平成24年 9月 定例会(第3回) 平成二十四年 渋谷区議会会議録 第九号 九月二十日(木)出席議員(三十四名) 一番 斎藤竜一 二番 佐藤真理 三番 下嶋倫朗 四番 久永 薫 五番 沢島英隆 六番 治田 学 七番 佐々木弘明 八番 伊藤毅志 九番 薬丸義人 十番 長谷部 健 十一番 笹本由紀子 十二番 堀切稔仁 十三番 前田和茂 十四番 松岡定俊 十五番 栗谷順彦 十六番 古川斗記男 十七番 須田 賢 十八番 小林崇央 十九番 岡田麻理 二十番 浜田浩樹二十一番 田中正也 二十二番 牛尾真己二十三番 新保久美子 二十四番 五十嵐千代子二十五番 丸山高司 二十六番 木村正義二十七番 染谷賢治 二十八番 広瀬 誠二十九番 植野 修 三十番 吉田佳代子三十一番 鈴木建邦 三十二番 芦沢一明三十三番 苫 孝二 三十四番 菅野 茂欠席議員(なし
)-----------------------------------出席説明員 区長 桑原敏武 副区長 古川満久 副区長 水村信行 企画部長 浅川和憲 文化・
都市交流担当部長 植竹ゆかり 総務部長 千葉博康
施設整備担当部長 秋葉英敏
危機管理対策部長 遠藤 正 区民部長 柴田春喜 福祉部長 佐藤賢哉 子ども家庭部長 伊藤 宏 健康推進部長 倉橋俊至 都市整備部長 大澤一雅 土木清掃部長 日置康正 清掃担当部長 黒柳貴史
教育委員会委員長 山本正旺
教育委員会教育長 池山世津子
教育委員会事務局次長 児玉史郎
選挙管理委員会委員長 山下彰俊
選挙管理委員会事務局長 吉田恭子 代表監査委員 竹田 穰
監査委員事務局長 中島豊六
-----------------------------------事務局職員事務局長 久保田幸雄 次長
可部暢宏議事係長 松嶋博之 議事主査
山田義明議事主査 根岸正宏 議事主査 真下 弘議事主査 菊池 茂 議事主査
高木利樹----------------------------------- 平成二十四年第三回渋谷区
議会定例会議事日程 平成二十四年九月二十日(木)午後一時開議日程第一 議案第五十一号
渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例日程第二 議案第五十二号 渋谷区立学校の
在り方検討委員会条例日程第三 議案第五十号
渋谷区営住宅条例の一部を改正する条例日程第四 議案第五十三号 平成二十四年度渋谷区
一般会計補正予算(第三号)日程第五 議案第五十四号 平成二十四年度渋谷区
国民健康保険事業会計補正予算(第一号)日程第六 認定第一号 平成二十三年度渋谷区
一般会計歳入歳出決算日程第七 認定第二号 平成二十三年度渋谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算日程第八 認定第三号 平成二十三年度渋谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算日程第九 認定第四号 平成二十三年度渋谷区
後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算日程第十 報告第十六号 健全化判断比率の報告について日程第十一 報告第十七号
株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について日程第十二 報告第十八号
株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について日程第十三 報告第十九号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について日程第十四 報告第二十号
公益財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について
----------------------------------- 開議 午後一時
-----------------------------------
○議長(前田和茂) ただいまから本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、四番久永 薫議員、三十一番鈴木建邦議員を本日の
会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。 〔
久保田事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。
----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は、前回報告のとおりであります。
-----------------------------------
○議長(前田和茂) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 八番伊藤毅志議員。
◆八番(伊藤毅志) 私は、無所属クラブを代表して、大きく五点にわたって区長、教育委員長、教育長に質問させていただきます。 若干、昨日の代表質問と重なる部分はございますけれども、質問者が違えばアプローチの方法も立場も違うわけですから、御理解をいただいて御答弁を願えればと思っております。 まずは、「スポーツの持つ力」とその活用について伺います。 今年の夏は
ロンドンオリンピック、
パラリンピックが開催され、世界じゅうが大いにわいた熱い暑い夏となりました。その中でも、日本人選手の活躍は目を見張るものでした。オリンピックでは史上最多の三十八個のメダルを獲得、続く
パラリンピックでも計十六個、両大会でのメダルラッシュに日本じゅうがわき返りました。私自身も、日本人選手のプレーに拍手をし声援を送り、ときには目頭を熱くし、勇気をもらいました。また、世界じゅうの一流アスリートのプレーに感動と驚きを覚えたものです。 スポーツはプレーヤーはもちろんのこと、プレーヤーを支える人、応援する人、競技スタッフやボランティア、そして観客を含めたかかわったすべての人が勝ち負けに関係なく、一体感と感動を共有できるすばらしさを持っています。 先月二十日、
ロンドンオリンピックの
日本人メダリストが一堂に会した銀座でのパレードに五十万人以上の観客が集まったのも「力」の証左でしょう。私は、この夏改めて「スポーツの持つ力」を再認識し、この力をもっともっといろいろな場面で活用しなければと感じました。 そこで、まず「二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック東京招致」における渋谷区の取り組みについて伺います。 二〇二〇
夏季オリンピック候補地決定まで一年を切りました。現在東京は、トルコ・イスタンブール、スペイン・マドリードと三つ巴の戦いを行っています。東京の強みは、コンパクトな競技会場計画や、強固な都市インフラ、運営面の安定感などと言われています。それに対して弱点は、落選した二〇一六年オリンピック同様、五輪開催の地元支持率の低さでしょう。今年五月に発表されたIOCの独自調査によれば、首都圏住民の
東京開催支持率は四七%、七八%のマドリード、七三%のイスタンブールに大きく水をあけられています。今後は、東京都や政府に任せるだけでなく、渋谷区自らが二〇二〇年
東京オリンピック大歓迎という、区民の意識を醸成する必要があります。 渋谷区ニュース九月一日号のコラム「お元気ですか、区長です」の中で桑原区長は、「世界じゅうのすぐれた一流選手が一堂に会して、五輪精神を発揮してフェア精神に徹することがまた、世界平和に寄与するものとなると考えます」とオリンピックの意義を強調した上で、「その意味で、二〇二〇年はスポーツ振興のみならず、世界平和のためにも、
東京オリンピックの開催地として、区民を挙げて努力しようではありませんか」と書かれています。私も全く同感ですし、大いに賛同するところです。ましてや渋谷区にとって、落選した二〇一六年のときとの決定的な違いは、オリンピックのメイン会場であるオリンピックスタジアムが臨海部に建設されるのではなく、国立競技場の建て替えに変更されている点です。 この
メインスタジアムでは、オリンピックの開会式・閉会式を初め、陸上競技やサッカー、ラグビーなどの開催が予定されています。その八万人規模スタジアムへの建て替えは当然のごとく、近隣一帯の都市開発や観光に結びつきます。それはすなわち、「
アジアヘッドクォーター特区」に昨年末指定された渋谷駅周辺地域のまちづくりと相まって、渋谷駅周辺にとどまらず渋谷区全体が「国際的な観光文化都市」として大きく発展するための起爆剤になるものと確信します。 私は、
東京オリンピック開催の
支持率アップを図るために、地元渋谷区はあらゆる機会でそのPRに努める必要があると考えます。余り時間はありませんけれども、十月一日の「区制施行八十周年式典」を初め、「渋谷くみんの広場」、「新年交歓会」など渋谷区主催のイベントでは、
歴代オリンピアンなどを招いて、スポーツのすばらしさや五輪招致の意義などを話してもらったり、渋谷区ニュースの特集号で、一九六四年の
東京オリンピック当時のことを紹介し、二〇二〇年の招致を盛り上げるなどの方法が考えられます。つきましては、区長は、二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック東京招致に向け、具体的にどのようなプランをお持ちか伺います。 また私は、公立小中学校でも、二〇二〇年のオリンピック・
パラリンピック東京招致の啓発活動を児童生徒やその保護者に向けて展開する必要があると考えています。このことについては、教育委員長にオリンピック・
パラリンピック東京招致の意義を含め、教育委員長の実業家としての視点も加えて御所見を賜りたいと思います。 「スポーツの持つ力」の二点目として、渋谷区による「
アスリート職員の採用」について提案します。 今回の
ロンドンオリンピックにまつわる報道では、日本人選手の活躍は無論のことですが、彼らの日ごろからの練習や生活にも焦点が当てられていました。 数ある視点の中でも、私がアスリートにとって最も切実な問題だと感じたのは、彼らが問題なく競技を続けていく環境を手に入れること、俗な言い方をすれば「スポーツ選手として食べていくこと」の難しさでした。 今回のオリンピックの競泳で銀メダルと銅メダルを獲得したバタフライの松田丈志選手は、
北京オリンピックでも銅メダルを獲得したにもかかわらず、スポンサーとの契約が打ち切られ、コーチとともに引き続き練習が続けられる環境を手に入れるため、スポンサー探しに相当な苦労をされたと報道されていました。男子マラソンの藤原 新選手も、実業団を辞しプロランナーになるもスポンサー契約が終了、「無職ランナー」として臨んだ最後のチャンス、今年の東京マラソンで
ロンドンオリンピック代表切符をやっと手に入れました。その後は一年契約でスポンサー企業と契約をしましたが、
ロンドンオリンピックでの惨敗で、またまた失業の危機などとの報道も目にしました。 企業スポーツ、いわゆる実業団とて例外ではありません。その企業に余裕がある時期は問題ありません。しかし、企業の収益が悪化した場合、真っ先に予算が切られるのがスポーツ部門です。渋谷を拠点に長年活動していた
ヱスビー食品陸上部が突然、企業経営の悪化を理由に来春の廃部を発表しました。ヱスビー食品の
スポーツ推進局長は渋谷区在住で、往年の名
マラソンランナー・瀬古利彦氏、そして、多幸監督も子どもを公立小学校に通わせる渋谷区民なだけに残念でなりません。光の当たる
メジャースポーツでさえこのありさま、ましてやマイナー競技のアスリートの苦労の数は枚挙に暇がないほどだと思われます。 実は、今春より「
伊藤たけし事務所」で働いてもらっている柳井賢太君もエリートの
トライアスリートです。今日は傍聴席に来ています。大学卒業後も選手としてトライアスロンを続けたいと、あるNPO法人に勤務し競技を続けていました。しかし、なかなか職場の理解が得られにくく、練習環境に苦労しているという話を聞くうちに、「それなら、うちに来いよ。大して給料は出せないし、仕事も大変だけれど、自分も
トライアスリートだから、周りのみんなでできる限りのサポートをするよ」ということになったのです。そのかいあって…… 〔「給料出しているの」の声あり〕
◆八番(伊藤毅志) もちろんです。そのかいあってかどうか、彼は私の事務所で働きながらも国内のレースを転戦、本年十一月十一日にお台場で行われる
トライアスロン日本選手権の初出場を決めてくれたのです。私の家族や地域の方々、所属する渋谷区
トライアスロン連合のメンバーも大喜び、大応援団を編成して彼の応援に行こうということになっています。このことからもわかるように、自分の組織に所属するアスリートが日本や世界の舞台で活躍するということは、まるで自分のことのようにうれしいことですし、よい意味で組織の活性化につながります。 また、私の体験上、一流のアスリートは間違いなく優秀です。彼も少しだけ優秀です。その道で一流と呼ばれるためには、身体能力の高さだけではなく、スキルの習得力、戦略・戦術の理解力などより多くのものが求められ、それを実践してきたからこそ、一流のアスリート足り得るからです。 そこで、改めて区長に、渋谷区での
アスリート職員の採用を提案したいと思います。
職員アスリートの誕生は、渋谷区役所内の活性化だけでなく、「おらが渋谷区役所の選手を応援しよう」と、多くの区民にも支持されるものと信じます。また、競技者にとっては、公務員という安定した立場がどれほど彼らの練習や競技に安心感と勇気を与えるかはかり知れません。勤務体系や職種も一般の職員とは若干異なるかもしれませんが、講師として学校や渋谷区主催の
スポーツイベントを回ってもらったり、現役引退後もきっと渋谷区のために一生懸命働いてくれることは確実です。
アスリート職員の採用について、区長の御所見を賜ります。 次に、「自転車族議員」のいつものテーマであります「自転車にも優しいまちづくり」について区長に伺います。 私は、昨年の第四回区議会定例会の代表質問で、その直前に
都市環境委員会の行政視察で自転車行政の先進自治体と言われる富山市、金沢市、安城市の自転車行政を視察した成果として、区長に、渋谷区でも「
自転車ネットワーク」の構築など、安全で快適な自転車利用の方向性と、ルール遵守、マナー向上を定めた「(仮称)渋谷区
自転車利用計画」を策定するべき、そして、その計画策定のための
プロジェクトチームを早急に発足してほしいと提案をしました。区長は「わかった、協議の場を設ける」と答弁され、早速組織づくりを進め、本年三月初めには渋谷区、警察関係、国、都、利用者団体や関係団体の代表による「渋谷区
自転車安全利用対策協議会」を立ち上げられ、自ら会長に就任、八月末には幹事会から「中間のまとめ」を発表されました。その中では、「自転車の通行環境の整備」として、「
自転車通行空間の整備促進」が掲げられ、「
自転車通行環境整備計画の策定」、「渋谷区
自転車ネットワーク路線の選定」や「
自転車走行空間の整備手法の選定」などが示されました。 国土交通省が、これまた八月末に発表した「
自転車ネットワーク策定状況における全国自治体調査結果」では、各自治体で既に
自転車ネットワーク計画を定めているところが全体の四%、計画準備中または検討中の自治体は渋谷区を含め全体の九%、今後計画検討を進める予定の自治体が一四%で、
自転車ネットワーク作成に前向きな自治体は計二七%、その他七三%の自治体は「今後とも計画を検討することは考えていない」となっております。この結果は、多くの自治体の自転車行政への関心の低さということにも当たって結構愕然としました。 都内の状況を詳細に調べてみますと、都下では「検討は考えていない」と答えた自治体が多く、二十三区内では「計画中」、「今後検討の予定」としているところが割合多いようでした。しかし、渋谷区に隣接する杉並区や世田谷区が「
自転車ネットワークの検討は考えていない」と答えていることは、自転車の特性、すなわち狭いエリアでとらえることではなく、路線単位や広域なエリアで押さえる必要がある自転車行政にとっては残念なことです。この状況下で、渋谷区が全国自治体の中でも先進的に計画策定に向け努力されている点は、本当にありがたく高く評価するものです。 先日開かれた協議会でも、桑原区長から「国土交通省と警察庁が近々発表するガイドラインで自転車レーンの法的位置づけが示されれば、それを見きわめ区内の
自転車走行空間の整備を積極的に進めたい」との発言がありました。私は大変頼もしい発言と、末席に連なる区民代表の委員として聞きましたが、中間のまとめをつぶさに見ていると、協議会の中にも
自転車走行空間の整備に取り組む姿勢の温度差が見受けられます。区長の積極的な姿勢を受け、渋谷区の関係者と区内三警察署は
自転車走行空間の整備に対して非常に前向きに取り組まれていると感じますが、都道や国道の管理者や警視庁の姿勢は現行の法令や規則が優先で、現状の自転車・歩行者中心の道路行政、現行通行空間の枠からは踏み出したくないとの態度が見てとれます。これでは、区道でしか
自転車走行空間の整備が進まないことになり、国道、都道が連携する渋谷区内の
自転車ネットワークは、それこそずたずたの状態になってしまいます。 桑原区長は、これが必要だと理解、認識すれば、政府にでも東京都にでも飛んで行き、必要なポジションの人間とハードな交渉をされる決断と行動力の政治家だと私は思っています。今回も、私の懸念する道路管理者間や警察関係内の自転車行政に関する温度差で、先進自治体の仲間入りをした渋谷区の自転車行政が停滞することは絶対に避けたいのです。是非とも区長には、今後、渋谷区内の
自転車走行空間の整備に向け、関係機関を取りまとめて推進していっていただきたいと切に望みますが、区長の見解を伺います。 次に、「中間のまとめ」の中身について数点伺います。 まずは、自転車駐車場についてです。 先ほどから申し上げているように、「渋谷区
自転車安全利用対策協議会」に提出された「中間のまとめ」は、大変中身の濃い検討がされ、
自転車通行環境の整備についての提言がされています。しかし、残念なことに、ここに「自転車駐車場の整備」という項目が見当たりません。渋谷区が区内各地域で積極的に自転車駐車場を整備し、禁止区域を設けて
放置自転車対策、違法駐輪対策に当たっていることは所管委員としてよく理解しています。であればこそ、この中間のまとめの
自転車通行環境の整備の中には、当然のこと、この点も含め、きちんと計画に落とし込む必要があると考えますが、区長の所見を伺います。 次に、
自転車走行空間の整備手法について伺います。 中間のまとめの中では、山手通りの整備で採用された幅員の広い歩道に自転車通行帯を設けた、いわゆる「
自転車歩行者道」、水道道路にて採用されている、車道に一部カラーリングを施した自転車通行帯を設ける「自転車レーン」、車歩道とも完全に分離した形の「自転車道」などの手法が紹介されています。中でも、近ごろ都内に登場した、自転車が走行するマークで自転車の通行場所を明示する「
自転車ナビマーク」は、幅員が余りなくとも設置できるメリットがありますから、渋谷区ではうってつけの整備手法だと考えます。今後は、区道に積極的に取り入れていく必要があると考えますが、本年度中に整備予定の
都市計画道路補助六〇号線に設置するお考えはないかお聞きします。 私は長年、「渋谷区
都市計画審議会」の中で「渋谷区のまちづくりには自転車の視点が欠けている」と発言し続けてきました。それは、新たに提案や説明される都市計画や地区計画の中に、歩行者や自動車のためのネットワークが盛り込まれていても、自転車のそれは今までほとんど入ることがなかったからです。先ほどの自転車駐車場の件もしかりですが、この渋谷区
自転車安全利用対策協議会の答申には、広く自転車にも優しいまちづくりの観点から、「今後のまちづくりや道路整備においては、
自転車通行環境の整備の視点が不可欠」というような一文を挿入すべきだと考えますが、区長の見解をお聞きします。 自転車関連の最後に、「渋谷バイク」の活用について質問します。 本年春から夏にかけて「
渋谷バイクデザインコンペ」が実施されました。「渋谷バイク」とは「渋谷らしい・カワイイ」をコンセプトに、坂の多い渋谷のまちを、だれもが気楽に乗り降りでき、回遊できるような、
渋谷ローカルブランドの自転車をつくるべく、「渋谷芸術祭」に毎年参加されている「
バイクトープ渋谷」主催の原木繋利氏が中心となって企画され実施されたデザインコンペです。コンペには、海外からの応募も含め幾つもの「渋谷バイク」デザインが提案され、新見 隆・
武蔵野美術大学教授を審査委員長に、渋谷区観光協会の
青柳渋谷系デザインセンター長にも審査委員に加わっていただき、先月、最優秀作品が発表されました。 (パネル掲示)それがこの自転車です。ちょっとちっちゃいですけど、区長、これです。このバイクですけれども、こういうふうになっていますけれども、サドルですとかペダルですとかハンドルのカバーとか、これは色が選べたり、あとこのギアが坂が多いんです。ギアが三段ついていたり、タイヤもノーパンクタイヤですから、災害時でも使える、そんなような工夫も施してあります。 このバイクにつきましては、現在デザイナー、
自転車メーカーとで試作品が製造中であり、本年十月二十七日、二十八日の「渋谷芸術祭」で「渋谷バイク」が発表、表彰される予定です。渋谷区では我が会派が提案した、いわゆる「渋谷系ゆるきゃら」作成を、「渋谷区
PRキャラクター」募集として行っていますが、今後ともいろいろな「渋谷ブランド」のPRを行っていくべきだと考えます。つきましては、この「渋谷バイク」についても、渋谷区の公用自転車やレンタルバイクなどに採用できないか、区長の所見を賜ります。 三点目に、「渋谷のまちづくり」について、二点伺います。 まずは、「区道のネーミング」について質問します。 道路には、道路管理者がつけた正式名称である「路線名」と一般的な通称である「道路通称」があります。路線名は、大体区道とか都道の下に番号が振られているものが多く、例えば、特別区道九七二号線と言われても全くぴんときませんが、公園通りと言われれば、「ああ、区役所わきから代々木公園や渋谷駅に抜けているあの道か」とだれでもわかります。ニューヨークやロサンゼルスでは、東西に延びる道路名には「ストリート」を、南北のものには「アベニュー」をつけるのが原則となっていて、基本的に道という道には名前をつけてあり、沿道ごとにコミュニティが発展している事例もあります。 翻って、ここ渋谷の地においてはいまだに「通称名」が根付いている道路はそれほど多くはないものの、街の発展とともにいつの間にか地域名とかけ離れた「通称名」が用いられるケースも見受けられるようになってきました。例えば、神宮前地区の旧渋谷川上を走る特別区道一〇五五号線の通称は「キャットストリート」ですが、古くからそこで生活する地元の方々はその名称を認めず、「穏田川遊歩道」などといまだに呼んでおります。また、最近では宮下公園交差点から宮益坂上交差点に抜ける特別区道九一三号線が「メトロ通り」などと呼ばれ始め、当該地の渋谷・
東地区まちづくり協議会や、地元町会・商店会は大いに困惑、この特別区道九一三号線を「メトロ通り」などという俗称ではなく、古くは宮益坂・御嶽神社の名前に由来し、現在も区立美竹公園や
ケアコミュニティ・美竹の丘としてこの地に残る旧町名「美竹」、美しい竹と書きますけれども、「美竹」名を冠した「美竹通り」とするべく運動を展開し始めました。 私はそもそも、道路通称名の取り扱いにはっきりした決まりがなく、道路管理者が道路通称名を認定するような仕組みがないことが問題だと考えます。これから渋谷のまちの再開発が進み、地域合意のないままにネーミングライツのごとき俗称と言える道路通称が勝手につけられてしまうことについては避けなければいけません。この際、渋谷区で区道のネーミングについて、地域の合意やネーミングの妥当性などを盛り込んだ一定の決まりやルールをつくるべきだと考えますが、この「美竹通り」の命名とあわせて区長の見解を伺います。 次に、「繁華街におけるごみ収集方法の見直し」について質問します。 渋谷区では、昨年度平成二十三年度から、神宮前、渋谷、神南、宇田川、桜丘町のいわゆる繁華街において、日曜収集の廃止と平日毎日収集の見直しを始めました。これは、清掃事業のコスト削減と同時に、事業系ごみ有料化の徹底、ごみ削減を目指したものだと理解しています。 この地域では、当初は日曜日に表参道にごみが散乱しているなどの事例が見受けられましたものの、所管部の努力もあり、割合順調に収集方法の見直しが進んだものと考えます。しかし、本年四月、特別繁華街地区と言われる道玄坂、円山、神泉で日曜収集の廃止を始めてから、私のところにも、地元商店街などから「日曜日の道玄坂はごみだらけだ、これじゃ渋谷ブランドのイメージはぼろぼろになる。何とかしてほしい」という複数の声が寄せられました。所管部でも、警告シールやごみの排出者の調査・指導、立ち番指導と言われる人員の配置で対応してきましたが、けた違いに店舗の多いこの特別繁華街地区では、いまだ指導が徹底され、業者収集へ移行しているとは思えない状態です。 このような状況下で、いよいよ十月からは平日の毎日収集の見直しがスタートの予定です。今まで六日間あった可燃ごみの収集は二日間になってしまいます。 先週行われました大向地区町会連合会の会合でも、黒柳清掃担当部長からの収集方法の見直しの説明に対し、町会長や町会役員から「今までも日曜日の放置ごみは町会役員や商店街で片づけてきた」との声や、「自ら事業系ごみシールを張って清掃事務所に収集をお願いした」などのケースが紹介され、平日収集の見直しについても「はい、わかりましたとは言えないが、まずは推移を見守りたい。ひどい状態にならないように頼む」との取りまとめがありました。今定例会ではこれに対応し、補正予算で「事業系ごみ排出指導事業委託費千八百万円」が計上されていますが、果たして問題なく見直しが進むのか、大いに気をもむところです。繁華街地域でのごみ収集方法の見直しの経緯と、十月以降、特に特別繁華街地区での平日毎日収集の見直しに向けた展望を区長にお尋ねします。 次に、防災対策について二点質問します。 まずは、昨年第四回定例会でも御提案させていただきました、消火用スタンドパイプの自主防災組織への配備です。 あのとき区長は、私の質問に対し、「現在十一地区に消火用スタンドパイプを配備し、防災訓練での初期消火訓練を実施している。今後も状況に応じて対応する」と答弁されていました。 本年六月、西原の消防学校で区内自主防災組織におけるD級・C級ポンプの訓練が行われ、そのとき、私はたまたま区長の隣の席でその様子を拝見させていただきました。私が見たところでは、ポンプの操作が上手でスムースに放水できる組織と、そうでないところの差がかなりあるように感じました。区長も隣の席で「上手だな」とか「ありゃりゃ」なんて声を上げられていましたので、同じような感想を持たれたんじゃないかなというふうに拝察いたします。 やはり今後はポンプ操法訓練と並行して、より操作が簡易で操作人数も少なくて済む消火栓を使ったスタンドパイプによる消火訓練が必要だと実感しました。平成二十四年度、新たに消火用スタンドパイプを配備されたのか、今後の見通しはどうなのか、区長に改めて伺います。 次に、防災面から考えた区役所本庁舎の建て替えについて伺います。 東日本大震災当日の昨年三月十一日、区議会では予算委員会の各分科会が開催されていました。あのものすごい揺れで各議員は委員会室を飛び出し、右往左往してみたり、大きな柱にしがみついたりしていました。私も委員会室前の柱にしがみつきましたが、そのとき目の前の壁にピシピシッという音とともに細かいクラックが走り、パラパラとコンクリートの破片が落ちてくる様を目撃、「これは日本沈没の映画じゃないんだよな」みたいな、本当に「この庁舎と我々ももしかするとだめかもしれない」と感じたことを今もよく覚えています。 あの地震で、本庁舎の窓ガラスが二十枚ほども割れたとも聞きました。新聞報道によれば、阪神・淡路大震災以降、数度の耐震補強工事を重ねられ、耐震強度の補強に努めた本庁舎ですが、いまだに安全の指針であるIs値〇・六以上を満たしていない状況であるとのことです。今春、防災センターを渋谷ヒカリエ内に開設し、震災被害の不安なく一朝有事に備えている渋谷区ではありますが、災害対策本部長である区長や多くの職員が働く本庁舎が大地震で倒壊でもすれば、やはり渋谷区の防災機能は壊滅状態に陥ります。一九六六年竣工で、やはりIs値の足りないお隣新宿区の本庁舎が約二十億円ほどかけて免震化工事を行うとの報道もありましたが、私は鉄筋コンクリート造の建築物の耐用年数が一般的には五十年程度と言われる中、築四十五年を超えた建物へのこの額の投資はナンセンスだと考えます。ましてや
東京オリンピック開催の一九六四年竣工の渋谷区の本庁舎であれば、耐震補強工事や免震化工事という選択肢以外に、建て替えという方法を考えてもいいと思いますし、考えなければいけない時期かとも思います。このことについても区長の所見を賜ります。 最後に教育問題、「渋谷区立学校の在り方検討委員会」と「学校選択希望制」、「特色ある学校づくり」について、教育長に伺います。 今から十八年前、平成六年の秋は、私も議会選出委員の一人として「渋谷区立学校児童生徒減少問題審議会」の中で、学校の小規模化による教育上及び学校運営上のメリット、デメリットについて、まさに議論をしていました。その一年後には審議会として答申が提出されました。 その柱の一つは、渋谷区における小中学校の適正規模の考えを定めるとともに、適正規模とは別に「渋谷区における小規模校の規模」を定めたことです。答申では、小学校の規模は、一学級の人数を二十人程度確保できる児童数百二十人程度、中学校では各学年二学級以上を確保できる生徒数百三十人程度とされ、この数がその後渋谷区における小規模学校のスタンダードになったものと認識しています。 柱のもう一つは、区立学校の児童・生徒減少に伴う対応措置の具体的方策の緊急課題として、小学校では渋谷、大和田、大向の三小学校の統合、中学校では原宿、外苑の二中学校の統合を答申したことです。この流れに沿い、平成九年には統合校である神南小学校と原宿外苑中学校が誕生し、現在に至っています。 時系列的に話せばこんな簡潔なことなんですが、学校を統合するということがどれほどパワーと苦労を必要とするか、私はあのときに学びました。できることであれば、今後はもう統合にかかわる苦しみを味わいたくないと本気で思ったものです。 しかし、時間の経過とともに、平成七年当時六千百八十人いた小学校の児童数は、本年五月現在五千二百十一人に、二千六百五十九人いた中学校生徒数も千七百三十九人と、それぞれ千人近くの児童生徒の減少が見られます。 教育委員会では、このような児童・生徒数の推移もかんがみ改めて、在り方検討委員会にて区立学校の適正規模と適正配置を諮問するものと思いますが、「渋谷区立学校児童生徒減少問題審議会」が答申した「渋谷区における小規模校の規模」について、現在、教育委員会はどのような見解をお持ちかお伺いいたします。 また、「渋谷区立学校児童生徒減少問題審議会」の答申により、学校統合が行われたような「区立学校の児童生徒減少に伴う対応措置の具体的方策」を在り方検討委員会に求めるおつもりか伺います。 次に、在り方検討委員会でも当然議論されるであろう「学校選択希望制」について伺います。 今回私は、「渋谷区立学校児童生徒減少問題審議会」の答申を改めて読ませていただきました。当時、議会選出委員として審議に参画していましたが、私にはもう一面、統合の危機に瀕している渋谷小学校の同窓生、卒業生という立場もございました。 あのとき既に開校百二十周年記念式典を終えていた渋谷小学校は、もちろん渋谷区では一番の歴史があり、都内でも二番目に長い歴史を持つ小学校でした。「可能であれば渋谷小学校を残したい」との強い思いを地域と共有し、審議会で提案した学校の小規模化を改善する方策が「特認校制度」、「特認校」とは、特色ある小規模校の学区域を区内全域に広げようとするもので、当時は「学校選択希望制」という言葉が生まれる前でしたから、そのはしりのような提案だったと認識しています。特認校の提案は、答申にも記載されましたが、「学校選択希望制」が渋谷区に導入されるまでには数年の月日を待たねばなりませんでした。その後の「学校選択希望制」のもたらした学校の努力による特色づくりと活性化の推進は疑うべくもありません。このことについても在り方検討委員会の評価を待つ必要はありますが、現行、教育委員会は「学校選択希望制」をどのように評価されているかお伺いいたします。 最後に、これも毎度のことになりますけれども、中学校における特色ある学校づくり、重点校指定について伺います。 本年四月、ついに「小中一貫教育校」としてすばらしい特色を持つ「渋谷本町学園」が開校しました。これによって「英語教育重点校」の松濤中学校、「都市型中高連携教育校」の広尾中学校、「教科教室型教育校」の上原中学校、そして「理数教育重点校」の鉢山中学校と、区立中学校八校中五校に何らかの重点指定がされました。いまだに重点指定のない笹塚中学校、代々木中学校、原宿外苑中学校の今後の見通しについて見解を求めます。 これら三中学校が重点指定はされなくとも、必死に努力をして学校経営に当たっていることは存じています。しかし、在り方検討委員会にて「学校選択希望制」や「特色ある学校づくり」が審議されようとしているこのタイミングで、「いまだ展望なし」では、在り方検討委員会から厳しい指摘を受けることにもなりかねません。 特に、私が以前よりスポーツ教育重点校指定を求めている代々木中学校ですが、前広尾中学校校長で広尾中学校のスポーツ教育を推進した永見校長の異動や、オリンピック競泳金メダリストの柴田亜衣選手、陸上競技ハードルの秋本真吾選手、バレーボールの大山加奈選手などなど、こども夢チャレンジ事業で一流のアスリートが同校に次々と派遣され、渋谷区ニュース・区長のコラムでも紹介されていた男女生徒の陸上中学校全国大会出場など、既にスポーツ教育重点校と名乗っても遜色のない活動・活躍をされています。 先日、永見校長とも話す機会がありましたが、「現状、生徒数が少ないため、チーム競技が難しいんだ」と話されていました。区内で代々木中学校が「スポーツ教育重点校」と指定され認識され、スポーツに興味のある生徒たちが集まるようになれば、その問題も一挙に解決。改めて、代々木中学校のスポーツ教育重点校指定を求めるものです。教育長の所見を伺います。 以上、答弁をよろしくお願いします。
○議長(前田和茂) 桑原区長。
◎区長(桑原敏武) 無所属クラブの伊藤毅志議員の代表質問に、順次お答えをさせていただきたいと存じます。 二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック招致における渋谷区の取り組みについて、もっともっとPRを考えてはどうかという御提言であったと思います。確かな御提言として、まず受け止めをさせていただきたいと存じます。 私は、オリンピックというのは、みんなが賛成するような、そういうものでなくてはならないと、こういうふうに思っておりまして、それは、国民として、メダルに誇りを持つことだけでなくて、それがまた世界への平和の道であってほしいと、このようなことを思っている次第でございます。 そのような上に立っての御答弁をさせていただきたいと存じますけれども、既に渋谷では、中学生を対象に「こども夢チャレンジ事業」を実施しているわけでございます。これは、オリンピックに出場した一流選手を指導者にお招きをして、これを事業としてやっているわけでございまして、一流のスポーツ技術を学ぶだけではなくて、憧れを持って、またスポーツに関心を持ってもらいたい、このように思っている次第でございます。 どのようなことをやるか。それは、もう既にいろいろなことを、いろいろな団体が考えておりますし、渋谷区もそのことに協力をしながら、これを着実に進めてまいりたい。一番大きいのは、年内におけるいろいろなPR活動だと、このようなことを心に思い、そのための努力をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思っております。
アスリート職員の採用についてのお尋ねでございました。 私は、この職員としての採用の前に、私は国に対しても、体協に対しても言いたい。それは、人生をかけてスポーツに傾注をしてきた、その人間を使い捨てにしていいのか。私は、その後も、その立派な方を指導者として活用していく道を、道筋をもっともっと考えるべきではなかったか、このように思っております。それは、この一時的なイベントとしてオリンピックがあるのではないんじゃないか、私はそういうふうに思っているということでございます。 そういった中で、私、今夏の
ロンドンオリンピックの日本選手の活躍には大変めざましいものがあった。区民にも大きく感動を与えてくれた。オリンピックに限らず、この一流のアスリートというのは、子どもから大人まで夢や希望を与えてくれる。また、子どもにとっては大きな目標になることは承知しているところでございます。 アスリートの方には、ジュニアスポーツプレーヤー講習会、あるいはこども夢チャレンジ等を通して、先ほどお話がありましたけれども、柴田亜衣さんや、あるいは大山加奈さん等についても教えていただくなど、スポーツ事業などに協力をしたい、とりわけ子どもに夢を生むためには、そういう方々の働く場、そういうものをつくっていきたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、
自転車走行空間の整備についてでございます。 御提言を受けまして、今回新しく「渋谷区
自転車安全利用対策協議会」を立ち上げたわけでございます。その中で、いろいろと批評はあるわけでございますけれども、本協議会を円滑に進めていくためには、この自転車安全利用というのも、一つは、道路交通規制にもかかわる問題だ。したがって、我々だけの権限だけですべてを進めることはできない、そういう問題も内在しております。したがって、私どもは、区内の交通管理者である警察や、あるいは道路管理者である国道、都道の意見も取り入れながら着実に進めていくわけでございます。それらを見きわめた上で、区としてやるべきことについてはしっかりやってまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、「
自転車安全利用対策協議会の中間のまとめ」において、この「自転車駐車場の整備」の項目が見当たらない、こういうことでございます。
自転車安全利用対策協議会におきましては、一つは、「
自転車通行環境の整備」に向けまして、「
自転車走行空間の整備推進」や「自転車安全ルート推奨マップの作成・周知」などについて協議を行ったものでございます。 「自転車駐車場の整備」は、直接に自転車の安全利用上の課題とは考えていないために、この項目を外している、そのように御理解いただければと、このように思っております。 次に、この自転車の通行場所を示す「
自転車ナビマーク」を、この
都市計画道路補助六〇号線に設置する考えはないかということでございますが、当然のことながら、これを設置する方向で進めてまいりたいと思います。 次に、この「今後のまちづくりや道路整備においては、
自転車通行環境の整備の視点が不可欠である」という一文を挿入するべきだという御意見をいただきました。 この
自転車通行環境の整備ということは、自転車利用ができるようにという趣旨だと思いますけれども、その言葉がこの文言に生かすことができるところ、箇所をそれぞれ判断しながらその中に入れるよう検討してまいりたいと思っております。 申し上げるまでもなく、わかりにくいことを申し上げましたけれども、この課題は自転車利用だけではなく、一方では歩行者の安全を守る、そういう視点も必要であろうと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思っております。 「渋谷バイク」についてのお話がございました。 このデザインコンペが行われたということでございます。私は、この言葉にこだわられる前に、やはり伊藤議員が、このリズム感や、あるいはユーモア、あるいは様々な明るい感覚を大切にされていらっしゃるんだということを感じます。 本区は、ファッション・デザインも大切にすることを渋谷の地場産業と考えている本区でございますから、これから情報発信について意を払うことは当然だと、このように思っております。 購入については、また別途に考えさせていただきます。 次に、区道の名称について、「一定の決まりやルールを作るべき」というお話でございました。 我々の区道の定め方というのは、道路法に基づきまして、この区道については、「区道何号線」と、こういう言い方によって道路を特定しているのが実情でございます。そういう意味においては、地域の方々によって愛着を持って自然発生的に名前をつけられることについては、これは、どちらかといえば、これまでの渋谷の守備範囲にはなかったということでございます。また、これを渋谷が決めて、あるいは方向を決めて押し付けるということもいかがなものかな。伊藤議員であればまた違った発想をされるものを、役人の頭で方向を決めるというのはいかがかな、このように思っております。 先ほど、特別区道九一三号線の通称名を「美竹通り」ということで言われましたけれども、これは近くに御嶽神社があるという歴史を踏まえればすばらしい御意見であると思いますけれども、私もそれは応援をいたしますけれども、区政の中の分野ではないということをひとつ御理解をいただきたいな、このように思っております。 次に、繁華街におけるごみ収集についてのお話でございました。 このごみ収集方法の見直しの経過と、これから十月以降、特に特別繁華街地区の平均毎日収集の見直しに向けた展望をというお話であったと思います。 見直しの経過でございますけれども、これまでも本区は、分別の徹底などリサイクルを進め、ごみの減量を図ってまいりましたが、渋谷区では、発生するごみの七五%は事業者の方から排出されるごみであり、家庭ごみ以上に事業系ごみの減量が課題となっておりました。 特に、渋谷駅や原宿駅周辺では、これまで日曜日を含め毎日ごみを収集していたため、ごみが出しやすい環境となっており、ごみ減量の障害になってまいりました。 他方、事業系ごみの収集については、許可を得た民間事業者が、夜間や早朝に収集することでカラス被害を防ぎ、まちの美観の上でも効果が期待できたところでございます。 そこで、事業系ごみの削減や、まちの美観の向上施策として、毎日収集を見直し、他の地域と同様の収集方法に変更するとともに、法律の定めのあるように、民間事業者による収集への移行を進めていくことといたしたものでございます。 見直しに当たっては、区民、事業者に混乱が生じることのないよう、昨年から段階的に見直しを進め、関係する町会、商店会、並びに地区内の事業者、世帯へ個別に訪問するなど、きめ細かく対応してまいりました。その結果、神宮前など、地域によっては、着実にごみ出しルールが定着をしてまいっております。 しかしながら、道玄坂や円山町などの一部の集積所では、夜間営業の事業者が多く、昼間の指導だけでは十分な成果が上がらないため、深夜から早朝にかけて指導・啓発を行い、徐々に効果があらわれてまいっております。 次に、十月以降、特に特別繁華街地区の平日毎日収集の見直しに向けた展望でございます。 十月以降、ごみが出されていた場合には、警告シールの張りつけや、夜間、不法投棄等が生じないよう巡回するなど、排出者への直接、よりきめ細かい指導啓発を行い、できるだけ早期に、新しい収集方法の定着を目指してまいります。 そのために、行政の力だけでなく、事業者、ビルのオーナーへの働きかけや不法投棄禁止の看板の設置など、地元町会・商店会の御協力を得ながら、ごみ減量と、きれいなまちの実現に向かって取り組んでまいりたいと存じます。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。 次に、消火用スタンドパイプの自主防災組織への配備についてのお尋ねでございました。 議員御指摘のとおり、本区では既に十一本のスタンドパイプを配備し、今年度には六本を配備することといたしております。今後も、自主防災組織の要望に応じて、スタンドパイプを配備してまいりたいと考えております。 配備に当たっては、消火栓や排水栓等、水利の位置を確認し、器具の取り扱いの習熟を図ることにより、初めて効果が発揮されるものであり、訓練を積み重ねることが大変重要でございます。ついては、スタンドパイプの導入後、自主防災組織に対し、消防、消防団とも連携して、定期的に取り扱いの講習や実地の放水訓練を実施し、習熟を図ってまいりたいと考えております。 次に、区役所本庁舎の建て替えについてのお話でございました。 東日本大震災を本庁舎で経験をしたことを踏まえて、耐震補強工事や免震化工事以外に、建て替えという方法も検討しなければならない、こういう御提言でございました。 この本庁舎の建て替えということは、一つには、私の念頭にもあるわけでございますけれども、そのためには、一つには、区民の理解、一つには、区政の財政運用に支障がない、そういうことが必要になる、そのことの見きわめが要ると思っております。さらには、民間開発をどのように導入することができるか、様々なことを広範に検討し、そしてまた、時期を選ぶことも大切ではないか、このように思っている次第でございます。 他方、本庁舎は、昭和三十九年に建てられており、築四十八年が経過していることは、議員の御指摘のとおりでございます。本庁舎の耐震化は、平成七年度に耐震診断を行い、その耐震性能が基準を満たしていないことから、平成九年から十六年まで各階ごとの増設や柱に炭素繊維巻きをする補強を行ってまいりました。しかしながら、十分な耐震性能にはなっていないということでございます。つぶれることはない、しかし、倒れることはある、そういう状況でございます。改めて、本年度は建物の耐震診断を行っておりますが、その結果を受けて、耐震性能の向上を図ることをまず前提として考えなくてはならない、このように思っております。 重ねて、この将来の行財政運営に支障を来さないためには、この建て替えも重要な一つの方向だと、このことを考えておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと存じます。 以上、答弁といたします。
○議長(前田和茂) 山本
教育委員会委員長。
◎
教育委員会委員長(山本正旺) 伊藤議員から私に、二〇二〇年オリンピック及び
パラリンピック東京招致に関して、公立小中学校の児童・生徒や保護者を対象とした啓発活動について、東京招致の意義を含め、実業家の視点からの答弁とのことです。 大変難しい御質問だと思いますが。 二〇二〇年オリンピック及び
パラリンピック東京招致の意義でございますが、未来社会の形成者である将来の日本を担う渋谷の子どもたちが、世界最大の
スポーツイベントであるオリンピック、
パラリンピックを実際に観戦し、そこから得られる興奮や感動は何事にもかえがたいものであります。子どもたちのその後の人生の中で大きな意味を持つものであると思います。 渋谷区での開催は、渋谷区の子どもたちにとって、世界じゅうから集まるトップアスリートの持つ想像をはるかに超えたわざやスピード、パワーを目の当たりにすることにより、彼らの持つ高い目的意識や情熱、努力を惜しまない姿勢を学びとる絶好のチャンスだと思います。 また、さきに行われました
ロンドンオリンピック・
パラリンピックでは、二百以上の国と地域が参加し、参加選手は一万人を超えています。 開催期間中はもとより、その前後において、渋谷のまちは外国人来街者が増加し、様々な外国人との交流イベントが催されることと思います。渋谷区の子どもたちが国際感覚を磨き、国際交流を行う絶好の機会になると考えます。 このようなことから、オリンピック・
パラリンピックの渋谷区での開催は、国際感覚を身につけるとともに、心身ともにたくましい人材を育成するチャンスになると思います。特に、
パラリンピックに関しては、ハンディキャップをものともせず頑張っている選手の姿は多くの子どもたちに勇気と夢を与えてくれるものと思います。 実業家としての視点という御質問でございましたが、簡単に述べさせていただきます。 今後、世界に飛躍をしたいと計画している企業は、企業が採用していきたい人材、世界を舞台に活躍できる、国際感覚にあふれ、不撓不屈の精神を持ち、常にチャレンジする気迫に満ちた若者たちです。 伊藤先生も御承知のとおり、オリンピック、
パラリンピックは営利を目的としたものではありません。しかし、多くのビジネスチャンスが派生してくるのも事実であります。私も所属しております東京商工会議所においても、全力を挙げてこのオリンピック・
パラリンピック東京招致の活動を行っております。 今後は、区長部局と連携を図りながら、様々な機会を活用し、児童・生徒、保護者を対象に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。
○議長(前田和茂) 池山教育長。
◎教育長(池山世津子) 私には、教育について四点の御質問です。順次お答えを申し上げます。 初めに、「渋谷区立学校児童生徒減少問題審議会」が答申した「渋谷区における小規模校の規模について」の御質問です。 平成七年十月に出されました本答申は、「渋谷区立学校の児童生徒の減少に伴う対応措置の基本的な考え方と具体的方策について」として、十二回にわたる審議を経て、当時の教育委員会に出されたものです。 答申では、渋谷区における小中学校それぞれの適正規模として、学級数と児童・生徒数を示しております。加えて、渋谷区の実態を見ると、適正規模校を実現するには困難が多いとして、適正規模を下回る学校についても、できるだけこれを維持するという方向から、適正規模とは別に、渋谷区における小規模校の規模を定めました。それが小学校では一学年二十人以上、児童数百二十人程度、中学校では、各学年二学級以上、生徒数百三十人程度という基準でありました。当時の区立学校の現状をつぶさに検討された上で、将来を担う子どもたちのために、よりよい教育環境を確保し、教育効果の一層の向上を図ることを基本とし審議された結果として重く受け止めているものでございます。 次に、前回の審議会に諮問した「区立学校の児童生徒減少に伴う対応措置の具体的方策」を今回の在り方検討委員会にも求めるつもりかとのお尋ねです。 今回、区議会にお諮りしている「渋谷区立学校の在り方検討委員会」では、区立学校の小規模化が進む渋谷区の地域特性を踏まえ、区立学校の教育環境がいかにあるべきか、また、将来にわたって持続可能な学校の規模について、その基本的な考え方や方向性の審議をお願いしたいと考えております。また、教育委員会がこの間に進めてまいりました「学校選択希望制度」や「特色ある学校づくり」などの区独自の教育政策についての検証や評価を行ってまいります。 審議の過程において、区立学校の現状にかかわる部分も内容としては触れられることと思いますが、対応措置の具体的な方策についての審議をお願いする考えはございません。 次に、教育委員会は、「学校選択希望制」をどのように評価しているかとのお尋ねでございます。 学校選択希望制は、平成十四年に「渋谷区学校選択の在り方検討委員会」からの答申を受け、平成十六年に制度を導入し、今年度で九年目を迎えました。 この答申では、制度導入の意義について、「学校が子どもや保護者から選択されることにより、学校関係者の意識改革が促され、区立学校の特色ある学校づくりを支え、活性化を図ることができる」。あるいは、「学校は子どもや保護者から評価を受けることにより、子どもや保護者を初め区民の期待にこたえる魅力ある学校教育の創造が期待できる」など、学校生活の意義及び効果等に関して六項目にわたってその見解を示しています。 また、実施方法につきましては、「今後とも現行の通学区域を保持し、保護者が通学区域以外の学校を希望する意思を表明した場合については、希望する学校を教育委員会が指定することができる」とされております。この答申を受け、教育委員会では、通学区域を保持しつつも、通学区域の弾力化を図るとともに、学校関係者の意識改革を図ることを目的に本制度を導入いたしました。 平成二十四年度の区立学校に入学した児童・生徒のうち、学校を選択した割合は、小学校で約三割、中学校では約四割あり、ここ五年間は同程度で推移しております。保護者の皆様にも、本制度について十分な御理解をいただいた上で活用されており、定着してきたものと評価をいたしております。 また、教職員の意識改革を図ることにつきましては、学校を選択する際に、毎年、保護者に対し、合同学校説明会を開催しているところですが、制度を導入し、説明会を始めた当時は、運動会や移動教室などの学校行事を紹介することが多く、どの学校も説明内容が似通ってしまい、学校を選択する際の参考には余りなっておりませんでした。しかしながら、ここ二、三年の説明会では、各学校の校長先生が先陣を切って自らの教育理念と学校が目指す教育効果を語り、また、教員は日々の授業の実践をわかりやすく説明するなど、保護者から選ばれる学校であることをPRするように変わってまいりました。このような様子を見ていますと、教職員の意識改革も進んできたと強く感じているところです。以上のことから、この制度を導入した当初の目的につきましては、一定程度達成されているものと評価いたしております。 しかしながら、一方では、地域の方々からは、昨年の東日本大震災の経験をもとに、地域の子どもが地域の小学校に通学することが子どもたちの安全確保の観点からも重要であるため、本制度を再考する機会を設けるよう要望されております。本議会に制定条例として提出しております「渋谷区立学校の在り方検討委員会」において、「学校選択希望制」についての検証と、今後の方向性についての検討もお願いしたいと考えております。 次に、中学校における特色ある学校づくりとスポーツ重点校についてのお尋ねでございます。 中学校における特色ある学校づくりは、「学校選択希望制」と同時に導入した教育政策でございますが、平成十六年に国際社会を生き抜く人材育成のため、松濤中学校を英語重点校とし、また、広尾中学校は、当時、東京都のほうで積極的に進めておりました中高一貫教育校の都市型連携校として、隣の広尾高校とともに指定をいたしました。また、上原中学校は、建て替えを機に教科教室型に、鉢山中学校は、理数教育の強化のため、科学センターの設置とあわせて理数教育重点校にいたしました。さらには、本町学園につきましては、これまでも御説明をしてまいりました経緯で一貫教育校としたものでございます。 残り三校につきましては、教育環境の変化や新たな教育方法の導入が必要となった折には、特色をつけてまいりたいと考えております。 次に、スポーツ重点校の指定についてでございます。 教育委員会では、現在、児童・生徒の健康の保持・増進と、体力向上を目指した取り組みを推進しております。今年度は、その取り組みの一貫として、様々な運動例を紹介したリーフレット「体力向上しぶや大作戦」を作成いたしまして、各小中学校に配布し、体育の授業改善、子どもたちの生活習慣の改善などに力を入れているところでございます。 また、渋谷区立の中学校では、部活動にも力を入れており、運動系の部活動では、心身をきたえ、技術の向上を目指すだけでなく、望ましい人間関係を築き、思いやりの心を育成しております。 議員の御質問にありました代々木中学校では、体力向上のための取り組みとして、希望する生徒と教職員による朝のランニング運動や、区制施行八十周年記念、こども夢チャレンジ事業として、元オリンピック選手などの専門のアスリートによる部活動支援を受けております。今年の夏季休業中に開催されました全日本中学校陸上選手権大会では、二名の選手が出場し、「日ごろの取り組みの成果を発揮した」といううれしい報告もされているところでございます。 伊藤先生からは、今までにもスポーツ重点校の指定については御提言をいただいておりますが、スポーツに親しみ、体をきたえ、健康を増進させることは、すべての中学生に必要なことであるという考えは変わっておりません。しかしながら、代々木中学校は広い校庭があり、西原スポーツセンターとも隣接しているなど、スポーツを行う上での環境に恵まれております。また、先ほど申し上げましたとおり、元オリンピック選手などの専門のアスリートによる部活動支援の効果も出ておりますので、来年度以降も引き続き代々木中学校の部活動を重点的に支援してまいりたいと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。
○議長(前田和茂) 伊藤議員。
◆八番(伊藤毅志) 区長、教育委員長、教育長、それぞれ積極的な答弁をいただいたんだろうというふうに思っています。 まず、オリンピック・
パラリンピック招致ですけれども、昨日ちょうど私の後輩でオリンピック招致委員会で働いている者がおって、それからメールが来て、このつけているピンバッチですか、これは今大量配布できるような体制が整ったので、送料だけ払ってもらえれば、千個でも二千個でもどうぞというふうな、使い道がわかればというふうなことでしたので、もしいろいろな機会であれば、招致委員会に言っていただくなり、私に言っていただくなりすれば、幾らでも使えますので、是非是非お配りしていただいて盛り上げていただければというふうに思います。 それと、
アスリート職員の採用です。 まさに区長が言われたように、彼らは人生をかけて一生懸命やって、競技が終わったらおしまいということには当然ならないですし、区長言われているように、国もそうですし、企業もそうですし、体育協会もそうですし、それが一義的に責任を持つのは当然だというふうに思います。ところが、やらないから困ってしまっているのであって、私は、心ある渋谷区、そういう腹を持っている渋谷区が範を示せば必ずニュースにもなりますし、ほかのところも、「これは自分たちがやらなきゃいけないな」というのを思ってもらえるんじゃないかと思います。私もできればもっと雇えればいいんですけれども、柳井君を雇っているだけでもういっぱいいっぱいなものですから、是非是非御検討いただければというふうに思っています。よろしくお願いします。 それと、
自転車安全利用対策協議会の自転車駐車場の整備ですけれども、御趣旨はわかりましたけれども、大きく
自転車通行環境の整備というふうなことを考えれば、当然それも含めたほうがわかりやすいですし、いかにも縦割りで、これはほかの部局で、ここはそれでとかと分かれるよりは一緒にしたほうがいいんじゃないかというふうに思いますので、また審議会、委員会の中でも発言をさせていただきたいというふうに思います。 「渋谷バイク」についても、大きく御理解をいただいて、ありがとうございました。まだ試作品ができない段階ですし、是非実物ができて、「渋谷芸術祭」でごらんになっていただいて、今後のことは是非前向きに考えていただければというふうに思っています。ありがとうございます。 それと、区道のネーミングです。区が関与するべきことではないというふうに区長、発言がございました。先ほどの、実はアメリカの例を挙げさせてもらいましたけれども、あれにももう一点ルールがあって、きちっと、一定の決まりやルール、少なくともこうしなさいというんじゃなくて、こうしてはいけないということぐらいは持っていてもいいんじゃないかというふうに思うんです。 アメリカの例では、例えば、今現存している人、例えば桑原敏武通りだとか、営利企業の名前はだめだよという決まりがあるんです。いいんですよ、区長名でもいいんですけれども、とりあえずアメリカではそういうルールがあって、少なくとも今のメトロ通りも、別に区がネーミングライツでお金をもらっているわけじゃないのに、そういう名前がまかり通ってしまうとすれば、それは余りよくないことだと思うので、最低限こういうネーミングはだめですよということぐらいのルールはつくっていただけたらなというふうに思うので、これもお願いしておきたいというふうに思います。 それと、教育のほうです。 おっしゃりたいことはよくわかりました。特に重点校のことで、代々木中学校のことですけれども、いつもより一歩も二歩も前に行かれた発言だというふうに私は理解をしたいと思いますので、来年以降、多分、教育長が思われていることも、私が思っていることも、本当に一緒だと思うんです。ただ、手法の早い、遅いとか、それだけというふうに信じていますので、引き続きよろしくお願いします。 最後に、耐震ということに関して、庁舎の建て替えのことを質問させていただいて、区長からは、積極的だなというふうに思える答弁をいただきました。確かに区長のおっしゃるとおりに、区民の理解、財政上の問題、タイミング、すべてがそろわなければ、このことに着手するというのは、ずっと長い間の課題ですから難しいかと存じますけれども、まさに私は今、そのタイミングだと思いますし、桑原区長だから手をつけられるんじゃないかなとも思う次第です。これは私の希望になりますけれども、是非そこら辺のところを御決断いただいて一歩前に進めていただけますよう心からお願いします。 以上、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(前田和茂) 七番佐々木弘明議員。
◆七番(佐々木弘明) 私、佐々木弘明は、新民主渋谷を代表して、区長及び教育長に質問いたします。 質問に入る前にお許しをいただき、一言述べさせていただきたいと思います。 政治家としての第二の人生を歩み始め、はや一年半が過ぎました。議会の流れやしきたりにもようやくなれてきました。区長を初めとする理事者の方々や、日ごろお世話になっている先輩議員たち、そして支持者の皆様の御指導も受けこれまでやってこられたことを大変感謝しております。 さて、話は変わりますが、最近各地に行きますと、中国人旅行者の多さに圧倒されます。もちろん日本の十倍の人口で、世界じゅうどこへ行っても多いのは当たり前かもしれません。 昨今の尖閣諸島や竹島の領土問題にしても、これまでの弱腰な政府の対応が裏目に出てしまっているような気がします。日本がなめられている、弱い日本がつけ込まれていると断言せざるを得ません。 また、昨今の中国国内の日本をターゲットとした暴動破壊行為は全く言語道断であります。もっとも、感情的にならずに大局的に物事を判断していかなくてはいけないと思いますが、やはり限度を超えております。 一事が万事で、今の決められない政治が問題の先送りをしている間にも国の借金は膨れ上がるばかりで、景気は停滞し、将来の国民生活の不安は増大しています。 一方、渋谷区においても、税収が減り、財源が厳しい中、桑原区長は、決める政治を果敢にも実行され、また、超人的なエネルギーで数々の困難を乗り越えていく姿を議員になってから間近に見て、自分自身も「もっと精進していかなくては」と思いました。 何かを変えると、利害関係が相互に出てきて、全員の一致は難しいのかもしれません。しかし、現在の社会情勢をかんがみながら、多くの区民に支持される決める政治を引き続き推進させていただきたいと思います。私も微力ながら、志を一にする先輩議員らとともに、全力で決める区政を進めてまいりたいと思います。 それでは、質問に移らせていただきます。 初めに、区役所本庁舎についてであります。 先ほどの伊藤議員と重複する部分もありますが、私の考えを述べさせていただきます。 渋谷区の区役所本庁舎は、昭和三十九年に建設され、既に四十八年を経過しており、一般的に言われているコンクリートの耐用年数の五十年に近づいております。 鉄筋コンクリートの柱をカーボンのフィルム等で巻く耐震補強はされているものの、耐震基準は満たしておらず、震災時には大変危険な状態であります。 耐震基準を満たすために、追加的な補強工事にさらに予算を費やしても、結局あと十年引き延ばせるかどうかで、経済的合理性からも疑問です。 また、東日本大震災以降、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震等マスコミで騒がれており、大変危惧されます。 渋谷駅前のヒカリエに新しい渋谷区の防災センターができ、区民の期待も大きいところですが、震災時に本庁舎が大きなダメージを受け、機能不全になるのは最小限にとどめなくてはなりません。 「この区役所は大丈夫なのか」と心配される区民の声も多く聞こえてきます。区役所本庁舎は行政の中核拠点であり、現在の老朽化した庁舎では不安であります。 一方、長引く不況の影響で税収は大きく落ち込み、財源が逼迫しているのも事実です。広尾の日赤医療センターの建て替えに使われた定期借地権設定による建て替え資金の捻出等、民間活力の導入を検討されてはいかがでしょうか。 五〇〇%の容積率をいっぱいに使い、敷地の半分に五十年の定期借地権を設定すれば、区役所本庁舎と公会堂の建設資金を完全に捻出できます。もちろん基金の一部を取り崩し、渋谷区単独で建て替えるのが理想ではありますが、敷地の高度利用により、余剰部分に定期借地権を設定し、区役所本庁舎や公会堂の建築コストを捻出する手法は、昨今の財政事情にマッチしているかもしれません。区役所本庁舎の建て替えに関し、区長の所見を伺います。 次に、旧代々木高校と本町東小の跡地等の高齢者施設についてです。 渋谷区は、現在二十三区で特別養護老人ホームの設置率に関しトップクラスであります。これまでに渋谷区が設置した施設は、「けやきの苑・西原」百二十床、「あやめの苑・代々木」七十床、「美竹の丘・しぶや」百二十七床、そして民間が設置した施設は、パール代官山五十床、つるとかめ五十床、レクロス広尾、渋谷区の部分が八十床と、合計四百九十七床が既に確保されています。これも、これまで区が積極的に高齢者対策の施策を行ってきたからであり、区長を初めとする所管部門の職員の方々の御尽力のたまものであると思います。 昨年の第三回定例会でも特養に関して質問いたしましたが、私の母親は、その十日後、特養で息を引き取りました。入所して一年二カ月後でした。特養入所以前は、病院をたらい回しで、十分な介護を受けることができず、かわいそうでした。しかし、最後の一年余りの間、献身的な介護を受け、人間らしい生活ができたことに感謝いたしております。 本年四月にできましたレクロス広尾も大好評で、「ホテルで暮らしているようだ」、「広尾の日赤医療センターの隣で、万が一のときも安心だ」と、入所者の御家族の方々からの絶賛の声が聞かれます。 さて、今後の新たな施設として、旧代々木高校の跡地に特養の建築工事も進んできており、完成を心待ちにしている区民も多数いることと思います。また、本町東小学校跡地にも特養の計画があると聞いております。現在の旧代々木高校跡地の進捗状況と、本町東小学校跡地の計画について区長にお尋ねいたします。 次に、生活保護制度の適正化についてです。 本年五月末現在、全国で生活保護受給者数は百五十三万八千九十六世帯、二百十一万八百十六人で過去最多を更新しました。うち高齢者世帯は六十七万世帯、また、その他の世帯(仕事を失った人を含む)は二十八万世帯です。 失業などを理由とした働ける世代の受給増加が目立っています。雇用情勢が厳しいことなどから、今後も増加傾向が続くものと思われます。 生活保護受給者は、昨年七月から過去最多の更新が続き、今年三月に二百十万人を突破しました。今年度の給付総額は三兆七千億円を超える見通しです。 厚生労働省は、生活保護水準の引き下げや、経済的に余裕のある親族に扶養義務を厳格に適用することを検討しているようです。 一方、渋谷区において、本年六月末で、生活保護受給者数は二千六百三十七世帯、二千九百九十人です。 平成二十三年月平均は二千五百四十四世帯で、うち高齢者世帯は千二百三十三世帯、傷病・障害世帯は七百五十九世帯、母子世帯は五十四世帯、その他の世帯は四百九十八世帯です。 過去の推移を見ますと、平成十三年は千三百二十九世帯、平成二十年は二千二十六世帯、平成二十一年は二千二百四十九世帯、平成二十二年は二千四百六世帯であり、過去十年で二倍近くまで増加している傾向にあります。 長引く不況の影響で経済が低迷し、多くの雇用が失われており、深刻な状況であります。また、若年層の雇用にも厳しさが増しており、ニートやフリーターなど身分の不安定な若者が増えております。二十代、三十代の働き盛りの健康な若者のホームレスや生活保護受給者も散見されます。もっとも、最低賃金で働くよりも生活保護受給者のほうが高収入であるというのもおかしな話で、生活保護制度の適正化が必要であると思われます。 生活保護は、最終段階でのセーフティネットであり、基本は自助努力、自己責任の社会でなくては、今後さらに進む日本の超高齢化社会の福祉政策は破綻していくものと思われます。 さらに、地方には受給者への調査権限すら十分に与えられていません。自前で調査すら十分できない現行制度では不備が目立ち限界に来ています。区長の生活保護制度の適正化についての所見を伺います。 次に、落書き対策と防犯カメラの設置推進についてです。 最近、渋谷・原宿地区を初め、区内では落書きが増えています。心ない者が歩道橋、トンネルの中、塀、シャッター、ビルの壁面、個人の住宅に至るまで所構わず落書きが黒、赤、青などのペンキでいっぱいに見苦しく書かれています。 渋谷区東の都バス車庫壁面いっぱいに書かれた落書きを、広尾中学校の生徒たちがペンキで絵を描きながら消している取り組みはすばらしいものであり、渋谷区内に広げていってはと思います。 渋谷区東二の二五の三六にある東京都交通局渋谷営業所(いわゆる都バス車庫)の壁画です。この壁画には、当時三年生の生徒たちの作品が描かれています。絵が描いてある壁には、その上に落書きが描かれるケースはまれで、落書きの抑止力になります。 また、円山町など複数の地区では、町会が主体となり協賛企業やボランティアの方たちによる落書き消しが行われています。これらの運動は、区内全域に広げていければと思います。 一方、落書きを事前に防止するという意味では、防犯カメラが有用であると考えます。最近は、防犯カメラの性能が向上し、価格も手ごろになり、ビルや商業施設はもとより、一般家庭でも設置が増えています。多くの凶悪事件が防犯カメラの映像により解決しているのも事実です。 防犯カメラは確実に犯罪の抑止力となっております。今後の落書き対策と、さらなる防犯カメラの設置推進に関し、区長の所見を伺います。 次に、避難所のAED完全設置(
ケアコミュニティ美竹の丘)と交番についてであります。 渋谷区内の避難所は、小中学校を中心に三十二カ所指定されております。渋谷区内全域を網羅しており、いざというときでも、渋谷区内にいれば安心です。 その中に、私の地元「
ケアコミュニティ・美竹の丘」があります。特別養護老人ホームや保育園などの複合施設です。 渋谷区内では「
ケアコミュニティ・美竹の丘」以外、全避難所にAEDが設置されています。「
ケアコミュニティ・美竹の丘」は、隣接する特別養護老人ホームにAEDが設置されているという理由から、AEDが設置されていません。特養の八階にある医務室に設置されておりますが、震災時にエレベーターがとまってしまうことも東日本大震災で経験済みで、一刻を争う心臓疾患の蘇生には大問題であります。 しかも、特養も百二十七床あり、毎日のように救急車が来ている現状を考えると、一台を兼用で、八階に設置されている現状では、避難所の備えにはなりません。AEDは一度使ったら、パットの交換やバッテリーの充電が必要で、次にすぐ使うことができない場合も想定されます。 私の父親も五年前に虚血性心疾患(心筋梗塞)により七十四歳で亡くなりました。早期に発見され、直ちにAEDで蘇生措置が行われていたら救えた命かもしれません。 特養とは別に「
ケアコミュニティ・美竹の丘」の一階ホールの目立つところにAEDを設置いただきたく、地元の民生委員の方たちからも強く要請がありました。 一方、美竹公園内に交番が設置されると聞き及びましたが、現在の進捗状況についてもお聞かせください。 この地域には、以前近くに交番がありました。しかし、交番のあったビルが新しいビルの所有者となり、建て替え工事をしていた不動産業者が倒産し、鉄骨を組み立てた時点で工事が中断して、交番も既に五年以上ありません。地元住民から、一日も早い再設置を要望する声を耳にします。 以上、AEDと交番に関する地元の強い要望に対し、区長の所見を伺います。 次に、渋谷区内の大型広告車の規制についてです。 最近、渋谷の街中を大音響を出しながらのろのろと走るトラックを利用した広告車を多数見かけます。広告車は人目の多い繁華街を走行して宣伝活動を行うため、高い宣伝効果が見込める広告手法と考えられます。しかしながら、現在はその宣伝手法がエスカレートしていることは否めません。 例えば、幹事長会や委員会の最中、一番窓の近くに座っていますと、区役所周辺を大音響とともに走るトラックにいらだちます。また、音楽関係の音響広告のみならず、高収入アルバイトと称し、風俗店の求人等の音響広告の場合も多数あります。これらの広告は爆音以外に、渋谷の街の景観の観点からも問題があると思われます。 さらに、この大型広告車は、歩くくらいの速さで低速走行するために、交通渋滞が起こることもしばしばあります。交差点でわざと車をとめるために、信号の手前では超低速走行になり、渋谷の街中の交通渋滞の大きな原因となっています。大型広告車は、区では所管外で規制できないとのことでしたが、これ以上渋谷の街が荒廃しないためにも、東京都や警視庁を初めとする関係機関に大型広告車による音響広告に関し規制するよう申し入れをしていただけないでしょうか。区長の所見を伺います。 最後に、教育に関し、本町学園とコミュニティ・スクールについて、二点伺います。 〔「ちゃんと言うんだよ」の声あり〕
◆七番(佐々木弘明) はい。 今年四月に満を持して開校した小中一貫教育校の本町学園の運営状況はその後いかがでしょうか。 教育委員会では、国の学習指導要綱の改訂に先行して、コンピュータ教育にかかわる施設整備、外国人指導助手の導入、学校運営連絡協議会の設置、学校選択希望制、二学期制等を取り入れ、児童生徒のニーズに応じきめ細やかな指導と評価を行い、確かな学力をはぐくむとともに、地域から選ばれる学校づくりを進めてきたと伺っております。 小中一貫教育校は、同じ設置者である渋谷区が小学校、中学校を併設し、九年間継続して学習指導、生活指導を行うものです。 特徴は、他の小学校からもその中学校に進学できるために、中学校では内部進学生と外部進学生が切磋琢磨して学校生活を送る環境が整っていることと伺っております。 教員に関しては、職員室を一つにすることで、日常的に交流することができ、例えば、小学校の教師が中学校の授業を担当したり、中学校の教師が小学校の授業に参加し、小学校の教育内容の理解を深めることにより指導力、授業力が向上することも期待されます。また、小中学校が合同で行事を行ったりすることで、児童生徒同士が交流を深めていきます。 こういった取り組みにより、少し年の離れたお兄さん、お姉さんと触れ合うことを通じて、昨今の少子高齢化が進み、東京都心区は住宅事情の関係からひとりっ子が多い現代社会において、コミュニケーション能力をより高めることも期待されていると考えられます。 近所の来年小学校に入学予定の父兄から、学区内の神南小に行くか、少し遠くても小中一貫教育校の本町学園に行くか悩んでいると相談を受けたことがありますので、区民の小中一貫教育校に対する期待は大きいことがうかがえます。小中一貫教育校の本町学園の成果と今後について教育長に伺います。 次に、コミュニティ・スクールについてです。 近年、公立学校には、保護者や地域の方々の様々な意見を的確に反映させ、地域に開かれた、信頼される学校づくりを進めていくことが求められています。 そのための手法として、文部科学省からは、保護者や地域住民が「学校運営協議会」を通じて教育委員会、学校長と責任を分かち合いながら、一定の権限と責任を持って学校運営に参画する「学校運営協議会制度」と、子どもの教育を学校任せにするのではなく、地域の方々が学校と一緒になって学校を支援し、教育活動の充実を目指す「学校支援地域本部」の二つの制度が示されています。 その中の「学校運営協議会制度」は、学校運営の基盤とも言える「教育課程や教職員の配置」について、保護者や地域住民等で構成される「学校運営協議会」が意見を述べられることが制度的に保障されているということでもあり、学校運営上難しい面も多く、全国的に見てもなかなか導入が進んでいないと聞いております。 渋谷区教育委員会が現在独自に進めているコミュニティ・スクールは、第一号として、長谷戸小学校、猿楽小学校、鉢山中学校の三校にて学校支援地域本部を組織しながら進めていくと聞いております。 三校は、これまでも地域との結びつきが強い学校です。恵比寿ふれあいまつり、恵比寿駅前盆踊りなど地域の行事にも会場として、また、参加団体として長年かかわり続けてきました。さらに、長谷戸小学校においては、今年百周年に向けて地域との関係がますます強まっていると聞いております。こうした地域力もコミュニティ・スクールの大きな後押しになると思われます。 そこで、これからのコミュニティ・スクールの進め方につきまして、教育長にお伺いいたします。 以上七項目を、区長及び教育長にお伺いします。
○議長(前田和茂) 桑原区長。
◎区長(桑原敏武) 新民主渋谷、佐々木弘明議員の一般質問に順次お答えをしたいと存じます。 最初に、渋谷区役所本庁舎について、本庁舎の安全性を心配され、建て替えの手法も含め、貴重な御提言をいただきました。 本庁舎の現在までの経緯については、先ほど、伊藤毅志区議会議員に御答弁したことと重複いたしますので省略をさせていただきますが、首都直下地震で震度六強となる予想がされていること、本庁舎が十分な耐震性能のないことから、早急な耐震性能の向上を図る必要があることを私も認識しているところでございます。 このため、本年度は、まず、建物の診断を実施しているわけでございますけれども、その結果を受けて本庁舎の耐震性向上を検討していかなくてはならない、このように考えているところでございます。コストと成果について選択を迫られる大変難しいことである、このように考えているところでございます。 この御質問の本庁舎の建て替えについては、その必要性は認識しつつも、なお検討しなければならないことが多い。それは、財政上の問題もございます。区民の理解もございます。さらに、この現庁舎を補強することによって、現庁舎を続ける中で、そのことについても検討を進めることが、よりベターではないかと考えているところでございます。 耐震診断の結果については、まとまり次第また御報告をさせていただきたいと存じます。 なお、将来において、本庁舎を建て替えする場合においては、その資金については、議員御提言のことも踏まえて、課題として検討したいと存じます。 高齢者施設についてのお尋ねでございました。 特別養護老人ホームの整備について、現在の高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画を踏まえて進めるところでございます。この計画を達成した段階で施設整備水準は、二十三区トップの水準になります。 また、六百九十一名の待機者すべてが、直ちに入居を必要とする対象者ではなく、今後に備えて今から手を挙げていこうと、こういう人たちも大勢いるわけでございます。 まず、旧代々木高校跡地の進捗状況でございますが、建築工事については順調に進んでおり、来年一月の竣工、四月の開設に向けて準備を進めております。 運営事業者につきましては、社会福祉法人正吉福祉会を選定いたしました。この法人の特徴は、おむつゼロという取り組み、そして生活リハビリを実施しているところでございます。 パワーリハビリにも力を入れていること、また、口腔ケアにも力を入れていると、このように聞いております。できるだけお口で食事をとっていただくという方針のもと、もちろん経管栄養等を拒むわけではございませんが、自らが食べることは、自分で召し上がっていだたくことに、口腔ケアにも力を入れている点は評価をしたいと考えております。 こうした事業を総合的に展開しながら、渋谷区が目指す、高齢者を寝たきりにしない、そういう施設方針にマッチしている業者であると、このように思っております。 本町東小学校跡地については、特別養護老人ホームを中心に検討するほか、既存施設の利用状況や待機者を勘案し、認知症デイサービスやグループホームの併設、さらには、在宅医療介護の支援にも必要な施設をも検討の視野に入れたいと考えております。 スケジュールとしては、年内に基本計画を作成し、議会、地元に了解をいただき、改めて実施設計に入りたいと考えております。 次に、福祉について、生活保護制度の適正化についてのお尋ねでございます。 生活保護制度は、最後のセーフティネットと言われており、各自がその持てる能力に応じ最善の努力をしても、なおかつ最低生活が営めない場合に、最低限度の生活を国家が保障する制度でございます。よって、生活保護制度自体の適正化については、国の責任において実施されるべきものと考えております。 現在、国において、生活保護受給者の状況に応じた自立の助長を一層図るとともに、給付の適正化などを徹底する観点から、生活保護制度の見直しが行われているところでございます。生活保護基準の検証・見直しの具体的内容については、国の予算編成過程で明らかになるものと思っております。 本来、健康で文化的な最低限度の生活の保障をすることは、すべて国の責任と考えておりますが、現行制度においては、四分の一を地方自治体が負担することとされているところでございます。受給者数の伸びに伴って、区の一般財源からの支出が増加をしている現状につきまして大きな危機感を持っており、制度を維持する上には、生活保護制度の運用における適正実施が不可欠であると、このように考えております。 また、生活保護受給者増加への対応といたしまして、今年度、組織改正を行い、あわせてケースワーカーの増員を図ることにより、適正実施のための体制を整えております。 また、従来から相談者や被保護者に対し、資産、能力その他あらゆるものを活用するよう、ケースワーカーが個々の世帯の実態に応じた指導、指示を行い、生活保護の適正実施に取り組んでおります。特に増加が目立つ六十四歳以下の働ける世帯に対しては、ケースワーカーとハローワークOBの就労支援員とが連携し、稼働能力を最大限活用するための就労支援を行っているところでございます。 さらに、今年度は、生活保護費の四割を超える医療費助成について、後発医薬品の使用を促したり、過剰受診の是正指導を行うなど、さらなる適正実施の推進に取り組んでまいります。 次に、落書き、防犯対策についてのお尋ねでございます。 渋谷区内では、繁華街を中心に、店舗のシャッターや壁、電柱等の様々な場所にスプレー等による落書きが、残念ながら多く見受けられるところでございます。落書きはまちの印象を暗くするとともに、防犯面でも、地域住民に不安を与えています。 落書き消しは、駅や鉄道施設につきましてはJR、私鉄の責任で、道路につきましては各道路管理者、電柱につきましては東京電力、店舗につきましては各事業者の責任で行っております。 渋谷区は、各地区の美化推進委員会や町内会、商店会での落書き消し活動を支援しておりますが、落書きが目立って減少しているとは言えません。 先日、夏休みを利用して、広尾中学校の生徒さんがPTAの支援を受け、都の都営バス車庫の塀に落書きを消し、きれいな絵をかいてくれました。また、円山町会に続いて、代々木三丁目町会、神山町会でも、町内から落書きを一掃しようと、まちの人々が立ち上がっております。 このように、落書き消しにとって大事なことは、街の一人一人が、「町を汚させないぞ」「この街は、自分たちで守る」と立ち上がることでございます。区としても、これらの活動が全区的になるよう支援をしてまいりたいと存じます。 また、防犯カメラにつきましては、犯罪の防止・抑制の視点で、必要な箇所について、商店街等と連携し設置をしてまいりたいと考えております。 次に、AEDについてのお尋ねでございます。 避難所のAEDについて、「
ケアコミュニティ・美竹の丘」だけが取り残されているということでございまして、AEDを設置すべきではないか、こういうことでございました。 既に避難所となる区立小中学校・スポーツセンター・
ケアコミュニティ施設等にAEDを配備し、いざというときの人命救助に備えているところでございます。 御指摘の「
ケアコミュニティ・美竹の丘」のAEDについては、御要請に基づき、これを真摯に受け止め、早急に対応してまいります。 次に、美竹公園における交番設置についてのお尋ねでございます。 この地区の交番につきましては、議員御質問にありますよう、宮益坂上にあったものが、建物の建て替えに伴って廃止されたことから、早急に再設置することが地域の課題でございました。 私も、地域からこうした要請を受け、また、他方、渋谷警察署からも協力要請を強力に受けていたところでございまして、そのために美竹公園の一部を占用させることといたしました。 現在、警視庁においては、交番の設計を進め、十月ごろから現地の地質調査を行った後、工事に着手し、来年五月には完成すると聞いております。この交番の完成が、地域の安全・安心につながるものと考えているところでございます。 最後に、この大型広告車についてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、渋谷の街じゅうでは、低速で大音響を発し、過度な電飾・色彩、あるいは青少年の健全な成長を阻害するような広告を取りつけた宣伝車が走行し、騒音や交通渋滞を引き起こすとともに、街の品格を落とし、良好な景観形成の面からも多くの問題を発生しております。 こうした宣伝広告車については、東京都屋外広告物条例により規制されており、東京都も昨年、屋外広告物条例の施行規則を改正し、事業者が広告宣伝車による広告の許可申請を行う前に、公益社団法人によるデザイン審査を受ける制度を導入しております。 しかしながら、この対象となるものは、都内に車両登録をされている広告宣伝車のみであって、他県で登録されているものについては、これが規制をされていない、こういうことでございます。 こういうことから、区といたしましても、広告宣伝車を規制することが必要であると考え、東京都関係機関において、他県と連絡をし、問題解決に取り組んでいただきたい、このように思っております。 以上、答弁といたします。
○議長(前田和茂) 池山教育長。
◎教育長(池山世津子) 私には、本町学園とコミュニティ・スクールについてのお尋ねでございます。 まず、本町学園についてです。 本町学園は、開校後約半年を過ぎようとしております。この四月の新入学児童・生徒数は、一年生が三学級八十五人、七年生、これは中学一年生に当たりますが、三学級九十五人と、私どもの想定を大きく上回り、児童・生徒数の総計が五百三十二人の大きな学校として誕生いたしました。すべてが初めてづくしの中、「全国に誇れる学校をつくる」という使命感のもと、六十六人の教職員は、校長を中心に一丸となって新しい学校づくりに邁進しております。 本町学園には、義務教育九年間を通して、教育施設、教育内容、指導組織を一体化して教育を行うことにより、学力の確実な定着、生活習慣、社会性の育成、望ましい自己意識や規範意識の育成、学級・学校不適応による問題行動等の防止といった効果を期待しております。 開校からまだ半年ということもございますが、大きな成果はこれからというところですが、幾つかの事例を御紹介させていただきます。 中学生は、昼休みの校庭で小学生に遊び方やルールを教えたり、小さい子どもに遊び場所を譲ったりと、下級生を自分の弟、妹として思いやりを持った行動が数多く見られております。さらに、下級生が見ているから、お手本にならなければいけないとの意識も芽生えているようで、服装の乱れなどは見られないと聞いております。 また小学生は、先日行われた中学生の前期学期末試験の期間中、お兄さん、お姉さんが大切なテストを受けていることを一年生も意識し、休み時間なども自主的に静かにしようとしていたようです。これは我慢ではなく、ふだん優しくしてくれるお兄さん、お姉さんを大切に思っているからこその行動であると理解しております。 このように、子どもたちはすぐに新しい学校になれました。 一方、指導に当たる教員の様子を見ますと、四月当初は、小規模な母体校から引き続き勤務している教員には、一定規模における指導に多少の戸惑いがあったようです。しかしながら、母体となった三校の教員に、他区から異動してきた教員も加わり、また、小学校の教員と中学校の教員が一つの職員室の中で肩を並べ、話をする中で、教師も互いに切磋琢磨しながら指導力の向上が図られているとの報告を校長から受けております。 学力向上に関しては、小学校の英語活動について、中学校の英語科の教員が授業を行ったり、四年生から理科専門員の教員を配置するなど、一貫校ならではの取り組みが進められております。 渋谷本町学園は、母体校となった本町小学校、本町東小学校の卒業生のうち、八五%が渋谷本町学園中学校を選択しており、また、学区内の幡代小学校を含めて中学一年生の七七%が地域から登校するという、地域から選ばれる学校となりました。今後も、小中一貫校の特性を生かし、渋谷本町学園ならではの教育を行い、期待した効果が得られるような学校づくりに取り組んでまいります。 次に、コミュニティ・スクールについてのお尋ねです。 コミュニティ・スクールは、地域に開かれ、地域に支えられる学校づくりの手法の一つです。渋谷区で実践しているコミュニティ・スクールは、保護者や地域の人々が学校の応援団となり、学校が子どもたちの学びの場として学習やスポーツ、遊びにと生き生きと伸び伸びと取り組めるよう校長を支え、学校運営に参加、協力していく組織体として、学校運営と教育活動の両面から学校を支援する学校支援本部の形をとっております。 昨年度の試行から今年度に入り、長谷戸、猿楽二校の本部委員と学校支援コーディネーターの人選を行い、具体的な活動を開始いたしました。長谷戸小学校は、議員御指摘のとおり、今年百周年を迎えますが、この機をとらえ、百周年記念行事とも連携し、「学ぶ力を育てる」、「体力を伸ばす」、「環境を整える」、「地域とつながる」を四つの柱にして、地域とより強い教育体制をつくろうといたしております。また、猿楽小学校では、こども科学センター・ハチラボや、地域の教育資源を生かし、学ぶ力、スポーツ文化、環境、かかわりを具体的な支援内容として活動を開始いたしました。 二校では現在、学校図書館の整備、ホームページのリニューアル、花壇の整備、ビオトープの整備、地域行事への参加や連携など、地域の教育力やボランティアを活用した学校支援本部としての教育活動を展開しております。 今後は、今年度の鉢山中学校での試行も含め、恵比寿地域の成果を検証しつつ、他の地区への導入についても検討してまいります。 以上、答弁といたします。