世田谷区議会 2022-03-09
令和 4年 3月 予算特別委員会-03月09日-03号
令和 4年 3月
予算特別委員会-03月09日-03号令和 4年 3月
予算特別委員会
令和四年
予算特別委員会
予算特別委員会会議録第三号
日 時 令和四年三月九日(水曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十六名)
委員長 菅沼つとむ
副委員長 平塚けいじ
副委員長 藤井まな
阿久津 皇
石川ナオミ
おぎのけんじ
加藤たいき
上島よしもり
河野俊弘
宍戸三郎
畠山晋一
真鍋よしゆき
山口ひろひさ
和田ひでとし
いたいひとし
岡本のぶ子
河村みどり
佐藤ひろと
高橋昭彦
津上仁志
福田たえ美
いそだ久美子
桜井純子
中塚さちよ
中村公太朗
中山みずほ
羽田圭二
大庭正明
田中優子
ひえしま進
桃野芳文
江口じゅん子
たかじょう訓子
中里光夫
高岡じゅん子
田中みち子
小泉たま子
つるみけんご
あべ力也
上川あや
ひうち優子
佐藤美樹
そのべせいや
神尾りさ
くりはら博之
青空こうじ
欠席委員(一名)
金井えり子
出席事務局職員
議事担当係長 髙橋 亮
出席説明員
副区長 中村哲也
政策経営部 部長 加賀谷 実
政策企画課長
松本幸夫
経営改革・
官民連携担当課長
髙井浩幸
ICT推進課長
山田和彦
財政課長 五十嵐哲男
広報広聴課長
山戸茂子
デジタル改革担当部
部長(
政策経営部長兼務)
加賀谷 実
デジタル改革当課担長
松永 仁
交流推進担当部 部長 小澤弘美
総務部 部長 池田 豊
総務課長 後藤英一
区政情報課長
末竹秀隆
人事課長 好永 耕
研修担当課長
香山桂子
職員厚生課長
増井賢一
庁舎整備担当部 部長 佐藤絵里
庁舎管理担当課長
桐山徳幸
危機管理部 部長 菅井英樹
災害対策課長
長谷川哲夫
副参事 若松 武
地域生活安全課長
野村 剛
財務部 部長 工藤郁淳
経理課長 阿部辰男
課税課長 北 はやと
施設営繕担当部 部長 小柴直樹
公共施設マネジメント課長
並木正志
会計室 会計管理者 原田茂実
選挙管理委員会事務局
局長 渡邉謙吉
監査事務局 局長 庄司秀人
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本日の会議に付した事件
議案第一号 令和四年度世田谷区一般会計予算
議案第二号 令和四年度世田谷区
国民健康保険事業会計予算
議案第三号 令和四年度世田谷区
後期高齢者医療会計予算
議案第四号 令和四年度世田谷区
介護保険事業会計予算
議案第五号 令和四年度世田谷区
学校給食費会計予算
(
企画総務委員会所管分に対する質疑)
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午前十時開議
○菅沼つとむ 委員長 ただいまから
予算特別委員会を開会いたします。
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○菅沼つとむ 委員長 本日は、
企画総務委員会所管分の予算審査を行います。
なお、本日、欠席の届けがありますので、御報告いたします。金井委員であります。
では、質疑に入ります。
公明党、どうぞ。
◆福田たえ美 委員 おはようございます。これより公明党の
企画総務委員会所管の質問をいたします。
私からは、まず初めに、世田谷版の
災害ケースマネジメントについて伺ってまいります。
少し鳥取県中部地震についてお話をさせていただきたいと思います。二〇一六年、最大震度六弱の鳥取県中部地震が襲いました。死者は出ていませんでしたが、住宅被害が県内に約一万五千棟、そのうち約九八%が屋根瓦が落ちるなど、一部損壊をいたしました。被災直後には、雨漏り防止のためにブルーシートが張られたまま一年以上が経過し、住宅修繕に着手できずブルーシートが残った家が少なくありませんでした。
発災後の大きな課題の一つが、住まいの問題です。今の支援制度では、被災者の被災の度合いを測る基準は、家屋の壊れ方を示す罹災判定に大きく重点が置かれています。
被災者生活再建支援法では、給付対象は全壊、大規模半壊、半壊でやむを得ず解体、長期避難世帯、これら認定を受けた場合に、補助金が最大三百万円支給される仕組みになっています。修理費用が補助金では足らず、自宅が部分的な修理にとどまってしまったり、補助金を受けたため、災害公営住宅にも入れないなど、残された道は自助努力というふうになります。まして、半壊や一部損壊の世帯には、支援金すら全く支給されません。
鳥取県では、国の補助に加え県独自の補助金を設けますが、全体の五%に当たる九百件の被災者からは、支援制度の申請がないまま、一年以上ブルーシートに覆われたままの状態が続いていました。そこで、県は、戸別訪問で事情を聞き、要支援者をリスト化し、それを基に関係機関で会議を開き、各家庭に合わせた
生活復興プランを作成し、保健師を派遣、介護サービスにつなげたり、借金がある上、病気療養中の世帯主には、弁護士派遣で過払いの利息返還で借金の対応など、ケースに合わせ、建築士、ファイナンシャルプランナーなど必要な専門家チームを派遣をいたしました。対象となった百五十一世帯の九割以上は、生活再建が軌道に乗り、支援が終了したとなっております。鳥取県では、全国に先駆けて二〇一八年三月に、鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例に、
災害ケースマネジメントの手法による被災者支援を位置づけ、攻めの支援を行っております。
近年の少子・高齢化、コロナ禍により、一層経済格差が拡大する中、十分な収入、貯金、家族の支えがない人については、壊れたままの家で暮らし続けるしかなくなっています。被災者は、自宅を失ったのみならず、仕事や健康面でも直接的、間接的に被害をこうむっています。被災者一人一人が抱える課題に寄り添って解決しなくては、一向に復旧、復興を進めていくことができません。そのためにも、被災し、再建への支援を必要とする方の把握、訪問による支援こそが個々の生活再建に結びついていきます。
区が示したマグニチュード七・三が発生した場合の建物被害は、約十六万から三十万棟とされております。先ほどの鳥取県の
被害ケースマネジメントが必要だったという数は五%というのを区に当てはめてみますと、約八千から一万五千棟が再建困難ということが予測されます。令和元年台風十九号においても、浸水被害から復旧には多大な時間を要するケースも存在しました。高齢者のみの世帯では、浸水被害のあったお宅では、何週間も過ぎてから人伝えに被害への対応方法の相談が入りました。高齢による情報収集の難しさや役所まで足を運ぶ大変さなど、高齢ならではのハードルが再建を阻むことを実感いたしました。
区としても、今後、いつ発生するか分からない災害に対して、他自治体を参考に、
世田谷版災害ケースマネジメントを取り入れて、誰一人取り残さない生活再建支援を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎若松 危機管理部副参事
災害ケースマネジメントにつきましては、復興期において、災害によって被害を受けた被災者一人一人に寄り添い、生活全体における状況を把握し、それぞれの課題に応じた情報提供や人的支援、個別支援を組み合わせて計画、実施する生活復興支援の取組でございます。
委員お話にもありました条例を制定して取り組んでいる鳥取県によれば、発災後しばらくしても住宅修繕に着手できない世帯があり、その中には、健康面、資金面で問題を抱えていたり、高齢者世帯で修繕を行う気力をなくしたりしている方々がいらっしゃったとのことでした。このような世帯に対応するため、戸別訪問による実態調査を実施し、その結果に基づき、関係機関による
生活再建プランを検討した上で、弁護士や建築士などの専門家による支援チームを派遣して対応する官民連携による取組を行うこととしております。
区におきましても、こうした他自治体の先進事例及び国や都の動向を見極めつつ、関係所管や民間団体と連携した上で、
災害ケースマネジメントについての調査研究に努めてまいります。
◆福田たえ美 委員 これは初めて提案をさせていただいた内容なんですが、危機管理のみで行う内容ではないだけに大変な内容だと思いますが、いつ災害が起きるか分からないということを考えていきますと、このことは非常に大切な、誰一人取り残さないという視点で、早急に検討研究等を行ってほしいとぜひ思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、災害時の情報収集と発信ということについて伺ってまいりたいと思います。
東日本大震災において、地震、津波により基地局の倒壊や、また、電伝送路線の断裂、商用電源の停電といった電波停止などが多数発生をいたしました。これらの経験を踏まえ、通信・放送インフラが国民の生命と財産の安全や国家機能維持に不可欠であるとの位置づけから、通信・放送事業者を中心とした災害に強い
ICTインフラの構築が進められてきています。
熊本地震では、基地局の停波や停波局のエリアをカバーするための応急復旧対策を強化したことなど取組が功をなし、通信の疎通に支障を来した時間は限定的だったということですが、通信回線も問題なく利用することが可能であったことや、スマホ普及率の向上も相まって、SNSなどを活用した情報発信、また、収集に欠かせないツールとなっていました。高齢者など要支援者にとっては、慣れ親しんでいる地上波放送での情報収集が欠かせないという状況が裏にはございます。
首都圏における大規模災害が発生した場合には、この大規模停電への備えと併せて、区民が安全に避難行動を移すために必要な避難所情報や危険区域の情報発信のためには、危機管理部の情報の収集と発信が区民の命を守る最前線となります。保有率が高いスマホやタブレットからの災害時の情報取得に、民間の努力のみならず区としての重層的な取組が絶対に必要となってまいります。
災害時の区のWi―Fi活用と併せて、停電時に蓄電池の電源を有効に使用するため、バッテリーが装備されたWi―Fiの整備なども視野に入れながら取り組んでいくべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎若松 危機管理部副参事 災害時におけるWi―Fiの活用につきましては、避難者の皆さんが
スマートフォン等で情報収集をしていただけるよう、指定避難所となる区立小中学校において、避難所Wi―Fiを整備しております。大規模震災時において、例えば、区内全域において通信線の断線など物理的な要因や停電などで
インターネットの遮断が発生している場合、Wi―Fiの活用は見込めない状況になると考えられますが、
インターネットそのものが遮断はしておらず、停電によるWi―Fi機器の停止のみだった場合には、非常用電源を使用することでWi―Fiを活用できる状況になると考えております。
区は、発災時の停電対策として、指定避難所をはじめ、本庁舎や各総合支所など、おのおのの区施設に非常用電源等を配備しており、災害による停電が発生してもWi―Fi機能は維持がされます。災害時には、
インターネットを活用した情報収集及び情報発信が大変重要となってくることから、区といたしましては、お話しの停電時における蓄電池などの活用も考慮しながら、Wi―Fiなどを含めた災害時の通信手段確保に今後とも努めてまいります。
◆福田たえ美 委員 今の状況ですと、停電とかが復旧、蓄電池をうまく使えた場合とかとなっておりますが、これがうまく使えなかった場合など、最悪の場合も少し想定して質問していきたいと思います。これは、多分、
まちづくりセンターにおける危機管理という視点になってまいります。
災害規模、状況によっては通信手段も寸断される、そういった時間帯が発生することも視野に入れて考えていきますと、私自身が、阪神・淡路大震災のときに、偶然にも大阪でこの大地震を経験するということがありました。ふだん生活する環境ではないために、地元の情報も持ち得ていなかったり、その当時は携帯も持っていなかったという状況です。そうなりますと、やっとつながったのが、やはりテレビからの情報ということで、そのときに得たのは関西一帯の被災情報で、震源地となる場所が特に情報が入ってきませんでした。自分の足元がどうなっているか分からないということで、まず、外に出て、必死に東京に帰るための方策を検討するんですけれども、新幹線も寸断、また、空港に行く道も壊れておりまして、八方塞がりという状況になってきました。また、出勤しようとする方々がタクシーを待っているんですけれども、タクシー自体が出動が困難となり、極端に少ないタクシーを奪い合うというような状態へとどんどん変化していきました。ですので、その当時は、情報が被災地には本当にないんだなということから、どちらの方向に行けば安全なのかということも全く分かりませんでした。
今はその当時とは異なって携帯も持っている状況ですけれども、情報収集というのが本当に苦労したということを考えますと、そのような状態に陥ることももちろんあるというふうに考えなくてはいけないと思いました。被災地ほど情報が途絶えやすいということが、また、その情報が命に直結するというこの経験から、基礎自治体の危機管理として、災害情報の伝達、そして災害情報の収集、連絡、また通信手段の確保、これらは災害時の重要な視点だということが欠かせないと思います。
台風十九号の際にも、この罹災証明の発行など、
まちづくりセンターが区民の身近な
防災情報ステーションとして重要な機能を果たしたということを感じております。大規模災害時であればあるほど、
まちづくりセンターが地域住民への情報収集と発信の役割の比重は大きくなります。現場である最前線のまちセンが機能を果たすためにも、危機管理部としての機能をどう果たしていくのか、区の見解を伺います。
◎若松 危機管理部副参事
まちづくりセンターは、震度五弱以上の大規模震災が発生した場合など、
区災害対策本部を設置した場合には、災対地域本部の拠点隊として、現場の最前線で、主に地区の被害状況など情報収集を行うこととしております。拠点隊では、大規模震災時の地区の確認ルートを定めており、大規模震災時に避難所となる区立小中学校など、震災時には重要な施設を実際に現場へ確認に行くこととしております。確認ルートは、毎年度実施している拠点隊訓練などで実際にルートを回ることで定期的に見直しを図り、拠点隊のマニュアルへの反映をしております。
区としましては、拠点隊となる
まちづくりセンターがいざというときに地区の状況を把握することができるよう、総合支所と連携し、訓練などを重ねてまいります。また、地区の情報収集に当たっては、町会や自治会などの地元住民からの情報も大切だと考えており、引き続き、地元住民と日頃から顔の見える関係を深めてまいります。
◆福田たえ美 委員 実際には、この情報収集というのが地元の方のお力がなくてはということにはなってまいりますが、一歩ちょっと攻めていくような形で、次には、発災時のドローンの活用ということについても伺っていきたいと思います。
二〇一四年、政府の
地震調査委員会が示した首都直下地震の発生率が今後三十年で七〇%の想定には、三〇%は起こらないという解釈ではなく、やはり起こるんだということで、積極的な対策を講じていくことが公助の責務だと思います。近年、日本各地で大規模な洪水、地震などが発生していますが、区においても、令和元年の台風十九号の経験から、気候変動の影響を避けて通ることの難しさ、また、発災するかもしれないという七〇%の確率である首都直下地震など、大規模災害への迅速な対応が求められています。
その中で、まずは危機管理体制の一番の肝である区内の被災状況をどう把握するのかです。正確な災害情報の迅速な収集が重要になってまいります。区の災害情報の収集について伺います。
◎若松 危機管理部副参事 お話しの台風、震災などの大規模震災では、区は災害対策本部を設置した上で、災対各部から災害情報の収集を行います。また、警察、消防、自衛隊などの関係機関や、電気、ガス、水道などの
ライフライン事業者、鉄道、バスなどの公共交通機関に併せて、報道による情報やスペクティーと呼ばれるSNS上でやり取りをされている区に関わる災害情報について、AIを活用することで信頼度が高い情報を収集するシステムなどを活用することで、区内の被災状況を把握いたします。
◆福田たえ美 委員 今御答弁いただきましたけれども、私も見せていただきましたが、AIを活用してSNS上の情報を収集して、現場の状況を把握するということですけれども、今回の予算にも、今度は土木部とか、そういったところにも広げて、このシステムを入れて活用するということなんですが、これも一つの方法としてはいいかと思いますが、SNS上での情報ということで、やはりそこだけでは心もとない、行政としては災害状況をしっかり把握していくということも含めますと、以前、うちの公明党のいたい委員も質問はしているんですが、発災時のときにこのドローンを活用していくのかということです。
区の危機管理における情報収集では、今のでは十分ではありませんので、大規模な災害が発生したときには、ドローンが活用される事例が現在増えてきております。二〇一八年九月六日に発生した
北海道胆振東部地震では、自治体からの要請に応じてドローンチームを全国に派遣している
損保ジャパン日本興業では、被災現場に人が入ることが不可能な危険な場所でも、被災地調査を行った情報を自治体に提供していきます。現在では、甲府市などを含め百を超える自治体と協定を結び、災害救助へのドローン活用に積極的に取り組んでいます。災害時の人命救助は一分一秒を争います。全国の地方自治体が発災時のドローン活用に乗り出しています。二十三区では、荒川区が民間団体と協定を締結し、発災時の情報収集を行うということになっております。
九十四万人を抱える大規模自治体における大規模災害時の命を守る情報収集に余念なく取り組むべきです。そのためにも、いつ来るか分からない災害に発災時のドローン活用による情報収集を積極的に行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎若松 危機管理部副参事 発災時のドローン活用につきましては、区は、NPO法人と災害時における
小型無人航空機―いわゆるドローンでございますが、情報収集に関する協定を締結しており、ドローンによる区内の被災状況を撮影した写真と地図を基に
デジタルマップを作成いたしまして、倒壊した建物や火災による延焼などの範囲や状況を把握することで、効率的な住宅の被害認定調査や
復興まちづくりの検討に活用することを想定しております。
区といたしましても、発生直後からの区の応急対応におけるドローンをはじめとした新たな技術の災害対策への活用の可能性については、国や都、お話しの甲府市などを含めた他自治体での導入事例や最新技術の動向を踏まえまして、引き続き検討をしてまいります。
◆福田たえ美 委員 ぜひとも、これは前向きに御検討していただきたいと思います。
最後に、地域版の
ハザードマップについて伺ってまいります。
令和二年
予算特別委員会において、地域版の
洪水ハザードマップの作成を求めました。区の作成した
洪水ハザードマップは、全体の危機管理には有効と考えますが、区民の方には、
ハザードマップをお見せしてお話しすると、身近な情報が掲載されていないため、自宅周辺を想像しにくかったり、災害時の安全な避難行動につながりにくいということが分かりました。慣れ親しんだ地域の情報を盛り込んだマップこそが、マイ・タイムラインを作成する上で重要であることを実感しました。区民の命を災害から守るためにも、誰もが理解しやすく安全な避難行動に移せる情報提供が重要です。その後の
地域版ハザードマップの作成状況について伺います。
◎若松 危機管理部副参事 お話しの
地域版ハザードマップの作成につきましては、地域住民が地域の実情に応じて避難等に活用いただけるよう、区が作成を支援しております。これまで、
多摩川洪水浸水想定区域に係る二子玉川のエリアや野川・
仙川洪水浸水想定区域に係る鎌田のエリアで、水害時
避難行動マップとして作成をしておりましたが、今年度は
二子玉川エリアのマップの更新と新たに玉堤エリアのマップを作成する予定でございます。こうした地域版の
ハザードマップ作成につきましては、各地域で浸水リスクが異なり、必要とする情報なども異なることから、地域の実情に応じて作成いただくことが大変重要であると認識しております。
引き続き、各総合支所と連携し、
地域防災力向上につながる共助の取組を支援してまいります。
◆福田たえ美 委員 以上で私からの質問を終わり、いたい委員に替わります。
◆いたいひとし 委員 台風十九号絡みの質問をしてまいります。
まず、避難情報の在り方について伺います。
今回、これまで様々な被災情報の在り方について質問してまいりましたけれども、その中で、電話、ファクスによる災害時
緊急情報配信サービスの拡大についてお伺いします。
これについては、昨年六月から、台風とか大雨等により多摩川の洪水、氾濫のおそれがある場合は、玉川・砧地域の避難行動要支援者名簿に記載されている高齢者や障害者のうち、携帯電話や
スマートフォンを持たずサービスを希望される方を対象として、このサービスを行ってきているというのは知っているんですが、私は、台風十九号の被災者で耳が不自由な御夫婦より、災害時に緊急情報がなかなか得られなかったというお話をいただき、この場でも対象の拡大について提案、要望してまいりましたけれども、私はやはり希望者全員に対象を拡充すべきだと思っておるんですが、この質問は二度目なんですが、その後の対象者の考え方、拡大についてお伺いをいたします。
◎若松 危機管理部副参事 電話、ファクスによる災害時
緊急情報配信サービスは、
多摩川洪水浸水想定区域内に居住する避難行動要支援者を対象に、昨年六月下旬からサービスを開始いたしました。その後、昨年八月十五日の大雨により、土砂災害に関する警戒レベル四、避難指示を発令した状況を踏まえまして、十月からは
土砂災害警戒区域内に居住する避難行動要支援者へ対象を広げました。現在の登録者数につきましては約七十人でございまして、全て
多摩川洪水浸水想定区域内の避難行動要支援者等となっています。
今後の
サービス対象者の拡大につきましては、避難情報を確実に伝達するため、来年度は、
多摩川洪水浸水想定区域内及び
土砂災害警戒区域内の携帯電話や
スマートフォンを持っていない等で本サービスの利用を希望する方へ対象を広げまして、それ以降は、区内全域を対象としたサービス拡大について検討を行ってまいります。
◆いたいひとし 委員 しっかり拡充のほうをよろしくお願いいたします。
次に、電柱に巻きつけている最大浸水深の看板ですけれども、そこにQRコードをつけて、災害情報の発信とか提供を積極的に行ってほしいと。これも二度目の質問ですけれども、それは令和元年九月の決算委員会だったんですけれども、看板だけをつけていると、やはり自宅の前につけられた方は、その看板によって不愉快な思い、また、浸水被害があったことを思い返すとか、あるいはまた、土地の価値が下がるとか、浸水板については非常に様々な意見もありました。その一方で、あれがあることによって、常日頃から台風十九号の被害をしっかりと自分のこととして捉えて、対策を講じていかなければいけないという、二つの意見はあるんですけれども、私は、QRコードをしっかりつけて、多言語化し、情報の発信、また提供するということが、やはり本来あるべき姿ではなかったのかと思うんですね。QRコードの設置について、どのようにお考えでしょうか。
◎若松 危機管理部副参事 区が設置しております想定浸水深表示板は、国が推進するまるごとまちごと
ハザードマップの取組として、多摩川が氾濫した場合に想定される浸水深を町なかの電柱に表示をすることにより、区民の皆様が日頃から水害リスクを把握し、水防災の意識の向上を図ることを目的に、令和二年五月に、
多摩川洪水浸水想定区域内の一部の電柱に設置をいたしました。
委員お話しの想定浸水深表示板へのQRコードの掲載につきましては、当該表示板に掲載するQRコードから、どのような情報を発信、または周知をして、水防災の意識向上や行動につなげることができるか検討する必要があると考えております。
区としましては、関係所管や地元町会・自治会の方などから御意見を伺いながら、来年度中のQRコード掲載に向けた検討を進めてまいります。
◆いたいひとし 委員 来年度中ということですので、出水期に備えて対応していただければと思っております。
これも二度目の質問なんですけれども、いわゆるライブカメラの設置についてであります。
これは、下野毛樋門とか玉川排水樋管、これの閉鎖情報とかが十分発信できなかったと。この水門の閉鎖というのは、人命に及ぶ情報でありながら、そういった情報が発信されなかったということもあって、私は、やはり誰もが実際、テレビ画面とか区のホームページを通じてそういう情報を得られるようにする必要があると。そのためにも、このライブカメラの配信というのは大変有効ではないかと。危険で川があふれているのを見て確認するという方もいらっしゃると思うんですね。それはあまりあってほしくないことですけれども、やはり、危険をいち早く察知するということにおいては、非常に有益なことだと思うんですね。ですから、昨年の決算委員会でも、ライブカメラの配信については、実際、世田谷区も監視カメラをつけてきているわけですから、あとはそれを配信するだけだと思うんですね。この取組についてもお伺いいたします。
◎若松 危機管理部副参事 区は、水害に関する情報発信の一環として、区内における気象情報や雨量、中小河川の画像及び水位情報などを世田谷区雨量・水位情報として
インターネット上での配信を行っております。中小河川の画像については、令和四年三月現在で野川、仙川、谷沢川及び丸子川の四河川で、六つの映像局から七か所の画像を配信しており、五分ごとに更新される河川の状況を見ることが可能となっております。
委員お話しの谷沢川の玉川樋管での画像につきましては、区は、令和四年四月からの公開に向けた準備を行っております。玉川樋管河川映像局からの二方向、二か所からの画像に併せて、仙川、谷沢川及び丸子川の画像配信箇所も増強し、合計で四映像局、五か所からの映像配信を追加する予定でございます。
区といたしましては、区民の皆様が水害時において迅速かつ安全に避難行動を取っていただく判断材料の一つとなるよう、今後も、こうした情報発信の強化の取組を進めてまいります。
◆いたいひとし 委員 谷沢川及び丸子川の映像配信箇所も増強し、四映像局、五か所の映像配信と、地域にとってみれば大変ありがたい話、うれしい話だと思うんですが、これはいつから運用開始する予定でしょうか。
◎若松 危機管理部副参事 こちら、追加した画像の公開につきましては、一応、令和四年四月中には公開をしていきたいと考えております。
◆いたいひとし 委員 よろしくお願いいたします。
それでは、その次に、小河内ダムの話をさせていただきたいと思うんですけれども、小河内ダムの事前放流のことなんですけれども、小河内ダムは、利水ダムとして都民の貴重な水源でもありますし、先ほどから申し上げている台風十九号を受けて、国は、令和二年四月に利水ダムが事前放流する際のガイドラインも作成しております。そして、令和二年五月には、関東地方整備局が多摩川を含む七つの水系の関係利水者との間で治水協定を結び、四十八時間で四百五十ミリの降雨量が想定されるときには、三日前から事前放流をすることになっております。
これは菅内閣のときに実現したことで、私にとってみれば、これは非常に大変画期的なことだなと。今までは、多摩川の管理は国、ダムは東京都と、全くそれぞれが別々に対応をしていると、それぞれがそれぞれの思惑というか、堤防が決壊しないようにとか―それで水門を閉めちゃうということですよね。あるいは、ダムがいっぱいでこれ以上たまると決壊しちゃうので流すと。また、それぞれが自分たちの仕事の範囲の中でやっていることが、振り返ってみれば、全然区民のために、都民のためになっていなかったということが、これによって大きく前進したと思っています。
洪水の調整機能というのは非常に大きくて、約三千六百万立方メートル、ダムの貯水量の一九・二%を確保することに今なっています。昨年十月の台風十四号のときには事前放流がされましたけれども、そのことによって多摩川の水位にどのぐらいの影響があったのかとか、そういうことも情報としてはまだ明らかになっていませんし、国としては、先ほど申し上げたように、今度、流域で治水をするという考え方もございますので、そうしたことをしっかりと流域の関係者等が集まって、防災、減災につながるようにバージョンアップしていく必要が私はあると思っているんですね。
世田谷区としても、この流域連絡協議会などを通じて、そうした情報の共有とか、検証とかを執り行って、より一層、この防災、減災に、災害の減少に努めるべきだと思うんですが、その辺のお考えをお伺いします。
◎若松 危機管理部副参事 小河内ダムの事前放流につきましては、令和元年台風第十九号の水害を踏まえまして、大規模な台風の接近や上陸などに備え、小河内ダム上流域の予想降水量が基準降水量以上になるときは、三日前から事前放流を実施し、ダムの水位低下を図ることができるよう、令和二年五月に河川管理者である国とダム管理者である都水道局が協定を締結をしております。小河内ダムの事前放流が行わる際には、事前に、あらかじめ定めた連絡系統に基づき、都水道局から、区を含めた多摩川流域自治体などの関係自治体に情報が伝達されるとともに、都水道局のホームページでも情報が公開されることになっております。区は、都水道局からの事前放流の情報が伝達された場合には、庁内で情報共有を図るとともに、区民の皆様に対しては、ホームページや災害・防犯情報メール、ツイッター等で周知をいたします。
区といたしましては、速やかに区民の皆様へ情報を周知できるよう、引き続き、関係部署等を含め国や都と連携を図ってまいります。
◆いたいひとし 委員 台風十九号関連の最後の質問ですけれども、土のうステーションについて伺います。
この台風十九号の被害以来、玉堤は土のうステーションが今一か所増えたんですけれども、やはりそれでも、土のうステーションに対する設置要望というのは非常に多いわけであります。内水氾濫
ハザードマップを見ても、かなり広範囲のエリアで世田谷区全体の浸水被害が想定されるわけですので、着実に増やしてきてはいただいているのは理解するんですが、やっぱり重たいので、一定の距離に増やしていただくということが大事だと思うんですね。
その中で一つ提案ですけれども、世田谷区内に防災協定を結んでいる様々な施設等があるかと思うんですね。私の地域に防災協定を結んでいる特定有料の施設が三か所ございます。例えば、そういうところを一つ、防災協定の一環として、土のうステーションを設置していただける―大体広い駐車場がついている施設が多いわけですので、設置場所等も限られるところもあるかもしれませんが、そういうところに積極的にお声をかけて、一か所でも、二か所でも増やしていくという、そういう姿勢がやっぱり求められるんじゃないかと思うんです。私も特定有料の方とお話しすると、地域に何か貢献したいんだけれども、具体的に地域のニーズが分からないと。ですから、そういうように貢献したいと思っていても、やはり地域のニーズとマッチしなければ、こちらから手を挙げることはできないんですと、そういうお話もいただいていますので、この防災協定を結んでいる様々な関係者に声をかけて、一つでも、二つでも土のうステーションを増やす工夫というものは考えられないでしょうか。
◎若松 危機管理部副参事 区では、災害時における協力体制に関する協定を私立学校や社会福祉法人と締結しておりまして、協定の主な内容につきましては、災害が発生した際に、区からの要請に応じて各施設を避難所として利用させていただくものとなっております。
区といたしましては、土のうステーションの設置は、区が管理する敷地や国、都など関係機関が管理する敷地を基本に、三百六十五日、二十四時間誰もが利用できる箇所への設置を検討していくものとしておりますが、お話しの取組につきましては、各施設と地域住民との共助の関係強化につながるものと考えることから、今後、関係所管と連携して、協力協定の相手方への要請も含め、検討を進めてまいります。
◆いたいひとし 委員 よろしくお願いいたします。
次に、DXについて伺います。
まず、この自治体システムの標準化についてですけれども、デジタル改革関連法案が昨年五月に成立し、内閣直轄のデジタル庁が新設されました。国は、全国千七百自治体が毎年五千億円以上かけていて、その電算システムについて全額負担をし、自治体に二〇二五年度末を限度とした標準化、共通化を求めていると。さらに政府は、自治体や政府が共同利用するマルチクラウドのシステム基盤とガバメントクラウドを整備し、自治体の標準準拠システムを同基盤上に移行させるとしています。総務省などの資料を読むと、国の具体的な進め方は、これまで自治体ごとにばらばらで開発、運用してきたシステムのうち、基幹システム十七業務と戸籍などの三業務を合わせた二十業務について、政府が標準仕様を策定して、自治体は二〇二五年度末までに標準準拠システムへの移行を完了することになっています。
自治体の業務システムの開発を手がけているITベンダーは、今後、標準仕様に準拠した基幹業務アプリケーションなどを開発して、ガバメントクラウド上に構築し、自治体はITベンダーと利用契約を結んで、ガバメントクラウド上のアプリに業務システムを移行することになろうかと思いますが、移行まで時間が限られている中で、システムの標準化は、世田谷区のように人口の規模が多いほど、そうした特徴に合わせて開発もしていかなきゃいけない課題もあるかと思うんですが、現在、政府が策定中の標準仕様は一律のもので、全ての自治体がカバーできるものでありませんが、世田谷区は、今後、どのように取り組んでいくのかを確認したいと思います。
◎山田
ICT推進課長 標準準拠システムへの移行に当たっては、行政サービスの品質の維持向上や業務効率化、維持管理費の適正化につながるものなのかを整理していくことが重要だと認識しております。現時点で、国やメーカーからシステム画面イメージや画面遷移、システムの利用料金、その体系などが提示されておらず、世田谷区ならではのカスタマイズの必要性や経費削減効果を含め評価できる状況にありませんが、区においては、これまでも区資産のオンプレ構築からサービス利用型のクラウド環境への移行や、TCO、総保有コストの観点での事業評価などにより、電算経費の適正化というものを進めてまいりましたので、その経験を生かし、調整を図ってまいります。
課題としましては、国からの仕様書などの情報提供タイミングですとか、基幹系業務システム開発を手がけるITベンダーの開発スケジュールなど、外的要因に大きく影響を受けることや、慢性的な人員不足の中での庁内体制の整備が挙げられます。来年度からの本格検討に向け、現在、ICT推進課が中心となって、メーカーへのヒアリングや予備調査、方針検討や庁内の推進体制の整理を行っております。
◆いたいひとし 委員 大変なタイムスケジュールの中、進めていくと。職員の意識改革だとか、手順だとか、移行のシステムと同時にそういった研修等も進めていかなければならないかと思うんですが、それが本当に区民のためのDXになるのか、また、戦略的なDXになっていくのか。
昨日、うちの岡本委員も、データを蓄積し戦略的なDXを進めていく必要があるというふうに求めましたけれども、区は、未来つながるプランで、二年間のDX推進について、行政のデジタル化を進め、来庁せずにできる行政手続を増やすこと、また、
まちづくりセンターにおいては、行政手続に関する窓口サービスを設置するということが書かれてあります。私は、これは紙や対面で行っていた手続を単にオンラインにしただけであって、従来のやり方をデジタルに置き換えただけのいわゆるデジタリゼーション、DX、デジタルはすると、しかし、それが本当に区民に時間を返すことにつながるのかどうかと、逆に言えば、こうした世田谷区が進めようとしていることは、どこの自治体もやっていこうとしているというか、普通にやっていこうとすることではないかと。ですから、今後、世田谷区として、少しでも、やはりこのデジタル化を、DX化を享受できる、私たちが言っているように、例えば、お悔やみコーナーのワンストップサービス、例えば、書類の提出が少なくなるのかとか、それから、窓口に行く回数が減るのかとか、そうした区民の利便性が一歩でも、二歩でも向上するような取組というものがやっぱり求められるのではないか。単にオンラインでの手続が増えるということ、それもいいかもしれませんが、一歩踏み込んだそういった対策、対応というものがやっぱり必要ではないかと思うんですが、その辺の見解をお伺いします。
◎松永 デジタル改革担当課長 DXにつきましては、ICTが浸透し、区民生活が様々な面でよりよい方向へ変化していくというのを目指すものですが、これは行政サービスに限らず、区民一人一人の生活に寄り添った変革というのが求められていると考えております。そのために、区民が何を求めていて、どういう手続やサービスを望んでいるか、区民目線でニーズをデータ化、見える化して、現状のシステム、組織を抜本的に見直すBPRの観点が重要と考えております。
来年度は、一部
まちづくりセンターと総合支所のオンライン相談のモデル実施ですとか、区公式LINEへのアンケート機能の追加、また、一部窓口でのキャッシュレス決済の導入など、できることを増やしながら検証を重ねまして、区民の視点に立ったサービスの変革というのを目指していきたいと考えております。
◆いたいひとし 委員 以上で私の質問は終わり、佐藤ひろと委員に交代します。
◆佐藤ひろと 委員 私のほうからは、初めに、公有財産の有効活用について質疑したいんですが、その前に、私たちは、これまで行政改革という観点で三つの視点で皆さんに求めてまいりました。一つは、直営の運営主体から民間活用、もしくは民営化も含めた、そうした視点に取り組むべきだということ。二つ目は、今言った公有財産です。公共施設とか公共空間を、いかにそこから稼ぐ公共へ転換できるのかという経営の視点。もう一つは、重複事業です。重複事業の見直し、もしくは統合について、これはいまだ示されていないんですけれども、これはやられたのか、やっていないのか、やったのであれば、いつどのようにやったのか、教えてください。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 重複事業でございます。目的や手法、効果などが類似、重複いたします事業の見直しにつきましては、昨年度、全庁を挙げて行いました施策、事業の本質的な見直しの取組の中でも、利用者にとっての必要性、あるいは代替施策の有無といった観点を見直しの重要な要素の一つとして検証を行ったところでございます。また、今年度の事務事業評価におきましては、保健福祉サービス苦情審査会とサービス向上委員会の機能の類似性などに着目いたしまして、委員の兼任化などの見直しの方向性を整理したところでございます。
こうした見直しを行うべき重複事業は、庁内にまだまだあるものとは認識しております。今後、各部で作成いたしております事務事業評価表、これを有効活用するなどいたしまして、視野を広く持ちまして、内容の類似、重複しています事業を抽出し、それらについて事業の公募ですとか事業手法の転換、こういった見直しを進めまして、より効率的な行政運営を目指してまいりたいと考えております。
◆佐藤ひろと 委員 ということは、まだやっていないということなんですね。分かりました。それで、この後、公有財産の活用についてお聞きしますけれども、もともとこの予算説明書の四六、四七ページに行政経営改革効果額という一覧が出ています。これを見て、これがどうして行政改革なのかと疑問に思うのは、私だけではないと思います。
それで、どうしてこういうことがずっと続いてしまっているのかと、私も今日ここに来るまでの間、自転車に乗りながらよく考えてきたんですけれども、そもそもやっぱり世田谷区は、二十三区の特別区ですよね。都区制度の中の一団体として存在していて、だから、どうしても世田谷区だけで一生懸命努力して、例えば、稼いでも、東京都が算定する財政調整制度の基準財政収入額に何か上乗せされて、結局、交付金が減らされるんじゃないかとか、私たち世田谷区だけで努力して節約しても、結局、二十三区でまとめて再分配されて、結果的に変わらないとか、そういう意識がそもそも蔓延しているんじゃないかなと。特にそんな一生懸命やらなくても経営できるんじゃないかと思っているんじゃないかと考えたり、それに伴って、やっぱり権限がないんですよね。
例えば、財政の面もそうですし、この説明書の中の七六ページ、かんたん予算概要という、分かりやすいポンチ絵になっていますけれども、そもそも世田谷区の皆さんが納税した一万円の使われ方はどうですかとここに書いてあるんです。これは別に間違いじゃないんですけれども、でも、そもそも住民税は都民税と特別区民税で分かれていて、東京都にお金を払っていますよね。本当は市町村税であるべき固定資産税、それから市町村民税の法人住民分、あと特別土地保有税、それから今一部法人事業でも都区財政調整の原資になっていますよね。本来入るべきものがまず入ってこない。もっと言うと、一生懸命、地域とか地区で自分たちの課題も見据えながら、どうやってまちづくりを形成しようかと思う中でも、いやいや、ハードを整備する都市計画の決定権限は世田谷区にありませんと。では、そんなにやれることはありませんねというような、そうした意識が根強くあるんじゃないかなと。
我が党のいたい委員が言っていましたけれども、そもそも保坂区政になってから皆さんは理事者になられているので、行政改革というのは一体何なのかということすらイメージができない、そういうのが多いんじゃないかと。そういったことを踏まえると、そもそも意識改革が全てこういうものに表れていて、一体、どこが未来につながるのかと、私は本当に疑問に思うんですね。
ごめんなさい。多分、一番分かるのは財政も含めて加賀谷政策経営部長、個人的な意見でもいいですけれども、そうした意識改革というのは、そもそも追いついていないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎加賀谷 政策経営部長 行政経営改革の取組がなかなか不足しているというのは、この間、厳しい御指摘をいただいて、十分受け止めて取組を強化していかなくちゃいけないというふうには改めて思っているところです。おっしゃるとおり、財調の部分の原資の法人住民税、それから固定資産税が主ですけれども、そういう業務を直接、我々特別区職員、世田谷区もそうですけれども、賦課徴収事務を担っていないということというのは、知識、経験がないということは否めない状況です。それが直接、経験不足が影響があるというふうには思っているところではありませんけれども、例えば、お話しの税外収入というところの取組に関しては、やはりふだんの業務からの関連で、本来目的を達成した上で、十分、それ以上の有効活用が図られるのではないかというような視点が、まだまだ不足していると、いわゆる目的外利用が可能であるよというのは、まだまだ庁内含めて、施設管理所管を含めて不足しているという部分はあるとは思っていますので、そこに対して、いろいろな庁内アイデア出しとか、民間からのお知恵を借りるとかという取組は、やはり今まで以上に努めていくということは必要かなと思っています。
◆佐藤ひろと 委員 よく分かるような、分からないような御答弁ですけれども、ここにあるさっきの行政経営改革の効果額に税外収入とありますよね。何か相変わらず、駄目ということじゃないんですけれども、ネーミングライツとか、それから、公有財産を売り払った収入というのは、当然あるからいいんでしょうけれども、あとは、未来つながるプランではキッチンカーの導入と、いや、それだけでしょうかと。
私でも分かるのは、例えば、
まちづくりセンターなんかは、場所にもよりますけれども、スペースが空いているので、今、例えば、セブン銀行なんかはせたがやPayをチャージできますよね。そういうセブン銀行のATMとかキオスク端末を置いて、高齢者の方へせたがやPayのチャージの仕方も含めて、また、マイナンバーカードを活用して諸証明の発行を手伝ってあげる。今、各銀行のATMは撤退し始めていますから、だんだん窓口がなくなっていますよね。だったら、
まちづくりセンターに置いてあげて、お金も引き出せる、様々な諸証明の発行もできる、そうしたことによって使用料をもらうとか、あと、未利用地なんかはレンタサイクルのシェアリングのスペース、様々なことを活用できると思うんですけれども、どうして、こういう発想が貧弱というか、新たなものが生まれないのかと思っちゃうんですね。
だから、そもそも特区制度に弊害が起きている、そういった意識改革ができていない、そういう予定調和に陥っているんじゃないかなと思うんですけれども。外郭団体の見直しも対象にはなっているけれども、昨日も言いましたけれども、全く見直されていなくて、いつも見直すぞ、見直すぞという決意と抱負だけで、ずっとこのままで続いていると。これはやっぱり参加と協働だけで、だから、結果を求めず、結論を出さず、決断もしないと。これだけでも、参加と協働しているだけでもお金がかかりますから、ちゃんと答えを出して改革を進めていくという、やはりそういう意識を持った民間からの人材の登用というのも、これから考えていただきたいということを後で言いますけれども、その前に、やはり外部の評価制度というのもしっかり導入をしていただきたいと思うんですが、この検討についてはいかがでしょうか。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 外部評価でございますけれども、平成二十八年度まで設置しておりました外部評価委員会では、計画事業の見直しですとか行政評価の手法の検討などを行いまして、一定の成果を残してきたものと認識しております。課題の検討プロセスにおきまして、こういった第三者の視点を取り入れるということは有効性もございますが、近年、多様化しております行政ニーズへの対応によりまして、事業内容も複雑、高度化してございます。また、コロナ禍で地域社会を取り巻く環境等が激しく変化するという中におきましては、常に最前線で区民と向き合ってサービスを担いまして、事業を熟知しております区自身が主体的に業務検証、改善を図る仕組みが有効であると考えておりまして、昨年度、全事業点検を行った際にも、現場の実態を把握する各所管部が細部にわたって見直しを行ったものでございます。
もっとも、区自身が硬直化して固定観念にとらわれているようなことがありますと、新たな発想ですとかイノベーションも生まれてまいりません。事務事業評価、あるいは事業別財務諸表といった素材に基づきます検証、改善のプロセスを基礎に置いて、例えば、トヨタの改善メソッドを活用した商用物品削減の取組を行った事例などがございます。せたがやCo―Lab、官民連携の窓口を通じまして、民間企業と積極的に連携しながら、例えば、給与・福利厚生事務の手法見直しといったことを、未来つながるプランの行政経営改革に掲載してございますが、こういったEBPMの推進に向けた庁内環境の整備などを通じまして、前向きに見直し、改善に取り組む組織風土を醸成してまいりたいと考えております。
◆佐藤ひろと 委員 それで、昨日も外部人材の活用ということで、最後、副区長の三人目は外部からはどうだと言って、区長が随分前のめりになっていましたけれども、決して、区長のお友達を一本で釣られて持ってくるんじゃなくて、しっかり公募してもらいたいと思うんですが、そこは念を押しておきます。
これは、平成三十一年の同じ予算委員会で私は質疑しているんですけれども、今回の未来つながるプランには、外部人材、いわゆる民間人材の活用は全く触れられていないんですけれども、活用する意思が今後あるのかないのか、教えてください。
◎加賀谷 政策経営部長 様々区が業務を行う中で、この間も任期付職員制度を行っております。民間の方からの知見を加わって、行政だけでは十分にアイデアが生まれないといったところについては、さらに民間の方のコスト意識ですとか、経営感覚を持ち込むことで、職員の意識改革につながればという取組は行ってきているところでございます。
今日も出席していますけれども、政策経営部でいうと、ICT推進課の山田課長ですとか、法務専門の総務部の池田副参事は、この間、任期付として高度の専門知識、それから専門分野で十分に能力を発揮していただいて、非常に頼りにしているところですけれども、来年度に向けて、例えば、DXの部分では、今のところ、課長級の副参事と係長級の職員の公募を行いまして、三名の方の採用は予定しておりますので、こういったところについては、引き続き行っていきたいというふうには思っております。
◆佐藤ひろと 委員 具体的に、そういう公募は、どこで発案して、では、具体的にどういう部署にどういう方を配置をするのかという、具現化していくプロセスを聞きたいと思うんですけれども、ただ、今、部長がおっしゃったように、DXというのは、今、全体的にいわゆる必要に迫られてやっているので、山田さんに来ていただいていますけれども、そうじゃなくて、経営の視点も含めて、例えば、接遇とか、前にも言いましたけれども、JALとか、ANAとか、ホテルとか、そういったところから、実際、総合窓口での接遇のやり方を研修だけじゃなくて実務でやるとか、そうしたことだって考えられると思うんですが、そのプロセスはどういうふうになって決定して、決めていくんですか。
◎松本 政策企画課長 政策経営部門としての流れということでお話しさせていただきますが、区では、変化していく区民ニーズに的確に対応していくために、毎年、予算編成の基本方針を基に、翌年度の組織についても方針を示しまして、所管部からの要望を踏まえ、政策経営部において調整の上、組織改正の案をまとめております。組織改正案の検討におきましては、管理職や係長などのポストの必要性について、人事部門とも連携しながら所管部と調整を行い、特別職とも議論して決定をしていく流れでございます。その過程におきまして、ポストの増設も含め、外部人材の登用についても検討してまいります。社会状況が大きく変化する中で、現在、外部人材を活用しているICTやDX、そういったお話もありましたけれども、今後策定していきます基本計画でも柱となるような分野など、組織改正等も併せて効果的に機能するよう、外部人材の登用を戦略的に考えてまいりたいと思っております。
◆佐藤ひろと 委員 では、それを具体的に決めるのは人事ですか。政策経営部で発案して決定までやるのか、そこに人事という立場ではどう絡むんですか。
◎好永 人事課長 今般のコロナ対策や児童相談所の開設、DXの推進など、区がこれまで経験したことのないような、また、専門的な課題に対しましては、スピード感を持って的確に対応していくためには、旧態依然の考え方ややり方にとらわれない人材の登用、育成が今後ますます重要になってくると認識しております。
区政の重要な課題に対する人材の効果的な活用に向けましては、庁内各部に対し、新たな施策の展開などに向けた外部人材の活用の需要などを調査するとともに、他自治体での取組事例なども研究し、外部人材の区職員としての採用、アドバイザリー契約やコンサルタント業務契約などによる専門的助言、研修講師としての人材育成への活用など、様々な形での外部人材の活用につきまして、関係所管と連携して取り組んでまいります。
◆佐藤ひろと 委員 ぜひ外部人材の方は、新しい風、息吹を入れるだけじゃなくて、公共にはない、持っている様々な人脈のネットワークもあるので、それをぜひ活用していただきたいと思います。
最後になりますけれども、昨日も触れました、新型コロナが長引いておりまして、様々な公共工事における資材調達に遅れが出ています。今般のウクライナへのロシアの侵攻によって、さらに様々なものが高騰する、輸入に頼っている、これまで当たり前に行われてきた貿易が滞ることもあると、そもそも公共事業、工事が成り立つのかどうかと、そういったことも含めて、これは契約内容も、それから予定の案件も早めに公表して柔軟に対応していくべきだと思いますが、先般、通達を簡単に出されていますけれども、最後、具体的なことだけ教えていただけますか。
◎阿部 経理課長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響によりまして、世界的な半導体不足をはじめ、資機材の納品の遅れなどが発生していることに加え、現下のウクライナ情勢を受け、資機材の流通等にさらに大きな影響が見込まれるものと認識をしております。こうした納品遅延への対策としまして、可能な限り早期に工事発注を行い、資機材の確保期間に余裕を設けることですとか、事業者に対して、工事に必要な機器の一覧をこれまでより早い段階で提供する、こういったことにより円滑な調達を図ってまいります。これらの対策を取った上でも工事の完了時期に支障を来すような場合には、設計変更や工期の延長に柔軟に対応することとしまして、本年二月に、委員おっしゃるとおり、この旨を事業者にも周知をしたところです。
また、工事の計画につきましては、毎年四月一日に当該年度の発注見通しとして、案件ごとの工種、施工概要、入札予定時期、工期等を公表しているところですが、今般の状況を踏まえ、事業者の計画的な受注体制準備の参考となるように、主な施設の整備計画とより長期的な見通しにつながる情報提供につきまして、関係所管と連携して検討を進め……。
○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
ここで休憩いたします。
午前十一時五分休憩
──────────────────
午前十一時二十分開議
○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷立憲民主党、どうぞ。
◆いそだ久美子 委員 それでは、世田谷立憲民主党区議団の企画総務領域の質問を始めます。
まず、私からは、区民利用施設の改革についてです。
さきの一般質問では、区民利用施設の近代化及び出入りの土足化、オストメイトをはじめとするトイレのバリアフリー化、高齢者固定化が進む管理体制について問題提起いたしました。約半世紀にわたる築年数の差と管理方式により、インフラや使い勝手に大きな開きが生じていることが明らかとなりました。
二〇〇一年の区民意識調査によれば、地区会館や区民集会所を知っているが七割、認知度は十分あるのに、利用実態は、ほとんど使わないが八割です。使われ方は、会議、学習会がトップで、ダンス、体操がこれに続きますが、区民利用施設はなぜ使われないのか、どんな改善や追加機能があれば使いたくなるのか、能動的なマーケティング調査ができていません。
今回、自治体DX推進において、未来つながるプランの中で、区民利用施設での
インターネット環境整備とあることに着目いたしました。どの施設も等しいレベルでWi―Fi環境が整えば、今後、新しい利用者層や使い方が期待できます。しかし、例えば、コンセントが十分にない部屋でパソコンが使えるかとか、パソコンも借りたい人が出てくるんではないかとか、様々な課題も出てくると思います。
先日、スポーツ・交流推進等特別委員会で報告がありました自治体間連携フォーラムにて出されました、川崎市のコミュニティー活性化におけるオンラインコミュニケーションの活用によれば、川崎市では、市を挙げて町内会へのデジタルツール活用支援を行ったり、高校生を主体としたオンラインワークショップ、川崎市職員によるユーチューブチャンネル運営などの取組をしています。
こういった先行事例も参考にしながら、
インターネットが区民施設で使えるようになることの周知方法や、今後の使われ方がどのように考えるか、あらかじめ調査し、区民意見を取り入れつつ企画すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◎松本 政策企画課長 区民利用施設では、今般のコロナ禍において、
インターネット環境を活用しながらの集会なども増加し、コミュニケーションツールの多様化が進んだことによりまして、
インターネット環境整備の拡充がより求められていると認識しております。来年度から、DX推進方針に基づく参加と協働のRe・Designによる重点取組の一つとしまして、
まちづくりセンターで区民や地域団体がオンライン会議を利用できるよう、貸出用パソコンと
インターネット回線を配備してまいります。これによりまして、多様な対応ができる地域活動の拡充が期待できます。
また、公共施設等総合管理計画によりますDXの取組の一つでは、電気通信業務用無線システム、いわゆる地域BWAの事業者の協力によりまして、Wi―Fiルーターを有人管理の区民センター等の区民集会施設において利用団体に貸し出す実証実験を先月二月一日から開始しております。
こうした取組を広く区民の方へ周知し、多くの方に御利用いただくとともに、利用者からのニーズ把握、整備コストや維持管理経費など、費用対効果の検証を行い、今後の区民利用施設における
インターネット環境整備の的確な拡充を施設所管課とともに検討してまいります。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。こういった立ち上げ時期に私がお手本と考えるのは、図書館の運営手法です。こちらも様々な課題はあるようですが、全ての図書館が均質なサービスを持ち、資料は横断的に検索でき、リニューアルの際には区民の意見を取り入れている点は、学ぶべきだと思います。例えば、けやきネットも、施設ごとではなく、三月九日午後に二十人入る会議室といった横断的な検索ができるようになればもっと便利なのにと、そんな区民からのお声も聞いています。また同様に、区民利用施設の設備についてもスピードを上げてアップデート、格差をなくすべきです。
集会施設は、各地域、施設の特色は残していってもいいと思います。例えば、和室は、お茶の稽古だけでなく小さい子連れの母親たちの集まり、学生の競技かるたの練習に非常に適しています。そうはいっても、トイレは洋式が好まれますし、多機能トイレやオムツ交換台も男女関係なく使えるレイアウトが求められています。これらの区民利用施設の管理運営は、各支所の地域振興課に任されており、分掌の利点は理解するものの、全体の統一コンセプトを決め、改築計画を進めることができにくい構造になっていないかと心配しております。
現在のように、施設間の差が大きく開いている場合、時限的にでも政策経営部内に公共ファシリティーマネジメント担当副参事などを置いて、横串を通した企画立案立案をすべきと思いますが、いかがでしょうか。過去に政策経営部に担当副参事が設置されていたということですが、そのときのミッションはどういう内容だったか、また、どれぐらいの期間、存続していたか、教えてください。
◎松本 政策企画課長 区では、平成三十一年四月から令和二年三月までの一年間、政策経営部に公共施設利活用担当副参事を設置しておりました。主な担当業務としましては、公共施設等総合管理計画の見直しのほか、上用賀公園をはじめとする公共施設への官民連携手法の導入検討や、学校等の耐震再診断への対応、また、区内の跡地活用の調整などでありました。こうした重点課題への対応を加速させる役割を担っておりました。
委員お話しの地区会館など区民利用施設については、地域の文化的活動の場ですとか、高齢者の憩いの場として、区民が相互に交流と連携を深め、豊かな地域社会の形成に資することを目的として設置しており、施設のコンセプト等については、まずは、日頃から施設の状況や地域の実情を把握しております各総合支所の地域振興課が中心となって検討することが、区民にとって利用しやすいよりよい施設になると考えております。その上で、建て替え等の際には、政策経営部、それから、
施設営繕担当部で設置しております公共施設マネジメント推進委員会の建物計画部会におきまして、総合的な視点から議論していきたいと考えております。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。現在でも非常に努力されて運営されていることは分かっているのですが、なぜ、今、公共ファシリティーマネジメントの視点で統一的に区民利用施設を改革しなければならないかについてお話しさせていただきます。
まず、コロナ禍及びシニア層の意識向上で、地元での集会、習い事の機会が増えていること、今後、在宅勤務の影響で図書館の閲覧室など自宅以外の仕事場を求める人が増え、区民利用施設にもコワーキングスペースがニーズとして出てくる可能性もあります。こういったことは、調査で掘り下げる必要があると思います。
また、次に、先ほど申し上げました自治体DXを契機としてです。区民意識調査によれば、会議や講座などをオンラインで受講する機会が増えたという御意見が二四%、さきの川崎市の事例のように、自治会などをオンラインでしようという動きもあり、ITを習得したいシニアも増えています。インフラを整備して自主勉強会を促すことで、デジタルツールの普及を目指せると思います。
三つ目は、本庁舎整備に合わせ、身近な区民利用施設もきれいに使いやすくしたいというところです。過去にも、文京区や豊島区が区庁舎を新設したときに、一般市民の間では、本庁舎ばかりぜいたくな建物にしてという批判を私は耳にしました。本庁舎より利用人口の多い地区会館などの整備を並行で行うことで、区の施設は総合的にリニューアルしたことを区民に実感していただけます。
まずは、政策経営部と担当所管が主体となり、来期から、調査からでも取りかかっていただきたいと思いますが、実現可能性としてはいかがでしょうか。
◎並木
公共施設マネジメント課長 整備費や維持管理費の抑制を図りながらも、区民施設のさらなる有効活用を図り、既存施設の区民利用機会のさらなる拡充を図ることは、区民の主体的な地域活動に寄与するものと考えております。区民施設を有効活用して社会変化に対応しリニューアルする取組には、広く区民ニーズを把握する必要あると考えております。区民全体を調査対象とした場合、現在の区民利用施設の概要をどのようにお伝えして御意見を聞くかなど、調査の手法についての課題もございます。
まずは、こうした課題を踏まえ、区民意識調査等、どのような調査手法が有効なのか、総合支所をはじめとする施設管理所管とも相談しながら、実現に向け検討してまいりたいと考えております。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。本庁舎整備に関しましては、区内の多くの設計デザインの専門職の方からもたくさんの提案や改善策など御意見を頂戴しております。こういった底力を区民利用施設にも生かして、区内の方の御意見を織り込んで利用施設も造っていけば、必ずよいものができると期待しておりまして、この改革を検討していただきたく、次の質問に移ります。
次は、ふるさと納税についてです。
ふるさと納税の流出による減収額は七十億円ということで、相変わらず深刻ですが、コロナ禍で旅行ができず巣籠もり生活が長引く現在、お取り寄せ食品の人気は止められそうにありません。令和二年の
予算特別委員会で私は、区民にふるさと納税の税源流出の現状を理解してもらうとともに、区民アイデアで魅力的な返礼品やサービスを工夫してはどうかという御提案もしました。
今回は視点を変えて、世田谷に生まれ育ちながら転勤などの事情で家や実家がある状態で区外に出ている働く層を想定して質問をつくりました。家や実家が区内にあるのであれば、それに役立つサービスメニューが返礼となるふるさと納税はできないでしょうか。最近話題となっているのは、お墓の掃除です。新聞報道で話題になり、今はふるさとチョイスのサイトで検索しても百二十五件出てきます。見たところ、名古屋市以外は地方都市が多いので、世田谷区でニーズがあるかどうかは調査が必要ですが、地元を離れた働く世代には便利なサービスと言えます。ほかにも、同様のサービスで庭木の手入れ、空き家から高齢世帯の御実家まで、植木の剪定は定期的に必要な作業となります。同じくふるさとチョイスで、空き家の見回りと合わせて二十件ほど掲載されています。また、御実家への親孝行としての家事サービス、これらは地元事業者やシルバー人材サービスに委託することが多く、区民の就労支援ともなりますが、メニュー開発の一案としていかがでしょうか。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 ふるさと納税は、本来、自治体への愛着や政策への共感に基づいて行われるものであり、その気持ちが寄附の大きなきっかけになると認識しております。一方で、この制度は自治体版通販と言われるように、返礼品の豪華さやお得感に注目が集まりがちですが、区は、制度本来の趣旨にのっとりまして、世田谷らしい特色ある政策をPRすることで、寄附獲得に取り組んでおり、お礼の品についても同様の考えで御用意しているところでございます。
御提案のお墓の掃除ですとか空き家の見回り、植木の剪定などのサービスについては、社会ニーズとして利用者に喜ばれるものと思いますけれども、民間の事業として一般に展開されているサービスを購入し、返礼品として提供するもので、区の施策と関連の強い取組の活用を基本とする現在の区のスタンスとは整合しない面もございます。妥当性を含めまして、様々な観点で検討する中で見極めてまいります。
◆いそだ久美子 委員 所管が違うと実感もないかもしれませんが、お墓掃除は別としても、空き家の管理ですとか民有地の緑の維持、これはふるさと納税と同じぐらい世田谷区の大問題でもあります。区の施策と関連の強い取組ということも併せてお考えいただいて、検討していただきたいと思います。
また、地方の名産品に対抗できる世田谷の財産と言えば文化や芸術です。世田谷美術館、また、文学館は、区外からも多くの来場者があります。これらの通年パスポートを返礼としたことがあったということですが、いつ頃でその実績はいかがだったでしょうか。また、世田谷の文化芸術をフックにした他のアイデアはないでしょうか。お尋ねします。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 平成二十九年度から三十年度に、入場パスポートなど文化施設関連の品を寄附へのお礼として提供したことがあり、その際は合計で百件弱の寄附がございました。その後、制度改正で区民の方にはそのようなものを提供できなくなったということがございまして、取扱いは終了しております。
お話しのとおり、世田谷美術館や美術館の三つの分館、世田谷文学館は、充実したコレクションを擁し、全国的なネームバリューもあることから、区の文化施策の周知や高感度アップのために十分な魅力があるものと考えております。区の施策への理解を促進し、ふるさと納税での寄附獲得にも最大限に活用できるよう、所管部と連携して取り組んでまいります。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。世田谷美術館に関しましては、ふるさと納税に興味があるというより、本当に美術ファンの心に響くもので、これは区外の方でも御興味を持つと思います。もし通年パスポートやオリジナルグッズの美術館関連の返礼品を新たにつくるというのでしたら、やはり美術館のトップページなどで広報するのが、ふるさと納税のサイトよりも最も的確にファンにアプローチできると思うんですが、広報の工夫について、ふるさと納税専門サイトに掲載する以外にどのような拡大が見込めますでしょうか。お尋ねします。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 民間のふるさと納税のポータルサイトは全国から利用がございますので、区の取組をPRできる有効な場でございます。また、区の広報紙に掲載をしたり、連携する民間事業者等の協力を仰ぎながら、幅広く取り組んでまいりたいと考えております。御提案の美術館のウェブサイトへの掲載のように、ふるさと納税ではなく芸術に焦点を当てた美術や文学のファン層へのPRにつきまして、所管部と連携して検討してまいりたいと思っております。
◆いそだ久美子 委員 ごめんなさい。一つ質問を、聞きたいことを飛ばしてしまいました。前回の通年パスポートをしたときの広報はどのようにされていたんでしょうか。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 前回でございますが、区が利用しますふるさと納税の民間ポータルサイトにお礼の品として掲載をいたしましたほか、区の広報紙や寄附を御案内するパンフレットで御紹介をしておりました。
◆いそだ久美子 委員 様々な手法を用いて、やはり世田谷に愛着がある方、世田谷をふるさととする人々の心をつかんでいくような工夫というのが必要だと思います。当分、この制度はなくならないようですので、返礼品競争にならないジャンルでこういった世田谷らしいメニューを打ち出していくことをお願いいたしまして、質問者を藤井委員に替わります。
◆藤井まな 委員 公契約条例についてお伺いをさせていただきます。
四月からの公契約条例に関する労働報酬下限額が千百七十円になるということは、もう既に企画総務委員会で報告をされているところであります。私は、昨年の予算委員会でも、この場所から労働報酬下限額を引き上げるべきだという話をさせていただいたんですけれども、昨年の三月に引上げの提言をしたときは、昨年の四月に引き上がることはありませんでした。
昨年の決算特別委員会で、私のほうから、また再び労働報酬下限額を引き上げるべきだというお話をさせていただきました。その中では、私のほうからは二十円以上の引上げを行うべきだという話をさせていただきました。今回、世田谷区が企画総務の委員会の中で発表された内容は、千百七十円に四月以降するということでありまして、これは、今、現行の金額が千百三十円であるということを考えると、四十円引き上げるということで、去年が一円も引き上がらなかったわけですから、一年間で大体二十円引き上がったということで、二年間で四十円、これは春闘で言うと満額回答でございますから、私からすると、大変高い評価をさせていただきたいというふうに思います。
この千百七十円という数字を、ここにいる関係ない部署の方たちもぜひとも知っていただきたいと思うので、この質問を毎回させていただいているんですけれども、では、その後、何を目指していかなきゃいけないかという話に移ってまいります。この千百七十円で、高校卒業して世田谷区役所に入って、初めて月給をもらう金額の時給換算は、確かに、これで確実に超えている、そういうところまで来ました。ただ、私はこの場所から同じことを発言させていただいていますけれども、あくまでも、月にもらうお金の時給換算割は超えているんですよね。でも、その中にはボーナス、賞与、一時金、いろんな言われ方をしますけれども、そういう金額は入っていないわけですよね。では、この高卒初任給で全てを含めた時給換算割が幾らになるかというと、実は、千三百六十円ぐらいになるというふうに聞いています。
次は、世田谷区は、この千三百六十円を目指していかなければいけないというふうに思いますけれども、そこに関して、世田谷区は今どのように考えているかお伺いをさせていただきます。
◎阿部 経理課長 副委員長お話しありましたとおり、今年四月からの委託契約等に係る労働報酬下限額については、四十円引き上げて千百七十円ということで、こちらは公契約適正化委員会より提出された意見書に基づいて、区として決定したものでございます。この意見書におきましては、下限額につきまして、従来の区職員の高卒初任給を基礎として算出をした額に、これまで算定に含まれていなかった期末手当相当額を算入するということでして、こちらについては、意見書では、条例施行当初からの目標でありました一時金を除いた区職員高卒初任給の時間単価は達成したんだけれども、今般の政府の最低賃金引上げ等の労働経済政策にも鑑み、これにとどまることなく改善を図るべきとされまして、次の目標設定が提言されたということでございます。
この提言に基づいて、一定の期間をもって段階的に引き上げていくことが妥当だということも併せて御提言いただいているものですので、この新たな目標に向けまして、四年度について、まずは最低賃金の引上げ等も鑑みて、四十円引上げということにしたものでございまして、今後、令和五年度以降の各年度の下限額につきましては、この大きな目標を見据えた上で、適正化委員会の労働報酬専門部会にて、人事委員会の給与勧告ですとか、最低賃金の推移等の指標、また、労働経済情勢の動向等を含めた広い視野から御審議をいただきまして、区の財政状況も考慮した上で判断をしてまいりたいと、このように考えております。
◆藤井まな 委員 今、それぞれの最低賃金の引上げとかも加味しながらということではありますけれども、しっかりと一時金も含めた形での労働報酬下限額を目指していくということをお話しされました。まさに、ここがそこに到達して初めて世間で言われているところの同一労働同一賃金が達成されるわけでありますから、これは大変重要な話であります。
例えば、いろんな契約を区はしていますけれども、給食の調理業務というのを例にして挙げさせていただきたいんですけれども、大体、これが世田谷区が契約している公契約条例に適用される中での契約件数が二十六件あるというふうに聞いています。これが、今回、下限額が千百七十円に上がる段階で十三件引き上がると。つまり、十三件は千百七十円以下で働いていらっしゃると。ちなみに、これが高卒初任給、一時金も含めた千三百六十円まで引き上がると、実は、これは二十六件の契約件数全てがもらえる金額が上がるということなんです。逆に言うと、給食調理業務に携わっていらっしゃる皆さんは、高卒初任給の一時金を入れた時給換算割をもらっている人が、この契約に関してはいないということじゃないですか。これは、同一労働同一賃金の観点からいくと、大変に大きな問題であるというふうに思いますから、やはりこの千三百六十円を目指していくということは、本当に大変重要なことでありますから、ぜひとも世田谷区には目指して、しっかりと適正化委員会のお話も含めて、活動をしていただきたいと思います。
僕が何度も何度もこの場所で言っているのは、関わりない部署の課長さんとか部長さんにもこの話を覚えておいてほしいんですよね。この同一労働同一賃金というのは、関わった経理とか財務の人たち以外の人たちも、この問題が大変大事で、このことに関して、賃金が上がることによって、内需が拡大することによって、日本の景気対策になる。世田谷区もこういう経済対策をできるんだということをぜひとも皆さんには知っておいていただきたいという思いがあるので、毎回毎回この話をさせていただきますので、ぜひとも皆さんにも知っておいていただきたいというふうに思います。
そして、千百七十円に四月以降なるということで、次の課題は、世田谷区はこれをしましたよということに関して、周知徹底をしていくことと実効性がしっかりと担保されていかなければいけないというふうに思いますけれども、この実効性がしっかりと担保される、周知徹底がしっかり行われると、行っていくというところに関して、世田谷区はどう考えているのか、お伺いをさせていただきます。
◎阿部 経理課長 これまでも、区としましては、ホームページですとか「区のおしらせ」、あるいはポスター掲示、チラシ配布等々を行ってきたわけでございますけれども、まだまだ条例本体も含めて周知が足りないという適正化委員会から厳しい御指摘を受けて、来年度、四年度より新たな取組を始めようとしております。一つが、この公契約に携わる労働者の方一人一人に新たな下限額の周知カードをお配りをして、そのお配りをしたということを事業者の方にも確認をすると。その確認帳票をお出しをいただいて、実は、その周知カードには、もし御自分の報酬が下限額より低い可能性があるという場合は、区のほうにも御連絡いただくということを記載させていただいておりまして、こういった形で、区としても調査につなげるということで、実効性を担保していくと。
あるいは、工事入札において、新たな総合評価方式、こちらをやはり新年度から始めますけれども、新たな評価方法の中に、下限額の厳守と、遵守という項目も入れ、その確認も同時に行っていくと。こういったことで、区としては複合的にこの下限額の遵守について取組を進めるということで考えております。
◆藤井まな 委員 区内の団体の調査によると、実際に公契約条例、労働報酬下限額をもらっていない人がいるという話を私も聞いていますから、ここの担保についてはしっかりもらえるように周知徹底を行っていただきたいというふうに思います。
また、私はこの場所からほかにも公契約条例に関してお伝えをさせていただいているのは、職種別にも労働報酬下限額を設定するべきではないかという話をさせていただいてまいりました。なかなかこの議論が進んでいないというふうに私はちょっと感じているんですけれども、世田谷区としては、職種別の労働報酬下限額の設定についてはどのように考えているか、お伺いをさせていただきます。
◎阿部 経理課長 委託契約等における職種別の労働報酬下限額、こちらについては、委員お話しのとおり、これまでも労働報酬専門部会にて御審議をいただいてまいりました。部会では、この下限額の設定が有効に働くものとして、調査の中で人材不足が課題とされた業務を対象に審議をいただきましたが、業務の困難度など賃金以外の要素が主な要因となっていることが確認をされました。また、その後の委員会でも、今回設定をいたしました下限額の新たな目標達成に向けた段階的に引上げによりまして、数年で当該業務における現行賃金を上回る可能性があるということが確認をされています。同様に、調査結果の分析では、来年度の下限額の改定によりまして、委託契約案件の約四割で従事者の賃金の最低額が引き上げられる効果が想定をされておりまして、その後のさらなる下限額の段階的引上げによりまして、全体的な賃金の底上げが期待できるものと捉えております。
区といたしましては、こうした展望を見据えまして、来年度以降の下限額引上げによる効果を適宜確認をしながら、部会での下限額に係る広い御議論をいただいて、有効な取組につなげてまいります。
◆藤井まな 委員 職種別を設定するよりも全体の底上げをしていくほうが重要であると、区側の考え方ももちろん理解できるところでありますけれども、底上げをしていくのと同時に、議論が適正化委員会の中でもちょっと後退をしているようなイメージが、僕には思いますので、ぜひとも職種別の話も議論をしていくというところのスタンスだけは変えないでいっていただきたいというふうに思います。
また、適正化委員会の話では、今後の検討項目の中で、例えば、担い手の確保、育成の対応とか、外国人労働者の増加の対応とかという項目が挙がっているんですけれども、今後の適正化委員会の検討項目について、区側が何か考えていること、問題意識があればお答えをいただきたいと思います。
◎阿部 経理課長 昨年二月に、この委員会よりいただいた答申で指摘された大きな課題としまして、先ほど来お話しのある条例の実効性の確保ということで、まさに、先ほど申し上げたカードの配布ですとかこういったことにつきまして実施に至りますので、その検証を委員会についてまずは行っていただくということと、あるいは、同じ委員会より、昨年十二月には入札制度改革に係る意見書もいただいておりまして、こちらを踏まえまして、委託等業務に係るダンピング防止強化のための制度改革検討を早急に進め、その内容についても御審議をいただこうと考えております。
このほかに委員会では、今後検討すべき項目として、建設工事における働き方改革推進に係る対応ですとか担い手の確保育成、こういったことで御意見が交わされているところでありまして、区におきましては、これらの課題に関する委員会での御議論を基に、公契約条例が目指す公共事業の品質確保、区内産業の振興、地域経済の活性化並びに福祉の増進に向けまして、複合的取組をさらに進めてまいりたいと考えております。
◆藤井まな 委員 僕は、この公契約条例はすごい研究をしているほうだと思っているんですけれども、千百七十円の下限額というのは、多分、日本で一番だと思っています。千代田区が今後どうなるかは分からないですけれども、そう考えると、確かに、世田谷の公契約条例はトップランナーだと思うんですけれども、さらにその先を行くことによってほかの地域にも影響を与えることができますので、今ある検討課題にしっかりと真摯に取り組んでいただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次に、災害対策についてお伺いをさせていただきたいんですけれども、災害時要配慮者支援対策に二千五百万円という、予算の別冊の六五ページに載っているところを見ながら、今までいろいろいただいた御意見等を考えながら、このページを読んでいたんですけれども、また、別冊の五六ページに、医療的ケア相談支援センター事業、Hi・na・taの機能の④に災害時の個別支援計画の作成というふうに書いてあります。医療的ケア児をお子さんに持つ保護者の方からいろいろ御相談を受けることがあるんですけれども、その中で、Hi・na・taというところができたけれども、そこからは、災害時の避難支援プランの話をされたことはないという話を聞いています。
ここで何が言いたいかというと、ここは災対の部門でありますから、要配慮者に対する避難支援のプランに関して、横と横の意見というか、組織と組織の意見というのがしっかり横串が刺されているのかなということが大変不安になったんですけれども、そこに関して、災害対策の部門の皆さんは、どう考えていらっしゃるか、お伺いをさせていただきたいと思います。
◎長谷川
災害対策課長 今、委員のほうからお話がございました医療的ケア相談支援センターHi・na・taの例を挙げて申し上げますと、このHi・na・taの事業の一つといたしまして、災害時の備え、また、避難の考え方については保護者に確認をしながら、あとは関係機関と連携して個別避難計画の作成のお手伝いをすると、こういったことが事業の一つとしてございます。
一方、この策定作業自体につきましては、現在、今年の四月策定を目指しております世田谷区避難行動要支援者避難支援プランにおいて、これは総合支所の保健福祉課が担当することとしてございます。こういった役割分担をしているところでございますが、お互いの役割、これを理解し、協力をしながら速やかな計画策定につなげていく必要というのがあると考えてございまして、引き続き、十分な全体調整、横串のお話がございましたが、そういったことに努めていきたいと考えております。
◆藤井まな 委員 結局、最終的に何が言いたいかというと、当事者の皆さんが理解しやすいような説明をしていかなければいけないと思うんです。ただでさえ、僕らもこれを読んでいて、あれ、こことここの事業はこの部署とこの部署がかぶっているけれどもと、今聞いたら、あっ、そうなんだと納得できるぐらい、我々にも分かりづらい。我々が分からないのに、当事者が分からなかったら本当に混乱しちゃいますよね。ぜひともこれは混乱がないようにしていただきたいということを意見として述べさせていただきたいと思います。
また、同じように医療的ケアの保護者の方が、その話の中で聞いたんですけれども、福祉の窓口でお話をする、いろいろこういう相談があるんですよと悩んでいる、その相談をしたときに、福祉の部門の窓口の人たちは、大体その状況を理解する。でも、それが違う部署に行ったときに、また同じ説明をしなきゃいけないという問題がある。これを世田谷区だったら、その部署で毎回毎回同じ説明をするんじゃなくて、一回もらった情報をしっかりと区の中で、世田谷区という組織の中で共有して、いちいち説明するような負担というものをしっかりなくしてほしいという話をしたんです。でも、確かに情報とか勝手にやっちゃいけないのかなとかという話になるかもしれないんですけれども、例えば、その窓口に、この情報は世田谷区内で共有していいですよみたいな、サインできるような紙一枚を置いておけば、その問題を解決するわけで、そういった情報の共有を組織組織でやるシステムみたいなものは、今世田谷区ではつくれないんですか。そのシステム担当の方、ぜひよろしくお願いします。
◎松永 デジタル改革担当課長 DXの目指す姿は、区民生活、また、行政サービスにおいても、利用者目線で変革を目指すという必要があります。個人情報の保護ですとかセキュリティーの確保というのは前提になりますが、各所管が持つ情報の共有化が進めば、様々な手続が簡素化され、区民サービスがよりよい方向に変革していけると考えております。
来年度、各所管で持つ情報の共有化ですとか、活用方法を検討して施策につなげていく、エビデンスに基づく政策形成、いわゆるEBPMについて検討することとしておりますので、その検討と併せて、庁内における情報共有の在り方についても検討していきたいと考えております。
◆藤井まな 委員 やっぱりDXを目指すからには、区民の負担をできる限り軽減していくということが大事でありますので、ぜひともそれに取り組んでいただきたいと思います。
最後に、災害時の備蓄の話をすごくしようと思っていて、昨日、担当課長に聞いたら、蓄電池の話とかは違う環境の部署だということだったので、あえて蓄電池の話はしないですけれども、会派としても、蓄電池の補助とか在宅避難に関して、備蓄品の補助に関して、ずっと提言をしてきましたので、ぜひとも引き続き、在宅避難ということを考えた備蓄に関する世田谷区の補助ということをしっかりと新年度も進めていただきたいということを要望させていただきまして、質問者を中塚委員と交代させていただきます。
◆中塚さちよ 委員 中塚さちよです。
私からは、世田谷区の行財政改革に関して、資金調達と補助金の見直しについて、順次、質問してまいります。
まず、世田谷区気候危機対策基金の創設についてなんですけれども、区ではこのたび、気候危機対策を早急かつ着実に実行していくための安定的な財源確保のため、区民、事業所からの寄附や特別区競馬組合分配金、森林環境譲与税を財源とする世田谷区気候危機対策基金を創設するとのことです。この基金を活用して、グリーンインフラの取組や緑の保全、創出、再生可能エネルギーの利用拡大、創出、省エネをはじめとするエコなライフスタイルの確立、区民、事業者への普及啓発、二酸化炭素濃度の上昇を抑制するための木材の利用促進、森林整備等の取組を進めるとありまして、ぜひ進めていただきたいわけなんですけれども、さて、区には、これまでも様々な基金が創設されています。その一つに、世田谷区みどりのトラスト基金があります。平成二十年に創設された基金であり、十年以上、区民、団体、事業者等の皆様から御寄附をいただき、世田谷区の貴重な緑を守り、緑と触れ合い憩える場所を増やすために使われる基金でございました。
今般提案された気候危機対策基金は、緑を増やすだけではなく太陽光発電など再生可能エネルギーの創出など、みどりのトラスト基金よりも幅広い施策に活用できるものではありますが、一方で、この世田谷区みどりのトラスト基金と重複している部分もあることから、寄附の奪い合いになるのではないかと懸念されます。今まで緑の保全やグリーンインフラなどに関心を持って取り組んでいたり、既に寄附をしてくれていた一部の人たちにとどまらず、幅広く区民や事業者に気候危機への関心の裾野を広げるということに対して、この新たな基金がどれだけ貢献するのでしょうか。また、より多くの税外収入確保という観点からも、基金への寄附を奪い合いでなく全体としてどう増やしていけるのか、見解を伺います。
◎五十嵐 財政課長 今般創設しました気候危機対策基金は、二〇三〇年度までの二酸化炭素排出削減目標の達成に向け、気候危機対策の施策を継続的かつ着実に推進するために設置した基金でございます。一方で、みどりのトラスト基金は、公園及び緑地の取得をはじめとする緑の保全、それから創出、並びに歴史的・文化的環境の保全をするということにより、潤いある環境づくりに資するため設置した基金でございまして、それぞれ設置の目的が異なるというふうに認識しております。
また、新型コロナの影響が長期化するなど、区の財政は今後も予断を許さない状況が続くということが見込まれることから、基金目的に応じた具体的な事業を展開することで、区民や事業者の関心を喚起し、それぞれの基金への寄附につなげるなど、関係所管課と基金財源の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆中塚さちよ 委員 このような時代の中で、それぞれアピールすることで相乗効果を狙うのかは分かりませんけれども、また、資金調達の手法としても、基金よりも、近年であればESG債のほうが注目や効果が高いのではないかというふうにも考えます。ESG債は、環境に配慮した事業に資金を充当するグリーンボンド、それから社会貢献に当たるソーシャルボンド、双方を兼ね備えたサステーナビリティーボンドなどがあり、例えば、老朽化した公共施設の環境性能の優れた建物への建て替えや防災対策といった、こうした多くの自治体が抱える課題に取り組むための資金調達ができる、そうしたことから注目が高まっていまして、この世田谷区議会でも時々取り上げられて提案がされてきました。
自治体のESG債では、東京都が二〇一七年に発行したのを最初に、市町村でも、川崎市が五十億円のグリーンボンドを発行、地元金融機関等から十四倍の応募があり完売御礼、福岡市では、今年一月に省エネルギーに配慮した庁舎の整備事業等に充てるグリーンボンドを発行し、発行額の約十六倍の需要を集めました。また、北九州市では、SDGsの取組を推進するために、自治体初のサステーナビリティーボンドを発行し、これは特に市内在住、在勤、市内事業者などの個人投資家向けの五億円分が大人気で五日間で完売と、市民や事業者への啓発効果も非常に高かったと考えられます。
本区でも、本庁舎等整備や学校改築経費などの資金調達のため、令和四年度予算案で三十二億七千万円の特別区債の発行が予定されていますが、ESG債は検討しなかったのでしょうか。基金の寄附は、みどりのトラスト基金を長年やっていますけれども、気候危機対策への関心を持つ区民や事業所の裾野をさらに拡大するには、それだけでは十分じゃないということで、新しい基金をつくるということだと思うんですけれども、なぜ基金にしたのでしょうか。その理由も併せて御教示ください。
◎五十嵐 財政課長 ESG債の発行に当たりましては、東京都への届出手続に加えまして、発行する前年度からフレームワークと呼ばれる発行方針を作成することになっておりまして、このフレームワークにおきまして、資金調達の使途、プロジェクトの評価及び選定のプロセス、それから調達資金の管理、投資家への報告といった四つのグリーンボンド原則と呼ばれるものへの適切な対応が求められるなど一定の要件があり、また、ESG債も起債でありますから金利負担もあり、慎重な検討が必要になると考えております。
区はこれまで、住民参加型市場公募地方債を発行して、資金調達手法の多様化に取り組んできたところでありますが、今後の事業展開を踏まえ、さらなる財源の確保の必要性が生じた場合には、ESG債の導入を、新たな資金調達の手法として、他自治体での先行事例を参考に十分に研究していきたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 ただいま御答弁で、届出の手続とか前年度からフレームワークの準備が必要だということでしたけれども、特に、議事録を読みますと、平成十四年頃から、この区議会でも本当に様々な会派からこのグリーンボンドについて提唱されてきておりまして、十分、この研究や準備の時間があったんじゃないかと思うんですね。私も昨年六月の議会で、岩崎学生寮周辺の緑の整備について、グリーンボンドみたいなのも今流行ですよということも申し上げてきました。利回りだけではなくこれに取り組むことは、企業にとってはすごくPRになるということで注目も高まっていますので、区としても、区債は発行しているわけですから、ぜひ今後の起債の際に積極的に検討いただきたいと要望を申し上げます。
次、外郭団体の見直し、補助金に関連して質問させていただきます。
外郭団体については、未来つながるプランの中で、各団体の設立目的に沿って、団体の存在意義や事業の公益性、必要性を見直し、区の財政支援に関する必要な見直しを進めるというふうに言及をされています。その中で、まず、保健センターについて取り上げたいんですけれども、近年、新たな官民連携の手法として、行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費を支払うことにより、インセンティブを事業者により強く働かせることが可能となる成果連動型支払い、成果連動型民間委託方式、ペイ・フォー・サクセス、PFSが注目されています。特にヘルスケア領域で導入する事例が出てきています。世田谷区保健センターについては、区の外郭団体への財政支援、関与の見直しの中で、実績に応じた補助割合を設定するといったことが書かれていました。こうした官民連携事業で行われている成果連動型支払いを参考に検討しているのかなと思うのですけれども、具体的に、保健センターがいろいろやっている中でどういった事業でこうした成果報酬を導入することを考えているのでしょうか。
◎松本 政策企画課長 保健センターに対する補助金の見直しを行いましたのは、精密検査等の医療事業の経費に対する補助金でございます。精密検査で使用するCTやMRI等の高度医療機器類のリースや保守といった維持管理経費に対する補助の一部について、検査件数の実績に応じた割合として補助をするというものでございます。
◆中塚さちよ 委員 ただいま精密検査の実績、検査実績に応じて補助をするといったお話でしたけれども、精密検査受診率、これが成果が上がれば、保健センターの収益が改善し、補助金支出がその分削減できるのではないかということだけでなく、保険者としては被保険者のがんの早期発見によるがん治療に要する医療費の適正化効果も見込めるということで、非常に注目がされます。
八王子市では、成果連動型で民間から資金を調達するSIB、ソーシャルインパクトボンドを導入した大腸がん検診の精密検査受診率向上事業を行った結果、五百四十万円の支払いに対して、三千九百十四万四千円分の医療費適正化効果が見込めるという結果が出たということで、今年度から、子宮頸がん検診にも拡大すると聞いています。
がんの早期発見、早期治療は、健康寿命の延伸、生活の質の向上など、区民にとってもメリットも大きいです。保健センターで精密検査を受けてもらえるかどうかですけれども、一次検診受検者を地域の医療機関から御紹介をしていただかなくてはいけないと、そうした協力が不可欠となっていますが、そのあたりはどう進めていくのでしょうか。よろしくお願いします。
◎松本 政策企画課長 保健センターへの補助金の一部を実績に応じた割合とすることで、施設に配備されております高度医療機器類の活用をさらに進め、区民サービスの向上につなげることを狙いとしております。そのために保健センターは、検査を受診し、リスクを早期に発見することによります健康寿命延伸のメリットなどを区民へ積極的にPRしたり、また、地域医療機関のバックアップとして、身近な地域で検査を受けられる利便性や高性能な機器を実際に見る機会などによるアピールを通じまして、地域医療機関等からの協力も得られるよう、働きかけをしながら、区民の健康維持、増進に資するサービス提供をより充実させていくことが必要であると、そのように考えております。
◆中塚さちよ 委員 私も、自分自身もがんを経験したわけですけれども、そのときに二次検査を世田谷区の保健センターで受けさせていただいたのは、地域の先生から保健センターの御紹介があった。最初、実はかかったクリニックでは、大学病院とか大きい病院に行けばと言われたのを、その後、セカンドオピニオンではないんですが、知っている先生のところでお願いしたところ、保健センターを御紹介いただいたので、保健センターに行ったといった経緯があります。そのように、地域の医療機関のほうからの紹介というのが非常に重要かと思うんですけれども、一方で、世田谷区には、やはりMRIとかCTを持っている結構大きな民間病院であったり、あとは、すぐ隣の目黒とかにはたくさん大学病院とかもあります。そのような中で、あまりにも世田谷区の今の保健センターは閑散としていると。この現状を見ると、そもそも多額の費用をかけて設備投資をして、二年前にこれだけつくることにそもそも意義があったのかなと、そういうふうにだんだん思わされてくると、そういった現状もあるかと思います。
なので、ソーシャルインパクトボンド導入のメリットというのは、費用の節約というだけではなくて、これは様々なステークホルダーがこの事業に関与をし、第三者がしっかり成果を評価すると、こうしたことも新しいスキームのメリットでもありますので、ぜひこうした成果連動型の支払いというのは、こうした他自治体の例も参考にして、また、区民のメリットにもなる形で、ぜひ外郭団体の改革というのを進めていただきたいと要望させていただきます。
次、もう一点、外郭団体の見直しについて、産業振興公社について質問させていただきます。
世田谷区の産業振興公社ですけれども、こちらは、近年、コロナ禍で区内産業を取り巻く環境が大きく変化しています。飲食業をはじめ区内産業の経営は非常に厳しく、この間、国や都など、支援メニューを多く出していただいておりますけれども、それに伴い、今度は情報提供や申請のサポートを求める、こうした事業者の声も多く聞かれるようになりました。また、新しく始めた新規サービス開発を専門家と補助金で支えるハンズオン支援事業には、三十件の募集に前回は百五十三件の応募があり、区内中小企業への経営支援というのは、近年、非常にニーズが高まっているというふうに感じます。そうしますと、見直しというよりもさらに予算が必要な分野ということも考えられると思いますが、今後、この組織の見直しというのは、区からの補助金の削減にはどうつなげられるのでしょうか。
◎松本 政策企画課長 今般の外郭団体の見直しにおきましては、産業振興公社は、区内事業者を基盤から支える事業展開を行うことを、今後に向けた見直しの方向性としてまとめておりまして、今後の主要事業の見直し検討の中では、コアとなりますセラ・サービス、観光、雇用・就労、経営支援の四事業それぞれについて検証の上、担うべき将来的な役割を見据えながら、取組を進めていくものでございます。
将来の役割としまして、強化していく業務ですとか新規事業の展開によっては、必要な補助金が増額することもあり得ますが、一方で、収益性向上によります自主財源の拡充ですとか、コストの縮減を図りながら、必要最小限の補助としなければなりません。今回の外郭団体の集中的な取組を契機としまして、産業振興公社自身も新たに改革方針をまとめておりまして、所管部と団体で今後の事業展開を検討していく中で、補助金の適正化に取り組んでまいります。
◆中塚さちよ 委員 今後、産業振興公社については、見直しに取り組んでいくということですけれども、実際に、やはり区内企業が様々ある中で、経営支援というのが非常に求められています。そして一方で、この公社が果たすべき公益的役割なんですけれども、こうした区内中小企業の中でも、特に、近年、やはり介護とか保育といったサービス事業者、これが区内の一つの非常に大きな産業のジャンルとなっていると思います。これまでも、区の産業ビジョンに関しても、農業、商業、工業以外に建設業というのも一つの柱として支援をしていくというようなことができましたけれども、そういったことで言いますと、まさにこの公社のほうで支援をする対象として、介護や保育というのも、こうした公共、公益的サービスというのも、一つの福祉サービスの柱として考えていくべきではないかというふうに考えています。特に、この二年間、東京商工リサーチの調査によりますと、介護事業者は倒産も増えているんですけれども、起業も増えています。事業所数も増えています。そうした中で、やはり新しくできてきたところは競合になかなか勝てなかったりしまして、経営が悪化する、あるいは倒産をしてしまっている。そうした中で、やはりこうしたサービスの倒産というのは、お子さんを預けられなくなってしまったり、介護を頼めなくなってしまったり、区民の方々にしわ寄せが非常に大きい、働く人がそれによって働けなくなるということは、区民の生活だったり、区の税収だったりに本当に関わってくる非常に重要な産業だというふうに考えています。
こうした介護や保育、社会的インフラと考えられるこのような福祉サービスの安定経営に対して専門的に対応できる人材、また、経営支援、こうしたことが行える方々が、ぜひこうした公社で経営支援をしっかりやっていっていただきたいと、このようなサービスが必要ではないかというふうに考えるんですけれども、どうでしょうか。
◎松本 政策企画課長 産業振興公社では、中小企業診断士等の経験やノウハウ、専門的知識に基づく経営相談支援を行っておりまして、特定の業界に限定せず、様々な業界における支援が必要な事業者に対しまして、ベーシックなサポートを実施しているところでございます。なお、今お話しありました介護ですとか保育を含みます福祉業界の支援の取組の一つとしまして、産業振興公社の主要四事業のうち、雇用・就労の今後の行動計画の中で、求人活動支援の強化に向けまして、区の福祉人材育成・研修センターと連携した取組など、所管部と団体において議論していく予定でございますので、そういったことで対応できればというふうに考えております。
◆中塚さちよ 委員 ただいま、産業振興公社のほうでは、特にジャンルというか業界に限らず支援をしていくということでしたけれども、確かに、福祉とか保育とかに関しても、業界というよりは中小企業全般が抱える課題を多く抱えている事業者が多いのも確かです。そうした視点でのサポートももちろん重要なんですけれども、一方で、この業界で立ち上げる、起業する人は意外とビジネスの経験がなく、福祉的な思いから、あるいは現場経験から立ち上げていく人が非常に多い中で、補助金だったり、いろいろな使えるものについての知識がやはり足りなかったり、経営というところで、確かに人材はすごく必要です。人がいて初めて売上げが立つサービスなので、そういったところは福祉所管のほうとも連携して、福祉、介護、保育、こうした業界もしっかりと区内産業として頑張っていけるように御支援いただきたくお願いを申し上げまして、質問を終わりとさせていただきます。
○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時十五分休憩
──────────────────
午後一時五分開議
○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。
◆桃野芳文 委員 まず、昨日の大庭委員の質疑に関して、私からも伺っていきたいんですけれども、区の管理職が、お金を日々積み立てたものが、使われなかった部分があるので、それを戻しますよと。それをせたがやPayで戻すというような話があって、それについて大庭委員が、それは強制的にやるというのはおかしいんじゃないですかということで、そういう趣旨で質問したわけです。その際、池田総務部長が、個別の事情に応じて対応しますと、部長級については了解をいただいた、今後、課長級についても意見を聞くというような答弁でした。確認なんですけれども、これは強制ではなくて、御本人が、いや、私はせたがやPayをあまり使う機会がないので、現金で戻してくださいということがあれば、それはもちろん問題なく現金で戻すと、そういう理解でよろしいですか。
◎池田 総務部長 職員の内部的な団体のお話ですので、この場でお答えするべきかどうかちょっと分かりませんけれども、課長級についても、意向を確認して個別に対応してまいりたいと。その上で、いろんな御意見がありましたら、還付自体を一回白紙にしてということも考えております。
◆桃野芳文 委員 私は、大事なのは、強制、強要のない形にするということが大事だと思うんです。これはやっぱりある種のパワハラですよ。全体でこういうふうに決めたから、あなたが何と言おうと、これはせたがやPayで返しますというのは、私はパワハラだと思いますよ。こういうことは厳に慎んでもらいたいと思います。
職場におけるハラスメントの防止に関する要綱というのがあります。あと、職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針というのが世田谷区にはあります。今日、パネルを作ってきたんですけれども、これは三段階で対応することになっていまして、まずは、管理職及び係長職のハラスメント相談担当というのを置いて、あと、係長級の職員相談担当というのを置いて、また、区外部にも心理士による窓口を設置すると。これが調査をしたり、連携したりして対応していくんだということです。その次が、調査をし、この関係者に改善を促すなどの対応をしていくというのが、次のステップ。その次が、事案の概要を職員厚生課長に報告すると。ここで決着がつく、関係者が納得して対応が終わればいいんですけれども、そうならなかった場合は、より厳正な調査、対応が必要と認めた場合や対応に当事者が納得しない場合というのは、人事課長と職員厚生課長が協議をして、ハラスメント対策委員会というところに調査、審議を依頼することができると―できる規定ですけれども、次のステップが用意されているわけですね。
この区の定めている要綱だとか基本方針というのは、画期的だと私は思うんですけれども、それは何が画期的かというと、これは池田総務部長が今答えられたこととも関連するんですけれども、この職場というものを広く捉えているんです。職場というのは、職員が職務命令に従って職務を遂行する場所をいうと、ただし、職場以外であっても職場の延長と考えられる場合には職場に含まれるとしています。あと、職員という定義も広げていまして、常勤、再任用、特別職、非常勤職員及び会計年度任用職員、委託業務に従事する者など、現場で働く職員以外の者についても、職員に準ずるということで、この職場とか職員という概念をより広げて、ハラスメントは絶対に許さないんだということを示しているのが、区の基本方針になります。
先ほど池田部長が、これは私的なものなのでと言いましたけれども、この要綱だとか基本方針に照らせば、これはあくまで、そういう行為が行われれば、これはもう職場の延長線上であり、ハラスメント行為があれば、これはハラスメントに該当するということになるわけですよ。そういう仕組みになっているわけです。
具体的な事例を挙げると、例えば、区の諮問機関だとか審議会のような場所で、ハラスメントということが起こることも想定されるわけですね。往々にして、被害を申し出たとしても、お互いの主張が異なる場合というのは、これはあるわけです。ハラスメントを受けたという人と、いや、そんなことはしていないという主張が異なる場合なんかもあるわけですね。そういうことで、そうしたときにどう対応のステップを踏んでいこうかというのが、このように定められているわけです。先ほど申し上げたように、これは職員以外にもそこで働く人たちを、あらゆる者を含むんだというような規定になっているわけですね。
そういった中で、確認なんですけれども、例えば、諮問機関とか審議会のような場でそういうハラスメントを受けたという被害を申し出た方がいた場合、当然、このフローに乗っかって世田谷区は対応するということでよろしいんですかということを確認します。
◎増井 職員厚生課長 区のほうでは、職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針というのを定めております。こちらでは、ハラスメントは職務の円滑な遂行を阻害して、区政の効率的な運営に重大な影響を及ぼす問題であり、職員はお互いに尊重し合いながら快適に働くことができる職場環境を確保するということが指針の大きな目的となっております。
その中で、まず、方針の中に、職員につきまして、常勤、再任用、特別職、非常勤職員並びに会計年度任用職員について、まず、職員として位置づけた上で、委託などの業務に当たっている職員についても、先ほどおっしゃったとおりで、職場というのを広く捉えていまして、職員が職務を遂行する場において、働いている職員以外の者についても職員に準ずるという形を取っております。
今のお話の中で、審議会といった委員会ということがございましたが、こういった委員につきましても、方針の中には、具体的に審議会の委員といったことの記載はございませんが、準じているというところに、まずは扱えるというふうに捉えてはおります。その中で、相談という流れというふうなところに、苦情、相談の対応というところになるんですけれども、ここにおいて、いわゆる職員というところが、先ほど原則的な職員と、準じているというところと、大きく二つに分かれているところもあります。その中で、まず、審議会の委員といったものですとか、委託業者といったところの雇用関係のない方からのハラスメント相談につきましては、まずは、その事業を所管するところが事実確認を行って、被害者へのフォローですとか再発防止など、適切に対応することがまずは基本となっております。
ということで、今御指摘のあったところで申し上げますと、こちらのフロー図の中で対応していく部分としましては、まず、所属長としての対応が基本となっておりまして、ここに先ほどもおっしゃっていました苦情・相談対応、解決につけますフロー図というところに関しては、雇用関係のある、雇用している職員同士の間のハラスメントを想定した形で、まずは位置づけている解決策というふうになっております。
◆桃野芳文 委員 例えば、こういうことが実際にあるとかないとかではありませんよ、例えばの話ですけれども、何らかの会議体で、有識者と言われる人から、セクハラやパワハラを受けたと、私はセクシュアルハラスメントを受けましたという、区の職員から申出があっても、このフローには載せて扱わないということですか。
◎増井 職員厚生課長 まずは、先ほども申し上げましたが、所管している事業の担当のほうといいますか、所管の管理職のほうで事実確認、相談に対応していくということになります。
◆桃野芳文 委員 まずははいいですけれども、このフローで、この基本方針にのっとってやるのか、それは対象外なのかということを教えてください。
◎増井 職員厚生課長 こちらのほうでの対応につきましては、先ほども申し上げましたとおり、雇用している職員同士の対応ということで捉えておりますので、対象とはなっていないということでよろしいかと思います。
◆桃野芳文 委員 それは、私は、やっぱりおかしいと思いますよ。だって、これは基本方針に書いているわけですよ。職員というのは、枠を広げて、職場におけるハラスメントは断じて許さないと言っているわけですよ。別に、職員もいわゆる職員には限らないんだと、職場もいわゆる職場には限らない、その延長線上を広く捉えて、職場におけるハラスメントは断じて許さないと言って、わざわざ言葉の定義もしているわけですよ。しているにもかかわらず、この文章に書いていることを、それは違いますと、我々はそういうふうに解釈していませんというようなことをやって、実際に対応しないというのは、書いてあるんだから、やはりこれはおかしいです。これは、基本方針どおりやっていないと、これはサボタージュだと思います。
現場も困ってしまうわけですよ。こうやって書いているじゃないかと、対応してほしいと言っても、いや、あなたたちは対象外だと言われたら、これは基本方針なんて何のためにあるか分からなくなるし、それ以上対応ができないということになれば、それを受け止めなければいけない現場を仕切らなければいけない人たちも困ってしまうわけですね。なので、これは基本方針どおりにしっかりやるべきだということを申し上げておきます。
別の質問に参ります。貯水槽について聞いていきたいんですけれども、この貯水槽については、令和元年度の決算特別委員会に見直しを提言しました。これまで古い設置基準に従って、貯水槽をほぼほぼ施設の大きさに応じてですけれども、つけていくというようなことをやっていたわけですが、時代は替わって、今、水道管直結でも、貯水槽なしでも、水は水道として、施設として十分なんだということで、貯水槽の設置を見直して、これは初期費用も下がるし、メンテナンス費用も下がるので、しっかりやっていくべきだと、学校も含めてやっていくべきなんだという御提案をしましたけれども、その後の進捗状況を教えてください。
◎並木
公共施設マネジメント課長 貯水槽の撤去と水道の直結化は、建物の改修などの機会を捉えて行ってまいりました。具体的には、令和元年度に区営住宅二か所、地区会館を一か所、令和三年度に区営住宅一か所、高齢者施設で一か所を改修し、合計五か所の水道直結化工事が完了しております。
◆桃野芳文 委員 ランニングコストは下がっているということですね。効果があったということです。あと、初期コストについても実は私のほうから計算を事前にお願いしまして、例えば、ひだまり友遊会館なんかは、受水槽プラス加圧給水ポンプというものを増圧ポンプのみに改修した場合、約二百四十万円程度の削減となったということは、事前に教えていただきました。非常に効果があるし、フレッシュな水が出るというのはいいことなんです。汲み置いた水ではなくて、フレッシュな水が出るというのはいいことなんです。
今後、これは、やっぱり私は、学校もしっかりそういう施設にやっていく、子どもたちにおいしい水を飲んでいただくという意味でもそうですし、メンテナンス費用を下げていくという意味もそうですし、そこで浮いたお金があれば、ほかに学校施設を充実させるとか、子どもたちのために使うとか、いろいろお金を使えるわけですから、学校も含めた公共施設で進めていただきたいと思うんですが、今後の見通しを教えてください。
◎並木
公共施設マネジメント課長 区営住宅などの水道直結化工事にも費用がかかることから、機器の更新の機会を踏まえて計画的に行ってまいります。学校などの教育施設につきましては、災害時の避難所としての飲料水の確保という観点から、貯水槽の撤去は難しい状況ではありますが、代替案が提案できる場合には、関係所管と協議し、可能性を探ってまいります。その他の公共施設につきましても、水道設備改修を伴う大規模改修工事、新築工事などの際、設計の機会を捉え、水道の直結化の検討を進めてまいります。
今後も、工事を行う際に見直せることはないかといった視点を忘れることなく取り組んでまいります。
◆桃野芳文 委員 学校については、水を備蓄しておくという意味もあるんだというような答弁でしたけれども、例えば、規模によるのかもしれませんけれども、学校の貯水槽の中に、日常的には大体どれぐらいの水が入っているんですか。
◎並木
公共施設マネジメント課長 今改築する建物については、一日に使う量の半分等を目安としているということもありますので、大体、今十トンのものを備蓄しているという状態になります。
◆桃野芳文 委員 災害対策といっても、十トン、すなわち、満タンに入っていたとして千リットルぐらいの水が入っていると。二リットル掛ける十二本のダンボール箱でいうと四十箱ぐらい、四十二箱ぐらいになるわけですけれども、そのために貯水槽をずっと置いておくというのは、私は、これは非効率だと思うし、やっぱりコスト下がった分で備蓄をしっかりと充実させていくというふうにしたほうが、これは災害対策の上でも、施設の維持管理コストを下げるという意味でも、効果的だと思いますので、これは引き続きしっかり検討して対応していただきたいと思います。
大庭委員に替わります。
◆大庭正明 委員 昨日、新実施計画についてほとんど達成が及んでないと、いわゆる、新実施計画という箱の中が複雑に屈折しているから、いろいろな計画が、あれはどうした、これはこうしたといってもなかなかつながっていない、行政全体としてなかなか進んでいないというようなことを明らかにしたわけですけれども、その中で、行革というか行政経営改革というのが、平成二十六年度から、これは位置づけが変わっていますよね。保坂区政になってから、実は変わっているんですよ。それがどういうふうに変わっているか、ちょっとお答えできますか。こっちから言いましょうか。行政経営計画というのは一本化されていたんですよ。それが平成二十六年度から新実施計画に一体化されましたよね。それを確認したいんですけれども。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 従前につきましては、行政経営改革計画ということで別立てであったと認識しておりますけれども、現在は、新実施計画の中に行政経営改革の取組として載っているという状況でございます。
◆大庭正明 委員 やっぱりこれは変質しているんですよね。それまでは一本立ちしていたものが、新実施計画の中に包含されるような形になって、ある程度弱毒化した―弱毒化というのは変だけれども、もうちょっと強いインパクトがあったものが、保坂区政になって弱められた面があるんですよ。これは、どうしてそうなったんですか。その経緯を教えてくださいよ。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 行政経営改革によりまして、事務事業の見直し等を進めていくという観点と、それから、実施計画によりまして執行していくというものと両面がございます。それで、外部評価委員会がございまして、その中で、行政経営改革の取組の指標の持ち方等について提言を受けたということもございます。
◆大庭正明 委員 外部評価委員会の提言も含めて、そういう提言があったので、こういう形の新実施計画の中に入れ込んだということですよね。その外部委員会というのの委員長は誰ですか。
◎松本 政策企画課長 すみません、今、資料を持ち合わせておりませんで……。
◆大庭正明 委員 モリシマさんじゃないの。そうでしょう。政策経営部長、知っていたでしょう。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 平成二十七年から二十八年度にかけて設置されておりました世田谷区外部評価委員会につきましては、委員長は森岡淸志氏でございます。
◆大庭正明 委員 その森岡さんというのは、世田谷区の組織の一員じゃないですか。研究所か何かをつくっているんじゃないですか。あれは世田谷区の職員になっているんじゃないんですか。
◎加賀谷 政策経営部長 身分上は世田谷区の参与として雇用されておりまして、それで、研究所の所長を兼務しているという扱いだったと思います。
◆大庭正明 委員 これは、地域行政のほうの検討会の委員長もこの人がやっているんですよ。今言ったように、外部の評価委員会なんて言っているけれども、その委員長は身内じゃないですか。要するに、言っちゃなんですけれども、区に雇われている身分じゃないですか。その人が外部評価委員会の委員長という形で提言したなんていうのはとんでもない、身内だから、お友達以上じゃないですか。だから、そういうやり方は、僕はおかしいと思うんですよ。これは、平成二十六年度からやり始めて、二十八年度から外部評価委員でもってやっているわけですけれども、やっぱり、そういうところに保坂区政の行革に対するスタンス、前向きではないスタンスというのが、この新実施計画の当初から盛り込まれているんですよ。それが八年間続いているということなんですね。
それで、今日は、僕は面白いというかどうなんだろうなと思うことがあって、一体、行政改革とかいう効果というのはありますよね。それは、どういうふうにあなた方は評価されているのかということをちょっとお示ししたいと思っているんですけれども、これは、新実施計画の平成二十六年のところの最初のほうのページに入っていますよね。これは、そちらが出した新実施計画の中に表示されている表なんです。行革の効果をどういうふうに評価しますかと。例えば、これは一年目はゼロとして、二年目、三年目、四年目ということで、ここで八百という数字があって、八百かかったものを一年後に、二年度に七百に減らした。だから、八百から七百に減らして、それから、三年度のところにまた七百から六百に減らしたと。ですから、百減らした年度、さらに百減らした年度、最終年度は減らせなかったということで、効果額は二百減らしたと。八百から六百に、ここからここまで二百減らしたというのが行革削減額という形で、これは当然だと思うんですよ。こういう形で、新実施計画四年間の中で幾ら減らしたんですかということを聞いたときに、二百減らしましたよと、今までかかっていた事業の部分が八百だったのを六百に減らしたと、四年間で二百減らしましたということは、ごく自然だと僕は思うんですね。これがこれまでの計算での行革削減額というふうに書いてある。ということは、これからはどうするかということがここに書いてあるんです。これはもうやめますよと、こういうような削減の評価の仕方を変えますよということなんです。
それはどういうふうにしたかというと、驚いたのは、新実施計画が平成二十六年から始まって八年目、ここは前期、後期だね。保坂方式というのは私が書いたんですけれども、それ以外は全部行政が書いたものですからね。新実施計画での行革削減額というのが、初年度をゼロとして、二年度は、当然百減らしたので百減らしました。でも、三年度は、百減らしたけれども、この八百に対しては二百も減らしているじゃないのかということで、二百になった。さらに、減らしていないのに、四年度は最初から比べれば二百減らしているということで、この四年間で一体幾ら減らしたかというと、五百減らしたとなっているんですよ。これを行革削減額にすると書いてありますよね。ちょっと聞きますけれども、そういう計算で書いてありますよね。
◎松本 政策企画課長 前期の新実施計画の前面のところにそういった記載をしております。
◆大庭正明 委員 書いてあるでしょう。こういう形で行革の効果額を書いているんですよ。あり得ないと思う。だって、これは、例えば、私は四年間で体重を八十キロから六十キロまで減らしましたと、どのぐらい減らしたんですかと言ったら、二十キロ減らしましたと、普通言いますよ。言わなくてもいいんだけれども、聞かれて答えるとすれば、僕は痩せましてね、ダイエットに成功して、二十キロ痩せましたと普通言うじゃないですか。これだと五十キロ減らしましたということになるわけですよね。八十キロの人が五十キロ減らしたと言ったら、えっ、そんな感じには見えませんと普通言いますよね。あなた方、これは正気と言いたいぐらいの、こんな計算、算数をどこで習ったんですかというか、こんな算式で新実施計画を評価しているんですよ。
これは逆に言うと、今までこれだけの効果があったものを、これだけ効果がありましたよというのは、普通、二百しか効果が上がっていないというのを、逆の見方をすると、五百効果が上がったということにもなるわけです。そういうようなもので効果があった、それをもってして達成したと―達成できなかったんだけれども、それをもってしても達成できなかったという、根本の考え方が、言ったら、言葉は悪いですけれども、何か詐欺みたいな、ちょっとだしているような、子どもだましを見ているようなやり方です。
通常は、やっぱり普通はこうでしょう。四年間で幾ら減らしたんですかといったら、二百減らしましたと、それが効果ですというのが新実施計画での普通の表現の仕方でしょう。でも、冒頭でこの表が載っている。だから、分からないんですよ。なかなかこういう表を見つけるのは、大変なんですよ。一体どこに、こんなのがこっそり隠れているような形で、しかも、カラーじゃないんですよ。これをカラーにしたのは私ですから、原本は分からないように全部白黒なんですよ。強調したいところはカラーページになっているんだけれども、なかなか見せたくないところというのは白黒だから、分かりにくくなっているんだけれども、これはどう思いますか。
こういうような計算で、新実施計画が八年間たっちゃっているわけです。それで、昨日は、新実施計画の達成率がほとんど進んでいませんということを、代表質問に続いて、実態を挙げて、改めて確認したわけです。さらに今日は、その新実施計画の中の達成とか不達成という、実際の行政の削減額とか行革の達成額だとか、減額だとかという計算の方法が異常だと。こんなようなやり方でやっているということは、新実施計画というのが、あなた方の都合というか、それとも、これは保坂さんがやれと言ったんですか。
まず、聞きましょう。これは、これまでのというのがあるんですよね。これまではこれでやってきた。保坂さんがやってきて、新実施計画で、まず、さっき言った行政経営計画というのをちょっとなくしちゃって、新実施計画に取り込んだ。さらに、今度は、その中で行革の達成の基準というか数え方を変えたと。これは保坂区長が変えたんですか。
◎加賀谷 政策経営部長 四年間、一定の期間として、取組や目標額として定めておりますので、四年間として、どのような効果、結果になったのかということで表しているのが基本のベースにあります。それで、新実施計画における効果額が累積として表しているということで、例えば、経常的に維持管理ですとか、毎年度毎年度発生するであろうものが、ある年度、百とか二百見直すことで、それが後年度にわたって削減効果として表れると、効果が出るということで累積として表しているというものです。
それで、単年度発生主義じゃないですけれども、例えば、施設建設をするときの効果額というのは、当然、おっしゃるように、年次年次で削減した部分を拾っているという、そういう分け方をしているということで切り替えたものです。
◆大庭正明 委員 だから、これまでの計算でいいんでしょう。別に間違っていなかったんでしょう。それは間違ったんですか。これにおかしいところがあるから、正確にしたとかということじゃないでしょう。これまででよかったんでしょう。平成二十六年までずっと過去さかのぼって行革はこれでやってきたんですよ。それで間違っていたということなんですか。それをさらりと、これまでの計画をこっちに変えるなんていうのは、平成二十六年の実施計画から書いちゃっているんですけれども、それはなぜなんですか。
◎加賀谷 政策経営部長 四年間の捉えとして、総額の表し方が必ずしも適切じゃなかったということで改めたのが、今現在の新実施計画での累積の捉えの仕方になっています。
◆大庭正明 委員 それでは、行革はできませんよ。議会としても、評価なんかできないじゃないですか。二百減ったというのと、五百減ったというのでは、意味が全然違うでしょう。そんなのは、区民とか我々が理解する上での誤解をさせる基じゃないですか。これは、誰に聞いたって、こんな計算方法は分かりゃしないですよ。八十キロの人が六十キロに減って、体重五十キロ、四年間で減らしたんですよと言ったって、そんなのは実態を見れば信じないですよ。でも、あなた方がやっているわけだから、新実施計画というのは実態をなかなか見ることができないんですよ。そういう行政の実態を、やっぱり区民に情報公開する上では分かるような形で出さないと、こんなふうな古典的な変な累積だとか何とかというようなものを勝手に変えられて、これは、八年間もずっと決算書の見せ方として出ているわけですから、それは改めるべきじゃないんですか。こんなことは誤解を招く基じゃないですか。それはあなた方に都合はいいかもしれないけれども、こんなのを見せておかしいと思う区民は、ほとんどだと思いますよ。
◎松本 政策企画課長 効果額につきましては、毎年、新実施計画の推進状況の際に効果額のほうをお示ししておりますけれども、その際には単年度での効果額と、それから累計というような形で表記をしておりまして、やはりそういった表記の工夫というのは必要であろうと、そのように考えております。
◆大庭正明 委員 少しは反省の弁があるということ、ないということ、反省点があるの、ないの。あと四十三秒。
◎松本 政策企画課長 改めまして、今のお話も含めまして点検をしたいと思います。より分かりやすい効果額について記載してまいります。
◆大庭正明 委員 だまされていたという表現はなかなか難しいけれども、誤解を招きかねない表現をずっと使われていたというのは、やっぱり議会としては不本意ですよ。本当に遺憾ですよ。もっとこういうことを正確にやってほしいということを申し上げて、私どもの質問を終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。
────────────────────
○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆中里光夫 委員 それでは、共産党の企画総務分野の質問を始めます。
まず、つながるプランについて伺います。
コロナ禍の下、飲食業やイベント関係、音楽や演劇、旅行、こういった分野で仕事が減って、暮らしと営業に大きな影響が出ていると。区の調査でも、四割を超える事業所が前年比で売上げが半減以下になっていると。音楽イベントと喫茶店を営んでる方は、感染拡大時はイベントがなくなり、喫茶店も自粛を強いられるなど、厳しい状況が続いてきたと。給付金などで何とかやってきたけれども、税金を納められるか、やりくりが非常に厳しいんだと、こういうお話をしていました。また、非正規労働が広がって、不安定な雇用をコロナが襲い、失業や雇い止めが大きく広がっています。高齢者も、低年金、医療や介護保険料の値上げが暮らしを圧迫しています。一方、生活困窮で相談に来られる方も多いんですが、生活保護は厳しい基準があったり、誤解や偏見で必要な人が申請に結びつかないことも多い。
コロナ後の社会では、貧困と格差を広げた新自由主義の弊害を乗り越えて、これを是正する経済的弱者対策の強化が必要だと考えます。コロナの影響への補償の充実や安定した雇用の確保、最低賃金の引上げ、医療や介護、生活保護などの社会保障の充実、これが今こそ必要だと考えます。今後十年を見通した基本計画とそこにつながるつながるプランでは、経済的弱者対策を位置づけるべきだと。
つながるプランでは、貧困問題、現行の新実施計画の振り返りの中で、子どもの貧困に取り組んできたことが書いてあります。また、高齢者の単独世帯の増加が社会的孤立や貧困のリスクにつながるという認識も示されています。しかし、つながるプラン、これからのところでは、子どもの貧困はもうルーチンになったということで重点課題から姿を消しました。高齢者については、孤立対策は入っていますが、経済的弱者対策は位置づいているとは言えません。経済的弱者対策をつながるプランでどう捉え、どう検討しているのか、伺います。
◎松本 政策企画課長 政府は、本年二月の月例経済報告におきまして、オミクロン株の広がりで外食や旅行といった個人消費が冷え込んだことにより、景気判断を五か月ぶりに引き下げました。また、後期高齢者の医療費、介護保険料など社会保険料の負担増が続く中、原油高等の影響による生活必需品の値上げも続き、区民生活の実態は依然として厳しい状況にあると認識しており、今後のウクライナ情勢などによるさらなる影響も懸念されます。
未来つながるプランにおきましては、全ての区民の健康と生命を守る、また、区民、事業者の活動を支える、そういったことを政策の柱として掲げ、個別の施策としても、居住支援や子どもと家庭のサポート、事業者支援や雇用対策など、経済的に厳しい状況にある方への対策を位置づけており、こうした視点は、次の基本計画に向けても欠かすことのできないものだと考えております。また、コロナ禍を踏まえた緊急対応としましては、国によります子育て世帯や住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金をはじめ、様々な支給が行われているとともに、区としましても、せたがやPayを活用した事業者支援など、区民生活や地域経済の実態を捉えながら、切れ目なく取り組んできたところです。
こうした状況の中で、令和四年度予算は、誰もが安全で安心に暮らせるまちの実現を目指す「地域社会から福祉を向上させる予算」として編成したところであり、引き続き、未来つながるプランでも重要な視点として捉え、区民の暮らしを守る取組を進めてまいります。
◆中里光夫 委員 プランでも重要な視点として捉えて取り組むということですけれども、今出ている文章では、本当に経済的弱者対策とか貧困の問題、これから向かっていくという政策の中で、やっぱりしっかり書かれているという感じではありません。ここはしっかりと押し出していただきたいと要望しておきます。
それでは次に、生理の貧困の問題について質問していきたいと思います。
経済的な理由から生理用品を手に入れられずに、日常生活に支障を来す生理の貧困、これが問題となっています。生理用品に軽減税率を求める署名運動から生まれた、#みんなの生理という団体の調査で、若者の五人に一人が金銭的理由で生理用品を買うのに苦労していた経験がある、二七・一%が過去一年以内に金銭的な理由でトイレットペーパーなど生理用品でないものを代用で使っていた、こういう回答があります。
世田谷区も、社協による無料配布―企業の提供などを使ってということですが―とか、学校では保健室に備えたものを無料提供する、また、気後れなく使えるようにということで、学校のトイレへ配備してほしいというのが、この間、他会派からも出ていましたけれども、学校トイレへの生理用品配置も今始まっていると。全体へ、全校へ広げるように、ぜひ進めていただきたいと思います。
スコットランドでは、二〇二〇年にあらゆる人へ生理用品の無償提供をと、学校や公共施設において生理用品を無償提供する法案が可決をされました。それから、昨年末に、東京の公共施設への生理用品設置を求めるオンラインの署名、約一万二千六百十六人分、これが東京都に提出されました。ここに参加した高校生は、生理があることが経済的な負担にならない社会や、生理に対するタブー視がない社会を実現したいというふうに語っています。誰でも利用できる公共施設のトイレにこれを設置することで、必要な人に支援を届けるために、学校のみならず図書館や集会所、区役所などのトイレにも無料の生理用品を配置すべきだと考えます。
公共施設のトイレへの生理用品配備について、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。他自治体の取組で、企業の提供で、トイレで無料の生理用品を配布するシステムが導入されています。官民連携での検討を始め、寄附も募るなど、様々な手段を検討して、ぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 他自治体の事例といたしましては、都内で言いますと豊島区、中野区、板橋区などにおきまして、企業と連携協定を結んで、庁舎のトイレなどに生理用品の自動交付機器を設置いたしまして、そこにあります液晶モニターから映し出される広告動画による収益を生理用品の購入費、あるいは機器の設置費用などに充てるという形で、設置場所となる自治体には、光熱費以外の費用負担がないというシステムを導入しております。
官民連携によります区政課題解決への取組に向けましては、区の窓口でございますせたがやCo―Labにて企業などからの提案を常時求めておりますほか、区側からテーマを設定して積極的に提案をするという手法も取っております。生理の貧困対策の面におきましても、関係所管とともに情報を共有いたしまして、官民双方がメリットを得ながら、区民サービスの向上を実現できるよう、企業などとの情報交換、対話を行いながら実現の可能性を検討してまいります。
◆中里光夫 委員 中野区の同僚議員に、区役所に入ったということでどうですかということを聞いてみたんですけれども、非常に好評だということで、区民に喜ばれているということです。ぜひ進めていただきたいと思います。
それでは次に、個人情報保護の問題について質問します。
個人情報保護法改定に伴う個人情報保護条例の見直しに向けての考え方が、個人情報保護審議会に諮問されました。条例の見直しに向けて具体的な検討がこれから始まります。既に区は、個人情報保護審議会への諮問事項に関する取扱いなどをはじめとする検討課題も挙げています。
大きな問題は、国会審議の際、担当大臣が条例の規定は一旦リセットしていただくと言っていたように、地方の条例を国のルールで縛ろうとしています。国の個人情報保護委員会は、公的部門における個人情報保護の規律の考え方というところで、条例でオンライン化や電子化を伴う個人情報の取扱いを特に制限することは許容されないなど、従来、自治体の条例で行ってきた様々なことを許容されないというふうにしています。しかし、地方自治法では、法律の範囲内、法律に反しない範囲での条例制定権が地方自治体に認められています。地方自治体の権利です。許容しないという姿勢が自治体の条例制定権を侵害するおそれがあるんじゃないかと私は思います。これは、自主的にしっかりと条例を制定していくべきだというふうに思います。
国が許容しないとしているものにはどのようなものがあるか、許容しない理由は何なのか、質問します。
◎末竹 区政情報課長 国が許容されないとしているものとして、例えば、個人情報の目的外利用や外部提供、オンライン結合等について、類型的に審議会等への諮問を要件とする条例を定めること、また、従来の個人情報保護条例に見られた、いわゆるオンライン結合を制限する規定に関して、条例において定めることは許容されないと示しております。
その理由といたしまして、国は、改正された個人情報保護法による全国的な共通ルールの下で、国のガイドライン等により、制度の適正な運用が図られることとなることに加えて、地方自治体は必要に応じて専門性を有する国の個人情報保護委員会に助言を求めることが可能となるなどから、許容されないとしております。
◆中里光夫 委員 法律を守っていれば大丈夫と、国の委員会に分からないことは聞きなさいと、そういう態度です。これは、オンライン結合という話もありました。庁内ネットワークを外部のシステムと通信回線で接続するオンライン結合、これに特別の制限を設ける規定だとか、個人情報の目的外利用や外部への提供を行う場合には、審議会への諮問を要するなどの規定は許容しないという話です。
現在の区条例では、外部委託、目的外利用、外部提供、回線結合、これらの際には、事前に審議会に諮問して、個別具体に検討をされています。しかし、審議会に諮問しないとなれば、個人情報の保護に関しての法の基準を満たしているとして、ノーチェックでこういったものが導入される、外部に提供される、そういう危険があるんじゃないでしょうか。
外部結合や外部提供などの際に、審議会に諮問せず個人情報を守れるのか、区の自主性を最大限守る努力が必要と考えます。見解を伺います。
◎末竹 区政情報課長 今回の法改正を踏まえた区の個人情報保護の在り方については、世田谷区情報公開・個人情報保護審議会において、専門的な御議論をいただくことを予定しております。
区といたしましては、審議会の御意見などを踏まえながら、新たな法制度の下で、区としての個人情報を守るための仕組みづくりについて検討してまいります。
◆中里光夫 委員 新たな法制度の下で、区として個人情報を守るための仕組みづくりを検討するということですが、具体的にはどのようなことを考えていますか。
◎末竹 区政情報課長 区ではこの間、個人情報保護条例の規定に基づき、各所管課が実施する外部委託や回線結合などの各個別案件について、原則として、事業実施前に情報公開・個人情報保護審議会から意見聴取をして、事業実施しているところでございます。今般の改正個人情報保護法では、特に必要であると認めるときに限り、審議会に諮問することを許容しており、各個別案件の諮問は許容されないとのことが示されております。
区では先般、審議会に諮問しましたが、今後の審議会の在り方については検討課題の一つと受け止めております。今後、審議会から御意見をいただくこととしておりますので、審議会から答申が出された際には、その意見を十分踏まえ、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
◆中里光夫 委員 審議会で検討してもらうということですけれども、これは本当にしっかりと審議会を使っていかないと、区として個人情報を守るための仕組みづくりをしっかりとやらないと、本当に危険だと思います。
それで、国は、DXで個人情報の利活用を促進しようとしています。個人情報の利活用とは、具体的にはどのようなことか。国は、データ利活用を成長戦略と位置づけて、利活用しやすい仕組みづくりとして、この法の改正なども進めています。自治体が保有する個人情報は、公権力を行使して取得、申請、届出に伴い義務として提出されたものです。企業が保有する顧客情報とは比べ物にならない、多岐にわたる膨大な情報量を自治体は持っています。個人、本人の同意なく目的外に流用したり、企業のもうけのために利活用されてしまう、そういう危険が今迫っているというふうに考えます。行政による本人同意なしに目的外の利用、外部提供する匿名加工情報制度、こういうことは行ってはいけないというふうに私たちは考えます。
その一例として、保育業務のデジタル化が今進んでいます。コドモンという会社があって、コドモンというICT企業が保育業務サービスを提供しています。保育業務全般をデジタルサービスで支援すると、保育料の計算から請求書発行、口座振替、入金管理、それから登園はICカードやQRコードで管理する、指導案の作成、シフト管理、写真販売、代金回収、至れり尽くせりのシステムです。大変便利なものに見えます。そして、子どもの健康管理、変化、成長の記録というのもあって、これは子どもの変化するプロセスを写真とテキストで記録していくというものだそうです。子どもの情報、そして保育料の話などもありました。これは家庭の状況が分かる情報です。システムを運用する中で、こうした個人情報が大量に発生して、それが企業のクラウドに記録され、蓄積されていきます。世田谷の区立保育園はこれを利用していませんけれども、コドモン社は、全国最大約一万施設が利用していると。自治体では百八十一の自治体、約千二百施設が利用していて、その保育データをコドモン社は保有していると。しかも、コドモン社は、集めたデータを分析して新たなサービスを生み出すというふうに言っています。データをどのように利用するかは、これは企業の判断になってきます。AIで指導案を作成して、その文例を提案する、こういうメニューも入っています。
しかも、コドモンで記録したデータは、コドモン社の所有となる。サービスを解約したら、利用していた人は利用できなくなっちゃう。アプリの利用をやめれば、これまでのデータが使えなくなって、企業はデータを持ち続けますが、施設や自治体はデータがなくなってしまうと、こういう状態が起こり得ると。こういうシステムです。自己情報コントロール権との関係でも、個人情報の収集と利用についても、利用者に十分な説明と納得を得ての合意で行われているとはとても言い難い面もあります。また、データの所有、何を収集し、どう利用するか、利用者、自治体が管理できないと。これは利用者、自治体が管理、運用するべきです。このデータの所有を企業のものとするのは、本当に問題だと思います。これはほんの一例ですけれども、こういったことがデータの利活用ということで進められていく危険があるというか、実際にこれは進められているものです。
こうした中で、やはり個人情報の扱いを今後どうしていくのか、自治体としてしっかりと進める必要がある。個人情報保護審議会の役割や機能を守ることは本当に重要です。今後の審議会の在り方について、改めて、見解を伺います。
◎末竹 区政情報課長 区では先般、審議会に諮問したというところでありますけれども、やはり私どもとしては審議会は大変重要であると、このような認識の下、先ほど申し上げましたように、審議会の在り方については検討課題の一つということで受け止めているところでございますので、今後、審議会から御意見をいただくということで答申が出された際には、その意見を十分踏まえまして、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
◆中里光夫 委員 本当にこの個人情報の問題は、DXということで、今後、全庁的にこのデジタル化が進んでいく中で、システムを外部とつなげたり、提供したりということがハードルになることはやめろという国の圧力もあると。こういう中でどうしていくのかということが今問われているわけで、これは本当に慎重にしっかりと進めていかなければいけない問題、これは本当に大事な問題だというふうに思います。
それでは次に、避難所の電源確保について質問をします。
私たちはこの間、災害があったときの震災のときの避難所の非常用電源の確保について求めてきました。近年は、真夏の猛暑の中で命を守るために、熱中症対策も考えて、エアコンも使える電源強化が必要だということを繰り返し求めてきたわけです。これは停電していても電源の供給なしに運転を開始して、その発電した電力で空調や照明、通信機器、こういったものの電源にもなる自立発電運転ができるガス式エアコン、これは世田谷区も導入して、二十一か所導入されたというふうに聞いていますが、その後、どのように進んでいるでしょうか。
◎長谷川
災害対策課長 委員お話しのとおり、自立式のガス式エアコンは、二十一校で導入をされております。これに加え、区立中学校の格技室についても空調設備の導入を進めております。その際、災害等の停電時に使用できる自立式のガス式エアコンについては、今後、十八校に導入ということを進めておりまして、これによりまして、今年度において、指定避難所となっている全九十校の区立小学校のうち三十九校において、体育館または格技室のいずれかのスペースで停電時でもエアコンが使用できることとなります。
◆中里光夫 委員 九十校のうち三十九校で停電してもガスが通っていればエアコンも使えるということですけれども、さらに今後も広げていくように努めていただきたいと思います。
近年、避難所にポータブル蓄電池の配置や電気自動車を電源として利用することなどが進んできました。避難所の電源強化の補強として、こうした方法は有効であると考えます。現在、電源に想定している庁有車の電気自動車は七台ということですが、気候危機対策から政府は、二〇三五年には、ガソリン車新車販売をゼロにするというふうに掲げています。電気自動車へのシフトは確実に起こる。これは区として、電気自動車の導入はリードすべき課題だと考えます。六十二キロワットの電気自動車一台でエアコンは動かせませんが、避難所二日分程度の電源、これが追加されることになります。また、電気自動車の普及が進んでいけば、民間企業、そして周辺の住民が様々協力、協働していく、こういうことも考えられます。その仕組みもつくっていくべきだと考えます。避難所の電源にもなる、この電気自動車の庁有車の導入、これを積極的に進めるべきだと考えます。
全ての避難所に配置できる台数を確保するなど、目標を持って計画的に取り組むことを求めます。見解を伺います。
◎長谷川
災害対策課長 大規模な災害発生時においても区民の安全、また、行政機能の確保を確実なものにするためには、常に災害対応を視野に入れながら各種事業の検討を進める必要がございます。こうした取組の一つとして、庁有車の購入に当たり、非常時の電源としての活用を視野に入れた電気自動車の導入を検討することは、大きな意義があるものと考えられます。
引き続き、庁内の各所管に対しまして、災害対策の推進を働きかけていきますとともに、災害対策の視点が十分に生かされるよう、積極的に検討に臨んでまいります。
◆中里光夫 委員 電気自動車から電源を取るための設備など、これは全ての避難所に設置していく方向で準備を進めて、今後、電気自動車は移動ができるし、そのときどこにいるかも分かりませんから、そういう準備なんかも進めていったらいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
◎長谷川
災害対策課長 庁有車でございますと、災害時に活動することにもなりますので、そういった点も踏まえながらの検討になるかと思います。
◆中里光夫 委員 終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時一分休憩
──────────────────
午後二時十五分開議
○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆田中みち子 委員 それでは、生活者ネットワークの企画総務所管の質問を始めます。
まず初めに、女性管理職の登用について質問します。
私たちはこれまでも、ジェンダー平等な社会の実現に向けて、全ての施策や行政計画などにジェンダーの視点を反映するジェンダー主流化の促進を求めてきました。指導的なポストに就く女性が少ない日本のジェンダーギャップ指数は、世界各国の中でも百二十位と低迷しています。昨年の定例会でも、区内の女性管理職昇進選考合格者はゼロ、そして女性の委員がゼロの審議会が四つもあることなどを指摘し、クオーター制の導入やワーク・ライフ・バランスの推進、ハラスメント対策の充実などを求めてきました。
しかし、管理職の女性の割合は昨年度から一・三%減少し一八・九%と、平成二十九年度をピークに減少しています。現状をどう捉え、どう分析しているのか、伺います。
◎好永 人事課長 令和三年度現在、係長級を含めた管理監督職の女性割合は、係長級女性職員の増加によりまして、目標である四〇%には届いていないものの、昨年度を〇・三ポイント上回る三八・四%となりました。一方で、管理職の女性割合は一八・九%と、昨年度を一・三ポイント下回り、委員御指摘のとおり、二〇%前後を推移している状況でございます。
今年度、生活文化政策部で実施しました区職員を対象とした職員の男女共同参画に関する意識調査の集計結果によりますと、どこまで昇進したいと考えているかという質問に対し、特に昇進したいと思わないと回答した職員は、男性が三一・四%、女性が四六・八%となっておりまして、昇進意欲の醸成において男女を問わず課題があるものの、女性職員への対策が必要であると考えております。
特に昇進したいと思わないと回答した理由については、男女とも、責任が重く負担となるからという回答が一番多いことから、負担を感じる具体的事項をより詳細に分解し、分析する必要がございます。また、女性管理職として活躍するためには、どのような対策が効果的であると思いますかという質問に対して、男女とも、管理職の働き方の見直しという回答が一番多いことから、管理職自らが率先してワーク・ライフ・バランスに取り組んでいく必要があると分析しております。
◆田中みち子 委員 管理職を目指しやすい職場風土を醸成していくことが必要と考えます。第二次男女共同参画プランに基づく後期計画の中でも三〇%以上の目標値を掲げたわけですが、達成に向けてどのように進めるのか、見解を伺います。
◎好永 人事課長 女性職員の昇進意欲を醸成していくためには、さきの意識調査の集計結果から、管理職の職務に対する負担感の低減や魅力の向上などが必要だと考えております。あわせて、個人の意識にとどまらず組織全体として働き方の見直しへの共通認識を持つことで、管理職を目指しやすい職場風土が必要であると認識しております。
管理職の職務に対する負担感を低減するためには、職員の生の声を聞く機会を設けるなど、まずは、その具体的要因の確認を行った上で、その要因に応じた対応策の検討を進めてまいります。また、庁内広報やメールマガジンなど、全職員が知ることができる媒体を利用しまして、管理職自らがその働き方や職務の魅力についてPRするなど、職員全体に管理職を身近に感じてもらうとともに、職に対する魅力の向上につながるような取組を行ってまいります。
◆田中みち子 委員 働き方改革にも力を入れて、女性管理職三〇%早期実現に向け取組を進めていただきたいと思います。
そして、働きやすい職場環境を実現する上では、必要なのは、やはりハラスメント対策も充実させていただきたいと思います。先ほど、他会派からも質問がありましたけれども、まず、現状を伺いたいと思います。
◎増井 職員厚生課長 職員からのハラスメント相談窓口に寄せられる相談件数ですが、平成三十年度が八件、令和元年度が七件、令和二年度が五件、令和三年度が二月末までですが十件となっております。また、令和三年度の職員のストレスチェック調査において、回答数六千七百七十六人中パワハラをされたと感じた職員が五百六十六人と全体の約八%、セクハラされていると感じた職員が七十六人と全体の約一%となっておりまして、ここ数年の傾向としては横ばいの状況となっております。
◆田中みち子 委員 今の御答弁で、ストレスチェックは横ばいということで、あと、相談の件数というのは十件ということでしたけれども、嘱託医の相談とか、いろんな数を数えていくと、決して減っていないというか、むしろ増えているということだと思うんですね。やはり所管としてこのような現状をどう受け止めているのか、御答弁いただきます。
◎増井 職員厚生課長 職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針におきましては、様々なハラスメントについて、どのような言動がハラスメントに当たるか具体的に挙げており、研修や庁内公開サイトを通して、周知理解に取り組んでおります。このことでハラスメントに対する意識が高まり、相談件数等が増加した側面もあると認識しております。基本方針ではハラスメントゼロを掲げておりますが、ハラスメントが減っていない現状を重く受け止めております。職員一人一人がハラスメントに対する正しい知識と認識を持って、ハラスメントを許さないという意識を持つことが重要であり、防止に向けた取組を一層進めるべきと考えております。
ハラスメント相談窓口以外の職員のメンタル不調を含めた職員相談でも、仕事のストレスや職場の人間関係に関する悩みなどが寄せられております。このようなことがハラスメントにつながる可能性もあり、過重労働の軽減ですとか、ストレス回避など、様々な取組とも連携していくことが重要と認識しております。
◆田中みち子 委員 今おっしゃられたセクハラやパワハラなどは、ハラスメントに対する意識が高まって相談件数が増えた側面もあるという受け止めでしたけれども、これではやはりゼロにはならないと思います。職場全体の環境を改善することは、効率的な区政運営にもつながります。職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針でも、ハラスメントゼロを掲げているわけですから、これは実効性のある取組を求めます。見解を伺います。
◎増井 職員厚生課長 ハラスメントは、職場全体の環境を悪化させ、職務の円滑な遂行を阻害して、区政の効果的運営に重大な影響を及ぼす許せない問題です。ハラスメントをなくしていくためには、管理監督者、職員がそれぞれハラスメントが与える影響を十分に認識するとともに、ハラスメントに関する周知啓発を図っていくことが重要でございます。
職員に対し、より具体的にハラスメントはどのようなものか庁内公開サイトなどを活用し周知を図るとともに、昇任時に実施しているメンタルヘルス研修や、管理監督者向けのハラスメントに関する研修の実施など、引き続き、ハラスメント防止に努めてまいります。また、ハラスメント相談を受ける相談員には、外部の専門家の助言を受ける機会を設け、スキルアップを図るとともに、個人情報に配慮しながら、相談内容の傾向など課題の共有や分析を通じ、よりよい支援につながるよう、さらなる連携を強化してまいります。現状をしっかり受け止め、引き続き職場のハラスメントゼロに向けて取り組んでまいります。
◆田中みち子 委員 ハラスメントも、パワハラやセクハラだけではありません。マタハラやジェンダーハラスメント、モラルハラスメントなど、いろいろなハラスメントにあふれています。誰もが被害者にも加害者にもなり得るんだという視点に立って、職場環境の改善に努めることを要望いたします。
次は、性暴力被害者支援についてです。
毎月十一日は性暴力のない社会の実現に向け、全国各地でフラワーデモが行われています。私たち生活者ネットワークもこの動きに呼応して、フラワー遊説を行って、被害者にも、加害者にもならない地域社会を目指し、性暴力の根絶を訴えています。長引くコロナ禍では、在宅勤務やテレワークの推進などによる生活環境の悪化や経済面への影響がDV、性暴力などの増加の要因になり、影のパンデミックと言われ、世界中で顕在化するきっかけになりました。令和二年度の東京都性犯罪・性暴力ワンストップ支援センターに寄せられた相談受理件数は六千十四件と、前年度から約一千六百件も増えており、支援体制が急がれます。
世田谷区では、今年度から、犯罪被害者支援専門員を配置して、性犯罪や性暴力を含め、被害者の相談支援を開始しています。区内で発生した性犯罪の発生件数及び被害者支援相談員による相談受理状況はどのようになっているのか、伺います。
◎野村
地域生活安全課長 区内における性犯罪発生件数は、警察からの聞き取りによりますと、令和元年が五十五件、令和二年が四十五件、令和三年が四十件でした。令和三年の罪種別内訳につきましては、強制性交等罪が十五件で前年比プラス三件、強制わいせつが二十五件で前年比マイナス八件でしたが、強制性交等罪の増加につきましては、余罪を有する犯人検挙に伴う過去の被害件数計上による増加であり、全体的に発生件数は減少傾向にあると聞いております。
しかし、性犯罪は、被害の特性から警察への届出をちゅうちょするばかりか、親族や知人に相談することすらできずにいるケースも多く、被害が潜在化している可能性が否めません。被害者が安心して相談できる相談窓口の存在は重要であると認識しており、区におきましては、昨年、新たに被害者支援専門員を配置して、運用開始の六月から本年二月末現在で、相談件数二十八件、うち、性的被害やストーカー事案としての対応をした事案が五件あり、継続的な相談や関係機関への引継ぎを実施しております。
今後も、警察や東京都など関係機関との連携を密にし、適正かつ相談者に寄り添った被害者支援に努めてまいります。
◆田中みち子 委員 性暴力は魂の殺人であり、決して許される行為ではありません。昨年の
予算特別委員会でも取り上げ、相談窓口の周知や性暴力被害防止のために効果的な講習会など、対策強化を求めてきましたが、現状と今後の方針について伺います。
◎野村
地域生活安全課長 性犯罪被害防止に向けた対策につきましては、昨年当初、計画を立てていました区内企業等を対象とした防犯講習会等がコロナ禍の影響で実施できていない現状でございます。しかし、一一〇番通報要領などをまとめた防犯動画、世田谷防犯チャンネル一一〇番編の公開や女性、子どもを狙った犯罪に対する防犯対策や各種相談窓口を紹介した世田谷区の防犯冊子「スクラム防犯」の周知、普及活動を図ってまいりました。
現在、ウェブ活用の犯罪被害防止講習会や相談窓口の周知活動につきまして、庁内関係所管はもとより、東京都、警察など関係機関と調整中であり、今後、コロナ禍における新たな生活様式に対応した各種対策を積極的に実施し、被害防止に加え、被害者が相談しやすく、泣き寝入りさせない環境づくりに今後も努めてまいります。
◆田中みち子 委員 また、SNSの普及などによって子どもたちへの被害も増えていまして、性的な自撮り画像を送らされたり、わいせつ行為をされたりする被害が後を絶ちません。未成年の性的被害状況と対策についても伺います。
◎野村
地域生活安全課長 警察からの聞き取りによります、現時点での速報値ではございますが、令和三年、都内における福祉犯被害少年は三百五十五名、その約八六%が児童ポルノや東京都青少年育成条例違反など、性的被害を伴う犯罪の被害少年とのことでした。SNSの普及は、利便性が高く、現代の生活には不可欠なものとなっている反面、未成年者と見ず知らずの大人との接点を増大させ、子ども特有の好奇心や家出願望に付け込む唆しや引込みのツールとなり、被害少年の増加につながっていると危惧しているところでございます。
区としましては、区内小中学校配付のタブレット端末機や保護者宛ての情報配信サービス、すぐーるへの注意喚起動画配信、生徒、保護者を対象としたネットリテラシー醸成講座、そして、警察、国、都作成の被害事例や傾向が具体的に記載されたリーフレットの配付など、生徒、保護者の防犯意識の向上を図っているところでございます。
今後は、学校にとどまらず町会・自治会等を対象とした出張防犯講話や各種広報媒体を活用した区、東京都、警察などの各相談窓口を周知するなど、地域全体で子どもを見守るまちづくりに積極的に取り組んでまいります。
◆田中みち子 委員 やはり、コロナ禍で家庭内で安心できる居場所がないお子さんが増えていると聞いています。ぜひ地域全体で子どもを見守る体制というのを積極的に進めていただきたいと要望いたします。
次が脱炭素の観点に基づいた自動販売機の設置についてです。
区の庁舎や施設に飲料水などの自動販売機が多数設置されています。自動販売機は二十四時間三百六十五日稼働し、商品を冷やしたり温めたりする必要があって、多くの電力を消費します。省エネ技術が進んでいるとはいえ、町中至るところにあり、地球温暖化の影響は無視できません。また、マイクロプラスチック問題にもつながるペットボトル飲料がラインナップの多くを占めています。環境に配慮したライフスタイルを推進し、CO2排出量削減を目指し、気候非常事態宣言を行った世田谷区にあっては、見直す必要があると考えます。
まず、世田谷区内の庁舎や施設における自動販売機の設置について、目的と設置の現状を伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 施設利用者などの利便性の向上や税外収入の確保を目的といたしまして、区では、平成二十二年十二月に、自動販売機の設置による公有財産の有効活用指針、これを策定しまして、庁舎などの余裕スペースに自動販売機の設置を進めることとしております。今年度初めの時点で六十六か所に百八十五台の自動販売機を設置しておりまして、令和二年度決算では約二千七百万円の税外収入となっております。
◆田中みち子 委員 未来につながるプランの第五章、行政経営改革の取組みの中に、区有地を活用した税外収入の確保として、コインパーキングや宅配ロッカーと並んで、自動販売機がその項目の一つに掲げられているんですけれども、設置場所の追加を検討、実施するとの記載があります。税外収入の確保のために環境配慮を犠牲にする計画に違和感を覚えます。
数値目標などの記載はありませんけれども、どのように取り組む計画なのか、また、環境配慮に対してどのような認識を持っているのか、伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 まず、自動販売機の設置に当たりましては、災害対策用自動販売機及び省電力対応自動販売機、これの設置を原則としております。日常の飲料供給だけではなくて、災害時における飲料確保としての役割を持たせるとともに、環境面におきましては、オゾン層に影響があるフロンガスを使用していない機種や、商品を冷却する際に発生する熱を加温する際の熱源として再利用するヒートポンプ機能が備わった機種が設置されております。企業の環境に対します課題意識やそれに伴う技術の進歩、様々な技術の導入により、環境への負荷は一定程度軽減されているものと認識しております。
また、自動販売機の設置場所につきましては、庁舎などの建物や敷地に余裕があり、施設利用者などの利便性向上や税外収入の確保が見込まれる場合に、施設の本来目的を損なわない範囲で貸付けをいたしております。庁舎や施設などの状況変化に応じまして、余裕スペースが生じた場合などに、その場所にふさわしい活用方法を検討し、入札などによって貸付けを行っているところでございます。
◆田中みち子 委員 区有地を有効活用して区民の利便性を向上するという視点では、自動販売機ではなくて環境にダメージを与えないほかの機能を優先して整備するよう柔軟に考えるべきです。例えば、携帯電話の充電器など、新たな区民ニーズなども出ています。
こうした区民の声を生かしながら、区有地や施設を活用した税外収入確保策があるのではないでしょうか。見解を伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 区民ニーズは変化しておりまして、時代に合わせた活用方法を柔軟に模索するということは重要であると認識しております。また同時に、採算性などの面から民間の参入が期待できる必要もございます。これまでにも、例えば、デジタルサイネージつきのモバイル端末用充電器スポット、あるいは雨傘をシェアするシェアスポットなどについて、事業者との調整を行ってまいりましたものの、これまでのところ、実現には至っていないところでございます。
区民の利便性向上や環境への負荷といった観点も踏まえながら、引き続き、自動販売機以外のスペース活用策についても検討してまいります。
◆田中みち子 委員 自動販売機以外で活用をぜひお願いいたします。
次に、現在、本庁舎の改築工事が進められていますけれども、次世代につながる新庁舎は、自動販売機の代わりにマイボトルに対応した浄水器とか給茶機など、こういった飲料水を提供できるような機能を備えるべきです。新庁舎計画の中で自動販売機の設置スペースは設けられているのでしょうか。現在、本庁舎の現状も含めて見解を伺います。
◎桐山
庁舎管理担当課長 現在、本庁舎におきましては、城山分庁舎を含め六台の自動販売機を設置し、税外収入として設置事業者より建物貸付料を頂くとともに、区内の障害者団体の公共福祉事業に供する目的で無償の貸付けを行っております。現在設置されている自動販売機につきましては、設置事業者との建物貸付けの契約期間中におきましては、台数を削減することは困難であると認識しております。新庁舎等における自動販売機につきましては、環境に配慮した販売機や商品の開発動向等を注視しながら、設置台数を含め、今後、検討してまいります。
なお、マイボトルなどで手軽に無料で利用できる浄水器、また給茶機に関しましては、現庁舎においても同様、新庁舎においても引き続き設置する予定でございます。
◆田中みち子 委員 現在、本庁舎での自動販売機の台数削減は難しいと。それであれば、せめて、現在販売中のペットボトルをなくすことはできないでしょうか。伺います。
◎桐山
庁舎管理担当課長 自動販売機でのペットボトル飲料水の削減につきましては、設置事業者に確認したところ、設置に際して、販売計画に組み込まれており、特に夏場におきましては、清涼飲料水、お茶など主力商品がペットボトル飲料水となっていることから、販売数量の削減は、現在の契約期間中におきましては困難であると聞いております。
◆田中みち子 委員 契約上できないということですけれども、聞いたところ、今回の契約は令和八年三月三十一日までということでした。では、令和八年四月一日からはペットボトルを除外するといった販売品目の条件を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎桐山
庁舎管理担当課長 販売する飲料水の容器に関しましては、ペットボトルに替わる食物由来の容器と環境へ配慮した取組として、清涼飲料水の業界全体で研究開発を行っていると聞いております。委員お話しのとおり、現在、本庁舎等の飲料用自動販売機設置のための建物貸付契約では、飲料用の販売品目として、缶とペットボトルのみの販売を主な条件としております。
今後とも、ほかの自治体における設置条件も参考にしながら、創意工夫できないか、契約条件の変更も含めて、今後、検討してまいります。
◆田中みち子 委員 やはりこの環境への影響に配慮した行動をする職員の意識こそ重要であるということで、研修もお願いしますと答弁を求める予定だったんですけれども、残り十秒だったので、質問はさせていただきませんが、ぜひ環境政策部のほうと連携して、研修のほうをしっかり行っていただいて、職員の意識を高めていただき……。
○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。
◆つるみけんご 委員 新風・せたがやの風の企画総務領域の質疑を始めます。
昨日の総括質疑におきまして、区長の招集挨拶の科学的知見等の適用範囲について、政策経営部長より御答弁をいただきました。そのことについて、よくよく私なりにも考えてみましたが、つまりは区の御認識としては、区長の招集挨拶と総務部長が言われたことについて食い違いはないと、つまりは同じ方向を見ていらっしゃるということだろうと解釈しまして、以下、その認識に基づいて質問をしてまいります。
初めに、基本計画策定に向けての区民、議会と行政との関係について伺ってまいります。
来年度からは、基本計画審議会が設置されて、次期基本計画の策定に向けて議論が本格化していくわけですが、ここでまず一点伺います。
基本計画審議会での審議等に当たっては、その審議の前提として、区としての基本方針、考え方を明確にされること、さらに、それらを事前に議会にお示しいただくことが必要であると考えますが、どの段階で、いつ議会にお示しいただけるのか伺います。
◎松本 政策企画課長 区としまして、基本計画策定に向けた基本的な考え方やコンセプトをお示しした上で、基本計画審議会や区民検討会議で御議論いただきたいと考えております。今般御報告しました懇談会につきましても、こうした区の考え方をまとめるための検討素材としていくために、有識者会議に意見を伺ったものでございます。今後、未来つながるプランでお示ししております次期基本計画の検討に当たっての視点や、DX推進の視点、地域行政推進条例の検討状況なども踏まえ、議会の皆様から十分御意見を伺いながら、基本計画策定に向けた区としての考え方をまとめ、区民検討会議が始まる七月までにはお示ししていきたいと考えております。
◆つるみけんご 委員 区政の根幹をなす基本計画の策定に当たっては、区が言われる開かれた区政をより一層推進することが重要であるはずです。開かれた区政の推進のためには、何よりも計画作成の過程を分かりやすく透明化、見える化していくことは必須のことと考えますが、区の御見解を伺います。
◎松本 政策企画課長 基本計画は、中長期的な展望を踏まえた区の最上位の行政計画でありますことから、審議会における議論など、検討の状況を広く区民、区議会とも共有し、様々な意見を伺いながら進めていく必要があると認識しております。区民参加の場となります区民検討会議やシンポジウムの実施などは当然のことながら、審議会も公開で行い、オンラインでも配信や、傍聴者からも意見が出せる仕組みなど、オープンで活発な議論ができるよう運営に配慮してまいります。また、審議会におけます議論の内容等は、随時、委員会で情報提供、報告を行い、御議論いただいた内容を審議会にも情報提供するなど、区議会の皆様と意見交換を重ねながら進めていきたいと考えております。
審議会の答申後につきましても、骨子、素案、案と段階を経て具体化を図る中で、区の検討状況を丁寧に議会へ御報告し、基本計画作成のプロセスを透明化、見える化しながら進めてまいります。
◆つるみけんご 委員 二月二十五日の企画総務常任委員会で、次期基本計画の検討に向けた有識者との懇談会について御報告がありました。この懇談会は、今後、審議会等に向けて、区としての考え方をつくるための、いわゆる非公式の会議であり、動画の公開はしない、議事録も作成しないということが当初の区の基本姿勢であったわけです。区政の根幹となる最も基本的なことを決めるための基本計画作成過程におけるこのような区の姿勢は、開かれた区政、区民の参加と協働を標榜する区の基本姿勢と相反するものと思われますが、いかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
◎松本 政策企画課長 今般開催しました次期基本計画の検討に向けた有識者との懇談会につきましては、これから区民検討会議や審議会におけます議論が本格化する前に、今後、区が目指すべき方向性などについて、区としての基本的考え方をまとめるため、幅広く有用な知見をいただくことは貴重な機会であることから、区の附属機関の委員など、各分野の有識者の方々と意見交換を行うために懇談会として開催したものでございます。要綱などで位置づけを明確にした会議体ではなく、規定上は、会議録の作成を必須としていないものでありますけれども、次期基本計画に向けた検討については透明性を確保し、議会ともオープンな議論を行っていきたいという趣旨から、今般、概要を御報告させていただいたところであり、開かれた区政に反するとは認識してございません。
現在、委員会での御指摘を踏まえまして、より議論を深めていくために、議事録の公表に向けた準備を進めているところでございます。今後の議論につきましても、検討状況を随時お示ししながら進めていきたいと考えております。
◆つるみけんご 委員 今回の懇談会の内容は、区の御説明からしますと、今後設置される審議会等の審議に向けて、区の基本的な考え方に影響を及ぼすわけですが、懇談会の内容を区の考え方に反映するに当たっては、その内容について全面的に区が責任を持つということになると考えますが、この認識でよろしいでしょうか。
◎松本 政策企画課長 今後まとめていきます基本計画策定に向けた考え方につきましては、未来つながるプランで示した視点や懇談会での意見も参考に、区を取り巻く社会状況や区民生活の実態を捉えながら、区として検討していくものでございまして、全て区が責任を持つものでございます。
◆つるみけんご 委員 区の基本的考え方を整理するためというこの懇談会の趣旨は、このような特別大きな意味を持つことからすると、懇談会での話合いと審議会での審議、これらは明確に区別されるべきものと考えますが、そのような理解でよろしいでしょうか。
また、そうであるとするならば、一般的には、懇談会構成員と審議会構成員は重複させないということが前提になるものと考えます。審議会には一般の区民の方々も参加されることから、一部の審議会委員が前もって話合いを持っていたなどという疑念を持たれないようにすることが必要ではないかと思われますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
◎松本 政策企画課長 審議会の有識者の人選についてはこれからになりますが、十年後を見据えた基本計画があらゆる分野に指針性を有するものでありますことを鑑み、懇談会の出席者に限らず、特定の分野に偏らないよう配慮していく必要があると考えておりまして、今後の区政課題に応じてバランスよく選定していくとともに、大学の教授などに限らず、専門的な知見を有する方を柔軟に選定していきたいと考えております。
また、ステークホルダー意見徴収として、今回お招きした有識者も含めた既存の区審議会などから、引き続き意見を伺うことも想定しております。
審議会における議論に先立ち、区民検討会議において、区民による議論も行った上で、その代表の方には審議会に参加いただく予定でございます。
懇談会につきましては、今後、審議会前に行う想定が現実的にないため、御指摘のような疑念は生じないものと考えておりますが、お話の趣旨も踏まえ、各委員が分け隔てなくオープンで活発な議論ができるよう、審議会の運営にも配慮してまいります。
◆つるみけんご 委員 次に、より広い意味での各種委員会、会議等の透明性と計画的行政運営について伺います。
前述の懇談会に限らず、区の会議等については、政策決定過程が見えづらいものがあります。例えば、その代表例が新型コロナ対策本部です。区民の生命に関わる最重要とも言える会議にもかかわらず、現在、審議内容を明示されておらず、議事録も公開されていません。区が開かれた区政、参加と協働に基づく自治体運営、科学的知見等に基づく行政運営を行うと言うのであれば、何よりも政策決定過程の透明化、見える化が必要であり、懇談会、各種審議会、委員会などの徹底した情報公開こそが必要であると思われますが、いかがでしょうか。情報公開に責任を持つ区政情報課に、区としてのお考えを伺います。
◎末竹 区政情報課長 区では、区民の区政参加を推進し、公正で開かれた区政を実現することを目的とした情報公開条例に基づき、附属機関の会議や政策決定を行う庁議、その他要綱で定める重要な施策に関する庁内会議等については、会議録などをホームページなどを通じて公表することをルール化しております。
一方、情報公開条例は、公にすることにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合や、不当に区民の間に混乱を生じさせるおそれがある場合などについては、開示義務の対象外としております。
現在、情報公開条例に基づく公表の対象となっていない庁内の会議体などについて、どの範囲まで議事録を作成し、ホームページなどを通じて区民に公開するかにつきましては、他自治体の事例なども参考に研究してまいります。
◆つるみけんご 委員 今の御答弁で、議事録の作成について他自治体を参考にするという姿勢は、私にはちょっとよく分かりません。これまで様々、情報公開の基準についてやり取りをさせていただく中で、所管や会議ごとにその基準が異なる、ある意味では所管の判断に委ねられているということを感じております。
こうしたことを踏まえて、各種委員会、審議会、懇談会等の情報公開については統一的な基準の下に置き、区民の方々に見ていただくという基本的姿勢を持つべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか、伺います。
◎末竹 区政情報課長 情報公開条例に基づく公表の範囲につきましては、附属機関については報告書及び会議録が、庁議については、実施することが決定された事案に関する資料及び会議録が、その他要綱で定める重要な施策に関する庁内会議については、資料及び会議録が公表対象としてルール化されており、また、ホームページへの掲載など公表方法についてもルール化されております。加えて、会議録に記載すべき事項についても庁内統一のルールが定められております。
引き続き附属機関や庁内会議の会議録や資料の公表の庁内ルールに基づき適切に行われるよう関係課と連携し、庁内に周知してまいります。
◆つるみけんご 委員 ルールは、社会状況や現状に合わせて見直しをされた方がよいと思います。
次に、DXと区民に時間を返す改革について伺います。
昨日、総括質疑で取り上げた窓口混雑問題については、区長から、区民に時間を返す改革という中には、当然、窓口で区民をお待たせしないということも入るとの御認識をいただきました。区は現在DX、「Re・Design SETAGAYA」においてEBPMによる変革、つまりは事実に基づく政策立案による変革を掲げておられますが、この窓口混雑問題については、どのように現状を分析しておられるのか、客観的データと解決手法、今後の目標とスケジュールについて、DX部門として時間を返す改革という観点から、窓口問題についてお考えをお聞かせください。
◎松永 デジタル改革担当課長 業務の見直しにつきましては、窓口業務に限らず、日々業務の中で直接区民等と接する現場の職員が、課題と区民ニーズを肌で感じておりますので、そうした肌感覚をできるだけデータ化し、デジタル社会における区民サービスの将来像をイメージし、改革していく組織体制とすることが必要と考えております。
窓口サービスの改革につきましては、本庁舎整備のスケジュールも念頭に、来年度からの新基本計画策定の中で担当所管が中心となり検討することが基本でございますが、四月から設置予定のDX推進担当部は、全庁的なDX推進を牽引し、各所管を後押しするため、庁内情報化基盤の整備とともに、データの収集分析、政策立案への活用など、EBPMの取組も検討することとしております。
一方で、DXの専管組織を設置したことが、庁内において、DXは専管組織が行うものという誤解が生じないよう、職員の意識改革をはじめ、事業を担う各所管において、自ら改革を考え実行できる人材の育成にも取り組んでまいります。
◆つるみけんご 委員 昨年の決算特別委員会で、中村副区長は、区がDXの推進により生み出された人材や時間を、区民と向き合い語り合う機会や、地域包括ケアの実践やコーディネートの役割に振り向けていく、こういうことを目指すと御発言されました。区としてDX推進、業務効率化によりどれぐらいの人材を生み出していくのか、今後の目標を伺います。また、併せて地区への人員配置についてどのような想定をお持ちか、お考えをお聞かせください。
◎中村 副区長 昨年の決特で御答弁したとおり、DXの推進により生み出された人材や時間は、区民と向き合う、直接区民と接する業務に振り向けていくという考えに変わりはありません。
一方で、現段階ではDX推進は緒に就いたばかりであり、その業務効率によりどれだけ人員が生み出されるか、また、どれぐらいの目標数値を設定できるかを具体的にお示しするには至っておりません。
また、
まちづくりセンターを含めた地区への人員配置につきましては、既存の人員の中で、デジタル化により従来の定型業務を省力化した、その時間を区民の困り事相談ですとか、まちづくりの合意形成に、そういう対面業務に振り向けていくか、それとも人員を増員するのか、今後DXを加速して、全庁の定員管理をする中で判断をしてまいりたいと考えています。
◆つるみけんご 委員 昨日も、中村副区長の御答弁の中で、全庁一丸となって、DXの成果を地域行政の仕組みを通じて区民に還元できるようベストを尽くすというお言葉をいただいておりますので、ぜひこれを具体的に、目標等々も設定をされて、具体的に進めていただきたいと思います。
以上で終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは質問してまいりますが、まず、東京都が実証実験を行っているという警備関係のロボット、警備ロボと言うのですね。これは世田谷区も今DXを、事務系の事業を検討しているわけですが、事務系の事業だけではなくて、現業系の事業というのもたくさんあるわけで、その中で警備などは実務のある、現場のある事業で、こうしたこともDXというのか、デジタル化を取り入れて、今は外注している、委託事業でお願いしている部分もあると思うのですが、区の職員で警備職員というのはいらっしゃって、こういう機械警備とロボット警備などを組み合わせれば、正規の警備職員でシステム管理業務などをすれば、十分に警備ができるのではないかと考えるのですが、こうした取組の東京都がやっているということで、世田谷区も取り入れていけるのではないかと思いますが、検討していただきたいということなのですが、取りあえず今、警備で外注している金額というのはどれぐらいあるのでしょうか。
◎後藤 総務課長 現在、第二庁舎、土日・祝含む時間外の有人の警備と、分庁舎の機械警備で年間およそ七百万円となってございます。
◆あべ力也 委員 七百万円というのは毎年かかっているということで、特に休日などの警備は民間の警備事業者にお任せしているのではないかと思うのですが、こうした費用を機械警備の新たな構築であったり、こういうロボットを組み入れるとか、そういう新しい技術に投入して変更していくということが、私は求められていると思いますが、この点について世田谷区の考え方、東京都の今の状況のなども含めて検討していただきたいと思うのですが、今後の考え方はどうでしょうか。
◎桐山
庁舎管理担当課長 現庁舎におきましては、二十四時間体制で巡視による有人での警備を実施しております。一方で、新庁舎における施設管理事業者は、本年九月に事業者を選定する予定ですが、新庁舎の警備につきましては、令和五年七月末の一期棟竣工に合わせて設置する防災センターで制御可能な防犯カメラと人感センサーを用いた監視システムを導入する予定としておりまして、今後決定する施設管理事業者と新たな警備体制を構築してまいります。
委員より御紹介のあった警備ロボットのような、事業者から新しい提案でございまして、新庁舎における管理運営業務の品質及び効率性の確保に資する場合には、区と事業者との協議の中で、都の実証実験の結果も参考にしながら導入の有無を検討してまいりたいと考えております。
◆あべ力也 委員 ぜひ実施の可能性を探りながら、新しいことを取り入れていただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、外郭団体で委託事業者による情報漏えいがあったというようなことが委員会でも報告になりましたが、区としては外郭団体の個人情報の取扱いとかに関して、システムセキュリティーの現状把握がどのようになっているかと、今後のセキュリティーの構築に向けた考え方についても教えていただきたいと思います。
◎松本 政策企画課長 今回の被害を踏まえまして、区の全ての外郭団体の状況について確認をしましたが、御報告しました団体以外に、対象となる期間中に当該事業者と契約している団体はございませんでした。
今回の被害を含めまして、国内におけますサイバー攻撃によります被害が頻発している状況を踏まえ、サイバーセキュリティー対策の強化に関する庁内向けの通知を各外郭団体とも共有し、改めて注意喚起を図ったところであり、個人情報保護の徹底をはじめ、高いコンプライアンスの下で各団体が適正な管理運営を行われるよう、所管部とともに指導調整してまいります。
◆あべ力也 委員 区の本体のほうはイントラとかが整備をされていたり、それなりにセキュリティーに関しては強固な体制を取っていらっしゃって、あとクラウドですか、そういう環境にあるのですが、外郭団体はどうしても脆弱な部分があるのかなと思いますので、総点検をしていただいて、今回のような個人情報の流出は、特に委託業者から漏れるというようなことがないように、今後の考え方をしっかりまとめて、セキュリティーの強化に努めていただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、世田谷区の窓口業務で、私はこの点については何度も、ちょっと前はワンストップサービスと言って、区役所に来ていただいて、その一か所の窓口で行政サービスが完結するようなサービスをと言っていたのですが、もう今はこのDXということになって、役所で手続をするような業務に関しては、役所に来なくても全て完結すると。いわゆるノンストップサービスの充実というのですか、推進をぜひしていただいてということで申し上げておるわけであります。
オンラインサービスで、皆さんもネットバンキングなどで二十四時間利用できるというようなことで、役所も同じようにオンラインで二十四時間手続が可能だということになれば、区民に対するサービスも大変向上するわけですし、そういう役所のサービスをぜひ実現していただきたいと思うのですが、そうなったときに、そういうことになかなかついてこられない世代の方がいらっしゃると思うのですね。そういう世代の方や区民の方にスマホやPCのスキルアップの講習などをやる必要があると思うのですが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
◎松永 デジタル改革担当課長 来年度は、身近な
まちづくりセンターなどで
スマートフォン教室の実施を計画しているところでございます。
◆あべ力也 委員 ぜひ技術的な格差というもの、世代間の格差なども生じないように、皆さんがDXになじめるような環境をぜひ世田谷区としても構築していただきたい、そのためにスキルアップ講習などはぜひ今後も充実させていただきたいと要望しておきたいと思います。
以上で終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 災害対策について伺います。
初めに、区が本庁舎と玉川総合支所の二か所で展開している井戸水浄化プラントの水質管理についてです。
おととし九月の三定で、災害時、区の職員のみならず周辺住民にも安全な飲み水を提供できる同施設の水質管理については、水道法に定められた五十一項目だけではなく、国連が発がん性を指摘し、その使用を禁止したフッ素化合物等についても、国が定めた暫定目標値を参考に水質検査をするべきではないかと求めました。
この議会質問の二か月後、区は早速検査をしてくださって、二か所とも目標値のクリアが確認されましたが、災害時、断水時は、近隣住民も含めて数万人分の安全な飲み水を提供する施設ですので、一度きりの検査ではなく、今後も継続的に検査はしていくべきだろうと考えております。
ちなみに、東京都の水道局では三か月に一度の検査をしているそうです。世田谷でも、一度で途切れたままのこの検査、一定間隔で再開されてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
◎長谷川 災害対策課長 令和二年度におきまして有機フッ素化合物の検査を行い、基準値をクリアしていることを確認しております。その後、定期的な検査の対象とするかについては、国や都の動向を踏まえながら検討を行ってまいりました。
昨年度、環境省が水循環における存在状況を確認するための全国調査が行われました。昨年六月、その結果が取りまとめられましたが、これによりますと、調査対象となっている井戸のうち、近隣区の検査結果では、基準値を超える有機フッ素化合物が検出をされております。
過去、水道局は、有機フッ素化合物が基準値を超えた場合、水道水としての供給を中止するなどの判断をしております。区としても定期的な検査を行い、この物質の存在状況を把握しておく必要があると考えております。区としては、災害時の区民への飲料水の供給のためにも、引き続き安全性を担保できるよう水質の確認を行ってまいります。
◆上川あや 委員 ぜひお願いいたします。
続きまして、事件、事故、災害時の安否確認についてです。
パートナーの安否が分からない状態になったとき、私は家族として消息を教えてもらえるのだろうか、これは多くの同性カップルに共通する不安です。同性パートナーは、同居はできますが、現行法の下では結婚はできません。この状態を昨年三月の札幌地裁の判決は、差別的扱いであるとして、国の事務について憲法十四条違反、立法権ということもあるのですが、認めましたが、なお裁判は続行中で、国レベルでの平等取扱いの原理原則というものはないままです。
こうした中、区は性的指向での差別を禁じる区条例を持ち、事実上の婚姻関係、いわゆる内縁関係に異性も同性もないという公式見解を持っておりますが、もしものとき、世田谷区においては、同性パートナーも異性のパートナーと同様、最も身近な家族として安否確認に応じていただけるでしょうか。
◎長谷川
災害対策課長 災害対策における各取組におきましては、同居する同性パートナー、これは異性パートナーと同様に、同居親族として扱うことを基本として考えております。
安否確認につきましても、同居して暮らす同性パートナーにあっては、互いを最も身近なパートナー、家族とする心情、またその生活実態においても、男女の事実婚と相違はなく、また災害時や互いの安否を知りたい、自分何かあれば相手に知らせてほしいと願うこと、これはパートナーの性別による差異はないものと考えております。
同性間では婚姻できない状況下で、区のパートナーシップ宣言の宣誓者にあっては、区長に対し明確に、互いを人生のパートナーとして暮らすことの宣誓をしておりまして、その意思は明確でございます。パートナーの性別を理由に、安否情報の扱いを変えること、この合理性はないものと考えます。
災害対策基本法施行令では、安否確認に当たり個人情報を不必要に漏えい、悪用することを防ぐための各種規定が設けられており、区は規定にのっとった適切な運用を図りつつ、性的指向を理由に不当な差別的取扱いを行わない世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨に従い、御本人方が望む人道的な対処、支援をお話しの事務においても心がけてまいります。
◆上川あや 委員 期待したとおりのお答えで、大変ありがたいのですが、実際に災害が起きたとき、混乱のさなかで、時々の担当者で、その対応が変わってしまうようでは困ると思っています。この点、ぶれのないようにできる担保の策はないでしょうか。
◎長谷川
災害対策課長 事前に災害時における業務計画、これは各種の計画を定めておりますが、こうした営業マニュアルの中に今後盛り込んでまいります。
また、発災後の事態の推移に合わせまして、ポイントごとに事務事業の執行上の注意点、全庁で統一した周知や確認を行う必要がございます。こうした際に改めて、同性パートナーをはじめ要配慮者への配慮ですとか、その他人権に配慮した取扱いについて再確認を行うといったことで混乱時でも判断に揺らぎが生じないよう努めてまいります。
◆上川あや 委員 続けて、避難所における同性カップルの扱いについてです。
区の避難所運営マニュアルには、性的マイノリティーに関する項目も既にありまして、全国的に見ても、その記述の時期は早くて、内容も比較的充実していると感じております。
一方で、その中身を細かく見ていきますと、具体的な支援というのは、トランスジェンダーに多くあり、一方で同性カップルに配慮した記述というのが乏しいなと感じます。
とはいえ、避難所運営マニュアルに見る避難者カードなどでは、世帯別と個人別と二種類に分かれておりまして、前者が世帯別では、法的親族であるかを問うていませんし、個人的なカードでも付添い家族の欄は自由記載となっています。つまり、一見するところ同性パートナーも同一世帯、一つの家族として記述ができ、ほかの家族と同様に扱ってもらえるのではないかと期待を抱かせる内容になっています。
配給カードについても、代表者名にその他の名前を書き連ね、配給場所でも、カードに名前が書かれている方が家族分の配給品を受け取れますとありますので、同性カップルとその子らもまとめて配給を受けられると考えるのですが、この点はいかがですか。
◎長谷川
災害対策課長 御指摘のとおり、同性カップルにつきましても異性カップルと変わらず、家族と同様に同じ世帯、付添い家族として、また支援物資の配付に当たっても家族として扱ってまいります。
◆上川あや 委員 ありがとうございます。先ほどの質問と同じなのですが、これもしっかり明文化して担保していただきたいのですが、一言いただければ。
◎長谷川
災害対策課長 避難所運営マニュアルの改定を考えておりまして、この際に合わせて盛り込んでまいります。
◆上川あや 委員 ありがとうございます。男女の夫婦に比べて過剰な保護や特別な待遇を求めるものではなく、平等ということですので、ぜひ平等対処をお願いいたします。
終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時十一分休憩
──────────────────
午後三時三十分開議
○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、SETAGAYA Free Wi―Fiについてお伺いいたします。
平成二十七年から幾度か観光、地域活性、災害の観点から、避難所や公共施設など、区内全体への地域Wi―Fiの整備を質問してまいりました。現在、SETAGAYA Free Wi―Fiが整備をされ、多くの方に利用をされております。まず、現在の設置箇所についてお伺いをいたします。
◎松本 政策企画課長 現在、SETAGAYA Free Wi―Fiは、本庁舎や各総合支所、
まちづくりセンター等の庁舎に加え、総合運動場や区立公園、区内主要駅周辺等の生活・文化拠点に五十五施設、また、災害時のみ使用可能なものとしまして、避難所である区立小中学校等の九十四施設、合計百四十九施設に設置をしております。
◆ひうち優子 委員 次に、私のところにSETAGAYA Free Wi―Fiがつながりにくいという声を多くいただきます。私も実際に使っていますが、すぐに切れてしまったり、電波が悪かったりと、確かに場所によってつながりにくい状況です。
つながりにくさの現状を区は把握していらっしゃるのか、また、今後の改善についてお伺いします。また、セキュリティーについてはどのように対策を取っているのか、併せて伺います。
◎松本 政策企画課長 つながりにくいといった利用者からの御意見につきましては、委託事業者によりますコールセンターからの月次報告、それから施設管理者からの問合せ等を通じまして把握をしているところです。
これらの改善策としましては、設置したWi―Fi設置機器との距離や周辺環境によって接続に影響が出る可能性もあることから、より詳細な接続範囲の周知を図るなど、施設所管課とともに検証を行ってまいります。
SETAGAYA Free Wi―Fiは、簡単に御利用いただけるように通信暗号方式の使用はしておりませんが、電気通信事業法等に基づき、セキュリティーパッチやウイルス対策、不正アクセスの防止等における対策を確実に実施するよう講じております。
セキュリティー対策は、常に最新のセキュリティー脅威への対応が求められるため、定期的な検証を行いまして、必要に応じた適切な見直し等を行うなど、利用者の個人情報保護を徹底するよう、委託事業者と協議をしてまいります。
◆ひうち優子 委員 SETAGAYA Free Wi―Fiがより使いやすくなるように改善していただきたいことを要望いたします。
次に、インボイス制度について伺います。
二〇二三年十月一日より、いよいよ我が国の消費税も、帳簿方式から世界標準であるインボイス方式に移行します。インボイス方式は、税法上は適格請求書方式と呼ばれていますが、適格請求書を発行できるのは、適格請求書発行事業者に限られ、この適格請求書発行事業者になるためには、適格請求書発行事業者登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。この手続は昨年十月一日から開始されましたが、ここで次の四点に注意が必要です。
(1)現在課税事業者であっても、この申請登録手続が必要。
(2)簡易課税事業者の場合、仕入れ先から受け取った適格請求書を仕入れ税額控除のために使用することはないが、自社が適格請求書を発行するためには、この申請登録手続が必要。
(3)現在、課税売上げ一千万円以下の事業者で、免税事業者である場合については、適格請求書を発行するためには、課税事業者選択届だけでは不十分であり、適格請求書発行事業者登録申請書を提出し、登録を受けることが必要。
(4)新制度開始初日から適格請求書を発行するためには、半年前の二〇二三年三月三十一日までに所轄の税務署に申請書の提出が必要。
インボイス制度の導入によって、これまで年間売上げが一千万円以下の免税事業者は、引き続き免税事業者のままでいるのか、課税事業者になって消費税の納税義務を負うのかを選択する必要が出てきます。今までどおり免税事業者のままでいると、仕入れにかかる消費税を控除するためのインボイスが発行できないため、取引先が仕入れ額控除ができなくなり、取引から外れる可能性があり、免税事業者の中小企業にとっては大きな痛手となります。
ここで二点質問いたします。
一点目、コロナ禍、世間の注目を集めることは少ないが、これは重要な制度改革であり、事業者にとっては非常にインパクトが大きい制度改革です。区としても区内の法人や個人事業主に対して情報を提供し、注意喚起する必要があると考えられますが、今後どのような広報をしていくのか、お伺いをいたします。
◎山戸 広報広聴課長 インボイス制度については、産業振興公社による経営支援セミナー「導入で何が変わる?インボイス制度」が、区内の中小事業者や創業予定の方を対象に、本年二月十七日に開催されました。このセミナー開催に当たり、「区のおしらせ」二月一日号で周知をしたところです。
今後も、制度内容の理解を深めてもらえるよう、関係所管とも共有し、「区のおしらせ」をはじめとした様々な広報媒体において適切に広報し、周知を行ってまいります。
◆ひうち優子 委員 よろしくお願いします。
一方で、区役所にとっても多大な影響が生じます。現在、消費税法第六十条第六項により、区役所は売上げにかかる消費税と同額を仕入れに係る消費税額として控除されるため、消費税を納める必要がありません。しかし、来年十月からは、事業者や区民が区に払う公共施設や運動施設、美術館などの入場料や使用料、駐車料金、公有財産の売却や貸付けなど、法律によって消費税が非課税とされている以外の収入に対して、求められれば、税額が明示されたインボイスを発行する必要が生じます。
また、インボイスを発行するためには、会計ごとに税務署に申請して登録事業者になることが必要です。
さらに、仮に国民健康保険事業会計などの特別会計に、先ほど申し上げた課税対象収入があれば、世田谷区も新たに消費税の課税事業者となります。場合によっては、インボイス制度に対応したレジの導入や新たなシステムの導入が必要となる可能性があります。
そこで、世田谷区の準備状況についてお伺いをいたします。
◎五十嵐 財政課長 区といたしましても、インボイス、適格請求書の発行や、発行事業所としての登録手続、また、新たな財政負担が生じる可能性など、制度の導入により様々な対応が必要となることが考えられますが、まずは区における影響の全体像を把握し、庁内の役割分担を含め、今後、準備を進めてまいります。
◆ひうち優子 委員 世田谷区全体に影響がある大きな制度なので、検討の中心となる所管をしっかりと決めて、しっかりと準備をすることを要望いたしまして、質問を終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
────────────────────
○菅沼つとむ 委員長 引き続き、Setagayaあらた、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 本会議の続きで、SDGs関連で、今日はその推進体制、組織体制というところについて伺いたいと思います。
昨日の総括質疑では、SDGsのうちの環境と経済という話をしまして、経済産業部の方側からの御答弁で、いずれ環境にしても経済にしても、副区長は同じ方だったので、副区長に伺ったのですが、やはりいろいろな部署にまたがって実施されているというのが、どうしてもこのSDGsという幅広い概念でありますので、そういう実態になるわけですが、では、どうやってその推進をしていくか、その体制をどうするかと考えたときに、今、当区で言うと、やはり環境政策部が大体メインでやっていて、実際の大きな計画そのものですと、政策企画というところがやっていらっしゃるというような状況で、政策企画は、すごくいろいろなことを、今日の御答弁とかを見ていても、もうあれもこれもどれも同じ方が答えていらっしゃるというような状況でありますので、やはりこのSDGsの部分は、次期基本計画に向けて、先日も、その評価もやってほしいということを申し上げたのですが、少し推進していく体制として、政策企画の中に、ほかに担う方がいてもいいのかなと考えますが、お考えを聞きたいと思います。
◎松本 政策企画課長 SDGsの全庁推進役は、引き続き政策経営部が担ってまいります。本年四月一日付組織改正では、政策経営部に計画担当の副参事を設置する予定でございまして、未来つながるプランの進捗管理や次期基本計画検討の視点からも、副参事には、ともに横串を刺していく役割を担ってもらえばと考えております。
また、各所管と、それぞれゴールを意識しまして、所管のほうには実務の推進役を担っていただきますので、庁内が連携してSDGsに取り組めればと考えております。
◆佐藤美樹 委員 今回、どのようにそれぞれの、例えば行政、自治体であったり民間であったりがこのSDGsということに取り組んでいるかなと、組織体制のところを見てみたのですが、民間で言うと、例えば、いち早く紙ストローの導入をしたスターバックスとかですと、マーケティング本部というところの下にソーシャルインパクトという組織を置いて、だけど、やはりその中の人に聞きますと、どうしてもそこだけでは、いろいろな取組をリードしていくには足りないので、その体制面では、すごく試行錯誤をしていますということをおっしゃっていました。
あと、自治体でも、ちょっと自分もそんなに調べ切れたわけではないですが、やはり当区で言う環境政策部的なところか、あるいは政策企画的なところがやっているところがほとんどでありました。やはり組織体制はすごく難しいのだろうなと思いますが、機動的に、機能的に、効果的に行くように、私も見ていきたいなと思います。
次に、違うテーマになりまして、官民連携について伺いたいです。
これまでも官民連携のことは何度か取り上げてきまして、今回、先日の企画総務委員会で報告のあった実績のほうを拝見させていただいたのですが、このコロナ禍もあって、コロナ前よりは大分企業からの提案型の案件の件数も増えたなと、今年が、検討した件数八十五件と、民間からの提案の実績としては五十八件というのが上がってきていて、内容もバリエーションにはすごく富んでいるなとぱっと見、思うんです。
一方で、区のほうがこのテーマについて、民間からの提案を受けたいですと投げて、テーマ設定型と言われるところは、今年も四件で、うち一件は民間から手が挙がらなかったというような状況があって、少しそのテーマ設定のところが、これは件数だけの話ではないですが、芳しくないのかなというような印象もありますが、どのように見ていらっしゃるか、来年度に向けてについても併せて伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 テーマ設定型につきましては、区側からテーマを明らかにして、企業などに連携の提案を募集しておりまして、これまでに、区有地を活用したキッチンカーなどの移動販売の実証実験、それから空き家所有者と事業者とをマッチングするシステムの構築などを実施してまいりました。
現在、区のホームページとか民間の企業マッチングサイト、ビズクリエイトというのがございますが、これを活用して情報発信を行っています。庁内にさらに浸透を図りまして活用を増やしていきたいと認識しているところでございます。
テーマ設定型による官民連携の取組を拡大して成果を得るためには、解決するべき行政課題や、区から民間企業に求めているものを、企業の立場に立って分かりやすく整理をし、理解を得るということが重要であろうと考えております。そのために企業の率直な意見を聞く、それから他の自治体の取組を研究し、有効なものを取り入れるなどいたしまして改善図ってまいります。
その上で、民間企業が多く接触する官民連携プラットフォームなどを十分活用して、訴求力、発信力を強化し、区民サービスの向上に資する取組を構築してまいります。
◆佐藤美樹 委員 他の自治体の事例も研究していらっしゃるということでしたが、これもかねてから言っている点ではあるのですが、官民連携に期待したい、区として弱い部分というのですかね、区だけでやるのに、民間がやったほうがよい成果が出せるという分野は、やはりDXの部分だと見ています。
DXのテーマにおいて、官民連携のところに企業からのオファーをしてもらうというような流れがあるといいなと思うのですが、ちょっとこれもまたいろいろ見てみたら、やはりいろいろな事例が上がっていて、例えばサイボウズという業務改善ソフトとかの会社が神戸市とか、楽天が愛媛で、やはりこれはデジタルデバイドの対策をやっているのですが、こういったところの事例を区としてもどんどん増やしていただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 オンラインによる行政手続をはじめとしまして、デジタル技術を活用した行政サービスの拡充など、変容する区民生活に応じた新たなサービスの構築とデジタルデバイド対策は両輪で取り組むべきものと認識しております。デジタルツールを使いこなせる方と、使えない人の格差に配慮をして、誰一人取り残さない社会の実現に向けて取組を強化する必要がございます。
携帯電話の通信事業者の取組として、スマホ教室を開催している事例などもありますので、身近な地域での
スマートフォン講座をテーマに連携企業を募集するなど、互いの課題とリソースを持ち寄って、官民で対話を行いながら対策に寄与する取組を構築し、課題解決を図っていきます。
○菅沼つとむ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。
────────────────────
○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 本日も予算について質疑をします。
一度中身から離れて表紙に戻ると、二〇二〇年度、令和二年度までは、元号とともに西暦の表記もありましたが、今年度二〇二一年度からは表記が消え、二〇二二年度、来年度も令和四年度との表記のみが記されています。
今回改めて三十年間の予算を比較をして議論をするに当たり、二十年度と言っても、それが平成なのか二〇二〇年度なのか、極めて扱いづらく、また、平成二十年が、現在令和四年から一体何年前なのか、即座に把握することも難しく、今回は、私が自分が生まれた頃の予算書をあさっているように、未来にわたって利用されることを考えると、理解のしやすさという点でも、せめて表紙ぐらいは再度、西暦を併記できないか伺います。
◎五十嵐 財政課長 予算書の西暦併記につきましては、総務省による改元に伴う元号による年表示の取扱い等に基づきまして、令和元年度予算から表記を令和としまして、当面の対応として、表紙に西暦の併記を行ってきたところでありますが、御指摘の過去を振り返った際の分かりやすさなどを踏まえ、今後、作成する予算書へ西暦併記を行ってまいります。
◆そのべせいや 委員 中身に戻りまして、これまで区の予算拡大については、お示しをしたとおりですが、歳入を見ると、一般財源は千六百億円から五百七十億円増でプラス三五%の一方、特定財源が六百五十億円から五百二十億円弱の増、プラス八〇%と、特定財源の割合が増えています。
三十年で増えた一般財源五百七十億円と土木費の削減分二百十億円でどんな事業が展開されたか見てみると、民生費五百億円、清掃九十億円、人件費六十億円、特別区債の償還五十五億円の増で約九割、世田谷区が三十年で増えた財源で取り組んできた主要な事業も、福祉と、二〇〇〇年に都より移管をされたごみの処理ということが分かります。
もう一段階、民生費を深く見ると、保育分野について増えた四百六億円のうち、特定財源二百二億円、過半数を上回る二百四億円が一般財源です。
その他児童福祉費の中でも、子ども医療費助成、児童手当についてもそれぞれ一般財源三十億円増、また、生活保護費については一般財源四十億円増、特別会計繰出金は一般財源百八十億円増、ここまで足し合わせると四百九十億円弱と、民生費のプラス五百億円の正体をおおむね説明できます。
確かに一般財源が増えた三十年で、本来はできることも増えますが、一般財源増で様々な自主事業や将来投資が増えた三十年というよりは、増大する福祉に対応し続けた三十年であったと捉えています。
翻って次の三十年を考えると、日本全体の六十五歳以上人口のピークが二〇四二年、二十年後であることはよく知られていますが、世田谷区の推計では、区の有する人口推計は二〇四二年までとなっており、もちろん六十五歳以上人口は増加の一途をたどります。
そこで、東京都が昨年三月に策定をした「未来の東京」戦略という総合計画で示した人口推計を見ると、二〇五〇年頃が東京都における六十五歳以上人口のピークで、今後約三十年間は、本来一般会計の外側である特別会計への繰り出しに区の財政がさらに疲弊をすることとなります。
現在の繰出金が今後も毎年六・五億円ペースで増加が見込まれるようですが、現在、繰出金の八四%が一般財源であることを鑑みて、今後毎年一般財源から五億円ずつ増えていくとすると、十年後には現在の水準の五十億円、三十年後で百五十億円増となります。
毎年少しずつ財政へのインパクトが生じるだけでなく、金額を積み上げると、向こう三十年、ピークに達するまでだけでも足し合わせると二千三百二十五億円かかる計算になります。
既に下の世代に支えてもらうような他人頼みの国の制度のせいで、若い段階で未来に希望が持てない、人生を諦めざるを得ない人たちが増えていることも鑑みて、今からでもできる限り、あってもなくても生活に支障が出ない、また既に民間やオンライン、シェアエコノミーなどで代替できる区民サービスは廃止、簡素化し、現在の世代が稼いだ税収を将来の自分たちの福祉予算に対して確保することで、将来世代への負担の軽減を区という単位でも進められないかと考えています。
仮に一般財源が横ばい、あるいは減少しても、今後の特別会計への繰出金のさらなる拡大に耐えられるよう、基金へ積み立てたり投資をしたりと、自分の世代の社会福祉を自分の世代の税金で今から備えることはできないのでしょうか。
◎五十嵐 財政課長 先般お示ししました中期財政見通しにおきましては、後期高齢者医療会計、介護保険事業会計など特別会計への繰出金は、令和五年度以降六・五億円ずつ増加を見込んでおります。
仮にこのペースで中期財政見通し以降も増加を続けた場合、区財政に与える影響は甚大なものになると想定されます。
後期高齢者医療制度、介護保険制度ともに、法律により地方自治体の負担割合が定められているものでありまして、委員お話しの、現時点から基金などに積み立てを行い、将来に備えるということは、制度趣旨、それから将来負担の公平性を鑑みると、困難なものであると考えております。
今後、さらなる高齢者人口の増加により、制度の維持が財政的に困難な状況になるということであれば、まずは制度設計者である国において解決に向け取り組むべき課題であると認識しております。
◆そのべせいや 委員 ここで税収確保について、これまでも、ふるさと納税で楽天ポイントや、せたがやPayのポイントを付与できないかと、ふるさと納税減収への対抗策への質問を繰り返していますが、一般的なふるさと納税と異なる切り口で寄附の拡大が進められないか、伺います。
世田谷ゆかりの高額納税者への営業ができないかということです。世田谷にゆかりがあり、かつ現在、世界にお住まいでない高額納税者と思われる有名人をリストアップして、区役所としてアポイントを取れないでしょうか。
先日、上場益を得た起業家の方が、せっかくの機会などで、出身の自治体に寄附をしたという話を耳にしました。
有名な話では、先日、宇宙旅行でも話題になったZOZOTOWNの創業者、前澤友作氏は、毎年十億円単位でふるさと納税をされているようで、二〇一九年には、地元の千葉県内で台風被害に遭った館山市に二十億円の寄附をされ、前澤友作館山応援基金となり、二〇二〇年、二〇二一年は、全国各地の観光支援に寄附をされているようです。
広い世田谷であれば、世田谷にゆかりのある上場益を得た起業家、投資家、スポーツ選手、アーティストなど、億単位でお住まいの自治体へ納税をされている方も何十人かはいらっしゃるのではないでしょうか。
そうした方へ直接連絡を取り、例えば出身者であれば、教育基金や子ども基金への寄附、文化人であれば、文化振興基金への寄附、スポーツ選手であれば、スポーツ振興基金への寄附といったように、対象に合わせたプランを提案をし、場合によっては、寄附金で実施をされた事業や物にその方の名前をつけさせていただいたり、区長や子どもたちから感謝状を贈呈したりと、返礼品競争とは異なる名誉的なインセンティブで、ふるさと納税制度での寄附の拡大ができないでしょうか伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 地方財政法に割当て的寄附を禁ずる規定がございまして、区が区民に寄附を強制することはできません。区民でない方にお願いをするという場合には、この対象とは異なりますが、元来、寄附金は自発的、任意的であるべきという法の趣旨に鑑みますれば、特定の方に対する直接的な働きかけには慎重であるべきと考えます。
受け止める側に響くような効果的な広報を展開し、自発的な寄附の動機となるよう工夫してまいります。
今年度、百万円以上の寄附はかなりございまして、感謝状の贈呈等をしております。御厚意をきちんと顕彰することが大切と考えております。
◆そのべせいや 委員 ほかにも、時間の関係上、要望だけにしますが、以前、中塚委員も提案をされていましたが、今後増えていく法定相続人のいない方の遺贈ということも、ぜひ進めていただきたいです。ウェブサイトで検索すると、ほかの自治体の案内なども出てきます。ぜひ積極的な寄附の確保に努めていただければと要望して終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。
◆神尾りさ 委員 昨今、区政における課題が複雑化していて、一つの部署では対応し切れない課題というのが増えています。これまでも、区では幾つもの部署が連携して課題を解決するための仕組みを構築してきたと思いますが、まずはそういった横串を刺して検討してきた体制や事例などについて、どのようなものがあったのか伺います。
◎松本 政策企画課長 現在の基本計画では、マッチングによる政策の推進を掲げ、この間、庁内各部の垣根を越えた連携による政策の形成や施策の推進のため、部長会や各種本部会議、庁内検討委員会、あるいはプロジェクトチームの結成などを通じ、全庁で課題を共有しながら取組を進めてまいりました。
例えば、保育待機児対策本部や本庁舎等整備推進委員会など、特定の課題に対し全庁横断的な課題解決に取り組んでまいりました。
また、コロナ禍の対応におきましても、保健所の体制強化やワクチン接種など、組織改正や勤務訓練による体制強化を図るとともに、全庁的な応援体制を組むなど、柔軟に取り組んできたところです。
社会状況や区民の暮らしが急激に変化していく中で、これまで以上に区民サービスが多様化してまいります。また、SDGsでは、経済、社会、環境の調和が重要視されるなど、特定の分野にとらわれない複合的な視点で物事を捉えていく必要性が増しております。
区民サービスのさらなる向上、複合的な課題解決のため、政策経営部としても、さらなる施策の横展開を促し、より効率的な、効果的な政策の形成や推進に努めてまいります。
◆神尾りさ 委員 今お答えいただいた仕組みというのが、効果的に区政に反映されるためには、担当所管がいて、それ以外の部署はお客様という意識ではなく、携わる一人一人が主体的に意見を出し、行動することが求められます。
そこで、そういったプロジェクトチーム等の体制が有効に機能していくためには何が必要と考えるのか、伺います。
◎松本 政策企画課長 委員御指摘のとおり、プロジェクトチームや検討委員会の結成などは、それぞれの課題に応じて幾つか行われてきておりますが、事務局に負担が偏る、定期的な情報共有にとどまり、十分な連携ができていないなど、課題もあるところと認識しております。プロジェクトチームなどに求められるものは、メンバー間での日常的な意見交換や、組織を超えた共同事業実施などであり、これらを実現していくためには、目的や目標、役割を明確にしていくとともに、物理的な環境、人事組織体制の在り方など、幾つもの障壁を取り除いていかなければならないと考えております。
デジタル技術の活用により、時間や場所にとらわれず、双方向のリアルタイムでの議論が可能となる環境を整えるとともに、突発的な課題に応じた混成チームを即座に立ち上げ、また、そうしたチームとしての成果を評価していくことが大事であり、より機動的な対応が可能なアジャイル型組織への転換が必要であると考えております。
◆神尾りさ 委員 今あった、実行しながらどんどん改善を加えていく機動的な組織という意味の、アジャイル型組織に転換していくためには、プロジェクトチームの取組をきちんと評価できる仕組みにする必要があると考えます。
この間、民間のマイクロソフト社では、人事評価制度を新しくし、コミットメントの評価から、インパクトを評価する仕組みに変えました。例えば広報担当だとしたら、PRの回数ではなくて、どれだけ見る人にインパクトを与えられたかというのが評価されます。このインパクトには、個人の成果、他者の成功への貢献、他者の知見の活用などが含まれます。
ここで言う他者への貢献というのが、区政においてはプロジェクトチーム等への貢献に置き換えられるのではないでしょうか。そして、その貢献度がしっかりと職員の評価に反映される仕組みでなければ、本当の意味で組織を変えることはできないのではないでしょうか。
現在の人事考課制度は、十年以上前に導入されました。職員を評価している人事評価票、この項目も長い間変更されていないようです。この間、区政や職員に求められるものは大きく変化しています。職員の他者への貢献度、そして自分の領域を超えて能力を生かす積極的な姿勢を評価できる仕組みに変更し、また、そのことを、管理職を通して全職員に周知する必要があると考えます。見解を伺います。
◎好永 人事課長 区では、職員一人一人の能力や業績を適正に評価し、その努力や成果に報いるため、平成十九年四月に昇給制度と連動した一般職員の人事考課制度を導入いたしました。その後、人事評価票など制度本体の仕組みについては変更しておりません。
評価の項目は大きく業績、能力、態度の三つに分かれており、現制度におきましては、他者への貢献は、職員の態度評価の中の積極性として評価することは可能ですが、具体的な評価指標としては明示されておりません。
職員が様々な課題に対応するためには、その時々に求められる能力、資質に備える必要があり、また、委員御指摘の組織を超えた職員の連携も重要であると考えます。
人事考課制度が時代の変化に的確に対応できる人材の育成に有効な仕組みとなるよう、御指摘の点を踏まえ、評価の視点をアップデートしてまいります。
◆神尾りさ 委員 昨年度の
予算特別委員会では、上司から部下への通常の評価というのに加えて、部下から上司、同僚、他部署、そして自分自身の評価をするという三百六十度評価の導入を提案しました。今回の他者への貢献、そして協働を評価する仕組みというのも踏まえて、見直す必要があるのではないかと考えます。
先ほどのマイクロソフト社のオフィスに掲示されているというスローガンを紹介させていただきます。社員の成長姿勢を促すために、①挫折に立ち向かう、②失敗は成長に不可欠と考える、③批判から学ぶ、④他人の成功から教訓とアイデアを得る、そして⑤すぐに挑戦する、こういったスローガンが掲げられているそうです。
官民問わず、時代が求めるのは、こういった人材であると考えます。区の人材育成方針もこれまで十年以上変わっておらず、時代が変わっているのに、区が職員に求める指針が変わらないのはおかしいのではないでしょうか。改定の必要があると考えますが、見解を伺います。
◎好永 人事課長 今後ますます複雑多様化かつ増大していく行政需要に的確に対応していくためには、より高度な専門知識や能力を持った職員や、民間や区民との連携協働により公共サービスを生み出す折衝力や調整力を持った職員を育成していく必要がございます。
また、時代の急速な変化を捉えながら、スピード感を持って対応していくためには、既存の組織を超えた横断的な取組がこれまで以上に重要になってまいります。
こうしたことから、来年度中、人材育成方針の改定に向け、現在、課題の洗い出しを行っております。改定に当たりましては、現在の方針に掲げる基本的な理念や考え方を継承しつつも、職員が課題に向き合う姿勢など、時代の変化に即した意識面の改革も重要になってまいりますので、こうした視点を取り入れながら検討を進めてまいります。
◆神尾りさ 委員 機動性を持って進めていただくことを要望いたします。
以上で終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。
◆くりはら博之 委員 私からは、災害対策に関する区民周知についてお伺いいたします。
まずは、在宅時の震災対策について伺います。コロナ前と比べて、私たちが在宅で過ごす時間は格段に長くなっており、この傾向はしばらく続くものと思われます。大地震が発生した場合、自宅で被災する可能性があるわけですから、できる限り対策を推奨するべきです。
例えば、家具類の転倒防止対策やガラスの飛散防止対策などは以前から言われていることですが、どのようにして区は啓発しておりますか。また、どれくらいの家庭で実施されているか、区は把握しているのでしょうか、お伺いいたします。
◎若松 危機管理部副参事 自宅における家具類の転倒や窓ガラスの破損を未然に防止する対策を講ずることは、コロナ禍において、在宅避難を呼びかけている区といたしましても非常に重要な自助の取組の一つであると考えております。
委員からお話のありました家具類の転倒防止やガラス飛散防止対策については、震災時区民行動マニュアルマップ版や、せたがや防災などの啓発物での呼びかけを行っております。
あわせて、区では区民向け防災用品あっせんの品目に家具類転倒防止器具を掲載し、自宅での対策を呼びかけております。
家具類転倒防止器具やガラス飛散防止物品は、ホームセンター等でも販売をされており、区民の皆様の購入状況や対策の実施状況を把握するところまでは至っておりませんが、引き続き自助の取組である、自宅における震災対策の重要性について各種広報媒体を通じて周知啓発していくとともに、器具の設置の促進に関しましては、関係所管と連携して取り組んでまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。東日本大震災における災害の原因の半数以上が電気関係という調査結果があります。区でも感震ブレーカーの設置を推奨しておりますが、どのようにして啓発されているのでしょうか。また、区内の設置割合を把握しているのか、お伺いいたします。
◎若松 危機管理部副参事 お話にありましたとおり、東日本大震災では、火災原因の半数以上が電気関係によるものでした。その中でも、地震による停電の発生後、通電が再開された際に起こる火災が多かったという調査結果もございます。
区では、震災時の電気火災対策をチラシの配布等により呼びかけ、併せて感震ブレーカー設置工事のあっせんも行っております。
また、先ほど答弁いたしました区民向け防災用品あっせんの品目の中に、自身で取付け可能な簡易タイプの感震ブレーカーを掲載することで、さらなる普及促進に努めているところです。
区内の設置割合については、区のあっせんによる設置、販売実績数の把握にとどまり、全体の割合を把握するところまでは至っておりませんが、引き続き震災時における電気火災対策の重要性について、各種広報媒体を通じて周知啓発を図るとともに、関係所管と連携した上で、建物の耐震化や家具類転倒防止と併せて、感震ブレーカーの普及促進に努めてまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。少しの備えで命が助かる確率が増えるわけですから、今後とも効果的な啓発をお願いいたします。
さて、災害時の情報伝達については、様々な手段を確保することが大切です。防災無線をはじめ、災害・防犯情報メールサービス、区公式ツイッター、エフエム世田谷などで情報提供をしているようですが、LINEの活用についてはどのようにお考えでしょうか。
また、区ホームページでは区公式LINEや、災害対策のホームページが見つけづらい構成になっておりますが、その点についてどのようにお考えでしょうか、見解をお伺いいたします。
◎若松 危機管理部副参事 区では、災害時の情報伝達方法として、防災行政無線や災害防犯情報メール、区ホームページ、ツイッター、緊急速報メール、エフエム世田谷など様々な情報発信ツールにより災害情報をお伝えしております。また、高齢者をはじめとした区民の皆様にとって一番身近な情報収集手段となるテレビのdボタンの活用についても周知啓発に努めております。
委員お話しのLINEの活用につきましては、昨年十二月より世田谷区LINE公式アカウントにおいて、区内の気象情報や災害に伴う被害状況等を案内する防災メニューを常設いたしました。
こうした災害対策に関する情報につきましては、区ホームページでも見つけやすいように工夫をしてまいります。
災害時における区民の皆様への情報発信に際しては、今後も引き続き重層的な手段の確保に努めるとともに、災害時における迅速かつ正確な情報発信に取り組んでまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。様々な媒体で情報提供していくことに加え、正確かつ速やかに同じ情報を伝えていくことが大切です。
大阪市では、様々な媒体に一斉に情報を伝えることができる災害情報一斉配信システムを令和二年四月に導入し、ケーブルテレビや通信機能付のガス警報器を介して情報配信することで、携帯電話を持たない方にも情報提供できるよう工夫しています。
区でもケーブルテレビ会社やガス事業者などと連携し、幅広いチャンネルを活用して災害情報を伝達することを検討してみてはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。
◎若松 危機管理部副参事 区は、ケーブルテレビ事業者であるイッツ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社ジェイコム東京と、災害時における情報発信について協力協定を締結しております。災害時には、
区災害対策本部に集約された情報を基に、各社へ情報発信を要請し、区民に必要な情報を届けることとしております。
区といたしましては、引き続き情報発信手段の重層化を図るとともに、区民一人一人に合った情報収集手段の方法を選択いただけるよう周知徹底に努めてまいります。あわせて、ガス事業者等と連携した情報発信などにつきましても、他自治体の事例を参考に調査研究を進めてまいります。
◆くりはら博之 委員 以上で私からの質問を終わりにいたします。
○菅沼つとむ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 区内で痛ましい犠牲者を出す火災が続いています。火災は泥棒と違って、それまでの人生や生活、財産、大切な人まで根こそぎ奪っています。
私の長男の同級生のお母さんが、二月一日午前三時頃、火災でお亡くなりになりました。心より御冥福をお祈り申し上げます。
これは北沢地域の出来事です。PTAの役員を務められた、また、地域の活動に熱心に取り組まれてきた方です。御主人の介護などをしながら生活をされていたということで、様々な理由から逃げ遅れてしまったのではないかと思います。改めて火災の恐ろしさを感じるとともに、もうこのような悲しい出来事を繰り返してはいけないと強く思っています。
消防署をはじめ、消防団や各町会も火災予防に懸命に取り組んでいます。区も含めて一丸となって火災予防に取り組んでいかなければなりません。
それと同時に、消火活動のさらなる強化を求めていきたいと思います。火災予防に全力を尽くし、その上で、区民の生命と財産を守る最後のとりでが消防による消火活動です。中でも地域住民により構成される、地域に密着した消防団は、まさに地域の消防力の要であります。
しかしながら、なかなか消防団のなり手がいない、そのような状況が続いていて、これは地域の防災力の向上を掲げる区にとりましても大きな課題ではないでしょうか。様々な場面でこの課題にどのように取り組もうと思っているのか、これをお伺いします。
◎長谷川
災害対策課長 区は、消防団に対しまして活動費への一部助成、資機材助成、資機材格納庫の敷地使用などの活動支援、また、関連会議体の事務局などを行っております。また、団員の募集に当たりましては「区のおしらせ」への掲載、窓口でのチラシの配布などの支援を行っているところでございます。
火災発生時のみならず、風水害、震災時などでも地域に精通した消防団の活動は大変重要なものと考えております。
消防団員の確保などの課題があることを承知しており、今後におきましても団員募集の支援等、消防団強化に向け、消防署と連携を図りながら、引き続き支援に努めてまいります。
◆青空こうじ 委員 区議会議員で消防団の方は分かると思いますが、火災現場では、燃え盛る炎の勢いで、そして音、臭いの熱風、恐ろしさで足がすくみます。こうした現場で安全確実に火災対応の活動を行うためには、ふだんの訓練の積み重ねがなければなりません。こうしたことを念頭に置き、消防団は日頃から厳しい鍛錬を積み重ねております。
しかしながら、一方ではその訓練場所の確保に大変苦労しているという実情があります。そのような中、区内には数多い大学があります。区の協力の下で、訓練場所として敷地を提供していただくことができれば大変うれしい限りです。
区は消防団の日頃の訓練場所、区民の生命と財産を守る不可欠な活動であることを考えれば、訓練場所の確保にも、もっと積極的に関わるべきであり、活動の面での支援についてもより強化ができないものでしょうか、お伺いします。
◎長谷川
災害対策課長 消防団員の皆様は、日常、お勤めなどをされながら消防団としての活動をされており、訓練のための時間、また場所の確保に大変苦労されていると伺っております。しかしながら、夜間の訓練、放水訓練の実施に当たっては、施設としてはその必要性を理解しつつも、設備、また周囲の環境を理由に、訓練に貸し出すことは難しい場合もあると承知しております。
こうしたことを踏まえ、どのような条件や配慮があれば訓練に使用できるか丁寧に調整し、アイデアを出し合うことで、訓練場所を少しでも確保できるよう努めていく必要があると考えております。
消防団から個別具体に訓練場所の御相談等がございました場合には、庁内各所管と連携をし、このような丁寧な姿勢により訓練場所の確保を支援してまいります。
◆青空こうじ 委員 私は、令和三年六月から令和五年五月五日まで任期とする消防団運営委員となって、二月二十日に行われた委員会に出席しました。消防団の運営委員会は、町会総連合会、商店街連合会、防火防災協会の各会長、そして消防署長、消防団長、都議会議員、区議会議員などで構成され、参加されている区議会議員の皆さんも、いずれも消防団として地域の防災活動に活躍しています。
充実した議論が交わされ、現場の意見を施策に反映される貴重な場でもあると実感しました。
各特別区の委員会の答申は、東京消防庁が取りまとめ、対応方針を定め、課題の解決に取り組むことになります。
このような現場の意見を吸い上げ、課題の解決を目指す仕組みがあることは重要であると同時に、答申を踏まえた方針は、ぜひとも実現させなければなりません。
区の関わりとして、この運営委員会の委員長に区長がなっております。危機管理部と区内消防署とともに事務局を担っています。消防団運営委員会の答申を踏まえた対応について、東京消防庁に任せるだけではなく、区は積極的に協力し、その実現を推進する立場にあると考えますが、区の姿勢と取組をお伺いします。
◎長谷川
災害対策課長 区は、消防団が区民の生命と財産を守る重要な役割を担うことを鑑みまして、運営委員会の答申に込められました消防団員の皆様の御要望、これはそういった背景をしっかりと受け止め、消防署とともに、その実現を図る責務があると考えております。
こうした区の積極的な姿勢を示し、実行することは消防団との連携をより強固なものとするとともに関係を深めていくことにつながってまいります。これは地域防災力の向上を目指す上では必要不可欠と考えてございます。
消防署と共有いたしまして取組の進捗状況を把握するとともに、区だからこそできること、これらを積極的に提案するなど、区としての役割を果たしてまいります。
◆青空こうじ 委員 この寒いのに、火事が多いもので、地元の消防団の方が夜、火の用心をやっていただいております。これは本当に頭が下がる思いです。通ったときに御苦労さんと言いますが、本当にこれからも消防団の方、頑張ってください。
以上で質問を終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時十八分休憩
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午後四時三十五分開議
○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆宍戸三郎 委員 自由民主党の企画総務領域の質疑を始めさせていただきます。
昨年の新聞報道によりますと、国の一般会計予算総額は十年連続で最大を更新し、前年比約一兆円増の百七兆六千億円となっています。税収も過去最高を見込んだものの、社会保障費は歳出の三分の一を占め、これを国債の発行で賄うという構造は変わっていません。
また、読売新聞によりますと、二〇二五年問題と言われてきましたが、団塊の世代が後期高齢者になる初年度である本年二〇二二年には、財政的な危機が前倒しで到来し、社会保障、二〇二二年危機迫るとうたい、都市部を中心に介護難民が急増しかねないとしております。
都道府県の予算を見てみますと、令和三年度は、新型コロナ対策で予算が膨張し、前年度比八・三%の増となっています。その中で東京都の来年度予算も過去最大になり、一般会計七兆八千十億円で、歳入の七二・二%が都税収入で、これを受け、都債発行額を半分に減らしています。歳入に占める起債発行額の割合は三・八%で、二千九百四十六億円にすぎません。
二〇〇一年に七兆六千三百八十四億円だった都債残高は四兆九千七百四十四億円と二兆円強減らしています。
そこで、市区町村や二十三区はどのような財政状況なのかと調べていますと、昨年の日経新聞の記事に興味深いものがありました。自治体財政格差鮮明にという見出しで、東京都千代田区基金、最も潤沢とありました。比較したのは全国七百九十二市と二十三区の令和二年度決算です。
基金が財政規模の何倍あるか、また、将来負担比率が低い自治体のランキングを示し、財政力格差が鮮明に表れたとしています。つまり、財政規模に対する基金残高の割合と、将来負担比率の両方で最も潤沢な自治体となったのが千代田区です。千代田区は、基金残高が財政規模の三・四倍あり、特別区債の償還もほとんどなく、将来の実質的な負担はマイナスの二四一・一%で、二・四倍の余裕があるそうです。
余裕ありの第二位は渋谷区、第三位は港区、第四位は江戸川区と二十三区が並びますが、第五位は市町村合併以降、職員を三分の二以下に削減するなど、行政改革を徹底した岐阜県高山市が入りました。残念ながら、我が世田谷区はベストファイブには入っていません。
そこでお聞きします。我が世田谷区の順位はどのあたりでしょうか。全国での比較が難しいのであれば、二十三区での位置をお答えください。
◎五十嵐 財政課長 区の標準財政規模一千九百九十五億円に対します令和二年度末の基金残高一千百十九億円の割合は〇・五六倍となっております。各区の令和二年度決算で、この割合を比較すると、世田谷区は二十三区中十八番目となってございます。
◆宍戸三郎 委員 二十三区中十八位とは、残念ながらベストファイブに入るというような自治体ではないという結果ですね。
次に、区の将来負担比率は、令和二年度決算マイナス六五・七%ですが、二十三区中何番目なのでしょうか。
◎五十嵐 財政課長 委員お話しの件は、日本経済新聞の調査による標準財政規模に対する将来にわたる財政負担の割合を出したものでございます。この調査における将来にわたる財政負担とは、地方債現在高と債務負担行為額の合計から基金残額を引いたものであり、区の令和二年度決算の標準財政規模一千九百九十五億円に対する将来にわたる財政負担三百二十五億円の割合は一六・三%となっております。
各区の令和二年度決算に対するこの割合を比較しますと、世田谷区は二十三区中二十三番目となっております。これは、基金残高が二十三区中八番目でありますが、地方債現在高が二十三区で最も多く、また、負担行為額が二十三区中二番目に多いというためであります。
なお、参考ですが、財政健全化法という法律に基づく健全化判断比率は、四つの項目でいずれも適正の範囲内となっているため、区の財政状況は健全の範囲内という認識でございます。
◆宍戸三郎 委員 ただいまの答弁では、世田谷区の財政状況は健全の範囲内の認識であるとのことでした。しかし、他の市町村からうらやましがられる世田谷区が、また、行政サービスを受けるために住民が支払う一人当たりの住民納税額が全国七位と高い順位にある世田谷区が、二十三区中最下位という現状では、区民は納得できないのではないかと考えます。区の見解はどうでしょう。
◎五十嵐 財政課長 財政健全化法に基づく将来負担比率は、やや専門的になりますが、地方債現在高や公債費に準ずる債務負担行為額に加えて、退職手当負担見込額などを合算した将来負担額から、基金と総務大臣が定める充当可能財源等の合計を差し引いたものを標準財政規模等で割ったものであり、国が定める指標では、区の財政状況は健全の範囲内という認識でございます。
一方、お話の日本経済新聞の調査は、地方債現在高などの将来負担額から基金残高を差し引いたものを標準財政規模で割った独自の計算によるものでありまして、単純にストックである基金残高に対する将来負担額の割合を算出しただけのものでございます。したがって、フローである特別区税などの一般財源の割合や金額が加味されていないなど、健全化法に基づく比率とは異なるものでございます。
しかしながら、先ほども答弁したとおり、標準財政規模に対する基金残高の割合は、二十三区中では十八位ということでございますので、区の財政は決して余裕があるものではないと認識してございます。
◆宍戸三郎 委員 何より、借金である地方債残高や債務負担行為額を減らし、無駄遣いをせず、行政改革を推進して、将来を担ってくれる次世代のためにも負担を残さないということが必要だと考えます。
次に、令和四年度世田谷区予算説明書別冊四八ページの中期財政見通しについて伺います。
他会派の質疑にもありましたが、歳出にある他会計繰出金は、四会計の合計で、令和四年度の当初予算では約二百七十九億円です。詳細は四〇ページの国民健康保険事業会計に約八一・四億円、四一ページの後期高齢者医療会計に約九十一億円、四二ページの介護保険事業会計に約百六・二億円、四三ページの学校給食費会計に三千六百万円となっています。
各ページに過去五年間の当初予算額の表があります。これを見てみますと、四八ページにある中期財政見通し、令和四年度から令和八年度の他会計繰出金が、令和四年度は前年度比約十六億七千万円増に対し、令和五年度以降、毎年六億五千万円増と見込んでいます。
前段に申し述べましたが、本年二〇二二年には既に危機を迎えていると言われている二〇二五年問題を考慮すると、一般的には見通しが甘いのではないかと考えます。六億五千万円増としか見込んでいない根拠を教えてください。
◎五十嵐 財政課長 令和四年度当初予算案における他会計繰出金は二百七十九億円で、前年度比六・四%の増となっており、中期財政見通しにおいて、令和五年度以降は二・二%から二・三%の増としております。令和四年度、少し多めに増えた主な増要因としまして、後期高齢者医療会計において、委員お話しのとおり、団塊の世代が後期高齢者になり始め、被保険者の増加が顕著となったということで広域連合への負担金が増えまして、後期高齢者医療会計繰出金が前年度比八億五千三百万円の増ということで伸びております。
また、国民健康保険事業会計におきましては、新型コロナウイルス感染症による医療費増に対する保険料上昇を抑制するため、一定の公費負担を行うことで区民負担を抑えた結果、国保の繰出金は四億三千八百万円の増となってございます。
今後についてですが、国民健康保険事業会計におきましては、被保険者数が減少するという減要素がある一方で、保険料の急激な上昇を抑えるための特別区独自の激変緩和措置、この増要素がありますが、この見通しが不透明であるため、増減は見込んでおりません。
また、後期高齢者医療会計におきましては、二〇二五年問題による被保険者数の増加を踏まえつつ、これまでの決算実績を基に一億五千万円の増、それから介護保険事業会計におきましては、第八期計画による推計を基に、高齢者人口の増加を見込み五億円の増としまして、令和五年度以降の各年度において見込んでいるところでございます。
◆宍戸三郎 委員 次に、財政状況の推移を見てみますと、投資的経費が、令和二年度は決算額で、令和三年度は当初予算額でかなり減少しています。投資的経費は、将来にわたっての区民サービスにおいて大変重要なものと考えますが、このことについての区の見解を伺います。
◎五十嵐 財政課長 委員御指摘のとおり、投資的経費につきましては、平成三十年度決算額の五百五億円、令和元年度決算額の五百六十三億円と比較すると、令和二年度決算額が三百九十九億円、令和三年度当初予算は二百九十五億円と減少しております。
これは、令和二年度においては、大型の投資的事業である梅ヶ丘拠点整備の終了など事業進捗に伴う影響が大きいと考えております。
また、令和三年度当初予算においては、コロナ拡大の影響に伴う特別区税や特別区交付金の大幅な減収ということを見込みまして、道路、公園整備事業などの土木費を中心に令和二年度補正予算への前倒し計上を行ったことによる影響が大きいと考えております。
一方で、令和三年度から開始した本庁舎等整備工事などの影響により、令和四年度以降につきましては、中期財政見通しでお示ししているとおり、令和四年度から令和八年度までの五年間平均で三百七十七億円ということを見込んでおりまして、投資的経費につきましては、事業の進捗によって年度ごとの増減が発生するというものでございます。
本庁舎整備や区立小中学校をはじめとする公共施設の改築改修、道路公園等の都市基盤整備は区民生活に欠かすことができないものであると認識しておりまして、国や都の特定財源の確保、基金や起債の計画的な活用を図り、公共施設等総合管理計画に基づきまして着実に整備を進めていくことが重要であると考えております。
◆宍戸三郎 委員 令和二年度決算、令和三年度当初予算とも、構成比が九%台となっていますが、二十三区との比較状況はどうなのか、また、前熊本区政との比較を伺います。
◎五十嵐 財政課長 委員御指摘のとおり、全体に占める投資的経費の構成比ですが、令和二年度決算が九・七%、令和三年度当初予算が九・二%と九%台で推移しています。令和四年度の当初予算案では一〇・八%ということで一・六ポイントの増となっております。
投資的経費のうち、そのほとんどを占める道路整備や学校改築などの普通建設事業費につきまして、各区の令和四年度当初予算の速報値で比較しますと、世田谷区は、予算額は三百五十四億円で上から四番目、当初予算全体に占める構成比は一〇・六%で十二番目と、ほぼ平均的な構成比となっております。
また、お尋ねの熊本区政の平成十五年から平成二十三年と、保坂区政の平成二十四年度以降で投資的経費の金額と構成比を比較してみますと、熊本区政のときには平均で三百七十五億円、構成比が一六・五%、保坂区政においては、金額が三百九十八億円、構成比が一三・七%となっております。
単純比較では、投資的経費の金額は増えておりますが、予算規模全体が、熊本区政一年目の平成十五年と令和四年度当初予算案を比べると一・六倍ということで増えているため、投資的経費の構成比は減少しているということでございます。
◆宍戸三郎 委員 景気悪化等による税収減の際には、投資的経費を減らさざるを得ない理屈は分かります。ただ、平時の際に投資的経費を切り詰め過ぎますと、経常収支比率の慢性的悪化につながりかねません。今後においては、そのような点に留意して予算編成に臨んでいただくよう求めておきます。
次に、本予算における土木費について伺います。別冊の一一ページ、07の土木費の欄に、前年比二二・七%、五十六億二千九百万円の増とありますが、令和二年度の予算と比較すると三十一億五千七百万円の減となっています。また、構成比においても大幅に減少しています。安全安心な災害に強いまちづくり、また、将来にわたって計画的に進めていかなければならない道路整備事業など、区民サービスにおいて不可欠な多くの事業が進んでいない現状です。
一方で、保坂区長は、今回の本会議区長招集挨拶の中で、就任以来十年間で、用地取得をはじめ、公園整備を大幅に進めてきたことを自慢げに述べていました。もちろん、緑豊かな世田谷を目指すことに異論はございませんが、我が世田谷区は、都市計画道路の整備率は二十三区の中で二十一位と非常に遅れています。今後の区政運営を考えたとき、このような状況を区はどのように捉えているのか伺います。
◎五十嵐 財政課長 道路や公園などの都市基盤は、区民生活に欠かすことができないものであることや、都市防災機能向上の観点からも、着実に整備を進めていくことが重要であると認識しております。
区は公共施設等総合管理計画に基づき、都市基盤整備経費として毎年百八十億円程度の予算を計上し、北烏山七丁目緑地などの公園や、補助四九号線をはじめとする都市計画道路等の用地取得や整備を計画的に進めているところでございます。
令和四年度当初予算においても、事業計画との整合や事業進捗を踏まえ、必要な予算を計上したところでありますが、引き続き土地開発公社による事業用地の先行取得、国や都などの特定財源の確保、基金や起債の計画的な活用を図りながら、都市基盤整備のスピードを落とさないよう留意してまいります。
◆宍戸三郎 委員 ふるさと納税について伺います。
区長の言われる寄附文化の醸成を目指し行っているプロジェクト別の件数と金額を教えてください。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 区の寄附募集は、基金への寄附や使い道などを明確にして、期間や目標などを定めるクラウドファンディングを活用したものがございます。また、基金の使い道をピックアップして重点的にキャンペーンを行うことにも取り組んでいるところでございます。
今年度は十一の基金と、既に終了したものを含めまして七件のプロジェクトなどにつきまして、個人だけでなく法人などからの寄附を合わせて、二月末までの十一か月で合計約一千九百件、一億四千四百万円の御寄附を頂いているところです。主なものとしましては、地域保健福祉等推進基金に二千九百万円、児童養護施設退所者等奨学金に約三千万円、医療的ケア児の笑顔を支える基金に一千二百万円、本庁舎等整備に一千五百万円弱などの御寄附を頂戴しております。
また、期間を定めるなどしてPRを強化したプロジェクトといたしましては、子どもの見守りと学習支援プロジェクトに約六百万円、羽根木プレーパークリーダーハウスプロジェクトには、三か月の期間で二百万円強、新型コロナウイルス関連の寄附金は、昨年度よりは大きく減少しておりますが、九百万円弱という御寄附を頂戴しております。
◆宍戸三郎 委員 他自治体にふるさと納税をしている方の年齢層、所得層、区内地域別の分析は行っていますか。
◎北 課税課長 他自治体にふるさと納税をしている方の区内地域別の分析は、現在行ってはおらないですが、年齢層、所得層については分析しており、令和三年の納税者に関しては、特定の年齢層や所得層に偏りは見られないと認識しております。
◆宍戸三郎 委員 何事においても調査分析、検証が重要です。また、その結果を今後生かしていただくことを要望しておきます。
三月五日の日経新聞の東京欄に、ふるさと納税を活用した災害支援の実態調査をまとめたという記事がありました。二十歳以上の全国千十人に聞いた結果、地震や豪雨の被災地に寄附したことがある人が一二%、このうち二回以上活用したが六六%、五回以上が一四%、いまだ未経験だが今後活用してみたいが二六%であった。また、災害支援としてふるさと納税の寄附ができることを知っている人は五四%であった。このことを違った角度から見ると、まだ災害支援を目的とする寄附をしていない人が八八%もいるという調査結果です。
この記事を読んで、本来の目的に準ずるような災害支援を目的として、ふるさと納税を今後行う区民も増加することは容易に予測されます。このように、本来の趣旨に近いふるさと納税による他自治体への寄附が今後拡大することは確実です。このことを踏まえた区の見解を伺います。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 自然災害で甚大な被害を受け、復旧復興に多大な財源を要する地域にとりまして、他地域からの寄附金は大変貴重なものであるとともに、全国に支えられているという住民の心情面でも大きな意味を持つものと認識しております。
したがいまして、災害時に被災地に寄り添う心を寄附という形で表すことは、ふるさと納税制度の本旨とも合致するものと考えます。
世田谷区も平成三十年の
北海道胆振東部地震の際には、被災地宛てのふるさと納税事務を支援いたしました。また、令和元年の台風十九号に伴う被害などの際には、区内外から多くの寄附を頂戴したところでございます。
ともすれば自治体版通販と言われてしまうようなふるさと納税制度ですが、華美な返礼品やお得感ばかりが注目されて、寄附の使い道や自治体名が二の次になるという今日の実態とは一線を画して、助け合いの手段として活用されることについては否定するものではございません。
一方で、現在のふるさと納税制度の是正の必要性については引き続き国に訴えていくとともに、制度の仕組みとともに広く区民にお知らせをしてまいります。
◆宍戸三郎 委員 財政について様々伺ってまいりましたが、長年商いに携わってきた立場から、一つ例を挙げさせていただきます。お客様へのサービスは、公平であることは大前提ですが、それとともに決して忘れてならないのは、二割のお客様が自分のお店にもたらしてくれる利益の約八割を占めているということです。店舗運営にとっては非常に大事なことで、お得意様をいかに確保し、増やしていくことも常に考えていかなければならないということです。
このことは区政運営や行政サービスにおいても通ずるものがあると私は考えます。ふるさと納税による減収幅の拡大や、土木費、投資的経費の減少は、今後の区政運営にとって大きな問題と考えます。
納税者の一割の方が課税額の半分を納めていただいているという現状を踏まえ、ふるさと納税をする方や、高額納税者の方が快く寄附をしたいと思ってくれるような行政サービスを充実させるための対策を講じていただくことを要望し、河野委員と代わります。
◆河野俊弘 委員 引き続き、自由民主党の企画総務領域の質疑を続けさせていただきます。
まず、私からは、ちょっと素朴な疑問というか、ちょっと確認をしたいことがあるのですが、私も二期七年目になりまして、一期目のときの最初は福祉の常任委員会、二期目は企画総務常任委員会で、三期目、前回が都市整備で、今、区民生活という形で常任委員会を経験している中で、度々耳にするのが、議会の委任による専決処分の報告、自動車事故に係る損害賠償額の決定というものをよく聞きます。
このとき必ず、区の過失であったものの場合、支払う賠償額について区が加入している保険により補填されるという旨で毎回報告があるのですが、この毎回区が支払う賠償額が保険により補填されるというところで、それはもちろん無尽蔵ではないはずなのですが、その保険料等の仕組みというのはどうなっているのか、ちょっと確認をしたいのですが。
◎阿部 経理課長 庁有車は、この三月一日時点で、四輪車は三百二十台、原動機付自転車は五十六台ございまして、その任意保険につきましては、毎年プロポーザルにより保険会社を選定して、全て一括で加入をしております。現在の補償内容につきましては、四輪車は対人無制限、対物一千万円、二輪車は対人対物ともに一千万円で免責はなく、保険期間中の事故に対する補償は何度でも受けられます。一方、毎年の保険料は、保険加入前の一年間に支払われた補償額の総額を基準に優良割引率が算定されるため、前年の補償額が多ければ割引率が下がり、その分、保険料は前年に比べ増額となる仕組みでございます。
◆河野俊弘 委員 やはり実績によって毎年の保険料が確定しているということで、無事故に対する対策もしっかりやっていかなければいけないなと思います。
無事故に向けた取組の徹底というのももちろん必要なのですが、そもそもその庁有車の在り方というところも、今回、未来つながるプランの第五章の視点7のところに庁有車の統廃合という項目があるのですが、他自治体を見ていても、実際に取り組んでいる市の事例をちょっと紹介させていただくのですが、石川県の小松市では、公用車の管理の効率化が図られて、実際にどのような内容かというと、従来、部署ごとに車両を管理、使用、これは今、世田谷区もそういう状態かと思うのですが、各部署での担当者にその管理負担が出ているといったデメリット、あとは部署内で、その時と場合によっては車両が不足してしまって実際は使えないというようなことがあったり、運転日報と言われるような報告に関しては、車両使用者が実際にその執務室へ戻ってからつくって、それがデータとしてたまらないというような現状があるかと思います。
これは実際にデジタル化というような形で、そういったデータを集めるような形を取った場合、管理は一つの課が一元化して管理ができるということと、あとは車両の不足が、実際にリアルタイムで変動し、カーシェアリングのような形で運用ができますので、そういった部分も解消がおのずとできている。
あとは
スマートフォンを使って、場所とか時間を選ばずに、その日報が作成できるということで、例えば行った帰りの車の中で、そういった日報が打てるとかいった状況にもなるかと思います。データの活用をして、車両全体の台数の適正化というところにもつながるかと思います。
その点について、今現在、区で、その視点7の統廃合の中には、そういった内容も少し書いてあるのですが、実際の効果額等はまだ米印という形で出ています。これからの取組について伺います。
◎阿部 経理課長 区では、まず庁有車の事故を防ぐために、警察や保険会社の協力によりまして安全運転講習会の実施、あるいは庁内貸出し用車両や清掃車両等へのドライブレコーダー設置による運転状況の確認に取り組んでまいりました。
特に事故の予防には、今、ドライブレコーダーの設置が有効とされておりまして、事故発生時のその後の原因分析、あるいはあおり運転の予防など、こういった効果もあることから、講習会等の機会を通じまして、お話にありましたように、各車両保有所管に使用状況を確認、考慮しながら、設置検討をするように呼びかけをしているところです。
一方、事故を防ぐためには、やはり運転技術の向上ということも重要でありまして、警察のドライブスクールへの参加なども検討しておるところですが、免許は所持しながらも、運転しない職員も増えておりまして、庁有車については、御指摘いただいているとおり、未来つながるプランにもお示ししたとおり、本庁舎等整備に伴う統廃合や効率的利用の促進といった課題もございます。
こうしたことから、移動や運搬の手段である庁有車の調達や使用、維持管理方法、また代替手段等につきまして、お話にありました他自治体の取組も参考にして、関係所管とも連携の上、費用や利便性、事故等のリスク、環境負荷、災害時対応、あるいは民間活用など、多角的視点から改めて今後の在り方を検討してまいりたいと考えております。
◆河野俊弘 委員 多角的視点で取り組んでいくというようなことで今お答えいただきましたが、保有台数自体を減らせば、管理費用の圧縮だけではなくて、やはり今、問題とされているのは、地球温暖化の問題となるような排出ガスの削減に、もちろん、つながったりとか、あるいは庁有車の適正化ができた、その捻出した資金で、EVの車両の調達であったり、そういったところをリースで充てたり、様々な観点で、災害に関わる問題も、一部そういった充実が図れることにもつながるかと思います。
今回その効果額がまだ米印というところですが、そういったところの観点もしっかり踏まえて効果額を出していただきたいと思いますし、様々な観点でそういったところが適正化されることが、本庁舎の整備等に伴うと書いてありますが、できるだけそういったところは、いち早くできるものがありますので、しっかりやっていただきたい。
あとは、実際に今、玉川のほうに都市整備の部門が行っておりますが、実際にある課長が打合せのためにこちらに来るときにも、ちょっと今、車がないから自転車で行くよというような感じで来る方も結構多くて、結構距離があるものですから、そういった観点からも、職員一人一人の働き方というところにも関わってくるかと思います。
今回、庁有車のことに関して取り上げさせていただきましたが、やはりそういった様々な観点からしっかり取り組んでいくことによって、世田谷区のイメージもよくなっていくかと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
続いて、防災について伺っていきたいと思います。
以前、私のほうで地域BWAの活用というところで、昨年の八月でしたね、ケーブルテレビ各社との包括協定が出来上がり、その中で様々な提案を私のほうからさせていただきました。災害時に有効となるような回線を使って、デジタル化されたサービスをどんどん活用していくべきだと。
その中で、私のほうから一つ提案させていただいた中に、テレビを使った防災情報、防犯情報の提供というのを一つ提案させていただいたところです。テレビからどういう情報が流れるのですかというところですが、実際にこれはテレビ・プッシュと言われるサービスで、災害が起きた際、もちろん緊急地震速報とか、そういったことが起きたときに、テレビが、強制的に電源が立ち上がり、放送が流れる、電源が切れていても流れる。
テレビというのは、高齢者の方を問わず、ほとんどの世帯の方は、多分あるのではないかと思います。
あとは視覚的にも伝わることですので、障害の有無も問わず、あるいは聴覚障害を持たれている方とかというと、聴覚障害の団体の方から伺ったのですが、アイ・ドラゴンと言われるものを使って、フラッシュをたいて、電源が立ち上がったときに、テレビの情報が着いたということが分かるというものも併用すれば、全ての方がそういったサービスを受けられるようなことで、一人一人の命を守る取組にもつながると思います。
しっかりとこのテレビの自動起動のサービスに連携して取り組んでいくということが、一つ提案という形で質問させていただきたいのですが、今の取組状況を伺います。
◎長谷川
災害対策課長 区では、これまでもエフエム世田谷によるラジオ放送、またテレビのデータ放送、メール配信サービス等によりプッシュ型の情報発信というものに取り組んでまいりました。
新たな情報伝達手法を検討するに当たりましては、例えば既存のこういったサービスが利用できない世帯としてどのような世帯があるのか、また、それらの世帯に対しまして、この新たな方法によらなければ情報を取得できないのか、また、コスト削減、伝達の高速化が図られるものなのか、こういったことについて見極めていく必要があると考えております。
このような視点を持ちつつも、新たなサービスの開発が日進月歩で進む中では、委員御提案のテレビの自動起動による情報発信をはじめ、新たなサービスの活用の可能性については前向きに探っていく必要があると考えております。我々も感度を高く持って情報収集と検討に取り組んでいきたいと考えております。
◆河野俊弘 委員 このサービス自体、ちょっと利用料とかも調べてみたのですが、一戸建ての方で大体千五百円ぐらい、マンションに住まわれている方と大体月千二百円くらいの導入ということなので、やはり情報弱者と言われているような方、自宅にも
インターネットがない、電話も固定電話だけという方も、必ずしもまだいらっしゃると思いますので、しっかりそういう情報を踏まえて進めていただきたいと思います。
先日の地域行政の特別委員会の中で、刑法犯の認知件数の報告がありました。そういったところも、随時、随時、先ほど答弁の中でもプッシュ型のという話をされていましたが、随時お知らせをしていかなければ根づかないというか、そういった防犯のことに関しての意識も醸成されないと思いますので、このテレビ・プッシュのサービスは、防犯に関しても随時お知らせが出るような形が含まれています。防災だけではなく防犯というところにもつながりますし、しっかりとそういったところを日々、日頃から意識づけをしていくということで、生命、もちろん財産、そして生活を守っていくというようにつながりますので、しっかりとそういったあらゆるところを講じて進めていただきたいとお話しをさせていただきました。
続いて、防災について、これは今、世田谷区にある防災マップのアプリについてちょっとお聞きしたいと思います。
昨年、隣の目黒区さんでは防災アプリがリニューアルされまして、実際に私もインストールして使ってみたところ、世田谷区の防災マップのアプリと比べると非常に見やすい。逆な言い方すれば、世田谷区の防災マップのアプリは、文字が小さい、マップもなぜか色が濃くて、文字がかぶさってしまって、地域のマップも見づらいというような状態になっていまして、そういった部分のリニューアルということも今後必要になってくるのではないか。
ただ、これも災害対策所管の長谷川課長に聞いたところ、世田谷区の場合は東京都の防災アプリと併用しながら使っているのだというような話を聞きました。
ただ、この世田谷区のアプリのリニューアルは様々な観点で必要だと思っていまして、世田谷区の防犯あるいは防災のリンク集というものが世田谷区のホームページにあるのですが、そういったところに一個一個飛ばなければいけないということを、やはりアプリは統合ができますので、そういうところも含めて、しっかりとそういう部分も新しくしていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
◎長谷川
災害対策課長 区では、平成二十五年十二月より、今お話にございました世田谷区防災マップアプリを配信してございます。現在約一万七千件がダウンロードされまして、区民に御利用いただいております。
開始以降、見やすさなどを考慮した改修等は加えてきておりますが、配信の開始からの八年が経過いたしまして、御指摘のとおり、いま一度見直しを行っていく必要があると考えております。
軽微な修正のほか、アプリそのもののリニューアルについても考えてございまして、そのタイミングといたしましては、令和五年の新庁舎移転に伴う防災情報システムの開発と併せて再開発することを考えているところでございます。
その際には、防災情報システムと連携しての情報発信機能、また、映像情報の配信機能などの検討とともに、東京都でも同様のアプリがございますので、重複する機能があるところから、そういった機能の整理についても図っていきたいと、今そのように考えているところでございます。
◆河野俊弘 委員 この部分、しっかり構築していくということで進めていただきたいのですが、やはり今、八年配信をした中で一万七千件ということで、これはかなり少ないとも思うのですが、リニューアルしたから増えるというわけではないのですね。
今DXという言葉がいろいろと叫ばれている中で、世田谷区の中でも、デジタルデバイド対策で、高齢者の方につながっていくアクションというものが日々日々あると思うのです。そういったところでの連携を図りながら、世田谷区に転入された方とかにはこういうアプリを必ず案内して、すぐ入れてもらうような取組をしたりとか、様々な観点でしっかりと伝えていくことが必要ですし、やはりこういうところで世田谷区に対するイメージを、先ほども言いましたが、しっかりとよく持たせていくということも必要なことだと思いますから、しっかりそこも取り組んでいただきたいと思います。
ちょっとこのアプリの話とも少しつながるのですが、今、河川流域の近辺に関して、世田谷区ではライブカメラの設置がされているかと思います。世田谷区のほうのライブカメラは、今、世田谷区、スペース、ライブカメラで、今、皆さんお手持ちのタブレットとかで調べていただくと出てくるのですが、これは民間のサイトなのか、今、世田谷区には二十二個のライブカメラが設置されているということが出てきます。
このライブカメラの映像は民間が発信しているもの、世田谷区が発信しているものということで、それぞれあるのですが、そのほとんどが河川のものでした。
今回、ライブカメラの映像の共有も、こういうサイトへ行ってみなければではなくて、アプリの中にこういうものも取り込んでいただいたりとか、あるいは世田谷区ならではで、このライブカメラの配信は、河川はもちろん大事なのですが、大災害が起きたときなどには、主要道路の状況とかも、そこに見に行ってしまう方を防ぐためにも、そういうものが見られるとか、そういった通常、災害時にしか見られないようなものでも構わないかもしれないのですが、そういった世田谷区でちゃんと設置をして、区内の状況が見られるような状況も必要かと思うのですが、そこも含めて御答弁をお願いします。
◎長谷川
災害対策課長 現在、交通の要衝、駅とか大きな道路の要衝などには施設管理者等による多くの撮影カメラを配置されておりまして、それぞれの状況把握、またの危機管理のために活用されているという状況でございます。
これまでは技術的な問題で不可能とされてきたことでも、新たな技術によりまして活用のアイデア、これはアイデア次第で可能性を広げていける時代になっていると考えております。
区民や関係機関が避難行動、避難をされる際とか復旧作業などに当たる際、ライブ映像で被害状況を確認できることは、注意喚起、また危険回避に資する効果は大きいものと考えられるところでございます。
こうした目的から、他の機関の設置したカメラの映像の共有を働きかけていく意義は十分にあると考えております。今後、関係機関との災害時の連携協力に当たっての新たなテーマとしては、順次機会を捉えまして、映像情報の共有ということについても働きかけていくとともに、先ほどお話にございました区のアプリの再構築でございますが、その際には、こういったライブ映像の配信を見越した仕様とすることなどを今後検討してまいります。
◆河野俊弘 委員 そういったところで一元化をしていって、見られる情報を、そこ一つへ行けば見られるというような情報の発信の仕方が非常に大事だと思っております。
前段でちょっと話していただいた地域BWAとの連携も、そこでしっかりと働きかけをしながら、そのライブカメラの質も上げつつ、区民の皆様にそういった安心をしていただける情報を届けるように取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
私から最後の質問になりますが、eスポーツについて伺っていきたいと思います。
我が会派の代表質問の中で、おぎの幹事長からeスポーツについての質疑をさせていただいたことは覚えていらっしゃると思うのですが、その際には高齢者のフレイル予防として、様々な観点で、区としてのeスポーツの位置づけが、いまだちょっと不明確な部分があるのでというような答弁がまだ続いているのですが、本当に今、eスポーツの市場というのは非常に拡大していて、二〇一九年の茨城の国体から、そういった競技とのコラボがされていたり、あるいは今年の中国の広州市で、アジアの競技大会があるのですが、そのアジア競技大会でついに正式種目としてeスポーツが入ってきました。やはりそういったところに追いついていく、あるいは今、コロナ禍で、在宅でいる中で、そういったゲームに対する関心は少なからずとも高くなっているとも思いますし、世代を問わず、障害の有無も問わず取り組める、そして楽しめるものだと思っております。
eスポーツについては、どちらかというと、やはり子どもたちにも楽しむ機会が、その中でもやっていくべきだなと思っておりまして、このコロナの二年間の中で、子どもたちはかなり様々な面で我慢を強いられている。そういったことを大人がつくってはいけないと思いますし、そのために何が別のものに代わって楽しみを与えられるかということもしっかり考えて進めていかなければいけないと思っています。
以前、eスポーツの世田谷大会というものを提案させていただきましたが、世田谷区内には御存じのとおり二十八個の
まちづくりセンターがありますから、二十八個の
まちづくりセンターの管内で、それぞれのセンターの中でトップワンを決めて、二十八人のトーナメントを開くとか、ちょうど偶数ですので、そういったところもしっかりと踏まえながら進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◎松本 政策企画課長 コロナ禍におきまして、大勢の人が集まるイベントの開催が難しくなっている中、オンラインでの大会開催が可能なeスポーツは、密な状況を避けながら開催できる可能性持っているものと認識しております。
また、子どもから高齢者まで、さらには障害の有無に関わらず、幅広い区民がフラットに交流できるというメリットがあると考えております。
近年、他の自治体でもeスポーツに関する取組が見られる中、その目的は、地方創生や産官学の連携による産業振興、また高齢者のフレイル予防など様々ございます。区としましても、この間、関係する各部より様々な観点から御答弁申し上げておりますが、御指摘のように、区としましてどのような狙いを中心に据えて取り組むか、まずはそこを明確にする必要があると考えております。
自治体としてeスポーツに取り組むには、事業者や関係団体など、民間との連携が不可欠であると考えます。他自治体の事例も参考にしながら、世田谷らしいeスポーツの展開を検討してまいります。
◆河野俊弘 委員 このeスポーツというのが、しっかり位置づけを出していくというところで、自治体によっては、やはり福祉の所管が高齢者向けにというとこでやっていたり、あとは、やはり産業と絡めてというところでの連携であったり、様々な観点があると思います。どこがやるというわけではなくて、できるところからしっかりやっていくというような意気込みで、しっかり進めていただきたいと思いますし、これは実際に北海道旭川市のほうで、これもちょっと最後、事例の紹介にさせていただくのですが、旭川市と一市八町のそれぞれの首長が選手として出場して、戦ってイベントをやると。
これはぜひ保坂区長にもeスポーツをやってもらって、その取組を、子どもたちとの交流だったり、そういったところのアピールになるし、あるいは各部長がしっかりと実際に取り組んでやってみるとか、そういったところからしっかり始めていかないと広がりませんので、そこら辺をしっかりと踏まえて進めていただくよう要望し、和田委員と交代します。
◆和田ひでとし 委員 私からは、今回の予算委員会、特に災害対策についてが非常に多いなという印象がありました。私からも災害対策ということで、特に在宅避難の大切さ、それから避難所運営についてをまず最初に質問させていただきたいと思います。
私たち会派では、今年一月に、この災害対策について勉強会を開かせていただきました。実際に被災地へ応援に入った方に講師として来ていただきまして、勉強会を開かせていただいた中で、災害に対して過度に恐れず、正しく恐れるという、これは大変印象に残った言葉でしたが、まさにそのとおりなのだなという勉強をさせていただきました。
間もなく三月十一日、あれから十一年、そういったさなかで、この勉強会の中で教えていただきました三月十一日、このとき世田谷区ではどうだったかということを、また改めてちょっとそのときに振り返ってみたのですが、その資料の中に、世田谷区内は震度五弱、崖崩れが一件、住宅被害、一部破損ですが、百六十六件、ブロック塀等の崩壊が八十七か所、小中学生二百八人が帰宅できず、保育園では千六百六人が帰宅できずといった資料を見せていただきました。
さらに、そのとき、では東京都内ではどうだったかということを見せていただいて、やはり東京都内、大変大混乱が起こっていたのですね。特に帰宅困難者という点では、この三月十一日、大変なことが起こっていたということで、まさに、これは本当に私たちも、もちろん経験したことのない大変なことが起こったということを、今まさに鮮明に思い出すわけですが、意外とライフラインについては、それほどの大きな混乱はなかったなと。
ただ、停電については、東京都内十万二千六百六十五件、ガスについては緊急停止はなかった、水道も断水はなかった、下水道についても破損の影響はなかったというようなことが記録として出ておりました。
九月一日ですとか、あるいは一月十七日、そしてこの三月十一日、この時期になりますと、マスコミでもこの記事を大変多く取り上げますので、ああ、またそうだな、気をつけなきゃなと印象づけられるわけですが、やはり首都直下地震は、もういつ起きてもおかしくないと言われておりますので、そういったことを考えますと、常に私たちは、こういった災害についての認識をしておかなければならないのだろうなと改めて思いました。
そして、この区民意識調査での、区が積極的に取り組むべき事業の中で、災害に強いまちづくりと答えた方が約三割で一位だったということです。
そういった中で、本日まず改めてこの指定避難所の本来の役割は何なのか。そして、いかに避難所が苛酷な状況になるかを周知して、自助の体制強化を進めることで在宅避難をさらに推進するべきではないかなと思いますので、改めて区の見解を伺います。
◎長谷川
災害対策課長 指定避難所は、災害対策基本法におきまして、発災直後の緊急的な避難者の受入れ、また、災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させる役割を担うものと位置づけられております。
家が倒壊などのおそれがない場合につきましては、在宅避難と言われる、御自宅にいていただくというのが基本でございまして、各家庭ではこの在宅避難を想定した備蓄に努めるなど、自助の体制強化が求められるところでございます。
この在宅避難の推進につきましては、自助の推進という意味合いがございますが、ひいては被災者同士で協力し合いまして、緊急の避難生活の場である避難所のスペースを譲り合う、また、こういった共助の推進の意味も持つものと考えてございます。
この推進に当たりましては、このことを積極的にアピールするとともに、委員もお話にございましたような避難所生活の実態等についての紹介を交えるなどしながら、周知の内容を工夫しながら、より多くの区民の理解と協力を得られるように取り組んでいきたいと考えております。
◆和田ひでとし 委員 いかに避難所が苛酷であるかということをしっかり周知した上で、その自助の体制を強化し、そして在宅避難を啓発していくべきだなということが改めて分かりますが、特にやはり厳しいなと思うのが、この夜間の避難所生活、あるいは雨のときなどの避難所でのマンホールトイレの使用ですとか、また寒さ、あるいは暑さをしのぐための、エアコンが完備されていても、停電であれば、エアコンはもちろん使えない。そしてプライバシーの確保であるとか、備蓄食料、水などの問題、こういったことを取り上げるだけでも、避難所というのがいかに苛酷であるかは分かるわけですが、さらにここのところへ来て、このコロナ禍でありますから、特に受付の体制を見直さなければいけない、あるいは避難者の動線とか部屋の確保、さらに体育館であれば、間隔を空けてスペースを取らなければならない、トイレももちろん区分けをしなければならない、こういったことを考えますと、収容人数にも大きな変更を余儀なくされるということが、私もこの令和二年秋に、奥沢中学校避難所運営訓練で参加しまして、改めて感じたところでございます。
たとえ一晩であっても、避難所というのは本当に苛酷な環境であるということを、ここはしっかりと周知すべきであると思います。
そういった中で、私の地元、奥沢地区で、このように奥沢地区防災計画というものがもともとありましたが、これは令和三年、昨年修正しました修正版がございます。
奥沢地区はもともと大変先進的にこういう災害対策に取り組んでおりまして、区に対しても提言を出していたり、さらに新提言として出したものについても、昨年、一部修正を行っております。
その中に、やはり阪神・淡路大震災というのは大変大きなきっかけとなって、それ以来、地区内の三つの学校での避難所の宿泊訓練といったことと、それから毎年必ず防災訓練、さらには防災講演会なども実施しているということで、特に私が印象的だったのは、三回の宿泊訓練は、気候のいいときというか、あまり寒くないときに行ったわけですが、では、冬になったらどうなるのだということで、実際に十二月に地元の奥沢小学校で、宿泊訓練を私も体験しましたが、もうこれはとてもではないですが、夕方から一気に冷え込んできて、とてもこれ、体育館にこの寒い中、泊まるということは、まずこれは非常に苛酷な状況というのは、まさに体験をいたしました。
こういうことを経験しますと、本当に、まず避難所に来ないような体制、であるからこそ在宅避難が大事であると、会派の総括の質疑でも畠山委員が盛んに強調しておられましたが、さて、それでは各町会・自治会では、在宅避難の推進のために、回覧とか啓発のチラシの配布を行っているところもあると聞いておりますが、町会・自治会の未加入者にまで届けることは大変難しい。区としてこうした世帯への周知啓発に積極的に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎長谷川
災害対策課長 在宅避難の周知啓発の一層の強化に当たりましては、町会・自治会への加入をしていない世帯、また、中にはポストへのチラシの投函を認めていない集合住宅等もございますので、そういった居住者まで幅広く周知啓発を行うことを特に意識して行いたいと考えてございます。
これまでも啓発物、また区のホームページ等で在宅避難の周知啓発を行ってきておりますが、プッシュ型での情報発信にも努めていきたいと考えております。具体的にはツイッターやLINE等によるSNSを活用いたしまして、在宅避難への備えといったことを含めた防災知識に関する情報といったものの定期的な配信などに取り組んでいきたいと考えております。
また、周知啓発の手段としましては、区の広報紙を活用しまして、在宅避難への備えに関する特集を組みまして、例えば全戸配布などのことについても検討していきたいと考えております。
その際の工夫としては、例えば記事の掲載だけでなく、チェックリスト等を設けるなど、日頃からの備えを考えていただくための一つのツールとしても活用できるようにといった工夫などを考えていきたいと思っております。
今後も周知啓発を、より多くの媒体を通じて積極的に進めていくとともに、情報が届きにくい方への周知啓発についても検討を重ねまして、有効な方法を確立できるように取り組んでまいります。
◆和田ひでとし 委員 今、全戸配布なども検討してまいりますという答弁をいただきましたが、やはりここは何とかしっかりと全戸配布に向けて取り組んでいただきたいと思います。
先ほどの奥沢地区の提言ですが、こういった冊子ではちょっと大変なので、この概要版としてA3判両面でつくったものを、こういう目立つ黄色い紙でつくりまして、この奥沢地区防災まちづくり『新・提言』の概要版というようにつくったものを、地区防災会議の皆さんが手分けして、地区の全戸配布をしたと伺いました。
まさにこの地区の防災意識の高さはここからも分かるのですが、その中で一番上に書かれている、自分たちのまちは自分たちで守るという、これはまさに大原則だと思うのですが、こういった面からも、この自助の大切さ、あるいは共助ももちろんですが、こういったことも含めまして、これからの在宅避難を考えたときに、非常に重要なポイントだと思っております。
さらにこの奥沢地区というのは、世田谷区の地図を見ますと、右下のほうにぴょこっと飛び出した地区でありますので、大変区境の地区でもあるということで、何とか自分たちで、もう行政を頼らずに、自分たちで何とかしなければならないという意識が大変強い地区だと思うのですね。
そういった中で、この地区の中の一つの町会であります東玉川町会というのがございます。一丁目から二丁目までしかない大変小規模な町会なのですが、この町会でも、やはり在宅避難を進めるという事例として、今回ちょっと情報を聞きました。
これまでもこの東玉川町会は、資源回収などに大変先進的に取り組んでいる町会で、この資源回収によって得た収益を、町会の会員さん全員に防災用品の配布をしてきたと。笛だとかペンライト、あるいはランタン、それからトイレ用ビニール袋、さらには除菌のウエットティッシュなどといったものを配布しながら、皆さんに還元してきましたということを聞きました。
そして、さらに今回伺ったのが、地震の発生時には、ともかく火事さえ出さなければ何とかという思いで、こういったことも啓蒙しているのだということで、現在、一般の家庭に置かれているような消火器を、補助金などを使って一生懸命買い集めていると。
この消火器はどうするのですかと聞いたら、現在、区が町中に設置している消火器、何か所かあるのですが、その消火器の設置されているマップを見ると、やはりまだまだエアポケットのように空白地帯がたくさんある。そういったところに自分たちの集めた消火器をお願いして設置してもらって、さらにそういったものを設置した上でマップをつくって、うちの町の中ではこういったところに消火器が置いてあるのですよということを町会の皆さんにも周知していくのだと。
つまり、これはまさに初期消火をともかく徹底してやろうという取組で、これからこの取組をやるのだということを伺いました。まさにこの自分たちの町は自分たちで守る、これを徹底している町会なんだなと。
そして、その区境にある町だからこそ、もうともかく行政を頼らず、自分たちで何とかしていこうという取組の事例だと思いました。
もちろんスタンドパイプであるとか、あるいはD型ポンプとかいったものも重要ではありますし、玉川地域でも毎年、多摩川の河川敷で、このD型ポンプの操作方法などの訓練も行われておりますが、まずはこの初期消火というところを考えれば、あっ、火が出たと思えば、まず小さいうちに消してしまうのだという取組を紹介していただきまして、これも大変重要なことだなということをつくづく感じた次第であります。
また、次に行きますが、今度は避難所運営体制の地域資源の活用について伺ってまいりたいと思います。
このコロナ禍ではありますが、今年二月一日に奥沢地区での防災会議の講演会が開かれました。本来であれば、町の皆さんに大勢参加していただいて実施するところでしたが、こういった状況でしたので、ここでは避難所運営委員に限って参加してくださいということで講演会が行われました。
そこでは、せたがや防災NPOアクションというところから講師をお招きしまして、ここにこの避難所運営委員が参加して、いろいろとお話を聞きましたが、ここではまさに在宅避難生活の備えについていろいろなお話を聞かせていただき、委員も全員、大変参考になったということでありました。
そして、この方のおっしゃるには、避難行動と避難生活の違いをしっかり意識しましょうと。地震が発生した場合に、まず家の周りはどうなっているのか、このためには一時集合所へまず行ってみようと。次に、火事が起きて延焼が始まってしまったという場合には、もうこれは広域避難所へ行くしかないよねと。
ただ、自宅が壊れて生活ができないというような方については公設避難所といったところへ行く、ここまでが避難行動でありますと。
ここから先が避難生活に入っていきますということを聞きまして、では、この避難生活にならなければならない方、あなたはどこで避難生活を送りますかということで、自宅ですか、避難所ですか、あるいはという投げかけがあったのですね。
やはりこのお話を伺っていて、先ほど言いましたように、まず指定された避難所、指定はされていても、かなり苛酷な状況であるということをしっかり周知しておけば、あっ、やはり自宅にとどまるべきだなということはおのずと理解できるかと思います。
そういった中で、町会・自治会あるいは商店会だけでは避難所運営には限界があり、また地区によっての温度差もあると伺っております。そこで、地域のNPOですとか、あるいはボランティアで活動している方々の協力を得ることが必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。
◎長谷川
災害対策課長 平時におきましてボランティアやNPOの活動に参加されている方々は発災から一定程度の時間がたった際に、この復旧復興にそれぞれの持つ得意分野を生かした被災者支援に当たっていただくということは大変重要な役割であると認識しております。
その一方、今、委員お話にございましたとおり、発災直後の初動期において、こうした方々には、まず地域の住民の一員として、避難所の立ち上げや運営に御協力いただくことも重要であると考えております。
特にボランティアやNPOの活動に参加されている方々の中には、過去に被災地支援に携わった経験を持つ方も多くいらっしゃいまして、こうした経験は避難所運営に生かしていただくことができるのではないかと、大変効果的であると認識しております。
区としましては、ボランティアやNPO団体との連携協力をより確実なものとしていくために、来年度におきまして、ボランティア協会やNPO団体等との合同での情報連絡訓練を実施することで調整を進めております。
こうした連携を深める取組の場を活用して地域の一員としての活動について理解と協力を得るように、これらの団体の皆様に働きかけを行ってまいります。
◆和田ひでとし 委員 やはりその力を借りるというときでも、その力が果たしてその地元の町会とか自治会とか地区にどれだけ理解をいただけるか、そういった双方の理解は大変重要かと思いますので、これからの大きな課題かと思います。
ちょっと時間がなくなって、私ちょっと一つ飛ばしましたが、次に、公共施設の複合化について伺ってまいりたいと思います。
現在工事中であります玉川の拠点保育園、完成後は奥沢西保育園がここに移転すると伺っております。この奥沢西保育園は、九品仏地区の奥沢八丁目にあり、移転後、一旦等々力保育園の建て替えに伴い仮園舎となり、等々力保育園が出来上がると、奥沢西保育園の土地が空きます。公共施設複合化の計画では、学校などと、その他の公有地とありますが、まさにここは、その他の公有地に当たるのではないでしょうか。区はこの跡地で公共施設の整備複合化を考えているのか伺います。
◎松本 政策企画課長 区としましては、公共施設等総合管理計画一部改定におきまして、施設総量の過半数を占める学校を中心に、公共施設の複合化整備を推進することで、維持管理経費等の削減や敷地の有効活用を図るという方針を掲げております。
委員お話しのとおり、奥沢西保育園につきましては、等々力保育園での仮設園舎後は跡地となりますが、その後の具体的な活用につきましては、区立保育園の再整備関連を中心に、周辺公共施設の行政需要や施設ニーズ、また立地特性や費用対効果なども含めまして、多角的な視点で検討していくこととしております。
今後とも限られた施設や財源の中で、施設の複合化や多機能化等を基本に、効果的、効率的な公共施設整備を進め、既存施設や敷地を最大限有効活用することで区民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
◆和田ひでとし 委員 この区立保育園の在り方については、私、一般質問でも伺いましたが、区立奥沢西保育園の跡地は貴重な公有地であります。ぜひこの地域地区の特性をしっかりと見極めた上で、公共施設整備を進めていただきたいと思います。
これまでも言い続けてまいりましたが、児童館の未整備地区の解消については大変大きな課題であると区としても捉えているようですが、奥沢地区におきましては、奥沢中学校の一部改修が全面改築に変更されて複合化し、児童館を整備していただけるというめどがついたという報告を受けました。
隣の九品仏地区におきましても、いまだ未整備地区でありまして、地元の期待が大きいことは言うまでもありません。
区はこの奥沢西保育園の跡を活用して、児童館未整備地区の解消に向けた取組を進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎松本 政策企画課長 児童館整備につきましては、九品仏地区をはじめ、区内にはまだ未整備の地区がございます。区としましても、児童館を子どもの見守り支援等、セーフティーネットの中核と位置づけ、身近な地区ごとに整備することとしていることから、早期の整備が必要という認識でございます。
候補地の選定に当たりましては、児童館の機能を担うために必要な面積を確保する必要があるため、敷地規模の大きな学校施設の改築等の機会を捉えて複合化を図ることを基本としております。
九品仏地区につきましては、学校施設も限られていることから、奥沢西保育園跡地も有効な候補地であると考えております。立地条件や早期の整備可能性など、総合的に勘案し、候補地を選定してまいります。
なお、九品仏地区を含めた未整備地区全体の整備計画につきましては、令和四年度を目途に策定してまいります。
◆和田ひでとし 委員 これはまさに千載一遇のチャンスであると思うのですね。ですから、この九品仏地区への児童館整備は地元の期待も大きく、しっかりと進めていただくことを要望しておきます。
私の質疑の最後に、旧奥沢
まちづくりセンターの建物活用について伺ってまいります。
地元からも既に要望書が出ていると思いますが、奥沢
まちづくりセンターについては、新たな土地が購入でき、そしてそこに移転をしたために、これまでの旧奥沢
まちづくりセンターの建物については、現在もそのままの状態で残っております。
地元では、子育て児童ひろばが、例の奥沢のセンタービルの耐震化ができないということで、もう数年にわたって仮の運営になっております。地元の酒屋さんの御厚意で、お店を閉めるから、どうぞ使ってもいいですよということで、現在はその店舗の跡を使って仮運営となっておりますが、やはりまだまだ児童館整備までには時間がかかりますし、児童館がないというところで、この子育て児童ひろばについても大変貴重な施設であります。
そういったこの貴重な施設を、仮運営とはいえ、あの手狭な中で、いつまでも、何年も何年も続けていくのは、どうも、これは幾ら何でもちょっとかわいそうだよという声をたくさん聞いておりますし、地元からもこうやって要望が出ているということで、この現在の仮運営の場所から、旧の奥沢
まちづくりセンターの建物というのは、歩いても本当に二分程度というか、本当に至近距離にあるのですね。ですから、ここをぜひ地元の方々も使わせてほしいと言っている中で、この旧奥沢
まちづくりセンターを活用して、この子育て児童ひろば、仮運営ですけれども、できないか、これについて伺いたいと思います。
◎松本 政策企画課長 奥沢地区の児童館の開設につきましては、現時点では令和十年度以降となる予定であり、開設までの間、旧奥沢
まちづくりセンターを活用し、子どもの居場所の支援事業を実施することが可能かどうか、所管部で現在検討しているところでございます。旧奥沢
まちづくりセンターの建物を活用するためには、エレベーターの設置がないなど、ユニバーサルデザイン上の課題もあり、子どもの居場所として活用できるのは一階部分のみとなり、奥沢区民センター内にあった子育て児童ひろばの半分程度のスペースとなる可能性がございます。活用については、暫定活用に係る改修コストや子どもの居場所としての使い勝手、他の行政需要などを総合的に勘案した上で判断したいと考えております。
いずれにしましても、旧奥沢
まちづくりセンターは、区民にとって貴重な財産であるため、地区内の課題解決に資するかどうかなどを慎重に見極めた上で、令和四年度には活用の方向性を示してまいります。
◆和田ひでとし 委員 公共施設については、大変脆弱な状況というところもありますので、ぜひこの奥沢地区の公共施設整備について、あるいは九品仏地区の児童館整備に向けてしっかりと取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、加藤委員と交代をいたします。
◆加藤たいき 委員 引き続き自民党最後の質疑者となります。よろしくお願いします。
まず、私からは、予算の使用の仕方について伺っていきます。この間、我が会派を含めて、他会派からも指摘があった件です。中間本会議で成立した八次補正予算についてですが、抗原検査キットの予算、施策のよしあしは置いておいて、制度上に問題ないとしても、成立前に使用に踏み切ったというのは、やはりいかがなものかと思っております。成立前に踏み切った経緯は簡潔に伺いたいと思います。お願いします。
◎五十嵐 財政課長 八次の補正予算につきましてですが、予算案を議決いただいた後に事業実施というのは大原則でありまして、このことについては財政部門としても徹底しているところであります。しかしながら、御指摘の抗原検査キットの配布事業におきましては、急激なオミクロン株の感染拡大、さらには子どもへの感染拡大が見られたことから、速やかに対応する必要があると判断しまして、事前に区議会への情報提供をさせていただいた上で、議決前ではありますが、既存予算を活用し、先行実施させていただいたところでございます。
◆加藤たいき 委員 先ほど申したとおり、施策のよしあしとかではなく、またイデオロギーとかも置いておいたとしても、こういうやり方をされてしまうと、議会の存在意義とは何なのかという話にもなってくると思うんですよ。そんなに緊急性があるのであれば、専決という方法もあったのかなと思うのですが、専決ではなくなぜに補正でこのまま通そうと思ったのか、それも教えてください。
◎五十嵐 財政課長 区では、これまでも新型コロナ対策をはじめ、迅速な予算の対応が必要な場合においては、区議会での審議、議決を経ることを基本に、事前に区議会への丁寧な説明を行いながら、時機を逸することなく必要な予算の対応を行ってきたところでございます。
委員お話しの専決処分につきましては、地方自治法上、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるときに行うことができると規定されておりまして、これまでも急な選挙や、直近では、令和二年度五次補正予算においてワクチン住民接種の準備経費、特に緊急を要する場合など、様々な状況を踏まえ、専決処分による対応を行ってきたところでございます。
また、令和三年十二月には、子育て世帯及び住民税非課税世帯等への臨時特別給付金につきまして、臨時議会を招集させていただき、補正予算を議決いただくなど、区議会の御協力もいただきながら、遅滞なく対応してきたところでございます。
引き続き、その時点で取り得る手段を十分に検討いたしまして、事前の区議会への情報提供や丁寧な説明を行いながら、時機を逸することのないよう適時適切な予算の対応を図ってまいりたいと考えております。
◆加藤たいき 委員 緊急性がなければ専決は使えないということですが、それでも補正予算の前に使うというのは、私はこれを緊急性があったという認識で行政が出してきたものだと思うので、それに対してちょっと私は違和感を感じてしまいますよ。
補正予算というのは、通常ですが、ワンパッケージになっていて、いろいろな施策が織り込まれている上に、専決にするまでではないですが、緊急性が高いものが入っているという認識があって、緊急性があるという部分もあるので、比較的否定しにくい造りになっているのが、私は補正予算だと、この間、議員になってから感じている次第なのですが、今日この予算委員会も含めて、予算案であれば、通年議会で議論しながら審議して、予算案に乗ってくるものもあれば、なくなってくるものがあるという中で、そして予算案に乗ってきたものは、議会としては、組み替え動議だったり修正だったりという時間的余裕があるからできるものではないですか。先ほど申し上げたとおり、補正予算にしてしまうと、時間的余裕がないから、なかなか否定できないということで、この件に限って絞ってだけ言うと、こういういろいろ施策のよしあし、いろいろな会派があって、賛成、否定あると、多分、恐らく理事者の方々も思ってきた案件だと思うんですよ。やはりこの入れ方をされてしまうと、補正に紛れ込ませて、否定しにくい造りにしてしまったのではないかなという邪推すらしてしまうこともあり得るのですね。
本当にやりたい新規事業であれば、新たに議論するというところは、一つのことでも、審議をするというところは非常に大事なことなので、これは施策のよしあしも置いておいたとしても、今後は絶対にそういうことはないように、ぜひ覚えておいてもらいたいというところと、それでも緊急性が必要だということがあれば、私は覚悟を持って専決で取り組んで出すべきだったと思いますよ、この件に限って。
なので、その辺は私、個人的な主観も入ってきてしまうので、ここで一回置いておきますが、民間の営利企業であれば、こういうやり方、結果がありきで、プロセスをある程度すっ飛ばしたとしても、評価される部分はあるとは思うのですが、公金を扱う世田谷区、地方自治体は、やはり結果もしっかり必要ではありますが、プロセスというのが、公平性、透明性というのは、やはり担保された上で議論をしないと、こうやって議会から反発だったり、おかしいという声が上がってきてしまうわけですよ。
これは施策のよしあしで、皆さん、言っていない部分もあると思いますよ。そこはぜひ御理解いただきたいのですが、それでもやはり世田谷区長の保坂展人さん、政治家の側面もあるので、やりたいことがあるのは、中身はともあれ、姿勢は、私も政治家側の人間なので、理解をしていますが、これは、でも、やはり副区長だったりがブレーキを利かせないと、これは議会が反発しますよという案件だったりもするんですよ。しきりに保坂区長は、この間、議会と行政は両輪だとかという話があるのですが、私は最近のこの世田谷区の形を見ていると、もう三輪車のようにしか見えなくて、前輪が保坂区長で、後輪が今、行政側と議会になってしまって、このバランスは、私は非常にゆがんでいると思っておりますよ。
思い返せば、私、昨年度、この所管の領域の委員長もやらせていただいていて、世田谷モデルの話、もう一度持ち出させてもらいますが、いつでも、誰でも、何度でもの話が先行したときに、テレビで私も知って、たしかその数日後ですね、常任委員会が開催されて、そのとき、当時、宮崎前副区長に、私も含めて、委員の方々からいろいろ質疑が飛びましたが、宮崎前副区長は、報道も見ていないし、話も聞いていないというところで、世田谷モデルとは何ぞやという話で、議会は非常に紛糾しましたよね。
その後ですが、やはり理事者の皆様と、そして職員の皆様、そして宮崎前副区長が奮闘してくれて、どうにか議会として容認できるまでの形になって落ち着いたという、ブレーキがしっかりと利いたなというところは認識があるのですが、最近のこのやり方を見ていると、やはり議会が反発することは見えていたと私は感じていますので、正直ここにいる方々、私よりも大先輩の方々で、私もきついこととか、厳しいことは正直言いたくないですし、行政の方々と、正直対立したくないですよ。建設的な話をしながら世田谷区を前に進めたいと正直、思っていますが、やはり区民に選ばれた側の人間ですから、きついこと、厳しいことは、嫌でも、今後も言わせてもらいますので、しっかりと副区長、後ほどこの話、予算の話に触れますので、ちょっと考えていただければと思います。
この予算の話なんですが、ちょっともう一個遡るのですが、二〇二〇年、昨年度の決算委員会で、文教領域で、電子図書について質疑させていただきました。電子図書に関して、これも施策のよしあしではなくて、どこからこの予算を持ってきたのかという話をさせてもらいました。
そして、予算書を遡っても、当初予算に反映されていないし、突然事業決定して、覚えている方もいらっしゃるかもしれませんし、覚えていない方もいらっしゃるかもしれないので、ざっくり言いますと、プロポーザルが既に終わった後に、文教委員会に初めて報告されて、そのまま予算の話もないまま進んでいったという話なのですが、この質疑、決算委員会のときに、文教所管で話をしたときは、答弁、たしか財政当局と相談の上、二次補正の執行残額を使用することにしたとしていて、つまりは、大きな枠は教育委員会の中の図書事務の中の転用ということで、道理としてはまかり通るのかもしれないのですが、議会、そういった予算の流用の仕方、特に先ほど言ったように新規事業であれば、議会での予算の審議だったり、新規事業の委員会での電子図書をやりますという話もなかったわけですから、議会の存在というのはどうなのかというところが出てくると思うんですよ。
そして、こういうのって、行政理論では適当だったり適正だったりするのかもしれないのですが、到底私たちというか、私かもしれないのですが、認められるものではないと思いますし、こういったことは、正直、行政の中で、予算の流用というのは結構あるものなのか、それちょっとお伺いしたいです。
◎五十嵐 財政課長 委員お話しの令和二年度に新たに導入しました電子書籍サービスにつきましては、その前に補正予算として議決いただいた予約図書の貸出し宅配サービス事業、この執行残を活用し、さらなる感染対策として、区民の利便性向上のため実施した事業でございます。予算の流用ということは特段珍しいわけではなく、日常行っておりますが、新規事業ということですし、財源は別件の補正予算ということですので、しっかりと事業着手前に区議会への丁寧な説明が必要だったものと認識してございます。
◆加藤たいき 委員 暴論になってしまいますが、これはやはり予備費にお金をプールしておけば、違う事業ができてしまうというやり方は、議会としては到底無視できないと思うので、そこら辺はしっかりと、本当に必要な新規事業であれば、補正なりを組んでいかないと、税金ですから、予算は使わなかったら使わないでいいんですよ、本当に。執行額を上げる必要もないんですよ。ですので、しっかりと政策提案したりする議会を通して、いいものはいい、悪いものは悪い、是々非々でやっていくのが、バランスを取った正常な二元代表制だと思いますよ。
最近、やはり天秤が欠けて、水平を保てなくなっていると思うので、副区長をはじめ行政の方々は、中立性、昨日も立憲さんが中立性の話をしていましたよね。やはり今回も、予算に関しても、もうおかしいところはおかしい、議会が反発しますよとブレーキをかけてくれないと、私やはり議会と行政が対話できなくなってしまうということは、本当に区民にとって不幸なことだと思いますから、それでも保坂展人さんは本当に政治家の部分が多分にある方ですので、目に見えるブレーキをかけるように要望しますが、副区長、いかがですか。
◎中村 副区長 まず、御指摘を重く受け止めさせていただきます。その上で、予算案につきましては、予算を御議決いただいた後に事業執行というのが大原則と、これは改めて基本とさせていただきます。
その上で、いろいろなケースで時機を逸することのないように取り組む必要があるもの、これについては、お話があった専決処分ですとか、臨時会をお願いする、あと予備費であるとか、これまで流用という手法も使ってきたこともありました。その時点で、これら取り得る手段を十分に、区長を含めて検討して、事前の区議会への情報提供や丁寧な説明、これも前提とした上で、適時適切な予算の対応、これを図ってまいりたいと考えています。
◆加藤たいき 委員 やはり透明性ということを何よりも大事にしていただきたいなと思っております。
次に行きますが、私からもふるさと納税の件で、七十億円という数字は、なかなか無視できるものではないなと思っておりますが、私、着目したのは、結構驚いたのが、十万人の方がふるさと納税されているということで、区民の一〇%以上の方で、世帯主の率で考えたら、もっと高いのではないかなということはあると思っています。
その対策を今後どうしていくのかとまず考えたのですが、昨年度まで、ふるセタという形でキャンペーンを世田谷区で打っていたはずですが、今年度、ふるセタの、今、松本課長のPCにも貼ってありますが、なかなか見えないなと思うのですが、これは今年やらなかったのですか。それと、この事業の総括だったり事業検証という部分はどう考えているのか教えてください。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 お話のふるセタの取組ですが、令和元年度に有名人の方などにポスターに出ていただく、あるいはTシャツを作成するといったようなことでキャンペーンを張らせていただいたものでございます。
ふるさと納税制度ですが、本来は、ふるさとやゆかりのある自治体への寄附でありまして、区はこの間、寄附の使い道を明確にすることで寄附を募ってきております。その意図を分かりやすくお伝えするために、ふるセタというロゴマークや区民の方へのメッセージ発信動画といったものを通じて、区の取組や減収の状況をPRするキャンペーンを実施したものでございます。
このPRによりまして劇的に寄附が増えたというわけではございませんが、区の取組への理解が進み、少しずつでも寄附の件数や金額が伸びる下地になったと考えております。
◆加藤たいき 委員 このふるさと納税なんですが、世田谷区は、もう区長も含めて、返礼品競争にはくみしないと発言してきた中で、右肩上がりで増えてしまっている上に、大した策も講じていないとは、私は正直、所感では思っております。私も返礼品競争にそろそろくみしたほうがいいのではないかなと思っておりますよ。語弊がないように言いますが、過度なテレビやマスコミで騒がれているような返礼品競争ではなくて、世田谷区の産業だったり、地場の方々を、もっと返礼品に組み込んで、いろいろと世田谷区に御協力いただける、なおかつPRにもなるような施策を打っていかなくてはいけないのではないかなと思っています。
世田谷区の事業者のポテンシャルは、私はあると思っているので、そこをぜひ信じてもらいたいなというところと、もう一点は返礼品になり得るものを育てていかないといけないと私は思っています。
この間、世田谷区のシンボルって何かなと私自身も考えてみて、この決算委員会だったり予算委員会でも、よくほかの委員の方が、世田谷区と言ったらどうですかみたいなことを理事者に聞いて、緑の区ですみたいな話があるのですが、緑ってやはり抽象的過ぎてしまって、返礼品に組み込むには非常に難しいなと思っていたわけです。
やはり私、シンボルというものが必要だと思うので、何がいいかなと私なりにすごく考えた上で、一点だけちょっと提案したいものがありまして、世田谷区には日頃より御協力いただいているスポーツチームが幾つもあります。例えばブラックラムズさんなんて、先日、手に汗握る試合で勝利して、非常に面白い試合をされていましたが、そういった方々、今、現状手伝ってもらっていたり、あと、少し前に二部で優勝した女子サッカーのスフィーダ世田谷さんだったり、今年の一月一日に世田谷からJリーグのチームをつくろうということで、世田谷ユナイテッドさんというチームが立ち上がったり、本当に小学生、子どもたちに夢を見させたり、地域に愛着を持てるような環境に、一生懸命世田谷区のことを考えてくれている方々はたくさんいらっしゃると思うんですよ。
やはり納税の要因というのは、シンボルだったり、愛着というものが、私は非常に大きな部分ではないかなと思っています。地方みたいに宮崎県のマンゴーとか、北海道のカニみたいな戦いはできないのですから、世田谷ならではのものをしっかりと育てていく必要があるのですが、この点はいかがでしょうか。
◎髙井 経営改革・
官民連携担当課長 区への寄附を募るに当たりまして、愛着につながるような、多くの、広い区民の方を含めて、共感を得られる取組のメニューを示していくということはとても重要であると考えております。
今お話にありましたような、多様な区民が応援できる存在でありますスポーツチームといったところと互いに協力をして、新たな区民価値を創造することで、お互いにメリットを得ながら地域の向上に資することができるということで、官民連携の取組で、お話にありましたリコーブラックラムズとの連携協定などを結んでいるところでございまして、そうした観点も踏まえながら取組を進めていく必要があると思っております。
ふるさと納税の関連でいきましても、引き続きスポーツ関連をはじめとしまして、庁内の関係部署と連携いたしまして、特色のある取組に焦点を当てて、取組の意義や寄附金の使い道も分かりやすくお示ししながら、寄附の動機としていただけるよう、メニューをPRしてまいりたいと思っております。
◆加藤たいき 委員 ちょっと時間がなくなってきたので駆け足で行きますが、広報の仕方もちょっと考えなければいけないのかなと思っておりまして、七十億円流出という結構センセーショナルなもので、私、区民の知人、友人からも、そんなに出ていってしまっているんだという話を何度か耳にしました。
では、私もやらないと損かなとかいう話も出てきてしまうんですよ、こういった見方をすると。集団心理で考えると、私は、広報のやり過ぎという形で今、十万人にも行ってしまっているのではないかなという気がしているので、このふるさと納税ですが、区長は制度を利用した方のみ受けられる不公平感が問題だとよくおっしゃっていたのですが、これまでも私、議会で言っていますが、生産年齢人口世代の行政的恩恵、政治的恩恵がなかなかない中で、自分で恩恵を受けられるこのふるさと納税を否定するのであれば、どこか違うもので、しっかりと世田谷区に対して恩恵をつくるようにしないと、やはりどんどんどんどん外へ出て行ってしまうので、広報の仕方も含めてちょっと考え直してもらいたいと思います。
ちょっとふるさと納税から派生して税外収入の部分に行きますが、ちょっと行政経営改革効果額というところの予算案の後半のほうで見ていた表を見て戦慄を覚えたのですが、効果額見込みで、例えば事業手法の見直し等による効率化・質の向上と書いてあって、二千二百四十五で、これは数字の間違いかなと思ったのですが、これは千円単位で二百二十万円しか見込みがないんですよね、こういったもの。こういうのは、もう時間がないので質問はしないですが、もうこれは見込額ではなくて、しっかり目標を立てていかないと、私は効果がないと思うんですよ。単なる見込み、これは入ってくる想定で書かれているだけで、目標を立てないと。
その上に、課の中で一年間どういった数字を上げていくのか、そして言うなれば、おのおのの個人個人に、こういった仕事を、数字を含めて、KPIみたいなもので出した上でやっていかないと、こんな行革なんて数字は積み上がっていかないと思いますよ。
そして、七十億円流出しているのですから、そして、ふるさと納税でも戦わない、返礼品にくみしないと言っているぐらいですから、戦わないと言っているぐらいなので、どこかで補填していく必要はあると思うんですよ。
そして、それでも収益化しないというポテンシャルのある池尻中跡地とか、もう稼ぐスキームを放棄しているということは、ほかのところでしっかりと行政内で話し合って、稼ぐスキームというものをつくらないと、区民へのサービス、質が落ちるということはあってはならないので、お願いします。
最後にちょっと意見だけにとどめておきますが、ウクライナの話です。ウクライナで大変な思いをされている方が、報道ベースですが、八人日本に入られたということで、もし世田谷区で受入れ要請等がありましたら、慌てて準備するのではなくて、今のうちにしっかりと準備をされて、日本っていい国だなと思ってもらえるようなサービスをしてもらいたいなと要望して、自民党の企画総務領域の質疑を終わります。
○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
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○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後六時十一分散会...