世田谷区議会 2021-10-05
令和 3年 9月 決算特別委員会−10月05日-04号
令和 3年 9月
決算特別委員会−10月05日-04号令和 3年 9月
決算特別委員会
令和3年
決算特別委員会
決算特別委員会会議録第四号
日 時 令和三年十月五日(火曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十三名)
委員長 加藤たいき
副委員長 いたいひとし
副委員長 ひえしま 進
阿久津 皇
石川ナオミ
おぎのけんじ
河野俊弘
宍戸三郎
菅沼つとむ
畠山晋一
真鍋よしゆき
和田ひでとし
岡本のぶ子
佐藤ひろと
管理課長 笹本 修
事業課長 泉 哲郎
────────────────────
本日の会議に付した事件
認定第一号 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 令和二年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 令和二年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 令和二年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 令和二年度世田谷区
学校給食費会計歳入歳出決算認定
(
区民生活委員会所管分に対する質疑)
────────────────────
午前十時開議
○加藤たいき 委員長 ただいまから
決算特別委員会を開会いたします。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 本日は、
区民生活委員会所管分の決算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
世田谷立憲民主党、どうぞ。
◆中山みずほ 委員 おはようございます。
世田谷立憲民主党、区民生活所管の質疑を始めさせていただきます。
令和二年度の会計主要施策の成果、全て確認させていただきました。その中で重点政策4、自然の恵みを活かして小さなエネルギーで暮らす豊かなまちの実現というところに着目させていただきました。ここの五五ページにあります2)の参加と協働の取組みに対する評価の中の、課題・今後の進め方に、昨年十月に発出されました世田谷区
気候非常事態宣言を区民全体に浸透させるためにリーフレットの作成、SNSを通じた発信など、気候危機の状況について、あらゆる機会を通じて普及啓発という言葉がありました。昨年度においてはいわゆる普及啓発というところに重きが置かれたと考えております。
五七ページの3)成果ですが、最後の丸、課題と今後の政策展開の下から四行目、二〇五〇年
CO2排出量実質ゼロを目指し、区としての率先行動を加速と書かれています。この加速する部分に関して具体的に確認をさせていただきたいと思います。
まず、具体的に二つのことを聞いていきます。
一つは、環境配慮制度における評価算定書について着目しました。世田谷区は一九九五年四月より、環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業を実施しようとする事業者、開発事業者に対して、環境負荷の低減や公害の防止、環境の保全・回復及び創出へ向けた環境配慮制度が進められています。義務ではなく任意と聞いていますが、ほぼ一〇〇%に近い割合で事業者からは環境計画書が提出されていると伺っています。環境配慮制度については、創エネ、省エネを進める際に重要になるのが、事業者から提出される評価算定書のチェックリストだと考えています。
環境配慮制度、このように令和三年度分を拝見しました。その中の一六ページに評価算定書が四つの項目であります。一つは
自然エネルギーの有効利用、二つ目は
省エネルギー対策、三つ目は、みどりの保全・創出で、四つ目が、災害対策、この四つの切り口で、それぞれ具体的な配慮はどのようにされているか項目があるわけです。
具体的にこの配慮項目を全て見たのですが、その中には、ちょっと現状にそぐわない内容もあるのではないかと考えました。例えば一七ページにある
省エネルギー対策の中に、いわゆるLEDを採用した場合、これはもうほぼ建物としてはデフォルトでないかと、わざわざこの項目を設ける必要があるのかということ。また、
自然エネルギーのところの太陽光などでも、今の
自然エネルギー技術の進化には、ちょっとまだ適応できていないように感じます。
また、今まさに都議会開催中でありますが、小池都知事は所信表明で、一定の新築建築物に太陽光発電を義務づける都独自の制度の導入に向けて検討を開始するとおっしゃられています。
そこで質問です。今後、評価算定書の項目や基準点を時代に合わせたものに改定すべきと私は考えますが、区の見解を伺います。
◎坂本 環境保全課長 区では、世田谷区環境基本条例に基づき、本制度を平成七年四月に設置し、区内に大規模な開発事業等を実施する事業者に対して環境計画書の提出を要請しております。本制度の対象となる事業のうち、建築物の建設を行う開発事業者に対して、事業者の自己評価をした評価算定書が含まれる環境計画書を、事前協議を経て提出を求めています。提出された環境計画書は、街づくり課など区関係部署で構成されます
環境配慮幹事会で環境配慮の内容の検討を行った後に環境審議会に報告しており、
万が一環境配慮幹事会において環境配慮が不十分と認めた場合、改めて環境配慮の要請や環境審議会への諮問などを行うことができます。
現在見直しを進めています世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画と並行して環境配慮制度も見直しを検討しており、委員御指摘の評価算定書についても、その見直しの中で改定をする予定でございます。
令和五年度の改定に向けて、環境審議会の御意見もいただきながら、省エネ対策や
自然エネルギーの有効利用については、時代に即したものとなるよう改定に取り組んでまいります。
◆中山みずほ 委員 令和五年度改定ということなので、これも引き続き、内容についても注目していきたいと思います。
次に、これまで区は、七月に世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画の見直しを環境審議会に諮問しました。議論をスタートさせたわけです。そして、区内の
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指して全庁一体となって気候変動に取り組む推進体制として、関係部長で組織した
気候危機対策会議が発足しました。そこで、この会議の在り方について伺います。
気候危機対策会議で議論されたことは、
部門別行政計画にどのように反映されるのか、私はそこが大変重要だと考えています。既に第一回目の会議が開催されたと聞いていますが、実際この会議の位置づけ、役割、構成メンバーはどのようなものでしょうか。
◎須田 環境計画課長
気候危機対策会議は、昨年十月に発出した
気候非常事態宣言を踏まえ、区の
地球温暖化対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための会議体として、先月十日に設置いたしました。委員長であります担当副区長の下、気候変動や地球温暖化の対策に関して特に関連の深い所管の部長級職員などを委員とし、二十四名で構成しております。
◆中山みずほ 委員 今の御答弁では、その位置づけの方向性の確認の場であるということを聞きました。私もその会議の要綱を拝見しましたが、この会議の委員長は岩本副区長であると確認いたしました。
この会議の位置づけが、ちょっと弱いと思うのですね。この危機を乗り越えて、先ほど主要施策の成果にもあったように加速させていくこと、区自らそう進めていくことを、ゼロカーボンシティーを目指すためにやっていくということと考えますと、この会議体にはもっと強い権限を持たすべきではないかと考えますが、副区長の見解を伺いたいと思います。
◎岩本 副区長
気候危機対策会議を立ち上げまして、九月二十八日、第二回目を開きまして、具体に今後どういう検討をしていくかということで、第三回目では
グリーンインフラを議題にしましょうということで話をしました。
その中で、区長は正式メンバーではございませんが、区長も参加していただきまして、その中では、徹底的な勉強会の位置づけにもしてほしいという指摘と、ただ議論をするだけではなく、全体像と数値を意識して議論を進めてほしいといった指示もございました。
御指摘いただきましたように、こういった会議については、予算と計画への反映ということが実現に向けた肝でございますので、常にそれを意識しながら課題について議論をしていきたいと考えてございます。
◆中山みずほ 委員 区長は今までも参加されていたのか、今度区長もいらっしゃるということですが、次はグリーインフラをテーマにということですが、議論の場はもちろん横断的にやることは必要だと思うのですが、そこに具体的な、ある程度の成果、どう所管に落ちていったか、どう成果が出たかも、今後見ていただきたいと要望したいと思います。
次に、旧
池尻中学校跡地について伺います。
サウンディング型市場調査が七月に実施されたと報告を受けています。結果としては、校庭と体育館を新たに活用することで、入居事業者や関係企業との交流、事業連携、先端技術などの社会的実証の場としての有効性があること、また、次世代を担う子どもへの起業家教育も含めた実践的な新たな学びへの効果が生まれるという提案が、十六社ヒアリングされたと聞いていますが、あると伺いました。
その上で三つの柱は、1、コレクティブインパクト、2、グロース、3、ウェルビーイングと位置づけられています。
この九月の委員会で、私も
区民生活委員会で報告を受けたのですが、この頂いた資料、また報告を見る限りでは、何か今日的なキーワードが総花的に並べられているだけのようにしか感じられなかったのですね。
他会派からの指摘もあったように、この公益性という、いわゆる区がやる意義というところが、いまいち見えなかった、これが正直なところです。
今の社会課題の認識だとか、これからの産業の在り方という指摘に対しては私も共感するところです。今進められている
産業振興基本条例にもその辺が書かれていたかと思いますが、しかし、これが、区が税金を投じてやるべきこと、事業者を頼ってやっていくべきことなのかというところにまだ疑問が残っています。
例えば、あの池尻の中学校の跡地が、いわゆる一般企業の持ち物だったとして、その企業が、ある程度利益をちょっと度外視して、採算性を度外視して、いわゆる企業のCSRとして、ここを何かやっていくぞという企画であれば、全く反論もなく、すばらしいねと注目するに値すると思うのです。ところが、区がやるというところが、やはり今回最大の視点だと思うのですね。
そこで、具体的に内容をもうちょっと鮮明にするために今日は質問していきたいと思います。これまでの世田谷区の
ものづくり学校と、新しい跡地利用のコンセプトの違いは端的に何でしょうか、お伺いします。
◎納屋
産業連携交流推進課長 現
ものづくり学校では、
ものづくり分野を中心とした起業・創業支援や
コミュニティーづくりに注力した取組を進めてまいりましたが、地元産業との連携や波及などが薄かった面があると考えております。
旧池尻中跡地の新たな活用におきましては、先端技術や創造性により、
ものづくり分野に限らず、広く区内産業の活性化や地元産業との連携に直結する取組を実施する施設としていきたいと考えております。
具体的には、域外から稼ぐ新たな産業の創出に加え、
イノベーション人材の育成や、そのような人材と既存産業との
コラボレーション促進などを通じて、既存産業の再活性化に強く寄与する施設とすること。また、それらの企業が、例えば超高齢社会での困り事を解決するなど、社会課題の解決に関与することなどが大きく異なってくるものと考えております。
加えて、施設に集う先端技術や創造性を持つ企業や人材を活用し、子どもたちのアントレプレナーシップ、起業家精神を育む場となることを目指してまいります。
また、運営や評価方法につきましても、これまでの
ものづくり学校の検証を踏まえて、
運営委員会方式で区も運営者として参画すること、さらに、
第三者評価委員会を設置して具体的なKPIに基づく評価、検証を行っていくという方法を構築していきたいと考えております。
◆中山みずほ 委員 今一通り、今までとの違い、述べられていたことを確認しました。また、
第三者評価委員会を設置して、万が一何かずれがあったり、もしくは何か問題があったり、課題があった場合、具体的なKPIに基づいて、この
第三者評価委員会が評価、検証していくと。今までは多分この機能がなかったから、今回そういう仕組みをつくるのだという認識でおります。ここにもいろいろまだ課題はあると思うのですが、今日はちょっとここは深く入りません。
ただ、この仕組みはすごく重要だと考えていまして、というのは、所管は違いますが、私たちの会派でも言っていました、教育委員会がやっていたタッチ・ザ・ワールドに関しても、振り返ることができない、やめることができないということがずうっと続いてきたわけですね。同じとは言いませんが、やはり企業であれば、すぐ撤収するんですよ。ところが区というのはなかなか、行政、計画的にやっていく中で、撤収はしづらいと。そういう意味で、この第三者評価を物すごく機能的に活用しなければならないと思っています。
また、今KPIという言葉、具体的なKPIに基づくとありましたが、何となく報告を聞いていて私がぼやんとするなと思っていたのは、KPIというのはあくまでもプロセスの評価なわけですね。このプロセスではなくてKGI、ゴールに対する、そのゴールの目標、ここのKPIはいっぱいある中の、この上にかかるところが、今回の報告ではあまり明文化されていなかったように感じるのですね。それが多分、私の中のもやもや、皆さんもそうですが、原因ではないかと考えました。
本施設においては、さっき申し上げたような三つの柱が示されています。これらを踏まえてどのようなKGIを設定するのか、また、その実現に向けて参考にする事業などがあるのかどうか伺います。
◎納屋
産業連携交流推進課長 目指すゴールとしましては、先端技術や創造性による区内産業の再活性化、社会課題の解決、アントレプレナーの育成を図っていくことを掲げております。また、今申し上げたゴールを目指すに当たりましては、例えば福岡の
スタートアップ支援施設、フクオカグロースネクストの
スタートアップ支援、中野のビビストップという施設における、子どもの好奇心を尊重して子どもたちの無限の可能性を引き出す取組、下北沢の
ボーナストラックにおける開かれた交流の空間やチャレンジの場などを参考として検討を進めております。
◆中山みずほ 委員 今、具体的に福岡のグロースネクスト、ビビストップ、
ボーナストラックという事業が挙げられまして、これによってそれぞれイメージは少しできてくるかなと思いますが、これはそれぞれ一つ一つが立っているもので、それを総合的にやるということですよね。そこにも少し課題があると思いますが、一つ、このビビストップ、これは私も柏にできたときに注目していましたが、これは中野では学校法人がやっていますよね。そこに対して、世田谷区もこれをやっていくのだ、経済産業部としてもやっていくのだということに関して、教育委員会との連携はあるのでしょうか、端的にお願いします。
◎納屋
産業連携交流推進課長 御指摘のとおり、子どもの学びの場を設置していくに当たりましては、教育委員会との連携が不可欠と考えております。先ほど申し上げましたビビストップには、経済産業部と教育委員会とともに視察にも行ったりしております。実現に向けたさらなる具体化や、また将来的な運用段階におきましても連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
◆中山みずほ 委員 一緒に視察をしたということで、今後について、事業が進むに当たっては、できれば文教にも併せ報告で、きちんと報告をしていただきたいということを、教育委員会のほうにもお願いしたいと思います。
今までの
ものづくり学校でも、一部
プログラミング教室とかはやっていましたが、あれは、たな子がやっていたわけで、あくまでもこれは事業としてやるということの認識だと思います。
次に、運営事業者がこれから決まると思うのですが、このマネタイズモデル、収益構造、これは多分今までと変わらず、これまで同様だと、場所の貸出しによって収益を得るということだと思うのですが、これはどんな業態、業種でもよいとされることはないと思うのですね。これがしっかりしないことでは、全体のコンセプトから外れてしまう。どのような企業や法人を想定しているのでしょうか。
◎納屋
産業連携交流推進課長 運営事業者にとって、入居事業者から得る家賃、賃借料は収益の大きな柱になると考えております。具体的な入居企業につきましては、現
ものづくり学校においても、分野や創業年数などの基準を設けているところですが、新たな活用方法におきましては、
ものづくり分野以外の多様な業種も想定するとともに、また、地域経済への貢献や地域課題の解決への寄与などの観点も踏まえて、今後、具体的な入居基準を設定した上で、入居企業を選定することになると考えております。
◆中山みずほ 委員 今、入居基準設定ということで、これは区議会のほうにもですが、もちろん区民の皆様にも分かるように明確にしていただきたいと要望します。
次に、この事業に見合う区の支払い賃料について、報告では現在の賃料、月百万円程度を基本に検討とありましたが、これはほぼ決定でしょうか、伺います。
◎納屋
産業連携交流推進課長 賃料につきましては、本年七月に民間事業者との
サウンディング調査を実施し、基本コンセプトに基づく事業を実施することで、これまでよりも公益性の高い事業が多くなること、校庭と体育館は区民利用も想定され、大きな収益は見込めないことなどから、無償から月百万円程度という意見が多くを占めました。
これらの意見に加え、想定されるテナント収入をベースにしつつ、また、区側が求める多数の公益的事業の実施に多額を要することを差し引いて、総合的に勘案し、現在の賃料である月百万円程度を検討の基礎にしているところであり、これで決定ということではございません。区側が求める多数の公益的事業を行うことを前提とし、区民への開放度や区民への還元度、民間事業者の自主的活用の裁量の増減によっては、賃料についても増減することはあると考えております。
◆中山みずほ 委員 分かりました。多分これだけの事業を行えるというのは、それなりの企業でないと無理ではないかと思うのですね。簡単にできることではないと思います。それだけ体力がある事業者であれば、ある程度の賃料を取って、この区の収益性を上げるという点だけではなくて、やはりこの本気度を見るとか、あと、ある程度のその担保できるような、いわゆる、今無償から百万円とありましたが、そのよい線引きのところは必ずあると思います。
やはり企業というのは利潤の追求が、言わずもがなですが、最大目標でありますから、中には御担当者の中、もしくは接点がある方は、こういった社会事業に興味ある方がいるかもしれませんが、基本的に会社自体は利益の追求、利潤の追求でありますから、そこに、だまされないという言い方は失礼ですが、負けないようにしていただきたいということを要望します。
ちょっと時間がないので、
産業振興基本条例との関係性については改めてまた伺いたいと思いますが、最後に田中部長、本気度、これを聞きたいです。端的に一言で、成功しますかということを伺いたいのですが、どうでしょうか。
◎田中 経済産業部長 今までの反省点も踏まえて、これがうまくいくように全力を挙げていきたいと思っています。
◆中山みずほ 委員 以上で私からの質問を終わります。
◆いそだ久美子 委員 私からは、プラスチックごみ処理と発生抑制に関する区の取組について質問いたします。
三月の予算特別委員会で、全国的にコロナ禍の影響で、ごみが増大し、特に弁当がらなどプラスチック容器の廃棄物が増えていることや、国で閣議決定されたプラスチック資源循環法案について取り上げました。
区でも、これまで減り続けていた一人当たりごみ量が増大に転じたということで、資源の循環、ごみの発生抑制につき、さらに重点項目として取り組む必要があります。
区では使用後のプラスチック容器を回収員手渡し方式で回収していますが、この回収量は、その後増えていますでしょうか。伸び悩んでいるとしたら、進まない原因はどのようなことが考えられるでしょうか、お願いします。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 資源の行政回収につきましては、集積所からの回収、公共施設内に設置した回収ボックスからの回収のほか、二十七か所の公共施設において待機する回収員に手渡ししていただく回収員手渡し方式がございます。この方式は、回収対象品目であることや、食品残渣などで汚れていないことを回収員が目視で確認して受け取ることにより、選別等の中間処理コストが不要となるメリットがございます。
回収実績としては、平成二十八年度以降、約七トンで推移していましたが、昨年度は約六トンと減少いたしました。この減少は、新型コロナウイルス感染症対策で、回収先となる公共施設が閉館していることや、区民との対面に伴う三密を回避しなければならないことから、一時期中止した影響によります。また、お買物の際など、スーパー等の店頭での回収が利用されていることも、区の回収量に影響していると思われます。
◆いそだ久美子 委員 区は若干、一トンほど減っているけれども、スーパーで回収が進んでいる影響もあるのではないかということで、世田谷区単独での回収量でなくとも、スーパーや小売店での回収を加算した区全体での回収量が増えていれば、よい傾向だと思いますが、この点をはっきりさせるためにも、今後のためにも、全体量を把握する必要があると思います。プラスチック資源循環法の施行前と施行後、今はちょうどその時期ですが、スーパー、小売店での回収量の変動も調査いただきたいと思いますが、こちらは可能でしょうか。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 スーパーなど小売店における店舗独自の回収について、区では、資源・ごみの収集カレンダーやホームページで、店舗名、所在地、回収品目について御案内をしているところでございますので、区で把握している店舗については調査可能と思われます。今後、例えばカレンダー等掲載事項の内容確認の際などに、店舗における回収量等を調査してまいります。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。これまで、他会派からも関連の質問が出ていますが、区民の啓発が進んで、資源プラスチックの回収量が増えましたら、回収業者及びプラントの処理能力が追いつかないという問題が出てきます。プラスチック資源循環促進法の施行は来年四月です。処理先の確保については、清掃・リサイクル審議会で検討の上、その後の十分な対応、つまり収集運搬体制や処理施設の確保について早い段階で方向性を示し、これはもう区だけの問題ではなくなりますので、国や都と連携して準備を進められるように、こちらは要望としてよろしくお願いいたします。
次に、プラごみ発生抑制の取組についてです。
予算特別委員会では、そもそも二酸化炭素の発生を抑制するために、燃やしてもCO2量が増大しないカーボンニュートラル素材の容器、バガス容器などを店舗で使うことを推奨すべきといたしました。
区では、エコフレンドリーショップの登録制度をつくり、食品ロスやプラスチック製品の削減に協力する店舗にバガス容器を配布したり、登録店を区のホームページで紹介、啓発用ポスター、ステッカーを配布する取組を二〇二〇年十二月から始めています。三月にお聞きしたときは、登録店は五店舗でした。いま一つといったところでしたが、現在では何店で、年間目標店舗数は幾つでしょうか、お願いします。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 消費者が、ふだんの食事や買物で使い捨てプラスチックや食品ロスの削減に取り組むには、エコフレンドリーショップの登録店舗を増やすことが重要であると認識をしております。昨年十二月から登録店の募集を開始いたしましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、事業者の募集や事業のPRが十分できず、六店舗の登録となっております。
これまで商店街連合会への事業の周知や、せたがやエコノミックスへの掲載を通じて登録店の募集を行ってまいりました。現在、一部の外食大手事業者に新規登録を働きかけているところでございます。今年度の新規登録店舗数が十件を超えるよう、個人経営の小売店や飲食店などにも登録を呼びかけてまいります。
◆いそだ久美子 委員 今六店で、あと四店と、達成できない数ではないと思いますが、区独自の広報活動にも限界があると思いますので、この点、事業者も巻き込んで知恵やリソースを共有することが必要だと思います。
発生抑制と再利用に力点を置いた世田谷区2R推進会議という取組があって、大学や企業などと連携協力していると聞いております。ここで御提案ですが、この2R会議に属する研究室の大学生さんにエコアンバサダーみたいな形で協力していただいて、地域の店舗に行ってもらって、自らの勉強を兼ねて、エコフレンドリーショップ制度を紹介してもらうなどというのはいかがでしょうか。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 現在、大学や事業者、区民団体等が参加する世田谷区2R推進会議が発行する、せたがや2R通信でもエコフレンドリーショップを特集し、登録店舗のPRと店舗の利用を促進しているところでございます。
この世田谷区2R推進会議は、平成二十四年度から活動を開始し、区内外の大学や小売店などの民間事業者、区民団体、NPOなど様々な団体が連携して、主に若年層や無関心層に向け、使い捨てプラスチックや食品ロスの削減など、2Rを中心としたごみ減量に関する普及啓発事業を行っております。
委員御提案の大学生によるエコフレンドリーショップの紹介等につきましては、学生の持つ情報発信力から、有効な手段と考えます。大学においては、新型コロナウイルス感染症による活動制限等がある状況ですので、実施時期等を見極めつつ、効果的な手法について検討してまいります。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。
では次の質問、区施設の使い捨て傘袋の削減策について質問いたします。
二〇一九年の第三回定例会で、年間二十九万枚に及ぶプラスチック製使い捨ての傘袋を削減するため、プラスチック・スマートプロジェクトの一環として、使い回しの傘袋の導入を提案いたしました。これは使い捨てのほうですね。今、下から借りてきました。
その後、区オリジナルデザインの使い回し傘袋、こちらを早速つくっていただきました。でも、運悪くコロナ禍となって、配布した区内十七施設中、使用したのは六施設だとお聞きしています。では、この六施設で、使い捨て傘袋削減の効果はどれぐらいあったか、まずお聞きします。
◎須田 環境計画課長 昨年より区施設十七か所に使い回し傘袋を配備しておりますが、コロナ禍で使用を控える施設もあり、昨年度の利用実績は六施設にとどまっております。使用した施設での使い捨て傘袋の削減数は約八千八百枚でございました。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。令和二年八月から一年間のトライで、こちらは八千八百枚の削減、目に見える効果があったと感じております。この明細も頂きましたが、一番多いところで、使い回し傘袋のみの設置に変えた、ひだまり友遊会館は前年実績比較で五千枚削減、使い捨て傘袋と使い回し傘袋を併用して置いた喜多見まちづくりセンターでは六五%減ですね。同じく併用したエコプラザ用賀では九六%減、両方が置いてあれば、使い回し傘袋を選ぶ区民が多いということも、この結果から類推できます。
しかし、使い回し傘袋からコロナがうつらないか心配だという御意見もあったと聞いております。これら使い回し傘袋を導入した区施設で、コロナ罹患者及びクラスターが発生したという事例は出ておりますでしょうか。
◎須田 環境計画課長 使用した六施設におきましては、クラスターの発生はお聞きしておりません。
◆いそだ久美子 委員 事例はなかったと私も認識しておりますが、それでも心配だという声に応えて、区の対応を工夫すべきとも考えます。どのような方法が考えられるでしょうか。
◎須田 環境計画課長 例えば、使用の都度アルコール消毒を実施することや、使い捨て傘袋と使い回し傘袋を併用し、区民の選択により利用できるようにすることなどが考えられます。現在、各施設においても苦慮しながら対応している状況でございます。
◆いそだ久美子 委員 アルコール消毒の作業をしてくださった施設の職員には感謝いたしますとともに、当面は使い捨て傘袋と使い回し、両方を用意して、気になる方には使い捨てのほうを使ってもらうことで、この問題は解決できるかと思います。
話は戻りまして、今回の結果は、ぜひ他の区施設にも通知して、また区の情報紙にも掲載して、使い回し傘袋の普及、使い捨て傘袋の削減をさらに推進していきたいと考えますが、今後の取組はどのように考えておられますでしょうか。
◎須田 環境計画課長 区民が安心して利用できますよう、消毒の徹底など感染症対策を講じながら、各施設の状況に応じまして、使い回し傘袋の利用を推進してまいります。また、プラスチックごみの削減に向けて、マイバッグ、マイボトルに加え、マイ傘袋の持参についても区民に呼びかけてまいります。
◆いそだ久美子 委員 十七施設中、六施設が使っているということは、あと十一の区施設で、使い回し傘袋をもう配備していながらしまい込んでいる状態ですので、コロナ感染が一段落している今こそ、ぜひ使ってみるよう啓発を、今、一か月でも使えば、こちらのほうが削減できるので、まず啓発をお願いしたいと思います。
また、お話のマイ傘袋、これはまだあまり普及していないので、ぜひこの点もプラスチック・スマートプロジェクトの一環として、例えば区として、ノベルティーとして世に広めていただければと要望して、この質問は終わります。
今回、最後になりますが、世田谷デジタルミュージアムについて質問しようと思ったのですが、こちらは文教領域だということで、そちらのほうに回しますが、ミュージアムと名がつくからには、区民は世田谷美術館や文学館と一緒のものとして捉えます。文教で質問はいたしますが、文化・芸術振興課も、こちらをスルーしないで一緒に考えていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆中村公太朗 委員 では、今日はせたがやPayについてから少し質問していきたいと思っています。せたがやPay、せたPayは徐々に認知度は上がっているかと思いますが、改めて説明はしませんが、最近、CM等でPayPayが、地域で使うと何十%バックしますよと。これは当初、世田谷でも、せたがやPayという形になる前に、どのような形でやるかといったときに、たしかPayPayの利用も一つの選択肢として検討されて、選ばなかったというような報告があったかと思いますが、この間のPayPayを使う、PayPayに限らないですが、民間の電子決済を使わなかった理由は何なのか、改めて伺いたいと思います。
◎中西 商業課長 PayPayでポイントを還元するということで、確かに、あちらで今やっているのは、地元のお店に限って還元しますということはできるのですが、では、ついたポイントがどうなるかというと、それは汎用的なポイントになって、例えばインターネットでの購買にも使うことができてしまうということになりまして、せっかく税金で還元をしても、それが地元の店で使われないということになるので、消費をできるだけ区内で循環したいということから、独自の取組でやっていこうということにしたものです。
◆中村公太朗 委員 全くそのとおりだと思いますよね。確かに認知度とか当初の普及度は、そういうものを利用した方が早いのかなと思いますが、今、課長がおっしゃるように、ポイントがどうなるだとか、変な話、普通にPayPayを利用している人が、たまたまあっちの区へ行って何%使って、こっちの区へ行って何%みたいなことは結構起きているようですから、世田谷区としては様々な検討の中では、独自の電子マネーと言うのかな、このプラットフォームを、多少経費がかかるにしても、イニシャルはかかるにしてもつくって導入していくという判断は、今のPayPayを使ったプレミアム的なものが、各区でCMが流れている中を見ても、改めて世田谷はよかったなと思っています。
とはいっても、一方で、一度つくってしまったら、PayPayはやめれば終わりですが、世田谷の場合は、数か月後からこのせたPayやめますといったときに、ではチャージされたお金はどうなるのだとか、ポイントはどうなるという話になるので、なかなか区が返金するというわけにもいかないでしょうから、進めた以上は、もうこれは多分、考え得る中では、比較的恒常的に、恒久的にと言えばいいのか、やっていかなければいけないわけで、そういう意味ではリスクも、可能性もたくさん秘めているものだと思いますから、この点はより慎重かつ、しっかりと進めていっていただきたいなと思うわけです。
そういった中で、最近、このせたPayはできて、これまでも様々な提案等々ありましたが、少し位置づけが混在しているのかと思います。その位置づけがなかなか理解が、方向性が若干違ってくると、そこに対する声も大分変わってくるのかと思っていますので、改めてお伺いしたいのですが、このせたがやPayを使う、つくったことは、もちろんこれまでの商品券事業の流れもありますが、基本的には個店支援ということの流れでよろしいのですよね、伺います。
◎中西 商業課長 個店支援、商業の支援ということで始めたもの、また区内での消費循環を行っていき、最終的には、お店で決済したものが、例えば仕入れに使われるというような、順繰りに回っていくというような経済循環を図っていこうという趣旨で始めたものでございます。
◆中村公太朗 委員 そうすると、消費とか個店支援ということなので、あくまで一義的には区内でお店をやられている方々の援助、支援になればということでスタートをした。利用者にとっては、そもそも商品券事業というのは、プレミアム商品券であれば、利用者はプレミアム分がお得になるわけですが、その利用者のお得だったり、今回のこういう電子化することによる便利みたいなものがたくさん出てくるわけですが、それよりも、本来の目的は、まず先に個店への支援というのが第一義的に来るべきなのだろうと思うわけです。
そうなると、時折、今後このせたPayが公共料金だったり税金の支払いをできるようにしたらよいのではないかというような声も多少聞こえてくるわけですが、例えばプレミアム分をつけて、それが税金に払うのに充てられてしまったら、それは単なる減税になってしまうと思うのですが、それは趣旨とは全然違うというか、できないということでよいのですよね。
◎中西 商業課長 支払いの方法として、税金だとか公共料金を支払えるようにすることで利便性を高めて利用者を増やしていくということと、あとDXを推進していくという観点から、まずその辺は検討していくべきと思っているのですが、ポイントを税の支払いに使えるだとか、あるいは税を払ったらポイントがつくというのは、おっしゃるとおり減税になってしまうので、それはないと考えております。
◆中村公太朗 委員 なので、ちゃんとこう整理をして、使う側も、お店側も、もしくは導入をしている区側と言うのですかね、今回、商店街の事業ですが、商店街もちゃんと理解をしないと、例えば楽天だと季節限定ポイントみたいな、普通のお金とはまた違う種別のものが中に何個か介在をして、例えば税金に使えるとすると、チャージしたときにもポイントはつかない、払うときにもポイントはつかないみたいな区分けの電子マネーと、ポイントもつくし、だから、まず自分でチャージしたお金として使えるものと、さらに付加されたポイントとみたいな、すごく複雑化をしていってしまって、恐らく今のせたがやPayの中では、そこまでの仕組みができないのではないかとか思うし、利用者も、なかなか複雑化してくると思うので、やはりその辺は、もちろん便利が大前提にあった上で、便利があるというのはすごくよいことだと思いますが、そして、それが今後、改良の余地はあるのかもしれませんが、少しその当初の目的というものと、その便利というものが、もしずれ始めているのだとしたら、その辺はしっかりと議論を、先頭に立って、周知も含めて引っ張っていただきたいなということが一点です。
そして、先ほど来申し上げていますように、これは商品券事業の一環というか流れというか、それが先進的になっていくのだろうなという理解をしていますので、ほかの会派からも、これまで何度か声も上がっていますが、これまでやってきた紙の商品券事業が、この電子化をしていくという方向性、区の取組ということで認識してよろしいですかね、伺います。
◎中西 商業課長 今のせたがやPayの課題で、紙の商品券との比較で言いますと、まだスマートフォンを使うことに慣れていらっしゃらない方、あるいは使えないという方がいらっしゃいますので、この点の配慮はきちんとやっていかなければいけないかと考えております。
ただ、使うことに慣れていない方に関しては、商店街にも御協力をいただいて、使い方講習会をやって、使っていただくと、御高齢の方でも、ああ、結構簡単だねということで御好評もいただいておりますので、引き続き商店街としっかり連携して対応を進めていけば普及していくものと考えておりますので、今後の地域経済の持続可能な発展というのは、今改正しようとしている条例でも掲げていることですので、商店街のDX化を進めていくというような観点からも、せたがやPayのほうへ軸足を置き換えていって、区内消費や経済循環を促す恒常的なプラットフォームを構築していくということを目指したいと考えております。
◆中村公太朗 委員 確かに今すぐ一〇〇%電子化をしろということではないと思いますし、先ほど課長も言っていましたように、まだスマホが使えないとか、まだこういう電子に疎いとか、我々議会でも、これからタブレットの講習をやるわけですが、やはり新しいシステムにはしっかりと追いついてもらえる環境も整えつつ、つくっていくという考えからすれば、これまでの商品券事業も、何とか枠みたいな優先枠があったわけですよね。高齢枠でしたかも前はあったかと思いますが、それは残してよいのかとは思います。
なるべくそれ以外の部分については電子化をしていくことが、まずは第一歩として目指していくべき方向なのだろうなとも思っていますし、この商品券事業は、引換えだったり、少しリスクの面で、とがった言葉で言えば、ロンダリングの危険性なども、これまで指摘をしてきたわけですが、この電子化をすれば、後から追ったり、瞬時にそこではじいたりということもできる可能性が高まってくると思います。
まだまだ抜け道はありますけれどもね、家族が使ったり、お客さん同士で融通したりとかというところに対してまでのセキュリティーがかかるかというと、多分そこは電子でできないと思いますが、それは今後の課題として、少なくとも紙の取扱いに比べれば、そういった意味での機能も向上していくものだと思っていますので、なるべくそういう方向で電子化をより進めていただければなと思っています。
そして、徐々に広がりつつ、店も大分増えてきたのかなということもありますし、町なかを歩いていても、せたがやPayの「せ」の何君と言うのか分からないですが、キャラクターがいますよね。それがところどころに見れるなという気もしてきていますが、現状、流通額みたいなものは分かりますか。
◎中西 商業課長 九月末現在で、この二月にせたがやPayを始めてから、チャージされた金額は四億九千二百万円です。実際にお財布に入っているお金で使われたお金が約四億円と、このくらいの流通額になってございます。
◆中村公太朗 委員 これまで区側からは、加盟店舗の目標数値とか、いろいろと、あとは、今は様々な補助が国とか都からついていますが、補助の部分での発行額みたいなところは示されたりするのですが、イメージ、理想ですが、これを区の一つの電子マネーとして定着したか、していないかぐらいを目指すときに、どれぐらいの金額の流通額だと、ある程度定着したという認識とか目標とかいう、その指標みたいなものはあるのですか。まあ、今の区内の全体の経済がどれぐらいかにもよると思うのですが、もしあれば。
◎中西 商業課長 今現在、ほかの電子マネーとかもございますので、それらの中でどのぐらいのシェアを占めるべきかというところは議論しておりまして、明確な目標は定めていないのですが、参考の数字としては、飛騨高山で、このせたがやPayのベースになったマネーイージーというシステムを使ってやっている、さるぼぼコインというものがございますが、そちらは飛騨高山の三市で年間二十億円ぐらいの流通をしていると聞いておりまして、人口規模で言うと、世田谷のほうがもっと上だというところもあるので、少なくともそのくらいの金額、あるいはそれ以上の金額に目標を設定すべきではないかというような議論をしているところでございます。
◆中村公太朗 委員 これまでプレミアム商品券事業は、会派としてすごく懐疑的な立場を取ってきたと周知されているかと思います。やはり、楽にポイントをつけてやるお金があるのであれば、それは本当の支援のほうに回すべきだということを申し上げてきました。
今回、このコロナという異常な事態というかの中で、時限的に、会派としては、この商品券事業、これは今回のせたPayが始まる前も、紙についても、時限的に賛成をしているというところもありますし、それもずっと言い続けてきました。
ただ、では、これが今度どこまでやっていくのかとなれば、これまで我々が否定してきた、ずうっとただ延々と続いていくということは、変な話、無駄な税金の使い道になりかねませんし、先ほど来申し上げていますように、やはりまだまだセキュリティーの問題、リスクの問題で、そこの部分が解決をしていないということは、この電子化になって、少しは進みましたが、そこはまだ解決をしていないということですから。
では、これが一体いつまでということになるのですが、これまでずっと区側は、経済を総合的に見てとかいうことは、このコロナに限らず言い続けてきたわけですが、今現状は、ここ最近のせたがやPayの発行におけるプレミアムというのは、大体国か東京都の緊急経済対策の補助金で賄われているわけですよね。
これがなくなるということは、恐らく国や都がその時点で、もう支援の必要がないのだ、経済は比較的落ち着いたのだという判断で補助金をなくすのでしょうから、そうなれば区としても、もちろんその時々の状況はありますと。全国的には回復したけれども、世田谷だけ落ち込んでいるということだって、まあ、あまり考えられないですが、なくはない。
だから、その時々で判断はあるにせよ、ベースとしての景気だとか、このコロナでの影響が比較的緩和をされたということについてと考えると、国や東京都の補助が、こうした商品券事業になくなった時点で、ある程度そこが節目だと認識をするのですが、いかがですか。
◎中西 商業課長 このせたがやPay、商品券事業ですが、側面は二つあると思っているのですが、一つは緊急経済対策としての側面で、今御指摘のあったような国都の特定財源ですが、必要があるからということで、そういった財源があるということはございますが、それももちろん注視していくということもございます。うまく活用していくということもございますが、一方で、区内における雇用状況だとか業況DI等の指標を見て、区内の経済状況というものを客観的に見て政策の判断をしていくということは一つあると思っています。
あともう一つですが、冒頭より話題になっておりますが、個店の支援ですね。事業者の支援ということに着目して考えますと、消費者と、特に個店、中小のお店を結びつけていくプラットフォームを恒常的につくっていって、なるべく区内の小さなお店と消費者の間で経済が回っていくというような仕組みを確立していくということも必要だと思っておりますので、そちらの観点から、政策の継続が必要かというような判断も、もう一方はあると考えております。
その二点から総合的に判断して、どういう経済手法が最適であるかを都度判断していきたいと考えてございます。
◆中村公太朗 委員 そこの部分、最後は、二番目の部分は、ずっと我々とは折り合わない部分ではありますが、やはりこのプラットフォームを最初につくったときに申し上げましたが、これはすごく可能性があるのだろうなと思っています。
さっき言った企業支援、個店支援という部分で、純粋にお金をばらまくのではなくて、これまでできなかったこと、もしくは開発にかかったとか、トレーニングにかかったものが、このせたがやPayに加入することで、よりその個店が発展したり、もしくは商品開発とかいうものが進むようなベースにしてあげるということこそが、この電子化のメリットなのだろうと思っていますので、例えば今、各商店街のPRなども、開くとニュースが大分出てくるようになりましたが、前に言った、例えば従来ずうっと続けてきた、各商店街だけで行ってきたポイントカードなどは、その商店街ページなのか分かりませんが、そういうものも表示をしてあげて、そこにストックできるようなこともやるべきなのではないかということも言ってきたわけですが、まだその段階には至っていないのでしょうか、伺います。
◎中西 商業課長 商店街連合会あるいはポイント事業を実施している商店街からも要望がありますので、その機能の実装は今進めているところです。
あと、プラットフォームと申し上げましたが、各個店単位でも、お客様に対するサービスを直接提供したいという声もありますので、そういった機能は来年度に向けて実装して、必ずしもプレミアムポイントだけに頼らずに、それぞれのサービスで競い合ってお客様を獲得していくというようなプラットフォームを目指していきたいと考えております。
◆中村公太朗 委員 まさにそうだと思うのですね。自分たちのお店での努力、魅力のあるメニューであったり、割引なのかもしれませんし、何かサービスの追加かも知れませんが、そういう努力をしたところが、こういうものを使って、しっかりと集客できるという環境をつくってあげることこそが支援なのだろうと思うのですね。
もう一点言うのが、これは個人情報の話も、今回聞いたので、若干そこと混同する部分もあるのですが、やはりオープンデータとして、ビッグデータとして、どういう商品が、どの辺で、どういう個店が使われているみたいな、そういうデータが、加盟したところが比較的その分析に使えるというような形での提供というものも検討してよいのではないかということも言ってきましたが、その辺はいかがですかね。
◎中西 商業課長 ビッグデータの活用、今どういったお店で、どういう売れ方をしているのかということは分かるようになっているのですが、あの店がどう売れているみたいなところまで完全にオープンという形にはできないので、ある程度マスクデータをつくって提供するというようなことになると思うのですが、まずそれを、そのエリアの活性化ということで、商店街単位に提供していくのか、加盟店に対して、全体の傾向はこうだよというように出していくのかということは今、整理しているところなので、こちらについても、今年度、データがある程度蓄積されますので、来年度に向けての課題と認識してございます。
◆中村公太朗 委員 緊急事態宣言が解除されて、まだまだ第六波のリスクというか懸念はありますし、対策は取っていかなければいけないと思いますが、やはりまちでは飲食、特にお酒も伴うということが今後、人が増えると思うので、よくも悪くも、そういった意味での変化というのか、この緊急事態前と、緊急事態後の変化で、例えば店の加入が増えたり、利用が増えたり、大きくデータというか、このせたがやPayの中でも影響がある可能性があると思うのです。だから、そういうものを迅速にしっかりと捉えて、今後、よりよい、PayPayではなくてよかったね、せたがやPayは正解だったねと、しっかり区民が思えるようなものに育て上げていっていただきたいなと思います。
時間がないので、区民まつりを質問します。
土日に初のオンライン区民まつりが行われましたが、どうだったですかね、皆さん、入られた方はいらっしゃるかと思いますが、それぞれが感想を持つのかなと思いますが、もちろん集計などはまだまだこれからだと思いますが、率直に課長、どうでしたか。
◎大谷 区民健康村・
ふるさと交流課長 本年度は会場開催を断念しまして、初めての試みとして、インターネットを活用したオンラインによる開催としまして、九月二十一日に特設サイトを立ち上げました。その後、区民活動団体をはじめ、これまでの出店団体の活動状況の紹介ですとか、交流自治体のポスターや自治体紹介、物販サイトへの紹介なども行っておりまして、二十一日のサイト開設から十月三日のライブ配信終了までの間でトップページのほうには六千五百人以上の方がアクセスしていただいて、総計閲覧数でいくと二万三千件になります。
また、十月二日、三日のライブ配信イベントでは、二日間で二千三百人の方に御視聴いただいております。コロナ禍のイベント中止がある中で、交流自治体との交流や、区民活動団体の紹介、また、昨年のせたがや元気出せArtsプログラムに参加していたアーティストの紹介ライブなどもできましたので、一定の成果はあったのだと考えております。次回の会場開催でも併せて行いたいと思っていますので、引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
◆中村公太朗 委員 もう時間がないのであれですが、課題が大分出たなと思っていますので、オンラインが継続するのか分かりませんが、今回の部分をしっかりとほかのことにも役立てていただきますようにお願い申し上げて、終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で
世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十時五十六分休憩
──────────────────
午前十一時十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。
◆ひえしま進 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。
騒音問題について聞いてまいりたいと思います。
まず、今年三月の予算特別委員会におきまして、保坂区長が、米軍ヘリの低空飛行の問題について区長会で提起をされ、各区の実態を集約すると答弁されていましたが、その結果はどうなったのか教えてください。
◎坂本 環境保全課長 各区における米軍ヘリの飛行状況や苦情について、令和三年四月十六日の特別区長会にて調査報告がなされています。その報告では、世田谷区及び港区にて米軍ヘリの飛行に対する区民からの相談や苦情が報告されています。特別区長会では、この結果について、米軍ヘリの低空飛行の実態を鑑み、東京都に対して、騒音による生活への影響や日常生活での不安から区民を守るために、米軍ヘリが危険な低空飛行をしないよう、国や在日米軍に働きかけるよう要請しています。区では、今後も低空飛行の事実が判明した場合には、関係機関へ連絡し、適切な運航を行うよう申し入れていきます。
◆ひえしま進 委員 区長は、この米軍ヘリの低空飛行について、航空法での危険行為であって、日本のヘリはこういう飛び方はできないと答弁されているのですが、この航空法で低空飛行が許されているものは何か教えてください。
◎坂本 環境保全課長 航空法第八十一条の二にて、航空法での最低安全高度について、航空機が航空機の事故、海難その他の事故に際し捜索または救助のために行う航行については、適用しない旨の特例を定めています。
具体的には、航空法施行規則第百七十六条にて、国土交通省、防衛省、警察庁、都道府県警察または地方公共団体の消防機関の使用する航空機であって捜索または救助を任務とするもの、機関の依頼または通報により捜索または救助を行う航空機、救急医療用ヘリコプターで救助業務の適用除外が定められています。在日米軍の航空機の運用に関しては、特例法である日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律というものがあります。本法にも、規制の適用除外について定められております。
◆ひえしま進 委員 ちょっと整理しますが、さきの区長の答弁ですと、米軍ヘリは許されていて、日本のヘリは許されていないと、何やら特段に不公平があるかのように聞こえますが、正確にはそうではなくて、日本のヘリでも、警察、消防、自衛隊などは、米軍同様に低空飛行が認められているという理解でよろしいですか。
◎坂本 環境保全課長 日本の航空機であっても、緊急時の飛行においては、航空法に適用除外が設けられており、遊覧や報道等の目的で飛行する場合は、航空法の適用範囲となり、適用除外ではございません。
◆ひえしま進 委員 私も、夜間にヘリなど航空機の爆音を聞くことがありますが、こうした航空機による騒音苦情があった場合の区の対応というのはどうなっているのか教えてください。
◎坂本 環境保全課長 航空機の相談が区に寄せられた際には、機体の色や形状及び飛行経路等を確認し、国土交通省東京航空局、防衛省北関東防衛局、警視庁、東京消防庁などの案内を行っております。また、区から苦情を伝えてもらいたい旨の要望がある場合は、通過する際の飛行高度を可能な限り上げ、十分配慮し、飛行するよう伝えております。
◆ひえしま進 委員 羽田の新ルートのことに関してちょっとお聞きしたいのですが、世田谷区はこのルートに直接入っていませんが、関係自治体では騒音苦情が多く寄せられているとのことです。近接自治体として世田谷区のこれまでの取組があれば教えてください。
◎坂本 環境保全課長 令和元年八月に、羽田空港の新飛行経路の運用開始と国際線の増便予定について国から発表がありました。あわせて、国から新飛行経路の近接自治体における移動式情報発信拠点の設置の推進が表明されました。
これを踏まえ、飛行経路外では、区が初めてとなる移動式情報発信拠点を開設しました。移動式情報発信拠点は、キャロットタワー四階の世田谷文化生活情報センター内に令和元年十二月十二日から同月の十五日の四日間開設しました。
この拠点は、国土交通省職員による説明及びパネル展示、実際の飛行機の映像と音が体験できるサウンドシミュレーターなどの情報端末機器を設置し、新飛行経路とその影響に関して分かりやすく正しい情報を区民に提供する場となるよう工夫して運営いたしました。
今後も、羽田空港機能強化などの広域的な課題に対して、関係機関と連携し、区民の安心安全への取組に努めてまいりたいと思います。
◆ひえしま進 委員 広く一般に、区民からの騒音苦情で一番多いものは何なのか教えてください。
◎坂本 環境保全課長 区に寄せられる航空機、工場、建設作業、飲食店等の騒音による苦情及び相談のうち約七割弱が建築物の解体作業でございます。
◆ひえしま進 委員 建築物の解体作業の騒音が最も多いということでありますが、こうした苦情には区はどのように対応されているのでしょうか。
◎坂本 環境保全課長 区に建築物の解体作業の相談があった際には、職員が現地を確認し、苦情があった旨を伝えるとともに、近隣への配慮が不足していると思われるもの、特定建設作業の無届けや期間超過など違反行為を行っている事業者に対し、大きい音を伴う作業時間の短縮や手続の遵守、近隣への施工方法の説明等の指導を行っております。
◆ひえしま進 委員 コロナ禍で在宅勤務が増加したと言われているのですが、実際、騒音苦情の件数に影響を及ぼしているかどうか、件数があれば教えてください。
◎坂本 環境保全課長 コロナ禍により、在宅勤務をされている方も増加していることから、近隣の工事の騒音によりオンライン会議の音声が聞き取れないなど、在宅ワークへの影響に悩まされている方からの相談が多くなってきております。一方、苦情の件数は、平成二十九年度二百九十七件、平成三十年度二百八十九件、令和元年度二百二十七件、令和二年度二百九十九件と推移しており、相談件数は、コロナ禍以前と比べても増加はしておりません。
◆ひえしま進 委員 意外にも、ここ数年の苦情の件数そのものにはほとんど変化ないということでありましたが、相談は増えているとのことでしたので、たとえコロナが終息しても、在宅勤務を継続する企業があると思いますし、これから羽田空港の増便も図られていくと思いますので、区民からの相談には丁寧に対応していただきたいと要望しておきます。
すみません、もう一回確認したいのですが、さっきちょっとよく分からなかったヘリの話ですが、もう一回聞きますが、日本のヘリでも警察、消防、自衛隊は米軍同様に低空飛行が認められているという理解でよいのですか。
◎坂本 環境保全課長 目的によって航空機の運用の適用除外がされているので、飛行機が日本だろうが、アメリカだろうが、救助とか捜索のための活動であれば、航空法の適用除外を受けることができます。
◆ひえしま進 委員 以上で田中優子委員に替わります。
◆田中優子 委員 替わりまして、私、田中優子からは町会・自治会について伺います。
私は、今年の三月の予算委員会で、元町会長をされていたという方の声を紹介いたしております。いわく、町会・自治会は大きな曲がり角にある。高齢化しているのに、若い世代が加入してくれなくて世代交代ができない。区から半強制的に依頼されることが大きな負担となり、役員の成り手もいない。区はこのまま町会・自治会を頼り続けるつもりなのかというものでした。
そのときの区の答弁では、オンラインの活用で若い世代が参加しやすくなるよう支援をするというものでしたが、あの質疑から半年が過ぎましたが、それもほとんど進んでいないのではないでしょうか。
そんな中、昨年来コロナ禍で、今年の夏は特にコロナ禍がピークを迎え、感染症対策に敏感にならざるを得ない状況が続いています。今月になって緊急事態宣言は解除されたものの、いまだ感染症対策は続ける必要がある状況に変わりはありません。
にもかかわらず町会・自治会は相変わらず回覧板を回している、戸別訪問をして会費を集めたり、募金集めまでしなければならない。おかしいではないか、何とかやめさせてほしいと、複数の切実な訴えが私の下に届いています。どれもこれもごもっともな御意見です。このような経緯から、再び町会・自治会問題を今回取り上げることといたしました。
まず、現在の町会の数と、それに対して補助金が区から幾ら支払われているか、お聞きします。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 令和三年九月現在、百九十四の町会・自治会がございます。令和三年度の年間の補助金額は全体で二千五百八万円です。
◆田中優子 委員 加入率はどうなっているでしょうか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 現在、令和三年度の加入率は約五二%です。
◆田中優子 委員 区から二千万円以上の補助金が出ている、そういう団体であるということは確認できました。また、加入率半分程度ということです。区は、何かというと町会・自治会を通してと、行政の情報周知、また意見の収集のツールにしたり、防犯・防災においても、かなりの負担をお願いしたりしていますが、そもそも区民の半分しか加入していないということもありますし、組織も高齢化が進み、役員の成り手もないことが多く、大変厳しい状況にあります。
その上、今月から、毎年のことではありますが、募金集めが始まります。赤い羽根や歳末たすけあいについては、半ば強制のようにやっているというか、やらされているというかで、一律に金額を決めているようなところもあるそうで、嫌でも断れないという声が届いています。
また、コロナ禍が続いているのに、各戸を訪問して回収することが求められるところもあるようで、感染の心配もあり本当に嫌だ、やりたくない、困っている、やめるように区から町会に指導してくださいという切実な声が私のところに複数届いています。
相談者の方々は皆、町会・自治会の中では断りにくい、近所で知った仲でありますから、とても本当のことは言えない、どうしたらよいのかとおっしゃっています。このような区民からの苦情を区は承知しているでしょうか、お聞きします。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 コロナ禍におきましては、感染の不安により、これまで多くの区民の方から、回覧板の中止や、会費を戸別訪問で集めることの中止、会費徴収の停止や代替手段を求める等の御意見が多く寄せられており、そのような声があることは承知しております。
◆田中優子 委員 区も承知しているということであれば、それらの苦情に対しどのように対応しているのでしょうか、伺います。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 町会・自治会の運営は自主的に行うものではありますが、そうした意見が多数あったことから、区として区民の率直な声をお伝えすることが町会・自治会の運営に役立つものと考えまして、本年三月に御意見の概要を一覧にし、町会総連合会に通知し、五月にも改めて配慮をお願いする旨の再通知を行っております。
◆田中優子 委員 その通知に対して何か反応といいますか、町会のほうから御意見などをいただいていますか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 回覧板につきましては中止している町会等が多くあるということは聞いております。ただ、例えば町会費の徴収等につきましては、町会運営の基礎となるということもありまして、長期間にわたって集金しないわけにはいかないなどの声も伺っております。
◆田中優子 委員 それで、現場の町会・自治会のほうからしたら、やはり会費集めはしないと困るとか、例えば直接町会・自治会のほうに言ってくれればよいのに、何で区に言われなければいけないのだみたいなことがあるということも、私、耳にしているのですが、では、通知を受けて、実際、現場では改善はされているでしょうか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 現場のほうでもいろいろと議論されているとは伺っております。回覧や会費の徴収等についても、いろいろ工夫をされて、中止や方法を変えているというところがあることは承知しております。
◆田中優子 委員 実際、回覧板を回すことを中止して、何か工夫しているというところもあるということではあるのですが、まだ相変わらずのやり方で続けているところもありますし、そういうところから、非常に不安だという声が届いています。
今は平常時ではないのですね。コロナ禍の真っただ中であり、また次の第六波だか七波だかが来るということも心配されていますし、その感染症の観点、予防するという観点から、区は町会・自治会にもっと厳しく通知してもよいのではないかと、そうすべきだと私は思います。上下関係ではないから云々という、それは平常時は、本当にそういうことでよいと思うのですが、そうではない、まずは感染症予防をと強く伝えることはできると思いますし、やるべきであると思うのですが、区はどうお考えでしょうか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 感染症予防の観点から、そういった正しい知識についてお伝えすることは大変重要だと考えております。そのような御意見がありましたことを町会総連合会に対し情報提供をしてまいりたいと思います。
◆田中優子 委員 今回の、本当に現場からの声なのですね。実際、町会に関わっている区民の方々からの生の声ですから、どういう伝え方でもよいのですが、区からというよりも議会から区民の声が届いたという言い方で結構ですが、私は区民の代表として、皆様の悲鳴にも似た声が届いているということを、このように、この場を使って区に伝えています。区から町会・自治会に、今日のこの意見や指摘をしっかり伝えていただきたいと思います。そして、現場が改善される状況を切に願っているところであります。
長年の歴史から見ても、事ほどさように区と町会・自治会の関係性、そして問題は根が深いと感じているのですが、町会・自治会がなくても行政運営がうまくいっているところがあると聞いており、一体どうやってやっているのだろうと前々から不思議に思っていました。
それは武蔵野市なのですが、武蔵野市が行政運営なり市民参画なり、うまくいっているのはどうしてなのか。行政からの連絡、情報周知などもありますが、どのようにしているのか調べていただけたでしょうか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 武蔵野市では、全市的にネットワークされた自治会や町会等はございません。一部市民で市内二十か所にございますコミュニティーセンターを基盤に自主団体が組織され、防災訓練、防犯活動、清掃活動、お祭りなどの親睦事業を行っていると伺っています。
また、コミュニティーセンターですが、市の運営ではなく、住民の有償ボランティアにより構成されるコミュニティーセンター協議会への指定管理で行っているといったことです。
市の情報周知についてですが、同センターや広報掲示板、また各戸配布等で行っているということです。
◆田中優子 委員 つまり、町会・自治会がなければ、それなりに別の方法で行政運営はきちんとできる、市民自治もできているという事例だと思うのですね。もちろん世田谷区内にも、何の心配も、問題もなく、うまくいっている、やっている町会・自治会もあることと思います。しかしながら、多くの組織が高齢化し、疲弊し、世代交代ができないことに悩んでいる、これも実態として事実だと思います。
区から任されている防災訓練、または避難所の開設、運営だけでも大変な負担となっているということは、今年の三月に既に伝えていますが、今回も私は、先週の企画総務領域の質疑で、避難所の開設、設営、せめてそれだけでも民間委託すべきであると提案いたしました。そうすれば、かなり負担が軽減されると思います。
そのときの区の答弁では、できない理由が並べられていましたが、抜本的な改革が必要であることは区も認識されているはずだと思います。
もう一つの大きな問題には、町会・自治会に任されている募金集めというものがあります。なぜ町会・自治会が募金集めをしなければならないのか、区は募金集めを町会・自治会に期待しているのかと、区民の方が区に問うたそうですが、明確な回答が得られなかったとおっしゃっていました。
以下、複数の区民の方々から届いている御意見を、ここで御紹介したいと思います。
コロナ感染防止が今最大優先の課題なのに、なぜ感染リスクを冒して、単なる町会の会員である一般区民が、戸別訪問の集金をしなければならないのか。町内会という戦前の隣組から始まる地縁組織で、戸別訪問による募金収集は、相互監視的な雰囲気も残る地縁を使った、実質的には強制募金である。領収書を集金者が発行し、それを町内会に報告するため、募金金額など個人情報が、集金者にも町会にも、だだ漏れである。
問題点の指摘はまだまだありましたが、長くなりますので、重要な点のみを引用いたしました。これを聞けば、誰でも疑問を持つはずです。なぜこのようなことが続けられているのか、ぞっとさえします。改めてこういう声を確認すると、こんなことが続けられてよいのかとさえ思います。
しかも、募金集めは毎年十月から、まさに今月です。赤い羽根共同募金、歳末たすけあい・地域福祉活動募金、赤十字社募金と三種類続くため、またか、この間寄附したばかりなのにと嫌な顔をされることもあると聞いています。三つのうち赤十字社募金は、日赤、日本赤十字社の会員が集金することになってはいますが、町会・自治会の役員を兼ねている方が多く、いずれにしても集金協力をさせられる町会・自治会の方々の御苦労はいかばかりかと思いますし、集金に来られるほうも迷惑というのが実情でしょう。
そもそも募金というのは、気持ちのある人が自らするもので、集金して回ること、回収するということ自体がおかしいという状況にあります。
しかも、いろいろ調べて分かったことですが、市民活動の所管では三月と五月、二回にわたり、個人情報を厳格に取り扱うことや、回覧板や戸別訪問等について注意していただきたいということを町会総連合会に通知しているわけです。
にもかかわらず、同じ区で、ほかの所管が、五月七日に、まちづくりセンター長宛てに募金集めの協力を強いるような依頼の通知を出していたということが判明し、大変驚きました。それを受けて、まちづくりセンター長から、町会長会議に募金への協力依頼をしていたというのです。
皆さん真面目ですから、区からそうやって言われれば、募金集めの協力を頑張らなければと、今度は町会・自治会の各会員の方々に下りていくわけです。このことは、担当所管は知っていたのでしょうか。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 委員お話しの赤い羽根共同募金につきましては、社会福祉法人東京都共同募金会の依頼により、共同募金世田谷区協力会事務局である生活福祉課が、各総合支所のまちづくりセンターに依頼をしているものです。これは例年の依頼ではございますが、依頼内容の詳細について個別の協議は行っておりません。
◆田中優子 委員 つまり、町会・自治会の大本の所管が知らなかったということですよね。協力要請の通知を出した所管のほうは悪気もなく、例年どおりのことをしたまでなのだと思いますが、行政の縦割りの弊害というものを実感させられました。例年どおりやっただけでは済まないと思います。このコロナ禍という状況を全く踏まえていないなということを感じました。
今後はこのようなことがないように、関連する所管に確認するなど、情報共有をしながら仕事を進めていただきたいということを申し上げておきます。
それで、先ほどの町会・自治会がない武蔵野市ですが、では、募金集めはどのようにしているのか、お聞きします。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 武蔵野市の募金等についての扱いでございますが、赤い羽根共同募金と社会福祉協議会等の募金については、市内各所、二十四か所程度と聞いておりますが、募金箱を設置し、また、口座振込、キャッシュレス決済のみで対応していると聞いております。
◆田中優子 委員 それこそが募金の本来あるべき姿ではないでしょうか。こちらが武蔵野市がつくっている、募金への御協力をお願いしますというチラシです。
こちらは赤い羽根共同募金ですね。十月一日から十一月三十日の期間となっているものです。募集期間とか、募金箱はここに置いてありますとか、auPAY、キャッシュレスでできますよ、振込先もありますと紹介されています。
こちらのほうは歳末たすけあい。赤い羽根が終わると、立て続けに十二月一日から十二月三十一日まで、またこちらの募金が始まるのですが、同じく募金箱、それから銀行振込という紹介もあり、また、街頭募金というお知らせもこちらに載っていますが、これは社会福祉協議会の会員がやっている。
つまり、いずれにしても、一般の市民の方々、町会・自治会は、もう武蔵野市はないわけですが、その方々に、何かこう、募金を集める負担を強いるということはなく、自主的に、募金をしたいと思った人が募金箱、あるいはキャッシュレス決済、銀行振込に参加しているということです。
同じ町内の人が集めに来たり、来られたり、金額があらかじめ決められていたり、誰が寄附した、しないということが他人に知られたりする、そのようなやり方は本当におかしいです。
今まで私も町会・自治会、マンションで入っていますが、そういうことが慣例的に続いてきて、何かおかしいなとは思っていました。しかし、それをやめさせなければいけないというほどの認識はなかったのですが、ここに来て、コロナ禍ということもあると思いますが、本当に何人もの方々から、こんなのおかしい、やめさせてくれという声が届いたことで、改めて認識をした次第です。
こういうことは、もう本当に今すぐ、このやり方ですね、やめるべきだと思います。たとえ町会・自治会は区が指導できる立場ではない、独立した機関であるとしても、募金の在り方が間違っている、問題があると言われているのです、そういうことがはっきり分かっているわけです。改善や是正を求めるべきではないでしょうか、伺います。
◎片桐
生活文化政策部長 地域コミュニティーの核である町会・自治会におきましては、加入率の減少や、活動の担い手不足により、高齢役員が辞めたくても辞められないという町会も相当数あり、町会の活性化に向けた取組は区としても喫緊の課題と認識しておるところです。
そういった中で、町会・自治会の負担軽減のため、ウィズコロナを見据え、募金などの集金方法の見直しを検討していくことも必要であり、今後、武蔵野市などの事例を参考にしながら、関係所管とも連携の上、実施手法等について町会総連合会に相談してまいりたい、そのように考えております。
◆田中優子 委員 具体的に、実施手法等について相談をしていくという答弁が得られたのは、一つの大きな進歩だと思うのですが、とにかく、相談があったのは数人の区民の方々なのですが、その背後には同じように感じている区民が大勢いるはずです。そのことをしっかり認識して、本当にこれは早急に改善しないといけないと思うのです。来年はとかいう状況ではないと思います。
このように様々問題を抱えている町会・自治会でありますが、恐らく、本当に多くの人、あるいは区も分かっていると思いますが、今後加入する人は、このままでは減ってしまうと思いますし、入ったとしても、役員の担い手を探すのは至難の業ではないでしょうか。世代交代ができる町会・自治会は、ほんの一握りとなってしまうと懸念されます。具体的な改善策をお持ちですか、伺います。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 町会・自治会は、地域の方が自主的に組織するものではありますが、その運営や会費の取扱い等について、それも自主的に工夫して行われていると認識しております。
しかしながら、町会・自治会の担い手不足等については、大きな課題であると認識しております。今後は町会等の運営に新たな視点を導入するため、SNS等のオンラインを導入する具体的な支援を進めていくとともに、町会等に区がお願いしている回覧や募金等の在り方、その他の事柄等について、関連所管が課題を共有して検討を進めてまいります。
◆田中優子 委員 今後はオンライン化が当然だという時代が来ると私も思っております。しかしながら、区の今までの歩みを見ていますと、認識はしているのだけれども、なかなか現場に下りていかない、進まない、まだまだ時間がかかりそうだなと感じています。
まずは、先ほど来申し上げていますが、今月から始まる、始まっているといいますか、この募金について早急に改善を求めていただきたい。区民の方から、もう今年からやめてください、やめさせてくださいと、まさにコロナですし、そういう声が届いているのです。
先ほどの部長答弁、これから相談しますということでありましたが、これから相談して、本当に来年は何とかできるかもしれないでは遅いのですね。この十、十一、十二月に迫っているというか、今まさに始められようとしている、ここで戸別訪問、もう回収、集金、やめてほしいという切実な声があることをしっかりと再度認識して、本当にこれは急ぎ、もう今すぐやめる、今年からやめられるように検討していただきたいということを強く申し上げ、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の質疑を始めます。
まず、気候変動への区の対応について伺います。
世界各地で気候危機と呼ぶべき非常事態が起こっています。当区でも二〇一九年の豪雨により水害が発生するなど、大きな被害が発生しました。気候危機への対応として、二酸化炭素削減へ思い切った緊急の行動が求められています。
日本共産党はこの九月に、気候危機を打開する二〇三〇戦略を発表し、省エネと再エネで二〇三〇年度までに二酸化炭素を五〇%から六〇%削減する目標を掲げました。
令和二年十月に、区は世田谷区
気候非常事態宣言を行うとともに、二〇五〇年に
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを表明しました。
今般、区は、温室効果ガス排出量を、二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六・三%削減、二〇五〇年度に八〇%削減等の計画目標を定めた世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画を見直すための検討に着手しています。
今後、二〇五〇年までに
二酸化炭素排出量実質ゼロ、二〇三〇年までの目標設定などに取り組んでいただきたいと、そして、全庁的に総合的な取組が求められると考えます。見解を伺います。
◎須田 環境計画課長 気候変動対策は、環境分野に限らず、防災、まちづくり、教育などの様々な分野に関わっております。区は、
地球温暖化対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、先月十日に
気候危機対策会議を設置し、全庁的な議論を行っております。脱炭素社会の実現に向けて全庁一丸となって取組を進めてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 次に、公共施設の省エネ化について伺います。
今年の二月、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取組のための議論を進めていくことを旨として、ゼロカーボン市区町村協議会が設立されました。二〇二一年九月時点で会員数は百九十六団体となっており、世田谷区も会員となっています。
協議会では今年三月末、脱炭素社会の構築に係る提言を発表、提言の中では、公共施設をはじめとする建築物からの二酸化炭素排出量が大幅に増加していることから、建物や設備機器について、建物の運用段階でのエネルギー消費量を省エネや再生可能エネルギーの利用を通して削減し、限りなくゼロにするという考え方、ZEB化を推進していくことは急務であるとし、国の財政面、人材面の支援強化に加え、制度的対応によるZEB普及に取り組むことなど提言を発表しています。
担当所管として、区内の二酸化炭素排出量削減のための公共施設の省エネ化の必要性、また、どのように実現していくのかについて見解を伺います。また、現在、区では、平成二十年度策定の世田谷区公共施設省エネ指針に基づいた施設整備を行っています。新たな目標を掲げるに当たり指針の見直しも必要だと考えます。見解を伺います。
◎須田 環境計画課長 区内の二酸化炭素排出量削減のため、区は公共施設の省エネルギー化をはじめとして、率先した環境負荷低減の取組を進めていく必要があると認識しております。現在、公共施設については、公共施設省エネ指針に基づき、施設の新築、改築、大規模改修に合わせた省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入、緑化などの取組を進めております。今後、断熱性能の向上などの環境性能の水準について、関係所管などとも連携の上、公共施設等総合管理計画とも整合を図りながら、担当所管として取り組んでまいりたいと思います。
◆たかじょう訓子 委員 今後、先ほど言いましたように、区として本庁舎を含む、今後の新築公共施設のZEB化は必須であり、公共施設等総合管理計画に位置づけることを私のほうから求めておきます。
次に、住宅の省エネ化についてです。
世田谷区は住宅地が多く、住宅の省エネ化を図る取組が、もうこれは重要です。また、これにより家庭での二酸化炭素削減につながるだけでなく、区内の事業者の仕事を増やすことにもつながります。区においては、既に世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金の制度、これは区独自で実施しております。創エネルギー、新エネルギー機器類の設置を助成の対象に加えるなど、より使いやすい制度に改善しています。実績は高く、予算を上回るニーズがあることから、この間、補正予算により上乗せを行うなど、大変積極的だと感じております。来年度予算に向け、さらなる積極的な予算規模で進めることを求めます。見解を伺います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 環境配慮型住宅リノベーション推進事業は、既存住宅改修の際に、工事経費の一部を助成することで、住宅から排出される二酸化炭素を削減し、省エネルギー化と住宅価値の維持向上を図っております。今年度の受付件数は、九月七日時点で二百九十七件となり、当初予算を達成する見込みとなったため、環境対策や区内事業者の経済活動を守る取組として、第三次補正予算を提出し、御承認をいただいたところでございます。
本補助事業は、区内の二酸化炭素排出量の約五割を占める民生家庭部門の排出量削減に貢献する重要度の高い事業と認識しております。また、区内事業者による施工を要件としていることから、区内事業者への支援として経済効果が大きく、地域経済の活性化も期待できます。引き続きゼロカーボンシティーの実現に向けて環境対策を推進していくため、令和四年度の当初から必要な予算を確保し、事業に取り組みたいと考えております。
◆たかじょう訓子 委員 今後、中小企業を対象に、省エネ投資のための無利子、無担保、無保証の融資制度を創設することを提案します。
次に、この間、世田谷区
産業振興基本条例改定に向けた検討が進められています。世田谷区
産業振興基本条例に、区内産業全体としてCO2削減を目指すとの考え方を盛り込むことが必要だと思います。見解を伺います。
◎納屋
産業連携交流推進課長 産業振興基本条例の改正素案では、基本的方針の一つとして、持続可能性を考慮した事業活動の推進を図ることを掲げております。
また、各主体の責務や役割として、区は指針の策定や事業者等の取組を促す環境整備を行うこと、事業者は持続可能性を考慮した事業展開を図ること、区民等は地域経済の持続可能な発展に向けた理解と協力に努めることなどを定めております。
基本的方針や各主体の責務等において定める持続可能性を考慮した事業展開には、CO2削減の考えも重要な事項として包含されていると考えており、地域経済の持続可能な発展に向けて、こうした考えも踏まえた取組を進めていくことが必要になると考えております。
条例改正を契機として、地域の経済発展と地域や社会の課題解決を両立する地域経済の持続可能な発展に向け、関係所管やステークホルダーと連携して必要な施策を講じてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 次に、地域行政推進条例について伺います。
我が党は、参加と協働を発展させる立場で、主権者である区民が地域の主人公として区政や地域の問題に参画することが重要であり、情報公開を進めることや、住民自治を推進する地域住民による協議会の仕組みなどを求めてきました。
この間の条例の検討過程を追うと、二月に示されていた骨子案では、住民参画の仕組みとして地域づくり、地区づくり協議会が明記されていました。
五月には、(仮称)地域行政推進条例骨子案の考え方と、地域行政の見直しの方向性・視点が示されました。地区レベルの区民参加と協働の促進について、区の重要施策や計画、広域的な課題などに対して、地区の関係者や、公募等による地域住民、学識経験者などの参加の下に討議する場を定期的に設置し、検討経過や計画、施策への反映プロセスを地域に公表し、地域住民に開かれた住民参加制度を総合支所ごとにつくると明記されています。
しかし、九月の条例の検討状況では、地区のまちづくりの強化に焦点が当てられ、これまで示されてきた住民参加の仕組みである地域や地区の協議会の考えは示されませんでした。
住民自治の充実を図るために、骨子案で示された、区民は区政に関する情報を得、自己の意思を区の施策に反映させるために意見を述べ、提案することができる。区民は自らの意思により地域コミュニティーを形成し、または地域コミュニティーに参加することができる、との認識は重要であります。地域や地区の協議会の考え方も含め、これで変わりがないか、これを確認をいたします。
◎相蘇 地域行政課長 今般示しました条例の検討状況では、条例制定の目的や、制定によって目指すところをより明確にする方向で検討を進め、今後の地域行政において充実強化すべき事柄に焦点を当てることとし、条例骨子案の見直しを行ってきたものです。
区の責任において地域行政制度の充実を図ることが、住民主体のまちづくりを進めて、区民自治を充実することにつながるものと考えております。
議員のお話にありました、区民が区政に意見を述べ、提案することであるとか、地域コミュニティーの参加については重要なことであると認識をしておりまして、この観点からも、今回の条例の検討状況では、まちづくりセンターのコーディネート機能や広報広聴機能を充実強化すること、総合支所は区民参加の機会づくりの充実強化を図ることなどを掲げ、また、区の責務として、区政運営に係る重要な計画を策定するときなど、地域行政で重視して取り組んできた意義や目的を踏まえるよう努める旨の規定を置くことを検討しているところでございます。
◆たかじょう訓子 委員 次に、住民自治を推進するための社会教育、生涯学習について伺います。
住民自治を進めるに当たり欠かせないのが社会教育であると考えます。行政の課題は、福祉、教育、まちづくりなど、各所管ごとに対応していきますが、課題解決は行政だけが行っているわけでもありません。町会、商店街、様々な福祉やまちづくり、防災などに関わる区民、NPO法人などが関わり、行政とのパートナーシップの下に課題解決に当たっています。そこで、各支所に配置されている社会教育主事が住民の主体的な学びをサポートする役目を担います。
今年三月、世田谷区地域行政検討委員会による地域行政推進条例制定に向けた提言において、区民センターなどでの生涯学習機能と課題解決機能との循環を生み出すことが重要である、活動の場の確保や生涯学習を進めること、など明記されています。
地域では、各総合支所に配置されている社会教育主事が、住民の主体的な活動を支援する役割を担います。また、地域図書館が知の拠点、社会教育・生涯学習のセンターとして役割を担います。地域住民の自由な主体的な学びが、地域の課題を深く考察し、解決していく大きな力となると考えます。
地域行政推進のため、住民自治の実現に向けた社会教育・生涯学習を位置づけ、区民の主体的な学びの機会、場所の確保などを含め支援することが重要と考えます。見解を伺います。
◎相蘇 地域行政課長 住民が課題の解決に取り組むに当たって、相互の学習や活動の機会は、必要な知識の取得や住民同士のコミュニケーションを取るために重要と考えております。四月からの町会長会議でも、区の役割として、一緒にまちづくりに取り組む地区の人材育成の支援が必要との意見もいただいているところです。
まちづくりセンターでは、現在も身近なまちづくり推進協議会やごみ減量・リサイクル推進委員会が行う学習などの地区の活動団体への学習の場の提供や、教育機関や専門知識を持つ人材の紹介などの支援を行っております。
今後は、例えばオンライン会議の仕組みを利用した学習会やワークショップの開催などによる参加者の拡大や情報提供の充実を図るとともに、図書館や児童館などとの施設の連携を深めることで、地区の住民の学習の支援を進めてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 総合支所に配置されている社会教育主事は、今後どのような役割を果たしていくのか伺います。
◎大塚 烏山総合支所地域振興課長 総合支所には、社会教育の専門的な職員である社会教育主事を配置しておりまして、社会教育主事の下で、多様な学習意欲に応える生涯学習事業を展開しております。
具体的には、参加者が共に学び、新しい仲間をつくることを目的とした生涯学習セミナーや区民講座、さらに公募による区民企画員が企画運営する講座など、現代的、社会的な課題も踏まえまして、地域資源を生かしながら幅広いプログラムを企画しております。
例えば、烏山総合支所の区民企画員講座では、地域課題である京王線の立体交差化やSDGsなどもテーマとして取り上げているところです。
こうした講座等に参加された方々の中には、受講後に趣味のサークルを立ち上げたり、独自に学習会等の活動を継続するなど、学びをきっかけに地域とつながり、活動が発展している事例が多々ございます。また、社会教育主事に対して自らの活動報告などもいただいておりまして、必要に応じて活動への助言等を行っております。
誰もが生涯にわたって自ら学び続けられる環境づくりは大変重要であると認識しております。今後も社会教育主事の専門性を一層生かして、学習ニーズを的確に事業企画に結びつけるなど、区民の自主的、主体的な学びの活動を積極的に支援してまいります。
◆たかじょう訓子 委員 ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、条文に、やはりこういった重要な社会教育の充実が必要だと書き込む必要があると思っております。区の役割として、住民の主体的な学びへの支援を明記することを求めます。見解を伺います。
◎相蘇 地域行政課長 条例の制定及び推進計画の策定に向けましては、今後、来年二月に素案、九月に案をお示しする予定でございます。今後も、議会での御議論や、区民や関係団体との意見交換、庁内検討などを重ねる中で、盛り込む内容や文言等について検討、修正を行っていく予定でございます。
◆たかじょう訓子 委員 次に、高齢者の新たな施策について伺います。
ふじみ荘がこの四月に廃止となりました。参加と協働の区政運営を掲げながら、区民の意見を聞くことなく廃止の政策決定がされました。政策の根幹に関わる大問題であり、区として、真摯に受け止め、改善を重ねて求めるものです。
高齢者の地域参加促進施策の取組の一つである、気軽に立ち寄れる居場所の開発や、地域コミュニティー活動での一層の有効活用も図るとしました。現在、烏山地域と北沢地域で検討されています。
この間、私は、ふじみ荘利用者から、団体などに所属せずとも、気軽にいつでも集い、コミュニティーをつくることができたと伺ってきました。今後こうした高齢者の声や、地域独自のニーズをつかむことも含め取り組んでいただきたいと考えています。
今回、二十八地区中二地区の検討となっています。今後どのように進めるのか伺います。
◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 高齢者の新たな居場所としては、本年四月からモデル取組として、千歳温水プールでのスマホ講習会や囲碁教室などの参加型プログラムを開始し、さらに、ひだまり友遊会館では、今年度中の試行に向け具体的な調整を進めております。
また、北沢地域では代田地区会館、烏山地域では寺町通り区民集会所において、来年度以降のモデル取組事業の実施に向けて、北沢、烏山両総合支所地域振興課等と、活用できる地域資源や施設の条件面での調整等を進めております。
これらの四か所のモデル取組の居場所については、気軽に立ち寄れる居場所としても活用いただけるよう実施し、また検討を行っております。
その他の地区につきましては、現在、地域参加促進プロジェクトチームとして、高齢福祉部と協力し、各総合支所、保健福祉政策部、政策経営部等と会議を重ねており、第八期高齢・介護計画にもある健康寿命の延伸に向け、各地区の特徴を生かしつつ、地域包括の取組を踏まえ、当事者である高齢者の声も伺いながら検討を進めてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 この間、私、千歳温泉プールのほうに視察をさせていただきました。ふじみ荘からの利用者がここに通っていると伺っていたのですが、確かに、来ている方のほとんどがそういう方、ふじみ荘からの利用者が来ておられたということです。
顔見知りの方もおられたので、少しお話を伺いましたが、遠くなってしまったけれども、自転車でも通っている、こういった場所が非常に重要だと感じているということを切に訴えておられて、今はカラオケとかはやっていないですが、今後カラオケを開始するというふうになりましたら、また多くの方々が集ってこられるのではないかと期待しているとおっしゃっておられました。ぜひこれはしっかりと声を聞きながら進めていただきたいと思っています。
次に、この烏山地域においては、寺町集会所での検討を行うとしています。これは今後どのように進めていくのか伺います。
◎大塚 烏山総合支所地域振興課長 烏山地域では、お話のとおり、寺町通り区民集会所を高齢者の新たな居場所づくりのモデル取組の場として活用することとしております。
寺町通り区民集会所は、烏山寺町に隣接する場所に位置しておりまして、中規模の会議室や和室、ロビー、展示スペースを備えているほか、施設入り口前には、比較的広いオープンスペースがございます。また、施設は隣接されている区民斎場の指定管理者が一体的に管理しております。
現在こうした施設環境や施設利用の状況、烏山寺町に面した立地、付近には喫茶店等の休憩場所がないことなどを関係事業所管と共有いたしまして、新たな居場所づくりのモデルとして先行している千歳温水プールや、ひだまり友遊会館の取組を参考に、どのような取組が適しているか、また実施可能か、情報交換を行っているところでございます。今後、地域の御意見等も踏まえて取組を進めてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 この間、当事者、高齢者とともに検討を進めてくださいということを求めてきました。高齢者が求めている居場所づくりというのは、その各地域によって、地区によって、やはり特徴が違うと思います。ここをしっかりと声を聞き取って進めていただくことを求めて、質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時六分休憩
──────────────────
午後一時開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの区民生活の質疑を始めます。
二十か月にも及ぶコロナ禍を世田谷区民はくぐり抜けてきました。今後の区民生活の活性化というテーマで質問していきます。
初めに、まちづくりセンターの機能強化について質問します。
地域行政条例の策定の過程において、まちづくりセンターが区民に身近な区役所として頼りにされる存在になること、そのためにDXを活用していくことなどの方向性が明らかになってきたと感じています。
この夏のコロナウイルスワクチンの予約支援をきっかけに、身近なところに区職員がいて相談に乗ってくれる場所だと初めて意識され、そして今まで足を運んだことのない区民が、まちづくりセンターに足を運ぶということが、ほぼ初めて起こりました。
二十七の地区拠点のまちづくりセンター、これは名前が変わってから、もう十三年たっています。それでもなお、どこに行けばいいのという説明をする中で、ああ、出張所のところねと言われることが間々あります。福祉の相談に訪れる方も増えているようですが、まちづくりセンターが総合支所や本庁の様々な相談窓口に区民をつなぐ頼りになる存在とまでは、まだ意識されていないように感じます。
新たな条例の中で、まちづくりセンターを、区民の抱える様々な困り事に対する頼りになる拠点として位置づけていく必要があると考えます。見解を伺います。
◎相蘇 地域行政課長 まちづくりセンターは、地区で活動する多様な方々との顔の見える関係づくりや、地域の担い手の交流と活動の促進を支援する中で、地区の課題や身近な困り事を受け止め、解決に向けてつなげていく役割を担っていると考えております。
DXの推進によって、まちづくりセンター職員には、行政の幅広い最新の情報に触れる環境を整えたり、区政に対する問合せの対応力を高めるとともに、ICT対応が困難な方へのオンライン手続の支援など、手続や相談の充実を図り、区民に最も身近で頼りになる行政拠点となるよう改革を進めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 でも、まちづくりセンターはまだまだ区民に認知されていないということを前提に考えていただきたいと思います。チラシとか掲示物にその地区、自分の住んでいる地区のまちづくりセンターの住所や、簡単な地図などを入れるなど、自分の住む地区のまちづくりセンターを、区民の意識の中にきちんと入るように、地道な取組がまだ必要だと思います。一層の努力を求めます。
次に、芸術活動の活性化についてです。
世田谷区内では、下北沢などに小劇場やライブハウスがあり、発表の場として、新しい才能を育てると同時に、区民の芸術に触れる機会や地域の活力となってきました。
昨年実施された、せたがや元気出せArtsプログラム二〇二〇では、新しい表現手段であるオンラインを活用し、個人や団体から二百四十一件の応募があり、三十八件の動画企画を採用、コロナ禍の中で発表の場を失ったパフォーマーへの支援となりました。今年度は昨年度とはまた違うスキームで支援が企画されていると思います。昨年度との違いをお答えください。
◎佐久間 文化・芸術振興課長 今年度もコロナ禍が続く中、観客数を制限するなど、感染防止策を講じて、活動再開に向けて努力をしている方もいることから、活動の再開、継続を後押しするため、経費の一部を支援してまいります。
今年度は、区内の会場またはオンラインで、主催者が自ら実施する有料公演、展示等の文化・芸術事業を対象としており、感染防止対策経費や、会場使用料、制作経費の一部について、一事業当たり三十万円を上限に補助を行うものです。昨年度は、区が会場を提供し、一作品十分程度の動画撮影、編集を行い、ユーチューブで配信するなど、不特定多数の方々が作品に触れる機会を創出いたしました。一方で、演劇等の長時間の作品や展示会等に対応できなかった面もあったことから、今年度は、アーティストや文化・芸術活動団体が自主的に実施する事業に係る経費の一部を補助する事業とし、多くの方を支援できるよう、昨年度と手法を変えております。
◆高岡じゅん子 委員 本来、それぞれの考える表現活動の再開を支援するという意味で、リアルでの活動の支援をするということに大変意義を感じています。国の支援の手が届きにくい世田谷区内の小規模な団体に支援が届くように配慮し、実施していただきたいと要望いたします。
また、こういった補助事業ですが、計画に沿った事業実施後に補助金が支払われるものです。補助事業で、例えば出演者が濃厚接触者とかになって、一つ公演が中止や縮小になってしまう、そういったことが起こりますと、小さな劇団などでは、それが即存続の危機につながります。コロナ感染予防上の理由で急に計画どおりの実施ができなくなった場合でも、事前準備のために使った分の補助金は出るような、そういう扱いはできないでしょうか、伺います。
◎佐久間 文化・芸術振興課長 現時点におきましては、感染者数は減少傾向にありまして、緊急事態宣言も解除されたところですが、いまだに予断を許さない状況にございます。今後の感染状況によっては、今回の支援事業に申請いただいた公演等の事業が中止になることも予想されます。区といたしましては、そのような場合、各申請者の状況を確認した上で、中止の決定時点までにかかった経費の一部を補助することが可能かどうか検討してまいります。今後もコロナ禍における文化・芸術等の状況を注視しながら、アーティストの支援のほうを取り組んでいきたいと考えております。
◆高岡じゅん子 委員 感染予防のため、公演の中止や縮小に協力した団体が損をしないという仕組みになっているということが、感染の収束を早め、安心して休める、安心してまた芸術活動が再開できる、そういった力になると考えます。ぜひ検討をよろしくお願いいたします。
総括質疑に引き続き、CO2削減と新たな産業育成に役立つ環境の視点に立った施策に関して質問していきます。
総括質疑で、公共施設の屋根を活用した創エネを新たな手法で強化できないかという提案をいたしました。設置時の投資を、区民や民間事業者の参加、参画により、クラウドファンディングや屋根貸し事業などでカバーし、設置を加速するという提案です。
太陽光パネル自体の価格も安くなっていますし、設置のしやすい工法など、日々進化し、今まで採算が合わないと考えられていた場所でも設置が可能になっています。さらなる工夫をして、区の財源だけに頼らない形で、区内の公共施設の太陽光発電能力の向上を図ることに関し、区の見解を伺います。
◎清水 環境政策部長 公共施設への太陽光発電設備の追加設置につきましては、先行自治体や事業者からの情報収集を進めており、世田谷区における課題と可能性について、関係所管と連携しながら、引き続き検討してまいります。
◆高岡じゅん子 委員 特に、避難所に指定されている区立学校ですが、ここの一つでも多くに太陽光パネルを乗せ、また、今ですと蓄電池も国の補助があるというタイミングだと聞いていますので、ぜひ避難所の学校への太陽光発電の導入、一件でも多く進めていただきたいと思います。新しいスキーム、ぜひ検討してください。災害対策と環境が一体になった、そういう視点が安全安心な暮らしに欠かせないものであるということが区民の中に浸透していくということは、
地球温暖化対策の前進のためにも必要だと考えています。
本当に世田谷区のエネルギー消費、半分以上が民生家庭部門です。公共施設以上に、住宅の環境性能を上げることがCO2削減のためには大切です。
環境配慮型リノベーション補助事業は、昨年度までは都市整備所管での事業でしたが、今年度は環境エネルギーの所管事業となりました。昨年度は予算時に百五十件の予定が、決算では三百三十七件と、活用実績が上がっています。今年度の状況と今後の取組に関して伺います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 委員お話しのとおり、今年度から担当所管が環境政策部門になりまして、毎月、昨年度を上回る申請件数となっております。
今年度当初予算に達した時点での申請件数は二百九十七件であり、屋根の遮熱塗装と外壁塗装をセットで申請される方が、エネファームの件数を除くと約八割を占めております。
一方、住宅からの二酸化炭素排出量の削減には、屋根などの遮熱塗装のみならず、壁や窓の断熱改修が効果的です。住宅の断熱性能が上がると、日々の光熱費が抑えられる、ヒートショックも起きにくいなど、経済面や健康面でのメリットがございます。
また、区民が身近な地域の工務店で住宅改修を相談する際、断熱改修の長期的効果の説明も受けられるようになれば、区民の行動変容につながると考えます。
今後につきましては、技術講習会などの機会を通じ区内事業者を育成し、環境配慮型住宅改修を促進してまいります。
◆高岡じゅん子 委員 巣籠もり生活の中で、自宅の快適性などに、より関心を寄せる区民も増えたのではないかと思います。環境所管が技術講習会などにも力を入れることで、さらに有効な事業としていくことができます。
例えばメンテナンスとして定期的に行う外壁塗装で断熱性能が向上することなど、事業者自身が光熱費と快適性のメリットを施主に提案できることが、より多くの方が環境配慮型リノベーションに投資という考えでお金を出していくという鍵になると考えます。区内の建築関係事業者にとっても、これは将来性のあるビジネスチャンスです。区内産業育成という観点からの取組について伺います。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 工務店をはじめとする建設業は、御指摘の環境配慮型住宅リノベーションをはじめ、区内の都市基盤整備や災害時の復興支援などを担う大変重要な産業の一つと認識しています。そのため、区では、建設業の人材確保に向けたマッチング、テレワークなどの職場環境整備、人材育成など様々な手法で建設業への支援を進めています。
また、
産業振興基本条例の改正素案におきましても、建設業については、都市基盤及び生活基盤を支え、区民の安全安心な生活を守る観点から、その振興を図ることとし、区の基幹的産業に位置づけております。
今後、例えば、せたがやPayが建設業などにも活用できるようにするなどして利便性を向上させる等、引き続き様々な角度から建設業への支援を行ってまいります。
◆高岡じゅん子 委員 今取り上げました環境リノベーション事業というのは、各世帯一回だけしか申請できません。でも、家のメンテナンスというのは一回だけでは終わるものではありません。補助事業を使った後も、さらに新しい省エネの建築技術が次々と出てきています。この補助事業が、区内の建築事業者が区民と顔の見えるよい関係をつくるきっかけとなり、より環境に優しい、安全快適な家づくりと、区民の頼りになる区内の建築産業の振興につながるよう、関係所管の一層の連携を求めます。
環境に優しい暮らしの実現は、手段の周知も含め、ちょっとした行政からの後押しというのが有効だと思います。まだまだ使える家具などのリユース、大きいものですので、どこに持ち込めばよいのかと迷っている区民に対し、最近、半年間、ジモティーという会社との実証実験事業が始まりました。安易にものをごみにしない暮らし方を区民に提供していく取組として、今後の効果検証に注目していきたいと考えています。
また、昨年度から始まったエコフレンドリーショップの取組も、ごみを少なくする暮らし方を、区内事業者との協力関係、連携を通じて区民に提供する取組です。現状を伺います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 生活から出るごみについては、使用済みのプラスチックも含めて、第一に発生抑制により、ごみの発生自体を減らす必要があります。ふだんのお買物時や外食時においても、同様に発生抑制の視点は重要です。
委員のお話にありましたせたがやエコフレンドリーショップ事業は、プラスチックや食品ロスの削減に向けた発生抑制の取組の一つでございます。使い捨てのプラスチック容器や製品を使わない店舗や、食品を使い切れるよう、ばら売り、量り売りの実施、小盛りメニューの提供、余った料理の持ち帰りなどに取り組む店舗を認定し、広く区民に紹介するものでございます。
昨年十二月に開始いたしまして、九月末現在、認定店舗は、スーパーなどの小売店や飲食店の六店となっており、今後事業のPRを強化してまいります。
◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークは、プラごみの回収リサイクルには、まず拡大生産者責任、商品を売ることで利益を得るメーカーや販売や流通業者が責任を持つべきだと主張し続けてまいりました。今後の事業経営には、ますますつくる責任、使う責任というSDGsの視点を反映することが社会的に求められていきます。
まだまだ六店舗と参加事業者が本当に少ないエコフレンドリーショップですが、ばら売りとか量り売りなどを実施している店舗は区内にもっとたくさんあると思います。そういった方に、そこにプラスチック包装削減という意識の啓発をプラスすることで、一件でも多くの事業者に応募、参加していただきたいと思います。
先ほど他会派への答弁で、今年度内に十件という目標をお聞きしました。積極的な勧誘をして、来年度は一桁多い百件という目標を目指していただきたいと思います。ぜひ要望いたします。
あと、エコフレンドリーショップの目当てのもう一つとして、食品ロスの削減ということが触れられていました。こちらは九月号の世田谷の消費生活センターだよりは「読んでトクする!家庭でできる食品ロスの減らし方」という特集号でした。この「読んでトクする!」というキャッチフレーズが、とても消費者の目を引き、多くの方に食品ロスの削減に取り組んでもらえそうな、消費生活課ならではのPRの仕方かなと感心いたしました。
日々の生活とSDGsの全ての目標がつながっているということを意識した消費行動をエシカル消費と呼びます。フードロスの削減もその活動の一つです。これは、個人が食べ物を無駄にしないということだけではなくて、大量生産、大量流通、大量廃棄という、いわば昭和の経済成長神話を脱却して、令和の持続可能な社会の構築に消費者として一人一人が参加していくといった活動でもあります。このようなエシカル消費の実践者を増やすために、どのような啓発の取組を進めていくのか伺います。
◎箕田 消費生活課長 SDGsの実現に向けての重要な取組の一つであるエシカル消費を知っている区民の割合は、昨年の七月に実施した区政モニターアンケートでは四人に一人程度であり、今後さらに認知度を高めていく必要があると認識しております。
現在、検討中の世田谷区
産業振興基本条例改正素案である(仮称)世田谷区地域経済の持続可能な発展条例においても、エシカル消費の推進を基本方針の一つに設定しております。区は、ホームページのほか、消費生活だよりにエシカルコラムや特集記事を掲載し、区民に広く配布するなど、周知啓発を進めているところです。世田谷区
産業振興基本条例の改正と併せ、例えばエシカル消費に関するイベントなど、様々な手法を使いながら、広く関係者とともにエシカル消費の普及啓発に努めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 世田谷区
産業振興基本条例の改定素案、基本方針の中にエシカル消費の推進ということを組み入れたということは、ある意味、画期的なことだと思います。産業と消費というものが一緒になって、この持続可能な社会づくりというものを進めていくという世田谷区の大きな方針が示されたと考えています。
区民の圧倒的多数は消費者、また買物をする人として暮らしています。この消費者が環境によい暮らしを実現する、したいと思っても、やはり環境によいサービスや物品を提供してくれる事業者、これの存在がどうしても必要です。SDGsを意識した地域経済の持続可能な発展のためにも、経済産業部が全体となって消費者と事業者の両者に啓発を進め、また、商店街、商工会なども必要に応じて巻き込み、環境や、また教育など幅広い所管と連携して、エシカル消費という新しい暮らし方の提案を、全区に自信を持って進めて、広めていっていただくことを求めます。
新たな
産業振興基本条例に関連して、もう一問質問します。
昨年の十二月、社会で必要とされるサービスなどを、対等な関係の働く仲間をつくって提供する、雇われない働き方の組織、労働者協同組合を新しい法人形態として認める労働者協同組合法というのが成立しました。これは二年後の施行が予定されています。
社会課題の解決に資する新しい働き方として、また、今までにない産業の担い手の形として、この労働者協同組合の存在を、産業振興施策の中に組み入れるべきではないかと考えます。区の見解を伺います。
◎納屋
産業連携交流推進課長 昨年成立した労働者協同組合法は、多様な就労機会の創出や地域の需要に応じた事業の実施など、新たな働き方の選択肢が広がる契機になるものと認識をしております。
産業振興基本条例の改正素案では、地域経済の持続可能な発展に向けた基本的方針として、多様な働き方の実現やソーシャルビジネスの推進を掲げております。条例の方針を推進するに当たりましては、区内のあらゆる関係者の連携協働が必要であり、労働者協同組合は、地域や社会の課題解決や地域産業の担い手の一つとして重要なプレーヤーになるものと期待をしております。
◆高岡じゅん子 委員 NPOなどともまた違う形の、地域課題解決のための新たな担い手の形態になります。産業振興の施策の中に位置づけて、この人間らしい、自分たちで働き方をコントロールして働く、そして自分たちの生活を自分たちの働きで支えていく、そういったディーセント・ワークを実現する職場を世田谷区に増やしていくように、ぜひ位置づけていっていただきたいと思います。
少し時間がありますので、先日行ってまいりました世田谷清掃工場の建て替えの説明会を聞いたことからの、ちょっと私どもの要望を申し上げさせていただきます。
やはり世田谷清掃工場、いろいろな問題があり、ダイオキシンが労働環境に漏れるということで、早期の建て替えを望んでまいりました。今回、説明会が始まり、十八年という非常に短いスパンで建て替えが実現することは、私たちは、本当に必要な区民の声が二十三区一部事務組合にも届いたということで、それはとてもうれしいことだと思っています。
建て替えに当たっては、ぜひこれからの大きな環境と、そして全ての生活が結びついている、それからプラスチックごみを減らしていかなければならない、CO2も減らしていかなければならないという大きな社会の流れに合った形で、貴重な清掃工場の敷地と清掃工場の建物が使われていくことを、本当に切に願っています。
なかなか清掃工場というのは、物すごく大きな予算がかかるものですので、国の
補助政策とか、様々な政策に本当に翻弄されて、今建っているものも、翻弄されて建ったわけですが、私たちは、やはり区民のためになる、そして、将来の子どもたちのためになる清掃工場の建て替えになるように、これからも意見を言っていきたいと思っておりますので、ぜひ一緒に区民生活、そして安心安全で健やかに子どもたちが育っていける世田谷を守っていきたいと願っております。
以上で生活者ネットワークの区民生活所管の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 新風・せたがやの風の区民生活領域の質問をいたします。
地区に責任者が必要であるということに対して、区の担当者は、その姿が分からない、必要性が分からない、何をすればよいのか分からないと言われ続けています。逆に私といたしましては、どうして分からないのだろうと思ってしまいましたが、今回、本庁の担当者の方との話、そして今回の地域行政の条例の検討状況報告を読んで、その一端が分かりました。
つまり、本庁の方々は、地区を、現在のまちづくりセンターの姿を通してしか見ていない、実態を知らないということです。
それは、今回の報告の、まちづくりセンターの機能の充実強化の項目を見れば分かります。そこには、町会・自治会をはじめとする多様な主体をつなぐ、防災活動などの充実、まちづくり活動団体などの支援などがあるだけです。現在のまちづくりセンターの業務しか考えていない。全く間違いであり、机上の空論です。
例えば、私の地元である喜多見地区、人口三万三千人、高齢者六千四百人、地方で言えば大きな町の規模ですが、そこに保育園や幼稚園などの子育て施設が十九、小中高大学施設が公立、私立合わせて十一、特養ホームやグループホームなどの高齢者施設が十七、障害者施設が十八、交番、駐在所が四、医院が七十五、郵便局が三、コンビニが十二など、区民の日常生活を支える施設が合わせて百七十七あります。その存在すら本庁担当者は知らない。これで的確な地域行政の将来が描けるのですか。
この百七十七の中には、もちろん、まちづくりセンターも、あんしんすこやかセンターも、地区社会福祉協議会も入っていますが、地区の住民からすれば、まちづくりセンターは、十二か所あるコンビニよりも知られていない。日常生活の役に立っていないのです。ですから、そのまちづくりセンターの現在の業務を幾ら充実強化を図ろうが、区民から見向きもされない、当たり前のことです。
では、地区の公の拠点の役割は何であるか。区民の生命と財産を守ることです。何年か前、地元の多摩川に注ぐ仙川と野川の合流地点から上流に大雨、大水であふれました。大変な混乱となりましたが、そのときに地元を飛び回って安否確認を行ったのは児童館の職員でした。
また、喜多見団地の広場で盆踊り開催中に突然の土砂降りの雨、そのときに二百人以上を避難させ、タオルを配り、飲み物を出して助けたのは地元の児童館であり、そこに出入りしていた中高生が率先して手伝ったのです。
地区はこのようにして動いています。行政が指導したのではない、区民自らが動いたのです。区民は日常生活を自ら自由に行動、活動する、それが当然です。
しかし、一たび大事が起きたときには、助け合う、協力する、そして、誰かの指示の下に統一した行動を取る、これが成熟した市民生活の在り方です。
イベント、つまりお祭りがなぜ重要か、江戸時代以来、お祭りは日常生活の中で最大の防災訓練だからです。いざというときに的確な指示を出す、これが公の機関の役割です。そのことを地区の責任者と言っているのです。
直下型大地震をはじめ大災害に直面した場合には、誰かが音頭を取って、みんなで行動しなければならない場合が必ずあります。そのときに逃げるわけにはいかない。しっかりと全部を受け止めて、的確な指示を出す、その役割が責任者に担わされるのです。このことを今後の地域行政の展開の検討に当たり十分に考えるべきです。
さて、区長招集挨拶で、ワクチン接種予約支援に関連して、改めてまちづくりセンターが区民の身近な相談や困り事の支援の拠点として機能することを再認識させられたとの発言がありました。今頃こんなことを言っているのかと、区の現実把握のあまりの希薄さに暗たんたる思いを感じます。
総括質疑で筆頭副区長が答弁で、困難な中であっても、職員一人一人が、これからの世田谷はどう考えるべきか、熱い思いを持って区民に何ができるかということを、知恵を絞るような組織風土を醸成したいと言われました。疑問を感じます。区の幹部職員は現場の職員の思いを本当に分かっているのかと。
三月議会で私は、去年十二月に現場の職員の方々から提出された、くみん窓口、出張所の現状と課題についてという要望書を取り上げました。その要望書には、コロナウイルスの発生など、予期せぬ非常事態が発生したときなどのため、地区に密着した行政サービスの分散化を図るべきと書いてあるのです。
この要望書に対する区の姿勢は、まず存在の否定、そして無視でした。職員が必死で書き上げた要望書は無視しながら、一方で、まちづくりセンターの機能を再認識しただの、職員一人一人が、これからの世田谷はどうあるべきか、熱い思いを持って区民に何ができるかということを、知恵を絞るような組織風土を醸成したいなどという言葉が、何と空虚に聞こえるか、許されるものではありません。今後は絶対にあってはならないこと、そのことを改めて申し上げておきます。
さて、総括でDX推進と地域行政を総合した責任者が必要と質問しましたが、答弁は、両副区長が連携して取り組むというのみでした。この「連携して」が諸悪の根源です。誰が責任者か分からない。私はこの長い行政とのやり取りで、責任者というものの重要性について嫌というほど思い知らされました。
DX担当の副区長は答弁で、DXの推進により生み出された人材や時間を区民と向き合うなどの役割に振り向けていくと言われました。
では、質問です。地域行政担当として、どれくらいの人材、時間が生み出されることを想定しているのですか。これが不明であれば、計画は策定できないはずです。さらに、DXを基盤とするワンストップサービスの実現はいつをめどとされているのですか、この二点について御答弁ください。
◎相蘇 地域行政課長 DXによる業務の抜本的な見直しや、業務のデジタル化によって生み出される人材や時間の量については、潜在的、複合的な課題を抱えた方への対応や、ICT環境を持たない方への支援の対面サービスの充実や、まちの方々との交流の中での実情や課題の把握、解決に向けた関係づくりなどに振り向ける必要があると考えておりますが、その量については現在の時点で明らかにできる状況ではないと考えております。
また、ワンストップサービスの実施については、DXの推進による行政サービスの変革を区民の視点に立って進める必要があると考えております。DXの推進方針では、今後二年間の重点の取組として、オンラインによる手続や相談を打ち出しており、まちづくりセンターが本庁や総合支所とつながるためのデジタル環境整備など、地域行政の推進計画の策定による整合を取って進めてまいります。
これらの具体的なスケジュールについては、このような観点から、今後詳細化して、区議会の議論、御意見も伺いながら決めてまいりたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 さて、招集挨拶によれば、地区の行政拠点であるまちづくりセンターが、生活基盤を支援する、なくてはならない場とされています。さきに申し上げたように、今のまちづくりセンターは全く区民に認知されていません。この状況から、今のまちづくりセンターの強化充実ということだけで、区の言う生活基盤を支援する、なくてはならない場となるはずがありません。区の言う生活基盤を支援する、なくてはならない場とは具体的に何を意味するのか伺います。
◎相蘇 地域行政課長 区民意識調査において、区が積極的に取り組むべき事業としては、災害対策、防犯、地域安全の対策、高齢福祉の実現などが毎年上位に挙がっており、これらの対策を、まちづくりセンターを中心とした地区防災活動、防犯活動、福祉の相談窓口における相談支援事業などとして展開をしております。
これらはいずれも地区の区民の方、活動団体と情報を共有して、共に地域づくりに取り組むことが何より大切なことであり、また、ワクチン接種のような生命と健康を守る取組など、生活基盤の支援を今後とも重点的に進めていきたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 最初に申し上げたとおり、つまりは日常生活が円滑に営めること、そして何よりも区民の生命、財産を守っていくこと、これが行政の使命となるはずです。地区最大のサービス産業の責任は重いのです。まちづくりセンターの運営が主な仕事ではないはずです。その責任者の存在を明らかにすべきと考えますが、お考えを伺います。
◎相蘇 地域行政課長 区民の健康と安全を守るためには、災害時などをはじめとした危機管理体制といったものを強固で実効性のあるものにする必要があると考えております。有事の際に被害の状況、住民に対する支援の状況の把握や本部への連絡、必要な支援の見極め等が行える必要もありますし、そのために平時に地区の住民施設、団体等が広く交流をして信頼関係を築き、有事の際の行動に対する理解、意識醸成、人材育成などに連携して取り組むようにする必要があると考えております。
そういったことを行うために、区は、災害対策本部をはじめとした地区、地域のきめ細かい組織体制も含めて、体制をしいて取り組んでいるというところでございます。
◆小泉たま子 委員 区は、このところ参加と協働と言われます。大変耳ざわりがよい言葉ですが、その言葉に隠れて、仕事に対する責任が見えなくなっては問題です。地域活動の検討により、参加と協働の観点から検討委員会で、いわば自由に議論を行い、議会への説明という義務を果たすことなく、区民へ公表、挙げ句の果てに、大方の区民の御賛同をいただいているという姿勢がかいま見える、そのことが問題です。参加と協働を推進する中で、議会との調整も図り、さらにはDX関係との連携もしつつ、来年にはDX推進も含めた条例づくりを行い、さらにワンストップサービスを実現していくということですが、実際にどのようなスケジュールを想定されるのか伺います。
私は、行政とのやり取りの中で、責任者の見えない仕事と同じく、スケジュールを持たない仕事ということについては全く信用していないからです。お考えを伺います。
◎相蘇 地域行政課長 地域行政に関する条例や計画の策定については、来年の二月に素案を、九月に案をお示しいたしまして、その十月から施行をスタートする予定にしてございます。この計画については、第一期を令和四年からの二年間として、その間に取り組むことや、令和六年からの基本計画等々に合わせた課題を盛り込むこととして、令和六年からの第二期の計画については、この基本計画と整合を取って策定を進めていくと考えております。
また、DXの推進の方針、現在示されているものも今後更新をされていくということになりますので、そちらとも整合を十分に取って一緒に進めていくというふうに考えております。
◆小泉たま子 委員 参加と協働の象徴の一つが、区民利用施設です。単に施設機能を利用するだけでなく、区民自らの責任を持った自主管理という形式もあり得るからです。ここにおいて、地区施設の体系の再構築を行い、一定の地区会館を原則、地区に移管すべきと考えます。この再構築、再編成の中で課題となっている集会施設での飲食問題も解決への糸口を探していく、このように取り組むべきと思いますが、考えを伺います。
◎相蘇 地域行政課長 地区会館は文化的活動の場、高齢者の憩いの場として、区民が相互に交流を深めることを目的に設置している施設であり、地域デイ、認知症カフェなど公的な活動の場、また高齢者の健康増進、子育て支援の場などが求められている中で、地区会館の運営の在り方については、運営を担っていただいている御負担もあるため、今後十分意見も伺い、また、住民主体で運営している施設の状況も確認しながら課題を整理していきたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 地域振興課のほうからはございませんか。
◎河野 砧総合支所地域振興課長 地区会館における飲食でございますが、現在、友人間における飲食の試行を行っておりまして、これらの結果を踏まえた上で、地域コミュニティーの醸成、施設の有効利用の観点から、大広間、和室等の利用を検討してまいりたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 いろいろ申し上げましたが、一層検討していただいて、よい結果が出るように、よい地域行政の運営に、よろしくお願いいたします。ということで質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず、最近、九月一日の区民生活常任委員会で、粗大ごみの新たなリユースの仕組みに関する実証実験の実施についての報告がされたということですが、これはいわゆるジモティーと連携をして、粗大ごみの行き場をつくるというのかな、そういう事業のようですが、リユースそのものの住民の皆さんの意識の高まりと、粗大ごみの増加もあって、今、粗大ごみの引取りの期間が大変長くなっていると伺っています。こういうことの解消に、このジモティー、民間の企業との連携がつながっていけばいいなと思っているのですが、ただ、こうした古物の取扱いに関しては様々トラブルが発生していると感じています。
私もメルカリなどで自分のものを売ったりすることがあるのですが、そうすると、向こうからクレームが来たりなどする場合が、僕も一回ぐらいありました。というのは、ここに傷があるとかなんとかということがあって、今回、実証実験ということですが、今後、本格実施に向けても、いわゆるトラブルに関しては、これは世田谷区が持つのか、それともジモティーがそのトラブルに関しての責任を持つのかというようなこともちょっと気になったものですから、この点について、どういう責任の分担になっているのか、その辺についてお答えをいただければと思います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 委員からお話のありました、粗大ごみのリリースを促進するための実証実験につきましては、株式会社ジモティーとの連携により、令和三年十月一日から開始となりまして、令和四年三月三十一日まで実施をする予定です。
本実証実験は、区民から回収しました粗大ごみをリユース品として、株式会社ジモティーが運営する世田谷区不要品持ち込みスポットのスタッフが、品物の大きさや状態などを、写真とともに不要品売買、交換の掲示板サイトアプリであるジモティーに掲載し、希望者に譲渡することでリユースを進めるものです。
譲渡に際しましては、ジモティーの掲載内容を確認承諾の上、不要品持ち込みスポット現地にて、希望者本人が直接実際の品物の状態を確認していただくことを原則としており、可能な限りトラブルを回避するようにしております。中古品であることを御了解いただいた上での譲渡となりますが、仮に掲載内容に瑕疵があった場合などの責任につきましては、協力事業者である株式会社ジモティーに負っていただくことになっております。
◆あべ力也 委員 利用者に分かりやすい説明をしていただいて、こうしたことの利用拡大がリユースにつながっていけば、あと粗大ごみの、何ですか、はけていくあれにつながればよいと思いますので、ぜひ利用者に分かりやすい説明をお願いしたいと思います。
次に、マイナンバーカードについて伺います。
公共セクターのデジタル化には、個人認証をどのようにするのかということが必要不可欠なことだと思いますが、役所のサービスも、今までは役所に来て、一か所で用事が済むようにワンストップサービスを進めろと、こう言ってきたのですが、これからは役所に来なくてもよいわけですから、ウェブ申請などで行政サービスを受けられるということですから、これは何かノンストップサービスと言っているようですが、ワンストップではなくてノンストップサービスに向けた取組の中で、まさにこのマイナンバーカードは重要な位置を占めてくるのだと思いますが、現状の交付率は、世田谷区が約四割、三九・八九%ということのようですが、まだ半数に満たないということで、これを上げていく努力を今までもされているのでしょうけれども、今後の取組についても、まず伺っておきたいと思います。
それと、今後、マイナンバーカードはいろいろな分野で、認証で行政として使っていくのだと思いますが、今、保険証のプレ運用をされているということで、様々利点もあると思いますが、どういう利点があるのかお聞かせいただきたいということと、今後の保険証以外の計画などについてもお教えいただければと思います。
それと、初めパスワードなどでやっているようですが、認証制度として生体認証ということで、顔認証を取り込むというようなことを、現状で、申し込むときにやっているようですが、この認証の精度というのか、そういうことも含めて、この顔認証、生体認証の運用については、いつ頃から始まるのか、その点についてもちょっとお聞かせをいただければと思います。
◎齋藤 番号制度・
マイナンバーカード交付推進担当課長 身近なところでは、令和三年十月二十日からマイナンバーカードを医療機関、薬局でカードリーダーに読み取らせて保険証として利用する、マイナンバーカードによる健康保険証のオンライン資格確認の本格運用が開始されます。
さらに、令和三年九月診療分のレセプトから、医療費通知が十一月以降に、御自分のマイナポータルで御覧できるようになり、将来は確定申告の医療費控除を、国民が自ら集計することなく、オンライン申請ができるようになる予定です。
一方、国が策定する自治体DX推進計画では、マイナポータルからマイナンバーカードを用いて、各種のオンライン手続を可能にすることが進められています。特にマイナポータルのぴったりサービスを利用して、子育て関係、介護関係の二十六手続及び転出転入手続のワンストップ化については、令和四年度末までに導入するように市区町村で検討するように求めています。
このほか、マイナンバーカードの活用として、国は運転免許証や医師などの職種の資格との連携も検討対象としております。
次に、マイナンバーカードの認証についてですが、マイナンバーカードを今回の医療機関、薬局でカードリーダーに読み取らせて、保険証として利用する際には、本人確認として顔認証を利用いたします。これはマイナンバーカードに格納されている顔写真の画像データを利用して、医療機関、薬局に設置されている顔認証機能付のカードリーダーで照合して本人確認するもので、パスワードの入力を行いません。
○加藤たいき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 非正規在留外国人に対する区の対応について伺います。
在留資格を持たない外国人であっても、国際人権条約の枠組みから、また、それら規定によらずとも、人道支援の必要性から、区で提供するべき行政サービスは決して少なくありません。それがよく分かるのが、本年八月十日、総務省が都道府県を介して全市町村に発出した事務連絡です。
そこでは、在留資格の有無を問わず提供されるべき三十の行政サービスが列挙され、本区を含む全自治体に適切な対処を求めています。
ところが、同通知を受け取った区の所管課に、その後の扱いを伺いますと、単なる課内資料にとどめ、各サービス担当課には情報共有されていないと分かりました。これでは人道上必要な行政サービスが適用されない可能性が高くなり、問題ではないのでしょうか。いかがですか。
◎松見 住民記録・戸籍課長 委員お話しの通知の内容ですが、在留資格の有無にかかわらず提供対象となっている行政サービスについて、サービスを提供するための情報の把握、記録の管理方法等の取組状況を、総務省が各省庁へ調査した結果であり、各自治体での行政上の便益、サービスの付与に資する目的のために、三年に一度、定期的に調査が行われております。これまで本通知は庁内周知をしておりませんでしたが、在留資格を有しない外国人に対する行政サービスの取扱いについて、制度の周知、確認を図っていくためにも、庁内周知を徹底してまいります。
◆上川あや 委員 当然そうであらなければならない御答弁です。速やかな対処をお願いします。
本区には、そもそも非正規在留外国人全体についての統計も記録もありません。一方で、入管が仮放免した方の区内居住情報だけは毎月本区に送られてきています。同情報を受け取る課は、先ほどと同じ住民記録・戸籍課で、同課によると、その数は現在十七名だと言います。ところが、こうした居住者の情報が本区で生かされた形跡はほとんどありません。
同情報は、庁内各課からリクエストがあって初めて提供される扱いで庁内周知されており、リクエストがなければ積極的な情報提供はありません。ところが、ここ数年でリクエストがあったのは一度だけ、本年三月、厚労省が仮放免者にも新型コロナワクチンの接種券を送付するよう求める通知を出したため、これに応じた所管課がリクエストをしてきたのが唯一だと言います。その陰で起きているのは何かと言えば、行政の不作為ではないのでしょうか。
例えば、区教委は外部からの調査に、在留資格のない子どもでも、区立学校への入学を認めると回答しています。ところが、その実、仮放免者の学齢期の子どもの有無について、住民記録・戸籍課に問い合わせたことはないと言います。それでは、学齢期の子どもがいないのかと言いますと、現にいるのですね。
区は、なぜ子どもの学びを保障するよう動けないのですか、人権問題ではないのでしょうか。こうした住民情報の変動は、都度区教委に提供されてしかるべきものではないのですか、いかがですか。
◎松見 住民記録・戸籍課長 学齢期の子どもは、被仮放免者であっても、公立小中学校に入学し、授業を受けることができる旨の国会答弁があり、区の教育委員会においても受入れを行うとのことです。これまで、被仮放免者の情報は、各担当所管課からの求めに応じて提供を行っておりましたが、加えて、今後は、行政サービスの対象となる可能性がある該当者の情報は、逐次、個人情報の目的外利用に留意しながら提供してまいります。さらに、行政サービスの提供に漏れのないよう、対象となる行政サービスの種類や対象範囲などについて調査、確認の上、庁内周知の徹底を図ってまいります。
◆上川あや 委員 改めて、区教委のほかにも仮放免者情報の都度提供するべき行政実務がないかの全庁の調査を求めます。この点についてもお答え願います。
◎松見 住民記録・戸籍課長 出入国在留管理局からの被仮放免者に係る情報提供は、被仮放免者本人の同意の上、住居が所在する市町村に対して毎月一回の通知があります。学齢期の子どもに限らず、早期の情報提供が適当であると思われる担当所管課には、逐次情報提供を行ってまいります。
◆上川あや 委員 最後に、もう一つ重要な指摘をしたいと思います。区の職員には法律で、在留資格のない外国人についての通報義務が課されています。
一方で、平成十五年十一月十七日付の法務省通知では、当該行政機関において通報義務により守られる利益と各官署の職務の遂行という公益を比較考量して、通報するかどうかを個別に判断することも可能としています。つまり、自治体が人道上、その他の必要から通報より優先して適用するべき行政サービスがある場合、通報の留保もまた可能であるということです。
ところが、本年五月から六月にかけ、さいたま市議会から送られてきた調査票、外国人への行政サービス等についてというアンケートに区がどう答えたかといえば、国が滞留資格を問わず提供できるとしたサービスであっても、住民記録がなければ適用しないと一刀両断に切り捨て、通報を優先すると回答したサービスが散見されるという情けなさです。
そもそも在留資格のない人は、住民登録などできませんよね。たとえ母国に帰れば命の危険がある難民認定の申請者であってもです。つまり、区の回答は人道支援の放棄、見殺しではないのですか。これら人道上その適用が求められる行政サービスと通報義務のどちらを優先するかを問われた九月のさいたま市議会の議会質問に対して市は、通報より人道支援を優先させる旨答弁したと承知をしていますが、当区でも命や健康、子どもの学習権を守る人道支援こそ優先されるべきではないのでしょうか。ここは所管がまたがりますので、副区長にその基本姿勢を伺えればと思います。
◎岩本 副区長 お話しいただきましたとおり、通報と区のサービス提供について、それぞれの公益を比較考量して判断できると通知にはございます。一方で、提供できるサービスが医療や子育て、教育、被災者への支援など、いわゆる命や人権に関わるものでありまして、サービスの提供という公益に重きを置くべきだと考えております。また、お話しいただきました被仮放免者等の情報につきましては、サービス担当所管と具体の調整を行うなど、対応の徹底を図ってまいります。
◆上川あや 委員 それぞれあるべき答弁がいただけて、ようやく安心いたしました。この日本の入管行政の非人道性は、ウィシュマさんの一件を見るだけでも明らかなことだと思います。日本では難民認定申請者への差別が常態化している、昨年九月にまとめられた国連人権理事会恣意的拘禁作業部会の意見書は、日本のその施策を極めて厳しく評価しています。こうした入管行政と私たちの、この住民をどう守るのか、きちんとした比較考量、命の優先、安全の優先、よろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後一時五十六分休憩
──────────────────
午後二時十五分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、温暖化対策について伺います。
国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、八月に世界の気温上昇が想定より十年早くなると公表し、二〇五〇年までにCO2排出をゼロにしないと、二十一世紀中に気温上昇が二度を超える、このまま化石燃料に依存した社会を続ければ、五・七度も上昇するという衝撃的な内容でした。加えて、これを防ぐには、次の十年が決定的に重要であるとの声明も発表いたしました。
台風を含めた暴風雨による被害額だけでも、昨年は世界で十兆円に達し、洪水の被害は五兆円を超えたということです。ほかにも、カリフォルニア、トルコ、ギリシャなど、世界で多発する山火事やバッタの大量発生による食害、農作物の生育不良などの温暖化の影響が目に見える形で表れています。
私は、日本でも毎年のように被害をもたらす豪雨災害など、待ったなしの温暖化対策について、これまで何度も取り上げ質問をしました。
温暖化対策として、世田谷区のような住宅都市に欠かせないのが、住宅分野での施策です。資源エネルギー庁によれば、都心の狭小な土地に施工することが多い一般工務店の省エネルギー住宅の割合は、二〇一九年度でたった一・三%とのことです。そこで、新築住宅だけでなく、国内に二千八百万戸ある既存住宅の改修を進める必要があります。
例えば、太陽光発電を導入した戸建て住宅は、現在、全体の九%ですが、仮に全ての住宅に設置した場合には、日本の電力消費の一割を賄えるとのことです。世田谷区では、太陽光発電システムの設置を含む環境配慮型住宅のリノベーション推進事業の所管が、今年度から、都市整備政策部から環境政策部に移りましたが、CO2排出実質ゼロに向けた目標をお聞かせください。
◎池田
エネルギー施策推進課長 委員からお話しの環境配慮型住宅リノベーション推進事業は、今年度、環境政策部へ移管を行い、住宅の環境性能向上を一層促進することを目的に、二酸化炭素排出削減量の数値化を行う予定です。区内の二酸化炭素排出量の約半分は民生家庭部門が占めております。このことから、住宅の環境性能の向上が二酸化炭素排出削減の鍵となっていると認識しております。この点を踏まえ、世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画の見直しの中で目標について検討してまいります。
◆ひうち優子 委員 次に、以前に質問した再生可能エネルギーの自治体間連携について伺います。
世田谷区が本気で二〇五〇年温暖化ガス排出実質ゼロを目指すのであれば、再生可能エネルギー比率を高める必要があること、都市部である世田谷区では、自ら発電することは難しいため、自治体間連携を促進することを質問いたしました。
現在、世田谷区は、昨年の十日町市と再生可能エネルギー供給の協定を締結したことに加え、今年は津南町とも協定を締結し、自治体間連携を着実に進めており、すばらしいと考えます。そこで、二点まとめて伺います。国は二〇三〇年度に総発電量の再生可能エネルギーの割合を三六から三八%と目標を設定しましたが、世田谷区の目標をお聞かせください。そして、今後さらに再生可能エネルギー導入拡大に向けた自治体間連携が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 区では、環境基本計画において、区の目指す環境像の実現度合いを反映する指標の一つとして、再生可能エネルギーを利用している区民の割合を掲げ、令和六年、二〇二四年の目標を二五%としております。二〇三〇年度の目標については、世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画の見直しの中で議論、検討してまいります。
また、先月九月に開催しました
自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議では、百十三の自治体が視聴され、昨年の四十三自治体から大幅に増加いたしました。引き続き、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向け自治体間連携を推進してまいります。
◆ひうち優子 委員 都心部である、我が区では、特に再生可能エネルギーの自治体間連携が重要になってくると考えております。よろしくお願いいたします。
次に、スケートボードの推進について伺います。
東京オリンピック・パラリンピックで、スケートボードが種目になり、最近、私のところにも、スケートボードが気軽にできる場所をもっと増やしてほしいとの声があります。先日、若林公園にスケートボードができる場所をつくってほしいが、公園側が巨大なプランターを複数設置して、できなくなっているとの声をいただきました。現在、世田谷区でできる場所として、駒沢公園、世田谷公園、祖師谷公園、大蔵運動公園とありますが、スケートボードのレベルも様々であり、もっと気軽にできるような場所がほしいとの御意見があります。世田谷区として、スケートボードというスポーツの普及と、気軽にスケートボードをしたいというニーズについてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
◎中潟
スポーツ推進課長 委員お話しのとおり、区内には世田谷公園など四か所にスケートボードができる場所がございますが、東京二〇二〇大会での盛り上がりを契機に、身近な場所でスケートボードができないかといった声も多く寄せられております。
しかしながら、スケートボードを新しいスポーツとして推進していくには、騒音など周辺環境に配慮し、安全に利用可能な専用スケートボード場の整備、ルール、マナーの啓発、指導体制の整備、それらを統括する団体の育成などが必要であると認識しております。区が推進していくには課題もございますが、スケートボードを含め、東京二〇二〇大会で示された新たなスポーツの魅力の発信に取り組むこととしております。そうした視点も踏まえ他自治体の事例も参考に、検討を進めてまいります。
◆ひうち優子 委員 スケートボードを身近にしたいという声がかなりございますので、その点も含めて、近隣の方の騒音もありますが、そのことを考慮しつつ、できるだけスケートボードを身近にしていただくような環境を整備していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 私からは、まず、総括の続きでグリーンリカバリー関連の質疑をしたいと思います。
総括質疑の際に、今回八月に提携しました新潟県津南町の小水力エネルギー、
自然エネルギーについて、今までの従来の区の施設に入れるものではなくて、今回は区内の民間事業者に供給していくというふうに計画をしていて、民間事業者がこの
自然エネルギーに切り替えるためには、従来のSDGsに対する寄与であったり、あるいは環境配慮といった意義だけではなくて、経済的なメリットというのもしっかりとその事業者側が見込めるような、そういった仕掛けが必要なんではないかということを総括質疑で申し上げました。当然、電気料金が一番分かりやすい端的なメリットにありますけれども、仮に電気料金が高くなってしまう場合でも、ほかのメリットというもの、経済的メリットというところがきちんとあるといいなというふうに考えています。
その際の御答弁で、関係所管と連携してこういったメリットというところを詰めていきますというお答えをいただいていますけれども、まずそこで、今日は、この関係所管と連携というのはどのような内容、どのような連携ということを考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 再生可能エネルギーを区内の事業者に普及させるためには、庁内のあらゆる所管との連携が必要です。特に、経済産業部は多くの経済団体や事業者とのチャンネルがあり、この十一月にはせたがや版RE一〇〇ミーティングを両部連携の下で開催いたします。このミーティングでは、事業者向けにコスト削減にもつながる省エネ支援策や、自治体間連携による電力供給の紹介とともに、再生可能エネルギーの利用拡大などについて意見交換を行う予定です。今後、ミーティングを契機に事業者の脱炭素に対する理解を促進するとともに、SDGsを意識した事業経営を展開することへのメリットを感じてもらい、脱炭素への取組を経営の中心に捉えてもらうことを期待しています。
◆佐藤美樹 委員 経済産業部と連携をしながら、こういった区内の民間事業者への供給、
自然エネルギーへの切替えというところを進めていくということですけれども、確かに産業連携交流推進課さんのほうは、区内事業者の方たちと様々な、この間もいろいろな政策について関わってきていらっしゃいますので、区内の事業者の方たちがこのSDGsや
自然エネルギーに切り替えることに対する濃淡、温度感というところも生の情報としていろいろ持っていらっしゃると思いますから、そういうところと環境セクションが連携、コラボしていくことで、本当に効果的な、経済的なメリットというのが何か見いだせるといいなというふうに考えておりますけれども、経済産業部側の見解を伺いたいと思います。
◎納屋
産業連携交流推進課長 環境や社会への配慮など非経済的な価値にも重きを置いた取組の重要性が増していくと考えており、
産業振興基本条例の改正素案においては、経済発展と非経済的価値を両立する地域経済の持続可能な発展を掲げているところでございます。
SDGsの広がりやESG投資の規模拡大など、社会課題の解決に向けた様々な取組が注目される中、脱炭素やCO2削減についてもその価値を事業者と共有し、広く普及していくことが重要と考えており、旧池尻中跡地活用においても、SDGsなど時代の変化に対応する具体的取組を検討してまいりたいと思っております。
また、委員お話しの経済的メリットが事業者の行動を促すという視点も大切であると考えておりますので、例えば、せたがやPayとの連携など、事業者の行動を後押しするような取組について、環境政策部と協力して検討してまいりたいと思っております。
◆佐藤美樹 委員 せたがやPay等を、何かしらせたがやPayの特典といったことも、そういった計画、連携も考えていらっしゃるというところで、やはりこちらの産業連携交流推進課の持っている強みと環境政策部のほうの持っている強みというのが、それぞれがその強みを生かし合って連携していくことで、いろいろな複数の政策の同時効果を生んでいく、シナジーを生んでいくというところに期待していきたいと思っています。まさにそれがグリーンリカバリーというところにもつながっていくというふうに考えますので、今後の展開に期待しております。
次に、環境政策に関連してEVについても伺いたいと思います。
東京都は、二〇三〇年までに都内の乗用車の新車販売に占めるゼロエミッションビークル、ゼロエミッションの自動車ということですけれども、これの割合を五〇%まで高めるという目標を掲げています。国も同様のゼロエミッションに向けての様々な政策を打ち出して、それに呼応する形で民間の、自動車メーカーはもとより様々な業種、業態がこういったゼロエミッションに向けての動きというのを加速させているなというのを見ています。
翻って世田谷区としては、今のような流れの中でEVに関してどのように取り組んでいくのかというところが気になっています。現在、
地球温暖化対策推進計画というところに一応そのEVについての記載もあるんですけれども、今申し上げたようないつまでにどのぐらいといった、そういった具体の目標設定が設けられているものではありませんので、区として今後どういうふうにEVに関して、普及に向けて取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。
◎須田 環境計画課長 東京都は、ゼロエミッション東京戦略において、二〇二五年までに公共用充電器を倍増させ、二〇三〇年までに都内乗用車新車販売台数に占めるゼロエミッションビークルの割合を五〇%とする目標を掲げております。
地球温暖化対策地域推進計画の見直しの中で、公用車へのさらなるEV導入について検討を進めまして、関係所管に働きかけをしてまいります。
◆佐藤美樹 委員 今公用車、区の庁用車ですけれども、これは全て軽自動車で、軽自動車の完全EV車というのが今日本のものではないということも、やり取りの中で私も初めて知ったんですけれども、調べてみたら、当然その軽自動車のEV化というのも各社、各メーカー、やっぱり計画にもう既に入っていますので、国や都、民間が加速する中で区だけが遅れを取らないようにお願いしまして質問を終わりたいと思います。
以上です。
○加藤たいき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 総括から、これまで女性が担っていた子どもを相手にする仕事やケアワークについても、性別に関わりなく働ける環境となるよう質疑をしていますが、本日はジェンダーイコーリティーの観点から伺ってまいります。
従来、男性だけが独占してきた役割、業界について、誰もが参入できるよう障壁を少しずつ取り除く中で、女性の様々な業界への進出も同時に進められています。例えば、世田谷区でも第二次男女共同参画プランには、審議会の委員や区役所の管理職、町会・自治会の会長、区の外郭団体理事といった、これまで女性が少なかった領域へ女性という属性を持つ人を増やしていくことを掲げています。一方、これまで女性の役割、仕事として捉えられてきた業務や分野については、引き続きほぼ女性のみが担っている状況が続いており、新たな役割を担う場合は、一人の人物が従来の女性の役割と併せて、いわば二人分の役割を引き受けるか、そうでなければ従来どおり女性としての役割に徹するか、もちろん例外もありますが、現実的に二〇二一年の日本において女性に用意されている選択肢はほぼ二択です。
他方、男性については、従来分業されてきた役割が全ての人へ開放され、今までは男性の居場所だと思ってきた場所から追われる人が出ることで、いわゆる働かないおじさん問題や、人材のミスマッチが起きたり、場合によっては新たに参入をしてきた適性の高い男性ではない人を排斥して自分たちのポジション確保に躍起になっています。
こうしたミスマッチを解消するためにも、誰もが従来の性別役割分業や年功序列にとらわれず、適性や考え方に応じて本来やりたかったことができるようにすべきです。家事、育児、介護など、家庭内での役割の男性への啓発についてはこれまでも取り上げてまいりましたが、仕事の文脈においても、いわゆる女性の仕事とされてきた分野へも、分業から協業に前提を切り替える必要があるのではないでしょうか。
区役所内を考えると、現在全ての採用段階でもはや性別欄を設けないことを鑑みると、優先したい属性に一定の枠を設けるクオータ制や、横並びになった際に優先的に取り扱うプラスファクター方式はなじみませんが、目標を設定し、そのための施策を実現していくゴール・アンド・タイムテーブル方式や、目標数値の設定が難しくとも、まずは男女共同参画プランの中でも町会・自治会長や外郭団体理事の男女比を追っていることと同様に、幼稚園や保育園といった男性が極端に少ない分野の定点観測も実施が可能です。以前も紹介をした千葉市の市立保育所男性保育士活躍推進プランでも、採用時のクオータ制については言及しませんが、管理職については、目標設定と支援策の策定を行っています。
数値を追うことが今後の状況の改善に向けたアクションまでつながると考えます。定点観測の可否を伺います。
◎生垣 人権・
男女共同参画担当課長 男女共同参画の観点からは、ジェンダー統計という言葉もございますように、男女の置かれた状況を客観的に把握し、課題を検討することは重要であると認識しております。区は、例年女性職員の管理監督職の登用率を調査、公表しておりますが、今後は保育園、幼稚園の園長など職種別の数値につきましても、その数値を関係所管と共有、確認してまいります。
◆そのべせいや 委員 また、設備を整えることは実際に運営をしている部署となりますが、周りの心理的なハードルを越えたり、従来の分業の考え方をアップデートするためには、区役所の中に限らず事業者へ分業から協業へ切り替える際の手引や、男性へも子どもと関わる仕事あるいはケアワークを選択肢として捉えてもらう機会が必要です。ハードの整備と併せて従来の価値観を塗り替える手助けができないか伺います。
◎生垣 人権・
男女共同参画担当課長 男女共同参画社会の実現に向けましては、極端に男女比率に偏りがある分野について、多様な人材が働きやすい環境の整備、人材確保に向けた情報発信、普及啓発等を図ることも必要と考えております。今後、区職員向けの男女共同参画研修等において、女性の多い職場で男性の働きやすい環境のつくり方について習得する機会を設けたり、ロールモデルの紹介などを通じて、希望する男性が職業として能動的に選択し、周囲にもより理解され、受け入れられるような普及啓発等について検討を進めてまいります。
◆そのべせいや 委員 先ほど論文なども調査をして読んでいたのですが、やはり環境が整っていないことによって、幼稚園、保育園という職場に入るのではなく別の児童に関わる仕事に就かれる方もいらっしゃるそうなので、考え方が変わるような支援もぜひ併せてお願いができればと思います。
続きまして、FCV、燃料電池車の今後について伺います。
日本政府も欧米諸国に倣って二〇三五年の新車における電動車一〇〇%の方針を決めています。電動車には、いわゆるガソリンとのハイブリッドも含まれるため、全てがEVになることは求められていません。一方で、市場を見ると既にEVシフトは起きており、二〇二〇年の自動車生産台数を見ると、上位は従来のガソリン車を主とするメーカーが占めているものの、既存メーカーも相次いで将来的な完全EVシフトを掲げ、時価総額では既に一位のテスラ、四位のBYDといったEVを基本とするメーカーが上位に食い込んでいます。
翻って二〇一七年に経産省の示した水素基本戦略では、二〇二〇年のFCV普及目標を四万台と設定をしましたが、実数は約五千台と当初の目標の一〇%強にとどまり、このままで目標達成できるはずもなく、今後の展開は根本的に見直す次元で再考が必要ではないでしょうか。加えて、通勤や会議のための移動はオンライン化に伴って今後減っていったり、また、自家用車はカーシェアに、バスやタクシーしかなかった公共交通網は電動自転車、キックスケーター等のシェア型電動モビリティーに一部代替もされる中で、少なくとも東京をはじめとした先進国の都市部においては自動車の需要自体が減ることも予想されます。
世界的に、少なくとも自家用車はEVシフトの流れがあり、FCV、燃料電池車は活路を商用車に見出す動きもある中、世田谷区もFCVを保有してきましたが、EVとの違いをどう捉えるのか。EVと似たような政策が二本走る中での利点、効果についてどう考えるのか、また今後の展開について伺います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 FCVは、EVと比べて充電時間が短く、航続距離が長く、パワーがある等のメリットがあり、FCVとEVは双方の強みを生かしてすみ分けていくものと認識しております。これまで区は、FCVの公用車利用や各種イベントでの展示、外部給電機能の紹介などを通じて水素エネルギーを広く区民に啓発してきました。
区では、
地球温暖化対策推進計画において、EV及びFCVの普及促進に取り組むとしており、今後も引き続き脱炭素社会の実現に向け、関係所管と連携して、FCVを環境対策、災害対策に活用したいと考えております。
◆そのべせいや 委員 水素エネルギーの普及自体はぜひ進めていただきたいですが、FCVの利用が進まないこと、これ自体は世田谷区のせいではもはやありませんので、そろそろ方向性を統一していくということも考えていただきたいということを申し上げて、質問を終えます。
○加藤たいき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。
◆神尾りさ 委員 商店街の取組について伺います。
ここに「商店街の時間」という絵本があります。烏山商店街の方々が、昭和三十年からの町の様子を言葉ではなく絵にした作品です。ページをめくると、昭和三十年、四十年、五十年、六十年、そして製作時の平成十七年と、商店街の記憶がちりばめられています。平成十七年の絵には、近い将来という設定で鉄道が高架になっている風景が描かれました。昭和の終わり頃から平成にかけて、当区では東深沢、尾山台、三軒茶屋、用賀、桜新町の五か所の商店街でまちづくり協定がつくられました。協定に基づく一階店舗の壁面後退なども実施されました。
平成十六年の産業振興条例の改定により、商店街への店舗の加入が努力義務と明記されました。当時、商店街は徐々に空き店舗が目立つようになり、そのこともあっての条例改正であったようですが、それを機に商店街を盛り上げようというまちづくりの取組が始まりました。商業課と都市計画課が連携し、武蔵野美術大学や多摩美術大学の協力を得て、先ほどのこの烏山商店街の「商店街の時間」や、桜新町商店街による将来イメージを描くプロジェクト等が実施されました。
まずは、これらの取組がどのような問題意識から実施され、また、その成果がどうであったのか伺います。
◎中西 商業課長 取組の背景には、当時の商店街で、先ほどお話しありましたけれども、空き店舗や店舗が住宅になってしまうということで、商店街の連担性、連続性が失われかねないという問題意識がございました。御紹介のありました「商店街の時間」、千歳烏山駅周辺の商店街をモチーフにしたものですけれども、商店街の未来を語るに当たりまして、商店街の現在から出発するだけじゃ足りないと、商店街の歴史を昔からいる人も最近ここで商売を始めた人も、みんな共有することで初めて町の在り方ということを考えることができるという議論から、関係者みんなで歴史がすぐに分かるようにということで絵本形式にしたものです。
桜新町の商店街振興プランでも、策定の過程で商店街の歴史や地域資源、それからまちづくり協定によるまちづくりの成果みたいなものをワークショップの参加者で掘り下げて共有した上で、その上で将来像を積み上げるというプロセスを経て策定をいたしました。
これらの取組を通して、長く商店街で商売を営まれている方から新しくお店を始めた方まで、地域の歴史や魅力を再発見、共有し、仲間意識やまちづくりの機運醸成を図ることができ、その後、例えば京王線連続立体交差事業をはじめとしたまちづくりにもその成果が生かされてきたと考えております。
◆神尾りさ 委員 当時とは社会状況も予算も異なり、また、現在新型コロナ禍で多くの商店街は大変な努力をされています。今般改正される産業振興条例素案では、地域産業の役割を単なる経済の主体として捉えるのではなく、区民生活と地域社会の基盤としての役割を果たし、人の学び、活躍及び実践の場としての役割も担うことで、地域社会の発展に貢献しているとしています。産業振興とまちづくりは切っても切れない関係にあり、区内に約百三十ある商店街の中でも特に元気がなくなってきている商店街にとっては、地域コミュニティーの発展を踏まえた取組が不可欠であると感じます。
経済振興策に加え、まちづくりとの連携による相乗効果を生み出すことができないか、見解を伺います。
◎中西 商業課長 条例の素案には、基本的な考え方として経済の発展と社会の課題の解決を両立するということを掲げております。商店街には、住民として長く地元に住みながら店舗を経営されている経営者も多く、地域課題を自分事として捉えて町をより豊かにしていこうという高い意欲をお持ちです。まちづくり協定の締結や地区計画など、そういったものの策定によって魅力ある買物空間づくりを行う活動など代表的ですけれども、そのほか街路灯や防犯カメラなど安全確保の取組、まちのステーションなどの居場所の機能の創出などのまちづくりの活動は、地域の住民の方が地元商店街に対する愛着を深め、結果として商店街の売上げのアップにつながると。もって地域経済の持続可能性を高めることになると考えてございます。
◆神尾りさ 委員 区としても、商店街を核としたまちづくりの有効性を認識していることが分かりました。新型コロナ禍における事業者支援と並行し、条例が改正されるこの機会を捉え、将来に向けた投資的な取組に着手すべきと考えます。
現代社会に寄り添った形で、商店街を中心とした町の人々が共に将来像を描けるようなまちづくりの連携事業について、どのような手法が考えられるのか伺います。
◎中西 商業課長 近年ですけれども、エリアリノベーションというまちづくりの手法が注目されています。単体の店舗ですとか空き家等をリノベーションするということにとどまらず、エリア全体を再生していく、変えていくというものです。区内の事例では、例えば下北線路街、世田谷代田寄りの方で
ボーナストラックという新しい商店街が出現しましたけれどもそちらですとか、あるいはエリア内で生じた複数の物件再生を相互に連携させていった松陰神社の商店街など、エリアの風景そのものが変わっていくような物件活用を軸とした取組などが事例に挙げられます。
空き店舗などの物件活用によって継続的な事業活動が展開されて、かつ目に見えて町の空気が変わっていくことで、それが呼び水になって新しくまた出店しようといったプレーヤーを呼び込むというような、そういう好循環を起こしていく、このような取組が必要だと考えています。
◆神尾りさ 委員 最後に、そういった取組を実施するための具体策と、商店街の将来的なあるべき姿について併せて伺います。
◎中西 商業課長 これからの商店街とまちづくりですけれども、商店街というエリアを中心としながらも、外部の企業ですとかフリーランスの人材、あるいは商店街を居場所として御利用なさっている消費者の方々といった様々な主体がまちづくりに加わって、地域の課題を解決したり、魅力ある空間づくりを進めていくことが必要だと考えております。そのために、行政は経済産業部門だけでなく、まちづくり部門と連携して、様々な主体がつながり、理念や将来像を共有できるような場をつくることが重要だと考えています。
具体的なまちづくりに向けてですけれども、まずは対象エリアの特定に向けた基礎調査から始めさせていただきたいと考えています。
◆神尾りさ 委員 今後も様々な主体を巻き込んで取組が続くよう期待し、質疑を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。
◆くりはら博之 委員 私からは、脱炭素社会の実現に向けた区の取組について伺います。
近年、巨大台風やゲリラ豪雨など、地球温暖化の影響と考えられる気候異変が頻発し、甚大な被害が発生しております。七月には熱海市で土石流が発生し、残念ながら甚大な被害が出ております。世田谷区においても、豪雨被害の発生が懸念されるところです。雨水処理施設の整備などハード面の取組もさることながら、温暖化がもたらすこの異常な気候問題への取組も待ったなしの状況と考えます。
区は、昨年の十月に
気候非常事態宣言を行い、区民の生命と財産を守り、持続可能な社会の実現に向けて、二〇五〇年までに
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを表明しました。区では、今年度の取組として、温暖化対策の計画改定に向けた課題整理と並行してリーフレットの作成など、区民、事業者への周知啓発に取り組むと伺っております。さらに、計画改定までの間に既存の取組をアップデートし、できることから着手していくと伺っております。
今年度も半年が経過しましたが、どのような取組を進めているのか、お伺いいたします。
◎須田 環境計画課長
地球温暖化対策地域推進計画の見直しに向けては、本年七月に環境審議会に諮問し、本格的な議論に着手しております。七月の審議会では、区の現状及び現計画の実績を報告し、今後の議論の土台となる状況について整理いたしました。今後は、十月の若者環境フォーラムをはじめとし、十一月開催予定の次回審議会や区民ワークショップを通じて、若い世代をはじめとする区民や学識経験者の皆様から御意見を広く伺い、よりよい計画策定につなげてまいります。また、庁内においても、
地球温暖化対策に関する様々な課題についての議論をより一層深め、施策を総合的かつ計画的に推進していくため、世田谷区
気候危機対策会議を先月十日に設置いたしました。引き続き全庁を挙げた脱炭素への取組を進めてまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。私自身もそうですが、人々の意識を変え、行動を変えていくのには時間がかかると思います。だからこそ、速やかな着手、対応が必要になります。しっかりと取り組んでいただくことを求めます。
また、
気候非常事態宣言では、緑に恵まれた良好な環境を子どもや若者たちの次世代に引き継ぐため行動するとしております。さきに取り上げた熱海市の土石流は、森林開発の影響もささやかれております。区では、みどり33として区政百周年を迎える二〇三二年にみどり率三三%の実現を目指した取組を進めております。二〇三二年での実現は難しくとも、目標とする三三%に向けた取組を求めますが、脱炭素社会の実現に向けては広域的な取組も求められています。
広域連携による脱炭素の取組として、カーボンオフセットや炭素クレジットといった言葉を耳にしますが、世田谷区では、三十年ほど前から川場村の森林保全に取り組んでいると伺っております。かなり先見の明があった取組だと驚くものですが、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
◎大谷 区民健康村・
ふるさと交流課長 世田谷区と川場村は、縁組協定の十周年を記念しまして、区民健康村なかのビレジの周辺の山林八十ヘクタールを友好の森として位置づけまして、区民と村民が協働して森林の保全、育成を行う活動を開始いたしました。これまで三十年にわたって交流事業の里山塾を中心に、区民と村民による除伐、間伐、枝打ち、下草刈りなどの森林整備や、カヤ場の管理を含めた里山景観や自然環境を保全する活動に取り組んでまいりました。
こうした活動については、現在群馬県の森林のCO2吸収量認定制度の認証を受けて、区民の方にも森林整備による地球温暖化防止の効果が分かりやすく見えるようにすることを検討しているところでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりまして交流事業が中止となり、今年度については認証制度の要件を満たす活動量を確保することがなかなか厳しい状況となっておりますが、引き続き認証の取得に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
また、友好の森の木材については、あと十年もすれば生産材として活用できる段階まで成長いたしますので、今後は伐採して活用すること、新たな植林を行うといった山林の更新についても取り組みまして、今後も区民と村民が協働して川場村の森林保全・育成を推進してまいりたいと考えております。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。森林保全活動は、長い時間をかけて成果が生まれてくるものです。しっかりと継続して取り組んでいくことを求めます。
また、区では、自治体間連携として、交流自治体などから再生可能エネルギーを活用した電力の供給を受けておりますが、環境面のみならず、意識啓発の面でも効果が高いものと評価しております。価格面での課題もあるとは思いますが、区立小中学校など教育施設への供給を進めるべきだと思いますが、環境部門として、この電力協定についてどのように評価し、今後進めていこうと考えているのか、見解をお伺いいたします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 委員御提案の教育施設への供給は、昨年連携協力を締結しました十日町市にある温泉を利用した地熱バイナリー発電による電力を、十日町市とゆかりのある区立世田谷中学校に供給しております。教育施設への再エネ電力の導入については、児童生徒への環境エネルギー教育に活用できることや、SDGsの視点からも重要であると認識している一方で、価格面や調達する電力供給量などの課題がございます。今後は、こうした課題や連携する自治体の意向を踏まえつつ、供給先などを検討してまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。子どもたちによりよい環境を残していくため、積極的な取組を求め、質問を終了いたします。
○加藤たいき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 私からは、環境対策についてお伺いします。
温暖化によると思われる異常気象が続いております。昔と比べてみますと、最高気温が三十五度以上の猛暑や長雨、ゲリラ豪雨など、明らかに異常気象が増えていることを実感しています。昨年、国は脱炭素社会に向けて大きくかじを切りました。区内に目を向けてみますと、昨年十月には世田谷区の
気候非常事態宣言を発出し、併せて二〇五〇年までに
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことを表明しました。その脱炭素に向けて区が環境対策で取り組むことと言えば、節電や環境性能のよい家電に替える、また、住宅の断熱性能を高めるといった、いわゆる省エネの促進と再生可能エネルギー、いわゆる再エネの利用拡大ではないでしょうか。
区では、かねてより再生可能エネルギーの利用を促進しています。例えば、区民、事業者、区がともに再生可能エネルギーの拡大を進めていくせたがや版RE一〇〇という取組があります。この取組を区民や事業者に広く知ってもらうために、このようなパンフレットを発行しています。表紙にはロゴマークのシールがついており、携帯電話に貼ったりすることができます。パンフレットの内側を開くと、せたがや版RE一〇〇の賛同者募集の案内もありまして、携帯電話で二次元コードをかざしますと賛同登録の電子申請ができるようになっています。
そこでお伺いしますが、この賛同者についてですが、現在はどれぐらいいらっしゃるのか。また、その効果についてもお伺いします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 区では、区民、事業者、区がそれぞれの立場で、太陽光パネルの設置や再生可能エネルギー電力の使用を通じて再生可能エネルギーの利用拡大を進めるせたがや版RE一〇〇に取り組んでおります。令和元年十月の環境イベント、環境エネルギー・ラボinせたがやから賛同者の募集案内を開始しております。賛同者は、九月二十九日現在、個人では百二十名、企業や団体では二十二御登録されており、その数は区のホームページに掲載しております。最近、再生可能エネルギー電力への関心が高まりつつあり、個人の賛同者の数は順調に増えている状況です。賛同者の方には、屋外にも貼れる耐久性のよいステッカーを差し上げ、御自宅や事業所に掲示するなど、再生可能エネルギー利用の啓発に活用していただくとともに、希望される場合は区のホームページにてお名前や企業名、団体名を掲載し、それぞれの環境に関する取組などを紹介しております。
このようなせたがや版RE一〇〇への賛同登録の広がりは、再生可能エネルギーの利用拡大につながっていく効果があると考えております。
◆青空こうじ 委員 個人の賛同者はだんだん増えてきているように思うんですが、事業者の賛同がちょっと少ないようにも私も思います。コロナ禍の中で事業経営も大変でしょうから、コロナ禍対策に加え、率直なところ環境対策までなかなか手が回らないのではないかと推測します。
このような状況の中で、事業者から賛同はなかなか得られないのではないかと思いますが、昨今の気象事情を考えると、気候変動対策も待ったなしであります。脱炭素社会の実現に向けて、区民、事業者、区がともに進めていかなければならないと思います。
そこで、区内事業者への働きかけはどのように考えているのでしょうか、お伺いします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 委員御指摘のとおり、せたがや版RE一〇〇の取組は、区民、事業者、区が連携し進めていくもので、事業者への働きかけは欠かせないと認識しており、区では区内事業者や大学への働きかけを始めるために、令和二年二月にせたがや版RE一〇〇キックオフミーティングを開催しております。
このキックオフミーティングには、区内商店街連合会、産業団体や信用金庫、大学などを中心に十八団体が参加され、区の取組紹介や東京都からの補助金情報、また小売電気事業者二社からの再生可能エネルギー電力の案内などを行ってまいりました。昨年度は、事業者の皆様の再生可能エネルギーへの理解を深めていただき、利用促進に向けた情報提供を行うべく第二回の実施を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染の拡大により開催を見送ることとなり、今年度は十一月開催に向けて現在準備を進めているところでございます。
◆青空こうじ 委員 キックオフミーティングを行ったのが令和二年の二月、そこから新型コロナウイルスが猛威を振るい、なかなか収束が見えない状況です。再エネに取り組む事業者向けの会合のタイミングを見計らっていたとのことですが、次回の十一月はどんな内容なのでしょうか。また、開催するに当たって工夫をしている点などがありましたらお伺いしたいと思います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 区は、八月十九日に新潟県津南町と
自然エネルギー活用を通じた連携協力協定を結んでおり、このミーティングでは、せたがや版RE一〇〇賛同登録の紹介のほか、津南町の小水力による電力供給についても御案内したいと考えております。
これまでの自治体間連携による電力は区民の御自宅や公共施設への供給でしたが、今回は対象を広げ、区内事業者への供給を進めようと考え、経済産業部との共催としております。区内事業者の再生可能エネルギー電力に関するニーズの把握をしつつ、広く呼びかけてまいります。
また、今回のRE一〇〇ミーティングは、会場とオンラインの併用とする予定です。事業者の皆様はコロナによる経営が大変な状況と思いますが、オンラインであれば外出を避け人と人との接触を少なくしたい方も参加でき、また、短時間で視聴できるなど、ミーティングへの参加のハードルが下がり、区から区内事業主の方にも直接お伝えできる好機と捉えております。
こうした工夫を重ねながら、区内事業者の皆様に向け、事業活動における気候変動に対する取組の一つとして、再生可能エネルギーへの理解を深め、御理解いただけるよう積極的に啓発してまいります。
◆青空こうじ 委員 早くコロナ禍の生活も終わってほしいと願います。気候危機を食い止めるため、脱炭素を着実に進めるよう区の環境対策を加速していくことをお願いして、私の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時二分休憩
──────────────────
午後三時二十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆宍戸三郎 委員 質疑に入る前に、今年私たち区民にとっても明るい、そして夢のある話題を提供してくれたメジャーリーガー大谷翔平選手の四年目のシーズンが昨日で終了しました。投手として九勝二敗、打者として百打点、四十六本塁打という、メジャー史上でもかつてないほどのすばらしい成績と活躍でした。区民生活においても明るい大きな影響を与えてくれたと思います。ここに敬意を表し、エールを送りたいと思います。
区民生活の質疑を始めさせていただきます。
初めに、当所管領域である
池尻中学校跡地活用に関しての我が会派の意見を申し上げます。
さきの本会議の代表質問と先日の総括質疑で申し上げましたが、今後の区民のための区政運営を考え、一旦立ち止まって、経済産業部のみならず、全庁挙げての再検討を行っていただくよう強く求めておきます。
以下、質問してまいります。
私は、今定例会の一般質問で災害対策を取り上げて、区が持っているデータを有効に活用して区民の皆様に情報提供し、想定力を発揮し、実践的な訓練を重ね、災害に備えるよう求めてまいりました。今回、私は多摩川や野川が氾濫したという水害を経験したことから、何とか河川水位上昇予測情報を区民の方に知らせられないかと考え、四日前の企画総務委員会で提案したところです。異常気象で、一時間当たりに今まで考えられないような量の雨が降る。必然的に災害の可能性は高まると考えなければならないと思います。
本日は、氾濫や溢水を経験されている総合支所の理事者の方々がいらっしゃいますので、被害を振り返って反省点や課題をどう捉えて、今後、総合支所としてどう備えていくのかをお聞きしたいと思います。まず、玉川総合支所からお願いします。
◎荒 玉川総合支所地域振興課長 令和元年の台風第十九号の教訓を受けまして、区では風水害対策総点検を実施し、区議会でも御報告させていただいているとおり、避難方法の呼びかけ、避難所の拡充など、様々な対応を図ってまいりました。
玉川総合支所では、地域の皆様が風水害のリスクを十分に御理解いただき、事前に迅速かつ円滑に命を守る行動が取れるよう、防災塾や地区での訓練などを通して、洪水・内水氾濫ハザードマップを配布するなど、水害時に自主避難や縁故避難、在宅避難といった避難方法などの呼びかけを行ってまいりました。また、水害時の避難所の開設、運営体制の整備につきましても、新たに都立高校と協定を締結し避難施設の拡充を図ったほか、民間施設等自家用車の車中における一時避難施設の利用に係る協定も締結したところでございます。
今後は、こうした水害時避難所の開設・運営体制についてより実効性のあるものとしていくため、施設管理者や地域の皆様に御協力をいただきながら、訓練などを通じて整備してまいりたいと考えております。
◆宍戸三郎 委員 次は、砧総合支所はどうでしょうか。
◎河野 砧総合支所地域振興課長 砧総合支所でも、玉川総合支所と同じように、台風十九号の教訓を受け、避難方法の呼びかけ、避難所の拡充など様々な対応を図ってまいりました。砧総合支所での水害時の避難所の開設・運営体制の整備につきましては、新たに今年度都立高校と協定を更新し避難施設の拡充を図ったほか、学校法人成城学園との協定も進めております。
今後は、玉川総合支所と同様に、水害時避難所の開設・運営体制について、より実効性のある取組を進めてまいります。
◆宍戸三郎 委員 先ほど申し上げましたように、災害のリスクは高まっています。水防本部と連携してしっかり取り組んでいただくようお願いいたします。
次にお聞きしたいのは震災対策です。
震災が発生した場合、総合支所は復旧復興の地域の拠点となります。初動体制の早い遅いが重要なポイントとなると再三指摘してきましたが、初動手順としては、まずは庁舎が使えるかどうかを確認することと伺いました。
玉川支所は、建て替えて免震構造を採用しており、砧支所も平成二十一年と比較的最近建て替えているので、一応確認はするでしょうが、よほどの大地震でない限り大きな被害は考えにくいと思います。非常用電源についても、切り替えは自動になっていると伺っています。
そこで、建て替えをした両総合支所は、電源用の燃料備蓄量と、その発電量で賄える電気の使用時間を七十二時間としていると思いますが、その七十二時間が平常時の前提なのか、それとも緊急時での節電をした上でのものなのか、玉川総合支所に代表してお聞きしたいと思います。
◎荒 玉川総合支所地域振興課長 いずれの庁舎につきましても、非常用電源の使用は緊急時の節電を前提として七十二時間の使用が可能でございます。具体的には、災害対策地域本部業務を維持するための電力は通常どおり、その他の電力については節電での使用となります。
◆宍戸三郎 委員 ありがとうございます。私が心配なのは、建て替えられていない総合支所なのです。
世田谷総合支所は新庁舎ができるまで対策本部が置かれ、非常用電源にも自動で切り替わると聞いていますので、ここでの質問からは除きます。
特に心配なのは、北沢総合支所なのです。北沢総合支所は、皆さん御存じのとおり、全部が区の所有ではありません。
まず初めに、北沢総合支所庁舎の権利関係を教えてください。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 北沢総合支所庁舎、北沢タウンホールは、区と小田急バス株式会社と区分所有による地下三階から地上十二階建ての共同ビルになっております。小田急バスの折り返し場のある一階のほか、十二階及び地下一階の一部が小田急バスの区分所有となります。
◆宍戸三郎 委員 小田急バスや民間企業などとの区分所有の内容を、より詳しく教えていただけますか。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 小田急バス株式会社の専有部分の一階と地下一階には、現在小田急バス株式会社との賃貸借契約により、ハウスメーカーなど八事業者が入っております。管理運営につきましては、区と小田急バスで北沢タウンホール管理規約、使用規則などを定めており、共有部分の維持管理につきましては区と小田急バスで契約を結び、区が一括して維持管理をしております。
◆宍戸三郎 委員 ビルの合同の防災訓練は実施しているのでしょうか。実施しているとすれば、その訓練時の概要と役割分担について教えてください。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 北沢タウンホールでは、区と小田急バス株式会社だけでなく、テナントなど八事業者も含めまして、北沢タウンホール共同防火・防災管理協議会を設置しまして、毎年協議会を開催の上、年二回合同の防火・防災訓練を実施しております。昨年度は、新型コロナウイルスの影響により集合して行う訓練は実施できませんでしたが、例年一回は出火を想定し、もう一回は地震の発生を想定した初期消火や通報連絡、避難誘導などの総合訓練を区と小田急バス、テナント全事業所が参加をして実施しております。
◆宍戸三郎 委員 災害時の役割や防災訓練に関する協議内容など、具体的に詳しく説明してください。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 災害時には、テナントなどの民間事業者は、自衛消防隊地区隊として事業者それぞれに通報連絡係、消火係、避難誘導係を担うこととなっております。そのため協議会では、自衛消防隊における災害時の役割の確認や、各事業者における消火器などの消火用設備等について日常点検の実施確認、合同訓練の実施内容について検討などを行っております。
◆宍戸三郎 委員 先ほどから質問しております非常用電源への切替えと、燃料の備蓄量と使用時間を教えてください。また、非常用発電機は区専用のものなのかお聞きします。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 非常用発電機は八階と地下三階に設置しておりまして、災害が発生し停電した場合につきましては、非常用発電機が自動で起動し給電が開始される仕組みとなっております。八階の非常用発電機は災害地域本部業務を維持するために設置しており、燃料のプロパンガスボンベを十本備蓄しており、約七十三時間の稼働ができるようにしております。地下三階の非常用発電機は、施設維持管理用として燃料の軽油を九百五十リットル備蓄しまして、約九時間の稼働をできるようにしております。
八階の非常用発電機は災害対策地域本部を維持するために設置しておりますので区専有となり、地下三階の非常用発電機はエレベーター等の共用部分も含む維持管理用として使用するもので、施設全体用となっております。
◆宍戸三郎 委員 非常用発電機を八階と地下三階に設置していると伺いました。八階の発電機に関しては、災害対策地域本部業務を維持するための区専用と聞きました。地下三階の非常用発電機は、エレベーターの使用を可能にするものなのでしょうか、伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 地下三階に設置しております非常用発電機は、非常用となっておりますエレベーター一台を稼働させることが可能となっております。非常用発電機の電力量には限りがありますので、必要な場合のみ稼働させるなど運用の工夫をしていく必要があると考えております。
◆宍戸三郎 委員 いざ災害が起きたときに、エレベーターの使用も地下三階の非常用発電機を使用するため全体で九時間と限定的とのことです。そのようなことが予想される中で、そもそも八階に本部が設置されるということで大丈夫なのか伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 北沢タウンホールは、施設の構造上、二階のホールや集会室を除くと災害対策本部として必要なスペースを確保できるのは八階となります。このため、八階フロアには本庁の災害対策本部やまちづくりセンター、避難所などと交信するための防災無線などの設備を設置しております。さらに、八階に専用の非常用発電機を設置して本部運営に必要な電力を確保し、災害地域本部の災害対策業務が行えるよう体制を整えております。
◆宍戸三郎 委員 万が一、故障等により非常用発電機が自動起動しない場合はどのように対応するのか伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 故障等により非常用発電機が自動起動しない場合には、保守点検委託業者に連絡して緊急対応を要請し、駆けつけていただくことになります。それまでの間は、設備関係の運転保守を委託している中央監視室がございますので、職員が常駐している間は保守点検委託業者からの指示の下、対応を行うこととなります。
◆宍戸三郎 委員 中央監視室に職員が常駐していないときはどうなるのか伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 中央監視室に職員が常駐していない時間につきましては、常駐している防災センターより保守点検委託業者へ連絡することとなります。非常時には区の職員は参集いたしますが、故障などの場合には専門性が必要となり、総合支所には電気技術職員は配置されておりませんので、緊急対応を要請し、駆けつけていただくことしかございません。そのため、毎月非常用発電機の定期点検を行いまして、メンテナンスに万全を期しているところでございます。
◆宍戸三郎 委員 緊急対応となるため、委託業者が駆けつけることしかないのはとても不安に感じます。企画総務領域で提案した区電気技術職員の活用も含め、早急の検討をお願いいたします。
保守点検業者の指示の下対応するとのことですが、その指示は電話なのか無線なのか、あるいはそのほかの手段なのか伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 保守点検委託業者との連絡手段につきましては、現在のところ電話としております。
◆宍戸三郎 委員 通信手段は緊急時にはとても重要となりますので、十分な検討をいただくようお願いいたします。
災害時に停電となった場合、北沢支所全体の照明に対する電源確保の計算はどのようになっているのか伺います。
◎三浦 北沢総合支所地域振興課長 停電した場合、避難に必要な一定時間は一部の照明器具に附属しているバッテリー内蔵の非常用照明が点灯いたします。非常用発電機からの照明への電力供給は、本部として使用する八階会議室等になります。
◆宍戸三郎 委員 北沢支所のある下北沢駅周辺は、地域の方の大変な御努力によって再開発も進み、新しい商業施設ができ、大きく発展しつつあります。今後も、さらに多くの若者たちが昼夜を問わず訪れることが想像できます。そのような中、災害時に北沢タウンホールの照明に対する電源確保ができていないというのは大きな問題だと思います。至急改善すべきことと要望しておきます。
様々質問してまいりましたが、各総合支所は、いざ災害が起こったときには地域の方々の生命と財産を守ること、地域の復旧復興の拠点になることが求められます。そのためには、常日頃から地域の防災力を高めることが重要です。支所の使命を守るため、各支所長の強いリーダーシップに期待しています。
次に、ごみ収集、資源回収における区民側の分別をはじめ、ルールが守られていない現状と、また、ごみ収集・資源回収業務に当たる職員に対する社会的地位向上の啓発について伺います。
ごみの収集や資源の回収が行われているからこそ、日々の私たちの生活が成り立っています。資源の回収においては各地域に週一回しか回りませんが、従事している方は日曜日を除いて毎日作業をしています。見た目以上に大変で、迅速さと気配りが要求される仕事です。しかし、瓶や缶の資源回収の際、区民の出し方に問題があり、円滑な作業の妨げとなる場合があるということを、私は作業を体験させていただいたことで知りました。
狭い道を大きなトラックで効率よく、迅速に、通行人や後続の車に配慮しながら、運転している人、同乗している人が息ぴったりの連携で、まるで職人技のように次々と回収する。本当に熟練の方でなければおぼつかない仕事だと感じました。このように、私たちの生活を支えていてくれる仕事に従事している方への配慮として、区民の方が、瓶や缶を出す際、出し方に気をつければ回収作業が円滑に行われると思います。
安全安心で円滑な作業を実施するため、瓶、缶の適正な排出の啓発について、区の見解を伺います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 ガラス瓶及び缶については、基本的に区が配布する資源回収専用のコンテナの中にそれぞれ分別して排出していただくこととしております。また、排出時にはキャップ等を除去し、軽く洗浄してから出していただくようお願いをしているところです。こうした排出の仕方は、リサイクル施設での処理を適切に行うためのルールですが、御自宅から袋に入れたままお持ちになり、そのままコンテナに排出されるケースが多くございます。異物となる袋はリサイクルの妨げとなるため、回収時に袋から出す作業が必要となります。この作業のために収集車を停止する必要があり、交通渋滞など御迷惑をおかけすることもございます。
このように不適切な排出がされているコンテナには、コンテナ配布の際に張り紙を貼って注意喚起をしております。また、現在、区報やホームページ、全戸配布しております資源・ごみの収集カレンダーなどを活用して、排出の仕方について周知を行っているところでございます。
安全安心に作業を行うため、引き続き区民の皆様に一層の御協力のお願いと、適正排出に向けての啓発を行ってまいります。
◆宍戸三郎 委員 このように、私たち区民の生活の中でごみ収集や資源回収に従事してくださっている方々の人手不足が定着していると聞いています。この仕事は暑さも寒さも関係なく非常に大変ですが、区民にとっては必要不可欠な仕事であり、人材確保は最優先されなければならないと感じます。
そこで伺います。区民生活を守るため、この仕事に対して多くの区民が理解を深めることで、人手不足解消、人材確保につながっていくと考えますが、区の考えをお聞かせください。
◎笹本 清掃・リサイクル部管理課長 清掃事業は、生活環境の保全及び公衆衛生の向上のため、日々欠かすことのできない業務でございます。中でも可燃ごみの収集は、一つ一つの容器やごみ袋が重たいことから体力を必要といたします。
人手不足のお話ですが、区の収集作業を例にしますと、ごみ量の増える年末年始などの期間に会計年度任用職員、昔のアルバイトですが、こちらの募集を行っております。工夫としましては、若者の目に触れやすい民間求人サイトなどを活用しておりますが、ごみ収集作業の持っておりますきついとか厳しいといったイメージから、他の求人広告と比較し、より体力を要しない仕事が選ばれる、このような傾向が見て取れます。また同様に、資源回収事業でも、委託先の民間事業者全般で人手不足が生じていると、このように聞いております。
区では、区内大学などとの連携により様々な事業を進めており、一つの事例ではございますが、今後このつながりを生かしまして、エッセンシャルワーカーである清掃事業に携わる人々の社会への貢献度や、やりがいなどをPRするなどして、必要な人材の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
◆宍戸三郎 委員 令和二年第二回定例会の一般質問において、私はごみ収集、資源回収に従事する職員の方々に対して励ましや感謝のお手紙が届いていることを取り上げました。このこともとても重要であると思います。先ほども申し上げましたが、私は資源回収の体験をさせていただく中で、この仕事は日々の積み重ねによる経験が重要で、いかに機械化が進もうと、人材育成と人材確保が区民生活維持のために必要と考えます。ぜひ従事する職員の方々の社会的地位向上を進めていただくよう求めておきます。
次に、先日マスコミでも紹介された、日々暮らしてきた世田谷で自分らしく働くR六〇―SETAGAYA―について伺います。
まず、この事業の内容と趣旨についてお聞きします。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 R六〇―SETAGAYA―は、東京大学先端科学技術研究センターと共同で、働くを軸にシニアと地域の事業者をマッチングするもので、現在実証実験をしています。内容としましては、おおむね六十歳以上のシニアを対象に、インターネット上で求職者と求人企業のマッチングを行いますが、職業紹介や人材派遣と異なり、最終的には事業者と求職者が直接契約いただく形になります。また、ハローワークとは異なり、週に二、三日の短時間の雇用や、単発の業務委託案件などを主に扱いますが、シルバー人材センターのように仕事を一手に引き受け所属会員に分配する仕組みではなく、お一人お一人が自分の経験や適性を生かし、それを求める事業者につなげていく形になっているのが特徴です。
◆宍戸三郎 委員 例えば、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 本事業では、事業趣旨に合ったシニアならではの仕事を募集いただくため、区内事業者に仕事の切り出しなどを提案しながら案件化をしています。当初は、保育補助、介護施設での食事等の支援のほか、使用する自転車や自動車の整備など、人材に課題を抱える業種の補助的な仕事が中心でした。その後、事業者の本事業への理解が進み、自治体に提出する書類の作成や法律の確認、エクセルを使った仕事など事務的なスキルを生かした仕事や、建設現場における現場の作業前の準備や施工管理、現場の建築士をサポートする職種で求人がありました。
現在では、保育園の看板の絵を描く仕事や、施設利用者向けのレクリエーションの実施、おでかけひろばの補助員の募集など、仕事のバリエーションも増え、これまで三十三件の仕事が募集されております。
◆宍戸三郎 委員 次に、目指している方向と今後の課題について伺います。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 R六〇―SETAGAYA―では、それぞれの求める生き方、ウエルビーイングに寄り添う形でシニアの地域参加を活性化したいと考えており、そのためにも地域に関わりながらできる仕事、仕事や暮らしの経験、特技が生かせる仕事の発掘や開拓に取り組んでいます。
同時に、実証実験として参加企業と参加者のワークショップをこれまで数回にわたり開催してきました。新型コロナウイルス感染予防の観点から、これまで全てオンラインで実施し、参加企業、参加者双方から好評をいただいております。
一方で、現在のコロナ禍により、人との接触をなるべく避けたいとの意向を持っている利用者の方もおり、実際のマッチングになかなか結びつかない現状がございます。
今後も、こうした課題一つ一つを丁寧に検証しながら、本格稼働に向けた取組を進めてまいります。
◆宍戸三郎 委員 実は、この事業について伺ったのは、もちろん六十歳以上の方が世田谷区で地域に関わりながらできる仕事や、暮らしの経験、特技が生かせる仕事の発掘や開拓に取り組むことは非常に重要と考えます。例えば、先ほど申し上げたごみ収集・資源回収業務の慢性的な人手不足や、介護施設での人材不足の解消につながるということであれば期待はできますが、一方で、地域のために無償で町会・自治会、地域でのボランティア活動をしていただいている方たちの今後の人材確保に影響を及ぼすこともあるのではないかとの懸念もあります。
さきの我が会派の代表質問で、町会・自治会など住民同士が連携協力する地域活動の基盤において、手弁当で自分たちの町を支えてくださっている方々の世代交代がうまく進んでいない現状の中、今回の事業は今後の地域行政を進める上でも慎重かつ丁寧に進めていただきたいと申し上げておきます。
以上で和田委員と質問を替わります。
◆和田ひでとし 委員 私からも、まず、ごみ収集について伺いたいと思います。
今、宍戸さんも体験をされたというお話をされました。私も、実は昨年ごみ収集の体験をいたしました。今回、このごみ収集について質問しますと言いましたところ、我が会派の幹事長からは、ではこの本をしっかり読みなさいということで、「ごみ収集とまちづくり」という本を、この夏出版されたばかりですが、藤井誠一郎さんという方の書かれた、この方、大東文化大学法学部の准教授だそうですが、この本を預けられましたので、ちょっとだけ紹介をさせていただきます。
二〇二〇年四月七日、新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が発出され、都道府県知事から外出自粛要請がなされ、社会全体の流れが一変してしまった。そのような中、新型コロナウイルスの感染者のいる施設や住居から排出されるごみを収集する清掃事業者は、医療・福祉関係者とともにエッセンシャルワーカーであると言われ始め、世間的に注目されていった。とりわけ当初の緊急事態宣言下でのごみ収集については、その危険性が強調されて広く報道されたため、コロナウイルスに対峙しながら作業を行う清掃従事者への感謝状がごみ袋に貼られるようになり、これまではどちらかといえば日陰であった清掃事業は、一躍表舞台に現れるようになった。しかし、世間的に話題となったのは、コロナ禍において活躍する清掃従事者というところまでであった。私たちが衛生的な生活を送る上で必要不可欠な清掃事業をいかに維持し、安定的にサービスを提供していくのかといった議論までには発展はいかなかった。初回の緊急事態宣言の解除とともに、それまでの体制で緊急事態を乗り越えたような雰囲気となり、住民からのごみ袋に貼られた感謝状もそれほど見られなくなり、清掃事業への住民の意識や関心はコロナ禍以前の状況に戻ってしまったように思える。二〇二一年一月に二度目、四月に三度目、七月に四度目の緊急事態宣言が発出されたが、初回の時のように清掃事業が大きく取り上げられることはなかったと、このように書かれた本なんですが、私はたまたま昨年の九月八日、玉川清掃事務所で可燃ごみの収集体験をさせていただきました。
我が会派では、現場を見ずに語るなという鉄則がございまして、先輩からも強く言われております。私も、このごみ収集体験をさせていただいて、ようやく質問の機会をいただきましたので、今日はこのごみ収集について幾つか伺ってまいりたいと思います。
朝七時半までに来てくださいということで、玉川清掃事務所に参りました。作業服に着替え、お借りしたヘルメット、そして安全靴に履き替え、そして朝礼を受け、次にやったのが腰痛予防体操。かなり過酷な仕事だなというのは容易に想像できました。私は朝七時半に伺って、まず、可燃ごみの収集日でありましたので、深沢八丁目方面を担当させていただきました。三人一組で出発し、この体験を通して、まずチームワークが大切であるということ、それから体力が要るということ、さらに周囲への配慮ができることなど、いろいろなことを学び、気付かせていただきました。
昨年の夏は猛暑日が続き、当日も朝から三十度以上、本当に暑い中、このヘルメット、マスク着用というのは非常に過酷な作業でありました。とりわけ、可燃ごみ、不燃ごみと資源ごみの分別の徹底がなかなかされていない現状がある。生ごみの水切りがなかなかされていない。袋の空気をしっかり抜いてきちっと結んでいない。とがった物の混入がある、特に怖いのが串などが入っている袋、これが非常に怖いというふうに教えていただきました。さらには、周囲の歩行者や車両への配慮、これは、特に私は二四六のごみ収集も行きましたけれども、やはり後ろから来る車に注意しながら、あるいは歩道に置いてある袋をガードレール越しに収集車へ積み込む作業、これなどもかなりきつい作業だなというふうに感じました。
さらには、カラスによって散らかされてしまってごみをかき集めて入れなきゃいけないという作業。そして、幾つもある集積所、さらには最近多くなってきた戸別回収、こういったものも全ての場所を覚えておいて回収していかなきゃいけない。さらには、先ほど本にも書いてありましたコロナ禍の大変さ、収集ごみの中に、すぐ破れそうなところにマスクが入っていたり、あるいは自宅療養者からの排出もあろうかという、そういった常に感染のリスクと隣り合わせで作業をしなければならない。
そういった中、私がここに参加してしまったことがかえって御迷惑をかけてしまったのかなという心配もありましたが、皆さんの御協力に感謝するとともに、いかに安全に、確実に、そして効率的に回収するかを改めて勉強させていただきました。
まず最初に伺いたいのが、この分別がきちんとされていないことが課題でありますと実感いたしましたが、これによってどのような影響があるのかを伺いたいと思います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 可燃ごみに金属類などの不燃ごみ、布団などの粗大ごみや、焼却すると大気や人体への影響が大きい水銀を含むごみなどが混入すると、清掃工場の運転が停止することがございます。清掃工場が運転を停止した場合、原因となった異物の除去や、機器が破損した際の修理が必要となるなど、正常に再稼働させるために多くの時間と費用がかかります。加えて、ごみを本来とは異なるより遠方の清掃工場へ搬入する振り分けが必要となる場合もあり、日々の清掃作業に影響を与えることになります。
◆和田ひでとし 委員 清掃工場の故障、そして稼働停止は異物の混入などが主に原因、そして焼却炉が故障してしまうと聞きましたが、それでは、その不燃ごみの混入などで焼却炉の故障による清掃工場の稼働停止、区ではどのぐらい、また、どんなときに止まってしまうのか伺います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 区内の清掃工場の焼却炉の停止は、世田谷清掃工場で昨年度五件、今年度二件発生をしております。具体的には、カーペットやシーツなどの長い布類や針金ハンガーなどの金属類の混入により、ごみ供給装置内で詰まりなどが発生したことなどが停止の原因となります。そのように清掃工場を管理する東京二十三区清掃一部事務組合から聞いているところでございます。
◆和田ひでとし 委員 布団、カーペットなど本来粗大ごみなのに、実際には出していけないものが出されることによって故障を来すということだと思うんですが、そういうことを実際に知らない区民もたくさんいるのではないでしょうか。いや、もしかしたら知っていて出すのかもしれませんが、いずれにしても、これは区民に分別の徹底をさらに啓発していく必要があろうかと思います。
この啓発の方法についてどのように考えているかを伺います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 清掃工場が停止をするような事態を避け、公衆衛生の維持に不可欠な清掃事業の円滑な運営に向け、年一回全戸配布している資源・ごみの収集カレンダー、あるいはスマートフォンアプリ「さんあ〜る」、こういったものなどを活用し、清掃工場で処理できない廃棄物などの分別の徹底を引き続き区民に呼びかけてまいります。あわせて、清掃工場を管理運営しております東京二十三区清掃一部事務組合とも連携、情報共有し、より効果的な啓発方法についても検討してまいります。
◆和田ひでとし 委員 確かにごみ収集カレンダーはかなり定着してきているようですし、アプリの利用など、これからの啓発活動には有効な方策だと思います。しかし、二十三区内でそれぞれの区で方法が違っていたり、あるいは他自治体から引っ越してきた方々などは、やっぱりこういった収集方法に戸惑うようなこともあろうかと思いますので、ぜひそういったところを情報共有しながら、しっかりと啓発を進めていただきたいと思っています。
次に、今回の体験では、戸別収集がかなり増えているということが分かりました。作業員の皆さんはちゃんと全ての集積所の位置、そして戸別回収の家庭を全て把握しており、取り残さないように次から次へと回収をしていきます。袋でなくバケツも意外と多いので、それぞれ開け方が違ったり、あるいは開けた蓋をまた元に戻したりと、この作業も結構大変でした。
その戸別回収ですが、この増加によって収集作業への影響について気になるところでありますが、どのように考えているか、見解を伺わせてください。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 現在、区では可燃・不燃ごみの収集及び資源の分別回収を、区内約八万四千か所の資源・ごみ集積場で行っております。集積所数は平成十八年度時点で約五万か所でしたが、一つの広い土地が開発され細かく分譲されるなどの事情により、集積場の分散化が進んでおります。
委員からお話がありました戸別収集に関しましては、区としましても排出者の利便性や排出マナーの向上という点で有効であると捉えており、既に二十三区でも実施している区がございます。しかしながら、五十万近い世帯を抱える世田谷区で戸別収集を実施した場合の収集に係る経費は非常に大きな負担になることは否めず、道路上にごみ箱などが増えて通行に支障を来すことや、集積所の共同利用を通じて培われてきた地域コミュニティーの希薄化につながる懸念もございます。現時点では現行の集積所での収集を基本とさせていただきつつ、高齢化への対応を含め、地域の実情により集積所収集が困難な場合には、可能な範囲で分散化など柔軟に対応してまいります。
◆和田ひでとし 委員 一軒ごとにごみ袋やバケツなどで置かれている光景というのは、私にはちょっと違和感があるなと思います。今後もこの傾向が続くと、経費の面、そして労力の面でも大変大きなことになると懸念されます。さらに、集積所の共同利用を通じて培われてきた御近所同士のコミュニティーが希薄化していくということが非常に気になります。
現在のごみ処理に係る経費は年間約百億円と言われ、そして区民一人当たりに割り返せば年間約一万二千円にもなると伺っております。さらに、不適切な分別によって焼却炉の停止トラブルで余計な経費と労力がかかるということが分かりました。
また、近い将来、区内の二つの清掃工場も寿命がやってきます。千歳工場は、まず延命化工事を令和五年から六年にかけて予定。さらに、世田谷工場は建て替えが令和八年から十四年にかけて予定されていると聞いております。莫大な費用がかかるわけです。さらに、焼却後の灰や不燃ごみの埋立処分も限界に近づいていると伺っております。私たち区民一人一人のちょっとした努力と工夫で、ごみの減量や収集の労力、さらには経費負担の軽減などの改善ができることをしっかりと啓発していかなければなりません。いずれごみの収集は有料化ということも視野に考えていかなければならない問題なのかもしれません。
そしてもう一つ、粗大ごみについてですが、先ほど他会派からもありました、このところ粗大ごみを申し込んでもなかなか日数がかかって来てもらえないという話を聞きました。三週間から四週間先でないと来てくれないというような状況もあるそうです。
そこで、委員会報告もありましたこの粗大ごみのリリース促進実証実験、これの本来の目的をまず確認しながら、さらに業者の不正介入などは大丈夫なのか伺います。
◎泉 清掃・リサイクル部事業課長 区では、コロナ禍における家庭ごみが増量傾向にあり、特に粗大ごみ収集の申込み件数の高止まりが続いております。一方で、粗大ごみの中には新品に近しい状態で継続利用が可能なものまで排出されている現状でございます。
委員からお話のありました粗大ごみのリユースを促進するための実証実験は、不要品売買・交換を行うサイトアプリの運営を行っている事業者からの提案があった後、協議を経て、具体的な実施方法が区の考える方針と合致したため、ごみ減量及び収集運搬経費削減等の効果検証を目的として実施に至ったものでございます。実験内容は、これまでであれば粗大ごみとして排出される品物のうち、まだ使用できる品物をリユース品として区民から回収し、それらをサイトアプリを通じて有償または無償で希望者に譲渡するものでございます。不要品持ち込みスポットの設置やサイトアプリへの掲載などを含めた運営経費に関しましては協力事業者が負担をし、実証実験期間中のリユース品売却益の一部をその経費に充当することとしているため、区の負担はございません。
本実証実験は今月一日から開始をしており、明日六日より区民からの直接持込みを受け入れ、来年の令和四年三月末に終了を予定しております。この半年間の実験を踏まえ、検証、検討を行い、本格実施の可否を判断することとなります。なお、本格実施の際には広く事業者を公募するとともに、プロポーザルを実施するなど、競争性を担保してまいります。
◆和田ひでとし 委員 この取組の最大の目的は、言うまでもなくごみの減量であるということを改めて確認をさせていただきました。これは実証実験の結果を待ちます。
では、次に奥沢区民センター、図書館、子育て児童ひろばの耐震化について伺ってまいります。
耐震性が不足している奥沢駅前のセンタービル・三敬ビルについて、さきの第二回定例会において私のほうで一般質問をさせていただきました。その際、副区長から全体管理組合の理事長として、引き続き理事会や権利者の方々とも話し合いながら資金を確保し、一刻でも早い耐震化工事の着手を目指すこと、奥沢区民センター、図書館及び子育て児童ひろばを安全安心に利用できるよう、公共施設の管理者として強い意志を持って取り組むとの答弁をもらっております。
そして、その前回の答弁から約四か月が今経過をしておりますが、この間の進捗状況について、まず伺います。
◎関根 玉川総合支所副参事 奥沢センタービル・三敬ビルにつきましては、建築から五十年が経過する中で、耐震化工事のほか、まずは外部の修繕工事を行うべきなど権利者に様々な意見がございます。一方、公共施設を管理する区といたしましては、利用者の安全を確保するためにも耐震化は不可欠であり、また、さきに実施した権利者全員を対象としたアンケート結果からも、管理組合で決議した耐震化工事と外部修繕工事の同時実施が最善の策であると考えております。
さきの第二回定例会以降、緊急事態宣言もあり理事会を開催できておりませんが、区では、この間も資金を確保する方策などの様々な課題を整理するとともに、弁護士に相談するなど細部にわたる検討を進めており、理事会の開催に向けた準備を進めてまいりました。
◆和田ひでとし 委員 その複雑な権利関係や合意形成が取れない中での区の立場や、これまでの経緯はよく分かります。しかし、何といっても耐震不足が指摘されてから六年以上が経過しており、いざというときの避難経路の確保など対策を取っての運営が継続されている現状。いつ来てもおかしくないと言われる首都直下型地震の不安がある中、区民の安全安心な暮らしを守るという観点からは程遠く、これはまさに非常事態であると思います。
コロナが大きく影響しているとはいえ、いや、コロナ禍とはいえ、この案件はしっかり進めなければならない事案だと思います。毎年十月開催される奥沢区民センターの文化祭、昨年は内容を縮小しながら対策を講じて開催されましたが、今年も今月十六、十七日に予定をされています。この奥沢区民センター文化祭は、奥沢・九品仏両地区をはじめとした地域コミュニティーの集大成の場でもあります。区長も毎年書を展示参加され、本人が来場されて挨拶もされています。つまり、現状をよく認識されているはずですが、本日は区長がおりませんので、ここでは玉川支所長にも毎年いらしていただいており、もちろん現状を共有されていると思いますので、改めてぜひ支所長の見解をお聞かせください。
◎工藤 玉川総合支所長 奥沢区民センタービル・三敬ビルの建物状況でございますが、昨年十月に開催されました奥沢文化祭に私も出席させていただきました。その際にも、建物の老朽化を含め状況を確認しております。また、その際でございますが、文化祭の参加者の方からも、安全安心に建物を利用できるよう強い要望をいただきまして、改めてでございますが耐震化工事、外部修繕工事の必要性につきまして認識しております。
引き続き、奥沢区民センターや図書館利用者だけではなく、建物内の居住者や商業施設利用者などの安全確保の観点からも、一刻も早い工事着手に向けまして強い決意で取り組んでまいります。
◆和田ひでとし 委員 そしてもう一人、岩本副区長も約一か月前まではサービス公社の代表取締役社長でしたので、奥沢区民センターの運営に関しては、当然認識はしっかりお持ちだと思います。今、支所長からは力強い答弁をいただきましたが、副区長からの見解もぜひお聞かせいただきたいと思います。
◎岩本 副区長 私は、区民センター祭りにお邪魔してございました。お話ありましたとおり、もう既に六年が経過してございます。今年に入ってからも弁護士への相談などを行っておりまして、法的な検証も進めておりますけれども、一方で、この問題の解決には他の建物権利者の理解と協力が不可欠でありまして、区といたしましては、管理組合の理事長として理事会そして各組合員の意見を聞きながら丁寧に粘り強く説明するなど、耐震化工事の着手に向けて改めて強い決意で臨んでまいりたいと考えてございます。
◆和田ひでとし 委員 確かに緊急事態宣言もありましたが、耐震性の問題が指摘された平成二十七年から、先ほども申し上げました六年以上が経過しております。この間、一旦は耐震化工事に着手しかかりましたが、資金不足の問題もあり、契約は解除になったと聞いております。ようやく先月末で緊急事態宣言が解除されたこともあり、ここはぜひともしっかり進めていただきたいと思います。
今後どのような予定なのか、改めて見解をお聞かせください。
◎関根 玉川総合支所副参事 今後についてでございますが、耐震化工事を行うための資金確保に向け、管理組合の理事長として権利者の様々な意見を聞き、速やかに理事会を開催するなど、管理組合としての手順を踏み、丁寧に調整を図りながら、権利者の合意形成を目指してまいります。その上で、引き続き奥沢センタービルにおいて奥沢区民センター、奥沢図書館、そして奥沢子育て児童ひろばを安全安心に利用できるよう、耐震化工事の実施を目指してまいります。
◆和田ひでとし 委員 時間というのはもう本当にすぐ経ってしまいますので、本日はここに工藤玉川総合支所長、そして岩本副区長、お二人いらっしゃる前ですので、今まで申し上げましたこの三つの施設、奥沢駅前という本当に好立地の条件にございます。何としても安全安心に継続利用させていただきたいという地元の奥沢・九品仏両地区、合わせますと四万人の方々がいらっしゃいます。皆さんの声をしっかりと受け止めて、耐震化を何とか実現して存続していただけることを再度強く要望して、私の質疑を終了し、阿久津委員と交代いたします。
◆阿久津皇 委員 私からは、ウィズコロナの経済政策について伺ってまいります。
昨日の東京都の感染者数は八十七人と、昨年の十一月二日以来の二桁となったということで、区内の陽性者も昨日は十人であったということですので、九十二万の区民に対して十名の陽性者、あるいは一千二百万都民で八十七人というのは、もうある意味では抑え込みに成功しているというか、そういった非常に低いレベルの状況にあるというふうに言えると思います。一日から緊急事態宣言も解かれて、飲食店ではお酒の提供も再開されたと。週末は町に出ましても活気が戻ってきたかなというような印象はあるところで、繁華街あるいは行楽地の人出も増えているというふうに聞いているところです。
また、四月二十五日から続いた四回目の緊急事態宣言下では、人流が抑制される中で第五波を迎え、その人流が変わらないままピークアウトを迎えたということで、専門家も一様に理由が分からないというようなことをおっしゃっているわけで、その減った理由が分からないということは、増えた理由というのもよく分からないんだろうというふうに考えますけれども、それが実態なのかなというふうに理解しています。
また、そのよく分からない状況の中で、飲食業や旅行業をはじめとするサービス業、あるいは演劇、テーマパーク、スポーツ興行などの娯楽産業、あるいはフィットネスクラブとか結婚式場など、そういった生活に密着した産業、これら産業にまた付随する卸売業だったりとか、リネンサプライの産業に従事される、そういった産業の方々が大変大きなダメージを受けたということなんですけども、それに加えて学生、生徒、小学生から大学生まで、そういった若者たちも様々な自粛要請、こういったものにも翻弄されて、外出自粛であったりとか学校行事の中止による様々なストレスから心の病を抱えている子も多いというふうに伺っているところです。
これまでは得体の知れない感染症との闘いという中で、様々仕方のない部分もあるんだろうというふうに思いますけども、様々な知見が集まってきた今後においては、今までの反省を生かして同じ過ちを繰り返してはいけないということは、我が会派のおぎの幹事長からの総括質疑でも指摘をさせていただいたところです。
また、今後の再拡大について懸念をする専門家も多いんですけれども、ワクチンの接種が先行していたと言われるイスラエルでは、この五月、六月には二回の接種を完了した方が人口の六割に迫って、集団免疫に極めて近い状態にあるとされて、その感染者もずっと二桁を維持していたものが、デルタ株によるイスラエルにおける第四波に見舞われ、九月中旬には一万一千人の感染者を超えたということで、それを九百二十万人のイスラエルの人口と、日本に置き換えますと一日当たり十五万人近くというような感染状況であったということですので、今後の感染の再拡大というものも懸念はされるところですけれども、そのイスラエルにおいては七月から三回目のワクチン接種が開始され、九月後半からは徐々に減少に転じて、今十月に入ったら一日四千人未満とピーク時の三分の一ほどに減ったということで、ピークアウトを迎えつつあるというような状況だそうです。
日本でも年明けから三回目の接種が行われる予定であると聞いていますけども、いわゆるブースター接種、三回目のワクチン接種というものの必要性と、また一定のその効果というものも表している現象なのかなというふうに考えます。
こういったワクチン接種の効果に加えて、いわゆる抗体カクテル療法などの治療法が確立されつつあり、また、米国のメルク社によりますとモルヌピラビルという飲み薬、これの効果も確認されていて、厚生労働省は年内にも特例承認し、新薬を調達する方向で調整をしているということです。
そのような状況にあって、緊急事態宣言が全面解除に至るわけですけれども、菅前首相は九月二十八日の記者会見で、ワクチンと治療薬にめどがつきつつある、コロナ禍で明かりは日々輝きを増しているとおっしゃいました。全くそのとおりであると思いますし、今こそウィズコロナによる経済活性化策というものを推し進めるべきだというふうに考えます。
先ほど申しました生活・娯楽関連サービス業、こういったところを中心に、いわゆる経済活性化策を進めるべきだと思うんですけども、ただ、この経済支援というものは、なかなかデジタル化あるいはマイナンバーの活用ですとか、あるいは行政の中でのデータ化、情報の共有というものがなかなか進まない我が国において、ピンポイントの産業であったりとか、業績が悪化している業種に対するピンポイントでの支援というのがなかなか難しいということであるんですけども、区においてはせたがやPayというものの活用もあって、今後は福祉分野での活用もせたがやPayが広がってくるということですけども、その中では様々データを取りながら感染症対策に取り組んでいる事業者であったりとか、先ほど申した健康増進に取り組んでいる区民など、ピンポイントで支援やインセンティブを付与するということが可能になってきたのかなというふうに思っています。
先ほど午前中の中村委員からの質疑にもありましたけれども、いわゆる電子決済の一つであるPayPayは、自治体と協力してあなたの街を応援しようというキャンペーンを展開しています。これは、コロナ禍で消費の落ち込んだ地域、また自治体にある店舗を応援するキャンペーンでして、PayPayを利用したお客様にはポイント還元をしつつ、利用された店舗のほうにも三%上乗せした金額を振り込むということで、特定の手を挙げた事業者、自治体にある事業者へ支援をしていくというもので、二十三区では渋谷区と港区が開催しているということです。
独自の決済システムというものを持つ我が区においても、このスキームを活用して区内の事業者を直接支援する、そういった施策が考えられないか、見解を伺います。
◎中西 商業課長 現在も事業者支援ということで、せたがやPayによる消費喚起の施策を実施しておりますが、始まったのが八月の二十日でして、まさに緊急事態宣言下で、かつ感染者が増えている時だったということもあり、飲食店を中心に休業ですとか時短営業をしているところが非常に多かったと。現在まで消費喚起策の効果が必ずしも十分に出ている状況にはないです。ただ、緊急事態宣言が解除されまして通常に近い営業を再開する店舗も増えてくれば、消費喚起策の効果も徐々に上がってくると思われますけれども、事業者の預金残高等どんどん減っているというような報告も金融機関等から上がっておりまして、今ちょっとこれに加えて新しい対策が必要かというふうに認識してございます。
今お話しにありましたPayPayでやっているという事業者への直接還元ですけれども、同様に、例えば一万円の決済に対して五百円分のコインを事業者のほうにも還元するというような、経済活動の回復に合わせて、売上げが伸びれば事業者にも直接的な支援が行くというような施策ができないかというふうに考えておりまして、実施に向けて財源の確保も含めて早急に検討していきたいと考えてございます。
◆阿久津皇 委員 前向きに検討いただけるということで理解しましたけれども、午前中も指摘ありましたけれども、それを悪用されたりとか、そういうことがないようにしっかりとウォッチしながら進めていただきたいなと思います。
また、一方で迅速に対応いただくことと、先ほど申し上げた感染症対策に取り組んでいる事業者、こういったものへのピンポイントの支援というものもぜひ御検討いただきたいなということも併せてお伝えしておきます。
東京都では、この一日から感染防止徹底点検済み証、青色の虹の証書ですけども、こういったものの交付を受けた飲食店に関しては認証済み店として酒類の提供を認めていると。これを取得していないところは原則認めないということなんですけれども、一般質問でも申し上げたところなんですが、こういった認証店には協力金の支給条件の緩和もしているところで、感染症対策にいわゆる協力した店舗に対しては一定のインセンティブを与えているということで、非常に効果的なんだろうというふうに思います。感染症対策を行っている事業者とそうでない事業者というのをしっかり把握して、合理的な支援策を講じることが税の公平性であったりとか、感染の防止にもつながると思いますし、あるいは感染症対策の推進、そういった様々な観点から重要になるというふうに考えているところです。
次に、また、今般のコロナ禍で大きなダメージを受けたのが娯楽産業、音楽、演劇、スポーツといった、特に文化芸術産業と言われるところです。この文化芸術活動は、心豊かな活力ある社会の醸成ですとか、多文化、多様性を受け入れる社会の形成にとって極めて重要であるということは議論をまたないところですが、このコロナ禍において、特にオリンピック・パラリンピック大会を開催できたということは、文化や国籍などの違いを超え、フェアプレー精神を培い、平和でよりよい世界を目指すという大会の目的を達成する、そういった社会をつくっていくという意味でも大変有意義だと考えます。
また、区においても下北沢、三軒茶屋など文化、芸術の発信拠点を抱えておりまして、これらの産業へのさらなる支援が必要だと考えますが、どのような支援策を考えていらっしゃるか教えてください。
◎佐久間 文化・芸術振興課長 昨年度におきましては、コロナ禍の中、対面での事業実施が困難であるなど区内のライブハウスや小劇場の経営が厳しい状況にあったことから、民間文化施設を対象に映像配信事業に係る経費を支援する事業を実施いたしました。具体的には、ライブハウスや小劇場などで実施する映像配信事業にかかる機材購入費や、出演者のPCR検査の費用など、かかる経費の一部につきまして、一施設五十万円を上限として審査を経て決定した三十八施設に助成を行ったところでございます。
今年度に入っても厳しい状況が続く中、活動再開に向けて努力をしている方もいることから、今年度の支援事業では、ライブハウスなどを含め昨年度の対象事業者や対象事業を包括するスキームといたしまして、要件はございますが、区内の会場またはオンラインで主催者が自ら実施する有料公演、展示等の文化芸術事業を対象といたしまして、感染防止対策経費や出演料、制作費の一部につきまして、一件につき最大三十万円を補助する事業を実施してまいります。
今後もコロナ禍における文化芸術活動の状況等を見定めながら、支援の方策を検討してまいります。
◆阿久津皇 委員 ぜひそこはしっかりと進めていただきたいんですけれども、もう一つコロナ禍において大きな影響を受けたのが若者たちであるということは先ほど指摘したんですが、特に大学生において、昨年四月から一年半以上リモートでの授業というものを強いられていて、大学生活の重要な一面である一生の友人となり得るであろう仲間たちとの学びやサークル活動、あるいは課外活動、遊びも含めてですね、そのキャンパスライフというものが制限されているという状況で、区においてもその第三波と言われる昨年の暮れですね、成人式の中止を決定したと。一部実施した自治体もあったようですけども、大きな影響はなかったようですが、この成人式というのは人生でも大変大きな節目となる行事であり、本人、成人される若者たちだけではなくて、その御家族にとっても大変重要な行事であろうということで、今年度の開催についてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
◎大谷 区民健康村・
ふるさと交流課長 今年一月の新成人のつどいについては、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じた上で、式典の開催に向けた準備を進めていたところでありますが、年末の急速な感染拡大の傾向が見られたということを踏まえ、残念ながら会場での式典は中止として、無観客でオンラインでの配信の式典となりました。来年、令和四年一月の新成人のつどいについても、今年予定していたとおり日本大学文理学部百周年記念館を会場といたしまして、式典開催に向けての準備を進めているところでございます。
開催に当たりましては、会場の最大収容人数の半数以内としまして、十分な間隔を取れるようにした上で、マスクの着用、会場入り口での体温チェック、建物内の換気、消毒液の配置、入場者の把握などといった感染防止対策を徹底いたしまして、来場者の安全を第一に考えて準備を進めているところでございます。年末から年明けにかけての感染状況等を見据える必要がありますが、新成人の方にとっては一生に一度の晴れの日であることを考慮して、開催に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆阿久津皇 委員 まさに一生に一度の晴れの日でありまして、暮れには第六波が来ると、そういった指摘をするメディア、専門家もいらっしゃいますけれども、万が一この感染が拡大する、そういった局面にあったとしても、重症化率であったりとか病床の使用率、そういったものもしっかりと勘案した上で、最大限感染症対策を講じて、あえて言えば批判を恐れずにしっかりと開催していただく方法を模索していただきたいと要望します。
また、目黒区では、昨年行うことができなかった方々、成人式を行えなかった方々への式典も行う予定と聞いています。昨年成人を迎えられた方々への対応もしっかりと検討していただきたいということも付け加えておきます。
次に、地域行政、窓口サービスの拡充について伺ってまいります。
地域行政推進条例の骨子案を見ますと、地区のことは地区で、地域のことは地域で、また本庁は基本方針を定め地域間の調整を行うとされまして、その実施においては情報技術の進展を行政サービスの向上につなげるというふうにしています。昨年の一時給付金の支給の混乱、遅れ、こういったものを思い出しても、アナログによる情報のやり取り、これが区民や国民に大変な不利益を強いているということがよく分かるんですけども、この行政手続のデジタル化、データの共有化、こういったものは急務であるというふうに考えます。
先日、我が会派の総括質疑に対する答弁の中でも、デジタルファーストで行っていくと、そういった文言がありましたけれども、国においてもデジタル庁が創設され、各省庁に分散していたデジタル政策を一元化し、デジタル政策を推進するということです。本日は区民生活領域ですから、具体的に区の窓口業務におけるDXについて伺ってまいりたいと思います。
私事ですけれども、先般、私が飼っていた犬が十六歳で亡くなりました。保健所の窓口で登録を抹消する手続を行ってきたんですけども、特段本人確認だったりとか、飼っている犬の確認というものはなくて、本当に紙を一枚提出して、実際の登録と確認していただいて、はい結構ですということで終わったんですが、実際窓口に出向かなくても、恐らくウェブ申請ということでできるんだろうなというのはすごく感じたところであって、今、先般出された区民意識調査の中でも、この地域行政の条例に対しては、行政のデジタル化で来庁せずにできる手続が増えることを望むということが四四・一%でトップであったということなんですね。今、既にある窓口業務において紙ベースの申請というのはオンライン申請にしてみたりですとか、あるいはウェブカメラ、ビデオシステム、こういったものを使うことで相談業務を自宅から、家庭からできるようにする、そういったことも今すぐやろうと思えばできることもあるのかなというふうに思いますが、そういったことの検討というのはされているでしょうか、伺います。
◎相蘇 地域行政課長 区が目指すDXは、デジタル技術を活用した業務改善に加えて、区民と行政の関わり方を変革する取組というふうに考えており、この視点から大規模なICT環境の整備を待たずに、区民の目線から利便性の向上を図るということが重要であると考えています。
まちづくりセンターのICT化については、まちづくりセンターと地区の活動団体との会議や庁内会議等で利用するパソコン、オンライン会議ソフトの導入、またインターネット回線の整備などを検討して調整を進めているところですが、このようなオンライン会議で可能になることも含めてまちづくりセンターの窓口業務について、区民の視点から検討していくということで考えております。
◆阿久津皇 委員 その区においてもDXを進める上で基本となるマイナンバーカードの取得、これはしっかりと推進していただきたいんですけども、縦割りというものを打破して、部署間をまたいでの横断的なDX推進というものが求められるのだろうというふうに思います。
先ほど申し上げた犬の、畜犬登録というのかな、それの登録解除なんかは保健所であったりとか、様々な相談業務は福祉であったりとか、所管ごとに抱えている業務というのはあると思うんで、それぞれの所管からこういったことはウェブでもできるかもみたいなところが上がってくるのを待っていたんではなかなか時間もかかるんだろうなというところで、大規模なICT環境の整備を待たずにという御答弁がありましたけれども、そこはぜひ縦割りみたいなものを打破して積極的に進めていただきたいというふうに思います。
また、オンライン申請に加えて、今すぐでも実現可能な技術というのが映像システムの活用だろうということを考えています。そういったビデオ映像システムが実現可能になれば、母子相談、こういったものを自宅から行えたりとか、ひとり暮らしの高齢者の日常の安否確認、災害時避難行動要支援者の支援活動、あるいは障害をお持ちの方、そういった方のサポートなども映像システムの活用によって、場合によっては自宅から、本人確認が必要な場合でも、まちづくりセンターまで来ていただければ支所や本庁で行っている、そういった相談業務もできるんだろうなということで、様々な課題を解決できると思いますけれども、そういったところの映像システムの活用、こういったものによって新たな行政の姿みたいなものもできるのかなと思いますけれども、その辺の御見解をお聞かせください。
◎相蘇 地域行政課長 DXの推進によりまして、自宅やモバイルで申請できる電子化の仕組みを基にした、まちづくりセンターと総合支所と本庁、こういったものを結ぶ映像システムなどのICT環境を活用することによって、手続のワンストップ化の推進が可能になると想定をしております。本庁や総合支所の窓口で行っている各種申請、届出を担当課の職員と画面を通じて相談をしながら進め、複数の手続も窓口を移動することなく完結できる、こういったことを目指していきます。
また、各種の問合わせなどについても、こういった映像システムを用いまして事業のパンフレットや資料、こういったものを直接御覧いただいたり、区民の方が持参された資料であるとか郵便物の確認を行ったりするということによりまして、対応や広聴の充実にも効果が期待できると考えています。
今後、映像システムを用いて窓口をどのように変革できるか、窓口現場や総合支所、本庁所管の職員と知恵を出し合いながら、区民の視点から新たな窓口サービスの具体化を検討するとともに、できることについては速やかに実施をしていきたいと考えております。
◆阿久津皇 委員 このDX、そのICTというんですか、技術の進歩というのは加速度的に早まっていまして、新しい革新的な技術の実用化までのサイクルというのは日々短くなっていると。新しい技術が次々やってくる中で、区としては区役所のあるべき将来像みたいなものをしっかりと描きながらも、できることから一つ一つ進めていただきたいなというふうに要望します。
続きまして、農福連携の事業について伺ってまいります。
今般、粕谷におきまして実施される農福連携事業について様々報告いただいているところですけれども、今般その公募型のプロポーザルというものが実施され、先般締め切られたというふうに聞いていますけども、何社ぐらいの方から応募があったのか教えてください。
◎江頭 都市農業課長 細かい内訳につきましては、現在プロポーザル実施中のためお答えできませんが、プロポーザルの参加表明書は、複数の企業などから提出いただいております。
◆阿久津皇 委員 複数の企業から手が挙がっているということで、その中には実際に
サウンディング調査にいらしたところも含まれているのかなということを想像するところですけど、その複数の企業が実際に今応札というか、プロポーザルに応じてきているということは、この事業自体が民間のいわゆる農福連携を事業化していこうと、そういった事業者のニーズにかなっているんだろうということで前向きに捉えさせていただきます。
この農福連携の事業というのは、後継者不足に悩むいわゆる営農者の労働力の確保に加えて、障害者の賃金の向上あるいは障害者の心身状況の改善と、その農業と福祉の双方によい効果をもたらすというふうに言われておりまして、特に重要なのは、障害をお持ちの方が労働力として、戦力として期待されているということかなというふうに考えます。欧米と比較して日本の障害者雇用率はまだまだ低いということはありますけれども、雇用率が低いということに加えて、障害者の就労率も依然低いと。そこに営農者の不足、そういったところの需給関係が合致して就労という形で実現するということは、障害者が普通に暮らす社会の実現、いわゆるノーマライゼーションの観点からも大変理想的な事業なんだろうというふうに思います。
このサウンディングにおきまして、様々民間の事業者に参入いただいて、ビジネスとしてぜひ農業を捉えていただいて、その中に障害をお持ちの方が実際に労働者として雇用関係で働いていただくという観点から、参入する企業のビジネス的、投資的な観点からも、投資した費用を回収する上では、この事業用地、ビジネスのいわゆる長期的な展望が描けないとなかなかその収益回収が難しいということで、長期契約への改善が必要だろうと。サウンディングでも同様の意見が出ていましたけれども、その点に対して見解を教えてください。
◎江頭 都市農業課長 障害者の安定的な就労の場の提供という観点から、区でも事業用地については長期に活用できるほうが望ましいと考えております。契約の継続に向け、土地所有者とは適宜交渉をしていきます。しかし、相続の発生などで当該事業用地での事業継続が困難になる可能性もございます。そのため、そのような場合にも、別の場所で事業が継続できるよう、代替地確保の調整を進めてまいります。
◆阿久津皇 委員 この事業は障害者の就労あるいは農地保全といった観点に加えて、障害者の方が実際に区内の農地で働く、それによって地域の方々と触れ合うというか、地域の方々の前で作業をされるということで、これまで障害者の就労というと袋詰めだったりとか、封入といった内職的なものであったり、いわゆる安易な雇用と言われるものが多かったのかなというふうに思っていますが、今般の事業は、その障害者があくまで労働力として雇用関係にあるということ、その方々が地域に開かれた場で就労するということ、この二つをもってノーマライゼーションの実現という不特定多数の区民全体に対する障害者の見方を変える、そういった事業になり得るというふうに考えておりまして、このような事業をぜひこのほかの地域にも広げていただきたいと思いますが、見解を教えてください。
◎江頭 都市農業課長 区も当事業を広げていきたいと考えており、そのためには、当該農地で行う事業を成功させることが必要不可欠だと認識しております。来年度は、当該事業を軌道に乗せることを第一の目標として事業を進めていくとともに、今後も引き続き区内で農福連携事業用農地として活用できる場所を確保してまいります。
◆阿久津皇 委員 もう一つ、ごみの減量について、先般、先ほど宍戸委員からも和田委員からもあったんで少し触れたかったんですが、時間がないので少しだけ意見として言わせていただきます。
ごみの減量というのは、その処理費用の削減という観点からもSDGsの観点からも必要な政策であることは言うまでもないんですけれども、そのごみの減量をする上で、特に燃やせるごみの三〇%を占めている生ごみの削減というものが大変重要かなというふうに思っておりまして、様々な技術革新がある中、今、集合住宅でのディスポーザーの活用というのが取り上げられています。これは様々な自治体で実証実験を行われたり、国土交通省も使用済みのオムツの処理に活用ができないかということで検討しているというふうに聞いています。このディスポーザーの活用、これについてしっかりと、ちょっと様々検証していただいて、費用対効果が成立するのか区のほうでも検討していただきたいということを要望しまして、自由民主党世田谷区議団の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時四十分休憩
──────────────────
午後四時五十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆平塚けいじ 委員 それでは、公明党の区民生活領域の質疑を始めさせていただきます。
初めに、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて伺ってまいります。
二〇一九年十二月に国連の会議で環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが演説をして、気候変動への関心はかつてないほど高まりました。日本でも、昨年十月の菅首相による二〇五〇年カーボンニュートラル宣言に続いて、十一月には国会でも
気候非常事態宣言が決議されました。これで日本は脱炭素社会に向けてかじを切ったことになりますが、やっと気候変動後進国から抜け出すスタートラインに立ったにすぎません。
脱炭素が国際社会の潮流となる中で、世田谷区においても昨年十月十六日に二十三区では初となる世田谷区
気候非常事態宣言を行いました。深刻化する気候危機の状況を踏まえ、区民、事業者の皆さんと地球温暖化の問題を共有し共に行動していくため、宣言において二〇五〇年までに
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことも表明したことは高く評価させていただきます。そして、その後の世田谷区
地球温暖化対策地域推進計画の見直しでは、参考として、国、自治体の主な動向との記載があり、昨年十二月に東京都は二〇三〇年までに都内全ての新車販売を非ガソリン車にすると表明。また、今年一月には、国が二〇三五年までに国内全ての新車販売を非ガソリン車にすると表明したとあります。
そこで、世田谷区として、この国や東京都が新車販売を非ガソリン車にするために取り組むことをどのように捉えて、何をもって世田谷区として対応していくのか、宣言をした自治体として流れに遅れることなく取り組むべきではないでしょうか。私は今後、区内の公共施設の駐車場や区立公園、区営住宅の空き駐車場などを活用して充電施設を整備して、集合住宅などにお住まいの区民にも非ガソリン車を利用しやすい環境整備が区の役目だと思いますが、区の見解を伺います。
◎須田 環境計画課長 都の調査によりますと、外出時に利用できる公共用充電設備は、商業施設の駐車場、自動車販売店など民間施設を中心に区内三十八か所に六十三基が設置されている状況でございます。一方、本庁舎や総合支所においては、庁有車専用の充電器を十三基設置し、区立二子玉川公園では来園者用に充電器一基が設置されております。区営住宅への設置はございません。ゼロエミッションビークルの普及に向けた区の率先行動として、庁舎の建て替えなどを契機に庁舎内の充電器増設を進めるとともに、区立公園や区営住宅などへの設置検討に当たりましては、今後関係所管と協議し、
気候危機対策会議の中で議論を深めてまいります。
◆平塚けいじ 委員 今の答弁を聞きますと、このようにいっていないのは都立公園なんですけれども、民間の商業施設、またディーラーさん、都立公園、世田谷区が整備しているのは区立二子玉川公園の一か所だけですよ。本当に情けない限りなんですけども、一年前に
気候非常事態宣言をしているんですよ、もう既にね。にもかかわらず、世田谷区としてこの、じゃ、国も東京都もやろうとしていることに対して何もいまだにアクションを起こしていない、計画も何もないという状況でよろしいんですかね。岩本副区長にお伺いします。
◎岩本 副区長
気候非常事態宣言を行いまして、二〇五〇年までに
二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すという世田谷区におきまして、EVの普及につきましては一層重要なテーマであると認識してございます。
今御指摘いただきました、これまで区の取組は主に庁有車に対する対応となっていまして、公共用の充電設備については具体の検討が進んでいなかった状況にございます。
御指摘の区立公園、区営住宅における公共用充電設備の設置の在り方については、政策目標を持つにはちょっと財源の課題もございますけれども、
地球温暖化対策地域推進計画の改定と併せまして、
気候危機対策会議の中で検討を進めたいと考えてございます。
◆平塚けいじ 委員 今、副区長からいただいたんですけれども、本当に今から検討しますという話なんですよね。というか、本当にこれはスピード感を持ってやらないと遅れてしまいますし、また、令和四年までは東京都もこの事業に関しては具体的に費用の補助をするということを言っていますので、しっかりと早急に決めていただいて実現していただきたいと思います。
要は、自宅で買った方はいいんですよ、持ち家の方は。集合住宅に住んでいると充電装置がないわけですよね。どこかに行って充電しなければいけないので、ぜひともこれは進めていただきたいと思います。
次に、再生可能エネルギーを活用した避難所整備について伺ってまいります。
先日の企画総務領域でも質疑しましたけれども、避難所となります区立小中学校の体育館は、災害時に避難所となることが決まっているものの、特に首都直下型地震などが発生した場合には、当然停電が起こるわけですよね。起きたときの電源が確保されていません。今後どのように整備していかれるのか、発電機とその燃料を備蓄して対応するのか。
私は、今回フェーズフリーとの考えで、ふだんから太陽光発電で創エネした電力を活用して、ぜひ災害時にも使えることを求めてまいりました。しかし、先日の公共施設マネジメント課の答弁では、現在整備している太陽光発電は十何個あったんですけども、三十キロワットですけれども、これでは発電した電力は通常の学校運営で使い切ってしまうため、蓄電池の設置については経費をかけて整備するメリットがないという答弁でございました。私は、三月の予算委員会では千葉市の例を挙げて、国のスキームを活用することにより初期費用の二分の一を国の補助金で賄って、避難所となる施設に太陽光発電と蓄電池をセットで整備して、その発電した電力を買うことにより残りの整備費用をリース費用として払っていくことで、新たな財政の支出なしで再生可能エネルギーによる創エネの整備ができる取組を世田谷区でもぜひ行うべきだと質問させていただきました。
その際、当時の岡田副区長からは、実現に当たっては、環境、防災だけではなく、教育委員会、施設営繕、政策経営、こういった各所管が連携する必要がありますので、急ぎ実現に向けた検討をするよう進めてまいりたいと思いますという答弁をいただいたんですけれども、現在の進捗状況はどうなっているでしょうか、お聞きします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 脱炭素社会の実現と避難所のさらなる電源確保は、気候危機対策として重要であると認識しております。委員御指摘の避難所として活用する公共施設における太陽光パネルの設置については、国の補助制度を前提とし、民間事業者が共同申請できる設置面積と箇所数を考慮する必要がございます。また、建物の形状や面積、屋上の利用状況などによる太陽光パネルの設置の可能性と、かつ、改築計画や防水工事等の予定を確認しながら学校を選定しているところです。
今後の展開については、災害対策や教育、施設営繕といった関係所管と連携、調整しながら、さらなる再生可能エネルギーの創出に向け取組を進めてまいります。
◆平塚けいじ 委員 今答弁いただいたんですが、それでは、いつまでにこの結論を出して事業者の公募をしていくのかお聞きします。
◎池田
エネルギー施策推進課長 所管といたしましては、関係所管と連携、調整しながら、年内に一定の方向性をお示しできるように鋭意取り組んでおります。温暖化は待ったなしの状況です。一刻も早く避難所として活用する公共施設における太陽光パネルの設置ができるよう全力で取り組んでまいります。
◆平塚けいじ 委員 今、年内にということですので、ぜひとも早くこれを決めていただいて、今現在、安全では私はないと思っていますので、ぜひともすぐに安全を確保していただきたいと思います。
それでは、今言っていただいたんですけれども、お話の中でいろんな検討すべきことがあって、その中でも国のスキームを使うには大型の太陽光発電と電池がなければ採算が合わないというお話も聞いています。多くの学校では、それが対象外になっちゃうということも聞いていますので、そうであるならば、対象とならなかった残された避難所となる体育館において、災害時に停電が発生しても安全に過ごすことができる程度の照明をつけるための電源、そういうものをしっかり確保する必要があると思うんですけれども、これは区独自で再生可能エネルギーである太陽光発電と蓄電池をセットで整備をして、ふだんはその電力は学校運営に使用していただくフェーズフリーの仕組みを考えるべきではないでしょうか。区の見解を伺います。
◎池田
エネルギー施策推進課長 避難所をはじめとした公共施設において、率先して太陽光発電、蓄電池などを活用することは、脱炭素社会の実現に向けて重要であると認識しております。今回選定されない施設に対しては、新たな手法や国及び都の補助事業等の情報収集などを引き続き行い、関係所管と連携、調整しながら設置の可能性を探ってまいります。
◆平塚けいじ 委員 今、いろいろ可能性を探っていくという話なんですけども、首都直下型地震というのは本当にいつ起きてもおかしくない状況にあります。また、しかも、限られた財源で整備するには、やはりフェーズフリーという考えを持って、ふだん使いしているものが災害時にも役立つという、こういう仕組みをつくらなければいけないというふうに思っていますので、新たな手法や、国や東京都の補助事業などの活用を早急に検討していただいて、安心安全な避難所の整備を求めたいと思います。
次に、旧池尻中学校跡地活用について、私も伺っていきたいと思います。
総括質疑の中で佐藤委員のほうから、このままでは運営事業者公募に進むことを認めることができない、整備内容について議論が足りないとのお話があったとおり、他の会派からも同様の発言がありました。私もまだ納得するものがありませんので質問していきたいと思います。
初めに、新たな基本コンセプトですけれども、まず、この基本コンセプトが決まった過程がどうだったのか、どのような議論があったのか、プロセスがまだまだ見えてきません。経済産業部の考えをお聞きします。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 旧
池尻中学校跡地活用は、第三期の終了前にこれまでの評価検証を行い、令和元年十一月に世田谷
ものづくり学校事業の検証と今後の方向性についてまとめました。ここでは五つの課題があり、それを踏まえ、四つの方向性を示しています。課題としましては、一点目が、施設を出た後に区内で事業を営む方が少ない。二点目に、事業が拡大し新たな雇用を生み出すまでに至っていない。三点目が、区内の産業界への波及効果、例えば事業承継や新たな産業の創出等が少ない。四点目としまして、地域課題を解決するためのコミュニティービジネスなどへの発展まで至っていない。五点目が、成果指標の設定及びそれに基づく評価が定められていないということを挙げています。また、それを踏まえた方向性としまして、創業支援の取組の強化、新たな産業の育成と働く場の拡充、多様な働き方の支援拠点、事業承継の支援を挙げています。その後、これを基に同年十二月に様々な分野の専門家や事業参入に関心のある事業者などと意見交換を重ね、敷地を有効活用し、より地域に開かれた空間、単なる創業支援ではなく、社会課題を解決するような取組の支援、子育て中やフリーランスの方など職住近接のための多様な働き方の拠点、これからの未来を担う子どもの多様な学び場の構築、世田谷区全体に効果を波及させていく仕組みを構築するなどの御意見をいただきました。
これらの御意見を踏まえまして、令和二年七月に新たな世田谷
ものづくり学校、旧
池尻中学校跡地における今後の事業展開についてお示しをいたしました。さらに、新型コロナウイルス感染症による影響などの実態を把握した上で、今後、社会や企業に求められる新たな要素を様々な分野の専門家や民間事業者の方に御意見を伺い、それを反映した基本コンセプトを令和三年一月に政策決定をし、二月に議会のほうにお示しをさせていただいた、そういう状況でございます。
◆平塚けいじ 委員 今の答弁では、世田谷
ものづくり学校の事業運営における評価検証を踏まえて、この新たな基本コンセプトをつくる際には、五つの課題を挙げて、それを踏まえて、解決に向けては四つの方向性を示されたと。これは庁内の検討であったと。さらに、それを基に専門家や関心のある事業者と意見交換を重ねてつくり上げたという答弁なんですけども、そのプロセスではどのような議論があったのか、お聞きします。
◎納屋
産業連携交流推進課長 基本コンセプトの策定に当たりましては、先ほどの答弁に加え、産業や経済のありようの急激な変化や、区内産業の現状などに関する議論もございました。例えば、世田谷区内においても、主要産業における事業者数や付加価値が減少しているということ、また、DXやSDGsに象徴される急速な社会経済環境の変化への対応など、大きな転換期にあり、区内産業を取り巻く状況は今後厳しさを増していくという強い危機感や課題認識がございます。
また、世田谷産業の未来を担う子どもの育成も重要との議論がありました。この場所に集まる企業や人材の特徴を生かし、子どもが自ら考え解決する能力を育み、将来に向けて夢を紡ぐことができる場を提供することは、将来にわたり産業を活性化するという観点からも重要と認識をしております。
例えば、福岡のフクオカグロースネクストという
スタートアップ支援施設の起業創業の支援の仕組み、中野にありますビビストップという施設における子どもの無限の可能性を引き出す取組、下北沢の
ボーナストラックにおける開かれた交流の空間やチャレンジの場などを具体例として参考にしております。
◆平塚けいじ 委員 議論の中では、区内の事業者数の減少や、DXやSDGsに象徴される急速な社会経済環境の変化への対応、また区内産業への危機感や課題意識があって、さらには未来を担う子どもたちの育成も重要だという考えがあって、それらを解決するために拠点が必要だということなんですけれども、そもそも様々な選択肢がある中で、この既存の施設を引き続き活用することになった経緯についてお伺いします。
◎納屋
産業連携交流推進課長 区の公共施設につきましては、世田谷区公共施設等総合管理計画において、建物をできるだけ長く使うことや、民間の知恵と力を最大限生かすことなどを基本方針としております。旧池尻中学校については、本方針に基づき、財政計画とも整合させながら、耐用年数の六十五年までの築年数も踏まえて、施設の継続運営を検討するとしており、既存施設を有効活用していくことを前提としております。
施設の活用方法につきましては、様々な選択肢を検討することが必要です。改築など学校からの用途変更を伴う大きな投資や
サウンディング調査においては、五十年間の定期借地契約を結んだ上で、現地に大規模住宅等建物を建設する提案もございましたが、こうした資産活用ではなく、周辺への影響なども考慮しながら区政課題の解決に活用することが最も必要性が高いと考えております。
先ほど申し上げましたように、区内産業を取り巻く状況は大きな変化に直面しており、その対応を取っていくことが喫緊に必要と考えております。先端技術や創造性を持ち、産業の再活性化に貢献する拠点であり、さらには未来の子どもたちのための産業の観点からの学びの拠点として整備することが最も適切と判断し、検討を進めているものです。
◆平塚けいじ 委員 耐用年数は六十五年までいけるというのと、
サウンディング調査の中では五十年間の定期借地契約を結んだ上で住宅にすることも、そういう提案もあったという話なんですけども、区としては、とにかく区内産業の再活性化に貢献する産業、学びの拠点として整備することが最も適切だと判断したと。それで、検討を進めているということですよね。そのイメージがなかなかつかめないんですよ、現実に。このままでは、私もこのもともとの
ものづくり学校のような場所貸しになってしまうんじゃないかという懸念があるんですけども、具体的に何をして何を目指すのか、さらに、その評価軸はどのように決めていくのか、そこをお伺いします。
◎納屋
産業連携交流推進課長 区内産業の課題の解決と再活性化に大きく寄与する世田谷の産業の拠点を構築していきたいということでございます。具体的には、区内外の多くの企業や人材がこの池尻の地に集い、新たな産業を創出すること、イノベーションを生み出していくこと、既存産業とのコラボレーションによる既存産業の再活性化を図ることを実現していきたいと考えております。さらには、世田谷産業を担う子どもたちが、企業や人材からの刺激を受け、自ら考え解決する力、起業家精神を育む場とすることも目指しております。
これらを通じて、例えば卸売・小売業など世田谷の主要産業で新商品やサービスが開発されることによって売上げが増加するでありましたり、販路が拡大するということを想定しております。また、超高齢社会での困り事、例えば交通問題などの社会課題が先端技術により解決されるなど、産業のみならず、よりよい暮らしも多く生み出していきたいと考えております。
なお、評価に関しましては、具体的な評価指標については現在検討を進めているところですが、創業者数や来場者数をはじめとして複数の指標を設定した上で、
第三者評価委員会による厳正な評価、フィードバック、事業の改善というサイクルを構築し、適正な運営体制を構築していきたいと考えております。
◆平塚けいじ 委員 今いろいろ、るるお話しいただいたんですけども、世田谷の主要産業である新しい商品とかサービスが開発されることとか、売上げが増加するための仕組み、その仕組みがまだ見えてこない部分がありますよね。そういう部分を、いずれにしてもこの世田谷区がですよ、世田谷区がその場所を使って整備する以上、税金を使ってやるわけですよね。これは未来に向けて価値があるものでないと、我々も、また区民の皆様も納得しないと思うんですよね。そこの議論がまだまだ足りないのかなというふうに感じています。
今後、まさに説明責任と今言われますけども、こういうものができたら区民の皆様にとっても有効なんだと、価値があるんだということが分かっていただける説明を、今後も議論をし続けながらしっかりと議論を進めたいと思いますので、その辺はよろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わって、岡本委員に替わります。
◆岡本のぶ子 委員 初めに、避難行動要支援プランの改定素案について伺います。
私は、昨年の第一回定例会の一般質問、予算特別委員会の総括質疑、さらに本年三月の予算特別委員会において、災害時に自力で避難できない障害者や介護が必要な高齢者などの、いわゆる避難行動要支援者が安全に避難するために必要な個別避難計画の作成が本区で遅々として進まない現状を取り上げ、その課題を克服する手だてとして、大分県別府市や兵庫県などが福祉専門職と連携し、地域ぐるみで研修や当事者を交えた訓練を重ねる先進事例を紹介し、本区においても福祉専門職を活用した個別避難計画の作成と、要支援者の顔が見える取組を求めてまいりました。
去る九月二日に本区の避難行動要支援者プランの改定素案が報告され、その第一に、個別避難計画を福祉専門職と連携して取り組むことが明記されたことをまず評価いたします。しかし、一方で気になったのが、この報告書の差し出しの部署が保健福祉政策部と危機管理部の併せ報告であり、いざという災害時に実行部隊となる総合支所が入っておりませんでした。本日は、個別避難計画が実効性のあるものとするために、地区防災の中心となるまちづくりセンターを所管する、今日は総合支所長さんが全員いらっしゃいます。そして、所管が地域振興課になりますので、地域振興課長さんのほうに何点かお伺いいたします。
本プランでは、避難行動要支援者、令和三年二月現在約八千三百十人を対象に、令和四年四月から約五百名を対象として個別避難計画の作成を開始。令和五年には約二千名、令和六年には約六千名及び更新作業を行うとされています。ここで気になるのが、福祉専門職の方が計画作成に必要な要支援者の身体的な留意点や同居家族等の支援対応などを記載することは、恐らく毎月のように、例えばケアマネジャーさんでしたら訪問されているので状況を把握されていると思いますけれども、その要支援者の方が居住しているその地域で、どこの避難所に避難するのかとか、また、その避難所までの安全な経路はどうすればいいのかとか、また、さらにはその移動時に必要なサポーター、本当に同居の家族だけで移動ができるのかですとか、そういったことの課題について書くことは困難だと思います。
ここで伺います。まず、福祉専門職の方々が、令和四年四月から個別避難計画の作成の前提となる災害時の避難所での受入れ対応や、介護や避難経路等の課題が整理できるよう研修を重ね、防災拠点となるまちづくりセンターとの意見交換などを行う必要があると考えますが、区の見解を伺います。
◎玉野
世田谷総合支所地域振興課長 個別避難計画を最大限に活用するためには、ハザードマップを活用しました避難経路の確認や、避難行動要支援者の居住地確認などのシミュレーション、また、御本人の心身の状況、生活実態などを事前に把握しておくことが大変重要でございます。計画策定に当たり福祉分野の講習会等が開催される場合には、支所防災担当やまちづくりセンターの防災担当職員などが参加し、作成に当たっての考え方などを共有することで、福祉と防災の両視点から、より現実的な計画作成につながるものと考えております。
世田谷地域では、来月実施を予定しております地域版地域ケア会議におきまして、若林地区で行っている避難行動要支援者安否確認訓練の取組について、地域内七つのまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会が情報共有する機会を設けております。こうした取組によりまして、防災意識の向上と要支援者支援についての意識醸成を図ってまいります。
また、まちづくりセンターでは、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会との三者連携等の取組の中で、地区の人材や社会的資源、福祉的支援が必要な個別ケースなどの情報共有、地区課題の検討などを行っております。引き続き、まちづくりセンターが中心となりまして、保健福祉センター各課とケアマネジャーなど福祉の専門職と協力しながら、お互いの専門分野の知識を共有し、連携強化を推進してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 若林の地域は本当に防災力、地区力が強いところだとかねがね思っておりますので、ぜひそれが全地区で共有できることをまず求めたいと思います。
その上で、個別避難計画の作成と同時進行に取り組まなければならないのが、いざという災害時の要支援者に対する安否確認や、要支援者が避難所へ向かう際に移動の援助ができるサポーターの確保だと思います。これまでも町会・自治会が中心となっている防災区民組織は、高齢化により担い手が不足しているという課題があります。また、コロナ禍で防災訓練もほとんどの地区で中止となっております。さらに、二年弱続いてきたコロナ禍の影響により地域コミュニティーが分断され、人と人とのつながりの希薄化も懸念されております。
頻発する自然災害に見舞われている日本において、防災に強いまちづくりは待ったなしです。こうした中で、区内の避難行動要支援者約八千三百十人の顔が見える避難誘導を目指す個別避難計画作成の取組は、新たな地域コミュニティー創出に向けたチャレンジであり、大変意義のあることだと私は考えます。
そのためにも、まちづくりセンターが今こそ中心となり、防災に強いまちづくりをキーワードに、あらゆる世代の地区住民をつなぐ新たなコミュニティーを創出し、実効性のある避難行動要支援者対策の構築が求められます。区の見解を伺います。
◎玉野
世田谷総合支所地域振興課長 避難行動要支援者の安否確認や実際の避難行動など、要支援者一人に対して支援者が複数人必要な場合が想定されるため、支援者をより多く確保し、要支援者と支援者を事前にマッチングさせておくことが課題であると認識をしております。まちづくりセンターと町会・自治会が中心となっている防災区民組織が協力して開催している防災塾や防災訓練などへ、学校、PTA、近隣の大学、商店街などに参加を呼びかけるとともに、様々な年齢層を対象にした意見交換会の実施を検討するなど、広く避難行動要支援者支援の現状を知っていただくことで、少しでも地区の潜在的な担い手の発掘につなげていければと考えております。
支援者の十分な確保は、個別避難計画をより実効性のあるものにするための必要な条件であると考えております。コロナ禍である状況を最大限に考慮し、まちづくりセンターがあんしんすこやかセンターや社会福祉協議会の協力も得ながら、様々な団体へ防災関連事業への参加を働きかけてまいります。
個別避難計画をより実効性のあるものとするためには、適時適切な計画の更新が必要だと認識をしております。平時より、意識の醸成はもとより、情報共有と連携に取り組み、担い手となる支援者の発掘など、まちづくりセンターが中心となって必要な支援について継続して取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひ、本当にこのことは、個別避難計画が幾ら三年かけて八千三百十人分書けたとしても、それは単なる絵に描いた餅になりかねませんので、やはり地域の中で、そのサポーターになる人たちをいかに各地区ごとに育てていけるかというか、関わっていただけるかが重要ですので、今の御決意をぜひ二十八地区のまちづくりセンター長さんが共有して進んでいけるように、地域振興課長さんにはお願いしたいと思います。
次に、がらっと変わります。おくやみコーナーの設置について伺います。
区民が死亡された場合、行政の窓口等で諸手続が必要になりますが、その対応は御遺族にとって大変大きな負担となっており、これまでも御遺族の方から御相談をいただいたことから、その負担の軽減をするために、昨年の第三回定例会の一般質問、
決算特別委員会で重ねておくやみコーナーの迅速な開設、また、開設までの間、現行の手続チラシの刷新と、ホームページ上の分かりやすい案内の再考を求めてまいりました。
全国自治体のこの間の状況を見ますと、二〇二〇年五月に内閣府が自治体向けおくやみコーナー支援ナビを公開したことから、二〇一九年度までは全国のおくやみコーナーを設置している自治体が十六程度だったものが、昨年二〇二〇年度には百六十九の自治体にまで急増していることからも、御遺族の負担軽減と自治体の各窓口の対応改善の必要性が高いことが分かります。
まず、この一年間の本区の進捗状況を伺います。
◎松見 住民記録・戸籍課長 昨年の第三回定例会においておくやみコーナーの御提案をいただいて以降、コーナーの設置に向けた業務改善の取組について検討を進め、先進自治体である神戸市の視察を行いました。神戸市では、受付でお客様シートを記入していただいた後、必要な手続を抽出した上で、申請書作成ツールにより各種申請書を作成し、お客様にお渡ししていました。また、スマートフォンやパソコンから質問に答えていくだけで必要な手続や持ち物を事前に調べられるホームページ上の手続ガイドのサービスを実施しておりました。
区では、現行の手続チラシを冊子としてリニューアルし、関係所管の窓口に配布するとともに、区ホームページに公開する準備を進めております。また、視察の結果を踏まえ、今年度中に手続ガイドのウェブサービスの導入を予定しており、こうした冊子や手続ガイドについて、職員を含めて利活用を進め、区民サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。
◆岡本のぶ子 委員 区は今年度中にホームページ上に電子版のガイドの掲載ですとか、また、このチラシを刷新したガイドを準備するということを準備されているということは分かりました。ただ、この電子版のガイドをホームページ上に公開することで、どれだけの御遺族の負担軽減になるのかということがちょっと私の中では疑問です。そこについて、どのような効果を見込まれているのか伺います。
◎松見 住民記録・戸籍課長 まず、御遺族の方にとっては、必要な行政手続を容易に確認することができるため、これまで電話やホームページ上で手続ごとに確認されていた御負担や、手続漏れのリスクを低減させることができると考えております。また、窓口業務においてもガイドを活用することで、他の所管で必要な手続や持ち物を御案内することができるといった業務改善の効果を見込んでおります。
◆岡本のぶ子 委員 今回、新型コロナワクチン接種の予約のことを思い出していただいても分かると思いますけれども、高齢者の方が、世田谷区のこのウェブ上の予約システムを自力で活用できずにコールセンターに電話をした。だけれども、コールセンターに電話をしたときに、接種券の文字があまりにも小さ過ぎて、どれを読み取ればいいのかが分からなくて、コールセンターにつながった後に一人にかかる時間がすごく長くて、結果的にコールセンターがパンクをしてしまった。そういったことから、最終的に区はまちづくりセンターを開けて高齢者の予約代行をしてくださったという中で、一万四千人の高齢者がそこで助かったというお声がいただけたということになっているわけですけれども、御遺族の方がこういった情報をすぐに電子ガイドで本当に検索できるのかということを、区が想定している改善が、本当に御負担を抱えている高齢者の方が、言い方は変ですけれども、恐らく御遺族に多いのかなと思うと、その方たちは使えないということになるわけですけれども、そこに向けたその取組をどうしていくのかなということが私の中では、ある意味ですぐ想像できちゃうわけなんですね。
一方で、実は今日、十月五日に茨城県の土浦市では全国初となるリモート対応型窓口システムを全庁で導入をして、市役所本庁舎と各課と市内四支所をはじめ、出張所、地区公民館など計十七か所をつなぎ、市民の相談対応を今日からスタートしました。各所には四十インチのタッチパネル式モニターとプリンター、カメラが設置され、画面越しに市役所の担当職員と対面でき、必要な書類も備え付けのプリンターから印刷でき、手元の書類をカメラで拡大しながら記載内容も確認し、各種申請書は後日本庁舎へ届けられるという、そういったサービスを今日から始めるというふうになっております。
今後、区はDXを推進し、二十八地区のまちづくりセンターでワンストップ相談の窓口を構築していくとのことですが、土浦市のような対応になると考えてよいのか、また、その実現までどの程度時間を要する予定なのか伺います。
◎相蘇 地域行政課長 議員お話しの土浦市のシステムは、本庁舎等に出かけることなく、区民の身近な場所で手続や相談が行えるようにするという基本的な部分については世田谷区が考えているものと近いものがあって、参考になる事例であるというふうに認識をしております。実現の時期については、デジタル化による自宅やモバイルでの手続、相談が行える仕組みや機器の導入等と整合を図る課題がございます。こうしたことから、区のDXの推進と連携しながら進めていくというふうに考えております。
◆岡本のぶ子 委員 私もこの土浦市のこの記事を読んだときに、百五十種類ぐらいの申請書類の整理も行われているというふうに書いてあったんです。世田谷区で、単にモニターを入れて二十八地区のまちづくりセンターと総合支所が例えばつながったとしても、実際はこのおくやみコーナーについての改善にはならないということはすぐ分かったんですけれども、やはりそのおくやみコーナーで今私が言っているのは、いろいろな窓口に行って、遺族、亡くなった方々の名前とか住所をそれぞれの窓口で書きながら手続をするという、同じことをひたすらし続けながら窓口を転々としなきゃいけない御遺族の負担を軽減するには、神戸市のような一つの窓口で必要な書類にエクセルというかデータで印字を同時にしてあげて、書類がもうその場で作成されているものを渡してもらえれば、一番御遺族の負担軽減につながるんではないかなと思っています。
ぜひこの二十八地区のワンストップ相談窓口をつくる前段階として、御遺族の負担軽減につながるおくやみコーナーの開設を求めますが、区の見解を伺います。
◎松見 住民記録・戸籍課長 まずは、該当する手続の関係所管においても冊子や手続ガイドを活用して、他の手続の御案内や申請書のお渡しなどを実施したいと考えております。
また、おくやみコーナーの設置のお話でございますが、視察先の神戸市や他自治体での設置例を参考にしまして、設置場所を含め、課題をしっかりと整理し、御遺族の支援につながるよう、おくやみコーナーの機能を有する窓口の実現に向けて取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 世田谷区の取組は非常にのんびりしているなというふうに思います。そういう意味では、早急なる対応を求めて次の質問に移ります。
これから東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーをいかに世田谷区に残せるのかという視点の質問をさせていただきます。
九月五日に東京二〇二〇パラリンピック大会が閉幕いたしました。この間、世界では新型コロナウイルスが猛威を振るい、一年延期で迎えた東京大会も無観客開催となり、異例ずくめの大会運営となりましたが、全世界のトップアスリートの熱戦が繰り広げられ、最高のパフォーマンスを発揮できたことに、尽力された全ての関係者の皆様に改めて敬意を表します。五十七年前の東京オリンピック・パラリンピック大会に続いて二回目の馬術競技の開催地となった本区としても、招致が決定した八年前の二〇一三年九月七日から、様々なスポーツ振興の取組が行われてきました。
先日、東京二〇二〇大会に向けて建設された国立競技場内の施設が、障害特性に応じた配慮が随所に施された高水準の整備であったことが報じられておりました。本区では、上用賀公園拡張予定地に、今後、区の総合体育館規模のスポーツ施設を建設する予定ですが、その設計に当たっては、国立競技場のトイレや移動の誘導等も参考に、ぜひパラスポーツ大会の誘致も視野にした施設整備となることを求めます。
また、今後のパラスポーツの振興の促進に向けて、着実な指導員の育成と、区民がパラスポーツを気軽に楽しめる環境の整備を求めます。区の見解を伺います。
◎中潟
スポーツ推進課長 上用賀公園に整備を予定しておりますスポーツ施設につきましては、基本構想において、パラスポーツの推進につながる施設機能を確保することを掲げております。設備につきましては、先に整備した希望丘地域体育館や大蔵運動場陸上競技場での知見を生かし、施設を訪れる誰もが安全安心、快適に利用できる施設を目指し、委員御指摘の高水準のユニバーサルデザインを取り入れた国立競技場も含め、他の施設の事例を研究して、スポーツ施設整備にも生かしてまいりたいと考えております。
また、施設計画と併せまして、東京二〇二〇大会のレガシーを生かしたパラリンピアンとの交流事業や、地域へのボッチャ講師の派遣、パラスポーツを支える人材育成など、新たな事業についても検討し、区民によるパラスポーツへの継続的な参加機会の拡充に向け、取組をさらに進めてまいります。
◆岡本のぶ子 委員 お願いします。
先日のスポーツ・交流推進等特別委員会で、アメリカ合衆国選手団のキャンプ実施の結果の報告がありました。私は、この報告書の中にボランティアの皆さんから寄せられた感想を拝見し、どなたの感想を読んでもそのわくわく感が伝わってきました。今日は時間がないので一部を抜粋して御紹介させていただきます。今回は本当に一生に一度の経験をさせていただき、世田谷区職員の皆様には大変感謝しております。ありがとうございました。スター選手団のアメリカチームの活躍を裏側で支えるUSOPCの皆さんの様子や業務を知ることができたことは、私にとってとても貴重な体験でした。また、微力ながらそのサポートに関わることができてよかったです。少しの時間でも練習風景が見られたのも感動でしたとの感想です。どのボランティアさんの感想にも感動、感謝の言葉があふれていて、読ませていただいているだけで、キャンプの臨場感が伝わってくるようでした。
今回の東京大会が無観客開催だったこともあり、世田谷区の子どもたちが直接パラアスリートに接する機会がなかったことはとても残念でした。
今後、区のキャンプで活動されたボランティアさんの体験談を聞く機会の設定や、アメリカ合衆国選手団のホストタウンとしての交流を継続していただき、今後、日本でパラアスリート世界大会などが開催される際には、子どもたちとアメリカのパラアスリートの交流の機会の創出など、パラスポーツの理解促進、振興につなげることが必要と考えますが、区の見解を伺います。
◎荒木
オリンピック・パラリンピック担当課長 この夏、アメリカ合衆国選手団、パラリンピックチームのトレーニングキャンプが大蔵運動場陸上競技場にて実施され、車椅子や義足、視覚障害など、様々な障害クラスの選手たちが一堂に集まり練習が行われました。残念ながら、今回は感染症対策により練習を公開することができませんでしたが、国を代表するパラアスリートの練習は、これまでの障害に対する固定観念を取り払う迫力あるものでした。
パラスポーツのトップアスリートの練習見学の機会を設けることは、障害理解の促進、パラスポーツの推進につながると考えており、日本でパラスポーツの世界大会が開催される機会などを捉え、引き続き子どもたちとの交流ができるよう、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会へ働きかけてまいります。
また、委員お話しのボランティアによる経験をパラスポーツの人材育成に活用することは非常に重要であると考えております。今後、体験内容などを伝えていく機会を
スポーツ推進部として検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ちょっと時間がなくなってしまったので、最後にデジタル女子の育成について触れさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症を契機に、デジタル技術を活用した新サービスを提供する企業が現れるなど、ソサエティ五・〇に向けたデジタル化への対応は急速に進んでいます。国は、高度デジタル人材の中には、副業、兼業を含む多様な働き方に対する意識の醸成が進み、新たな活躍の機会を探索する人材が増加している傾向があると指摘しています。一方、デジタル技術を有する人材を活用している企業は大企業が主であり、まだまだ地方自治体を含め、地域産業での活躍までには至っておりません。
約二年間にわたるコロナ禍で飲食店が休業、時短を強いられる中、飲食店で働く従業員は勤務時間が大幅に減少したことで収入が減少し、私のところにも母子家庭の方から、収入が激減し生活困窮が続いているとの相談が届きました。残念ながら、母子家庭の方のようにパートや非正規雇用の単価の安い職場で働く女性の割合が多いことから、このような状況を脱するためにも、子育て、介護などによるフルタイムで働けなくても単価のより高い仕事に就くことが可能となるデジタルスキルの習得は重要と考えます。
区として、女性活躍の観点からも積極的に啓発することが求められます。区の見解を伺います。
◎生垣 人権・
男女共同参画担当課長 育児や介護等を理由に勤務形態を狭める女性が依然として多いという実態があり、このことは女性活躍推進からは課題であると認識しております。
男女共同参画センターらぷらす等において、デジタル人材など時代が求める人材の情報を提供すること、相談や講座を実施することが啓発をする上で有効と考えます。そして、希望する女性に対しましては、デジタル人材育成事業等の効果的な取組を紹介し、確実につないでいくなど、望む働き方を選んでいただけるような仕組みを検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 デジタル人材の育成について、雇用の分野からいかがでしょうか。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 現在、区では……。
○加藤たいき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
────────────────────
○加藤たいき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時三十八分散会...