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  1. 荒川区議会 2015-02-01
    02月15日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    平成27年度定例会・2月会議荒川区議会会議録(第一日目)==============一、日  時   平成二十八年二月十五日 午前十時一、場  所   荒川区議会議場一、出席議員(三十二名) 一番 町田 高君 二番 小坂英二君 三番 小林行男君 四番 安部キヨ子君 五番 横山幸次君 六番 斉藤邦子君 七番 相馬堅一君 八番 小島和男君 九番 中島義夫君 十番 菅谷元昭君 十一番 明戸真弓美君 十二番 茂木 弘君 十三番 若林清子君 十四番 小坂眞三君 十五番 服部敏夫君 十六番 並木一元君 十七番 斎藤泰紀君 十八番 北城貞治君 十九番 守屋 誠君 二十番 鳥飼秀夫君 二十一番 志村博司君 二十二番 斉藤裕子君 二十三番 藤澤志光君 二十四番 竹内明浩君 二十五番 清水啓史君 二十六番 瀬野喜代君 二十七番 森本達夫君 二十八番 菊地秀信君 二十九番 松田智子君 三十番 吉田詠子君 三十一番 保坂正仁君 三十二番 中村尚郎君一、欠席議員(なし)一、出席説明員 区長 西川太一郎君 副区長 佐藤安夫君 副区長 北川嘉昭君 総務企画部長 猪狩廣美君 広報担当部長兼  全国連携担当部長 米澤貴幸君 管理部長 五味智子君 区民生活部長 正木良一君 地域文化スポーツ部長 池田洋子君 産業経済部長 石原 久君 環境清掃部長 古瀬清美君 福祉部長 谷嶋 弘君 健康部長 倉橋俊至君 子育て支援部長 青山敏郎君 防災都市づくり部長 松土民雄君 再開発担当部長 松崎保昌君 会計管理部長兼  債権管理担当部長 石澤 宏君 総務企画課長 片岡 孝君 財政課長 宮腰 肇君 教育長 高梨博和君 教育委員会事務局  教育部長 阿部忠資君 選挙管理委員会委員長 小林清三郎君 代表監査委員 中里 稔君一、職務のため出席した事務局職員 事務局長 濱島明光 庶務係長 野口正紀 議事係長 幸野佳紀 主任主事 早坂利春 主事 肥塚喜史 主事 染谷沙織 主事 土屋諒介 企画調査係長 西 智行 議 事 日 程 平成二十八年二月十五日 午前十時開議第一            一般質問について   午前十時開議 ○議長(斎藤泰紀君) おはようございます。ただいまより二月会議を開きます。 なお、二月会議の会議期間は、本日から三月十五日までの三十日間といたします。 この際、区長より平成二十八年施政方針説明のための発言の申し出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 施政方針説明を申し上げる前に、先日の北朝鮮による動向に関しまして、一言申し上げます。 二月七日、日曜日、午前九時三十一分ごろ、北朝鮮が一月の核実験に引き続きミサイル発射を行ったことは、国連決議案に違反し、私たち荒川区民をはじめ全世界の人々の恒久平和への願いを踏みにじるものであり、極めて遺憾であります。 荒川区は、今回のミサイル発射に対し、厳重に抗議いたしましたことをここに申し上げます。 それでは、平成二十七年度荒川区議会定例会・二月会議の開会に当たり、区政運営に関する所信の一端を申し上げ、区民並びに区議会の皆様方の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。 私が区長の重責を担わせていただいてから十二回目の新年度予算案を区議会に提出させていただくことになりました。私は、これまで区長として、区民の皆様の幸福実感を高めるための区政運営に一途に取り組んでまいりました。 この間を振り返ってみますと、「失われた二十年」と言われる日本経済の長期的な低迷の中で、二百七十三万人もの方々が正規で働く場を得られず、いわゆる中年フリーターになっていること、世代間や地域間での格差が拡大していること、東日本大震災をはじめとする多くの自然災害が発生したことなど、区民生活に影響を与えるさまざまな出来事があり、まさに目まぐるしい日々の連続でございました。 私は、そうした中にあって、十一年余りの間に千百を超える新規・充実事業を実施するとともに、区内外に積極的に問題提起を行ってまいりました。 その代表的な取り組みの一つが「荒川区民総幸福度(グロス・アラカワ・ハッピネス)」の研究と区政への活用であり、国内外からの大きな注目を集めるとともに、住民の幸福実感向上を機軸として行政運営を行うという志を持った自治体が集う「幸せリーグ」は、参加団体が百に迫るところまで来ております。さらに、「子どもの貧困・社会排除問題」への対応や区立小中学校全校へのタブレットパソコンの導入、首都直下地震に備えた永久水利施設の整備など、荒川区は全国自治体のトップランナーとして革新的かつ先進的な施策を実施してまいりました。 また、急増する保育所待機児童の解消を目指し、二千人を超える保育定員の拡大を図るとともに、高齢化社会の進展に対応して、区内における特別養護老人ホームのベッド数を二百四十床ふやしたほか、障がい者の「親なき後」の不安解消を図るため、グループホームの整備等を推進してまいりました。 こうした区政のあらゆる分野で、区民の笑顔を一つでも多くふやしていこうとする施策は、区議会全体の御理解と御協力、さらには示唆に富んだ御提案等によりまして、まさに議会と行政が共同してつくり上げた作品であると、そのように理解をいたしております。 そして、これらの取り組みは各方面から高い評価をいただき、その一つのあらわれが、私が区長に就任した平成十六年には約十八万人であった荒川区の人口は、今や二十一万一千人を超えるまでになりました。また、全国各地から毎日のように荒川区議会を御訪問いただいていることも、荒川区が行う先駆的な事業等に対する関心の高さを示すあかしであり、私は、毎朝の登庁の際に、エレベーター前に掲示されている行政視察の案内板を見て、大変元気づけられております。 マネジメント研究の第一人者であり、政治、経済、経営などさまざまな分野に多大な影響を与えたピーター・F・ドラッガーに「ビジネスの目的の正しい定義ははただ一つ。顧客を作り出すことである」という言葉、または「ビジネスには二つの機能しかない。マーケティングイノベーションである」という言葉があります。 一見、行政とは無関係に思えるかもしれませんが、この「ビジネス」という言葉を「区役所」に置きかえてみれば、まず、「顧客を作り出す」ということは、一つにはリピーター客をつくることであり、加えて、新規の客をつくるということであります。区役所で言えば、「今までの施策をさらに充実・深化させる」ことに加え、「新たな効果的施策を創造・開発する」ことであると思います。そして、区役所は、区民の皆様からいただく信頼を基本として、区民にとって相談がしやすく、区民が真に求めるサービスを提供する存在でなければならないことは言うまでもありません。そのために、「マーケティング」、つまり「区民ニーズを分析・解明」して、「イノベーション」、すなわち新たな切り口や創意工夫等により、区民の皆様が求めておられる施策をつくり続けていくことが不可欠であります。 私は、こうした認識のもと、就任直後から、区のドメイン、区役所の事業領域を「区政は区民を幸せにするシステム」であると定め、この間、「区民の幸せ」を第一に考えた区政運営を実践してまいりました。今後も、より一層区民の幸福実感を高めていけるよう、今まで以上に区政におけるマーケティングイノベーションの推進を図ってまいります。 平成二十八年度予算案につきましては、一般会計予算が九百七十億円であり、荒川二丁目複合施設「ゆいの森あらかわ」の整備費や私立保育園運営費など大幅な増加を主な要因として、前年度比五十七億円増、六・二パーセント増の過去最大規模の予算となっております。この予算は「地域と区民が輝く予算」として編成をいたしました。本予算案における主な施策について、分野ごとに御説明を申し上げたいと思います。 初めに、私は、「災害で一人の犠牲者も出さない」との強い決意のもと、平成二十八年度におきましても、区民の皆様がより安全で安心して生活をしていただけるまちをつくるための施策を、継続的かつ積極的に展開してまいりたいと存じます。 具体的には、危険性が著しく高い老朽空き家除去工事費の全額助成事業について、対象地域を区内全域に拡大いたしますとともに、空き家等対策計画を実施して、老朽空き家の問題に総合的かつ重点的に取り組んでまいります。 不燃化特区におきましては、小規模な用地についても取得または無償で借り受け、オープンスペースの確保と初期消火や救助活動に必要な資機材を配置するための「防災スポット」を整備いたします。また、東尾久及び町屋地域において、新たに永久水利施設の整備に着手いたしますとともに、防災区民組織や中学校の防災部、消防団と相互連携しながら、送水・消火のためのネットワーク体制を拡充させることにより、災害時における初期消火や延焼防止等にこれまで以上に努めてまいります。 さらに、震災発生時において速やかに医薬品を供給できるように、慢性疾患用医薬品を区内の薬局に分散して保管していただき、備蓄医薬品の被災リスクを軽減する体制を整備してまいります。 防犯対策につきましては、防犯カメラを既に設置している駅周辺や区境、幹線道路や通学路等に加え、全ての区立公園に設置することで犯罪を予防し、より安全かつ安心な地域社会の実現を目指してまいります。 持続可能な循環型社会の構築を目指す取り組みといたしまして、本年十月に開設する(仮称)荒川区リサイクルセンターにおいて、資源の中間処理工程の見学や再生資源等を活用した体験・体感学習を通して、ごみの減量、資源の有効活用の啓発をさらに図ってまいります。また、資源化品目の拡大を図るとともに、「荒川もったいない大作戦」と銘打った食品ロス削減の取り組みを展開してまいります。 あわせて、低炭素社会づくりに寄与するクリーンな水素エネルギーを活用した五キロワット級業務用燃料電池の実証実験を全国の自治体で初めて荒川総合スポーツセンターで実施いたします。こうした取り組みを通して、さらなる環境意識の向上を図ってまいります。 子育てと教育環境のさらなる向上に向けた取り組みといたしまして、昨年九月、荒川区の提案により実現した国家戦略特区制度の規制緩和を活用し、全国初となる都市公園内における保育園の整備を積極的に推進してまいります。また、既存保育園の改築や認証保育所から認可保育所への移行支援を引き続き進めるとともに、多様な手法を用いて保育園の整備を促進し、保育定員の一層の拡大を図ってまいります。 児童の放課後における安全な居場所づくりの取り組みでは、新たに七校で「放課後子ども教室」を開設することにより、全小学校での開設を実現できるようにいたしてまいります。全ての学童クラブにおいて、利用時間の延長を実施いたします。また、放課後子ども教室と学童クラブを一体型で整備する「放課後子ども総合プラン」を本格実施いたしまして、学年の異なる児童や地域との交流を体験できるプログラムを充実してまいります。 加えて、社会的な支援を必要とする子どもに居場所を提供し、大学生から高齢者まで幅広い世代のボランティアによる学習支援等を行う団体に対して支援内容を充実することで、より多くの子どもが身近で安心できる居場所をさらにふやせるように努めてまいります。 小中学校におきましては、学校図書館を最大限に活用できるよう、司書教諭と学校司書との一層の連携を図るために、時間講師を全校に拡大して配置いたします。 こうした取り組みにより、未来社会の守護者である子どもたちが将来への夢や希望を抱き、必要な能力を育むことができるよう、総合的な支援を積極的かつ切れ目なく進めてまいります。 ちょうどこの原稿を書き上げた後に、国から特別区に対して児童相談所の設置を極めて有効に、極めて力強く、塩崎大臣の決定が正式に政府から知事と私に連絡があり、舛添東京都知事もやれるところから積極的におやりになることに東京都は全面的に支援するという言葉をいただきました。 これについては、今後の進展を国会における児童福祉法の改正等を見ながら、改めて議員の皆様、区民の皆様に御通知できる日が早いというふうに思いまして、この場を拝借して若干の情報を提供させていただきました。 次に、健康づくりの分野では、区民の皆様がいつまでも健康で生き生きと生活していただけるように、健康寿命の延伸だけでなく、働き盛りの世代の早世予防等にも寄与する「あらかわNO(ノー)!メタボチャレンジャー事業」を拡充した「糖尿病版チャレンジャー事業」を実施いたします。 また、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、身近な場所でできるウオーキングを取り入れた健康づくり事業を推進することにより、運動習慣の改善、スポーツ実施率の向上、生活習慣病の予防等を図ってまいります。 あわせて、御高齢者が健康で自立した生活を送っていただくため、手軽で場所を選ばない「簡易版・荒川ころばん体操」の開発や元気な御高齢者をはじめ、地域のさまざまな力を活用し、高齢者の生活支援サービスを創出する生活支援コーディネーターの配置、さらには、介護が必要となる手前の方々を早期に発見して、食事のとり方や調理方法についての助言や指導を行う栄養士を派遣するなど、介護予防・日常生活支援総合事業を充実させてまいります。 認知症対策では、区内八カ所の地域包括支援センターに「認知症地域支援推進員」を新たに配置するとともに、認知症チェックリストを特定健康診査の全対象者に配付するなど、早い段階での発見や相談を実現する体制の充実を図ります。さらに、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年を見据え、認知症高齢者グループホームと小規模多機能型居宅介護を併設した施設の整備を図るとともに、区独自の上乗せ補助を実施するなど、安定した介護サービス施設経営の確保に努めてまいります。 また、区内グループホームでの重度障がい者の受け入れに対する補助制度の充実など、障がい者の「親なき後」の不安を解消するための取り組みを推進してまいります。 文化・芸術振興の分野におきましては、これまでにない新しい発想の複合施設として、平成二十九年三月に「ゆいの森あらかわ」の開館を予定しております。具体的には、図書館、吉村昭記念文学館、子ども施設を融合させ、既成概念にとらわれない事業を展開することにより、全ての世代の方々の生涯学習の支援と地域文化の醸成を図ってまいります。 また、子ども俳句相撲大会や都電俳句会の開催、ラッピング都電の運行、句碑の建立、まち歩きツアーの開催など、「俳句のまち あらかわ」を区内外へ力強く発信することにより、子どもから大人までが俳句文化の裾野を広げるとともに、さらなる誘客を促進して観光振興を図ってまいります。 産業振興の分野では、これまでの小規模事業者の設備投資に対する支援に加え、新たに事業継承や第二創業、経営革新に基づく設備投資等に対する支援を開始いたします。また、安定した生活の基盤となる就労の支援につきましても、若年無業者を対象としたアウトリーチ型、すなわち訪問型の就労支援の実施や子育て中の女性に対する相談デスクの相談日と相談時間の拡大等により、さらなる充実を図ってまいります。 先般、就労支援課長が就活バスを仕立てて、荒川工業高校の百二十人の学生諸君に区内事業所を回っていただき、事業所側からも、学生諸君からも、大変好評を得ました。こうした地道な努力を私どもはさらに拡充をしていきたいと思っております。 地域をさらに活性化させていくための取り組みとしては、東京オリンピックパラリンピックの開催により、外国人を含めたいわゆるインバウンドの大幅な増加が見込まれるために、東京における世界の玄関口である日暮里駅構内に観光案内コーナーを設置いたします。 また、日暮里区民事務所の建て替えに合わせて、ファッション関係ワークショップ等のイベント開催や繊維街の魅力の発信、日暮里駅の利用者をまちへ誘導するなどの地域のにぎわいの核となる施設の整備に向けて取り組みを進めてまいります。 加えて、南千住では、駅近くに観光情報を提供するサロンを設置いたしますとともに、区内全ての観光案内標識の更新や観光ボランティアガイド考案まち歩きコースの冊子の作成等によりまして、観光客の受け入れ体制を整備してまいります。 さらに、「幸せリーグ」や「特別区全国連携プロジェクト」と連動させながら、交流都市フェアなどの日暮里駅前イベント広場を活用した連携自治体による物販等を実施することで区内のにぎわいを創出するとともに、連携自治体の地域産業の振興につなげてまいります。 また、新たに中学生を対象に実施するワールドスクールのほか、これまで取り組んでまいりました子どもたちが参加するさまざまな自然体験事業、交流都市や被災地などを訪問する区民ツアーを活用し、子どもから大人まで住民同士で交流できる機会を拡充してまいります。 こうした取り組みを通して、全国の自治体が相互に連携し、発展していくWin-Winの関係を構築いたしますとともに、区内におきましては、より多くの区民に地域活動への積極的な参加促進を図ることで、荒川区が誇る地域力をさらに高め、笑顔と活力あふれる温かい地域社会づくりにこれまで以上に力を注いで取り組んでまいります。 以上、平成二十八年度予算の主要な施策について申し述べてまいりましたが、本予算案は荒川区民の幸福実感向上に向けて早急な具体化が求められるもの、中長期的な取り組みとして遂行すべきもの、双方の視点から優先順位をつけて、必要な事項を予算化したものでございます。 区役所は、区民の幸せをいかに高めていくかということを根幹に置いて、さらなるマーケティングイノベーションにより、より効果的な行政サービスを提供していかなければなりません。既存の施策をどのように見直せば区民ニーズに近づき、区民の幸せに寄与できるのか、新たなサービスは区民にどういった価値をもたらすものなのか、それらに対する経費は区民の納得を得られるのかなどなど、職員一人一人がそれぞれの立場で、区民の皆様の思いに真摯に向き合い、知恵を絞っていくことは極めて重要であります。 私が尊敬申し上げております松下幸之助翁は、「なすべきことをなす勇気と、人の声に私心なく耳を傾ける謙虚さがあれば、知恵はこんこんと湧き出てくるものです」という言葉を残しておられます。 第一に必要なのは、区民の皆様の声を真正面から受けとめる職員の姿勢であります。もう自分は完成された人間であるなどという思い上がりや、時代の流れをきちんと把握せず、独善的な行動をとるといったことは厳に慎まなければなりません。率直な気持ちで区民の皆様に寄り添い、相手のお立場に立って解決策を考えることこそが、初めてアイデアが生まれてくる源泉であると私は思います。これをもとに組織を挙げて具体的な施策へと育て、区民の幸せという大輪の花を咲かせていくことに対する強い決意が区役所に横溢しなければなりません。 私は、これが実現できる人財の育成と区役所の体制強化をさらに「荒川区職員ビジネスカレッジ」の創設や研修の充実等を進めてまいりましたが、今、その成果をさらにすばらしいものにしていくために、学び直しのための研修組織を区職員全員を対象として区役所の中に置いていきたいと思います。 区役所は、国にはない発想があり、国ではできないことができます。昨年、荒川区から国への積極的な働きかけにより、国家戦略特別区域法が改正され、都市公園内での保育園の整備が可能となったことも、職員の発想と努力の成果の一例であります。 私は、今後、こうした制度の活用により、荒川区だけでなく、都市部を中心に全国の多くの自治体において、保育施設の整備が行われるものと大きな期待を寄せております。 今まで以上に区民の皆様の思いを肌で感じ、区民の皆様が求めておられる政策をさらに進めていくために、精いっぱい渾身の努力を続けながら、職員とともに成長を重ね、職員の諸君の先頭に立って笑顔あふれる荒川区を実現していく決意であります。区民並びに区議会議員の皆様の一層の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。 本二月会議には、平成二十八年度一般会計予算案及び各特別会計予算案をはじめ、多くの条例案を提出させていただいております。申し上げるまでもなく、いずれも区政運営上重要な案件でございます。十分な御審議を賜り、御可決いただきますよう、区議会の全ての会派の議員の皆様にお願いを申し上げ、私の所信の説明とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(斎藤泰紀君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十二名、欠席はおられません。 二月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により、議長より指名をさせていただきます。        三  番 小 林 行 男 議員        九  番 中 島 義 夫 議員        二十九番 松 田 智 子 議員 以上三名の方にお願いいたします。 ○議長(斎藤泰紀君) 日程第一、一般質問について。───────────────○─────────────── △一般質問について ○議長(斎藤泰紀君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 二十一番志村博司議員。   〔志村博司君登壇〕 ◆二十一番(志村博司君) 私は、自由民主党荒川区議会議員団を代表して、現下の荒川区の諸課題について質問をいたします。関係理事者の皆様方には、簡潔かつ積極的な答弁をお願いいたします。 西川区政は三期目の仕上げの年に突入いたしました。区民のさらなる幸福実感向上に向けた西川区長のたゆまない御尽力に対し、心より敬意を表するものであります。 そこで、私は、この二月会議では、西川区政の節目に当たる新年度の予算案をはじめ、大きく五点にわたり質問をさせていただきます。 まず初めに、平成二十八年度予算についてお伺いいたします。 先月二十二日の安倍首相の施政方針演説で、アベノミクスの成果として、企業収益の拡大、雇用の増大、賃金の上昇などを挙げ、その結果、国民総所得が四十兆円近く増加したこと、また、来年度の税収が十五兆円ふえ、地方税収も政権交代前から五兆円以上ふえて過去最高となったと述べ、また、これからの具体的目標として、一、二〇二〇年ごろに名目GDPを六百兆円にする、二、希望出生率一・八を実現する、三、介護離職をゼロにすることを挙げておられました。 また、東京都は、一月十五日に平成二十八年度の予算原案を発表しましたが、一般会計は七兆百十億円で、四年連続の増、七兆円台は平成五年以来二十三年ぶり、また、歳入も五年連続で税収増というものでありました。 このように、国や都が景気回復、税収入増を唱える一方で、これまでの対策による景気回復の効果は、残念ながら荒川区内には十分には行き渡っていないというのが区民や区内企業の実感だろうと思います。 加えて、切迫性を増す首都直下地震への備えやエネルギー問題、女性の活躍促進や雇用改革、人口減少社会への対応など山積する重要課題を解決するためには、住民の生活を最も知り、ともに悩むことのできる地方自治体、地方議会が住民の声に耳を傾け、より謙虚に、より丁寧に課題解決のために努力していかなければなりません。 私たち自由民主党荒川区議会議員団は、こうした認識のもと、区政全般にわたり十二分野、六十項目に及ぶ「平成二十八年度予算に関する要望書」を提出いたしました。 そこで、最初の質問ですが、こうした我が党の要望は、新年度予算にはどのように反映させているのか、予算編成の基本的な考え方を含め、お尋ねをいたします。 また、区はこれまでも我が党の提案を真摯に受けとめ、他区に先駆けた数次にわたる行政改革を実施し、大きな成果を上げてまいりました。来る平成二十八年度からは新たな公会計制度もスタートいたします。これを機に、新方式で作成される新しい財務諸表等の分析や行政評価の徹底化などを通じて、さらなる行政改革に取り組むことが可能になるのではないかと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 次に、団塊世代が高齢期を迎える二〇二五年問題とそれ以降に生じるであろう問題についてお伺いいたします。 昭和二十二年から二十四年に生まれた世代がいわゆる「団塊の世代」と呼ばれています。荒川区議会にもこの世代が大勢おります。この団塊の世代は、生まれたときから今日まで、それぞれの段階でさまざまな社会現象を引き起こしてきました。今日、高齢者の仲間入りをしたこの世代が二〇二五年には後期高齢者とされる七十五歳となります。また、二〇四二年には高齢者人口がピークを迎えると言われています。つまり、日本は少子化の進展による人口減少社会とともに、本格的な超高齢化社会を迎えることになるわけであります。これに伴って生じるであろうさまざまな問題について、区としてどのように立ち向かっていくのかという観点から質問をいたします。 平成二十六年十一月公布の「まち・ひと・しごと創生法」により、地方公共団体に「人口ビジョン」と「創生総合戦略」の策定が求められ、荒川区においても先日、「荒川区人口ビジョン」及び「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」の素案が取りまとめられ、これらに対するパブリックコメントが行われたところであります。 区は、「人口ビジョン」において、独自の人口推計に基づき二〇六〇年までの人口規模を四パターン示しており、その中の中位の人口規模を区として目標とすべき「想定人口」としています。この中位推計は、区の人口が将来に向け微増を続けるというものであり、二〇六〇年時点の人口規模は二十二万九千三百五十八人となっております。現在の人口が二十一万一千人ですから、今後四十五年間で一万八千人増加することとなります。 平成二十六年五月に増田寛也元総務相が座長を務める民間の研究機関「日本創成会議」が発表した人口推計は、今後も少子化と人口減少の流れがとまらず、二〇四〇年には八百九十六もの区市町村の存続が危ぶまれるという大変ショッキングなものでありました。全国自治体の半数近くが「消滅可能性都市」とされたことを考えれば、人口がふえるとの推計は、地域の活力やにぎわいが高まるほか、税収増にもつながる等、喜ばしいことであると思います。その一方で、そうした人口の増加に対応した備えを進めることも大変重要です。 平成二十七年十月一日現在の人口密度を調べてみると、東京二十三区が上位を独占しており、全国一位は豊島区の二万二千九百九十五人、第二位が中野区で二万七百六十八人、荒川区は全国で第三位で二万五百九十六人となっています。ちなみに、二十三区以外では、蕨市が十六位で一万四千人余り、武蔵野市が十九位で一万三千人余りでありました。 区が示した想定人口では、二〇六〇年の人口密度は二万二千五百人余りとなり、一平方キロメートル当たりの人口が千九百人ふえるわけであります。人口密度が高まる中で、快適な居住環境を維持・向上させていくとともに、変化する人口構成に対応した社会インフラを整備していかなければなりません。区の想定人口によれば、二〇六〇年には、二〇一五年に比べ年少人口が二・三ポイント、生産年齢人口が七・二ポイント減少し、老年人口が五・〇ポイント増加するのであります。想定どおりの人口増と年齢構成になった場合、特別養護老人ホームは何ベッド必要か、保育定数はどの程度用意すべきか、障がい者グループホームはどうか等々、人口推計をもとにした行政需要を算定し、何をいつまでに整備するかを明らかにしていくことが欠かせません。そして、それらを具体化するためには、現在の施設の用途変更や多機能化、改築に合わせた複合化など、さまざまな手法を駆使していく必要があると思います。 こうしたことを円滑に実行していくために人口推計があるのであり、有効に活用し、具体の計画づくりを進めていくべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 もう一つ肝心なことは、人口推計はあくまで推計であるということであります。現実の人口の動きが推計と異なるのは避けられません。今回の「人口ビジョン」でも四パターンの推計を行っているのでありますから、将来に向けた施設整備等の計画化についても、一定の幅の中で進めていく必要があるのではないでしょうか。そして、社会経済情勢の変化等に応じて、適時適切に計画の見直しを行い、時と場合によっては人口推計そのものをやり直す等、柔軟に対応が必要と考えますが、区の認識をお伺いいたします。 先ほど言及した二〇二五年とその後の社会では、高齢者の数が増加して医療や介護がより必要となってまいります。これにどう対応していくのか、私も団塊の世代の一人として将来のことを考えると、不安と同時に、今のうちからできることをやっていかなければならないという責任を感じております。 国の地方創生戦略では、CCRC、これは「健康時から介護時までの継続的なケア付きリタイヤメントコミュニティー」の略とされており、第二の人生を地方で始めたいという都市圏の高齢者に向けた仕組みであり、このCCRCを含め、都市部から地方への人口移転の取り組みを進めるとしております。その中で、特別養護老人ホームの地方での整備を具体化する事例も出てきてはいますが、こうしたことが二〇二五年問題の解決の一助になるのでしょうか。また、地方の活力向上につながるのでしょうか。 都市部での特養ホームのベッド数不足に対し、知恵を絞って対応していくことは、「介護難民」と言われる方々を減らすためにも必要があると考えておりますが、さらに重要なことは、要介護にならないための早期からの介護予防、健康づくりの取り組みであると考えます。 よく「ぴんぴんころり」という言葉で例えられるように、いつまでも元気で、寝たきりにならずにと思う気持ちは誰しも同じであります。そのためには、高齢者になってから介護予防に取り組んでいるのでは遅いのであります。若いときからの運動習慣も大事であり、生活習慣病を予防し、健康寿命を延伸することがまず第一に必要であります。今後の社会保障費の増大を抑制するとともに、さらには政府が掲げる一億総活躍社会を実現するためにも、区民の健康寿命の延伸、介護予防の推進が不可欠であると考えます。 そして、健康寿命の延伸や介護予防の取り組みを一層進める一方で、やはり医療や介護が必要になったときに適切なサービスが受けられる、住みなれた地域で安心して住み続けられる体制を整備することが重要となります。しかしながら、施設整備などのハード面には限界があるのも事実であります。 区では、そのために、地域の社会資源を活用しながら、①医療、②介護、③介護予防、④住まい、⑤生活支援の五つのサービスを包括的に確保する体制、「地域包括ケアシステム」の構築を進めております。住みなれた地域で在宅で必要になったら、医療や介護のサービスをうまく組み合わせながら、自宅で生活し続けるというケースが多くなってくるのではないでしょうか。 地域に訪問診療や訪問看護、訪問介護といった在宅ケアのサービス体制が整備されている必要があります。これらをどうやってつくり上げていくかということも考えていかなくてはなりません。こうした認識のもと、将来を見据えた健康寿命の延伸、介護予防の推進について、区の見解をお伺いいたします。 この問題に関連することとして、老人福祉センターについてお伺いいたします。 今後、団塊の世代が後期高齢者となる時期を迎え、日本にはまさに超高齢化社会が到来する。そうした中では、六十五歳以上を一律に高齢者と捉えるのは適当でなく、六十五歳を超えても現役で働くことも大きな選択肢の一つとなってまいります。 安倍首相の施政方針演説の中でも、「いつまでも元気で、その豊富な経験や知識をあたう限り社会で発揮していただきたい。生涯現役社会を単なるスローガンでなく、現実のものにしていこうではありませんか」と述べられております。 昨年、日本老年学会の調査結果として、現在の高齢者は十年から二十年前に比べて、五から十歳若返っているという報告がありました。もちろん個人差はありますが、定期的な運動など生活習慣の改善がその要因ではないとか指摘されております。確かに私が接しているお年寄りの方々にも、若々しい元気な方が多くなっています。「アクティブシニア」という言葉に象徴されるように、趣味やスポーツ、旅行など、いろいろなことに活発であります。そして、いつまでも元気でいたいと積極的に取り組んでいる方が多いのであります。 このような状況にあって、現在のあるいはこれからのシニアたちのニーズとして、これまでのように生きがいづくりを中心とした老人福祉センターのあり方はいかがなものでしょうか。今後のあり方について考え直す時期に来ているのではないかと考えます。生きがいづくりも大事でありますが、いつまでも元気でいたいという目標に向かって、元気なうちから早期の介護予防の取り組みや、要支援や要介護状態になる前に身体等の機能を回復させるための筋力向上やリハビリ等の取り組みも重要であります。こうした観点も含めて、現在の老人福祉センターのあり方を考えるべきと考えますが、区の見解を伺います。 区内の企業において、これまで屋台骨となり、組織の中枢を成し、企業の発展に貢献した多くの方々は、定年後もその企業に残り活躍されてきましたが、そうした方々もいよいよ退いていく時代を迎えています。むろん一定規模以上の企業であれば、これまで培われてきた技術や知識あるいは伝統などに着目し、危機意識を企業内で共有しながら、組織を挙げてその継承を行い、企業の維持発展に努めてきたものと考えております。 しかし、区内の大半を占める中小零細企業においては、これらのことが円滑に進められてきたでしょうか。もしもこうしたことが実際に行われていないとなると、区内企業の育成がとても心配になります。私は、そうした区内企業が維持発展してこそ、そこに雇用が生まれ、区民の生活が豊かになり、地域が活気に満ちて、まち全体が成長していくための大きな原動力になると考えております。 企業が安定した経営を継続していくための大切な要素としては、二本の柱があり、一本目は企業経営の後継者づくりであります。二本目は次代を担う従業員の確保と企業技術伝承等を含めた従業員の育成が必要不可欠であります。 区でもそのような状況を敏感に受けとめ、これまでさまざまな取り組みを始めていることは承知しております。 また、過日の新聞報道では、都立高校と企業がタイアップし、物づくり企業等への就職の促進を図り、人材確保につなげる「日本版デュアルシステム」を東京都が新たに都立工業高校二校で導入するという記事も目にしました。 それらを踏まえ、区として、私が考える二本の柱に関してどのように認識し、今後どのように施策を推進していくのか、質問をいたします。 超高齢化社会を迎えることに伴って生じる問題の最後といたしまして、まちづくりの観点からの質問をいたします。 総務省の調査で、二〇〇八年の空き家の状況を分析したところ、空き家総数七百五十五万戸のうち、六割の四百六十二万戸がマンションなどの共同住宅だったという結果が示されています。区が平成二十二年三月に取りまとめた「荒川区マンション実態調査」によると、昭和三十六年、今から五十四年前、町屋地区と東日暮里地区にマンションが二棟初めて建設されました。その後、昭和六十三年にピークを迎え、毎年五十棟前後のペースでふえ続けており、現在、区内のマンションは二千五百棟に上り、そのうち築年数が三十年を超えるマンションが全体の二割を超えています。 そこで、私は、マンションの老朽化、スラム化が近い将来、深刻な問題として顕在化してくるのではないかと大変憂慮しております。 老朽化したマンションには、二つの老いがあると言われています。一つは、マンションの建物そのものの老い、そして、もう一つは、そこに住んでいる入居者の老いであります。荒川区では、南千住の汐入地区における大規模な再開発によるマンション建設に加えて、その他の地区においても民間によるマンション建設が続いており、三十歳から四十歳代の若年層の方々が区内に転入された結果、人口とともに出生者数の増加にもつながりました。 一方で、これらのマンションが適正に管理されずに二十年、三十年もの時間が経過すれば、老朽化が進行するだけであります。「子育てするなら荒川区」という評価の高まりの中において、第三子をもうける家庭がふえ、「汐入マジック」という言葉も生まれた汐入地区を例に挙げますと、今年度既に保育需要が減少に転じております。これは転入された若年層の方々が年を重ね、今は小中学校に対する需要へと移行していることを示していると思われます。 昭和四十六年に入居の始まった多摩ニュータウンは、それから四十五年を経て、現在住民の六五から七〇パーセントが団塊の世代とそのジュニアで構成され、さまざまな課題を抱えていると言われています。つまり、マンションの老朽化と同時に、そこに入居されている方の高齢化の進行から生じるさまざまな問題、例えば修繕積立金の不足や管理費の滞納、また、管理組合の役員のなり手がいないために管理組合がまともに運営できなくなった結果、適切な時期に大規模修繕が行われず、老朽化が進むマンション。加えて、入居者が亡くなって相続が適切に行われず、次第に空き家が増加してスラム化してしまうことも危惧されます。 マンション管理につきましては、言うまでもなく、基本的にそのマンションの居住者みずからの責任において行うべきものであります。 荒川区においても、近い将来間違いなく迎えるであろうマンション問題を見据えて、建物の老朽化や入居者の高齢化が進行するマンションの適切な維持管理に向け、今後どのように取り組んでいくのか、区の見解を伺います。 また、先ほど西川区長による施政方針説明の中でも触れられておりました危険性が著しく高い老朽化した空き家への対策でありますが、このことについては私も平成二十六年の第三回定例会でも質問いたしましたが、現在、区が取り組むべき喫緊の課題であります。 区が今年度実施した空き家の実態調査によりますと、区内全域にある空き家の数は約九百七十棟、そのうち近隣にお住まいの方々に不安と悪影響を与えるおそれのある空き家が約百十棟にも上るとの結果が出ております。 このような空き家は、大規模な地震の際に倒壊のおそれがあるといった防災上の問題に加え、放火や不法侵入による治安・防犯上の問題、さらには雑草の繁茂による衛生・景観上の問題など、さまざまな問題を抱えており、すぐにでも対策を講じるべきであります。 そこで、この喫緊の課題である危険な空き家対策に関する今後の進め方についてもあわせて区の見解をお伺いいたします。 次に、心のケア対策についてお尋ねいたします。 近年、心の病が非常にふえております。要因として、厚生労働省は、精神疾患で治療を受けることへの抵抗が薄れてきたことや、労災の対象になることが認知されたことなどを挙げておりますが、厳しい経済状況や複雑になる社会情勢なども複雑に絡み合い、ストレスの多い世の中になったということもあるのではないでしょうか。こうした状況を鑑み、二〇一一年七月にはがん、脳卒中、心臓病、糖尿病という従来の四大疾病に精神疾患を加え、五大疾病とする方針を固めたところでもあります。 心の病は、不眠や気分の落ち込みなど具体的な症状が続けば医療機関を受診し、医師や精神保健福祉士、カウンセラー等の専門家に相談することもできます。しかし、その前の段階でイライラやちょっとした体の不調など、自分では気づかない心や体の変化を放置し、医療機関に結びつかず、そのために症状を悪化させてしまうことも多くあるのではないだろうかと思います。症状が悪化した結果として、最悪の場合は自殺に結びつくことも考えられます。自殺の動機となる原因はいろいろでありますが、WHOの自殺予防マニュアルによりますと、自殺者の九割に何らかの精神疾患があったと推定しております。 自死に至る前の対策として、自殺未遂者への対応が重要であり、区では大学病院と連携して対策に取り組んでいると聞いておりますが、まずこの連携の効果についてお伺いいたします。 平成二十五年度に全国児童相談所で対応した児童虐待の相談対応件数は七万三千七百六十五件で、児童虐待防止法施行前の平成十一年と比べても、六・三倍に増加しております。近年でも平成二十三年度、五万九千九百十九件、平成二十四年度、六万六千七百一件と年々急激に増加をしております。 また、近年、高齢者への虐待も増加しています。二月五日の厚生労働省の発表では、平成二十六年度特別養護老人ホームなどの介護施設の職員による虐待は過去最多の三百件、前年度比三五・七パーセント増で、平成二十四年度からの二年間で倍増し、また、家族や親族による虐待を含めた総件数は一万六千三十九件と右肩上がりにふえています。こうした虐待が起きるのには、確かにさまざまな要因が複雑に絡み合ってのことと思いますが、虐待してしまう側の心の問題が起因していることも多いのではないでしょうか。 区では、これまでも心の病、自殺未遂などに対するさまざまな対策を行ってきており、障害者福祉課だけでなく、いろいろな窓口で悩みなどの相談を受けていると推察いたします。そうした点をさらに強化し、心の病が重篤になってしまう前に、本人や周囲が心の不調に気づいた段階で気楽に専門家に相談でき、適切なアドバイスや受診先の紹介などを行ってもらえる場所や、早期に変調を察知し、対応していく体制づくりに重点的に取り組むことが必要と考えますが、区の見解を伺います。 続いて、子育て支援施策について伺います。 区では、西川区長の力強いリーダーシップのもと、全国の自治体に先駆けてさまざまな子育て支援策を打ち出し、「日経DUAL」による「共働き子育てしやすい街」ランキング調査では、荒川区が全国の自治体ナンバーワンになるなど、子どもを産み育てやすいまちとなってきたことを区議会としても高く評価しております。 特に待機児対策については、これまでの約十一年間で二千人を超える保育定数の拡大、国家戦略特区制度を活用した都立汐入公園内への保育施設の整備等、精力的に取り組んでいただき、多くの保護者の期待に応えることができたものと考えております。 保育定数の拡大等により、共働き家庭などの働きやすい環境が整う一方で、保育園を卒園した子どもが小学校に入学した後に放課後等を安全に過ごすことができる居場所の確保という課題に直面することが想定できます。いわゆる「小一の壁」と呼ばれ、特に働く女性が仕事をやめざるを得ない状況を解消することが国の成長戦略に盛り込まれております。 現在、区では放課後の安全な居場所として、学童クラブのほかに放課後子ども教室を実施してきております。私たち自民党がこれまで申し上げてきた放課後子ども教室と学童クラブの事業について、二重投資の解消を求めてきたところであります。厚生労働省の村木厚子事務次官(当時)に直接働きかけたことで放課後子ども総合プランの道を開くことができたことも評価できるものであると考えております。 区では、「小一の壁」の解消に向け、平成二十七年度から放課後子ども総合プランの試行実施を経て、平成二十八年度からは実施校を拡大していくとしております。今後も全ての児童が健やかに成長していくことができるよう、総合プランというよい事業を進めていく必要があると思います。区の見解をお伺いいたします。 次に、放課後子ども総合プランをより一層魅力的な事業にしていくための取り組みについてお伺いいたします。 平成二十七年度に試行開始した総合プランについては、その運営委員会で検証、評価がなされ、学校、保護者、運営事業者、そして何より利用者である子どもたちからの意見を参考に進めていくと伺っております。保護者からは、総合プランが開始され異学年の交流が広がったことや、学校内で放課後安全に過ごすことができて安心といった評価をいただくなど、我々自民党としても評価しているところであります。 利用者である子どもたちが毎日楽しく参加したくなるような魅力的な事業を実施していくとともに、子どもたちが安心して過ごすことができる居場所の提供がなければならないと考えております。そのためには、事業の質の向上という視点も非常に重要な課題であると認識しておりますが、区として総合プランの事業をより一層充実したものにしていくために、どのような取り組みをしていくのか、お聞かせください。 この質問の最後に、学童クラブの夏休み等の長期休業中における開所時間について伺います。 区は、平成二十八年度から全ての学童クラブで午後七時までの延長時間を開始するとしております。一昨年の決算に関する特別委員会で私から朝の受け入れ時間について利用要件の緩和を提案し、平成二十七年度から実施されたところであります。 しかしながら、この三月に保育園を卒園する子どもの保護者から、夏休みなどの学校の長期休業中に通常の学校授業があるときと同じように、学校の登校時間に合わせて預かってほしいという声も寄せられております。 小学校一年生の場合、特に一学期中は学校の生活リズムに合わせようとしていくのですが、せっかく身につけた生活習慣が夏休みが始まった途端に変わってしまうのはいかがなものかと考えております。にこにこすくーるの児童は、家庭で保護者が面倒を見ることもできますが、共働き家庭の保護者は難しいのが現実であります。 学童クラブの夏休みなどの長期休業中の朝の開所時間については、私は午前八時まで繰り上げる必要はないと思いますが、生活リズムを考慮して、小学校の登校時間に合わせることが合理的ではないかと考えておりますが、区の御見解を伺います。 質問の最後に、オリンピック・パラリンピック教育の取り組みについてお伺いいたします。 二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピックが近づいてきておりますが、この国際的なスポーツの祭典を特に子どもの教育や育成に生かしていくことが必要ではないでしょうか。 国際化がますます進展する中、子どもたちが国際社会に貢献し、世界の人々から信頼される日本人となるためには、異文化に対する理解を深め、異なる文化を持つ人々と協調していく態度を育てる必要があります。異文化を理解し、大切にしようとする心は、自国の文化理解が基盤となって育まれるものであります。そのためには、今日的な視点から我が国の伝統や文化を捉え直し、日本のすばらしさを誇りに思うことが大切であります。 東京都では、オリンピック・パラリンピック教育推進校を三百校から今年度倍の六百校に拡大し、オリンピック・パラリンピック大会の参加国について、都内の子どもが学ぶことで、東京都全体で全ての参加国を学習し、実際の国際交流活動へとつなげていく「世界のともだちプロジェクト」を全校で展開すると聞いております。教育委員会として、児童・生徒が自国の文化のすばらしさを再認識していく大事な好機として、どのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。 また、小中学校では、伝統文化理解教育として、和太鼓や琴や雅楽等の体験学習を実施しております。私も学校の周年行事に参加した際、そうした演奏発表を体験して、大変感銘を受けました。こうした日本の伝統文化を外国人に披露し、日本のよさを理解してもらうといった取り組みを通して、さらに我が国の文化理解が深まると考えますが、教育委員会のお考えをお伺いいたします。 以上をもちまして、第一回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 志村博司議員の御質問にお答えいたします。 新年度予算案に関する御質問のうち、予算編成の基本的な考え方についてお答えいたします。 平成二十八年度予算案は、私にとって三期目を締めくくる予算であり、町会活動や文化活動など地域力がさらに高まり、区民の皆様がそこに住まう誇りを胸に、地域とともに一層輝ける、そんな荒川区にしてまいりたいという思いを込めて、「地域と区民が輝く予算」として編成をいたしました。 一般会計の予算総額は過去最大であります。介護予防の強化、子育て環境の整備、防災・減災対策の推進など、区民の安全・安心はもとより、地域力の強化や連携、文化や経済の活性化など区が取り組むべき政策を最大限に予算化して具体化した結果であります。 また、編成に当たり御党からいただきました御要望等につきましては、可能な限り予算に反映させるよう努めたところでございます。 時間の関係からごく一部のみ申し上げますが、例えば、国内外からの旅行客誘致につきましては、日暮里駅や南千住駅前への観光客等の受け入れ体制を整備せよと、こういう御要望に対して、やりますと、こういうことであります。 災害に強いまちづくりでは、新たに不燃化特区内の防災スポットの整備も開始いたします。また、「ゆいの森あらかわ」は、区民の皆様が誇りを持てる新たな文化の拠点として、来年三月に誕生する予定でございます。 なお、去る九月議会でも御党から御提案のございました芸術文化振興基金につきましては、予算とあわせて設置条例を提出させていただいております。 また、小規模事業者の経営力強化支援事業は、さらに対象の拡大を図って継続し、あすを担う若者の就労支援に関しましては、新たなアウトリーチ型の支援を開始するとともに、女性の就労サポートとともに充実を図ってまいります。 これらのほかにも数多くの御要望を予算案に反映させておりますが、とりわけ御要望の基本方針にもございますように、区としては今後も引き続き経常収支比率など従来の財政指標によるチェックや新公会計制度に基づく財務諸表の活用等を通じて、健全な財政運営の維持に努めますとともに、区民サービスの向上に全力で取り組んでまいります。 次に、医療と介護に関する御質問のうち、健康寿命の延伸及び介護予防の推進に関する御質問にお答えいたします。 荒川区人口ビジョンでは、いわゆる団塊の世代が九十歳以上となります二〇四〇年には、荒川区の後期高齢者は今よりも約二千人ふえて、二万五千人を超えると推計されております。こうした推計結果を見ますと、介護サービスの施設の充実はますます重みを増してくることと思います。しかしながら、これらは要介護状態になってからの対応策でございますので、区民の幸せという視点から考えますと、志村議員の御指摘のとおり、健康づくりや介護予防に取り組んで健康寿命を延ばしていくことが肝要でございます。 平成二十五年国民生活基礎調査によりますと、要介護状態となる主な原因は、脳血管疾患、認知症、ロコモティブシンドロームに起因する骨折・転倒、関節疾患等でございます。全体の約六割がこれらで占めるということになるわけでございますので、区ではこの状況を踏まえて、糖尿病対策を重点的に掲げておるほか、若い世代からの介護予防や健康づくりのためのウオーキング事業、ロコモティブシンドローム予防など、さまざまな健診時の骨密度の測定などを実施して、積極的に取り組んでおるのでございますが、来年度に改定する健康増進計画にも十分に反映をしてまいります。 加えて、区では早くから首都大学東京の山田拓実教授の御協力のもとに開発した荒川ころばん体操や、新たに開始いたしました総合事業等、区民の皆様が積極的に介護予防に取り組んでいただけるよう推進してまいりました。 今後も、よりこれらについては前に進んでまいります。介護予防の活動を御支援申し上げ、老人福祉センターの機能強化を図って、介護予防の拠点となるように進めてまいります。 在宅ケアについてお答え申し上げます。 区では、可能な限り住みなれた地域で安心した暮らしを続けられるよう、地域包括ケアシステムの構築を目指しておりまして、医療や介護にかかわる専門職が協働するための関係づくりを進めてまいります。今後も、医師会などの関係機関の皆様と連携強化を図ってまいります。 また、区が進めてまいりましたレセプト分析を活用した糖尿病重症化予防の取り組みでございますとか、ジェネリック薬品の活用によりまして、約二億四千万円に及ぶ医療費の削減が図られたことで、昨年発足しました「日本健康会議」の実行委員三十一人の中に、私が唯一自治体代表として参加いたしております。 今後も、「生涯健康都市あらかわ」の実現に向けて、区民の皆様の健康寿命延伸と介護予防に全力で取り組んでまいります。 最後に、志村議員に私からの答弁といたしまして、今後の放課後の児童事業の取り組みに関する御質問に御答弁を申し上げます。 近年、子どもたちを被害者とする痛ましい事件の発生や安全に遊ぶことができる場所の減少など、子どもたちを取り巻く状況は大きく変化しております。 私は、全ての子どもが保護者の就労にかかわらず、放課後に安全に過ごす居場所を確保することによりまして、健やかに成長していくことができるような環境を整備していくことが肝要であると考えております。 区では、放課後の安全・安心な居場所を設け、遊びやスポーツなどの活動を行う放課後子ども教室をこれまで小学校十七校で開設して、平成二十八年度には全校で開設する予定でございます。 また、「小一の壁」の解消に次代を担う人材の育成を図るため、放課後子ども教室事業と学童クラブ事業を一体型で整備する「放課後子ども総合プラン」の実施校拡大を図ってまいります。 小学校の中には、活用できる教室の不足など物理的な制約もございまして、条件が整うまでには時間を要する学校もございますが、区といたしましては、早期に全ての小学校で放課後子ども総合プランが実施できるように、引き続き取り組んでまいる所存でございます。 また、御質問の夏休みなどの長期休業中、保護者が就労等で出勤する時間が早く、子どもを保護できない場合に、学童クラブの利用開始時間を学校授業日の登校時間に合わせることは合理的であると私も考えております。 区といたしましては、そのような場合に利用開始時間を早めまして、登校時間と同じ八時十五分から学童クラブの利用ができるよう、早急に体制の整備を図ってまいります。 今後とも、放課後児童事業の充実に全力で努めてまいる所存でございます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 新公会計制度を活用した行政改革に関する御質問にお答えをいたします。 区では、「あらかわ区政経営戦略プラン」の策定や千を超える全ての事務事業を対象に行政評価を実施するなど、行政改革に取り組んでまいりました。しかし、区民のニーズは年々高度化・多様化し、限られた行政資源でこれらに対応するためには、行財政改革についてもレベルアップが必要となっております。 区では、平成二十八年四月から東京都方式に基づいた新公会計制度をスタートいたします。従来の単式簿記から複式簿記へと変更することにより、財務諸表を通じて道路や建築物の資産や地方債の負債といったストック情報の把握に加え、より精緻な減価償却費、退職給与引当金や、今までは見えなかったコストである賞与引当金、金利負担等を含めたフルコストの把握が可能となります。 具体的な活用策といたしましては、例えば行政評価の取り組みにおきまして、新公会計で得られた財務情報を活用し、より精緻なコスト情報を踏まえた分析を実施することや、新公会計制度で作成される固定資産台帳や財務諸表を活用して施設カルテを作成し、区施設における区民サービスの向上やより効率的な運用につなげていくことなどを検討しております。 区といたしましては、新公会計制度を効率的・効果的な行政運営や区の施策に対する区民の理解を深めるツールとして活用し、今後も不断の行政改革に取り組んでまいります。 次に、人口構成の変化への対応に関する御質問にお答えいたします。 荒川区人口ビジョンでは、二〇六〇年時点で二十二万九千三百五十八人の人口を想定してございます。平成二十八年度に予定してございます公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、議員御指摘を十分に踏まえまして、人口推計を前提として必要な行政需要を想定し、施設種別ごとの特性も踏まえた上で、今後の公共施設のあり方を検討してまいりたいと存じます。 また、御指摘のとおり、人口推計はあくまで推計でございます。公共施設等総合管理計画をはじめとする各種の計画の策定に当たりましては、そのことを前提に検討していくとともに、社会経済情勢等の変化を捉えまして、必要に応じて対応してまいりますので、今後とも御指導賜りますようお願いを申し上げます。   〔福祉部長谷嶋弘君登壇〕 ◎福祉部長(谷嶋弘君) 初めに、老人福祉センターに関する御質問にお答えいたします。 御質問にございましたように、昨今は若々しい高齢者がふえ、その意識も変わってきてございます。健康づくりや介護予防に関心の高い方が多く、そうした方々の活動を支援する施策の充実が必要になってくると認識しております。 老人福祉センターは、年間約四万五千人の利用があり、健康の保持増進とともに、文化活動やレクリエーション活動等、生きがいづくりの場として大変親しまれてまいりましたが、近年、利用者のニーズに応え、機能訓練を目的としたプログラムですとか脳力トレーニング等、認知症予防のプログラムも実施しているところでございます。 これから高齢化が進み、さらに健康づくりや介護予防の重要性が増すことから、介護予防の取り組みをより充実させていきたいと考えているところでございます。 まず第一弾として、来年度には現在の事業を検証するとともに、ウオーキング等新たに幾つかの運動系のプログラムを実施するなど内容を充実してまいります。 さらに、今後は筋力アップを目的としたマシンの導入なども視野に入れ、これまでの生きがいづくりの拠点から、より積極的に介護予防や健康づくりに取り組むための拠点へと転換を図り、その役割を果たせるよう事業内容を充実してまいります。 続いて、心のケア対策に関する御質問にお答えいたします。 荒川区の精神疾患による自立支援医療受給者は、年々増加傾向となっております。相談内容も心の病に関することだけではなく、児童や高齢者の虐待、経済的な不安など多岐にわたり、「病」の側面からのアプローチだけでは解決できないケースも多くなりました。相談内容の複雑化に伴い、相談をお受けする窓口も障害者福祉課や精神障がい者地域生活支援センター「アゼリア」だけではなく、子ども家庭支援センター、地域包括支援センター、生活福祉課、就労支援課など全庁にわたっております。そのような状況を受け、どなたでも気軽に心の不調について相談できる場所として、「精神障がい者相談支援事業所」を東日暮里一丁目に開設したほか、心の病に早期に気づくことができるよう、保健師の地区活動を強化するなど、これまで以上に充実した相談体制を整備し、各部署がより強固に連携しながら対応に当たってまいります。 また、区と大学病院が連携して進めている自殺未遂対策につきましては、事業開始からの約六年間に百九件の連絡があり、厚生労働省からも先駆的な取り組み事例として御評価いただいているところでございます。 今後も、関係者が対応を協議するために定期的に開催している「自殺未遂者支援連絡会」等での関係各所との連携を強化し、子育て支援や生活困窮者対策など総合的な「生きる支援」を展開し、誰もが安心して生活できる地域づくりにつなげてまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 中小零細企業における人材確保についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、後継者や従業員の確保、育成は大きな経営課題であります。まず、後継者の育成は、MACCプロジェクトにおいて、あすめし会や第二あすめし会により多く会員が経営者として第一線で活躍しており、引き続き積極的に取り組んでまいります。 次に、従業員の確保は、荒川工業高校の二年生を対象とする「企業見学バスツアー」を実施し、今年度も約百二十名の生徒が区内企業などを訪問しております。 こうした中、議員からお話がありました、いわゆるデュアルシステムは、学校と企業が連携して人材を育成する職業教育として注目しており、都における検討状況をにらみながら、区内企業の受け入れ環境についても整備してまいります。 一方、企業内で受け継がれてきた技術の伝承は容易ではなく、多くの経験を積むことはもとより、十分な研修体制や環境を整えていくことが重要であると認識しております。 区といたしましても、効果的に人材育成が図られるよう、国や都をはじめ、関係機関との連携を強め、セミナー・研修受講補助の充実もあわせて検討してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) マンション等の老朽化への対応に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまでも管理組合の自主的な運営を支援する分譲マンションセミナーの開催や管理組合の運営方法、適切な維持管理、地域とのコミュニティ形成のためのマンション管理士等の専門家派遣、耐震建て替えや耐震補強への助成など、マンションが抱えている諸問題に取り組んでまいりました。 そうした中、国におきましては、平成二十六年十二月に「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」が改正されました。さらに、東京都では、住宅政策審議会からの答申を受け、老朽化したマンションの管理状況を定期的に報告する制度を盛り込んだ良質なマンションストックの形成促進計画を策定しているところであります。 区といたしましては、こうした国や都の動向を注視しながら、建物の老朽化や入居者の高齢化が進行するマンションの適正な維持管理、さらには建て替えや改修などによるマンションの再生に向けた取り組みを支援してまいります。 次に、空き家対策に関する御質問にお答えいたします。 区では、昨年五月に施行されました「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、区内全域における空き家の実態調査を実施いたしました。 その結果、不燃化特区内に限らず、それ以外の区域にも多くの空き家が存在していることを確認いたしました。 こうした区の実情を踏まえ、空き家に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、空家等対策計画を策定するとともに、より柔軟な対策を講じるため、必要なルールを盛り込んだ区独自の条例の制定に向けた検討を進めております。 さらに、来年度には除却に関する新たな支援策といたしまして、不燃化特区以外の地域におきましても、危険性が著しく高い空き家の除却費用を全額助成する事業を開始したいと考えているところでございます。 区といたしましては、今後もさらなる空き家対策の推進に向けて鋭意取り組んでまいります。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 総合プランの充実策に関する御質問にお答えいたします。 総合プランは、放課後子ども教室と学童クラブを一体型で整備するもので、学童クラブに対する国や都の交付金の活用、業務委託契約の非課税措置など財政上のメリットを生かし、二つの事業のそれぞれのニーズに対応することを基本に、効果的かつ効率的に運営していくものでございます。 区は、総合プランの検証を行う中で、保護者の皆様から多くの御意見や御要望をいただいており、議員御指摘のとおり、子どもたちが参加したくなるような魅力のある事業を展開していかなければ、「小一の壁」の解消は難しいものと考えております。そのため、子どもたちの意見を取り入れる仕組みづくりや外部指導員の活用など、子どもたちの興味や関心を高める事業の充実に努めてまいります。 また、平成二十八年度には、指定管理者に対する実績評価を参考に事業者の履行状況を適切に評価する取り組みを開始いたしまして、さらなるレベルアップにつなげてまいりたいと考えております。 区といたしましては、子どもたちの放課後がより充実したものとなるよう、総合プランの一層の充実に努めてまいります。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) オリンピック・パラリンピック教育に関する御質問にお答えいたします。 子どもたちがオリンピック・パラリンピックの歴史や意義を学び、国際親善や世界平和に果たす役割を理解していくことは大変重要であると認識しております。 御質問にございました東京都の「世界のともだちプロジェクト」は、子どもたちが特定の国だけでなく、世界の多様な国々について学ぶことで、外国の言語や文化、歴史、風俗、習慣など世界の多様性を知り、さまざまな価値観に触れることができ、国際理解教育を推進する絶好の機会となるものと考えております。 教育委員会といたしましては、御質問の趣旨を踏まえ、区立小中学校全校において、世界の国々について調べ、子どもたちが外国を知ることで、日本人としての自覚と誇りを身につけ、豊かな国際感覚が育まれますよう取り組みを進めてまいります。 また、区立小中学校では、和太鼓や茶道など、日本の伝統・文化にかかわる教育活動をこれまでも熱心に行っております。児童・生徒が学んだ成果を外国の方々に披露し、日本のすばらしさを理解していただく機会を設けるなど、東京二〇二〇大会以後もかけがえのないレガシーを児童・生徒一人一人が体得できるよう、異文化理解・国際理解教育の推進に重点的に取り組んでまいります。 ○議長(斎藤泰紀君) 志村博司議員の一般質問は終わりました。 七番相馬堅一議員。   〔相馬堅一君登壇〕 ◆七番(相馬堅一君) 相馬堅一です。日本共産党区議団を代表して質問をいたします。 先立ちまして、北朝鮮による核兵器開発、ミサイル発射など緊張を激化させ、国連決議にも反する行為に厳しく抗議をするものであります。あわせて、いたずらに軍事的緊張を高めるのではなく、北朝鮮を話し合いのテーブルにつかせることに関係各国をはじめ、日本政府が最大の努力を図ることを求めておきたいと思います。 それでは、最初に、区長の立憲主義を守る認識について伺いたいと思います。 全ての幸せの基本は、平穏で安定した生活にあります。しかし、この瞬間も地球上には戦争やテロ、暴力による破壊、争いが起きています。二十世紀、二つの世界大戦を経験した人類が国際平和・秩序を国際連合と人類の理性の発揮に求めています。そして、各国の憲法が人間の尊厳を守り、基本的人権の尊重を基本として、国民にこそ主権があることとし、平和主義と深く結びついてきたことは、歴史の到達点であります。 日本の平和憲法は、アジア諸国と日本国民の多くの生命・財産を奪った植民地主義、軍国主義、平和を守る口実に戦争を実行してきたその過ちを再び繰り返さない誓いであります。また、政府を規制するものであります。 ところが、安倍内閣は、海外における集団的自衛権行使を前提にした法整備を強行し、政府の判断一つで地球規模の武力行使、先制攻撃を可能にいたしました。専守防衛をとしてきた自衛隊の存在も変えるものであります。まさに憲法第九条に違反しています。 さらに、安倍首相をはじめ閣僚からは、現憲法下では自衛隊の存在が憲法違反となるのであれば、憲法第九条二項、憲法そのものも変える必要があると逆立ちをした議論を繰り広げています。これはみずから安保関連法が憲法違反であることを内外に認めるものであります。 立憲主義を損なうあからさまな事態に対して、憲法改正を唱える方々からも、憲法上の手続を経ずに閣議決定一つで解釈改憲を進めることに厳しい批判が起きています。 私たちは、戦争法廃止、立憲主義守れの二千万人署名をはじめ、多くの国民の皆さんとともに共同した運動を広げることを表明をしておきたいと思います。 そこで、平和主義、民主主義、国民主権とともに地方自治に立脚すべき区長として、最低限立憲主義を守る立場を表明するべきと考えますが、答弁を求めます。 次に、新年度予算編成に当たって、区民生活の支援、底上げを提案したいと思います。 荒川区の二〇一六年度予算編成は、約九百七十億円と過去最大規模で、荒川二丁目複合施設「ゆいの森あらかわ」建設整備費四十三億三千万円や宮前公園用地費十一億八千万円のほか、保育園整備などの予算が大きくなっております。新規・目玉事業では、高齢者の賃貸住宅確保に家財片づけ特約つき火災保険への助成や保育士等の住宅確保支援、時間延長学童クラブの拡大、小規模事業者支援事業など、要望事項の実施については評価をしておきたいと思います。 しかし、一方で、コンパクトを求めていた複合施設は大型化、多額の予算となっております。また、小中学校タブレットパソコン一人一台体制の三十二億円、五年リース事業も三年目と折り返しに入ります。どのように終息させていくのか問われると思っております。 区の財政状況は、昨年度末基金積立二百四十九億円、起債残高二百三億円、区市町村民税である法人住民税・固定資産税の税収を二十三区で配分することで比較的安定しております。さらに、消費税八パーセントによる庶民増税は、二十三区の地方消費税交付金約二千億円をもたらし、荒川区には約二十五億円程度配分されます。 区民の負担増のもとで大型施設、公園、道路の予算投入が目立ちますが、暮らし底上げに予算をどう配分するのか問われていると感じます。 区民生活の指標を見てみますと、非正規雇用、高齢者増など住民税非課税の方が増加しております。厚生年金でも御夫婦なら暮らせても、一人では大変、国民年金だけでは到底暮らせない実態であります。 年金の連続削減が続いております。結果として生活保護世帯も増加し、そのぎりぎりの扶助費さえ削減が続いています。何をこれ以上削れというのか、そういう怒りの声があちこちから聞こえています。当然、区民の消費支出は減少し、地域の商店、事業所も大幅に減少してまいりました。 一方、マンションの増加でファミリー世帯が転入しており、平均住民税額は若干増加しております。しかし、賃金は連続的に減少し、家計を支えるために働く女性も一方ふえております。保育園等利用率も年々増加し、二十三区で荒川区がトップになっています。小中学校の就学援助率は、率は若干下がっていますが、実数は増加です。 アベノミクスは、トリプルダウンを唱えましたが、輸出大企業を中心とした利益の増大、例えばトヨタ一社で二兆円というような経常収益は、主に外国株主、投資家を潤し、従業員の賃金は適切な配分も受けられていません。また、中小企業も生産拠点の海外流出の中で淘汰が続いています。 結局、企業の内部留保は三百兆円に上ります。そこに法人税の減税を行っても、国民経済の柱である個人消費は冷え込んだままで、かえって内部留保をふやし続けることになります。 企業や富裕層への適切な課税強化政策こそ、税金納付より賃金引き上げを選択させ、消費購買力を引き上げて、国民経済と国民生活を温めることになると考えます。安倍政権の政策は逆行しています。その上、消費税一〇パーセント増税を強行するなど、到底許しがたいことと考えています。 区民に我慢を求め続ける、このような状況の中で、新年度予算編成では、少しでも区民生活の支援、底上げを図りたいと強く思います。 そこで、共産党区議団は主に十一条例、約十億円の予算修正を議員提案したいと考えております。子育て支援としては、給付制の奨学金、十八歳までの医療費助成の拡大、学校給食費の無料化、入学時の祝い金の支給、安心して住み続けられる高齢者支援としては、紙おむつ助成の所得制限の廃止、介護保険料の軽減、ひとり暮らしお風呂券の復活、ふろわり二〇〇の回数増などなどです。区内事業者支援も兼ねた住宅リフォーム助成についても提案をしたいと考えています。 無料化や経済的給付はばらまきとの批判もありますが、消費税増税による区民負担増の一方で、区税収入は単年度十二億増加しています。そもそも、消費税だけで社会保障財源など賄えるものではありませんが、消費税が社会保障財源というなら、区民生活に直接還元をしようではありませんか。 そこで、区民生活支援の十億円規模の議員提案について、審議を通じ積極的に区として予算編成に反映することを求めておきたいと思います。 また、パソコン教育の適切なあり方の検討を行い、それに必要な機種、配置台数なども見直していただきたいと思います。三十二億円という多額の費用を要している全校一人一台体制のタブレットパソコン事業の終息に向けた検討を開始することを求めます。 次に、実態に合わない政府の地方創生押しつけについてであります。 自民党政府は、地方の農林漁業の家族経営を壊し、TPPで決定的にしようとしています。一方、この間、都市部に業務、教育、人口を集中させ、さらに拠点開発や新幹線整備は、地方から若者や就労を流出させてまいりました。その中で安倍政権は、自治体消滅論などをもとに、「ひと・まち・しごと創生法」で地方の再生として都市部からの業務移転、高齢者の地方移住などを唱えております。そして、四十年後にわたる人口予測と地方創生総合戦略計画策定を、地方だけではなくて、都市部にも一律に求めております。これらは地方自治体がこの間積み上げてきた基本構想や基本計画のあり方にも反するもので、区政に携わってきた者として強い違和感を感じるものであります。 また、東京の地方税収を国税化する一方で、地方には戦略計画の遂行状況いかんで地方交付税が調整される仕組みをつくり、地方自治を損なっております。 そこで、本来、国土の自然、環境を守ってきた家庭的な農林漁業が後継者を持てるようなまともな支援が政府に求められているのではないでしょうか。また、パターン化した役に立たない人口予測などではなく、抜本的な少子・高齢化対策こそ政府の責任であると思います。二十三区ひいては都市部の区長として、大いに発信していただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。 そして、都市部と地方の共同発展、連携の基礎として、荒川区が住民とともに原発ゼロ、再生エネルギーのまちを目指し、エネルギーや環境でも地方に迷惑をかけない基本構想、基本計画をつくることを内外に表明していただきたいと考えます。見解を伺います。 次に、当面する教育・保育の課題についてであります。 区は、今回行った人口想定の中で、高齢化の中でも一定の子どもの出生率を想定し、二〇六〇年に人口二十二万九千人と若干の増を予測しています。当たらないことが前提かもしれませんが、それにしても、これまで拠点開発やマンション、住宅開発など、ほとんど規制もないまま人口がふえ、施設整備が後追いの状態だっただけに、今後の子どもの教育・保育や高齢者の介護施設などの整備について、計画性とまちづくりのあり方が問われております。 ことしも保育園の募集とともに、「保育園に入れなければ仕事をやめざるを得ない」といった切迫した声があちこちから聞こえています。ファミリー世帯の転入は少し落ちついてきたのかと思えば、新年度も保育園の状況は深刻です。入れない不承諾児の予測は約三百七十人に上り、認証保育園、保育ママでカバーし切れない待機児の予測は百名を超える勢いとなっております。 また、保育園だけでなく、幼稚園も身近な地域で通える園が不足しており、半数は区外園に通園しております。さらに、この間の乳幼児の増加は、今後、児童・生徒の増加となり、学校の教室不足、学童保育クラブなど放課後対策も不足するのは目に見えております。 その中で、保育園・幼稚園に入れないのはもちろん最悪ですが、同時に園庭もない、長時間バス通園当たり前、プレハブ校舎で校庭もない学校生活が数代にわたって続くようなことで本当にいいのでしょうか。土地確保が難しい状況はわかりますが、しかし、引き続き子どもの増加を予測しながら手をこまねいていては問題であります。 そこで、教室不足への対策だけでなく、校庭、運動場などの確保を求めたいと思います。特に汐入東小、第三瑞光小学校の学童クラブ、校庭の整備など、対策を明らかにしていただきたいと思います。 また、区内の幼稚園の整備計画も明らかにし、推進を求めます。 保育園については、荒川区が入園しやすいとファミリー世帯が希望を持って転入してきていただいたのだとすれば、入園できずに仕事を続けられない、住宅ローンがどうなるのか、こんな深刻な事態にしてはなりません。 特別対策として、待機児保育園の実施など、思い切った対策を求めたいと思います。 今、各自治体、保育園ごとに保育士の確保が課題になっています。区も住宅確保の支援策を新年度行うようですが、保育事業者の皆さんに保育士確保と保育の質向上のために、これまでの積立金を活用し、処遇改善や研修費、給食食材費あるいは遊具費などに活用することを指導していただきたいと思います。あわせて、区立拠点保育園がその点でも役割を果たせるように、事業の強化を求めます。 あわせて、ゼロ歳児の保育時間の必要な時間延長を実施するよう求めます。 政府は、公園、道路整備、再開発などには用地費を含め手厚い国庫負担を行っていますが、保育園、介護施設などの用地費については自治体任せ、保育園の建設費、運営費は私立ありきで、公立園の国庫負担は全くなしの状況です。政府に対し、保育園用地費、建設費、運営費の国庫負担を公私の別なく責務を果たすように求めていただきたいと思います。事実上、公設園を無償貸与する今後、公私連携型方式については慎重に検討するよう求めておきたいと思います。 次に、安心して住み続けられる住宅まちづくりを目指す問題であります。 この間、議会ごとに取り上げてまいりましたが、特養ホーム待機者が七百人、介護が必要になって在宅生活が難しくなると、遠方のサービスつき高齢者住宅などに転居するケースが今、ふえています。特養ホームも介護を受けながら在宅で暮らす住宅の整備も両方不足しています。また、何度申し込んでも都営住宅に当たらない、倍率も二十倍、三十倍、応募者の所得制限も厳しくなり、申し込みもできない方もふえています。 日本の住宅政策は持ち家優先で、公共賃貸住宅はURや都民、区民住宅など、比較的広くて高家賃の住宅が提供されてまいりました。そして、空き家がふえています。 核家族化が強まり、生涯未婚率も高まって、おひとり様単身世帯が今、増加しています。子どもたちは結婚して職場に近いマンション住まいに移り、育った家には老夫婦だけになり、そして、夫が先立ち、奥さんかもしれませんが、奥さんは介護施設入所で、子ども夫婦は仕事があって実家には住めません。いろんなケースがありますが、今の日本の介護制度の現状と持ち家政策のもとで、まちには空き家がふえる一方であります。 介護施設不足、公的賃貸住宅の不足、一方で、せっかくの木造住宅や区民住宅、UR住宅は空き家がふえる。このミスマッチを解決することが必要だと思います。改めて、国、地方自治体挙げて、公共賃貸住宅の建設を課題とすべきです。また、空き家木造住宅などで介護つき住宅などの整備も検討してはどうかと思います。 そこで、安心して住み続けられる荒川区に近づけるように、低廉な家賃の公共賃貸住宅の建築を国、都に求めるとともに、区としても検討を求めておきたいと思います。また、区が地域に増加してきた空き家を借り上げて保全をすること、そして、低廉な介護つき住宅や高齢者住みかえ家賃助成事業の受け皿住宅などとして活用する方式をプロジェクトチームを立ち上げて検討していただきたいと思います。 放置すれば住めなくなって、最後は解体・除去することになる空き家住宅を高齢者の切実な住宅問題に活用しようではありませんか。いかがでしょうか。 また、当面、区の高齢者住みかえ家賃助成制度は、お風呂、トイレなどのないアパートから耐震性のある住宅に転居する七十歳以上で非課税の方を対象に家賃補助を行っています。このせっかくの制度を使いやすく改善して、転宅によってバリアフリーが進む少しでも役に立てば対象にすることや、所得制限も緩和をしてはどうでしょうか。ぜひ積極的な答弁を求めたいと思います。 ひとり暮らしの高齢者の方で新聞が四日もたまっていると連絡を受けて行ってみると、確かに中からテレビの音は聞こえるんですが、呼んでも出てこない。これはというので警察に通報したら、確かに不幸な事態でした。 一昨年、昨年とこんな室内での不慮の死に私自身複数遭遇をしています。これらの方の中には、随分以前にアパートの保証人になっていて、片づけを不動産屋さんに要請されてしまうケースもありました。片づけに行ったら、ひとり暮らしでも七十ミリリットルのごみ袋で三十袋出る。冷蔵庫の中の片づけが大変でした。家電リサイクルもばかになりません。 そういう中で、区の生活保護、高齢者世帯、約三千百人のうち、八五パーセント余り、三千人がひとり暮らしであります。そのうち一年間にお亡くなりになる方が二百人前後いらっしゃいます。生活保護受給の方だけでなく、六十五歳以上で区内で看取られずで在宅でお亡くなりになり、観察医務院に回った方は二〇〇三年、八十七人から二〇一〇年には百六十六人と倍加しています。特に男性のひとり暮らしなど外出機会をふやしたり、生きがいをつくる支援などが切実さを増しています。 ところで、部屋で発見されて、保証人や身寄りに連絡しても、長期につき合いが途絶えており、片づけどころか、福祉事務所任せでお骨も受け取りに来れないケースが少なくありません。こんな場合に、以前は福祉事務所が葬祭、納骨と片づけも行っていましたが、最近、行き来がなくても戸籍上の身寄りがいれば、区は家財の片づけはやらない方針に転換したようであります。最後は大家さんが困り果てています。 特養ホームなどに入所の際は、区が家財の片づけをしますが、死亡すると生活保護は廃止になり、対応できないと説明するというのであります。 しかし、福祉事務所は遺留金品の調査を死亡後に室内に立ち入り、検査を行っております。そして遺留金品を確保しています。ところが、片づけはできないというわけです。これでは生活保護受給者の方やあるいは高齢者ひとり暮らしの方がアパートを借りることが困難になるのではないでしょうか。 生活保護ひとり暮らしの方の不慮の際の家財処分について、二年ほど前までは実情に応じて区の法外事業として対応していたはずであります。適切な対応を改めて福祉事務所に求めたいと思います。 同時に、現実的な対応策として、死亡時の家具処分、クリーニングなどを対象にした火災保険の特約が今、開発されていて、実績もあります。これを活用することです。生活保護や高齢者の転宅、アパート更新のときに、不動産屋さん、大家さんにこれを周知徹底していただきたいと思います。 火災保険以外に特約費用は千五百円程度と言われております。 また、区としても新年度に高齢者の賃貸契約に当たって、同趣旨の新規事業を始めるようです。支援内容を狭くしないで、実効性あるものとし、早期に実行していただくようお願いしたいと思います。大家さんの不安も軽減し、高齢者のアパート確保とともに、万一の際の家財処分の福祉事務所の費用負担も軽減できるかと考えます。積極的な答弁を求めます。 最後に、JR常磐線南千住駅の北口改札について伺います。 かねてから常磐線南千住駅の改札口を汐入方面から入れるように新規設置を求める声が強くあります。現在の改札口から入場し、行き先にもよりますけれども、大幅に北千住寄りに移動しなければならない方が少なくありません。最近も歩行が不自由な御婦人から、本当に何とかならないのかと御要望いただきました。当事者のJRは、改札口を出ると客ではないといった交通事業者として許せない発言をしたり、地元要望の施設改善などは自治体負担ありの姿勢で歯がゆい思いもあります。しかし、新住民の方も増加し、ホームセンターなど商業施設も開設しようとしています。区として、改めて自動改札設置を前提にJRとの協議を行うよう求めたいと思います。恐らく工事費だけでなく、ランニングコストについても自治体負担を求めてくるかもしれませんが、現在時点でどういう程度の経費負担をJRは想定するのか、JRの今日の姿勢なども調査の上、報告をするよう求めたいと思います。 現実の課題にこの北口開設をしていきたいと思います。利便性を向上させることは今後の南千住の魅力を引き上げることにもなります。ぜひ積極的な答弁を求めて、一回目を終わります。(拍手)   〔区長西川太一郎君登壇〕
    ◎区長(西川太一郎君) 相馬議員の当面する教育・保育の課題についての御質問のうち、待機児の緊急園についてのお尋ねにお答えをいたします。 私は、全ての子どもが笑顔で健やかに育つことができるまちの実現を目指し、区長就任以来、子育て支援策の充実に積極的に取り組んでまいりました。 とりわけ、待機児童の解消策につきましては、小学校の余裕教室や区有施設の有効活用、区が借り上げた民有地の転貸、民間ビルやマンション等の空きスペースの活用など、あらゆる手段を駆使しながら、認可保育園の整備を中心に、認証保育所の誘致や家庭福祉員の増員等も含めて、保育定員の拡大に努めてまいりました。この結果、平成十六年四月と比較して、二千人を超える定員の拡大を図り、平成二十六年四月には、待機児童実質ゼロを達成するなど、二十三区の中でも待機児童の少ない区となっておることは、相馬議員も十分御承知のところだと思います。 本年四月には、私立至誠会第二保育園の移転・改築支援のほか、認証保育所の三園の認可保育園への移行支援を行うなど、前年比約二百人の定員拡大を図る予定であります。 平成二十九年四月に向けては、荒川区の提案で実現をいたしました国家戦略特区制度の規制緩和を活用し、全国で初めてとなる都市公園内保育園を都立汐入公園に整備するとともに、新たに区が取得する東日暮里三丁目用地に私立認可保育園を誘致することとしております。また、区内二園目となります公園内保育園を、平成二十八年度に工事着手する宮前公園内に建設いたします。 このように、地域ごとの保育需要に的確に対応し、最短のスケジュールで保育園が開設できるよう、文字どおり緊急対策として施設整備を推進しているところでございます。 女性の社会進出等による共働き世帯の増加に加えて、日経DUALと日本経済新聞社による「共働き子育てしやすい街ランキング」調査において、荒川区が全国主要都市の中で第一位となるなど、区の充実した子育て支援に対する高い評価などから、他地域からの転入する方々も増加しており、その結果、本年四月の認可保育園への入所申込数は、過去最多となった昨年同時期に比べ、百五十四人増加いたしております。 こうした状況を踏まえ、さらなる認可保育園の早期開設に向けて、事業者との調整を進めますとともに、既存保育園への保育士の増員を行い、定員の拡大を図るなど、でき得る対策は既に行っているところでございます。 私は、全ての子どもたちが安全で快適な環境のもとで健やかに成長できるよう、今後も待機児ゼロ実現に向けた保育定員の拡大に努めますとともに、保育の質のさらなる向上にも全力で取り組んでまいる所存でございます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁申し上げます。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 立憲主義に関する御質問にお答えいたします。 日本国憲法第九十九条は、国務大臣はもとより、国会議員、裁判官、その他の公務員に至るまで、憲法の尊重擁護義務を負うことを定めております。 私どもといたしましては、区民の幸福実感を高めるための区政運営に当たり、国の最高法規たる憲法を遵守し、擁護することは当然の責務であると認識いたしております。 なお、憲法改正に関するさまざまな議論につきましては、国政の場において行われることと存じますので、関心を持ち、今後の動向を注意深く見守ってまいります。 次に、予算編成に関する御質問に御質問にお答えいたします。 平成二十八年度予算案につきましては、介護予防の強化や子育て環境の整備、防災・減災対策の推進など、区民の安全・安心はもとより、地域力の強化や連携、文化や経済の活性化など、区政の重要課題に積極的に取り組み、区民ニーズに対応する新規・充実事業などに重点的かつ効果的に財源を配分することにより、区民の皆様の幸福実感を一層高めていただきたいという思いを込めた予算案でございます。 御質問にある議員提案につきましては、今後、議会において御審議されるものでございます。 区といたしましては、御提案申し上げております予算案を自信を持って提出させていただいているものでございますので、議会においては、慎重なる御審議の上、私どもの原案どおりの御議決を賜りますようお願い申し上げたいと存じます。 続いて、地方版総合戦略に関する御質問にお答えいたします。 平成二十六年に公布されました「まち・ひと・しごと創生法」では、少子・高齢化の進展に対応し、人口減少に歯どめをかけることを主な目的として、各自治体にその実情に応じた計画の策定が求められており、区といたしましても、「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」の策定を進めているところでございます。 計画の策定に当たり、農林漁業支援まで含めたさまざまな御提案をいただいたところではございますが、地方創生を実現するためには、全国の自治体が密接に連携・協力し、互いのよい部分を生かしながらともに発展していくことが重要と考えております。 このような考えのもと、区では、国が各自治体に計画の策定を求めるよりも以前から、「住民の幸福実感向上を目指す基礎自治体連合」、通称「幸せリーグ」を創設して、基礎自治体間の連携・強力を強めるとともに、平成二十七年度からは、荒川区が先頭に立って、「特別区全国連携プロジェクト」を積極的に推進しており、「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」の中にも基本目標の一つとして、「全国の自治体とプラスサムの関係を構築すること」を掲げております。 いずれにいたしましても、区の計画の策定に当たりましては、これまでも、そしてこれからも、議会や区民の皆様の御意見を十分賜りながら検討を進めてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。   〔教育委員会事務局教育部長阿部忠資君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(阿部忠資君) まず初めに、タブレットパソコンに関する御質問にお答えいたします。 教育委員会では、わかりやすい授業の展開や個に応じた効果的な指導による子どもたちの基礎的・基本的な学力の確実な定着、これからのグローバル社会をたくましく生き抜く能力を身につけさせることを目的に、ICT機器の充実と効果的な活用に取り組んでまいりました。 とりわけタブレットパソコンにつきましては、平成二十五年九月にモデル校四校において導入し、十分な検証を行った上で、平成二十六年九月に全小中学校に導入いたしました。 全校導入に当たりましては、一人一台の活用ができるよう発達段階に応じて台数を配置することで、子どもたちが使いたいと思ったときにタブレットパソコンを使うことができ、「調べたい」という学習意欲が「わかった」という満足感となり、次の学習意欲につながるといった効果が上がったところでございます。 また、柔道の受け身を録画して模範演技と比較しながら練習をしたり、漢字の書き順アプリで繰り返し練習したりするなど、自分のペースで学習し、主体的に取り組むことで、学習したことが確実に定着し、努力すれば自分もできるという自己肯定感につながったところでございます。 さらに、特別支援学級では、写真を活用した観察記録を時系列でまとめたり、細かい刺繍の作業を画面に拡大してすぐに理解しながら作品をつくったりするなど、「できること」がふえ、子どもたちの自信にもつながったところでございます。 教育委員会といたしましては、今後とも教員の研修による指導力の向上や学校・家庭・地域と連携した情報モラルの充実を図るとともに、タブレットパソコンを効果的に活用し、基礎的・基本的な知識の習得と知識の応用による学力の定着を推進し、ICT教育の充実に努めてまいります。 次に、汐入東小学校及び第三瑞光小学校の校庭・運動場の整備に関する御質問にお答えいたします。 汐入東小学校の校庭・運動場につきましては、都立汐入公園内多目的広場を同校の専用運動場として授業で使用するとともに、中休み及び昼休みは教員・安全推進員を配置し、汐入公園を活動場所として使用しております。さらに、校舎内の体育館に加え、開閉式ドームの屋上プールをシーズン以外に運動場として使用することで、児童が運動する場所を確保しているところでございます。 また、第三瑞光小学校につきましては、児童の増加により教室不足が見込まれることから、平成二十九年四月に増設校舎の開設を予定してございます。児童の増加に伴い、運動場不足が想定されるため、増設校舎の屋上には人工芝の運動場を整備することとしております。また、増設校舎四階は教室間の壁を可動式間仕切りとし、必要に応じてオープンスペースとして使用することができるようにすることで、児童の活動場所とすることも想定してございます。 こうした取り組みにより、汐入東小学校及び第三瑞光小学校につきましては、児童の活動場所を確保しているところでございます。 教育委員会といたしましては、他の小中学校におきましても、既存の設備等を創意工夫することで、児童・生徒が十分に活動できる環境の整備に努めてまいります。 最後に、区立幼稚園の整備についてお答えいたします。 幼稚園につきましては、区立と私立とが相まって、その需要に対応していくという区の基本的な考え方のもと、区立幼稚園による対応のみではなく、私立幼稚園による対応も想定しているものでございます。 区立幼稚園につきましては、現段階では新たに整備する計画はございませんが、既存の施設による定員枠の弾力的運用の中で対応に努めてまいります。 教育委員会といたしましては、引き続き幼児教育の充実を図ってまいりたいと考えてございます。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 当面する教育・保育の課題に関する御質問のうち、汐入東小・第三瑞光小学校の学童クラブの整備についてお答えいたします。 区では、放課後の安全・安心な居場所を設け、遊びやスポーツなどの活動を行う放課後子ども教室をこれまで小学校十七校で開設し、平成二十八年度には新たに七校を加え、全校に開設することとなります。 また、「小一の壁」の解消と次代を担う人材の育成を図るため、放課後子ども教室と学童クラブを一体型で整備する「放課後子ども総合プラン」を今後全ての小学校に開設していくこととしており、平成二十八年度には実施校を拡大いたします。 御質問の汐入東小学校に加え、平成二十八年度からは第三瑞光小学校におきましても放課後子ども教室を開設いたしますが、いずれの小学校におきましても、総合プランを実施するために必要な学童クラブ室を確保できるまでには、活用可能な教室の不足や敷地の状況等、物理的な制約もあることから、時間を要するものと考えております。 区といたしましては、全ての小学校で放課後子ども総合プランを早期に実施できるよう、引き続き学校、教育委員会等と緊密な連携を図りながら取り組んでまいります。 次に、区内の幼稚園の整備に関する御質問にお答えいたします。 現在、幼稚園等に通園する約二千三百人の幼児のうち、区立園等と区内の私立園等にはそれぞれ約七百人が通園しており、区外の私立園に通園している園児数は約九百人と全体の約四割となっております。 また、区内の幼稚園等は平成二十三年度末と平成二十五年度末に二つの私立幼稚園が閉園となったことから、現在の私立幼稚園等は五園となり、区立幼稚園等の九園に比べても少ない状況でございます。 そのようなことから、区では、区立町屋保育園の跡地に定員百七十五人規模の私立幼稚園を誘致することとし、平成二十六年度に運営事業者の公募と選定を行い、平成二十七年度には新たな私立幼稚園の設立を認可するため、東京都私立学校審議会への諮問など必要な行政手続を実施したところでございます。 現在、平成二十九年四月の開設に向け、運営事業者である学校法人による建設工事等の準備が進められており、身近なところで幼児教育を受けられるような環境整備に取り組んでおります。 区といたしましては、区民のニーズを踏まえ、引き続き幼児教育の充実を図ってまいります。 次に、保育の質向上に関する御質問にお答えいたします。 平成二十七年四月に施行された子ども・子育て支援新制度におきましては、認可保育園における保育の実施について、改正後の児童福祉法におきましても、引き続き区の実施義務が規定されたところでございます。これに基づき、区から交付される保育園の運営費は、引き続き区からの委託費用として支弁されることとされ、国の通知によりその使途範囲が定められているほか、一定の要件を満たす場合には、将来の人件費や修繕等に充てるため、積み立てすることが認められているものでございます。 区内各園におきましても、国の通知に基づく適正な運営が行われており、新たな園舎やホールの建設等に積立金を活用する事例などもございます。 また、毎年、各私立保育園や指定管理者から区に提出される決算書の実績報告に基づき、運営費等の活用状況をはじめ、職員の勤続年数等についても厳しくチェックを行うとともに、必要に応じて絵本やおもちゃなど児童のための処遇費の拡充について要望を行うなど指導を行っているところでございます。 区といたしましては、今後も、事業者への適切な補助、指導・監督等を通じて、引き続き適正な園運営に努めてまいる所存でございます。 次に、区立拠点保育園についてでございますが、区では民間活力を活用した効率的かつ効果的な保育園運営を行うため、平成二十一年度に区の保育事業充実に向けた基本的な考え方として決定した方針に基づき、区立保育園の民営化とあわせ、さらなる保育の質の向上を図るため、公設公営の保育園を「保育事業研究園」として指定することを予定しております。 保育事業研究園を中心に、区内の保育施設等がエリアごとに連携・協力するネットワーク体制を構築し、日常の相互交流や園庭の有効活用、合同事業の実施、地域行事への参加など、よりきめ細やかな保育サービスの提供を行うものでございます。 これまで、平成二十三年度に区立南千住保育園を公設民営化し、平成二十七年度には区立町屋保育園を民設民営化しております。今後も国家戦略特区制度の規制緩和を活用して、区立西尾久保育園の移転や日暮里地域における公共施設の更新に伴う区立東日暮里保育園の移転など、移転・建て替えに当たって民営化を予定している園があることから、現在、「保育事業研究園」の進め方について、園長・副園長によるプロジェクトチームを立ち上げ、検討を行っているところでございます。 区といたしましては、「保育事業研究園」が地域の保育施設等の中心となり、よりよい保育サービスの提供など、さらなる保育の質の向上が図られるよう引き続き検討を進めてまいります。 次に、ゼロ歳児の保育時間に関する御質問にお答えいたします。 区では、現在、区内の全ての認可保育園におけるゼロ歳の乳児の保育時間を八時三十分から十七時までとし、満一歳を迎えた日以降、十一時間保育及び延長保育の長時間保育を利用できることとしております。 しかしながら、近年、出産後に早期の職場復帰を希望される保護者から、保育時間の延長に関する要望がふえるなど、保育ニーズの多様化が進んでいることなど踏まえ、保育時間の見直しについて検討を重ねてきているところでございます。 具体的には、本年四月に認証保育所から認可保育園へ移行予定の園におけるゼロ歳の乳児の保育時間の延長について、既に事業者と調整を進めているところでございます。 区といたしましては、区民のニーズや運営事業者の意見を踏まえながら、引き続き検討を進めてまいります。 次に、保育園用地に関する御質問にお答えいたします。 国は、平成二十五年度に策定した「待機児童解消加速化プラン」に基づき、平成二十九年度末までに四十万人分の保育の受け皿を確保し、保育所待機児童の解消を図ることとしており、保育園整備に対する支援を充実するとともに、国有地の活用などを推進しております。 今後、女性の就業率がさらに上昇することを念頭に、このたび保育所の整備目標を四十万人分から五十万人分に上積みし、さらなる取り組みを行っていくこととしております。 また、平成二十七年度から施行された子ども・子育て支援新制度において、保育園運営費の充実や保育士の処遇改善が図られ、公定価格に反映されたところでございます。 しかしながら、保育園用地の取得費や公設保育園の建設費、また、運営費につきましては、国庫補助の対象外となっており、区としても土地の買収または整地に関する費用を対象に加えるよう、国に対し強く求めているところです。 また、公私連携型保育所等につきましては、新制度の施行に伴う児童福祉法の改正により設けられた新たな運営形態でございます。公私連携型保育所は、社会福祉法人や学校法人、株式会社というような多様な事業者が区市町村から必要な設備の貸し付け等の協力を得ながら保育等を行うもので、現在区立八園で実施している指定管理者制度と同様に、事業者との協定に基づき、区による一定の拘束力を維持できるものと考えております。 また、公私連携型保育所は、私立保育園として位置づけられることから、区で全額を負担している保育園運営費について、国や都からの補助が期待できるというメリットがございます。 一方で、この制度が開始されて間もなく、国からの情報も少ないことから、区といたしましては、制度の詳細について情報収集に努めるとともに、今後、事業者の意向も把握しながら、新たな運営形態について検討してまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 低廉な家賃の公共賃貸住宅の建設に関する御質問にお答えいたします。 東京都が低廉な家賃で供給する都営住宅は、住宅に困っている低所得者の方への住宅供給を行う施策の中心的役割を担っているところでございます。 今後におきましても、都営住宅は住宅セーフティネットの中核となり、真に住宅に困窮する方に東京都により適切に供給されることとなっております。 こうしたことを踏まえ、区といたしましては、都営住宅をより必要性の高い方が優先的に入居できるよう要請していくとともに、東京都住宅マスタープランに掲げる公共施設の建て替えや再編に伴う高齢者施設の整備などまちづくりへの活用、高齢者や子育て世帯の居住支援などの施策について推進していくようあわせて要請してまいります。 また、狭い住戸に多人数で入居している世帯がある一方で、少人数で広い住戸に入居している世帯もあり、こうした居住状況のミスマッチを解消するため、住み替えを促進する仕組みについても要請していくとともに、国に対しましては、公営住宅制度の充実について要請してまいります。 このほか、荒川区住宅対策審議会におきまして、区が所有する区民住宅について、中堅所得者向け住宅の用途に限らず、まちづくり事業の推進に寄与する代替住宅とするなど、時代の趨勢を見きわめ、有効と思える施策に活用していくべきであるとの答申をいただきました。区では、この答申に基づき、区が所有する区民住宅の一部を用途変更し、不燃化特区を含む密集住宅市街地整備促進事業に御協力をいただいた低所得者の方を対象とする従前居住者用住宅として使用しているところでございます。 今後につきましても、まちづくり事業の推進をはじめ、有効と思われる施策に活用してまいりたいと考えております。 次に、JR南千住駅北口開設に関する御質問にお答えいたします。 南千住駅周辺につきましては、駅東西の市街地整備により、ファミリー層を中心に人口が増加し、区内最大規模のショッピングモールが立地する活力あふれるまちとなっております。加えて、現在、セメントサイロ跡地の開発として、延べ約二万二千平方メートル規模のホームセンターの建設が進められており、さらなるまちの活性化が期待されております。 また、南千住はJR常磐線の上野東京ラインの開通など都心へのアクセスが非常に便利であり、多くの区民が利用する重要な駅であります。 御質問の北口開設につきましては、これまでも議会や地域の皆様、各種団体等からのさまざまな要望を受け、JR東日本と幾度となく協議を行ってまいりました。 新たな改札口の設置に関するJR東日本の基本的な考え方といたしましては、南千住駅の一日当たりの乗車人数が他の駅に比べて少ないことから、JRとして新たに改札口を設置する予定はなく、こうした状況での新たな改札口の開設には、設置や施設の維持管理に係る費用等を要請者である区が負担しなければならないことを前提条件として示しております。 駅舎の大規模な改修工事や駅務室の整備、自動券売機、自動改札機の設置に伴う工事等の初期費用や駅員等の増員に伴う人件費や清掃費、そして設備の維持管理費など、さまざまな費用が必要となってまいります。区では、これらの多額のイニシャルコストはもとより、ランニングコストを未来永劫負担し続けることは困難であると考えているところでございます。 しかしながら、北口開設の必要性は認識をしておりますので、今後も引き続き区の負担のない形での開設を求めて、JR東日本への働きかけを行ってまいります。   〔福祉部長谷嶋弘君登壇〕 ◎福祉部長(谷嶋弘君) 初めに、空き家の活用についての御質問にお答えいたします。 区内では、安全面や衛生面などで危険な老朽空き家の除却に向けて計画的に取り組んでいます。 危険な老朽空き家でない場合にも、介護が必要な高齢者向けの住宅等に転用していくためには、耐震性能等の現行法規への適合化、介護に適したバリアフリー化、高齢者の安全性の確保等への改修といったさまざまな課題がございます。 なお、改修が必要のない、または小規模な改修で済む物件につきましては、不動産市場の中で既に利用されているものと考えております。 区といたしましては、ひとり暮らしの高齢者が多い現状や後期高齢者が増加していくことを踏まえ、これまで法人立特別養護老人ホームを二カ所、都市型経費老人ホームを五カ所、小規模多機能居宅介護を四カ所、認知症高齢者グループホームにつきましては十二カ所整備するなど、積極的に高齢者の住まいとなる入所施設の拡充を図ってまいりました。 今後も小規模特養や認知症高齢者グループホーム、小規模多機能居宅介護等の地域密着サービス施設の整備・充実に取り組んでまいります。 次に、高齢者の家賃助成事業に関する御質問にお答えいたします。 区では、昭和五十六年に改正された新しい耐震基準に適合していない区内の賃貸住宅から、良質で防災上にもすぐれた区内の民間住宅に転居する高齢者や取り壊し等により立ち退きを求められている高齢者の世帯に対し、転居後の負担増軽減を図る目的で家賃等の一部を助成する「高齢者住み替え家賃助成事業」を行っております。その際には、転居先は新耐震基準に適合していること、自立した日常生活と家賃の継続的な支払いができること、所得が基準以下であること、住民税、国民健康保険料などを完了していることなど、必要最小限の要件を設定しているものでございます。立ち退き等緊急性を要する場合につきましては、十分に相談しながら対応しているところでございます。 区といたしましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことのできるよう、引き続き必要な支援を行ってまいります。 続いて、生活保護単身受給者の死亡時家財処分についての御質問にお答えいたします。 生活保護を単身で受給されている方がお亡くなりになられた場合、まずは扶養調査により把握している親族へ御連絡し、葬祭や遺骨の引き取り等について確認をとっております。その際、部屋に残された家財につきましては、区として個人の財産を処分することはできないため、賃貸住宅であれば保証人、持ち家や賃貸住宅で保証人がいない場合には親族にその処分をお任せしているところでございます。 また、生活保護費でお支払いする賃貸住宅の敷金や契約更新料等につきましては、火災保険料や保証料も含まれており、家財処分特約につきましても、基本的に住宅扶助費で対応しているところでございます。 家財処分特約につきましては、平成二十七年七月の住宅扶助見直しの際に、公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会から不動産業者等を通じて家主向けに周知しているところでございますが、区といたしましても、この特約制度を活用していただきますよう周知徹底に努めてまいります。 続いて、高齢者の賃貸住宅への入居支援に関する御質問にお答えします。 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていくために、まず第一に住まいの確保が重要であります。区では、これまで住み替え家賃助成や保証人が見つからない方に保証会社を紹介し、その保証料の一部を助成する民間賃貸住宅入居支援を行ってまいりました。 このたび、これらに加え、高齢者と新たに賃貸契約を結ぶ貸し主に対して奨励金を支払い、貸し主の不安を軽減するための保険加入を推奨する事業について新年度予算に計上しております。 既に区内の宅建事業者等への聞き取りを行うなど準備を進めており、実情を踏まえた実効性の高い制度となるよう実施してまいります。 ○議長(斎藤泰紀君) 残時間一分三十秒です。 ◆七番(相馬堅一君) 自席で再質問を行います。一時間のうち、私は二十五分にまとめて質問をしたんですが、答弁は三十五分いただいて、ありがたいといえばありがたいんですが、バランスがちょっとよくありません。 言っておきたいと思いますが、今後、予算に関する特別委員会で十分質疑をしていきたいと思いますが、保育園の待機児は百人を超えるんじゃありませんか。何かしなければいけないんじゃないですか。できることは既に行っていると区長答弁されたけど、やるべきことはまだ残されています。その一点だけ答えていただきたい。 それと、JR南千住駅の北口開設ですが、必要性は認めているけれども、区の負担のない形でJRにやれという、これは事実上やらないと言っているのに近いじゃないですか。ぜひ、日々のロスを考えたら、区の行政課題にすべきだと思います。時間があればぜひ答弁していただきたい。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 重ねての答弁で恐縮でございますけども、区といたしましては、さらなる認可保育園の早期開設に向け、事業者の調整を進めるとともに、既存保育園への保育士の増員を行い、定員の拡大を図るなど、現時点におけるでき得る対策は既に行っているところでございますので、御理解いただければと思っております。 ○議長(斎藤泰紀君) 相馬堅一議員の一般質問は終わりました。 この際、議事の都合により休憩いたします。   午後零時三十五分休憩   午後一時四十分開議 ○副議長(保坂正仁君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 二十八番菊地秀信議員。   〔菊地秀信君登壇〕 ◆二十八番(菊地秀信君) 私は、公明党荒川区議会議員団を代表いたしまして質問をさせていただきます。西川区長をはじめ、関係理事者の皆様には、どうか前向きな御答弁を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 公明党は、「大衆とともに」の立党精神のもと、一人一人が輝き、活躍できる社会の実現に向けて、現場第一主義に徹し、生活者に寄り添う政治を貫いております。 私もことしは区民の幸福拡大のために全力で働いていく決意を新たにし、荒川区政の諸課題について四項目にわたる質問をさせていただきます。 質問の第一は、平成二十八年度予算編成についてであります。 西川区長におかれましては、三期目を締めくくる年を迎えられ、このたびの平成二十八年度予算は、まさに締めくくりにかける区長の熱い思いが込められた予算だと考えます。 公明党荒川区議会議員団は、昨年十一月、「平成二十八年度予算に関する要望書」を提出いたしました。主なものを挙げますと、切れ目のない子育て支援策の充実、災害に備えた防災対策の拡充、魅力ある複合施設「ゆいの森あらかわ」の整備、公会計制度改革の推進、介護予防のための環境整備、障がい者に対する就労支援の充実、受動喫煙防止対策の強化、安心・安全なまちづくり、特殊詐欺根絶対策のさらなる強化、空き地・空き家対策の推進などであります。 要望内容は区政の全分野に及ぶため、詳細はこの後の予算に関する特別委員会において確認してまいりますが、ここでは、荒川区の将来を担う世代へ向けて新年度予算がどのように配分されているのかという点に絞って伺います。 昨年行われました日経DUALと日本経済新聞社による自治体の子育て支援に関する調査では、調査対象である東京、埼玉、千葉、神奈川の主要地区と政令指定都市計百自治体のうち、荒川区が最も子育てしやすいまちであるということがわかりました。 公明党荒川区議会議員団は、これまでも子育て環境の改善に全力を尽くし、区民の声を区政へと反映させ、子育て支援政策の実績を残してまいりました。中学三年までの医療費無料化や放課後子どもプランの全校実施、小児用肺炎球菌ワクチンの接種費用助成、認証保育所保育料の負担軽減の拡充等々、枚挙にいとまがありません。 この調査の結果は、子育て支援政策に力を入れてこられた区の姿勢が実を結んだあらわれであり、荒川区の将来を担う子どもたちや子育て世代にとって大変うれしいニュースとなっています。また、若い世代の方々の荒川区への転入、生産年齢人口の増加、税収の増加にもつながっており、これは今後ますます進展する少子・高齢化における諸課題に積極的に対応することができるということも意味しています。 この流れをとめることなく、さらに若い世代が住みよい、活力みなぎる荒川区とするためにも、教育、子育て支援や若者の就労対策、働き盛り世代の健康促進など、荒川区の将来を担う世代に向けて積極的に来年度予算を配分していくべきであると考えますが、区の見解を伺います。 質問の第二は、教育改革の推進についてであります。 荒川区の未来を輝かしいものとするためには、将来を担う子どもたちがみずからの人生を豊かにし、幸せに生きていくことができる総合的な力を身につけていかなければなりません。 荒川区教育委員会には、荒川区で生まれた子どもたち、荒川区へ転入してきた子どもたちを守り、導き、育てるという使命があります。その上で、子どもたち一人一人がいかに良好な教育サービスを受け、健全に育成されるか、ここに荒川区の未来はかかっています。 これから先、荒川区民がいかなる困難に遭遇しようとも、次代を担う子どもたちがその課題解決能力を発揮し、その困難を乗り越えゆくことを念願してやみません。 かけがえのない存在である荒川区の子どもたちを思い、教育改革の推進について、以下二点の質問をさせていただきます。 一点目は、(仮称)荒川区いじめ防止対策推進条例の制定及び条例によるいじめ対策機関の設置についてです。 いじめ対策機関は、いじめ対策委員会などの名称で呼ばれ、二〇一三年のいじめ対策基本法で各自治体での条例設置が認められた教育委員会の附属機関です。心理や福祉の専門家や弁護士、医師など外部人材が参加し、いじめ防止のための審議や重大事件発生時の調査などを行います。 このいじめ対策機関の条例設置について、都内、二十三区、二十六市、五町八村の状況を見てみますと、既に三十自治体が設置済み、十七自治体が設置を決めています。中には都よりも早く条例設置した自治体やより権限の強い市長部局の附属機関としている自治体もあります。 しかしながら、荒川区教育委員会の場合、いじめ問題調査委員会やいじめ問題対策連絡協議会が設置されているものの、これらは要綱で設置された機関であり、いじめ対策機関の条例設置については未実施の状態です。条例設置の対策機関は、住民の代表である議会を通した透明性の高い機関であり、問題が発生した際の対応もより中立性、公平性を保つこともできます。 都では、昨年九月に都立高校一年の男子が自殺した事件を受け、いじめ問題対策委員会を開き、専門家による調査部会を立ち上げました。この調査部会は、いじめと自殺の因果関係がわからなかったという学校側の調査に対して、調査が不十分であるとの遺族の訴えを受け、条例制定後、初めて設置された部会です。遺族が推薦した弁護士など四人を含む専門家八人で構成され、会合の結果は毎回遺族に報告され、その意向を踏まえながら調査が進められています。 荒川区教育委員会においても、いじめ対策機関については、住民の意向を反映した中立・公平な組織とするためにも、議会の承認を経た透明性の高い条例設置にするべきであると考えますが、区の見解を伺います。 二点目は、十八歳選挙権の導入に対する主権者教育の実施についてであります。 今夏の参議院議員選挙から選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることになりました。世界百九十一の国や地域のうち、九割近くが日本の衆議院に当たる下院の選挙権年齢を十八歳以上と定めていることを考えれば、引き下げることのほうがある意味では自然とも考えられますが、社会での経験が少ない十代に十分な判断力が備わっているのかという一部の疑問の声があることもたしかです。 政党や候補者の発言を何の疑いもなく信じてしまう傾向が強い十代の有権者、無責任なパフォーマンスや過剰に危機感をあおるデマ宣伝を見抜く確かな目が備わった主権者の育成こそ必要とされています。 事実無根のデマ宣伝として代表的な具体例がこちらのチラシです。今月の国会審議でも話題になっています。 内容を見ますと、安倍政権が国立大学の学費を十六年後に現在の年間五十三万円から九十三万円に値上げすると書かれています。このチラシは、ある党が大学キャンパスなどでまき、署名活動を展開しているものであり、インターネット上でも簡単にダウンロードできます。このような不安をあおるだけのデマ宣伝に荒川区の若い有権者が惑わされる可能性もありますので、悪質極まりないこのデマチラシについて説明をさせていただきます。 このチラシが学費値上げの根拠としているのは、昨年十月に財務省の財政制度等審議会が示した国立大学への運営費交付金の削減案です。この財務省の審議会が示した削減案については、公明党などが即座に反対した結果、運営費交付金は来年度予算で前年度と同額の一兆九百四十五億円が維持されることになっており、そのことをまず明言しておきます。 この財務省の削減案に対して、そのある党の国会議員は、仮に削減された交付金分を全て学生が支払う授業料で賄うとしたならば、十五年間で幾ら値上がりするのかと、ありもしない一方的な仮定の質問をしてきました。これに対して文部科学省は、あくまでも機械的な試算上の話として四十万円増との数値を示しましたが、この際にも授業料だけで賄うことは困難であるとの見解を述べています。それにもかかわらず、そのある党は一方的な仮定や試算に基づきビラを作成、あたかも安倍政権が既に学費を値上げしたかのような誤解を招く署名運動を展開しているのです。 この言わば議論の中で消えた数字を根拠としてつくられたチラシをめぐっては、国会審議の中で公明党の石田政調会長が取り上げ、「たらればの世界のことを事実のように書いて若い人に配っている。けしからぬ」と批判、安倍首相も、「値上げは決まっていない。全くのデマゴーグだ。選挙を前に極めて有権者を惑わせる」と答え、訂正を求めていました。 そして、「安倍政権が学費値上げ」としていましたが、その後、「安倍政権が」の部分を「安倍政権のもとで狙われる」と修正しており、行き過ぎた宣伝文句をみずから認めた形となっています。 このようなデマチラシは、ありもしないことを書き、若い人の不安をかき立てる選挙目当てのデマ以外の何者でもないことをこの際明らかにさせていただきます。 今、全国では、文部科学省、総務省の後援による「主権者教育のための指導力向上セミナー」が開催されています。私も参加させていただきました。これは、現役の教員を対象として、学校教育での政治問題の授業法について考える講演会であり、ポイントは政治的リテラシー、いわゆる情報などの活用能力を育むアクティブラーニングです。 文部科学省は、アクティブラーニングの具体例として、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワークなどを挙げております。 講演会では、アクティブラーニングの具体的な授業例として、給食の食べ残し問題について候補者の演説を聞いて実際に投票し、給食大臣を決めるという小学生らしいプログラムから、集団的自衛権について国会議員顔負けの論争を繰り広げる高校生など、既に教育現場で実践的な活動をされている先生方の事例を動画なども交えて紹介していただきました。 荒川区においても、主権者教育の取り組みは以前からも進められており、主権者としての規範意識や政治にかかわることの大切さについて学習する機会がありますが、国や社会の問題をみずからの問題として捉え、行動していく主権者を育てるには、対話の中で他者への理解を深める主体的な学びが重要となってきます。 私が繰り返し議会で取り上げてきたアクティブラーニング、主権者教育においては、表現力や合意形成能力を育むためにも、対話型の学習手法をより積極的に用いるべきであると考えますが、区の見解を伺います。 質問の第三は、児童虐待防止対策についてであります。 昨年十月の報道によると、二〇一四年度に全国二百七カ所の児童相談所が対応した児童虐待件数は、前年度比二〇・五パーセント増の八万八千九百三十一件、統計をとり始めた一九九〇年度から二十四年連続でふえ、初めて八万件を超えたことが厚生労働省のまとめでわかりました。 子どもの前で家族に対して暴力を振るうという面前DVが心理的虐待とみなされるようになったことや、児童虐待の通報や相談窓口となる全国共通ダイヤル「一八九(いち早く)」の運用が開始されたこともあり、残念ながら荒川区においても同様に増加傾向です。 全国では、耳を疑うような、目を覆いたくなるような、名ばかりの親による虐待事例がことしに入っても報道されています。 先月十三日には、埼玉県狭山市の三歳女児がやけどを負ったのに放置され、死亡が確認されたという報道があり、保護者の携帯電話のLINEには「帰ったらやろうね」という虐待をほのめかす内容が書かれていたと言います。 また、二十八日には、東京都大田区の三歳男児が母親の交際相手の男からなぐる蹴るの暴行を受け、死亡したという事件が発生いたしました。男は、夕食中ににらみつけていたので頭に来てやったと供述しているとのことです。 このような報道に触れると、つい、なぜ発見がおくれたのか、警察や児童相談所は何をしていたのかといった虐待発生時の対応について目が向きがちです。もちろんそのような発生後の対応策も重要ですが、同じように大切なことは、虐待が発生する要因について考えるという視点ではないでしょうか。 厚生労働省は、虐待が発生しやすい家庭環境にいる子どもやその保護者に対する支援を充実させていく必要があると考え、さまざまな実態調査や事例検証を通して、虐待に至るおそれがある要因を幾つか挙げています。 ここでは、その中の保護者側のリスク要因と養育環境のリスク要因に分け、児童虐待防止対策について、以下二点の質問をさせていただきます。 一点目は、生命尊厳の心を育む誕生学の実施についてです。 厚生労働省が挙げる保護者側のリスク要因の具体的なものとしては、十代の妊娠など妊娠そのものを受容することが困難である、被虐待経験がある、保護者が未熟等による育児不安や育児ストレスなどです。さきに述べた痛ましい事例は、これらの要因が当てはまると考えられます。 このような保護者の生い立ちや生育歴によって生まれてしまう要因に対しては、子どものころから人権の尊重や生命の尊厳といった他者を思いやる気持ちを育んでいく必要があります。 私は、三年前の一般質問において、いじめ防止対策としての心の教育を推進するため、誕生学という教育プログラムを導入することを提案しました。これは、自分がどのように母親のお腹の中で成長し、どのように生まれてきたかを学習し、親や家族の気持ちなども伝え、生徒が赤ちゃんを抱きながら命の尊さを感じるというものです。 この提案に対して、荒川区内の元校長である当時の教育長は、自身の校長時代の経験を通し、「道徳教育の充実に加え、誕生学のように赤ちゃんと触れ合う取り組みをしながら、本当に命ってありがたいなという感想もいただいています。こういう取り組みをしながら、今後ますます区内全体で推進してまいりたいと思っています」と答弁していました。 しかし、それから一年後の予算に関する特別委員会の時点では実施されておらず、再度質問したところ、赤ちゃんに来ていただいてといったようなところの調整が難しい。もう少し他区市の実際に乳児の方に来ていただく実践についても情報収集してまいりながら検討してまいりたいといったお答えでした。 あれから二年が経過し、情報収集は順調に進んでいるとは思いますが、念のため、私の知っている情報も提供をさせていただきます。 公益社団法人誕生学協会のホームページによると、昨年十月、十一月の二カ月間で全国の小学校三十三カ所、中学校十八カ所で誕生学のスクールプログラムを実施し、六千二百九十九名の子どもたちが誕生学を体験しています。荒川区での実施に当たって参考としていただければと思います。 今回の質問では、いじめ防止対策としての心の教育に加え、子どもが大人になり、親になったときのための児童虐待防止対策としても、誕生学の実施をするべきであると要望させていただきますが、区の見解を伺います。 二点目は、母親の孤立を防ぐための父親の育児参加への支援についてです。 厚生労働省が挙げる養育環境のリスク要因の具体的なものとしては、夫婦関係をはじめ、人間関係に問題を抱える家庭、親族や地域社会から孤立した家庭、配偶者からの暴力等、不安定な状況にある家庭などです。 荒川区においては、子育て世代の新住民が増加しており、地方出身で父親が仕事で留守が多いと、母親一人に育児の負担が偏ってしまうという養育環境のリスク要因が心配されます。 かく言う私の家庭も同じ状況であり、母親を孤立させないために、父親である私も積極的に育児に参加しなければならないと認識しております。疲れて帰った後も、子どもが寝るまでは私が育児を担当すると決め、時間を確保して子どもと二人で留守番や外出をし、母親がリフレッシュできるようにしています。育休は取っていませんが、できることはたくさんあり、育児を母親だけに任せることはしていません。おかげで夫婦関係も良好であり、三日前に第二子が誕生しました。 NPO法人ファザーリングジャパンが主催する日本初の父親学校、ファザーリングスクールでは父親に必要なマインド、スキル、知識を学び、パパ友ネットワークづくりを推進しています。これは父親という生き方を楽しむための父親が主役の子育て連続講座であり、荒川区に隣接する五区全てで実施しています。 荒川区では、母親学級と同じように両親学級として、父親になるための学びの場を提供しており、父親が妊婦体験をしたり、沐浴の練習をするなど充実したプログラムを展開しています。このような流れを強化する意味で、父親の育児参加率向上のための、父親のための育児セミナーを開催するべきであると考えますが、区の見解を伺います。 質問の第四は、水辺に親しむ尾久のまちづくりについてであります。 国土交通省は、平成十一年から河川敷地占用許可の規制を段階的に緩和し、河川空間のオープン化を進めてきました。これにより水辺の緑化が進められただけではなく、地域住民が憩う公園のような機能を河川が有するようになり、休憩できるベンチなどもふえました。そして、平成二十三年にはさらなる規制緩和によって、一定の条件を満たせば河川空間にオープンカフェや川床も設置できるようになったのです。 東京都は平成二十五年に新たな水辺整備のあり方検討会を発足させ、ばらばらに管理されていた隅田川の親水テラスの連続化や夜間照明の整備に着手しました。魅力的な水辺空間の創出への期待がより一層高まっています。 私が議員となった五年前に最初の一般質問で取り上げたのがこの水辺に親しむ尾久のまちづくりについてであります。民間事業者が運営している浅草からの水上バスとリンクさせることや、二十人から三十人乗りの水上バスの導入、東京スカイツリータウンと汐入公園、荒川自然公園、尾久の原公園、宮前公園、あらかわ遊園をリンクさせる隅田川文化ゾーンの形成などを提案いたしました。 しかし、隅田川を運行する水上バスである東京水辺ラインの荒川区内唯一の船着場、あらかわ遊園発着場は、利用されることが少なく、地域の方からは船がついているところを見たことがない、船がつかない船着場であると言われています。それもそのはず、船が来るのは二カ月に一回のペースで、問い合わせたところ、次に利用されるのは四月十三日だそうです。この状況を改善するためには、ハードとソフトの両面から地域の活性化を図る必要があると考えます。 そこで、水辺に親しむ尾久のまちづくりについて、以下二点の質問をさせていただきます。 一点目は、あらかわ遊園周辺のにぎわい創出についてです。 あらかわ遊園は、区の子育て支援施設としての位置づけだけではなく、尾久地域のにぎわいを創出するための重要な拠点となっています。あらかわ遊園の魅力を高め、来場者数を向上させることは、地域の活性化にとって欠かすことはできません。しかし、来場者を見ると、小さなお子様連れが多く、あらかわ遊園以外の周辺地域にまで足を運ぶ方は少ないというのも事実です。より多くの方をあらかわ遊園の周辺、特に水辺に引き込むためには、別の世代の方々もターゲットとして捉え、より集客力のあるイベントを開催することが必要であると考えます。 川の手荒川まつりなどでは、毎年多くのブースが出店し、食べ物やお土産などお買い物を楽しむ方々が大勢訪れています。例えばこのようなブースをあらかわ遊園アリスの広場から区立尾久八幡中学校までの隅田川沿い親水テラス約五百五十メートルに出店し、軽食や飲み物を楽しみながら水辺に親しんでもらうというのはどうでしょうか。 また、地元の声を紹介しますと、夜はランプシェードなどを使ったキャンドルアートで水辺を飾り、隅田川を光で演出、船着場には川床を設置し、一夜限りの水辺バーなど、地域の方と協働でアイデアを出し合えば、幅広い世代の方々が楽しめるイベントになります。特に尾久地域は、荒川区内でも高齢者の方が多くお住まいの地域です。子育て世代からシニア層にも喜んでいただけるような新たなイベントを開催するべきであると考えますが、区の見解を伺います。 二点目は、隅田川テラスの整備促進についてです。 北東部分約八キロを隅田川に接する荒川区。川沿いをウオーキングしたり、自転車で移動したりすることができる親水テラスが整備され、その距離が延伸されれば、より水辺を訪れる区民がふえることは間違いありません。 区立尾久八幡中学校から尾久の原公園までの間は、現在、川を眺めながら移動することはできませんが、この部分の親水テラスが整備されれば、尾竹橋からあらかわ遊園までの間を信号もなく、車と接触する心配もなく、安全に移動することができます。 また、健康推進課が作成している「あらかわ健康ウオーキングマップ」では、ウオーキングの最適な区内を歩く十三コースと各コースの距離、歩数、時間、消費カロリーを紹介していますが、この中の尾久水辺ルートには、「川沿いは一部整備されていませんので、注意して歩いてください」との添え書きがしてあります。 日本ウオーキング協会公認の荒川区ウオーキング協会が発足し、会員募集を行うなど、区民のウオーキングに対する意識も向上している好機に、注意しながら歩かなければならないコースがあっては、せっかくの健康増進の意欲もなえてしまいます。 親水テラスの整備については、これまでもスーパー堤防事業と合わせて進められてきました。スーパー堤防事業については、区民の安全・安心のために可及的速やかに進めていただきたいところではありますが、区立尾久八幡中学校の東側のいわゆるカミソリ堤防が設置されている東尾久八丁目には、川からすぐの距離に多くの方がお住まいであり、スーパー堤防化を待っていては親水テラスの整備に何十年かかるかわりません。 現在、宮前公園の整備に合わせて進んでいる親水テラスの整備ですが、そこから尾久の原公園までは、スーパー堤防と一体的に進めるのではなく、親水テラスの整備を先行するべきであると考えますが、区の見解を伺います。 以上で私の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 菊地議員、第二子お誕生、おめでとうございます。これで荒川区の人口がまたふえて、大変喜ばしいことであります。 さて、初めに、新年度予算編成に関する御質問に御答弁申し上げます。 このたびの予算編成に当たり、私は、地域が活気にあふれ、区民の皆様が一層輝けるような荒川区にしてまいりたいという思いを込め、「地域と区民が輝く予算」として取り組みました。 予算編成に際し、区議会公明党からは大変多くの御要望をいただいており、可能な限り反映させるように努めたところでございます。とりわけ、御質問にございました将来を担う世代に向けた項目につきましては、特に力を入れた分野の一つでございます。例えば、国家戦略特区による規制緩和を活用した全国初となる公園内保育園の整備など、さまざまな方法により待機児童ゼロを目指してまいります。 また、地域における子どもの居場所づくりに対する支援の充実など、貧困をはじめさまざまな要因で支援が必要な子どもたちの健全育成に向けた取り組みも強化いたします。 さらに、乳幼児まで拡大したショートステイの実施や放課後子ども教室の全校実施など、安心して子育てができるための取り組みも充実させてまいります。 また、御紹介のあった日経新聞等の調査結果につきましては、議員御指摘のとおり、これまでの本区の取り組みに対する高い評価をいただき、とても喜ばしいことではございますが、決してこれで慢心することなく、さらに歩みを進めていく必要があると強く感じております。 区といたしましては、御質問の趣旨を十分に踏まえ、今後も子育て支援や教育の充実に加え、若者や女性の就労支援、働き盛り世代の健康づくり、あるいは親子が安心して利用できる公園の拡充といった安全・安心のまちづくりなど区の周辺施策も含め、一層の推進を図ることにより、将来を担う世代が住みやすく、活気に満ちた地域となるよう、私を先頭に全庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、児童虐待に関する御質問にお答えいたします。 児童虐待は、子どもの心身の成長と人格の形成に重大な影響を与える深刻な人権侵害であります。虐待を受けた子どもが親になったときには、みずから虐待を繰り返し、次の世代の育成に影響を与えるおそれがあるとも言われております。 今年に入ってからも、虐待により幼い子どもが死亡する事件が各地で相次いで発生いたしましたが、こうした痛ましいニュースに接するたびに、胸が締めつけられる思いがいたしました。 この世に生を受けた子どもたちが父や母などから虐待を受けるということは、決してあってはならないことであり、私は、この根絶に努めていかねばならぬと考えております。 御質問にございますように、小中学校では、子どもたちが互いの人格を尊重し、他者を思いやる心を育む人権教育を推進しております。 また、虐待を未然に防止するため、荒川区要保護児童対策地域協議会において定めた基準に基づき、育児困難が予想される妊婦に対しては、医師会の協力を得ながら、特定妊婦として出産前から関係機関と情報共有を図り、連携して支援する体制を確立しております。 育児に不安を抱える保護者には、スキルのあるボランティアが寄り添いながら支援する安心子育て訪問事業も開始しており、子育ての喜びと楽しさを実感できるような支援の充実を図り、虐待リスクの低減に鋭意努めているところでございます。 私は、虐待の発生防止から早期発見、早期対応、継続的な支援は、子どもと保護者が生活する地域の中で、地域社会の協力を考えながら取り組むことが最も適切であると考えております。 このような一貫した体制を構築するために、現在、特別区への児童相談所の移管を求めて東京都と協議を進めるとともに、国への働きかけも行ってきたところであります。 昨年末、国の専門委員会において、特別区に児童相談所が設置できるよう提案されたことを受け、私は、塩崎厚生労働大臣に直接お会いをして、児童相談所の設置自治体に特別区を加えるよう強く要請をいたしました。大臣からは賛同する旨の発言をいただき、省内で調整が進められて、先ほど申し上げましたように、これに向かってかなり進歩があり、近いうちに特別区に児童相談所を設置することができる、それもそう遠くない時期にそうなると確信を得る情報に接しております。 詳しくはまた国会での審議等を注視しながら、議会に適宜適切に御報告を申し上げたいと考えております。 福祉行政が基礎自治体に移行する中で、児童相談行政の区移管は、当然の流れであります。移管をただ待つのではなく、子ども家庭支援センターのさらなる強化を図り、対応力の向上を目指してまいります。 私は、全ての子どもたちの輝かしい未来のために、児童虐待の根絶に向けて、今後も全力で取り組んでまいりますことをここに申し上げたいと存じます。 菊地議員のこれ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) 私からは、まず初めに、いじめ対策機関の設置に関する御質問にお答えいたします。 平成二十五年九月にいじめ防止対策推進法が施行され、全国的ないじめ対策の対応が示されました。この法では、各地方自治体の役割等についても規定しており、地方公共団体は、地方いじめ防止基本方針を策定するよう努めるものとされております。 教育委員会では、この法の趣旨にのっとり、御党の中村議員の御質問も踏まえ、昨年度に「荒川区いじめ防止基本方針」を策定いたしました。そして、今年度は、この基本方針に基づき、「荒川区教育委員会いじめ問題対策連絡協議会」を開催いたしました。 この協議会におきましては、区として「いじめを絶対許さない」「未然防止を徹底する」「いじめられている児童・生徒を一人にせず、みんなで守り抜く」「いじめられた児童・生徒、いじめた児童・生徒、双方に心の傷を残さない」「いじめた児童・生徒にも手を差し伸べ、触法少年を出さない」ということを目指し、学校やPTA、児童相談所、警察など関係機関が密接な連携を図り、いじめ問題の解決に全力で取り組むこととされたところでございます。 さらに、万が一重大事案が発生した場合には、荒川区いじめ防止基本方針にのっとり、弁護士等で構成するいじめ問題調査委員会による調査を行い、迅速かつ適切に対応することといたしました。 議員御指摘のいじめ対策機関の条例設置につきましては、法律ではできる規定とされておりますが、他自治体において条例化の動きも出てきており、御質問の趣旨を踏まえて、教育委員会といたしまして、今後、十分検討してまいりたいと存じます。 次に、主権者教育に関する御質問にお答えいたします。 区立小中学校においては、学習指導要領にのっとり、社会科や公民科をはじめ、道徳の時間や特別活動において社会性を身につけ、規範意識を養うことを目的として、主権者教育の充実を図っております。 また、今年度は主権者教育の一環として、区選挙管理委員会や公益社団法人東京青年会議所の協力により、区立中学校五校において、都内でも先進的な取り組みである「模擬選挙」を実施いたしました。 さらに、東京都行政書士会荒川支部に御協力をいただき、租税教育について学習するなど法教育を充実するとともに、大学教授による憲法や憲法の出前授業を社会科の授業で実施しており、生徒が政治に関心を持ち、政治に参加する意義を考えさせるよう取り組みを進めているところでございます。 議員御提案のアクティブラーニングは、児童・生徒が対話を通して他者を理解し、表現力を磨き、みずから行動していく力を育む上で大変効果的な学習法であると存じます。 教育委員会といたしましては、今後、アクティブラーニングを積極的に活用しながら、児童・生徒が他者と意見を交わし、自分の意見や考え方を述べ、主権者としての自覚を持つことができるよう、御質問の趣旨を踏まえ、主権者教育の充実に努めてまいります。 最後に、誕生学に関する御質問にお答えいたします。 学習指導要領におきましては、道徳や理科、保健体育等で生命を尊重し、他人を思いやる教育が示されており、乳児との触れ合いは、命を感じ、自分の中の優しさ、思いやりといった素直な気持ちを見つけることや、親との関係を見つめ直し、これからの自分の未来を想像することなど、児童・生徒に多くのことを与えてくれるものと考えております。 議員のこれまでの御提案を受け、区では、ふれあい館やひろば館などに多くの児童・生徒が来館して、乳児や幼児との交流を体験したり、区立中学校の勤労留学では、区内保育園での保育体験を導入してございます。子どもたちが乳児や幼児を大切にする態度が育まれたとの声が保護者から寄せられております。 議員御提案の誕生学は、児童・生徒が乳児を抱っこしたり、保護者からの話を聞いたりすることで、人の誕生や成長、命の尊さを実感するとともに、人間関係などについて見直す大変貴重な機会になるものと認識してございます。 教育委員会といたしましては、御質問にございます公益社団法人誕生学協会の事業も参考にさせていただきながら、今後実施に向けて、校長会と相談しながら鋭意検討してまいります。   〔健康部長倉橋俊至君登壇〕 ◎健康部長(倉橋俊至君) 育児中の母親の孤立を防ぐための父親の育児参加への支援策についてお答えいたします。 区では、主に初妊婦とその家族を対象として、育児問題解決能力や夫婦の子育てにおける協働意識の向上を図るために、両親学級を年間十六回実施しています。また、妊娠出産及び育児に対する正しい知識の習得と育児の孤立化を防ぐための仲間づくり支援のために、父親も一緒に参加できる母親学級を実施しております。 親になる責任と喜びをより一層実感し、父親がより積極的に育児参加すること等の支援を目的として、平成二十八年度からはDVDを活用した新たなプログラムを実施する予定です。 現在、ふれあい館にて子どもへのスキンシップの重要性や親子、夫婦のコミュニケーションの大切さを学ぶ「あらかわパパスクール」を地域子育て教室として実施するほか、「パパと遊ぼう」をひろば館等にて実施しており、講座受講後には、父親同士の仲間づくりを支援しております。 今後も、議員御指摘の隣接する五区の取り組みを参考に、自主的な地域の子育て活動へとつなげる取り組みを行ってまいります。 さらに、さまざまな事情により育児に不安感と孤立感を抱える母親に対しては、保健師等による支援に加え、家事・育児の負担軽減を図るためのヘルパー派遣や、傾聴、家事、育児を協働して行うボランティアの派遣を行い、育児中の孤立感や不安感の解消に努めているところです。 区といたしましては、今後も母親学級への父親の参加や父親のためのセミナー、父親向け事業の周知を積極的に行うなど、父親の育児参加を支援し、関係機関と連携して育児支援の取り組みを進めてまいりたいと存じます。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) あらかわ遊園周辺のにぎわい創出に関する御質問にお答えいたします。 現在、あらかわ遊園は多くの子育て世代の方々に利用していただいております。一方で、地元の商店を含む区民団体等により遊園とその周辺でイベントが実施されるなど、地域ににぎわいをもたらす重要な拠点ともなっております。こうした取り組みに区も御支援させていただき、年々盛り上がりを見せております。 今後、あらかわ遊園周辺の地域にさらなるにぎわいをもたらすためには、これまで以上に幅広い世代の方々にあらかわ遊園にお越しいただくことが何よりも重要でございます。そのためには、遊園はもとより、隅田川沿いテラスなどの水辺の環境を上手に活用したイベントの実施が効果的だと考えております。 区といたしましては、昨年の十一月会議の御質問にもございました隅田川の水辺空間の活用といった視点からも、あらかわ遊園の特性を生かし、アリスの広場を中心とした隅田川沿いテラスや都電等を活用した新たなイベントを平成二十八年度に実施する予定でございます。 また、荒川区が先駆的に取り組んでいる「特別区全国連携プロジェクト」等の物販は、参加自治体の特産品等を直接、そして安価に購入できることなどから、イベントの魅力を高める一つの要素となっております。実施に当たりましては、こうしたプロジェクトと連携を図るなど、議員の御提案を踏まえた検討を重ね、多くの誘客を通じてあらかわ遊園周辺のにぎわい創出に努めてまいります。   〔再開発担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長(松崎保昌君) 隅田川テラスの整備促進に関する御質問にお答えいたします。 隅田川のテラスは、河川管理者である東京都により、現在区内の約六〇パーセント、距離にして四千八百メートルの区間で整備が終わり、供用されております。 議員御質問の尾久地域におきましては、あらかわ遊園周辺から区民運動場に至る約五百五十メートルのテラスが整備され、現在通行可能となっております。今後、宮前公園の整備に合わせて、スーパー堤防及びテラスの整備が行われる予定となっております。 テラスやスーパー堤防は、散策や運動など地域の憩いの場として利用されており、より広い範囲での整備が望まれているものと認識しております。 宮前公園から尾久の原公園に至る区間で整備が行われれば、尾久地域のテラスが全て開通することとなり、あらかわ遊園から尾竹橋までの約二千七百メートルで通行が可能となります。これにより水辺に親しむ機会がふえるとともに、議員御提案のイベントをはじめとしたさまざまな用途に活用されることが期待できます。 したがいまして、区といたしましては、いわゆるカミソリ堤防の早期スーパー堤防化を東京都に要望するとともに、テラスの有効活用を図るため、今後、宮前公園から尾久の原公園の区間でスーパー堤防整備に時間を要する箇所について、テラス整備を先行して実施するよう東京都に要請してまいります。 ○副議長(保坂正仁君) 以上で菊地秀信議員の質問を終わります。 二十五番清水啓史議員。   〔清水啓史君登壇〕 ◆二十五番(清水啓史君) 民主党・市民の会、清水啓史です。 平成二十七年度荒川区議定例会・二月会議に当たり、区長並びに教育委員会に対して、区議会議員三期目初めての、そして通算十回目の本会議質問をいたします。 一点目は、二極化をしている社会状況の認識とその対応についてお聞きいたします。 毎日のように「格差社会」という言葉を見聞きいたします。区長も午前中の施政方針説明の中でも、「失われた二十年」と言われる日本経済の長期的な低迷の中で、二百七十三万人もの方々が正規で働く場を得られず、いわゆる中年フリーターとなっていること、世代間や地域間での格差が拡大しているとありました。 所得格差、世代間格差、医療格差、地域格差、学力格差、夫婦格差、「一億総中流社会」と言われた日本において、今、格差が広がっている、二極化をしているという現状です。しかも、これは一つの世代や分野だけではありません。 まず、子どもたちの現状を見てみます。子どもの相対的貧困率は、一九八五年、一〇・九パーセントでありましたが、二〇一二年には一六・一パーセント、六人に一人の子どもが貧困状態ということになります。とりわけ、ひとり親世帯の相対的貧困率は五四・六パーセント、OECDの中でも最悪の数字であります。 また、とりわけ、生活保護を受けている子どもの四人に一人が大人になっても生活保護を受けているという、いわゆる貧困の連鎖も指摘されています。 学力の分布においても、平均値が最も多い、いわゆる一山の分布から、むしろ平均値がグラフにすると谷になる二こぶの分布にある傾向です。 荒川区における就学援助率についても、平成二十六年度では、小学校二六・二パーセント、中学校では四〇・三パーセントという状況にあります。就学前教育についても、その重要性や費用対効果が高いと言われながら、私費負担割合が五四・六パーセントと五割を超え、OECDの平均の一八・七パーセントを大きく上回っています。また、高等教育においても、私費負担割合は六五・七パーセントと、同じくOECD平均の三〇・三パーセントの倍以上という状況です。 学校を卒業した若者世代で見てみますと、雇用状況の数字は、初めて職についたときの職が正社員ではなく、非正規職員あるいは従業員の割合が昭和六十二年十月からの五年間の間では、男性は八パーセント、女性は一八・八パーセントという比率でした。それが平成十九年十月から二十四年九月までの五年間においては、男性では二九・一パーセント、女性では四九・三パーセントの方が初めての職が非正規という状況です。 高齢者については、六十五歳以上のひとり暮らし世帯では、男性二九・三パーセント、女性においては四四・六パーセントが生活保護世帯並みの収入の貧困状態にあります。 二〇一四年末のOECDによる実証研究において、「格差の拡大が人々の能力の発揮を阻む等の理由で経済成長の足を引っ張る」ということが報告されています。きちんとした人への投資を行っていくことによって、結果的には経済成長にもつながるという指摘です。 もちろん、国全体の課題ではありますが、住民にとって最も身近な自治体であるからこそ、数字だけではない実態を現場感覚として、また、肌感覚として区の職員の方々も我々区議会議員も認識をしています。 誰もがともに生きる共生社会のために、格差是正に向けて、この間、荒川区が西川区長を先頭に各分野において施策に取り組まれていることに改めて敬意と評価をいたします。 そこで、改めて基礎自治体として、現在の社会認識と今後の取り組みについて見解を伺います。 次に、区内中小企業に対する正社員雇用促進についてお聞きいたします。 今の質問の中でも雇用状況について触れましたが、全体の非正規雇用割合は四割を超えています。「ワーキングプア」「ブラック企業」等の言葉も耳にします。 平成二十六年十一月に公布された「まち・ひと・しごと創生法」において、各自治体に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定することが求められました。これに対し、西川区長は順序が違うのではないかと、荒川区においては「しごと・ひと・まち創生総合戦略」という名称に順番を変え、まずは仕事が最初だという認識のもと、策定に向けて今、取り組まれています。 経済を支え、雇用を支えているのは大企業だけではありません。むしろ多くの中小企業であります。その企業にとって正社員を雇用していくことは、一定の負担が生じます。そこで、活力ある区内中小企業の人材確保を応援するため、事業主側の社会保険料の一部を負担することによって、区内事業者の経営安定、事業発展、そして同時に正規雇用の促進という二面からの支援につながるのではないでしょうか。とりわけ、荒川区民を直接雇用した際には、地域活動の担い手へもつながっていくと思われます。 今二月会議に提案された荒川区の新年度予算案には、区内保育園における保育士の人材確保を進めるため、宿舎の借り上げを行う事業者に対して、その経費の一部を補助する支援策が盛り込まれています。 これまでも区内企業への支援策を展開されていますが、有為な働き手が区内事業者へより集まるよう、新たなメニューとして事業者の社会保険料の一部負担の支援策について見解を伺います。 三点目に、コミュニティバスさくらの運転手等に関する勤務状況把握についてお聞きいたします。 ことし一月に軽井沢で起きたスキーバスの転落事故からきょうでちょうど一カ月になります。十五名の方が亡くなり、とりわけ大学生の若い命が奪われるという大変痛ましい事故でありました。事故の真相はまだわかりませんが、報道によると、少なくとも事故後の国土交通省の立ち入り捜査によって、運転手の体調管理、適性検査を怠っていたということが判明したとあります。 きちんとした決まりはある、しかし、実態はそのとおりなされていなかったということです。業界は異なりますが、昨年はマンションの杭打ちの偽装も発覚しました。必要な書類はきちんと提出をされている、しかし、その書類が他のデータを転用するなど偽装されていた。荒川区の公共施設においては、幸い区の職員が実際に立ち会い、確認をしていたということで問題はなかったという報告がありました。 全ての業界や企業に問題があると言っているわけではもちろんありません。しかしながら、こういった実態があり、大きな社会問題にまでなった中で、荒川区の業務を受注している委託事業者や指定管理者が法律にきちんとのっとり、契約どおりに事業を行っているのか、その働き手の勤務状況は適切なのか、当然に精査をしていく必要があります。 委託先と発注側である区の問題点については、昨年の決算に関する特別委員会の場におきましても、にこにこすくーるにおける事業者のことを取り上げて指摘をいたしました。また、発注先の労働環境について、委託案件については、必要に応じて社会保険労務士による労働環境審査を行うなど、荒川区も専門家によるチェック体制をこの間整えてきました。 今回お聞きいたしますコミュニティバスさくらは、京成バスによる自主運行という形態であります。しかし、荒川区コミュニティバスとして運行し、車両購入費やバス停の整備についてなどの費用は区が負担をしています。区民あるいは利用者から見れば、京成のバスに乗っているということではなく、荒川区のバスに乗車しているという意識のはずです。 コミュニティバスのことについては、ルートのことなども含め、区議会においても多くの議員から質疑がなされている中、きちんとした運行がなされているのか、運転手の勤務実態はどうなっているのかなど、区としても把握をしていく必要があるのではないでしょうか。 バス運転手の労働条件については、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、改善基準告示が厚生労働省により定められています。法律があって、バスは国土交通省の管轄だからそれでいいということではなく、荒川区のコミュニティバスである以上、区としてもその意識を持つべきと考えます。 いろいろな事故や事件が起こるたびに感じることは、安全というものはただではない、お金も手間もかかるものだということです。そのことを認識し、対策を一つ一つ行っていくことによって、初めて区民、そして利用者の安心が生まれるのだと考えます。 そこで、伺います。荒川区コミュニティバスさくらの事故は、この間発生をしているのか、起きているのであれば、何件あるのかお答えください。その上で、区としても常に適切な管理責任を果たしていく役割と必要があるのではないかと考えますが、見解を伺います。 次に、給付金事業についてお聞きします。 先月国会で成立をした三兆三千二百十三億円の今年度補正予算には、低所得者の高齢者を対象とした年金生活者等支援臨時福祉給付金が盛り込まれています。対象者一人当たり三万円を支給する内容です。給付実施は新年度に繰り越され、ことし五月から六月になるということであります。今二月会議に提出されている荒川区今年度補正予算にこのことは計上されています。 ここ数年、いろいろな給付金事業がなされるたびに区議会にも説明がありました。給付対象者が異なるなど事務作業がかさんでいるだろうことが想像されます。もちろん、多忙になってもその効果がきちんとあらわれているのであればいいのですが、事務作業を行うに当たっては、当然費用がかかります。作業を行う場所を借りる賃料、作業をしてもらう人を雇うための人件費、案内通知の郵送や振込手数料など、事務作業費が給付する金額以外にも当然必要であります。国の事業を基礎自治体が行っている中で、その事務作業費は国から一〇〇パーセント手当てをされているのでしょうか。 そこで、各給付金を所管する福祉部、そして子育て支援部に以下お聞きをいたします。各給付金事業の給付総額、そしてそれに対する事務作業費がどれだけかかっているのか。一〇〇パーセント国の負担となり、区から持ち出しはないのか。そして、実際この給付金事業の実務を担う自治体として、事業効果も含めて、どのような認識をお持ちか、見解を伺います。 次に、区施設の空き家である旧真土小学校についてお聞きをいたします。 平成二十五年の予算に関する特別委員会において、この建物の今後の扱いについて質疑をいたしました。その際、これは区が所有している空き家ではないかと指摘をしました。再開発の地域の中でもあり、区が持つ資産を大事に活用していくことは当然のことでありますと述べた上で、お金では買えない価値、すなわち地域の安全と住民の安心もあるのではないかと問いました。当時の北川総務企画部長からは、「そのときの議会の御意見等を十分頂戴しながら今後も判断をしていくという状況でございます」と答弁がありました。そして、昨年の決算に関する特別委員会におきまして、荒川区議会の最大会派であります自民党区議会議員団の北城議員からも、再開発事業とは切り離した形での解体を含めた方向転換について質疑がありました。特別職になられた北川副区長からは、「除却も含めて検討してまいりたい考えです」と答弁がありました。 暫定利用を終了した時期に二千六百万円をかけて建物の安全措置をしました。現在も機械整備と週二回の清掃と見回りを行い、不法侵入があったことも受けて、センサーライトを設置したと伺っております。今後、利用せずに解体をすると区は決めている建物に、毎年費用をかけているという状況であります。 そこで、現在の区としての考え方、方向転換をしていくということであるならば、近隣との調整に入っていくのか、その際はいつを目途に判断をしていくのか、見解を伺います。 最後に、教育委員会に対し二点質問をいたします。 まず、学校におけます安全管理についてお聞きします。 ここでは、今、国会においても取り上げられている学校の運動会種目として実施をされている組み体操のことについて質問をいたします。 独立行政法人日本スポーツ振興センターによりますと、統計のある平成二十三年度以降、四年連続で組み体操による事故が年八千件を超えています。昨年度、平成二十六年度は八千五百九十二人が負傷し、骨折が千八百六十六人、二一・七パーセント、このうち脊椎などの重傷骨折が七十二名いたということです。過去には、障がいが残ったケースや裁判になり損害賠償が求められたものもあります。 内田良名古屋大学大学院准教授は、著書「教育という病」の中で組み体操の問題点を指摘しています。ここでは、少し引用しながら述べていきます。 先ほどの独立行政法人日本スポーツ振興センター、「学校の管理下の災害」統計によると、小学校の体育的活動における事故件数の最も多い種目は跳び箱、二位がバスケットボール、そして三番目が組み体操、以下、マット運動、サッカー、フットサルと続いていきます。上位十種目のうち、組み体操以外は学習指導要綱に記載がなされています。つまり、組み体操以外は学校で扱わなければならないという項目ということです。しかし、組み体操は学習指導要綱に記載がないので、全ての学校で行われているわけではありません。にもかかわらず、三番目に多いということは、発生率が高いということでもあります。 なぜ発生率が高いのか、組み体操の問題について二つの視点から指摘をしています。 一つは、高さについてです。厚生労働省が労働者の安全について定めた「労働安全衛生規則」というものがあります。その中では、高さが二メートル以上の高いところでの作業については、墜落等による危険の防止のために囲いや手すりを設けなければならない、それが困難な場合は、安全帯を使用する等の安全措置を講じなければならないと定めています。しかし、組み体操にはもちろんつかまるところはありません。むしろ人の上に人が重なるため、ぐらつく極めて不安定な状態であります。 もう一つは、重さです。段数が多くなれば、何人分もの体重の負荷がかかるということになります。七段とした場合、最大の負荷量は二・四人分という計算です。小学校六年生の平均体重で見ると、男子だと九十二キロ、女子九十四キロ、百キロ弱を背中に乗せているということになります。 けがをする可能性があるから、何から何までやめたほうがいいということを申し上げるつもりはありません。むしろ運動する以上、けがをすることは避けられないでしょう。しかしながら、先ほども触れたように、組み体操による事故が毎年八千件以上実際に起き、しかも手や首の骨折ではない重大な事故につながるような首や腰の重大事故の割合が他の種目と比較しても高い中で、あえてそのリスクを冒してまでする必要性があるのかということです。 高さ制限をしている自治体もありますが、先ほど二メートルの規則にもあるように、低い段数でも実際事故は起きています。 そんな折、国会審議におきましても動きがありました。今月五日の衆議院の予算委員会において、組み体操の中止を求められた馳文部科学大臣は、「重大な関心を持って、このことについて文部科学省としても取り組まなければならない」と答弁をされました。これまで文部科学省として独自調査や規制はしないという考えで来ていた中で、方向転換をしたと言えます。その上で、年度内には方針を打ち出す考えを示しました。 自治体においても動きがあり、大阪市の教育委員会は今月九日、タワーやピラミッドは来年度から全面禁止とすることを決めたとの報道がありました。その上で、組み体操そのものの実施の可否についても検討していくとあります。 学校の組み体操の件については、昨年の予算に関する特別委員会において、小坂英二議員からも質疑がありました。その際、教育長からは、教育委員会としてきっちり指導してまいりたいとの答弁がありました。 区内の小中学校では、一学期に運動会を実施する学校も多数あります。三カ月後の五月には開催をされるということです。荒川区教育委員会としても、指導のあり方についての検討ではなく、今後の実施の有無について、方針を決めていく時期に来ているのではないかと考えます。 そこで、まず、区内小中学校の実施状況、内容をお示しください。その上で、教育委員会としてこの件についての問題意識、今後の方針についての見解を伺います。 もう一つは、学校教育充実策のPRについてお聞きします。 私も昨年も区内小学校を訪問し、校内あるいは授業の視察とともに、校長先生方の話を伺ってまいりました。どの先生方も、荒川区、荒川区教育委員会の学校教育に対する投資、パワーアップ事業であったり、学校図書館、電子黒板、職員の加配などについて感謝をされていました。 都内を異動される先生方は、自治体ごとの違いを感じていらっしゃいますが、住民にとってはなかなか各自治体ごとの学校を比較することはできません。荒川区は学校教育にこれだけ強い思いで、そして思いだけではなくて、実際に投資をしているということをもっと対外的にPRをしていくべきではないでしょうか。 今、区内には多くのマンション建設や戸建ての新築物件が販売されるなど、荒川区への転入者が増加をしています。とりわけ、どこに家を買うのか、どこに住むのか、若い夫婦や小学校入学前のお子さんがいる方々には、自分は荒川区生まれではないけれども、自分の子どもにとってのふるさとを探している、決めているということになります。ですから、当然その自治体の学校教育の取り組みというのは、一つの大きな判断材料です。自治体としての教育に対する熱心な取り組みは、区全体のイメージアップにもつながり、意識ある層を呼び込むことにもなると考えます。 そこで、対外的にもっと「学校教育は荒川区」という荒川区の学校教育の取り組みを発信していくことが区全体にとっての戦略にも必要であると考えます。認識とさらなるPRについて見解を伺います。 以上、七項目につきまして、荒川区、荒川区教育委員会の答弁を求め、質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 清水啓史議員の御質問のうちから、議員もみずから御認識をされているように、本来的には国の責務であると考えられる格差の問題に関して、私から御答弁を申し上げます。 日本経済の長期にわたる低迷を経て、非正規雇用が増加するなど、国民の間に経済的な格差が拡大していることに、私は大変な危機感を募らせております。 区として、国の責務で本来的にはあるこの問題に、我々は小さい力ではありますけれど、これまでもセーフティネットの確保はもちろんのこと、格差が親から子へ伝わってしまう「負の連鎖」を断ち切るということに重点を置き、全国の自治体に先駆けて、「子どもの貧困・社会排除問題」に取り組んでまいりました。 具体的には、貧困のリスクを早期に発見し、必要な支援を提供していくため、保健師による乳児家庭の全戸訪問やスクールソーシャルワーカーの増員や、全小中学校での「あらかわ寺子屋」の実施、支援が必要な子どもたちの居場所づくり事業、子ども家庭支援センターの体制強化等々、さまざまな支援策を実施いたしますとともに、その内容等の充実を図ってきたところでございます。 特に、自立した生活を送るために欠かすことのできない就労支援につきましては、若者を対象としたワンストップ型の相談窓口を設置したほか、就職に対する意識啓発や就活後のミスマッチを防ぐための動き、または、都立荒川工業高校の二年生を対象とした百二十人の「企業見学バスツアー」等を実施して、これの促進を図ったりしています。 平成二十八年度におきましては、日暮里駅前に開設されました二つの専門ハローワーク等の関係機関との強固な連携を礎として、ひとり親家庭の保護者に対する高卒認定試験の合格に向けた支援を充実いたしました。また、若者の無業者等を対象としたアウトリーチ型の就労促進事業を開始するほか、生活困窮者に向けた相談窓口の体制を強化するなど、さらに効果的な施策を展開してまいります。 私は、全ての人々がさまざまな場面で等しくチャンスを得ることのできる社会をつくろうとする意思を持って、住民の一人一人に寄り添い、必要な支援を提供していくという基礎自治体の取り組みが、やがては格差の是正という大きな成果につながるものと確信をいたしております。 今後とも、区民生活に最も密着した基礎自治体として、国にはできないきめの細やかな対応を全力で行ってまいりますので、引き続き、清水議員をはじめ、区議会議員の皆様方の御協力をこの機会にお願いを申し上げたいと存じます。 ピケティや、またジェームス・K・ガルブレイスでさえ、格差の問題を国を挙げて研究している中で、私はこの問題にもっと国会がしっかり取り組んでほしいと思っております。期待を申し上げておりますので、どうぞ頑張ってほしいし、連合東京からは背広服を二十三区に五百着御寄贈いただき、若者の就労支援のバックアップに役立てるようにという温かい御配慮もいただいております。そんなこともこの機会に申し上げ、格差是正に全力で取り組んでまいりますことを再度申し上げます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 区内中小企業に対する正社員の雇用促進支援についてお答えいたします。 中小企業、特に区内の大半を占める小規模事業者における社員の確保は、企業経営において極めて重要な課題であると認識しております。 議員からの御提案につきましては、社会保険料は法律により負担が義務づけられており、事業主と社員が応分の負担をするように設計されております。このことから、区が補助する対象としてなじみにくいものであると考えております。 一方、区といたしましては、中小企業における人材確保のために、ハローワーク足立と連携した就職面接会を毎月開催しております。また、先ほど御答弁申し上げましたとおり、都立荒川工業高校の二年生を対象に、「企業見学バスツアー」を実施するほか、国や都の正規雇用化助成制度等の周知・活用にも努め、正社員化に向けた支援を行っております。 さらに、経営基盤が弱い小規模事業者に対しましては、設備投資補助や中小企業退職金共済の掛金補助などさまざまな支援メニューにより、事業者の経営力の向上を通じた人材確保への支援も強化しております。 区といたしましては、今後とも区内中小企業の人材確保が円滑に図られるよう積極的に支援を行ってまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) コミュニティバスの安全管理に関する御質問にお答えいたします。 コミュニティバスにつきましては、高齢者や障がい者等の交通手段の確保と、区民生活における交通利便性の向上を目的として、京成バスにより平成十七年から運行されております。 「さくら」「汐入さくら」「町屋さくら」の三路線、五系統を合わせた利用者数は、年間約百二十七万人、一日当たり約三千五百人に達し、区民の身近な公共交通機関として定着し、多くの方々から大変御好評をいただいております。 こうした中、先ごろの大型バスの事故につきましては、大変痛ましく、改めて安全運行の重要さを認識したところであります。 御質問のコミュニティバスさくらの事故件数につきましては、これまでに全体で車内での転倒が四件、自転車との接触が二件の合わせて六件でございます。また、自動車等との接触による物損事故が年間一、二件程度あると認識をしております。 次に、コミュニティバスの安全管理につきましては、これまで運行事業者である京成バスが道路運送法に基づき定めた安全管理規定や運輸規則に基づき定めた指針による運転者への指導及び監督の状況、輸送の安全にかかわる安全運動等の取り組み、労働条件に関する取り決め等の把握とともに、区として運行に関する協定書を締結し、事故等の防止を徹底する観点から、京成バスに対して折々に指導しているところであります。 しかしなから、安全運行をより確実に担保するためにも、このような企業の安全管理がさらに徹底されるよう確認していくことも重要な視点であると考えております。 したがいまして、区といたしましては、コミュニティバスが区民の皆様にとって安全で安定した運行を行うことが重要な責務であることに鑑み、京成バスの自主運行ではありますが、安全管理面の把握はもとより、区としても今後どのようなチェック体制の強化が図れるのか、バス事業の認可権者である国土交通省に相談するとともに、京成バスとも協議を行い、検討してまいります。   〔福祉部長谷嶋弘君登壇〕 ◎福祉部長(谷嶋弘君) 臨時福祉給付金に関する御質問にお答えいたします。 臨時福祉給付金は、消費税率の引き上げによる影響を緩和するため、所得の低い方々に対して、暫定的・臨時的な措置として給付するものでございます。当初、平成二十六年度に一度限りの臨時的な措置として実施されましたが、二十七年度にも同様に実施されたところでございます。そして、平成二十八年度につきましても、二回に分けて実施されることとなったところでございます。 臨時給付金の支給方法は、臨時的な給付措置であることを前提に、対象者を抽出するためのシステム開発から申請書送付、申請受付と相談などを事業者に一括委託し、会場を借り上げて実施したところでございます。 平成二十六年度には原則一人につき一万円で、全体で三億七千六百八十三万五千円の給付費に対して、一億一千二百二十四万一千円の事務費が、二十七年度も原則一人につき六千円で、全体で一億八千四百八十三万円の給付費に対して、一億五百六十九万六千円の事務費がかかっているところでございます。 平成二十八年度につきましても、六十五歳以上の低所得の高齢者向けに一人につき三万円及び三千円ということで、全体で八億一千万円の給付費に対して、一億五千八百万円の事務費が想定されてございます。 給付金の支給に要する給付費と委託料や会場使用料などの事務費は、全額が国から支出されるものの、全国一律の方法で実施することとされ、申請期間や支給の時期も国から指定をされているため、多大な作業を短期的、集中的に行うなど、区にとりましても少なからぬ負担となっていることも事実でございます。 区といたしましては、給付金が対象者に漏れなく行き渡り、かつ事務の執行方法も効率的で円滑に進められるよう、特別区課長会などから東京都を通じまして、引き続き国に求めてまいります。 事業の効果につきましては、各自治体で把握することが困難であり、その検証につきましては、国全体で行うべきものと考えてございます。   〔子育て支援部長青山敏郎君登壇〕 ◎子育て支援部長(青山敏郎君) 給付金事業に関する御質問のうち、子育て世帯臨時特例給付金のお尋ねにお答えいたします。 平成二十六年度における子育て世帯臨時特例給付金は、消費税の引き上げに際し、子育て世帯への影響を緩和するとともに、子育て世帯の下支えを図る観点から、児童手当の上乗せではなく、臨時的な給付措置として位置づけられております。 平成二十六年一月分の児童手当等を支給する対象児童のうち、臨時福祉給付金や生活保護の対象となる児童を除く平成二十六年度分の児童手当を受給できる所得の範囲内の児童一人について一万円を給付したものでございます。 平成二十七年度においては、特に低所得の子育て世帯に配慮し、手厚い措置を講ずる等の観点から、平成二十六年度と異なり、臨時福祉給付金や生活保護との併給を可能とし、平成二十七年度分の児童手当を受給できる児童一人について三千円を給付しております。 平成二十六年度における区の実績といたしましては、給付を決定した児童数が一万六千九百八十八人、給付額は一億七千万円弱、事務費は三千百万円余となっております。 平成二十七年度につきましては、本年一月二十六日までに給付を決定した児童数が一万九千一人、給付額は五千七百万円余、事務費は二千三百万円弱の見込みとなっております。 区では、子育て世帯臨時特例給付金の給付事務の実施に当たりましては、臨時福祉給付金事業と緊急経済対策として創設された「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」を活用した区内共通お買物券配付事業と一緒に業務委託を行うことにより、三つの事業の事務費の節減を図ったところでございますが、仕組み自体が地方自治体の実情を踏まえた制度となっていないため、区としても負担感があったものでございます。 給付金の支給に要する給付費と事務費につきましては、平成二十六年度分は全額が国から補助されております。平成二十七年度分につきましては、給付費は全額が国から補助されますが、事務費につきましては、支給の対象とする児童を児童手当と合わせたことにより、事務処理期間等が半分以下になるとの理由から、国からの補助は四割程度と見込んでおり、一千万円程度は区の負担になるものと考えております。 事業の効果につきましては、各自治体で検証することが困難であり、その検証につきましては、国全体で行うべきものであると考えております。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 旧真土小学校校舎に関する御質問にお答えをいたします。 旧真土小学校は、平成三年に閉校した後、主に福祉施設等として暫定利用してまいりました。その後、耐震強度の不足が明らかになったため、平成二十四年度末をもちまして暫定利用を終了いたしております。 区はこれまで、周辺の安全のために万年塀を撤去して、外壁の防護ネットと人の立ち入りを防止するためのフェンスを設置するとともに、防犯対策として機械警備の導入とシルバー人材センターによる清掃、見回りを行うなど、適切に閉鎖管理を行ってまいりました。 しかしながら、未成年者による敷地内への不法侵入が発生するなど、使用していない老朽建物を残しておくことは、議員御指摘にございましたように、防災上・防犯上の課題があることは認識しているところでございます。 区民の財産の保持と地域の安全という相反する課題を整理しなければならない大変難しい問題でございましたが、昨年の決算に関する特別委員会において、他の会派からの御質疑の中で御答弁申し上げましたとおり、現在、建物の解体に向けて鋭意検討を行っているところでございます。 具体的な進め方につきましては、区議会はもとより、区民の皆様の御意見を十分お聞きしながら決定してまいりたいと存じます。   〔教育委員会事務局教育部長阿部忠資君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(阿部忠資君) まず初めに、学校における安全管理に関する御質問にお答えいたします。 現在、区立小中学校における運動会での組み体操は、子どもたちが達成感や一体感が得られることや、地域や保護者の期待、学校の伝統などを踏まえ、十分な安全対策を図りながら、各学校の判断により、小学校では二十四校中二十二校で、中学校では十校中八校で実施しております。段数といたしましては、小学校では三段が五校、四段が六校、五段が一校、六段が五校、七段が五校で、中学校では四段が二校、五段が三校、六段が三校となっております。 教育委員会といたしましても、組み体操の実施に際しましては、安全に配慮し、適切な人数の教員を配置すること、十分な練習時間を確保することなど、各学校を指導しているところでございます。 しかしながら、新聞等では組み体操での事故が全国で発生しており、重篤な状況になるケースがあるとの報道がされております。 こうした状況を受け、荒川区教育委員会といたしましては、校長会において組み体操での安全対策について検討を開始したところでございます。また、御質問にもございますとおり、国においては、組み体操における過去の事故の分析などを進め、安全確保策をまとめて、事故防止のための方針を示すこととしたところでございます。 さらに、東京都教育委員会においても、体育活動での安全対策を講じることを目的に検討委員会を設置し、学校向けのガイドラインとして、騎馬戦や棒倒しなど危険を伴う種目を含めて、指導時に配慮すべきことをまとめることといたしました。 教育委員会といたしましては、校長会で実施している検討結果に加え、本年三月に示される国や都における安全確保策のまとめを踏まえ、児童・生徒の安全確保に最大限配慮するよう対策や方針を十分検討してまいります。 次に、学校教育のPRに関する御質問にお答えいたします。 荒川区教育委員会では、教育を通して区民の夢や心を育むための「子育て教育都市荒川区」を目指し、平成十九年三月に「荒川区学校教育ビジョン」を策定し、未来を開き、たくましく生きる子どもたちを育成するため、「教育の荒川区宣言」をして学校教育の充実に努めてまいりました。 施策といたしましては、学校パワーアップ事業として、各学校の創意工夫ある教育活動の支援や、「学習・情報センター」としての機能を充実させる学校図書館事業、国際化に対応して小学校一年生から学ぶ英語教育を実施してまいりました。 また、情報化社会を見据えたタブレットパソコンの導入や補充学習の「あらかわ寺子屋」の全校実施、さらに、「助けられる人から助ける人へ」という意識を醸成させる全中学校への防災部の設置など、「未来社会の守護者」である子どもたちが心豊かに学び、生きることができるよう多種多様な教育施策を展開し、荒川区の教育の充実に取り組んできたところでございます。 こうした事業は、区内外で高く評価され、特にタブレットパソコンや学校図書館の取り組み、先進的な英語教育については、テレビやラジオ、新聞等に多く取り上げられ、また、全国の自治体からも多数の視察を受け入れている状況にございます。 昨年四月には、ケネディ駐日米国大使が区立小学校を訪問し、子どもたちに絵本の読み聞かせをし、英語の授業に参加するといったこともございました。 さらに、防災部につきましては、東京都消防庁から消防総監賞を受賞し、新年の出初式に都代表として参加するとともに、文部科学省発行の教育委員会月報に活動の様子が掲載されるなど、荒川区の教育が広くPRされたところでございます。 教育委員会といたしましては、今後、学校のホームページをさらに充実させたり、マスコミへの情報発信を頻繁に行ったりするなど、御質問の趣旨を十分に踏まえ、区内外へ「教育の荒川区」を広くPRしてまいります。 ○副議長(保坂正仁君) 二十五番清水啓史議員の質問を終わります。 続きまして、二十三番藤澤志光議員。   〔藤澤志光君登壇〕 ◆二十三番(藤澤志光君) 通告を行っております順番に沿って質問をさせていただきます。 まず、災害対策についてであります。 水害対策について、外水氾濫についてを最初に行います。 気象温暖化による異常気象が常態化しています。内閣府の中央防災会議では、荒川右岸の決壊による大規模水害の浸水想定がされています。 荒川区では、今から十年前の平成十八年度末に「洪水ハザードマップ」が荒川区報に特集されておりますが、一過性であるため、現在、区民の多くは十分な認識がありません。高齢化の進む荒川区で、区民が自分で日ごろよりいざというとき対応ができるように、わかりやすい方法で対策を講ずべきと思いますが、区の対応はいかがか、お尋ねいたします。 次に、内水氾濫について伺います。 二年半前の平成二十五年七月に、東京では城南地区を中心に大雨が降り、目黒区周辺では一時間に約百ミリの猛烈な雨が観測されました。この集中豪雨により床上・床下浸水のほか、道路冠水による交通障害や鉄道などの交通機関への影響も発生しました。品川区をはじめ目黒区、大田区、世田谷区では、浸水被害棟数は四百棟を超えるものでした。         同年の八月十二日には、杉並区や練馬区では一時間六十ミリを超える非常に激しい雨が降り、中野区、杉並区などで被害棟数が三十棟を超えました。 また、同年八月二十一日には、文京区や台東区では、夜間十時から十一時までの一時間に五十ミリを超える集中豪雨があり、被害棟数が百七十棟を超える被害が発生しております。 同じく、十月に台風二十六号の影響により、区部では長期間にわたる雨が降り続き、江戸川区では早朝の五時から六時までの一時間に五十ミリを超える非常に激しい雨が降り、被害棟数が九十棟を超えています。 同じ年の夏季に都内で実に四度にわたり集中豪雨で浸水被害が発生しております。こうした事例を踏まえて、浸水被害に遭った地域は、下水道局で豪雨対策下水道緊急プランを策定して、七十五ミリ対策地区、四地区、五十ミリ拡充対策地区、六地区、小規模緊急対策地区、六地区で対策を実施することになっていますが、荒川区はこれらには入っていません。 荒川区では、都市型集中豪雨が多発するようになった一九八〇年代に策定された計画で、一時間五十ミリで流出係数八〇パーセントに対応する施設として、一昨年ようやく尾久ポンプ場が完成を見ています。近年の異常気象による集中豪雨が荒川区付近に一時間百ミリを超えて大雨が降ったら、かなりの浸水被害が発生することは間違いがないと思いますが、区はどのような想定と対策を考えておりますか、伺います。 次に、地震対策についてお伺いをいたします。 阪神・淡路大震災が発生して満二十一年になります。六千四百三十四人が死亡しておりますが、地震発生当日に死亡したのは五千三十六人でした。NHKでは、直後記録と膨大な五千三十六人の死体検案書を最新の技術で解析し、ことしになって報道を行いました。それによると、平成七年一月十七日、午前五時四十六分に発生した震度七の地震で、神戸市では四十四万棟の建物被害が発生しました。当日発生した神戸市の火災の記録は二千五件、そのうち倒壊時に発生したと思われる火災は百十三件、残りの九十二件は地震発生後一時間以上たってからの火災であることがわかってきました。 長田区の大正筋商店街の火災は四時間後の火災で、十時ごろ突然出火しましたが、ちょうど停電が復旧して通電した直後であったことがわかりました。神戸市内全域で死因、死亡した場所、死亡時刻が記された死体検案書、建物の被害調査記録、地震発生当日の被災地の航空写真、四十四万棟の建物被害、二百五件の火災の記録、道路のデータ、消防の救助活動、停電からの復旧時間データ等を調べ、それらを最新の技術で重ね合わせた結果、被災一時間後の救助を待つ人は九百人以上もおり、五時間後でも五百人近くが生存していたのがわかったのです。一時間以内に瓦れきの中で死亡した人は、圧迫死が九〇パーセント、焼死が七パーセントで、総数は三千八百四十二人でありました。その内訳は、焼死が七パーセント、即死である圧死が八パーセント、外傷性窒息と言われる窒息死は六一パーセントで、二千百十六人に及んでいます。この二千人余の死体は、肋骨も折れていないし、臓器損傷もない。単に腹や胸が圧迫され、呼吸をする横隔膜や胸が機能できずに窒息死に至ったことがわかりました。 東灘区では、午後三時ごろでは百五十人が生存していました。しかしながら、午後八時半にはほとんどの人が死亡しています。また、東灘区は窒息死が最も多かったこともわかりました。これは被災地外からの神戸市への救援の救助隊百八十隊のほとんどが道路の渋滞に巻き込まれ、通常の五倍もの時間がかかり、救助がおくれたことによります。道路渋滞の原因の多くは、被災者の安否確認に行く乗用車などの渋滞が原因でありました。 東日本大震災においても、震災発生直後に起こった渋滞は、その多くは安否確認の乗用車によって発生しています。これらの分析から、適切な対応がなされたならば、もっと多くの人々を救助できたのではないかと思われます。 交通渋滞に関しては、既に国や東京都で対応して、周辺県から緊急車両以外の都内流入を規制すべく対策を練っておるようであります。 この報道を通じて新たな教訓を与えられた思いであります。荒川区では、「災害で一人の犠牲者も出さない安全・安心のまち」の実現を最終的な目標とし、具体的な防災対策を推進していくことになっています。被害想定を踏まえ、平成二十九年度末までの達成を目標とする減災目標を定めております。 荒川区の災害予防計画では、震度五強以上の地震が発生したときは、自動的に災害対策本部を設置することになっており、当然に全職員が非常参集をすることになります。西川区長を災害対策本部長に、副本部長は二人の副区長及び教育長、本部員は十人の部長と防災課長で、本部職員は本部員を除く全ての区職員と取り決められております。 副本部長は三人中二人が、本部員は十一名中八名が荒川区外に居住しており、区内居住者が少なく、災害対策本部が機能しないのではないかと心配であります。仮に震度六強以上の地震が夜間・早朝に発生したときには、区としてどのような対応を考えているのでしょうか、お尋ねをいたします。 荒川区内在住の職員は、全職員の三分の一程度でありますが、全職員が在宅中に地震が発生したときには、まず第一に家族の安全を確保してから参集することになります。職員には、いざというときに区民のために働けるよう、家庭の備えを日ごろから万全にしていなければなりません。また、区当局も日ごろから各職員の家庭での対策状況を承知していなければならないでしょう。現在どのような方法で職員の家庭の安全対策をしているのかを伺います。 次に、大震災発災時には家具や瓦れきの下敷きになっている生存者をすばやく、一人でも多く救出することが求められます。荒川区は全国で一番早く瓦れきからの救出を目指すレスキュー隊が西尾久四丁目、川島町会長のもとで発足をいたしました。区としても、資機材の提供と消防署と消防団などの協力でレスキュー隊の設置を促してきましたが、一人でも犠牲者を出さないとの区長の方針からいえば、瓦れきからの救出による人命確保を第一にすべきではないかと改めて思います。現在までのレスキュー隊の設置と救助訓練はどのように行われているのか、お尋ねします。 震災発生時に停電して四時間後の通電直後に発生した長田区の火災を教訓とすれば、通電火災をなくすために感震ブレーカーの設置が求められますが、これの普及は極めて低い状態です。区はもっと普及に力を入れるべきであると思いますが、対策はいかがでしょうか。 また、普及が進まないときは、東電が通電する事前に連絡をもらい、区民に通報を行って、各地域で消火器を用意して、初期消火ができる体制を組んでから通電するようにすべきと思いますが、いかがでしょう。 いずれにせよ、発災直後にはまず第一に自分自身で安全を確保し、家具や倒壊家屋からの救出を行い、地震発生時の火災には地域に配置されている四千六百本の消火器で初期消火を行い、近隣の人たちと助け合う自助、共助の関係をもっと進める必要があると思います。 次に、まちづくりについて伺います。 荒川区では、地震・火災に弱い木密地域が全面積の三分の二を占めています。昭和五十八年度より防災上重要な避難場所、一時集合場所及び避難路の周辺で早急に不燃化を図る必要がある区域を不燃化促進地域に指定し、耐火率七〇パーセントを目指して、耐火建築物を建築する場合に費用の一部を助成してきました。 白鬚西地区、小台通り地区、尾竹橋地区、旭電化下跡地周辺地区、補助三〇六号線地区、放射十二号線地区、補助九十号線地区、補助一八九号線地区、補助九十号線第二地区と事業が進められてきました。また、不燃領域率七〇パーセントを目標に、密集住宅市街地整備促進事業は、昭和六十年度に事業を開始した荒川五・六丁目地区、平成十一年度事業開始された町屋二・三・四丁目地区、同じく南千住一丁目地区、荒川一丁目地区、平成十七年度に開始された荒川二・四・七丁目地区、平成二十一年度開始の尾久中央地区が実施され、あわせてこれら地区内で道路事業として優先整備路線四路線が事業化されています。 さらに、これらの地域は、平成二十三年三月十一日の東日本大震災で始まった都の木密地域不燃化十年プロジェクトを活用して、不燃化特区整備促進事業として、三百ヘクタールの広域で事業が進められております。大変な優遇政策で、区民にとって恵まれた施策でありますが、借地関係が多く、権利関係が複雑で、住民の高齢化も進むなど、荒川区特有の事情もあり、なかなか事業が進んでいない様子であります。 不燃化特区の事業は、平成三十二年度で終了することになっており、限られた期間内にさらに不燃領域率を上げていくことが極めて重要であります。今以上に必要な人員や専門家を増員して事業を推進すべきと思いますが、区の見解をお尋ねいたします。 東日本の大震災で荒川区は震度五強の揺れを感じました。この地震で建物倒壊被害はほとんどありませんでしたが、見えないところにクラックが入るなど、何らかの損害を受けた住宅などは多いはずであります。今後、首都直下地震が発生したとき、微細の損傷部分が拡大し、倒壊を招くおそれがある建物もあるのではないかと思います。 区の所管する施設の構造については、中長期改修計画策定に合わせて耐震化を推進していくと認識しておりますが、民間所有分について、今までにやってきた耐震診断、耐震化助成とは別に対応を考えるべきだと思います。区はどのような対策を考えているか、お尋ねをいたします。 都心に近く交通至便である荒川区では、地価が安いので、空地が出ると建売がどんどんつくられ、販売されています。最近の建売一戸建ては数棟まとめてつくられたものは、隣地との空間がほとんどない物件が数多く見受けられています。建築基準法に沿って建てていると思いますが、購入した人が十年、二十年と住み続けると、当然のことに水回りの不具合や家の外装に傷みが出てきて、手直しをしなくてはなりません。そんなとき、足場はもちろん、人すら入る余地もない建売を買った人は大変困ることになります。建売を買い求められる方は、見栄えとか、今現在の使い勝手と購入価格だけで判断する年代の人が多いと思われます。区民が間違って建物の間隔がないような建売物件を購入しないように、区に相談または問い合わせの窓口を設置すべきと考えますが、区の見解をお聞きいたします。 次に、不燃化特区事業と特定空家特別措置法についてお尋ねをいたします。 空家等対策の推進に関する特別措置法が議員立法により成立し、昨年五月に施行されております。空き家は全国で八百万戸を超えており、適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空き家等の活用が求められています。この法律によれば、区は空き家等対策計画の策定、空き家等の所在や所有者の調査、そのために空き家等に関するデータベースの整備等を行うよう求められております。 この特定空き家等に対する措置として、除却、修繕等の措置の助言または指導、勧告、命令が可能になり、さらに要件が明確化されたとき、行政代執行の方法により強制執行が可能となるなどが規定されております。この特別措置法によれば、空き家住宅等の除却費用について、五分の四は国と地方公共団体で助成し、所有者は五分の一負担となることを規定しております。 荒川区では既に平成二十八年度予算案に導入して、一〇〇パーセント助成事業として行おうとしております。この助成を受けて更地にすると、残念ながら即座に固定資産税、都市計画税の優遇措置がなくなります。また、この規定によれば、区長が特定空き家等の所有者に対し必要な措置をとることを勧告したときは、当該特定空き家等に係る敷地について、固定資産税、都市計画税は特例の対象から外せることになり、危険老朽家屋をそのままにしておいても住宅用地に係る減税が受けられなくなります。 これに対し、不燃化特区事業は、平成三十二年度までと区切られているとはいえ、荒川二・四七丁目地区、町屋二・三・四丁目地区、尾久地区の優遇措置はかつてないものであり、危険老朽家屋を除却しても適正に管理するならば、土地の固定資産税、都市計画税を五年間八割減税が受けられるようになっています。 しかしながら、区民から見れば、荒川区が同じ窓口で不燃化特区事業の優遇措置と特定空家特別措置法とで取り扱いが異なるのは、荒川区が同じような木密地域に住む区民を地域で差別するように思われると思います。特に土地に係る固定資産税、都市計画税の減税が片や受けられなくなり、片や五年間八割減税が受けられる。また、建て替え後の税の優遇についても同様に違いが生じることになります。これに対して、今後区はどう対応するのか伺います。 次に、アレルギー対策についてお尋ねをいたします。 近年、十年前と比較して、コンピュータの能力が百万倍を超え、各種分析機器も精度が向上し、遺伝子の解析をはじめIPS細胞等の活用により、医療の進歩は目覚ましいものがあります。今まで完治が難しいと思われていた疾病なども、原因の解明が進み、新しい薬剤を含め、治療法が次々と開発されています。既に動物実験で成果を上げ、臨床試験に取り組んでいるものも数多くあり、現在はまさしく医療革命の時代と言っても過言ではないと思います。 アレルギーもその中の一つであります。一九六〇年代以降急増したアレルギーに対して、二〇〇〇年にアメリカの小児科学会ではアレルギー予防のための指針を出しております。指針によると、妊娠中から母親はできるだけアレルギー食品を避けること、幼少期の食事では、乳製品は一歳以降に与えること、卵は二歳以降に与える、大豆やピーナツなどのナッツ類や魚は三歳以降に与えることになっていました。しかしながら、その後もアレルギーは激増し、この指針に沿って育てられた子どもは、かえってアレルギー症状がきつくあらわれることが多く見られます。 昨年二月のアメリカのアレルギー学会では、指針を否定することになりますが、子どもたちができるだけ早い段階でアレルギー食品を食べたほうが圧倒的にアレルギーになりにくいとの発表がありました。ハーバード大学でも過去の膨大な妊婦等の調査資料分析で同じ結論を出しております。 そのメカニズムは、皮膚粘膜等からアレルギー物質が体内に入ると攻撃細胞が増加するわけですが、腸から先にアレルギー食品が入ると、制御性T細胞、通称Tレグが増加し、攻撃細胞を抑えることになるということであります。したがって、早期の離乳食からアレルギー食品を避けずに食べさせると、Tレグがふえて攻撃細胞を抑え込み、アレルギーになりにくくなるということであります。 アレルギー症の人に対しても、千葉大の医学部においては、花粉症の人に、体を花粉のエキスにならさせて体質改善を図る方法などが行われています。また、つくば市の農業生物研究所では、スギ花粉のタンパク質を取り出し、危険なアレルギー反応を起こす部分を除き、Tレグを安全にふやす物質を米に入れた花粉症治療米の臨床試験を進めていますが、目覚ましい成果が上がっているようであります。 幼児期にアレルギー食品を避けることによってアレルギーを発症し、しかも重症化する危険が言われているわけですが、いまだに妊娠中からアレルギー食品を避ける意識を強く持っている母親が多くいます。こうした意識を強く持っている世代の母親に適切な指導をすべきと思いますが、区はどういう対応をしているのかお尋ねをいたします。 最後に、公文書管理についてお尋ねをいたします。 ヨーロッパ諸国では、十八世紀以来、近代的な公文書館制度が発達しました。今日では公文書館は図書館、博物館とともに文化施設として三本の柱の一つとなっています。 日本では、明治以来、国の公文書はそれぞれの機関ごとに保存する方法がとられてきましたが、戦後、公文書の散逸防止と公開のための施設の必要性の認識が急速に高まりました。昭和四十六年に総理府に国立公文書館が設置され、国の歴史的な重要文書を保存・管理し、それを広く国民が利用できるように、建物は北の丸公園内に建設されました。 平成二十三年には、「公文書等の管理に関する法律」が施行されました。これにより公文書の作成、整理、移管、保存、公開に関する基本ルールが定まりました。 荒川区においても、法に基づき整理、保存しているものと承知をしておりますが、将来は区民等が利用しやすいように、デジタル時代に対応して検索や情報提供をインターネットで素早く行えるようにすべきだと思います。 既に板橋区では、公文書管理法ができる以前の平成十二年に板橋区公文書館条例を施行し、二十三区で初の公文書館を誕生させています。そこは、毎年発生する区の膨大な公文書や行政刊行物の中から歴史資料として重要なものを収集・整理・保存し、地域の歴史や文化への理解を区民に深めていくための公開施設であります。所蔵する資料は公文書、行政刊行物、自治体史、地図、写真、区史編さん収集資料等であり、インターネットで目録を検索し、常時閲覧ができるようになっています。 そこで、区当局に五点お尋ねします。 まず第一に、現在、区が公文書として保管している文書のうち、歴史的公文書に該当するものはどの程度あるのか。 次に、それらの歴史的公文書については、後世に残すために適切に保管する必要があると考えますが、区ではどのような対応を行っているのか。 次に、区が公文書として保管している文書は、古くとも大正時代、または昭和初期のものと思いますが、そうした公文書以外に、例えばふるさと文化館で所有する資料の中にも歴史的公文書に該当するものがあるのではないか。 そして、区民が代々所蔵してきたさまざまな歴史・民芸資料などの中にも、歴史的公文書に該当するものがあると思いますが、そうした区民個人の資料を散逸させない取り組みが必要なのではないか。 最後に、そうした歴史的公文書の適切な保管に努め、後世に残していくとともに、区民が資料に気軽にアクセスできる環境を整備することが必要になると考えます。区としての見解をお尋ねをいたします。 以上で質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 藤澤議員の災害対策についての御質問にお答えをいたします。 二〇一一年三月十一日の東日本大震災の発生から約五年が経過しようとしておりますが、私は、あの大震災の被害の状況を昨日のことのように思い出します。一方で、一昨年には広島市、昨年には常総市において発生した大規模な水害も記憶に新しいところであります。 今後、いつ日本の首都である東京を襲うかもわからない大地震や水害等の自然災害から区民の命と財産を守っていくことは、私に課せられた重要な使命でございます。 こうした認識のもと、首都直下地震等による被害を最小限に抑えるためには、木造住宅密集地域の改善が最優先であると考え、これまでも災害に強いまちづくりに向けたさまざまな取り組みを行ってまいりました。 ハード面の対策といたしましては、災害時の延焼防止、緊急車両のスムーズな通行や避難経路の確保等を図るための主要生活道路の拡幅、災害時に有効なオープンスペースとなる公園や広場の整備、老朽木造住宅の建て替え及び危険老朽空き家の除却への支援、ジャパン・レジリエンス・アワードで最優秀レジリエンス賞を受賞いたしました荒川区としてのすばらしい政策であると自負しておりますが、永久水利施設の整備などでございます。 そして、災害対策をより実効性のあるものにするために、これらハード面とともに、避難所開設訓練の実施や防災区民組織及び区民レスキュー隊への支援、中学校防災部の設置による防災ジュニアリーダーの育成など、区の地域力を生かしたソフト面での対策を効果的に組み合わせることが重要であり、区では、ハードとソフトの両面から地域防災力の強化等に向けた災害対策を推進してまいりました。 さらに、昨年の九月には、区民の皆様をはじめとする関係各位から貴重な御意見を伺いながら、都内初となる「荒川区防災・減災等に資する国土強靱化地域計画」を策定いたしました。本計画は、地震、水害等を含むあらゆる災害が発生しようとも、区民生活を支える重要な機能を維持し続ける強靱な地域づくりを目標に、国土強靱化の視点から、区におけるさまざまな分野の計画等の指針となるものであります。そして、このような取り組みを荒川区が率先して行ってまいりましたことを受けて、本年一月には東京都においても地域計画が策定されたところでございます。 今後は、この計画に基づく新たな取り組みといたしまして、地域住民による消火・延焼防止や救助活動に必要な資機材を配備する防災スポットの整備、大雨等の浸水に備えて、区民の皆様が迅速に避難するためのハザードマップの改定、地域の防火・防災の新たな担い手となる若年層の参加を促進し、地域コミュニティの充実と地域防災力の向上を図る防災運動会の実施などを予定いたしております。 私は、今後も防災・減災に資する施策等を総合的かつ計画的に推進いたしますとともに、区民の皆様や国、東京都、消防庁、警視庁等の関係機関との連携を強化しながら、区の最大の目標でございます「災害で一人の犠牲者も出さない安全・安心のまちづくり」に向けて、全力で取り組んでまいります。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から答弁を申し上げます。   〔区民生活部長正木良一君登壇〕 ◎区民生活部長(正木良一君) 初めに、水害対策についての御質問にお答えいたします。 まず、外水氾濫についてでございますが、国土交通省が公表した浸水想定では、荒川流域に三日間で総雨量五百四十八ミリという二百年に一回程度起こり得る大雨により荒川が氾濫した場合、区内で最大五メートル程度の浸水が発生すると予想されております。このため、区では、東京都や他区等と連携した広域避難対策、垂直避難が可能となる建物の確保及び地域住民への普及啓発対策に取り組んでいるところでございます。 東京都や他区等と連携した広域避難対策につきましては、東京都と二十三区で都と特別区における大規模水害時の広域避難担当者会議を設置しており、平成二十八年度中を目途に各区の避難者受け入れ数、主な避難先の候補などについて取りまとめることとしております。それまでの対応として、区では、隣接する文京区、台東区、北区で構成する防災担当課長会におきまして情報共有を行うとともに、「特別区災害時相互協力相互支援に関する協定」に基づき、文京区などへの避難について協力をいただけることになってございます。 広域避難に関する具体的な住民の避難計画につきましては、いつ、誰が、何をするのかをあらかじめ時系列で整理したタイムラインをもとに、東京都や近隣区などと調整の上、作成してまいります。 以上の対策に加え、混乱の中、広域避難ができず逃げおくれた場合などに備え、一時の避難先となる建物の確保に努めているところでございます。現在、新耐震基準を満たしている建築物で五階建て以上かつ延べ床面積千平方メートル以上の建築物の所有者等に協力を求め、「災害時地域貢献建築物」として認定を進めており、現在十施設を認定しているところでございます。 さらに、区内にある都営住宅の共有部分を緊急避難先とするため、平成二十七年十二月九日、東京都と都営住宅の共有部分を対象とした「大規模な水害時における緊急避難に関する覚書」を締結したところでございます。 御質問の地域住民への周知についてでございますが、現在の洪水ハザードマップは、平成十九年三月に作成したものでございます。昨年九月の水害をはじめ、国内各地で毎年台風や大雨による浸水に見舞われるなど、状況が大きく変化していることから、荒川が氾濫した場合の浸水深、氾濫水と到達時間、避難の準備と注意点などにつきまして、荒川区の顧問でございます林春男防災科学技術研究所理事長の御助言をいただきながら、区民の皆様によりわかりやすい新たなハザードマップを現在作成しているところであり、六月には全戸配付することとしております。 加えて、来年度はモデル地区を選定し、地域にある災害対応のための資源とその場所を示す「対応資源マップ」や自分がどのような行動をとるかを決める「マイ防災マップ」を区民の皆様と協力して作成いたします。そして、地域の浸水深情報を理解していただくための浸水深シールの作成なども進めてまいります。 また、地震や水害などの災害時における避難行動等の援助や防災情報の普及啓発を図るため、今年度末までにスマートフォン等で利用できる防災アプリを作成することとしております。 区といたしましては、これまで申し上げた対策について、区民の皆様に十分御理解いただくため、区報やホームページをはじめ、さまざまな広報手段を活用して、適時適切な情報をわかりやすく伝えるとともに、安全、確実、迅速に避難できるよう、水害時の避難を想定した訓練を実施するなど、総合的な水害対策に取り組んでまいります。 次に、内水氾濫についてでございますが、これは雨水の急増に排水処理機能が追いつかないことで起こる、まさに都市型水害であり、近年多発する傾向にございます。東京都が公表した浸水想定では、時間最大百十四ミリの降雨があった場合、区内の一部の地域で一メートル程度の浸水が発生すると予想されており、区民の皆様には、水害に対する心構えや注意点と合わせて、洪水ハザードマップで周知を図っているところでございます。 区といたしましては、大雨による被害を最小限にするため、区民の皆様に対しまして、雨水ますをふさがないなど、日ごろからの備えについて区報などを通じて継続して周知してまいりますとともに、これまでも東京都下水道局に対し、下水道の整備拡充につきまして要望してまいりましたが、浸水被害の軽減のため、今後も強く働きかけてまいります。 次に、閉庁時の職員の参集に関する御質問にお答えいたします。 首都直下地震をはじめ、大規模災害が発生した場合、区職員は職場に直ちに参集し、災害対策業務へ速やかに従事することとしております。 阪神・淡路大震災の発生時には、発災から七十二時間経過してもなお救助がない場合、生存率が五パーセントに激減したとのデータが神戸市消防局から示されており、区職員の対応につきましても、初動が非常に重要であると認識してございます。 職員の中には、参集までの距離が長く、早朝、夜間、休日など時間外に発災した場合はすぐに駆けつけることが困難な職員もおりますので、区内及び近接区に居住する職員を中心として、効率的な体制を組んでいく必要がございます。 そのため、区では、職員の参集経路及び所要時間につきまして、全庁的に把握をしているところでございます。今後、参集に当たっての行動等について、経路上の被害状況を確認することを含めたチェックリストの作成を検討していくなど、迅速な体制整備に努めてまいります。 なお、職員の家庭における安全対策につきましては、参集する上での前提等にしてございます。荒川区で実施している家具類の転倒及び落下防止器具の取りつけのように、家庭でけがをしないような対策につきましては、職員の家庭でも実施するよう既に周知しているところでございます。 区といたしましては、職員やその家族がけがをして参集できないことがないよう、今後も職員の家庭での安全対策に一層力を入れてまいります。 次に、人命救助体制についての御質問にお答えいたします。 阪神・淡路大震災におきましては、地震による家屋の倒壊等により閉じ込められた人で自力脱出が困難であった三万五千人のうち、約八割の二万七千人が住民により救出されております。このことを踏まえますと、地震発生後、できるだけ多くの住民の皆様に速やかに人命救助活動をしていただくことはとても重要な視点であると考えてございます。 発災直後には、建物の倒壊や渋滞の発生などにより、区や消防、警察等の行政機関による負傷者の救出・救護活動は困難を極めることが予想されることから、区内の町会・自治会全てに組織された防災区民組織や九十五隊の区民レスキュー隊の力を結集して人命救助に当たることとしております。 現在、防災区民組織や区民レスキュー隊には、防災訓練において、油圧ジャッキやチェーンソーなどの救助資機材の取り扱い訓練やAEDを活用した応急救護訓練などを実施していただいているところでございます。 また、平成二十五年度より整備しております永久水利施設について、消防団の指導のもと、複数の防災区民組織が連携し、消火・送水活動を行う市街地遠距離送水訓練も実施していただいているところでございます。 さらに、老朽化した木造住宅が密集する地域におきましては、震災等による災害が発生した場合、広範囲に及ぶ市街地火災の危険性が高いことから、オープンスペースを確保するため、防災スポットを整備することとしており、延焼火災を防ぐための初期消火のための資機材や人命救助活動に必要な資機材も配備することといたしております。 区といたしましては、「災害で一人の犠牲者も出さない」という基本理念のもと、荒川区の強みである「地域力」を生かした防災力の向上に努めてまいります。 次に、通電火災対策の御質問にお答えいたします。 阪神・淡路大震災では、出火原因の約六割が電気に起因するものであり、その多くが通電開始後に発生したものと言われております。送電再開後に発生する火災を防ぐためには、ブレーカーの遮断が有効であることから、区では、各種防災訓練や家庭用防災マニュアルにおきまして、避難する歳の行動の一つとして、ブレーカーの遮断について周知するとともに、感震ブレーカーにつきましては、荒川区防災用品としてあっせんの御案内も行っているところでございます。 感震ブレーカーの設置につきましては、昨年六月の本会議質問におきまして、普及啓発についての御質問をいただき、具体的な取り組みを始めたところでございます。最新の荒川区世論調査では、感震ブレーカーの設置率は六・六パーセントにとどまっていることから、有効性の周知、設置の支援を含めた普及啓発のさらなる充実を図ってまいります。 東京電力では、過去の震災の教訓から、電気の供給を再開する際には、安全を確認してから通電を再開することになっております。 また、区で災害対策本部を設置した場合は、東京電力上野支社より連絡員が派遣されることになっており、同支社にMCA無線機を配置するとともに、「災害時等における電力供給に関する相互支援協定」を締結し、相互に連絡責任者を定めるなど、相互支援体制の強化を図っております。 このような体制を既に構築してございますので、大規模災害発生時には、随時荒川区内の被害状況が東京電力に伝わるとともに、通電再開などの情報も災害対策本部に提供されることになっております。また、災害対策本部には消防署からも連絡員が派遣される体制になっていることから、通電再開の情報は消防署や消防団にも提供されるため、万一出火した場合におきましても、迅速に消火できる体制となってございます。 電気に起因する火災は、地震による火災発生原因の大きな要因となっていることから、区といたしましては、感震ブレーカーの有効性や送電再開前のブレーカー遮断につきまして、引き続き周知してまいりますとともに、東京電力等と密接な連携を図り、通電による出火の防止に努めてまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) まちづくりに関する御質問にお答えいたします。 区では、従来より踏み込んだ取り組みが必要であるとの認識により、不燃化特区の指定を受け事業に取り組んでおり、平成三十二年度までに不燃領域率を七〇パーセントとする目標を掲げております。 その進捗といたしましては、平成二十六年度末において、荒川二・四・七丁目地区で六三パーセント、町屋・尾久地区で五九パーセントとなっております。あわせて、昨年の十月から、特定整備路線である補助九十号線沿道において、新たに都市防災不燃化促進事業を導入しております。 こうした事業の目標の早期達成を目指し、今年度より用地取得を専門業務とする用地係を新設し、体制の強化を図っております。 また、老朽木造建築物の建て替えや除却の促進に関しましては、危険老朽空き家ゼロ作戦の取り組み、建て替え助成制度の拡充を図るとともに、各戸訪問による事業周知を行い、建て替えや除却の勧奨を行っております。 さらに、住民の抱えるさまざまな問題に対しましては、「住まいの相談会」を夜間、休日に開催するとともに、弁護士、税理士といった専門家を派遣し、相談に応じております。 そのほか、UR都市機構と事業連携を行うなど、より効果的な事業の推進のための取り組みを行っております。 区といたしましては、残された期間の中でさらなる不燃化を進めるため、着実かつスピード感を持って取り組んでまいります。 続きまして、民間建築物の耐震化推進に関する御質問にお答えいたします。 区は、平成十七年より耐震化推進事業を開始し、その後の充実を図ってまいりました。耐震診断による倒壊の危険性をチェックする体制を既に構築しているところであります。今後も荒川区耐震改修促進計画の目標設定等の改定を行い、民間建物の耐震化をさまざまな方法で支援してまいります。 最後に、隣地との空間が少ない建物に関する御質問にお答えいたします。 区といたしましては、建築関係法令を遵守して建築された物件に対して、購入を控えるといった相談または問い合わせに応じる窓口についてはできないものと考えております。 次に、不燃化特区事業と特別措置法に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで不燃化特区内で危険な老朽建築物の除却を進める事業を実施しております。これらの事業実施に当たっての財源は、東京都から補助を受けているところでございます。来年度は議会からの御要望もあり、不燃化特区外におきましても、荒川区全体の防災性を高めるため、著しく危険性の高い空き家の除却費用を全額助成する事業の創設を予定しております。本事業を実施するに当たり、その財源につきましては、国庫補助を最大限活用する予定でございます。 また、不燃化特区内では固定資産税の減免を行っており、現状では不燃化特区外で本制度を適用することはできません。したがいまして、区では、現在、国や都に対しまして、老朽建築物を除却した後の固定資産税の減免を要望しているところでございます。   〔健康部長倉橋俊至君登壇〕 ◎健康部長(倉橋俊至君) 子どものアレルギー対策についてお答えいたします。 区では、乳幼児の保護者を対象にアレルギー予防講演会を年三回実施しています。また、新生児訪問、離乳食教室等の機会を捉えて知識の普及を行っております。 厚生労働省が示す「授乳・離乳の支援ガイド」に基づき、自己判断や思い込みで食物除去を行うと、子どもの発育・発達に必要な栄養を十分に摂取できない可能性を説明し、予防的な食物除去は行わず、心配な場合は医師に相談することを勧めています。 さらに、区内保育園の栄養士等を対象に、定期的に食物アレルギーの講習会を実施し、正しい知識と対応方法の普及啓発に努めております。 今後も区民の皆様に対して、一層きめ細やかな情報提供を含めた普及啓発を行い、相談体制を確保し、医療機関、家庭、行政等の関係機関がより一層連携して、アレルギー対策を進めてまいりたいと存じます。   〔総務企画部長猪狩廣美君登壇〕 ◎総務企画部長(猪狩廣美君) 公文書管理に関する御質問にお答えをいたします。 現在、重要文書等につきましては、永年保存の取り扱いとしており、後世に残すべき公文書は、これらのごく一部になるものと考えてございます。 一方、荒川ふるさと文化館では、区民から寄贈や寄託を受けた多くの文書を保管しております。これらの貴重な資料の散逸を防ぐため、荒川区文化財保護条例に基づき、適宜適切に文化財として登録指定を行ってまいります。 区といたしましては、後世に残すべき文書や資料等の保存、管理、公開のあり方につきましては、ふるさと文化館や図書館との役割分担等を含め、引き続き検討してまいりたいと存じます。 ○副議長(保坂正仁君) 以上で二十三番藤澤志光議員の質問を終わります。 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。 本日はこれをもって散会したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(保坂正仁君) 異議はないものと認め、そのように決定いたします。 なお、明日二月十六日は休会したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(保坂正仁君) 異議ないものと認め、そのように決定をいたします。 次回の本会議は、二月十七日午前十時から再開をいたします。 本日はこれをもって散会いたします。まことにお疲れさまでございました。   午後四時十分散会...