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令和 2年  9月 決算特別委員会-09月30日-02号

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  1. 世田谷区議会 2020-09-30
    令和 2年  9月 決算特別委員会-09月30日-02号


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    令和 2年  9月 決算特別委員会-09月30日-02号令和 2年  9月 決算特別委員会 令和2年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第二号 日 時  令和二年九月三十日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       真鍋よしゆき    副委員長      中塚さちよ    副委員長      神尾りさ              阿久津 皇              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              河野俊弘              宍戸三郎              下山芳男              菅沼つとむ              畠山晋一              板井 斎
                 岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              平塚敬二              福田たえ美              いそだ久美子              風間ゆたか              桜井純子              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              小泉たま子              佐藤美樹              つるみけんご              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              ひうち優子              そのべせいや              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   区長             保坂展人   副区長            宮崎健二   副区長            岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長  志賀毅一           保健福祉センター所長                  堀込章仁   北沢総合支所  総合支所長  髙木加津子           保健福祉センター所長                  木本義彦   玉川総合支所  総合支所長  工藤 誠           保健福祉センター所長                  山本恵造   砧総合支所   総合支所長  原田茂実           保健福祉センター所長                  若林一夫   烏山総合支所  総合支所長  皆川健一           保健福祉センター所長                  柳澤 純   政策経営部   部長     中村哲也           財政制度担当参事                  松永 仁   交流推進担当部 部長     小澤弘美   特別定額給付金担当部           部長(交流推進担当部長兼務)                  小澤弘美   総務部     部長     田中文子           総務課長   後藤英一   庁舎整備担当部 部長     松村浩之   危機管理室   室長     菅井英樹   財務部     部長     小湊芳晴   施設営繕担当部 部長     佐々木康史   生活文化部   部長     松本公平   地域行政部   部長     清水昭夫   スポーツ推進部 部長     内田政夫           ホストタウン調整担当参事交流推進担当部長兼務)                  小澤弘美   環境政策部   部長     竹内明彦   経済産業部   部長     田中耕太   清掃・リサイクル部           部長     辻  正   保健福祉部   部長     澁田景子           次長     有馬秀人           地域包括ケア担当参事保健福祉政策部長兼務)                  澁田景子   高齢福祉部   部長     長岡光春   障害福祉部   部長     片桐 誠   子ども・若者部 部長     加賀谷 実   児童相談所   所長     土橋俊彦   保育部     部長     知久孝之   世田谷保健所  所長     辻 佳織   都市整備政策部  部長    畝目晴彦   防災街づくり担当部           部長     小柴直樹   みどり33推進担当部           部長     笠原 聡   道路・交通計画部           部長     田中太樹   土木部     部長     関根義和           豪雨対策推進担当参事                  桐山孝義   会計室     会計管理者  工藤郁淳   教育長            渡部理枝   教育総務部   部長     淺野 康   教育政策部   部長     池田 豊
      生涯学習部   部長     林 勝久   選挙管理委員会事務局           局長     渡邉謙吉   監査事務局   局長     伊藤美和子     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 令和元年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 令和元年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 令和元年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 令和元年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定 (総括説明、総括質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○真鍋よしゆき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 なお、本日の委員会に早退の届け出がありますので、御報告いたします。  藤井委員が公務のため、早退されます。  以上であります。  本日から、当委員会に付託されております令和元年度決算認定五件の審査を行うわけでありますが、さきに決定しております運営方針に基づき、また、新型コロナウイルス感染症への対策についても十分講じた上、委員会を運営してまいりますので、委員並びに理事者の皆様の御協力のほどをよろしくお願いいたします。  さて、本日は、まず区長より挨拶をしていただき、引き続き政策経営部長より総括的な説明を受けた後、各会派の質疑に入ります。  それでは、区長の挨拶をお願いいたします。 ◎保坂 区長 おはようございます。決算特別委員会の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げます。  本日より令和元年度世田谷区各会計歳入歳出決算について御審議いただくわけですが、令和元年度の財政状況は、歳入では、特別区税がふるさと納税の大きな影響を受けたものの、納税者の増などにより前年度比で増加したほか、国庫支出金、都支出金も増となりました。歳出では、私立保育園運営費梅ヶ丘拠点施設整備費庁舎等建設等基金積立金などが増額になり、前年度比で増となりました。  財政健全化判断比率につきましては、令和元年度におきましても、引き続き健全な状況を維持いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後、大変厳しい財政状況が予想される中、財政運営の持続性を確保していくことが大変重要であります。  決算状況の詳細につきましては、この後、政策経営部長より説明させていただきますが、この委員会の審議の中で委員の皆様からいただく御意見、御提案につきましては、今後の区政運営に十全に生かしてまいりますので、よろしくお願いいたします。  本日より長期間にわたる委員会になりますが、委員の皆様におかれましては、体調に十分御留意いただきながら御審議いただき、御認定を賜りますようお願いを申し上げまして、御挨拶といたします。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  次に、政策経営部長より説明をお願いいたします。 ◎中村 政策経営部長 令和元年度世田谷区各会計歳入歳出決算の概要につきまして、お手元の「世田谷区各会計主要施策の成果」に沿いまして御説明いたします。  まず、三ページをお開きください。初めに、令和元年度の財政運営の概要について御説明いたします。  令和元年度の区の財政運営については、新たにスタートした新実施計画(後期)を確実に展開し、子育て・若者支援、高齢者・障害者施策、災害対策の強化や自然エネルギーの活用など、基本計画に掲げる重点政策を一層加速させるとともに、今後の財政需要や景気変動に耐え得るように、行政経営改革の取組を進め、持続可能で強固な財政基盤を確立することを目指し、財政運営に取り組んでまいりました。  令和元年度の一般会計当初予算額は、歳入面では、特別区税は、ふるさと納税による大きな減収を見込みつつも、人口増に伴う納税者数の増加等を踏まえて一定の増収としたほか、特別区交付金は、財源である固定資産税、市町村民税法人分の増などを見込み、前年度比で増額としました。歳出面では、梅ヶ丘拠点整備経費や道路用地取得経費、子ども関連経費、社会保障関連経費などが増加しました。これらにより、一般会計当初予算額は三千百九十三億八百万円、前年度当初予算比で百七十四億二千八百万円、五・八%の増となりました。  その後、幼児教育無償化及び国によるプレミアム付商品券の発行事業等への対応や、学校体育館への空調設備設置、一部の学校施設における耐震再診断を踏まえた耐震補強工事及び改築工事への対応、老朽化した公共施設の改修工事、区立小学校の登下校区域への防犯カメラ設置経費、令和元年台風第十九号による被害からの復旧復興などへの対応、台風による被害を踏まえた災害対策の強化や被災世帯等への支援、社会保障関連経費の増など、それぞれに対応するとともに、今後の公共施設整備などに備えた基金への積立てなど、四次にわたる補正を行いました結果、令和元年度の一般会計最終予算額は三千三百九十一億五千百万円となりました。  それでは、一般会計の決算について御説明いたします。  四ページをお開きください。なお、決算額などの金額は百万円未満を四捨五入した概数で申し上げますので、御了承いただきたいと存じます。  第1表、一般会計実質収支前年度比較を御覧ください。表左の区分の欄、上段の丸Aと表記しておりますが、令和元年度の歳入総額は三千二百九十五億二千八百万円、前年度比六・五%の増となっております。その下、丸Bの歳出総額は三千百六十六億二千八百万円、前年度比六・二%の増となっております。この結果、丸Cの歳入歳出差引額は百二十九億円となり、これから丸Dの翌年度へ繰り越すべき財源を差し引きました丸Eの実質収支は九十八億一千二百万円となっております。また、実質収支から前年度の実質収支を差し引きました丸Fの単年度収支は二十一億四千三百万円となり、丸Gの財政調整基金積立て額の十億七千八百万円を加えました丸Jの実質単年度収支は三十二億二千二百万円となりました。  次に、五ページの第2表、一般会計歳入決算前年度比較について御説明いたします。この表は、款別の歳入決算を前年度と比較したものでございます。  歳入における主な増項目でございますが、1の特別区税が、ふるさと納税による大きな影響を受けたものの、納税者数の増などにより三十九億九千万円、三・三%の増、8の地方特例交付金が、幼児教育無償化の影響などにより十六億五千五百万円、四八五・七%の増などとなっております。一方、主な減項目といたしまして、9の特別区交付金が、基準財政収入額の増加などにより二十一億九千万円、三・七%の減などとなっております。  次に、六ページをお開きください。第3表、一般会計歳入決算財源構成でございます。これは、歳入科目ごとの一般財源と特定財源の内訳を記載したものでございます。  この表の下から二行目の合計欄を御覧ください。一般財源の構成比が六五・六%、特定財源が三四・四%となっております。  続きまして、七ページの第4表、令和元年度都区財政調整結果でございますが、こちらにつきましては、既に議会に御報告させていただいておりますので、ここでは省略をさせていただきます。  八ページをお開きください。続きまして、第5表【A】一般会計歳出決算前年度比較について御説明いたします。この表は、款別の歳出決算を前年度と比較したものでございます。  歳出における主な増項目といたしましては、3の民生費が、梅ヶ丘拠点整備費や私立保育園運営費の増などにより百十四億八千七百万円、八・五%の増、2の総務費が、庁舎等建設等基金積立金や玉川総合支所・区民会館改築工事費の増などにより四十六億五千六百万円、一四・六%の増、7の土木費が、道路用地取得経費の増などにより二十七億四千四百万円、九・四%の増、6の産業経済費が、国によるプレミアム付商品券発行事業費の増などにより十三億二千七百万円、九二・九%の増となっております。一方、主な減項目といたしましては、8の教育費が、義務教育施設整備基金積立金の減などにより六億七千五百万円、二・三%の減、11の諸支出金が、財政調整基金積立金の減により三十六億九千百万円、七七・一%の減となっております。  続きまして、九ページの第5表【B】でございますが、これはただいま御説明いたしました第5表【A】の9職員費を関係各款に割り振り直した表でございます。令和元年度の各款別の構成比は、3の民生費が五一・四%と最も高く、続いて2の総務費が一六・〇%、7の土木費が一一・五%、8の教育費が一〇・七%の順となっております。  次に、同じページ、下段の第6表を御覧ください。これは平成三十年度から令和元年度に繰り越した事業の執行状況を示したものでございます。繰越明許費は、計画行政の推進から、一〇ページにお進みいただき、伝統的建築物の保存までの三十八事業、事故繰越しは、共通基盤システム運用及び小学校改築工事の二事業となっており、執行額等は記載のとおりでございます。  次に、一一ページにお進みいただき、第7表を御覧ください。これは令和元年度から令和二年度へ繰り越した事業と金額を記載しております。繰越明許費は、事務センター改修から、一二ページにお進みいただき、伝統的建築物の保存までの四十八事業、事故繰越しは、公共建築保全業務の推進から住宅応急修理までの五事業で、繰越額は合計で七十八億六千万円となっております。  次に、一三ページを御覧ください。第8表、一般会計歳出決算性質別内訳でございます。人件費、行政運営費及び投資的経費の区分による決算額、構成比等は記載のとおりでございます。  続きまして、一四ページを御覧ください。第9表は、各特別会計の決算収支について記載したものでございます。特別会計につきましては、後ほど概要を御説明いたします。  以上が令和元年度財政運営の概要でございます。  続きまして、主要事業の説明をさせていただきます。  二〇ページをお開きください。ここに記載の各項目は、平成三十年度から令和三年度までを計画期間とした世田谷区新実施計画(後期)の分野別政策に基づく取組で、令和元年度の実績について御説明いたします。  まず、左側上段、基本計画の分野別政策のうち、「1健康・福祉」でございますが、決算額が十二億五千九百万円、執行率は九三・〇%となっております。この分野別政策に基づく取組といたしまして、生涯を通じた一人ひとりの健康づくりの推進以下十二事業でございます。  次に、左側中段、「2子ども若者・教育」でございますが、決算額が八十九億八千三百万円、執行率は九三・六%となっております。この分野別政策に基づく取組としましては、若者の交流と活動の推進以下十三事業ございます。  二二ページをお開きください。左側上段、「3暮らし・コミュニティ」でございますが、決算額が六億一千六百万円、執行率は八五・四%となっております。この分野別政策に基づく取組としましては、豊かな地域社会づくりに向けた区民による参加と協働のまちづくり以下十五事業でございます。  次に、左側下段、「4都市づくり」でございますが、決算額が四十三億三千二百万円、執行率は七八・三%となっております。この分野別政策に基づく取組としましては、木造住宅密集地域の解消以下、次の二四ページの上段まで十四事業ございます。  以上の結果、二四ページの合計欄ですが、新実施計画事業の合計決算額は百五十一億九千万円、執行率は八八・三%となっております。  次に、三一ページをお開きください。この三一ページから五九ページまでは、基本構想に掲げる九つのビジョンの実現に向け選定された六つの重点政策について、それぞれ政策目的、政策の成果、成果の達成度に対する評価等を記載しております。  まず、三一ページの「重点政策1子ども若者が住みたいまちづくり、教育の推進」でございます。「子ども・子育て応援都市を推進します」を政策目的として、五つの取組方針に沿って事業を実施いたしました。政策の成果は記載のとおりでございます。  三四ページをお開きください。下段の3)成果の達成状況に対する評価及び今後の政策展開を御覧ください。こちらは各成果指標の達成状況、各取組の達成状況、課題と今後の政策展開を記載しています。主な取組といたしまして、保育待機児童の解消、世田谷版ネウボラの推進や地域における子育て支援の推進、令和二年四月の児童相談所設置など、効果的な児童相談行政の推進に向けた体制づくり、質の高い教育の推進などに取り組みました。取組に対する評価は記載のとおりでございます。  次に、三六ページをお開きください。「重点政策2高齢者・障害者等の在宅生活を支え、孤立させないための地域包括ケアシステムと住まい」でございます。  四一ページをお開きください。主な取組といたしまして、地域包括ケアシステムの推進、保健医療福祉総合プラザの開設準備、福祉人材の確保、育成などに取り組みました。  次に、四二ページをお開きください。「重点政策3安全で災害に強いまちづくり」でございます。  四五ページをお開きください。主な取組といたしまして、住民の力で被害の拡大を防ぐ防災意識が根づいた地域コミュニティーづくり、不燃化や耐震化、豪雨対策等の住民、事業者との協働による推進、道路、公園等の計画的かつ効率的な整備による災害に強いまちづくりなどに取り組みました。  次に、四六ページをお開きください。「重点政策4自然の恵みを活かして小さなエネルギーで暮らす豊かなまちの実現」でございます。  五〇ページをお開きください。主な取組といたしまして、再生可能エネルギーの普及拡大、区民や事業者等の環境配慮行動による環境共生都市づくりの推進、区民、事業者との協働による豊かな緑の環境づくり、たばこマナーの向上等による清潔できれいな町の実現などに取り組みました。  次に、五一ページを御覧ください。「重点政策5世田谷の文化の創造と知のネットワークづくり」でございます。  五四ページをお開きください。主な取組といたしまして、文化、芸術、歴史に親しめる環境づくり、知と学びと文化の情報拠点としての図書館の充実、誰もがスポーツに親しめる機会の創出などに取り組みました。  次に、五五ページを御覧ください。「重点政策6豊かなコミュニティ活動の発展と住民自治の推進」でございます。  五八ページをお開きください。主な取組といたしまして、地域活動への参加を促進するための環境づくりと区民や事業者による協働の促進、男女共同参画と多文化共生を推進する地域社会づくり、職住近接に向けた産業基盤の強化と、多様な働き方の推進などに取り組みました。  次に、七〇ページをお開きください。七〇ページから三四一ページまでは、分野別政策に基づく各新実施計画事業の取組と実績などについて記載しております。  七三ページをお開きください。新公会計制度を活用し、財務分析の項目を掲載しております。中ほど2)財務関連データの①行政コスト計算書では、人件費や減価償却費を含めた財務情報をお示ししております。今回より収入、費用、それぞれ各構成比を新たに掲載しております。  また、同ページ下段の3)行動量の単位あたりコストでは、事業実施単位当たりコストの算出により、コストと成果の関係性をより明確にしております。  なお、新公会計制度を用いた行政評価として二年目を迎え、経年比較ができるよう、二か年の単位当たりコストを並べて掲載しております。内容につきましては後ほど御確認いただければと思います。  続きまして、三四四ページをお開きください。三四四ページから三五五ページでは、重点政策と新実施計画事業の各成果指標の達成状況を掲載しております。新実施計画事業における全百六十九の成果指標のうち、半数強の取組が計画どおりに進んでおらず、達成に至らなかった要因を各事業のページで分析し、課題を明確化いたしました。新実施計画(後期)の最終年度に向けて、この課題について改善を図ってまいります。  主要事業の説明は以上でございます。  続きまして、三六一ページをお開きください。三六一ページ以降は予算の執行実績について記載しております。  一般会計の決算につきましては、先ほど御説明いたしましたので、ここでは割愛させていただきます。  次に、特別会計の決算概要につきまして御説明いたします。  まず、国民健康保険事業会計でございます。  四三八ページをお開きください。歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は八百十六億一千二百万円で、収入率は九八・七%となっております。前年度比では二十三億五千六百万円、二・八%の減となっております。  次に、四四〇ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は八百十二億四千二百万円、執行率は九八・二%となっております。前年度比では二十二億六千六百万円、二・七%の減となっております。内容といたしましては、被保険者数の減少により、保険給付費等が減となっております。  次に、後期高齢者医療会計について御説明いたします。  四五六ページをお開きください。上段の表、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は二百十九億五千三百万円、収入率は九九・五%となっております。前年度比では三億五千四百万円、一・六%の増となっております。その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は二百十三億七千六百万円、執行率は九六・九%となっております。前年度比では四億五千五百万円、二・二%の増となっております。内容といたしましては、被保険者数の増加に伴い、保険料や広域連合への負担金がそれぞれ増となっております。  次に、介護保険事業会計について御説明いたします。  四六八ページをお開きください。歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は六百八十九億五千四百万円、収入率は九六・九%となっております。前年度比では二十六億百万円、三・九%の増となっております。  次に、四七〇ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は六百五十九億八千六百万円、九二・七%の執行率となっております。前年度比では十三億九千九百万円、二・二%の増となっております。内容といたしましては、要介護・要支援認定者数の増加等に伴い保険給付費等が増となっております。  最後に、学校給食費会計でございます。  四八八ページをお開きください。上段の表、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は二十五億二千七百万円、収入率は八四・八%となっております。前年度比では一億三千八百万円、五・二%の減となっております。その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は二十四億九千二百万円、執行率は八三・六%となっております。前年度比では一億七千二百万円、六・五%の減となっております。内容といたしましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による区立小中学校臨時休業に伴い、給食の提供を行わなかったことにより減となっております。  以上で、令和元年度世田谷区各会計歳入歳出決算概要の説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で政策経営部長の説明は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時二十七分休憩    ──────────────────     午前十時四十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  これより総括質疑に入ります。  質疑者はネームプレートを質疑者席にお持ちいただきますようお願いいたします。なお、持ち時間の終了五分前には予鈴と質疑者席の緑ランプの点灯でお知らせいたします。さらに一分前には赤ランプの点滅でお知らせいたします。また、質疑される委員の方は、マイクから離れ過ぎないようお願いいたします。  続いて、理事者の皆様に申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお答えいただきますようお願いいたします。また、決算運営委員会において、やむを得ない場合は、理事者が席を離れることを認めると確認されておりますので、決して御無理をなさらないでください。  それでは、総括質疑を始めます。
     自由民主党、どうぞ。 ◆下山芳男 委員 どうもおはようございます。こうやって区長をはじめ理事者の皆さんの席を見ると、相当密集しているんですけれども、そういったところも注意して進めていきたいと思います。  それでは、自民党世田谷区議団の総括質疑を始めます。  本日の新聞を見ますと、世界では感染者が三千三百万人を超えて、また死者についても百万人を超えるというふうな、大変コロナウイルスの感染が拡大しているということでございますが、日本でも感染の数が八万三千九百四十九人、また死者の方も一万五千八百人以上の方がお亡くなりになっているということで、世田谷区におきましても、二十名の方がお亡くなりになっているということで、心から御冥福をお祈りしたいと思っております。  日本においては、二月の初旬からと思いますが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりまして、日本だけでなく世界中で大きな影響が出てきております。本来であれば、東京オリンピック・パラリンピックという世界にとって大変大きなそういったイベントが行われるこの二〇二〇年だったわけですけれども、本当に残念なことだと思います。  この感染拡大に伴いまして、テレビ局各局では、様々なワイドショーで、この未知の新型コロナウイルスについてどのように対処するのか、どうやって感染を防いでいくのか、この道の専門家が多数いろいろな御意見を言われていましたけれども、客観的に見まして、どの専門家も御自分のお立場からの御意見ということで、将来のことはやはり誰にも分からないということで、やはり今後におきましても、本当に感染拡大に備えてしっかりと考えていきたいというふうに私も考えております。  そのような中で、七月二十八日のBS―TBSの番組に突如登場されたのは、世田谷区の保坂区長ということです。それで、前日の七月二十七日の午後七時から行われました第二十一回世田谷区新型コロナウイルスの感染症対策本部会議(新型コロナウイルス感染症対策に係る有識者との意見交換会)というふうに書かれておりますけれども、この会議録を読ませていただきますと、世田谷区医師会の窪田会長、それから玉川医師会の吉本会長も、そのところで発表されました東京大学先端科学技術研究センターの児玉名誉教授のいわゆる世田谷モデルを初めてお聞きになったような印象を私は持ちました。そして、保坂区長も児玉教授に幾つかの質問をされております。  一方で、八月六日の日刊ゲンダイのネットでの保坂区長の記事には、保坂区長は、このPCR検査の拡充は、ここ一、二週間で動き出した話ではなく、四月頃から児玉名誉教授からのアドバイスを受けていたというふうに書かれております。そして当初は、抗体検査を準備してきたというふうに書かれておりますけれども、第二波とも言える感染が増加したため、PCR検査を優先した。私は、本当に区議会議員として、この世田谷モデルというのを全く理解することもなく、区民の方から様々な御意見であるとか、いつどこで受けられるのかというような質問をいただきまして、一体世田谷モデルって、いつどこで出てきたんだろうというような、本当に驚きをもって皆さんのお話を聞いておりました。  また、それに先立ちまして、七月九日には、東京大学先端研と世田谷区が連携と協力に関する協定を締結して、高齢者の地域活動をサポートするウェブプラットフォーム、GBERと言うんですか、世田谷区への実装が進んでいます。障害者雇用、環境・エネルギー、新型コロナウイルス対応などで、世田谷区と先端研は協力し、取り組んでいますというふうに、東京大学の先端研のホームページには掲載されているわけです。この協定は、これは私の考えですが、一連の児玉名誉教授の世田谷モデルへとつながっているのではないかと私は考えておりますけれども、私たちの宍戸議員の一般質問での宮崎副区長の答弁では、七月三十日に社会的インフラを守るため、介護施設で働く職員、保育園と幼稚園で働く職員、そして特養などの施設入所予定者のPCR検査について、区長より下命があったと答弁されています。  これまでの区長や副区長の答弁を聞いていても、どうも私は腑に落ちないところがあります。二十回を超える感染症対策本部会議が開かれているにもかかわらず、この時期の最重要課題とも言える、いわゆる世田谷モデルについての言及や検討はなかったのか、また、二十七日午後七時からの会議で児玉名誉教授の説明を聞いた翌日のテレビ放送に出演して、そういったお話ができるのか、また、引き続き行われた八月四日の日本記者クラブでの会見というのは、私はどういう方法でこういった会見ができるのか分かりませんけれども、こういった会見その他が簡単に行われることができるのか、その点ちょっと話を伺いたいと思います。 ◎田中 総務部長 私からは、感染症対策本部会議における世田谷モデルの検討について御答弁いたします。  新型コロナウイルス感染症対策本部会議では、四月から感染拡大防止としてのPCR検査の拡充について検討を開始したことに加え、六月からは抗体保有調査の在り方検討に着手するなど、検査体制の拡充については度々検討を重ねてまいりました。  いわゆる世田谷モデルにつきましては、七月二十七日の有識者との意見交換の後、区長の下命を受けて、八月五日の本部会議において、従来型PCR検査体制の拡充と社会的検査についての具体的な手法の検討を続けることといたしました。その後、八月二十一日から九月二十四日まで、三回の本部会議における検討を経て、九月二十八日開催の本部会議において、社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査としての第一段階の実施及び第二段階以降の本格実施に向けたプロポーザル実施について決定し、議会及び区民に情報提供させていただいたものでございます。 ◎中村 政策経営部長 区長のテレビ放送への出演や記者クラブでの会見について御答弁させていただきます。  まず、区長がテレビなどの取材を受ける際には、事前にテレビ局などから広報広聴課のほうに申込みがあります。取材内容を確認した上で取材の可否を協議し、取材を受けることとなった場合には、その場に広報広聴課が立ち会うという形になります。  七月二十八日のBS―TBSの放送についてですが、BS―TBSは児玉教授の密着取材を行っていたこともあり、児玉教授が七月二十七日の区の意見交換の場に出席することから、区長に対する取材依頼があったものです。  また、日本記者クラブの講演ですけれども、新型コロナウイルスに関する連続講演の一環で登壇したものであり、二十三区のほかの区長も講演をしています。  BS―TBSの番組が七月二十八日に放送されて以降も取材依頼が続きましたけれども、いずれも広報広聴課を通して受けたものになっております。 ◆下山芳男 委員 今答弁いただいたんですけれども、何かあらかじめこういった流れをつくっていたような感じを私は受けるんですけれども、この点、区長御本人はどういった御見解を持っていらっしゃるんですか。 ◎保坂 区長 まず、我々は皆様と一緒に、春の大きな拡大、それに大変危機感を持ちました。こういった中で、児玉先生にもお会いすることになり、大変、世田谷区、そして東京中心の感染拡大に先生も危機感を講じられておりました。しかし、五月、六月に一定程度感染状況が少し穏やかになってくる時期がございました。このときを捉えて、いわゆる抗体をすべからく、職員さん、入所者の方、家族から取っていくような形で、病院とか福祉施設で調査をしていこうというお話がありまして、このことを区としても受け止めて、本部でも議論しまして、七月に記者会見でも、そういった抗体検査の取組を始めますという内容の発表をしているところなんですが、ただ、まさにその内容の発表したあたりで、また第二波の感染が跳ね上がっていったということがございました。  その中で、このPCRの検査体制、世田谷区は頑張ってかなり増やしていたんですが、さらに拡充することと、やはり感染が拡大しているところでは、先回りした形での福祉施設における社会的検査と呼んでいますが、そういったことの内容を二十八日に御提示いただいた。ただ、それに至る過程で社会的検査という意味では、その抗体検査を実施するかどうかも相当庁内で議論いたしました。この本部も含めてです。ですから、あらかじめ福祉施設などの感染状況を抑えておく予防的な検査というようなことについては議論はしておりました。  また、二十八日の有識者の意見交換を準備するに当たって、七月上旬の段階から新たな取組をしていこうということについては準備を始めてきたということで、具体的に七月二十七日の会合で、児玉先生から世田谷モデルということでこういう内容でどうかと言われた内容というのは、もう何回も繰り返していますけれども、現存の検査の拡充と、そして福祉施設、ほかへ出かけていっての検査と、それとその検査の数そのものをやっぱり一桁増やすというような内容でございました。  これが現在も第二波が少し引いて来ている、しかしながら、二百人を超えるときもあると、大変私どもも将来分からないので、非常に冷や冷やしながら、備えは万全にしておきたいということでございます。 ◆下山芳男 委員 今、保坂区長からも答弁いただいたんですが、新型コロナウイルスに対して、やはりPCR検査を増やしていく、そして安心してそういった介護施設等でお仕事をしていただくというふうなことは私たちも必要だと思うんです。  一方で、世田谷区としては、八月三十一日付で担当の課長が、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部宛てに世田谷区の介護事業所での重症化、そして保育の現場のクラスター化を防ぐためのPCR検査が行政検査に当たるか、経費は国費として対応して認めることができるかと書面にて聞いているわけなんですが、一方で、九月四日に発行された保坂のぶとの活動レポートという九月四日版というのがあるんですが、この一面に、九月四日にもかかわらず、この世田谷モデルという大きな見出しが躍っているわけです。こういった点が、私たち、保坂区長の情報の発信の仕方というのが、なかなか理解できないし、承知することはできないということはちょっと一言言っておきたいと思います。  また、行政と議会が連携を取って、このPCR検査を適宜適切な方法で進めていれば、こういった議論もなく、支障なく、もっとスムーズに検査数を増やせたのではないかなというふうに私は思っております。これまでも私たち自民党としては、保坂区長にはもう少し議会としっかりと連携を取って区政運営をしていただきたいということを再三申し上げてきておりますので、ぜひともそういった点は、今後、議会と両輪という姿勢を見せていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。次に、区の財政運営と中期財政見通しについて質問させていただきます。  この八月に中期財政見通しが示されました。今後の世田谷区政がしっかりとした財政基盤の上に、健全な区政運営ができるかできないか、本当に重要な見通しであると思います。  平成二十年九月にリーマンショックが起こり、平成二十一年度より大幅に収入が減少しました。そして、平成二十三年三月には東日本大震災が、東北地方を中心に大変大きな被害となりました。保坂区長が就任して初めて取り組まれた平成二十四年度予算の策定でも大変な御苦労があったと思います。単純に比較することはできないと思いますが、今回の感染症の影響を踏まえますと、さらに厳しい状況と考えることが必要と思います。  今回の中期財政見通しを見ますと、特別区税においては、令和三年度は令和二年度に比べて一二%の減少、四年度にはさらに三・三%の減、五年度からは増加に転じる、そして特別区交付金については、令和二年度に比べて三年度は二三・六%の減、四年度は三年度に比べて一一・二%の増と、少しずつ戻ってくるというふうになっていますね。そして、五年度も前年比八・八%の増となっており、特別区民税と特別区交付金だけでは詳細は分からないとしても、この数字は私としては少し楽観過ぎるのではないかと思います。  減少から増加への予測の考え方、根拠を示していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 ◎松永 財政担当部長 今般の中期財政見通しにおきましては、国が公表した経済指標なども参考にいたしまして、今後二か年にわたり、リーマンショック時を上回る大幅な減収を見込みました。また、それ以降は、経済活動の段階的な引上げによる一定の回復というのは想定しつつも、リーマンショックの際とは異なりまして、感染症に対する新しい生活様式への対応、こういったことも考慮する必要があるということから、当面はコロナ以前の水準への回復は見込めないという見通しとしております。  一方で、今御指摘にもありますように、いまだ感染症の収束の兆しが見えない中では、地域経済への影響が長期化した場合など、さらなる減収の可能性も否定できないというふうに考えておりまして、こうした状況変化にも対応できるように、財政調整基金につきましては、予算規模の約一割、三百億円を引き続き確保する見通しとしたところでございます。  今後とも、複数年を見据えた計画的な財政運営に努めるとともに、感染症拡大の状況変化、また地域経済の動向など、区財政の影響を十分に見極めまして、必要に応じて財政見通しの修正も行いながら、持続可能な財政運営に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 本当にこの区政運営、非常に世田谷区はこれから、本庁舎の改築であるとか、その他やはり民生費の増加とか、難しい問題もあると思いますので、しっかり対応していただきたいと思います。  そして、今回、新型コロナウイルスの感染症対策ということで、東京都においても約九千八百五十億円もの予算を充てて、感染の拡大を防いだり、また一方では、大きく落ち込んだ飲食業、旅行業をはじめとして、医療とか介護施設の経営を全力で支援しているわけですけれども、また来年に延期されたオリンピック・パラリンピックについて、最近の日本の組織委員会とIOCの調整委員会の会議を見ますと、記者会見等を聞かせていただくと、開催の可能性が増してきているように思います。  私も大会の開催を強く望んでいる一人なんですが、東京都の財政負担もさらに増加することも考えられます。二十三区は、都区財政調整制度の下で予算をつくっていると言っても過言ではないと思います。おのずとこれまでの都区のやり取りに新たな要素、つまり、国、東京都、そして世田谷区も財政的に非常に厳しいという要素が入ってくると思います。  コロナの影響が長期化し、さらなる財政需要が高まっている中で、我が会派の代表質問でも触れましたが、いかに財源を確保するかが重要な課題となると思います。財調の面でもコロナ対策は都に対して強い姿勢で都区協議に臨むとともに、区の財源確保に向けた施策も、財調での算定を意識して臨む必要もあると思いますが、区の取組を伺います。 ◎松永 財政担当部長 都区財政調整制度につきましては、特別区が等しく行うべき事務を遂行することができるようにということで、合理的かつ適正な方法により算定するものとして定められております。  毎年度の財調、都区協議におきましては、この基本的な考え方の下、例えば昨年度でいいますと、児童相談所の運営経費をはじめ、新たな財政需要による新規算定ですとか、既存の算定メニューの充実などを特別区側から様々な提案を行いまして、財調での算定充実等を図っているというところでございます。  一方で、委員お話しのとおり、この間、各区では様々なコロナ対策により多くの財政需要が発生しておりまして、今後の感染症の状況によりましては、それらの対策が長期化することも十分想定されます。そうしたことから財源の確保に当たっては、都区財政調整制度による対応も不可欠であるというふうに考えております。  今後、リーマンショック時を超える極めて厳しい財政見通しの下で財調協議というのが予想されますが、各区のコロナ対策をはじめ、特別区の財政需要がより適正に財調に反映されるよう、二十三区一体となって全力で財調協議に臨んでまいりたいと考えております。 ◆下山芳男 委員 Go Toトラベルとか、Go To商店街とか、そういった対策も取られていると思いますけれども、しっかりと財政運営を担っていっていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  先日の敬老の日には、総務省から六十五歳以上の高齢者の数が発表されました。世田谷区でも、六十五歳以上の女性が十万七千六百人余り、男性が七万七千人余りということで、十八万五千人ということですよね。区の人口の二〇・〇七%が六十五歳以上の高齢者の方ということで、五人に一人が高齢者という状況になっているわけですけれども、百歳以上の方というのを見ると、女性が四百十九人、男性七十人ということで、世田谷区の最高齢の方は百八歳の方が四人いらっしゃるということで、世田谷区というのも高齢の区なんではないかなと思うんです。やはり世田谷区が重点的に取り組まなければならない福祉の対象というのは、六十五歳以上の高齢者と障害のある方々をそれぞれの年代や状況に応じてきめ細かく対応していくことが大切だというふうに思います。  今年二月初旬からの感染の拡大によりまして、高齢者にとっては非常に厳しく不自由で、寂しい日常になっていると思います。新しい日常なる言葉が平気で使われているんですが、デジタル化など、生活の中で有効に活用することを、変わらなければいけないことは確かにあると思うのですが、全ての事柄がこれまでの日常の中で、私たちがつくり上げてきたという事実を簡単に私は手放すことはできないと思っております。  コロナの影響で多くの高齢者クラブは、ほとんどの活動が中止になっており、楽しく語り合う機会がほとんどなくなっていると。それでラジオ体操などの屋外での活動はあるものの、室内での食事会などの活動は、ようやく再開に向けて少しずつ再開してきている状況というふうに聞いております。  かなりの団体で、以前に比べて参加者が減少し、団体を運営し、継続することが難しくなっている団体もあると聞いております。区としては、現状についての認識とこれからの対応はどのように考えているのか伺います。 ◎松本 生活文化政策部長 高齢者クラブの活動支援でございますけれども、新型コロナウイルスの影響によりまして、高齢者クラブでは、三月ぐらいからになりますけれども、活動を休止したところが多くございました。そのため、外出機会の減少、あるいは活動意欲の落ち込み、さらには活動の自粛によりまして、退会される方が増えるんではないかと、このような心配も団体の中にありまして、少なからず影響は出ているものと考えております。  この間、区からは、高齢者の心身の健康維持につながるようなフレイル予防の情報提供を行っておりますけれども、高齢者クラブにおきましても、今お話がございましたように、公園等でのラジオ体操、あるいは健康体操などに、地域の高齢者の方の参加ということも呼びかけまして実施しているところもございます。ただ、現在も自粛を続けている団体、あるいは活動というのも多々ございますので、そういった状況を改善していく、あるいは今後のことも考えまして、対面活動に代わるビデオの通話、あるいはメール等での交流を促進するため、十月から簡単な操作から体験をするスマホ講座、こんなようなことも実施をしていきたいということで、今準備を進めております。  さらには、高齢者クラブへの講師派遣、こういったことも地域参加促進施策の一つとして、十月下旬から試行を予定しております。さらに、施設の利用ということもさらに緩和がされますので、今後の高齢者クラブの活動の再開ということに向けまして、高齢者クラブ連合会とも連携して支援に努めたいと、このように考えております。 ◆下山芳男 委員 やはり高齢者の皆さんというのは非常に注意深いというところもあると思いますので、しっかりした情報を伝えていただいて、再開に向けて支援をお願いしたいと思います。  次に、地域行政推進条例の制定に関連してお伺いしたいと思います。  来年九月の定例会での制定に向けて検討が進んでいると思いますが、主な意見をこの間資料で読ませていただいたんですが、この条例を必要性ということから考えると、区民の側からこれを考えていくというのは非常に難しいと思います。私たちの日常の町会活動なんかを考えても、なかなかボトムアップという形でこの条例に進んでいくというのは難しいというふうに思っております。  こういう状況で、定年退職された方が地域に戻ってきて地域活動しようと思っても、なかなかまちづくりというような言葉から入っていくというような状況だと思います。まず、もう少し高齢者の方も含めて、地域のことを知っていただく、そしてまず、まちづくりセンターというのをもっともっと区民の方に有効に利用といいますか、活用していただいて、まちづくりセンターが地域の皆さんに対して、地域活動をしっかりとリードしていっていただくと、そういうことが必要だと思うんですけれども、区のこれからの努力、工夫、大切だと思いますが、考えを聞かせてください。 ◎清水 地域行政部長 地域の課題を地域で解決する住民主体のまちづくりにおいては、地域で暮らす住民が顔の見える関係を深め、一人一人が可能な範囲で地域活動に参加して、行政とともに生活の質の向上を図る取組が重要であると考えております。  そのための第一歩として、行政や地域の活動から発信される情報に触れ、また、同じ地域に暮らす人との交流を通じて地域に目を向け、地域を知ることが必要であると思われます。  区民それぞれに生活環境の違いがある中で、例えば学生や単身世帯、子育て世代、リタイア世代など、それぞれのライフステージにより、地域に関心を持っていただく手法が求められており、地域の魅力や社会資源を活用したアプローチが必要です。  一方、転入や転居時においては、一日でも早くその地域になじんでいただけるよう、町会・自治会や様々な地域活動、イベントの紹介、防災や地域福祉の取組や、気軽に商店街や公共施設を利用していただけるような多様な情報発信をはじめとした取組などが考えられます。  地域行政の推進計画の策定において、地域コミュニティーや住民主体のまちづくりの促進に向けた取組の一環として、地域を知っていただく方法についても具体的に検討してまいります。 ◆下山芳男 委員 地域については時間もかかると思いますけれども、しっかりと地道に進めていっていただきたいと思います。  以上、私からの質問を終わります。 ◆河野俊弘 委員 私からは、最初に、コロナ禍における施策事業の見直しについて伺っていきます。  コロナ禍を理由に、やむを得ずこの間、規模の縮小、延期あるいは中止になった事業は多分野にわたりまして、区民に対しましても、中止等の決断に至った際には、区から丁寧な説明をしてきた中で、このコロナ禍における苦渋の決断であると、区民の方々にも泣く泣く御理解いただいていることが多くあると思います。  八月に区が示した中期財政見通しでは、コロナ禍の影響によって歳入見通しが大きく下方修正され、今後あらゆる事業においてもさらに厳しく数年見ていかなければならないと思います。  この状況に対応すべく同時に示された世田谷区政策方針に基づいて施策事業の見直しを進めていると思いますが、その取組についてこれまでの間、区が取り入れてきた新規独自の施策についても改めてその必要性を精査すべきと考えます。  コロナ禍の今日であれば、新たに始めることができないような事業でも、コロナウイルス拡大前、必ずしも好調とは言えないですが、人口増に乗じた税収増の状況に、保坂区政以後において様々な独自事業の開始によって積み重ねられた結果、既成事実に捉われて見直し対象としづらく、その結果、この危機的状況下において大きな負担材料をお持ちになっているというふうに思います。一自治体のリーダーとして、財政運営の甘さがこの危機的状況においてさらに悪影響が出ていると思います。  区長自身は、今後、財政再建についてどのように考えているのか、今後、福祉的な施策も含めて、国や都の基準や他自治体と比較して過剰なものについては、既存の事業でも思い切った見直しに手をつけていかなくてはなりませんが、見解を伺います。 ◎保坂 区長 河野委員にお答えします。  世田谷区は、区民に最も身近な自治体として区民の生活実態をつぶさに把握しながら、これまで全国に先駆けた施策展開により、国や他の自治体を動かしてきたという実績があると思います。一例を挙げますと、二十八地区に設置をいたしております福祉の相談窓口は、厚生労働大臣経験者、厚労省幹部ほか複数の視察を受けて、全国の地域包括ケアシステムの福祉の地域窓口の一元化の先進事例になっております。これをモデルに法改正まで行われたということでございます。  また、区独自の事業としてスタートしました産後ケアセンターですが、ようやくこの間の努力が実って母子保健法に明記されて、他の自治体も参入しやすくなるような、経費が出てくるような改正がなされました。なので、もちろん財政が厳しい中で精査をしていくという視点はとても重要です。ただ、その基準ですが、他の自治体が手本としているような事業モデルを仮に他の自治体がまだやっていないからといってこれは余分だということは、それは違うのではないかなというふうに思います。  一方、長い年月かけて起きてくる時代の変化がございます。社会経済状況によって、区民のニーズはやっぱり動いていきますので、今回の事業の見直しに当たっては、コロナ禍という新しい状況下で、区民生活、事業生活にとって、今本当に必要なサービスの在り方はこれでいいのかということをしっかり見定めた上で、事業の再編や統合、これも行い、持続可能な行財政運営を確保していく必要があると考えております。  現在この作業を各部において具体的に検討させているところですが、国や都が定めた基準から、区が独自に上乗せをしているものなども含めて、必要性や有効性、その優先度について十分検証し、政策全体のそのバランスを取りながら、この厳しい時代に対応できるよう見直し案を策定するように指示してまいります。 ◆河野俊弘 委員 事業の見直しについて、今後やっぱり複数年にわたって考えられる中、コロナショックと言われるその前の財政状況への回復がもう見込めないんだというような覚悟を持ってやっぱり進めていかなければいけないというふうに思います。  その中で、次の、少し関連しまして、外郭団体のことについて伺いたいんですが、外郭団体のその事業の、先ほど区長にも再編統合という話がありましたが、外郭団体自体のその事業の精査、再編、あるいは統合に向けた検討もせざるを得ない状況だというふうに思います。各団体の自立に向けて見直しを図るというふうにも考えますが、区の見解をお聞きします。 ◎中村 政策経営部長 新型コロナウイルス感染症の影響により、非常に区の財政見通しが厳しいということは、ただいま委員からもお話があったとおりでして、外郭団体に対しても、区はこれまで同様の財政支援を維持することは難しいと考えているところです。  各団体が、これからもますます変化していく社会経済状況や区民ニーズにしっかりと対応しながら、持続可能な経営をしていくためには、区からの委託ですとか、補助による事業だけでなく、創意工夫により財源を確保する自主事業の割合を高めるなど、安定的な経営基盤を構築することが必要であると考えています。  こうした観点に加えまして、各団体の設立趣旨や役割を踏まえて、区は外郭団体の設置者として、委員お話しの事業の精査や再編も含めた外郭団体の改革について、新実施計画(後期)の計画期間であります来年度末までにしっかり結論を出していきたいと、こういうふうに考えています。 ◆河野俊弘 委員 来年度末までに結論ということで、ちょっとまだスパンが、考えなきゃいけない期間ということだと思うんですが、危機的状況の今回のコロナ禍という中は、もしかしたら、一世一代というか、そのような事態かもしれないというふうに思っています。だからこそ、この危機的状況を災い転じて福となすではないですけれども、チャンスであるというふうなことも考えられるというふうに思います。やっぱり今回の事業の再編等も、コロナにおける影響を考えて、一旦考え直してみると、一旦白紙に戻して考え直す、そのくらいの覚悟を持って、各事業の精査、各種団体を含めて、取り組むことを期待しております。  次に行きます。介護事業者等を対象にしたPCR検査の実施について、おととい未明に区長もメッセージを出されていましたが、その内容について、私からも何点かお聞きします。  実際のところ、文書等でのスケジュールの中で、九月二十八日に契約、二十九日に、昨日、該当事業者への周知、予約受付ということでもう既に走っているというところですけれども、現在の状況について改めて確認します。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 社会的検査の実施状況でございますが、今お話がありましたとおり、十月一日より第一段階としまして、介護事業所を対象に実施しておりますが、九月二十八日に区内医療機関との契約、昨日から該当事業者への周知及び予約受付を開始しているところです。  次に、第二段階以降としまして、三次補正予算に基づき、公募型のプロポーザル形式により事業者を今選定しておりますが、その手続開始の公示を昨日、九月二十九日に行ったところです。  今後、十月下旬に事業者選定を行った上で、十一月より介護事業所、十二月より障害者施設、一時保護所、児童養護施設等、保育園、幼稚園を対象とし、順次実施してまいります。  一方で、施設内で陽性者が発生した場合や感染への不安がある場合などにつきましては、十月から介護事業所や障害者施設等において、定期検査のスケジュールによらず、最優先で随時検査を実施する予定でございます。この間の社会的検査の区からの説明につきましては、事業所や区民の皆様から多くの意見をいただいておりますので、今後対象施設や実施方法等について、広報紙やホームページを通じた周知広報を丁寧に行い、広く理解を得ることができるよう努めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今後、その対応等々についてお話しいただきましたけれども、まだ東京都のほうの二千件の高齢者施設の抗体検査というのも、まだまだ具体的なものが示されていない状況かと思います。そういったところも含めて、今後、世田谷区の定期的に行っていくというところの論点に関しましては、今後の補正、今回第三次ですけれども、第四次補正も見据えてやっていくというところを考えていくと思うんですが、その後、今東京都のまだ指針も出ていない中で、都との連携なしでは、今後のPCRの予算というのは組めないというふうに思うんですが、どのように考えていますか。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 四次補正と都との連携でございますが、東京都においては、九月の補正予算案で示した高齢者・障害者施設等を対象としたPCR検査の実施に向けた新型コロナウイルス対策強化事業を発表しておりますが、現時点では、実施手法等の詳細が示されていない状況でございます。  区の事業開始後は、国や東京都の動向にも注視しながら、東京都の実施手法が明らかとなった時点で、区が取り組む社会的検査との連携及び活用策について、速やかに対応してまいります。 ◆河野俊弘 委員 しっかりとその点、東京都との連携というのを密に行っていくことを要望いたしますし、今後、世田谷区が積極的にこれは検査を行っていくというわけですから、その行った結果、まだまだ先かもしれませんが、陽性者が出た場合とかというものの想定もされていると思うんですけれども、今回無症状者を含めた検査をしてやっていくわけです。その際に陽性者が出た場合の、例えば施設への経済的支援というのも、現状どのような対応で区としてはやっていくのか、確認をします。 ◎長岡 高齢福祉部長 介護施設における社会的検査の実施に伴いまして、陽性者が発生した際の施設への支援につきましては、施設側の検査の活用のためにも重要であると認識しておるところでございます。  施設等への支援策につきましては、東京都が介護サービス事業所等に対し、サービス継続支援事業としてサービス継続に必要となる経費に対し補助を行っているところでございます。区におきましても、高齢者・障害者施設等支援金といたしまして、事業再開のための消毒の経費等の支援を行っておりますが、陽性者が発生し、事業所が休業した際の職員の給与など、その対象や金額を拡充いたしまして、必要に応じて介護施設等の休業等に必要な支援を実施してまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり施設に対する体制の補助というのももちろんあるんですけれども、やはり利用者の方もいらっしゃっていて、あるいはその施設のサービス提供というのができなくなった場合に、代替の手段というのも今後考えていかなければいけないというふうに思っています。  今回陽性者が出た場合に、高齢者施設に関しますと、その利用者の方という話もしましたが、実際にはその感染されている方というのは、二十代、三十代の方が多いわけです。私の知る限りの近隣の友達の友達とかという範囲で、今回のコロナの中でやっぱり感染した方も何人かいました。実際にそのときにお話を聞いてみると、思った以上にやっぱりつらい体の不調があって、実際にやっぱりその特効薬というのはもちろんないですし、自宅療養で過ごされている方というものの苦労をいろいろと聞きました。  その方が家族と一緒に住んでいるわけでもないし、近隣に身寄りもいないし、一人で住まわれている方ということでの話だったんですけれども、やはり自分で食事を用意する、あるいは買物に出るというのもなかなかやっぱりちゅうちょしているわけです。今その状況が少しずつ停滞していっていますけれども、今回、自宅療養をする方を対象に、例えばですけれども、地元の商店街の店舗とかを活用した生活支援などの実施というのを提案したいというふうに思っています。実際その点については、区としてどのような考えが現在あるのか伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 新型コロナウイルス感染症の陽性者のうち、入院を要しない軽症者、無症状者につきましては宿泊療養が原則となりますが、介護や子育て、ペットの飼育などの様々な事情がある方につきましては自宅療養となる場合がございます。世田谷区では、九月二十九日時点で三十一名の方が自宅療養となっております。  親族などからサポートを受けることが困難な方への支援や陽性者が外出することなく療養に専念していただくことを目的に、他区の実施でございますが、足立区をはじめ大阪府の堺市、千葉県の浦安市、滋賀県の野洲市などで、配食サービスや買物の代行ですとか、あるいは食料品、日用品の配達などの支援が行われている自治体がございます。  区では、自宅での生活に不安のある方は、宿泊療養をしていただいておりますことから、現在、直接的に御要望いただいている状況ではございませんが、感染状況や自宅療養数の動向などを踏まえまして、経済産業部など関係所管と今後検討をしてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今、既存でもともと足立区の話とかもありましたけれども、私がこれは一例として今回提案しておりますが、訴えたいこととしては、やはり今回の、最初に言ったコロナ禍の状況だからこそ見えてくるチャンスというのがあるはずだと思います、様々な分野において。そういったところをしっかりと見極めていただいて、今回のそのお話の中であれば、感染者等の対応で保健所の体制とかもいろいろ大変な部分がありますが、その中で、感染された方からのお話の中で見えてくる施策のものが、例えば今回の話であれば、産業政策につながるとか、そういった一つ一つのつながりを区としても見極めていただいて、しっかり進めていただきたいというふうに思っております。  次に行きます。次は、ちょっと教育についてなんですけれども、教育総合センターについて私から確認をします。  今回の本議会の中でも教育総合センター内に職員の研修室等を移す案が示されましたが、やはり会派としてもちょっと不透明である部分があります。教員の研修と職員の研修を同じ場所で行うことの意義、その効果はどうなのかという点がこの議会でも聞かれているかと思います。
     その点を含めて、私からは、今回その当初の計画から、研修担当課が入ることによって、地域の方々への今まで説明の中ではこういった話がまだ出ていなかったと思うんです。実際にその話が出てきた中で、地域の方々は、地域の利用というのもこの教育総合センターの位置づけとしては非常に気になっているところがあります。  それというのは、若林の地域なんですけれども、地域のまちづくりセンターが環七を隔てて一・二丁目と三・四・五丁目に分かれているわけですけれども、今三・四・五丁目辺りの場所に若林のまちづくりセンターがありますが、それが今土木管理事務所に移設、移転になります。そうすると、その環七を渡る、渡らないという部分は地域にとって結構大きい問題になっておりまして、そういった面でも、教育総合センターが一つの新しい拠点となるというところで期待をしているところなんですけれども、その点についても変更等がないのか改めて確認します。 ◎池田 教育政策部長 新設する教育総合センターには、区長部局の研修担当課などを配置することを予定しております。  学校を中心として経験を蓄積してきた教員が、児童相談所などの福祉行政やまちづくりセンターなどの地域行政を担う区職員とともに研修を行う機会を設け、新たな知見や人的ネットワークを広げていくことは教員の資質の向上につながるものと考えております。  一方、教育総合センター運営計画の素案でもお示ししておりますが、教育総合センターの研修施設を地域の方々にも利用していただくことを予定しております。  研修は、平日の日中を中心に実施いたしますので、当初予定どおり、平日の夜間の時間帯や土曜日などを中心に、地域の方々の活動の場としても御利用いただけるものと考えております。 ◆河野俊弘 委員 今回の計画の中、研修については、平日、日中を中心に実施ということで、今回、土日の方々への利用ということもありますけれども、その辺は丁寧にもちろん説明をしていただきたいですし、もちろんこの教育総合センターが教育の拠点と新しい位置づけになると思います。その点、今回は今年度中にタブレット、あとはWi―Fi環境の整備というのを各校で、全校配備ということで進めていくということになっておりますが、教育委員会として、タブレットを用いた教育についてのそのハードの話は、もう計画上もちろん分かっていることですが、中身のソフトウエアの配備というのが、ソフトの面です。どういった内容のソフトでカリキュラムを組んでいくのか、そういった部分が非常に今後重要になっていくというふうに思っています。  選定についてはどのようにして行っていく予定なのか改めて確認します。 ◎池田 教育政策部長 教育委員会では子どもたち一人につき一台の端末を通じまして、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、個別最適化された学びを実現するとともに、子どもたちが社会ともつながる教育の質の転換につなげてまいりたいと考えております。  ソフトウエアについてでございますが、授業で子どもたちの入力したコメントを一つの画面でまとめて表示したり、学校と子どもたちとの課題のやり取りなどに活用する学習支援系ソフト及び子どもたちの自宅での学習支援に活用するドリル系ソフトについて、今年度末で現在の使用契約が終了いたします。現在、令和三年度より使用するソフトウエアの選定に向けまして、現場の教員を中心とした研究グループにより、市販のソフトウエアを実際に使用しての調査研究を行うとともに、文部科学省のICT活用教育アドバイザーの助言も受けながら、選定に向けた準備を進めているところです。  選定はプロポーザル方式により行うことを予定しており、子どもたちにとっての有用性を主眼に選定手続を進めてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 今回そのソフトウエアの面に関してプロポーザル等でのということですが、非常に重要な部分だと思います。今回その配備をされたいものの、やはりその使い方の面の教員の方々への研修のほうももちろんですが、そのソフトウエアの一貫性というんですか、先生方にとっても使いやすいとかという面では、今回のそのハードウエアを配備する会社がどこまでその初期設定というんですか、タブレットを使うために、渡してすぐに使える状態になっているかどうかというのも非常に大事だというふうに思います。  そこからソフトをどういうのを入れていくかも、入れた状態で配備をしていくのかというのも、あとは今は高学年からということで、一年生、二年生、三年生というのはまだまださわっていない子どもたちも多いと思うんです。今回、幼児教育という観点でも教育総合センターが担っていくということですけれども、一年生、それよりもっと下の世代、幼稚園、こども園を含めて世田谷区立では八園あると思うんですけれども、機械から触れて、ICTの環境に触れていくことは私は大事だというのは、これは前の予算だったりとか、決算でも度々伝えていることなんですけれども、今回教育総合センターができることによって、非常にこの有用性というものは今後本当に大事だなというふうに思っております。  今回幼稚園に対してこのお話をさせていただいたときに、その所管の方と、一年に全園に持たせていくというのはもちろん難しいんだという話は分かりました。ただ、教育総合センターにタブレットを配備するということはできると思うんです。だから、それを各園の年間の園外学習じゃないですけれども、教育総合センターに出向いて、タブレットをさわらせてあげる機会とかというのを小学校に入る前からやっていく、いわゆるデジタルネイティブの今世代ですから、逆にその機会を設けていくというのは自然なことだというふうに思っています。その点どういうふうに考えているのか伺います。 ◎淺野 教育総務部長 乳幼児期におきましては、人間が持つ創造性や感性、自己肯定感、粘り強くやり抜く力等の非認知的能力を培うことがとても重要であり、子どもたちが遊びや生活の中でこれらの能力や資質を育むことが大切であると考えております。  令和三年十二月から教育総合センターの中で事業を開始します乳幼児教育支援センターとしての機能といたしましても、子どもたちが芸術文化、外遊びなど、様々な体験を通して学ぶことで、非認知的能力など、これからの社会を生き抜く力の基礎を育むことのできる環境づくりを進めていくことを予定しております。  御指摘の幼児期からICTに触れる環境づくりですけれども、子どもたちが新たな発見や様々なことに興味を持つきっかけとしてICTを活用することも考えられます。  今後、幼稚園、保育所等の現状を踏まえ、他自治体の先進事例等も参考としながら、有効な実施方法等の検討、研究に取り組むなど、特色ある教育、保育の実践につなげてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 ぜひ教育総合センターをそういった位置づけでもしっかり考えていただいて、教員の方々の研修というのももちろん入ってくると思いますが、そこにやっぱり外から子どもたちを呼んでくるとかという視点もしっかりと踏まえてやっていただきたいというふうに思います。  あと最後に、私からは、関連で小中学校の行事についてということでお話をさせていただきたいというふうに思います。  今年度は、今年の三月に緊急事態宣言で一斉休校という形で、子どもたちにとっても非常に衝撃的な、今年、まだまだ卒業まで半年近くありますけれども、児童生徒にとって思い出に残るような行事というのは、なかなかやっぱりできていない、従来どおりに行事ができていないというのが現状だというふうに思います。  他自治体では、近隣の遊園地を借り切って、生徒たちのために、今年の一年、何もできなかった代わりにじゃないですけれども、やってあげているというような話も聞いています。  現在、世田谷区においては、各校の判断で、そういった行事の代替になるようなものを促しているという話を聞いているんですけれども、各校判断ではなくて、教育委員会独自で打ち出すような考えというのはないのか確認をします。 ◎池田 教育政策部長 おっしゃるとおり、今年度子どもたちは、コロナウイルス感染症の拡大により、宿泊行事の中止や学校行事の縮小など、例年とは異なる学校生活を余儀なくされております。  運動会や学芸会、音楽会、校外学習などの学校行事は、各校において内容の精選や実施方法の工夫を行いながら、児童生徒の思い出に残る学校生活となるよう、感染症対策をしっかり行いつつ、進めているところでございます。  教育委員会といたしましては、制約のある中でも、規模の縮小やオンラインでの行事の代替実施など、何らかの形で各校において工夫して、子どもたちの思い出に残る行事が行われるよう、引き続き校長会を通じて働きかけてまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり子どもの育ちの段階、発達の段階に応じた育ちというのを保障する工夫というのは、大人がつくり出す必要があるというふうに思っています。  先ほども言ったように、三月の突然の休校によって、ちゃんとした卒業式もないのに終わってしまったということもありますし、今年の一年、小学校六年間、あるいは中学校三年間、区立の小中学校に限って言えばそこですけれども、全体を通して学生は、今年卒業を迎える年の学生にとって、ある意味非常に特別な年なんです。そういったところでも、仲間との関係であったりとか、その気持ちを共有できる機会を持つというのが非常にやっぱり大事な時期であると思います。それが大人のある意味都合によって断たれてしまったという印象が残る、またその逆に、しようがないというような思いをさせてしまうということは、今後の子どもたちの未来、あるいはそれは社会にとっても大きなマイナスというふうに思います。  子どもの育ちの段階で、必要に応じた活動を大人が工夫して提供していくことを今後求められると思います。今回、先ほど池田部長のほうからお話がありまして、それが教育委員会の受け止めというふうに思いますが、しっかりと、例えば入試時期は二月で、三月のその段階の一カ月間というのが時間的には取れる部分だと思います。そこら辺のスパンをしっかりと見定めて、そこに目標を持って、ただ、そのときコロナがどうなっているか分からないというのはもちろんあると思うんですけれども、目標を立てることはできると思うんです。その点、予算をしっかりやっていくという面で、区長部局もしっかり考えていただきたいというふうに思っています。  区長はその点、もし思いがあればお答えください。 ◎保坂 区長 おっしゃるとおり、今年特に三か月にわたった休校、この中で、小学校六年生、中学三年生は本当にしみじみ別れる、そういう場面もなかったということで、大変申し訳ないことをしたというふうに思っておりますし、またその後も数々の行事、子どもにとっては楽しみな社会見学や川場や、様々なことが続々中止になりました。プールもありませんでした。  そういう意味で、感染症対策を何より優先するというのは当然ではありますけれども、そういった機会をつくれなかったのは、大変申し訳ないことだというふうに思っております。  一方、細心の注意を払いながら学校運営に当たっている教職員の皆さん、学校職員の皆さんには大変頭が下がる思いであります。大変な苦労をしながら、感染が出ないようにということで注意をしながらやられていると思います。  運動会は中止したけれども、記録会という形で代替のイベントを開催したり、中止となったプラネタリウムや美術館への移動教室については、無料チケットを配ったりするなどの工夫も行っていると聞いてはおります。  河野委員おっしゃるように、この感染症の波がございます。ここと対策、これをしっかりやっていきながら、やはり子ども時代は一度しかない、そして卒業してしまえばみんなばらばらになる。この子どもたちが、学校生活を最後に刻むような機会、これは各学校にそれぞれ工夫していただくというのが教育委員会の考え方だと聞いておりますけれども、私としては、全力で応援してまいりたいと思います。 ◆河野俊弘 委員 その点、保護者の方、おやじの会、PTA等、惜しみない協力はしていただけると思いますので、その点しっかりと区からお膳立てをしていただくようお願いしまして、委員を替わります。 ◆上島よしもり 委員 現在のようなコロナ禍におりますと、どうしても世間の危機意識というのは、コロナ防止に向かってしまうと思います。しかし、もう一方で、やはり南海トラフでありますとか、首都直下地震であるとか、地震災害についても警戒を強めていくべきだと考えております。もしこれらの地震が発生した場合には、人的にも経済的にも、現状のコロナ禍の比にはならない被害が発生することは御承知のとおりだと思います。  そこで、この最良の対策が十分に定まっていないコロナ対策とは違い、地震対策はいつ起こるか分からないだけで、やるべきことはかなり整理されており、自助、共助、公助のそれぞれの立場による取組が求められております。その中で区は何をすべきか、それは一言で言えば、行政にしかできない、もしくは行政の支援が不可欠な取組であります。  そこで、東京都都市整備局、平成三十年、二年前、二〇一八年ですけれども、地域危険度測定調査が発表されました。建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難度、そしてそれらを合わせて総合危険度ということで一から五ということで全ての町と丁目まで評価がされております。  そこで、世田谷地域で言えば、この総合危険度四というところが、丁目で言うと、これはちょっと聞いている方は分かりづらいと思うので、「チョウメ」を「チョウモク」と言いますが、六丁目、そして総合危険度三のところは十八丁目あります。  そこで、実際、計画と推進に当たっていらっしゃるのが総合支所の街づくり課ということでございますが、現状の課題をどう捉えて、どう進めていこうとしているのかお知らせください。 ◎志賀 世田谷総合支所長 世田谷総合支所では、老朽化した木造建築物などが建ち並ぶ木造住宅密集地域の改善に向けまして、地区計画の策定や新たな防火規制の指定による建築物の誘導、住宅市街地総合整備事業による道路、公園などの整備を進めてまいりました。また、地域危険度が高いなど特に重点的、集中的に改善を図る太子堂・三宿地区などにつきましては、平成二十六年度から東京都の木密地域不燃化十年プロジェクトにおける不燃化特区制度の導入により、さらなる建築物の不燃化に取り組んでいるところです。  一方、このような事業が導入されていない、例えば経堂駅周辺地区などにおきましても、防災上の課題が残っていることは認識してございます。  今後、それぞれの地区の実情を知るための基礎調査を行い、課題をしっかり捉えるとともに、地区住民の皆様の声を聞きながら、防災まちづくりを進めてまいる所存です。 ◆上島よしもり 委員 今、世田谷総合支所ではそういった取組ということですが、やはり経堂などはこれから、その他にも課題のある地域、地区が存在しております。これらの実際の取組は、道路・公園整備、不燃化・木密解消、そして耐震化の大きく三つだと思われますが、先般、耐震改修促進計画素案が示されましたけれども、現計画では、住宅の耐震改修率、これは今年度で九五%の目標ということでこれまでやってきたんですが、推計値では九一・五%にとどまるということであります。  そこで、目標達成に至らなかった理由をお聞かせください。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 区では、平成二十八年度より現在の耐震改修促進計画の下、耐震診断や耐震改修などへの耐震化支援事業に努めるとともに、今年度からは新たに木造住宅除却助成制度を設けるなど、改修にこだわらず、建て替えも視野に入れて住宅の耐震化率の向上に努めております。  こうした中で、令和二年度末における住宅の耐震化率は、推計で今九一・四%となっておりまして、目標達成に至らない主な原因といたしましては、耐震改修に多額な費用を要すること、建築基準法の不適合部分がある建築物に助成を受ける場合は、その是正が必要なこと、あるいは耐震改修工事の際には、一棟当たりの助成上限額が定められておりまして、こういったことから工事に結びつかないことがございます。  このような課題を解決できるように、来年度四月に改定予定の耐震改修促進計画におきましては、耐震化率向上に向けて新たな取組なども取り入れております。 ◆上島よしもり 委員 今御答弁ありましたけれども、やはり新たな取組を含めてやっていく必要があるということだと思います。その実際、具体的なところでは、素案の中を見ますと、では、こちらも答えていただけますか。どういう内容ですか。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 現在、区民意見募集を行っておりますが、耐震改修促進計画の改定作業に取り組んでおります。その計画素案の中では、今後の目標の達成のために、これまでの成果を検証するとともに、新たな取組も示しております。この新たな取組の一つとして、現在区内に約四万棟残っている旧耐震基準の木造住宅、これら全ての所有者を対象として、耐震支援制度の案内を直接行う普及啓発や、耐震改修工事の資金が不足する分譲マンションの耐震化を促進するための助成制度の見直しなどを盛り込んでおります。  また、特定緊急輸送道路沿道の建築物で、特に倒壊の危険性が高いと言われております、耐震化の基準でIs値というものがあるんですが、このIs値が〇・三未満の建築物の早期解消を図るために、本来Is値というものは〇・六以上が必要なところを、まずはIs値を〇・三以上とする段階的な耐震改修への助成制度の導入も素案の中で提案しております。  対象者に直接働きかける周知活動に加え、助成制度の見直し、新たな助成制度の導入などにより、耐震化を実現させていく上での取組を充実させることで耐震化率は向上すると考えております。 ◆上島よしもり 委員 耐震化率が向上するというお話でしたので、ぜひ進めていただきたいと思います。  しかしながら、トップバッターの下山委員のほうから財政についての質疑がございました。財源確保が断然厳しい状況になっているというふうには私も理解しておりますが、しかしながら、防災まちづくりが進まなければ、復旧復興でそれ以上の経費を要することになりますし、何より区民の貴い生命を守ることはできません。  こういった防災まちづくりの推進が滞ったり、止まってしまうことがあっては決してならないと我が会派は考えております。ぜひ耐震改修促進計画の改定時に当たるわけですが、新たな取組をしっかりと盛り込めるよう求めますが、この点について、副区長、いかがでしょうか。 ◎岡田 副区長 委員御指摘のとおり、今後の区の財政見通し、大変厳しい状況が想定されております。こうした状況下でも、区民の行政ニーズに応え、持続可能な行財政運営を確保するというために、政策課題の優先順位を全庁横断的に整理して、あらゆる施策について本質的に見直しを図る、こういうことで政策方針を定めたところでございます。  この政策方針の中でも、地震などの災害対策につきましては、さらなる防災、減災の取組を強化するとともに、安全で災害に強いまちづくりを実現するとの考えをお示しさせていただいております。  来年度以降の予算編成、大変厳しい状況が予想されまして、事業の本質的な見直し、これは進めていかなければなりませんが、建築物の耐震化を含む防災まちづくりにつきましては、区民の生命と財産を守るとする行政の最優先課題と認識しておりますので、これまで以上に精緻な事業管理と特定財源の確保に努め、今後も必要な財政措置を行い、来るべき災害に備え、これまで以上に積極的に取り組んでいきたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 先ほど世田谷総合支所についてお聞きしましたけれども、他の総合支所でも、ちなみに地域危険度測定調査を申し上げますと、世田谷は先ほど申し上げましたが、北沢地域は、危険度四が八丁目、危険度三が十二丁目あるんです。玉川では、危険度四がゼロということですが、危険度三が二丁目、ただ、こちらについてはやはり水防関係の課題を多く持っております。砧地域では、危険度四が一丁目、そして危険度三が五丁目、烏山では、危険度四が一丁目、そして危険度三が六丁目という状況でございまして、これら先ほど申し上げましたとおり、道路、公園の整備、不燃化・木密解消、耐震化促進、その取組はまだまだ道半ばであると私は思っております。成果の見えにくい、また時間のかかることであるからこそ、着実に進めていかなくてはなりません。そのことは執行部の皆さんが、私よりもよく理解されていると思います。  区長も、企画総務委員会の補正予算の審議の中で、PCR検査を一桁増やすと公言したことについて、重症化や多くの人が亡くなるような事態だけは何としても阻止したいと力強く語られていました。その思いが本当であるなら、本心であるならば、防災まちづくりをおろそかにするとは私も思いません。副区長の御答弁の言葉どおり、来年度予算編成に区の決意が表れますことを期待いたします。  それでは次に、PCRのことを伺っていきたいと思います。  この件に関しては、議会の中でも本当にたくさんの質疑がされておりましたが、区長も企画総務委員会に御出席されまして、また本会議場でもいろいろなやり取りをされておりましたけれども、非常に正面からお答えいただいていないような、非常に聞いていて分かりにくいんです。今回、もう時間もあまりないもんですから、できれば率直に、質問に対してお答えいただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  私から伺いたいのは、PCR検査そのものの内容というよりは、先ほど下山委員からもお話がありましたが、やはりこういった政策決定の取扱いについてということは非常に私は問題だと思っているんです。これをやっぱりそのままにしておけないということで質問していきたいんですが、まず、社会的検査について、七月上旬時点から準備をしてきたということですが、これはいわゆる七月二十八日のいろんなテレビでの発言の内容とほぼ一致するようなものなのかどうか、これは副区長のほうからお答えいただきたいと思います。要するにどんな指示があったのかお聞きしたいと思います。 ◎宮崎 副区長 まず、このPCR検査の拡充については、いわゆる今で言う従来型の検査というところの拡張については、それこそこのコロナ問題が発生した以降、あるところで、要するに検査センターをつくって拡充していくということで、その取組を進めてきたわけですけれども、先ほども区長のほうから申し上げたように、感染の具合が伸びていって、一回収束して、その間も議会側から保健所体制を含めていろいろ御指摘いただいているわけです。今般は、九月一日付で組織改正をしたわけでございますが、その間も、応援体制を含めていろいろ取扱いをやってまいりました。これも本部でいろいろ議論してやってきたわけです。  今お尋ねの件ですけれども、PCRの部分については、したがって、方法論を含めてはいろいろあったわけですけれども、専門家からいろいろお話があったわけですけれども、いろいろ模索をしているわけです。例えば今の社会的検査、特にたどっていくピークは、七月の頭ぐらいから徐々に加速をしていって、それで、どういう方法を取っていけばいいんだと。それと、先ほども区長からもお話ししたように、その段階ではまだ落ち着いていた段階の部分を踏まえていましたんで、抗体検査のほうに主軸を置こうとしたんです。  ところが、先ほど言った七月上旬あたりから少しずつ感染者が増え、中旬ぐらいから少し高止まり状態になってきたわけです。となりますと、抗体検査の意味合いがこれでは意味がないんじゃないかということから、やっぱりPCR検査のほうの部分について、いろいろ学者の方にも御相談をして、この方法を取っていくほうが優先だろうということになるわけですが、先ほど来出ている有症者のほうの数も増えてきていますから、そちらの拡充ということをまずできなければ、次のステップに入れないということを並行して議論しています。これが七月上旬から徐々に加速をさせていきまして、七月二十七日の本部の中で、有識者に意見交換会の場をいただきまして、そこでいろいろ御指摘いただいて、さらにその制度設計といいますか、そこについて詰めていったと、こういう経過でございます。 ◆上島よしもり 委員 つまり、いろいろ検討してきたけれども、七月二十七日のいわゆる意見交換会というんですか、会議ですよね。専門家を呼んだ会議で、プール方式とか、一桁増やすという発言の大本になるアイデアが出てきて、その次の日に、区長はテレビでそういう発言をされたということなんですよね。そういうことでいいんですよね。確認です。一言で。 ◎宮崎 副区長 先ほどもちょっと政策経営部長から申し上げましたけれども、その取材関係の部分については、そもそもBS―TBSですか、そこの部分については児玉先生のほうへの取材のオファーがずっと続いている局でして、そこに児玉先生が有識者の意見交換会に出られるということも、児玉先生のほうからお話があったと思うんで、そこでのオファーがあったり、さらにはその後の翌日の話というのも、児玉先生のほうにもオファーが入っている中での区長のほうへの今度オファーが入ってきていると、こういう経過です。  先ほど来言っている、区のほうが取り組んできている部分の経過としては、四月上旬からずっと続いていまして、例えば今おっしゃった七月二十七日が必ずしも全てのターニングポイントではないんです。ただ、いろんな方々の御意見がそこではっきり本部の中で出たわけですから、そこから先は、さらにその詰めについては加速していったことは事実ですけれども、その前から、例えばプール方式というのも、その時点でも先端研のほうでやっているということは情報が入っていますんで、それはどういうものなのかとか、どういうメリットがあるのか、抗体検査と何が違うんだとか、そういうことも全部詰めていっている段階ですので、必ずしも二十七日からぽんと出たわけではなくて、その手前側からずっと検討は続けているという状況でございます。 ◆上島よしもり 委員 分かりました。話はあったけれども、ただ、私が特に伺いたいのは、結局、危機管理の問題として、区長がいわゆる対策本部で皆さんの合意を取れていないことについて、ああやってテレビで多くの人に語ること自体、危機管理上、僕はあっちゃいけないことだと思うんですよね。いわばこのコロナ問題というのは、全国的にも、世界中の課題ですよ。課題で、みんながパニック、場合によっては、日本の場合、ある意味そんなパニックというほどじゃないと言われればそうなんですけれども、中には、やはりコロナを非常に恐ろしく思っている方もいれば、いろんな幅広い考え方がある中で、もう外に出れないとか、もっと言えば、ちょうどこの七月の終わりごろからお盆時期までというのは本当に、実は私の家族もそうでしたけれども、できればおじいちゃん、おばあちゃんに会いたいけれども、帰れないと。なぜならば、自分がもしかして感染していたら大変だということ、これは多分、多くの、物すごい数の人たちがそう思って、不満に思い、またフラストレーションをためながら日々を送っていたという時期です。かつ、いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる方々は、本当に日々つらい思いの中で生活しているという中でこういう発言をするというのは、危機管理上やっぱり、よっぽどしっかりと練られていない限りは、私は発言すべきじゃないと思うんです。それは区長に、区長の姿勢として、僕はまずいと思うんです。  区としてはの話ですけれども、やはり対策会議で決定したこと、決定するって、だって、全ての大本って対策会議、何のために対策会議があるかって話ですよ。対策会議が、だったら要らないじゃないかという話になっちゃうわけですよね。その点、区長、どう考えます。 ◎保坂 区長 これは七月の半ばから上旬というのは、毎日桁違いに、四月のピークを倍にするぐらいの感染数が出てくるという時期ですよね。一方で、それに対して、上島委員もおっしゃっておりましたけれども、規制をどうするかとか、皆さん悩んでいた。一方でGo Toキャンペーンも始まろうとしていたと、こういう時期でございます。  振り返れば、PCR検査を三十七・五度以上を四日間という一つの目安ということでしたが、これで大分重症化された方もかつていました。区においては、医師会の大変な御協力もあって、検査センターをかなり回しましたんで、七月、八月とも、検査が数日かかるということはありませんで、その日か翌日には検査を受けられるというようになってまいりました。  実は大きな問題、多分ニュースなり、メディアで大きく報じられた点というのは、濃厚接触者のPCRは五月末から始まっているんですね。ただし、症状が特段あるわけではない人についての介護施設であるとか、そういうところまで行くというところについては、まだ実例がなかったのが七月末です。ただ、番組の中で、その前の日の二十七日の児玉名誉教授が提唱する世田谷モデルとはということで、現状の拡充とその社会的検査という内容が紹介されて、私としては、これは必要なことだと思うと。具体的については、今、職員のほうにその検討を指示していますよというようなお答えをしてきました。  よくニューヨークの例を、いつでもどこでも何度でもというふうに挙げたことで、世田谷区民九十二万が対象じゃないかという誤った認識が流れたんじゃないかという御指摘もいただいていますけれども、発言をよく見ていただければ、必ずその、そこは指標としながら一段一段積み上げていくんだということを発信してきておりまして、そういう意味では、確かに今、振り返れば、例えば議会への情報提供の在り方であるとか、反省すべき点があるとは思いますけれども、しかし、健康危機管理上、やっぱり区民が安心して社会経済活動ができるように、そういう思いを込めて発言をしてきたと。  今回を教訓に、さらにいい情報発信と、組織的な取組について考えていきたい、そしてまた、この社会的検査も含めた今回の取組を成功させたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 やっぱりお答え、答えていただいていないんですよね。いいです。ちょっと時間がないものですから、次に行きますけれども、今のことで、テレビの演出とか、テレビが与える影響って、多分この中で一番区長が御存じだと思うんですよね。あの放送が、いろいろな取材がどんな町に影響を与えたか、もしくは庁内に与えたかというのは、それは一番分かっているはずなんですけれども、そこで僕が一つ腑に落ちないのは、この間ずっと質疑をやっておりますけれども、庁内とか、もしくは議会、議員もそうですけれども、あと区民に対しても、いろいろな誤解であるとか、いろいろな大変な、今、コロナで大変なときにさらにそういう負荷をかけたということに対して、区長の思いというのが全く出てこないというのが私は不思議なんですよね。その辺はどうですか。短くお願いします。 ◎保坂 区長 私は、最大の負荷はコロナの出口が見えない、そして有効な対策が見いだせないということだと思います。そこを解消するために、全力をかけてこれからも取り組みますし、そのプロセスの中で至らない点があったら正して、振り返ってまいりたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 今回至らなかったんですよ。これは、区長に申し上げるのは本当に申し訳ないと思いますけれども、身近で自分がよかれと思ってやったことが、私が見えていないところで何か影響があったり、迷惑をかけたりしたら、後で分かったら、やはり何らかの姿勢を示すということは、僕は人間として大事だと思うんです。  地方自治体というのは、僕は国、国会と違ってコミュニティーだと思うんですよ。それなりの人間関係で成り立っている、見えない人間関係で成り立っている中で、やっぱりそういうことをおろそかにしたら、地方自治体というのはだんだん冷たいものになっていくというか、駄目になっちゃいますよ。だから、そこは、僕は今回いい機会だと思って、区長はそうやっていい発言をしていただきたいなと思ったんですが、ちょっともう時間がないですから、次に移ります。  もう一つ私がこれはおかしいなと思ったのは、区が出した八月五日の文書です。何で世田谷区という名前で出されたんですかね。普通だったら、所管の名前とか、本来であればここは区長ですよ。区長が出さなきゃいけないところじゃないですか。ところどころで映像を出したりやっていますけれども、一番あのとき大変だったわけですよね。議会ももう大変な状況で、庁内も大変だったときに、どうして、いわば危機管理ですよね。危機管理の対応というのは全く間違っていると私は思うんですが、これは区長、進言はなかったですか、こうしたほうがいいですよと庁内から、こういうやり方がいいですよとか。 ◎保坂 区長 その当時ですと、大変報道の量が多かったということがまずあります。それから、福祉保健委員会でも議論をしたり、まさに庁内での意見共有もしてきたと。今、公式に世田谷区としてどうなのかということを、副区長以下、取りまとめて分かりやすく提示するという必要があるということで、そのホームページに掲載をしたというふうに認識しています。 ◆上島よしもり 委員 本当に時間がないのが大変残念なんですけれども、一般の会社の広報関係者の方から話を聞いたんですが、今は三日で訂正しないともうアウトだという時代なんですよ。情報量がすごいですし、考えてみたら、自分自身も三日前のニュースなんてあまり人と話さないんです。印象だけが残って、そのときの話題というのがずっと残っていくわけですよ。だから、早めに手を打たなきゃいけない。そして、できるだけイメージ、区長がテレビで言ったんだったら、やっぱり区長がその訂正、皆さんに短い言葉でしっかりと伝えるということが本来必要だったと私は思うんです。  そういう意味で、広報体制を世田谷区はしっかりとこれから取り組んでいかないと私は駄目だと思いますよ。もうそういう今までのやり方が通用しない時代ですから、情報量がこれだけ多い時代の中で、スピードのある時代の中で、ぜひとも区は生まれ変わってほしいと思います。  以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十分休憩    ──────────────────     午後一時開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆佐藤弘人 委員 それでは、公明党の総括質疑に入ります。  私のほうからPCR検査について質疑していきたいと思いますが、ただ、午前中、自民党のほうからも、るる区長に対するこれまでの発言、言動等ございましたが、私どもは検査体制の中身について特化してお聞きしたいと思います。  ただ、ちょうど一昨日、区長のほうから区民へのメッセージということで発表をされていました。そこに、いまだプール方式を諦めずみたいな言葉があったのは非常に心配なんですが、それはそれとしても、やはり私たちとしては、従来、これまで区長に対しても緊急要望として三回にわたって様々な、るる要望をさせていただきました。その中においても、従来型の検査についてはしっかり拡充をしてもらいたいというお話をさせていただいております。  今回、実質的には社会的検査という枠組みで、従来型検査と併用した形の体制で進めていくということになっております。ただ、私どもとしても、どうもまだこの社会的検査という、もちろん従来型検査の症状がある方、もしくは濃厚接触者の方の検査の、対象が違うのは分かりますが、ただ、従来型検査も一日六百人まで拡充はできるということにおいては、今、一日六百人まで検査をされているわけではないので、社会的検査という位置づけの第一段階の対象者の方も、実質的には従来型の検査に国としても認めますよという回答はもらった今でも、分けなければいけないという理由は、いま一つしっくりこないので、その枠組みとして、どうして二つに分けなくてはいけないのか、これは対象が分かれているというよりは、検査の体制として分けなくてはいけないのかということについて、改めて教えていただきたいと思います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 今回実施いたします社会的検査につきましては、これまで実施してきた従来型のPCR検査とは別の仕組みとして、保健所の業務の負担を軽減することを前提に事業を進めてまいります。  現在行っております従来型のPCR検査は、感染症の疑いがある有症状の方や濃厚接触者の方を対象に、四月以降、世田谷保健所のPCR検査センターのほか、区内医療機関、世田谷区・玉川両医師会の御協力の下、これまで検査体制の維持、拡充に段階的に取り組み、現在の一日当たりの検査規模を三百人程度から六百人程度までできる体制に増やしてきております。  一方、社会的検査は、利用されている方への感染拡大に伴う重症化を避ける、また感染予防を徹底しても接触を避けられない職員からのクラスターの抑止、対象事業所で働く方のうち感染者または感染疑いのある方に接触した可能性が高い職員に対する早期対応を目的に、十月からの第一段階として延べ二千件、十一月からの第二段階以降は延べ二万一千件を予定しており、これまでの従来型PCR検査とは別の仕組みとして実施させていただきたいと考えております。
    ◆佐藤弘人 委員 すみません、ちょっと何か答えがよく分からないんだけれども、いわゆる世田谷保健所の負担を軽減するという意味で、従来型と社会的検査とを分けたという解釈でいいのですか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 有症状や濃厚接触者の方は、その都度発生する状況が分かりませんので、そちらは体制を整えた上で、社会的検査のほうの仕組みをさらにつくって実施していくということでございます。 ◆佐藤弘人 委員 いや、でも、今言った社会的検査という枠組みの第一段階については、従来型検査で一旦は吸収してやるということではないのでしたっけ。 ◎宮崎 副区長 この間、新しい取組として、無症状の方をまず対象にしたいということから、これがその当時、その区分けをする意味としては、有症状や濃厚接触者に限定をしている、もしくは疑いという例をQアンドAで加えてきていますが、そこまでも拡張するかどうかが分からない。  その中で、やはり無症状の方を、何とか広めないためにも取り組みたいということが、まず意思として働いていまして、その意味では、区民の方からもいろいろお尋ねをいただきまして、今例えば自分が本当に感染になったときに、すぐに検査が受けられるのかというような不安も含めていただいていますので、そこはちゃんとやりますと。それも、数も増やすようにしますということとは別立てでやる。  さらには、いろいろ議会からも御指摘いただいている、保健所体制はそれでできるのかということになりますので、今度は、では、軽減は図りながら、保健所体制とは別の仕組みでやりますというようなことを組み合わせて、この社会的検査というものを別立てで、今、委員からも併用という言い方をしていただきました。まさに併用の形を取って、ただ、将来的にこれが行政検査という形で定義づけされてきましたので、ある意味、行政検査という定義から始めますと、傘が一緒のところに入ってきましたので、その部分の区分けが、例えば今度は検査方法とか、そういうところでの違いとか、また別立てでくくらなければいけない可能性はありますが、少なくともこの行政検査の傘の中には一緒に入ってきましたので、将来的にはその区分けの意味が、だんだんPCR検査が広まったときには、また定義を、そういう分かりづらくなってしまうとすれば、それは本意ではありませんので、そこはまた考えなければいけないかもしれませんが、取りあえず今は、その経過が別々にできてきたというところで、あえて社会的検査という言い方をさせていただいています。 ◆佐藤弘人 委員 今、宮崎副区長がおっしゃったように、その辺が非常に分かりづらくなってしまっているのですね。すみません、ちょっとそれをやっていると、また時間がないのですが、では、改めて従来型検査と社会的検査と、それぞれ検査を行います。そして、陽性者が出た場合の対応については、これまでの従来型検査は、私たちも承知していますが、この社会的検査と言われるほうで陽性者が出た場合の対応、フォロー、それから接触追跡みたいなことは、これから委託をされる法人の方に全部お願いするという解釈でよいのですか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 社会的検査で陽性者が発生した場合は、疫学調査として本人の健康観察や行動履歴の聞き取り等の調査をいたしまして、濃厚接触者の範囲を特定した上で、さらに必要な方の検査も実施することになります。十月から開始する社会的検査における陽性者の疫学調査につきましては、保健所業務の負担とならないよう、保健福祉政策部の専門職を活用しながら、従来の保健所の検査体制とは切り離して実施する予定でございます。  現在、保健所で担っている陽性者への説明、疫学調査、入院勧告や移送の手配、濃厚接触者の健康観察などのうち、社会的検査では、入院勧告と移送の手配以外は、保健福祉政策部でコンタクトトレーサーの確保育成を行いまして十月から実施し、第二段階以降における委託事業や従来型PCR検査にも活用してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 今の部長の答弁でいくと、陽性者が出た場合、移送の手配と、それから入院とかそういったところだけは一元化されているけれども、それ以外はセパレートされて対応するということだと思います。  もう一つ、では、社会的検査で今回の対象になっています、例えばかつて陽性者が出たとされている介護事業所等についてですが、例えばこれからそうした中で陽性、感染の方が出た場合についての、その後の介護事業所の経営支援とか、バックアップ体制、例えばこれは東京都でも、例えば小学校等の臨時休業とか、社会福祉施設等で働く介護職員の皆さんたちが感染症に感染した場合で、出勤ができなくなった場合に、サービスをどうやって継続していくかというフォローアップについて、これから事業をどう活用していけるかということは検討されていると思うのですが、世田谷区における、私たちのさきの代表質問の中でも、療養施設については区独自で確保したいみたいな答弁もありましたが、この辺のバックアップ体制についてはどうなのでしょうかね。答弁はないですか。 ◎長岡 高齢福祉部長 社会福祉施設等において職員が新型コロナウイルスに感染した場合の、その宿泊施設等、あるいはその人材確保を講じることは、サービス提供を継続する上で重要であると認識しております。国におきましては、施設同士が協働して支援を行うことを調整する仕組みづくりのために、都道府県に対する支援を行うとしており、その枠組みは東京都の役割となっておるところでございます。  先ほどお話にありましたように、施設においてもコロナの感染者が発生しております。世田谷区内の特別養護老人ホーム施設長会からは、区内の施設間で連携して相互に支援する仕組みの提案をいただいているところでございます。区といたしましては、介護サービスを継続して提供できるよう、国や都の動向を注視するとともに、施設長会とも連携しつつ、相互協力に向けた検討を進めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 でも、その答弁を聞いていると、やはりそういったところのスピード感が遅くて、何で検査体制の発表だけ早いのかと思ってしまうのですが、やはりこの介護施設等は、私たちの日常生活では非常に密接しているわけですよ。その利用者以外に、利用者の家族にまで様々な生活のリズムが影響してしまうので、なるべくなら休業に至らないように、また経営が困難に陥らないようにサポートしていく体制というものは、もう速やかにつくっていただきたいということをお願いしておきますけれども、しっかり検討してください。  それと、もう一つ、感染者の方が出た場合に、その感染者の方の家族、家庭のシチュエーションで様々なケースがありますね。例えばひとり親の御家庭で、その保護者の方が感染してしまって、残された子どもたちはどうなるのかとか、在宅介護の中で介護をされている側の方が感染してしまって、介護の方が一人残されてしまうといったケースもありますが、様々なケースに対する手を差し伸べていくといったフォローが不可欠であります。  そういった意味での相談体制というか、相談窓口も含めて、そこをしっかり寄り添った形で対応できる体制を、ぜひ区としても検討していただきたいと思いますが、この点はいかがですか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 各家庭におきまして保護者や介護者等が陽性となった際、子どもや高齢者、障害者の方が経過観察の対象となることが想定されます。区では、子どもにつきましては、医療機関への一時保護委託または一時保護所での保護、高齢者では在宅サービスの利用、障害者では緊急一時保護や在宅サービスでの対応を行っております。  サービス利用等につきましては、保健福祉センターや居宅介護支援事業所などで相談を受けております。御家庭からの様々な相談に関しましては、どの窓口に相談に行かれても適切に御案内ができるよう、庁内での情報共有を図ってまいりますが、今御提案いただきました相談窓口につきましては、関係部署とも共に検討を行ってまいります。 ◆佐藤弘人 委員 どこに相談していいか分からなくならないように、しっかり明らかにオープンにしていただいて、周知をしていただきたいと思います。  あと、これまで社会的検査として第四段階まで示されていますが、それ以降、例えば学校施設の教職員の方とか、学校に出入りをされている医療従事者の方とか、そうした方の検査も、私どもには声が届いておりますが、その辺についての検討状況はいかがですか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 小中学校等の対象施設の追加でございますが、国や東京都の動向に注視しながら新型コロナウイルスや季節性インフルエンザの感染状況の推移を考慮した上で、検査対象施設や検査手法等の見直しを適宜行い、次の段階に向けて検討をしてまいります。  また、学校医などの医療福祉事業者につきましては、児童生徒の保健指導や健康診断等を行うなど、学校内における保健衛生の維持に重要な役割を担っていらっしゃるものと認識しております。今回の社会的検査では、優先順位を考慮して検査対象等を決定したところでございますが、次の段階に向けて対象施設の追加と併せて、こちらのほうも検討してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 しっかり検討していただきたいと思います。  この質問の最後に、保坂区長にお伺いしたいと思いますが、いずれにしましても感染症対策は、検査体制だけを充実して、PCR検査を受けたから、イコール安心安全というわけには決して言い切れません。大事なのは、やはり感染予防対策と、それから経済対策、経営支援、それらをしっかりセットとして、どう講じていけるか、特にこの感染予防につきましては、密閉、密集、密接、この三密をいかに避けていけるか、それを各公共施設も含めて、様々な機会や場面で、そのリスクをしっかり排除していけるかというところが非常に重要だと思いますし、これは利用する私たち区民にとっても、そこも非常に安心感につながる部分だと思っております。  ただ、これからこの感染症予防対策を講じながら、経済活動、社会活動をどう両立していくかという難しい局面を迎えているわけです。ここをしっかりパッケージにした上で、区長として、どうこれを切り開いていくのか、また、どのような方向性に区としては考えているのかということをしっかり指し示していただきたい。こういったことをしっかり区長の記者会見の中でも、この間の二十八日の中でも、最後のほうで触れられていますが、改めてお伺いをしたいと思います。 ◎保坂 区長 第二波がまだ収束まで行かずに、少しまた二百人台になったりしている状況の中で、一方で四連休以降、各観光地や、あるいは町なかのお店にも相当数お客さんが戻ってきているという状況、これはある意味で社会的な経済にとってはいいことには間違いないのですが、その接触の機会が増えれば増えるほど、フランスやヨーロッパの例にあるように、かなり抑え込んだのだけれども、また跳ね上がってきたというようなことにならないように全力を挙げなければと。  そして私は、やはりロックダウンのようなことは極力もうするべきではないと考えています。おっしゃるように社会経済活動を、この検査体制の充実とバランスを取りながら図っていくべきものと考えておりまして、区民の生命、健康を守ることが区の最大の責務でありますので、幸い東京都のほうも検討を始めていただいていると、国のほうでも理解を示して、拡大地域においては、症状が特段ない方の施設や、あるいは疾病、基礎疾患のある方や高齢者に関しても、場合によればやってくださいというような方針が出ております。  この検査をきちっとやっていき、また議会に報告しながら、区民の皆さんに、こういう形でやっていきますと言いつつ、今、御指摘のあった、大変生活の困窮が、もう半年続いていますから、いろいろな給付金や、あるいは住居の手当て、これも大体その期限が見えてきているというところで、そういう意味では経済的にかなり大変な状況が今訪れているのだろうと認識しています。  この区民の生活危機も、コロナ危機が生んだ、最大限これを区として、その生活危機を重大なものにしないために、区内産業の状況をよく見ながら、私はこの間半年間、どのような事業融資、相談があったのか、労働相談があったのか、生活支援相談があったのか、極力早くまとめて、その中で今後の寒くなってくる時期、仮にまた拡大してきたときに、区としてできる区民支援、産業支援を考えてまいりたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、時々刻々と変化する、その中でございますので、リーダーシップを発揮していただいて、ぜひ陣頭指揮を取っていただきたいと思います。  私の最後の質問になりますが、実は子どもの食の支援事業ということで、昨年七月から選ばれたというか、ある家庭のほうへ、食材を持って食事をつくる、もしくはお弁当を宅配する、そうした事業をされております。これは食を提供することが目的ではなくて、その家庭の実情をかいま見る、目の当たりにする、これが最大の主眼だということで取り組まれていると聞いておりますが、これまでの現状と、その見えてきた効果で、私は今、区長がおっしゃられたように、特にひとり親の御家庭については、かなりこうした経済的なダメージを、これからまたボディーブローのように受けてくるのではないかなと思います。  二〇一五年の国勢調査でいくと、ひとり親の御家庭のひとり親になった要因のトップは離婚なのですが、だんだんそれは年々減少している傾向だそうですが、未婚、非婚の方の割合が全国的には増えているのですね。そうした要因もありますので、やはりこれからさらにこの事業については、国のほうでも、支援対象児童等見守り強化事業というものが、さきの二次補正で予算がついていますので、そうしたものを活用して、拡充をしていくべきだと思いますが、併せて答弁していただきますか。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 まず初めに、配食の関係でお答えいたしますが、事業開始以降、調理のサポーター派遣、こちらはこれまで十世帯が利用して、現在八世帯が利用継続しております。また、お弁当の配達ですが、三月の学校休業に伴う臨時的な対象拡大などもございましたが、事業開始以降は三百十六の世帯が利用して、現在は二十四世帯が利用しているという状況でございます。  これらお弁当の配達を通じましては、家庭の見守りと状況把握の上、家庭の問題等を整理しまして、場合によっては生活保護やひとり親手当の手続、貸付制度の御案内、他のサービスの利用につなげるなど、必要に応じた支援を行ってございます。  また、国の食を通じた子どもを見守る事業のお話がございましたが、こちらは、特に学校休業、外出自粛が続く中、見守り強化を促すということで、特に対象の児童を要保護児童対策地域協議会における支援対象児童に限定されております。国のほうのスキームは、この訪問によりまして状況の把握、食事の提供、学習、生活指導支援等を一体的に行うとなってございます。  この間、区のほうでは、新型コロナウイルスの影響による、収入が減少した家庭や、親の疾病による家庭まで幅広く対象として捉えまして、必要に応じて、場合によっては養育支援等ホームヘルパー訪問事業を行ったり、学習ボランティア派遣などを、個別の状況により支援を行って、国の補助スキームとは若干異なっております。  今後、社会経済情勢は見通しが不透明な中、区の事業の必要性は続くものと考えられます。現行の配食事業に当たりましては、一部都の補助制度を活用しておりますが、これにとどまらず、先ほどの国の事業、それから今後の都の事業等、さらに一層の支援の要望等は行っていきたいと思っております。  それからもう一点、ひとり親家庭の状況でございますが、この間、子ども計画策定の中で、平成二十五年度に引き続き、平成三十年度にひとり親家庭調査を実施してございます。この調査の中では、ひとり親になった理由として、未婚の割合については、平成二十五年度と比べて増加という状況は区では見られませんでしたが、一方、子どもの認知をしていない割合は、平成二十五年度に比べまして、平成三十年度の段階で増加しているということで、経済的な面も含めて、未婚ならではの困り事、不安は多くあるものと認識してございます。  区では、保育料など一部の制度で、未婚のひとり親に対します寡婦控除等のいわゆるみなし適用を実施して、未婚以外のひとり親家庭との差をなるべくなくす取組を行っております。また、これらについてはひとり親家庭支援をまとめたリーフレットの中で、未婚のひとり親家庭の方にとっても必要な情報提供に努めております。  新型コロナウイルスの影響を踏まえまして、今般、区の臨時的な取組として、十一月以降、生活困窮世帯への子どもの生活応援給付として、お米、それから区内共通商品券の支給を開始いたします。そのひとり親家庭におきます今般の影響等を含めまして、給付の機会にアンケート調査も併せて行いながら実態把握を予定しておりますので、こういった実態把握、それから今後の国等の動向も併せて注視しながら、必要な支援は検討していきたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 以上で高久委員に替わります。 ◆高久則男 委員 それでは、私のほうから質問させていただきます。  最初に、ふじみ荘について何点か質問させていただきます。  ふじみ荘は、老朽化や利用者減少に伴い、大規模改修や運営コスト等の大きな行政コストが必要になっているため、今定例会に世田谷区立老人休養ホーム条例を廃止する条例案が上程、先日の本会議で可決されました。我が会派では、高齢者の生きがいづくりや、フレイル予防の観点からも、ふじみ荘のように誰もが利用しやすい金額でいつでも気軽に集える場所が必要であることを認識し、ふじみ荘に代わる施設には、その機能を付加して高齢者に提供できるようにすることを求めて賛成に回りました。  また、私どもは、ふじみ荘の利用者が行き場を失うことがなきように、早急にふじみ荘の受皿として、既存施設の拡充を図るべきと今までも再三と訴えてまいりました。  そのことを受けて、九月一日、区民生活委員会では、ふじみ荘の廃止に伴う利用者対応及び既存施設の利用施策について、一つは千歳温水プールや大蔵第二運動場などの見学会を実施する、また、高齢者が囲碁、将棋や憩いの場として利用できる公共施設を案内するリーフレット等を作成し、ふじみ荘での配布と相談に応じていく、また、千歳温水プール、大蔵第二運動場への利便性を確保するため、ふじみ荘への送迎バスの運用等について調整を進めるとの報告がありました。  先日、私も、受皿の一つとなる千歳温水プールの視察に行ってまいりました。七十六畳の和室、健康運動室とお風呂があり、囲碁や将棋、またカラオケもできる施設で、ふじみ荘の廃止に伴う受皿として同様の機能を有していると思っております。  それに加えて、地下にあるレストランのメニューを高齢者向けに追加、また、テークアウトで四階の健康運動室に持ち込めるようにするとか、またマッサージサービス等の機能も付加するようなことも考えて、利用者の利便性を高める機能拡充に努めていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎内田 スポーツ推進部長 お話の千歳温水プール、この施設は子どもから高齢者まで、年間約三十万人の方に利用されるスポーツ施設でございます。四階の健康運動室は日中の個人利用として、六十歳以上の方を対象に、囲碁、将棋、カラオケ、入浴、それからおのおのが食事を持ち込むということで、それ以外に地下のレストランも利用することができます。  この健康運動室、現在、個人として年間約八千人の方が利用していただいておりまして、今後、ふじみ荘を利用されている方々による利用人数の増加も期待をできると考えております。  ふじみ荘で提供されているマッサージのサービスですとか、レストランメニューの拡充などにつきましては、新たにこの施設を利用していただく方、そしてこれまで利用いただいている多くの方々の双方の声を定期的に聞きながら、よりよいサービスの提供に向けまして具体策を指定管理者であるスポーツ振興財団と協議検討をしてまいります。 ◆高久則男 委員 千歳温水プールの条例では「区民のスポーツ振興、健康増進、青少年健全育成及び老人福祉の増進を図るため」が設置目的とされております。私は、この千歳温水プールには、高齢者健康交流センターとして、高齢者の健康増進に資する施設としての実質的な機能を充実させていくべきと考えておりますが、その辺の見解を伺います。 ◎内田 スポーツ推進部長 この千歳温水プールでございますけれども、条例で設置目的が記載をされております。中身につきましては、区民のスポーツ振興、健康管理、青少年の健全育成、そして高齢者福祉の増進がございます。このうち高齢者の福祉の増進の取組として、この四階の健康室の運営がありまして、またソフトの事業として、高齢者向けの体操ですとかフィットネス、あるいは敬老の日には健康の測定会なども行っております。  このふじみ荘の廃止に伴いまして、先ほど申し上げたとおり、新たな利用者が増える、あるいはニーズが変化するということも考えられますので、今後の具体的なサービスの実施につきまして、先ほど申し上げたとおり、指定管理者であるスポーツ振興財団と協議検討してまいります。 ◆高久則男 委員 しっかりと検討していただきたいと思います。  それから、送迎バスについてですが、千歳温水プールへのアクセスについては、千歳船橋駅とか、また八幡山駅からの民間バス路線もありますが、今までふじみ荘を経由していた、いわゆるふれんどバスで、それを使って千歳温水プールにも経由できるよう、利用者の利便性の確保をしっかりと検討していただきたいと思いますが、この件についても見解を伺います。 ◎松本 生活文化政策部長 千歳温水プールへのアクセスの件でございますが、お話がありましたが、施設周辺を運行している民間バスの活用ということについて、バスルートあるいは時刻表などの案内を、高齢の方にも分かりやすいよう工夫しまして案内をしてまいりたいということは考えておりますが、加えまして既存の送迎バス、ふれんどバスですが、こちらにつきましても千歳温水プールや大蔵第二運動場を巡回するといった工夫について、あるいは巡回の頻度の点も含めまして、バスの運行をしております障害福祉部などの関係部と今検討を進めているところでございます。課題がございますが、施設利用者の利便性の確保という点から検討調整を急いでまいりたい、このように考えております。 ◆高久則男 委員 それから追加になりますが、新たな取組として、世田谷区では高齢者の地域参加促進施策を行うということで報告があったと思います。その中で民間スポーツクラブの活用の検討を進めるということも出ておりました。地域のこういった民間スポーツクラブを活用することは、高齢者の健康づくりを推進していく上でも重要になってくると思います。具体の検討はどこまでできているのか、お聞きいたします。 ◎松本 生活文化政策部長 さきにお示ししております中で、高齢者の健康増進、それから憩いの場の創出という観点から、民間スポーツクラブとの連携ということを申し上げております。区内、それから区に隣接した地域も含めてになりますが、プールあるいは運動機器、スタジオ、浴室なども備えた総合型のスポーツクラブが二十か所ございます。高齢者を含め幅広い年齢の方に利用がされておりまして、高齢者の憩いの場となっている施設もあると承知をしております。  この間、葛飾区などの先進自治体へのヒアリングのほか、施設運営事業者との間で、区との連携の可能性、あるいは事業の枠組みなどについて意見交換を進めておりまして、事業者からは前向きな意向を示していただいております。  他区の例を申し上げますと、高齢者を対象に期間と利用回数を定めまして、自治体の助成があるわけですが、一回五百円で利用できるようにするなど、健康づくりの動機づけといったことにつながる取組として、運動習慣の定着などにつながっていると聞いております。来年度の具体化に向けまして、さらに検討協議を重ねたいと考えております。 ◆高久則男 委員 先ほども申しましたが、来年三月末をもってふじみ荘の廃止ということになりますが、現在の利用者が行き場を失うことのないよう、しっかりと取り組んでいただきたいということで、ここでは担当副区長からその辺の思いを、見解を承りたいと思います。 ◎岡田 副区長 長い間、多くの高齢者の皆様に親しんでいただきましたふじみ荘につきましては、その廃止を惜しむ声もたくさんいただいておりまして、今年度末の廃止までの間、ただいま部長から御答弁申し上げたとおり、受皿となる施設の見学会、ふれんどバスの運用による千歳温水プールへの利便性の確保、またサービスメニューの拡充に向けた検討、こういったことを、御利用いただいていた皆様の声も伺いながら、きめ細かい対応をしていきたいと考えております。  また、民間スポーツクラブとの連携による高齢者の健康づくりの機会の拡充と新たな憩いの場の創出など、民間事業者の力を活用させていただきながら、多角的な施策を進めていきたいと考えております。  さらに、長寿社会を迎えまして、高齢者の方々は、その数が増加するとともに、年齢幅も、また暮らし方も多様化することが想定されます。お一人お一人の孤立防止や居場所づくりなども視野に入れながら、これからの時代にふさわしい高齢者施策の充実に取り組んでまいります。 ◆高久則男 委員 我が会派では、以前から第二ふじみ荘の必要性についていろいろ提案してまいりました。区内の銭湯が減少する中で、港区とか渋谷区に伺って、地域高齢者の介護予防、フレイル予防のためのお風呂や地域交流室なども視察してまいりました。平成三十年の定例会で、お風呂のある健康施設整備の必要性について提案もしました。区のほうでは、そのとき、高齢者の静養、健康保持や社会交流のため、身近なところに集え、入浴できる場の確保は大変重要であるという答弁もあったと思います。  そこで、旧玉川高校跡地は、来月から令和八年まで本庁舎改築に伴う区施設として利用されることに決定しておりますが、その後の跡地活用策として、今申し上げた温浴施設を兼ね備えた健康増進施設など、多世代交流できる施設としての整備を求めたいと思いますが、見解をお聞きいたします。 ◎中村 政策経営部長 今お話ありましたとおり、旧玉川高校の跡地につきましては、当面の活用として、本庁舎整備に伴う仮庁舎として利用するため、土地建物の一部の借受けについて本日、東京都と契約を結ぶこととなっております。その後の跡地活用についてですが、庁内検討が、この間の新型コロナの影響もありまして遅れている状況にございますが、当該跡地の活用は二子玉川駅周辺の地区に与える影響も大きく、公益的な活用が必要であると考えています。これまでも議会から、委員の御提案も含めまして、災害対策機能や様々な施設への活用について御議論いただいているところです。広域生活・文化拠点にふさわしいまちの創出を目指して、区としての考えを早期にまとめて、東京都のほうには要望していきたいと考えております。 ◆高久則男 委員 ありがとうございます。  それでは、ちょっと二番目の質問に移ります。次は障害者の雇用創出、就労支援の充実、工賃向上の支援等について伺いたいと思います。  この夏、福祉作業所に通所されている方の家族の方からお話をいただく機会がありました。春からコロナ感染拡大の影響で、福祉作業所での仕事量が減少、収入が激減しているとのことでした。また、福祉施設にお聞きしたところ、最近は発注元の企業から幾分仕事も戻ってきたとのことでありますが、まだまだ厳しい状況にあり、特にイベントが全くない状況で、自主生産品の販売ができない状況が続いているとのことでした。  施設清掃など委託を受けている事業者はまだ影響は少ないとのことですが、今後このようなコロナ感染の状況が長引くことを考えると、短期的には仕事の受注増への取組、また長期的には、障害のある方の雇用創出、就労支援、工賃向上の支援等を抜本的に考えていかなければならないときに来ているのではないかと考えます。  短期的な取組としては、世田谷区障害者優先調達推進方針を広く庁内外に周知し、作業所の安定的な作業量を確保していくことも必要と考えますが、受注拡大のために、例えば各総合支所やうめとぴあでの販売支援はできないものか。また、小田急電鉄では昨年、梅ヶ丘駅や経堂駅、祖師ヶ谷大蔵駅、喜多見駅での構内のイベントスペースで福祉施設製品の販売を行っていたとのことです。小田急電鉄以外にも、京王電鉄や東急電鉄などでも、こういった施設製品の販売ができないものか、さらに国士舘、駒沢、日体大、日大等、区内大学の構内での販売や、区内高校での販売、こういったものもできないかと考えます。あらゆる可能性に挑戦し、今コロナ禍で大変な状況の中、しっかりと受注拡大に取り組むべきと考えておりますが、見解を伺います。 ◎片桐 障害福祉部長 区内の福祉作業所では、新型コロナウイルス感染症の影響による発注元の企業の業績悪化や、イベント等の中止などにより、作業量の減少や、自主生産品の売上げが悪化し、利用者の工賃も落ち込んでおり、区としても安定した作業量確保に向けた支援は必要と考えているところです。  その支援策の一つとして、六月から週一回、区役所の中庭で自主生産品の販売の場を提供しており、十二月末まで継続する予定です。また、うめとぴあでは、カフェの店頭で四施設の製品を十二月から販売開始する準備を進めております。  区としましては、現在も実施している小田急線駅構内やキャロットタワーでの販売会等を継続実施するとともに、各総合支所等での実施の検討や鉄道事業者、大学等への働きかけを行うなど、販売機会の拡大に積極的に取り組んでまいります。 ◆高久則男 委員 ぜひとも受注拡大に取り組んでいただきたいと思います。  それで、長期的な戦略としては、アフターコロナ、またウィズコロナを見据えた抜本的な雇用創出、就労支援、工賃向上に取り組む必要があると思います。以前伺った、ある福祉園のイベントでは、自家製のおしゃれな石けんを販売しておりました。それを今、私の家でも使っております。ウィズコロナの中で、感染防止対策用物品等をネット販売できるような新たなスキームづくりを区として支援していくことも必要と考えます。また、ICTの発達や多様化を背景に、テレワークによる就労も増えている昨今、新たな障害者の就労の場として、テレワークでの仕事の創出も急がれるのではないかと思います。そこのところの見解をお聞きいたします。 ◎片桐 障害福祉部長 新型コロナウイルス感染拡大以降、感染防止対策用品として、マスクを作成している施設が幾つかあり、中庭販売会や福祉ショップのフェリーチェなどで販売しております。ネット販売につきましては、これまで実施した施設もございましたが、販売額が手数料と見合わないなどの理由で撤退したと聞いております。今後、全国の導入事例について研究の上、作業所等経営ネットワークの共同受注の仕組みを活用し、ネット販売の実現に向け検討を行ってまいります。  また、障害者のテレワークにつきましては、既に実施している企業の採用が拡大傾向にある一方、テレワークの導入に至っていない企業は、システムの構築や労務管理者の配置が困難などの課題から雇用が進んでいない状況がございます。  区といたしましては、昨年度、テレワークをテーマに実施した障害者雇用支援プログラムの内容を充実した上で、来年度も実施するとともに、せたJOB応援プロジェクトの取組を通じた短時間テレワークなどの仕事の創出にも取り組んでまいります。 ◆高久則男 委員 それから、私も以前ある障害者施設に伺った際に、そこでは自家焙煎コーヒーをつくる新しい設備を導入して、ドリップコーヒーの販売を行っておりました。その新しい機械導入による売上げも順調に進んでいたとお聞きしました。  こういった受注拡大に向けて、新たな商品開発で売れるものに投資をしていく、そこから新たな販路拡大につなげていく、時代に合った投資で事業所自らが新たなものに挑戦していくことは、事業所の活性化にもつながり、工賃アップにもつながっていくものと考えます。このような取組を区として積極的に支援していくべきと考えますが、見解を伺います。 ◎片桐 障害福祉部長 区ではこれまで、経営コンサルタントの派遣や基金を活用した施設の受注拡大、工賃向上計画に係る経費の助成を行い、区の平均工賃上昇につなげてまいりましたが、現在は新型コロナウイルス感染症により、受注や工賃の減少など大きな影響が出ております。  その中でキッチンカーの導入や、自主生産品の雑貨からパンへの切りかえ、インスタグラムでの情報発信を行うなど、新たな取組により、売上げが増加している事例もございます。  区としましては、こういった取組を作業所等経営ネットワーク内で情報共有するとともに、ネット販売やSNSの活用、受注製品の見直しによる生産活動の転換など、国の補助事業の活用も促しながらバックアップすることで、事業者が新たな挑戦に取り組めるよう支援を行ってまいります。 ◆高久則男 委員 最後に農福連携についてお聞きしたかったのですが、ちょっと時間もなくなってしまいましたので、私からの質疑を終わらせていただき、次、高橋委員と交代いたします。 ◆高橋昭彦 委員 あまり時間なくなっちゃいましたね。何かこれがあると、壁ができているみたいだね。遠くに感じますよ。答弁は近く寄っていただいていいですからね。  私のほうからは、認知症を、世田谷区認知症とともに生きる希望条例は、施行はいよいよあしたからでしたかね。本当に所管部も皆さん一生懸命頑張っていただいて、そして検討委員会の皆さんも本当に努力していただいて、いい条例になったかなと思っております。  しっかり褒めてくれと課長が言うものだから、一応言っておきますけれども、その上で、この条例の中に示されているもの、理念だけではなくて、非常に具体的な方策も含めて、この条例の中には言われていると思うので、そういう点でもいいと思うのですが、その中で具体的なものというのがこの私の希望ファイルで、この私の希望ファイルで、まず最初にちょっと確認をしておきたいと思うのですが、この私の希望ファイルに取り組むよう努めるとなっているのだけれども、この希望ファイルの取組の目的もここで明確にしておこうか。それとともに、まとめて答えてください、この希望ファイルはどうやって活用していくのかということも含めて、短めに急いで。 ◎長岡 高齢福祉部長 私の希望ファイルは、区民が認知症になってからも自分らしく暮らし続けるための備えとしまして、認知症になる前及びなった後の生活について自らの思い、希望または意思を繰り返し書き記す過程及びその文章や記録でございます。  区民がこの希望ファイルに取り組むことで、認知症を自分事として考えるきっかけとなり、地域の中で、いつまでも自分らしく希望を持って暮らすことを話し合うことで、認知症に関する価値観が変わり、ひいては認知症とともに生きるまちづくりにつながると考えております。  具体的には、認知症の初期においては、私の希望ファイルを作成することで、認知症が進行した際に、ケアに携わるスタッフが本人を理解し、自分らしく暮らし続けられるよう支援し、本人が希望する介護などにも生かすことができると考えております。  また重症化した方につきましては、行動・心理症状が出現した場合にも、このファイルに書かれた内容から本人の隠されたニーズを理解し、適切なケアを導き出し、症状の緩和へつなげることも期待できます。  私の希望ファイルの普及啓発に取り組むことで、全ての区民が認知症を自らのこととして捉え、希望を持って、共によりよく生きることができる地域共生社会を目指してまいります。  普及啓発についても併せてお答えいたします。普及啓発の一つとしましては、認知症に関心のある町会や自治会等の地域活動団体等へ働きかけ、条例の趣旨及び私の希望ファイルについて丁寧に説明してまいります。加えて、認知症講演会や認知症サポーター養成講座などで説明するとともに、認知症が気になっている方や、認知症の症状が初期の方の場合には、物忘れチェック相談会や初期集中支援チーム事業、本人交流会などを通しまして、私の希望ファイルへの取組を支援してまいります。  また、ケアマネジャー等の認知症ケアに携わる関係機関の職員を対象に、このファイルについての専門研修を来年度から新たに実施するとともに、現在実施しております認知症緩和ケア研修の中でも、これを取り入れて取り組んでいきたいと思って考えております。  今後、区民等が私の希望ファイルに取り組めるよう、様々な視点から普及啓発に取り組んでまいります。 ◆高橋昭彦 委員 意気込みはよく分かるのですが、条例ができて、まだ希望ファイルもできていないんだよな。あと、話をしていた分かりやすい説明書、子どもでもこの条例が分かるようなものといったものもこれからつくるんだよね。これから四月に向けて計画をつくっていくと。まだ仕事は山積みになっているわけだよね。  この希望ファイル、やはりここまで期待を持ってつくっていこうとしているわけだから、やはりこれはきちっと町の中で使われなければいけない。要はこの条例は、地域づくり、まちづくりなわけでしょう。認知症というものの考え方を、意識を変えていく、誰もが変えていく中で、この認知症とともに生きる希望というものを、区民の誰もが感じられるようにしていくというこの啓発が大事なのだということがこの中に言われているわけだよね。であるならば、どのようにこの希望のファイルを展開しながら、やっていけるか、その希望ファイル自体の仕立てが非常に重要になってくるわけだよ。もう今まで以上に大変な仕事をやるということだと分かっていますよね、部長はね。しっかりお願いしたいと思うんだけれども、その希望ファイルをどうやって進めていくのかということも、この年次計画で決めていかなければいけない、その計画をどう策定するかということなのだろうと思うんだけれども、これは、これができたら、これで絶対にやるんだというような状況にはならないと思う。
     だから、まずはその希望ファイル自体も、一年目はここへ向けて試行段階でこうやってやっていくのだ、それでやってみて、感覚としてどういう反応があったのかとか、区民がどのように受け止めたのかとか、認知症の初期の段階の方々がどういう思いでそれを受け止めて実践しようとしているのか、そういったことも感じていくということが非常に大事なので、一年目、二年目、三年目ときちっとこの段階を明確にして、スケジュールを明確にして、シナリオをつくってというような計画にしっかり持っていくということが大事だと思うんだ。  さっき言っていた我が事と思うように、一人一人が我が事だと、当事者性、共感性という、そういうことが非常に大事になってくると思うんだよ。そして計画にどう位置づけていくのか、希望ファイルをどうやってつくっていこうと思っているのか、ちょっと部長、教えてもらえますか。 ◎長岡 高齢福祉部長 今お話にありました私の希望ファイルは、認知症の本人や区民などから直接意見を伺いながら、その思いや意思が書きやすいようにつくり上げていくことが必要である、大切であると考えております。このため、まずは取り急ぎ希望ファイルをつくりまして、第一版としまして作成をし、取り組んでいただいた方々からいろいろ御意見をいただくとともに、本人交流会や認知症の初期集中支援チーム事業、認知症サポーター養成講座など、様々な場面で意見を伺いながら、普及啓発の手法を含め、内容をよりよいものへ第二版、第三版と改訂していくことが重要と考えております。  この私の希望ファイルにつきましては、実際に取り組んだ方々のほか、認知症施策評価委員会などにおいても意見を伺いながら、皆が記入、活用しやすいものへと改訂してまいりたいと思います。計画の中においても、この具体的な取組について入れ込んでいきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 よろしくお願いしますね。これは人生会議とは違いますよ。終末期をどうしたいかということではないんですよ、これは。認知症は誰でもなると僕は何回も、誰にでもなると言っていますけれども、認知症とともに生きるわけだから、その後が長いわけだ。どうやって生きるのかということを、生きるための希望ファイルなわけだから、やはり悲壮感に漂いながら書くということではないと、楽しんで、喜んで、そしてみんなが簡単にできるなという状況をつくってあげないと、これはその後、頑張って、これからも楽しんで生きようというふうになっていかないわけだよね。そういう夢あふれる希望ファイルにしていってくださいね、よろしくお願いします。  そして計画ですが、この希望ファイルだけではなくて、今までも世田谷区として、認知症には様々な施策をやってきた。その中でも特に僕が感じているのは、この若年性認知症への個別のマネジメントをこの計画にどのように入れていくのかだと思うんだよね。  若年性認知症というのは、今、日本全体で約四万人と言われているんですよ。日本全国で四万人だと、世田谷区にどのぐらいいるかというと、やはりそれなりに患っている方はいらっしゃるわけで、若年性認知症は、やはり社会的な影響も大きいわけで、家庭も抱えているという状況があるわけだよね。そこへの個別のマネジメントをどうしていくのかというようなことで、ちょっと課長とも話したんだけれども、若年性認知症は世田谷でどのぐらいの方がいて、どういう状況になっているかと聞くと、いや、それは東京都が抱えているのでというようなことで、なかなか把握は難しいというような状況なので、認知症の条例をつくっているわけだから、そういったところも、やはりちゃんと掌握をして、どう仕事につないでいるのか、その仕事はどんな状況なのかということも、やはりしっかり見ていくということが大事なのだろうと思うのね。  そういった若年性認知症に対する対応、施策をこの計画の中でどうつくっていくのか。それからまた、僕はずっと前から言っていますが、認知症の徘回SOSネットワークという、認知症の方が行方不明になってしまうというような、要は二〇二五年というのが一番高齢者のピークになってくると、認知症の方々も非常に多くなるよとずっと言われているわけだよね。ここで、どういった地域づくりで、このSOSネットワークをつくっていくのかというようなことも、この計画の中で明確にしていかなければいけないのだと思うのね。  我が党でずっと言っていたのは、神戸市を倣って、損害賠償保険をどうつくっていくのかというようなことも言ってきたけれども、今、民間で非常にそういう制度はできてきている。では、この民間等の活用をどのようにしていくのかというようなことも、やはり計画の中ではきちっと明確にしておかなければいけないのではないのかとも思うんだけれども、この計画での位置づけ、世田谷区ならではのこの希望計画の中にどのようにしていこうと思っていらっしゃるか、お聞きしたい。 ◎長岡 高齢福祉部長 区では、若年性認知症の方への支援としましては、現在、若年性認知症の方に特化した通所介護事業所等と連携し、認知症サポーターが活動する際の名刺カードを注文するなど、新しい軽作業を開発し、社会参加型のプログラムに取り組んでおるところでございます。  計画の中では、本人への支援として、引き続き社会参加型プログラムに取り組むとともに、東京都が実施しております若年性認知症総合支援センターとも連携しながら、若年性認知症の方への支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  また、認知症徘回SOSネットワークにつきましては、社会福祉協議会との連携を強化し、区が取り組んでいる高齢者見守りステッカーの登録時に併せて普及啓発をするほか、認知症サポーターによる徘回模擬訓練に取り組む地区を支援するなどして、地域づくりの推進に取り組んでまいります。  これらの点につきましては、さらに検討を進めまして、計画の中で記載していきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 計画まであと半年ですよ、しっかりお願いしますね。条例の中に、認知症の計画に基づく 主な施策は、認知症在宅生活サポートセンターを拠点として行うと明確に書いてあるね。認知症在宅生活サポートセンター、委託をしているわけですが、ここを拠点として、この計画を推進していくとなっているわけ。ここをどう充実させるかということも重要ですからね。非常にいい人材がそろってきているという話を聞いていますよ。ここがどのように関わっていけるのか。希望ファイルにしてもそう、若年性にしてもそう、こういった地域への啓発もそう、ここはそういったことがどのようにやれるのかということが大事ですから、よろしくお願いしますね。  もうあと五分になっちゃったよ。二つ聞きたかったんですよ。一つは地域行政制度に関するものなんだけれども、こうやって条例ができてくるよね。これは何も言っていないんだよ。だから、何を見ても載っていないんだよ。  こういう条例ができる、計画もできる、そうなっていく。これは所管部がやればいいというだけではないよね。これなどは特に、地域にどう発信をして、どう受け止めていって、区民のニーズをどう引っ張ってくるかということが大事なわけだよね。そういうことができるのはどこなのかと。  総合支所があり、まちセンがあり、総合支所長がいて、所長がいるわけだよね。ここの地域の課題とどうマッチングさせながら、この計画をどう進めていくのかということをやるのは、そっちだよね、所管部の人たちではないよね。この地域行政制度の条例を今やろうとしているんだけれども、非常に三層構造の中での、誰がどのようにマネジメントしていくのか、どういう指示を出していくのかということは非常に大事なんだよ。  区民生活の中でも、この地域行政制度の質問をしますので、やめますけれども、取りあえず区長、どのように感じているか。 ◎保坂 区長 世田谷区も九十二万人人口になって、区としての認知症への取組も、初期集中支援チームから、また、うめとぴあが完成したということは非常に大きいと思います。あそこに在宅生活サポートセンターができ、そして、もう既に四年、五年になっていますでしょうか、地域の福祉の相談窓口、これも三者連携が大分進んで、特に社協のソーシャルワーカーが活躍している地域も大分増えてきました。  その資源がばらばらに散在しているのではなくて、しっかり合体して、それをきめ細かくと。やはりまだら模様になっていくと思います、この認知症条例の、例えば希望ファイルの扱いについて、足らざるところにちゃんと強化をして、先進的にやっているところについては紹介をしてというハンドリングが必要で、各総合支所にもぜひ頑張っていただき、そして所管部も含めて全庁的に、せっかく理念条例でよい旗を立てたわけですから、理念だけは立ったけれども、中身はどうなのという状態にならないように、しっかりとコントロールしてまいりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 では、区民生活の中で、総合支所長にはちょっといろいろまた聞きますので、よろしくお願いしますね。  最後、水防についてお聞きしたいと思います。  水災時において、消防団員が効果的に活動するためには何が必要なのか。消防団員はこの中にもたくさんいるんですよ。今、畠山分団長はいないけれども、消防団員はたくさんいるのですが、水防のときは、やはり警戒や出場に当たるわけですよ。真鍋委員長もそうだけれどもね。  水災時のための、消防団は、やはりそうやって我が地域を我が手で守るのだという強い思いに立っている、そこをどう活用していくのか、どう生かしていくのかということは区の仕事でもあると思う。  でも、消火活動とか応急救護とか、そういったことには一生懸命教育訓練をやっているんだけれども、水防のとき、水災のときのものがないので、水災時の教育訓練、安全管理だとか、装備資機材とか、分団本部の施設の課題とかはいっぱいあるんです。こういうことをしっかり充実させていかなければいけないと思うんだけれども、どうだろうか。 ◎関根 土木部長 区では、これまでも消防署や消防団から土のうの提供等の要請があれば、水防活動の資機材として応じておりまして、消防署や消防団と連携協力して活動しているところでございます。区といたしましては今後とも、水防活動の際に不足のないように土のうなどの資機材を備えるとともに、これら資機材を活用し、消防署や消防団とも協力して水防活動を行ってまいります。 ◆高橋昭彦 委員 時間がなくなりました。装備品を整えてあげられるという状況をしっかりつくってあげてくださいね。  以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時四分休憩    ──────────────────     午後二時十六分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 世田谷立憲民主党社民党の質疑を始めます。  先日、私たち、特に私が所属する立憲民主党は、国政においては新党合流ということで新党が結成され、先日、東京都連合発足に伴い、引き続き我々、立憲民主党ということで何ら変化はないのですけれども、国政では野党として、過度に自助だとか自己責任を求めるような今の政権に対しては、きっちりと対峙していくということで、引き続き進めてまいりますけれども、世田谷区政においては、これまでどおり、先日、代表質問でも確認しましたように、福祉をきちんと拡充していくという区長の姿勢も確認したところですから、それを支持しつつ、健全な区役所運営を、我々は議会としてきちんとチェックしていかなければならない、こんな観点で今日も質問を進めていきたいと思います。  かねてより我々は、外郭団体の問題については、区役所OBが自動的に再就職するようなことに対しては問題があるということを言ってきましたし、整理統合をもっとするべきだということも、今回の代表質問でもずっと申し上げてきたところで、前向きな答弁が出てきたというところに、今日は先ほど自民党の政調会長から、そんな質問が突然出てきて、驚きましたけれども、いよいよ区もこれでやらざるを得ないのかなというようなところを感じたわけであります。  区の方針としても、外郭団体に対する補助金だとか委託をきちんと見直していくということですから、これから、このコロナ禍において、財政状況も厳しくなることが想定される中で、きちんと外郭団体の整理統合については進めていくことを、引き続き我々も求めていくところであります。  あと、今回の主なテーマは、区役所のガバナンスはどうなのだということについて質問をしていきます。これまでも、ガバナンスの問題であるとか、きちんとマネジメントできているのかということについては、様々な不祥事、問題が起こるたびにも指摘してきたところでありますし、この間も、このコロナ禍において、相当雑な区政運営が随所に見られてきたのではないかなということで、指摘もしてきたところでありますけれども、非常事態には非常事態なりの、緊急事態なりの対応もあり得ると思っています。  一方で、今回のこのPCR検査拡充ということについては、代表質問でも取り上げましたように、なかなか動かない国や都の動きを変えていく、そんな意義があったと捉えている一方で、やはり区民の皆さんからは、我々議員の下にも様々な質問が来たところ、問合せも来たところでありますし、非常に混乱している面はあったと思うのですね。  区長が政治家として発言する部分、これはツイッター等も含めてですけれども、それについての一定の意義はあると我々は捉えておりますけれども、今回のPCR検査については、そこが非常に曖昧だったということも問題であったのかもしれないということで、区長からもそういったことに対しての答弁もあったと捉えております。  一方で、役所組織として、今後考えていかねばならないのではないかということが、先ほど自民党からも少しお話がありましたが、PRだとか広報、またそれによるリスクマネジメントということをきちんと組織として捉えていかなければならないのではないかということですね。  我々会派の中山議員は、こういったPRの仕事に従事していましたから、先ほどこの中で、区長が恐らく最も熟知しているという話がありましたが、区長以上に、恐らく中山議員は、その辺りのことを非常に詳しく調べていまして、あしたの質疑では数字をもってそのことについて質問をしていきますので、予告をしておきますが、私からは、今回のこの区長がメディアに露出したことによるリスクがどうだったのかということについて、行政がきちんと皆さん把握しているのかどうか。  これは組織、私も企業人のときには広報を担当していたことがありますから、広報については非常にお金がかかることです。お金をかけずにやる広報としてメディア活用があるわけですが、それはお金に換算したらどれぐらいのものなのかということで考えるわけですね。  会社をPRする、組織の言いたいことを伝えていく、パブリックリレーションをするということについては、相応にお金がかかる、お金をかけなくても、やる場合にはメディアにいいように捉えられてしまうというリスクを抱えながらやるということを、本当に皆さんが理解しているのかどうか。  広報を、保坂区長がそういうことを発信するわけですから、そのことにきちんと備えをしておくということが、組織としては、やっていかなければならないことなのではないかという意味で言うと、今回、広告効果で換算したときには、実は物すごい金額になるのですね。これはあした、中山委員からお話ありますけれども、それだけのお金をかけたのだとすると、企業であれば、悪影響を及ぼしてはいけないという発想になるわけですよ。マイナスのイメージを持たれたら駄目だ、誤解を生むような広報をしては駄目だということになるわけですけれども、今回はかなり多くの誤解を与えるというようなこともあったかと思いますので、この辺りについて事務方のトップである副区長はどういう認識か、また、今後どのようにしていこうと思っているかということをちょっとお伺いできればと思います。 ◎宮崎 副区長 まず、今般のメディアに、かなり区長が、こうあるべきだということとか、当然コロナ禍でしたので、自治体の長として、これはある意味全国を代弁しているのか、区民のことを考えて、もちろんですけれども、このように持っていきたいのだということについて主張されていることは承知をしているわけですが、これは我々が、ある意味反省も含めてということになりますと、それをどう使われたかの熟知が、ややもするとちょっとスピードに追いついていけなかったということは、本音のところ、ございます。  ただ、先ほどもちょっと例に出た八月五日は、例えば区長とも御相談して、こういうホームページをアップしますよということは、まさにいろいろな形で区民からもその段階で照会が来ました。区民の方は、結局、これはどういう意味なのだろうかということから分かっている方と、例えばPCRを少し熟知されている方もいろいろな意見がございました。  そのところを、区は、今の状況はこういうことで、区長は今こういう発信をしていますということについては、もう少し早く、丁寧に言うべきでしたし、その辺については議会にも、遅れたということについても、やはり我々事務方としてはおわびしなければいけないところはあると思いますが、その模索している部分の伝え方は、正直な言い方をしますと、非常に決まった内容ではない途中経過を、どういう形で区民の方にお伝えするか。  これは、この議会の中でも、区民参加と協働ということを言われているときに、我々のテーマとしてあったはずです。要は、決まる前にその意味をオープンにして、こういう経過をたどって、こういうところに行っているということを分かることによって、区民参加というものが得られるということは、十分我々は教訓になっていなければいけないのですが、そこが今般、このPCRの件については、なかなかそこまで追いついていかなかったことは反省すべきですし、今後ともその広報という部分については、今、風間委員からお話があったように、区長が出ることによっての、言ってみれば、そのインパクトといいますか、区が伝えたいということがストレートにつながるということについては、十分我々はこの数年間の中で教訓として分かっていなければいけませんので、そういうところも含めて、十分今後とも区長とも、こういう出し方をどのようにしていくかについては御相談しながら、もう一度体制を整えたいと思っております。 ◆風間ゆたか 委員 九十二万人が住まう世田谷区で、その九十二万人区民をメインのターゲットとするパブリックリレーションというものは非常に難しいことだと思うのですね。通常、世田谷区が出している広報であるとかツイッター、SNS等々ではリーチできない人たちがたくさんいるわけであり、多くが、やはりテレビであるとか新聞であるとか、そういったものを通じて情報を入手する、そういう人たちも多いと思いますね。  ですから、戦略的に広報をうまく活用していくという観点は、やはり今後ちゃんと持っていくべきだと思います。広報も、体制強化をしたとはいえ、あくまでも人を増やしただけということであってはならないと思うのですね。  今回、世田谷区のいろいろな事業を見直していく中で、細かい事業を見れば、各部署で広報紙をたくさんつくって、それをまいている。これに対しての予算も積み上げれば結構莫大なものになりますから、一度ここはきちんと整理をして、区としての広報体制は全庁で見直しをしていく必要があるのではないかと思いますね。  そういった、区民に情報をいかに伝達していくのかということについて、これを機に改善していかなければなりませんし、非常時だとか緊急事態というのは、メディアも集中しますし、そこによってアウトスタンディングにアピールし過ぎて、批判を浴びるというようなことも、今回、ほかの自治体ではあったわけですが、どんなときでも、災害時にはやはりそういうことが起こり得る。それを想定してリスクマネジメントをしていく、広報戦略を練っていくということも、今後、行政としてはやっていかなければならないことなのだろうと思いますので、ぜひ今回のことを教訓にして、体制整備もしてもらえればと思います。  体制整備、こういった非常事態にもう一つ、区民の代表である議会に対してどのように情報を伝えていくのかということも、今回、様々な議論があったと思います。特に教育委員会ですね。学校休校期間中に区民に対して情報提供をする、議会に対しての情報提供をするということで二転三転してということで、大きな問題になったということについては、既に議会でも様々な意見がありましたし、それに向けて改善に取り組んできているものだと捉えていました。  しかし、代表質問でも取り上げましたように、議会にこれまで全く話がなかったようなこと、または実施計画やビジョンなどにも書いていないようなことが、突然報告がなされて、もう進められていくということについては問題だということを指摘しましたし、これは議会軽視ということよりも、区民軽視になってしまってはいけない、役所が一方的に決めたことを次々と進めていくようであってはいけないということから、意見を申したわけであります。  不登校特例校のものに関しても、ほっとスクールと併せて進めていくという答弁がありましたので、今回は、今、世田谷中学校に通う不登校の子どもたちが学ぶ機会を、ブランクをつくってはいけないというところから、緊急性があるのだということについては一定の理解をしております。  しかし、この前、文教委員会で突然上がってきたのが電子図書館ですね。このことについて委員会で報告があった際には、各会派から、すばらしいというような話がありましたけれども、私としては随契で決められているということに問題を指摘したところでありますし、それが今後ずっと続いてしまっていくようなことなのかと確認したところ、そうなるというような答弁もあったりしました。  こんなことであってはいけないわけですね。未来永劫そこの事業者が世田谷区の電子図書サービスを提供していくというようなことが、プロポーザルもなしに、随契で決められるようなことがあってはならぬということから厳しく指摘をしたわけですけれども、これもきちんと考えてみれば、単年度契約であるはずですし、今、事業者は二社しかないという話でしたけれども、公共図書館に提供している事業者というのはまだ少ないのかもしれないけれども、そういうサービスは民間サービスでたくさん出てきているわけですから、そういう事業者が参入してくるかもしれない。もっともっと安価に、質のよいサービスができるかもしれないということを考えると、きちんとそういったことを想定した上で、委員会でも答弁できていなければならないわけです。  それが行き当たりばったりかのようで、担当課長が答弁できないような状態で物事を進めていくようなことがあってはならぬということから、強めに厳しく指摘をしたところでありますけれども、これについては、教育委員会はその後どのように検討して、単年度契約でいいのかということと、来年度以降、まだ見直し可能なのかということについて、検討状況を確認できればと思います。 ◎淺野 教育総務部長 お話の電子書籍サービスですけれども、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画においても検討課題とはなっております。ただ、この間の新型コロナウイルス感染症拡大防止のための諸対応を進めていく中で、緊急に対応すべき課題であるということで導入の決定をさせていただいたものです。  また、あわせて、身体の障害をお持ちの方など来館が困難な方へのサービスの充実を図ることなども目的としております。  契約ですけれども、サービス提供事業者の数、それからサービス内容などの状況を踏まえまして、庁内の選定委員会方式での事業者選定という方式とさせていただきました。契約につきましては、今年度についての単年度契約としており、サービスの状況についての検証などを行っていきます。  来年度以降の契約ということですけれども、この検証結果も踏まえて判断していくこととしており、サービスの継続性、品質等を常に検証しながら、区民へのよりよいサービス提供に努めてまいります。 ◆風間ゆたか 委員 今回、我々は、事業見直しを、全事業、会派として点検をしていた中で、やはり随契というものが随所に出てくるわけですね。極力公開するべきだ、プロポーザルで行うべきだと私たちは言ってきましたから、例えば今回の件に関しても、プロポーザルでやったとすると三か月遅れてしまう。では、その三か月急ぐ理由はどこなのかということも、本来はきちんと説明責任を果たさなければならないと思うわけですね。  今回、そのような形で進めていくということで、見直しが可能だということで、一定の理解はしますけれども、同じように物事を進めていく際には、こういった議会に対して丁寧に説明をしていく、区民に対してきちんと説明をしていくということを前提に、公開していくということを前提に進めていく必要があると思います。  不登校特例校に関しても、今回は、先ほど申し上げたように、弦巻のほうで進めていく方向で進めていくということに関しても理解はしますけれども、これは今、分教室型から、施設型と言うのですか、学校として特例校をつくっていく際には、不登校に限らず、不登校だけでなく、今行っている学校に行きづらいと感じている子どもであるとか、今、教育の多様化が進んできている中で、そこに、不登校というものに特化するだけではなく、もう少し幅広い、特例校、カリキュラム特例校であるとか、イエナプランスクールであるとかということが区長答弁からはあったわけですから、こういうことをきちんと併せて検討していくべきだと思いますが、教育長、いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 今回、世田谷中学校のひなぎく学級の位置づけを早急に整理する必要があり、不登校特例校分教室型の設置について御報告させていただきました。学校には様々な個性や事情を抱えた子どもたちがおり、不登校の子どもたちへの教育だけではなく、通常とは異なる様々な教育課程などについても検討を進めていく必要があると考えております。  今後、不登校特例校は、分教室型から学校型への転向を検討していくこととなりますが、その検討に併せて、子どもたちの個性や可能性を生かす多様な教育の在り方について、区議会の御意見も頂戴しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 いずれにしても、先進的に取り組んでいることに関しては期待をしている区民も多いことですし、我々もそういったことを提言してきました。ただ、進め方に関しては、多くの区民、議会に理解をしてもらいながらということは大前提になってくると思いますので、丁寧に進めていくよう今後も期待をしております。  もう一点、代表質問でも取り上げました、こういった契約事項となってくるときに、やはり区民の税金で行うものであるからこそ慎重にならなければならないということですね。保坂区長が就任した直後に、二子玉川のデジタルコンテンツの問題で、かなり議会でも厳しく追及があったりしましたが、特にこの産業分野ということに関しては民間企業が関わってくるということでありますから、今、民間サービスもいろいろなものがありますので、慎重にならざるを得ないというところですね。  それで、経済産業政策の中で私たちが問題視してきたプレミアム商品券、これを電子化していくという動きについては、時代の流れに応じたものとして大変期待をしているところですが、では、これを誰がやるのかと言ったときに、システムをつくる、その区民の、ある意味、財産に関わるところのシステムになってくるわけですね。  最近では大手のこういった電子決済サービスなどで様々な詐欺ですとかトラブルが報じられている中で、世田谷区としてサービスしたときに、本当に大丈夫なのかということは、区民としても不安になると思うのですね。では、これはどこがやっているのかとなったときに、やはりきちんとした、世田谷区も責任を取れる、安定的なサービスを提供している事業者ということが必須ではないかと思いますが、これを確認したところ、商連に任せるということですから、本当に大丈夫ですかとなるのですね。  答弁にあったように、商連がこれまで取り組んできたネットワークだとかノウハウだとか、それをうまく活用していくということであれば理解できます。ですから、世田谷区と商連と、そういった安定的なサービスが提供できる事業者と、連携してやっていくということであればまだまだ理解はできるのですが、これは世田谷区がお金を出して、この仮称せたがやペイですかの所有権は、今のところどこになる計画なのでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 ちょっと今御質問にありましたせたがやペイの所有権ということで、まだちょっと名称も仮称なのですが、要は、その運営の原資となる部分、経費部分は世田谷区商店街振興組合連合会が持つと。ただ、その電子決済等を実際にやったことがないという部分がありまして、その電子決済部分についてを、今、いろいろな会社からヒアリングをし、プロポーザルの選定を経た上で、その電子決済を行う事業者を決めていくと。そこと連携を取りながら実施していくと聞いております。 ◆風間ゆたか 委員 今、電子決済はいろいろな企業が参入をしては撤退というようなことが続いておりますし、付加価値も、プレミアム分と言うのでしょうか、それも各事業者が努力をしている。一方で事業者の視点からすると、莫大な個人情報を預かることになり、預かる一方で、個人情報を得るということについては多大なビジネスチャンスが生まれるわけですね。それを商連が握るということで本当にいいのですかということを私は問題視しているわけです。  その個人情報を管理するというだけでなく、そのビジネスチャンスを商連は生かせるのですかということですね。それをきちんと、官民連携事業とかをやっているわけですから、世田谷区と商連とその事業所とできちんと提携をし、三方よしだけでなく、区民にとってよしですから、四方よしになるようなスキームをきちんと考えなければ、拙速にやるべきではないと思うのです。これについては、部長、いかがですか。 ◎田中 経済産業部長 今、御指摘ありましたとおり、当然税金を使った形での補助金ということになりますから、区民にとってどういうことができるか、また、今回、コロナにおいて多大な影響を受けた区内の小規模な事業所をどのように盛り上げていくかという視点で形をつくっていく必要があると思います。お話にあった個人情報のことも含めて、そういったもの、今、例えば木更津とか岐阜県の飛騨高山とかで先行して地域の電子決済の仕組みを行っているところもありますので、そういうところの状況をよく確認しながら形はつくり上げていきたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 この電子決済は様々な可能性を秘めていると思うのですね。これまでも地域通貨については、各自治体で取り組もうとして、なかなか成功しなかったりと。ただ、この仮称せたがやペイについては九十二万人の区民、その中で何割利用するか、まだ見えませんが、マーケットとしては非常に大きいわけですから、大手の事業者にとっても魅力があるはずなのです。  それを今後、地域通貨として使っていけるようなこともちゃんと想定できるようなことが商連で本当にできるのかどうかという見極めも必要ですし、一方で商連として今まで積み上げてきたことはきちんと評価して、そういった事業者と得意分野をうまく組み合わせてやっていくということをやっていかなければ、また商連のための仕事なのですかということになってしまいますから、それだったら私たちは認められませんよと。  商連のための仕事ではなく、今回こういった個店支援プロジェクトなわけですし、区民が安心して利用できるということを企画していることに、大いに私たちも期待をしているところなので、きちんとそのところは設計をするべきだと思います。いかがですか。 ◎田中 経済産業部長 安全性という部分で、今回かなりマスコミ等で、電子決済の部分でいろいろな想定しなかった使われ方がしたということで、一部お問合せもありました。例えば、今回、仮称せたがやペイの運営の仕組みとして、利用者の銀行口座とのひもづけといったことは当面しない、ちょっと不便にはなりますが、チャージを一々現金を使ってやるような形でやるとか、まず事故が生じない、リスクを最小化するようにやっていきたいというところ、それから、委員から御指摘ありましたとおり、よいところを組み合わせてきちんとやっていくということ、それから、大手の電子決済システムはいろいろありますが、その大手の仕組みに乗っかってしまうと、それは全国共通の仕組みになってしまう可能性もありますので、世田谷という地域でどうやって循環させるかを重々考えながら、この仕組みについてきちんと検討していきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 引き続き進捗状況は注視していきたいと思いますので、これこそまさに世田谷モデルとなるように、胸を張れる、また、それが全国にいいように波及していけるようなプロジェクトになるように引き続き練り上げていってください。  続いて、これまた代表質問で取り上げました世田谷版ネウボラというところについて伺っていきます。  私たち会派は、私が議員になった十四年前から、不妊治療の助成ということについては強く求めてきたところでもありますが、世田谷区は何とか、ほかの区がやめていく中で細々と続けてきたということかと思います。  子育て支援だとかネウボラという形で力を入れる一方で、妊娠する前の方々にとっては、一向にこの助成をされない、支援をされていない感覚という声を多々聞いてきましたから、この妊活をされている方々への支援はもっと真剣に捉えるべきだということも言ってきたわけですが、このたび新しい政権になって、急遽こういった不妊治療への助成が話題として挙がってきました。  世田谷区としてこれまで続けてきたことを国の事業でできるのであれば、区として前もってやっていくべきことがあるのだろうという視点で質問をしますが、まず、世田谷版ネウボラは妊娠期からという話になっていますが、これを妊娠する前からということにしてはいかがかということですね。不妊治療への助成を含め、妊娠・出産を考えるカップルに対して、世田谷区はきちんと支援していくのだということを打ち出していってはどうかということですね。  さらには、それに国の補助制度が決まれば、そこにはめ込んでいけばいいことですし、もっと言うと、世田谷区が力を入れている児童相談所と社会的養護の問題、里親の担い手さんがまだまだ非常に少ないという状況において、一方で不妊治療がうまくいかなかった方々が、その次に特別養子縁組を検討し、それでなかなか機会、巡り合わせが来ないというときに、里親を考える方々もいらっしゃるわけですね。ただ、その情報にリーチできずに、子育てすることを諦めてしまっている、そんなカップルも実は多いわけであります。  世田谷区は児童相談所も持って、社会的養護にも力を入れていくということであれば、そのところも、もっとうまく連携をして進めていける可能性が大いにあるのではないかと思いますが、どなたが答弁できるのか分からないですが、いかがでしょうかね。 ◎辻 世田谷保健所長 まず、区の特定不妊治療費の助成につきましては、東京都特定不妊治療費助成制度の上乗せ助成として、都の承認決定を受けた区民をその対象に定めて実施をしております。そのため、昨年度の都の所得制限緩和を受けまして、区におきましても夫婦の合算所得の上限額を七百三十万円以下から九百五万円以下に緩和しまして続けているところでございます。助成件数のほうも千二百八十七件となりまして、平成三十年度の千九十件に比較して一八%上昇いたしました。現在、国では特定不妊治療の保険適用等の議論が行われておりますので、区としても母体、胎児へのリスク等も考慮の上、区民が安心して不妊治療を受けられる観点から、国の動向等も注視しております。  また、お話にありましたネウボラでございますが、不妊治療に伴いまして、妊娠、出産、育児に関する様々な不安や悩み事が生じる場合もございまして、ネウボラの一環としまして、実は妊娠前の御相談も受けております。今後もその区民の様々な妊娠前の相談も含めた相談をきちんと寄り添って、切れ目ない相談支援を提供してまいります。また、里親制度につきましても、当然ネウボラもこちらのほうときちんと連携してまいります。 ◆風間ゆたか 委員 前向きな答弁をいただきましたので、せっかく世田谷区が児童相談所を持ったということですから、その社会的養護もうまく連携しながら進めていただければと思いますが、このコロナ禍において、代表質問でも言いましたように、利用者支援のところについての拡充ということについて求めてきて、前向きに検討するというようなお話がありましたが、コロナ禍で人と会えないという状況においても、もうオンライン等々の支援をやってきていたわけですね。行政がなかなかできなかったことに対して、やってきたところに対して、でも、本当に補助金が足りな過ぎるというような話で、ボランタリーになってしまっているというところは本当に気の毒だと思うのですね。この辺り、きちんとネウボラの切れ目ができてしまったところを、切れ目なく、改めてバージョンアップしていくということについて、区長の覚悟を聞きたいと思いますが、いかがですか。 ◎保坂 区長 もともとネウボラはフィンランドで、おなかに赤ちゃんができたカップルが保健師さんに会って、これからあなた方のお子さんの担当ですよと言って、ずっと寄り添っていくという制度でございますので、生まれる前、そして場合によったら、今度は望まない妊娠の場合もあります。児童相談所や、あるいは特別養子縁組なども視野に入れた里親制度の紹介など、やはり生まれてくる子どもを、あるいは子どもが生まれてこれるように最大限努力をしていくということの、そのスタートライン、ここからネウボラという制度が、人の顔を持って温かく見えてくるという仕組みづくりをさらに目指して実現したいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 そこまでは、もちろんそうなんです。でも、世田谷の場合は、保健師さんがそこまでいないから、できない部分を利用者支援というところで、NPO等の力を借りてやっている。でも、そこが、もう人手が足りないと言っているような状態なわけですから、そこに対しては力を入れていくということはいかがですか。 ◎保坂 区長 おっしゃるように、九十二万都市で、やはりフィンランドとはまるで違うわけですから、この中で、特にこのコロナの中で非常に孤立化したり、お子さんをもうけながらも非常に悩んでいる方は激増していると聞いております。子育て支援コーディネーターもいますが、より子育てひろばとか、様々子育てをみんなでやっていこうという力が育っていますので、そこをあれこれ分断するのではなくて、しっかりその力を統合して、情報の融通をよくして、子育て支援の土台を引き上げていく、これはぜひ強く進めたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 替わります。 ◆羽田圭二 委員 最初に私のほうからは、自粛と自助ということについて、そこから入って幾つか質問したいと思います。  ヨーロッパでは、再び感染が拡大してきたという中で、フランスでは営業を制限するとか、スペインでは一部地域で外出を制限したことが報じられているかと思います。しかし、日本は、緊急事態宣言のときもそうですが、いわゆるロックダウン、都市封鎖といいますか、そういう強制的な禁止措置を取らなかったというのが特徴だと思います。営業や外出などを国民の自粛によって感染予防対策を取るということが極めて特徴的だったということが言えます。
     言い換えれば、区民自らが感染予防対策を取って、感染しないための努力、これは今でも続いていますが、感染予防のためのマスク、それから消毒液、これらの購入も含めて個々人が行い続けているということだと思います。  自粛ということですが、これは辞書によると、自らが進んで行いや態度を慎むことというふうな意味なのですね。つまり自ら進んでやるのが自粛であって、自粛をお願いするとか、あるいは自粛を要請という言葉が本来おかしな日本語なのではないかということが言えると思うのですね。だから自ら進んで行いや態度を慎むことなのだから、誰かに言われて外出しないとか営業時間を短縮するというのも、自粛という言葉の意味からすると大変矛盾しているのではないかということが言えるかと思います。  ところが、よく考えてみると自粛は、自助という最近よくまた言われるようになっているのですが、その言葉がつながって、さらに深い意味が含まれているのではないか、私たちの生活に変化を加えることになっていないかということも含めて、考えてみたいと思っています。  自助とは、自分でできることはまず自分でやると言っていますよね、という意味で使われているのですが、もともとは、我々の理解は、災害のとき、多摩川の災害説明会でも非常に強調されていましたが、もともと自助とは、災害発生時の緊急事態のときに、公の助けは、要するに何時間とかは得られませんよとか、そういう中で自らの命を守ることを最優先にして行動するという意味で使われていたかと思います。  ところが最近は、自分でできることはまず自分でやると。それから、自分でできなくなったら、まずは家族とか地域で支えてもらうと。そして、それでも駄目であれば、それは必ず国が責任を持ってくれるという、これは最近首相になられた方が記者会見で言っていたことなのですが、日常生活においても、自助とか共助とか公助の順で使われているのだと思うのですね。  この点を少し遡ってみますと、一九七八年当時の厚生省、当時はまだ厚生省だったのだと思うのですが、自分の健康は自分で守るとこの時点から言い出したのですね。ですから、いろいろな会社とかいろいろなところでそうですが、地域でもそうだと思いますが、健康増進みたいなことが、要するに健康診断も含めて、そこで明らかになったことについては自分でその健康管理をしろということが非常に強調されるようになったのがその頃だと言われています。  もともと職人の世界では、このように言われていましたよね、けがと弁当は自分持ちだと言われていて、戦後の労働法制の整備によって、戦後と言ってもかなり後ですが、その法制の整備によって、労働者の保護規定だとか、使用者側の安全配慮義務、それから労働災害、職業病に対する賠償請求を労働者側が行うことを認められるようになったと。  そういう意味では、けがや病気による休業補償などが一定の条件で得られるようになったわけですよね。ところが今、再び別な表現、自助という表現がなされるようになって、自分の生活や健康は自分で守るのだということが私たちの間に定着しようとしているのではないかということを私は思っています。  ですから、自粛や自助ということが社会全体に浸透すればするほど、今般の営業や外出の制限、この責任関係が非常に曖昧になっていく危険性があると考えています。  そうした中で問われるものが区の対応にあるかと思います。区は既に二〇一六年予算において社会的包摂という考え方を示していたかと思います。子ども、若者、高齢者、障害者、全世代にわたる社会保障の在り方、社会全体が支える仕組みを提起していたかと思います。新型コロナの感染拡大は、改めてこうした現状を認識した区政運営を求めているのだと思いますが、その点について、まず伺っておきたいと思います。 ◎保坂 区長 お話を聞いておりまして、まさに自粛は自ら律することであって、誰かにお願いを受けるものではないということは本当にそのとおりでございます。  ただ、自粛警察などという言葉もこのコロナ禍で出てきましたよね。その根底にあるのは、やはり極めて強い同調圧力だと思います。ある意味で、みんなが開けていない、しかし、一部開けている子ども向けの駄菓子屋さんに対して貼り紙が貼られるというようなことがありましたよね。一方で、みんなが出ていれば、それはないということだと思います。  この強い集団同調は必ず排除を生むのですね。違うではないか、この平均的な形や行動を取っていないのではないかという形で、スタンダードから外れる方に対して攻撃があったり、仲間外れがあったりと。私たちは、やはりコロナいじめについて、子どもたちの現場だけではなくて、まさに罹患された方の家の前に貼り紙を貼られるとか、職場に無言の電話がかかってくるというようなことが全国で報告されています。  ですから、これの反対の概念、排除や、いじめ、差別と、反対の概念こそ今、議員がおっしゃった、かつて予算の呼称にもした社会的包摂だと思います。それぞれの人の不得意なところ、弱いところ、あるいは苦しんでいるところを相互に理解した上で、コミュニティー、地域の中で包み込んでいく、差別や排除ではなくて支え合いを基調にしていくということだと思います。  これからコロナ禍で、極めて厳しい財政運営をつくり上げていかなければなりません。しかし、前提として、区民の生活と命を守り抜くための施策を最優先にして、高齢者、障害者、子ども・子育て家庭、あるいはサポートがあって、ようやくその生き抜くということが可能な皆さんを、様々な形で区は支えてきました。ここを後退させることなく、誰もが支え合って暮らすことができる共生社会の実現を来年度予算編成の中で具体化したいと思っております。 ◆羽田圭二 委員 そこはしっかり、社会的包摂は、あの時点でもかなりいろいろ議論をしたかと思いますが、引き続き強めていかなくてはならない課題だと思っています。  この間のコロナ対策の中で、国や東京都の対応も含めてですが、極めて特徴的なことがあると思っています。コロナ災害によって生じた課題への支援、それは全てではないですが、ある種普遍的に行われている部分があるということに我々は気がつくと思うのですね。特別定額給付金、一人必ず支給するというような対応が取られたわけですし、それから、感染したことや生活困窮、今般の状況の中で、経営困難になっている、ここへのことを、必ずしも個人の責任に終わらせないという対応も含めて、我々はそれはそれで見ておかなくてはならないと思っています。  同時に見逃せないのが、それらの支援内容がコロナ災害によって引き起こされた場合への支援に限定されていることも見ておかなくてはならないこと。それだけに、先ほどの話にも戻りますが、自粛による感染予防だけではウイルスの脅威から生活や健康が守れないこと、しかも新型コロナ感染拡大以前から、これは何度も言っていますが、経済社会、それから福祉、社会保障はあまりにももろくなっていたということだと思うのですね。その意味でも、これまでの支援の在り方や対策の見直しが求められてきたと言えると思います。  多くは自らの生活や健康の維持改善も、自助努力や自己責任による解決が求められてきたわけですが、新型コロナの感染拡大によって、これも何度か言っていますが、自助や自己責任だけでは済まされないという事態に直面しているわけですから、改めて社会全体で支える仕組みを再構築していくことが必要になっているということを言っておかなくてはなりません。  そこで、自粛のやり方が悪いとかいうことはさておいて、そこの実際の自粛の中で何が起きているのか、そこに目を向けた、言い換えれば自粛による弊害ですよね。それを改善することも必要になっていると私は考えます。その点で区の対応を伺いたいと思います。 ◎中村 政策経営部長 今般の新型コロナウイルス感染症拡大に伴うお話の外出自粛とか休業要請は、家計収入の減少や健康不安の高まり、地域コミュニティー活動の停滞、高齢者や子育て家庭の孤立、孤独など、区民生活において社会的、経済的側面はもとより、心理面にまで計り知れない影響を及ぼしていて、そうした状況は現在に至るまで残っているものと認識しています。  こうした状況において直面する感染症拡大の防止対策と、区民や事業者の活動の活性化を両立させていくために、公助の取組が重要になっていると考えています。今後、社会的インフラを継続的に維持するための社会的検査を進めるとともに、区内個店の支援、高齢者の地域参加促進、リモートによる妊娠期面接、相談支援の拡充、ICTを活用した子どもの学びの具体化など、時期を逸することなく効果的な施策を展開して、誰もが安心して暮らすことのできる地域共生社会の実現を目指していきたいと考えます。 ◆羽田圭二 委員 社会が支える仕組みについてということで伺っているわけですが、その一つに就労環境の悪化の問題があります。子育てや介護、技術、技能の再教育、それから解雇や失業、病気やけが、これは以前、パネルで示して、今日はパネルがちょっと間に合わなかったので出せないのですが、そういう状況になっても、それぞれ労働市場に戻れるといいますか、仕事にまた就けるという図だったのですが、それの確立ということが実は問われていたわけですよね。  そして、今回のコロナの感染拡大によって、その仕組みそのものも、先ほど申し上げたように、極めて脆弱だったということが明らかになって、企業の経営状況の悪化で、雇い止めだとか休業に遭っても、必ずしもその補償に行き届いていないということも今回分かったわけですね。それだけに様々な取組がこの間されてきたのだと思います。  そこで、最初に区内の雇用状況、これは直接はなかなかつかみづらいのかもしれませんが、コロナ禍において、区内の求職者数、それに対する求人数の低下という点についてお聞きしておきたいと思います。 ◎田中 経済産業部長 お話のとおり区民ということで限定した就労状況の把握というのは、ちょっとなかなか把握の仕方が難しいのですが、今回、新型コロナウイルス感染症の影響で、世田谷を管轄するハローワーク渋谷の有効求人倍率を見てみますと、新聞等でもあるとおり下落しておりまして、昨年十二月に三・一三倍、これが本年の七月には一・五九倍となっております。同じく七月のハローワーク渋谷のパートタイムを除く職業ごとの倍率が、保安の職業が三十三倍、それから福祉関連の職業が五・四倍、建設が四・一倍ということで、以前から人手不足感が言われたところは高い一方で、接客などサービスの職業、昨年を振り返りますと人手不足で大変だと言っていたところ、昨年十二月十一・八倍だったのですが、今年の七月には三・七倍に落ち込んでいる、販売についても同じく六・三倍から三・二倍に落ち込んでいるということで、こういった新型コロナウイルス感染症による影響を受けたと言われているところは、こういった数字にもリアルに反映しているという傾向がうかがえます。  また、雇用保険の状況を調べてみますと、本年七月、ハローワーク渋谷の受給資格件数は前年同月比で三六%増となってきておりまして、離職した方が増加しているということがこれによって分かっております。 ◆羽田圭二 委員 今お話がありましたように、この求人倍率の推移ですが、実はコロナ以前から低下し始めていたのですね。これは今回提示されました区の財政状況といいますか、それらを含めてですが、経済分析等からも言えているかと思いますが、昨年の十二月以降から実は求人倍率等についても下がり始めていたということが分かっています。  国は新型コロナの感染防止のため、当面の間は感染を懸念する等の理由によって、求職活動を行えない場合であっても失業認定を行うという対応をしているようです。ところが、そのために正確な求職者数がつかめない、要するに仕事を探すという行為がなくても失業認定を行うということですから、一方で正確な求職者数がつかめないということがあると言われています。  しかし、さらに問題なのが、雇用保険の未加入者、パート、派遣労働、フリーランスとして働いてきた方々が失業手当の対象にならないことから個別の支援が求められてきたのだと思います。  これは新聞報道等でも行われましたが、今年春に都内のタクシー会社で六百人の解雇の提案があったと。このときに、もちろんいろいろその働いている方々が問題にして、一部職場に戻るとか、解雇を撤回するとか、そういう動きはあったようですが、その際、会社側が言った、失業手当等の対象になるから、それをもらえばいいではないかということが言われたのですが、あるタクシー会社の話を伺いますと、実際には失業手当の対象にならない方が大半だったのですね。六十歳以上とか六十五歳以上の方が働いているということも含めてですが、結果的にはそういう方々は対象にならなかったということが言われています。  それからもう一つは、そのタクシー会社の特徴なのですが、多くがオール歩合という、つまり乗客を乗せて、運賃をもらって、それが賃金にはね返る仕組みということで、固定給がないわけですよね。基本給と言うのか、固定給と言うのでしょうか、それがないために、乗客が減って売上げが落ちると、一気にその賃金が下がってしまう、収入が下がってしまうという状況が明らかになっていました。  そうした中で、雇用保険未加入者への支援の現状、これは生活支援とか就労支援も含めてですが、これについても、この間行われてきたのではないかと思いますので伺っておきたいと思います。 ◎田中 経済産業部長 区では、新型コロナウイルスの影響が出始めてきた三月に、雇用環境の変化や事業活動に不安を抱える区民や事業主の方にいち早く対応するために、社会保険労務士による臨時労働電話相談を開設いたしました。九月までに相談件数が千件を超えておりまして、相談者の内訳としては、労働者の相談が全体の五四%、事業主からが三〇%、残りがフリーランスの方などとなっております。相談の中身としては、休業手当や雇用調整助成金の相談が比較的多かったというところです。  お話のように雇用保険に加入していない方、アルバイト、フリーランスの方など仕事が減少した方からのお問合せも多くありました。そういった方には、社会福祉協議会の緊急小口資金の貸付けや住宅確保給付金の紹介をしてまいりました。  その後、国のほうでフリーランスも対象となる持続化給付金、それから休業手当を受けられなかった中小企業の就業者を対象とした休業支援金・給付金の支援が開始されたこともありまして、そういった案内もそれ以降はしているところです。 ◆羽田圭二 委員 あと、雇用保険の未加入者の相談体制、これはぷらっとホーム等でも行ってきたと伺っているのですが、その点の相談状況についても伺っておきたいと思います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 ぷらっとホーム世田谷には、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、フリーランス等の雇用保険に未加入で、休業等により生活費が必要となる方からの御相談が数多く寄せられております。生活費につきましては、緊急一時的な生活費が不足している場合には、緊急小口資金といたしまして二十万円以内の特例貸付けを御利用いただいております。さらに、生活の再建までの生活費が必要となる場合には、総合支援資金として月額二十万円以内の特例貸付けとして原則三か月間融資を受けることができます。申請件数は、九月二十五日現在で、緊急小口資金が八千七百三十件、総合支援資金が四千七百八十四件となっております。  また、賃貸住宅にお住まいの方が家賃などでお困りの場合には、住居確保給付金の申請を御案内しております。こちらは、一定期間、家賃相当額の一部を助成する制度でございます。今年度の申請件数でございますが、九月十八日現在で五千七百十四件となっております。  一方で、生活再建までの短期的なアルバイト等をも含めまして、就労支援を希望される方につきましては、ぷらっとホーム世田谷の就労支援員が、キャリアカウンセリングやその方の状況に応じました求人先の開拓と紹介を行っております。 ◆羽田圭二 委員 これからさらに失業率が増加しかねないということも言われていますから、さらにその体制、相談体制も含めて、そして必ずこの支援につなげていくということが必要だと考えております。  これは最後の質問になってしまいますが、もう一つの社会が支える仕組みの、命と健康の問題ですね。子育て、介護では、介護や保育の社会化が進めば進むほど、その従事者、働いている方々の命と健康を守って、安全と安心の維持が欠かせないという視点があるかと思います。  今般のPCR検査の拡充ですが、社会的検査について様々な議論が交わされてきたわけですが、無症状の方を対象にする検査は、これまで自らが費用を出して行うという考え方で来たわけですよね。言い換えれば自己負担で行うと。今でもほとんどはそうしている方が多いと聞いているわけです。  ただ、今回言われた社会的インフラの従事者を対象にして、無症状の方も含めてPCR検査を実施するという考え方、介護や保育など人と人との接触が避けられない、そうした仕事に就いている方々の健康維持を、個別企業や個人の責任では終わらせないという考え方が今回、同時に提案されていると私は思っております。  今後、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念される中で、防疫、公衆衛生の最前線としての保健所の機能の強化が重要だということで区も動き出しましたが、そもそも戦後、一九四七年に制定された保健所法が一九九四年に改正されて、地域保健法になったのですね。  この間の議会の議論でもありましたが、世田谷区においてもそれまでの保健所機能を併せて、地域保健医療福祉の機能の確立が求められてきたと言えると思います。がんが死亡率のトップを占めるとかいう中で、当時は成人病という言い方をしていたかと思いますが、その予防対策、介護や精神保健を含めた地域からの区民の健康づくり、そうした支援を行う拠点機能が求められてきたというのがその当時の議論だと思います。  今年九月から組織改正で保健所機能の強化が掲げられて、今後の区の感染症対策、防疫体制に期待が寄せられていると思います。同時に地域保健福祉の機能の確立で求められてきた課題も、今後さらに強化していくという必要があるかと思っています。  そこで、コロナの感染拡大防止に向けた防疫・感染症対策とともに、地域保健医療福祉機能の強化が求められていると思います。コロナによってこれらが後退することがあってはならないという観点であります。今般の保健所機能強化について、地域保健福祉機能の強化という視点も含めて改めてお聞きしておきたいと思います。 ◎辻 世田谷保健所長 新型コロナウイルス感染症の冬季の流行が懸念されることなども踏まえ、世田谷保健所は、令和二年九月一日に体制を強化いたしました。強化内容としましては、五地域の健康づくり課の一部を保健相談課として、機動的かつ柔軟な業務遂行を可能としました。さらに、課長を医師とする地域保健課を新設し、区の防疫業務を支援する看護師を、医療系の人材派遣会社を介し配置をいたしました。  また、コロナ禍ではネウボラを初めとする母子保健や心のケアなどの精神保健と地域が担う健康づくりがより重要となります。そのため、電話やオンライン等を活用した相談支援等により、外出や職員の訪問に不安を抱く区民に寄り添い、健康の保持増進や不安の解消に努めてまいります。  一方、保健相談課は、支所の健康づくり課を兼務し、乳児健診等のほか、保健福祉センター四課の連携の下に地域包括ケアの一翼を担っております。これまでの福祉の相談窓口のバックアップや、世帯全体への総合的な支援はもとより、コロナ禍におきます新たな健康づくり事業の展開など、地域保健福祉を推進する観点に立ち、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに、保健所としても健康の観点から引き続き取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 これからコロナ後の社会とか、あるいはコロナと共存した生活の在り方とか、そういうことが言われているかと思いますが、発熱やせきなどがあったときには、実は今までは、会社はあまり休めなかったのですよね。区役所の職員の方もそうだと思いますが、なかなか休めない状態が続いていましたが、今回のコロナの問題を契機に、発熱やせきがあった場合、要するに体の調子が悪い場合には積極的に休むというようなことが問われるというようになってきたと思います。  そういう意味では、今回のこのコロナを契機に、働き方の見直しも含めて、ぜひ今後行っていただきたいと、そのことを含めて申し上げて、私からの質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時二十分休憩    ──────────────────     午後三時三十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 それでは、F行革の総括質疑を始めます。  まず、二〇二〇年の三月五日の予算特別委員会で私がここで示したパネルを、今日もう一回持ってきたのですが、これは区長のツイッターなんですが、校則を全撤廃した桜丘中学校の学力は世田谷区内でトップクラス、特に英語は断トツの成績だということだそうなんです。  このパネルを使って、教育委員会として、こういう情報発信は問題なのではないかということで質疑をしました。そのときに池田教育政策部長は、各学校ごとの成績については公表しておりません、公表することは適当だとは考えておりませんと、不適切だと言っているわけです。  その後、では、区長に、これはやめてくださいと言わなければいけないのではないですかと言っても、何か煮え切らない返事が繰り返されたということで、そのとき池田教育政策部長は、区長とこの件について意見交換をさせていただきたいと思います、教育委員会としての考えをお伝えさせていただきたいということを言っていました。各学校の比較となるような公表の仕方はしていないということを区長にお伝えしたいと思いますと。  そして、私はそのときに教育長にも、ちゃんと約束してくださいよと、教育長に、本当にちゃんとそういう話をしてくれるのかどうか、約束してくださいということを言ったら、教育長は、今のお話をしっかり受け止めてお話をさせていただきたいと思いますというふうに答弁がありました。  続きまして、これが三月なのですが、六月に本会議で、私がまたこれを問うたわけですね。そうしたら区長は、そのときの答弁は、ツイートの仕方についてアドバイスをいただいておりますがと、別に私はアドバイスしたわけではなくて、これは不適切だと言っているのですが、何かちょっとちゃかしたような感じで、アドバイスをいただいておりますがとか言って区長が答弁されているわけです。  そして、桜丘中学についてのツイートとおっしゃいますが、これはネットの記事を紹介したわけでありまして、この紹介をしたことが不適切かというと、適切だと思いますと、六月の時点でこういうことを言っているわけですね。  そして私がそのときに、リツイートしただけだから責任がないというのはおかしいでしょう、何で世田谷区が公表すべきでないと言っている情報を、ほかのメディアに流れていたからといって、それをリツイートするのですかと問うと、今度区長は、ネットに題材があったからリツイートして、後は知らないよということではございません。リツイートしたこと自体に責任を持ちますと言っているわけです。だから、まあ、悪くないと言っているわけですが、私は教育長と約束したから、教育長は区長と、この後、三月、どういう話をされたのですか。 ◎渡部 教育長 日頃から区長とは教育のことについて、たくさんのお話をさせていただいています。教育に関心を持っていただいて、とてもありがたく思っています。その中で、直接成績ということではないですが、公表の仕方についても様々なところでお話をさせていただいておりまして、学力テストの結果については公表していないということは確認させていただいております。 ◆桃野芳文 委員 それはそうでしょう、だから、教育として公表していないというのは、もうここの議会でも答えられたから。区長にそれを伝えたときに、区長は、いや、俺は公表するのだと、これまで別に世田谷区は成績を公表していないのは分かったけれども、俺は公表するんだ、悪くないということだったのですか。 ◎渡部 教育長 公表するのが悪くないとはおっしゃってはおりません。桜丘中学校の校長が皆さんの前でお話ししたことを、繰り返しお話をされたのだと考えています。 ◆桃野芳文 委員 だから、校長が学校で生徒に話したのはいいけれども、それは区長がこうやってツイートするのはよくないのではないですかということですが、教育長はもういいです。区長、聞かせてくださいよ、これはいいのですか。 ◎保坂 区長 まず、桜丘中学は、昨年来、大変話題になりまして、校則がないだけではなく、様々な生徒が自主的に活動して、生徒会で決めたことをおおむね学校の職員が話し合って、校長のリーダーシップの下に改革をしてきたということでございます。それゆえに、区民の関心も大変高くて、桜丘中学の父母の方が主催をして、学校近くの、たしか東京農大のホールだと思いますが、七百人から八百人ぐらいの方が世田谷区内で集まっていた。そして、その写真にあるように、私がそこのファシリテート役をしながら、そこの反響は大変大きく、そして、それが記事になり、ヤフーニュースか何かに載っているわけですね。そして、アドバイスをいただいたというのは、それ以後そうしていますが、それはあたかも私が言っているように見えるわけですが、これはその記事からの引用で、この発言自体は校長先生の言葉であるということで、これはどこの記事からという括弧をして、出していますよと。その下に、リツイート先があるから分かるとは思ったのですが、その点は今後改めたいと考えております。 ◆桃野芳文 委員 だから、リツイートしたことに責任を持ちますとおっしゃっているけれども、それはリツイートした内容に責任を持ちますということでしょう。だから、英語の成績が断トツだとか、他校との比較になるような情報は、世田谷区としては、これは公にしていないわけですから、リツイートした内容に責任を持ちますと言うのだったら、これをリツイートしたことは不適切だったということではないのですか。 ◎保坂 区長 世田谷区の成績を、私自身、全く見たこともありませんし、そして、その桜丘中学の校長が断トツです、よくできていますよということで言ったこと自体、それだけ成果を上げているという意味であって、ほかの学校と比較して一位であるということを言ったように私は受け止めておりません。 ◆桃野芳文 委員 私は、世田谷区長のそういう物の考え方がよくないと言っているんですよ。だって別に内容は知らないのでしょう、では。本当に桜丘が断トツかどうか知らないのでしょう。そして学校間の比較は出さないことになっているということも、それは知っているのでしょう。世田谷区長の立場で、こんなことをつぶやいたら、世田谷区長はその内容を正しく理解していてつぶやいたと区民が思うのは当たり前ではないですか。だから、区長としての自分の言葉が世間にどう伝わるかということを全然理解できていないではないですか。  それが今回のPCR検査の件についても同じなんですよ。自分がどういう発言をしたら、世間がどう受け取るか、そんなことは分かるでしょう。誰でも、いつでも、何度でも、PCR検査と世田谷区長がテレビで発信をしたということになっているわけですよ、世の中は。だけど、それは自分は違うと、勘違いしているだけだというようなことで本当に済むのですかね。  七月二十八日でしたか、BS―TBSが発端になっているわけですが、あのときに、誰でも、いつでも、何度でもということでキャスターはしゃべっているわけですよ。そして区長も聞いているわけですよね。もちろん九十二万人全員が対象ではないということは私も分かりました、それはこれまでも述べてきました、それは分かりますよと。区長もそうは言っていなかった、それは分かります。  だけど、あのときに示していたフリップは、スポーツジムとか、飲食店とか、理容師とか、かなり広い人たちを対象に、誰でも、いつでも、何度でもと言っているわけですよ。そしてニューヨークではそうやっているから、それを目指すと世田谷区長が言っているわけですよ。それはそのように捉えられますよ。  それは、自分はそうは言っていないなどと言うのだったら、何でその後の取材が様々入りましたけれども、いや、ちょっと待ってください、違います、これはかなり職種を限定せざるを得ませんということを言わないのですか。そして、何度でもというのは、これはちょっと幾ら何でも難しいですということを何で言わないのですか。  それを言わずして、勝手に聞いたほうが誤解しただけだなどということを言うのはおかしいでしょう。区長、どうですか、自分の情報発信はおかしかったと思いませんか。 ◎保坂 区長 企画総務委員会でも申し上げましたが、たくさんのインタビューで、私がお話しした中に、ある種冠のように、このPCR検査をいつでも、誰でも、何度でも、ハードルを低くしてやっているニューヨークを目指して、世田谷区でもこれを充実させていきたいと考えているという文脈でお話しました。ただ、その具体的な内容はというと、今回、補正予算で御議決いただいた、既存のPCR検査の拡大と、エッセンシャルワーカーへの拡大です。ただし、二十八日の時点で、いろいろな職業名が、これはテレビ局のフリップに挙がっていたと思うのですが、詳細については、これから検討チームをつくって、庁内でまとめますからと、こういう言い方をしてきました。  ですから、九十二万人全員の検査をするというようなことはお話ししていませんし、何より、八月の半ばに臨時記者会見を開いて、世田谷区のいわば検査内容について、予算の組み立てについて発表しております。その中で示していることということで、これは情報がだんだんと絞られてきて、そういう意味では、その世田谷区のPCR検査の拡充策は、この二段階でやるのだなということはお伝えできていると考えています。 ◆桃野芳文 委員 その記者会見の前に、だから、自分の思いと違う形で報道が走ってしまっているなと、そして受け止めが大分違う方向で広がっているな、これは危ないなという思いは持たなかったのですか、区長は。 ◎保坂 区長 報道も多種ございましたので、ちゃんと正確に述べてくれている、私のインタビューも挟んで、ちゃんと、その内容としては、こういうことから始めようとしているのですと紹介したところもありました。  ただ、これはある種、PCR検査を拡大することが間違いなのだという立場に立って、ここはあえてだと思いますが、社会的検査ということを一切紹介しないで、九十二万人に検査をするなんてとんでもない、こういう文脈の中で出された情報番組もあったかと思います。  これについては、その都度、私たちが考えているのはこういうことですということを、ツイッター等でも示してきましたし、区としては、正式な記者会見は二回やりました。そして、補正予算成立の二十八日にも、遅い時間になりましたが、発表いたしました。そういうことで区としての立場は示していると思いますし、いつでも、どこでも、何度でも、ハードルを低くして、目指していくということについては、これは姿勢として間違っていないと思います。ただ、それは財源の問題もあり、制度の問題もあり、そして様々準備も要りますから、これは一歩ずつやっていくのだというふうに考えております。 ◆桃野芳文 委員 これも議会で、私、一般質問のときに言いましたけれども、八月十八日発売のサンデー毎日ですからね、これは八月五日の文章が出た時期と、多分、取材の時期は、もうその後ぐらいになるんでしょう、分かりませんけれどもね、週刊誌ですよ。だから、八月の上旬ぐらいにもう取材を受けているのでしょうけれども、このときも区長は、PCR検査の検査能力を三千件まで増やし、社会的検査を充実させたい、介護、保育、教育など人との接触回避が困難な職種、エッセンシャルワーカーに先回りして定期的検査を実施、施設が発火点になる感染爆発拡大を防御する、そして検査のハードルをぐっと低くする、もしくはなくしていく、最終的にはニューヨークのように、いつでも、誰でも、何度でも検査できるようにしたいと言っているわけですよ。  これは別に、これを読んだら、世田谷区は最終的にはニューヨークのように、いつでも、誰でも、何度でも検査できるように、世田谷区長がそっちへ向かって走っているのだと理解するのが普通ですよ。これは八月十八日の時点で言っていますからね、その編集のタイミングというのは、その一週間ぐらい前かもしれませんけれども。  だから、こんなこと、何度でもですよ、何度でもなんてできるわけがないではないですか、だって。そんなことを言っておきながら、情報の伝わり方が自分の意図したこととは違うみたいなことを言うのは、それは途中で情報をちゃんと訂正する努力もせずに言っては駄目ですよ。  そして、誰でも、いつでも、何度でもというフレーズを使ったからこそ、あれだけ報道されたんですよ。だって、高齢者施設で働く方を検査します、二、三か月ぐらいかけて一周しますと言ったって、絶対にそんなに報道されないですよ。そんなもの、もうほかの区でもやっていますし。  だから、区長は、誰でも、いつでも、何度でもというフレーズがお気に入りだったのではないのですか。これを言いたかったのでしょう。だけど、それをやったらいけないということですよ。  この桜丘の件でもそうですよ。区長の立場として言ってはいけないことがあるでしょうということですよ。何度でもということは、かなりハードルが高いと、これはもういつになるか分からないとかね、それなりの説明をしていれば、まだ私も分かりますよ、そうだ、区長はちゃんと説明していると分かりますが、そんなことを全然一言も言わないではないですか。  介護事業者に絞ったって、いつでも、何度でもなんて、どうやってやるのですか。走りながら考えるなどということは、普通、区長のせりふではないんですよ。だから区長、誰でも、いつでも、何度でもと言いたかったのでしょう。 ◎保坂 区長 まずは、感染者数が日々増加をしていくと、これからもそういう事態になる可能性はありますが、そういうときに、国全体として、では、どういう押さえができているのか、では、どういう対策が具体的になされるのか、必ずしもそれは見えていない時期でした。  その時期だからこそ、八月の末から頭にかけて、はっきりとそのPCR検査を拡充すると、そして、具体的には一桁増やすという言い方もしましたが、今、委員がお示しになったサンデー毎日ですか、これは八月四日に日本記者クラブで記者会見をしております。そこに記者の方が来られて、そこで話した内容を基にして書かれている記事でございます。  ですから、大枠をお話しして、その中で、例えば一日三千件というのは、具体的には、まずは千件からスタートしようというような調整、あるいは議会の御意見を受けて、障害者施設について対象にならないのはおかしいではないか、一時保護施設、こういったものも対象ではないか。これは組み替えて、そのせいで我々の作業もいろいろ続いたということがありまして、この議案の告示の日に、そういった必要な書類が間に合わなかったということについては、これはおわびをしております。  ですけれども、日本においてPCR検査は決定的に足りない、足りないからこれを思い切って拡充をしていくと。そこで事例として挙げたものがそのニューヨークの事例であって、そこについては、その意思を持って進んできたということが偽らざるところでございます。 ◆桃野芳文 委員 では、区長は今でも、誰でも、いつでも、何度でも、この世田谷区でPCR検査をするということを目標に、今でも頑張っていらっしゃるのですか。 ◎保坂 区長 その際、記者会見とかで申し上げていますが、世田谷区だけで感染を抑止、これはできないわけです。要するに、これだけ人が動いて、首都圏全体、地面はつながっていますから、そういう意味では、日本社会のPCR検査、あるいは社会経済活動を再開するわけですから、そのときには、例えば病院で、入院をする方は必ずPCR検査、医師、看護師にもPCR検査と、かなり細かくやっています、院内感染を防ぐために。(「目指しているか目指していないかだけでいいですよ」と呼ぶ者あり)だから、そういう意味では、これは世田谷区のみならず、日本全国で、当面このコロナのワクチンも、治療薬も出てこない以上は、しっかりと拡大する、拡充する、そしてそのコストも安くして、多くの方が、その検査が受けられるようにするということを目指しています。
    ◆桃野芳文 委員 だから、別に誰でも、いつでも、何度でもではないでしょ、そんなことは。それは別に拡大するのは、反対する人なんてほとんどいませんよ。  誰でも、いつでも、何度でもというのは、ニューヨークでやっているかもしれないけれども、ニューヨーク州というのは、北海道二つ分を若干小さくしたぐらいのスペースで、ロックダウンとか、厳しい外出制限とかをやって、千九百万人ぐらいの人が、そこまできつい思いをしてやっているような場所ですよ。日ごとの感染者数が、多いときで大体一万人ぐらいいるんですよ。そして死者は三万人ぐらいですよ。  だから、そういう状況と合わせて、世田谷区が同じ土俵で、同じことで語ること自体、私は違うと思うし、ほかにやるべきことがたくさんあるわけですよ。  よく区長は、東京都内で二百人とか何とか、そういうことで言っていますが、別に世田谷区の感染者数というのは、多いときで数十人、少ないときだと一桁ですよ。だから、何かそういうところも、私は区長の情報発信の巧みさというか、世田谷区の状況を適切に伝えていないと思いますよ。  そして、情報発信の話に戻りますが、さっき宮崎副区長が、他会派の質疑の中で反省をしますということで答弁をされていました。私は、本当に、何かちょっといたたまれないというか、私なんか、こんな若輩者が副区長にこういうことを言うのも僣越ですが、やはり副区長が反省する前に区長が反省しなければ駄目ですよ。  だって、副区長がさっき説明したのは、私はメモしましたが、全部合っているかどうかは分かりませんよ。区長がこうしたいと考えていることが、番組でどう使われているかということを熟知するのに時間がかかったと、途中の状態だと、まだこれは途中の状態だと、そして、今どういう状態かを区民とか議会にもっと丁寧に説明すべきだったと、でも、それはもう反省しているとおっしゃったんですよ。  でも、だって、それは、反省するのは区長ではないですか。副区長に何でそんなことを、反省しているなどと言わせるような類いの話なのですか、これが。区長がちゃんと、自分の情報発信が至らなかったと言って、これはまだどうなるか全く分からないし、誰でもというのは、かなりこれは難しいとか、きちっとできること、できないことを整理して情報発信しないからこういうことになるんですよ。  だから、それはもう気をつけてくださいということですよ。別にもうこんなことを言って、この後、質問をしたら、また区長が長々としゃべって、時間が潰れますから、もう聞きませんが、こういうことを副区長が、ここで謝らなければいけないというのは、区長が謝るべきことを、耐え忍んでといいますか、立場で、俺が謝らないともう収まらないからということでしょう。  だけど、そういうことをやっていたら世田谷区役所の仕事というのは回りませんよ。もう区長も三期ですから、しっかりとこの組織の―さっき組織のガバナンスという観点での質疑も出ていましたが、自分がしゃべりたいことをテレビでべらべらしゃべって、ああ、大阪の知事みたいにばんばん取り上げられたいなとか、北海道の知事みたいにばんばん取り上げられたいなとか、そういうことがあって、こういう情報を発するような、そういうことはもうやめてもらいたいということですよ。もう大混乱だから、区役所の皆さんも迷惑するから、もうやめてくださいということで、ちょっと別の質問というか、PCR関係でもう一問聞きます。  この社会的検査ですが、区長が、今この世田谷区内では感染が蔓延している状況だと判断して、この社会的検査は、行政検査の対象になるというようなことで説明をされていました。その通知については、感染拡大地域、事前検査前確率というのを考慮に入れて、その感染が拡大している期間に限って定期的に、一斉に検査をするということを行政検査にすると言っているわけですが、世田谷区は今そういう状態だと。そして、この世田谷区全区が感染蔓延地域だから、全区を対象にやるということを言っているわけですね。まずそれを確認します。これはもう事務方でいいですよ、区長ではなくていいから、そういうことで判断したということが一つですね。  そして、状況によっては社会的検査を中止する場合があると言っているんですよ。これは今後の感染状況の推移を見極めながら、状況によっては社会的検査を一旦休止した上で、社会的検査のPCR検査体制やコンタクトトレーサー等のスキームを活用した感染拡大防止策を検討すると言っているんですよ。  ということは、感染がどんどん拡大したら、この社会的検査というのはやっている暇がないと言っているんですよ、恐らく。だから、そこの整合性は本当にそれでいいんですかと。蔓延しているからこそやるんだ、社会的インフラを継続的に維持し、重症者をなくしていくために、社会的検査をすると言っているのであれば、私はそれに必ずしも賛同していないけれども、そのように言っているのであれば、蔓延したら社会的検査は一旦休止するというのは、間尺に合わないのではないですか。 ◎宮崎 副区長 まず、感染状況は先般、私から本会議でも申し上げたように、感染者数が少し落ち着き始めていますが、蔓延状況だということは私もそういう言い方をしました。  したがいまして、この社会的検査の意義としては、やはり蔓延状況を、なっている状況と、例えば今般、社会的検査で説明している感染者数というのは波を打っているわけです。そういう意味で言うと、少し下がっているときにこそ、例えばこういう社会的検査をするほうが意義があるとは思っております。  それからもう一点の、では、例えばこれが本当に、感染の度合いが爆発的に増えたときに、対応が、果たして区の保健所体制も含めてですが、できるかという問題については、当然、社会的検査のコンタクトトレーサーの部分は外に出したいということは申し上げておりますが、陽性者の数は別です。要するに感染者数です。ここの部分については、保健所はやはりそこの対応が出てきますので、そういう意味で言えば、従来型のPCRについての、今、三百から六百に持っていくという枠の中で収まってくれば、社会的検査を続行できますし、これをさらに超えてきたときには、今どこもそのすべを持っていません。もちろん従来型のほうをもっと増やすという方法はあるでしょうけれども、社会的検査のほうも、その段階では使うすべとして、一回止めてでも、その従来型の検査の拡充を図らざるを得ないという意味でございます。 ◆桃野芳文 委員 そのときに、高齢者施設で過ごされている方は重症化するリスクが高いし、命をなくしてしまうこともあるから、その人たちを守らなければいけないから、この社会的検査をやると言っているのだけれども、蔓延したら、そこを検査できないということであれば、そういう人たちはどうすればいいのですか。その人たちを守るためにやるのでしょう。 ◎宮崎 副区長 こういうことです。例えば今日が五十名出ました。あしたは必ず五十出るわけではないのです。そういう波をずっと小さくですが打っていますので、今般の事務方にも説明しておりますのは、例えば定期的にやっていく中で、順番を決めております。決めている中で、突発的に、ここでそういう意味での感染者数が多く出たときには、こっち側の対応、従来型の検査でできない場合には、こっち側を使うということも考えられますので、そのときは止めます。ただ、それが何日続いたら、今度は再開できるかという問題になりますから、今、桃野委員がおっしゃっている、止めますということがずっと続くというわけでもなく、状況、状況の中で、その従来型の検査と、社会的検査の使い分けをしたいという意味で申し上げております。 ◆桃野芳文 委員 私は、そういう説明であれば、この委員会に報告された資料は言葉足らずだと思うし、そもそも社会的検査というのは、今、宮崎副区長がおっしゃったような状況になるとすれば、そういう蔓延して、通常の検査がもうパンクしそうになるような状況であれば、それこそ、それは国が言っている本来の社会的検査、きちっと感染拡大地域、蔓延している地域はどこなのかということをしっかり見極めて、そこに繰り返し繰り返し検査をしていくというのが社会的検査ですよ。それをそういうふうに止めたり走らせたりするのではなくて、どこが危ないのかをしっかり見極めて繰り返し繰り返しやっていくのが社会的検査ですよ。  こんな何か月もかけて、ずっと平たくローラーをかけていくというのは違いますよ。だから、それはそのようにしてくださいということでリクエストをしておきます。  それと、逆の場合、これはいつになったらやめるのですかということです。今、感染が市中に蔓延している状況だと言っていますが、先ほど私もちょっと例を引きましたが、世田谷区内の新規感染者は、一日数十名から、少ないときで一桁ですよ。それがいつになったら、この社会的検査はもうやめてもいい状況だと判断するのか教えてください。 ◎宮崎 副区長 では、例えばはっきりしたそのいつまでということをお答えはしかねるのですが、国も含めて、これから、言ってみれば具体的な内容を示してくる、東京都もまだ具体的な内容を示してきていない。ということは、先ほど来、区長も申し上げていますが、世田谷区だけの問題ではないのです。国や東京都も含めての関連を考えながら世田谷区ということで、この感染状況を考えていかなければいけないという苦しさがありますので、取りあえずは今回のPCR検査の拡充、社会的検査のほうですね、プロポーザルは一月三十日という日付をたしか出したと思いますが、そこが一つのめどになりますし、その途中に、節々の中で議会のほうに状況も報告しようということですので、その状況を報告しながら、改めて御判断、御協議をしていきたいと考えております。 ◆桃野芳文 委員 これは区長の言うところの社会的検査を行政検査として認めるのは、その場所、その地域で感染が蔓延している、拡大していると首長が判断した場合ですからね。その判断基準を持っていなかったらおかしいわけですよ。だから、それはしっかり判断基準を持たないと。  それと、もう誰でも、いつでも、何度でもと言ってしまって、それがどんどんどんどんこういう形に変わってきて、まさかこれをやめるわけにはいかないなみたいな、何かもうそういう中途半端な形で検査をするということは、もう絶対にやめていただきたいし、きちっと根拠を持って、やるならやる、やめるときはやめる、しっかり根拠を持ってやっていただきたいと思います。  そして、PCR検査以外に聞きますけれども、DV被害者への支援措置の件です。これは一般質問でも聞きましたが、あるDV被害者の方がいて、その方は加害者から逃れるために家を出ていたわけだけれども、その際に、支援措置という仕組みについて、住基法の住民基本台帳事務における支援措置について説明をされていなかったということだったのですね。  私は、それは非常に問題だということで取り上げましたが、このDV被害者対応職員ハンドブックというものがあるのです。これは庁内の皆さんがそれぞれ部署ごとに、DV被害者の相談にこのように対応しましょうというような、いわゆるマニュアルですよ。これがあるんです。これを見返してみたら、ここに、必ず支援措置について案内することということはどこにも書いていないんですよ。もちろん支援措置について、支援措置とはこういうものですという説明はありますよ。だけど、それを必ず説明することということが、これは実質マニュアルなのだけれども、それがないわけですよ。  だから、当たり前のように、もちろん説明することだと私は思いますが、そういうことはここに書いていないということになると、これは職員のスキルによっては、説明できない人も出てきてしまうのではないかと思います。ですから、このハンドブックの中に、必ず支援措置については案内すると。もちろんその方が選ばれないこともありますよ。世田谷区は、世田谷区長が加害者の弁護士には、情報を渡したって、それは問題ないと言っているから、怖くて支援措置など使えませんという人がいるかもしれないけれども、少なくともきちっと説明をするとハンドブックに書き込んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎松本 生活文化政策部長 今御紹介がありましたDV被害者対応の職員のハンドブックでございますが、DV被害者の対応の基本的な考え方、あるいは心構え、それから支援措置の対応のルールなどについて記載をしております。毎年度改定を重ねておりますので、御指摘の点については関係課と急ぎ調整してまいりたいと考えております。 ◆桃野芳文 委員 これは必ず必要なことだと思うのです。多分これは定期的な改定があるでしょうから、次の機会に、必ずしっかりとそういう案内はしなければいけないのだということを書き込んでいただきたいと思います。  以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 Setagayaあらたの総括質疑を始めます。  今回は、コロナ禍による、このコロナでの世田谷区の人口動態がどう変化してきて、またそのニーズ変容といったものをどう捉えて、その政策に生かしていくかということを様々な角度で質疑をしていきたいと思います。  まずは、その一つのキーワードであるテレワークについて聞きたいのですが、その前に、今の世田谷区の全体の人口動態がコロナ禍でどのようになっているかということを共有したいと思います。  ちょっと簡単なグラフなのですが、今年に入ってからの傾向で、この棒グラフのほうが転入から転出を引いた、いわゆる増減数で、五月ぐらいから転出超過という傾向が見られています。折れ線のほうは、転入者数も前年同月比をグラフにしたのですが、前年同月で見た場合に、転入者数が減少しているという傾向があるということが分かります。  この辺による政策のインパクトということで、財政の面であったりは明日の質疑でも聞きたいのですが、全体の人口減という傾向に対して、それは世田谷区の政策においてはマイナスな側面が多いと思うのですが、一方で、人口自体は減っているけれども、増えている要素として、冒頭申し上げたこのテレワークというところのテレワーク人口というところがあると見ています。  いわゆる在宅勤務で、平日、日中区内にとどまっている人口、昼間人口、昼間の人口と言われる部分ですが、こういったところを捉えて、企業であればそのビジネスのチャンスにつなげていったり、政策でも、新たな価値につながる部分と見ています。  企業だけでなくて、例えば地方自治体、地方の人口減で過疎に向かっているような自治体においても、このテレワークが定着してきていることで、例えばその企業が取るワーケーションという、ワークとバケーションをかけた造語ですが、このワーケーションの企業を自治体に誘致をすることで人を呼び込むという政策を取っているところもありますし、翻って世田谷区においては、このテレワークということについて、世田谷区内でどういった実態があって、その中でどういうニーズがあるかを分析していただきたいと思うのですが、今、現状をどのように見ていらっしゃるかお伺いします。 ◎田中 経済産業部長 委員からお話があったとおり、コロナ禍において、都心のオフィスの縮小する例、テレワーク用のサテライトオフィスの設置の例、また、数値目標を定めて強力にテレワークを推進している例など、テレワークの進展は加速していると認識しております。  区内のテレワーク人口を正確に把握することはちょっと難しいのですが、国や民間企業などによる各種調査結果はいろいろ出ています。それから、区内の飲食店など事業者の方からも、日中に、これまで来ていなかったお客さんが来るようになったというようなお話もあります。区内においてテレワークが広がって、これにより日中に区内にとどまる区民が増加しているといった分析をしています。  区としては、コロナの前から三茶おしごとカフェのワークスペースや、子育てひろばと併設したワークスペースといった整備をしてまいりました。今回のテレワークの進展は、コロナ対策や働き方改革に資するのみならず、これまで都心に通勤していた区民の方が、地元で過ごす時間が増えるといったことによって、区内消費の拡大や、区内のコ・ワーキング・スペースに集まる人々による新たな事業の展開などにつながる可能性もあると考えています。これらの情報を積極的に収集してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 こういったコロナ禍での社会変容を捉えるということは、今回、決算委員会で、ほかの分野でも聞いてまいりますけれども、いろいろな政策に影響しますし、生かせる部分は生かしていっていただきたいと考えています。  私も、携帯電話の子会社が出しているような、GPSを使って空間統計というような、モバ空というサイトですとか、そういうものをいろいろ見てみたのですが、やはりこの世田谷区でどのぐらいのテレワークの人口の規模があるのかは、正直やはり分からないなと、きっともうちょっとリサーチ会社とか、そういうところでないとつかみ切れないのだろうとは思うのですが、ただ、この規模の自治体ですので、相当数いることは確かですから、この層を区内の消費活動に向けられたら相当な規模というか、インパクトになるだろうという観点から、今回区が打ち出しているせたがやペイについて、次は伺いたいと思います。  この電子商品券せたがやペイのユーザーになるような、利用者になるような方は、今申し上げたようなテレワークの人口と重なる層であると思いますので、ここの層がいかに、せたがやペイというようなものに登録をして、利用をしていくかということで、この普及の規模も変わってくると思います。  大規模な普及で、一気に普及できるようなスケールメリットというようなところに行けば、そのメリットが個店側にも波及していくと思うのですが、そこで気になるのが、今回想定している上限三万円で六千人規模というような、別に上限三万円を使わなくてもいいわけですが、この辺の設定を、例えばその三万円チャージする人だと六千人だけれども、一万円のチャージの人、あるいは五千円と、少額になればなるほど人数は増えていくわけですので、そうした小ロット、多数というような普及につなげるために、その普及浸透させる工夫というか、その辺についてどう考えているかを伺いたいと思います。 ◎田中 経済産業部長 先行事例であります千葉の木更津のアクアコイン、それから岐阜の高山でやっていますさるぼぼコイン、こういった一回の利用額を見てみますと、大体千円から三千円というぐらいで一回利用していると。こういったことから、では、チャージは幾らするのだと考えると、大体五千円から一万円ぐらいではないかというような分析をしております。今回、最大三万円分のチャージまでポイントが付与されるという設定をしておりますが、実際には一人一万円程度ではないかというような考え方、それが六千人より多い、二万人分ぐらいのチャージで予算に達するのではないかという推計もしております。  昨年度のプレミアム商品券を申し込まれている若い世代の方は推計でおおよそ一万二千人ぐらいいらっしゃるということで、これは周知を図ることで一万数千人から二万人の登録といったものを目指しています。区民に広く普及することでスケールメリットにつなげるべく、プレミアム商品券の現在の購買層のみならず、御指摘のとおり新たな層に普及するよう工夫してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 せっかくですので、やはりこの個店側、商店街の各店舗側が、これがあって売上げが上がったよという実感につながるような政策、成果につなげていただきたいと思います。  次に、テーマは替わりまして、ちょっと認知症関連、認知症政策について伺います。  今回、認知症とともに生きる希望条例が制定されましたので、それを受けまして、四年前に私が議会で取り上げた認知症に優しい図書館ということについてまた触れたいと思います。これは四年前もお話ししたのですが、川崎市宮前平の図書館の司書の方が、その図書館に毎日来るおじいちゃんやおばあちゃんを見ていて、その中に、見ていて認知症なのではないかと思うような方たちを見ていて、図書館で何か認知症の方のためにできないかという思いから、認知症に関連する書籍のコーナーをつくって、そこに相談窓口であったり、福祉のいろいろな紹介をするリーフレットを一緒に置いて、その本を取った人が行政の窓口についての案内も同時に目に触れて、手に取って、そういった福祉の政策につなげていくという流れを、そのコーナーをつくるということでやった取組なのですが、今は全国にも広がっていて、私もその四年前にそういったことを世田谷区でもやってはどうだということを提案しまして、世田谷図書館の中に認知症関連コーナーというラックを設けていただいたのですが、その後、ちょっと私のほうもこのことの効果検証とか、自分自身してこなかったので、その反省の意味も込めて、今回取り上げるのですが、今回久しぶりにこの場所を訪れましたら、大分そのレイアウトが変わってしまっていまして、ちょっとそのレイアウトが変わった感じを、またパネルにしたので、ビフォーアフターなのですが、ちょっと見にくいのですが、こっちがその当初のそのコーナーで、認知症関連図書コーナーというものと、その近くにこのラックがあって、物忘れ外来とか、世田谷区の認知症あんしんガイドブックとか、そういったラックが一緒に近くに置かれていて、椅子もあるので、本を手に取って、ちょっと、ああ、やはり認知症なのかもしれないな、うちのおばあちゃんはそうかもしれないなどと思いながら、このリーフレットもあるから、ちょっと照会してみようと思って帰っていく、こういう動線が実現していたわけですが、これは今の世田谷図書館の状況なのですが、ちょっと分かりにくいと思うのですが、いろいろな掲示物で囲われて、今のコーナーが見えない。普通に通りかかって目に入ったというような、そういう動線は、もう今実現しない状態になっています。  そして、ちょっとお話を伺ったら、やはりコロナの対策で自習室のスペースが足りなくなって、その自習スペースをこのコーナーの前に設けたところ、やはり自習室というのは閉鎖された空間で、あまり人が出入りしないほうが、静かで、できますので、パーティションを置いていったり、パーティションにもいろいろな掲示物があったりということで、振り返って見たら認知症関連図書コーナーは見えないという状態になってしまったということなのですね。  やはり今、認知症とともに生きる希望条例ということで、世田谷区として認知症の御本人の方だけでなくて、全ての区民の方が当事者としてという、うちの会派のつるみ議員も度々取り上げている点ですが、こういったことを実現していこう、普及させていこうというところにありますので、もう一度今のレイアウトについてはちょっと見直していただきたいと思うのですが、お伺いします。 ◎林 生涯学習部長 認知症に関する情報提供の場として、世田谷図書館に認知症関連コーナーを設置して四年が経過いたしました。当初の蔵書が約百三十冊から、現在、二百四十冊に増え、展示方法についても、移動式のカートから書架展示と充実しております。しかしながら、この間、認知症関連コーナーの周辺にデジタルサイネージ等の設置や、自習室を設けたことによりまして、委員御指摘のとおりコーナーの存在が分かりにくく、関連書籍が手に取りづらい状態となってございます。  まずは世田谷図書館のレイアウトを早急に見直すとともに、今回制定されました認知症とともに生きる希望条例の趣旨を踏まえ、制度周知を含め、認知症について区民が理解を深められるよう、区立図書館から広く情報発信してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。  認知症と限らず、ほかにも図書館というのは、ひきこもりの方の居場所になり得たりとか、あるいは九月の始業式前ですと、夏休み明けのタイミングで、以前にもありましたが、自殺したいぐらいだったら図書館においでという呼びかけで、そういった様々な福祉的な、あるいは教育以外のいろいろな政策につなげられる可能性を持つ場所だと考えていますので、そういった可能性を生かすためには、どうしても役所の中ですと領域をまたがってしまうものになりますので、そこの領域連携が改めて本当に重要になってくると思います。  以前は庁内連携担当とかマッチングという言葉もあったような記憶があるのですが、改めて今そのニーズが多様化してきていると思いますので、その中でこの領域連携ということにしっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、副区長の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 今回、図書館を例に、このような御紹介をいただきましたが、まさにこういうコロナ禍ならではということも含めますと、連携の取り方をある意味もうちょっと加速しないと、財源的にも非常に厳しい中で、より効果的な形でサービス提供していかないと、全てをオールラウンドでやっていくことがなかなか難しくなってくる。そういうときこそ、本当に庁内の中での情報共有を初めとして連携し、例えば今例に挙げられた図書館に対しては、どういうターゲット層にPRすることが一番効果的かを考えながら、図書館の生涯学習部のほうとの連携の取り方を考えていくということを、今までの、つながれば何か生まれるということではちょっと済まないことで、やはりそこにそれぞれの効果を出すための策を、お互いに知恵をちょっと出してもらって庁内連携をさらに高めていきたいと考えております。 ◆佐藤美樹 委員 質問者を交代します。 ◆神尾りさ 委員 まずは児童相談支援の体制について伺います。  本年度、区立の児童相談所が開設されました。新型コロナ禍で業務は多忙化し、被害者である子どもを中心とした対症療法に多くの時間を割かざるを得ないことが予測されます。その一方で、区内に児童相談所を開設したからには、児童虐待を根本からなくすための施策が必要であるため、その観点で伺います。  まずは、昨年の第四回定例会でも取り上げた養育者支援についてです。虐待の加害者に目を向けますと、彼ら自身も過去に虐待の被害者であったり、日々の生活に困り事があったりする傾向があります。つまり、虐待事例があった際、子どもだけではなく養育者も支援し、親子丸ごとを救わないと虐待の連鎖を止めることはできません。  養育者を支援する際、日常からの子育て支援と、重篤なケースの支援との中間に当たるような人々をも対象にする必要があります。課題認識がある家族から課題を抱えていることにさえも気づいていない家族まで大きな枠組みで捉えて支援するためには、誰がどのような役割を担い、具体的に取り組むのか伺います。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 泣き声通告などのケースにつきまして、これまでの東京都の児童相談所では、保護者への注意のみで終了したケースもあったと把握しておりますが、一方、この四月からの区の児童相談所の一元的な運用の下では、特に子ども家庭支援センターが丁寧にお話を伺いながらアセスメントを行い、必要に応じて養育支援等ホームヘルパー訪問事業の利用につなげるなど、適切な支援につなげてございます。これにとどまらず、児童虐待予防のさらなる徹底に向けましては、問題が顕在化せずにいる家庭に気づき、早期の支援につなげるため、日頃からの見守り、気づきの強化が重要となります。  特に子どもたちの生活の場となります学校、保育園などとの一層の連携協力が不可欠でございまして、地域の関係機関で構成します要保護児童対策地域協議会での全区協議会、地域協議会の開催、それから個別ケースの検討会議で情報共有、支援の協議を重ねまして、より丁寧な家庭の見守りに取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 しっかりと養育者支援、親子丸ごと支援に取り組んでいただきたいと思います。  次に、十年後に向けて虐待がない社会を築くための政策について伺います。  現在行っている、虐待がある家族を救うための対症療法と並行し、十年後、二十年後の社会から虐待という文字をなくすための施策も必要です。虐待の連鎖という観点で考えますと、現在被害を受けている子どもたちは、将来虐待の加害者ともなり得ます。そうならないために、日常の保育や教育における普遍的な取組が重要であると考えますが、見解を伺います。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 子ども計画(第二期)では、子どもがいきいきわくわく育つまちを掲げ、この四月から第二期の後期計画がスタートしてございますが、区の児童相談行政が新たに運営されることを契機としまして、子ども主体を基本コンセプトとして計画を推進することとしてございます。  この子ども主体を、子どもや保護者、区民、事業者、子育て支援者の皆さんとも共有し、子どもと子育て家庭に関わる全ての関係者がしっかりとつながり、支え合いながら子育てに温かい地域づくりを進めることが重要でございます。  また、虐待の連鎖を断ち切るために、子どもに対しましても、学校等を介して信頼できる大人から、子ども自身が持つ権利や困ったときの相談先を伝えていくことは重要であり、関係機関とも一層連携した取組を進めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 福祉関連所管のみならず、教育所管との連携の必要性も考えられているということが分かりました。子どもの生活の大部分を占める学校において、自分の体や命を大切にするための教育という観点から、具体的にどのような取組が考えられるのか、教育所管に伺います。 ◎池田 教育政策部長 この四月の区の児童相談所の開設により、学校との情報共有や連携は、より緊密なものとなったと考えております。各学校では、いじめの防止や人権に関する教育を通じて、命の大切さや他者を尊重する心を育み、また、暴力は決して許されないということを子どもたちに伝えているところです。また、子どもの権利条約などを題材に、子どもは一人の人間として誰からも尊重されるべき存在であることも教えています。引き続き、児童相談所など関係所管と連携しながら、子どもたちの人権意識や他者を思いやる気持ちを高める教育を通じて、将来、成長して社会の一員となった子どもたちが、児童虐待などの社会の課題に真摯に向き合い、自ら考え、適切に行動することができるよう取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 児童行政と教育所管が今まで以上に連携し、十年後を見据えて、虐待の連鎖を断ち切るために、現在策定中の世田谷区社会的養育推進計画でも、しっかりと位置づけていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 今現在、パブリックコメントを実施しておりますが、社会的養育推進計画素案におきまして社会的養育の体制整備の取組や、子どもの権利の保障を基本として示してございます。子ども自身が命の大切さや、様々な差別や偏見をなくすことなどと併せ、生きる権利、育つ権利、守られる権利など、子どもの権利についてもしっかりと学び、理解する必要があると考えてございます。子どもに対して、子どもの権利の説明や子どもの人権擁護機関せたホッと、それから児童相談所の通告ダイヤルの周知を、学校などを通じまして、子どもたちに一人ずつ行き渡るよう周知啓発を行うとともに、様々な地域資源を活用しまして、地域全体で支援の輪を広げてまいります。こうした取組を計画にしっかりと明記しまして、児童虐待のないまちを目指して予防型の児童相談行政のさらなる取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 予防型の取組がしっかりと定着するよう、今後も注視してまいります。  次に、地域行政と地域のカラーについて伺います。  ふだん区民の方々に接する中で、世田谷の五地域の存在を知らない方があまりに多く、自分が住む地域に愛着を持っている区民が少ないように感じています。その昔と言ってよいのか分かりませんが、世田谷の五地域には五つのカラーが設けられました。世田谷地域は、集いと参加のレッド、北沢地域は、若さと活気のイエロー、玉川地域は、広がる空と水のブルー、砧地域は、美しい田園のグリーン、そして烏山地域は、夕焼けのオレンジとなっており、世田谷区役所は、五地域のカラーが全て混ざり合った優しいグレーとされています。この地域カラーはあまり活用されていないようですが、区民が地域への愛着を持つことにつながるのではないかと思います。まずは、五地域のカラーが設けられた背景を伺います。 ◎清水 地域行政部長 平成三年の地域行政のスタートに合わせ、区に親しみを持っていただくとともに、地域行政にふさわしい新しい世田谷のイメージを打ち出すデザインプロジェクトの下、施設のサインや封筒デザインが決定されました。施設のサインは、地域の個性に即した五つのカラーで構成された地域カラーとコミュニケーションマークから成り、総合支所や出張所の表示板、街区案内図、総合支所内部の案内サインなどに使用され、新しくなった行政施設をアピールする役割を果たしておりました。 ◆神尾りさ 委員 二点目に、現在地域カラーがどのように活用されているのか伺います。 ◎清水 地域行政部長 現在、地域カラーは、総合支所職員の名刺、区のおしらせ「せたがや」地域版、まちづくりセンターの公共サイン、区の広報板等に活用しております。また、現在建設中の玉川総合支所区民会館ホールの座席シートの色は、玉川地域のカラー、広がる空と水のブルーを意識した青色に統一する予定でございます。 ◆神尾りさ 委員 今後、各地域での様々な取組にも地域カラーを意識していただきたいと思います。  三点目に、子どもたちが自分の地域をより強く意識するための取組として、小中学校等でも積極的に活用できないか、教育委員会の見解を伺います。 ◎淺野 教育総務部長 教育委員会では、地域の教育力を生かし、学校、家庭、地域の連携協働による学校づくりを進めているところでございます。子どもたちが地域を愛し、地域に支えられて成長していくことは大変重要なことと考えております。地域行政所管と連携しまして、校長会等とも相談しながら、地域のカラーをどのように周知し、また活用することができるか協議してまいります。 ◆神尾りさ 委員 最後になりますが、子どものみならず、地域の人々が愛着を持つために、さらなる工夫ができないかどうか伺います。 ◎清水 地域行政部長 地域カラーについては、身近で、きめ細やかな行政を進めることをシンボリックに伝える目的で活用してきましたが、地域カラーを知る区民は決して多くはないと想定されます。地域行政制度の開始から三十年が経過する来年度には地域行政の条例制定を予定しており、区民の皆さんに地域行政の理念やその取組を共有していただくとともに、暮らす地域に愛着を感じていただけるよう、地域カラーのさらなる活用についても関係所管と連携して工夫してまいります。 ◆神尾りさ 委員 地域行政制度の開始から三十年という節目を迎えるに当たり、より一層区民が自分の地域に親しみを持つための取組に期待しています。  最後に、区民利用施設の廃止について伺います。  先日、世田谷区公共施設等総合管理計画の検討状況について報告がありました。区では今後、利用率の低い区民利用施設を洗い出すとともに、老朽度やニーズ等を総合的に分析し、統廃合や転用に向けた検討を進めるとしています。  一方で今般、区立老人休養ホームの廃止条例が可決されました。多くの区民から惜しまれる中、苦渋の決断であったことは推測できますが、廃止に至る経緯は、区民に寄り添う区政という観点において、とても模範的であったとは言えません。大規模改修等の計画から一転、政策転換することになり、新型コロナ禍の影響もあったことは理解しますが、指定管理の期間は何年も前から決まっていたことです。新たな政策を含めた計画の策定や、区民理解を得るために必要な時間を踏まえるべきではなかったでしょうか。今回の区の対応について政策決定をつかさどる政策経営部の見解を伺います。 ◎中村 政策経営部長 まず、ふじみ荘廃止に係る経過でございますが、平成三十年八月にサウンディング調査を実施しまして、高齢者施設の併設により採算確保は可能という回答を複数事業者から得たところです。その後、事業者の公募に向けて改めて意向確認をしたところ、近隣の高齢者施設の整備が進んでいて、採算面から参加は困難との意向が示されたところです。  引き続き再整備の検討を進めてきましたが、建物の保全改修経費や新公会計制度によるコスト分析など総合的に勘案した結果、拠点型の施設整備から身近な地域での高齢者の社会参加支援へと政策転換を図ることとし、令和二年度末をもって廃止することを本年一月に判断をして、二月に議会に御報告をさせていただいたという経過でございます。  この間、この事業者の意向に変化があって、検討を仕切り直したことから、政策転換の判断までに時間を要した点はありました。所管部においては、施設利用者に対して、今般の廃止方針や新たな取組について七回の説明会を実施してきたところです。  今後については、新たな高齢者施策の充実に向けまして全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 今回、様々な反省点があるのだと思いますが、今後も区民が愛着を持つ施設を閉館しなければならないというときが来るかもしれません。そういうときほど、区民の理解を得るための努力と時間が必要だと考えますが、今後の政策決定について見解を伺います。 ◎中村 政策経営部長 区民利用施設につきましては、地域の大変重要な財産であると考えております。今後、限られた区民利用施設をより有効に活用していくために、利用率の低い区民利用施設などについて、その理由とか新たな施設ニーズなどについて総合的に分析をしてまいります。分析の結果によっては、転用や統廃合ということも有効活用に向けての必要な選択肢であると考えておりますが、その際には、地域地区、利用者の御意見を伺いながら丁寧に進めていく必要があり、そういった期間もしっかり確保できるよう、スケジュールも含めて政策決定をしてまいります。 ◆神尾りさ 委員 最後に区長に伺います。今回、廃止条例が可決されたふじみ荘は、長年多くの区民に愛され、過去には区長も訪問し、区民と交流し、区がとても大切にしてきた施設であることが分かります。当施設の五十年間の歴史に敬意を表し、今後の高齢者施策も含め、区民のさらなる理解を求めるために、保坂区長自らが足を運ばれるなど、区としてのけじめを示すべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎保坂 区長 ふじみ荘につきましては、来年三月末をもって閉じさせていただくということになりました。この間、署名や、私のところに、大変利用者の皆さんからのお声が届くなど惜しむ声をたくさん頂戴しております。五十年の歴史の重みを感じています。熊本区長がかつて、敬老の日には、ふじみ荘を訪問して談笑したという時代もあったと聞いています。  私自身も過去に十数回、ふじみ荘を訪れたことがあります。これは福島からの子どもたちを歓迎する場面が多かったのですが、今後、施設の閉鎖に向けては、これまで利用の皆さんに代替の施設の見学会、利用案内を行うと所管から説明しておりますが、ふじみ荘に代わる高齢者の居場所や活動、そして区としての取組について一層明確にした上で、必要なタイミングで高齢者の方々にお話しし、その声に耳を傾けてまいりたいと思います。
    ◆神尾りさ 委員 今回、区民に寄り添うということが本当に欠けていたと思います。課題や反省点を踏まえ、今後の政策決定の際に生かしていただくことを強く要望し、Setagayaあらたの総括質疑を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十五分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党世田谷区議団の総括質疑を始めます。  まず、コロナ禍において、国の社会保障の制度改変から、区民の命と暮らしを守る区の取組について、大きく二点伺います。  一点目は、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  現在、厚労省は、市区町村が認めた場合には、要介護者全てを対象に、利用者が希望すれば、総合事業の対象とする省令改正を強行しようとしています。  総合事業の概要を簡単に説明しますと、平成二十六年の法改定で、介護保険の給付費削減などを目的に、要支援一、二の方々の訪問・通所サービスが介護保険給付から外されました。要支援者には保険給付の代替サービスとして、自治体が担う総合事業が提供されます。総合事業は主に二種類あります。  一つ目は、緩和型の住民主体サービスです。主に無資格者の地域ボランティアが担い手となり、地域デイが行われます。  二つ目は、介護保険と同様の事業者の従前相当サービスです。当区では、導入から現在五年目ですが、様々課題が明らかになっています。例えば総合事業を担うヘルパー養成研修受講者、世田谷区が主催しておりましたが、この受講者は二年間でたった三十四名、研修後の従事者はゼロ、平成三十年度以後、養成研修は中止と、担い手不足は深刻な状況です。  また、住民主体デイでは、現在、区の要請もあって、コロナ禍で半数が休止状態となっています。自治体の判断でサービスの代替や継続がなくてもよい、総合事業の介護基盤としての脆弱さが明らかになったと思います。  厚労省の調査でも、全国的に総合事業は、従前相当サービスが大半を占めている。多様なサービスは三割程度と報告をされています。この総合事業、広がっていない、成功していないというのが現状だと思います。  こうした中、国は来年度から総合事業の対象を現在の要支援一、二に加え、既に要介護一から五の全ての要介護者へ広げる要件緩和を省令改正で行おうとしています。既にパブコメも終了しました。これに対し、全国でも、そして区内からも、介護団体、また家族会などから危惧や抗議が表明をされています。  認知症の人と家族の会は緊急声明を発表しています。要介護認定者の総合事業移行は絶対に認められない。要介護者の介護保険外しに道を開く省令改正は撤回すべきと厳しい声明を発表しています。  概要を紹介しますが、介護保険の給付費削減の流れに沿ったものである、また、要介護者の保険給付外しに道を開くことが強く懸念される、極めて危険な内容であり、断固反対、利用者が希望すればというが、どれだけ自由意思が尊重されるか懸念などとあります。  この省令改正について、我が党の小池晃参議院議員の聞き取りで、国は自治体から要件緩和の要望があった、世田谷区からだと説明していることが分かりました。その際、説明資料として提示をされたのが、今年七月開催の全国介護保険担当課長会議資料です。それがここにあるとおりです。世田谷区はこの中で、要介護になっても通い続けられる場として、金曜倶楽部という区内の住民主体デイの活動を取り上げていまして、そしてこの金曜倶楽部からの要望として、課題というのを提示しているんです。とても小さいので見えないと思うんですけれども、ここに大きくしました。  世田谷区は、課題として国にどのように上げたかというと、ここからです。要介護認定を受けたからといって、即住民主体型サービスの利用を中止し、介護給付の通所型サービスに切り替えるより、引き続きこのサービスを利用して、地域でのつながりを継続することが重度化防止につながるものと考えていて、要件緩和が必要とは考えていると、このように課題を掲示しました。  同じ資料では、厚労省は、昨年末の社会保障審議会介護保険部会の意見書を踏まえ、総合事業対象者を要介護認定者まで弾力化するとあります。そのための自治体からの要望として、世田谷区の事例が紹介されているということなんです。  区が事例紹介をした、この金曜倶楽部の方からお話を伺いました。昨年、区と厚労省などが聞き取りに来た。うちはスタッフ五名のうち三名がケアマネなど有資格者、だから、登録者十五名のうち、九名も要介護者を受け入れることができていると。しかし、運営協力費は、要支援者数でしか支払われないので、スタッフ二人分にしかならない。要介護、要支援問わず、参加人数に応じた協力費が必要など、話したということです。  ところが、まさかこれがこのような形で国に使われて、省令改正になるなんて思わなかったなど、戸惑いと、それから苦しい胸のうちが語られました。  ここで伺いますが、まずこの課題提出の事実関係、そして今般の省令改正は、要支援から新たに要介護となった方だけではなくて、今要介護の方にまで対象を広げている。今要介護の方も総合事業を使えるというものです。  その点、区の課題認識を超えた緩和ですが、これについて区は要望したのか伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 今、委員からお話がありましたように、今年の七月三十一日の全国介護保険担当課長会議資料に記載されているとおり、世田谷区では厚生労働省からの依頼により、一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会第二回におきまして、自治体による地域特性に応じた取組の事例の一つとしまして、他の自治体とともに、介護予防・日常生活支援総合事業の住民主体による支援の取組を発表し、その中で課題を示したものでございます。  補助により実施する通所型の住民主体型サービスにつきましては、開始から五年がたちまして、利用者の約半数が要介護者となっている活動団体もあることから、要介護者が補助金交付の対象とならないことは、団体を運営していく上で課題であり、また、要介護認定を受けても引き続き地域でのつながりを継続することが、自立支援重度化防止につながるのではないかという課題を示したものでございます。  区が国のその検討会で出した資料につきましては、要支援から要介護に移った場合の継続したサービス利用について課題を示したものであり、要介護全体を総合事業の対象にするよう要望したものではございません。 ◆江口じゅん子 委員 つまり、金曜倶楽部からの要望の課題として提示しただけということですよね。しかし、私それに本当に問題を感じています。まず、区内の住民主体デイ全体を鑑みての課題ではなくて、有資格者をそろえて半数以上が要介護者という金曜倶楽部の特殊性、こういったことを無視して、課題提示をしたということです。ここまで有資格者をそろえている住民主体デイは本当に全国でもまれと聞いています。  私、区内で長く住民主体デイを主催している関係者に、この省令改正についても伺ってきました。この方は何ておっしゃったかというと、要介護者受入れは無理、うちのスタッフは全員無資格、地域デイは介護予防、送迎もしていないし、要介護者はプロで診てほしい、このようにおっしゃられていました。  区としては、課題表明に当たって、全体を把握し、慎重かつ総合的検討が必要だったと考えます。区内地域デイの全体状況の把握をされた上での課題表明だったのでしょうか、部長に伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 その点については、現段階では、過去の話ですので、認識、ちょっと把握をしておりません。 ◆江口じゅん子 委員 認識を把握していないということですけれども、少なくとも私は所管とやり取りする中ではこのように伺っています。  また、省令改正というのはもう既にパブコメも行われて、示されているわけですから、改めて区として、地域デイの実情、それから聞き取りをぜひしていただきたいと思います。  そして、もう一つ問題を感じているんですが、総合事業は区の運営なんです。国への要件緩和の前に、区として住民主体サービスの運営協力費引上げなど、検討するべきだったのではないかと思います。私、先ほどこの要件緩和について、認知症の人と家族の会の声明を挙げまして、要介護者の介護保険外しに道を開くと、こういったことを紹介させていただきました。  国は、社会保障費削減ということで、来年度からの介護保険制度改正に向けて、要介護一、二の生活援助の総合事業への移行というのを昨年来検討していました。しかし、全国市長会などから、あまりにも拙速であると、利用者への影響が大きいと、慎重を期することと要請したということもあって、この制度改正は見送られたわけです。市長会には当然世田谷区も入っております。  こういったことが背景にありながら、こういった省令改正で、要介護者の方を総合事業に振り分けるという、こうした国の方法というのは本当に乱暴ではないかなというふうに思っています。全国的にも大きな懸念が広がっていますが、区長の厚労省のこのたびの要件緩和について、認識を伺います。 ◎保坂 区長 御質問を伺っていて、幾つか問題を整理しながら答えたいと思いますが、まず世田谷区のほうでは、こちらの倶楽部、住民主体型のサービスで、大変居心地がよく、ここに継続していたいという、要支援から要介護へ移られた方がいらっしゃるので、こういった方の意思が通るように、柔軟な対処をしてほしいということを、今出されているその文面で例示をしているわけですよね。これは、今所管が答えたように、全ての要介護の皆さんについて、市町村の判断するところの、いわゆる総合支援型に全部移行させてくれなんていうことは全く考えておりませんし、言ってもいないということでございます。  現在、住民主体型であるデイサービスでは、やはりそこの倶楽部は大変ベテランの方が、有資格者もいらっしゃるということですけれども、これは地域包括ケア、ここ五年かけてだんだん積上げてきて、やっぱり世田谷区でも広がってきたという成果の部分もあると思うんです。ただ、そこは介護保険の仕組みの中で、要介護者の方が多くなってくると、それだけ運営が苦しくなるという部分があって、そこの課題というのを出したんだと思います。ただ、これは認知症条例のときにもいろいろお話し、議論しましたけれども、御本人にとってどこの場がいいのかというその自己決定権、この視点も大事だと思います。  今、委員が御懸念のように、世田谷区がこういう事例を出したことで、全国の基礎自治体が、いわば要介護の方に関して、いわゆるチェンジできますよということが、いわゆる解約です。サービスが大幅に削られて、総合支援にみんな振り落とされると、しかし、その総合支援の中身たるや、全国で一律に育っているわけじゃないということだと思います。そこのところは、そのような使われ方をもし本当にしているんであれば、それは本意ではないと、そういうことを求めたのではないということを厚労省に対して改めてしっかり伝えるということをしたいと思いますし、そういう意味で、この報告なり要望が大変大きな制度の議論の中で普遍化されるというのはそもそもおかしなことだというふうに思います。 ◆江口じゅん子 委員 本意ではないと、厚労省にも改めて意見を申したいということで、本当に大きな制度改変です。全国的にも懸念が広がっています。しっかり世田谷区としてのスタンスを表明していただきたいと要望します。  次に、国保についてです。  かねてより子育て支援の観点で、国保の多子世帯均等割の区独自減免を求めてきましたが、コロナ禍でその必要性、緊急性は高まっています。現在、国による減免が実施されています。申込みは約九千二百件、決定は約二千四百件と聞いています。  区内の食品製造業、子ども二人を持つ方からお話を伺いました。コロナはひどかった。外食店は閉まり、食品を卸せず、五月は自分と妻の給料、約十万円だった。今年度の年間保険料は三十二万円、子どもは私学、本当に大変、早く減免してほしいとのことでした。加入者に多い自営業、非正規雇用などの方々の生活が逼迫する中、減免、本当に求められています。  区には処理のスピードアップ、区長を先頭に国へ来年度以降の減免継続働きかけを重ねて求めます。  同時に、今般の減免は、国保の構造的及び都道府県化による急激な保険料高騰問題を解決するものではありません。現在二十三区統一保険料方式の当区でも、六年間の激変緩和の真っ最中、保険料抑制のための法定外繰入金を毎年減らし、保険料は毎年上昇しています。この激変緩和、本当に大きな効果額で、今年度の一人当たり保険料十六万二千百五十二円なんですが、この激変緩和がなかったら、ここにさらに七千百九十九円が上乗せになると本当にこの効果額は大きいと思います。  来年度は激変緩和の四年目、さらに保険料が上がります。コロナ禍による経済悪化が数年間続くと予測され、かねてより求めてきた国による多子世帯減免実現まで区としての時限的対応が必要です。様々優先すべき課題もありますが、改めて区長の認識、今後どうしていくのか、伺います。 ◎保坂 区長 国民健康保険のとりわけ多子世帯に係る保険料、多子世帯だけではないと思うんですが、とりわけ象徴的に多子世帯にかかって、私はこれは少子化が今一段と加速している中で、全く逆立ちした制度であると考えて、これは特別区長会でも皆さん意見一致しまして、度々国への要望に上げているところでございます。  こうした意見が届いたのかどうなのか、政府がこの五月に少子化社会対策大綱に、これは閣議決定しているわけですが、子どもの数に応じた保険料の負担軽減を図る自治体への支援をするんだということが書かれていると。書かれているということは実行されるということでなければならないので、現在今、所管を通してどういうプログラムなんだということを問合せをしているところであります。  私としてもこの間、国が動かないんであれば、自治体として区でできることはないのか、所管に指示して、その多子世帯に対する軽減の問題について様々検討させてきたところです。  今般、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、保険料の減免、これは現在行われていますどの時点まで継続されているのかちょっと定かではありませんけれども、こういう減免に対する処理をまずは優先させるという判断をしてきました。  多子世帯負担軽減につきましては、国保の制度設計者である国としっかりその議論を加速するように求めながら、区としての早期の実現を目指して、引き続き課題整理、検討を進めていきたいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 しっかり進めていただきたいと思います。  最後に、ふじみ荘について伺います。  我が党として、廃止条例可決、大変遺憾です。私は改めて条例可決後、利用者の方々からお話を伺いました。区も区長も年寄りをないがしろにしている、年寄りを全く理解していない、こんなやり方はない、代替というけれども、この年齢で新しい場所になじめるか不安、行く場所がなければ孤立してしまうなどなどを伺い、納得が全く得られていないということを実感しています。区長も区もこうした声をしっかり受け止めていただきたいです。  そして、先ほど他会派からも代替策の質疑がありましたけれども、やはりふじみ荘利用者、バスを確保すれば代替になるという区の考えは違うと、このようにおっしゃっています。これで終わらせず、さらなる工夫と努力を求めます。  この間、新たな高齢者施策について提起されましたけれども、検討には高齢福祉部が入らず、生活文化政策部と経済産業部のみということにも問題を感じています。区長として、現段階で示されている新たな高齢者施策について、代替策も含め、どのような認識でしょうか。代替策についてはさらなる工夫と努力を求めます。  また、今後、新たな高齢者施策をどうしていくのか、その方向性、具体的取組を伺います。 ◎保坂 区長 先ほど他会派にもお答えしましたが、ふじみ荘の利用者の方、あるいはこの問題に関心を持たれた方から多数の御意見をいただいているところです。私としても、高齢者を支える、また交流をする、個人で利用する場がいかに大事かということについては、改めて認識をしてきた次第です。  一方で建物の老朽化等のやむを得ない事情があって、今回廃止条例を提案し、可決成立をしていただきました。  ふじみ荘の利用者の受け皿として、千歳温水プールの健康運動室などの活用、また送迎バスを使うことで、交通の便を確保していこうということについても指示してまいりましたが、これは委員おっしゃるように、そういう場所だけがあって、そこに案内されても、それだけでは、代替とは言えないというふうに思います。  この間、高齢者の地域参加型の促進施策を充実させることを九月頭以降、担当部で申し上げていますが、高齢者の居場所づくりという点で、そこで何が行われるのか、どのような出会いがあるのか、あるいはどのようなサービスがあるのか、あるいは発見があるのか、それが示されない限り、場所だけがリスト化されても、はっきりと伝わらないということを感じています。ふじみ荘の建物を活用して多世代交流という御提案もありましたが、耐震上の問題がなかなかありまして、大規模改修などの検討を行った上で、やむなく今回の選択をしたわけでございます。  今所管に対して、改めて岡田副区長も入って、今、委員おっしゃるような元気高齢者、一方で高齢福祉が対象としている介護、介護予防、庁内一体になって、プロジェクトチームをつくり、そしてどのように具体的に利用者に関して、春以降、代替を示せるのかと、その具体像を急いでつくるように指示しているところでございます。 ◆江口じゅん子 委員 高齢者の皆さん、本当に残念で、廃止には納得していません。今の区長の方向性を示されました。参加と協働で早急の具現化をお願いしまして、以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの総括質疑を始めます。  今回、決算内容を見ますと、人口増と堅調な景気に助けられて、単年度収支も黒字と昨年はなりました。しかし、今年度は景気や雇用が本当に大きく落ち込み、また人口についても、九月前年比で微減となっているということが統計情報館で確認できました。来年は大変非常に本当に厳しいことになるというふうに予測しています。  また、しつこいようですが、ふるさと納税による財源の流出も続いています。自分の住む自治体世田谷区に納めた税金が、自分たちの生活のために有効に使われているという実感が薄いということが、やはりこのふるさと納税が止まらないという理由の一つではないかと考えています。  区民の生活に寄り添った効果的な区の予算の使い方について、今年度の今回の決算委員会でも順次質問していきたいと考えております。  初めに、昨年創設された新たな財源である森林環境譲与税について質問いたします。  昨年度は、この財源三千四百万円の交付がありました。令和元年の決算概要では税の創設目的に沿った使い方として示されていた三つの事業が順調に実施され、森林環境譲与税もこの事業の財源の一部として使われたというふうに理解しています。  私たち生活者ネットワークは、今年は倍増した七千三百万円ともなる税の使い道として、この税の使用目的を区民が理解し、森林の価値への認識を深めてもらうため、川場との連携した環境学習活動に力を入れていただくということを求めてまいりました。しかし、今年は新型コロナ感染症の影響で、予算で想定した使途では活用し切れていないのではないかと危惧しております。森林環境譲与税活用の今年度の状況について伺います。 ◎松永 財政担当部長 森林環境譲与税につきましては、区でも一般財源として歳入していますが、その使途につきましては、木材の利用の促進、啓発、森林整備及びその促進等に活用することとされております。  世田谷区では、令和二年度当初予算において、川場村移動教室、健康村里山自然学校事業等、また公共施設の木材利用の三つの事業について、森林環境譲与税を活用することとしておりました。  しかしながら、委員おっしゃるとおり、今般の新型コロナウイルス感染症による事業の中止等により、当初計画したとおりの活用は難しい状況にもございます。 ◆高岡じゅん子 委員 一般財源として交付されているということなので、今回今年度内で当初の事業が執行できなくても、返金ということはしないで済むということがちょっと確認できてほっとしています。  とはいえ、森林環境譲与税は、温室効果ガスの吸収や災害防止に役立つグリーンインフラである奥山の保全とか林業の振興とかを目的として創設された税です。今年は目的に沿った使途が達成できそうもないというわけですから、来年度以降、税の創設趣旨に沿った使い方をするために、例えば基金などに積んでおくなどということはできないでしょうか、区の見解を伺います。 ◎松永 財政担当部長 森林環境譲与税の活用を予定していた事業が計画どおりに執行できなかった場合でございますが、当該譲与税の取扱いにつきましては、例えば今年度中、他の公共事業等への活用のほか、今お話がありましたように、今後の公共施設の木材利用に係る財源としての活用も含めて、制度の趣旨を踏まえて、取扱いについては検討してまいりたいと思います。 ◆高岡じゅん子 委員 区民にとっては必ずしも身近ではない森林の価値への理解を深めて、税の負担と利用の目的や効用を納得のいくものにしていく必要があります。森林理解への啓発に加えて、自治体間連携を生かしたCO2吸収に向けたカーボンオフセットや公共施設への国産材の積極的な利用など、来年度以降でも森林環境譲与税の趣旨に合った活用が可能です。適切な形で基金に積むなど、税の創設目的に合った活用を求めます。  続きまして、住まいの確保を基盤とした福祉の充実という観点から順次質問してまいります。  九月二十五日号の「区のおしらせ」にも掲載されましたが、コロナ禍の下、増えている、低所得、生活困難に対する相談支援、特に住宅確保給付金の申込みなどの窓口として、ぷらっとホーム世田谷の機能が改めて注目されています。昨年度と比べたこの住宅確保給付金の申請と給付の状況について伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 住居確保給付金は、離職、廃業後二年以内で住居を失うおそれが生じている方に対しまして、就労支援とともに家賃助成を行う制度でございます。  新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえまして、四月下旬より要件が緩和され、休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある方も支援対象となったこともありまして、昨年度申請件数百七件であったところ、今年度の申請件数は九月十八日現在で五千七百十四件となっております。  また、本給付金を受ける条件としまして、毎月四回以上ぷらっとホーム世田谷で就労支援員との面接を受けるなど、定期的に自立支援に向けた相談をしていただく必要がございますが、支援対象を離職していない方に拡大したことから、その条件も一部緩和されております。 ◆高岡じゅん子 委員 本年度は、政府の特例的な指示もあり、昨年比六十倍以上の申請の対応を郵送とか非対面での給付決定ということもして乗り切ったというふうに聞いています。  本来、住居確保給付金は、先ほどおっしゃっていただいたように、失業状態になっている方に対して、数か月間家賃の一部を補助することで、住居地が不安定にならない状況を確保し、その間に再就職などの生活再建に向けた多方面の支援を行うための期間限定の支援だと思います。今までにない多くの住居確保給付金受給者に対して、ぷらっとホーム世田谷は今どのように対応しているのか伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 ぷらっとホーム世田谷では、所得の低下、失業の長期化など、経済的な問題と併せまして、生活上の様々な困難に直面している方からの御相談を受けて、地域において自立した生活を送ることができるよう、一人一人の状況に応じた自立支援、就労支援等を行っております。住居確保給付金の申請がされた際も、面談等を通じまして、問題解決に向け、就労支援員等が各関係機関と連携を図りながら、御本人と一緒に解決策を見つけていくことで、低所得者支援の窓口の役割を果たしております。  なお、ぷらっとホーム世田谷では、就労支援を希望される方につきまして、七月以降、面接を順次再開しておりますが、相談の受入れ件数が昨年度月平均二十件から三十件であったものが、現在月平均五十件と増加してきております。 ◆高岡じゅん子 委員 就労支援の希望者も例年の二倍近くになっているというわけですね。  生活再建がきちんとできるためには、対応する人員を確保し、個々の事情に寄り添った支援ができる体制を早急に整える必要があると考えます。区の見解を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 現在、生活困窮及び就労支援に職員二十一名で対応しておりますが、相談の受入れ件数が今後高止まりすることも考慮いたしまして、十月から就労支援員等を五名増員しまして相談体制を強化してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 人員の増加を状況をはかってぷらっとホーム世田谷の本来の使命である一人でも多くの区民の方の生活再建を実現していただきたいとお願いいたします。  今年度の特例により、コロナ禍で現金収入が激減した方は、まずは受給要件が緩和され、スピーディーに現金給付が受けられるようになった住居確保給付金を四月末以降はまず申請したのではないかと私は考えております。とはいえ、先ほども言いましたように、住居確保給付金というのは原則が三か月、延長が二回、最大九か月の期間限定の支援です。四月下旬に申請した方は、来年の一月から順次、この期限が期限切れ、支給期限切れとなっていきます。その先の現金支給のある支援制度は生活保護しかありません。住居確保給付金利用者、五千人以上いるわけなんですけれども、この一割が申請者となったとしても、新たな生活保護申請が五百件以上出されることになります。生活保護の窓口である各支所の生活支援課や、またそこの各ケースワーカーはこういった新規申請を受け止めるだけの余力が今あるのでしょうか、区の見解を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 世田谷区の生活保護の状況でございますが、令和二年八月現在で、保護世帯数は八千八百六十三世帯、保護人員数は一万二百六十一人、また、相談件数は四百七十件と前年同月比で見るといずれも若干減少しておりまして、現時点では特段増えてはおりません。  なお、生活支援課における面接担当も含むケースワーカー一名が担当しているケース数といたしましては、平均でおおむね八十七ケースとなっております。  また、住居確保給付金の支給期間は原則三か月でございますが、支給要件を満たしていれば、三か月単位で二回延長ができ、最長九か月まで利用することが可能です。
     なお、現在おおむね六割の方が一回目の延長申請をしているところです。十月以降、給付金の二回目の延長申請の際に、延長理由につきまして、実態の把握に努め、状況に応じて、ケースワーカーの体制強化については、関係所管と調整をしてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 突然の新型コロナの大流行で、保健所を皮切りに玉突き的に各種の相談支援窓口、また申請窓口のパンク状態が起こったということは、まだ記憶に生々しく残っていると思います。  国の基準を調べましたら、ケースワーカーの一人当たりの担当件数は八十件というのが基準だそうです。今でもそのラインを超えた平均八十七件を担当しているという中で、さらにこの五百件というものが、一か月、二か月の中で件数が増えていきますと、寄り添った生活支援どころか、窓口でさばき切れないという状況が起こりかねないと考えます。来年早々、生活保護申請の部署でこのような事態が起こらないように、応援体制などを早急に検討することを要望いたします。  さらに、最後の望みの綱が切れた、自分はもうこの世の中に居場所がないって感じるときに人は自殺に走ります。出口の見えないコロナ禍の中、追い詰められた気持ちになっている人には、昨今の芸能人の自殺報道など、ちょっとしたきっかけも自殺に踏み出す一歩となりかねないと考えています。まして、生活保護の申請窓口に頼ろうとして、窓口にもたどり着けない、そんな状況は決して起こしてはならないと思います。人員、財政ともに大変厳しい状況ではありますが、人員の補強についてもぜひ検討していただくように要望いたします。  九月に入りまして、介護つき有料老人ホームのチラシで、何と生活保護を受けている方の御相談も承りますといううたい文句がついたものを見かけるようになりました。このチラシでは、生活扶助と住宅扶助の合計額以下になる月額十二万円の利用料、そして入居一時金ゼロというプランで、なかなかすごいプランだなと思ったんですが、こういったものが、高齢者をターゲットにした新たな貧困ビジネスになるのでは、そんな不安も感じたところです。  生活保護とか低所得、そういった問題までいかなくても、高齢者の住まい探しというのは非常に常に困難がつきまとっています。地域包括ケア、これを世田谷も目指していますが、これは住まいを基盤とした福祉の連携、そこから実現していくものです。今の高齢者の住まい確保の支援に関しての現状について伺います。 ◎畝目 都市整備政策部長 区では、住宅に困窮する高齢者の住まいといたしまして、区営住宅や区立住宅のほか、トラストまちづくりで管理運営するせたがやの家福祉型などの供給を行ってきてございまして、本年十月に開設いたします区営住宅豪徳寺アパート一号棟では、単身高齢者用を二十六戸を確保してございます。こうした公共住宅の供給と併せまして、居住支援協議会の協力不動産店と連携し、相談者との対話により条件をお聞きしながら、区内民間賃貸住宅の空き室情報を提供するお部屋探しサポート事業を実施してきてございます。  区では、相談者の皆様がより身近な場所で御利用いただけるよう、順次総合支所での展開を進めてきており、五つの総合支所全てでのサービスの提供となります来年一月開設予定の玉川総合支所、こちらでの実施に向けまして、引き続き取組を進めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 本当に高齢独居、特に八十代に入ってから更新ができなくて新たな賃貸物件を探すというのは、本当に様々な困難を抱えることになります。  また、先ほど木密とかの改修とかの話もありましたけれども、老朽化する木造の賃貸アパート、建て替える必要があって、申し訳ないが退去してもらわなければならないというような家主のケースも見受けています。  このお部屋探しサポート、今、触れていただきましたが、これの昨年の実績について教えていただきます。 ◎畝目 都市整備政策部長 令和元年度のお部屋探しサポートにおきます高齢者の方の御相談件数といたしましては二百四件ございました。相談者の希望による条件から提供いたしました物件情報件数といたしましては九十七件でございます。 ◆高岡じゅん子 委員 なかなか本当に御高齢の方の難しいケースも多いのかと思いますが、お部屋探しサポートの相談から物件情報につながる率が、今お聞きすると半数以下ということで、とても難しいところだと思います。  お部屋探しサポートは、よく入居時の支援として、保証人が用意できない場合に、保証会社の保証料の初回の料金を支援するというようなこと、制度を早くからつくって、入居契約のハードルを下げるための支援をしてきたと聞いています。しかし、このような支援についても、昨年の利用は五件のみということで、結局入る契約のときの問題以上に、入居後、家主さんにとっては入居後の不安、最悪の場合の孤独死をいかに回避するかとか、万が一の対応というような問題が大きいのではないかと思います。  住まい探しサポート事業だけではカバーし切れない、住み替え後の支援も担える居住支援法人の活動に私たちは期待を寄せていますが、世田谷区の見解を伺います。 ◎畝目 都市整備政策部長 居住支援法人は、東京都が指定し、オーナーの不安解消を図るための見守りや外出支援など、生活全般にわたる支援や、必要な場合においては公的支援につないでいくなど、高齢者の入居支援において大きな役割を担っており、大いに期待を寄せているところでございます。  居住支援法人との連携といたしましては、お部屋探しサポートにより入居された方に対しまして、定期的に訪問し、見守りを行う住まい安心訪問サービスがございます。また、区では、居住支援法人が運営しております入居後の見守り、安否確認や原状回復費用等がセットになった保証サービスの初回登録料につきまして全額補助する制度を本年七月より開始したところで、現在、周知啓発に取り組んでいるところでございます。  区といたしましては、居住支援法人が実施する取組は、入居支援としての効果も期待され、今後さらに連携を強化していく必要があると考えてございます。引き続き居住支援協議会を中心に、高齢者等の方々が安心して住み続けられるよう取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 先ほどお話しいただいたこの七月から始まった新たな見守りのサポート、保証サービスのついているサポートですが、所管に聞きましたところ、早速一件の利用申込みがあったというふうに聞きました。ニーズというのは確かにあると思います。そこに応え切れていないところがあると思いますので、ぜひそういったものにきちんと応えていくサービスについて考えていっていただきたいと思います。  区の住宅支援のほうの所管と、それから高齢福祉などの福祉の所管、それから家主、地域の代表、不動産事業者、こういった皆さんが知恵を出し合って、協力し合って、地域に合った住宅確保の手法をつくり上げていくのが居住支援協議会の役割だと思います。区内で活動する居住支援法人も少しずつ増えています。法人ごとに提供できるサービスも様々です。  居住支援協議会の場に積極的に様々な居住支援法人を呼び、情報提供を受けたり、また、居住支援協議会のメンバーとして居住支援法人を位置づけたりしていくことが必要ではないかと考えます。  今、区内で活動している居住支援法人は幾つあるのでしょうか。そのうちに、区内に本部のある団体は幾つありますか、伺います。 ◎畝目 都市整備政策部長 世田谷区を対象エリアとしております居住支援法人は、現在十七法人ございまして、そのうちの三法人が世田谷区内に事務所を置いてございます。 ◆高岡じゅん子 委員 十七法人が活動しているというふうにいっても、これは東京全域で活動している法人が区内も指定に入れているということが多いのではないかと思います。  高齢者の見守りの仕組みというのは、各区や各自治体ごとに少しずつ異なっています。先ほどの紹介のあったお部屋探しサポートに連携している見守りサービスというのは、実は初回のお金は区が出してくれるんですが、各毎月の利用料は、高齢者の方が出さなければなりません。世田谷区には本人の利用負担などなしに利用できる電話訪問とか、緩やかな見守りの福祉の仕組みがいろいろあります。居住支援の関係者、特によその区などから活動に入ってくる居住支援法人などに、世田谷区の用意できる見守りの仕組みをより深く理解してもらい、必要な方に必要な支援が届くよう、高齢者福祉の部署から、より積極的な情報提供が必要ではないでしょうか。また、高齢者自身にもきめ細やかにサービスの周知を図っていく必要があるかと思います。  このお部屋探しサービスを使って入居するときには、自立していらっしゃると自分は思っていらっしゃって、実際自立していらっしゃるので、有料のサービスは不要というふうにおっしゃる方が多いと聞いています。でも、年を取るにつれて体が弱ったり、認知機能が衰えてきたり、皆さんします。こういった方たちを適切な福祉サービスにつなげるため、高齢福祉としてどのように対応していくのか伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 区では、居住支援協議会が主催するセミナー等で高齢者に対する施策のほか、見守り事業や救急通報システムなどのサービスについても説明を行うことにより、高齢者やその御家族だけでなく、居住支援を行う事業者の皆様にも区のサービスを知っていただけるよう取り組んでいるところでございます。  引き続き高齢者が安心して地域に住み続けていくことができるよう、居住支援協議会や居住支援法人との連携強化を図りながら、必要な高齢者福祉サービスを着実に実施してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 やはり住まいの安定ということが全ての世田谷区の福祉のサービスを使うための大前提になると思います。  質問の冒頭で、八月から九月、世田谷区の人口が微減となったということを指摘しました。そして、今決算に出された主要事務事業の成果の評価指標の中でも、介護や医療が必要となっても世田谷区に住み続けたい人の割合というものの成果指標は、残念ながら大変大きなマイナス評価というふうになっています。安心して住み続けられるということが、やはり一つ選ばれる自治体として生き残るためにとても大切なことではないかと思いますので、これから安心して暮らし続けられる世田谷をつくるために必要な公的サービスについて、決算のほかの部門でも質問していきたいと思っています。  以上で世田谷生活者ネットワークの質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時三十八分休憩    ──────────────────     午後五時五十五分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず情報化のデジタル化の問題を伺ってまいります。  国も新内閣が発足をして、新たな新しい官僚ポストで、平井デジタル改革担当大臣というのが新しく任命をされたということで、それでデジタル庁を創設すると。その長官に民間から人材を登用しようというお話のようであります。  こうした国の動きに合わせて、世田谷区も世田谷区の行政の仕事そのものも、また区民に提供するサービスも、デジタル化をしていくということが今求められているその時代の流れだというふうに思うんですけれども、今、世田谷区のICTの関連計画は、コロナが発生する前に計画をされたということでありまして、この今コロナ禍においての大変急速なデジタル化に向けた社会的な動きということにどうも対応しているのかどうかということが大変懸念をされるわけでありますけれども、その上で、見直しや計画の前倒しということを早急に検討していく必要が私はあると思うんですが、この点について、まず伺いたいと思います。 ◎中村 政策経営部長 現在のICT推進に関する区の計画は、令和五年度までの十年間の中長期的な方向性をまとめた世田谷区情報化推進計画と令和三年度までの具体的な情報化事業をまとめた世田谷区情報化事業計画とがあります。現在、この世田谷区情報化事業計画の改定に向けて、課題の整理、国や東京都の動向の把握に着手してきたところでございますが、デジタル庁の設置など加速する国のDX推進を注視しながら、必要な施策について、計画の見直しを待たず、スピード感を持って対応していきたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 それで、国と同じように世田谷区も民間からICTの推進課長を採用したということで、大変期待を寄せているところでありますけれども、せっかく民間から来ていただいて、民間から大変遅れを取っているというこの世田谷の行政をいかに進めていくのかということで、この課長にはどれだけの権限や裁量を与えていらっしゃるのかということが、私はこれを推進していく上ですごく大事なことだと思うんですが、これはどういう権限と、いつまでにどういうことを達成するのかというような目標的なものというのは依命されているのかどうか、その辺を伺いたいと思います。 ◎中村 政策経営部長 ICT推進課長は、もともとシステム導入の適用判断ですとか、庁内の情報化関連予算の取りまとめなど重要な役割を担っているポストです。お話しのとおり、今年度、民間から任期付でこのICT推進課長を採用しました。採用するに当たりまして、今後想定していますDX推進に向けた組織横断型のプロジェクトの立ち上げと、その牽引役としてのミッションをあらかじめ与えていまして、今その準備について具体的に進めてもらっているという状況です。 ◆あべ力也 委員 区長にお聞きしますけれども、国もデジタル庁という名前で新しい省庁をつくったということで、世田谷はICTの推進課って言っていますけれども、この課の名前もまだつけたばっかりで、新しいということですけれども、ただ、このコロナ禍で、デジタル推進ということに関しては様々取り上げられているわけでありまして、この担当課も、名前ももちろん、検討をもっとすべきなんじゃないかなというふうに思いますし、そのデジタル化に向けた取組に関してもしっかり推進していく、計画等も見直す、または前倒しをするということが私は必要だと思いますが、区長の見解も求めておきたいと思います。 ◎保坂 区長 この問題については、二〇〇〇年にIT革命、電子政府というのを日本では一応立ち上げて、各省庁全部取り組んで、見事に縦割りに取り組んで、うまくいかなかったと、横につながっていない。我が区もその影響を受けています。なので、計画も含めて練り直しをしなければいけないと思っていますし、目指すところは、私はエストニアで、人口は確かに少ないです。ただ、あそこまで手続を簡素化したということで、膨大な時間が国民の間に生まれたということですよね。  区職員としては、そういうITで推進できるところはもうとことんそちらに振り向けて、対人サービス、やっぱり複雑で悩みも深くなっていますので、そこは本当にアナログな、それぞれの人に寄り添ったサービスをきちんとするというふうな体質転換を行っていきたいと思っています。 ◆あべ力也 委員 しっかり取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。  それとPCR検査です。これについても一つ聞いておきたいと思います。  実は私のところにも区民の方からメールをいただいたりして、世田谷区の財源でやるということに対して、大変いろいろ御意見があるというようなメールをいただいております。ところが、当初と随分変わって、これが行政検査という扱いになって、国の補助でほとんど世田谷区の自前の一般財源を使うことなくやるというようなことは、どうも区民の皆さんはまだ存じ上げていないというか、まだ分かっていないというようなことがありまして、そういう御意見もいただくという現状がございます。  ですから、今回の行政検査に関して、世田谷は社会的検査と言われているようですが、これについても、「区のおしらせ」なんかで特集号を組んで、しっかり財源は国から出ているんだということを区民の皆さんに分かってもらうということも大事なんですが、この点について、区長、ぜひやっていただきたいんですけれども。 ◎保坂 区長 九月十一日に区の計画している社会的検査の内容については、国費の対象だという回答がありまして、続く十五日の厚労省の通知で、これはもう全額財源は取ってあるから大いにやってほしいと、そういう内容が通知されております。それを区民の方に広く知らしめていきたいと思います。 ◆あべ力也 委員 ぜひ区民の皆さんに分かりやすい広報を通じて、しっかり理解をいただくようにしていただきたいと要望しておきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 一般質問に続きまして、男女の事実婚に準じた同性パートナーの取扱いについて伺います。  さきの一般質問では、区の職員の退職手当に関する条例に規定する配偶者には、届け出をしないが、職員の死亡当時、事実上の婚姻関係と同様の事情にあった者を含むが、ここでいう事実上婚姻関係と同様の事情に合った者には同性パートナーも含まれると見るべきではないかと問いました。これに対し、総務部長からは、世田谷区においては、同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずるとする社会通念が形成されているものと評価しておりますとの御答弁がありました。つまり、上位法や都条例に縛られない区条例等の範囲では、事実上婚姻関係と同様の事情にある者とする規定、つまり、事実婚を示す規定には同性パートナーも含まれる。当区においては既にそのコンセンサスもあるとの表明だと理解をしております。  この理解の上で、区の条例、規則、要綱等を見ますと、国の上位法、都条例、また、職員の勤務条件等二十三区共通基準から外れる範囲では、既に同性パートナーも読み込め、権利保障につながるものが幾つもあるはずだと考えるのですが、いかがでしょうか。 ◎田中 総務部長 世田谷区におきましては、条例等において同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずると区が解釈し、同性パートナーの権利保障につなげられるものがございます。具体的には、総務部においては職員の旅費に関する条例や、福祉の領域においては、世田谷区感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則、また、世田谷区高齢者等紙おむつ支給等事業実施要綱などがございます。  しかしながら、例えば条例等の根拠が法にあるものや、退職手当の支給のように二十三区共通の基準があるものなど、区の解釈だけでは取り扱うことができないものもございます。  今後とも、国や他の自治体などの動向を注視し、同性パートナーの権利保障に係る情報収集に努めてまいります。 ◆上川あや 委員 同性パートナーにも適用可能な条例、規則、要綱がそれぞれあると分かりました。  しかし、一方で、それらが実際に役立つためには同性パートナーをどのように認めるのか、事務処理の規定も必要になるだろうと考えています。例えばこの春施行されました職員の休暇制度の平等では、まず、戸籍謄本から独身であることを確認し、住民票から同居の事実も確認した上で同性パートナーであることの申出を受ける書面を準備しております。類似の環境整備を他の条例等でも進める必要があるのではないでしょうか。この点は所管がまたがりますので、ぜひ副区長より御答弁いただければと思います。 ◎宮崎 副区長 これまで区のほうでは、同性パートナーシップ宣誓制度の創設を初めとして、この同性パートナーに対します差別や偏見をなくすための啓発、当事者への支援に取り組んできたところでございます。  今御指摘にありましたように、まだ同性パートナーが対象となると判断された制度についても、所管からそれぞれ申請に係る確認書類などの準備を進めてまいりましたけれども、同性パートナーであることの確認方法の整理、制度の周知などには課題が残っているというふうに思っています。  今般、コロナ禍の中で、この行政手続そのものが、各自治体がこの後、取組が始まると思います。こういう中で、今般、この同性パートナーの関係につきましても、この制度のやっぱり矛盾があると思いますので、こういうところをピックアップして点検させていただいて、その制度そのものをやっぱり通して全体を改善に持っていくということが必要だと思いますし、全ての人に使いやすい制度、こういうような取組を進めたい、こういうふうに考えております。 ◆上川あや 委員 ぜひ平等な制度にしていただきたいと思います。  続けて、特別区職員互助組合の事業についても同性パートナーの平等が足りません。特別区職員互助会は、特別区職員全体の各種保険や会員制施設事業などを運営していますが、同性パートナーにも利用可能なものは、入院サポート保険と傷害保険のみとなっています。  区は、同互助会にも評議員を出しておりますので、ぜひ改善に向け努力していただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。 ◎田中 総務部長 特別区職員互助組合は、二十三区と一部事務組合の職員の福利増進を図ることを目的とした互助組合で、保険事業や会員制施設事業などを運営しております。  現在、互助組合事業における職員の同性パートナーに対する平等という点につきましては、御指摘のとおり、入院サポート保険と傷害保険のみ職員の同性パートナーの加入が可能となっております。  互助組合には、各区長等及び職員団体により推薦された五十名の評議員から構成される評議員会が議決機関として位置づけられており、本区からも二名の評議員が事業の審議に加わっております。  区といたしましては、今後、より多くの互助組合事業における職員の同性パートナーの平等の拡充を目指して、パートナーシップ宣誓制度や同性パートナーを持つ職員の休暇制度を定めている区や、今後こうした制度を定めていく区とも連携し、互助組合の評議員会等の場を活用し、働きかけてまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひお願いいたします。  最後に、昨年の決特の席で私より提案をし、区からその改善に向け検討すると前向きな御答弁をいただきながら、いまだ改善が見られない災害弔慰金についてです。  災害弔慰金は、災害で死亡した人の遺族に五百万円を上限に弔慰金を支給する制度で、区が実施の主体です。現状では男女の事実婚なら支給対象になりますが、同性パートナーは対象外、同じ区民、納税者であっても排除をされています。  この問題について、昨年区からは、同性パートナーであること、生計を一つにしていることの確認など課題があるが、それらを整理し、支給制度を検討していくと、大変前向きな御答弁をいただきましたが、一年たつ今も改善はございません。制度的差別の解消がいつになりそうでしょうか、お伺いいたします。 ◎菅井 危機管理部長 現状の制度におきましては、法律に基づきまして、区が災害弔慰金の支給を実施しております。その支給対象となる配偶者は、事実上の婚姻関係も含め、民法上の婚姻関係にあった者のみと規定されていることから、同性パートナーへの支給は対象外となっております。  区は、性的マイノリティーも差別しない、多様性を認め合い、男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえまして、同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずるものとした災害弔慰金の支給の方策などについて現在検討を進めているところです。  その制度設計に当たりまして、請求者となる同性パートナーが制度を円滑かつ適正に利用していただくためにも、亡くなられた方と生前に同性パートナーだったことや、生計を一にしていたことなどの証明の方法、他の遺族への支給の関係など、様々な課題を整理しながら、慎重に進めていく必要があります。  まずは、今年度内を目途にこれらの課題をより具体的に検討、整理し、詳細を詰めてまいります。 ◆上川あや 委員 災害はいつ起こるとも分かりませんので、速やかな改善に努めてください。  終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、電子図書館について伺います。  平成二十五年から幾度となく取り上げ、電子図書館の必要性について質問してまいりました。前回はコロナ禍において、特に有効かつ必要である旨の質問をし、そのときの答弁では、新しい生活様式の下、図書館サービスとして検討すべき課題と認識している。今後、電子図書館サービスの活用の可能性を検討するとの答弁をいただきました。進捗状況についてお伺いいたします。 ◎林 生涯学習部長 電子図書館につきましては、コロナ禍において図書館が休館もしくはサービスの一部を休止した際の図書館サービス継続のための有効な手段であると認識しております。  現在の進捗状況でございますが、この秋、冬の新型コロナウイルス及び季節性インフルエンザの感染拡大に備えまして、十一月初旬の電子書籍サービス導入に向け、サイト構築、選書準備等に取り組んでいるところでございます。特に選書につきましては、新刊等も含め、児童書や文学など幅広い分野の資料、また、障害者の方々が利用しやすいよう読み上げ機能など、電子書籍の特性を生かした資料を中心に選定を進めているところでございます。 ◆ひうち優子 委員 ようやく導入ということで、区民の方の利便性という点、また時代の流れに合ったニーズに合う電子図書館にしていただくように、どうぞよろしくお願いします。  試行錯誤を重ねながらブラッシュアップしていただくことを要望いたします。また、既存の図書館IDとは別に、電子図書館用のIDを取得する必要があるので、その周知もしっかりとしていただくことを要望いたします。  次に、自転車ナビマーク、ナビラインの整備についてお伺いいたします。  新型コロナウイルスにより、満員電車での通勤を避けるために、自転車での通勤が増えております。また、ウーバーイーツといった自転車などによる食事宅配がブームとなり、宅配業者による交通ルール無視の映像が度々報道されております。  令和元年の世田谷区内における自転車事故件数は八百九十二件で、交通事故全体に占める割合は四一・六%と依然として高い状況です。自転車活用推進法では、自治体が重点的に実施すべき施策として、自転車専用レーンやシェアサイクル施設の整備、自転車の利用に関する交通安全に関わる教育及び啓発などが明記をされております。  そこでお伺いいたします。自転車の安全対策の柱の一つは、自転車専用レーン、自転車ナビライン、ナビマークなどの走行環境の整備であることは言うまでもありません。現在、自転車ネットワーク計画に従い、着実に整備を進めているとのことですが、今後も着実に進めていく必要があります。自転車通勤増に伴い、自転車の安全走行のための整備はこれまで以上に求められており、自転車専用レーン、法定外のブルーゾーン、自転車ナビマーク、自転車ナビラインなどの整備は止まってはならないと考えます。  特に以前から申しているように、例えば茶沢通りなど、バスが走行している道路や自転車のために十分な空間がない道路にこそ必要です。世田谷区のこれまでの具体的な実績と今後の整備予定路線についてお伺いいたします。 ◎関根 土木部長 区道における自転車通行空間の整備につきましては、平成二十七年三月に策定した世田谷区自転車ネットワーク計画に示した道路延長約百六十七キロメートルのうち、駅周辺の路線などの優先整備路線約七十二キロメートルに重点を置き、効率的かつ効果的に整備を進めております。
     令和元年度は、用賀中町通り、城山通り、馬事公苑通りなど自転車ナビマークの整備を約九・七キロメートル行いました。過年度分と合わせますと、これまでの整備延長は約三十キロメートルとなります。また、今年度は茶沢通りや等々力通りなど約六・五キロメートルの整備を予定しております。  引き続き、コロナ禍の影響による区の財政状況や自転車利用の状況、また道路の改修計画等も踏まえ、自転車と歩行者が共に安全で快適な自転車通行空間の整備を目指してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひコロナ禍でありましても、しっかりと整備を進めていただくことを要望いたします。  次に、以前に質問した新たな形のシェアサイクルについてお伺いいたします。  四月一日から二年間、二子玉川地域で短距離用民間シェアサイクルの実証実験が開始されました。世田谷区では、以前から先進的な取組として、二十四時間どこで借りて、どこで返してもよい通勤通学のコミュニティーサイクルを整備しております。現在、コミュニティーサイクル五か所、レンタサイクル二か所があり、場所によっては利用率が一〇〇%を超えており、月利用では数か月待ちのポートもございます。  今回の民間シェアサイクルの実証実験を行うことで、既存のコミュニティーサイクルは通勤通学用、そしてこれを補完する形で観光用短距離シェアサイクルといった役割分担が可能となります。  今回は二子玉川地域中心での短距離シェアサイクルで、民間事業者が店舗やコンビニエンスストアなど独自でステーションを用意しており、そのステーションの一部として世田谷区の公共用地を提供しており、運営費、システム料といったコストはかからないといったメリットがあります。また、民間用地と公共用地の連携を図り、ICカードやスマートフォンで借りることができ、無人かつ予約もでき、借りた自転車をどこのサイクルポートでも返却できるといった特徴があります。  そこで、今回の実証実験の進捗状況についてお伺いいたします。また、今後、実証実験の動向を踏まえた上で、ポートを増やす、また新たな地域への展開などが考えられますが、今後について見解をお伺いいたします。 ◎関根 土木部長 委員お話しの民間シェアサイクルの実証実験は、区のコミュニティーサイクルの補完、区民や来街者の移動利便性の向上等の効果を検証するため、二子玉川駅を中心に、成城学園前駅付近から九品仏駅付近の多摩川沿いのエリアにおいて、今年四月から開始したもので、現在、区内では実証実験に伴う区有地の無償貸付け十四か所を含め、五十四か所のステーションが設置されております。  実証実験を行っている民間シェアサイクルでの利用状況でございますが、総利用回数は、実証実験開始当初の四月は五千八百七十二回から、八月には一万一千回を超えており、十月以降二子玉川駅の民有地に新たなステーションが設置される予定であることから、今後一層の利用を期待しております。  利用の特徴としては、十五分単位の貸出しであることもあり、利用時間六十分以内が六割を超えるなど、比較的短時間の利用が多い傾向である一方で、区境を超える移動が全体のおおむね四割程度となっているなど、広域的で多様な利用も推測されている状況でございます。  区といたしましては、実証実験の進捗を踏まえながら、利用実態の把握を行うとともに、二子玉川エリアから他の地域への展開等について、民間事業者とともに検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 今後の展開について、広域乗り入れも含めて検討していただくを要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 今回の決算委員会では、テクノロジー活用による業務効率化と区民の利便性向上について具体的に提案します。  一般質問でも業務効率化について伺っておりますが、今回世田谷区は新型コロナウイルス及び財政難に対し政策方針を示し、無駄な業務の見直しに入っています。また、先日発足した菅新内閣は、安倍内閣中期以降トーンダウンしていた規制改革に取り組んでいるようで、行政改革担当大臣が縦割り一一〇番と打ち出し、具体的な困り事や提案を募集したところ、官庁内部からも応募があったそうです。  業務の効率化、仕事のふりをした無駄な作業の廃止について、権限のある管理職、声の大きい年次の高い職員については、当人の熱意と比例して、通常の業務プロセスの中で取り入れられる可能性がありますが、一方で実務を担っている現場の職員や権限、裁量のない年次の低い職員の意見まで補足した上で見直さない限り、川上の業務が圧縮されるにとどまり、川下の業務は抜本的改善がなされないまま、現体制を人海戦術や残業で維持することとなります。  具体的な見直し例として、現在、窓口でペンで記載された紙面を受理している手続についても、タッチパネル、キーボードで窓口で入力すれば、役所の内部で誰かがシステムに入力する作業はなくなります。また、定期的に連絡する官公庁、民間企業、団体等のやり取りを郵送、ファクスといった紙媒体から、部署ごと、あるいは担当者のメールに切り替えるだけで、膨大な紙を担当者へ振り分ける、届ける手作業は不要となります。内外の会議も、定例会議は全て存在意義を確認する確認のための会議、会議のための会議は、メールやグループウエア上で済ませる、発言しない人の出席は見直す、意思決定を持ち帰らずにその場で決められる権限、出席者へ見直すなど、目的に応じて形式、出席者、内容を再考すべきであり、今回の感染症による大きな変化があるからこそ、自ら変わったことのない日本人が、戦後日本の常識、規律から脱却できる唯一のタイミングであると考えています。  ここまで述べてきた組織全体への汎用的な見直しに限らず、個別具体的な業務改善提案についても、係内、課内で直接声を上げることが現実的に難しいケースもあり、また風通しのよい上長の下で属人的に改革が進んでも、区役所は定期的に配置転換もあるため、より体系的に業務改善が実現されるよう、組織として担当を設けるべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎中村 政策経営部長 業務の見直しを進めていくためには、日々区民と接して、実務を担っている職員一人一人からの積極的な改善提案を生かしていくことは重要かつ有効な手段であると考えています。特に今般のコロナ禍においては、これまでどおりの事業手法がそのまま通用しないことも多く、新たな発想や知恵が求められていると思っています。  現在、区では、職員が区の施策や業務改善に関する提案を、担当業務にかかわらず、また所属を通さずに直接政経部に提出する職員提案制度を常設しております。職員からの提案内容は、全て庁内イントラにアップして、他の職員からの意見を募った上で実施の可否を決定して、その結果もイントラにアップしてオープンにする仕組みです。  今後、この職員提案制度を活用しまして、コロナ禍での業務改善というようなテーマで、職員からの改善提案の募集を強化するほか、現在各部で進めている施策、事業の見直しに当たっても、若手を初めとした現場の声を生かした取組を促し、全庁挙げて業務改善に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆そのべせいや 委員 続いて、一般質問の最後に引用しましたが、今回区が行った申請における電子化の障壁となる可能性がある区内部の制度、慣行等の調査項目四項目のうち、多くの申請に手数料が必要ないこと、国、都の法令上の定めがある手続は区で差配ができないことを鑑みると、実質的に区が検討すべき形式的な障壁は押印と本人確認の二点となりますが、これまで押印を取り上げましたので、今回は本人確認、本人認証について伺います。  一般質問でも、押印ではない本人認証を取るべきであると提案をしていますが、今後押印の廃止を働きかけるとの答弁にとどまり、具体的な代替手段への言及はありませんでした。申請のデジタル化に必要となる本人認証手段について、世田谷区は具体的にどう対応するのでしょうか。  一つ大きな柱として、日本政府は既に全住民にひもづけている十二桁の番号マイナンバーとは別にICチップを埋め込んだプラスチック製の身分証、通称マイナンバーカードを用意しています。マイナンバーカードをメインに据える場合、現在の普及率を考えると、今後インセンティブを付与してでも普及を進めなければ世田谷区の電子申請、デジタル化は進められませんが、例えば石川県加賀市は、市長が旗を振って手続や窓口をデジタルに移行するために独自にマイナンバーカード取得者のみに商品券を配布したり、マイナンバーカードの活用によって、将来的に期待できるコスト削減の一部を還元することで電子申請が可能となる基盤を整備しているとのことです。  ほかにも、マイナンバー取得者を対象に図書館の書籍貸出しにインセンティブを与えたり、各種証明書の発行について優遇をしたり、金銭的なメリット以外も含めインセンティブを付与することが可能であると考えますが、積極的な普及率向上に向けた独自のインセンティブの付与ということについて見解を伺います。 ◎清水 地域行政部長 マイナンバーカードの普及に向けたインセンティブとして取り組まれているものとしては、自治体の独自利用としてマイナンバーカードを公共施設などの利用カードとすることや、自治体ポイントの利用がございます。  公共施設などの利用カードとしては、豊島区が平成二十九年度より図書館利用者カードとして利用を始めております。また、自治体ポイントとしては、川崎市において、同じく平成二十九年度に約一年間、川崎市実証実験ポイントを実施いたしました。  現在、総務省のホームページには公共施設などの利用者カードとしての利用は予定も含めて全国で三十六自治体、自治体ポイントの利用は全国で四十四自治体が実施しております。区といたしましては、マイナンバーカードの交付促進を再優先に努めるとともに、国や他都市の動向を注視し、研究してまいります。 ◆そのべせいや 委員 また一方で、マイナンバーカードに限らず、携帯電話会社など既に一定程度の本人確認が完了している民間のアカウントの利用や、免許証のスキャンのように既に世の中に存在する仕組みを活用することでも本人認証の電子化への対応は可能であると考えていますが、マイナンバーカード以外の本人認証への検討について伺います。 ◎中村 政策経営部長 現在世田谷区が提供しています電子申請サービスには、東京共同電子申請・届出サービスのほかに、施設の予約や図書館予約、粗大ごみの申込みなどの仕組みがございます。  まず、法に基づく申請においては、各省庁は、本人確認の際にマイナンバーカードの電子署名を使用すべきとするものが多くあります。そのほかに、区独自の手続においては、例えば施設予約や図書館予約などのように、あらかじめ事前の登録は、本人確認書類を条件として、登録後、IDとパスワードにより認証を行うものなどがございます。電子申請の拡大に当たっては、委員お話しの民間アカウントの利用や免許証スキャンなどを含め、本人認証の在り方は様々考えられますが、業務の性格によって最も合理的な方法を検討して選択をしてまいりたいと考えております。 ◆そのべせいや 委員 企画総務領域、区民生活領域で引き続きこの先の質疑は続けたいと思います。  終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、去る三月の予算特別委員会での福祉保健領域において、新型コロナウイルスに関し、あらゆるメディアやインターネット上で様々な情報が氾濫し、錯綜している状態であり、区民が必要以上の心配と不安を強いられている状況について、区に対応を質問いたしました。  私からは、大切なことは、区民一人一人がこの新型ウイルスについて正確に知り、正しい予防策を取ることであり、感染予防策の推奨のために、そして区民の不安を少しでも除去し、風評被害などをなくすために、区は、区民に対して、この新型ウイルスがどういうものか、周知、広報するべきであると申し上げました。  私は、感染症や伝染病に強い世田谷区をつくっていかなくてはならないと思っており、そのためには、どういう人が罹患しやすく、重症化しやすいのかを正確に把握する必要があると思います。  新型コロナウイルスについても、様々な研究が進んでいるところでありますが、イギリスのオックスフォード大学の調査によると、新型コロナウイルス感染症における人口百万人当たりの累計死者数は、日本の場合、七・九人とのことであります。一方で、厚生労働省の統計によれば、昨年一月から七月までの季節性インフルエンザにより肺炎を発症したことなどによる死者は百万人当たり二十三・五人であります。  今回の新型コロナ感染症と、毎年流行する季節インフルエンザ、はしか、風疹などの大きな違いの一つは、予防接種があるか、特効薬などの確たる治療法があるかないかという点で挙げられます。もちろん単純に数字上の比較だけで判断することは、できないわけでありますが、死者数には大きな差が生じております。  ただいまオックスフォード大学の調査結果と厚労省の統計を紹介しましたが、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザとの違いについて、予防の方法や治療方法の違いについて説明をお願いします。 ◎辻 世田谷保健所長 新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は、会話、せき、くしゃみなどによる口からのしぶきによる飛沫感染と、患者が触れたところにさわるなどして、ウイルスが付着した手で口や鼻をさわり、その粘膜から感染する接触感染によるもので、季節性インフルエンザの感染経路も同様です。そのため、いずれの予防にもマスクの着用、石けんによる手洗いや消毒用アルコールによる手指の消毒、せきエチケットの励行が有効であるとともに、新型コロナウイルス感染症では、これまでの知見を踏まえ、密閉、密集、密接の三つの密を避けることが重要視されております。  一方、これらの感染症の違いですが、季節性インフルエンザでは、これまでに多くの方が罹患していることや、予防接種があること、さらに複数の治療薬が既に承認され、地域の医療機関で日常的に処方が可能であることに対し、新型コロナウイルス感染症の予防接種は開発中であり、また、一般外来において用いられる治療薬はまだ確立されてはおりません。  そのため、新型コロナウイルス感染症の罹患者には、症状に応じ、解熱剤、点滴等の対症療法を施しつつ、抗体が体内につくられるウイルスを排除し、治癒することが考えられております。実際には、軽症者の多くがホテル等の療養で自然に治癒しておりますが、重症の肺炎による呼吸器症状を発症した場合には、人工呼吸器やエクモ、体外式人工肺が使用される場合もございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  続いて、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの違いについて、重症化しやすい人の違いがあるかどうか、あるとすればどのような違いがあるか、改めて説明をお願いします。 ◎辻 世田谷保健所長 新型コロナウイルス感染症では、高齢者や糖尿病、心血管疾患等の基礎疾患がある方等が重症化しやすい傾向にある一方で、小児では、感染しても軽症の方が多く、発熱や呼吸器症状がないこともございます。  また、季節性インフルエンザで重症化しやすい方も新型コロナウイルスとおおむね同様の傾向があり、高齢の方や慢性疾患を有する方では、肺炎を伴うなど重症になることがございます。まれに小児が感染し、脳症を発症する場合もございます。  季節性インフルエンザに関しましては、ワクチンの投与が重症化予防に効果があることから、区では例年、高齢者の定期予防接種に加え、小児に対しても接種費用の一部を公費で負担するなど、インフルエンザの罹患や重症化の予防に努めております。  なお、今年度は東京都の補助事業を活用し、高齢者インフルエンザ定期予防接種を全額公費負担で実施し、接種率の向上に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。私からは、先ほど申し上げたとおり、感染症に強い世田谷区をつくっていかなければならないと思っております。引き続き、新型コロナウイルスや季節性インフルエンザについて、区民への正しい知識の普及啓発を一層進めていただくよう意見を申し上げ、私からの質問を終了いたします。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 学校におけるコロナウイルスの様々な対応についてお伺いします。  本年一月に、国内初めての新型コロナウイルスの感染が確認されて以来、約八か月にわたり、次々と想定しない事態が起きております。全国規模で学校が休業になったり、外出自粛や休業要請、また一律十万円の給付金や、Go Toキャンペーンなど、私自身、こんなことは、人生を振り返ってみても、いまだかつてなかったことです。  また、我が家には、毎日、連日のように、区役所からたくさんのコロナ関係のファクスが届き、ファクスの紙やインクがあっという間になくなってしまうという事態が毎日続いております。昨日もいっぱいありました。今までこれほど世間の注目を浴びたことも、私の議員生活を振り返ってみても初めてです。  七月二十八日のBS―TBSへの出演を皮切りに、保坂区長さんが様々なメディアを通じ、PCRの検査体制の大幅な拡充を発表すると、マスコミでも大きく取り上げられて、賛否両論、大きな反響がありました。  区が実施している社会的検査は、議論を重ねた結果、介護事業所や障害者施設、一時保護所、児童養護施設、保育園、幼稚園が対象施設となっておりますが、いずれも大切な施設ですから、希望者にはしっかりと検査をして、感染拡大防止につなげていただきたいのでありますが、私自身心配なのは、この対象施設に区立の小中学校が入っていないことです。  学校には、教員は初め、新BOP、学童クラブの指導員や、校門のガードマンの方など、日々子どもたちと接する多くの関係者がいます。現に区立中学校の教員の陽性が確認され、学校を臨時休校するという事態も起きています。  そこでお伺いしますが、区の社会的検査の対象施設に今後、小中学校を含める見通しはあるのでしょうか、お伺いします。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 まず社会的検査の目的でございますが、利用されている方への感染拡大に伴う重症化を避ける、感染予防を徹底しても接触を避けられない職員からのクラスターの抑止、対象事業所で働く方のうち、感染者または感染疑いのある方に接触した可能性が高い職員に対する早期対応としております。  社会的検査は、十月一日より第一段階として介護事業所、第二段階を十一月から障害者施設、一時保護所、児童養護施設、保育園、幼稚園を加え順次実施する予定でございます。お尋ねの学校を対象施設に含める見通しにつきましては、現時点におきましては追加の予定はございませんが、国や東京都の動向に注視しながら、新型コロナウイルスや季節性インフルエンザの感染状況の推移を考慮した上で、社会的検査の効果的な実施のために、検査対象施設や検査手法等の見直しを適宜行っていき、次の段階に向けて検討してまいります。 ◆青空こうじ 委員 さて、先日も区立小学校に通う児童の陽性が確認されて、児童が在籍するクラスが二週間の学級閉鎖になりました。区では、個人のプライバシーの保護と人権の配慮から、感染事例の公表に当たっては、学校名を伏せて公表していませんが、そうはいっても、感染が起きた学校に通う児童であれば、どこのクラスが学級閉鎖になったとか分かるし、場合によっては感染した児童が誰かということまで分かってしまうこともあると思います。  コロナに関連したいじめや差別、誹謗中傷などをさせないことは言うまでもありませんが、感染した児童やその疑いのある児童がそういう目に遭わないように、子どもたちにもしっかりとそのことを教えることなど、学校での対応も必要だと思いますが、子どもたちにとっても他人事ではないこのコロナという出来事から、子どもたちの一人一人が冷静な行動や人権の尊重をすることなど、大切さを理解し、実践できるようにこの機会を捉え、教育が必要だと思いますが、この見解をお伺いします。 ◎池田 教育政策部長 これまでも各学校では、いじめや差別が決して許されないということや、インターネット上での誹謗中傷がいかに人の心を傷つけるかということについて子どもたちが学ぶ機会を持ってまいりました。  現在、多くの子どもたちが感染症への不安や不自由な日常生活によるストレスを抱えており、このことが、感染者や濃厚接触者などへのいじめや差別、誹謗中傷につながらないようにしなければならないと考えております。  教育委員会では、校長による朝礼での講話や、各学級での資料配付、校内へのポスター掲示などを通じて、子どもたちが感染症を正しく理解し、いじめや差別へとつながらないよう取り組むとともに、感染した人への思いやりや医療従事者の方への感謝の心を育むことができるよう取り組んでいるところです。  今後も教育活動全体を通じて組織的、計画的に子どもたちへの人権教育の充実に取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 もう一つ気になっていることがあります。子どもたちの学習の遅れです。今年の春には長期間休校がありましたが、これからも突発的な臨時休校や学級閉鎖で予定している授業時間がさらに少なくなる可能性があり、授業には机の上の勉強だけではなく、図工や音楽、体育など、実技や運動を伴うものもあります。子どもが自宅で取り組むには難しいものと思いますが、区は、臨時休校や学級閉鎖で生じた授業の遅れをどのようにフォローしていくのか、これもお伺いします。 ◎池田 教育政策部長 教育委員会では、学校の長期休業に伴う授業時数の不足を補うため、今年の夏休みを八月一日からとし、七月に祝日を含む九日間の授業日を設けました。また、二学期以降の土曜日授業を月一回から月二回に増やしております。さらに、長期の学校休業中に子どもたちの学習の進み方に個人差が出ていることを考慮し、夏休み中に十日間程度の補習授業を実施したところでございます。  また、濃厚接触者として確認されたことなどにより、学級閉鎖や登校停止の対象となった子どもたちにはタブレット端末を貸し出し、オンラインでのやり取りやプリント配付などを組み合わせた学習支援を行っております。  今後も新型コロナウイルス感染症による学習へのさらなる影響も懸念されますので、様々な教科をバランスよく学ぶことができるよう、各学校の学習計画の見直しなどにも取り組み、子どもたちが予定されていた学習内容をしっかりと習得できるよう取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時四十三分散会...