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令和 3年  6月 定例会-06月16日-03号

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  1. 世田谷区議会 2021-06-16
    令和 3年  6月 定例会-06月16日-03号


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    令和 3年  6月 定例会-06月16日-03号令和 3年  6月 定例会 令和3年第二回定例会 世田谷区議会会議録第十一号 六月十六日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  加藤たいき
    十六番  河野俊弘 十七番  阿久津 皇 十八番  高久則男 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 和田ひでとし 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十四番 風間ゆたか 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 宍戸三郎 三十八番 真鍋よしゆき 三十九番 畠山晋一 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 石川ナオミ 五十番  山口ひろひさ  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 副区長    中村哲也 世田谷総合支所長        清水昭夫 北沢総合支所長        木本義彦 玉川総合支所長        工藤 誠 砧総合支所長 佐々木康史 政策経営部長 加賀谷 実 デジタル改革担当部長(政策経営部長兼務)        加賀谷 実 総務部長   池田 豊 危機管理部長 菅井英樹 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 児童相談所長 土橋俊彦 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        辻 佳織 住民接種担当部長        久末佳枝 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        田中太樹 土木部長   青木 誠 会計管理者  原田茂実 教育長    渡部理枝 教育監    粟井明彦 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長(教育監兼務)        粟井明彦 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和三年六月十六日(水)午前十時開議)
     第 一 一般質問  第 二 議案第四十五号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)  第 三 議案第四十六号 一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例  第 四 議案第四十七号 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例  第 五 議案第四十八号 労働者災害補償保険法の適用を受ける非常勤職員等の公務災害等に伴う休業補償等に関する条例の一部を改正する条例  第 六 議案第四十九号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例  第 七 議案第 五十 号 世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例  第 八 議案第五十一号 財産(世田谷区立教育総合センター用一般什器、備品等)の取得  第 九 議案第五十二号 世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例  第 十 諮問第 二 号 人権擁護委員候補者推薦の諮問  第十一 議案第五十三号 世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部を改正する条例  第十二 議案第五十四号 世田谷区指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第十三 議案第五十五号 世田谷区立児童館条例の一部を改正する条例  第十四 議案第五十六号 世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例  第十五 議案第五十七号 世田谷区施設等利用費の支給に係る認可外保育施設の基準を定める条例  第十六 議案第五十八号 世田谷区保育料条例の一部を改正する条例  第十七 議案第五十九号 世田谷区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例  第十八 議案第 六十 号 世田谷区家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例  第十九 議案第六十一号 世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例の一部を改正する条例  第二十 議案第六十二号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例  第二十一 議案第六十三号 世田谷区営住宅の明渡し及び使用料等の支払に係る訴えの提起  第二十二 議案第六十四号 特別区道路線の認定  第二十三 議案第六十五号 世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例  第二十四 議案第六十六号 世田谷区立大蔵第二運動場条例の一部を改正する条例     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、日程第二から第八 企画総務委員会付託  三、日程第九 区民生活委員会付託  四、日程第十 委員会付託省略、表決  五、日程第十一から第十八 福祉保健委員会付託  六、日程第十九から第二十二 都市整備委員会付託  七、日程第二十三 文教委員会付託  八、日程第二十四 スポーツ・交流推進等特別委員会付託、表決     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。  日程第一を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) おはようございます。質問通告に従い、日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。  まず、オリンピック・パラリンピックについて区長に伺います。  先週末、組織委員会は、大会開催で、国内外の来訪者は一日最大約三十四万人、都内の新規感染者は、八月下旬には一日当たり約千人、開催しない場合より約二百人増えるなど試算を示しました。感染拡大は都内にとどまりません。政府のコロナ対策分科会の尾身会長は、全国から競技会場に観客が移動する、さらに大会中はお盆や連休と重なり、都市部から地方へ人が動くなどで、地方も含む感染急拡大のリスクを警告しています。世界中の選手、報道関係者が帰国後、感染を広げる危険もあります。感染急拡大、医療機関逼迫の危険性は明らかで、リスクはゼロにはできません。首相も、そして区も感染対策に全力を挙げると述べるのが精いっぱいです。しかし、問題は、多くの人命が失われる可能性があるということです。国民は命を危険にさらしてまでの開催を望みません。今、政治が最優先すべきは、大会中止を決断し、コロナ対策に総力を挙げ、国民の命を守ることです。政権はG7で開催の支持を得たと言いますが、国民は支持も、納得もしていません。  区長は、開催による感染急拡大、区民の命が脅かされるリスクについて、どのような認識か。区長はこの間、社会的検査など、感染抑止及び区民生活を守ることに全力を挙げてこられました。これらと大会開催は両立しません。また、国などの決定だから従うのでは、区長の政治姿勢と異なります。御自分の言葉でしっかり区民へ説明していただきたい。確かに当区は、競技会場及びアメリカ選手団キャンプ地であり、この間の区や関係者の御努力は多大なものと認識をしています。しかし、命より優先すべきことはありません。  区長に伺います。開催による医療逼迫・感染リスク及び延期、反対が過半数を超える世論調査の受け止め、また、この間、都などとどのような協議をしてきたのでしょうか。これまで区長が貫いてきた区民の命を守る立場で国などへ中止を求めていただきたく、伺います。  既に二十三区中五区が区主催のコミュニティライブサイト中止決定をしています。コロナ禍から区民の安全安心を守り抜く、区長のこれまでの基本姿勢の立場で中止決断を求めます。実施なら、なぜそう判断したのか、リスク含め説明を願いたい。  聖火リレーは中止含む縮小、無観客など、区独自に検討し、都との協議を求め、区長に伺います。  区はこの間、コロナ対策本部での有識者との意見交換に基づき、科学的エビデンスを得て対策を講じてきました。開催による様々なリスク、影響や対応など、直ちに有識者との意見交換を進め、区民に示していただきたく、伺います。  次に、区立幼稚園五歳児クラスと区立小中の児童生徒五万二千人が対象の学校連携観戦です。  会場は学校により異なり、渋谷、新宿、有明、武蔵野、馬事公苑などなど広範です。都議会第二回定例会の我が党の質疑で、子どもの安全を確保する救護所の確保めどは立っていない、子ども向けガイドラインが作られるかは未定、こういったことが明らかになりました。安全安心に子どもを受け入れる準備、体制は整っておらず、結局、現場で対応や責任が求められるのは区教委と先生であり、影響を受けるのは子どもたちです。  昨日、風間議員に区長は、実施は大変困難と認識を示しましたが、区教委は都の動向を待つにとどまりました。しかし、都の対策は不十分で、子どもの命を預かる現場からの発信が必要です。区教委として中止決断を求め、教育長に伺います。  次に、コロナ対策、ワクチン接種です。  我が党はこの間、コロナ対策において、一、社会的検査などPCR検査の拡充、二、医療機関の支援、三、十分な補償、四、速やかなワクチン接種を柱に対策を求めてきました。当初予算、第一次補正はこの方向での予算づけがなされたと評価をします。困窮する子育て家庭を支える区独自の現金給付など、命、暮らしを守る自治体の本領を発揮する積極的・総合的施策のさらなる充実を求めます。  ワクチン頼みに偏らず、今後も総合的対策が必要です。区長の感染対策の基本的姿勢を伺います。  ワクチンに関しては、三点の基本的対応を求めます。一点目、接種希望者には早期かつ確実な接種の実施、二点目、様子見や迷っている区民には正確な情報提供と相談窓口の設置、三点目、希望しない区民には不利益や差別を被らない配慮や対応です。コロナワクチンは任意接種です。接種による特典付与などは慎重な対応を求め、伺います。  次に、次期基本計画を見据えた来年度から二年間の実施計画についてです。  コロナ禍で、市場原理主義、規制緩和万能では、命と暮らしを守れないことが明白になりました。新自由主義を乗り越えた区政発展が必要です。また、DX活用は、区民合意を得て、区民生活に寄与する国とは異なる世田谷版のDX確立が必要です。国の推進するDXは、マイナンバー活用拡大自治体情報システム標準化、個人情報保護制度の共通化など問題があります。区の先進的な個人情報保護条例をどう守るかなど対応が必要です。  アフターコロナ及び次期区長選も見据え、区長は今後の区政をどう展望するのか、区長の考える新たな自治体経営とは何か。新自由主義から脱却し、ケアに手厚い住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮する区政への発展を求め、区長の認識を伺います。  実施計画、次期基本計画の個別課題を以下、三点伺います。  一点目は、保健所です。この間の再編やコロナ禍の体制上含めた検証を行い、実施計画、次期基本計画での抜本的強化を位置づけていただきたい。  二点目は、実施計画策定における新実施計画後期の評価、検証です。新公会計制度などコスト面重視の評価に偏らず、参加と協働は進んだのか、また、区民の暮らし、福祉を守る視点での評価を求めます。  三点目は、行政経営改革です。この間区は、民間活用について、コスト削減に主眼を置くのではなく、政策目的のための区が果たすべき役割を整理し、民間導入のメリット見極めが必要、事業効果の最大限の発揮を目指し、在り方を検証すると答弁しています。検証を含め、行革の基本方針及び視点への反映を求め、伺います。  最後に、増加の一途である不登校児、発達障害児支援についてです。  不登校後、支援につながらず、自宅で長期間過ごす子どもたちが多くいます。学習の遅れや生活リズムの乱れ、ほっとスクールには合わず居場所がない、民間フリースクールは遠くてお金がかかる。現状の対策では不十分で、子どもたちは置き去りのままです。受皿整備と支援の早急な強化を求め、三点伺います。  一点目は、今年度が最終年度の世田谷区不登校対策アクションプランの課題、到達及び今後の対応について。  二点目は、民間などと連携し、ほっとスクール増設や多様な新たな居場所づくり、また、アウトリーチなど、個に応じた継続的支援を求めます。ほっとスクール城山は存続を要望します。不登校特例校の早期設置を求めます。  三点目は、今年度、自閉症・情緒障害特別支援学級が増設されました。通学の保障、移動手段の確保と支援級増設を三十五人学級整備と併せ進めることを求め、伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えをいたします。  今後の実施計画、次期の基本計画について、どのような姿勢で臨むのかというお尋ねでございます。  私は区長就任以来、一貫して区民の健康と生命を守ることを基本に置きまして、子どもから高齢者、障害のある方も安心して過ごすことができる地域、町の実現を目指しながら、地域包括ケアの地区展開、子ども・子育て応援都市など、区民にとって身近な福祉ネットワーク、政策体系の構築に取り組んできました。  コロナ禍によりかつてない生活危機に多くの区民が直面している今こそ、社会的に少数だったり、相対的に弱い立場の人たちを社会全体で支えていく政策展開を図るとともに、誰もが尊重し合いながら安心して住み続けられる共生社会の構築が必要です。人よりも早くたくさん、そして、金銭的利益をいかに上げるかと、これだけの価値観で人類が競い合い、奪い合うと、こういう時代は、このコロナ禍においては成立をしないということが分かってきているんだろうと思います。そういう意味で、これからの行政は、時代をしっかり見ながら、そして、ともに支えあう相互扶助の理念をしっかり政策に落としていきたいと思っております。  デジタル化の進展が急速でございます。世田谷区としても、これまでの行政スタイルを継続するだけではなく、DX、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでまいります。  ただ一点、この間の我々の歩みを見ても、自治体のデジタル改革というと、どうしてもいわゆる行政の側の効率化、事業効率、時間短縮、そこがまず第一に来て、なかなか区民の、私は区民に時間を返すというのを一つのキャッチフレーズにしたいと思っていますが、区民の利便性を優先するという部分、それからこれだけ多様化しているニーズをしっかり捉えて、マッチングして、サービスにつなげていくと、こういった世田谷型「Re・Design」を目指して取り組んでいきたい、このための議論も徹底的にやっていきたいと思います。  そして、次の実施計画、基本計画の検討をしていくことになりますが、このDXの推進を軸にしながら、DX、デジタルだけではなくて仕事の仕方の改革もありますので、まちづくりセンターの高齢者へのワクチン予約サポートが多くの会派の皆さんからも御評価いただきましたが、そういう非日常的な出来事だけではなくて、いわゆる狭い意味での福祉だけではなくて、人が交わり、助け合い、そして様々発見し合う、そういう地区の拠点として地域行政制度の改革を現在議論しておりますので、やはり世田谷区の自治体の形を新たにつくり変える、そういう思いで、区民、事業者との参加と協働をさらに加速させて、住民福祉の増進に努め、より成熟した包摂的な、インクルージョンとも言いますが、地域社会の実現に取り組んでいきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、東京オリンピック・パラリンピックの開催につきまして二点御答弁申し上げます。  最初に、世論調査の紹介がございましたけれども、この区の認識について御答弁申し上げます。  これまで組織委員会や東京都とは、アメリカ選手団のキャンプ運営や馬事公苑前までのラストマイルの適切な運営方法等について協議を重ねてまいりました。現在、アメリカ選手団キャンプの安全対策やその体制づくりを最終的に詰めておりますけれども、区民の皆様の不安を取り除くためにも、組織委員会に任せることなく、区として感染症対策を徹底し、安全安心を確保していくことが重要と考えております。  この間、区長は、適宜、区長会等の場におきまして、感染抑止対策の具体的準備状況を確認したい旨、発信しており、事務方といたしましても、より詳細に組織委員会、東京都、区の役割分担に踏み込んで確認作業を進めております。引き続き、区として区民の声をしっかり受け止め、丁寧な説明や情報発信に努めながら、アメリカ選手団キャンプを含め、オリンピック・パラリンピック関連事業等の感染対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、聖火リレー、コミュニティライブサイトなど、区独自に検討し、都と協議していただきたいということに対して御答弁申し上げます。  東京都聖火リレー実行委員会では、三密回避や飛沫感染防止などを実施しまして、区におきましても、インターネット観覧や声を発しない応援の推奨などの対策を行います。一方、緊急事態宣言等におきまして、公道での聖火リレーが中止となり、聖火セレモニーのみの実施となった自治体もございます。今後、感染状況や、外出自粛要請等の有無などを踏まえまして、聖火リレーの実施形態の在り方について東京都聖火リレー実行委員会と協議してまいります。  また、コミュニティライブサイトにつきましては、これまで感染症対策の徹底を図るため、実施場所を九か所から一か所に簡素化し、入場者の適正な管理や換気が常時できる会場を選定したところでございます。いまだ決定していません競技会場の観戦者数や今後の感染症の状況を注視しながら、区といたしましては、安全を考慮し、区長の指示も受けまして、コミュニティライブサイトの規模縮小などを検討しております。  以上でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、コロナ対策、ワクチン接種について御答弁いたします。  区では、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、PCR検査体制の拡充、医療機関や社会福祉施設への支援等について、医療現場や専門家の意見等を取り入れ、感染予防や区民生活の支援に必要な取組を行ってまいりました。現在、ワクチンの迅速な接種を最重要課題として取り組んでおりますが、社会的検査や医療機関支援などを引き続き実施しているところです。社会的検査は、無症状者の早期発見、重症化の抑制、施設のクラスター化の予防などに寄与しているものと認識しております。また、今般のコロナ禍の長引く影響を受けて、区民生活を守るため、必要な支援をきめ細かく推し進める立場から、子育て世帯生活支援特別給付金の上乗せ等について、今議会に補正予算として御提案いたしました。  今後も、区民の感染予防や生活支援に必要な事業は継続して実施するとともに、感染や区民生活の実態を踏まえ、区の状況に応じた独自の取組も検討し、必要に応じて、国や都に対して財政支援等を要望してまいります。  以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇大会開催によるリスク等を区民にお示しをすることにつきまして御答弁申し上げます。  国のコロナ対策を検討する政府分科会におきましては、大会における感染リスクについての提言を行うとの報道もございます。今後、こうした動きも注視しながら、アメリカ選手団キャンプなどの感染防止対策に取り組んでまいります。有識者の意見につきましては、東京二〇二〇大会の個別事業につきまして、必要性を含めて検討をしてまいります。  区内でのリスク、影響といたしましては、例えばアメリカキャンプ会場は一部フェンスを設置し、アメリカ選手団が占有するエリアを明確に分け、エリア内では、消毒の徹底、飛沫対策、換気、三密回避の対策を講じるとともに、関係者以外の立ち入りを制限いたします。区民の安全につながる感染症対策につきまして理解をしていただくために、どのように実施をしていくのかを区民の皆様へしっかりと伝えてまいります。  以上です。
    ◎粟井 教育政策部長 私からは、四点お答え申し上げます。  まず、一点目でございます。オリンピック・パラリンピックに関しまして、学校連携観戦に関するお尋ねでございます。  オリンピック・パラリンピックを直接観戦することは、子どもたち一人一人に人生の糧となるかけがえのないレガシーを残す大変意義深い活動でございますが、実施に当たりましては、新型コロナウイルス感染症や熱中症への対応など、子どもたちの安全確保を最優先する必要があります。  学校連携観戦に関しましては、新型コロナウイルス感染症への対応、公共交通機関の利用、熱中症対策など、学校の抱える課題や懸念などを東京都教育委員会に伝えてきたところです。今後、学校連携観戦に関して、東京都教育委員会より実施の方法や実施の可否が示され、最終意向の確認が行われます。  区教育委員会といたしましては、そのことを踏まえ、区長部局とも協議をし、意見を伺った上で、子どもの安全を最優先に校長会とも調整を進めながら、実施の可否などを判断するとともに、学校や保護者に丁寧に説明をしてまいります。  続きまして、不登校対策アクションプランに関するお尋ねでございます。  教育委員会では、世田谷区不登校対策アクションプランにおきまして四つの取組の方向性を掲げ、不登校の児童生徒の社会的な自立につながる支援に向け、不登校対策の充実に取り組んでまいりました。  教育委員会ではこの間、スクールソーシャルワーカーの増員や特別支援教育巡回グループの設置など、学校内外の支援体制の強化等に取り組んでまいりましたが、個々の状況に応じた多様な居場所の確保や継続的な支援については、さらなる取組が必要であると捉えております。  教育委員会では、今年度、不登校対策アクションプランにつきましても、調整計画の策定に取り組みます。策定に当たりましては、これまでの取組を評価、検証し、取り組むべき課題を整理するとともに、不登校の児童生徒の実態や状況を把握し、社会的な自立につながる支援に向けた具体的な取組を示してまいります。  三点目でございます。不登校児の受皿に関するお尋ねがございました。  ほっとスクール城山につきましては、この間、不登校児童生徒の学校生活への復帰や、自分らしい進路の実現に向け、支援を行ってまいりましたが、若林小学校跡地活用方針に基づき、老朽化した同施設は、十二月に開設する教育総合センター内に移転することとしております。教育総合センターへの移転後につきましては、総合教育相談室と同一施設になる利点を生かしながら、不登校対策の拠点的機能を果たしてまいります。NPO法人や民間事業者との連携による多様な居場所の確保のほか、不登校支援チームによる支援、福祉部門との連携による支援など、一人一人の状況に応じた継続的な支援を行ってまいります。  なお、ほっとスクール等の新たな子どもの居場所につきましては、今年度、実施する評価、検証の結果も踏まえ、できることから着手してまいります。  また、不登校特例校分教室型につきましては、令和四年四月の開設に向け、準備を確実に進めていくとともに、学校型への将来的な移行について、設置場所も含め、検討を進めてまいります。  最後、四点目でございます。特別支援学級に関するお尋ねがございました。自閉症・情緒障害特別支援学級の設置校は現在三校であるため、お住まいの地域によっては通学に負担が生じており、学級の増設や通学手段の確保等の課題があると捉えております。特別支援学級の設置に当たりましては、入級する児童生徒の特性も考慮し、通学しやすい場所への設置が望ましいと考えております。  今後、特別支援学級の設置に当たりましては、需要数や利用者数の推移を把握するとともに、地域偏在の解消に向け、改修や改築などの機会を捉えながら設置について検討してまいります。  私からは以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチン接種について、基本的な対応三点について併せて御答弁いたします。  区は、七月末までに希望する高齢者の接種を完了させるため、集団接種会場の開設日数や時間数を増やすとともに、今月には個別接種を開始するなど、接種体制を順次、拡大しております。大規模接種センターや職域接種など区以外の接種機会の拡大も踏まえ、希望する区民が早期かつ確実な接種を受けられる体制づくりを引き続き進めてまいります。一方で、今回のワクチン接種は開始からまだ日が浅く、日々新しい情報が報道されている中、正しい情報を発信することで区民の不安を取り除き、関心を高めることは行政の役割であると認識しております。  区は、これまでも「区のおしらせ」やホームページなどで副反応に関する情報や接種の注意点などを発信し、区民の不安や疑問の解消を図るとともに、接種の勧奨に取り組んでまいりました。コールセンターでは、今後、接種機会の多様化とともに、相談内容が複雑になることも想定されるため、状況を見ながら最適な電話の受付体制を整えるとともに、フリーダイヤルへの切り替えに向けて検討してまいります。  また、今回のワクチン接種は本人の希望によるものであり、接種を受けることができない人や自らの意思により接種を行わない人が差別や不利益を被ることがないよう啓発も併せて行うなど、丁寧な配慮に努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、保健所の体制強化と計画への位置づけについてお答えいたします。  保健所では、昨年の組織改正で、保健所の指揮命令系統を明確化し、各総合支所健康づくり課等の保健師の迅速かつ柔軟な参集の環境を整備いたしました。あわせて、厚生労働省が設置する保健師等の専門人材バンクや業務委託など外部人材も加え、職員、民間の専門人材が一体となって防疫業務に従事する体制を整備しております。  今般のコロナ禍では、感染者が少ない初期段階から数度にわたる感染拡大期まで、人員確保をはじめ、保健所の防疫業務に必要な体制整備は一貫した課題となっています。様々な感染症も想定し、区民の命と健康を守るため、健康危機管理の主たる主管である保健所の人員、専門性などの体制強化は必要であると認識をしております。今後、策定する実施計画に位置づけをどうすべきかにつきましては、関係所管と調整を図ってまいります。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、新実施計画後期の評価、検証についてでございます。  現行の新実施計画後期におきましては、新公会計制度の導入等に併せ、行政評価制度を再構築し、平成三十年度決算より、これまでの実績管理に重点を置いた評価から成果とコストを重視した評価に転換し、客観的な指標に基づく評価を基本に行ってございます。また、併せて、区民、事業者との参加と協働の視点も含めた多面的な評価、検証を行ってございます。こうした評価の積み重ねを踏まえ、計画期間の節目における振り返りを経て、今後の計画策定に取り組む必要がございます。  次期実施計画におきましても、引き続き、参加と協働を測る評価軸や、区民の暮らしや福祉の向上などにつきまして、受益者である区民側の視点に立って取組効果が図れる成果指標を盛り込むなど、評価の手法に工夫を凝らしながら、今後、計画策定を進めてまいります。  次に、行政経営改革についてでございます。  現行の新実施計画における行政経営改革の取組につきましては、三つの基本方針と十の視点の下に体系化を行ってございます。これらの基本方針の視点は、普遍的かつ網羅的な内容になっており、次期実施計画におきましても、引き続き、基本的体系を堅持し、継続的かつ長期的な視点に立って行政経営改革に取り組んでいくものと考えております。  今後、策定を進めていく次期実施計画におきましても、御指摘の民間活用などを含めた現計画の達成状況等の検証を踏まえながら、社会の価値観や区民ニーズの変化等に合わせて各視点を捉え直し、コロナ禍により表面化した新たな行政課題への対応、DXの推進、新庁舎建設を契機とした働き方改革を軸として、次期基本計画を見据え、行政経営改革の取組を計画に反映してまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 再質問します。  まず区長に、区長の見解をしっかり区民に示していただきたく伺います。  オリパラ開催について、感染拡大、医療機関の逼迫、さらに区民の命が脅かされるリスク、どのような認識か、どう区民を守るのでしょうか。昨日は、学校連携観戦に対し非常に厳しいと判断を示しました。では、区主催のコミュニティライブサイトはどうするのか、命より最優先、命より優先するものはなく、中止を求め伺います。  そして、教育長に再質問いたします。  学校連携観戦については、いつ実施の可否を判断するのでしょうか。リスクがあって、子どもの安全を最優先に、ぜひ決断を求めたいと思います。  以上、伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員の再質問にお答えをいたします。  昨日も答弁いたしましたが、区内で行われるUSOPC、アメリカのキャンプ、聖火リレー、そのほかについて、区民に対してしっかりと感染防止対策の説明をする責任、必要があると認識しておりまして、東京都組織委員会と協議を尽くしていきたいと思っております。  具体的には、副区長からも昨日説明したとおり、アメリカ選手団の受入れについては、その占有エリアを明確に分けて、そのエリアに対しては専用車両のみで移動をするということで、チェックポイントの出入りになるということでリスクを最小化すると、こういった体制を取ることも区民にしっかり説明をしていきたいと思います。  また、学校観戦についても、昨日答弁したように、やはり英国株、インド株の猛威、公共交通機関の利用、そして熱中症の対策等で、極めて大変で困難な状況だと認識しております。お尋ねのコミュニティサイトにつきまして、先ほど副区長から答弁がありましたが、基本は感染防止、リスクの最小化ということを念頭に置いて最終的に判断をしたいと思っております。 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  これまで各学校においては、運動会等の行事を含めた教育活動については、区教育委員会が作成したガイドラインに基づき、子どもたちの安全安心を第一優先に進めてまいりました。  区教育委員会といたしましては、昨日の区長の答弁もございましたが、具体的対応について、速やかに区長部局や校長会とも協議、調整を行い、子どもの安全を最優先に実施の可否などを判断してまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 終わります。 ○下山芳男 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十六番ひえしま進議員。    〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(ひえしま進 議員) 以下、通告に基づき質問いたします。  近年、急増する教員による児童生徒へのわいせつ行為を防ぐため、先月五月末、懲戒免職になった教員に免許を再交付しない権限を各都道府県教育委員会に与える教員による性暴力防止法が成立しました。この新法は、教員のわいせつ行為を児童生徒性暴力と定義し、相手が性行為の同意能力があるとされる十三歳以上で、たとえその同意があったとしても、教員による性交やわいせつ行為は性暴力であると位置づけたことも大きな特徴であります。しかしながら、つい先日も、足立区の男性の小学教員が勤務先の女子トイレに小型カメラを仕掛け女児を盗撮して逮捕、また、北海道の標津町では、同じく男性の小学教員がマッチングアプリで知り合った女子中学生と性行為を行い、逮捕、懲戒免職となっており、教員の子どもに対するたがが外れた異常行動はとどまるところを知りません。  現在まで世田谷区立の学校ではこうした事件は報告されていないとのことですが、当然のことながら、安心してよいわけはなく、潜在的な性犯罪の可能性を常に念頭に置き、その防止に全力を注がなければなりません。  言うまでもなく、教員によるわいせつ行為は、被害を受けた児童生徒に魂の殺人と呼ばれるほどの極めて残酷な傷跡を残すものであり、被害者はPTSDを発症するなど、一生その悪夢に苦悩することとなり、その卑劣な所業は絶対に許されるものではなく、何度指弾してもし過ぎることはないと考えます。  まず、教員に対して、わいせつ行為防止の観点から、どのような研修、教育を行っているのかお聞きします。  先週、四年間で数十回ものわいせつ行為を行い、処分された大分県の公立中学の男性教諭もそうでしたが、性的欲望を満たす教員に共通する手口は、LINEなどのSNSを使い、信頼関係を悪用して児童生徒の心を巧みに篭絡するというものであります。  そこで、教員と児童生徒との間でのSNSのやり取りについて、区内の学校では、教員、児童生徒双方にどのような指導をしているのか、また、児童生徒がわいせつ行為の被害に遭った場合、あるいは疑問を持つような行為をされた場合の相談窓口はどのようになっているのか、併せて答弁願います。  極めて残念ながら、児童生徒への性暴力による人権侵害は、教育現場のみならず、本来は最も子どもたちの生命、身体を守るべきはずの児童相談所においてさえも発生しております。二〇一九年には、仙台市の児相職員が未就学の少女二人に下半身を触らせるなどし懲役三年の実刑判決を受け、昨年は、福岡市の児相職員に対して、十四歳の少女にわいせつ行為をした罪で執行猶予四年の有罪判決が下されました。そして、今年はつい先月、横浜市の児相の二十代の男性職員二名が一時保護した十代少女に対して下劣な行為を犯した容疑で、それぞれ児童福祉法違反と県青少年保護育成条例違反で逮捕されました。この事件でも、職員は少女とSNSのやり取りを通じて関係を築いていったことが明らかになっております。  翻って、我が世田谷区の児相において、こうした事件は絶対に起きてはならないわけですが、まず、児相では、職員に対してどういった研修、教育を行っているのかお聞きします。そして、職員と保護した生徒児童の間でのSNSの使用についてどのような取り決めになっているのか、また、子どもが被害に遭った場合、あるいは何らかの相談をしたい場合の手段は何があるのか具体的にお答えください。  教育現場にせよ、児相にせよ、これに携わる職員は、確かな倫理感と強い道徳心を持って、社会の期待に応えるよう強く要望します。  昨年公表された二〇二〇年版犯罪白書の特集は、大麻や覚醒剤にまつわる薬物犯罪についてでありました。一九年の検挙者は、覚醒剤取締法違反が四十四年ぶりに一万人を下回った一方、大麻取締法違反は四千五百七十人で統計開始以来最多、そのうち二十歳未満の検挙者は前年比四一%増の五百九十五人に上り、覚醒剤の九十二人を大幅に上回りました。大麻が大学生や高校生に広がっている実態が浮かび上がっております。  検挙された人のうち八割が危険性は全くないか、あまりないと考えていたとの調査結果があり、インターネット上での大麻は覚醒剤と違って害はないとの誤った情報、また、自家栽培の仕方などが流布されていることが大麻乱用を拡大させている一因だと言われております。また、入手も比較的簡単で、SNS上では、大麻を葉っぱや野菜と呼んで気軽に取り引きされているなど、長期にわたるコロナ禍で様々なストレスを受けているということもあり、そのはけ口を薬物に求める傾向が強まっていることは否定できません。このような青少年を取り巻く環境は悪化の一途をたどっており、これまで以上に早い段階からの正しい知識の普及と注意喚起が急務だと考えます。  そこで、世田谷区の教育現場では、これまで薬物に関してどのような指導、啓発活動を行ってきたのかお聞きします。特にツイッターなどSNSに関してはどのように注意を促していくのか、答弁をお願いします。  同じく区全体としてどのように取り組んできたか、また、これらの現状を踏まえて、今後どう取組を強化していくのかも併せてお願いいたします。  新型コロナの感染拡大と、これに伴う数度にわたる緊急事態宣言は、私たちのライフスタイルに大きな変化をもたらしました。その最たるものは、在宅の長時間化であります。このため、区内でもペットを飼う方が急増しております。犬や猫との生活は私たちの人生に豊かな時間を与えてくれるものであり、人間と動物の双方にすばらしい出会いがあることは歓迎すべきことであります。しかし、極めて悲しいことに、飼育する人々が増えるにつれて、遺棄される犬や猫が増加していることもまた事実であります。購入先の多くはペットショップ、次いでブリーダーでありますが、そのほかに保護犬、保護猫という形で、動物愛護団体のNPOから譲り受けるという方法があることを広く知っていただきたいと思います。  愛護団体の多くは、無責任な飼い主から様々な理由で捨てられた動物を保護し、体を清潔にし、健康を回復させ、さらにしつけを施し、新たな飼い主に譲渡する活動をしております。一般的にペットショップから犬を購入する場合、生まれて数か月の子どもの段階で引き渡されるため、飼い主が一からしっかりしつけを行わなければなりません。しかし、ここが最大のハードルとも言え、しつけに失敗すればただの言うことを聞かない犬に成り下がり、愛情が薄れ、遺棄するというパターンが多数を占めます。  しかし、保護犬の場合、ほとんどが成犬であり、性格もはっきりし、その上で動物愛護団体でしつけを行い、トライアル期間を設けるなど、飼い主となる人とのマッチングに重きを置いてくれるので、比較的相性のいい、飼いやすい犬と出会うチャンスがあります。当然、虐待を受けて心を閉ざしている、あるいは疾患を持つ犬や猫もいますから、保護犬、保護猫を受け入れる際には、それ相応の覚悟が求められます。とはいえ、保護犬、保護猫を迎えるという選択肢は、我々が動物とともに暮らす上で新しい見地をもたらすもので、これまで以上に一人でも多くの人にその存在を知っていただく必要があると考えます。  まず、保護犬、保護猫について、これまでどのような取組をしてきたのか、保健所にお聞きします。また、今後、愛護団体との関係をどのように強化し、啓発活動を行うのかお答えください。  さらに、小学校など教育現場で、早い段階から子どもたちと接点をつくることも重要であります。例えば愛護団体と連携し、保護犬、保護猫と触れ合う場、あるいはなぜ保護犬、保護猫が存在するのかといった社会的な背景を学ぶ機会として、動物愛護の精神を涵養する授業などを行うことを強く要望しますが、見解を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎粟井 教育政策部長 私からは、八点ほどお尋ねがございましたので、その件につきましてお答えさせていただきます。  まず、教員のわいせつ行為防止に係る教員への研修内容についてのお尋ねでございます。  教員の服務規律の厳守につきましては、毎年、年度当初に各学校に服務関係の通知を送付し、管理監督及び事務の取扱いについて適正に行うよう指示を行うとともに、校内におきましては、東京都教育委員会の作成した服務に関するガイドラインを活用した研修を実施し、服務事故防止のさらなる徹底を図っているところでございます。さらに、毎年二回、服務事故防止月間を設定し、服務事故の事例に基づき具体的な対応策等を考える研修や、教職員や管理職による自己点検などを実施したり、教育委員会主催の全ての研修におきまして、体罰防止等の服務に関する短時間の研修を設けたりして、教員一人一人が服務事故のもたらす影響の大きさについて理解を深めるようにしているところでございます。  続きまして、教員と子どものSNSのやり取りにつきまして、学校への指導の状況についてのお尋ねでございます。  SNSの利用を背景といたしまして、子どもに対するわいせつ行為やセクシャルハラスメントといった服務事故につながる事故が発生していることから、文部科学省より、私的なSNS等を用いた子どもとのやり取りの禁止につきまして改めて示されたところでございます。  教育委員会といたしましては、校長会等において、児童生徒との連絡方法や情報共有の仕方に関し、私的なSNSを使用しないことについて再周知をし、校内研修で徹底するなど、服務事故の未然防止に取り組んでいます。  続きまして、子どもにも教員とSNSのやり取りをしないと伝えるべきというお尋ねでございますが、学校は、子どもの抱える様々な問題に対しまして、SNSで相談を受けるのではなく、担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどの複数の教職員が直接に対応することで早期対応や問題の深刻化を防ぐことにもなり、関係諸機関との連携を図りながら、学校全体で対応しております。また、教育委員会といたしましては、学校の抱える問題に対して、相談方法を選択できるような複数の窓口を掲載しているリーフレットを定期的に配付するなど、教員以外にも相談しやすい環境を整えられるよう支援しております。  続きまして、子どもからの相談窓口に関するお尋ねでございます。  世田谷区では、世田谷区立学校等における児童・生徒等に関するハラスメントの防止に関する要綱を定め、教育委員会内に児童生徒や保護者等から相談、苦情を受ける窓口を設置するとともに、各学校においても相談窓口を設置し、男女一人ずつの合計二名の校内相談員を配置しております。  教育委員会といたしましては、教育委員会や学校の相談窓口のほかにも、せたがやホッと子どもサポートなど、第三者による相談機関について児童生徒や保護者に周知しているところでございますが、より相談窓口を利用しやすくできるよう、配付したタブレット端末の活用を含め、周知や相談方法などについて検討してまいりたいと思います。  続きまして、今後の取組強化の件のお尋ねでございます。  教員は公教育に携わる者といたしまして、一人一人がその使命と職責を深く自覚し、全体の奉仕者としての原点に立ち返り、自己の職務を正しく理解した上で、誇りと責任を持って自己の職責を全うし、児童生徒、保護者、区民等の信託に全力で応えていかなくてはなりません。とりわけ児童生徒への性暴力は、教育に携わる者として決して許されるものではございません。  教育委員会といたしましては、今後とも様々な機会を通して、服務の厳正と服務事故の根絶を図るよう取り組んでまいります。  続きまして、教育委員会におきます大麻など、薬物使用に関する啓発活動の現状についてお答え申し上げます。  近年、都内におきましては、毎年一、二名の中学生が薬物事案で検挙されておりまして、高校生になるとその数は増加するということを考えますと、小中学校においても、薬物についての危険性、有害性を正しく理解することが重要であると考えております。現在、全ての区立小中学校では、薬物乱用防止教室を開催しております。講師に警察署員や薬剤師、また、薬物依存症のリハビリや啓発活動を行っているNPO法人の東京ダルクなど外部の専門家をお招きして、薬物乱用の恐ろしさについて子どもたちが考えることができるよう、機会を設定している学校もございます。  薬物乱用は、全国どこでも、誰でも、身近に起こり得る問題との認識を持ち、家庭、地域との連携を深めながら、薬物使用に関する一層の指導の充実に努めてまいります。  続きまして、薬物から青少年を守る取組に関しまして、SNSの取扱いでございます。  教育委員会では、子どもたちが情報の取扱いの危険性を認識し、情報を適切に活用できるようにするため、全小中学校でネットリテラシー醸成講座の開催や「SNS東京ノート」の配付等に取り組んでおります。その中で、不用意な文章や写真、動画の投稿が自分だけでなく他人の個人情報の流出にもつながった事例や、過激な投稿が重大な事態につながった事例を通じて、子どもたちにSNSの危険性を考えさせております。また、保護者向けにもネットリテラシー醸成講座を行っておりまして、保護者とも連携しながら、子どもたちが情報社会の一員として適切に情報と関わっていくことができる力を育成してまいります。  最後になります。保護犬、保護猫に関する啓発活動についての教育委員会の取組でございます。  保護犬や保護猫について殺処分の現状等を理解したり、実際に触れ合ったりすることは、適切な飼育の実態を知る機会であると認識しております。  今後、教育委員会といたしましては、校長会等で保護犬や保護猫についての情報等を提供してまいります。  以上でございます。 ◎土橋 児童相談所長 私からは、世田谷区の一時保護所の職員の研修やSNSでのやり取り、子どもの相談窓口についてお答えいたします。  一時保護所では、毎年、新規採用職員等を対象に、職員として身につけるべき倫理感や服務規程、職員による入所児童への暴行や暴言などの施設内虐待が起きる原因と予防策について研修を行うとともに、子どもへのケアや子どもとの距離の取り方について、外部の研修に参加し、知識を深めております。一時保護児童の携帯電話は、保護中は児童相談所で預かるため、一時保護所内でSNSなどのやり取りはできません。併せて、子どもの生活支援は原則、同性の職員が行うこととし、性的事故を防ぐ体制を取るとともに、職員と児童の間でのプライベートな連絡先の交換や連絡をしないよう、職員へ周知徹底を図っております。また、一時保護中の子どもの様子は、児童福祉司や児童心理司が定期的に面接等で把握するとともに、弁護士等による第三者委員が毎月一時保護所を訪問し、子どもの意見や要望を聞いたり、せたがやホッと子どもサポートに子どもが直接相談できる体制も構築しております。  議員御指摘のとおり、こうした事件は起きてはならないことであり、職員の意識や知識が何よりも重要であるため、職場内での研修を通じて、職員に繰り返し意識づけることで、事件を未然に防ぐことに努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、まとめて二点、まず薬物乱用防止についてお答えいたします。
     初めに、啓発活動の現状です。大麻をはじめとした違法薬物は、使用すると心身の依存を生じ、健康に重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。青少年の薬物乱用防止に向けて、区は、薬剤師会、医師会や中学校PTA連絡協議会等の委員による薬物乱用防止推進世田谷地区協議会とともに、その危険性を普及啓発するためのリーフレットを作成し、区内の小中学校に配付をしております。また、中学生に向けては、毎年七月頃に薬物乱用防止のポスターと標語を募集し、十月にはポスターの最優秀作品を二子玉川駅前地下道に展示し、街頭での啓発活動を行っております。  次に、薬物乱用防止の今後の取組についてです。薬物乱用防止推進世田谷地区協議会では、これまで各種イベントの機会を捉え、街頭啓発活動を行ってきましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、イベントが中止や規模縮小となる中、現在、中学生のポスター展示を除いて対面での活動は難しい状況にございます。当該協議会の中には、薬物乱用防止や、昨今の子どもを取り巻く状況を把握している委員も多いことから、今後、その委員の方々の御意見等を踏まえながら、ホームページや区のSNSも活用し、より効果的な啓発活動を行えるように工夫してまいります。  次に、二点目、保護犬、保護猫に関してお答えします。  まずは啓発活動の現状です。家庭で飼育される犬の新規登録数は、平成三十年度が二千六百八十八頭、令和元年度が二千七百二頭とほぼ横ばいに対し、令和二年度は三千八百八頭と、前年度比で約千百頭の増加と、新たに犬を飼う家庭が顕著に増えている現状がございます。このような状況下、保護犬、保護猫を増やさないために、飼い主に対しては、不妊去勢手術の案内など適正な飼育に関する啓発が必要と認識しております。  保健所では、愛護動物に対する知識や考え方を周知し、人と動物との共生を推進するため、毎年九月の動物愛護週間の庁舎内でのパネル展示のほか、小中学校への啓発ポスターの掲示の依頼など、動物愛護の意識啓発に取り組んでおります。一方、保護犬、保護猫を引き取りたいと区民から問合せを受けた際には、東京都動物愛護相談センターの譲渡会について御案内をしております。  最後に、保護犬、保護猫に関するNPO団体等との連携についてお答えをいたします。区では、健康上の理由から、ペットの飼育が困難であるなど、飼い主や近隣からペットに関する相談があった場合には、飼い主等を訪問して、おのおのの事情をお聞きし、原因の解決に向けた助言を行っております。また、日頃から動物関連のNPO団体と情報交換を行っており、具体的な相談の際にも協力を依頼し、連携して対応しております。今後、それらの団体と協働した保護犬や保護猫への取組についても可能性を研究してまいります。  私からは以上です。 ◆三十六番(ひえしま進 議員) 教育現場での教員と児童生徒との間のSNSのやり取りなんですけれども、これは文科省から私的なやり取りは禁止すべきだという通知が来たということですけれども、では、公的だったらいいのかと。つまりSNSのやり取り自体は禁じられていないという認識でいいのか教えてください。 ◎粟井 教育政策部長 教員と児童生徒とのやり取り、SNS上のやり取りというものは、やはり私的なやり取りというものが想定されることから、やっぱり本来的に望ましくないものと受け止めております。 ◆三十六番(ひえしま進 議員) SNSの運用に関しては、厳しく指導をしていただきたいと思います。  あと令和元年度から二年度にかけて犬の新規登録数が一千百頭増加したとの答弁でしたが、これは大変な増え方だと思いまして、ここから飼育放棄がなされるという予想ができると思います。そうなる前に、飼い方の相談があった場合はぜひとも丁寧にアドバイスしていただくよう要望し、質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でひえしま進議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次、質問してまいります。  まず初めに、下北沢駅周辺についてお伺いします。  下北沢駅東口では、駅前広場の整備が進んでいて、町の表情も大きく変わろうとしています。今思えば、下北沢駅前には、昔ながらのマーケットがあって、建ち並ぶお店一つ一つが個性的でユニークな下北沢らしさを演出していたことを懐かしく思います。また、下北沢は、音楽、演劇などの盛んな町として、今も昔もエネルギーにあふれた多くの若者が訪れる町ですので、時に行き過ぎた行動を取ってしまうことが多々あります。  昨今、コロナ感染拡大による緊急事態宣言下において、居酒屋の短時間営業や密を避けようと、公園や道路での路上飲みが問題となっています。特に下北沢では、若者による駅前での路上飲みが急増していて、飲んだ後のごみ問題など、コロナ以前と比べて、町の表情が悪化したように思います。地域の方からは、感染拡大の不安、酔っ払って話し声も大きくなるので、夜は怖くて駅前に近づけないといった声もあります。  四月二十八日になりますが、緊急事態宣言下、下北沢駅前での路上飲みなどの対応として、世田谷区が実施した啓発活動に私も参加しましたが、保坂区長さんも来られて、チラシ配りや声かけ運動を行いました。また、東京都においても、下北沢駅周辺の路上飲み対策として、警備員を派遣してくれています。また、今月の六月一日から六月二十日までは、世田谷区の二十四時間安全安心パトロール隊員四名がプラカードを掲示しながら巡回し、路上において、声かけなどの啓発活動を実施しています。  下北沢は、私にとっても昔からなじみのある思い出の町です。路上飲みによる感染拡大を防ぐことは当然のことながら、治安の悪化など、下北沢のイメージが悪くなるのは残念です。  そこでお伺いしますが、下北沢駅前における路上飲みへの対応や、町の安全安心に向けて、こういうことにどういうふうに取り組んでいくのかお伺いします。  そして、路上飲みとともに、下北沢駅前で気になるのが路上喫煙についてです。現在、下北沢駅東口には指定喫煙所があります。この指定喫煙場所は駅周辺で唯一の喫煙場所であるため、利用者が多くて、中には入れない利用者はその周辺で喫煙する状況が見受けられます。さらには、コロナ禍で密を避けるように喫煙場所に入らない利用者も増えているように感じます。また、路上飲みをしながらの喫煙も相まって、たばこのポイ捨て行為も目立つようになっています。これまでも、地元の方やボランティアの方々が清掃活動を行っている姿を見かけていますが、コロナ禍においても継続的に清掃活動に取り組まれている方々がいることに頭の下がる思いです。  喫煙できる店舗が減っていて、また、道路等の公共空間での喫煙も禁止されているため、喫煙場所を確保することはもちろん、併せて利用者にはルールをしっかりと守ってもらうことが必要だと思います。路上飲みと同様に、下北沢の町のためにも対応を求めます。  そこでお伺いしますが、指定喫煙場所の利用状況の改善に向けて、区はどのように取り組むのでしょうか、お伺いします。  次に、ヘルパー事業所やケアマネジャーが勤務する事業所の皆さんの新型コロナワクチンの優先接種についてお伺いします。  今回私は、ぜひとも早い段階でワクチン接種をしたかったため、四月十六日の世田谷区のお知らせ、新型コロナワクチン接種特集号を確認し、事前に郵便で届いた接種券を片手に、四月二十八日、ワクチン接種の予約受付の初日、朝八時半から夜の八時まで何百回と申込みの電話をかけましたが、今、電話が混み合っていますのでもう一度おかけ直しください。何回かけても、今、電話が混み合っていますのでもう一度おかけください。何度でも同じ答えです。本当に飽きました。夜八時まで一度たりとも電話はつながりませんでした。  落胆して、その夜、次男の息子にワクチン接種の予約の電話が全くつながらなかったと話したところ、息子がインターネットで予約をしてくれたため、おかげさまで先月の五月三日と五月三十日、五月三日は午前十一時、そして五月三十日は午後の三時、大蔵第二運動場でコロナワクチンの予防接種を終えることができました。  私は、幸い息子に申し込んでもらったために予約ができましたが、四月二十八日、幾ら電話をしてもつながらない、途方に暮れた世田谷区の高齢者の方がどれぐらいいるのか分かってほしいと区の方には思います。皆さんの住んでいる近くのまちづくりセンターでのインターネット予約申込み支援を行っていますので、予約にお困りの方はぜひ御相談してください。まちづくりセンターの入力支援をもっと早くからやってほしかったとつくづく思う次第です。このように、私のように七十五を過ぎた高齢者については、予約受付と接種が進んでいるところです。  一方で、毎日、高齢者のお宅を訪問している六十五歳未満のヘルパーさんやマネジャーさんについては、昨日六月十五日から十九日にかけて接種券を配付すると伺いました。うちにも昨日、かみさんのほうに来ていました。国が決めた順番とはいえ、高齢者の対応をしているヘルパーさんやケアマネジャーさんが早めにワクチン接種をして、安心して仕事に従事してもらうことはできないものでしょうか。介護に関わる人材の成り手不足も深刻です。  そこでお伺いしますが、ヘルパー事業所やケアマネジャーが勤務する事業所の皆さんへのワクチン接種をできるだけ早くやっていただきたいと思います。どのような手続で進んでいるのか、現状をお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎木本 北沢総合支所長 私からは、下北沢駅前における路上飲みへの対応などについて御答弁申し上げます。  路上飲みは、特に下北沢のような繁華街において、新型コロナ感染の拡大リスクを高めることや、夜間の騒音やごみの放置、また、治安の悪化につながるとの地域の声もあり、区としても、東京都、警察等とも連携して対策に取り組んでおります。  議員お話しの四月二十八日には、ゴールデンウイーク中の人流抑制に向けた区独自の取組として、下北沢駅前ほか区内二か所において、区長をはじめ、特別職、区職員が参加した啓発活動を実施するとともに、下北沢駅周辺では、五月七日にも東京都、警察、消防とも連携した啓発活動を行いました。また、路上飲みはやめてというポスター掲示とともに、緊急事態宣言延長に伴い、六月一日からは、世田谷区二十四時間安全安心パトロール隊員が夜間に駅前を巡回して声かけを行うなど、注意啓発活動を実施しているところであり、明後日も改めて東京都とも啓発活動を行う予定です。  コロナ禍において下北沢のイメージを損ねることなく、安全安心を確保するために、地元町会、商店街との定期的な防犯パトロールなどとともに、引き続き関係機関と連携しながら粘り強く取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎清水 環境政策部長 私からは、指定喫煙場所の利用状況改善に向けた取組について御答弁申し上げます。  区では、喫煙する人としない人が相互に理解を深め、区民協働により地域のたばこマナーが向上する町の実現を目指し、取り組んでおります。下北沢駅東口周辺のたばこ等のポイ捨てにつきましては、町の環境美化活動の中で、地元の方やボランティアの方々の御協力の下、清掃活動を行っていただいており、大変ありがたく思っております。  御指摘の利用状況の改善につきましては、喫煙者を分散させることを主眼に周囲に煙や臭いが漏れにくいトレーラーハウス型による喫煙場所二か所を七月に設置予定でございます。引き続き、環境美化指導員による路上喫煙者への巡回指導も行いながら、世田谷区たばこルールをより実効性の高いものとし、喫煙者のマナー向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、ヘルパーやケアマネジャーへのワクチンの優先接種についてお答えいたします。  国より優先接種の考え方が示されたことを受けまして、ヘルパーやケアマネジャー等の居宅サービス事業所等の従事者を、本年四月に、医療従事者、高齢者に次ぐ優先接種の対象者とすることといたしました。具体的な事務の流れといたしましては、四月三十日に居宅サービス事業所約八百七十か所に優先接種の申込み方法等についての通知を郵送しまして、六月十五日時点で三百九十八事業所、千三百五十五名の申込みがありました。対象事業所で従事していることなどの確認が取れた方には、六月十五日から十九日にかけて従事者本人に対しまして接種券を郵送し、接種券が到着次第、御本人の都合に合わせて接種会場を予約いただき、ワクチン接種を受けていただくという流れになっております。  高齢者に対し、日々介護サービスを提供している居宅サービス事業所等の従事者の皆様にワクチンを接種いただきまして、安定的かつ安心して業務を行っていただけるよう、今後も関係所管と連携して取り組んでまいります。  以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございます。下北沢は、小田急線、井の頭線ができて本当にきれいになりました。やっぱり一番汚いのがたばこを吸っている場所です。やっぱり雨の日なんかはかわいそうです。たばこを吸っている方は、昔は、たばこは区内で買いましょうと言っていて、一生懸命税金を納めています。それなのに、屋根なしで、雨で傘を差してたばこを吸っている姿を見ていたら、周りの景色と全く釣合いが取れません。ぜひたばこを吸う方にももうちょっと愛情をかけて、いい施設をつくってください。よろしくお願いします。  それと、今回、第二運動場まで行きました。二回行ったんですが、区の職員の方があれだけ一生懸命動いているのを初めて見ました。いや、これは珍しいです。確かに年寄りの方というのは、注射を打つ前になると、特に男の人はトイレに行きたくなるんですね。いなくなっちゃうんです。一生懸命職員の方がトイレに行ってお迎えに行って、ちゃんといろいろ手続をやってくれている姿を見て、世田谷区の職員というのは立派な方が多いんだなとつくづく思いました。これをぜひ継続してください。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十三分休憩    ──────────────────     午前十一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 初めに、世田谷区のDX推進と個人情報保護の重要性について質問します。  先月、国会においてデジタル改革関連の六法案が成立し、私たちは皆、この大きな社会変化の波に否応なく巻き込まれようとしています。政府も、地方自治体も、国民や住民の個人としての権利を守り、安心安全、幸福の追求の基盤を提供することがその使命です。デジタルトランスフォーメーションもまた、誰一人取り残されない社会づくりのツールの一つにすぎません。自分の権利を行使し、行政からサービスを受けるための申請手続が自宅のパソコンや手元のスマートフォンから、時間と場所にとらわれずできる便利さを先日来のワクチン予約を通じて多くの区民が実感する一方、この基盤に乗り切れない場合の不便さ、また、格差についても痛感することとなりました。今後も電子申請は可能なところから着々と進んでいくと考えられます。  電子申請を行うとき、申請者を特定する個人認証の全国的な基盤としてマイナンバー制度があります。自分が自分であることを公的にデジタル認証するためのデジタルの実印のような十二桁の番号です。私自身は、この実印に相当するようなものをカードの形にして、常時携帯するということに非常に違和感を覚えています。今、マイナンバーカード取得促進のためのマイナポイント付与や、マイナンバーカードに様々な機能を加えることでカードの普及を図っていますが、本来の機能である個人認証や個人の情報の利用状況確認、マイナポータルとしての信頼性こそがDXの基盤としては重要です。  そもそも個人カードという設計思想は、サービス提供も個人単位が基本です。しかし、番号の通知カードの郵送時点から世帯単位で通知が行われるなど、本当に個人を大切にできる仕組みになるのか、行政サービスの実務でうまく使われていくのか疑問がありました。昨年の定額給付金支給の場合も、申請はこの番号を使って可能でも支給は世帯単位であるなど、実務とのミスマッチがあり、大変大きな混乱が起こりました。  生活者ネットワークは、世帯主を代表者とした世帯単位ではなく、個人単位での権利保障の必要性を長年訴えています。支援を必要としている人が声を上げやすく、その人自身に必要な支援が迅速に届くために役立ってこその個人認証です。  国のマイナンバーの取扱いやシステムの構築がちぐはぐなため、区役所など基礎自治体の現場が苦労しています。この実態を踏まえ、区から国に対して声を上げ、区民目線、現場目線でのシステム再構築、「Re・Design」を促していく必要があるのではないでしょうか、区の見解を伺います。  御近所には知られたくないんだけれども、区の担当の方だからお話しします。そんな言葉で相談を受ける区の職員がたくさんいると思います。住民との接点の多い現場は、個人情報にあふれています。今後、こういった様々な個人情報がデータ化され、事務処理の外部委託なども進んでいくと考えられます。世田谷区においては、独自の個人情報保護条例によって、一つ一つの業務が個人情報保護の視点から妥当であるか、審議会の意見を聴く仕組みが機能してきました。昨年は、コロナ禍における異例の業務などもあったと聞いています。世田谷区情報公開・個人情報保護審議会の活動の現状と意義について伺います。  丁寧な個人情報の取扱い、個人情報保護に関する区の仕組みが区政への信頼を形づくってきました。今回、個人情報保護法の改正では、個人情報保護の様々な規制を原則的には国の基準に統一することが求められている一方で、自治体独自の仕組みに関して必要なものは認めると言われています。  世田谷区は、今まで大切にしてきた独自の制度に自信を持ち、区民のためにこの仕組みを堅持することを求めます。区の見解を伺います。  次に、差別や人権侵害のない世田谷を目指して質問します。世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行され、三年が経過しました。近隣の川崎市では、差別のない人権尊重のまちづくり条例が一年半前に成立しています。深刻なヘイトスピーチデモなどが行われてきた川崎では、公共の場所でのヘイトスピーチをなくすため、勧告、命令、公表、罰則までを書き入れた実効性の高い条例がつくられました。幾つかの点に注目し、世田谷区の人権保護の仕組みのさらなる向上を求めます。  川崎市の条例には、インターネットを利用した人権侵害全体に対して、被害の救済を図るための支援を市が行うことが書き入れられています。これはデジタル社会の進展に伴う弊害への対策を先取りしたものです。昨年の五月、女子プロレスラーの木村花さんがネット上の誹謗中傷により追い詰められ自殺に至った、あの事件をきっかけに総務省も相談体制を強化しようとしています。誰が悪意ある書き込みをしたのか分からなくても、プロバイダーなどを通じて削除依頼ができることなど、被害にあったら泣き寝入りしない啓発がまだまだ必要です。  世田谷区としても、今後、インターネット上の人権侵害や誹謗中傷から区民を守るための支援を強化していく必要があると考えます。見解を伺います。  ヘイトスピーチに関して、川崎と世田谷では状況は異なっています。しかし、昨年の東京都知事選において、ヘイトスピーチを繰り返したことで有名な団体の代表者が世田谷区において一万一千票以上を獲得しているということを見ますと、必ずしも対岸の火事と考えているわけにはいきません。川崎市では、条例の制定以前から、ヘイトスピーチ解消法に基づき、公園の使用不許可などできる対応を積み重ね、そして、最後に、川崎の実情に合わせ、このような厳しい条例をつくることとなりました。ヘイトスピーチ解消法が施行されて五年、あからさまなヘイトデモの回数は全国的に成立以前の十分の一の規模に減っている、その一方、インターネット上の誹謗中傷には歯止めがかかっていないと、昨日のNHKのニュースで報道されました。  世田谷区においても、ヘイトスピーチをなくすため、実効性のある取組を求めます。区の見解を伺います。  今定例会の私の質問では、デジタル社会の大きな流れの中、世田谷区としてどのように個人の尊厳を守り、世田谷区らしい特色を生かした新たな行政の価値を創造していくかということを巡って質問を組み立てました。自分についての情報は、その人自身のものです。デジタル化によって、その情報が本人の知らないうちに使われたり、移動や行動の記録が監視やストーカー被害につながったりするような社会を招いてはなりません。  皆様は、デジタルタトゥーいう言葉を御存じでしょうか。例えばプライベートの写真であっても、一度インターネット上に流出したデジタル情報は、まるで一生消えない入れ墨のように残ってしまうということを意味する言葉です。映像以外にも、言葉でもインターネット上に文字として残り、発言した人自身の将来に影を落とすことも起こっています。まして、人違いでインターネット上に悪意ある書き込みの被害を受けたような事例で、流出した誤情報を消し切ることはほぼ不可能です。SNSなどの匿名性に隠れて、自分が絶対正義であると勘違いし、人を断罪し、死ねとか出ていけなどの言葉を発信する危うさ、最近の小中学生が受けているような当たり前のネットリテラシー教育を受けていない世代にもデジタル社会のルールを周知していく必要があります。  デジタル社会が進む中、新たな課題が見え出した言葉による人権侵害の防止に対する区長の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高岡議員にお答えをいたします。  いわゆるネット社会における人権侵害、深刻化している現状について、見解をお話ししたいと思います。  インターネットの掲示板やSNSを通して、見ず知らずの人から突然、身に覚えのない中傷を受けたり、あるいは事実に反するうわさを流されたり、お話にもありましたけれども、名前が似ているということで全く関係ない事件と一体だと、こういったことを流された、そういう被害は一層広がっています。  木村花さんのお話がありました。そもそもテレビ番組を通して、その放送をきっかけに、見るに耐えないような攻撃が続き、その攻撃がやはり心を大変脅かして、そして、死んだほうがいいというような選択をされてしまった。大変繰り返してはならない悲劇だと思いますが、これは繰り返される土壌が現在の社会にあり、今はそういった事件化されなくても、SNSの投稿が基で居住地が特定され、例えば不特定多数に住所をさらされたり、あるいはつきまといや嫌がらせ、注文していないものが届くなどの被害を受けている方、これも大変多いと聞いております。  インターネットで発言する人の匿名性の攻撃が執拗に行われることがやはり原因の一つと思われますが、このネット上の中傷や、根も葉もない捏造されたうわさや、そして人格攻撃は許されるものではなく、不当な差別や理不尽な排除に苦しむ、このことを放置してはならないというふうに考えます。断固として止めるようにしたいと考えています。  私は、男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨にのっとって、区民一人一人が多様性を認め合い、人権が尊重される地域社会の実現に向けて、不当な差別や理不尽な排除を許さない、こういう覚悟で、この条例施行以降、取り組んでまいりますが、世田谷区民の中で、こういったネット攻撃、そして、亡くなる方の、約百人少しの方が亡くなっていますけれども、原因の中にこうしたことがなかったかどうか、これは大いに検証しなければならない。  区として、いわゆるネット社会の中における言葉の暴走、人権侵害、ここをどう取り組むのか、小中学生にタブレットを全員に配って、ネットリテラシーの教育も付しておりますけれども、そうした子どもたちだけではなくて、区民全体にそういったルールをしっかり示すとともに、ルール違反に対してどうするかということをちょっと課題として受け止めて、今後、検討していきたいと思います。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、マイナンバーによる個人認証システムの信頼性、実務との関連について御答弁を申し上げます。  行政手続に関する区民の利便性を高め、窓口業務の効率化を図るため、DX推進方針に基づく電子申請の利用拡充を推進する必要がございます。マイナンバーカードを利用した電子申請においては、カードとパスワードを利用した認証方式による個人認証となっており、現在、要求される情報セキュリティーの技術水準を満たしているものと認識してございます。行政手続のデジタル化に向けましては、マイナンバーカードによる情報セキュリティーの安全性を御理解いただき、安心して御利用いただけることが重要と認識してございます。  一方で、昨年度の特別定額給付金のオンライン申請では、申請者による多くの入力が必要だったこともあり、区では、誤入力等によりまして、内容確認の作業も発生いたしました。今後、国による説明会や二十三区の担当課長会などの機会を捉え、マイナンバーカードに関する手続の動向や安全性確保のための情報を共有するとともに、区といたしましても必要な要望を関係機関に伝えてまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、情報公開・個人情報保護審議会の現状についてです。  情報公開・個人情報保護審議会は、学識経験者や各種団体から推薦された委員、公募の区民組員など十四名で構成されております。審議会では、区における情報公開、個人情報保護の施策が条例に基づき適正に執行されているかについて専門的視点などから御意見をいただくほか、番号法に基づく第三者点検の役割も担っていただいており、昨年度は四十六件の事案を諮問し、審議していただきました。また、区の情報公開、個人情報保護の取組について情報提供や報告をさせていただいており、適正な事務執行が行われていることを確認していただいております。  次に、法改正に伴う個人情報保護の取組についてです。本年五月十九日に公布されたデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律により、個人情報の保護に関する法律が改正され、地方自治体に関連する部分については、公布の日から起算して二年を超えない範囲で施行される予定となっております。新たな個人情報保護法は、これまで全国自治体が条例などにより独自に整備してきた個人情報保護制度について全国的な共通ルールを導入するものとされておりますが、各自治体が条例により独自の規定を設けること自体を禁止しているものではなく、また、情報公開・個人情報保護審議会のような諮問機関を設け、個人情報の適正な取扱いを確保するために意見を聴くことなども可能となっており、引き続き様々な御意見を頂戴したいと考えております。  関係する政令、省令の改正や、国が今後示すとしているガイドラインの内容に関する情報収集に努めながら、新しい法律に基づく区の情報公開制度や個人情報保護制度の取扱いにつきまして、情報公開・個人情報保護審議会の意見も伺いながら検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、二点お答えいたします。  初めに、インターネット上の人権侵害についてです。  SNS等の普及により、匿名のまま不特定多数に向けて特定個人の誹謗中傷を行う行為は人権侵害であり、深刻な社会問題となっております。令和元年度、総務省が設置する違法・有害情報相談センターに寄せられた相談は約五千二百件、また、法務省が対応したインターネット上の人権侵害に関する件数は約千九百件に上り、十年前と比較して約三倍増加しております。一般社団法人セーファーインターネット協会では、誹謗中傷ホットラインを設け、相談者に対して削除依頼方法などのアドバイスを行っております。  区といたしましては、こうした国などの取組について、ホームページなどを活用し広く区民に周知していくほか、今後、若年層への意識啓発の手法について、男女共同参画・多文化共生推進審議会委員などから御意見をお聴きするなど、検討を行ってまいります。  次に、ヘイトスピーチについてです。  ヘイトスピーチは、人々に不安感や嫌悪感を与えるだけでなく、人間としての尊厳を踏みにじる差別と偏見に満ちた重大な人権侵害であり、決して許されるべきものではないと認識しております。区では、世田谷区多文化共生プランにおいて、多文化共生の意識づくり及び偏見・差別の解消を基本方針の一つに掲げております。この基本方針に基づき、教育委員会、国際交流センターなどと連携しながら、せたがや国際メッセなど様々な交流事業を実施し、異文化について理解を深め、人権を尊重し合いながら、ともに暮らしていける多文化共生への意識づくりを推進しているところです。  今年度、国においては、ヘイトスピーチ解消に向けた普及啓発ポスターを刷新すると聞いております。この活用を含め、区として、今後あらゆる機会を通じて偏見、差別解消の啓発に取り組んでまいりながら、不当な差別的取扱いへの対応として、多文化共生の施策に関する区民や事業者からの苦情や意見の申し立て、相談などにも引き続き対応してまいります。これらの取組を通じまして、区民一人一人がともに多様性を認め合い、人権が尊重される社会の実現を目指してまいります。  以上です。
    ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 御答弁いただきまして、区長から、本当に急速なデジタル化が進む中で、人権を守っていくためにこれから検討しなければならない課題があるということを言っていただきました。ぜひ実効性のあるヘイトスピーチを含めた人権侵害の言説、ネット上の言説を止める方法について、これから積極的に研究し、実効性のあるものにしていただきたいと思います。  区の持っている個人情報を基にして、このような間違った誹謗中傷とかが起こるということを私は非常に恐れております。個人情報保護というのは、単純に身近いことではなくて、最終的にそれが元になって何か非常に大きな人権侵害が起こったときに大変なことになる、そのことを自覚していただいて、個人情報保護の今の制度をきちんと堅持していただくことをさらに求めて、私の質問を終わらせていただきます。 ○下山芳男 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十六番河野俊弘議員。    〔十六番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆十六番(河野俊弘議員) 質問通告に従い、順次質問します。  初めに、せたがやPayについてお聞きします。  今定例会で、せたがやPayについての経済産業部長の答弁の中で、利用可能店舗の拡大を図るため、区は今後、二千店舗を目標とし、委託事業者へのインセンティブやさらなる個店応援プロジェクトを今後進めていくとしています。現状、区が課題として捉えている利用可能店舗拡大について、せたがやPayだけに言えることではありません。コロナ禍での様々な販促・啓発行動は、一工夫も二工夫もしなければ厳しい状況にあります。しかしながら、二〇一九年からの丸々ペイと言われたそのブームは記憶にも新しく、キャッシュレス推進協議会が公表した実績によれば、コード決済の二〇一八年の年間取扱金額は千六百五十億円の水準でしたが、一年後の二〇一九年のキャッシュレス・消費者還元事業による政策的な追い風にも乗り、二〇二〇年は一月から九月までの九か月ベースで取扱金額は二・八兆円に到達し、年間ベースでは四兆円、二〇一八年と比較すると実に二十倍に拡大をしました。経済産業省が公表したキャッシュレス・ビジョンで、二〇二五年までにキャッシュレス決済比率を四〇%に、将来的には世界最高水準の八〇%を目指すとしています。  そのような中で、区独自のキャッシュレスシステムについては、他民間のキャッシュレスシステムと同じ土俵、同じ分野での競争相手になるのではなく、官民それぞれが創意工夫を凝らした方策を通じて、区内はもちろん、社会全体のキャッシュレス普及拡大を図らなければならないと考えます。利用可能店舗の拡大については、各店のキャッシュレス決済の導入実績が既にあることや、また、新たな決済方法を増やすことへの抵抗感などが言われていますが、利用可能店舗を増やしていくということは、せたがやPay利用者も増やしていくことも同時に進めていかなければなりません。せたがやPay、使えますかというようなお客様からの問合せが増えていくことが店舗側にとって大きな導入のきっかけとなり、顧客から対応が促されることが重要であります。  そこで、まず利用者側にとってより使いやすい機能の拡充が必要と考えます。一つ目は、チャージ方法です。現在のチャージ方法についてはセブン銀行からのチャージのみとなっていますが、アプリ内でのクレジットカード、ネットバンキングからのオートチャージ機能を含むオンラインでのチャージ方法の拡充、あるいは地元信用金庫各社を含む銀行窓口やATMでのチャージ対応、さらに、せたがやPay加盟店での店頭チャージ、さらに区内二十八か所のまちづくりセンターにチャージ機を設置するなど、チャージ方法の多角化が必要であると考えます。区の見解を伺います。  そして、利用先についてですが、現在は利用可能な加盟店に限られていますが、区の共通通貨として、住民票等の様々な公的書類の発行手数料や公共料金、施設使用料などの納付に利用ができるようにしていくことも必要ではないでしょうか。民間では成し得ない区内共通通貨としての付加価値を創出するために、消費者目線、区民目線に立った区内共通通貨として目指すべきものを明確にしていくべきと考えます。区の見解を問います。  次に、教育分野DXによる学校連携、全世代型交流の推進について、質問及び提案します。  タブレットが児童生徒一人一人に配備をされ、ズーム等のオンライン活用は、これからさらに加速をしていかなければなりません。昨年からコロナ禍の影響により、コロナ前に通常区内の各学校で行われてきた対面で行うものは軒並み延期もしくは中止を余儀なくされてきました。しかしながら、このたび低学年までタブレットが配付されたことで、今学期において、これまで対面では難しい交流の見直しも新たにオンラインを通じて可能になってきました。ズーム等のオンライン会議システムを活用し、同学校内での異なる学年との交流はもちろん、区内外のタブレット導入校との交流、さらには海外との交流という観点から、姉妹都市交流の在り方についてもオンラインを活用することができるのではないでしょうか。  教育分野のみならず、さらには区内の保育施設、高齢者施設や障害者施設等の世代を超えた様々な方との交流を、これはシティズンシップ教育やキャリア教育の一環としても非常に有意義であり、交流を通して、相互に有意義かつ相乗的効果が期待をできます。様々な交流を推進していくべきと考えますが、区の見解を伺います。  今申し上げた多世代交流など、GIGAスクール構想に基づく様々な取組、今後の教育DXの展望については、これまでの教員一人一人の多忙化の解消と業務の効率化が不可欠と言えます。先月末、我が会派の勉強会に、佐賀県庁等で情報企画監などを歴任され、佐賀県を県庁電子自治体日本一に導いたヨムジョンスン氏を講師としてお招きし、DXについてのオンライン講義を受けました。その中で、ヨム先生が教育分野におけるDXについてこのように述べています。教育情報化は教具のICT化ではない。デジタル時代は正解を覚える能力を鍛えるのではなく、正解とは何かを悩む能力を育てるのが重要であるということ。そのためには新しい教え方が大切であり、教師が新しい教え方を学ばなければならない。教師の勤務条件は今でも劣悪であり、勤務環境を改善、教えるための準備時間を確保してあげることが必要であり、そのためには制度改善と教師に対する再教育、そしてコンテンツ制作環境の提供、つまり素材となるコンテンツなどの提供が必要であるということです。さらには、教育基本法の精神に合わせて、全ての学生に平等に学べる環境の提供のための学習水準に合わせた学習コンテンツと端末、通信回線への各種環境提供が必要だということです。  そのためにも、まず教育委員会内での業務の棚卸しを行い、学校との連携をより円滑、効率化を進めていくことで、さきに述べた教員の勤務環境の改善とともに、デジタル教材の様々な準備時間をしっかりと取ることができるのではないでしょうか。  教育環境を整えていく上で、教育委員会の旧態依然の体制の見直し、業務の棚卸しは早急に行い、その率先垂範の姿勢を示して進めていくべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて伺います。  三軒茶屋地区再開発を進めていく中で、要とも言える三軒茶屋二丁目地区の再開発、いわゆる三軒茶屋の三角地帯について、これまで議会で質問をしてまいりました。三軒茶屋の再開発は、区にとって重要な三つのかけ橋の役割を担う。一つは、日本の高度成長を支える大動脈の整備により分断された町の再生を図る南北のかけ橋、さらに三軒茶屋を支える区民の世代間交流を支えるかけ橋、そして、古きよき世田谷と未来の世田谷をつなぐこの三つのかけ橋です。  広域生活文化拠点として位置づけ、これら三つのかけ橋をつなぎ、どれだけ多くの方々が一堂に会することができる、九十二万を超えた大都市世田谷にふさわしい集会、交流、懇談の場を整備し、従来の規模を超えた整備について、ホテルの誘致等、官民連携の視点から様々なノウハウを他区からも取り入れ、それが新たな広域生活文化拠点としての位置づけを、世田谷東の玄関口と言われる三軒茶屋の役割ではないでしょうか。世田谷区にとって、今までにない本来あるべき九十二万大都市としての機能を持つことができる、これは最後のチャンスなのです。生まれたときから慣れ親しみ、ずっと身近な三軒茶屋という町を将来につなぐため、この再開発を止めることなく推し進めるべきであります。  しかし、コロナ禍での取組の進捗は、直近で行った一月のオンラインでのまちづくり会議を最後に、現在新たな取組はいまだ示されていません。停滞期とも言える今、再開発地域近隣の小さなまちづくりから大きなまちづくりにつなげることで、関係各所のみならず、地域を様々な形で利用する全ての区民の機運を醸成していくべきと考えます。区の見解を伺います。  しっかりと目に見える形での小さなまちづくりを進めていく上でも、国のほうから示されているスマートシティ構想における自治体向けの補助メニューの活用など、まちづくりを推し進めるための方策を次々と講じていくべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎松村 技監 私からは、三軒茶屋駅周辺において、小さなまちづくりから大きなまちづくりにつなげることについてお答えをいたします。  区では、多様な主体が連携し、まちづくりに取り組むための基本計画となる(仮称)三茶のミライの策定に向け、区民、事業者、町会、商店街、大学などが参加するまちづくり会議を積み重ね、新たな連携が生まれてきております。本年一月に開催したまちづくり会議では、オンラインツールの活用により多くの参加を得て、町会やNPOなど、町で活躍する団体の活動を紹介し、情報共有や活発な意見交換を図りました。町の未来像の実現に向けて、みんなができることから始め、一つ一つの取組を継続し、積み上げていくことが大切であることを共有いたしました。この町の未来像の実現に当たりましては、三軒茶屋駅周辺に関わる様々な方の町に対する関心や機運をさらに高めていくことが欠かせないと考えておりまして、そのため、これまでの検討内容は、ニュースの発行やPRコーナーの設置などを通じまして広く情報発信に努めているところでございます。  区としましては、庁内の横断的な連携を図りながら、まちづくり会議の継続による新たな担い手の発掘や社会実験など具体的な小さな取組を展開し、多様な主体によるソフトとハードが一体となった大きなまちづくりにつながるよう着実に進めてまいります。  以上です。 ◎粟井 教育監 私からは、DXの観点からの業務の棚卸しに関するお尋ねにお答え申し上げます。  教育委員会では、DXの視点から既存業務の見直しを始めておりまして、校長会の定例会や役員会をオンライン会議化したほか、教員対象の事務説明会やICTの効果的な活用に関する意見交換会などもオンラインで積極的に実施するようにしております。また、保護者とのオンラインコミュニケーションツールの導入により、お知らせの電子配信や欠席連絡の受信を開始するなど、学校業務の効率化を進めております。  今後は、一層のペーパーレス化や校務支援システムの改善、タブレット端末の学習データの利活用、教育総合センターを拠点とする研修や支援体制の充実などを進めることで教員の負担軽減を図るとともに、児童生徒に向き合う時間を確保し、教育の質の向上を図ってまいります。  私自身も、国とのつながりも活用しつつ、デジタル改革担当部をはじめとした区長部局と緊密に連携しながら教育DXを推進し、学校業務の変革に主導的役割を果たしてまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 教育活動上のオンラインの活用についてのお尋ねでございます。  各学校におきましては、オンラインを活用した教育活動が進められてきておりまして、これまで外部講師を学校に招いて、対面で行っていた教育活動をオンラインで実施することで、外部講師の移動や授業の準備にかかる負担軽減を図ることも可能となります。さらに、現在、小中学校において、海外の大学生のインタビューや海外の中学生との交流等を行うなどの取組も行われている学校もあり、今後は、区内にある保育所や高齢者施設との交流も進めてまいりたいと思います。  新型コロナウイルス感染症を契機といたしまして、学校や教師の意識を変え、新しい学び、新しい教育システムの創造につながる改革のチャンスと受け止め、教育委員会としても取組をしっかり支えてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、せたがやPay関連で御答弁いたします。  議員御指摘のとおり、利用者を増やすには、利用者の利便性向上も並行して進める必要があると考えており、金融機関口座との連携などのチャージ方法の拡充や公金の支払いの機能の追加に向けた検討を進めています。併せて、区の窓口や公共施設等での支払いがせたがやPayで決済できるよう、早期実現に向けた検討をしているところです。  せたがやPayは、事業者と消費者間の決済のみならず、小売業と卸売業間の決済など事業者間の取引や、ボランティア活動やNPO等への寄附など、地域通貨的に活用し得る可能性を有しております。現在、年度内を目標に、このような活用ができる機能の構築を進めています。まずは八月より実施予定の新たなせたがやPayの事業において、せたがやPayの取扱店舗と利用者をこれまで以上に広げることで、区民や事業者に地域通貨として認識していただけるよう、産業振興公社、商店街振興組合連合会とともに普及に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎清水 世田谷総合支所長 私からは、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて、国の補助メニューを活用し推進すべきについて御答弁いたします。  これまで三軒茶屋駅周辺では、国の住宅市街地総合整備事業や東京都の不燃化特区制度などを活用し、道路、公園の整備や建築物の不燃化促進等のまちづくりに取り組んできました。こうした取組に加えて、現在、策定を進める三茶のミライで示す町の未来像実現のための取組の一つとして、商店街をはじめとした地域との協働による広場等オープンスペースを利活用するにぎわい空間創出のイベントや社会実験を実施する等、まちづくりの担い手が様々な形で関与できる推進体制の構築に取り組んでまいります。  区といたしましては、関係所管と連携を図りながら、三軒茶屋駅周辺の個性を生かした魅力あるまちづくりに向け、国土交通省の官民連携に関する推進のための制度活用等も研究、検討してまいります。  以上です。 ◆十六番(河野俊弘議員) 三軒茶屋の駅周辺のまちづくりについては、三軒茶屋という名前は非常にネームバリューがありますから、しっかりとそこら辺のブランド力というのを生かした取組をしっかり、地域の方との懇談を含めて得ているものがたくさんありますから、しっかり進めていただきたいというふうにお願いしたいと思います。  せたがやPayについてなんですけれども、一点、ちょっと確認になるか分かりませんが、社会全体のキャッシュレスを推進していくという意味で、先ほど公的な書類だったりとか、公共料金等、あと窓口で支払うことができるようにしていくということもありますけれども、例えばそこに関しては、利益などはやっぱり度外視をしていただいて、地域の共通通貨として区民に使っていただくきっかけとして、しっかりと取り組んでいただく必要があるというふうに思います。そういった面で、通常現金で払うよりもキャッシュレスのほうが少し割引になるとか、そういった部分も考えているのか、ちょっと確認をします。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  せたがやPayのポイントの部分を有効に使っていったらどうかという御質問ですけれども、その原資について、ちょっとどのように確保していくのか。ただ、普及ということについて、非常に重要だと考えていますので、そのポイントの原資部分をどういった形で、実際、手はずを整えて、それで区民の方に使っていただけるような環境を整えるか、これから検討してまいります。  以上です。 ◆十六番(河野俊弘議員) しっかりお願いします。  あと、教育委員会内での棚卸しをしっかり進めてください。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十七番宍戸三郎議員。    〔三十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 質問に入ります。  最初に、新型コロナ対策について質問いたします。  これまでも世界では、天然痘、ペスト、スペイン風邪や香港風邪、また、新型インフルエンザなどの感染症で多くの犠牲者を出してきました。今までに経験したことのない新型のウイルスの大流行に各国は対応に苦しみ、依然、脅威にさらされている状況にあります。この一年、新型のウイルスへの対策はどうすべきか、私なりに考えてきました。疫学的な対策は専門家の意見を聞くしかありませんが、区としての対策はどうあるべきかを考え、行き着いたことが幾つかあります。  第一に、日頃より想定力を働かせて、パンデミックに備えるべきだということです。区では、事前に災害発生時だけでなく、パンデミックが生じた際には、職員の罹患率三〇%、欠勤率四〇%を想定した事業継続計画を作成しています。今回の新型コロナでは、幸いなことに、職員の被害はそこまでに至りませんでした。しかし、保健所の業務が増え、職員の皆さんは多忙を極め、濃厚接触者の把握と検査の実施、感染者への対応などで逼迫した状況が続きました。これは事業継続計画を実行するに至らない状況ではありますが、業務に支障を来す事態が発生したとも言えるのではないでしょうか。  私は、日頃からの備えの不足が引き起こしたことだと考えます。濃厚接触者の追跡と、検査や感染者発生時の業務の所要時間と、それに従事する職員数を考え合わせると、保健所の処理数の限界は想定できます。したがって、処理数の限界を超えたものをどうするかということは日頃より考えられます。職員の欠勤状況も、欠勤ゼロ段階を含め、各段階別に想定した実践的な対策をあらかじめ立てておくべきです。  今回の新型コロナ対策で分かった問題点とその解決に向け、事業継続計画の見直しを含め、今後、区はどう取り組むのか伺います。  第二に考えたことは、区としての優先順位をつけた対策を講じることの大切さです。昨年の今頃は、感染が疑われてもPCR検査をなかなか受けられない状況が続き、PCR検査の拡充が喫緊の課題でした。中でも感染の可能性の高い濃厚接触者などの検査の拡充が最優先の課題でした。立ち上げた対策本部で、今後、講じなければならない対策のうち、何を優先して実施していくのかを現場の声を踏まえた本部での議論と順位づけが必要です。  私は、この時点の最重要課題は従来型検査の拡充の具体策であったと思います。濃厚接触者とその家族の不安は察するに余りあります。このようなときこそ、区民の不安に寄り添った区の対応が必要であると思いますが、濃厚接触者のPCR検査実施の現状と迅速な実行に向けての区の取組をお聞かせください。  その後のワクチン接種事業では、多くの議員も指摘されているとおり、様々な混乱が生じました。今まで経験したことのない大規模で慎重を期する事業の中で、副区長、住民接種担当部をはじめ、職員の皆様の御努力に対して敬意を表させていただきます。また、まちづくりセンターでのサポートに当たり、地域の民生委員の方々の御尽力をいただいたことに感謝を申し上げます。  しかしながら、区の対応としては、先ほども申し上げましたが、日頃から組織として想定力を働かせ、緊急時の対応を考えておかなければ対処できるわけがありません。ワクチン接種事業の最中であり、大変な時期でありますが、一段落したところで今回の対応を検証し、喉元過ぎれば熱さを忘れることのないよう、経験を生かした改善策を作成するよう重ねて要望しておきます。  次に、世田谷区におけるDX戦略について伺います。  スマートフォンは携帯電話とパソコンの中間機能を持ち、劇的に私たちの生活を便利にし、通信速度は格段に速くなり、AIは、囲碁や将棋でトッププロに勝ち、自動運転技術の研究も進んでいます。一方で、IT機器やセンサーを通じて膨大なデータが集められ、これを活用するGAFAMなどのIT企業は、時価総額が一国の予算規模を上回るほど巨大化する一方で、格差を生じ、先進国でも貧困を生むなどの弊害も出ています。本来、DXは、情報技術を人々の生活を豊かにするために使うことであり、貧困や情報格差などの拡大を助長するような変革は許されないと思っています。  政府は、国の持つ膨大なデータを活用して国民の生活を豊かにする責務があります。自治体もまた膨大なデータを保有しています。そのデータを収集、蓄積し、分析し、区民のために有効活用すべきです。例えば、区が持つ基本的なデータに人口があります。報道によりますと、昨年は出生率が全国で四・七%落ち、東京都でも本年四月の転入超過幅が例年の二割程度にとどまるなど、新型コロナウイルスの影響が出ています。これを受けて当然推計をやり直す必要がありますが、これまでは、ややもすると、調査のみならず、場合によっては政策立案までコンサルタントに丸投げで、中身について職員も分からないといったケースもあったようです。  今年度、区が行う将来人口推計は、コンサルタントを使わずに、これまでのノウハウを生かして、政策研究・調査課の職員が自前で行うと伺っています。コロナ禍における区の人口動向に関する現状分析や将来人口推計をどう進めるのか伺います。  人口推計は基本ではありますが、DX戦略のほんの一部です。人口に限らず、国や区が保有するオープンデータを活用すれば、様々な事柄についてリアルタイムで推計ができる仕組みを確立することも現在のデジタル技術の下で可能な時代になっていると聞いております。職員のデータ利活用能力をどう培っていくのか、区の見解を伺います。  DX推進は、一朝一夕にはできません。それなりの経費も時間も必要ですし、高度の専門知識を有する人材も必要です。IT人材の確保には、国の支援制度もあります。  今後、区は、DX経営戦略を進めるに当たり、その推進に向け、人員体制や組織を強化していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、新型コロナウイルス対策について二点、まず、濃厚接触者のPCR検査を含めた対応です。  新型コロナウイルス感染症において濃厚接触者となった方には、御不安や症状出現等、相談を御希望の際にいつでも利用可能な相談先を保健所から御案内しており、検査についても医師会等の御協力もいただき、土日祝日にも検査が可能な体制を取っております。  検査体制の整備としては、発熱等の症状のある方、また、濃厚接触者の方へのPCR検査の検査枠については、区として昨年六月末時点では一日当たり三百六十件であったものを昨年十一月以降、最大で六百件まで拡充しており、ほぼお待たせすることなく受けていただくことが可能となっております。また、検査実施から結果判明までの時間につきましても、検査会社と連携し、区のPCR検査場内に検査機器を設置し、検査翌日の朝には結果が判明するよう体制を構築しております。土日のPCR検査につなぐ仕組みとしましては、発熱など症状が出た場合、発熱相談センターや東京都医療機関案内サービス「ひまわり」に御連絡をいただき、保健所医師が電話相談を承っております。その場合は、地区医師会等の協力もいただき、医療機関等に検査や診察を依頼しております。  今後も、保健所から濃厚接触者の方に御説明する際、平日に加えまして、土日の対応につきましても、御不安な点は発熱相談センターやひまわりに御連絡いただくよう漏れなく御案内してまいります。  次に、コロナに対する業務継続についてです。世田谷区新型インフルエンザ等対策行動計画では、区の事業継続の基本的方針と事業継続体制を定めており、今般の新型コロナウイルス感染拡大において、新型コロナウイルス感染症対策本部に分析班、広報班、患者対応班など各班を設置し、感染状況に応じて班構成を柔軟に改編しながら事業継続を行っております。具体的には、緊急事態宣言中や解除後の区の事業、施設の休止や再開、また、職員の勤務では、書面やオンラインでの会議開催、時差出勤を活用した職場の分散などについて、対策本部で適宜決定し、実施をしております。  昨年から一年以上続く新型コロナウイルス感染症への対応では、度重なる感染拡大に合わせて、保健師をはじめ、迅速に専門人材を確保することが一つの課題であり、これまで区職員の参集はもちろん、民間の看護師を活用するなど、より重層的に防疫体制を構築するよう取り組んでまいりました。  今後、人員配置のみならず、区の業務の進め方を含め、今回の経験を検証し、新興・再興感染症等発生時に、より円滑かつ迅速に対応できるよう、関係所管との連携を図りながら、BCPを含めた新型インフルエンザ等対策行動計画の見直しに取り組んでまいります。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、区の人口動向に関する現状分析についてでございます。  区におきます年間の人口増加数は、平成二十八年度以降、平均八千六百人程度の増加で推移してまいりましたが、令和二年には約二千九百人にとどまり、人口増加率で見ましてもおおむね一%程度の増加が〇・三一%の増加に減少し、これまでの人口増加傾向が急激に弱まっている状況でございます。また、月別の人口の動向を見ますと、例年大きく増える三月、四月の人口増加が例年より少ないことから、転出超過が続く場合、令和三年は年間を通じて人口減が想定されます。  将来人口推計におきましても、このようなトレンドの変化による影響を反映し、平成二十九年に実施しました将来人口推計の補正推計を行うこととしてございます。今般の補正推計では、前回の推計手法であるコーホート要因法を踏襲しながら、直近の出生、移動等のトレンドを反映し、様々な条件設定の検討など、推計作業を進めているところでございます。  コロナ禍により人口動向の見通しが難しくなっているため、引き続き、区の人口動向を注視していくとともに、推計手法の研究にも取り組み、次期基本計画策定に向けて改善を図ってまいります。  次に、職員のデータ利活用についてでございます。  本年五月にデジタル改革関連法が成立いたしまして、デジタル社会に向けた取組が加速する中、自治体においても、デジタル化によって、人口などの統計データに限らず、様々な種類のデータを利活用する可能性が広がってきております。これまで以上に政策立案においてデータ活用することが求められると認識してございます。職員のデータ利活用能力の向上を図っていく上で、まずはEBPM、根拠に基づく政策立案のマインドを浸透させ、職員一人一人がデータの有効性に気づくとともに、それを取り扱うための知識、スキルを身につけることが重要と考えてございます。  本年度、せたがや自治政策研究所の取組としまして、講義と演習形式による世田谷版データアカデミーを実施する予定です。職員を対象に実践的なテーマを取り入れたカリキュラムとしまして、ロジックモデルを用いた課題や解決策を分析し、データで根拠づける能力を身につけられることを目標としてございます。こうした実施状況を踏まえまして、研修担当課とも共催とするなど取組を継続し、データの適切な収集、分析とデータに基づく政策立案の定着を進めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、DXを巡る人員体制、組織体制の強化について御答弁いたします。  日々進化するデジタル技術をDXの視点で行政サービス等に活用するためには、短期的には、先進技術や豊富な経験を有する民間企業等にコンサルティングを依頼する場面も出てまいりますが、変革を継続する上では、様々な課題に直接携わる職員自らがデータやデジタル技術を活用し、常に業務改善を考え、政策立案に生かせるスキルを身につけなければならないと考えてございます。そのため、DXの推進に必要なデジタル人材の確保、育成は大変重要な鍵となります。  一方で、人材育成には一定の時間が必要となります。まずは民間企業、先進的な取組を行っている他自治体の力をお借りして、研修やアドバイスなどの支援を得ながら、管理職を含めましたDXに対する意識改革、職員のデジタルスキルの向上に全庁を挙げて取り組んでまいります。こうした取組を重ねながら、DXに対する職員全体の底上げを行いまして、主体的に改善を継続できる組織と体制の強化を図ってまいります。  以上でございます。 ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 濃厚接触者のPCR検査について、様々答弁をいただきました。しかし、先日、私の下に区民の方から問合せがありました。その内容は、金曜日の午前中に保健所から濃厚接触者として三日後の月曜日に検査を受けるようにと連絡があったとのことです。先ほども申し上げましたが、濃厚接触者とその御家族の不安は察するに余りあります。濃厚接触者の迅速なPCR検査の実施は、区民の安全安心を守り抜くためにも最優先されるものと考えます。今後このようなことがないように、さらなる改善を強く要望させていただきます。  また、DX戦略の成功は、今後の区政運営にとって何としても重要と考えます。全庁を挙げてのDX推進の取組を期待して、質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。
        午後零時二十三分休憩    ──────────────────     午後一時十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 質問通告に従って、順次質問してまいります。  まず初めに、子どもの権利擁護の推進についてです。  世田谷区の児童相談所が開設され一年、このことにより、一時保護から家族再統合までを世田谷区が一貫して行うことができるようになりました。全国的に見れば、一時保護され帰宅した後での虐待事故は後を絶ちません。虐待のおそれのある子どもからの丁寧な意見を聞く場の保障、保護した後の子どもと保護者双方へのフォローなど、信頼関係を築きながら対応する担当職員は相当のスキルが求められます。御苦労が多いと理解しています。区としても、児童福祉司等の負担軽減やスキルアップ研修、関係所管の連携などにより充実を図るなど取組を進めているものの、残念なことには、担当職員を変えてほしいといった声が届いていることも事実としてあります。  先般、一時保護所での外部評価が公表されましたが、子どもからの意見の回収率は一〇〇%ではありませんし、一時保護上限の二か月を超えた子どももいるとのことでした。また、家族再統合プログラムの実施数も乏しく、早急な改善が求められます。子どもの権利が保障された一時保護所も含めた児童相談所の課題と今後の展望を伺います。  社会的養護の必要な子どもへの権利擁護の取組の中でも重要な意見表明支援制度、アドボケイトの導入に向けては、アウトリーチ型の具体的な検討に着手していくことが示されました。里親や児童養護施設などの関係者に気兼ねなく自分の意見を表明し、権利救済機関に伝えられるよう、子どもの立場に立った相談しやすい環境など、丁寧な対応と工夫が必要です。見解を伺います。  また、アドボケイトの導入先としては、一時保護所などで措置された家庭はその対象外です。一時保護され、家庭に戻された際に起こる子どもの虐待死が問題視される中で、手厚い支援体制とは言えません。こうした子ども自身の意見を聞く場は何より必要であり、一時保護措置され、家庭に戻った子どもに対しても、アウトリーチ型のアドボケイトの導入対象に加えるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。  国では、虐待などで擁護が必要な子どもを施設で養育せず、里親の下で育てることを推進するために新たな社会的養育ビジョンを示しており、世田谷区としてもこの目標値を掲げていますが、新たな里親を増やすという取組はいま一歩です。  一時保護に加え、ショートステイを利用した短期間での委託制度を開始したと聞いていますが、既に登録されている里親向けのものです。これから里親を希望する方へ向けても検討を進めるべきと考えます。見解を伺います。  また、里親制度が広がるにつれ危惧されるのは、保育園や学校などにおける里親制度への無理解によって起こる差別や偏見です。先日、里親さんのお話を聞く機会がありました。約十六年間の里親経験の中で、学校からのねぎらいがあったのはたったの一校で、中には里親であることを口外しないでほしいと言われたり、実親でないことをからかうなど、心ない言葉が子どもへ向けられていたなどあったそうです。  こうした偏見が起きないように、保育園、学校などの関係機関の職員に対する里親制度への理解を深めるための研修などの取組も必要だと考えます。見解を伺います。  次に、HPVワクチンの情報提供の在り方と子宮頸がんの予防の推進についてです。  HPVワクチンは、今から八年前の平成二十五年から、全国の小学校六年生から高校一年生相当の女子を対象として公費での定期接種が開始されました。しかし、定期接種開始からたった二か月でワクチン接種との因果関係が否定できない副反応が全国で相次ぎ、国は積極的勧奨を中止しました。しかし、昨年、国は、これまでの対応を一転させ、定期接種の対応についての勧告を基礎自治体に対して出しました。  このことにより、区は、昨年の十月には、ワクチンの接種対象とされる年齢の女子約一万七千人に向けて、厚労省のリーフレットを個別送付しています。これがその送られた国のリーフレットです。小学校六年生から高校一年生の女の子と保護者へ大切なお知らせですよと、あなたと関係のあるがんがありますよと、こういった形で送られていますけれども、このリーフレットには問題があります。深刻な副反応の危険性が伝わりませんし、何より厚労省が積極的な勧奨を中止していることが削除されています。さらに、ワクチン接種後に気になる症状が出たときへの対応として協力医療機関が設置されていると示されていますが、実際には被害者が安心して受診できる医療機関は乏しく、医療者によっては、ワクチン接種後の反応を否定的に捉え、子どもを傷つけ、悪影響を与えているとの指摘さえあります。  HPVワクチンによって重い副反応に苦しむ被害者は全国各地に多くいらっしゃいます。訴訟の原告だけでも百三十人にも達する中、ワクチンリーフレットが送付されたことで全国でもワクチンの接種率は上がり、世田谷区では六倍以上になっています。  世田谷区では、先ほどのリーフレットと併せ、区独自の手紙を添付して、積極的な勧奨は控えていますよということを明記したことは評価します。しかし、ワクチンの有効性とリスクを十分御理解いただいた上で、接種について御検討いただきますようにお願いいたしますと記されており、さらに、ワクチン接種スケジュールを図解し、定期接種期間中は無料です、その期間を外せば有料という具合に、まるで区が接種を推奨しているかのように見てとれ、区民の誤解を招くと考えます。  一方、武蔵野市や杉並区などは、国のリーフレットの活用を避け、独自のはがきでホームページに誘導し、対応しています。杉並区のホームページでは、現在、HPV感染症予防ワクチンは定期予防接種ですが、積極的な接種勧奨を差し控えているため、予診票の個別送付をしていません。接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で予防接種を受けるかどうかの判断をしてくださいと赤字で記されています。  こうした自治体の取組を参考に、世田谷区のこれまでの情報提供の在り方そのものの見直しを求めます。区の見解を伺います。  HPVワクチンの副反応被害者は、一人にいろいろな症状が重なって現れてしまいます。副反応の症状を知らせるために、この被害者たちは声を上げ続けています。しかし、被害者は増え続けており、直近の副反応検討部会での報告を見れば、令和二年十月一日から十二月三十一日の三か月間で、医療機関などがワクチンとの因果関係を認めた上で重篤だと判断した症例が十五件あります。時間がないので、そのうちの二つ申し上げたいと思います。十三歳の女の子で、三回目を接種した翌日に手足の痛みと歩行障害で回復なし。十六歳の女子で、一回目の接種で、眼球上転、目の球が上を向いたということですよね。そして、意識がはっきりせず、顔面蒼白で脈が取れなくなり、その後の状態は不明など、このような深刻な被害が出ていることは看過できません。  このように新たな被害者が出ていることを区はどう受け止めているのでしょうか。接種を不安視する問合せへの対応も含めて、見解を伺います。  HPVワクチンは性感染症の一つであって、正しい性教育と定期検診で予防できます。国の勧告に従い、小学六年からワクチン接種の対象として周知を図らなければならない以上は、対象年齢への正しい性教育は必須であり、区としてできる最善の方法です。保健所が行う助産師の命の授業への予算も増やし、全校生徒が正しい知識を身につけられるよう対策を急ぐべきです。また、定期検診の受診率の向上も欠かせません。取組の強化を求めて、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎土橋 児童相談所長 私からは、児童相談所や一時保護所の運営、親子の支援の現状と課題についてお答えいたします。  区が児童相談所を開設し、子ども家庭支援センターとの一元的運用により、虐待が深刻化、重篤化する前に、必要に応じ早期の一時保護を行い、その後、地域と連携しながら子育て支援メニューを提供する等、区が一貫して行うメリットを生かした相談援助活動を行っております。一時保護した子どもの約八割は二か月以内に一時保護を解除し、在宅による支援につなげております。また、家庭復帰が困難な場合も、なるべく早期に児童養護施設や里親への委託などを行い、子どもの意思や権利を尊重した支援を実施しております。  児童相談所では、子どもや保護者に対し、児童福祉司が丁寧に話を聞き、家庭の中で起きている問題をアセスメントした上で、個々のケースに合わせて、定期的な通所により児童心理司の心理ケアや親子間調整を行っております。また、親子支援を専門に担当する児童福祉司等を配置し、再統合が円滑に進むよう親子関係の評価を行いながら、一時保護解除後等に子どもが家庭に戻った後も、安全に暮らせるような虐待の再発予防の支援プランを作成する等、地区担当の児童福祉司をバックアップする体制を整えております。  子どもや家庭を取り巻く問題は複雑、多様化しており、そうしたケースに適切に対応するには職員のスキルアップが課題であり、研修等を積極的に活用し、親子の支援に効果的なプログラムの技法の習得を進める等、今後、職員の育成により一層取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、社会的養護に関して、順次お答えいたします。  まず、意見表明支援について、二点併せてお答えいたします。  現在、区におけるアウトリーチ型の意見表明支援の取組といたしまして、一時保護所において第三者委員制度を導入しております。一方、児童養護施設への入所や里親への委託をする子どもについては、担当の児童福祉司が児童の意見を聞き対応を図っているものの、現時点において第三者によるアウトリーチ型の意見表明支援の仕組みはございません。児童養護施設への入所、里親への委託などを実施する場合においては、当事者である子どもの意見が尊重され、権利が守られ、適切な養育環境を提供することを基本的な考え方としており、第三者による意見表明支援は大切な取組であると考えております。  国より示されたアドボカシーに関するガイドライン案においても、意見表明支援に当たっての基本的な考え方として、子どもの意見に基づいて行動し、子どもの権利を守ることの確実な履行、子どものものではない意見や優先順位によって活動してはならないなどと示されており、区としては、こうした考え方を踏まえて検討を進めてまいります。  措置解除後の子どもについても対象とすべきとの御指摘については、今後、具体的な制度内容検討の中で参考とさせていただきます。  次に、里親制度について、二点併せてお答えいたします。里親委託を推進するためには、里親制度の周知啓発の取組が大変重要だと認識しており、区では、これまでより多くの方に里親に関心を持っていただけるよう、専用ホームページの開設やPR動画の作成などに取り組んでまいりました。  区では、子どものショートステイ事業の中で、里親さんに協力家庭として実際にお子さんを預かっていただく取組も開始したところです。これから里親を希望する方も対象とするかどうかについては、今後の実施状況を踏まえながら検討してまいります。  また、御指摘のとおり、養育委託されるお子さんと里親に関わる関係機関や地域の理解と協力が不可欠であると認識しております。例えば、養育委託されるお子さんが学校生活の中で戸籍名とは異なる通称名、例えば養育家庭の姓でございますが、そういったことを使う場合の呼び方などについての配慮や、養育家庭への支援に向けた地域の関係機関との連携について各学校に協力依頼を行っております。そのほか、保育園や児童館などの関係機関の職員を対象とした虐待基礎講座の中で、里親制度をテーマとして取り扱っていくことなどを検討しております。今後も地域や関係機関での里親の認知度を深め、より多くの方に里親に登録していただけるよう、着実に取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、HPV、すなわち子宮頸がんワクチンについてお答えします。  まず、ワクチンの副反応、区民の御不安への対応です。子宮頸がんワクチン、いわゆるHPVワクチンにつきましては、平成二十五年度に小学六年生から高校一年生相当年齢の女子を対象として無料の定期接種が全国で始まりましたが、接種後に因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が報告されたことから、当該年度中に積極的な接種の勧奨を控えるように国から勧告があり、現在は区においても積極的な勧奨を見合わせております。  また、接種対象者からの副反応の御相談への対応でございますが、今までの経緯から接種に不安を抱いていらっしゃる方もいらっしゃるため、医師会や教育委員会と連携の上、御相談の際には、お気持ちに寄り添いながら、国のリーフレットやQ&Aに基づいた情報を提供し、御自身の考えによって選択できるように努めております。  御指摘の令和三年四月三十日の国の審議会の報告では、令和二年十月から十二月における四価子宮頸がんワクチンの推定接種者数は約三万人で、このうち製造販売業者から報告された重篤症例は十例、医療機関から報告された重篤症例は五例の合計十五例となっております。国は、安全性を継続的に評価し、今後の当該ワクチンの取扱いについては同審議会等で検討を進めていると認識をしておりまして、区といたしましても、国の評価を引き続き注視してまいります。  次に、国のリーフレットと区からの情報提供についてです。令和二年十月に当該定期接種の対象者及びその保護者に向けまして、当該ワクチンの有効性及び安全性等の情報提供に取り組むことが国から勧告されました。区では、国の勧告に基づき、接種対象者及び保護者宛てに国が作成したリーフレットを送付しておりますが、その際に、区では、積極的な接種勧奨を差し控えている旨も記載した区からのお知らせも添付をしております。  国の作成したリーフレットにつきまして、積極的に接種を進めていると受け取られる内容であるとの議員からの御指摘を踏まえまして、頂戴した御意見を特別区保健予防課長会や都予防接種担当等に提供し、共有をしてまいります。また、御提案の区からの情報提供につきましては、他自治体の取組を情報収集し、接種を自ら選択いただく際に必要な情報を提供できるように努めてまいります。  最後に、検診や正しい性教育の周知啓発についてです。御指摘のように、HPVワクチンは全てのヒトパピローマウイルス感染、いわゆるHPV感染を予防できませんので、子宮頸がん検診も受けていただき、子宮頸がんに対する予防効果を高めることが大切であると認識をしております。加えて、HPVは一度でも性的接触の経験があれば感染する可能性があることから、性教育を通して、子宮頸がんや性感染症の正しい知識を得ることの大切さも指摘をされております。  なお、保健所が教育委員会等と連携して、主に区立中学校で実施しています命と性の健康教育では、HPVが性的接触で感染する可能性があることや、子宮頸がん検診に関する情報は提供をしておりますが、HPVワクチンに関する情報には触れておらず、当該授業の実施学校数が限られている点も含めて課題だと認識をしております。  今後は、検診や性教育に加えまして、HPVワクチンの有効性や副反応を含む包括的な視点を当該授業に盛り込んでまいります。また、教育委員会等、関係所管と連携し、子宮頸がんの予防に向けた啓発に引き続き努めてまいります。  以上です。 ◆十三番(田中みち子 議員) 区長に再質問させてください。  積極的な勧奨を中止しているこのHPVワクチンの課題についてどう認識されていらっしゃるのか、ここは自治体の長にぜひ聞かせていただきたいんですが、いかがでしょうか。 ◎中村 副区長 子宮頸がんワクチンについて、再質問にお答えさせていただきます。  御指摘がありました子宮頸がん予防のワクチンの健康被害については課題だと考えておりました。八年前に国が法定接種として開始してから間もなく問題となって、健康を守るべき予防接種が逆に子どもたちに害を及ぼしてしまった事例が生じたと、こういうことは記憶に新しいところです。  国が法定予防接種を実施するに当たって、自治体には、実施主体として、ワクチン接種の予防効果や無料で接種を受けられることなどのメリットとともに、副反応による重篤な健康被害が起こるリスクもあるということ双方を公平な立場で区民の方々に情報発信する責務があると考えています。この点、子宮頸がん予防ワクチンの国のリーフレットを配付する際には、先ほど保健所長が答弁いたしましたが、区独自に保護者宛てにお手紙を添えまして、区は積極的な勧奨を行っていないということをきちんと説明して、リーフレットに足りない情報を補っているところです。  接種対象のお子さんがメリットとリスクを理解した上で、保護者の方やかかりつけ医と相談し、最終的に御自分で接種を受けるかどうか決めることができるように、様々な工夫をしながら引き続き努めてまいります。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十五番加藤たいき議員。    〔十五番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆十五番(加藤たいき 議員) 始めます。  五月二十八日には首相官邸から自治体向けにこうリリースがありました。六月二十一から二十八の週のワクチンの配分は五月三十一日に割当て量をお知らせします。基本計画枠分は予定どおり配送し、調整枠分の配分はVRSで把握できる接種実績も勘案し、在庫が多いところにさらに在庫を積み増すことになってしまう場合には調整をする見込みです。河野大臣は一日の記者会見で、貴重なワクチンなので在庫を積み増しても意味がない。今後はもう少しシビアに接種実績を見ながらワクチンを出していかなければならないと述べております。つまりは実績を積み上げた自治体には優先的にワクチンを多く配給するということです。世田谷区だけの問題ではありませんが、都民の方々のワクチン接種が進めば進むほど、我が区でも供給が増え、全世代の接種が早くなることになります。接種率を上げることが大事です。  六月七日に世田谷区は十六歳以上までの接種券の送付スケジュールを発表しました。五十九歳以下を四層に分けて配布する方針ですが、本来、私は、五十九歳以下を区切るようなスキームではなく一斉送付が望ましいと思っています。約八五%も空き枠があるという自衛隊の大型接種会場も、接種券を持っている方のみ予約できる仕組みです。昨日発表があり、十七日より年齢を引き下げるとし、本日午前零時より予約ができるようになりました。接種券さえあれば、どの年代でも受けられることになったわけです。接種券を全世代に送付した墨田区、中野区、江戸川区の方は受けられますが、世田谷区民は受けられないことになります。  四層に分けたということは、予約がつながりにくいと指摘されてきた嫌いからの分散化を目的としていると推測をしていますが、比較的に若年層の感染者が多いために、接種券だけでも送付しておけば大型会場である区外接種や個別接種にも生かせます。優先接種に関しても、接種券があれば効率的に受けることができるとも聞いています。世代間にとらわれない早期送付に変更できないでしょうか、伺います。  PCR検査に力を入れるのではなく、いかに素早くワクチンの接種率を上げていくのかという議論のステージに来ているということを区全体のセクションで共同認識として持つことを求めます。PCR検査の予算を割くぐらいならば、接種率アップの施策方針に転換すべきです。アメリカでも接種率が人口の五割を過ぎたところから急速にブレーキがかかってきております。高齢者や今後の基礎疾患を持っている方の予約状況が混雑するのは想像に難くはないはずで、もくろみどおりの率だと現状は思っております。しかしながら、世代が広がった先の接種率が徐々に下がる可能性を想定し、頭打ちが来てから考えるのではなく、全世代に接種券が配布される前である今のうちに接種率アップする方策を考えるべきだと思いますが、伺います。  また、経産部に、この接種率アップの観点で伺います。アメリカでは、接種率を上げるために宝くじを付加したりといろいろな策を考えています。日本でも接種をした方に商品券を配付している自治体もあるようです。世田谷区でも、この機会に、せたがやPayに例えば五百ポイント付与など考えられないでしょうか。必ず地元のお店に落ちるわけですし、使わなかったら消えていくだけです。秋に予定しているプレミアム商品券は全額東京都の補助ですので、区独自の経済策、また、せたがやPay普及率を上げるためにも、こういったものも考えられるのではないでしょうか。利用している消費者やお店からはよい評判が届いている一方で、せたがやPay自体は使用者があまりいない現状を打破すべきです。今後の付加価値を鑑みるといろいろな可能性があるこのアプリも、早いうちにてこ入れをしておかないと消えていってしまうような気がしてなりません。経産部にこの点、伺います。  この間、何度か予約枠数を増やせてきていることは、職員をはじめ、現場の方々の奮闘だと思っております。大きく感謝をしています。重ねて今後も拡充をしていくことを要望いたします。  区は、現在、一日一回の接種会場の空き枠を公開していますが、今後のためにリアルタイムで接種空き枠をネット上で可視化できるようにならないか、伺います。  現在、余剰ワクチンには教員等の方々に対して序列をつけて接種を行っていますが、余剰ワクチンのみにするのではなく、行政や学校、幼稚園、保育園、障害者施設、インフラ等に関わる方々の優先接種を独自に設けることはできないでしょうか。八月にもまた感染ピークが来る可能性も高いと言われている中で、述べた施設が止まりますと影響は計り知れません。台風の時期が近づいてきてもいます。消防、警察と区外会場の優先接種が行われているとのことですが、身近な世田谷区でも優先接種できるようにならないでしょうか、この点も伺います。  次に、これまでも、電話でも、ネットでも予約がつながらないとかなりの意見があります。今後は裾野を拡大していき、ネット予約が主流の世代がアクセスするはずです。そのためにサーバーの増強は必須と考えられます。また、この間、キャンセルにてこずるとの声をいただいています。混んでいる予約ページ内でしかキャンセルできないので、キャンセル用の新規ページを作成できないのか伺います。  最後に、ワクチンを受けたい区民の人数を世田谷区はどれぐらいと想定し、その方々が受け終わる期日の目安を伺います。  次に、教育です。  学級閉鎖等により登校できない児童生徒や、感染症等への不安により登校を控える児童生徒には、オンラインによる授業参加やICTを活用した学習、学校情報や学校課題等の定期的配信など、児童生徒の実態等に応じた支援を実施する。これは四月に緊急事態宣言が改めて出された際に、教育委員会としてこのような対応をするとして出された文章です。  この間、学校現場でもクラスターや濃厚接触者により学校に行けない児童生徒がおりました。感染者数だけは公表していますが、濃厚接触者も多くいると聞いています。濃厚接触者になると、陰性でも二週間は自宅待機、体は元気ですが、学校には通うことができません。保護者や私の実体験で見聞きした限り、学校ごとにかなりのばらつきがあったのが、オンライン授業です。前述したとおり、教育委員会では実施するとしているのに、現場では全くオンライン授業を行われていないところもありました。  ズーム等の接続は教員のスキルの問題ではなく、やるかやらないかの問題です。何のためにiPadを全生徒に配付したのか、今や高齢の方もズームを利用しています。行きたくても登校できない子どもに対して何かしらの措置を必ず行うべきです。また、すぐーるでプリントを個別配付できるようになったのにダウンロードができません。至急、ダウンロード、印刷ができるように変更し、家庭学習に生かせるものとして利用を推進すべきです。見解を伺います。  今後も予断ができない環境が続く中で、学校に機材が足りないのであれば、教育委員会として対応も求めます。加えて、不登校のお子さんケアにもオンラインでも対応できるよう要望します。  次に、教育教材の開発や教員の多忙化の解消の観点から伺います。休校も念頭に置いて家庭学習ができるように教材作成をすべきです。例えば化学等の動画教材の作成など、新教育センターができますので、そこに動画スタジオ設置が考えられるのではないでしょうか。教員研修も、若林に赴くのではなく学校から参加できる、または録画を空いている時間に視聴するなど、教員の負担をなるべく削れる努力を求めます。  それに加えて、教育だけに使うのはもったいないと思いますので、広報に使う、災害時に生放送で使うなど、所管をまたいで汎用性のあるスタジオ設置を考えてもらえないでしょうか、伺います。  池田小事件、大変痛ましい事件から二十年がたちました。同じようなことが繰り返されないように、大人である我々ができる限り全てを行い、子どもたちを守る覚悟が必要です。  これまで世田谷区の保護者有志が中心になって、約半数の学校で子どもの登下校サービスである安心でんしょばと、ミマモルメを導入しています。月々五百円程度、利用者は支払っています。そして、今回、導入予定の新BOPの放課後児童システム、学童のお子さんだけが無償で使えるシステムです。今年の四月に初めて出された委員会資料によると、これまで議会には報告は何もなく、そして九月にプロポーザルを行い、業者と児童課は契約までしています。この四月より導入された学校の緊急連絡アプリ業者と教育総務課がプロポーザルで契約したのは昨年の十二月、期間としては三か月差があるわけですが、一本化する考えをなぜ持てなかったのか。理由としては、導入したアプリには出席管理機能がなかったと教育委員会はしています。  世田谷区の保護者有志で有償利用している区のプロポーザルに参加した業者は、登下校サービス、緊急連絡と両方を満たしており、近隣自治体ではアプリとして導入しているそうです。つまりは登下校システムに対して、教育委員会としては導入するつもりはなかった、保護者有志が勝手にやっていることとしている、しかし、児童課は学童に通うお子さんだけは守る観点を持っている。学校敷地内にあるのに、有償、無償が存在するのはおかしいですし、そもそも全児童が登下校システムの無償恩恵があってもよいのではないでしょうか。分散化したものを統合し、全児童が利用できるものに変えるべきだと思います。伺います。  人員が足りていないというのも理解をしています。人員増員をしたくてもうまくいっていないのであれば、新BOP自体の民間委託への是非など抜本的な課題へと取り組む姿勢を出すべきです。  職員の業務多忙化の解消をうたうのであれば、学童への単体システムを導入すれば解決するというのは大局が見えておりません。さらに教育委員会と児童課の連携が取れていないことが露呈され、縦割り行政と揶揄されても仕方がないと思います。そもそも内部的事情は、多くの学校に通う御家庭には関係がなく、先ほど申したように、複合化できたであろうシステムの乱立は、金銭的部分以外にも無駄が多過ぎます。全ての所管に同じ轍を踏まぬよう要望し、壇上からの質問を終えます。(拍手) ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナウイルスワクチン接種について、順次御答弁を申し上げます。  初めに、予約システムのサーバーの強化とキャンセル専用のページについてです。今後、六十歳未満の世代の接種券をこれまで以上に短い期間内に送付するに当たり、インターネットでの予約件数の大幅な増加が見込まれることから、予約システムの処理能力の増強は不可欠と考えております。システムの抜本的な改善に取り組むとともに、接種券を分けて送付することで一時的な集中をできる限り避けるなど、複合的な対策により、誰もが円滑に予約できる体制を整えてまいります。  また、大規模接種センターに加え、病院、診療所での個別接種や企業、大学での職域接種など、接種機会の拡大や多様化に伴い、区の集団接種の予約のキャンセルが増加すると見込まれます。キャンセル専用ページの御提案をいただきましたが、システム改修には一定の時間を要することから、六月十四日からフリーダイヤルのキャンセル専用ダイヤルを開設いたしました。速やかなキャンセルを促すことでワクチンの無駄をなくし、予約の空き枠を確保するなど、円滑な運営を進めてまいります。  次に、空き枠の可視化についてです。接種予約をスムーズに取っていただくためには、予約者が現在の空き状況から希望の会場や日程を選択できるよう、空き状況の詳細を可視化することが重要だと考えております。現在、区では、一日一回を目安に区のホームページで会場ごとの空き枠数を表示しております。今後、大規模接種センターや職域接種など、接種機会の拡大に伴いキャンセル数も増加することが見込まれることから、より更新の頻度を増やすなど、状況に合った形で情報提供の仕方を随時見直してまいります。  今後も、予約の空き枠に加え、予約の受付状況や接種の進捗状況など、接種に関する情報を表やグラフなどを活用して可視化し、分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。  次に、接種券の一斉送付についてです。大規模接種センターや職域接種など、接種機会の拡大や多様化が進む中で、あらゆる世代が速やかに接種を受けられるよう、接種券をできるだけ早期に送ることは重要だと認識しております。一方で、合計で約五十七万件となる六十歳未満の接種券の一斉送付は、予約システムやコールセンターへの過度な集中を招き、予約が取りづらくなるおそれがあるほか、若い世代と比べて重症化リスクの高い中高年世代が優先的に予約できる機会を失うなど、様々な課題があります。  こうした点を踏まえ、早期の接種券の送付と集中による影響の抑制という両方の観点から、おおむね十歳刻みで一週間ごとに分割して発送し、七月中には完了する送付スケジュールとしたものです。  次に、接種率アップについてです。現在、高齢者の接種率は、予約者数と接種済みの方の合算で八割程度に達する見通しです。その他の世代でも接種率をできるだけ高めることが重症化患者の減少や新型コロナの終息に向けて重要だと考えております。企業や大学での職域接種により、若い世代の接種も進むことが見込まれますが、引き続き区からワクチン接種の重要性を広報することはもとより、接種状況など最新の情報を発信することで区民の関心の向上や不安の軽減に努め、接種の勧奨に取り組んでまいります。  一方で、接種を受けることができない人や、本人の意思により接種を行わない方が差別や不利益を被ることがないよう併せて啓発を行うなど配慮に努めてまいります。  次に、インフラ等に関わる方々の優先接種についてです。新型コロナウイルスのワクチン接種に当たりましては、医療提供体制をはじめとする社会的インフラ、高齢者などの重症化リスクを回避する観点から、医療従事者から先行して接種を開始するとともに、高齢者の接種と並行して、高齢者施設や居宅系の介護事業者の従事者を優先接種の対象としたところです。  お話しの保育園や幼稚園、障害者施設、小中学校などの社会的インフラを支える職員についても優先して接種を行う対象として検討する必要があると認識しております。今後、高齢者をはじめとした接種が進む中で、区として、こうした方々を含めた優先接種についての考え方について早期に取りまとめてまいります。  最後に、接種の完了時期と、また何割ぐらいの方の接種を想定かという御質問です。区は、五月下旬に見直した接種計画で、高齢者の八五%は七月末までに、十六歳以上の区民の七割は十二月中までに二回の接種を受けられる体制を整備する計画に更新いたしました。一方で、接種の対象年齢の十二歳への引下げ、企業や大学での職域接種や国や東京都による大規模接種センターの開設など、接種を巡る状況が大きく変化していることから、これらの変化を踏まえ、改めて区の接種計画を見直し、できる限り早期の接種完了に向けたスケジュールをお示ししてまいります。  私からは以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、接種会場でせたがやPayのポイント等、配付について答弁いたします。  接種機会の拡大や多様化が進む中、今後のワクチン接種動向がアメリカと同様の事態になるかは引き続き注視する必要があります。ワクチン接種会場でせたがやPayのポイントを配付することは、せたがやPayの普及や消費喚起策の一つとして有効と考えられますが、ワクチン接種拡大のインセンティブの一つとして活用する必要性を含め、今後、住民接種担当部と相談してまいります。
     私からは以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、三つのお尋ねについて御答弁申し上げます。  まず一つ目は、オンライン授業についてのお尋ねでございます。  新型コロナウイルス感染症の拡大状況の中、四月下旬に教育委員会から各学校に対しまして、電子会議アプリによる動画配信及び双方向型学習支援アプリによるオンライン授業の試行を行うよう指示をしたところでございます。各学校におきましては、同時双方向型のオンライン授業に取り組み、リアルタイムで子どもの表情を見ながら、課題や資料を提示して説明したり、子どもをグループに分けて話し合わせたり、ワークシートやノートの確認などを行ったりしたところでございます。  今後は、教員のICT活用の手引書の利用促進や学校におけるICT推進リーダーを中心とした組織的な取組、ICTインフルエンサーによる情報発信などによりましてICT活用指導力を向上させ、対面指導のよさとオンラインのよさを融合した新しい授業を展開してまいります。  議員お話しの学校緊急連絡情報配信システム、すぐーるにおきましても、配信したファイルのダウンロードができるようにすることで、家庭での自主学習の支援を進めてまいります。  続きまして、新しい教育センター内に動画スタジオを設置すべきというお尋ねでございます。教育総合センターにおきましては、今年十二月の開設を目指しまして、現在、工事を進めているところでございます。お話しの動画等のスタジオでございますけれども、スタジオ機能を併せ持つ研修室の整備について計画をし、オンラインでの研修などに活用できるよう進めているところでございます。また、総合教育センターのスタジオ機能につきましては、区の関係部署とも協力し、有効活用について検討してまいります。  三点目でございます。新BOP学童クラブ、放課後児童システム等の複数のシステムの統合に関するお尋ねでございます。  議員お話しのありました放課後児童システムは、事務効率化により、職員が児童に向き合う時間の確保、学校緊急連絡情報配信システムは、保護者との連絡手段確保を目的に区が導入したものでございます。また、登下校の保護者通知システムは、児童の安全安心確保を目的に、事業者が保護者向けに提供しているサービスとなってございます。一つのシステムでこれらの全ての機能を満たすことはできず、統合するためには改めてシステムを再構築する必要があるものと認識してございます。  学校を取り巻くICT環境は、一人一台のタブレット端末を配備するなど、大きな変革期にございます。ICT技術は日々進歩しております。その中で、文部科学省による教育情報セキュリティポリシーガイドラインの改定や、DXの社会動向を注視しつつ、庁内の横断的な連携を図りながら、システムの整理、統合を含めた検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆十五番(加藤たいき 議員) 福祉領域のトップであります中村副区長に再質問いたします。  先ほど接種券のなかなか渋い答弁があったなというふうに思っておりますが、区の予約を早めるべきだと言っているわけではなくて、今、状況、状況で刻一刻といろいろと変わってきている中で、接種券さえあれば、若手だろうが、年齢が二十代だろうが、四十代だろうが、五十代だろうが誰もが受けられるようになったわけで、ぜひそういったところを、行政として世田谷区の柔軟さを見て再考を願えないでしょうかという再質問をさせていただきます。 ◎中村 副区長 ワクチンの接種券の早期発送という再質問にお答えいたします。  今回のコロナ感染症の感染者の中では、重症化する方、またはお亡くなりになる方、これは四十歳以上が圧倒的になっています。こうしたことから、現在、基礎疾患のある方などに接種券を送っていますけれども、六月末からは、五十代、四十代と年齢順におおむね十歳刻みに接種券を送付するという計画を立てているのはそういう理由に基づいています。接種券が届いた方には順次、区の集団接種会場ですとか、病院、診療所で予約を取っていただきたいということから、一週間程度の間隔を空けて次の年代の接種券を送付するということとしますと、例えば十八歳の方は七月二十日の週になるという計画になるということは事実であります。  お話にありましたとおり、自衛隊の大規模接種センターは、年齢制限をなくして十八歳から対象にして、ここでは接種券を持っていることが前提となっている。一方で、今、拡大が進んでいると思っています大学や企業の職域接種のほうは、ここでは接種券がなくても接種が可能な仕組みにしているという状況がございます。  国や都のこのワクチンの接種に関する制度は目まぐるしく変わっていることもありますので、今後もこうした状況をきっちり見据えて、接種券の送付につきましては、例えば今現在、各年代の送付時期の範囲がありますけれども、この中でできる限り早期の発送をすることも含めまして、可能性については検討させていただきたいと思います。  以上です。 ◆十五番(加藤たいき 議員) 大学の接種という話がありましたけれども、一般開放がされるわけではないので、ぜひ接種券があれば、一般開放をされていれば、場所があるんですから、一日でも早い接種券、お願いします。 ○下山芳男 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) 六月七日、私の母が亡くなりました。肝臓がんで闘病しておりました。コロナ禍ということもあり、PCR検査をしなければ病棟に入れないとのことで、家族の誰一人、臨終に立ち会うことができませんでした。誠に残念ですが、コロナ禍で家族を亡くされた方のほとんどが同じような経験をされていると思います。コロナの収束を心から望むものであります。  それでは質問に入ります。  新型コロナワクチン接種についてですが、総理官邸のホームページに各自治体等によるお役立ち取組事例という掲載があり、SNS等でこれを宣伝しておりますが、とても違和感を感じます。ワクチンは国がコントロールしているのに、自治体の自主性などと言って接種の遅れや混乱を自治体に責任転嫁し政治利用しているのではないかと疑りたくなるのは私だけではありません。区や区長のリーダーシップを問う前に、国のリーダーシップはどこに行ったのか。現在、デジタル化をはじめ国の政策が世界の中でも遅れを取っていることがワクチン接種の予約などで露見した、自公政権の新型コロナワクチンを含む対策に批判的な区民が大半です。  そこで、高齢者のワクチン接種完了後、六十四歳以下の一般の区民の予約で再び混乱が生じないように、年齢ごとのきめ細かな対応や、日時や場所を指定して接種券を送付するなどの工夫が必要と考えますが、今後の区の対応を伺います。  二回のワクチン接種が終了した区民に、現在新型コロナワクチン予防接種済み証(臨時)の保管を促しております。携帯に便利な、国でも議論されているデジタル接種済み証の交付が必要です。接種済み証は、今後人が多く集まるパブリックスペースへの入場などでの提示などに活用が期待できますし、間近に迫ったオリンピックの競技会場観戦での提示なども想定できます。  区としても交付に向けた体制を構築すべきと考えますが、早急にその体制がつくれるのか伺います。  東京都も、代々木ライブサイト会場でのパブリックビューイングを取りやめ、ワクチン接種会場に転用することから、大蔵第二運動場や、その他のパブリックビューイング予定会場をワクチン接種会場に転用し、ワクチン接種を加速すべきと考えますが、区の見解を伺います。  予約取消し等により余ったワクチンを無駄にしないため、区は優先接種のルールを策定していますが、特に、区職員への接種については、私のところにも接種会場でボランティアをされている区民の方から不公平だとの御意見が届いております。約九千五百人の職員を擁する世田谷区は、職域接種千人以上の事業所の要件を満たしていることから、職員に関しては職域接種とすべきと考えますが、職域接種の申請をしているのかも含め、区の対応を伺います。  次期実施計画、基本計画について私が取り上げたいのは、まず、世帯構成による住民サービスの在り方についてです。  現在、世田谷区の全世帯数は約四十九万世帯で、その約五三%の約二十六万世帯が一人暮らしです。国や東京都、世田谷区の施策は現在夫婦と子ども二人のいわゆる標準世帯を基準とした施策がほとんどのように見受けられますが、そうした標準世帯は僅か四・六%にすぎません。一人暮らし世帯は税金を取られるだけで、減税措置もなく、行政サービスの特典もほとんどありません。もちろん、公共施設や都市基盤を享受しているのだからいいじゃないかという考えもできるかもしれませんが、積極的な住民サービスがない現状は不公平感が否めません。婚姻しない選択や子どもをもうけない選択など住民の価値観も多様化する中、一人暮らし世帯は増加を続け、この状況が大きく変わる要素は今のところ見当たりません。区の過半数以上の世帯を占める、一人暮らし高齢者をはじめとした全ての世代の一人暮らし世帯への行政サービスの在り方を見直す必要があります。  今後の実施計画、基本計画の策定に当たり区の方策を示すべきと考えますが、区長の見解を求めます。  二つ目として庁用車EV化、公共交通機関、特にバスの水素自動車化やEV化は、カーボンニュートラルの達成やゼロエミッションには欠かせない転換です。区が民間に先立って全庁有車をEV化し、公共交通機関を運行するバス事業者にも義務づけるなどの実効性のあるアプローチが必要です。併せて区長の見解を求めます。  DXについては遅れを取っていることは誰しも認識をしているものの、区の道筋も見えません。国は行政手続の九七%をオンライン化するとしておりますが、区は行政手続の何%をオンライン化しようとしているのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。  国も都も、コロナ禍テレワーク等を七割を推奨しているものの、肝心の自治体行政が実施できておりません。世田谷区はテレワーク等の在宅勤務を最大でどれぐらいの割合で実施可能なのか、お答えをいただきたいと思います。  民間では、社員全員にスマートフォンを配布し、テザリングによるWi―Fi環境を整備し、在宅勤務を可能にしている企業もあると聞きます。このような事例を参考に、在宅勤務環境の整備に取り組めないか伺います。  先日、区民の高齢者の方から区報についての御意見をいただきました。それは、紙ベースの「区のおしらせ」で区の特別養護老人ホームの空き状況や入居状況などを周知できないかとのことでした。確かに、区ホームページでは周知しているものの、高齢者の情報源でもある紙ベースの「区のおしらせ」には掲載をしていないとのことであります。  今後のデジタル化も見据え、紙ベースの「区のおしらせ」などのそうした区報は、高齢者に照準を合わせた編集や内容の検討とともに、デジタルに慣れた一般の方にはQRコードなどでホームページに誘導するなど、限られた紙面で多くの情報量を発信できるような有効活用の工夫が必要と考えますが、区の見解を求めます。  以前提案した避難所のプライバシーを守るパーティションの導入についてですが、まず、区の現状を伺います。  聞くところによると、二十三区中十九区が既に配備済みということで、またしても世田谷区は後塵を拝する状況で残念でありますが、コロナウイルスなど感染症対策も必要なことから、上部も閉鎖可能なテント型パーティションの配備が最適と考えますが、区の見解と配備に向けたスケジュール、本年度の予算等も含めてお答えをいただきたいと思います。  最後に、国の政策決定と区の取組についてですが、第二次交通政策基本計画での速度十五キロ以下の電動キックボードなどの多様な交通手段について明記されたことや、文化財保護法の一部を改正する法律の成立を受け、区としてはどのような対応になるのか伺います。  また、無電柱化事業を全国四千キロメートルを二〇二五年度までに実施すると国交省が新計画を公表いたしました。東京都も五か年で千四百キロメートルを整備するとしております。区でも、幹線道路などこの時期を捉えて進めていけるのではないかと考えますが、国や東京都の計画に合わせ、年度ごとの目標と国の二〇二五年までの目標に向けては総事業で何キロを達成できるのか、併せて伺いたいと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えをいたします。  今後の次期実施計画に向けて、世帯構成の把握の仕方についての御質問でございます。  単独世帯の割合がこの間大変増加をしておりまして、平成二十七年の国勢調査の結果によると、一般世帯のおよそ半数、今後も増加が予想されます。二〇二五年には団塊の世代が後期高齢者になり、人生百年時代とも言われる超高齢社会が一層進展していく中で、高齢者の単独世帯の増加は貧困のリスク、社会的孤立や、あるいは介護需要への影響等深刻になっていくものと思われます。  単独世帯の増加に伴いまして、家族や世帯による支えあい機能が低下していく中で、行政の役割はこれまで以上に重要となり、また、行政のみならず、どのような地域で福祉的な基盤が構築できるのかどうか、これも重要な要素になってくると思います。  これまで、えてして私たち行政はいわゆる標準世帯を念頭に置いて、家族を最小の単位とした住民への情報提供、こういったことで考えてきました。しかしながら、一人世帯、一人で暮らされている方がこれだけ増えているということを今後念頭に据えて情報告知などをしていかなければならないだろうというふうに思っております。  区の計画策定や政策立案に当たって、人口規模のみならず、御指摘の世帯の在り方なども大変大きな判断材料になります。コロナ禍により人口動態をはじめ社会の構造も変化する中、これまでどおりの考え方が通用しない局面となっております。そして、昨年行いました国勢調査の速報値も間もなく公表の時期を迎えます。区といたしましても、七月にはこういった情報を見ながら人口推計の改定を行っていきます。恐らく単身世帯、お一人暮らしの方がさらに増えているということも十分予想できるわけで、この点の御指摘を踏まえて計画のほうをつくってまいりたいと思います。  二点目、いわゆるゼロエミッションに欠かせないEV自動車あるいは水素カーなどの取組についてです。  区内におけるエネルギー消費量のうち、家庭部門、業務部門に続いて自動車等の運輸部門が占める割合がちょうど二二%となっておりまして、走行時にCO2を発しない電気自動車や燃料電池自動車の普及拡大は、区が掲げております脱炭素社会の実現に向けた課題であります。  区としましても、平成二十九年度にFCV一台を導入しまして、また、昨年度には災害対策のため七台電気自動車を追加導入しました。率先行動として、EV車の庁有車への導入拡大を図っていく必要があると考えています。この中で地球温暖化対策地域推進計画の改定作業が進んでいくわけですが、区民、事業者と危機意識を共有し、さらなる転換を進めてまいりたいと思います。  次期実施計画において、カーボンニュートラルの達成に向けて、これは実際大変な取組が必要になるわけですが、気候変動に対する対策と行動を全庁挙げて推進できるよう、それぞれの部署が当事者だという意識を持って動けるように指示してまいりたいと考えております。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチン接種について三点御答弁申し上げます。  初めに、混乱を来さない区民へのワクチン接種予約についてです。  この間、国は接種の加速化に向けて自衛隊による大規模接種センターを開設するとともに、六月下旬からは勤務先や大学における職域接種を開始するなど、接種機会の拡充、多様化を進めているところです。こうした接種機会の増加に伴い、今後区においてもあらゆる年代で接種券を必要とする方の増加が見込まれることから、六月末から順次、十六歳以上六十歳未満の方に対して、おおむね十歳刻みで一週間ごとに接種券を送付し、七月中には送付し終える予定になっております。  一方で、短期間に多くの接種券を送付することにより、予約システムやコールセンターへの一時的な集中が見込まれることから、各年代の発送に当たっては複数回に分けて発送するなど、できる限り集中を避ける工夫をしてまいります。加えて、六月下旬までには予約状況を見ながら十月末までの予約枠の拡大を判断するとともに、予約システムの抜本的な強化を行うなど、予約の受付体制の強化を図りながら、一般の方に移行した際の混乱を回避する対応に取り組んでまいります。  次に、デジタル接種済証の交付についてです。  区では、集団接種会場などで接種した記録を国のワクチン接種記録システムVRSに即日登録しており、デジタルでの接種済証を発行する場合はこのデータが基本になると考えております。一方で、VRSには医療従事者の接種記録がまだ反映されていないなどの課題もあり、接種記録の確認方法や申請要件等の整理が必要です。また、国もこの夏に海外への渡航者向けに接種済みであることを証明するワクチンパスポートを発行するとしており、まずは紙の証明書を発行した上で、将来的にはデジタル接種済証の導入を検討しているとのことです。  区では、こうした動向も見据えながら、デジタルでの発行も念頭に置き、接種済証の発行体制について検討してまいります。  最後に、区のパブリックビューイングの会場もワクチン接種会場へ転用できるのではないかという御質問です。  区では、パブリックビューイングに類似した事業のコミュニティーライブサイトを二子玉川にあるiTSCOM STUDIO&HALL内にて、七月三十一日、八月一、二十八、二十九日の計四日間開催を予定しております。予定の会場は民間施設であることから、集団接種会場としては継続して活用できるかどうかなどの課題があります。ワクチン接種回数を増やす上で大規模な集団接種会場を継続して運営することは非常に有効であると認識しておりますが、職域接種や個別接種が進む中で、区の集団接種会場の役割を整理する必要があります。  引き続き、接種を希望する区民の方が迅速に接種することができる体制の整備に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎池田 総務部長 私からは二点御答弁いたします。  まず、ワクチンの職域接種についてでございます。  限りある接種体制の中で区が最優先して取り組むべきは、区民の方を対象とした接種であると考えており、現時点で区として職員を対象とした職域接種の手続を行っているものではございません。一方、保育士や学校の教職員などについては、子どもたちの安全確保などの視点から、集団接種会場での余剰ワクチンの接種対象と位置づけているところでございます。  現在、各自治体は幅広い年代への接種券の発送の検討に入っており、国に加えて東京都も大規模接種会場を設置予定であると聞いております。区の職員を対象とした職域接種につきましては、区民の方への接種状況などを踏まえながら、様々な選択肢の一つとして検討してまいります。  次に、区のテレワークへの対応、またスマートフォンの活用などについてでございます。  区の業務には、窓口業務をはじめ、区民の方との意思疎通を必要とするものが多く、現在の環境下においては窓口での手続や相談などの業務を自宅などでのオンラインでの対応に切り替えることは困難であると考えております。今後、デジタルトランスフォーメーションの取組により区民サービスの提供の方法も変化し、また、それに合わせて職員の働き方も変わっていくものと考えております。  お話しの携帯電話やデジタルデバイスの業務への活用などについても、区民サービスの向上に向けた課題として、デジタルトランスフォーメーションの進捗に併せ、関係所管とも連携しながら検討してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、行政手続のオンライン化につきまして御答弁いたします。  行政手続のオンライン化につきましては、DX推進方針Ver・1において電子申請の利用拡充を掲げ、時間や場所を選ばない区民の視点で望ましい利便性の高い行政サービスに取り組むこととしてございます。まずは電子申請の拡充を目指し、国が示すオンライン化すべき手続に加えまして、区の年間処理件数が一万件を超える手続などにつきまして各部にヒアリングを行い、導入について検討を行っているところでございます。  今後、国や都の動向も踏まえながら、可能なところから即着手、実行しつつ順次対象を拡充し、区民の方が利便性の向上を実感できる、よりよいサービスの提供につなげてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、「区のおしらせ せたがや」について御答弁いたします。  「区のおしらせ せたがや」につきましては、新聞購読者の減少などから、発行部数も毎年一万部程度削減をしてきている状況でございまして、紙により区の情報を得る層が少なくなってきているところがございます。一方で、区政モニターアンケートでは、新型コロナウイルス感染症に関する区の取組について情報を「区のおしらせ」から入手される方が半数以上と、紙の情報提供の必要性も認識してございます。また、御指摘のデジタルに慣れた方はホームページやツイッター等から情報を得られることを鑑み、二次元コードを「区のおしらせ」に掲載しており、現在はワクチン情報のページに誘導してございます。デジタルデバイドにも配慮する必要から、それぞれに合った手法の情報提供を工夫し、限りある紙面の有効活用を引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、高齢者への広報についてお答えいたします。  区では、特別養護老人ホームへの入所等について公平性を確保するため世田谷区特別養護老人ホーム入所指針を定め、申込み順ではなく、希望者ごとに要介護度、介護期間、介護者の状況、行動・心理状況の四項目でポイントを加算し、必要性が高い方から入所できる仕組みとしております。現在、区ホームページにおきまして、入所指針や施設情報等と併せて施設ごとの入所順位の目安となるポイント分布表も掲載しておりますが、申込みは随時行っており流動的なため、毎月データの更新も行っております。  高齢者にとっては紙媒体による情報発信は重要であると認識しておりますが、区報への掲載につきましては、その情報量の多さやデータの内容にタイムラグが生じるなど課題もございます。今後、申込み受け付けをしております各支所の保健福祉課など関係所管と連携し、課題も含め検討してまいります。  以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、避難所へのパーティションの導入について御答弁申し上げます。  各自治体では、一定期間避難所生活を行う場合に備え、プライバシー保護や感染予防のためパーティションの配備を進めておりますが、資材の保管スペースなどの問題から、全避難所、全世帯分の配置に至らず、配置可能な範囲から配備を進めている実情がございます。  区におきましても、配備が可能な範囲から配備を進めることができないか、また、その場合の導入コストなどについて検討を行っているところで、令和三年度予算に配備にかかる経費を計上するには至っておりません。  今後の検討に当たりましては、議員お話しのテントの配備をはじめ、パーティション以外の多様な手法につきましても、感染予防効果や実現性などの視点から最も効果的な方策となるよう比較検証を行い、その導入の可能性を検討してまいります。併せて、施設内の各部屋の活用や、協定によるNPO法人から提供される簡易間仕切りの活用と組み合わせるなどの様々な工夫についても検討を行い、新たな取組の実施に向け、関係所管、関係機関と調整を進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、電動キックボードなど多様な交通手段への対応についてお答えします。  令和三年度から七年度までの国の交通政策の指針である第二次交通政策基本計画が策定され、その中の新たに取り組むべき施策の一つであるモビリティサービスの質の向上に電動キックボード等を含む多様なモビリティーの普及促進、また、走行空間の確保やまちづくりと一体となった安全性確保の基本的な考え方について検討する等の記載がございます。一方、本年四月より区内でも実施されている民間事業者による電動キックボードの実証実験では、経済産業省の新事業特例制度を活用することで、時速十五キロ未満の機体ならばヘルメットの着用が任意になる等、昨年度の実証実験からさらに規制緩和された形で実施されております。  区といたしましては、新たな交通手段が安全かつ適正に利用・普及されるよう、交通安全面や道路走行上の課題等について民間事業者との情報交換等を行うとともに、実証実験結果や国の動向等を踏まえ、対応してまいります。  以上です。 ◎青木 土木部長 私からは、無電柱化計画についてお答えをいたします。  国土交通省は、今年五月に無電柱化推進計画を策定し、公表いたしました。一方、区では、令和元年六月に、今後十年間の無電柱化の基本計画となる世田谷区無電柱化推進計画を策定し、三十九路線、延長約十二・四キロメートルについて無電柱化を推進する計画路線として選定をいたしております。国が策定した無電柱化推進計画における具体的な整備区間につきましては、現時点では正式な協議はまだございませんが、今後、電線管理者を含む関係者間で調整が図られるものと考えております。  区といたしましては、今後の国の動きに併せ、区の無電柱化推進計画で位置づけた計画路線が国の新たな無電柱化推進計画に反映されるよう働きかけるとともに、関係部署と連携・協力しながら、無電柱化の推進に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、文化財保護法一部改正に伴う区の対応についてお答えいたします。
     令和三年四月に文化財保護法の一部を改正する法律が成立し、これまで国の指定の対象とならなかった無形文化財及び無形の民俗文化財を国に登録できる制度が新設されました。併せて、地方公共団体による文化財の登録制度が新設されましたが、区では既に文化財保護条例により区への登録が可能となっているところです。  今回の法改正では、国に登録する無形の文化財について、保存及び公開に要する経費の補助や、国の指導助言、また保存活用計画の作成や認定等を定めています。現時点では具体的な内容は明らかになっておりませんので、国の登録制度の活用につきましては、その支援内容等の詳細が判明次第、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) それぞれありがとうございました。  一人暮らし世帯の住民サービス等の在り方については、これは大きなテーマでありますけれども、五三%が一人暮らしというのは大変インパクトのある数字だと思います。ぜひ今後の計画にしっかりと取り入れていただくことを要望しておきたいと思います。  それから、庁有車の問題ですけれども、お答えをいただきましたが、都知事が都庁の庁有車のZEV化をして、都民、また事業者の範になるように率先して行動を起こすと言っておりますので、世田谷区もぜひしっかり区民の範になるような取組をしていただきたい、これを要望しておきたいと思います。  それと、御答弁いただいた中で避難所のパーティションですけれども、今年度は予算が計上されていないというのは大変がっかりいたしましたけれども、これから台風シーズンとかゲリラ豪雨で昨年も大変な状況がございました。コロナ禍ということで、このパーティションは大変有用だと思いますので、ぜひ取組をしていただきたいと思うんですが、区長、ぜひやっていただきたいんですけれどもどうですか。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  昨年の決算特別委員会でもやり取りがあった件だということで、坂茂さんですね、まず、間仕切りを考え出したのは。世田谷区松原に御在住でNPOをつくられております。坂さんとは協定を取り交わしておりまして、いざ災害のときに実際動いていただくことにはなっています。ただ同時に、特別区区長会に坂さんに来ていただいて、区長会の場で学生たちと紙管を組み立ててもらったところ、各区が大変興味を示して多くの区で協定を結ばれていると聞いております。  今、危機管理部長が答弁しましたが、要はストックしておく場所という話が引っかかっているわけなんですが、これはもう何とか工夫して、昨日、今日も大変な雨雲がありました。実際杉並区の小さい河川でちょっと危ないんじゃないかという情報も流れていましたので、やはりこれは工夫をして、しっかり置くようにすると。同時に、私は床に直接寝るということで健康を害する高齢者の方の声を多数聞いております。やはり段ボールベッド、これもかさばるんです、確かに。しかしながら、この備蓄の工夫もして、しっかり避難所ということはなるべく短くしたいんですが、しかし、そのときになってからそういった物品を探すというのではもう遅いということで、危機管理部に迅速に準備するように指示してまいりたいと思います。 ◆十番(あべ力也 議員) ありがとうございます。このパーティションの問題は、二十三区中十九区はもう既に配備をしているということで、世田谷区の住民の方には避難所で、それこそパーティションがなくて、そこに雑魚寝をしろというようなことは、今の時代ではちょっと考えられないということですから、早急な検討をしていただいて、避難をした皆さんが感染症にならない、そして、避難所で安全に過ごせるというような環境を、プライバシーにも配慮して、そういう環境の創設ができるようにぜひ早急に取り組んでいただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十分休憩    ──────────────────     午後二時四十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十四番中村公太朗議員。     〔四十四番中村公太朗議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(中村公太朗 議員) 世田谷区産業振興基本条例の改正に向けた検討が進んでいますが、かねてから指摘をしているように、それぞれの経済活動の責任が個人や法人に帰結するものである以上、行政の果たすべき役割は、その発展に向けた機会を提供するという点に特化をすべきであり、利益や生活を保障するものではないということを忘れてはいけません。その上で、震災やコロナのように不可避な事態における深刻な影響に対しては、前提条件を超えて行政が最大限の努力を惜しむべきではないという立場です。であればこそ、制度自体もその効果も根拠の見えないプレミアム商品券事業についても、上記状況に加えて電子移行という必然性も併せて、時限的に認めているところです。  改正される条例が将来の世田谷をつくる一つの大きな指針となる可能性がある以上、これまでの曖昧な産業政策、役割の曖昧なコミュニティー、目的の曖昧な補助金支出を徹底的に見直し、真に持続可能な地域経済とは何なのかを落とし込んでいかなくてはいけません。区の見解を問います。  条例が看板を掛け替えただけのマイナーチェンジとなっては発展も何もありませんが、素案の中で特に懸念をするのは、世田谷区地域経済の持続可能な発展を目指す会議と称された会議体の編成メンバーです。旧態依然とした団体の代表が首を並べて、代わり映えのない議論をする、それぞれがメリットを主張してぼやけた結論だけを積み重ねていく、これでは何の意味も意義もありません。  区がわざわざ新しくつくる会議体の構成メンバーをどういったスタンスに基づいて選出をするつもりなのか、どのような機能を果たす想定なのか、明快な答弁を求めます。  さて、区がソーシャルビジネスの推進に取り組み始めてしばらくたちます。社会貢献など企業の役割が営利活動を超えて広がりを見せ、それが評価をされる社会の情勢が進む中、ソーシャルビジネスは今後より重要度を増していきます。  今回の条例改正においても柱の一つとして位置づける方向性のようですから、今後さらに力を入れていくとの表明かと思いますが、これまで進めてきたシンポジウム等で具体的な実業の成果が出ているのでしょうか。この間のソーシャルビジネスにおける起業の状況、運営の課題、行政の役割など、エンジンをかけ直す前に総括が必要と感じますが、区の現状と考えを問います。  次に、官民連携と公有財産について質問いたします。  新しい行政サービスの創出、区民の負担を減らすための税外収入の確保、役所の役割が時代の求める進化を遂げるために官民連携は必須事項で、世田谷区としては他自治体に比べても早くから目をつけて、専管組織も設けて取り組んできたと認識をしています。しかしながら、その実績と現状を見ると、かけた年数に見合うほどの内容に乏しく、あくまで従来の常識にとらわれた中での成果にしか至っていません。  官民連携事業には、企業提案型とテーマ設定型の二つがありますが、以下、足りない点を順次指摘をしていきたいと思います。  まず、企業提案型の官民連携事業についてですが、当初から役所スペースへの宅配ボックス設置など一定の成果を上げていると認識をしています。とはいえ、この制度はその名のとおり企業の提案で成り立つ以上、いかに多くの様々な角度から提案をしてもらうかという環境づくりが行政の役割ですが、現状では、企業側が勝手に公共資源をリサーチをして、提案があるようなら聞きますよと言わんばかりの制度にしかなっていません。  現在の成果を超えて実績を積み上げていくには、行政サイドからのより積極的な公有財産の情報提供が必須です。ここで言う財産とは、土地や建物といった有形のものだけではなく、行政サービスにおける仕組みやデータといった無形のものも含んでいます。行政の想像を超えた新事業を生み出すに当たって、民間企業にとってどのような情報が提案のヒントになるのか、有用となるのか分からない以上、提供する情報を行政視点で選別することは本来目的への阻害要因にしかなりませんから、この点を踏まえて考え得る情報やデータを最大限かつ積極的に提供していくべきと考えますが、区の見解を問います。  次に、テーマ設定型の官民連携事業についてです。  区が課題を設定し、民間企業と力を合わせて一緒に解決をしていくという目的でできた制度で、それまでの行政では乗り越えられなかった課題に対しても新たな局面を期待できるはずでしたが、この間の取組内容を見ると、従来の委託事業者の募集やサウンディング調査を、担当所管からの依頼で官民連携課が窓口として実施しているだけのものが散見されます。これではどこが民間事業者と協力して取り組んだ事業なのか理解に苦しみます。官民連携課というのは、各所管の事務を委託されるだけの下請の担当課ではないはずです。改めて発足当初の前提に立ち返り、区政運営における課題、例えば空き家問題、公共施設の老朽化問題、SDGsなどテーマは何でもいいと思いますが、それらを明確な意思を持って設定し、行政と民間企業がお互いに労力も資源も財源も拠出をしながら解決をしていくというスキームを構築すべきです。  これまでの総括、今後の展望、そして区政課題における解決を目指すテーマ設定について、区の明快な所感を伺います。  さて、これまで区長が意欲を見せてきた政令市への移行について、自治権拡充の検討に伴う基礎調査・研究が報告をされました。そもそも世田谷区が東京都を飛び出すことによる意義やメリットについて、現状の仕組みにおける制約やデメリットについて、区民は全く追いついていません。世田谷区の根幹をなす議論の行方は、当然区民を置き去りで進むことも決まることもありませんから、まずは、なぜ現在の世田谷区ではなく新たな方向性を模索をしているのかということを、手を尽くして分かりやすく説明すべきです。  この点について区はどう考えているのか、まだあらゆる可能性を検討している段階ですから、区民説明会が必要だとは言いませんが、しっかりとした情報提供をしていくつもりがあるのか伺います。  調査研究の報告では、政令市へ移行すれば、現状よりも二百四十億円の財政悪化になるというシミュレーションが示されました。税収や補助金が減るということは区民サービスが減るということに直結しかねませんし、ただでさえふるさと納税の影響額が七十億円規模で区財政を圧迫する中、二百四十億円の影響は相当なインパクトですから、これを見る限りでは移行は絶望的なようにも感じます。今回の報告を受けて、それでもなお区長の政令市を目指す覚悟はぶれていないのか、その姿勢を伺います。  もちろん、この議論は財政の問題だけでなく様々な権限移譲がポイントであるということは言うまでもありません。また、固定資産税や法人税が世田谷区に移管されることで、そこに打開策はないのかとも思います。世田谷に本社のある大企業といえば楽天が思いつきますけれども、例えば、そのような規模の企業を幾つ誘致をすれば二百四十億円の影響額を圧縮できるのかなど、報告書に並ぶ専門用語ではなく、誰にでもイメージがつくような表現で議論のテーブルにのせるべきですし、その上でそのような世田谷の将来像を望むのかどうなのか、議論を拡大していくことこそが真に期待される世田谷が向かうべき方向性の醸成なのではないかと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中村議員にお答えをいたします。  自治体の形についてであります。  自治体の形は、現在世田谷区は特別区、二十三区の一つでありますが、このまま未来永劫この特別区にとどまるべきではないと考えています。政令指定都市も一つの選択肢ですが、報告にもあるように、新たな自治体の形、特別な特別区、新たな特別区なのか、これは自治法改正が必要になりますが、そういったことを模索していかなければならないと思います。  なぜという点では、やはり課税自主権の問題。産業誘致のみならず、例えば環境緑化、緑にしても、こういったインセンティブをどこの市町村も行使をしています。そういったことが行使できない現状。また、教育総合センターで教育問題、この定例会でも熱く語られていますが、教員の人事権の問題。そして、町をどうつくるか、都市計画決定権限、これは特別区を除いて地方分権一括改革で全国の市町村に都道府県から移行した権限、これを取り戻すということが大きな一つの目標であります。これをしてこそ全国の市町村と並ぶ、いわゆる基礎自治体として平等になるというのが議論の原点であります。  昨年実施した基礎調査研究では、政令指定都市や一般市への移行を仮定した場合に、住民サービス等に一定の効果がある一方で、基準財政収入額が基準財政需要額を上回るため地方交付税不交付団体となり、これまでの財調交付金がなくなることで財政面は二百四十一億円などの、これは政令市の場合ですが、マイナスになると試算をしました。  一方で、これまでの都市の在り方の検討において都区財調の調整税を基に実施されている大都市事務の役割分担と範囲について、東京都と区の側で毎回議論が平行線に終わっている、整理がされていないという現状があります。この整理の仕方によって収支の結果が異なってくることも考えられます。  また、今回の研究では、今後の選択肢として、先ほどもちょっと申し上げたように、特別区の新たな位置づけということも示唆されています。既に児童相談所を多くの皆様の御協力で設置をして先行して運営するなど、二十三区一律の状況ではなくなってきています。人口規模とてそうであります。特別区における規模に応じた権限の拡充というシナリオも同時に考えてみたい。こうした自治体の在り方検討とともに、いわゆる特区制度を使うことや地方分権改革に関する提案募集方式など、現状ある制度を使った段階的な改革、こういったこともしながら、やはり自治体としてのステージをしっかりと上げていくというために、まだ区民の皆さんに御提示できる段階ではありませんが、地域行政制度の改革をしっかり議論しようと、これは内側の区の中の話です。今度は区の外の話で、区がこういう形でいいのかという、この議論も始めていきたいと思います。 ◎田中 経済産業部長 私からは三点、まず、事業者支援の考え方についてです。  区では、コロナ禍で大きな影響が出ている区内事業者に対し、融資あっせんや経営相談等を通じてその経営を支えるとともに、業態転換補助やハンズオン支援など、事業者自らが新たな挑戦に取り組むことを後押しする事業を実施しています。また、今後の地域経済発展の方向性を示す産業振興基本条例の改正素案では、区の責務として、中小・小規模事業者等への支援や、事業者等が活動するための環境整備、事業者の責務として、持続可能性を考慮した事業展開をすることなど、事業者が自立的に事業を進めていけるよう取組を図っていく予定です。  改正条例素案で掲げる地域経済の持続可能な発展に向け、改正条例の趣旨や区を取り巻く環境の変化を的確に捉えながら、今後も事業者の活発な活動を後押しするような施策を実施してまいります。  次に、ソーシャルビジネスについてです。  これまでソーシャルビジネス支援は、スタートセミナーやビジネスプランコンテスト、地域の支援機関と連携してサポートする、せたがやソーシャルビジネス支援ネットワークの構築など様々な取組を実施してきましたが、一方で、フォロー体制や事業者とのつながりが脆弱であったなどの反省点もあります。このため、昨年度は特別区長会調査研究機構とともに、特別区が行うソーシャルビジネスの活動支援策の共同研究を行い、都市自治体としての支援を検討しました。  それらを踏まえ、三月に立ち上げたSETAGAYA PORTにおいて、ソーシャルビジネスを取組の一つとして位置づけました。具体的には、ビジネスコミュニケーションツールなどを活用し、課題を提起する人と、その課題解決に参画、協力したい人のマッチング、先輩社会起業家とともに社会課題解決に取り組むプロジェクトの実施等、継続的にソーシャルビジネスを推進する取組を行ってまいります。  旧池尻中学校跡地活用においても、世田谷発のソーシャルビジネスが生み出される場となるよう検討を進めてまいります。  次に、条例の会議体の在り方についてです。  条例改正に伴い新たに設置する地域経済の持続可能な発展を目指す会議においては、地域経済の持続可能な発展に係る指針、その他地域経済の持続可能な発展に関することを調査、審議することとしております。例えば、アフターコロナを見据えた経済産業政策など、多様な事業者、NPOや区民、学識経験者など幅広く委員を選定し、その時々の社会経済情勢を踏まえた審議をいただけるよう進めていきたいと考えております。  私からは以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、三点について順次御答弁申し上げます。  初めに、テーマ設定型官民連携についてでございます。  区では、平成二十九年に定めました世田谷区官民連携指針に基づき、幅広く民間企業等から官民連携の提案を求めているほか、区が特定のテーマを設定し、民間企業等から課題解決の提案募集を行うテーマ設定型の官民連携の手法を令和元年度五件、令和元年度四件実施いたしました。  区政課題の解決に当たりましては、民間企業等の発想や資源と連携することで、区民生活や社会環境の変化にマッチした取組の実現が期待されているところでございます。民間企業等の参画を募るテーマ設定型では、これまで保育園入園認定業務に関するチャットボットの導入に向けた機能等の検証、学生向けオンライン面接スペースなど区の施策に関する周知啓発、それからけやき広場活用イベントの出展、運営協力などの例があり、区単独では困難な事業実効性の検証や、幅広い区民への情報発信などに効果を上げてきてございます。テーマ設定型による官民連携の手法は、新たな視点でのスモールスタートとして、実証実験などを経て施策や業務に広く波及することとして行ってきてございます。そうした実績を重ねて、包括連携協定による幅広い協力関係に結びつくことも期待されます。  例として示されたSDGsなどのテーマは、広域的、横断的な区政課題でありますので、民間とのパートナーシップで解決を図る必要性がありますことから、この仕組みも有効に活用し取組を進めてまいります。  次に、企業提案型の公有財産のさらなる有効活用についてでございます。  区が所有する土地及び建物の有効活用に関しましては、世田谷区公有財産有効活用指針に基づきまして情報を集約し、庁内意向調査等を経て、例えば駐車場用地等の貸付けなどの活用に至ってございます。  活用に当たりましては、区民の利便性の向上などに資するものなど条件はありますが、民間の市場感覚や柔軟な発想でユニークな活用方法の提案を受ける手法は、区民サービスの向上と税外収入の確保につながることからも有効な取組でございます。  また、御指摘の行政情報やデータも活用した世田谷区DX推進方針Ver・1において、オープンデータの活用推進なども通じた官民の協働による新たなサービスの提供を促進することとしているところでございます。そうしたデータ等の活用により区の事業成果が得られるよう、幅広い民間提案型による活用の仕組みづくり等について、関係所管とも協議をし検討してまいります。  次に、自治権の拡充についての検討でございます。  自治権拡充は、特別区はもとより、区でもこれまで長年にわたり取り組んできたテーマでございまして、真の基礎自治体を目指す取組をさらに進めるには、今般の基礎調査・研究について、庁内職員周知をはじめ、特別区長会へ情報提供し、議論を拡大していくことが必要でございます。  議員お話しの企業誘致を行った場合ですけれども、例えば、隣の川崎市は政令指定都市でございますが、法人市民税が令和三年度予算では百八億円の歳入規模がございます。こうした規模と、先ほどの区が試算しました政令指定都市への移行の場合の二百四十億円の歳入との比較では、単純には企業誘致を積極的に行った場合でもなかなか生み出すことは容易ではないと考えてございます。しかしながら、先ほど区長が御答弁しました収支シミュレーション結果が異なるという点では、特別区においての大都市事務の取扱い、こちらについてはこの間特別区におきましては行政の一体性及び統一性の確保から東京都が行うという大都市事務の役割分担と範囲の整理に関しまして、都と特別区の議論が十分に行われておりませんので、こういった議論を引き続き行うということが重要でございます。  真の基礎自治体を目指す自治権拡充の実現に向けましては、区民、関係団体を交えました大きなうねりが必要となります。そのため、区民の皆様により分かりやすく御説明をし、御理解いただくことが必要不可欠なことと考えてございます。今後、区民、議会との議論も深めながら、様々な選択肢を導き出すことができるよう検討を重ねてまいります。  以上でございます。 ◆四十四番(中村公太朗 議員) 自治権拡充については、今出たように難しい問題がたくさんあったりとか、用語も難しい一方で、これだけ区民の大きく関わること、そもそも世田谷区自体がどうなるかということだと思うので、やはり分かりやすく伝えていく、経過経過で努力が必要だと思います。  感想を言わせていただきますと、教育の人事権についてだって、もうずっと前から言い続けていていまだにそういう状況ですし、そう簡単に東京都がはい分かりましたとある日突然手放すとは思えないんですよね。交渉事でどれぐらい進んでいるのか、どの程度会議を積み重ねるのか分かりませんけれども、一方で、今度は区長会でその時々の区長の体制にもよると思うんですけれども、意思を合わせていかないとなかなかまとまった交渉もできなかったりとか、区長だってあと何期やるか分かりませんから、それまでに世田谷が一気に結論をするとも思えませんし。ということを考えると、やっぱり世田谷独自で判断できる部分というのは、結構な可能性を残しながら検討を強くしたほうが物事は進んでいくのではないのかなとは感じますので、ぜひ、いずれにしても分かりやすく経過を伝えていただきますようにお願い申し上げまして、以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十六番和田ひでとし議員。     〔二十六番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◆二十六番(和田ひでとし 議員) 通告に従い順次質問してまいります。  世田谷区は、東京二十三区の中で人口が一位、面積が二位と大変大きな特別区であるがゆえに、様々な課題を抱えております。とりわけ区の五地域二十八地区の地域行政制度は大変特徴的な取組でありますが、区民の皆さんにとっては、言うまでもなく公平公正な制度でなければなりません。  私の地元奥沢地区は、区南東部の盲腸のように飛び出した場所に位置し、大田区、目黒区と隣接し、都心や川崎・横浜方面へはアクセスしやすい一方、世田谷区内の移動については、区役所や総合支所へ行くにも課題があり、特に高齢者など地元の皆さんからは、同じ住民税を納めているのにと、公共施設の配置や公共交通サービスについての厳しいお声をいただいております。  そこで、本日は公共施設整備と高齢者に優しいまちづくりという観点から質問してまいります。  奥沢駅前の奥沢センタービル・三敬ビルの耐震補強について伺います。  このビルには、区が運営する公共施設として奥沢区民センター、奥沢図書館、そして、現在は一時的にやむなく移転して仮運営となっていますが奥沢子育て児童ひろばが設置されております。平成二十七年度に実施した耐震診断において耐震不足が指摘されており、平成二十九年には耐震化に向けて施工業者も決まりましたが、資金の確保ができず契約が解除となったと伺っております。耐震性の不足が指摘されてから六年が経過し、工事の契約が解除になった以降、何ら対応が進まず、現時点でも耐震補強工事着手のめどが立っていないように伺っております。  地元の皆さんにとっては、区役所、区民会館、また総合支所へもアクセスが悪く、この区民センター、図書館、子育て児童ひろばは大変貴重な公共施設であります。しかし、この建物は、区の公共施設で唯一耐震化されていない建物であり、地元区民の皆様からも利用者の安全安心の確保の観点から、何としても早急に耐震化を図っていただきたいとのお声をかねてからいただいております。  区は、この建物の区分所有者として権利を有しており、また、建物全体の管理組合の理事長でもあることから、権利者をまとめ耐震化を図る責務があるものと考えます。  そこで、三点について伺います。  まず、区では、耐震化工事の契約解除以降、どのような取組をしていたのでしょうか、まず確認をいたします。  次に、区では現在でも耐震化を目指していると聞いていますが、このビルは区分所有であるため、工事を行うにも権利者の合意形成が不可欠です。そこで、区は管理組合の理事長として、耐震化工事に向けて今後どう行動していく考えなのかを伺います。  三点目に、区分所有であることから、もし権利者の合意形成が整わずこのまま進まない事態も想定されます。この場合、区ではどう対応する考えなのか。また、この状況についてどう考えているのかを伺います。  次に、児童館の未整備地区解消についてです。  区では、現在二十八地区全てに児童館の整備を目指していますが、未整備地区が区内で八地区あり大きな課題となっています。これまでも何度かこの問題を質問で取り上げてきましたが、いまだに進展はありません。  このたび未整備地区について、学校等との複合化を基本に計画的な整備を行うとのことですが、それぞれの地区、学校での事情は当然違います。そこで、学校の機能と児童館の機能を両立していく上での課題を区はどのように捉え、解決していくつもりなのか伺います。  未整備地区の一つ、奥沢地区では、延期になっていた奥沢中学校の棟別改修の基本構想が今年度より始まり、地元町会をはじめ、青少年地区委員会、民生委員児童委員協議会、地区社会福祉協議会の皆さんから、奥沢中学校に児童館を併設することを求める要望書が提出されたと聞いております。学校の改修が延期になったことで児童館との複合化の機運が高まるなど、地元にとってまさに千載一遇のチャンスと言っても過言ではありません。地域住民から提出された要望書を受けて、区の考えを伺います。  次に、マイナンバーカード交付申請促進についてです。  コロナ禍を経験した私たちは、これからのDX時代に向けて、行政窓口での手続をオンライン化し、来庁しないで済ませることがますます重要となってまいります。マイナンバー制度を有効に活用することが区民にとって大きな利益につながると主張した我が会派の代表質問に対し、区は、重要な基盤であるマイナンバーカードの普及が鍵であり、引き続きカードの普及促進に取り組んでまいりますと答弁されました。世田谷区においても徐々に交付件数が増えてきたと聞いておりますが、まだ約三〇%という状況であり、まだまだの感であります。  このたび区は各総合支所での交付申請窓口の特設窓口を設置し、体制強化を図っています。しかし、地区によっては、また高齢者の方々にとっては、各総合支所へ行っての手続もなかなか難しいという状況もあります。そして、申請後の交付手続にも課題があります。高齢者をはじめ、総合支所へのアクセスが悪い地区にお住まいの皆さんには、もう一歩踏み込んだ対応が必要であると考えます。  状況に応じて地区内での臨時窓口を設けるなど、地元のまちづくりセンターや区民センター等での交付申請手続ができるよう対応すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。  最後に、認知症予防、介護予防について伺います。  コロナ禍の折、高齢者の活動もかなりの制限を受けています。特に、人と人との接触が減り、会話や会食等、仲間同士の活動がほとんどできなくなってしまっている状況です。高齢者は特に家に籠もりがちになってしまう中、ワクチン接種は徐々に進んできてはおりますが、もうしばらくは続くと思われるコロナ禍で、認知症予防、介護予防の観点から、各地区の最前線で活動しているあんしんすこやかセンターの存在はますます重要になってきます。
     我が会派の代表質問では、あんしんすこやかセンターの機能充実について質問しましたが、区は、あんしんすこやかセンターで対応している支援内容につきましては複雑多様化しており、よりきめ細かい支援が求められております。またDXの推進、業務改善も喫緊の課題と認識しておりますと答弁をされました。  私も地元のあんしんすこやかセンターで現状のお話を伺ってまいりましたが、コロナ禍での相談内容は多岐にわたっており、特に外出自粛は心身ともに変化を来す方が多く、大変心配であるということでした。  そこで、改めて各地区の最前線で活躍しているあんしんすこやかセンターの重要性をどのように捉え、フォローしていくつもりであるのか、区の見解を伺います。  そして、今後コロナが収束できたとして、二〇二五年問題、いわゆる団塊の世代の皆さんが後期高齢者に突入する時期がすぐそこに迫っており、ますます認知症予防、介護予防は重要になってまいります。コロナ前のような様々な地域活動がこれまでのようにどこまでできるかは不透明であります。  区は、これからの認知症予防、介護予防にどのように力を入れていくのか、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、奥沢センタービルの耐震補強問題につきまして、三点について一括して御答弁申し上げます。  区では、奥沢センタービルについて、耐震補強工事の契約が解除になった以降も、工事に賛同している区分所有者の方々と協力しながら、工事内容を精査し、費用負担を軽減することで権利者の御理解を得やすくするとともに、工事の進め方について権利者全員にアンケートを実施し課題を抽出するなど、再度の工事実施に向け、不断の取組を進めてまいりました。  工事が着手できない一番の課題は、耐震化工事の実施について、建物の全体管理組合で決議されているにもかかわらず、一部権利者からの支払いの意思が確認できず資金が確保できていないことであり、現在、資金を確保する方策について様々な観点から検討しているところでございます。引き続き、全体管理組合の理事長として、理事会や権利者の方々とも話し合いながら資金を確保し、一刻でも早い耐震化工事の着手を目指してまいります。  また、区といたしましては、耐震性の不足が確認されて以降六年が経過しているにもかかわらず、対策が進展していないことを大変憂慮しております。いずれにいたしましても、発生が想定される大地震に備え、一歩前に踏み出すことが重要であり、区民が奥沢区民センター、奥沢図書館及び子育て児童ひろばを安全安心に利用できるよう、公共施設の管理者として強い意思を持って取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童館未整備地区のうちの一つである奥沢地区の状況についてお答えいたします。  区では、幅広い利用者や地域ネットワークを持つ児童館を地区における子どもの相談支援を行う中核として位置づけ、まちづくりセンターごとの地区に整備していくこととしております。お話のありました奥沢地区を含めて児童館が整備されていない八地区につきましては、公共施設等総合管理計画と整合を図りながら、学校等との複合化を基本に計画的な整備を行っていく方針です。奥沢中学校は昭和三十三年に竣工し、今年で築六十三年を迎えます。当中学校の改修、改築の検討に当たっては、御要望いただいております児童館機能を担うために必要な面積を確保した複合化の可能性について、関係所管と具体的に協議をしてまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校と児童館の複合化に当たっての課題についてお答えいたします。  区では、世田谷区公共施設等総合管理計画において、学校施設の改築に当たっては、周辺公共施設との複合化を推進することとしており、これまでに、まちづくりセンターや保育園との複合化を進めてまいりました。改築による学校と児童館との複合化に当たりましては、児童館の利用対象者や、開館日時を踏まえた利用動線の明確化、セキュリティー区分の確保、学習環境の確保など、それぞれの管理運営面を考慮した施設計画が必要であるものと考えております。  一方、既存校舎を活用し複合化した場合では、これまで保育園などの事例がございますが、施設配置や規模などが制約されること、御質問の児童館については、利用者が乳幼児とその保護者から中高生世代と幅広く、また、規模も比較的大きいため、動線や機能確保などの課題解決が困難となることが想定されるものと認識しております。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、地区でのマイナンバーカードの交付申請について御答弁申し上げます。  国によるマイナンバーカードの申請勧奨や、マイナポイントの申請期限延長などにより、マイナンバーカードの交付申請件数は、これまで月間約一万件から、本年四月は約四万件に増加をいたしました。このため、先月より各総合支所の特設窓口を開設し、カード交付の予約受付枠の拡大を図っております。また、お住まいの近くでマイナンバーカードを受け取りたいという御要望が多いことから、本年七月から九月の間、まちづくりセンターの活動フロアや区民会館の集会室等を活用して、平日や日曜日に臨時窓口を開設いたします。一方、国が示す事務処理要領により、本人確認やパスワード設定などのため、申請時もしくは交付時のいずれかで来庁手続が必要となります。このため、申請時に来庁していただき、後日マイナンバーカードを本人限定受取郵便で郵送する方式も実施してございます。  開設する臨時窓口では、当面カード交付をお待ちの方への対応を中心に行いますが、カード申請の受付も行えるよう、実施施設や時期の検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症予防、介護予防について、二点お答えいたします。  まず、コロナ禍でのあんしんすこやかセンターの重要性についてお答えいたします。  コロナ禍での高齢者のひきこもり等による認知能力や体力の低下を防止するため、支援が必要な高齢者へ働きかけ、介護予防の取組につなげていくことは重要であるというふうに考えております。あんしんすこやかセンターでは、身近な相談窓口として相談に応じるほか、感染予防を徹底して介護予防の講座を開催したり、広報紙を町会回覧するなど、介護予防の情報提供なども行っております。また、八十五歳以上の一人暮らし高齢者や転入者などのお宅へ生活状況の把握のための訪問を行うなど、介護予防につなげる相談等を積極的に行っております。  さらに、民生委員、町会、商店等と連携をし、見守りネットワークの構築に取り組み、そこからの情報により、より広範に高齢者への支援に努めており、地域とのつながりを深める上でも、あんしんすこやかセンターの役割は重要であると認識しております。  今後とも関係機関と連携を図るとともに、多くの高齢者への情報提供や支援の働きかけを拡充し、さらなる認知症予防、介護予防の充実に取り組んでまいります。  次に、コロナ後の取組についてお答えいたします。  二〇二五年の後期高齢者人口の増加も見据え、区では、高齢者が可能な限り自立した生活が送れるよう、介護予防に必要な知識、スキルの普及啓発や、住民主体の活動支援による介護予防の地域づくりに取り組んでまいりました。この間のコロナ禍による外出自粛に伴い、高齢者の心身機能低下が想定されたため、自宅でできる体操等のリーフレットの配布や、感染対策を徹底した介護予防事業の開催など、フレイル予防に取り組んでおります。  一方で、地域デイサービスや体操等の自主活動は、緊急事態宣言の長期化により活動を休止している団体が増えている状況でございます。コロナ後を見据えた今後の取組につきましては、会場での活動に加えてオンラインによる介護予防事業を展開するとともに、活動団体に対し、不安を払拭できるよう、感染予防方法の助言やフレイル予防が必要な利用者をつなぐなど、あんしんすこやかセンター等による活動再開支援を行ってまいります。  また、新たな活動団体を増やすため、担い手確保、活動場所のマッチング等を実施し、多様な参加と活動の場を確保するなど関係機関と連携し、取組を進めてまいります。  以上です。 ◆二十六番(和田ひでとし 議員) 再質問いたします。  答弁いただきましたが、まず、児童館整備についてです。  今回の奥沢中学校改修での複合化によって児童館が実現できることを、地元の皆さんは切に願っております。先ほどの部長答弁では関係所管と具体的に協議していくとありましたが、多くの課題を乗り越えなければなりません。そして、領域をまたぐということでもあり、各所管の連携が非常に重要であります。区の力強い意気込みをぜひお聞かせいただきたい。  そしてもう一つ、奥沢センタービルの耐震化です。既に区は新たな公共施設は増やさない方針を打ち出しています。つまり、現在ある施設を確実に維持していくということです。であるならば、区内で唯一耐震化されていないこの公共施設を、地元の皆さんが既に六年以上使い続けてきたということ、そして、この先いつまでこのような状況が続くのか、不安は募るばかりであります。  いずれも地域コミュニティーの核となる大切な施設をどうやって維持していくつもりなのか。強い意思を持って一歩前に踏み出すというならば、そこをしっかりと聞かせてください。 ◎宮崎 副区長 児童館の関係につきまして、再質問に御答弁申し上げます。  ただいま各所管部長より御答弁申し上げましたとおり、この児童館の件につきましては公共施設等総合管理計画の一部改定素案の考え方に基づきまして、児童館の未整備地区につきましては何とか解消すべく、例えば学校等との複合化を基本に計画的な整備を行うと、このような方針を出しているところです。  様々に課題はございますけれども、御指摘の奥沢中学校の児童館の複合化につきましては、教育委員会、子ども・若者部、さらには関係各所管部全体をまたぎまして連携させまして、実現できますよう、具体的に検討を進めさせていただきます。  以上です。 ◎岡田 副区長 私からは、奥沢区民センタービルに関連しまして、再質問にお答え申し上げます。  奥沢区民センタービルの耐震不足が明らかになって六年が経過してございます。この間、奥沢地区の皆さんには、長い間御不安と御不便をおかけしていること、大変申しわけなく、担当として非常に責任を感じております。この間膠着状態でありましたが、五年前に全体管理組合が行いました決議の金額の範囲で工事ができる見込みもついたことから、課題は権利者による資金の確保となっております。この問題につきましては、老朽化したマンションの耐震性確保に向けた合意形成という区全体が抱えている住宅問題の一つでもあります。全体管理組合として、決議どおりに耐震工事が実施できるよう、強い決意で臨んでまいります。  以上です。 ◆二十六番(和田ひでとし 議員) 先ほども申し上げました、区役所へも総合支所へも行くことが大変不便なところ、そして、児童館はもともとない。だからこそ、自分たちでまちづくりを主体的に進めなければならない。地元の皆さんにとって、奥沢区民センター、図書館、子育て児童ひろばがどれだけ重要な公共施設であるか、改めて御理解いただき、耐震化と児童館整備の実現を強く要望して、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で和田ひでとし議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三番そのべせいや議員。     〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆三番(そのべせいや 議員) 質問を始めます。  五月の福祉保健常任委員会で公表されたとおり、四月一日時点の保育待機児童ゼロが二年連続で継続されました。国が策定した定義に合わせ、片道三十分、徒歩換算を基に、半径二キロ以内を通園可能なエリアとし、そのエリアに空きがある場合を待機児童カウントから除外していますが、その対象も二百九十五人と、昨年比約百八十人減となり、実質的な保育希望者の利用もさらに進んでいます。昨年は、待機児童数の発表がある五月後半頃には既に一歳の認可保育園の空きはほぼなくなっていたのに対し、今年は少なくない地域で今からでも入園が可能となっており、この一年で四百人強の定員増に加え、申込者数の六百人減が要因だと見られています。  また、区内の出生数は、二〇一四年から一六年の八千人前後をピークに、一九年、二〇年は六千八百人台と千人以上の減となっており、妊娠から出産まで九か月のタイムラグや、昨年四月から一年で出生にインパクトがある二十代後半から四十代前半の人口がマイナス五千人となっていることを加味すると、むしろ今年、二〇二一年以降にコロナの影響を受けることとなり、さらなる保育需要減も予測されます。  空きのまま放置をされると、事業者にとっては固定費がかさみ、また、保育リソースが存在をしながら利用されないことは社会的損失でもあります。昨年は認証保育所のゼロ歳児定員を、入園希望の多い一歳児向けに転用する対応をいただき、より必要な人に必要な保育が届けられましたが、こうした空きがあるからこそ可能となる独自事業や、フルタイム労働を前提としない多様な保育・子育て支援、また、これまで四月入園申込みができなかった早生まれ向けの入園予約等、空きをさらに活用できないか伺います。  また、空きが出てきて利用者側に希望する保育を選ぶ余地が生まれたからこそ、これまで配給制であった保育園は今後選ばれる側となり、事業者間で園児の獲得に向けたサービス、質による市場競争が発生することはポジティブに評価しています。本来であれば、保育方針や内容、指導方法等の中身で選ばれる、マッチングをすることが望まれますが、残念ながら、現在の空き状況を見る限り、運営形態、三歳以降の接続、保護者の通勤利便性、園庭の有無が評価の中心で、事業者、保育士がどんなに努力をしても評価の対象となっておらず、このままでは単に小規模園や駅から遠い保育園が撤退をするだけで、フェアな競争による保育の質の向上にはつながりません。  現在の保育施設一覧のウェブページ、冊子を見ても、事務的な情報が中心で、保育方針、特徴について各施設似たようなコメントが付されているものの、その保育園の特性を理解するには個別に膨大な情報収集が必要となります。  利用者側が選べる時代になったからこそ、よしあしではない両極尺度による評価や、定量的評価等の情報を提供して、保育の質で保育園が選ばれる健全な市場を形成し、質の向上を誘発できないでしょうか。  続いて、これまで待機児童対策としてベビーシッターの活用で窮地に陥る方がいなくなるよう提案をしてまいりましたが、一方で、東京都は昨年より子育て支援の一環として、保育の必要性の認定も要件とせず、ベビーシッターを利用するケースへ補助制度を創設しました。一時預かり利用に加え、ベビーシッターを活用した共同保育を必要とする方という文言も加わり、多胎児支援や様々なケースに利用が可能です。  区も、理由を問わない一時預かり、ほっとステイを実施していますが、ウェブサイト上に、自宅で過ごすことが可能な御家庭については、できるだけ自宅で過ごしていただきますようお願いしますと記載があるように、緊急事態宣言で仕方ない部分もありますが、極力利用を控えるよう現在案内されています。また、多胎児支援等区独自の支援制度もありますが、今回、都の提示したベビーシッター利用支援は対象が区の支援メニューよりも広範にわたります。区の持ち出しもなく、感染症等のおそれの少ないベビーシッターを支援メニューに加えられないか、また、採用が難しい場合、先ほど申し上げた保育園の空きの活用と区のリソースを最大限活用し、ライフスタイルの多様化に対応した支援が拡大できないか伺います。  続いて、公金業務について伺います。  先日、昨年の政務活動費を返納した際、区役所第一庁舎一階の指定金融機関みずほ銀行の派出所を案内されましたが、厳密にはみずほ銀行の他店等でも対応可能だそうで、全ての納付手続は区役所内の派出所窓口である必要はないそうです。本当にそうならば、区役所内にATMが数か所設置され、コンビニも徒歩数十秒の位置に存在する世田谷区役所においては、指定金融機関の派出所窓口の必要性はどこにあるのでしょうか。現に、庁舎内にある指定金融機関の派出所を閉める自治体も現れ始めました。  また、本庁、世田谷総合支所以外の四総合支所・出張所で収納した現金は、三軒茶屋にある指定金融機関の支店及び事務処理センターで処理をされていますが、第一庁舎一階の派出所を介さない公金業務は円滑に回っています。そして、許容性を考えたとき、今年度より区が派出所にかかる人件費の負担として九百九十万円を負担する体制が始まり、また、区役所ではオフィスはただであるような感覚が強いようですが、他に執務スペースを借りている以上、省略可能な部門に割くオフィス面積は明らかなコストです。区役所からすれば、多くのコストがかかる公金業務全体を九百九十万円負担でやってもらえるなら安いと考えるのかもしれませんが、区民からすれば、九百九十万円拠出の前に具体的な効率化の話さえしないまま、区民に関わりのない窓口業務体制の温存に費用を拠出することは到底容認できるものではありません。  もし、派出所にコスト以上の必要性があるとの立場に立たれるのであれば、分かりやすく説明をしてください。  また、そもそも区役所が現金を扱うからこそ、銀行へ現金を運ぶコストや釣銭を用意するコストが発生をします。昨年、経済産業省も公共施設・自治体窓口におけるキャッシュレス決済導入手順書を公開し、公共施設の利用料や住民票など各種証明書の発行手数料のキャッシュレス化を進めています。都内でも、既に複数の自治体が窓口キャッシュレス化を進めていますが、世田谷区の窓口での現金収受を減らす努力について、改めて現状、方針を伺います。  そして、問題は現金だけでなく、公金業務は現金取扱い以外に、本来数字のやり取り、データであるにもかかわらず、収納には現金に紙の納付書が添付をされ、また、相手口座への振込みには紙の支払書の提出が必要であり、二〇二〇年代になってもなお、昭和の紙帳簿の時代に最適だった手法が温存されています。紙の提出を含むプロセスは、間に人手を要し、処理が担当者の稼働時間に拘束をされ、また、物理的近接が有利に働き、二十三区での事務一体化などの金融機関側の機能集約による効率化も困難となります。  本来、個性のない金銭を扱い、物の移動を伴わないデータを扱う金融業は、デジタル化と極めて相性がよいはずです。既に自治体によっては指定金融機関に撤退を迫られ、それを交渉材料に、公金業務へ応分の負担を求められる時代ですが、負担増の前に現金や紙をなくし、業務効率化の努力をしてください。見解を伺います。  最後に、道路遊びのトラブルについて伺います。  近年、道路上での度を越した遊びを発端として、道路の不法占拠、騒音、敷地への不法侵入、器物損壊を繰り返す人々、また、注意されたことから逆上し、さらに嫌がらせへ発展させる人々を、インターネットスラングで道路族と称されています。  御近所トラブル、騒音トラブルの類いは今に始まったことではありませんが、都市への人口集中と高齢化で、世田谷区の昼間人口は二〇〇〇年の七十・七万人から二〇二〇年九十一・四万人と夜間人口以上の上昇となっており、人口動態に加え、コロナで外出が制限をされ、また、在宅ワークの普及で日中、夕方の声が気になるという人が増えたという変化もあるそうです。  実際にどこでトラブルを起こしているのかを可視化する道路族マップというウェブサービスが存在をしており、マップにピンを立てて迷惑行為の情報が公開をされていますが、このマップで世田谷区内を確認したところ約九十件投稿されており、ボールの利用、キックボード、キックスケーター、スケートボードの利用、また夏場の水遊びやビニールプールへの苦情が目立ち、中には警察が出動しているというコメントもあり、単に子どもの声が気になるというより危険性の高いケースも散見されます。また、既に昨年六月、残念ながら区内でも五歳の子どもがスケートボードに腹ばいで寝そべった状態で滑降し、安全確認のため一時停止後に再発進をしたワゴン車へ死角から突っ込み、衝突、死亡する事故が発生をしています。昨年十二月に車の運転手は嫌疑不十分で不起訴となりましたが、お互いにとって最悪の事故であったと捉えています。  御近所同士のトラブルは、地域に共同体が存在した時代であれば、顔が利く誰かが仲裁に入れたのかもしれませんが、共同体の煩わしさを捨てて個人の自由を求めて都市を選んだ住民が多数を形成している都市自治体においては、既に地域に任せた解決は望めません。また、個人対個人での解決を目指し直接注意すると、冒頭述べたように逆上して、子どもの保護者とのトラブルに発展をする可能性や、知らないおじさんが女の子に声をかけたら、それが仮に迷惑行為への注意であっても、数時間後にはいわゆる声かけ事案として防犯メールが回る可能性もあります。  何でもかんでも行政が抱え、役割を肥大化させるべきではないと基本的には考えますが、現実的に、個人でも地域でも解決ができず、死亡事故も既に発生をしていることも鑑み、区としても防止、抑止の観点から、外遊びは適切な場所で行うこと、また、区としても公園をはじめ遊べる環境を設けていることを、改めて子ども、保護者双方へ周知、案内をいただきたいです。見解を伺います。  以上、壇上から質問を終えます。(拍手) ◎和田 保育部長 私からは、待機児童ゼロの先の保育・子育て支援について、三点御答弁いたします。  まず、保育の質により保育園が選ばれる仕組みについてお答えいたします。  区は、これまで保育待機児の解消に向け、保育施設整備とともに、保育の質の維持向上にも取り組み、子どもが一日の長い時間を過ごす保育園がより豊かな時間となり、質の高い保育を提供できるよう努めてきました。今後も、施設の種別にかかわらず、全ての子どもが質の高い教育、保育を受けることができるよう、一層の保育の質の向上に向けた取組が必要と考えております。  これまでの取組に加え、令和三年十二月に開設予定の乳幼児教育支援センターでの研修や研究などを通しながら、各保育施設が子どもを主体とした保育や、乳幼児期からの質の高い教育、保育を着実に実施できるよう、世田谷区における保育全体の質の向上に向けた取組を進めてまいります。  次に、ベビーシッターの活用についてお答えいたします。  東京都が令和二年度より開始した一時預かりのベビーシッター利用支援事業につきましては、保護者の残業、病気、自己実現、学校行事など、幅広い理由において利用ができる事業となっております。一方、区では、理由を問わない預かり事業として、地域の産前産後サービスに利用できるせたがや子育て利用券や、地域で子育ての相互援助を行うファミリー・サポート・センター事業、ほっとステイなどの取組を実施しておりますので、新たな事業の実施に当たりましては、類似事業の重複実施にならないよう注意を図る必要がございます。今回の都の制度を現在導入しているのは都内で五自治体であり、昨年度は二自治体で四十名程度の利用実績でした。  区といたしましては、他区の状況や事業の継続性、有効性を見極めながら、導入については慎重に検討していく必要があると考えております。  最後に、区の有するリソース、空いている定員枠の活用についてお答えいたします。  認証保育所で実施いたしましたゼロ歳から一歳への振り替えの取組につきましては、認可保育園では保育室がそれぞれ独立していることや、補助金の体系が異なっている等から、空いた定員分の活用につなげる柔軟な定員設定に関しましては、今後の検討の一つと考えております。一方、出生前入園選考や区外在住者の四月入園選考などにつきましては、迅速に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎原田 会計管理者 私からは、区役所の公金事務についてお答えいたします。  まず、区役所で現金を収受する機会を減らせないかについてです。  現在、区では、特別区民税や国民健康保険料などの納付につきましては、最寄りの金融機関での納付書による納付のほか、区民の利便性の向上と同時に収納率の向上に資するため、コンビニでの収納や口座振替、インターネット上でのクレジット収納も実施しています。  今後、さらにキャッシュレス化を進めるため、スマートフォンを活用した電子マネー決済等での支払いができるよう準備してまいります。さらに、区役所の窓口での手数料等のキャッシュレス化についても検討を進めてまいります。  次に、派出所窓口の必要性と業務効率化について、一括してお答えします。  現在、派出所窓口では、区民の納付のほか、本庁舎及び世田谷総合支所の窓口で納められた収納金の収納、生活保護費の現金支給分など、各所管課の前渡金の支払いや両替対応などの事務を行っております。  仮に、所管課がATMで収納金を入金するとした場合には、公金化するために、みずほ銀行世田谷支店と派出所、会計室とで入金情報と納付書をひもづける作業を入金があるたびに行う必要がございます。したがいまして、本庁舎及び世田谷総合支所での収納金に関しましては、派出所で収納したほうが効率的であると考えます。  また、派出所の業務は、窓口業務だけでなく、後方業務として公金の支払いや、納付済通知書を確認、整理して区が公金化できる状態にすること、ATMのトラブル対応などを行っているほか、毎日の区全体の収入、支出の収支を把握して報告書を作成し、区側の収支とを照合、確認の上、数十億円規模の区の資金を移動しています。これらの業務は、指定金融機関業務の特別な教育を受けた派出所の職員と、会計室の職員が連携し、金額、件数等を随時対面で確認しながら行っているものであり、庁舎内にあることは、指定金融機関業務を行う上で必要不可欠なものと考えます。  一方で、金融機関は預金金利の自由化やペイオフ解禁等の中で経営が厳しくなっており、公金事務の負担も大きくなっている状況もございますので、区といたしましても、一層のペーパーレス化を推進するなど、今後も指定金融機関であるみずほ銀行と連携し、お互いにコストの圧縮に努め、正確で効率的な会計事務に努めてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、道路で遊ぶことの御質問にお答えいたします。  区では、子ども計画の重点政策として、外遊びの推進及び環境整備を掲げ、プレーパークや小さな公園でのプレーリヤカー事業などで遊び体験の場を提供し、外に出て遊ぶことの大切さを伝えております。また、児童館ごとに遊び場マップを作成し、外遊び推進員等を通して地域の遊び場について理解を深める活動を行っています。  児童館では、緊急事態宣言下においても感染症対策を徹底しながら運営を継続するなど、子どもたちが安心して遊べる環境を整えておりますが、今後も、道路以外の遊び場で遊びが広がるように取組を進めてまいります。  一方、外遊びを推進するに当たっては、ルールを守って遊ぶことも重要であり、道路で遊ぶことの危険性等について、子どもだけでなく大人に対しても啓発できるよう、関係所管等と連携してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、道路遊びに関しまして、学校における指導についてお答え申し上げます。  学校では、日常的な安全指導、長期休業前の生活指導といった機会に、学校内のみならず、学校外においての遊びのルールを指導しているところでございます。そこでは、道路で遊ぶことが危険であること、道路で遊ばずに公園などの安全な場所で遊ぶことを子どもたちに指導しております。また、長期休業前の保護者会においても周知し、意識の向上を図っております。
     今後も繰り返し指導し、子どもが自ら危険について考え、行動できる力を身につけられるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆三番(そのべせいや 議員) キャッシュレス化ができれば、公金業務の省力化だけでなく、区の各種有料サービスをオンライン移行することにも寄与します。窓口の完全キャッシュレス化は難しいという声もあると思いますが、現金派の人でも交通系ICカードを持っていないという人は、探すほうが難しいのではないでしょうか。区役所内でチャージできるようにして交通系ICカードで支払ってもらうなど、現金を減らすではなく、なくすことを目標にしてください。  道路でのトラブルについて再質問をします。  現実にトラブルが発生をしているケースは、どこに、どのように相談をするのが適切か、改めて教えてください。 ◎柳澤 子ども・若者部長 再質問にお答えいたします。  道路遊びは、子どもに危険な場合や、円滑な交通を妨げるおそれがある場合もあると認識してございます。道路交通法が適用されます、いわゆる公道や一般交通の用に供するその他の場所においては、交通の妨害となる行為が禁止されております。また、交通の頻繁な道路においては、球技ですとかローラースケートですとか、そういった行為も禁止されております。  現実に危険がある、あるいは交通を妨げるといった場合、個別の事情、状況にもよりますが、一般的には警察による取り締まりの対象になるものと認識してございます。  以上でございます。 ◆三番(そのべせいや 議員) 今年度より災害時のソーシャルリスニングというのを始めるようですけれども、今回このマップのようにインターネット上に顕在化している区民の声についても、ぜひ平時に収集、対応していただければと、これを要望します。  あと、ボール遊びとスケートボードについては、公園からあふれて一時的に出てきているという側面もあると思いますので、どこかでこういった遊びができるようにするということも、区としてぜひ課題として認識をいただければと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時四十三分休憩    ──────────────────     午後三時五十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。  二番佐藤美樹議員。     〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆二番(佐藤美樹 議員) 質問に入る前に、今月は環境月間とのことなので、庁内でポスターを見かけました。自然エネルギーの利用拡充やCO2削減など、気候危機への対応をこれまで以上に推進していただきたいと申し上げ、質問に入ります。  まず、インクルーシブ公園及び障害のある子の施設について伺います。  インクルーシブ公園については、去年の予算委員会で取り上げました。当時は都立砧公園のみでしたが、その後、都内には豊島区、渋谷区に整備され、また、府中市でも計画中と聞きます。区内にある砧公園は、認知度が上がったためか、土日は多くの親子が集い、寝そべった形で乗れる円盤型ブランコや、車椅子のまま上がれる滑り台など、いずれの遊具も順番待ちの列が長蛇となることも珍しくありません。盛況ゆえに、たくさんの人たちの中では不安定になり遊べない障害の子や、待つことが難しい子など、逆に遊べなくなることもあり、身近な場所にこうした場所を増やしてほしいという声も聞きます。  そこで一つ提案ですが、区立公園においても、砧公園内にあるような障害のある子が使いやすい遊具、さきに述べた円盤型のブランコなどを、老朽化した遊具を取り替える際などに取り入れてはと考えます。  これまでも区はユニバーサルデザインの観点で公園整備を行ってきていますが、それに加え、障害のある子の使いやすい遊具があることで、ふだんの遊びの中で障害の理解につながり、公園ならではのインクルーシブ教育の実践になります。見解を問います。  障害のある子どもの施設についても伺います。  昨年の児童相談所移管により、区が障害のある子の施設の事業者の指定、指導監督権限を行使するようになり、二年目に入りました。さきに述べたインクルーシブの概念から考えると、障害のある子というくくりではなく、児童福祉の一環として捉え、ほかの区の児童福祉政策と横串で刺した視点も必要だと考えます。  例えば、児童福祉政策の一つである保育については、区は、保育の質の担保のために、認可保育所の事業者参入に際しても実績の有無など要件を設け、また、先日策定された子どもの人権チェックリストなど、内容を見える化する手法も拡充してきています。  児童発達支援など療育の分野においても、事業者の指定の際に実績を考慮したり、また、利用者アンケートなど声を拾ったりと、質の担保に向けて取り組むべきと考えますが、見解を問います。  次に、今後のDXの進め方について伺います。  前回の予算委員会で取り上げた、全学童に導入するとしている児童クラブ支援システムについて。その後、福祉と文教常任委員会で報告があり、議論もなされてきましたが、結局、当システムについては一部履行済みであるのでそのまま導入するとのこと。このことの課題は多く残ると考えています。  課題の一つは、これまでも抱えてきた新BOPの様々な縦割りの弊害の部分が、システム導入により弊害の解消とならず、むしろ逆であることです。先月、文科省は教育情報セキュリティポリシーガイドラインを改定し、学校ICT環境において、クラウドサービスの活用を前提としたネットワークの構成や、従来きっちり分離してきた校務系、学習系のネットワークについて、分離を必要としない内容を盛り込みました。一人一台端末を生かし、情報一元化、データ活用をさらに進めていく方向に舵を切ったと言えます。文科省の示す方向性を含め、学校という単位で考えた場合に、今回の児童クラブ支援システムはどうなのか。児童一人一人の情報がクラウド空間で一元化されていく中で、この学童保育登録者のみのデータはクラウドにつながらず、情報面でも縦割りの弊害が考えられます。  今回のシステムの見直しを含め、学校、児童に関する情報、データを将来的にいかに一元化、統合させていくかについての見解を問います。  今後のDXの進め方についても伺います。  各政策におけるシステム化は、所管の意思決定が起点となり、その後、ICT推進課などにより構成される情報推進委員会に適用申請という書面を出すことで要否を協議、決定するプロセスと聞いています。児童クラブ支援システムの件を振り返ると、検討当時、この意思決定プロセスにおいてDXの観点が入っていたら別の展開になっていたのではとも思います。DXの観点、すなわちデジタル化の先のデータ活用や目的の設定、また、さらには仕事自体、縦割りの弊害など、組織自体を変え得る可能性があるかどうかといった観点を今後は意思決定プロセスに組み込んでいただきたいと考えますが、区の見解を問います。  次に、コロナ禍における子育て支援、おでかけひろばについて二点伺います。  おでかけひろば事業は、区の子育て支援政策の中でも世田谷らしさ、地域子育て支援団体の層が厚く、地域で子育てを支える要素が凝縮されたものです。私が娘を連れて通っていた約十年ほど前になりますが、その頃は、おでかけひろばは十一か所だったのに対し、現在は四十二か所と増え、その数は二十三区内でお隣の杉並が十三か所、目黒区が二十二か所ですので、断トツ多い数となります。  ひろばの特徴、強みとしては、行政の相談窓口とは異なるひろばという場だからこそ、気軽に子連れで集え、また、地域の子育て拠点となり得ること。また、その中で悩みや課題を抱えている場合に、子育て当事者に近いスタッフや地域子育て支援コーディネーターにより支援につながっていくという点にあります。  しかし、この一年超のコロナ禍では、利用制限があったこともあり、特に去年出産、育休だった人たちの中には、本来であればできていた地域での様々なコミュニティーやつながりが薄いまま、この四月の復職、保育園入園を迎えた人たちも一定数いると伺っています。コロナ禍で子育て中の悩みやリスクが支援につながらず埋没しないようにするために、ひろばの機能拡充、地域子育て支援コーディネーターの人たちなど、人材面の強化、また、ひろば拠点間での情報共有の強化、また、復職後もひろばに訪れやすくするような機会、きっかけづくりも有効と考えます。  コロナ禍の影響に対し、おでかけひろばの機能・役割強化をすることについての区の見解を伺います。  また、この九月に始まる認可保育所入園の電子申請において、入園申込みに関する相談ができるような場としておでかけひろばを活用してはと考えます。これまで入園申込みに関する様々な相談を通じてキャッチされてきた子育ての悩みなどが、電子申請導入により、そぎ落とされてしまわないように工夫すべきです。見解を問います。  最後に、旧池尻中学校跡地活用について伺います。  現在区では、当跡地について、多様な人材が交流、連携するプラットフォームなどを目的に掲げ、民間活用案を固めるべく、事業者からのサウンディング調査に入ろうとしています。これら取組には基本賛成をしている立場ですが、一点、校庭利用については今の進め方に懸念をしております。  旧池尻中学校の校庭は、池尻小学校と一体での整備となっており、世田谷ものづくり学校となった平成十六年以降、小学校側が全ての敷地を学校教育の場として利用してきました。ゆえに、今回議会にも提示されている校庭の真ん中に線が入り半分になるような案に、保護者から様々な声が寄せられています。  言うまでもなく、学校教育現場において、校庭は重要な要素ですので、今後の活用案云々以前に、関係所管と学校側とで対話の場を設け、協議を重ね、落としどころを見出していただきたいと考えます。見解を問います。  以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、区のDXの進め方について御答弁いたします。  昨年度末お示ししました区のDX推進方針Ver・1にありますデジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術の導入や活用をきっかけとした変革であり、従来の仕事の段取りや進め方自体を見直すことが求められているものでございます。これまでの事務改善におきましては、現に課題となっている部分について、ICTを通じて職員の負荷軽減や区民サービスの向上を図ることが主な目的として行っていたところでございます。DXの推進に当たりましては、こうしたICT技術や蓄積されたデータを庁内横断的に活用し、最終的に区民の利便性の向上につながるような仕組みとしていくことが重要であると認識しております。  このような観点から、DXの取組におきましては、デジタル技術やデータの活用が業務改善につながっているかをチェックし、区民目線の具体的なサービス改善が着実に実行できるよう進めてまいります。さらには、法的制約や個人情報の取扱いに留意しつつ、これまでの仕事の進め方や組織の在り方などを含め、行政サービスの再構築となるよう、幅広い視点での検討を加えながら行ってまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、教育のデータ活用に関し、データの一元化、統合に関するお尋ねに対しましてお答え申し上げます。  教育におけるデータ活用につきましては、本年六月の教育再生実行会議による提言、ポストコロナ期における新たな学びの在り方についてにおいても、児童生徒一人一台のタブレット端末による学習履歴等の教育データを活用した個に応じた指導など、データに基づく教育への転換を行い、学びの変革を推進していくことが示されております。  教育委員会におきましても、データ活用を今後の教育における重要課題として捉えております。タブレット端末で学んだ学習データと校務系システムで扱っている学校生活等のデータを統合、分析し、日々の学習指導や生活指導に役立てていくといった活用方法が想定されます。  データ活用に当たりましては、活用すべきデータの選択と、どのような教育効果を目指すのかが検討課題となってまいります。議員お話しの新BOP学童クラブのデータも含め、教育委員会だけにとどまらず、区長部局とも連携しながら、今後検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、障害のある子どもの施設の質の担保、こちらについて御答弁を申し上げます。  区が児童相談所設置自治体になったことに伴い、令和二年度に障害児通所施設の指定に必要な人員、設備、運営等に関する基準を条例で定めました。施設は現在区内に五十三か所あり、九割以上が民間事業者による運営となってございます。新規開設の相談があった際には、人員や設備に関する計画を記載した調査票を事業者から提出させた上で、障害児のための療育の内容についての確認を行い、支援の中心となるリーダー職員からは、療育の基本姿勢や実務経験等についてヒアリングを行ってまいります。  区といたしまして、障害児通所施設のサービスの質につきましては大変大切だというふうに考えてございます。施設開設後には、各施設の巡回支援を年一回程度行うほか、第三者評価の受審補助、計画的な指導検査、施設職員向けの研修、こういったことを行っております。  今後も、障害者の通所施設におきまして、利用者の声を踏まえた質の担保、向上を図られるよう努めてまいります。  以上です。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、インクルーシブ公園について御答弁申し上げます。  区立公園では、世田谷区立公園等長寿命化改修計画に基づき、優先度を設定した計画的な改修を順次実施してきており、改修に際しましては、ユニバーサルデザインの考えによる施設整備に取り組んでいるところでございます。  誰もが遊べる遊具は、都立砧公園のみんなのひろばが広く関心を集めたことから、最近では、インクルーシブ、ユニバーサルデザインによる公園遊具の開発が進んできております。まだ施設規模が若干大きくなることや、遊びやすさなどに一定の課題はあるものの、障害のあるなしにかかわらず公園での楽しみを共有でき、障害への理解につなげられるなどの評価もあり、都内各地で設置事例も増えてまいりました。  区でも、今年度限られた空間にフィットする小規模な遊具の設置を検討するとともに、来年度以降には都の補助事業、区市町村だれもが遊べる児童遊具広場事業も活用し、複数の遊具設置を検討しております。  引き続き、利用状況や障害者施設の所在なども踏まえ、誰もが楽しめる公園づくりに積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、コロナ禍における子育て支援、おでかけひろばについてお答えいたします。  おでかけひろばでは、地域の親子同士の交流のほか、子育てに関する悩み事の相談支援などを実施し、子育て家庭の孤立を防ぐとともに、地域の身近な居場所、よりどころと感じてもらえるよう、地域子育て支援の充実を図ってまいりました。長引くコロナ禍によって地域のつながりが希薄化し、身近に相談できる人がいないことなどから、子育ての不安や負担が家庭に集中してしまう状況が続いています。こうした中、親子が気軽に立ち寄ることができるおでかけひろばは、子育て家庭が地域とつながる重要なきっかけの一つであると認識しております。  お話しがございました産休、育休中の方にとって、おでかけひろばが復職後も地域とのつながりを再度持つためのきっかけとなるよう、新たに認可保育園等入園申込みにおける電子申請の導入に伴う相談の機会を設けることを検討するなど、誰もが安心して子育てができる地域子育ての支援に取り組んでまいります。  また、地域活動団体や保育園、関係機関など多様な主体と連携し、おでかけひろば間の情報共有や携わる人材の質の向上を図ってまいります。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは、電子申請の導入に当たっての悩みなど相談できる機会の提供について御答弁いたします。  認可保育園等入園申込みにおける電子申請は、本年九月の導入に向けて現在準備を進めているところです。導入に当たりましては、先日開催されました子ども・子育て会議におきましても、これまで窓口で行ってきた丁寧な相談が電子申請導入によって失われないよう、また、電子申請を導入するからこそ、一層の地域での相談、支援の場が必要になるとの御意見をいただいたところです。また、電子申請の導入に併せて、これまで三十園であった希望園数の上限も十園に見直すことから、希望園選択へのアドバイスも重要になってくるとの御意見もいただいております。  電子申請を導入いたしましても、これまでどおり総合支所における窓口での受付や相談機能は継続してまいりますが、議員お話しの相談できる機会の提供につきましても、子ども家庭課や地域の子育て団体等と連携を図ることで、既に行われている身近な地域での活動の場など、例えば地域子育て支援コーディネーターの協力も得ながら、細やかな相談ができる機会を設けるなど検討してまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、旧池尻中学校跡地活用について御答弁いたします。  旧池尻中学校の跡地活用については、二月に学校関係者への説明、六月四日には池尻小第二体育館にて、六月七日にはオンラインにて住民説明会を実施し、近隣住民や学校施設を利用している方々の御意見を伺いました。現在は、基本コンセプトに基づきサウンディング調査を実施しております。  お話しにあった学校などの理解も重要だと考えております。並行して教育委員会と連携しながら、学校や関係者との対話を深め、理解が得られるよう取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。一点再質問させていただきます。  インクルーシブ公園について、先ほど都の補助事業を活用して検討していくということで、前向きな御答弁とは受け止めているんですけれども、やはりこのインクルーシブ公園て世田谷らしい、世田谷区が今まで重点的に取り組んできたノーマライゼーションであったり、あるいは公園自体もグリーンインフラの一つでもありますので、そうした世田谷の重点政策の融合した政策というふうに捉えると、区独自で、都の補助の有無にかかわらず進めてもいいんではないかと考えますけれども、この点について区長の見解をお願いします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員の再質問にお答えをいたします。  インクルーシブ公園への積極的な取組をということでございます。砧公園にみんなのひろばができまして、まさにインクルーシブ公園、この大きな効果、そして問題提起、優れた理念と文化を持つ画期的なものであったというふうに捉えています。  私たち自身も、公園の遊具というときに、えてすると健常者を前提として、障害者の、何らかの障害のあるお子さんたちも共に、一緒にと、包摂してという視点が結果として不足していたということを気づかされました。今後、大小様々な公園施設に広げていきたいと思います。  子どもたちは遊びの中から自己形成をすると言われていまして、みんな違ってそれぞれの個性がある。障害も含めて様々な特性のあるお子さんたちがいる。この同じ遊具で、同じ空間で遊ぶことによって、相互に社会性がさらに豊かになるというふうに思います。そういう意味で、少し広がりますが、公園のあえて言えば思想だったり哲学だったり文化というものを、もう一度やはりここで考え直してみようというふうに思います。  私たちは、ちょうど今野毛町公園、そして上用賀公園という大きな公園の整備にこれから取りかかろうとしています。三年前にポートランド市、交流をしているポートランド市に行ったときに、犯罪が極めて多い地域がありまして、そこに市の環境部門の方のあっせんでぜひ見に行ってほしいと。ゲートウエー・ディスカバリー・パークといったと思いますが、そちらのオープニングに参加することができました。地域の方、しかも言語が五十、六十違う言語、これを何とかワークショップを何百回とやって、どういう出会いの場をつくるかと。つまりは、コミュニティーの重要な舞台にこの公園をしていこうということでつくったんだと。おっしゃる遊具を障害のある方向けのものだけではなくて、高齢の方とか赤ちゃん連れの親子とか、様々工夫された遊具も配置されていて、大変感銘を受けました。やはり公園一つつくる設計の思想というのは、やはり大きな都市計画の中で大きな部分を占めている。今所管からも都の補助金も活用してという前向きな答弁がありましたけれども、大小取り混ぜて、これからの子どもたちの遊びの場、過ごす場の中にこのインクルーシブ公園、みんなの広場が提起してくれた要素を区としても広げていきたいと思います。 ◆二番(佐藤美樹 議員) 御答弁ありがとうございました。以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、九番小泉たま子議員。     〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問します。  まず、行政改革の在り方についてです。  コロナ禍を経験した行政として、地域行政はいかに推進すべきか、根本から見直すべきです。今回条例化のスケジュールが延期されましたが、単なる延期では意味がありません。コロナ禍により、全ての行政分野、区民との関係が見直しを迫られている、その危機感を世田谷区は持っておられるのか、お考えをまず伺います。  今回、区から出され、区民への説明に用いられた地域行政推進条例の資料には、コロナ禍で行政がどう変わっていくか、区民との関係をどのように変えようとしているのかの観点が全く欠けています。区は、区民をお待たせするということについて、全く普通の感覚を持ち合わせていないのです。三月、四月、五月の窓口は混雑するのが当たり前、待たせるのが当然という意識は、全く一般の感覚から離れています。コロナ禍になっても、やることは受付の行列の間隔を空けることだけ。その結果、列が建物の外に出ても致し方ないという区役所の考えは、あまりにも無神経です。日々の業務についての見通し、展望、想像力というものが全く欠如しています。常に大きな視点で行政運営を行うべきなのです。
     本来の九十二万大都市の規模を生かしながら、きめ細かな行政サービスを展開するという理念はどこへいったのか、お考えを伺います。  大きな自治体だから、他の自治体のように素早くはできないという言い訳が庁内に充満しているように感じられます。これがもし二十万都市の五つの集合体であればどうなっていたか。それぞれが創意工夫し、ワクチン接種もよりスムーズに、身近な場所でできたであろうことは想像に難くありません。今の区は、検討ばかり、会議ばかりで、解決が先延ばしにされるばかりです。  世田谷の行政の体質改善を行うべきと考えますが、区に具体的な方策はあるのか伺います。  今回、議会に情報提供された文書の題名が、今後の接種券の送付についてです。この題名が今の区の考えを象徴しています。接種のスケジュールのお知らせではないのです。国が六月中旬を目途とし、広く区民へ接種券を送付することを自治体に求めている。さらに、大規模接種や企業、大学等で職種、学校単位での接種が開始される方針が打ち出されたと書かれています。そして、文書によれば、こうした動向を踏まえ、区では六十歳以下の接種券の発送を行う。区は、国から指示が出たから、民間の動きが出てきたから、それに沿ってのワクチン接種を行うというのです。区として、区民の方々に何とか一日でも早く接種していただいて安心していただこう、コロナ感染の拡大を防ごうという意思、意欲が全く感じられません。  さらに、文書によれば、今後、国や都の大規模センターや職場での接種など、居住する自治体以外での接種体制が順次拡充、多様化し、あらゆる年代に接種機会が生じることで、年代にかかわらず接種券を必要とする方の増加が見込まれることから、今後は速やかに接種券を届けることを優先するとなっています。接種券を欲しい人が多くなるだろうから接種券を早く配る。何という主体性のない考え方ですか。さらに、文書によれば、これまで予約システムやコールセンターへの一時的な負荷の集中を避ける観点から、一定期間を置いて年代別に発送することを基本としてきた。今後は、できる限り一時的な予約の集中を避けるよう工夫するとされながら、その工夫とは、送付時期の間で複数回に分けて発送するとされるのです。これが工夫と言えるのでしょうか。  区は、一時的な予約の集中は、結局区民が悪いとされるのです。遊園地の入場券の先着順配布とは全く異なるものです。予約の集中は区民の不安そのものです。ですから、予約を分散させるのではなく、予約を多く受け付けるシステムを構築すること、これが本来の仕事のはずです。そして、信じられないことに、この文書が出されたのは、質問通告の締切りの後です。ですから質問にはしませんが、あまりにも区の対応がひどい。区民に、そして区議会に分かっていただく、相談するという姿勢が全くないことが問題であり、今の区政に不信感を持ちます。  地域行政もDX改革も、まずはこのコロナ禍において区民をお待たせしないこと、事例として、どのようにしたら、区民に早く安心して身近な場所でワクチン接種を行えるようになるかを考えるべきです。お考えを伺います。  コロナ禍を経験した後での基礎的自治体の最も大きな課題は、対面サービスの強化です。もちろん、モニター画面を通じての対応も、やり方によって対面サービスです。区民は、身近な地区の拠点施設に行けば全てのことができる、わざわざ交通機関を使って区役所や支所に行く必要はない。この姿を思い浮かべ、その実現のためにはDXでどのように創意工夫をすればよいのか、このように考えるべきです。お考えを伺います。  コロナ禍は、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災に匹敵するものです。私は、全ての有益な発想は現場からこそ生まれてくるという立場です。阪神・淡路、そして東日本大震災からしっかりと学ばなければなりません。岡田副区長はその両方について、区の支援第一陣として現場に乗り込まれ、何事にも代え難い大きな経験をされたはずです。現在、コロナ禍で地域行政の改革の担当をされていますが、これらの経験から、現時点での今後の世田谷の地域行政の在り方についての基本的考え方、コロナ禍を経験した自治体の責務について、副区長のお考えをお聞かせください。  この改革を進めるための大きな仕掛けがDX改革のはずです。DX改革は、国からの指示により、まずはできるところから、スモールスタートとして行政手続の電子申請から取り組むこととなっていますが、単なる行政手続の電子化に終始していては、物事が複雑になるばかりです。  世田谷区は、これまで様々な分野で先進自治体として取組を進め、独自の事業を行ってきている。それゆえ縦割りも多く、手続なども多くなっているとも言えます。今回、これらの縦割りをなくし、相談からサービス供給までを迅速にワンストップで行うということを大きな政策目標と位置づけ、DX改革の到達点として、全庁を挙げて取り組むべきです。お考えを伺います。  改革を進めるに当たり、いわゆる検討委員会行政が問題です。区が課題について何ら主体的に考えず、専門家と言われる方々による検討委員会に問題を渡し、的確な対応をしていないと感じられます。区は、議会と区を車の両輪に例えられますが、その片側、区が補助輪である検討委員会に実は支えられていて、自分独りでは動くことができない、このような状態でよいのでしょうか。区の責任放棄となりかねません。昨日、私たちの会派の質問に区が答えられましたが、今後その姿勢を見直すべきです。  次に、国、都などの大規模開発に対する区の対応について伺います。  外環道や鉄道立体化整備は、一地域の問題ではなく首都圏全体の問題です。一方で、工事当該地域には絶大な負荷を与えます。そのことを地元自治体は真剣に考えるべきです。  外環道整備はトラブルから整備期間が延長となりましたが、その間も地元自治体としてなすべきことは、自ら計画を立てて積極的に取り組むという姿勢を見せるべきです。特に、外環の森などの外環上部空間における象徴的な事業についての区の考えを伺います。  次に、最後ですが、地域を支える地域産業の在り方について伺います。  コロナ禍を経験して、区を支える産業の在り方について考え直すべきです。特に、区民生活を支える福祉施設事業所や、将来の社会を支える児童生徒のためのGIGAスクール構想を支えるIT産業などを、区の産業政策としてきちんと位置づけ、組織として対応し、さらには、その支援拠点として旧池尻中学校跡地を活用すべきです。  区のお考えをお伺いし、壇上での質問といたします。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、区民本位の行政、これをDXの目標として全庁で取り組むべきではないかという御提案です。  デジタルトランスフォーメーション、DXは、単なる行政の電子化ではなく、デジタル技術の導入や活用をきっかけといたしまして、従来の仕事の進め方や行政サービスを変革し続けることであるものと認識しております。DX推進方針におきましても、区民の視点からの変革に向けまして、区民の視点や困り事に立ち返り、区民サービスを見直していくことを示しております。  そのためには、デジタル技術を使って区民に何が提供できるかではなく、区民の視点で区民が何を望んでいるかを把握し、世田谷区の行政はどうあるべきかを考え、実現するための手段として、デジタル技術をどう活用するか、こうした思考の転換が管理職をはじめ全庁の職員に必要となります。  その上で、DXの推進により生み出される人材、また効率化によって生まれる財源、こういうものを活用いたしまして、相談業務などの地域の諸課題に区民とともに対応できる、全庁を挙げた行政サービスの再構築に取り組んでまいります。  次に、会議体の話がございました。検討ばかり、会議ばかりということで、これらを含め行政の体質を改善すべきだということの御主張でございます。  確かに、今の会議体につきましては、特に最近は連携という言葉の中で、区自身が会議というものを非常に多く持っているというのが現状でございます。これは、やはり自分たちの責任を持った所管の部分がまずはリードして、その中で、会議体を開くなら開いて、その目標を決めるというはっきりした目標をつくっていく会議、これがやはり必要だと思います。  今般の日々変化する状況を見極めながら、迅速かつ的確な対応が求められるこのコロナ禍の状況は、行政の体質を抜本的に改善いたしまして、仕事の進め方を変えるための好機とすべきと考えております。コロナ禍で得た危機感やスピード感といった経験を糧といたしまして、迅速な政策判断、前例踏襲型の仕事の進め方の改善、機動的かつ臨機応変な対応などに着実につなげるため、幹部職員をはじめとして、区職員全体の意識改革を早急に進めてまいります。  先ほど申しましたDXも一つの起爆剤としながら、区民の利益を最優先に、行政サービスの在り方や働き方を見直すなど、行政の抜本的な体質改善を進めてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、地域行政に関連しまして、大都市の規模を生かしながら、きめ細やかな行政サービスを展開する理念、また、コロナ禍を経験した自治体の責務としての地域行政改革、この二点につきまして一括して御答弁を申し上げます。  本区の地域行政制度は、約十年の準備期間を経て平成三年にスタートして、既に三十年を経過しております。大規模な自治体としての統一性を保ちながら、地域に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開し、区政への住民参加の促進を図るということを基本理念としており、この理念は現在も変わらないと考えております。  三十年間、地区、地域、本庁という三層構造で行政運営をするということを基本にし、紆余曲折を経ながら、この制度は世田谷区の中で定着をしてまいりました。しかしながら、当時の議論を振り返りますと、五つの地域はそれぞれ人口も地域実態も異なるのだから、地域のデータを把握しながら住民参加で地域別計画をつくり、地域に即したまちづくりを進めること、こういったことを構想しており、そういう意味ではいまだ完成をしていない制度ということも言えるかと考えます。  四月から各地区の町会長会議にお邪魔をいたしまして、条例制定に関する意見交換をしてまいりました。地区、地域を重視した行政運営、区民主体のまちづくりを進め、住民自治を実現することが条例の目的であり、この基本方針を区議会の議決を経て区民の皆さんと共有し、次期の十年の基本計画の一つの柱にしていきたい旨のお話をしてまいりました。おおむね趣旨には賛同いただいたものの、町会・自治会の皆さんに共通した危機意識として、加入率の低下、役員など担い手の不足の問題があり、理念を実現するための具体策は何かが強く問われたと考えております。  町会長会議がワクチン予約の時期と重なり、日頃まちづくりセンターが所長を中心に、町会・自治会や民生・児童委員、ケアマネジャーなどと関係をつくっており、それが高齢者への声かけにつながっていることもかいま見る機会となりました。  私たちは、阪神・淡路大震災における神戸市長田区の例からコミュニティーの大切さを学び、地域福祉の展開や建物耐震化に力を入れてまいりました。出張所にまちづくり担当を置いたのもこの時期でございました。また、東日本大震災を契機に、まちづくりセンターの防災体制の強化、防災塾の実施につなげるなど、大規模災害を教訓にしながら事務事業の転換をしてまいりました。  今回のコロナ禍では、予約支援の取組により六十五歳以上の申込者十四万人のうち一万三千人もの方が、家族にも頼めず困っていらっしゃったことが明らかになりました。今後の地域社会を考えますと、社会的孤立や様々な意味での格差の問題が一層顕在化していくことが想定されます。コロナ禍により地域活動が止まってしまった時期を越え、地区での顔と顔の見える関係づくり、地区、地域での支えあいの関係づくりなど、新たな地域活動の担い手のネットワークづくり、住民自治の再興が今こそ重要になっています。  世田谷区の地区、地域を重視した行政、それによる本庁の仕事の仕方の改革など、地域行政の再構築はコロナ後の区の責任として取り組むべき重要課題と考えます。今後、区議会はもとより、町会・自治会等地区を支えてくださっている方々、そして、地域で様々な地域活動をされている区民、今はそうした活動に参加する機会のない区民、こうした皆様と情報共有を進め、議論しながら、新たな時代の地域行政の姿を描いていかなければいけない、このように考えているところでございます。  以上です。 ◎久末 住民接種担当部長 私は、このコロナ禍において、区民に早く安心して身近な場所でワクチン接種を行えるようになるよう考えるべきという御質問に答弁いたします。  このコロナ禍を収束させるためには、区民へのワクチン接種をできる限り速やかに行う必要があり、特に、高齢者は移動が困難な方も多いため、身近な場所で接種が受けられるよう、区内五地域のバランスを考慮しつつ、十九か所の接種会場を総合支所などと連携し設置運営をしております。加えて、地区ではまちづくりセンターで予約困難な方へ予約のお手伝いを行い、医師会と連携して、今月中には顔の見えるかかりつけ医による接種も開始することで、身近な地区で予約から接種までを完了することができるよう、ワクチン接種から取り残されてしまう方がいないような体制を検討してまいりました。  また、予約の受付開始時にシステムがつながりにくくなった反省を踏まえ、処理能力の増強を含めた抜本的な強化を行い、申し込み、御相談を受けるコールセンターのフリーダイヤル化も含め、分かりやすく区民をお待たせしないシステム構築を進めてまいります。  今後も、世田谷区の地域行政制度を活用し、身近なところで相談できる体制を整えるとともに、大学や企業による職域接種や国、都の大規模接種センターなどを含めた接種機会の多様化を進め、希望する全ての区民が早期に接種できるよう取り組んでまいります。  また、今回は議会の皆様への情報提供が遅くなってしまい、大変申し訳ございませんでした。今後はきちんと適切な時期に情報提供をさせていただくよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず、コロナ禍により全ての行政分野は区民との関係が見直しを迫られる、その危機感についてでございます。  コロナ禍にありましては、人と人が集まる機会が制約され、自主的な活動が困難となっていることから、これまでのようなコミュニティーの中で地域活動ができるのだろうかという不安感や、相談や手続に行きたくても行政の窓口に行くことをためらってしまうことなど、コロナ禍を経験した区民の意識や行動の変化を様々な事業の現場で受け止める必要があると認識しております。  地域行政の観点からは、特にまちづくりセンターを中心とした地区を重視する基本的な考え方に立って、参加と協働による区民主体のまちづくりや、身近な行政拠点で求められる行政サービスにつきまして、コロナ禍を踏まえた新たな発想の下に再構築をしていく、そのような検討を区民や地域活動に携わる方の御意見も伺い、庁内議論も重ね、(仮称)地域行政推進条例の制定及び推進計画の策定につなげてまいります。  次に、コロナ禍を経験した身近な地区での対面サービスの強化についてです。  コロナ禍の経験を踏まえ、区民の視点から区民と行政の重要な接点である窓口サービスの在り方を見直していく必要があると考えております。その中で、自宅やモバイル機器から相談、手続が容易に行うことができる行政サービスや、本庁や総合支所とシステムでつながる仕組みの導入など、区民の方の生活環境に応じて相談や手続の方法を選択することができる、そのようなサービス提供に努めてまいります。  一方、今般のまちづくりセンターによるワクチン接種予約支援におきましては、予約にお困りの多くの区民の方がお近くのまちづくりセンターに相談し、予約の手続をされたことから、まちづくりセンターが区民と行政を直接つなぐ大切な行政拠点であることを再認識した次第でございます。  今後、ICT利用が困難な区民の方への支援の充実や、DXの推進により生み出された人材を、区民の困り事を対面で感じ取り対応することができる相談業務の充実など、行政サービスの再構築に向け検討し、取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎佐々木 砧総合支所長 私からは、外環事業に伴う上部空間等の利用についてお答えいたします。  東京外郭環状道路につきましては、本年三月、事業期間を令和十三年三月まで延伸する都市計画事業の変更が認可されたことにより、外環道の整備には期間を要することとなり、東名ジャンクション周辺における上部空間等の整備着手時期についても先が見通せない状況となっております。  一方、外環道の整備により分断された地域のコミュニティーの活性化や、議員お話しの外環の森のように、新たな森をイメージできる緑豊かな空間の創出など、上部空間等の利用計画に対する地域の期待は大変高いものと認識しております。  区といたしましては、地域の皆様から御意見を伺いながら、東名ジャンクション上部空間等利用計画の早期の策定に取り組むとともに、整備や管理の役割を区と外環事業者で分担するなど、上部空間等利用の実現に向けた準備を着実に進めてまいります。  地域の期待に応えられる上部空間等の利用について、砧総合支所が先頭に立ち、外環事業者とともに鋭意取り組んでまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、産業支援の在り方などについて御答弁いたします。  産業振興基本条例の改正素案では、従来からの産業に加え、超高齢社会の到来や価値観の多様化などにより重要性が増している福祉や教育など、様々な産業の振興も条例に位置づけ、地域経済の持続可能な発展に向けて、関係所管や産業振興公社との適切な連携の下、取組を進めてまいります。  旧池尻中学校跡地活用では、この条例の考えを具体化する産業及び学びの拠点になると考えております。未来を担う子どもたちが社会や仕事について学び、才能や能力が開花するきっかけを与えられる場とするとともに、区全域から区民が集い、多様なメリットを享受できる、魅力ある開かれた施設となるよう準備を進めてまいります。  私からは以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 政治、そして行政は結果責任が問われます。今の世田谷は、区民の要求にきちんと対応しているかということです。区長以下、特に幹部職員の方々は、このことを肝に銘じて仕事に向かっていただきたい。そして、区民に信頼される世田谷をつくり上げていただきたいと思います。  質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。        ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ○下山芳男 議長 次に、三十三番藤井まな議員。     〔三十三番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(藤井まな 議員) まず初めに、郵送物に関して質問をしてまいります。  新型コロナワクチン接種が進んでいます。一刻も早く希望する全ての区民にワクチン接種ができるようになることを、区が一致団結して取り組んでいただきますよう要望しておきます。  ワクチン接種を受けるには、ワクチン接種券が届いて予約する流れということは皆さん御存じのとおりでありますけれども、多くの高齢者の方から、接種券が分かりにくい、読みにくいという御意見をいただきました。電話で予約のやり方を教えてほしいといろんな方から相談を受けました。ワクチン接種券を見ていただいて、十桁の接種券番号がありますか、どこに書いてあるか分かりますかと言うと、多くの人がゼロ、一、二、三、四、五、六、七、八、九という数字を読むんですね。あっ、それじゃないんです、それは見本なんですよねと。では、そこ以外のもうちょっと下に小さく書いてあるんですけれども読めますかと言ったら、分からないんですよねというやり取りを、すごい何度も電話でさせていただきました。やっぱり文字が小さいと、ちょっと認識が大変難しいんだなということがよく分かる、電話だとそういうやり取りがよく分かりました。  また、郵便局の方にお話を聞くと、コロナ禍でできる限り会話を少なくするために、郵便物を見せて名前の欄を見ていただき本人確認を行ったりするわけでありますけれども、そこに書いてある名前が小さ過ぎて見えないにもかかわらず、自分のだと言って受け取ってしまい誤配となることも少なくないということで、高齢者、郵便局双方に大きな負担となっています。  区から、この二か月間だけでも国民健康保険納入通知書十三万通、後期高齢者医療保険料賦課決定通知書十二万通、さらにはワクチン接種券六十三万四千通と、百万通近い郵送物が出されます。年間、膨大な量の郵便物を目にする高齢者をはじめ、全ての区民が読みやすく理解しやすいつくりにすることが大事であり、今後郵送される郵送物にはもっと工夫をすべきと考えます。  まずは、誤配を防ぐためにも、早急に郵便物の宛名の名前部分だけでも大きく見やすく変える必要があると思いますけれども、区の考え方をお伺いいたします。  次に、コロナに関連した詐欺被害についてお伺いをいたします。  ワクチン接種予約で高額な電話代の請求が届き、行政による詐欺行為だという苦情をいただきました。区からの丁寧な説明を行うとともに、今定例会でもコールセンターを無料にすべきだという意見も出ており、私からも要望をさせていただきます。  さて、コロナは様々な詐欺被害を生み出しています。ワクチン接種を優先的に行うことができる予約に数千円かかるという少額な詐欺から、給付金があると言いクレジットカードをだまし取る特殊詐欺の事例など、ありとあらゆる詐欺行為が横行しています。区として二月十五日号の区報せたがや、コロナ便乗詐欺への注意喚起、先日の六月十五日号の自動通話録音機の無料貸出しなど、注意喚起をしていることは評価をしているところでありますけれども、手を変え品を変え、だます行為は続いています。注意深く最新情報の収集を行うことが重要です。  また、明確な詐欺行為ではないグレーゾーンでの詐欺被害の相談も受けています。コロナ禍で収入が減る個人商店を狙い、言葉巧みにつけ込むことにより、本来必要のないネット商品の購入や、ネット広告契約をさせられてしまう事例が全国各地で行われています。この問題の大きな点は、BtoBの契約であり、BtoCの契約のようなクーリングオフ制度が使えないことです。営業から契約まで考えさせる時間を与えないで契約させ、数日経ってから解約を申し込んでも高額な違約金を支払う契約になっており、泣き寝入りする事例が世田谷区内でも報告されています。そういった企業は、ネット上に苦情などの書き込みがあっても次の日には消えてしまっているなど対策を行っており、ネット上にあったはずの悪評がなくなっていることを私自身も確認しました。広まらないように手を打っているようで、非常に巧妙だと感じました。中小企業はもちろんのこと、一人で経営する個人商店であっても、個人事業主であるということの自覚をしっかり持ってもらうことが重要だと感じました。  こういったグレーゾーンではありますが、コロナ禍に付け込んだ行為に対して、区は今後どのように対処していくかお伺いをいたします。  マンション紛争についてお伺いをいたします。  区内では、毎年多くのマンションが新たに建築されています。それぞれの地域にそれぞれの特色があり、調和を壊すようなマンションが建設されることになると、大きい小さいにかかわらず問題となる場合が多くあります。私も常に何らかのマンション紛争の相談を受けている状態がもう数年続いています。敷地面積三千平米以上ないし延べ床面積五千平米以上の建築に関しては住民に説明会を行う義務があり、例えば、他会派からも以前質問にあったような、世田谷総合支所を移転させる計画も話し合われた世田谷線三軒茶屋駅隣のNTT施設の跡地に建設される大規模マンション建設における紛争問題など、区内でも住民とデベロッパーとの交渉が続いている事例があります。世田谷区は、周辺区民に寄り添い、事業者側に説明会を含め様々な場面でしっかりと意見を伝えていくことが重要だと考えます。  そして、さらなる問題は、大規模マンションの部類には入らず住民に説明義務がないマンション建設に関して、周辺住民との紛争をどのように解決していくかという問題です。こうした事例が区内でどれだけ起こっているのか、しっかり把握して対策を取っていく必要があると思いますが、区の今後の方針をお伺いをいたします。  実際にマンションが建設されると決まったわけではありませんが、周辺住民から巨大なマンションが建設されるのではないかと不安の声が上がっている地域があります。大手広告代理店の電通が所有していた駒沢一丁目の八星苑です。今年四月には、電通から住友不動産に売却をされました。住友不動産は、区内にも低層高級マンションを建設しており、都内各地にタワーマンションを建設している会社であり、地域住民が不安に思うのも理解できます。  この場所には、フランク・ロイド・ライトが内装を手がけた建築物も残っており、周辺住民はもとより、貴重な建物が今後どうなっていくのか、全国のライト建築愛好家からも注目をされています。  住友不動産に今後の展開について情報公開するように求めるなど、区として情報収集に努める必要があると思いますが、区の考え方をお伺いいたします。  最後に、医療的ケア児の政策についてお伺いをいたします。  先日の参議院本会議において医療的ケア児支援法が成立いたしました。これまで努力義務にとどまっていた国や自治体の支援策を責務として法で明文化されたことは、国にもっと早く動いてほしかったという意見もありますけれども、評価される内容であると思います。  令和三年度からの世田谷区障害施策推進計画には、医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービス等において、就労している保護者が仕事を続けられるような支援の機能の充実を図っていきますと書かれております。  具体的にはどのような充実を図っていくのか、改めてお伺いをいたします。  そして、今回の医療的ケア児の政策に関する質問は、東京都の令和三年度予算に新たに取り入れられた政策について、区がどのように考えているかをお伺いしたいと思います。  六月九日、市区町村向け新予算の医療的ケア児及び重症心身障害児の放課後等支援事業補助要綱が公表されました。日中一時支援の時間を延長し、医ケア児を預かった場合や、福祉タクシーの借り上げなどの事業費や、専門職の配置や看護師の添乗などの人件費など、対象経費に対して一市区町村当たり一千万円、補助率二分の一で実施するという内容となっています。  世田谷区は、この新政策に手を挙げるのかお伺いをいたします。  同様に、学童クラブにおける医療的ケア児等受入支援事業も要綱が示されており、同じように区の対応に注目が集まるところです。先日、区議会に配布をされた都市社会研究に書かれていた昭和女子大現代ビジネス研究所の美浦先生の論文によると、末っ子が十八歳未満の子どもがいる母親において、障害を持つ子どもの主な介助を担う母親と、そうでない母親の就業率の差は二五%以上の開きがあります。共働きが当たり前の昨今、シングルインカムであることは貧困のリスクを高め、経済的不利益は生涯継続すると書かれています。  最初に触れた参議院本会議で成立した法律の正式名称は医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律であり、その家族の負担をいかに減らせるかがこの法律の大きな意義であります。  一刻も早く就労を希望する、もしくは就労継続を希望する家族の負担軽減策を実行する必要があると改めて訴えたいと思いますが、区の考え方をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、区からの郵送物について御答弁いたします。  区では、分かりやすい情報発信のため、ユニバーサルデザインの考え方に基づき、読みやすい文字の大きさやフォントの使用を庁内で共有してまいりました。「区のおしらせ せたがや」、それから区公式ホームページをはじめ、多くのチラシやリーフレットなどではUDフォントの使用に努め、読みやすさを念頭に作成をしてございます。
     一方で、御指摘の封書の宛名のように、大量発送文書で窓開き封筒を使用する場合の宛名文字フォントでは、仕様で決められた封筒窓のサイズの中で、特に長い氏名や法人名に対応できるよう印刷範囲を指定していることもあり、全ての方に見やすい大きさではない場合がございます。大量発送文書の宛名印刷につきましては、システム改修経費を伴うものもあり、一斉に見直しできない部分もございますが、改善できるものから着手をし、読みやすい文字の大きさに対応していくよう所管とも調整をしてまいります。  また、ワクチン接種に関する情報をはじめとした、特に高齢者に確実に伝える必要のあるものにつきましては、読みやすい文字の大きさやフォントを使用し、分かりやすい情報発信を行ってまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、新型コロナウイルスに関連する詐欺などへの対応について御答弁申し上げます。  区は、これまで新型コロナウイルス特別定額給付金やワクチン接種に関連した特殊詐欺被害防止対策を集中的に行ってまいりました。特に、現在もワクチン接種会場内の待機エリアにおきましては、警察と合同で被害防止啓発活動を実施しているところです。  今後も、区内四警察署と連携を密にし、ホームページ、ツイッター、エフエム世田谷などを活用して、よりリアルタイムな情報発信に努めるとともに、いわゆるアポ電を認知した際には災害・防犯情報メール、二十四時間安心安全パトロールカーを入電エリアに急行させての広報など、区民の目や耳に直接届く防犯活動を積極的に展開してまいります。  また、お話しにありましたような長期化するコロナ禍におきまして、個人事業主などの不安と混乱に乗じた悪質業者らによる詐欺まがいのトラブルが発生していると聞いております。区内の中小企業、個人事業主の皆様がこのようなトラブルに巻き込まれないよう、早急に庁内関係所管、産業振興公社及び東京都中小企業振興公社などと連携を図り、トラブル防止の注意啓発活動に取り組んでまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、条例の対象とならないマンションなどの建築における区の対応についてです。  区では、議員のお話にありました大規模な建築は周辺への影響が大きいことから、建築構想の段階で周辺住民と事業者が意見交換をし、よりよい建築計画を誘導することを目的に、世田谷区街づくり条例を定めてございます。  また、建築による日照の阻害や工事の騒音等で生じる近隣住民との紛争予防を目的に、良好な近隣関係を損なわないよう、建築主等に対し、事前に建築計画を記載した標識の設置や、隣接住民への説明等を義務付けました、いわゆる中高層条例を定め、健全な生活環境の維持、向上に努めてございます。対象となる建築物は、住居系用途地域で建物階数は三階以上、低層住居専用地域で高さが八メートル、それ以外の用途地域では十メートルを超える建築物等で、建築基準法よりも高さ等に関し近隣へ配慮したルールとしてございます。  一方、規模の小さい条例の対象とならない建築におきましては、建築主等の過度な負担になることも考慮し、区として自主的な対応を求めてございますが、区民から御相談をいただいた際には、街づくり課において状況を踏まえ、建築主等へ丁寧な対応を講じるよう求めてございます。  また、街づくり条例では、住民同士で話し合い、自主的に守るまちづくりのルールといたしまして区民街づくり協定制度を定め、建築する際に説明等のルール化も可能でございます。  区といたしましては、地域の環境に調和した良好な住環境の維持、向上と、安全で住みよい町を促進していくためにも、引き続き丁寧な対応に努めていくとともに、区民との協働により、身近なまちづくりの実現に向けまして取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎清水 世田谷総合支所長 私からは、駒沢一丁目土地の情報収集等について御答弁いたします。  駒沢一丁目にあります株式会社電通グループが所有しておりました電通八星苑につきましては、約二・八ヘクタールの広大な敷地を運動施設や農園等として利用されておりましたが、令和三年三月に固定資産の譲渡が公表されております。今後の土地利用転換において、敷地面積三千平米以上、または延べ面積五千平米以上の建築物の建築が行われる際には、世田谷区街づくり条例に基づく建築構想の調整制度に該当することから、建築構想の段階で周辺住民に周知し、計画内容等について、周辺住民と建築事業者が話し合う機会を設けてまいります。  なお、同条例において、周辺に及ぼす影響が大きい土地利用転換が予想される土地については、区の街づくり方針等に沿って街づくり誘導指針を定めることとしております。当該地においても周辺への影響が大きい大規模な建築が予想されることから、区では、既に駒沢一丁目一番地区街づくり誘導指針を策定しており、区長からも直接電通グループへ街づくり誘導指針の遵守を申し入れております。  区といたしましては、引き続き土地利用状況の注視や情報収集に努めるとともに、建築事業者から区に情報提供があった際には地域へ情報提供を図るよう要請するなど、策定している街づくり誘導指針等も踏まえながら、適切に建築計画を誘導してまいります。  以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、医療的ケア児の政策について一括して御答弁を申し上げます。  区では、せたがやノーマライゼーションプランにおいて、医療的ケア児を育てながら働かれている保護者の方が仕事を続けられるよう、支援機能の充実に取り組むこととしております。世田谷区医療的ケア連絡協議会や保護者の方からは、放課後等デイサービスにおいて、送迎の確保や預かり時間を増やすことが必要といった御意見もいただいております。こうしたことを踏まえまして、今年度、梅ヶ丘拠点の民間施設棟放課後等デイサービスにおきまして、拠点として全区から利用される中、そうしたことを対応するために、個別送迎に看護師の添乗が必要な場合に区独自の補助を実施をいたしております。  東京都から先日詳細が示されました、新たな障害児の放課後等支援事業、こうしたものにつきましては、現在区が実施しているこうした送迎支援も含まれておりますので、必要なものと考えてございます。可能な限り活用を図るとともに、補助額について必要な協議を行ってまいります。  今後、医療的ケア児を育てている保護者の方のニーズなどを踏まえ、お話のありました医療的ケア児の支援の進歩、それから、都の補助制度など、こうした動きを把握しながら、区の財政負担も考慮し、就労している保護者の方が医療的ケア児を育てながら仕事が続けられるよう、送迎ですとか居場所など、こうした支援の充実に向けて検討を進めてまいります。  以上です。 ◆三十三番(藤井まな 議員) まず、電通が持っていた八星苑でありますけれども、今まで区長からも直接電通グループへと街づくりの誘導指針を申し入れたということで、住友不動産に所有権が替わった後も、ぜひともそういった申入れはしていただきたいということは要望させていただきます。  あと、医療的ケア児のお話でありますけれども、さっきの答弁からすると、東京都の新しい新年度予算に手を挙げるんだろうなという感じを受けました。今回、僕はあくまでも手を挙げるべきだという話をしているんではなくて、これは世田谷区として本当に使いやすいか使いにくいかという問題もあると思うんですよね。こういったものをトータル的に見て、東京都のほうにこれらの制度についてももっと世田谷区側から意見を言うべきだと思っていまして、世田谷区の規模に合った予算措置というものもしてほしいな、各市区町村に合った政策をしてほしいなということを東京都に申し入れていただきたいということを要望しておきます。  最後に、岡田副区長、長い間お疲れさまでございました。今日、岡田副区長に対する質問を用意していないんですけれども、さっきちょうどコロナで詐欺被害が、個人事業主が大変に苦労されているということで、せたがやPayとかで回るとか、いろんな際があると思うんですけれども、ぜひともそういった際には、個人事業主の方に詐欺被害が起こっているんだということを注意喚起してほしいというふうに思いますけれども、岡田副区長、どうでしょう。 ◎岡田 副区長 再質問にお答えをしたいと思いますが、私がお答えをするテーマではないかなというふうに思います。詐欺被害が起きないように、区を挙げて取り組んでいくべきと思っております。  以上です。(拍手) ◆三十三番(藤井まな 議員) 以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時五分休憩    ──────────────────     午後五時十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 日程第二から第八に至る七件を一括上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第二 議案第四十五号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)外議案六件 ○下山芳男 議長 本七件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第四十五号より議案第五十一号に至る七件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第四十五号「令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。  補正予算書三ページをお開きください。  本件は、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、子育て世帯への支援やプレミアム付区内共通商品券の発行支援、DXの取組など、地方創生臨時交付金や東京都生活応援事業などの財源の活用を図りながら、速やかに対応すべき施策について補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に四十億一千九百五十一万四千円を追加し、三千二百四十億八百六十八万円とするものであります。  次に、議案第四十六号「一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、昇給の対象外となっている一般職の任期付職員を昇給の対象とする必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第四十七号「職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、宣誓書に係る押印を廃止するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第四十八号「労働者災害補償保険法の適用を受ける非常勤職員等の公務災害等に伴う休業補償等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、労働者災害補償保険法の改正等に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第四十九号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の改正に伴い、個人番号カードの再交付手数料を廃止するとともに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十号「世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、地方税法等の改正に伴い、非課税限度額の算定及び均等割の軽減の判定の基礎となる扶養親族の対象、特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例の適用期間等の見直しを行うとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十一号「財産(世田谷区立教育総合センター用一般什器、備品等)の取得」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立教育総合センターの開設に向けて、基本的な什器、備品類を一括購入するものであります。本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条第一号の規定に基づきまして、指名競争入札により実施いたしました。  その結果、株式会社三陽堂が落札し、同社と一億二千三百八十六万円で契約しようとするものであります。  本件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第八号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第三条の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第四十五号より議案第五十一号に至る七件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本七件中、議案第四十六号及び第四十七号の二件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見をあらかじめ聴取しております。お手元に配付の資料のとおりであります。  本七件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、日程第九を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第九 議案第五十二号 世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第五十二号「世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立花見堂地区会館を設置するとともに、世田谷区立代田南地区会館を廃止する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、日程第十を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第十 諮問第二号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 諮問第二号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明いたします。  本件は、人権擁護委員一名の任期満了に伴い、次期候補者を法務大臣に対し推薦する必要があるので御提案申し上げた次第です。  候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区保護司会から御推薦いただいたものであります。  慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。  よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第二号は諮問どおり答申することに決定いたしました。     ────────────────────
    ○下山芳男 議長 次に、日程第十一から第十八に至る八件を一括上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第十一 議案第五十三号 世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部を改正する条例外議案七件 ○下山芳男 議長 本八件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第五十三号より議案第六十号に至る八件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第五十三号「世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部を改正する条例」、議案第五十四号「世田谷区指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第五十九号「世田谷区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十号「世田谷区家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」の四件につきまして御説明いたします。  本四件は、厚生労働省令の改正に伴い、事業者等が書面により行うこととされている記録作成等を電磁的記録により行うことができる旨の規定整備、その他の規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十五号「世田谷区立児童館条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立代田南児童館の位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十六号「世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、松丘小新BOP学童クラブの活動場所を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十七号「世田谷区施設等利用費の支給に係る認可外保育施設の基準を定める条例」につきまして御説明いたします。  本件は、子ども・子育て支援法の規定による施設等利用費の支給の対象とする認可外保育施設の基準を定めるため、条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十八号「世田谷区保育料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、保育料等の額の算定に係る経過措置を廃止するとともに、地方税法の改正等に伴い、未婚のひとり親に対する税制上の措置等に係る規定を整備する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第五十三号より議案第六十号に至る八件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本八件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、日程第十九から第二十二に至る四件を一括上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第十九 議案第六十一号 世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例の一部を改正する条例外議案三件 ○下山芳男 議長 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第六十一号より議案第六十四号に至る四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第六十一号「世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の改正に伴い、中規模建築物について、その規模に見合った建築物移動等円滑化基準を適用させる必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十二号「世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」について御説明いたします。  本件は、条例の適用区域を変更するとともに、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十三号「世田谷区営住宅の明渡し及び使用料等の支払に係る訴えの提起」につきまして御説明いたします。  本件は、地方自治法第九十六条第一項第十二号の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十四号「特別区道路線の認定」につきまして御説明いたします。  本件は、新たな特別区道の路線の認定に関するものでありまして、道路法第八条第二項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第六十一号より議案第六十四号に至る四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、日程第二十三を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第二十三 議案第六十五号 世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第六十五号「世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、地方税法の改正に伴い、未婚のひとり親に対する税制上の措置に係る規定を整備する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を文教委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、日程第二十四を上程いたします。    〔井上次長朗読〕  日程第二十四 議案第六十六号 世田谷区立大蔵第二運動場条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第六十六号「世田谷区立大蔵第二運動場条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立大蔵第二運動場屋外プールの利用時間の延長に伴い、使用時間及び利用料金を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件をスポーツ・交流推進等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件はスポーツ・交流推進等特別委員会に付託することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十四分散会...