業の実施など各種サービスを一層充実させることで、保育者の育児不安や孤立感の解消を図ってまいりました。 さらに、子どもたち居場所づくり事業といたしまして、学習支援や夕食を提供する生活支援を行う団体に補助を行い、支援を要する子どもの健全な育成を図っております。既に区内六カ所で事業を実施するなど、地域による支援の輪を着実に広げております。 一方、私は、児童虐待の痛ましい事件が起こるたびに、家庭の養育力の低下を痛感し、基礎自治体として、子どもたちが育つ家庭を支援していかなければならないと考えております。このため、児童虐待を早期に発見し、早期に対応できるよう、平成三十二年度の区立児童相談所開設に向けた準備を全庁的に進めております。 区が児童相談所行政を一元的かつ総合的に担うことで、地域の全てのお子さんたちの安全・安心を確保し、お子さんたちが健やかに成長するための基盤を一日も早く整える決意でございます。 私は、これからも子どもたちが安全で快適な環境の中で健やかに成長できますよう、子どもの最善の利益の実現を目指して、子育て環境のさらなる向上に取り組んでまいる所存でございます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁申し上げます。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 介護保険の自己負担割合の見直しに関する御質問にお答えいたします。 平成三十年度の介護保険法改正により、本年八月から一部の被保険者を対象に、介護サービスを利用する際の自己負担が三割となります。この見直しは、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めることを目的としており、現時点で区として国に撤回を求めることや区独自の負担軽減策の検討はしておりません。今後、三割負担となる方の介護サービスの利用状況の分析や事業者へのヒアリングを通して見直しの影響等の把握に努めてまいります。 次に、介護報酬の改定に関する御質問にお答えいたします。 区に届出があったケアプランにつきましては、地域ケア会議等でのチェックが必要となります。これは生活援助の利用を一律に抑制するものではなく、アセスメントとサービスの因果関係を多面的に検証することが目的であると認識してございます。 区では、これまでケアプラン点検や給付実績の分析等を通して、基準回数以上に生活援助を提供しているケアプランや利用実態の把握に努めるとともに、対応方法の検討を進めてまいりました。 区といたしましては、今後、国から提示される改正の詳細内容を踏まえ、ケアプランの検証等が始まる十月に向けて適切に準備を進めてまいります。 次に、障がい福祉サービスを提供する事業者への財政支援に関する御質問にお答えいたします。 本年四月より障がい者の重度化、高齢化など障がい福祉サービスを取り巻く諸課題に対応するため、サービス提供事業者に対する報酬の改定が行われました。 一例を挙げますと、就労継続支援B型と呼ばれる事業所では、平均工賃月額に応じて高い報酬にするなど、めり張りのついた設定となってございます。 今回の報酬改定による影響につきましては、事業者自身がまだ把握し切れていない状況も想定されますので、事業者との連絡会等を活用しながら密に意見交換を行い、経営実態について注視してまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 児童扶養手当の支給方法に関する御質問にお答えいたします。 児童扶養手当は法律で支給時期が決められており、毎年三回に分けて支給することとされております。このような国の手当に加え、都内のひとり親家庭には、都制度の児童育成手当が毎年三回、児童扶養手当と重ならない月に支給されるなど、収入額の平準化にも配慮されているところでございます。 先般、児童扶養手当の支給回数について、公的年金と同じように毎年六回にふやし、隔月支給に改める法改正が行われ、平成三十一年度から施行されます。これは参議院の附帯決議や有識者会議の意見を踏まえたものであり、家計の管理に困難を抱えるひとり親家庭における家計の安定の向上に寄与するものと考えております。 区といたしましては、引き続き家計管理など生活面で適切なアドバイスや子どもの進学に関する相談対応など、ひとり親家庭のそれぞれの事情に応じ、丁寧な対応に努めてまいります。 次に、児童扶養手当の現況届に関する御質問にお答えいたします。 児童扶養手当の現況届は、ひとり親家庭などの受給者が毎年八月に来庁して提出するものであり、窓口で家庭の生活状況や手当の適正な受給を確認することとあわせ、区ではその機会を生かし、親の就労や子どもの進学など集中的な相談支援に努めております。そのため、平成二十九年度からは母子父子自立支援員を増員し、相談体制を充実したところでございます。 相談内容によりましては、関係各課と連携した対応が不可欠となるため、夜間や土日ではそれが困難であるなどの課題もございます。このようなことから、区といたしましては、他区の実施状況等を把握するなど、ひとり親家庭の実情に合った相談支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、学童クラブに関する御質問にお答えいたします。 区では、共働き世帯の増加や児童数の増加等に伴い、学童クラブの利用ニーズが高まる中、本年四月には国家戦略特区制度を活用し、都立汐入公園内に汐入東小学童クラブを開設し、汐入地域における供給体制を整備するとともに、放課後子ども総合プランの推進に努めているところでございます。 平成三十二年四月に向けましては、熊野前学童クラブの定員超過を解消するため、(仮称)尾久小学童クラブの整備を進めており、区といたしましては、今後も学童クラブの需要が増加傾向にある地域におきまして、引き続き供給対策の確保に努めてまいります。   〔健康部長倉橋俊至君登壇〕 ◎健康部長(倉橋俊至君) ひきこもり対策にかかわる三点の御質問にお答えいたします。 我が国におけるひきこもり対策は、平成二十一年度に国がひきこもり対策推進事業を開始し、平成二十七年度からは生活困窮者自立支援法に基づくその他事業として位置づけたことにより、広く社会経済的な課題として対処することとなっております。 本区では、個別支援を中心に関係部署と連携しながら事業を行っております。ひきこもりの方の一部には精神疾患がベースにあり、専門的な診断治療が必要な事例があることから、相談窓口は病名などを限定せず、広く心の相談として受け付けております。 区としては、東京都の若年者自立支援調査研究報告書等各種調査結果及び今後国が実施する中高年の実態調査結果を待って、総合的に現状を把握することとしたいと考えております。 次に、不登校・ひきこもりの会「荒川たびだちの会」については、平成三十年二月から荒川区社会福祉協議会のふれあい粋・活サロンの枠を利用して、荒川区または荒川区近隣の不登校・ひきこもりの家族と当事者、関係者等を対象とした傾聴、交流サロンを実施していると承知しております。 健康推進課で受けた相談事例の連携先の一つであることから、本年四月から保健師一名を月一回の定例会に参加させ、情報を収集しているところであり、居場所づくりの検討も含めまして、今後も引き続き注視してまいります。 ひきこもりの問題は、精神疾患、発達障がい、知的障がい、対人関係における困難さ、不登校、就労の難しさから経済的な困窮に追い込まれやすいこと、高齢化問題等社会からの排除に起因する多面的な問題であります。ひきこもり問題に特化したサポートセンターの設置は考えておりませんが、これまで以上に各部署の連携を深めて、より丁寧に支援を行ってまいります。   〔教育委員会事務局教育部長阿部忠資君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(阿部忠資君) 特別支援教室に関する御質問のうち、まず初めに、拠点校についてお答えいたします。 特別支援教室は、東京都において小学校における特別支援教育を推進するため、それまでの情緒障がい等通級指導学級制度を変更し、教員が各小学校を巡回して指導を行う制度として、荒川区では平成二十九年度から実施しております。 巡回指導する教員が在籍する拠点校につきましては、東京都のガイドラインにより各小学校の規模、対象児童数、小学校間の距離、移動の利便性等の実情を考慮して配置するものとされております。荒川区では、通級指導学級の設置校であった第一峡田小学校及び尾久宮前小学校の二校に加え、制度実施当初に第二瑞光小学校を拠点校として新たに設置いたしました。 特別支援教室を利用する児童数につきましては、制度導入以降、増加傾向にあることから、教育委員会といたしましては、よりきめ細やかな対応を図るため、既に日暮里地区に拠点校を設置する方針を決め、具体的な検討を進めております。 次に、教員配置についてお答えいたします。 特別支援教室におきましては、任命権者である東京都教育委員会が基準に基づき、在籍する児童十名につき一名の割合で担当教員を配置しており、年度の途中に児童が増加した場合でも教員は加配されておりません。 特別支援教室では、在籍する児童に対して担当教員のみが対応するのではなく、学校全体で対応することが大切でございます。そのため、学級担任、各学年の教員と各教職員が協力して、個々の児童にとって必要な指導に当たっております。 荒川区教育委員会といたしましては、東京都教育委員会の制度を踏まえ、適切に特別支援教室の運営を行っており、区独自に教員を加配する考えはございません。 次に、専用教室の整備等についてお答えいたします。 特別支援教室の整備に当たりましては、文部科学省の通級による指導の手引きにおいて、専用教室でなくても、図書室などの既存スペースを活用して指導を行うことが示されております。また、既存施設の有効活用や巡回指導の日にのみ使用する兼用の教室を活用するなど、教室の空き状況や指導児童数などの実情に応じて各区市町村が判断するものとされております。 荒川区では、十六校で専用教室を整備し、八校で教室を併用しておりますが、教室の形態にかかわらず、それぞれの児童の状況に応じた適切な指導を行っております。 特別支援教室を開設するに当たり、各学校に必要な備品等の調査を行い、その状況に応じてエアコンを設置したり、移動可能なつい立てを配置したりするなどさまざまに工夫し、環境整備を行ったところでございます。 さらに巡回指導教員と在籍校の教員が互いに情報交換を行い、児童の状況に即した教材・教具を選定し、児童の能力に応じた指導ができるよう取り組んできたところでございます。 教育委員会といたしましては、今後も個々の児童に応じたきめ細やかな指導ができるようさらなる環境の準備に努めてまいります。 最後に、心理専門相談についてお答えいたします。 荒川区では、荒川区立教育センターに心理専門相談員を配置し、区立幼稚園及び小学校には必要に応じて月一回から四回、また、区立中学校においては週一回巡回訪問しております。さらに東京都教育委員会からも、全ての区立小中学校にスクールカウンセラーが派遣されており、週一回巡回訪問を行っております。そのため、各学校においては、心理専門相談員とスクールカウンセラーが連携し、協力して対応しており、集団になじめない、落ちつきがないなど、一人では解決の困難な課題を抱える子どもや保護者に対して、課題の解決に向けてカウンセリングを通して丁寧に支援を行っております。 教育委員会といたしましては、心理専門相談員のきめ細かい支援の充実とさらなる有効活用を図り、子どもや保護者が安心して相談できる環境の整備に努めてまいります。   〔再開発担当部長都市計画担当部長松崎保昌君登壇〕再開発担当部長兼◎都市計画担当部長(松崎保昌 君) 西日暮里駅前地区の再開発事業に関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区では、再開発事業により駅前にふさわしい土地利用を図るとともに、文化交流拠点として公益施設を核とした複合市街地の形成により、周辺地域を含めたにぎわいの創出を目指しております。あわせて、駅周辺の道路や駅前広場、オープンスペースなどの整備により、現在不足している交通結節機能の強化を計画しているところでございます。 このように駅前の都市基盤を整備し、地域の活性化を図るためには、本地区での再開発事業が有効であると考えており、この事業を行うためには、商業や業務、公益施設のほか、採算性を考慮すると住宅の設置は必要不可欠なものとなります。 住宅の整備に当たりましては、駅前という利便性の高い立地であることから、さまざまな形での十分な需要が見込めるものと思われ、幅広い年齢層、多様なライフスタイルに対応できる良質な都市型住宅の供給を目指してまいります。 区といたしましては、再開発による複合市街地の形成が西日暮里駅周辺地域におけるまちづくりの最善策であると考え、これを推進すべく、引き続き準備組合と連携し、早期の事業化に向けて取り組んでまいります。 次に、JR各駅へのホームドア設置に関する御質問にお答えいたします。 JR東日本では、列車との接触や線路への転落を防止するためにホームドアの設置を進めているところであり、区内の駅につきましては、山手線において、日暮里駅、西日暮里駅で設置が完了しています。また、京浜東北線においては、西日暮里駅が平成三十二年度の第一四半期までの設置完了を予定しており、日暮里駅も順次設置予定であると聞いております。 しかしながら、JR東日本は乗降客数の多い駅を優先して整備を進めている状況であり、区内の常磐線の駅である三河島駅や南千住駅については現在のところ計画されていない状況にございます。 区といたしましては、駅ホームの安全性がさらに高まるよう、JR東日本に対しまして、ホームドアの早期整備について引き続き働きかけを行ってまいります。 次に、日暮里駅のバリアフリー施設に関する御質問にお答えいたします。 視覚障がい者誘導用のブロックにつきましては、日暮里駅東口とバス・タクシー乗り場がある駅前広場との境界部分におきまして、視覚障がい者誘導用ブロックが数十センチ途切れていることなど、区も認識しているところでございます。 区といたしましては、より円滑な移動を確保するよう、視覚障がい者誘導用ブロックの改善について、所管である東京都とJR東日本に働きかけを行ってまいります。 また、列車が停車しない場所におけるホームの固定柵につきましても、ホームドア設置や視覚障がい者誘導用ブロックの改善と同様に、安全性の向上に向け、JR東日本に対して設置の要請を行ってまいります。 ○議長(若林清子君) 二十三番斉藤裕子議員。   〔斉藤裕子君登壇〕 ◆二十三番(斉藤裕子君) あらかわ元気クラブの斉藤裕子です。 三点にわたって当局の見解を伺います。 ことしは明治維新百五十年に当たります。私は、この節目が日本の近現代に対する歴史認識と将来の日本の国の生き方を問い直す上で大切な機会ではないだろうかとの問題意識を持ちました。 そこで、私たちの地域に残る歴史的な痕跡を荒川区として顕彰・保存し、近現代史を考える資料として区民の皆さんと共有することを提案して、質問をいたします。 江戸幕府の鎮護・祈願所である東叡山寛永寺にほど近い私たちのまちは、いわば公方様のお膝元であり、徳川幕府とゆかりの土地柄だと言えます。 薩長が江戸を占拠しようが、徳川が滅亡しようが、江戸の庶民にとっては関係なかったなんて言う人もいますが、そういうものでもないよなと私は思います。時の支配階級と被支配階級との関係性とはそう単純なものではないでしょう。 また、江戸時代はおくれた封建時代であり、武士の圧政によって町人は徹底的に虐げられてきたという歴史観が左翼の中にも根強く、これも西欧的な時代区分の教条的な当てはめなのか、はたまた脱亜入欧の明治政府史観かと疑問に思ってまいりました。 最近、明治維新百五十年にちなんでさまざまな議論が活発になっていますが、戦後もずっと支配的であった明治政府史観というか、薩長史観は、江戸時代と幕末の研究が進んだこともあって、ここ五十年で大分変わったと言われます。 では、明治維新とは何だったのか。西欧列強がアジアでの本格的な植民地争奪に乗り出す時代に直面した日本が、開国をめぐって激しく葛藤し、国を守るために軍備や経済、財政などの政策に必死になり、諸外国との外交交渉に奔走した第一の開国期。当時には今の時代と共通するものがあります。 表層的な明治維新の偉人、NHKが大好きな西郷どんだとか、司馬遼太郎につくられた英雄・坂本竜馬なんかよりも、この時代、江戸幕府と倒幕派の双方が一緒くたになって投げ込まれた日本の開国という荒波、日本という国をどう守るのかという難題を今に引きつけて考えたほうがずっと有益ではなかろうかと思います。 米国のペリー艦隊が浦賀にやってきたのは一八五三年、つまり私やこの議場にいらっしゃる何人かの同い年の議員の皆さんが生まれるちょうど百年前ということになります。 一八五八年(安政五年)の日米修好通商条約は、ペリー艦隊の「砲艦外交」によって締結を余儀なくされた不平等条約でした。この後、日本が対等な関税自主権を回復するのに、一九一一年の第二次条約改正まで実に五十三年もかかっています。 先ごろ、トランプ政権は日本の自動車輸出に対する二五パーセントの関税を打ち出しました。貿易戦争という新たな局面の中で、日本がどうやって独立国の矜持を保ちつつ生きていくのか、まさに今日的課題ではないでしょうか。 さて、一八六七年(慶応三年)の将軍徳川慶喜による大政奉還にもかかわらず、翌一八六八年(慶応四年)、鳥羽伏見の戦いを契機に戊辰戦争が始まりました。江戸城開城と彰義隊の上野戦争、会津戦争と東北地方の各地を戦場とした奥羽越列藩同盟による激しい戦闘は一八六九年(明治二年)、函館五稜郭で終結しました。 日本を二分した戊辰戦争というこの大きな内戦の痛みを経て発足した明治政府は、脱亜入欧、富国強兵の政策によって、帝国主義に脅かされる側から帝国主義戦争の覇者を目指す道を歩きました。 孫文は「日本が西洋覇道の鷹犬となるか、東洋王道の干城となるか」と言いましたが、日本はアジアの人々の期待を裏切って前者の道を歩んだ結果、アジア諸国地域との関係に今日まで続く傷を残したのではないでしょうか。 丸谷才一の小説に、太平洋戦争に出征する青年に、庄内鶴岡の祖母が「長州のために死ぬな」と言うくだりがあるそうですが、戊辰戦争で辛酸をなめた東北の人たちの深い感情ではないのかと思います。 さて、東京における戊辰戦争は、彰義隊が上野の山で新政府軍と戦った戦争です。地域柄、現在の荒川区周辺には、この上野戦争にまつわる記録や彰義隊による抵抗の跡を伝える物証や伝聞などの痕跡が今も残っていますが、最も有名なのは南千住の円通寺です。上野の山での戦闘後、二百名を超える彰義隊士の遺骸が残り、南千住円通寺の和尚と寛永寺の御用商人であった三河屋幸三郎がこれを見かねて、現在、上野公園の西郷隆盛像が                              あるあたり、何であそこに西郷隆盛の像を置いたのかということこそ、何                                                                                 とも腹立たしいことなのですが、そこで、火葬を行い、円通寺に埋葬いた                                                                                 しました。近くにあった上野寛永寺の総門(黒門)も移築され、亡くなった彰義隊士の墓があります。 私は一昨年、私の後援会の三十周年行事で南千住のまち歩きで円通寺を訪ね、参加者と感慨深く黒門の弾の跡を見ました。さらに、日暮里の羽二重団子は、私の同級生の御実家なのですが、弾の跡や彰義隊の衣装が残るゆかりの場所です。また、下御隠殿橋を上がった経王寺の門には、やはり当時の痕跡を残す弾の跡があります。 「弾の跡、桜となじむ経王寺」、これは親しい仲間たちとの楽しい句会、春の吟行での作です。 荒川区は、日暮里など我がまちの近辺の人たちが彰義隊とどのようなかかわり合いを持っていたのか、調査、把握していらっしゃるでしょうか。伺います。 また、吉村昭先生の著作に「彰義隊」があります。二〇〇五年に朝日新聞社から刊行され、現在は新潮文庫となっています。「彰義隊」は、戊辰戦争の時代にあって、皇族でありながら朝敵とされた上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王の生涯を描いた大作です。吉村先生は、執筆に当たって荒川図書館に来館されています。 一九二七年(昭和二年)、東京府北豊島郡日暮里町大字谷中本生まれの吉村昭先生は、幕末を旧幕府の視点で描いた作家と言われます。東京人らしくということなのか、はたまた「勝てば官軍 負ければ賊軍」を嫌って、敗者の立場からの検証を大切になさったのでしょうか。 私は、二〇〇六年の第四回定例会で日暮里再開発ビルの中に戊辰戦争記念館を開設し、彰義隊にまつわる地域の記録を展示してはどうか、再開発が進む中、私たちのまちの歴史を後世に残していく必要があると質問いたしましたが、今回は現在の日暮里図書館の吉村昭先生のコーナーで「彰義隊」などの著作の紹介を行い、同時にゆいの森あらかわの吉村昭記念文学館とも連携して、吉村先生の著作と地域に残る事物を紹介する幕末と明治維新百五十年の企画展など一連の事業を行ってほしいと思い、担当部局のお考えを伺います。 第二の質問です。地域経済と雇用について伺います。 まず、景気回復がゆきわたる実感のない中、黒字の区内事業者の法人事業税の納税状況はどんな実態なのか、数字を示していただきたいと思います。 一方、消費税は法人事業税と異なり、赤字でも納税義務があります。トランプ政権による貿易戦争、輸出自動車への二五パーセント関税が全産業に暗雲を落としかねない中、消費税増税どころじゃないと私は思いますが、産業経済部は区内の事業者が来年の一〇パーセントへの増税に耐えられるという御認識でしょうか。八パーセントへの増税で廃業や閉鎖が相次いだ前回の事実を踏まえ、地方自治体の現場から再延期を国に具申するお考えはないか伺います。 消費税は消費費が負担する税金だと思われていますが、それは大きな間違いで、日本の消費税の法律上の納税義務者は事業者、赤字であっても年に一度納税しなければならない税金です。平成十七年度に免税店が年商三千万円から一千万円に引き下げられてからは、圧倒的多数の小さな事業者も納税義務を負うことになり、それが廃業の引き金となりました。日本の消費税は名前とは裏腹に、年間の売上高から仕入高を引いた粗利に税率を掛けて計算した税額を毎年税務署に納めるという仕組みで、その実態は間接税ではなく、直接税、第二事業税です。 さらに、現在の法律は、輸出の税率をゼロと定めているため、仕入れ税額を控除すると納める納税額はマイナスとなり、輸出大企業は多額の還付金を受けています。これは事実上、政府が自国企業に出す輸出補助金であり、ガット協定の禁止条項に対する抜け道としてフランスがルノーのためにつくりました。トヨタや東芝は消費税を一円も納めないばかりか、巨額の還付金を受け取っている。税率が上がれば還付金も上がります。五パーセントで三兆円なら一〇パーセントで六兆円、二〇パーセントなら一二兆円です。荒川区の小さな事業者が存亡の危機に陥る税率アップで輸出大企業は還付金が増額して潤う、全く不公平な話です。 前回は税率を上げるかわりに筋違いの臨時給付金を五兆円も出しましたが、国家財政の足しにもならず、結局消費税増税は国際競争に勝ちたい輸出大企業への還付金増額が目的に着々と実行されました。 本当に救済するべきは苦しい中小事業者です。中小企業支援というならば、小規模事業者の納税義務を免除するべきだし、国家財政が赤字だというならば、輸出のゼロ税率を廃止したらよろしいではないですか。 最近、本家本元のヨーロッパでは、輸出還付金の不正受給が相次いでいるのだそうで、この制度の根本的な見直し議論が始まったということです。大変興味深いことだと思います。 私の三十年間の質問の中で最も多いのはこの消費税のことです。重ね重ねで大変恐縮ですが、区内の中小企業の現場に一番近くにいる区は、こうした消費税の仕組みを認識し、現場から国に不公正を放置した増税はやめるように進言していただきたいのです。切に願います。 さて、日暮里一丁目の富士美術印刷の子会社による倒産・全員解雇の争議がこの五月、中労委(中央労働委員会)のあっせんにより五年ぶりに和解解決いたしました。裁判によらず、中労委が出したあっせん案に労働組合と親会社・富士美術印刷の双方が合意・調印した全国的にも貴重な和解解決となりました。 解雇され、五年にわたって辛酸をなめた組合員たちは、西川区長をはじめ、行政の立場から労使双方の事情を聞いて実態の把握に努め、会社側に必要な助言をするなど、公平かつ誠実にお骨折りいただいた石原久産業経済部長、そして、折に触れ報告を聞き、心を寄せて応援してくださった歴代の荒川区議会議長をはじめ、各会派の皆さんに心から感謝の気持ちを表明していました。 また、暑い日も雪の日も、社前の集会に寄せられた近隣の住民の方たちの激励の言葉、差し入れやカンパに全国労働弁護団の重鎮からは、荒川区特有の温かい囲気を感じたとの感想がありました。 しかし、今回の倒産・解雇、裁判等の経過を振り返ると、労働者の雇用が法によって守られず、実態を反映しない親会社の法的責任の曖昧さなど極めて理不尽な現実が見えてきます。 第一に破産法です。一旦破産した法人はたとえ経営者個人が億の資産を持っていても、一切の支払い義務を負うことはありません。       突然、会社の破産が通告された日、「従業員の皆様へ」という社長の文章が管財人から読み上げられました。そこには、給料、債権及び退職金債権の一部、原則として八割については、独立行政法人労働者健康福祉機構の立て替え払いを受けることができる場合がありますので、御照会くださいとありました。自分の会社を破産させ、給料、退職金は払わず放り出した従業員に対して、公的救済制度の利用を勧めているのです。 この経営者親子は、個人として億の資産、マンション、土地を実際に持っている。だけれども、一切そういう個人資産をはき出さずに破産法を悪用して、国民の税金が入ったお金をもらいなさいと従業員に言っているわけです。計画的、偽装的ではない倒産では、経営者と労働者が一緒に倒れてしまい、中には経営者が自殺して、労働者や下請け企業に保険金でお金を払う、そういう場合もあります。しかし、私たちに個人資産があっても、会社という組織は破産したのだから払いませんよとこの経営者は言っている。こういう悪用が横行するようなら大変なことです。 容易に悪用される破産法を改正し、賃金や退職金等の不払いに対する経営者の応能義務を負わせるよう法改正が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 第二に、親会社の責任をめぐる問題です。 裁判では、破産によって消滅した子会社にかわり、親会社に雇用の責任があるのかが争われました。この壁はとても大きく、裁判では下請法違反や偽装請負の実態が暴露されて、親会社は相当に追い詰められたものの、直接の雇用関係なしとの法的な判断は厳然として揺るぎませんでした。実際の和解では親会社が調印しているんですけど、裁判ではだめなんです。 都合が悪ければ子会社をつぶす、トカゲの尻尾切りで、多くの関連会社の労働者が泣き寝入りをさせられてきました。親会社の責任は問われないで頬かむり。日本の企業は、法律はこれでいいのかと思います。出資比率や仕事の実態に応じて親会社の雇用責任をはっきりと設ける法改正が必要ではないでしょうか。 五年にわたった荒川区の印刷御三家の争議を振り返り、再発防止のための教訓と課題をどうお考えになっているのか。破産法、そして親会社の雇用責任のあり方について問題提起するお考えはないのか、お伺いします。 健全な中小企業経営と雇用関係がなければ、荒川区の地域経済の発展はありません。長年にわたり区内企業で働き、地域経済に貢献してきた人々の雇用を継続し、確保することは区にとって大事な課題です。功労者表彰ばかりでなく、こうした重たい教訓もしっかり生かしていただきたい。よろしくお願いいたします。 最後に、東京女子医科大学東医療センターの足立区への移転が現実問題となる中、区は区民の安心のためにどのような方策をとるべきか伺います。 東京東北部の地域医療圏の足立区、荒川区、葛飾区に新たに四百六十床の増床が認められ、さらに病院の閉鎖やベッド数の縮小で百三十の残床が出ました。つまり東京女子医科大学東医療センターが四百六十床のベッドを持って足立区に移転しても、現在地で開業する病院があれば、災害時にも対応できる規模の総合病院の存続は可能ということになります。 四月の健康・危機管理対策調査特別委員会で区は現在地に新たな病院を誘致するとの考え方を示されたので、私はベッド数確保の見込みがついたこの機会に早く地元に区の方針を伝えたほうがよいと質問し、佐藤副区長は同じ思いだとお答えになりました。 委員会では、荒川区も新たな運営主体の誘致のために予算を用意する必要があるとの意見も出ました。区民の健康・安全は区政の一番の課題の一つですから、区民の賛同も得られるのではないかと思います。区も議会も覚悟を持って臨む必要があるのではないでしょうか。 いずれにしろ、足立区への移転は具体的に動き始めました。そこで伺います。移転が現実化した現下の状況で、区として方針変更をどのように明確にするのか、そして不安が募る区民に対して、区として早期の情報提供が必要だと思いますが、いつ区民に報告できるのか、当局の見解を伺います。 以上です。   〔地域文化スポーツ部長池田洋子君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(池田洋子君) 明治維新百五十周年等に関する御質問にお答えします。 吉村先生の長編小説「彰義隊」には、荒川区が重要な舞台として描かれています。例えば、輪王寺宮が彰義隊とともに逃れたのは、当時寛永寺領であった荒川区内で、三河島村、上尾久村の農家を頼って身を隠し、地域の人々は彼らを助け、無事に逃げ切ることができたことなど、吉村先生はこれらの荒川区での伝承に関する綿密な現地取材を行い、「彰義隊」を書き上げられました。 また、区内には彰義隊の屯所であった善性寺をはじめ、御質問にもありました経王寺、円通寺、さらには羽二重団子本店など「彰義隊」にゆかりの深い史跡、伝承が多く残っています。こうしたことから区では、吉村昭先生の一周忌に当たる平成十九年七月、先生への追悼の意を込めて、「彰義隊と荒川の幕末」と題した企画展を荒川ふるさと文化館において開催しました。加えて、彰義隊の足跡は区報やホームページ等で紹介しており、これらの史跡は観光ボランティアガイドの方々のコースの一つとしても定着し、好評を得ています。 また、吉村先生は「彰義隊」のほかにも、前野良沢を描いた「冬の鷹」、高野長英の逃亡劇を描いた「長英逃亡」、さらには「天狗騒乱」「桜田門外の変」など江戸時代後期、幕末から明治にかけた動乱の時代を背景とする作品を多く残しています。 加えて、妻である津村節子先生も戊辰戦争を描いた作品「流星雨」を書いておられ、折しも本年十一月、福井県と締結したおしどり文学館協定一周年を迎えることから、明治維新百五十周年にも題材を得て、吉村・津村両先生の作品世界を紹介する企画展等を開催したいと考えております。 日暮里図書館の吉村昭ギャラリーと吉村昭記念文学館とは常に連続性を持った展示を行っており、他の地域図書館にも吉村昭先生の著作コーナーを設けていることから、図書館全体でさらにつながりのある展示を行うとともに、学校図書館等とも連携し、吉村昭先生が文学に込めた思いを発信してまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) まず、消費税に関する御質問にお答えします。 消費税は、少子高齢化で毎年ふえ続ける社会保障に対する安定的な財源であり、将来にわたって社会保障を支えていくことを目的としております。したがいまして、消費税による負担の増加は将来の国民生活の安定に資するものであり、結果として地域経済の安定にもつながっていくものと理解しております。 区としましては、消費税の一〇パーセントへの引き上げを見据え、国が実施していく中小企業・小規模事業者への支援策とも歩調を合わせながら、引き続き支援してまいります。 また、必要があり、公平かつ合理性のある事項につきましては、必要に応じ、国や東京都に対して申し入れてまいりたいと考えております。 なお、法人事業税の納税状況につきましては、荒川都税事務所所管分の収入額となりますが、直近五年間は増加傾向にあり、平成二十八年度は平成二十四年度との比較で約六割増加している状況にございます。 次に、企業の倒産に伴う労働者保護についての御質問にお答えします。 企業における労使間の紛争につきましては、労働関係法令によって規定されており、それに基づき解決するものと考えております。 労働者の雇用につきましては、労働基準法及び労働契約法により保護されており、解雇につきましても、解雇予告及び解雇制限を同法で規定しております。一方、企業側におきましても、過去の判例から、いわゆる解雇・整理の四条件があり、解雇権の乱用を防ぐ対策がとられております。 区といたしましては、各企業における使用者の法令遵守の徹底とともに、やむを得ず倒産することとなった企業の従業員の生活の安定や各種支援策の情報提供など、東京労働局や足立労働基準監督署と連携しながら支援を続けてまいります。 なお、会社破産における経営者等の法的責任に関しましては、破産法の解釈・運用において、御質問にもありましたように、司法の場において判断がなされているものと考えておりますので、現状、自治体として問題提起する考えはございません。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 東京女子医科大学東医療センターの移転に関する御質問にお答えいたします。 区ではこの間、移転やむなしということを前提に、対応策の具体化に努め、区東北部の基準病床数の増加や東京電力用地等の確保、活用についても、望ましい方向で調整等を進めることができております。 さきに御答弁申し上げましたとおり、東京女子医科大学東医療センター移転後の東京女子医科大学用地と東京電力用地、そこに建つ施設を活用し、災害拠点病院の機能を有する病院を誘致するための条件を積極的に整えていきたいと考えております。 今後は、東京女子医科大学東医療センターの土地、建物に対する対応と災害拠点病院誘致のための諸条件の検討が重要な鍵になってまいります。区といたしましては、非常に重要な役割を担う災害拠点病院の誘致に当たっては、議会、区民の皆様の御理解をいただいた上で一定の負担をする必要があると考えております。 現在、区の財政支出について最大限の財源確保を含め、検討を進めております。また、諸条件を整理した上で、可能な限り早期に議会や区民の皆様に東京女子医科大学東医療センター移転後の方向性をお示しできるよう努めてまいります。 ○議長(若林清子君) 二十四番藤澤志光議員。   〔藤澤志光君登壇〕 ◆二十四番(藤澤志光君) 人生百年時代を迎えるに当たり、健康を支えるのにはまずは地域医療の充実が求められます。 大阪北部地震をはじめ、最近頻発している地震災害を通じ、改めて災害拠点病院のあり方が考えさせられます。 まず、東京女子医科大学東医療センターについてお伺いいたします。 平成二十七年四月に足立区と東京女子医科大学との覚書交換によって出発した東京女子医科大学東医療センターの移転問題は、足立区が予定していた江北エリア内の土地を三十七億円で確保できることになり、昨年四月に交換した東京女子医科大学東医療センターの建設及び運営等に関する覚書が履行できることになりました。 足立区では、江北エリアデザイン計画住民説明会が六月八、九、十二日と三日間にわたり開かれ、そこでは東京女子医科大学東医療センター移転事業概要要旨から抜粋された東京女子医科大学東医療センターの基本計画が示されました。 移転予定は三年九カ月後、敷地面積は二万七千六百四十四・九四平米、病床数四百五十床、また、基本設計段階でのイメージ図も示されました。足立区からは大学病院用地の取得手続が示され、それによると、六月中の都議会、足立区議会双方で用地取得の議案提出を行い、議会の承認を受けた後、七月中旬には土地代金の支払いをもって所有権移転を行うとしております。 八月には策定されたエリアデザイン計画案のパブリックコメントを実施し、十月にエリアデザイン計画を策定する予定となっております。この間に足立区と東京女子医科大学との間で協定書が締結されることとなるでしょう。若干の時期のおくれが生じておりますが、四年後には間違いなく移転が完了することになります。 現在、東北部病床数は病院と有床診療所を合わせて、荒川区は二十施設、足立区は七十施設、葛飾区は四十施設で、荒川区千六百十二床、足立区は六千七百二十四床、葛飾区は二千六百七十四床であり、災害拠点病院は荒川区一施設、足立区は三施設、葛飾区も三施設であります。東京女子医科大学東医療センターが足立区に移転すると、災害拠点病院は荒川区はゼロ、足立区は四施設となり、病床数は荒川区千百十七床、足立区は七千二百七十四床となります。 そこで、伺います。 東京都は、移転反対の荒川区に対して、足立区に用地売却をするかわりに東京女子医科大学東医療センターの移転後に荒川区でも自助努力で災害拠点病院をはじめとする医療施設の誘致を進めることができるように、本来の東京都保健医療計画見直しでは予想できなかった二次医療圏の区東北部に四百六十床の増床を図りました。区はどのような対応を考えているのか、重ねて伺います。 東京女子医科大学東医療センター底地は東京電力からの借地であり、東病棟、画像診療棟、管理棟部分を合わせて八千六百三十八平米、地代が合計で年間九千三百二十二万円払っています。とりわけ東病棟は建築して二十年足らずであり、荒川区として病院その他の利用に十分使えると思われます。既に平成二十九年度・二月会議の私の一般質問への答弁において、東京女子医科大学東医療センターが移転した場合においても、引き続き地域医療体制の維持、災害拠点病院の確保、地域の活性化のために、その跡地に新たな病院を誘致できないかということで検討を進めていると述べております。四百六十床が増床になったとはいえ、比較的近くに移転した東京女子医科大学東医療センターがあれば、残された場所に大きな病院を誘致しようとしても、なかなか難しいと思います。 二百床以上の災害拠点病院を誘致し、残り施設を改修して商業的にペイできる有料老人ホーム等を併設することなども荒川区として考えるべき方法の一つではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ちなみに、三十年ほど前に改築した聖路加病院は、病院の上部に分譲の高額マンションを併設して病院建設の資金を賄ったこともあります。 荒川区は、東西に長い区であり、災害拠点病院が西尾久に一つだけあっても、南千住や東日暮里地域の人にはいざというときには役立ちません。病床数が四百六十床確保されたのでありますから、大きな課題の一つはクリアされたので、地の利を考え、南千住地域や東日暮里地域の区民も対応できる災害拠点病院をもう一つつくるべきと思います。適当な場所は、JRの三河島駅近辺しかないのではないかと思いますが、区はどうお考えでしょう。 台東区で下谷病院が江戸川区に移転後、二次医療圏内で下谷病院と旧永寿病院の病床を引き継ぐ形で新永寿病院四百床に建て替えるに当たり、台東区は建設補助金に二十三億八千万円を支出し、新病院には毎年補助金を一億円ずつ支出しています。あわせて、都立台東病院が廃止になると、跡地を四億円で東京都から買い受け、あわせて民間から追加の土地を二億円で買い取り、合計六億円の土地に区立台東病院と老人保健施設「千束」を六十七億円で建設して、病院の運営を指定管理者の社団法人地域医療振興協会に任せ、毎年指定管理料を定額で約四千五百万円、病院運営費として費品購入費、医療機器修繕費、設備工事費等に二千八百万円から三千五百万円を支出しております。 むろん、足立区では、東京女子医科大学東医療センター誘致に八十億円、二十年間地代なし、高額医療機器に五億円の補助金を出すなどしています。現在、病院経営は非常に厳しく、病院の半分は赤字だと言われているときに、誘致するなり新たな病院をつくるにしても、巨額のお金が求められます。補助金を当てにできない事業で支出を求められるのですから、経常収支比率の高い荒川区は今から準備をして、区民の不安を緩和すべきと思いますが、どう考えているか伺います。 次に、清掃事業について、清掃負担の公平について伺います。 ごみ処理は、大都市東京の欠くべからず仕事であり、今や二十三区が担わなくてはならない住民サービスの最たるものであります。 ごみ処理は、時代の変遷とともに、その中身が変わってきました。明治三十三年(一九〇〇年)に公布された汚物掃除法で初めてごみの収集と処分がはっきりと行政の責務と定められました。また、ごみの焼却処分が望ましいことであるとも定められました。明治四十三年になると、水上運搬したごみを適当な場所で焼く作業が始まりました。ところが、生ごみが多かったこともあり、野外での焼却はとても困難でした。大量のハエの発生をとめることができず、また、立ち上る煙が風によって飛来し、近くの住民を悩ませることもしばしばでした。東京市は、露天焼却の問題性を認識し、明治三十六年(一九〇三年)にごみ焼却場の用地獲得に乗り出しました。 ところが、地域の反対が大きく、計画の途上でたびたび中止となり、なかなか実現ができず、紆余曲折の末、市営のごみ焼却場が初めて完成するのは昭和四年(一九二九年)であります。このころよりごみ処理は迷惑施設との観念が持たれてきました。 戦後、昭和三十年ころから高度経済成長期に突入するや、生活が豊かになるにつれ、ごみの量が爆発的に増加して、昭和二十二年には約十一万トンであったごみ量が昭和三十五年には百万トンを超え、昭和四十五年には約三百万トンにまで達しました。また、ごみの質も変わり、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの耐久消費財が粗大ごみとして加わりました。 当時は有毒ガスが発生するなどの理由により焼却処分が難しかったプラスチック製品も急激に普及し、昭和四十五年にはごみの量の約一〇パーセントを占めるようになりました。また、有害な産業廃棄物の排出、不法投棄も深刻な問題になりました。 社会的な変化に対応し、昭和三十二年には焼却場の名称が清掃工場と改称され、全ての可燃ごみを焼却することを目標に、工場建設と焼却方法の技術革新が図られました。しかしながら、住民の反対運動などにより、新しい清掃工場の建設が進まず、ふえ続けるごみは焼却能力を上回り、埋め立て処分場を逼迫させました。昭和三十六年(一九六一年)には、当時、都のごみの埋め立ては直接埋め立てが圧倒的に多く、ごみの総量の百五十八万トンのうち、八五パーセントを占めておりました。海面埋め立て処分場は二カ所で、そのうちの一つが夢の島です。夢の島は昭和三十二年十二月から埋め立てが開始され、昭和四十三年三月まで十年四カ月の間、埋め立て処分場の役割を果たしました。総面積四十五万七千八百六十平米、後楽園球場が十三個も入る大きさです。 昭和四十年六月から七月にかけて異常発生したハエは、夢の島が長年にかけて大量の生ごみが投入、堆積したため、腐敗性有機物質が発酵分解を続ける不安定な土地だったためでした。島内で発生したガスにより自然発火があり、また、ネズミも大量に発生しました。江東区南西部を中心とした広い地域をハエの大群が襲い、東京都、江東区による懸命の消毒作業にもかかわらず、駆除に半月以上かかったのです。東京都は、江東区や警察、消防、自衛隊等と協力して、発生源である夢の島の生ごみの断崖を焼き払う「夢の島焦土作戦」を実行しました。 昭和四十六年当時の美濃部都知事は、迫り来るごみの危機は都民の生活を脅かすものとして、清掃工場と埋め立て処分場の建設をはじめとした徹底的なごみ対策を行うことを表明しました。この背景には、当時の江東区が二十三区内のごみ処理について大きな負担を強いられ、東京都と他の区に対し、廃棄物の自区内処理の原則、迷惑負担の公平を訴えたことがあります。 当時、杉並区内での清掃工場の建設計画に対する反対運動が盛んであったため、江東区では杉並区からごみ搬入を阻止する事態にまで発展しました。長期にわたる交渉の結果、杉並区内での工場建設が決まり、都知事により昭和四十九年十二月に平和的解決が報告されました。 確立された自区内処理の原則に沿って、都清掃局主導のもと、各区に清掃工場の建設計画が進められてきました。相も変わらず、きちんとした導入路の建設、公園等の周辺環境の整備はもとより、迷惑施設の見返りに立派な温水プール施設や体育館、熱帯植物園等、熱供給できる地元還元施設と抱き合わせで建設を行ってまいりました。 地方制度調査会の答申で、特別区が基礎的自治体になるためには、清掃事業が都から移管されることが必要条件であるため、平成十二年に二十三区に清掃事業が移管になりました。収集運搬は二十三区おのおので、中間処理は東京二十三区清掃一部事務組合で、最終処分場は東京都と役割分担を決めて事業が進められています。 平成十三年当時、荒川区長でありました私は、特別区区長会では、東京都は別に中間処理を近接地域の幾つかの区がグループごとに処理する地域処理を考えていることを初めて知りました。しかしながら、バブル景気の頂点、平成元年度にはピークを迎えたごみ量は五百万トンに達するほどだったのですが、平成十三年度には三百五十万トンに減ってきておりました。自区内処理の原則と地域処理を行うために、用地確保のめどがついていた荒川区・中野区・新宿区三区について、新規清掃工場を建設するための話が進められていました。 私は、特別区長会でごみ減量化によって都内のごみ処理は既存施設で十分に対応できること、ごみ量が足りなくて清掃工場の燃焼をとめるときには、温度が下がり、ダイオキシン等公害物質等が出ないように八百度の燃焼温度を最後まで維持するために都市ガスを燃焼し続けなくてはいけないこと、同様に、ごみに着火するときも燃焼室を八百度まで都市ガスで熱くしてからごみを投入しなくてはならないこと、これらを考えたとき、荒川区をはじめ三区に新規工場をつくることは、ごみ不足によるランニングコストを著しく高くし、区民負担の増大につながることを述べ、あわせて清掃工場は周辺環境の整備も含め既に迷惑施設でないと、新たな工場建設に反対いたしました。その結果、平成十五年(二〇〇三年)には、荒川区・中野区・新宿区三区の建設計画も地域処理も取りやめ、二十三区一体処理を継続することになったのです。 このような経過があり、既に清掃工場がある区は、それぞれ過分な地元還元施設による大きな恩恵を今日も受けているにもかかわらず、平成二十年に特別区長会で了承され、平成二十二年度から清掃負担の公平として清掃一部事務組合分担金への加算・減算という形で反映されている負担の調整額は、私から見ますと、制度としてはおかしいと思うわけですが、区はどう考えているのでしょうか。 先般、保坂委員長のもと、健康・危機管理調査特別委員会で昨年竣工した練馬清掃工場の視察に行くことができました。第四世代の清掃工場は、もはや清掃工場と呼べるものではなく、最新の発電所の感を深くしてきました。 東日本大震災の福島第一原発事故により、メガソーラーで発電された電力は一キロワット当たり四十円で二十年間電力会社が買い取らなくてはなりません。そのため、家庭用電力料金は毎年のように値上げされます。特に太陽光発電システムでは、日差しのない雨、曇り、夜間の電力供給ができません。また、それを補うための有効な蓄電システムがありません。そのため、夜間電力は火力発電、水力発電、原子力発電に依存しなくてはならず、余計なコストがかかります。その点、清掃工場の発電は燃料費ゼロで発電でき、昼夜間供給できる安定電力です。公害物質除去装置もあり、周辺環境汚染も皆無であります。石炭、石油、天然ガスに依存せずに余剰クリーン電力販売額もふえている中でお尋ねいたします。 清掃工場のある区、ない区の負担の公平化の方策として、一定の平準化が図られるまでの間、金銭による調整措置を一部例外的、限定的に導入するとされておりますが、どのような状態になれば一定の平準化とみなされるのか、また、いつごろ解消されるのかを伺いまして、一回目の質問を終わります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 東京女子医科大学東医療センターの移転に関する御質問にお答えします。 まず、基準病床数の増加に対する区の対応、東京女子医科大学東医療センター移転後の用地、施設の活用、災害拠点病院の区内での整備の三点についてあわせてお答えをさせていただきます。 今回の基準病床数の四百六十床の増加につきましては、この間、区長を先頭に二次医療圏の見直しや地域の実情に応じた災害医療体制を十分に支援することなどを東京都に強く要望してきた成果であると認識しております。 この基準病床数の増加とともに、東京電力用地等の確保、活用についても、望ましい方向で調整が進んでいることから、さきに御答弁申し上げましたとおり、今後、東京女子医科大学東医療センター移転後の東京女子医科大学用地と東京電力用地、そこに建つ施設を活用し、災害拠点病院の機能を有する病院を誘致し、医療と介護の連携や地域のにぎわいの創出を実現するための条件を積極的に整えていきたいと考えております。 二つ目の災害拠点病院の整備につきましては、産業拠点病院は二百床規模の病床が必要となることから、ある程度の延べ床面積が必要となります。このため、病床数の確保とともに、建設用地の確保や周辺環境との調整等の課題があり、現時点においては、区内に適地を見つけることは難しいものと認識しております。 こうしたことを踏まえ、まずは東京女子医科大学東医療センターの移転問題に対する対応を最優先にしてまいりたいと考えております。 続きまして、病院誘致に関する費用負担についてお答えいたします。 ただいま申し上げました東京女子医科大学東医療センター移転後の東京女子医科大学用地と東京電力用地、そこに建つ施設を活用し、災害拠点病院の機能を有する病院を誘致し、医療と介護の連携や地域のにぎわいの創出を実現するためには、東京女子医科大学の土地、建物に対する対応と災害拠点病院誘致のための諸条件の検討が重要な鍵になってまいります。 区といたしましては、区民の健康を守り、災害時の応急救護を機動的に実施するために非常に重要な役割を担う災害拠点病院の誘致に当たっては、議会や区民の皆様の御理解をいただいた上で、一定の負担をする必要があると考えております。 現在、そのために必要となる区の財政支出について最大限の財源確保ができるよう工夫することを含め、関係する部署が知恵を出しながら検討を進めているところでございます。   〔環境清掃部長古瀬清美君登壇〕 ◎環境清掃部長(古瀬清美君) 清掃負担の公平制度に関する御質問にお答えします。 清掃負担の公平制度は、平成十五年の特別区長会において、二十三区は工場のある区もない区も相互に協調・連携し、安定的な中間処理体制を確保することが確認され、荒川区を含む三区の清掃工場の新設を見送ったことに端を発するものでございます。 その後、平成二十年の特別区長会において、清掃工場のある区、ない区の負担の公平化の対策として、清掃工場のごみ処理量の標準化に向け、搬入調整やごみ減量の取り組みを進める中で、一定の標準化が図られるまでの間、金銭による調整措置を一部例外的、限定的に導入することが了承されました。そして、この了承事項をもとに、平成二十二年から清掃一部事務組合分担金の加算・減額という形で清掃負担の公平が反映されております。 本制度に関しては、導入当初から三年ごとに検証することが定められ、それに基づく検証が行われる中で、清掃工場の計画外の長期停止時の取り扱いなどについて合意し、見直しを図ってまいりました。 一方で、一定の処理基準の設定方法や各区の調整総額を求める際の単価などについて再検証を求めることや、本制度が例外的に、限定的に行う旨が確認されているにもかかわらず、長期的、恒久的な制度になりつつあることなどの課題について議論を行ってまいりました。 現在も清掃工場があるにもかかわらず、工場がない区と同じ位置づけになっている区があること、また、本区としても指摘をしております各区のごみ減量の成果が調整額に反映されにくいことなどの課題、さらには、一定の処理基準を設定することについての是非など、それぞれの立場で二十三区間でさまざまな意見が提起され、議論を重ねているところでございます。 区といたしましては、そうした論点を整理し、引き続き二十三区として検討を行っていくことが重要であると考えております。 次に、一定の平準化の考え方に関する御質問にお答えします。 これは二十三区のごみ量が制度導入時に工場のある十六区のごみを下回った時点で制度の見直しを行うものとして定められた基準でございます。これまでの実績に基づくごみ量の推計におきましては、制度導入時に設定した二十三区全体のごみの削減量が想定した数値には達しておらず、一定の標準化が図られる時期については、なお期間を要する見込みとなってございます。 そうした状況の中、区といたしましては、資源の集団回収を展開するとともに、あらかわリサイクルセンターの活用により資源の中間処理に取り組んでおり、さらなるごみの減量に向け、積極的に推進を図ってまいります。 今後とも各区が引き続きごみ減量に努力するとともに、本制度のあり方について、二十三区において鋭意検討してまいる所存でございます。 ○議長(若林清子君) 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(若林清子君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議は、あす午前十時から再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。まことにお疲れさまでございました。   午後二時四十一分散会...